世田谷区議会 2019-02-21
平成31年 3月 定例会-02月21日-02号
平成31年 3月 定例会-02月21日-02号平成31年 3月 定例会
平成三十年第一回定例会
世田谷区議会会議録第二号
二月二十一日(木曜日)
出席議員(五十名)
一番 ゆさ吉宏
二番 加藤たいき
三番 おぎのけんじ
四番 青空こうじ
五番 あべ力也
六番 ひうち優子
七番 上川あや
八番 すがややすこ
九番 山口ひろひさ
十番 阿久津 皇
十一番 安部ひろゆき
十二番 高岡じゅん子
十三番 田中みち子
十四番 三井みほこ
十五番 佐藤美樹
十六番 小泉たま子
十七番 河村みどり
十八番 津上仁志
十九番 菅沼つとむ
二十番 石川ナオミ
二十一番 河野俊弘
二十二番 石川征男
二十三番 大庭正明
二十四番 田中優子
二十五番 桃野よしふみ
二十六番 そのべせいや
二十七番 福田妙美
二十八番 高久則男
二十九番 山内 彰
三十番 真鍋よしゆき
三十一番 上島よしもり
三十二番 江口じゅん子
三十三番 桜井 稔
三十四番 たかじょう訓子
三十五番 中村公太朗
三十六番 藤井まな
三十七番 岡本のぶ子
三十八番 平塚敬二
三十九番 板井 斎
四十番 和田ひでとし
四十一番 上山なおのり
四十二番 畠山晋一
四十三番 中里光夫
四十四番 村田義則
四十五番 羽田圭二
四十六番 風間ゆたか
四十七番 中塚さちよ
四十八番 諸星養一
四十九番 佐藤弘人
五十番 高橋昭彦
出席事務局職員
局長 本橋安行
次長 井上徳広
庶務係長 星野 功
議事担当係長 長谷川桂一
議事担当係長 下村義和
議事担当係長 岡本俊彦
議事担当係長 菊島 進
議事担当係長 末吉謙介
調査係長 佐々木 崇
出席説明員
区長 保坂展人
副区長 宮崎健二
副区長 岡田 篤
世田谷総合支所長
平澤道男
北沢総合支所長
髙木加津子
玉川総合支所長
岩元浩一
砧総合支所長 澤谷 昇
烏山総合支所長
西澤 滋
政策経営部長 岩本 康
財政制度担当参事
松永 仁
総務部長 中村哲也
庁舎整備担当部長(
施設営繕担当部長兼務)
松村浩之
危機管理室長 工藤 誠
財務部長 進藤達夫
生活文化部長 田中文子
地域行政部長 志賀毅一
スポーツ推進部長
内田政夫
環境政策部長 畝目晴彦
経済産業部長 久末佳枝
清掃・
リサイクル部長
原田茂実
保健福祉部長 板谷雅光
障害福祉担当部長
松本公平
高齢福祉部長 瓜生律子
子ども・若者部長
澁田景子
保育担当部長 知久孝之
世田谷保健所長
辻 佳織
都市整備政策部長
渡辺正男
みどり33
推進担当部長
笠原 聡
道路・
交通政策部長
小山英俊
土木部長 五十嵐慎一
豪雨対策推進担当参事
桐山孝義
教育長 堀 恵子
教育次長 淺野 康
教育政策部長 工藤郁淳
生涯学習部長 花房千里
総務課長 菅井英樹
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議事日程(平成三十一年二月二十一日(木)午前十時開議)
第 一 代表質問
第 二 一般質問
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本日の会議に付した事件
一、日程第一 代表質問
二、日程第二 一般質問
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午前十時開議
○三井みほこ 議長 ただいまから本日の会議を開きます。
────────────────────
○三井みほこ 議長 直ちに日程に入ります。
△日程第一を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第一 代表質問
○三井みほこ 議長 昨日に引き続き、代表質問を行います。
質問通告に基づき、発言を許します。
無所属・世田谷行革一一〇番・プラスを代表して、二十三番大庭正明議員。
〔二十三番
大庭正明議員登壇〕(拍手)
◆二十三番(大庭正明 議員) おはようございます。F行革の代表質問を始めます。
先般、
福祉保健常任委員会において
国民健康保険料の催告書に関する記載内容の誤りについての報告がありました。世田谷区のホームページに現在その報告が載っていますので、それを読み上げますと、世田谷区より
国民健康保険料の催告書約三万通を発送いたしましたが、そのうち約千五百通について記載されている金額に誤りがあることが判明いたしました。本来は加算した金額を記載すべきところを、加算せずに記載してしまったものです。該当される方には電話連絡をさせていただくとともに、おわびの文書と正しい記載内容の催告書を改めて送付させていただいたところですとあります。
所管によれば、問題の発覚は、催告書に応じて、金融機関に行ったところ、請求金額とその内訳の金額が合わないとの問い合わせからトラブルを認識したとのことです。請求金額と内訳金額が異なっていたのです。素人目には二種類の金額が表示されていて、一体どっちが正確な金額なのか戸惑うのは当然のことです。そこに区役所の職員から突然電話がかかってくる。まだ催告書をあけていない、自宅にいる人も大勢いたと思われます。
今、区役所の職員を名乗る電話ってどう思われるのでしょうか。東京都の福祉保健局のホームページには偽装職員の電話に御注意くださいとあります。そこには事例として、○○区役所の国民健康保険を担当している職員ですが、システムのトラブルがあったため、保険証の番号を教えてほしいなどの電話があったら、一度電話を切り、区役所に確認するなどの対応をお願いしますとあります。そこで、区役所の電話番号を探すために、区のホームページをあけてみると、そこにも区役所職員をかたる特殊詐欺の被害が多発していますと載っています。一体、区民は何を信じていいんでしょうか。まるで漫画のようなことが現実に発生しているのです。今回は催告書ということもあって、相手側にも多少の後ろめたさがあったのかわかりませんが、大きな報道にはなっていません。
この件についてはこれ以上申し上げませんが、まさか催告書だから許される単純ミスとは言えないのは明らかであります。単純なミスが、莫大な時間と労力と税金が、その後始末に費やされているのです、今もなお。このことは世田谷区の行政力の衰えのサイン、兆候ではないかと考えられます。
つい最近もこのような漫画のようなことではなく、実際、漫画家の方を怒らせてネットで炎上させた件もありました。これも後始末が大変でした。
実はそれだけではありません。保坂区政になってから、今期四年だけを見ても、委員会の報告の事件は、先ほどの事例を除き十六件もあります。区民メールの消失、マイナンバーカードに関する誤記載、戸籍等の誤送付、収納金紛失、区民税の納付書の送付漏れ、区民税の申告書の紛失、生活保護費の不適切な管理等々と、わずか四年間に頻出しているのです。すなわち、今回の件だけではなく、どこの部署に限らず、至るところでトラブルが発生しているのです。そのことに、保坂区長は気づかれているでしょうか。
昨日の招集挨拶において、冒頭の事件については何も触れていません。行政の劣化は、保坂区政になってからふえているのです。このことは、保坂さんの区長としてのありようが何ら影響していないと言えるでしょうか。世田谷区長という職は、言うまでもなく、公に尽くす最高位の立場にあり、個人的なえり好みは許されない、九十一万人の生命と財産を守る行政のかなめであります。
私たち議会では委員会を通して事件報告を受けるばかりであり、その都度、行政側はあってはならないことですを繰り返しますが、こんなに頻繁に発生するのは、果たして現場だけの責任、問題でしょうか。八年近く見ていてそうは感じません。やはりトップのあり方が職員の不注意や誤った判断を誘発させているのではないか、そう思えてなりません。ストレートな言い方をすれば、区長、ちゃんと仕事をしているのですかということです。
具体的な事例を挙げます。先月、一月二十六日土曜日でしたが、外環道の
シールドマシン発進式が、国土交通大臣も参加されて行われました。二十三区の関連自治体の区長で出席されなかったのは、保坂区長だけだったと聞いております。外環道に関しては、過去に同じような行動を保坂区長はとっており、議会でも注意がなされたと記憶しております。
昨日も他会派が触れておりましたが、ここは、保坂さんの区長としての仕事ぶりをちょっとクローズアップして取り上げたいと思います。
外環に関しては、共産党の皆さんが、川から泡が出る異変や地盤沈下の問題、あるいは遺跡の保存について、保坂区長に迫っていたと記憶しています。そういう住民生活に密接につながる不安や疑問、懸念については、国交大臣以下の関係者との接触が図られる場面には積極的に出向くことが最優先される公務ではないでしょうか。過去に反対していたからなどという個人的な政治姿勢は通用しません。区長に就任された以上、賛成とか反対とかという範囲で御自分を色づけされるのではなく、共産党さんの言われるように、生活にまつわる不安の除去のために積極的に働くというのが、世田谷区長の仕事ではないのでしょうか。
なぜサボったのですか。こちらの調査では参加できない特段の理由が見つかりませんでした。むしろ意図的に参加しなかった痕跡すらあるのです。外環道の
シールドマシン発進式が行われたのは、先ほども述べましたが、先月、一月二十六日土曜日の午後二時から練馬区の大泉で行われました。これが区長室から取り寄せた、その日の保坂区長の日程表がこれです。十三時三十分、二〇一九年
日本共産党新春のつどい、これは
世田谷区民会館の集会室ですね。十四時から十六時までが第九回
世田谷ガリレオコンテスト、隣の国士舘大学でありました。この二つが、一番下に書いてある東京外かく
環状道路シールドマシン発進式、これは十四時から十四時五十分、この間で重なるわけです。
この問題の日本共産党の新春のつどい、それから
ガリレオコンテストについて調べてみました。十三時三十分から区役所の隣の
区民集会室で、共産党の新春のつどいに先ほど参加したとなっております。その写真がこれです。これは何をやっているんでしょうか。皆さん手をつないで楽しそうですね。
フォークダンスでもやっているのでしょうか。保坂区長もキラキラ参議院議員の吉良さんと手をつないで満面の笑顔といったところでしょうか。これはちょっと端っこのところにね、集会室ですから時計が写っているんですが、ちょうど時間が十三時四十六分を指しております。これは立候補説明会のときに時計を見るので、これは正確です。
きのうの自民党の和田議員の代表質問を伺っていると、同じころ、このころですね、今度は何か
フォークダンスを踊っているようなときに、和田議員は大泉あたりで苦虫をかみ潰したような顔をされていたのじゃないかと、これはあくまでも想像ですが思います。こんな状態だったんですね。この様子ですと、この時間ですから、はなから外環道の式典に行く気はないことは明らかです。
しかし、ここで問題なのは、国交大臣も参加される外環道の
シールドマシン発進式と共産党さんの
フォークダンスと、どちらが公務なのでしょうかということです。そういう指摘をすれば、いやいや、実は十四時、午後二時から区役所の隣の国士舘大学のホールで第九回
世田谷ガリレオコンテストに出席し、挨拶をする公務が入っていたのでと言いわけをするだろうと思い、こちらのほうも調べております。
ガリレオコンテストというのは、区内の中学生の理科の自由研究を発表するコンテストで、主催は世田谷区教育委員会です。ここで保坂区長は挨拶をされているのですが、調べてみると、過去、ほとんど区長は出席していないのです。そもそもこの
ガリレオコンテストというのは教育委員会の主催であり、また、昨年は堀教育長が挨拶をしており、毎回、教育委員会のトップが挨拶をするというのが慣例となっているようです。別に保坂区長が挨拶をしなければならない必要性はなかったのです。
これはどう見ても押しかけ出席としか見えません。いわば保坂区長の
外環セレモニーに出席できないアリバイ工作に使われたと思われます。
ガリレオコンテストの挨拶は、従来の慣行どおり、当日出席していた堀教育長に任せ、外環道の式典には保坂区長が出席することが最も自然な公務のあり方と思います。
共産党さんも一方で、外環道での数々の問題点を積極的に指摘されているのであれば、こんなところで
フォークダンスみたいなことをしている場合ではなく、保坂区長、国交大臣に直談判して、区民の実情を訴えてくださいと押し出すくらいあってもいいのではないかなと私は個人的には思います。
フォークダンスみたいなことの会合に比べて、はるかに外環道の
シールドマシン発進式のほうが、世田谷区民を代表しての区長の公務であることは明らかです。優先されるべき公務をどうしてサボったのでしょうか、伺います。
こういうことから指摘しなければいけないことが、保坂区長の本質なのです。つまり、
個人的好き嫌いが行政に入りまじっているということなのです。簡単に言えば公私混同、行政の私物化、政策より選挙、実像より印象、やることより、やってる感の重視、このようなことが八年という時間を経て、世田谷区五千人の職員に影響を及ぼしていないとは言えないと思います。
今さら蒸し返しませんが、庁舎問題もそのほとんどは、保坂区長の好き嫌いのレベルに、議会も行政も翻弄され、入り口にたどり着くまで意味のない浪費を費やしたわけです。ずばり申し上げて、保坂区長の公私混同を改め、区民を代表して公のために尽くすということが最優先の仕事となってはいないのです。というより最優先が多過ぎて、もはや言葉の意味を失っているということです。
冒頭の国保の催告通知の誤りというのは、行政の危険度としては最高度のものであります。それについて一言も区長挨拶で言及がないというのはどういうことでしょうか。というより、その無関心ぶりにあきれてしまいますが、世田谷区役所の最高責任者としてのお答えを求めます。
次に、児童相談所の開設の位置づけについて関連して伺います。
人口九十一万人、可住面積として二十三区で一番広い世田谷区にあって、もはや児童相談所がないほうが不思議なくらいであります。片やそのことと、さきに挙げた問題とは大きな関連があります。
ことしに入って、千葉県野田市の例では、教育委員会の致命的な失態も重なって取り返しのつかない結末となってしまいました。まさに市民の生命と財産を守れなかったということです。
振り返って、世田谷区では冒頭に指摘した行政の劣化を目の当たりにすれば、野田市のようなことがあり得ないことだと言えるでしょうか。学校では絶対秘密を守ると女児に約束しながら、教育委員会では、絶対に渡してはならない父親に、圧力に屈して渡してしまった。その後のことは報道のとおりです。
実はこの世田谷区においても本来渡してはならない秘密の書類を渡しているという事案は、私たちの会派の桃野議員が何度となく質問を繰り返しております。
いま一度、
区児童相談所開設の位置づけの質問に戻りますが、区民が行政に求めているのは責任ある仕事であり、区長の仕事は、まさに区民の生命と財産を守ることであります。このことは、一人の質問王というあだ名の国会議員とは責任の重さが格段に違うということです。
今回の区児相開設によって、子どもをめぐる問題を総合的に担う組織体制が整いつつあります。一方で、対応を間違えれば、子どもの命にも直結する重い社会的責任を負う仕事でもあります。区長の仕事とは、自分の選挙にとってプラスかマイナスかではなく、区民にとってプラスかマイナスかを判断することです。そこで、児童相談所の都からの移管に伴い、区は大変な公務を担うことになりますが、その自覚について伺います。これは精神論だけを伺っているのではありません。
さて、ここで気持ちを変えて申し上げますが、保坂区政になってほとんど唯一といっていいくらい、奇跡的に明るい未来を展望できる報告がありました。区児相開設に関して、
福祉保健常任委員会での説明の中でのことです。これは宮崎副区長からの発言ですが、区児相開設に関して、いわゆる先行三区と言われる、世田谷、江戸川、荒川に関しては、東京都としては特別扱いにしてくれというニュアンスだったということです。裏を返せば、財調、
財政調整制度の中での財源措置は認めたくないという、東京都側の趣旨であろうと思われます。このことをどう見るかは政治上の解釈にもなりますが、長期的には地方分権の流れに戻っているのではないかと考えます。財調制度を変えないことには何も変わらないのです。今回の区児相開設は、財調制度をいま一度考え直すチャンスでもあります。
また、ふるさと納税による世田谷区の大幅な減収が問われております。これなどは財調制度と
地方交付税制度の矛盾と欠陥が露呈されたものです。ここで申し上げてきたのは、児童相談所の移管は、地方分権の一里塚であり、その次にも教職員の人事権の移譲等々と続くのです。これらももとを正せば、財調制度の改革なくしてはあり得ないことだと思います。
その意味からすれば、区児相開設を突破口にして、世田谷区の地方分権を進める絶好の機会だと考えます。
児童相談所移管のその先にある世田谷区の地方分権についての考えについて伺います。
さて、最後の質問になりますが、保坂区長は
ラッキーチャンスの星のもとに生まれた人との見方があります。一部のネット上では何度でもよみがえる男と、その運の強さをたたえる記事さえあります。
実際、一九九六年の総選挙では、今では信じがたいことですが、小選挙区の得票率で供託金募集の得票数である一〇%をはるかに割り込む五・九%でありながらも、比例区で初当選という快挙を、保坂さんは達成しております。供託金は没収されております。その後、供託金没収の得票数に達しない候補は、比例区で復活当選ができなくなるという改正が行われました。
今度は、二〇〇五年の総選挙では、自民党の比例名簿者の出し忘れで、社民党にお鉢が回り、当選するというまた奇跡を起こしております。簡単に言えば、自民党の票で当選したようなものです。詳しくは選管に聞いてください。
さて、本年は亥年であります。何度でもよみがえる男と言われる保坂区長、どうも夏の参議院選挙ではお誘いがあるという話を耳にします。果たして国政によみがえることはあるのでしょうか。人生には下り坂、上り坂、そしてもう一つ、まさかという坂があると言われております。果たして参議院選に保坂というのはあるのでしょうか。時期が時期なのでお伺いいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔
保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 大庭議員にお答えをいたします。
まず、
国民健康保険料催告書兼納付書における納付金額に誤りが生じたことによりまして、区民の皆様を初めとして関係機関の方々に大変御迷惑をおかけしたこと、区政の責任者として重く受けとめております。大変申しわけございませんでした。
本件を初め、この間、事務処理の誤り等による事故が複数発生していることを踏まえまして、改めて幹部職員に対し正確な事務処理の徹底について注意喚起を行うとともに、これまで各部において発生した事務処理上の誤りがあった事例について振り返り、全庁横断的に分析検証するとともに、共有化を図るよう指示したところであります。
区民に信頼される区政を築くために、基本的な事務事業について正確かつ確実に実行することが不可欠であると考えています。今後、過去の事例分析、検証を全庁で共有するとともに、職員一人一人が公務員としての初心に立ち返り、その事務事業の持つ意義や根拠法令をよく理解した上で、使命感と緊張感を持って職務に当たるよう徹底することで再発防止を図り、区民の信頼確保に臨んでまいります。
次に、
児童相談所業務の都からの移管に関して大きな責任が生じる、このことについてのお尋ねがございました。
児童相談所は、強力な法的権限が与えられた、子どもを守るための最後の
セーフティーネットであり、的確なアセスメントにより対応し、時には厳しく毅然と保護者等に向き合わなければならないなど、その設置及び運営には大きな責任と、おっしゃるところの覚悟が求められます。
私は、このことを踏まえ、世田谷区の子どもたちの将来への大きな責任を負う立場としてやり遂げなければならない最重要課題として、その準備にこれまで取り組んでまいりました。
平成二十八年の児童福祉法の改正において、児童は適切な養育を受け、健やかな成長発達や自立が図られ、それらを保障される権利を有することなどが明確にされています。区の
児童相談所開設に向けた取り組みは、この児童福祉法の理念を共有するものであり、痛ましい事件を二度と繰り返すことがないよう、世田谷区の子どもたちの最善の利益のため、強い決意と
リーダーシップを持って、二〇二〇年四月一日の児童相談所の設置運営に向けて取り組んでまいりましたので、ぜひ御理解、御支援をいただきますようお願いを申し上げます。
最後に、私の政治姿勢、本気度ということでお尋ねをいただきました。
私は、区長就任以来、区民にとって最も身近である自治体の長として、刻々と変化する区民ニーズを的確に捉えるため、
リーダーシップと前例に捉われない発想を持って、この間の区政が抱える諸課題に先頭で取り組んでまいりました。
待機児童解消に向けた保育園整備や、次世代を担う若者支援、二十七カ所の
まちづくりセンターにおきます福祉の相談窓口の設置など、多くの福祉施策の拡充を進めてきました。また、特別区長会で区による児童相談所の議論をリードいたしまして、児童相談所を設置する道筋をつけてまいりました。
八年かけてさまざまな政策を実現してきましたが、今後、子ども・若者支援を初め、世田谷区独自の地域福祉の展開、地域行政制度のさらなる充実や自治権の拡充など、一層の改革に取り組む使命があると考えています。引き続き九十万区民の暮らしを支えていくリーダーとして、区民の目線に立ってさまざまな声に耳を傾けながら、区政が直面する課題に継続して全力で取り組んでいく決意でございます。
最後に、
参議院議員選挙にお触れになったわけですが、私は区政の取り組みへの決意について、この区民福祉の増進と区政の充実に、これから全力を傾けたいと決めており、まさかの御心配はございません。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 私からは、児相移管、その先の地方分権について御答弁申し上げます。
区立児童相談所につきましては、開設時期を二〇二〇年四月と定め、都の協力を得ながら、政令指定に向け調整協議を精力的に進めておりまして、開設に向けた準備は着実に進んでいると考えております。
一方で財源問題に関しましては、区が政令の指定を受け、児童相談所を開設した場合、関連事務も法的に都から区に権限が移ることについては都も認めておりますが、財調での算定につきましては議論できる段階にないなどとして、来年度の協議に持ち越しております。
地方分権につきまして大別いたしますと、行政サービスの権限と、それを裏打ちされる財源問題であると認識しております。特に特別区という枠の中におきましては、この
財源問題イコール都区財調制度の
あり方そのものが、今後の区政運営におきまして大きく影響してくると思っております。
この
都区財政調整制度は、地方交付税と並ぶ法律上の特別区の財政自主権を支える財源保障制度でありまして、二十三区共通の財源ではありますが、現状は特別区の自主自立的に行った調整結果が十分に反映されないなど、いまだ平成十二年の都区制度改革の趣旨に沿った運用がなされていない面がございます。
制度の変革期を控えまして、二十三区の実情に合わせた取り組みを財調制度でどのように扱うか、児童相談所関連経費は、今後の特別区の自主性、地方分権の観点からも非常に重要と考えておりまして、こうした点も踏まえまして、来年度の財調協議に臨むとともに、本区といたしましても、都区制度改革につきまして、議会での御議論を踏まえまして、引き続き精力的に研究してまいります。
以上でございます。
◎中村 総務部長 私からは、区長が外環道の
シールドマシン発進式を欠席したことについて御答弁いたします。
区長のスケジュールは、区議会や政策会議など、区長が招集、または主催者である会議等を優先的に調整し、そのほかについては、庁内や外部からの依頼に基づき、依頼時に時系列で整理し、開催趣旨や区長の役回りなどを考慮した上で調整し、出席の可否を決定いたします。
本年一月二十六日に行われました外環道
シールドマシン発進式につきましては、昨年十二月二十五日に関東地方整備局から区に依頼がありましたが、既に
世田谷ガリレオコンテストへの区長出席を教育委員会に伝え、区長挨拶など、区長の役回りについても調整済みでした。
発進式は十四時から五十分程度を予定しており、会場が大泉ジャンクション予定地である練馬区大泉町であったため、式典の趣旨や主催者への配慮を踏まえ、式次第や交通手段等を検討した結果、世田谷区としては区長代理として岡田副区長が出席をいたしました。
以上です。
◆二十三番(大庭正明 議員) 共産党さんの
フォークダンスみたいな大会、あれを削れば、先に大泉に行って、それで帰ってくれば、
ガリレオコンテストに十分間に合うんじゃないですか。そもそも調整をするのは区長判断でしょう、大体そういう国交大臣があるセレモニーなんていうのは。総務部長あたりが調整する話じゃないし、こういうことを総務部長に答えさせるということ自体が、保坂区長の体質をあらわしているんですよ。何で自分でお答えにならないんですか。
それから質問も、だって、ガリレオだって、堀教育長がいらっしゃるんですよ。堀教育長の仕事を取っているようなものじゃないですか。だから、もうほとんど選挙対策で、有権者がいるところしか行きたくない。もうこの時期、区外なんか絶対出ないみたいな、そんな姿勢なわけですよ。
それで、私が求めているのは、部下に対してちゃんとするように指示しろということじゃないんですよ。そのことはもうやっているはずですよ、この八年間で。やっていないはずはないですよ。それでも直らないというのは、区長自身の、日ごろの区長としての振る舞いが、部長以下にやっぱり影響を及ぼしている。ここのところは緩くやっていいんだな、こういうところはちょっと曖昧にしておいていいんだなとか。
大体総務部長だって、こんなことを俺が答えられるかってなぜ言わないんですか。(「言えないよ」と呼ぶ者あり)言えないですよね、人事権を持っているんですから。だから、区長は人事権を持っているということで、みんなやっぱり、どこかの国じゃありませんけれども、そんたくしているわけですよ。(「恐怖政治」と呼ぶ者あり)怖いんですよ。
だから、区長がちゃんとみんなからそんたくされて変なほうに行かないように身ぎれいにして、公務はしっかりやる、やるべきものはしっかりやってきて、それから共産党さんから頼まれたことは、ちゃんとそこで国交大臣に伝えていると。ぶくぶく泡が出ている、大変ですよと、それは直接言えばいいじゃないですか。何とか所長がかわったとか、会わないとかという答弁ばかり繰り返されて、にっちもさっちもいかないということなんですよ。区長が前面に出ていくと言っているのに出てこない。それから、何でもかんでも最優先でやりますという言葉で、もう幾つ最優先が、最重要課題というのは幾つ出てきましたか。
参議院選だって、まさかありませんなんて言いましたけれども、我々は一杯食わされているわけですよ。前回、第一回目の当選では、区長退職金はもらいませんと言って当選して、二回目にはやっぱりもらいますと、ええっという感じですよね。
今回だって、区長の公約で、二選目の公約では、児童相談所の移管なんて書いてないんですよ。たまたま国のほうの法律が変わったので、そっちの動きがばっと来たのであって、例えば公約に書いてある若林の移転なんていうのはできなかったでしょう、公約として。
もう一度伺いますけれども、自分の区長としてのたたずまい、居ずまいを変える気はあるのかどうか、その点をお聞きします。
〔
保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 区長の立場は大変重い立場であるということは自覚をしております。今のお尋ねですが、これは不断に変わらなければならないと思っています。失敗したことは教訓化し、そして足らざるところは補い、一歩前に出ろという場面でちゅうちょしないように、日ごろから職員との関係においても、そんたくという言葉がありましたけれども、思ったことを堂々と言い合って、そして意見を交わし合うような世田谷区役所の幹部、そして一般、五千人を超える職員、この中でいろいろなミスや不祥事があっておわびをしていますが、大半の職員は大変真面目に、また誠実に意欲を持って仕事をしているものと信じていますし、職員とのコミュニケーションもしっかり図ってまいりたいと思います。
いずれにしても、変わらなくて慢心するということにはならないように、議員の指摘を踏まえて自戒をいたしました。
◆二十三番(大庭正明 議員) あとは予算委員会でやります。
終わります。
○三井みほこ 議長 以上で大庭正明議員の質問は終わりました。
これで各会派の代表質問は終了いたしました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、
△日程第二を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第二 一般質問
○三井みほこ 議長 一般質問についての発言時間は一人十分以内といたします。
質問通告に基づき、順次発言を許します。
十番阿久津皇議員。
〔十番阿久津皇議員登壇〕(拍手)
◆十番(阿久津皇 議員) 通告に基づき、順次質問いたします。
まず、砧地域におけるコミュニティーバスについて伺います。
今般、計画の先送りが決まりました。万全の準備をするため、一旦立ちどまり熟慮する、そういった決断をしたことは評価いたしますが、地元で協議会を設置し、地元の期待も高まりつつある中、この計画の中止は許されません。区内のほかの地域でも望まれる公共交通不便地域対策のモデルケースとして、あらゆる知恵を絞って採算性を確保する必要があると考えますが、路線開設に向けた決意について改めて伺います。
砧地区は、狭隘道路も多く、車幅や重量が制限された荒玉水道道路を通過横断する必要があります。同様に通過横断する世田谷通りには複数のバス会社が複数の路線を運行している上に、発着地と想定される祖師ヶ谷大蔵駅南側ロータリーには既にバス停が二カ所設置されております。新規にバス停の設置は難しい状況です。
こういったさまざま制約のある中、経路の決定やバス停の設置に関して、警察との協議はもちろんのこと、既存バス会社や委託先の事業者との協議は大変難しいであろうと想像されます。現在の協議の状況について伺います。
区の予算が拡大を続け、少子・高齢化の進展につれて財政の悪化が予想される中、区の補助を受けながらの運行は区民の理解を得られません。収支の均衡に向けて、全国の採算性の高い事例を参考にしながら、デマンド型とすることや、時間帯で路線を変えるなど、さまざまなシステムを含めてゼロベースで検討をし直す必要があると考えます。見解を伺います。
また、地元との協議の進め方について、現在は町会・自治会、商店街の三者から代表者の方々に参加いただいていますが、さまざまな可能性を検討する上で、公共交通の専門家や、地元企業や大学の関係者にも参加いただくことで、より可能性のある、より深い議論がされることが期待できます。見解を伺います。
次に、社会的養護の受け皿の拡充について伺います。
千葉県野田市で発生した小学四年生の女の子が虐待で死亡する事件を受けて、国会では、自民党、公明党の与党が児童虐待防止に向けた法改正に取り組む考えを示しました。全ての児童相談所に警察職員や警察OBを配置するといった児童相談所の機能強化のほか、子どもに対する親の懲戒権を認めた民法を見直すなどとしています。
また、東京都は子どもへの虐待を禁止する条例案を都議会に提出し、しつけを目的とした体罰や暴言を禁止するとしています。
世田谷区においても児童相談所の開設が迫り、虐待ゼロの町世田谷、また、みんなで子どもを守る町世田谷の実現に向けて、虐待の防止に向けた取り組みを一層進める必要があります。
区では、児童相談所の設置と同時に、最大定員二十六名の一時保護所を整備する予定ですが、同時期に保護される児童の予想最大数は四十三名であり、一時保護の委託先の確保など、クリアしなくてはいけない課題が多くあります。
一時保護においては、定員超えとともに保護の長期化が問題となっており、児童福祉法で二カ月までと定められているにもかかわらず、一年半以上も滞在するケースや、学習室や面接室で寝泊りするケースも報告されています。
その主な原因は、児童養護施設や里親といった受け皿が不足していることで、親元にも戻れず、施設にも行けず、見通しの持てない状況が続く上に、過密化によって十分なケアがされず、また、一時保護の間は外部との接触や外出が制限され、保護された子どもたちの多くが不安定な状態にあります。
受け皿不足は都市部において特に顕著で、東京都の一時保護所は、二〇一五年度においては六施設全てが年間平均で定員を超えており、長期にわたる一時保護の事例も多く報告され、特に劣悪な状況にあると指摘されています。
一方、積極的な啓発活動によって里親整備が進んだ新潟市では、一時保護所での平均在所は二十四日余りと短く、一時保護の時点から里親に委託するケースも多いとのことです。
また、中核市として児童相談所を設置した金沢市も二カ月を超すケースは三%ほどと少なく、都道府県の児童相談所では、保護された子どもたちの情報収集や市町村との情報共有に時間がかかり、一時保護の期間が長くなると指摘されています。
一時保護の抱える諸課題を解決するには、児童相談所の区移管と同時に、里親を中心とした受け皿の充実が急がれます。日本の里親委託率は一五%程度と、欧米の八割、九割といった数字からすると極端に低く、国連から改善勧告を受けている状況にあり、区では新しい社会的養育ビジョンに倣い、二〇二九年までに里親委託率を、就学前の児童は七五%、学童期以降は五〇%とする目標を定めました。その実現のため、さまざまなメディアを活用した啓発活動と同時に、民間のフォスタリング機関や特別養子縁組あっせん事業者等、さまざまな事業者との協力を得ながら里親事業を進める必要があると考えます。見解を伺います。
また、社会的養護に対する我が国の予算の少なさが指摘されています。厚生労働省の社会的養護制度の国際比較に関する研究によりますと、社会的養護のGDP比を先進諸国で予算を比較すると、日本はわずか〇・〇二%、ドイツのおよそ十分の一、米国やカナダの百分の一以下という現状です。予算がないので、施設は飽和状態、職員は疲弊し、里親制度の啓発も進まないといった状況が進んでいます。
世田谷区が虐待ゼロの町を目指すのであれば、国や都の施策や予算措置を待つのではなく、自前で制度を構築することも考えなくてはなりません。
特に予算面においては、児童養護施設退所者等奨学基金のさらなる活用や、新たなクラウドファンディングの手法が活用できると考えますが、見解を伺います。
次に、縮小された産前産後サポート事業について伺います。
区では、児童虐待の一次予防として位置づけてきた産前産後支援事業、さんさんサポートの再構築として予算の縮小を決めました。子育て家庭の孤立が進む中、児童虐待ゼロを目指す自治体として、子育て支援事業の縮小には慎重であるべきと考えますが、まず、全国にも珍しい全家庭を対象としたこの事業の当初の目的について伺います。
また、このさんさんサポートは、区民の認知度が八割と高いだけでなく、利用された方々にも好評で、家庭で子育てをしている方々へも届くサービスとして評価するものでありました。子育てで家事ができない、自分の時間が持てないといった、まさに子育て家庭における育児不安の一次予防的効果があったと考えますが、子育て利用券の活用や拡大も含めたこの代替の施策について伺います。
また、再構築された事業においては、二次予防として、育児不安を抱え、必要性が特に認められた家庭への支援となりますが、その利用決定から事業者のマッチングまでのプロセスについては慎重で適切な判断が求められます。どのようにこのサービスの要不要を判断されるのか伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎小山 道路・
交通政策部長 私からは、砧地域におけるコミュニティーバスにつきまして四点、順次御答弁申し上げます。
まず、路線開設に向けた決意とのお尋ねについてでございます。
区は、公共交通不便地域対策として、平成二十八年度より調査検討を進め、平成二十九年度からは砧地区をモデル地区に選定し、地域の方々の協力を得て運行ルート案の策定に至っております。
この間、早期の実証運行に向けた調査検討を進めてきたところでございますが、解決すべき課題も多く、安全な走行を確保するためのさらなる対策の強化や継続可能な運行計画を策定するため、来年度はこれらの課題解決に向けて取り組んでいくことにいたしました。
超高齢化社会の中で買い物や通院に不便を感じる方々への移動手段を確保することは喫緊の課題であり、課題解決に向けてあらゆる対策の可能性を視野に入れ、柔軟な発想のもと、運行実施に向けた取り組みを、地域との協働により全力で行ってまいります。
二点目に、運営会社や警察との協議状況についてでございます。
コミュニティーバスの実証運行に当たっては、道路運送法に定める地域公共交通会議において合意を得る必要があることから、これまで関係機関との協議を進めております。運行ルート案について、交通管理者である警視庁と協議を重ね、昨年十月には警視庁立ち会いのもと、実際に車両を走行させ、ルート上の安全対策やバス停候補地について現地確認を行いました。また、コミュニティー交通の運行をお願いする運行事業者につきましては、バス・タクシー事業者を候補としており、運行計画案などにつきまして、専門的知見からアドバイスをいただきながら協議を進めております。あわせて道路運送法を管轄する国土交通省にも定期的に進捗状況を報告し、実証運行の手続が円滑に進められるよう取り組んでいるところでございます。
三点目といたしまして、収支の均衡に向けた取り組みについてでございます。運行計画案につきましては、狭隘な道路を運行することから、道路運送法に基づく車両制限令の規定によりワゴン車タイプを選択しております。そのため、収支計画が厳しくなることもあり、持続可能な運行とするためには、運賃収入以外の収入確保と経費の削減が重要であると認識しております。
