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平成30年  9月 決算特別委員会-10月12日-07号

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  1. 世田谷区議会 2018-10-12
    平成30年  9月 決算特別委員会-10月12日-07号


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    平成30年  9月 決算特別委員会-10月12日-07号平成30年 9月 決算特別委員会 平成三十年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第七号 日 時  平成三十年十月十二日(金曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十七名)    委員長       河野俊弘    副委員長      高久則男    副委員長      桜井 稔              安部ひろゆき              石川ナオミ              おぎのけんじ              加藤たいき              上島よしもり              上山なおのり              菅沼つとむ              畠山晋一              真鍋よしゆき              山口ひろひさ              山内 彰
                 ゆさ吉宏              和田ひでとし              板井 斎              岡本のぶ子              河村みどり              佐藤弘人              高橋昭彦              津上仁志              平塚敬二              諸星養一              風間ゆたか              中塚さちよ              中村公太朗              羽田圭二              藤井まな              江口じゅん子              たかじょう訓子              中里光夫              村田義則              大庭正明              そのべせいや              田中優子              桃野よしふみ              阿久津 皇              小泉たま子              佐藤美樹              高岡じゅん子              田中みち子              あべ力也              上川あや              すがややすこ              ひうち優子              青空こうじ  出席事務局職員           議事担当係長 末吉謙介  出席説明員   副区長            宮崎健二   教育長            堀 恵子   教育委員会事務局           教育次長   淺野 康           教育総務課長 會田孝一           学務課長   内田潤一           幼児教育・保育推進担当課長                  須田健志           学校健康推進課長                  末竹秀隆           教育環境課長 桐山徳幸           副参事    秋元勝一   教育政策部   部長     工藤郁淳           学校職員課長 馬場利至           教育指導課長 青木雄二           教育相談・特別支援教育課長                  松田京子           新教育センター整備担当課長                  増井賢一           副参事    板澤健一           副参事    加藤敏久   生涯学習部   部長     花房千里           生涯学習・地域学校連携課長                  田村朋章           中央図書館長 松田一清     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  認定第一号 平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定  認定第二号 平成二十九年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第三号 平成二十九年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定  認定第四号 平成二十九年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第五号 平成二十九年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定文教委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○河野俊弘 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 本日は、文教委員会所管分の決算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  せたがや希望の会、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 おはようございます。では、せたがや希望の会の文教所管の質問を始めます。  地域の中で学校長の責任、役割が余りにも大きくなり過ぎているのではないかという観点から質問いたします。  このところ大災害が続いていて、被災された方々の御苦労は報道などを見ても大変なことだと感じられます。しかし、報道が少なくなってくると、一般的にもう大丈夫なのではないかと思うこともありますが、実は避難所生活が続いているということも多いのです。避難所生活にはとても問題があり、その調整など大変なはずです。  そこで、区に、改めて小中学校に開設されている避難所の責任者は誰かと聞いてみますと、明確な答えがありません。まず、総合支所長だという答えがありました。しかし、これは区政の責任者は区長だということと同じで、実際には意味のないお答えです。おかしいのではないかと申し上げると、今度は、災害発生が学校業務時間中においては、学校長が避難所開設まで行い、その後は、避難所運営組織に引き渡すというお話のようでした。学校運営と避難所運営はどのような関係になっているのか、なお心配となったわけです。  そこで、所管にどうなっているかと伺ってもはっきりしたお答えがないので、まずは各学校の学校協議会の規約を調べました。学校協議会の目的、第二条には、災害時における学校、家庭、地域並びに関係諸機関との連携のあり方の検討とされ、第三条方針には、本会は、災害時における学校、家庭、地域並びに関係諸機関との連携・協力を円滑に進めるための活動を推進するとされ、第四条活動内容では、非常災害時における学校及び関係諸機関の役割についての協議並びに講習会、訓練等となっています。  非常に多岐にわたっていますが、では、これを行う責任者は誰かというと、第六条に会長は学校長とするとなっています。問題は、学校長がこのような全ての責任を果たすことができるかということです。災害時には、地域の避難所運営組織に避難所の運営を任せるといっても、施設の管理者としての責任は残ります。  世田谷は地域運営学校として、地域が学校運営に関与していく先駆的な取り組みが行われているのですが、その取り組み姿勢は評価いたしますが、余りにも学校長に責任、仕事、調整事項などが集中し過ぎているのではないでしょうか。  さらには、世田谷は学校運営委員会――これは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律上は学校運営協議会ですが――を各学校に設置しているのですが、この運営委員会は教育委員会の規則によれば、その学校長は委員長となることができないとされているものの、委員会運営要綱によれば、校長は学校運営の状況等について、適宜、運営委員会に報告しなければならないとされ、さらには、校長は、運営委員会が適切な運営を行えるよう必要な情報の提供及び説明を行うよう努めなければならないとされて、委員長ではないものの、ほとんど学校長が委員会運営を行いなさいということとなっています。  さらには、学校を取り巻く仕組みとして、学校評議員、学校関係者評価委員会学校支援地域本部など、きら星のごとく、さまざまな仕組みが並んでいます。そのさまざまな仕組みが世田谷の特色であるとも言われます。それぞれの組織は発足の段階でそれぞれの理由があり、よかれと思ってつくられたわけでありますし、それに参加する区民も、この考えに賛同しているわけですが、逆に全体から見ると余りにも複雑で、果たして機能しているのか、整理できるのか。そして、災害時で言えば、大丈夫か。さらに、一番の課題は、学校長がこれらの組織運営に忙し過ぎるのではないかという懸念を持つのです。  私は、学校長にはまず学校運営、それも子どもたちの将来に向けた楽しい学校づくりに全力を注いでいただきたい。そのためには、現在学校長が担っている地域に関する事務などについて、何らかの見直しを行う時期が来ているのではないかと思いますが、お考えを伺います。 ◎青木 教育指導課長 御質問の校長の役割についてお答えをいたします。  まず、災害の発生時というところが具体的であったかと思いますのでお答えいたしますと、避難所運営に関しては、組織されました避難所運営委員会が中心になって運営いただくことになっており、校長は災害の発生が学校の教育活動中である場合には、全教職員をまとめ、子どもたちの安全を確保するということに全力で努める役割がございます。  ただ、学校は地域とともにございますので、万が一のときには、学校施設である体育館、普通教室等、地域の方々が安心して過ごせるような空間として御活用いただくということがございます。今後も、地域の避難所運営にかかわる方々と連絡を密にして、子どもたち、地域の方々等が安心して日々の生活ができるように連携してまいります。  あと、お話がございましたさまざまな学校を支えていただく組織につきましては、リーダーシップを校長がとっていくというところは大変重要な役割であると考えますし、地域とともに子どもたちを育てる教育を推進しております本区といたしましては、適宜、校長を事務局として支援しながら、円滑な学校運営、楽しい学校の実現に努めてまいります。 ◆小泉たま子 委員 私が最後に申し上げたのは、地域に関する事務などについて何らかの見直しを行うべきではないかと申し上げたんですけれども、そういうことを視点に入れながら、これからの学校運営を見ていっていただきたいと。そういうことがあるならば、やっぱり速やかに、その方向に向いていただきたいということを要望しておきます。  この問題は学校長の忙しさの解消ということ以上に、根本的な問題があると思います。幾ら会議の位置づけや運営を見直しても、例えば避難所運営について、区民組織に任せても施設の設置管理者、責任者としての責任は免れませんし、そのための負担もあります。地域の中での最大の施設の管理責任者が学校長であることが問題です。これについては、少なくとも災害時での避難所運営については地域に任せることとなった段階で、区としても新たな考えを採用したとも言えます。  地域に任せるとなった以上は、その避難所運営に関するトラブルや施設利用に当たっての障害などについても、地域側が責任を持つということとなります。さらには、災害時にそのような対応をとるということであれば、平常時にもそのための準備が必要です。  地域の最大の施設、さらには災害時の区民の生活を守るという機能を学校施設、建物が担っていくということであれば、当然地域の責任者である総合支所、支所長も学校施設の維持管理についても関心を持たなければならないはずです。日常は知らないふりをしておいて、災害時だけお願いするということはあり得ないことです。  また、世田谷の各学校は地域開放の設備を整えてきています。この地域開放の各種施設についても、その責任者は学校長であって、地域の区民はそれを大変都合よく使わせていただいているということ、これはおかしいことです。地域開放施設についても、地域側が一定の責任を果たすべきです。  このようなことから、私は、義務教育としての学校運営の責任者と地域での学校施設の管理責任者を、一人の学校長が担うということは限界であり、見直しを考えていくべきであると考えています。一般論からすれば、施設の設置目的、法律上の位置づけ、さらには補助金の問題など、引き続き学校長、教育委員会が担っていくべき根拠が百も二百も出てくることは目に見えています。  一方で、教育委員会も何もやっていないわけではなく、例えば世田谷区立学校施設の開放に関する規則においては、学校開放により施設を利用させる学校の校長は、学校開放に伴う管理上の責任を負わないものとするとされています。学校長が管理上の責任を負わないということは、では、誰が責任を負うのかというと、その規則では教育委員会が責任を負うということになっています。これが現実的でしょうか。大都市世田谷において、区民に身近な行政――地域行政を目指して、施設の管理権限などを現場におろそうとしています。しかし、教育委員会は、逆に現場の責任者である学校長の責任を外し、教育委員会で管理しようとしています。  私は、ここで学校施設利用の責任を学校長に戻せと言っているのではありません。考え方の基本を改めて、施設の管理運営については地域に移管するということが考えられてよいはずです。世田谷独自の地域運営学校という言葉を発展させるならば、文字どおり学校の通常業務が終わった時間帯で、施設の管理運営を地域に任せる新たな仕組みの検討があり得ると思いますが、お考えを伺います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 学校は児童生徒が下校した後においても、教材の片づけや翌日以降の準備、教材研究等、教職員の普通教室や音楽室などの特別教室を活用しております。特に中学校においては部活動などがあり、教育活動として学校で管理する時間は長い傾向にございます。学校施設の使用に関し必要な事項を定めた世田谷区立学校施設の開放に関する規則におきましては、学校の状況を踏まえ、体育館や校庭、テニスコートなど、平日は午後六時三十分からの開放時間と規定しております。  今後とも、地域の方々の御理解をいただきながら、教育活動に支障がない限りにおいて、学校施設を区民の方々に使用していただくための環境整備に取り組んでまいります。
    ◆小泉たま子 委員 地域運営学校というその名のもとに、これが達せられるように、この名に恥ずかしくないように、しっかりと地域のための学校であるということを念頭に置いてやっていただきたいと思います。  次に、組織について伺います。  以前に、ある演奏会のポスターで、世田谷区合唱連盟という名称の組織が書かれていました。これは世田谷全体の合唱の方々の集まりであろうと、連絡をとりたく、区の文化・芸術振興課に連絡先を聞いたのです。すると、文化・芸術振興課はその団体について全く把握していない、わからないというお答えだったのです。  これはおかしいのではないかと、区立の小中学校では合唱コンクールなどが盛んでありますし、区民の方々も合唱活動のグループがとても多く盛んであります。そのまとまりである世田谷区合唱連盟というものを文化・芸術振興課は全く把握していない。花房生涯学習部長は、以前、区で文化・国際課長でおられましたが、どこが所管かとお伺いしたいところですけれども、省きます。  結局、調べ回った後でどこが担当所管であるかというと、何と今いらっしゃる生涯学習部の生涯学習・地域学校連携課が所管だったんです。推測するに、社会教育担当に社会教育なり団体支援の担当があるので、例えば、合唱グループがその担当の支援を受けて合唱連盟という全区的組織をつくり、そのまま教育委員会所管の団体として活動してきたということだと思います。  それぞれの担当者が悪いと言っているのではありません。ただし、このような活動が広がっていき、より充実した区民活動、また、話題となっている二〇二〇オリパラ大会に向けてレガシーづくりを行っていこうなどとなると、区民活動がより幅広くわかる、支援の仕組みもわかりやすくなっているという区全体の取り組みが必要だと感じます。  この観点から考えると、いわゆる生涯学習というテーマへの取り組みがばらばらでよいのかと考えます。一時期、区としても生涯学習ということが大きく取り上げられたことがありました。全ての世代をつなぐ生涯現役社会の実現への重要な仕組みとも期待したのですが、このところ全く前向きな取り組みが見えません。他の自治体では、図書館の運営も含めて、文化、スポーツ、生涯学習を一くくりにして新たな組織をつくり出し、活性化させていくというところもあります。  花房部長は、先ほど申し上げましたが、区の文化・国際課長でおられました。また、教育長は以前、区の生活文化部長もやっておられました。その経験から、区全体の生涯学習を組織としても一つにまとめていくということについてのお考えを部長にお伺いしたいと思います。 ◎花房 生涯学習部長 現在国におきまして、図書館や公民館、博物館を地域の活性化に生かす方法の検討を中央教育審議会に諮問し、社会教育施設の活用方法の見直しの検討を始めております。  また、文部科学省におきましては、組織改正が行われ、十月から生涯学習政策局を改め、総合教育政策局が設置される予定でございます。委員のお話もございまして、人生百年時代となった現代において生涯学習がどうあるべきか、行政としてどのように、区民の皆様にとって自主的、主体的な参加と学習の場をどういう形で取り組む必要があるか、改めて考える時期であると認識をしてございます。  いずれにしましても、今後も国の動向を注視いたしまして、委員の御指摘も視野に入れさせていただきまして、議員等の御意見を賜りながら、検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆小泉たま子 委員 国の動向よりも、今はもう既に七つぐらいの自治体がスポーツ、文化、芸術創造、その方向に、そういうところに入れて、その部に入って図書館経営をしているんです。そういうところが既にあるということです。今までは教育のほうにあったものを生かしたということで、とてもうまくいっているということを調べてわかりました。区民の生き生きした生涯学習の推進のために、ぜひとも国の動向を見ないで、区民はどうあるべきか、区民にどうしたらいいかということで考えてやっていただきたいと思います。  これで私の質問を終わって、阿久津委員に交代いたします。 ◆阿久津皇 委員 私からは、教育委員会での海外視察について伺ってまいります。  教育委員会では、平成二十六年度にオランダ、二十七年度にフィンランド、昨年度はイタリアへ視察に行かれたということですが、それぞれの渡航先は先進的な取り組みをされていたり、あるいは学力の国際比較ランキングで上位にランキングされているとか、それぞれ学ぶところが多いところなんだろうなというのはよくわかるんですけれども、そういった視察で得られたことが、実際にどのように教育ビジョンであったりとか、あるいは学校現場に反映されているのかなということがなかなかよく見えないなと思いまして、伺ってまいります。  まず、平成二十七年十一月に視察されたフィンランドについて、どのようなことが得られたのかお聞かせください。 ◎板澤 副参事 平成二十七年度に実施されましたフィンランドにおける教育視察では、主体的な学びを支えるフィンランドメソッドによる指導の工夫や、いじめ、不登校に対応するサポートチームのあり方、ICT機器の効果的な活用方法等の先進的な取り組みとともに、図書館やユースセンターを初めとした地域の施設と連携した教育活動などについても学ぶことができました。  視察しました内容につきましては、現在設計が進められております教育総合センターにおける研究、研修の構築や教職員研修の充実、ICT機器の設置拡大、プログラミング教育の推進や関係機関と連携した教育の推進等に生かしてまいりました。なお、より一層の充実に向けまして、今年度からフィンランドメソッドを学ぶ教員研修が実現したところでございます。  また、特に学校だけでは解決が難しい問題への対応を目的といたしまして、平成二十七年度に世田谷区教育委員会内に設置しました弁護士、臨床心理士、医療の専門家等から構成されます教育支援チームにつきましては、フィンランドでの視察を踏まえまして、その価値や重要性を再確認し、より学校の困難な課題に積極的に介入していく役割が明確にされました。こうしたことによりまして、学校と教育支援チームとのかかわりが密になるとともに、教員が子どもたちに向き合う時間の充実や不安の解消につながってございます。  今後とも、学校が抱えるさまざまな課題に対して速やかに、かつ、適切に対応できますよう、視察の成果を生かしまして、教職員の研修を充実させ、よりよい学校づくりを進めてまいりたいと考えております。 ◆阿久津皇 委員 フィンランドメソッドというお言葉もありましたけれども、そういったこともそれぞれ学ばれた中で、一番の実績というか、実際に動き出しているということが、教育支援チームの役割が明確になったということだったんですけれども、教育施策全体を見たときに、視察の成果としてそこをおっしゃるのは、少し物足りないのかなというふうに考えております。  フィンランドであれば、例えば授業日数が百九十日と、OECD加盟国の中でも少なくて、日本よりも四十日ほど少ないと。あるいは夏休みも二カ月ほどあって長くて、その間、子どもたちは宿題がなかったり、あるいはテストがなかったり、そういったことで子どもたちの自主性を伸ばしながら、それでも学力はしっかり維持している。先ほどおっしゃっていたフィンランドメソッドというところになると思うんですけれども、読解力が非常に高いとか、図書館の数が非常に多い、そういったことを実際の教育現場にダイレクトに反映する内容がもう少し取り込まれていくといいのかなというふうに考えています。  また、昨年度、イタリアへ行かれていると思いますが、イタリア視察の内容について、ちょっと短目でお願いしたいんですが、内容をお願いします。 ◎須田 幼児教育・保育推進担当課長 今回、イタリアでの視察では、レッジョ・エミリア市において、子どもの対話を通し、好奇心や想像力などを育むとともに、非認知的能力を伸ばす教育、保育の実践ですとか、芸術の専門家を活用した教育環境整備等、特色ある幼児教育・保育を展開するところを見てまいりました。  区としましては、イタリア視察の成果とともに、国内外での先進事例等を取り入れながら、公立私立幼稚園、保育所等を対象とした合同研修の実施ですとか、そういったところに生かして、平成三十三年度開設予定の教育総合センター内に設置する予定の乳幼児教育支援センターの機能に反映させていきたいと考えております。 ◆阿久津皇 委員 短目にお答えいただきありがとうございました。それぞれ今おっしゃった非認知能力であったりとか、プロジェクト活動、こういったことによる自主性とか協調性、そういったことを世田谷の教育にしっかりと反映していただきたいなということと、それぞれ視察に行かれた先、オランダのピラミッドメソッドというのもありますけれども、視察先を見ると、区の目指す指導の方向性として、子どもたちの自主性を伸ばし、またあるいは想像力、こういったものを育む教育なのかなというふうに理解しておりますので、世田谷の子どもたちが社会をたくましく生き抜く力を身につけるように、しっかりと視察の成果を反映していただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆高岡じゅん子 委員 生活者ネットワークの文教所管の質問を始めます。  初めに、登下校の安全確保について質問いたします。  六月の大阪高槻市での地震によるブロック塀の倒壊、児童の死亡事故を契機といたしまして、世田谷区全体でブロック塀などの安全性への危機感が高まり、通学路の合同点検などで危険箇所のあぶり出しが進んでいるということを評価いたします。  さて、登下校の安全を脅かすような台風や集中豪雨、ゲリラ豪雨などの極端気象というのが地球温暖化の進行により、年々ふえていくということが予測されています。ことしは、世田谷区内で観測史上最高の一時間当たり百十一ミリの雨量というのが記録されるなど、今までと同じ対策では不十分な状態だと考えます。  こちらの写真ですが、十月一日の朝の九時、私自身が近所で見つけた状況です。企画総務所管で委員の皆様にはお見せしたものなんですけれども、このように区道に、こちらにトタン屋根が落ちておりまして、そしてよく見ますと、ここに文のマークがあります。ここは通学路だったわけです。この朝も子どもたちがこの道を通って通学していたということで、今回は、幸いにも子どもに特にけがというのはなかったようですが、今後、台風や突風などに対応した児童の安全対策について、どのように取り組んでいくのか見解を伺います。 ◎青木 教育指導課長 教育委員会では、平成二十六年度に登下校時の子どもの安全を確保するために、台風接近・通過等に伴う臨時休業等に関するガイドラインを設けました。午前七時における暴風警報等の発令状況による対応について、世田谷区として統一の基準を示しております。  各学校では、毎月安全指導日を設定いたしまして、その中で台風等の風水害についても計画的な指導を実施しております。自己の安全を守るために、切れた架線、電線や飛来物などに注意するなど、危険と安全な行動の仕方の指導、通学路の危険箇所などを児童生徒に周知などを行っております。  また、暴風雨や台風の接近、通過に際しましては、前日など、事前に登下校時の危険回避の行動について、具体的なポイントを再度確認しております。状況によっては、登校前に教職員が主な通学路の安全を点検したり、下校時に集団下校を行って教職員が付き添ったりするなど、必要な措置をとるようにしてございます。  今後も児童生徒が危険を予測し、回避する能力を育成するとともに、区長部局や関係機関との連携、地域の方々や保護者の協力を得ながら安全対策を進め、児童生徒の登下校を含めた学校内外、生活全般の安全確保に取り組んでまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 子ども自身が飛来物や切れた電線など、台風通過後に起きる危険について具体的に知り、自分自身の対応能力を高めるという防災教育が最も重要な教育委員会の責務と考えます。より一層力を入れていただくように求めます。また、必要に応じ登校時に教職員による安全点検や保護者の皆さんに付き添っての登校をお願いするなど、地域とも協力し、災害対応力を高め、児童の安全な登下校を守ってください。  次に、ことしから特別な教科として実施された道徳教育について質問します。  来年度、中学校での教科化に向けて教科書の見本展示を見る機会がありました。どの教科書にも年間の授業時数に合わせた三十五の単元があり、もし各教員の皆さんが、この教科書を単になぞって教え込むような考えで道徳の時間を持つならば、本来道徳の時間の学び方として提言されていたアクティブラーニング、対話的で深い学びには到底ならないのではないかと懸念を持ちました。  今年度から実施されている小学校での道徳の時間の学び方について、教育委員会としてどのように指導しているのか伺います。 ◎加藤 副参事 特別の教科道徳につきましては、道徳的な問題を自分のこととして考え、グループやクラスで議論し、よりよい生き方について一人一人が探求することによって、多面的、多角的な思考を促し、主体的・対話的で深い学びが実現できるものと考えております。本年度から小学校が教科書を使用して指導計画に沿って授業を進めておりますが、主人公の気持ちの変容をただ単に聞いていくスタンダードな授業の展開だけではなく、思いやりとは何かとか、真の友情について考えよう、正しいとわかっていても、なぜ人は行動できないのかなどの問題解決的な学習や問題場面を想定した役割演技などの体験的な学習を教科書の教材に応じて効果的に導入するように、道徳教育推進リーダー研修や教育指導課訪問、校内研修等で指導助言をしてまいりました。  また、子どもたちの学びをより深めるために、教科書の教材とあわせまして、区独自で作成している教材集や新聞記事を活用したり、運動会や学芸会、職場体験などの学校行事や清掃活動等の地域行事、これらの体験、体感と結びつける工夫、あわせましてゲストティーチャーに実感を伴ったお話をいただく機会を持つことなどについても、積極的に進めていくように指導をしてきたところでございます。  次年度から中学校にも教科書が導入されますけれども、小学校と同様に、特別の教科道徳の授業が子どもたちにとって考えることが楽しく、深い学びの機会となりますように、教科書とその附属した道徳ノートの効果的な利活用と指導計画・評価の充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆高岡じゅん子 委員 自分の頭で考えて、多数意見に流されず、きちんと自分の意見が言えること、暴力や攻撃的な言葉ではなく、相手に理解してもらえる形で自分の考えを伝えること、対話的で深い学びの手法では、人間関係を良好にするスキルの向上が期待されています。新聞記事を利用した今日的な話題を使った授業などの試みは、ぜひ積極的に続けていただくように求めます。今後も画一的な道徳を覚え込ませるということではなく、みずから考える子どもを育てる指導を続けることを求めます。  続きまして、最後に、こちらも来年度から中学校に導入が決まった特別支援教室に関して伺います。  二十八年度から全区立小学校に設置された特別支援教室は、ことしで三年目になり、利用児童数も導入以前に比べ飛躍的にふえていると聞きます。それに伴い、拠点校の数もふやすなど学習環境の整備が進んでいます。現状について伺います。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 教育委員会では、平成三十年三月に世田谷区特別支援教育推進計画第二期を策定し、特別支援教育のさらなる推進に取り組んでいるところです。二十八年四月に、発達障害などの児童が在籍校で一部特別な指導を受けることができるよう、区立小学校全校に特別支援教室――こちらすまいるルームと呼んでおります――を導入いたしました。小学校への全校導入によって、二十八年度の特別支援教室の利用人数は、制度導入前の四百一名から五百四名に増加し、二十九年度は七百五十名、平成三十年度は九百九名と年々増加しております。拠点校の整備の状況ですが、当制度の導入当初は二十八年度十六校で巡回指導を開始し、二十九年度は十八校、三十年度は三十校と毎年二校ずつ増設し、巡回指導体制の強化に努めております。 ◆高岡じゅん子 委員 ただいまの三十年度は二校ふえて二十校ではないかと思うんですが、ちょっと数を確認いたします。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 失礼いたしました。二十校でございます。 ◆高岡じゅん子 委員 三十校にふえると大変だと思います。  制度開始に比べて四百一人から九百九人という、ほとんど二・三倍ふえたということです。そして、保護者が付き添って移動しなくて済むということでふえているということで本当に評価されている、また、児童が利用しやすくなっているというふうに考えています。  一方、文部科学省が平成二十四年度に実施した調査によりますと、学習障害や注意欠陥多動性障害、また、高機能の自閉症など、学習や生活面で特別な教育的配慮を必要とする児童生徒数については、約六・五%程度の割合で通常学級に在籍しているという可能性があるというふうに調査の結果がなっています。  世田谷区の区立小学校の在籍児童は、ことしの五月一日で三万六千六百十七人、それに対しての九百九人というのは大体二・五%となり、まだこの制度の利用につながっていない児童や保護者が一定数いるというふうに推測できます。今後も利用児童数の動向を注視していく必要があると考えております。  巡回指導の拠点校もふやし、指導体制の充実を図ってきたということですが、指導の人員体制の強化も十分に進んでいるのでしょうか、伺います。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 人員体制につきましては、拠点校に配置された巡回指導教員が対象児童の在籍校を巡回して指導を行うほか、拠点校に非常勤の区費の講師を配置し、特別支援教室において生徒の自立と社会参加につながる指導を行っております。また、各小学校に特別支援教室専門員が一名ずつ東京都から配置され、巡回指導教員や校内の連絡調整や児童の学習支援等を行うほか、臨床発達心理士──こちらも東京都が派遣しております──等が、一校につき年間四十時間を上限に訪問し、対象児童の特性や状態に応じた指導上の配慮等について、教員に助言を行っております。 ◆高岡じゅん子 委員 巡回指導の中心を担う、対象の児童十人に対して一名の都から配置の巡回指導教員に加えて、区独自で非常勤講師を各拠点に配置しているということです。ざっと計算すると、各拠点に五から七名程度のチームが配置されているという計算になります。全校に支援教室を配置しつつ、教員は拠点校に集約することで、教員同士のチームとしての助け合いや相互研さんの効果が期待されます。この方式の強みを生かすためにも、巡回指導教員の専門性のさらなる向上が望まれます。  また、各校での特別教室専門員や特別支援教育コーディネーターの働きも重要です。学級担任と課題を共有し、一人一人の児童の困り感を理解し、クラスでの学びをいかに豊かにしていくかということも大きな課題ではないでしょうか。教育委員会として、区立小学校での特別支援教室運営を通じて、現在見えてきた課題について伺います。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 御質問の課題でございますが、利用児童数の増加に対応しつつ、引き続ききめ細かい指導、支援を行うため、拠点校の増設や巡回グループの再編、それに伴う特別支援教室の指導場所の充実を図ることが必要と考えております。また、研修やOJTなどを通じて、巡回指導教員の指導の質のさらなる向上や専門性を確保することなども現状の課題であると認識しております。 ◆高岡じゅん子 委員 指導場所の環境づくりの課題が挙げられました。各校一部屋の特別支援教室を開始時の二倍に近い児童が利用しているのが現状です。指導効果を高めるためのより一層の工夫を求めます。また、有効性の高い簡単な工夫については積極的に情報発信し、必要に応じて在籍クラスでも応用するなど、児童の学習環境の向上に役立てていくよう求めます。  巡回指導員の指導の質の向上のためにも、各指導員の専門性の向上と、担任、特別教室専門員、巡回指導員のチームとしての連携の強化が必要だと考えます。学校は社会の縮図と言われます。多様な人とともに暮らす共生社会、排除や差別のないインクルーシブなまちを子どもたちがつくっていくためには、まず、子どもたちが今生活する教室をともに学び合うインクルーシブなものにすることが必要だと考えます。  このような小学校の経験を生かし、来年度中学にもこの教室が導入されます。現在の準備状況についてお答えください。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 中学校への特別支援教室の導入につきましては、東京都が公表した中学校における特別支援教室の導入ガイドラインを踏まえ、小学校に引き続き、区は平成三十一年度から導入いたします。今年度、発達障害等で一部特別な指導が必要な生徒は百八十三名おりますが、小学校同様、特別支援教室導入後は他校に通う必要がなく、在籍校での指導が可能となり、より多くの生徒が支援を受けることが見込まれます。  次年度の導入に向けましては、中学校長や学級担任、特別支援学級、通級指導学級の担任及び事務局により構成する中学校特別支援教室検討会を四月に立ち上げ、このたび議決していただいた補正予算を活用し、教室環境の整備を図るほか、指導・支援体制の構築や運営に関するさまざまな課題について検討を進めております。  今後は、今月より開催しております保護者説明会や区報、ホームページのほか、リーフレットを通じ、保護者に対して制度導入の趣旨や効果などを周知し、丁寧に説明してまいります。  教育委員会といたしましては、引き続き検討会での議論を深め、生徒、保護者が安心して特別支援教室を利用していただけるよう、各中学校と連携しながら支援体制の充実に取り組んでまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 保護者向けの説明会を丁寧に行うということですが、特に小学校から中学校へ進学する子どもたちについて、世田谷区の特別支援教育推進計画第二期にも書かれているとおり、保護者の同意の上で支援情報の引き継ぎが確実に行われることが重要です。特に丁寧に実施するように求めます。  学級担任制の小学校と違い、教科担任制の中学校においては、その子特有の困り事がかかわる全ての教員に共有されて、適切な配慮が受けられることが必要です。各校に配置される特別教室の専門員や各校の支援コーディネーターの役割が大きくなると考えます。小学校でも実施されていた人員の強化、また配置など、中学校でも必要だと考えております。  世田谷区に誰もが生きやすい共生社会をつくり上げていくために、生活者ネットワークは今後もインクルーシブ教育の実現を目指して提案をしてまいります。  以上です。 ○河野俊弘 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいりますが、子どもの海外派遣について伺ってまいりたいと思います。  まず、経費の問題なんですが、子どもたちは自己負担金が十万円あるというふうに聞いておりますが、この自己負担金そのものの負担をさせるという考え方というのは、どういうところから負担金を子どもたちに出してもらうということの考え方なんでしょうか。 ◎板澤 副参事 今お話をいただきました、まず海外派遣でございますが、小学生につきましては、毎年、オーストリアのウィーン市とオーストラリアのバンバリー市に派遣してございます。また、中学生につきましては、カナダのウィニペグ市とオーストラリアのバンバリー市を隔年交代で派遣しておりまして、中学生におきましては、負担金を十万円とさせていただいているところでございます。  これにつきましては、特にカナダのウィニペグ市を例にとりますと、カナダのウィニペグ市に入る前の研修の機会ですとか、さまざま子どもたちが着るユニホーム、また、持っていくナップサック等、こういった実費負担分を計上して十万円としてございます。 ◆あべ力也 委員 子どもたちの負担に関しては、今後軽減していくべきだというふうに私は思っておりますけれども、どういう軽減の仕方があるのか、その点も区としてしっかり検討していただきたいと思いますけれども、他会派からクラウドファンディングの話なんかもちょっと出ておりました。  いずれにしても、子どもたちが、誰もが経済的な格差によらずに、世田谷区の海外派遣事業に応募ができるというようなことを、ぜひ実現していただきたいと思いますけれども、教育長いかがですか。この負担金をなくすということに関しては、教育委員会自体はどういうふうにお考えでしょうか。 ◎堀 教育長 今、子どもたちの国際交流の負担軽減についてお話をいただきましたが、本当にアジア議連等の方々の御支援をいただきまして、国際交流、子どもたちが海外に行く機会というのがふえてきて、本当にうれしく思っております。と同時に、今の話も踏まえまして、予算がかかりますので、中で今検討しているのはクラウドファンディング、ふるさと納税等で御寄附はいただけないかどうか検討しておりますので、負担軽減も踏まえまして、新たな国際交流、区長部局とも連携しながら検討していきたいと思っております。 ◆あべ力也 委員 未来を託す子どもたちが国際的な視野を養うという機会と海外派遣というのは、しっかり充実をさせていくべきだと思っておりますので、特に行けるお子さんと行けないお子さんとの格差の問題とか、いろいろ課題はあると思いますけれども、税金を使って行くわけですから、それなりの成果は出るような海外派遣をぜひ実施をしていただきたいと思います。  海外交流そのものは、子どもたちの交流が目的なんですけれども、議会では、議員の皆さんがお膳立てをするのに、周年行事に行ったときには、これは税金で全員無料で行っているわけですから、子どもたちのこういう事業に関しては、やっぱり、大人たちよりも子どもたちのほうにしっかりお金を使っていただきたいというふうに思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。  次に、ポートランドの問題ですけれども、これも何かちょっと私も余り解せないなというふうな感じがありまして、そもそも子どもたちの交流事業の中でポートランドを選定をして、ポートランドで一体子どもたちに何をやろうと思っているんですか。いろいろ説明を伺っているんですけれども、何かいまいち釈然としないのでちょっと伺いたいと思います。 ◎板澤 副参事 まず、ポートランド市につきましては、教育委員会といたしまして、世田谷区がアメリカ合衆国のホストタウンであるというところを子どもたちにとってもかけがえのない機会として捉えまして、子どもたちが海外の同年代の子どもたちと交流し、築いた関係をレガシーといたしまして、グローバルな視点で活躍していけるよう、このホストタウンを契機とした交流を新たな教育交流として考えたところでございます。  こうした環境を生かしまして、子どもたちがそこでの職場体験などを通しまして、みずからの生き方や将来を考えまして、さまざまな課題に積極的に取り組む主体性を育成する機会ともしていきたいと考えておりまして、ポートランドが最適であると考えたところでございます。 ◆あべ力也 委員 何か説明を聞くと、余計に何でポートランドにしたのかなというふうに思ってしまうんですが、区長が大変ポートランドに御執心をされているということが、今回の子どもたちの派遣ということに直接結びついているのかどうかですね。何回かお聞きしましたけれども、どうもそれは関係ないという話なんですが、それは本当なんですか。どうなんですか。 ◎板澤 副参事 ポートランドとの交流の件につきましては、区長、また、担当副区長にも随時御報告をさせていただいておりました。先日の本会議でも区長から御答弁がございましたように、区長がポートランド市を訪問しまして、市長に面会をした際に、教育委員会が交流を検討しまして、実地調査に訪れる予定であることをお話しになったということにつきましては、後日伺ってございます。今後、先方との具体的な打ち合わせや交渉を進めていくのに当たりましては、適宜、常任委員会等でも御報告させていただきまして、丁寧に対応を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆あべ力也 委員 実は私、ポートランドに行ったことがあって、議会の議員の方ともお話をしたことがあるんですけれども、ポートランドが特に特徴的なのは、世田谷とか日本の自治システムとちょっと違って、ポートランドは実は市議会議員が四人、メイヤーが一人、五人で議会を形成しているというようなところで、だからこそさまざまな意思決定が早くて、住民の皆さんの要望をしっかりかなえられて、全米でも一番というような町に発展したということだと思うんですが、こういった部分は、何か余り表面的な部分で出てきていなくて、実際結果としてあらわれているのは、こういう制度のおかげだというふうに思うんですが、こういう部分も子どもたちの交流の中では、しっかり素材にしていただきたいということを要望しておきたいと思います。時間がないので要望で終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 外国籍の子どもたちの不就学や未就学、つまり学校に就学していないことについて伺います。  区は、平成二十七年三月三日、子ども・子育て応援都市を宣言しています。また区は、この四月、男女共同参画と多文化共生の条例を施行し、国籍、民族の違いを理由とした不当な差別的取り扱いをすることにより、他人の権利、利益を侵害することを禁じたところです。  区長は、さきの招集挨拶でも児童相談所の開設計画について触れ、あらゆる場面において子どもの権利が保障され、最善の利益が優先された「みんなで子どもを守るまち・せたがや」の実現を目指すとうたいました。  そこで区教委に伺います。  一般論で結構です。不就学で、きちんと学びを得られない子どもたちの生活と未来には、どういう懸念があると考えるでしょうか。お答えを願います。 ◎内田 学務課長 学校教育は、単に学力を養うということだけでなく、人格の完成を目指し、心身の発達に応じて行われるものとされており、日常生活に必要な能力を養うことなどが大切です。子どもたち一人一人の多様な個性や能力を伸ばし、変化の激しい時代を生き抜く基盤となる力をバランスよく培うことや、学校での教育活動等を通して、子どもたちの自尊感情や自己肯定感を高めていくことが重要となります。  また、子どもたちが人権尊重の理念を正しく理解し、さまざまな差別や偏見をなくし、人としてのとうとさを自他ともに認識し、思いやりの心や社会生活における基本的なルールを身につけていくことが求められます。子どもが不就学になるということは、こうした点からも、子どもの健全な生活や成長に負の影響を及ぼすものと考えます。 ◆上川あや 委員 外国籍の子どもはどうでしょうか。日本人の子と一緒でしょうか。それとも別の懸念もあるでしょうか。
    ◎内田 学務課長 外国籍の子どもにつきましても、先ほどお話しさせていただいたことと同様と考えております。また、日本語能力が十分でない場合も多いという懸念があり、そのことから、日本語の指導が必要になることや、さらには日本の生活や文化に適応することが難しく、社会の一員として活動するための支援なども必要となると認識しております。 ◆上川あや 委員 そうはおっしゃいますけれども、区教委は外国籍の子どもに関しては、就学しているかしていないかについて全く確認をしておりません。区が行っている工夫は、英語、中国語、ハングルの三カ国語で入学案内を送るだけ。入学案内の末尾には、わざわざこう書かれています。「なお、世田谷区立の小中学校に入学を希望されない場合は、連絡等は必要ありません。」  その結果、区教委にデータを出していただきますと、小中学校の学齢期に当たる六歳から十四歳までの外国籍の区民の子は、五月一日現在七百四十九名いるところ、区立学校への入学を確認できているのは、このうち二百八十七名、三八%にとどまります。つまり、裏を返せば六二%、実に四百六十二名もの子どもについては就学の有無すら未確認。区は確認しようとすらしておりません。これは大問題だと思います。  そもそも、国際人権規約と子どもの権利条約は、国籍や在留資格に関係なく、学齢期の子どもに無償で教育を受けさせることを我が国に求めております。この点については異論はないでしょうか。 ◎内田 学務課長 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約や児童の権利に関する条約で、委員お話しのような事項として、教育について全ての者の権利を認めることや初等教育は全ての者に対して無償のものとすることなどが求められていることは事実でございます。外国人に対しては、法令上の就学義務が課されていないということはありますが、区立小中学校への就学の申請があった方の受け入れを行っております。 ◆上川あや 委員 義務教育の対象者ではないからといって、就学の希望がなかったからということでは済まされないと考えます。第一、英語、中国語、ハングルの三カ国語で入学案内を送っただけで、百三十カ国以上の方々が暮らすこの町で保護者に十分な御案内ができたとは言えないでしょう。文科省のホームページでは、七カ国語で就学案内を公開しております。三カ国語での配布で十分だと言えるでしょうか。 ◎内田 学務課長 外国籍の子どもの就学に当たっては、翌年度に新小学一年生、新中学一年生の年齢を迎える外国籍のお子さんがいる全ての御家庭へ、世田谷区立小中学校への入学の案内文書を毎年十月に郵送しております。この文書は、現在、英語、中国語、ハングルの三カ国語に翻訳した文書も添付してお送りしているところです。  就学申請のあった方には、就学通知送付の御案内とあわせて、就学時健康診断の御案内も行っております。また、日本の学校や授業、学習について不安をお持ちの方には、必要に応じて帰国・外国人教育相談室による支援内容等についても御説明をしております。  教育委員会といたしましては、外国籍の子どもにも教育の機会を確保することは大変重要なことと考えております。世田谷区におけるさまざまな国籍の方がいらっしゃる現状も踏まえ、他の言語の翻訳による御案内や文書の内容など、就学の案内が行き渡るよう、より丁寧な周知について検討してまいります。 ◆上川あや 委員 今回、議会事務局に御協力いただきまして、島嶼部を除く、都内の全区市町村に調査をかけました。地元の公立学校に通っていない外国籍の子どもについても就学状況を調査していたのは、区部では、港区、新宿区、葛飾区の三区、市部では、日野市、国立市、清瀬市、武蔵村山市、稲城市、あきる野市の六市でした。  これらの市区では、本区のように、ただ入学案内を送って終わりではありません。進路予定票を送り、具体的な進路について返答を求めていたり、在学証明書の提出をきっちり求めるなど、子どもの就学状況を把握しようと努めております。このうち、四市については家庭訪問までも行い、その調査が徹底しております。  子どもの最善の利益を守る、子どもの虐待を見逃がさないようにするというのであれば、子どもと社会との間に日常的な接点があることを最低限きちんと確認はする、こうした徹底した調査を本区でも行うべきではないのでしょうか、いかがでしょうか。 ◎内田 学務課長 教育委員会としましては、全てのお子さんが就学し教育を受けることは、大切なことと認識しております。今後、外国籍の子どもの権利、利益をより一層守る観点からも、まずは区立小中学校への入学の案内文書にアンケートを同封するなど、区立小中学校在籍者以外の子どもの就学状況の把握や不就学の子どもへのきめ細やかな支援について、他自治体の事例なども参考にしながら、手法等を検討してまいります。 ◆上川あや 委員 この課題、文教委員会の席でも、案内を送って終わりのままというのはおかしいから、改善したほうがいいということを申し上げたことは複数回あるんですけれども、ようやく初めてきちんとした、まともな御答弁がいただけたと認識をいたしました。きちんと有言実行になるように見てまいりますので、御対応お願いいたします。終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 私からは、脱ブラック部活という視点で質問したいと思います。  ことし三月に、スポーツ庁から運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインの策定及び運動部活動の適切な運営等に係る取組の徹底についての依頼がありました。ここでは、生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築するという観点に立ち、運動部活動が多様な形で最適に実施されるよう、ガイドラインを策定したとのことです。  また、学校設置者――小中学校の場合は世田谷区教育委員会となりますけれども――にあっては、設置する学校に係る運動部活動の方針、そして、校長にあっては、学校の部活動に係る活動方針を速やかに策定願いますとあります。また、中学校等においては、学校の運動部活動に係る活動方針並びに年間及び月間の活動計画等について、学校のホームページに掲載するなどにより公表願いますとありますが、世田谷区の現在の進捗状況はいかがでしょうか。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 お話しのありました、スポーツ庁の策定したガイドラインの中には、生徒の心身における安全・安心の確保、顧問教員の負担軽減という観点から、適切な休養日や活動時間の設定を行うよう、休養日は平日少なくとも一日、土日も少なくとも一日、活動時間について、平日は二時間程度、学校の休業日は三時間程度という基準を設けています。  区では、国や都のガイドラインを踏まえたガイドラインを学校とも連携しながら策定中でございます。ガイドラインには、適切な休養日や活動時間の設定のほか、部活動の効率的な運営を図るため、地域の方々に、主に技術的な指導をお願いしている部活動支援員制度の拡充や総合型地域スポーツ・文化クラブなど、地域との連携を踏まえた世田谷らしいガイドラインの策定を行ってまいります。 ◆すがややすこ 委員 校長先生の責務というか、校長先生の学校の部活動に係る活動方針を速やかに策定願いますという点と、あと、学校のホームページに掲載等により公表願いますという点については、進捗状況はいかがでしょうか。あと、ガイドラインはいつまでに策定するのかというのも教えていただけますか。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 ガイドラインにつきましては、ことしじゅうを目途に策定しているところでございます。 ◆すがややすこ 委員 もう一度質問します。ガイドラインの中では、校長にあっては、学校の部活動に係る活動方針を速やかに策定願いますとあるんです。その校長先生の、それぞれ学校の対応だと思いますが、今それはどういうふうな状況になっているでしょうかということと、あと、学校のホームページに掲載等により公表願いますという点については、どのようなスケジュールで行っているでしょうかという進捗状況もお聞かせくださいという質問をさせていただいていますので、それについて御答弁いただければと思います。 ◎青木 教育指導課長 今の進捗状況につきましては、校長が年度の頭のところで部活動についての基本的な計画、方針などについては説明しているところでございます。ただ詳細な、各学校におけるガイドラインに準じるものについては、区のものを参考にしながらというところでございますので、今作成中のところですが、情報提供を行いながら、順次実施しているところでございます。 ◆すがややすこ 委員 それぞれの学校が策定することになると思いますので、世田谷区教育委員会としても、ぜひお手伝いというか、指導をしていただきたいというふうに思います。  ちょっと時間がなくなってきてしまったんですけれども、このガイドラインが策定された背景なんですが、部活動が今回言われていますけれども、教員の過重労働がある一方で、生徒の視点に立った適正な部活動の推進という視点があるということが重要な点だと思います。  戦後、教育的要素としての部活動が、今は勝利至上主義という名のもと、生徒から自主、自治を奪い、指導者による暴力的な指導が行われている現場も少なくありません。中高でのこのような部活の流れが、例えば、日大アメフト部の悪質タックルなんかに見られるような指導者と選手との間のパワハラ関係ですとか、そういった体質にもつながっているということが言えるのではないかと思います。そういう意味でも、今回、ガイドラインを改めて提示したということは大きな意味があるのではないかなというふうに思っています。  ガイドラインなんですけれども、先ほどもありましたけれども、一日の活動時間とか、あと一週間に五日間しかやっちゃいけないとか、そういうことが書かれているわけですけれども、そのほかでも、生徒の一週間の総運動時間が男女ともに二極化の傾向にあるということなんです。部活動が競技力の向上という目的以外にも、障害のある生徒も含めた多様なニーズに応じた活動を行うことができる運動部を設置するなどの提言も文科省からされています。  世田谷区では、船橋希望中で昨年四月に設置された軽運動部があって、月二回ほどの活動で一時間から一時間半ぐらいの活動なんだそうです。競技志向というのではなくて、例えばボクササイズとか、チアリーディングとか、あとはブラインドサッカーというんですか、あとミニテニスとか、そういう新たな種目とかも取り入れながら、外部の講師を取り入れて活動されているそうなんです。  今の世田谷区の部活動における現状、暴力的行為とかそういうことも含めて、そういったことがないというふうに思っていますけれども、それも含めてお答えいただければと思います。 ◎青木 教育指導課長 活動の過程の中で、勝利至上主義によります体罰や行き過ぎた指導は許されないものであり、体罰の根絶に取り組んでまいりました。残念ながら、これまで本区においても不適切な行為、暴言等はございましたが、改善に努めているところです。部活動のあり方についても、御紹介いただいた種目を限定せずにスポーツを楽しむものに主眼を置いた部が、区内八校に広がっている状況でございます。 ◆すがややすこ 委員 ちょっと学校の生徒たちの部活における安全対策なんかも質問したかったんですけれども、それはまた後に回しますが、結局、部活動というころが、子どもにとってつらいものとなってしまわないように、競技志向というところも、もちろんそういう方もいらっしゃると思うんです。でも、ちょっとスポーツを楽しみたいという方もいらっしゃると思いますし、そういう多様なニーズに応えられるような中学の部活動であることを要望いたしまして、私からの質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、平成二十八年の決算委員会に引き続き、自転車教育の習熟度チェックについて、また、道路標識教育について伺います。  現在、自転車の安全教育は、小学校三年生で交通ルールのマナー指導、また、自転車に乗っての指導を行っており、中学校では、三年間で必ず一回はスタントマンを使ったスケアードストレート方式の事故再現型自転車安全教室を行っております。  また、学校以外の主催の自転車安全教室も積極的に開催されており、参加した証明として、区の自転車講習受講証を配布したり、また、PTAの方主催で学校の校庭を借りて、保護者と生徒、また地元が参加をして、大人から子どもまで学べる機会がふえております。非常によいことだと考えております。今後、この自転車安全教室をさらに効果的なものにするために、授業で簡単な習熟度チェックを行い、自転車のルール、マナーについて復習する時間をつくることが大切であります。  この質問はおととしの決算委員会で質問し、その際の答弁では、習ったことがきちんと身につくように復習する時間を担任がとるなど、充実させるとのことでしたが、その後の取り組みについて伺います。  また、あわせて道路標識教育についても、クリアファイルを配って行っていただいているとの答弁を以前にいただきました。自転車は軽車両なので道路標識が適用されます。車の運転免許を持っていない十八歳未満の子どもには知識がなく、特に標識教育が必要であります。進捗状況をお伺いいたします。 ◎板澤 副参事 委員がおっしゃいますように、道路標識や自転車の標識に関する教育を通しまして、子どもが被害者だけではなく加害者にならないように、安全に道路を歩いたり、自転車に乗ったりするなど、実践的にできるようにすることが極めて重要だというふうに考えてございます。  各小学校におきましては、毎年入学する全ての児童に対しまして、自転車に関する標識を含みました道路標識を示したクリアファイルを配布してございます。このクリアファイルを使いまして、学校では道路標識について知り、歩行や自転車に関する交通安全に気をつけて生活するよう指導するとともに、家庭で安全について話題にできるようにしてございます。また、警察署やPTAと連携した道路の歩き方の指導や自転車交通安全教室を実施いたしまして、子どもたちが守るべきルールについても体験的に学べるようにしてございます。  さらに、今お話をいただきましたように、中学生におきましては、スタントマンの実演等を通した活動におきまして、自転車の標識、あるいは標識の見方や意味、こういったものを含めた交通安全教育に努めております。また、こうした学びにつきましては、折に触れまして自分の行動を振り返り、改善の意識を高めることが重要となりますことから、各学校では、学級活動、また長期休業日を迎える時期等で安全な行動等に関する指導を繰り返し行いまして、子どもが自身の行動を確認できるようにしてございます。  教育委員会といたしましても、児童生徒の自転車の標識や道路標識への理解を深め、安全に自転車を運転できる知識と能力を育むとともに、他人の安全についても配慮しながら行動できるよう、安全教育のさらなる充実を図ってまいります。 ◆ひうち優子 委員 習熟度チェックについてはどうでしょうか。やっていただいているんでしょうかという質問をしたいんですけれども。 ◎板澤 副参事 具体的にチェックという時間というものは設けておりませんが、やはり学級活動、あるいは朝の会、こういった中で、子どもたちが折に触れて、自分でチェックできるような指導は積み重ねてございます。 ◆ひうち優子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、プログラミング教育について伺います。  二〇二〇年にプログラミング教育が必修科目化されます。プログラミング教育への取り組みは、アメリカ、イギリス、イスラエルなど、海外では日本より進んでおります。ITビジネス市場は、二〇一〇年から二〇二〇年の十年間で九・九兆円から四十七兆円まで成長すると言われており、雇用は四十二万人から百九十四万人になると言われております。今後の教育にはプログラミング教育が必須であることは言うまでもありません。  私もこのプログラミングを実際に体験をいたしましたが、どのように指示を出せば自分の思ったとおりのものができるかを自分の頭で考え動作を決定する。このプログラミングの基礎である、順次、分岐、繰り返しを学習することで、論理的思考力を培うことができると実感した次第です。  世田谷区では、おととしに新・才能の芽を育てる体験学習でプログラミング体験講座を行い、また、ことしの夏は教員側の研修を行い、多くの希望者がいたとのことであります。二〇二〇年のプログラミング教育の必修化に向けた区の取り組みについて、進捗状況をお伺いいたします。 ◎加藤 副参事 二〇二〇年度からの新学習指導要領の完全実施に当たり、プログラミング教育の円滑な導入と推進に向けまして、昨年度から取り組みを進めてまいりました。今年度、Scratchなどのコンピューターの画面上で動くプログラミングソフトの実践を教員研修に位置づけまして、実際の操作を体験することにより、既に多くの学校での活用が始まっております。また、コンピューターを使ってロボットを動かす先進的なロボティクス授業につきましても、実践する学校がふえてきております。  夏休みにロボットのプログラミングを体験する研修を実施しましたところ、百二十名を超える参加の教員がおりまして、四名程度のグループをつくって二会場に分けて実施をする運びとなりました。今後も二〇二〇年度に向けまして、系統立てた研修を進めてまいります。  さらに、区の研究校、STEMスクールの実践も進んでいるところから、これらの成果を広く普及してまいります。そして、カリキュラムマネジメントの視点で各教科等を横断的に結びつけたプログラミング教育の計画づくりや教材の充実を進めるとともに、授業を支援する人材の活用につきましても検討し、学校の支援をしてまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、発達障害の方への支援体制について伺います。  二〇〇六年、二〇〇七年の教育基本法、学校教育法改正によりまして、小中学校の通常学級で発達障害の子どもも含めて指導を行うことになり、現在に至ります。文部科学省が平成二十四年に公表した調査では、通常学級に在籍する発達障害の可能性のある生徒は、小中学校全体で六・五%という結果で、以前同様の調査の四・四%より増加しております。各クラスに二人から三人はいるという試算になります。  私が以前に受けた教員免許更新の講習の中でも、この部分にかなりの時間が費やされておりました。世田谷区では、平成二十八年度に小学校全校に特別支援教室を設置、来年度から中学校においても設置をし、指導や支援を行うとのことです。今後の取り組みについてお伺いをいたします。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 平成三十一年度から、小学校に引き続き、中学校にも特別支援教室を導入してまいります。コミュニケーションに係る指導を行い、小集団の中で自己を発揮できる豊かな人間性を養ったりする指導をしてまいります。  また、教員の専門性については、特別支援教育コーディネーターを中心に指導方法を検討するなど、事例検討を踏まえて、子どもたちの……。 ○河野俊弘 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私からは、「世田谷3快プログラム」についてお伺いします。  私は毎朝、地元の町会、大原北町会の先輩方と一緒に、下北沢小学校の通学路に立って、子どもたちに声かけをしております。きょうは、五年生が社会科見学で川崎市にバス三台で元気よく出発しました。また、一年生や二年生など低学年の子どもたちの中には、ランドセルを重そうに背負って歩く姿を毎日見ています。  先月、九月の上旬には、文部科学省から各教育委員会に対して、通学時の持ち物の重さや量を工夫して負担を軽減するよう通知されたというニュースを報道で見ていました。世田谷区としても、国からの通知に基づき、子どもたちの健やかな成長のため、また、保護者の気持ちに応えるためにも、ランドセルの重さを軽減してあげられるよう取り組んでいただくことを要望しておきます。  朝の通学のときに、多くの子どもたちが元気いっぱいに挨拶をしていただいています。その一方で、何となく顔色がすぐれないように見受けられる子どももいます。この子はちゃんと朝ごはんを食べてきたのかな、それとも、夜遅くまで起きていて睡眠不足なのかななど、気がかりな子どもが少ないですがおります。毎朝見かけては気にしていますが、区では、心と体の元気アップ「世田谷3快プログラム~快眠・快食・快運動~」と名づけて、区立小中学校、区立幼稚園、保育園において、さまざまな取り組みを行っていると聞いております。  そこでまず、世田谷区の子どもたちの朝食の摂食や睡眠時間がどのような状況であるのかお伺いします。 ◎板澤 副参事 教育委員会といたしましては、平成二十八年三月に日本体育大学の協力によりまして、区立小中学校全児童生徒を対象とした生活習慣などに関する調査を実施いたしました。  その結果、朝食の摂食状況につきましては、小学校では、毎日食べると回答した児童が九二%以上おり、ほとんど食べないと回答した児童は一%未満となってございます。また、中学校におきましては、毎日食べると回答した生徒は八四%程度おりまして、ほとんど食べないと回答した生徒は四%未満となっております。学年が上がるにつれまして、朝食を食べない児童生徒が増加する傾向が見られております。  また、睡眠時間につきましては、平成二十六年度の前回調査では全国平均と大きな差は見られなかったものの、全体的に就寝や起床の時刻が若干遅いといった課題がございました。しかし、平成二十八年度の調査では、小学校五年生以降で改善が見られまして、睡眠時間が延びる傾向が確認できました。しかしながら、小学校一年生から四年生までは、就寝あるいは起床が遅くなる傾向も見受けられております。 ◆青空こうじ 委員 今答弁があったような状況に対して、子どもたちが朝ごはんを食べることの必要性や、きちんとした睡眠がとれるように、各学校や幼稚園では具体的にどのような取り組みを進めているのでしょうか。これもお伺いします。 ◎板澤 副参事 先ほどの平成二十八年度の調査結果を分析しましたところ、朝食の摂取や身体活動の有無、これが子どもたちの睡眠と関係していることがわかりました。なお、中学校では携帯電話やスマートフォンの利用時間と睡眠との関連も見られました。  そこで、小学校におきましては、マラソン習慣や縄跳び月間など、子どもたちが継続的に運動に取り組めるような活動を行ってございます。また、外遊びの時間や睡眠時間を一週間記録し、自分の生活習慣を振り返り、改善を図る取り組みを行っている学校もございます。  中学校では、本区で作成いたしましたリーフレット「インターネットトラブルから子ども守るために」をもとにいたしまして、情報モラルについて指導したり話し合ったりしまして、インターネットの利用に関する学校ルールをつくるとともに、その取り組みを各家庭に伝えまして、家庭でのルールづくりを行ってございます。なお、運動習慣の少ない生徒を対象にいたしまして、ダンスやミニテニスなど、気軽に参加し、体を動かす心地よさを味わえる部活動を実施している学校もございます。  さらに、幼稚園では親子での取り組みが重要なことから、大学から講師を招きまして、親子で運動遊びを積極的に取り入れるとともに、家庭でできる親子での触れ合い運動遊びやバランスのよい簡単な調理、基本的な生活習慣に関する講座の実施など、家庭と連携したさまざまな取り組みを行っております。 ◆青空こうじ 委員 実態については、これからもきちんと把握していただき、改善に努めていただきたいと思っております。これからも子どもたちを取り巻く環境の変化に伴い、生活が不規則になっていくことが考えられます。睡眠時間や朝食など、人として健康に生きるためにも、基本となる生活習慣を身につけることはより一層重要になると考えます。  そこで、教育委員会として、今後どのような取り組みを行っているのか、これもお伺いします。 ◎板澤 副参事 教育委員会といたしましては、今年度も生活習慣などに関する調査の実施を予定しておりまして、これまでの「世田谷3快プログラム」の取り組みの成果と課題を検証するとともに、実践モデル校や成果が見られる学校の取り組みを全区立幼稚園、小中学校に周知いたしまして、効果的に実践できるよう支援してまいります。  なお、体力向上、そして健康推進は、人間のあらゆる活動の源でございまして、生きる力の重要な要素でございます。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会も一つのきっかけとしながら、体力向上、健康推進の取り組みの継続と充実を図りまして、これからの世の中をたくましく生き抜く力の基礎を育んでまいりたいと考えてございます。 ◆青空こうじ 委員 ぜひとも子どもたちが、一人も漏れなく夜はぐっすりと眠り、そして、きちんと朝御飯を食べて、よく運動して、また夜にはぐっすり眠るとのリズムができ、毎朝元気よく挨拶をし、登校できるようにしっかりと取り組んでいただくことを要望するとともに、未来の世田谷を担う大切な宝である子どもたちの健やかな成長を願い、私の質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆石川ナオミ 委員 それでは、自由民主党の文教所管、午前中の質疑を始めます。  まず初めに、遠隔教育について質疑をしてまいります。  最初に、長期入院をしているある小学生の話を御紹介したいと思います。ちょっと物語調に御紹介いたします。  その女の子は小児がんで闘病中でした。院内学級へ行くのが大好きで、先生や友だちともとても仲よしでした。つらい治療中の合間にも勉強を頑張っていました。そんなとき、何げなくお母さんが尋ねた、何であんたそんなにしんどいのに勉強するのという問いに、女の子は、だって、勉強しているときは病気のことを忘れることができるんだものと言ったそうです。  まさに、学ぶことは生きることなんです。教育は成長、そして発達において重要で、また、心理的安定や意欲の向上にもつながります。さらに、病気などの療養をする上でも、治療効果が高まるということも言われております。  ところで、五年前に国が初めて行った調査なんですが、けがや病気などの疾患による治療が必要で、三十日以上病院に入院している、いわゆる長期入院を強いられている小中学生が全国に二千七百六十九名いたということです。  そこでまず伺いますが、世田谷区内の小中学校でも、この長期入院をされているお子さんがいらっしゃるかと思います。そのお子さんたちは、現在どのように学習をしているのでしょうか、伺います。 ◎加藤 副参事 多くの場合、教員が病院等に訪問いたしまして、ベッドサイドなどを借りて学習指導を実施しております。ほかのケースとしましては、いわゆる院内学級がある病院の場合には、そこで学習指導を受ける場合もございます。 ◆石川ナオミ 委員 今こうしている瞬間でも、つらい治療と闘いながら過ごしていらっしゃる子どもさんがいらっしゃるということですよね。私も思えば、娘が幼稚園のころに、一週間だけですが入院をしていたことがございます。そのときに、やはり院内学級で学んでいた小学生のお子さんがいらっしゃいました。大好きな御家族と離れ離れでも一生懸命頑張っているという姿を見まして、切なくなるという気持ちと、心から頑張ってくれ、頑張ってほしいというエールを送っていたというのを覚えております。  こうして院内学級がある病院でしたら、まだ勉強する機会はございますが、そうでない病院に入院中のお子さんは、適切な教育が受けられないという課題もございます。これについてはどのように考えていますでしょうか。 ◎加藤 副参事 教育委員会といたしましては、誰もが質の高い教育を平等に受ける権利があるというふうに考えております。 ◆石川ナオミ 委員 また、クラスメイトと疎遠になったり、療養中の学習のおくれなどで再び学校に戻ることが困難なお子さんもいらっしゃるということなんです。そして、病気を理由に不登校になるお子さんも全体の一五%いるというデータもございます。病気のお子さんが安心して過ごして、学習できる環境を整備していくということも必要ではないでしょうか。  先月、文科省から発表されました遠隔教育の推進に向けた施策方針によりますと、病気やけがで長期入院をする小中学生が、インターネットを活用して双方向の授業に参加をする遠隔教育を受けた場合に、出席扱いとするということが示されました。  そこで伺います。区としては、インターネットによる遠隔教育をどのようにこれまで進めてきましたでしょうか。また、今後はどのように取り組んでいくのでしょうか。見解を伺います。
