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  1. 世田谷区議会 2018-06-13
    平成30年  6月 定例会-06月13日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    平成30年  6月 定例会-06月13日-01号平成30年 6月 定例会 平成三十年第二回定例会 世田谷区議会会議録第八号  六月十三日(水曜日)  出席議員(五十名) 一番   ゆさ吉宏 二番   加藤たいき 三番   おぎのけんじ 四番   青空こうじ 五番   あべ力也 六番   ひうち優子 七番   上川あや 八番   すがややすこ 九番   山口ひろひさ 十番   石川征男 十一番  安部ひろゆき 十二番  高岡じゅん子 十三番  田中みち子 十四番  阿久津 皇 十五番  佐藤美樹
    十六番  小泉たま子 十七番  河村みどり 十八番  津上仁志 十九番  菅沼つとむ 二十番  石川ナオミ 二十一番 河野俊弘 二十二番 三井みほこ 二十三番 大庭正明 二十四番 田中優子 二十五番 桃野よしふみ 二十六番 そのべせいや 二十七番 福田妙美 二十八番 高久則男 二十九番 山内 彰 三十番  真鍋よしゆき 三十一番 上島よしもり 三十二番 江口じゅん子 三十三番 桜井 稔 三十四番 たかじょう訓子 三十五番 中村公太朗 三十六番 藤井まな 三十七番 岡本のぶ子 三十八番 平塚敬二 三十九番 板井 斎 四十番  和田ひでとし 四十一番 上山なおのり 四十二番 畠山晋一 四十三番 中里光夫 四十四番 村田義則 四十五番 羽田圭二 四十六番 風間ゆたか 四十七番 中塚さちよ 四十八番 諸星養一 四十九番 佐藤弘人 五十番  高橋昭彦  出席事務局職員 局長     本橋安行 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    宮崎健二 副区長    岡田 篤 世田谷総合支所長        平澤道男 北沢総合支所長        髙木加津子 玉川総合支所長        岩元浩一 砧総合支所長 澤谷 昇 烏山総合支所長        西澤 滋 政策経営部長 岩本 康 財政制度担当参事        松永 仁 総務部長   中村哲也 庁舎整備担当部長施設営繕担当部長兼務)        松村浩之 危機管理室長 工藤 誠 財務部長   進藤達夫 施設営繕担当部        松村浩之 生活文化部長 田中文子 地域行政部長 志賀毅一 スポーツ推進部長        内田政夫 環境政策部長        畝目晴彦 経済産業部長 久末佳枝 清掃・リサイクル部長        原田茂実 保健福祉部長 板谷雅光 高齢福祉部長 瓜生律子 子ども・若者部長        澁田景子 保育担当部長 知久孝之 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        渡辺正男 道路・交通政策部長        小山英俊 土木部長   五十嵐慎一 教育長    堀 恵子 教育次長   淺野 康 教育政策部長 工藤郁淳 生涯学習部長 花房千里 総務課長   菅井英樹        ──────────────────── 議事日程(平成三十年六月十三日(水)午後一時開議)  第 一 議席の一部変更  第 二 代表質問        ────────────────────
    本日の会議に付した事件  一、会議録署名議員の指名  二、会期の決定  三、日程第一 議席の一部変更、表決  四、諸般の報告  五、日程第二 代表質問        ────────────────────     午後一時開会 ○三井みほこ 議長 ただいまから平成三十年第二回世田谷区議会定例会を開会いたします。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 これより本日の会議を開きます。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 本日の日程はお手元に配付の議事日程のとおりであります。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 まず、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   二十二番 上島よしもり議員   三十三番 桜井   稔議員 を指名いたします。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 次に、会期についてお諮りいたします。  本定例会の会期は、本日から六月二十二日までの十日間とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よって会期は十日間と決定いたしました。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 これより日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 議席の一部変更 ○三井みほこ 議長 お手元に配付してあります議席変更表のとおり、議席の一部を変更したい旨の申し出があります。  お諮りいたします。  議席変更表のとおり、議席の一部を変更することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よって議席変更表のとおり議席の一部を変更することに決定いたしました。  ただいま決定いたしました議席に氏名標を持参の上、御着席願います。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 次に、区長から招集の挨拶の申し出があります。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 平成三十年第二回世田谷区議会定例会の開催に当たりまして、区議会議員並びに区民の皆様に御挨拶を申し上げます。  まずは、訃報から申し上げます。  熊本哲之前区長は、五月二日に肺炎のため永眠されました。熊本前区長は、平成十五年に区長に就任をされ、強い意気込みで区政改革のスタートを切りました。聞く耳を持つの言葉どおり、すぐやる課を創設され、区民の声を受けとめ、重要な課題が縦割り行政のはざまに陥ることがない体制を築かれました。また、安全安心を第一として二十四時間安全安心パトロールを実現するなど、防犯の取り組みを進めました。これまで福祉部門の一つだった保育や児童育成の分野を統合して全国初の子ども部を創設され、待機児童対策や子ども医療費の無料化、産後ケアセンター桜新町、子育てステーション、発達障害相談・療育センター「げんき」などの整備をされました。  一方、思い切った施策にも挑みました。世田谷の魅力である緑をいっぱいにと呼びかけたみどり33や、みずから奔走され実現をした「世田谷246ハーフマラソン」です。いずれも、今日の世田谷の礎となっています。  熊本哲之前区長から引き継いだバトンを九十万区民とともに前に進めていきます。ここに心から哀悼の誠をささげます。  先月九日には、昨年度、世田谷区とオーストラリア・バンバリー市が姉妹都市提携二十五周年を迎えたことに伴い、バンバリー市よりゲーリー・ブレナン市長夫妻を初め、バンバリー市行政最高責任者、市議会議員、エディスコーワン大学学部長国際交流委員会委員など計十二名が区を来訪されました。  五月十四日には、区議会本会議場におきまして、両都市の一層の友好親善を誓う姉妹都市提携再確認宣言書を取り交わすとともに、ブレナン市長に世田谷区特別名誉区民の称号をお贈りいたしました。今回の来訪に当たり、上島前議長を初めとして、区議会の皆様の多大な御協力をいただきましたことをここに厚く御礼を申し上げます。  市長訪問団の滞在中には、区内各所において世田谷の魅力に触れていただきました。小中学校における児童生徒との交流や、川崎市と世田谷区の包括協定五周年を記念する宇奈根の渡しの行事に参加され、子どもたちの企画した渡し船を楽しむなど、子どもたちや区民との交流の機会を設けました。区民企画委員を交えた歓迎行事では、バンバリー市への派遣とホームステイの参加経験のある小学生全員が、目を輝かせて英語による歓迎スピーチをする姿に、市長ら訪問団の方々も深くうなずいて聞いていらっしゃいました。  今後も、教育を初め、文化、スポーツ、経済、まちづくりなどさまざまな分野における国際交流の一層の発展に取り組んでまいります。  ここで、区公共施設における耐震性能の再確認について申し上げます。  このたび、希望丘小学校において既存校舎内の改修に当たり耐震診断を実施したところ、構造耐震指標が平成七年の実施結果と相違する数値を示しました。今回の算定値は、校舎棟で〇・六、体育館棟で〇・三を下回る結果でした。これを受けて、安全対策を最優先して体育館棟の利用停止をするとともに、専門家の知見も得ながら原因の分析と解明を急いでいるところです。さらに、以前、同校と共通の条件で耐震診断を実施した学校施設等三十一カ所の再診断を一年をめどに進めることとし、診断結果を踏まえ、必要が生じた場合に補強工事を行います。まずは、対象となった学校の児童生徒や保護者などに対して、正確で迅速な情報提供を行い、ホームページで逐次公開をいたします。  今年度は、平成二十六年度を初年度とする基本計画の折り返し点となる新実施計画(後期)が始動する重要な年になります。計画のスタートに当たり、互いに深い関連を持つマッチングの推進、ふるさと納税を初めとする税財政制度問題への対応と行政経営改革について申し上げます。  まず、マッチングの推進についてであります。  平成二十六年に策定、スタートした世田谷区基本計画では、マッチングによる政策の推進を掲げました。重要政策や各施策を推進するに当たって、行政各部門の縦割りを超え、相互に協力して政策を進めることを目標として、全力で取り組んできました。  新実施計画(後期)では、区、区民、事業者との参加と協働をさらに進展させます。そのため、時代の流れを見定める広い視点を持ち、地域にある資源、人材の積極的な参加を得て、垣根を超えて横断的な連携を組んで複雑な課題解決に当たるのが、すなわちマッチングです。マッチングの輪も、一つから複数の輪、多重の輪となるとき、しなやかな地域力に育っていきます。  一つの事例を紹介いたします。世田谷区で取り組んでいる児童養護施設退所者等に向けた給付型奨学金、住宅支援等を行うせたがや若者フェアスタート事業があります。毎年、日本大学文理学部の井上仁教授は、児童養護施設・里親を巣立った若者の自立を支援するシンポジウムを開催し、当事者の若者をシンポジストにして本音の声を引き出しています。  この会場の中に、熱心に若者の話に耳を傾けている区民がいました。何か自分たちにできることはないのかと考えて、御夫婦で相談の上、区内で御自身が所有する二世帯住宅の空き家を社会的養護にかかわる事業に提供しようと考えたそうです。そして、以前から知る一般財団法人世田谷トラストまちづくり空き家等地域貢献活用相談窓口に連絡をとられました。この窓口から、子ども・若者部に問い合わせが入り、区内で自立援助ホームを運営する社会福祉法人青少年と共に歩む会につながりました。  この春、区内で初めてとなる定員六名のファミリーホームがスタートをいたしました。このファミリーホームは、法人型で養育者の夫婦が家庭的な雰囲気の中で子どもたちを養育するものであります。これまでの児童養護施設にかわって里親の担い手をふやしていこうという国の方針とも合致をしています。しかも、二年後には世田谷区への移管を予定しております児童相談所行政と密接不可分の関係にあります。児童相談所が抱える大きな課題の一つが、里親をふやしていくことにあります。  この事業は、オーナーの意思があって初めて可能となったものであります。出発点には、児童養護施設退所者等支援を進める区のフェアスタート事業と、区内大学と区のつながりを深めていく大学連携がありました。さらに、空き家のオーナーと使用希望者をつなぐ世田谷トラストまちづくりの相談窓口も機能し、また庁内連携が図られた上でファミリーホーム事業に意欲のあった社会福祉法人にもつながり、児童相談所移管前のファミリーホームという養育の場をつくることにもつながりました。多重連携、マッチングの輪が作動したことで、社会的養護を目的に住宅を提供するというオーナーの意思を埋没させることなく、社会資源として生かしています。  区全体をカバーいたしますマッチングの制度化とは、まちづくりセンターあんしんすこやかセンター社会福祉協議会の三者の連携による二十七カ所の福祉の相談窓口を活用した地域包括ケアシステムの地区展開です。  介護ヘルパーが高齢者の家庭を訪問した際、高齢、介護に関する相談が一段落した上で、実は長い期間子どもが引きこもっている。精神疾患の疑いもあるが、どうしていいかわからないとの相談を家族から受けたという事例がありました。また、これまでは、訪問時にたとえ長期間のひきこもりの話題に触れることがあっても、すぐリアクションすることが難しかったとの報告もあります。このような課題に対し、介護部門と障害福祉部門が連携協力して、専門機関や医療とつなぎ、家族を丸ごと支える体制ができた事例も生まれています。  今後、超高齢社会がさらに進み、厳しい財政事情も視野に入れると、将来にわたり行政だけで充分なサービスを提供し続けることは困難となることが予想されます。行政や関係機関がコミュニティーソーシャルワーカーの役割を強く発揮し、地域コミュニティーと住民同士の相互扶助の再構築を図る必要があります。  マッチングは、行政内部の区組織における垣根を超える取り組みにとどまりません。民間の事業主体と行政とのマッチングも積極的に進めています。例えば商店街の休憩所や町会会館、集合住宅の集会室などを高齢者の居場所として活用する取り組みがあります。また、高齢者施設内のラウンジなどで使っていない時間帯を生かして、町会等地域活動団体が利用するケースも出てきました。このように、区民や町会・自治会、NPOやボランティア団体が知恵を出し合い、お互いが力を合わせる協働が進むよう、横つなぎを進めました。  マッチングの推進は、その進展に伴って、職員の意識改革、仕事の進め方の改革を伴います。参加と協働を機軸にしながら、一方通行ではなく、相互に企画や提案が飛び交う住民自治を質実ともに高めていくことで、スピーディーで合理的、また持続可能な地域資源をつくり上げていくのが、これからの区の役割であります。庁内の連携はもとより、行政と民間の資源をあわせて公的なサービスを効果的に創出できる民間事業者と住民による協働の仕組みを構築していきます。  行政が単独で予算と人員を投入して一から施設やサービスを提供するのではなく、区民や事業者が既に持っている資源やノウハウを生かし、連携して事業を進めることで、限られた予算でもより大きな効果を生み出すことができます。このような行政手法改革が、財政の持続可能性を支えることにもつながります。  次に、ふるさと納税ほか、税財政問題と行政経営改革の推進についてです。  国による東京都、特別区からの税源収奪は大きく限度を超えています。平成三十年度予算において、ふるさと納税による税源流出が約四十億円、地方消費税交付金の計算方法変更に伴う配分見直しによる交付金の減収が約二十九億円、法人住民税の国税化の影響により約二十九億円と、総計すると約百億円にも達する歳入減となりました。加えて、政府が二〇一九年十月からの実施を予定している幼児教育・保育の無償化により、区立幼稚園、保育園等で約二十億円の負担増の事態さえ予想できます。これらの負担増は、景気悪化による一時的なものではなく、恒久的な歳入不足となりかねない極めて深刻な事態です。国に対しては、ふるさと納税の税収減抑止のための具体策を提案し、特別区長会として強い態度で抗議し、政策変更を求めていきます。  区民生活を守るための安定的な財政運営をするために、改めて歳出を適正に見直し、独自財源を生み出す行政経営改革を推進しなければなりません。  まず、ふるさと納税により流出をした税源を取り戻すため、積極的な企画と呼びかけを進めていきます。区では、返礼品競争と一線を画し、寄附文化を醸成するとの方針で臨み、平成二十九年度は、区内外から五千万円を超えるふるさと納税を受け取りました。宮の坂駅前展示車両の補修整備、地域活性化イベント大蔵運動場陸上競技場のスタンドの改築等への寄附を呼びかけたのに続いて、馬事公苑へのサイン、蹄鉄ブロック、「世田谷246ハーフマラソン」出走権などの寄附型、体験型の記念メニューも加えて、間もなく呼びかけを始め、拡大していきます。  今年度導入されました新公会計制度を活用し、新たな行政評価システムの構築にも取り組みます。具体的には、企業会計を活用して事業のフルコストを把握し、民間や他の自治体と比較することでコストの妥当性を評価する仕組みをつくります。また、成果指標により施策達成度を数値ではかり、コストを照らし合わせることで費用対効果を把握し、事業の最適化を図るシステムを構築いたします。  また、業務プロセス分析により、事業手法の改善にも着手します。定型化した業務の外部委託やAI、ICTの活用による業務の効率化を図るとともに、より正確で迅速な業務ができるよう、分析や改善の手法を確立いたします。こうした行政評価の再構築と業務プロセス分析により、成果を重視した施策事業の選択や内部事務の見直し、重複事業の整理などに着手をしていきます。新実施計画(後期)に掲げた行政経営改革の取り組み、未来を見据えた行政手法による改革を着実に進めていきます。  次に、基本計画に沿い、分野別政策の推進について申し上げます。  まず、健康・福祉の分野から高齢者福祉についてです。  本年四月、事業者、区民、行政らが力を合わせ、誰もが住みなれた地域で支えあい、自分らしく安心して暮らし続けられる地域社会の実現を基本理念に掲げた第七期世田谷区高齢者保健福祉計画介護保険事業計画がスタートしました。二〇二五年、区の高齢者人口は十九万五千人と推計され、さらなる高齢化の進展で、介護を必要とする方、認知症の方の増加も予想されます。介護基盤のきめ細かな整備とともに、地域の相互扶助をビルトインした地域コミュニティーの再生が急がれます。  区では、高齢者はもとより、障害者、子ども・子育て、若者、生活困窮者などを対象に、地域包括ケアの地区展開を平成二十八年七月から全地区で始めています。二十七地区のまちづくりセンターに福祉の相談窓口を開き、相談を適切な支援につなげていきます。これからは、区民のライフステージに合わせ、子育て支援から健康づくり、医療、介護、住まい、生活支援、就労など、一つながりの一体的なサポートが必要となります。超高齢社会が進展する中で、福祉・介護人材の確保、育成・定着支援は喫緊の課題であり、総合的な人材確保策を進めていきます。  ニーズが急増する認知症の方への支援についても、住みなれた地域で暮らし続けられる環境づくりを基本として進めています。この三月末で認知症サポーターは約二万八千人、認知症カフェは二十四地区四十カ所になりました。さらに、今年度から、行動・心理症状への介護サービス事業所職員の対応力向上のため、認知症緩和ケアプログラム研修を開始するなど、新たな知見も取り入れていきます。また、介護保険事業では、介護の必要な方に必要なサービスを提供できるよう、要介護認定、ケアプラン点検など、介護給付の適正化を進めます。