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平成31年  3月 予算特別委員会-03月14日-06号

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  1. 世田谷区議会 2019-03-14
    平成31年  3月 予算特別委員会-03月14日-06号


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    平成31年  3月 予算特別委員会-03月14日-06号平成31年 3月 予算特別委員会 平成三十一年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第六号 日 時  平成三十一年三月十四日(木曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十九名) 委員長  安部ひろゆき 副委員長 津上仁志 副委員長 そのべせいや      阿久津 皇      石川ナオミ      石川征男      おぎのけんじ      加藤たいき      上島よしもり      上山なおのり      河野俊弘      菅沼つとむ      畠山晋一      真鍋よしゆき
         山口ひろひさ      山内 彰      ゆさ吉宏      和田ひでとし      板井 斎      岡本のぶ子      河村みどり      佐藤弘人      高久則男      高橋昭彦      平塚敬二      福田妙美      諸星養一      風間ゆたか      中塚さちよ      中村公太朗      羽田圭二      藤井まな      江口じゅん子      桜井 稔      たかじょう訓子      中里光夫      村田義則      大庭正明      田中優子      桃野よしふみ      小泉たま子      佐藤美樹      高岡じゅん子      田中みち子      あべ力也      上川あや      すがややすこ      ひうち優子      青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長 下村義和  出席説明員   副区長           岡田 篤   世田谷総合支所 総合支所長 平澤道男           街づくり課長                 伊東友忠   北沢総合支所  総合支所長 髙木加津子           街づくり課長                 小柴直樹           副参事   大平光則   玉川総合支所  総合支所長 岩元浩一           街づくり課長                 谷亀綠郎   砧総合支所   総合支所長 澤谷 昇           街づくり課長                 佐々木 洋   烏山総合支所  総合支所長 西澤 滋           街づくり課長                 北川健介   政策経営部   財政制度担当参事                 松永 仁   都市整備政策部 部長    渡辺正男           都市計画課長                 佐々木康史           都市デザイン課長                 清水優子           市街地整備課長                 釘宮洋之           建築調整課長                 髙橋 毅           建築審査課長                 小林浩一           住宅課長  佐藤絵里   防災街づくり担当部           部長    関根義和           防災街づくり課長                 並木正志           建築安全課長                 小田代貴彦   みどり33推進担当部           部長    笠原 聡           みどり政策課長                 青木 誠           公園緑地課長                 市川泰史   道路・交通政策部           部長    小山英俊           道路管理課長                 田中太樹           道路指導課長                 髙橋良忠           道路計画課長                 佐藤 尚           道路事業推進課長                 堂薗次男           交通政策課長                 堂下明宏           副参事   鎌田順一   土木部     部長    五十嵐慎一           豪雨対策推進担当参事                 桐山孝義           土木計画課長事務取扱参事                 桐山孝義           交通安全自転車課長
                    大橋 聡           工事第一課長                 春日谷尚之           工事第二課長                 山梨勝哉     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 平成三十一年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 平成三十一年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 平成三十一年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  議案第四号 平成三十一年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 平成三十一年度世田谷区学校給食費会計予算都市整備委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○安部ひろゆき 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 本日は、都市整備委員会所管分の予算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  無所属・世田谷行革一一〇番・プラス、どうぞ。 ◆桃野よしふみ 委員 おはようございます。まずは、きょうは空き家問題について聞いてまいります。  平成二十六年十一月に空き家の特措法が公布されまして、平成二十八年三月には世田谷区の条例も施行されています。  まず、条例の中身について少し質問したいんですけれども、世田谷区空家等の対策の推進に関する条例、この条例の第六条に調査等ということが定められていまして、区長は必要な調査を行って、または立入調査をさせた場合において、当該建築物等が特定空家等に該当すると思われるときは、必要に応じて法の第十二条の規定による空き家等の適正な管理の促進に係る情報の提供または援助を行うものとするというふうに言っています。この法の十二条というのは何かというと、先ほど申し上げた平成二十六年の十一月の法律、空家等対策の推進に関する特別措置法です。これの十二条だと言っています。この十二条に何が書いてあるかというと、市町村は、所有者等による空き家等の適切な管理を促進するために、情報の提供、助言、その他必要な援助を行うよう努めるものとするというふうに書いてあるんです。ここで言っているのは特定空家ということは言っていないので、特定空家も含めた空き家の適切な管理を推進するため自治体はやりなさいというふうに言っているんですね。  一方、その十四条で、特定空家等に対する措置ということも定められていまして、この法律の十四条では、特定空家等の所有者等に対し、中略しますけれども、必要な措置をとるように助言または指導をすることができるというふうに書いてあります。世田谷区の条例の第六条の趣旨は、これは特定空家等に該当すると思われるときは、法第十二条の規定による情報の提供または助言を行うものとするというふうに書いてあるので、素直に読むと、これは十二条ではなくて、この十四条の規定でやりなさいというふうに書くのが適切なようにも思うんですが、区の見解を教えてください。 ◎小田代 建築安全課長 条例の六条ですけれども、こちらにつきましては、特定空家等に該当すると思われるときはとういうふうに書いてございまして、十四条のほうは特定空家についての措置が記載されているものでございます。ですので、十四条ではなくて十二条のほうは、こちらは空き家等の状態に限らず、所有者等による空き家の適切な管理を促進するため、所有者等に対し情報提供、助言、その他必要な援助を行うよう努めると定められておりますので、こちらの十二条を規定しております。 ◆桃野よしふみ 委員 条例の六条は、「特定空家等に該当すると思われるときは」なので、十四条を持ってくるのがより適切なのかなというふうに思うんですけれども、それはちょっとさておき、要は、特定空家とその他の空き家ですね。これは明確に区別して世田谷区は対応をしなければいけないということになるわけです。では、その特定空家というのはどういうものを指すのかということは国のガイドラインで定められていて、そのまま放置すれば倒壊など著しく保安上危険となるおそれのある状態、そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態というものが特定空家だということで定められているわけですね。いずれにしても、この特定空家にしても、その他のいわゆる管理不全な空き家にしても、いずれにしてもその所有者だとか管理者を特定しないと、世田谷区としては働きかけることができないわけですね。誰が所有者なのか、誰が管理者なのかということがわからない状態、わからない中で、行政として対応に困る例というのがもう出てきたということで、その空き家の特措法ができたという流れがあるわけです。  特定空家についてはちょっと後ほど触れますけれども、誰が管理者なのか、誰が所有者なのかということを特定して、自治体に強い権限が与えられているんですけれども、それはさておき、問題はその強い権限が与えられていない、空き家の中で管理不全なものだと思うんです。例えば、柿の木でもイチジクの木でもいいんですけれども、それがせり出してきて近隣に迷惑をかけていると。そういうことについては、そういう空き家については、先ほどの法の十二条に基づいて情報提供や助言をすることになっている。そういうつくりなんですね。要は、相手を特定しないといけないわけですけれども、この所有者の特定というのは、この法の施行前は不動産登記情報とか、住民票戸籍情報、周辺住民への聞き取りということでやるということになっていたんですが、法の施行で、これは固定資産税の課税とか、その他の事務のために利用する目的で保有する情報も世田谷区は利用できるようになったということです。  世田谷区がそこまでやっても、それでも特定できない場合というのがあるのかないのか、あると思うんですけれども、そういうのはあるのか。どういう場合にその管理者、所有者がいないということで世田谷区が判断をするのかということ。それをまず教えていただきたいのと、実際にそういう例が世田谷区にあるのかないのかということもあわせて教えてください。 ◎小田代 建築安全課長 所有者不明につきましては、主に所有者不存在と所有者不在に分かれます。所有者不存在とは、所有者調査を行った結果、登記事項証明書に記載の所有者が死亡しており、相続人がいない場合または相続人が全て相続放棄をしている場合などを指します。相続放棄をする理由には、死亡した所有者が当該不動産以外に借金等の負債を抱えており、負債のほうが多くなる場合や、生前に関係が悪化し絶縁状態にある場合などが考えられます。一方、所有者不在とは、所有者調査を行っても登記事項証明書に記載の所有者の現住所が確認できず、生死を含め所在がわからない場合、または未登記建物であり所有者を特定できない場合などを指します。いずれのケースも当区で事例がございます。 ◆桃野よしふみ 委員 実際にあるという話なんですね。それで、探しても見つからないと、誰が所有者なのかわからないんだという場合は、ちょっと今議論の対象から外して、所有者、管理者が不存在だと、これは誰のものでもないんですということがわかる、それがわかっちゃう、これは探すも何ももういないんだということがわかってしまうという例が実際に世田谷区であるという話だったんですね、今のは。それで、民法では、無主物のうちの不動産、これは国庫に帰属するというふうに定められているわけですから、これは世田谷区がもうわかったと、これは所有者、管理者は不在ですと、いませんということがわかれば、これは国に処分も含めた管理というのをお願いするのが法のつくりではないかなというふうに思うんですが、世田谷区はそういうことはされないんですか。 ◎小田代 建築安全課長 民法第二百三十九条には、所有者のない不動産は国庫に帰属すると規定されていることについて、東京都と国に照会を行ったところ、所有者不明の空き家を国庫に帰属させる具体的な方法は定まっていないとの回答があり、現段階で国庫に帰属させることは困難であると考えております。 ◆桃野よしふみ 委員 法律には書いてあるけれども、実際にはやっていないみたいな話だと思うんです。この空き家問題は、ここ数年こういう特措法もできて、社会的に大きく関心の高まっていることですから、この辺の本来国庫に帰属する不動産、この辺に対する管理をどうするのか、特にその費用面。例えば、事務は世田谷区がやるにしても、費用は国で見てくださいよというような働きかけも必要だと思いますので、ぜひその辺は今後の検討課題に入れておいていただきたいというふうに思います。  実際の事務について少し聞いてまいりますけれども、例えば、あるおうちの敷地から何か柿でもイチジクでも木が伸びていて、隣の家にどんどんどんどんせり出して、実が下に落ちてうちが汚れちゃうんだということが、例えば世田谷区のほうに相談として持ち込まれた場合は、世田谷区はどういう対応をするのでしょうか。 ◎小田代 建築安全課長 空き家の樹木の枝が隣接する民有地に越境している場合など、そういったものについては、まず、区のほうでは現地のほうを確認いたします。現地を確認いたしまして、管理不全な状態であれば、管理不全な状態なので、文書等により所有者等にお願いをするわけですけれども、民有地と民有地の間で生じている問題につきましては、区で対応できることが法令等で定められていないため、その旨を相談者に御説明するとともに、弁護士の相談窓口を御案内するなど民事的な解決に向けた対応をしております。 ◆桃野よしふみ 委員 これまでこの質問を積み重ねてきた中で、今の答弁にたどり着いて、課題も明らかだと思うんですけれども、一つは、道路や公園その他の公共の場所に、その管理不全な空き家を原因として危険が及ぶおそれがある場合、これは先ほどの条例の九条、世田谷区の条例の九条の緊急措置、これで対応できると。だけれども、それが民有地に来ている場合は、これは今、私は柿の木とかイチジクの木の話をしましたけれども、それが例えば緊急を要するような何か危険が及ぶような可能性があっても、それは区はできないと、純粋にそれが民有地対民有地の話であれば、それは対応できないということなんですよね、確認します。 ◎小田代 建築安全課長 委員お話しのとおり、民有地と民有地で生じている問題につきましては、民事的な解決に向けた対応を御案内しているというところです。 ◆桃野よしふみ 委員 これは当然所有権の問題もあるので、法律とぶつかってくるところが必ず出てくるとは思うんですけれども、いわゆる緊急措置であってもできないということですよね。これはちょっと、これからその空き家問題というのが抱えてくる一つの課題になってくると思うので、それは世田谷区としてもではどうしていくべきなのかと。当然国に働きかけていかなきゃいけない部分もあるとは思うんですけれども、どうしていくべきか。特に、いわゆる管理不全、柿の木、イチジクの木もさることながら、緊急措置ですよね。それはしっかりとやっていかなければいけないなというふうに思います。  それともう一つ、前段でおっしゃった所有者へ文書等により改善要請を行いますということなんですけれども、これも要は相手が特定できないと何もできないわけですよね。さまざま、私も何ができるんだろうということでいろいろ調べましたら、例えば裁判所に申し立てて、財産管理人というのを選定してもらって、その人に対応してもらうと、法にのっとって対応してもらうという方法もあったんですけれども、これは予納金が、お金は利害関係人が負担しなきゃいけないわけですよね。柿の木が乗り出してきて困っているんだけれども、その人がお金を負担してやってもらわなきゃいけないと。おまけに、それが場合によっては未来永劫ずっと財産管理に係る費用をずっとずっと負担し続けていかなければいけないということにもなりかねないということなので、これは実際、なかなか使いづらい仕組みなんですね。  そこでなんですけれども、例えば世田谷区として、先ほどおっしゃったような所有者や管理者はいませんと、わからないんじゃなくて、もういないということがわかったと。隣のおうちに悪影響を及ぼしていると。こういう話が持ち込まれた場合は、これはもう何もできませんということになってしまうんですか。 ◎小田代 建築安全課長 所有者不明の空き家についての情報が寄せられた場合は、その状態にもよるんですけれども、例えば、相続放棄を原因として所有者不存在になった空き家というものがあった場合には、民法では、相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで自己の財産におけるのと同一の注意をもってその財産の管理を継続しなければならないというふうに定められておりますので、相続放棄をした者に対して、これを根拠に管理をお願いするなどの対応を行います。 ◆桃野よしふみ 委員 相続放棄も一例だと思うんですけれども、全く相続の対象者がいないことだって十分あって、そういう場合はもう純粋に管理する義務の発生する人がいなくなっちゃうわけですよね。なおかつ、これは国庫に帰属するので国でやってくださいというふうなことも実際にはできないということなんですよね。それだけ、ちょっとそこは確認させてください。 ◎小田代 建築安全課長 確かに委員お話しのとおり、国庫に帰属することもできない、所有者のほうが不明という空き家というのは現存すると思いますけれども、そういったものにつきまして、私ども世田谷区空家等対策審査会といいまして、法律の学識経験者や弁護士の方、こういった方々で組織している区長の附属機関を持っております。こちらは主に特定空家についての対応を考えるところなんですけれども、そういったところとも相談をしながら、こういった課題についてどういうふうに解決していくべきかということで意見交換、議論をしたいと思います。 ◆桃野よしふみ 委員 平成二十六年の特措法、平成二十八年の世田谷区の条例、こういうことをもって事務を進めていく中で、やっぱりその新たな課題、この法律や条例では解決できない課題というのも見えてきたと思うので、その辺のことはぜひしっかり課題として捉えて、世田谷区で解決できることはもちろん世田谷区しっかり議論していただきたいし、世田谷区だけで解決できないことについては、関係機関にしっかり働きかけて対応していただけるような検討をぜひ進めていただきたいというふうに思います。  せっかく課長の建築のところが続いたので、少し短い一問だけ聞きたいんですけれども、うちの会派のベテラン議員から教えてもらったんですけれども、役所が長く休んでいるときは、違法建築だとか問題建築を駆け込みでどどっとやっちゃって、役所の目の届かない、例えば近隣住民が何か情報提供を役所にしても役所が動けないようなタイミングを狙って違反建築物が工事に入ってしまうということが、実際これまでもあったぞというふうに聞いているんですけれども。ことしは十連休、ゴールデンウイークは十連休になるじゃないですか。我々議員の多くは十連休のことはまだそんなに楽しいことは何も考えていないと思うんですけれども、十連休は実際来るわけです。そんなときに、今説明したような違反建築物とか問題建築物、これがだだっと、これまでにない十連休ですから、そこでそういうことが起きないような対策が必要だと思うんですけれども、世田谷区としてはどういう対応をされますか。 ◎小田代 建築安全課長 本年四月末からの十連休中の違反建築の通報に関する対応といたしまして、違反建築について、区民から区役所の代表電話に通報があった場合は、遅滞なく違反建築を担当する当課監察係の担当者に連絡が入る体制とし、監察係の担当者から御連絡いただいた区民に電話等で状況の確認を行い、必要に応じまして現地確認するなど、土日や年末年始と同様に違反建築を防止する対応を予定しております。 ◆桃野よしふみ 委員 そういう駆け込みというか、そういうタイミングを狙っての違法な行為は許さないよということだというふうに思うんですけれども、休みのときなので役所の方も大変だと思いますけれども、しっかりそういうことがないように対応していただきたいのと、あと、区民の皆さんにも周知をしておかないと、何かあってちょっと役所に通報と思っても、きっと十連休だからつながらないよなとか、休みだからどこに電話していいかわからないよなとか、そんなこともあろうかと思いますので、ぜひその広報、区民の皆さんへの周知のほうもしっかりやっていただきたいというふうに思います。  次の質問ですけれども、これまで取り上げてきました区道が不法占拠されているという話、以前も取り上げてきましたけれども、世田谷区内の区道なんですけれども、門扉をつけて通せんぼしてしまっている。逆側はこういう形で、もう通せんぼして通れないようにしていると。世田谷区に調べてもらったら、大体三十メートルぐらいの間を通せんぼして、自分の所有している土地かのようにもうやってしまっているということがあるんですということで、平成三十年三月十五日、一年前の予算特別委員会で、これは世田谷区の見解を伺って、これは許しておいてはいけないんじゃないですかという話をしたら、課長からも不法占拠でございますと力強く答えていただいて、平成二十四年度ぐらいからこの状態であることを把握しているということでした。あわせて、平成三十年度の予算に工事を計上しておりますという答弁でした。  その年の平成三十年の十月十一日の決算特別委員会で、これはもう十一月なので、本当に今年度の予算でしっかり道路を通していただけるんですかということで確認したら、まだ具体的には工事が進んでいないということだったんです。当初、取り上げてから一年たちましたけれども、現在の状況について教えてください。 ◎髙橋 道路指導課長 昨年十一月に再度相手方と接触し、柵や蛇腹の門扉等の撤去について指導したところ、相手方は撤去を行っていくという意思を示しました。また、以前は反対していた道路工事についても要望を述べるなど、道路整備の必要性について理解はされたものと認識しております。  撤去の進捗状況でございますが、いまだ柵や門扉が設置されたままでございます。しかしながら、相手方は不法に植えていた樹木を除却、移植するなど目に見える形で撤去を始めております。また、道路工事につきましては、今年度の工事着手を目指し道路設計に取り組んでいたところでございますが、道路沿いに設置されている東京都水道局のブロック塀の改修工事が実施されることとなり、工事時期を合わせる必要が生じたことから、道路工事の着手は今年度から早くて平成三十一年度にずれ込む状況となっております。 ◆桃野よしふみ 委員 多少相手も世田谷区の働きかけに応じ始めているという状況だとは思いますけれども、随分長くかかっていますし、地域の皆さんから非常にもう困っているという声も長年寄せられている案件だというふうに承知しておりますから、しっかり、こういうごね得みたいなものは許さないと。しっかりこれも道路の、区道の不法占拠ということで世田谷区も認識されているわけだから、しっかりと対応していただきたいということで、重ねて要望しておきます。  次に、火災危険密集地について聞きたいんですけれども、三月六日の読売新聞で、都内の火災危険密集地が六割減りましたと。その中で、世田谷区が三年間で面積がゼロになりましたというような記事が出ました。恐らくいいことが何か進んでいるんだろうなというふうに思う一方、ちょっとこの記事ではわかりにくいところも私はあったんです。それは、これまでの認識では、世田谷区では大きな災害が起きたときに大規模火災が発生するエリアというのがあって、その地域で火災の延焼を抑えていくのが大きな課題になっていると。それは、実際にそこに住んでいらっしゃる方の御理解だとか、実際に対策も御本人たちにとっていただかなきゃいけないこともあるし、世田谷区のそういう防災対策の上で多大な御協力をいただかないといけない部分もある中で、本当に安全になったよというイメージが何か先行するのはよくないというか、現実をしっかり照らしてないのではないかなというふうに感じるんです。  地震で大規模火災が起きる可能性が高い危険な密集市街地、これがゼロになったということで、これは恐らくいいことなんだろうなということはわかりますが、これまで世田谷区が言っていた災害対策の上で延焼を抑えなければいけない地域、それについてどういう対策をしていかなければいけないかということと、ここで報道されている地震で大規模火災が起きる可能性が高い危険な密集市街地というのは、どういう関係性になっているのかということを教えていただけますか。 ◎並木 防災街づくり課長 委員御指摘の世田谷区でのどういう取り組みかということですが、まず、世田谷区でまちづくりをする中では、燃えない建物をふやしていく、それから公共施設整備といって道路とか公園ですね。そういったものをふやしていきながら、防災上安全なまちづくりを目指すということを今までやってきているところでございます。  新聞の記事にございました地震時等に著しく危険な密集市街地、これにつきましては、これは国の基準で、地震時において大規模な火災の可能性あるいは道路閉塞による地区外へ避難することが困難となる可能性があって、生命、財産の安全確保が著しく困難で重点的な改善が必要なエリア、よく新重点密集市街地というふうに言われているところでございまして、こちらは国が示す指標が最低基準ということになっておりまして、不燃領域率が四〇%以上で、避難困難性を示す指標が地区内閉塞度五段階の一から二、これが安全ということなんですけれども、これを下回っている特に危険なところ、これを国のほうで地震時等に著しく危険な密集市街地というふうに言っているということでございまして、今回の新聞記事、この国の基準、最低基準を満足するところが解消されたということでございます。 ◆桃野よしふみ 委員 糸魚川の大火がありましたけれども、あれはいわゆる延焼の危険性がある市街地というところで起きた火災で、それはあるところで出た火がもう町を燃え尽くすような火の海になってしまったということですから、今の著しく危険な地域というのがなくなったと、それはもちろん当然いいことだと思うんですけれども、これは三年間で劇的によくなったわけじゃないし、これからも住民の皆さんにはしっかり現状を周知して対策をとっていただく、世田谷区が働きかけるにしても対策をしっかりとっていただかなきゃいけない、そういう状況であるということでよろしいんですよね。 ◎並木 防災街づくり課長 委員御指摘のとおり、これからもそういった延焼火災がふえないように取り組んでいくべきだということで取り組んでまいります。 ◆桃野よしふみ 委員 時間が少しだけ、もう一問だけ聞けるような時間だったので聞きたいんですけれども、区営住宅の不正入居事件。当該の職員は世田谷区が一千三百万円とか二千百万円とか損害賠償請求をしたんだけれども、自己破産してその請求を免れるというふうな形で今進んでいると。これまで私が申し上げたのは、破産法の二百五十三条に、破産者が悪意で加えた不法行為、これに基づく損害賠償請求権は免責されないというふうに書いてあるんだから、世田谷区はそれを主張して少しでもお金を取り戻せるように頑張らないと、これは区民のお金なんだから、区民の理解を得られないじゃないかというふうに申し上げてきました。  もう別に事実は確定しているし、新たに何か調べて何か書類をひっかき回して何か主張をつくらなきゃいけないわけでもないわけだから、しっかり最後までやるだけのことはやるべきでしょうということをもう一度聞きます。残り四十秒ぐらいで済みません。 ◎佐藤 住宅課長 区職員による区営住宅の不正利用の件につきましては、使用料の不足分相当額を当該二軒の住宅の使用者及び同居者が不正に得た利得とし、これに支払いまでの利息を付して、昨年四月に返還請求をしております。現在も、区は法に基づき裁判所の管財人や代理人の弁護士からの照会等に対し、請求額とその根拠、請求に至った状況を申し出るなど、債権者として請求額の回収に向けてできる限りの対応をしているところでございます。  引き続き、区営住宅の管理者として当該二件を含め、法令にのっとりしっかりと対応してまいります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、せたがや希望の会、どうぞ。 ◆佐藤美樹 委員 せたがや希望の会の都市整備領域の質疑を始めます。  まず最初に、京王線の連続立体交差事業関連でお伺いしたいと思います。  桜上水駅周辺について、桜上水地区街づくり協議会というところで、京王線の立体化事業が進捗するにつれて用地買収も進んできて、いろいろな課題等々検討したり勉強会をしたりしてきているわけなんですけれども、そこで出ている論点の一つで、街づくり側道関連でまずお伺いしたいんですが、駅南側、一応パネルにしたんですけれども、すごく小さいんです。桜上水の駅も、南側に側道が上北沢方向に向かって六メートル幅員で走ってきて、途中に北側に側道が上北沢方向に向かって整備されて、もう一度上北沢の駅のほうに行くと両方、南北あるんですけれども、そうすると側道が一回南北で線路を渡らないと車等の動線は確保できないと思うんですが、この辺は京王線の高架下の部分なので情報が地元には何も来ていなくて、当然そこには連絡路ができるんだろうなというふうに想定はしているんですけれども。この辺、区が整備されるのかどうなのかお伺いします。 ◎堂下 交通政策課長 京王線連続立体交差事業によりまして、既存踏切が解消されるとともに、新たに側道や交差道路なども整備されることとなります。線路により南北の道路が行きどまりとなっている御指摘の箇所に関しましては、本事業により双方の行きどまり道路及び新設される側道とをつなぐための交差道路を新設し、整備する予定としており、詳細な位置、幅員等は東京都、京王電鉄と協議中でございます。  また、新たに側道や交差道路が新設されることとなるため、交通管理上の走行車両の動線とその運用につきまして、基本的な考え方を取りまとめております。現況道路に交通規制がある場合を除き、鉄道の南北両側に側道がある場合には、それぞれを一方通行とすること、また鉄道の北側、また南側だけ、どちらか一方だけに側道がある場合には、相互通行を基本としております。この交通運用に関する基本的考え方をもとに、今後御指摘の箇所も含め、交通管理者との協議を進め、安全安心なまちづくりを進めてまいります。 ◆佐藤美樹 委員 結局ここを交差道路ということで区のほうで整備していただけるということですけれども、いつの話かわからないですけれども、昔は踏切があった場所らしくて、何かやっぱり地域の人たちからも、あそこは急に道路がきゅっと狭くなって、ちょっと不思議な場所だねと思っていた所だねって、あそこがだから渡る場所になるのかなというふうにみんな見ているんですけれども、やっぱりその側道の情報は道路認定等もされるし、用地買収もされるし、目に見えて地元の皆さんも、ああ、ここが道路になるんだなってわかるんですけれども、高架下の部分でもあるので、情報が全然地元には来なくて、北側にこう、線路が当然上に上がるから下に道路ができるんだろうなと思うんだけれども、そういった情報がないので、その辺の情報提供も丁寧にしていただけたらと思います。  この交差道路みたいに世田谷区にこういうふうになるんだろうかとか、こういうふうにしてほしいというようなことを、地域がさまざまやりとりをして、京王線連続立体化事業の中で進んでいけるものはいいと思うんですけれども、京王電鉄の高架下もそうですが、京王電鉄の土地のものであったり、京王電鉄が管轄しているものについては、例えば地域の人たちがあそこは高架下にはこういうふうにしてほしいだったり、あそこにタクシープールをつくってほしいとか、さまざま要望があっても、京王電鉄側がどう考えているか情報が全くない中で、どういうふうに地元の要望というのを固めていっていいのかというのも、進め方も含めわからなくて、なかなか進んでいかないというのが、今桜上水の街づくり協議会ではそういうところがあるんですけれども。例えば、ほかの街づくり協議会ではこういう動向があってとか知見も少ないので、その辺を世田谷区が、例えばその要望を固めるに当たっては一緒にいろいろ意見出しをしてくれたり、落としどころを見出すための支援というのをしていただけるのかどうなのか、その辺を伺います。 ◎小柴 北沢総合支所街づくり課長 京王線の連続立体交差事業に伴う桜上水駅周辺のまちづくりにつきましては、先ほどお話があった街づくり協議会からの提案を受けて、平成二十六年一月に地区まちづくり計画を策定しております。桜上水駅では、京王電鉄が大規模な土地を所有していたり、駅前広場や都市計画道路補助一三三号線、こういった施設が今後整備されることによって、駅周辺の状況が大きく変わると区でも予想しています。  施設整備に伴うまちづくりにつきましては、明大前駅や下高井戸駅同様に、今後必要な時期を捉えて区で街づくり懇談会などを主催して、関係権利者の御意見を踏まえながらまちづくりを進めていきたいと思っています。  今お話しのあった高架下利用あるいは京王線絡みの御要望もありますが、高架下利用やその他駅周辺まちづくりを地域主導で検討していきたい、こういう旨の要請があれば、必要に応じて街づくり協議会の助成やまちづくり専門家の派遣などを通して、地域の活動の支援を図っていきたいと思っています。  いずれにしましても、区は地域の方々とともに、地区まちづくり計画の実現に向けて取り組んでいく所存です。 ◆佐藤美樹 委員 やはり先ほど街づくり懇談会ですとか専門家派遣ということについてバックアップしていただけるという御答弁でしたけれども、地域の人たちだけではなかなか、非現実的な要望とか、こういうふうにしたいというもの、そういうのを出すのは幾らでも出せると思うんですけれども、落としどころにして、文字に落として京王電鉄側にぶつけるとなると、なかなかやっぱり進んでいかないというところもありますので、そういった協力をしていただけることを要望します。  次に、本会議の続きで、グリーンインフラ関係の質問をしたいと思います。  本会議で、グリーンインフラの中でも公園とか緑地については従来からの緑の恩恵という部分に加えて、雨水の対策、雨水や猛暑といった災害への対策という緑、インフラということを身近に感じられるものではないかということで、積極的な区の取り組みをということを問いました。区立上用賀公園の中に雨水浸透枡や貯留槽ではなくて、レインガーデンという形で雨水をくぼ地に吸い込ませて浸透させていくというものが整備されているわけですけれども、そのレインガーデンに、今ですとそのくぼ地部分に木の柵が、済みません、これもパネルにしようと思ったんですけれども持ってこられなくて、写真しかないのでちょっと見せませんけれども、柵で囲っちゃっているので、ただのくぼ地で、特に今夏と違って冬は草も枯れて、石がごろごろしているだけのただのくぼ地になっているんですね。なので、ちょっともったいないなと。隣にパネルでレインガーデンとはという説明ももちろんあるんですけれども、果たして何なのか、多分これは区民の人たちも見てもよくわからないし、実際にその様子、中に入ってみた方がくぼ地になっているんだなとかもわかる部分もあると思うので、これは柵を取ってもいいんじゃないかなと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。 ◎市川 公園緑地課長 平成二十八年三月に開園しました上用賀公園は、プラスチック製やコンクリート製などの従来からの雨水浸透施設に加えまして、石や土壌など自然素材を使用したレインガーデンを整備しております。このレインガーデンは、緑の持つ機能を生かしたグリーンインフラの考えのもと、水循環を意識し、草花を植え、雨水を貯め、浸透させるくぼ地状の場所でございます。整備当初はハナショウブなどを植え鑑賞もできる整備を行ってまいりましたが、開園から三年が経過し、乾燥などの影響からか、草花が少なくなり、くぼ地のみが目立つ状況になっております。  また、委員お話しのレインガーデン周囲の柵を撤去することにつきましては、開園当初から観賞用として整備していることから、柵内に点在している石が滑りやすいなど、開放するには安全面での課題がございます。しかしながら、レインガーデンの機能を多くの方々に知っていただくために、日常的な利用の中で施設に興味を持っていただくことが必要であるというふうに考えております。  今後につきましては、レインガーデンに植物が定着しなかった原因を研究しまして、花の種をまくなど観賞用としての魅力を取り戻せるよう検討してまいります。また、区立公園で最初の整備事例となりますので、今後の公園整備に生かしてまいります。 ◆佐藤美樹 委員 済みません、写真で申しわけないんですけれども、くぼ地で石がごろごろしているんですけれども、ここに子どもたちと一緒に遊びに行ったら、柵があるので中には入れないですけれども、柵がなかった何をしたいかという話をしたら、ここは石でなくてもいいらしいですけれども、石を使って高鬼とか、石で進んでいってどんじゃんけんぽんとか、そういった遊びをいろいろ子どもたちは、やっぱり何でも遊び場になるので、せっかく公園の中にあるので何か触れられるような仕掛けを、上用賀公園はまあ仕方ないとしても、次の第二の事例からは、そういったことも検討していっていただきたいなというふうに思います。  先ほどそのほかの公園、区立上用賀公園は最初の整備事例としてということでしたけれども、この間もほかの場所でもふやしていくということでお答えいただいておりますけれども、実際どのような場所でふやしていかれるのか、その辺もお伺いしたいと思います。 ◎市川 公園緑地課長 レインガーデンを整備するには、浸透能力の検証など技術的な課題もありますが、さきの本会議でも答弁があったとおり、公園利用と雨水対策を両立させることは、公園の魅力を高めるとともに、今後のグリーンインフラの取り組みのためにも必要な視点だと認識しております。  また、公園には遊びや休憩などさまざまな機能がありまして、レインガーデンにつきましても、その機能との親和性や規模、立地などの特徴に見合った整備が必要でもあります。  来年度につきましては、公園緑地の整備予定が新設拡張工事で三件、改修工事で五件を予定しております。このうち、整備が可能な公園におきましては、レインガーデンなどグリーンインフラの考えに基づく施設整備に取り組んでまいります。 ◆佐藤美樹 委員 新設三件と改修五件の中で、どこかで第二のレインガーデンで、上用賀公園もすごくすてきな公園ですけれども、今やりとりさせていただいたような要素を盛り込んだ次のレインガーデンができることを期待したいと思います。  そうしたら、質問をちょっと飛ばしまして緑化助成について伺いたいと思います。  去年の九月に緑化助成について取り上げまして、区民の方が緑化したいといったときに、このリーフレットで生け垣とかシンボルツリー、植栽といったものに対して、区のほうでそういった緑化に対する助成をしていただいているんですけれども、助成になる対象がこのリーフレットだけだといまひとつよくわからないというお話をしまして、今このパターン図も入れていただいて、随分とわかりやすくなったと思うんですけれども、私が緑化をしたい、去年ですとブロック塀の問題もありましたので、うちもブロック塀をやめて生け垣にしようかなとか、あるいはブロック塀を外して、そこを何かしらシンボルツリーとかを植えてもいいかなというようなことを検討されている区民の方からお話を聞く中で、よく聞かれるのが、これは道路に対して接道している平行の部分にだけ助成対象にしますというのが書いてあるんですけれども、例えば、道路に対してその隣地との間の部分のブロック塀だったり、あるいはその旗ざお地だと通路になっているような部分のブロック塀だったり、そういうのを外して何かしらの植栽だったり生け垣というのは結局垂直方向になってしまうので、平行ではないのでこれは助成対象にならないのかなと。でも、これも世田谷みどり33にはなるのに助成にならないのかしらという、そういう御意見もいただくんですけれども、この辺はやはり受けられないのかどうなのか、区の見解をお聞かせください。 ◎青木 みどり政策課長 区では、世田谷みどり33をキャッチフレーズに、区内のみどり率を三三%にしていくという目標を掲げております。このためには、民有地の緑を保全、創出していくことが重要であるというふうに考えてございます。  区では、民有地の緑の創出を推進するために、生け垣やシンボルツリーなどへの緑化助成制度を設けまして、区民の緑づくりを支援しております。  緑化助成につきましては、接道部など道路から見える樹木に助成をしており、生け垣助成につきましては、道路と平行している生け垣を助成対象としております。これは、町の緑の風景を向上させることで、不特定多数の方々が緑を享受できるという観点から、助成対象としているものでございます。緑化助成についてお問い合わせをいただいた際には、区では現地で所有者や施工業者の方と立ち会い、また調査をいたしまして、道路と垂直の生け垣につきましても、例えば一部だけでもシンボルツリーとして助成できないかなど、助成条件の範囲内でなるべく助成ができるように工夫をいたしまして、助成対象の樹木を選定いたしております。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆田中みち子 委員 まず初めに、ユニバーサルデザインの推進について質問をします。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会まであと一年四カ月となりました。世田谷区では、大蔵運動場と大蔵第二運動場がアメリカ選手団のキャンプ地として、また馬事公苑は馬術競技の開催地として準備が進んでいます。ソフト面での取り組みとしては、オリパラ選手と子どもたちとの交流事業やロゴマークのPR、今皆さん首から下げていらっしゃる携帯のストラップにもホストタウンのマークがついていらっしゃると思うんですが、目に見える形で進んでいると思っていますが、ハード面での取り組みはなかなか見えてきません。特に、馬術競技場となる馬事公苑の周辺については、平成二十九年三月に「馬事公苑界わい」まちの魅力向上構想ということで、こういう冊子ですね。こんなものをつくって、三十九の取り組みを掲げています。そして、外国語講座の開催だとか、学校に通う学生を対象としてボランティアの企画実施とか、ホスピタリティーの充実など三十九掲げていますが、私のほうでは、このユニバーサルデザインにかかわる取り組みについて注目をしています。  そこで、現在の進捗状況を伺います。 ◎清水 都市デザイン課長 区では、平成二十九年三月に策定した「馬事公苑界わい」まちの魅力向上構想に基づき、ユニバーサルデザインを基本としたさまざまな取り組みを関係各課、連携、協力しながら進めております。取り組みを御紹介しますと、馬事公苑外周の用賀中町通り及び馬事公苑通りの一部区間においては、安全な歩行者空間の確保を目的に、平成二十九年度より電線類地中化工事に着手しており、平成三十一年度に完了する予定です。また、道路標識の英語併記化や道路通称名標識の設置についても、平成三十一年度に完了する予定です。  なお、公共トイレの便器の洋式化については区内全域で取り組んでいますが、東京二〇二〇大会の開催を踏まえ、馬事公苑かいわいで優先的に進めており、こちらは平成三十年度に完了する予定です。
