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平成30年  9月 決算特別委員会-10月02日-02号

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  1. 世田谷区議会 2018-10-02
    平成30年  9月 決算特別委員会-10月02日-02号


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    平成30年  9月 決算特別委員会-10月02日-02号平成30年 9月 決算特別委員会 平成三十年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第二号 日 時  平成三十年十月二日(火曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十七名)    委員長       河野俊弘    副委員長      高久則男    副委員長      桜井 稔              安部ひろゆき              石川ナオミ              おぎのけんじ              加藤たいき              上島よしもり              上山なおのり              菅沼つとむ              畠山晋一              真鍋よしゆき              山口ひろひさ              山内 彰
                 ゆさ吉宏              和田ひでとし              板井 斎              岡本のぶ子              河村みどり              佐藤弘人              高橋昭彦              津上仁志              平塚敬二              諸星養一              風間ゆたか              中塚さちよ              中村公太朗              羽田圭二              藤井まな              江口じゅん子              たかじょう訓子              中里光夫              村田義則              大庭正明              そのべせいや              田中優子              桃野よしふみ              阿久津 皇              小泉たま子              佐藤美樹              高岡じゅん子              田中みち子              あべ力也              上川あや              すがややすこ              ひうち優子              青空こうじ  出席事務局職員           議事担当係長 岡本俊彦  出席説明員   区長             保坂展人   副区長            宮崎健二   副区長            岡田 篤   世田谷総合支所 総合支所長  平澤道男           保健福祉センター所長                  皆川健一   北沢総合支所  総合支所長  髙木加津子           保健福祉センター所長                  木本義彦   玉川総合支所  総合支所長  岩元浩一           保健福祉センター所長                  山田 実   砧総合支所   総合支所長  澤谷 昇           保健福祉センター所長                  若林一夫   烏山総合支所  総合支所長  西澤 滋           保健福祉センター所長                  清水昭夫   政策経営部   部長     岩本 康           財政制度担当参事                  松永 仁   総務部     部長     中村哲也           総務課長   菅井英樹   庁舎整備担当部 部長(施設営繕担当部長兼務)                  松村浩之   危機管理室   室長     工藤 誠   財務部     部長     進藤達夫   施設営繕担当部 部長     松村浩之   生活文化部   部長     田中文子   地域行政部   部長     志賀毅一   スポーツ推進部 部長     内田政夫   環境政策部   部長     畝目晴彦   経済産業部   部長     久末佳枝   清掃・リサイクル部           部長     原田茂実   保健福祉部   部長     板谷雅光   障害福祉担当部 部長     松本公平   梅ヶ丘拠点整備担当部           部長(保健福祉部長兼務)                  板谷雅光   高齢福祉部   部長     瓜生律子   子ども・若者部 部長     澁田景子   保育担当部   部長     知久孝之   世田谷保健所  所長     辻 佳織   都市整備政策部 部長     渡辺正男   防災街づくり担当部           部長     関根義和   みどり33推進担当部           部長     笠原 聡   道路・交通政策部           部長     小山英俊   土木部     部長     五十嵐慎一           豪雨対策推進担当参事                  桐山孝義   会計室     会計管理者  菊池弘明   教育長            堀 恵子   教育委員会事務局           教育次長   淺野 康   教育政策部   部長     工藤郁淳   生涯学習部   部長     花房千里   選挙管理委員会事務局           局長     鈴木孝之   監査事務局   局長     山本茂孝     ────────────────────
    本日の会議に付した事件  認定第一号 平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定  認定第二号 平成二十九年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第三号 平成二十九年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定  認定第四号 平成二十九年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第五号 平成二十九年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定 (総括説明、総括質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○河野俊弘 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 なお、本日、遅参の届け出がありますので、御報告いたします。  遅参者は山口委員、以上であります。  本日から、当委員会に付託されております平成二十九年度決算認定五件の審査を行うわけでありますが、さきに決定しております運営方針に基づき委員会の運営をしてまいりますので、委員並びに理事者の皆様の御協力のほどよろしくお願いいたします。  さて、本日は、まず区長より挨拶をしていただき、引き続き政策経営部長より総括的な説明を受けた後、各会派の質疑に入ります。  それでは、区長の挨拶をお願いいたします。 ◎保坂 区長 おはようございます。決算特別委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げます。  本日より平成二十九年度世田谷区各会計歳入歳出決算について御審議いただくわけですが、平成二十九年度の財政状況は、歳入では、特別区税がふるさと納税による大きな影響や特別区たばこ税の減により、前年度比で微減となりました。  歳出では、私立保育園運営費等の子ども関連経費や小学校の改築経費などが増額となり、前年度比で増となっています。  財政健全化判断基準につきましては、平成二十九年度におきましても、引き続き健全な状況を維持いたしましたが、将来の財源需要に応えられるよう、財政運営の持続可能性を今後も確保していくことが重要です。  決算状況の詳細については、この後、政策経営部長より説明させていただきますが、この委員会の御審議の中で委員の皆さんからいただく御意見、御提案につきましては、今後の区政運営に生かしてまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。  本日より長期間にわたる委員会になりますが、委員の皆様には御体調に留意いただきながら、御審議をいただき、御認定賜りますようお願い申し上げまして御挨拶といたします。 ○河野俊弘 委員長 以上で区長の挨拶は終わりました。  次に、政策経営部長より説明をお願いいたします。 ◎岩本 政策経営部長 おはようございます。平成二十九年度世田谷区各会計歳入歳出決算の概要につきまして、お手元の「世田谷区各会計主要施策の成果」に沿いまして御説明をいたします。  まず、三ページをお開きください。初めに、平成二十九年度の財政運営の概要について御説明いたします。  平成二十九年度の我が国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復が続いたものの、都内及び区内の景況感においては、実質賃金や個人消費が伸び悩むなど、経済の好循環の実現が十分に進展していない状況となりました。  このような経済情勢の中、世田谷区においては、新たな基本計画の四年目を迎えるとともに、新実施計画(前期計画)の最終年度であることを踏まえ、子育て・若者支援や高齢者・障害者施策、災害対策の強化や自然エネルギーの活用など、基本計画に掲げる重点政策を積極的に展開することを基本に区政運営に取り組んでまいりました。  平成二十九年度の一般会計当初予算額は、歳入面では、利子割交付金や配当割交付金など各種交付金の大幅な減などに対応するため、五年ぶりに財政調整基金からの繰り入れを行いました。また、特別区税は、ふるさと納税による大きな減収を見込みつつも、納税者数の増などを踏まえ、微増としたほか、特別区交付金が基準財政需要額の伸びによる配分割合の増加などにより、また、特別区債が小学校改築経費の増などに伴い、それぞれ増額となりました。歳出面では、梅ヶ丘拠点整備の用地取得費が減となったものの、小学校改築経費や玉川総合支所・区民会館の改築経費、私立保育園運営費等の子ども関連経費や社会保障関連経費などが増加しました。これらにより、一般会計当初予算額は二千九百八十七億九千四百万円、前年度当初予算比で八十二億八百万円、二・八%の増となりました。  その後、保育施設運営費の増や障害者施設の防犯対策強化、小田急線駅周辺まちづくりの整備、衆議院議員選挙及び最高裁判所裁判官国民審査の執行、梅ヶ丘拠点整備費や障害者自立支援給付費の増などに対応するとともに、今後の大規模な公共施設整備などの財政需要に備えた基金への積み立てなど、三次にわたる補正を行いました結果、平成二十九年度の一般会計最終予算額は、三千六十四億七千万円となりました。  それでは、一般会計の決算について御説明をいたします。四ページをお開きください。  なお、決算額などの金額は、百万円未満を四捨五入した概数で申し上げますので、御了承いただきたいと存じます。  第1表、一般会計実質収支前年度比較をごらんください。表左の区分の欄上段、丸Aと記載しておりますが、平成二十九年度の歳入総額は三千二十七億六千百万円、前年度比一・四%の増となっております。その下、丸Bの歳出総額は二千九百五十二億七千九百万円、前年度比二・六%の増となっております。この結果、丸Cの歳入歳出差引額は七十四億八千百万円となり、これから丸Dの翌年度へ繰り越すべき財源を差し引きました丸Eの実質収支は五十九億九千七百万円となっております。また、実質収支から前年度の実質収支を差し引きました丸Fの単年度収支はマイナス二十六億七千二百万円となり、丸Gの財政調整基金積立額二十二億七千七百万円を加えました、丸Jの実質単年度収支はマイナス三億九千五百万円となりました。  次に、五ページの第2表、一般会計歳入決算前年度比較について御説明をいたします。  歳入における主な増項目でございますが、9の特別区交付金が普通交付金、特別交付金ともに増となったことにより二十億三千百万円、四・六%の増、14の都支出金が保育施設の運営や整備に係る補助金の増などにより十四億四千万円、六・四%の増、13の国庫支出金が臨時福祉給付金や保育施設の運営整備に係る補助金の増などにより、十二億九千六百万円、三・〇%の増、5の株式等譲渡所得割交付金が東京都からの交付額の増加により、十一億四千万円、一三四・四%の増などとなっております。  一方、主な減項目としましては、1の特別区税がたばこ税の減収などにより一億二千三百万円、〇・一%の微減となったほか、19の諸収入が土地開発公社貸付金返還金の減などにより三十四億二千百万円、三〇・五%の減などとなっております。  次に、六ページをお開きください。第3表、一般会計歳入決算財源構成でございます。これは、歳入科目ごとの一般財源と特定財源の内訳を記載したものでございます。この表の下から二行目の合計欄をごらんください。一般財源の構成比が六六・三%、前年度より〇・六%の増、特定財源が三三・七%、前年度より〇・六ポイントの減となっております。  続きまして、七ページ、第4表、平成二十九年度都区財政調整結果について御説明いたします。  まず、上段の普通交付金の表ですが、下から五行目、基準財政収入額の合計丸A欄をごらんください。平成二十九年度決定額の再調整欄は千百九十六億六千九百万円となっており、前年度に比べ二十三億四千三百万円の減と算定されております。  次に、三行下の基準財政需要額の合計丸B欄でございますが、平成二十九年度決定額の再調整欄は千六百二十一億九千百万円となっており、前年度に比べ十五億七千八百万円の減と算定されております。  その結果、次の行の普通交付金の差引交付額は四百二十五億二千二百万円で、基準財政収入額の減が基準財政需要額の減を上回ったため、前年度に比べ七億六千五百万円、一・八%の増となりました。  また、その下の表の特別交付金は、災害などの特別の財政需要などによる経費や、基準財政需要額で捕捉されなかった財政需要などの合計で平成二十九年度の決定額は三十九億四千四百万円と算定され、前年度に比べ十二億六千六百万円、四七・三%の増となっております。  次のページ、八ページをお開きください。以上の結果、一番上の説明文の三つ目の段落に記載してございますように、特別区財政調整交付金の決算額は、普通交付金と特別交付金を合わせた総額で四百六十四億六千六百万円となり、前年度に比べ二十億三千百万円、四・六%の増となってございます。  続きまして、第5表【A】、一般会計歳出決算前年度比較について御説明いたします。この表は、款別の歳出決算を前年度と比較したものでございます。  歳出における主な増項目といたしましては、2の総務費が庁舎等建設等基金積立金、玉川総合支所・区民会館改築工事費の増などにより五十七億六千三百万円、一九・四%の増、8の教育費が小学校改築工事費の増などにより二十六億六千六百万円、一〇・一%の増、4の環境費がごみ収集作業経費の増などにより三億四千八百万円、四・〇%の増、11の諸支出金が財政調整基金積立金の増などにより二億百万円、九・六%の増となっております。  一方、主な減項目といたしましては、7の土木費が公園や道路用地取得経費の減などにより十五億七千五百万円、五・四%の減、9の職員費が退職手当の減などにより三億五千九百万円、〇・八%の減となっております。  続きまして、九ページの第5表【B】でございますが、これは、ただいま御説明いたしました第5表【A】の9職員費を関係各款に割り振り直した表でございます。  平成二十九年度の各款別の構成比は、3の民生費が四九・六%と最も高く、続いて、2の総務費が一六・六%、8の教育費が一一・七%、7の土木費が一〇・九%の順となっております。  次に、同じページ下段の第6表をごらんください。これは、二十八年度から二十九年度に繰り越した事業の執行状況を示したものでございます。  繰越明許費は、世田谷総合支所・出張所改築工事から一〇ページにお進みいただきまして、民家園改修工事までの十六事業、事故繰越しは路面改良(玉川・砧)ほか五事業となっており、執行額等は記載のとおりでございます。  次に、同じページの第7表をごらんください。これは、平成二十九年度から三十年度へ繰り越した事業と金額を記載しております。繰越明許費は、公共建築保全業務の推進から、右側一一ページの民家園改修工事までの十九事業、事故繰越しは障害者通所施設建設工事の一事業で、繰越額は合計で十七億九千八百万円となっております。  次に、同じページで、第8表、一般会計歳出決算性質別内訳をごらんください。人件費、行政運営費及び投資的経費の区分による決算額、構成比等は記載のとおりでございます。  続きまして、一二ページをお開きください。第九表は、各特別会計の決算収支について記載したものでございます。特別会計につきましては、後ほど概要を御説明いたします。  以上が平成二十九年度財政運営の概要でございます。  続きまして、主要事業の説明をさせていただきます。一六ページから一九ページまでの主要事業の総括に沿って説明をさせていただきます。  初めに、一六ページでございます。ここに記載の各項目は、平成二十六年度から二十九年度までを計画期間とした世田谷区新実施計画の推進事業に基づくもので、計画の最終年度である二十九年度の実績について御説明をいたします。  まず、左側上段、基本計画の分野別政策のうち、「1健康・福祉」でございますが、決算額が四十九億一千百万円、執行率は九八・九%となっております。  主な事業といたしまして、「Ⅰ健康づくりの推進」では、がん対策の推進や介護予防などの推進、「Ⅱ相談支援体制の確立及び保健・医療・福祉の連携強化」では、あんしんすこやかセンターまちづくりセンターとの相談窓口の一体整備や相談支援体制の充実、「Ⅲ区民、事業者等との協働による地域づくり」では、福祉人材の発掘を初めとした地域資源の創出、「Ⅳ地域福祉を支える基盤整備」では、梅ヶ丘拠点整備や高齢者に係る地域拠点の整備、障害者就労の促進などに取り組みました。  次に、左側中段、「2子ども若者・教育」でございますが、決算額が八十二億四千三百万円、執行率は九三・八%となっております。  主な事業といたしましては、「Ⅰ若者が力を発揮する地域づくり」では、生きづらさを抱えた若者の支援や若者の就労による社会的自立の促進、「Ⅱ地域社会を創る生涯学習の充実」では、図書館ネットワークの整備・拡充や子どもの読書活動の推進、「Ⅲ子どもが育つ環境づくり」では、保育定員の拡充やおでかけひろばなどの在宅子育て支援の拡充、「Ⅳ質の高い学校教育の充実」では、世田谷九年教育の推進や教育総合センター基本構想・基本設計の策定、「Ⅴ虐待のないまち・子ども・子育て家庭への支援」では、保育園等への巡回支援や産後ケア事業の充実、教育相談機能・不登校対策の充実などに取り組みました。  次に、左側下段、「3暮らし・コミュニティ」でございますが、決算額が七億二千四百万円、執行率は九三・四%となっております。  主な事業といたしましては、「Ⅰ地域コミュニティの促進」では、地域の活性化に向けた連携・協働による地域活動団体の自主活動の支援、「Ⅱ安全・安心のまちづくり」では、全二十七地区での防災塾の実施、防火水槽の設置や防犯カメラの設置・維持管理経費の助成、消費者被害の未然・拡大防止の強化、「Ⅲ多様性の尊重」では、多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例の制定やDV防止の取り組み、「Ⅳ文化・芸術の推進」では、文化芸術情報の発信や子どもに対する文化・芸術体験の機会の提供、「Ⅴ生涯スポーツの推進」では、スポーツ施設の整備、「Ⅵ快適で暮らしやすい生活環境の創造」では、川場村との連携による木質バイオマス発電事業を通じた区民への電力供給や移動式水素ステーションの開設、「Ⅶ産業振興・雇用促進」では、区内中小企業者への経営支援コーディネーターによる支援や三軒茶屋就労支援センター事業の拡充などに取り組みました。  一八ページをお開きください。左側上段、「4都市づくり」でございますが、決算額が三十七億一千五百万円、執行率は七〇・八%となっております。  主な事業といたしましては、「Ⅰ災害に強い街づくり」では、不燃化特区制度の活用による木造住宅密集地域の不燃化促進や建築物の耐震化の促進、「Ⅱみどりとやすらぎのある快適な住環境の推進」では、環境配慮型住宅リノベーションの推進や民有地のみどりの保全・創出に向けた取り組み支援、「Ⅲ魅力ある街づくり」では、東京二〇二〇大会に向けた馬事公苑界わい及び大蔵運動場周辺のサイン整備計画の策定や電線類地中化など歩きやすい道路環境の整備、「Ⅳ交通ネットワークの整備」では、京王線沿線街づくりの推進や自転車走行環境の整備、「Ⅴ都市基盤の整備・更新」では、道路、公園・緑道の整備や小田急線上部利用計画等施設整備などに取り組みました。  以上、主要事業の総合計は、決算額百七十五億九千二百万円、執行率は八八・九%となっております。  主要事業の総括説明は以上でございます。  なお、二〇ページから二七ページまでは新実施計画の政策別の実績等についてまとめております。  また、主要事業の各施策の概要・実績等につきましては三〇ページから一三七ページまでに記載をしております。また、予算の執行実績につきましては一四九ページ以降に記載をしております。  次に、特別会計の決算概要につきまして御説明をいたします。  まず、国民健康保険事業会計についてでございます。四一八ページをお開きください。  歳入合計の欄に記載のとおり、収入済額は九百三十五億六千六百万円で、収入率は九六・六%となっております。前年度比では八億二千五百万円、〇・九%の減となっております。  次に、四二〇ページをお開きください。歳出合計欄に記載のとおり、支出済額は九百十七億八千六百万円、執行率は九四・八%となっております。前年度比では十九億五千五百万円、二・一%の減となっております。内容といたしましては、被保険者数の減少に伴い、主に保険給付費が減となっております。  次に、後期高齢者医療会計について御説明をいたします。四六六ページをお開きください。  上段の表、歳入の歳入合計欄に記載のとおり、収入済額は二百十二億一千百万円、収入率は一〇〇・一%となっております。前年度比では五億二千七百万円、二・五%の増となっております。  その下の表、歳出の歳出合計欄に記載のとおり、支出済額は二百四億四百万円、執行率は九六・三%となっております。前年度比では八億五千八百万円、四・四%の増となっております。内容といたしましては、被保険者数の増加に伴い歳入では保険料が、歳出では広域連合への負担金がそれぞれ増となったことによるものでございます。  次に、介護保険事業会計について御説明をいたします。四八八ページをお開きください。  歳入合計欄に記載のとおり、収入済額は六百三十三億五千七百万円、収入率は九八・七%となっております。前年度比では三十一億九千四百万円、五・三%の増となっております。  次に、四九〇ページをお開きください。歳出合計欄に記載のとおり、支出済額は六百十六億三千万円、九六・〇%の執行率となっております。前年度比では三十億三千九百万円、五・二%の増となっております。内容といたしましては、要介護・要支援認定者数の増加などに伴い保険給付費等が増となったことによるものでございます。  最後に、学校給食費会計でございます。五四〇ページをお開きください。  上段の表、歳入の歳入合計欄に記載のとおり、収入済額は六億六千百万円、収入率は九四・〇%となっております。前年度比では四億九千八百万円、三〇五・七%の増となっております。  その下の表、歳出の歳出合計欄に記載のとおり、支出済額は六億五千五百万円、執行率は九三・一%となっております。前年度比では四億九千三百万円、三〇四・六%の増となっております。内容といたしましては、自校調理方式の中学校の給食費を新たに公会計化したことにより増となったものでございます。  以上で、平成二十九年度世田谷区各会計歳入歳出決算概要の説明を終わらせていただきます。  なお、先ほど御説明申し上げました主要事業の評価に係る詳細は、昨日より区のホームページにて御案内をさせていただいております。  御審査のほどよろしくお願い申し上げます。 ○河野俊弘 委員長 以上で政策経営部長の説明は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 ただいまから総括質疑に入ります。  質疑者はネームプレートを質疑者席にお持ちいただくようお願いいたします。なお、持ち時間の終了五分前には予鈴と質疑者席の緑ランプの点灯でお知らせをいたします。さらに一分前には赤ランプの点滅でお知らせをいたします。  また、質疑される委員の方はマイクから離れ過ぎないようにお願いをいたします。  続いて、理事者の皆様に申し上げます。答弁は簡潔、明瞭にお答えいただきますようお願いをいたします。  また、決算運営委員会において、やむを得ない場合は、理事者が席を離れることを認めると確認されておりますので、御無理をなさらないようにしてください。  それでは、総括質疑を始めます。  自由民主党、どうぞ。 ◆和田ひでとし 委員 それでは、自由民主党の総括質疑を始めさせていただきます。  まず初めに、児童相談所の開設に関連した質問をさせていただきたいと思いますが、区長はよくいろいろな区内の会場での挨拶の中で、児童相談所を世田谷区は二〇二〇年四月以降の開設を目指すとよくおっしゃっていることを聞きますけれども、この四月以降という意味をもう一度ちょっと確認をさせていただきたいんですが、お願いいたします。 ◎保坂 区長 区はこれまで、言われたように、平成三十二年四月以降、早期の児相の開設を目指すということで準備を現在進めております。区の児相設置は、児童福祉法の理念の実現のために不可欠であると同時に、将来を担う子どもたちに対する重大な責任を負うものであって、平成三十二年四月の開設を目指していますけれども、万全の体制でこの準備を積み上げていきたい、このように考えております。  現在、全庁一丸となって、最短で平成三十二年四月の開設に間に合うように準備を進めておりますが、この最短の開設が可能であるかにつきましては、本年十一月に議会で進捗状況をお示しし、御意見を踏まえて、東京都との協議を詰めていくという過程でございますので、御意見を踏まえて十二月に判断することとしています。  現在、まさに交渉中であることから、四月を目標としながらも、このゴールが、その都との協議によって確定と判断できるまでは「以降」と、なるべく早い時期にと、こういった表現をしていることを御理解いただければと思います。  万全の準備の上で子どもの最善の利益が確保され、児童虐待の予防、再発防止が徹底された児童相談行政を一日も早くこの世田谷で実現させていくことを目標に、引き続き準備のほうを続けてまいります。 ◆和田ひでとし 委員 確かに児童相談所、まだまだ課題はたくさんありますし、大変な事業だと思いますけれども、その児童相談所の開設に行く前のその手前の段階、いわゆる児童虐待の予防という観点から質疑させていただきたいと思いますが、そのためには、やはり児童館の存在というのが非常に重要ではないかなと思っております。
     児童館については、現在区内で二十五館あるというふうに伺っておりますけれども、地区によってはない地区も八地区あるというふうに聞きました。私の住んでいる奥沢ですとか、九品仏の地区も児童館がないという地区でありますけれども、やっぱりそういった中で、私も三人の子どもを育てるときに、隣の目黒区の緑が丘児童館であるとか、大田区の洗足池児童館などへ連れていって、遊んでもらったり、あるいは相談をさせてもらったりという覚えがありますけれども、いまだにやはりこういった区内でも児童館のない地区が八つもあるということ、これも大きな課題ではないかなと思いますので、この辺などもしっかりと整備を続けていってもらいたいなと思うんです。  ここで改めて、この児童館が担ってきた機能ですとか、あるいは今後担うべき機能などについて伺いたいと思います。 ◎澁田 子ども・若者部長 児童館は、児童福祉法に定める児童福祉施設として、地域の子どもたちの遊び場や居場所の機能に加え、多世代が交流する地域のコミュニティーの場ともなっており、日ごろの子どもや子育て家庭との継続的なかかわりや信頼関係の中で敷居の低い相談窓口としても機能しております。  また、まちづくりセンターあんしんすこやかセンター、社会福祉協議会との連携により、多世代交流の機会をふやすなど、地域での子どもにかかわるネットワークを広げる取り組みも進めております。  児童館のあり方検討委員会では、児童健全育成を基盤としまして、身近な地区にある児童館の特性を生かした相談や気づき、見守り等の子どもや子育て家庭への支援、地域の方や団体等と連携した支援や場づくりなど、ソーシャルワーク機能をより高めた役割が求められるとの御意見をいただいております。  区といたしましても、この児童健全育成と相談や見守りなどの機能を両輪としまして、ともに充実させていくことが重要であると考えております。 ◆和田ひでとし 委員 相談や見守りとなるとやはり職員の専門的な知識や体制づくり、これも大変重要ではないかなと思いますが、その専門的な分野の人材確保や体制の充実が必要であると考えますが、この児童館に関してどのように取り組むのか伺いたいと思います。 ◎澁田 子ども・若者部長 児童館は、子どもや子育て家庭との信頼関係を築き、日ごろの来館の中での気づきや声かけによりさまざまな相談を受け、支援が必要なケースを発見することがございます。  相談ケースの中には、来館する子どもの様子や会話の中で虐待を予測できる事案もございまして、早期発見により子ども家庭支援センターや地域資源につないで重篤なケースに至ることを防ぐ対応ができることから、職員は日ごろから子どもの変化に気づき、感度を磨きまして適切な支援につなげられるようにすることが重要だと考えております。  今後は、早期発見、早期対応における児童館職員のスキルアップ研修によるさらなる対応力の向上に取り組むとともに、子ども家庭支援センターや児童相談所の職員との連携の仕組みづくりなど、適切な運営体制の整備を図ってまいります。 ◆和田ひでとし 委員 その早期発見、早期対応というところ、これは大変重要であると思いますし、もしもそのようなときには、これは子ども家庭支援センターであるとか、そして最終的には児童相談所であるだとか、そういったところへ頼っていくしかないわけですけれども、その連携というところをこれからは大変重要になってくるのではないかなと思います。  児童相談所の移管に当たっては、虐待の防止について、この児童館の役割が大変重要であると考えますが、区の認識を伺いたいと思います。 ◎澁田 子ども・若者部長 児童館での相談につきましては、日常活動や日ごろの信頼関係からの気づきや相談による問題の発見により、軽易なものは児童館で対応、解決できるものもございますが、重篤なケースでは子ども家庭支援センターや児童相談所と連携するものもございます。  児童虐待の予防における児童館の役割は、早期発見、早期対応が不可欠であり、現状でも地域の子育て支援団体や町会・自治会などから相談を受けることもあり、今後はさらなる連携を図りまして気軽に相談を受けることのできる環境を整えることも必要と考えております。  児童相談所の移管に向け、児童館の持つ専門性を生かし、児童健全育成機能や乳児から十八歳までの幅広い年齢を対象とした継続的な支援や見守り、地域の団体や人とのネットワークなど信頼関係に基づく敷居の低い子どもの相談の拠点となるよう取り組みを進めまして、児童虐待の防止を図ってまいります。 ◆和田ひでとし 委員 まずは、児相の開設に向けた準備を一つ一つ確実に進めることはもちろん大切ではありますけれども、これまでの児童館の果たす役割などももう一度しっかりと確認した上で、この児童虐待防止へと努めていかなければならないのではないかということを申し添えておきたいと思います。  では次に、マイナンバーカード発行の促進について伺っていきたいと思います。  来年の十二月で自動交付機が廃止になるということを既に周知されておりますけれども、まだまだ一般の方々にはこれが伝わっていないようなことが感じられます。区では、各地域で一律に臨時窓口を設けて、今のところでは今年度中に、各地区で二カ所ずつ臨時交付窓口を設けて交付促進に向けていくという話を伺っておりますが、これはまさに単純に数字で割り返して、五地域二十七地区で二回ずつやるというふうな計算をしていると思うんですけれども、場所によっては、地域によってはなかなか支所に行くことすら難しい地区というのもあるかと思うんですけれども、そういった地区への配慮、こういったところ、この状況に応じた対応をすべきと思いますが、いかがでしょうか。 ◎志賀 地域行政部長 お話にありましたとおり、区民窓口やまちづくりセンター等の施設に設置しております証明書自動交付機は、技術的なサポートがなくなることから平成三十一年十二月をもって廃止し、コンビニ交付サービス等による証明書取得を促していくため、平成三十三年度までに二十八万枚のマイナンバーカードを交付することを目標に、交付体制の強化に取り組む方針をお示しいたしました。そのため、マイナンバーカードの交付促進のための専用窓口を改めて設置するとともに、より手軽に申請をいただけるよう、地域や地区を巡回する臨時窓口の拡充に向け準備を進めているところでございます。  お話しのように、地区の状況に応じましてきめ細かく臨時窓口を開設していくことで、より一層カードの交付につながっていくものと考えております。まずは今年度中に各まちづくりセンターで実施する臨時窓口の状況を見て、利用される方の意見も聞きながら、工夫を凝らして柔軟な窓口展開が図れるよう検討してまいりたいと考えております。 ◆和田ひでとし 委員 工夫を凝らして柔軟な窓口展開とおっしゃっていただきましたが、まさにそこはしっかりと工夫を凝らしていただきたいと思うんですが、例えば今、まちづくりセンターで二回ずつというふうな話がありましたけれども、そのさらに、来年度以降になるかと思いますが、例えばの話ですが、身近な町会会館などを持っているようなところの町会、こういったところを積極的に活用した柔軟な交付促進というのもあるのではないかなと思うんですが、この辺はいかがでしょうか。  また、あわせてほかの公共施設、例えば区民センターであるだとか、あるいは地区会館、こういったところなども大いに臨時窓口として活用していただいた上で、日ごろから区民センターですとか、あるいは地区会館を利用している、例えば地元の高齢者クラブの方々ですとか、そういった方々などにも団体での受け付けというか、そういったところを勧めていく、促進していくという考え方もありかと思うんですけれども、その辺、あわせていかがでしょうか。 ◎志賀 地域行政部長 お話にありましたとおり、各地域やまちづくりセンターの臨時窓口だけでなく、町会等の御協力によりまして町会会館等を利用させていただく臨時窓口が開設できれば、より身近なところで申請手続ができ、区民の方々にとってさらに利便性が向上するものと考えます。  今後実施いたします地域、地区を巡回する臨時窓口の状況を見ながら、総合支所・まちづくりセンターとも協議しながら、地域、地区の状況や特性に応じてきめ細かく対応できるよう、マイナンバーカードの交付体制の強化について検討してまいります。  また、区民センター、地区会館を活用した臨時窓口の開設につきましても、地域の方々の御意見や御要望を伺いながら、申請される方の利便性が向上するように積極的に検討してまいりたいと考えております。 ◆和田ひでとし 委員 例えばの話ですけれども、区民センターなどで毎年二月の確定申告の時期になると、わざわざ税務署、あるいは渋谷のまとめて受け付ける窓口へ行かなくとも、地元で確定申告の相談などをしながら、そこで提出もできるというような取り組みがここ何年かありますけれども、私の地元の奥沢区民センターでも毎年二月に約四回ほど開いていると思うんですけれども、連日すごい大盛況で、毎年どんどん、どんどんそれを利用する方もふえておりますし、そういったものを一つの例として挙げれば、やはりわざわざ支所へ行かなくても済むような、あるいはたまたま臨時に開かれたからといって地元のまちづくりセンターでなくても、町会会館であるだとか、そういったような近いところでできるような取り組みを進めていただければ、このマイナンバーカードの発行の促進というのは大いにつながっていくんではないかなと思うので、ぜひそういったところも柔軟な対応をお願いしたいと思います。  では次に、教育分野で少し質問させていただきたいと思いますが、ことしの七月、文教常任委員会の視察で私は大阪の特別支援教育を視察してまいりました。大阪では、ともに育ち、ともに学び、ともに生きるを特別支援教育の基本方針として、障害のあるなしにかかわらず、地域の小学校で学ぶべきとの考えのもと、入学してくる障害を持つ子どもの特性に応じた特別支援学級がほぼ全校で設置されていると聞きました。  また、就学相談は、地域の学校が行っていたり、特別支援教育のサポーターやインクルーシブ教育推進スタッフの活用、巡回相談を実施するなど、特別支援教育のさらなる充実のための取り組みには目をみはるものがありました。  特に印象深かかったのが、障害のある子どもがいることをごく普通のこととして、学校の中心に置いて当たり前のように育てていく。つまり障害があるから別の学校へではなくて、地元の学校に在籍できるよう、学校、家庭、地域がまさに一丸となって障害のある子どもを支えているということでした。  世田谷区では、本年三月に特別支援教育推進計画(第二期)を策定し、今後も継続して取り組むべき課題や新たに対応すべき課題についてまとめ、計画的に取り組みを進めているところでありますが、こうした中、区では、来年度より小学校に引き続き、中学校においても特別支援教室を導入していくという発表がありました。  特別支援教室は、発達障害などの生徒に対し、通常学級の授業の中ではできない一部特別な指導を行う貴重な学びの場です。現行では、通級学級が設置されている学校に生徒が通っていますが、来年度からは、拠点校に配置された特別支援教室の教員が対象生徒が在籍する学校へ巡回指導する方式に変更されますが、先日の常任委員会では、このことにより、発達障害などの生徒が他校へ通学する負担の軽減が図られる、周囲の生徒や保護者を初め多くの人々が障害のある生徒への指導を身近に触れることにより、広く障害全般に対する理解が深まるなど効果があると説明がありました。  そこでまず、次年度から導入する特別支援教室について、どのような課題があり、どう取り組んでいくのかを伺います。 ◎工藤 教育政策部長 区では、せたがやノーマライゼーションプランを策定し、障害の有無にかかわらず、誰もが住みなれた地域で自分らしい生活を安心して継続できる社会の実現という理念に基づき、共生社会の形成を目指しています。  御質問いただきました中学校の特別支援教室につきましては、発達障害などの子どもたちが在籍校で障害に適した指導が受けられるよう、平成三十一年度から小学校同様に導入することとし、新たな指導スペースや教材などの環境整備を行い、切れ目のない支援体制の充実に向けて取り組んでいるところでございます。  発達障害などの子どもたちがさらに充実した学校生活を送るためには、指導の質や専門性を高めていく必要があり、研修などのさらなる充実が必要です。