今年度から、居宅介護支援事業所の指定権限が都から区に移行してまいります。さらに、効果的な指導により、一層の適正運営とサービスの質の向上を図っていきます。  次に、障害福祉の推進についてです。  本年四月から国の法改正や社会状況の変化などを踏まえ、一部見直したせたがやノーマライゼーションプランと第一期世田谷区障害児福祉計画を含む第五期世田谷区障害福祉計画をスタートさせました。この計画では、国の指針に基づく取り組みだけではなく、区独自に参加と協働のもとで、障害理解の促進と障害者差別の解消、障害者の地域生活の支援、障害者就労の促進を重点取り組みとしています。  とりわけ、障害理解の促進と障害者差別の解消に当たっては、商店街の協力による障害者の外出環境の向上のため、段差解消簡易スロープの提供など具体的な準備を進めています。障害者の地域生活の支援について、中期的な障害者施設の整備方針作成に着手をいたします。加えて、昨年十二月に登録した共生社会ホストタウンにより、パラリンピック競技大会を機会として、ユニバーサルデザインや心のバリアフリーを一層推進していきます。  次に、子ども若者・教育の分野から、保育待機児童対策について述べます。  四月一日時点の世田谷区の保育待機児童数ですが、前年度より三百七十二人減少し、四百八十九人となりました。区では、平成二十九年度の保育施設整備において、認可保育園二十一カ所、小規模保育事業二カ所、認証保育所三カ所の新設等により定員拡充に取り組み、前年度比で千二百七十五人の定員の増を図りました。これまでの施設整備の積み上げにより、待機児童数としては十年ぶりに五百人を下回る結果となりました。  待機児童の内訳は、ゼロ歳が百十七人、一歳が三百二十一人、二歳が五十一人、三歳以上はゼロとなりました。区内の地区によっては、全ての年齢で待機児童解消が実現すると見込まれるところも出てきております。引き続き、厳しい状況が続く低年齢児を対象とした認可保育園分園小規模保育事業の整備に重点的に取り組んでいきます。  一方、待機児童の地域偏在という課題もあり、今後の地域別保育ニーズに配慮しながら、区内全域での待機児童解消に向けて、今後とも全力を挙げていきます。  次に、教育の分野から英語教育について述べます。  ますます国際化が進む社会にあって、世界で活躍できる人材の育成が求められています。二〇二〇年度に全面実施される学習指導要領における小学校の英語の教科化を見据え、今年度から、全区立小学校におきまして英語を学ぶ授業時間数を増加し、第一・二学年では年間十時間、第三・四学年では年間三十五時間、第五・六学年では年間七十時間の英語教育を先行的に実施します。全学年にALTや英語活動支援員を配置するとともに、第五・六学年では、十五分間の短時間学習、モジュールを導入し、子どもたちが繰り返し、楽しみながらネーティブの発音に触れられるよう、ICT教材の活用を進めていきます。また、教育センター二階に、子どもたちが楽しく体験的に英語を学べる施設として多文化体験コーナーを整備、活用するなどして、英語教育を推進します。  あわせて、教科「日本語」についてです。  教科「日本語」は、世田谷区独自の教科として、平成十九年より区立小中学校で、日本語の響きやリズムを楽しむ活動や、日本文化や人々の生き方等について深く考え、表現する活動などを通して、国語などの教科の中に取り入れられてきました。新しい学習指導要領で、総合的な学習の時間が重視されていることを踏まえ、平成二十八年度から改訂作業を進めています。これまで総合的な学習の時間を減じて実施してきた教科「日本語」のよさを凝縮しながら、新聞を教材として活用した学習や演劇の手法を生かした表現活動、キャリア学習などの内容を追加していきます。  二〇二〇年度から小学校三年生以上は、教科「日本語」の授業時間を十八時間から三十五時間の選択の幅を持たせ、学校の実態に応じて教育課程の編成ができるようにしてまいります。  急激な情報化やグローバル化が進む中、幼児期から青年期まで、言葉の力やコミュニケーション能力、多様性のある多文化共生社会と日本のすぐれた文化について、系統的かつ探究的に学ぶことで、子どもたちの未来の可能性を開くことができる新しい教科「日本語」の創造を進めます。  次に、暮らし・コミュニティの分野から、東京二〇二〇大会に向けた機運醸成、オリンピック教育について述べます。  区では、東京二〇二〇大会開催までの八百日前に当たる節目のイベントとして、五月に映画「東京オリンピック」上映会を実施しました。当日は、日本体操協会副会長、日本オリンピック委員会理事の塚原光男さんによる「果てしなき挑戦~金メダルへの道」を演題とした講演や、市川崑監督による一九六五年制作の映画「東京オリンピック」の上映を実施しました。会場では、当時を懐かしみ、話題に花を咲かせている様子や、初めて映画を見る方々が東京二〇二〇大会を心待ちにしている熱気が伝わってまいりました。  来る七月二十八日には東京二〇二〇オリンピック二年前イベントを、八月二十六日には同パラリンピック二年前イベントをそれぞれ開催し、今後も機運醸成を図る企画事業を積極的に展開します。  また、世田谷がアメリカ選手団のキャンプ地となったことを周知し、アメリカ選手団を身近に感じてもらえるよう、区民との交流事業実現に向けた調整を行っています。現在、小中学校、商店街、大学、日米協会、NPOのほか、アメリカ大使館、アメリカオリンピック委員会、USOCとも幅広い連携を図りながら、区民の記憶に残るようなホストタウン交流を実施していきます。  子どもたちが実際に競技を見るだけではなく、選手と直接交流するチャンスをつくりたいと考えています。そのため、世田谷区の子どもたちによる歌や踊りの披露や、花の装飾、太鼓などの各学校の特色ある取組みの紹介など、工夫を凝らした世田谷流おもてなしに取り組んでいきます。さらに、各学校におけるオリ・パラデーの開催など、オリンピック・パラリンピック教育に積極的に取り組んでいきます。  次に、環境エネルギーとたばこルールについてです。  区は、エネルギーの地産地消と自治体間連携を柱に再生可能エネルギー活用の仕組みづくりと普及に努め、環境共生都市づくりへ歩みを進めてきました。五月には、青森県弘前市の櫻田宏市長との間で太陽光発電による電気供給についての協定を締結しました。九月には、弘前市で生まれた電力を区内五十世帯に御利用いただくほか、今後、新たに弘前市との交流が始まります。  本年度は、未来を担う子どもたちが環境とエネルギーを科学的に捉え、楽しく学ぶ、さまざまな体験型教室をプログラムに盛り込んだ大型ワークショップ「環境エネルギー・ラボ二〇一八inせたがや」を川崎市や大学、NPO、企業との連携協力のもと、七月二十一日と二十二日の両日に、世田谷文化生活情報センターで開催します。あわせて、二十一日に三軒茶屋ふれあい広場では、交流自治体による物産展や最新の環境技術の紹介、水素で走る次世代自動車の展示など環境エネルギーの啓発を進めていきます。  四月には、たばこルールの内容を盛り込んだ世田谷区環境美化等に関する条例を制定いたしました。半年間の周知期間を経て、十月より区内全域の道路、公園が禁煙となります。ルールの周知に当たりまして、ポスターや啓発物品に使用する標語とマークを募集し、多数の作品の中から受賞作を決定しました。環境エネルギー・ラボの中で表彰式を行うなど、喫煙する人としない人が相互に理解を深め、地域のたばこマナーが向上するまちづくりの実現を目指して、引き続き周知啓発に取り組んでまいります。  なお、屋内での受動喫煙による健康被害の未然防止について、国や東京都では法改正や条例制定の動きがあります。先月、五月十五日の区長会総会で、東京都の小池百合子知事より東京都受動喫煙防止条例(仮称)骨子案の説明があり、区長会からは、区の現場の声もきちんと聞いて議論を重ねるようにとの意見が出るなど、活発な意見交換をしました。今後、こうした国や都の動向について適宜、意見表明をしながら、区の対応についても検討を進めていきます。  次に、都市づくりの分野から、新たに策定しました世田谷区みどりの基本計画について述べます。  区では、区制百周年となる二〇三二年のみどり率三三%を目指して、世田谷みどり33を進めています。その目標年までの重要な期間となる、平成三十年度から十年間を計画期間とする世田谷区みどりの基本計画をこの四月にスタートさせました。  区では、民有地の敷地が七割を占めており、世田谷みどり33の実現のために、民有地において緑を保全、創出することが重要です。そのため、ひとつぼみどりの創出、市民緑地制度の認定など、小さなみどりなどの取り組みを広げる身近な緑の保全、支援を進めます。
     計画では、新たな指針として、みどりの量の豊かさをはかるみどり率に加え、みどりの量と質の豊かさに対する区民の実感を推定する指標としてみどりに関する区民満足度を導入いたしました。大変満足しているという区民の割合を現状の一二%から二〇二七年には二五%とすることを目標に掲げました。  目的に応じた緑はさまざまな機能を発揮して、安全、快適な都市の環境を守り、世田谷の町の魅力を高める社会的な基盤となります。  また、グリーンインフラを広げていきます。人工構造物のアスファルトや下水道といった都市インフラにのみ頼るのではなく、土壌や樹木、植物などが持つ力を利用して雨水の流出を抑制、地下水を涵養するグリーンインフラの観点に立った取り組みを進めてまいります。緑政策はまさに、区民、事業者との参加と協働を進め、区民運動として展開すべき政策です。新たな決意を込めて世田谷みどり33を掲げていきます。  次に、本庁舎等整備について申し上げます。  基本設計段階の区民参加として、さきの五月十三日に第一回の世田谷リング会議が開催されました。学識経験者、区民委員など、合計二十名の方で構成しています。そのうち、区民委員については無作為抽出で百十四名、公募では三十七名の方から応募いただき、抽せんで選出させていただきました。リング会議は、区が案を作成する前の設計過程で、学識経験者や区民の意見を設計者が聞くことを目的に実施するものであります。当日は、区が二月にお示しした世田谷区本庁舎等整備基本設計方針素案及び世田谷区本庁舎等整備基本構想に基づき、設計者が作成した建物の配置等の考え方を説明し、現在の広場に計画案の建物位置にテープを張って体感いただきながら、設計をよりよいものにしていくため、さまざまな視点からの御意見をいただいたと聞いております。  区は、このたび、第一回定例会での御議論や経緯を踏まえ、基本設計を進めるための設計要件となる世田谷区本庁舎等整備基本設計方針案をまとめ、六月三日に区民説明会を開催したところです。  今後、区議会での御議論、区民説明会の区民の皆様からの御意見、さらに世田谷リング会議での御意見を踏まえ、方針を策定いたします。  今後とも、議会に丁寧に具体的な情報提供を行い、御議論いただきながら、本庁舎等整備基本構想で示しました五つの基本的方針の具体化、そして災害時の区の司令塔となる本庁舎等の整備をおくれることなく進めてまいります。  次に、平成三十年度一般会計第一次補正予算について申し上げます。  さきに触れましたように、耐震性能の再確認を行う必要のある区公共施設について速やかに耐震診断を実施するため、歳入歳出それぞれ四億七千三百万円の補正予算を計上するものであります。  最後に、本議会に提案申し上げます案件は、世田谷区特別区税条例等の一部を改正する条例など議案十一件、諮問一件、報告五件です。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御議決賜りますようお願い申し上げまして、御挨拶といたします。 ○三井みほこ 議長 以上で区長の挨拶は終わりました。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔井上次長朗読〕  報告第十七号 平成二十九年度世田谷区繰越明許費         繰越計算書外報告四件 ○三井みほこ 議長 以上で諸般の報告を終わります。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 次に、 △日程第二を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第二 代表質問 ○三井みほこ 議長 質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、無所属・世田谷行革一一〇番・プラスを代表して、二十四番田中優子議員。    〔二十四番田中優子議員登壇〕(拍手) ◆二十四番(田中優子 議員) 無所属・世田谷行革一一〇番・プラスを代表して質問いたします。  まず最初に、希望丘小の学校耐震診断結果ですが、これは大変ショックな出来事でありました。今回の事態は明らかに人災であります。しかしながら、そのことの究明よりも先に、学校の授業は始まっているのですから、今回の事態から想定される善後策を用意する必要があります。  二十九もの学校施設に耐震強度に疑いがかけられている以上、場合によっては相当数の施設の利用ができなくなる可能性もあります。教育委員会においてそのシミュレーションは既になされているのでしょうか、お聞きします。  つけ加えて申せば、東日本大震災の津波で八十四人の児童と教職員が犠牲となった宮城県石巻市立大川小学校の裁判では、仙台高裁は判決において、学校管理の最高責任者である校長を初め、教頭や教務主任らによる組織的な防災力の不備を明確に指摘しており、教育委員会にも過失があったことを認めています。そのことからも、今回のことにおいては、学校を指導する教育委員会の当該校へのリスク情報の提供は徹底していただきたいと考えます。  次に、旧北沢小学校区の児童に対するスクールバスの件です。  これは、世田谷区全体の公平性という観点から三月の予算委員会で議会からNGが出されました。しかし、一方で年度末ぎりぎりということで、予算審議で異例の区長発言を初め、各理事者の懇願に近い発言のもとに、期間を九月末までと半減することで議会の賛成を何とか得たものと理解しております。  ちなみに、今回の旧北沢小学校区での最も長い通学距離はどれくらいか、教育委員会の資料によれば約一・六キロです。一方で、区内で最も長い学校区は明正小学校であり、その距離は一・九キロということです。その上、途中の起伏、勾配が激しく、明正小学校のほうが通学困難であることは明らかです。  学校の統廃合で使える補助金が東京都にあるからそれを使えばいいという安易な発想が否めません。その際、教育委員会は公平性についてどのように考えたのでしょうか。教育の現場であってはならないことは不公平ということです。ですから、議会はNGを出したのです。  私どもの会派では、世田谷区全体としての公平性を保つために、スクールバスを六カ月間と半減することにより、教育委員会の誤りを議会側が正したと理解しておりますが、それでよいのか、認識を確認いたします。あわせて教育委員会の反省の弁を求めます。  また、世田谷区全体で偏りのない教育環境の整備に今後とも努めていくつもりがあるのかについてもお答えください。  なお、今回、先ほどの耐震診断については補正予算が出されますが、なぜスクールバスの減額修正の補正はのっていないのかお尋ねいたします。  次に、児童相談所の問題に移ります。  先ほどの保坂区長の招集挨拶では、この件については何も触れていませんでした。わずかに里親に触れている部分で、二年後に世田谷区への移管を予定している児童相談行政と密接不可分の関係にありというくだりだけです。まるで児童相談所は二年後に東京都から自然にやってくるような言いぶりではありませんか。少なくとも福祉保健委員会では、これからの数カ月、半年が大きな山場だと聞いています。既に世田谷区では人を雇い、場所を確保し、いわゆる開店準備に入っている状態ですが、肝心の東京都からの免許の見通しが定かではないという厳しい状況ではないですか。  児童相談所といえば、先週報道された目黒区での五歳の女の子の虐待死は、残された反省文により痛ましさが伝わり、怒りに震えた人が多くいることと思います。私たち大人は何ができたのだろうかということを考えずにはいられません。亡くなった女児に心より哀悼の意を表します。そして、同じように虐待に苦しむ子どもを一人でも多く救えることに結びつくようにという思いで質問をいたします。  二〇一六年五月五日に放送されたNHKの「時事公論」によれば、虐待死は無理心中を除いて年間におよそ四十人から五十人の子どもの命が奪われているということです。これは児童相談所が把握した分だけであり、日本小児科学会が医療機関を通じて行った子どもの死亡事例の調査では、年間におよそ三百五十人の子どもが虐待を受けて死亡している可能性があると推計されています。多くの虐待死が埋もれているおそれがあるというのです。  児童虐待の被害者は、その多くが物言わぬ幼子です。今回の事件の被害者は恐らくとても利発な子どもだったのでしょう。もうパパとママに言われなくてもしっかりと、自分からきょうよりかもっともっとあしたはできるようにするから、もうお願い、許して、許してくださいとつづっていました。覚えたての平仮名でこんな悲しいお願いをしなければならないとは、そしてこんな状況から救い出すことができなかったとは。  そこで考えなくてはならないのは、一体あの女児を救えたのは誰だったのかということです。さらには、あの子と同じような境遇にある子どもは、この世田谷区にもいる可能性があります。実際、過去には世田谷区でも悲しい事件が起きています。  虐待から子どもを救えるのは児童相談所であり、警察という機能であります。その相反する機能をグリップする、調整するのが地元自治体であるというのが私たち会派の考えです。  ここからは、多少事実経過の説明が長くなりますが、おつき合いいただきたいと思います。  この目黒の事件は今月起きたことではなく、女児が虐待死したのはことしの三月二日、三カ月も前のことです。当時の読売新聞の記事から引用しますと、女児は二〇一六年四月に四国の幼稚園に入園、前に通っていた保育所から虐待が疑われるとの引き継ぎがあり、六月ころには、幼稚園教諭が複数のあざがあるのに気づく。さらに、四国の児童相談所にも、八月ころに自宅近くの住民から虐待の疑いの通報があり、児童相談所は、市――これは自治体ですけれども――と連携して家庭訪問を始め、同年十二月、父親に殴られ、屋外でうずくまっていた女児を一時保護したとあります。これは一昨年のことです。当時この女児は三歳でした。  その後、この父親は今後優しくしたいと謝罪し、児童相談所は三カ月後の二〇一七年二月に女児を帰宅させた。しかし、その一カ月半後、再び自宅前に放置され、また女児は児童相談所に保護された。警察もそのころ動き出し、捜査を進めるが、父親は二度傷害容疑で書類送検されたものの、地検は不起訴とし、刑事責任を追及されることなく、児童相談所は二〇一七年七月、つまり昨年の七月に児童福祉法に基づく指導措置を講じることで一時保護を解除したというのです。このことが女児を虐待死に向かわせることにつながります。  家に戻ってからも、病院で女児の顔や足にあざがあるのが発見されたが、父親が暴行を否定したため、児童相談所は一時保護をしなかったそうです。こういうところに児童相談所が抱える大きな悩みがあります。親が、あえて言わせていただければ、うそをつく、虐待の程度を親の価値判断で勝手にしつけだと決めつける、それを見過ごすのか、立ちはだかるのか、決断が必要となるわけです。  四国の児童相談所も、もしかしたら、検察の不起訴がこたえていたのかもしれません。