    ◎加藤 副参事 九月十四日に国の遠隔教育の推進に向けた施策方針が提示されました。そこで、少子化や過疎化のデメリット解消のために、ICTを活用した意見交流や疑似体験、さらには、不登校児童生徒や疾病による療養、または障害など、さまざまな理由により通学して教育を受けることが困難な場合に、ICTを効果的に活用した学習ニーズに応じたきめ細かい対応について示されました。  これまでICTの特徴を生かした遠隔教育の取り組みといたしましては、スカイプを活用した学び舎内の児童会と生徒会のテレビ会議、あわせて意見発表、海外の学校とのライブによる合同授業、中学校のeラーニングの取り組みなどがございます。中でも、今年度パイロット校で実施しておりますeラーニングにつきましては、特に不登校の生徒が大変熱心に取り組み、学習への意欲が高まっているという現時点での報告を各学校から受けております。  この仕組みを利活用した委員お話しの病院等での学習や学力補充の可能性につきましても、関係機関と連携、相談しながら研究、検討し、誰もが質の高い教育を受けられる手だてを考えてまいります。  教育委員会といたしましては、効果的かつ効率的で安全な遠隔教育のあり方につきまして、総合教育センター等で研究、研修を進める準備を整えるように進めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 長期入院しているお子さんが、このICTの活用によって、さらに学びの機会がふえるということを願っております。  続きましては、ほっとスクール希望丘について伺ってまいります。  先ほどの医療現場でもICT教育が導入されてくるということですし、今年度新たな事業として、中学生を対象にいたしましたeラーニングによる家庭学習支援もパイロット校で、今、区内四校で進められているということでございます。  来年、春には、不登校生に新たな学びの場といたしまして、インターネット授業でN校として話題を集めました角川ドワンゴ学園のN中等部が開校するという動きもございます。  こうした民間のフリースクールの動き、選択肢がふえてくるということでもございますけれども、こうした中で、来年二月に希望丘の複合施設内に開設されます、ほっとスクール希望丘にも今期待が寄せられているところでもございます。そして、こちらでもICTを使いましたインターネットの活用もできるのではないかなというふうに思われますが、見解を伺います。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 平成二十八年二月成立のいわゆる教育機会確保法の施行及び翌三月に同法に基づく国の教育基本方針を受けまして、ほっとスクールにおきましては、学校復帰のみならず、将来の社会的自立に向けた支援の充実を図ることなどが求められております。ほっとスクール希望丘におきましては、この観点から充実を図ってまいりますが、今回の受託事業者には、フリースクールの運営等でのノウハウの蓄積があり、区では十分にその能力を引き出し、ホットスクール事業全体のレベルアップにつなげてまいります。  社会的自立に向けた支援の具体としては、まず通室生の基礎的な学力の定着が必要と考えております。ほっとスクール通室生の学習への取り組み状況はさまざまでありますので、ほっとスクール希望丘では、通室生の個々の状態に応じた個別指導計画を作成し、スタッフとの一対一の時間を設け、目標や達成の状況をスタッフに共有するなど、一人一人に寄り添った丁寧な対応を行うこととしております。また社会への適応を支援する仕組みの充実も図ります。  在籍校復帰、将来に向けた準備、いずれにおいても社会への適応力向上は必要となります。みずからの適性を発見し、自己表現力を養い、社会性を身につけるための体験活動の充実に受託事業者のノウハウを生かして、さまざまな取り組みをすることとしております。こうした充実を図る中で、お話のありましたICTの活用は有効であると認識しておりますので、今後検討してまいります。このような運営業務の民間委託については、今後その効果についての評価、検証を行ってまいります。  区といたしましては、ほっとスクールを学校以外における多様な教育機会の一つとして、通ってみたい、通い続けたい場所になるよう努めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 御答弁にもございましたが、通い続ける、通いやすいというようなことも、やはり必要になってくるかと思います。既にほっとスクールは城山と尾山台にもございますけれども、砧・烏山地域のお子さんが、若干遠いので通うのが大変だというようなお声もあるというふうに伺っております。現在、城山、尾山台に通っているお子さんが、仮にこの希望丘に変更して通うということは可能なんでしょうか。見解を伺います。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 可能でございます。ほっとスクールでは、住所による区域の指定は行っておりません。区では、開設前となる平成三十一年一月に、ほっとスクール希望丘において、区民向けの説明会を開催する予定です。また、現在ほっとスクール城山と尾山台に通う通室生と保護者に対しましても、説明会に関する情報提供を行ってまいります。 ◆石川ナオミ 委員 非常に柔軟な対応というところで、ぜひこれはお願いしたいというところでもございます。また、こうした民間のフリースクールなどとも情報交換ですとか、意見交換などを定期的に行って、さまざまな視点で取り組んでいただきたいということ、そして、心の居場所ですよね。この心の居場所としての機能はもちろんなんですが、児童生徒にとって安心して教育が受けられるという場所、魅力的なプログラム、内容、そのあたりも期待をしております。そうしたところからの心の成長というところにもつなげていただきたいということを要望いたします。  インターネットの普及によりまして、教育の拡充という機会がすごく広がってくるということは、メリットとしてはたくさんあるなというふうにも感じるんですが、逆にデメリットというところも見逃してはいけないなというところでございます。  続いては、お子さんがいらっしゃる、私もそうですけれども、お子さんがいらっしゃる御家庭では、特にこれから気になるテーマを取り上げてみます。児童生徒のネット依存症についてでございます。  厚労省によりますと、学校生活や日常の生活に影響が出るインターネット依存症の疑いがある中学生、高校生が全国でおよそ九十三万人もいるということが発表されています。世田谷区が九十万人ですので、世田谷区全域がネット依存症になっているというようなイメージにもとれます。非常にこれは大変なことになってくると思います。  特に、中学生は五年前の調査から比較をしますと倍にふえていると。世界保健機関、WHOでもオンラインゲームにのめり込むことで、日常生活に支障を来すゲーム障害を精神疾患といたしまして、正式に認定をしております。この問題は、世田谷区のお子さんにとっても、看過できない喫緊の課題であるというふうに私も思っております。この事態を教育委員会ではどのように捉えていますでしょうか。 ◎板澤 副参事 今お話しになりましたように、インターネット依存につきましては、大変増加しているという報道があります。また、世田谷区におきましても、全国に比べて子どもたちはインターネットの利用時間が長い傾向が見られるという数値も出ておりまして、課題であると認識しております。また、このインターネット依存の子どもたちの主な原因といたしましては、ネット使用方法等の課題が挙げられております。その課題に対しまして、新しい学習指導要領でも、各教科等におきまして、子どもたちの学習基盤として情報活用能力の育成が挙げられておりまして、情報モラルを含む各教科等での日常的な指導が大切であると考えてございます。  教育委員会といたしましても、これからの時代に求められる人材育成を視野に入れながら、電子教科書やタブレット型パソコンなど、新しいICT機器を活用した教育活動の推進を図るとともに、子どもたちの情報機器を利活用する力を身につける情報モラル教育の充実もあわせて推進してまいりたいと考えてございます。 ◆石川ナオミ 委員 学校での対応はもちろんなんですが、学校と、そして家庭との両輪で進めていかなければならない問題であるというふうにも捉えております。  さて、家庭、いわゆる保護者に対して、こちらはどのように連携をとっていますでしょうか。 ◎板澤 副参事 このインターネット依存に関して深刻化していく中で、学校教育ではなく、今お話がありましたように、家庭との連携は大変重要であると認識しております。教育委員会では、平成二十五年度よりネットリテラシー醸成講座を中学校一年生を対象として開始いたしまして、平成二十七年度からは、小学校六年生及び保護者にも拡大をしております。  今年度実施いたしました小学校の保護者からは、もっと多くの保護者に聞いてほしい内容であった、また、具体的な対応の事例を聞けてよかったなどの意見がございまして、情報モラルについて、保護者に理解いただける取り組みになっていると感じてございます。  また、区独自のリーフレット「インターネットトラブルから子どもを守るために」を配布いたしまして、学校における学校ルールの策定などを通して、子どもたちが学校のみならず、家庭でルールを考えながら情報を適切に活用できるようにするための取り組みも進めております。さらに、保護者が互いに学び合う場である家庭教育学級、また、各小中学校で行われておりますPTA研修会におきましても、ネットリテラシーを取り上げるなどいたしまして、インターネット等の危険性や対応策について理解し、実践できるようさまざまな場も設定してございます。  教育委員会といたしましても、今後とも、携帯電話等の使用やインターネットにかかわるトラブルの未然防止といたしまして、保護者の方の理解も深まるよう、学校と連携しながら支援をしてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 先ほど、ネットリテラシーという御答弁もございましたけれども、私の手元にこうしたネット利用のモラルを学ぶ「SNS東京ノート」というものがございます。これは、ことしの春に全校に配付をされたというものでして、小学校、中学校、高等学校というふうに、それぞれの学年でこの教材を使って、ネットとどうつき合っていくのかということを学ぶということができるものなんです。  ちょっと御紹介をいたしますと、例えば、「ゆうたさんのおうちのようすです」ということで、イラストが描かれてありまして、御家庭で食事をとっているところで、お父さんはどういうふうに考えているか、また、このスマートフォンを使いながら食事をしているお子さんがどういうふうなことを考えているかとか、このときの思いをこうしたカードで、それぞれグループになって、それぞれ学校の使い方もあるかと思いますが、そのときの気持ちなどをカードで選んで答えていくという、ゲーム感覚のような教材でございます。  こういったものを例えば教育現場で、今、子どもたちも使っているかと思いますけれども、実際にはどのように活用されていますでしょうか。また、どういった効果が見られるでしょうか。 ◎板澤 副参事 今お話がございました「SNS東京ノート」の活用につきましては、資料として掲載されておりますカードを使って演習を行いながら、自分と相手の感じ方の違いや写真等をSNS上に載せる際の注意点について考えるなど、各学校で主体的な学習が進められていると確認しております。  また、世田谷区独自のリーフレットでございます、先ほども申し上げましたが「インターネットトラブルから子ども守るために」では、毎年、インターネットやSNSの活用における調査を掲載いたしまして、常に最新の情報を提示しながら、学校での活用を促してございます。また、各家庭に向けましては、区のリーフレットをもとに各家庭のルールの作成を啓発いたしまして、早く支度が済んでから使う、また、宿題が終わってから使う、ネット上では知らない人とのコミュニケーションはとらないなどのルールを家庭で話し合い、決めてきたと伺ってございます。  今後も「SNS東京ノート」にとどまらず、区独自のリーフレットやネットリテラシー醸成講座などの充実を図りまして、家庭と連携した取り組みを推進するとともに、子どもたちがこれからの情報社会の中で適切に情報を選択したり、行動したりできる情報活用能力の育成を図ってまいります。 ◆石川ナオミ 委員 家庭との連携というところで、より強固なものにしていただいて、やはり、このネットリテラシーということをしっかりお子さんにも感じていただくという、そうした教材も今後必要だというふうに思います。世田谷区独自のものもということも御答弁にございましたので、そこはぜひ期待したいところでもございます。  このネットリテラシー、いわゆるインターネットとの上手なつき合い方につきましては、今後区としても優先順位を高めて取り組んでいかなければならない課題だというふうに私も思いますが、見解を伺います。 ◎板澤 副参事 今後とも、ネットメディアの最新事情に詳しい専門の方を招いたネットリテラシー醸成講座や区独自のリーフレット「インターネットトラブルから子どもを守るために」を活用した学校ルールや家庭ルールの作成、家庭教育学級等での取り組みにつきましては、引き続き充実させてまいりたいと考えてございます。  また、各教科等におけます日常的なICTの活用の中で、機器の操作だけでなく、情報モラルの育成が図られるよう指導の充実を図るとともに、区立中学校の生徒会の代表が集まります生徒会サミットでのインターネットのルールづくりの取り組み事例や、また、ネットいじめは、文部科学大臣決定のいじめの防止等のための基本的な方針にございますように、刑法上の名誉毀損罪や侮辱罪、民事上の損害賠償請求の対象となり得ること等につきまして周知するなどいたしまして、各学校の取り組みを支援し、子どもたちへの指導を徹底してまいりたいと考えてございます。 ◆石川ナオミ 委員 今後も、子どもたちがこのネットと上手につき合っていけるようなモラルの向上ということで、繰り返しになりますが、学校と家庭との連携をとりながら、教育委員会としてもしっかりと、今後も見守っていただきたいですし、支援をしていただきたいということを強く強く要望いたします。  最後は、医療的ケア児の通学について伺ってまいります。  ことしの夏、文教常任委員会で先進的にインクルーシブ教育を推進しています大阪市を視察してまいりました。ともに学び、ともに育ち、ともに生きるという基本理念を大事にして、障害のあるなしにかかわらず、誰もが地域の学校で当たり前に学ぶことができるという取り組みに、私、非常に感銘を受けて帰りました。こちらには教育長も一緒に行っていただきました。御同行もいただきました。ありがとうございます。  やはり、世田谷区もこのインクルーシブ教育を目指していくというところで、今回の視察は、今後非常に参考になったかと思いますが、教育長はどのような感想をお持ちでしょうか、伺います。 ◎堀 教育長 今回、同行させていただきまして、勉強してまいりました。その前に、私ども特別支援教育の計画をつくるということで、職員たちが何度か、もう既に大阪に行っておりましたし、ドキュメントの映画ですけれども、「みんなの学校」あれを新任教員には、この数年間、毎年見させておりまして、大阪の教育についてはそれなりに知っておりましたが、やはり実際にお聞きすると、かなりの体制を組んで、そういう今の訪問看護師の配置もおつくりになっているなということがわかりました。  私ども、一人一人の多様な個性を尊重する教育を推進していきたいと思っておりますので、今回の視察の成果を特別支援教育のほうに、ずっと力を入れていきたいと思っております。 ◆石川ナオミ 委員 本当に力強いといいますか、熱い気持ちをありがとうございます。ぜひお願いしたいところでございます。  大阪市では、この医療的ケアが必要な児童生徒への看護師配置ということにも積極的に取り組んでおりました。改めて、世田谷区の計画上の位置づけについて伺います。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 医療的ケアの必要なお子さんの支援につきましては、教育委員会では、平成二十八年に策定した世田谷区特別支援教育推進計画第一期において、研究、検討を位置づけ取り組んでまいりました。この間、国においては、たんの吸引や経管栄養などが必要な医療的ケア児が増加している状況を踏まえ、二十八年六月に児童福祉法の一部を改正し、地方公共団体は医療的ケア児の支援に関する保健、医療、障害福祉、保育、教育等の連携の一層の推進を図り、必要な措置を講ずるように努めなければならないとされました。  教育委員会では、こうした国の動きや障害者差別解消法の施行、インクルーシブ教育システムの推進など、医療的ケア児を取り巻く環境の変化を踏まえた検討を重ね、世田谷区特別支援教育推進計画第二期に区立学校における看護師の試行的な配置を実施することと明記し、取り組んでいるところでございます。 ◆石川ナオミ 委員 私も医療的ケアが必要なお子さんがいらっしゃる御家庭に実際に伺ってお話を聞くなど、交流を持たせていただいております。また、このお子さんが通う小学校にも、授業風景なども見学をさせていただきました。そこで感じたのは、やはり医療的ケアの必要なお子さんがいらっしゃっても、子どもたちは自然にそのお子さんを受け入れていて、むしろ、心配している親たちのほうが高いハードルを逆につくってしまっているのではないかなというところも感じました。細かい課題はあるにいたしましても、みんなで一緒に学ぶということが実現できるということが、こんなにもいいものだなということ、そして、これこそが大事なんだなと重要性を感じております。  さて、看護師配置につきましては、現段階では試行期間ということでございましたが、現在の進捗状況と今後の取り組みについて伺います。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 看護師の試行的な配置の取り組み状況につきましては、保護者への説明や同意を得るところから始まりまして、主治医における医療的ケアの指示書の作成、指導医の選定や意見の聴取、医療的ケア実施マニュアル及び緊急対応マニュアルの作成、校内体制の検討など、本人の安全や支援に携わる方々の安心を確保することが重要であるため、一つ一つ丁寧に進めてまいりました。お子さんによって進捗状況は異なりますが、学校への看護師配置まで至っているお子さんもおります。  現在、文部科学省では検討会議を設置し、学校における実施体制のあり方などについて議論をしています。今後、検討会議の報告内容や国の施策の進展を注視するとともに、世田谷区の試行的な取り組みの中で生ずるさまざまな具体的な課題について整理し、今後の施策に反映してまいりたいと考えております。 ◆石川ナオミ 委員 三年前でしたでしょうか。この医療的ケアが必要なお子さんの支援の拡充をしてほしいということを本会議等でも取り上げた際には、看護師の配置はなかなか難しいんですというような御答弁でございました。それを記憶しております。その中で、やっぱり法の整備ですとか、いろいろなハードルがあるんだなということ、その高さを感じておりました。  しかし、二〇一六年に障害者総合支援法が改正をされまして、法律に医療的ケア児という、そうした文言も明記されるなど、国だけではなくて、こうして各自治体でも超党派で取り組んでいるということもございまして、医療的ケア児に対する支援が少しずつ前進しているということを肌で感じております。  先ほど御答弁にもございましたが、看護師配置まで至っているお子さんがいらっしゃるということですので、区としても、それぞれのお子さんに合った支援を一つ一つ丁寧に取り組んでくださっている、進めてくださっているということ、こちらは高く評価をしたいと思います。どうぞ、引き続きこの医療的ケアが必要なお子さんへの支援につきましては、全区的に力を入れて取り組んでいただきたいということを強く要望いたします。  少し早いですが、以上で自由民主党の午前中の質疑を終わります。 ○河野俊弘 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行いたしますので、よろしくお願いいたします。  それでは、休憩いたします。     午前十一時四十九分休憩    ──────────────────     午後零時四十分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆おぎのけんじ 委員 では、自民党の午後の質疑を始めさせていただきます。  まず私からは、通学路の安全対策について伺ってまいります。  先日の総括でたしか御答弁あったかと思いますが、ブロック塀の各小学校における緊急点検が終わりまして、約九百カ所、ここは危険だという箇所が上がってきたということですけれども、各学校によってばらつきがあったとも聞きました。  まず、そのチェックの方法とチェックの体制、そして、なぜ結果的にばらつきが生じたのか伺います。 ◎末竹 学校健康推進課長 教育委員会では、七月上旬に各学校に対し、学校安全対策マニュアルに基づき、PTA等と協力し、通学路沿いにあるブロック塀や万年塀、石塀などで老朽化が著しいなどの危険箇所を点検し、九月二十五日までに報告を求めました。また、その点検結果につきましては、各学校の安全マップに反映するとともに、保護者へ周知するよう依頼しております。  教育委員会では、各学校に民間所有であるブロック塀の点検を依頼する際に、校長会に相談し、外観から点検するときの目安として、大きく三つに分類するような形にて依頼をしております。例えば、現状でも倒壊のおそれがあるなどの緊急性が高いものをAとするなど、学校の判断によりAからCまでに分類し、報告をいただいております。区内の通学路につきましては、世田谷区の地形的な特色であったり、各地域の特性や建築状況などもさまざまであることや、また、点検時の評価につきましても、厳密に評価をすることが困難な場合も想定されます。  以上のようなことが、各学校からの報告件数にばらつきが生じている理由ではないかと思われます。このようなことから教育委員会では、都市整備領域と連携して、必要に応じ追加調査等の対応を行っているところです。  今後とも、学校や関係機関へ適宜情報提供を行うとともに、必要に応じ通学路の見直しを行うなど、通学路の一層の安全確保に努めてまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 余談ですけれども、私の妻も某小学校で校外委員長というのをやらせていただいておりまして、その校外委員の方々と実際にブロック塀を点検したと。それを学校長に報告をし、その後、校長先生と副校長先生で回っていただいたということのようですけれども、そうした方々の御努力というのは大いに評価するべきところだと思いますけれども、PTAや先生方というのは専門家ではないわけですし、あと、大阪の高槻市の倒れたブロック塀というのは、三年前に外部から危険性が指摘されていて、学校側に報告されていたにもかかわらず、学校から教育委員会に上がって、職員の方が点検をして安全だというふうに振ってしまったというような話も聞いていますので、事案が事案でもありますし、初期の段階で専門家、あるいはプロのチェックを入れて、万全に万全を期していただくべきではなかったかなと思うんですけれども、この点はいかがですか。 ◎末竹 学校健康推進課長 通学路沿いの民間所有のブロック塀等の危険箇所の点検に当たっては、学校やPTA等が現地を確認の上、ブロック塀の高さや傾き、亀裂がないかなど、教育委員会が作成した外観点検のポイントをもとに実施いたしました。なお、外観点検のポイントにつきましては、国土交通省が作成した点検のチェックポイントを参考に作成しております。  今回の調査は、児童が日々通う通学路の安全確認という観点から、学校やPTAによる活動として可能な範囲で急ぎ行ったものでございます。こうした各小学校が危険と判断したブロック塀等については、教育委員会において、五百分の一の地図に当該場所や位置を明示した上で、都市整備領域に提供いたします。その上で、防災街づくり担当部や都市整備政策部等の職員が現場を再確認し、所有者等に安全確認を促すとともに、ブロック塀等緊急除却助成制度など各種助成制度の御案内を行う予定でございます。  そのうち、特に緊急対応が必要と判断したものにつきましては、所有者等にお会いし、改善をお願いするなどの取り組みを都市整備領域と連携して進めるとともに、教育委員会からも学校や関係機関へ情報提供を行い、必要に応じ通学路の見直しなどを行うことも含め、通学路の一層の安全確保に努めてまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 都市整備所管のほうに、これから依頼をかけていくということですけれども、ぜひ見落とし、見誤り等々ないよう、ぜひ教育所管からも念押ししていただければと思います。  それから、九百カ所上がってきたということですけれども、先ほど御答弁いただいたように、危険度がA、B、Cに分けられて上がってきているということですが、それぞれの件数の内訳とA、B、Cごとの今後の対応についてお聞かせください。 ◎末竹 学校健康推進課長 各学校からの通学路沿いの危険なブロック塀などとして報告が上がってきた件につきましては、区立小学校六十一校全体を合計いたしますと約九百件となっております。そのうち、通学路にあるブロック塀などで、学校が現状でも危険性のあるもののうち、緊急性の高いと判断するものをAとしており、件数は約百二十件でございます。そのAに該当する事案は、各学校から随時教育委員会に報告を上げてもらい、都市整備領域の職員が必要に応じ、個人や事業主などの所有者にお会いし、改善をお願いするなど、優先的に進めているところでございます。  また、その他のBとCにつきましては、合わせて約七百八十件で、その対応につきましては、ブロック塀等緊急除却助成制度などの各種助成制度の御案内を通じて、安全確認を促す対応を行っていく予定でございます。  なお、子どもたちが日々使用する通学路でございますので、教育委員会といたしましては、なるべく早く対応していくべきとの認識のもと、現在関係各所管と調整を図り進めているところでございます。 ◆おぎのけんじ 委員 これからの実際の対応は都市整備所管がやるとしても、教育委員会としても、しっかり進捗管理していただく必要があると思いますので、場合によっては、通学路の一部変更という可能性も出てくるわけですから、特に今おっしゃっていただいたAの百二十件の対応の進捗度合いというものは、都度都度、学校関係者や保護者の皆さんにアナウンスしていっていただきたいと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。 ◎末竹 学校健康推進課長 学校から報告のあった危険なブロック塀等につきましては、先ほど申し上げましたように、所有者等に安全確認を促すとともに、ブロック塀等緊急除却助成制度などの各種助成制度の御案内を行いますが、あわせまして、各学校宛てにその状況などについて情報提供することを考えているところでございます。その際には、各学校の安全マップなどに反映するとともに、必要に応じ通学路の見直しを行うなどの対応についても改めて周知をしてまいります。  教育委員会といたしましても、子どもたちが日々利用する通学路につきまして、引き続き、学校、PTAや関係所管と緊密な連携のもと、安全対策の向上に向け努めてまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 実際調査をされた方のみならず、やっぱり保護者としても大変気になる事案だと思いますので、ぜひとも丁寧なコミュニケーションをお願いしたいと思います。  関連しまして、小学校の通学路における防犯カメラについて伺ってまいります。  二十八年度から順次設置がされまして、今年度で全小学校の通学路に五台ずつ設置が完了するわけですけれども、これまでのところの導入効果みたいなところをどう評価されているのかお聞きしたいところではありますが、危機管理室とも絡むところもあってなかなか難しいと思いますので、聞き方を変えますけれども、今配置済み、これから配備する一校当たり五台配置というのは適正だと思われますでしょうか。 ◎末竹 学校健康推進課長 通学路への防犯カメラの設置につきましては、東京都の補助制度を活用し、平成二十八年度から三十年度までの三年間で通学路に一校当たり五台、合計三百十台の防犯カメラの設置を進めております。  教育委員会では、通学路防犯カメラの設置に当たりまして、防犯上、より効果的な設置となるよう、警察署からカメラの推奨箇所を抽出いただき、学校、PTAに現地を確認していただいた上で設置箇所を決め、設置しております。各校五台の台数とのことで設置を進めてきておりますが、これは東京都の補助金の上限の金額から勘案した台数が各校五台というところでございます。  教育委員会といたしましては、当初、通学路防犯カメラの設置の検討の際に、区立小学校の広さや通学路の状況はさまざまであり、地域の特性などもありますので、一律五台ということについては内部でも議論がございました。さらに、本年五月の新潟での下校中の児童が殺害されるという痛ましい事件を受けまして、文部科学省からの登下校防犯プランが示された対策メニューの中には、防犯カメラの設置とのこともございました。このようなことを踏まえまして、教育委員会といたしましては、改めて検討する必要があるとの認識を持っているところでございます。 ◆おぎのけんじ 委員 当初は予算ありきで、一校当たり割り返したら五台でしたということですけれども、検討する必要はあるという御答弁もありましたので、ぜひともお願いしたいと思っていますが、やっぱり導入した後の抑止効果というものを警察とも連動して考えていかないとだめだと思うんですよね。適正な台数というのもさることながら、設置している場所というのが本当にいいのかどうかというところもあると思いますので、これは多分に感覚的なものかもしれませんし、ほかの自治体の状況も私はよくわかりませんけれども、私自身は一校五台というのは最低限だというふうに感じております。  例えば、地元の町会だとか商店街さんでも、助成を受けて設置しているところはいっぱいありますが、一校当たりの学区域より狭いエリアでも五台、十台と設置しているところもいっぱいありますし、例えば野毛町公園の拡張用地なんかは、今、更地になっていますけれども、夜は非常に危険だし、実際に痴漢みたいなことがあったりした関係で、地元四町会連合会が協議して、五台の防犯カメラの設置を決めたりとかしていますので、下北沢のバスの話ではないですけれども、学区域も学校によって大分差があると思いますし、あと最近、通学路の緊急合同点検ですか、これも実施されたようですけれども、危険度合いも当然ながら地域ごとに違って、一律ではないわけでありますので、私は来年度以降、今の五台をベースにしながら、各学校の広さだとか、地形だとか、危険度、あるいは警察からの情報なども十分考慮した上で、強化、つまり増設も検討していくべきではないかと思っているんですが、この点はいかがでしょうか。 ◎會田 教育総務課長 通学路の合同緊急点検でございますが、新潟市で下校中の児童が殺害されるという痛ましい事件が発生したことを踏まえ、文部科学省から登下校防犯プランが示され、これに基づき、改めて区の学校安全マニュアルの登下校時の安全対策を確認したり、保護者に対しても注意喚起を促す等の登下校時の安全確保を図ってまいりました。  そして、本年七月に東京都教育委員会からの依頼を受けて、防犯の観点から、登下校時における安全対策を確実にするため、区立小学校六十一校全校の通学路において、九月十八日から二十八日にかけて、約二週間で学校、保護者、区内警察署、教育委員会事務局の四者が急遽体制を組んで実施したものでございます。この緊急合同点検で、防犯カメラの設置につきましては、小学校五十校程度から約百五十台の要望が報告されております。学校や当日従事した職員の報告からは、子どもたちの通学区域が広い学校や不特定多数の方が集まる駅周辺に近い学校からの防犯カメラ設置の要望が高い傾向にあるというようなことが見受けられます。  小学校通学路の防犯カメラの設置については、一校当たり五台のカメラの設置は本年度で完了するわけですが、今回の緊急合同点検で、さらなる防犯カメラ設置の要望が上がってきたということもあります。このことも踏まえて、国や都にカメラ増設に関する補助金等の要望を働きかけること、あるいは警察とも連携しながら、防犯カメラ増設の検討に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 予算の問題もあることは重々承知しておりますけれども、やっぱりブロック塀の対応もそうですが、子どもの命を守るというところに対しては、ためらうことなく適正な予算、傾斜配分していただきたいなというふうに思います。  関連しまして、通学路における橋梁、橋の安全性について伺ってまいります。  イタリアのジェノバで八月に、高架高速道路が崩落するというすさまじい事故があったわけですけれども、地盤が緩んでいたりとか、適切でない改修工事のツケが来たとか一部で言われているようですが、私は専門家ではないので、そこの真偽は定かではありませんけれども、区内の通学路における橋も素人目に大丈夫かなと思ってしまうようなところが幾つか、私も個人的に思っておりまして、きょうは文教所管ですので通学路に限ってお聞きします。  通学路上にある橋梁の安全性というのは現状どのように確認をされているのか。また、現状危険だとされている箇所が実際あるのかどうかお聞きします。 ◎末竹 学校健康推進課長 区が管理する河川などにかかる橋梁につきましては、世田谷区橋梁長寿命化修繕計画に基づき、五年に一度の定期点検、計画的な修繕、架けかえを実施し、安全性の確保に努めていると伺っております。  教育委員会では、通学路交通安全プログラムに基づき、区立の小学校を四つのグループに分け、それぞれ四年に一回は学校、PTA、道路管理者、警察、教育委員会等の参加のもと、通学路合同点検を実施しているほか、各学校においては毎年、学校やPTAを中心に通学路の安全点検を実施しております。こうした点検の中で、例えば橋梁に関する御意見をいただきましたら、教育委員会から管理者となる関係所管課に情報提供を行うなど、通学路の安全性の向上に向け連携を図りながら対応を進めていくこととなります。
     今お話がございました件につきましては、先ほど申し上げました通学路交通安全プログラムに基づきまして、昨年度と今年度と合同点検を実施してございますが、橋梁につきまして、危険等のことにつきましては上がってきてございません。  教育委員会では、今後とも、通学路交通安全プログラムに基づく通学路の交通安全確保に向けた取り組みを関係各機関の協力のもと継続し、子どもたちの交通安全対策に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 ぜひ引き続きよろしくお願いします。るる通学路の安全性確保ということで聞いてきましたけれども、これ以外にも細かく言えば、通学路に資源ごみの持ち去り業者が入ってきて、御存じの方は多いと思いますけれども、ストップ・アンド・ゴーで物すごいスピードで入ってきてとまって、またすぐ行くというのが繰り返されている通学路があったりとか、あとは某外車のディーラーの駐車場が通学路にありまして、そこから店舗に運転をしていくときにすごく荒っぽい運転で、実際ちょっと危ない場面があったりとか、それは末竹課長に御尽力いただいて、随分と状況は改善されましたけれども、そういう個別具体の状況というのも各学校だとか、PTAは持ち合わせていると思いますので、そういうきめ細かい対応をちょっと細かくやっていただければなと思いますので、これは要望とさせていただきます。  続きまして、教育センター移動教室について伺ってまいります。  区立小学校の四年生全員が対象で、教育センターのプラネタリウムと郷土資料室に行くという事業で、今後は郷土資料室が「Touch the World」に変わったということですけれども、まず、この事業にかかる総予算が幾らなのかお聞きします。 ◎板澤 副参事 今お話がありました小学校六十一校の四年生を対象といたしました教育センター移動教室に係る平成三十年度の予算といたしましては、約一千百万円となってございます。 ◆おぎのけんじ 委員 私は役所に来るときは、教育センター前の通りを通ってくるんですけれども、きょうもたまたま通りましたら、某砧の小学校のバスが四台かな、とまっておりましたけれども、多分その教室で来ているんだろうと思いました。聞くところによりますと、午前九時には教育センターに着いていて、十二時ぐらいまで移動教室というものをやって帰るということのようですが、今御答弁いただいたバスの借り上げが約八百二十万円ですか。これぐらいかけてバスをチャーターして、半日かけて行っているということで、あと小学校によっては大型バスをどこにとめるかということで、大分苦慮しているような話も聞いております。  決して小さくない経費がかかっていることですし、これは例えばなんですけれども、チケット制にして、この期間中に各家庭で行ってもらうようにするとか、別に友達同士で行ってもらうようにするとかでも構わないんですが、そうすることによって授業時間の創出にもつながるかと思いますし、あと、もちろん先生の負担も減るかと思いますし、当然家族にも世田谷区の取り組みというものを知ってもらう機会になるかもわかりませんので、経費削減の一つの手法として、そういったことも検討してみてはどうかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎板澤 副参事 教育センター移動教室につきましては、小学校四年生の理科の天文学習をプラネタリウム、外国語活動の英語体験学習を「Touch the World」で実施しており、各学校の教育課程に位置づけた校外学習でございます。校外学習は、子供たちが教室の授業で学んだことを実際に見たり、体験したりすることを通しまして、実感を伴った理解ができるという点で大変意義のある活動でございます。  また、学習指導要領におきましても、野外に出かけ、地域の自然に親しむ活動や体験的な活動を多く取り入れることでありますとか、博物館や科学学習センターなどと連携、協力を図りながら積極的に活用することなど、校外学習の重要性が示されてございます。  教育委員会といたしましても、この教育センター移動教室は、子どもたちにとって貴重な学習の場と捉えておりまして、引き続き小学校四年生の全児童を対象として実施してまいりたいと考えてございます。  今後とも、移動教室の運営や内容等につきましては、学校からの意見や校長会と連携した委員会等での議論を踏まえまして、課題を整理し、子どもたちにとって効果的な学習が進められますよう、改善を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆おぎのけんじ 委員 私もやることは全然反対はしておりませんけれども、やり方に関しては、ちょっと再考の余地があるんじゃないかなと思って質問させていただきましたので、ぜひ御検討いただければと思います。  続きまして、区民生活でも触れましたオリパラの気運醸成イベント花いっぱい運動についてお聞きします。  事業内容が、各会場や馬事公苑までのルートにおける、小学生による花の装飾(プランター)となっておりますが、これに関して具体的に子どもたちは何をされるのか教えてください。 ◎板澤 副参事 教育委員会といたしましては、東京二〇二〇大会気運醸成一年前サブイベント案といたしまして、小学生によります花いっぱい運動を提案させていただいたところでございます。この世田谷区の花卉産業につきましては、都市近郊の利点を生かしまして、近代花卉園芸の先駆的役割を果たしてきたと伺ってございます。また、現在も花卉園芸組合に所属する農家を中心といたしまして、技術の高い花卉生産が続いておりまして、伝統的な技術は健在であるというところからも、ぜひ教育委員会といたしましても、世田谷区らしい花を生かすことが海外から訪問された方や世田谷区を訪れる方に対する心温まるおもてなしにつながると考えたところでございます。  