また、これまで学校包括支援員や非常勤講師の配置など、人的支援の大幅な拡充をしてまいりましたが、引き続きサポート体制を強化し、子どもたちの集団適応能力の向上を図っていく必要もあると考えております。  こうした発達障害などの子どもたちに対する直接的な支援の充実とあわせ、周囲の子どもたち、保護者、地域の方々の障害者理解の促進も必要不可欠な課題であると認識しております。 ◆和田ひでとし 委員 誰もが互いに人格と個性を尊重し、支えあい、人々の多様なあり方を相互に認め合う共生社会を築くには、学校教育における障害者理解教育が重要であることは言うまでもありませんが、ふだんから地域の障害のある方々を知り、学校、家庭、地域が連携協働し、より幅広く障害者理解を促進していく必要があるかと思います。  特別支援教育をさらに推進し、共生社会を実現するためには、保護者や地域住民の障害の理解とともに、大阪のように、地域を巻き込み、協力を得る取り組みも必要であると考えます。区の見解を伺います。 ◎工藤 教育政策部長 共生社会の実現に向けましては、次世代を担う子どもたちに対し、障害者理解を深められるような教育活動などに力を注ぐ必要があります。また、保護者や地域の方々の理解促進とともに、大阪の取り組みのように、地域の方々の参画により、特別支援教育を推進することも重要であると考えております。  第二次世田谷区教育ビジョンでは、地域とともに子どもを育てる教育の推進を基本方針の一つに掲げており、特別支援教育の分野においては、これまで小一サポーターモデル事業や学校要約筆記ボランティア事業など、地域の方々のサポーターによる取り組みを進め、成果をおさめている状況がございます。  今後もこうした学校と地域の連携に基づく特別支援教育推進体制の充実を進めるとともに、家庭教育学級、PTA研修の機会を通じた理解啓発の実施など、学校を核とした障害者理解の促進と共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。 ◆和田ひでとし 委員 ぜひ世田谷らしいこの特別支援教育を進めていただきたいと思います。  では次に、ちょっと残念な報告を受けての質問となりますが、ことし六月三日、区立小学校の男性教員が通行中の女性の体をさわったということで逮捕される事件があったと。さらに、その後の八月六日、刑事罰が決定したとのことでありますが、我々区議会議員に情報提供があったのは、東京都教育委員会がこの教員を懲戒免職し、マスコミ報道があった九月の末でありました。  児童たちに与える影響などデリケートな部分もあるとは思いますが、せめて八月六日に刑事罰が下された時点での報告など、もう少し早く議会へ情報提供ができたのではないでしょうか。またすべきだったと思うのでありますが、教育長、いかがでしょうか。 ◎堀 教育長 このたびは区内小学校の教員が事件を起こしまして、子どもたち、保護者、地域の方々、また議員の皆様方には本当に御心配をおかけしました。本当に申しわけありません。  私ども教育委員会としましては、本件につきまして、六月の事件発生直後に校長からの第一報を把握しました。その際、学校のほうには学級の指導につきまして、子どもたちの学校生活に支障や不安がないように指示しております。また、学校のほうでは、副校長を担任代行としまして、全校教職員で指導体制に対応してまいりました。  なお、八月上旬に当該教員から姓の変更が申請されまして、私どもとしては、初めてそれ以前に今回同様の事件を起こしている可能性に気づきました。  御案内のように教員の人事権は東京都にありますし、また国立・私立学校は独自に採用を管理しております。ですので、これらの情報等々を相互に情報共有することはできませんでしたし、特に姓が変わっているということは、ましてや困難な状況であったと思っております。  また、同じ八月上旬に、罰金刑の確定との連絡が入りましたが、教員の任免、人事権を持つ東京都教育委員会の処分の確定、公表をもって、九月二十五日になされたわけなんですが、その処分発令がありましたので、議会関係者に同日の第一報や二十七日のポスティングをさせていただいた次第です。  私どもは、これまで教員の多忙解消に一つ事務的なものが大きいということも踏まえまして、都職、都採用の事務職員をより効果的に活用したいこと、また教員の服務事故発生から処分まで長期間のタイムラグが生じるということで、学校運営に支障が生じるということで、人事権の移譲について東京都に要望してまいりました。  いずれにいたしましても、教育委員会といたしましては、今回の件を機会に、子どもの安全安心を第一として、子どもや保護者、地域の方々、また議会等への適切な情報提供について検討してまいりたいと考えております。 ◆和田ひでとし 委員 このとんでもない事件でもありますし、ましてや再犯者らしいと聞いて、我々としても非常に驚いているところでありますが、犯罪歴というのは確かに個人情報と言えるかもしれませんけれども、子どもたちを性犯罪者から守るためには、例えば他の都道府県ですとか、区市町村との犯罪歴の情報を共有するなどはできないものでしょうか。このような情報を採用選考時に共有すれば、子どもたちを危険と隣り合わせにしなくて済むと思うのですが、ここは区長に改めて伺いたいと思います。 ◎保坂 区長 この件に関しましては、大切な子どもたちの指導に当たる教員がこういう件で大変不適切な恥ずべき行為をしたということで、私のほうからも大変申しわけないというふうに思っております。許されることではないと思います。  今、教育長が答えたように、教員の人事権、これが東京都教育委員会が、任免について決しているということはあるということで、私どものほうからは人事権を区に移譲するようにということを求めていくということをしていきたいと思います。  一方で、今、議員御指摘のようなこういった案件がふえているということで、痴漢やわいせつ行為等の事件を起こしつつ、また、その教員が再犯するというケースだったわけですけれども、文科省がこうした教員の情報を都道府県の教育委員会で共有するシステムを現在検討しているけれども、このシステム構築に当たっては、個人情報保護や職業選択の自由、前歴等の情報をどう管理するか等の問題があるとも聞いていますが、この件について強い関心を持って文部科学省、都にも御意見を申し上げていきたいというふうに思います。  私のほうから教育委員会に指示するのは、このようなことを二度と起こさないように厳正に現場で取り組んでいっていただくとともに、多くの教員が子どもに対する責任と愛情を持って現場で頑張っている、大変悔しいだろうというふうに思います。再発防止を徹底させるということを教育委員会を通してやってまいりたいというふうに思います。 ◆和田ひでとし 委員 世田谷区は子ども・子育て応援都市宣言というのを掲げておりますし、大変残念なことではありますけれども、やはりここは児童や保護者の不安を払拭するためにも、この犯罪歴の共有化についての制度改正なども国や都に積極的に働きかけることなどをすべきであると我々からも強く要望しておきたいと思います。  私の質疑の最後に、本庁舎について一点触れておきたいと思いますが、区民会館整備については、我が会派の指摘により、ようやく区から整備手法の比較検討資料が示されました。その内容について議会としてしっかりと認識し、判断しなければならない観点から、本会議の質問に続いて伺いたいと思います。  本会議でのコストの質問に対し、区は当面の財政負担軽減の観点から改修を判断したと答弁しましたが、中長期的に見ると負担増になるのではないか、公共施設全体の長期的な必要経費の観点も含め、将来を見据えた効果的な計画となっているのかを改めて伺いたいと思います。 ◎松村 庁舎整備担当部長 区民会館の整備につきましては、これまでの経過、議会の御意見を踏まえまして検証した結果、本庁舎等整備基本構想で求めた機能の確保と工期や当面の財政負担の軽減など合理的な事業計画が成り立ち、総合的な観点から、耐震改修によって構造体Ⅰ類相当の耐震性能を確保する案を区の考え方として御報告をさせていただきました。  お話しのコストにつきましては、さきの本会議で御答弁をさせていただきましたとおり、中長期的に見ますと、改築した場合も、建物を維持・保全するため、修繕・改修経費の負担が発生するため、同程度となると考えております。  一方、区の公共施設は昭和三十年代から五十年代に建設されたものが多く、今後三十年間に改築や大規模な改修が集中する時期を迎え、財政負担の影響が懸念されることなどから、区では昨年三月に公共施設等総合管理計画を策定し、将来的な財政見通しに基づき、公共施設を適切に管理・保全、更新し、長寿命化や集約化などの推進に取り組んでいるところでございます。  こうしたことから、長寿命化可能な施設につきましてはできる限り長く使い、公共施設に係る当面の財政負担を軽減し、平準化することは重要な取り組みと考えております。  今回、区民会館ホールは築六十年近く経過しておりますが、躯体の状態が良好であることから、今回、長寿命化の改修を行うもので、本計画に合致するものでございます。  今後も中長期的なコスト管理の視点に立ちまして、本庁舎等整備に取り組んでまいります。 ◆和田ひでとし 委員 特にこの本庁舎整備、ほかの公共施設ももちろんそうでありますけれども、特にこれから先何十年とこの世田谷区民の拠点となる施設でもありますし、ぜひ未来をしっかりと見据えた上で判断をされて進めていただきたいと思っております。  では、私の質疑を終わり、畠山委員と交代いたします。 ◆畠山晋一 委員 さっきの教職員の話ですけれども、区長は、人事権の移譲と言っていましたけれども、人事権を移譲されれば、なおさらにシステム構築というところが大事になってまいりますので、人事権さえ移譲すればいいという問題ではないなと、今ここで話を聞きながら感じていたところでございます。ぜひとも児童の、また生徒の命を守るというところの厳しさ、またその辺のシステム構築の重要性の認識を改めて厳しく持っていただきたいなと考えるところでございます。  私のほうは、初めに、道路整備について伺ってまいります。  世田谷区内、こちらは現在都市計画道路の総延長は約百四十四キロ、現在これは完成されている延長が約七十二キロ、主要生活道路に関しましては、総延長は百六キロで、これは完成されているのが四十キロ、いずれもそれぞれ道路という大事な、私ども世田谷区民の安全と命を守るものが、いまだ五〇%の達成率にも至っていない完成状況にある。  世田谷区の区政の歴史をさかのぼっていきますと、大場区長、熊本区長、そして現区長という状況の中でどういった道路状況の建築、建設の変遷があったのかなと、改めて今回の総括質疑に際して調べさせていただきました。  平成十四年度までの実績というと、大場啓二区長、七期、四年間、約二十八年間でございますけれども、これが都市計画道路に関しましては延長約四・六キロ実現しております。それも新規路線の着手として、十五個の新規路線の着手をして、そのうちこの七期、四年間の二十八年間に五路線の完成を見ているわけです。そうすると、十五引く五で十個の路線を今度、熊本区長が継続した。  熊本区長時代、これは平成十五年から平成二十二年、二期、一期四年間ですから、八年間務められたわけですけれども、特に熊本区長は、道路がまさに福祉であると、道路を進めることがまずは大事であるということで、二倍のスピードで取り組むようにという強い姿勢で取り組んできた。これを数字にして出してみますと、大場啓二区長から引き継いだ十個の継続に合わせて、熊本区長時代は改めてまた新規路線として十個の新規路線に取り組んだ。つまり二十路線を熊本区政時代に八年間に取り組んで、そのうち、完成したのが八路線、つまり二十引く八で熊本区政から現区長が引き継いだのが十二個の路線を引き継いで、平成二十三年から現在の平成三十年まで今現区長の状況になっている。  では、現区長は、この十二路線を継続して熊本区長から引き継いで、新規路線をどの程度取り組んだのかなと調べてみたら、三件です。道路に対しては三件だけなのかな。道路の大小もありますでしょう。駅前広場、明大前にしろ、烏山にしろ、下北沢にしろ、その規模の大きさはあるかもしれませんけれども、大場区長時代が十五、熊本区長が十、同じ二期、八年間である現区長はたったの三。完成したのは、五個の路線を完成させていて、つまり熊本区長から引き継いだ十二足す三で十五路線に対して、現在事業中なのが十の路線が事業中となっている。  この引き継いだ結果、総延長に関して見てみると、熊本区長時代は八キロの総延長で、現区長は九・一キロと、長さに関しては実現をしてきているわけでございますけれども、どうでしょうか。こういった部分を数字として改めて今回見てきた中で、現区長がこれまで取り組んできた都市計画道路、また主要生活道路、こちらの進捗状況については、今どのように捉えていらっしゃるのでしょうか。 ◎小山 道路・交通政策部長 平成二十三年以降の道路事業への取り組み状況でございますが、都市計画事業として新たに京王線連続立体交差事業を契機に、駅周辺まちづくりを進めております。この中で、連立事業に合わせて新たに千歳烏山駅前広場を含む補助第二一六号線や、明大前駅前広場を含む補助第一五四号線、また、成城三丁目付近では、通称病院坂と呼ばれる補助第二一七号線の事業にも着手してございます。  主要生活道路につきましては、平成二十三年以前から取り組んでいる路線を継続するとともに、新たに深沢八丁目付近の主要生活道路二三二号線の事業に着手しております。  一方、道路事業に注力した結果、事業が完了した区役所西側の補助第一五四号線を初め、今年度築造工事を行い、事業を完了する路線として、経堂駅前への路線、さらに用地取得がほぼ終息を迎えてきている路線、ほぼ九割以上用地取得が進んでいるような路線も九路線ある状況でございます。  今後も引き続き、安全で安心なまちづくりを目指して道路整備事業に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆畠山晋一 委員 確かに今答弁された中で、完了された一つの事業として、このちょうど区役所の西側にある補助第一五四号線の話が出ていました。これも熊本区政から引き継いで、受け継いできたものの、一車線閉鎖されたものをほとんど道路ができていたところを開通させたというだけのことであって、実際は引き継がれてできてきたものであって、改めて新規路線が三路線しかないというのがこういうところに出ているのかな。道路に対してしっかり取り組んでいかなければいけないというところの至上命題というか、使命感なるところの強さが僕自身は感じられないなと。  特に前回僕自身がここで質問させていただいたとき、区長とともに話をさせていただいたのがこの補助五四号線の話でした。まさに都に対して今Ⅰ期路線が進んでいる中で、Ⅱ期、Ⅲ期もきちっと東京都と連携してやるんですよねというところの答弁に対して、やるんだかやらないんだかわからないような、やらないとは言っていない、でも、やるとも言わないというな、僕自身はジレンマが残るような形での質疑応答があって、その中で、この補助五四号線のⅡ期、Ⅲ期をとめてでも補助五四号線のⅠ期は進めると。何が何でもこのⅠ期をしっかりと務めるんだといったような結論でもって、これが平成二十八年のことだったと記憶しております。  それはある意味、この道路事業に対する区長の象徴的な一つの方向性、または考え方なのかな。この補助五四号線というのは、東京都と連携して、本来は環状七号線と環状六号線、これを補助してこの北沢地区の交通整備のために必要な区間なわけです。このような区間として、特に東京都からも補助五四号線のⅠ期に関しては、東京都でやるんだったら、道路が交通形態として車中心になってしまう。でも、それでは下北沢が困るだろうから、世田谷区の主体でもって世区街路にしていこうということでもって、世田谷区の北沢地域に、車を中心とした道路の補助ができるんじゃなくて、歩行者主体の車を通すような補助道路にしてくということで、この補助五四号線についても、小田急線の連続立体事業としてしっかりと進めるんだということの話だった。  補助五四号線のⅠ期路線の完成が先と宣言して、平成二十八年の組織改正において、道路事業推進事務を注力して、この下北沢、補助五四号線の一期区間の整備を加速させるために、執行体制の強化をして、下北沢担当を専任化する、こうした取り組みをしたはずなんですが、自分自身も今地元にいながら、ほとんど進んでいないなというような状況に見えるわけですけれども、補助五四号線に関して、執行体制を人員もふやして強化して進めた結果、この二年間どのように進捗しているのでしょうか。 ◎小山 道路・交通政策部長 下北沢周辺の都市計画道路の事業地は区内有数の商業地であることから、補償説明に多くの労力を費やすとともに、土地収用手法なども適用しながら事業を進めてきております。  平成二十九年度末時点で用地確保のめどがついたところは、補助第五四号線と駅前広場部分を合わせて約六七%に達してきております。平成二十八年度組織改正以降、執行体制を強化し、用地取得に注力した結果、駅前広場におきましては、個人の方からの用地取得は約九割を超え、残る部分と鉄道事業者所有地を今年度以降、順次取得する準備を進めているところでございます。  今年度は、年度末完成予定の駅舎工事に合わせまして、駅前部分の仮整備工事を実施し、来年度以降、ライフラインを含めた整備に着手してまいります。  今後は残る補助五四号線の用地取得に集中し、補償説明等業務の外部委託も活用しながら、さらなる用地取得のスピードアップにつながるよう全力で取り組んでまいります。 ◆畠山晋一 委員 できることなら今の答弁の中で、積極的に進めていきますではなくて、一〇〇%この補助五四号線の一期の工事の完成を見るためにやりますというぐらいの覚悟がないと、もう実際に来年、小田急線の鉄道線増部分に関しましては、下北沢の駅が完成して、三月に具体に小田急は連続立体交差事業を終了するんですよ。終了する中で、いまだに進んでいないのが小田急の上部利用のところの下北沢区間のまちづくりです。  これが何で進まないのか。補助五四号線ですよ。このⅠ期区間、道路事業のために人材を注力してやるといって、結局六七%、まだ三三%残っている。その三三%の肝心なところができていないために、実は上部利用のまちづくりが進められないという致命傷になっているというところが問題なんですよ。この問題をどう解決するのか。だからこそ補助五四号線をしっかりやるんだ、このⅠ期工事を何が何でも、本来であるのならば、もうオリンピックが平成三十二年、二年後に来るわけですから、そのころにはもう完成しているということでもって、オリンピックの推進も、ある意味世界的に有名な下北沢という町に、現在もインバウンドで大勢のお客様に来ていただいていますけれども、それを迎えるためにも、防災上も、防犯上もここが完成しているということが、本来であるならば目的でなければならないところが、それがいまだにできない、やらない、六七%にとどまっている、そこに問題があると言っているんです。  確かに用地取得には相手があることは理解できます。でも、人をふやして肝入りで取り組むという状況をしっかりと見せているわけですから、それが今の状況がこのようになっているということが悪影響ではないか。まさにここでリーダーが強い覚悟と決意で臨んで、この姿勢がしっかりと示されれば、我々もこの補助五四号線に対しても、一つの節目が持てるのかなと考えているところですけれども、区長、あなた自身が何とかしてこの事業を完成させたい、そういった姿勢はございますか。 ◎保坂 区長 所管部長が答えたとおりですが、下北沢のまちづくりに関しては、駅前広場、大変苦労しながら、逆収用という手続もとったり、また一旦売ってくれるという方に関して、それがうまく進まないということで訴訟の手続に入ったり、相当所管はフル回転でやってくれていると思っています。  一方でお話のあったような上部利用、これも北沢デザイン会議などもたびたび開き、またPR戦略会議など、相当大勢の方が地元の町会の方も含めて、いよいよこれから完成に向かうんだというところで熱心な議論がありますので、広場部分がこれから完成していく、そして五四号線の取得に入ってさらに加速をしていくという時期を迎えつつあるというふうに思いますので、世界に向けて魅力を発信できるようなまちづくりにすると、そういう大きな方向の中で、委員おっしゃる五四号線のⅠ期についてしっかり力を入れてやると申し上げたわけですから、その点について責任を持ってまいりたいと。 ◆畠山晋一 委員 責任を持ってやりたいという答弁があったわけですけれども、これが言葉ではなくて、実際に実現するべく、補助五四号線ができないと駅の上部利用ができないというところにつながっているわけですから、どんなに協議して、どんなに北沢PR戦略会議等でいい会議や、いい議論や、いい人々の御意見を集約したって、五四号線ができなかったら、肝心の工事を進めるためのトラックが入れないんですよ。その辺の覚悟と決意が足りないと僕自身は感じているところでございますから、どうしても区長がやっていただけないんだったら、新たなリーダーを望むしかないのかなというふうに思わざるを得ませんけれども、ぜひともその辺に対しては早期進捗を強く要望して、次の質問に入らせていただきます。  次は、昨今の自然災害についても、もういつ来てもおかしくない大きな地震に備えて、防災の観点からAEDの設置のことについて伺ってまいります。  実は先々月から東京消防庁から各消防団にようやくAEDの設置が各分団に果たされた。そこで初めに伺うんですけれども、世田谷区内、AEDが区内に設置されてから十二年ぐらい経過すると思うんですけれども、現在のこの六十キロ平米に当たって、世田谷区内には幾つのAEDが設置されておりますでしょうか。 ◎辻 世田谷保健所長 AED、すなわち自動体外式除細動器につきましては、平成十六年の厚生労働省通知により、非医療従事者である一般市民にも使用が認められて以降、学校や駅、公共施設、商業施設等を中心に急速に普及してまいりました。区におきましても、不特定多数の方が利用でき、日常的に点検が行えるよう、原則、有人の施設であることを条件として、平成十八年度から二十年度に集中的に配備しております。  平成三十年三月末現在、区全体で公共施設には三百二十九カ所に三百三十台を設置しており、一般財団法人日本救急医療財団に登録されております民間施設を合わせますと、区内にはおおむね千二百台が設置されております。 ◆畠山晋一 委員 保健所の所長が答えるんですね。僕はてっきり危機管理室長とか、その辺の防災担当がお答えになるのかなと思ったら、AEDは保健所の辻先生が答えると。これは命にかかわることだからということで保健所の管轄になっているのかもしれないんですけれども、今区内には千二百台以上のAEDが設置されていると。AEDは実は大変高価なものですよね。実はAEDが全く何にも使われなかったとしても、この二年の間にパッドは交換しなきゃいけないし、また、何にも使わなかったとしても、バッテリーは四年に一度交換しなきゃいけない。また、本体自体も全く使わなくても七年で結局取りかえなきゃいけない、寿命があるわけです。  区としても、こういったメンテナンスの状況もあわせて、AED千二百台、区内全体、民間のところにも置いているんですけれども、区としてこのAEDには年間どの程度の予算がかかっているのか、また区の公共施設に配備されているAEDについては、経費としてどれぐらいかかっていらっしゃるんでしょうか。 ◎辻 世田谷保健所長 区の公共施設に配備されておりますAEDにつきましては、貸し出し用も含めまして三百三十台となっており、各設置所管がそれぞれ管理を行っております。世田谷保健所で所管しておりますのはそのうち百三十二台でございます。この百三十二台の主な経費といたしましては、リース料及び機種により異なりますが、一年半から四年で交換するパッドやバッテリーの経費のほか、普通救命講習教材費等で平成二十九年度決算で三百四十六万七千円余り、平成二十八年度、二十七年度につきましてもおおむね三百四十万円から三百五十万円となっております。
    ◆畠山晋一 委員 三百四十万円から三百五十万円ほどの予算がかかっている。これは結構高価なものですし、区の行政としても非常に大事な設置のあるこの機器であるわけです。命を救うと思えば、この大事なAEDを、僕自身はより一層広めていく必要がある。  実はこれは世田谷区ではなくて、隣の大田区です。大田区では、いろんな条件があるんですけれども、AEDにいろんな補助金が出ているんです。二十四時間使用できることが条件、または百メートル以内の圏内でもってメッシュをかけて、AEDの設置の進捗をされている。これは何で百メートル以内かというと、一般の方がAEDを使わなきゃいけないなといった状況に陥ったときに、大体五分ぐらいAEDを持ってくるのに時間がかかるから百メートルだという話らしいんです。  そうすると、このAEDの設置を世田谷区内にその規模で進めていくとなると、またいろんな諸条件がかかってくると思うわけですけれども、百メートル以内でなかったとしても、より一層、AEDの設置数をふやすためには、世田谷区としてもその辺の取り組みについて何かお考えをお持ちでいらっしゃいますでしょうか。 ◎辻 世田谷保健所長 AEDの適正な配置に向けて、厚生労働省はAED設置基準のガイドラインを公表しております。ガイドラインでは、設置場所については心停止の発生頻度が高くなる人が集まる場所やリスクのあるイベント、救急隊の到着までに時間のかかる場所などへの設置が望ましいとしており、比較的規模の大きな公共施設や学校、駅、スポーツ関連施設や高齢者施設等を奨励しております。  また、ガイドラインでは、AEDが心停止してからすぐに処置を行えば蘇生率が高くなるということから、五分以内に除細動が可能な配置が重要となってきます。そのためには、現場から片道一分以内の密度で配置されるよう考慮すべきとしております。  御指摘のとおり、区の公共施設だけではその設置数は十分とは言えない状況にあります。民間施設等に配置されているものも含めて検討する必要があると考えてございます。 ◆畠山晋一 委員 今、民間施設等に配置されているものも含めて、より一層検討する必要があるといったお考えをお持ちでいらっしゃるようですので、大田区みたいに、二十四時間使用できるといった条件や、地域の偏在などの実態も考慮して設置するなど、多くの課題はあるんですけれども、実際民間施設に設置されていると、より一層の命を助けるというための至上命題が果たされる大事な機器でございます。会社だとか、営業所だとか、例えば町会の会館ですとか、地元の剣道場とか、柔道場とか、こういった民間の施設にもより一層AEDの設置を拡大してふやしていくということが、世田谷区民または世田谷区に訪れていただいている方々の命を守る大切なAED設置にもなり得る大事な機器でございますので、補助金、大田区などもやっているわけですけれども、こういった助成制度を有効利用して世田谷区としては進めていくといったような考えはありますでしょうか。 ◎辻 世田谷保健所長 お話にありましたように、大田区におきましては、民間団体等が区内にみずからの施設に二十四時間誰でも使える状態でAED等を購入設置する際の初期費用に対し三分の二を助成しております。消費税の確定申告義務がある団体が四十三万一千円、町会・自治会等申告義務がない団体については四十六万六千円としております。補助要件といたしましては、団体に属する者の中に救命講習等の修了者がいることや、半径百メートル以内に大田区のホームページに掲載している二十四時間利用可能なAEDが設置されていないこと等があり、この制度を始めて二年間で二十九の団体から申請があったと伺っております。  区におきましては、AEDのさらなる普及拡大に当たり、国のガイドラインに基づき、また大田区を初めとする他自治体の取り組みなども注視してまいります。また、単に設置数をふやすだけではなく、効果的かつ効率的な設置に努め、あわせて民間施設に対する助成につきましても、関係所管とともに研究してまいりたいと考えております。 ◆畠山晋一 委員 実際にAEDで助かったという話も多く聞きますし、実は私の大田区民の知り合いの方が、世田谷区の二子玉川緑地運動場でAEDを使って命が助かったということもあるわけですから、これは区の境は関係なく命を救うことになってくるわけですから、ぜひともより多くのAED設置に向けての御努力をしていただきたいとお願いするところでございます。  最後に一問だけ聞きます。  商店街の加入促進、こちらは、先ほど区長の道路整備についてのやる気についても伺わせていただきましたけれども、実はこの商店街の加入促進については、去年、うちの会派の加藤委員からも昨年の決算のときに聞いてもらっています。渋谷区の条例の加入促進というところを見てみると、加入促進条例ですけれども、加入促進条例の中に、実際に具体的に事業者(チェーン店、スーパーマーケット、銀行等を含む。)と具体的に書いてあって、こういったところの加入促進を望む。ところが、世田谷区の加入促進条例の文言はたった一つ、小売店等を営むとしか書いていない。これをより明確にわかりやすく渋谷区のように加入促進条例の文言を変えたらどうだろうかと、たったこの文言を変えることだけですよ。ところが、この一年間全く何の進捗も見ていない、いまだ進捗がない、何でなんだろうと考えて、こういった総括の場面をいただいたわけだから、もしかしたら、リーダーである区長自身がこのことに対して反対しているのかな、御理解いただけていないんだろうかなという思いに至ったので、この質問に至りました。  区長としてはどうお考えでしょうか。 ◎保坂 区長 御指摘の産業振興基本条例の書き方の部分ですが、おっしゃるように、こういう書き方で、本来、全ての事業者が対象であるところであるにもかかわらず、その対象に今なっていないなというふうに事業者の方が勘違いするという御指摘を議会からいただいています。  この条例も十五年たっております。大きな役割を果たした条例ですが、区においても、産業の中で商業、工業、農業の枠組みを超えた産業ビジョンを作成したばかりですので、区内産業を取り巻くリアルな変化をしっかり見ながら、産業ビジョンでお示しした世田谷区の産業のありたい姿の実現を目指すという観点で、多様な産業の課題に対応するよう、議員御提案の内容を含めて条例改正について検討するように指示しているところでございます。 ◆畠山晋一 委員 次はできたといったような答弁を望んで、上島委員にかわります。 ◆上島よしもり 委員 それでは、引き続きまして、私のほうから、まず防災に関して何点か質問してまいりたいと思います。  今夏は全国で酷暑から始まり、大雨、台風、地震とまさにフルセットで災害が起こりました。東京、関東地方は特に大きな被害は免れましたが、もし首都圏が大災害に直面した場合、想定外の連続で厳しい状況になると思われます。それはまさしく、日常業務での感覚が全く通用しない、そういった環境になるということであります。  都市の特徴は、原形から大きく変化した地形、人口集中と施設の過密、エネルギー供給網の過密、地下から高層までの垂直に広がる空間、膨大な未知の人々の往来といった一度バランスを崩すと一気に危険になるという要素を多く抱えているということです。  人口も九十万人、また昼間には多数の人々が往来、通過する世田谷区において、区の職員の力だけでしっかりとコントロールするにはやはり限界があり、そのマネジメントを着実に行える専門的人材が必要であろうということで、我が会派からも、退職自衛官の危機管理監採用を要請してまいりました。  既に二十三区内でも七区が危機管理監や防災担当として迎え入れて、危機管理体制の強化を図ったということでありますが、翻って、当区ではまだ採用に至っていません。  今回の本会議の他会派の質問に対しまして、防衛省に推薦を依頼しているが、条件に合う人材、適任な人材が見つかっていないという状況という答弁がございました。  そこでお聞きいたしますが、区が示していらっしゃる条件、適任について御説明をお願いします。 ◎工藤 危機管理室長 防衛省に依頼している条件につきましては、非常勤の職として災害対策、危機管理に係る調査研究、助言、普及啓発、関係機関との連絡調整等はしております。 ◆上島よしもり 委員 条件についてはいかがですか。もう一度お願いします。 ◎工藤 危機管理室長 非常勤での採用ということでお願いしているところです。 ◆上島よしもり 委員 もう少し詳しくお願いしたいんですが、非常勤というのは、非常勤もいろいろな形があると思うんですけれども、例えば週に何日、いろいろそういった条件についてはどういうふうに示されているか具体的にお示しください。 ◎工藤 危機管理室長 今現在、既に御案内のとおり、東京消防庁のOBの方が非常勤ということで、月八日、週二回ほどということで採用をしておりますので、それと同等ということで非常勤でお願いしているところでございます。 ◆上島よしもり 委員 大変聞きづらいお話ですけれども、週二回で報酬というのはどういうふうに提示されているんでしょうか。 ◎工藤 危機管理室長 給料のほうは、私は今数字のほうを押さえておりませんけれども、非常勤の額ということで提示をしていると。 ◆上島よしもり 委員 非常勤の額ということでございますと、多分年間百五十万円ぐらいが想定されるわけですけれども、他区の採用状況、また区での役職、役割などをどのように調べていらっしゃるか、知っていらっしゃったら教えてください。 ◎工藤 危機管理室長 他自治体の採用状況でございますが、まず、東京都につきましては常勤の危機管理監として退職時の陸将、また特別区につきましては、数区におきましては常勤の危機管理に関する部長職、課長職、係長職として採用しており、退職時の階級としましては陸将補、一等陸佐、またその他の数区におきましては危機管理連絡員として、また防災普及員として非常勤採用として、こちらにつきましては陸将補から陸尉、陸曹長などとなっております。 ◆上島よしもり 委員 そこに、今、世田谷区が想定している役職、役割というものと、その他区の違いってどのように考えていらっしゃいますか。 ◎工藤 危機管理室長 今御説明させていただきましたように、他区の事例ということで、危機管理の連絡員ということで非常勤の採用等もございますので、先ほど御答弁しましたように、常勤ではなくて、非常勤ということでお越しいただいて、さまざまな助言等をいただくようなことで考えております。 ◆上島よしもり 委員 ここでちょっと私のほうから、私の知り得ている範囲ですけれども、二十三区の採用状況を少し詳しくお話しさせていただきますけれども、都庁は別として、豊島区が危機管理監に常勤で陸将補です。品川区が常勤で陸将補と一等陸佐、非常勤で一等陸佐、大田区が常勤で陸将補、渋谷区が常勤で陸将補と一等陸佐、荒川区、板橋区、足立区とこちらは非常勤ですけれども、一等陸尉、一等陸佐、一等空佐、陸将補ということで今入っていらっしゃるんです。  実際に陸将補、一等陸佐って、一般の方はなかなかわからないと思うんですけれども、実際、旅団長をされる方というのが大体陸将補なんです。旅団長というのが四千人から五千人の要するに人員を掌握して、それを運用するというのが陸将補の日ごろやっていることです。一等陸佐ですと、連隊長ということで、今、自衛隊では大体一千人です。昔はもっと多かったらしいんですけれども、今大体一千人の人員を掌握してやっていると。もちろん連隊長の上に旅団長というのがいらっしゃって、連隊長以上であれば、今、毎年いろんなところで起こっていますけれども、災害の現場で実際、もう指揮をとっている方々なんです。  私が申し上げたいのは、他区と世田谷区の退職自衛官をどう採用するかの考え方の違い、大きな違いというのは、他区では、要するに危機管理監として災害対策本部のマネジメントをしっかりと行ってもらおうという意思がそこにあるわけですよ。常勤で、日ごろから日々の区の職員と一体となって、区の職員と災害体制をしっかりと構築させていくという意思があるというのが他区なんです。世田谷区の場合はどうやら、先ほどのお話ですと非常勤で、いわゆるアドバイス、また計画の見直しであるとか、もしくは地区防災等の助言を行うとか、そういったことで考えていらっしゃると思うんですが、先ほど僕が申し上げたとおり、都市災害、都市で災害が起きたときには大変なことになるということは、多分皆さん、想像がつくと思うんですが、退職自衛官を採用したいという気がないのかなと。  先ほど週二日で、退職自衛官を本当に採用しようと思ったら、この条件では私ははっきり言って難しいと思います。紹介をしていただけないんじゃなくて、紹介をしていただけない条件を今区が提示していると私はそう思います。ですから、その辺の状況、今の現状を変えてもらうことがまず大事だと思うんです。  ちょっと全国を見ますと、退職自衛官で危機管理監、防災官として活躍している事例でいいますと、平成二十九年度時点で、都道府県では沖縄県を除く全都道府県、そして市町村では二百七十自治体、中には体制を整えるために、先ほど他区でもありましたけれども、一自治体で複数名の退職自衛官を採用しているというところがふえているんです。非常にふえています。世田谷区は、今や九十万人を擁する、百万人までなると予想されている県並みの人口を擁する自治体なわけです。区長はそのことをいろんな場面で誇らしげにお話しされますけれども、その分、区民の生命と財産を守る行政の長として、責任はより大きくなっているということを私は自覚してもらいたいんです。その重みをどこまで理解されているのか疑問です。  災害発生の初動期は、二十四時間体制で刻々と変化する状況を把握して、そして適切な判断がその都度求められます。そして、迅速、的確に対処するため、少人数による対策会議を開催して、たくさんの人を呼んでいろんな意見を言わせてどうしようかというんじゃだめなんです。できるだけ少人数で対策を練る。そして、こういった状況下、二十四時間ずっとそれを続けていって、九十万区民の生命、財産を守っていく。リーダーの決断と実行というものがそのときの対応の成否を決定するんですよ。  そういった中で、他区がこぞって危機管理監に退職自衛官を採用するというのは、私はまさにそういう状況を想像されて、今一生懸命そういう活動をされていると思うんです。それでも今、世田谷区がそういった方々をしっかりと採用しないというのであれば、私は無責任なんじゃないかなということを申し上げたいんです。  今議会で答弁がありました民間コンサルタントの採用というものも、現在区が求めている範囲で言えば、それも選択肢かもしれませんけれども、自民党として求めているのは、災害時の運営体制の確立、そしてそのための区職員の災害対応能力を引き上げる日々の取り組みができる人材であって、それは単なる計画のチェックやアドバイスで事足りるものではなくて、区の職員と一体となって、一員として、ともに責任を分かち合いながら、専門的な経験を区役所に落とし込む人材、そして災害時には、区長、そして副区長の右腕となって区民の生命と財産に責任を持つ、そういう人材こそが現在の世田谷区に必要だと私は心から確信しておりますが、区長はいかがお考えでしょうか。 ◎保坂 区長 他区の事例も挙げていただきながら、世田谷区の災害対策について、自衛隊でのそういう御経験のある方の効果的な活用という御提案をいただきました。  既に所管からお答えしているように、東京消防庁のOBの方に来ていただき、また図上訓練、あるいはいろんな場面で私もお話を聞きますけれども、来ていただいて、災害対策の特に水害であるとか、避難を要する、そういった事態に対してはいい意見をいただいているなと思います。  また、自衛官OBの採用については、条件がそもそも非常勤ということで御指摘をいただいていますけれども、この条件を示しながら、防衛省に提示してやりとりをしているということで、たしかにその条件での人材が見つかっていないというのが現状でございます。  ただ、トータルに災害の大きな、短い時間にしっかりした判断をするべき体制を、このことも含めて拡充せよという御提案については、真摯に受けとめさせていただいて、また協議をしていきたいと思っております。  また、この夏、気象異変に当たって、台風がまた二十五号が来ておりますけれども、この台風の動きが非常に複雑である、西から東に来たのもありました。それから、それよりさらに大変なのがゲリラ雷雨、突然雷雲が発生して、これはたまがわ花火大会、残念ながら昨年、直撃を受けまして、これは中止のやむなきに至りました。  