収入の確保につきましては、他の事例を参考に、サポーター制度の活用や、都の補助金の活用の可能性について検討を進めているところでございますが、御指摘のような手法も含めまして検討していく必要があると考えております。
また、経費の削減につきましても、これまで勉強会やアンケート調査等の御意見を踏まえ、運行日や運行時間等の運行サービスを検討してまいりましたが、目的や対象などを明確化するなど、サービス水準を再検討し、地域に見合う適正な運行計画に向けた検討も必要になると考えております。
区といたしましては、専門家の知見や他の自治体の事例も参考とし、持続可能な運行形態となるよう、さらなる検討を進めてまいります。
最後に、地元との協議の進め方についてでございます。
これまで勉強会やアンケート調査を行う中で、地元の機運を醸成し、昨年十月には、地元町会・自治会、商店街の協力のもと、砧地区公共交通協議会を設立することができました。これまでは地域のニーズに即した運行サービスの検討に重点を置いて取り組んでまいりましたが、今後は運営面や地域の振興を見据えた検討も必要になってくると考えております。そのため、砧地域の取り組みに賛同いただける企業や病院などとの連携を視野に、協議会とも話し合いを重ね、信頼関係を構築しつつ、協力して検討を進めてまいります。
以上です。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、五点についてお答えいたします。
まず、一点目でございます。民間の力を活用した里親制度の充実についてでございます。
区は、里親を中心に社会的養護の受け皿の拡充を図ると同時に、里親と児童の多様なマッチングを可能とするため、養育が難しい児童を養育できる専門性の高い里親や、一時保護委託や短期の養育委託が可能な里親の育成に重点を置いた支援制度を構築することとしております。
本年の七月を目途に制度設計を進めてまいりますが、検討に当たりましては、平成三十年一月より都が開始しました関係機関によるチームとしての里親家庭支援、これをチーム養育と呼んでおりますが、これらの取り組みの効果を見きわめ、現に里親として活動されている方々の御意見も踏まえながら、里親や児童養護施設ならではの視点を生かした、当事者による助け合いの強化などの検討に取り組んでまいります。
また、これにとどまらず、お話にございましたとおり、新たな里親希望者の掘り起こしや、専門里親へのステップアップの促進を図る必要があると考えており、希望者の募集や、研修等の業務に精通した民間のノウハウの活用などにつきましても十分に議論を重ねながら、その可能性について検討をしてまいります。
二点目でございます。児童養護施設退所者等奨学基金の活用や、ファンド等を活用した社会的養護の受け皿の拡充についてでございます。
児童養護施設退所者等奨学基金は、目的、対象、使途を明確かつ限定的に条例化をしております。こうしたわかりやすい基金であることで御理解、御賛同をいただきまして、多くの寄附をいただく結果となったものと考えております。
現在の本基金の対象や使途の拡大につきましては、こうした背景に加え、基金の設置条例の改正も視野に入れる必要もあることも踏まえまして、慎重に検討する必要があるものと考えております。
しかし、その一方では、これまでの支援に加え、さらなる新たな取り組みといたしまして、社会的養護の受け皿の拡充や、施設等に入所中からの早期の学習、進学等の支援などに善意の輪を広げる可能性は十分にあるものと考えており、今後、広い視点に立ち、さまざまな可能性について検討していきたいと考えております。
三点目でございます。さんさんサポートについて三点御質問いただきました。
一点目でございます。当初の事業目的についてでございます。平成十七年より実施しておりますさんさんサポートは、厚生労働省の児童虐待の報告を踏まえ、死亡事例の四割をゼロ歳児が占めている状況であったことから、子育てになれない産前産後の一番不安な時期に、全ての子育て家庭に子育て支援ヘルパーが訪問することにより、育児不安や育児負担を軽減するとともに、児童虐待を早期に発見する一次予防事業として開始をいたしました。
当時は任意で御提出いただきます出生通知票による新生児訪問しか把握する機会がなかったことから、全ての家庭を予防の対象と捉え、事業を開始いたしました。その後、子ども計画の推進に合わせまして、平成二十一年度から開始しました乳児期家庭訪問は、昨年度の実施率九五・三%を超え、平成二十八年度から開始しました妊娠期面接は、昨年度、実施率八三・八%となるなど、ほかの産前産後の支援事業が充実してきたことを踏まえまして、一次予防事業としてのさんさんサポートは一定の役割を終えたものと考えております。
一方で、二〇二〇年四月の児童相談所の開設に向けて、より支援が必要な家庭に対し集中的に支援することで、養育困難家庭に陥らないための二次予防事業の充実が必要であり、産前産後の体調不良や育児能力の低下などにより、一時的に生活支援を必要とする家庭がその時期を乗り切るための支援として再構築をしてまいります。
次に、子育て利用券の活用を含めた代替施策についてでございます。
区は、これまでおでかけひろばやファミリーサポートセンター事業など一次予防事業としての地域の子育て支援を計画的に拡充してまいりました。また、二十八年度から世田谷版ネウボラの一環として実施しております子育て利用券は、育児不安や育児負担の軽減等を図る支援として、産前産後の訪問支援サービスを含め、さまざまな子育て支援サービスに利用ができます。開始から二年がたち、子育て利用券のサービス登録数は、本年四月には開始当初の約三倍の三百三十五件となる予定です。また、二十八年度中に子育て利用券を配付した御家庭のうち七割を超える家庭が何らかのサービスを利用されているという状況から、妊産婦のいる多くの家庭に対し、育児不安や負担を一定程度和らげる機能を担っているものと認識しております。
今後、さんさんサポートの再構築に伴う区民への周知に合わせまして、子育て利用券の利用についても積極的に呼びかけてまいります。
五点目でございます。再構築いたしますさんさんサポートの利用決定について適切に判断ができるのかという御質問に対してお答えいたします。
再構築後のさんさんプラスサポートの利用決定に当たりましては、妊娠期面接や乳児期家庭訪問、乳幼児健診や利用者支援事業等で発見された支援が必要な家庭について、保健師が支援内容の見立てを行います。日ごろから利用しているおでかけひろばや地域子育て支援コーディネーター、医療機関等のネットワークから気になる家庭として相談があった家庭につきましては、しっかり状況を把握しまして、適切に判断する必要がございます。
利用決定に当たりましては、保健福祉センター内の会議で決定してまいりますが、その会議の持ち方につきましては、現在、庁内関係所管にて検討しておりますが、母子保健と子育て支援の両方の視点から総合的に捉えまして利用基準を作成し、的確な判断ができる仕組みを構築してまいります。
以上でございます。
◆十番(阿久津皇 議員) まず、バスについてなんですけれども、地元でだんだん機運が高まってきていまして、その中で他自治体の成功事例なんかを見ていると、バスの愛称だったりとかデザインだったりとかというところも含めて、地元と一体になって機運が盛り上がってきたところが採算性も含めていい結果が出ているのかなと思うので、その辺、地元の巻き込み方というところも、専門家の知見も交えて進めていただきたいなと思います。
それから、あとは社会的養護の受け皿の拡充というところですけれども、里親、どんどん進めなきゃいけないというところなんですが、御承知とは思いますけれども、欧米では既に十八歳までの一時的な養護というところから、そのパーマネンシープランニングというんですか、永続的な養護、その家庭への復帰も含めて、特別養子縁組といった形で家族に一体化していく、そういった受け皿にもう移ってきていますので、将来的には世田谷区でもお子さんが離別する可能性が高いので、五割程度あるということなので、そういったことの極力少ない方策を模索していく必要があるのかなと思います。
それから、さんさんサポートですけれども、新しい事業名がさんさんプラスサポートということで、名前が引き継がれてよかったなと思っています。
以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で阿久津皇議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、三十五番中村公太朗議員。
〔三十五番中村公太朗議員登壇〕(拍手)
◆三十五番(中村公太朗 議員) 時代の流れや技術革新によって、区役所の仕事自体もその役割や内容が大きく変わりつつある過渡期に来ており、来年度予算に向けて、働き方改革及び業務改善についてさまざまな新しい取り組みが示され、どのような効果があるのか注視をしているところです。
モバイルワークの一環で行われたペーパーレス会議の試行では、環境配慮だけでなく、新しいスタイルの円滑な業務遂行が期待をされます。RPAの導入では、同期をしていない各データ間の情報が反映されるようプログラミングをすることで、職員の勤務時間計算を初めとして、これまで手作業で行われていた業務が不要となり、AIを使った保育園入園選考についても、先行する港区を参考にその検討が進められているようです。
業務切り出し委託の推進についても、仕様書やマニュアルを細かく作成することで、従来内包していた業務を委託、外注することができるようになり、世田谷区の経費削減に大きく貢献するかと思います。
長きにわたって続けられ、一面では硬直化をしていた前例踏襲型の通常業務に対して、こうした取り組みの試行と拡大に挑戦する柔軟な姿勢は率直に評価をしたいと思います。まずはこれらの効果検証とさらなる拡大が必要になってくるかと思いますので、試行段階における現状の実績や想定される効果、業務効率への影響や削減額など、今後の区役所がどのように業務遂行していくのか、誰でも思い描けるように、それぞれお示しください。
また、人海戦術で行っていた作業が職員の手を離れることにより、職員定数の配置計画にも大きく影響があるかと思います。単純に考えれば、業務がICT化することで、職員定数は削減の方向性に向かうのではないかと思うのですが、平成三十年度には九十四名の職員が増員をされています。
まず、将来に向けた職員定数はどのように変遷をしていくのか、現状の推定を伺います。
その上で、必ずしも職員定数削減すべきという立場ではありませんが、仮にICTを活用した業務改善が進んでも、職員定数が変わらない、もしくは増加をしていくのだとしたら、その理由は何なのか。需要がふえていく、機械ではできない業務とは何なのかをしっかりと説明すべきです。職員は楽になるけれども、人件費はふえ続けるでは、納税者である区民の納得は得られないと考えますので、明確な答弁を求めます。
今定例会に諮られている建築工事の議案を見ると、その落札率がこれまでに比べて顕著に下がっており、競争性が適正に働いた結果と推察をされます。これは昨年の談合発覚、そしてその後の抑止策強化による影響ではないかと考えますが、区としては、この落札率の変化についてどのように捉え、どのように分析評価をしているのか、まずは伺います。
談合の存在については、長きにわたって警鐘を鳴らしてきましたが、談合発覚前の区役所のこの問題への取り組み姿勢は利害が絡んでいるのではと邪推するほど消極的だったと思いますし、汚名を挽回する意味でも、さらなる強化策の検討を聖域なく実施すべきと、改めて強く申し上げておきます。
一方で、建築以外の工事においては、いまだに九八%、九九%という落札率が続いています。果たして適正に競争性が働く入札となっているのか、厳しく注視しなければいけない状況と考えますが、反省を踏まえた区の見解と対応を伺います。
さて、談合問題がクローズアップされて以来、一段と注目されている入札監視委員会の権限と役割ですが、先般の企画総務委員会では、昨年十一月の委員会開催状況の報告がされました。説明資料はたった一枚、その中身は驚くほど簡素で、従来と変わらず、幾つかの案件を抽出してチェックをし、異常はありませんでしたとあるのみです。談合問題に対しての記載はありませんでしたから、このような事態になっても、なお危機感は全く感じることができない報告としか捉えようもなく、心配は募るばかりです。
これまで幾度か、入札監視委員会は適正な入札の執行を監視できているのかといった趣旨で質問してきましたけれども、委員会で、今般の談合問題に対する議論や指摘は起きなかったのでしょうか。触れた部分があるとするのであれば、入札監視委員の方々の問題意識と今後の展望をお示しください。
そんな未成熟な世田谷の契約環境ではありますが、一大事業は待ったなしでやってきます。資材高騰で想定予算四百三十億まで膨らんだ本庁舎の建てかえについて、技術提案型総合評価方式での実施も含めて検討を進めるとの報告がありました。類を見ない巨額な税金支出を伴う公共工事ですから、かねてから問題提起をしているとおり、違法行為が介在する余地を残すような不透明な入札方式は絶対に認めるわけにはいきません。居ながら工事、三期にわたる工事と、複雑なプロセスをとらざるを得ない現在の建てかえ計画だという点は認識をしますが、価格競争以外のさまざまな特殊条件が付加されていくことで、透明性が失われることを強く懸念しています。
例えば技術提案型総合評価方式にする場合、どのような条件で実施をし、また、誰がどのように提案を評価するつもりなのか。現在決まっていること、検討が進められていること、あわせて区民にわかりやすく説明すべきですが、回答を求めます。
アジアでも極めておくれをとっている日本の英語環境は致命的で、世田谷区は世界に届く独自の英語教育を確立し、その先頭を走るべきです。そのかなめの取り組みが吸収力の高い時期の海外派遣であることは幾度も指摘をしてきました。アジア軽視のそしりを免れない進め方については一切許容できませんが、全体として言えば、海外派遣枠が微増を始めた昨今の状況には一定の評価をするとともに、教育委員会もやっと多少なりとも意識改善がされたかと感じていました。ですが、代表質問でも触れたとおり、新しく創設される世田谷遊びと学びの教育基金の使途が、派遣者の負担軽減にクローズアップをされている時点で、教育委員会のピント外れはここまでかとあきれるばかりです。
今さら言うまでもなく、目指すべき世田谷の教育は機会の平等です。家庭環境や世帯収入で子どもの可能性が制限をされることがないよう、例えば進学率が明らかに低い児童養護施設出身の子どもたちに対する返済不要の奨学金にしても、機会の平等という大きな価値を追求した結果の政策だったはずです。海外派遣に行ける小学生と行ける中学生という、そもそもメリットを享受する間での格差を解消するよりも、行ける子どもと行けなかった子どもとの格差解消にこそ取り組むべき課題で、予算を確保するのであれば、派遣枠拡大や選考漏れの子どもたちへの対策に使うことを最優先にすべきということがなぜわからないのでしょうか。
小学生二万円、中学生十万円の自己負担が家庭の財政的に厳しいことから、そもそも申し込み自体できなかった子どもたちに機会を提供するため、選考された際に参加費の補助を実施するというのであれば大賛成ですが、現在の経費負担でも参加希望の倍率は高く、行きたい子どもが列をなしているわけですから、行けることとなった子どもの特権をさらに強化していくような方向性は格差の拡大にしかつながりません。特定目的を明示して集まった寄附を負担軽減の財源に充てるというのならまだしも、まさか補正予算として一般会計から積み立てられる二千万円の税金が、機会の平等ではなく、格差の拡大に使われるのだとするのであれば、とても認めるわけにはいきません。確認します。
最後に、世田谷にいながら英語に触れる機会について伺います。
来年度から中学校でのALTの派遣日数を拡大して、千九百七十六日派遣から三千九十八日になるとのことですが、このふえる千日分についてはしっかりとした効果の目標を持った上で運用しなければ意味がありません。休み時間や給食時への派遣拡大を想定しているようですが、給食時には自由な会話ができるけれども、英語限定でのコミュニケーションとするなど、学ぶ時間ではない環境において英語を意識するような状況をつくり出すことこそ、自発的な気づきや疑問を促進することができ、何よりも肝要と考えます。こうした取り組みについても区の見解を伺います。
また、海外派遣の際にも触れましたが、吸収力の高い小学生こそ率先して英語に触れる機会をつくるべきです。小学校でのALTの導入はどのようになっているのか伺います。
以上で檀上からの質問を終わります。(拍手)
◎岩本
政策経営部長 私からは、二点御答弁申し上げます。
先にRPAやAIを活用した業務改善の目的や効果、その検証等について御答弁申し上げます。
RPAやAIなどICTを活用した業務改善は、データ入力などの定型作業や一部判断を伴う事務処理を自動化し、業務を効率化することで、事務処理のスピードを速めるとともに、人的ミスを減らし、質の高い住民サービスの維持向上を実現することを目的としております。
今年度、RPA活用の試行を開始し、超過勤務時間の集計処理を自動化するなど、全庁への波及効果が高い職員管理や大量の事務作業を伴う多忙職場の業務から順次改善を進めております。また、AIに関しましては、保育園の入園認定業務を対象に、業務への適用可能性や導入コストなどについて、民間企業や他自治体と具体的な意見交換を行い、研究を進めているところです。
来年度は、十事業程度の業務改善に取り組む計画としており、民間コンサルタントを活用して業務プロセス分析を行い、業務手順の合理化や外部委託、RPAの活用を進め、改善の実績を上げてまいります。
さらに来年度から、新公会計を活用した事務事業の行政評価により、例えば人件費比率が高い事業などの業務分析を行うことで見直すべき業務を抽出するなど、全庁挙げて業務改善を進めてまいります。
次に、モバイルワークとペーパーレス会議についての実績や、今後の取り組みについてでございます。
区では、世田谷区役所版働き方改革の一環として、携帯用タブレット端末を活用したモバイルワークの試行を行い、また、紙文書量の削減を図る目的で、ペーパーレス会議の試行に取り組んでおります。今年度のモバイルワーク試行では、外出が多い所属や管理職がモバイル端末を利用し、外出先や会議中において資料の閲覧やデータ処理を行うことで、業務効率の向上を図るとともに、セキュリティーの課題への検証を実施いたしました。区民健康村・ふるさと交流課では、二台の配置で三カ月間で七十三時間の業務時間短縮効果を得ることができました。
来年度は試行を拡大し、総合支所での活用を図るとともに、対象業務を個人情報を含む業務へと拡大することを検討しております。ペーパーレス会議の試行では、庁議室に無線LAN環境を整備し、ペーパーレスの庁内会議を実施した結果、電子データでの情報共有が十分可能であることが把握できたほか、資料準備時間削減などの効果がありました。
来年度は試行を拡大して対象会議をふやし、運営方法の検証と効率化を進めます。場所や紙資料に捉われない柔軟な働き方を目指し、段階的に検証を実施しながら、より効率的な行政運営ができるように取り組んでまいります。
以上でございます。
◎中村 総務部長 私からは、ICTの導入等による職員定数の増減の見通しについて御答弁いたします。
区では、平成三十一年度の職員定数の基本方針において、業務の効率化の取り組みに対しては必要な人材を投入することを基本とし、来年度は、AI、RPA等を活用した事業手法の改善を積極的に進めるため、政策経営部に各所管の業務改善支援を担う専任チームを設置することといたしました。
今後、AIやRPAの活用による業務改善を進めるに当たっては、費用対効果の視点を欠くことなく、効果検証を適切に行っていくことが必要であると認識しております。
来年度については、保育園の入園申請書のデータ入力業務や、職員の超過勤務の集計業務、出退勤管理業務などでRPAを活用した業務改善等を試行し、この取り組みの効果として、新実施計画(後期)の進捗状況において削減の効果額一千十二万円を掲げ、時間に換算して約四千四百時間の削減を見込んでおります。
今後もこうした取り組みを拡充し、業務の効率化によって削減された時間を超過勤務の縮減などにつなげるとともに、保健や福祉の相談など、区民に寄り添いながら支援していく業務や、地域の方々との合意を形成しながら、ハード、ソフト両面の町をつくっていく業務など、機械では対応できない、職員にしかできない業務に振り向け、中長期的に人員抑制につなげてまいります。
こうした将来展望のもと、今後、外郭団体を含めた官民の役割を明確にするとともに、会計年度任用職員への移行により、常勤職員と同様、一般職員に位置づけられる非常勤職員を含め、中期的なスパンで年度ごとの人員見通しを検討し、適正な職員定数管理に取り組んでまいります。
以上です。
◎進藤 財務部長 私からは、入札制度改革につきまして、二点お答えをさせていただきます。
初めに、落札率についてでございます。工事種別ごとの落札率は、本年度一月までの集計で、土木工事九〇%、建築工事で九二・四%、設備工事で九八・二%、造園工事で九五・七%となっており、土木・建築工事は昨年度より約四ポイント低くなり、その他の工事は昨年同様の数値となっております。
議員御指摘のように、区では昨年度に匿名の談合情報が寄せられたことから、入札監視委員会の提言を受け、談合で逮捕された際等の指名停止期間を一・五倍とすることや、談合に係る賠償金の額を三倍にする等の改正を行い、談合抑止力の強化に努めてまいりました。
さらに、契約担当者による談合情報に対する調査基準の新設、警察への相談を明文化するなど、談合情報の取り扱いの厳格化と明確化による談合抑止力強化や、低入札価格調査制度などによる、入札における競争力の向上にも取り組んでまいりました。
落札率の低下が見られたことと入札制度の改善の取り組みとの関係性は必ずしも明確ではありませんが、入札制度改善のさまざまな取り組みが事業者側にも働き、結果として競争力が促進されたものではないかと考えております。
高い入札率で推移している業種の工事につきましても、入札手続は適切に行われていると考えておりますが、競争力を向上させることは重要であると認識しておりますので、今後も入札監視委員会や区議会の御意見を踏まえながら、引き続き談合の抑止力強化と入札における競争性の向上に向けて、入札制度の改善に努めてまいります。
次に、入札監視委員会の役割についてお答えを申し上げます。
お話しの今月四日の企画総務常任委員会では、入札監視委員会が例年実施している前年度の個別契約案件に係る審議の結果について御報告をしたところでございます。
今年度の入札監視委員会では、入札監視力の強化についての議会からの御指摘も踏まえ、例年の個別契約案件に係る審議とは別に、談合等不正行為の抑止につながる、よりよい入札・契約制度の提言を行っていくこととして、今月六日に入札監視委員会として一回目となる意見交換会を開催いたしました。この意見交換会では、委員の求めに応じ、毎年度発注のある工事請負契約で、複数年の契約先がわかる資料、入札内訳書の様式、一社入札となった案件一覧などの資料を提供し、その資料の検証を含め意見交換を行いました。また、次回の意見交換に向け、新たな資料提供の依頼もお受けしております。
今後、入札・契約制度の提言に向けた意見交換会を継続し、談合等不正行為の抑止力強化につながる実効性が高いと判断した提言について、区の入札制度の改善策として取り組んでまいりたいと考えており、入札・契約制度の改善につきましては、今後とも必要に応じ、区議会へ御報告してまいります。
以上でございます。
◎松村
庁舎整備担当部長 私からは、本庁舎等整備における施工者選定方法の検討についてお答えをいたします。
本庁舎等整備は、三期にわたり解体、建設を繰り返す居ながら工事を予定しております。一つの棟を工区ごとに分割して建設する技術に加えまして、来庁者の安全性の確保や、新旧の庁舎へ安定的に送電、給水するなど、業務継続の対応も求められる、難易度が高く課題も多い工事と認識をしております。
こうしたことから、施工者の選定に当たりましては、従来の評価方式に捉われず、今回の工事に最適な施工者を選定する手法を検討する必要があると考えており、基本設計案におきましては、選定時間がかかる技術提案総合評価方式をとった場合にも対応できるよう、想定スケジュールをお示ししたものでございます。
今後、厳正かつ公正な視点で、より施工能力の高い事業者を選定する手法となるよう、他自治体の事例を参考にするとともに、学識経験者や専門家などの意見も伺いながら検討してまいりたいと考えております。
区としましては、基本設計を三月に策定し、四月より実施設計に着手する予定でございますが、これと並行しまして、施工者の選定についても検討し、九月までに手法案をまとめ、二〇二〇年度の着工を目指し準備をしてまいりたいと考えております。この検討状況につきましても、適宜議会に御報告し、本庁舎等整備事業に取り組んでまいります。
以上です。
◎淺野 教育次長 私からは、世田谷遊びと学びの教育基金条例につきまして御答弁させていただきます。
本定例会で御提案させていただきました世田谷遊びと学びの教育基金条例は、第二次世田谷区教育ビジョン・第二期行動計画の基本方針に掲げた、地域とともに子どもを育てる教育の推進に向けて、乳幼児期から非認知的能力を育み、国際感覚豊かで、情報通信技術の進展に対応した創造性のある人材を育成することを見据え、基金を創設するものでございます。
この基金の使途の一つである海外教育交流派遣事業につきましては、各家庭の経済的負担を軽減することにより、それぞれの家庭の環境にかかわらず、事業に参加しやすい環境を整えることを想定しております。このような趣旨から、昨年十二月から寄附を募ってきたところでもあります。
海外教育交流派遣事業につきましては、今後、お話しいただいた派遣人数増なども含めて検討していきたいと考えてございます。
基金の使途につきましては、多様な遊びと学びという観点から効果的かつ柔軟な活用を検討するとともに、効果的なPRを行うことで広く基金の周知を図り、事業実施に充てられるような寄附金を募れるよう努めてまいります。
以上でございます。
◎工藤
教育政策部長 私からは、ALTに関連しまして二点、順次御答弁させていただきます。
まず一点目、ALT増に伴う環境推進についてでございます。
さらなるグローバル化に加え、今後始まる大学入学試験や都立高等学校入学試験における英語のスピーキングテストの実施など、英語の重要性はますます高くなっております。そのため、教育委員会としましては、昨年十月、教育センターにオープンしましたTouch the WorldにおいてALTを配置し、少人数のグループに分けながら、海外の日常生活や日本文化の紹介など実践的な場面を通して英語を学ぶ環境を整えているところでございます。
また、来年度、中学校において、生徒が英語を実際の生活場面と結びつけて学び、さらに実践的な英語力を身につけることができるよう、英語の時間におけるALTに加え、英語以外の授業や休み時間、放課後の部活動などで活用できる、ALTの配置を増加いたします。
例えば体育や家庭科などの授業の中で、生徒がALTとのかかわりを通して考えたことや感じたことなどを英語で伝えたり、休み時間などにおいて、日常的な挨拶や感情表現など生きた英語に自然に触れたりする環境を整えていきたいと考えております。
今後、こうした取り組みが全ての中学校で充実するよう、ALTの効果的な活用事例や特色ある実践事例などを周知するなど支援を行い、積極的に英語でコミュニケーションしようとする態度の育成を図ってまいります。
続きまして、小学校におけるALTの増についてという御質問です。小学校におけるALTにつきましては、これまで低学年及び中学年において段階的にふやし、外国語活動の全時間に導入しております。また、高学年について、地域で英語が堪能な人材を活用した英語教育指導員の配置をすることで対応を進めてまいりました。
教育委員会としましては、授業以外の生活場面で自然な会話を通じて英語の音や英語特有のリズムになれ親しみ、直接ALTとコミュニケーションを図る機会を持つことができる環境、こういったものを創出することが大変重要であるというふうに認識しております。
取り組みに当たりましては、予算や体制などの解決すべき課題もございますことから、来年度から中学校で始まる新たなALTの取り組みの効果を把握しながら、小学校における実施のあり方や配置におけるさまざまな課題を踏まえまして、小中学校の英語教育全体の中で総合的に考えてまいります。
以上でございます。
◆三十五番(中村公太朗 議員) 時間がないので一点だけ。入札監視委員会、定例の委員会以外に、初めて意見交換会が実施をされて、入札監視委員の方々からも資料を取り寄せてくれというようなオーダーがあったという話で、やっと自発的な、能動的な動きが始まったのかなと率直に評価をしたいと思いますし、今後、学経の方々ですから、この仕事にかかり切りじゃないのは重々承知をしていますけれども、であればこそ、積極的に区の方から、さまざまな課題、問題の資料を提供するとか、今の状況を報告するとかもしていかないと、やはり監視委員会に限らずですが、その他、常に置いている第三者機関みたいなものは、費用弁償だけで、全く追認機関だというもの自体も多分多々あると思いますし、ぜひそこは有効活用するためにも、今回のこの意見交換会を継続的にやり、もっと言えばオープンにしてもらい、本当に効果的な提言ができるように運営を変えていっていただきたいなと思いますし、お伝えいただきたいなというふうに思います。残りは予算でやります。
以上です。
○三井みほこ 議長 以上で中村公太朗議員の質問は終わりました。
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○三井みほこ 議長 次に、三十三番桜井稔議員。
〔三十三番桜井稔議員登壇〕(拍手)
◆三十三番(桜井稔 議員) 質問通告に基づき質問します。
三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針案について三点伺います。
第一は、三茶の町の個性をどう残していくかについてです。
このまちづくり基本方針案では、三軒茶屋駅周辺のまちづくりの将来像を三茶クロッシングと位置づけています。三茶クロッシングの意味を有識者検討委員会では、道の交差点にあった三軒の茶屋に始まる町の歴史、人と人とが交流する、道路や鉄道が交差するなどの意味を込めて、三茶クロッシングとしています。三茶の町を愛する地元住民の一人として適切な提案で歓迎します。
基本方針案では、三軒茶屋駅周辺のまちの個性を残していくとしています。裏通りに一歩足を踏み入れれば、にぎわいのある商店街や、若者に人気が高い店舗が立ち並び、トレンドとレトロの混在した町として知られている。さまざまな要素がバランスよく共存していることから、訪れるおもしろさと住むための快適さを備えた町と言える。
こうした町の個性は、方針案では次のように述べています。三軒茶屋駅周辺の魅力を支えるものとして、今後も継承し残していく必要がある、まさにそのとおりだと思います。三軒茶屋のキャロットタワーのある第二工区の再開発では、工区内の商店の営業継続に努力しましたが、再開発の枠組みだけでは解決できませんでした。結果として、そこで商売していた店舗は、今は多くが残っていません。昔ながらの店がなくなっています。大変残念です。
基本方針案のビジョン実現の方策では、新しい事業への支援が述べられていますが、今ある店舗への支援はどうするのか。現在ある店舗が引き続き三軒茶屋の町で商売ができることが、町の個性を残すことにつながるのではないでしょうか。町の個性を残すために、今ある店舗をどう残していくのか、ビジョンではその方策が欠落しています。これでは町の個性は残せません。どう支援していくのか伺います。
第二は、防災機能の強化についてです。
防災機能の強化について、基本方針案のビジョン実現の方策では、災害の備えとして、帰宅困難者の安心安全を確保する。また、三軒茶屋、太子堂各地区の取り組みへの支援を強化し、平常時から防災対策を推進するとあります。人々が行き交い交差する場所ですから、災害時の帰宅困難者に対する対策を持つことは当然です。
一方、三軒茶屋駅周辺には、太子堂の防災まちづくり地区のほかにも、道路づけも不十分な住宅密集地区が隣接しています。災害時には周辺住宅地からも多くの人々が駅周辺に避難してくると思います。こうした周辺の現状に対応した防災機能強化も不可欠です。防災機能としては、帰宅困難者対策と地域住民への対策の二つの機能を果たすことが必要です。見解を伺います。
第三に、公共施設の整備の考え方について伺います。
公共施設の整備について、基本方針案のビジョン実現の方策では「日常的に三軒茶屋駅周辺を利用する人々がいきいきと活動・交流できる場づくりを行う」、「コミュニティを育む交流空間の充実を図る」とあります。三茶クロッシングだからこそ、三軒茶屋には多くの人々が集まってきます。そこでの活動交流の場が求められます。広域生活・文化拠点として、三軒茶屋には太子堂出張所、若者総合支援センター、障害者就労支援センター、子育てステーション、区民会館、産業プラザなどがあります。区内の交通の要衝として大変利便性のよいところにあり、これら施設はよく使われ、
区民集会室などは不足している状態です。
公共施設、公的サービスの拠点として、三軒茶屋の位置づけ、拡充を図るべきと考えます。区の見解を伺います。
次に、三軒茶屋駅周辺のまちづくりに関して、太子堂出張所の狭隘化について伺います。
太子堂出張所は利便性がよく、地区住民以外の多くの人が利用しています。そのため、出張所は混雑し、出張所の狭隘化の解消が求められています。
区は、太子堂出張所の狭隘化の対策として、一階フロアを広げるために、
まちづくりセンターを二階に移転し、一階の受付カウンターをふやし、待合スペースを広げます。しかし、今回の対策によって、太子堂出張所の混雑が解消され、狭隘化が解消されるのでしょうか。当面の対策にはなるでしょうが、混雑が解消され、速やかな手続が実現されれば、さらなる需要が喚起されるのではないでしょうか。
私は、太子堂出張所の窓口は一部本庁舎の機能をあわせ持つ出先窓口と位置づけ整備することこそ、区民サービスに応える道であり、三茶クロッシングにふさわしい機能と考えます。
区は、今回の狭隘化対策とともに、中長期的な整備も選択肢に含めるべきです。見解を伺います。
今回の対策で三カ所あった集会室の一つを休止にする計画です。しかし、この集会室の利用率は九三%と大変高くなっています。三軒茶屋駅周辺の集会所の利用率はどこも満杯です。地区外の区民の利用が大変多くなっているからです。地元住民にとって身近な集会施設が減ることは、地域活動にとって大変な痛手です。
ことし七月に休止されるまでに、集会所の代替施設確保に全力で取り組んでいただきたい、見解を伺います。
次に、深沢七丁目の児童の交通事故について伺います。
昨年十二月十七日に起こった区立小学校の男子児童の交通事故、児童は桜町小学校の一年生でした。事故は下校時の午後二時四十七分ごろ、深沢七丁目付近で、男子児童が路線バスに接触し、児童は病院に搬送されましたが、事故から一時間後の三時半に亡くなりました。心からお悔やみを申し上げます。
場所は、歩道もない一方通行の道路で、道路幅が六・二メートルから六・四メートルの道路でした。その場所は変則的な十字路になっています。子どもは下校時で、一方通行の道のところでバスの左側に接触したとのことです。玉川警察署は事故については捜査中とのことで、詳細は明らかになっていません。近くの公園で遊んでいた親子に話を聞きました。バスは徐行運転していたのでしょう。なのに事故が起こってしまった。車が危険なものということを、大人がしっかりと教えてあげないといけないなどと言っていました。
桜町小学校では、二〇〇七年にも児童の交通事故が起こり、駒沢通りの交差点を歩車分離の交差点に改良しました。同じ小学校で再び事故が起こりました。事故後、学校では登下校に、教職員と地域の方々、PTAの方々が通学路の要所に立って、児童の安全の見守りをしています。各学級で交通事故に遭わないような行動について具体的に繰り返し指導し、保護者にもそのことを伝えるようにしているそうです。保護者と一体に交通安全を徹底していることを伺いました。
区としても、歩行者の安全を確保するガードレールの設置など安全対策にどう取り組むか、検討する必要があります。
深沢七丁目の児童の交通事故について、区の見解と対策について伺います。
最後に、都営団地の建てかえ計画について伺います。
私は過去に、下馬都営団地の建てかえ時に、居住者の皆さんと一DKの部屋を広くしてほしいという声を東京都に届けたことがあります。そして部屋の広さが三十二平米から三十四平米に二平米広がりました。高齢者のひとり暮らしは、長年に積み上げてきた家財道具や、子どもたちが来てくれることなど、若い人のひとり暮らしと違う状況があります。
新町一丁目の建てかえ計画で同様の要望が寄せられています。ひとり暮らしだから一DKにするという、都の団地建てかえ時の型別供給のやり方を考え直すべきです。
区は、高齢者の住宅スペースを一DK、三十四平米より広くすることを東京都に求めていただきたい、見解を伺います。
以上で檀上からの質問を終わります。(拍手)
◎渡辺
都市整備政策部長 私からは、大きく二点に順次御答弁申し上げます。
初めに、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針に関しまして、現在ある店舗の支援についてです。
まちづくり基本方針の案においては、三軒茶屋駅周辺地区は、議員のお話にもございましたように、さまざまな要素がバランスよく共存していることを町の個性として掲げ、トレンドとレトロの混在、商業系地域とその後背地の住居系地域など、訪れるおもしろさと住むための快適さを備えた魅力あるまちとしてございます。
こうしたことから、今般お示ししました基本方針の案では、町の個性を継承、強化していくことをまちづくりの方向性の一つとして掲げまして、商店街を中心とした面的なにぎわいや、小さな店舗と住宅が共存するヒューマンスケールのにぎわいを継承していくことを、実現の方策としてお示ししてございます。