これまでも花育活動といたしまして、世田谷花卉園芸組合と連携して、平成十一年より花の栽培指導を行ってございまして、毎年約二十校の小学校が子どもたちの心の育成を図ってございます。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を機にいたしまして、おもてなしの取り組みとして、こうした花の栽培指導に係る部分を全小学校に広げまして、子どもたちにとって世田谷区の伝統のすばらしさに気づき、誇りに思うきっかけにしていきたいと考えております。  具体的には、現在関係部署との調整を行っているところではございますが、花卉園芸組合の皆様のお力添えをいただきながら、小学生が花で飾りつけたプランターを馬事公苑につながる五つの駅、また商店街等に並べまして、華やかな装飾で迎えることを現在計画してございます。 ◆おぎのけんじ 委員 小学生が栽培だとか装飾をするということですけれども、実際オリンピックの期間中もやるのかな、ちょっとわかりませんが、そのやっているイベントの開催期間中に、例えば用賀駅から馬事公苑に行くまでの通りにプランターだとか、バスケットなんかを施したとして、そのときに地元の例えば京西小だとか用賀小の生徒たちに、水やりをやってもらうようなことだとかというのはできないんですか。 ◎板澤 副参事 この事業につきましては、子どもたちが花を育てることによりまして、花を慈しみ、命を大切にする心を育てるとともに、おもてなしの気持ちをあらわすことができると考えてございます。このおもてなしの気持ちを保護者や地域の方等へも広げまして、具現化するために、子どもたちの夏季休業中も含めて、町会や商店街の方々とともに花を育てていくことが大切であると考えてございます。  そこで、水やり等につきましては、世田谷花卉園芸組合等に協力を得ながら、PTAや地域の方々、商店街、馬事公苑につながる五つの駅等とともに、花ボランティアを組織しながら進めていく予定で調整を行ってございます。 ◆おぎのけんじ 委員 私は、この取り組み自体は本当にすばらしいなと思っていますし、ぜひとも成功させていただきたいなと思っていますけれども、もっと区内の小中学生がこのオリパラに絡む機会というのをつくり出していただきたいなと思っております。夏休み期間中ということもあって、なかなか難しい部分はあるかと思うんですけれども、例えば学校を会場にしてパブリックビューイングをやるとか、アメリカンスクールの子どもたちを呼んで一緒にアメリカを応援するとか、例えばそういうことでも構わないと思いますので、ぜひとも子どもたちにも当事者意識を持ってもらって、俺たち応援しているんだぞというような雰囲気づくりをぜひお願いしたいなというふうに思います。  最後に、新BOPについて伺います。  昨年の第四回定例会でいろいろと質問させていただいた中で、そもそもスペースがもうどうしようもないんじゃないですかということを指摘をさせていただきました。一応、条例上は、学童クラブは一人当たり一・六五平米以上の確保が定められておりますけれども、それも認可保育園のゼロ歳児基準、世田谷区の基準五平米からすると三分の一以下ですし、区長はかつて、保育園は荷さばき場ではないと。だから、国がゼロ歳児三・三平米要求しているラインには絶対落とせないんだというようなことをおっしゃっていましたが、その三・三よりもちょうど半分だということで、その設定そもそもが無理があるんじゃないかなと思っております。  加えて、そこにBOPの子も入ってくると本当に足の踏み場もないくらいの状態ですよと。そのときに御答弁を子ども・若者部長からいただいたんですが、このように御答弁されました。教育委員会と学校との連携をさらに深めまして、子どもたちの活動スペースの確保や、より良好な放課後の活動環境の維持に努めまして、事業の質を担保する現実的な取り組みを着実に進めてまいりますと。全く中身がなくて答弁になっていませんよねということも、そのときに指摘させていただいたわけですけれども、その後、新BOPのスペースの問題、スペース確保のボールは私は教育所管にあると思っておりますが、現状どんなステータスなのかお聞きします。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 新BOP事業につきましては、児童数増に伴う人員や活動スペースの確保の難しさ、また、多様な保護者の働き方への対応等、喫緊の課題を抱えていることを認識しております。委員より御指摘いただいております狭隘の解消についてでございますが、新BOPの専用室に加え、校庭、体育館、多目的ルーム、特別教室等の学校施設を有効活用するとともに、司書が配置されている学校図書館とも協力しながら、児童が放課後に多様な過ごし方の機会が持てるように取り組んでいるところです。  また、今年度につきましては、時間延長の検討とともに、現在各小学校の新BOPがどのように学校施設の活用をしているかについて把握に努めており、具体的な活動場所の確保について進めていけるよう取り組んでいるところでございます。  新BOPは子どもたちが豊かに成長する貴重な場でございます。今後とも関係所管、学校と連携しながら、施設環境の改善を図りながら、児童が安全安心に過ごせるよう新BOPの環境整備に引き続き努めてまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 余り期待していた答弁ではなくて非常に残念なんですけれども、新BOPの運営に関しては、ハード面でいけば、もう表面張力ぎりぎりみたいなところで運営されているわけでして、どうもソフトというか、時間延長の話も一方であるにもかかわらず、ハードは、こちらはこちらでえらいことになっている。どうもかみ合っていないというか、子ども・若者部と教育所管で縦割りの図がずっと続いているんじゃないかなという気がすごくしちゃっていまして、やっぱり、これだけハード的には危機的状況が目の前にあるわけですので、それを傍観しているというのは、私は行政の大いなる怠慢だと思いますし、問題先送り型の行政対応で一番困るのは子どもたちなんだということをぜひかみしめていただいて、私の質疑を終わります。  畠山委員と交代します。 ◆畠山晋一 委員 今おぎの委員から新BOPの危機的な状況、表面張力上の対応ということの話だったので、僕もそこにつなげていこうかなと。今厳しい御指摘があったわけですけれども、初めに、そういった部分では、世田谷区とすると、児童の放課後対策で社会的な認知を得た新BOPがそういう厳しい状況にあると。その厳しい利用状況であることには間違いないわけですか。 ◎青木 教育指導課長 放課後の状況につきましては、児童館等でそれごとの事情はあり、曜日や時間帯によっても異なるということではありますが、廊下等を活用するなど、遊びのスペースの確保が厳しい館は大変多くあると聞いております。 ◆畠山晋一 委員 厳しい状況には間違いはないと。下北沢のほうでは小学校が三校統合になって、学区域も広がる。また、既にそういう学区域が広がっていない状況の中でも、新BOPの定員があふれている状況にあるという問題がある中で、これに対して果たしてどう対処、対応していくのだろうかというところの話の中で、他区の事例などを見ておりますと、当然新BOPをやっていない区ではあるんですが、学校の後の放課後対策として、今世田谷区が特に力を入れている児童館、こちらの児童館に子供たちは学校が終わった後に駆けつけて、その後、放課後をそこで時間を過ごすと。  うちの近所にある代田児童館なんかは非常に評判がよくて、児童館の職員自身も児童、または中学生生徒の心理といいますか、子どもたちがどういった思いで来ているのかなとか、そういった本当に細かい配慮をするような状況がある児童館ができていて、非常に評判がいいわけです。そういった評判がいいわけですけれども、児童館に行くためには、まず、児童は家に一回帰って、ランドセルを置いてからしか来ちゃいけないという条件があるわけです。  ところが、さっき話をした目黒、足立、台東、ここに関してはランドセル来館はいいですよと、それでも対応できますよといったような状況があるという結果が今出てきているわけですけれども、世田谷区として、ランドセル来館、こちらについてお考えがありましたらお願いいたします。 ◎青木 教育指導課長 各校におきまして、子どもたちの登下校の安全安心は非常に基本的な事項であり、家を出て学校に着くまで、また同様に無事に帰宅するまでの安全確保はゆるがせにできないものであると捉えております。このため年度当初には、全ての保護者と通学路の確認等を行っております。小学校においては、家庭との連携した下校時の安全確保について、放課後の遊びや塾、習い事などは一旦帰宅してから行くことを原則として、保護者会等でお知らせし、御理解、御協力をいただくように努めてまいりました。  したがいまして、下校時に学校から児童館へ直接来館することにつきましては、子どもの安全確保を第一に据えながら、学校、地域、保護者の方々が、考え方や実施方法などを十分に協議し、共通理解を図ることが重要であると捉えております。  教育委員会といたしましては、各御家庭の個別の事情に配慮をしながらも、基本的な考え方や原則、各学校長の判断を尊重することが第一と考えております。子どもたちの放課後の安全確保については、所管課と連携し、他地区の実施状況の情報を収集するなど研究してまいります。 ◆畠山晋一 委員 今おっしゃるように、ランドセル来館によるメリットもデメリットもあるんですね。もう既に民間会社のほうから、こちらは平成二十六年の九月なんですが、財団さんのほうから調査結果等が出ております。メリットは、学校から直接来館できるから時間の有効活用ができるという話はあります。ただ、もちろんデメリットもあるわけです。災害または緊急時の対応がいまだ整理されていないという状況がありますので、まずは児童、こちらの安全また安心を確保することが第一である条件もありますし、当然、ランドセル来館というからにはリュックサックを持って通っている児童はどうするんですかと。これがオーケーと。ランドセルはだめで、リュックはオーケー。  こういった課題ももちろんありますので、それは時代の潮流に合わせて、みんながみんな一生このままランドセルを背負って続けるのかと、それは何とも推測しがたいところでもありますし、もしかしたらリュックサックにかわってくる時代が来るかもしれない。ただ、そのときそのときその時代に即応した形で児童の放課後対策を対応していく、必要ならば条例改正もやっていく、こういった時代の潮流に合わせた迅速な対応をしていくことも、貴重な児童の六年間の生活の中の放課後の時間ですから、その辺も含み、あわせてこの先対応していただきますことを要望いたします。  続きまして、この間もさまざまな質疑が出ていますが、私自身もいまだ腑に落ちない、納得しない、どうしてなんだろうと思うのが、ポートランドの話であります。  これは何で、この間もいろいろな話、答弁、質疑応答を聞いておりますが、いまだにこういったものを決めるのに当たって、ポートランドの教育交流について、まずは何でポートランドを決め打ちにした、その理由を伺います。 ◎板澤 副参事 都市を選定するに当たりましては、幾つかの都市を比較検討したのではなくて、教育について熱心なこと、環境についての配慮の取り組みがすばらしいこと、治安がよいこと、また日本文化への関心が高いことなどを基礎的な条件といたしました。さらに、キャリア教育の観点から、企業等とも連携している可能性があることなどのことから、ポートランド市が最適であると判断したところでございます。 ◆畠山晋一 委員 地殻変動を起こすような答弁だったみたいですけれども、やはり揺れているわけです。同じですよ。今、幾つかの都市を比較検討してはいない、はっきり答弁した。でも、最後にポートランド市が最適であると判断した。最適であるということは、ほかと比較したから最適というふうに言えるのであって、比較もしていないのに最適というのが僕は理解できないんですね。  逆に言うと、決め打ちだから決め打ちなんだというふうにおっしゃる方もいる。だったら、まずは何で決め打ち、何でほかの都市と比較しないんですか。 ◎板澤 副参事 先ほど申し上げましたが、教育についての熱心さ、環境についての配慮の取り組み、治安のよさ、日本文化への関心、こういったものを踏まえまして考えてまいりましたので、教育委員会といたしましては、今後ポートランド市との、まず学校や企業等に関する詳細な情報収集を進めていく必要があると考えておりまして、年内を目途に現地の視察を行いたいと考えておるところでございます。  今後、先方との具体的な調整や打ち合わせを進めていくに当たりましては、適宜、常任委員会等でも御報告させていただきまして、丁寧に対応を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆畠山晋一 委員 海外なわけですね。ですから日本ではないわけですよ。我が国と違う文化と法律と人種の人たちが集まっているところに行くということは、海外に行かれた方は、皆さんそれぞれに御理解いただけるかと思いますが、違いがあるわけですよね。この違いを理解するために、改めて自分自身の国のよさも知る方もいるでしょう、相手の国のよさを知る人もいるでしょう。でも、この違いが、どこがどう違うかということを事細かに精査をしていきませんと、これを拙速に決めるというところに危惧を持っているんです。  このポートランドがいいという話を、最適だとおっしゃいますが、私の小さな経験ではありますが、私は小学校時代は、このポートランドのちょっと北に行ったシアトルという町で育ちました。五年間ほどいました。ですから、アメリカの現地校の教育も受け、当然シアトルというのはポートランドと比較しても、米国内の調査の中においても治安がいい。今でも治安がいいと言われている。なぜか。日本人が多いんです。日本の方が多くて、米国の北西部の玄関口とも言われております。  最近ポートランドが――最近というよりもポートランドが出てきたというのは、ナイキの影響が非常に大きくて、もともとシアトルにはボーイングという会社がある。例の飛行機の会社ですね。こちらの財源があって非常に裕福であって、同時にマイクロソフトさんが入ってきて、アレンさんがそこでもって高額の納税をしてくださったおかげで、非常に治安が安定しているというのがシアトルだったんですよ。それに対してナイキの影響でもってポートランドもよくなってきた。  もっとさまざまな状況がありますけれども、そういった部分では、ここだけでも十分比較できるシアトルという都市がすぐ近くにあるんですよ。もうちょっと北に行けばカナダですけれども、バンクーバーBC、このバンクーバーというのも大変に日本人がなじみ深くて、治安がよくて、日本人の教育にとってもいいというふうに言われているところですよ。  今、僕が言うだけでも、こういった比べるのに最適と思われるような都市が多くある中で、米国にもこだわらなくていいわけですよね。たまたまホストタウンでアメリカが来たからと言っているけれども、オリンピックというのは全世界の国と一緒にやっているわけですから、当然アメリカに対する敬意も大事でしょう。当然、我が区にいる各大使館、アフリカのアンゴラさんとか、そういった国に対する敬意も必要でしょう。こういった敬意を必要な中で、そことも比較もしないで決めてしまうということに対して、これは拙速ではありませんかと私は感じるんですけれども、拙速じゃありませんか、どうでしょう。 ◎板澤 副参事 まず、私どもといたしましても、先ほどお示ししました治安ですとか日本文化、こういったものを通してポートランド市を考えさせていただいております。それもホストタウンを契機とした交流とともに、まずはこうした機会を捉えまして、子どもたちを二〇二〇年に派遣することを目指した取り組みといたしまして、東京二〇二〇大会気運醸成に向けた世田谷区の取り組みの一つとしてお示しさせていただきまして、東京二〇二〇大会オリンピック・パラリンピック競技大会庁内推進本部で今後の取り組むべき施策の案として決定をしたところでございます。 ◆畠山晋一 委員 どうしても施策の案として決定していきたいというところの話ですけれども、私はいまだに拙速であるというところは否めないというのが現況でありますので、引き続きよりよい形での選定となることを望んで、次の質問に入らせていただきます。  続きましては、通学路の安全確保についてでございます。  さきの九月二十八日には、下北沢小学校で走っていたバス、こちらもバスがとまって、今は各児童が通学路の歩行通学をしている。さまざまな経緯はありますけれども、各学校との連携の中、世田谷区全体を見据えても、こういった通学路の安全面を確保していかなきゃいけないのは、当然こういう新しいところもあるけれども、以前から課題のあるところもあって、この間も各答弁の中で、交通安全プログラム合同点検をして、この通学路の安全面の確保をしている。先ほども防犯カメラの話もありました。果たして五台が最適なのかといった課題もあります。  そういった部分では、通学路に関しましては、より多くの方策がまだまだあるはずですよね。ハンプを設置したりだとか、この近所ですと、若林小学校の脇には、二十キロ制限のスピード制限を示した看板が各電柱に設置されて注意喚起が行われている。通学路という観点から見たら、地理の実態、地理の状況の違いはあるかもしれないけれども、どれ一つとして欠かせない課題である、対応策であると思うわけです。  その課題をもっと丁重に、そうすると当然もっと予算をかけていかなければいけないということになってくる。予算をかけていくとなったときに、それを考えたときに、さまざまな手法をくみするためには、例えばこれを学校の改築のときに、校舎、校庭、体育館、こういったものの改築を行うわけですけれども、これと一体なのが通学路なはずなんですよ。改築のときというのは、当然、学校の関係者もそうですし、児童もそうですし、生徒さんたちもそうですけれども、こういったいろんな意見を集める。当然地域の意見も集めて、いろんな対応策をするのが改築であると私は判断しているわけです。せっかくですから、この改築のときにあわせて、通学路もそこで改築じゃないけれども、改善していくということは、今後この学校の改築に際しては考えることはできますでしょうか。 ◎末竹 学校健康推進課長 教育委員会では、通学路交通安全プログラムに基づき、区立の小学校を四つのグループに分け、それぞれ四年に一回は学校、PTA、道路管理者、警察、教育委員会等の参加のもと、通学路合同点検を実施しているほか、各学校においては毎年、学校やPTAを中心に通学路の安全点検を実施しているところでございます。  御提案の学校改築の際に、通学路の安全対策を含めて検討すべきとの御提案でございますが、このような機会を捉えて、保護者や地域住民の方々の意見を幅広くいただくということも可能な場合もあろうかと思われます。こうしたことから、通学路の安全対策に関して御意見などがございましたら、学校ともよく相談し、必要に応じて臨時で通学路の点検を実施することも検討したいと考えております。  いずれにいたしましても、教育委員会としては、今後とも定期的な通学路の安全点検の確実な実施を学校やPTA、その他関係機関と連携を密にして行って、子どもたちが安心して学校生活が送れるよう、通学路の安全対策に取り組んでまいります。 ◆畠山晋一 委員 ぜひとも、この安全対策は通学路も組み合わせながら、地域のまちづくりによっては新たな道路ができて、また、新たなまちづくりができて、その地域の実態が変わってくるということもありますので、この辺も組み合わせて通学路の安全面をより細かく対応していただきますことをお願いして、次の質問に入ります。  続きまして、決算ですから、世田谷区の債権管理重点プランに基づいて何点か質問をしたいのですが、まず、ぱっとこれを開いたときに、一ページ、二ページ目に教育関連のところ、まずは思い浮かぶのはもちろん給食費の滞納であったんですが、ところが給食費の滞納だけじゃなかったんですね。  一般会計のところを見ていまして、諸収入の中の参加料で私自身が、あっと目を引いたのが、姉妹都市中学校交流事業参加料が滞納になっている。これは海外へ行かれた方が滞納したのかなという話なのかなと思って、よく話を伺いましたら、これはたまたま出納の閉鎖期間が五月三十一日だったところ六月一日に処理を行ってしまった結果、平成二十八年度のところの未収入の債権として計上されちゃったという、ちょっとした記載の過ちだったということなんです。  できたら、こういう誤解を招くようなことは、数の少ない参加者の中のこういったものの参加料なわけですから、ここに記載されただけでも誤解や過ちがいってしまってはいけないなと感じる部分があったので、この辺はこういったものの書類をつくるときには注意されたほうがいいなというふうに私自身も感じました。それはぜひとも改善していただきたいということと同時に、今回伺いたいのは、その前に中学校の土曜講習会、こちらの参加料の滞納があるということなんですが、これはつまり土曜講習会に対して誰かが講習会の分を立てかえている。滞納の分の回収はどのようになっておるのでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 中学校の土曜日の講習会につきましては、テキスト代相当といたしまして、二教科、数学、英語、それぞれ一冊五百円のテキスト代という形で費用を徴収していただいております。このテキストは区が作成し、受講者に配布しており、徴収いたしました費用に関しましては、世田谷九年教育の財源として充当しております。  滞納につきましての対応につきましては、納付書を添付いたしまして、文書において催促をさせていただいています。未納の場合については、年間二回から三回、定期的に催促という形をとらせていただいております。引き続き、滞納というところがございましたら、催促を行っていきたいと考えております。 ◆畠山晋一 委員 受けるからには、きちっと授業料を払う、参加料を払うというのは義務として当然のことでありますので、その辺は間違いがないようにしっかり取り組んでいただきたいんですが、これは聞いていますと、この土曜日の講習会というのは、本当は塾に行きたいけれども、なかなか塾に行けない。いろいろと厳しい状況があって、そういった部分の抵抗もある。でも勉強はしたい、より数学、英語について学びたいという向学心、学ぶ意欲の高い子たちが集まっているという話も聞いておりますので、こういった場合には少し、それこそ教育委員会がこの受講者の思いを考えて、教育の充実という観点から、こういった部分こそ行政が面倒見て、より授業の高まるような政策として取り組んでいただけたほうがよりベターなのではないかなと感じるところでありますので、この辺はぜひ考えてみてください。  続いて、滞納ということでは、やはり給食費のことでございます。  給食費についてですが、これを昨年度、平成二十九年度からは、今まで学校の私会計だったところのものが、いよいよ学校で会計上の対応をするのではなくて、公会計上の制度の変更から、今度は教育委員会が六十一校、二十九校の給食費の対応をすると。つまり、上部の教育委員会がしっかり対応するぞということの姿勢を示していかなければならないという状況になってきた。  そういった会計上の対応になってきたということなんですけれども、これは平成二十六年度から平成二十九年度の重点プランで、その先の計画を見据えたものではあるんですが、どうしてもぱっと見たときに残念だなと否めないのが、この目標値と実績というところなんですね。全て目標値が九九%になっているわけです。給食費というのは、全ての人が納めて初めて給食費になるべきところであって、なぜ目標値が九九%であって、なぜ目標値を一〇〇%として定めないのでしょうか。 ◎末竹 学校健康推進課長 学校給食は、児童生徒の健康の保持増進を図るとともに、食に関する正しい理解を深める上でも生きた教材として活用されており、大変重要な役割を担っております。学校給食費については、平成二十九年度から区立中学校二十七校を公会計化し、教育委員会において一括して収納管理を行っており、平成三十年度からは区立小中学校九十校の給食費を公会計化しております。保護者に負担していただく給食費は給食提供に必要な食材費であり、未納とならないよう適正な債権管理に努めていく必要があると認識しております。  お話しのありました給食費の収納率の目標につきましては、世田谷区債権管理重点プランに基づき、この間の給食費の収納状況を踏まえ検討し、定めているところでございます。過去五年ほどを見たときの収納率の実績といたしまして、九九・三%で推移してまいりましたので、平成二十九年度の収納率目標値につきましては、これを踏まえ九九・四%を目標値としていたものでございます。  教育委員会といたしましては、債権管理の徹底に努め、未納者については督促状の定期的な送付や夜間電話などによる催告に加え、学校から催告書を保護者に直接渡してもらうことなどにより納付を促すなど、さまざまな工夫により、収納率の向上に向けて引き続き取り組んでまいります。 ◆畠山晋一 委員 前例踏襲ということで、前年度が九九・三%の実績だったから、それよりもちょっと上の九九・四%を目指すと。ちょっとの話じゃないですか。それもきちっと子どもたちに国民の義務は何ですか、納税と入っているわけですから、給食費はきちっと納めましょうということで、それによっていろいろな学校生活上の課題が来されるという話も聞いておりますが、全員がきちっと給食費を納めて、一〇〇%の目標値になって、この債権管理重点プランの中から給食費が消えるということを目標値にぜひしていただいて、今までの私会計から教育委員会での公会計の対応になった姿勢と実績がそこに示されるように、ぜひとも取り組んでいただきたいわけです。  そうすると、この給食費の口座の振替登録をされることを今保護者に対して積極的に促しているということですが、実際に給食費の口座振替の登録を完了されていない方。こういった方々に対してはどのように対処と対応をされておりますでしょうか。 ◎末竹 学校健康推進課長 学校給食につきましては、先ほど申し上げましたように、平成二十九年度に中学校二十七校、今年度は小中全校となる九十校を公会計化し、従来の学校指定口座から改めて口座登録の手続をしていただいております。こういったことから、現在は公会計化へ移行していく中での過渡期と捉えているところでございます。口座振替により確実な収納という観点や保護者の方々の利便という観点から、学校を通じて口座登録の申請用紙を全保護者に配布し、口座登録を推進しているところでございます。  お話しの口座登録が終わっていない方につきましては、毎月納付書を送付し、各金融機関でのお支払いをお願いしておりますが、納付書を保護者に郵送した際に、納付書が送付されてきた理由の問い合わせが現在もございまして、改めて口座登録の手続が必要である旨を御説明、御案内しているところでございます。  また、一定期間経過しても口座登録が終わっていない方につきましては、納付書にあわせまして、口座登録の御案内の文書も郵送し、口座登録を促しております。この納付書払いの方は口座登録の方に比べると、未納の率が高くなる傾向が見られますので、口座登録を積極的に促すほか、経済的な理由により未納の場合も考えられるため、未納のお知らせ等の通知に就学援助制度の案内を盛り込むようにするなど、納付相談がしやすいような工夫も行ってございます。教育委員会では、引き続き口座登録の推奨に努めてまいります。 ◆畠山晋一 委員 目標値が一〇〇%ではなく実績が一〇〇%になるべく、しっかりと取り組んでいただくことをお願いして、菅沼委員にかわります。 ◆菅沼つとむ 委員 答弁は簡潔明快にお願いします。  最初に、世田谷区立図書館についてお聞きします。  世田谷では、中央図書館、地域図書館が十五館、また、図書館カウンターが二館、また地域図書室、昔はまちかど図書室と言ったのが五館をやっていますが、最近本の貸し出しというのはふえているんですか。 ◎松田 中央図書館長 本の貸出件数でございますが、図書館全体での貸出数ですけれども、全図書を含めまして、平成二十八年度、二十九年度との比較で申し上げますと、平成二十八年度は約六百九十五万、平成二十九年度には七百十六万ということで、この年度の比較では増加しているという傾向になっておりまして、その前の年度を含めまして、一定増加をしているというような状況でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 せっかくやっているんだから、ふえることというのは大変すばらしいなというふうに思っています。  世田谷区では、半径五百メートル範囲に一カ所地域図書館をつくると、ずっと何十年も最初の方針からやっていました。それで地域図書室、まちかど図書室は、基本的にはその間を要するに補う臨時的なものだというふうに世田谷区は考えて、なるべく広い場所で、本がたくさんあって、それからスペースがある地域図書館にやっていくというふうな方向性があります。最近の状況を説明願います。 ◎松田 中央図書館長 まず、現在の状況でございますけれども、委員のお話にありましたとおりに、一定の基準を設けて設置を進めているところでございます。それで現在につきましては、例えば中央図書館の機能の拡充の検討であるとか、梅丘図書館の改築等、既存の改修等も含めて検討しておりますけれども、新たな館につきましては、図書館業務を担う我々といたしましては、できるだけ多くの方が利用できるように、図書館については数はあったほうがいいというふうにも感じますけれども、公共施設全体の考え方の中から、また、あとは物理的な状況もございますので、そういった公共施設全体の中での配置も考えまして、今後そういった住民ニーズであるとか、そういった状況を踏まえまして、また改めて今後検討してまいりたいと、このように考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 検討するということなんだけれども、検討じゃなくて決定なんですが。これは十五年ぐらい前にまちかど図書室を減らすじゃなくて、地域図書館をしっかりつくって、それにかわるまちかど図書館をつくるということだから、その進行状況はどうか。今のを残しといて検討するという方向性じゃないんじゃないですか。 ◎堀 教育長 今、図書館の今後についてお話をいただきましたが、委員のお話にありました中央図書館が一、地域が十五館、かつてまちかどと言われた今は地域図書室が五館、今、図書館カウンターが二館ございます。今後はこういうICTを使いまして、利便性を高めていきたいということで、図書館ビジョンには、図書館カウンターというようなことを検討しながら、区民の皆さんがより多くの本に出会えるような環境をつくっていきたいというふうに考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 今、教育長からお話がありましたけれども、基本的には地域は世田谷は広いですよ。その中で、狭くて本が少ない、居場所もない、そうじゃなくて、これは図書館というのは世田谷の中で一生続くわけです。だから、今図書室が五館ある。そういうところなんかは、やっぱりその地域できちんとつくって、ICTだとか、それも結構です。いいけれども、やっぱりそういう環境を――今は家で勉強しなくても図書館でしっかり勉強しながらやりたいという人もふえているわけですから、そういう環境整備というのは大事だというふうに思いますので、どういうふうに計画していくのか、それを聞きます。 ◎堀 教育長 今お話がありましたように、やっぱりICTの進展というんでしょうか、進みぐあいは目覚ましいものがありますので、今申し上げた図書館カウンター、それから、委員のお話にもありましたけれども、自宅でも図書館の本、今でもその環境はできておりますが、電子図書等も踏まえて、どこでも借りられる、どこでも返せる、自宅でもできるというような環境をつくっていきたいと思っております。  今、具体的なことは検討には入っておりませんが、今お話しした基本的な考え方に沿って、利便性の向上を図っていきたいというふうに考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 実際には、昔の中央図書館である梅丘が今きれいに修繕していますよね。本来はその前のお金があるなら、私はそちらのほうが先に直すべきだというふうに思っています。  次に行きます。学校教育の充実、教科「日本語」の推進についてお聞きします。  小学校では、短歌、俳句、古文、論語、漢詩、一週間で一時間の授業をやっております。どのように小学校低学年の授業をやっているか、御説明を願います。 ◎加藤 副参事 教科「日本語」は、ことしで十一年目を迎えますけれども、これまで日本語の響きやリズムを楽しみ、言葉の美しさや気高さを味わう活動や日本文化等について、発達段階に応じて深く考える授業を行ってまいりました。小学校では、教科「日本語」の教科書で論語、短歌や俳句、詩、漢詩などを題材として取り上げておりますけれども、意味や文法の理解よりも声に出して音読、朗誦したり、その情景を想像したりする学習活動を楽しみながら行っております。 ◆菅沼つとむ 委員 小学校低学年じゃ意味や何かわからないでしょうね。それから、小学校も教科「日本語」が入ってくる前と違って、英語が入ってきましたよね。その辺の余裕がなくなったというふうに思いますけれども、その辺はどういうふうにお考えになるかお聞きします。 ◎加藤 副参事 教科「日本語」につきましては、御案内のとおり、平成十九年度から言語活動を充実して言葉の力を高めたり、日本の伝統文化に親しんだりする授業を継続してまいりました。新しい学習指導要領でも、引き続き言語活動のさらなる充実を図ることや言語能力が学習を支える基盤であることも明確に述べられておりますので、これからの予測困難な時代を生きる子どもたちにとっても、新聞を活用した読解力や演劇の手法による表現力、コミュニケーション能力、言葉の力をより高める教科「日本語」の内容になりますように、現在現場の先生方と共同して教科書の改訂を進めております。  委員お話しの総合的な学習の時間における探究活動も明記されたり、英語科が入ってくるというようなこともありまして、平成三十二年度より総合的な学習の時間と教科「日本語」について、学校や地域の実情やニーズに合わせて柔軟に教育過程を編成できるように、教員研修等を充実させながら現在準備を進めてきております。  現在は、次年度を移行期間とするための検討を校長会と協議し、平成三十一年度は中学校一年生において、改訂教科書を開始する予定でございます。