こういった面では、いわゆる気象の専門家の方も、こういった危機管理体制、あるいはその予防というか、タイムラインを考える上で必要だと思っておりまして、トータルに災害対策を強化する観点で今のお話を検討させていただきたいと思います。 ◆上島よしもり 委員 ぜひ検討をよろしくお願いいたします。  それで今ちょうど区長のほうからお話がありました豪雨対策というんでしょうか、水害対策というんでしょうか、そういったものについてお話を移らせていただきます。  先ほど畠山委員からも道路に関して重要な議論がございましたけれども、行政が行うべき、一番行わなければいけない減災対策の基礎というのは、区民の生命と財産を守る基礎というのは、インフラ整備にあることは皆さんも同意していただけると思います。  私は、災害というとまず頭に浮かぶのが、地震災害ですけれども、我が国に毎年必ず起こる大きな被害をもたらしている災害は水害でありまして、実際我が国の降雨量は世界の平均の二倍ということであります。しばらくは強力な治水対策を進めて被害を軽減してきた、そういった歴史があったわけでございますけれども、近年は集中豪雨、ゲリラ豪雨により、今までと違った新しい取り組みが求められていると、その点についても、先ほど区長のほうからお話がありましたとおり、新たな対応をしていかなくてはいけないと思います。  今定例会本会議場においても数多くの質疑がありまして、豪雨対策として、下水道整備から始まって、雨水貯留槽の整備や計画的にそういったことを進めていくことが最も大切なことであることは当然理解いたしますけれども、しかし、先ほどお話のあった道路整備しかり、本気度が感じられないんです。実際に浸水被害に遭われた方が、今回もたくさんいらっしゃいますけれども、毎回そういった被害に遭われる方もいらっしゃれば、今回が初めてという方々もいらっしゃると思います。  それで、なぜそこでそれぞれの家に対して、ヒアリングをして、また調査をして、対策を考えようとしないのか。お見舞金を出すよりももっと大切なことは、被害を少しでも軽減する努力、被害時の水の流れといった状況を区として把握して対応するところがないのか。行政として、都市をより強くしていくという姿勢を持つことが私は大事だと思います。行政としてどうにもできないのであれば、その説明をしっかりとしながら、今後の対策のアドバイスをするなど、親身になったきめ細やかな対応こそが肝要であると考えます。  特に区民にとっては、国も都も区も行政機関として一つとして捉えていまして、それは都の管轄です、それは国の管轄ですという対応は無責任に感じるのは当然のことと思います。基礎自治体として、地元の地形などに一番詳しい区がしっかりと受けとめて、都や国に働きかけなど、豪雨対策をより一層推進すべきであります。もし区長に防災の決意、強い決意があるとすれば、そう指示を出すべきではないでしょうか。  今回の被害に遭った三百件余り、決して少なくない数ではありますが、しっかりと調査をして、またいつ来るかわからない大雨に備えて、少しでもやれることはないか、被害を軽減する対策はないのか、努力が十分なされていないことは課題として受けとめるべきだと考えます。区長、いかがお考えでしょうか。 ◎保坂 区長 とりわけ八月末のゲリラ雷雨、道路冠水、また床上、床下で大変多くの方が罹災証明を求めに来られた中で、被害規模の広がりを、委員おっしゃるように、これは決して少ない数ではありません。その中で、何度も繰り返しという方もいらっしゃるでしょうし、どういうシチュエーションで、あと原因状況は、区のできる範囲のこと、例えば下水道を広げるということは東京都に要請して、これは前倒しをしてくれということを言っていきたいと思っていますけれども、それ以前にできることがあれば、何があるのか点検もしなければいけないと思います。  見舞金も重要だけれども、被害状況をちゃんと調査しろと、ヒアリングしろということについては貴重な御提言だと思いますし、ハードインフラ、これを本当にさらにしっかりしたものにしてくれということを国や東京都に働きかけるというのが第一点、それからグリーンインフラについても、これもできることとして同時にやっていくという強い決意で、水の対策はこれから本当に重要な区の課題だと考えております。 ◆上島よしもり 委員 実際、大規模な道路整備が済んだ後に、水の流れが変わって、そこでそういう被害に遭われた、そういった家があるんです。そういうのもいろいろあると思います。そういうものについて、実際に区のほうから余りヒアリングをしてくれない、そういうこともたくさん聞いていますので、やはりそこは、これは東京都だから管を太くしなかったらどうしようもないんだじゃなくて、やはり区としてできることはないか。私は例えば道路整備したところの、どこがどういうふうに変わってどうなったのかというのを調べていけば、もしかすると糸口があるかわからない。そういうことを一生懸命考えてもらいたいと思います。  現場の職員が一生懸命対応されております。ただ、やはり区の方針がそこまで至っていないと、彼らも、職員の方も、実際現場でどこまでやれるかどうか、やはり不安な中でやっていくわけですから、そういうことのないように、全庁的にしっかりと区長がやっていくんだという姿勢を示していただくことが大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、特殊詐欺対策の防災無線の活用について伺っていきたいと思います。  さきの本会議で我が党の加藤議員から提案、質問がなされた件でありますけれども、その際の御答弁は、世田谷区では、防災行政無線を災害時に区民の命を守る重要なツールと位置づけ、避難情報やJアラート等に用いることとしている。また、五月から安全安心パトロールカーを使用しての広報展開をしているということでございました。  防災行政無線は災害のときにしか使わないという位置づけにしているのはなぜでしょうか。 ◎工藤 危機管理室長 今、委員がお話しいただいたように、改めてでございますが、区の防災行政無線は区内百八十九カ所に無線塔を配置しております。避難勧告等の避難情報を発令した場合、Jアラートを通じて国から情報が発信された場合など、主に区民の生命にかかわるような災害に関する緊急情報を放送することとしております。 ◆上島よしもり 委員 なぜそういう位置づけにしているかという質問だったんですけれども、さきの答弁では、区民の命を守る重要なツールと位置づけているから、命にかかわること以外は使えないという聞き方もあるんですけれども、位置づけそのものを変えればできるんじゃないでしょうか。例えば区民の生命と財産を守る重要なツールというふうにすれば使えるんじゃないですか。 ◎工藤 危機管理室長 繰り返しの部分がございますけれども、区としましては、防災行政無線は災害時における区民の命を守る重要なツールとして位置づけ、放送内容、特に災害に関する緊急情報を放送していたため、現在、特殊詐欺の注意喚起に防災行政無線を活用することは現在想定しておりませんが、今いろいろ御質問いただきました、他区の状況等も踏まえて、防犯面についても効果的な利用について研究してまいりたいと考えております。 ◆上島よしもり 委員 現在二十三区では、たくさんの区が実際使っているように伺っています。お隣の渋谷区も使っているとも聞いています。当初、いろいろ聞いていたデメリットとして、授業中に騒音になるということとか、区民からうるさいとの苦情、また聞こえなかったという問い合わせが多く寄せられるということでありましたが、でも、実際渋谷区もそうですし、川崎もどうやら日常から使っていると。実際授業中に騒音になるといっても、わずか多分一分弱、これはわかりませんけれども、その内容によりますが、子どもたちにまた聞かれていけない情報じゃないと思いますし、また、子どもたちに犯罪に対する意識を高めてもらうという観点でも、決して僕はそんな問題があることとは思いません。加えて、地域を特定して行うということであれば、しょっちゅうということにはなかなかならないのではないかなと。それは集中する場合もあるかわかりませんけれども。  あと、区役所にさまざまな電話が出てくるというのは想像がつきます。でも、実際受ける職員は大変なことはよくわかりますけれども、防災行政無線が聞こえなかったというお宅の場所とか、エリアを把握する上でも、こういうことは日ごろからやっておいていいんじゃないかなと思いますし、場合によっては改善をしていく、そしてまた災害時のときに広報車を回すべきエリアとして捉えるとか、また、うちは行政無線がどうしても聞こえないというお宅ももしかしたらあるかもしれません。そういうときには、FMのラジオの配布とか、ほかの自治体でやっていることですけれども、そういうこともやるとか、やはりまさに命を守るための日々の努力を重ねるというのが世田谷区のあるべき姿じゃないんでしょうかね。  このたび区長は、緊急事態宣言を出されまして、区内四警察署と連携を強化して新たな取り組みを発表されました。私もさまざまなメディアでお見かけしましたけれども、であれば、やることは全てやる、緊急事態宣言ですからね。それが本来じゃないですか、いかがでしょうか。 ◎保坂 区長 特殊詐欺について防災行政無線についての使用は考えないのかと、他区での事例もあるという、これは本会議でもお話をいただいたところです。  今、所管部のほうで使用を限定しているのでという答弁をしましたけれども、緊急事態宣言はありとあらゆる手段でということを当然考えていきますので、他区の取り組みの事例も、区長会等で御一緒しますので、よく聞いて、有効な対策としてこの防災行政無線の使用の仕方ということについて、所管と相談して検討してまいりたいと思います。 ◆上島よしもり 委員 ぜひ今後は、区長がしっかりと本当に区民の生命と財産を守っていくという姿勢を示せば、もちろん当初はいろいろな異論も出てくるかもしれませんけれども、やはり命を守る、もしくは財産を守るということは、普通、大変なことなんですよね。それをやっていくには、やはりそれなりの覚悟、もしくは姿勢というものを示さないと、本当に災害を乗り切れないと思います。  そういう意味で、今検討していただけるという御答弁をいただきましたけれども、早急に検討を進めていただいて、緊急事態でということでございますから、しっかりと取り組んでいただくようお願いいたしまして、午前中の自民党の質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは休憩いたします。     午前十一時四十九分休憩    ──────────────────     午後零時四十五分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆上山なおのり 委員 午前中に引き続きまして、自由民主党世田谷区議団の総括質疑を続けてまいります。  さきの代表質問でも触れましたが、来年度予算の編成に当たって伺ってまいります。  我が会派が以前より申し上げているとおり、保坂区長のもとで編成される予算には、スピード感や積極性を掲げるものの、その実は区長の思いつきのアイデアを拙速に実行に移すだけではないかと首をかしげたくなる事業が散見されるのも事実であります。  自治体の政策立案は、新規性を追い求めるのではなく、施策の必要性に関する明確なデータに基づいて制度を構築し、その自治体で暮らす住民生活の安定、向上を目指すことが本質であり、重要なのであります。  その点を踏まえて、平成三十一年度予算編成に当たり、区長の意気込みを伺いましたが、到底納得のいくものではありませんでした。どのように世田谷区政を着実に進めていくのか、担当部長に伺います。 ◎岩本 政策経営部長 平成三十一年度予算編成に当たりましては、基本計画に掲げる重点政策をより一層推進することを目標に、新実施計画(後期)を確実に展開することを基本としてまいりますが、東京二〇二〇大会に向けた準備や児童相談所の開設、この間の豪雨や震災など、災害を踏まえた対策など新たな課題への対応とともに、社会保障費や公共施設の更新などの財政需要にも的確に対応し、持続可能な財政運営を図ることが不可欠であると認識をしております。  一方でふるさと納税の影響や法人住民税のさらなる国税化による特別交付金の減収の影響に加え、来年十月からは幼児教育の無償化の実施が予定されておりまして、この負担増も想定をされております。  今後、各部の見積もり状況も勘案しながら予算編成作業を進めてまいりますが、限りある財源を効率的、効果的に配分することを念頭に、既存事業や新規事業についても、庁内での議論を通じまして、その効果や必要性の検証に努めるとともに、ICTや民間活力等についても積極的に活用した事業手法の改善など、行政経営改革にも取り組んでまいりたいと考えております。 ◆上山なおのり 委員 行政経営改革の成果を電力の調達や公共施設の整備手法の改革というのではなく、王道である事務事業の見直しを余すところなく念入りに行い、行政の無駄を省くよう強く要望いたします。  予算についてもう一点、ことしの予算委員会において、一般型のワークスペース補助事業について、制度設計が曖昧で事業効果に疑問が残ることから、予算を組み替える動議を提出し、可決されました。区長はこれを受け、事業の再構築に向けた検討を行うと述べましたが、今定例会に補正予算の提案も出されていないことから、区は事業化に向けて検討しているものと察しますが、その後、どのような検討が進んでいるのかお伺いいたします。 ◎久末 経済産業部長 (仮称)子どもの近くで働くことができるワークスペース補助事業につきましては、平成三十年度新規事業として提案いたしましたが、予算委員会において、一般型については、議会より、制度設計が曖昧で事業効果に疑問が残るという御指摘を受け、現在予算は保留となっております。  それを受け、都内の五つの類似事業者へヒアリングを行い、補助金のあり方や運営の仕方について助言をいただきました。また、もう一つの課題であった子どもを預かることができ、打ち合わせ等で外出できる機能についても取り入れる方向で検討しております。  一方、九月から事業を開始いたしましたワークスペースひろば型の利用登録は順調に進んでいると聞いております。さらに、おでかけひろばの利用者にひろば型の開所前にアンケートしたところ、利用を希望する方は、自分のペースで仕事も育児もできるという意見や、近くにいて休み時間に授乳できる利点があるという意見がありました。  加えて食事の提供や時間延長を望む意見もあり、現在計画している一般型では、キャリア形成のためにひろば型より開設時間が長い想定をしており、子どもを預かる時間が長くなるため、保育に近い形での実施を検討しているところです。  今後、さらに議会での議論もいただきながら具体的な検討を重ね、年度内の事業開始を目指してまいります。 ◆上山なおのり 委員 年度内に開設を目指すとありましたので、四定もしくは一定に上がってくると思いますが、議論をしてしっかりと進めていきたい、そのように思っております。  次に、民泊について伺います。  ここ数年、民泊が注目されるようになり、訪日外国人を中心に多くの人々が宿泊先として個人の住宅や別荘などを利用するようになりました。しかし、旅館業法や建築基準法、消防法などに違反している可能性や、近隣住民とのトラブル、無断転貸や民泊先が犯罪の温床となるなどさまざまな問題点も指摘されてまいりました。そんな中、個人宅を宿泊先に利用すること自体を禁止すべきだという声も上がっておりました。  そこで、ことし六月十五日に民泊新法、住宅宿泊事業法が施行され、これまでグレーな状態だった民泊を合法的なサービスとして確立し、安全に個人宅や空き家への宿泊をするための法制度がスタートすることになりました。  そこで、民泊新法が施行され、三カ月がたちましたが、現状についてお伺いいたします。
    ◎辻 世田谷保健所長 本年六月十五日より実施しております世田谷区の住宅宿泊事業の届け出件数は、九月末現在で百三十一件となっており、うち百三十件を受理しております。  この間、区民等からは、現在事業を行っている住宅宿泊事業者に対する苦情はいただいておりませんが、無届けで住宅宿泊事業を営業しているのではないかという問い合わせは、法施行後十三件いただいております。  こうした問い合わせに対し、現地に赴き、調査を行ったところ、法施行後に営業を停止した、居住している外国人だった、また海外からの友人、知人を一時的に宿泊させているケースなど、いずれも無届けの住宅宿泊事業ではございませんでした。  区におきましては、引き続き適正な住宅宿泊事業の運営に向け、事業者への研修等を通した指導を図るとともに、区民等からの通報を受けるなど、無届けの事業者の把握をした場合の適切な取り締まりに取り組んでまいります。 ◆上山なおのり 委員 マンションの駐車場内で、車の練習をしている外国人の方がいたというお話を聞いたことがあります。答弁でもあったとおり、無届けの民泊ではなく、居住している外国人の方もいるかもしれません。無届けの民泊を取り締まるのはもちろんですが、居住されている外国人の方が近隣トラブルにならぬよう、関係部署と連携して対応をお願いいたします。  次に、三軒茶屋の再開発について伺います。  三軒茶屋二丁目地区では、平成二年に勉強会が始まって以来、既に三十年近く地元の方々が市街地再開発の事業化に向けた努力を続けております。これまで地区を二つに分けて、それぞれの再開発準備組合での議論を重ねてきたところですが、平成二十七年の夏に二つの準備組合が一つにまとまり、再開発事業の実現に向けて大きな一歩を踏み出したところであります。  準備組合が一つにまとまってから三年たちましたが、再開発に向けて現在の準備組合の状況についてお伺いいたします。 ◎渡辺 都市整備政策部長 お話にございましたように、三軒茶屋二丁目地区再開発準備組合におきましては、二つの準備組合が平成二十七年の八月に一つにまとまって以来、本区の広域生活・文化拠点として位置づけのある中で、古くから交通の要衝として商業を中心に発展してきた歴史を踏まえながら、三軒茶屋にふさわしい機能の導入や広場空間、通路の配置などとともに、建物の形状や配置など、公共性の視点から施設計画について検討してございます。  また、関係する権利者の合意形成にも積極的に取り組んでいるという状況について聞いているところでございます。 ◆上山なおのり 委員 再開発の事業化に向けて準備組合の活動も熱を帯びてきたように見えます。広域生活・文化拠点としての三軒茶屋の町をより一層魅力あふれる町にしていくチャンスであり、区のさらなる後押しが必要な時期だと考えます。  さて、区では来年の三月を目途に、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針を策定していくということですが、この方針を策定した後、三軒茶屋二丁目地区にどのようにかかわっていくのかお伺いいたします。 ◎渡辺 都市整備政策部長 事業計画の精査や合意形成など、準備組合の活動が非常に活発になっているということにつきましては、区といたしましても認識しているところでございます。  本区の都市整備方針では、再開発事業などにより、木造建物などを更新し、防災性が高く、駅前にふさわしいにぎわいと利便性を備えたまちづくりを進めることとしてございます。  今般まとめておりますまちづくり基本方針の将来像を踏まえながら、三軒茶屋二丁目地区の再開発が駅前にふさわしい公共性の高いにぎわいと利便性を備えたまちづくりに資する計画となるよう誘導していきたいと考えてございます。また、都と区との役割分担を明確にしながら、地区計画や高度利用地区、用途地域など都市計画の策定に向けまして準備を進めてまいりたいと考えております。 ◆上山なおのり 委員 三軒茶屋二丁目地区は古い建物が密集し、火災や震災に対して非常に大きな課題を抱えているものと認識しております。また、道路配置や接道条件が悪いために建築に制限を受けるなど、三軒茶屋の中心地であるにもかかわらず、そのポテンシャルを発揮できずに、十分な土地利用がなされていない状況であり、今後の町の発展から見ると残念に思います。  最後に、岡田副区長にお聞きします。こうした状況の中で町をよくしていこうとする地元の再開発に向けた動きに対して、区の意気込みをお聞かせください。 ◎岡田 副区長 お話しの三軒茶屋二丁目地区の再開発の動きにつきましては、これまで三十年近い地元の活動、御努力、これに頭の下がる思いがいたします。  今般、将来に向けたビジョンを示します三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針を議会、区民の御意見をいただきながら取りまとめようとしておりますけれども、これをガイドラインといたしまして、地元の皆様の取り組みと向き合い、広域生活・文化拠点、そして世田谷の東の玄関口としての三軒茶屋のまちづくりの実現に向けまして積極的に取り組んでいきたいと考えております。 ◆上山なおのり 委員 三軒茶屋は世田谷の東の玄関口であります。三軒茶屋、太子堂の再開発は、西友、キャロットタワー、サンタワーズと三つの工区が完了しており、第四工区の三軒茶屋二丁目地区は四番目です。計画ではもう一つ、第三工区である太子堂四丁目地区もあります。代表でも指摘しましたが、行政機能の集約の課題もあります。区が率先して公共施設整備の必要性を基本方針に入れるべきであります。ぜひとも積極的に取り組んでいただくよう要望いたします。  次に、ホストタウン交流についてお伺いいたします。  代表でも触れましたが、今後、国においてアメリカ選手団のキャンプ地、またアメリカ合衆国のホストタウンとして、スポーツ、文化、芸術などさまざまな交流事業の実施が期待されます。特に子どもたちの心に残るレガシーを創出するためにも、小中学生を中心に多くの交流機会を設けるよう質問いたしました。  その中で、例として、ハナミズキと桜の日米交流を挙げましたが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催まであと二年を切りました。早急に深めて広げていくべきと考えますが、区の今後の展開についてお聞かせください。 ◎内田 スポーツ推進部長 お話しのハナミズキの交流ですけれども、一九一二年に日米友好の印として日本からアメリカにソメイヨシノの苗木を寄贈したことをきっかけにいたしまして、その後、アメリカから日本にハナミズキの苗木が寄贈されたといった百年以上のハナミズキ交流の歴史を持った原木が、深沢にある都立園芸高校の敷地内にございます。  平成二十五年の桜を通じた日米友好百周年では、ハナミズキの苗木を区立の二子玉川公園で植樹を行っております。今年度はワシントンDCの日米協会の協力のもと、二子玉川花みず木フェスティバル、区民まつりなどにおきまして、ホストタウンのPRとともに、これまでのハナミズキ交流の周知も行っているところでございます。  お話しのハナミズキの交流につきましては、ホストタウンの取り組みを進める上で柱の一つになり得るものと考えております。現在、日米協会からは区立の小中学生に対しまして、ハナミズキ交流のこれまでの経緯の周知、理解を深めるプログラム、ハナミズキの植樹などの提案をいただいております。御提案の内容につきましては、教育委員会や生活文化部等の関係所管部と協議を進めておりまして、ホストタウン交流事業の取り組みとなるよう実現に向けまして調整をしてまいります。 ◆上山なおのり 委員 百年以上の歴史のあるハナミズキと桜の日米交流であります。さらに、百年前に送られた原木が区内にあるわけですので、レガシーとなるよう進めていただきたいと思います。  さて、先日の西日本豪雨を初め、世田谷区でも八月に一時間の最大雨量が百十一ミリを記録する豪雨が発生しました。一昨日の非常に強い勢力で上陸した台風二十四号により、八王子では観測史上最も強い四十五・六メートルを記録しました。区内では、この台風による影響で九月三十日午後十時ごろより風が強まり、区内各地で倒木や建物被害が発生し、停電も多数発生したとのことであります。日本各地で想定を超える降雨量のために河川が氾濫する被害が相次いでおり、過去の気象データが必ずしも当てにならない局面を迎えていると考えるべきであります。  区でも、本年六月に豪雨対策行動計画を策定しているところではありますが、繰り返し浸水被害が出る場所が限られる傾向がある中で、その対策として自助も必要になると考えます。自助の取り組みを促す工夫について区の見解をお伺いいたします。 ◎工藤 危機管理室長 最近の時間雨量五十ミリを超える豪雨が頻発する状況を踏まえますと、自助による浸水対策の重要性が高まっていると認識しております。自助を促す取り組みとしましては、浸水で被災された世帯に対する災害見舞金をお渡しする際に、浸水被害を減らすためのリーフレットもお渡しし、気象情報の取得方法や半地下の浸水対策など、日ごろからの事前の備えについて啓発の取り組みを始めたところでございます。  今後、関係部署とも連携を図りまして創意工夫を凝らし、区民の自助の取り組みを促してまいります。 ◆上山なおのり 委員 集中豪雨によって浸水被害を繰り返し受けている地区の中には、上馬地区、弦巻地区などのように、下水道幹線増強工事による七十五ミリ対応の浸水対策整備に着手したところがある一方で、このような浸水対策の計画がないところもあるようです。被害がある程度まとまって発生しているそのような地区を把握して、下水道の追加整備を東京都に働きかけることを要望いたします。  最後に、災害について伺ってまいります。  まず、体育館の空調設備について伺います。  昨年の九州豪雨で避難所となっている体育館等が蒸し風呂状態で、避難者の健康状態が悪化したとニュースを聞き、いたたまれない気持ちになりました。ことしの西日本豪雨での避難所では、政府が熱中症回避のために人の多い避難所優先でエアコンを設置されたとニュースで放映されておりました。体育館にエアコンを設置する場合には、工期も費用もかかります。  他自治体では早期に設置するためにスポットバズーカを導入していると伺います。建てかえ時に空調設備を導入していくのはもちろんですが、日常で学校の授業で使用しているなど早急に対応する部分があると思いますが、区の見解をお伺いいたします。 ◎淺野 教育次長 本年の夏の猛暑では、学校により体育館の使用を中止せざるを得ない状況となりまして、学校の授業や行事に大きな影響を及ぼしました。このため、さきの代表質問、一般質問でも御答弁させていただきましたが、既に区長から学校の体育館への空調設備導入を早急に検討するようにと指示を受けております。  このため、現在検討を進めておりますけれども、体育館の大きな空間をどのような方式で冷却し、児童生徒の安全を確保していくかが課題となっております。委員お話しのスポットバズーカは、強力な冷風を遠くまで送ることにより、大きな空間でも冷却できる製品です。主に大規模な倉庫などで活用されていると聞いておりますが、大空間での利用にすぐれているため、文京区ではこの方式を用いまして、全校の体育館に整備をしております。文京区の教育委員会からは、効率的で効果的であるとのお話を聞いておりますが、一方で、風が強いことや音が大きいとの課題もあると聞いております。  いずれにいたしましても、委員の提案も含めまして総合的に検討し、結論を出してまいります。 ◆上山なおのり 委員 我が会派の加藤議員からも一般質問で提案しておりますが、空調設備に加えて、屋根に遮熱性塗料を施すなど、幾つかの策を同時に講じ、機能的にかつコストを抑える策をすべきであります。スポットバズーカもその一つになるのではないでしょうか。移動が可能なので、別の学校、または体育館以外でも使用可能だと思いますので、体育館の空調設備充実に向けて進めていただきたいと思います。  ことしは災害が相次ぎ、各地の避難所の様子も伝わってきておりますが、運営では苦労が多いと聞きます。世田谷区では、地元住民主体の避難所運営委員会が運営することになっております。避難所運営マニュアルを改訂しましたが、改訂過程と主な変更点、町の声をどの程度反映できたのか、まずはお伺いいたします。 ◎工藤 危機管理室長 昨年一月に修正いたしました地域防災計画を踏まえ、昨年度、避難所運営マニュアル(標準版)を修正しております。修正に当たりましては、国指針、計画等の整合を図ること、区民意見を反映すること、見やすくわかりやすい構成と役立つツールの充実を主な柱とし、これまでの災害の教訓や新たな知見に基づく運営のポイントの反映に努めております。  また、避難所運営組織の皆様の声を聞く機会としてワークショップを開催し、御意見をマニュアルの修正に反映させております。主な修正項目としましては、物資・食料の要請・搬送の手順、トイレの利用・管理のポイント、ボランティアの派遣要請手順、要配慮者への対応、男女共同参画の視点の導入、防火・防犯対策の新設などでございます。 ◆上山なおのり 委員 マニュアルがより具体的になり、ボリュームもふえた感は否めません。運営委員会の中心を担う町会のメンバーからは、自分たちの高齢化もあり、やり切れるのかという不安の声も聞こえてまいります。運営委員会任せで人手が足りないことにはならないのかお伺いいたします。 ◎平澤 世田谷総合支所長 避難所運営マニュアルにつきましては、今回の改訂で役割分担や手順を明確にするために書き込みをふやしたところもあり、一見しますと、ボリュームがある感じもいたしますが、ちゃんと仕切りも取り入れて使いやすさを工夫したところでもございます。  また、運営委員会の皆さんの負担を軽減する意味で、早期に外部のボランティアを養成できるようにその手順を明らかにしました。世田谷地域では協定を締結した昭和女子大学にボランティアマッチングセンターを設置し、ボランティアを受け入れます。そこからサテライトとなる避難所に移動し、避難所運営委員会とサテライトのボランティアコーディネーターが協議し、役割を割り振ってまいります。  世田谷地域では、避難所運営訓練や防災塾の中でボランティア協会が進めるコーディネーター養成講座を実施し、この流れを体感していただいているところでございます。各種の災害を見ても、ボランティアの受け入れのスピードが復旧のスピードに影響が大きいことから、早期にボランティアを受け入れ、支援いただくよう仕組みを確立するとともに、避難所運営に当たる皆さんともマッチングの手法の習熟を図ってまいりたいと考えております。 ◆上山なおのり 委員 先日、せたがや災害ボランティアセンターが実施する災害ボランティアマッチングコーディネーター養成講座の基礎研修を受けてまいりました。修了証です。その受けた中で、災害時のボランティアの流れというものが、マニュアルだけで見るのではなく本当によくわかりました。隣で受講された方は避難所運営の委員の方で、マニュアルだけではやはりわからなかったことがわかり、勉強になったと、今後の避難所運営に生かしていきたいという声もありましたので、ぜひとも進めていただきたいと思います。  次に、飲み水について伺います。  西日本豪雨や北海道の胆振東部地震においても水の不足がかなり深刻であったと聞きます。避難所となる学校には飲料水の備蓄は少なく、給水拠点までは距離があり、とりに行くことが困難に思えてなりません。水道局と協定を結んだようでありますが、飲料水の確保状況についてお伺いします。 ◎平澤 世田谷総合支所長 西日本豪雨や胆振の地震の避難所を見ても、飲料水の確保は大きな課題と認識しておりますが、現在学校の避難所に備蓄している飲料水は、アルファ米の炊き出しや粉ミルクに利用する程度の分量であり、避難者の飲料には足りません。行政が全てを備蓄することはスペースとして困難なことから、まずは各御家庭での備蓄を一定程度お願いしているところでございます。  また、御指摘のとおり、水道局と協定を結び、避難所の上水道の応急給水栓の耐震化を急いでいるところでございます。世田谷地域では避難所二十五校のうち十二校で整備済み、今年度中に二十校まで整備を進め、残り五校は三十一年度に整備いたします。この応急給水栓につきましては、一般の蛇口とは切り分け、スタンドパイプに蛇口をつけて給水することになります。  応急給水栓の整備工事とあわせ、スタンドパイプなどを新たに配備しておりますが、各種訓練の際にスタンドパイプの立ち上げ訓練を取り入れていただき、利用方法について習熟していただこうと考えているところでございます。 ◆上山なおのり 委員 次に、災害時の電源確保について伺ってまいります。  北海道ブラックアウトから一夜、いつまで耐えれば、北海道で起きた最大震度七の地震、道内全域に広がった停電は市民生活を直撃した。とまったままの電車、充電できない携帯電話、動かない冷蔵庫、ブラックアウトから丸一日が過ぎ、停電は解消へ向かっているものの、影響は七日も続いた。電気がない生活を強いられた市民らは、少しでも早い日常の回復を願った。  札幌では、携帯電話を充電できるように燃料電池車を配備、午前七時半ごろ、市役所には二百人近い人が列をつくった。中央区の四十代女性は、市役所で充電できるとラジオを聞いて急いできた。午前五時半に到着したという。東区に住む三十代女性は、誰とも連絡がとれず、昨晩は怖い夜だったと、スマートフォンの充電器をコンセントに差し込んだ、九月七日の日経新聞の記事であります。  現代生活では欠かせなくなった携帯電話、スマートフォンですが、電気がないと充電ができなくなるのは当然であります。区としては、災害時の携帯電話の充電、電源ダウン時にスマートフォン、パソコン等でやはり情報をとっているところが多いと思いますが、その情報をとりに行けない場合の情報伝達方法について、区の見解をお伺いいたします。 ◎工藤 危機管理室長 区におきましては、区庁舎など非常用電源設備を備えておりますが、被害対応の業務継続に使用するものであり、一般の方への充電に供することは想定しておりません。  他方、指定避難所には従来からガソリン発電とガス発電に加えまして、ソーラー蓄電地を順次配備しており、主としまして、夜間照明用投光機などへの電力供給ではございますが、避難所運営の中で優先順位をつけながら、適宜活用することになると考えております。  いずれにしましても、携帯電話等がこれだけ普及する中、必要に応じて予備電池や手回し式充電機器等の備えなど、自助の取り組みも重要であることから、引き続き啓発にも努めてまいります。  なお、商用電源停電時の情報伝達につきましては、エフエム世田谷などのラジオや防災行政無線、広報車などが地域を巡回するなど等により、情報を伝達してまいります。 ◆上山なおのり 委員 答弁にもありましたが、電源というのは貴重なものであり、避難所運営ではやはり優先順位ということで活用していくことになると思いますが、情報が不足していくと、やはり人は不安になってまいりますので、そういったところも公共放送、そういったものをしっかり使いながら、また自助の部分もあると思いますが、進めていただきたいと思います。  以上で自由民主党の総括質疑を終了いたします。 ○河野俊弘 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、公明党、どうぞ。 ◆高橋昭彦 委員 それでは、公明党の総括質疑を始めたいと思います。気合いを入れるためにネクタイをしてきましたので、よろしくお願いします。久々にネクタイをするとちょっと苦しいですね。もうすぐ、あと一カ月ですけれども。  それでは、私のほうからは、まず未来への投資、教育の充実について。  我が党は、ずっと教育負担の軽減ということをスローガンに、党を挙げてやっていますけれども、ずっと議論をしています五つのテーマについて、先日の代表質問でも議論はしましたけれども、毎回ですけれども、ずっと欠かさず議論していますけれども、またしっかり進めてまいりたいと思いますので、議論させていただきたいと思います。  来年十月から予定されている幼児教育の無償化に関連しまして、世田谷区の幼児教育の充実について議論したいと思います。  今回の代表質問では、幼児教育の骨格として、スタンダードカリキュラムに触れました。世田谷区からは、区としても必要との認識を伺ったところですけれども、そのときも言いました堺ですけれども、堺教育委員会がまとめているスタンダードカリキュラムを見させてもらいましたけれども、堺教育委員会は、幼稚園・認定こども園・保育所との協働による育ちと学びをつなぐ幼児教育堺スタンダードカリキュラムというふうにまとめたんですね。教育委員会がまとめているんですけれども、協力しているのが私立幼稚園連合会、それと民間教育保育施設連盟と、この私立の幼稚園、保育園もしっかり協力をして、このカリキュラムとしてまとめたというふうになっています。  この本を見ると、接続に――要は小学校への接続です――大切にしたい五つの生活と遊びということとして、特に園として意識して取り組んでほしいもの。どの幼児教育施設から就学した子どもも、この五つの生活と遊びの経験をひとしく重ねることにより、小学校生活のスタートがより円滑に、より充実したものになると考えていますというふうにこの中には言われているんです。実践事例が非常に多く掲載されていて、こういう遊びをこういう視点で見ることが幼児教育には必要なんですよという手引みたいになっているんです。これはよくできているなというふうにやっぱり感じますね。堺は、我がはこういう教育をやるんですよというしっかりしたアピールにもなっていると思います。  世田谷区もずっと幼児教育、幼児教育と言ってきて、そしてアプローチ、スタートというふうにやってきているわけですけれども、前回の政調会長の代表の答弁では、どの園でも役立てられるスタンダードカリキュラムを区は検討を進めるというふうに答弁されましたけれども、具体的にどのように進めるのか、まずお答えいただきたいと思います。 ◎淺野 教育次長 区は、平成二十九年七月に世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンを策定し、公私立幼稚園、保育所等の枠組みを超えた乳幼児期の質の高い教育、保育の実現を目指して取り組んでまいっております。例えばですが、小学校教育と幼稚園、保育所等の教育、保育との円滑な接続を目指して、小学校ではスタートカリキュラムを、公私立幼稚園、保育園ではアプローチカリキュラムに取り組み、モデル園に現場経験のある学識経験者を乳幼児教育アドバイザーとして派遣し、効果的な実践につなげております。  お話しのスタンダードカリキュラムは、最近では大阪府の堺が就学前教育と小学校教育の円滑な接続の推進に重点を置きまして、全ての幼児の教育水準を確保することを目的としてこれまでのカリキュラムを三年かけて改定したと聞いております。このようなカリキュラムの作成は、世田谷区の幼児教育を推進するために重要なものと考えております。  これまでのアプローチスタートカリキュラム、乳幼児教育のワークショップなどの実践や、今後実施する公私立幼稚園、保育所等の枠組みを超えた合同研修などを踏まえまして、堺の取り組みを参考としながら、世田谷版のスタンダードカリキュラムの作成に向けた検討を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆高橋昭彦 委員 世田谷区は幼児教育ということでずっと取り組んできているわけですから、世田谷区は堺を超えるようなしっかりした幼児教育のカリキュラムをつくっていってくださいね、教育長。しっかりお願いしますね。何か言いたいことがある。 ◎堀 教育長 今、次長のほうから御答弁させていただきましたが、さすが堺ということで、私どもは二十九年七月に、汐見先生をお招きしてビジョンをつくらせていただきましたので、アプローチスタートで、今年度、合同研修等をやらせていただきますし、この前、教育総合センターでワークショップもやらせていただきました。こういうことを具体例を交えて、公私立幼稚園、保育所等々の世田谷版スタンダードカリキュラムをつくっていきたいと思っております。 ◆高橋昭彦 委員 よろしくお願いします。しっかり取り組んでください。  次に、二点目は給食費の無償化です。  これまで毎回議論を重ねてきた課題ですけれども、何回もこういう場でも話をしていますけれども、国の出生動向基本調査なんかもこういうふうに言われていますよね。ここでも言いましたけれども、理想の子どもの数を持てない理由は、子育て、教育にお金がかかり過ぎることだというふうに、これが第一位だというふうに言われていますよね。