結局、女児の両親は表面的には児童相談所の指導に従い、ことし一月の指導措置も解除されてしまいました。ここまでが四国の話です。  そして、ことし一月、女児の家族は目黒区に転居します。四国の児童相談所から品川児童相談所に女児に関する全資料が送られました。  さて、その品川児童相談所では、ことし二月九日に自宅を訪問したが、女児の姿を確認できなかった。さらに、入学説明会でも参加したのは母親だけで女児の姿は確認できなかった。その十日後に女児は遺体となって発見されます。そして、ことし三月八日の読売新聞は、児相、命の危険見逃すという記事として伝えているのです。  なぜ三カ月前のこの事件が先週大きく取り上げられたかというと、六月六日に虐待死の疑いで父親と母親が警察に逮捕されたからです。その際、女児の痛々しい、パパ、ママ、お願い、許してという平仮名の訴えも報道されました。  ここで問題なのは、児童相談所と警察との関係です。これは、福祉と犯罪との関係とも言い得るのですが、あくまでも児童相談所の目的は福祉的に支援したいというのが本質です。一方、警察の目的というのは、法と証拠に基づいて事件を立件したいということです。犯罪者を裁くということと、犯罪者のはざまで生活せざるを得ない児童を救出、支援することは、往々にして異なるベクトルに動きやすいものです。つまり、福祉的支援に警察が過度に関与することを不安視するという考えがあるということです。  しかし、今回の女児死亡という事実の前でそれが何の言いわけになるでしょうか。単に役人の縦割りによって見逃された死ではないのかと思います。一瞬の判断、問題家庭に乗り込むか、拒否されて撤退するか、その判断によって虐待死が防げるか、それとも虐待死につながってしまうのかが分かれるのです。大都市東京に任せていては、細かい調整や繊細なやりとりはできないのではないか。人数も足りません。だからこそ、児相の区への移管が必要なのです。  警察も含めた行政の縦割りを調整するのはまさに政治の責任です。そして、政治責任のトップにいるのは保坂区長であります。その覚悟が、本気の覚悟が保坂区長にはあるのでしょうか。  児童虐待の根底にあるのは暴力の肯定であります。しつけだ、教育だ、指導だと言って、暴力は常に弱い者に向かっていきます。その矛先が幼子であれば虐待死に、児童であればいじめに、環境が孤独であれば自死につながったりします。また、邪悪な欲望の矛先となれば、誘拐や殺人にもなり得ます。  私が昨年のドリームジャズバンドの事件に対して、保坂区長にNGを出し続けるのは、髪をわしづかみにして頭を振り回し、往復びんたをした。生徒にこのような明らかな暴力行為をしたことを些細なこととして保坂区長があの一件を容認している姿勢のままだからです。自治体のトップがあの暴力行為を行き過ぎた指導ではあるが、体罰の手前、暴行とまでは言えないなどという間違った認識と表現で、児童相談所を引き受ける、そんなことをしても大丈夫なのかとさえ思います。  口で体罰を否定しても、実態がそうではないというダブルスタンダードが透けて見えていることを保坂区長はしっかりと認識、自覚すべきです。誰がやったことであろうと、暴力は暴力とはっきり言えるトップでなければ、子どもの命は守れないのではないでしょうか。  社会の中では、教育やしつけについてさまざまな考えがあるでしょう。しかし、公的機関としては絶対に暴力は認めないという姿勢を示さなければ、社会の基準というものがおかしくなってしまうではありませんか。保坂区長のように明らかな暴力行為をぎりぎり体罰の手前と言い、暴力とは認めない。それでいて暴力は絶対許さないなどと言っても、まるで説得力がありません。  さて、児童相談所の移管は手続論だけでは克服できない社会の本質的な問題をはらんでいるだけに、政治のよしあしが反映されると考えます。ぎりぎり体罰の手前も暴力であるとの反省の弁を保坂区長に求めて、以下、手続の質問をいたします。  百五十もある東京都との検討事項について、五月現在の委員会報告ではわずかに二つしか検討結果が出ていない。現状では議会に正確な報告がなされていないのではないかということ。仮にいわゆる自腹で児相を運営する場合の総経費はどれぐらいかかるのか。また、この問題は事実上、政治闘争の部分があり、東京都に陳情行政で向かっても相手にされない可能性が大きいと考えます。保坂区長には政治生命をかけて虐待の連鎖を断ち切る覚悟があるのか、その手法、算段について伺います。  最後に、昨年六月に前副区長が任期途中で辞職した事件について伺います。  地方自治法において副区長は議会の同意案件であり、私たちの会派も同意していますが、何でこんなことになったのか、なぜこのような中途半端な時期にと、議会としても保坂区長の任命責任を追及する責任があると考えるに至りました。勝手に同意を求められ、わけもわからず、ある日いなくなってしまう。それも世田谷区のかじ取りを担う重要人物が、ですから、大変な問題です。  なぜこんな質問を今ごろかというと、既に公然の事実として板垣前副区長は、他の民間組織で元気で過ごされていることが多くの職員の知るところとなってきたからです。また、前副区長の退任の挨拶には、区長を補佐できなかった、あるいはしたくなかったような思いが感じられます。  議事録によれば、任期途中であり、議長及び議員の皆様、そして保坂区長には大変御迷惑をおかけしますことをおわびしますということを冒頭で述べていますが、問題は本題である「個人的に申しますと」という部分です。そこでは、馬事公苑前のけやき広場の整備、コミュニティバスの路線開設、都市計画のこと、小田急線連続立体交差事業など、記憶に残る仕事についてるる述べられております。そして、これからの世田谷のまちづくりの課題についても、京王線連立事業や三軒茶屋の再開発、道路基盤整備等々言及されていました。最後は、「後進の方たちが、それをしっかり継承していただいて取り組んでくれるというふうに確信しておりますし、議会の皆様の御支援をぜひよろしくお願いしたいと思います」云々となっています。  このとき、前副区長である板垣氏は、新庁舎整備という区にとって大きな大きな事業を抱えていました。行政マンとすれば、庁舎整備のことに触れるのは当然のこと、それなしには仕事を語れないというくらいの大事業だと思いますし、もう一つ、保坂区長に関する表現が一切ないということにも非常に不自然なものを感じました。結びの言葉にしても、「議員の皆様の御健勝と御活躍を祈念いたしまして、私の御礼の御挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました」です。  ここで確認しますが、冒頭の定形型挨拶の部分を除いて、「個人的に申しますと」以降、板垣前副区長の辞任の挨拶には、本庁舎整備に関しても、保坂区長のことにも一切触れていませんよね。お答えください。  端的に申し上げて、私どもの会派では、板垣氏は保坂区長によって解任されたのではないかと考えています。形式的には退職願が出されたとしても、退職せざるを得ない状況に追い込まれたのではないかと思っています。  昨今の事件では、やらなきゃ意味ないからねという言葉があります。これは、自分の言うとおりにしなければやめてもらうからねという相手を追い込む象徴的な言葉です。そもそも突然の辞任、もしかしたらそれ以前から兆候があったのかもしれませんが、保坂区長はどうして板垣氏の辞職を認めたのでしょうか。どうして慰留できなかったのでしょうか。慰留はどれほどされたのでしょうか。区長が首にしたのなら、これは立派なパワハラではないかというふうにも思います。  もし政策上の対立で首になったのだとすれば、政策形成上のプロセスは非公開としても、副区長と区長の政策上の対立が副区長の辞職につながったと議会に説明すべきではないかと思います。いかがでしょうか。  数々の不自然さを踏まえると、前板垣副区長の辞任は、個人的問題をはるかに超えて、保坂区長の管理能力、任命責任、逸脱した人事権の行使の問題であったと考えます。保坂区長に説明を求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 田中議員にお答えをいたします。  御質問で触れられました事件について、私からも一言申し上げます。  目黒区で発生した大変痛ましい虐待事件で幼い命を奪われた結愛さん、五歳の犠牲に心から哀悼の意を示すとともに、虐待のない町世田谷を目指していく覚悟であります。  さて、平成二十八年の児童福祉法及び児童虐待防止法の改正により、児童の最善の利益の優先やしつけを目的とした児童虐待の禁止が明文化されています。区の児童相談所の開設は、こうした法理念や児童の権利の保障の具現化を目指して、私が先頭に立って取り組むものであります。  子どもは愛され、そしてその愛のもとに育てられる存在であり、私は暴力を容認したことはこれまでもございません。今後もこの考えは変わることはありません。こうした考えのもと、開設に向け、山積する課題を乗り越えまして、現在に至っておりますが、なお、今後に向けまして、児童相談所設置市としての政令指定を受けるために、広域調整や開設支援など、東京都との協議を調えていく必要があり、その確実な見通しを得ることが重要となってまいります。  世田谷区の児童相談所開設は、今後続く、特別区、他区の児童相談所設置や全国の児童相談所行政のあり方に大きな影響を与えるとともに、世田谷区の子どもたちに将来に対する重大な責任を負うものであります。これを踏まえ、私は区長会等を通して、東京都に対しさらに積極的な提案と要請を行うなど、全力で開設に向けて取り組んでまいります。  五月より広域調整に係る東京都との協議が始まりました。今後は移管に向けた準備作業が一層加速されるものと見込まれますが、その着実な推進に向け、区議会の皆様にも区の取り組みを御理解いただき、さらなる御支援をいただきたいと思います。  次に、政治的な闘争ではないかということについてお答えします。  私は、今まで未来を担う子どもたちの命を守り育てるため、子どもの権利条約、児童の権利条約の根底にある精神に基づきまして、子どもの人権を守る仕組みづくりに全力で就任以来取り組んでまいりました。国会議員時代は、二〇〇〇年の児童虐待防止法の議員立法制定に携わり、二回の見直しにも関与いたしました。区長になってからは、子ども・子育て応援都市宣言の発表や、あるいは子どもの人権擁護機関せたホッとを設立し、子どもたちがいじめ、暴力などからSOSを出し、またキャッチできるように、また学校の教育機関の中に適切な調査や助言を入れていくことができるよう、具現化をしてきたところであります。  子ども最善の利益に照らしてみると、既に地域で子育て支援、保育・幼児教育、また教育に責任を持ち、児童虐待防止のための身近な窓口である子ども家庭支援センターを運営してきている経験の蓄積もある区が、児童相談所を設置、運営することが最もふさわしいと認識しています。  また、児童相談所の移管につきましては、これまで十年以上にわたる都区協議の経過があり、熊本前区長から引き継いだバトンの一つとして、改めてその実現に向けた決意を新たにしているところでございます。  次に、板垣前副区長の退任についての御質問についてであります。  板垣前副区長の退任に当たりましては、昨年五月に、御本人より六月末をもって退職したい旨の申し出があり、私といたしましても、六年間にわたり区政運営における重責を担っていただいてきた中での功績も踏まえて、慰留をいたしましたが、最終的には御本人の意向もかたく、これを承認したものであります。  また、説明責任ということですが、板垣前副区長には、この本会議場における退任の御挨拶の中で御紹介いただいているように、世田谷区のまちづくりに対する熱い思いを語られると同時に、後輩にそのバトンを引き継いでいくという気持ちを述べられていると思います。  私は、退任後も板垣前副区長と事あるごとにお会いをして、意見交換もさせていただいております。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、児童相談所移管に係りまして二点御答弁申し上げます。  最初に、児童相談所に係りますこの検討項目についてであります。  都との協議課題の検討状況につきましては、五月の福祉保健常任委員会におきまして御報告させていただいたところでございますが、検討が終了したのは、都への職員派遣や児童相談システムに関することでありまして、他の項目は主に広域調整に関するものや、都からの人的支援に関するものとなっております。  これまで区は、特別区全体に係る課題で東京都との調整が必要な項目について、全体協議の場を設定するよう求めてまいりましたが、都は、開設時期が最も早い三区との計画案のモデル的確認作業を優先するとして、広域的な調整に係る協議の場が設定されておらず、東京都との協議が進まない状況にありました。このたび、この五月におきまして、広域的な調整事項につきましての協議の場として、東京都と特別区による検討会が設置されたところであり、これらの項目の検討が進む運びとなっております。  今後も特別区一丸となって東京都との協議に臨みますとともに、引き続き、協議の進捗状況や結果につきまして随時御報告してまいります。  次に、いわゆる児相を運営した場合の経費の問題でございます。  運営費につきましては、平成二十五年十一月に特別区児童相談所移管モデルを参考に試算したところ、年間で約二十億円程度と見込んでおります。内訳といたしましては、児童相談所と一時保護所の人件費で四億五千万円、施設措置費十四億五千万、児童相談所と一時保護所の施設維持運営費一億円となっております。施設措置費に対しましては、国庫負担金が七億五千万程度を見込めるため、区の負担といたしましては約十二億五千万円となります。さらに、世田谷区におきましては、児童相談所と車の両輪になります子ども家庭支援センターの体制強化を図るための諸経費や、児童相談所移管に伴う設置市事務に関する諸経費につきまして現在算定中でありまして、ただいま申し上げました試算に含んではおりません。引き続き、具体的な各業務量の精査などを進め、平成三十年七月を目途にこれらの経費の算定を行い、議会に報告してまいります。  児童相談所を設置した場合の関連経費につきましては、特別区の財源保障制度として、都区財調制度が位置づけられている以上、政令の定めにより普通交付金の基準財政需要額に算定されるべきものでございます。  引き続き、都区財調制度の原則のもと、政令指定を受けた後は、当然に普通交付金で算定されるべきものとして都区協議に臨んでまいります。  以上でございます。 ◎淺野 教育次長 私からは、学校の耐震診断の件、それから下北沢小学校のスクールバスの件につきまして御答弁申し上げます。
     まず、耐震診断で使用できない施設の可能性を想定し、シミュレーションに手をつけているのかという御質問です。  今回、希望丘小学校の児童増に伴う改修等の取り組みを行うに当たりまして施設の安全性を確認するため、耐震診断を実施いたしました。希望丘小学校については、既に平成七年に耐震診断を行い、耐震性能に問題はないとされておりましたが、今回の診断では、構造耐震指標であるIs値が基準を下回る結果となり、保護者を初め多くの関係者の皆様に御心配をおかけしていることにつきましておわび申し上げます。  今回の耐震性能の再確認の取り組みでは、校舎については第三次診断法で耐震性能を診断した施設につきまして、また、体育館については平成七年、八年に耐震診断を実施している十四校の体育館を含め、小中では合わせて二十八校で再診断を実施することにいたしました。  今回の再診断の結果次第では、希望丘小学校と同様に、児童の安全確保を第一に考え、代替施設を確保する場合も考えられますので、さまざまな場面を想定し、準備しておくことが重要と考えております。既に代替施設につきましては、近隣の小中学校で構成する学び舎を中心に支援体制を確認し合うとともに、例えば体育館については、近くの公共施設を初め、さまざまな施設を活用できないか検討を進めております。  さらに、児童の代替施設への移動の安全や円滑な学校運営など、教育委員会として学校へのさまざまな支援を十分に図っていくことも必要であると考えておりまして、常に児童の安全を第一に考えながら支援に努めてまいります。  次に、教育委員会の当該耐震診断の学校へのリスク情報の提供を徹底せよというお話ですけれども、希望丘小学校の耐震強度の問題につきましては、教育委員会として状況を把握して以来、学校長を初め学校運営委員会、地域町会長、学校協議会、PTAの役員会や保護者会の総会の場におきまして、経緯等を含め事実関係の情報提供に努めてきたところでございます。  また、希望丘小学校のみではなく、今回再度耐震診断を実施する二十八校の保護者の皆様にも周知文を配付するとともに、ホームページにも今回の取り組みを掲載しております。これにより希望丘小学校の保護者、地域の皆様からは多くの御意見をいただくとともに、PTAの御協力によるアンケート結果もいただいており、相互の意思疎通にも努めてきたところです。  教育委員会では、今後もさまざまな機会を捉えまして、適切な情報提供と丁寧な説明に努め、保護者を初め、学校関係者の方々との信頼関係を築きながら、安定した学校運営が実現するよう努力してまいります。  次に、下北沢小学校のスクールバスのことですけれども、区全体の公平性を保つために教育委員会の誤りを議会が正したということへの認識、それから区全体で偏りのない教育環境の整備に努めていくことについての御質問です。  スクールバスの運行につきましては、学校統合により、なれない通学路を通うことになる児童や保護者の方々の不安への配慮などから、東京都の補助制度を活用し、統合に伴う一定期間の経過措置として必要であるとの判断のもと、スクールバスを導入したものでございます。  このことにつきまして、平成三十年度世田谷区一般会計予算につきましては、さきの定例会においてさまざまな御意見を頂戴いたしまして、予算の組み替えを求める動議も可決されました。このようなことから、当初一年のスクールバスの運行期間を九月末までの半年とさせていただきました。  今後とも、議会にはきめ細やかな情報提供に努めさせていただきますが、今回の件につきまして真摯に受けとめさせていただいております。  区内の小学校におきましては、統合した下北沢小学校の場合に比べ、もっと遠くから徒歩で通学している児童がいることは承知いたしておりますけれども、今回の措置は統合に伴う特別な措置であると考えてございます。区内の小学校の通学路の状況はさまざまであり、教育委員会では世田谷区交通安全プログラムに基づき、学校、PTA、道路管理者、また警察や教育委員会等で通学路の合同点検を実施しまして、各学校の実態に即した通学路の安全対策の向上に努めております。  今後とも、通学路の交通安全確保に向けた取り組みのみならず、お話にございましたように、区内全小中学校において偏りなく教育環境を整備するということは大事なことであると認識しておりますので、これに努めてまいります。  続きまして、スクールバスに関する補正予算の修正がなぜ出されていないかということについてです。  今回のスクールバスの運行につきましては九月末までとすることをバスを利用する児童の保護者、地元の町会・自治会長、学校運営委員など関係者に周知してございます。一方、スクールバスの運行終了に向けた通学路の安全対策につきましては、教育委員会事務局による通学路の見守りを始業式から四月下旬まで行いました。また、通学路の安全対策について、下北沢小学校、PTAと一つ一つ相談しながら検討を進めているところでございます。  