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  1. 世田谷区議会 2019-09-17
    令和 元年  9月 定例会-09月17日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 元年  9月 定例会-09月17日-01号令和 元年  9月 定例会 令和元年第三回定例会 世田谷区議会会議録第十二号  九月十七日(火曜日)  出席議員(五十名) 一番   つるみけんご 二番   神尾りさ 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   佐藤美樹 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  和田ひでとし 十五番  石川ナオミ
    十六番  河野俊弘 十七番  宍戸三郎 十八番  津上仁志 十九番  福田たえ美 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 畠山晋一 二十七番 山口ひろひさ 二十八番 真鍋よしゆき 二十九番 高橋昭彦 三十番  高久則男 三十一番 平塚敬二 三十二番 桜井純子 三十三番 中村公太朗 三十四番 藤井まな 三十五番 桃野芳文 三十六番 ひえしま 進 三十七番 阿久津 皇 三十八番 加藤たいき 三十九番 菅沼つとむ 四十番  板井 斎 四十一番 佐藤弘人 四十二番 岡本のぶ子 四十三番 羽田圭二 四十四番 風間ゆたか 四十五番 中塚さちよ 四十六番 大庭正明 四十七番 田中優子 四十八番 下山芳男 四十九番 おぎのけんじ 五十番  上島よしもり  出席事務局職員 局長     平澤道男 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 末吉謙介 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    宮崎健二 副区長    岡田 篤 世田谷総合支所長        志賀毅一 北沢総合支所長        髙木加津子 玉川総合支所長        岩元浩一 砧総合支所長 澤谷 昇 烏山総合支所長        西澤 滋 政策経営部長 中村哲也 交流推進担当部長        小澤弘美 総務部長   田中文子 財務部長   進藤達夫 生活文化部長 松本公平 地域行政部長 清水昭夫 スポーツ推進部長        内田政夫 環境政策部長 本橋安行 経済産業部長 田中耕太 清掃・リサイクル部長        原田茂実 保健福祉部長 板谷雅光 高齢福祉部長 長岡光春 障害福祉部長 片桐 誠 子ども・若者部長        澁田景子 児童相談所開設準備担当部長(子ども・若者部長兼務)        澁田景子 保育担当部長 知久孝之 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        畝目晴彦 みどり33推進担当部長        笠原 聡 道路・交通政策部長        五十嵐慎一 土木部長   関根義和 教育長    渡部理枝 教育次長   淺野 康 教育政策部長 池田 豊 生涯学習部長 皆川健一 総務課長   菅井英樹     ──────────────────── 議事日程(令和元年九月十七日(火)午後一時開議)  第 一 代表質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、会議録署名議員の指名  二、会期の決定  三、諸般の報告
     四、日程第一 代表質問     ────────────────────     午後一時開会 ○和田ひでとし 議長 ただいまから令和元年第三回世田谷区議会定例会を開会いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 これより本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 本日の日程はお手元に配付の議事日程のとおりであります。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 まず、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   三  番 そのべせいや議員   四十八番 下山  芳男議員 を指名いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、会期についてお諮りいたします。  本定例会の会期は、本日から十月十八日までの三十二日間とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」呼ぶ者あり〕 ○和田ひでとし 議長 御異議なしと認めます。よって会期は三十二日間と決定いたしました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、区長から招集の挨拶の申し出があります。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 令和元年第三回世田谷区議会定例会の開催に当たり、区議会議員並びに区民の皆様に御挨拶を申し上げます。  まず、九月八日から九日にかけて上陸、通過した台風十五号は、区内での最大瞬間風速三十五・二メートル、夜半から翌朝までの総雨量は最大で百四十二ミリを記録いたしました。また、区内で強風にあおられ、亡くなられた方にお悔やみを申し上げます。  被害の大きかった千葉県では、長期間の停電が日常の暮らしに大きな影響を及ぼすなど、強風による停電などのリスクへの備えの必要性を強く認識いたしました。今回の件を教訓に至急チェックをかけるよう指示いたしました。  世田谷区がオーストリアのウィーン市ドゥブリング区と姉妹都市提携を結んでから三十五周年を迎え、六月二十九日よりドゥブリング区、ダニエル・レッシュ区長を初めとする代表訪問団が世田谷区を訪れました。姉妹都市交流に尽力され、四十年にわたって区長を務めたティラー前区長からバトンを引き継いだレッシュ区長は、三十四歳と若く、今後の姉妹都市交流提携の深化、発展を互いに誓うための調印式をこの議場で行い、特別名誉区民の称号を差し上げました。十月には、私も現地を訪れ、再調印式を行う予定でございます。  七月二十八日には、台湾・高雄市文化センターにおいて、千里という遠い距離を音楽で結ぶと書く「千里音縁」と題した青少年交流コンサートが行われました。昨年、高雄市の青少年交響楽団は、世田谷区を訪問し交流コンサートを実現しています。音楽監督を務める作曲家の池辺晋一郎さんと指揮者の伊藤翔さんとともに、せたがやジュニアオーケストラのメンバー五十七人が現地を訪問し、私も参加してまいりました。ステージは大変すばらしく、とりわけフィナーレの共演は、会場を埋めた千七百人の観客から拍手が鳴りやまないほどでありました。  林思伶高雄市文化局長とも会談をしまして、双方の美術館、文学館、文化ホールや図書館などの資源を活用し、文化、芸術、スポーツの交流を今後深めていこうと話し合いました。これまでの交流を進めていただいた区議会を初めとした関係者の皆様の御努力に改めて感謝いたします。  八月三日、四日には、第四十二回せたがやふるさと区民まつり世田谷区民会館、区役所中庭、若林公園で開催され、約四万三千人の来場者がありました。  区民まつりの初日には首長懇談会を開催し、十三の区市町村に参加いただきました。災害時の連携・相互支援や自然エネルギーの地域間連携、障害者就労などについて、幅広い意見交換が行われました。また、今年度の開催について準備を進めている自治体間連携フォーラムでは、従来の自治体同士の交流に加えて、世田谷区内の大学ネットワークと結びつく可能性を探っていきたいと考えております。  二〇一四年度、平成二十六年度を初年度といたします基本計画も折り返しの六年目となりました。人口九十一万六千百三十九人を数える世田谷区において、超高齢社会を地域福祉のネットワークで受けとめることや、子ども・子育て応援都市としての子どもの実態に寄り添い、子ども施策と児童相談所の設置をメルクマールとした子どもの安全と成長を支える体制の構築が重要であります。  まず、高齢者の認知症条例に向けた課題です。  ことし閣議決定された認知症施策推進大綱の中で、国は認知症の発症をおくらせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、共生と予防を車の両輪として施策を推進するとしております。  世田谷区は、二〇一三年度、平成二十五年度に国の認知症初期集中支援チーム設置促進モデル事業に全国十四の市区町村の一つとして先駆的に取り組んだことから、本年一月には、根本匠厚生労働大臣の視察を受け、事業の効果や課題などの意見交換を行い、大臣より国の認知症施策推進大綱の検討に生かしたいとの感想もいただきました。  また、来年四月には梅ヶ丘に完成する「うめとぴあ」の区複合棟の中に、本格的な全区拠点として認知症在宅生活サポートセンターを開設し、同所に移転してきます福祉人材育成・研修センターとともに、認知症を取り巻く専門職の育成や情報発信、家族支援などを行ってまいります。  現在、世田谷区で認知症として要支援・要介護認定を受けている方だけでも、既に四月時点で二万三千人を数えておりまして、ここに軽度認知障害、MCIの方を含めると四万七千人を超えているとも言われています。  医療技術の進化が大変著しい現在でも、認知症に効く予防薬、あるいは根本的治療薬はなく、誰もが認知症になる可能性があります。ほんの少し前までは、認知症になると何もわからなくなると誤解されてきましたが、決してそうではないことが明らかになってきました。  認知症になっても、暮らしていく上で全てを失うわけではなく、部分的に記憶障害が起きて物忘れが目立ち、時間、空間が錯綜する見当識障害が生じますが、本人の意思や感情は十分にあることがわかってきています。直近の記憶はなくても、過去から集積された経験や記憶は残り、尊厳と希望を持って自分らしく生きることは可能です。  まずは、認知症になったら全てを失う、かつての人格はなくなり別人となってしまう、子どもと同様になるなどの偏見を、認知症当事者の周囲の家族や地域からなくしていくことが必要です。認知症になっても当事者が尊厳を持って、偏見や差別に脅かされずに自分らしく生きていくことができる環境が必要です。  区では、区民の方々に正しく認知症を理解してもらうと同時に、たとえ認知症になっても、その方本人の意思や人権が尊重され、認知症になっても安心して自分らしく暮らせる町、世田谷を目指して、条例制定の検討を進めております。  現在、福祉・介護施設の方や医療関係者、御家族、そして認知症当事者を交えてワークショップを開催し、御意見をいただいているところでありますが、認知症当事者が議論に参画し、希望を持って生きていくことができる地域社会づくりを目指していきます。議会や区民の皆様の御意見を反映させながら条例の制定に取り組んでまいります。  次に、児童相談所の開設についてです。  去る八月二十二日の閣議で当区を児童相談所設置市として指定するための政令が決定され、二十七日に公布されたところであります。これを受け、児童相談所の設置及び設置に伴い区に移管される事務について定める条例案を御提案しています。  いよいよ十月以降、東京都と具体的なケースの引き継ぎを開始することになりますが、子どもの命と人権、安全確保を最優先に考え、慎重かつ丁寧な準備を重ねて、来年四月の児童相談所開設を迎えたいと思います。  本年六月にも、北海道札幌市において二歳女児が虐待により亡くなるという事件が発生しました。亡くなられたお子様の御冥福を心よりお祈り申し上げます。  今回の悲劇の背景として、児童相談所の職員がたくさんのケースを抱え過ぎていて、限界を超えているとの指摘もあり、区の児童相談所開設に当たっては、適切な運営を可能とする人材の確保、育成に取り組むことの重要性を改めて認識させられたところであります。  昨今の児童虐待事件を受け、国会で法改正がありました。児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律が、六月二十六日に公布され、親権者などによる体罰の禁止や児童福祉司などの配置基準の見直しなどが新たに規定されました。  国が示した新たな児童虐待防止対策に、区の児童相談所が開設当初から対応していくための計画の見直しや、これまで区が行ってきた関係機関との協議・調整結果を取りまとめ、これらを反映した世田谷区児童相談所設置・運営計画の最終の更新を行い、議会にもお示ししてまいります。  関連しまして、子どもの生活実態調査についてであります。  日本では、約七人に一人の子どもが相対的貧困の状態にあると言われています。子どもの貧困は、単にお金がないというだけではなく、生きる、育つ、守られる、参加するという子どもの権利が保障されないリスクを高め、社会的孤立にもつながります。  区では、来年度からの世田谷区子ども計画(第二期)後期計画の策定に向け、子どもの貧困対策の充実を図るため、昨年度、子どもの生活実態調査を実施いたしました。  調査は、区内在住の私立、国立を含む小学五年生、中学二年生の全ての子ども、保護者を対象に実施し、有効回答率が四二・九%に上りました。調査結果から、世田谷区内で一割を超える子どもが経済的な理由などによる生活困窮を抱えていて、食や体験、学習、人間関係、健康面などで影響を受けていることがわかりました。  調査結果を踏まえ、区職員のみならず、民生委員児童委員、青少年委員、子ども食堂の関係者、子ども・子育て支援団体、地域活動の関係者を対象に、区の子どもの貧困の実態について理解を深めるための報告会を開きました。七月、八月にかけて計三回の報告会に八百人以上の方々が参加しましたが、参加者からは、報告を聞いて、余り知らなかった子どもの貧困の具体的な姿を理解することができた、日ごろ感じていた子どもの貧困の実態が数値で裏づけられた、地域の大人として身近にできることをしていきたいといった声が寄せられています。  調査分析を担われた首都大学東京子ども若者貧困研究センター阿部彩センター長からは、子どもの貧困は、経済的な困窮だけにとどまらず、子どもの学力、健康、自己肯定感、人間関係などへ負の影響を及ぼし、社会的孤立へつながるという指摘を受けました。区における子どもの貧困は見えづらくても確実に存在をしています。調査によると、困窮層の保護者の約七割が、七〇%が、お金がなくて必要な食料を買えなかったことがあると回答しており、食料に困窮する子どもの実態がわかるなど大変衝撃的な結果でありました。  ことし六月に、改正子どもの貧困対策法が成立し、区市町村の子どもの貧困に関する計画策定が努力義務となりました。区では、教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労支援、経済的支援、支援につながる仕組みづくりの五つの柱をもとに、効果的な施策推進のため、貧困対策推進連絡会での議論を深め、全庁的に子どもの貧困対策を進めてまいります。  次に、これからの教育をめぐる論議についてであります。  時代は、大きな変化のただ中にあり、教育現場は転換期にあります。これまでの世田谷区総合教育会議では、学力観をめぐる価値観の変遷について多くの議論を重ねてまいりました。一九六〇年代を中心とした高度経済成長期には、メイド・イン・ジャパンの工業製品輸出国として期待される人間像が要望されました。工場で働く労働者が素早く、正確に、また決められたとおりに物を仕上げていく力、すなわち高い処理能力が求められました。  一方、来年度から始まろうとしている新学習指導要領がうたう主体的、対話的で深い学びとは、必要な学びを暗記能力や処理能力に一面化するのではなく、子ども自身が主体的に学びの動機と意欲を持ち、試行錯誤を繰り返すことをいとわず、深く考え、身体に刻んでいく学びが語られています。必ずしも正解のない、人類共通の生存の危機である気象異変などについて、悩みながらどうアプローチするのがいいのか、独創的な発想や個性ある論理構築、分析する力など、必要な時代であります。  身体に刻みこむ深い学びは、テストが終わるとすぐ忘れるような表層のレベルの知識ではなく、これからの子どもたちが生きる予測不可能な時代に、人生の大切な局面で経験知として役立ち、一人でできないことも、仲間と相談した上で、知恵を出し合い、難しい課題にも挑んでいく力となっていきます。  太古の昔から、学びとはすなわち生存するため必須のものであり、人が生き抜くための知恵、技術、方法を獲得していくことでありました。近代社会になり、教育内容が各学科に細かく分離され、現実的な社会から離れて教科としての体系の一部を覚え込む抽象度の高い学習となり、その集積が試験などで問われる社会となりました。もう一度学びを現実に引き戻し、一人一人の子どもの未来につなげて学ぶことが問われています。  七月二十五日に世田谷区民会館ホールにおいて、世田谷教育推進会議の「社会に開かれた教育課程について」と題する天笠茂先生による講演がございました。続いて、世田谷区総合教育会議の冒頭では、渡部教育長による区立尾山台小学校におけるキャリア教育の実践について、「子どもの自己肯定感をはぐくむ」とのテーマで報告がありました。学校から町へ、商店街へ、さまざまな仕事の場に子どもたちが出ていき、一年生と六年生など異年齢の子どもたちがペアとなり交流を続けるなど、生き生きとした様子が語られました。  教育長の報告の後、さきのこれまでの学びの質の転換について、教育委員それぞれから感想と今後の教育への意見が交わされました。また、二〇二一年度、令和三年度に開設予定の教育総合センターへの課題と役割を見据えた議論がされました。  ここからは、基本計画の分野別の施策に沿って主な取り組みを述べます。  まず、健康福祉の受動喫煙防止対策についてです。  屋内での受動喫煙防止対策については、この七月から国の改正健康増進法と東京都受動喫煙防止条例の一部が施行され、九月から都独自の規制として飲食店内における喫煙状況の店頭表示などが施行されています。区は、七月から制度や個別の相談にお答えするコールセンターを設け、九月一日現在で二十三件のお問い合わせをいただいています。来年四月一日の全面施行に合わせ、今後も丁寧に啓発を進め、理解促進に取り組んでまいります。  次に、高齢者福祉についてです。  高齢者人口の増加に伴って介護需要が高まる中、今年度は四カ所の特別養護老人ホームを開設するなど、基盤整備を計画的に進めています。一方、現場を支える介護人材の確保は日に日に厳しさを増しており、区では介護の資格取得にかかる費用助成などに加え、介護事業者に対し、介護人材の採用活動経費に対する助成事業を七月から開始いたしました。  この夏、介護現場で働くことの社会的意義と有用性を次世代に伝えるため、区内二十カ所の特別養護老人ホームの協力により、「夏休み自由研究」と題した親子介護施設体験を開催し、小学生と保護者を合わせ百八十三人が参加いたしました。  現在、区内の介護事業者やハローワーク、介護福祉士養成校などを構成員とする検討会において、介護人材の確保、定着に関する現状と課題を共有し、介護人材の確保、育成、定着に向けた取り組みを推進してまいります。  次に、医療的ケア児などを育てる世帯への支援事業とふるさと納税の活用についてであります。  医療的ケア児を育てる御家庭では、保護者が医療的ケア児の自宅看護にかかり切りになるため、他の兄弟姉妹が保護者と一緒に過ごす機会が少なくなり、兄弟姉妹への支援が課題となっています。来年度、医療的ケア児と兄弟姉妹の支援のため、ふるさと納税を活用して医療的ケア児の御家族を対象に、キャンプなどの外出イベントに招待する事業を実施します。外出が困難な医療的ケア児などを対象に、人形劇や小演劇、紙芝居などのデリバリーも企画に含めてまいります。全国に情報発信し、区内外の皆さんに医療的ケア児のファミリーに楽しいひとときと笑顔を、を訴え、十月からふるさと納税による寄附を募集いたします。  次に、子ども若者・教育から幼児教育の無償化についてであります。  幼児教育・保育の無償化につきましては、十月からの円滑な制度実施に向け、本定例会へ関係条例を提案いたします。国は、無償化の対象を幼稚園、保育所、認定こども園、国の基準を満たす認可外保育施設などとし、基準を満たしていない施設についても五年間に限り無償化対象とし、一方で自治体が条例などで判断することは妨げないとしています。  この間、区は保育園整備に当たって量的拡大と質の確保、この両立を原則として、子どもの生命と安全が最優先され、全ての保育施設で子どもを中心とした保育が実践されることを目指してまいりました。  今回、区が取り組んできた保育の質を確保するため、今から一年半の移行期間、猶予期間を設けた上で、基準を満たす認可外保育施設のみを無償化対象に限定するための条例を準備、二〇二一年、令和三年四月からの施行を目指します。なお、来年四月から児童相談所の移管に伴い、認可外保育施設に対する指導権限が東京都から区に移管をされます。区としては、認可外保育施設の実態把握に努めるとともに、基準を満たしていない施設に対しては基準を満たして無償化対象となるよう支援、指導を通して改善を求めてまいります。  次に、学校の安全安心についてです。  耐震再診断が必要だった区立小中学校二十八校についての診断結果が本年五月末までに全て判明いたしました。区では、速やかに耐震補強工事に着手するため、本定例会に補正予算案を提案しております。  本年も梅雨明けから猛暑が続きました。児童生徒の健康に配慮した教育活動の実施や災害時の避難所機能にも留意し、順次、学校体育館の空調設備取りつけ工事を進め、この夏までに既に十八校に設置を終えました。引き続き、設置を進め、来年の夏までに全ての小中学校の体育館に空調設備を設置いたします。  防犯カメラの設置については、東京都の補助制度を活用し、区立小学校全校の通学路に三百十台を昨年度までに設置いたしました。国は、登下校防犯プランを策定し、都でも新たな整備補助事業を今年度から開始しました。区は、昨年度の緊急合同点検で、防犯カメラの要望があった箇所を中心に、さらに二カ年で百台を設置できるよう取り組んでまいります。  次に、暮らしコミュニティーから地域行政条例と車座集会についてです。  私にとって三回目となる車座集会を九月七日から開催しており、来年二月まで全地区で行ってまいります。  一九八〇年、昭和五十五年ごろ、約八十万人近くの人口を抱えていた世田谷区は、既に政令指定都市と肩を並べる規模の自治体でした。地域行政制度は、当時、自治権拡充を高く掲げるとともに、地域内分権の充実に取り組むことから制度設計されました。  一九九一年、平成三年、世田谷区独自の地域行政制度を導入してから二十八年、行政運営の土台として機能し、幾つかの変遷を遂げてまいりました。これまでの間、社会環境の変化は著しく、地域社会の姿も変容しています。また、地域行政制度の始まった九一年当時の人口七十七万四千人から十四万人余りふえて九十一万六千人となり、遠くない将来、百万都市へと成長することも推計の範囲とされます。こうした時機を踏まえ、これからの時代にふさわしい自治体の運営の形を明らかにする必要がございます。  構想から四十年、制度開始から二十八年の地域行政制度の歩みを振り返り、検証して課題を明らかにし、仮称地域行政検討委員会での検討や議会の場での御議論をいただき、将来にわたり継続していくように条例化に取り組んでまいります。  また、二十八地区のまちづくりセンターで区民の皆さんと意見交換する車座集会の場でも、世田谷区独自の地域行政制度をメーンテーマとした意見交換のほか、身近な行政課題や区民の皆様の御意見、提案も伺い、今後の条例検討や区政運営に生かしてまいります。  次に、都市づくりから、三軒茶屋駅周辺のまちづくりについてです。  世田谷区の東の玄関口である三軒茶屋は、魅力ある商業や文化・ビジネスが集積し、多くの来訪者があり、パブリックシアターなどが文化を発信し、にぎわいと活気にあふれた広域生活・文化拠点に位置づけています。  区では、駅周辺地区について、これまで三軒茶屋が培ってきた魅力を継承し、さらなる商業や文化、ビジネスの拠点としてのにぎわいをつくり出し、交通環境の利便性を向上させ、国道二四六号線などで分断されている長年の課題解決など視野に入れまして、ことし三月に町のグランドデザインとなる三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針を策定いたしました。  今年度からは、ここに掲げるビジョン、進化し続ける交流のまち三茶の実現に向け、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本計画の策定を進めてまいります。既に都市デザインにおいて専門的な知見や経験を有する学識経験者などで構成する検討委員会で議論を始めております。さらに今後は、区民、事業者などさまざまな方々が参加する組織の設置やシンポジウムの開催など、幅広く議論を重ねながら、世田谷区をリードする広域生活・文化拠点の実現に取り組んでまいります。  今議会には、各分野における計画、方針の改定に向けた考え方の検討状況を御報告させていただいています。  まず、健康福祉分野からは、世田谷区子ども計画(第二期)後期計画の素案です。暮らし・コミュニティの分野からは、世田谷区環境基本計画(後期)の素案、世田谷区一般廃棄物処理基本計画中間見直し(素案)です。そして、都市づくりの分野からは、世田谷区交通まちづくり基本計画(中間見直し)(素案)及び世田谷区交通まちづくり行動計画(素案)です。全体の区政を推進する中では、公共施設等総合管理計画見直しの考え方をそれぞれお示しいたしました。  それぞれ重要な計画であり、区議会での御質疑、パブリックコメントなど区民意見を受けとめながら、計画の策定を進めてまいります。  あわせて、本庁舎等整備につきましては、着実に実施設計を進め、令和二年度末ごろの着工に向け、しっかりと準備をしてまいります。  平成三十年度決算は、新公会計制度を用いた最初の決算報告になります。とりわけ主要施策の成果におきましては、新実施計画(後期)事業を対象とし、新公会計制度、企業会計を活用した分析、評価した結果を御報告させていただきました。この分析では、事業のフルコスト及び事業実施単位当たりのコストを算出するとともに、事業の成果を成果指標により量的に把握し、客観的な達成度を明らかにすることができ、達成に至らなかった事業については、その要因を分析し、課題を明確化いたしました。また、フルコスト、単位当たりコストに基づく分析により、各事業の取り組みごとに経費の適正化に向けた課題も抽出しております。  区では、これらの分析を参考にするとともに、必ずしも数値化されにくい分野や事業の存在も念頭に置き、事業の点検と成果検証、再編に取り組んでまいります。さらに、効率化や成果の最大化を図り、新実施計画を着実に進めてまいります。  最後に、決算及び補正予算についてです。本定例会で御審議いただく、平成三十年度の各会計歳入歳出決算の概要について申し上げます。  一般会計の決算ですが、歳入は、特別区税が、前年度比で三十一億八百万円の増、特別区交付金が前年度比で百二十二億五千万円の増となった一方、地方消費税交付金が税制改正などによる配分方法の見直しにより、前年度比で二十六億六千二百万円の減となったことにより、歳入総額は三千九十四億九百万円、前年度と比較して二・二%の増となりました。  歳出は、私立保育園運営費や道路用地取得経費、財政調整基金への積立金の増などにより、歳出総額が二千九百八十一億二千六百万円、前年度と比較して一・〇%の増となりました。この結果、平成三十年度決算の実質収支は七十六億六千八百万円となりました。  なお、年度末における基金残高は九百八十三億七千五百万円となり、昨年度に引き続き、特別区債残高六百四十七億四千二百万円を上回っております。また、平成三十年度の財政健全化判断比率についても、引き続き健全な状況を維持しました。  次に、補正予算案について申し上げます。