我が国は、国際的に教育費に占める私費の負担割合が大きい、これはもう周知の事実だと思います。  欧米では、教育は国が責任を持って担うものだというふうに、これがもう今先進国の教育への考え方のスタンダードになっている。ただ、親の果たす子どもへの責任というものがあるはず。親が子育てにちゅうちょなく傾注できる社会をどうつくっていくのかということも大事なんです。  私どもは、子育てに頑張る親を応援したい、その思いで、そのために教育費に、また子育てにかかる経済的負担を軽減させたい。その突破口として、給食費無償化というものを提案してまいりました。今かかっているのは年間約五万円程度だと思います。しかし、子どもたちの未来のため、重くかかる教育費の軽減を給食費からというふうに思っています。代表の答弁では、区長からは一定の所得制限を検討したいと、引き続き具体的に実現できる方法を整理していくというふうに述べていただきました。一定の所得制限、区長の言う一定の所得制限とはどのラインを示すのか答弁いただきたい。 ◎保坂 区長 学校給食費の無償化につきましては、この間、貴会派を初め区議会からもさまざま御意見をいただき、区といたしましても、義務教育に係る負担軽減の施策として、財政負担の点も見ながら、さまざまな無償化のシミュレーションを重ねてきたところであります。  現在の就学援助制度に係る経費全体の四億八千万円のうち、給食費が二億四千万円と約半分を占めておりまして、各支給対象品目の中で最も大きな金額がこの給食費だろうと思います。このことを踏まえまして、給食費の部分につきましては、例えば東京都の高校授業料無償化における所得制限も検討の一つと考えており、現在、事務方にシミュレーションをさせているところであります。  学校給食費を含めた教育費の無償化のあり方については、子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援の一つの施策として、財政的な視点も踏まえながら、引き続き具体的に実現できる方法を整理してまいりたいと思います。 ◆高橋昭彦 委員 今お話がありました東京都の高校授業料無償化におけるライン、じゃ、一体これは対象は何人ぐらいになっているんでしょうか。 ◎淺野 教育次長 今、区長から御答弁申し上げた東京都の高校授業料無償化という上限にした場合ですが、現在の就学援助の申請できる対象者から人数として約五千数百人ふえる形になります。現在の就学援助の対象者ですが、申請できる人という意味の対象者ですと、一万千人なり、一万何百人ということですので、約五割増しの形になります。ですから、トータルしますと、全体で一万五、六千という形になりますので、ちなみに小中学校の児童生徒数が四万七千人ですので、四万七千のうちの約一万五、六千という形で、推計ですけれども、そういった形で考えてございます。 ◆高橋昭彦 委員 負担軽減というからには、負担軽減という人数に沿うような状況になればなというふうにずっと願ってはいたんですけれども、しようがないのかな。決算特別委員会は長いので、いろいろ議論したいと思いますけれども、また取り上げてまいりたいと思います。とにかくしっかりと着実に進めていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  三つ目は、新BOP学童クラブの時間延長です。  きのうですか、事業のモデル実施校が示されました。まず一歩前進したというふうに思っておりますけれども、その中に、選定方法として四つの基本選定条件というのがありました。この四つの選定条件の意味をしっかり教えてもらいたいと思います。  そしてまたその中には、モデル事業を開始して、この十月には中間まとめというふうにあるんですけれども、中間まとめをして、そして拡大をするんだろうというふうに思うんだけれども、どのような視点でこの事業を見て、実施校の増や全校実施へつなげていく、その視点を教えていただきたい。 ◎澁田 子ども・若者部長 新BOP学童クラブの運営時間延長モデル実施の選定条件につきましては、九月の文教、福祉保健の常任委員会においても報告させていただいたところでございますが、まずは、児童登録の平均人数である百一名に近いということ、また改修や建てかえ等の工事に影響を与えないということ、従事する職員体制が確保できるということ、駅や児童館からの距離ですとか、児童館との関係性を重視いたしまして、それを勘案して、さまざまな課題が想定されるモデル事業を円滑に進められるよう、総合的に判断をして選定させていただきました。  また、この検証のことについてでございますが、検証につきましては、利用人数や利用状況と延長の有効性、延長時間帯における子どもの過ごし方と自立への影響、人員配置や活動場所等の運営体制、民間学童クラブ等の状況の確認、学校運営への影響などを検証の予定としております。  検証に当たりましては、子どもや保護者、従事者から状況を把握することが重要であると考えておりまして、おのおのに年度内三回アンケートを実施し、状況を把握するとともに、民間学童クラブへも、区の運営時間延長を受けての対応の変化などについて調査をいたします。  さらに、世田谷区子ども・子育て会議に報告しまして、学識経験者より意見を伺いながら実施状況の検証、検討を行ってまいります。  今後は、来年十月には中間のまとめを行う中で、実施手法の見直しや、次年度のモデル実施校の増も視野に入れたモデル事業の進め方について検討し、議会の御意見等も伺いながら、新BOP事業の充実を図ってまいります。 ◆高橋昭彦 委員 きのうのチラシの中、五カ所でしたか、五カ所で各地域からとなっていましたけれども、一カ所違うところがあったような気がする。どうなっていますか。 ◎澁田 子ども・若者部長 烏山地域とさせていただいておりました千歳台小学校につきましては、もともと粕谷児童館との関係性もかなり連携をして深いということもございますし、また従事する職員体制の確保という点もございまして、こちらのほうを選定させていただいたという経過がございます。 ◆高橋昭彦 委員 烏山の議員から言われたものですから、ちょっと聞いたんですけれども、わかりました。しっかり進めてください。新たな取り組みを来年度からできるよう準備をしっかりお願いします。
     四つ目は、休日・夜間保育についてです。  代表の答弁では、休日と夜間延長保育ですか、これは実施の事業者から提案を受けて、新たに取り組めるようにするという前向きな答弁がありましたので、これはしっかり提案を受けられるように準備をしていただきたいと思います。  その中でまた、夜間保育というものについて答弁がありましたね。それについては、利用が見込める方の就業状況、園の立地、時間など、世田谷区に適した夜間保育について把握が必要で、独自調査を行うと。この夜間保育が必要と思われる方々への独自調査というのはどのように行うのかお聞きしたいと思います。  また、実施する保育事業者への保育事業の拡充について検討するというふうにも言われていましたけれども、これは何をどう変えようとしているのか、これもあわせてお答え願えますか。 ◎知久 保育担当部長 先般、二十四時間の休日・夜間保育を実施している大阪市内の施設を職員が視察してまいりました。施設からは、利用児童の保護者には介護士の職員が多いこと、想定していました一人で子育てしているケースが必ずしも多いわけではなく、両親が塾講師をされているなど、利用者の職種は多岐にわたっていること、また、特に延長保育には人員の加配が必要なため、単体の保育園としては経営が厳しいというお話も伺ってまいりました。改めて夜間保育の拡大に当たっては、利用が見込まれる方の就業状況を把握し、夜間保育を必要とする方が利用しやすい事業展開と、それを支援するスキームが必要であると認識した次第です。  御質問の夜間保育の調査の具体的な方法でございますが、保育園の入園申し込みの際に集約する就労状況の把握や傾向の分析、一日十三時間以上、長時間開所している認可や認可外保育施設に御協力をいただき、夜間保育が必要な方々を対象とした利用実態調査などを検討しております。そのような調査結果を踏まえた上で、区における夜間保育の潜在的な利用者が必要とし、利用しやすい夜間保育の方向性や手法、また支援策を見きわめた上で、事業実施につなげていきたいというふうに考えてございます。  続きまして、現在の休日及び夜間保育の認可保育園での実施状況ですが、一園で十三時間のほか、百八十以上の園におきまして一時間から二時間の延長保育を実施し、また五園で休日保育と四時間の延長保育をセットで実施してございます。  実施に当たり区では、延長保育加算や休日保育加算といった補助金を支給し、運営を支援しております。一方で、休日保育でございますが、こちらの加算額が人件費等、事業実施に見合う額となっていないこと、保育士不足の状況下において、実施園の保育士確保が難しいといった課題がございます。  休日保育の事業の拡充に向けましては、受け入れた人数により変動する実績払いから、係る経費に応じた補助金に改めるなど、保育事業者が安心して休日保育に取り組める補助金体系の見直しが必要であると考えております。 ◆高橋昭彦 委員 休日保育のニーズが高まっていることは確かで、なかなか預けられないという状況があるから、これをきちっと周知していただいて、やっていただきたいと思います。夜間保育が必要な人は確実にいるわけですから、やっぱりどれも子育てに頑張る親を応援するという意味でしっかり支えていくという行政であっていただきたい。その意味でもしっかり進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  五つのテーマですから、もう一つは児童館なんですけれども、児童館は、十一月にあり方検討会があるというので、その結果でまとめていくという話でしたから、そういう意味では、全地区展開にするということはもう合意を得ていると私は思っているんですけれども、その方策をどうするかということなんだろうと思うので、これはきちっとまた注視してもらいたいと思いますし、しっかり取り組んでもらいたいと思いますので、これは地域包括ケアと一体化させるんだということが大事なんですから、よろしくお願いしたいと思います。  次に参ります。新たな国際交流の推進組織について伺いたいと思います。  国際交流と大々的に打ち上げているわけですよ。代表の答弁では、この新たな推進組織を二〇二〇年に新たな体制で事業展開しますよと、二〇一九年度に専門的な人材確保など準備を進めますよと、二〇二〇大会が国際化の大きな好機であると言いながら、余りに遅く、機を逸したスピード感のなさじゃないかということをうちの政調会長が非常にかみついていたと思うんです。  二〇二〇が大きな国際交流のチャンスなんだと捉えるならば、機を逃さない民間の知恵と発想と機動力が必要なんだと、そこを活用すべきなんだということを我々はずっと主張しているわけです。本気で国際交流を進める気があるのかどうか、まず答弁を願いたい。 ◎田中 生活文化部長 二〇二〇大会を一つの契機としながら、また在住、訪日外国人の増加なども踏まえまして、区民、団体、事業者の国際交流に対する熱意を受けとめ、幅広く国際化を進めていく決意でございまして、そのためには、推進体制の強化が不可欠であると考えております。  区民の国際交流活動の支援や民間の手法や発想を活用した交流活動を発展させていくためには、専門人材の確保や民間資金等を活用できる新たな推進組織の構築が求められます。  一方、区の国際政策に係る計画等の策定や行政レベルでの姉妹都市交流、子どもたちの教育交流などは今後も区が責任を持って担うべき事業であり、区と新たな推進組織の役割分担を明確にしていくことが重要であると認識しております。  東京二〇二〇大会まで二年を切り、限られた時間での効果的な体制の構築を考えると、現在も区民国際交流事業や異文化理解の推進等の国際交流事業、また市民活動団体支援事業を展開しているせたがや文化財団に国際交流部門を立ち上げることも選択肢の一つであるというふうに考えてございます。  引き続き、議会での御議論を踏まえつつ、新たな推進組織が区民にとってわかりやすい国際交流の窓口となるよう検討を進めてまいります。 ◆高橋昭彦 委員 民間もしっかりと使いながら、区が進めるものを責任を持って進めるのは当たり前ですよ。計画策定だとか、姉妹都市の事業とか、それは当たり前のことですよ。そこだけにとどまっているから言っているわけで、せたがや文化財団ですか、そういう発想がちょっと考えられないですよ。  もう一つ聞きます。その二〇二〇を機に、ホストタウンとして世田谷区は名乗り上げたわけです。大きく国際交流を進める魅力ある事業を行うというふうに言ったんではなかったでしょうかね。ホストタウンというのは、東京二〇二〇大会の開催で、多くの選手、観客が来訪することを契機に、地域の活性化を進めて、事前キャンプ等を通じて、人的、経済的、文化的な相互交流を図ると明記されているわけです。  ここでいう人的、経済的、文化的な交流のために、私どもは、大きく進められるように、国際交流と観光を融合させて一体的に進める独立組織をすべきなんだということをずっと言い続けているんです。  ちょっと聞きましょう。なぜ国際と観光を一体化して推進できない、そこに何の壁があるのか、副区長。 ◎岡田 副区長 東京二〇二〇大会を好機と捉えまして、インバウンドを視野に入れた観光で、区内の経済活性化、文化の活性化、こういったことを図ることは大変重要というふうに認識しております。  区といたしましては、外国人を含めた多くの方に世田谷の魅力を知っていただき、訪れていただくための観光施策を展開すべく、産業振興公社を事務局といたしまして、今年度、静嘉堂文庫等五団体が新たに加わっていただいて、七十二団体になりましたまちなか観光交流協会を中心に、民間の力を生かした観光施策を推進しております。  一方、過去最高を更新し続ける区内在住外国人の人口、あるいは外国人労働者の受け入れ拡大、こういった政府の動きなど、国際政策を取り巻く社会状況が大きく変化をしてきております。  このため、国際課の政策としては、地域における多様な交流や姉妹都市との国際交流の推進とともに、誰もが安心して暮らせる町の実現を目指す多文化共生の推進、さらに国際貢献、国際協力の三つの施策の柱を掲げまして、幅広い区民、団体、事業者の皆様とともに、国際化の取り組みの充実拡大を図り、このための新たな推進体制を構築しようとしているところでございます。  区といたしましては、国際、観光、それぞれの推進体制で事業を進めることを想定しておりますが、観光と国際交流の推進等がそれぞれの強みを生かした事業展開を図ることは重要だという認識をしております。  特に東京二〇二〇大会に向けては、ボランティアの育成、あるいは外国人向け商店街ツアー、おもてなしツアーなど、区の魅力のPRなど、両部門が連携しまして、積極的に魅力ある事業展開を図っていきたい、このように考えているところです。 ◆高橋昭彦 委員 それぞれの強みを生かしてって、生かされていないから言っているわけです。時間がないから、続きは区民生活で、うちの御大である諸星委員がやると思いますから、厳しくやると思いますよ。言っておきます。  では、国際交流に関連して、教育交流です。子どもたちの国際交流についてお聞きしたいと思います。  きのう、バンバリー小学生親善訪問団が議会へ表敬に来まして、小中学生の時代に海外の文化を体験できるというのは本当に重要だなと、バンバリーの子どもたちの目を見ながら感じました。本当に世田谷の子どもたちも海外三都市へ行って、非常に重要な体験をしてきているんだろうなと、生涯の財産になるだろうなというふうに思っているんです。  姉妹都市の交流で三カ国に、小学校五年生、中学校二年生の派遣を行っているんですけれども、今検討しているところ、フィンランド、台湾、ポートランド、これを拡大していくことになると思うんです。しっかり拡大してもらいたいんだけれども、このフィンランド、台湾、ポートランド、この三都市への教育交流、子どもたちの国際交流はどのようにそれぞれ進めようとしているのか考えを伺いたい。 ◎工藤 教育政策部長 児童生徒にとって、日本とは全く異なる環境の中で、現地でのホームステイや学校訪問などを通じて、言語や生活、歴史文化の違いを理解することができ、多様な価値観を学ぶことができるだけでなく、多様な考えを受容できる相互理解の貴重な機会であると考えております。  教育委員会といたしましても、海外派遣につきましては、子どもたちにとってかけがえのない体験であり、感受性の豊かな年齢の子どもたちに多くのチャンスを与えていきたいと考えております。そのため、来年度から新たに実施予定の小中学生のフィンランドの派遣を計画的に進めていくとともに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーとして検討しておりますアメリカ合衆国のポートランドに中学生を派遣することについて、議会に丁寧に御報告をさせていただきながら、実現に向けた調整を進めていき、世田谷区の公立学校の魅力にもつなげてまいりたいと考えております。  また、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機としました世界ともだちプロジェクトによる中国や韓国、台湾などアジアとの交流の状況なども踏まえまして、ポートランドとのキャリア教育のように、特色のある交流、例えば衣食住など、身近なテーマを取り上げた交流など、拡大の可能性も視野に入れながら、関係部署とともに課題把握と方向性の検討をしてまいりたいと考えております。 ◎田中 生活文化部長 台湾・高雄との子どもたちの国際交流について、生活文化部から御答弁いたします。  本年七月、台湾高雄交響楽団附設青少年交響楽団が世田谷区に来訪され、せたがやジュニアオーケストラとの交流コンサートを開催いたしました。区では、この機会に来日された高雄文化局の方々と今後の子どもたちとの交流などについて意見交換を行ったところです。  意見交換では、せたがやジュニアオーケストラが高雄を訪問する交流コンサートの開催や、高雄市民との交流などについて具体的に検討していくことを確認いたしました。  高雄とはまず、音楽など文化芸術を基本とする交流を進める方向で今年度中の文化交流に関する覚書の締結に向け調整をしております。また、スポーツやほかの分野にも交流が発展するよう、協議を継続してまいります。  高雄とは、側の交流への期待が高く、また距離も比較的近いことから、さまざまな交流の可能性があると考えております。今後、より幅広い子どもたちの交流が実現するよう、引き続き、関係所管と連携を図りながら取り組んでまいります。 ◆高橋昭彦 委員 フィンランド、台湾、ポートランドと、さまざま特色のある国でもあるし、都市でもあるので、子どもたちの派遣というのも、やっぱり改めてどういう配置の仕方というか、どういう人選の仕方をするかとか、しっかり検討してもらいたいというふうに思いますし、子どもにとって大きな財産になりますから、ぜひしっかり進めてもらいたいと思います。  時間がないけれども一つだけ紹介しますと、ある新聞のコラムにこんなことがありました。六万八千人の従業員を擁する世界最大のスポーツ用品メーカー、ナイキ、創業者、フィル・ナイト氏、このフィル・ナイト氏の日本との縁は深い。ビジネスの始まりは、日本製のランニングシューズをアメリカで販売すること。何度も日本に来て交渉を重ね、販売権を得たと。その後、独自ブランド、ナイキを立ち上げるが、事業は低迷する。状況を打開するため、たびたび相談した相手も日本の経営者だったと。あるときフィル・ナイト氏が日本の経営者の彼の前で、人材不足なんだと愚痴をこぼしたと。するとその経営者は、外に指を指して、あの竹が見えますかと聞いたと。そして、次に来るときは一フィート、約三十センチ伸びていますよと。その一言にフィル・ナイト氏は、今いる社員を粘り強く育てようと決意したと。その後、氏のもとから、今日の発展を支える人材が陸続と生まれてきたと。いかなる団体も盛衰は人材で決まるんだということが新聞のコラムに書いてあった。  このナイキというのがポートランドが本社なんですね。ということは、せっかくポートランドというところとやるには、そういった日本とのかかわりのある会社なんかとしっかり連携をとりながら、できれば寄附もいただきながら交流ができるような状況が、日本を応援してくれというような状況ができるようなところまで持っていければいいなというふうに思っているんだけれども、やっぱりそれぞれの国の特色があるわけだから、しっかりとフィンランドも、台湾も、ポートランドもそれぞれのやり方をしっかりとつくり上げてもらいたい。世田谷区の小中学校というのは、海外六都市の交流ができる公立校として、ほかの区にはない魅力なんですよということをしっかり確立してもらいたい。  そこで言いますけれども、今やっている三都市の人選は、小学生なんかは校長に委ねているところがあったりする。また、中学生なんかは自己負担十万円かかったりする。子どもたちが誰でも努力すれば海外交流に参加できるような仕組みというのが僕は絶対必要なんだろうと思う。せっかく拡大するこの時期に、子どもたちの国際交流ですから、人選の仕組みも、自己負担のあり方も、一度ここは立ちどまって見直して、六都市、再出発するという状況をつくってもらいたいと思うんだけれども、見解を伺いたい。 ◎工藤 教育政策部長 個人負担のあり方につきましては、小中学生のフィンランド派遣が始まることを機会に、関係部署とも連携を図りながら、できる限り負担を軽減する方向で検討を進めていくとともに、また人選方法についても工夫をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆高橋昭彦 委員 あっさりと答えられて、しっかり検討してください。誰でもが行ける、そして努力する場をつくるという状況を、公立校なんですから、お願いします。  余り時間がないけれども、最後、一問だけやりたいと思います。地域行政制度。  僕は本会議でも質問しましたけれども、そのときには区長には答弁いただいていなかったので、きょうは区長に聞きたい。地方分権の先取りとなる独自の地域行政制度です。全国で地方分権の先取りをしたんです。もっと身近に、もっと便利に、打てば響くまちづくりって、もっと身近なというふうな状況をつくったんですね。これが三層構造を維持してきた。それで二十七年たちましたと。  地域包括ケアが導入になって、地域包括ケアの地区展開を進められた。特に「我が事・丸ごと」として、あんしんすこやかセンターが、高齢者のみではなくて、既存の業務に追加して、障害者や子どもを含めて相談対象者を拡大、広げてきた。  では、地区での解決能力、解決責任はどこまで持たされたのかということが問題だと僕は思う。その意味では、この後の展開がなかなか見えてこないなというふうに思う。行き詰まり感があるなと。だから、前回も言った過渡期なんだろうと僕は思うんだけれども、これまでその地区をバックアップするのが総合支所であり、本庁だというふうに言ってきた。これは逆に言えば、本庁が仕事の中心で、そのお手伝いが総合支所であり、そのまた先のお手伝いが地区のまちセンなんだという状況になっている。考え方がそういうふうになっちゃう。  地区、地域の主体性というのは、この三層構造の意味合いからいったら、責任が非常に中途半端になってしまっているのではないかということを僕は問題提起をさせていただいたんです。三層構造というのは、地区経営であるということをこの間言いました。地区経営、また地域経営であるはずです。地区ではまちセンが全権を持ってマネジメントして、地区経営、地区づくりに当たって、また総合支所も、権限と責任を持って地域を経営する。そのために、わざわざ行革とは逆行した人員を抱えさせているという状況が世田谷区はあるわけです。そのためにやっているということがある。三層構造の根拠、これを明確にして、しっかりと明文化した条例をつくるべきなんだろうと僕は思うんですけれども、政令都市並みの人口を抱える区の区民への責任なんだと僕は思う。根拠を明確にするべきだというふうに思う。そのために、三層構造のあり方、今後の方向について区長からお聞きしたい。 ◎保坂 区長 私も分権自治の先取りと、まさに世田谷区の制度、あと区役所内、あえて言えば区役所、政令市に例えれば。これを配置し、そして住民にとって一番身近な地区に当時、出張所を設けたと。現在まちづくりセンターです。この三位一体というか、三層構造とおっしゃいましたけれども、それは決してピラミッド、本庁が中心で、支所を通して末端であるところに何かおろしていくという一方通行であってはならないと思います。むしろまちづくりセンターが最前線だと、住民にとって一番身近なんだからという観点で、とりわけ福祉の相談窓口などを立ち上げていく、この流れは、そういったいわゆる本庁中心主義というよりは、住民から見て一番身近な地区行政拠点を強化していくという視点から行ってきました。  そして、この間基本構想に基づいて、その地域包括ケアの地区展開、結果として厚労省の「我が事、丸ごと」とほとんどタイミングが一緒になってスタートを二十七カ所したわけですけれども、同時に、これは住民自治の拠点、一番身近な地区ですから、行政が全部背負い込む、サービスで全部追い込むではなくて、地区の人たちが皆、自立的に担いながら、行政はそのコーディネートをしたり、舞台設定をしたり、そういう役割にも回りながら、やはりコミュニティーソーシャルワーカーと呼ばれるようなそういう役柄が、あんしんすこやかセンターにも、まちセンにも、そして社会福祉協議会にも必要なんだと思います。  そこで、今おっしゃっているところの条例も含めた位置づけですけれども、そういうことで改革を進めてきた一方で、まだ不徹底なんじゃないかということかと思います。いわば総合支所の役割をさらに明確にして、地域という単位で自立する。完結する。そして、地区のまさに一番の住民に近いところで、ここも担う、ここはしっかり経営していくというような転換が大きな課題であるという認識をしておりますので、また御意見をいただきながら、これから二〇二〇年に向けて大きな変わり目が来ると思いますので、ぜひ積極的に、その三層構造のよき面、先進的な面をさらに生かすようにつくってまいりたいと思います。 ◆高橋昭彦 委員 しっかりまた議論しましょう。  では、岡本委員にかわります。 ◆岡本のぶ子 委員 私からは、さきの本会議の代表質問で佐藤弘人委員が取り上げました区民の命を守る対策について、一段掘り下げて本日は質問させていただきます。  まず第一に、豪雨対策についてですが、まず一昨日の台風二十四号においては、区内においてもたくさんの木が倒木したり、さまざまな被害も発生しまして、本当に区の職員の方々は、徹夜の中でいろいろ対応、水防体制に取り組んでくださったことに対して、まず感謝を申し上げます。  その上で、代表質問に引き続きですけれども、河川、下水道の整備や流域対策についての答弁で、区は、東京都、区民、事業者と連携し、スピード感を持って対応すると言われました。その点については、今後、その区の取り組まれるスピード感が区民に丁寧に伝わるような工夫が必要と考えますので、その対応をまず要望させていただきます。  その上で、本日は八月二十七日未明に発生した記録的短時間大雨が、区内の一部地域では一時間最大雨量百十一ミリを記録し、九月三日現在で床上浸水二百四十二件、床下浸水二十三件などの内水被害が発生、特に今回被災した多くが建築上、半地下と言われる構造の建物に被害が集中していることから、今後こうした被害を最小に抑えるためのさらなる対応が必要と考えます。  例えば区が作成している洪水ハザードマップに今回のような記録的短時間大雨による被害情報も追加して、名称も洪水というと川が氾濫ということになりますので、内水被害もしっかりと入れていますよということがわかるように、名称も洪水・浸水ハザードマップと改める等、区民の居住する地域の水害について、より情報をわかりやすくすることが求められます。  今後、浸水被害の抑止のためにも、区民が住宅を例えば新築や改築する場合に、その場所に半地下の構造物を設置して大丈夫かどうかを事前に判断する参考として、区のホームページ上でハザードマップを開き、自分の住所を入力すると過去に発生した自宅周辺の洪水・浸水被害等を容易に確認できるような情報提供システムの構築をすべきと考えます。区の見解を伺います。 ◎渡辺 都市整備政策部長 豪雨被害を最小に抑えるため、現在、地下のある既存の住宅の対策につきまして、区では、世田谷区豪雨対策行動計画に基づき、区民へのハザードマップや水害被害記録など、リスク情報の提供、止水板など建物のつくり方、ブルーシートなどを利用した対策などを区のホームページに掲載するとともに、災害対策課、建築調整課、建築審査課、道路管理課、土木計画課などの各窓口によりまして御案内をし、注意喚起に努めているという状況でございます。  また、地下のある住宅の建設につきましては、平成十七年に策定をいたしました建築物浸水予防対策要綱によりまして、民間の指定確認検査機関と連携をいたしまして、地下のある建築物の建築主に対しまして、浸水対策を講ずる届け出を求めているという状況でございます。  さきの八月二十七日の豪雨以降でございますが、災害対策課と建築調整課のホームページにリンクさせる双方向による案内を可能としたところでございます。また、建築行政の窓口の壁面に啓発コーナーを新設させていただきまして、マップとチラシなどを備えつけまして、具体的にお示しをさせていただき、建築主などの方々に周知を図っているという状況にございます。  御指摘の区民が検索できるシステムにつきましては、関係所管等が連携をいたしまして、実現策につきましてさまざま課題もちょっと想定されますけれども、整理をさせていただきまして、検討してまいりたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 次に、災害時のエリア情報の提供について伺います。  台風二十一号の影響による高潮により、関西国際空港の浸水被害で多くの方々が足どめになり、大変不安な時間を過ごされました。その中には、たくさんの外国人も含まれており、インタビューの映像では、外国人の方が災害情報を入手することができず、大変不安を感じたと語られ、困惑している様子が報じられ、その姿を見て心を痛めたのは私だけではなかったと思います。  また、八月二十七日の記録的短時間大雨に見舞われた本区において、局所的に床下・床上浸水の被害を受けられた地域の方々に、罹災証明等の発行申請の手続のお知らせをお届けに訪問した際、その区民の方は、罹災証明の存在すら理解されておらず、区として区民への災害時の情報提供を丁寧に行うことの必要性を実感しました。  例えば世田谷区にはラジオでエリア放送を行うことが可能なエフエム世田谷や民間のケーブルテレビなどの会社がありますが、災害のときこそエフエム世田谷やケーブルテレビ各社に区のエリア情報を積極的に発信していただけるよう協力を求めるべきです。  区民はもとより、在住外国人、観光やビジネスで来訪されている区内外の方々への適時発信することも、命を守る防災対策の観点から重要と考えます。区の見解と今後の取り組みを伺います。 ◎岩本 政策経営部長 区では、災害時の情報発信につきましては、区が出資するエフエム世田谷はもとより、イッツ・コミュニケーションズ株式会社、株式会社ジュピターテレコムなど、ケーブルテレビ会社と災害時における情報発信について協力協定を締結しております。  特にエフエム世田谷につきましては、災害が発生した場合や台風など災害発生のおそれがある場合は、早朝や深夜であってもエフエム世田谷のスタッフが待機して、生放送中であっても、区民の方に必要な情報発信を行う体制を講じているところです。  災害時には、災害対策本部に集約された情報をもとに、エフエム世田谷やケーブルテレビ事業者に災害情報の発信を要請し、区民の皆さんに必要な情報を届けてまいります。  また、外国人の観光客、世田谷区内でもふえてございますが、エフエム世田谷につきましては、現在、外国人の方へ多言語による情報発信の体制では対応できておりませんで、課題であると考えております。  複数の言語に対応するアナウンサーを確保することは困難であることから、現在、エフエム世田谷におきましては、あらかじめ録音しておいた音声や自動翻訳機による機械音声を活用して、英語、中国語、韓国語で情報発信を行うことを検討しているところでございます。  また、先ほど罹災証明の発行についての情報提供の問題も御指摘いただきましたけれども、今回八月豪雨では、実際できていなかったということを確認しておりますので、今後は庁内関係部署と連携しながら、情報提供に努めていきたいと考えてございます。 ◆岡本のぶ子 委員 私もこの罹災証明発行の手続の窓口がどこなのかがわからなくて、八月二十七日の発災後に地域振興課の課長さんに伺ったときに、まちづくりセンターで受け付けしていますよと、そこに連絡を入れてくだされば、職員がその被災されたところに赴いて、現状を把握して、その上で罹災証明発行の必要があるなというところに対しては申請の御案内をしていますというお話を伺って初めてわかった。やっぱりそういったことをそういう災害があったときにはエフエムラジオで流すとか、また、区のホームページにそういうことは探しに行かなければ見えないということもあるんだと思いますので、災害のときにきちんと区民に伝わるようなケーブルテレビでの放送も御協力いただくとか、そういったことをぜひ進めていただきたいと思います。  第二に、酷暑対策について伺います。  西日本豪雨の被災地で酷暑の体育館の中で避難生活を余儀なくされている様子をこの夏、何度もテレビニュースで私たちは見ました。災害は季節を選ばず、突然発生することを考えると、乳幼児から高齢者までが避難場所として滞在することになる区立小中学校の体育館へのエアコン設置は必須と言わざるを得ません。  区長はさきの本会議の代表質問に立った佐藤弘人委員に対し、どのような方法で設置することが効率的にできるのか、なるべく早く実現できるよう鋭意努力してまいりますと答弁されていますが、酷暑の夏は来年もすぐに来てしまいます。  東京都の全小学校へのエアコン設置の予算化を検討しているとのことですので、区として具体的にいつまでに設置をするのか伺います。 ◎淺野 教育次長 教育委員会では、熱中症予防対策としまして、気温三十五度、暑さ指数三十一度を目安として、原則運動活動等の中止を小中学校に指示をしております。  ことしの夏はお話しのように、大変な暑さということで、学校運営に大きな支障がございました。今お話がございましたように、区長より空調設備の導入を早急に検討するようにとの指示を受けてございます。こちらにつきましては、電気容量の関係であるとか、あと施設ごとに異なる構造があるとか、課題がございますので、できるだけ速やかにそこら辺の課題を整理しまして、整備していきたいと考えてございます。 ◆岡本のぶ子 委員 早急にとか、速やかにとか、よくスピード感を持ってとかさまざまの答弁は出るんですけれども、区長、これはいつごろまでにという設置の目標時期というのはお考えなのか、まず区長に伺いたいと思います。 ◎保坂 区長 できるだけ早くという指示はしているんですけれども、一つは、体育館の耐震性の診断を現在行っています。それに基づいて手当てをしていかなければならないところがどのぐらいあるのか、ここもその手当てをするんであれば、技術的に可能なら一緒にやるということも含めて、できるだけ二度手間、三度手間にならないように、速やかにしていくようにと。これは世田谷区の小中学校九十数校あるわけですから、理想は来年までにということになりますけれども、これはどういう方式をとるのかによってもまた違いますので、今のところはできるだけ速やかに、体育館における酷暑対策をとっていくということで取り組みたいと思います。 ◆岡本のぶ子 委員 東京二〇二〇大会に外国人の方々もたくさん来られますし、いざという災害がそのときに起きれば避難所で受け入れるということも当然あるわけですので、ぜひその点、速やかをなるべく期日を明確にしていただけるようによろしくお願いいたします。  さらに、酷暑対策として効果的な施策の一つとして、東京二〇二〇大会までの二年間での取り組みの提案をしたいと思います。  上用賀にある馬事公苑で開催される馬術競技会場に向かううままちルートのかいわいでは、商店街を初め地域の皆様が日中から夜間にかけて、多くの国内外の来訪者との交流を図るおもてなしを考えていらっしゃると思います。  そうした中、七月から八月の酷暑を少しでもしのいでいただくために、例えば馬事公苑に向かう五つの駅からの徒歩ルート沿いにある上用賀公園や緑道、遊歩道、ポケットパーク、バス停などにベンチと日陰を創出する樹木や屋根を設置するなど、来訪者への酷暑対策に取り組むことが世田谷区としてのおもてなしとして重要と考えます。区の見解を求めます。 ◎笠原 みどり33推進担当部長 街路樹や緑道などの樹木、こちらが生み出す木陰は、ひなたに比べて体感温度で三度から七度ほど低くなると言われております。これまで街路樹などを適切に維持することで木陰の確保に努めるとともに、公園や緑道ではベンチへ座れる場の整備、また夏季には日よけ棚によしずを張るなど暑さ対策に取り組んできております。  一方で、近年の酷暑、さらには東京二〇二〇大会の開催を控え、駅から馬事公苑に向かうルート沿いにある公園などにおきまして、より一層の暑さ対策を進めていくことが必要なことだと考えております。  区といたしましては、引き続き樹木の適正な維持管理により、良好な日陰を確保するとともに、委員お話しの上用賀公園を初め、駅から馬事公苑周辺の公園などに日よけ棚を新たに設置することや、木陰で座って休める場づくり、こちらに取り組んでいくことで、来訪者にも世田谷の快適な緑の環境を感じていただけるよう努めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  第三番目に、テロや大規模災害時の司令塔となる災害対策本部の強化について伺います。  本年だけでも全国各地で大規模な自然災害が頻発しており、首都直下型地震等が起きた場合、発災直後に交通、通信網などが麻痺することは十分想定され、平時に災害協定を結んでいたとしても、その協力が世田谷区に届くには相当の時間を要することが見込まれます。そうした中、各自治体で必要なのは自己完結型の初動体制の構築と考えます。  本区の地域防災計画では、区長を災害対策本部長としてさまざまな指揮命令が下されることになっておりますが、時々刻々と変化する災害現場において、現場での経験のない保坂区長に緊急事態の災害情報を的確、迅速に把握し、指示を出せるのか甚だ疑問です。  昨年来会派として、全国各地の災害現場で活動の指揮に当たられた経験豊かな退役自衛官を防災危機管理監として常勤で採用し、その能力等を平時の訓練から発揮していただき、区の災害対策本部強化への備えとしていくことを求めてまいりました。一年半たった今も採用に至っておりません。  区は採用に至っていない要因をどう分析し、今後、防災危機管理監として退役自衛官の常勤採用に向けてどう取り組むのか区の見解を伺います。