こうしたことを踏まえまして、今後、学校やPTAとの相談の中で通学路の安全対策について、例えば見守り誘導員の追加配置など、新たな経費の必要が生じる場合もございます。このようなことから、現時点においては、運行経費の半年分については補正予算の提案は行っていないものでございます。  引き続き、子どもたちの教育環境を第一に考え、新校舎での学校生活が円滑に進むよう、学校、保護者、地域などと連携しながら通学路の安全対策に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎中村 総務部長 私からは、板垣前副区長の退任挨拶について御答弁いたします。  昨年の第二回区議会定例会での板垣前副区長の退任挨拶について、議事録を確認しましたところ、挨拶冒頭におきまして、御本人の一身上の都合により退職をすること、任期途中での退職でもあり、議長及び議員の皆様、そして保坂区長に御迷惑をおかけすることについておわびを申し上げられております。それ以降につきましては、保坂区長や本庁舎整備についての言及はございませんでした。  以上です。 ◆二十四番(田中優子 議員) 児相の件なんですけれども、私が今、代表質問でるる述べさせていただいたのは、警察との連携、福祉的、それから犯罪を追うという相反する二つの作用があるわけなんですけれども、その機能をうまくグリップして、統合させ、協力させて子どもを守らなきゃいけないという警察との連携が必須であるという立場からの質問をいたしました。東京都の小池知事は、警察との全情報の共有ということについては、今回の事件を受けても、まだそこまで言及はしていないんですけれども、保坂区長は、世田谷区に児相を移管させた後には、警察との全共有、情報共有をやっていくと、そして本当に子どもの命を守ることに取り組んでいくという、そういうおつもりがあるかどうか、まず伺いたいと思います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 田中議員の再質問にお答えいたします。  確かに議員、今言われた警察と児相との連携は大変重要なポイントだと思います。  私は昨年、オレゴン州でやっております児童福祉ホットラインという組織があるんですが、これはアメリカでも非常に珍しく、児童事件、DV専門の警察官、それから検察官が同じ建物に同居していて、また、法律上、受け取った案件は全部共有するという仕組みができていました。そのことによって機動的に非常に動いていると。これもアメリカで全てがそうではなくて、オレゴン州のそこだけが先進的に続けているそうです。  日本はそういう法律もなく、また警察との連携ということでいうと、議員の質問のとおり、警察の職務目的と児相のいわば福祉的アプローチと、言ってみれば、その現場を前にしたときに相矛盾することも時にはあります。ただ、こういった事件が繰り返されることのないように、新しい児相を引き受けていくときに、警察との情報共有、機敏な、子どもの命を守るために何ができるか、新たな大きなテーマを、さらに具体的な結論を出していくように考えていきたいと思います。 ◆二十四番(田中優子 議員) 今、保坂区長からオレゴンの例が話されたわけですけれども、オレゴンでなくても、今日本の中でも、三重県を初め幾つもの自治体が警察と全情報を共有するということにもう踏み切っているんですね。厚労省もその方向でやれというふうに言っているということを御存じなかったのかわかりませんけれども、それを踏まえてしっかりと取り組まなければ、たとえ世田谷区に児相が移管されたところで変わりないじゃないかということになりかねないわけです。そこはしっかりと覚悟を決めて、警察との全情報共有ということをやっていただきたいということ、それは今後考えるとおっしゃっていますが、見ていきたいと思います。  それからもう一つ、区長の答弁の中で、板垣前副区長と今でも会っていますよと、意見交換されているなんていうことをお話がありました。もし区長が首にしたのでなければ、なぜ慰留できなかったのでしょうか。とても重要な任務をされている方が、しかも任期途中でやめると言い出しても、それは困ると。手放すということは、区長にそこに、手放してしまったことの責任というのは重大なものがあると思います。  それで、どんな意見交換をされているんですか、お会いになって。相手はもう既に民間人であります。政策プロセスに関して当たらないと思いますけれども、具体的にいつどういう場所で会って、どんな話をされたのか、それは先ほど区長がみずから説明されたことなので、私たち議員にも知る権利があると思います。そのことを具体的に説明してください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再々質問にお答えします。  板垣前副区長に対してパワハラがあったんではないかと、こういった御指摘、御推測ですが、全く当たりません。慰留をどこまでしたのか、慰留は再三いたしました。ただ、御本人の要するに生き方、判断というものがございますので、それは最終的に意思がかたいということで尊重したと。  板垣前副区長は既に民間人であります。また、区政の何か重要な点について相談して協議しているということではありません。やはり長いこと苦労をともにしてきた、世田谷区役所の歴史も長い板垣前副区長から雑談の中で得るものは大きいということで、区役所の外でお会いしております。 ○三井みほこ 議長 以上で田中優子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時十五分休憩    ──────────────────     午後二時四十分開議 ○三井みほこ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  代表質問を続けます。  自由民主党を代表して、二十九番山内彰議員。    〔二十九番山内彰議員登壇〕(拍手) ◆二十九番(山内彰 議員) それでは、自由民主党を代表して、質問をしてまいります。  世田谷区政発展のために御尽力された熊本哲之前世田谷区長が去る五月二日に御逝去されました。生前の御功績をしのび心より御冥福を祈るとともに、謹んでお悔やみを申し上げます。  我々、自由民主党世田谷区議団は、熊本前区長が礎を築いてこられた安全安心、そして「魅力あるまち世田谷」の実現に向け、区民の信託に応えるべく、今後も一致団結して邁進してまいります。  それでは、質問通告に従い、代表質問を行います。ことしは桜の開花が例年よりも相当早く、我が家にほど近い目黒川周辺では、三月下旬にソメイヨシノが満開となりました。一方、残念なことに、四月を待たずに花が散り始め、葉桜の状態で入学式を迎えた学校も多かったと記憶しております。その後、四月中旬には日本各地で夏日を記録し、非常に温暖な春だなと思っていたのもつかの間、五月に入るとメイストームと呼ばれる春の嵐が吹き荒れ、その後は肌寒い日々がしばらく続くなど、天候の変化が目まぐるしく、私の周辺でも体調を崩された方が結構いらっしゃいました。  また、目まぐるしく変化したのは天候だけでなく、ゴールデンウイーク前後には朝鮮半島情勢も激しく動きました。四月の下旬に行われた南北首脳会談では、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長が笑顔で握手を交わし、さらにはともに手を取り合って軍事境界線を越える印象的な姿が全世界に放映されました。しかし、会談において両国首脳が署名した板門店宣言については、非核化の具体的なスケジュールは示されていないとの評価もあるようです。このたびの共同宣言を単なるパフォーマンスで終わらせず、核のない朝鮮半島を実現するためにも、北朝鮮が核ミサイル開発を完全に廃棄するまでは、日本を初めとする関係各国が連携し、北朝鮮に対する制裁を履行し続ける必要があると思います。  また、五月に入ると中朝首脳会議、そして日中韓首脳会談が立て続けに行われました。中でも、長らく途絶えていた中国と韓国の首脳の来日により実現した日中韓首脳会談では、朝鮮半島の完全な非核化とともに、三カ国が貿易や文化、環境などの広範な分野で協力を拡大する方針を確認するなど、東アジア地域の平和と繁栄に資する話し合いが持たれました。  さらに、昨日は、史上初となる米朝首脳会談が実現し、北朝鮮の非核化の確認、北朝鮮による日本人拉致問題の提起確認などもあり、大きな一歩が踏み出されたことは歓迎するものでありますが、新聞各紙の論調もさまざまで、具体策は示されていなかったような気がいたします。しかし、我々にとっては、まず世界の恒久平和という目標達成に向けた関係各国首脳の前向きな議論に今後も期待したいと思います。  一方、我が世田谷区の対外政策でありますが、さきに策定した世田谷区総合戦略では、地方と都市の交流を基本目標に掲げ、他自治体との相互連携に力を入れております。現に先月七日には、青森県弘前市と太陽光発電による電気の区民供給に関する協定を締結したところですが、我が会派が以前より申し上げているとおり、九十万区民を預かる自治体のトップである保坂区長は、自治体間連携と称して気の合う首長と行動をともにするだけではなく、区政運営の根幹である財政基盤を支え、ひいては区民生活を守るために決して欠くことのできない国や東京都を初めとする各機関とも、共存共栄に向けて知恵を出し合い、強固な協力関係を構築する必要があるはずです。  特に二年後に迫った東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会の開催を初め、課題が山積する児童相談所の移管や、区財政の最大の懸案とも言える地方法人課税の見直し、さらにふるさと納税に伴う歳入減に歯どめをかけるためにも、今こそ東京都と強力なタッグを組み、諸制度の見直しに向けたムーブメントを起こすことが重要ではないでしょうか。それには、世田谷区と東京都の首長同士が綿密な関係を築く必要があると思いますが、今現在、保坂区長と小池都知事は良好な関係を保てているのか、まずは率直にお伺いをいたします。  続いて、都区制度関連についてお聞きします。  平成十二年の地方自治法の改正により現在の都区制度となったわけですが、大都市としての諸問題を能率的に解決できる一方、いまだに基礎自治体としての都市計画決定権や課税自主権が限定されていることは皆様も御存じのとおりであります。平成十八年には、都区のあり方検討委員会が設置され、都区制度改革に向けた協議が行われてきましたが、いわゆる大都市事務の範囲と税負担の関係が明確化しないだけではなく、区域再編を前提とする東京都と役割の整理を前提とする特別区の間で意見の相違があり、実質的な議論が中断している状況であります。このような中、区の人口は数年後には百万人を突破する見込みですが、同時に後期高齢者もほぼ比例して増加することが確実視されており、社会保障を初めとする区の行政需要はますますふえ続けます。  都区協議の場のみならず、交渉時において主張すべきことを主張するのは当然でありますが、住民から見れば、ただいたずらに時間を費やすだけの単なる役所同士の縄張り争いと思われる方も多いのではないでしょうか。児童相談所の移管に伴う財政調整制度の改革も含め、都区制度のあり方に関する前向きな議論を再開するためにも、保坂区長は他区の区長とともにしっかりと連携した上で、都知事に対して強く働きかけるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。  引き続き、今期四年の最終年を迎えた保坂区長に対して伺ってまいります。  脱原発、大型開発優先からの転換などを掲げた保坂区長誕生から七年が経過しました。区長就任直後は、熊本前区政からの九五%の継続を表明する一方、車座集会の開催や区長の退職手当の廃止を打ち出すなど、少なくとも御自身の選挙公約の実現に向けて全力投球している印象を受けました。しかしながら、それらアドバルーン的な要素が強い施策を区議会への十分な説明がないまま前面に押し出せば押し出すほど、区長と区議会との間に亀裂が生まれ、それが後に大きな溝となってしまったことは紛れもない事実であると我が会派は認識しております。  失敗は成功の母と故事が示すとおり、失敗の原因を追求して改善しない限り、同様の過ちを繰り返すおそれがあります。保坂区長はこれまでも、基金残高が起債残高を上回る実質的な借金ゼロの達成、保育待機児童数の減少、区内二十七地区における福祉の相談窓口の開設など、区長就任後の成果をさまざまな場で語ってきましたが、議会や区職員との意思疎通のあり方を初め、反省すべき点も多々あるはずです。  この七年間の区政運営を振り返り、反省点はどのようなことであると認識しているかお伺いいたします。また、区長として二期目の仕上げとなる本年度は、各分野の課題に真摯に向き合い、世田谷区政を前進させることに全力を尽くすべきと考えますが、あわせて区長の見解をお聞きいたします。  さて、今期これまで三年間を振り返りますと、我が会派は、二年前の当初予算案の修正や、区長に対し議会の存在を軽視する言動を改めるよう求めた決議、そして、さきの定例会における予算の組み替え動議など、看過することのできない保坂区政の迷走、停滞に対し、議会機能を発揮し、警鐘を鳴らし続けてまいりましたが、それもひとえによい区政を実現するためであります。  特に平成三十年度予算に関しては、強固な財政基盤の構築に向けた、また新実施計画(後期)の初年度に当たる重要な年であることからも、我が会派は、昨年の第三回定例会における決算認定に対する意見開陳の場で、修正を余儀なくされることなく、真に世田谷区の将来を見据えた健全財政を高める予算案を編成するよう求めるとともに、続く第四回定例会の代表質問では、政策の優先順位を整理せず、むやみに事業をふやすのではなく、決死の覚悟で財政規律を引き締め、超高齢社会の行政需要に備えた骨太な予算にすべきであると訴えてまいりました。しかし、その思いもむなしく、保坂区長は他自治体に先んずることばかりに気をとられ、事業効果が不透明なままワークスペース補助事業などの新規施策の経費を計上するだけでなく、全区を見渡す広い視野を持たずに、安易にスクールバス運行の事業化を図るなど、三十年度予算案は、我が会派にとってまさにぬかにくぎの内容であったことから、予算の組み替え動議の提出に至ったわけであります。  保坂区長は、今期冒頭の平成二十七年第一回臨時会の招集挨拶以降、さまざまな場面で区議会と区政を車の両輪に例えられていますが、この間の言動を見る限り、我々にはその思いがなかなか伝わってまいりません。来年度の新規事業の検討に当たっては、予算編成作業が本格化する前に、区民を代表する我々議員で構成する議会にその検討内容を丁寧に報告し、議論を尽くし、区民が真に望む区政運営を心がける必要があるはずです。区長の見解をお伺いいたします。  次は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みについてです。  国では、超党派のスポーツ議員連盟が、祝日である体育の日をスポーツの日に改める法律改正を目指しているとの報道があります。また、本年四月からは、日本体育協会が日本スポーツ協会に名称を変更するなど、元体育教師であります私にとっては、体育という言葉が減少していくことに寂寥の念を抱くところもありますが、体育や運動が教育だけでなく、スポーツという分野で、レジャーや健康増進などを含めた幅広い概念として捉えられるようになった今日の社会情勢は喜ばしいものだと思います。  さて、日本人選手のメダルラッシュで沸いたスポーツの祭典、平昌冬季大会では、季節や規模が異なるとはいえ、バリアフリーの充実、選手や観客の輸送対策、天候への備えなど、東京二〇二〇大会の教訓とすべきテーマが少なくなかったのではないでしょうか。特に大会の成否の鍵を握ると言われるボランティアについては、会場の内外で観客の写真撮影に応じたり、手を振りながら歓迎したりと、みずからも大会を楽しむ若者の姿が非常に多く、縁の下の力持ちとして大会を大いに盛り上げてくれたと伺っております。  東京二〇二〇大会では、組織委員会と東京都で合計十一万人のボランティアを採用する計画でありますが、大人数のボランティアを短期間で確保し、また育成することは現実的に難しい側面があるため、東京都では、来年のラグビーワールドカップにおいてボランティアを育成して東京二〇二〇大会につなげる試みを始めています。  我が世田谷区においても、アメリカ選手団の歓迎準備を滞りなく進めなければならず、ボランティアの育成は急務であると考えております。そこで提案をいたしますが、区のさまざまなイベントを通じてボランティアを育成し、そのボランティアの方々が、さらに次のイベントにおいて新たなボランティアを育てるというサイクルを生み出し、二年後の東京二〇二〇大会で全面的に協力してもらえる仕組みづくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。また、ボランティア活動に参加する区民には、ホストタウン関連の各種イベントに優先的に参加できる特典を設けるなど、ボランティア参加の動機づけに工夫を凝らすべきとも考えますが、あわせてお伺いをいたします。  次は、災害対策です。  南海トラフ沿いの巨大地震が三十年以内に起こる確率は最大で八〇%と言われており、いつ起きてもおかしくない状況ですが、トラフ全体が震源域となって一気に起こるのか、トラフの東側と西側が多少の時間差で連動して発生するのか、現在の地震学では予測不能とされております。  そのような中、消防庁は、南海トラフ沿いの巨大地震について、想定震源域の東側で地震が起きた場合、西側にあたる和歌山県や高知県などの七県からは緊急消防援助隊を原則として出動させないことを決定しました。静岡県から九州の太平洋側に延びる南海トラフ沿いの巨大地震は百年から百五十年間隔で繰り返し発生してきましたが、東側で巨大地震が起きた直後に西側でも発生した例があり、西側の救助態勢が手薄になるのを防ぐためとのことであります。  同様に、今後、首都直下地震が発生した際には、必ずしも全ての場所が同じような被害を受けるとは限らず、特に被害の大きい地域と比較的軽微な被害で済む地域に分かれることが想定されます。世田谷区内においても、地域、地区ごとに被害の大小は異なるでしょうし、世田谷区では甚大な被害が発生したものの、近隣の自治体の被害は比較的小さく済んだということや、またその逆のパターンも起こり得ます。  区においては、さまざまな自治体や団体と災害時協力協定を締結しておりますが、特に近隣区、近隣市との協力関係は強固にしておかなければなりません。区境道路の復旧作業や区境地域での避難所運営など、いわば自治体同士の共助という考え方に基づいた相互協力体制の確立も重要であると考えますが、近隣区との協力協定について区の見解をお伺いいたします。  次は、道路整備についてお伺いします。  道づくりは街づくりの根幹であるとかねてより我が会派が申し上げているとおり、道路は私たちの日常生活の基本となるものであります。また、交通渋滞の緩和だけでなく、市街地を大火から守る延焼遮断帯や、災害時における支援物資の搬送路としての機能をあわせ持つなど、道路整備による街づくりの効果ははかり知れません。  保坂区長就任後も、補助一五四号線の区役所西側部分の開通に伴い、等々力操車所~梅ヶ丘駅間におけるコミュニティバスの本格運行が始まり、さらには二子玉川東地区市街地再開発に伴う周辺道路やバスターミナルの整備により区民の利便性が飛躍的に向上したのは周知のとおりであります。