     このたびの補正は、一部学校施設における耐震再診断を踏まえた耐震補強工事及び改築工事の対応や、区立特別養護老人ホームなど老朽化した公共施設の改修工事、区立小学校の登下校区域への防犯カメラの設置など、喫緊の課題に対応するための経費を計上しているものであります。  あわせまして、国民健康保険事業会計など三つの特別会計につきましては、前年度繰越金の確定などに伴う補正を行っております。全ての会計を合わせますと、七十五億八百万円の増額補正となっております。  本議会に御提案申し上げます案件は、「令和元年度世田谷区一般会計補正予算(第二次)」など議案四十二件、認定五件、報告三十四件です。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御議決賜りますようお願い申し上げて、御挨拶といたします。 ○和田ひでとし 議長 以上で区長の挨拶は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔井上次長朗読〕  報告第四十三号 平成三十年度世田谷区財政健全化判断比率の報告外報告三十三件 ○和田ひでとし 議長 以上で諸般の報告は終わります。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 これより日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○和田ひでとし 議長 質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、公明党を代表して、四十二番岡本のぶ子議員。    〔四十二番岡本のぶ子議員〕(拍手) ◆四十二番(岡本のぶ子 議員) 九月八日に関東地方を直撃した大型の台風十五号の影響は大きな爪跡を残し、中でも千葉県では、風雨や倒木により送電設備等が倒壊し、一週間が経過した現在も約六万六千戸で停電が続き、不自由な生活を余儀なくされている方々が多く存在しています。改めて被災された全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。  今、日本の国土は、高度経済成長期に整備された多くの公共インフラの老朽化の更新時期と重なり、頻発する自然災害にどう立ち向かっていくのか、百年に一度の災害ではなく、毎年起こり得る災害と捉え、自治体運営に取り組むことが重要です。  公明党は、防災、減災、復興を政治と社会の主流に押し上げ、地域の災害対応力の強化などに引き続き全力を挙げてまいります。  来月から消費税率が一〇%に引き上げられます。軽減税率とともに消費税増税分は、我が党が訴えてきた教育の無償化や低年金者への加算などに使われ、全世代型社会保障が本格的に始まります。円滑に取り組みが進むよう区として万全の体制を求めます。  激動する国際社会への対応や人口減少社会における景気対策等、政策課題を力強く進めてほしいとの国民の皆様の期待の声が高まっております。私どもは、こうした多くの国民の衆望を担い、小さな声を聴く力を存分に発揮することこそが公明党の地方議員の役割と深く肝に銘じ、本区に山積する課題に果敢に挑戦していくことをお誓いし、公明党世田谷区議団を代表して、順次質問をしてまいります。  初めに、持続可能な行政運営について二点伺います。  第一に、新公会計制度導入に伴う決算における新たな事業評価についてです。  本定例会における決算審査が新公会計制度導入後、初となります。改めて導入後のコスト分析を含め、どのように活用するかが最重要であることを強く求めておきます。例えば民間企業における業績は決算で判断されます。予算は事業計画の目標でしかなく、企業活動の成否は決算で判断され、決算をおろそかにした企業は粉飾企業として糾弾されます。  一方、自治体では予算が重要で、予算を獲得するために、各部は懸命になります。ところが予算額よりも少ないコストで行政運営を行っても、その所管が評価されることはなく、これでは職員がコスト削減に努力するはずもありません。もちろん社会保障給付費のように、予算どおり執行してもらわなければ区民が困る支出もありますが、業務改善による業務効率と利便性の向上で人件費を抑制し、施設運営費や委託費などコスト削減が見込まれる事業が多いのも現実です。  新公会計制度導入を契機に、行政運営が決算で評価されるようにならなければ日常的な職員のフルコストに対する意識改革と区民への説明責任を果たす新たな事業評価の見える化には至りません。見解を求めます。  第二に、公共施設整備における新たな手法として複数年度の概算経費を明記した改修整備計画の策定を提案いたします。  一定期間急激に公共事業が増加しても、それらが短期間で終わることが予測されれば、区内の土木・建築関連企業には人材育成や設備投資など供給能力の拡大を選択する余地がありません。恒常的な仕事の将来見通しがなければ中長期的な投資は生まれません。例えば区が計画予定の工事の経費情報をより具体的に公表していただくことで、企業の働き方改革への取り組みを初め、設備、人材、技術投資への押し上げとなると考えます。区の見解を伺います。  次に、自治権拡充を見据えた地域行政条例の策定について二点伺います。  区は、独自の地域行政制度の導入から二十八年を経て、このたび百万都市世田谷にふさわしい自治体経営の姿を明らかにする時期が来ているとし、地域行政条例の制定に意欲を示されております。我が党としては、自治権拡充の獲得のための条例であるべきとこれまで提案し、議論してまいりましたが、区長は本年第一回定例会の我が党の質問に対して、もう一度地域行政制度を再定義しながら自治権拡充に向かうぞという機運をぜひつくってまいりたいと答弁されました。しかし、先般の区からの説明では、自治権拡充と地域行政条例の検討が個々に進められるように見受けられます。なぜならば、区から地域行政条例について具体的に示されたものは、半年にわたる車座集会のスケジュールのみであり、これでは身近な困り事や相談を傾聴するだけの繰り返しとなり、理念だけの条例制定になるのではと危惧します。  ここで区長に質問いたします。  第一に、車座集会に集われた区民に対し、どのように地域行政制度を再定義し、自治権拡充に向かう機運醸成を図っていくおつもりか、区長の決意を伺います。  第二に、既存の枠組みに捉われない検討についてです。政令指定都市や中核市への移行や都区制度の改善を前提としないとしていますが、区が自立をかち取るために区長の自治権拡充へのビジョンを改めてお示し願いたい。  次に、未来への投資、教育費負担軽減について、五つの観点から伺います。  第一に、幼児教育無償化についてです。  いよいよ十月から幼児教育の無償化が実施されます。区は、認可外保育施設での保育の質を確保するため、指導監督基準を満たしていない施設を二年後の令和三年四月から無償化の対象外とする方針を示しておりますが、基準を満たしていない施設に対し、区として早急に具体的な移行支援施策を提示すべきと考えます。見解を伺います。  また、無償化の対象にベビーシッター事業が入り、多様な保育を必要としている保護者にとって朗報です。しかし、需要が多く見込まれるゼロ―二歳児は非課税世帯のみが対象であり、東京都は独自のベビーシッター利用支援事業を既に始めております。区も早急に都の事業を活用し、保護者の期待に応えるべきと考えます。見解を伺います。  第二に、学校給食の無償化についてです。  この十月より、我が党の提案を受け、教育費の負担軽減の取り組みの一環として、区が学校給食の無償化をスタートすることをまず評価いたします。しかし、いまだその周知方法には課題があります。区は、学校給食の無償化の対象となる家庭を約四千四百世帯と見込んでいるとのことですが、本年四月から現在までの認定者数は約千八百世帯にとどまっております。これは、本来、学校給食の無償化に特化したわかりやすい周知方法が必要であったにもかかわらず、就学援助の案内に記載し、紛らわしい通知を作成してしまったため、新たに対象となる家庭がその情報に気づいていないのではと危惧するものであります。  区は、約半数以上の家庭から申請がない状況をどう考え、今後どのように対応していくおつもりか見解を伺います。  第三に、新BOP学童クラブの運営時間の延長についてです。  我が党の提案を受け、今年度よりモデル事業が実施され、八月一日現在、モデル校五校で登録者数六百七十三名のうち五十六名が時間延長を利用しています。先般、六月に行ったアンケート結果が報告され、保護者からは大変好評を得ていますが、この結果をどのように分析し、課題に対応するのか伺います。  また、モデル校だけでなく、全校へのニーズ調査をすることで、より詳細に児童、保護者の情報収集や分析ができると考えますが、あわせて見解を伺います。  さらに、アンケート結果にあらわれている時間延長や現行の運営に加え、この猛暑の夏休みにおける食の安全等、多様な社会のニーズに柔軟に応える必要性が高まっており、民間活力導入も視野に、区として迅速な対応が求められます。見解を伺います。  第四に、夜間の認可保育園開設についてです。  現在行っている認可保育所等からのニーズ調査だけではなく、ベビーホテル等を利用せざるを得ない保護者の夜間保育利用の声を丁寧に聞き取り、必要とされるニーズを区として適切に把握することで、夜間保育を進める上で第一歩であると考えます。見解を求めます。  第五に、児童館の整備についてです。  我が党は、地域包括ケアシステムの充実や児童相談所の移管を視野に入れ、二十八地区全てに子育て支援拠点としての役割を担う児童館の重要性を言及してまいりました。今般、子ども計画第二期後期計画において、児童館が地区に果たす役割が明記されたことは前進と考えます。その意味で、空白地区における児童館の整備は喫緊の課題であります。その手順として、まずは二十八地区と同数の児童館数にするために、先行して三館の整備を進めるべきと考えます。具体的な道筋を早急に示すことを求めます。見解を伺います。  また、今後開設する児童館においては、民間活力導入を念頭に置くべきと重ねて申し上げますが、区の認識を伺います。  次に、不登校対策について伺います。  国は、統計上、年間三十日以上欠席をした児童生徒を不登校としております。本区では、その不登校児童生徒の数、出現率ともに増加傾向にあり、昨年度では小学校三百十名、中学校五百十五名と過去最多となっております。  ここで二点伺います。  第一に、スクールソーシャルワーカーの活用と早期支援についてです。  スクールソーシャルワーカーは、不登校の問題を解決するために、本人や家族との生活環境を調整する相談や、児童生徒が通学しやすいような支援学級の準備、さらに学校外からの支援の活用等、児童生徒の支援を担うとされています。しかし、昨年の家庭訪問実績はわずか十名にとどまっており、その活用が十分になされているか疑問です。学校が早期の段階で、スクールソーシャルワーカーを活用し、支援が必要な全ての不登校の児童生徒の家庭訪問に取り組み、支援につなげる仕組みを構築することが有効と考えます。教育長の見解を伺います。  第二に、学習支援の機会の確保と支援についてです。  我が党が求め続けてきた第三のほっとスクール希望丘の開設により、不登校の児童生徒の学習の場が拡充されたことをまず評価いたします。その一方で、ほっとスクールまで通えない児童生徒も多く存在します。学習支援の機会を確保していくためにも、今年度から全中学校でスタートしたeラーニングを不登校の児童生徒の在宅での学習支援のツールとして活用できるよう拡充すべきと考えます。教育長の見解を伺います。  次に、障害者施設の整備についてです。  今般、障害者施設整備等に係る基本方針策定に向けた検討素材が示されました。驚くことに、令和十二年までに必要な生活介護や就労継続支援B型は五百六十名分との想定です。この十年間の整備実績を踏まえると、今後、計画的に整備が進まなければ、特別支援学校の卒業生や梅ヶ丘拠点障害者施設から地域移行できる受け皿が不足し、在宅障害者を出さないとうたってきた行政の信頼が大きく揺らぎ損ないかねません。  次期障害者福祉計画には、施設整備やグループホームの具体的な整備目標を設定することはもちろんでありますが、施設整備においては、整備費助成の拡充や公有地の活用はもとより、民有地については、土地の賃借料を三分の二の範囲で区が補助する保育園整備の手法を障害者施設にも導入するなど、全庁総力を挙げて取り組むべきと考えます。見解を伺います。  次に、大介護時代に備えた取り組みについてです。  我が党は、これまでも少子・高齢社会を見据えた二〇二五年を大介護時代と捉え、地域における備えの仕組みづくりを訴えてまいりました。  ここで三つの観点に絞って伺います。  第一に、認知症施策推進条例についてです。  条例の制定について、区が世田谷区認知症施策推進条例検討委員会を設置し、歩み始めたことは評価します。しかし、残念なことにいまだ条例施行のスケジュールが示されておりません。特に我々が強く求めてきた事故救済のための賠償責任保険については、この間、既に二十市区町村で導入が進んでおり、区の取り組みの鈍さが露呈されています。  まず、賠償責任保険を盛り込んだ条例施行のスケジュールをいつ示すのか、明確な答弁を求めます。  あわせて、ひとり暮らし高齢者が病気になったときなど、いざというときの金銭管理が大きな社会問題となっています。本区には七十五歳以上のひとり暮らし高齢者が三万五千九百人いらっしゃいますが、昨年度の契約件数は金銭管理などのあんしん事業百二十件、成年後見制度一千六百十件と、まだまだ支援が必要な人に届いていないことが推測されます。  さらに、ひとり暮らし高齢者の心の支えになっているペットについて、飼い主が世話をすることができなくなった場合の対応なども課題です。成年後見人などの支援が必要となる前に、ひとり暮らし高齢者の金融、ペット等を含めた資産管理を司法書士や行政書士などのリーガルサポート制度を視野に入れ、条例制定に合わせて推進すべきと考えます。見解を伺います。  第二に、介護予防と健康寿命の延伸への施策についてです。  先日視察した練馬区では、六十五歳以上高齢者のいきいき健康事業として、スポーツクラブの無料券や区立体育館など、十のメニューをいきいき健康券として希望する方々に交付し、高齢者の健康寿命延伸に向けた積極的な取り組みを促進できていると好評でした。本区でお元気な高齢者の方から、介護保険を使わず元気で過ごしているのに、保険料だけ徴収されるのは納得がいかないとの御意見をよくいただきます。  そこで、例えば介護保険を一年間一度も利用しなかった高齢者の中で希望する方々に、世田谷版いきいき健康券を交付し、さらなる介護予防、健康寿命の延伸に御活用いただく取り組みは考えられないでしょうか。区の見解を伺います。  第三に、介護人材の確保についてです。  本年四月より国の外国人材の受け入れ拡大が始まる中、世田谷区社会福祉事業団と区内専門学校等が共同で、在留資格「介護」を目指す外国人留学生を受け入れる世田谷コンソーシアムが昨年立ち上がりました。介護福祉人材の養成が急務な本区において、今後、外国人留学生への期待は大きいものがあります。  一方で、留学生は日本語に未熟であり、なれない生活習慣の中で区内の介護現場で働くのは大変心細い状況であり、その配慮も欠かせません。日本語の支援、生活の支援を含め、受け入れる事業者だけに任せるのではなく、介護人材の確保に向けて、区として外国人留学生をしっかり支える制度の迅速な構築を求めます。見解を伺います。  次に、新たな国際施策の推進体制の整備に関連して三点伺います。  第一に、インバウンド対策についてです。  区が今般、国際施策の三つの柱を示し、その役割をせたがや文化財団と分担し、事業展開するとし、明年四月に三軒茶屋のキャロットタワーの八角堂に仮称多文化情報コーナーを設置すると発表されましたが、我が党が再三求め続けているインバウンド対策を対象にした区内観光の情報提供や相談対応などを担う国際交流協会の設置とどう結びついていくのか判然としません。今後、多文化情報コーナーのインバウンド対策への活用について、区の明確な答弁を求めます。  第二に、在住外国人への総合相談窓口の設置についてです。  区内在住外国人が既に二万二千人を超えた現状を鑑みると、日常生活における相談体制の脆弱さが大きな課題の一つです。現在、世田谷総合支所内に外国人相談窓口が設置されていますが、その存在が余り知られていないため、在住外国人の方々が大変不自由を感じていることは、これまでも指摘してきました。  今後、仮称多文化情報コーナーの開設により、来訪する外国人からはさまざまな行政手続などに関する相談も想定されますので、相談の中継ぎの役割だけではなく、ワンストップで対応できる外国人総合相談窓口を設置すべきと考えます。区の見解を伺います。  第三に、日本語教室の拡充についてです。  本年六月、日本語教育推進法が成立し、日本語教育の機会拡充等が明記されました。本区においても我が党の求めに応じ、昨年度より日本語教室を年一回の講習から年三回へと拡充されたことをまず評価する一方で、施設利用の制約、時間帯の変更、時間数の短縮など、利用者のニーズに合っていない状況が浮き彫りになり、受講者数が定員数の半数以下という課題が生じています。  今後、日本語教育の機会拡充のために、在住外国人受講生のニーズを考慮した日本語教室の運営及び会場の再考が必要と考えます。区の見解を求めます。  次に、中小企業支援について三点伺います。  第一に、シニア世代と企業とのマッチングについてです。  この八月、視察に伺った静岡市では、六十五歳以上の就労と社会参加の両面を実現するため、市内産業界と市が協議体をつくり、産業界のニーズを把握、その上で、シニア層へのアンケート調査を行い、福祉と雇用の中間的な雇用の創出を進める中、高齢者向けにワンストップで求人情報を入手できる相談窓口を市役所内に開設、約一カ月で千名近くの方が訪れるなど、高齢者の雇用・就業機会の拡大を推進しています。  一方、本区には多様なシニア層の人材がいらっしゃるにもかかわらず、区内産業界とのマッチングができていないことが残念でなりません。少子・高齢社会の進展の中で、シニア層の果たす役割は大変貴重な存在です。まずは、シニア層と区内産業界へのニーズ調査を行い、六十五歳以上のシニア世代に継続的に就労・社会参加の機会が創出できるよう、区として本格的なマッチング事業を展開すべきです。区の見解を伺います。  第二に、キャッシュレス決済についてです。  国は、消費税率引き上げによる景気への影響を最小限に抑えるための一つの対策として、十月から来年六月までキャッシュレス決済時のポイント還元制度を実施します。この制度は、飲食店や小売店が顧客を獲得できるチャンスであり、キャッシュレス化により、購買力も二割増すと言われています。また、人手不足に悩む中小企業でキャッシュレス化が進めば、店舗の省力化や人員削減が可能になるほか、訪日外国人客の利便性の向上にもつながります。  しかし、残念ながら、この間、区としてのキャッシュレス決済に関する支援策がほとんど見えてきません。もっと積極的にインバウンド対策や商店街の景気対策を踏まえた中小零細企業の支援に取り組むべきです。見解と今後の取り組みを伺います。  第三は、ものづくり学校についてです。  区では、廃校となった旧池尻中学校を活用し、ものづくり学校を開校して以来、十五年間、産業振興、地域交流、観光拠点と位置づけてきました。来年七月末には現運営管理者である株式会社ものづくり学校との契約は終了となります。  この間、時代は刻々と変化をしており、これまで同施設で取り組みを実施してきた事業も含め、改めてものづくり学校のあり方や機能を見直すべき時期が来ており、運営形態や区とのかかわりなど、抜本的な検討が不可欠であると訴えておきます。  そこで二点伺います。  一点目に、ものづくり学校事業における十五年間を総括し、これまでの効果や課題など具体的な検証が必要と考えますが、区の見解を求めます。  二点目に、区における地域産業活性化策は極めて貧弱と言わざるを得ません。工業、農業、建設業、NPO法人などへの起業、経営、人材育成など具体的な支援は成果が見えず、近年、社会問題となっている後継者不足によって黒字倒産するケースを背景に、昨年改正された事業承継税制が施行されたにもかかわらず、課題への対処が全く見られません。  今後、商店街振興のみならず、地域経済の下支えとなるインキュべーション拠点として新たな機能を創出できるよう検討すべきです。見解を求めます。  次に、公共施設等総合管理計画の見直しについてです。  区は、先般の報告書の中で、将来経費のシミュレーションで工事積算単価や維持管理経費の上昇などにより、年平均約五十三億円の経費をプラスする必要があると試算し、その対策として、施設の統廃合、整備手法の検討など、具現化すべき取り組みを示しました。  我が党は、これまで公共施設で稼ぐという観点から、施設整備、維持管理手法に転換すべきと、岩手県紫波町が取り組んだオガールプロジェクトのように、民間事業者に事業全体を委ねることにより、融資を得られやすくし、施設整備を誘導したことなどを挙げ、具体的に改善を求めてまいりました。また、利用料を取ることのできない公園、図書館、庁舎などは、集客力のある施設であり、コンビニやカフェなどを設置することで、その収益を維持管理費に充当することも可能であり、施設自体で維持管理コストを稼ぐ取り組みも始めるべきであります。