    ◎工藤 危機管理室長 今御質問いただきました常勤ということでこの間御質問いただいております。先ほど他会派へも御答弁いたしましたが、あくまでも本部長でございます区長を中心に、それをサポートする、助言するということで、今現在は東京消防庁よりOBの方、防衛庁OBの方につきましても今推薦ということで、あくまでも非常勤でございますが、お願いしているところでございます。現状一年半たっておりますが、採用には至っていない状況でございます。 ◆岡本のぶ子 委員 今私が質問したのは、採用に至っていない要因をどう分析されているか伺っているんですけれども、そこの答弁をお願いします。 ◎工藤 危機管理室長 現状では、やはり自衛官OBの方も、退職後の常勤を望む方が現状では多いということが考えられております。 ◆岡本のぶ子 委員 区長、今のミスマッチですよね。自衛官の人が求めている雇用形態と区が要望している雇用形態が合っていない。一年半たっている。これ以上待っても多分合わないままになるのかなと思うんですけれども、区長が、先ほど私が申し上げたように、本当にいざという災害時に指揮ができるんですか。区民の九十万人の命と財産を守るために迅速な指揮命令の指揮ができるんですかということが一番ポイントだと思っているんですけれども、いかがですか。 ◎保坂 区長 災害時の総責任者として指揮をするということで臨みたいと思います。  一方で、自衛官OBの採用の形態、非常勤ということで御紹介願っているけれども、紹介いただけていない、あるいは適任者が着任していただくような状況に至っていないというのは事実であります。他会派にも答弁しましたとおり、高まる災害リスク、これまでと全く違う。ことしの気象状況もそうです。従来までの常識が通用しなくなっていることも踏まえて、危機管理体制の強化を担当所管とよく相談、協議して、構築してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 その強化のためにも、退役自衛官の常勤雇用は私は必要だと思いますし、公明党として求めておりますので、そのことは強く、区長の責任のもとで実行していただきたいことを求めておきます。  第四番目に伺います。学校の通学路の安全対策と耐震化問題について伺います。  まず、通学路にある民間所有のブロック塀の各学校での九月二十五日までに寄せられた危険ブロックと思われる箇所数と今後どのように所有者にアプローチするのか、区の対応を伺います。 ◎淺野 教育次長 教育委員会では、七月上旬に各学校に対しまして学校安全対策マニュアルに基づいてPTA等と協力して、通学路沿いにあるブロック塀や万年塀、石塀などで老朽化が著しいなどの危険箇所を点検し、九月二十五日までに報告を求めるとともに、点検結果を各学校の安全マップなどに反映し、保護者へ周知徹底を依頼しております。  学校の通学路につきましては、ブロック塀や万年塀、石塀などの数や設置の状況などを含めさまざまで、各学校からの危険箇所の報告件数につきましてですけれども、かなりのばらつきがございまして、区内小学校六十一校全体を合計しますと約九百件となってございます。  教育委員会では、各学校からの危険箇所の報告をもとに、都市整備領域と連携を図りながら対応してまいります。 ◎関根 防災街づくり担当部長 私からは、所有者へのアプローチについてお答えいたします。  各小学校が危険と判断したブロック塀等につきましては、今後、教育委員会から情報提供を受けた後、各総合支所、都市整備政策部、そして当部の職員が協力して現場を再確認し、所有者等に安全確認を促すとともに、ブロック塀等緊急除却助成制度などの各種助成制度の御案内を行う予定です。  そのうち、緊急対応が必要と判断したものにつきましては、所有者等を調査の上、面談や文書を送付し、改善を要請するなど、危険なブロック塀等の除却が進むように取り組んでまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 教育委員会とまた都市整備各部で連携をしながらアプローチをしていただくということですけれども、危険なブロック塀について、最終的には所有者に自主的に安全対策を講じていただくことが第一ですので、あくまでもその実行は所有者に委ねられており、危険なブロック塀が改善されないまま放置され続けることも想定されます。そのような状況の中で、児童生徒が知らずに通学路として歩き続けることはあってはならないと考えます。  区の職員の方が点検した後に、危険なブロック塀の改善対応ができるまでの間の対応策について、区の見解を伺います。 ◎淺野 教育次長 委員お話しのとおり、民間所有のものになりますので、所有者の協力を得ることが重要です。しかしながら、所有者の協力が得られたとしましても、改善、補強までに時間を要することが考えられます。こうしたことから、教育委員会では各学校に対し、危険性に応じて危険箇所を迂回するなどの対応をPTA等とともに検討するよう依頼しております。  また、点検した結果を安全マップに反映し、保護者へ周知するとともに、学び舎で情報を共有することで、学校や保護者、児童が学区域の危険箇所を把握し、それを回避するなど、発災した場合に備えていただくよう依頼しております。  教育委員会では、今後、都市整備領域から緊急対応が必要と報告があったものにつきましては、学校や関係機関へ情報提供を行い、必要に応じ、通学路の見直しなどを行うことも含めまして、通学路の一層の安全確保に努めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 次に、さきの会派の代表質問で、Is値の問題が生じた耐震強度の最新診断の必要のある区内の小中学校二十八校について、平成三十年度から三十一年度のおおむね一年間で再診断を実施する計画を立て、その結果によっては耐震補強工事等が必要となることから、設計補強工事を遅滞なく取り組んでいくと答弁がありました。特に災害時に避難所となる体育館がそのうち十四校含まれており、いざという災害に備えてロスタイムは許されない状況と考えます。  区の示された計画で遅滞なく取り組むとはどういうことか、具体的な方策を伺います。 ◎淺野 教育次長 区施設の耐震強度の再診断につきましては、区内小中学校二十八校を含め三十一施設で実施することにいたしております。現在、小中学校のうち、体育館の再診断が必要な十四校につきまして、本年八月から再診断を開始しており、他の施設につきましても順次実施をしてまいります。  児童生徒の安全を考えますと、耐震診断結果により耐震補強が必要と判断された施設については、直ちに耐震補強設計を行い、耐震補強工事を速やかに行っていく必要がございます。このためには、進捗状況を的確に把握し、適宜補正予算などをお願いするなどの工夫により、時間的なロスが生じないような対応が必要であると考えております。  一方で、耐震補強工事により学校の授業や行事に影響する場合も考えられますので、これらを見きわめまして、可能な限り早急の対応に努めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、認知症対策について伺います。  急速な高齢化の進展に伴い、二〇二五年に全国で認知症の人が約七百万人、六十五歳以上の五人に一人に達すると見込まれ、認知症の人が尊厳を保持しつつ暮らすことのできる社会の実現が必要であり、さきの会派の代表質問においても、神戸の例に倣って認知症に優しいまちづくり条例の制定を求めさせていただきました。  条例制定により、区民の理解増進、認知機能の低下の予防、相談体制の整備、研究開発の推進などを強力に進めることが重要と考えます。いま一度、早期条例制定に向けての区の見解を伺います。 ◎瓜生 高齢福祉部長 認知症は脳の病気で誰でも発症する可能性があり、認知症に対する正しい知識の普及を通して、ともに地域で支えあい、安心して暮らし続けるための互助、共助の意識を醸成することが重要です。  区では、これまで認知症初期集中支援チーム事業や家族支援、認知症サポーター養成講座など、認知症理解の普及啓発、医師による専門相談、事業者への認知症ケア研修などに取り組んでまいりました。  御指摘の認知症に関する条例制定につきましては、区民、事業者、行政のそれぞれの役割、責務を定め、誰もが住みなれた地域で暮らし続けられるよう、区民や介護事業者、専門家などの御意見をいただきながら議論を重ね、条例制定の準備を進めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひ条例制定に向けての取り組みをお願いいたします。  その上で、今後区として軽度認知症の早期発見にしっかり取り組むことが必要だと思います。ちょっと時間がないので、質問を一つ飛ばしますけれども、今区がこれまで取り組んできたあんしんすこやかセンターなどでの物忘れ相談は、対面式であり、人数や時間に制約があることから、軽度認知症の人を早期発見するにはかなり限定的な気がしてなりません。私は、平成二十四年の決算特別委員会でも、鳥取県の琴浦町が、鳥取大学医学部の浦上教授と連携して取り組む簡単なスクリーニングテストプログラムのタッチパネル式を活用し、公民館で介護認定を受けていない百人程度のお元気な六十五歳以上の高齢者に集っていただき、ゲーム感覚でテストを実施した結果、その中で実に約一五%の軽度認知症の人が見つかり、三年間の継続予防プログラムへの参加により、認知症を悪化させないことに成功したという事例を紹介しました。  今後、区として二〇二五年に向けて増大することが予想される認知症高齢者を軽度の段階で早期発見し、適切かつ迅速に悪化予防プログラムにつなげるためにも、タッチパネル式のスクリーニングテストプログラムや誰もが参加しやすい有効な手法を取り入れ、幅広く多くの高齢者にテストする機会を創出すべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎瓜生 高齢福祉部長 区では、認知症に早期に気づいていただけるよう、医療機関、あんしんすこやかセンター、介護事業所などで配付している認知症ケアパスや高齢・介護応援アプリを活用し、認知症の気づきチェックを行うなど、早目の相談や受診の促しなどに取り組んでおります。  また、御自分では認知症に関心がない方でも、実態把握訪問などの際に、あんしんすこやかセンターの職員が高齢・介護応援アプリなどを活用し、基本チェックリストや認知症チェックを実施するなどして、認知機能の低下の有無を確認し、早期対応、早期支援に努めております。  今後、基本チェックリストや認知症の気づきチェックを区民が集う、例えば高齢者クラブやサロン活動などにも出向き、活用できるよう広く周知に努め、チェック結果に基づき、あんしんすこやかセンターへの早目の相談を促し、予防的な支援を含め、早期支援、早期対応の取り組みを進めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 最後に、食品ロス削減について伺います。  国は二〇三〇年までに家庭から出る食品ロス――いわゆる未使用食品の廃棄――削減の数値目標を本年六月初めて、これまでの量から半減すると明確に発表しました。  世田谷区では、昨年四月から家庭から出る食品ロスを削減するために、フードドライブの常設窓口を区内三カ所に設置し、寄せられた未使用食品を子ども食堂や地域コミュニティーの核となる多世代食堂や福祉施設に循環させる仕組みをつくり、スタートしたことをまず評価いたします。しかし、家庭から出る食品ロスを半減させるためには、まだまだフードドライブの常設窓口が少ないのが現状です。  今後、区として家庭から出る食品ロスの半減に向けた取り組みへの決意と課題を伺います。 ◎原田 清掃・リサイクル部長 食品ロスを削減するための課題でございますが、区民が余った食品を提供しやすくするために、受付窓口をさらにふやすということが課題の一つです。一方で、そもそも食品ロスを出さないように、普及啓発をさらに進めることも課題です。また、今後は小売店や飲食店の食品ロス削減の取り組みも重要になってまいります。  東京二〇二〇大会で海外から観光客が多く訪れますので、世田谷区は食品ロスの削減に力を入れている区だと感じてもらえるよう、関係所管と連携しながら全力で取り組んでまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 以上で公明党の質疑を終了いたします。 ○河野俊弘 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時二十五分休憩    ──────────────────     午後二時五十五分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  世田谷立憲民主党・社民党、どうぞ。 ◆風間ゆたか 委員 質問を始めます。  まずは住民参加という観点から、保坂区長になって進めてきたことについて、感じることを少しお話ししていきたいなと思いますけれども、住民が参加しながら区政にかかわっていくということは、さまざまな形でされてきたかと思います。  この週末については、私も子育てメッセに参加をしていたわけですけれども、子育てメッセは私が議員になる前から、NPO団体等が区の職員たちと一緒になってつくり上げていくというのを見てきましたし、このところはメッセの終了後にも、児童館の職員さんとか子ども家庭課の職員さん、また、ことしからは大学生のボランティアなんかも一緒に参加しながら振り返りを行っているという、住民でありながら支援側を行う世田谷区民の方々と職員とが一体になってつくっているイベント、理想的じゃないかなと感じるわけですけれども、こういった形で行うものばかりではないというのがやはり世田谷区の実情なんじゃないかなと思いますね。  以前は、これと比較して、環境フェスタがもう全部業者任せで、お金ばかりかかって人が集まらないなんていうことの改善を求めたりもしましたけれども、保坂区長はこの子育てメッセにも少しいらしていたかと思いますけれども、住民参加という観点では、感想、いかがでしたか。 ◎保坂 区長 おっしゃるように、毎年この会場には足を運んでいますけれども、一つ一つのブースで新しい区民団体とか新しい母親たちの事業を始めたとか、そういったお話を聞く中で、リアルな子育ての課題とか、地域で動こうとしている人たちの熱気などを感じる、いい場になっています。今、委員に御紹介いただいた、職員も終わった後、一緒に振りかえりをやったり、また、多分準備もしていると思うので、そのような一緒につくり上げるというイベントとして非常に大切な場であると考えております。 ◆風間ゆたか 委員 特に住民も、実際に子どもを産んで育て始めたというような若い子育て層の方も支援側に参加していたりですとか、もうリタイアして高齢者でありながら活動しているという方もいらしたりして、年齢層も非常に幅広く、住民参加型のイベントになっている。しかも、それほど区の予算を使わないで済んでいるということを聞くと、こういう形でさまざまな分野で行っていければいいなと思うんです。  また一方で、先日、教育委員会が主催した新教育センターをつくるに当たってのワークショップ、これも、現場となる若林小学校で行われたのにちょっと顔を出してきたわけですけれども、そういった地域の方々ですとか、そういったことに関心のある方が参加をして、雨の中、定員いっぱいという状況で、その関心の高さも感じたわけです。こちらは残念ながら、ファシリテートを事業者に任しちゃっているというのが非常に残念でしたね。レベル的には、区の子ども家庭課の若い職員の方が一生懸命やっているほうがよっぽどワークショップの進め方なんかもうまいなと思いましたし、そうやって若い職員がファシリテーターに実際になってみるというところも教育効果としてあるのではないか。まさに住民と一緒につくっていくということを若いうちから経験していくことは、区の職員の育成という意味でも非常に重要なんじゃないかなと感じました。あらゆる分野で進めていったらいいなと思うわけです。  一方で、先日、国際交流に関して、せっかく姉妹都市交流の訪問国数がふえてきそうなというこの状況の中、国際交流に関する事業を外出ししていくという案の報告を受けて、とんでもないと思いましたね。ようやくフィンランドに行く、これからポートランドも考えていく、台湾との交流が始まっているという状況で、区の職員は自分たちが努力することもなく、これを候補として文化財団に任せていくなんていう案が出てきたということについては、何を考えているんでしょうということです。しかも、いろいろと問題のあった文化財団に事業を丸投げしていくかのような話が出てきたということですけれども、区長、これについてはどう思いますか。どういうことなんでしょう。 ◎岡田 副区長 今お話しの件ですけれども、国際交流に関しましては、平成二十八年度に国際課を立ち上げまして、教育委員会とも連携しながら国際政策の強化に取り組んできたところです。区の国際政策に係る計画の策定、あるいはこれまで積み上げてきたレベルでの姉妹都市交流事業、子どもたちの交流については引き続き区が責任を持って担うべき事業と考えておりまして、これらを通じて職員の人材育成、こういったものも引き続きしていきたいと思っております。  一方で、在住外国人の増加や外国人労働者の受け入れ拡大などを背景に、行政の役割として外国人の生活支援も視野に入れ、また、二〇二〇大会に向け、区民の国際活動の支援やネットワークづくりなどを一層充実させていく必要があるということで、国際交流の役割というか、守備範囲を広げていこうというようなことで、行政の役割を明確にした上で、国際交流全体の動きを把握しながら、専門人材の確保や民間資金等を確保できる新たな推進体制の必要がある、このように考えたところでございます。  今、委員お話しのように、自治体職員としては、区民あるいは事業者、あるいはそういう団体の皆さんと一緒になって仕事をしていくというのは、国や都と違って、最も基礎自治体の職員としてのおもしろみでもありますし、重要なことだと思いますので、そういったところは、今回の事業にかかわらず、さまざま委託事業等もありますけれども、区の職員が手放してはいけないところというのはしっかりコントロールしながら進めて、ウイングを広げていければ、こういうふうに考えているところです。 ◆風間ゆたか 委員 だとしても、今の話なんかは全く聞いていないわけであって、その事業を広げていくとか、在日外国人との交流、それを何で文化財団に任せていかなきゃならないのか、全く意味がわからないですよね。区政としてやっていることを、なぜその文化事業をやっている文化財団に任せていくのか。国際交流ということに関して、もうさじを投げたかのような印象じゃないですか。  国際交流に関しても、イベントを年に一回やるようにまたなり始めましたけれども、それもようやく立ち上がったばかり、まだそのノウハウ自体も区政の中で確立できていないという状況で外に任せていくのは余りに無責任、全然住民参加のまちづくりにならないんじゃないんですかという観点で、これに関しては本当に見直すように求めます。  しかも文化財団。文化事業は今どれほどの職員がかかわっているんでしょうか。全部その文化財団に任せて、ある職員には働かせ過ぎていろいろ問題になったんじゃないんですか。そういうところの財団に任せていこうということを平気で考えてしまう、その安易さはどうなっているんでしょうね。それは本当に住民参加のまちづくり、区政運営ということになるのかどうか、甚だ疑問です。区長はいかがですか。 ◎保坂 区長 国際課を立ち上げて、まさに文化・国際課から独立した課として、これまで姉妹都市交流を中心に行ってきましたけれども、在住外国人の交流であるとか、あるいはボランティアの育成だとか、さまざま広げてきたことは事実です。  一方で、文化財団になぜというようなお話でしたけれども、国際課の限られた職員がしっかり責任を持ちながらやっていく事業と、もう少し幅広く、民間の力も入れながら広げていく事業と、双方がプラスされればより大きな効果を呼ぶのかなということを所管部は考えているという報告は受けています。 ◆風間ゆたか 委員 子育てメッセもかつてNPOに任せていたりしながら、厚労省から来ていた職員さんが、それじゃだめなんだと、やっぱり住民参加ということから職員が汗をかいて企画から一緒になってつくっていかなきゃならないんだという議論をした覚えがあります。すばらしいなと。区の職員じゃないですよ。国から来た人がそういうことを熱く語って、そっちのほうがもっともだなと思って、私もそうなっていくように見守ってきましたけれども、こうやって育ってきているということを考えたら、住民参加ということありきではなく、先に外郭団体に仕事を投げていくかのような政策決定をもししていくんだとしたら、それは言っていることとやっていることが違うということになりかねないと思うんですね。  ようやくその国際交流ということに関して世田谷区で広がっていく、先ほどもほかの会派からそういう話がありましたけれども、やっていくのであれば、もっとちゃんと汗をかいて努力をして、努力をした結果としてノウハウが積み上がっていく、それが職員間の下の世代に伝わっていくというようなことをやっていかなければ、いつまでたっても机上の空論で終わってしまう。そんなことにならないように、国際交流の分野に関してはもう一度組み立て直すことを求めます。  続いて、この夏は非常に猛暑だったということから、学校で終業式は校庭で行う行わないみたいなところを、文教常任委員会のときに私からその他で質問したことをきっかけに、体育館の空調もそろそろ考えていくべきだと議論の口火を切ったわけですけれども、その際に、教育委員会からは検討を進めているという思わぬ答弁があったりしました。  先日の本会議でも他会派からさまざまな質問があり、いよいよ体育館の空調は相当な予算がかかることかと思いますけれども、これは子どもたちの熱中症対策ということだけではなく、今回の西日本の災害を見ていると、真夏に災害が起こったときの避難所、今のままでは、やっぱりあの体育館に居続けることは無理だろうということから、それを教訓にして進めていくべきだろうと思うわけです。これは子どもたちだけではなく全区民に関係あることですから、喫緊の課題ではないかと。  暑いときに暑いからといって冷房のことばっかり考えていてもしようがないわけであって、東京の冬は寒さも相当厳しくなります。私もさまざまな災害現場に行って避難所での生活の様子を体感してきていますけれども、やっぱり冬の対策というのも非常に重要ですから、このあたりは早急にやらなければならないことじゃないかと思いますけれども、実際にいつからやろうと思っているのか、教えてください。 ◎淺野 教育次長 これまで他会派への御質問にも答弁してまいりましたが、早急に検討という形で考えてございます。各学校の体育館の仕様であるとか、断熱効果の部分等、あと電気容量の関係とかの調査を今並行して進めてございます。例えばモデル的に実施していくとか、そういったことも含めまして、速やかに対応してまいりたいと考えてございます。あと、耐震診断を今やっておりますので、そちらの工事との関係もございますので、そこら辺を含めまして早急に対応してまいりたいと考えております。 ◆風間ゆたか 委員 やるとなったときに、世田谷は九十校ちょっとあって、これが十年かけてやるということであれば、やるところとやらないところによって相当の差異も出てきますし、地域によって不満も出てくると思いますから、やっぱりやるのであれば一年、二年で全部の学校をやり切らなければならないぐらいのスピード感は必要だと思います。教育の所管と災害対策という両方の所管を見ているという意味では、宮崎副区長、これは現実的にやれることでしょうかね。 ◎宮崎 副区長 この体育館問題につきましては、まず、区長のほうからこの予算編成に入る段階で指示をいただいています。先ほど申しましたように、学校関係におきましては、耐震の関係についてのものがございますので、まず、一年ということについては非常に厳しいと考えておりますが、今、委員からもお話がありましたように、数年かけてというような時限の捉え方はしておりません。したがいまして、極力それをタイトに縮めていきまして、最短でも二年という期間はいただきたい、このように考えております。 ◆風間ゆたか 委員 災害対策という意味で言うと、非常に重要な備えだと思います。午前中には自民党から、またもや自衛隊OBの危機管理監ですか、常勤で置くべきだなんて話がありましたけれども、これは私たちの会派はずっと言っていますけれども、ほかの区で置いたり、ほかの自治体で設置していったりしても、実際にその人たちがいたことによって非常に災害対策に役立ったという話はまだ聞いたことがないんです。西日本等で災害が起こっていますよね。そこで退職自衛官が大活躍したなんていう話は聞いたことがなくて、ですから、そういったところで、中でのマネジメントは職員でやっていくべきだと。むしろ東京消防庁の方がいらっしゃるということであれば、災害対策という意味では、プロはどちらかといえば消防庁の方たちだと私たちは考えていますし、自衛隊の方たちというのは災害のときに大活躍しますけれども、あくまでも専門分野は災害対策ではありませんから、そのことはいま一度私たちは主張しておきます。  最後になりますけれども、私たちが会派として求めてきました経済産業政策、これをどのように変えていくのかということです。まずは一つ、名前が変わったということ、そして、経済白書をベースにしてこれからの産業政策を考えていくというところまで着手していることは把握しています。  世田谷区における経済産業政策は何を基本に据えるべきなのかといったときに、役所としては商業だというお話ですけれども、仮に商業を活性化させていくにしても、プレミアム商品券を毎年毎年、補助金をつけていくというのが中心であってはならない、一度やめてみてから検証するべきだということを我々はずっと求めてきていますけれども、このことは決特と予特のときに必ず触れておくことですので、今その進捗状況はどうなのかということを教えてください。 ◎久末 経済産業部長 プレミアム付区内共通商品券の事業につきましては、区民の消費意欲の向上と区内商店街での買い物の促進を図り、区民生活や地域経済の活性化に寄与することを目的に、世田谷区商店街振興組合連合会が実施する事業を支援しているものです。一方、これまで区議会におきまして、大型店での利用率の偏りの是正ですとか、商店街の個店での利用促進の工夫、産業振興と福祉のバランス、それから、幅広い区民を対象とする公平性の問題など、さまざまな御指摘をいただいております。  今年度のプレミアム付商品券利用調査では、昨年までの消費喚起効果と区域外流出防止効果とあわせて、個店での商品券の利用状況や区民の景況感、区民の消費動向の変化など、新たな視点を質問項目に加えて現在調査中でございます。また、大型店への偏りを防止する手だてとして、商店街ではスタンプラリーの実施や独自の金券シールを発行するなど、大型店から個店に呼び込むさまざまな工夫をしております。  区といたしましては、引き続き区議会の御意見をいただきながら、区内の景気動向や消費動向を把握しながら検討してまいります。 ◆風間ゆたか 委員 この問題は区民生活所管のときにも詳しくやっていきますので、次に行きます。  産業政策からも上がってきましたけれども、オリンピック・パラリンピックに関する二十六の事業ですか、この中でも、本当にこれがレガシーになるのかというようなものがまだまだ散見されると思うわけです。では、レガシーとは何かといったときに、有形無形でいったときに、私たちは無形で、このオリンピックがあったからこの事業が続いていったんだよね、そのレガシーがあったからこそこういう経験ができたんだよねというものを残していくのが行政の役割ではないかと感じております。  その意味では、議論になっている、子どもたちにアメリカとの交流事業を残していくというのは非常に重要なことだと考えておりますし、限られた期間の中で、あと一年半という期間の中で場所を選定していくということであれば、当然つながりのあるところの中からということで、しっかりと準備を進めていくことが重要だと感じているわけです。教育委員会から、その準備状況というのは委員会で確認をしましたけれども、これは区長部局としてもしっかりと取り組んでいくという覚悟が必要だと思いますが、このあたりはどうでしょうか、副区長。 ◎宮崎 副区長 レガシーという形で何とか残していきたいということで、今般、二十六事業を御提案したわけですが、まだまだ熟度を上げていかなきゃならないと思っております。  その中で、今回、教育委員会のほうから提案をいただいていますポートランドとの子どもたちの教育交流、これはぜひ実現したいと思っていますし、今お話にありましたように、レガシーを代々引き継いでもらうのは今の子どもたちだと思っています。そういう意味でも、自分たちがみずから経験をしていくという中にこの範囲が入ってきますと、それも含めて後世に残してもらえるんじゃないかと思いますし、また、こういう機会がなかなか恵まれてこないということも正直ございます。  そういう中で、今回、USOCのつながっているところの企業もあったということからポートランドが浮かび上がってきまして、この辺について、しっかり今までにない形の教育交流ということも視野に入れていただいて取り組んでいきたい、このように区長部局側としても後押ししていきたいと考えております。 ◆風間ゆたか 委員 羽田委員にかわります。 ◆羽田圭二 委員 私のほうからは、教育費の負担軽減について、最初に触れておきたいと思います。  最初に、区の基本的な考え方を聞いておきたいと思います。日本の社会保障の特徴というのが、生活保護制度に見られますように、困窮世帯への支援、言いかえれば選別主義、これが全てではないんですが、そういう傾向を持っているのも事実かと思います。選別主義は、困窮世帯への支援として国家が最低生活を保障するという理念に立脚した合理的な考え方だということも言えると思います。ところが、近年問題になってきたのが、支援する側と支援される側というその間での不公平感が生じて、困窮者への批判が非常に強くなってきた傾向もあったかと思います。  そこで、この間ずっと言っていることですが、普遍主義的な考え方、言いかえれば、できるだけ社会保障を普遍主義、あまねく公平に支援をしていくという考え方が今だんだん強くなってきているのも事実かと思います。特に世田谷区の場合は、子ども医療費の助成という、そこでゼロ歳から中学校卒業までのお子さんについては無料にするという考え方、これは所得制限を設けないでやっていくという考え方を貫いているわけですが、この普遍主義を今後も特に教育分野では貫くべきだと、家庭の所得によって格差をつけるということをできるだけ取り除いていくということを考えるべきだと私は思いますが、その点について最初に区長の考えをお聞きします。 ◎保坂 区長 普遍主義を教育においてはとるべきだという質問に対してお答えします。  憲法や教育基本法に定めております義務教育の無償あるいは教育の機会均等という理念は、最も尊重されるべきものと考えております。また、昨今、国連で採択をされたSDGsにおける質の高い教育をみんなににおいては、全ての人々に包括的に公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進するということも掲げられております。他方で、OECDの調査では、日本は教育機関への公的支出のGDP比が、三十四カ国中、残念ながら前年に引き続き最も低い、こういった結果も出てまいりました。  区立小中学校の児童生徒の保護者には、授業に必要な教材や校外学習、宿泊行事の費用、ランドセルや標準服の購入費用など、また、給食についても食材費を負担していただいています。所得にかかわらず誰もがひとしく教育を受けることができるよう、より充実した環境整備をすべきだと認識しています。  委員おっしゃった、いわゆる支援される側というのが浮き彫りになるような選別主義をとるべきでないという理念、あまねく教育の全体の無償化に向けて、区としても、大方向としては普遍主義というところをしっかり押さえて、ただ、財政との兼ね合いがありますので一歩ずつということにもなりますが、大事な理念だと思います。 ◆羽田圭二 委員 最後のほうで言われていましたけれども、普遍主義に近づけていく、制度自体を近づけていくという観点が必要だと私も思っています。  そこで、先ほど他会派からの質疑の中で、学校給食費の無償化の範囲を拡大するために都の高校授業料免除のラインを基準にするというような答弁があったかと思います。仮に実施をされれば、少しだけといっても人数でいうと五千人とか言っていましたが、普遍主義に近づく方策だということも考えられるかと思います。  その際の答弁でちょっと気になったことがあります。これによって学校給食費の無償化の対象となる児童生徒が五千人増加をすると言われていました。それから、就学援助制度による対象者を入れると合計で一万五千人になるという答弁があったように思います。改めて確認をしたいと思いますが、いかがでしょうか。答弁の内容は要らないので、そのとおりかどうかだけお答えください。 ◎淺野 教育次長 はい。そのとおりでございます。
    ◆羽田圭二 委員 そこで、一万五千人というふうに答弁されたんですが、この対象者というのは申請主義に基づくものかどうかということが一つ。要するに、申請しなければそれが得られないか。就学援助のほうは申請しなければ得られないというのは私は知っていますが、高校の授業料の免除については申請主義なのかどうか、そこだけお答えください。わかりませんかね。 ◎淺野 教育次長 申請主義でございます。 ◆羽田圭二 委員 そうすると、私が準備したのは就学援助だけ考えていたんですけれども、高校の減免の対象者も、もし申請主義に基づいてやるとすると、申請するかどうかが非常に微妙になってくるんですね。先ほどの答弁の中で少しだけ言っていたんですが、就学援助の対象者は一万人いると。しかし、実際に援助を受けている方は五〇%にすぎなくて五千人なんだと。ただ、先ほどの次長の答弁は、一万五千人になりますみたいなお答えだったんですが、これはちょっと違うのではないかなと思うんですね。その点はいかがですか。 ◎淺野 教育次長 就学援助につきましては申請主義でございまして、申請されて初めて所得等を捕捉されるということで、あくまでもこれは推計ということなんですけれども、今現在ですと約五割の方が申請されていると認識してございます。今後、例えばですが、対象を広げたときに申請率自体が上がる可能性もあるのかなと考えてございます。 ◆羽田圭二 委員 給食費が無償になるだとかも含めて、高等学校の授業料の免除ということで広がっていく可能性はあるかと思うんですが、申請主義に基づいてやるというのは、先ほど言いましたように、それがどれだけ数がふえるかというのは疑問のところなんです。そこで一つ必要なのは、これは前からこの議会でも指摘されておりますが、就学援助の周知方法の問題があるかと思います。  これは一般的には、今までチラシといいますか、制度の内容について配付して、それを読んでいただいて、それに基づいて保護者が申請をするという方法ですが、これらを含めて今後改善が求められていると思うんです。その際、小学校の入学準備金の支給時期、これも以前から指摘されておりますが、中学校同様に前年度に、言いかえれば二月とか、遅くとも三月ということになるんでしょうけれども、そういう時期に支給するよう改善すべきだと思いますが、小学校の就学前からの周知とその改善、この点についてお答えいただきたいと思います。 ◎淺野 教育次長 就学援助のお知らせでございますが、「区のおしらせ」やホームページに掲載するほか、年に二回、学校を通して全児童、生徒の保護者へ御案内の文書を配付させていただいております。新入学用品費の小学校入学前の支給についてでございますけれども、入学する際に必要な学用品等が確実に準備できるように保護者の経済的な負担軽減を図るということからも、あわせて重要なことと認識してございます。子どもの学習の機会を確保するための必要な援助の充実の観点ということからも、該当世帯への周知や申請の受け付け方法など課題を整理し、検討を進めてまいります。  いずれにいたしましても、委員御指摘のように、援助を必要とする方が必要な援助を受けることができるというのが大変大事なことですので、周知を含めて充実してまいります。 ◆羽田圭二 委員 ぜひ就学前の周知の方法については、説明会等を開くように求めておきたいと思います。  もう一つは、就学援助は現在は一・二四倍という認定率です。今後、この改善ということも当然必要になってきているかと思います。これはどういうことかというと、生活保護の切り下げが相次いでいるわけですが、その際の検討も含めて問われていると思います。  そして、学校給食費の無償化の範囲として、先ほど答弁があった東京都の高校授業料無償化の給与収入の範囲という考え方が示されているわけですが、これはどういった効果があるのかということも含めて、もう少しお答えいただけないでしょうか。(「効果なんてあるの」と呼ぶ者あり)あります。 ◎保坂 区長 学校給食費を含めた教育費の無償化について、区議会から多くの御意見をいただき、区としては現在、先ほど答弁したような都立高校の無償化を一つの参考にしたシミュレーションも行っているということであります。今、委員のほうから理念について、普遍主義に近づけていくことが大事だというお話があって、私も大事だと思います。  一方で、財政的な視点も踏まえなければいけませんので、これを一つのプロセス、つまり支援される方を選んで支援するという形から一定程度、中堅層まで引き上げていくことで、無償化自体の申請については抵抗がない形ということで、逆に就学援助の現在の比率を、生活保護費の切り下げの問題もありますので、これを見直していくと同時に、引き上げていくことも考えております。  いずれにしても、学校教育費、あるいは就学援助のラインの引き上げも含めて、子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援の形にしていきたいと思っています。よろしいでしょうか。 ◆羽田圭二 委員 その中の効果というのは、私が求めたのは中堅所得層の支援にもつながっていくということで、最初に申し上げた支援される側と支援する側の分断といいますか、そこで切られてしまうということに、今回の手法の幾らかの効果があるのではないかと。所得制限を少し上げることで、中堅所得層についても一定の給食費無償化が広がるのではないかと思います。  今回の無償化の問題は、改めて申し上げますけれども、一つは憲法第二十六条第二項という項目、それから、教育基本法では実際には細かな点については触れられておりませんよね。つまり、憲法では義務教育は無償とするという表現ですが、教育基本法でも、その実行内容だとか範囲についてはまだまだ細かく触れているわけではなくて、それらを本当に実施するという意味では、自治体から、それから国や東京都がしっかりその現状を把握して、認識して対応していくということが問われているのではないかと思います。  ただ、国の方策はもちろん、この間、実際の大学等の奨学金制度の確立、給付型の奨学金の確立へと動き始めていますけれども、そうしたことを含めて考えるならば、さらに自治体としてやれることから始めていくしかないのではないかと思っています。  特に、これは前にも区長がどこかでお話ししていたかと思いますが、学校給食制度自体が、もともとは子どもの貧困といいますか、戦後の最も厳しい食の状況の中で、そうした支援として始まったということがあるかと思います。ですから余計に、この教育の無償化の問題を考えるときに、学校給食費の今後のあり方については、全国的にも焦点が当てられているのではないかと思っています。  既に七十五とか七十六の自治体がこの学校給食の無償化を行っているということですが、まだまだ大きな自治体が、人口規模の多いところがやっているという状況ではありませんから、その点では、財政的な面を含めて、今後さらに検討が必要だという点はあるかと思います。ただ、先ほど他会派へ答弁されたことについては、具体に実施をされていくことも一方で必要なのではないかと思っています。  最後になりますが、それとあわせて、教科書の無償化自体は段階的に進められてきたわけですが、今後、まだまだ数多く残っている義務教育における自己負担、これらの改善についても求めておきたいと思います。  この項は終わりますが、ほとんど時間がなくなってきましたから、次の項は一点だけしか質問ができないかと思います。  公契約条例の制定に伴って、最低報酬下限額の問題が提起をされてまいりました。ただ、この最低報酬下限額は今年度据え置きとなっておりまして、さまざまな検討がなされたようですが、結果的にはそういう状況になっているという現状、これらについて、区の今後の対応も含めてお聞きしておきたいと思います。 ◎進藤 財務部長 今御質問ございましたように、昨年、公契約適正化委員会のほうから御意見をお出しいただいておりましたけれども、区といたしましては、他自治体の状況ですとか事業者の意見、区の財政状況等も踏まえ、総合的に判断をして、今年度につきましては、工事以外の委託経費等については千二十円で据え置くこととし、その結果として、いただいた御意見を反映できなかったことにつきましては重く受けとめているところでございます。  