当然のことですが、道路は一朝一夕で整備されるものではなく、地権者との交渉を地道に、かつ粘り強く継続的に行い、一歩一歩着実に道路用地を確保した結果が、十数年後の路線開通につながるわけであり、現在に生きる我々がさまざまな恩恵を得られるのは、多くの困難を乗り越えて道路整備を進めてきた先人たちの努力のたまものであることを忘れてはなりません。  御自身の興味がある分野の施策や、記者会見映えする新規事業の立ち上げについてはすぐさま飛びつく保坂区長でありますが、区長の就任期間中には直ちに成果が見えなくとも、先人たちから連綿と受け継いできた世田谷の道づくりをここで絶やすことなく、より一層推進し、将来の世田谷を担う子どもたちに引き継ぐことも、九十万都市を預かる区長としての重大な責務であると考えます。区長の御意見をお伺いをいたします。  次は、公共施設における耐震性能についてです。  区が区立小学校の校舎改修を行うため、改めて耐震診断を実施したところ、構造耐震指標、いわゆるIs値が〇・六を下回る結果が出たことは、皆様御承知のとおりであります。適用する診断方法の違いによりIs値の相違が生じたとのことでありますが、耐震上は安全と今まで言ってきた小中学校を初めとする公共施設が安全ではないかもしれない状況になったことを踏まえると、子どもたちの命を守るためにも早急な措置を講ずる必要があります。  区では、三十一施設の再診断経費を計上した補正予算案を今定例会に提出したところですが、再診断の結果次第では、その後の耐震補強工事に要する経費など、財政上の影響は想像以上に大きくなるのではないでしょうか。効率的かつ効果的な公共施設の管理、更新に向け、中長期の財政見通しだけではなく、公共施設等総合管理計画自体を見直し、施設の安全性を確保すべきと考えます。今後のスケジュールを含め、区の見解をお伺いをいたします。  続いて、本庁舎整備についてです。  我が会派は、前定例会における代表質問で、区民会館を保存、再生する根拠を問いましたが、区の答弁では、主にⅡ類相当以上の建物とする理由が述べられただけにすぎず、明確な根拠はいまだに示されていないものと認識しております。  そのような中、区は、区民会館ホール部分のIs値〇・六一という耐震診断結果を公表するとともに、鉄筋コンクリートの壁の追加等によりⅡ類相当の耐震性確保が可能との見解を先日の委員会で示しました。また、複数の耐震改修案だけでなく、改築する場合も含めてコストを比較し、本年十一月に策定予定の区民会館整備方針案に反映させるとのことですが、残された時間は決して多くありません。  区は、区民会館を改築するのか、または改修補強工事で対応するのか、最終案を直ちに示し、議会並びに区民の意見を聴取すべきと考えますが、区民会館の整備手法を決定するまでのプロセスについてお伺いいたします。  続いて、農地の保全について伺います。  区内に残る農地は、武蔵野の風景の面影を形成するだけでなく、国分寺崖線や住宅地における屋敷林などとともに、緑豊かで潤いのある都市生活を我々区民に供給してくれる貴重な財産であります。しかし、これまで農業を続けられてきた方々も相続税等の負担が重くのしかかり、農地を手放さざるを得ない場合も多く、区の土地利用現況調査によると、四十年前には三百ヘクタール以上あった区内の農地は今や百ヘクタールを切り、区の面積に対する農地の割合はわずか一・六%という状況です。  そのような中、国において策定された都市農業振興基本計画では、都市農地の位置づけを宅地化すべきものから都市にあるべきものへと大きく転換し、農地を計画的に保全することが定められ、また、東京都が農業振興プランを策定したのを機に、世田谷区が会員となっている都市農地保全推進自治体協議会では、昨年十一月に相続税納税猶予制度の拡大などを国に要望いたしました。しかし、税制改正というものはハードルが非常に高く、そして時間を要するのが現実であります。  先ほども述べましたが、区内には、農業従事者の高齢化や後継者不足からやむなく生産緑地を手放す方もいらっしゃいます。区では、これまで生産緑地の買い取りの申し出に対して実際に買い取ったケースは一度もないそうですが、区内の緑の減少に歯どめをかけるためには、一定程度の財政支出を覚悟するべきだと思います。  例えば、区が現在、改定作業中の農業振興計画において、生産緑地の保全計画を掲げるとともに、基金を設立するなど、生産緑地の買い取りを計画的かつ具体的に進める制度の確立を検討してはいかがでしょうか、見解をお伺いいたします。  次に、介護人材の確保についてお聞きします。  区の人口推計によると、区内における六十五歳以上の高齢者人口は一貫して増加傾向が続き、平成二十九年の十七万九千人から二十五年後の平成五十四年には二十五万六千人までふえる見込みであります。また、総人口に占める高齢者の人口比率は、十二年後の平成四十二年にはいわゆる超高齢社会と呼ばれる二一%となり、その後も上昇が続くものとされております。中でも、今後十年間の後期高齢者人口の増加は顕著であり、区における高齢者施策のさらなる充実が強く求められております。  区においては、団塊の世代が後期高齢者となるいわゆる二〇二〇年問題に向けて介護基盤の整備を進める中、介護サービスの担い手である介護人材の確保、育成・定着支援を喫緊の課題と捉え、ハローワークと連携した就職面接相談会や、介護施設バス見学会、離職中の介護福祉士等の再就職に向けた介護技術研修など、さまざまな施策に取り組んでいることは承知しております。より一層励んでいただきたいと思います。しかし、全国的に介護人材不足が叫ばれる中、厚生労働省の推計によると、二〇二五年度には三十四万人の介護職員が不足すると見込まれており、施設間での介護職員の奪い合いが起きかねない状況であることからも、区が以前、保育人材の確保に奔走したときのように、全庁を挙げた対策を講じるべきではないでしょうか。  今こそ区長がリーダーシップを発揮し、実効性のある介護人材確保策を打ち出し、高齢者の誰もが安心して地域に住み続けられる町の実現を求めますが、区の見解をお聞きいたします。  続いて、梅ヶ丘拠点整備についてお伺いします。  区では、平成二十五年の梅ヶ丘拠点整備プランの策定以降、公民連携による保健医療福祉サービスの全区的な拠点整備に向けた取り組みを進め、いよいよ来年四月には民間施設棟が、そして平成三十二年四月には区複合棟が開設される予定であります。区民に親しまれる施設となるよう、区では、梅ヶ丘拠点の愛称を公募するなど工夫を凝らしておりますが、用地取得費を含め百億円を超える投資をした以上、保健医療福祉に関する施設機能が集積される利点を生かし、区が推進している地域包括ケアシステムとともに、障害福祉分野及び子ども分野と連携し、今後の保健福祉をリードする先駆的役割を担う施設にする必要があります。  しかし、今年二月の常任委員会において報告された梅ヶ丘拠点整備事業に関する検討状況によると、区複合棟に整備する保健センターを初め、福祉人材育成・研修センターや認知症在宅生活サポートセンターの役割はうたわれているものの、具体的なサービス内容はいまだ区民に伝わっていない状況であると言わざるを得ません。  梅ヶ丘拠点が画竜点睛を欠くことになっては困ります。既に区複合棟開設までの期間が二年を切っており、具体的な機能について議会や関係団体と議論を詰める時期に至っているのではないでしょうか。その上で、区民に対しても十分な周知期間を設け、開設時における利用者の混乱防止に努めるべきであります。現在、区複合棟に整備予定の各施設の検討状況はどのように進んでいるのでしょうか、お伺いをいたします。  次に、教育関連について順次お聞きいたします。  まずは、区立学校における魅力づくりについてです。世田谷区立の小中学校は、昭和三十年代における児童生徒数の急増期以降、昭和五十年代前半をピークに減少期に移行し、現在、小学校の小規模化が一部で進行しています。先日報告された今年度の学校基本調査によると、小規模校化が見込まれる十二学級未満の小学校が五校存在する一方、主に砧・烏山地域においては相当数の大規模校が存在することが改めて確認されました。  区ではこの間も、児童生徒数の推移や学校施設の老朽化を念頭に、区立小中学校の適正規模化及び適正配置に努めてきましたが、小規模校対策としては近隣校との統合、大規模校に関しては指定校変更の制限や通学区域の変更、校舎の増改築など、基本的に制度改正やハード面の整備で対応してきたのが実情であります。
     今後は、児童生徒数が減少傾向にある学校において、地域の方々にも参加、協力してもらい、英語教育やスポーツ、放課後学習などに力を入れ、子どもや保護者が、この学校に通いたい、通わせたいと強く思える特色のある学校づくりを展開していってはいかがでしょうか。区の見解をお伺いをいたします。  続いて、幼児教育の充実についてお伺いいたします。  昨今における情報通信技術の発展やAIの進化は著しく、社会や経済のあり方を大きく変える可能性を秘めており、現在の子どもたちが大人になるころの社会は予測困難な状況であることからも、子どもたち自身が自己肯定感や意欲を持ち、豊かな創造力の発揮を促すためにも、幼児教育は特に求められている教育政策の一つであると認識しております。  政府は、来年十月から幼児教育・保育の無償化を全面的に実施する方針を固めました。本格実施の開始時期が当初予定より半年早まることとなり、区は、より一層準備を急ぐ必要が出てきましたが、現在の準備状況はどこまで進んでいるのか、また、今後の見通しについてお聞きいたします。  さて、区では、昨年に策定した幼児教育・保育推進ビジョンに基づき、平成三十三年度に整備予定の(仮称)教育総合センター内に乳幼児教育支援センターを設置する予定です。しかし、さきに述べた梅ヶ丘拠点整備と同様に、今後の具体的な施策については何も示されていない状況であります。  我が会派が以前より指摘してきたとおり、いかにも教育総合センターの整備ありきで物事が進んでいると思わざるを得ません。立派な施設だけを建設し、仏つくって魂入れずという事態を避けるためにも、乳幼児教育支援センターを十分に機能させ、家庭教育を含めた幼児教育の充実を図るべきであります。教育委員会は、区長部局と連携して今後どのように幼児教育を推進していくのか具体的にお答えください。  最後に、教員の多忙化についてです。  いわゆる脱ゆとり教育以降、授業で教える内容や授業時間がふえるとともに、団塊世代の大量退職に伴い急増した若手教員が授業準備に時間を要するケースが多いなど、教員の多忙化が問題視されて久しいと感じているのは私だけではないと思います。  今年三月に来日したOECD、経済協力開発機構のアンドレアス・シュライヒャー教育・スキル局長は、教員の多忙化に伴い、部活動や登下校時の見守りなどを外部委託する動きがある日本の教育現場に対し、日本の教員は、生活指導など授業以外の場面を通じて子どもと向き合う機会が多く、子どものことをよく知っている。日本の強みを失いかねないので、外部委託については慎重に議論する必要がある旨の談話を残し、私もまさにそのとおりであると思いました。  しかし、教員が事務作業や部活動で疲弊していては、肝心の授業がおろそかになるだけでなく、区が言う教員が子どもとかかわる時間の拡充どころか、教員が子どもとかかわる時間の質の低下を招くこととなり、教員の多忙化については早急な対応が求められます。  区では、区立学校における財務会計や人事庶務、そして、文書管理システムの導入のほか、給食費収納の公会計化を通じ、教員の事務軽減を図ってきましたが、単に労働時間の短縮を目指すだけでなく、先輩教員が若手教員に指導や助言を行うメンター制度の導入など、教員が誇りを持って働ける環境づくりなどの支援が必要ではないでしょうか。見解をお伺いをいたします。  さて、平成の世が来年四月に幕を閉じます。私ごとではございますが、この間、平成の世を中心に三十年余り区議会議員として区政に携わる機会をいただきました。初当選は昭和六十二年でありましたが、銀座の地価が一坪で一億円を超えるなど、バブル景気の真っ盛りのころであり、世田谷区政においても日本経済同様、非常に勢いのある時代であったと記憶しております。  その後、間もなくバブルがはじけ、日本経済の長期にわたる低迷、阪神・淡路大震災の発生、オウム真理教による地下鉄サリン事件など、国内では暗いニュースが続きましたが、我が世田谷区においては、その間にも、大場元区長、そして熊本前区長の強いリーダーシップのもと、職員が一丸となって区政を前進させてきました。昔はよかったと回顧主義にひたるわけではありませんが、最近の区政は結果を出すことを急ぎ過ぎているのではないかと感じております。社会情勢の変化が激しいこともあり、区民を初め、我々議員も行政に対しては費用対効果という結果を厳しく求めてしまうため、いたし方ない面があるかもしれませんが、世田谷区が新時代の大海原をどのように航海していくか、時には立ちどまってじっくり腰を据えて考えることも必要ではないでしょうか。  以上、一言申し添えさせていただき、壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 山内議員にお答えをいたします。  東京都の小池知事と良好な関係を構築しているかという御質問でございます。  小池都知事が就任されてから二年になりました。この間、都区の関係について、従来までの形式的なセレモニー、短時間の御挨拶、こういったセレモニーから、一時間半、二時間かけての意見交換というところで転じているということは感じております。また、小池知事が就任後、保育待機児童解消に向けた緊急対策として、都有地の活用や税制の改正ですね、固定資産税などを中心に、そして、いわば地代の補助など、これまで区として都に要望をしてきた支援策の幾つかは実現をしていただいています。  この二年間、世田谷区の目指す方向性などについて直接に意見交換するとともに、また、間接的に何度かの政策提案をしてまいりました。一定の成果はあったものと考えております。児童相談所の設置やオリンピック・パラリンピックの開催準備など、喫緊の課題解決に向けて、小池都知事に関して、世田谷区長としてしっかり連携を強めていきたいと考えております。  次に、都区制度のあり方という点でも都知事にしっかり働きかけろという指摘をいただきました。  世田谷区は九十万都市になりましたが、財源や権限が制約されている区の現状を打破し、自治権の拡充を進めることは必須であると考えています。児童福祉法の改正により児童相談所の設置が可能となりましたが、御指摘いただいているとおり、都区のあり方検討委員会は実質的な協議がとまっている状況でございます。二月に行いました都知事と特別区長との意見交換の際には、私のほうから大都市事務の範囲の見直しや、調整税の各区の帰属額についてその詳細を明らかにするように求め、特別区長会としては、都区のあり方検討委員会の再開を求めたところであります。  都では、東京を標的とした税制度の見直しに危機感を持って、地方分権を見据えた地方税財源のあり方について都内区市町村も参加する検討会をこれから立ち上げていくということを聞いております。私は、特別区全体として自治権を拡充するため、区長会での議論もしっかり行いながら、都区制度改革の先頭に立って行動をしていきたいと思っております。また、地域的に近い隣接区や、あるいは城南ブロックの区長と特に意見交換を密にしていきながら、これら懸案の解決に当たっていきたいと考えております。  二期目の最終年ということで、振り返ってどうかというお尋ねでございました。  新たな基本構想、基本計画を策定し、新実施計画の推進にこれまで一丸となって取り組み、後期という段階に入ってきているわけでございます。その過程において厳しい御指摘や貴重な御助言を頂戴する機会がありましたが、保育待機児対策を初めとする子ども・若者施策、地区防災の充実、小田急線上部利用のプラン作成と住民参加など、喫緊の課題を最優先に、山積する区政課題の解決に向けて、議会はもとより、区民の皆さんとも議論を丁寧に重ねまして区政を推進することを心がけてまいります。引き続き、児童相談所の円滑な都からの移管や、子ども・子育て支援の継続、充実を初め、急速に進展する高齢化への対応、災害対策の強化など、財政面に留意しつつ、持続可能な区政運営に全力で取り組みます。  振り返りますと、御指摘をいただいている新規政策についてでありますが、私が注目してきた新規政策の多くは、実は国の各省庁の制度の再設計、あるいは法改正に基づくものが多くリンクをしております。したがって、もっと早い時期に、当初から議会の皆さんと情報共有する努力、もっとこれはしていくべきだったし、そこは今後していきたいというふうに考えます。  また、現在は、狙い撃ちされている大きな問題で、税源の収奪、これは区市町村分を含むと全体で六千億円、大変な金額になります。世田谷区だけでも百億円を上る危機的な構図になっています。これは東京都も被害当事者であり、ともにスクラムを組んではね返す覚悟であります。その際、区議会の皆さんはもちろんのこと、都議会や国会も党派を超えて共同戦線を組む、この点についてまだまだ努力が必要だと、私自身の課題として、しっかりこれは果たし、引き続き積極的な意見交換をしていきたいと思っております。  次に、予算編成のプロセスで、情報提供を自主的にきちんとせよという御指摘でございます。  平成三十年度の一般会計当初予算については、新規事業の制度設計、あるいは報告のあり方について率直な御意見、御指摘をいただいております。来年度の予算編成に臨むに当たりまして、新実施計画(後期)を着実に推進するため、取り組むべき課題について庁内で十分検討を重ねるとともに、できる限り早い段階から議会への丁寧な情報提供、そして議論をしっかりと尽くしていく必要があると認識をしています。あわせて、今後の世界経済、景気変動の影響が懸念される中、ふるさと納税による減収や、先ほど申し上げましたが、地方法人課税の見直しなど、議会と行政が一体となって国に対して改善を求めていくなど、引き続き車の両輪として一層議論を深めていきたいと考えております。議会との議論を踏まえ、財政健全性を維持しながら、高齢化、人口増に伴う行政需要に着実に応え得る予算を編成してまいりたいと考えております。  次に、道路についてであります。  道路は、区民の安全で安心な生活を支え、最も重要な都市基盤の一つであり、その整備は行政の重要な責務と考えております。私も区長として平成二十六年三月には、災害に強く安全な都市を目指したせたがや道づくりプランを策定、道路整備についても区政の重要課題として力を注いできたところでございます。  道路整備事業は、着手前の調整から、事業着手、用地取得、築造工事、そして完成へと大変長時間を要するものでございます。議員のお話しにありますように、二子玉川東地区再開発により整備された地区内や周辺の都市計画道路などは、地域の皆様の三十年以上の街づくりにかかわる取り組みが結実したものであります。また、区役所西側の補助第一五四号線につきましては、約五十年にわたる多くの地権者の皆様からいただいた協力の積み重ね、その成果でございます。改めて、多くの先人の粘り強い努力、また、区民の皆様の御協力に感謝し、敬意を表するものでございます。  一朝一夕にはならない道路整備でございますが、今後も、区といたしまして、せたがや道づくりプランに基づいた計画的かつ効果的な区内の道路ネットワークの形成、整備を継続的に進めていくため、粘り強く取り組んでまいります。  介護人材の確保についてであります。  この点は私も危機感を持っております。