    ◆田中みち子 委員 今、公共トイレの洋式化については区内全域で取り組むということですけれども、ぜひここでこのユニバーサルデザインの観点で進めてほしいと考えています。  やっぱりこの呼び出しボタンはもとより、便器の洗浄のボタンというのが見つけにくいと思います。レバータイプのものとか、センサーのものとか、最近ではセンサーに察知することを前提として足の踏み込み式でペダル式になっていて、そもそも地上と同じような高さになっているなど、本当に規格や設置場所がばらばらです。それで、このトイレの洋式化と同時に、トイレのボタンの配置を統一させることはできないでしょうか、見解を伺います。 ◎清水 都市デザイン課長 委員の御指摘のトイレブース内のボタンの位置ですが、本年度開催した本庁舎等のユニバーサルデザインワークショップや、ユニバーサルデザイン検討会においても、当事者の方々からボタンに関する意見が出ており、区としてもわかりやすいボタンの配置は課題と認識しております。便器の洗浄ボタン、呼び出しボタン、紙巻き器の配置については、ユニバーサルデザイン推進条例の建築物の便所の整備基準の解説において整備の考え方を示し、日本工業規格、いわゆるJIS規格を準用することとしています。JIS規格では、洗浄ボタンは紙巻き器の上部に配置することとされています。  今後、区の施設では、視覚障害の方や高齢者を初め、誰もが安心してトイレを利用できるように、JIS規格にのっとってボタンを配置してまいります。また、民間施設につきましては、ユニバーサルデザイン推進条例の届け出の事前相談の際に、事業者及び設計者へ指導してまいります。 ◆田中みち子 委員 今後、そうすると民間施設ではユニバーサルデザイン推進条例、この届け出の際にトイレボタンの設置指導を徹底していくということで、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、二〇二〇大会では世界中から多くの来訪者が見込まれており、誰もがわかりやすいサインを整備することも必要です。二十九年度はうままち歩きやうままちワークショップなどを実施し、地元の方、障害当事者など多くの意見を生かした計画を策定したと聞いています。ユニバーサルデザインの視点でどのような配慮を行うのか、具体的にお聞かせください。 ◎清水 都市デザイン課長 区では、区民や来訪者へ向けてわかりやすい情報を提供できるよう、平成二十八年四月に情報のユニバーサルデザインガイドラインを策定し、その中で、印刷物やホームページの作成とあわせて、サインを作成する際の基本的な考え方を示しております。本ガイドラインの基本的な考え方を踏まえ、馬事公苑かいわいのサインにつきましても、表示内容について検討を進めてきました。具体的には、車椅子使用者や子どもも見やすい表示板面の高さの設定、英語併記と合わせてQRコードによる多言語対応、ピクトグラムの活用、見やすい文字の大きさや書体、色覚障害をお持ちの方に配慮した色使いなどについて検討し設計しております。 ◆田中みち子 委員 車椅子の使用者や子ども、そして英語表記などの多言語対応、また色覚障害をお持ちの方に対する色使いなどを検討しているということですけれども、この視覚障害の方への配慮というのはどのように進むのか教えてください。 ◎清水 都市デザイン課長 現在、さまざまなメーカーにより視覚障害者向けあるいは訪日外国人向けにICTを活用した情報伝達システムや音声案内のシステムが開発され、発表されています。今般設置する馬事公苑かいわいのサインでは、音声による案内として、QRコードの設置も含め検討しております。音声案内の導入に当たりましては、東京二〇二〇大会開催期間中の案内だけでなく、その後も長く活用することから、今後、当事者の方とともに実験などを行い、システムの将来性や維持管理なども勘案しながら検討を進めてまいります。 ◆田中みち子 委員 当事者の方との実験ということで、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。そして、今後の取り組みとして、千歳船橋や用賀など五つの駅から馬事公苑までのサインを設置し、舗装や視覚障害者誘導用ブロックの補修や改善などを行うとのことで、オリパラを契機にユニバーサルデザインが進むことは評価します。しかし、整備した後の障害当事者との検証を行うことが求められます。  先日、視覚に障害のあるお嬢さんの通勤に毎日つき添うお母様から御相談を受け、一緒に歩いてみましたが、誘導ブロックが正しく整備されていない箇所など一緒に歩いてみないとわからない危険な箇所がありました。このところは早速担当の所管が一緒に行ってくださって、一緒に歩いてみますということで早速対応いただきありがとうございました。  そして、視覚障害者誘導用ブロックなど整備後の当事者との検証まで行う機会をつくることこそが必要だと改めて認識するに至っています。区の見解をお聞かせください。 ◎清水 都市デザイン課長 区では、この三月に策定予定のユニバーサルデザイン推進計画(第二期)後期の施策事業の一つに、ユニバーサルデザインによる区立施設等の整備推進を掲げております。その中で、ユニバーサルデザインの視点からアドバイザー等とともに検討を行った区立施設の開設後に、再度点検評価する取り組みを新たに行うこととしました。施設開設後に再度ユニバーサルデザインの視点で、当事者や施設利用者、施設管理者からの意見聴取を行い、改善策を検討することで、より誰もが利用しやすい施設づくりにつなげていくものです。  一方、視覚障害者誘導用ブロックにつきましては、ユニバーサルデザイン推進計画(第二期)後期の施策事業の一つに歩きやすい道路環境の整備を掲げ、適切な維持改善を行うこととしております。「馬事公苑界わい」まちの魅力向上構想の取り組みを初め、改修に当たっては、視覚障害の方などとともに点検、検証する機会を設けていくことで、危険な箇所や視覚障害者誘導用ブロックの敷設方法が適切でない箇所を改善してまいります。 ◆田中みち子 委員 大会終了後には、区民一人一人にとって暮らしやすい、優しさあふれる町になるには、やっぱり心のバリアフリーも大切だと思いますので、ここも関係所管と一緒になってしっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、放置自転車に対する持続可能な開発目標、SDGsの推進についての質問です。  駅前には、視覚障害のある方の誘導用ブロックがありますが、自転車がブロックの上に置き去りにされる箇所があるなど問題を抱えています。世田谷区では、放置禁止区域を指定し、平成二十九年度は二万九千台が撤去され、そのうち引き取りのない自転車は八千七百台ありました。こうした日本で問題となる自転車が海を越えて、途上国の人々にとって必要不可欠なものとして社会貢献していることを御存じでしょうか。  貧困や差別に苦しむ途上国、女性の命と健康を守るために活動する国際NGO、JOICFPと十の自治体で結成された再生自転車海外譲与自治体連絡会、略称MCCOBAという活動があります。平成が始まる元年から、引き取り手のない自転車を再整備し、アフリカ、アジアなど途上国へ無償で送り届けています。現地では、保健師や助産師の交通手段として、何十キロも離れた診療所への移動手段や救急車として使われており、命を救う足として大変喜ばれ、母子保健活動を支えています。  区では、平成元年の発足当時から参加し、平成三十年までに九千台を送り、平成二十八年七月には、無償譲与先のザンビア共和国の表敬訪問を受けています。ぜひそのときの様子をお聞かせください。 ◎大橋 交通安全自転車課長 平成二十八年七月、アフリカのザンビア共和国コッパーベルト州保健局長ほか一名の方が世田谷区役所を訪れ、区長が直接応対をいたしました。先方からは、日本から送られてくる再生自転車がザンビアの母子保健事業に不可欠なものであり、多くの人命を救っているとの感謝の言葉をいただきました。区長からは、ザンビアの母子保健事業や自転車の活用方法などについて尋ねられ、予定した時間を大幅に超える面会となりました。  最後に、区長から再生自転車の譲与を通じて今後もザンビアの方々の力となり、できる限りの援助を行っていきたいとお伝えし、会は終了いたしました。 ◆田中みち子 委員 大変とうとい活動で応援していますのに、この平成の終わりと同じくして解散すると聞きました。これは本当でしょうか、その理由をお知らせください。 ◎大橋 交通安全自転車課長 放置自転車対策の進展によりまして、撤去する自転車が減少し、譲与する良質な自転車が確保できなくなったことや、大手民間企業からの助成金が平成三十一年度より途絶えることになり、加盟自治体の負担が大きくなることから、本年六月をもって、非常に残念な結果ですが、解散することになりました。しかしながら、区といたしましては、たとえ規模が縮小しても引き続き同事業を継続していきたいと考えておりまして、現在は同じ意向を持っております三つの自治体、世田谷区、大田区、さいたま市でございますが、新組織の発足に向けて協議を進めているところでございます。 ◆田中みち子 委員 ぜひしっかりお願いしたいと思うんですが、この二〇一五年の国連などの発表によれば、一日八百三十人の妊婦が世界で死亡し、その九九%が途上国で起きています。特に、この表敬訪問してくださっているこのザンビアなどアフリカでは、全ての母親が安心してお産ができる環境にはありません。SDGsでは、二〇三〇年までに妊産婦死亡率を出生十万人当たり七十人未満に削減するといった目標を掲げており、このMCCOBAの取り組みは、SDGsのゴール達成に向け貢献できる事業です。クラウドファンディング等を活用して広く周知し、多数の方から資金を集めるべきと考えます。見解を伺います。 ◎大橋 交通安全自転車課長 妊産婦、新生児の命を助ける当事業は、国連サミットで採択されました持続可能な開発目標、SDGsの達成に合致する事業と考えます。現在、本年七月の新組織の立ち上げに向け鋭意努力しているところではございますが、MCCOBA事業が軌道に乗った際には、クラウドファンディングを活用した資金調達についても検討してまいりたいと考えております。 ◆田中みち子 委員 ぜひお願いしたいと思います。  ちょうどこの質問をするに当たって、この二十五周年記念、MCCOBAのパンフレットを見させていただいたんですけれども、実際の現地の様子が写真におさめられていて、ぜひ見ていただきたいと思うんですけれども、まさにこの自転車を再生したものが、こんな形で救急車として妊婦の足になっているということで、この若い女性が、お腹の大きい女性がいてこの医療を受けている様子です。あるいはまた、この自転車を入れるコンテナは、あちらでクリニックになったり、あとはマタニティーハウスということで再利用されている。そして、このコンテナで自転車を積むすき間にもいろんな物資を入れて、本当に社会貢献できる事業です。しっかりと継続できるように検討いただいて、努力いただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは質問してまいりますが、まず初めに、京王線の連続立交に関してです。  京王線の踏切のすぐ近くにお住まいの住民の方から、世田谷区は小田急線の場合には連続立交の事業で大変訴訟もありましたし、今でも下北沢なんかに関しては丁寧にやっているんだけれども、どうも京王線に関しては、地下化という意見の方もいらっしゃいますし、高架という方もいらっしゃるのが現状なんでしょうけれども、地下化に関する住民の意見というのがどうも余り聞かれていなくて、都市計画決定もされたということもあるんでしょうけれども、一部訴訟にもなっているんですか。そういうこともあるんですが、どちらかというと京王線の場合にはいけいけどんどんなのかなというふうに感じると。  その辺、保坂区長のちょっと二面性を感じるみたいな話をされまして、ぜひ議会のほうで区の考え方を、あと住民の地下化という要望に対してどういう整理をして、その意見に関してはどういう対応をしていくのかということも含めて聞いてほしいと言われましたので、それをまず聞きたいと思います。 ◎堂下 交通政策課長 東京都は、平成二十年五月に京王線の連続立体交差事業に関しまして、国からの連立事業新規着工準備箇所として採択されて以降、構造形式の検討を行っております。その中で、在来線と線増線それぞれを高架化する高架方式、ともに地下化する地下方式、在来線を高架化し線増線を地下化する併用方式の三案につきまして、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件などを総合的に比較検討した結果、併用方式が最適と判断しております。  その後、各種説明会を開催し、平成二十三年五月に構造形式を併用方式とした都市計画案を公告し、環境影響評価準備説明会など各種説明会などを積み重ね、東京都都市計画審議会への諮問、答申を経て、平成二十四年十月二日に二線高架、二線地下式で都市計画決定されております。  区は、これら都市計画手続に際しまして、東京都が最適とする計画について異議ない旨の意見を述べておりますが、あわせて環境配慮について、安全対策について、周辺まちづくりについての三項目を留意事項として回答しております。  区といたしましては、引き続き東京都並びに京王電鉄とも連携し、事業の早期完成に向けて沿線の皆様の御理解と御協力を得ながら取り組んでまいります。 ◆あべ力也 委員 経緯はわかりましたけれども、住民の皆さんで、やっぱり区の進め方に関してちょっと疑念を持っている方もいらっしゃいますから、ぜひ丁寧に説明と御理解をいただけるようにしていただきたいと、これは要望しておきます。  次ですけれども、総括で質問いたしました公共交通に関する、特に地域の循環型のコミュニティバスを総合支所ごとにという要望もさせていただきましたけれども、これについて、実現に向けた方策をお聞きしたいんですが、特に高齢化が進む中で、地域の中ではこの循環型のコミュニティバスに対する需要というか要望というのは大変大きくなっているのが現実だと思います。ですから、ぜひ実現をしていただきたいと思うんですが、この点について、区の見解を伺っておきたいと思います。 ◎堂下 交通政策課長 新たな路線バスの導入は、事業採算上の課題に加え、昨今の運転手不足や狭隘道路が多いエリアにおいて、安全な運行ルートを確保することが困難なことから、多くの課題がございます。また、御提案の循環バスに関しましても、多くの施設を循環することで利用者が乗りかえなしで目的地まで行けるという大きな利点がある一方、結果として路線が長大となることから、定時性、速達性の確保が難しくなると考えております。  区といたしましては、今後の公共交通不便地域対策として、さまざまな目的、視点での検討が非常に重要だというふうに考えておりまして、御提案の各支所ごとの特色あるまちづくりに寄与する新たな公共交通に関しましても、庁内連携して研究してまいります。 ◆あべ力也 委員 それで、今祖師谷のくるりんバスですか、あれは路線についていろいろ議論があって、高齢者の利用が多いと先ほどお話ししましたけれども、それで病院に延伸できないかという地域の要望があったり議論があるとお聞きしていますけれども、関東中央病院に延伸するというような要望もあって、ぜひやってほしいという御意見と、本数をふやして循環本数が多いほうがいいんじゃないかと、延伸に対してちょっとどうなのかなという御意見と、二つに分かれているというふうにお聞きをしておりますけれども、利用者の利便性から考えれば、やはり生活拠点になる病院に直結のコミュニティバスというのは今後やっぱり必要だと思いますし、その先鞭となるものとして、この祖師谷のバスを総合病院に直結のコミュニティバスを実現するということは、私は大切なことだと思っているんですが、その点について、区の考え方と、地域要望もあるんでしょうけれども、考え方も含めてお聞きをしておきたいと思います。ぜひ実現に向けて検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎堂下 交通政策課長 御指摘の砧のモデル地区での検討の中で、運行ルート案につきましては今年度アンケート調査の実施ですとか、協議会、勉強会にて検討してまいったところでございます。この中で、御指摘の関東中央病院へのルートを希望されている方もいらっしゃいましたけれども、ルートが長くなり便数が少なくなることなどから、関東中央病院を周回しないルート案として策定しているところでございます。  来年度につきましては、改めてさまざまな検討を進めていくということとしておりまして、地域の需要等を踏まえた中で、地元協議会の方々と御相談しながら取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆あべ力也 委員 いずれにしても、ユーザーである区民がどういうものが必要かということをやっぱり基本に考えていただきたい。やっぱり今後の高齢者需要から考えれば、総合病院につながっていないというバスの利便性は大変低いと思います。もちろん商店街に直結しているわけですから、それをさらに利便性を向上するという意味で、総合病院に直結するコミュニティバスにぜひ進化をさせていただきたいと、これは要望しておきたいと思います。  あと、五支所に関しては実現に向けて検討していただくことを引き続き要望しておきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 初めに、区内の点字ブロックについて伺います。  バリアフリーのまちづくりと聞いてまず思い浮かぶ設備の一つがこの点字ブロックなのですが、世田谷では二〇〇三年に私が初当選をし、その年、議会で指摘をするまで、区役所から最寄りの二駅まで延びる点字ブロックですら、二〇〇一年日本工業規格、JIS規格でようやく定められた統一の規格から外れたものでした。点字ブロックには、安全に進める方向を示す誘導ブロックと、危険箇所や分岐点、目的地を示す警告ブロックの二種類を安全に識別できることが利用者の命の安全確保には欠かせないわけですが、二〇〇一年に統一規格がつくられるまで、色も形も大きさもばらばらな多品種の点字ブロックが国内で二千五百万枚以上張られてしまいました。そこで、私より区道上の全ての点字ブロックについて統一するべきだと点検を求めましたところ、区は翌年六月までに全体状況を調査してくださり、設置箇所数で三五%、面積比で言うと三九%もの点字ブロックが不適切なものだとわかりました。以降、改修の五年計画を二回実施していただき、二〇一四年度、恐らく全国の自治体で初めて、世田谷区では区道上の点字ブロックの規格が一つに統一をされました。  しかし、まだ大きな課題が残されていると感じ続けています。区内の国道と都道上には、まだ不適切な点字ブロックが残されているんですね。その改善を区からぜひ働きかけていただき、世田谷区内では命を守る点字ブロックの規格はぜひ全体として一つに統一していただきたいというのがこの質問です。お取り組みをいただけますでしょうか。 ◎桐山 土木計画課長事務取扱参事 国道や都道に設置されたブロックにつきましては、これまで区民からの通報などにより、確認した際に各管理者に連絡して、速やかな改善を依頼しているところでございます。今後は、鉄道駅と公共施設、病院を結ぶ道路など、視覚障害者の安全かつ快適な移動について、特に配慮が必要と考えるルートの中で、国道または都道上でも改善が必要な箇所を発見した際には、それぞれの道路管理者に報告して対応を依頼してまいりたいと考えております。なお、その際には、調査対象以外の区間において、各道路管理者でブロックの設置の状況点検なども進めるようあわせて要請してまいります。 ◆上川あや 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  続けて、足腰の衰えで長い距離を歩くことの難しい高齢者の急増、ロコモティブシンドロームの急増に合わせた座れるまちづくりについてです。  この通称ロコモに対応したまちづくり、私からは、平成二十六年の一定から七回にわたって取り上げてまいりました。平成二十八年九月の質疑では、この問題への区の対応は、ぜひ所管横断的にするべきだと区長に求め、まさにこの課題は横つなぎ、横断的に取り組むべき課題と御賛同の答弁をいただきまして、昨年三月には座れる場づくりガイドラインもつくっていただきました。しかし、同ガイドラインはベンチ等の整備のアイデアをまとめた事例集のようなもので、それらの整備を各所管に義務づけたものではありません。それぞれの所管部がどれだけ意識的に日々実践をしていただけるのかということが問われてくるのですが、きょうは道路上での整備について二点伺いたいと思います。  まず一点目、座れる場づくりガイドラインの策定後、歩道上へのベンチの整備はどれだけ進んだのかの御報告を求めます。  二点目に、歩道上にベンチの整備が可能となる幅員三メートルを超える歩道のある道路が区道にも八・九キロメートルあると承知をしています。以前、補助一五四号線で実践をしていただいたように、ベンチ整備の候補地を積極的に洗い出し、整備を進めるよう要望いたしますけれども、いかがでしょうか。 ◎春日谷 工事第一課長 区では、平成三十年三月に座れる場づくりガイドラインを策定いたしまして、ロコモティブシンドロームなどに対応するため、区道へのベンチの設置に取り組んでおります。道路上にベンチを設置するには、通行の支障とならないよう歩道の幅員が三メートル確保されていることが前提となり、その条件に該当する区道は約八・九キロメートルというところでございます。設置に当たりましては、沿道住民の御理解、御協力が必要不可欠となります。  お尋ねの実績についてですが、平成二十九年度以前のベンチの設置状況といたしましては、補助一五四号線などに六カ所、平成三十年度は小田急線経堂駅近くの世田谷区画街路八号線、通称ユリの木通りの道路築造において、道路部分に二カ所、バス停部分に一カ所設置しております。平成三十一年度は、成城大学に面した道路の拡幅整備において、ベンチを二カ所設置する予定でございます。  御指摘の各路線における具体的な候補地の調査につきましては、補助一五四号線では実施しておりますが、他の路線についても順次進めていく予定でございます。  今後につきましても、全ての方が安全で安心して通行できる道路づくりを進めていくため、沿道の皆様の御理解、御協力もいただきながら、ベンチの設置に取り組んでまいります。 ◆上川あや 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  最後に、区民の工事費の負担を軽くする代理受領制度について伺います。  区の耐震改修費助成事業などでは、助成金の受領を工事業者へ委任することによって、家主の方は助成額を差し引いた工事費のみでオーダーいただけるという代理受領制度が取り入れられていますが、都市整備領域では、政策誘導的に公費助成は設定しながらも、工事費は一旦全額区民の方にお支払いいただく旧態依然とした制度の運用がまだ少なくないと捉えています。  そこで二点伺います。  まず、都市整備領域の助成事業は幾つあり、そのうち代理受領制度になっているもの、なっていないものはそれぞれ幾つあるのでしょうか。  また、区民の一時借り入れ等の負担を減らすために、全ての助成事業で代理受領を行えるよう取り組んでいただきたいと考えているんですけれども、あわせて御答弁を伺います。 ◎佐々木 都市計画課長 都市整備領域で区民に対して行っている助成事業は、お話しの耐震改修に関する助成事業を初めとしまして二十事業ございます。このうち、委任による代理受領の対応を行っている事業は十一事業となっております。代理受領の対応を行っていない事業につきましては、対象となる助成額自体が比較的少額であったり、補助率が低いため、区民の一時立てかえ払いの負担が小さいものが中心となっておりますが、代理受領の対応を行うことで、申請手続において区民負担の軽減が図られ、助成事業のさらなる普及も期待できると考えております。  助成金の適正な執行に配慮しつつ、代理受領の導入を検討することで、さらなる助成事業の普及啓発に領域全体で努めてまいります。 ◆上川あや 委員 こちらもぜひよろしくお願いいたします。  終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 私からは、質問項目がいっぱいあるのでちょっとはしょりますけれども、まず、今期というか四年前ぐらいから取り上げてきた狭あい道路拡幅整備事業ということについて質問したいと思います。  狭隘道路で、世田谷区は道が狭い、道路が狭いということは世田谷区民の困り事ナンバーワンなわけですけれども、その、狭隘道路整備に関しては、私からもいろいろな角度からこれまで提案とかをさせていただいているんですね。例えば、道路の真ん中に立っている電柱をまずはなくすとか、あとは角地にどかんと立っている電柱をなくすことによっても、大分狭隘道路は解消されるのではないかというふうに考え、例えば住宅街での無電柱化とかそういうことも提案してまいりました。いろいろ進んできている部分もあると思うので、狭隘道路整備の助成制度、改めて今どのようなものがあるのかということと、あと実績等々について御答弁いただきたいと思います。 ◎小田代 建築安全課長 狭隘道路拡幅整備の助成制度につきましては、所有者等の負担軽減策として、平成九年に制定した世田谷区狭あい道路拡幅整備条例に規定しております。助成金のうち一つは、区が拡幅整備工事を行った場合に所有者等が行った工事費用の一部を助成するもので、擁壁の移設や工作物の撤去、樹木の移植を対象に、工事延長等に応じ助成金をお支払いしており、平成二十九年度は百二十七件の助成実績がございます。また、平成二十九年度からは、狭隘道路拡幅整備の促進策として、建てかえ計画のない敷地を対象に、後退用地内の地下埋設管の撤去、移設や隣地境界に沿った塀等の撤去費用の助成を開始し、平成二十九年度は十一件の助成実績がございます。  そのほか、セットバック対象の敷地が角地などで二つ以上の道路に接し、後退用地は二面以上、隅切り用地につきましては一カ所以上を区に寄附していただいた場合に、相続税路線価を基準に算定した奨励金を交付しており、平成二十九年度は四件の交付実績がございます。  区といたしましては、これらの助成制度が対象となる方々に御活用いただけるように、本事業の申請などで当課の窓口に来庁された方への御説明や、拡幅整備工事の隣地で建てかえ計画のない敷地の所有者等にも直接御案内するなど、区の取り組みについて情報発信し、狭あい道路拡幅整備事業の促進に努めてまいります。 ◆すがややすこ 委員 今御答弁いただきましたけれども、実績もだんだんできてきているところで、平成二十九年度には新たな助成制度も開始されているということですので、引き続き、今御答弁にもありましたが、例えば隣の方が後退すると、じゃ、うちもみたいなのもあると思うので、そういった機会を捉えて、ぜひ狭あい道路整備事業に取り組んでいただきたいと思います。  続いて、この件はちょっと私、初めて取り上げるんですけれども、補助五二号線ということについて質問していきたいと思います。補助五二号線の計画道があるかと思うんですが、私からは祖師谷付近の件について質問したいんです。  先日、祖師谷にお住まいの方から、うちの前にこれからすぐ十六メートルの道路ができてしまうらしいんですけれども、どういうことなんですかと私に言われて、えっ、そんな話ありましたっけといって、ちょっと区役所に確認しますねということで、この件はその方々に対しては解決しているんですけれども、改めて世田谷区のほうから正確な情報、正しい情報というのを区民の方に情報提供していただきたいということで、今どういう状況かというのを御説明いただきたいと思います。 ◎佐藤 道路計画課長 補助第五二号線は、区内計画延長が約八キロの都市計画道路でございます。お尋ねの祖師谷の区間は環八から成城の補助第二一七号線まで二・三キロ、この区間は事業施行者、事業実施時期とも未定の区間でございます。都市計画道路が事業化されるときには、まず東京都と区市町で策定する都市計画道路の整備方針、これは事業化計画ですが、これにおいて優先整備路線に選定されまして、その後、測量作業に移る段階で説明会が実施される。そういう際には、これはもう広報だけでなく、計画道路沿道の皆様には、説明会開催のお知らせ等、これは事業施行者から各戸レベルで配布されて周知が徹底されると。しかし、当該区間は平成三十七年度、二〇二五年度までに事業着手を目指すとしている第四次事業化計画における優先整備路線の位置づけ、これはございません。事業化の目途も立っておりません。区内の補助第五二号線が環状七号線から宮坂一丁目の補助第一二八号線まで、これは事業中区間なんですが、完成から未着手まで、区間によりその状況がさまざまであることも一因となって、当該区間について近々事業が開始されるのではないかと、こういううわさになってしまったのではないかなと区では考えております。  区では、地域の方々からの問い合わせに対して正確な情報を御案内させていただいておりまして、平素からの取り組みといたしましては、当該区間も含めた都市計画道路の事業進捗状況などについて、毎年度世田谷区道路網図を発行しているほか、道路整備の進め方などを説明したせたがやの道づくりというパンフレットを作成し、ホームページ公開による情報周知等にも努めながら、窓口や電話におきましても区民の皆様のお問い合わせに対応しておるところでございます。  区といたしましては、引き続き当該区間の状況についてのお問い合わせに対しまして、丁寧な説明と正確な情報提供に努めるとともに、今後、必要に応じてその説明資料をわかりやすく改定するなど、区民の皆様への御案内、周知の充実も検討してまいりたいと考えております。 ◆すがややすこ 委員 事業化のめどが立っていないということで、祖師谷付近の方は不安に思われている方々もいらっしゃるので、引き続きその正しい情報を入れるということをお願いしたいと思います。  続いて、公園関係なんですけれども、これもずっとです。私が初めて当選した平成十五年のときから取り上げてきたというか最初のチラシにも書いていたんですけれども、ドッグエリアの話なんですけれども。ドッグランはこの間いろいろ整備されてきて、ただ残念ながら閉鎖されてしまったりというところもあるんですね。ただ、引き続きやっぱりドッグランという犬の遊び場というところに対しても、世田谷区として積極的に地元団体と調整していただきたいというふうに思いますが、御答弁を、残り三十秒ぐらいありますので、よろしくお願いいたします。 ◎市川 公園緑地課長 区立公園でのドッグランにつきましては、一般的な常設のドッグランではなく、時間や曜日を限定した利用調整型のドッグエリアとして開設しており、その運営は、犬の飼い主が主体性を持って行うことが重要だと考えております。  ドッグエリアの事例としましては、平成十九年から野川ドッグエリアの会が活動を継続しております。区立の公園では敷地規模が小さく、また隣接する住宅までの距離が近いことなどから、常設のドッグランの設置は難しいのが現状でございます。区としましては、野川ドッグエリアの会を引き続き世田谷保健所とともに支援してまいります。 ◆すがややすこ 委員 引き続き関係団体、各々と打ち合わせをしてお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、以前に質問しました自転車保険の義務化について再度質問いたします。  二〇一三年に兵庫県で発生した自転車事故の民事訴訟で約九千五百万円という高額の損害賠償判決が出たことを受け、兵庫県では自転車保険への加入義務化が条例化されました。保険は、相手を守るためであると同時に、自分を守るためでもあります。最近は、電動アシスト自転車の普及やスマートフォン使用のながら走行で減速せず歩行者にぶつかるなどして重大事故になるケースもあり、自転車事故の賠償金が高額化しております。このため、全国の自治体では、自転車保険への加入を義務づける条例制定の動きが広がっており、兵庫県を皮切りに、埼玉県、大阪府、滋賀県、また市レベルでは名古屋市、金沢市、相模原市などと広がりを見せております。また、ことしに入り、国土交通省が自転車保険の加入拡大策を検討しており、自治体の条例による加入義務化も視野に入れ、有識者検討会で議論されております。  世田谷区でも、自転車保険を義務化する時期に来ていると思いますが、区の見解をお伺いいたします。