     そのために、行政が決めた仕様を民間事業者に実施させる現在の取り組みでは、民間活力を十分に発揮できない。指定管理者制度は、指定管理者の裁量を多くし、収益性のある事業展開が可能となるようにするべきです。見解を伺います。  最後に、旧都立玉川高校跡地の活用についてです。  現在この跡地は、都公文書館と玉川総合支所の仮庁舎として利用され、さらに新庁舎建てかえ時の仮庁舎としても、引き続き区は五年間借用するとしています。同跡地は言うまでもなく、二子玉川駅にほど近く、交通アクセスもよく、敷地面積も約二万三千平米という大規模な公有地であります。さきにも述べた公共施設等総合管理計画において、将来経費の増加要因としてさまざまな施設の老朽化に伴う更新時期の重複が予測され、中長期を見据えた対応が不可欠です。区として同跡地の今後の活用方針の概要について早急に東京都への意思表示を示しておく必要があるのではないでしょうか。  例えば老人休養施設ふじみ荘や野毛青少年交流センターの老朽化、未整備地区への児童館整備など、直面している課題等を総合的に勘案し、民間活用をベースに公益的かつ稼げる公共施設としての活用策を検討すべきと考えます。  そこで提案いたします。同跡地に温浴施設を兼ね備えた健康増進施設などの多世代交流館を設置してはいかがでしょう。いずれにしても、貴重な公有地として、二子玉川まちづくり方針とも融合させた作業に着手すべきです。見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 岡本議員に、私から三点お答えをいたします。  まず、新公会計制度導入を機に職員のフルコストの意識改革、事業評価の見える化という御質問です。  新公会計制度を用いた新たな行政評価では、人件費や減価償却費を含めた事業のフルコストを把握することができますので、例えばイベントに参加した区民一人当たりのコストでありますとか、施設を利用する区民一人当たりのコストを算出することが可能になりました。こうしたコストを定量的に把握、評価し、事業の改善、見直しにつなげることにより、職員のコスト感覚を培い、費用対効果を念頭に事業を企画、実施する意識改革を促していく効果があると考えています。  あわせて、社会的に支援が必要な区民に対するサービスなどは、必ずしも定型的な費用対効果の視点だけではなく、区民生活を支える視点からの意義や必要性を重視することも、これも必要であり、職員には区民生活の実態に即して総合的にバランスよく判断する力量が求められているものと考えています。  評価の見える化につきましては、区民に対して説明責任を果たす観点から、まず主要な事業に関して住民にわかりやすく情報発信を行っている他の自治体の事例も参考にさせていただきながら取り組みを検討するよう指示していきます。  新公会計制度の導入を契機に、決算において、行財政運営をより客観的に分析、評価し、行政経営改革の推進に取り組んでまいります。  次に、自治権拡充に関して車座集会などでのあり方ということについてでございます。  自治権拡充の効果を最大限に生かすため、区の行政運営として土台になる地域行政制度の今回の検討は、いわば表裏一体のものであり、連携して検討を進めることが重要であると認識しております。自治権拡充と地域行政制度、これはメダルの表裏であるということもしっかり発信してまいります。  今回始めている車座集会では、これまでの身近な地域行政制度の経緯、歴史的経過をたどりながら、まず冒頭お話をさせていただいています。そして、現在もこれは現在進行形の話であって、課税自主権、あるいは都区財政調整制度の現状がどうあるのか、あるいは都市計画決定権限の例えば用途地域の指定に関しても、特別区を除くと、こういうことになっているという現状を紹介し、この地域行政制度の強化のためにも自治権拡充が区民生活にとって重要な課題であるということについて説明をさせていただいています。  車座集会の場で地域行政制度や自治権拡充について区民からの御意見を聞くだけではなくて、それぞれの課題意識に基づいて区民からお話がございます。そのそれぞれの課題について、本庁舎、総合支所、まちづくりセンターの役割や、また東京都と区、都区の関係等もできるだけ示しながら意見交換させていただいています。自治権拡充に向けた意気込みを伝えて、これからも区民参加で内容の濃いものにしていきたいと思っております。  区政運営の基盤となる地域行政制度の刷新や自治権拡充に向けた取り組みは、何より区民自身からしっかり問題意識が積み上がり、湧き上がるようなエネルギーが区の原動力になるということが必要だと考えます。車座集会において、まずはバージョンアップ、そして改革の機運醸成を図ってまいりたいと思います。  次に、私自身の自治権拡充のビジョンということでございます。  地方自治の本質は、地域のことは地域で考え、みずからの責任で課題を解決することでありまして、地域に住む一人一人が住みやすく魅力ある町をつくり、育んでいくことが必要だと考えています。そのためには、自立した基礎自治体として、地域の実情に即した施策をみずからの権限と財源で展開することができる自治体経営の仕組みが必要であります。  振り返りますと、十年余りの激しい議論を経て、ようやく来年四月に児童相談所開設に向かっております。いまだに現状の特別区は課税自主権、都市計画決定権限などが例外的に簒奪されており、例えば課税と連動した世田谷区独自のインセンティブを持った戦略的なまちづくりや、区民生活の実態に即した総合的なまちづくりなどに対して、権限、財源において大変制約をされている現状にございます。  政令指定都市、あるいは県並みの人口を有しながら、その前提となる一般市への移行すら認められていない状況下において、こうした現状を打破し、世田谷区が地方分権の時代にふさわしい持続可能で自立した真の基礎自治体を目指すために自治権の拡充を実現することは、もはや必須であると認識しております。  政令指定都市のみならず、自治権拡充のあり方については、これまでにある既存の仕組みに必ずしも捉われない検討を行い、世田谷区が目指す自治体のあり方をより具体的に提示してまいります。  法改正等も前提に都や国に働きかけていくことを決意しておりまして、自治権拡充の道をしっかり切り開いていきたいと考えております。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、六点について御答弁申し上げます。  最初に、公共施設整備におきます複数年度の改修整備計画についてでございます。  区の公共施設は、昭和三十年代から五十年代にかけて整備されたものが多く、今後三十年の間に改築や大規模な改修が集中する時期を迎えるため、当面の間は恒常的に公共工事の発注が続くことが想定されます。  土木・建築事業者が計画的な人材確保や資材調達などの準備のため、公共工事の将来見通し等の必要な情報を広く周知することは重要な課題であると認識しております。一方で、この間、社会経済や財政状況を取り巻く環境が著しく変化しており、個別の施設整備の計画を余儀なく変更せざるを得ない状況が発生しております。  今後、建物整備・保全計画につきまして、公共施設等総合管理計画の見直しに合わせまして、この間の工事積算単価の上昇や、学校の改修周期の延伸などを反映させるとともに、各施設の具体的な整備検討時期を明記するなど工夫を図ってまいります。  さらに、区ホームページの事業者向けのページからも建物整備・保全計画が閲覧できるようリンクを設定して周知してまいります。  続きまして、新BOP学童クラブの運営についてでございます。  新BOPの抱える運営の課題につきましては、各新BOPごとに校長、地域の団体、主任児童委員、PTA等で構成されております新BOP連絡協議会で検討し、新BOP全体では学識経験者と校長、地域の団体及び保護者代表等で構成されております世田谷区新BOP運営委員会におきまして、課題を共有し、意見を伺いながら新BOPの運営改善を図っております。  その中では、実施時間の延長や活動場所の確保、人材の確保育成、お弁当利用等についても課題を共有し、御意見をいただき、時間延長のモデル事業等の検討に生かしてきております。  民間の活力を導入につきましては、児童の外遊びやイベントの充実、職員のスキルアップ等の必要性の問題提起への対応として、スポーツクラブ等から新たな遊びの提案を受け、実際に新BOPで子どもと職員が体験する取り組みを実施しております。  今後、新BOP学童クラブの時間延長モデル事業の検証の中で、民間活力の導入も含めた新BOPの運営方法や課題解決に向けた検討を行い、子どもや子育て家庭のニーズに応じた新BOPとなるよう取り組んでまいります。  続きまして、児童館の整備でございます。  区は、このたびお示ししました世田谷区子ども計画(第二期)後期計画の素案では、児童館が幅広い利用者やネットワークを持つことなどの特徴を生かし、子どもや子育て家庭に身近な地区の中で多様な地域資源と連携協力し、相談支援や見守りネットワークの中核的役割を果たすことにより、切れ目のない支援や見守りを強化していくことを目標に掲げております。  その実現のためには、児童館を各まちづくりセンター管轄、いわゆる地区に整備していくことが重要であると考え、再編整備を計画素案に盛り込んでおります。  今後の児童館の再編整備につきましては、現在見直しを進めております公共施設等総合管理計画と調整、整合を図り、児童館の再編整備の進め方について、来年二月にお示しできるよう検討を進めてまいります。  また、児童館の運営につきましては、区が目標といたします児童健全育成や相談支援、地域ネットワークの拡充、関係機関との連携等の機能を区と民間がどのように担うかなど、来年二月に子ども計画(第二期)後期計画案とともにお示ししてまいります。  続きまして、障害者施設の整備目標設定、整備への支援策についてでございます。  昨年設置いたしました障害者施設整備等に係る基本方針検討委員会にて取りまとめました検討素材では、生活介護等の日中活動の場の大きな不足が示されております。また、地域におきます住まいの場でありますグループホームも重度障害者向けの整備が進んでおらず、改めまして、今後の整備所要量の把握が必要とされております。  こうした施設需要に対しまして、検討素材では、地域ごとの需給バランスを勘案した整備目標を設定し、施設所要量を確保することとしており、今後、施設利用者の意向等、必要な調査分析を進め、整備目標を定めてまいります。  目標達成に向けましては、まずは既存障害者施設の規模や老朽度、利用状況等を検証し、定員拡充や機能転換を図るとともに、都営住宅等の建てかえに伴う余剰地活用により、重度障害者向けグループホームを併設した多機能型の新規施設整備を進めます。さらに、障害者施設以外の区有財産の転用や保育所整備を参考にした民有地での整備促進策の拡充などを施設整備等基本方針に盛り込み、全庁を挙げまして、整備所要量の確保に取り組んでまいります。  続きまして、認知症施策推進条例のスケジュールについてでございます。  区では、認知症施策をさらに進めるため、そのよりどころとなる仮称世田谷区認知症施策推進条例の制定に向け、学識経験者、専門医等から構成された検討委員会及び認知症当事者や御家族を含む区民の方や事業者等に御参加いただくワークショップ等で意見を伺いながら検討を重ねているところでございます。  事故救済制度につきましては、他自治体の先行事例も参考に検討を続けております。認知症当事者やその家族の支援につきましては、事故後の対応にとどまるのではなく、地域による見守りを強化するなど、事故を未然に防ぐ地域をつくるといった視点も重要となります。  こうした地域づくりはもとより、認知症当事者の尊厳を守るという視点を最大限重視しながら、今後も認知症当事者や御家族の声をしっかりお聞きし、学識経験者や家族、事業者等で構成する条例検討委員会で検討しながら、丁寧な議論を重ね、できるだけ早い時期にスケジュールをお示しできるよう努めてまいります。  認知症当事者の意思や希望、人権が尊重され、認知症になっても安心して自分らしく暮らせる町世田谷を目指しまして、条例制定の検討を重ねてまいります。  最後に、旧都立玉川高校跡地活用についてでございます。  旧都立玉川高校跡地は、区の本庁舎整備に伴う仮庁舎として利用するため、土地、建物の一部借り受けについて現在、東京都と協議をしているところでございます。その後の跡地活用につきましては、東京都から具体的な提示をされているところではございません。  ただいま議員より、近隣施設の老朽化施設への対応や未整備地区への児童館整備、また温浴施設を兼ね備えた健康増進施設などの多世代交流会館設置の御提案もございました。民間活用を視野に入れて、公益的な活用策を構築することが不可欠であると考えておりますので、これらも含めまして、区としての考えをまとめてまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、三点について御答弁申し上げます。  まず、国際施策の推進体制に関連しまして、仮称多文化情報コーナーのインバウンド対応の位置づけについてでございます。  国際施策につきましては、在住外国人の増加や、東京二〇二〇大会を契機とした国際化機運の高まりなどを踏まえ、多文化共生の推進、国際交流の推進、国際協力、国際貢献の柱立てのもとで施策を推進することとしております。  今般、来年四月にせたがや文化財団に仮称国際事業部を設置することを御報告しておりますが、ここでは区民の国際交流や国際協力活動の支援、活動団体のネットワークづくりに加え、仮称多文化情報コーナーを通じ、在住外国人や来訪外国人に対し、生活情報や世田谷の魅力、文化情報の発信を行うなど、他自治体の国際交流協会と類似の機能を持つものと考えております。  観光事業に関しましては、産業振興公社が担ってまいりますので、来訪外国人への観光情報の提供は、近接の三軒茶屋観光案内所で行い、区民との交流機会の提供や外国人が参加できるイベントの案内などは多文化情報コーナーで対応してまいります。  今後、せたがや文化財団と産業振興公社が定期的に連絡会を持つなど密接に連携し、国際交流事業と観光事業の連携に関する情報共有やインバウンドに対応したメニューの開発などを行いながら、訪日外国人の対応を行ってまいります。  次に、ものづくり学校につきまして二点お答え申し上げます。  まず、効果や課題などの具体的な検証についてでございます。  ものづくり学校は開設以来、学び、雇用、産業の再生といった視点から、新たなコミュニティーづくりや地域の活性化を目指し、世田谷らしい新たな産業、観光拠点、創業に関する技術的な支援や場の提供、ものづくり体験、区内創業、雇用創出の拡大などに取り組み、廃校利用のモデルとして一定の評価を得てきました。しかしながら、創業支援の取り組みとして、これまで創業支援ブース退去後、六十一名が事業継続をしておりますが、区内で事業を営む者は二十一名にとどまり、全体の三割以下となっております。  創業支援の取り組みを強化し、創業する方の全体数を引き上げるのはもちろんのこと、多くの方が区内で事業を継続してもらえるような取り組みを強化することが課題であると認識しております。また、手を動かして物をつくる職人、デザイナー、クリエイター等の一般入居者や創業支援を受けた事業者等個人事業主も多く、事業が拡大し新たな雇用を生み出すまでに至っておりません。  産業の再生では、他自治体のものづくり産業と連携したTOKYOものづくりセッションなどを実施しておりますが、区内の産業界への波及効果が見えづらく、世田谷らしい新たな産業につながっていないことも課題であると考えております。その他にもさまざま課題がございますが、十五年間の取り組みを評価、検証し、今後の方向性について、第四回定例会までにお示しをしてまいります。  次に、ものづくり学校に関連しまして、インキュベーション拠点としての新たな機能の創出に向けた検討について御答弁申し上げます。  産業ビジョンでは、起業・創業支援の推進を重点項目と位置づけており、産業振興公社、ものづくり学校、金融機関等の支援機関と連携しながら、起業・創業支援に取り組むこととしております。  現在、ものづくり学校を世田谷区におけるインキュベーション施設として位置づけておりますが、さまざまな課題があると認識してございます。今後はソーシャルビジネス、スタートアップ等を含めた創業者に対して、創業前から創業後まで総合的な支援が必要であると考えております。  国の産業競争力強化法では、創業支援に加え、比較的創業に関心がなかった若年層、女性や高齢者に対する創業支援の機運を高めることも盛り込まれ、区としても、起業、創業に向けて多面的な展開をしていかなければならないと考えております。さらに、昨年度より、区では、産学公金等で構成されるせたがや産業創造プラットフォームを立ち上げ、起業・創業機運を醸成するシンポジウムやソーシャルビジネス支援など、起業、創業の支援を強化しております。  これらの取り組みやさまざまな課題を踏まえた上で、新たなインキュベーション施設を展開し、地域経済の下支えとなり、多様な事業者が羽ばたくように支援してまいります。  第四回定例会までに、先ほど申し上げました評価検証とあわせまして、旧池尻中学校の跡地活用につきまして、インキュベーション施設としてのあり方も含め、今後の方向性についてお示しをし、議会での御議論をいただきたいと考えております。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、二点御答弁申し上げます。  一点目は、不登校児童生徒への早期対応とスクールソーシャルワーカーの活用についてでございます。  不登校は、どの子どもにも起こり得ることとして捉え、子どもの行動や状態の変化を早目に察知し、速やかにきめ細やかな対応で支援することが重要であると考えております。  各学校においては、担任教員や養護教諭が中心となり、保護者との面談や家庭訪問などを実施し、子どもの状況把握や家庭との情報共有、連携に努めているところですが、不登校の要因は多様であり、必要に応じて専門機関による助言や支援が必要となってくる場合もございます。  現在、必要に応じて各学校がスクールカウンセラーや総合教育相談室のスクールソーシャルワーカーなどの協力を得て、地域の福祉団体や医療機関などとも連携した支援のネットワークを構築する体制を講じているところでございます。  近年、不登校の児童生徒の数は増加傾向にあり、担任の教員や不登校の児童や生徒への早期からの支援体制を充実させていくためにも、スクールソーシャルワーカーや心理職などの専門家による支援体制の強化と活用しやすい仕組みの構築に取り組んでまいります。  二点目の不登校の児童生徒への学習支援策について御答弁申し上げます。  タブレット端末などを通じて家庭において学校での授業内容を再認識したり、より深く学ぶことができるeラーニングは、昨年度の試行を踏まえ、今年度より区立中学校全校に導入いたしました。昨年度のeラーニングの試行の中では、自分のペースで繰り返し学習することで、自分の学びの定着度や進捗を視覚的に確かめることができ、基本的事項の定着につながるという効果が見られました。また、不登校の生徒にとっても、受験や進学に向けたみずから学力状況の確認や授業を受けることができなかった項目の学習を通じて、学習のおくれへの不安の解消につながるなどの効果があることが確認できました。  今後は、eラーニングの内容の充実を検討するとともに、ほっとスクールなどの施設での学習やインターネット環境を用いた家庭での学習など、不登校の児童生徒の状況に応じた多様な学習の場を提供し、不登校の子どもたちの学習支援を行ってまいります。  以上でございます。 ◎知久 保育担当部長 私からは、保育関連の御質問三点についてお答えいたします。  まず、幼児教育無償化について、指導監督基準を満たさない認可外保育施設への二年間経過措置期間の具体的な支援策についてお答えいたします。  国の方針では、指導監督基準を満たしていない認可外保育施設についても、五年間に限り無償化の対象となりますが、区は認可外保育施設における保育の質を確保するため、指導監督基準を満たす施設に対象を限定するための条例の制定について、令和三年四月からの施行を目指しております。  基準を満たすための区の支援でございますが、今般の無償化に伴い、区市町村が認可外保育施設の利用状況や保育の質の確保状況等を確認することとなり、また、令和二年四月には、児童相談所の設置に伴い、認可外保育施設の指導権限が区に移管されます。  現在、基準を満たしていない施設の多くは、保育士不足や健康診断の未実施、消防法に基づく計画の未製作や訓練の未実施など、ソフト面の指摘となっております。  国は、児童の安全確保の観点から、最低限守るべき事項を基準として定めておりますので、区としましては、全ての認可外保育施設が基準を満たし、無償化の対象として継続できるよう適切に指導助言を行ってまいります。  さらに、来年度から令和六年度までの間、基準を満たすために継続的な助言指導を受けるための経費の一部補助のほか、認証保育所や認可保育所等への移行を支援するなど、全ての保育施設において、子どもを中心とした保育が実践されるよう、保育の質の確保に向け取り組んでまいります。  次に、東京都のベビーシッター利用支援事業について、区も都の制度を精査した上で柔軟に取り入れるべきについてお答えいたします。  ベビーシッター事業につきましては、密室性が高く、第三者による保育の質の確認が難しいこと、保育者が固定化されていないなど、保育の継続性が確保されにくいこと、事業の指導権限が区にないこと、また区では、集団保育により待機児童の解消を目指していることなどの理由から、東京都の利用支援事業の活用には至っておりません。  一方、十月からの幼児教育の無償化の実施に伴い、国はベビーシッターの指導監督基準の検討を開始しており、また来年四月には指導権限が東京都から移管される予定となっていることから、区ではベビーシッターにおける保育の質の確保に向けた対応策を検討する必要がございます。  区としましては、来年四月の区の待機児童の解消状況、集団保育では対応できない保護者ニーズの把握、東京都の当該事業の継続性、ベビーシッター事業に対する保育の質の確保等の検討状況等を踏まえながら、東京都の利用支援事業の活用について引き続き検討してまいります。  最後に、夜間保育を検討する上で、ベビーホテル等の夜間保育施設利用者の声を聞き、必要とされるニーズを把握すべきについてお答えいたします。  世田谷区に適した夜間帯保育のあり方を検討するに当たり、区では、これまで認可保育所に通っている園児の夜間帯保育の需要調査、認可の夜間保育所の視察などを実施してきたところです。  お話しの認可外保育施設における夜間帯の保育の実施状況につきましては、夜間帯保育のあり方検討に当たって必要な事項と考え、現在ベビーホテル等の施設を対象にアンケート調査の準備を進めているところです。これらの実態及びこれまでの調査分析を踏まえた上で、区における夜間帯保育のあり方をまとめてまいります。  なお、今後、児童相談所設置に伴い、認可外保育施設の指導監督権限が区に移管されることから、保育の質の確保に向けた支援を行い、認可外保育施設における安全安心な夜間帯の保育の提供に向けても取り組んでまいります。  私からは以上です。