議員御指摘の現在ある店舗への支援のあり方といたしましては、例えば買い物客の回遊性や買い物空間の質の向上を図り、あわせて商店街と意見交換を行う場面などをつくりながら、まちづくり基本方針のビジョン実現に向けまして、経済産業部など関係所管と連携をしながら、三軒茶屋駅周辺の魅力を継承強化できるよう取り組んでまいります。
また、防災機能の強化についてでございます。三軒茶屋駅周辺地区は、今般お示ししましたまちづくり基本方針の案において、まちづくりの方向性として「災害に備え安全・安心と支え合いを育む」を掲げ、駅周辺に残る老朽建築物の更新、徒歩による帰宅が困難となった人の安全安心の確保、三軒茶屋・太子堂地区の防災への取り組みの支援の三点をお示ししました。
また、鉄道、幹線道路が集散する交通結節点であることから、災害時には来街者を含めた多くの帰宅困難者が滞留することが予想され、滞留スペース、情報発信機能、防災備蓄などを確保していくことなどが求められております。
区といたしましては、地域防災計画における避難者対策、帰宅困難者対策なども踏まえ、民間事業者などさまざまな主体との連携によりまして、来街者、周辺住民などが一時的に滞在できる空間の創出など、駅周辺の安全性、防災性の確保を目指してまちづくりに取り組んでまいります。
次に、都営住宅の建てかえに際しまして、ひとり暮らしの高齢者の住まいを広くすべきことを東京都に求めるべきとの点にお答えいたします。
東京都では、都営住宅型別供給実施基準を定め、都民全体の
セーフティーネットとして、世帯構成等の居住実態に合わせた面積規模を持つ都営住宅の供給を進めていると聞いてございます。
区といたしましても、世田谷区営住宅管理条例におきまして、一住戸の面積を二十五平米以上と規定しており、例えば、先ごろ竣工しました豪徳寺アパート二号棟におきましては、高齢単身者向けの住宅は約三十四平米の一DKとし、バリアフリー等にも配慮した、高齢者の日常生活のしやすさに配慮した仕様として整備をしてございます。
お話しの新町の都営住宅の建てかえに際して、高齢者、単身者向けの住宅の専用面積を拡充せよとの御意見があったことにつきましては、東京都市計画の変更に関する手続の中におきまして、担当所管から東京都に伝え、東京都からは、建てかえ後の各戸の間取り、面積につきましては、世帯人数に応じて決めているとの回答を得ているところでございます。
以上でございます。
◎平澤
世田谷総合支所長 私からは、太子堂出張所の狭隘化と区民集会所の対応について御答弁申し上げます。
太子堂出張所は、年間の受け付け件数が平均十五万件程度で推移しており、現在の場所への移転後、マイナンバー事務の専用のカウンターを設けたこと、また、従前からの待合スペースの制約により、混雑時には区民の方が建物の外でお待ちいただく状況が続いております。
このような混雑状況を一刻も早く解消するため、また、本年十二月の証明書自動交付機廃止後、窓口での証明書の申請がふえることを見据え、先般、カウンターの増設と待合スペースの拡張を骨子とした、狭隘化への対応の方策を御報告したところでございます。
今回の対応は、新たな土地建物の購入、賃貸を伴わず、現在の建物のハード面の制約を最大限解消し、早急に混雑緩和を図ることを目的として取りまとめたものでございます。レイアウト変更後も混雑状況を検証し、受け付けから交付までの流れを見直すなど、ソフト面での改善もあわせて行い、混雑緩和に向けて取り組んでまいります。
なお、休止となります三軒茶屋区民集会所第二会議室の対応といたしましては、当面、ほかの三軒茶屋駅周辺の公共施設の利用を促すとともに、代替施設の検討を進めてまいります。
以上でございます。
◎岩本
政策経営部長 私からは、三軒茶屋駅周辺まちづくりに関して、公共施設の拡充について御答弁申し上げます。
三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針案においては、公共施設の整備に関し、戦略的な公民連携の推進を掲げ、公共施設等総合管理計画に基づく取り組みを進めるとしております。多数の公共施設が点在する三軒茶屋駅周辺において施設需要や必要性を見きわめるとともに、町の魅力の創出などソフト面の施策も踏まえて、公共施設の再編、集積等を検討する必要があると考えております。
引き続き広域生活・文化拠点である三軒茶屋の町の将来像の実現に向け、公共施設の課題解決も図れるよう、個別の誘導方針等にあわせ検討してまいります。
以上でございます。
◎淺野 教育次長 私からは、深沢七丁目の児童の交通事故につきまして御答弁申し上げます。
昨年十二月十七日に、区立小学校一年生の児童が路線バスと接触しお亡くなりになるという大変痛ましい交通事故がありました。この事故を受けまして、当該小学校では、登下校時に教職員が地域やPTAの方々と連携しながら通学路の要所に立って、児童の安全のための見守りを行っております。
事故翌日には当該校で臨時の朝会を開き、児童に登下校時や冬季休業中の交通安全の指導をするとともに、それ以降も事故に遭わないように指導を繰り返し徹底しております。
教育委員会といたしましては、事故の翌々日に全小中学校及び幼稚園長を集めて交通事故防止を徹底するため、具体的なポイントなどを全校及び全園で指導するように指示を出し、交通事故の未然防止に取り組んでおります。特に通学路や通学経路の確認と、経路を守って登下校することは重要でありますので、新一年生はもとより、全学年で徹底されるよう指導しております。
さらに当該校においては、学校やPTA、警察署、道路管理者などが参加した、臨時の通学路合同点検を実施しまして、路側帯のカラー舗装の新設や横断歩道の塗り直し、注意喚起表示幕の電柱への設置、警察官の方の巡回など、早急に実施できるものから順次、関係機関と連携して対策を進めております。
教育委員会では、このような痛ましい事故が二度と起きないよう、学校や関係機関とも連携を図りながら通学路の安全対策の向上に努めるとともに、児童生徒の安全指導等を徹底してまいります。
以上です。
◆三十三番(桜井稔 議員) 太子堂出張所の三階の第二会議室の休止のことについて再質問をしたいと思いますが、三軒茶屋は集会室の利用率が大変高いところでありまして、この第二会議室についても九三%という高い状況であります。それが休止にされるということは本当に痛手でありまして、七月に休止される中で、急いで代替施設をぜひ示していただきたいということをもう一度お答えください。よろしくお願いします。
◎平澤
世田谷総合支所長 桜井議員の再質問にお答えいたします。
先ほど、議員もおっしゃっておりましたけれども、周辺には太子堂区民センター、男女共同参画センターらぷらす、文化生活情報センター等、区民が利用できる施設がほかにもございます。それぞれの設置趣旨を踏まえつつ、まずは区民集会所の利用団体にそれらの活用を促してまいりたいというふうに考えております。
また、先ほど申しました広域文化・生活拠点である三軒茶屋駅周辺、区民利用施設のあり方につきましては、代替施設の確保も含めまして検討してまいりたいというふうに思っています。
以上でございます。
◆三十三番(桜井稔 議員) 終わります。
○三井みほこ 議長 以上で桜井稔議員の質問は終わりました。
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○三井みほこ 議長 次に、八番すがややすこ議員。
〔八番すがややすこ議員登壇〕(拍手)
◆八番(すがややすこ 議員) 初めに、せたがやペイを活用した産業活性化と観光対策について質問いたします。
現在審議されている国の二〇一九年度予算案では、消費税対策として、また、外国人観光客のインバウンド対策として、店舗へのキャッシュレス導入を計上しています。キャッシュレスとは、クレジットカードや、主に公共交通機関で利用できるSuicaやPASMOが日本では一般的でありますが、最近、特に各企業がポイント還元等を行い力を入れているのが、○○ペイというQRコードを利用した決済方法の仕組みです。ヤフー、LINE、楽天等インターネット大手企業から、ことし五月にはゆうちょ銀行でもゆうちょペイのシステムを導入するとのことです。
御承知のとおり、全世界的に見ると日本のキャッシュレス導入はおくれていて、経済産業省の最新の調査によると、韓国の八九・一%、中国の六〇%、アメリカの四五%に比べて、日本は一八・四%と圧倒的に低い数値です。また、スウェーデンではスウィッシュというモバイル決済サービスにより、昨年の現金使用率はたった二%とのことです。日本でキャッシュレスが進まない理由として言われているのが、支払う側の立場からは偽札の心配がないこと、治安がよいので現金を持ち歩くことに対する抵抗がないなど。一方、店舗側の理由としては、決済システム端末の導入にコストがかかり、中小企業や個店ではなかなか導入しづらいというのが現状のようですが、諸外国でキャッシュレスが進む背景には、やはり国を挙げての積極的な取り組みがあるようです。
先日発表された渋谷区の来年度予算案では、キャッシュレス化の促進として、住民税や国民健康保険をLINEペイで支払えるようにするとのことです。世田谷区でもこのようなQRコードを利用した決済システムを税金の支払いに利用することにより、区民の利便性にも寄与することにもなりますが、そのほかにも、区内産業と連携し、世田谷区特有の、例えばせたがやペイと名づけて、QRコードを利用した決済システムを導入することで、商店街と連携したプレミアム商品券のような区民への還元や観光政策にもつながることが考えられます。また、このQRコードを利用することで、区の情報発信の際の多言語化といったことも簡単に実現することができます。
今後、二〇二〇東京大会に向けて、外国人観光客が世田谷区にも大勢訪れることを想定し、区内の案内板や店舗における商品やメニューの多言語化等の情報提供など、さまざまな場面での活躍が想定されます。また、災害時には電話回線がつながらない中でも、災害情報提供が可能となります。
そこで、世田谷区においてQRコードを利用した地域産業発展のための商店街と連携した決済システムの導入促進と、QRコードを利用した多言語化や災害時の情報発信の仕組みについて、早急に取り組んでいく必要があると考えます。世田谷区の見解をお聞かせください。
次に、世田谷区の小中学校における課題について質問いたします。
今回、課題として取り上げたいのは、先般、文教委員会に報告のあった、教育における保護者の負担軽減施策と就学援助の充実についてです。
世田谷区は、ことし十月より、就学援助制度の所得基準を国の高校授業料無償化モデル相当の生活保護基準まで引き上げる拡充策と同時に、給食費無償化の所得制限の議論を避けるため、就学援助制度のうち給食費の費目については、東京都の高校授業料無償化モデル相当に引き上げるとの負担軽減策を提示しています。
給食費の無償化について所得制限を設けるか設けないかという議論につきましては、私から既に所得制限を設けるべきではないとの意見を申し上げておりますので割愛いたしますが、今回取り上げたいのは、この就学援助制度の受給率です。
そもそも教育費の家庭の負担が他の先進国に比べて極端に多い日本の教育に、就学援助制度という負担軽減策が図られているにもかかわらず、その受給率が五〇%しかないということに私は大変驚きました。なぜ、このような仕組みがあるにもかかわらず、受給しない家庭があるのでしょうか。
教育委員会に問い合わせると、過去のデータや調査結果自体がないとのことでしたので、あくまでも私が考えるその理由をもとに議論を進めますが、まず、制度自体を知らないというケースが考えられます。この場合は周知方法や手段に工夫が必要であると考えます。就学援助制度の御案内を子ども経由で配付するのではなく、保護者に直接届くように、保護者会等を通じて行う、保護者会に来られない家庭には郵送で送付するなどの改善が必要であると考えます。
そして、もう一点考えられるのが、就学援助を受給することに、保護者側に何らかの負い目を感じるような申請方法になっていないかという点です。他の子どもや親に就学援助を受けられる所得であること自体を知られたくないという場合、申請のための手続自体がその家庭にとって負担になる可能性もあります。
現在、就学援助の周知方法や申請方法はどのように行っているのか。そして、就学援助基準の引き上げも必要ではありますが、まずは本来受給できる家庭にきちんと支援が届くための取り組みが必要です。見解をお聞かせください。
次に、昨年十二月の成育医療等基本法、略して成育基本法が国会で成立したことを受け、全ての妊婦と子どものための切れ目のない支援について質問いたします。
さて、昨年の質疑で、私からはプレコンセプションという、現在、国立成育医療センターにてその外来を行っている取り組みを紹介させていただきました。妊娠に備えて、女性が自身の心と体の健康について知ること、それはその先に生まれてくる子どもの健康にもつながる大切な取り組みであることを申し上げ、これらの啓発活動として、二十歳以降の女性に郵送している子宮頸がん検診勧奨にリーフレットを同封する等の取り組みを求めております。
そこで、これから子育てをする可能性のある全ての女性とそのパートナーなどの心と体の健康の重要性の啓発に関する取り組みを改めて求めますが、その後の進捗状況はいかがでしょうか。
去る二月七日、国連の子どもの権利委員会は、日本政府に対する勧告を公表しました。子どもの虐待などの暴力が高い頻度で報告されていることを懸念するとして、子どもでも虐待被害の訴えや報告が可能な制度創設が急務であること、また、虐待防止に向けた包括的な戦略策定のため、子どもも含めた教育プログラム強化を要請するなどの内容となっています。
同委員会は、先日、千葉県野田市の十歳の女の子が虐待によって死亡した事件についても、起きてはならない、誰か大人が対応すべき残念な事件だったとコメントしています。
平成三十年一年間の全国の警察が虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告した、十八歳未満の子どもの数は八万百四人で、前年と比べ一万四千六百七十三人、二二%増加したとのことです。また、厚生労働省が公表している平成二十九年度の児童相談所が対応した件数は十三万三千七百七十八件で、前年度から一万一千件、九・一%の増加と、いずれも統計をとり始めて以降、最多となっています。なぜ、これだけ児童虐待に社会の関心が向いている中、死亡する子どもが後を絶たないのか、児童虐待のニュースが報道されるたびに胸が痛みます。
政府では、親の体罰防止の法制化等についても検討を始めたようではありますが、今、このときも虐待されている子どもがいる現状では、現場での適切な対応を適宜行っていかなければなりません。
世田谷区でも児童相談所機能を東京都より移管するとのことで、今後ますます全ての親と子どもを見守る仕組み、世田谷版ネウボラを初めとしたあらゆる子育て支援を駆使して、全ての親と子どもを守るために全力を尽くしていただきますようお願い申し上げます。
昨年、私からは、アメリカで約七割の子どもが受けているという医療と連携した子どもを見守る仕組みを紹介させていただきました。ゼロ歳から三歳までに十三回の健康診断、三歳から二十一歳までは一年に一度、かかりつけ医で三十分間の個別健診を受けます。三十分間のうち十分間は身長、体重測定など、日本でもなじみのある健康診断ですが、残り二十分間は、子どもの精神的、心理的な発達状態、社会的環境、生活面や家庭の状況などのカウンセリングを行うとのことです。ゼロ歳から二十一歳まで、子どもの発達障害の気づきにつながることとあわせ、医師の視点で虐待を発見することもできるような仕組みが整っています。
成育基本法の制定を受け、日本でもこれらの仕組みが、医療機関、自治体が連携することによって、今後整備されていくことを期待いたします。
現在、日本では、三歳児健診以降、小学校に入学前の就学前健診が行われており、その後は、小学校、中学校において集団健診が行われているわけですが、まずはこの機会を捉え、子どもの精神的、心理的な発達状態に合わせ、虐待を見逃さないという視点が大変重要であると考えます。このような場での健診がどのように行われているのか、また、この健診を通じ、発達障害や虐待の早期発見などの支援につながるケースがあった場合に、それに対する仕組みはどのようになっているのか、現状をお聞かせください。
以上、壇上からの質問といたします。(拍手)
◎久末 経済産業部長 私からは、せたがやペイを活用した産業活性化と観光対策について御答弁いたします。
自治体と連携した多言語対応の決済システムについては、地域の消費喚起や観光振興等を目的として、飛騨市や木更津市において導入されており、地元の商店街や金融機関と連携したポイント付与などの取り組みが行われております。
東京二〇二〇大会を控え、多言語対応可能なキャッシュレス決済の導入推進は、観光客の利便性を向上し、インバウンドの消費喚起が期待できること、また、自治体との連携により、外国人居住者への行政情報提供にも役立つ可能性があるものと認識しております。
今後、消費税率引き上げに伴うポイント還元が予定され、また、キャッシュレス事業者間の競争激化が予想されることから、これまで以上に多様な決済商品が開発される可能性が高く、どのシステムが安全で有利であるのか、消費者、商店街等の事業者、行政の三者の観点から見きわめる必要がございます。
こうした状況を踏まえ、区といたしましては、今後のキャッシュレス決済の普及状況を注視しながら、区内産業の活性化や、観光振興に向けた消費喚起策や、外国語による情報提供等について、御提案の手法も含めてどのように展開していくか、検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎淺野 教育次長 私からは、二点御答弁申し上げます。
まず、就学援助につきましてです。
子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援の施策としまして、教育における負担軽減施策を充実し、就学援助制度の枠組みを見直して、支給対象者を拡大することといたしました。
就学援助制度の周知につきましては、これまでも「区のおしらせ」やホームページに掲載するほか、四月と九月の年二回、学校を通じて全保護者にお知らせの案内文を配付しているところです。また、日本語を母国語としない保護者の方に対しましては、英語、中国語、ハングルで表記した案内を適宜配付するなど、十分な周知や説明に努めてまいりたいと考えております。今回の制度改正に伴い、よりわかりやすい内容に工夫したお知らせの案内文を作成し、周知に努めてまいります。
例えばですが、フロー図や表などを記載して支給対象基準などをより見やすいものとし、さらに申請書も添付することで、申請に対する負担の軽減を目指してまいります。
なお、申請書の受け付けは、各学校及び学務課窓口で行っているほか、郵送での受け付けも行っております。事前に丁寧に十分な周知や説明を行うことで、より制度を利用していただくよう取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、学校の健康診断についてです。
学校での健康診断については、毎年、就学前の新一年生を対象に実施する就学時健康診断、年度当初に全学年を対象に実施する定期健康診断をそれぞれ年一回実施しております。
こうした健診で児童虐待の支援につながる仕組みについてという御質問ですけれども、例えば多数の部位に外傷ややけどの痕跡などがある場合、または顔面、口腔の身体的虐待の所見がある場合などですが、そういった場合は、学校医、または学校歯科医は児童虐待を考慮の上、健診を行っております。こうした所見がございましたら、学校長と連携を図り対応しております。
また、障害や発達上の特性がある児童生徒さんにつきましては、日常の対応とともに、保護者の相談などに基づき対応しております。
教育委員会としましては、引き続き児童生徒がそれぞれの状況に応じ、学校において適切に教育を受けることができるよう、各関係機関と連携を図りながら丁寧に取り組んでまいります。
以上です。
◎辻
世田谷保健所長 私からは、プレコンセプションケアの重要性と啓発の進捗状況についてお答えいたします。
プレコンセプションケアとは、将来の妊娠を考えながら、女性やそのパートナーが自分たちの健康や生活に向き合うことを示し、区としても重要なテーマと認識をしております。
医療機関が取り組むプレコンセプションケアは、妊娠準備としての健康診査や相談を初め、生活習慣改善や妊娠継続のための予防的ケア等をサポートすると聞いておりますが、健康保険の適用はございません。
一方、区におきましては、出産や子育てへの不安等を抱く妊婦へ寄り添う妊娠期面接を初め、これから母親、父親になる区民を対象に、妊娠中の体調管理や、育児、父親の役割などを学ぶ機会として、母親・両親学級や休日のぷれパパママ講座を開催しており、無料で受けることができます。
お話にありましたプレコンセプションケアの啓発等に関しましては、現在も子宮がん検診の受診票に同封しておりますがん検診手帳に内容を盛り込むなど、その他の健康に関する情報発信も含め、効果的な周知方法等について研究をしているところでございます。
以上です。
◆八番(すがややすこ 議員) 御答弁ありがとうございました。
就学援助制度の受給率の件なんですけれども、今までのやり方だったら五〇%にしかならないと思うんですね。ですので、本当にできるだけ一〇〇%に近づけるように、まずはデータとかもとって、きちんと対応していただきたいということを要望いたしまして、私からの質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上ですがややすこ議員の質問は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午前十一時五十四分休憩
──────────────────
午後零時五十分開議
○三井みほこ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。
二十番石川ナオミ議員。
〔二十番石川ナオミ議員登壇〕(拍手)
◆二十番(石川ナオミ 議員) それでは、まず初めに、無電柱化推進計画について伺ってまいります。
早いもので、議員として仕事をさせていただきまして四年がたちました。この四年間の中で一番多く区民の方から意見ですとか御要望をいただいたのが、道路整備についてということが挙げられます。もう皆さん御存じのように、区民意識調査の中でも一番のお困り事は何ですかという問いに、道路が狭くて危険と挙げる方が非常に多く、この十年間、これが一位ということになっております。
この道路の狭さを感じさせる要因の一つとして、道路の道端に立っている電柱の存在は否めません。この電柱なんですが、区道に特化して申し上げますと、世田谷区の区道、およそ延長一千九十四キロメートルということで、道路一キロ当たりに電柱がおよそ五十本立っているという計算になります。日常の生活の中で電柱ですとか電線に囲まれているという中では、この光景が当たり前になってしまうんですけれども、改めて見てみますと、本当に電柱が多いなということを感じてしまいます。
無電柱化は、防災性の向上ですとか安全・快適性の確保、また、景観をよくしていこうという観点から実施をされています。また、地震や、そして雨、災害が多いという昨今、電柱の倒壊の危険が高まっているということ、そして、二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催に向けても観光需要が伸びるということで、無電柱化の推進はさらに強化をしていかなければなりません。
区ではこれまで、電線類地中化整備五カ年計画を策定いたしまして無電柱化に取り組んでいるところなんですが、平成二十九年度末のデータによりますと、先ほど申し上げました区道の一千九十四キロメートルに対しまして、無電柱化の整備がされた道路延長はおよそ十二キロメートルと、これは整備率にいたしましてわずか一・一%ということなんです。また、電柱の本数に目を向けてみますと、区道の電柱は五万三千九百九十五本ということで、これは一本一本歩いて数えても相当な時間がかかるということで、非常に電柱の数が多いということが伺えます。
こうした無電柱化されていない道路をこれから整備するとなると、これまでの計画では一体何年かかると思いますか。これが実に、およそ一千五百年以上かかってしまうという計算になってしまいます。これでは、この計画は絵に描いた餅といいますか、実際に実効性のない、問題解決につながる政策とは言えないのではないでしょうか。
我が会派では、今般、二〇二五年の世田谷に向けてという政策集を作成いたしました。その中でも、無電柱化に向けては強力に推進をしていくということを掲げております。少なくとも現在の三倍のスピードで進めていかなければいけない、そうした必要性があります。
そこで、区では来年度を初年度といたします世田谷区無電柱化推進計画を策定しておりますが、これはどのように進めていくのでしょうか。これまでの課題も含めて、今後の取り組みについて伺います。
また、無電柱化が行われた道路では、これまで電柱の上にあった変圧器を収納する地上機器、トランスが路上に置かれております。しかし、このトランスが交通や、また景観の面からも新たな課題が出てくるということでございます。今の技術では、この地上機器を地中に埋めるということがかなわないということですので、今後、技術革新ですとか、他の自治体の取り組み事例などを見ながら、地上機器の有効活用もぜひ検討していただきたいということを要望いたします。
次に、中学校における部活動指導員の配置について伺います。
先日、地域の中学校でバレーボールの一年生大会、新人戦のような大会がありまして、これを見学がてら応援にも行ってまいりました。改めて部活動を通して、これまでの練習の成果を一生懸命発揮する姿というのは、本当に見ていても心を打たれるものでございます。この部活動というのは、文化系やスポーツ系に限らず、子どもたちの適性や興味関心、好奇心に応じて生きる力の育成にも大きな貢献をしているということが言えるのではないでしょうか。
しかし、ここ数年、部活動のあり方が問われています。文科省がこのほど、公立中学校の部活動について、週三日以上の休養日を設けるなど国の指針を上回る形で教員の負担軽減策を実施している学校に対しまして、部活動指導員の配置補助金を優先配分するという方針を固めました。これは教員の働き方改革をさらに促進させるという狙いがございますが、既に世田谷区では平成十八年度より、部活動指導員ではなく、支援員として取り組みをしております。また、世田谷区では、昨年十二月に部活動ガイドラインを策定しております。平成二十九年度の部活動支援員の配置実績は、二十九校中四百十九名ということでした。
そこで二点伺います。
世田谷区は大学も多く、学生の支援員をさらにふやしていくことが可能ではないでしょうか。また、世田谷区は専門性の高い方も多くいらっしゃいますので、支援員としてさらなる人材確保として工夫が必要であると考えます。区の見解を伺います。
また、このほど国が発表いたしました施策につきましては、今後どのように取り組んでいくのか答弁を求めます。
最後は、プレミアム商品券及び商店街の振興について伺います。
経営学者のピーター・ドラッカーは書籍の中で、リーダーが公言する信念やその行動は一致しなければならないと述べております。まさに経営のリーダーは言行一致が大切であり、これは行政運営においても同じことが言えるのではないでしょうか。果たして、今の保坂区政は言行一致していると言えるでしょうか。
代表質問でも既に取り上げてまいりましたが、プレミアム商品券の発行総額につきましては、当初予算では前年度よりも大幅の減額の九億九千万円ということでございました。これは前回の定例会でも、我が会派では増税の経済対策として、消費喚起効果のあるプレミアム商品券の発行総額を増額すべきであると強く訴えてまいりました。また、区民サービスの向上ですとか商店街の振興に区としても力を入れていく、そういうことを掲げているということにもかかわらず、今回の予算措置としては決して納得のいくものではありません。まさに言行不一致ではないでしょうか。
区政運営におきましても重く受けとめていただきたいということ。また、二万四千人の申し込みがあっても、九千五百人の方が抽せんに漏れるという現実がございます。一般で購入できるという、この一般枠を広げるということも、今後検討していただきたい、意見としても述べておきます。
さて、ことしの十月から増税と同時に導入されます軽減税率につきまして、消費者はもちろんのこと、小売店などにも大きな影響が出てまいります。軽減税率に対応したレジに変更することや、店員及びスタッフに理解をしていただくためにも、いわゆる従業員教育にも力を入れていかなければなりません。
そこで、区として円滑な導入に向けて、商店街などにどのような支援をしていくのか、区の見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎五十嵐 土木部長 私からは、無電柱化推進計画についてお答えいたします。
現在、区では来年度早々の世田谷区無電柱化推進計画策定に向け、国や都の動向を確認しつつ、区民意見募集を行っているところでございます。
これまでの無電柱化にかかわる課題といたしましては、地上機器の設置場所と電線の埋設位置の確保、地元との合意形成、無電柱化に係る多額の費用の低減の三点が主に挙げられております。その中でも地上機器の設置場所と電線の埋設位置の確保が、区における一番の課題となっております。現状では道路幅員が八メートル未満の区道が約七割を占めているため、地上機器の設置場所や水道管などが既に埋設されていることから、電線を地中へ埋設する空間確保が難しい面がございます。
今後も、地上機器のコンパクト化や小型ボックス方式の採用など、新技術の開発や導入の動向につきまして調査研究に努めてまいります。
また、地上機器の設置が困難な路線であります世田谷区役所通りにおける無電柱化につきましては、技術検討会を開催し、都や電線事業者との協議を進め、新技術導入検討の深度化を図ってまいりたいと考えております。
以上です。
◎花房 生涯学習部長 私からは、中学校における部活動指導員について、二点に御答弁申し上げます。
最初に、人材確保についてでございます。
区では平成十八年度より、部活動の顧問教員の身体的、精神的な負担軽減や、部活動の安定的、継続的な運営のため、部活動支援員が顧問教員にかわり技術的な指導を行う、世田谷区独自の部活動支援員制度を実施しております。部活動支援員については、各中学校の校長が保護者や地域の方々を選任し委嘱を行い、活動実績に応じて、教育委員会が謝礼を支払うという形で進めております。
お話しのとおり、平成二十九年度末実績で、顧問教員にかわって技術的な指導を行う監督は九十八名、顧問教員の指導補助を行う部活動指導員は三百八名など、四百十九名の部活動支援員の方々に御協力をいただいております。
本制度を積極的に活用していただくための中学校への周知徹底はもとより、区内の大学とさらなる連携を図るなど工夫をいたしまして、引き続き部活動支援員の確保に努めてまいります。
次に、今回の国の制度をどう進めていくかについてでございます。
国は平成二十九年四月に、校長の管理、指導のもと、部活動の技術的指導や大会への引率などを行うことを職務とする、部活動指導員の制度化を行いました。この部活動指導員は、非常勤職員として任用することを前提としております。また、本年度に国は部活動指導員配置促進事業として、一校当たり三名程度の部活動指導員を四年間、計画的に配置するための補助事業を実施しております。この補助事業の交付要件として、部活動指導員を非常勤として任用していることのほか、部活動の休養日や活動時間などを定めた、国の部活動におけるガイドラインにのっとった部活動の方針を策定していることが要件になっております。
区におきましては、昨年十二月に部活動のガイドラインを策定いたしました。部活動支援員制度については、先駆的に取り組み、学校にも定着しておりますので、これまで以上に教員の負担軽減や部活動の安定、謝礼の単価アップを図るなど制度拡充を進めてまいります。あわせまして、国や都、他市区町村の動向などを見ながら、制度自体の見直しが必要かなど検討をしてまいります。
以上でございます。
◎久末 経済産業部長 私からは、軽減税率導入に当たって、事業者への対応についてお答えいたします。
消費税率の引き上げにあわせて導入される軽減税率制度につきましては、売り上げや仕入れを税率ごとに区分して経理することになり、制度理解を初め、対応レジへの入れかえや受発注システムの改修などが必要となってまいります。区内には、軽減税率の対象品目の取り扱いが想定される小売業や卸売業、飲食業などの事業者が数多く存在しており、制度の導入に際して、各事業者への影響が懸念されているところでございます。
こうした状況を踏まえ、区では税務署や金融機関とともに、区内事業者を対象とした軽減税率対策セミナーを本年一月に二度開催し、軽減税率の対象となる品目や事例紹介を初め、帳簿の記載方法や補助金の紹介を行うなど、詳細な実務に対する説明を行ってきたところです。円滑な制度の導入に向け、区といたしましては、今後、税務署や金融機関等と連携を促進して、セミナーを初めとした支援の強化に取り組むなど、区内事業者に対する制度周知や理解促進に努めてまいります。
以上でございます。
◆二十番(石川ナオミ 議員) るるお答えをいただきました。
この無電柱化につきましては、財政負担も踏まえまして、優先度を考慮しながら、その計画路線を設定していかなければいけないというふうに思いますが、我が会派の議員の中からでも、無電柱化につきましては、地域の御要望が多いという路線もあります。
例えば、多くの観光客が訪れますボロ市通りですとか、地域の皆さんから愛され親しまれています尾山台の商店街のハッピーロードなど、そうしたところが優先路線としても、いろいろと地域のニーズを踏まえ、いろいろと検証しながら、スピードアップをして進めていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終了いたします。
○三井みほこ 議長 以上で石川ナオミ議員の質問は終わりました。
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○三井みほこ 議長 次に、二十一番河野俊弘議員。
〔二十一番河野俊弘議員登壇〕(拍手)
◆二十一番(河野俊弘 議員) 質問通告に基づき、順次質問いたします。
初めに、若者の区政参加参画について質問します。
このテーマは、私がこの議場で初めて立ったときに取り上げたものであります。当時、若者の区政参加参画は、地域社会の活性化の根幹を担い、さまざまな施策につながり、必要不可欠であることを問い、区ホームページのスマートフォン対応や防災関連の提案並びに質問をいたしましたが、その際、当時の子ども・若者部、中村部長の答弁では、若者の区政への参加参画を推進するためには、若者が地域に関心を持ち、より多くかかわれるような仕組みづくりが重要であり、若者が力を発揮する地域づくりを目標に、若者が多様な交流の中で成長し活躍する場を、地域とのかかわりの中でつくっていくことで、若者を核とした地域の活性化を目指す。そして、地域社会への参加参画を通じ、社会の一員として認められるという自覚を持つことは、若者の自立に向けた大きなきっかけにつながることから、今後も地域と連携を図りながら、若者の社会参画に向けた取り組みの充実に努めるとしていました。
しかしながら、現区長区政以後進めている若者の施策は、若者一人一人が主体になることよりも、支援に偏ったものが多いように感じざるを得ません。もちろん支援が必要な若者たちも多くいます。しかしながら、意欲を持ってチャレンジ精神を養い、若者が主体的に活動できる場づくり、やりがいを刺激するような施策がもっと必要ではないでしょうか。
一般的に政治参加というと投票のことが連想され、毎回、若者の投票率が注目されます。もちろん投票することが重要なことは言うまでもありませんが、本来、政治参加とは数年に一度の選挙期間だけに限られたものではなく、また、そうあるべきではありません。
自分たちの参加により変えてほしい社会現象が少し変えられるかもしれないという感覚をいかにして養っていくのか、選挙権が十八歳以上になり、十八歳になって急に投票する権利を与えられても、その意義や効果は実感しづらいのです。その前から徐々に社会に参加し、区政に携わるきっかけをつくり、自分たちが参加することで物事を変えることができると実感することが重要であります。
そうした中で、国の掲げる、みずから考え、主体的に判断、行動して問題を解決する能力、いわゆる生きる力を、日本の子ども、若者たちに定着させることができるのではないでしょうか。
魅力的な区の取り組み、政策に出会うことができる場をつくり、そして、若者の交流・活動機会の充実を、区として今後どのように若者に展開していくのか。そして、そのような場がある上で、若者ならではの従来型に捉われない新たな意見をどのように引き出していくのか。
若者の意見を大いに取り入れ検討し、地域に関心を持たせることが重要であると考えるが、区の見解を伺います。
次に、三軒茶屋駅周辺のまちづくりについて、これまでも指摘してきた三つのかけ橋づくりについて伺います。
三軒茶屋地区再開発は、三軒茶屋の三つのかけ橋の役割を担っていると思います。第一に、日本の高度成長を支える大動脈の整備により分断された町の再生としての南北のかけ橋、第二に、三軒茶屋を支える区民の世代間交流を支えるかけ橋、そして第三に、古きよき世田谷と未来の世田谷をつなぐかけ橋です。
この三つのかけ橋をどのようにして築き上げていくのか。さきにも述べた若者の区政参加参画においても、未来を担う若者たちがわくわくするような魅力的な施策であります。
三軒茶屋駅周辺まちづくりは、世田谷東の玄関口として、将来の世田谷を大きく発展させていく大きなチャンスであり、逃すことができない最後のチャンスであると強く思っています。キャロットタワーが建って以来、町の機能がほとんど更新されておらず、次世代に引き継ぐ町として多くの課題が残されています。