    ◎大橋 交通安全自転車課長 自転車保険加入の義務づけを条例化するに当たりましては、自転車小売業者、シェアサイクル事業者、さらには自転車通勤者のいる事業所などに御協力いただくことが必要となってまいります。  先般、国土交通省自転車活用推進本部より提示されました各自治体が条例を制定する場合の参考モデル案におきましても、自転車小売業者は自転車販売時に、事業者は自転車で通勤する従業員がいる場合に、自転車賠償責任保険への加入を確認することとしています。  今後、区といたしましては、これら関係者と協議調整を行うとともに、自転車保険加入義務化の実施方策につきまして引き続き検討してまいります。 ◆ひうち優子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、公園の有効活用について、以前からシリーズで質問しておりますが、本日は玉川野毛町公園について伺ってまいります。  二〇一八年六月、都市公園法が一部改正され、公園整備の自由度が広がりました。今後、整備予定の玉川野毛町公園についても、公園内へのカフェレストランの誘致、保育園の整備など、有効活用して魅力的な公園にしていただきたいと思います。  玉川野毛町公園は、野毛大塚古墳という歴史的遺産を抱えており、また、公園内には野球場やテニスコートといったスポーツ施設が整備をされており、公園としてのポテンシャルは高く、さらに公園の魅力を高めていくことが重要と考えます。玉川野毛町公園の拡張用地は、今年度には土地開発公社による買収が全て完了し、官民連携で進めていく予定とのことであります。このため、区では昨年秋から公募型の公開サウンディング調査を行い、民間の事業の参画について可能性があるか、また企業がどのように区と連携ができるかを調査いたしました。  玉川野毛町公園は、等々力渓谷との連続性もあり、公園内へのカフェ、レストランなど多くの人を呼び込み、魅力的な公園として整備していく必要があります。このたびのサウンディング調査の結果と官民連携の事業手法にはパークPFIなどがありますが、今後どのように官民連携を進めていくのか、区の見解をお伺いいたします。 ◎青木 みどり政策課長 玉川野毛町公園拡張事業につきましては、これまでお示しした緑、歴史文化、そして安全安心という区立玉川野毛町公園拡張事業の基本的な考え方に基づきまして、現在基本計画の策定に向けて作業を進めているところでございます。昨年十一月には、公園の魅力や公園サービスの質の向上を図るため、計画段階において事業提案や事業参入に係る条件等の把握を行うことを目的に、既に開設している公園部分及び拡張する部分を範囲といたしまして、民間事業者を対象に公募型サウンディング調査を実施いたしたところでございます。  サウンディング調査では十四団体と対話を行いまして、飲食・物販施設や公園施設、公園利活用について提案や御意見をいただきました。この中で、飲食物販等の店舗についての参加可能性や、短期間で投資回収できる独立採算が可能な小規模店舗の導入などの提案があったところでございます。また、民間活用とノウハウを発揮するためのビジターセンター等の拠点施設の設置についての意見もございました。  区では、これらの提案や意見を踏まえ、このたび玉川野毛町公園拡張事業基本計画の骨子を策定いたしました。今後は、新たな公園の魅力創出に向け、サウンディング参加事業者等とのさらなる意見交換を進め、広く住民の意見を聞きながら、基本計画、基本設計へ反映を図るとともに、パークPFI等の導入事業を検討し、二〇二三年の開園を目指してまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひさまざまな手法を用いて魅力的な公園にしていただきたいと思います。  次に、昨年の予算委員会で質問した空き家対策についての専門家との連携について伺います。  昨年の予算委員会では、空き家になるということは何かしらの原因があるからこそ空き家になってしまっている、またはあえて空き家にしているのだと考える。私は、空き家対策については所有権が絡んでいる以上、解決する上で専門家との連携が欠かせない。弁護士、司法書士、または行政書士といった専門家とのネットワークを構築し、連携する必要があるとの質問をいたしました。その後、先日の都市整備委員会の報告で、専門家とのネットワークを構築するとのことでした。この詳細についてお伺いをいたします。 ◎小田代 建築安全課長 区では、昨年十月に策定した世田谷区空家等対策計画の検討過程において、平成二十八年度世田谷区土地利用現況調査等で把握した空き家の所有者等を対象にアンケート調査を実施しました。その結果、相続等が原因で権利関係が複雑化し、空き家が適切に管理されず放置され、管理不全な空き家の発生につながるなど、空き家問題の解決には弁護士や行政書士、司法書士等の専門家の関与が必要なケースがあることが判明しました。  このような空き家の問題解決につなげるため、区内の専門家団体や金融機関等と今月十八日に世田谷区における空家等対策に関する協定の締結を予定しており、空き家の所有者等が抱える問題に応じて専門家等に相談できる体制を構築するなど、空き家対策の充実を図ります。  協定の内容といたしましては、専門家団体等に所有者等が電話で相談できる窓口を設置することや、区と専門家団体等が相互に空き家の適切な管理や有効活用に関する所有者等への意識啓発をすることなどを行うものとしています。  区といたしましては、専門家団体等との協定を通じて、相続や権利関係など複雑化する問題を解決し、管理不全な空き家を減らすことで良好な住環境の保全につなげてまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひ連携を図っていただいて、空き家について解決していただきたいと要望いたします。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私はこれまで小田急線の連続立体交差事業、また下北沢周辺のまちづくりに関してさまざまな角度から質問してまいりました。そして、いよいよ明後日、三月の十六日には、小田急線下北沢駅に新しい中央改札口がオープンします。連続立体交差事業が始まるまで、井の頭線は西口の一カ所、小田急線が橋上駅舎の改札口一カ所のみでした。この間、事業の進捗に合わせて工事の関係により、途中仮設の南口や北口を一時的な改札として設置していましたが、平成二十九年、南西口が新しくでき、昨年十二月には東口ができました。そして、最後の改札口として中央改札口ができることになりました。  下北沢駅は、皆さんが御承知のとおり、京王井の頭線と小田急線が乗り入れており、乗降客が十万人を超える区内有数の駅ですが、改札口を通らずにそれぞれの鉄道に乗りかえることができていました。しかし、今回新たにオープンする中央口については、小田急線、京王井の頭線それぞれ中央改札ができることになりました。先日の北沢デザイン会議においては、来場者からは知らなかった、今答弁にもありましたように、今回三月の十六日以降の駅利用の動向を、これからはどうやって井の頭線に乗ればいいのかという声もありました。  新しく改札口ができ、さまざまな改札口から下北沢の町へ行けるということは大変喜ばしいことでもありますが、利用者にとって、最初のうちは間違って改札に入ってしまうということも起き得るのではないでしょうか。利用者への周知はどのように考えているのか。また、区としてどうして対応していくのかお伺いします。 ◎堂下 交通政策課長 PASMOなどのIC乗車券が広く普及した現在は、利用者情報の正確な把握や不正乗車の防止などのため、異なる鉄道事業者の乗りかえ時にはおのおのの改札口を通過することが原則となっております。下北沢駅におきましては、これまで小田急線と京王井の頭線の間の乗りかえの際には、改札口を通過することなく駅構内を移動することができましたが、今回駅舎の改修に合わせ、小田急電鉄及び京王電鉄それぞれが中央口改札を設け、小田急線と井の頭線との間を駅構内で移動することができなくなります。  これに伴い、乗りかえる際にはそれぞれの改札口を通過しなければならなくなると同時に、小田急電鉄利用者は井の頭線の西口から駅に、また井の頭線利用者は小田急線の東口と南西口から駅に入ることができなくなります。両鉄道事業者は、三月十六日から駅の利用形態が大きく変更されることについて広く駅利用者に周知を図る必要があるとの認識のもと、昨年十二月二十五日にプレス発表を行い、一月四日には小田急線地下化工事情報誌シモチカナビによって利用者への周知を図るとともに、三月一日からポスターの掲示や改札口でのお知らせビラの配布、近隣の学校や障害者団体などへの個別説明など、さまざまな周知策を講じてきております。また、三月十六日以降、当面の間は各改札口においてガードマンによる誘導を行うこととしており、中央改札口の使用開始後の駅利用者の動向を注視していく必要があるものと認識しております。 ◆青空こうじ 委員 今答弁にもありましたが、三月の十六日以降も駅利用の動向をしっかりと確認していただきたいと要望しておきます。  次の質問に移ります。この三月には、下北沢の駅舎も完成し、いよいよ連続立体事業が完成を迎えます。  そこでお伺いしますが、この節目の時期に小田急線の地下化とあわせて進めてきた線路跡地の利用、上部利用ですが、区の整備する施設はどこまで進んでいるのでしょうか。来年度の整備予定もあわせてお伺いします。 ◎大平 北沢総合支所副参事 小田急線上部利用につきましては、区では平成二十七年度に上部利用計画を策定し、この計画をもとに連続立体交差事業の進捗に合わせて順次各施設の整備を進めてきております。御質問の区の整備する施設の進捗状況につきましては、これまで緑地小広場といたしまして、上部の一番西側となります代田富士356広場や、東北沢駅西側の北沢さんきゅう広場等を整備いたしました。各施設をつなぐ通路につきましては、世田谷代田駅の西側及び下北沢駅から東北沢駅間の合計延長約三百九十メートルを整備いたしました。また、来年度は現在工事中の世田谷代田駅及び東北沢駅の駅前広場の整備に引き続き取り組むとともに、世田谷代田駅から下北沢駅間の通路の整備も進める予定です。  連続立体交差事業は今年度完了を迎えますが、小田急電鉄におきましても、現在工事中の大学のオープンカレッジ等に加え、商業施設や保育園など上部施設の整備も進む予定です。今後より一層、小田急電鉄と情報交換を密に図り、地域からの声も共有し、協力連携して、小田急線上部が防災と緑の基軸となり、地域の憩いの空間となるよう取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 次に、京王線沿線のまちづくりについてもお伺いします。  小田急線の連続立体事業も今年度で終わり、次は京王連続立体交差事業が本格的に進みます。そして、事業を契機とした駅周辺まちづくりが本格的に進むわけですが、明大前や千歳烏山の駅前広場の整備等についても議会等でもお話をよく聞きますが、それ以外の駅周辺のまちづくりもしっかり取り組んでいただくことが必要です。駅デザインは、それは特色のあるデザインが出されていますが、周辺まちづくりについて駅ごとに特色のあるまちづくりをぜひ進めていただきたいと思います。  同時に、各駅に連携している取り組みも必要だと思っています。利用者の周知はどのように考えているのかお伺いします。 ◎小柴 北沢総合支所街づくり課長 京王線の連続立体交差事業につきましては、各駅周辺地区街づくり協議会からの提案を受けて、順次各駅周辺地区地区街づくり計画を策定しているところです。地区街づくり計画を策定しますと、その計画に沿ってまちづくりが展開されていきますが、駅前広場や都市計画道路といったインフラの整備に伴い、各駅周辺の土地利用が現況と大きく変わることが予想されます。  地域では、京王線の高架下利用への関心や、駅によっては再開発事業なども見られる中で、各駅の地域特性を見きわめて区として対応していくことが求められます。現在でも、明大前駅や下高井戸駅など街づくり懇談会を発足して対応している地区もございます。連続立体交差事業と各駅まちづくりの連携を図りつつ、今後適宜必要とされる住民参加の場を用意するなど、地域の方々の声を伺いながらまちづくりに取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 よろしくお願いします。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時四十六分休憩    ──────────────────     午後零時三十五分開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆おぎのけんじ 委員 では、自民党の質疑を始めさせていただきます。  まず、外環道の東名以南の整備について伺っていきたいと思います。  私は自宅が上野毛にありまして、環八でいきますと多摩美の交差点が一番環八の交差点では近いんですけれども、そこから烏山方面だとか杉並方面に向かうに当たって、大変渋滞する交差点が連続します。瀬田中学校、瀬田の交差点、その先が東名の入り口といったことで、私個人的にはあそこは魔のスリースポットと思っていまして、なるべくならば通りたくないということで、日常的にも避けて車で走行するようにしております。  それで、あれが渋滞しているがゆえに、かつ二四六号だとか駒沢通りもクロスするように走っている中で、環八の一本内側は用賀中町通りというこれまた結構渋滞の激しい通りがあると。ちょうど私のいる上野毛四丁目なんか、その中にどっぷり入っているわけなんですけれども、それがゆえに抜け道も結構発達しているといいますか、がんがんがんがん車両が入ってきて非常に危ないなというときも結構あるということで、大橋課長だとか山梨課長にも別途いろいろと御相談させていただいた経緯がありますけれども、そういうような地域です。  国土交通省が外環整備に当たりまして示されてきた資料の中に、環八の渋滞状況ということでインフォグラフィックというんですか、かなりわかりやすい形で示されてきていましたけれども、本当に私の体感しているとおり、環八の渋滞損失というのは全国平均の七倍から九倍と。特に、環八の東名高速から第三京浜間が著しいということで、大きな文字で記されていると。ですから、本当に全国屈指の渋滞スポットなのかなと思います。  それで、今トンネル工事でやっています関越から東名への開通というのは、私は大変喜ばしいことだと思っておりますけれども、その完成後、地元住民だとか、あるいは環八ユーザーの方からは、いわゆる東名から南のほうがただでさえ渋滞がきついのだけれども、今よりもさらに激化するんじゃないかというふうなお声が多数上がっているわけなんですが、このあたりの渋滞予測というのは今どうなっているのか教えてください。 ◎鎌田 道路・交通政策部副参事 現在、事業が行われております関越道から東名高速間の外環道完成後の交通量予測につきましては、平成二十八年に事業者が交通量の予測結果を公表しております。この予測結果によりますと、環状八号線の甲州街道から世田谷通りの区間におきましては、現況が一日当たり六万九千台であり、開通後の予測は五万七千台と減少傾向にございます。一方、同じ環状八号線の国道二四六号から駒沢通りの区間におきましては、現況が一日当たり六万四千台であり、開通後の予測は七万一千台と増加傾向にございます。 ◆おぎのけんじ 委員 現在が一日当たり六万四千台で、開通後が七万一千台ということで、一割ぐらいふえるということですね。そら恐ろしいなという気がするんですけれども、東名以南の整備につきまして国交省が出している資料で第三京浜との接続というページもございまして、今、案が二つ示されていると。案一が東京側で第三京浜に接続、これは東京といっても野毛ですけれども、それが案一。案二が川崎側で第三京浜に接続、京浜川崎のほうだと思いますけれども、そういった二案が示されております。そこで、いろいろとメリットだとか、あるいは支障を来す点などが列挙されておりますけれども、野毛のほうは相当ハードルが高そうに、これは世田谷区が意見として述べられていると思うんですが、例えば野毛大塚古墳があったり、等々力渓谷があったり、あるいは支障物件数が数百件程度と非常に多いみたいなことが挙げられております。  逆に、川崎側のほうは、いろいろ書いてありますけれども割とすかっとしていて、これを見る限り、私は世田谷の人間なのでというのもありますが、川崎側に接続するほうがいろんな点でいいんじゃないかなという気もしておるんですけれども。世田谷区、川崎市それぞれ案に対して今どんな見解をお持ちで、今後この案一、二の取捨というのはどんな流れで決まっていくのか、その見通しについてお聞かせください。 ◎鎌田 道路・交通政策部副参事 外環道の東名高速から湾岸道路間につきましては、これまでも区は意見表明などができる場の設置を国などに求めてきておりまして、昨年、東京外かく環状道路計画検討協議会の構成機関でございます国土交通省、東京都、川崎市に加え、世田谷区と大田区が参加した周辺自治体意見交換会が開催されました。この意見交換会では、首都圏及び地域の状況、課題、整備効果とともに、構造形式の比較や外環道が東京側と川崎側で湾岸道路に接続するこの二案のほうが示されております。  区では、外環道が東名ジャンクションから湾岸道路に向かう場合、区内を通ることから、地域の状況や課題、整備効果とともに、想定される区内のルートにおける現況等について意見を述べてきております。また、東名以南の区間の今後の具体的な進め方につきましては現時点で明らかにされておりませんが、区も参加している周辺自治体意見交換会での意見や有識者及び経済団体の意見聴取等も踏まえつつ、計画検討協議会が湾岸道路との接続位置やルート、インターチェンジ、ジャンクションの位置などにつきまして、さまざまな視点からさらに比較検討し、計画の詳細が深度化されるものと考えております。  区といたしましては、外環道の整備は区内の交通環境のさらなる向上に資することからも、今後も計画の進捗に合わせ、周辺自治体への情報提供や意見聴取が適切に行われ、東名高速から湾岸道路間の計画が早期に具体化されるよう、国を初めとする関係機関に働きかけてまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 今後の議論が深まっていって、計画も進んでいくことを私も願っておりますけれども、さっき御答弁いただいたように、渋滞が激化することが予測されているわけですので、そのあたりも、これは多分本当に実際現実問題になったら結構深刻な問題になると私は思いますので、ぜひともそれとセットで国のほうに申し入れていただきたいなというふうに思います。  その第三京浜があります野毛をちょっと題材にしてこの後いろいろ聞いていきたいなと思っておりますけれども、買い物弱者の件ですね。この予算委員会でも公明党さんから結構御意見が出ていますけれども、私も四年前から公明党の河村さんに負けないぐらい買い物弱者の件は取り上げてきた自負がございまして、さっきちょっと数えましたら、定例会だとか決特、予特を合わせてですけれども、私は七回ほど質問していました。今回八回目になります。いろんな、この問題はやっぱり都市整備部門だけではなくて、産業政策だとか福祉的な問題も絡んできた非常に複合的な問題だなというふうに思っているがゆえに、いろんな所管で質問をしてきたわけですけれども、公明党さんもおっしゃっておりましたが、いろんな角度から質問、提案をしてみても、なかなか打ち返されてこないという、結構徒労に終わった感が私も非常に大きく感じておりまして、何とかしたいなと思いつつも、ちょっと諦めの境地に入ってきている部分もありますが。  この問題の根本的な問題というのは、やっぱり責任所管が明確になっていないことだなというふうに思っておりまして、ことし、いろいろな所管があるかららちが明かないので、私の場合は玉川地域なので玉川総合支所が音頭をとって、こういった地域課題を総合的にまさに解決していってほしいなというようなことも提案をさせていただいて、今、実際にちょっと小さな取り組みみたいなことは始めていただいておりますけれども、なかなかその抜本的な解決に至るまでには時間もかかるんだろうなというふうには思っておりまして。ただ、この問題をここで諦めず、今後に向けてあらゆる可能性を見出していきたいという気持ちを込めて、以下質問していきたいと思います。  まず、ちょっとお約束的にお聞きしますが、タマリバーバスの件、等々力から尾山台、玉堤を循環するコミュニティバスでありますけれども、等々力渓谷の西側、野毛の一帯にはルートとして入り込んでいないと。野毛の方からは、以前よりルートの変更、変更というか野毛も循環してほしいということをずっと要望としていただいてきたわけです。この件に関して私も何度か質問してきましたけれども、けんもほろろということで、だったら、せめて五本に一本でもいいですと。一日三本でもいいですと。野毛青のあるあの一本道のところに一カ所でもいいから通ってほしいというような切実な要望がいまだ根強くあるわけなんですけれども、この件に関して、今東急バスさんとの折衝の状況を改めてお聞かせください。 ◎堂下 交通政策課長 お話しのタマリバーバスでございますけれども、等々力、尾山台と玉堤を循環するバスとして、平成十年に世田谷区初のコミュニティバスとして導入しております。現在では、通勤時間帯には一時間に六本走るなど、地域の多くの方々に御利用いただいております。また、昨年十月には尾山台中学校バス停を新設するなど、利便性向上に向けた取り組みも進めております。  御提案のタマリバーバスの一部ルート変更などによる野毛地域の導入につきましては、運行車両の増加、運転手の増員等が必要となり、事業採算上の課題に加え、昨今の運転手不足などによりバス事業者として現状では困難とのことでございます。一方、国分寺崖線を含むエリアである野毛地域は、急坂が多く、自転車の利用が難しい地域もあることから、公共交通不便地域対策の必要性が高い地域であると認識しております。そのため、現在砧のモデル地区で進めている取り組みを、野毛地域を含む区内全域での対策につなげていけるよう庁内連携して検討を進めてまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 予想どおりですけれども、砧地域の取り組みには一縷の望みを託したいなと思っておりますので、よろしくお願いします。  その野毛ですけれども、今地元の方からいろいろ御要望をいただいているのが、コンビニがないんですね。野毛の東側の目黒通り沿いは、あそこは住所で等々力なんですけれども、第一種中高層住居地域なのでセブンイレブンがありますと。さらに東のほうに行きますと、玉堤のほうはコンビニだとかスーパーもあって、東京都市大の学生なんかもそこに集まっているような光景を私もよく見ますけれども、うらやましいなと思っているわけです。野毛の一丁目、二丁目の大半が一低層でありますので、今コンビニがないと。一低層の店舗の条件というのは、兼用住宅でかつ五十平米以下でありますから、通常のコンビニは百七十から二百平米ぐらいだということですけれども、まず五十平米だとできませんし、できたとしても商売として成り立たないということになろうかと思います。  昨年六月に公布されました建築基準法の改正の中の用途規制の特例許可手続の簡素化、これが盛り込まれたわけですが、これは、別に一低層の用途制限に変更が加わるものではないという理解でよろしいか確認します。 ◎髙橋 建築調整課長 現段階では未施行でございますが、平成三十年六月二十七日に公布されました建築基準法の改正では、第一種低層住居専用地域で建築可能な用途規制の範囲を緩和し、コンビニエンスストアができる内容としたものではございません。第一種低層住居専用地域内での店舗の用途規制はこれまでと変わりはありません。 ◆おぎのけんじ 委員 それで、手続の簡素化の対象となる建築物が何なのかということと、その建築物に課す条件、これは今後示されてくるということなんですが、仮にコンビニエンスストアがその建築物に該当して、かつ条件とされるであろう住環境の悪化防止の措置を講ずるということができれば、これは一低層の中にコンビニの建築が許可される可能性があるという理解でよろしいか、これも確認します。 ◎髙橋 建築調整課長 省令で示される住環境の悪化防止の措置でございますけれども、二月の法改正の説明会での国の説明では、騒音に関する外壁の構造規定、また駐車場の面積規定、また深夜営業の禁止などについて考え方が示されたところでございます。国では、これらの内容を省令案としてまとめましてパブリックコメントを行い、六月の法施行期限までに取りまとめることとしてございます。この内容に沿い、地域に必要とされる計画をしていただければ許可することができるものと考えてございます。 ◆おぎのけんじ 委員 それは一つ可能性があるということで、六月までの動きに私も注目したいと思いますけれども、逆に、用途地域自体にフォーカスしてお聞きしたいと思います。  今般の都市計画法改正によりまして、新たに田園住居地域というものが定められました。都市部における貴重な田園風景と、それがもたらす周辺の良好な低層住宅の環境を守る地域で、小中学校のほか、その地域で生産された農産物を使用する場合は五百平米までのお店、それ以外は百五十平米までの店舗が建てられるというものでございまして、私も区内で長らく不動産関連のお仕事をされている方にちょっと伺いましたら、あくまでその方の見解ですけれども、一低層あるいは二低層の中で、生産緑地や農地が残っているところが恐らく指定されるんじゃないですかと。つまり、世田谷や練馬でも指定される可能性は私はあると思いますよというようなことをおっしゃられておったんですけれども、区のほうで今この田園住居地域の指定の可能性についてどのように考えていらっしゃるのかお聞きします。 ◎佐々木 都市計画課長 田園住居地域は、低層住宅と農地が調和した良好な居住環境と営農環境を形成していくため、都市緑地法等の改正とあわせて、住居系用途地域の一つとして追加されたものでございます。先般、用途地域の指定権限を有する東京都より公表されました東京における土地利用に関する基本方針の中では、農地における直売所や農家レストランなどの立地の誘導、営農意欲が高い農地や屋敷林が特徴ある風景を残している地域を保全するなどの取り組みとして田園住居地域の活用を掲げており、今後は、この方針を踏まえて東京都の用途地域指定方針、指定基準に田園住居地域の具体的な指定の考えが示される予定です。  なお、現行の用途地域指定方針では、用途地域の変更にはあわせて地区計画を策定することが原則とされており、田園住居地域についても、農地のみならず周辺市街地も含めた地域のまちづくりとして地区計画を策定していくことが想定されます。  本区におきましては、市街化された住宅地に小規模な都市農地が広く点在するといった特性を踏まえつつ、特定生産緑地制度の取り組みや東京都の動向、他自治体における事例などを注視し、田園住居地域の指定の可能性について検討してまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 これもさっきの建築基準法の改正と合わせて、これがもし指定されるとなれば、かなり大きなインパクトがあるのかなと思いますので、私も以降注目していきたいなというふうに思います。  用途地域の最後に、よく区長がいろんな場で世田谷区は市町村以下の権限しかないんですと、用途地域の決定権限もありませんということで、大阪都構想ですね、今度またクロス選挙が行われるということで、またそこでも区長がコメントを出されるのかどうかわかりませんが、そう言うのならば、現在の世田谷区の用途地域の指定について、どこをどうしたいというような考えを持っているんだろうと。また、自治権拡充をあれだけ求められているならば、当然そういう用途地域、土地の利用の仕方についても具体的にイメージというのは持っていてほしいなというふうに思うわけなんですが、区長あるいは都市整備部門でも構いませんけれども、実際にこの地域をこうしたいというイメージを今現在持たれているのかどうかお聞きします。 ◎佐々木 都市計画課長 具体的なイメージということですけれども、今お示しできるイメージとしては、都市整備方針の土地利用構想という形でお示ししているというところでございますが、用途地域指定の権限が区に移譲された際には、独自の指定方針を定めるなど、都市整備方針に基づくきめ細かな対応を図るとともに、都市計画事業や土地利用の転換に合わせてスピード感を持ったまちづくりを都市計画と一体に進め、区民に対してまちづくりにおける区の役割や責任を果たすことが可能になるというふうに考えております。  このようなことから、用途地域指定権限の区への移譲は必要と考えておりまして、引き続き機会を捉えて要望をしてまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 では、ちょっと関連しまして野毛町公園の拡張整備についてお聞きします。  さきの委員会で基本計画の骨子案が示されましたけれども、近隣住民への意向調査だとかサウンディング調査を経て示されてきたということでございますが、先ほど来申し上げております買い物弱者の問題ですとか、公共交通不便地域の問題というのが野毛には地域課題として根強くあるわけであります。加えて、あそこの土地は国交省の宿舎があったということで、それがなくなってしまったと、その分のにぎわいの復活、外部からの流入を望む声も多いと思っております。  将来的には等々力大橋という目黒通りから延伸して川を越えて川崎につながる等々力大橋という、東京都が施工しますけれども、それができて川崎へのアクセスも格段に上がりますし、あるいは先ほど申し上げた外環が第三京浜と接続となれば、あの辺かいわいが交通の要衝の地となる可能性も私は大いにあると思っておりまして、骨子案のよしあしは別にして、そうした中長期的な見通しも含めて、地元地域の課題解消あるいは活性化に資する場所になるように今後丁寧に計画を進めていきたいと思っているんですけれども、区の見解をお聞かせください。 ◎青木 みどり政策課長 玉川野毛町公園は、東急大井町線の等々力駅から南西五百メートルほどに位置し、環状八号線、住宅地を挟んで等々力渓谷公園、第三京浜、多摩川に挟まれたところに立地しております。現在、区では国土交通省等々力宿舎跡地の一部を取得した公園拡張用地を含めた公園の拡張事業について、基本計画の策定に向けた作業を進めており、官民連携に向けたサウンディング調査、利用者や近隣住民の意向把握のためのアンケート調査を実施いたしました。公園利用者のアンケート結果では、軽飲食ができるカフェやレストランなどの飲食店や売店などの機能や、雨をしのげる施設がないことから、公園立地を生かした雨の日でも楽しめる施設機能を求める声などがございました。また、近隣の声といたしましては、公園拡張整備後、玉川野毛町公園の拠点性や等々力渓谷公園との回遊性が強化され、隣接する住宅の前を通過する人の増加が見込まれることから、歩行者の安全安心な歩行空間の確保や、住宅へのプライバシーの配慮を求める声などがございました。  区では、こうした声も踏まえ、飲食や物販店舗等の便益施設の導入が可能な第二種住居地域、第一種中高層住居専用地域である開園区域の中で便益施設などの設置を検討していく予定としております。また、拡張区域の東西には歩行者空間を設け、歩行者の回遊性や安全性を確保する予定としております。今後、公園に対する需要や要望、配慮事項などをさらに把握し、公園利用者や近隣住民の視点に立った計画とするため、公園利用や地域性に配慮した施設の導入を含め、地元の御意見を伺いながら、多くの人が集まり、にぎわいのある公園づくりを行ってまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 ぜひよろしくお願いします。いろいろと聞いてきましたけれども、都市基盤整備というのは全ての土台になるわけでして、私は都市整備部門というのは、やはり中長期的なビジョンというものを明確に持っていただきたいなというふうに思っております。当たり前を疑うというか、よく民間ではイノベーション、イノベーションと言われますけれども、やっぱりイノベーティブな部門であってほしいなというふうにすごく思っておりまして、先日、都市整備常任委員会で報告がありました土地区画整理事業をすべき区域の見直しについてということで報告がありましたけれども、この件に関しては私も水面下で随分協議、相談させていただいてきたわけでありますが、正直なかなか難しいだろうなというふうには思っておりました。ただ、他の自治体に先駆けて、かつスピーディーにああいった見直しの方針が示されてきたということで、これはやはり皆さんの力でまとめ上げた本当にすばらしい成果だったのじゃないかなというふうに私は思っておりますので、この買い物弱者の問題も、これは野毛に限らずですけれども、放置すればするほど悪化をしていくわけでありますから、ぜひ都市整備部門にもそういったちょっとイノベーティブな考え方を持っていただいて、この問題の解決に導いていってほしい、その突破口を見出してほしいなということを要望して、次の質問に移らせていただきます。  これも繰り返し取り上げておりますけれども、豪雨対策につきまして、ことしの夏の時期に向けてということでお聞きしたいと思います。  特に中町地区、中町四丁目って駒沢通りと用賀中町通りの交差点が毎度毎度冠水しておりまして、近隣の住居や店舗の浸水被害も多数ということで議会でも取り上げてきました。昨年、地元の方々からいろんな御意見がありまして、それで行政のほうにも私も投げかけてきたわけでありますが、そこで出た意見への対応を含め、当該地区の対策としてどんなことを夏に向けて行っていくのかお聞きします。 ◎山梨 工事第二課長 区では、中町地区の住民の方々からの要望を受けまして、平成三十年十二月に中町四、五丁目町会の町会長を初め、地区住民の方にお集まりいただき、当地区の浸水対策に関する意見交換の場を設けました。意見交換では、区や都でこれまでに実施してきている浸水対策の取り組みと今後の取り組みを説明した後に、さまざまな御意見をいただきました。  意見の一つとしまして、都道の駒沢通りにある富士見橋が周囲の道路より高いことから、駒沢通りから流れてくる水が谷沢川へ流れず用賀中町通りに流れ込んでしまい、道路冠水が起きているというお話をいただきました。区では、それを受け、東京都第二建設事務所に対して道路冠水の改善策を検討していただくよう働きかけをしたところでございます。  今後も、地区住民の方々に浸水対策の進捗状況などについて報告する場を設けるなど、きめ細やかな情報提供に努めてまいります。  また、来年度に向けまして、これまでも実施してきております雨水貯留浸透施設の整備を重点的に実施し、さらなる施設の整備を増強するとともに、東京都と連携協働し、豪雨対策を推進してまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 その意見交換の場でも出ていたと思うんですけれども、駒沢通りに結構その中町四丁目から、さっきも言いました多摩美の交差点までというのは起伏が結構ありまして、たまってしまう箇所が断続的にできてしまうというのが、まさに私の家もその駒沢通りの一本内側にあるのでよく見かけるんですけれども、駒沢通りの対策を含めまして、東京都への働きかけについて、現状どうなっているかお聞きします。 ◎桐山 豪雨対策推進担当参事 中町四丁目交差点の周辺につきましては、地形状況から周辺の水が集まりやすいことや、今お話にもありましたように都道、駒沢通りなどの整備の状況から、豪雨時の浸水被害が毎年のように発生しているような状況でございます。抜本的な浸水対策といたしましては、東京都が所管します河川整備や下水道整備によるところが大きく、これまで区は東京都に早期整備を働きかけているところでございます。  具体的には、特別区下水道事業促進連絡会や東京都城南五区下水道・河川連絡協議会を通じまして、下水道局や建設局に対しまして、中町地区における浸水対策の促進や、谷沢川分水路の早期完成を要望しているところでございます。さらに、東京都下水道局に対しまして、同地区の雨水排水能力の不足の解消のため、先般、雨水管整備の一日も早い実現に向け要望書を提出したところでございます。あわせまして、駒沢通りの改修による浸水被害軽減のため、建設局に対しても対策の検討を働きかけ、話し合いを開始したところでございます。  区としましては、今後も東京都の関係部署と連携と協働をしまして、浸水被害の軽減を目指してまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 ぜひ東京都にも当事者意識を持っていただいて、強力に推し進めていただくことを要望いたします。  最後に、ブロック塀につきまして簡単に伺いたいと思いますけれども、さきの定例会で通学路上のコンクリートブロック塀の、特に緊急性が高い危険な箇所十二件につきまして、今年度中に対応のめどをつけてほしいというような質問をさせていただきましたけれども、この進捗、あれからそんなに時間が経っていませんが、どうなっているのかお聞かせください。 ◎小田代 建築安全課長 通学路沿いの危険なブロック塀等として抽出した八百四十五件のうち、特に緊急性が高いと判断し改善されていない十二件につきましては、所有者等に対し面談等により引き続き状態の改善を要請しております。その結果、現時点で四件について改善するとの御意向をいただき、うち一件はブロック塀等緊急除却助成制度を活用した除却の事前相談を受けており、ほか三件は既に建設業者に修繕等を依頼したとのことです。また、そのほか三件について、建築士等に相談するなど改善に向けた取り組みが進んでおります。  区といたしましては、十二件全てにおいて早急に改善がなされるように働きかけを継続し、関係所管とも連携しながら、児童を含む歩行者等の安全確保に努めてまいります。