    ◎淺野 教育次長 私からは、学校給食の無償化に関しまして御質問いただきましたので、御答弁申し上げます。  教育における保護者の負担軽減の充実を図ることから、本年十月より、給食費や学用品費の一部を支給する就学援助の仕組みを見直し、支給対象者の拡大を図っております。  本年九月六日時点での就学援助の申請者数は九千三百六十二人、認定者数八千四百五十六人と昨年同時期の申請者数四千九百九十六人、認定者数四千六百五十九人と比べますと、対象者数がふえ、申請者数も伸びております。  就学援助の全費目が対象となる方の認定者数は昨年より増加し、予算見積もり時の推計対象者数の六割近くに達しているものの、お話しのとおり、給食費のみが対象費目となる方の認定者数は、同じく推計対象者数の五割に達しておらず、区民の方々へのさらなる御案内が必要であると痛感しており、積極的に周知に努める必要があると認識してございます。  この間、教育委員会では、就学援助制度の改正内容についてわかりやすく記載したお知らせを、本年四月と夏休み明けの九月当初に、小中学校の全児童生徒の保護者に配付しております。今年度より保護者の方の請求に基づき申請書をお渡しするのではなく、先ほどのお知らせにとじ込み、申請しやすくする工夫も行いました。また、就学援助関係のお知らせだけではなく、小中学校の全児童生徒の保護者が対象の学校給食費関係のお知らせにも案内を掲載しました。  このようなことにより一定の効果があったとは思われますが、お話しのとおり、給食費のみについて対象である世帯の方がこのことに気づかないということなどがないよう、給食費のことについてわかりやすく紙面を工夫した新たなお知らせによる周知やホームページ等での御案内などにつきまして、早急に対応させていただきます。  以上でございます。 ◎澁田 子ども・若者部長 私からは、新BOP学童クラブ運営時間延長につきまして、アンケート結果への対応と全校でのニーズ調査についてお答えいたします。  新BOP学童クラブ実施時間延長モデル事業につきましては、開始当初から徐々に利用者はふえておりまして、保護者の利用ニーズや延長利用の有効性、子どもの過ごし方や自立への影響などを検証、検討するため、本年六月にモデル事業を利用している児童や保護者、従事者へアンケート調査を実施いたしました。  また、九月にはモデル実施校で延長を利用していない保護者に対し、その理由やニーズ等についてのアンケート調査を行っております。さらに、民間の学童クラブに対し、モデル事業が始まったことによる影響等について、ヒアリングやアンケート調査も実施をしております。  これらのデータをもとに、十月に中間まとめを行いまして、その分析結果を踏まえ、詳細な利用者ニーズや実態、課題の把握が行えるよう、モデル事業二年目となる来年度の取り組みを明らかにしてまいります。  全校を対象にしましたアンケートの実施につきましては、利用者ニーズをより的確に把握できる調査内容や有効な手法について検討する中で判断してまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、三点御答弁申し上げます。  まず、認知症施策推進条例について、ひとり暮らし高齢者の金融、ペット等を含めた資産管理の仕組みづくりを検討すべきとの御質問について、まず御答弁いたします。  高齢化の進展とともに、ひとり暮らし世帯の増加が予測される中、認知症により判断能力が低下した方の資産管理の支援は、権利擁護の観点からも重要であると認識しております。御本人の判断能力があるうちに、将来に備え、ペットなどの個々の心配事や御自身の資産について誰に何をお願いするか伝えていくことが大切です。  区では、あんしんすこやかセンター等で配布している認知症ケアパスの中で、私の覚え書きのページを設け、御本人の資産管理や将来の心配事等について書くことができるよう取り組んでおります。  社会福祉協議会の成年後見センターでは、日常生活の金銭管理を手伝うあんしん事業のほか、成年後見制度や任意後見制度の相談を受けております。資産管理を初めとした成年後見制度について、専門家による法律相談等も行っておりますので、支援が必要となる前に、多くの区民の方に利用していただけるよう、わかりやすい広報に努めてまいります。  高齢者の資産管理の相談につきましては、御自身の意思を尊重し、成年後見センターを初めとした適切な部署へ御案内をさせていただきます。  条例検討においては、世田谷らしい条例の制定に向け、認知症当事者の尊厳を守るという視点を重視しながら、成年後見制度や資産管理等、権利擁護に関する課題についても検討してまいります。  次に、二点目としまして、健康長寿の延伸に向けた介護予防について、介護保険を一年間一度も利用していない高齢者を対象に、世田谷版いきいき健康券を創出せよとの御質問について御答弁いたします。  御質問にありました練馬区の高齢者いきいき健康券は、利用できるサービスが一目でわかり、その中から利用したいサービスを選択できるものであり、利用者にとってわかりやすく、利用しやすい仕組みとなっております。  一方、利用できるメニューの中身に目を向けますと、入浴券の給付、はり・きゅう、マッサージサービス、スポーツ施設の利用など、本区でも介護保険を利用していない高齢者の方も御利用いただけるサービスとして実施しているものがほとんどでございます。  これらのサービスにつきましては、「区のおしらせ」や「せたがやシルバー情報」などにより周知に努めておりますが、高齢者が利用できるサービスを網羅的に掲載しており、介護保険を利用していない高齢者の方のサービスに特化した御案内とはなっておりません。  健康寿命の延伸に向けては、サービスの内容を充実するだけでなく、より多くの方に利用していただくことが重要であります。御質問の練馬区や他自治体の取り組みも参考としながら、周知の方法や利用しやすい仕組みについても検討してまいります。  最後に、在留資格「介護」の取得を目指す外国人留学生の受け入れを進める世田谷コンソーシアムに対し区から支援策を講じよとの御質問について御答弁申し上げます。  高齢者人口の増加に伴い介護需要が高まる中、介護事業所で働く職員の確保は厳しさを増しており、地域の介護ニーズに応えていくためには、介護人材の確保育成定着支援は喫緊の課題であると認識しております。  昨年度、世田谷コンソーシアムが設立され、在留資格「介護」の取得を目指す外国人留学生の受け入れが始まりました。既に四人の留学生が加盟する法人の運営する特養ホームで働きながら介護福祉士養成校で勉強しております。  区といたしましては、言語や生活習慣の異なる外国人の方が孤立せずに勉強したり働くことができるよう、相談支援や交流の場づくりなど関係所管課と連携して取り組んでまいります。  また、世田谷コンソーシアムや法人が独自に進める外国人人材の取り組みにつきましても、関係者の御意見を伺いながら、支援策の検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎松本 生活文化部長 私からは、国際施策につきまして二点の御質問にお答えをいたします。  まず、外国人相談窓口機能の整備についてでございます。  区では、本年三月に世田谷区多文化共生プランを策定し、その基本方針の一つに、誰もが安心して暮らせるまちの実現を掲げるとともに、外国人の生活基盤の充実を重点施策に位置づけております。  区内には、本年九月一日現在二万二千人を超える外国人が居住しておりますが、介護人材を含め、来日して間もない方の中には、日本の生活になじめず、孤立するケースもあり、日常生活について気軽に相談できる場は、外国人の生活支援にとって重要であると認識しております。  こうした状況も踏まえ、区では、今月下旬に在住外国人の意識実態調査を実施し、日常生活の困り事や行政サービスのニーズなどを把握分析し、施策の充実を図りたいと考えております。  新たに整備いたします仮称多文化情報コーナーでは、日常生活に関する相談については関係機関を御紹介することとしておりますが、実態調査を踏まえ、男女共同参画・多文化共生推進審議会の御意見を伺いながら、外国人の生活全般にわたる支援の充実に向けた検討を行う中で、ワンストップの点も含め、外国人相談機能のあり方についても検討してまいります。  次に、日本語教室についてお答えをいたします。  国では、本年六月に日本語教育の推進に関する法律を施行し、在住外国人等に対する日本語教育の機会拡充を図るほか、地方公共団体に対しても、地域の状況に応じた日本語教育の推進に努めることを求めております。  区では、平成四年度より池之上青少年会館におきまして、初めて日本語を学ぶ外国人向けの日本語教室を実施しておりますが、昨年度からは、教育センターも活用しながら、クラス数を一クラスから二クラスにふやすとともに、受講時間の選択肢をふやし、対応を図ってまいりました。  今年度は、池之上青少年会館の工事休館に伴いまして、教育センターのみでの実施とする一方、年三回の講座開設といたしましたが、開催曜日と開催時間が限定されていることもあり、六月からの一回目の講座開設では、受講者が定数二十人の半数となっております。  来年度につきましては、池之上青少年会館の再開に伴い、教育センターと併用して実施するとともに、初めて日本語を学ぶ方のクラスに加え、日本語が一定程度話せる方のコースを設けることも検討しております。  講座開設の時間や曜日については、両施設の運用との兼ね合いもございますが、在住外国人のニーズを踏まえまして、受講しやすい環境改善に努めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、中小企業支援について二点御答弁いたします。  まず、シニア世代のマッチングについてです。  仕事を探している五十五歳以上のシニアの方の状況を見ますと、産業振興公社の三茶おしごとカフェでは、平成三十年度の新規登録者の二五・四%を占めています。また、併設するハローワークであるワークサポートせたがやでは、平成三十年度の新規登録者の約三八%を占めています。  一方、事業所の求人状況は、ハローワーク渋谷におけることし六月の有効求人倍率は二・九倍と高く、人手不足の状況にありますが、シニア世代の方で就労を希望する人とうまく結びつかないため、効果的な就労支援の取り組みが必要であると考えております。そのため、区では、東京しごとセンターとの連携により、シニアを対象としたイベントを今年度は四回実施し、また、ハローワークと連携したシニア向け合同就職面接会を昨年度より回数をふやして開催しているところです。  今後は、シニア人材が地域で活躍できるよう、次期の高齢者ニーズ調査の中で、就労の意向を調査し、また商工会議所や社労士会が参加する雇用問題連絡会議の中で、企業側のニーズも聞き、企業のニーズと対応するシニア人材とのマッチングを進めていく事業を検討してまいります。  次に、キャッシュレス導入支援についてです。  国は、中小小売店でのキャッシュレス決済時の最大五%のポイント還元やカード会社などへの手数料率引き下げ、決済端末機の補助メニューを用意しております。国はこれまで商店街や商工会議所などの産業団体を中心に、啓発活動など制度の周知を進めています。  こうした状況を踏まえ、区ではこれら団体に属さない中小事業者に対して、ホームページによる周知に加え、セミナーの開催を予定しております。  区としては、国の動向などを情報収集するとともに、区内中小事業者とかかわりが深い金融機関や産業振興公社などとも連携を図り、情報が少なく、お困りの中小事業者に寄り添った相談支援を行いながら、個々の事業者が適切な判断ができるよう、引き続き効果的な情報提供に努めてまいります。  私からは以上です。 ◎中村 政策経営部長 私からは、指定管理者制度の運用について御答弁いたします。  指定管理者制度の特性は、民間事業者が創意工夫して利便性と収益性を高めることができる自主事業と利用料金制にあると考えております。現在指定管理者制度を導入している区の施設の多くは区が使用料を定めていますが、指定管理者の自主事業の裁量の範囲を大きくすることで収益性を高め、自治体の財政負担を軽減することも可能であると考えています。  他の自治体の取り組みとして、例えばスポーツ施設において有償の体操教室を実施したり、図書館などで物販を行ったりといった自主事業の拡大や、施設の一部を指定管理者に貸し付け、カフェ、レストランなどの収益施設を運営させ、貸付料を確保するなどの手法は参考にすべきものと考えております。  今後、各施設の指定管理者のモニタリング評価を通じ、施設の設置目的を損なうことのないよう十分配慮しながら、指定管理者の収益性が高まる事業展開や裁量の拡大を検討し、可能なものについては指定管理者の公募選定に当たってさまざまな提案を受けることができるよう、現在策定中の指定管理者制度ガイドラインにも明記し、各施設所管に取り組みを促してまいります。  以上です。 ◆四十二番(岡本のぶ子 議員) では、二点再質問させていただきます。  まず一点目が、新たな国際施策の推進体制の整備ということで、先ほど御説明いただいた多文化情報コーナーに関してインバウンド対応の位置づけが判然としないという質問をさせていただいたんですけれども、先ほどの区長の答弁では、観光事業に関しては産業振興公社が行うということを答弁の中に言われておりました。このせたがや文化財団が行う多文化情報コーナーでは、観光案内というよりも、むしろ区内のさまざまな情報をお伝えする場ということを感じられたわけですけれども、これまで再三、我が会派としては、インバウンド対策としての観光、これをどうするのかということを今まで問うてまいりました。それが三軒茶屋の世田谷線の入り口にあるサンチャキューブで観光は外国人の方は行うんですというような答弁では到底納得ができません。  今回、せたがや文化財団と産業振興公社が定期的に連絡会を持って、そしてそこで観光に対する、インバウンドに対するメニューの開発などをしていきますよという答弁でもあったんですけれども、どこのセクションが責任を持ってこのインバウンドに対する観光の事業を創出していくのかというところが今大変曖昧だと思っておりますので、そこをまず明確に答弁をお願いしたいと思います。  二点目が、大介護時代に備えた取り組みについてということで、在留資格「介護」の取得を目指す外国人留学生の受け入れについてですけれども、世田谷区として、今後世田谷コンソーシアムや法人が独自に進める外国人材の取り組みについて、関係者の御意見をいただきながら検討してまいりますという、大変のんびりとしたような答弁に聞こえたんですけれども、先日も特養ホームに、ある高齢者の方をお連れしたときに、御主人が入るところがないということで、新しくできた特養ホームでしたが、ワンフロアは開設ができない状態になっておりました。  二階、三階は開設されておりますが、介護人材がいないためにワンフロアが開設されない、そして世田谷区に申し込みをすれば七十人待ちというふうに言われた。こういった状況がさまざまな区内の特養ホームでも起きているのが現実でございます。  介護人材の確保は喫緊の課題でございますけれども、まずこの外国人の留学生の方々の受け入れをしっかりと区として積極的にサポートするという仕組みを立てるべきだと思います。その上では、区として独自にまず数値目標などを立てて、外国人材受け入れに対して積極的に取り組む各事業所を応援すべき思いますが、区の見解を求めます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 それでは、再質問にお答えいたします。  インバウンド観光の責任所管ということでございます。  キャッシュレス対応を含めましたインバウンドへの環境整備を初めまして、観光メニューの創出の担当、責任担当は経済産業部が中心に担っていくというふうに考えております。  再三御指摘いただいておりますように、東京二〇二〇大会が開催される来年度は、外国人を含む多くの方に区を訪れていただき、区の魅力を体験していただく大きなチャンスと考えております。  産業振興公社を中心に観光案内所の設置や外国人おもてなしセミナー、またホストタウン事業の準備を進めてまいりましたが、今後は国際部門、せたがや文化財団が持つ文化芸術や国際交流事業、また、仮称多文化情報コーナー、こういったところとも連携しながら、外国人に対する魅力発信に努めてまいります。  連携に当たりましては、区がしっかりとリーダーシップを発揮しまして、せたがや文化財団と産業振興公社と区による連絡会を設けまして、国際施策と観光事業の連携に関する情報共有、新たなメニューの開発に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 外国人留学生の支援体制について、再質問に御答弁申し上げます。  区といたしましても、介護人材不足については喫緊の課題であると認識しておるところでございます。今後、介護人材不足の実態把握に努めるとともに、外国人人材の受け入れ支援策も含め、介護人材対策に全力で取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆四十二番(岡本のぶ子 議員) 済みません、再々質問いたします。  決意発表ではなく、数値目標など具体的に今後取り組むべきであることを申し上げたのですが、その点についての確認をさせていただきたいと思います。  その上で、あと再度ですけれども、今、岡田副区長のほうから経済産業部が観光についてはしっかりと責任を持っていくということでございました。せたがや文化財団のほうで今度で行われる区内の町歩きツアー、外国人の方の町歩きツアーというのがあるとも伺っておりますが、来年度の予定は四回やるというだけの話でもございますので、ぜひ東京オリンピック・パラリンピック、まさに来年七月、八月行われる中で、外国人の方々が世田谷区内をきちんと観光できるような体制も、まずことし中に整えていただかないと多分来年スタートはできないのではないかと思いますが、その点もあわせて御答弁をお願いいたします。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 再々質問に御答弁申し上げます。  先ほど再質問にお答えしたとおり、責任を持って進めていきたいと思っておりますが、今年度内に文化財団の準備体制は進めてまいりますので、しっかりと早目早目に準備を進めて、取り組みを進めていきたいと思います。  以上です。 ◎長岡 高齢福祉部長 再々質問に御答弁させていただきます。  外国人留学生の数値目標についてということの再再質問に御答弁させていただきます。  先ほども申し上げましたとおり、介護人材不足につきましては、まずは実態把握に努めて、その上で検討させていただきたいと思っております。  いずれにつきましても、人材対策につきましては全力で取り組ませていただきます。よろしくお願いいたします。 ○和田ひでとし 議長 以上で岡本のぶ子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時五十六分休憩    ──────────────────     午後三時二十分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 代表質問を続けます。  世田谷立憲民主党社民党を代表して、四十三番羽田圭二議員。    〔四十三番羽田圭二議員登壇〕(拍手) ◆四十三番(羽田圭二 議員) 冒頭、台風十五号によって亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、被害を受けた皆様にお見舞い申し上げます。
     それでは、世田谷立憲民主党社民党区議団を代表して質問をいたします。  最初に、個人所得をふやすための格差是正についてです。  七月の参議院議員選挙は、国民生活の再建が大きな争点となりました。消費税増税の中止や最低賃金の引き上げ、医療・年金を含め世代を超えた社会保障・福祉の再確立が求められました。経済政策のあり方に国民の関心が高まった選挙でもありました。  経済は国民生活の向上のためのものという視点に立つならば、景気の後退は決して看過できるものではありません。消費、設備投資という内需はしっかりしているという見方もありますが、その一方では、米中貿易摩擦や世界的に進む金融緩和の流れの中で、下方リスクが高まっていると、景気の後退が懸念されています。  総務省が今月六日に発表した家計調査では、消費支出は前月比で二カ月連続減少しているとされ、小売業の販売額も前年比で二十一カ月ぶりに落ち込んだと言われています。  政府はここ数年、安倍首相みずからが、長引くデフレ不況のもとで個人消費を伸ばすためには賃金の引き上げが必要と言ってきましたが、必ずしも賃金の引き上げが進んでいないばかりか、最低賃金は全国平均九百四円と千円に満たない状況です。  こうした中で、区が進めてきた公契約条例制定は、区が契約する公共事業や施設で働く方々の労働報酬下限額を設定し、働く人たち全体の賃金引き上げに大きく貢献するものと言えます。  さてそこで、来年四月に適用される会計年度任用職員制度について伺います。  非常勤職員等を会計年度任用職員制度に移行することで、期末手当の支給など正規職員と非正規職員の格差の是正が一歩前進すると言えます。しかし、その一方でパートやアルバイトなど臨時的職員の処遇は維持されるのでしょうか。働く人の環境は守ることができるのでしょうか。区の対応を伺います。  臨時的職員は、ことし四月現在で二千三百九十名が雇用され、ごみ収集作業、事務補助、学校でのプレーイングパートナーや学校支援要員などに及んでいます。現在でも勤務形態や就労時間などで多くの問題点が指摘されていますが、今後、制度の移行に伴って労働法、労災補償の適用除外となる職が一部あると聞いています。これが新たな格差を生むと言っても言い過ぎではありません。これまでの雇用条件は確保できるのでしょうか。伺います。  次に、区民参加による区政運営の推進について質問いたします。  最初に自治権拡充、地域行政制度の今後のあり方です。自治権拡充は、都区制度改革・住民自治の確立など具体の改革に向けた議論とともに進んできました。区の計画や政策立案の過程における区民参加が保障されることで区民の区政への関心が高まり、同時に区民にとっては、都区制度や区の財源の課題に気がつくことにつながっています。課税自主権や都市計画決定、教員の人事権などの改革に向けて、世田谷区が発信することが必要です。  自治権拡充の課題では、改めて住民自治の確立の観点から問題点を明らかにし、その改善の方向を打ち出すことが重要です。また、地域行政の推進に関する条例制定に向けた検討では、今日的課題から総合支所の機能と権限、役割を捉え返すことが必要と考えます。区の見解を伺います。  核家族化や高齢化、町会・自治会の組織減などを背景に、地域コミュニティーの希薄化が進む一方で、さまざまな参加と協働を通じて新たな区政運営等の場に参加する区民や活動団体が生まれている状況があります。区政への区民の意見表明権や政策決定過程における参加をさらに保障するとともに、総合支所の機能や権限について検討が必要と考えます。  次に、犯罪被害者等への支援についてお聞きします。  国における犯罪被害者等基本法は、自治体や事業者の責務をうたっています。刑法は、刑罰によって国民の人権が不当に侵害されないよう、法に反しない者がむやみに罰せられないという罪刑法定主義が貫かれています。  これは憲法第三十一条が保障するものですが、一方の被害者等への保護や権利回復の法的支援は、犯罪被害者等基本法を初め、犯罪被害者等給付制度などの生活支援等の仕組みによってようやく一歩前進してきたと言えます。  犯罪等による被害者や家族が癒やすことのできない心の傷を抱えたまま社会生活を余儀なくされる中で、地域からの孤立につながってきました。それだけに犯罪被害者等が直面した、いわれなき差別や偏見、マスコミの対応による地域の目など、そうした一つ一つの事例から条例制定に向けた検討が求められています。また、性暴力やDV被害などが潜在化している現状から顕在化し、支援できる地域環境へとつなげなくてはなりません。  犯罪被害者支援の検討に向けて、既に多くの自治体が条例制定をしていますが、基本条例の限界を超えていない状況です。自治体によっては条例において相談体制の確立、生活支援、住宅支援などを盛り込んだものもあります。  犯罪被害者とその家族を含めた地域での支援、交通事故を含めた被害への救済、その家族支援、さらに犯罪加害者の家族への対応のあり方、対象者をどこに置くのかなど、世田谷らしい対応が問われています。区の今後の対応を伺います。  次に、認知症施策推進条例について伺います。  区はこの間、認知症サポーター養成講座などによって家族や地域が認知症理解を深める取り組みを進めてきました。現在二万三千人となる認知症とされる区民が地域で暮らせる仕組みをいかに確立していくかが問われています。そのためには若年認知症を含めた認知症当事者の意見が反映された条例制定が求められます。  認知症施策推進条例では、認知症になっても希望を持って生きていくことができる地域づくりという視点に立ち、福祉のまちづくりを進める世田谷らしさを打ち出すことが必要です。区民、家族、認知症当事者、福祉・介護施設、医療機関を交えた条例制定に向けた検討が求められております。区の対応を伺います。  次に、地球温暖化防止対策の地域展開について伺います。  最初に環境基本計画の見直しについてです。  地球温暖化対策は、国連の気候変動に関する政府間パネル、IPCCが報告書をまとめ、異常気象による豪雨、洪水、熱波といった災害の増加からも避けることができない課題として警鐘を鳴らしています。  私たち会派では、事業運営に必要なエネルギーを一〇〇%再生エネルギーで賄うことを目標とするRE一〇〇の取り組みを求めてきた経過があります。区はことし四月より区役所本庁舎で使用する電力について一〇〇%再生エネルギーを活用することとしました。引き続きこの取り組みに期待が寄せられています。  そこで、環境基本計画の見直しでは、地球規模で進む温暖化問題、原発事故によるエネルギー政策の転換、農地や緑地など緑の減少等を意識した課題に取り組む姿勢が問われています。区民と事業者、区が連携した取り組みによって身近な環境問題に取り組む姿勢が問われていないでしょうか。区の対応について伺います。  次に、プラスチック製品への今後のあり方についてです。  ことし六月の二十カ国・地域首脳会議では、海洋に流れ出るプラスチックごみを二〇五〇年までにゼロにする目標が合意されました。海洋での汚染とともに生物への影響が問題視される中で、消費するプラスチックを大幅に減らすために、区内で日常的に利用されているプラスチック製品そのものに目を向けることが問われています。  