    ◆菅沼つとむ 委員 読解力だとか、そういうものを読んでやるということは悪いことじゃない。だけれども、日本語だけじゃなくて、これは全体の話だからね。  それで、なぜこれを言いますかというと、日本語の中で専門家がいないんですよね。今、十一年もやってきましたけれども、実際には最初に導入するときには、学校の先生には御迷惑をかけず、何にもやりませんと言いながら、ぼんと学校に丸投げしたわけですよ。日本語の教科というのは世田谷だけしかない。それともう一点は、ほかの区から先生が転入してきたときに、どういうふうにその先生に教え込むか、それをお聞きします。 ◎加藤 副参事 委員お話しのとおり、これまでの十一年間の先生方の指導法や教材の蓄積がございますので、このことを生かした教育課程の改善、教科書の改訂を進めていくと同時に、教員研修についても、引き続き充実させていきたいと思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 十一年間という積み重ねた、各学校で指導する先生がいらっしゃると思いますけれども、やっぱり、ほかの区から世田谷に来たときに面食らうわけですよ。日本語というのはほかの区でやっていないわけですから。その辺の指導だとか、そういうことを考えながら、それから低学年のほうももっとわかりやすく、今の小学校のあれじゃ難しいと思いますよ。  それからもう一つは、教科「日本語」というのは総合的な時間を使っているんです。そうすると、小中学校の中で、うちの学校はこういうことを考えて授業をやりたい、こういうことをやりたいといったときに、これが使われちゃって授業ができないんですよ。この辺はどういうふうに考えているのかお聞きします。 ◎加藤 副参事 平成三十二年度より、繰り返しになりますけれども、総合的な学習の時間と教科「日本語」につきましては、学校や地域の実情やニーズに合わせて、柔軟に教育課程を編成できますように進めてまいりたいと思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 現場はわかっていると思うけれども、柔軟にといったって、授業時数を教科「日本語」にとられちゃっているんだから、ほかの授業をカットする以外に使えないんだから、やっぱりその辺は各学校によって特徴あるものを、教育長も生かしていくというお話があるんだから、やっぱり、各学校で特徴ある授業をやってもいいんじゃないか。今の段階だと、教科「日本語」にとられちゃって、そういう授業はできませんよということなんですよね。  だから、本来はやるなら徹底してやってほしいと思うんだけれども、時間割の関係で週一日、それで一時間しか授業をやっていない。これが本当に義務教育でなったときに、世田谷の子どもたちがやってよかったということに思うのか、その辺をお聞きします。 ◎加藤 副参事 委員お話しのように、今後改訂した教科「日本語」と他の教科や道徳科、総合的な学習の時間、特別活動との連携、いわゆるカリキュラムマネジメントを進めながら、何よりも現場の先生方の教員の意見を取り入れて、言葉の力を全体として育んでまいりたいというふうに思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 なぜかといいますと、世田谷区で小学校のほうは、もともと今子どもたちがふえていますよね。その前に私立に行っている小学生もいらっしゃるわけ。だから、私個人的には地元の小学校、地元の中学校に入ってほしいんですよ。それには魅力あるものじゃないとなかなか入ってくれない。世田谷区は特にお受験が多いわけですから、そういうことも考えて、やっぱり魅力のある小学校、中学校をつくっていただきたいというふうに思います。  次に行きます。いじめ防止、不登校総合推進についてお聞きします。  世田谷区がやっているいじめ防止プログラムは、第一に、いじめ防止の講演会、第二に、いじめ防止ワークショップ、第三に、スクール・バディ・トレーニング、第四に、ネットいじめ防止など、教育委員会はやっていますが、いじめは世田谷の中で減っているのかお聞きします。 ◎板澤 副参事 数値といたしましては、具体的には、これまで調査の項目、調査の仕方の中で、いじめの認知の仕方がかなり広くなっていたところがございますので、厳密に言いますと、数値といたしましてはふえている現状はございます。つまり、それだけ学校が感度を高く子どもたちの様子を見ているというところがうかがえると思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 ところで、世田谷区はいじめは何件ぐらいあるの。 ◎板澤 副参事 これは都の調査におきまして、六月段階の三カ月の調査を行っておりますが、例年七十件程度だった部分がございますが、これが百四十件から五十件程度の認知件数にふえているところはございます。 ◆菅沼つとむ 委員 ふえているということです。  それからもう一点、不登校についてもお聞きします。世田谷の現状を説明願います。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 不登校の数でございますが、現在は二十八年度が最新情報でして、小中合わせて五百五十八名でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 数字をもう一回言ってくれる。よく聞こえなかった。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 失礼いたしました。現在、二十八年度の最新の数字といたしましては五百五十八名でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 五百五十八名、不登校の対応はどういうふうにやっているのかお聞きします。 ◎青木 教育指導課長 不登校に関しては、子どもたちのさまざまな状況もございます。それから、家庭との連携もございますので、丁寧に状況を把握しながら対応しているところでございます。内容的に複合的な要件もございますので、登校が難しい場合にも、定期的に担任が連絡をとるですとか、学習について支援をするというような対応をしながら復帰というところを目指しておりますが、必ずしも、すぐ学校に来るというところを求めるのではなく、子どもの実態に応じて、子どもが前向きに生活を送れるようにと支援をしている状況でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 実際に一回不登校になると、教師が行っても友達が行っても、なかなかすぐ戻ってきてくれないというのは事実だと思いますけれども、どこかでパイプをつないでおかないと、小中学校で不登校になったら、やっぱり少年の人生の中で物すごく重たくなるんですよ。これから高校へ行って、社会人になってやろうといったときに、やっぱり早目に手を打たなくちゃいけない。それには、各先生方も、それから友達の子どもたちも、親もそうですけれども、そのパイプをつなげなくちゃいけない。  例えば野毛青少年交流センター、これをつくったのは不登校対策なんですよ。だけれども、これは誰も来たことがないんですよ。これは不登校対策でやったものなんですよ。午前中にほかの子どもたちがいないから来るということで、最後は児童館みたく人数だけ今は稼いでいますけれども、最初の企画は不登校対策ですから、その辺はいじめも大事ですけれども、不登校のほうもしっかりお願いしたいというふうに思います。  次に行きます。体育館へのクーラー設置についてお聞きします。  まず、ことしの夏の校庭が暑くて使えないとか、そういう状況があったと思いますけれども、何校ぐらい使えなかったの。わかれば、わからなかったらいい。◎秋元 副参事 確かにことしの夏は暑くて、三十五度以上を超えているということで、指導課のほうから各学校に気温三十五度以上、それから暑さ指数というのがありまして、それは三十一度以上ということで通知を出しておりまして、それに従いまして校庭ですとか、体育館、それからプールにつきましても授業を中止したりとか、クラブ活動を中止したりとか、そういうような実態はございました。 ◆菅沼つとむ 委員 そのとおりだと思います。一点だけ聞きますけれども、校庭の場合、三十五度以上で幾ら水を飲んでも難しいよとあるんですけれども、プールというのは水温と気温が足して幾つになったらやめるの。よく子どもたちがプールへ来て、熱い水の中で運動すると大変だから、つかるだけでもやらせてくれと言ってもなかなかオーケーしなかったんだけれども、何度ぐらいが基準なの。 ◎秋元 副参事 プールは、文科省等では下限があって、たしか二十六度でしたか。それ以下であれば入らないというような規定はあると思うんですが、上限が今はない状況です。ですから、何度以上あったら使えないという規定はないんですが、他区等、今実際にことしの夏はプールの温度をはかりますと三十度以上の水温がございましたので、それとあわせて気温三十五度以上ということで中止にしたというふうに聞いております。 ◎青木 教育指導課長 今お話がありまして、気温と水温については、プールでの実施に関して下限というところで規定はございましたけれども、室内プールにおいて、足して七十であるとかというところは出ていますが、それは、やはり暑い中で体温にかなり近い状態、あるいは全身運動として水泳はありますので、そういった気温、それから水温の中では、やはり熱中症の脱水症状等の危険がありますので、そういった目安の中で、学校での実施については決定しておりますが、直接的には先ほど申し上げました気温、あるいは暑さ指数というところを、計器などをその場所に持っていきまして状況を把握しながら、実施あるいは中止という判断をしてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 一番下の水温があるなら、これは多分、各学校の校長判断だと思うんですよ。それで、こちらの学校がやっていて、こちらの学校がやらないというのは必ず出てくるわけですから、その辺はきちんと教育委員会として決めておいたほうがよろしいかなというふうに思います。  それから、ことしは体育館は使えたの。暑過ぎてだめだとかなかった。 ◎秋元 副参事 先ほども申し上げましたように、やはり暑くてということで、ことしの夏は体育館が使えないところが多かったというふうに聞いております。 ◆菅沼つとむ 委員 それでやっと体育館のクーラー設置について聞くことができます。どういうふうな道筋になるのか、簡単に御説明をお願いします。 ◎秋元 副参事 区長のほうから、体育館についても空調設備の導入を検討するようにということで御指示を受けております。教育委員会ではこれを受けまして、現在体育館の大きな空間でどのように温度を下げていくのか、また、電源が各学校にきちんと備わっているのかというような事前調査を既に始めております。一方、体育館が昭和四十年代のものから、最近建てかえられたものまで、さまざまな構造でできておりまして、例えば屋根が鉄骨でできているものから、それから屋上にプールが乗っているものまで、かなり断熱性にも違いがあろうというふうに思っております。こういうような検討も必要であろうというふうに考えております。これらの課題を踏まえまして、これから早急に導入計画をつくって、早急に対応してまいりたいというふうに思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 目標はいつぐらいまで。計画は。 ◎秋元 副参事 まだ、今このような課題が多いものですから、この課題を一回整理をさせていただいて、それからきちっとした計画を立てて、順次進めてまいりたいというふうに思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 そうすると、来年の夏は間に合わない。 ◎秋元 副参事 例えば、試験的にやってみるということであれば、来年の夏に何校かやってみて、その効果を検証するというようなことは考えられるというふうに思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 体育館というのは、今御説明いただいたように、上にプールが乗っかっていたり、トタンになっていたり、さまざまあるんですよ。それで、おまけに体育館というのは二階建てもあるんですよ。だから、そういうことも含めて、やっぱりきっちりやっていかないと難しい。なぜかというと、今校庭は使えない、プールは使えない、体育館が使えない、運動はするなということだからね。それで何かあったら教育委員会が責任持てと。救急車で運ばれたら、ほらこんな暑いのに運動させたからと、学校の現場だってやっていられないですよ。だから、せめて体育館ぐらい金をかけてもやるべきだというふうに思いますので、その辺をしっかりお願いしたいというふうに思います。  次に行きます。中学生の部活、小学校のスポーツについてお聞きします。  スポーツ庁がガイドラインを引いた先生の働き方改革の部活動の現状についてお聞きします。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 部活動につきましては、先ほどお話しさし上げたとおり、ガイドラインを今年中、都とスポーツ庁のガイドラインを参考に、今年度中に作成予定でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 私が心配しているのは、子どもたちでも勉強が好きな人がいるし、スポーツが好きな人もいるし、本を読む人もいるんだけれども、中学校へ行って部活をやりたいといったときに、先生方がさっきも出たけれども、一日二時間、週に二日続けてやっちゃいけませんよといったときに何を言うかというと、小学校から入ってくる子どもたちは、公立じゃなくて私立に行けということを言っているわけですよ。その辺を自分たちは部活やりたい、そういうスポーツをやりたいとやる窓口がなければ、区立中学校はなかなかこれからも受験が多くて入れないというふうに思います。  自民党の質疑を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時四分休憩    ──────────────────     午後二時二十分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆高久則男 委員 それでは、公明党のほうから文教領域の質問をさせていただきます。  まず、私のほうから最初に、図書館の民営化に向けた取り組みについて何点か質問させていただきます。  我が会派では、今まで海老名市立中央図書館や大和市立図書館(シリウス)、また、武雄市図書館や岐阜市立中央図書館など視察をさせていただき、にぎわいのある魅力ある図書館、そして、図書館がまちづくりの中核となっているところを学んできました。しかし、視察してきたような子どもたちが楽しめる図書館、地域のにぎわいの核となる図書館、人が集いつながる図書館など、世田谷区の図書館ではその姿は見えてきておりません。  民間の活力を導入して図書館改革を進めるべきとの我が会派の提案を受け、区では第二次世田谷区立図書館ビジョン第二期行動計画に、専門性と効率性を両立した運営体制の構築、ニーズに応じた多様な運営体制の検証、構築をするとして、平成三十三年度までに五施設に民間活力の導入を進めるとしておりますが、そのスピード感は極めて遅過ぎると何度も指摘させていただきました。  さて、現在、図書館に民間活力を導入している自治体は全国で数多くあります。二十三区でもほとんどの区が委託契約であるとか指定管理者制度など、民間活力を導入しております。視察に行った大和市立図書館では、約二年間で来館者数が五百万人を突破したとのことであります。二十三区内でも江戸川区や中野区では中央図書館に指定管理者制度を導入し、いろいろなイベントや企画でにぎわいを創出させております。  世田谷区では昨年四月から経堂図書館で初めて指定管理者制度を導入しました。七月の文教常任委員会で指定管理者施設の二十九年度の事業報告が出てまいりました。新規利用登録者数が前年度比二二・一%増加したことや、資料貸し出し数が二・六%減少したことなどの報告があり、施設管理所管での事業実績の評価が報告されたところであります。  最初にお聞きいたしますが、経堂図書館での指定管理者制度導入による事業効果、これをどう捉えているか、まずお聞きいたします。 ◎松田 中央図書館長 経堂図書館は平成十八年度の開設時から業務一部委託を行っておりましたが、新たな運営体制によって民間活用の効果を高められるものと考え、平成二十九年四月から区立図書館では初めて指定管理者制度を導入いたしました。  開設当初から開館日、開館時間は拡充しておりましたが、新たな運営体制における民間事業者の発案に基づく取り組みといたしましては、パソコンが利用できるビジネスコーナー設置や新聞・雑誌コーナーなどの拡充、座席管理システムの導入などを行っております。自主事業においても、ビジネス支援講座の実施などは、事業者が選定時に業務水準書において求めた区民等の利用度、立ち寄り度の向上や、利用者の立場に立ったサービスの質の向上といった考え方に即した改善があり、民間のアイデアによって施設活用につながったものと捉えております。  また、図書館運営においては適正かつ効率的な運営が継続的に図られることが重要ですが、窓口業務などの図書館サービスや施設維持管理業務など、根幹となる施設運営については、これまで円滑に行われております。  平成二十九年度の事業については、本年五月、指定管理者制度運用に係る指針に基づいて行った年度評価においても良好に管理運営が行われていると報告をさせていただいております。 ◆高久則男 委員 次に、今後、民間活力を導入していく予定の梅丘図書館、そして砧図書館、中央図書館等について順次お聞きしていきたいと思います。  最初に梅丘図書館ですが、二十八年度の基本構想、そして二十九年度の整備方針を踏まえて、ことし基本設計、そして三十一年度実施計画とのスケジュールが出ておりました。私たちの提案によって、設計の段階から民間活力を導入して進めることになったことは評価いたします。しかし、民間による提案があっても、その提案が設計等にしっかりと反映され生かされないと全く意味がありません。基本設計等支援業務委託を受けた事業者は、どこまで設計やゾーニング変更が可能となるのか、どこまで目的外使用等を含めた裁量権を持つことができるのか、お聞きいたします。 ◎松田 中央図書館長 梅丘図書館は、現在、工事設計事業者に委託をし、基本設計の作成を進めているところです。設計には羽根木公園との一体的な整備を行い、カフェの併設やICタグの活用を図ることなど、より魅力的な図書館サービスに向けた機能を効果的に取り入れるために図書館運営実績のある事業者との支援業務委託を締結し、取り組んでいるところです。これまで地元でのワークショップなど、住民の方々からの御意見を取り入れながら検討を進めてまいりまして、平成二十九年九月に梅丘図書館改築整備方針を策定し、基本的な図書館機能やゾーニングの考え方をまとめております。  建物の構造などを含め大枠の考え方は、これまでの検討で積み重ねてきたものを前提に進めていますが、支援業務を受託している事業者からは、実際に運営や設計に携わったノウハウに基づく効果的な提案もいただいており、設計やゾーニングに生かしながら新しい図書館の姿を目指してまいります。 ◆高久則男 委員 今、設計やゾーニングを生かしながら新しい図書館を目指していきたいということですが、今回の設計の段階から事業者が入って提案するのは初めてのケースで、私どもは非常に期待しております。医療、福祉の情報拠点として地域に根差した特色を創出するためにも、民間のノウハウを最大限に生かした梅丘図書館の整備をつくっていただきたいと思います。  次に、砧図書館ですが、今までの区の考えでは、砧地域ならではの住民と民間事業者、行政が協働していく図書館運営としております。住民参加型の運営体制、こういったことを言っておりますが、どこまで住民が責任を担うのか、また、最終的にどこを目指していくのか、今までの説明ではわかりかねます。見解を伺います。 ◎松田 中央図書館長 砧図書館につきましては、第二次世田谷区立図書館ビジョン第二期行動計画におきまして、住民参加型の事業運営による民間活力の導入手法を検討していくこととしております。砧図書館では多くのボランティアの方々が、おはなし会での読み聞かせや養成講座の講師、イベントへの協力など、さまざまな活動を行っております。区では砧図書館で活動されているボランティアの方々などと、この間の状況を踏まえた活用を検討していきたいと考えております。  今年度、住民ボランティアの方々等によるワークショップを予定しております。運営体制の一つの例といたしまして、例えば、砧図書館の特色である住民ボランティアの方々がさまざまな活動を生かした事業を企画し、窓口業務などの図書館運営には民間の図書館運営事業者を活用する仕組みなども考えられます。  いずれにいたしましても、ワークショップを通じていただいた御意見を踏まえ、さまざまな観点から課題となる諸条件を十分に考察し、地域の特性に合わせて多様な民間活力を活用した運営手法を検討してまいります。 ◆高久則男 委員 今の説明では、今まで世田谷区でやっているボランティア活動とどう違うのか、ほとんど見えてこないし、何か今おっしゃられているのは、窓口業務は民間に委託する、こういったことはわかるんですが、我々は窓口業務だけ民間に委託するようなレベルを求めているわけではございませんし、今までの枠組みは検討中ということですが、しっかりと運営体制をどうしていくのか、また今後、示していただきたいということを要望して、中央図書館に移りたいと思うんです。  中央図書館については、六月の第二回定例会で私どもの会派の質問で、中央図書館への民間活力を導入すべきということに対して、区の答弁では、ちょっと読んでみますけれども、「中央図書館は、図書館ネットワークの中枢であり、豊富な蔵書数や高度な専門書をそろえた蔵書構成、さらには充実したレファレンスの確保などが求められます。また、時代を見据えた空間を生かしたにぎわいの場や居場所の提供など、さまざまな視点からの検討も必要であると考えます。このような基本的な考え方に基づき、今年度は教育センター移転後の機能拡充について基本計画の策定に取り組みます。基本計画の策定時には、図書館運営の実績がある事業者も同時に選定し、レイアウトや施設利用などに民間事業者のアイデアとノウハウを取り入れてまいります」というふうに前回答弁されております。  中央図書館においても、こういった基本計画の段階から民間活力を導入して、柔軟な提案を最大限発揮できるようにするために、今までの出しているゾーニングイメージに縛られることなく、設計に入る前からしっかりと民間事業者に提案してもらいたいと思いますが、ここについても見解を伺います。 ◎松田 中央図書館長 中央図書館は図書館機能の見直しとあわせて改修を行うこととしておりまして、今年度取り組んでおります機能拡充の基本計画の検討の中では、施設活用や事業、運営体制など検討を進めていく予定です。中央図書館の機能拡充は、平成二十八年度の中央図書館機能拡充基本構想策定委員会での検討を踏まえまして、昨年五月には中央図書館の機能拡充の方向性を取りまとめ、この中で機能拡充の考え方やゾーニングイメージなどをお示ししております。  基本計画策定を進めていくには、子ども図書館機能や活動・集いエリアの充実や、今年度に運用開始いたしましたTouch the Worldの一体的活用、ICタグや一階エントランスの活用によるにぎわいの場の創出など、施設全体の活用において民間事業者のアイデアを取り入れるべきであると考えております。  基本計画策定支援業務委託を締結している図書館運営実績のある事業者の提案を取り入れながら、さまざまなニーズに応えられるよう検討を進めてまいります。 ◆高久則男 委員 今、さまざまなニーズを取り入れたいという話ですけれども、今まで議会とのやりとりの中では、区は、この中央図書館の基幹的な業務については区の職員による運営を基本としたい、多文化体験コーナーとかプラネタリウム、教育センター移転後の活用については段階的民間委託を考えるとしておりました。私は、段階的な民間委託という中途半端な手法ではなくて、また、選書やレファレンスなど、中央図書館として中枢機能は区で直接担うとしても、それ以外の業務は全て指定管理者に委ね、新たな提案をしてもらうべきであると考えております。  それによって中央図書館としての一貫性のある新たな魅力ある図書館が創出できることを考えておりますが、見解を伺います。 ◎松田 中央図書館長 第二次世田谷区立図書館ビジョン第二期行動計画では、ネットワークの中心となる中央図書館の運営体制として、民間活用を含め検討することとしております。中央図書館は区立図書館全体の中心的な役割があり、継続的に公共性と専門性を確保していかなければなりません。高度な専門書や地域特性を考慮した蔵書構成、充実したレファレンスや事業者のマネジメントに対応できる専門性をあわせ持った高い能力を持つ職員の育成にも力を入れていく必要があります。  先ほど御答弁しましたとおり、中央図書館機能拡充基本計画を進めていく中で運営体制の検討を行ってまいりますが、プラネタリウムやカフェなどの併設する施設となりますので、総合的な視点で魅力ある図書館づくりを進めてまいります。 ◆高久則男 委員 先ほど申しましたが、視察に伺った大和市立図書館では、TRCやサントリーなどが中心となって六社のJVを組んで、やまとみらいという指定管理者がそこを引き受けておりました。こういった手法も世田谷区で十分検討できると思いますし、大和市立図書館では健康という一貫したテーマで全てのセクションが運営されているということも学んでまいりました。  中央図書館こそ区民の期待と要望に応え、知識、情報、文化、あらゆる創造的可能性の中核になる拠点だと私は思っております。今の答弁では総合的な視点で魅力ある図書館づくりを進めるとのことですが、どういう視点なのか全く私にはわかりません。今までなし得なかった魅力ある中央図書館を創出するためにも、民間活力をフルに活用した未来志向型の図書館運営を進めるべきだと考えますが、教育長の見解を伺います。 ◎堀 教育長 今、委員のお話にありました岐阜市立中央図書館メディアコスモス、一緒に同行させていただきまして、設計者の伊東豊雄先生だったでしょうか。二年間司書の職員たちと話をして、あの図書館をつくったというお話を聞いてまいりました。  私どもも第二次世田谷区立図書館ビジョン第二期行動計画に基づいて、計画的な民間活用を今、展開しております。御案内のように、世田谷図書館は一部委託を進めましたし、経堂図書館は新しい形での指定管理という形を進めさせていただいております。梅丘は皆さん方の御意見もいただきながら、本当に全区的なワークショップを開催させていただきまして、私どもでは考えつかなかったような、プレーパークと一体的な、羽根木公園と一体となる図書館の提案をいただきましたので、今、その設計に入っておりますので、かなり魅力的な図書館が、手前みそですが、でき上がるのではないかなと期待しております。  こういうことを進めていく図書館が、今、お話にありました中央図書館です。私どもの図書館の拠点となりますので、魅力的な図書館づくりにより一層取り組んでいかなくちゃいけないということで、数館ずつですが、民間の力を活用して今進めておりますので、中央図書館の体制そのものも、選書、レファレンス等々、公共としてあるべき役割を果たすための体制も検討しなくてはいけないということで、今月から図書館職員の人材育成の研修を始めております。  こういうことを踏まえまして、魅力的な図書館について検討してまいりたいと思っておりますので、砧図書館もその一助となりますが、住民の力を活用した世田谷らしい体制もつくっていければと思っております。  いずれにしても、中央図書館は教育総合センターが出てからの最終的な形になりますので、段階的にはなりますが、できるだけ形が見えやすいような形で、魅力的な世田谷の図書館の拠点となるような中央図書館をつくっていきたいと思っております。 ◆高久則男 委員 いろいろ今、種々お話しいただきましたけれども、今の質問の中では、魅力ある図書館がなかなかちょっと見えません。しっかりと我々も協力できるところは協力して、本当にもう世田谷区民、九十万の人が来館できるような図書館をつくっていただきたいとお願いして、次の質問に移ります。  次は、先ほどのおぎの委員とも相当かぶってしまうんですが、通学路の安全対策ということで質問させていただきたいと思っております。  最初に、通学路の防犯上の安全点検ということで、ことし五月七日に発生した新潟市の女子児童殺害事件を受けて、国では文部科学省、国土交通省、警察庁が連携して、登下校の安全確保を図るために登下校防犯プランをまとめたところであります。これを受けて、国では通学路緊急点検を全国の自治体に要請し、九月に世田谷区でも通学路の防犯上の死角がないか、緊急点検を実施したと聞いております。  まずは緊急点検の結果はどうだったか、伺います。 ◎會田 教育総務課長 登下校の子どもの安全確保についてさまざまな施策を展開しているところですが、新潟市で下校中の児童が殺害されるという痛ましい事件が発生したことを受けた登下校防犯プランの文部科学省通知をもとに、改めて区の学校安全対策マニュアルの登下校時の安全対策を確認し、保護者に対しても注意喚起を促す等、登下校時の子どもたちの安全確保を図ってまいりました。  次いで、本年七月の東京都教育庁からの依頼を受け、防犯の観点から登下校時における安全確保を確実にするため、区立小学校全校の通学路において路上の死角、その他危険箇所を確認する緊急合同点検を実施いたしました。この緊急合同点検ですが、九月十八日から二十八日までの期間において小学校六十一校、全校で実施いたしました。合同点検の参加者は、学校からは校長や副校長が、PTAからは校外指導委員などの方などが、また、区内警察署から生活安全課の職員の方、また、教育委員会事務局は課長、係長が参加し、こういった四者合同で点検を行ったものです。  今回の緊急合同点検の結果については、現在整理中ではございますけれども、対策が必要な箇所ということでは全体で約三百カ所程度が報告されました。指摘された内容は主なものとして、周囲から見えにくく連れ込まれやすい場所があるとか、子どもが一人になったときに周囲の目が少ないなどといったものが多くありました。 ◆高久則男 委員 通学路安全対策としては、やはり警察のパトロールだとか町会・自治会、商店街とか、そういったパトロール、また、PTAの見守り等々がありますけれども、先ほどお話が出ましたように、地域の犯罪抑止効果として力を発揮するのは防犯カメラであると思います。世田谷区内の小学校では東京都の補助金を使って、ことしで各五台設置完了ということでありますが、しかし、子どもを狙った犯罪が全国的にも多発している状況を考えると、何としても子どもを犯罪から守っていくことは喫緊の課題だと思います。  小学校に五台設置して、それで防犯カメラ設置は終わりというわけにはいかないと考えますし、他会派の答弁でもそのようなことをおっしゃられておりました。区内に子どもの安全上の空白地帯をなくして、また、子どもの安全上の地域格差をつけないためにも、危険な箇所に防犯カメラを設置していくことは重要となると思います。国の補助金ありきではなく、区として必要があれば、警察と連携してしっかりと設置をしていくことを要望しますが、見解を伺います。 ◎會田 教育総務課長 今回の緊急合同点検の結果の中でも、やはり防犯カメラの設置、また、警察官によるパトロールの強化といった要望が多く挙がりました。防犯カメラの設置につきましては、先ほどの繰り返しになりますが、小学校五十校程度で合計約百五十余りの要望がありました。  今回の点検結果の概要については東京都教育委員会に報告し、これは都から国にも報告されるものです。国や都に防犯カメラ増設に関する補助金等、要望も働きかけていきますが、あわせて今回の緊急合同点検には区内四警察からも必ず参加いただき、アドバイスをいただきながら進めてきたものでもありますので、防犯カメラ増設の検討にも取り組んでまいりたいと思います。  また、今回の点検を通じて、学校と警察署の連携強化ということでは、緊急時の連絡体制を共有したりとか、子どもを守ろう一一〇番の再確認、また、あるいは、安全マップの充実なども行うことができましたので、また今後、セキュリティー教室の情報提供等、学校安全体制の強化にも役立ててまいりたいと考えております。引き続き子どもたちの登下校時の安全確保について十分配慮してまいりたいと思います。
    ◆高久則男 委員 今、防犯カメラの設置を希望している小学校、約五十校程度で百五十台要望があるということは、やっぱり重く受けとめていかなければならないと思います。学校関係者、また、これは警察も含めて、ここは危険だというのが約百五十あるというわけですので、そこに本当にカメラが必要なのかどうなのか、警察のパトロールが必要なのかどうなのか、また、ほかに方法があるのかどうなのか、そういったところも含めて精査し、判断していくべきだと思いますが、見解を伺います。 ◎會田 教育総務課長 今回の緊急合同点検は、やや繰り返しになりますけれども、警察の方にもいろんなアドバイスもいただいております。今回設置が完了する一個五台プラス百五十台余りという数も出てまいりましたので、その要望は重く受けとめて、優先的に少しでも防犯カメラの増設ができればというふうに考えております。 ◆高久則男 委員 ほかにもたくさんあったんですが、時間となりましたので、私の質問を終えて河村委員にかわります。 ◆河村みどり 委員 それでは、まず初めに、一般質問に引き続き、性教育の充実について質問させていただきます。  先日の福祉保健常任委員会でも若年世代、特に二十代の女性の性感染症の梅毒が急増していることを指摘し、質疑をさせていただきました。今回、子どもや若者の性について一連で取り上げてきておりますけれども、ネットの性の情報の氾濫により、子どもや若者が性の危険性にさらされている現状と、そして、現在行われている学校現場の性教育にはギャップがあり、自分自身の身を守るための正しい性情報を学ぶ、こんな時代に即した性教育を行うべきとの問題提起をしてまいりました。  先週も出会い系サイトで知り合った十八歳未満の少女に現金を渡して買春した男性警部補が、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで書類送検をされて、また、調べてみると合計四人の少女が被害に遭っていたとの報道がありましたけれども、今、日本はこんなことが日常茶飯事になっているわけです。  先月、内閣府は十八歳以上の男女五千人を対象にして、児童ポルノや児童買春など子どもの性被害防止対策に関する初の世論調査の結果を公表しました。それによりますと、身近にいる子どもの性被害に不安を感じる人は七割以上に上り、その理由として、SNSなどを通じて見知らぬ人と簡単に出会えるからというのが八二・八%、大変多くの方々が危機感を感じている、そんな結果が出ました。  まず初めに、子どもや若者を取り巻くこの現状について、区の教育委員会の認識を再度お伺いいたします。 ◎青木 教育指導課長 近年、性情報の氾濫や性被害の多さなど、子どもたちを取り巻く社会環境が大きく変化してきており、子どもたちが性に関して正しく理解し行動することができるようにすることが重要であると認識しております。これに向けまして、小中学校の性教育は学習指導要領に基づき、小学校は体育における保健学習、中学校は保健体育科の保健分野を中心に、特別の教科道徳、特別活動等に示されております性にかかわる内容について教育課程に位置づけて実施しております。その中心となります保健学習では、小学校中学年から大人に近づく心と体の成長について、中学校では心身の機能の発達や、感染症とその予防などについて指導をしております。 ◆河村みどり 委員 区は、今、大変な状況だということは本当に認識はしているけれども、学習指導要領の範囲内で指導を行っているということなわけですけれども、本年八月、都の教育委員会が、「性教育の手引」が来年度改定されるに当たりまして公立中学校六百二十四校に性教育の実施状況の調査をしています。  アンケート調査の結果、学習指導要領に示されていない内容を指導することも必要だと思うとの設問について、五四%が、ややそう思わないとの意見の反面、この教育指導要領を超えての指導が必要との回答が二百八十七校の四六%、約半数に上っています。それぞれ半々といった数字になるわけですけれども、この数字をどう分析するかというのは東京都教育委員会にかかっているわけですけれども、学校の現場の先生方が、やっぱり今の性教育について危機感を持っている、そういった方が半数。半分の学校がそう思っている。それは本当に多い数字なんじゃないかなと、そのように私は分析をしております。そのほかに、教員は性教育についても自信を持って指導しているとの設問では、そう思うと、そう思わないという数字は、ほぼ同数でございます。  性に関する授業は医師などの外部講師を活用することが効果的であるとの設問では、約九割が効果的だと、そう答えた一方で、外部講師を活用している、実施をもうしていますよというところは二三%で、七七%の学校はまだ未実施ですという回答でした。教員に対しての支援の必要性と、この性教育に対して、また、学校現場の意見としては一歩踏み込む専門的な知識が必要だと感じている数字ではないかなと、そのように思います。  前回、秋田県が医師会と連携して、中学三年生を対象とした性教育で、十代の若者の人工妊娠中絶が減少した事例を紹介させていただきました。ほかに富山県でも産婦人科医と教員が一体となった出前授業の取り組みを二十年前から行っており、成果が出ている、おさめているという事例がございます。  その中の富山市では、教師が行う保健体育の授業と産婦人科医による出前授業を組み合わせることで、さらに理解が上がるように学年を通じて計画を立てております。特に、今年度は七人の産婦人科医が中学校全二十六校、それに全学校に派遣をしている、そういう状況です。十代の人工妊娠中絶は年々減少し、この十年間で七十二件から二十八件にと、中絶数が半減したという成果が出ているという報告なんですけれども、この産婦人科医は、性交、避妊と性感染症予防など、医学的な知識を中学生にストレートに語っているわけです。避妊については具体的な方法を、また、妊娠した場合でも早く相談してほしい、そういったことを伝えて、助けを求めていいんですよということをしっかりと訴えているそうです。  この出前授業を担当している日本産婦人科医会の常務理事の種部医師は、性教育は、命は大切など抽象的な理念を押しつける場ではなく、危機管理の方法を教えるものです、トラブルを避け、将来幸せになるための知識を身につける必要があるんだと言っています。日本では小中学校で性交を学ぶ機会がなく、性感染症の予防だけを教えることとなっています。これはまるで交通事故に遭わないようにと言っておきながら車が何かを教えないようなものだと、そのように医師は言われております。  この授業を聞いている中学生の生徒の皆さんは、全員真剣に顔を上げて聞き入っていると伺いました。私も、富山市の担当の方に御連絡をとって、いろいろ伺ってきたんですけれども、この出前授業は、もうずっと定着をしているので、今後も継続をして行ってまいります、そして、この生徒たちの声の中に、男子の生徒の声に、誰にも聞けないし、聞いてはいけないと思っていたことがわかりました、また、別な方も、今つき合っている彼女を本当の意味で大切にしたいという、そういった声があるなど、生徒のアンケートからもほとんど前向きな意見が聞かれているということでした。現場をよくわかっている専門家だからこそ、将来ある子どもたちを何としても守らなくてはとの、そういった熱い思いの出前授業となっているそうです。  区も一部の中学校で助産師等の外部講師の取り組みを行っておりますけれども、教員の支援のためからも、積極的に専門家の外部講師を活用することは有効な手段で、ぜひ全校実施を求めたいと思います。また、医師会と連携して地域の産婦人科医等の医師に講師になっていただき、より専門的な学びができないでしょうか。このことに関して区の見解を伺います。 ◎青木 教育指導課長 今、富山市と産婦人科医が連携した出前授業で避妊などを取り上げるなど、踏み込んだ内容の実践をお示しいただきました。専門家の外部講師を活用することの効果につきましては十分認識しております。  現在、本区における専門家等の外部講師の活用につきましては、助産師会や保健所などとの関係機関と連携いたしまして実施しています。命の大切さや思春期の性に関する心と体について、生徒がより深く学習できるよう実施しているところです。  教育委員会といたしましては、今後も外部機関等の協力を得るとともに、養護教諭等の研修を深め、各校にこうした効果的な実践例を伝え、専門性の高い人材を活用し、性教育の充実を図ってまいります。 ◆河村みどり 委員 ぜひ充実をさらに図っていただきたいと思います。  日本の性教育は、世界のスタンダードであるユネスコの国際セクシュアリティ教育ガイダンスからもおくれているとの指摘があります。これまでるる指摘をさせていただきましたけれども、抽象的な概念を学ぶ現在の性教育ではなく、子どもたちが自分の体を知り、自分の体を守り、人生を選択できる力を育む教育である、このセクシュアリティ教育、包括的性教育とも言いますけれども、自分を守り、人をも傷つけないことを学んでいく、被害者にもならず加害者にもならない、そんな教育が必要なんだと思います。  子どもや若者の置かれている現状に対し、専門家は、もう本当に何とかしなくてはならないと危機感を持っております。区教育委員会は、この世田谷区の子どもたちをどのように守っていくのか、答弁を求めます。 ◎青木 教育指導課長 今お示しいただきました、時代の大きい流れの中で、子どもたちが適切な時期に必要な、正確な知識を得ることは、その後の豊かな人生を送るために不可欠であると考えております。ただ、子どもたちの成長、発達の個人差、それから、保護者、地域の意識の多様性があることから、実態により、全員に一斉に教えるべき内容と、個別に対応することが望ましい内容を考慮して指導していくことが重要と考えております。  教育委員会では、望まない妊娠や性感染症予防など、時代や社会の変化に伴う内容や、世田谷の子どもたちにとって必要な内容を、この後予定されております都の「性教育の手引」の改訂等を踏まえまして、校長会、それから、世田谷区中学校研究会などと連携しながら性教育の充実を検討してまいります。 ◆河村みどり 委員 くれぐれもどうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、不登校の児童生徒の支援について質問いたします。きょうは多くの方々から質問がございましたけれども、私のほうからも取り上げさせていただきたいと思います。  平成二十七年度の世田谷区の小中学校における不登校児童生徒数は、小学校が百六十八人、中学校が三百四十六人、合計五百十四人、そして、平成二十三年まで高どまりで推移していましたけれども、ここ数年は増加傾向になっているとのことです。先ほどもお話がありましたけれども、最新となる平成二十八年度の人数につきましては、先ほど話がありました五百五十八人、さらに、不登校の子どもたちが四十四人も増加したということで、歯どめのかからない現状があります。  また、不登校になってしまったきっかけですけれども、二十八年度の東京都による不登校の要因を調べてみますと、小学校では家庭の生活環境等が一番多くて五二・九%となっており、中学校になりますと、家庭の生活環境等が二九・五%、次に、友人関係で二四・七%、学業の不振が一八・八%と続いております。  実は、私ごとになりますけれども、十五、六年前の話ですけれども、私の子どもも不登校ぎみというか、一時不登校になったという経験がございます。今はきっとできないんだと思いますけれども、当時、私の息子を心配した担任の先生が突然我が家に訪ねてきてくださったそうです。私は不在だったわけですけれども、子どもに対していろんな話を聞いてくれたようです。その結果を、いつもお母さんが忙しくしているので寂しい、そういうふうに、お母さん、言っていましたよということを言われました。  先生からその言葉を聞いて、私自身、本当にショックだったんですけれども、本当に子どもが不登校ぎみになって、もうこれが続いてしまうのではないかという不安で、ともかく学校に行かせなくてはという思いばかりが先走りまして、本当に子どもに寄り添うということが欠けていたんだなと、もう心より反省した、そんな経験がございます。そんなことからも、本当に他人事ではないな、この数字、四十四人も、もう一年間でふえてしまったんだと、本当にそういう思いで、切実な思いでおります。  世田谷区は本年三月に不登校対策アクションプランを策定しまして、また、我が党が長年にわたって求めてきました新たな視点を取り入れた第三のほっとスクールが、いよいよ明年二月に開設となります。これまでのほっとスクールの基本方針は学校復帰に向けた支援を挙げていたために、一人一人の学びがなかなか確保できないという現状を変えていくべきだと、この第三のほっとスクールの運営について実績のある民間機関をサポートの主体の一つとして位置づけて、不登校児童生徒の社会的自立の支援を目指すべきだと、そのように訴えてまいりました。  この四月にプロポーザルにより民間事業者が決定し、今、開設準備に向かっているわけですけれども、この今までの城山、そして尾山台の二つのほっとスクールとは違う、この今までの二つのほっとスクールは題名どおり、心の居場所との意味があったわけですけれども、そのことから、やはりどうしても実習がきっと中心になっていて、通ってくる子どもたちにとっては、やっぱり勉強したいんだ、学びたいんだということがあったわけです。  今回この運営方針を見てみますと、社会的自立の支援として効果的な学習支援や、多様な体験活動がより充実をし、実施しますよということで、この運営方針が決まっているわけです。  それでは、ここでお伺いしてまいりたいんですけれども、この事業者を決定した選定理由、まず、ここの事業者はどういった成果を上げている、どういったノウハウが蓄積されているのかを、ぜひお伺いしたいと思います。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 今回、二十九年度末に公募型のプロポーザルを行いまして、九月初旬にNPO法人と業務委託契約を締結したところです。こちらの法人でございますが、開設後三十三年間、不登校の学校外の居場所、学びの場を活動として行ってきた法人でして、子どもたちに学びながら安心して過ごせる環境づくりや、興味関心を大切に、一人一人の個性を伸ばし、自己肯定感や他者への信頼感を持って自立していく歩みをつくり出すことを基本的な考え方としている法人です。卒業生は既に千五百人を超えて、多くの卒業生が社会生活を送っていると伺っております。 ◆河村みどり 委員 それでは、今回どんな提案をしてこられているのか、そこの中身を教えていただきたいと思います。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 まず、安心して過ごせる場所として静の場と動の場を設けて、子どもたちが安心してゆっくりと過ごせるということの場の提案をしてきております。また、保護者対象の講演会やシンポジウムとか、学習会、保護者の会、親の会を実施していくというような提案です。また、イベントや行事における子どもを中心とした実行委員会による企画です。イベントの企画が上がってきたら子どもたちを中心とした実行委員会を立ち上げて、アイデアを出しながら子ども自身がそれを実現させていくというアイデアもございます。また、先ほど千五百名という卒業生の話をしましたけれども、卒業、進学に向けた支援として、経験者であるOB、OGによる、ようこそ先輩というような企画、それでさまざまな生き方や職業を聞いて、子どもたちが将来について、どんなふうに生きていけるのかというのを考えられる講座もやっているというふうに聞いております。 ◆河村みどり 委員 今聞いただけでも、さまざまな工夫がされていくんだろうなと大変期待をするわけですけれども、それでは、二月の開設に向けて今、どんな取り組みをしているのか、また、今後どんな取り組みをされるのか、お伺いいたします。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 現在、この法人と物品の調達、細かい話ですけれども、その選定やレイアウトの検討、事業計画の策定など、開設に向けた準備をしております。今後、十二月に建物が完成いたします。三十一年一月には城山と尾山台の保護者への説明会や希望丘の現地説明会を実施しまして、二月にほっとスクール開設となります。 ◆河村みどり 委員 ともかく、ちょっと今お話を聞いただけでも、すごく楽しみだなと、そのように思います。ぜひ期待をしております。今後も見守らせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  ほっとスクールに行ける児童生徒ですね。その一方で、もうほっとスクールにも通えないんだという、そういった子どもたちも一方でいると思います。そこにも目を向けなくてはいけないと思うんですけれども、この不登校対策アクションプランによりますと、相談機関等の相談指導を受けていない不登校児童生徒の割合が、小学生が一四・三%、中学生が一六・五%ということから、小中学校合計で八十二名ほどになるのかなと推測をされるわけですけれども、家庭がどこにもつながっていない子どもが、これだけの八十数名いるということは相当深刻なんじゃないかなと思います。  原因はそれぞれあるとは思うんですけれども、必要な支援が受けられないままで家庭の中で孤立してしまっている、そういうふうにも考えられるわけで、もう何か、そういう子どもたちが家の中でどんなふうに過ごしているんだろうと思っただけでも、もう本当に胸が苦しくなってしまうわけですけれども、一人一人の子どもたちが力強く人生を送れるように、区は粘り強く支援をしていく責務があると思います。  相談機関等の相談指導を受けていない不登校児童生徒のために、また、アウトリーチを視野に入れた対策をぜひとも早急に講じることが必要なんじゃないかなと、そのように思いますが、区の見解を求めます。 ◎松田 教育相談・特別支援教育課長 不登校児童生徒の相談や指導は、養護教諭やスクールカウンセラーによる学校内の相談・指導のほか、区が設置するほっとスクールや教育相談室、児童相談所、保健所、病院、民間施設等の学校外の機関による相談・指導がございます。  御指摘のとおり、不登校の状況において学校や支援機関等の相談や指導を受けていない児童生徒がおり、多くの場合、児童生徒は自宅などで社会とのつながりが少ない状況で過ごしているものと考えております。区としても、このような状況の改善、解消は重要な課題であると認識しております。その要因はさまざまであると考えられますが、今後も担任による家庭への継続的な働きかけを行うとともに、組織として担任を支援できる体制の検討、整備が必要であると認識しております。  具体的には各校で指定されている教育相談主任を中心とした支援体制の整備を図ってまいります。また、家庭訪問などアウトリーチ型の支援も重要でございます。区ではスクールソーシャルワーカーを平成二十四年度に導入し体制強化を図ってきており、その活動を通じて児童生徒、保護者が必要な支援につながるなど、改善が図られている状況もございます。今年度、増員を図り、学校、家庭への支援を強化しておりますが、今後、教育総合センターの不登校対策機能の構築を進める中で、アウトリーチ型の支援のさらなる強化を検討してまいります。また、学習の支援では、家庭での学習を支援するeラーニングの活用に引き続き取り組むなど、学習機会の確保に努めてまいります。  いずれにしましても、児童生徒、保護者への働きかけに粘り強く取り組んでいくことが重要であると考えております。 ◆河村みどり 委員 どうぞよろしくお願いいたします。  以上で私からの質問を終わり、佐藤委員に交代いたします。 ◆佐藤弘人 委員 私から、まず本題に入る前に、先ほど高久委員から図書館改革について質疑させていただきましたが、一点、教育長に確認をしたいと思います。突然で済みませんね。  中央図書館長の答弁でも、教育長の答弁でも、図書館改革に向けて段階的という言葉が出ていました。段階的というのは、改めて確認しますけれども、一館丸ごと民間にお願いするというゴールを目指して段階的に進んでいくおつもりなのかどうか、そういう解釈でいいのかどうか、お答えいただきたいと思います。 ◎堀 教育長 中央図書館の将来のあり方についての御質問だと思っております。この件に関しましては、私どもは世田谷の拠点となる図書館、中央図書館ですので、一部的な民間活力は活用していこうと思っておりますが、最終的な委託というんでしょうか、丸ごとの委託は現段階では考えておりません。  今、段階的に地域の図書館とカウンターはもう委託しておりますが、委託を進めている中で、職員の体制、それから組織、それがこのままではマネジメントができなくなるということで、先ほどもお話しさせていただきましたが、人材育成をするために研修を始めました。同時並行で中央図書館のあり方を考えていきたいというふうに思っております。 ◆佐藤弘人 委員 時間がないのであれですけれども、私たちが見た武雄市、海老名市、大和市、岐阜市、それぞれ運営形態、手法、掲げているテーマ、目指すべき図書館像、いろいろと特色はありますけれども、唯一共通しているのは、一館丸ごと民間に委ねているということなんですね。ですから、決して中途半端なことにならないように、私のほうから一応、党を代表してくぎを刺させていただいておきます。  では、本題に入ります。  SNSに起因する被害児童の現状と対策についてということで、これは、ことしの四月に警察庁が発表した、SNSに起因する事犯の被害児童数の推移の表です。これを見ると、昨年一年間におけるソーシャル・ネットワークワーキング・サービスを使って事件に巻き込まれた十八歳未満の子どもは千八百十三人、出会い系サイトは十八歳未満は使用禁止になったので、急激に減少していますけれども、この数は一昨年の平成二十八年から七十七人増、統計を開始した二〇〇八年から比べると過去最多の数です。  この千八百十三人という被害に遭われた子どもたちの内容は、淫行などの青少年保護育成条例違反が七百二名、裸の写真などの児童ポルノが五百七十人、児童買春、さっきもお話がありましたけれども四百四十七人。被害の千八百十三人の九五%は少女です。何と十一歳以下の子も十七人、中には八歳の子もいたということで、驚くべき実態です。  そのツールは、短文投稿サイト、いわゆるツイッターが一番最多だということで六百九十五人、既に先日、ことしの上半期の犯罪被害、SNS犯罪被害の実態も公表されていて、半年で上半期で八百五十六人、これは昨年より六十三人減少しているそうですが、九割以上が高校生、中学生ということで、ツールについては、やはりツイッターが最多と。  もう一つ、私が非常に驚いたのは、この資料の中で携帯電話のフィルタリング機能ってありますよね。フィルタリング機能は意外と使われているのかと思ったら、使っていない人が八割を超えているんですね。八割以上を超えている人が、このフィルタリング機能というのを契約当時から利用していない人が八四・二%いらっしゃいます。  世田谷区も既に取り組みを開始していらっしゃると思いますが、この実態を目の当たりにして、まず、認識をお伺いしたいと思います。 ◎板澤 副参事 近年、インターネットやスマートフォン等の急速な普及、また、情報化、グローバル化といった社会的変化が加速度的に進展する中にありまして、平成二十八年度の世田谷区の子どもたちの実態調査におきまして、学校以外での携帯電話やスマートフォンの利用時間が一時間以上である子どもの割合は、小学校五、六年生では約二〇%、中学校では六〇%以上となってございまして、平成二十六年度よりも増加しているとの実態がございます。また、同調査におきまして、全国と比べて世田谷区の子どもたちはインターネットの利用時間が長い傾向が見られるという点で課題があるというふうに認識してございます。  新しい学習指導要領につきましても、こうした時代背景も踏まえまして、情報及び情報技術を適切かつ効果的に活用しまして、問題を発見、解決する力や、SNSの拡大に伴い増大していますトラブル等への情報モラルを身につけるなどの情報活用能力の育成が一層重視されておりまして、全ての教科等の学習の基盤といたしまして小学校段階から充実を図っていくことが大切であると考えてございます。  さらに、子どもたちがこれから大人になり活躍していく時代は、AI技術の発達等における新たな経済社会でございまして、その時代を豊かに生きる力のためにも必要な力を身につけるべく、ソサエティ五・〇に向けました人材育成を視野に入れた取り組みが必要であると考えてございます。 ◆佐藤弘人 委員 それで、この警察庁の発表の中で、もう一つ、被害児童のSNSへのアクセス手段の割合ですね。これはもう圧倒的にスマートフォンなんですね。  ITジャーナリストの高橋暁子さんという方が、最近は、このSNSととても親和性が高いスマートフォンが急速に普及していて、これでLINEなどを使ったいじめも増加しているということで、至って警鐘を鳴らしています。警察庁が同じ実態調査を報告した中でも、今後の対策として、青少年のスマートフォンの所有とか利用状況の増加というのが犯罪被害の増加傾向に寄与しているというふうに指摘もされています。  具体的に、世田谷区は今、ネットリテラシー教育として、このパンフレットを使っていただいて、小学校六年、それから中学校一年と二回講座を実施していると。これは外部に委託してということですね。また、保護者とか教職員の方に対しても、その講座を実施していると聞いております。  では、これまでの講座を実施してきた中での一定程度の成果というか、どういったところに効果を感じられているか、教えていただけますか。 ◎板澤 副参事 今、委員お話しになりましたように、教育委員会といたしましては、全区立小学校の六年生や保護者、及び全区立中学校の一年生を対象といたしまして、専門家を招きましたネットリテラシー醸成講座を毎年実施してございます。また、区独自のリーフレット「インターネットトラブルから子どもを守るために」の配布ですとか、また、全小中学校における学校ルール、こういった策定などを通しまして、学校の授業や家庭教育学級の活動も含めた家庭での話し合い等を通しまして、子どもたちがルールを考えながら正しい知識を学び、情報を適切に活用できるようにするための取り組みが浸透してきているというふうに考えてございます。  また、日々新たなコミュニケーションツールが生み出される時代にありまして、指導する教員の対応力を高めることは大変重要でございますことから、全ての教員を対象とした情報モラルやネットいじめへの対応、情報活用能力の育成等をテーマとした実践的な研修も実施してございます。  なお、今年度、情報活用能力の育成を研究テーマといたしました区立船橋小学校が、日ごろの実践の成果といたしまして情報モラルを扱った授業公開を実施するなど、各学校の具体的な取り組みの普及も進めているところでございます。  こうした取り組みを進める中で、先ほどの平成二十八年度の調査では、睡眠時間において小学校五年生以降での改善が見られておるというところではございますが、インターネットの利用に関しまして明確な結果は現在あらわれていないという状況もございます。 ◆佐藤弘人 委員 なかなかその効果の指標というのは推しはかりづらいところがあると思うんです。ただ、今言ったリテラシー教育の講座を回数をふやせということは、なかなか困難だと思います。ただ、やはり急速に、こうやって小学校の低学年から含めて中学校、高校の生徒に普及が拡大していることを考えると、こういったパンフレットのみならず、ポケット版でも何でもいいんですけれども、小学校低学年用、高学年用、さらには中学生用というカテゴリー別ぐらいにした形で、コンパクトに持ち歩きながら都度見られるようなことを考えていくことも必要なのではないかと思いますし、これからタブレット端末を活用した教材、学校での授業というのも当然拡大をしていくでしょうから、そんな授業の折々にやはり触れてもらうということを、これはやっていただくのが一番肝要なのかなと思います。  特に、スマートフォンはさらに料金が安くなるみたいですから、さらにそういったことを考えると、普及の要因にも拍車がかかりますし、安易に、また、軽い気持ちでやってしまったことがこうした被害につながるとともに、もしかしたら加害者になり得る子どもですね。危険性としては考えられますので、学校にスマートフォンを持ってきてはいけないということになっていますから、どの子がどのぐらいスマートフォンを持っていて、どのぐらい利用しているかという実態をつかむのは困難だとは思いますけれども、折々にそうした警鐘を、また、危険性を学校の教育現場で指摘を伝えていっていただきたいということを要望させていただいて、次の質問に入りたいと思います。  二点目は、教育的配慮により中学校を卒業した方への学び直す機会の提供についてということで、これまでも他会派からいろいろ不登校や虐待についてお話がありましたが、そうしたことが原因で、ほとんど学校に通えないまま教育的配慮によって卒業した人が、一定程度時を経てから再び学びたい、勉強したいという学び直す機会として夜間中学に入学できるように、二〇一六年七月三十日付で文部科学省が通知を全国に出しました。これで今まで入学が認められなかった、そうした方々の入学が可能になったんですね。  文部科学省もそれに合わせて実態調査をしています。義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律を踏まえた実態調査なんですけれども、かなり分厚い資料なんですけれども、初めてそこで全国の夜間中学の現状等について詳細な実態が明らかになっているんです。その結果、現状の夜間中学、都内では八カ所ですかね。現状の全国の夜間中学の通学者の八〇・四%は外国人の方なんですね。義務教育の未修学の方については一六%という実態が出ています。  世田谷区立三宿中学校における現状はどうなんですか。 ◎内田 学務課長 中学校夜間学級、いわゆる夜間中学は、戦後の混乱期に生活困窮等の理由から、昼間に就労または家事手伝い等を余儀なくされた者に義務教育の機会を提供することを目的として、中学校に付設されました。  その後、義務教育未修了者のための教育の場として運営されてきましたが、現在はその方の本国において義務教育を修了していない外国籍の方や、委員お話しのように、平成二十七年七月三十日付文部科学省通知により、それまでは御相談があっても入学をお認めすることができなかった、さまざまな事情から実質的に十分な教育を受けられないまま中学校を卒業し、改めて中学校で学び直すことを希望される方も受け入れを行っております。  世田谷区では三宿中学校に夜間学級を設置しており、外国籍の方も含め、さまざまな年代の方が学んでいらっしゃいます。平成三十年十月三日現在、生徒数は六十五名で、通常学級在籍者が四十二名、日本語学級在籍者が二十三名となっております。この中には教育的配慮により中学校を卒業した後に学び直しを希望された生徒も若干名含まれます。また、国籍別で見ると、日本国籍九名、外国籍五十六名となっております。  生徒の習熟度によりクラス分けを行い、年齢、国籍、日本語能力等、生徒の多様な実態を踏まえたきめ細かい学習指導を推進しております。 ◆佐藤弘人 委員 この文科省が行った調査の中で、難しい言い方なんですけれども、相談指導等を受けた学校内外の機関及び指導要録上出席扱いとした児童生徒数、全国で小学校では一万八千人ですね。それから、中学校では五万二千人。これはそれぞれの学年なので、学年別で計算をされていて非常に細かいんですけれども、そうすると、小学校六年生のとき、もしくは中学校三年生のときに何らかの事情があって、なかなか学校に登校できなかったんだけれども、教育的配慮によって出席扱いをされた方というのが、やはり潜在的に多くいらっしゃる。この数字も年々増加しているんですね。  世田谷区での実態というのは、これは把握できていますか。 ◎青木 教育指導課長 世田谷区におきましては、小学校六年生、中学校三年生におけます不登校を含めた長期欠席の児童生徒につきましては、国や都と同じ増加傾向というところにはございます。この場合の不登校とは、年間の中で三十日以上の欠席がある場合ということです。  なお、これらの不登校等の児童生徒につきましては、一人一人の事情等に教育的な配慮をしつつ、校長の判断により全員卒業してございます。 ◆佐藤弘人 委員 先ほど言いました平成二十八年十二月に成立した義務教育の段階云々等の機会の確保等に関する法律を踏まえて、そこの中で、地方公共団体は夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供、その他の必要な措置を講ずるものとすると。いわゆる未就学者の方の就学機会の確保のための措置を義務づけしているんですね。  よって、この教育的配慮によって中学校を卒業した方々への学び直す機会として、改めて、この区立三宿中学校というのが今後いかに活用されていくのかということが求められてくる、そういった段階に入ったのではないかと思います。  もちろん外国人の方も、これから労働する方がふえてくれば利用される方もいらっしゃるでしょうし、今のような学び直したいという方が来られる、そういった方がふえていくことを考えると、その受け皿として、今のこの区立三宿中学校でのキャパシティーというのは一体どうなんですか。 ◎内田 学務課長 いわゆる教育機会確保法及びそれに基づき策定された基本指針において、夜間中学等の設置の促進や多様な生徒の受け入れ等が求められております。また、義務教育未修了者に加えて、義務教育を修了していない外国籍の方や、さまざまな事情から実質的に十分な教育を受けられないまま学校の配慮等により卒業した方などに対して、教育機会の提供を行うことが必要とされております。  三宿中学校夜間学級では、文部科学省が定める要件のもと、こうした改めて中学校での学び直しを希望される方につきましても平成二十八年度より受け入れを行っております。 ◆佐藤弘人 委員 これまで述べたように、こうした背景を踏まえて、世田谷区として、この学び直しの機会をどうこれから確保、提供していくのかということが問われてきますので、その体制づくりも含めて今後の取り組みの見解をお伺いしたいと思います。 ◎内田 学務課長 学び直しの機会といたしましては、例えば都立高校では、主に小中学校で学校になじめず不登校の経験があったり、高校で長期欠席等が原因で中途退学を経験したりして、これまで能力や適性を十分に生かし切れなかった生徒が自分の目標を見つけ、それに向かって挑戦するチャレンジスクールや、私立でも通信制高校と連携し、生徒の学習面や生活面での支援をするサポート校等がございます。  教育委員会といたしましては、義務教育未修了者や教育的配慮により中学校を卒業した方が、学び直しのために夜間中学を活用されることは重要なことと認識しております。今後も、こうした学び直しを希望される方の受け入れとして、夜間中学における教育活動を充実させるとともに、多様な実態を踏まえた学び直しの場として、教育機会のより一層の充実に努めてまいります。 ◆佐藤弘人 委員 いずれにしても、私も今回調べさせていただいて、さまざまな事情で教育的配慮によって出席扱いとして卒業された方が潜在的にいらっしゃるということに非常にびっくりしましたし、一定程度時を経て、やはりちゃんと中学校の教育課程を学び直して、改めて社会で活躍したいという方がふえてくることも期待しながら、そういった受け皿づくりについては万全の体制で臨んでいただきたいということだけ申し述べておきます。  最後に、一分半ぐらいあるんですかね。学校の防災力、学校施設における防災力ということで聞きます。  二〇一一年に東日本大震災が起きて、学校施設が、避難所運営も含めた機能が非常に高まった関係で、文部科学省が平成二十八年度まで学校施設の防災力強化プロジェクトをやっていたんですけれども、もう途中でやめちゃったんですね。今、学校施設は環境教育の観点で、太陽光パネルとかの施設を置いていますけれども、これは、蓄電池は全部配置されたんですか。発電したのを蓄電する蓄電池は。 ◎秋元 副参事 今、災害対策の所管において蓄電池の導入を二十八年度より進めておりますので、そちらを利用したい、活用していきたいというふうに思っております。 ◆佐藤弘人 委員 また詳しくは補充でやります。  以上で文教所管分の公明党の質疑を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。
        ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、世田谷立憲民主党・社民党、どうぞ。 ◆羽田圭二 委員 私のほうからは総括質疑に次いで、教育費の負担軽減について、まず触れておきたいと思います。  総括質疑の中でも申し上げましたけれども、基本的には選別主義ではなく普遍主義に立った支援が必要だという考え方に基づいて、この間、教育費の負担軽減について幾つか意見・要望を申し上げているわけです。  子どもにかかる教育費の負担軽減の課題というのは、家庭の所得によって格差をつけることは避けるべきだという基本的な考え方であります。所得制限を設けなかった子ども医療費助成のように、普遍主義の考え方、ここをしっかり堅持すべきだ、発展させていくべきだという、そういう考え方であります。したがいまして、今後の教育費の負担軽減についても、こうした立場から世田谷区は発信をすべきだという考え方です。  そこで、最初に、この普遍主義による支援の必要性について教育長の見解を伺いたいと思います。 ◎堀 教育長 区長が委員の総括質疑でも御答弁申し上げたように、私どもも同じ考え方を持っております。憲法、教育基本法に定める義務教育の無償、教育の機会均等といった理念は、私どものほうでは非常に大切なものでありますので、それにのっとって進めていきたいという基本的な考え方を持っております。  今、委員がおっしゃいましたように、普遍主義というお話をなさいましたが、先ほどの憲法、教育基本法に立ち返りますと、日本の義務教育の公的支出、OECDの結果が九月十一日に公表されましたが、残念ながら今回も最下位であったという結果が出ております。  委員のお話にも過去あったかと思いますが、義務教育の無償化、教科書の例を取り上げましても、昭和三十八年に、まず小学校一年生という形にあり、いわゆる選別主義ではなく普遍主義に基づいた対応で無償化が図られ、昭和四十四年には小中学校全学年に無償給与が完成したというふうに、現在に至っているというふうに理解しております。  ですので、この考え方に基づき、私どもも、区長も申し上げましたが、財政的負担もありますし、これからの日本の社会のありようを考えますと、財政的負担が大変大きいものがあるかと思いますので、一歩一歩、普遍主義というんでしょうか、憲法、教育基本法に基づいた理念に近づくような対応をしていきたいというふうに考えております。 ◆羽田圭二 委員 今お話もありましたけれども、教科書の無償化自体も、選別主義ではなくて普遍主義に基づいて行われたこと、それから、段階的に進められたという、そういう歴史を持っていると思うんですね。これは、これまでにも何回かそういうお話もあったかと思います。  今、大変この間、議論になっている学校給食の無償化という考え方も、実は、お子さんについては全員が対象であるということ、それから、同時に、今、さまざまな支援体制というものもありますけれども、今後のことを考えた場合に、これも普遍主義に基づいて行っていくという考え方は成り立つというふうに思っています。  そこで、憲法第二十六条の二項で言っている義務教育は無償とするという、今、教育長からもお話がありましたが、これも、これ自体は所得に関係なく公平、平等に行っていくという考え方が貫かれていると思うんですね。その考え方に基づいた給食の無償化の考え方、これに対する対応ということが私は必要だと思っています。  そこで、学校給食について、前回といいますか、総括質疑のときにもお話ししましたけれども、もともと学校給食が始まったときというのは、これは物の本に書いてあるやつですからわかりませんが、一八八九年というかなり古い時代から始まったということがわかっています。  山形県の私立小学校で始まったというふうには書かれていたんですが、そのとき、貧困世帯の児童を対象にして、もともと無償で始まったというふうな歴史があるようです。我々は、どちらかというと戦後ということになるんですが、戦後の学校給食の無償化については、当初はこれも無償化で、都市部を中心に始まったというふうに言われていまして、そして、最初は、これは私も脱脂粉乳という経験を持っておりますけれども、脱脂粉乳とパンから始まったというふうに言われていまして、それも実は無償で始まっていたんですね。ところが、脱脂粉乳とか、それはどこの国とは言いませんが、外国からの支援があったということで、それが打ち切られた段階で有料になっていくということが多くなったというふうに言われています。  そういう歴史を持った学校給食なんですが、今回、一つの考え方として、今、教育長から言われたように、一定の、現在の財政状況だとか、今後の段階的に進めていくという考え方に基づいて言われておりました、一つは、いわゆる就学援助の認定基準の引き上げによって一定程度、枠を広げていくという考え方。それから、もう一つは、東京都の高等学校、授業料の無償化の給与収入の範囲という、そういう考え方が一定示されているわけですが、これは総括質疑の中でも述べましたけれども、いずれも申請主義、家庭がそれを申請して初めて支援が得られるという中身になっているわけで、結果的には、なかなかその申請に、今までの就学援助もそうですけれども、申請をされない方が比較的多いという、そういう現状があるということはわかっているわけですね。  ですから、あの場でも求めましたけれども、その申請主義という点から、それをすぐに変えるということができないならば、より申請方法、申請に向けた就学援助の仕組みだとかを含めて、その内容を早目に提示する。保護者に対して提案をするといいますか、説明をするということを求めたんですが、これらを含めて教育委員会の今後の対応を含めてお聞きしておきたいと思います。 ◎内田 学務課長 教育における保護者の負担軽減を図る観点から、この間、学校給食費を含めた教育費の無償化につきましては、財政負担の面からも検討を行っております。この就学援助制度における認定基準を全体的に引き上げる考え方と、それから、これとともに給食費については中間所得層まで支給対象者を広げるとの考え方も今現在あるところでございます。  就学援助のお知らせにつきましては、「区のおしらせ」をホームページに掲載するほか、年二回、四月と九月に、区立小中学校の全児童生徒の保護者へ学校を通して御案内の文書を配付させていただいております。また、前年度の認定者には直接申請書を送付しております。  この学校給食費を含めた給食費、教育費の無償化につきましては、仮に就学援助制度の認定基準を引き上げるなどの考え方を含め、新しい制度にもなりますので、対象となる方が確実に申請されるよう御案内することが大切なことと考えております。校長会とも協議し、学校を通じての保護者会での説明など、周知方法について検討してまいります。また、時期につきましても、小学校へ入学される方には入学前の事前にお知らせすることも検討してまいります。 ◆羽田圭二 委員 もう一つ指摘しておきました小学校の入学準備金の支給時期ですね。この改善も、この間、他会派からも求められていたかと思いますが、中学校同様に前年度前に支給するよう改善すべきだという点とあわせて、それについての考え方をお示しください。 ◎内田 学務課長 就学援助では、経済的に就学が困難な児童生徒の保護者に対し学用品費や給食費等の援助を行うことにより、児童生徒の就学を確保し、義務教育の円滑な実施を図ることを目的としております。中学校の進学用品費につきましては、平成二十九年四月入学者から入学前の支給を実施しております。  お話しの進学用品費の小学校入学前の支給につきましても、入学時に必要な学用品等が確実に準備できるよう、保護者の経済的な負担軽減を図る観点からも重要なことと考えております。支給に当たりましては、該当世帯への周知や申請の受け付け方法、審査に必要な所得情報の確認など事務作業の再構築、また、現行の電算システムの改修も必要となります。こうした点を整理し、子どもの学習の機会を確保するための必要な援助の充実の観点から、できるだけ早期の実施に向け検討を進めてまいります。 ◆羽田圭二 委員 いま一度、学校給食の無償化問題に戻りますが、さきの一般質問で、学校給食費の無償化について小中学校の最終学年全員を対象に実施するよう、私どもとしては求めました。これも普遍主義の考え方に基づいたものです。  就学援助の準要保護の基準の引き上げという、さっきのお話、それから、都立高校の授業料の免除の基準の範囲という考え方、申請主義に基づくものであって、対象世帯の半分しか対象になっていないという現状、これらを見た場合に、今後、この給食費の完全無償化を含めた教育費負担軽減に近づけるべきだという考えを持っているんですね。この見解について改めて区の見解を伺います。 ◎淺野 教育次長 委員からも御提案いただいているように、最終学年の給食費というような御提案もいただいております。  先ほど教育長からも御答弁申し上げましたように、普遍主義という考え方自体については基本的な考え方であるということで、認識を一にしているところでございます。ただ、先ほど来申し上げておりますけれども、限られた財源の中でどういうふうな施策を行っていくか、それから、これもまだ今現在、シミュレーションの段階ですけれども、仮にという、普遍主義ということとちょっと反するという御指摘をいただいているところですが、仮に段階的になり、やっていくとすると、やはり所得制限等という考え方も現実問題として設けざるを得ない場合もあろうかと存じます。  そういった中で、申請に基づき、所得が不足をもしするのであれば申請に基づいて判断せざるを得ないということも含めまして、ですから、全体的に、全てのお子様が等しく教育を受ける権利、そういった考え方については同じくするところですけれども、現実に施策を施行していく段階では、申請主義も含めて現実の制度を運用、活用していくということも、一つの考え方として持たざるを得ないということもあるというふうに考えてございます。 ◆羽田圭二 委員 答弁を聞いていて、よくわからなかったんですが、かなり隔たりがありますよね。私どもが言っている考え方とは。非常になかなか難しい点があるのではないかというふうに思います。  今後も含めてですが、これも総括質疑の中でも申し上げたことと同じなんですが、そもそも、何といいますか、貧困世帯といいますか、子どもの貧困対策だとか、ずっと言われてきて、最も困難を抱えている世帯への支援というのは重要だというふうには思っているんですよね。それは引き続き行うべきだ。  しかし、今、今日的に問われているのは、この教育費の負担軽減を考える場合には、あまねく公平に平等に行っていくという支援の内容であって、実は、その支援を進めれば、最も困難を抱えている世帯の児童生徒もしっかり包摂することができるという、その考え方に基づいているわけですから、単に学校給食を無償とすべきだということを言っているのではないということを御理解いただきたいと思います。よろしいでしょうか。引き続き、意味がわからなかったら後で聞いてください。  それと、次は、これもこの間、少しこだわり続けている話ですが、教員の働き方改革の問題であります。  さきの通常国会で最終的に強行採決をされました働き方改革関連法案、これは裁量労働制と、それから、高度プロフェッショナル制度ということが、大きく問題として取り上げられたわけであります。裁量労働制のほうはデータの改ざんということで、そのことが明らかになって、提案そのものから除外をされました。採用してきた企業も実はその後、廃止をするという、そういうことも、そういう動きも、この裁量労働制をめぐっては出ていると。  そして、一方、手当なき残業、これを合法化するというふうに言われました高度プロフェッショナル制度については、とりわけ大企業の強い要請があったというふうには言われているんですが、最終的には成立をしているわけです。  この高度プロフェッショナル制度の導入の際に言われた話の中で、幾ら残業をやっても手当の対象にならないと。