    ◆おぎのけんじ 委員 よろしくお願いします。その十二件を加えまして、その次の段階の百十五件ぐらいでしたっけ。そのほうもぜひよろしくお願いいたします。  阿久津委員にかわります。 ◆阿久津皇 委員 私からは、一般質問でも取り上げたんですけれども、引き続き砧地域でのコミュニティバスについて少し伺ってまいります。  先日の一般質問の御答弁の中で、今後、来年度以降についてコミュニティバスについては解決すべき課題も多く、安全な走行を確保するためのさらなる対策の強化や、継続可能な運行計画を策定するために来年度は予算から外したと、課題解決に取り組むとされました。また、解決すべき課題というのはたくさんあると思うんですけれども、そのうちの一つというか、その根本として、そもそもこのバスは何のために通すのというところが、なかなかちょっと見えにくいのかなと。まずは通勤通学を含めた交通不便地域の対策なのか、あるいは先ほどあったその買い物難民というか、商店街やスーパー、あるいは駅前へのアクセスを向上させるためなのか、あるいは病院や介護施設といった高齢者や障害者の福祉目的なのか、あるいは先ほどあべ委員からもありましたけれども、総合支所とか公園、美術館、そういった地域のさまざまな施設へのアクセスを向上させるためなのか、あるいはその全てなのか。ちょっとそこがなかなかよく見えなくて、なかなか落としどころが見えず、結局総花的なバスルートになってしまったのかなというところを感じております。  まず、その目標設定からもう一度見直さなきゃいけないのかなと思っておりまして、そのためには、交通政策課だけではなくて産業振興、地域振興、あるいは福祉といったさまざまな所管も交えた庁内連携が必要ではないかと考えますけれども、見解をお聞かせください。 ◎堂下 交通政策課長 砧のモデル地区での取り組みにおきましては、事業収支計画に加えまして、安全対策等いまだ解決すべき課題が多く、来年度はこれらの課題解決に向けて取り組んでいくことといたしました。  高齢化の進展に伴いまして、買い物や通院など日常生活における移動手段の確保はますます重要な課題となっておりまして、課題解決に当たりましては、あらゆる可能性を視野に入れ、柔軟な発想で取り組んでいく必要があると考えております。そのためには、公共交通の導入に向けた検討に限らず、移動困難者対策、買い物弱者対策なども視野に入れた庁内横断的な取り組みが必要であり、福祉や産業政策とも連携して、手法の選択肢をふやすなど、着実に次につながる検討を進めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 今おっしゃった中で、高齢化の進展というところが目的の主眼になることは間違いないのかなと思っておりますけれども、であれば、やっぱり都市整備領域ではなくて福祉の中で、あるいはその福祉の予算で今後やっていくということも検討しなければいけないのかなというふうに思っております。  とはいえ、地元で協議会も立ち上がって、先日勉強会に参加された方々も一般質問の傍聴にいらしたりとか、あるいは今、改めてまた現地で、地元でヒアリングなんかもされているようですので、その機運というのは盛り上がりつつあるのかなと思っておりまして。地元での議論をもう少し活性化するためにも、地元の方にさまざま材料を提供して、その議論を誘導していかなきゃいけないと思っておりまして、過去、ほかの自治体でさまざま取り組まれた経験がある方とか、あるいは大学等でそういった研究をされている方とか、そういった方の、そういった専門家の派遣、協議会への参加というのを呼びかける必要があるかなと思いますけれども、いかがでしょう。 ◎堂下 交通政策課長 公共交通の運行に当たりましては、事業計画の策定や道路運送法の手続のほか、交通管理者や道路管理者、旅客事業者との協議など、さまざまな専門的な知見が必要となります。そのため、今後の協議会の活動に当たりまして、先進的な事例研究や他の自治体担当者や専門家、地域の方々からのヒアリングなどの取り組みが有効だと考えております。また、今回モデル地区での取り組みは、いかに地元の方々と課題を共有し、参画いただける賛同者をふやしていくかが鍵となることから、地元の方々に本取り組みの情報を積極的に発信していくことも重要であると考えております。  区といたしましては、協議会での進め方や活動内容などにつきまして、協議会の方々と意見交換をしながら、御提案の内容を含めまして、運行につながる調査研究を連携して進めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 何で専門家かというと、先ほどタマリバーバスはバスが複数台通っているとか、そのバスのサイズも違って、砧はワゴン車で、運転手を入れると最大九人しか乗らないとか、それを一台で回そう、今関東中央病院まで行ったらいいんじゃないかとか、でもやっぱり三十分に一本来ないと不便だよねみたいな、いろんなものがある中で、それを全てかなえることはやっぱり無理で、従来どおりの運賃収入で、決まったルートを回って、バス停を決めてというのは、なかなか解決には直結しないのかなと思っておりまして、先日もいろいろお話ししていますけれども、オンデマンドのバスとか、あるいはフレックスルート、これスウェーデンのイエテボリで取り入れられているみたいなんですけれども、バス停ではなくてミーティングポイントというものを、例えば砧であれば砧なりに設定して、それをオンデマンドで利用されたい方が何日の何時ごろということで、そうするとその方の御自宅から一番近いミーティングポイントにバスが来ると。目的地がどこなのかというところで、そうすると、全てのバス停を回る必要がないんですね。ルートもさまざまですし、ミーティングポイントを多数設定しておけば、スーパーに行きたい方も、病院に行きたい方も、駅に行きたい方も、それぞれ時間帯に応じてというところで、そうすると九人乗りのバスもうまく活用できるのかなというところもあります。  そういった事例も含めて、地元の町会の方、自治会の方、商店街の方、あるいは本当に地元住民の方と、そういった題材を協議するに当たって、やっぱりその専門家となる方の誘導がないと、なかなか議論も深まらないのかなというふうに考えています。さらに言ったら、スマホですとかITの活用も必要となってくるので、そういった知見も必要だろうなというふうに思っています。  いずれにしても、その最適な解を見つけるためには協議会を今後も続けていくんですけれども、その上で、財政的になかなか厳しい中で、地元の企業だったりとか、地元の大きなマンションだったりとか、そういった比較的ニーズがあるところ、あるいは資金的に協力してくれそうなところもまぜていかなくてはいけないのかなというふうに考えています。  いずれにしても、先ほどもありましたけれどもほかの地域にニーズがあるようなところまで広げていくためにも、この砧地域でのコミュニティバス、このモデルケースを成功させることが必要となりますので、ぜひ来年度以降もしっかり取り組んでいただきたいということを要望しておきます。  次に行きます。次が、これも一般質問で真鍋委員からありましたが、マンション等の大規模建設、そういった開発が行われたときの地元住民とのトラブルについて、そのトラブルの解消についてお伺いしたいと思います。  私が議員になってからこれで四年になるんですけれども、この間、地域とマンション開発、マンション事業者とのそういったトラブルというか、意見のすり合わせがなかなかうまくいかないというところが複数、片手でおさまらないぐらい発生していて、区内各地、いろいろな場所で、いろんな状況で発生しているんですけれども、都度説明会等に参加させていただいているんですけれども、区民、住民の方がおっしゃることもそのとおりですし、事業者側とすれば、法律、法令にのっとってつくっているわけですから、その事業という採算性も含めてなかなか譲歩も難しいのかなというところがあって、最終的には意見交換会を経て、多少の微調整を加えたところで結局着工されてしまうというような事例が多いかなというふうに考えています。  詳細はそれぞれ、事情はそれぞれなんですけれども、一番問題なのかなと思っているのが、やっぱり用途地域がその周辺と比較して突出した、ちょっと違う用途に指定されているところがあって、そこが事業者に買われてデベロッパー、マンションの開発につながるというところが多くあって、それは過去、用途地域が細かく指定される前から存在した建物、そういったものが地権者がかわったりして大きなマンションに建てかわるというような事例が多いのかと思います。それは、このたび高度地区による高さ制限が変更されたことで一定の制限は加わるのかなとは考えておりますけれども、今後も同じようなもめごとになる可能性があるのかなと思っておりますが、そういったことを防ぐための事前調整の機能として大規模取引時の届け出、その際の情報提供、あるいは建築構想届け出時の調整という手もあるかと思いますけれども、それらについて現状と実績についてお聞かせください。 ◎佐々木 都市計画課長 大規模土地取引行為の届け出と建築構想の調整は、周辺への影響が大きい大規模な土地利用転換や建築に対し、適正な土地利用や良好な建築計画の誘導を図るため、平成二十二年の街づくり条例の改正により新たに導入した制度でございます。平成二十三年度から運用を開始しまして、大規模土地取引行為の届け出は七十四件、建築抗争の調整は百八十二件の届け出がございます。 ◆阿久津皇 委員 それらはそういった制度の目的として、より良好な建築計画を誘導することを目的としているということなんですけれども、なかなかそこがうまくいっていないのかなと。結局、建築構想が出されたときにはもう建築の大まかな要件は決まっていて、そこからの修正、調整というのはなかなか難しいというところで、その建築構想が出される以前のところでどれだけ事業者を誘導できるのかなというところが肝になると思うんですけれども、そこに対してアプローチする制度というのが街づくり誘導指針というところだと思うんですけれども、この街づくり誘導指針、これについて少しまた教えてください。 ◎佐々木 都市計画課長 平成二十二年の街づくり条例の改正によりまして、それまで任意に作成しておりました街づくり誘導方針を、大規模土地取引行為の届け出と建築構想の調整と合わせて、街づくり誘導指針として位置づけました。街づくり誘導指針は、速やかにまちづくりの誘導が必要な区域において、都市整備方針の内容や地域特性を踏まえ作成するもので、これまで二十二件を作成しております。大規模土地取引行為の届け出等の機会を捉えまして、都市基盤整備が脆弱な地区の道路空間や公園機能の確保など、建築構想段階から誘導すべき事項を指針に掲げまして、個別の地区課題の解決に向けた誘導を図っております。 ◆阿久津皇 委員 先ほどおっしゃった大規模土地取引の届け出が七十四件、建築抗争が百八十二件の中で、その街づくり誘導指針が二十二件というのが、これがちょっと多い少ないの判断はいろいろあると思いますけれども、もう少し区のほうでまちづくりのビジョンというものをもっと強く持って事業者を誘導していくことが必要なのかなというふうに考えています。  一方、大規模土地取引が発生しない、つまり地権者がかわらずにその建物が変わる、建物のまた用途も変わるというところも実際にあるかと思うんですけれども、その場合は事前になかなか誘導が難しかったりとか情報提供が難しい、役所のほうでもその情報がなかなか入ってこないというところもあるかと思うんですけれども、その大規模土地取引が発生しないような開発についてはどのように誘導調整されているのか教えてください。 ◎佐々木 都市計画課長 適切なまちづくりを誘導していくために、情報の収集に努め、土地利用転換等の機会を逃すことなくまちづくりの誘導を行うことが大変重要だと認識しております。このため、大規模な敷地等における土地利用の転換に対しては、土地取引の有無にかかわらず事前相談等の機会を捉えまして、早い段階から建築事業者に対して地域特性や街づくり誘導指針などの情報提供を行い、良好なまちづくりの誘導につなげております。大規模土地取引行為の届け出がない場合でも、最近では船橋六丁目の朝日新聞の事業地について、新たな土地活用に関する情報を得たことを機に街づくり誘導指針を策定しております。また、成城八丁目地区においては、地区計画の策定後、個別の土地利用転換の方向性が確認された段階で街づくり誘導指針を策定いたしまして、より具体的なまちづくりの誘導を図った例もあるなど、適切なタイミングで柔軟な対応を図っております。  なお、庁内では定期的に調整会議を開催しておりまして、常に関係所管が連携して対応できる体制のもと、良好な建築物への誘導に努めております。改正から八年が経過いたしまして、さまざまな事例も積み上がってきていることから、本制度の制定趣旨を踏まえまして、運用について次年度以降も引き続き検証を進めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 いずれにしても、やっぱり後手に回ってしまうとか、地区計画、結局用途地域で指定された条件の建物ってどうしても防ぎ切れないところもあって、地区計画等で、街づくり計画等で誘導していくんでしょうけれども、そういった将来的には区で用途地域の指定もできるような、そういった行政制度の見直しも必要なのかなというふうに思っておりますので、そういったところもできるように行政も進めなくてはいけないなというふうに考えているところです。  次に行きます。次に、電柱地中化について伺います。  これも一般質問で石川ナオミ委員からありましたけれども、電柱地中化、大規模な災害が発生したときに、電柱が倒れて緊急車両が通れなくなるですとか、あるいは当然電柱が倒れれば停電等にも直結するということで、国では電線類を地中化する無電柱化の推進に力を注いでいると。この地中化が急がれるところでは、今日では景観がよくなるといった、そういった観点も出てきて要望も多いわけですけれども、区では平成八年から世田谷区電線類地中化整備計画を策定し、また来年度は今度、世田谷区無電柱化推進計画、こういったものを策定するんですけれども、電柱類地中化整備計画と無電柱化の推進計画、この二つの計画の違いについて教えてください。 ◎桐山 土木計画課長事務取扱参事 区におきましては、平成八年からこれまでの間、電線類地中化整備計画に基づきまして計画的に整備を実施しております。そうした中、平成二十八年に無電柱化の推進に関する法律が施行されまして、区市町村に無電柱化推進計画を定めることが努力義務となったことから、区におきましても無電柱化推進計画を策定することとなりました。  これまでの世田谷区電線類地中化整備計画につきましては、電線類の地中化を計画的に整備するための実施計画であるのに対しまして、世田谷区無電柱化推進計画につきましては、無電柱化の目的や考え方、計画路線などを示した法定の計画、基本的な計画でございます。なお、世田谷区電線類地中化整備五カ年計画の次期実施計画となる世田谷区無電柱化整備五カ年計画も、世田谷区無電柱化推進計画とあわせて策定する予定でございます。 ◆阿久津皇 委員 基本計画とその実施計画ということで、その違いはわかったんですけれども、その計画の中では三十二路線、十・四キロ、これが新規になるんですかね。プラス既存道路の無電柱化として七路線、二キロということで計上されているんですけれども、区道が千九十四キロある中で、十二・四キロというのはなかなかこの先長いなというところではあるんですが、その中でも既存道路も今後無電柱化を進めていくというところで、そこは一つ進歩なのかなと思っておりますが、計画路線は、広い道路を中心にやっていくというところで、実際のところは車のすれ違いが困難なような、電柱ごとに車がどちらか譲り合ってすれ違うような道路が区内は多いわけですけれども、そういったところこそ、本当は無電柱化するべきなのかなというふうにも考えていますけれども、そういった比較的狭い道路、そういったところの無電柱化についてなかなか進まない、選定から外れたその理由についてお聞かせください。 ◎桐山 土木計画課長事務取扱参事 理由としましては、道路幅が六メートル未満の区道におきましては、変圧器などの地上機の設置場所の確保が難しいことや、電線類を地中に埋設する空間が確保できないなど技術的な問題点がございまして、無電柱化整備は困難である現状がございます。こうしたことから、今後、小型ボックス方式や直接埋設などの新技術の導入が可能となった際には、六メートル未満の狭い区道におきます無電柱化整備につきましても検討してまいりたいと考えております。 ◆阿久津皇 委員 今おっしゃった地上の設備に関しても、民有地に置かせていただくとか、その小型化なんかも進んでいるというふうに伺っておりますので、地中化というのは費用も期間も大変かかるという難しい事業だということは承知しておりますが、ぜひ防災あるいは交通の安全、そういった観点からもしっかり進めていただきたいということを要望して、次の質問に移ります。  次は、区立公園におけるドッグランですとか、先ほどほかの委員からもありましたけれどもドッグランですとか、あるいはスケートボード場ですかね、そういった住民からの要望はあるんですけれども、なかなか付近にお住まいの方々の賛同が得にくい、そういった施設の設置についてお伺いしていくんですけれども、現状ドッグランと、あるいはスケートボード場、そういったものの設置について区での状況を教えてください。 ◎市川 公園緑地課長 まず、ドッグランにつきましては、平成十七年度ころから検討を重ねておりまして、区立公園におけるドッグランの方針をもとに、近隣や公園利用者への配慮や、衛生面への対応に努めるなど、区民団体が主体となって実施する活動に対し、区は協力することとしております。また、区立公園の規模や立地環境を踏まえ、時間や曜日を限定した利用調整型ドッグエリアとしての開設を基本としておりまして、平成十九年四月からは野川緑道で野川ドッグエリアが運営されております。  そして、スケートボード場でございますが、平成五年ごろから世田谷公園の噴水周りでスケートボード遊びが盛んに行われ、マナーに対する苦情が多数寄せられました。その後、平成十八年のころよりスケートボード愛好者が集まりまして、公園清掃や講習会を開くようになったことから、マナーが向上するようになりました。この活動を通じて、ほかの公園の利用者にも理解が深まりまして、平成二十二年四月からはSLパークの愛称でスケートボード場を開設しております。  いずれの施設におきましても、相反する意見が多数ある状況の中から区民団体がマナーの向上に努め、他の利用者との理解が深まった結果により、現在も区民主体の運営が継続されております。 ◆阿久津皇 委員 二つとも私も実際に見ておりますし、そこの方々のお話も伺っているんですけれども、そういった実際の利用者の自助努力というか、そういったところで区民、地域住民の理解が得られて進んでいるというのはすばらしいなと思うんですけれども。とはいえ、そのドッグエリア、これについてはスタートから今十三年たって、スケートボート場も今おっしゃったところから九年経過しているんですけれども、ドッグランはなかなか常設には至らない。あるいはスケートボード場も、その専用施設という意味ではなかなかふえないという状況の中で、世田谷区内には大蔵運動場、羽根木公園、世田谷公園、野毛町公園、二子玉川公園など、広さ的に十分な公園はあるのかなというふうに思っておりまして、また、狛江市では平成二十九年五月から多摩川河川敷にドッグランを設置したということで、世田谷区内でも河川敷の二子橋公園あるいは多摩川遊園なんかも含めると、設置自体は可能なのかなというふうに思います。あとは、そこを反対住民の方々へどう配慮していくかというところですけれども、区内でドッグランの常設というものを要望いたします。  また、スケートボード場についても、設置可能な広さが十分な公園は複数あると考えておりますし、大蔵運動公園では、今現在広場の一部でスケートボードが楽しめるようになっていると。とはいえ、その場はバスケットボールとの共用であって、週末などは大変混雑しておりますし、事故の発生なんかも心配されるところで、そういったものに対して専用施設にすることができるのかお聞かせください。 ◎市川 公園緑地課長 区内の公園には、都立駒沢公園で約千八百平方メートル、世田谷公園で約四百六十平方メートルのスケートボード専用施設が二カ所ございます。大蔵運動公園にも世田谷公園と同規模のスケートボードができる場所がありますが、委員お話しのとおりバスケットとの併用になっております。さまざまなスポーツがある中、どの施設においても十分とは言えない施設規模で譲り合いながら利用していただいているのが現状でございます。また、都市公園法及び世田谷区立公園条例では、公園敷地に占める運動施設の上限割合が五〇%と定められておりますが、既に大蔵運動公園では運動施設が四八%を占めております。現在、陸上競技場のスタンド改修や洋弓場の整備なども行っており、新たな専用施設をつくることはさらに難しい状況となっております。 ◆阿久津皇 委員 法令や条例の制限があるということで、なかなか現状を改修、改善というのは難しいんでしょうけれども、次期再整備、大規模改修があるというときには検討いただきたいなと思っておりますけれども。スケートボードに関して言いますと、今度オリンピック種目になったと。日本にもパークとストリート両種目で男女ともメダル候補がいらっしゃるということで、加えて大蔵運動公園にはスケートボードの発祥であり最強とも言われるアメリカ選手団がキャンプ地とされると。実際スケートボードの選手団が大蔵運動場を利用するかどうかわからないですけれども、オリンピックが来年開催されて、そこで日本選手がメダルを獲得するなど活躍されると、先般のカーリングなんかのように機運が醸成されて、スケートボードに対する理解あるいはそういう希望なんかもふえてくるのかな、要望もふえてくるのかなと思っておりますし、アメリカ選手団のそのレガシーとして、大蔵運動場で、例えば大きな大会なんかも開催可能なスケートパーク、そういったものの設置も将来的には検討してもいいのかなというふうに思っております。  今申し上げたスケートボードにしてもドッグランにしても、やりたい方と反対される方といろいろいる中で、たばこ条例ですとか、先ほどのマンション建築にも共通するんですけれども、さまざま価値観が存在する中で、一方の考え方とか一方の正義だけに寄り添ってはいけないのかなというふうに思っておりまして、今般、多様性を認め合う社会ということが今言われておりますので、さまざまな価値観、異なる価値観を持っている人たちが共存し合える、それぞれが理解し合える仕組みをつくっていかなくてはいけないと思っておりますので、ぜひそういったところにも御配慮して行政を進めていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わり、加藤委員にかわります。 ◆加藤たいき 委員 私からは、うままちプロジェクトのみちょっと聞いていきます。  うままちプロジェクトの一環で、寄附者の名前入り蹄鉄ブロックをオリンピック・パラリンピック想定駅五ルートにおいて設置されていくと聞いています。現状、寄附を受け設置の流れできていますが、寄附者はどこに設置されるかわかっておりません。例えば、用賀にお住まいの方が、今の区の方針だと船橋からのルートに敷設されたり、経堂の方が桜新町に敷設される可能性もあるということで、やはり寄附者の住所近隣に配慮すべきかと思いますが伺います。 ◎清水 都市デザイン課長 「馬事公苑界わい」まちの魅力向上構想の取り組み、いわゆるうままちプロジェクトに対する寄附金募集では、北海道から鹿児島まで六百五十五名の方々から、合計で二千百万円を超える多くの寄附をいただきました。この寄附金募集では、寄附の記念品として馬の蹄鉄入り寄附者名入り平板ブロックを、馬事公苑最寄り五駅から馬事公苑までの道路や公園に敷設することが魅力となり、多くの寄附をいただけた一つの要因になったものと捉えております。  御指摘の希望に応じた設置につきましては、寄附金募集の企画段階において、敷設位置の事前特定に関する検討も行いましたが、どの位置にどのくらい希望が出されるかを事前に想定できなかったため、敷設位置の希望は受けない旨をお知らせし募集を行いました。現在、寄附された方の御住所などを考慮しながら配置を検討しております。 ◆加藤たいき 委員 今、答弁で寄附された方の住所を考慮しながら配置を検討するとのことで、一つ安心しましたが、一方で、当初募集に当たって敷設位置の希望を受けない旨知らせ、募集したとしたため、自分の近隣、地元以外に設置してしまう可能性も含んでいたため寄附するのをやめてしまったという声もあって、私の地元からも幾つもそういった声が出てきていますので、第二弾というか、そういったもう一度申し込みをするという仕組みはできないんでしょうか。 ◎清水 都市デザイン課長 東京二〇二〇大会の開催に向けて、締結入り寄附者名入り平板ブロックを現在製作しており、本年八月ごろから馬事公苑かいわいの道路や公園に敷設し、年内に完了する予定です。こうしたことから、委員御提案のうままちプロジェクト寄附金募集の第二弾を実施することは、現時点では考えておりません。しかしながら、区民の方からも多数の応援メッセージをいただけたことから、うままちプロジェクトのような自分の町をよくするためのプロジェクトにおいて、今後機会があれば検討してまいります。 ◆加藤たいき 委員 第二弾は行わないとのことで、これはそもそもオリンピック・パラリンピックに間に合わせることも非常に大事だというふうには思っておりますが、オリパラ後もこの世田谷区は続いていくわけで、レガシーという言葉がよく出てきていますが、これも私はその一つだというふうに思っています。オリパラで終わってほしくない事業としても考えてもらいたいですし、今、ふるさと納税で二千百万円というところで、平成二十九年度から世田谷区にふるさと納税で入ってきた金額が七千三百万円、平成三十年が一億円と、その中の二千百万円だったらすごく大きな大きな金額だというふうにも思っていますので、そういったところからも、もう少しこういった事業を続ける方針も探っていくべきだというふうに私は申し上げておきます。  最後に、世田谷通りは都道で管理も違うのも理解していますが、都と調整して、世田谷通りにもしっかりと敷設できるように進めてもらいたいなというふうに思いまして、以上で私からの質疑を終えて、石川委員にかわります。 ◆石川征男 委員 祖師谷団地についてお尋ねいたします。  平成の三十年を改めまして振り返ってみますと、私の地元である祖師ヶ谷大蔵駅周辺の風景も大分変わりました。平成九年の城山通り開通、平成十一年の駅前再開発ビルの竣工に続き、平成十六年には小田急線の連続立体交差事業が完成し、翌年にはくるりんバスが運行を開始しました。駅前広場の予定地に残っていた建物も、地権者様の御理解、御協力を得られ、一昨年秋に解体されました。今では広場にある交番も見やすくなり、今後の広場整備に期待が持てます。一方、駅前から祖師谷通りのウルトラマン商店街を北上し、祖師谷まちづくりセンターの百メートルほど先、東側に豊かな緑に囲まれた住宅団地が見えます。昭和三十年代前半に、東京都住宅供給公社が建設した祖師谷住宅です。千戸を超える大きな団地で、隣接する祖師谷通りの商店街はこの団地とともに発展し、昭和五十年代には最盛期を迎えました。  しかし、団地の老朽化とともに入居者の高齢化が進み、その影響も多分にあるでしょう、頑張っているお店も無論ありますが、最近、商店街全体としては元気がなくなってきております。  そこでお尋ねいたします。まず、祖師谷住宅の建物の耐震化や入居率などはどのような状況でしょうか。祖師谷住宅の現状についてお聞きします。 ◎佐々木 砧総合支所街づくり課長 祖師谷住宅は、昭和三十年代初頭に建設された住宅団地で、四階建てを中心とした住宅三十七棟、住戸数千二十戸の大規模団地でございます。まず、耐震化の状況ですが、耐震診断の結果、耐震化が必要な住棟は一棟で、平成二十七年度に耐震改修済みとなっております。また、入居率は約九八%と高く、空き室数は二十戸ほどになっております。  その反面、委員お話しのとおり、居住者の高齢化、単身化は顕著で、平成三十一年一月一日現在、祖師谷住宅の存する祖師谷二丁目の高齢化率は約三九%と、区内全域の高齢化率の約二倍となっております。 ◆石川征男 委員 思っていたより空き室数は少ないようですね。一方、高齢化率は区内全域の二倍ということ、耐震改修で地震時の安全性は確保されているとはいえ、エレベーターも設置されていない住宅は高齢者にとってはきついと思います。また、住戸内の間取りは、特に若い世代にとっては魅力に欠けるものであると思います。容易に想像ができます。  地域の活性化を図る上で、この団地の建てかえが望まれております。建設後六十年以上経過していますが、今後の見通しを教えてください。 ◎佐々木 砧総合支所街づくり課長 東京都住宅供給公社が平成二十六年に改定した再編整備計画では、二〇二三年度までの十年間は、昭和三十四年以前に建設した区部の住宅を中心に再編整備を進めるとしており、祖師谷住宅はその対象となっております。また、世田谷区都市整備方針において、祖師谷二丁目地区をアクションエリアに位置づけ、その方針として、住宅団地の建てかえに当たっては、地域に必要な道路や公園などの都市基盤の整備などによる良好な居住環境の形成に貢献できるまちづくりを進めるとしております。  まちづくりの具体的な計画手法としては、他の住宅団地と同様に、世田谷区一団地の住宅施設の建替誘導指針に基づき一団地の住宅施設を廃止し、地区計画へ置きかえていくのが基本となります。そのため、区では一昨年度から地区計画策定に向けた検討に着手しており、今後、東京都住宅供給公社が建てかえの予定について居住者等に公表次第、区主催による意見交換会を実施していく予定でございます。 ◆石川征男 委員 地区計画の策定に向けて検討を進めているとのことですが、団地周辺は道路が狭く、そこに至る道路が満足にないことは、これまで再三申し上げてきました。区として、アクセス道路の整備についてはどのように考えているのかお伺いいたします。 ◎佐々木 砧総合支所街づくり課長 祖師谷住宅周辺は、基盤未整備な市街地が広がっており、団地へのアクセス道路の整備は、団地のみならず周辺市街地における地域交通の利便性の向上や、防災性の向上の観点からも重要な課題でございます。そのため、団地の北側に計画されている主要生活道路が将来的に整備されるまでの間は、団地外の広幅員道路からつながるアクセス道路としまして、幅員六メートル程度の地先道路は最低限必要と考えており、祖師谷住宅の建てかえに当たっては、その実現方策も含め検討してまいります。 ◆石川征男 委員 しっかりと道路をつくっていただき、団地を幽霊団地にしないようお願いいたします。  それでは、次の質問に移らせていただきます。狭隘道路整備についてお尋ねします。  今週の月曜日、十一日の日、東日本大震災より丸八年が過ぎましたが、復興はいまだ道半ばでございます。最近は大型地震が多いように感じます。北海道胆振東部地震、大阪北部地震、熊本地震等でございます。首都直下型がこの三十年以内にマグニチュード七クラスの地震が七〇%の確率で起きると言われて久しいです。首都直下型地震などの対策として、災害に強いまちづくりは区が重点的に取り組むべき課題でありますが、中でも狭隘道路の拡幅整備は極めて重要なものであります。  そこで、狭あい道路拡幅整備事業の進捗状況についてお伺いします。 ◎小田代 建築安全課長 区では、三十年以上前から狭隘道路の拡幅整備に取り組み、近年では、整備延長として年間五千メートル以上の拡幅整備を行っており、平成二十九年度までに約百二十八キロメートルの整備実績がございます。このうち、平成二十三年度からは狭隘道路の拡幅整備を一層促進するため、建築計画のある敷地と連続した区間を整備する連続的整備に取り組んでおり、隣接するお宅を職員が訪問し、区による拡幅整備を働きかけることにより、平成二十九年度までの七年間で計百五十件、延長千六百四十三メートルの整備実績がございます。  その一方、平成二十八年度世田谷区土地利用現況調査によりますと、区内の公道と私道の総延長約千七百キロメートルに対する幅員四メートル未満の道路延長の割合は約三四・三%であり、五年前の同じ調査に比べ一・九ポイント改善しましたが、災害時の避難や緊急車両の通行経路の確保という観点から、狭隘道路の解消は依然として重要な課題であると認識しております。 ◆石川征男 委員 答弁をお聞きしますと、区内の公道と私道の総延長千七百キロメートルに対する幅員四メートル未満の道路、つまり狭隘道路の割合が約三四・三%であるとお聞きしました。区内の道路の三分の一以上が四メートル未満の狭隘道路とは驚きました。私が何度も繰り返し質問してきましたが、狭隘道路の整備は進捗が遅い、区民が安全安心に暮らしていくためには、身近な道路の整備が不可欠であります。良好な住環境を次の世代につなぐためにも、狭隘道路の拡幅整備は重要と考えます。さらに進めていってほしいと願っておりまして、狭隘道路の拡幅整備をより推進するための覚悟をお聞きします。 ◎小田代 建築安全課長 区では、狭あい道路拡幅整備事業を重点的かつ計画的に推進するため、新実施計画後期計画の重点政策に新たに位置づけました。狭隘道路の拡幅整備については、災害時の避難路の確保や住環境の保全という観点から、区が拡幅整備工事を行い、道路区域に編入し管理することを推進しており、特別区道や区管理道路における事業の際には、所有者等に対しセットバック部分の土地を寄附または無償使用承諾していただくことをお願いしております。  また、連続的整備を一層促進するため、平成二十九年度からは建てかえ計画のない敷地を対象に、拡幅用地内の地下埋設管の撤去、移設や隣地境界に沿った塀等の撤去費用の助成を開始しました。今年度は、啓発活動を強化し、平成三十一年一月末現在で二十四件の助成実績があり、既に昨年度の実績十一件を上回っております。  さらに、幅員四メートル未満の道路延長の割合が高い地域、いわゆる細街路率が高い地域において、拡幅整備をする路線を選択して集中的に取り組む新たな視点の施策についても、現在研究に着手したところです。  区といたしましては、これらの多角的な施策を進めることにより、今後とも区民の御理解と御協力をいただきながら、これまで以上に拡幅整備を推進し、災害に強いまちづくりを進めることで、区民の安全安心をより一層推進していく覚悟でございます。 ◆石川征男 委員 しっかり頑張ってください。  それでは次に、公共交通不便地域対策について質問いたします。これは先ほど他会派あるいは我が党からも幾つか質問させていただきました。  私は当選して十二年になります。あれから十二年、高齢社会を迎え、これまでとは比較にならないくらい移動に不便を感じている多くの方々の声を聞きます。公共交通不便地域対策は、改めて区の喫緊の課題だと認識しております。既に九十万人を擁する世田谷区において、区の将来人口の推計によると、今後も人口増加が見込まれ、近い将来百万人を超える見通しとも示されております。人口百万人社会を迎えるに当たり、そして確実に今以上に高齢化が進む中、公共交通サービスはどうあるべきか。現状では買い物難民とまで言われている日常の買い物に不便となっている方々、通院に不便を感じている方々が多くいる中で、公共交通政策をどのように考え進めていくのか、小手先の対策でお茶を濁すことなく、公共交通のあり方そのものを転換する時期に来ているように思えます。  今後起こり得る問題を予測し、課題を設定し、検討を進め、将来に備えることこそ、自治体の役割です。今後百万人の人口を抱えることとなる世田谷区の公共交通不便地域対策に関し、区はどのような考えをお持ちかお聞かせください。 ◎堂下 交通政策課長 区の将来人口推計によりますと、数年先にはいわゆる団塊世代が七十五歳以上を迎え、後期高齢者人口が増加を続けるとの予測も出ており、真に買い物や通院に困る方々が今後も増加していくものと予想しております。現在、区内には八十一系統の路線バスが運行されておりますが、昨今の運転手不足により、新たな新規バス路線の導入やダイヤ、時間帯の拡充などの対応がますます困難な状況にあると認識しております。また、区では公共交通不便地域対策として、これまで計十路線のコミュニティバスを導入してきましたが、運転手不足に加えて、狭隘な道路が多い世田谷区内においては、従来の対策だけでは解決は困難な状況にあります。  そのため、これらの解決に当たっては、移動目的や利用対象者等をある程度限定した新たな公共交通の導入や、買い物または通院などに特化した移動困難者対策を、福祉や産業政策とも連携して検討を進めていく必要があると考えております。  区といたしましては、公共交通不便地域対策は喫緊の課題であり、庁内一丸となって対策に取り組んでまいります。 ◆石川征男 委員 砧地区をモデル地区とした公共交通不便地域対策について、先ほど我が党の阿久津委員からも質問がありましたが、私はその地区がどうであるかというより、高齢化に向かって進んでいく、ただし、なかなか道路が狭いということが大きな問題であるということで、先ほどの狭隘道路の質問もしました。道路問題が大きな問題と思っております。これから区はどのような方向で進めていくのかお聞きいたします。 ◎堂下 交通政策課長 現在モデル地区、砧で行っている取り組みですけれども、ワゴン車タイプでの新たな公共交通不便地域対策の調査検討を進めております。その中では、事業計画ですとか安全対策等、まだまだ解決すべき課題も多く、来年度はこれらの課題解決に向けて地元協議会とともに取り組んでいくこととしました。  委員お話しのとおり、継続的な運行を目指すためには、従来のフルセット型のサービス提供だけではなく、移動目的や利用対象者の特定や、運行日や運行本数を絞るなど、地域の需要に見合ったサービスを見定めていく必要もあると考えております。こうして運行経費を可能な限り縮減した上で、他の自治体の事例等を参考とするほか、東京都の補助制度の活用も視野に入れるなど、さまざまな工夫を凝らしながら、持続可能な運行形態となるよう、さらに検討を進めてまいります。 ◆石川征男 委員 私も後期高齢者になりましたので、免許証を返上し、コミュニティバスで関中へ行くのを夢見てこの質問を終わらせていただきます。 ◆ゆさ吉宏 委員 それでは、引き続き質疑をしてまいります。  来週、久しぶりに新潟県の長岡に行く予定にしております。新幹線の長岡駅のホームにおり立ちますと、ハリー・ポッターではないんですけれども、幻の十番線ホームというのがあります。御存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、これはかつて田中角栄元総理が、将来、柏崎あるいは直江津まで新幹線を延伸して、現在の北陸新幹線につなげるという壮大な夢の残渣であります。  かつて新潟県は、県民所得の低い農業県の一つとして、冬になると大変な雪のために、父親は東京に出稼ぎに出て、家族が離れ離れにならなきゃいけないということから、豪雪地帯の貧困の解消というのは、田中元総理の悲願でありました。  当時、田中土建工業社長だった田中元総理は、三国峠をダイナマイトで爆破すれば新潟に大雪が降らなくなって、冬でも家族が一緒に過ごせるんじゃないかということを本気で考えていたようで、実際に、一九四六年四月の第二十二回衆議院選挙の街頭演説でもそういった演説をされています。さすがに三国峠を崩すということはできませんでしたけれども、後に上越新幹線、あるいは関越自動車道の開通につながっていくわけです。  国土の均衡ある発展、日本列島改造論に基づくものではありますけれども、豪雪地帯や山間僻地で暮らす方でも望めば、東京と変わらない、便利で情報にあふれた暮らしができるという現代日本の礎を築きました。田中元総理亡き後も、道路整備、新幹線整備は進められ、後世の日本人にとって大きな財産になっているというふうに思っております。  そんな思いから、きょうは、世田谷区内の道路整備状況について何点かお伺いしたいと思います。  まず、都市計画道路補助二一六号線の大蔵一期についてなんですが、この道路は、特養の博水の郷があります世田谷区鎌田三丁目の多摩堤通りから南北に走る路線として、北は杉並区宮前五丁目の井の頭通りに至る延長約八・六キロメートル区間が、昭和四十一年に都市計画決定されております。  このうち世田谷区内は多摩堤通りから中央高速道路付近までの延長約七・一キロメートルの範囲で、途中、世田谷通りや甲州街道などを横断することから、区における南北方向の重要な路線であります。  現在、事業化している東名高速道路から世田谷通りまでの大蔵一期区間約六百五十メートルの範囲については、用地取得も順調に進み、約九割強の事業協力をいただいているというふうに伺っております。  この地区は地形的にも起伏や川がありまして、工事を進める上で大変困難をきわめ、課題もいろいろあると思いますけれども、この大蔵一期区間の整備状況について、周辺の区画道路の整備状況とあわせて伺います。 ◎山梨 工事第二課長 補助第二一六号線大蔵一期の整備につきましては、今年度、世田谷通り寄りの区立大蔵五の十一広場付近において支障物の撤去工事が完了し、道路の計画高さに合わせるための切り土工事及び事業協力者の生活再建に必要な道路の仮整備工事を施工中でございます。当地区は、補助第二一六号線の整備のほかに、大蔵地区地区計画における区画道路の整備も実施しており、区画道路については、これまで四路線が完成しております。  今年度は、区画道路七号線の一部が竣工し、二月末より供用を開始いたしました。来年度につきましては、今年度工事に引き続き道路の計画高さに合わせるための切り土及び下水道工事を進めてまいります。また、清水橋から中之橋の区間において、事業協力者の生活再建のための仮整備及び下水道工事を予定しており、さらには世田谷通り付近の仙川に新設する橋梁の詳細設計も行ってまいります。  今後も大蔵住宅や砧小学校の建てかえ工事などとも調整を行いながら、近隣住民への影響が最小限となるよう、補助第二一六号線の整備を着実に進めてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 続いて補助第四九号線、いわゆる駒沢通りですが、環八から入って多摩美大、そして、そこから少し下ったあたりというのは道幅が狭いところがまだありますけれども、一期、二期、それぞれの進捗状況について伺います。 ◎堂薗 道路事業推進課長 都市計画道路補助第四九号線の事業区間は、駒沢通りの環状八号線より南側で区間を二つに分割して事業に取り組んでおります。第一期区間につきましては、丸子川から南側、二子玉川駅寄りの約二百メートル範囲で既に一部工事が完成し、残る丸子川から約百五十メートル区間は、来年度中に道路築造工事を竣工させ、全区間供用開始とする予定でございます。  第二期区間につきましては、環状八号線から丸子川までの約五百メートルで、現在、用地取得に注力する中、取得率も約六割近くとなっております。また、ことしの夏までには更地化した約三十メートルの区間で歩道を拡幅する仮整備を行い、既に拡幅した区間と合わせて約百メートルにわたり連続した安全な歩行者空間を生み出す予定でございます。