現在、三軒茶屋二丁目地区では、再開発事業の検討が進められ、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針を取りまとめたところですが、こうした動きを踏まえると、九十一万人都市世田谷の東の玄関口である三軒茶屋の広域生活・文化拠点としてのあり方を、都市経営の視点を踏まえて検討し、それを実現する最後のチャンスではないかと考えます。このチャンスを生かして、都市間競争を勝ち残っていくことを目指していくべきであります。
世田谷区では、次世代に引き継ぐ町の将来像としてビジョンを打ち出したわけだが、その実現に向けて、庁内の体制を整え、民間事業者との連携を密接にとり合い進めていくことを前提に、今後、大都市世田谷としてどのように取り組んでいくのか見解を伺います。
最後に、世田谷区たばこルール及び受動喫煙防止対策について伺います。
昨年十月から世田谷区たばこルール施行以後、屋外における喫煙は、指定喫煙所を除き、区内全域禁煙としているわけですが、町の状況を見ているとマナー違反者を見かけることも多い状況で、実際にマナー違反者に対して、区民の方が、区内全域禁煙と知っていながらも、周囲にその掲示が少なく、注意することができないという声が私のほうにも届いています。こうした状況を鑑みると、たばこを規制する取り組みが区民にまだまだ浸透していないことをあらわしているのではないかと考えます。
まず、区として、喫煙所への案内表示やマナー喚起の取り組みについて、大通りに面した人目のつきやすい場所への掲示を進めていくべきだと考えます。今後どのように進めていくのか見解を伺います。
次に、区の取り組みを示していくために、現在、区の受動喫煙対策における基本的な考え方を出しているわけですが、その内容を少し読み上げます。
喫煙する人、しない人が、喫煙や受動喫煙による健康影響について相互に正しい知識、理解を深め、相手を思いやる行動がとれるようになることが望まない受動喫煙の防止につながると考え、対策に取り組むとしています。この内容についてですが、この喫煙する人、しない人はもちろんでありますが、愛煙家の方々が身近に接しているであろう販売店の存在、そして区内にはないんですが、日本全国四十県でたばこ農家の生産者もいるということが、この区の考え方の中にはないということが、この区の取り組みが区民に浸透しない要因にもなっているのではないかと考えています。
現在のたばこに関する区の取り組みを示していくためには、販売店や生産者を巻き込み、たばこルールの周知活動、喫煙所の案内などに協力をしてもらうことが必要であります。以前は区から、たばこは区内で買いましょうとプリントされたポケット灰皿や絆創膏など、区から販売店に配付されていたが、現在はそうした取り組みもなくなってしまった。タスポの導入、そしてたばこの価格も上がり、区内のみならず、全国的にたばこ販売店は減り続けているのが現状であります。
たばこは、販売店、飲食店など多くの人が携わる大きな産業分野であることを忘れてはなりません。区の取り組みは、たばこに対して迷惑なもの、悪いものであるというイメージが先行してしまわないように、販売店の協力を得て、喫煙する方にマナー啓発品を配付することも視野に入れ、区のたばこルール、受動喫煙対策の取り組みを進めるべきであると考えております。
区の見解を伺い、壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、若者の区政参加参画についてお答えいたします。
区の基本計画では、子どもや若者もともに社会をつくっていく大事な一員であるという考えに立ち、「子どもが輝く 参加と協働のまち せたがや」を目標に、若者の施策として、交流と活動の拠点となる三つの青少年交流センターの開設、全ての児童館での中高生の居場所づくりなどに取り組んでまいりました。
今年度は、若者施策の評価検証を行うため、若者を対象にアンケートを実施いたしました。地域での活動状況を問う設問中、地域や自治体のイベントに企画段階から参加したとの回答で比較いたしますと、無作為抽出の若者では四・九%であったのに対し、児童館、青少年交流センター、プレーパークなどを利用している若者は一八・五%と高い結果となりました。
若者が遊びや仲間と交流し、さまざまな大人と出会い体験を重ねることで、地域での次のチャレンジにつながっていくことが、これらの結果からも明らかになったと認識しております。
今後も、こうした若者の活動拠点を中心に、若者の地域での活動の場を広げていくとともに、区政参画への意識醸成に取り組む際には、庁内の連携を強化し、若者の声を聞き、若者の力や声が区政に生かされるよう一層取り組んでまいります。
以上でございます。
◎渡辺
都市整備政策部長 私からは、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針で示すビジョンの実現に向けた取り組みについて御答弁申し上げます。
グローバル化の進展や都市間競争の激化、そして、今後迎える人口減少社会など、社会状況の転換期を踏まえ、持続可能な都市経営の視点でまちづくりを進めていくことが必要と考えてございます。
こうした中、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針の案におきましては、文化や観光の発信地であるキャロットタワー、個性ある商店街、渋谷との近接性、道路・交通の集散した拠点であることを生かし、まちのビジョンとして進化し続ける交流のまちを示しました。この中で次世代に向けたまちづくりの方向性として、新しい働き方やライフスタイルなど、新たな魅力を育て発信することを掲げてございます。
今後、区といたしましては、議員のお話にありました次世代に引き継ぐ三つのかけ橋づくりも踏まえまして、まちづくりビジョン実現に向けまして、庁内連携体制の強化や、さまざまな主体との連携による広域生活・文化拠点として具体的なまちづくりの取り組みを積極的に検討してまいります。
以上です。
◎畝目 環境政策部長 私からは、世田谷区たばこルールに関しまして、喫煙所への案内表示やマナー喚起の取り組みと、たばこ販売店等との協力を得ての取り組みの二点につきまして、あわせて御答弁申し上げます。
区では、昨年十月よりたばこルールをスタートさせ、地域のたばこマナーが向上するまちづくりの実現に取り組んでおり、喫煙マナーの喚起といたしまして、各地域では町の環境美化活動の中で、町会・自治会、商店街、学校、事業者など、さまざまな方々の御協力をいただきながら、啓発ティッシュの駅頭配布や清掃活動などを行っていただいてございます。
また、現在、環境美化指導員による注意喚起や路上禁煙に関する電柱巻き看板、路面標示シートなどの設置、区施設、区内大学でのポスター掲示、「区のおしらせ」や区公式ツイッターなどによる情報発信に取り組んでいるところでございますが、引き続きたばこマナーの向上に向けまして路上禁煙に関する電柱巻き看板、路面標示シートの増設など、できるだけ多くの方々に目のつきやすい効果的な場所への設置を図り、さらなる啓発の向上に力を入れてまいります。
また、喫煙所への案内表示でございますが、現在、指定喫煙場所設置に鋭意取り組んできているところでございまして、ホームページによる設置場所の周知や、新設の喫煙場所周辺には必要に応じて案内板を設け、周知に努めているところでございます。
お話にございましたたばこ販売店等との連携につきましては、喫煙者にたばこルールを直接御案内できる有効な手法であると受けとめました。
区といたしましては、今後、たばこ商業協同組合などの御協力をいただきながら、どのような対応が可能か検討してまいりますとともに、たばこルール、マナーの向上に鋭意取り組んでまいります。
以上でございます。
◎辻
世田谷保健所長 私からは、たばこ販売店や生産者を巻き込んだ受動喫煙対策の取り組みについてお答えいたします。
国や東京都におきましては受動喫煙対策について、健康増進の観点から、また、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、昨年、改正健康増進法及び東京都受動喫煙防止条例を制定し、二〇二〇年四月一日の全面施行までの間、さまざまな取り組みを段階的に進めていくこととしております。
区におきましても、受動喫煙による健康影響を受けやすい未成年者や妊産婦、患者や従業員の方々などには特に配慮が重要であることから、喫煙する人としない人、双方が受動喫煙等に対する正しい知識と理解を深め、互いに相手を思いやる行動をとることにより、望まない受動喫煙の防止につなげられると考えております。
お話しのように、たばこ販売店や生産者の方々に受動喫煙防止啓発用リーフレットの配布や店頭等へのポスターの掲示に御協力いただくことは、直接喫煙者に対して喫煙や受動喫煙による健康影響の正しい知識に係る普及啓発を図れること、また、喫煙者が御自身やその周囲の方々の健康について考えていただく上で大変有効であると考えます。引き続き世田谷区たばこルールの取り組みと連携を図るとともに、たばこ商業協同組合など関係団体との協力体制も築きながら、受動喫煙防止対策を推進してまいります。
以上です。
◆二十一番(河野俊弘 議員) 御答弁ありがとうございました。
たばこルール、受動喫煙対策ですけれども、今回は保健所並びに環境政策部、両方ともに答えていただきました。やはり所管横断的に取り組みを進めることが非常に重要だと考えておりますので、今後とも、より一層の取り組みを期待しています。
あとは、最初に申し上げた若者の施策、区政参画というところですけれども、OECD各国の三十一カ国中、第三位に日本は位置しています。この第三位というのが、政治に対して関心がある、全くないというところの数字が低い数字で出ていて、日本人の若者は、政治に関心はあるけれども、例えば区政に対して発言をしたところで変えられるかもしれないという統計も出ているんですが、その変えられるかもしれないと思っている人は非常に少なく出ているんですね。関心はあるけれども、自分が入ったところで何が変えられるのかというところ、そこの気づきの部分を世田谷区としてもいろいろな政策の中で掲げていただいて、わかりやすく進めていただきたいと思いますので、今後、私のほうでも一生懸命進めていきたいと思っています。
続きは予算委員会で申し述べます。ありがとうございます。
○三井みほこ 議長 以上で河野俊弘議員の質問は終わりました。
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○三井みほこ 議長 次に、七番上川あや議員。
〔七番上川あや議員登壇〕(拍手)
◆七番(上川あや 議員) 通告に基づき質問します。
初めに、視覚障害者の移動支援事業、ガイドヘルプの改善について伺います。
区長は、二〇一七年二月の定例会招集挨拶で、前年八月に発生した視覚障害のある区民の駅ホーム転落死亡事故に触れ、移動支援・従事者派遣事業では、視覚障害者の通勤を対象にするよう改めます、視覚障害者が転入や転職時に移動支援サービスが利用できるようにしますと表明しました。
同事業は、まさに区民の命にかかわる事業です。同様の配慮は、都内六区で当時既に実施をされていたもので、当区の決定は遅きに失した感がありましたが、あるべき改善の方向性として私も支持し、歓迎しておりました。しかし、その対処だけでは不十分であるとも考えておりました。
区は、同事業の改善で、転入や転職時、職場への移動経路になれるまでの間、一時的な付き添いとして、新たに三カ月を限度にガイドヘルプの利用を認めるとしましたが、入学、転校により、通学の移動経路になれるまでの間にも同様の危険があることは明らかです。ところが、区は、死亡事故の報じられた通勤に対してしか移動支援を拡大しようとはなさらない、その想像力の欠如に大変残念な思いがいたしました。
本区は、都が公表する学校基本調査でも、都内で三番目に大学の多い、国内有数の学園都市の一つです。区内の大学に在籍する学生数は六万七千人以上。進学を機に上京、本区に転入してくる学生も多い中であることは明白です。
そこで、同年三月の予算審議では、通学時の危険性も通勤時とほぼ同じはずと、通学訓練にも移動支援の拡大を求めたところ、当時の担当課長より次の答弁がありました。
区では、昨年発生した視覚障害者が地下鉄ホームから転落し亡くなるという痛ましい事故があったことを踏まえ、この四月から転入して間もない方や転職により通勤場所が変わった場合などに、通勤になれるまでの間、移動支援サービスを利用できるようにいたしました。通学になれるまでの支援ということでございますが、視覚障害者の安全の確保という点では、通勤と同様に捉えていく必要があるものと考えております。対象とする範囲や期間など具体的な検討を行ってまいります。この御答弁をいただき、当然改善はなされたものと期待をしていたのですが、先ごろ、答弁の履行状況を再チェックしたところ、通学については全く改善がなされていないとわかり、驚きました。
そこで、以下質問します。
まず、通学について、通勤と同様に捉えていく必要があると御答弁されながら、なぜ改善をなさらないのでしょうか。そこに正当な理由があると言えるのか説明を求めます。
その上で、改めて早急に通学にも移動支援を拡大するよう求めますが、いかがか、区の見解を問います。
続いて、がんの治療等でワクチンの抗体を失ってしまった子どもたちのワクチン再接種についてです。
小児がんの治療で骨髄移植手術等を受けると、定期予防接種ワクチンの抗体は失われてしまいます。また、抗がん剤などの化学療法によっても抗体をつくる細胞が少なくなり、過去に受けたワクチンの効果が失われることがあり得ると言われています。
こうした小児がんの患者を対象に再接種の費用を独自に助成する自治体が九十に上ることが、昨年七月の厚生労働省の初めての全国調査の結果わかりました。その調査結果によりますと、昨年七月時点で、全国千七百四十一の自治体のうち新潟市や名古屋市など約五%に上る九十自治体が公的に助成し、うち二十八自治体は全額を補助しておりました。さらに、助成を予定している団体が八十三団体、検討中も二百三十八団体に上りましたが、本区は来年度の予算案にもこの助成費を入れていないと承知をしています。
都内では足立区が二〇一二年度に制度を整えており、同区の担当者は、病で効果がなくなることを自己責任にはできないと説明をしております。このほか、台東区は一月から助成をしており、文京区も二〇一九年度当初予算案に関連費を盛り込んだと報じられております。
予防接種法に基づくBCGなどの定期予防接種は公費負担で無料ですが、こうした再接種は全額が対象外となります。患者家族でつくる公益財団法人がんの子どもを守る会によると、全て自己負担すれば二十万円ほどが必要になるといいます。御家族にとってはがんの治療費に次ぐ大変重い負担になり得ます。本区でも小児がん治療後の再接種に助成を図るよう求めますが、いかがでしょうか、区の見解を問います。
次に、「せたがやそだち」はふるさと納税の魅力的な返礼品になるのではという観点から伺います。
豪華な返礼品競争が話題となり、当区からは多額の税の流出が続くふるさと納税ですが、最近ではアマゾンのギフト券をプレゼントする自治体までもがあらわれ、国は返礼品を地場産品に限定する法改正に着手しております。
一方、これまでふるさと納税に反対してきた都内自治体にも、この間、スタンスの変化が生じているとしてたびたび報じられてきたのが、当区のテーマ型ふるさと納税の取り組みです。その代表例である宮坂区民センター前の旧玉電車両の補修整備等事業については、私も地元の議員として早期の補修を求めてきた立場から、こうしたアイデアもあったのかと感心したところです。
私自身、ふるさと納税は、応益負担に反するもので、見直すべきであるという立場です。しかし、現にふるさと納税が存続する以上、税を流出させるだけではない具体的な対処が必要で、華美な返礼品は用意しないとの区のスタンスには賛成するにしても、寄附者にとってうれしい返礼品の設定も、決して手を抜くべきではない重要な領域だと考えます。
こうした観点から、世田谷区の返礼品を見ますと、焼き菓子セット、食料品セット、日用品セット、雑貨セットと、ほとんど他の自治体と違いのわからない加工品ばかりが並び、改善の余地を強く感じます。
そこで提案したいのが、都心区ではまねのできない一次産品の提供、とれたて新鮮な地場野菜、「せたがやそだち」の活用です。
私の住む豪徳寺駅の周辺では、北側に伸びる山下商店街からも、南に延びる豪徳寺商店街からも長らく八百屋が姿を消しました。ところが、昨年、世田谷産朝どれ産直野菜の提供を特色とする若手起業家が青果店を出店、大変盛況で店舗数をふやし続けています。
世田谷区の強みの一つは、都心の近くでありながら、飛び切り新鮮な野菜がとれること。区内の農業が多品種・少量生産であることは流通にとっては不利ですが、裏を返せば希少価値でもあり、魅力ともなり得ます。季節ごとに送られる朝どれ野菜のパッケージなどを設定すれば、区内の消費者はもちろん、都心部の人たちにとってもリピートしたくなるパッケージになり得る可能性があると考えますが、いかがでしょう、区の見解を問います。
最後に、障害者手帳取得のための診断料助成事業の対象を区外医療機関の診断にも広げるよう求めます。
都内では三区、七市しかない障害者手帳取得のための診断料助成事業を当区が持つことは、障害者福祉の入り口のハードルを取り除くものとして重要で、高く評価できるコンセプトです。しかし、区がその助成対象を区内医師会所属の指定医で診断を受けた場合に限っているのは大問題です。
平成二十九年度に診断書を添えて身体障害者手帳を取得した件数は、本区で千百八十五件、このうち、区内医師会の指定医で診断書を得た方はたったの六十九件、五・八%にすぎません。つまり、新たに手帳を取得した区民の圧倒的多数、何と九割以上が支援の対象外、全く実態に即していない制度設計です。
武蔵野市、三鷹市、国分寺市、府中市にも同種の助成事業はありますが、市外を含めて全ての医療機関が助成の対象です。このため、助成を得られた割合は、二十八年度、府中市で九三%、国分寺市で八三%、武蔵野市で七九%、三鷹市で七三%と大変高率です。当区でも障害のある区民がよりひとしく支援を得られるスキームに変えるべきと考えますが、いかがでしょうか、区の見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎松本
障害福祉担当部長 私からは、障害者施策に関する御質問にお答えをいたします。
まず、視覚障害のある大学生の移動支援について、これまで改善しなかった理由、早急な改善について、一括してお答えをいたします。
区では、平成二十八年八月に発生した地下鉄での視覚障害者の転落死事故を受け、平成二十九年四月より、視覚障害の方が転入して間もない場合や、転職等により通勤場所が変わる場合など、通勤になれるまでの間、三カ月程度でございますが、移動支援サービスを利用できるようにいたしました。
平成二十九年度は二名の利用がございましたが、今年度はこれまでのところ、お申し出はございません。このサービスを大学生にまで拡大すべきとの御指摘をいただいておりましたが、この間、重度障害者の通学を含む就学支援の事例において、大学との役割分担等の協議をしていたことから、視覚に障害がある大学生の移動支援について具体的な整理がおくれておりました。この点はおわび申し上げます。
大学生の通学時の安全確保は一義的には御本人及び保護者が対応することでございますが、視覚障害者という点に鑑みれば、交通混雑が激しい都内での移動環境になれるまでの支援は通勤通学とも同様なものと捉えております。早急に関係各課で対象とする範囲等の確認を行い、間もなく新入生が転入する時期となりますので、区内大学等への周知の点も含めまして、時期を失することのないよう速やかに対応してまいります。
続きまして、身体障害者手帳等の取得に伴う診断書料の助成についてでございます。
身体障害者手帳は、身体障害者福祉法に基づき、都道府県知事による審査、発行が行われており、申請に当たっては、指定医の診断書が必要となっております。区内での診断書発行ですが、総合福祉センターでは、平成三年から身体障害者手帳相談事業を実施したことに伴い、無料での発行を開始し、同時に、障害の状態や交通不便等により総合福祉センターを御利用いただけない方のために、身近な地域で診断書を取得できるよう、医師会への委託も開始いたしました。
平成二十九年度に診断書を添えて身体障害者手帳取得等の申請があった千百八十五件のうち、総合福祉センターでの診断書発行は三十四件、医師会委託による取得は六十九件となっており、区外の医療機関等で取得される方のほうが多くおられました。
診断書料の助成を区外の医療機関等へ拡大するには、対象者の大幅な増加や、精神障害者保健福祉手帳取得時にも診断書の添付が必要となっているなど、財政負担及び対象者間やサービス間の整合などの課題がございます。障害者手帳の取得はサービス利用の入り口となるものでございますので、経済的な理由により診断書の取得が手帳取得のハードルとならないよう支援していく必要があるものと考えております。
区内での申請状況の分析や他自治体での取り組みも把握しまして、障害者手帳の審査、発行を行う東京都とも意見交換をしながら、支援のあり方を検討してまいります。
以上でございます。
◎辻
世田谷保健所長 私からは、がん治療でワクチン抗体を失った子の再接種に公費助成をとの御質問にお答えいたします。
予防接種法では、ワクチンの種類ごとに接種する対象年齢を定めております。また、長期にわたり療養を必要とする疾病により予防接種を受けられなかった方に対しては、療養の必要がなくなった日などから二年間、接種機会を設けております。しかし、小児がん治療のために骨髄移植などを受けたことで過去のワクチンの効果が失われた場合は定期接種の対象外であり、再接種をする場合は、御家族にとって御負担いただく費用が大きいことや副反応の出現等について、より一層の配慮が必要であることを認識しております。
再接種に係る支援につきまして、昨年十月の厚生科学審議会の部会においても、再接種の費用助成の必要性に加え、再接種による健康被害への救済を充実させるため、区市町村の任意接種ではなく、定期接種に加えるべきという前向きな意見がございました。
区といたしましては、御提案にありました再接種に伴う経済的御負担の軽減とともに、対象となるお子さんにとって、より有効で安全な再接種が可能となる仕組みづくりにつきましても、区内医療機関とも連携を図りながら検討してまいります。
以上です。
◎岩本
政策経営部長 私からは、ふるさと納税における「せたがやそだち」の活用について御答弁申し上げます。
区では、ふるさと納税に関して、いわゆる返礼品競争に加わることなく、世田谷区の取り組みを応援していただくことを重視しております。そのため、ふるさと納税を行っていただいた方々への記念品として、障害者施設の自主生産品や「世田谷みやげ」、また、体験型記念品としてたまがわ花火大会の有料観覧席や世田谷246ハーフマラソンの出走権等を活用しております。
記念品が区の取り組みや魅力をお伝えする一助となるには世田谷らしい品をそろえることが必要であり、御提案いただきました区内農産物「せたがやそだち」は、農のある風景を特徴とする世田谷区を、より多くの方に認識していただける魅力的な素材になるものと考えております。
一方で、区内農業は少量多品種による生産が特徴であることから、市場出荷用は少なく、直売所販売が主流となっていることなどから、記念品として一定数量確保することが難しく、保管や発送体制の整備等、の整理を要する課題もあります。
記念品、体験型記念品は、世田谷区の魅力や特徴の理解につながるものであることが肝要ですので、世田谷ならではの記念品について、関係所管等と十分に調整し、その実現の可能性について検討を進めてまいります。
以上でございます。
◆七番(上川あや 議員) 視覚障害者の通学時の移動支援について再質問いたします。
これまで改善がなされなかった理由について、部長は大学との役割分担を協議していたからと説明をしましたが、納得ができません。答弁から二年間、二年間の放置です。どの大学を対象に、いつから協議を始め、いつまで協議をしていたのでしょうか、御説明を求めます。
私は、担当課長ともお話をしていて、実態は単なる担当課の失念であったのだろうと受けとめておりました。私から先週、質問通告でもなければ、この春も改善する予定など全くなかったのではないですか、確認いたします。
◎松本
障害福祉担当部長 二点の再質問を頂戴いたしました。
まず、一点目でございますが、どの大学を対象に、いつから協議を始めて、いつまでだったのかということでございますが、これは平成の、昨年の六月から八月の間ですが、町田市にございます私立大学の学生を対象に協議を行っておりました。その前年から国が大学生の移動支援を含めた修学支援事業ということの創設を検討していたということもございまして、そういった国の動きを踏まえた上で、昨年の四月に制度が創設されたものですから、それを受けまして協議を行いまして、昨年十一月からその支援を開始しております。
それから、検討を失念していたのではないかという御指摘でございます。所管部としましては、課題認識を持ってはおりましたものの、ただいま申し上げましたような事情もございまして、その検討を優先させたというような背景がございます。失念ということではございませんが、速やかな対応を図らなかったという点については重ねておわびを申し上げたいと存じます。
以上でございます。
◆七番(上川あや 議員) この事業は命にかかわる事業なんですよね。この議会での答弁というのは区民に対するお約束でもありますので、本当に口約束だけでは困ります。しっかり実行するように改めて求めまして、私の質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で上川あや議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、三十四番たかじょう訓子議員。
〔三十四番たかじょう訓子議員登壇〕(拍手)
◆三十四番(たかじょう訓子 議員) 質問通告に従い、順次質問いたします。
まず、都営烏山アパートの建てかえで生じる余剰地への高齢者施設の整備を求め伺います。
この間、地域の高齢者より、特養ホーム入所により家族や地域のコミュニティーからも隔絶される、そんな老後ではなく、住みなれた地域で老後を過ごしたい、こういった声を伺ってきました。
区は、公有地も積極的に活用しながら、千人分の特養ホーム増設に取り組んでいます。さらなる高い目標を目指すことを求めた我が党の代表質問に対し、区長は必要に応じて整備目標の見直しを図っていくと答弁しました。
特養ホームの待機者は約千八百人、ここ数年、高どまりの状況です。不足している介護職確保に積極的に取り組みながら、特養ホームなどのさらなる増設を求めます。
烏山地域では、都営烏山アパート、八幡山三丁目アパートの建てかえ計画が進んでいます。地域の住民の皆さんが建てかえ計画で生じる余剰地の活用について、高齢者施設の整備等を求め、東京都や区に対し働きかけを行ってきました。
都営烏山アパートの建てかえで生じる余剰地の活用についての進捗状況を伺います。
この地域はJKK烏山北住宅など、高齢者のみの世帯が多い地域です。地域からの要望が高い高齢者施設を含む福祉施設の整備を強く求めます。区の見解を伺います。
次に、子どもの生活実態調査について伺います。
昨年七、八月に子どもの生活実態調査が行われ、二月の常任委員会で調査結果の速報が示されました。生活困難層が一万二千人、全体の一割という衝撃的な結果です。
私はこの間、実効ある子どもの貧困対策を進めるため、実態調査の実施を求めてきました。隠れている問題を可視化することができたという点で、子どもの生活実態調査を実施した意味は大きいと実感しております。
調査結果では、利用の意向がありながら、生活困窮層ほど子育て支援につながっていないことが明らかになったことは看過できません。支援につながりにくいそれぞれの実態や背景に何があるのかを分析し、対応する必要があります。ここを打開しなければ、幾ら支援メニューが並んでも実効ある対策にはならないと考え、以下二点伺います。
一点目は、支援が必要な方、生活困窮者に支援をつなげることです。
私は、子ども食堂で知り合った小学校低学年の子どもを育てるシングルマザーに支援を利用した感想をお聞きしました。ひとり親家庭にホームヘルパーを派遣する事業では、買い物などの金銭の受け渡しがあるような仕事は頼めない。アパートに他人が入ることも違和感がある。ショートステイという短期間子どもを預けることができるサービスは、連休中や週末などは予約もとりづらく、一泊六千円の利用料は負担が重いとのことでした。
また、夫を亡くし、二人の子どものシングルマザーとなった方は、就学援助の申請や子ども家庭支援センターに相談することが多忙のためできなかったと語っていました。生活が困窮しても、生活保護受給に対しては抵抗があると、申請はしなかったとのことでした。支援を知っても利用しにくい、こういった現状があり、みずから支援を退ける場合もあるのではないかと考えられます。
区は、子育て支援が生活困窮層ほど利用につながらない理由についてどのように認識しているのか伺います。
二点目は、支援の見直しについてです。
今年度開始したひとり親への住宅費助成は、ひとり親を受け入れる住宅として登録していただいた大家さんに、入居した場合に月四万円が家賃補助として支払われる制度で、国の制度を活用したものです。入居要件は、対象者が約十五万円の収入のひとり親家庭です。
子どもの生活実態調査結果では、賃貸住宅に居住する生活困窮層の世帯は、都が実施した同様の調査結果に比べ二倍という結果でした。この結果からも、世田谷区がひとり親への住宅費助成に踏み出したことは実態と整合しています。しかし、実際、登録住宅は二件、入居は一件です。不動産事業者への礼金はなく、メリットがない。また、四万円の補助があるとはいえ、約十五万円の収入に見合った部屋は、世田谷区ではワンルーム程度の部屋に限定されてしまい、子どもが成長した場合に住み続けることが困難であることなども課題です。
支援が必要な方に利用されるよう、制度の見直しや対策が必要です。見解を伺います。
最後に、教員の多忙化解消について伺います。
私は、教育の充実のため、今やるべきことは、教員が一人一人の子どもと向き合い、よりよい授業を行うため、十分な授業の準備や教材研究を行う時間をつくることだと考えます。教員の多忙化解消が鍵です。
そのために、この間、業務や課題を減らし、教員をふやすこと、少人数学級を進めること、教科「日本語」を廃止すること、世田谷独自の学力テストを廃止することなどを提案してきました。そして、実現のため、現場の教員の声をまず聞くことが大事だということも提案してきました。
ユネスコ学習宣言では、基本的権利としての学習権を定義しており、特徴の一つは、学習権とは何かを明示していることです。宣言は、学習権とは、読み書きの権利であり、問い続け、深く考える権利であり、想像し、創造する権利であり、自分自身の世界を読み取り、歴史をつづる権利であり、あらゆる教育の手だてを得る権利であり、個人的・集団的力量を発達させる権利であるとしています。特徴の二つは、学習権を全ての人間の基本的権利と規定していることです。
政府の教育政策は、子どもの基本的権利としての学習権保障よりも、経済政策に沿った人づくりを重視し、世界にも例を見ない競争教育を強めるなど、我が国の教育をゆがめてきました。宣言はこうした方向を否定し、学習活動は基本的権利として保障されるべきであり、学習による個々人の発達が社会を形成し、歴史を切り開く力であることを明記しています。
子どもの学習権を保障するためには、ユネスコ、教員の地位に関する勧告にあるように、教員の役割を果たすことができる環境を世田谷がつくることです。教員の多忙化解消に本気で取り組むべきです。
区長が目指す教育の充実とはどんなものか、今の世田谷区の学校の実態、教員の多忙化が起こる原因をどう見るのか、多忙化で心の病になる教員が後を絶たない中、どうやって教育の充実に取り組むのか、区長の認識を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔
保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 たかじょう議員にお答えをいたします。
教員の多忙化解消についての見解、認識をお尋ねいただきました。
教員の多忙化につきましては、学校がかかわる問題の複雑化、多様化によって、その求められている役割が拡大するとともに、新たな教育内容や教育課題への対応がその要因として考えられます。したがって、同時に、今ある既存のプログラムの整理や統合、廃止も課題だと考えています。
教育委員会において、第二次世田谷区教育ビジョンのリーディング事業の一つに教員が子どもとかかわる時間の拡充を掲げており、区全体としても情報化や国際化に伴うICT支援員、ALT、個に応じたきめ細かな支援を行う支援要員、小一サポーター、さらに部活動支援員など、教員以外の多くのスタッフの配置や拡充に努力をしているところであります。
さらに今後、教育総合センターの機能の充実による教員の人材育成や、学校支援に向けた総合的なサポート体制を整え、世田谷区の質の高い教育のために、教員の働き方について改善を図ってまいります。基本は、教員が子どものための授業の準備や教材研究をしっかりとすることができる教育環境を整えることが、区及び教育委員会の責務だろうと考えています。
◎渡辺
都市整備政策部長 私からは、都営烏山アパート建てかえで生まれる創出用地の活用について、その進捗状況に御答弁申し上げます。
都営烏山アパートの建てかえ事業におきましては、東京都が行う公共住宅建設に関連する地域開発要綱に基づきまして、平成二十九年六月に東京都に対しまして区の要望を伝えてきております。その中で、建てかえに伴い生じる創出用地、公共・公益ゾーンにおきましては、子育て支援施設や、高齢者、障害者の福祉施設の整備について、別途協議を区として要望してございます。この要望に対しまして、平成三十年三月に、東京都からは別途協議する旨の回答を得ております。
今後の東京都との協議につきましては、工事等建てかえ事業の進捗状況に合わせまして協定締結に向けて調整を進めてまいります。
以上です。
◎板谷
保健福祉部長 私からは、都営烏山アパート建てかえに伴う余剰地の福祉施設の整備についてお答えをいたします。
区ではこれまでも、都営住宅の建てかえに伴う創出用地を活用し、東京都福祉保健局の都有地活用による地域の福祉のインフラ整備事業による福祉施設整備を進めてまいりました。
実績といたしましては、成城八丁目アパートや上北沢一丁目第二団地では、高齢者施設、障害者施設、認可保育園の整備、桜上水五丁目アパートでは、障害者施設、認可保育園の整備を行っております。
都営烏山アパートにおける東京都との協議状況につきましては、先ほど
都市整備政策部長が御答弁申し上げたとおりでございますが、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画や障害福祉計画、子ども計画の各計画や烏山地域の福祉ニーズ等を踏まえ、子育て支援施設や、高齢者、障害者の福祉施設の整備を要望し、別途協議するとの回答を得ているところでございます。
今後、区の各計画に基づく整備状況や烏山地域の需要等を踏まえながら、東京都に福祉施設整備への活用を要望していくとともに、創出用地の規模や地域性等も十分に考慮し整備する福祉施設の内容を検討してまいります。
以上です。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、子どもの生活実態調査について、二点お答えをいたします。
一点目でございます。子育て支援が生活困窮層ほど利用につながらない理由についてでございます。
区が今年度実施いたしました子どもの生活実態調査は、小学校五年生と中学校二年生の全ての子どもとその保護者を対象にしたアンケート調査と、子どもにかかわる機関の支援者を対象としたヒアリング調査の二つの方法で行いました。そのアンケート調査結果からは、生活が困窮するほど、支援サービスの利用意向はあっても利用しない傾向が強くなるという状況がわかってまいりました。
区はこの間、子ども計画に基づき、必要な施策の充実に努めてまいりましたが、利用意向はあっても支援につながらない理由につきましては、アンケート調査の回答やヒアリング調査での支援者の声を踏まえますと、例えば情報が届いておらず、支援サービスそのものを知らなかったり、事業の実施時間や費用が利用意向と合わなかったり、手続自体が負担で申請しなかったりなど、さまざまな要因が挙げられております。また、多忙により日々の生活に追われていることから、そもそも保護者自身が支援の必要性を認識できていないことなどにより、必要な支援につながらない場合もあると考えております。
二点目でございます。支援が必要な方に利用される工夫や対策についてでございます。
先ほども申し上げましたように、子どもの生活実態調査からわかりました結果といたしまして、ひとり親世帯や生活が困窮している世帯ほど、ニーズがありながらも支援につながりにくい傾向というのがございます。区といたしましては、これまでもメールマガジンやリーフレットの配布、子育て応援アプリ等を活用した周知の充実に努めてまいりましたが、こうした現状をしっかりと認識した上で、支援サービスの周知方法や利用方法のさらなる工夫のみならず、その内容についても改めて検討する必要があると考えており、可能な部分から順次取り組んでまいります。
また、二〇二〇年度からの子ども計画(第二期)後期計画の策定に向け、支援が必要な方が必要なサービスをきちんと利用できるよう、つなげる仕組みの検討もしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆三十四番(たかじょう訓子 議員) この間、子どもの生活実態調査の速報を拝見させていただく中で、虫歯があるかどうかという設問のところで、生活困窮層よりも周辺の層の方が、よりその回答が多かったということがありました。私自身もこの問題については、やはり貧困から抜け出そうとする、自立していきたいという、そういった家庭のお母さんが、またダブルワークなどもしながら時間がなくなってしまう、そういった状況が浮かび上がってくるような、そんな感じがいたしました。