これは現在の教員の勤務実態、これと同様に、まさに高度プロフェッショナル制度の先取りが学校の中では進んでいるのではないかと言えないか、この点について見解をお聞きします。 ◎青木 教育指導課長 現在の教員の勤務時間、それから、これにかかわる給与の支給等につきましては、職務内容や勤務態様が特殊であって正規の勤務と時間外勤務の区別がしにくいことから、国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法が施行されております。この法律では超過勤務手当制度は適用せず、教職調整額を支給するという制度にしており、基本給の四%を支給するということで出されており、今日までこの体系において給与が支払われているというところで認識しております。 ◆羽田圭二 委員 勤務時間がはかれないというお話もあるんですが、実際にははかれるんですよね。今でははかれると。当時は、もっと言えば教員の働き方も今とは大きく違っていますし、例えば夏休み、研修とかを含めて一定の休みといいますか、そういうことが保障されていた時代であったと。しかし、それが今ではそれもなくなりましたし、そして、さらには深夜までということは学校の中では見えないかもしれませんが、門が閉まるまでというふうな表現もありますから、十時ぐらいまで学校に残って仕事をしているとか、あるいは、朝六時から門が開いたと同時ぐらいに仕事をしているという方も数多くいらっしゃるということが報告されていると思うんですね。  そこで、教員の勤務時間の長さということは、非常にこの間も問題になっていたんですが、よく言われるのは、労基法とか労働安全法の適用除外ということが言われていまして、しかし、学校現場の職員の勤務時間の把握というのは、学校長といいますか、学校管理者の責任ではないかというふうに思うんですが、この点はいかがでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 おっしゃるとおり、教員の勤務の状況につきましては管理職が把握し、教員たちの心身の健康や適切な職務の遂行というようなところでも把握し、適切に対応しながら管理するべきものと考えております。 ◆羽田圭二 委員 その意味では、この間言われていますように、タイムカードを導入して、一定、学校管理者が時間外労働といいますか、時間外労働という概念は学校には通用しないようですが、非常に本来決められている勤務時間の範囲を超えての労働がなされているという、勤務がなされているということは、最近は把握ができるようになってきたということは言えるかと思います。  ただ、それでも実は長時間労働が改善されていないということについて、どう見ていくのかということなんですが、そもそも先ほど言われていた給与特措法によって、あらかじめ残業手当が含まれているという考え方があるわけですよね。そのこと自体が、いわば時間外労働について、結果的に関係なくなっているといいますか、時間外労働をやっても手当の対象とならないわけですから、幾らやっても関係ないということになっているのではないかと思うんですが、その点の実態はどのように考えているか、お聞きしておきたいと思います。 ◎青木 教育指導課長 今お話がありましたように、給特法の考え方といたしましては、当時のところで教員の職務の特殊性というところで、幾つかの業務を除いて時間外の勤務手当を支給しないというふうな考え方であったというところではございます。  今日の教員の実際的な勤務というところについては差異が生じているというところではございますが、こうしたものについての見直しというところも、見直しの検討というところも報道されておりますので、そうした国等の動きを注視してまいりたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 今、答弁がありましたように、文科省も見直しという方向を打ち出しそうな状況にあるかと思います。いずれにしても、この教員の多忙化の問題、働き方改革の問題というのは、一人当たりの仕事の量が非常に多いという、その問題を抜きに語れないというふうに思います。その点では、教員の増員も含めて、今後さらに現場の意見も聞きながら進めていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆中村公太朗 委員 「Touch the World」が、議会にも見学の機会があって、スタートをして、十月一日からスタートしたわけですけれども、この間、最初のプレを見させていただいたのと、この間の三連休と、おとといですかね。これはほかの議会からの議員も視察をしたいということで一緒に見て、三回見させていただきましたけれども、率直に言って、ひど過ぎますね「Touch the World」。本当に、何を目的にやっていて、何をゴールにやろうとしているのかが全くよくわからない。  まず、会派としては、この間、これからの将来に向けてとか、金銭的に行けない子も含めて、やっぱり英語の重要性というものをずっと説いてきましたし、大阪の「OSAKA ENGLISH VILLAGE」も始めそうですし、先般は東京都の英語村、「TGG」も視察に行ってまいりましたけれども、まず、世田谷区として、なぜあえて多文化というものにしたのかということと、現状、この新しくオープンした機能の中で多文化を学ぶスペースというのはどこにあるのか、伺います。 ◎板澤 副参事 今、このお話しをいただきました「Touch the World」につきましては、第二次世田谷区立図書館ビジョン第二期行動計画に基づきまして、幅広い世代の区民が日常的に多文化を体験できることをベースといたしまして、中央図書館に整備するという計画のもと進めてきたものでございます。また、将来的には、この施設を含めた二階のフロア全体を子どものコーナーとして整備していく予定でございます。  この多文化につきましては、日本文化体験ゾーン、また、世田谷のコーナーも含めまして、また、英語で学べるコミュニケーションゾーン、また、多言語を学べる多言語インタラクティブ、そういう部分もありますので、日本文化も含めた多文化というところでつくってきたところでございます。 ◆中村公太朗 委員 いや、だから、日本の文化と世田谷は一緒ですよね。日本の文化ですよね。ということと、英語はいいとして、多言語を学ぶインタラクティブゾーンって、どこのことを言うんですか。 ◎板澤 副参事 入り口を入りまして、日本語で挨拶などを語りますと、世田谷区の在住の外国籍の方の多い言語が十四言語ほど出てくるという、ICTを活用した部分でございます。 ◆中村公太朗 委員 この間ずっとやりとりしていますけれども、板澤さんに今さら言ってもあれですけれども、今の日本人が国際社会でコミュニケーションをとるために、シャイな日本人が、自分が一歩踏み出して言葉を口にしたりとか、コミュニケーションを率先して図るということが必要だから、恐らくこういう機能というのは求められているんだと思うんですよ。何で日本語で、おはようございますと言わなきゃいけないんですか、あそこで。  あそこはグッドモーニングと言わせて、その発音も含めて勉強するというのであればまだしも、おはようと言って、各国の、何語かわかりませんけれども、何か十カ国ぐらいのおはようが出てきて、それも五秒ぐらいで消えてしまうということで、どうやって多言語を学ぶんですか、あれは。ICTを活用していますと言うけれども、まさに発想自体が全く逆ですよね。  ということで聞きたいんですが、あれはプログラムは誰が考えて、どういう形でつくり上げてきたものなんですか。 ◎板澤 副参事 まず、設計につきましては、昨年度プロポーザルで行いまして、イスカというデザイン会社がプロポーザルで設計委託を行いました。その後、映像につきましてはタケナカという業者が担って進めております。 ◆中村公太朗 委員 これは、おはようと言って、いろんな言葉が出ます。人が二回目、三回目、リピーターになると思いますか。伺います。 ◎板澤 副参事 あの多言語インタラクティブにつきましては、入った子どもたちが、まず多文化、あるいは英語に親しむスタートとして関心を高める部分として設置をいたしました。ですので、あそこの機能につきましては、また今後、拡充も考えられますが、まずは入り口で関心を高めていくという狙いでつけたものでございます。 ◆中村公太朗 委員 一回限りの人たちを集める施設をやっているのであればいいですけれども、入って、おはようを見て、次はカエルの絵を踏んで、フロッグ、ゲコゲコというのがね。しかも小学校四年生が対象と言っているんですよ。最初はこの施設。これは二回目の人は、この二つは少なくともスルーしますよね。その時点で多分、いや、わからないですよ。業者任せにしてでき上がっちゃいましたという話ならあれですけれども、もし区がこれは参加していて、こうすべきだとか提案を受けてオーケーを通したとしたら、とんでもない無駄遣いだと思うんですけれども。  改めて申し上げますが、これは区は事前に機能を考えて提案していたのか、事業者からこういうものが提案があって、そこにある程度、こうすべきだという意見が言えたものなのか。それとも、でき上がってから知ったものなのか。あれはどういうステップでやってきたんですか。 ◎板澤 副参事 これにつきましては、民間業者の提案も受けながら考えておりますが、私どもといたしましても、このフロアインタラクティブは四年生対象のみならず、就学前の子どもたち、あるいは多くの区民、こういった方々に活用されるときにスタートの入りとして関心を高めてもらえるように考えたものでございます。 ◆中村公太朗 委員 もう時間が余りないので言うだけにしておきますけれども、郷土資料館からの移転ということで、どういうものを残したいのかというところも若干綱引きがあったんでしょうけれども、あそこのスペースに農耕するジオラマを今さら置いておくのか。サケの剥製を置いておくとか、あと、蜂の巣もありましたね。あと何がありましたっけ。それをALTが何か流暢な英語でやって、聞いているのはお母さん方だけでしたけれどもね。子どもたちは、もうぽかんとして、それで多文化の体験になるんですかね、あれは。もうデッドスペースが本当に多過ぎる。  あと、この間視察したときには、ちょうど子どもたちが何人かいたので、ALTが二名、そのときは二名、ふだん一名なんですよね。いて、やっていましたけれども、プログラムというか、ALTの能力と言うと個人の問題になっちゃうのであれですけれども、これもすごくひどい、ひどい、ひどかった。本当にもう見てもらいたいんですけれども。  それは運営事業者が今後言って変えられるものと。だけれども、箱物としてつくっちゃったものと、でも、要は、さっき言ったプログラム、プログラムって英語で言わないというのと日本語で言うのと、ICT化も変えなきゃいけないものがあって、これはどうしていくつもりなのかなと思っていて、いや、もう既に問題点が、問題点がというか、もう最初から問題点が見えている中で、もし変えるとするとなると、もう次の予算に向けて組まなきゃいけないですよね。もしそれを逃したら、補正予算を組めるのはいいけれども、もしかしたら一年半後まで今のままで行かざるを得ない。予算的にはね。といったときに、いや、本当にちょっと恐怖が、最初から入ったときからすごくあれしてきますよ。  これは予算的にはどうして、改善点がありますとおっしゃいましたけれども、これはどう予算を組んで、途中で新たなプログラムって、お金をかけられるんですか、あれは。変更できるんですか。伺います。 ◎板澤 副参事 今お話しいただきましたように、まだこれは始まってから数週間というところでありますが、まずは今年度、四年生の移動教室は午前中に行っておりますが、これの実施を控えまして、プログラムをまず整えようというところで進めてきたものでございます。  したがいまして、例えば午後、一般開放、ここにつきましては、お話しいただいたようにプログラム、あるいは学習のスケジュール、こういったものについてはまだ改善の余地が多々あるだろうというふうに考えております。そういったものも踏まえ、また、来館された方の御意見、御感想、こういったものもいただきながら、来年度、例えばコンテンツの拡大、また、プログラムの幅広い年齢に対応した内容、こういったものについては検討を重ねまして進めていきたいと考えてございます。 ◆中村公太朗 委員 検討を重ねる時間が予算の部分とうまくマッチしないと、本当にさっき言ったように、確かに小学校四年生の課外授業で使うので人は入るでしょう。強制なんだから。日中はね。だけれども、その後のリピートがどれだけできるかとか、端的に言えば、この間も板澤さんに聞いたけれども、毎日横の学校に通っていて、午後毎回来ている子たちもいると言っていますけれども、では、その子たち向けにALTが説明して、いろんなことをやったとしたって、その子たちが前回どこまでやって、多分レベルフォーで、では、きょうはレベルファイブをやりましょうねみたいな、リピーターを管理するようなものすらないわけで、ALTだって入れかわっているわけですよね。  そうしたら、その子たちはどれぐらいまでできたかも把握しないままで、さっきも言いましたけれども、少なくとも、おととい見たときは、本当にすごくひどいというか、ちょっとやばいぞというぐらいのことをやられていたので、子どもたちも具体的にというか、もうできないですよ。できないぐらいのものをやっていましたけれども、でも、ぜひ見に行ってください。  だから、ちゃんと根本的に考え直さないと、究極の無駄遣いで、あれは四千五百万円かかっているわけでしょう。その現状までに。四千五百万円でつくり上げた。恐らくランニングも一年間に二千万円以上かかると言われているんですよね。いや、まだ取り返しはつきますよ。本当にちょっと本当にやばいです。もう本当にやばい。だから、もうちゃんとしてください。  何回も言っていますけれども、何をしたらいいかと言ったら、僕らが会派で言っているのは、やっぱりもう英語に特化すべきだし、確かにお金の問題もある、スペースの問題もあるから、さっき名を挙げたような、特にTGGみたいなことはできないと思いますよ。できないけれども、今ある枠の中でできることはあるし、もっと魅力的なことができると思うし、本当に子どもたちが、まず自分たちで発言をすると。英語をしゃべってみるというための施設という点で行けば、本当にやれることはあると思いますので、何か見せたり説明したりみたいな、今の、それが多くを占める機能は本当によくないと思います。ぜひ検討ください。  もう余り時間がないですけれども、区民生活のときに話題に触れましたけれども、小中学生の派遣で一切台湾をやっていないということが発覚をしたわけです。この間、アジア議連として僕は十二年間、小中学生の派遣枠の拡大を言ってきて、一切動かなかった教育委員会が議連として、では、もう動かざるを得ないよねということで動き、私は、個人的に言えば、議員の海外視察派遣というものはずっと反対をしてきたけれども、派遣枠拡大の現地で打ち合わせが、具体的な打ち合わせができるのであれば、その信念を変えましょうということで、カナダにまで行かせていただきました。  結果として、アジア議連でフィンランドと台湾という二つの国、台湾については二回、議員団で視察をいたしましたし、フィンランドも行政も視察をしている中で二つ提案をさせてもらいましたと。何を思ったか、まず教育委員会はフィンランドをやります、文化・国際のほうで台湾を担当しますというようなことになったことが、今のこのアンバランスを生んでいると思いますが、まず、これを仕分けたのは誰ですか。 ◎板澤 副参事 これにつきましては、昨年度、生活文化部が所管をしております、これからの国際交流のあり方検討におきまして、新たな交流候補先の検討を進めまして、フィンランドと台湾の二カ国に絞り込みまして実地調査を行ったところでございます。  この実地調査を踏まえまして、世田谷区の教育の質の向上に向けまして、まず、教育委員会といたしまして教員をフィンランドに派遣し、指導力の向上や学校教育の充実の手法についてフィンランドメソッドで学ぶ研修を行うことといたしました。また、台湾につきましては、音楽など文化芸術分野、子ども同士の交流など、子どもから大人までの幅広い可能性を確認した上で、区立学校での訪問の受け入れや、高雄市の青少年交響楽団の来日に合わせた交流を行うとしたところでございます。 ◆中村公太朗 委員 よくわからないんですけれども、まず、小中学生の派遣枠が拡充されたありきで、さらに台湾という国は文化としていろいろ学ぶ部分があるから、文化交流も広げましょうというなら話がわかるんですけれども、行政のよくわけのわからない縦割りで分散をされることで、片方はもう来年から頑張るんですか。それはすごくいいことだと思います。これまで言ってきた枠がふえるので、もう大賛成、進めてもらったらいいと思いますけれども、一方で、もう一つは全く計画がないということなわけですよ。実際に教育委員会は、さっきも板澤さんは自分で言いましたけれども、フィンランドも台湾も文化・国際と教育委員会、両方で視察へ行っているわけですよね。教育委員会も台湾へ行っているわけですよ。現状、教育委員会と台湾のかかわりは何があるんですか。伺います。視察まで行っておきながらね。 ◎板澤 副参事 現時点で直接子どもを派遣するということはございませんが、昨年度、来日したバスケットボールの交流がありました。また、今後、来日とあわせて交流をしていくというところで、今年度、年度当初に来日をいただく予定はございましたが、先方の都合でできなかったということはありますが、この迎え入れるというところで、まずは交流をスタートしようと考えたところでございます。 ◆中村公太朗 委員 もうかみ合わないのでいいんですけれども、先ほど来というか、ずっと今定例会に出ているポートランドの話についてだって、先ほどでは二〇二〇年に交流しようとしているわけですよね。  この縦割りで台湾は国際課に追いやられるという状況の中で、二〇二〇年にだって、まだ計画はないわけですよ。そこが手つかずになっておきながら、教育委員会としては台湾まで視察に行って、それで文化・国際に投げて動かないまま、ポートランドが急に二〇二〇年にやりますと言っていて、ほかの会派とは別の視点で、それはどうなっているんですかという意見ですよ。その前にやるべきことがあるだろうと。  いや、別にいいんですよ。だから、三都市に小中学生を派遣すればいいと思いますよ。僕はね。なぜそこで台湾をやらずに、先にポートランドに具体的な話が出てきてしまったのか。それはなぜなんですか。伺います。 ◎板澤 副参事 ポートランドにつきましては、ホストタウンを契機とした交流として考えましたので、この台湾やフィンランドとはちょっと経緯が異なっているというふうに捉えてございます。こうした捉え方の中で、子どもがグローバルな視点で将来の自分のあり方や生き方を考えていくというような交流をしていきたいと考えたところで、ポートランドを考えたところでございます。 ◆中村公太朗 委員 いや、経緯が異なることのための理由を言っているのはわかりますよ。それは理由として納得していない会派は多いけれども、なぜポートランドだということを言っているのもわかるけれども、だからといって、これまで先に話があったものを外していい理由にはならないわけですよね。(「そうだ」と呼ぶ者あり)  教育長、台湾をやりますか。伺います。 ◎堀 教育長 子どもたちの国際交流、フィンランド、台湾のほうは具体的にはまだなってはおりませんが、本当に広がってきて、アジア議連の方々には本当に感謝しております。  私たちはポートランドも踏まえて対応していきたいと思っておりますが、教員の派遣等々、あと予算、庁内の調整等を考えますと、少しお時間をいただきたいと思っておりますし、今回の件を踏まえて、アジアはぜひやっていきたいと思っておりますので、視野に入れております。 ◆中村公太朗 委員 ポートランドの予算を回せばいいんじゃないかなと思いますけれどもね。 ○河野俊弘 委員長 以上で世田谷立憲民主党・社民党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時十三分休憩    ──────────────────     午後四時四十五分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆たかじょう訓子 委員 日本共産党の質疑を始めます。  私からは、まず就学援助について伺います。  世田谷区は入学準備金等就学援助の拡充、また、生活保護基準の引き下げから就学援助受給者への影響を食いとめるなど、子どもの貧困の視点で配慮ある対応をしてきたことを評価します。さらに、今ある施策の中で、子どもの貧困の視点で見直しをしていただきたいと考えます。  この間、就学援助を受給している世帯の方にお話を伺っている中で、切実な御意見をいただきました。毎月家計の状況は、家賃以外はほぼ生活費で消えていく。貯金はゼロです。毎月の出費で特別なもの、例えば友人の結婚式、葬儀、その出費のために借金をしたことがあると伺いました。一カ月で特別な出費として支払いが可能な金額を伺うと五千円ぐらいだと。食費を切り詰めてなら何とか五千円は捻出できる、しかし、一万円を超えると何かの支払いが滞って生活に支障が出るとのことでした。修学旅行などの費用や準備、一時的に負担することになるために大変困ったことがあるというふうに訴えておられました。  就学援助の支給対象基準金額が、二人世帯では二百七十七万円以下、三人世帯では三百四十六万円以下となっています。こういったことからも、生活困難な世帯の実態に寄り添った施策を進めることが必要だと考えます。そういった中で、一つ、就学援助支給を、今、年三回行っておりますが、これを五回へと変更することを求めて伺います。  世田谷区は現在、就学援助の支給を七月、十二月、三月に支給しています。前に述べました生活実態からも、学期末に一回の支給では大変苦しいとの声がありました。他区を幾つか調査したところ、支給回数五回を実施しているところがあります。例えば杉並区、北区などです。就学援助として支給している内容は、学用品費、通学用品費、給食費、修学旅行費、修学旅行支度金、校外学習費、移動教室費、夏季学園費、卒業アルバム代、新入学用品代、こういった項目になっております。  この就学援助の対象品目について、まず伺います。 ◎内田 学務課長 支給費目は幾つかございまして、それぞれ性格や状況がございます。その内容につきましては一つ一つ細かくこれから改善に向けて検討はしていきたいというふうに思ってございます。 ◆たかじょう訓子 委員 まず、その中で、学用品の中には児童生徒の眼鏡代について入っていないということを、保護者の方から御意見をいただきました。区民の方は就学援助を受けておられるんですけれども、これを就学援助でカバーしてもらえないかという相談だったんですね。
     墨田区では就学援助受給世帯の児童生徒の眼鏡購入費について、購入後に申請により二万二千円を上限に助成を受けることができるようになっています。眼鏡を準備することができないことによって学習に支障が出ることのないよう、学習に眼鏡が必要となる児童生徒に対し、就学援助世帯で眼鏡購入費への助成を行うべきと考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎内田 学務課長 就学援助の支給費目には眼鏡代を設けるべきだということですが、どの範囲まで、どういった費目を設定するかは、社会状況や学校生活の実態等から検討することが必要だと認識しております。こうした点を踏まえまして、他自治体の事例なども参考にし、その必要性や実態等を十分に検証しながら検討していく必要があるものと考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 ぜひ社会状況、子どもの貧困という視点で見直しいただきたいなというふうに思っております。  また、この品目が、現在の学用品目ですけれども、それと費用ですね。これは決められている金額があるんですけれども、根拠を教えていただけますか。 ◎内田 学務課長 就学援助の支給品目につきましては、国の要保護児童生徒援助費補助金の予算単価ですとか、都区財政調整制度の基準財政需要額の算定に用いられている単価を参考としております。これらを参考にしまして、社会経済状況に基づき、自治体ごとに支給費目の内訳や単価を決めており、世田谷区では支給品目の単価を要領にて定めております。 ◆たかじょう訓子 委員 今、答弁にありました要保護と準要保護児童就学援助費の積算というものが、ここにプリントがあるんですけれども、ここに、今、積算金額基礎となる一人当たりの金額が載っていまして、学用品費が一万五千六百九十円となっています。今、世田谷が一万五千六百六十円ですので、今、ちょっと、この基準より低いという状況はあります。ぜひそういった、この就学援助を受けている世帯の方というのは、やはり大変困窮しておられますので、少しの増額でも大変大きい影響があるというふうに思っています。  そういったことも踏まえ、見直しを今後また、消費税増税なんかも来年あると言われていますけれども、そういったタイミングでも、ぜひ見直しなどをしていただきたいというふうに思っております。いかがでしょうか。 ◎内田 学務課長 就学援助につきましては、学校教育法第十九条において、「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」と規定されており、支給基準や手続等は各自治体で設定し、実施することとなっております。世田谷区におきましても、こうした法の趣旨等を踏まえ、就学援助の支給基準や支給費目、手続等を世田谷区就学援助実施要綱に定め、実施しているところでございます。  就学援助の支給費目につきましては、先ほど委員のお話にありましたように、学用品、通学用品費を初め、学校給食費、修学旅行費、校外授業費、卒業アルバム費、進入学用品費などがございます。また、各支給費目の単価につきましては、先ほど申し上げたように、国の要保護児童生徒援助費補助金の予算単価や、都区財政調整制度の基準財政需要額の算定に用いられている単価を参考に、社会経済状況等に基づき、区において予算の範囲内で要領にて定めております。  今後とも、子どもの貧困対策の観点からも、社会状況の変化や学校生活の実態に対応できるよう、支給費目や支給金額を含め、就学援助のあり方についてはきめ細かく検討してまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 ぜひ検討いただきたいというふうに思います。  次に、修学旅行費について伺います。  現在、修学旅行費は、修学旅行そのものにかかる費用と、準備のためにかかる費用を就学援助でカバーしています。合計六万一千円が支払われています。この大きい金額の出費が大変厳しいとの声をいただいています。区として対応が必要だというふうに感じていますけれども、これについて見解をいただけますか。 ◎内田 学務課長 現在、就学援助の修学旅行費につきましては、中学校三年生に対して行事参加後に六万二百六十円を支給しております。また、修学旅行支度費として、修学旅行に参加するための準備とグループ行動にかかる経費等として八千五百円を支給しております。  この修学旅行費の支給時期につきましては、仮に諸事情により参加が取りやめになった場合の保護者の方の返金手続等の手間の問題、また、約半数の世田谷区立中学校が五月、六月に修学旅行を実施している状況等も踏まえた、毎年の就学援助申請から認定までの事務手続上の課題なども総合的に勘案して判断していく必要がございます。  委員御指摘の観点も踏まえ、就学援助のあり方につきましては引き続き検討してまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 これは本当に保護者の方から、就学援助を受けている方から、すごくいつも言われることなんですけれども、選べると。払い方が選べるというふうにおっしゃるんだけれども、それでも月六千円とかの支払いさえもきつい、積み立てをしておられるとかという話ですけれども、それでも大変きついという声も伺っています。ぜひこういった声を受けとめていただき、検討いただきたいなというふうに思っています。  次に、経堂図書館のことについて伺ってまいります。  平成二十九年四月より、経堂図書館の指定管理者による運営が始まりました。我が党は図書館の公共性の担保、それから、図書館の選書の問題、質の確保、それから、個人情報の漏洩などの心配、こういったことを問題点として挙げて対応を求めてきたところです。  七月に文教常任委員会で報告された指定管理者の事業報告書、それから、評価が報告されました。今回は我が党は、この問題意識をもとに質問をしてまいります。  まず一つ目は、経堂図書館の指定管理者による独自事業について伺います。  代表質問では、区が経堂図書館の指定管理者導入で何を期待したのかとただしたのに対し、指定管理者の創意工夫によって運営の効率化、図書館サービスの向上が図られることだと答弁がありました。  伺います。実際に行われた事業は期待に応えるものだったのか、伺います。 ◎松田 中央図書館長 指定管理者制度は、多様化する住民ニーズにより効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間事業者等が有するノウハウを活用することによって住民サービスの向上等を図っていくことを目的とした制度です。  区立図書館では、利便性の高い立地を生かしたビジネス支援など、特色ある施設運営を目指しまして、平成二十九年四月から経堂図書館で指定管理制度を導入いたしました。先ほど他会派の質問でも答弁させていただきましたけれども、窓口業務など図書館サービスや施設維持管理業務など、根幹となる施設運営につきましては円滑に行われておりまして、また、これに加え、新たに設置したビジネスコーナーにパソコンを持ち込んで調べ物ができる環境を整備し、新聞・雑誌コーナー、子どもコーナーを充実させるなど、事業者選定の際に業務要求水準書で示した考えに即しております。  また、これらの活用として、ビジネス支援に的を当てた講座を行い、民間事業者の発想によって施設活用と事業を経堂図書館のイメージとして特色づけたことも、指定管理者制度導入の一つの成果であると捉えております。 ◆たかじょう訓子 委員 今、御答弁いただきましたけれども、聞く限りでは区立図書館でもできたことではないかという印象があります。  次に、リスクについて伺っていきます。リスクの、まず一番ですね。公共性の担保について伺います。  選書は公共性担保の根幹であります。我が党は事業者には任せてはならないというふうに訴えてきました。実際、経堂図書館の選書はどこでやっているんですか。 ◎松田 中央図書館長 まず、区立図書館の選書につきましては各図書館ごとに行っておりますが、経堂図書館につきましては、中央図書館の職員が中央図書館の運営、それから、各担当事業を担いながら経堂図書館を担当する四名がおりまして、その四名の体制で選書を行っております。 ◆たかじょう訓子 委員 経堂図書館の選書を中央図書館がやっている理由は何でしょうか。 ◎松田 中央図書館長 図書館業務の中で選書は大変重要でございます。指定管理者制度の導入に当たりまして、図書館の公共性と専門性を担保するためにも、選書、レファレンスは行政の責任で行うものと考え、指定管理業務から切り離した運用ということで、こういった体制をとっております。 ◆たかじょう訓子 委員 大変すばらしいというふうに思っております。  図書館の対応について、体制はどうなっているのでしょうか。中央図書館での対応、選書に当たっての対応というのはどうなっているのでしょうか。 ◎松田 中央図書館長 先ほど申し上げました中央図書館の中の経堂図書館を担当する職員になっておりますけれども、実際の運用では経堂図書館の指定管理者が選書提案をする形をとってございます。中央図書館が、その提案資料の一つ一つについて可否を決め、選定を行っております。 ◆たかじょう訓子 委員 司書が行っているということでよろしいですか。 ◎松田 中央図書館長 必ずしも司書ということではございませんけれども、中央図書館の司書資格であるとか図書館での業務実績、そういったものを勘案しまして、複数での体制で選書をとる形をとってございます。 ◆たかじょう訓子 委員 今後、専門性、図書館の業務を行うに当たって、専門性のアップや人材育成が必要だという方針を望んでいるのかどうかというのを伺います。 ◎堀 教育長 今、中央図書館長のほうから話がありましたが、今回の経堂の指定管理の選書につきましては、今回の指定管理について私たちは初めて経堂図書館に導入しました。そのときは他自治体の指定管理ではなく、選書、レファレンスは私ども行政が直接担うという形で進めてまいりました。  今、中央図書館長が話をしたのは、その意味で、そうは言っても実務はお任せしておりますので、そこでリストアップしていただいたものを私どもが中央図書館のほうでやるという話です。  私ども第一線自治体には専門職としての司書はおりません。司書資格を持っている者もおりますが、全員ではありません。ただ、そのグループの中で上がってきたものをフィルターをかけて選んでいくということですので、選書については私どもが直接やっております。 ◆たかじょう訓子 委員 選書は、もう本当に公共性担保の根幹であります。ぜひ中央図書館が引き続き責任を持っていただきたいというふうに思っています。  リスク管理の二番目です。個人情報の取り扱いについて伺います。  七月に報告された指定管理者の事業報告書、評価を見ますと、個人情報等管理について三点満点中二点の評価でした。要求水準を満たしているという評価が二に当たります。この個人情報保護に関して、二点じゃないですね。もっといっぱいありますね。失礼しました。個人情報の保護に関して伺ってまいります。  まず一点、この評価ですけれども、調査はいつ、誰が、どのように行っているのでしょうか。 ◎松田 中央図書館長 今、委員のお話にありましたとおり、指定管理者制度運営に係る指針に基づく評価の中では、私どもはそういった評価をさせていただきました。  評価の方法でございますけれども、この指針にのっとる評価の方法は、基本的には報告書をもとにヒアリングでもって進めることとしておりますけれども、実際の、今お話にありました個人情報の取り扱いの運用につきましては、例えば対象となる帳票の保管の仕方であるとか、システム操作に関しましては、きちんとそういった操作者がかわるごとにログアウトする等の運用が徹底されているかなど、あらかじめ現場での運用を確認しておりまして、そういった確認を中央図書館の職員が行っております。 ◆たかじょう訓子 委員 確認はしているということですけれども、報告書などはないというふうに伺いましたけれども、これは区として評価や指標、それから、判断の基準というのがないということでしょうか。今あるんでしょうか。 ◎松田 中央図書館長 この指針に基づく評価におきましては、基本的に、先ほど申し上げたとおり、報告書をもとにした各所管での評価を、あらかじめ定められたフォーマットをもとに報告をするという形をとってございまして、各所管において、それぞれの運用の中で確認をとっておりますので、そういった決まったフォーマットというものは特に決まってございません。 ◆たかじょう訓子 委員 報告があったものは、事業者がセルフでモニタリングしたものを受けて区が確認をしているということですけれども、その確認の仕方について、ぜひ報告をしていただきたいというふうに思っています。  その内容の裏づけが認められないというふうに感じておりますけれども、どうでしょうか。 ◎松田 中央図書館長 裏づけというか、今、私が申し上げました、例えば経堂図書館において行っている管理方法については、報告の中でそれが表現されるわけではございませんけれども、そういった報告の、この指針に基づく評価につきましては、全ての指定管理施設について全て報告をするという報告形式をとっておりますので、そういった見方も含めて統一したフォーマットを利用しているという、そういったような考え方もあると思っておりますので、これは経堂図書館のみならず、また、個人情報のみならず、そういった報告の仕方、チェックの仕方等については全体的な課題ということでも捉えられますので、今後、関係所管のほうと情報交換をしながら考えてまいりたい、このように思っております。 ◆たかじょう訓子 委員 そうですね。区政の情報にかかわる、図書館だけの問題ではないというふうに思いますので、ぜひ検討いただきたいというふうに思います。  現時点で経堂図書館への指定管理導入で期待されたサービスというのは、サービス向上ですね。あと、運営の効率化、これが図られているかについては大きな疑問があります。しかし、今後、図書館運営について、この問題も私たちが持っている問題意識がありますけれども、適切な対応を求めます。今後、区は他の図書館でも積極的に指定管理を導入するというお話ですけれども、経堂図書館の実態を踏まえて慎重な対応が必要と申し述べておきます。  それでは、私からの質問を終わります。 ◆中里光夫 委員 私からは大場代官屋敷保存会の補助金事業について質問をしていきたいと思います。  一般財団法人大場代官屋敷保存会、これは世田谷区から文化財保護事業の補助金を受けています。補助金は団体からの申請に基づいて行われ、補助金要領によれば予算の範囲内で措置するというふうにされています。  この大場代官屋敷保存会というのはどのような団体で、この団体からの補助金申請の金額、そして、目的と使い道について伺います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 当該団体に補助金を交付しているということで御答弁差し上げます。  一般財団法人大場代官屋敷保存会は、歴史的建造物である世田谷代官屋敷や、伝来する古文書、什器等といった国の重要文化財や、東京都指定史跡、東京都指定有形文化財等の文化財を維持保存し、文化の発展に寄与し、後世に伝えることを目的として設立された団体であります。主な事業としましては、世田谷代官屋敷の維持保存に係る運営管理の業務や、伝来する古文書や書籍、絵画、什器等の文化財の維持管理、世田谷区の歴史に関する古文書等の資料の収集、不動産の管理等に関する業務などを行っております。  