また、今年度につきましては、八月三十一日付で来年度に向けての意見書をお出しいただいておりますので、区の財政状況、区内の事業者や労働者の環境も踏まえまして、来年度の下限額について、今後、区として適切に判断してまいりたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 公契約条例の質問はまだ幾つか残っていましたが、公契約条例については、あすの質疑で藤井委員から行うことも可能だと思いますので、その点については譲りたいと思います。  以上で私の質問は終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で世田谷立憲民主党・社民党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆江口じゅん子 委員 日本共産党の総括質疑を始めます。  まず、今後の財政運営について伺います。  我が党は、代表・一般質問を通じて、新たな対応が求められる災害支援のあり方や、また、国保の軽減、介護職の確保など、区政の喫緊かつ重要課題について、具体的な提案を交え、区としての判断を求めてきました。区民の生活は、安倍政権のもとでの社会保障費の圧縮や、貧困と格差の増大などにより厳しさが増し、余裕のない状態が続いています。  午前中、平成二十九年度世田谷区各会計主要施策の成果の説明がありました。この中の冒頭三ページのところでも、平成二十九年度の都内及び区内の景況感においては、一部に改善が見られたものの、実質賃金や個人消費が伸び悩むなど、経済の好循環の実現が十分に進展していない状況となったと明記されています。そのとおりの認識だと思っております。  また、災害対策で言えば、区内でも水害被害など、地球規模の気候変動などを背景とし、従来の想定を超える被害が繰り返しこの間起きております。  区政においては、国の悪政から区民生活を守る役割を発揮し、区民の暮らし、福祉を優先とした区政運営の推進が必要です。また、災害対策に対しても、従来の枠組みにとらわれない新たな対応も求められています。こうした区政の推進のためには、独自の財源も必要になります。暮らし、福祉を守る財源をどうつくり、実現をしていくのか。言うまでもなく、財政は区政運営の最も大きな柱であり、区長の姿勢があらわれ、問われる問題です。我が党はこの立場で、区長の財政運営に対する姿勢、考えについて、大きく二点伺ってまいります。  一点目は、国の不合理な税制改正により特別区の財源が失われているという問題についてです。我が党はこの間、国の税源偏在是正措置に対して、地方自治制度を軽視する国の政策によって区財政が大きく圧迫されていることを指摘してまいりました。当区では、平成二十九年度、ふるさと納税、法人住民税の国税化、地方消費税の配分変更で九十八億円も減収となりました。特にふるさと納税で四十億円の減収については、大きな報道もあり、区民の関心も高く、世田谷区は大丈夫なんですかと、私も不安の声を多く聞いてまいりました。  区長会でも、国の財政改正に対し、これまで緊急声明や要望書提出など積極的な行動をしています。ことし七月、特別区長会は、不合理な税制改正等に関する要望書を国へ提出しています。要望書の中を少し抜粋して御紹介しますが、地方創生の推進と税源偏在是正の名のもと、地方法人課税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税などの不合理な税制改正などにより、特別区の貴重な税源は一方的に奪われていますと、国のやり方を区長会が批判をしております。  この上、さらに、自民・公明党による平成三十一年度与党税制改正大綱では、最近の新聞報道によると、東京都から最低三千億円の法人事業税を地方に分配とあります。この税制改正は、平成三十年度中に結論を得るということですから、今後の区への大きな影響も懸念されます。さらに、区への財政の影響に関しては、さきの代表質問でもただしましたが、来年度十月から消費税一〇%増税とセットで実施予定の幼児教育無償化の問題があります。  ここで伺いますが、幼児教育無償化によって今後区の負担は幾ら増すのか、そして、区の見解についても伺います。 ◎松永 財政制度担当参事 来年十月より実施予定の幼児教育無償化に係る経費でございますが、現在の法定割合等で区が負担することになった場合、特別区長会の試算などに基づき、認可外保育施設等も含めて試算した結果、保育料収入の減少や保護者負担分に対する補助金の増額などによりまして、来年度で十七億円、平成三十二年度以降は年間で三十三億円程度の負担増が生じるものと想定しております。  幼児教育無償化に係る経費につきましては、本来、国がみずからの責任のもとで全ての財源を確保すべきものとして、特別区長会より国に要望しているところでございますが、ふるさと納税の影響、法人住民税のさらなる国税化及び地方消費税率の配分の見直しに加えまして、お話にありましたような、さらなる税源の偏在を是正する新たな措置も検討されておりまして、こうした不合理な税制改正に加え、幼児教育無償化の財源も負わなければならない部分があるなど、二重の負担が区にかかることになるということも言えると思います。 ◆江口じゅん子 委員 平成三十一年度は十七億円、平成三十二年度からは三十三億円と、改めて聞いて本当に大きな額、二重の負担というふうに参事はおっしゃられましたけれども、本当にそのとおりと思います。負担が増すのみならず、そもそも幼児教育無償化は消費税増税の口実であるし、保育の質や待機児解消の面からも問題が多いと認識をしています。  当区においては、待機児解消や介護職確保、処遇改善など、取り組むべき喫緊の課題や将来的な課題が山積しています。貴重な財源が国に奪われている問題について、区長を初め、当区としてもさらなる積極的な対応、発信が必要です。また、ふるさと納税の減収に関して区民の方の関心は高いです。中には、区自身の財政運営がまずいんじゃないですかと私も聞かれることもありました。事実を知らせ、区としての立場を発信していく啓発の工夫も必要と考えます。区長としての見解、今後の対応についてお聞かせください。 ◎保坂 区長 今御紹介いただいたように、ふるさと納税、法人住民税の一部国税化、地方消費税の配分見直しといったところで九十八億円と、百億円近い減収に現在直面しております。この百億円というのは到底容認できるものではなく、特別区長会でこの点を再三にわたりまして提案をし、国への強い要望ということを届けていただいています。  区長会では、平成二十五年より税源偏在是正議論についての特別区の主張を毎年出しておりまして、これは冊子ですが、この中で法人住民税の国税化は地方税の根本原則に反している、特別区は大都市特有の膨大な行政需要を抱えていることなどを主張して、不合理な税制改正の問題点を指摘しています。また、ことしの七月には幼児教育無償化に関する要望を内閣府特命担当大臣に提出し、特別区においては、地方消費税の配分が仮に上がったところで、この無償化による負荷を全部自治体が負うことになると逆にマイナスになってしまう、こういう計算も同時に添付してございます。  ふるさと納税につきましては、区長会として昨年三月に総務大臣に対して、ふるさと納税に関する要望書を提出しました。返礼品見直しに係る総務大臣からの通知がその後行われるなど、一定の成果があったものと考えています。区民に対しては、ふるさと納税制度が決してプラス、メリットばかりではない。実際、自治体に及ぼす影響が甚大で、将来、あるいは現在の福祉から子どもたちの支援、高齢者の福祉などに対して影響が余りにも大きいんだということを周知していきます。  今年度も、十月に「区のおしらせ」のふるさと納税特集号を発行するとともに、新たな取り組みとして、もう少し視覚的にビジュアルで見やすい「ふるさと納税ジャーナル」などを発行して広報に努める予定です。今後も国に問題点を主張していくとともに、区民に対してふるさと納税、そのほかの国による一方的なルール変更でいかに自治体運営が危機に瀕しているのかということを強く訴えてまいりたいと思います。 ◆江口じゅん子 委員 しっかり発信をお願いしたいと思います。  それでは二点目に、来年度予算編成における区長の基本的姿勢について伺います。  国の税制改正による区財政の大きな減収がある中、区としては本庁舎整備など公共施設整備が相次ぎ、予算規模全体が増大しています。今後、学校施設の新たな耐震補強工事も想定されています。我が党はこの間、投資的経費増大による財政規模拡大に対して慎重な対応を繰り返し求めてまいりました。区としては、不要不急な事業を見直し、次期新実施計画の実施においては慎重な選定と検討が必要です。新教育センターは新実施計画事業となりましたが、慎重な対応を重ねて求めるものです。  区長はこの間、参加と協働を基軸に、防災、子育て、福祉、教育の充実と、多方面に積極的施策を展開してきました。子どもの育ちや権利を守る姿勢、また、これまで光が当てられてこなかった精神障害者や児童養護施設の子どもたちなどへの前向きな支援は重要と考えます。  一方、こうした財政状況の中、保坂区政がさらに区民の暮らしと福祉を守る役割を発揮しようとするならば、財源を生み出す努力と工夫が必要です。何を優先し、選択をしていくのか、その姿勢も問われます。来年度予算編成に向けての区長の基本的姿勢について伺います。 ◎保坂 区長 平成三十二年四月以降、早期の開設を目指す児童相談所の移管を初め、幼児教育の無償化や、また、ニーズの高まっている高齢者福祉の体制の充実、障害者等への福祉施策の展開、また、昨今の自然災害豪雨などの災害対策など、区が取り組むべき重要課題に対して、九十万区民の生活を預かる私の使命は重いと感じています。  人口の増加がこのところまだ続いておりまして、九十万七千人を超えたということでありますけれども、この人口増は、支えなければいけない子育て世代、また、ひとり暮らしの高齢者の方も非常にふえているということで、行政需要のいわば増大がセットになっております。セーフティーネットとなる福祉基盤の充実、基礎自治体として、区民の生活を総合的に向上させていくバランスのいい施策展開を今回、とりわけ知恵を凝らして進めていきたいと思っております。  これまで、世田谷区の需要、世田谷区の例えば待機児対策において、土地の値段が高いなどについて、やはりこれは公的な支援制度は必要だということを国に働きかけ、結果として国及び都からの援助、補助が得られるようになったり、あるいは保育士の処遇改善など、国と我々世田谷区も同時に努力をしたことによって一定の成果を生み出しました。  一方で、まだ介護の人材不足などの課題もございます。本庁舎整備など、これからの長いスパンを考えると、どうしても避けることができない大きな支出を伴う仕事も控えています。こういった予算の無駄を削りながら、長期にわたって安心して住める町について区民に理解をしていただけるよう、しっかりリーダーシップを持って取り組んでまいります。 ◆江口じゅん子 委員 今、財源確保、それから経費削減、財政需要を見越した基金の積み立てと、三つの方向性が示されたと思います。その方向性をしっかりやっていただきたいと思います。  次に、今後の財政運営における本庁舎整備について伺います。  繰り返しになりますが、投資的経費の増大に対して、区としてその抑制と選択を行うのは当然です。限りある財源は言うまでもなく区民の税金です。削減、抑制の努力を根幹に据える必要があります。ところが、本庁舎整備に関しては、この間、事業費が増大しています。この間、基本設計の方針を決める段階で、想定する職員数を変更し、建物の床面積をふやしました。また、今般、区民会館の耐震性能向上のために、一億円工事費が膨らみました。さらに、ノバビルの土地を五十年間、賃貸借するとしました。年間で約一千九百万円、五十年間で十億円の経費ということです。  既にことし六月、本庁舎等整備基本設計方針では、本庁舎の規模を定め、ノバビルなしで設計はされています。今後も必要とメリットがあれば、方針であっても変更していくのか、区の姿勢が問われます。年間約一千九百万円の経費に対する区の考えも問われます。先ほど来、区の財政見通しに不安な要素が多く、必要な財源をつくり、生み出す努力を求めてまいりました。一千九百万円あれば何ができるでしょうか。この後触れますが、例えば介護職の確保、区政の喫緊の課題です。  区は今般、特養ホームを対象に介護職確保・職場環境改善の取り組みとして、クラウドファンディングにより財源を募り、介護ロボット、ICT機器普及を促進するとしています。予算規模は約二千三百万円、うち寄附目標は一千万円です。一千九百万円のノバビルの賃貸借の予算があれば、こういった面でもさらなる取り組みもできるでしょう。今後も必要と判断すれば経費を増大していくのでしょうか。やむを得ず経費が増大したら、その分、節減する対策が必要です。見解を伺います。 ◎松村 庁舎整備担当部長 本庁舎等は、区民自治の協働・交流の拠点、揺るぎない災害対策拠点であり、その実現に必要な規模や機能を備えた庁舎を整備する必要がございます。この間、議会からの御意見も踏まえ、規模につきましてはこの六月に基本設計方針の中で変更し、また、七月の特別委員会で区民会館の耐震性能が向上する考え方を御報告したところです。  また、西側隣接敷地につきましては、計画敷地に入れることにより、西棟の低層階の床面積を増加し、多くの区民の方が利用する窓口職場の配置による区民サービスの向上を図り、また、これに伴い、区民から多くの御意見もいただいておりました敷地東側のケヤキの風景の継承・発展をすることなどの変更を行い、今回、基本設計(案)中間報告及び区民会館整備方針策定に向けた区の考え方をまとめたところでございます。  区民会館の構造体Ⅱ類からⅠ類への耐震性能向上や規模の増加など、設計与条件の変更はしてございますが、今回、基本設計(案)の中間報告でもお示ししているとおり、総事業費につきましては、本庁舎等整備基本構想並びに六月に策定いたしました基本設計方針において目標額とした四百十億円を念頭に基本設計を進めてまいります。  今後、コンストラクション・マネジメント業務委託により、設計の各段階で設計者に示す工事費概算と目標工事予算との比較検討や試算を行い、常にコスト管理に努めるとともに、VEなどを実施しながら建設工事費の縮減に取り組んでまいります。また、竣工後のランニングコストにつきましても、自然エネルギーの活用や高効率設備システムの導入、屋上緑化やルーバーによる日射負荷低減などの積極的な検討を行い、ライフサイクルコストの低減も目指し、基本設計案を策定してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 コスト管理、それからライフサイクルコストの低減を目指すとありますけれども、しっかり取り組んでいただくことを重ねて要望します。  それでは次に、介護職の確保、処遇改善策についてです。  さきの代表質問でも取り上げましたが、区として特養ホーム一千人分計画に見合う介護職確保について、区の責任と新たな決意を持って取り組んでいただくことを求め、伺います。  我が党はこの八月、区内二十二カ所の特養ホームを対象に実態調査のアンケートを行いました。十六施設の事業所と百五十二名の職員の方々から聞き取り、回答を得ることができました。これが職員、そして事業所の皆さんからとったアンケートの全てです。本当に多くの方々から御協力をいただきました。その上で、調査で明らかになった、介護職の賃金が安い、社会的評価が低い現状を改善するための確保、処遇改善を求めました。  区長は答弁で、開設から一年たっても稼働率半分の特養ホームに対し、介護人材不足が深刻な中、このような事態が生じていることは重く受けとめている、また、区は介護人材の確保育成、定着支援は区としても喫緊の課題と、このように答弁を示しつつも、具体的には、人材不足の抜本的対策としては、国や都と連携し取り組んでいく、介護ロボット、ICT導入を活用した職場環境の改善、魅力を発信するイベント、多様な人材――外国人労働者も入っていると思いますが――への働きかけなど、従来のものにとどまっていると認識をしております。アンケート結果を踏まえた提案に対しては、区独自の手当創設は継続性の観点からも難しいなど、消極的なものでした。  率直に申し上げ、これで特養ホーム一千人分計画に見合う介護職確保はできるのか、さらに、現状でも人手不足による介護サービスの質の低下という現状があり、大きな不安を持っております。  私も看護師として長年働いてきました。介護ロボット、ICT導入は確かに現場職員の負担軽減につながります。今回の私どもの調査で、特養ホームで働く外国人労働者の方ともお話をしました。介護福祉士の資格を持ち、現場で重要な働きをされている方もいました。区の答弁にあるこれら取り組みは、どれも必要な対策と考えます。しかし、介護職として働きたい、介護職として働き続けられるお給料など、処遇の改善という本質的問題に区としても正面から取り組む必要があります。  ここで改めて、区議団が実施した介護職アンケートについて紹介をします。まず、設問の一としては、あなたの職場は人員が足りていますかという設問です。非常に不足が二八%、やや不足が五一%と、合計約八割の職員が人手不足を感じていると回答しています。  見えるでしょうか。区内の特養ホームは、国の人員配置基準よりも独自に手厚い配置をしているホームがほとんどです。また、事業所アンケートでは、欠員がないと回答した施設も多かったです。それにもかかわらず、現場の八割の職員が人手不足感を感じている背景には、特養ホーム入居者の介護度の重度化、医療的対応や認知症など、対応の困難さ、複雑さが増していること、さらに、職員確保ができず、やむなく人材仲介派遣業者に雇用を頼らざるを得ない状況の中、無資格や経験の浅い方が介護現場に入ってきて現場の負担感が増しているなどが要因と考えます。  次に、介護職員の人員確保が困難な理由は何ですかの設問を行いました。介護職の人員確保が困難な理由としては、賃金が安い、これが八一・六%、次いで、仕事に対する社会的評価が低い、六五・八%と、この二つが圧倒的だったんです。私も夜勤していましたので、夜勤があるが多いのかなと思ったんですが、そうではなくて、賃金が安いの後は、仕事に対する社会的評価が低い、これは本当にショッキングでした。  そして、次の設問では、欠員・人員不足でどのような支障が生じていますかの設問では、丁寧な対応ができない、これが五九・九%と最も高く、以下、事故のリスクが高まっている、スケジュールどおりに進まない、職員の退職につながっていると続きます。人手不足によって介護サービスの質が下がっている現状がうかがえます。  ここで、職員アンケートの自由記載欄に寄せられた声を実際に読んで紹介したいと思います。仕事内容がハードの割に賃金が安い。人員確保ができないため有給休暇もとれず、職員の体調不良や病気、欠席にも対応できないのが現実です。処遇改善、人材確保策を本気で考えているのであれば、一般企業並みの賃金アップまで行わないと、退職者はふえるばかりだと思います。人員確保のためには、まず賃金をアップして魅力ある職業としなくてはならないと痛感します。やりがいのある憧れの職業となれるよう、賃金アップが必須と考えます。実現を切に願います。  介護という仕事は社会からつらい仕事として敬遠されているように感じます。このイメージを変えていくことが人材の確保につながり、結果、介護職員の処遇の改善につながると思います。介護職は誰にでもできる仕事、魅力を感じない仕事、仕方なくやる仕事のレッテルが張られている。専門性のある仕事ということをクローズアップしてほしい。賃金が安過ぎる。人手不足で業務内容の過多にもかかわらず、介護職員に対するケアもなく、仕事だけがふえていく一方では、退職につながってしまうのも仕方がないと思う。現場の声が全く届いていない。  そして、事業所のアンケートも紹介します。事業所からは、既に介護人材が少ないのに新規の施設をオープンさせるので、人材の奪い合いによる共倒れの危機を感じています。次年度も複数、特養を新設予定と伺っておりますが、ことし新設された特養の稼働率も目標を達成していない現状があります。世田谷区でもさまざまな人材確保の取り組みを行っているところではありますが、数年で解決できるとは考えにくい。こういった本当にたくさんのお声をいただきました。  こうした深刻な介護不足の状況は、もちろん当区だけではありません。介護職の奪い合いという状況の中、他区では先進的にさまざまな介護職の確保・処遇改善策を講じています。ちょっと調べたら本当にたくさんあったので、全ては紹介できないんですが、幾つかの区の取り組みを紹介します。  品川区では、緊急介護人材確保・定着支援事業として、遠隔地から人材を獲得した場合に、品川区などでの居住を要件として採用法人に助成する。看護職員支援確保、紹介派遣を活用した看護職員を活用した場合にかかる紹介料を助成する。介護職員など、離職防止対策費、介護職員の離職防止に向けた取り組みを促し、離職の原因とその改善策などを協議し、具体的な実行により助成を行う。また、家族介護をしている介護職のレスパイト、職務継続支援として、家族介護をしている職員の軽減を図るため、入所施設を利用した場合の利用料を助成する。  千代田区でもたくさんありました。高齢者サービス事業所、産休、育休など代替職員確保助成、有用な人材が介護や出産により離職することがないよう、職員が安心して休暇を取得できるよう助成を行う。介護人材奨学金支援助成、奨学金の返済負担が大きくなっており、経済的負担が大きく、離職の一因となりかねません。介護人材の定着を図るため、奨学金支援を行う。  それから、江東区では、江東区福祉のしごと相談・面接会の参加者が参加から三カ月以内に区内事業所へ就労した場合、就労準備金として三万円を助成。杉並区は、新規開設介護事業所の求人広告経費など補助金交付事業、また、訪問サービスヘルパーの高齢化、確保困難な事態に対し、杉並区の居宅サービス事業所へ非常勤の介護従事者の健康診断費用を助成する。  練馬区は、このように介護人材確保事業の冊子がありました。この中でも紹介しますが、求人採用活動支援の助成、それから、さらに練馬区は介護人材実態調査も行っています。区内介護事業所の職場環境の改善、人材確保定着に向けた支援を推進するため、勤務する介護職員に対し、就労実態や意識に関する調査を実施するとあります。私どもも代表で現場の声の把握を求めましたが、区は困難と答弁していましたが、他区ではこういう取り組みを既に行っております。  ここで区長に伺いますが、先ほど紹介したアンケート結果と寄せられた声をどう受けとめているか、ぜひお聞かせください。他区の先進事例も紹介しましたが、こうした事例も検討いただき、現状の対策にとどまらない、区としての積極的支援を求めますが、区長の見解を伺います。 ◎保坂 区長 これからの高齢社会、そして労働力人口が暫時減ってくるという状況を踏まえ、介護職が現状でも足らないわけですけれども、今、福祉専門学校等に希望する方の数も残念ながら極めて減っていると聞いております。  今御紹介いただいたアンケートをお聞きしておりまして、とりわけ賃金が低いという訴えは多かったわけですけれども、気になったのは、介護職の社会的評価が低い、この部分であります。これは本当に大切な仕事で、命を預かる、命にかかわる、そういった仕事であるということで、介護職の社会的評価を本当に持ち上げていかなければいけない。同時に、その評価を持ち上げていくとともに、賃金も同様の引き上げが必要だと感じました。  人材確保の抜本的な対策として、この介護報酬の引き上げを求める声もあったと思います。国を挙げてのイメージアップ戦略、また、イメージだけにとどまらず実態がなければいけませんが、区としてもできることをより力を入れて取り組んでいき、国に対してもいただいた意見を要望していきたいと思います。  他区の事例も紹介をしていただきました。二十三区内でも、この介護人材の不足の緊急度、深刻度を捉えてさまざまな工夫を凝らしているということを御紹介いただきましたので、これを参考にさせていただき、国や東京都との連携もさらに加速させて、事業者、区関係者と知恵を絞って、総力を挙げて介護人材確保、その評価、そして待遇の改善に取り組んでいきたいと思います。 ◆江口じゅん子 委員 区長がおっしゃられるとおり、社会的評価の引き上げとともに、賃金の引き上げは本当に必要だと思います。私どもは、そういったことを含めての総合的な対策が必要だと考えています。ぜひ一千人分計画に見合う介護職確保、処遇改善、積極的な取り組みを期待します。よろしくお願いします。  それでは最後に、経済産業政策の観点から、災害を受けた事業所に対する区の支援のあり方について伺います。  代表質問でも取り上げましたが、地球環境の異変、気候変動を要因に、この夏、大きな地震、記録的豪雨、強力台風の上陸が相次ぎました。区内でも、災害級の猛暑や集中豪雨、また、さきの台風被害など、区民生活に支障を来す被害が発生しています。これまでの想定を超える災害に対し、住民の生命と財産をどう守っていくのか。区として、災害対策のあり方についての再考が求められています。  災害を未然に防ぐため、例えば水害に対しては、抜本的には下水道などハード面の整備が必要です。しかし、それが不十分であるならば、被害に遭った個人、事業所が一日も早く通常の生活や事業が再開できるよう支援することが区の役割であり、責務です。  八月二十七日の集中豪雨では、三百件を超える個人や事業所が浸水被害に遭いました。代表質問では、ある保育所のことをお話ししましたけれども、それ以外にも浸水被害に遭われた幾つかの事業所、商店の方々から状況を伺ってきました。  ある設計事務所の方は、そばにある谷沢川が満杯になって、地下二階の事務所に川の水が逆流し、一メートル三十センチの高さまで水没した。パソコンなどの電子機器は使えなくなり、去年九月に行った内装も全てだめ。使えなくなったごみを無料で引き取ってほしいが、清掃事務所に話をしても、事業所のごみは無料で引き取らないと言われた。そのため、事業所のごみは手つかずのまま。大家とも話しているが、新しいところを同時進行で探しているとのことでした。  そして、ある写真店の方は、店の奥まで水が入り込み、四十から五十センチまで水位が上がって、数百万円もするプリント機械が使えなくなった。保険会社に、雨漏りなら保険金がおりるが、浸水だと保険額に限りがあると言われた。不十分な額なので、お金が足りず、機械か店内か、どちらを直せばいいか困っているとお話を伺ってきました。  経済産業部として、こうした実態は把握されているのでしょうか。現在、区には、居住世帯に対する支援として見舞金、見舞品の支給、粗大ごみ減免、税、保険料の減免、猶予、保健所による消毒を実施しています。しかし、被災した商店、事業所には税、保険料の減免、猶予、保健所の消毒以外、その適用はありません。  ここで伺いますが、経済産業部として、被災した事業者に対して事業再開の支援を行うことは本当に必要だと思います。課題と見解を伺います。 ◎久末 経済産業部長 世田谷区内には約二万八千を超える事業所がございます。現在、経済産業部といたしましては、災害などの被害を受けた中小企業者に対して、事業を再開するための支援策として、災害応急資金融資あっせん制度を設け、支援を行っております。  今回、豪雨により被災された事業所についてお話しいただきましたが、現時点において、被災した事業所の情報を全て把握することは困難な状況でございます。先月の豪雨の際は、電話等で事業者からの御相談がありましたが、事業所の状況に応じて産業振興公社にて中小企業診断士による融資相談や災害での経営相談を行うなど、災害を受けた方が一日でも早く事業再開ができるよう取り組んでまいります。
    ◆江口じゅん子 委員 事業所の把握は確かに全ては難しいと思いますけれども、しかし、こうした区内の商店、事業所がこういった被害状況にあるという知る努力はぜひ行っていただきたいと思います。  そして、今、部長の御答弁にありましたけれども、支援策として、災害応急資金融資あっせん制度がありますとあります。これは設けられて約十年というふうに伺っていますが、この実績の件数について伺います。 ◎久末 経済産業部長 実績でございますが、現在把握しているところといたしましては、平成十七年度に三件の申し込み、融資の実績がございます。それ以降はございません。 ◆江口じゅん子 委員 事業所に対する大切な支援策としてこういった災害応急資金融資あっせん制度があるんですが、実績はわずかということです。その要因として、利率が〇・九%なんですね。先ほど事業所の方々の被害状況を申し上げましたけれども、やはり数百万円の被害というところで、事業再開に対しての融資はありがたいが、しかし利率〇・九%、大変な負担だとも聞いております。やはり、この災害応急資金融資の本人負担率を下げるなど見直しが必要と考えますが、見解をお聞かせください。 ◎久末 経済産業部長 今、委員がおっしゃられました災害応急資金融資あっせん制度でございますけれども、融資条件は、あっせん金額が五百万円、返済期間が六年以内。本人の負担利率でございますけれども、一回目の融資については〇・九%、以降、二回目の融資については〇・五%、三回目の融資については本人負担はなしとなっております。災害に対する融資制度を設けている他区の状況でございますが、本人負担の少ないもので〇・一%、多いもので一・〇五%となっております。  いずれにいたしましても、被害を受けた方が、一日も早く事業を再開し、通常の事業活動が営まれるよう支援することが重要であると考えておりますので、本人負担利率の引き下げについて検討してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 今、部長のほうから、被害を受けた方が一日も早く事業を再開するよう支援する、区の姿勢としてそこが重要であると。引き下げについて検討するということなので、使いやすく、負担が低くということでぜひ検討していただきたいと思います。  そして、この質問の最後ですけれども、今後も事業に影響を来す災害が想定されています。台風二十四号が過ぎた後、二十五号も発生していると。繰り返し水害が起きている地域はあります。被災した事業者、業界への支援をまとめたパンフの作成など、わかりにくいという声を聞いておりますので、ぜひ広報についても工夫していただきたいと思います。見解を伺います。 ◎久末 経済産業部長 現在の周知方法といたしましては、産業振興公社のホームページに掲載するほか、取扱金融機関にも中小企業融資あっせん制度のパンフレットを配付して、被害を受けた事業者の方に周知をしております。今後といたしましては、災害が起きた翌日以降、ほかの情報とあわせて、区のホームページにお問い合わせが多い事項として掲載するとともに、東京商工会議所の世田谷支部、商店街連合会、工業振興協会などを通じてチラシなどを配布し、周知を図ってまいりたいと考えております。 ◆江口じゅん子 委員 よろしくお願いします。  以上で日本共産党の総括質疑を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で、日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、無所属・世田谷行革一一〇番・プラス、どうぞ。 ◆田中優子 委員 では、無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの総括領域の質疑を始めます。  最初に私の考え方を、少し長いですが述べさせていただいた上で、幾つか質問をさせていただきたいと思います。  最近明らかになった体操界の暴力指導問題、まだ皆さんも御記憶に新しいと思います。この問題は、女子体操の宮川紗江選手に対して、速見佑斗コーチが手で頬をたたいたり髪を引っ張ったりする暴力を振るったとして、日本体操協会から処分を受けたものです。日本体操協会によれば、指導者による暴力は、被害者がその暴力を許容したとしても、協会として許容することはないと明言し、処分を下しました。私は、この日本体操協会の、指導者の暴力は、たとえ被害者がそれを許容したとしても、協会として許さないという揺るぎない姿勢に我が意を得たりと心底感動いたしました。  私は、この事件と、昨年、世田谷区教育委員会が主催し開催したドリームジャズバンドコンサートで起こった暴力事件とが重なり、思い出さずにはいられませんでした。体操協会は、手でたたいたり髪を引っ張ったりする暴力としてコーチを処分。保坂区長は、手でたたいたり髪を引っ張ったりする行為に対して、体罰の手前、暴行ではないとの見解を発表し、処分に値する判断はせず、結果、ことしもドリームジャズバンドは表面的には何事もなかったかのように開催されました。いわゆる丸くおさめたというものです。  とはいえ、そこに至るまで多くの関係者が暴力の否定のために注意、努力していただいたことは私も承知しております。議会での指摘を受け、関係所管が必死の努力をした結果、ドリバンにおけるこれまでのような暴力体質は抑えられたということでしょう。実際、ある方から、今回明らかにドリバンは変わりました、体罰や暴力的指導があっても仕方がないという雰囲気から、そのようなことは絶対に許されない、二度とあってはならないというものに変わったのではないかと感じています、それは、議会その他の外部の力が働いたからだと思いますという声が届いています。  さて、体操協会の、被害者が、つまり女子体操選手がコーチからの暴力を許容したとしても、それは暴力である、協会は許容しないという姿勢は、今や当然の認識ではないでしょうか。なぜ被害者が許したとしてもだめなのか。それは、暴力こそが最終解決であるという刷り込みが子ども時代に行われてしまうからです。そして、暴力を許容する、容認する大人を無自覚につくり上げてしまうからです。  私は、子どもへの虐待に限らず、例えばDVの加害者も、暴力によって相手を意のままにできると小さいころに刷り込まれているのだと思います。それを理性の力で抑えていたものが突如、何らかのきっかけでリミッターが外れ、果ては殺人事件にまで至ってしまうこともある。暴力は悲劇以外の何物ももたらしません。  このように、暴力が子どもの成長にもたらす社会的悪影響は、実に恐ろしいことにつながりかねません。体操協会の見解は保坂区長も御存じのことと思いますが、あのコーチのしたことは暴力ですよね。保坂区長のお考えを伺います。 ◎保坂 区長 体操コーチがしたことは、体操協会の見解のとおり、暴力です。威嚇も含め、暴力はいかなる場合にも他者を傷つけ、力により解決を図ることであり、よくないことであるという本質は変わらないと思います。 ◆田中優子 委員 今、保坂区長は、体操コーチがしたことは暴力であり、威嚇も含めて暴力であるとおっしゃいました。私は、ドリバン事件の当初から今のような答弁であるべきだったと思います。昨年、日野氏が生徒の髪をわしづかみにして頭を振り回し、往復びんたをしたことに対して、保坂区長が、暴行とか殴るというところに至っていない、体罰に差しかかる手前であるという見解を示したことで、児童虐待防止に取り組んでいる人たちや、今まさに虐待に苦しんでいる子どもたちなどを深く傷つけ、多くの良識ある人々からの批判も殺到しました。だから今、あの体操界での暴力を踏まえ、区長は暴力というものをどう捉えているのかをお聞きしたわけです。  先ほどの答弁が世田谷区としての公式の見解であるとしたら、ようやくまともな見解になったと思います。しかし、だったら当然、昨年のドリームジャズバンドで日野皓正氏がやったことは暴力に当たるということになりますよね。そうでなければ、区長が言っていることに矛盾が生じます。保坂区長は昨年の見解を改めてとはおっしゃっていませんが、自動的に昨年の見解は今とは違うということになると思います。それに対する矛盾の指摘や批判は幾らでもできますけれども、今ここでは行いません。それよりも私は、それを追及したら前に、先に進むことができなくなるというおそれを避け、世田谷区の子どもたちを守るということから、具体的な提案をこの時間を使ってしたいと思います。保坂区長は先ほどの答弁で、それら批判も受け入れることにされたのだと私は理解することといたします。  そして、暴力については、繰り返しになりますが、身近な家庭の中で発生しているにもかかわらず、今もって児童虐待は厚労省、DVの被害者支援は内閣府というように、連携すらとれていません。現場はここ世田谷区であります。お役所の縦割りのように、世田谷区では児童虐待もDV被害も、そして指導という名をかりた暴力も、各所管においてそれぞれ実際に起きています。虐待で幼い命が奪われた事例はここ世田谷区でもあるのです。  今回、この問題を改めて取り上げるのは、今、世田谷区が先頭に立って児童相談所の都からの移管を受け入れることを表明している、まさにあと三カ月先には政令指定の手続を進めようとしている、そのことと関係しているからであります。  我が会派は、児童相談所の移管を高く評価しています。基礎的自治体、住民に身近な自治体であればこそ、児童虐待の問題の解決に少しでも近づけると考えるからです。虐待と暴力は、定義を含め必ずしもイコールではありませんが、根っことなる本質的な問題の解決には、決して許してはいけないということがあり、それに尽きるのではないかと思います。  ここでお聞きしますが、児童相談所の移管実務を進めている立場では、この問題をどう捉えているのか、副区長にお聞きします。 ◎宮崎 副区長 児童相談所の移管を進める上で、私どもといたしましては、予防の徹底という観点に立ちまして、行政機関をまたぐことなく、一元的に児童虐待問題に取り組むことが重要であると考えております。予防の徹底の意味におきまして、今回御指摘いただいている件、暴力を決して許してはならないということは、子どもの命と安全を守るセーフティーネットを構築する上におきましても非常に重要なことであると認識しております。多様な考え方がある一方で、決してあってはならないというボーダーラインはしっかりと認識し、徹底することの必要性について職員一同が共有することで、予防型の児童相談行政を構築いたしまして、みんなで子どもを守る健全な地域づくりに努めてまいります。 ◆田中優子 委員 ぜひその意気込みで児童相談所の移管はしっかり進めていただきたいと思います。  その一方で、私は、象徴的な事例として、世田谷区から愛のむちという言葉、もちろんこれは実行行為を示すのでありますけれども、そういう言葉をなくすべきだと考えます。要するに、私が冒頭から申し上げているのは、日本体操協会が明確にした、指導者による暴力は、被害者がその暴力を許容したとしても、協会として許容することはないということを、ここ世田谷区でも徹底していただきたいということです。  具体的には、例えば中学校の生徒手帳に、指導者による暴力は、被害者がそれを許容したとしても、世田谷区として許容することはないという趣旨の一文を入れるとか、そういうことはできないでしょうか。生徒手帳は学校ごとにつくられていると思うので、統一するのは難しいかもしれません。しかし、全ての生徒に伝わるような手だてを区としてぜひ考えていただきたいと思います。いかがでしょうか。  そしてもう一つ、世田谷区の総合教育会議の方針として、あらゆる暴力、これは指導者に限らずでありますが、就学前、児童生徒の環境において、あらゆる暴力を否定、排除することを目に見える形で表現、発信するべきだと考えます。道徳の時間に人権教育をやっていますという漠然としたものだけではなく、例えば小中学校の校内に、愛のむちはない、全て暴力である、世田谷区はあらゆる暴力、体罰を根絶しますというようなポスターを掲示し、全校児童生徒が日々、目にして、そうした価値観の大人に育っていくようにすべきではないかと考えます。いかがでしょうか。  以上の二点、教育委員会にお尋ねします。 ◎堀 教育長 私どもは、教育ビジョンの教育目標に、人権尊重の精神を基調とし、全ての教育活動を推進すると明確に示しております。委員お話しのとおり、暴力行為は相手の身体や心を傷つけ、人権を踏みにじる行為であり、学校生活のいかなる場面でも許されないものと考えております。