団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年に向けて介護基盤の整備を進める中、サービスの担い手である介護人材の確保・育成・定着支援は、まさに喫緊の課題であります。  区では、サービスの質の向上と人材確保を目指して福祉人材育成・研修センターを設置し、区独自の研修や資格取得支援、研究費助成、就職相談、面接会など、介護人材確保・定着支援策を実施してきました。また、介護の仕事のやりがいを再認識するとともに、事業所を超えた横のつながりが持てるよう、介護職員等合同入職式や永年勤続表彰なども実施を始めております。  しかしながら、労働力人口の減少や景気の影響等で、業務内容などから介護事業所の人材は非常に確保が困難であるという状況でございます。区は、介護報酬加算が得られるように、資格取得支援をサポートするとともに、働きやすく魅力ある職場づくりに向け、介護ロボットやICT機器の活用促進などの支援策を現在検討しています。また、今年度、区内特別養護老人ホームとの共催による介護の仕事のPRイベントを開催するとともに、事業者との意見交換を通して新たな支援策を実現してまいります。さらに、福祉部門と産業部門が連携をいたしまして、介護の仕事に魅力を感じてもらえるよう、区の取り組みを強めてまいります。  国や都で実施している介護人材確保策の積極的な活用に努めるとともに、新たな支援策についても要望をしていくなど、介護人材の確保・育成・定着支援に全力で取り組んでまいります。  以上です。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、三点について御答弁申し上げます。  最初に、公共施設におきます耐震性能に絡みまして、公共施設等総合管理計画自体の見直しについてでございます。  希望丘小学校におきまして、既存校舎内の改修を行うに当たりまして耐震診断を実施したところ、平成七年に実施した耐震診断結果と相違する数値が出たことを受け、以前に同校と共通の条件で耐震診断を実施した学校施設等三十一施設について再診断を実施することといたしました。今後、再診断の結果を踏まえまして対応を検討していくことになりますが、仮に対象施設の多くで耐震補強等が必要となった場合、財政負担が生じることが想定されます。再診断の結果が出ていない現段階におきましては、財政上の影響等を把握することが難しい状況にございますが、今後、一定のシミュレーションのもと財政見通しをお示ししていく必要があると認識しております。  現時点におきまして、まずは緊急性を考慮した上での予防保全工事の実施の是非、さらには御指摘の公共施設等総合管理計画にまで見直しに着手するかどうか、必要に応じまして、診断の途中段階におきましても議会とも御協議申し上げながら、適宜判断してまいりたいと考えております。  次に、梅ヶ丘拠点整備についてであります。  梅ヶ丘拠点の施設整備は、民間施設棟が平成三十一年四月、区複合棟が三十二年四月に開設する予定で準備を進めているところでございます。区複合棟には、保健センター、福祉人材育成・研修センター、認知症在宅生活サポートセンターなどが入ります。  本年二月の福祉保健常任委員会におきまして、梅ヶ丘拠点整備の全体調整機能や設置条例の考え方、保健センター事業実施方針案、福祉人材育成・研修センターの基本方針素案などを御報告し、御意見をいただいたところでございます。現在、保健センターは、指定管理に向けまして、現在の指定管理事業者の適格性審査の準備を進めております。また、福祉人材育成・研修センターは、学識経験者を迎えアドバイザー会議を行い、専門的な見地からの意見を反映し、基本方針をまとめた後、事業者選定を進めてまいります。また、認知症在宅生活サポートセンターは、今年度より運営事業者と区で準備室を立ち上げて、本格実施に向けて準備を進めてまいります。各施設の事業につきましては、区民代表や学識経験者、関係団体等の御意見を伺いながら新たな事業実施に向けて進めてまいりますが、御指摘のとおり、区民の皆様に具体的な事業内容をわかりやすく伝えていくことは大変重要であると考えております。  今後、各事業の実施内容や進捗状況などについて、節目ごとに議会や区民、関係団体等の御意見を丁寧にお伺いするとともに、梅ヶ丘拠点整備ニュースや「区のおしらせ」、ホームページなどを活用いたしまして、より多くの区民の方々に御理解をいただくよう情報提供に努めてまいります。  最後に、幼児教育・保育無償化についてであります。  先日、政府が発表されました経済財政運営と改革の基本方針二〇一八、これは原案でございますが、三歳から五歳までの全ての子どもたちの幼稚園、保育園、認定こども園の費用を無償化すること、認可外保育施設につきましても、保育の必要性があると認定された子どもを対象として無償化すること、ゼロ歳から二歳児までにつきましては、待機児童解消の取り組みとあわせまして、住民税非課税世帯を対象として無償化を進めることが示されており、これらの実施時期は二〇一九年十月からと、当初予定より半年前倒しされることとなっております。  区といたしましては、これまでも国の予算措置を求めてまいりましたが、今回詳細が示されたことから、改めまして無償化に伴う影響額を算出し、引き続き国に財政支援の要望をするとともに、制度設計を早急に進めるなど、来年の十月実施に向け万全の準備を整えてまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、二点に御答弁申し上げます。  まず、本庁舎整備に関連いたしまして、区民会館の整備手法を決定するまでのプロセスについて御答弁いたします。  本庁舎等整備につきましては、基本設計方針案を策定いたしまして、六月三日には区民説明会を開催したところでございます。お話しの世田谷区民会館につきましては、このたびホール部分の耐震診断を行い、その速報値、耐震補強改修により、Ⅱ類相当の耐震性能が確保できるかの一時的な検討の結果及び区民会館の機能面における基本的な考え方を御報告させていただきました。  この間、区議会でも御答弁しておりますとおり、今後、これらの調査結果を踏まえ、複数の耐震改修方法及びそれによる耐震性能の向上がどこまで図れるかを検討してまいります。検討状況につきましては、丁寧に区議会に御説明し、御意見をいただきながら、九月の基本設計案中間報告において、コスト等を含めた複数の補強案を改築した場合のコストとともにお示しし、区の考え方を明らかにしてまいります。その後、第三回定例会において御議論いただくとともに、五地域で区民説明会を実施し、区民の皆さんからも御意見を伺いまして、十一月中旬に世田谷区民会館整備方針を策定してまいります。  次に、農地の保全に関しまして、生産緑地の買い取りを進める制度の確立をという御質問にお答えいたします。  区内の都市農地は減少し、生産緑地は九十ヘクタールを下回りました。また、二〇二二年には、区内の多くの生産緑地において営農義務の期間が満了となるため、一部の農地が宅地化され、さらに農地が減少するおそれがあるなど、区といたしましても農地の保全は大きな課題であると認識しております。国においては昨年、生産緑地指定から三十年の期間終了後、さらに十年延長ができる特定生産緑地制度を創設するとともに、今国会においても生産緑地の貸借をしやすくする法律制定に向けた審議が進むなど、都市農地減少対策に取り組んでおります。  区では、生産緑地の再指定や下限面積の緩和を行うとともに、担い手育成として農業塾を実施するなど農業振興に努めているところです。現在、平成三十一年度から十年間の世田谷の農業のあり方を示す世田谷区農業振興計画の改定に取り組んでおり、お話しのありました生産緑地の取得を目的とした基金の創設といった手法も含めまして、さまざまな農地保全策を検討してまいります。さらに国に対し、引き続き農地を買い取る際の財政支援策等の要請を行うとともに、相続税納税猶予制度の適用拡大や税制面の緩和などについて要請を行うなど、農地の保全に努めてまいります。  以上でございます。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 教育政策について、教員の多忙化について御質問いただきました。  議員のお話にありました経済協力開発機構、OECDの教育・スキル局長シュライヒャー氏の発言には私どもも賛同したところでございます。教員の多忙という課題解決の際に、日本の教育のよさを見失わずに対応していきたいと改めて考えております。  御案内のように、日本の教員は教科指導だけではなく、生活指導や部活指導、進路指導や学校行事などの特別活動など、さまざまな時間を活用して子どもたちの成長にかかわっています。このような職を選択した教員たちが子どもたちと向き合える時間を十分確保していきたいと考えております。  教育委員会では、既に平成二十六年度から第二次教育ビジョン・第一期行動計画の中で教員が子どもとかかわる時間の拡充をリーディング事業と掲げ、具体的な取り組みをしてまいりました。今年度からスタートした第二期行動計画においても、国が示す働き方改革も視野に入れながら、引き続きこのリーディング事業に取り組んでおります。  議員のお話にメンター制度がありましたが、校内の教員研修において世田谷らしさや地域の特色などを共有化し、さまざまな工夫を重ねて、教員個人や学校全体の指導力を高めるよう着実に取り組んでまいります。  教育委員会といたしましては、新しい時代にふさわしい研修、研究の再構築を教育総合センターの開設に向け検討していくと同時に、世田谷区の教員が力量を高めながら、誇りと自負を持って教育に当たれるよう進めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 生活文化部長 私からは、オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、イベントを通じてボランティアの育成をという点について御答弁いたします。  東京二〇二〇大会での区のボランティアについては、大会組織委員会の募集する大会ボランティア、東京都の募集する都市ボランティアの内容も踏まえながら、馬術競技の観戦など、世田谷区を訪れる皆様をおもてなしする内容を関係所管部と連携し、検討しております。  区では、ボランティアに関心のある区民の方が関心のある分野や活用したい資格スキルなどを登録できるおたがいさまbankの運用を世田谷ボランティア協会との連携のもと、平成三十年四月より開始しております。ボランティアの育成に向けては、今後、区の主管するイベントなどを通しておたがいさまbankへの登録を促し、さまざまな分野において、一人でも多くの方にボランティアを経験していただきたいと考えております。また、一昨年から東京都と共催にて実施しております外国人おもてなし語学ボランティア育成講座を本年も二回開催するなど、さまざまな取り組みによって、東京二〇二〇大会に向けた準備とボランティア文化の醸成を図ってまいります。  以上でございます。 ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、東京二〇二〇大会に向けて、ボランティアに参加する区民に特典を設けるなど工夫をすべきにつきまして御答弁申し上げます。  区は、アメリカ合衆国のホストタウン、共生社会ホストタウンであることから、さまざまな機会を捉えて区民への周知を図るとともに、アメリカ合衆国の関係者がおもてなしを感じられるイベント等を、区だけでなく、商店街等との連携を庁内で議論しているところでございます。ボランティアなしではオリンピック・パラリンピックの成功はないものと考えておりまして、ボランティアをしていただいた区民に対しまして何らかの特典を設けることは、関心が高まり、参加の動機づけになるものと認識をしております。  御提案のホストタウン関連等の各種イベント等への優先参加につきましては、関係所管部との調整が必要となります。いずれにいたしましても、ボランティアに参加された区民が区のイベントや東京二〇二〇大会関連のイベントなどに参加できるようなメリットの構築につきまして関係所管部と鋭意検討をしてまいります。  以上でございます。 ◎工藤 危機管理室長 私からは、近隣自治体との災害時協力協定について御答弁いたします。  現在、区では、近隣区市と全て相互応援協定を締結しております。平成七年に、渋谷区、目黒区、大田区、品川区の四区、平成八年は二十三区相互、平成十七年には、狛江市、調布市、平成二十六年は、川崎市、三鷹市と協定を締結しており、避難所における避難住民の受け入れや道路等の応急復旧に必要な資機材、物資の提供、職員の派遣、備蓄品による応急物資の供給など応援を行う体制となっております。しかしながら、東京都が平成二十四年五月に取りまとめました首都直下地震等による東京の被害想定では、近隣区市においても、人口規模や家屋数相応の人的・物的被害を受けることが想定されており、それぞれの区市が自身の応急・復旧対策に追われる可能性が否定できません。  このようなリスクを回避するため、区では、これまで川場村を初めとする首都直下地震の被害想定範囲外の七自治体と協力協定の締結を進めてまいりました。このように、各自治体と被害の程度に応じて柔軟に協力し合える体制を確保しつつ、引き続き顔の見える関係を構築し、災害時に備えてまいります。  以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、区立学校における魅力づくりについて御答弁申し上げます。  第二次世田谷区教育ビジョン・第二期行動計画において、地域コミュニティの核となる学校づくりの中で区立学校の魅力アップを新たに設定したところです。区立各小中学校では、キャリア教育の一環として、地域の方を招き、地域や仕事などを知って自分の生き方を考えたり、地域に伝わる和太鼓を継承してお祭りで披露したりするなど、特色ある教育活動を実施しております。また、学び舎においては、小学生が公立中学校での学校生活や部活の内容を学んだり、中学校の合唱コンクールで難易度の高い合唱を鑑賞する場を設けることで、進学する中学校への憧れや期待を醸成しております。  教育委員会としましては、各学校や学び舎における特色ある取り組みをより充実できるよう支援するとともに、地域、保護者の方々への情報発信にも力を入れ、区立小中学校の一層の魅力アップに取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎淺野 教育次長 私からは、乳幼児教育支援センターに関係しまして、今後どのように幼児教育を推進していくのかという御質問につきまして御答弁させていただきます。  世田谷区乳幼児教育支援センターは、区立、私立の幼稚園、保育所等の枠組みを超えた世田谷区における教育、保育の推進拠点として平成三十三年度の開設を予定している世田谷区教育総合センター内に設置するものです。現在、このセンターの設置を見据えて、幼稚園、保育所等の教育、保育と小学校教育の円滑な接続を目指したアプローチ・スタートカリキュラムの試行、乳幼児教育アドバイザーの派遣、区立、私立の幼稚園、保育所等の枠組みを超えた情報共有の場としての世田谷区幼児教育・保育情報連絡会の設置など、先行的な取り組みを行っております。乳幼児教育支援センターでは、幼稚園、保育所等への支援のほか、家庭教育支援の充実も視野に入れておりまして、幼稚園、保育所等による家庭教育への支援の充実だけでなく、子ども・若者部とも連携した取り組みも必要と考えております。  区といたしましては、国内外の先進事例等を参考にするとともに、言葉の力の育成、また文化芸術を生かした環境づくり、外遊びの推進など、世田谷区の特色を生かした取り組みや、合同研修、合同研究の実施など、関係所管や関係機関等とも連携しながら、世田谷区全体としての幼児教育の充実に向けて取り組んでまいります。  以上です。 ◆二十九番(山内彰 議員) それでは、まず区立学校における魅力ある学校づくりについてです。  区長は、先ほどの招集挨拶で英語教育の推進について触れましたが、特色のある学校づくりのためには、英語教育に限らず、さまざまな教材とか人材の充実や部活動支援員の増員など積極的に努めるべきであると考えますが、御意見を伺います。  また、区長は先ほどの答弁でも、議会と行政は車の両輪と発言されました。よく聞く言葉ですが、果たして本当にそのように思っているのか、甚だ私は疑問であります。眉唾かな。保坂区長は、本気で議会と行政は車の両輪と思っているのであれば、今後、言葉だけではなく、態度できちっと示していただきたいと思いますが、区長の御見解をお聞きいたします。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問にお答えをいたします。  教育に関しては、教育政策のほうから詳細に答えさせますが、今、山内議員がおっしゃった英語教育のみならず、特色ある学校の魅力をという点はまさにそのとおりだと思います。また、これだけ将来が、AI時代だったり、あるいはグローバル化だったり、今ある仕事が相当数消えるという中では、例えば芸術ですね。いろいろ表現をしたり、そういうところが持つ力というのも非常に大事だろうと思います。  世田谷区の特に小学校から多くの子どもたちが私立学校に進学するのが現状です。公立学校の役割ももちろん果たしていると思いますが、より魅力のある学校教育について、人口九十万規模の自治体として、将来の子どもがそれぞれの個性を生かして羽ばたいていけるような体験ができた、あるいは学びができた、そんな機会をつくるために、区といたしましては、特に多忙化で学校の先生が非常に疲れ切っているという問題、これについては部活だとか、あるいは特別支援教育のサポートというところがまだまだ足らないと思っています。その点はしっかりと下支えをしていくということを申し上げて、それ以外のところは教育政策のほうに答えさせたいと思います。  議会と行政は車の両輪という、これは本当かと、態度でというお話でございました。先ほど少し触れましたとおり、現在の内閣、あるいは各省庁、いろいろやはり将来不確定な要素の中で、いろいろ社会実験、あるいは制度から変えなければいけないというところで模索をされていると、中央省庁の官僚と話すとそれをひしひしと感じるわけですが、やはり議会の皆様と一緒に率直な意見交換というような場を私としては提案をしたいなというふうに思っておりますし、態度で示せということなので、しっかりと態度で示したいと思います。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、特色ある学校づくりのために積極的に努めなさいという再質問に御答弁いたします。  地域とともに子どもを育てる教育に向け、学区制を採用しております本区におきましては、どの学校におきましても、より質の高い教育活動を推進させてまいりたいということで考えております。  議員のお話しの中でも、幾つかの英語教育、部活動等の充実のアドバイスをいただきましたので、区立小中学校の魅力アップに具体的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