区では区民の文化的向上に資するため、文化財保護法及び東京都文化財保護条例に定める文化財の保全等を図るため、世田谷区文化財保護事業補助金を交付することを定めており、平成三十年度は一般財団法人大場代官屋敷保存会より、重要文化財大場家住宅及び東京都指定史跡世田谷代官屋敷の貴重な文化的、歴史的な遺産の維持管理、敷地内の環境整備を行い、一般に公開するための経費として、補助対象となる代官屋敷保存会が負担する経費二千五百万円のうち五百万円を補助金として申請を受け、交付することを決定しております。  補助金の対象となる経費の内訳としては、代官屋敷の防災・防犯対策としての警備に関する経費と、代官屋敷の公開に関する管理経費、敷地内の除草や清掃にかかる経費や、樹木の剪定等の管理にかかる経費といった環境整備費となっており、これらに必要な経費のうち五百万円を補助金として充当しているということでございます。 ◆中里光夫 委員 大場代官屋敷保存会設立の目的が、歴史的建造物である大場家旧代官屋敷、そして並びに同家伝来の古文書、古書、什器等、そして国指定の重要文化財並びに都指定の史跡及び有形文化財等を維持保存することにより、我が国の文化の発展に寄与し、かつ後世に伝えることを目的とすると。これは財団の定款に書いてある目的なんですが、大変立派な事業をしていると思います。  この財団の運営の収支の状況について説明してください。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 一般財団法人であることから、理事会において事業報告及び財務状況の報告がなされていることと考えておりますが、区としましては補助金の関係書類として事業計画書及び収支予算書等を確認しており、文化財の維持管理等の事業を適切に執行することができることを確認しております。  収入については公益会計、収益会計、法人会計とを分けており、公益会計の収入は国、地方公共団体からの補助金で、平成二十九年度は一千四百九十万円、平成三十年度は二千万円の収入を見込んでおります。これは区の維持管理に関する補助金五百万円に加え、現在取り組んでいる代官屋敷の耐震化事業に経費を要するために、国の補助金を臨時的に受けているものです。収益会計は財団が保有する不動産の賃借料が主な収入となっており、その他の雑収入などが法人会計となっております。  平成三十年度は収入に対して支出が多く、経常収支は赤字であるようでございますが、積立金などで充当されており、文化財の維持管理等の事業を適切に執行することができる財務状況であると考えております。 ◆中里光夫 委員 財務の状況の帳票も公開されているようですけれども、ここに、手元にもありますが、公益の会計、収益の会計、法人会計と三つ分かれて会計があると。この公益会計というのが、その収入がほぼ補助金の収入によるものだと。収益会計については、これは土地の賃貸料が主な収入となっているようでございます。  区役所の本庁舎整備のためにノバビルの敷地を本庁舎整備計画敷地に算入するという方針が出されています。この土地は一般財団法人大場代官屋敷保存会が所有していました。保存会は代官屋敷等、当時の資料などの保存、管理を行っていると。先ほど言ったとおり、そういった公益事業を行っています。都や区から年間千四百七十九万円、文化財保護事業などの名目で補助金も交付されています。このうち五百万円が区からの補助金だということでございますけれども、区は、この敷地の購入を希望して保存会と交渉を進めてきたと。しかし、区の報告によると、財団としては土地は売らない、交換なら検討する、こういう回答があったというふうに聞いていますが、区は交換の土地を提示したけれども応じてもらえなかったというふうにも聞いています。  ここに副区長がいますので、経過を御存じかと思うので確認したいんですが、大筋の経過として間違いないでしょうか。 ◎宮崎 副区長 今、委員のほうから御説明がありましたように、私どもとしては、公共的な施設ということもありますので、この土地の活用においては購入をしたいということで交渉を行ったわけでございますが、相手方の意向から、それは売りたくないということがございましたので、賃貸という形のもので一応結論づけたという状況でございます。 ◆中里光夫 委員 売りたくないということだったので賃貸だというお話でした。このノバビルの敷地は本庁舎敷地として、年間約千九百万円で貸借するというふうにも、借りるというふうに報告されています。大場代官屋敷保存会が、この世田谷区の土地を賃貸すれば年間千九百万円の収入になると。これは公益事業などに充てることができるわけですね。ところが、財団は八月一日に、突然この土地を手放して、ある不動産会社の所有となったと。等価交換だと言っているようですけれども、この点、事実を確認したいと思いますが。 ◎宮崎 副区長 文教所管でございますので一定の範囲でお答えしたいと思いますけれども、今回のその件につきましては、今おっしゃったように、相手方の意向によりまして、その相手方の賃貸の、区としての相手先ですね。そこについて買いたいという意向が示されました。 ◆中里光夫 委員 八月一日付でその所有が変わったということなんですが、交換したというふうに言っているわけですね。交換した片方の土地が年間千九百万円の収益を生む土地なのかと。つまり、今まで財団が持っていた、あのノバビルの土地は別の所有になって、そのかわりに財団は別の土地を交換で手に入れたということなんですが、その新しい土地が年間千九百万円の収益を一体生むのかどうか。財団としては、公益事業や財団運営を支える重要な収入、毎年千九百万円入る重要な収入をみずから手放した、放棄したと言ってもいいんじゃないかというふうに思います。  この交換が財団運営として適正だったのか。財団には評議員会や監査の仕組みがあります。適正な運営が行われているのかチェックの仕組みがあります。財団には毎年千五百万円もの税金が都や区からつぎ込まれています。その金額に匹敵する収益をわざわざ放棄したと。もう一方の手で補助金申請も行っていて、相変わらずその千五百万円の補助金は受け取ろうというふうになっていると。財団として適正な行為か調査を進めていきたいというふうに私どもは考えております。  区として財団に自助努力を求めるべきでないでしょうか。補助金を交付している所管として、財団のこのような運営についてどう見ているんでしょうか。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 私のほうから御答弁差し上げます。  先ほども申し上げましたとおり、平成三十年度につきましては収入に対して支出が多く、こういった状況ではございますが、文化財の維持管理等、事業を適切に執行できることの財務状況であることも確認されております。また、この補助金の目的でございます区民の文化的向上に資するため、文化財保護のほうの関係で、この形で区のほうにいろいろな面で今まで補助金の形で交付しております。  したがいまして、このような形で引き続き、区内の文化財の維持管理に適切に執行していただくことをお願いするという形で、適正である支出でございます。 ◆中里光夫 委員 適正であると言いますけれども、本当にそうなんでしょうか。よく考える必要があると思います。  実は、先ほどわかったことなんですが、この財団の保存会の理事に堀恵子さんという名前が載っているんですが、これは教育長ですか。 ◎堀 教育長 私です。 ◆中里光夫 委員 八月一日にこの土地を手放しているんですが、教育長はそのことをいつ知ったんでしょうか。 ◎堀 教育長 今の話はどういう御質問かなと思って、今考えているんですが、私どもは補助金という形で出しておりますので、庁舎建設のという一連の流れでのお話ではないと思いますし、そういう文教所管という形で、ことしも五百万円ですか、出させていただいておりますので、その範囲のお話だというふうに理解しています。 ◆中里光夫 委員 私の質問は、千九百万円、毎年収入がある土地を手放したと。財団が手放したと。そういう運営についてどうなんだろうかという話をしてきたわけです。理事である教育長が、そのことについて知ったのはいつなのかということをお尋ねしています。 ◎堀 教育長 そういうことについて、私は財団の理事ではありますが、その関連までは聞いておりません。五百万円の補助金を支出するということでのお話をさせていただいております。 ◆中里光夫 委員 というと、土地の取引があったということについては知らなかったということですか。 ◎堀 教育長 私の所管は教育ですし、今お話し申し上げている五百万円の範疇でのお話ですので、今の話は存じておりません。 ◆中里光夫 委員 理事としてどうなのかということをお尋ねしているんですが、この千九百万円、年間利益を生む土地、これは八月一日に所有者が移ったと。この財団の執行理事ですよね。業務を執行していく役割を担っている理事が知らなかったという発言は、大変驚くべきことなんですが、議会にも報告はありませんでした。こういったことは意図的ともいうふうには考えたくないですけれども、不信感が拭えない状況です。この後は領域も異なるので補充で質問していきたいというふうに思います。  では、次の質問に移ります。  全国学力テストなどについて質問します。  全日本教職員組合、全教が全国学力・学習状況調査、都道府県、政令市、市町村が独自に行っている学力テストについて実態調査アンケートを全国で行いました。アンケートを通じて、全国で悉皆調査、全員に、全部の子どもに対する調査ということですね。悉皆調査と平均正答率の公表を可能としていると。子どもも教職員も競争にさらされ、教育活動にゆがみをもたらしている。全国で四割を超える学校で事前の特別な指導を行っていた。そのうち七割を超える学校で過去問題の指導も行っていた。これは全国の状況ですが、こういった教育をゆがめるような実態があるんじゃないか、競争に駆り出されているんじゃないか、そういった実態が出されております。  また、現場にも大変な負担になっています。世田谷の教職員組合が現職の先生方にアンケートをとった資料をちょっとお借りしてきたんですが、例えば学習習得確認テストは実施するが、設定する時間がとれず、健康診断の割り当て日と重なって多くの職員は間に合わない、それから、全国学力状況調査や学習習得確認調査、これは全国のものと都のものですね。そして学力調査、世田谷区のものもあります。これが調査ばかり多くて時間とお金の無駄だ、非常に大変だ、こういった声が現場の先生からも出ています。  私たちは国が行う全国学テ、これはやめるべき、かつ、以前行っていたような抽出調査に戻すべきだというふうに考えています。全国が行うのに加えて東京都もやっているし、さらに世田谷区もやっている、ほぼ全ての学年で行われている、悉皆調査が行われている、全員が対象だと。  区が独自にこのテストを行う目的は何なんでしょうか。 ◎加藤 副参事 学力調査の一番の目的としましては、児童生徒一人一人の基礎学力の習得状況と、それを活用した思考力、判断力、表現力等を把握、分析し、学力向上に向けた授業改善や学習指導に役立てることであるというふうに認識しております。このことを継続して進めることで、特に四月に行っております区の調査におきましては、学び合いや各学校のPDCAサイクルにのっとって学力向上につなげているというふうに認識しております。 ◆中里光夫 委員 全員に行う悉皆調査でやる必要はないと思います。せめて世田谷区はこれをやめるとか、抽出調査に直すとか、改めるべきだということを申し述べて、私の質問を終わりにします。 ○河野俊弘 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、無所属・世田谷行革一一〇番・プラス、どうぞ。
    ◆田中優子 委員 最後になりましたので、頑張ってまいりたいと思います。  無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの質問を始めます。  まず最初に、最初はパネルと関係ありませんので、性教育について、助産師会の取り組みを全校に広げようという提案をさせていただきたいと思います。  他会派の委員からも性教育への提案がなされていますが、それは、今の区立小中学校での性教育では全く不十分だからという共通認識があるからだと思います。  私は、先日、公益社団法人東京都助産師会世田谷目黒地区分会に所属していらっしゃる助産師の方々と意見交換をさせていただく機会がありました。日々妊婦さんや産婦さんとかかわっている方々ですけれども、そこで出ていたのは、日本人は余りにも自分の体のこと、性のことを知らな過ぎる、大人になっても全然わかっていないという御意見でした。それは子ども時代にきちんとした性教育が行われていないからということです。  先月も新聞各紙で報道されていましたけれども、都内の公立中学校の校長先生を対象とした調査においては、生徒は正しい性知識を身につけていると思うと答えた校長は五二%、半数にとどまっています。逆に、指導要領外の性教育も必要であると思っている校長が半数近くいることもわかりました。有識者たちも避妊など幅広く教える必要があると言っていますし、先日お会いした助産師さんたちも、避妊を教えてはいけなくて、どうやって性感染症を防ぐことが教えられるのかと、今の学習指導要領に対する疑問と矛盾を突いていました。もう何十年も前から今の性教育ではだめだと言い続けているのに、何も変わっていない、全く進展が見られないのはどういうことかと嘆いておられました。私も全く同感であります。  〝人間と性〟教育研究協議会代表の浅井春夫立教大学名誉教授は、日本の性教育は国際的に見ても大変おくれており、現実に沿った内容が必要である、東京都教育委員会は本当に必要な手引などをつくっていくべきだと述べていらっしゃいます。  このように、日本の性教育が駄目な根本には、きちんと教えてはいけないとなっている今の学習指導要領の問題があります。しかし、現場では学習指導要領を超えた内容、避妊法や人工妊娠中絶、性交について教えている学校も実はあります。都の教育委員会では、何が何でも絶対に指導してはならないと言っているわけではなく、保護者の理解と了解を得られた生徒に限りという注文はつけてはいますけれども、実施はできるわけですね。必要なことは現場に任せればよいのです。  その現場ですが、学校の先生が教えるというのは無理、もう無理だと断言いたします。私自身、中学校の保健体育科の教員をしていた経験から申し上げますけれども、日常的にかかわっている生徒を相手に、非日常である性をそこに持ち込んで指導するというのは非常にやりにくい。本当にやりにくいです。ですから、どうしてもお互いに照れも出てくる。  ですから、性教育というのは全て専門家の外部講師に適切にやっていただくべきだというふうに、私は主張したいと思います。先生はその外部講師に丸投げということではなくて、フォローに回ればいいと思います。発達段階に応じた生徒の環境など、わかっているのは学校の先生のほうでありますから、そうして一緒にやっていけばいいと思うんです。  そこで伺いますけれども、保健所では性教育のために助産師さんなどを学校に派遣していると思いますけれども、今現在の派遣状況を予算も含めお聞きします。 ◎青木 教育指導課長 世田谷保健所と連携し、助産師等をゲストティーチャーとした命と性の健康教育は、命の大切さと思春期の性に関する心と体について生徒がより深く学習するために、区立中学校で実施しております。平成二十七年度に四校、平成二十八年度に六校、平成二十九年度は七校が実施しており、本年度は現在のところ四校で実施予定でございます。  また、学校独自に助産師会と直接委託して実施している学校もございます。予算につきましては、二時間の講座で二名の助産師を派遣しており、以降、一回当たり四万円となっております。本年度につきましては世田谷保健所が九校分の予算を組んでおります。 ◆田中優子 委員 今、区立中学校というのは二十九校ありますよね。その中で、今、報告があったのは、たったの数校ですか。私が二〇〇二年、もう十六年も前になりますけれども、性教育について詳細、いろいろ提案させていただいたり、質問したことがあるんですけれども、ほとんどそのときと状況は変わっていないですよ。これにはもう本当に愕然とする次第です。  助産師さんたちは今の性教育の実態を本当に心配していらして、小中学生のときにしっかりした性教育を行わないことで、先ほど来、他会派の委員からもありましたけれども、望まない妊娠や性感染症に罹患するだけでなく、男女ともにゆがんだ性のあり方を学校以外のところで学んでしまう、男女平等から、人権からかけ離れた感覚を身につけてしまうという悪い影響が及ぶわけです。そうしたことから、生涯においてパートナーとよい関係が築けずに、人生そのものが不幸になることもあるというのです。これもおっしゃるとおりだと思います。  とにかく一刻も早く、助産師さんや保健師さん等の外部講師を、全校です。全校に派遣して、世田谷区の区立小中学校における性教育をしっかりしたものにしていく必要があると考えます。そのための予算は保健所に任せているだけではなく、教育委員会としてもつけるべきではないでしょうか。区の見解を伺います。 ◎青木 教育指導課長 医師や保健師、助産師等の外部講師を招聘して授業等を実施することは、児童生徒の性に関する正しい理解を深め、性教育を推進するために効果的であると考えております。現在、助産師の派遣を東京助産師会に依頼しておりますが、例年学校の立てる年間指導計画に沿って実施されますので、派遣時期がどうしても集中している現状があり、講師を確保することが難しい状況もあると伺っております。  教育委員会といたしましては、予算も含め、世田谷保健所と連携を進めるとともに、本年度中に改定が予定されております東京都の「性教育の手引」の内容を踏まえ、校長会、世田谷区中学校研究会等と連携いたしまして、世田谷の子どもたちの実態に即した性教育の内容について検討してまいります。 ◆田中優子 委員 この性教育に関しては各学校に任せるのではなくて、教育委員会がある程度主導して、学校現場できちんと教える環境というものを主導して整備していかなければいけないと考えております。助産師さんたちとともに、もっと学習の機会をふやしていくように、ぜひしていっていただきたいというふうに思います。  次に、新・才能の芽を育てる体験学習について伺います。  まず、その中のメーンと言われていますドリームジャズバンドについてですけれども、昨年、日野皓正氏による生徒への暴力事件が起こり、保坂区長と世田谷区教育委員会の毅然としない対応に心底失望し、大きな疑問が残ったまま本年を迎えました。  区としては、さすがに、二度とあんな事件が起こったら大変だということで、せたがや文化財団に委託しているとはいえ、これまでとは違い、人をふやして手厚いケアをしたり、区の職員を派遣して様子を見に行ったりと、相当な苦労をして見守ってきたと私も聞いております。  さすがにことしは何もないだろうとは思いましたが、一応私も見に行きました。そうしましたら、日野皓正氏は、司会者とのトークの際だったと思うんですけれども、こうですね。往復ビンタを四回。エアビンタですけれども。(「エアビンタ」と呼ぶ者あり)はい。このエアビンタをやったり、足蹴りのふりをしたり、げんこつをこうやって振りかざして、こんな動作もあったように私は記憶していますが、これを舞台上で行ったんですね。一瞬、目を疑いました。  日野氏は昨年の暴力事件を、そうすることで茶化していたのでしょう。大したことないのに大騒ぎされちゃったよなとでも言いたかったんでしょうか。(「そうです」と呼ぶ者あり)そうですという何か声も聞こえましたが、私は、ああ、日野さんは本質的には何も反省していないのだなと、正直、大変気持ちが重くなりました。  ことし体操選手に対し往復ビンタをしてコーチが処分されるという事件がありました。処分された体操の速見佑斗コーチは、きちんと謝罪し、反省し、そのことを記者会見でも述べておられました。日野氏のほうはどうかといいますと、日野氏をしっかり反省させられなかったのは、世田谷区教育委員会が日本体操協会のように、指導者による暴力は、たとえ被害者が暴力を許容したとしても協会として許容することはないというような毅然とした態度を日野氏にとらなかったこと、それが原因だと思います。ですから、ああいう行動に出てしまっても、それは日野さん自身だけのせいではないのだろうというふうに思いました。  そして、世田谷区教育委員会がそんな日野氏の行動に何の疑問も持たず、むしろほほ笑ましく、すばらしいコンサートだった、盛り上がったねと見ていたとしたら、その無神経さには鳥肌の立つような思いがいたしました。  そのようなことしのドリームジャズバンドコンサートを区教育委員会はどのように評価しているのか、まずお聞きします。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 昨年度の事案につきましては、教育委員会といたしましては重く受けとめ、再発防止に取り組んでまいりました。今年度は今までに増して日野皓正氏を初め、関係者、関係所管とその都度丁寧に打ち合わせをし、情報共有を図りながら、ワークショップに従事するスタッフをふやし、進めてまいりました。  本年度のドリームジャズバンドワークショップは、子どもたちは初参加の方を含めて一生懸命練習をして、二十五回以上の活動を経てコンサートに臨み、八月十九日に無事終了いたしました。  今後も子どもたちがみずからの才能や個性に気づくとともに、将来の夢や目標を発見し、たくましく成長することを願って、新・才能の芽を育てる体験学習を進めてまいります。 ◆田中優子 委員 やはりことしのドリームジャズバンドコンサートは無事終了という評価でしたね。無事終了というのは何事もなく終わったということなんですよね。  大変確かに盛り上がりました。日野さんも力を入れて、ことしはもう盛り上げるぞというのが、もうがんがん伝わってきました。そういう意味では。しかし、教育委員会の中には誰一人、ああ、日野さん、あれはまずいと思った方はいらっしゃらなかったんですか。そうだとしたら教育委員会自体、もう感覚がおかしくなっているとしか思えません。そのことを反省していただきたいということを申し上げておきます。  そんなドリームジャズバンドを代表的なイベントとして掲げている新・才能の芽を育てる体験学習ですけれども、まず、今年度の事業内容や予算、決算の確認をしたいと思います。  こちらは昨年も同じようにつくったんですけれども、今年度は全体の予算は千六百万円、正しくは千五百八十二万円なんですが、昨年は一千五百万円だったので、約百万円ふえています。それを円グラフであらわしますと、千六百万円のうちのドリームジャズバンドに使っているのは、昨年と同様、一千七十八万円です。全体のバランスは総額がふえた分だけ、昨年は七二%だったけれども六八%と、少し下がってはいます。しかし、相変わらず七割、ほぼ七割はドリームジャズバンド一つだけで使っていますね。ほかには全部で十七事業ありまして、ここは十四事業まとめてあります。  二つ抽出したのは、少しおもしろい講座が今回あるなと思いまして、ドローン講座。これは七万円、対象四十五人。プログラミング体験講座は、昨年物すごい倍率、五十倍以上の倍率だったものを、今回は6回講座を開いて五十万円の予算でやったということで、この二つの特徴的なものを挙げると三・六%なんですね。予算を使っているのが。その他、十四事業で四百四十七万円、二八%。その他の十六、全部合わせても三割程度、三〇%ぐらい、三二%ですか。その予算の配分となっています。  そして、ドリバンですが、昨年よりもパーセンテージが低くなったとはいえ、対象者を見れば、一人に対して使っている予算は上がっているんです。昨年は四十人がコンサートに出ていました。ことしは三十三人。昨年は一人二十七万円ぐらいでした。ことしは約三十三万円、一人にかかっています。  ほかを見てみますと、その他の事業で特徴があるものは、例えばドローン講座は一人千六百円ですよ。プログラミング体験講座、物すごく人気のあるというやつ。一人二千四百円程度です。もうこれはアバウトに回数と人数で割っただけではありますけれども、そんな状況で、あとは将棋。昨年は物すごく将棋がはやりましたけれども、将棋の講座もありますし、デザイン講座とか、国際理解講座とか、幾つか工夫された内容がありますが、何といっても、なぜ一つの事業でこんなにですよね。幾ら何でもという、こんな状態になっています。  ここではドリバンについて詳しく検証したいと思うんですけれども、この三年間のドリバンの申込者数、そして、実際参加した数というのはどうなっていますか。お答えください。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 過去三年でございます。平成二十八年度におきましては新規の方が二十二名、継続の方を合わせると四十三名、二十九年度におきましては新規が二十名、継続を合わせて四十名、平成三十年度におきましては新規が十五名、継続を合わせると三十三名という状況でございます。 ◆田中優子 委員 つまり、二年間で参加者マイナス十人なんですよね。四分の三の人数に減っているということです。しかも、ことしの新規十五名というのは、そのうち四名は再募集をかけてやっと集めたというふうに聞いていますけれども、それは事実でしょうか。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 そのとおりでございます。 ◆田中優子 委員 もしこのドリバンが、例えば応募がもう毎回何百名もあって、その中から二十名選ぶんですよというような、競争率がとても高い人気のイベントであるというのであれば、多くの生徒が楽しみにしているんだ、貴重な事業だというのであれば、ここまで割合を占めているというのもわからなくはないかもしれません。でも、区立小学校六年生全員、区立中の中学一年、二年生全員、合計で一万二千名ぐらいですか。一万二千名ぐらいが対象でしょうか。チラシを配っている。そこまでしても集まらない、再募集をかけなければ人が足りない。何でそこまでしてやらなきゃいけないんだろうと。これはもう本当に素朴な疑問です。  しかもですよ。やっと集めたんだけれども、今回の三十三名の中には、本当はこの楽器じゃなくて違うのがやりたかった、でも、ちゃんと集まらなかったから、申しわけなかったけど違う楽器に回ってもらったよね、頑張ったよねという生徒さんもいたりして、何かそんなに無理してやらなきゃいけないっておかしくないですかと私は思いました。  ちなみに、この才能の芽の事業の中で競争率の高いものですね。募集割れというのは、ひどいのはドリバンなんだけれども、競争率が高いものというのはどんな事業でしょうか。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 平成三十年度におきましては、かけっこ教室というものがございまして、こちらにつきましては定員三十名のところ四百三名の応募がございまして、十三・四倍、プログラミング体験講座という事業につきましては定員二百十名に対して二千七百八十名の応募がありまして、十三・二倍、国際理解講座、こちらにつきましては、定員四十五名に対して四百六十二名の応募がございまして、十三・三倍。 ◆田中優子 委員 そのように大変倍率の高い講座もあるんですよね。だったら、これは、もうちょっとだけ、もうちょっと減らすだけで、どれだけ多くの子どもたちがそういう人気の、倍率の高い講座に出られるでしょうか。それこそが税金の使い道なんじゃないかなと思うわけですね。  では、ここ三年間のドリームジャズバンドコンサートの入場者、聞きに来た人の数を教えてください。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 過去三年ということでございます。平成二十八年度が五百六十四人、平成二十九年度が四百九十三人、そしてことし、平成三十年度が四百六人でございます。 ◆田中優子 委員 二年前に比べると百五十八人、約三割も減っているわけです。聞きに来ている人も。  では、ドリバンスタート時の第一回目、十四年前になりますが、そのときの参加人数と決算額というのはわかるでしょうか。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 ちょっと手元に正確な数字がありませんけれども、恐らく四十人から五十人の規模で八百万円ぐらいということで行っているというふうに推測しております。 ◆田中優子 委員 平成二十七年度、二十八年度の決算額は八百三十八万円なので、恐らくスタート当初からそのぐらいでやってきたのかなというふうに、今の答弁を聞いても思うんですね。  なぜか昨年、突然一気に二百四十万円も値上げしているわけです。そして一千七十八万円になりました。値上げした二百四十万円増の内訳というのは、ワークショップの講師料、これが二百万円プラス、楽器リース料や修繕費が四十万円ということですが、生徒の数は減っているというのに、この値上げというのはどういうことなんだろうと。普通の感覚ならそう思うのではないでしょうか。  また、もし講師の方々が、ほかではもっと稼げるのにここに安く来てあげているんだよというのであれば、この予算でも来てくれる講師って、プロだって幾らでもいると思うんですよ。でも、日野皓正氏のイベントだから、その関係者じゃなければ講師になれないような特権化されたイベントになってはいないだろうか。税金で開催されているものなのに、自分たちのイベントという意識が支配しているのではないか。  長年やっているということには、積み重ねによる伝統が生まれたり、きずなが深まったり、とてもいいこともたくさんありますが、その一方で、既得権益が生まれたり私物化されたりという欠点も出てくるものであります。私は、残念ながらドリバンは後者のようなことになってはいないかと心配しています。十四年前のスタート当初からすると、ドリバンにかかわっている方々、参加者等々の意識が少しずつ変わってきているのではないかというふうに感じています。  ここでまた、かけている税金の話に戻りますが、その他の事業の平均は、ここを全部合わせると大体一人六千六百円ぐらいなんですね。中には金額が高いものもあります。例えばデザイン講座というのが、これは一人に対して二万二千五百円ぐらいかかっているそうです。それから、写真体験講座、これは一万四千円ぐらいというふうに聞いております。ここですね。中にはそういう、一万円から二万円ちょっとかかっているものもあるんですけれども、それにしてもドリバンの一人三十三万円って余りにもじゃないですか。幾ら目玉の事業であるといっても、偏り過ぎではないかというふうに思います。  区では、ここまで偏っていることに対し、誰一人疑問に思わず、全く教育委員会の中では、そういう議論とか、意見とか、声とかは出ていないんでしょうか。先ほど検証したように、参加している生徒の人数も観客も減っているんです。観客は三割も減っているし、生徒も参加者も二五%減っています。これで同じ規模の予算を使うのはいかがなものか。区民が知ったら理解は得られないと思います。  来年度は予算額を縮小すべきではないかと思いますが、見解を伺います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 本事業につきましては、昨年度の事案について教育委員会内部でも重く受けとめながら、ドリームジャズバンドを含めて常に子ども自身が、みずからの才能や能力に気づくような体験ができるような取り組みを目指して進めてまいりたいと考えております。 ◆田中優子 委員 済みません、教育委員会内ではドリバンの予算の偏りについての議論は出ていないのかということと、人数が減っているんですから予算規模も少しは縮小すべきでないかということを聞いているんですね。それについてお答えいただきたいと思います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 先ほど申し上げましたが、この事業の趣旨にのっとりまして、本日現在、縮小すべき等の議論には至っておりません。 ◆田中優子 委員 税金ですよね。税金なんですから。私は、多少のめり張りはあっていいと思っていますよ。これまでもドリバンはスタート当初、すごいイベントが始まったなというふうに思いましたし、感動もしてきましたし、いいと思ってきました。ドリバン自体をなくしてしまえ、廃止してしまえとは言っていませんし、客観的に見て、決算委員会ですから、この税金の使い方、これを見てどうなのというところで話をさせていただいているわけです。  もう既に教育委員会のほうは予算要望を一千七十八万円で出しているのかもしれませんけれども、まだまだ修正はできるはずです。区民の普通の感覚に立って再考を求めたいと思います。  それから、最後に、職員の懲戒処分について伺います。  今週の火曜日に文教常任委員会が臨時で開かれました。二子玉川小学校の教員が痴漢行為で逮捕され、懲戒免職となった事件について詳細な報告がそこであったと聞いています。その際、堀教育長からも、都教委の発表をもって児童、学校関係者等、議会にも報告することとしたが、もっと早い段階で一報すべきだった、判断が甘かったと反省しているというような、これは議事録どおりではありませんけれども、そのような趣旨の謝罪があったというふうに会派の議員から聞いております。  教員は東京都の職員ですから、建前上は区が処分を決めるわけではありません。しかし、逮捕された時点で議会に第一報はあるべきだと思いますし、小学校二年生でしたっけ、児童はともかく保護者に対して、体調不良で先生は学校に来ていません、休んでいますと説明したことは、それはうそになりますから、事実を隠蔽した、そういうようなことは信頼をなくす行為です。絶対にやってはいけないというふうに考えます。  では、ここで伺いますが、区の職員には今年度になって、十月のきょうの時点までの時点で結構ですけれども、セクハラをしたと認定されている案件というのはありますか。ここは区長部局ではないので、わかる範囲で結構です。教育領域に限ってでも結構です。そういう案件はあるでしょうか。 ◎淺野 教育次長 区長部局とも関連する事案ですので、私のほうから御答弁させていただきます。  処分内容につきましてなんですけれども、具体には懲戒処分の公表基準というものもございますので、この場で実際にどういうものがあるとか、ないとかという部分につきましては、今の御質問につきましてですけれども、御答弁は控えさせていただきたいと思います。 ◆田中優子 委員 個別のこととか内容を言えとは言っていないんですね。認識している案件があるかどうかだけ聞いているんですけれども、数を言えとも言っていませんし、それはいかがですか。 ◎淺野 教育次長 職員の懲戒処分につきましては、これは区で定めているものですが、懲戒処分の指針というものがございまして、公表しない事案等が決まっておりますので、そこを踏まえての御答弁をさせていただいております。あと、詳細の内容につきましては、今、手持ち等もございませんので。(「内容は聞いていないよ」「何のために委員会をやっているんだよ」と呼ぶ者あり) ◆田中優子 委員 おかしいですよね。本当に何のために委員会をやっているんだよというのが、ほかの委員からも出ていますけれども、あるかないかというだけですよ。ほかに何件だとか内容なんて聞いていない。それすらも答えられない。何ですかね、それね。そんなことは議会で答えちゃいけないなんて決まりが、指針があるんですか。  では、区の職員が服務規程に違反した場合の懲戒処分にはどんなものがあるか、説明をお願いします。 ◎淺野 教育次長 区の職員が規程に違反した場合ということ、懲戒処分ですが、地方公務員法第二十九条で四種類ございます。戒告、減給、停職、免職の四つございます。 ◆田中優子 委員 では、例えばセクハラと認定された場合はどのような処分が科せられるか、可能性をお答えいただけますか。 ◎淺野 教育次長 セクハラのことですが、懲戒処分の指針、これは人事のほうで定めてございますけれども、こちらにつきましては、程度によりますが、免職又は停職、停職又は減給であるとか減給又は戒告等の、地公法上の処分としては以上です。 ◆田中優子 委員 では、セクハラと認定しても懲戒処分を受けない場合というのも考えられますか。 ◎淺野 教育次長 地公法上の懲戒処分としては以上です。それから、処分以外に事実上の指導注意ということで、訓告、厳重口頭注意、口頭注意というものがありますが、これは処分ということではありませんので、それ自体で不利益な取り扱いをするということはありません。 ◆田中優子 委員 済みません、ちょっと最後がわからなかったんですけれども、セクハラでも、要するに懲戒処分ではない、今おっしゃったもので済ませる場合もありますかという質問なんです。 ◎淺野 教育次長 懲戒処分というのは地公法に基づく重たい処分ですので、それによって当然のことながら不利益をこうむるということですので、それに当たらない場合は事実上、注意するということになるものもあります。 ◆田中優子 委員 今回なぜこのような確認の質問をさせていただいているかといいますと、某世田谷区立中学校において一カ月以上、女性副校長が休職をしている。休んでいたんですか。ということで、生徒、保護者たちはそのことを知っていますから、何かあったということはわかっているんですね。そういう状況が起きていましたというか、いるんですかね。  しかし、教育委員会の対応がよくなかったのか、私は、そこら辺はよくわかりませんけれども、多くの保護者や地域の方々が区の説明には納得できず、ただただセクハラを隠蔽しようとしているのではないか、処分が甘いのではないかと、区教育委員会に対し不信感が募っているようです。  個別の事案なので質問はいたしません。これ以上は言いませんけれども、大切なのは、何か起こったときに事実をオープンにして関係者にきちんと伝え、明らかにすることではないですか。そうすることで、やっと風通しのよい教育環境というものがつくられるんだと私は思います。  このように現場の人たちが教育委員会に不満や不信感を募らせるようなことが起こってはいけないというふうに私は思うんですよ。何でそういうことになってしまったのかなと。二子玉川の事件にしても、何か言い方によれば隠蔽していたのととれなくもないです。  だから、絶対にそういうことのないように体質を改めていただきたい。具体的なことが起こったときこそがチャンスなので、ぜひとも今後そのようなこと、保護者や地域の方々、児童生徒もそうですけれども、議会も同じです。不信感を持たないようなオープンで風通しのいい教育委員会であってほしいということを申し上げまして、無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後五時五十八分散会...