プラスチック・スマートプロジェクトの設立では、改めてプラスチック製品のあり方、生産や活用などの問題を直視した対応が問われています。日常的に使用されているプラスチック製品の発生抑制、使用抑制、そして廃棄のあり方、リサイクルや再利用などを含め、区民や区内事業者のアイデアなどをあわせて施策に取り組んでいくことが必要です。区の今後の地域展開について伺います。  さて次に、福祉を市場に委ねた中での課題について、合理的配慮による施策展開についてお聞きします。  さきの参議院議員選挙では、重度の障害当事者の当選を通じて、障害者を取り巻く環境や問題点が国民の目にもわかりやすく伝わりました。生活上と就労中の介助費用に関する法の欠缺とも言うべき、制度が支援の必要な方に行き届いていない現状です。国の制度改善のおくれや、制度そのものの後退の中で、抑圧、無視されてきたことへの憤りや不満を放置することなく、人々が安心して暮らせる地域社会の確立という課題が課せられています。  障害者施設整備では、精神障害者の地域生活への移行支援の課題があります。自立生活を支援する対応とともに、施設整備ではグループホームの整備が欠かせない状況です。区の対応を伺います。  また、重度身体障害者の二十四時間介助に向けた課題などが表面化する中で、支給時間の決定とその保障、合理的配慮による公的支援のあり方を再構築する必要はないでしょうか。特に介助者不足の現状を踏まえ、人材の確保、雇用や処遇の改善も視野に入れるべきだと考えます。区の見解を伺います。  地域で障害を持った人たちが、家族や施設に頼らず、一人の人間として自立した生活をしていくとき、重い障害を持っているほど介護が必要になります。区はこれまでにも独自で介護保障の上乗せを行ってきましたが、現在、介助者不足が深刻化する中で、介助者の確保は欠かせない問題となっています。  国の重度訪問介護保障制度では介助料単価が定められており、また緊急介護人派遣事業では、利用時間限定と報酬単価が低いという問題点が指摘されています。国立市や札幌市など、介護人派遣事業などでは、介護人の選定や派遣時間などで幅を持った対応がなされているといいます。こうした点を踏まえた検討を求めます。  次に、子ども主体による施策展開について幾つかお聞きします。  国の施策として、この十月から幼児教育の無償化が実施されます。かねてから問題にしてきたように、今回の無償化以前に優先すべき課題があることを見逃せません。都市部における優先すべきは、待機児童解消に向けた保育園増設と保育の質の確保の課題です。  特に保育士不足と用地確保の課題がありますが、保育士不足による保育士への負担増や保育の質の低下につながりかねない状況が明らかになっています。幼児教育の無償化は本来歓迎されるべきですが、待機児解消に向けた保育士人材確保を優先すべきであり、現状把握にとどまらず、保育士確保に向けた現行支援の継続と処遇改善に向けた対応を国や都に求めることが必要です。区の見解を伺います。  ことし三月に発表された世田谷区子どもの生活実態調査報告書は、子ども・保護者に対するアンケート調査とともに、子ども施設や教育、福祉関連施設等で働いている支援者からのヒアリング調査が行われました。この調査を通じて明らかになった子どもを取り巻く状況は、今後の子ども支援施策を進める上で改めて貴重な内容を提起しています。  特に関係施設等の支援者からのヒアリングでは、現場でじかに子どもと接しているからわかる子どもや保護者の生活や困窮状況が把握されています。しかも、この調査を通じて、支援する側の生活困窮、子どもの貧困に対する見方が必ずしも一致していないこともわかり、各関連施設間の連携の難しさとともに、そこから導き出された課題を提起をしています。  世田谷区は他の自治体から裕福な自治体と思われていますが、生活実態調査でも言われているように、世田谷区では貧困が見えにくいというのが特徴です。子どもの貧困の背景には家庭の貧困があり、経済的困窮とともに、保護者の雇用状況を初め、保護者の健康状態や子どもの相談、接する時間などの有無によっても大きく左右しています。この点についても今回の生活実態調査によってより克明になっていると言えます。  子どもの貧困の潜在化とも言うべき、貧困そのものが見えない状況は、子どもや保護者みずからが顕在化していないことと、支援者側が子どもの状態を見ても、それが貧困とつなげられていないということが言われています。  特に教育領域では、そのためにも潜在化している子どもの貧困を顕在化できる環境づくりを含めた対応が必要です。各関連機関には福祉的な視点を持った対応が問われており、福祉領域との連携ということもその一つであります。  さてそこで、子ども計画(第二期)後期では、改めて子どもの人権、子どもの主体の基本的考えを全領域に拡充することが問われており、とりわけ子どもの生活実態調査結果を踏まえた対応が問われていると言えます。子どもの居場所としての区立児童館の果たす役割、子ども家庭支援センターや児童相談所など、連携した対応が一層望まれます。児童館は民間に委ねることなく空白区への施設整備を求めます。区の見解を伺います。  来年四月の児童相談所の開設に向けて、改めて区が果たす役割が問われています。一つは、法的介入権限を持つことで迅速な対応が可能となり、子どもに差し迫る危機を回避することを可能にすることです。もう一つは、区の福祉領域における機能を生かし、虐待予防・早期発見、子ども・家庭への支援などを担い続けることです。  児童相談所開設に向けて、子どもの人権を主眼とした仕組み、相談体制・施設運営等が問われています。一時保護所における子どもへの対応や警察など他行政機関の連携のあり方、子どもの意見表明権、アドボカシーを保障するための代弁者の確保などがあります。児童相談所開設に向けた区の対応を伺います。  次に、今後の公園計画について伺います。  上用賀、野毛など今後の公園整備計画では、区民参加による取り組みが一層求められています。既に民間企業等からの提案募集、サウンディング調査が実施されていますが、区としての公園計画への基本方針を明確にし、遊具や植栽、園内施設のあり方を含め、子ども・若者、高齢者、障害者、地域住民、全世代に親しまれる、利用される公園づくりが必要と考えます。区の対応を伺います。  次に、子どもを中心とした教育政策について質問をします。  新学習指導要領では、子どもたちがみずから考え行動する力を養っていくことが掲げられています。大人社会の常識や物の見方を押しつける教育ではなく、子どもの多様な意見、見方を保障していくことこそが問われています。「みんなの学校」を目指す世田谷区が子ども一人ひとりを尊重した教育を徹底することを地域社会に示すべきです。  インクルーシブ教育では、障害があろうとなかろうと、ともに学ぶ「みんなの学校」をいかに進めていくのかが問われてきました。現在、教員を初め学校包括支援員、学校支援要員が配置され、教員が拠点校を含めた三校を巡回する方法がとられていますが、配慮が必要な児童が増加する中で、職員配置数が不十分になっていないでしょうか、区教委の対応を伺います。  さて、学校現場での長時間労働の改善の過程で、業務量の削減がないままに労働時間を短縮すれば、働く人の負担は増大し、休憩時間も休まず働き、持ち帰り残業がふえるのは明らかです。学校では新しい教科や教える内容がふえ、現場にゆとりがなくなっている中で、子どもも教員も疲れていると言います。  教員の働き方改革では、教員の実態調査の実施が確認されました。既に指摘されている部活指導や教材購入、事務軽減に向けた要員配置など、具体の改善策を行うべきです。  さらに、今後実施される実態調査では、長時間労働の把握にとどまらず、日常のただ働きや諸休暇の取得状況、健康状態と勤務、何が長時間労働をもたらしているのかを含めた調査が必要です。また調査内容の集約は各校で行わず、教育委員会が責任を持って実施することが求められています。区教委の対応を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 羽田議員にお答えをいたします。  まずは、自治権拡充の課題、そして住民参加についてお話をいただきました。  この間、世田谷区は特別区として一体となって自治権の拡充に長期的に取り組みながら、一つ一つの自治権を広げてくるという経過がございました。そして、大都市における住民自治を進めるためには、みずから地域内分権として地域行政制度を構築し、先駆的な制度の実現を展開してきたわけでございます。  一方におきまして、この地域行政制度は、構想の準備から四十年、制度のスタートから数えて二十八年が経過いたしまして、この間、核家族化や地域コミュニティーの希薄化、あるいは社会や地域、時代のあり方が大きく変化していることを踏まえますと、改めて町会・自治会等の住民組織に加えて、PTAなど学校関係のネットワークや、これまでになかった市民活動をするNPOや区民団体など多様な主体の意見に耳を傾け、地域の課題をしっかり受けとめ、これまでの取り組みを検証することが必要であると考えております。  御指摘いただいたように、現在までの総合支所の権限と機能、その役割を捉え直し、それぞれの課題を検証する議論の中から、改革のポイントを探り当て、新たな方向を描いていくことについて、さまざま区民の参加と協働に資する地域行政のあり方を、条例制定に反映させていく、その必要があると考えております。  地域行政制度の機能を高め、住民自治をより確かなものにしていくためにも、自治体の権限の拡充や財源の確保を図り、自治体としての自立性を強める自治権拡充の道をしっかり区民とともに切り開いていきたいと考えています。世田谷区が自立した自治体として財源、権限をしっかり確保していくことが重要です。  次に、環境問題についての御質問をいただきました。  環境を取り巻く動向は、二〇一五年以降、パリ協定の採択による温室効果ガス排出量の削減や、持続可能な開発目標、SDGsにおける福祉、教育、防災など多岐にわたる分野横断的な取り組みが求められています。  区では、こうした中、「自然の力と人の暮らしが豊かな未来をつくる~環境共生都市せたがや~」の実現を目指して、区民、事業者の環境行動指針や区の施策を充実するなど、環境基本計画の中間見直しを行っているところでございます。  お話にございました地球温暖化防止対策といたしまして、SDGsのもとに、例えばRE一〇〇の拡大や卒FIT、FITの制度を終えていく太陽光パネル、ソーラーのことですが、このエネルギーとしての活用も含めて、自然エネルギーの一層の普及促進に加えて、豪雨対策、ヒートアイランド対策としてのグリーンインフラの視点を取り入れるとともに、区民、事業者、区がともに身近に取り組め、短期的に効果が期待できる取り組みである協働リーディング・プロジェクトにも、雨水浸透を取り上げているところであります。  今後、地球温暖化防止政策の地域展開に当たっては、人口九十一万人を擁する区に、その区民、事業者それぞれの日常生活、事業活動が及ぼす影響が大変大きいものであることから、さらなる意識転換、省エネルギーの推進、自然エネルギーのさらなる活用、環境負荷の少ないライフスタイルへの転換など、区民、事業者、区が協働して取り組んでまいります。  最後に、児童相談所開設についての子どもの人権の観点からの御質問でございます。  区では、児童相談のあらゆる場面において子どもの権利が保障され、その最善の利益が優先された「みんなで子どもを守るまち・せたがや」の実現に向けて、区ならではの取り組みを進めているところでございます。  児童相談所の職務執行に当たって、子どもの意見表明権を代理して本人の立場から社会的な主張をバックアップしていく、いわゆるアドボカシーが可能となるように心がけていきたいと思います。  一方、警察とは、悲惨な事故、事件を防止するために、子どもの安全を最優先した視点から、一定のルールのもとで定期的な情報共有を図っていきます。  一方、福祉的な支援の方針と想定されるリスクについて、個別ケースごとに共有する体制の構築に向け、現在どのようなルールづくりをするのか、区内各警察署と協議を進めているところでございます。  また、児童相談所とともにつくります一時保護所につきましては、子ども自身の実感として拘束されたり勾留されたかのような、いわば扱い、処遇が、これまで歴史的に一部あったことを反省し、子どもの人権がしっかり守られ、安心して食事ができ、遊びができ、そして学習ができて就寝ができる、とりわけ一時保護中の子どもの学習権、学習支援や通学支援をも配慮し、安全に過ごすことができる環境づくりを進めてまいります。この点で、子ども自身の主体的な成長、発達、そして権利という視点が大変重要だと思っております。  一時保護所内の養育環境などの客観的な評価として外部評価を導入することや、弁護士等による第三者委員を配置し、定期的に子どもから日ごろの悩みなどを聞き取り、適切に一時保護所の運営に生かしていくほか、せたホットによる子どもからの直接相談ができる仕組みを構築することなどにより、子どもの人権を保障した世田谷らしい取り組みを進展させてまいります。  以上です。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、三点について御答弁申し上げます。  最初に、認知症施策推進条例についてでございます。  区では認知症当事者の視点を重視し、あんしんすこやかセンターに、もの忘れ相談窓口を設置し、認知症専門相談員を配置するほか、認知症初期集中支援チーム事業など在宅支援施策を中心に取り組んでまいりました。  今般、認知症当事者の意思が尊重され、住みなれた地域で希望を持って安心して暮らしていくことができる地域づくりのよりどころとなる、仮称世田谷区認知症施策推進条例の制定に向け検討を進めているところでございます。  条例制定に当たりましては、学識経験者や専門医から構成された検討委員会や、認知症当事者や御家族を含む区民の方、事業者、医療機関等の方々に御参加いただくワークショップ等でも議論を重ねており、さらに認知症当事者同士が集まり意見交換を行う交流会等で認知症当事者の声をお聞きし、丁寧に取り組んでいるところでございます。  今後も、地域づくりはもとより、認知症当事者の尊厳を守る視点を最大限重視し、認知症当事者や御家族の声をしっかりお聞きしながら、認知症になっても安心して自分らしく暮らせる世田谷を目指しまして、条例制定の検討を重ねてまいります。  続きまして、保育士人材確保についてでございます。  区は、保育人材確保施策といたしまして、保育事業者がみずから雇用する保育士等の宿舎を借り上げる際の支援事業や、区独自に月額一万円の処遇改善助成金を設けるなど、民間事業者が保育士等を確保するために必要な支援を行っております。  待機児童解消を目指し、新たな保育園の整備を進める中、保育人材の確保は年々厳しさを増しており、こうした状況におきまして、特に宿舎借り上げ支援事業は、保育人材確保にとどまらず、保育士等の処遇改善による離職防止の効果も高く、保育の質の向上と園の安定的な運営という観点でも非常に重要な支援策と認識しております。  保育人材確保施策を含む待機児童対策事業の多くには、国及び都の特定財源を充てておりますが、国の子育て安心プランにおけます待機児童対策は令和二年度まで、東京都の緊急対策は、保育施設整備等が令和元年度まで、宿舎借り上げ支援事業は令和二年度までとされており、いずれも経過期間後の見通しが不透明な状況でありまして、事業継続に際しましては財源確保が大きな課題となっております。  区といたしましては、国と都から情報収集に努めるとともに、周辺自治体ともに必要に応じて連携協力を図りながら、特別区長会を通しまして要望など、さまざまな機会を的確に捉え、本事業の継続につきまして国と都に対し積極的に働きかけてまいります。  最後に、児童館の整備運営についてでございます。  このたびお示ししました世田谷区子ども計画(第二期)後期計画の素案では、子ども主体を基本コンセプトとし、全ての子どもの権利を守るために、安心して楽しく元気に過ごすことができる環境を身近な地域の中で具体化していくための取り組みを進めていくこととしております。  児童や保護者等に身近に接している児童館職員は、変化や困り事に気づき、早期に適切な機関につなぐことが重要であり、職員の気づきや対応力の向上を図るため、研修等の人材育成に取り組んでおります。  また、児童館では、子どもや子育て家庭が身近な地区の中で安心して生活できるよう、地区におけます相談支援や見守りの中核となり、地域の福祉資源や子ども家庭支援センター、児童相談所などの行政機関との連携を一層強化しながら、切れ目のない支援を行っていくことも重要でございます。  空白地区への整備に当たりましては、まずは児童館が、これまで培った地域との連携推進や相談支援の技術など、行政として果たさなければならない機能を核に、子どもたちや区民など利用者の声を聞くとともに、議会での御議論を踏まえ、検討を進めてまいります。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、インクルーシブ教育について御答弁申し上げます。  今年度より中学校にも特別支援教室を導入し、小中学校のいずれにおいても、在籍校にいながら、それぞれの特性を踏まえた指導が受けられるようになり、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒がともに学ぶ時間も増加しております。  一方、支援が必要な児童生徒は増加傾向にあり、障害の有無にかかわらず、ともに学ぶインクルーシブ教育を今後さらに充実させていくためには、人的支援を強化していくことが重要であると考えております。  教育委員会では、これまで配慮を要する児童生徒への支援として、非常勤職員である学校包括支援員の配置や、大規模校への加算配置、臨時職員である支援要員の配置時数の増加、教科の個別の補充指導のための非常勤講師の配置など、人的支援の充実に取り組んでまいりました。  また、国に対して教員定数改善を行うよう、特別区教育長会から東京都教育庁に要望しているところでございます。
     今後も、全ての児童生徒が安心してともに学べる環境を目指し、学校現場との連携を図りながら、さらなる人的支援の充実に向けて検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 総務部長 私からは、会計年度任用職員制度の導入、特に臨時的職員の処遇について御答弁いたします。  地方公務員法等の改正により、令和二年度から地方公務員法の一般職として会計年度任用職員制度が導入されます。この会計年度任用職員は、適正かつ安定的に任用されるとともに、一定の要件のもとで期末手当が支給され、処遇の向上が図られることとなります。  今回の法改正により、現在、区で設置している非常勤職員の職の多くは会計年度任用職員の職として設置することが必要となってまいります。また、現行の臨時職員の職についても、地方公務員法に基づき、これまでと相当の業務に従事させる場合は、非常勤職員の職と同様に、一定の要件のもとで期末手当が支給される会計年度任用職員制度の枠組みの中で任用し処遇することが必要となります。このため、現在その職務内容や勤務日数、勤務時間について整理しているところです。  臨時職員の中には、必要な人材を確保するために、勤務日数や勤務時間を固定的に定めず、職員が働きやすいよう柔軟に対応している場合もございます。勤務日数や勤務時間を固定的に定めることを想定している会計年度任用職員制度の導入に当たっては、人材を確保しながら安定的な任用を行えるよう、職員の意向などにも配慮し、実態に照らして、当面の働きやすい環境を維持できる処遇についても検討しております。  区としては、多くの非常勤職員、臨時職員が区行政のさまざまな分野において重要な担い手となっている現状を十分に踏まえ、非常勤職員、臨時職員の方々の意向も尊重しながら、会計年度任用職員制度への円滑な移行とともに、引き続き職員が働きやすい環境を整えてまいります。  以上でございます。 ◎松本 生活文化部長 私からは、犯罪被害者支援についてお答えをいたします。  犯罪被害者の支援につきましては、平成十七年に犯罪被害者等基本法が施行され、それに基づきまして、都道府県では犯罪被害者等支援計画を策定し、相談窓口の開設、安全の確保、住まいや雇用支援など、各種施策が行われております。  区におきましても、庁内に犯罪被害者等支援連絡会を設け、情報の共有化を図りながら、心の健康相談や就労支援、居住相談などを行ってまいりました。昨年の区議会第四回定例会におきまして、犯罪被害者支援条例の制定を求める陳情が趣旨採択されたことを踏まえまして、このたび改めて犯罪被害者等の支援について検討を行うこととしたものでございます。  検討に当たりましては、区の基本構想に掲げております個人の尊厳を尊重し、安心して暮らし続けるセーフティーネットを整えるなどの視点を持ちながら、これまでの施策の点検、支援対象者の範囲、相談支援窓口の充実、地域での支え合いの仕組みなどについて、専門家の参画も得ながら検討してまいりたいと考えております。  区といたしましては、犯罪や突然の事故などにより平穏な生活を失われた方が、地域の中で一日も早く心身と生活の安定を取り戻すことができるよう、被害者等とその家族の視点に立った支援策を取りまとめてまいります。  以上でございます。 ◎本橋 環境政策部長 私からは、地球温暖化防止対策の地域展開について、区民アイデアをあわせたプラスチックごみ問題の施策の取り組みについて御答弁いたします。  区は、海洋プラスチックごみ問題への抜本的な取り組み策を推進するため、プラスチック・スマートプロジェクトを立ち上げ、区民、事業者への啓発、プラスチックごみの海洋流出防止、プラスチックごみの発生抑制等に取り組むこととしております。  具体的には、日常生活での使い捨てプラスチック等の使用見直しが海洋プラスチックごみの削減につながることを、チラシの配布や環境教育を通じて周知啓発するとともに、区民等による散乱ごみの清掃活動への継続的な支援を行ってまいります。  また、2R推進会議におきまして、区内大学や消費者団体、小売店などの事業者との意見交換を定期的に行っており、使い捨てプラスチック製品の削減に取り組む小売店等を支援する事業などを通して、さらなるプラスチックごみの排出削減に向けた御提案を伺う機会としてまいります。  今後、環境基本計画(後期)のパブリックコメントの募集や区民説明会など、区民の御意見やアイデアを聞く機会を活用しながら、プラスチックごみ問題に対する施策のさらなる推進に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎片桐 障害福祉部長 私からは、二点お答えいたします。  初めに、精神障害者の地域移行に向け、グループホーム整備が必要との質問についてです。  現在、主に精神障害者を対象とするグループホームの多くは、おおむね三年間で単身生活に移行できるように支援を行う通過型グループホームとなっておりますが、精神障害者の中には、障害特性から、この三年という期限が精神的負担となり、円滑な移行が難しくなっている方もいらっしゃいます。  こうした精神障害者の方々の地域生活を支えるためには、住まいとなるグループホームだけでなく、保健、医療、福祉などが連携した地域包括ケアシステムの構築が必要となります。  区では、精神障害施策の充実を図るため、本年三月に精神障害者等支援連絡協議会を設置しており、今年度は精神科病院入院患者の退院支援に向けた実態調査を実施し、来年度、地域移行の可能な当事者に対するヒアリングにつなげていく予定となっております。  本調査結果や次期障害者計画及び障害福祉計画策定に向けた検討も踏まえ、移行期限を定めない滞在型グループホームや、定期通所を前提としない日中活動の場など、精神障害者の自立生活支援につながる施設整備のあり方について整理してまいります。  次に、重度障害者への公的支援のあり方の再構築と介助者不足の現状を踏まえ、人材確保などに取り組むべきとの質問についてです。  重度の障害があり、在宅で生活をされている方については、障害者総合支援法による重度訪問介護の給付により、介護ヘルパーによる介助を受けて日常生活を過ごされており、その中でヘルパーの不足について御指摘をいただいているところです。  区としましても、重度訪問介護に従事していただく方をふやすため、平成二十一年度より重度訪問介護従業者養成研修を実施し、昨年度までに修了した百十七名の方には、区内事業者に就業していただくよう案内し、人材の確保に努めているところです。  また、介護事業者がなかなか見つからない場合には、地域の保健福祉課が相談支援事業所等とも協力し、受託事業者の確保に努めております。  国では、さらなる介護人材確保の取り組みを進めるため、十月から新たな処遇改善加算を行うなどの報酬改定が予定されております。