私は、この子どもの生活実態調査、これをもとに、また、ぜひ子どもの貧困対策を進めていただきたいというふうに思っています。
その中で今、庁内にあります子どもの貧困対策推進連絡会があると聞いております。こういった中で、例えば、今お話しした住宅の問題、これは都市整備分野で、福祉の問題は福祉でやっておりますけれども、ぜひ共通の認識として、問題など、課題などを検討していただきたいというふうに要望いたします。
以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上でたかじょう訓子議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、十三番田中みち子議員。
〔十三番田中みち子議員登壇〕(拍手)
◆十三番(田中みち子 議員) 質問通告に従い、順次質問いたします。
まず、女性の就労と子育て支援についてです。
昨年は、政治分野における男女共同参画推進法が成立し、女性の政治参画が進むことが期待される一方で、事務次官や自治体の首長らによるセクシャルハラスメント、医学部入試における女性差別問題など、日本の男女平等のおくれを露呈させるような事態が次々に起こりました。一人一人の人権が尊重され、ジェンダー主流化に向けた取り組みが求められます。
女性の就労については、専業主婦世帯と共働き世帯が逆転し、働く女性が大幅にふえるものの、その中身については非正規雇用が正規雇用の数を上回り、賃金は正規雇用だけで比較しても、女性は男性の七五%にとどまり、非正規雇用を入れると大きな賃金格差となっています。
さらに、二〇一八年の男女共同参画白書の調査結果では、六歳未満の子どもを持つ家庭における家事、育児の時間は、妻が一日七時間に対して、夫はわずか一時間です。
昨年、東京・生活者ネットワークが行った東京に住む女性約百人への聞き取り調査からも、男性は仕事、女性は家庭といった固定的性的役割分担意識が、男性だけでなく女性にも多くあることがわかりました。男女雇用機会均等法や女性活躍推進法、育児・介護休業法など法制度が整備されるものの、働き方改革なくして生活時間は取り戻せず、現実とのギャップを解消する必要があります。
そんな中、身近な地域で働きながら子育てができるコ・ワーキング・スペースについては、これまで関心を持ってきました。この一月にようやくオープンした子ワーキングスペースチャチャチャ、この利用状況や今後の展望について伺います。
世田谷の場合は、一旦仕事をやめて子育てに専念される方も多くいらっしゃいます。復職を希望しても、子育てと両立できる仕事がないといった声も聞いている一方で、企業からは、ポテンシャルの高い方が住むエリアであり、仕事を任せたい方が多くいるとも聞いています。
企業の人材確保が課題となる中で、区としてもそれぞれのニーズにマッチした対策を立てる必要があります。これまでの就職が中心の支援から、今後は時間や職場の制約がない仕事の切り出しを行うなど、多様な働き方を後押しする環境を整えることが求められます。見解を伺います。
また、女性全体の賃金アップや休暇取得を含めたワーク・ライフ・バランスの実現が進まない中、特にシングルマザーについては仕事をしないという選択肢がありません。シングルマザーへの聞き取り調査からも、子どもにとっての時間を優先すると、仕事選びの段階から非正規を選ばざるを得ない状況が見えてきました。みずからの能力を発揮し、子育てを続けながら安心して働ける環境を整えることが求められます。子育て問題が集約されるシングルマザーの対策を進めるべきです。見解を伺います。
次に、児童虐待防止に向けての質問です。
厚労省が毎年発表する、全国の児童相談所が対応した平成二十九年度の児童虐待相談件数は十三万件を超え、統計をとり始めた平成二年以降、過去最多を更新し続けています。
また、平成二十八年度中に虐待で死亡した子どもは、心中以外の虐待死が四十九人、心中による虐待死二十八人、合わせて七十七人、また、居住実態が把握できない児童が二十八人もいることが明らかになるなど、命の危険がある子どもたちの安全確保を早急に、確実に行うことが求められます。
特に虐待相談で一番多いのが、子どもの前で父親が母親に対して暴力を振るうなどの面前DVや、暴言を浴びせるといった心理的虐待であり、千葉県野田市の小学四年生の女子児童が父親から虐待され死亡するという痛ましい事件は、身体的虐待に加え、この心理的虐待にも該当します。さらに、今回の事件では、この父親の恫喝、おどしなど、威圧的な態度に職員が恐怖を感じ、強い要求に屈してしまっています。児童みずから勇気を出して学校にも助けを求めたにもかかわらず、その命を守ることができなかったことは残念でなりません。児童相談のあらゆる場面で子どもの権利が保障され、その最善の利益が優先される体制を整えることが重要です。
子どもを守るための児童相談所の機能として、適切なアセスメントに基づき、強力な法的権限を行使し、機を逸することなく、子どもの一時保護を行うなど、家庭へ介入していく一方で、頻発する虐待死の多くは、一時保護から帰宅後に起こる、こういった現状を指摘しておく必要があると考えます。
虐待は繰り返すと言われており、虐待をする親は自分も虐待を受けて育つという虐待の連鎖も課題です。こうした負の連鎖を断ち切るためには、親に対する更生プログラムや、地域を巻き込みながら家庭を支援する体制づくりも、児童相談所の重要な役割の一つではないでしょうか。
児童相談所の本来の目的である、問題を抱える家庭の課題を取り除き、家族再統合の機能をどう果たしていくのか、要保護児童支援協議会にとどまらず、子育て支援に取り組む市民団体など地域資源とも広く連携し、世田谷にふさわしいネットワークをどうつくっていくのか、その手腕が問われます。区長に見解を伺います。
これまでも児童相談所の職員不足については指摘していますが、児童福祉司一人が対応する相談内容も複雑化、多様化し、困難なケースを抱え、燃え尽き症候群になってしまう職員が多いことも問題です。職員が疲弊し適切な判断ができないことがないよう、職員の適正配置はもとより、相談行政にかかわる職員一人一人が子どもの最善の利益を保障すべく行動できる体制づくりが重要です。
そのためには人材育成も重要であり、効果的な職員研修の充実と質の向上が不可欠と考えます。区の見解を伺います。
さて、ことしは、子どもの権利条約を日本が批准して、二十五周年の節目の年に当たります。私はこれまで、虐待にとどまらず、いじめ、不登校、ひきこもり、性暴力、性的搾取、愛着障害など、子どもの権利侵害の問題を取り上げてきました。国連から是正するよう何度も勧告されているにもかかわらず、遅々として進まない日本の現状を変えていく必要があります。そんな中、世田谷区では、子どもの権利擁護機関「せたホッと」が開設され、第三者機関ができたことを評価していました。
今後、児童相談所と子ども権利擁護事業との連携も重要になってきます。どのように進めていくのか、区の見解を伺います。
そして、世田谷区は、今申し上げた子どもの権利条約にある子どもの生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利を理念に掲げ、平成十三年に世田谷区子ども条例を策定しています。子どもへの周知にとどまらず、条例が効果的に運用されていくことこそ大切であり、子どもを取り巻く全ての大人たちに対しても意識啓発や周知が必要です。
子どもの権利条約批准の記念の年でもある二〇一九年をチャンスと捉え、広く周知することを求めます。見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔
保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 田中議員にお答えします。
児童相談所を支えていく地域ネットワーク、そして、家族再統合への道についてお尋ねをいただきました。
区ではこれまで、子どもを守るネットワークとして要保護児童支援協議会をDV防止ネットワーク代表者会議と共同で開催いたしまして、子どもにかかわる幅広い団体が参加し、情報共有や支援のための協議を行ってきております。
今後、児童虐待への的確な対応や未然防止の徹底を図る一方、これにとどまらず、課題を抱えている家族を、家庭を再び子どもが安心して過ごせる場所とするために、児童館、青少年交流センター、メルクマールせたがやなど、さまざまな機関のネットワークを強化し、地区の子ども相談機能や居場所を充実させて、地域の皆さんとともに身近な地区での見守りができるネットワークづくりを進めていきたいと考えています。
地域の民生児童委員、青少年委員、あるいはPTAなどとの連携も必要だと思いますし、幼稚園、保育園、こども園、学校などの、それぞれの子どもを育成する機関とのしっかりしたネットワークも築いていく必要がございます。個人情報の守秘義務の問題、各団体の持つ機能を踏まえた役割分担などについて仕組みづくりをしていく必要があります。
今後、関係団体と十分に意見交換を重ね、それぞれの役割を明確にしていく中で、児童相談所と地域、子ども家庭支援センターが一連となった、切れ目のない児童相談体制の構築を目指してまいります。
世田谷区において、まさに区が児童相談所を持つということの強みとしては、面としての子どもの情報、いわば子どもの暮らし全体に近いところでチェックが行われ、また、緊急介入の必要なタイミングを判断するという意味での基盤ができ上がること。また、お話しのように、それでは、一旦保護したお子さんを、もう一度保護者が変わることによって、つまり暴力等を用いないということにおいて、親子、家庭が再統合されていく、ここが非常に重要なわけで、このプログラム開発におきましては、地域資源をしっかり生かすということが肝要だろうと思っております。
また、社会的養護全体の仕組みづくりが、まだまだ昭和二十年代の仕組みを引きずってきておりますので、保護され、そして社会的養護の仕組みの中で育成されていくお子さんが十八歳になってまだまだフェアなスタートができない、ここも含めて社会的養護全体の刷新を図っていく世田谷の取り組みというのをつくっていきたいと考えています。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、四点お答えをいたします。
一点目でございます。子どもの最善の利益を保障する体制づくりは、職員研修の充実と質の向上が不可欠であることで、区の見解はという御質問にお答えいたします。
児童相談所は、法で定められた権限と役割に基づき、支援が必要な児童、保護者に対する適切なアセスメントの実施や、保護者との対話を重視したきめ細やかな支援、緊急時の迅速かつ的確な判断を組織として行っていく必要がございます。こうした組織運営は、それを支える職員の専門性とチームワークづくりが非常に重要であると考えておりまして、児童相談所設置・運営計画―第三次更新計画―においてお示ししました人材育成計画に基づき、相談業務に携わる職員に求められる能力、資質を備えた人材の確保育成が急務であると認識しております。
また、こうした人材育成を
児童相談所開設後もたゆまず続けていくためには、研修の内容を常に最新の知見に基づくものとする必要があり、こうした研究チームも所内の役割分担で設けるなどの工夫をし、研修も関係部署の全ての職員が受けられるよう取り組んでまいります。
このように、児童の安全を最優先に確保するために、従事する職員の質の向上を図り、適切な運営体制を構築してまいります。
二点目でございます。「せたホッと」と児童相談所の今後の連携についてお答えいたします。
子どもの人権擁護機関「せたホッと」では、子どもの権利侵害に関する相談に対し助言や支援を行うとともに、必要に応じて調査、調整を行い、関係機関等に対し問題解決に向けた協力、改善を求めております。
「せたホッと」が子どもからの相談を受け、必要な調査や改善に向けた対応を行うに当たりましては、児童相談所との協力連携が必要な事例もあることから、あらかじめ区の
児童相談所開設の準備段階より、両機関による十分な意見交換等を行っていく必要がございます。また、子どもの最善の利益が守られた児童相談行政の実現を目指します上では、措置された子どもや一時保護された子どもの権利擁護の観点から、当事者である子どもからの意見聴取や意見を酌み取る方策、子どもの権利を代弁する方策を組み立てることが不可欠であると考えております。
「せたホッと」が公正中立で独立性と専門性のある機関として、子どもの権利侵害に関する相談への助言や、支援を行ってきた経験や知見を十分に活用して、子どもの権利擁護のための第三者機関としての機能を果たすとともに、
児童相談所開設後の連携方法についても検討を進めてまいります。
三点目の御質問でございます。子どもの権利条約の内容について、区として広く周知すべきという御質問に対してお答えいたします。
子どもの権利条約は、子どもを権利の主体と位置づけ、子どもの生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利を保障するなど、その精神は区における子ども・子育て支援施策の展開に当たりまして基本とすべき重要なものでございます。
区では、こうした理念を前文に置きました世田谷区子ども条例を平成十三年十二月に策定し、この間、この条例を基本として、さまざまな子ども・子育て支援施策の充実を図るとともに、子ども条例に掲げる内容等についても機会を捉え、周知を図ってまいりました。
例えば、小学校高学年、中学生向けには「みんなでいっしょに考えよう!」と題した、子ども条例に関するパンフレットを作成しており、この中では、御指摘がございました子どもの権利条約の内容なども含めましてわかりやすく解説をしているほか、あわせて保護者向けのリーフレットなども作成し、配付をしてきております。
現在、子ども計画(第二期)後期計画の策定に向けた検討を進めておりますが、御指摘の点も踏まえまして、今後、次期計画策定に係る情報発信の機会等も捉えながら、子どもの権利等に関して広く周知に努めてまいります。
最後の御質問でございます。シングルマザーへの対策を進めるべきという御質問にお答えいたします。
区では、子ども計画の策定に合わせ、五年ごとにひとり親家庭へのアンケート調査を実施し、現状を把握して、自立への支援を総合的に推進しているところでございます。特に経済的自立を支援するため、ハローワークと連携した自立支援プログラムの作成や、就業に有利な資格を取得するための高等職業訓練給付金等の給付、就労支援講座としてパソコンスキルの向上を目指す取り組みや、養育費相談会などを実施しております。また、子どもの自立に向けた支援としましては、学習支援事業、かるがもスタディルームを区内五カ所で実施しております。
子どもの相対的貧困率が高いと言われておりますシングルマザーの支援につきましては、就業、または就業のための資格やスキルの習得と子育てとの両立ができ、自立した生活を営んでいただけますよう、引き続き多面的な支援の展開を図ってまいります。
以上でございます。
◎久末 経済産業部長 私からは、女性の働き方と子育て支援について、二点お答えいたします。
初めに、コ・ワーキング・スペースの今後の展望についてです。
平成二十九年度に実施した世田谷区働き方改革の推進と子育て・介護と仕事の両立に向けた調査によりますと、子どもが小さいときは子どもと過ごす時間を多くするなど、子育てと仕事のバランスは人によってさまざまであるため、柔軟な働き方ができる環境の選択肢をふやしていく必要があります。
そのため、区では平成三十年度新規事業として、子どもの近くで働くことができるワークスペース補助事業のひろば型を昨年九月より実施しております。さらに、経済産業部では、一月末に子ワーキングスペースチャチャチャを三茶おしごとカフェに開設し、早速、近隣の一時保育施設利用の方数名が御利用されました。
今回の事業の中で、保育施設に子どもを預けてフルタイムで働く働き方以外の新しい働き方の検証を行ってまいります。利用者のアンケートで、このスペースができて、出産後も継続して仕事ができるようになったか、あるいは仕事の幅が広がったか等、どのような変化があったかについて、利用状況について保育事業者等との連絡会にて検証を行ってまいります。これら検証の結果を踏まえ、子育てしながら働きやすい環境づくりを進めてまいります。
二点目でございます。子育て・介護と仕事の両立に関する多様な働き方の環境づくりについて御答弁いたします。
子育てや介護をしながら働くためには、公的な施策はもとより、企業側にもライフスタイルに合わせた時短勤務やテレワークなど、多様な就業形態を実現することが求められます。平成二十九年度に区が実施した調査において、テレワークの例で見ると、区内企業の従業員のうち、テレワーク制度を利用したいが、事業所でテレワーク制度を導入していないため利用していないと答えた方が、子育て中の方で七五%、介護をしている方で七二%おり、働く人と企業のミスマッチが生じています。
そのため、来年度予算案に(仮称)区内中小企業の職場環境整備支援事業を計上いたしました。これは、区内中小企業三社をモデルに、業務内容の整理、洗い出しを行い、切り出しも視野にテレワークを進めていく事業であり、こうした取り組みにより、働く時間や場所等に制約のある方の雇用のマッチングにつながる可能性が期待されます。
ワークスペース事業とあわせ、子育てや介護等で働く方がやめずに働き続けられる環境と、多様な働き方を後押しする環境の整備を促進してまいります。
以上でございます。
◆十三番(田中みち子 議員) 今回質問しました児童虐待防止に向けて、そして子どもの権利条約の内容についてもっと周知してほしいということで、答弁いただいたんですけれども、その中で、小学校高学年、中学生にパンフレットをつくって配付している、そして保護者向けのリーフレットもやっていますよというような答弁でした。
しかしながら、この世田谷区子ども条例、平成十三年にできているのに全然知らないなということで、今回、生徒手帳に書いていくことが有効なんじゃないでしょうかということで再質問を申し上げておりましたが、昨日、代表質問のほうで既にこのことについては答弁がありました。ぜひ前向きに取り組んでいただきたいということを改めて要望いたしまして、続きは予算特別委員会で行います。
○三井みほこ 議長 以上で田中みち子議員の質問は終わりました。
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○三井みほこ 議長 次に、二番加藤たいき議員。
〔二番加藤たいき議員登壇〕(拍手)
◆二番(加藤たいき 議員) ICT教育について、昨年の予算質疑においてかなり長い質疑を行ってきました。その上で試行した総括を踏まえた上で、来年度実施になると思っていましたが、いまだ総括されず。しかしながら、予算計上の上に全校実施。試行した四校のうちの一つの北沢中学校に聞きに行き、また実際に利用しているところを拝見し、また、子どもたちにも直接話を聞いてきました。結論から申しますと、事業内容としては決して悪いものではないとのこと。BYOD、簡単に言うと、家からPC、タブレットを持ち込み、本来は会社等ですが、学校内で授業教材の一つとして使うということ、それを教育委員会が決めました。
BYODの利点は会社だと生かされますが、公教育というのには少し色が違います。我々が推し進めるのは教育の中の公教育であり、お金があるないにかかわらず、どの家庭も必ず同じ勉強ができる環境をつくること。このまま世田谷区の教育委員会の考える策を進めていくと、どちらの家庭にも格差がどんどん広がっていきます。習熟度という観点は差が生まれるのはしようがないと思いますが、同じテーブルの上、同じスタートラインが切れて、初めてその視点が加わるべきです。
私の懸念は、副校長からも話がありましたが、小規模校の北沢中学校であるがゆえにぎりぎり対応できているということです。しかし、問題は、タブレット、Wi―Fi環境も、世田谷区が負担する就学援助対象外の四人のお子さんがいたということで、タブレットを小規模校の北沢中でさえ、就学援助対象者外の家庭では買わないという選択肢が生まれてしまっています。分母が大きいほうがよいため、なぜ大規模校で試行しなかったのでしょうか。
次に、総括もない中で、来年度、全校進めることになったのはなぜでしょうか。
副校長からも話がありましたが、現場教員の仕事量がふえることをどう考えているのでしょうか。私の区内の母校でもBYODを使って授業をしているとのことですが、朝の時間に、教員の仕事がふえているようです。
また、就学援助対象者にぎりぎり入らない家庭、そもそも子どもにタブレット等を与える必要性を感じていない家庭、BYOD視点を加えることになるともっと顕著にあらわれます。授業で使うようになった場合には一人一台必要になってきます。みんな持っているのに買ってもらえない、行政で行う事業でしょうか。行政が家庭の中に入って買えということなのか伺います。
もし公教育として教育委員会が必要な事業だというのであれば、全員に同じようにサポートすべきです。BYODという指針を出したわけですが、全生徒が持ち込み使用するのが大前提になっています。これを推し進めるのであれば、これこそ公教育に対する教育委員会の認識の甘さではないでしょうか。
これが教育外であるならば話は別ですが、教育においては見なくてはいけないところは一万人の子どもで、一万の家庭ではありません。家庭と子どもを切り離して、それぞれの子どもたちが同じように教育が受けられる環境を構築すべきです。
教育と福祉的な面を同じように考えるのは、私は適当ではないと思っています。全員サポートすべきだと思います。見解を伺います。
次に、保育園の入園申し込みについて聞きます。
この季節になると、保育園に入れなかった親御さんからの相談が後を絶ちません。やはり本当に入れないと死活問題の家庭には入れるようにすべきだと思っていますし、拡充策を考えていくべきだとも思います。
一方で、保育園に落ちたいと思っている親がいるということも現実にあります。これをしっかりと行政として把握した上の対応策を講じるべきです。
国は育児・介護休業法を改正し、原則、子どもが一歳までの育休を、保育所へ入れなかったことなどの場合に延長できる期間が一歳半までから二歳までに拡大した結果、保育園に入園できない場合は、仕事をやめずに育休を延長することができます。
一方、さらに育休を延長したい保護者は、保育園に再度申し込み、内定を辞退するなど、辞退者をふやすきっかけにもなりました。会社に育休申請するに当たって、とりあえず申し込まないといけない、不承諾通知が欲しいというぜいたくな悩みもある、これもまた保活の一面です。世田谷区では幾つも保育園を申し込める状況で、一園しか申し込まない確信犯的な方も多くいると聞いています。その結果、昨年の四月には五百人以上の辞退者が出てしまっています。
さまざまな事情から内定を辞退されるとは思いますが、仮に育児休業の延長を理由に辞退した保護者がいた場合、その保護者が最初から入園選考にエントリーしていなければ、本当に保育園に入りたかった別の保護者が入園できていたことになります。また、辞退により認可保育園にあきが出れば、認証保育所等に内定していた保護者が認可保育園に入園してしまい、その結果、認証保育所等は、保育士を確保していたのに園児が入園せず、経営自体が悪化していくというスパイラルに陥ってしまうとも聞いています。
同じ特別区内の港、江戸川、江東、墨田、台東、練馬、文京は、受け付け時など選考前に育休延長の希望の有無を確認し、延長目的とわかれば選考対象から外す、保育の必要性を示す点数を下げるなどして、入所は決まらないようにして不承諾通知を発行するとしています。世田谷区でも導入すべきだと思います。地域ごとの待機児童数もわかり、区政の影響もあるはずです。見解を伺います。
次に、庁舎整備等について聞いていきます。
何度も質問してまいりました、決算質疑でもしましたが、この間、地域の方々に言われたり、問われたりしてきましたが、やはり保存されることに、皆さん反対しております。四年間の締めくくりとして、もう一度問い合わせていただきます。
区民会館保存案二十五億六千万円に対し、改築案三十一億七千万円と、イニシャルコストに限って言うと約八掛けと、保存案のほうが割安の数字です。この数字だけ見ると、保存案のほうが無駄な税金が使われることもなく、よいのではと思います。
しかしながら、どれぐらい区民会館がもつのかという議論も必要だと、これまで私も言ってきました。保存した場合、現在の区民会館は、過去の答弁でもあったように三十年間しかもたない想定であり、つまりは三十年後、今の議論を再びしなくてはいけないことは明白です。新しく建設した場合には、区が出している公共施設等総合管理計画に当てはめ、六十五年もつ想定。それを踏まえた上で単純計算させてもらうと、改築案は使用最低年数六十五年で割ると、一年当たり四千八百七十七万、保存案は使用最低年数三十年で割ると八千五百三十三万。
庁舎建設において、他会派からもコストについて疑義が出ておりましたが、コストについてだけ焦点を当てると、人口が減ると言われている未来の日本では財政状況の悪化が考えられます。だとしたら、今払っておく考え、次の世代にツケを残さない考え方も必要ではないでしょうか。
とはいえ、いつ起こるかわからない災害対策の面では、なるべく早く庁舎建設をしないといけないのも事実です。しかし、危機管理室は第一期工期にある上で、区民会館建設中に災害が起きた場合の物品は国士舘を使わせていただくことになっております。区役所自体は一時避難所となっており、長く避難所として使う場所ではありませんし、国士舘が避難所になっています。つまり、災害時、建設中であろうとなかろうと、庁舎よりも、区民は国士舘を使うということです。未来志向とするのであれば、区役所は全面建てかえをするべきだと思いますが、見解を伺います。
また、来年度設計に入るわけですが、この間、一年八カ月で物価高騰に伴い、十八億八千万円もの単価が上がっています。建設に入る時期に金額が上がっているか下がっているかわかりません。変動予測を見込んでいないとのことで、いざ建設に入った際の建設費用の上げ下げ対応はできるのでしょうか。区では使ったことがないスライド条項を含めて対応を伺います。
最後に、防災無線を使った特殊詐欺対策について聞きます。
第三回定例会から決算質疑を含め毎回質問してきました。区長は招集挨拶で減ったとおっしゃっていましたが、十二月でまたはね上がり、十二月は九月の四・二五倍、昨年の約五億五千万円から、先週出た速報値だと約七億二千万円と、被害額がやはり看過できない数字になっています。
二月七日には、生活安全課より各まちセンに防災無線を使った特殊詐欺対策の試行をする旨通達がありました。税金を使わない策として一定の評価はいたします。しかしながら、私が言い続けた詐欺の電話があった地域、場所にピンポイントで行うわけではなく、三月四日月曜日の一日、その日だけ十七時に一回、全地域に流すわけで、これだと効果の検証もない試行ではないでしょうか。
なぜこの雑な案を選んだのか、効果の高い荒川区方式のピンポイント放送を私は訴えてきたわけですが、見解を伺います。
また、試行ということですが、本実施に向けての線引きをどう考えているのか伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎工藤
教育政策部長 私からは、eラーニングについて、大規模校での試行をしなかった理由、あわせまして来年度全校に展開することになったのはなぜかという二点について、一括して御答弁させていただきます。
これまで、区立中学校二十九校は、四つのブロック単位で実施する校長連絡会で連携や相談をしてきたところですが、eラーニングのパイロット校につきましてもブロックで協議し、試行可能な学校を選定させていただきました。そのパイロット校の校長、担当教員が集まった実施検討委員会や中学校ブロック校長連絡会で、パイロット校の取り組みについて情報共有し、今後、自校で実施することを念頭に置いた検討ができるよう進めてまいりました。
そして、四回の実施検討委員会の会議の中で、運営委託業者とも情報を共有、分析し、家庭でのeラーニングを用いた学習の傾向や学校の教育活動での活用の様子など、二学期までのパイロット校の取り組みについて、文教常任委員会で報告をさせていただいたところです。
現在は、来年度から問題の数をふやしたり難易度を上げたりすることや、動画による解説を充実させるなどの対応を行うよう取り組んでおります。
また、これからの時代に求められる学習の個別最適化に対応するため、数学の学力定着度テストを行い、その結果から、生徒一人一人の課題に応じたプログラムが自動的に作成される機能も追加するなど、一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎淺野 教育次長 私からは、ICT教育につきまして二点、まず、行政が各家庭に端末等を買わせるのか、それから、それぞれの子どもたちが同じように教育を受けられる環境を構築すべきの二つの御質問について、あわせて答弁させていただきます。
BYOD、ブリング・ユア・オウン・デバイスは、家庭から個人所有のパソコンやタブレット型情報端末等を学校に持ち込み、授業で活用可能とすることを想定した考え方です。
教育委員会では、区立小中学校にタブレット型情報端末を計画的に整備してまいりましたが、児童生徒一人一台体制のためには約四万七千台のタブレット型情報端末等を整備する必要があり、多額の費用と期間が必要となります。
そこで、費用対効果も考え、急速なICTの進展におくれることなく、学校のICT環境整備を推進するため、BYODの考え方を取り入れることを判断いたしました。
二〇一九年度は、BYODを踏まえたオープンなクラウド環境の検証を進め、この検証を通じて、セキュリティーの確保や利用に向けてのルールづくり、新しい技術への対応等、実施に向けての課題を明らかにし、対応を考えてまいりたいと考えてございます。
eラーニングにおいては、経済的状況等によりICTを活用することが困難な世帯の生徒に対しましては購入費等の補助を行っております。学校に整備しているタブレット型情報端末も有効に活用しながら、5G等の新しい技術の動向に注意しつつ、ソサエティ五・〇の時代を生き抜いていく子どもたちにとって不可欠なICT環境整備を着実に進めてまいります。
以上です。
◎知久
保育担当部長 私からは、待機児童対策として、育児休業延長を希望される方は、入園申し込み時に申し出る制度とできないかについて御答弁申し上げます。
保育園の申込者の中には、育児休業の延長の手続に必要な不承諾通知、区では待機通知と呼んでおりますが、この通知の取得が目的と思われる方が、平成二十九年度は年間百九十名程度いるのではと推計しております。
こうした状況を踏まえ、区では、平成二十九年十月に内閣府で開催された規制改革推進会議の保育・雇用ワーキング・グループにおいて、保育園への申し込みの有無にかかわらず、保護者が希望すれば育児休業を延長できる制度とするよう、国に要望を行った経緯がございます。
ことしに入り、同様の課題に直面している他自治体も国に制度改正を求めたことから、国は育児休業制度の改正は行わないとしながらも、申し込み時に保護者の意向を確認した上で、落選を望む保護者の入園選考の順位を下げるといった対応策について検討に入ったとの報道がございました。
区としましては、引き続き国に対し育児休業の制度改正を求めつつも、今後示される国の通知等を踏まえ、真に保育を必要とされる方が入園できる選考制度を検討してまいります。
以上です。
◎松村
庁舎整備担当部長 私からは、本庁舎整備は全面建てかえすべきとの質問にお答えをいたします。
本庁舎等整備につきましては、平成二十八年度に策定をしました本庁舎等整備基本構想において、改築、一部保存の方針や配置計画などは示さず、求められる機能、規模の確保と、最も合理的な事業計画が可能であれば、現庁舎等の活用も考慮することとしました。
その後、この基本構想をもとに設計者選定プロポーザルを実施し、具体的な建物の配置や形状などにつきましては、設計者に提案を求めました。
その結果、区民会館ホールの保存再生を提案しました設計者が最優秀者となり、区としましても、さまざまな課題に対する最適解と受けとめ、この考え方をもとに基本設計を進めてまいりました。
世田谷区民会館整備につきましても、この提案の考え方を尊重しつつ、耐震診断や劣化調査の結果をもとに設計要件の実現性の検証を行い、構造体Ⅰ類相当の耐震性能を確保できること、機能や音響の向上が図れること、長寿命化を図り使用できることから、本庁舎等整備基本設計案におきまして、ホール部分は保存改修をし、楽屋については改築する、
世田谷区民会館整備計画をまとめたところでございます。
なお、区民会館の改築時期についてですが、公共施設等総合管理計画において長寿命化可能な施設は築九十年としておりますが、その時点で改めて躯体の劣化状態を確認するとともに、求められる施設機能の変化なども踏まえ、総合的に判断する必要があると考えております。
区といたしましては、施設整備後も可能な限り長期間、区民の皆さんに使っていただけるよう適切な維持保全に努めてまいります。
以上です。
◎進藤 財務部長 私からは、物価変動への庁舎建設整備にかかわりまして、物価変動の対応、スライド条項の適用についてお答えを申し上げます。
スライド条項は、契約締結の一定条件のもと、その工期内において賃金または物価水準に変動が生じた場合や、特別の要因により主要な工事材料の価格が著しい変動を生じた場合、あるいは予期することのできない特別な事情による急激なインフレ、またはデフレが生じた場合により、当初の契約金額が著しく不適当となったときに、発注者、または受注者は契約金額の変更を請求することができるという仕組みでございます。
具体的には、国土交通省の公共工事標準請負約款に定める全体スライド及び単品スライド、インフレスライドの三つの条項を、区の工事請負約款に規定し、ただいま申し上げた、いずれのケースにも対応できるようにしております。
本庁舎整備には相当の工事期間を要しますので、契約時当初よりさまざまな物価スライドも想定されてまいります。スライド条項の適用の申し出があった場合には、基準に基づき適切に対応してまいります。
以上でございます。
◎工藤 危機管理室長 私からは、防災無線を活用しました特殊詐欺対策について御答弁いたします。
現在、百八十九カ所ある防災無線塔のうち約六十カ所が小中学校に敷設されていることから、特殊詐欺犯人からの入電が集中する地域及び時間における、議員御提案のピンポイントでの放送では、あらかじめ放送日時が特定できず、授業等教育活動への影響が大きいことから、教育委員会とも協議を進めまして日時を指定した方式としております。
先ほど御紹介いただきましたが、一回目でございますが、三月四日の月曜日午後五時過ぎに放送をいたします。区内の全防災無線塔を活用することで、特殊詐欺などのはやりの手口を広く区民に知っていただけると考えております。
また、本実施に向けての線引きの御質問ですが、試行後の取り組みにつきましては、区民の反響を見据えつつ、放送の時間帯や頻度などについて、関係所管、また警察とも連携し、引き続き有効な防災無線塔の活用については判断してまいります。
以上です。
◆二番(加藤たいき 議員) 再質問いたします。
まず、eラーニングについてなんですけれども、手を挙げた学校で試行したとのことで、地域性、生徒数を含めて考えるべきだったと私は思います。いまだそれぞれの試行した学校から利用率、買わなかった家庭の実数等が総括でまだ来ていないとのことで、総括に至った、実施に至ったということは既定路線だったのかなというふうに思っております。もしやるのであれば、給食費の話の前に教育教材に使うべきだったと思います。
それと防災無線、ここから再質問しますが、防災無線について、一回だけで正直意味があるのかなというふうに思ってしまっております。
ことしに入ってからも、私の地域だけでも還付金詐欺の話をかなり聞いていて、驚いたのは家族構成も含めて全部知っているような名簿が出回ってしまっているというところで、荒川区方式のピンポイント方式をもう一回再考願いたいと思っております。授業の時間帯の放送に教育委員会が渋っているのであれば、昼休みだったりは可能だと思うので、そこら辺の放送時間も含め、いろいろと考えていただきたいと思いますが、試行の線引きの件の答弁が具体性に欠けているので、もう一度お願いします。
◎工藤
教育政策部長 再質問いただきました。eラーニングについての御答弁になります。
現在、モデル校ということで、ブロックごと、地域性を考慮して、四つのブロックの中でそれぞれ一校ずつ手を挙げていただいた、まず地域性に考慮したということです。
一部実施することで、いろいろな諸課題を洗い出そうということで、この間、年度途中に開始した事業ですけれども、検証も実際行いました。十二月十一日の常任委員会では実施状況ということで、それぞれ一年生、二年生、三年生の生徒数に対して実施人数が何名であるかといったようなことも御報告させていただいたところです。
とはいえ、まだ始まったばかりの事業でございますので、いろいろ御意見をいただきながら課題についても洗い出しして、少しでもいい教育を展開していきたいというふうに思っております。
以上です。
◎工藤 危機管理室長 再質問いただきました。
今お話しいただきました、例えば昼休みの時間帯など放送などを含めまして、先ほど御答弁いたしましたが、放送の時間帯、回数、例えば曜日、また被害が多い地域など集中的に放送するなど、実施方法につきましては、関係所管などと協議調整を進め、有効な防災無線の活用につなげたいと考えております。
以上です。
◆二番(加藤たいき 議員) eラーニングの件なんですけれども、渋谷区は全生徒に配っているということで、ちょっと世田谷区も考えていただきたいなというふうに思っております。
時間がなくなったので終わります。