     今後も引き続き歩行者のボトルネックとなっている区間を重点的に事業を推進しながら、早期完了に向け全力で取り組んでまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 もう一つ、二子玉川駅周辺の渋滞解消の切り札の一つとして考えておりますが、目黒通りを延ばして川崎市宮内地区にかかって、府中街道、そして武蔵新城駅方面に至る道路につながる、仮称等々力大橋の工事の進捗状況について伺います。 ◎佐藤 道路計画課長 仮称等々力大橋は、都市計画道路放射第三号線、目黒通りを延伸しまして多摩川を渡り、川崎市の都市計画道路宮内新横浜線に接続する橋梁でございます。延長は約四百メートル、幅員二十二メートル、四車線で計画されております。  現在、一部の工事に着手しておりまして、現段階では橋の整備に伴う多摩川の高水敷保護のため、川崎市側、これは多摩川右岸でございますが、この護岸設置を東京都第二建設事務所が実施中でございます。  また、本工事の世田谷区側の作業としては、区内玉堤二丁目の放射第三号線事業予定地において資材として保管されていた護岸整備用のコンクリートブロックの搬出作業をしておりまして、今後の河川敷での工事で必要となる大型土のうの搬入作業も行われております。  また、多摩堤通りを一部拡幅する必要があることから用地取得を進めていると聞いておりまして、東京都では、平成三十七年度、西暦二〇二五年度ごろの完成を目指しまして本事業を進めているとのことでございます。  仮称等々力大橋には、川崎市との都市間の連携強化や、交通の円滑化、災害時の物資輸送など、利便性の向上や防災性の強化等の整備効果が期待されております。  区といたしましても、引き続き事業者である東京都に対しまして、スケジュールに沿った早期整備を働きかけてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 次に、話は変わりまして、三年前に開園しました、速記所跡地にあります上用賀公園について伺います。  昨年の決算特別委員会におきまして、上用賀公園で実施した利用状況調査の現状について質問をいたしました。その際は結果は取りまとめ中とのことでございましたけれども、さまざまな意見があったと伺っております。  昨年七月から十二月にかけて実施した利用状況調査の結果について伺います。 ◎市川 公園緑地課長 上用賀公園の利用状況調査につきましては、今後の公園の管理運営などに生かすため、公園のよいところや改善点、開園時間などにつきまして、昨年七月から九月の期間で六日間、公園利用者の聞き取り調査を実施しました。その後、夏の暑い期間以外での意見聴取もするため、十一月から十二月の期間で五日間追加調査を行いまして、合計十一日間、約三百六十人の方々からさまざまな御意見をいただきました。  主な意見としましては、芝生がきれいに管理されている、遊びやすい、閉園時間が決まっているので、子どもが明るい時間に帰ってきて安心などの御意見がある一方で、日陰が少なくて暑いので、涼しい時間帯に利用したい、学校終わりに来てもすぐに閉まってしまうなど、開園から三年がたとうとする中、利用者目線での評価や課題を聞くことができました。  なお、この調査結果につきましては、四月以降に公園内に掲示し周知してまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 約三百六十人から聞き取り調査を行ったということでございますが、これだけの意見をしっかりと反映させていかなければならないと思います。  特に暑さ対策や、閉園時間を延ばして涼しい時間帯に利用したいという声は、東京二〇二〇大会の会場周辺でもある当公園においても早急に対応しなければならない課題であります。  このことについて、区はどのように対応をしていくのか。また、予算書に都の補助金で東京二〇二〇大会に向けた暑さ対策推進事業というものがありまして、公園改修に充てるというふうに書かれてありますが、この上用賀公園にも活用すべきではないかと考えますが、この点についても区の見解を伺います。 ◎市川 公園緑地課長 さまざまな御意見をいただいた中でも、近年の酷暑及び上用賀公園が東京二〇二〇大会の会場である馬事公苑に近接するということもありまして、日陰が欲しい、涼しい時間帯に公園を利用したいという御意見はとても多くいただいており、区としましても早期の対応が必要だと認識しております。  今後につきましては、委員お話しの都の補助制度なども活用しながら、日よけ棚の設置や高木植栽の追加、既存の舗装への遮熱材の塗布など、暑さ対策に取り組んでまいります。  また、開園時間の延長につきましては、先ほど御紹介しました調査でいただいた御意見なども重く受けとめまして、近隣の方々とも共有していきながら、利用実態に即した適正な開園時間について、見直しも含め検討してまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 次に、二子玉川エリアマネジメンツの体質改善について伺います。  さきの一般質問でも二子玉川エリアマネジメンツについて質問をさせていただきました。今般の一般社団法人化は一つの進歩として評価をいたしますが、支所長から、都市再生特別措置法に基づく都市再生推進法人の指定を受ければ、さらなる社会的な信用などに加え、区市町村に対する都市再生整備計画の提案が可能となり、道路や公園等を活用した、誰もが安心して活動できる場づくりやにぎわいづくりを主体的に行うことができる道が開いてまいりますという答弁をいただきました。  確かに都市再生推進法人にステップアップすることの確固たる組織の基盤づくりは大いに歓迎をいたしますが、そもそも現在の活動における地域還元事業と収益事業のバランスの悪さをかねてより懸念している私としては、それより優先して改善すべきことがあるのではないかとも考えています。  都市再生推進法人を指定するのは区というふうに聞いておりますけれども、区が自信と期待を持って指定していく上で、今、区がしておくべきことについて伺います。 ◎谷亀 玉川総合支所街づくり課長 二子玉川エリアマネジメンツは、平成二十七年の発足以来この四年間に、兵庫島公園等でのキッチンカーによる出店や、TAMAGAWABREWなどの収益事業に加えまして、野川清掃活動や橋脚清掃などの地域還元事業、また、花みず木フェスティバルやキネコ国際映画祭などへの支援事業を展開してきております。  委員御指摘のとおり、収益事業と位置づけておりますキッチンカー出店事業などの取り組みに関しましては、地域還元事業を円滑に展開するために必要な利益を十分に上げられる状況には至っておらず、参加団体である町会や企業等からの支援を毎回受けているのが現状でございます。  地域還元事業と同様に、参加団体からの支援が続く中、より健全な経営を目指すべく、区といたしましても、二子玉川にまつわる商品の開発とか販売などの提案は、これまでも行ってまいりましたが、現段階では二子玉川エリアマネジメンツのロゴ入りののぼりとか啓発物品の作成やその活用にとどまっておりまして、物販面での実質的な収益にはつながってはおりません。  二子玉川エリアマネジメンツは、都市再生推進法人化に向けて準備作業を今進めているところではありますが、今の段階で改善すべき体質を、これまで以上に理事に対して助言し、収益事業はもとより、地域還元事業においても収益の上がる計画立案ができるよう、前出の商品開発なども含めまして、引き続きアドバイザーとしての役割を果たしてまいる所存です。 ◆ゆさ吉宏 委員 世田谷区第一号のエリアマネジメント団体ですから、しっかりとこれからも区のほうで支援をしていただきたいと思います。  御答弁いただきありがとうございました。以上で私からの質疑を終わりまして、真鍋委員にかわります。 ◆真鍋よしゆき 委員 地域基盤整備事業について、四年前、また区議会に戻ってまいりまして、皆様方に質問したつもりですが、なかなかこのような事業がまたそれ以降復活したという兆しもないので、きょうは改めて、岡田副区長を中心に聞いてもらいたいなと思っているんです。  平成三年から平成十一年にかけて、原則六メートルまでの道を地権者に無償で世田谷区は提供していただいて、測量や道路整備を区が行う、こういう事業でした。  このときにいろいろな整備が行われたんですけれども、改めてこの地域基盤整備事業の九年間でどれぐらいの道が整備されたのかお尋ねします。 ◎北川 烏山総合支所街づくり課長 地域基盤整備事業は、平成四年より平成十一年までの間、区内北部や西部の都市基盤が未整備な地区におきまして、地先道路の整備手法の一つとして実施されておりまして、その間、区が整備計画に定める箇所におきまして、土地所有者から用地の寄附の申し出があった場合、道路整備を行ってまいりました。  事業が終了してから約二十年たっているということもございまして、道路築造費などにかかわる実績は確認することはできませんけれども、整備した箇所につきましては、合計二十九路線、そして概算ではございますが、延長は約二千七百メートル、面積は約一万五千八百平方メートルとなってございます。  内訳を申し上げますと、砧地域で九路線、延長は八百メートル、面積約四千七百平方メートル。また、烏山地域で二十路線、延長約千九百メートル、面積約一万一千平方メートルとなってございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 この事業の私が思う一番肝心なところというのは、世田谷区が予算を立てて計画をつくって、例えば用地買収をして一つずつ整備をしている。今の道路整備はこの形が、建築物が建つので、中心から二メートルセットバックして、そのセットバックした部分を何とか使わせてほしいという、先ほどの狭隘道路の整備かという、どちらかというと、私の言い方だと、区のいい意味で計画的、だけれども部分的、あとは区民の方の何か動きに合わせてやっている、それぞれの一方通行に見えるんですね。  地域基盤整備事業の場合は、地権者からそういう申し出がある、区のほうはこれが必要かどうかを判断する、用地は無償で提供を受ける、測量費と工事費は区が出す、お互いにそれぞれの役割分担で協力してやっていこうという事業なんですね。今、どう見渡しても、世田谷区にそういう事業は見当たらないんですよ。  私は当時議員をやっておりまして、この地域基盤整備事業で一番ネックになったのが国有地だったんですね。前にも申し上げましたけれども、税金を国に納めるときに地租といって、田んぼの部分で、畑の部分で、畦道からは農作物ができないんだから、その部分は地租を免除してもらったと。ところが、国もしたたかで、では、税金を納めない部分は国のものだといって国有地にしたのが、いわゆる畦畔であったり、赤道であったり、青道である、こういうことですね。  平成三年から十一年にかけては、これらがまだ国のものだったんですよ。ですから、これを整備するときにわざわざ、例えば区道と地権者の間に畦畔があったら、その畦畔を国からその地権者に買ってもらって、それを区に無償で提供してもらって道路を広げたという件が何件かありました。  そのときに、無償で寄附するのに、何で私がお金を払って国から土地を買わなきゃだめなんだってよく言われました。でも、方法はこれしかないんだからということで整理をしたんですが、十一年にこの地域基盤整備事業が終わった後、平成十四年、十五年、十六年にかけて、小泉改革で国がこれらの土地を欲しいなら上げますよということで、世田谷区は国有財産移管担当課という課をつくって、三年にわたってこれらの土地を区のものにした、こういうことですよね。  このときに区のほうが寄附を受けたこの赤道、畦畔、青道等はどれぐらいあったんですか。 ◎田中 道路管理課長 地方分権一括法による国有財産一括譲与において、区では道路、水路などの機能のある公共物と機能がなくてもまちづくりに活用できる国有財産について、平成十四年度から平成十六年度に譲与を受けました。国から譲与を受けた畦畔と赤道などは約一万五千カ所、面積にして約五百ヘクタールでございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 今の中で、もう既に道路になっていたり、川の部分であったりというのがありますから、まちづくりに利用可能な面積というのはどれぐらいあるのかお尋ねします。 ◎田中 道路管理課長 国から譲与を受けた面積約五百ヘクタールの土地のうち、既に供用されている区道や区管理道路の中に道路敷地として使用している土地が約九割の四百四十ヘクタールほどございます。また、都市計画道路、主要生活道路などの計画予定地内に約六%の三十ヘクタールほどがございます。それ以外の残り約三十ヘクタールに関しましては、水路敷、畦畔などがいろいろな箇所に点在しており、まちづくりに活用できる可能性がございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 今お答えいただいたとおり、国から移管を受けた土地の中で三十ヘクタールほどはまちづくりに活用できると。本当にこれは大きな面積ですし、世田谷区にとっては大きな財産だと私は思います。では、これを平成二十九年度までにまちづくり等に活用したのはどれぐらいで、また、払い下げをしたのはどれぐらいあるのか、改めてお尋ねします。 ◎田中 道路管理課長 平成二十九年度までに道路拡幅などのまちづくりに活用した土地の件数は約六百件、面積としては約四ヘクタール、また、払い下げの件数は約四百件、面積としては約一・三ヘクタールでございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 単純計算ですが、まだ二十五ヘクタール近くがまちづくりに活用できる可能性があるんですよ。だから、これからこれをどう生かすか、本当にこれは大きな課題だと思います。  それで、払い下げは余りここでいっぱい時間を使ってもしようがないんですけれども、前にも言いましたけれども、国から無償でもらったものを世田谷区が有償で売っているんですよね。このお金は幾らぐらいでどこに使われているのか、今急な質問ですから、誰か言えますか。 ◎田中 道路管理課長 払い下げの金額でございますが、年間平均一億円程度で、これまでの累計は十億円弱ということでございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 これはこれで追いかけると大きなテーマで、何か活用できそうだなという気はしますけれども、前向きに質問は先に進めますからね。  そういうことで、まだ二十五ヘクタール近くがまちづくりに誘導できる可能性がある。しかも、平成三年から十一年のわずか九年間の間に、先ほどの成果も出してきた。先ほど言いましたけれども、こういう土地所有者からも申し出がある、区からも話がある、それで両方で協力しながら道をつくる、すごく大事なことだと思うんですね。  世田谷区民の意識調査で十年間連続の困り事の一位は道路が狭くて危ないということで、先ほどから狭隘道路の整備の話であるとか、交通不便地域の話であるとか、そのたびに道路が狭過ぎるという話とか、もう世田谷区で道路といえば狭くて危ない、だから何とかしようという話は前からあるんですよ。では、どうするんだというのが進んでいないのが、私はきょうに至っているという気はするんですね。  きっとこれはお答えは無理というか、その返事をもらった後、また改めて聞きたいんですが、一つのやり方は、この地域基盤整備事業を復活させたらどうなんですか、お尋ねします。 ◎北川 烏山総合支所街づくり課長 地域基盤整備事業につきましては、平成三年の生産緑地法の改正と市街化調整区域内農地に係る税制の改正を受けて、宅地化する農地について、地先道路等の計画的な整備によって良好な市街地環境を誘導する、それを目的とした事業でございまして、平成十一年までの期限を当初から定めて実施してございます。そういった中、まだ現在、区内には砧地域、烏山地域における土地区画整理事業を施行すべき区域など、現在も道路などの基盤整備がおくれている地区が存在しております。  基盤整備事業は、地先道路の整備手法の一つとして実施された事業でありますけれども、区は現在、世田谷道づくりプランや地域整備方針に沿って、消防活動が困難な地域の解消や歩行者の安全性の向上などを目指しながら、地先道路の整備を進めているところでございます。  さらに、西部地域地区計画などの地区計画制度を初め、土地区画整理事業等の誘導や開発許可制度、また、狭隘道路整備事業などにより、これらの地区の生活道路の整備を進めております。 ◆真鍋よしゆき 委員 地域基盤整備事業で一番誤解を受けたくないのは、平成三年に導入する以前にここでやりとりをしたんですけれども、結局、開発行為との絡みなんですね。開発逃れに世田谷区が手をかすのか、こういう話があったんです。ですから、逆に世田谷区もこの道路が必要だ、その方は無償で提供したい、世田谷は工事を行う、そのかわり供用開始された一年間は建築確認申請が出せない、こういうきちっとしたルールをつくっていたんですよ。だから、もう全てできないというにはいろんなわけをつけられるんですが、やろうとすると、こういうふうに一つ一つ整理をしていけばできると私は思うんです。  平成三年から平成十一年というのは、一番最初の生産緑地法の改正だったんですね。宅地化農地にするところと生産緑地にするところ、短期間で両方決めなきゃだめだということで、約半分が宅地化農地になったんです。そのときに、やはりスプロール化を避けるために、こういう整備をしようじゃないかというのが動機だったと聞いているんですけれども、また今度、二〇二二年問題ですか、それから特定生産緑地であるとか、生産緑地法のさらなる改正であるとか、都市農地貸借円滑化法であるとかいろんな動きになって、特定生産緑地はたしかまた十年ですよ。  そうすると、そのときにこの制度をつくったのはこういう理由だった。では、今回もこれだけの土地の動きが見えるところで、まちづくりにつなげる必要があるんじゃないか。また、これだけの二十五ヘクタールに近い、国から無償でもらった赤道や畦畔が、そこらじゅうの世田谷区の道沿いや敷地の中に入っているということも含めて、別に地域基盤整備事業にこだわりません。要は区と地権者がこういう移管を受けた国有財産を活用しつつ道路を整備していって安全安心な町をつくっていく、そのようなお互いに協力し合える新しい制度をつくったらどうなのかなと私は申し上げたいんですが、岡田副区長、どうですか。 ◎岡田 副区長 今、委員おっしゃる地域基盤整備事業、この起案を私も改めて確認いたしましたけれども、当時、生産緑地制度が入るに当たって、平成四年から十一年という期限を区切ってこの制度をつくったと。それに当たってはかなり広範囲に関係部署が集まって議論し制度をつくられた、こういうことがわかりました。  この事業が終わってからの間、地区計画あるいは区画整理、開発行為の指導、さまざまな手法を活用して、地区の特性を踏まえたまちづくりを行ってまいりましたが、先ほど来、委員お話しの移管財、国有地の移管された畦畔だとか赤道、こういった財産を有効に活用して、地域課題に対応した基盤整備に利用していく。これは非常に重要なことだ、大切な視点だと思っておりまして、これからも有効活用して進めていきたいというふうに考えております。  今お話しの新たな生産緑地に関する特定生産緑地という仕組みが入ることについて、まずは私どもとしては農地を保全するというスタンスで頑張っていきたいと思っておりますけれども、今委員御提案のこの機に、まちづくり全体について、道路整備等も含めて基盤整備のためにどのようにしていくかということについては十分検討していきたいと思います。 ◆真鍋よしゆき 委員 例えば土地区画整理事業をやるときに、生産緑地が今ウエルカムなんですよね。緑住生産緑地制度みたいな土地区画整理事業。だから、逆に特定生産緑地、生産緑地を残すためにも、ある程度の基盤を整備していなければ逆に農地は失われる、これは証明されている部分もあるんですね。ですから、もうお互いにこういうまちづくりの手法をやっていけば、行政が協力してくれれば、さまざまな税制面であるとか、生産緑地法も世田谷区の面的要件も五百平米から三百平米に減りましたから、逆に残すすべである、そのためにも町を磨く、こういう発想というのは私はあると思うんです。  その辺も含めて、検討と言われましたけれども、もう四年間たちましたので、そろそろこれを見えるようにやっていきましょうよというふうに申し上げたいと思います。  あと、一般質問等で行いました、これはもうちょっと掘り下げたいなと思いますので、京王線の連続立体交差事業のことでお尋ねしたいと思うんです。  特に千歳烏山の駅周辺なんですけれども、先ほどお話に出ていた補助二一六号線と京王線の千歳烏山駅の交差部分に駅前の交通広場をつくるという都市計画決定がなされたと。だけれども、この広場にかかる方々の再建策、いわゆる代替地が決まっていないと。今、千歳烏山の南側にバス停があるわけですけれども、これは世田谷区がこの連続立体交差事業のために先行取得した国有地であります。この国有地にバス停をつくり、駐輪場をつくり、子育て施設をつくっている、こういう絵柄なんですね。  まだまだ世田谷区が駅周辺まちづくりのために先行取得した土地を活用せず、新たに駅前に交通広場を都市計画決定したがために、それに係る地権者の方はどこに行くのかまだ決まらず、大変な思いをさせていると。  そうすると、今、都市計画決定された広場がやむを得ないものなのか、それとも、そのために先行取得していた南側の旧国有地をまだまだ活用できるんじゃないかという意見も、まだ地元にはあるんですよ。  まずこの点で、要は都市計画決定がかつて、あれは高架複々線化でされていましたけれども、交通広場というのは、これは後からできた話ですよね。ですから、この広場がもうにっちもさっちもいかないのかというのをまずお尋ねしたいと思います。 ◎佐藤 道路計画課長 駅前交通広場は、鉄道駅との交通結節機能を担うとともに、地域の拠点として、商業地、市街地の中核となる重要な都市施設でございます。そのため、駅前交通広場の位置はできる限り鉄道駅に近接し、バス交通などを担う都市計画道路の一部として円滑に連結されていることが求められます。  京王線千歳烏山駅の駅前交通広場として都市計画決定され、現在事業中の世田谷区画街路第一四号線は、千歳烏山駅と都市計画道路補助第二一六号線の双方と接続しており、駅前交通広場として、まさに適した位置にあると言えます。  このことから、現在、事業施行の上でさまざまな困難な課題はございますが、その解決に鋭意取り組み、今後とも現在の事業の早期完成を目指す考えでございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 これから質問するのはよく聞いておいてくださいね。  では、今言われたとおり、二一六号線と駅とがクロスする、これが一番いいところだから、これでいくんだと。では、ここにかかる方々の商業を再生しようとするときの代替地は決まっているんですか、改めてお尋ねします。 ◎堂薗 道路事業推進課長 現在、千歳烏山駅の駅前交通広場におきましては、駅周辺部の直近ということもございまして、代替地には非常に苦労しているところでございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 皆さん、これが必要だとつくっておいて、結構もう時間はたっているけれども、今答弁いただいたような状況なんでしょう。だから困っているんですよ。だから、決めるのはこれがあるべきだなんていうのはよくわかりますよ。都市計画道路と駅とのクロスするところにあるべきだと。だけれども、そこにかかわる人たちの再建策はどう考えているかといったら、駅に近いところだから苦戦していて、まだ決まってない、今そういう答弁ですよね。では、そのために皆さんは何ができるかじゃないんですか。  だから、そこの部分で、先ほど言った、そのために駅周辺まちづくりのための種地として、旧サンテと言ったと思いますが、公共用地を買っているわけでしょう。では、それを生かすプランは考えているんですか、お尋ねします。 ◎北川 烏山総合支所街づくり課長 駅前交通広場などに係る地権者におきまして、現在の地域で営業継続を希望されている方が多い中、既成商業地での移転先確保が困難であるという状況につきましては、千歳烏山駅周辺まちづくりを進める上でも非常に大きな課題であると認識してございます。  このため、道路代替地のさらなる確保だけではなく、既存区有地の活用、また、建物の集約による共同建てかえの誘導など、区としても新たな再建地の創出に向けてさまざまな検討を進めております。  委員御指摘のこの区有地につきましては、駅周辺のまちづくりを目的として取得した土地でございます。現在、子育て支援施設及び自転車等駐車場となってございます。その中で、自転車等駐車場につきましては、今後まちづくりにおける取り組みの中でも、利便性も考慮しながら、その機能は駅周辺において継続させるために検討を行っていく、そういった必要もございます。  区といたしましては、これら既存区有地の活用につきまして、商業地の生活再建を含めたさまざまな視点で検討を行っていくとともに、主要な地域生活拠点としてさらなる核とにぎわいの創出を図るために、庁内の関係所管がより一層連携しながら、これら既存区有地の活用についても精力的に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 だから、今のお答えは、そういう形でその状況がわかっていて、それに取り組んでいくという話だけれども、皆さん、それぞれ歴代の担当の皆さんも一生懸命やってこられたと思うんですが、あえて言いますよ、今はもう検討しているときじゃないでしょう。だって、これは都市計画決定されて、事業認可が下りて、もう事業が始まっているんでしょう。ここから検討してプランを練ってなんて、これはどうするんですかと私は思うんです。  だからこそ、例えば五つの総合支所があり、それぞれの地域とのコミュニティーもつくってきた。この所管の方の中でも、烏山総合支所で重責を担った方もいらっしゃるじゃないですか。今、また地域のそれぞれのセクションについている。どうしてそのときの人脈や、さまざまな縁をお持ちなんでしょう。それならばそれで協力してもらって、一緒にプランをつくりませんか、一緒に考えませんか、私はやってしかるべきだったと思いますよ。そういう御縁を皆さん持っているじゃないですか。  だから、こう見ていまして、それぞれが私はこの分野、私はこれ、私はこれと、やっぱり決まったところ、これは皆さんの仕事なんでしょうけれども、結局そのことを一生懸命やっていた。でも、トータルとしたら何もできていないんです。だから、そこの上に立つべき人、部長ですか、副区長ですか、一番トップもいるんだけれども、ここらのところがうまくこれを整理していかなきゃ、それぞれがそれぞれで私は一生懸命やっています、決められた駅前広場をやっていますと言ったって、では、どうするんだと。この分野は駐輪です、この分野は子育てです、この分野は何とかです、みんな縦割りじゃないですか。これをトータルしていって、どうやって駅周辺まちづくりをつくるのかというプランニングをしていかないと、これは本当に進みませんよ。  だからこそ、この都市整備部門の皆さんは、岡田副区長を中心にして、それぞれで本当にプロジェクトチームをつくってもらって、今からでもできることはたくさんありますよ。どんどんどんどんもっと地域の方々に協力してもらって、それこそ協働と参加とか、皆さんよく言うじゃないですか。そうやってやりましょうよ。そうやってトータルで動いていかないと本当に大変ですよ。  だから、皆さん、それぞれいろんな課題があると思いますけれども、きょう申し上げたさっきの道路づくりも、ちなみに畦畔とか赤道の国有財産、隣の目黒区の区域は、前に言ったかもしれませんが、目黒のまちづくりにも使いたいといって質問で取り上げようと思ったら、目黒区は国から一切もらっていなかったんですよ。  だから、世田谷区って先見の明があるんですよ。よし、国がそう言ったのならもらいに行こうって、移管の担当課までつくって、皆さんもらっているんですからね。だけれども、逆に今はある意味でその資料は道路管理課で眠っているんでしょう。まちづくりというんだったら、それぞれもらった畦畔、赤道なんていうのは、五つの総合支所に全部持っていけばいいじゃないですか。もっと言えば、二十七のまちづくりセンターというのなら、二十七のまちづくりセンターでそれぞれ所管すればいいじゃないですか。それぞれでまちづくりでどうやって使えるかって動いて、初めてまちづくりセンターで、総合支所の街づくり課じゃないんですか。だから、まちづくりという名前をつけても恥ずかしくないんですよと私は思います。ぜひともそういう思いで、これから当たってもらいたいなと思っています。  この後、お待ちかねのエイトライナーの質問をしようと思いましたけれども、先ほど、おぎの委員の質問だったかな、第三京浜というか東名以南の話。もうシールドの起工式に三回連続で行かない方がいらっしゃって、以南の話も、もう熊本区長のときからあれだけやってきてもまだ今のような話で、これが外環が抜けると、何と六万何千台が七万何千台にふえると言われたら、私、恥ずかしくてエイトライナーの質問をできなくなっちゃいましたよ。だって、エイトライナーに毎年三十万円の予算をつけているんでしょう。予算を三十万円つけていて、話を聞いたら、資料代とか調査費だって、同じことを繰り返しているだけじゃないですか。運政審ですか、もう地下鉄は無理だからと言われたって、まだ地下鉄の研究をしているんでしょう。それでは、これはもうできませんよ。だから、もうこのことは申し上げない。  結局、これは東名以南のまず道筋をつけて、外環をきちっと放射状の道路にして、そして環八の交通量を減らして、国から言われている中軌道の公共交通を導入するしかないと私は思いますよ。だから、ここに向けて、これはやってもらうしかないなと思うんですけれども、何かありましたら答弁願います。 ◎堂下 交通政策課長 まず、エイトライナーにつきまして答弁させていただければというふうに思います。  エイトライナー構想におきましては、これまでエイトライナー促進協議会として、また、江戸川区など環状七号線沿道三区により、葛西臨海公園から赤羽までの運行を計画しているメトロセブンも含めた区部周辺部環状公共交通として調査検討を進めております。  これまで、委員御指摘のようにさまざまな調査をしておりまして、システムとしては既存地下鉄、低コスト断面標準地下鉄、スマートリニアメトロ、LRTなどの調査検討を行ってまいりました。  その結果、地上系のシステムにおいては、現状では環状八号線沿道の多くの土地を買収する必要があり、事業費が過大となることから、地下鉄系システムによる導入の検討を進めてきたところでございます。  一方で、平成二十八年の交通政策審議会答申第百九十八号において、地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクトの一つとして位置づけられたものの、事業性に課題があり、需要等を見きわめつつ、多摩モノレールやゆりかもめといった中量軌道等の導入や整備効果の高い区間の優先整備について検討の必要性が示されたところでございます。  区といたしましては、答申を踏まえ、これまでの同一のシステムでの運行を前提とした検討に加え、需要や経費を考慮した優先して整備する区間や区間ごとの最適なシステムについて検討するなどにより、メトロセブン、また、東京都とも連携し、実現に向けた取り組みを進めてまいります。 ◆真鍋よしゆき 委員 それでは最後に、基盤整備と並んで、建築行政は本当に重要で、今、民間の審査機関に移っていますけれども、区の役割はまだまだ重要だと思うんです。姉歯の事件もありましたしね。区の指導監督はどのように行っているのかお尋ねします。 ◎小林 建築審査課長 平成十一年に建築確認審査・検査が民間に開放されて以降、指定確認検査機関による建築確認の割合は年々増加し、近年、九〇%を超え、九五%近くに及んでおります。  こうしたことから、建築行政の業務の主体は法令情報の提供相談、違反指導、指定確認検査機関指導等へと移っており、建築行政の実効性の確保に向けた民間の指定確認検査機関との連携体制の確立が課題の一つとなっております。  そのため、区では他区に先んじ設置いたしました専任の指定機関指導担当係を中心に、民間の指定確認検査機関への敷地境界等を通じた情報提供、指導を行い、適切な建築確認審査・検査が行われるよう連携支援を行っております。
     また、指定確認検査機関への立入検査を計画的に行い、確認検査業務の状況、帳簿、書類等の検査を行い、適正な業務実施の確保を図っております。  加えて、指定確認検査機関も参加する世田谷区建築物安全安心推進協議会の確認検査部会等を通じて確認検査等に関する情報交換を行い、業務の適正化を進める連携強化も図っております。  今後も指定確認検査機関への指導監督、情報提供を的確に行い、安全安心のまちづくりに向けて、建築行政の推進に取り組んでまいりたい所存でございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 五つの総合支所ができたときに、この松陰神社の本所に来なくても、総合支所に行けば建築確認申請もとれるし、土木もあるし、福祉もあるしということで、本所をスリムにして、五つの総合支所を充実するんだと。二十七の出張所を充実して、世田谷の選挙も、衆議院より区議会の選挙のほうが大きいことはあり得ない。だから、私は、次の区議会議員選挙、世田谷市烏山区定員何名でやるからと言われて今に至っていますけれども、建築確認申請はこういうふうに民間に移っていってという中で、でも、重要な仕事でもありますし、地域行政を考えるときに、やっぱりこの分野というのは一つの大きなインパクトだと思います。  時間になりましたので、以上で自由民主党の質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時四十二分休憩    ──────────────────     午後三時十五分開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆福田妙美 委員 これより公明党の質問をいたします。  私からは、まず初めに、区営住宅の残置物について伺ってまいります。  区営住宅の住居者様から、ひとり暮らしの方が亡くなってから二年近く経過しても表札がそのままで、次の入居者が入ってこないという相談を受けました。読売新聞の一面に、公営住宅遺品放置千九十三戸、相続人探しに苦慮との見出しに目が奪われました。まさか、あの区営住宅もと頭をよぎりました。  ここで伺いますが、世田谷区では単身者が亡くなった後、残置物が片づけられずにそのままになっている区営住宅は何戸あるでしょうか。 ◎佐藤 住宅課長 区では、平成三十一年三月一日現在、千五百八十一戸の区営住宅等を管理しております。毎年度、六月と十一月に入居者の募集を行っておりまして、昨年度は五十五戸、今年度は七十三戸の区営住宅等において新規の入居がございました。  一方、単身の居住者が亡くなった後、家財等を引き取る親族等があらわれないため、部屋が片づかず、入居者を募集するための候補にできない住戸が現在七戸ございます。内訳は、居住者が亡くなってから半年未満が三戸、半年以上一年未満が一戸、一年以上二年未満が二戸、二年以上が一戸でございます。 ◆福田妙美 委員 今御答弁いただきましたが、七戸あるということに大変驚きました。この一番のセーフティーネットである区営住宅の中に七戸が未解決のまま放置されていて、そのうちの一つは二年以上という長期にわたりあいている状態ということです。  高齢者の方からは、引っ越し先が見つからないなど、住宅探しの御相談を何人もの方からお受けしていました。民間で探すことが困難で、セーフティーネットの公営住宅の申し込み倍率は十倍から百倍以上という倍率。入りたい人がたくさんいるのに、新たな入居者が入れない上に、長期にわたり家賃が未収になってしまうという事態が起きています。  私も平成二十九年の予算委員会で、公営住宅の不足を補うために、住宅セーフティネット制度を活用した住宅の確保を求めてまいりました。我が会派で何度となく質問で取り上げております。  しかし、区は、ひとり親家庭に絞り込んだ住宅政策へと、高齢者への住宅確保を講じてきませんでした。入居を希望している多くの区民がいます。一刻も早く残置物の対応をし、次の入居者に供給する責務は世田谷区にあります。  ここでお伺いいたしますが、残置物を片づける際の課題と長期化する要因について、区の状況をお教えください。 ◎佐藤 住宅課長 区営住宅等において単身居住者が亡くなった場合、遺品の所有権は、配偶者や子などの相続人に移るとの規定が民法にあるため、まず、戸籍等の調査により法定相続人を探し出し連絡をとり、住戸内の残置物の移動や処分等を要請いたします。  現在のところ、残置物の引き取りがなされない七件のうち三件は、法定相続人の調査中、別の三件は、調査結果をもとに、相続人に対し住宅の明け渡しを督促したものの、対応がなされませんでした。片づけられない場合は、処分を区へ一任する旨の承諾も要請しておりますが、法定相続人全員からの返信が得られず、時間を要している状況です。残りの一件は、調査の結果、相続人がいないことが判明したため、民法の規定により相続財産管理人の選任に向けて検討を行いましたが、管理人の報酬等の課題により断念いたしました。現在、処理要綱の作成とあわせ、別の方策の検討を開始したところでございます。 ◆福田妙美 委員 公営住宅の単身入居者が死亡した場合、残された家財等は、民法第八百九十六条及び第八百九十八条の規定により、相続財産として相続人の共有に属することから、その処分には全ての相続人の同意が必要であることから長期化するということは理解ができますが、一方で公営住宅は、公営住宅法第一条で規定するとおり、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸することを目的とするもので、極めて高い公益性を有しています。速やかに住宅の返還を実現し、新たな入居者に供給するという公益性を著しく阻害する要因となっています。  平成二十八年、東大阪市におきまして、やはり府営住宅において同じような課題がありました。そのことを公明党の大阪府の府議会議員に相談をしたことにより、大阪府の議会で取り上げたところ、大阪府が動き出し、国に法整備を求めてまいりました。そのことが大きなきっかけとなり、国が動き出しました。  このような阻害因子を減らすために、国土交通省は、平成二十九年一月二十五日に全国の都道府県の公営住宅担当者に対して、公営住宅における単身入居者死亡後の残置物への対応方針の策定についてと題する通知を出しております。そこには、すぐに相続人に連絡がつかない場合にも、公営住宅に残置された遺品を、財産権を侵害しないように留意し、民法の規定にのっとった上で、残置物の確認、移動、保管などを行うよう明示されていました。  ここでお伺いいたしますが、区営住宅の管理責任者としてより迅速な対応がなぜできなかったのでしょうか、区の見解をお聞かせください。 ◎佐藤 住宅課長 単身入居者が亡くなった後の残置物の処理については、これまでも相続人等の財産権を侵害しないよう留意しつつ、慎重に対応してきたところでございます。  一方、住宅セーフティーネットを担う区営住宅等の管理運営において、入居者の退去後の住宅を必要とする区民の方々に、できる限り早く提供する対応は最も基本的な課題であると認識しております。  そのため、引き続き親族等相続人による対応を基本としながら、例えば相続人等による引き取りが数カ月経過してもなされない場合、一定の基準に合致しないものは処分するなどの規定をした残置物処理要領を策定している他自治体の取り組みなどを参考に、適切な方策の具体化に向け、現在検討を進めております。 ◆福田妙美 委員 この相続人等の財産権を侵害しないようにということは、これは留意しつつも、やはり処理要領の策定など打てる対策をぜひ早期に策定して、運用開始を切望いたします。  国立社会保障・人口問題研究所の推計では、単身高齢者世帯は四十年に十五年比一・四三倍の八百九十六万人と予測されています。今後もふえると予測されているこの公営住宅の単身入居者が家財道具を残したまま死亡するケースに備える必要があります。死亡後の相続人探しや処理に係る事務作業が膨大となり、入居を待つ区民への迅速な対応ができないことが懸念されます。死亡後に初めて対応するのではなく、入居時に一筆入れていただくなど、事前の対策が必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。 ◎佐藤 住宅課長 区営住宅の使用者における六十五歳以上の高齢者の割合はこの五年間でも六九・七%から七一・八%と二・一ポイント上昇しております。こうした状況を見ましても、単身居住者の亡くなった後の残置物処理に関する事務は、今後増加することが見込まれます。  残置物処理にかかる負担を軽減するためには、あらかじめ入居者との間で民法の規定による死因贈与契約を交わすなど対策を講じることは有効であると考えております。  例えば民間の高齢者施設等への入所時の契約書には、入居者が残置物引取人を定めない場合は、事業者の費用で入居者の残置物を処分でき、費用については、入居者からの預かり金がある場合には相殺できる旨の規定を設けたものがございます。  区営住宅等におきましても、そのような事例や、国が今年度中をめどに取りまとめる予定としております残置物処理に関する調査結果等を参考にしながら、有効な事前方策を講じ、区営住宅の適正かつ合理的な管理運営に努めてまいります。 ◆福田妙美 委員 今後、国交省が放置遺品の問題を重要視し、自治体の対応など、実態調査に乗り出すというふうになっております。公営、民間を問わず共通の課題として解決策を見出す必要があります。住宅確保要配慮者の居住支援の一環としても、他の自治体を参考にしながら、ぜひ早期に対策を講じていただきたいです。  