児童生徒に対しても、特定の教科のみで教えるのではなく、問題解決に向けて異なる考えを話し合う際にも、言葉による意見交換の大切さを日常的に指導しております。  現在、子どもたちに身につけさせたい道徳性や生活習慣について、毎月のテーマを示して全小中学校で指導する「人格の完成をめざして」において、人権にかかわる良心やフェアというポスターを用いておりますが、迷惑をかけることや、ひきょうなことはしないなどということを重点的に指導しておりますので、継続して対応してまいります。  また、言葉や暴力など、どんないじめも許さないということで、フィンランドのKiVaプログラムを参考として、子どもたちをいじめの傍観者にしないことに主眼を置き、小学校におけるいじめ防止プログラムの開発にも取り組んでおります。  委員の提案に、中学校の生徒手帳に暴力の否定について何らかの表記ができないかというお話がありました。生徒手帳の内容を時代に合わせて表現するということも含め、校長会と連携して検討して進めてまいります。  また、総合教育会議の御提案もありました。今月二十七日に総合教育会議がありますが、そこではSDGsを取り上げる予定でおります。SDGsの一つに教育がありまして、平和及び非暴力的文化の推進が位置づけられておりますので、そこでしっかりと確認していきたいと考えております。  今後も、幼児教育から思いやりなどの非認知的能力を育むことを初め、高い人権意識や多様性の尊重など、共生社会を築いていく子どもたちの資質、能力の育成に努めてまいります。 ◆田中優子 委員 今、いろいろ取り組んでいるということをるる答弁いただきました。中学校の生徒手帳に何らかの表記ができないかということを校長会と連携して検討していただけるということですけれども、ぜひ前向きに検討していただきたいんです。お役所用語で検討するはお蔵入りということのないように、その辺はどのような温度で考えているか、教育長、お答えいただけますか。 ◎堀 教育長 今申し上げましたように、生徒手帳は各学校で自主的に判断して対応しております。ただ、今のお話にありましたように、暴力について私どもも一定の見解を持っておりますし、最近の風潮を見てもとても重要なことだと思っておりますので、校長会と連携して、具体的に話を進めてまいります。 ◆田中優子 委員 ぜひ掲示物のことも含め、具体化、具現化していただけるよう、世田谷区としての、教育委員会としての本気度が子どもたち、そして保護者や周囲の地域の方々に伝わるようにしていただきたいと考えています。  世田谷区は、先ほど区長がおっしゃったように、威嚇も含め暴力であり、暴力は許されないと子どもにしっかり教え、子ども自身が暴力を許容することのないように、また、暴力を容認する大人にならないように教え育てなければなりません。それがドリームジャズバンドでの暴力事件の教訓だと私は考えています。  以上で私からの質問を終わり、桃野委員と交代いたします。 ◆桃野よしふみ 委員 私からは、九月三日の常任委員会で既に報告されておりますけれども、配偶者暴力相談支援センターの機能整備についてということで伺ってまいりたいと思います。  呼称が長いので配暴センターと一般的に言われておりますけれども、配暴センターを設置するべきだということは、これまで私もこの場で求めてまいりました。二十三区の中でやや後発、十五番目ということですけれども、その機能の設置ということについては、取り組みの一歩として私は高く評価しております。  その前に、この本題、いろいろ取り組みについては前向きな提案をしていきたいんですけれども、その前にどうしても確認をしておきたいことがございます。住民基本台帳法における支援措置について、これまで何度も質問してまいりました。加害者の依頼を受けた弁護士からの申し出、これを加害者からの申し出と同視するのかしないのかということ、これをこれまで取り上げてきたわけです。被害者の立場からすれば、この支援措置を安心して受けるためには、加害者には当然住民票の写しは交付してほしくない。当然ですよね、絶対に居場所は知られたくないんだと。ただし、その依頼を受けた弁護士が来た場合は出すことがあり得るというのは、非常に怖いことなんですよ。  これまでも主張してきましたけれども、世田谷区が安心して支援措置を受けてくださいということをはっきりさせるためにも、ぜひここはこれからどういう扱いにしていくのかということについて確認しておきたいと思います。 ◎岡田 副区長 住民基本台帳法におきまして、必要かつ相当な場合には、事件、事務の特定事務受任者に対して住民票の写しを交付できるとする規定がございます。この規定が改正されていない以上、法令に基づく慎重な判断が必要であることは、これまで議会において申し上げてきたところでございます。  しかしながら、三月に総務省から技術的助言として通知が発せられた背景を鑑みまして、加害者の依頼を受けた弁護士からの申し出を加害者からの申し出と同視して拒否するとする通知の内容を十分踏まえまして、DV被害者の方の心情に寄り添った対応をしてまいります。 ◆桃野よしふみ 委員 住民基本台帳法において、特定事務受任者が住民票の写しの交付を受けることができるというのは、主に第三者請求を想定してそこに書いてあるわけですね。これは確かに法改正が一番わかりやすいという意見は私もわかります。そこにきっちり書き込んでいただければ、誰も間違えないということはわかりますけれども、やっぱり法改正というのはさまざまなハードルがあるわけですよ。それは皆さんよく御存じだと思いますけれども、ほかの法律とうまくぶつからないように法律をつくっていかなきゃいけないし、当然国会での審議が必要だし、いろいろスケジュールも大変なことになってくる、そういった中で、総務省が通知を出している。  総務省も当然、法律にちゃんとぶつからないように通知を出しているわけですよ。総務省の通知のとおりにやったら違法状態になっちゃうなんてことはあり得なくて、総務省はちゃんと、法律改正しなくてもここまではできるというガイドラインを示して自治体におろしているわけですよ。だから、やっぱりこれは、被害者の立場に立ったら、しっかりこの総務省の通知どおりにやってもらわないと困るわけです。  おまけに、この間皆さんに御紹介したように、判例もあるわけですよ。だから、弁護士が特定事務受任者だから住民票の写しをよこせと言ってきても、皆さんは、判例もあるし、総務省の通知もあるんだから、加害者の依頼を受けた弁護士からの申し出は加害者からの申し出と同視して拒否するんだと、自信を持ってやっていただきたいということを申し上げて、配偶者暴力相談支援センターの機能整備について質問をしてまいります。  常任委員会でも報告がありましたけれども、これからこの支援センター機能を設置することで、世田谷区が独自にできるようになる事業、事務というものがあるわけです。その中で、配偶者暴力被害相談の証明関係業務、これが支援センターとなることで新たにみずから実施できる業務なんです。  この報告の中でも気になることがありまして、東京都女性相談センターで発行していた健康保険、年金事務の支援措置や母子・父子・寡婦法に係る証明等における相談事実証明について、人権・男女共同参画担当課において発行することができるんだと言っています。一方、住民基本台帳事務における支援措置申出書への証明は、従来どおり警察署等による発行とすると書いてあります。  私は非常に中途半端だと思うんです。せっかく今まで東京都女性相談センターでやっていた事務を世田谷区がやれるようになったということです。これまでは、この住基法の支援措置を受ける際に、世田谷区は警察かもしくは東京都女性相談センターの証明を持ってきてくださいと言っていたんです。だけれども、せっかく機能を持つわけだから、これは世田谷区がしっかり独自に判断して、DVの被害者だからこれは支援措置をかけるべきだと、しっかり独自で判断できるような仕組みをつくっていく。具体的に言うと、警察署の証明というのは必ずしも必要としない、そういう仕組みで取り組むべきだと思うんですけれども、御意見を聞かせてください。 ◎田中 生活文化部長 配偶者暴力の被害者の方が住民基本台帳の一部の写しの閲覧、住民票の写し等の交付について、加害者からの再接近など、不当な目的により利用されることを防止するため、DV等支援措置を申し出になった場合は、市町村はDV等支援措置の必要性について、警察、配偶者暴力相談支援センター、児童相談所等の相談機関の意見を聞くこととなっております。  世田谷区では、他自治体への転出時などの第三者性の担保と配偶者暴力という被害者の生命の危機がある事案であることから、警察署との関係性を重視し、警察署による相談証明書をもって支援措置の必要性の確認を行っております。  今後、区でも配偶者暴力相談支援センターの機能整備をすることで相談証明書の発行が可能になりますが、被害者の方の安全性の確保を最優先にしながら、状況に配慮した対応が可能となるよう、関係所管と丁寧に協議しながら進めてまいります。 ◆桃野よしふみ 委員 警察に相談をしてほしいと促すことについては、私も多くの場合、それが必要だと思います。やっぱり暴力事件ということになってくる事案が多いでしょうから、警察にもぜひ相談されるほうがいいと思いますよと促すのはいいと思うんですけれども、それを一つのハードルにしてしまうと、やっぱりDV被害者の方からすれば、警察に行ってまた一から十までお話をするというのは非常に負担感のあることですし、それが役所のこういう男女共同参画であったり、そういった部署であれば多少心理的なハードルが下がるという部分もあろうかと思います。警察に相談を促すという意味では、私もこれは否定しませんけれども、ぜひとも世田谷区が責任を持って判断できるような体制をつくっていただきたいと思います。  今、答弁の中で、他自治体への転出時などの第三者性の担保ということがありましたけれども、世田谷区内でとどまりつつ支援措置を受けるという方については、世田谷区が判断するということでよろしいんでしょうか。 ◎田中 生活文化部長 確かに御指摘のように、安全性の確保という点で警察署を御案内しているということが一番でございますが、第三者性の担保という点では、区内にお住まいで、区内ということであれば、これは必要ないと考えます。 ◆桃野よしふみ 委員 まずは区内の中での支援措置であれば区が判断するんだということからスタートしていただいて、ぜひともその範囲を広げていただきたい。独自で区がしっかりノウハウを積み重ねていく中で、自分たちが判断できる部分というのはどんどんふやしていっていただきたいなと思います。  それと、支援措置というのは更新をしないといけないわけですね。多くの場合、一年間で再申請をしなければいけない。これまでの世田谷区の取り扱い、この配暴センターができる前の、現在の取り扱いは、一年ごとに警察に行って、またそこで証明し直してきてくださいというような仕組みになっていると思うんですけれども、DVの被害者をめぐる環境というのは、ほとんどの場合、一年では好転しないんですよ。加害者の怒りというのはいつ爆発するかわからない。はっきり言ってしまえば未来永劫、被害者の方はその加害者の影におびえ続けるといった類いのものです。  そういったときに、たった一年で、また警察に行って証明をとってきてくださいと。またそこで一から十まで説明しなければいけない。これも非常にハードルが高い条件になりますので、世田谷区が独自に判断する部分について、例えば延長のときは警察の証明は要りませんよ、もう一度、世田谷区で話をして延長しましょうというようなことはできますか。 ◎田中 生活文化部長 期間延長が必要であるということは、生命の危機が払拭されていない状況であるということを鑑みまして、基本的には警察署との関係を継続することを考えてございます。ただ、配偶者から暴力を受けるというつらい経験を繰り返し説明するという被害者の方の負担を考慮するために、警察署とも負担軽減については協議してまいりたいと考えておりますし、警察署に手続に行けないなど、被害者の方の状況に応じまして、配偶者暴力相談支援センターで証明を発行することができないかどうか、関係者と調整してまいりたいと考えております。 ◆桃野よしふみ 委員 配暴センターをせっかくつくるわけですから、ぜひとも関係各所と調整をして、世田谷区がしっかりと判断できる部分というのは、繰り返しになりますけれども、まずやってみてという部分はあろうと思いますけれども、ぜひとも取り組みの中でふやしていく、判断できる部分をふやしていく努力というのは常に重ねていただきたいと思います。  今申し上げてきた中で、繰り返し自分の受けてきた経験を説明しなければいけないということ、これがDV被害者にとっては大きな負担になっているんだということを申し上げました。これは、世田谷区の中で相談をするときもやはり同じなんです。  例えば、住民基本台帳法上の支援措置を受けるために戸籍関係の部署を訪れる。そこで支援措置の説明を受ける。例えばお子さんがいた場合は、では就学援助はどうなるんだと。自分はもう着のみ着のままで子どもを抱えて逃げてきてしまった、就学援助はどうなるんだ、子ども手当はどうなるんだ、さまざまな必要な援助があって、また、さまざまな部署で一から説明しなければいけないということがこれまでも、世田谷区の事務の中では起きてきているわけですね。これはやっぱり大きな負担になっているわけです。  せっかくこの配暴センター機能を整備するわけですから、やはり一つの場所でありとあらゆるその周辺の問題が解決するように、その一カ所で相談から手当の受給含めて全て完結すればいいんですけれども、そうでないならば、せめて、ほかの部署で一から十まで自分が受けてきた暴力行為等を説明しなくても、話は全部通っていると。当然、どこまで情報共有していいかということは御本人の承諾もあろうかと思いますけれども、御本人が御希望されるんであれば、また同じ説明を一から十までほかの部署で説明しなくてもいいというような、いわゆるワンストップ機能をしっかりとこの配暴センター機能の中に設置していただきたいと思いますが、御意見をいただけますでしょうか。 ◎田中 生活文化部長 配偶者暴力被害者の方の支援に当たりましては、総合支所保健福祉センターなどでの御相談を初め、被害者の方の状況に合わせて、住民戸籍、国保・年金、教育など、庁内の幅広い分野での連携が必要となっております。そのため、被害者の方に各窓口での手続をお願いすることがございますが、繰り返し説明することで被害者の方の御負担にならないよう、これまでも各窓口を担当する所管同士による情報の共有を図ってまいりました。  今般、配偶者暴力相談支援センターの機能整備をするに当たり、情報、事例の共有をするとともに、具体的な連携の仕組みを検討する庁内連携会議を設置いたしました。被害者の方の状況に応じて、利便性の向上が図れるよう協議を進め、課題解決に取り組んでまいります。 ◆桃野よしふみ 委員 先ほど申し上げましたけれども、世田谷区の配暴センターというのは他区に比べてやや後発ということになります。自治体ごとにかなり温度差があるわけですけれども、先進自治体の事例はぜひ参考にしていただいて、よりよい配暴センターにしていただきたいなと思います。  現在の事務において、すぐ改善できることはすぐ改善してくださいということで申し上げてきたことで、まだ取り組みが進んでいない部分もあるので、その辺についても確認したいんです。先ほど申し上げた住基法上の支援措置の申請書だとか、手続が完了した後、支援対象者に渡される書類に、弁護士等の特定事務受任者からの依頼は拒否できません、それはちゃんと承知しておいてねと書いてあるんです。それは役所の窓口の方も間違えちゃうから、皆さんが今まで表明している見解からしても、これは間違えているわけだから、これを直してくださいということを申し上げているわけです。これを直してくださいというのをもう一度申し上げますけれども、所管として御意見を聞かせてください。 ◎志賀 地域行政部長 今お話がありましたとおり、支援措置の手続に関する御案内については、請求を拒否できない旨の記載がございました。当該箇所の説明文につきましては、現在取り組んでおります配偶者暴力相談支援センターの機能整備とあわせて、相談者が不安を感じることのないよう表現を改めるなど、検討してまいります。 ◆桃野よしふみ 委員 あともう一点、住民票の写しを請求する場合に、支援措置の対象者というのは窓口でしか受け取れないんですよ。コンビニ交付とか証明書自動交付機は使えないです。手数料がちょっと高いわけです。やっぱり、被害者なのに不利益を甘んじて受けなければいけないという状況も直していただきたい。公平性を担保していただきたいんですけれども、三十秒ぐらいでお答えください。 ◎志賀 地域行政部長 今お話しのとおり、支援措置の方は窓口のみの対応となり、若干高くなります。今後、支援措置の方の証明書発行に係る手数料の取り扱いをどうしていくかについては、関係所管と協議しながら検討してまいります。 ◆桃野よしふみ 委員 検討していきますというところで終わってしまいますけれども、これはまたどこかで聞きますので、検討状況、進捗状況を聞きますので、ぜひ前向きに取り組んでください。  質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時四十八分休憩    ──────────────────     午後五時五分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  せたがや希望の会、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 まず、この図は何かわかりますか。子ども・若者部長、答えてください。 ◎澁田 子ども・若者部長 パネルの図につきましては、平成十七年三月に策定いたしました第一期の世田谷区子ども計画において、区の目指す子ども施策全体の体系をお示ししたものでございます。 ◆小泉たま子 委員 この図は、今言われましたように、全国で初めて子ども部が誕生し、そこでできた初めての世田谷区子ども計画の体系図です。岡田副区長、中村総務部長、そして子ども・若者部長も当時子ども部におられたわけですから、何らかの形でこの子ども計画の策定にはかかわっているわけです。  この体系図は、今考えると極めて特徴的です。子どもの成長に従って施策が並べてあり、どのように施策が変わっていくか、施策と施策の関係は、子どもを中心にどのようになっているかがわかります。区民が体系図を見ても、何が大事か、どのように子どもを育てていくか、子どもがどのように自立していくか、そのことがわかります。  それに比べて、現在の子ども計画の概念図、こちらですが、きれいな花びらのようですが、よく見ると、結局ただ並べてあるだけで、何の思いも感じられません。今の区政を象徴しているようです。  さて、当初の子ども計画ですが、中心に大きな柱があって、この柱は、心豊かな元気な子どもとされています。そして、その右側に、黄色という色も象徴的ですが、緊急対応という柱があります。児童虐待防止対策も入っています。そして、この柱をめぐらして赤い矢印が回っています。この矢印は何かわかりますか。子ども・若者部長、答えてください。 ◎澁田 子ども・若者部長 矢印につきましては、虐待が発生し緊急的な対応をしました後も、虐待の進行防止や再発防止などの予防施策を活用して、速やかに本来の姿である地域での生活に抱えず戻していくという考えをお示ししたものでございます。 ◆小泉たま子 委員 少なくとも当初の子ども計画においては、児童虐待対策は緊急対応と位置づけられ、さらには子育てセーフティーネット整備として、時限的サービス供給として位置づけられていたのです。区として、もちろん児童相談所は必要です。しかし、それはあくまでもセーフティーネットとしての役割です。一番わかりやすいセーフティーネットは空中ブランコのネットですが、幾らセーフティーネットが完備したからといって、空中ブランコがうまくなるわけではない。当たり前です。問題の本質は違うのです。そのことから、区の施策を対症療法から予防型に切りかえるべきと申し上げています。  私は施策を切りかえるべきと申し上げましたが、区は何を思ったのか、従来の言葉の前に予防型という言葉をつけ加えたのです。本当にびっくりしました。予防型児童相談、予防型児童相談所行政を実現すると答弁されたのです。言葉としても、理屈としても変だと思われませんか。区が目指すべきことは、児童相談所を完備することではなく、児童虐待がなくなることです。児童相談所を区が設置し、各地域の子ども家庭支援センターが役割を果たし、さらに日常は、児童館が相談機能も含めて地域の子育ての核になっていく。このような体制で地域の児童虐待を何としてもなくしていく、そのような基本的方針が必要です。改めて、副区長に児童虐待ゼロに向けた決意を伺います。 ◎宮崎 副区長 この間御答弁申し上げていますけれども、まず、地区という場面の中で、あらゆる資源、例えば今般いろいろ御議論いただいています児童館もそうですし、そういう場面がございます。そういう中で児童相談行政をまずは行っていきたいと。さらに、児童相談所に加えまして、子ども家庭支援センターの体制を整備することが、ひいては地域による見守り、居場所による施策の充実に取り組むこととなります。  こういう取り組みを続けることの中で、私たちは未来に続く地域の大切な一連の土台づくりをやって、区民一人一人が愛情を持ちまして円滑なコミュニケーションのもとで子育てを助け合い、温かなまなざしで見守る児童虐待ゼロの地域社会を目指しまして、引き続き全力で取り組んでいきたい、そのように思っております。 ◆小泉たま子 委員 ゼロを目指していく、その決意を伺った、そう認識してよろしいですね。語尾がはっきりしなかったんですけれども、よろしいですね。
    ◎宮崎 副区長 そのとおりです。児童虐待ゼロの地域社会を目指したい。 ◆小泉たま子 委員 次の質問に移りますが、本庁舎整備問題について、人口問題の今後の変化に全く的確に対応できていないこと、将来のあるべき行政の姿を考えようともせずに、現状の問題点、例えば会議室が足りない、机が足りないといったことだけを問題とする現在の検討チームの検討方法、手順に不信感を持ちます。しかし、一方、私は議員として、設計会社に直接話を聞くことには反対しました。結局、誰が責任者であるのかわからなくなってしまうからです。  問題は、区に地域社会の将来に向けた理念がないことなのです。理念なき区政に対症療法型本庁舎を整備されてしまう。これが実態です。将来に責任を持ったきちんとした庁舎整備への取り組みを行うべきです。  さて、区は、将来の人口増加に向けて、本庁舎の規模を大きくしようとされています。これは大いに疑問ですが、地域社会全体では高齢者人口、地域人口が増加することは間違いありません。一方で、公共施設整備方針については、その配慮が全くないのです。これは一体どういうわけかと指摘しましたところ、この公共施設整備方針については見直していくと宣言されました。当然のことと思います。この見直しに当たっては、地域社会の変化と区の取り組みの変化をぜひとも反映すべきなのです。  区はこのところ、区民利用施設の優先利用問題、区民センターの業務委託・指定管理者問題、新たな複合化施設での区民参加による運営問題など、それぞれに問題提起をされていますが、それぞれに別々の対応をされようとしていることに疑問を持ちます。所管が違うから、皆さんの常識では当然のことでしょう。ところが、これは区民から見れば一つの出来事です。地域で区民が公共施設とどのように接していくかということになるのです。  区長は、住民参加型の公共施設運営を行っていくとされていますが、その実態が全く見えてきません。複合施設を今後つくっていくとは言っているものの、それらの複合施設は各所管の機能の寄せ集めであり、縦割りは存続し、その一部が地域の区民の利用場所として提供されようとしているだけ。これではとても区民参加型の公共施設運営をしていくとは言えません。区は、地域の公共施設のあり方、運営について根本的に考え直すべき時期に来ていると思います。  現在、各種公共施設において最も区民参加、区民の主体的活動が行われているのは、一部の区民センターの運営協議会です。この運営協議会方式は、地域の課題解決にも貢献できる可能性を持っているものであり、実際に活動されているところもあります。これらのことから、今、区の公共施設整備方針で区民センターは新たな整備をしないという考えを改めるべきと申し上げたのです。  今後、公共施設整備方針を改正していくということですが、その前に、基本的な考えとして、区民センター運営協議会の方式をほかの施設運営にも取り入れる、さらには、区として、地域にある区民会館、集会所、区民センターなど、さまざまな施設機能の位置づけを見直していくことが必要と考えます。  区は、地域行政制度を本庁、支所、出張所・まちづくりセンターの三層構造と言われます。しかし、地区には区民の日常生活があり、さまざまな区民活動があるのです。今後の地域行政制度の運営に当たっては、地区レベルにおいて区民のさまざまな活動が区政を支えている、このことを明らかにすべきです。  私は、歩いていける範囲内で日常生活が営めることをまちづくりの基本に置いています。世田谷区にはまちづくりの基本理念がありません。理念がないから、時として行政サービスをコンビニでやってもらえばよいということになるのです。こんなことを繰り返していれば、ふるさと納税どころではない、区民から選ばれない区役所となります。区政は区民が担う、そのことを地域行政制度の中で明らかにし、地域の公共施設は区民参加で運営する、日常の行政サービス、手続は、地区の中心である出張所・まちづくりセンターで行っていただく、このことを明確にすべきです。  そのために、公明党の高橋議員が一般質問と先ほどの質問で条例をつくるべきと言われましたことに賛成し、さらには、地区の責任者として管理職を配置することに賛同するものです。これらのことについて、政治家としての区長、そして実務の責任者としての副区長のお考えを伺います。 ◎保坂 区長 まず、まちづくりセンターは住民にとって最も身近な区の行政拠点であり、フロントと言ってもいい場所です。既に防災塾あるいは福祉の相談窓口を視点に置き、あんすこや社協ともつないだ展開をしています。そして、身近な行政拠点であるまちづくりセンターが地域の核となって、地区で生活される方々へのきめ細かな情報提供、支援を行うとともに、区民参加、参加と協働のもと、区民の自主的な活動をバックアップしていく必要がございます。  現在、地域包括ケアの全地区展開など、身近な地区での問題解決の取り組みを進めていますが、新しい時代にふさわしい地域行政制度をさらに構築する必要があると思っておりまして、区民から見て使いやすいまちづくりセンター、また、その際、間違いのない事務執行、現場職員にも配慮した職員体制、こういったことを前提に、まちづくりセンターの機能強化、そして、今おっしゃいました区民センターの運営協議会。確かに区民が参加運営し、アイデアを出して、実際に体も動かしてということでは、区民センターの運協方式というのは大変貴重なものだと私も思っています。  これを公共施設全体に広げていく。また、運協という同じ形にならないかもしれませんけれども、そういう地区の強化の中に住民参加の仕組み、あるいはその場所自体を区民が運営する、そういう観点をしっかり入れて地域行政制度改革を行ってまいりたいと思います。 ◎岡田 副区長 今、区長から御答弁がありましたけれども、世田谷区が目指す地域行政制度の展開において、区民が住んで暮らす身近な地区というのは非常に重要なポイントであると考えております。  地区での住民自治を実現するために地域行政制度をこれまで追い求めてきたわけですけれども、今お話しのように、区民センターの運営というのが運営協議会により地域に根差した特色ある取り組みが行われ、住民参加、地域のコミュニティーにおいて大切な場所となっているということで、このような住民主体の公共施設の運営といったことについては、地域行政制度を進めていく上で非常に重要な視点だと考えております。  今、区長からもお話がありましたけれども、全てのところでこういうことができるかということはまた別だとは思いますけれども、今後、まちづくりセンターが核となって、同じ地区、地域の児童館、区民センターなどにおける多様な活動をつなぎ、地区を中心とした参加と協働のまちづくりが進むようにしていきたいと考えております。  また、まちづくりセンターの窓口業務等につきましては、これまでマイナンバー制度の検証を踏まえ、高齢者や障害者へのセーフティーネットを視野に業務範囲を検討すると整理してまいりましたけれども、ただいま区長からお話がありました地域行政制度全体の議論の中でしっかりと検討していきたいと思います。 ◆小泉たま子 委員 区政は区民が担う、そのための区役所全体の組織をつくり直すべき。これを政治家として区長、しっかりとやっていっていただきたいということと、そして区役所全体が取り組む、そういう時代が来ていると思います。この続きは区民生活でまた議論をやらせていただきます。  私の時間はおしまいです。 ◆佐藤美樹 委員 続きまして私からは、今回、決算審議なので、最初に行政評価、事業評価ということを聞いていきたいところなんですけれども、その前に、先日の本会議の続きでグリーンインフラについて伺っていきたいと思います。  私から先日の本会議で、猛暑だったり豪雨というような災害対策の一つのインフラとしてグリーンインフラということを触れました。また、区長の招集挨拶でもグリーンインフラの活用が急務ですというふうな文脈がありまして、それで、きょう伺いたいのは、ではこのグリーンインフラの活用というのは何を指して言っているのかというところと、今までもいろいろな取り組みが、例えば公園だったり、豪雨対策というのは既存の取り組みがありますので、今までとはどう違うのかということを伺っていきたいと思います。  実際、世田谷のグリーンインフラというのは、すごく広義というか広域にわたっていて、やっていらっしゃる部署も、公園であれば公園課ですし、透水性舗装など豪雨対策だと土木だったり、あるいは緑化ですとみどり政策と、本当にいろんな部署がさまざまな既存の取り組みをそれぞれの計画にのっとって進行させている状況なんです。  では、グリーンインフラとしてはどうなんだ、グリーンインフラとしてやっていきますと言うからには、そうしたことを集約したPDCAサイクルがあってしかるべきじゃないかなと思うんですけれども、この質疑をするに当たって、ある関係する課長に伺ったら、グリーンインフラというのはかけ言葉で概念ですと言われてしまって、そうすると既存と何も変わらなくて、ただのキャッチフレーズということになってしまうので、そうじゃなくて、もう一歩踏み込んで戦略的にやっていくのかどうかというあたりを区長にまず伺いたいと思います。 ◎保坂 区長 グリーンインフラなんですが、他会派からもきょうずっと出ていますように、豪雨のあり方というのは昨今もう全然違ってきていると。いわば異常気象という言葉すらなくなるぐらい、気象異変が常態化しているという現在がございます。世田谷区は、振り返れば大場区長時代から雨水浸透枡だとか雨水タンクだとか、雨水を資源としてちゃんと循環させるという当時の先進的な考え方のもとに取り組みをしてきました。  ただし、このグリーンインフラが従来の政策をただ集めてそこに名前を付したというものでは断じてないということであります。実際に、これはもう時間との戦いですけれども、ハードインフラ、下水とか放水路の拡張とともに、どれだけの雨水をこの町で、グリーンで引き受けることができるのか、下水等に負荷をかけない建物のつくり方、また、公園、土木等を含めて、これは岡田副区長を中心に指揮をとってもらいながら、区を挙げた取り組みにしてまいりたいと思います。 ◆佐藤美樹 委員 やっぱりグリーンインフラとしてどうなんだというところをもう少し戦略的、あるいは見える化していくということはすごく重要だと思っています。  先日、いろいろ質問するに当たって見ていたら、この取り組みの先進事例として、日経系のメディアで茨城県守谷市の事例があったんです。守谷市のホームページ等に掲げられているのは、これまでの取り組みをただつなぐだけではなくて、実現可能な手法の中で、どのようにグリーンインフラ化して多機能化していくかというそのPDCAを回すことが大事なんだというところまで明言していました。そこまでやって初めてグリーンインフラの活用とか推進というふうに言えるんだと思いますので、ぜひ具体的に、戦略的にやっていただきたい。この辺は都市整備のほうでも伺っていきたいと思います。  そして、冒頭申し上げましたけれども、今回、決算審議で行政評価ということもちょっと伺いたいんです。今、行政評価の再構築中という段階と伺っていますが、今伺ったようなグリーンインフラのように、多数、複数の部署にまたがっていて、かつ新規で、実施計画にも載っていなくて、でもすごく重要だというような事業とか取り組みが、往々にしてダブりがあったり漏れがあったりということが起こりがちだと思いますので、そういった事業も含めて、これからの行政評価がきちんとその是非を評価してあぶり出してくれるような取り組みになっていただきたいと思います。  今後の行政評価に一番期待したいことは、行政評価でコスト分析とか、もちろんそれも重要ですけれども、単に費用対効果とかをやるだけじゃなくて、その結果、やっぱりこの事業は見直そうとか、あるいは廃止しようということをきちんと持っていけるかどうかだと思っています。  その辺の事業の見直しとか廃止というような意思決定を今後どのように持っていくのか、行政評価の今後の取り組みを伺います。 ◎岩本 政策経営部長 現在、再構築させていただいていますが、予算事業ごとに、例えば事業参加人数であるとか実施回数といった事業単位当たりのコスト分析を行うとともに、その達成度合いに応じまして必要性、有効性などの視点別の評価をするということで、例えば高コストになっている事業を洗い出して改善点を具体的に抽出できるようにすることを目指しております。そのため、所管による一次評価、また、政策経営部における領域的・横断的二次評価、また、全庁における三次評価ということで、適切な改善方針を明確にしていくことを想定してございます。  事業の見直しという意味では、予算編成スケジュールとも整合を図る必要がございますので、そういったところと整合を図りながら、課題のある事業について事業の見直し方針を決定していきたいと考えてございます。 ◆佐藤美樹 委員 一次評価は実施している所管の方がされて、さっき申し上げたグリーンインフラのように複数部署にまたがっていると、各所管だけのが上がってくるもので事業全体は見えないので、二次評価で政経部中心に横断的にやっていただいて、例えばそれで廃止すべきだというのが見えてきているのに、政治的判断とか、あるいはそのトップによる判断だけで決めてしまわないように、決めるときも、そういった部分も含めて見える化させて、きちんと区民に向けても説明できるような行政評価になっていただきたい。時間がなくなっちゃったので、この辺の続きの質問はまたしたいと思います。  以上で終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆田中みち子 委員 それでは、生活者ネットワークの総括質疑を始めます。  子育て支援の充実、そして財政、ふるさと納税制度について順次質問してまいります。  保育待機児童数が千人を超えて全国ワーストワンであった世田谷区は、今年度、十年ぶりに四割程度解消して五百人を切ることができました。国有地、都有地、公園内、さらに民有地における施設整備の補助を行うなど、さまざまな取り組みを進めた結果であり、評価をしています。しかし、依然として解消されない低年齢児や地域偏在を今後どのように解消するのでしょうか。改めて、これまでの成果も含め、今後の見通しについて伺ってまいります。 ◎知久 保育担当部長 区では、これまで、国や都を初め、金融機関や不動産事業者等とも連携し、認可保育園を中心とした整備を進め、保育待機児童対策に取り組んでまいりました。この結果、三歳児以降の待機児童は既に解消し、地域によっては低年齢児の待機児童もほぼ解消している状況にございます。しかし、依然として待機児童が多い地域もあることから、地域偏在の解消に向け、今後も施設整備を進めていく必要があると認識してございます。  今後は、地域ごとの保育需要をよりきめ細かく分析するとともに、低年齢児を対象とした分園や小規模保育事業の整備を効果的、効率的に進めるなど、手を緩めることなく待機児童解消に向け全力で取り組んでまいります。 ◆田中みち子 委員 地域ごとの保育需要をきめ細かく分析して丁寧に把握するということですけれども、来年十月から幼児教育無償化に伴って新たな保育ニーズが掘り起こされることも懸念されます。こうした潜在的な保育需要も視野に、保育の質を落とさず施設整備を行うことが求められます。  区では、保育の質ガイドラインに基づいた立入調査、巡回指導などを、認可保育施設を対象に行っていますが、目の前に迫る児童相談所の移管後は、認可外保育施設に対する指導権限も区に移ってまいります。対象施設数でいいますと、現在の二百二十八施設から約二倍、四百二十五施設と拡大されることになって、子どもたちの健やかな育ちを守る全責任を区が負うことになります。これまでの保育の質の担保は言うまでもありませんけれども、安全面の確保にも目を向けて指導、支援を行うことが重要と考えます。見解を伺います。 ◎知久 保育担当部長 御指摘の権限移譲に備えまして、現在、区では東京都の認可外保育施設への立入調査や巡回指導に同行し、各施設の実態把握とともに、都の指導検査業務等のノウハウの蓄積に努めております。今後は、児相移管後直ちに業務を開始できるよう、認可・認可外、全ての保育施設に対応できる組織体制や役割分担を構築するなど、効果的な指導・支援策を検討してまいります。  区としましては、子どもの健やかな育ちを支援する安全な環境を確保する観点から、移管当初は、御指摘のとおり、認可外保育施設の安全確保に重点を置きながら指導、支援を行い、将来的には全ての保育施設において、世田谷区保育の質ガイドラインが目指す子どもを中心とした保育が実現できるよう取り組んでまいります。 ◆田中みち子 委員 認可、認可外にかかわらず全ての保育施設において、子どもの最善の利益が守られ、子どもの権利が保障される体制を求めます。一方で、女性の社会進出やライフスタイルの変化に伴った多様な保育ニーズに対応できずに、働き続けられるための環境が整っていないと考えます。  先日、新宿にある二十四時間保育園というところにちょっと行ってまいったんですけれども、やっぱり町が二十四時間眠らないということでは、こういった認可保育所も整備する必要があるんだなということを改めて、ちょっと気持ちも変わったという形で見学してまいりました。今後、緊急・一時保育とか休日・夜間保育など、さらなる拡充も必要があると思います。見解を伺います。 ◎知久 保育担当部長 女性の活躍や多様な働き方が広がる中、社会状況に応じた多様な保育の提供がますます求められてきているものと考えております。保育標準時間である午前七時十五分から午後六時十五分までの開所時間の枠を超えて保育を必要とする方々へは、御指摘のございました休日保育、延長保育、また一時保育等の施策を実施してまいりましたが、さらなる施策の充実が必要であると認識しており、まずは休日と夜間延長保育の拡充を進めてまいります。  また、現在検討中の区立保育園の今後のあり方では、緊急・一時保育の拡充や柔軟な受け入れなど、さまざまな事情から一時的に保育を必要とする方々への適切な支援策についても議論を重ねているところです。  今後も、新しい時代に即した保育施策について検討を重ねまして、引き続き、必要な人々へ適切に保育が提供できるよう努めてまいります。 ◆田中みち子 委員 これまで保育施設の充実について質問してまいりましたが、在宅で子育てをする家庭への支援も重要です。ネウボラの充実は言うまでもありませんが、例えば地域で活動する自主保育サークルなども子育ての不安感や孤立感を解消する一翼を担っていますけれども、情報などが少ないと感じていました。子育て応援ブックなどを活用して情報を提供する、さらに、地域の支援策を活用するアドバイザーの五地域展開など、虐待防止の観点からさらなる拡充を求めたいと思います。