区としても、決定した支給時間数が確保されるよう、今後も国や都の動向を注視しつつ、財源や人材の質の確保など、課題を整理した上で、お話にございました他自治体の取り組みも参考にしながら、仕組みについて検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎笠原 みどり33推進担当部長 私からは、住民に親しまれる公園づくりについて御答弁申し上げます。  区ではこれまで北沢川緑道「ふれあいの水辺」事業や、ねこじゃらし公園などのほか、二子玉川公園のような大規模公園においても、世田谷区みどりの基本計画で掲げる区民との協働による魅力ある公園づくりに取り組んできております。  現在、上用賀公園及び玉川野毛町公園の拡張事業には、それぞれの公園の特徴を踏まえ、緑、安全安心やスポーツ、歴史文化などをキーワードとし、基本計画策定に向けた検討を進めているところでございます。  区民参加の取り組みにつきましては、今月間もなくですが、玉川野毛町公園拡張事業、キックオフシンポジウムを開催する予定で、その後、アンケートや現地見学会、住民参加によるワークショップなどを開催し、区民との連携を深めていく考えでございます。  また、民間施設の誘致に関しましては、企業向けのサウンディング調査だけでなく、ワークショップやアンケートなどから、地域の方々の思いを聴取し、地域に望まれる施設誘致に取り組んでまいりたいと考えております。  引き続き二子玉川公園と同様に、情報提供、意見聴取、会議体での検討の三つの参加を柱として考え、要所で専門家などの助言をいただきながら、子どもから高齢者、障害のあるなしにかかわらず、全ての方々が親しみ、育てていける公園づくりに取り組んでまいります。  以上です。 ◎池田 教育政策部長 私からは、教員の勤務実態の把握について御答弁申し上げます。  教員の働き方改革については、教員の健康管理や教員が子どもたちとかかわる時間を確保していくためにも、積極的に取り組んでいかなければならないものと考えております。現在、教員の退勤時間や長時間労働につながる要素等を把握するための調査の実施に向けた準備を進めさせていただいているところですが、調査自体が学校や教員への負担とならないように、教育委員会事務局が中心となって実施してまいりたいと考えております。  区では、これまでも部活動指導を担う非常勤職員の配置や教員の事務作業をサポートする臨時職員の配置などを通じて、教員が教員本来の業務に専念することができるよう支援に取り組んでまいりました。今回実施を予定している調査の結果の分析を通じて、教員の働き方改革をさらに推進するための具体策につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆四十三番(羽田圭二 議員) 三点ほど再質問をいたします。  会計年度任用職員制度ですが、新たな不安定雇用がつくり出されないよう、区の考え、決意を副区長からお答えいただきたいと思います。  介護人材の確保、支給時間等の介助者派遣の保障、この点についても、他自治体の例に学びながら検討を深めるというお話ですが、この点についても、その決意を部長からお願いをいたします。  保育士の人材確保についても、同様に今後のあり方、特に長時間労働の上に休みがとれないという声も上がっています。この点についてもさらにお答えをいただきたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、会計年度任用職員につきまして再質問に御答弁申し上げます。  まず、先ほど御答弁申し上げましたように、今般の地方公務員法の改正というのは、今後の雇用を安定的にすることや、当然働く立場の方々の処遇改善ということがあわせ持って法改正がされたという認識に立っております。  したがいまして、先ほど申しましたように、一部の方々には、この臨時職員の中で、今般の非常勤職員のほうへ移行することが難しい方がいらっしゃる、その中には勤務実態や、また御本人のライフサイクルの中では、どうしてもその勤務の区が提示できるものについては対応ができないというところにつきましては、いろいろ御相談を申し上げまして、当面の間につきましては、その勤務実態に合わせる形での任用という形のもので対応していきたいと考えています。  いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、あくまでも雇用の安定や働く方の処遇改善ということにポイントを絞っておりますので、なるべくその制度設計の部分の中に皆様方が移行していける、このように努力していきたいと思っております。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 介護人材の確保につきましては、今後、現状を把握した上で、全力をもって対策をしていきたいと思っております。  以上でございます。 ◎知久 保育担当部長 私からは、保育士の人材確保に関する再質問に御答弁いたします。  先般、令和二年度厚生労働省の保育関係予算要求の概要が示されました。国の保育人材確保のための総合的な対策の柱である保育士宿舎借り上げ支援事業は、継続して要求していくことを確認しており、令和二年度までの予算については、国、都ともに措置されそうな状況でございますが、副区長答弁であったとおり、それ以降は不透明な状況でございます。  現場で働く保育士や保育運営事業者からは、家賃助成がなくなると保育士をやめざるを得ないかもしれない、また、この補助がなくなると、ただでさえ厳しい人材確保がさらに厳しくなり、閉園も覚悟しなければならないといった切実な声を頂戴しております。こうした声を国や都につぶさに伝えまして、あらゆる角度から保育士の人材確保、定着支援について全力で取り組んでいく所存です。  私からは以上です。 ○和田ひでとし 議長 以上で羽田圭二議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、無所属・世田谷行革一一〇番・維新を代表して四十六番大庭正明議員。    〔四十六番大庭正明議員登壇〕(拍手) ◆四十六番(大庭正明 議員) 無所属・世田谷行革一一〇番・維新の代表質問を始めます。  まず、台風十五号による被害に遭われた方、また停電により今に至るも困難な生活を強いられている方々にお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早い生活復旧に向けて世田谷区としても支援に取り組んでいただきたいことを申し上げます。  それにしても、世田谷区の本庁舎の災害対策機能の中でも、非常用電源の重要さを訴えてきた立場からすれば、炎暑、猛暑、酷暑、そして非情の雨の中で、電気、電源がなければどうなるか、被災者の皆様には申しわけありませんが、改めて思い知らされた次第です。  今さらながら、当時、中庭から見える景色がどうのうこうのとこだわり、無理難題を押しつけて、本庁舎整備の難易度を上げ、工期をおくらせてしまった保坂区長の判断には残念でなりません。  また、台風同様必ず来るという首都直下地震、まさに炎暑、猛暑、酷暑のさなかに、首都直下地震と台風がダブルで襲ってくることも、もう想定外ではありません。  にもかかわらず、世田谷区の人口が九十万から九十一万を超えた現状に対して、保坂区長は危機感を抱くどころか、むしろ人口増加を手放しで喜び、政令指定都市より上なんだぞとばかり、どこか自慢げな精神状況にあるようですが、大丈夫でしょうか。  人口が増大することは一般的に歓迎すべきことだと考えます。しかし、大災害が確実に予定される自治体において、地域によっては人口密集度が高まることは、老朽化した船に人を乗せるようなもので、危険ではないでしょうか。  今回の千葉の過酷な状況を取り上げるまでもなく、ちょうど一年前の北海道では日本で初めてブラックアウト、すなわち大都市停電が発生し、その被害の全貌はNHKスペシャルで今月、九月一日に放送されたばかりです。  北海道の場合は、停電は四十五時間だったそうです。電柱が倒れ、電線が切れれば、立ちどころに停電です。そして、停電イコール断水、そして極端に言えばトイレが使えないということです。  実際、世田谷区においても七月に外環道の工事現場において工事車両が送電線に接触しただけで、一部の地域とはいえ、約五分間の停電が起きております。平時なら五分の停電で済みますが、台風や首都直下地震後のいわゆる災害被災地における送電線の修理復旧は、首都圏とも言える千葉県においても、まさに実例として長期にかかっているわけです。  これまで、例えば災害時には三日間は自分の力で生き延びろとか言います。最近では一週間とか言われております。食料や水は何とか備蓄できても、トイレは大丈夫なのでしょうか。停電、断水、まさにトイレがないマンションで三日間、あるいは一週間、地域によってはそれ以上、世田谷区民は耐えるしかないことを知っているのでしょうか。  さて、ここから本題に入りますが、と言っても、以上述べたことと重なります。  世田谷区は、保坂区長が情報公開と区民参加を看板に掲げて九年目に入りました。しかしながら、情報公開とは、区民にとってどんな役に立っているのでしょうか。  現状の情報公開では、単に情報のある場所だけを知らせているにすぎません。今の時代、昭和の黒電話の時代ならいざ知らず、情報のある場所だけを示していては、区民には何も知らせていない、つまり情報非公開と変わりません。  ネット社会において、画面上の表示物は、ほとんどリンクが張りめぐらされて、より多くの人に、より正確に伝えたいという情報提供者の強い意識が感じられます。もちろんそれがビジネスにつながってはおりますが。  とはいえ、世田谷区には、情報はそこ、勝手にとっていきなさいみたいな上から目線の古い意識がないでしょうか。情報は区役所の中に飾ってあっても、区民には何の役にも立ちません。情報は区民に届いて初めて意味をなすものです。  これは、この世田谷区議会においても同じです。区役所、行政は膨大な情報を有しており、また、日々新たな情報が蓄積されております。九十一万人を超える世田谷区にあって、世田谷区と区民との関係は、まさに情報の非対称性の極致にあります。  簡単に申せば、世田谷区は私たち区民の情報を独占しているようなものであります。課税徴収権があり、情報を独占している行政、だからこそ、さきに挙げた情報公開制度があるのです。が、現在のような高度な情報提供サービスの時代にあっては機能していない、大災害時、世田谷のトイレが使えないということなど、ほとんどの区民は知りません。  一方、行政の独占、情報独占による過ちを防ぐ機能として、そもそも存在するのが、私たちも属する議会であります。議会には議決機能とともに、チェック機能も区民から託された重要な役割であります。何度も繰り返しますが、行政の情報独占によって誤った方向に進まないように議会が設けられ、行政チェックの役割を果たしているのです。  余計なことですが、今週、千葉県の君津市議会議員選挙が行われているとのことです。投票日は今度の日曜日です。まさにこんなときに選挙とは何事かとのお叱りの声が少なくないとも聞いております。が、法律上、議会が存在しなければ復旧予算も成立しないのです。  そんな大切な議会、世田谷区に戻りますが、最近になって議会に対する報告拒否、質問に答えない、あるいは音信不通の報告という事態が各委員会で発生していることを保坂区長は御存じでしょうか。  議会の皆さんにも思い出していただきたいのですが、前回の本会議の一般質問において、他会派ではありましたが、フードバンクやフードドライブに関して、世田谷区の学校給食の食べ残しや野菜くず等の各学校別の数字を明らかにせよとの質問がありました。それに対して理事者側からは一切答えないという事態が発生しました。個人情報には触れないにもかかわらずです。  また、文教委員会において体罰を行った学校職員に関する情報が一切明らかにされない。学校から先生が突然行方不明状態となり、もはや文教委員会では何が何だかわからない。地元議員や保護者からの情報しか手がかりがないということなのです。  では、一切秘密、非公開なのかといえば、後日、私たちが情報公開請求を行ったところ、まことに詳細な事実がすぐに出てきたのです。これって委員会では出せないけど、情報公開なら出せるということです。おかしいと思いませんか、保坂区長。これ、一度ならずです。  また、福祉保健常任委員会でも、本定例会に上程予定の区立特養の廃止条例ですが、二年前にこの廃止条例を出しますよと福祉保健常任委員会で時間を割いて報告を受けてきました。その都度、私たちは議論を重ねているのです。その提案時期はことしの三月議会ということで、二度にわたって報告を受けてきたのです。しかしながら、本年三月議会はおろか、六月議会においても区立特養の廃止条例は提出されず、また提出の遅延の理由は一切説明されていないのです。  はっきり言って福祉保健委員会は報告案件が多いから、二年も前のことは忘れているだろうと見下されていたのでしょうか。このことについて所管にただすと、実は世田谷区新実施計画(後期)の推進状況という分厚い冊子の、何と一九四ページの下側に載っていますとのこと。  確かにそこには、現状の運営実績の分析等を改めて詳細に行う必要があったため、条例廃止提案を平成三十一年度へ変更したと、小さい文字で書いてあるのです。これでは切れ目のない支援どころか、抜け目のないアリバイ工作ではないでしょうか。  以上、世田谷区議会というのは、いつから委員会では行政が選んだ脈絡のない報告事項しか出さなくなったのでしょうか。なぜ議会、委員会に出せない情報が、情報公開なら出てくるのでしょうか。  理由は簡単です。それは情報公開制度において情報公開が義務になっているからです。もちろん個人情報等の細かい制約はあります。一方で議会、委員会は、報告事項は任意だからです。まさに世田谷区議会も軽く見られたものです。議会では情報公開以下のレベルでしか議論できないということになります。  これは保坂区長が前回六月の招集挨拶で、ベテラン職員の退職に伴って保坂区長が採用した職員が全職員の三五%までになっていると報告されたことと軌を一にしているように思えてなりません。議会軽視の姿勢が知らず知らずのうちに職員全体の空気として醸成されているのではないでしょうか。  そこで保坂区長に伺いますが、行政と議会との情報の非対称性の関係をどう認識されているのか、また、積極的な情報提示がなければ議会は形骸化するおそれが大です。当事者としての責任を今後どうとられるのか、お答えください。  また、これまで述べてきた中で、教育委員会の議会に対する非協力的な対応は、ほとんど隠蔽体質に近いものです。新教育長として今後どのように議会との情報共有を考えていくのか、お答え願います。  次に、児童相談所移管に関して質問します。  先般、世田谷区児童相談所運営計画が示されました。内容は多岐にわたり、また、職権保護、一時保護等の強力な権限も持つことになり、これまでの区政のあり方を変えることは必定であります。  児童相談所は子どもに関する相談機関という位置づけですが、子どもには必ず親あるいは保育者、保護者が存在するわけで、その関係性をつなげば、まさに世田谷区という社会が子どもとどう向き合うのか問われてくると思います。  児童相談所の移管を議会の中から強く主張してきた理由があります。それは、ここまで述べてきましたことと深く関係しております。それは児童相談所の業務が世田谷区から全く見えなかったからであります。  子どもに関する相談機関といっても、現実に起こっていることは、この世における最も悲劇的な虐待死まで含まれております。目黒で起きた五歳女児虐待死事件が報道されたのは昨年の三月のことです。三月八日の読売新聞の記事では、児相、命の危険見逃す、児相や自治体は二〇一六年ごろから虐待に気づいていたが、切迫した事態を酌み取れなかったと書かれております。
     さらに、六月になって、皆さん御承知のとおり、パパ、ママ、お願い、許してという亡くなった女児の書き残しが公表され、その被害女児の余りにもむごいとしか言いようのない絶望的な心の内が世間に伝わり、社会は動揺し、また、児童相談所への厳しい目が向けられるようになりました。  児童相談所というのは地方自治体の機関です。来年までは東京都の行政機関ということになりますが、では、果たして都議会で世田谷区に関する児童相談所の問題がチェックされてきたのでしょうか。地方議会のチェックが行き届かない行政組織は独善的な集団に陥りがちです。  極言すれば、虐待死というのは最近になって急に増加したのでしょうかという疑いすら考えられます。事故死として葬られた事例は果たしてなかったのでしょうか。児童相談所では子どもの悲鳴より虐待親からのクレームが怖いという実情も耳にします。  さて、ここでは世田谷区の新しい、まさに新しい児童相談所はどのような運用形態になるのか質問します。これまでも議会からは児相の体制、組織人員はどうなっているのかという質問はありました。例えば児童福祉司の数といったぐあいに。  しかし、調べてみると、児童福祉司、この場合の福祉司の司はつかさですが、これは国家資格でも何でもなく、一般事務職でも幾つかの要件と研修等を受ければ任用、配置できると伺っております。過去においてですが、東京都児相では、そのようなにわか的な任用が行われていたということですが、この児童福祉司が親子分離等の強権を行使できるのですが、世田谷区の場合、大丈夫でしょうか。  安易な任用で児童福祉司になった人は、とかく自分の経験から判断すると言います。最悪の場合、その程度のことなら自分も親からよくやられていたということで、虐待の事実を見逃すのだと言います。世田谷区における児童相談所の児童福祉司の任用、人材育成及びローテーションについて伺います。お答えください。  次に、児童相談所について、世田谷区は子ども家庭支援センターとの併設ということで一元的な運用を図るということになっていますが、これも大丈夫でしょうか。保坂区長は昨年八月二日の記者会見で、区立児相の機能統合ではなく、子ども家庭支援センターの体制を強化し、区立児相と連携することで、予防型の児童相談体制を構築したいと述べております。  他方、江戸川区の児相では、過去の虐待死事件で都立児相と子ども家庭支援センターとのすき間に落ちたという反省から、子育て相談機能を区立児相に統合する方針を打ち出しております。  先ほども申し上げましたように、児童相談所には児童福祉司がおり、確たる権限を有しております。一方、併設とはいえ、子ども家庭支援センターのほうには何か権限を有しているのでしょうか。  確かに世田谷区のほうが江戸川区より理想的に見えます。しかし、仕事というのは結局、誰が責任をとるのか、ここにかかっております。幾らかっこいいことを言っても、最後は、おまえ、責任とれるんだろうなの一言で決まるのが社会の常であります。権限のない人間に責任をとれますか。一元的な運用って大丈夫なのでしょうか。伺います。お答えください。  次に、申請主義の転換について伺います。  ことしの予算委員会等で明らかになった、就学援助の受給率が対象者の五割程度ということについて改めて考えさせられました。世田谷区には多くの福祉サービスが用意されています。来年の児相移管で愛の手帳等さまざまな認定交付も地元世田谷区で行えるようになります。  また、小児慢性特定疾病における医療費助成というのも新たに世田谷区の事業として始まるわけです。通常この医療費助成は、入院している病院からガイダンスを受けるのが一般的ですが、万が一あるいはうっかり忘れている、または知らされていない人はいないでしょうか。世田谷区としては中学生までは入院も含めて医療費無料ですが、高校生ならどうなるのか、入院した病院が区外なら、通知というか情報は伝わるのかということです。  福祉領域では、過去の措置という考え方から、多くの分野で契約という考え方に変わり、福祉サービスを受ける側に選択権があるように見えるようになりました。現実にはそれほど選択の自由があるわけではありませんが、その影響もあって、福祉行政というか福祉サービスというものの存在を知らせることが義務から責務という言葉に変わってしまった経緯があります。  さて、責務とは何なのでしょう。よくよく考えると責任と義務の合体語のようですが、実態は努力義務ということにすぎません。つまり、形式的にせよ、やればよいということで、果たして福祉サービスの場合、対象者に知らせることができたのかという部分については非常に怪しいのです。  福祉サービスの権利を持っている対象者に、ちゃんとその権利が使えますよと世田谷区は情報提供をしているのでしょうか。伝わっていなければ、そもそも申請すらできません、知らないのですから。保坂区長の、何か窓口をふやせば福祉サービスが充実するかのような政策は見せかけ行政でしかないと思います。  今回の千葉の停電で真っ先に伝えられたのは、携帯電話の充電場所だったと伺っております。緊急時にまず求めたものは、情報ツールの活用だったことは、まさに時代を感じさせられます。  昔と異なり、求めている行政サービスを本当に必要としている人に届けることが格段に容易にできる時代に既になっていると思います。申請してこないのだから仕方がないのではなく、なぜ申請しないのか、制度を知らないのか、それとも制度の利用勝手が悪いのか、既に必要とされていないのか、言ってみれば福祉サービス情報のアウトリーチこそが行政の役割なのではないでしょうか。  このことをなおざりにして自治権の拡充など、大場区政の焼き直しに手をつけるなど、保坂区政の発想の行き詰まりを非常に感じるわけです。  まず、福祉サービスの対象者への通知を義務化する方向に変えたらどうでしょうか、伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 大庭議員にお答えをいたします。  まず、情報公開のあり方について御質問いただきました。  私は、区長就任時より、情報公開と住民参加を基本としまして区政運営を行ってきました。区民にわかりやすい情報を公開し、区民がそれらの情報を捉えて、みずからの意見を我々行政側に伝えることができるよう、区長へのメールや各種区の会議の情報公開、あるいは検討会等における無作為抽出選定の委員を配置するなど、区民の発言の機会を拡大させてまいりました。  もちろん区民の代表である区議会に対し、ともに両輪の関係で施策を進めていく上で、この施策の内容や取り組み状況をその都度御報告、説明をいたしまして、区議会からさまざまな御意見、御提案をいただき、議論を重ねることを通して、福祉を初め各分野における世田谷ならではの区民サービスが実施できていると認識をしているところでございます。  御指摘をいただいた情報の非対称性につきまして、当事者同士が持っている情報に格差がある状況を意味するものだと受けとめまして、そもそも共有の目的を達成する議論に当たって、これは困難ではないかという指摘はそのとおりだと思います。  私自身も、かつて国会に議員としていた時代に、とりわけ児童虐待防止法などの今日的なテーマにつながっておりますが、立法をしていく中で、与野党ともに議論をする前提として、政策立案のための正確な統計データや行政情報の提示、運用実態はどう行われているのかなどのいわば情報提供は必要不可欠でありました。改めて議会への情報提供は、速く、正確に、最新のものを心がけるように指示してまいります。  区と区議会は、区民生活のさまざまな課題を解決する中で、信頼関係のもとで必要な情報の共有ができるよう今後とも努力してまいります。  次に、福祉サービスの申請主義の転換についての御指摘がございました。  限られた対象者を救済するために措置行政から出発した福祉制度には、今日では必要な措置制度はもとより、日常の身近な暮らしを支える我が事・丸ごとの地域共生社会の実現に向けた地域福祉へと大きく発展をしている歴史的な転換点に現在あると考えております。  こういった変化とともに多様化している福祉サービスは、一方で相談や申請先、申請方法の細分化、複雑化につながり、福祉サービスを必要とする区民の皆様にとっては、一体どのサービスが対象となるのか、御自身に必要なサービスは何なのか、これを選択しなければならない状況となっております。  この状況を解消するため、福祉サービスの情報を対象者が特定できる場合に、直接通知するよう努めるほか、「区のおしらせ」やホームページなどで広く周知するなど、対象者に届けるための工夫をしているところでございますが、通知や周知を行うことで、その責務は終わったという立場には立ってはならないというふうに考えております。  福祉の相談窓口は、二十八カ所の地区で区民にとって身近な相談窓口ですが、相談者である区民のニーズに立って、さらにきめ細かな専門所管と連携をとりながら御案内をしていくようにしたいと思います。また、さらに今後、区の窓口や組織の枠にとらわれず、区民に対し必要な支援につなげていくための地区、地域、本庁の重層的かつ総合的な窓口機能が必要であると考えています。