続きまして、土木工事発注の平準化について伺ってまいります。  先日、世田谷区の土木建設業の方から次のようなお声をいただきました。四月、五月、六月といえば土木工事が少ない。逆に年度末、追い込みの工事が続きます。吐く息が凍り、手袋も凍る厳冬期に、屋外では暖房機もありません。なのに、昼夜を問わず、土日返上で工期に間に合わせなければと、発注の平準化をぜひとも行ってほしいですというお声です。  発注や施工時期等の平準化については、公共工事の品質確保の促進に関する法律に基づく発注関係事務の運用に関する指針に定められており、全ての発注者は建設業の担い手の中長期的な育成及び確保の観点から、発注・施工時期の平準化に努めることとされています。  国交省も各地方整備局に平準化を促進しています。二カ年国債で新たに限度額二百億円を設定し、二カ年国債で新たに第一・四半期の工事量を確保で平準化、受注者に工事着手時期の裁量を与えることで余裕期間を標準化するなど努めています。  ここでお伺いいたします。土木建設業の方から、人材不足も相まって、年度末の集中工事は労働環境的にもつらいとのお声をいただいております。工事現場の平準化が必要であると考えますが、区の見解をお聞かせください。 ◎桐山 土木計画課長事務取扱参事 区の土木工事では、これまでも工事発注の平準化に取り組んでいるところでございますが、一般的に年度単位の事業計画に基づき、予算成立後に入札契約手続を行うため、第一・四半期の工事は少なく、また、第二・四半期以降に偏る傾向がございます。  こうしたことから、区としましても、工事発注及び工期末が一時期に集中しないように分散させて、土木工事の発注の平準化をさらに図ることは必要であると認識しているところでございます。 ◆福田妙美 委員 建設業の人材確保に苦労されているお声をお聞きしますが、若者を社員として雇用したくても仕事量の変動が大きく難しいという声です。区内の土木建設業の中小企業は災害時に地域の復旧・復興を担う存在です。これら中小企業が若者を雇用し、健全な建設業が発展することは、世田谷区としても大変重要と考えます。発注時期の偏りを解消し、年間を通じた工事量が安定することは、発注者から見ても中長期的公共事業の担い手確保などにも資することになります。  ここでお伺いいたします。世田谷区では発注・施工時期等の平準化に関する取り組みとして、工事発注の平準化に対する現在の状況をお聞かせください。 ◎桐山 土木計画課長事務取扱参事 区の工事平準化の取り組みとしましては、当該年度に翌年度の予算成立を前提としまして入札契約するゼロ債務負担行為や、補正予算において繰越明許費の手続を行いまして、翌年度に予定している工事を前倒し発注する方法などを活用し、発注時期を分散させて工事の平準化に取り組んでいるところでございます。  また、工事の設計・積算業務におきましては、発注予定の前年度には設計を完了させまして、適切な時期に滞りなく発注できるように改善に努めているところでございます。 ◆福田妙美 委員 平準化については、この労働環境のみならず、機材の有効活用の観点からも重要です。第一・四半期に工事量が少なく、十月から年度末に工期が集中することにより、十月に前倒ししたり、四半期の工期がどこまで平準化されるかというのが重要なポイントになってまいります。  ここでお伺いいたしますが、ここ数年の区が行っている平準化の実績があればお聞かせください。 ◎桐山 土木計画課長事務取扱参事 区の平準化の取り組みにおきます最近の実績としましては、平成三十年度の路面改良工事及び歩道整備工事におきまして、ゼロ債務負担行為による工事と繰越明許費の手続による前倒し工事を合わせまして五件発注しております。また、来年度、平成三十一年度の工事におきましては、これらの方式により八件発注する予定でございます。 ◆福田妙美 委員 世田谷区としてもこの平準化に努力をされているというのが少しわかったんですが、工事のタイプによってはこの平準化がしにくいものというのも伺っております。河川などの工事や占用工事、補助事業などというのが平準化がしにくいと伺っております。これらの工事を考慮したとしても、それ以外の工事を可能な限り平準化していけるかというところがポイントですが、今御答弁いただきましたとおり、平成三十年度が五件、三十一年度は八件の予定ということで、平準化への努力をより一層行っているということですが、これで現場のほうの疲弊感が拭えるかどうかというところが大変大切なところになります。  この集中する十月からの発注ピークを少しでも前にずらしていけるかということで、建設業を取り巻く環境が、人材、資材の確保に苦労されるところを少しでも平準化することで促進できないかということですが、この平準化をさらに前に進めていくためにも、長期的な平準化という観点も大変重要になってまいります。平準化を踏まえた戦略的なインフラの維持管理、更新に関する計画の策定など、発注に関するマネジメントというところになりますが、世田谷区において長期的な工事発注の平準化という観点から、今後の取り組みについて見解をお聞かせください。 ◎桐山 土木計画課長事務取扱参事 建設業を取り巻く状況につきましては厳しく、また、公共工事の品質確保の点からも、発注や施工時期の偏りがある現状を一層改善する必要があると認識しているところでございます。  今後、区の土木工事の発注平準化の取り組みにつきましては、長期的視点も念頭に置きまして、国や他自治体の動向なども踏まえながら、引き続き積極的に進めてまいります。 ◆福田妙美 委員 ぜひとも工事現場の方々が世田谷区の努力を感じられるような、そういう平準化を継続して行っていただきたいと思います。  続きまして、橋のことについてお伺いしていきたいと思います。  公園橋というのがありますが、大蔵運動場と砧公園の間にありますこの橋なんですが、岡本地域をつなぐ公園橋、東名高速のちょうど上に設置をされている橋ですが、唯一砧と岡本をつなぐ重要な橋です。  この岡本地域というのは、実は砧にあります砧まちづくりセンターの管内で、この公園橋を渡り往来をしています。実はこの橋は歩行者の歩道は約〇・七五メートルということで、歩行する人たちの幅にはぎりぎり合っているんですけれども、横に大きなバスが通ってしまったりすると冷やりとする場面があるというふうにお伺いしています。それはベビーカーを押している方々、お子さんを連れていらっしゃる方にとってはこの〇・七五メートルでは十分ではないということです。  この橋を渡って子どもたちに、本来ならば大蔵の運動場の公園などに行かせてあげたいけれども、この橋がとても狭く、子どもたちだけで通らせるのには安心ではないということで、子どもたちを岡本から砧のほうに遊ばせに行くことは余りないとおっしゃっていました。  ここでお伺いいたしますけれども、この公園橋の拡幅、歩行空間を確保することができるかどうかという御希望を大変多くいただいております。この公園橋の拡幅はできないでしょうか。 ◎山梨 工事第二課長 公園橋は、大蔵通りが東名高速道路上を横断するためにかけられました有効幅員約七・五メートルの二車線道路で、路線バスが通っている橋梁でございます。歩行空間としましては白線で仕切られました幅約七十五センチメートルの路肩が左右にある状況となっております。  本橋梁は、平成十三年度に耐震補強、平成十七年度に高欄補修、平成二十五年度に断面修復及び剥落防止、平成二十七年度に橋面防水等の補修を行ってきております。  委員お話しの本橋梁を拡幅することにつきましては、東名高速道路をまたぐことなどから多大な費用が必要となります。現状ではほかに補修を優先すべき橋梁があるため、拡幅は難しいものと考えてございます。 ◆福田妙美 委員 大変難しいということは承知ではございましたが、実は雨が降ると、歩行者の通る歩道のところが大きな水たまりになって、子どもたちなんかも歩道が全く歩けなくなるということをおっしゃっていました。要は雨が降ると車道にみんな出ないと歩けないということで、安全性が全く確保されていないということでした。せめてこの水たまりの解消だけでもできないでしょうか。 ◎山梨 工事第二課長 雨天時の水たまりにつきましては対策としまして、この間、路面補修等の応急処置を実施してきておりますが、完全な解消には至っていない状況でございます。  今後、本橋梁の水たまりの解消に向け、具体的方法について検討してまいります。 ◆福田妙美 委員 ぜひともよろしくお願いいたします。  以上で私の質問を終わり、津上副委員長にかわります。 ◆津上仁志 委員 では、引き続き質問をしてまいります。  私のほうも地元の皆さんから御要望を寄せられることについて聞いていきたいと思います。  まず、今定例会でも一般質問させていただいた内容になるんですが、三軒茶屋駅周辺のまちづくり基本方針案について伺っていきたいと思います。  この問題というか課題については、去年の第三回定例会でもお話をさせていただいたんですけれども、町の要望としては、平成十八年の三月に策定された世田谷区三軒茶屋駅周辺地区交通バリアフリー基本構想というのに基づいて、今まで区としてもさまざま取り組んできていただきました。また、各関係機関とも協力しながら取り組んできていただいたことは十分承知して、その上で、この方針が出るということで、これらの課題についていよいよ具体的に進んでいくんだろうというふうな期待を込めていたんですけれども、実際は、都市整備の部門がつくったものにしては、都市基盤についての記載が余りにも脆弱なんじゃないかなというふうに思って、ずっと質問をさせていただいて、指摘もさせていただきました。  今定例会でも二点について質問してきたんですけれども、それぞれについてまた伺いたいんですが、まず一点目が滞留場所の確保。御存じのとおり、三軒茶屋駅は御利用する方が非常に多くて、特に田園都市線がとまると、町の中に人があふれるような状況で、それが災害時になると、さらに混乱するんだろうなというのは容易に想像がつくんです。  それらについて解消していっていただきたいというふうにも思っているんですが、区のほうでも、平成二十八年九月に報告がありましたけれども、三軒茶屋における公共施設の整備についてということで、その報告の中で災害時帰宅困難者の滞留場所の確保が課題として挙げられていました。ですので、これらをしっかりと課題の一つとして取り組むべきだ、早急な解決に向けて具体に取り組むべきじゃないかというふうに思っているんです。  今、区としては再開発事業が行われていますけれども、そちらのほうをメーンというか、そちらのほうでもそういった場所の確保ということを当然入れながら取り組んでいるものですから、そちらをメーンに考えていらっしゃるのかなと思ったものですから、そうじゃなくて、一刻も早く解消できるような取り組みを区としても考えていくべきじゃないかということで一つ提案をさせていただいたのが、ほとんど年間を通して、大道芸とかイベントがあるときは活用していただいているんですが、それ以外のときはほぼ通行するだけの場所になっているパティオの部分。特に雨が降ると地下の通路が滑りやすいというお声もあって、雨の日はわざわざ屋根のある部分を通るというふうにもなっていて、明るく採光がとれる利点はあるんでしょうけれども、実際はもうほぼほぼ通路としてしか活用されていないものですから、それであるならば上を埋めて塞ぐことによって、地上部分を活用できるんじゃないかということで提案させていただきました。  あちら、喫煙所も上にあるんですけれども、上を塞ぐことによって、今、歩道にもほぼほぼ接近している場所からさらに奥のほうに持っていけますから、歩く方には煙の問題なんかも解消できるし、また、災害時にはそうやって人がたまれる場所としても活用できるんじゃないかなというふうに思って提案したんですが、区のほうからは具体的には御答弁いただけなかったものですから、その辺の可能性について伺いたいと思います。 ◎釘宮 市街地整備課長 副委員長お話しの災害時の帰宅困難者などに対応する滞留空間の不足のほか、副委員長がかねてから御指摘されている国道二四六号線の狭い歩道、また、幹線道路で分断されている南北の移動、鉄道、バス、タクシーなど相互の乗りかえの不便さなど、三軒茶屋の駅周辺の都市基盤についてはさまざまな課題がございます。  副委員長お話しのとおり、災害への事前準備は喫緊に取り組むべき課題であり、地下広場の上部空間を活用することは、滞留空間を創出するアイデアの一つであると考えております。  こうした中、三軒茶屋駅周辺において限られた貴重な資源である公共用地の活用に当たっては、さまざまな課題を複合的、総合的に解決していくことが必要と考えております。  区といたしましては、今般取りまとめました三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針に基づき、さまざまな課題の解決に向けた具体的なまちづくりに、今後積極的に取り組んでまいります。 ◆津上仁志 委員 そんなに簡単な問題ではないとは思うんですけれども、まず、解決の一つの案としてしっかり検討していただきたいなと思います。  もう一つ、交通バリア基本構想策定時には、学識経験者の方とか交通事業者、また、関係行政機関、あと地域住民の方たちなんかで構成する協議会を設置して、いろいろ町を歩いたりしながら課題を抽出して、事業者とか各団体がどういう役割でいくんだということを明確にして、短期、中期、長期という形、期間も決めて取り組みを定められました。  一方、今基本方針の案では第四章に具体的な取組みに向けてというふうにあるんですけれども、その中では都市基盤のイメージを示すだけで、これまでの検討の内容がほとんど反映されていないような、具体性に欠けるようなものになっているんじゃないかなというふうに感じているんです。  特に都市基盤を進めるためには協力が不可欠になってくる、特に地下空間活用という部分でお話しさせてもらっているんですが、不可欠な国とか都とか、あと警察などの関係行政機関、あと、公共交通事業者などで構成する協議会を設置して、具体的に取り組んでいくことも明示していくべきじゃないかということで、一般質問では求めたんですけれども、そちらについても、特に明快にはお答えいただけなかったかなというふうに思っているんです。  先日、三月六日にプレス発表がありましたけれども、大田区のほうでは、東急電鉄と地域力を生かした公民連携によるまちづくりの推進に関する基本協定というのを締結されました。具体的には、五年間を期間として、東急池上線沿線の魅力的なまちづくりを、大田区と東急と両方の強みを生かして進めて、その第一弾としては、池上駅を中心とした池上エリアリノベーションプロジェクトを実施するということです。  区でも東急電鉄とはさまざまな、二子玉川だとか、また、まちなか観光交流協会とかとさまざま協力して、これまでも取り組んできたんですけれども、実際のところは残念ながら、今、そういう大田区のような取り組みにまでは発展せずに、今回の基本方針案の中でも特に明示されることがないということになっているんです。  それら方針で示したものをしっかりと実現していくためには、やはりそういったものも必要じゃないか。協議できる場をしっかりつくって、具体に進めていく必要があると思うんですけれども、その辺はどういうお考えなのかお聞かせください。 ◎釘宮 市街地整備課長 今般お示ししました三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針案では、まちのビジョンとして、まちの個性を継承・強化する、まちを支えつなぐ、魅力を育て機能を高める、この三つを方針として掲げました。  今後、こうしたまちのビジョンを実現するために、具体的な施策にスピード感を持って取り組んでいかなければならないと認識しているところでございます。  また、具体的な施策を進めていくに当たって、副委員長がお話しになった協議会の設置など、鉄道事業者を初めとする民間事業者や、国や都などの関係団体と連携することがまちづくりの実現につながるものと考えております。  区といたしましては、来年度に向けて、民間事業者や関係団体と連携してまちづくりを進めるための協議会などのプラットホームの構築や、副委員長のお話にもありました大田区や、また以前から行っております横浜、川崎などの他自治体の事例を参考にしながらパートナーシップの構築などに取り組み、具体的な施策に結びつくように、三軒茶屋のまちづくりに取り組んでまいります。 ◆津上仁志 委員 本当に町の課題を解決できるような、基盤整備につながるような取り組みを早急に、事業としてしっかり構築していただきたいということを要望しておきます。  次に、駐輪問題について伺いたいんですけれども、三軒茶屋の北自転車等駐車場というものがあるんですが、そちらは定期利用と機械式のレンタサイクルポートが併設されているんです。青葉病院という二四六に沿っている病院があるんですが、その裏側にあって、駅から非常に近い立地にあるんですけれども、レンタサイクルに関しては、首都高速の下にある中央のレンタサイクルポートはもうほぼほぼ一〇〇%を超える利用率になっているのに反して、その半分ぐらいの利用率という低い状況になっていることが続いています。  先日、そこを利用している方から苦情をいただいたんですけれども、内容としては、出てくる自転車が整備不良のものが出てきたと。整備不良で出てくること自体問題なんですけれども、それで違うものを出そうと思って戻して、もう一回押すと、また同じ自転車が出てきたと。本当に機械自体がもう老朽化していて、改修が必要じゃないかなと。それも区は認識されているとは思うんですけれども、それが利用が伸びない一つの要因にもなっているんじゃないかなと思うんですね。  それで、平成二十八年の第四回定例会でも、そういう改修時期に合わせて、スペースも小さくて済む、かつとめられる駐輪の台数も確保できるような立体駐輪場を整備したらどうかという御提案をさせていただいたんですけれども、機械式駐輪場の整備もその手法の一つとして検討しますというふうに当時は御答弁をいただいたんですが、二年経過しましたので、その後の検討結果について伺いたいと思います。 ◎大橋 交通安全自転車課長 御指摘の三軒茶屋北自転車等駐車場につきましては、現在、老朽化により稼働率が低下しておりますが、立地が駅に近く利便性が高いことから、三軒茶屋駅周辺の自転車利用環境整備のためには、本駐輪場の有効活用が欠かせないと考えております。  区では、平成三十一年度から二カ年をかけまして自転車等利用に関する総合計画の改定を予定しており、その中で、朝夕の通勤通学や昼間の買い物などの自転車利用の実態を再調査しまして、自転車利用環境の改善策を検討してまいりたいと考えております。この調査の検討の中で本駐輪場の機械化も視野に入れまして検討してまいります。
    ◆津上仁志 委員 もう二年たったんですけれども、また二年検討で使われるということなんですが、簡単にはいかないというのは十分承知しているんですけれども、非常に立地がよくて稼働率が悪いというその課題解決のためにはやっぱり必要じゃないかと思いますので、ぜひ手法の一つじゃなくて、前向きに検討していただきたいというふうに要望しておきます。  次に、今度、駅の南口への整備について伺いたいんですけれども、これも二十八年の第二回定例会で質問させていただいたんですが、そのときは、民間商業施設建てかえ時に民間駐輪場の整備協力を要請していくというふうに答弁していただきました。  今、ちょうど駅の南側で、もともとパチンコ屋さんだったところが商業施設に建てかえが行われて、私、そのオーナーさんを区のほうに紹介させていただいて、駐輪場を整備できるかなというふうに期待していたんですけれども、残念ながら実現をしませんでした。  どういった課題があってできなかったか、また、その課題解決に向けてどういうふうに対応されていくのかということをお聞きしたいと思います。 ◎大橋 交通安全自転車課長 委員御指摘の民間商業施設建てかえの事例でございますが、区の整備助成を活用した民間駐輪場の整備について、建てかえの計画段階から区として土地所有者に働きかけを続けておりました。これに対し、土地所有者からは、用地を区に一部寄附するので、区で駐輪場の整備運営をしてほしいとの申し出をいただいておりましたが、その後、工事が進む中で、やはり用地の寄附はできないと断られ、駐輪場の整備に至らなかったものでございます。  区の整備助成がございますが、区の整備助成では、平置き式の駐輪場以外に、立体機械式の整備も対象としてございます。交付上限額も平置き式の二倍となってございます。  今後、この補助金の活用について広く周知に努めるとともに、商店街の中で建てかえなどの機会が生じた場合に、商店街として区と連携しつつ駐輪場整備を後押ししていただけるよう、商店街に対し、区から積極的に働きかけを行ってまいりたいと考えております。 ◆津上仁志 委員 本当に商業地の中で駐輪場を確保するのは非常に難しいと思うんです。民間では用地としていろいろ活用できるものですから、それをわざわざ駐輪場にというのはなかなか難しい問題ではあると思うんですけれども、今、マンションの横に立体駐輪場がぽっとつけられたりとか、そういう建物の改修時期を逃さずに何とか対応できるような、今の制度だけじゃなくて、例えば上限をもう少し上げてみるとかいろいろな手法をちょっと検討していただいて、何とか南口にも駐輪場の整備をしていただきたいということを要望しておきます。  もう一つ、自転車だけじゃなくて、あわせて自動二輪の駐輪のことについても御要望いただくんですが、今現在は二十八台、民間のほうで運営していただいているんですけれども、今後さらに拡充していくには、やっぱり自転車自体の駐輪場が足りない状況でなかなか難しいとは思うんですが、先ほど申し上げたとおり、機械式に変えて台数を確保していく中で、ぜひ自動二輪のほうも拡充できるような取り組みを検討していただきたいと思うんですが、いかがですか。 ◎大橋 交通安全自転車課長 三軒茶屋では、ここでお勤めの方も多く、通勤の足に自動二輪車を御利用の方もいらっしゃることから、現在、駐輪場スペースの一部を活用して自動二輪車駐車場を設置しているところでございます。  自動二輪車駐車場につきましては、特に都市部において整備が進まず、常に不足している状況がございます。区の施策上の優先順位といたしましては、まずは自転車への対応になりますが、委員御指摘のように駐輪場整備により自転車収容台数が十分確保できることになれば、自動二輪車駐車場についても収容スペースの確保を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆津上仁志 委員 あわせてよろしくお願いいたします。  次に移りたいんですが、私道の改修などの取り組みについてちょっと伺いたいと思うんです。国のガイドラインについては、またしっかり沿った対応をお願いしたいと思って、もう時間もあれなので一問に絞りたいんですが、これは前も昨年の第二回定例会で質問させていただいているんですけれども、区民から道路改修の通報があった場合の対応についてです。  区道の場合は道路管理者として改修していただけるんですが、私道の場合は、答弁いただいた内容ですと「私有財産であることから、当該私道に関係する方々から、土地所有者に対し、整備の要請をしていただいております。しかしながら、当該私道の関係者の中には、土地、不動産などに関する知識が不足し、調査等についてどうすればよいかわからない方もいらっしゃると思います。そのような場合には、区といたしましても、できる限りの支援を行ってまいります」というふうに答弁いただきました。  私の解釈でいくと、お電話くださった方に、私道の所有者に直接要請してくださいと。かつ、所有者がわからない場合、そのお問い合わせ先がわからない場合は、調べ方は丁寧に教えますよというふうに聞き取れたんですけれども、危ないと思って区に通報して、なかなかそこまでやっていただける方というのは本当にほとんどいらっしゃらないんじゃないかなと思います。  行政として、せっかく危ないということで通報いただいたりしているものに、しっかり対応できるような体制にできないかなということでお話しさせてもらったんです。そのときも例を挙げさせてもらいましたけれども、地域振興課のほうは、空き地とか空き家とか、そういう区民からの通報に応じて、状況を見た上で、所有者に対してお手紙を出していただいたり、お電話したりとかいう形で対応していただいているんですが、同様に、私道のそういう要請があった場合、通報があった場合は、所有者に対して、区からこういう声がありますよ、危なくなっていますよというふうなお話をしていただけないかと思うんですが、その辺はいかがですか。 ◎春日谷 工事第一課長 お尋ねの私道所有者への要請につきましては、通り抜けがあるなどの公共性や、陥没などの危険性、緊急性が高いと判断できる場合には、区から私道所有者への働きかけを引き続き行ってまいりたいと考えております。 ◆津上仁志 委員 引き続きということなんですが、ここで申し上げるあれはないですけれども、そうじゃない場所もありますので、通報者に応じてじゃなく、課長が御答弁いただいたような対応をしっかり徹底していただきたいというふうに要望して、質問を平塚委員にかわります。 ◆平塚敬二 委員 私からは、自転車事故について伺っていきます。  平成三十年度の都内で起きた自転車事故件数は一万二千八百六十五件、そのうち世田谷区内の自転車の事故件数は八百九十五件、つまり、都内の自転車事故の約七%が世田谷区内で起きている。これは大変に厳しい状況で、都内のワーストワンが続いている状況です。また、この件数は区内交通事故全体の約四割を占めるとのことですから、大変に高い割合ですし、年々増加傾向にあります。  そこで、昨年の七月から区民交通傷害保険をスタートして、六千八百名を超える申し込みがあり、自転車に乗る方がみずからのけがや事故を起こしたときの賠償責任に対して、保険に入ることによって安心を確保できたことは大変に評価をいたします。  実は昨年の暮れからことしの一月にかけて、私の住む地域で自転車事故に関するアンケート調査を行いました。その中で、若い世代の事故率が高く、子育て世代の方に冷やりとした経験を持つことが多いことがわかりました。  やはり安全講習はすごく重要で、世田谷区においては二十代から四十代に対して、区内事業者、区内大学、子育て世帯への対応を中心に情報提供の場や機会の開拓を初め、重点的に啓発を進めているとのことですが、具体的にはどのような取り組みをしているのか、まずお聞きします。 ◎大橋 交通安全自転車課長 区では、自転車事故の多い二十代から四十代に対し、区内事業者、区内大学、子育て世帯の三つを核に重点的に自転車安全利用啓発に取り組んできております。  まず、区内事業者につきましては、介護事業者など自転車利用の多い事業者に対し、区と自転車安全利用推進員として活動する保険事業者が連携して自転車安全講習を御案内し、御要望いただいたところへ出前型の講習を実施しております。  区内大学につきましては、大学生向けに特化した啓発リーフレットを作成しまして、区内十一大学十三学部で新入生向けに配布していただいてございます。  子育て世帯につきましては、チャイルドシートつきの子育て自転車の特性や乗り方の注意点をイラスト入りでわかりやすく説明した冊子「『子育て自転車』の選び方&乗り方」を昨年度末に作成し、今年度、区内の小学校、幼稚園、保育園、子育てひろばに配付しております。また、保護者向けの自転車講習会を出前型で実施してございます。 ◆平塚敬二 委員 しっかりとこういうものは継続して続けていただきたいと思います。  次に、自転車保険の加入促進なんですけれども、さきのアンケート調査では、区民交通傷害保険の認知度がまだ低いようで、そしてその申し込みについても、区内金融機関だけでは時間帯が合わないために申し込みができなかったという御意見もいただきました。  今後の取り組みとして、インターネットからの申し込みができないか、区の見解を伺います。 ◎大橋 交通安全自転車課長 区民交通傷害保険は、自転車利用者に求められる一億円までの自転車損害賠償保険に、区民が安価な保険料で加入できるよう実施したものでございます。民間に比べ保険料を低額に抑えられる理由としましては、加入事務を区が行うことで、金融機関で支払われる保険料を公金として取り扱いまして、振込手数料がかからないことになってございます。  このため、区民傷害保険では支払われた保険料を区が公金として収入する必要があり、インターネット申し込みを可能とするためには、現在、区が税や国民健康保険料で行っているのと同様、インターネット上のサイトで入力するための支払い番号が必要となります。その結果、加入したい方は、先に区のインターネット用支払い番号を申し込まなければならず、一手間ふえてしまいます。また、これを実施するためには新たにシステムの開発が必要となり、区として多額の費用負担を要することも大きな課題となってまいります。  現在、全日本交通安全協会や民間保険事業者が実施する同様の保険でインターネット加入が可能なものが既にありますので、インターネットでの加入を御希望の方には、それらを御案内してまいります。 ◆平塚敬二 委員 ちょっと課題が多々あってなかなか難しい、また、民間のそういう保険があるということなんですけれども、私も調べましたら、損害賠償は一億円まであるんですが、自身のけがに入るとかなり金額が上がってしまうということなので、まずはこの区民交通傷害保険をしっかりと進めていただいた上で、どうしてもインターネットの場合は、それをまた進めていただきたいと思います。  また、そもそも自転車は車両ですので、本来であれば交通ルールを学んで、ルールを知った上で乗るのが本来だと私は思いますけれども、現状は誰でも乗ることができます。私は、この自転車保険を進めるに当たって一番考えたのは、事故が起きないことが一番なんですけれども、起きてしまったときに保険に入っていないと、被害者も加害者も不幸になるとの思いから進めさせていただきました。  今後は、世田谷区の責任として自転車に乗る際は保険を義務づけして、賠償責任を果たせるようにすべきではないでしょうか。そのための条例制定を考えてはいかがでしょうか。  全国の自転車保険の動向を見ますと、例えば兵庫県では十五年の三月に全国で初めて保険加入を義務づけする条例を制定して、現在では約十万人が加入をしております。また、都道府県、政令市レベルですと、既に二十四の自治体が義務化や促進を求める条例を制定していますし、これに加えまして、今月の八日には長野、静岡両県で義務づけする条例が成立するなど、制度化の動きは一層の広がりを見せております。  世田谷区においてもこの自転車保険を義務化する条例を進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎大橋 交通安全自転車課長 先般、国土交通省自転車活用推進本部より、各自治体が条例を制定する場合の参考として条例モデル案が提示されました。このモデル案におきましては、自転車利用者、未成年が自転車を利用する場合の保護者、自転車を事業活動で利用する事業者、自転車貸付事業者については保険への加入を義務づけております。また、自転車小売業者は自転車販売時に、事業者は自転車で通勤する従業員がいる場合に、それぞれ加入の有無を確認することとされております。  今後、区民傷害保険の加入促進を図るとともに、自転車保険加入義務化の実施に向け、区長から指示を受けておりまして、引き続き導入に向けて検討してまいります。 ◆平塚敬二 委員 区長から指示を受けているということですから、しっかりと責任を持って進めていただきたいと思います。  最後に、自転車に関連して駐輪場、さっき、津上委員も言っていましたけれども、駐輪場の整備の手法について一点伺います。  区立の千歳船橋南の地下駐輪場というのがあるんですけれども、これはおりる際にスロープに自転車を乗せて、本人は階段でおりていくんですが、帰りは反対側のスロープに自転車を乗せて、今度は押して上がってこなければいけないんですね。これが大変難しいと、高齢者の方からお話をいただきました。  今後、高齢社会を考えると、この上りに関してはベルトコンベヤー、もしくは簡易な機械式の駐輪場の導入を検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎大橋 交通安全自転車課長 御指摘の千歳船橋南自転車等駐車場でございますが、平成五年に都営住宅の建てかえに合わせ東京都に委託し、地下に整備したものでございます。スロープにつきましては勾配二五%で整備したもので、国の整備マニュアルに適合しておりますが、ベルトコンベヤーは設置されておりません。  近年の自転車の大型化、電動アシストつき自転車の普及によりまして、高齢者や子ども連れのお母さん方で階段を上がる際にかなり苦労されている方もいらっしゃいます。そのため、現在、施設の出入り口にお手伝いができる旨のお知らせを掲示し、管理人による人的補助を行っております。  ベルトコンベヤーを既設スロープに後づけするとなると、スロープの一部が直線でないことや、操作盤などの設置場所の確保が難しいなど課題がございますが、今後、専門メーカーと相談、検討してまいります。  なお、今後、新たな地下駐輪場を整備する際には、ベルトコンベヤーの設置や機械式駐輪場につきましても整備手法の一つとして検討してまいります。 ◆平塚敬二 委員 具体的に検討していただけるということなので、よろしくお願いいたします。  次に、話を変えまして、空き家対策について伺っていきたいと思います。  最近、地域で適正な管理がされていない空き家に対しての苦情をいただきました。昨年の九月の台風で屋根瓦が落ちたまま放置されている物件で、私も早速確認して、区につなぎましたが、私自身も地域を歩いていますと空き家が目につくようになってまいりました。放置すれば、やはり近隣の方は地震などの災害時に倒壊するのではないかと不安に思われると思います。  そこで確認しますが、区では現在、管理不全な空き家についてどのように対応されているのか確認します。 ◎小田代 建築安全課長 区では、平成二十八年四月に世田谷区空家等の対策の推進に関する条例を制定施行し、管理不全な空き家の対策に取り組んでおります。  管理不全な空き家について、区民から情報が寄せられた場合は、まずは現場に行き、建物及び敷地等の状態を確認いたします。あわせまして土地建物の登記事項証明書を取得するなど、所有者等を調査の上、周辺の住環境に悪影響を及ぼしていると判断した場合には、所有者等へ文書等により改善要請を行います。  文書で改善要請を行う際には、空き家の状況が伝わるよう、現地の写真等を添付し、空き家の劣化状態や管理不全な状態が周辺に及ぼしている状況を具体的に伝えるほか、空き家の適切な管理を啓発するリーフレットを同封いたしまして、相続や財産管理などの空き家問題に関する専門家等の相談窓口を紹介しております。  今年度の実績といたしまして、平成三十一年二月末までに百九十七棟の空き家に対して改善要請を行い、これまで改善要請したもののうち三十棟の除却と九十七棟の樹木剪定や修繕など、計百二十七棟の改善を確認しております。 ◆平塚敬二 委員 そのリーフレットというのはこれなんですね。中身を見ますとほとんど文字です。これはポイントを書いてありまして、適正に管理されないとどうなるかと三つ書いてあるんですけれども、一つは、特定空家と判断されて、区から勧告を受けると固定資産税や都市計画税が三から四倍になると。二点目は、周辺に被害を与えた場合には損害賠償請求される、管理責任を問われると。三点目は、ごみの不法投棄や害虫の発生、または放火などの防犯上で近隣に迷惑をかけることなどが掲載されているんですけれども、これだけ見てなかなか、では、どうしたらいいのというふうになっちゃうと思うんですね。  また、区は区民からの苦情が来たときには、先ほど言ったとおり、持ち主に対してこういうのを送っているということなんですけれども、昨年度の実績は、確かにこの百二十七件、除却は三十件で、あと九十七件は剪定とかしてくれたということなんですが、このリーフレットだけ見ると、具体的に自分はどういう管理をしたらいいのか、なかなかわからないんじゃないかなと私は思うんですね。  実は東京都のワンストップ相談窓口というチラシもあります。こういうチラシも一緒に入れていただいているとは言うんですけれども、なかなかワンストップ相談がしっかりとまだ伝わっていないんじゃないかなと思うんですよね。そういう意味では、具体的に空き家の適正管理はこうしたらいいんですよというような資料があるといいのかなと考えるんです。  今後、まず特定空家になる前に早い段階で、所有者の皆さんに新たなリーフレットをつくって送ることはできないのかということを考えるんですけれども、区の検討、見解をお伺いします。 ◎小田代 建築安全課長 区では、昨年十月に策定しました世田谷区空家等対策計画を検討する中で、空き家を適切に管理するための具体的な方法などが、所有者の中でイメージできずに放置されているケースがあることもわかりました。  これを受けまして、空き家を適切な管理、流通へ促すための施策の一つとして、来年度にリーフレットの内容をさらに詳しくしたものとして、空き家の適切な管理の方法や、専門家に相談できる具体例などを図やイラストを用いてわかりやすく表現した、空き家に関するガイドブックの作成を予定しております。  作成したガイドブックにつきましては、当課の空家等総合窓口での配布やホームページへの掲載のほか、区で把握している空き家の所有者等へ郵送することを予定しております。  区といたしましては、空家等対策計画における各施策を推進することで、管理不全な空き家等の改善に取り組み、安全で安心な住環境の確保に努めてまいります。 ◆平塚敬二 委員 新たなリーフレットを作成していただけるということですから、しっかりとつくっていただきたいと思います。また、区の相談窓口をしっかりと当てていただくということなんですけれども、いつも思うんですが、どこなのって。東京都の場合、これは実は本当にワンストップサービスになっているんですよね。民間にもお願いしているわけですけれども、ここに電話すれば全てのことをとりあえず対応していただける。区の相談窓口って、相談するといろんなところに振ってくれるという話なんですよね。そうじゃなくて、やっぱりワンストップでちゃんと相談に乗れる場所を築いていただきたいなと強く思いますので、そのほうも、ひとつよろしくお願いいたします。  最後になりますけれども、豪徳寺の駅前交番の復活という話をちょっとさせていただきます。  この交番の復活については、そもそも平成八年に設立された豪徳寺駅周辺地区街づくり協議会の方々が十年かけて、平成十八年につくり上げた豪徳寺駅周辺地区地区街づくり計画及び地区街づくり計画ガイドラインに駅前交番の誘致を記載して復活を求めているもので、前回の質問のときは、小田急電鉄が交番用地として準備している土地を利用して、警察に整備を働きかけることを要望しましたが、この土地の面積などの諸条件が満たしていないということで、警視庁からは見送るという判断がされてしまいました。  しかし、今回、駅前に新たな空き地が見つかりまして、この土地を確保して交番の再建を、世田谷区としても警視庁に要請することを求めているんですけれども、この件に関して、区の見解をお聞きします。 ◎小柴 北沢総合支所街づくり課長 平成十五年に豪徳寺駅前交番を設置し、新たなまちづくりの推進を要請する署名が地域から区に提出され、区として北沢警察署を訪問し交番設置を要請しております。その後も引き続き北沢警察署及び区に対してたびたび要望書が提出され、区への要望はその都度、北沢警察署に伝えてまいりました。  また、委員御指摘のとおり、平成十八年に策定した豪徳寺駅周辺地区地区街づくり計画においては、犯罪に強いまちづくりを目指して、駅前交番について、関係機関、住民と協働して誘致に努めると定めております。  今回、区長宛てに提出された要望書につきましても、区から北沢警察署に設置の検討を再度依頼しております。