○三井みほこ 議長 以上で加藤たいき議員の質問は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後二時四十七分休憩
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午後三時十分開議
○三井みほこ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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○三井みほこ 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。
────────────────────
○三井みほこ 議長 一般質問を続けます。
二十五番桃野よしふみ議員。
〔二十五番桃野よしふみ議員登壇〕(拍手)
◆二十五番(桃野よしふみ 議員) 初めに、区立中学校の制服について質問します。
ことし四月より全ての世田谷区立中学校で、女子がスラックスを選択することも含め、自由に標準服を選べるようになると、一月三十日の朝日新聞などマスコミで大きく報道されています。
区の現時点の議会答弁では、女子のスラックス着用は各校の個別相談で対応する、標準服のカタログから男子用、女子用の表記をなくし、生徒が学校へ相談、選択しやすくする方針と理解していますが、そうではないのか。報道が正しいのだとすれば、大きな方針転換でありながら、なぜ文教委員会で報告されないのか伺います。
次に、校則についてです。
昨年六月の一般質問で、男女別の髪の長さの規定、下着の色は白のみなどのブラック校則は改めるべきだと取り上げました。その際、区長は、教育委員会と校長会等が多文化共生やダイバーシティの方向に変化が迫られていることなど議論していただく、教育委員会の独立性を尊重した上で、私からも意見を述べていきたいと答え、
教育政策部長は、区として、性別による規定、身だしなみの制限について一定の基準を示す必要があると考えていると答えています。
新年度からは、時代にそぐわない、また、性的マイノリティー含め、人権への配慮を欠いた校則はなくなるのか。加えて、さきの答弁以降の区の具体的な取り組みについてもお答えください。
次に、区営住宅不正入居事件についてです。
昨年二月二十三日の一般質問で、区職員の不正入居を明らかにし、六月、九月と当該職員への懲戒処分や損害賠償請求について取り上げてきました。
入居要件をはるかに超えるお金持ちの区職員が長年、低所得者を押しのけ、不正入居を繰り返していた複数の事件発覚にもかかわらず、区は、私が求めた職員の過去の入居にさかのぼっての調査を拒否し、事件の幕を引いてしまいました。せめて既に不正が発覚している二名の職員に対しては厳しい姿勢で臨むべきです。これまでの答弁に基づき、現在の状況を確認します。
区は、十二年間不正入居の係長を停職二カ月とし、当初、近傍同種家賃の差額として約一千八百万円を請求しましたが、係長による時効の申し出を認め、約五百万円を減額、請求額を約一千三百万円とします。ところが、係長は二十万円のみ支払い、自己破産の申し立てをするとのこと。
もう一名、十六年間不正入居の職員を停職一カ月十五日とし、約二千百万円を請求しますが、この職員は一円も払わず、自己破産を申し立て、破産手続が始まってしまいました。
ここで、他自治体の例を述べます。三浦市の職員が市民マラソンの事業費約二千九百万円を着服していたとの事件がありました。三浦市は昨年、この職員を背任容疑で刑事告発し、懲戒免職処分にしています。この職員は自己破産をしますが、三浦市の吉田市長は、逃げ得は許さない、強い姿勢で臨むとし、マラソン大会の実行委員会とともに、約三千百九十五万円の損害賠償請求権があると裁判所に届け出ています。
自己破産しても免責されない請求権があるのです。破産法二百五十三条に、破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権について、その責任を免れることができない旨定められています。世田谷区の事件において、区は職員に悪意はないとするのか、ないとするなら、その根拠をお答えください。
区長は、区民の財産を取り戻すために、身内に甘い、その考えを改め行動すべきです。三浦市の例に倣い、二人の職員を刑事告発し、損害賠償についても、逃げ得は許さないの強い姿勢で臨むべきではないですか、見解を伺います。
次に、パートナーシップ宣誓についてです。
二月四日の区民生活委員会で、区は、平成二十七年十一月にスタートしたパートナーシップ宣誓制度の改正を報告しました。戸籍上は男女で、法律婚を選択し得るケースであっても、性的指向を理由に法律婚を選択しないカップルを制度の対象にする一方、事実婚はパートナー宣誓の対象にしない旨の説明がありました。
男女が法律婚を選択しない理由はさまざまです。性的指向が理由の場合は、そのパートナーシップを認めるが、その他の理由、例えば夫婦別姓を尊重したいとの理由の場合はこれを認めない、これに合理的な説明がつくのでしょうか。平成二十七年七月二十九日の区民生活委員会でも述べましたが、事実婚も制度の対象とするべきです。
昨年十月十六日の決算特別委員会で他会派の委員が、千葉市が事実婚もパートナーシップ宣誓の対象とすることを例に挙げ、区は法律婚を選択しない異性間のパートナーシップにどう手を差し伸べるのかと問うた際、区長は、他自治体の様子を見ながら、さらなる改善を指示している。その中に、今の点も含めて検討したいと、事実婚を対象とすることに前向きな答弁をしています。しかし、その言葉とは裏腹に、今回の改正案に事実婚は含まれていません。一体、区長の答弁はどこに行ってしまったのですか。
二月四日の委員会で私が事実婚を対象にすべきだと改めて述べると、所管課長は、今後、事実婚を対象にするかは審議会の中で議論をいただきながら検討していきたいと答弁していますが、他会派の委員から、事実婚は対象にすべきでないとの趣旨の発言があると、今度は部長が、審議会に積極的に検討していただくようにお願いするという考えではないと答えています。一体どっちなのですか。
区長は審議会、つまり条例で定める世田谷区男女共同参画・多文化共生推進審議会に、今回の改正案を諮問していません。昨年十二月の審議会では、委員から以下の声が上がりました。
区議会でパートナーシップ制度をよりよいものにすべく見直しを求める声が出て、区もさらなる改善の検討を約束しているという話を聞いている。ぜひこの審議会にもその検討状況を提供いただいて、話し合う機会等をいただければと思うと。その際、所管課長は、トランスジェンダーを対象にするかや、カード型の受領書発行などについて検討している旨を説明していますが、区長が前向きに答弁した事実婚については一切説明していません。諮問どころか、議会でのやりとりについて、なぜ説明すらしないのでしょう。
そもそも区長に確たる考えがあるわけではなく、単に話題性を追い求めて区政を動かしているから、現場は揺らいでしまうのではないですか。
千葉市では既に二組の事実婚カップルから申請があったそうです。ニーズは確実にあります。横須賀市は四月一日から事実婚も対象にしたパートナーシップ宣誓制度を始めると発表しました。申請があれば排除しない、それだけのことではないですか。
世田谷区が事実婚を積極的に制度の対象から排除する理由は何ですか。その理由とともに、今後、事実婚を対象とするのか見解を伺います。
次に、川場移動教室におけるトイレについてです。
移動教室のプログラムに雨乞山登山があります。登山道に二カ所、合計五基の仮設トイレが設置されているのですが、時に汚れが激しく、汚物がたまり、悪臭を放っていると聞きます。調べると、地元の方はめったに使わないという理由から、区教育委員会がトイレの設置、清掃を行っているとのことでした。
清掃は、移動教室の実施期間中に限り月一回行われており、清掃前後の写真を確認すると、清掃前の写真はやはり汚れが激しい印象です。汚れが激しく悪臭のするトイレは、子どもたちが排便をちゅうちょする原因にもなります。教員や支援員もしかりです。トイレを清潔に保つよう、清掃の頻度を上げるなどの対策が必要だと考えます。区の見解を伺います。
以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎工藤
教育政策部長 私からは二点、順次御答弁をさせていただきます。
自由に標準服を選べるとの報道が正しいのだとすれば、大きな方針転換であるのだから、なぜ文教委員会で報告しないのかという御質問です。
中学校の標準服につきましては、議会の御意見もいただき、ことしの春より、全ての世田谷区立の中学校において標準服のカタログなどの記載に男女の表記を用いないことなどの工夫をし、さまざまな生徒の思いに寄り添って学校への相談や選択をしやすくする取り組みを、中学校校長会と連携して行ってまいりました。
議員のお話にもありましたように新聞報道がございましたけれども、教育委員会としましては、女子生徒のスラックス着用について、これまでも各学校において個別相談を受けて認めてまいりました。今後もこの点につきましては変わらず、お申し出に基づいて本人の意思を尊重するという意味においては、従来と変わらない、大きな方針転換ではないというふうに考えております。
新学期には、各学校における女子生徒のスラックス着用などの状況を把握し、校長会と連携しながら標準服選択への対応を継続して検討し、その後、議会へも御報告をしてまいります。
続きまして二点目でございます。時代にそぐわない、また人権への配慮を欠いた校則はなくなるのか、区の具体的な取り組みはどうかといったような御質問です。
学校の校則につきましては、規則や法を遵守する態度の育成や、ある程度の指標を示すことで、生活指導上、一定の意義などがあるというふうに考えております。
一方、設定当時の社会状況やこれまでの指導の積み重ねの経緯などを踏まえて制定されており、内容によっては再検討の必要もあるというふうに認識しております。
校則の見直しにつきましては、今年度、中学校校長会において、性別による規定や極端な身だしなみの制限などについて、社会通念に照らした合理性や、地域、生徒の実態、保護者の考え方などを踏まえ、記載されている項目の必要性や表現の適切さなどについて、次年度以降の校則制定に向けて検討するよう周知してまいりました。
最終的には、中学校校長会で伝えた観点をもとに、校長の権限において、生徒、保護者、地域などの理解や考え方、校風など学校の特色を生かし、創意工夫ある定め方が重要であると考えております。教育委員会としましては、各学校の検討状況なども把握しながら、児童生徒が主体的に判断し行動できる、これからの時代を生き抜く力を身につけられるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
◎渡辺
都市整備政策部長 私からは、区営住宅不正入居事件について、区は職員に悪意がないとするのか、また、三浦市の例に倣い、損害賠償を求めるべきにお答え申し上げます。
区職員による区営住宅の不正利用の件につきましては、二件のうち一件は、現在破産手続の最中であり、区は東京地方裁判所の招集のもと開催される債権者集会に出席し、債権回収に向け取り組んでいるところでございます。もう一件につきましては、弁護士からの受任通知以降、いまだ裁判所から破産手続開始の通知はいただいておりません。
御指摘の悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求に当たりましては、免責をされない債権というためには、単なる故意による行為以上の、いわゆる害意があったことが必要となると認識してございます。当該二件につきましては、不正によりみずから利益を図ったという、いわゆる悪意はあったものと考えておりますが、非難されるべき行為であることと認識しております。
しかしながら、例えばお話にありました三浦市の件では、領収書類の改ざん等がなされ、架空発注等による不適切な支出が行われたわけでございまして、そのような積極的に区に損害を与えようとしたことを立証できるまでの状況にはないという考えのもと、今後、仮に免責の決定が裁判所になされた場合、損害賠償請求を行使するということは法的に難しいものと判断しております。
引き続き区営住宅の管理者といたしまして、当該二件を含めまして、法令にのっとり、しっかりと対応してまいります。
以上です。
◎田中 生活文化部長 私からは、パートナーシップ宣誓制度の改正について、異性のカップルの事実婚を対象に加えるべきという点に御答弁いたします。
パートナーシップ宣誓制度開始から三年が経過し、この間、他の自治体でも同様の取り組みが行われるとともに、性的マイノリティー等を取り巻く環境も変化していることから、当事者からの要望や、千葉市のように事実婚も対象とする、他自治体の事例も踏まえて検証を行いました。
この制度の趣旨は、パートナーシップの事実を証明することではなく、当事者の気持ちを受けとめることであり、また、こうした施策を区民に知っていただくことにより、区民の多様な性に対する理解の促進を図ることを目的とした、性的マイノリティーの方の抱える困難への支援としての人権施策でもあります。このため、まずは同性カップルの方を対象として、よりお気持ちに寄り添って進めていくべきものと考えております。
本年四月から事実婚の方を対象としたパートナーシップ制度を予定している自治体もあると聞いておりますが、同様の制度とするかどうかということは、区のパートナーシップ制度の根本的な趣旨にかかわることですので、今後、必要に応じて、世田谷区男女共同参画・多文化共生推進審議会の意見なども聞きながら研究してまいります。
以上でございます。
◎淺野 教育次長 私からは、川場移動教室の雨乞山のトイレにつきまして御答弁申し上げます。
川場移動教室は、区立小学校五年生児童を対象に、群馬県利根郡川場村の区民健康村施設で二泊三日の集団生活を通して、川場村の美しい自然や文化に触れ、通常の学校生活では得がたい体験学習等を通じて心身を鍛え、豊かな人間関係をつくり出すことを目的に、昭和六十一年度より実施しております。
川場移動教室における登山は、児童が豊かな自然の中で生命や自然の大切さを学び、登山によって忍耐心や仲間で励まし合い、協調の精神を養うことなど、重要な自然体験活動の一つと考えております。
雨乞山の登山は宿舎から往復二時間半程度かかるコースとなっており、緊急的に必要となる場合も想定して、コース中間付近に二基、山頂付近に三基の合計五基の簡易トイレを設置しております。トイレの維持、清掃につきましては、登山コース等整備の一環として、株式会社世田谷川場ふるさと公社に委託しており、今年度実績で四月から十一月の各月一回、維持、清掃を行ってまいりました。
なお、このトイレは一般の方も利用されています。教育委員会としましては、川場移動教室における子どもたちの安全と安心に配慮し、清掃等について対応してまいります。
以上です。
◆二十五番(桃野よしふみ 議員) 制服の選択についてですけれども、これは従前と変わらないと。個別の相談、個別対応ということでした。そういうことだったら、なぜ中野区と並んで世田谷区も四月から全区立中で自由選択という記事になるんでしょうか。それも、産経、読売、毎日、朝日、東京、全部ですよ。やっていないことをやっているかのように対応したんだとしたら、これは皆さん、これは大変なことですよ、そういうことはやっちゃだめですよ。取材に適切に対応しているのか、誰がどういう説明を取材に対してしたのか、まずそれを答えてください。
それはさておき、中野区のように全区立中で自由選択にすればいいじゃないですか。なぜ一々、スラックスを選択してもいいですかなんていう、そんなことを申し出たり、相談しなければいけないんですか。そういう申し出とか相談をすれば、必ず理由を問われるじゃないですか、何でですかって。そういうことが、例えば自分の性に対して違和感を持つ生徒にとって負担になるんじゃないですか。それは自由選択にすればいいじゃないですか、新聞記事どおり。どうですか、お答えください。
◎工藤
教育政策部長 再質問にお答えいたします。
この記事につきましては、ちょっと期日は失念していますけれども、当該所管課長のほうで対応させていただいているところです。
世田谷区につきましては、この間、議会の皆様方からもずっといろいろ御指摘いただいて、性的マイノリティーに関しての見識というのは大きく変わってきた経緯があると思っています。このことは何も四月一日に始まったことではなく、もうかねてより、随分前からもう大きく変わっている。そういう意味において、それぞれの子どもたちから申し出があれば、そこにしっかり対応していくということは、これまでもやってきたということにおいて変わらない。ただ、新聞報道の中で、中野と同じような形で、同時スタートというような形で報じられた趣旨についてはちょっと、報道機関の対応の問題なので定かではございませんけれども。
あともう一つは、御質問いただいた中で、全く自由でいいじゃないかと。基本的に自由だと考えています。ただ、性的マイノリティーに対しての対応というのは、ただ単に制服だけの問題ではなく、いろんなことで配慮をしていかなければいけないことを含んでいると思っています。そういう意味でも、これから長く学校生活を送っていく子どもたちと教員がしっかりとコミュニケーションをとっていく、こういったことは必要だと思っていますので、こういった機会も含めてしっかりとした対応ができるように工夫をしていきたい、そういう趣旨でございます。
以上です。
◆二十五番(桃野よしふみ 議員) では、記事のほうが、これは間違って書いているということで理解されているのかということを改めて確認します。
それで、その申し出を受けるか受けないか、だから、コミュニケーションを密にとっていく、それは大事ですよ。だけれども、新学期早々、全く関係のできていない先生にそんなこと相談しにくいという子がいるだろうということは、それは明々白々じゃないですか。でも、そういう方は最初から対応できないわけでしょう。そういうことについて、もう自由にしたほうが、それがいいじゃないですかということです。教えてください。
◎工藤
教育政策部長 再々質問に御答弁いたします。
報道に関しましては、いわゆるニュアンスがちょっと違うなと。つまりは、従前全くそういったことを配慮してこなかったのが、今度、四月一日から変わる、そういったことではない。従前もそういった配慮はしてきたし、今後ともやっていく。特に、今回変えようとしているのは、具体的な御指摘もいただいているパンフレットの部分ですね、表記。このことは少しでも壁を取り払うということで、しっかりと配慮していく、我々がまだ失念していた部分だなというふうに考えております。
相談の際の心理的障壁があるんじゃないかという御指示だと思います。その点につきましても、そういった御懸念というのはよくわかります。そういう意味でも、学校と子どもたちのそのアプローチの仕方については丁寧に、校長会とも相談しながらやっていきたい、そのように考えております。
以上です。
○三井みほこ 議長 以上で桃野よしふみ議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、十五番佐藤美樹議員。
〔十五番佐藤美樹議員登壇〕(拍手)
◆十五番(佐藤美樹 議員) 最初に、グリーンインフラについて問います。
質問の前に一点、今回の三十一年度予算の重点項目の豪雨対策の一つとしてグリーンインフラの促進とあります。皆様お持ちのこの予算書にも載っているものですけれども、ここに載っているので、何をどう促進するのか、例えば面積なり、数値なりで示すのかと問おうとしたところ、豪雨対策担当から、グリーンインフラについては予算書には載せていますが、予算額は計上していないんですと言われました。なぜこのような、あたかも一事業として進めるかのように見せるようなことをするのか。所管として進める気はないけれども、区長がやる気のものだからなのか何だか知りませんが、不誠実な記載はやめていただきたいと、まず申し上げておきます。
さて、このグリーンインフラについては、進めていくに当たり、そもそも何をもってグリーンインフラとするのかという定義や基準に当たるものが必要ですが、区はどう捉えているのでしょうか。
欧米諸国に比べ、日本国内でも確固たる定義はまだなさそうですが、本区でこれを本気で取り組んでいくのであれば、何をもってグリーンインフラの設定も必要です。
私は、グリーンインフラとは、昨今の気候変動に対応し、持続可能な社会、SDGsへ寄与するインフラだと考えていますが、この辺の定義を含め、区が次年度予算で掲げる促進とは具体的にはどのようなもので、どう見える化するか、取り組みを伺います。
グリーンインフラ以前に、区ではもともとみどり率やみどりとみず政策があり、その中の一つである公園について伺います。
公園は、緑によるさまざまな恩恵に加え、グリーンインフラとしての要素を盛り込みやすい場でもあります。昨年度整備された、区立上用賀公園内に整備された雨水浸透のためのレインガーデンはその一例でありますが、区民の皆さんに余りその意義を含め認知されていないようですし、また、子どもたちが気候変動を含め、多くを学ぶきっかけにもなる場でありますが、活用されにくい状況です。
グリーンインフラの事例として注目されている横浜市のグランモール公園は、雨水・猛暑対策といったグリーンインフラとしての意義を、市民の多くが公園を利用することで享受できる場となっています。公園、広場は、区民の皆さんが身近にグリーンインフラを実感してもらえる場の典型であり、子どもたちの学びにつながる場でもあるので、積極的な展開を期待します。見解を問います。
次に、子どもが輝く参加と協働の予算について、子育て支援関連で三点伺います。
まず、
児童相談所開設に向けた取り組みについて。
去年の目黒区での痛ましい事件もまだ記憶に新しい中、今回、また野田市で女児の虐待死が起き、虐待が死に至る前になぜ防げないのか、聞けば聞くほど胸が痛みます。
これら二つの事例に共通する点の一つに、転入前の自治体においても既に児相の介入があったという点があります。目黒区の子にはその前の香川県児相が、野田市の子にはその前の沖縄県児相が既に当該案件に関与していたわけですから、児相の役割として、こうした転入前の児相案件について、引き継ぎと速やかに体制が整えられるかどうかは一つのキーです。
そこで伺います。本区は転入超過が、二十九年度、二十三区内で最も多い六千八百六十一人と、先日報道もありました。児相を設置するに当たって、この転入者が多いことへの対策はどう考えていますでしょうか。転入ケースに対応するに十分な人員配置と運営フローの構築が必要ですが、区の見解を問います。
保育政策についても伺います。
先日の常任委員会でも報告がありましたが、今回の入園選考においては三歳児の入園申込者数が増加しており、対策として定期利用の枠を三歳児に広げるとのこと。定期利用はこれまでも設定した枠がフルに埋まらない傾向にありますので、枠の拡大とともに、フルに活用されるための工夫も必要と考えます。
三歳児申込者数の増となった背景には、企業主導型保育所の要因もあると考えますが、この辺の要因分析含め、定期利用の拡充について見解を問います。
このテーマの最後に、さんさんサポートについても伺います。
今回、区はさんさんサポート事業を廃止し、別の事業で再構築するとしています。私は二年前の予算委員会等で、子育て利用券事業開始に際し、さんさんサポートとの重複という論点を取り上げてはいますが、事業廃止に当たっては幾つか留意すべき点があり、そのうち二点伺います。
まず、さんさんサポートの持っていた意義をどう残すのかという点。訪問支援という枠組みを通じ、家庭に入ることで、虐待など、家庭内に内在する問題の芽を感知し得るという意義について、事業廃止をもってこの意義が網の目から漏れてしまうようなことはあってはならないと考えます。子育て利用券のほうでも訪問支援があり、そこが重複と言われていた部分でもありますが、こちらでどう補完されるのか、見解を問います。
もう一点は、さんさんサポートのような訪問支援へのニーズについてです。
現行の子育て利用券のほうの利用実態としては、産後ケアセンターなどの産後の親子支援が多く占めており、訪問支援の利用は少ない状況です。さんさんサポートで少なからずあったニーズについて、子育て利用券事業のほうで引き継いでいけるようにするために、事業者の引き継ぎや周知など、さまざま工夫が必要ですが、取り組みについて伺います。
最後に、政策の評価について質問します。
新実施計画推進状況の概要版には、六つの重点政策と、それにぶら下がる各事業と、重点政策の進捗を示す成果指標が載っています。
例えば重点政策一、子ども若者が住みたいまちづくり、教育の推進は、保育・幼児教育の充実などの十一の事業が重点を達成するための事業建てとなっていて、各事業それぞれに成果指標、例えばこの保育・幼児教育の充実事業であれば、待機児童の数や認定こども園への移行数といったような成果指標が設けられています。
各事業を推進していった結果、その上にある重点政策が実現されるというたてつけなわけですから、この重点政策のほうの成果指標も、各事業の達成を示す総合評価的なものかと思いきや、そうでないものが幾つかあり、大いに疑問です。
例えば前述の重点政策一の子ども若者が住みたいは、その成果指標を区民アンケート調査で子育てしやすいと感じる保護者の割合としていますが、これではその下の十一事業が推進した結果なのかどうなのか、直接的に示しているとは言えません。
似たような内容を民間でどうやっているかといえば、例えばメディア等による住みたい町ランキング、あるいは子育てしやすい町ランキングといった調査。例えば某日経系メディアの子育てしやすい町ランキングでは、待機児童数や病児保育の数などによって点数づけし、合計点数で子育てしやすいかどうかを示しています。
せっかく重点政策を掲げ、それらを達成するために、各事業にそれぞれ指標を設けているのに、重点政策のほうはアンケート調査で子育てしやすいと感じる人が何%だからどうのというのは、とってつけたような指標であり、その名のとおり、区の重要な政策に対してこれで進捗を図るというのはいかがなものかと考えます。区の見解を問います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔
保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 佐藤議員にお答えいたします。
グリーンインフラの言葉、また内容、あり方についてお尋ねをいただきました。
招集挨拶の中でも触れさせていただきましたが、グリーンインフラとは、自然の持つさまざまな機能を活用して、環境の改善、水環境の安全、生き物の成育・生息環境の保全や、豪雨対策、防災減災などに役立てていこうという都市基盤における考え方であります。
区では、昨年策定いたしましたみどりの基本計画と豪雨対策行動計画にこのグリーンインフラをうたっておりまして、この観点に基づき、これから重要な施策として進めていくこととしています。
昨年の十二月に成城ホールにおきまして、また、今月七日には北沢タウンホールにおきまして、グリーンインフラに関するシンポジウムを開催しました。それぞれの分野の研究者、専門家からの発表や、このパネルディスカッションが熱心に行われまして、寒い日の夜間にもかかわらず、大勢の方が熱心に集まられていました。この中で、グリーンインフラを進めなければいけない地域を見える化すべきであるという考え方も示されました。
グリーンインフラの目標値、効果数値等を明確にすることは、これからこの政策に取り組んでいく上で大変有効な手段と考えますが、現在はこのグリーンインフラの取り組みのスタートラインに立って歩み出しているというところなので、このグリーンインフラの考えに沿った取り組みをまずは積み上げていき、目標設定のあり方を検討し、ハード、ソフト両面から、防災のまちづくり、緑いっぱいのまちづくりを進めていきたいと考えています。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、三点にお答えいたします。
まず、一点目でございます。
児童相談所開設に向けた取り組みに関連し、転入ケースに対応する十分な人員配置と運営フローの構築についてでございます。
目黒区の虐待死亡事例を踏まえまして、昨年七月に国が取りまとめた児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策におきましては、転居した場合の児童相談所間における情報共有の徹底を全国ルールとして定めたところでございます。
当区は児童人口も多く、また、転入も非常に多いという特性を踏まえまして、こうした全国ルールを初め重要なルールを確実に実施していくために、現行法令基準を上回る職員体制としております。また、任期付職員採用制度等を活用し、
児童相談所業務に精通したベテラン職員などを配置することにより、開設当初の安定的な運営を確保することとしております。
しかしながら、お話にございましたとおり、開設当初にとどまらず、区の特性などを踏まえつつ、引き続き児童相談業務の的確な運営のために必要とされる能力、資質を備えた人材の計画的な採用、配置等を行い、効果的に経験を蓄積できる体制の整備に努める必要があると考えております。
転入世帯における相談ケースの件数や事例などの把握に努め、これを踏まえた児童相談所内の職員の役割分担や業務フローの構築を行い、また、開設後の安定した運営のために必要な人員配置などに努め、万全の運営体制を確立してまいります。
さんさんサポートの再構築について、二点お答えいたします。
一点目でございます。家庭に入ることで児童虐待等を早期に発見する機能をどう補完するのかという点でございます。
さんさんサポートは、子育てになれない産前産後の一番不安な時期に、子育て支援ヘルパーが訪問することにより育児不安や育児負担を軽減し、児童虐待の早期発見と対応を目的に、全ての子育て家庭を対象に児童虐待の一次予防事業として、平成十七年度より実施してまいりました。その後、子ども計画の推進に合わせ、平成二十一年度には乳児期家庭訪問を開始し、平成二十八年度からは世田谷版ネウボラの一環として、妊娠期面接の実施や子育て利用券の配付を開始するなど、一次予防の充実を図ってまいりました。
また、この子育て利用券の一部のサービスがさんさんサポートと対象や期間が重なることから、より支援が必要な家庭を対象に、養育困難に陥らないための二次予防事業として、この事業の再構築を図ることといたしました。
さんさんサポートの特徴でございます家庭に訪問して家事や育児を支援するサービスにつきましては、子育て利用券においても選択が可能でございます。また、乳児期家庭訪問や関係機関のネットワークを充実することで、気になる家庭を早期に発見、対応できるよう取り組んでまいります。
三点目の御質問でございます。子育て利用券で、訪問支援の利用や、事業者の引き継ぎや周知などを促す工夫についてでございます。
平成二十八年度から実施しております子育て利用券のサービス登録数は当初百五件でございましたが、本年四月には三百三十五件となる予定でございます。また、平成二十九年度の子育て利用券の実績でサービス分類別の利用割合は、産前産後の訪問支援は全体の七%になりますが、訪問支援の内容は、さんさんサポートの家事援助、育児補助等のほか、妊産婦やその家族に寄り添い、家事や育児の支援を行う産後ドゥーラや、子どもの預かりを行うベビーシッターの事業も含まれ、多様な産前産後の支援メニューになっております。
現在、さんさんサポートの受託事業者数は三十四事業者になりますが、その中で子育て利用券の登録事業者数は十七事業者となります。子育て利用券への登録をさらに促し、訪問支援のニーズの受け皿を十分確保してまいります。
今後は、乳児期家庭訪問やあらゆる機会を捉えまして、産前産後にヘルパーの訪問支援を希望する家庭に積極的に子育て利用券の利用を案内するとともに、利用者支援事業等も活用し、利用方法やサービスの内容などわかりやすく御案内しまして、サービス利用を促してまいります。
以上でございます。
◎知久
保育担当部長 私からは、入園申し込みが増加した三歳児対策について御答弁申し上げます。
ことし四月の認可保育園等の入園申込者数は全体で昨年度に比べ二百二人増加している中、三歳児の申込者数がプラス九十九人と、最も増加している状況です。
三歳児の入園申込者数増加の背景としては、区が整備に関与していない企業主導型保育所が増加していることや、育児休業期間が延長され、三歳児とその下のお子さんの同時申し込みが増加していることなどの要因が考えられます。
これまで一、二歳児を中心に受け入れてきた御指摘の定期利用保育ですが、需要が高い地域の園は定員が埋まり、余裕スペースがないため実施できていない状況です。
一方で三歳児の定期利用枠は、保育士配置や保育室面積の基準の違いにより比較的柔軟な設定が可能であるため、需要の高い地域の園への働きかけを積極的に行い、保育が必要な方の利用につなげられるよう努めているところです。
区といたしましては、定期利用保育の拡大に加え、入園申込者数が増加した三歳児への対策として、低年齢児を預かる認可外保育施設を対象に、在籍児童が認可保育施設に入園できなかった場合の次年度の受け入れや、認可保育園への三歳児の弾力化定員の拡大に向けた調整などを行い、こうした総合的な対策を講じることによりまして、引き続き受け皿の拡充に全力で取り組んでまいります。
以上です。
◎笠原 みどり33
推進担当部長 私からは、グリーンインフラについて、公園で子どもたちが遊びながら学べる機会、そういったものを積極的に展開すべきではないかという御質問にお答えいたします。
区では、みどりの基本計画において、グリーンインフラは、緑が持つさまざまな機能を目的に応じて活用し、町の安全や魅力を高める社会基盤であり、水循環の回復や、生き物の生息空間を保全、創出するなど、みどりの質をさらに向上させるものとして位置づけております。
これまでも水循環を意識して草木を植え、雨水をためて自然に浸透させる、御紹介いただきましたレインガーデンや、また、雨水を流れに活用するなどの事例がありますが、今後もさらに試行錯誤を重ねながら、グリーンインフラの観点による施設整備を推進していく必要があると認識しております。
また、お話しのとおり、グリーンインフラの考え方のわかりやすい周知や、公園利用者がより身近に施設を利用し、機能を学び、親しめる場としていくことも課題だと考えております。
区といたしましては、緑の持つ機能をこれまで以上に賢く活用し、排水溝や植栽地などにおいてグリーンインフラの考え方を取り入れるとともに、環境学習の場であるビオトープや散策の場などでの公園利用と雨水対策が両立できるかを検討していくなど、多くの利用者が緑の豊かさを実感し、満足していただけるような公園づくりを進めてまいります。
以上です。
◎岩本
政策経営部長 私からは、新実施計画、重点政策の成果指標でアンケート結果を活用して利用していることについての御答弁を申し上げます。
重点政策は、基本計画において分野横断的に取り組む重要な政策として位置づけたもので、新実施計画(後期)ではこの推進のため、六つの重点政策ごとに政策目的を実現する取り組みとして個別事業を束ね、達成度合いをはかるための成果指標を設定しております。
重点政策は、個別事業の総合的な展開により大きな政策効果を生むことを目指していることから、構成する事業を代表する成果指標のほか、政策全体の区民への影響をはかることが適当なものは、区民意識調査の結果を成果指標とすることで目標の定量化を図っています。
区民意識調査は、区政に対する区民の意見要望を把握し、今後の区政を進める上で基礎資料とするもので、適正なサンプル数や年齢構成など統計手法に基づく調査設計により実施しており、調査結果は有用なものであると考えております。
構成指標の点数化など、例示をいただきましたけれども、来年度より成果指標の実績に基づく事業の改善に取り組む中で、成果指標そのものの有効性の検証もあわせて行いながら、新実施計画(後期)の着実な推進に取り組んでまいります。
以上でございます。
◆十五番(佐藤美樹 議員) それぞれ御答弁いただきました。
児相の部分については、本当にこの転入が二十三区で一番多いというのはほかに事例がない部分でありますので、手探りの部分もあると思いますが、しっかり人員配置のほうをよろしくお願いいたします。
一点再質問いたします。
グリーンインフラのところなんですけれども、先ほど、区長のほうからスタートラインというお言葉がありましたが、どうも今回もやりとりしていて、まだこの言葉先行というか、この言葉だけが走っていて、実務に落ちにくいような状態なのかな、庁内でもなかなか共通認識、共通言語という形になっていないのかなという所感を受けています。
でも、しっかりとやっぱり掲げている以上は見える化をして、目標設定をして、世田谷版の定義というところも定めていく必要があると思いますけれども、再度、区長の考えを聞きたいと思います。
〔
保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 それでは、再質問にお答えをします。
このグリーンインフラについてなんですが、世田谷区においては過去、かなり熱心にこの水循環、雨水の利活用について、また、世田谷ダムという構想を持って、公園や道路、公共、民間を問わず、建築物やその外構等において四十万トンを超える雨水浸透や雨水貯留の取り組み、そして地下水の涵養や雨水の流出抑制、これをずっと続けてきているわけですね。
ただ、世代がかわり、時代が変わって、今再び、佐藤委員からお話しありましたように防災対策というところで考えますと、現在、一種の異常気象という言葉が余り言われなくなったのは、いわば連日気象がおかしいわけで、気象災害と言うべき事態のもう入り口を入っている状態が現状ではないか。
したがって、ハードインフラ、下水道、その他をしっかり整備していく。しかし、これは物すごく時間がかかります。ましてそれで追いつかない部分もございます。なので、とりわけ集中豪雨などについて、区を挙げて、それこそ区役所が率先しながら、また、事業者や民間の御家庭なども含めて取り組んでいく一つの大きな取り組みとして、これまでの軌跡、今、所管課から答弁があったレインガーデンを整備していると。これもどこの自治体でもやっていることではないかと思います。しかし、そのことをもっと区民に周知し、子どもたちも知り、そしてさらにそれを広げていこうということでつながってくる政策だと思います。