    ◆二十九番(山内彰 議員) 私も先ほど児相のことには少し触れましたが、先ほどの他会派の質問もありましたが、目黒区で五歳児が虐待死した悲惨な事件は本当に悲しくて、私は、どうにかならなかったのか、なんか無力感を感じているところであります。  児相を設置する六十九自治体が、そのうち三十二自治体は児童虐待が疑われる事案への対応を警察に情報を提供するのが具体的に多くなって――自治体が警察と連携しているということです。ちなみに、東京都でも一応そういうことはやっているそうですが、改善をされちゃった家庭という言い方はおかしいんですが、そういう家庭は結局繰り返すというようなことが言われております。今回の例も品川区の児相に引き継がれたようですが、なかなか現実は厳しいものなんだと思っております。  世田谷区も児相を目指すのであれば、これは相当、区長も先ほど話しておりましたけれども、引き締めてきちっとしたものを立ち上げていかなければならないし、これは区長だけの責任ではなく、やっぱり区議会としても、議員全体の問題でもあると思いますし、全体で考えていかなければならないことだと思います。  きちっと気を引き締めて、今後、東京都との交渉なども当たっていかなければならない。先ほど区長がおっしゃった、やっぱり東京都との話し合いがなかなか進んでいないという部分自体、まだまだこちらとしての努力が足りないという部分が見えていると私は思っています。このことに対しましても、先ほど言いましたように、区長、そして理事者、我々議員と協働で頑張っていけば……。 ○三井みほこ 議長 以上で山内彰議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時五十三分休憩    ──────────────────     午後四時十分開議 ○三井みほこ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 代表質問を続けます。  公明党を代表して、五十番高橋昭彦議員。    〔五十番高橋昭彦議員登壇〕(拍手) ◆五十番(高橋昭彦 議員) 公明党を代表して質問、提案をしてまいります。  現在、九十万の人口を擁する世田谷区は、十年後には百万人の大都市になります。平成十二年四月に自治法の施行により、特別区は基礎的な地方公共団体として新たな歩みを開始しましたが、都区制度、特に都区財政調整制度の改革はいまだ進展はなく、未完の平成十二年改革となっています。  都主体のこの制度は、人口増加による区民税収入が他区に比べて伸びた場合は財調交付金が減少する。また、行革努力により経費削減が行われた場合も財調交付金は減少するという大きな矛盾を抱えたまま、世田谷区は十年後の百万を迎えるわけにはいかないと訴えるものであります。  東京都主体の制度と財源を特別区主体の制度に転換するか、百万都市として政令指定都市へと転換するか、時間をかけずに決断をしなければ、世田谷区の将来が危ぶまれます。区はどのように考えているのか、最初に見解を求めます。  今進めている児童相談所の三十二年四月開設への挑戦が、この長年の課題の突破口であると思っています。ことしの十二月には、政令指定の申請の決断を迎えます。職員は開設準備に全力を注いでいます。都区制度改革の一丁目一番地である児童相談所開設へ何があっても決断するという強い区長のリーダーシップが求められます。区長生命をかけて進める覚悟がどのようなものなのか、区長の覚悟をお聞きします。  次に、我が党の重点政策である未来への投資、教育の充実の五つの課題について伺います。  教育や子育てに経済協力開発機構、OECD加盟国の中で、私費負担の最も高い我が国にあって、子どもたちの力強い成長のための投資は最も必要であります。  我が党は、その実現のために今全力を注いでおり、世田谷区民の教育負担に関するニーズと実態を把握するため、アンケート調査を実施しております。アンケート調査の中間まとめですが、教育費に対して全体で七二%の方が負担を感じると答え、特に未就学時と大学、短大、専門学校の教育費の負担意識が高く、未就学時で七〇%、大学時で九二%と大きな負担を感じています。学校以外にかかる教育費では、全体で八〇・六%が負担を感じると答え、未就学時七〇%、中高で九〇%の方が負担感を感じています。  学童クラブについても聞いています。学童クラブの利用経験率は三五%で、中でも十九時までの時間延長が最も多く五割、また休日・夜間保育の設問では七五%の方が必要と答え、その理由は、働く女性がふえるから七二%、近くに頼れる家族や知人がいないからが五〇・六%、夜遅く勤務する人がふえるからが四五・三%と続きます。ある三十代の男性は、金銭面での余裕がなければ二人目以降はかなり厳しい。日本全体の課題であり、正面から取り組まなければ少子化の改善はないとの意見などもありました。  ここで五点伺います。  一点目は、幼児教育の無償化についてです。  自公連立政権の方針のもと、三歳からの幼児教育無償化への準備が進められ、先日、幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲に関する検討会報告が取りまとめられました。無償化が進められる中、区として、公私立幼稚園や保育所での幼児教育充実へと施策を急ぎ進めることが重要です。新教育センターの開設への準備が進む中、教育長の幼児教育の充実にかける思いをお聞かせください。  二点目は、学校給食費の無償化です。  さきの定例会では、第一歩として、一定の所得制限のもとで実施を議論いたしました。区は、所得制限の範囲を早急にシミュレーションし、それを提示した上で議論を深めたいと答弁がありましたが、現在の検討状況を伺います。  三点目は、新たな児童館の整備についてです。  地域包括のネットワークの鍵が児童館であることは、これまでの議論で一致した事柄であり、区は予防型行政の推進に重要であるとの認識を示され、まずは児童館の地区における役割を整理し、方向性をまとめると答弁いたしましたが、その進捗を伺います。  四点目は、学童クラブの時間延長についてです。  区は、時間延長について望む声は多くあり、モデル実施への道筋をつけるため、保護者へのアンケートを実施しているとのことでしたが、ニーズの分析の結果とともにモデル実施校をどこに選定するのか伺います。  五点目は、休日・夜間認可保育園についてです。  このことについても区はニーズ調査を行い、ロードマップを描き、取り組みを進めたいとの答弁でしたが、実施に向けた一定の方向をお示しください。  次に、大介護時代へ向けてどう備えるかについて、三つの観点から質問いたします。  第一に、在宅介護支援について伺います。  我が党では、教育の充実に向けた実態調査アンケートとともに、在宅介護、介護支援の充実に向けた実態調査も行っています。その中間報告によると、在宅介護が困難である理由として、七割の方が家族の体力面、精神面の負担が大きいことを挙げ、九割を超える方がレスパイトケアの必要性を求めていることがわかりました。  在宅介護支援においては、介護者の体力面、精神面の負担を軽減するためのレスパイト機能を地区の中で高める必要があると考えますが、区は、小規模多機能型施設整備が促進できるよう、事業者へのインセンティブなどの検討を進めるべきと考えますが、見解を伺います。  第二に、認知症対策推進条例の制定についてです。  公明党はこのほど、認知症基本法制定に向けた骨子を発表し、二〇二五年を目指し、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域で暮らし続けることへの一歩を踏み出しました。世田谷区においても、認知症在宅生活サポートセンターが梅ヶ丘拠点へ整備する準備を進めており、支援による効果に大いに期待をしております。  神戸市では、ことし四月、神戸市認知症の人にやさしいまちづくり条例を制定し、これまでの施策への上乗せや法律のすき間を条例化することで具体的に解決する取り組みを始めました。区においても、梅ヶ丘拠点整備を契機として認知症施策の具現化を図る意味でも、条例化に取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。  第三に、フレイル予防についてです。  先日、公明党東京都本部において講演された東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授は、フレイルには、筋力が衰える身体的フレイル、鬱や認知機能が低下する心理的・認知的フレイル、独居や経済的困窮、孤食による社会的フレイルの三つがあり、高齢者が二週間の寝たきり生活をすると七年分の筋力を失わせることを強調されたことが大変衝撃でした。  筋力の維持には栄養確保が必要であり、食事も一人で食べる孤食よりも、会食などに参加することでバランスのよい食事がとれ、会話をしながらそしゃくすることで栄養確保と口の筋力も維持でき、フレイル予防につながるとのことです。  千葉県柏市では、栄養とからだの健康増進調査をもとに、フレイル予防の考え方とフレイルの兆候をチェックするプログラムを実施するとともに、フレイルサポーターを養成し、地域でフレイル予防講座にも取り組んでいます。  今後、区として、介護に至る前に早期に確認できるチェックシートなどを高齢者の方に活用するなど、積極的にフレイル予防に取り組むことが重要と考えますが、区の見解を伺います。  次に、民泊、住宅宿泊事業者登録について伺います。  六月十五日に施行される住宅宿泊事業法により、住宅宿泊事業者の届け出が義務づけられました。区では、この法制定に基づき、世田谷区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例を制定し、世田谷区における住宅宿泊事業の実施運営に関するガイドラインを作成しました。受付を開始した三月十五日から二カ月たった現在までで、事前相談の受け付け数約六百五十件のうち、届け出に至った件数は四十五件という状況と聞いています。  区内には民泊を運営している施設数は、業界最大手A社へ登録しているだけでも約八百件あり、届け出数と大きく乖離をしており、このままでは無登録での民泊事業が行われるのではとの不安が区民の間に広がっていきます。東京二〇二〇大会を視野に、区内においても、良質な民泊を行う事業者が登録できるように事前相談体制を強化していく必要があるのではないでしょうか。  そこで二点伺います。  一点目は、届け出件数の少ない状況を踏まえ、区として良質な民泊を行う事業者が登録できるよう、事前相談体制を強化すべきと考えますが、見解を伺います。  二点目は、六月十五日の法施行以降の公平を保つために、無届け事業者の取り締まりの実効性をどのように推進する考えなのか見解を伺います。  次に、自殺予防対策について伺います。  国の統計によると、昨年一年間の自殺者数は二万一千三百二十一人で八年連続で減少、しかし、未成年だけは前年より増加、主要先進七カ国の中で十五歳から三十四歳の死因の半数に自殺が占めるのは日本だけです。世田谷区内での自殺者は毎年百人を超えており、特に若年層の割合が高い傾向にあります。  我が党は、四月八日に特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク代表の清水康之氏を講師にお招きし、「誰一人置き去りにしない社会づくりへ」と題してセミナーを開催しました。ライフリンクの清水氏が、SOSの出し方を教えることが最も必要であると強調され、特に自治体での取り組みの重要性を訴えておりました。その際に行ったアンケートでは、自殺者を減らすために協力したいと答えた方が九割を超える一方で、三割の方が自殺したいと一度考えたことがある、また四割の方が身近に心配な人がいると答えていらっしゃり、数字にはあらわれていない潜在的に自殺の危険のある方は少なくないことがわかりました。  東京都教育委員会では、今年度より、SOSの出し方に関する教育を推進するための指導資料を作成しました。同資料では、学校において命や暮らしの危機に直面したとき、誰にどうやって助けを求めればよいかを具体的かつ実践的な方法で学べるようにまとめられています。  そこで二点伺います。  一点目に、東京都教育委員会が作成したSOSの出し方に関する教育を推進するための指導資料を活用し、児童生徒はもちろん、発信されたSOSに気づけるよう、教職員、保護者など周囲の人たちにも取り組むべきと考えますが、区教育委員会はどのように取り組むか伺います。  二点目に、気づき、声かけ、傾聴、つなぎ、見守りなどを行うゲートキーパーの養成も自殺予防対策には不可欠であります。高知県では、若者の自殺対策には、相談が多い同世代の若者を対象に養成を行っています。区も若者の自殺対策により効果的な対象者への働きかけも含めて、さらなる推進が必要と考えますが、区の見解を伺います。  次に、図書館改革について伺います。  私たち公明党は、武雄市や海老名市、岐阜市の取り組みを視察して強く思い描いたのは、図書館がまちづくりのエンジンになれる力があることであり、図書館にそのポテンシャルがあるのではなく、図書館という人の集まる空間にポテンシャルがあるということであります。  さて、堀教育長は、昨年の第三回定例会において、平成三十四年度に向けた中央図書館全体の機能拡充にあっては、設計の段階から民間事業者を活用した整備を考えると答える一方で、さきの予算特別委員会では、武雄市の図書館は私どもの望んでいる図書館ではないと明言された上で、韓国の図書館は、まちづくり、区政運営、住民の活性化とコミュニティーづくりを果たしているとして、本の力を強調されました。  教育長は、本の力を発揮させるには、あるべき図書館の姿として、教育委員会の責任で設置し、直接管理運営される図書館、つまり公務員による直接の管理運営を理想としているのでしょうか。さらに言うならば、教育長は、従来型の成果が全く出ていない今の図書館で本の力を発揮させることができると考えているのでしょうか。明確な答弁を求めます。  その認識のもと、改めて中央図書館の民間活力の導入について伺います。  さきの予算特別委員会の質疑では、中央図書館は区の直営とするが、多文化体験コーナーやプラネタリウム、教育センターの移転であくスペースの活用は、民間事業者の創意工夫を取り入れた段階的民間委託の手法に取り組むとの答弁がありました。既に館内の四つの機能拡充のゾーニングまで決めているようですが、中央図書館の機能拡充は、民間活力の導入を前提とし、全館を民間活力導入に資するよう、基本設計の段階から指定管理者がかかわれるようにしなければ、地域のニーズに応えた多様な運営体制が図れません。  中央図書館の機能拡充や梅丘図書館の改築は、基本設計の段階から指定管理者、民間活力の導入を前提とすべきです。教育長の見解を求めます。  次に、公共施設における耐震化について伺います。  このたび、希望丘小学校における改修工事に伴う耐震診断の実施にて構造耐震指標、Is値が基準値を下回る結果が出たことに端を発し、同時期に耐震診断を実施した三十一の公共施設が明らかになりました。  その原因として、区は、昭和五十六年六月施行の新耐震基準以前の建物について、平成七年より順次耐震診断を実施しましたが、当時適用した診断法と現行の診断法との乖離が生じたものとしています。今回の事態を受けて速やかに再診断を実施し、施設のIs値を再確認する必要があるとし、ことし八月ごろからおおむね一年で再診断を完了させるとしていますが、平成十三年に耐震基準が改定されており、その段階で再診断しておくべき重要事項だったと厳しく指摘しておきます。あわせて、公共施設等総合管理計画を踏まえて、耐震、劣化など各種診断の実施、長寿命化計画の策定、再配置計画の推進などについて改めて総点検すべきと考えます。  そこで三点質問いたします。  一点目に、耐震診断は一施設当たり六カ月程度を要することになり、対象となる施設の優先度はどのような基準で定めるのかお伺いしたい。  二点目に、平成八年に別基準で策定された診断基準では、屋根のかたさを確認することが明確化されており、従前の診断との差異が生じるおそれがあります。特に学校施設での体育館にその影響が顕著になる可能性があります。その認識と今後の速やかな診断及び補強工事が必要となった場合の迅速な対応が求められますが、区の見解を伺います。  三点目に、この事態の発端となった希望丘小学校改築工事の対応についてです。特に体育館における取り扱いについては、当初からの改修対象ではなく、この問題を受けて補強工事なのか、改築して新たにするのか意見が分かれております。区として学校関係者へどう対応していくのか見解を求めます。  次に、観光と国際交流のマッチングについて伺います。  この問題については、我が党が再三再四取り上げてまいりましたが、区として具体的な改革への取り組みの姿勢が全く見られないのは大変残念でなりません。まちなか観光交流協会でさまざまな取り組みを行っていることを全て否定するものではありませんが、我々が再三指摘しているのは、現体制では責任の所在が不明であり、事業推進が図れない点であります。  国際社会でDMOが取り上げられているゆえんは、まず何よりも責任の所在が明らかであり、意思決定機関とルールが厳然として機能している点です。さらに、国際交流とマッチングについては、東京二〇二〇大会開催に当たって、馬事公苑が馬術競技の正式会場となり、大蔵ではアメリカ選手団の事前キャンプ場、さらにはアメリカ合衆国のホストタウン、また共生社会ホストタウンと、いやが応でも観光、さらには国際交流に光が注がれます。  区内にある二十を超える国際交流を進める団体とも有機的に連携し、東京二〇二〇大会に向けて国内外から多くの観光客、さらには国際交流で来られる方々に世田谷をどうアピールしていくのか、その頭脳として国際観光交流協会の設立を急ぐべきであります。区の見解を伺います。  次に、オリンピック・パラリンピック対策に関して、区としての取り組みの一体性を求める観点から伺います。  区は、二〇二〇年へ向け、観光、スポーツ、文化・芸術、環境、福祉、教育などの観点を踏まえ、八つのテーマを掲げています。そして、それらのテーマに基づいてスポーツ推進部、生活文化部、さらには教育委員会など、それぞれの所管で、開催に向け、さまざまな取り組みが行われております。  そこで気になる点は、東京二〇二〇大会に向けてのテーマが、まさしく区全般にまたがるテーマであり、所管相互の連携をどう進めていけるのかという点にあります。  一例を挙げますが、馬事公苑での馬術競技の際、組織委員会よりシャトルバスの運行との提案があり、素案ではバスベイの関係で用賀駅一カ所の運行となっているようですが、当然、小田急線沿線はどうするのかという問題や、馬術競技の終了が夜十時、十一時という遅い時間帯での駅までの安全確保の問題、また地元商店街にいかに人を呼び込むかと苦労されている立場からすると、駅と会場との往復だけで済んでしまう可能性のあるシャトルバスをどう地域活性化へつなげていくのか等々、この問題一つとっても多くの課題があります。  その意味で、それぞれの所管で取り組みを貫いていける一体的かつ統合的なプロデュース組織体が必要ではないか、その扇のかなめともいうべき中心軸として、二〇二〇大会専属プロデュース室の設置を求めます。区の見解を伺います。  次に、都市計画事業について順次質問いたします。  都市計画とは、都市生活を健康で文化的に送ることを主目的として、都市を計画し、建設することであり、私たちの日常生活に多大な影響を及ぼすものであることは言うまでもありません。その意味からも、次の五つの観点から質問をいたします。  第一に、外かく環状道路東名以南の推進について伺います。  ことし五月に開催された国交省、東京都、川崎市の三者による四回目の外環道計画検討協議会では、周辺自治体への意見聴取について、世田谷区を含む周辺自治体は意見交換会形式で実施するとともに、外環道に関する自治体や経済団体に対しても意見聴取することが確認されました。  そこで、今後最も重要なことは、区として東名以南の整備におけるビジョンをどう訴えていくのかであります。区における将来目標を設定し、生産、居住、休息、交通など人々の経済的・社会的活動を安全に快適に効率よく遂行せしめるための方針をしっかりと定め、国に訴えるべきと考えますが、区長の真意を伺います。  第二に、道路整備事業について伺います。  まず、補助五四号線について伺います。  世田谷区では、平成二十六年度から不燃化特区制度を活用し、区内五カ所の建築物の不燃化を重点的に推進してきました。下北沢周辺の北沢三・四丁目地区では、二十九年度末現在の不燃領域率は五六・五%、北沢五丁目・大原一丁目地域では五六・一%、目標の七〇%は達成できてない状況であります。  このような木密地域を近接に抱えた下北沢周辺の地域においては、補助五四号線の道路整備は、地域の災害対策を担う上でも極めて重要な位置づけにあると考え、早期の整備を求めてまいりました。  そこで二点伺います。  一点目に、補助五四号線のⅠ期工事の現在の用地取得率、三十三年度末の事業完了の見込みについて、進捗状況を伺います。  二点目に、Ⅰ期工事を踏まえて、補助五四号線のⅡ期・Ⅲ期工事の事業化を受けての検討はどこまで進んでいるのか伺います。  次に、主要生活道路第一〇六号線についてもお聞きいたします。  世田谷区主要生活道路一〇六号、いわゆる恵泉通りの未開通区間の土地収用は、明け渡し裁決に基づく明け渡し期限が過ぎているにもかかわらず、いまだ移転されていません。平成二十八年一月十五日に収用対象地居住の区民より起こされた訴訟は、四月二十七日に東京地方裁判所により原告の請求を却下、棄却の判決となりました。原告は平成三十年五月十日に控訴したとのことですが、あとは区長の覚悟です。全線開通に向けての区長の決断を伺います。  次に、公有地跡地活用について伺います。  まず、区立保育園においては、保育待機児童数が大幅に減少する一方で、今後、統合園によるあいた保育園跡地の整備が予定されております。しかし、地域によっては二歳児からの待機児童が解消へと至っているなど、新たな保育園を誘導するという画一的な方針ではなく、福祉や教育、区民生活に資する施設や、場合によっては財源確保のために賃借や売却など多面的に検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。