また、支援につながりにくい対象者に対しては、区から直接お尋ねしてアプローチをしていくアウトリーチ機能も充実していかなければならないと考えております。  あわせて町会・自治会や民生児童委員、NPO団体など地域資源の力も活用しながら、さまざまな機会を捉えて、課題を早急に拾い上げる支援を進め、サービスを真に必要とする区民が確実にその利用ができるような体制づくりに取り組んでまいります。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、児童福祉司の任用、人材育成、ジョブローテーション等について御答弁申し上げます。  児童福祉司は、社会福祉主事として二年以上児童福祉事業に従事した者などのほか、一般の事務職員等につきましても、一定の研修を受けるなどにより、その任用資格を取得できるものとされております。  他自治体では、配置基準の見直しなどに対応するため、福祉の相談支援の現場経験がない場合であっても、任用資格を満たす職員は児童福祉司として児童相談所に配置される実態があると承知しております。  区といたしましては、子どもや家庭への相談支援の経験がある職員を児童福祉司に任用し、相談技術の向上や経験の蓄積を図る必要があると考えており、保健福祉センターや児童館、保育園など多くの福祉現場を持つ基礎的自治体である強みを生かしたジョブローテーションを確立することにより、質の高い児童福祉司の確保と育成を図ってまいります。  また、同時に、児童福祉司が頻繁にかわることで子どもや保護者、里親施設との関係が築けないなどの問題が生じることから、人事異動に当たりましては十分な配慮を行っていきたいと考えております。  議員御指摘の人材育成や人事上の課題ですが、外部有識者の検討や里親施設との協議、意見交換でも再三指摘されているところでございます。以上のような方策をとることによりまして、児童相談所に専門性の高い児童福祉司を配置する体制を構築するとともに、区の福祉現場の職員のソーシャルワーク力の向上も図ってまいります。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、議会との情報共有について御答弁申し上げます。  議会との情報共有についてですが、区の執行機関と議会が、その信頼関係のもと、区民生活、福祉の向上に向けて協力し、かつさまざまに議論させていただくためには、区から議会への情報提供を積極的に行わせていただくことが大変重要なものであると認識しております。  教育委員会といたしましては、区議会への丁寧な情報提供に向けて取り組んできたところではございますが、今回の御指摘を踏まえ、より適切で積極的な答弁、報告、情報提供に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎澁田 児童相談所開設準備担当部長 私からは、子ども家庭支援センターと児童相談所の一元的な運用と、その責任の所在について御答弁させていただきます。  世田谷区における児童相談所と子ども家庭支援センターの一元的な運用とは、両機関が同一の判断基準、支援方針に基づき、介入から身近な支援、見守りまで切れ目なく連携して援助活動を行うことでございます。  児童相談所職員の担当区域を、子ども家庭支援センターの職員体制に合わせるとともに、両機関の職員が日ごろからタイムリーな情報共有を行うことにより、顔の見えるチーム体制を構築いたします。また、両機関が対等な立場で話し合い、援助方針を決める合同の支援会議を実施しまして、支援プランの策定を行い、両機関が協働しながら問題の解決を目指してまいります。  その中で常に両機関の役割を明確にするために、個別のケースごとに、どちらの機関が主担当になるかを定めまして、責任を持って援助活動に当たってまいります。  さらに、この支援会議では、援助方針に基づく役割分担などを決定し、支援と介入のアプローチを行う中で、親や子どもとの信頼関係を築き、健康性を引き出す作業を行うものであり、これまでの都の児童相談所と区との連携から、世田谷区としての責任を肝に銘じ、子どもの安全と生命を着実に守る支援を展開してまいります。  以上でございます。 ◆四十六番(大庭正明 議員) 区長答弁の中で、区と区議会との関係の中で情報共有について、必要な情報の共有に今後も努めていくというふうに答弁しましたけれども、これは議会にとって必要な情報の共有に努めると、議会にとって必要な情報なのか、行政にとって必要な情報なのか、どっちなんですか。私たちは議会にとって必要な情報の共有を求めているということに対して答弁してください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問に答弁いたします。  議員から、情報提供がされずに、情報公開請求だと出てくるのはいかにという御指摘がございました。客観的に行政が知り得ていて、また、その問題を議論するのに、議会にとって必要な情報についてはしっかり出していくということを指示をしていきたいと思います。 ◆四十六番(大庭正明 議員) 教育長、今の保坂区長の答弁、お聞きになりましたよね。前回の質問の答弁の仕方は間違っていたことを認めてください。改めるというふうに認めてください。答えなかったじゃないですか。そのことはまずかったと、今、保坂区長は言ったんですよ。そのことについてちゃんと答えてください、自分の言葉で。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 再々質問にお答えいたします。  前回、議会から生ごみの回収量というところで情報を公開するということを言われましたが、教育委員会といたしましては、そのときに、それが個人情報が出るものかというふうに考えてしまい、その場ではお答えをしませんでした。しかし、持って帰って、それが個人情報に抵触しているということはなかったので、その場でお答えすべきことだったというふうに考えております。また、今後は個人情報は考えていきますが、それ以外のことに関しては、議会で求められたことについては、より適切で積極的な答弁、それから報告、情報提供に取り組んでまいります。  以上でございます。 ○和田ひでとし 議長 以上で大庭正明議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、Setagayaあらたを代表して、九番小泉たま子議員。    〔九番小泉たま子議員登壇〕(拍手) ◆九番(小泉たま子 議員) 通告に基づき、Setagayaあらたの代表質問をいたします。  まず、台風十五号により被災された多くの皆様に対し心からのお見舞いを申し上げます。  質問の前提として基本的なお話をいたします。三人のれんが職人というお話です。  三人のれんが職人が仕事をしているところに旅人が通りかかりました。旅人は三人に、あなたは何をしているのですかと聞きますと、三人は次のように答えました。  Aさんは、れんがを積み上げています。  Bさんは、教会をつくっています。  Cさんは、人が癒やされる空間をつくっているのです。  同じれんがを積み上げる仕事をしていますが、Aさんは、していること、Bさんは、していることの目的、Cさんは、していることの価値を考えながら仕事をしているのです。  大切なのは、明確な目標や価値観を持って仕事をする人のほうが、仕事への意欲が高く、結果、よい成果を上げられるということです。これはイソップの寓話です。  私は、今の区役所が、まさにAさん、れんがを積み上げています、言われたことをやっていますという仕事の進め方をしているのにすぎないと危機感を感じています。  今、世田谷区に必要なことは、していることの価値を考えながら仕事をすること、明確な目標、価値観を持って仕事に取り組む人材をどのように育てていくかということです。このような観点から質問をいたします。  まず、児童虐待ゼロを目指す取り組みについてです。  区は、予防型の児童相談行政をつくるとされ、象徴として児童相談所を位置づけられますが、予防型の児童相談行政とは何を意味するのですか。まず、児童相談所のあり方として、虐待対応をすることが、区内から虐待をなくすことなのか、伺います。  さらに、予防型と言いながら、児童相談行政に力を入れる。では、宮崎副区長が議会で表明された、虐待ゼロを目指すということは、あくまでも児童相談行政を推し進めることで虐待ゼロになると考えておられるのか、伺います。  世田谷区第二期子ども計画後期計画において、子ども家庭支援センターと児童相談所の一元的な運用を柱とした児童相談行政の実現ということと、児童館を中心とする子ども・子育てに係る相談支援・見守りのネットワークの強化を別々に挙げているのはなぜですか。  子ども施策において、児童相談行政を中心とすることが疑問です。  平成三十年に出された厚生労働省子ども家庭局長の児童館ガイドラインの改正についての通知に疑問があります。その通知そのものが、現在の児童館の機能をそのまま踏襲したものであり、児童虐待対応に触れられていません。「児童虐待の予防に心掛け」となっているのみです。このようなものがガイドラインになり得るとお考えですか。  国の方針のとおり、子ども施策を展開しようとする区の姿勢に疑問を持ちます。これまでも区は、子育ての分野で国、他自治体を先導する役割を果してきたはずです。国のガイドラインを超える取り組みをすべきです。お考えを伺います。  これらを踏まえ、児童館のミニ児童相談所機能を明らかにし、BOP、新BOPの見直しにも着手すべきと考えますが、お考えを伺います。  目黒虐待死事件は、きょう、母親への判決が言い渡されることとなりますが、先日の論告求刑において、検察側は、子の命を守るという親としての最低限の行動すら起こさなかったのは強い非難に値するとされました。しかし、果たして母親の問題でしょうか。  被告、母親は公判で、もっと周りに助けを求めるべきだったと語り、そして、周辺住民が全く気づいてあげられなかったと言っていたと報道されたことを重く受けとめるべきです。子育ては地域・地区でしっかりと関与し、受けとめていくべきなのです。今回の事案、目黒に転入してから三十九日間、ほぼ外出していない、周囲も全く気がつかなかったということの意味をどう考えるのですか。  転入時の対応を、国、都は児童相談所の連携問題と捉えますが、地元自治体として、転入時の乳幼児の状況をしっかりと把握し、地域・地区と連携をとることこそが必要と思いますが、お考えを伺います。  地域行政について伺います。  今、問題提起したように、転入者の扱いについて、転入者の情報を地区でどのように迅速に共有するかが大きな課題です。一方で、区はいつも個人情報の管理の問題を持ち出してきます。その結果、町会・自治会や、そのほかの活動、さらには児童館などでも、誰がいつ転入してきたかさっぱりわからないということとなります。  区は個人情報保護ということを最大の課題として、地域・地区での情報の共有について全く努力されていないということのようです。今回の地域行政の検討に当たっては、このことに真摯に取り組むべきと考えますが、お考えを伺います。  次に、これまでの取り組みの成果と評価について伺います。  区は、行政改革の名のもとに、従来の出張所の業務縮小を行ってきましたが、それとともに窓口が地区になくなったことから、地区としてのまとまりが薄れ、地区力というものが弱くなってきた、このことについて区の考えを伺います。  さらに、これまでの区が言う改革の中で、多くの区民が望ましいと思っていた区側提案がなぜ実現していないのですか。地区レベルでのワンストップサービスや、地区でのコンシェルジュ機能についてです。お答えください。  逆に、それまで全く話に出ていなかった支所の総合窓口なるものが突然提案されました。それも人員、経費などを増加させないという話であったのが、いつの間にか多くの人員、経費を費やすこととなり、あげくの果ては、総合窓口の機能を果たすとは思えないと指摘すると、内容を変えずに名称をくみん窓口と変更したのです。このことについてどのように評価、検証するのか伺います。  さらに、他会派がこれまで提案されていた、地区に管理職を配置することについて、現行法制度上何か問題があるのか伺います。  また、先ほどの転入者対応の観点から、切れ目のない支援、見守りを強化していくという区の基本的立場から、現在、本庁の組織となっているあんしんすこやかセンターや児童館、保育園、おでかけひろばなどについて、この新たな地域行政制度の検討の中でどのように位置づけようとされているのかを伺います。  地域行政の検討に当たって最も必要なことは、将来を見通したビジョンを持てるかということです。さきにお話ししたイソップ寓話の、言われたとおりれんがを積んでいますという姿勢では困ります。今後の地域行政の検討に当たっては、現場主義、区民、地域・地区の課題は、できる限り現場で迅速に解決するということを基本としなければなりません。それをもとに、具体的な方策を組み立てていくべきです。そのために机上の空論ではない検討体制をつくるべきですが、お考えを伺います。  公共施設の整備について伺います。
     今回、区から公共施設等総合管理計画の見直し、本庁舎等整備実施計画の検討状況、地域行政の検討について報告がなされました。この三つの計画、見直しについては、誰が考えても相互に連携しているものです。しかし、区はこれらを全く別々の課題として考えています。イソップ寓話にもなりません。なぜばらばらで動いているのですか。  区は、公共施設等総合管理計画見直しの前提として、高齢者人口の増加を社会保障関連経費の増大とのみ捉えています。疑問です。公共施設整備は、当面の行政ニーズへの対応だけではなく、将来への投資の側面があるはずです。  以前、他会派が主張されていたように、高齢者の健康体操は、将来にわたって多大な医療費の削減につながるという観点もあります。まずは基本的視点として、人口構成の変化を将来への投資として、公共施設等総合管理計画を見直すべきです。お考えを伺います。  さらに、具体的に、地域行政の検討と本庁舎整備計画の見直しに連携が必要です。地域行政の充実は、先ほどの現場主義と通ずることから、当然、本庁舎の規模、機能は将来にわたり縮小していくこととなります。  さらに、公共施設等総合管理計画については、これまでの区の説明では、公共施設の建てかえに当たって複合化を進めるとともに、建物面積を一〇%縮減するという方針があったはずです。区民に負担を強いておいて、一方で本庁舎だけは規模がどんどん大きくなっていくということは、到底区民が納得できるものではありません。区の説明を求めます。  東京二〇二〇大会に向けた世田谷区の取り組みについて伺います。  このたび区から世田谷おもてなしプロジェクトが報告されました。オリンピック・パラリンピック開催まで一年を切る中で、やっと区として総合的な仕組みが見えてきたように思います。  しかし、問題はその内容です。まず、中核となるおもてなしプロジェクトとは、具体的にはどのような取り組みを行うのか伺います。  その中で区はオール世田谷づくりを言われています。では、実際どのようにこの大都市世田谷でオール世田谷づくりができるのか、オール世田谷づくりというのはかけ声だけではないのか、果たして区の言われるレガシーづくりにつながるのか伺います。  さらに、わかりやすいイベントが必要です。このプロジェクトの中で、特に大学生、高校生などの若者がどのように参加、参画するかが課題のはずですが、区からの説明ではわかりません。どのようになっているのか伺います。  さらに、このたび東京での聖火リレーの出発式が区内駒沢公園で行われるとの報道がありました。この聖火リレー出発式に当たり、世田谷区の多くの児童生徒に立ち会ってもらう、聖火の本物に接していただくという機会をつくることが地元自治体の使命です。区として、子どもにとって、多分一生に一度しかないであろう貴重な機会をどのように活用していくのか、お考えを伺います。  さらに、世田谷区はアメリカ合衆国のホストタウンであるとされていますが、他自治体ではさまざまなホストタウン事業を行っているとの報道があります。その多くは、実際に市民レベルでの交流が多いのですが、区は今のところ市民レベルでの交流が行われているとは思えません。今後どのように市民交流を中心としたホストタウン事業を行うのか伺います。  次に、区の文化政策・国際交流・観光政策等と外郭団体のあり方について伺います。  区のさまざまな外郭団体は、それぞれ使命を持っているはずです。例えば文化財団は、世田谷区全体の文化を引き上げていく役割を持っていると考えますが、その取り組みが見えてきません。お話によれば、例えば音楽については、区として本格的なコンサートホールを持っていないことが指摘されましたが、であれば区の文化政策を担う財団として、玉川高校跡地などでの本格的コンサートホール建設について、専門家としての意見を言うべきではないでしょうか。  新たに財団として、区全体の国際交流事業を行うというのであれば、民間主体のホームステイ事業、区内在住高校生、大学生の派遣事業などを行うことを検討すべきです。  また、他会派から問題提起されている観光は、やはり一般的な行政施策とはなじまないはずです。区として本気でおもてなしについて取り組もうとするならば、新たな組織の設立も含め抜本的な見直しを行うべきです。これらについて区のお考えを伺います。  地域での学校のあり方について伺います。  地域で区立小中学校が最大の公共施設として存在していること、これは紛れもない事実です。しかし、現在のところ教育施設としての活用が主であり、一部学校開放が行われていること、また、BOP、新BOPがあり、子どもたちの生活の場となっているのですが、その活用には限りがあります。  教育長にお伺いしたいのですが、これまでのお考えを見直し、学校全体がある意味、子どもたちの生活の場ともなっていく、既存の普通教室もその活用の視野に入れていくということがあり得ると考えますが、どうか、お考えを伺います。  次、地域で安心して最期を迎えることについて伺います。  ごく先日、ある地域で、これまでお元気で地域で活躍しておられた八十一歳の女性の方が突然亡くなられました。がんということでしたが、病院にかかって一カ月ほどのことだったのです。御本人も御家族も、何とか治そう、治ってもらおうとして、さまざまな検査を苦しい中で受けていましたが、そのさなかに病状が突然悪化して、息を引き取られました。  その方は、ニンジンのてんぷらをたくさん揚げて、皆さんに配って食べていただくということをとても楽しみとしておられたので、納棺のときに、地域の人々がニンジンの千切りをひつぎの中に入れるなど、心温まるお葬式でもありました。  しかし、その数日後、「人生最後のご馳走」という、あるホスピスでのドキュメントを記録した本を読みました。この本自体は、末期のがん患者に対して、ホスピスとして余命三週間、何を食べたいですかと自分でメニューを選ぶことができる、そのことを取材した感動的な本です。  その本の終わりに、たった十五床のこのホスピスに入りたくても、限られたベッドのあきを待つ間に、痛みに苦しみ、そして力尽きてしまう人も少なくないと書かれてあったのです。  私は、先ほど申し上げた区民の方は、まさに痛みに苦しみ、そして力尽きて亡くなってしまったと、今になって思うのです。  その本には、ホスピスは死ぬための場所ではなく、最期まで生きるための場所なのだとも書かれていました。さらに、そのホスピスの副院長のお話として、ここでは、生を全うされた方には、生きている方と同じように正面玄関からお帰りいただく、そのときには、顔に覆いをかぶせることもしない。スタッフの、私たちは、あなたを大切な存在として迎えていますという思いは、最期のケアまで強く込められているとのことです。  保坂区長は、世田谷区は県レベルを超える九十一万大都市となった、百万都市にもなろうと言われます。では、そのような大都市であって、今回の事例のように、がんに立ち向かい、そして敗れて亡くなっていくしか方法がないという状況でよいと思われているのでしょうか。  所管に伺っても、ホスピスというのは都会にはなく、どこか落ちついた郊外にあるのが普通ではないかとお答えになるばかりです。  以前、区内のあるところで、みとりの講演会がありました。その中で、区立の特養ホームの方が、自分たちのホームでは、身寄りのない方が亡くなっても、きちんと旅立ちのエンゼルケア、エンゼルメークを行って送り出します。私たちのホームを出るまではホームの人ですからと言われたとのことで、受講者の何人もの方々が、できればそういうところで最期を迎えたいと涙を流されていたというお話を伺いました。  しかし、全ての区民がそのようなホームに入居できるわけはありません。今回のお話のホスピスは地方にあるのではなく、大阪市の中心部に近いところにあります。  私は、直接に区立のホスピスをつくるべきと言っているのではありません。地域の中で安心して最期が迎えられる、そのような仕組みを、ありとあらゆる創意工夫をしていく、そのような姿勢が大都市世田谷に必要なのではないかと思います。区のお考えをお伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 小泉議員にお答えいたします。  児童相談所のあり方について御意見をいただきました。  平成二十八年、児童福祉法の改正がございまして、昭和二十二年、一九四七年の制定時以来の理念規定が大きく見直され、児童の権利条約の批准を受け、児童は適切な養育を受け、健やかな成長発達や自立が図られ、それらを保障される権利を有するなどが明記をされました。  世田谷区の児童相談所の設置は、そうした法の理念である子どもの人権、そして、何より命を守る最後のセーフティーネットを区みずからの手で実現、運営するものであり、予防から介入までを身近な自治体が対応することで、戦後から連綿と続いてきた児童福祉のあり方を大幅に前進させる大きな挑戦であると考えております。  虐待ゼロを実現するためには、虐待対応の面から情報収集、アンテナを高くするだけでは難しいものと考えております。危険を早期にキャッチするセーフティーネットづくりだけではなくて、世田谷ネウボラを活用した、子どもの成長を見守り、育児を支援し、健診から児童館における育児講座、そして保育園や幼児教育の場における子どもの様子、地域における民生児童委員の皆さんや青少年委員などの子育て支援の、そういったネットワークを全て有機的に結びつけて、子育てを孤立させない母子保健を中心とした取り組みが虐待ゼロにつながっていくものと考えております。  これまで世田谷区では、地域と力を合わせ、児童虐待の発生予防や早期発見、早期対応、虐待を受けた子どもの保護、自立などの施策を展開してきました。今後は児童虐待など深刻な問題を分析し、さらなる予防型児童相談行政を構築し、児童虐待のないまちを目指してまいります。  次に、児童虐待ゼロ、これは何をもって言うのかという御指摘をいただきました。児童虐待相談件数は増加の一途をたどっております。ちなみに平成三十年度、子ども家庭支援センターの相談件数九百四件、平成二十九年度、一年前になりますが、世田谷児童相談所の児童虐待相談対応件数は九百二十三件となっております。  連日テレビのニュース等で、子どもが虐待され、大変悲惨な形で命を奪われていく、あるいはネグレクト、育児放棄の中で息絶えていく、大変悲しい事件が報じられております。本日も判決がございます。  虐待ゼロを目指すということは、こうした悲劇を世田谷区では起こさせないという決意を込めてでございます。児童虐待相談や虐待通告につきましては、虐待の早期発見、早期対応のために不可欠なものでありますが、本来であれば、その生死にかかわるような虐待に至る前に、身近な地域で気軽に相談できる場所があり、地域の温かな見守りの中で早目に相談につながり、支援が受けられる、これが重要だと考えています。  区では児童虐待ゼロの地域づくりを目指してまいりますが、これは虐待に至ってしまう前に悩みが解決され、子育てを楽しめる、孤立からつながりを得る地域社会を目指すものであり、子育て支援のサービスの充実や子どもにかかわる人材の育成を行い、地域社会で、民間も含めたネットワークで子育て世代を支えていく、子ども・子育て応援都市であるということを目指してまいります。  現在、第二期子ども計画後期計画の策定中ですが、本計画におきまして、このようなまちづくりの実現に向けた体制構築をさらに加速するよう検討をしていただきたいと期待をしております。その内容につきましては区議会に御報告をしてまいります。  次に、地域行政の検討と本庁舎整備について御指摘でございます。  私は、地域の住民が主体的に地域に参加し、地域の課題を解決することと、これは住民自治ですが、この確立を考えるとき、身近な地域・地区に誰もが気軽に集い、意見交換し、活動する機会や場の確保は欠かせないものと考えております。場がないところから活動はなく、活動がないところから自治は生まれないと思います。  