また、数値化について大変重要だと思っておりまして、例えば世田谷ダムの実績はこれは数値として管理しているもので、これも一つだと思いますし、先日のシンポジウムでは、梅ヶ丘における区複合棟のランドスケープ、これは雨水を受けとめるという形で設計されたという報告がございます。例えばそういった建造物におけるグリーンインフラ度と、あるいは率なのか、そういったことをしっかり、専門家も入っていただいて目標数値をつくり出していく方法、これはぜひ研究して、世田谷発グリーンインフラ、これは世田谷区だけの課題ではありませんので、しっかり取り組んで広げていきたいというふうに思っております。
◆十五番(佐藤美樹 議員) 続きは予算委員会でやらせていただきます。
終わります。
○三井みほこ 議長 以上で佐藤美樹議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、十九番菅沼つとむ議員。
〔十九番菅沼つとむ議員登壇〕(拍手)
◆十九番(菅沼つとむ 議員) 質問させていただきます。
最初に、高齢者対策等についてお聞きします。
世田谷区では、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられる地域社会の実現を目指していますが、世田谷区は高齢者人口がふえ続けています。七十五歳以上の後期高齢者人口が六十五歳から七十四歳の前期高齢者人口を上回りました。高齢者の世帯状況では、ひとり暮らしのみの世帯の増加が続いています。また、世田谷区での高齢者は十八万三千二百十五人になっています。また、特別養護老人ホームに入れない人は約千八百人もいます。また、介護度四でも特別養護老人ホームには入れません。世田谷区が言っている高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるのか、区にお聞きします。
また、高齢者で医療が必要な人は特別養護老人ホームには入れません。何人ぐらいいるのかお聞きいたします。
また、世田谷区では七十五歳以上の人が九万六千人います。二〇二四年、二五年になると、区の目安では十一万二千五百人になります。約一万六千五百人しかふえないことになります。また、国の目安では十三万三千人で、二万人以上の開きが出てきます。区と国のデータのとり方が違うにしても、高齢者が二万人ふえたときの対策はとれているのか、区にお聞きします。
二〇二五年には八十歳以上の高齢者が六万一千人になります。その中で認知症と診断される方が約二万二千人になります。高齢者の徘徊もふえてきます。世田谷区では、認知症サポーターの育成、認知症カフェの整備、梅ヶ丘認知症サポートセンターの一カ所ぐらいで済む事業ではないと思います。区の具体的な考えをお聞きします。
それと大事なのは高齢者の健康寿命を延ばすことです。高齢者が入院しても、リハビリなどをして元気になることが大事です。しかし、世田谷区で主な医療機関は六つしかありません。高齢者の総合的医療、介護予防、リハビリステーションが必要かと思いますが、区の考えをお聞きいたします。
次に、児童相談所等についてお聞きします。
世田谷区は、
児童相談所開設に係る政令指定要請に向けた国及び東京都の協議状況を初め、開設準備の進捗状況の説明がありました。
そこで何点かお聞きします。
東京都の協議課題の中で都と区の間で協議システムの検討とありますが、都と区の間で共通システムは行いません。また、児童相談所を始める三区でも共通システムはやりません。
また、平成三十年三月には目黒区の五歳の女子の虐待による死亡事件がありました。都と区と合同で、東京都全体で児童相談所体制を改めて検討することになりました。課題は、子どもの安全確認の徹底、迅速かつ確実な虐待対応、また、児童相談所と子ども家庭支援センターの連携不足、異なる自治体間の不十分な情報伝達、引き継ぎ時の認識不足などが、虐待で五歳の女子を救えなかった原因です。各自治体間のネットワークをつくり、情報を共有するべきと思いますが、区の考えを聞きます。
また、児童の虐待の防止では情報を共有することが大事です。児童相談所、一時保護所、五カ所の子ども家庭支援センター、各警察の生活安全課、各学校などと迅速かつ確実な情報共有はできているのかお聞きします。
また、子どもたちが一番長くいるのは学校であります。子どもたちの虐待が気づきやすく、区内には私立・国立学校も多く、中学生の約四割は私立・国立中学校に通っています。区外の学校にも通っています。
世田谷区の児相はどのように学校とネットワークをつくっているのかお聞きします。
次に、区立小中学校の給食費の無償化等についてお聞きします。
自民党の和田幹事長の代表質問等についてお聞きします。
第一に、給食費の負担軽減額の根拠は、高校授業料無償化のモデル基準に合わせて決めた、決めた理由が具体的に示されていません。
第二に、給食費の軽減については、常任委員会だけで、議会の公式な報告はしていません。
第三に、区の給食の材料代は、国の補助金の対象にならず、区の負担になります。確認します。
第四に、区立小中学校の給食費の家庭負担の軽減の三分の二は影響がありません。確認します。
第五に、区立小中学校の給食に係る予算は約五十九億円で、太子堂給食センターを除いて予算に入っていないのは、ガス代、電気代、水道代、都の栄養士の人件費は入っていません。家庭が給食費を出しているのは小学校低学年で一食二百四十四円から中学校高学年で三百三十七円までです。給食費に係る経費の三十四億円以上は世田谷区が負担しています。
三分の二の家庭に影響がない中途半端な給食費の軽減はやめるべきだと思います。区の考えを聞きます。
壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手)
◎瓜生
高齢福祉部長 私からは、高齢者対策五点について御答弁いたします。
誰もが住みなれた地域で住み続けられるよう、区では、在宅サービスの充実のほか、小規模多機能などの地域密着型サービス、特別養護老人ホームなどの整備に取り組んでおります。特養ホームにつきましては、平成三十年度までに五カ所、二百九十三人分が開設したほか、平成三十一年度の開設に向け四カ所、三百五十人分の整備が進んでおり、今後も弦巻五丁目の国有地や若林小学校跡地など公有地活用により、計画の達成に向け取り組んでおります。
第七期計画策定時を含め、今後三年ごとの高齢介護計画策定時に、高齢者のニーズ把握に努め、今後とも介護が必要になっても住みなれた地域で住み続けられるよう、整備計画を計画的に実施してまいります。
次に、特養ホームに入れない、医療が必要な高齢者の方についてです。
医療制度改革により入院期間が短縮し、早期の退院がふえていることなどから、区では、医療、介護の連携を推進するため、あんしんすこやかセンターに在宅療養相談窓口を開設し、在宅医療の相談や、入院、転院、入所の相談などに対応しております。
また、入院が必要な高齢者の在宅生活を支援するため、看護小規模多機能型居宅介護や、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの地域密着型サービスや、介護老人保健施設の整備を計画的に進めております。
本年四月には梅ヶ丘の「うめとぴあ」の民間施設棟に、短期入所療養介護、訪問看護、療養通所介護などを併設しました在宅強化型の介護老人保健施設を開設し、区内の介護老人保健施設は十カ所となります。入院中で医療を必要とする方でも特養を申し込んでいただいている方がいらっしゃいます。特養ホームでも看取りや医療的ケアへの対応が可能な施設もふえてきているため、それぞれの状況に応じまして、医療的ケアが必要な方の特養の申し込み相談に丁寧に対応しております。
今後とも、医療と介護の連携強化に努め、誰もが安心した生活が送れるように支援してまいります。
次に、二〇二五年に向けて、認知症の方を含めたサポート体制についてです。
平成三十年三月現在、認知症の症状があり、何らかの支援を必要とする方は約二万二千人で、このうち約半数の方は在宅で生活されており、認知症の方の在宅生活を支援することは大変重要と考えております。
認知症は、早期対応、早期支援することで発症や進行を遅延することができることがわかっており、また、入院や施設入所など環境の変化によって認知症の症状が進行するリロケーションダメージを予防するため、できるだけ住みなれた環境のもとで生活することが重要となります。
このため、区ではあんしんすこやかセンターに「もの忘れ相談窓口」を設置するほか、認知症予防プログラム、認知症初期集中支援チーム事業など、早期支援、早期対応により発症の遅延や重度化予防に取り組んでまいりました。また、認知症の方と御家族のサポート体制の強化に向け、二〇二〇年に認知症施策の中核的かつ専門的拠点として、梅ヶ丘の「うめとぴあ」に開設する認知症在宅生活サポートセンターの開設に向け、現在、サポート室で準備を進めております。
今後も認知症在宅生活サポートセンターを核として、あんしんすこやかセンター、介護事業所、地域の方々とともに、認知症の方の意思が尊重され、誰もが住みなれた地域で暮らし続けられるよう、認知症施策を総合的に進めてまいります。
また、医療、介護、リハビリのネットワークについてです。
高齢になると、脳血管疾患や骨折、肺炎などにより入院治療が必要となる場合も多くありますが、在院日数が短縮化している中、早期の退院が求められています。退院後の療養の方向性を決めるため、御本人、御家族は、病院の医師、看護師や医療ソーシャルワーカーなどと相談し、リハビリテーションを行う回復期や慢性期などの病院への転院や、老人保健施設への入所などを検討します。
区でもあんしんすこやかセンターの在宅療養相談窓口で、御本人、御家族のお気持ちや状況を丁寧にお聞きし、転院や老人保健施設等の施設入所、在宅医療や介護保険サービスの情報提供や紹介を行っております。
今後のさらなる高齢社会の進展を見据え、高齢者の生活を支えていくために、医療職、介護職などの多職種が参加する医療連携推進協議会で、リハビリテーションを含め、切れ目のない医療と介護の提供体制の構築に向けて検討を進め、誰もが住みやすい地域づくりに全力で取り組んでまいります。
最後に、二〇二五年、七十五歳以上の人口の増加する中での区の対応についてです。
団塊の世代が皆七十五歳以上となる二〇二五年には、世田谷区の高齢者人口は二十万人に近づき、介護など何らかの支援を必要とする人の割合がふえる、後期高齢者が前期高齢者を大きく上回ると予測しております。
高齢になっても社会とのつながりを維持し、生きがいを持って暮らすことが、生涯現役社会を実現し、健康寿命の延伸にもつながってまいります。超高齢社会が進展する中、高齢者はサービスの受け手だけではなく、働く意欲のある元気な高齢者は積極的に支え手として活躍いただけるよう、意識の醸成と地域づくりに取り組んでまいります。
区といたしましては、誰もが住みなれた地域で生き生きと暮らし続けられるよう、住まい、医療、予防、介護、生活支援のサービスが一体的に提供できる、地域包括ケアシステムの深化に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、児童相談所等について、三点お答えをいたします。
一点目でございます。自治体間のネットワークを構築すべきにお答えいたします。
特別区共通の検討課題の一つとして共通システムの構築が議論されてまいりましたが、各区の基盤システムがそもそも異なることから、当面は各区において独自の児童相談所システムを構築することとしております。
自治体間の連携につきましては、国は昨年七月の児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策におきまして、緊急性が高い場合には対面等においてケースの引き継ぎを行うこととするなど、児童相談所間、自治体間の情報共有の徹底について全国ルールとして定めているところでございます。
また、区の児童相談所の開設当初のケースの引き継ぎに当たりましては、子どもの安全を最優先として、都区は協力して丁寧な引き継ぎに臨むこととしており、これにとどまらず、開設後におきましても、都区間を初めとする自治体間の転居の際には、全国ルールにのっとりました丁寧な引き継ぎを徹底してまいります。重要なルールの確実な実施に向け、これらの運営を担保できるよう、適切な人員配置や効率的な役割分担などの体制整備に努めてまいります。
二点目でございます。現状で児童相談所、子ども家庭支援センター、学校、警察等で迅速かつ確実な情報共有ができているのかという御質問に対してお答えいたします。
現在、児童福祉法の定めに従い、都内では要保護児童支援協議会において、子ども家庭支援センターや都の児童相談所、学校、警察、地域の主任児童委員など、さまざまな関係機関が情報共有を密に図っており、区が児童相談所を設置した以降につきましても、こうした枠組みによる情報共有等が義務づけられることとなります。
しかしながら、このところ続く重大な児童虐待事案の検証等におきまして、情報共有の仕組みがありながらも、児童相談所間や学校、警察等との連携が十分に機能しなかったことが問題点の一つとして指摘されております。
国におきましても、こうした反省から、児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策として、例えば虐待による外傷がある場合は、必ず警察と児童相談所で情報共有するなど、警察や学校との連携強化が示されております。
児童相談所の移管後は、区におきましても新たな強化策に基づく情報共有の取り組みを確実に実施するとともに、児童相談所と子ども家庭支援センターが一体となりました一元的な運営のもと、地域との顔の見える関係を生かした、関係機関との迅速かつ確実な情報共有に取り組んでまいります。
三点目でございます。国立、私立の学校とのネットワークの構築についてでございます。
児童虐待について効果的な援助を行うためには、地域における関係機関がネットワークを形成し、相互に役割分担しながら一体となって援助活動を行うことが重要であり、学齢期にある子どもが生活の中で多くの時間を過ごす学校は、密に連携を図る必要のある関係機関の一つでございます。
御指摘いただきましたとおり、国立、私立の学校に通学する区内児童の割合は高く、当該学校との連携、情報共有は非常に重要な課題であると認識しております。
国におきましても、公立、私立を問わず学校に対しては、児童虐待の早期発見、早期対応や、通告後の児童相談所や市町村との連携に係る留意点について周知を図っているところでございます。
また、区におきましても、国の通知等にのっとり、支援対象児童が通学している私立、国立の学校とは個別に、要保護児童支援地域協議会への参画や、学校と協定を結びまして、出欠状況や家庭からの連絡の有無、欠席の理由などを定期的に情報提供いただくなど連携を図っているところでございます。
今後に向けましては、要保護児童支援地域協議会だけでなく、全区協議会への参画を初め、より一層連携強化に向けた方策について、私立学校を所管いたします東京都とも連携しながら検討してまいります。
以上でございます。
◎淺野 教育次長 私からは、区立小中学校の給食費の関係につきまして五点御質問いただきましたので、御答弁させていただきます。
まず最初に、給食費の負担軽減について、高校授業料の無償化モデル相当に決めた理由という部分、それから議会での説明という部分、それから国の幼児教育の無償化における食材料費につきまして御答弁申し上げます。
今回の教育における保護者の負担軽減施策につきましては、世田谷区として子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援の施策として、給食費や学用品費などを支給している就学援助制度を工夫し拡充することで、教育における保護者の負担軽減を図るものです。
お話しの給食費の費目につきまして、東京都の高校授業料無償化モデル相当の生活保護基準に引き上げることにつきましては、今後の財政負担等を考慮した上で、このたびの制度拡充を、夫婦と子ども二人のモデル世帯におきまして目安としての給与収入としましては年収約七百六十万円で、中間所得層まで対象としたものです。また、議会への御説明につきましては、昨年十一月に、文教常任委員会でシミュレーションを示させていただくとともに、この二月の文教常任委員会でも考え方を示させていただいたところです。また、この間、議会でも御意見等をいただきましたものを踏まえて検討したものでございます。
続きまして、国の幼児教育の無償化ですけれども、国は、子ども・子育て支援法の改正案を閣議決定しまして、先日、衆議院に提出したところで、本年十月から実施したいとしております。
この改正案によると、お話しのとおり、食材料費については、これまでも実費徴収、または保育料の一部として保護者が負担してきたことから、無償化の対象にはならないとされております。
こうした国からの方針を踏まえまして、今後、幼児教育の無償化の関連につきましては、その財源や食材料費の扱いなども含めて、区として検討を進めてまいります。
次に、教育の保護者負担軽減施策は、保護者の三分の二は影響がないような施策であると認識しているという部分の確認という部分。それから、そこの部分を含めて、今回の施策は保護者の三分の二は影響がないような施策であり、やめるべきだと考えるという御質問です。
このたびの施策の拡充によりまして、児童生徒約四万七万千人のうち約一万六千人が対象となると推計され、約三分の一が対象となると想定しております。こうしたことから、お話しのとおり、対象とならないのは約三分の二と想定されます。
教育における保護者の負担軽減施策につきまして、この間、議会での御議論もいただき、今回御提案しておりますが、これは現在の財政状況も踏まえ、子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援としての施策と考えております。
なお、先ほど御答弁申し上げましたとおり、中間所得層までを対象としております。
今後とも、国や東京都の動向を注視するとともに、区の財政状況も踏まえまして、子育て世代の保護者の皆様を初め、多くの区民の方々に御理解いただけるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
◆十九番(菅沼つとむ 議員) 再度質問します。
給食の答弁で、子ども・子育て応援都市、それから憲法や教育の基本理念に定める義務教育の無償や教育の機会の均等、すばらしいことを言いながら、結果的には三分の一しかやっぱり影響がないわけですよ。本来なら世田谷区というのは、中学校まで医療を無料化したわけですよ。教育というのは所得が高かろうと低かろうと、子どもたちに平等にやるというのが基本なんです。だから、給食費の無料化をやるのなら、全額無料化するか、やめた方がいい。再度答弁を求めます。
◎淺野 教育次長 今お話しいただきましたが、憲法や教育基本法に定める義務教育の無償や教育の機会均等といった理念は、教育の基本理念でありまして、普遍的なものとして尊重されるべきものであると考えております。しかしながら、財源との兼ね合いがございますので、今回は段階的なその第一歩として、本年十月より実施を図っていくことで予算案に計上させていただきました。
保護者の方々には、今回の制度拡充を理解していただけるよう、丁寧に制度周知に努めるとともに、今後とも多くの区民の方々に御理解いただけるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
◆十九番(菅沼つとむ 議員) 終わります。
○三井みほこ 議長 以上で菅沼つとむ議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、十一番安部ひろゆき議員。
〔十一番安部ひろゆき議員登壇〕(拍手)
◆十一番(安部ひろゆき 議員) それでは、質問通告に従いまして、順次質問をしてまいります。
一月七日の事務連絡で、平成三十年度保険者機能強化推進交付金の評価結果及び交付額の内示がありました。昨年の決算特別委員会でも質疑した事柄を踏まえ、保険者努力支援制度の交付金についても順次質問をしてまいります。
まず、保険者機能強化推進交付金です。保険者機能の強化に向けて、高齢者の自立支援や重度化防止等に関する区市町村及び都道府県の取り組みを推進するため、各自治体の達成状況に応じて交付されるものですが、三十年度、全国二百億円の予算規模で、世田谷区に対する評価は、交付額が一億一千二百五十五万円とのことでした。
今後、介護保険制度の地域支援事業に充当するということですが、詳細については何も特に説明がありませんでした。
今後の充当先の充当額と事業内容はどのような事柄になるのか伺います。
充当する予算は、本来、国が示した評価指標において、世田谷区の取り組みが劣っている項目に注力し、次年度以降の交付金獲得に向け対応すべきと思います。
今回いただいた平成三十年度保険者機能強化推進交付金に係る評価指標シート集計表の中で、世田谷区の評価が零点という項目があります。三つの項目ごとに分類されておりますが、一番目、PDCAサイクルの活用による保険者機能強化に向けた体制構築で一カ所、二、自立支援、重度化防止等の推進に五カ所、三、介護保険運営の安定化に資する施策の推進で二カ所がありました。事業内容で今後行う予定のこともあると思いますが、予定をされていない対応策もあると思います。
世田谷区で不足している今後の対応策について伺います。
次に、保険者努力支援制度についてです。
この制度は、国民皆保険制度を持続可能にするために、国保の財政基盤を強化するために施行された国の制度であります。
昨年の決算特別委員会で、関係機関、関係所管と連携を強化しながら制度の積極的活用を図り、被保険者の健康保持増進、国保制度の持続的な維持のために医療費の適正化などを役立てるという答弁を受けております。
その上で伺うのですが、現在の保険者努力支援制度の実績と活用について、また、平成三十年度と平成三十一年度の配点と得点及び課題と今後の取り組みの内容について伺います。
国が示した指標では、専門家を交えて構築された保険者努力支援制度の評価基準だと思うのです。その評価項目は大きく三つあるのですが、平成三十年度から三十一年度の得点率が悪化している項目が、一、保険者共通の評価指標のうち二項目、二、国保固有の指標のうち三項目ありました。
今後の施策に対し、国と区の考えに相違があるようです。例えばインセンティブを活用することなどを挙げることができます。昨年の決算特別委員会では制度の積極的な活用を図るとしていましたが、昨年より悪い今回の国の評価に対しては、区はいかがなものでしょうか、残念でございます。
評価の高い項目は、今後も継続していくとともに、評価の低い項目に交付された二億四千万円を活用すること。例えば特定健診以外の他の健診実施や、健診結果に基づく受診勧奨等の取り組みなどを充実することなど必要と思いますが、区の見解を伺います。
次に、教育における保護者の負担軽減策についてです。
この施策については、代表質問でも触れておりますが、その答弁を聞いて大変違和感を感じました。国が掲げている教育の無償化策では、憲法や教育基本法に照らして施策として不十分であり、区が掲げている子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援策として給食費の項目について対象を引き上げると聞こえてしまうからです。一体、世田谷区はいつから国が定めた憲法や法律から、その国の定める教育の無償化の理念を否定し、給食費まで無料の対象を広げるような自治体になったのか。余りにも短絡的な解釈で結論づける、今の世田谷区政を大変苦慮しているところでございます。本当に給食費まで必要か、疑問であります。
また、その対象を中間所得層まで引き上げる論理ですが、参考とした東京都の施策は、あくまで教育費、授業料の無償化であって、本来、給食のない高校では給食費の無料化の概念はないばかりか、私立高校に通う家庭においても相当する授業料を補填しています。
今回の区の施策は、私立小中学校に通う家庭に対して何も考慮されていません。全く不公平きわまりないのが今回の施策です。それに伴い、幼児教育の無償化へも影響していきます。
東京都二十三区でこの例外的な取り組み、自民党世田谷区議団は大変苦慮しているところでございます。再考を踏まえ、納得できる区の答弁を求めます。
次に、本庁舎整備基本設計です。
今回、区から整備基本設計案が提示されました。三十年しかもたない区民会館のリノベーションについては再考を願いたいものですが、今回はその他の施設について質問をしてまいります。
まずは喫煙所です。二月四日に区施設における喫煙場所の設置方針案が報告されました。区立小中学校では既に以前から、敷地内はもとより、屋外の喫煙場所はありません。同じ世田谷区の職員として、学校教職員と、職場で喫煙が許されるその他の行政機関の職員で環境が異なること、不公平ではないかと感じるところでございます。
設置方針には施設利用者の利用状況や経費負担を考慮すると記載されておりますが、本庁に来庁する区民に対して本当に喫煙所が必要なのでしょうか。職員のための喫煙所になっていないか、疑問です。
しっかりとしたアンケートを踏まえ、利用状況を確認した上で設置をすべきと思いますが、区の見解を伺います。
その上で設置をするのであれば、受動喫煙を防ぐため、完全密閉型の喫煙所は必須と考えます。その場合の設置箇所、その費用など検討状況、庁舎全体の改築費用への影響について伺います。
次に、環境に優しい電気自動車の普及に向けた取り組みについて伺ってまいります。
公共施設の改築に際し、急速充電器の設置を要望してまいりました。このたび、本庁舎整備において急速充電器等を整備するそうですが、具体的な内容については記載をされておりません。来庁する区民サービスの向上に向け施設整備が必要と考えます。
また、日本と中国で二〇二〇年には次世代急速充電器の規格統一、世界規格を目指しているそうですが、より利便性の高い設備に研究も必要です。
災害時の電力確保においても、最新の電気自動車は六十二キロワットアワーのバッテリーを搭載しております。据え置き型の蓄電池を購入するより安価でもあります。区庁舎が保有している自動車を更新時にEVに変えることを提案します。区の見解を伺います。
また、東京都環境局は、電動バイクの普及促進事業に、民間に補助金制度を設け普及促進をしているところです。
世田谷区としても、さきの教育における保護者負担軽減策について、東京都の施策を参考にしたわけでありますので、どうぞ電動バイクの普及へ向け、区役所への電動バイクの導入及び充電設備整備をぜひ検討すべきと考えます。区の見解を伺います。
以上で壇上の質問を終わります。(拍手)
◎瓜生
高齢福祉部長 私からは、介護保険、保険者機能強化推進交付金について、二点御答弁いたします。
初めに、交付額、充当先と充当金額についてです。
保険者機能強化推進交付金は、保険者機能の強化に向けて、高齢者の自立支援や重度化防止などに関する取り組みを推進するため、各保険者の達成状況に応じて交付されるもので、平成三十年度に新たに設けられたものです。区市町村の評価指標は、PDCAサイクルの活用による保険者機能の強化に向けた体制等の構築、自立支援、重度化防止、介護保険運営の安定化の三つの大項目があり、交付額は各指標の達成状況による評価点数と第一号被保険者数の割合に応じて算定されます。
昨年十二月に厚生労働省から東京都を通じて評価結果及び交付額の内示があり、世田谷区の評価結果は五百二十二点、得点率八五・三%と、都内六十二自治体で十位、交付額は一億一千二百五十五万一千円と、都内自治体で一位でございました。交付金は年度内に交付予定で、活用は介護保険事業会計の地域支援事業などに使途が限定されております。
世田谷区では、当初予算の配分割合を考慮しまして、地域包括支援センターの運営に九千二百九十万円、認知症施策に六百七十六万円、在宅医療介護連携推進事業に千二百八十九万円、それぞれ充当いたします。
次に、交付金で世田谷区で不足していると判断された項目の今後の対応策についてです。
評価指標の三つの大項目のうち、PDCAサイクルの活用による保険者機能の強化に向けた体制等の構築は、得点率八一・七%で、要介護者数等の推計の際、自立支援・介護予防の勘案が不足していると判断されました。今後、自立支援・介護予防を勘案した要介護者数等の推計方法について検討してまいります。
自立支援・重度化防止の項目では、得点率八八%で、地域密着型通所介護の機能訓練、口腔機能向上などの推進、地域包括支援センターのケアマネジャーからの相談の統計分析などが不足していると判断されましたので、今後、介護予防、重度化防止の充実に向け、その手法について検討してまいります。
介護保険運営の安定化の項目は、得点率七一・四%で、ケアプラン点検の実施割合などで、人口の多い保険者にとっては厳しい点がございますが、今後、効率的なケアプランの点検方法について検討してまいります。
今後とも保険者機能の高い評価が得られるよう、評価内容の点検を行いまして、高齢者の自立支援・重度化防止などのさらなる充実に努め、誰もが住みやすい地域づくりに取り組んでまいります。
以上でございます。
◎板谷
保健福祉部長 私からは、国保の保険者努力支援制度の取り組みに対し、二点お答えをいたします。
初めに、どのように評価しているのかということです。
保険者努力支援制度は、保険者の収納率向上や医療費適正化等、国保が抱える課題への取り組み等に対し、国による評価指標に基づき得点が加点され、その合計点と被保険者数により交付金が算定される仕組みとなっております。
平成三十年度の実績でございますが、算定の基礎となる当区の得点は、八百五十点満点中三百六十九点で、交付額は二億六千万円でした。また、既に平成三十一年度分の国の評価が行われており、当区の得点は九百二十点満点中三百九十二点で、交付額は二億三千九百万円の予定となっております。
なお、被保険者一人当たりの交付額は千二百十一円となり、二十三区の中では十五番目の金額です。
平成三十一年度分の得点ですが、この制度の指標を踏まえ、新規事業として開始しました重症化予防の取り組みや、適正受診、服薬を促す取り組みについては満点を獲得しております。その一方、特定健診等の実施率、後発医薬品の使用率及び収納率向上等の項目では得点がとれていない状況となっております。
国民健康保険制度を安定的に運営し、被保険者の健康の保持増進を図るためには、さらなる取り組みの強化を進め、保険者努力支援制度の交付金を積極的に獲得していくことが重要であると認識をしております。
次に、今後の活用です。保険者努力支援制度の指標の中で課題となっている項目として特定健診の受診率の取り組みがございます。かかりつけ医が行った検査結果を、本人の同意を得て区が入手した場合、健診を受診したとみなすとの基準の見直しが行われたことを受け、医師会との協議に着手しております。
また、収納率向上に関しましては、現年分徴収の徹底、滞納整理の強化、納付の機会の拡大等、着実に収納率向上対策を進め、前年度比の増加による得点の獲得を目指してまいります。
給付の適正化の取り組みに関しましては、加点の対象となる医療費控除に対応できる医療費通知について、システム改修の準備を進めております。
一方、特定健診、長寿健診では肺がん・大腸がん検診との同時受診を行っております。がん検診並びに成人歯科健診を所管する保健所におきましても、各健診受診率の向上を目指し、引き続き受診勧奨に努めてまいります。
区といたしましては、指標達成を目指し、関係所管とも連携を図り、三月中には調整の場を設け、適宜進捗状況を把握しながら対応策を進めてまいります。
以上でございます。
◎淺野 教育次長 私からは、教育における保護者の負担軽減施策につきまして御答弁申し上げます。
今回の教育における保護者の負担軽減施策につきましては、世田谷区として子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援の施策として、給食費や学用品費などを支給している就学援助制度を工夫し拡充することで、教育における保護者の負担軽減を図るものです。
学校給食は、児童生徒の健康の保持増進を図るとともに、食に関する正しい理解を深める上で大変重要な役割を持っております。今回の施策は、公立学校の義務教育をあずかる教育委員会としての立場で、保護者の負担軽減を目指すものです。
このようなことから、財源面を踏まえまして、一定の所得の世帯を対象とする現在の就学援助制度を活用することを考えたところです。
今後とも、国や東京都の動向を注視するとともに、区の財政状況も踏まえまして、子育て世代の保護者の皆様を初め、多くの区民の方々に御理解いただけるよう取り組んでまいります。
以上です。
◎中村 総務部長 私からは、本庁舎の喫煙場所について御答弁いたします。
このたび成立した改正健康増進法及び東京都受動喫煙防止条例は、本年七月以降、段階的に施行され、区民会館を除く本庁舎のような行政機関については、原則として屋内とその敷地内が禁煙とされ、屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所には喫煙場所を設置できることとされております。
これを受け、区は区施設の管理者としての立場から、区施設の喫煙場所に係る方針案を取りまとめ、都条例にのっとった受動喫煙対策の徹底が図られることを前提に、施設利用者の利用状況や必要とされる経費負担等を十分考慮し、既存喫煙場所の廃止、移設等を判断することとしました。
現在の本庁舎においては、各庁舎にある屋内喫煙場所及び受動喫煙対策の徹底を図ることが困難な屋外の喫煙場所の、いずれも廃止をいたします。
一方で、昨年十二月に現在の本庁舎の喫煙場所五カ所において利用実態調査を実施したところ、全体で一日延べ百五十人を超える来庁者の利用が確認されたことなどから、来庁する区民の利便に供するために、本庁舎に喫煙場所が必要と判断し、受動喫煙対策を徹底することができる環境にある、第三庁舎三階の吹き抜け部分に喫煙場所を設けることを検討しています。
今後、国や都から喫煙場所の設置について、より詳細なガイドライン等が示される予定です。引き続き調整を行い、適宜議会へ報告させていただきます。
以上です。
◎松村
庁舎整備担当部長 私からは、本庁舎等整備における二点の質問にお答えをいたします。
まず、新庁舎における喫煙所の設置についてでございます。
新庁舎における喫煙場所の設置につきましては、実施設計の中で、区施設における喫煙場所の設置方針案に基づき、喫煙する方、しない方、子どもから高齢者まで多数が来庁する庁舎におきまして、各部署の配置、区民の方の動線など、利用者の状況や受動喫煙の防止などの観点から、東西敷地内の適切な場所を検討してまいります。
また、喫煙場所のしつらえにつきましては、関係所管と調整をしながら、法、都条例の規定、基準を満たすとともに、現在、屋根を設置する形式を想定しておりますが、出入り口や換気設備から排出されるたばこの煙が人の往来の多い場所や建物の開口部等へ流入しないよう、設置場所の状況を十分考慮しながら整備をしてまいります。
なお、費用につきましては、喫煙場所一カ所当たり約九百万円程度を想定しております。今回お示しした庁舎等建設費の中で対応できるものと考えております。
次に、電気自動車の充電設備の整備につきましてお答えいたします。
本庁舎等整備における電気自動車の充電設備につきましては、世田谷区地球温暖化対策地域推進計画の公共施設の整備における環境配慮の推進に基づき、本庁舎等整備基本設計案におきまして、電気自動車用の普通充電器を五台、災害時の利用を想定した急速充電器を二台、東棟の地下駐車場に設置する計画でございます。
災害時の電力確保としましては、最大電力の五〇%程度を七日間以上稼働できる非常用発電設備などを設置する計画としておりますが、お話にありましたとおり、電気自動車は環境、災害対策の両面の効果が期待されます。こうしたことからも、実施設計におきまして、今後の電気自動車の普及も見据え、来庁者用急速充電器の導入に当たっての運営管理の課題への対応も含めまして、東西駐車場への分散配置や設置台数などにつきまして引き続き検討を行い、将来の対応が可能となるよう配慮した本庁舎等整備に取り組んでまいります。
以上です。
◎畝目 環境政策部長 私からは、区役所庁有の電動バイクの導入について御答弁を申し上げます。
区役所への電動バイクの導入につきましては、環境性能が高く、区の環境率先行動にもつながるものと認識してございます。ただいま御答弁がございましたように、本庁舎等整備の中で、公用の電気自動車の使用を目的とした充電器及び非常用発電設備からの電源供給を確保する計画としてございます。電気自動車だけではなく、電動バイクへの電源活用も可能となります。
区といたしましては、こうした観点なども含め総合的に勘案しながら、原動機付自転車の買いかえにあわせまして、電動バイクの導入について検討を進めてまいります。
以上でございます。
◆十一番(安部ひろゆき 議員) 今回の教育における保護者の負担軽減策なんですけれども、先ほど、教育委員会としての立場という形で御答弁いただきましたが、やはり同じ世田谷区民で私立学校に通っている方は多数いらっしゃるんですよ。そういった意味で世帯的に不公平じゃないかなって思うんですが、また今後、東京都と同じように、何かしら私立学校に通っている世帯の方にもそれに見合うような援助制度、今回は約十万円ぐらい各世帯に配るという金額的に伺っておりますので、その考えもあるかどうか、これは区長さんにぜひ答弁をいただきたいと思います。
〔
保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 それでは、安部議員の再質問にお答えをいたします。
私は、子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援の施策の一環として、今回、就学援助制度の枠組みを見直して、教育における保護者の負担軽減の充実を、ちょうど消費税率の引き上げが予定されている本年十月に実施する判断をいたしました。