最終的には設置の判断は警視庁に委ねられていると考えてはおりますが、引き続き誘致に向けて、地域とともに北沢警察署に働きかけてまいります。 ◆平塚敬二 委員 来年、二〇二〇に向けても、インバウンドの方も豪徳寺の駅は非常に多くなっているということも聞きますし、本当にこれから最後のチャンスかなと思っていますので、ぜひ一緒に進めていただきたいと思います。  要望しまして、髙久委員とかわります。 ◆高久則男 委員 それでは、私のほうから順次質問させていただきます。  最初に、公園への民間活力導入ということで質問させていただきます。  限られた財源の中で、今後のふえ続ける行政需要を見据えると、民間活力の導入は必須の課題と認識いたします。多様化した社会の中で公共の果たすべき役割は大きく変わってきております。民間にできることは民間に委ね、官が直接担うべきところは官が担っていく。いかに民間活力を生かした行政経営を区が進めていけるかが、今後、区民生活をよりよくしていく上で重要な視点であると考えます。  平成三十年度からの実施計画の中でも、官民連携による収益施設の誘致や税外収入の確保、また、管理運営費の軽減等を図るとしております。  我が会派でも、以前より行財政改革の推進を訴え、図書館、児童館、保育園、公園等の民間活力の導入を訴えてまいりました。公園への民間活力導入に関しては、私も昨年の第一回定例会の代表質問で公園に民間活力を導入すべきことを提案させていただきました。  この民間活力導入については、現在、多くの自治体で民間活力を生かした、魅力ある、にぎわいのある公園を創出しております。先日視察してまいりました豊島区の南池袋公園ですが、池袋駅から徒歩五分程度の比較的小さな公園でありましたが、約七千八百平米の敷地の大部分が芝生になっておりました。また、公園の一部はカフェレストランを設置、週末には公園でマルシェなどのイベントが開催されておりました。  二〇一六年にオープンしたこの公園は、豊島区が五億七千万円を投じて整備、民間事業者がカフェレストランの売り上げの一部を地域還元費として公園運営費用に充当しております。  公園を運営する団体は、町会や商店街、豊島区、レストラン事業者など、運営団体が公園のパークマネジメントを企画し、地域貢献や地域イベント実施などで能動的で開放的な公園運営を実施しております。  また、公園の民間活力導入の手法にも、委託であるとか包括的民間委託、PPP、パークPFI、指定管理者制度、エリアマネジメントなど多種多様にわたっておりますが、最初にお聞きいたします。現在の世田谷区での公園の民間活力導入の状況はいかがでしょうか。 ◎市川 公園緑地課長 これまでの区立公園における民間活力の導入状況としましては、主なものとして二子玉川公園での民設民営のカフェや駐車場運営者の誘致などで、これまで六年間で約九千六百万円の税外収入を得ております。  また、平成二十八年度から世田谷公園で取り組んでおります移動販売車の誘致につきましては、今年度から本格実施しており、今年度は税外収入として約百万円を見込んでおります。  この移動販売車誘致の取り組みについては、誘致する対象の公園を、今年度より比較的規模の大きい四つの公園に広げ公募しており、本年二月から、二子玉川公園と玉川野毛町公園に応募があったことから、計四台が社会実験として出店を始めているところでございます。  民間活力を導入した効果的な公園運営を行うには、包括的民間委託などのほか、移動販売車誘致やパークPFIなど、さまざまな手法を研究し、試行と検証を行いつつ、公園の立地状況や特色に見合う手法を採用していくことが必要です。  また、民間事業者による施設設置などを進めるには、近隣住民や周辺店舗などにも配慮し、区民参加の手法も取り入れて事業を進めていくことが重要であると考えております。 ◆高久則男 委員 先日、玉川野毛町公園で、隣接する国交省等々力宿舎跡地の一部を公園拡張用地として、民間事業者を対象としたサウンディング調査を実施したとの報告がありました。この調査は、区有地など有効活用に向けた検討に当たり、その活用方法について、民間事業者から広く意見と提案を求め、どのような施設、事業であれば、民間事業者として区が連携できるのかを把握するとのことであります。  区として調査を行うメリットとしては、民間活力の導入の可能性や参画意向、活用アイデアの収集、事業者の参入しやすい公募条件などの検討が挙げられております。  十四団体から提案が出てきたとのことですが、どのような提案があったのか、また、今後のスケジュールについてお聞きいたします。 ◎青木 みどり政策課長 玉川野毛町公園では、公園の拡張計画に当たり、公園の魅力向上や公園サービスの質の向上を図るため、民間参入の可能性、民間活力の効果的な導入方策について、民間事業者より意見をお聞きし、事業提案や事業参入に係る条件等を把握するため、サウンディング調査を実施いたしました。  このたび実施したサウンディング調査では、公園計画に関する主な提案や意見として、カフェを含む飲食・物販施設の設置や、公園施設といたしまして、ビジターセンター等公園運営の拠点となる施設の活用、イベント開催ができるオープンスペースの確保、また、公園の利活用イベントの開催などがございました。  飲食・物販施設については、環状八号線の沿道について、出店事業者による店舗建設、またはテナントによる参画可能性が示されておりますが、店舗以外の施設の建設や維持管理への還元は難しいことなどが意見として挙げられております。  今後は、さらに民間事業者との対話を進め、公園利用者や住民の意見を聞きながら、サウンディング調査の結果について、来年度策定を予定している公園基本計画に反映させてまいります。また、公園の魅力を高める事業を検討するとともに、その後、事業公募に向けた準備を進めていく予定でございます。 ◆高久則男 委員 今のサウンディング調査ですけれども、名古屋市では、市が管理する公園約千五百カ所を対象に、公園をもっと使ってもらいたい、よりよいものにしたいと、サウンディング型市場調査を実施するとのことであります。事業者の視点として新たな切り口で公園の可能性を探り、事業化する公園を抽出することを目的としているとのことであります。名古屋市に電話でヒアリングしたところ、大小問わず、全ての公園を対象に、事業者より提案をいただくとのことでありました。  名古屋市では二〇一七年に先行事例として、民間活力を導入して飲食店、コンビニ、またシャワールーム等を設置した名城公園では、来客数は以前の公園利用者数を大幅に超える利用者数になっているとのことでもありました。  上用賀公園などの新規の公園にサウンディング調査を入れるのは当然として、既存の公園、例えば世田谷公園や羽根木公園、二子玉川公園を含め、区内の公園全てをサウンディング型の市場調査の対象に入れて、民間事業者から広く提案を求めるべきと考えますが、見解を伺います。 ◎市川 公園緑地課長 委員お話しの全公園を対象としたサウンディング調査につきましては、名古屋市のほか、横浜市と千葉市などで行っている事例がございます。このような全公園を対象としたサウンディング調査におきましては、民間事業者のノウハウを生かした幅広い提案が期待される一方で、提案しても採用されるかわからない、限られた調査期間で公園の特性を把握できないなど、提案作成にかかる民間事業者側の負担が大きく、現実的な提案が出しにくいなどの指摘もございます。  区立の公園におきましては、民間活力導入の対象をさらに拡大し、地域の中で定着させていく上で、民間事業者や地域住民、地元商店街などとの対話を重ね、理解を得ながら、事業化の検討を発展させていくことが重要だと考えております。  今後につきましては、移動販売車誘致の取り組みを拡充し、公募の対象とする公園をさらに広げるとともに、飲食以外の物品やサービスを扱う提案を求めるなど、民間事業者から広く提案できる手法を研究してまいります。また引き続き民間事業者や地域住民とともに実験的な取り組みから積み上げるなど、民間活力導入が地域に根づくよう取り組んでまいります。
    ◆高久則男 委員 今、先ほどの名古屋市では全ての公園を対象にサウンディング調査をかけるとしております。そもそも民間事業者も、民間活力導入の実現が可能かどうかということで、実現不可能な公園には提案してこないと思いますし、どこの公園に提案するのかは事業者の経営判断になると思います。区がここは無理だろうと思っているところでも、民間事業者がメリットを感じて提案してくることも十分想定できます。  そういった意味で、まずは全ての公園に大きく網を広げて提案を受けるというようなことは十分意味があると思いますが、改めて見解を伺います。 ◎笠原 みどり33推進担当部長 全公園を対象としたサウンディング調査でございますが、今、公園緑地課長から答弁させていただきましたけれども、区内街角にある、日ごろ、区民の皆様が暮らしの中で利用いただいているポケット公園から、また、今御提示のありました世田谷公園とか玉川野毛町公園、そういった大規模な公園まで、およそ六百カ所の公園がございます。この全ての公園についてサウンディング調査を行っていくことについては、先ほどの答弁にもありましたとおり、さまざま課題があると思っております。  それぞれの公園には、それぞれの利用者の方々の思いというのもそれぞれございますので、今、区といたしましては、まず、先ほど答弁させていただきました玉川野毛町公園のように、例えば歴史文化とか地域のにぎわいの創出といった、区の目的とか、また、地域の困り事を解決していくための手法として何かアイデアはないか、そういった形でのサウンディングをまず行っているところです。  ただ、委員お話しのように大きく網を広げてさまざま情報をいただいて、今後の効率的な公園管理運営に生かしていく、そういった視点は重要ですので、先ほど答弁がありましたとおり、移動販売車の対象をさらにより広げていくとか、そういった流れの中で新たな可能性、そういった手法も含めて研究してまいりたいと考えております。 ◆高久則男 委員 ありがとうございます。  それでは、次の質問に移ります。バス停の上屋整備ということです。  昨年は大変に暑い夏でした。私のところにも酷暑対策として、多くの方から国道、都道、区道を含め、バス停の上屋を整備してほしいとの要望をいただきました。バス停の上屋の設置については、バス利用者の利便性向上のためにあり、昨今の猛暑、台風などを勘案すれば、上屋整備は喫緊の課題であると認識いたします。  バス停の上屋は、基本的にはバス会社が設置、また所有管理することになっているとのことであります。また、設置するためにも、国道、都道、区道にも当然歩道の一定の幅がなければ設置はできないものと考えられます。  最初に質問いたします。国・都・区道上にあるバス停の数、そして設置されている上屋の数はどのくらいあるのか教えてください。また、この十年間で具体的にどれだけの上屋ができているのかもあわせて教えてください。 ◎堂下 交通政策課長 区内には八十一系統のバス路線が運行しておりますけれども、約八百カ所のバス停がございます。上屋は、原則としてバス事業者が所有管理しておりますけれども、一部、国道管理者、また民間事業者や共同住宅などが所有管理しているものもあり、区内における上屋の総設置数につきましては把握しておりません。  一方、区はバス事業者が上屋を設置する際に助成する制度を策定しておりまして、これまで区が助成した上屋の設置数は二十三基でございます。また、ここ十年での設置数でございますけれども、総数は把握しておりませんが、区が助成した上屋の設置数は六基で、平成二十三年度以降の助成実績はございません。 ◆高久則男 委員 今の答弁ですと、約八百カ所あるバス停にどれだけ上屋があるのか、補助金を出している二十三基以外はわからないというようなことだと思います。たとえバス会社が上屋を所有しているとしても、区としてその実態調査ぐらいはやらないと現状把握もできないのではないでしょうか。実態調査をすべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎堂下 交通政策課長 バス停上屋につきましては、これまで区が助成を行った上屋以外は、所有、日常管理を行っていないことから把握してきておりませんでした。しかしながら、御指摘のとおり、今後のバス交通環境の利便性向上のための施策を検討する上で現状把握しておくことは重要であることから、バス事業者以外の民間事業者の新たな設置や撤去などの情報をどのように把握するかなど課題はありますけれども、まずはバス停全ての調査を行うとともに、上屋の設置情報に関する更新手法につきましても検討してまいります。 ◆高久則男 委員 早急に調査をしていただきたいと思います。  それで、バス停の上屋は、基本的にはバス事業者が設置して管理して所有していくということですが、バス会社が上屋を設置してくれるのをいつまで待てばいいのか、本当にこれはバス会社次第ということになってしまうわけです。バス会社がやれないのであれば、国道、都道、区道を含め設置できる新たなスキームを考えていくべきだと私は思いますが、見解を伺いたいと思います。  もう一点、現在、東京都の交通局では、フランスの大手広告代理店、エムシードゥコーという代理店と契約を交わして、今後、都内で約四百基の上屋を設置する予定と聞いております。この広告会社が設置から管理も全て行うとのことであります。  区でもこのような手法で広告つき上屋の設置を促進すべきと考えますが、見解を伺います。 ◎堂下 交通政策課長 区は、平成二年に策定した補助要綱によりまして、新たに上屋を設置する場合に、補助対象事業に係る整備経費の合計額の二分の一、かつ予算の範囲内で補助しておりまして、これまでおおむね一基当たり補助金として約百万円を支出し、上屋の設置促進につなげてまいりました。しかしながら、設置後の維持管理や再設置等に関する費用面での課題のほか、歩行者の安全確保の観点から、一定以上の歩道有効幅員を確保する必要があり、委員御指摘のとおり、近年設置が進んでいない状況となっております。  そのような中、区は、国道等で設置が進んでいる民間資金を活用したバス停上屋の設置を促進するため、昨年四月より、区道上での広告つき上屋の設置に関する基準を新たに策定したところでございます。  この広告つき上屋につきましては、車や歩行者の交通、通行量が多い道路での設置を基本として考えているとのことでありまして、区内では国道二四六号にあるバス停の一部などに設置されております。  区道上での広告つき上屋の設置は、国道や都道と比較して交通量が少ないこと、また、設置できる歩道幅員が確保される道路が少ないことから、適地の確保において難しい面もありますけれども、区といたしましては、まずは広告つき上屋の活用等による設置の促進を、バス事業者に対して働きかけてまいります。 ◆高久則男 委員 先ほど、最初に述べましたように、多くの方から、国道、都道、区道を含め、上屋の設置の要望をたくさんいただいております。バス会社が動くのを待っていないで、先ほどのエムシードゥコーなどの広告つき上屋を活用するなど、上屋設置に本気で取り組んでいただきたいと思います。区の決意を改めてお聞きいたします。 ◎小山 道路・交通政策部長 ただいま委員お話しのエムシードゥコーですが、これは新しいビジネスモデルを持って参入しているような現状でございます。こういったところで東京都交通局とも協定を締結以降、区内のバス事業者とも協定を締結し、広告つきバス停上屋の設置を進めているところでございます。昨年九月の時点で都内には四百十基の広告つきバス停上屋があり、今後は一千基を目指して新規設置を拡大していくとのことでございます。  区といたしましても、このような機会を捉えまして、バス事業者に対しましても広告つきバス停上屋の設置を積極的に働きかけてまいりたいと考えております。 ◆高久則男 委員 しっかりとこれを推進して、最終的には区民の本当に利便性向上につながるものと思いますので、よろしくお願いします。  それでは、最後の質問に移ります。最後は円滑に移動できない交通移動弱者対策ということで、渡り切れない横断歩道問題ということで一点質問させていただきたいと思います。  先日、野沢にお住まいの方から、高齢者の方が環状七号線の野沢龍雲寺の横断歩道を信号時間内に渡り切れず、中央分離帯のところで立ち往生してしまう様子が見受けられると私に相談がありました。この横断歩道は、近くにスーパーがあって、高齢者が横断歩道を渡るケースが多いようです。このように渡り切れない横断歩道の問題は、龍雲寺に限らず、国道、都道と道幅の広い道路で発生しております。  高齢化の進展とともに、横断歩道を渡り切れない高齢者が今後ふえていくことは十分考えられますが、その対策として当然考えられるのは、横断歩道を円滑に移動していくために青信号の時間を長くとっていくこと。また、今、私も調べてみたんですが、青の延長用押しボタンつき信号を設置するというようなことが考えられております。  青延長用押しボタンつき信号が区内にどのくらい設置されているのか、警視庁の交通管制課に問い合わせしましたところ、区内には九カ所設置していることがわかりました。視覚障害者、身体障害者、高齢者等の横断が多い交差点に設置されており、押しボタンを押すと、歩行者用の青時間を一・二倍程度延長することが可能とのことです。  このように青信号の時間を延長すること、また、青延長用押しボタンつき信号を設置することも重要と考えますが、区の認識を伺います。 ◎清水 都市デザイン課長 加齢に伴い横断歩道を渡り切れなくなる方がふえてきておりますので、高齢者の歩行速度を考慮して道路を横断できるようにすることは、区としても必要と考えております。  委員御指摘の環状七号線龍雲寺交差点の横断歩道につきましては、横断するたびに危険に思われている方もおられますので、地域の声を、交通管理者、道路管理者である東京都に伝え、改善に向け努めてまいります。 ◆高久則男 委員 時間となりましたので、公明党からの質問を終了いたします。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、世田谷立憲民主党・社民党、どうぞ。 ◆藤井まな 委員 世田谷立憲民主党・社民党の質問を始めます。  きょう見ていたら、予算書がまだ一回も開かれていないので、ちょっと予算書を開きながら質問していこうかなと思っております。  予算書とこの予算説明書、二つ使って質問していきたいんですけれども、まずは予算書の中で四〇五ページ、三軒茶屋駅周辺地区市街地再開発というところで一千五百七十七万円予算がついているわけですが、これは具体的にどういった予算になっているでしょうか、内訳を説明していただいてもよろしいでしょうか。 ◎釘宮 市街地整備課長 来年度予定している予算の内容については大きく二つございます。  一つ目は、今般、区が三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針の中でお示ししたビジョンの実現に向けて、乗りかえ利便性を向上させる交通結節機能の強化、ポテンシャルを生かした新たな都市機能の集約、来街者が滞在、回遊できる公共的な空間の創出や回遊軸の強化など町に必要となる機能を、官民連携の視点なども踏まえて具体的な取り組みを示していくために方針を作成するものでございます。  二つ目として、市街地再開発事業を活用したまちづくりを検討している再開発準備組合の取り組みの推進状況を踏まえまして、三軒茶屋二丁目地区の都市計画の案を策定するものでございます。  そのほかには、再開発準備組合に対して、運営費の一部について助成金の交付を予定させていただいております。 ◆藤井まな 委員 まさにその後半の部分について、昨年から意見をずっと言ってきたわけでありますけれども、かかわる人たちの合意形成なき再開発には反対していくという話を昨年もさせていただきました。地権者の方たちは実際には賛成している方が四割で、そこで働いている方とか、飲食店を経営されている方とか、また、そこに集まっている皆さんとかには説明の場がなかなかないんじゃないのかなという話をさせていただきました。  昨年、そういった話をさせていただいたんですけれども、そういった皆さんにもっと周知徹底をしていくべきだという話をしましたが、その後、区は何か対策を立てたり実行されていることはありますでしょうか。 ◎釘宮 市街地整備課長 ただいま再開発準備組合のほうでは、今後進めていく再開発事業の施設計画について検討を深めている段階でございまして、また同時に、再開発準備組合の進めていく再開発事業に対する合意の形成に、今、準備組合のほうでは努めているところでございます。  こういった合意形成が高まってきた段階においては、準備組合のほうから、こういった再開発に関する地区内の住民、関係者の方への説明、そういったものが実施されていくというふうに認識しております。 ◆藤井まな 委員 再開発準備組合の人たちにそれを言っているのはもちろん僕も知っていますし、その人たちは当然知っているわけですから、そこじゃなくて、区としてもっと地域に説明をしていくべきなんじゃないですか。こういう予算を使って、こういうことをこれからやることになっていますと。そういうことを知らない人たちもたくさんいるし、それに反対している人たちもたくさんいるんだよというお話をさせていただいてきたと思うんです。もっと丁寧に説明していくべきじゃないですかという発言を昨年させていただいたと思うんですけれども、では、そのことについては具体的には何もやっていないということでよろしいですか。 ◎釘宮 市街地整備課長 今現在、世田谷区といたしましては、三軒茶屋二丁目市街地再開発準備組合が進めている地権者の合意形成の状況を見守っているという段階でございまして、またこの合意が高まってくれば、区としても周辺への周知、そういったことを検討していくものと考えております。 ◆藤井まな 委員 だから、地権者に向けてやるというのはもちろんそうですけれども、それ以前に、地権者が全部合意したらゴーで、スタートしてからその地域にかかわる人たちに説明するんじゃ遅いと僕は思っているんですね。  もう一個、僕が昨年指摘してからすごく気になったのが、例えば昨年十一月末に、地域に三軒茶屋の今後の展開についての説明会を行ったと思うんですけれども、ここにいらっしゃるほかの議員の方は参加されている方もいらっしゃったし、地域の町会の方もいらっしゃったし、私も参加しましたけれども、そこの場で司会の方が話をしたのが、まず一番最初に、三軒茶屋二丁目の再開発に関しては一切発言しないでくれということを言っているんですよね。そういう話し方をして、ああいう会を開くのはちょっとどうかなと、僕はすごく疑問に思ったんです。そういうことを言うんじゃなくて、もっと丁寧に説明して、そこから幅広く意見を聞いたっていいじゃないか、最初から意見なんか言わないでくれみたいな、反対意見が出てうるさくなったら嫌だなみたいな、僕は説明会を見て、そういう感覚に捉えちゃったんですけれども、そういった部分でもうちょっと工夫できないですかね。 ◎釘宮 市街地整備課長 十一月に行いました説明会に関しましては、まちづくり基本方針の素案段階、案段階ということで、三軒茶屋のまちづくり全体を通してのお話をさせていただきたかったということです。当然皆さんかなり興味を持っていらっしゃる二丁目の再開発についてお話をされると、その場が荒れるとかそういう話ではなく、多分その話だけで時間が全部使われてしまう懸念があったものですから、あくまで市街地再開発事業というのは事業手法の一つであって、我々が今回、十一月に御説明したのはまちづくりの基本方針ということで、どういう町の将来像を目指していくか、こういったものをお示ししたかったので、事業のことについてはこのまちづくり基本方針の中には載っていないということで、そういう発言をしております。 ◆藤井まな 委員 その話だけで話が全部進んだら、確かにそれは本来の趣旨とは違いますよ。でも、最初にもう再開発の話だけはやめてくれと除外するやり方は、僕は世田谷区はやるべきじゃないと思いますよ。ああいうやり方をやったことは正しかったと思っていますか。 ◎釘宮 市街地整備課長 いろんなやり方がある中で、一概にどれが正しいと言うことはできないと思います。我々も再開発事業の話だけになってしまうのは本当に困るなということで、最初に、言い方としてはちょっときつく釘を刺すような形になってはいまして、その言い方について少し反省する点はあったのかと思っております。 ◆藤井まな 委員 世田谷区が何か言論封殺しているみたいなイメージにとられてしまうのは嫌ですから、今後、最初からそれを説明すればいいと思うんですよね。だから、この再開発だけの話で全部終わっちゃうのは困るから、そんなに幾つも幾つも質問はできない。させてもらうと、この会がちょっと成り立たなくなってしまうかもしれませんよとかって説明すればまだわかりやすいのに、最初からそのことだけについては絶対質問しないでくださいみたいな、しかも、あの司会の方は、僕から見ていて結構圧が強かったですよ。それを本人はわからないですけれども、それは性格があるから、区の職員の人たちもいろいろいらっしゃるから難しい話ですけれども、僕はちょっとそういう印象を受けたので、幅広く意見をしっかり聞けるような体制をもっとつくって工夫していただきたいなということを要望して、この話は終わります。  その話は予算書だけ見ていてもわからなかったので、あえて聞いたんですけれども、この予算説明書の中に大変気になるというか、これまで僕がいろいろ議会で発言してきて、内容の中で気になる点があったので質問したいんです。  予算説明書の三六ページを開いていただきたいと思うんですけれども、雨水浸透施設設置助成、雨水タンク設置助成、これは雨水浸透枡とかだと思うんですけれども、これは目標が書かれていると思うんです。これは昨年の決算でも僕は指摘して、去年の話ですけれども、去年の決算の中で、こういう目標を立てて、実際どれぐらい達成したんですかと言ったら、済みません、達成できませんでしたという話があった。たしかそれは何年か連続で続いていて、ことしはこの件数を出して、毎回毎回こういう件数を出して、もちろん実行するつもりがないとは多分発言はしないと思いますけれども、無理な数字を最初から出してやっても意味はないと思うので、今回のことし出した数字というのは、しっかり達成できるというふうな思いでこういう数字を出されているのかお伺いさせていただきたいと思います。 ◎桐山 豪雨対策推進担当参事 今、委員御指摘のとおり、確かにここの一、二年、特に予算執行率が低くなっておりまして、ちょっと右肩下がりの状況が続いております。反省しております。  ただ、皆さん御承知のとおり、昨今、集中豪雨が頻発して、浸水被害も多発しているような状況がございます。そういったことも踏まえまして、この豪雨対策については力をいろんなところでしっかりと取り組んでいきたいと思っております。  御指摘の雨水タンクとか雨水浸透施設の設置助成につきましては、過去の実績を踏まえて予算計上させていただいているところでございます。  いずれにしても、この助成をうまく使っていただくようなPR、今までも頑張ってはいたんですけれども、さらに工夫しながら取り組んでまいりたいと思います。 ◆藤井まな 委員 この雨水浸透枡の構造というか、その性質上、確かに皆さんところに設置してもらうというのはなかなかすごく難しいと思うんですけれども、そうはいっても右肩下がりはまずいですよね。当然達成してもらいたいと僕はここで発言しますし、最低でも昨年からまた下がることはないように、たしか今、PRに工夫を凝らしてという話をされていましたけれども、もっと工夫をしていただきたいということを要望させていただきます。  これは集中豪雨対策ですけれども、この雨水浸透桝と同じぐらい、もう一つ大事なのが直下地震の対策で、昨年の補正予算でブロック塀の撤去、除去助成費用というものが新しく新設されて、本予算では今回の予算で初めてこの話が出てきて、このページで言うと、たしか六九ページあたりに書いてあったんですかね。六九ページを見てみると、ブロック塀等緊急除却助成二百件というふうに書いてあります。  昨年、補正予算で計上されたときから今までに関してどれぐらい実績を残せて、今回二百件という数字を出していますけれども、これが達成できるのか。当然達成できるつもりで書いてあるんだと思いますけれども、これを達成するにはどうしていくのかということをお伺いさせていただきます。 ◎並木 防災街づくり課長 今回、今御指摘いただきましたように、予算説明書の六九ページに二百件というふうに出させていただいております。平成三十年度に補正予算を組ませていただいて、九月から三月までの七カ月弱でございますけれども、現在、対策百五十件分予算措置をした中で、三月十二日の段階でまとめたところでは、相談件数は百九十六件来ておるんですが、実際に申請が出ているのは三十二件にとどまっているという状況でございます。  三十一年度の助成件数については、助成金を利用してブロック塀を除却していただく予定件数として二百件出させていただいておりまして、これを全部使い切っていくというのが我々の覚悟でございますけれども、その方法としましても、今後とも、例えば通学路沿道のところでは、ブロック塀の安全点検の際に、こういった助成制度を御案内してきておりますし、そういった方々にもまた使っていただく努力をするということでございます。  また、区のほうに、通学路以外についても、例えば自分の塀が心配だとか、そういう御相談に対応している方々もいらっしゃいますので、そういった方々にも一人でも多くこういうのを利用していただいて、危険なブロック塀を除却していただこうということで、関係部署とも連携して今取り組んでおりますので、今私どもが考えているのは二百でありますが、一つでも多く、それを上回るぐらい頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆藤井まな 委員 本当に今の意気込みを実際に実現していただいて、四月の選挙で私がもう一回当選できることになったら、決算で絶対この問題をもう一回質問しますので、ぜひとも達成していただきたいと思います。  次に、区内の踏切について質問をさせていただきたいと思います。  京王線の千歳烏山なんかで朝演説をしていると、駅前の空き地とかがふえてきて、今後、連続立体交差が始まっていくんだなという話で、地域の人たちも随分と理解をされている方が多くなったなと思います。さっき真鍋委員が質問したとおり、もちろんそこで働いている皆さんとか経営している皆さんの代替地の問題とか、まださまざまあると思うんですけれども、動き始めたことは、今、地域の人たちも大分わかってきて、それに対してさまざまな御意見もいただいているんです。  京王線、小田急線がこういう方向性を見通したときに、また違う路線の中で、まだ開かずの踏切はあるのかなというふうに僕もずっと考えていたんですけれども(「大井町線だ、大井町線」と呼ぶ者あり)この間、羽根木に住んでいる方から、井の頭線も開かずの踏切があるんだよという話をされて(「大井町線だよ」と呼ぶ者あり)今、大井町線という声が聞こえてきましたけれども、もちろん大井町線でも開かずの踏切があるんだよという話をされて、では、小田急線と京王線以外に開かずの踏切はあとどれぐらいあって、区にはどういう御意見が来ていて、区はそれに対してどう思っているのかということを、ぜひともお答えしていただきたいんですけれども。 ◎堂下 交通政策課長 踏切の遮断時間につきましては、国が五年に一度調査を行っているんですけれども、直近ですと平成二十六年になりますが、ピーク時の遮断時間が一時間当たり四十分以上のいわゆる開かずの踏切が、区内に九十カ所の踏切があるうち四十三カ所でございました。このうち京王線の二十三カ所の開かずの踏切につきましては、現在施行中の連続立体交差事業によって除却される予定となっております。  また、区民からそういった要望がないかということでございますが、さまざまありまして、東急目黒線の奥沢一号踏切ですとか、京王井の頭線の下北沢一号踏切、また、東急大井町線の踏切などにつきましては、地元の方々からさまざまな改善要望をいただいているところでございます。 ◆藤井まな 委員 そうすると、現在、多分二十ぐらいの開かずの踏切があるという話になると思うんですけれども、九十から四十三になって、四十三で二十三減らすと二十になると思うんです。これに対して、大井町線の話というのはいろんなところで、今後どうしていくかという話が聞こえてくるんですけれども、例えば井の頭線なんて話が多分全く出ていなくて、ここから長い間かけて立体交差事業なんていうことは、仮になったとしても、時間がすごく長時間かかるわけで、それ以外に、例えば場所が可能だったら上を通して横断橋だったり、地下通路とか、そういったことが可能かどうかというのは、それぞれの問い合わせに関して調査をされたりはしているんでしょうか。 ◎堂下 交通政策課長 委員お話しのとおり、大井町線につきましては、東京都が踏切対策基本方針というものを策定しておりますけれども、その二十区間の中に位置づけられておりますので、今後、立体化という形で進んでいくんだろうと思っております。  また、そういった連立事業によらない踏切の対策ということでございますけれども、道路管理者及び鉄道事業者が連携して踏切対策に取り組んでおりまして、区がこれまで実施してきた安全対策といたしましては、踏切の拡幅による歩行者空間の確保ですとか、踏切前後の道路のカラー舗装化、注意喚起や迂回路誘導の看板設置などがございます。また、鉄道事業者による障害物検知装置の設置等の対策もあわせて実施されているところでございます。  さらに東急目黒線の奥沢一号踏切につきましては、東急電鉄が地元の要望などを踏まえまして、二〇二二年度下期に、目黒線と相鉄線の直通運転開始に向けたホーム延伸、車庫改修工事とあわせまして、二〇一八年度より鉄道上部に連絡デッキを整備する工事に着手しております。  区といたしましては、今後も鉄道事業者や道路管理者とも連携を図り、機会を捉えまして踏切の安全対策に取り組んでまいります。 ◆藤井まな 委員 長時間かかるものを解決する手段があるのであれば、引き続きそういったことを模索していただきたいと思います。  あと最後に、都営住宅、区営住宅についての孤独死の問題に触れたかったんですが、これは要望だけにしておきます。  この間、都営住宅の募集の紙を読んでいたら、世田谷区の船橋で募集があったんですけれども、その船橋の部屋は、前に使っていた方が亡くなってから四十日間発見されなかった。ちょっと正確な数字は忘れちゃいましたけれども、四十日ぐらい発見されなかったというのが載っていて、確かに孤独死の問題は大変に大きな問題になっています。  都営住宅の中で四十日間も発見されないというのは本当に痛ましいなと衝撃的だったので、今回こういう質問をしようと思っていたんですけれども、余り時間がなくなってきたので、区営住宅とかでもこういったことが起こっているかどうかというのをしっかりチェックしていただいたり、こういった孤独死に対してアンテナを張っていただいて、そういったことが区営住宅で起こらないように、さらには都営住宅で起こっているときには、地域と連携して、世田谷区も東京都と連携して、こういったことが起こらないような努力をしっかりしていただきたいということを要望させていただいて、羽田委員と交代させていただきます。 ◆羽田圭二 委員 私のほうからは、住宅政策の現状と課題についてお聞きしておきたいと思います。  日本の住宅制度なんですが、公共住宅の提供、そして年功序列型賃金と終身雇用制度のもとで進みました住宅ローンを組んで住居を確保する、いわゆる持ち家制度中心の政策がとられてきたという側面があるかと思います。  世田谷区の場合は、前期の住宅整備方針の中で統計が出ておりましたが、依然持ち家件数が借家件数を上回っているということがわかっております。ただ、これは五年ぐらい前の資料なので、現在はどうなっているかは余り定かではありませんが、その点は今後の数字に出てくるかと思います。  ただ、この五年前の数字をよく見てみますと、持ち家数はふえているんですが、同時に借家数も一方でふえているという現状がわかるかと思います。  さらに年齢別の持ち家率を見ますと、二十五歳未満、二十五歳から三十四歳までの年齢では持ち家率が減少しているということ。そして持ち家は三十五歳以上から再び伸び始めるんですが、六十五歳以上では、逆にまた減少し始めるという傾向になっているのではないかと思います。  ここでの問題なんですが、この間の雇用形態の変化、言いかえれば、若い人がローンによって家を購入するということが非常に困難になっている現在の中小企業と大企業の間で広がった格差、それから、非正規雇用の増加のもとで、なかなかローンを借りるということができない状況、この問題が一つあるかと思います。  もう一つは、高齢者や障害者、低所得者などが住宅を確保する際の困難さが依然としており、部屋を借りる際に、家主の理解が得られないという課題が残っているかと思います。  国のほうは、二〇一七年の十月から改正住宅セーフティネット法によって一定の改善案を出してきたかと思います。低所得者等が入居する場合に家賃補助を実施するとか、あるいは空き家等の改修の場合に、その改修に関する補助を行っていくなどですね。  ところで、住宅確保要配慮者は、これは以前にもほかの会派から触れられておりますけれども、低所得者、高齢者、障害者、子どもを育成する親、その他と、住宅の確保に特に配慮を必要とする者という範囲が定められているんですが、そこで、区が取り組んでいる居住支援、そこでは住宅確保要配慮者がどういう範囲になっているのか、まずお聞きしておきたいと思います。 ◎佐藤 住宅課長 区では、平成十九年度より住まいサポートセンターで実施しております、民間賃貸住宅の空き家情報を提供するお部屋探しサポートにおきましては、高齢者、障害者、ひとり親世帯を対象として事業に取り組んでまいりました。また、平成二十九年三月に設立した世田谷区居住支援協議会では、世田谷区住宅委員会の提言を踏まえまして、単身高齢者世帯の民間賃貸住宅への入居支援策について先行して検討を進めているところでございます。  今年度からはひとり親世帯への居住支援を目的としまして、国の新たな住宅セーフティネット制度を活用しました家賃低廉化補助事業を、住宅確保要配慮者の居住支援策のモデル事業として実施しております。  さらに居住支援協議会では、外国人等、他の住宅確保要配慮者に関する居住支援についても課題といたしまして議論をしているところでございます。 ◆羽田圭二 委員 区も同様の支援を進めてきたことが今の答弁でわかるんですが、福祉分野で伺った点ですが、生活保護の手前、生活困窮者への支援、ここは行き届いているのかどうかです。とりわけ非正規雇用のワーキングプアと言われている方々への支援が必要と考えるわけですが、区の考えをお聞きしておきたいと思います。 ◎佐藤 住宅課長 委員御指摘のとおり、現在は生活保護を受給されていないものの、生活保護に至るおそれがある方で、自立が見込まれる生活困窮者につきましては、住宅セーフティネット法の規則において、住宅の確保に特に配慮を要する者として規定されております。  一方、区では、住宅確保要配慮者のうち、民間賃貸住宅のオーナーの方からさまざまな事情により入居自体が拒まれることが多い世帯としまして、まずは単身高齢者を対象とした民間賃貸住宅への入居支援策として、お部屋探しサポートや貸し主の不安解消のための方策等に先行して取り組んでいるところです。  委員のお話を踏まえまして、生活困窮者の方への入居支援策につきましては、今後、住宅政策の方針として策定する予定の第四次住宅整備方針を検討していく中で、住宅委員会においても御議論いただきまして、他の住宅確保要配慮者も含めて課題を整理してまいりたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 法のほうでは一応含まれているということなんですけれども、現状ではなかなかそこまで行き届いていないということが今の答弁でわかったんですが、生活困窮者への入居支援、この辺は、ぜひ今後の住宅整備方針の中で改善を図っていただきたいかと思います。