総合支所やまちづくりセンターを含め、地域行政制度のあり方は、こうした区民の活動を後押しし、区民の生活を支える観点から検討する必要があり、本庁のあり方も当然これに連動するものであります。  区の施設は、規模や求められる機能はもとより違います。御指摘のとおり、区はそれぞれの施設全体を、いわばばらばらにつくるのではなくて、横串に刺し、関連部署のマッチングを進め、横断的かつ総合的につくり上げていくことが重要だと思っております。  今年度から地域行政のあり方検討を進め、次の時代を担う地域行政制度へ骨格を組みかえ、行政のあり方を進化させようと思います。既にまちづくりセンターの建てかえ整備の終わりが近づいてきておりまして、玉川総合支所も来年、改築竣工いたします。今後、本庁舎整備に係る実施計画や公共施設等総合管理計画の改定と相互に連動させまして、地域の財産である公共施設をよりよい形で次世代に受け継ぐようにしたいと考えております。  最期まで生きるホスピスについてお触れになりました。  過酷な延命治療を行わず、心身の苦痛を和らげる緩和ケアを中心とする施設や治療について、一般的にホスピスと呼ばれています。実は私も、五年前に五十代にしてがんの末期で闘病していた友人が、いよいよ全身にがんが広がってしまったということで、世田谷区内のホスピス、緩和ケアの病床に入院され、その部屋の中で最期となったお話をしたことを大変、きのうのことのように思い出します。  ただ、当時でも希望者が多くて、なかなかベッドはあかなかったと聞いておりますし、区内に緩和ケアの機能のある医療機関は幾つかありますが、まだ十分でないものと思います。  また、在宅で、みずからの家で訪問治療を受けながら、みとりを希望する方もいらっしゃいます。高齢化社会になり、終末期医療のあり方が多くの区民にとって大変身近な問題となってきていると思います。  区は、地域包括ケアシステムの地区展開の中で、医療との連携、コネクトについてマッチングのほうを進めていきたいと思います。そして、一人一人がどのように生きたいかを考え、在宅医療連携を強化して、介護関係者の支援のもと、御自身が望む最期の日々をより充実して過ごせるよう、さまざまな場面で、温かいホスピタリティーが行き渡る世田谷区の実現を具体的に進めることができるよう努力をしてまいります。  以上です。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、オリンピック・パラリンピックに向けましたオール世田谷づくりについて、おもてなしプロジェクト、オール世田谷づくりにつきまして御答弁申し上げます。  東京二〇二〇大会では、区に多くの観客、お客様が訪れます。この機会を区の魅力向上につなげる好機と捉え、訪れる方々を温かく迎え入れ、来訪者に喜んでいただくために、区民や事業者と区が連携して、馬事公苑かいわいの魅力向上やスポーツ交流、文化事業等に取り組んでいるところでございます。  世田谷おもてなしプロジェクトは、区民が主役となり、国際交流や障害理解などを深め、すばらしい大会となるよう区全体が一体となり進めた経験を、大会終了後も次世代に引き継ぎ、地域の活性化につなげていくための取り組みでございます。  東京二〇二〇大会に多くの区民がさまざまな形で携わることで当事者となり、区民、事業者、区の総力を結集し、一体感を持って取り組むオール世田谷づくりを目指してまいります。  イベント若者参加、聖火リレー、ホストタウン事業については、それぞれの担当所管部長より答弁をさせます。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、国際交流、観光政策と外郭団体のあり方について御答弁申し上げます。  このたび、区では、国際施策の充実、発展に向け、来年四月、世田谷文化財団に(仮称)国際事業部を整備することをお示ししたところでございます。(仮称)国際事業部では、多文化共生や国際交流等に関する情報の発信、提供を行うとともに、イベント開催などを通じて交流を希望する外国人と区民や団体をつなぎ、相互理解の促進と地域の活性化に取り組んでまいります。観光事業につきましては、世田谷区産業振興公社と連携しながら、外国人向けの観光案内などの情報発信、外国人向けまち歩きツアーの共同実施などを予定しているところでございます。今後は、文化財団が持つ文化芸術や国際交流事業、産業振興公社が持つ観光情報や事業者とのネットワーク等を結集し、外国人が魅力的に感じられる事業やイベントを共同開発するなど、それぞれの強みを生かしながら文化施策と観光施策が効果的に展開できるよう支援してまいります。  観光事業の進め方につきましては、今般、実行委員会方式で予定しておりますおもてなしプロジェクトも契機といたしまして、まちなか観光交流協会参加の民間団体等との連携協力を深め、さらに前進させていきたいと考えております。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、地域での学校のあり方について御答弁申し上げます。  世田谷区では、長年にわたって地域と一体になり、さまざまな教育力を活用した、地域とともに子どもを育てる教育を実践してまいりました。昨今の子どもを取り巻く社会や環境の変化により学校が抱える課題がより複雑多様化する中で、学校組織や教職員の専門性だけで対応することが難しくなっている現状の中、地域の教育力やさまざまな分野の専門性を生かし、ともに子どもを育てることが一層重要になっております。  私が校長をしていた小学校では、これからの時代を生きる子どもを育てるという願いを商店街や町会、大学や公共機関と共有し、学びの場を地域に広げ、体験を中心とした新しい学びを展開してまいりました。SDGsの取り組みを地域の中で見つけようという学校の中の授業だけでは得ることのできない学びは、子どもたちに新鮮な感動を呼び、また、地域の方々とともに学び、褒められ認められることは、子どもたちの自己肯定感を育むことにつながりました。  今後は地域の力を学校の中に取り入れ、授業時間内とともに土日や子どもたちが下校した後など、新BOPの活動場所や普通教室を初めとする学校施設の活用について、地域の皆様の御協力をいただきながら検討してまいります。  以上でございます。 ◎澁田 子ども・若者部長 私からは、二点にお答えさせていただきます。  区は、児童虐待ゼロに向け、児童館において国のガイドラインを超える取り組みを行うべきという御質問にお答えいたします。  児童館ガイドラインが平成三十年度に改正されまして、子どもの安定した日常生活の支援や課題の発生予防、早期発見、不適切な養育等が疑われる場合の適切な支援や必要に応じた相談機関などへのつなぎなどが規定をされました。  区は、子どもを虐待から守り、安心して楽しく元気に過ごせる環境を実現するためには、児童館は当該ガイドラインに沿った取り組みを行うだけではなく、子どもや子育て家庭に最も身近な最前線の機関として位置づけ、児童相談所や子ども家庭支援センターと緊密に連携し、地区における相談支援や見守りネットワークの中核となる必要がございます。  そのためには、職員が虐待防止に対する問題意識を強く持ち、発見や気づきから適切な機関につなぐことのできる力や地域資源開発のコーディネートができる能力の向上を図ってまいります。  来年四月の児童相談所開設に向け、人材育成や体制の整備、児童相談所や子ども家庭支援センターとの情報共有方法の具体化などを行いまして、児童館が地区の子どもの拠点となった切れ目のない支援や見守りができる環境づくりを進めてまいります。  二点目でございます。新BOP学童クラブの見直しについて御答弁いたします。  現在、新BOPでは、児童数の急増に伴う活動スペースの確保や人材の確保育成が大きな課題になっておりまして、学校と連携し、学校施設を有効活用して、児童が活動しやすく過ごしやすい場となるよう工夫をしております。  また、広報媒体の活用や大学訪問等により人材確保に努めるとともに、児童や保護者の変化や、困り事に気づき、早期に適切な支援につなげるために、職員の虐待防止研修を実施するなど、人材育成の取り組みを行っております。  今後は、区の目指す児童相談行政についても研修を行い、職員の理解を深めるとともに、新BOP学童クラブ実施時間延長モデル事業の検証を行う中で、民間活力の導入も含めました新BOPの運営方法や課題解決に向けた検討を行い、子どもたちが安心して楽しく過ごすことができる居場所となるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎澁田 児童相談所開設準備担当部長 これまでの児童虐待死亡事例の多くが、転入が絡んでいることについて御答弁申し上げます。  目黒区の事件は、自治体間の連携のあり方や、一時保護解除後の支援、医療との連携のあり方などさまざまな問題が指摘されており、区はこうした課題に対応できるよう体制づくりを進めております。  これに加え、お話にございましたとおり課題を抱えた家庭が転入されてきた場合に、ニーズを見きわめて、その家庭にアプローチし、SOSを発信できる関係を築くことが大変重要であると認識しております。  転入ケースにおきましては、児童相談所の介入を拒否されることも多いことから、区の児童相談所と子ども家庭支援センターは、役割分担に基づきタイムリーに情報共有をしつつ、早急に家庭とのつながりを持てるよう、児童館や保育園を初めとする子育て支援や、民生児童委員等とともに家庭にアプローチするなど、区ならではのさまざまな手法を駆使し、地域の中で連携して見守りと支援を展開してまいります。  このような事件を区では起こさないという強い決意のもと、引き続き万全の体制づくりに取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎清水 地域行政部長 地域行政について六点、順次御答弁いたします。  初めに、転入者の情報を地区で迅速に共有する仕組みづくりを進めるべきについてです。  転入される方に対しては、これから同じ地区・地域に暮らす区民として温かく迎え、また、何らかの問題を抱えた方や御家族の情報をキャッチした場合は、適切な対応を図ることが重要であると認識しております。転入される方とのファーストコンタクトである転入手続においては、家族構成を初め健康保険や就学など、区が把握する情報は多岐にわたります。個人情報の取り扱いは区としても最も注意を払うべきものとして適正な保護管理に努める必要があります。  子どもや高齢者など地域全体で見守っていく上で、人と人との関係の中での気づきが大切であり、必要に応じて関係機関と情報共有することは重要ですが、情報の共有化につきましては、法令等に基づくことはもとより、住民の方々の理解が得られるような仕組みが必要でもあるものと考えます。  次に、これまでの取り組みの成果と評価として、行政改革のもと、出張所の業務を縮小してきたことの成果と評価について、また、全てのまちづくりセンターに管理職を置いていないのは、条例など何らかの規定があるのかとの質問についてです。  平成十七年度の出張所改革は、行政改革の視点に立って効率的な窓口運営と地区まちづくり支援の強化を一体的に実現する方針のもと、転入、転出などの手続を七つの出張所など十カ所の窓口に集約し、二十カ所の出張所は地区まちづくりの支援業務を行うまちづくり出張所といたしました。  この十七年改革については、証明書の交付など不便になったという声がある一方で、まちづくり支援活動の進展や相談業務の実施に伴い、介護予防のまちづくりが推進されるきっかけとなったとの評価もありました。  まちづくり出張所は、その後、まちづくりセンターと名称を変更し、防災塾の実施や地区防災計画の策定など、地区防災力の強化に向けた取り組みや、福祉の相談窓口の開設など、地区のコミュニティーづくりや身近な相談機能を向上させ、こうした面で地区の強化につながる前進があったものと認識しております。  なお、現在、五カ所のまちづくりセンターに地域振興課副参事を配置しております。全てのまちづくりセンターに管理職を配置することができないという規定はございません。  次に、これまで地区レベルでのワンストップサービスやコンシェルジュ機能が実現されていないのではないかについてです。
     平成十七年の出張所改革から数年間において、まちづくり出張所のあり方が議論される中、まちづくり出張所が地区における相談業務の充実を図る旨を、地区のコンシェルジュとしての機能、また、一部の施設では、あんしんすこやかセンターとの併設によるワンストップサービスの展開を進めていくという趣旨の説明をしております。  この改革は、厳しい社会経済状況や少子高齢社会の進展等、地域社会を取り巻く状況の変化において、窓口サービスの利用動向を勘案し、ICTを活用した業務の集中化、効率化を図り、その一方で身近な行政拠点において住民主体のまちづくり活動の促進と相談機能を強化するため、出張所機能の整理見直しを行ったものです。  この間、社会状況の変化に伴い、時代の要請を踏まえ、現在、地域包括ケアの地区展開における三者連携によるさまざまな相談の窓口としての実現や、参加と協働による地域づくりの取り組みにつながっており、一定の案内機能やワンストップサービスの役割を果たしているものと認識しております。  次に、くみん窓口の評価についてでございます。  くみん窓口は、住民異動届など関連する複合的な手続に来訪された方が、一つの窓口で円滑かつ迅速に完了できるようにするため、平成二十九年七月に住民記録業務と戸籍業務の窓口を一体化した窓口として、区内五カ所の総合支所に開設いたしました。  くみん窓口には、新たに番号発券機システムを導入したことにより、届け出と簡単な証明書交付を別系列で処理をする、住民異動届の入力作業をバックアップする集中入力センターの設置、窓口受け付けをサポートするフロアマネジャーの配置等に取り組みました。これらの取り組みにより待ち時間の短縮効果やスムーズな受付対応等、来庁者アンケート調査でも多くの方から御好評をいただきました。  さらに、窓口サービスの向上を図るため、本年七月から戸籍業務の土曜日の窓口を開設したところでございます。  一方、繁忙期などでお待たせすることもあることから、さらなる窓口業務の効率化に向け、ICT技術の進展など社会動向を注視し、より一層効率的な窓口サービスの充実に向けて検討してまいりたいと考えております。  次に、児童館、あんしんすこやかセンターの位置づけについてです。  世田谷区子ども計画(第二期)後期計画の素案では、児童館が子どもや子育て家庭に身近な地区の中で、相談支援や見守りのネットワークの中核的役割を果たすことにより、切れ目のない支援や見守りを強化していくことを目標に掲げ、地区において再整備することを盛り込んでおります。  また、あんしんすこやかセンターは地域包括ケアの地区展開において、まちづくりセンター、社会福祉協議会との三者連携のもと、地区における福祉の相談業務の中核を担っております。  このような地域住民に密着した総合的な行政サービスに向けた取り組みは、地域行政の理念に基づくものであり、地域行政の条例制定に向けた総合支所の機能や役割を捉え直す中では、その地域の位置づけについても検討の範囲になるものと考えております。  最後に、地域行政の検討に当たってビジョンを持てるか、また、机上の空論にならないための条例検討の体制についてです。  地域住民に密着した総合的な行政サービスと地域の実態に即したまちづくりを、区政への住民参加のもとに実現するという地域行政の目的は、地域社会が大きく変化する時代にあっても、区の行政運営の基本的な考え方として変わることはないと認識しております。  少子高齢化や地域コミュニティーの希薄化が進み、百万都市を見据えた世田谷区において、区民参加と協働による区政運営をより確実なものとすることが不可欠であると考えております。  本年十一月には検討委員会を設置し、学識経験者、活動団体の代表や区民委員などに議論に参加いただき、専門的な知見や区民の視点に立った検討を進め、理念やビジョンをまとめてまいりますが、その過程では、日ごろから地区の住民や活動団体と向き合っているまちづくりセンター職員を初め、総合支所職員などと、現状の課題やこれからのまちづくりのあり方などについて庁内で意見交換し、地域の実態を踏まえた検証、整理を行い、委員会の議論に反映してまいりたいと考えております。  さらに、区民参加による車座集会やワークショップ、シンポジウムなどにおいて、地区で暮らす区民の声に耳を傾ける機会を設けるとともに、節目ごとに議会に報告し、御議論いただき、具体的で実効性のある検討につなげてまいります。  以上でございます。 ◎中村 政策経営部長 私からは、人口構成の変化と公共施設の整備について御答弁いたします。  区の公共施設の多くは、高度成長期を中心とした時期に整備しており、今後三十年の間に改築や大規模な改修が集中する時期を迎えます。さらにこの間、施設の整備、維持管理経費は上昇しており、現状の施設を維持していくためには、施設の複合化や仮設建築物の抑制などを徹底するとともに、改修サイクルの延伸や仕様の簡素化など、経費縮減の取り組みは避けて通れません。  一方で、区の人口は、高齢者を含めて今後も増加することが見込まれております。区民の自主的な活動を後押しし、地域コミュニティーの再生、活性化、高齢者の介護予防、健康寿命の延伸を進めるためには、身近な地域・地区において、多世代の誰もが気軽に集い活動できる場の確保は重要な課題であると認識しております。  こうしたことから、今後、地域コミュニティーの核としての役割を担う学校施設の地域利用は、区民利用施設のさらなる有効活用による利用機会の拡充を図ってまいります。さらに、施設の改築に当たっては、将来の行政需要に応じた用途転換が可能となる仕様を検討するなど、将来の人口構成の変化に柔軟に対応できる施設整備に取り組んでまいります。  以上です。 ◎小澤 交流推進担当部長 私からは三点お答えいたします。  まず、おもてなしプロジェクトイベントと若者の参加についてです。  オール世田谷づくりに向け、行政や事業者がそれぞれ主体的に実施する事業と、官民が連携し実施する事業全体をプロジェクト事業に位置づけます。そのうち官民が連携して実施していく事業において、東京二〇二〇大会の盛り上げや、おもてなしを見据えた象徴的な事業を、実行委員会を組織して実施していけるよう、現在、準備を進めているところでございます。  東京二〇二〇大会を彩り、区民の参加と協働によるイベント、例えば区民参加型のパレードなどを想定しております。こうした取り組みを次世代につなげていくためにも、柔軟な発想と行動力を生かす場として、各事業の企画等に若者の参加は必要であると認識しております。具体的な若者の参画のあり方につきましては、おもてなしプロジェクトを進めていく中で関係機関と調整してまいります。  次に、今後のホストタウン事業についてお答えいたします。  ホストタウンとは内閣官房の制度で、オリンピック・パラリンピック選手等と区民との交流や文化交流などを通じまして、多文化や多様性の理解を進め、地域の活性化を目指す自治体でございます。  区はアメリカ合衆国のホストタウンとして平成二十八年六月に登録されました。これまでアメリカ合衆国関係者と区民との交流や、ゴスペル鑑賞などの文化交流、パラリンピアンとの交流などを実施してまいりましたが、これらの取り組みをきっかけといたしまして相手を知り、理解し、多様なあり方を認め、ともに支え合う社会を実現することがホストタウンの本質であると考えております。  区は今後もアメリカ合衆国のホストタウンとして、多くの区民とアメリカ関係者等が交流する機会を設け、市民交流や地域交流の輪を広げることで、相手を尊重し、支え合う共生のまち世田谷の実現を目指してまいります。  以上でございます。 ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、聖火リレーのあり方につきまして御答弁申し上げます。  東京都内を走る聖火リレーは、東京都聖火リレー実行委員会が主体となり、来年七月十日から二十四日までの十五日間、六十二の区市町村を回ります。世田谷区におきましては、初日となる七月十日に駒沢オリンピック公園中央広場からスタートすることが決定をされております。  お話にありました未来を担う多くの子どもたちに本物の聖火リレーに接する機会をつくりたいとの御指摘、区としても同じ認識でございます。現在、駒沢オリンピック公園中央広場からのスタート時のセレモニー等は示されておりませんが、実行委員会の事務局を担っている東京都と引き続き議論をし、世田谷区内を走る聖火リレーが未来を担う子どもたちの感動とレガシーにつながるように積極的に取り組んでまいります。  以上です。 ◎松本 生活文化部長 私からは、文化施策と国際施策についてお答えをいたします。  まず、コンサートホールの整備についてでございます。  区の文化芸術施策は、美術、演劇、文学など多様で豊富な文化芸術にかかわる人材と活動を生かしまして、区民が身近なところで質の高い文化芸術に触れることができる機会を提供してまいりました。  世田谷文化財団が世田谷の文化芸術を牽引する認識から、音楽事業につきましては、平成十九年度に世田谷文化財団に音楽事業部を設置し、区内のさまざまな施設等でコンサート事業や子ども向けのワークショップ型事業、街角での音楽事業など、多彩な事業を展開しているところでございます。  旧玉川高校跡地でのコンサートホールの整備についての御指摘がございましたが、コンサートホールについては、区民や音楽事業にかかわるさまざまな方から御意見、御要望を頂戴をしております。厳しい財政状況や公共施設にかかわる負担の増大も生じておりますので、公共施設全体の計画を行います政策経営部とともに引き続きの検討課題とさせていただきたいと存じます。  次に、世田谷文化財団に設けます国際交流事業についての御質問でございます。  まず、ホームステイ事業でございますが、区では平成十八年度からホームステイボランティア家庭登録制度を実施しておりまして、主に姉妹都市交流事業で来日する方に御利用をいただいております。  世田谷文化財団の(仮称)国際事業部が区民参加型の国際交流事業を担うことを踏まえ、区民主体で行われるホームステイボランティア事業については、国際事業部への移管、拡充の可能性も含め、世田谷文化財団と協議してまいりたいと存じます。  また、高校生や大学生の海外派遣事業につきましては、自治体や国際交流協会のほか、NPO法人あるいは民間事業者でも実施しているものがございますが、公益財団法人である世田谷文化財団が実施するに当たりましては、公益的な目的や効果を明確にする必要があることに加え、財源確保という課題も生じてまいります。  国際事業部の取り組みはこれからでございますので、まずは予定をしております事業の円滑な実施を優先しつつ、他の自治体での実施方法等を把握しながら、その可能性について、区と文化財団が連携しまして研究検討してまいります。  以上でございます。 ◎板谷 保健福祉部長 私からは、ホスピスについてお答えをいたします。  終末期の緩和ケアを行う、いわゆるホスピスには、国の施設基準に基づく緩和ケア病棟や、専門の医師、看護師、薬剤師等のチームが一般病棟の患者に緩和ケアを提供する緩和チームケア、また、医師や看護師等が患者の自宅を訪問してターミナルケアを行う在宅ホスピスがございます。  区では、どのような療養生活を望むのか、なるべく当事者の意向に沿う形で医療、介護を受けられるよう、家族や関係者とみずからの受けたい医療ケアについてよく話し合うアドバンス・ケア・プランニングの普及に向け、ガイドブックの作成等の準備を進めているところです。  終末期の大切な時間を有意義に過ごせるよう、状態に合わせて適切な医療、介護を円滑に提供するため、地区連携医事業や医療系民間のノウハウを活用して在宅療養相談窓口における医療面のスキルアップを図るとともに、医療連携推進協議会で多職種の意見を受け入れながら、医療と介護の連携に向けた取り組みを進めてまいります。  以上です。 ◆九番(小泉たま子 議員) 区長に区としてホスピスが必要ではないかという質問に対してお答えをいただいていないわけです。私は、九十一万人の大都市の責任者として、やはり区民に希望を与えていただきたい。やっていきますという言葉が欲しいですね。安心を与えていただきたいと思います。  大変答弁が長くなり、質問時間がなくなりましたのですが、そういうリーダーシップを区民は期待していると思いますので、ぜひそれを要望しておきます。  質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で小泉たま子議員の質問は終わりました。  これで本日の代表質問は終了いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明十八日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時四十一分散会...