今回の保護者負担軽減施策につきましては、今後の社会保障関連経費の増などの財政面を見通す中で、国公立小中学校に通う一定の所得の世帯を対象とする、現在の就学援助制度を活用することにしたところであります。
また、教育における保護者の負担軽減施策の充実を図ることとし、就学援助制度の給食費の費目については、年収約七百六十万の世帯までを対象とする、いわば中間所得層まで基準を引き上げることにより、対象者を拡大するとともに、あわせて今回の制度拡充について周知、説明に努め、申請をしやすくする、申請率のアップを図っていくということを意図しております。
お話にあった私立小中学校の扱いにつきましては、就学援助制度の対象としておりませんので、今回は東京都の高校授業料無償化モデル相当の基準で、就学援助制度により支援をすることとしたものでございます。御理解をいただきたいと思います。
◆十一番(安部ひろゆき 議員) その御理解、御理解ということなんですけれども、やはりそれにかかわる世帯の方、多分今の説明で本当に理解いただけるかどうか、私は非常に疑問です。先ほど、菅沼議員もありましたが、やはり教育って、皆さん公平に分け与えるものでありますので、そこら辺を含めて、多分これから予算委員会でいろいろと協議されると思いますので、それを見守っていきたいと思っております。
以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で安部ひろゆき議員の質問は終わりました。
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○三井みほこ 議長 次に、十八番津上仁志議員。
〔十八番津上仁志議員登壇〕(拍手)
◆十八番(津上仁志 議員) 質問通告に従い、順次質問してまいります。
初めに、健康寿命延伸のための施策について伺います。
健康寿命延伸のための重要な要因の一つにフレイル、虚弱の予防が挙げられています。今回はフレイル予防の中でも運動について質問いたします。
昨年、会派視察で伺った大阪府大東市では、あくまでも主体は住民との考えで、行政は活動が広がるようサポートに徹し、高齢者のいらっしゃる団体に対し健康でいることが介護保険料軽減につながることを訴えるとともに、健康体操の実施を促し、中心で活動するサポーターの養成を行うだけでなく、半年ごとに体力測定会、健康度測定、年一回の口腔機能評価などを出前で実施、参加者の動機づけと継続実施につながるよう取り組んでいらっしゃいました。そうした取り組みにより効果を実感した参加者が知り合いに声がけをし、ともに参加するなど、年々参加者も、取り組み団体も、ともにふえていると伺いました。
一方、世田谷区では保健センターが元気体操リーダー養成、指導員の派遣などを行っておりますが、担い手不足などで活動を休止する団体もあると伺っています。改善していくべき課題もあり、まだ十分とは言えないのではないでしょうか。
そこで質問いたします。
フレイル予防のために、地域で活動する団体を巡回し、定期的に体力測定などのフレイルチェックも行う、フレイルサポーター養成を進めるとともに、既に実施している専門家による指導や体力測定など、出前で行う出張健康応援団を、申請を受けて実施するのではなく、元気体操を実施する団体などへ定期巡回させるなど拡充を図り、継続した取り組みとなるよう検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。
次に、運動処方への対応について伺います。
運動処方とは、運動の種類、強度、時間、頻度の四つを実施する方に合わせて処方することを言い、これまでは肥満の方や糖尿病患者に対して主に行われてきましたが、最近では健康増進を目的とするなど、病気のある方だけでなく、全ての方を対象に実施され、健康経営に活用する企業などもふえています。
区では、特定健診・特定保健指導の実施のほか、保健センターにおいて健康度測定、運動負荷測定を行い、結果に基づいた健康増進指導を実施しておりますが、年間千八百名程度の利用となっております。区には、がやがや館運動室、総合運動場トレーニングルーム、温水プールなどの運動施設もあり、がやがや館、総合運動場には専門家であるトレーナーなどと連携することで、より多くの方が運動処方に基づいた健康づくりに取り組めると考えます。
区は、世田谷区保健センターのみで実施するのではなく、連携した取り組みも検討すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、都営下馬二丁目団地における創出用地の活用について伺います。
現在、建てかえ事業が進められている都営下馬二丁目団地には高層化により創出される用地があり、その活用について、これまでも求めてまいりました。
昨年の決算特別委員会では、区として三期工事完了後に行われる東京都との協議に向け、政策経営部を交えて施策を要望している、関係部署に内容等を確認し、しっかりと調整を図っていくとし、区内に不足する障害者グループホーム、サービスつき高齢者住宅や都市型軽費老人ホーム、保育園などの福祉施設を整備するとしました。
都営下馬二丁目団地は、千世帯を超える、区内でも大きな団地の一つですが、ひとり暮らしの高齢者が多く、周辺地区よりも著しく高齢化が進んでおり、都の二十七年度調査による都営住宅の高齢化率は六三・四%と非常に高く、その傾向は年々強くなっている実態を象徴しています。
また、建てかえにより、これまでのコミュニティーが崩れ、見守りを行ってきた担い手も不足するなど大きな課題を抱えており、これらの対策を特に進める必要のある地区となっています。
以前、会派で視察させていただいた都営戸山ハイツ内では暮らしの保健室が設置されており、訪問看護師が常駐し、健康相談などができ、気軽に立ち寄れるコミュニティースペースとして、高齢者の孤独化、孤立化を防ぐ大きな役割を担っていました。
そこで二点質問いたします。
初めに、創出用地への施設整備について、関係部署と調整を図るとしておりましたが、具体的な施設などの検討状況について伺います。
次に、近隣地区に比べても特に高齢化率が高く、ひとり暮らし高齢者が多く、孤立化などが懸念される都営下馬二丁目団地において、創出用地における福祉施設整備に際しては、都営戸山ハイツにある暮らしの保健室のように、常設で高齢者の見守りなどが展開できる場を確保し、高齢者の孤立化、孤独化を防ぐ取り組みを行うべきと考えますが、区の見解を伺います。
次に、三軒茶屋駅周辺のまちづくりについて伺います。
区は今般、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針案を示しましたが、具体的な計画、実施は、今後検討としており、代表質問においても指摘をされておりましたが、平成十八年策定の三軒茶屋駅周辺交通バリアフリー基本構想において既に挙げられている滞留スペースの不足、歩行空間の確保、国道二四六号線による南北分断、昭和女子大学付近の歩道橋などの課題については、十年以上も検討を進めているにもかかわらず、同基本方針においてはその解消のための具体的な対策や道筋は全く示されておりません。これまで検討に費やした時間や労力、議論はどうなっているのでしょうか。
そこで三点質問いたします。
一点目に、国道二四六号線にかかる横断歩道橋がありますが、階段部分が広いため、歩道の幅員を大変狭くしております。長年の課題であり、これまでも国と連携した改善を求めてまいりました。昭和女子大学からは敷地内に橋脚部分を設置してもよいなど、さまざまな御意見もいただいており、昨年実施した国の調査、検討結果も踏まえ、区はどのように解消していくつもりか、伺います。
二点目に、人が滞留できるスペースの確保について伺います。
事故などにより地下鉄が運休した際など、駅周辺に人があふれ、大変危険な状況になります。区は再開発事業と連携し確保していくようですが、首都直下型地震の想定される中で、駅前に人が滞留できる敷地を確保することは喫緊の課題であり、早急にさまざまな可能性を検討すべきです。
例えば、ほとんど活用されていない三茶パティオ上部を塞ぐことにより、地上部分の広場空間が確保できるのではないでしょうか、区の見解を伺います。
三点目に、地下空間の創出、活用について伺います。
南北地域の分断解消、歩行空間の確保のために、駅を中心とした地下空間を創出し活用することをこれまでも求めてきました。札幌駅前には都心全体を結ぶ地下通路「チ・カ・ホ」が整備され、イベントスペース、マルシェ、休憩スペースなどが設置され、単なる通路ではなく、にぎわいの拠点として利用され、開通後の歩行者数は約三倍にまでふえ、周辺商業施設の売り上げにも貢献しているそうです。
三軒茶屋についても同様に、駅を中心として地下空間を創出させることで、新たな魅力となるのではないでしょうか。
また、さきに触れましたが、昭和女子大学方面への歩行者、自転車などの通行が多くなっている現状を考えれば、例えば昭和女子大学までの地下通路も検討するなど、回遊性を確保するために地下空間を広げることも重要だと考えます。
このような地下空間を創出し活用していくためには、鉄道事業者、再開発組合など、民間団体との連携は不可欠であると考えますが、協議の場を設置するなど、具体的に協力が図れるよう取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎辻
世田谷保健所長 私からは、健康寿命延伸のための施策について二点、まず運動処方等で、保健センターに加え、区内運動施設との連携も検討すべきではとの御質問にお答えいたします。
区立保健センターでは、十八歳以上の区民を対象に、尿や血液検査及び体成分測定等の結果に基づく、医師による指導及び専門職による栄養、運動、休養の面からの総合的な相談を行う健康度測定を実施しております。
こうした健康度測定の受診者には、生活習慣改善の機会として、運動等の教室や講座を含む健康増進指導への参加を促しており、毎年延べ一万人以上の区民の参加があるほか、六カ月後の再測定の機会も設けております。
また、健康度測定の結果から心疾患が疑われ、要精密検査となった区民に対し、専門測定機器による運動負荷測定を行い、希望者には医師の診断に基づく運動処方のほか、個人に合った安全な負荷をかけたマシントレーニングの実践指導も行っております。
加えて保健センターでは、スポーツ振興財団等との共催事業を展開しており、総合プラザへの移転後も連携を深めるとともに、他施設との協働による運動処方の取り組みにつきましては、区民ニーズや効果等を勘案し検討してまいります。
次に、活動団体などへの支援の拡充についてお答えいたします。
区立保健センターでは、地域の健康活動の活性化に向け、毎年、区民主体の活動団体へ運動指導員を一千回以上派遣し、延べ一万八千人以上の区民を支援しております。
また、運動指導のボランティアリーダーとして養成したせたがや元気体操リーダーの派遣は年間延べ三千回を超えております。さらに区民の地域の健康づくりへの参加を促す動機づけとして、各地域の総合支所、サロン等の団体並びに児童館等からの要請に応え、保健センターの職員が地域に直接出向き、体成分や骨密度の測定、運動や食生活等の講話や、壮年期向けの運動講座なども年間を通じ実施しております。
総合プラザに移転後の区立保健センターでは、活動団体の支援の拡充や、区民主体の健康づくりの一層の活性化を目指しております。そのため、地域の健康づくりの支援強化や、新規グループの発掘、育成に加え、地域で実施しているフレイル対策を含めた介護予防の取り組みも活用し、活動団体メンバーの健康度測定や健康指導の場の拡充等について、区としても保健センターとともに検討してまいります。
以上です。
◎渡辺
都市整備政策部長 私からは、大きく二点に御答弁申し上げます。
初めに、都営下馬二丁目団地における創出用地活用について、都との協議の状況でございます。
都営下馬二丁目団地の建てかえ事業における創出用地の活用につきましては、東京都が行う公共住宅建設に関する地域開発要綱に基づきまして、平成二十六年三月に、東京都に対し区の要望を伝えてきております。この要望に対しまして、東京都より平成二十六年九月に別途に協議する旨の回答をいただいております。協議についての東京都からの連絡は現在までございませんが、問い合わせをしている中では、来年度以降ということで伺っております。
なお、現在のところ、工事につきましては順調に進んでいるという状況を聞いてございます。
また、具体的な施設の整備につきましては、区は、創出用地における施設整備につきまして、面積約〇・八ヘクタールの用地の部分につきましては、スポーツ施設を含む公園施設として東京都が整備することを要望しております。また、面積約〇・六ヘクタールの用地につきましては、高齢者施設、保育施設、障害者施設を要望してございまして、東京都が用地を各事業者に貸し付けを行い、事業者が施設を建設する方式を想定しているところでございます。
今後の東京都との協議に向けまして、昨年末に施設を要望している関係部署を含め、役割分担等を改めて確認したところでございます。引き続き東京都と適時、その進捗に合わせましてしっかりと対応してまいります。
次に、三軒茶屋駅周辺まちづくりに関しまして、駅周辺の回遊性の確保及び滞留できるスペースの確保についてでございます。
議員お話しのとおり、三軒茶屋駅周辺地区は、古くから交通の要衝でありながら、幹線道路の歩道が歩行者の通行量に対して狭く、また、駅周辺に人々が滞留できる広場や町の回遊性の確保などが、町の課題として捉えてございます。
こうした中、今般お示ししましたまちづくり基本方針の案におきまして、まちづくりの方向性としまして交通結節点の形成や多様な空間の創出などを掲げてございます。
区といたしましては、現在策定中のまちづくり基本方針を踏まえまして、議員御提案の点がございましたけれども、こちらも含めまして、新しいパブリックスペースとして地下空間の活用や、駅と周辺のビルが連続的につながる空間の創出、また、周辺建物や駅機能の更新などの機会を捉えまして、鉄道事業者を初めとした民間事業者との意見交換の場を設けるなど連携を図りながら、さまざま課題があると思いますけれども、整理をした上で具体的な取り組みを今後検討してまいります。
以上です。
◎瓜生
高齢福祉部長 私からは、都営下馬二丁目団地に暮らしの保健室をつくれないかとの御質問に御答弁いたします。
建てかえが進んでいる都営下馬二丁目団地では、高齢者の孤立防止や見守りを目的として、社会福祉協議会が医療機関や介護事業所と連携し、団地内の集会所で、ミニ講座や福祉の相談、お茶とおしゃべりのサロンを開いています。
また、隣接のグループホームを会場に、近隣の訪問看護ステーションの看護師が、町会、あんしんすこやかセンター、民生委員の協力を得て出張「暮らしの保健室」を実施し、また、特別養護老人ホームにおいては昼食会が開催されるなど、さまざまな活動の中で相談活動も行われております。
さらに一月より福祉の相談窓口の一環として、団地内の集会所で転居に伴う困り事や、健康、生活にかかわる相談などに対応できるよう、月一回、あんしんすこやかセンターと社会福祉協議会が出前相談窓口を開始しております。
このほかに、団地に隣接する二カ所の特別養護老人ホームで行っている「高齢者身近なお休み処」では、区内では特養と高齢者施設を活用し五十カ所に広がっておりますが、外出時の休憩やトイレの利用、相談もお受けしており、継続した支援が必要な方はあんしんすこやかセンターにつなぐなど、いつでも利用できる身近な見守りや相談の場にもなっております。
これまでの都営住宅の自治会や関係機関の連携などによる取り組みを生かし、今後も見守りや介護予防につながる地域の居場所づくりや、担い手の発掘、会場の開拓などにより、高齢者が安心して暮らせる地域づくりをさらに進めてまいります。
以上でございます。
◎平澤
世田谷総合支所長 私からは、国道二四六号線にかかる歩道橋の改修の進捗と方針について御答弁申し上げます。
国道二四六号線の昭和女子大学前にかかる横断歩道橋の付近については、歩道橋の階段により歩道の幅員が狭く、歩行者が通行しづらいなどの意見が寄せられており、区では、歩道橋及び歩道を管轄する国土交通省東京国道事務所と連携協力し、課題解決に向けた調整を進めております。
東京国道事務所では、平成二十九年度の歩道橋及び歩道の交通量調査に引き続き、昨年十一月から歩道橋改修へ向けた地域団体等への意向確認を行いました。
区といたしましては、地域の声を踏まえ、歩道橋及び歩道利用者の利便性等を考慮しながら、歩道の有効幅員を確保するため、引き続き東京国道事務所及び関係所管と連携協力して、歩道橋改修の実現を図ってまいります。
以上でございます。
◆十八番(津上仁志 議員) 一点再質問させていただきたいんですけれども、下馬の団地の中に暮らしの保健室というお話をさせていただいたんですけれども、先ほど、瓜生部長が御答弁いただきましたけれども、本当にあんしんすこやかセンターもそうですし、社協さんもそうですし、本当に団地のことを心配して、いろいろ取り組みはしていただいているんですけれども、なかなかお住まいの方が御存じない、ほとんど利用されていないような活動もあったりするんですね。
ですから、一体的にそれぞれがそれぞれでやるのではなくて、しっかり一体的になるような取り組みもしていただくのと、あと、まちセンもそうなんですけれども、常設であっても、なかなか相談に来るというのが周知しないとわからないということもあります。月一回とか開催していても、なかなかそこの場所にそのタイミングで行けるということもないので、やっぱり高齢化している、特に高齢化が進んでいる場所で常設であるということが非常に重要だと思うんですね。その辺を取り組んでいただきたいと思うんですが、一点お願いいたします。
◎瓜生
高齢福祉部長 暮らしの保健室の設置についての再質問に御答弁いたします。
高齢者の中には、みずからの困り事に気づかない方や、困っていても相談に来られない方もいらっしゃいますので、区では支援が必要な高齢者の方を把握するため、民生委員ふれあい訪問とあわせ、あんしんすこやかセンターによる実態把握訪問を実施し、昨年度は両方合わせて約四万二千人の方の訪問を行い、必要な支援につないでおります。
また、事業者との見守り協定や地区見守りネットワークの取り組みにより、支援が必要な高齢者に関する情報を寄せていただくほか、二十四時間三百六十五日、地域の方が誰でも電話相談できる高齢者安心コールなど、窓口で待つだけではなく、地域全体で高齢者を見守る体制づくりを進めております。
御指摘のように、身近なお休み処や出張相談窓口など、まだまだ十分に行き渡って、行き届いていないという現実がございますので、引き続き取り組みの周知に努め、誰もが安心して住み続けられる地域づくりに、地域の方々、事業者、区とともに手を組んで取り組んでまいりたいと思います。
以上でございます。
◆十八番(津上仁志 議員) 常設ということを求めたんですが、そこにはなかなか御答弁いただけていないんですけれども、代表質問でも申し上げましたけれども、地区の再編というものもやはり必要だと思うんですね。下馬もかなり高齢者の方が多い地域でもありますし、例えばあんすこさんだけをサテライト的に団地に置くとか、そういうことも検討していただきたいと要望して、質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で津上仁志議員の質問は終わりました。
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○三井みほこ 議長 次に、四十九番佐藤弘人議員。
〔四十九番佐藤弘人議員登壇〕(拍手)
◆四十九番(佐藤弘人 議員) それでは初めに、区域外における介護施設整備についてお伺いいたします。
ついに我が国は、二〇一八年三月に前期高齢者と後期高齢者の人口が逆転して、後者が多数となり、今後しばらくの間、両者の差は広がる一方、団塊の世代の方が全員七十五歳以上に到達する、二〇二五年大介護時代はもうそこまで迫っています。しかし、政策の効率化やスピードアップが求められる今、自治体の諸課題への対策は不十分であると言わざるを得ません。
例えば、今後、要介護者がふえることによって、高齢者のニーズも多様化していきます。さらに生活保護受給者のうち四割を六十五歳以上の方が占めている現状を踏まえると、貧困についても顕在化していることは大きな問題です。
いずれにしても、単に国から示されたメニューを漫然と実施するのではなく、私たちの町の課題に沿った抜本的な制度や政策の整備が急務ですが、現実にはほとんど効果のあるレベルでの実施がなされていません。特に高齢者の方の住まいの選択肢拡大は喫緊の課題です。
そんな中、杉並区は、全国初の区域外特別養護老人ホームである、エクレシア南伊豆が昨年三月に開設し、区内における用地確保の困難さなどを解消する整備を自治体間連携によって実現しました。
また、豊島区では、姉妹都市である秩父市との移住促進モデルケースとなるサービスつき高齢者住宅の整備プロジェクトを発足し、移住後も区のサービスを受けられる二地域居住のあり方について研究に入りました。
このように自宅ではない在宅をどうつくり出すかという点も視野に入れるべきであり、自宅から距離が離れているか近いかだけでなく、その方や御家族にとって新しい生活の場になり得るかが重要ではないでしょうか。
そこで二点質問いたします。
一点目に、今後の後期高齢者の増加に対し、サービスつき高齢者住宅や特別養護老人ホームの新たな整備については、地価の高い区内における適地だけでは、利用料など経済的なニーズに応えられないと考えます。まず、現在、既に区域外に入所されている区民の状況とあわせて、整備への意識、意向についての見解を求めます。
二点目に、さきに述べた総合的な視点に立ち、他自治体との連携による具体的な協議に入るべきです。既に他自治体の施設に入居、入所している区民は多くいることを踏まえると、区内整備に固執する必要性はないと考えますが、区の見解を求めます。
次に、紙おむつのリサイクルについて、その二としてお伺いいたします。
昨年六月の第二回定例会での一般質問に続き、これまで廃棄型のビジネスモデルとして成り立ってきた紙おむつをリサイクル事業として転換すべき時期を迎えているのではないでしょうか。
NIPPON紙おむつリサイクル推進協会の推計によると、二〇一七年に出た大人用おむつごみの量は百四十四万七千六百トン、実に四十五リットルごみ袋約九千六百五十一万個分に達しており、市場には常に約四百種類のおむつが販売されています。
このままでは近い将来、各地で紙おむつごみを処理し切れなくなる可能性も指摘されており、その要因として、第一に介護施設や病院など大量のおむつを事業系ごみとして有料で業者に引き取ってもらうため、事業者や利用者のコストが増大をする。第二に、水分を含んでいるため、燃えにくく、焼却炉への負担が大であり、既に焼却施設への搬入を認めていない自治体もあり、今後、埋立地への影響も懸念されている。第三に、水分を含むと重みが四倍になり、回収や輸送のコストも増大すると、大きく三つ挙げられており、これらを踏まえると、今般、ユニ・チャーム株式会社と鹿児島県志布志市とが地域活性化連携事業の一環として使用済み紙おむつのリサイクル化が成功し、二〇二〇年より再生された紙おむつの販売が予定されている意義は大きいと考えます。
そこで二点質問いたします。
一点目に、環境省は来年度中にリサイクルを促すガイドラインを発表する予定と聞いていますが、区としてごみ減量及びリサイクルの必要性はどう考えているのか、改めて区の見解を伺います。
二点目に、紙おむつリサイクルへ、世田谷区としては、まずは介護施設や病院への回収をベースに、本格実施へ向けた具体的な検討に入るべきです。世田谷区単独での実施のみならず、近接区や東京都との連携を図り、ユニ・チャームとの連携協定へ
リーダーシップを発揮すべきと考えますが、区の認識を伺います。
最後に、事前防災についてお伺いします。
火山列島であり、震災大国である日本は、地球上の全ての陸地の〇・二四%しかないにもかかわらず、日本とその周辺海域で起きる地震は、世界で起きる全ての地震の二割に達しています。
また、昨年七月に起きた西日本豪雨の特徴は、広い範囲にわたり大量の雨が長時間降り続いたことによって大きな被害をもたらしました。
東日本大震災から間もなく八年を迎えますが、災害が起きるたびに、想定外、異常気象と騒ぐのではなく、常に我が国の自然科学的な特性を思い起こし、長期的な視野に立って、地域の災害特性を踏まえた事前防災対策に取り組んでいくことが重要だと考えます。
その一例として、昨年九月に発災した北海道胆振東部地方を震源とする地震によって広範囲で大きな影響を与えました。特に北海道のほぼ全域が一時停電したことが挙げられますが、その中で、北海道を中心に千百店舗を運営するセイコーマートでは、多くのスーパーが休業を余儀なくされる中、被災直後から千五十店舗が車のバッテリーから電源をとり、営業を継続していたのです。その理由は、ふだんから非常用電源キットを店舗に配付するなどの事前準備によって、有事における対応が可能だったそうです。
すなわち、事前防災、平時における人的・経済的被害を軽減するために未然に対策を講じること。つまり、自助、共助、公助の大切さが言われている中で、まず、みずからの安全確認が第一であることを忘れてはなりません。そして、私たちはそのような自然環境の厳しい国に暮らしている。昔も今も常に厳しい自然条件、災害と折り合って生活していかなくてはならないのです。
その自助の観点から三点質問いたします。
一点目に、豪雨対策についてです。
豪雨被害を防ぐには、雨水をためる、雨水が下水道に行くのを防ぐ、もしくはおくらせるしかありません。そこで、来年度における雨水貯留システム、レインステーションや貯留槽など、整備目標や強化エリアについて具体的な方針を伺います。
二点目に、インフラの耐震化についてです。
上下水道は東京都、ガスは東京ガス、電気は東京電力など、区内におけるインフラの耐震化はどこまで整備が進んでいるのか、全てが明らかにはされていません。既得権として、既に民間事業者が担っているとはいえ、公共の立場として一元管理を行うべきと考えますが、区の見解を求めます。
三点目に、災害配備型住宅助成制度の創設についてです。
災害時における避難所には、全区民は収容できませんし、環境も劣悪が予想されます。よって、自宅で避難生活をいかに数日間しのげるのかが最重点と考えるならば、住宅用蓄電池や非常用貯水機能つき給水管などメニューに組み込んだ、災害配備型住宅助成制度の創設を求めますが、区の見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎瓜生
高齢福祉部長 私からは、区外における介護施設整備について、二点御答弁いたします。
初めに、区外施設への入所状況と区外整備への意向についてです。
特養ホームやサービスつき高齢者向け住宅などは全国各地の施設が利用でき、昨年の実績では区外の特養ホームの入所者は、都内特養ホームで四百四十六人を含め約七百二十人、また、区外のサービスつき高齢者向け住宅の入居者は、都内住宅で五十六人、二十二府県にわたり百三十七人の合計百九十三人となっており、住所地特例で世田谷区が入所後も保険者としてかかわっております。
区外の施設に入所している方の御家族などからは、面会が遠くて大変、緊急の際に駆けつけることが難しいなどの理由で、区内施設への入所相談が寄せられることもあります。また、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定時に実施しておりますニーズ調査でも、介護が必要になっても世田谷に住み続けたいという方は九割に及んでおります。
区では、こうしたことを踏まえ、今後とも区内での施設整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、区内施設整備の区の見解でございます。
他自治体が進めている地方での施設整備は、高齢者がなじみのない土地へ移ることになり、家族や友人、知人との関係も希薄になるなど、現在の生活と切り離され、心身への影響も含め課題があると考えております。
一方、区では、御本人みずからの選択により、区外施設などを希望される場合は、国の介護サービス情報公表システムなどの検索機能などを活用し、施設の基本情報、特色や金額、契約方法、入所までの流れなど丁寧に情報提供を行うほか、施設選択のポイントなどアドバイスするとともに、必要な支援に努めております。
また、区内に住み続けたいという多くの区民の希望に沿えるよう、比較的低額な家賃で入居が可能な都市型軽費老人ホームや、在宅生活を支える地域密着型サービスの整備を推進するとともに、在宅での生活が難しい方が速やかに入所できるよう、公有地などを活用し、特養ホームの整備を計画的に進め、誰もが住みなれた地域で安心して生活を続けることができるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
◎原田 清掃・
リサイクル部長 私からは、紙おむつのリサイクルについて、二点お答えします。
まず、ごみ減量及びリサイクルの必要性についてです。
国の第四次循環型社会形成推進基本計画では、高齢化に伴い、大人用紙おむつの利用が増加することを踏まえ、使用済み紙おむつのリサイクル技術等の調査、リサイクルに取り組む関係者への支援、リサイクルに関するガイドラインの策定等を行うと掲げております。
区では、一般廃棄物処理基本計画でごみ減量の目標を定めて、リデュース、リユースの2Rについて重点的に取り組んでいますが、リサイクル可能品目がふえることは、さらなるごみ減量に資するものと考えています。
そこで、粗大ごみに含まれる資源化対象品目の拡充として、今年度から羽毛布団のリサイクルに取り組んでおり、ことし一月までの十カ月で四百キログラム強、約三百枚をリサイクル事業者に売り払いし、再び羽毛布団として再商品化されております。
使用済み紙おむつ等の新たなリサイクル品目につきましても、環境への負荷やコスト面など、さまざまな課題を考慮しながら積極的に取り組むべきと考えております。
次に、本格実施に向けて具体的な検討に入るべきについてお答えします。
御提案の紙おむつですが、議員御指摘のとおり、高齢者人口が確実にふえる中、ごみとして廃棄される使用済み紙おむつは増加すると考えております。紙おむつをリサイクルすることは、原材料となる森林資源の保護につながり、また、焼却処理に比べCO2排出量の削減効果があり、区で掲げる環境に配慮した持続可能な社会の実現に向け、大変参考となるものでございます。
そこで、使用済み紙おむつから上質パルプへのリサイクル技術を開発した民間企業を、区の関連部署のスタッフで訪問し、紙おむつのリサイクルシステムの仕組みについて情報を収集するとともに、東京都と情報交換を行いました。
その中で、このシステムでは使用済み紙おむつ専用のリサイクル施設を新たに整備する必要があり、その施設の設置や運営主体、建設経費や運営経費、安定的に使用済み紙おむつを搬入する仕組みなど、検討しなければならない課題も多くあることがわかりました。これらの課題を一つ一つ解決しながら、使用済み紙おむつのリサイクルに向けた事業展開の可能性について、関係部署や民間企業と連携して検討してまいります。
以上でございます。
◎桐山
豪雨対策推進担当参事 私からは、事前防災のうち、豪雨対策に関する御質問について御答弁申し上げます。
世田谷区の流域対策につきましては、区内全域で二〇一七年度までに三十九万四千立方メートルの雨水流出抑制の行動目標に対しまして、約四十万九千立方メートルの対策を行ってまいりました。
区では、豪雨対策をこれまで以上に推進するため、昨年六月に、今年度から四カ年の新たな豪雨対策行動計画を策定し、二〇三七年度までに時間十ミリ降雨相当の約九十六万立方メートルの雨水流出抑制を実現する目標を見据えまして、二〇二一年度までに時間五・四ミリ降雨相当の五十一万五千立方メートルの達成を目指しているところでございます。そして、来年度につきましては二万七千立方メートルの流域対策を目標としているところでございます。
流域対策の推進のうち、道路における流域対策では、レインステーション等のプラスチック製雨水貯留浸透施設の整備は有効な手法であると認識しております。
区では、平成二十九年度末までに約千七百立方メートルの対策量となるレインステーション等の雨水貯留浸透施設を道路の下などに整備してまいりました。区内で豪雨対策モデル地区に指定した上馬・弦巻地区など四つの地区のうち、今年度は中町・上野毛地区において整備中でございまして、来年度につきましても、引き続き同地区内で整備を予定しております。
今後もモデル地区を中心にレインステーションなどの整備を実施するとともに、モデル地区以外につきましても、道路工事等に合わせまして整備を行い、流域対策を一層推進してまいります。
以上でございます。
◎小山 道路・
交通政策部長 私からは、区内のガス、水道などのライフラインの耐震化の情報を一元的に把握する必要性について御答弁申し上げます。
首都直下型地震の発生への備えが叫ばれる中、阪神大震災、東日本大震災など大規模地震の教訓を踏まえ、各占用企業者は、水道、下水道、ガスなどのライフラインの耐震化に取り組んでいるところでございます。
耐震化に関する情報につきましては、各占用企業者のホームページなどで概要が掲載されており、区もそうした情報源から耐震化の情報を入手しておりますが、各占用企業者によりましては、世田谷区に限定した情報とはなっていないところもあります。区民が防災の事前準備を十分に行うためにも、生活に必要なインフラに関する耐震化の情報を一元的に把握し、わかりやすく伝えていくことが必要と認識しております。
今後は、占用企業者が一斉に集う場である道路調整会議などを活用しながら、各企業者に耐震化に関する情報の提供を求めるとともに、その結果につきまして、区のホームページ等に掲載してまいります。
以上です。
◎渡辺
都市整備政策部長 私からは、事前防災として、災害配備型住宅助成制度の創設につきまして御答弁申し上げます。
区では、災害に強い住宅、住環境の実現を目指しまして、世田谷区都市整備方針において「安全で、災害に強く復元力のあるまち」を目標に掲げまして、また、世田谷区第三次住宅整備後期方針におきましても位置づけながら、これまで住宅等の耐震診断や耐震改修などに鋭意取り組んできてございます。
委員御指摘の高い安全性を持つ構造の住宅に、さらに発電・備蓄機能を持たせるほか、水の備蓄装置等を配備し、地震等の災害時に在宅避難を可能とするということは、住宅の耐震化や省エネルギー化とともに重要な視点と認識してございます。
このことは、平成二十四年の建築基準法の改正におきましても、備蓄倉庫や蓄電池、自家発電設備、貯水槽を設ける部分について、その床面積を一定の範囲内で容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しないという緩和規定が新たに導入されてございます。
区といたしましては、世田谷区の第四次住宅整備方針の策定に向けた議論も開始してございまして、住宅及び地域の災害対策という観点から、御指摘の内容も含めまして、関係所管とも連携を図りながら、具体的な方策につきまして検討してまいりたいと考えております。
以上です。
◆四十九番(佐藤弘人 議員) 再質問を一点します。
区域外の介護施設ですけれども、誰もが自分の住みなれた町にずっと居続けたいというのはみんな思うんですよ。でも、経済的に施設の利用料が高くて、それを阻むわけですよ。だから、その選択肢を広げるべきじゃないですかという話をしているんです。都市型軽費老人ホームとおっしゃいますけれども、倍率があって、公的住宅と余り変わりません。要支援の方で急に自立生活が困難になって、ひとり暮らしができなくなったときに、では、どこをというときに、その金額が高ければ、幾ら情報提供いただいても、その情報提供をもらって、では、どこが自分に合っているのか、金額も含めてというそしゃくができない御高齢の方がふえているということを言っているんです。
だから、そのコーディネート機能をしっかり設けるという意味と、コーディネート機能には区内だけではなくて、首都圏も含めて、群馬とか、茨城とか、そういったところも全てコーディネートできる民間の団体や会社が今ありますから、そこと連携して私は進めるべきだと言っているんです。
昨年末、七十八歳の御高齢の男性の方を同じようにコーディネートしていただいて、群馬県のサービスつき高齢者住宅、個室で三食ついて、介護保険も利用できて月額十万円ですから、それぐらいだったら何とかしのげるという選択もちゃんと提供してあげないと、だんだん行き場がなくなるということを言っているので、その認識を踏まえて、もう一回答弁をお願いします。
◎瓜生
高齢福祉部長 区外施設の希望者へ、入所までのコーディネート機能についての再質問について御答弁いたします。
区外施設の入所希望者につきましては、ふるさとであるとか、親族がいらっしゃる、希望される方については、区では、先ほど申しましたように国の検索システムなどを活用して支援を行っておりますが、入所のアドバイスなどを行っておりますが、入居、入所というのは契約行為を伴いますので、判断能力が低下するなど支援が必要な方には、成年後見制度を活用するなど、誰もが安心した生活が送れるよう、また、関係職員がしっかりさまざまな情報を確認して支援できる仕組みを構築してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○三井みほこ 議長 以上で佐藤弘人議員の質問は終わりました。
これで本日の一般質問は終了いたします。
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○三井みほこ 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。
なお、明二十二日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時三十四分散会...