見解を伺います。 ◎澁田 子ども・若者部長 区では、学齢期までの間、子どもを持つ保護者同士が身近な環境で自主的に集まり、自分たちで子どもを育てていく自主保育活動について、一定の要件を満たした団体に多様な保育の支援として補助を行っております。こうした活動につきましては、本年七月一日号の子育て情報誌「せたがやの子育て」において特集を組むとともに、せたがや子育て応援ブックでも御紹介をしております。来年度より、子育て応援ブックのほか、ホームページ、子育て応援アプリでの自主保育の掲載内容をふやすなど、さらなる周知を充実させてまいります。  また、地域で利用者支援事業を行っている地域子育て支援コーディネーターは、自主保育も含め、必要な子育て支援の案内やつなぎを行っております。現在、区内三地域に配置しておりますが、今年度中に全地域に広げる予定でございます。  今後も、在宅で子育てをされている全ての家庭がニーズに合った支援を選択でき、安心して子育てできる環境を整えていくための支援を充実させてまいります。 ◆田中みち子 委員 先日も、妊産婦の死因の三割が自殺、産後鬱が影響とのショッキングな報道もありました。特にゼロ歳児の愛着形成の重要な時期に安定した気持ちで子育てができるように環境を整えていっていただきたいとお願いします。  これから保育環境を充実するに当たっては、財源が心配です。先ほど触れました二〇一九年十月から始まる幼児教育の無償化に係る経費は国が負担すべきと考えておりますが、先ほど他会派からも質問がありましたけれども、区が負担する場合の財政への影響について答弁願います。 ◎松永 財政制度担当参事 先ほど他会派への御答弁もさせていただきましたが、来年十月より実施予定の幼児教育無償化に係る経費につきましては、お話しのとおり、本来国がみずからの責任のもと、全ての財源を確保すべきものとして、特別区長会より国に要望をしているところですが、無償化に要する経費の一部を現在の法定割合等で区が負担することになった場合、特別区長会の試算などに基づき、認可外保育施設等も含めて試算した結果、保育料収入の減少や保護者負担分に対する補助金の増額により、来年度で十七億円、平成三十二年度以降は年間で三十三億円程度の負担増が生じるものと想定しておるものです。 ◆田中みち子 委員 幼児教育無償化が始まれば来年度で十七億円、三十二年度は三十三億円程度の負担増ということ、そして、ふるさと納税や財政改革の影響で三十年度は百億円近い減収となっているところにさらに負担がふえるというわけです。財源の持続可能性をどのように維持していくのか、お聞かせください。 ◎松永 財政制度担当参事 来年度以降、幼児教育無償化による影響とともに、今年度中に結論を得るとされています地方法人課税の新たな税源偏在是正措置が区財政にさらなる影響が生じる可能性もあり、今般の補正予算において、将来の財政需要に備えた財政調整基金への積み立てを行ったところでございます。  今後も増加する財政需要に的確に対応できるよう、官民連携の取り組みや収入確保策としてのクラウドファンディングの活用など、行政経営改革の視点に基づく一層の経費節減や財源確保などに取り組むとともに、基金や起債の計画的な活用も含めまして、財政見通しを適切に見直しながら、財政の持続可能性を堅持してまいります。 ◆田中みち子 委員 財政の持続可能性を堅持するということですが、来年度予算編成に当たってやはり看過できないのがふるさと納税の影響による減収です。これをどう見込んでいるのかということも、もう一度答弁いただきたいと思います。 ◎松永 財政制度担当参事 ふるさと納税による区税の減収でございますが、平成二十八年度は十七億円、二十九年度は三十一億円、今年度は四十一億円と、拡大の一途をたどっております。こうした状況の中、総務省は今後、金銭類似性が高いものや返礼品価額が寄附額の三割を超えるものなど、制度趣旨にそぐわない返礼品を扱う自治体に対し、強制力のない自粛の要請から、違反した自治体を制度から除外する規制に踏み切る方針との報道もされているところでございます。  平成三十一年度の影響といたしましては、現時点では今年度と同程度の減収と見込んでおりますが、予算編成に当たりましては、ふるさと納税の影響による四十一億円もの税源が流出していることについて、各部が危機感を共有し、各事業の特性を生かしたふるさと納税制度の積極的な活用を図ることを基本方針の一つとして進めてまいります。 ◆田中みち子 委員 ふるさと納税制度の積極的な活用とのことですけれども、返礼合戦にくみせずに寄附文化を醸成していくには、まだまだ工夫が必要だと考えます。例えば佐賀県では、NPOなど民間事業者が実施するプロジェクトを寄附の活用先として指定して、ふるさと納税により団体などを支援する制度をつくって、五十以上もあるお礼の要らない寄附先として情報提供しています。  ちょっと幾つか言いたいなと思うんですが、ホームページから佐賀県NPO支援とかと検索すると出てきます。それで、お礼の品の要らない寄附先ということで選べる使い道として、例えば動物の殺処分を削減、それと保護活動の活性化を推進するためにシェルターをつくりましょうというプロジェクト。これはこの間の第三回定例会でも動物愛護による取り組みということを質問で取り上げて、ゼロにするためにはやっぱりお金が必要だというところで、こういった基金なんかも活用できるんじゃないかなと思ったり、あと、小児がんのある子どもたちのために、自宅から遠く離れた病院に長期入院する子どもの家族のための滞在施設を提供しているところも参加されていたり、あるいはまた、いいなと思うのがたくさんあるんですけれども、世界平和を実現するためのNGO活動みたいなところで、紛争鉱物による問題だとか、ウガンダやコンゴ、カンボジアなどによる子ども兵、地雷の撤去とか、こういったことを行って、まさに持続可能な取り組みを進める団体の寄附先として出てきていて、ぱっと見ただけでも本当に魅力のある寄附先が提供されているなと思いました。  こういった同様の制度を世田谷区でもぜひ検討していただけないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎岩本 政策経営部長 お話しいただきました佐賀県での取り組みにつきましては、寄附者が支援したいNPOなどを指定して、審査の上、県への寄附額の九五%が指定されたNPOなどへ寄附金として交付をされるものです。佐賀県の取り組みでは、寄附者に対して県は返礼品を用意せず、指定されるNPOなどが用意することとしておりまして、NPOなどが行政の支援を受けながら、ファンドレイジング、資金集めに挑戦しています。ふるさと納税を活用することで資金が集まりやすくなり、この取り組みによって協力者とのネットワークが広がれば、行政の支援を受けずにファンドレイジングができるようになり、より自立した団体運営が可能になることが見込まれます。  しかしながら、継続した応援が可能なのかという課題がありまして、また、行政が団体への寄附を仲立ちする形となりますけれども、団体に寄附金として交付した場合のチェック体制などの課題もございますので、関係所管とともに研究してまいりたいと考えております。 ◆田中みち子 委員 継続した支援が可能なのかとか、寄附金として交付した場合のチェック体制とかの課題があるという御答弁がありました。ただ、この寄附文化の醸成を行うというからには、やっぱりこの佐賀県のような、公益性の高い事業を行う団体と支援者をつないで共感する気持ちに寄附文化を醸成するというような制度が必要じゃないかと思うんです。ぜひこのあたりの取り組みをしっかりと進めていただいて、新たな制度創設を要望したいと思います。  以上で質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいりますが、昨年の政府の税調で森林環境税の導入が決まりました。平成三十六年からの実施ということですが、三十一年、来年からは森林環境譲与税を実施する、施行するということですけれども、自治体によっては、例えば横浜なんかは、この財源を小中学校の校舎新築のときに使った木材の経費に充てようという話が出ておりますが、世田谷区の場合には森林環境譲与税の話は今のところ出ていないですよね。それで、今後の使い道についても話が出ていないと。この森林環境譲与税は、人口割と森林面積とか林業の就業人口なんかによってその配分が決まって交付されてくるということですけれども、しっかりその情報公開をして、使い道を公にしなくてはならないということになっていると聞いております。  ただ、林野庁のホームページなんかを見ても、通り一遍のことで余り詳しくわからない。ガイドラインがはっきりしていないということもあって、答えにくい部分もあると思うんですが、世田谷区は来年度、森林環境譲与税は大体どれぐらいの交付を受けるというもくろみなのか。それと、三十六年以降、本格実施をされた場合には、安定的にどれぐらいの交付税の見込みがあるのかということもしっかり把握しておく必要があると思うんです。  もちろん国のほうでは、この森林環境譲与税を、森林地域を支援するような事業に使えという漠然とした定義はあるんですけれども、これをどういうふうに使っていくのかということと、どれぐらいの交付を受けるのかということも含めて、区長にちょっと伺いたいと思います。 ◎保坂 区長 実はこの森林環境譲与税については、先般行われた世田谷区が呼びかけている自治体間連携フォーラムでも話題に上っておりました。来年度は三千四百万円、平成三十四年度から五千万円、三十七年度から七千万円、四十一年度から九千五百万円、四十五年度以降は一億二千万円という予定が示されております。  実は、森林をしっかり手を入れて保護していくためには、国産材の活用が大事ですね。この観点が一つ。もう一つは、二子玉川や下馬中央公園で、世田谷に森をということで、実際に植樹の活動がございます。こういったことをもっと広げていくということもありだと思います。また、先ほど話題になったグリーンインフラ、緑をさらに拡充するという、さまざまな用途が考えられると思いますが、これこそ本当に区民参加でいろんな意見を提案してもらいながら、しっかりした取り組みにしていきたいと考えております。 ◆あべ力也 委員 区長は自治体連携ということをやられていて、世田谷区は川場村ともしっかり縁組協定をしているという中で、川場村に対してもこの森林環境譲与税を利用していろんなことができるのかなと思っていたんですが、なかなか縛りがいろいろあって難しい使い道なのかなと思っています。  いずれにしても、まだ全体の像がはっきりしていないですけれども、ただ、三十一年からもう実施をすると言っていますので、この点については、区長が今言われたように、いろいろその使途についてしっかり明確にしながら、特に都市部にありながら森林地域を支援する事業についてしっかりやっていただきたいと要望しておきたいと思います。  それと、これはまた違う質問になりますけれども、キャッシュレスの話をちょっとしたいと思います。今ここに出ていらっしゃる方で、例えばコンビニでちょっとお買い物するといったときに現金で買うという方はどれぐらいいらっしゃいますか。手を挙げていただいて。ありがとうございます。クレジットカードで買うという方はいらっしゃいますか。一人。あと、鉄道系のPASMOとかで買い物するという方はどれぐらいいらっしゃるんですか。はい、わかりました。  最近、いろんなテレビでこのキャッシュレスの問題が話題になっていて、特に中国はほとんど今、クレジットカードも、いわゆる鉄道系のピッというやつとか、現金も使わないという状況になっているというふうに聞いています。中国でQRコードでやっている会社が最近日本に進出をしたということで、少なからず近い将来には日本もキャッシュレスになるんだろうと。ただ、日本の企業がこのキャッシュレスのシステムを構築してやってくれれば一番いいんでしょうけれども、中国の企業さんとの問題もあるんでしょうけれども、いずれにしても、キャッシュレスは進んでいくんだろうと思っています。  そういった中で、インバウンドを取り込んでいこうという世田谷区の考え方としても、外国人がもう既にキャッシュレスという状況になっている中で、世田谷区の商店街だったり、いろんな産業の中で、キャッシュレスをどういうふうに進めていくのかということも世田谷区としては大事なことだと思うのですが、このキャッシュレスを進めていくということに関して、区の見解、考え方をお聞きしたいと思います。 ◎久末 経済産業部長 キャッシュレスの推進は、外国人観光客の取り込みやコストの削減など、さまざまな効果が期待されております。近年、手数料の減額や入金サイクルの短期化など、事業者が導入しやすい環境となってきてございます。一方、低額になったとはいえ、手数料負担が生じることや、独自で構築したポイント制度の運用が手数料負担により困難になるなどの課題が残っております。また、国の動向といたしまして、消費税引き上げに合わせてキャッシュレスを対象としたポイント還元を検討しているとの報道がありました。こうしたことを踏まえ、区内事業者に対してもセミナーを実施するよう、導入に向けた動機づけを図ってまいりたいと考えております。 ◆あべ力也 委員 ぜひキャッシュレスが推進できるような体制をつくっていただきたいと要望して、質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 初めに、区の障害者雇用率の誤算定と今後の改善策について伺います。  従前、区が国に報告していた障害者雇用率は、本年六月一日時点で二・五一%、法定雇用率の二・五%を辛うじて上回っておりましたが、九月三日の委員会報告ではこれが二・〇五%に急減し、その後、国の依頼に基づいて民間と同じ厳格なガイドラインで再々点検しますと、その率はさらに急減し、昨年六月一日現在で一・六五%ということです。目も当てられません。  本件については、さきの本会議でも多くの批判の声が上がりましたが、当然の反応だと理解をしております。区は責任を痛感していると繰り返し答弁し、おわびの言葉もございましたが、そこで示された改善策では私は納得できないと考えております。  区は他会派に次のように答弁しております。まずは、今年度より従来の身体障害者に加え知的障害者、精神障害者も対象に含めて実施をしている、特別区人事委員会の障害者を対象とする職員採用選考において区の採用予定数を拡大いたします。しかし、ここで言う特別区の採用選考には重大な落とし穴がありますよね。既にこの春の予算委員会で私から指摘をしたとおりですが、ここで繰り返します。  特別区の新たな採用選考では、確かに精神・知的障害者を新たに対象者に加え、三障害全てが選考対象となりましたが、それぞれの障害特性に配慮があるわけではなく、三障害全てを一つの採用区分、採用基準に押し込んでおり、大問題です。つまり、知的障害者に対してもあくまでも学力、教養偏重の選抜試験を一緒に受けさせており、これでは知的障害者が現実には採用されないのではないですかということを指摘いたしました。  そのあしき前例が東京都です。都は特別区より一年早く、従来の身体障害者のみを対象とした採用選考を、三障害全てを対象とする選考としましたが、現在の特別区と同様に三障害全てを同一区分、同一基準で選考した結果、知的障害者の採用はゼロとなっています。この点を踏まえて、区には特別区の障害者採用選考それぞれの障害特性に配慮のあるものに変えるよう進言を求めておりますが、その後の検討状況はいかがなのでしょうか。御報告を求めます。 ◎中村 総務部長 特別区人事委員会が統一的に実施する障害者採用選考につきましては、従来の身体障害者に加え、今年度より知的障害者、精神障害者の受験が可能となり、採用の門戸が広がったところです。区といたしましては、障害者雇用の推進に当たり、委員御指摘のとおり、障害の種別を問わず、均等な就労の機会の確保に努めるとともに、採用後、区職員としてその適性を十分生かし、安心して安定的に働くことができるよう職場環境を整えることが重要であると認識をしております。  区ではこの間、昨年度東京都が実施しています三障害の採用選考では知的障害者の合格者がなかったことを含めまして、障害者採用の現状や課題について、特別区人事委員会の事務局と実務的な意見交換を行っておりますが、選考制度も含めた障害者雇用のあり方について、今年度の特別区の採用選考の実施結果も踏まえ、さらには、他自治体等での取り組みも参考に、特別区全体で議論を深めながら、人事委員会への働きかけを続けてまいりたいと考えております。 ◆上川あや 委員 しっかりと是正をお願いいたします。  さきの本会議の御答弁では、特別区のさきに挙げた採用選考とはまた別に、区独自の採用も検討しているということでしたが、この部分でも、知的障害者の採用も視野に入れた十分な配慮、制度の検討を求めたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
    ◎中村 総務部長 区は率先して障害者の就労を促進する立場であり、早期の法定雇用率の充足は喫緊の課題であると認識をしております。  今後の取り組みにつきましては、特別区人事委員会が実施する統一の採用選考による採用の拡大ばかりでなく、知的障害者、精神障害者の方々を民間企業への就職につなげますチャレンジ雇用の業務範囲の拡大のほか、区独自の採用についても課題を整理しているところです。  この区独自の採用の仕組みにつきましては、現在選考中である特別区の採用選考の結果を踏まえ、東京都が昨年度から実施しています知的障害者の採用選考の事例のほか、他自治体における採用の動向や事例なども参考にして、障害の特性に配慮しながら、個々の適性を生かすことができるものとなるよう、検討を急いでまいります。 ◆上川あや 委員 その実態を見てまいりますので、よろしくお願いいたします。  次に、性的指向で差別をしない休暇制度について伺います。  この四月、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例が施行されました。本条例は同性カップルに対する差別をも禁じるものでしたが、現在、同性をパートナーとする区の職員は、パートナーが要介護となっても介護休暇をとれず、パートナーがたとえ亡くなっても慶弔休暇もとれないということで、大変不平等です。区にはその改善を求めてまいりましたが、地方公務員法上の均衡の原則、つまり国や他の地方公共団体とのバランスも考慮しなければということを理由に、なお踏みとどまっておりますが、できる改善からしていただかなければならないと考えます。  そこで提案です。区の外郭団体での改善は可能なのではないでしょうか。特に、区が九〇%の株式を持ち、他を圧倒する大株主を務める世田谷サービス公社では、十分改善も可能であると考えます。同社は八百八十人もの従業員を抱え、その七割を世田谷区民が占めるという株式会社、大企業です。これだけの大世帯、LGBTの従業員も当然少なからずいると考えるべきでしょう。ところが、従業員間の平等はいまだに保障されてはおりません。  区は、これまで区内医師会に対しても、不動産関係団体に対しても、また携帯電話会社に対しても、同性カップルへの理解と受け入れを要請してきた立場です。そこにこの春からは条例上の差別禁止が加わりましたし、また、区の責務として、区内事業者には条例への協力を求める責務がございます。  これを並べて考えますと、区民、事業者に平等を求めながら国の外郭団体で不平等があるというこの現状は非常におかしいと考えます。いかがでしょう。 ◎岩本 政策経営部長 多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例が施行されまして、株式会社世田谷サービス公社においても、条例の趣旨を理解し、趣旨に沿った改善の取り組みを進めていくことが必要であると認識しております。  世田谷サービス公社では、社員の処遇や福利厚生について、社員就業規則などにより規定をしております。社員の勤務条件に当たる勤務時間や休暇については、基本的には区に準じて規定してきた経緯があり、同性のパートナーに関する休暇制度の利用についての改正は行っていないと聞いておりますが、世田谷サービス公社行動基準において、性別等を初め個人的な特性に基づく差別はいかなる場合にあっても行ってはならないと規定しており、不当な取り扱いがないよう取り組んでおります。  世田谷サービス公社には、委員御指摘の課題も含めまして、改めて条例の趣旨に沿った取り組みの検討を進めるよう求めてまいります。 ◆上川あや 委員 この六月、セラ・サービスのサービスが同性カップルにも平等になりました。区内では楽天を初めとして、同性カップルに対して職員の平等が保障されています。おくれることがないようしっかり取り組んでいただきたいと思います。  終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 きょうは、京王線連続立体交差事業の質問をしていきたいと思います。  先日も公共交通機関対策等特別委員会で報告があったんですけれども、今月から京王線が事業に着手するということで、一応工期の終了予定が平成三十四年度になっているということなんです。私はだから京王線に期待をしたいところなんですが、この間も、私の母はまだ烏山に住んでいて、今六十九歳なので、京王線が工事するんだよという話をしたら、じゃあママが生きているうちに見られるかなと言うので、全然余裕じゃないのと私は思っているんですけれども、でも、事業が延びたりとかして、そういうのですごく難しい部分もあると思うんですが、ぜひ私は京王線の連続立体交差事業で開かずの踏切解消ということを引き続き求めていきたいなと思っています。  質問がいっぱいあるので、余り長く話していると質問ができなくなってしまうので質問していきます。ほかの駅にも同じことが言える部分もあるかと思うんですけれども、今回は特に千歳烏山駅周辺について質問していきたいと思います。  世田谷区は、事業着手に先駆けて、区民を対象とした千歳烏山駅周辺地区地区計画・地区街づくり計画についての意見交換会や、千歳烏山駅周辺地区街づくり構想などの情報発信、それから地元商店会等の個別の意見交換会を行ってきていると思います。  現状、駅の南側は駅広というかロータリーになっていくと思いますので、一部店舗が既に撤退しているという状況です。それで、そのロータリーには、隣接する補助二一六号線ができるんですけれども、これができることでロータリーとか道路が変わっていくことによって商店街の人の流れも大きく変わっていきます。これまでお店を営まれている方々にとっても大変大きな影響が出てくるものと考えられます。  そこで、連続立体交差事業に伴う駅周辺のまちづくりについて、商店街活性化、地域活性化という視点で京王電鉄、それから東京都と話し合いをしっかり進めていきたいと考えますが、世田谷区としてはどのように今考えているでしょうか。 ◎西澤 烏山総合支所長 御質問の千歳烏山駅周辺につきましては、主要な地域生活拠点でありまして、にぎわいのある商店街を中心に南北の交流と人々が集う魅力あふれるまちづくりは、商店街を初めとしました地域の皆様とともに進めていくことが重要であると考えております。  これまでも、連続立体交差事業を契機としまして、駅周辺まちづくりに取り組んでおりますが、委員御指摘のとおり、平成二十六年度には商店街や権利者の皆様との意見交換を踏まえまして、まちづくりの目標を定めた千歳烏山駅周辺地区街づくり構想を策定しております。また、歩行者空間の整備など、商業環境の整備によるさらなる活気とにぎわいの創出を図るため、現在進めております地区計画等の策定に向けた取り組みを着実に進めてまいりたいと考えております。  いずれにしましても、今後とも引き続き、商店街を初めとしまして、地域の皆様の御意見をさまざまに伺いながら、また、各関係部署、また各関係機関とも十分に協議を進めながら、魅力あふれる駅周辺のまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆すがややすこ 委員 今、御答弁で各関係部署とも協議をしっかりしていきたいというお話がありましたけれども、地元商店街の方々からは、実際、商店街の活性化とかそういったまちづくりをしっかり進めていきたいということなので、経済産業部の方々ともこれから話を進めていきたいということなんです。ですので、久末経済産業部長、ぜひよろしくお願いします。要望にしておきます。  続いて、駅広というかロータリーとか、あと道路によって人の流れが大きく変わるということは先ほども申し上げたんですけれども、やっぱり一番大きいのが改札口だと思うんです。改札口が今後どこになるのかということが今後大きくかかわってくると思うんですが、特に烏山は今、西口と東口があって、それで南北に商店街が四つあるわけですよね。それで人の流れができてきたわけですけれども、先日、委員会でも報告があった、駅舎デザインについての意見を募集しますということもあったんですが、改札口とか、今後は高架下の利用方法なんかについても、やはりその地元商店街を含めしっかりと意見交換をしていく必要があると思いますが、見解をお聞かせください。 ◎小山 道路・交通政策部長 ただいまお話がありました駅舎デザインにつきましては、現在、意見募集等を行っている状況でございます。お話にあったように、町の顔となる駅にとっては、外観デザインのみならず、御指摘の改札の位置、さらに高架下等、非常に重要な要素であると考えているところでございます。  まず、改札口に関しましては、今後、駅舎の詳細な計画を策定することとなります。改札位置につきましては、人の流れ等を考慮しまして、現在の位置を基本に検討していると聞いているところでございます。また、高架下に関しましては、今後、他の連立事業とともに東京都、京王電鉄、杉並、渋谷などと十分協議の上、行っていくという状態でございます。それまでに区としても考えを取りまとめる必要があると思います。  そのためにも時期を失することなく、商店街を初め、関係者と十分協議の上、魅力的な駅となるよう周辺まちづくりも含め取り組んでまいりたいと考えております。 ◆すがややすこ 委員 今、御答弁がありましたけれども、もろもろ細かい協議はこれからだと思うんです。今申し上げたこと以外にも、駅前広場の使い道とか、その地下をどうするか、そういうこともあると思うんです。ですので、そういうことはしっかりと引き続き求めていきたいと思います。  それから、今、補助二一六号線の話をしましたけれども、それははっけん通りで、今、道路の車通りは割と少ないんですけれども、それが整備される、甲州街道まで抜けることによって結構交通量がふえることが予想されると思うんです。ですので、その対策ということも考えていかなきゃいけないかなと思っています。特に用地買収とかにかかわっている方々は皆さんご存じですけれども、沿道の方々まではなかなか周知がされていないなということを実感しましたので、それについてもしっかりとやっていただきたいなということで、ここは質問するところだったんですけれども、要望で終わります。  以上です。 ○河野俊弘 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、一般質問に引き続き、ゲリラ豪雨対策について伺ってまいります。  浸水対策には抜本的対策と流域対策がありまして、抜本的対策として河川の整備、下水道の整備が挙げられます。そして、流域対策としては、雨水貯留浸透施設の整備として雨水タンクや雨水浸透枡の設置が挙げられますが、今回は流域対策について伺ってまいります。  世田谷区の流域対策の進捗状況は、平成二十九年度までに約四十万九千立方メートルで、時間約四・三ミリ降雨相当の対策量の整備ができており、行動目標の三十九万四千立方メートルに対して約一〇四%の達成率となっております。そして、ことし六月に策定された新たな世田谷区豪雨対策行動計画では、区立の小中学校、道路、公園などの単位対策量の引き上げをして、流域対策の取り組みが強化をされております。  流域対策の取り組みでは、私がこれまで過去何度か質問をした貯留と浸透を兼ね備えたレインステーションなどの雨水貯留浸透施設について、今後も進めていく必要があると考えております。前回の私の質問に対する答弁では、平成二十七年度末までに十四路線に設置済み、平成二十八年度に中町五丁目、弦巻二丁目の道路において設置予定、また、道路の占用物件などの課題に対しては、既に設置されている雨水枡の底版に雨水浸透管を設置する新工法を参考にしながら進めていくとのことでした。その後の進捗状況と今後についてお伺いします。 ◎桐山 豪雨対策推進担当参事 平成二十九年度末の道路等におきますレインステーションなどの雨水貯留浸透施設の整備状況としましては、十八カ所で千七百三十立方メートルを整備しておりまして、今年度は上野毛四丁目で整備を予定しております。  道路には占用物件等がありまして、さまざまな制約があることから、雨水枡の底版に雨水浸透管を設置しました雨水浸透施設の整備も始めたところでございます。今後もさまざまな手法によりまして、道路の雨水貯留浸透施設の整備を推進してまいります。 ◆ひうち優子 委員 今後も着実にふえていくと思っておりまして、今後も引き続きよろしくお願いします。  次に、滞在型図書館にコ・ワーキング・スペースなどのビジネススペースをという観点から質問いたします。  以前から三つの機能別に分けた図書館のうち、滞在型図書館については、図書館機能だけではなく、文化施設としての機能も兼ね備えるべきで、閲覧席を大幅にふやし、人々が集えるようなセミナールーム、小中学生の学習室、読み聞かせ室など、幅広い世代の方々がさまざまな用途で使用でき、カフェも併設して、区民の皆様が休日に時間を気にすることなく一日中のんびりと過ごすことができるような図書館を目指すべきと申し上げてまいりました。  その中でも、働く世代の方々へのケアは大切で、最近は会社に行かなくても自宅で仕事ができるなど働き方改革が進んできており、特にビジネススペースの確保は重要であります。そこで、コ・ワーキング・スペースなど、パソコンを持ち込み仕事ができるようなビジネススペースを設けていただきたいと考えます。電源、Wi―Fiといったネット環境はもちろんのこと、時間制、ネット予約可、有料自習室も含め、ビジネススペースを充実させることが重要と考えますが、見解をお伺いいたします。 ◎花房 生涯学習部長 コ・ワーキング・スペースは、働く方々それぞれの事情に応じた多様な働き方の一つの形として認識しております。教育委員会では、経堂図書館において、利用者同士の交流や講座、相談会など、新たな学びと交流を生む空間としてビジネスコーナーを設置いたしました。共有スペースを活用しながら、仕事や働く方々などへのサポートにも取り組んでおります。また、世田谷図書館では、パソコンが利用可能な閲覧席を二倍にふやすなど、サービスの向上を図っているところでございます。  中央図書館、梅丘図書館の整備に当たりましては、読書や調べ物、学習などさまざまな利用に対応できるよう、できるだけ多くの閲覧席などの配置を考慮するとともに、パソコンが利用できる環境も整備するなど、多様なニーズに対応できるよう検討を進めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 特に最近は、パソコンを使いたいという方、それから、カフェで仕事をする方もふえていて、図書館も利用していただけるといいなと私は思っているので、ぜひよろしくお願いいたします。  次に、自転車ヘルメットの定着について伺います。この質問は、平成二十年、また二十六年に質問いたしましたが、再度質問いたします。  道路交通法で十三歳未満の子どものヘルメットは親からの着用努力が義務づけされております。東京都条例にも明記しており、消費者庁の調査では、自転車事故の死亡事故における損傷箇所は頭部が圧倒的に多いというデータがあり、また、ヘルメットを着用することで死者の割合は四分の一に低減するというデータも出ております。そこで、幼児はもちろんですが、小学生から高校生まで、そして社会人といった自転車に乗る全ての人々へのヘルメットの着用の定着が必要と考えます。  以前に視察に伺った愛媛県松山では、条例で努力義務、それに加えて、市内の全県立高校の校則でヘルメットを義務にしており、愛媛県立高校の生徒の約三万人にヘルメットを無償で配付、また、ヘルメットはみずからデザインでき、定着に寄与しております。また、一般の方向けには、「ヘルメットは格好悪いからかぶりたくない」から「ヘルメットをかぶろう」へという趣旨で、自転車ヘルメットdeおしゃれコンテストを実施しており、愛媛県内のヘルメット着用率は六七・六%に上がったということであります。  世田谷区でもこの松山の例を参考にして、ヘルメット着用の重要性を周知し、定着率を上げる努力をしていただきたいと考えます。見解をお伺いいたします。 ◎五十嵐 土木部長 先日、横浜で母親が一歳四カ月の次男をだっこして自転車に乗り、転倒した際に死亡させてしまうという痛ましい事故が報道されました。その際、後部チャイルドシートに着席していた二歳の長男はヘルメットを着用しており、無事でした。こうしたことからも、自転車ヘルメットの着用は、頭部のまだやわらかい子どもに対して特に重要であると考えております。  区では、子育て中の保護者などに配付を進めております冊子「『子育て自転車』の選び方&乗り方」の中で、児童のヘルメット着用が保護者の責務であることに加え、ヘルメットの正しいかぶり方についても説明しております。また、小学校PTAなど保護者向けの自転車安全講習会でも、ヘルメット着用の必要性、重要性について説明しているところです。さらに、成城警察署管内の十九の小学校のPTAが共同で反射材ステッカーをヘルメットに張る着用推進キャンペーンを進めるなど、ヘルメット着用への取り組みが高まっております。  今後もあらゆる機会を捉え、区民の方々の協力を得ながら、効果的な取り組み手法を検討し、自転車ヘルメットの着用を促進してまいります。 ◆ひうち優子 委員 ヘルメットは大変重要と考えておりますので、今後も引き続き、さまざまな取り組みをしていただきたいと要望いたします。  以上で質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私からは、通学路の安全対策についてお伺いします。  六月十八日に大阪府の北部で発生した地震では、大阪府高槻の小学校のブロック塀が倒壊し、通学中の小学校四年生のお子さんが犠牲になるという大変痛ましい事故が発生しました。また、大阪淀川区では、一人の方が小学校の見守り隊として小学校に向かう途中に、路上に倒れてきた民家のブロック塀の下敷きになって命を落としました。いつ起こるかわからない首都圏直下型地震などに備え、通学路の安全対策は区として一刻も早く取り組むべき施策であると考えております。  世田谷区教育委員会では、今回の地震で起きたブロック塀などの被害を受け、七月には各学校長宛てに、学校とPTAが協力し、学校安全対策マニュアルなどに定める、災害時における通学路の危険箇所の把握に努め、本年九月末までに教育委員会宛てに報告するよう依頼をしたと聞いております。  私の住んでいる大原北町会では、北沢小学校、守山小学校、東大原学校が下北沢小学校に統合され、通学路の安全対策として運行されていたスクールバスがこの九月二十八日で打ち切りとなって、全ての児童が通学路を歩いて登校し、きょうで二日目です。  そこで伺いますが、既に各学校から報告が上がっていると思いますが、通学路に面したブロック塀や大谷石、そして万年塀などの確認状況はどうだったのか、学校が危険と判断したブロック塀が区内にどれぐらいあったのか、今後、教育委員会としてどのように対応していくのか、お伺いします。 ◎淺野 教育次長 教育委員会では、七月上旬に各学校に対しまして、学校安全対策マニュアルに基づき、PTA等と協力し、通学路沿いにあるブロック塀や万年塀、石塀などで老朽化が著しいなどの危険箇所を点検し、九月二十五日までに報告を求めるとともに、点検結果は各学校の安全マップなどに反映しまして、保護者へ周知するよう依頼しております。  学校の通学路につきましては、ブロック塀や万年塀、石塀などの数や設置の状況などを含めさまざまで、各学校からの危険箇所の報告件数につきましてはかなりのばらつきがございますが、区立小学校六十一校全体を合計しますと約九百件となってございます。通学路にあるブロック塀などで、学校が現状でも危険性のあるもののうち緊急性が高いと判断した事案は随時、教育委員会に報告を上げてもらい、都市整備領域と連携し、個人や事業者などの所有者に安全確認を促す対応を優先的に進めているところで、その件数は約百二十件でございます。  教育委員会では、その他の危険箇所につきましても同様に所有者に安全確認を促すとともに、各学校に対しても状況を報告していく予定でございます。教育委員会といたしましては、子どもたちが日々利用する通学路につきまして、引き続き学校や関係所管と緊密な連携のもと、安全対策の向上に向け努めてまいります。 ◆青空こうじ 委員 平成三十年九月から一年半の緊急対策措置として、大谷石などを含むブロック塀の除却費用の一部を補助する世田谷区ブロック塀等緊急除却助成制度を新設し、震災から区民の安全を守る対策に乗り出していると聞いております。道路に面する危険なブロック塀等の除却を促すためにも、区としてはどのように取り組むのか、今回の助成制度を多くの区民の皆さんに知っていただき、また、活用してもらうための普及啓発はどのように行っていくのか、お伺いします。 ◎関根 防災街づくり担当部長 六月に発生した大阪府北部地震以降、区では、ブロック塀等に不安を持つ区民からの問い合わせに対し、国土交通省が作成したブロック塀の点検のチェックポイントの紹介や現場での注意喚起を行うなど、これまでに約百五十件の問い合わせに対応してまいりました。また、通学路に面したブロック塀等のうち、各小学校が危険と判断した約九百件につきましては、各総合支所及び都市整備政策部と協力し、技術職などにより現場を再確認するとともに、新設したブロック塀等緊急除却助成制度のほか、生垣緑化助成制度なども御案内していく予定です。  そのうち特に緊急対応が必要なブロック塀等につきましては、所有者等にお会いし改善をお願いするなど、危険なブロック塀等の除却が進むように取り組んでまいります。この除却助成制度につきましては、通学路での対応のほか、これまでに区のホームページや広報紙に掲載するとともに、今後は町会回覧や区の広報板へのポスター掲示など、さまざまな手法を駆使して制度の普及啓発に努めてまいります。 ◆青空こうじ 委員 危険なブロック塀はほとんどが民有地です。所有者の御理解を得て、一つでも多くの危険なブロック塀を除却し、軽量フェンスなどを活用した生垣緑化など、安全なものに変えていくことが重要だと思います。ブロック塀の所有者の協力が得られない場合でも、区内の道路の大半を占める区道を管理する立場として、安全上問題があると考えられるブロック塀の周辺には、何らかの安全対策は行う必要があると考えますが、区としてどのようなことができるのか、どのように取り組むのか、お伺いします。 ◎五十嵐 土木部長 大阪府北部で発生しました地震に伴う痛ましい事故以降、土木部にも危険なブロック塀などに関する相談や、担当所管からも協力要請が多数寄せられております。その際には、直ちに現場を確認し、必要に応じて通行者などへの注意喚起として、道路側に危険である旨の表示をした三角コーンを設置するなど、応急的な安全対策を実施しております。  今後も引き続き関係所管と連携・協働し、町の安全・安心の確保に全力で取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 いつ大きな地震が起こるかわからない中、安全対策上問題があるとされているブロック塀への対策はもう待ったなしの状況です。昨日も京王線の電車がストップしました。それも、世田谷区内の明大前から代田橋間の塀が倒れました。台風で壊れるようなブロック塀がたくさんあります。あれが通学路じゃなくてよかったなと思っております。  以上で質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時二十七分散会...