     その際、今後、第四次住宅整備方針の検討が進められるわけですが、現在の世田谷区の居住支援協議会のメンバーに、住宅確保要配慮者側のメンバーは入っていないんですね。いわば当事者の声を聞くということは非常に重要だと私は思うんですが、この点について検討する必要はないかどうか、伺っておきます。 ◎佐藤 住宅課長 区では、住宅セーフティネット法に基づき、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居を促進するために必要となる措置について協議することを目的としまして、平成二十九年三月、世田谷区居住支援協議会を設立しました。そのため、日ごろよりお部屋探しサポート事業におきましても、住宅確保要配慮者の方の支援を行う不動産団体、また、住宅の貸し主側の立場としてのNPO法人、そして地域に根づく福祉サービスを行っております世田谷区社会福祉協議会、また、区の住宅部門及び福祉部門の所管課をメンバーとしております。  委員お話しのとおり、より有効な居住支援策の検討を進めるためにも、住宅確保要配慮者の方の状況を的確に捉え、課題を把握した上で議論を進めていくことは大変重要であると認識しております。  今後、世田谷区居住支援協議会として、住宅確保要配慮者の方に寄り添った活動を行うNPO法人をお迎えして勉強会などを実施したり、居住支援の実績のある団体等と連携するなどして、引き続き実効性のある居住支援の取り組みを推進してまいります。 ◆羽田圭二 委員 ぜひ広くある意見をしっかり捉えて、政策に生かすことを求めておきたいと思います。  次に、今後の公園整備計画についてお聞きしたいと思います。  区内の公園整備では計画の段階から区民参加が定着をしてきたと言ってもいいかと思います。身近なところで二子玉川公園がよく知られているんですが、公園整備にかかわった地域の住民の皆さんが、引き続き公園管理のボランティアに携わっているという点も非常に大きな意味があるかと思います。  そこで最初に、区立の公園整備における区民参加の現状について、改めてお聞きしておきたいと思います。 ◎市川 公園緑地課長 世田谷区のみどりの基本計画におきまして、区民との協働による魅力ある公園づくりを掲げており、区立の公園緑地では三十年ほど前から、北沢川緑道「ふれあいの水辺」、ねこじゃらし公園、桜丘すみれば自然庭園などで、ワークショップ方式による区民参加の公園づくりに取り組んでまいりました。  近年でも、二子玉川公園やこどものひろば公園、蛇崩川緑道など、公園の規模や種類に応じて、ワークショップのほか、オープンハウスやアンケート調査など多様な手法を活用し、公園緑地の整備に取り組んできております。  これからは玉川野毛町公園など大きな公園の計画も進んでまいりますので、これまでの経験を生かし、さまざまな区民参加の手法を取り入れ整備を進めてまいります。 ◆羽田圭二 委員 この区民参加の手法を生かした取り組みを今後も強めていただきたいわけですが、その際、子どもから高齢者までみんなに親しまれる、幅広い世代のニーズに応える公園整備ということが必要だと思っています。二子玉川公園は今、特に休みの日に、お子さんが多く利用されているということがわかっていまして、その意味では、地域の方々からも非常に評価の高い公園になっていると私は思っています。子どもたちが本当にいろんな遊びができる、そういう公園になっているということだと思います。  そこで、自民党の山口委員が子どものころから庭のようにして遊んでいたという玉川野毛町公園の拡張事業において、区民参加で検討していくということもこの間報告されておりますが、この点について、今後どのように進めていくのかお聞きしておきたいかと思います。 ◎市川 公園緑地課長 玉川野毛町公園拡張事業につきましては、みどりとみずをつなぐネットワークづくり、歴史・文化を感じられる空間づくり、安全・安心の公園づくりを基本的な考え方として、本年二月に基本計画の骨子を策定したところでございます。  骨子作成段階におきましてもアンケート調査や現地を開放しての説明会等を行ってまいりましたが、来年度からは具体的な公園設計を進めていくことから、より丁寧に区民との協働による公園づくりを進めていく必要があると考えております。  拡張後の玉川野毛町公園と同規模である二子玉川公園では、広範囲の参加の呼びかけや複数回のワークショップ方式による住民参加型会議の開催など、幅広くきめ細やかに、区民との協働の機会を設けてきました。  玉川野毛町公園におきましても同様に、周知方法や区民参加の手法を工夫し、骨子作成段階の検討より、さらに多くの方々と密に意見交換し、委員お話しのとおり、子どもから高齢者まで幅広い世代のニーズに応え、親しんでもらえる公園づくりに取り組んでまいります。 ◆羽田圭二 委員 先ほどの他会派とのやりとりの中ではかなり先に進む話も含めてされていた点もあるかと思うんですね。つまり、サウンディング調査に基づいて、今後、もちろん住民参加という点は大事にしながらもということであったかと思いますが、この点はぜひ幅広い、住民の間でもさまざまな御意見がありますし、地域全体、あの付近を含めて、町会だとか商店街のほうからも意見が出ているかと思いますが、それらを含めて対応していく必要があると思っています。  さらに、先ほどの二子玉川公園の維持管理の話ではありませんが、公園整備後の維持管理ボランティアの育成、この点については、今後どのように考えているのかもあわせてお聞きしておきたいかと思います。 ◎市川 公園緑地課長 これまでの区民参加を進める中で、二子玉川公園や桜丘すみれば自然庭園などでは、整備の内容の検討だけにとどまらず、自然観察会や予定地内でのイベント、花壇づくりなどを開催することで、地域の方々に開園前から整備や管理にかかわっていただいたことで、公園への関心を深めていただきました。これにより公園を身近に感じ、愛着を持ってもらうことで、二子玉川公園では公園サポーター、桜丘すみれば自然庭園ではすみればネットなどの区民による主体的な維持管理活動に発展し、現在も継続して活動していただいております。  玉川野毛町公園においても、野毛大塚古墳や等々力渓谷公園に隣接する立地環境からその特徴を生かした維持管理に、区民が楽しみながら参加していけるよう検討してまいります。そして、この公園と周辺環境が有する豊かな緑、歴史文化などの特徴を次代へつなぎ、多くの方々が公園づくりに参加し続けられるよう取り組んでまいります。 ◆羽田圭二 委員 維持管理の話は、二子玉川公園、私は二子玉川公園の話をよく聞くんですけれども、その後の緑の保全の問題とか、あるいは公園全体を本当に保っていくといいますか、清掃とかを含めて、付近の住民の皆さんが携わっているという非常に意味のある内容になっていると思うんですね。その点は、ぜひ今後も生かしていただきたいかと思います。  公園整備の今後の課題の中で、既存の公園の維持の問題なんですが、その改善も重要なテーマだというふうに思っています。とりわけよく言われるのが緑の保全なんですね。これまで公園に植えた樹木が突然伐採される、突然ということはないかとは思うんですが、そういう疑問がたまに寄せられることがあるかと思います。そうした樹木の保存や伐採の是非、この点についてどのような判断がなされているのか、この点についてもお聞きしておきたいかと思います。 ◎市川 公園緑地課長 樹木は、都市環境の改善や良好な風景づくり、地域住民の憩いの場の形成など多様な効用があり、公園緑地の魅力形成に欠かせないものでございます。また、長い年月をかけて育ってきた樹木は、地域の皆様にとって大事に思う存在ともなっております。  公園緑地の樹木を残念ながら伐採せざるを得ない場合としましては、最も多いのが、樹木の老齢化や、キノコなど樹木を腐らせる菌の発生の影響で倒木の危険性が高まっていることを確認した場合でございます。これらの多くは、外観だけでは確認できない、樹木内部の空洞や腐朽の進行などを樹木医が診断し、その結果をもとに判断してきております。  また、世田谷区立公園等長寿命化改修計画に基づき、順次、公園の改修を進めているところでございますが、その際に、樹木の健全育成、見通しの確保、ユニバーサルデザインなどの関連条例との関係から伐採せざるを得ない場合もございます。こういった場合におきましては、伐採本数が最小限で済むよう、施設の配置や移植などの可能性も含めて十分な検討を行った上で実施しております。  区といたしましては、みどり33の実現に向け、緑の創出に取り組むとともに、引き続き一本一本の樹木を大事に思い、適切に維持管理、改修を行っていくことで、地域に親しまれる公園緑地となるよう努めてまいります。 ◆羽田圭二 委員 今、地域に親しまれる公園ということで、先ほど、子どもから高齢者までということを言ったんですが、みんなに親しまれる公園にしていくための今後のあり方等については非常に重要なテーマだと思っています。  既に既存の公園等では、例えばベンチの配置だとか、一旦除却といいますか、外されましたベンチの確保等については、特に高齢者の皆さんからは、再びつけてほしいとか、そういう要望なども数多く寄せられているかと思います。  その意味で、先ほどの二子玉川公園の例ではないんですけれども、子どもから高齢者まで本当に親しまれる公園の整備について、区としての今後の考えについてお聞きしておきたいと思います。 ◎市川 公園緑地課長 確かに子どもから高齢者までが公園で親しんでいただくためにはベンチというのは非常に重要な施設でございます。これまでも近隣に接する方々から、さまざまなベンチを設置することによって不安を抱かれる、そういったケースもございました。しかしながら、親しんでいただくためにはやはりベンチが必要ということで、午前中も答弁がありましたけれども、座れる場づくりガイドラインなどを参考にしながら、少し腰かけられる場の確保など、そういったことにも取り組んでまいります。 ◆羽田圭二 委員 ぜひ住民の皆さんのさまざまな意見を今後もお聞きしながら、既存の公園の維持管理、そして新たな公園の整備計画を進めていただきたいかと思います。  世田谷立憲民主党・社民党の質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で世田谷立憲民主党・社民党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時十五分休憩    ──────────────────     午後五時三十分開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆たかじょう訓子 委員 日本共産党の都市整備領域の質疑を始めます。  私からは、ひとり親世帯への住宅支援について質問いたします。  福祉保健領域の質疑で、子どもの生活実態調査結果を受け、子どもの貧困対策をどのように進めていくのかを質問させていただきました。都市整備分野でも伺ってまいります。  子どもの生活実態調査結果の速報で、東京都が行った同様の実態調査と比べ、世田谷区では賃貸住宅にお住まいの生活困難層の方の割合が二倍だったことが明らかになりました。  区が平成二十五年に実施したひとり親家庭アンケートでは、家計に大きな負担となっているものの回答の第一位が住宅費、二位が教育費という結果でした。シングルマザーへの聞き取りでも、世田谷区は子育て支援が充実しているが、家賃が高い。今後必要となる子どもの教育費を捻出するために家賃の安い部屋に転居した。しかし、二人の子どもと住むには狭過ぎ、食事や学習、就寝が同じ部屋、子どもが自分の机を持つことができないなど、生活環境が悪化したという声がありました。  私は区に対し、住宅補助や教育費の支援など、アンケート調査結果を生かした施策を行うべきと訴えてきました。  区は昨年から世田谷区ひとり親世帯向け家賃低廉化補助事業を実施しています。これは、大家さんにひとり親を受け入れる住宅を登録していただき、ひとり親の方が入居した場合には、月四万円の家賃助成が大家さんに支払われる制度です。空き部屋の登録要件は、耐震化されていること、二十五平米以上であることなどです。登録住宅に対して防音対策や窓に手すりを設置する改修費として百万円を上限に助成します。  ひとり親世帯にとっては通常よりも四万円値引きされた家賃で住むことができます。ひとり親家庭の家計への負担を軽減するため、住宅費への支援は大変有効だと考えます。しかし、残念なことに、ひとり親への住宅費助成の利用が伸びていない状況です。  当区は、登録住宅は二件、成約一件となっています。この間の進捗状況を伺います。また、利用を伸ばすための周知などはどのように取り組んできたのか伺います。 ◎佐藤 住宅課長 区では今年度より、ひとり親世帯への居住支援を目的として、国の新たな住宅セーフティネット制度を活用した家賃低廉化補助事業を実施しております。現在、物件を提供し、また、入居の相談申し込みの受け付けを行ってくださる不動産店は三店舗となりまして、これまでに実際にひとり親の世帯の方が入居された成約が一件、そして事業対象となる住宅は今二件という状況でございます。  制度の周知につきましては、物件所有者、いわゆるオーナーの方に向けては、区内の不動産団体や地主、家主の方が会員であるNPO法人日本地主家主協会に御協力をいただいております。さらに、日ごろ居住支援等の事業で御協力いただいておりますオーナーの方々にも、個別の御相談に伺うなどの方法により周知をしてまいりました。  また、ひとり親世帯の方に向けては、制度の周知以降、順次対象物件が追加になるごとに、区のホームページやひとり親家庭向けのメールマガジンのほか、子ども家庭支援センターやらぷらすで行うシングルマザー向けイベントでの周知、また、子育て支援コーディネーターの方の参加される会議での御説明、また、対象物件の近隣保育園等への周知をしてきております。  先日、新たに追加された対象物件につきましても、近日中に子育てステーションやおでかけひろばなどの拠点にチラシを置くなど、子育て支援団体等にも周知をしていく予定でございます。そのほか、事業の趣旨を御理解いただきました民間の情報サイトにも掲載していただいているほか、シングルマザー向けのイベントでの周知を行ってまいりました。 ◆たかじょう訓子 委員 大変な努力をしていただいているというふうに認識しました。  世田谷区以外の二区でも同様の制度を活用した取り組みを行っていますが、二区とも登録件数も成約数もゼロ件です。事業があっても実績に結びつかない、こういった実態があります。区として何が課題だと考えているでしょうか。 ◎佐藤 住宅課長 世田谷区の家賃助成等もございますけれども、これまでこの補助制度を不動産店やオーナーの方々に御説明する中で御指摘いただいた課題の中から主なものを御説明いたしますと、一つ目として、オーナーが入居者から謝金等の受領ができないということでございます。これは家賃低廉化補助を適用する住宅が、国の補助金交付要綱上、公的賃貸住宅として位置づけられているため、慣習により礼金、更新料を受領している場合には、この制度がなじみにくい状況がございます。  二つ目として、家賃低廉化を受ける入居者の条件が、家賃相場と地域事情にかかわらず、全国一律で月収十五万八千円以下であることでございます。  三つ目としまして、オーナーにとっては、家賃が入居者と、また区からの補助ということで分割で入るだけで、インセンティブとしての補助ではなく、逆にそれが手間となっているということです。例えば多くの物件を管理するオーナーが家賃管理を一括して保証会社に委託している場合、この事業を適用した物件のみのために例外規定を設定しなければならず、面倒が生じることを指摘されております。  このような制度面での課題と考えられる事項につきましては、これまでも東京都、また国の霞が関にも訪問して出向いて説明をしながら、改善の要請とともに伝えてきております。 ◆たかじょう訓子 委員 この事業では、ひとり親の入居要件は、区の資料によると月十五万八千円以下の方です。私はこの間、シングルマザーの方にこの制度のお知らせをしてきました。しかし、多くの方が所得基準を超えていました。小学校に通う二人の子どもを育てるシングルマザーは、家賃が高い都心で暮らして生活を改善したいと頑張っていたら基準を超えてしまう。子どもが成長するごとに教育費など出費がふえている中、頑張っているが、現在の収入を稼ぐのに体力も気力もぎりぎりです。それでも利用できないんですねとがっかりされていました。  もし要件に合って入居できたとしても、月十五万八千円の収入で、そういった基準で四万円の助成があったとしても、実際に借りられる部屋の家賃は七万円から八万円台です。この家賃では三十平米から四十平米程度、一DKや二Kになります。子どもが成長した場合、住み続けることが難しくなります。子ども二人が男の子と女の子の場合、母と息子、父と娘の場合など、成長に伴い同じ部屋で就寝することは望ましくありません。それぞれの部屋が確保される、そういった制度にしていく必要があります。ひとり親世帯が安心して利用できるよう、要件となる所得基準の引き上げや助成額などの増額が必要です。  今後、国に対して制度改善を求めるとともに、区独自でひとり親を対象とした支援を始めるべきです。見解を伺います。 ◎佐藤 住宅課長 現在、区がひとり親世帯の居住支援を目的として取り組んでおります、この住宅確保要配慮者への家賃低廉化補助事業は、住宅セーフティネット法及び国の補助金交付要綱に基づく事業でございます。事業の仕組みとして、要配慮者専用の住宅として、国のシステムに登録した民間賃貸住宅のオーナーが通常よりも減額した家賃で要件に見合う要配慮者を入居させた場合に、その減額分を月額四万円まで、オーナーに対し補助しますという制度でございます。そして、家賃減額を受けられる要配慮者専用住宅への入居対象者の所得要件は国の要綱で決められておりまして、その要綱を区が独自に変更して設定するということは、国の制度を活用して事業を実施している中ではできない状況でございます。 ◆たかじょう訓子 委員 国のセーフティネット制度は、このままではひとり親も高齢者も障害者も救うことはできません。改善が必要だというふうに考えます。ぜひ国に対して要望を上げていただきたいというふうに思います。  以上で私の質問を終わりまして、桜井委員に交代いたします。 ◆桜井稔 委員 私からは、私道について伺ってまいります。  公道のように使われている私道があります。私道の管理は所有者の責任であります。私道を整備するには、区の私道整備助成制度があり、所有者全員の合意とともに、条件を満たせば工事費の八割の助成が受けられます。同時に、区へ私道を寄附した場合は、区道認定がされれば道路は区の管理になります。しかし、所有者全員の合意がなくて私道整備が進まないとか、また、区への寄附までいかないというところが多くありまして、結局、荒れたまま放置される私道が数多く残されております。  具体的に示します。太子堂四丁目九番先の道路と弦巻二丁目三十六番先の道路であります。  まず、太子堂四丁目九番先の道路ですが、世田谷通りから世田谷線西太子堂駅につながっておりまして、多くの人が通行しております。また、この私道の横には今コインパーキングがありまして、車が出入りしております。私道のために路面の整備がされておりません。そのため、道路はでこぼこになっており、大きな穴があいて、そこにつまずいてけがをしたという人もいます。  また、弦巻二丁目三十六番先というところですが、ここは北側が弦巻通りで、そして南側のほうに駒沢の給水塔があるんですが、その間の私道でありまして、一方通行の道で、そこを通らなければ弦巻通りに出るには遠回りをしなければならないというところでありまして、ここは住民が十数年前に私道を区道認定してもらうために、その道路の狭いところも、住民の協力でセットバックをするなど努力してまいりました。しかし、その中の一人の地権者が不明で合意がとれないため、区では私道の寄附の条件がそろわないということで認めませんでした。そしてそのまま路面整備もできずに道路が今傷んでおります。  ここでお聞きしますが、区はこの十年ほどにおいて私道を区道にしたいという相談は一体何件あったのか、また、そのうち区道に認定した件数は何件なのか伺います。 ◎田中 道路管理課長 区では私道を区に寄附したいという御相談をいただいた場合には、区道として認定、あるいは区管理道路として指定するために一定の要件を満たす必要があることから、私道敷地の所有者の方から道路に関する相談票を提出いただき、庁内の関係所管で構成される調整会議で可否及び与条件等を検討し回答しています。  平成十九年度から二十九年度までの相談件数は合計三十八件で、年度ごとのばらつきはありますが、年平均三・五件の相談件数でございます。平成十九年度から二十九年度までの寄附に基づく区道の認定件数は五件、区管理道路の指定件数は七件で、合わせて十二件ございました。また、そのほかに区の地先道路整備事業やまちづくり事業に位置づけがあり、寄附を受けた区道及び区管理道路は七件でございます。 ◆桜井稔 委員 今言われましたように相談件数は三十八件あったが、実際に区道認定したのは五件で、あと、区が管理する道路になったのは七件、合計十二件だということでありまして、なかなか進んでおりませんが、事実上公道のように使われている私道の認定についてその基準はどこにあるのか、また、区道として認定が進まない理由はどこにあるのかお伺いします。 ◎田中 道路管理課長 区道認定の主な基準としましては、道路敷地の所有者全員の寄附がいただけること、その他、路線が系統的で交通上重要であること、起終点が認定路線に連絡していること、幅員が原則四メートル以上であること、道路の占用物件が各管理機関の所定の基準に合致していることなどでございます。  認定に至らない理由の一つとして、地権者の多い私道の場合、各地権者の個人的な財産管理上の事情や不在住の地権者がいるなど、寄附の同意に多くの時間や手間がかかることなどにより、全員の合意が得られないことなどが考えられます。 ◆桜井稔 委員 先ほど言いましたように、例えば弦巻二丁目の住民は区道認定してもらうために道路の拡幅をするという努力をしました。しかし、その中でも私道の所有不明者が一人いるということで、寄附が受け付けされませんでした。  所有者不明がある場合などのときも、区道認定を求める住民を支援できないものでしょうか。区も一緒に調査に協力するなどできないものか。事実上公道のように使われている私道を積極的に区道に認定すべきだと考えますが、区の考えを伺います。 ◎田中 道路管理課長 公道のように使われている私道を積極的に区道に認定していくべきとのお話ですが、例えば駅など各拠点や主要施設へのアクセスに必要な道路、または不特定多数の通行があり、通行量の多い道路、あるいは近くに同一方向の交通機能を担う公道がないため、地域のネットワークとして必要な道路などで形状、線形が良好な、地域の交通上重要である道路が該当するものと考えられます。  こうした道路については、認定の要件を全て満たす場合などで、所有者不明の土地が存在するときには、地域のまちづくりで必要と位置づけるなどにより支援について検討してまいります。私道を区道に認定するに当たっては、土地所有者からの寄附の申請に基づいた上で丁寧に対応してまいります。 ◆桜井稔 委員 今積極的に関与すべきということについて、駅などへの主要なアクセスの道路と。さっき言った西太子堂の駅などの私道の問題もありますし、また、同一方向の交通機能を担う公道がないということでいえば、さっき言った弦巻のように一方通行で、実際に弦巻通りに出るためには、ほかの道を回ると遠回りになるわけですね。だから、この一方通行をみんな使っていて、もうちょっと言うと、弦巻の場合は半分が公道で半分が私道なんですよね。そういうような状況で交通に使われているという状況もあります。そういう中で、行方不明者に対する、区は地域のまちづくりに必要と位置づけるということでは支援を検討していくということなんですが、例えばこういうような弦巻二丁目の道路などは積極的に支援していくべきだと思うんですが、その辺、もう一度お願いしたいんですが。 ◎田中 道路管理課長 委員お話しの弦巻の件については、平成十八年度までさかのぼって相談の記録を調べましたが、該当するものはございませんでした。それより以前の相談であったと思われます。相談から既に十数年以上経過しており、当時と状況が変わっていることがあるかもしれませんので、再度調査検討の必要がございます。今後の進め方について、改めて御相談させてください。 ◆桜井稔 委員 ぜひ支援していただきたいということを述べておきます。  次に、同時に世田谷区がつくった舗装更新計画について伺います。  区の道路改修工事で路面改良と歩道整備の工事費用が一体どうなっているのか。それで、この舗装更新計画に示されている二〇〇六年から二〇一五年までの道路の舗装工事の実績というのは一体どうなっているのかお伺いします。 ◎桐山 土木計画課長事務取扱参事 二〇〇六年度、平成十八年度から、二〇一五年度、平成二十七年度の十カ年におきます年平均ですけれども、六万七千平方メートルの舗装を更新しておりまして、その舗装更新に要しました費用は年平均で約十三億三千万円となっているところでございます。 ◆桜井稔 委員 十三億三千万円、年平均六万七千平米をやってきたということですが、この舗装更新計画によりますと、区が管理する区道は総延長が千九十四キロメートル、平米でいくと六百四十九万平米だということでありまして、この六百四十九万平米を年六万七千平米で更新していくと、大体九十七年かかるということでありまして、大変な年数になってしまいます。  区は、この舗装更新をどのように対応していこうとしているのかお聞きします。 ◎桐山 土木計画課長事務取扱参事 今委員御指摘いただいたような状況などを踏まえまして、区では世田谷区公共施設等総合管理計画の個別計画としまして、舗装の維持、更新、管理の方針や具体的な取り組みなどを示しました、世田谷区舗装更新計画を昨年三月に策定させていただいております。  今年度より、この舗装更新計画に基づきまして、舗装の長寿命化によるライフサイクルコストの縮減や、定期的な点検の実施などによります予防型保全管理の導入、それから、道路占用企業者が行う工事との連携強化などさまざまな取り組みによりまして、計画的かつ効率的な舗装更新に努めているところでございます。 ◆桜井稔 委員 もう少し具体的に聞きますが、舗装更新計画での区道の舗装の更新は、一体どのぐらいの費用をかけて、また、どのぐらいのペースで行おうとしているのかお伺いします。 ◎桐山 土木計画課長事務取扱参事 舗装更新計画では、区道の総延長千九十四キロメートルのうち、バス通り、緊急輸送道路など百五十一キロメートルを主要な区道に、また、それ以外の九百四十三キロメートルをその他区道に区分しまして、それぞれの道路の特性に応じました舗装の管理方法などを定めているところでございます。  まず、主要な区道では、舗装の構造を強化し長寿命化することで、表面の軽微な補修を十五年サイクルで行うこととしておりまして、毎年の更新面積につきましては五万五千平方メートルで、要する費用は約十一億円としております。また、その他の区道におきましては、占用工事の舗装の復旧が行われている状況も踏まえまして、計画期間の十年間の中では毎年約八億円を投じまして、面積としましては三万二千平方メートルの舗装を更新することとしております。 ◆桜井稔 委員 今言われたように主要な区道では五万五千平米で十一億円、その他区道では三万二千平米で八億円、それを合計しますと年間八万七千平米の舗装工事を進め、十九億二千万円の工事費用が必要とされております。実際これが確保できるのかどうか。路面改良の費用の財源は全て一般財源であります。  平成三十一年の路面改良費の予算が十四億円で、大体十億円から十四億円で推移していると聞きますが、十九億円が確保できるのか、今後の財政の見通しを示していただきたいと思います。 ◎松永 財政制度担当参事 道路の路面改良工事につきましては、国や都の特定財源が見込めないことから、お話しのとおり、区の一般財源での対応となりますが、区民生活を支える上では都市基盤の計画的な維持更新は不可欠であり、これまでも基金の活用などを図りながら、順次計画的に整備を進めてまいりました。  今後も増加が予想されます社会保障関連経費や公共施設の更新経費を見通しながら、中長期を見据えた計画的な財政運営に取り組むとともに、基金の活用や収支の状況を踏まえました工事の前倒し対応なども含め、議会の御意見も踏まえ、限られた財源を効率的、効果的に配分することを念頭に、引き続き持続可能な財政基盤の確立に取り組んでまいります。 ◆桜井稔 委員 ちょっと難しいのかな。結局、今後、十九億二千万円の工事費用が必要になってきて、今まで十四億円だと言ってきて、今後、約五億円アップしなくちゃならないというときに、これはそのまま本当に確保できて、それで毎年毎年この舗装計画がちゃんとできるのかどうか、それがすごく心配なんですが、それは大丈夫なんですかね。 ◎松永 財政制度担当参事 本会議場でも御答弁させていただきましたが、今後、公共施設等総合管理計画につきまして、来年度、計画の見直しに着手することとしております。同時に、不断の行政経営改革を進めるとともに、やはり施策の優先順位を含め、持続可能な財政基盤が必要となるということですので、総合管理計画の見直しと行政経営改革を踏まえながら対応していきたいというふうに考えております。 ◆桜井稔 委員 ぜひ対応していただきたいと思います。
     高度成長期に整備された社会基盤が今老朽化し、更新が必要になってきております。新たな道路整備よりも、今ある道路や橋の安全確保や保守や更新のために財政を優先させるべきだということを述べておきます。  次に、都市計画道路補助一五四号線について伺います。  補助一五四号線は、梅ヶ丘から区役所を通って、世田谷駅、等々力駅に行く路線であります。五十年の取り組みで梅ヶ丘まで通りました。さらに今、梅ヶ丘拠点の民間施設棟が四月に開設予定であります。東京リハビリテーション病院や介護デイサービス、また、障害者のショートステイや放課後デイサービスなどが整備されて、全区的な大型福祉医療施設になります。玉川地域からのアクセスも多くなると思います。  現在もバスが通って交通量がふえておりまして、朝夕の渋滞をしております。ボロ市通りの入り口付近の道幅が狭くなり、渋滞の原因になっております。また、歩道もなく危険な状態であります。都市計画道路を十一メートルに拡幅する計画になっている概成道路でありますが、まず、この一五四号線世田谷一丁目付近の道路の現況はどうなっているのでしょうか、お伺いします。 ◎佐藤 道路計画課長 補助第一五四号線の当該区間の建物状況といたしましては、この区間の都市計画線に接する建物棟数は合計で二十八棟、現地で確認しております。これらの建物はセットバックされている方もおりまして、一軒は計画線まで後退し、道路として供用している箇所が一軒ございます。このほか、現況道路と計画線の間に空間がある箇所、これは十二軒ございまして、そのセットバックの方法については、エントランス部分として空間確保や植栽帯としているケースを初め、地上部に空間を確保しておいて、上空にひさしやバルコニーを設置しているケースなど、これはさまざまでございます。また、当該区間には建物のほか駐車場が二カ所、私道が四カ所ございます。 ◆桜井稔 委員 今言われたように全体では二十八棟あるんですが、実際には十二軒がセットバックに協力していて、約四割が今進んでいるという状況でありますが、一五四号線の世田谷一丁目付近の事業認可を申請して、計画どおりに広げるべきではないかということを思います。また、もし事業認可の見込みがないのならば、計画そのものを見直すということが必要だと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎佐藤 道路計画課長 都市計画道路の事業化につきましては、全体の道路ネットワーク形成の視点から第四次事業化計画において優先整備路線に位置づけ、計画的な着手を目指して道路整備事業に取り組んでいるところでございます。この点からは概成区間の着手優先度は低くならざるを得ないと考えております。  一方、交通渋滞など個別箇所の課題解決のために道路を拡幅整備することもあり、概成区間だから全て未整備区間の整備の後ということではなく、都市計画事業としての認可取得を目指すのも一つの選択肢でございます。  しかしながら、道路の拡幅整備事業は、多くの経費、人員と時間を要する事業でありますことから、道路事業全体の状況、国庫補助等の特定財源の確保も含めた財政状況のほか、当該区間では、地域沿道の皆様の整備要望、沿道の建物の状況、完成後の道路利用、道路の築造形態などさまざまな要素がございます。事業認可申請に至る前に、区としての総合的な判断が必要だと考えております。そういう中、現実的な対応としては、まず交通安全施設の充実などを図っていくものと考えております。 ◆桜井稔 委員 今答弁でちょっとわからないんですが、概成区間は優先度が低くならざるを得ないということを言いながら、一方で、交通渋滞など課題解決のために事業認可を取得することも目指すと言われております。一体どちらなんでしょうか。この辺は本当に一五四号の計画の事業認可を申請するのか、それともしないのならば計画を見直すのか、その辺について、部長さん、どうでしょうかね。 ◎小山 道路・交通政策部長 ただいま課長から答弁がありましたように、交通安全上の問題等が非常にあるということは認識しているところでございます。ただし、先ほど委員も、舗装の更新計画の段階で社会資本が古くなって、そこら辺に注力すべきというお話もあった。ただし、それだけにもいかず、新規道路もちゃんとつくらなければならない。そうなると、やっぱりそこの部分にも相当の費用なり人員なりをかけていかなきゃならない中で、どうしても概成区間に関しては優先度は低くなると言わざるを得ないというふうな状況でございます。ですので、即事業認可というようなことは、今の段階では考えられない状況というふうに御理解いただけたらと思います。 ◆桜井稔 委員 わかりました。結局やらないというような答えなんですかね。  もう一つ聞きますが、今、東京都と区市町村が共同で都市計画道路のあり方見直しが進んでおります。概成道路の見直しも一つのテーマとなっておりますが、東京都のあり方検討の今の取り組みの状況や今後のスケジュールはどうなっているのかお伺いします。 ◎佐藤 道路計画課長 現在、東京都及び特別区、また、二十六市二町の協働により進められている都市計画道路のあり方に関する基本方針に関する検討につきましては、対象となる都市計画道路全体について共通の検証項目と検証手法を設定して一律に進めているものであり、個別事情である交通状況等を勘案して検討しているものではございません。  また、本方針の検討は現在作業中でございまして、申しわけありませんが、当該区間の個別の取り扱いについて現段階でお話しすることはできません。  なお、この方針の検討のスケジュールにつきましては、案の公表はことしの夏ごろを予定し、基本方針につきましては年内を目途に策定すると、都区市町で確認をしております。 ◆桜井稔 委員 先ほども言われましたように、この一五四号のところは、例えば本当に交通渋滞などの個別課題があるということで、事業認可の取得を目指すということなども言われましたが、こういう一五四号の位置づけも含めて、この地域の実情を東京都に積極的に意見を上げていって、区の立場を示してこのあり方検討に臨む必要があると思うんですが、その辺はいかがでしょうか。 ◎佐藤 道路計画課長 区では、当該区間を含めた概成道路につきまして、都市の中で必要とされる都市計画道路の機能がどの程度確保されているのか、その検討が重要であると考えておりまして、歩行者や自転車の安全な通行のための空間確保は大切な視点と認識しております。  その一方で、長期未着手となっている都市計画道路につきましては、長年にわたる建築制限の対応について課題の一つであると考えております。  区といたしましては、世田谷区独自の課題と区内の市街地形成の歴史などを踏まえ、今後も方針策定までの過程におきまして、都区市町で進めている検討に主体的に臨んでいく考えでございます。 ◆桜井稔 委員 ぜひ主体的に臨んでいっていただきたいと思います。  時間がありませんので、次へ移ります。  次は、木造住宅耐震補強工事について伺います。  今、区は区民の命を守るための減災対策を進めております。家具転倒防止器具の取りつけとか感震ブレーカー設置、耐震シェルターなどをやっておりますが、耐震補強工事の現状が今どうなっているのかということであります。  予算では、依命通達で新実施計画の実施として災害対策強化を第一歩に挙げています。予算もとっているが、耐震化が進まずに、予算は年々減ってきておりますが、今の補強工事の現状や、また進まない理由についてお答えください。 ◎並木 防災街づくり課長 今お話しいただきましたように、木造住宅の耐震改修工事の助成制度、これは助成の上乗せがあったときにはぐっと伸びているんですけれども、昨年度は八件、今年度は九件と、ここ数年伸び悩んでいるという状況でございます。  実際、無料診断、耐震診断を行ったものの、その後、耐震改修工事へ進まない理由としましては、自己負担額が高いことのほか、助成を受けるための条件である建築基準法に適合しない部分を是正してまで耐震改修を行いたくないとか、御家族間の事情など、助成金の金額以外でもさまざまな理由がございます。  ですので、区といたしましては、耐震化は区として取り組むべき重要な課題であると認識しておりますので、今後もこうした方々に、首都直下地震はいつ起きてもおかしくない状況にあること、また大切な人の命を失って後悔することのないよう、今すぐ取り組むべき課題であることなど、区民の方々に震災対策をみずからの問題として考えていただき、耐震化を進めていただけるよう普及啓発に全力で取り組んでまいります。 ◆桜井稔 委員 区のアンケートで耐震改修に踏み込めない一番の理由として、多額な工事費がかかるということが挙げられております。  私は前回、この補強工事を安くする工法の紹介を求めてまいりました。また、老朽化した住宅に住む高齢者が耐震補強工事を望まなくて拒否していることが多い状況でありまして、こうした高齢者の理解と納得のもと、未耐震の住宅を解消するということが必要であります。本人負担がかからずに、未耐震住宅から耐震住宅へ移る住宅の住みかえを検討すべきですが、いかがでしょうか。荒川区などで行っている民間賃貸住宅への住みかえ助成がありますが、これは不燃化特区の地域が対象ですが、これを世田谷区では全区的に広げていくということはできないでしょうか、いかがでしょうか。 ◎並木 防災街づくり課長 老朽木造住宅の住みかえの希望者への支援制度の事例といたしましては、今御紹介いただきましたように不燃化特区制度を活用して、荒川区などが行っている、借地人とか借家人が良質な賃貸住宅に住みかえる場合に、礼金などの転居一時金、家財移転費用などを助成する不燃化特区住み替え助成事業ですとか、江東区が業務委託によって実施しておりますような住みかえ先探しや引っ越しの支援、老朽建築物の解体や登記などをトータルで支援する、そういった不燃化生活再建支援制度などがございます。  こういったものは不燃化特区の中でということなので、区で全体的にやろうとしますと、区の単費になるということがありますが、区といたしましては、助成制度を御活用いただいて、今より住み続けやすい耐震工事をしていくというのは目指すものなんですが、耐震化を進めるという視点から、御提案いただいた内容についても、今後の耐震促進計画の改定の作業の中で検討させていただきたいと思います。 ◆桜井稔 委員 この住みかえの方向は、本人負担がかからずに、費用がかからないでできるということですから、ぜひこの住みかえの助成制度を検討していただいて進めていただきたいということを要望して、終わります。ありがとうございました。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時十分散会...