     また、都立玉川高校跡地についてですが、現在、東京都公文書館の仮移転先など、仮庁舎用地として平成三十一年度中まで活用すると伺っております。この跡地は、世田谷区内でも貴重な大規模敷地面積を有しており、さまざまな活用方法が考えられます。当該敷地を世田谷区として活用するのか否かも含めて、東京都と協議していく時期を迎えているのではないでしょうか。見解を伺います。  次に、高齢者交流機会の創出について伺います。  区では、高齢者の外出を促し、地域コミュニティーを活性化するために、ひとり暮らしの高齢者などを対象とした入浴券の支給を行っていますが、公衆浴場自体が減少しております。近隣の銭湯が目黒区や渋谷区などとなり、対象であっても利用できない、もしくはバスなどを利用せざるを得ない方もいらっしゃいます。  また、高齢者休養ホームふじみ荘では、大浴場のほか、食事やカラオケのできる大広間や健康相談、マッサージなど、高齢者の憩いの場として親しまれていますが、建物の老朽化など課題があります。  会派で視察した港区では、高齢者施設を中心に浴室を十六カ所設置するほか、区立入浴施設を整備し、多世代間交流も可能な取り組みを行っています。同様に、渋谷区や町田市など多くの自治体が、高齢者施設などに入浴施設を設置し、高齢者の交流ができる場を提供しています。  ここで二質問します。  一点目に、ふじみ荘は改修時期を迎えておりますが、今後も高齢者の交流できる憩いの場として継続していく必要があると考えますが、区の見解を伺います。  二点目は、公衆浴場が利用しづらい地域においては、港区のように公共施設に入浴できる設備を付加することも検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 高橋議員にお答えをいたします。  児相開設に向けた私のリーダーシップはというお尋ねでございます。  まず、御指摘にもあるように、都区制度改革につきましては、児相移管問題がまさに瓶のふたになり、議論は残念ながら停滞をしているという現状でございます。九十万人を超えた世田谷区が、超高齢化社会の到来によって、介護サービスの需要、医療費のさらなる拡大、その一方で年少人口も増加をしておりまして、保育から子育て支援、児童福祉費等の増加も見込まれています。  その上で、区民生活の課題は大変複雑化しておりまして、基礎自治体としての区が、九十万人区民に対して独自の施策を展開し、自治体経営を行っていくために、まさに自治体の自立ということが課題だというふうに思っておりまして、かつて大場区長時代に掲げました政令指定都市への移行も含め、権限の拡充や財源の確保を図り、自治体としての独立性を強める必要があると考えております。一方、政令指定都市への転換については、二十三区それぞれの区の温度差もあり、法制度の課題もございます。  今般、将来の人口動向に応じた自治体経営のあり方について検討するため、庁内に学識経験者を交えた自治体経営のあり方の研究プロジェクトチームを立ち上げます。その検討も含め、引き続き、区民、議会の皆さんと、大変重要な問題ですので、議論を重ね、進めていきたいと思っております。  次に、児相開設、都区制度、一丁目一番地というところでの覚悟というお尋ねであります。  都区のあり方検討委員会で児相が区に移管する事務の一つとされて以来、多くの課題がある中で、特別区における一元的な児童相談所の運営の必要性を二十三区全体で最優先に取り上げ、その実現に向けて、区長会として都の協議に臨んできました。そういう意味で、児相の移管の実現なしには都区制度改革の前進もあり得ない。戦略的重要性を十分認識して、これまでも先頭に立ってまいりました。  今般、特別区に児童相談所を設置できることが明記をされました平成二十八年の児童福祉法改正では、昭和二十二年の制定時以来の理念規定が見直されています。児童は、適切に養育され、健やかな成長が図られることなどを保障されるいわば児童の権利が明確にされております。特別区の児童相談所の設置は、こうした法の新たな理念の実現においても、子どもの最善の利益のために必ずやり遂げなければならない最重要課題だと認識しております。  先月、都区間で一時保護所の相互利用など、広域的な調整に関しましての具体的な協議がいよいよ開始され、移管の準備作業は加速をし出したと、こう受けとめております。みんなで子どもを守る町世田谷の実現を目指し、引き続き、区議会との議論を踏まえながら、区が目指す児童相談所行政の姿の具現化を進め、児童相談所の開設に向けて強い決意で臨んでまいりたいと考えております。  次に、外環道のいわば東名以南の問題についてお尋ねがございました。  東名高速から湾岸道路区間、いわゆる外環道における東名以南についてですが、昨年三月に早期整備等に関する要望書を国と都に提出いたしまして、九月には計画検討協議会による私へのヒアリングという形で意見聴取がございました。ただし、その前提として、このヒアリングで全てが終わるということがあってはならない。東名以南の整備の必要性などとともに、これは影響を受ける地元自治体として協議の当事者である。協議の場にしっかり位置づけろということを強く再三要望してきたわけでございます。  こうした状況を踏まえ、お話しの計画検討協議会の第四回が先月十六日に開催され、周辺自治体として、世田谷区、大田区に対して意見交換会形式による意見聴取を行うということが公表されました。ヒアリングの際には言ってきましたが、意見交換会の場において、区内には緑豊かな環境空間である国分寺崖線や等々力渓谷を初め、商業拠点で良好な市街地が広がる二子玉川エリアなどの影響について十分配慮するように、引き続き意見をしていくとともに、区内における地域の課題など、またその工事の進捗やプランの時間軸についても、適切にこれを進めていけるように伝えていきたいと思っております。  外環道東名以南の整備により、区内の交通環境の向上や物流の円滑化などが期待されることからも、この東名以南の計画を早期に具体化するように、今回の意見交換形式による場を好機としながら、しっかりと意見を述べて行動してまいりたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、未来への投資、教育の充実の四本について順次お答え申し上げます。  最初に、学校給食無償化についてでございます。  学校給食は、児童生徒の健康の保持増進を図るとともに、食に関する正しい理解を深める上でも生きた教材として活用されており、大変重要な役割を担っております。  現在、国におきましては、教育に係る無償化についての議論が始まっており、幼児教育や高等教育におきまして既に一部無償化が始まっている状況を踏まえ、小中学校におきましても、保護者の負担軽減施策は重要なものと捉えております。  学校給食の無償化の検討につきまして、この間さまざまなシミュレーションを行っております。また、加えてどのような無償化のあり方が望ましいのかということも検討しているところでございます。  御提案の件につきまして、子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援の揺るぎない土台をつくる上で重要な問題提起と受けとめております。現在、無償化のシミュレーションを重ねる中で、財政負担の面を含め、より慎重な検討が必要であると認識しているところですが、次の議会を目途に一定の見解を整理してまいりたいと考えております。  次に、児童館の役割と今後の方向性についてでございます。  児童相談所の移管によりまして、区ではこれまで以上に量、質ともに幅広く子ども・子育て家庭への相談支援に当たることになり、その中では、虐待等の問題の早期発見と関係機関との連携体制や子どもの居場所づくり等が重要なポイントの一つであると考えております。  児童館は、日常的に子どもや保護者が利用し、イベントや事業で職員と接し、交流していることから、日ごろの信頼関係に基づく相談のしやすさや日常活動の中での問題の気づきなど、早期発見、見守り等の支援を行うとともに、幅広い地域の活動団体や関係機関とのネットワークを構築しております。  今後、児童館はこれらの特性を生かし、地区におきます子ども・子育て家庭への相談支援の核となる必要がございます。具体的には、日常活動等で把握した個別の問題を子ども家庭支援センター等と共有、連携して見守り等の個別の支援を行ったり、地区で求められております地域資源、例えば中高生の居場所や学習支援など、まちづくりセンターの三者と連携して開発するソーシャルワーク機能の強化が重要でございます。  そのためには、地区におきます相談支援の拠点であるまちづくりセンター三者との連携をより強めながら、地区、地域で顔の見える関係づくりの視点を含めた運営を進めることが重要であり、各まちづくりセンターの管轄ごとに児童館機能を整備する必要があると考えております。  今後は、外部委員によるあり方検討や関係所管との調整などによりまして、児童館に必要な機能や規模、整備の手法等について整理をし、整備の考え方や進め方をお示ししてまいります。  次に、新BOP学童クラブにつきましての時間延長の件でございます。  新BOP学童クラブの運営時間につきましては、多様な保護者の働き方への対応から時間延長を望む声があることを踏まえ、本年三月の在籍者に対しまして、時間延長の利用の有無とその理由等についてアンケートを実施いたしました。アンケートにつきましては現在分析中ですので、大まかな内容になりますが、延長を利用するとの回答は四九%、延長を利用しないとの回答は三一%、三年生まで利用したいという回答が五七%ございました。また、延長により子どもと一緒に帰宅できるという意見がある一方、子どもが一人で帰宅、留守番等ができるようになったため、利用しないとの意見もございました。  このアンケートからも、多様な働き方による一定の時間延長ニーズがあると判断し、モデル事業の実施に向けまして、利用対象や条件、要配慮児童への対応、延長に伴う指導員や責任者の人員配置や確保、実施校、子どもの自立支援との整合等について、早急に具体化を図ってまいります。  モデル実施校につきましては、利用人数や駅からの距離、施設及び職員の状況などを勘案し、五校程度を本年九月を目途に選定したいと考えております。また、職員体制の確保や利用される御家庭の送迎方法や意向の確認などを行う時間が必要であると考え、三十一年度当初からの開始を予定したいと考えております。  今後は、モデル事業を実施する中で、利用料や配慮が必要な児童の利用等の課題の検討、利用状況の分析を行うとともに、利用者へのニーズや就学後の不安解消への効果等に関するアンケートの実施等、検証作業を進め、必要に応じまして事業内容の見直しを行い、本格実施に向けて取り組んでまいります。  最後になりますが、休日、夜間の保育に関してでございます。  休日・夜間保育につきましては、子どもの最善の利益を第一に考えた上で、保護者の働き方の多様性にも目を向け、施策を展開していくことが必要と認識してございます。  まず、休日保育につきましては、希望者も多く、予約がとりづらい状況があることから、次年度増設を図ってまいりたいと考えております。夜間保育につきましては、利用が見込まれる方の業種や就業状況、実施園の立地や保育時間の実施時間帯など、世田谷区に適した夜間保育がどのようなものであるかということをしっかりと把握することが必要だと考えております。  このため、次期子ども計画策定に当たりましての今年度実施するニーズ調査を活用いたしまして、夜間保育施策の検討を行ってまいります。この検討と並行いたしまして、現行各園で実施している延長保育の時間延伸や新規開設園での延長保育の実施などにつきましては、地域ニーズを踏まえながら、各園に対しまして働きかけを行い、三十一年度に向けて拡充をしてまいりたいと考えております。  以上です。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、観光と国際交流のマッチングにつきまして、国際観光交流協会の設立という御質問にお答え申し上げます。  昨年度の訪日外国人は二千八百万人を超え、その経済効果は四兆四千億円に達するとも言われております。世田谷区におきましても、下北沢を初めとする生活拠点、また世田谷線沿線などにおいても、外国人旅行客を見かけることが多くなっております。  区では、東京二〇二〇大会も見据え、こうした外国人旅行客も含めた来訪者や区民に、世田谷が持つ魅力を伝え、また迎え入れる体制を整えることにより、にぎわいや交流を促進していく必要があると認識しております。  区と産業振興公社では、観光施策として、多言語対応の観光ホームページや観光情報サイト「LIVE JAPAN」でのページ開設、ホームパーティー事業やプロモーションビデオの作成等を実施するとともに、現在、観光ボランティアの育成や外国人おもてなしセミナー等の準備を進めておりますが、こうした事業を進めるに当たっては、多文化共生や姉妹都市交流を超えた多様な国際交流を進めようとしている国際交流部門と緊密に連携をして進めてまいります。  観光事業を担う責任ある組織としましては、御提案のDMOを含め、株式会社、公益財団法人、一般社団法人、NPO法人等、さまざまな形態があり得ると考えられますが、まずは二〇二〇年を目指し、産業振興公社が民間事業者との連携を深めながら効果的な事業を打ち出すとともに、組織体制のあり方についても検討を進めてまいります。  以上でございます。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 三点の御質問に御答弁させていただきます。  まず最初に、幼児教育の充実についてです。  私どもは、昨年七月に世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンを策定し、本年四月スタートの第二次世田谷区教育ビジョン・第二期行動計画のリーディング事業の一つに、家庭教育への支援と幼児教育の充実を掲げ、乳幼児期の教育、保育の充実に取り組むこととしております。  質の高い幼児教育を受けることがその後の生活に影響を及ぼすという研究成果が諸外国では示されておりますが、予測困難な未来を生き抜く力を子どもたちが身につけていくためには、遊びや生活を通して自己肯定感や忍耐力、人とかかわる力など、非認知的能力を育むことが重要と考えております。  区といたしましては、昨年度視察したイタリアなどの先進事例を参考にしながら、子どもの主体性を大切にした質の高い教育、保育の実現に向け、取り組みを検討してまいります。  今後、教育総合センター内に設置予定の乳幼児教育支援センターを中心に、世田谷の特色を生かした乳幼児期の教育、保育について、関係所管、関係機関とも連携しながら、実効性のある施策展開を進めてまいります。  次に、図書館改革について二点御質問いただきました。  まず、今の図書館で本の力を発揮させることができるのかという御質問です。  先般の予算特別委員会におきまして、韓国へ行政視察した際の感想として、まちづくりなどにおける本や図書館が持つ力を強く感じたというお話をさせていただきました。これからの図書館のあり方として、本の持つ力を改めて認識し、第二次図書館ビジョンの基本理念である知と学びと文化の情報拠点として図書館の公共性の観点に立ち、魅力ある図書館づくりをさらに進めていかなければならないと考えております。  図書館サービスをより充実させるためには、民間の力も活用してまいりますが、経堂図書館、世田谷図書館での実績を検証しながら、引き続き検討してまいります。  また、公共性の担保として、選書やレファレンスなど行政が責任を持って行うべき役割があると考えておりますので、職員の充実したレファレンスや事業者のマネジメントに対応できる専門性の確保にもあわせて取り組んでまいります。  第二次世田谷区立図書館ビジョン第二期行動計画では、平成三十三年度までに新たに四館で民間活力の導入をお示ししております。多様な民間活力による運営体制を検討し、魅力的で効率的な図書館運営を目指してまいります。  最後に、中央図書館と梅丘図書館の図書館改革についての御質問です。  中央図書館は、図書館ネットワークの中枢であり、豊富な蔵書数や高度な専門書をそろえた蔵書構成、さらには充実したレファレンスの確保などが求められます。また、時代を見据えた空間を生かしたにぎわいの場や居場所の提供など、さまざまな視点からの検討も必要であると考えます。  このような基本的な考え方に基づき、今年度は教育センター移転後の機能拡充について基本計画の策定に取り組みます。基本計画の策定時には、図書館運営の実績がある事業者も同時に選定し、レイアウトや施設利用などに民間事業者のアイデアとノウハウを取り入れてまいります。  また、多くの方々が参加して策定した梅丘図書館の基本構想につきましては、それを基本にして、今年度基本設計に着手します。現在、設計の支援業務を委託するために、事業者選定を進めております。  以上のように、中央図書館と梅丘図書館は設計の段階から民間の運営事業者の視点を施設のハード面にも反映させ、また区民の皆さんからの意見も伺いながら検討してまいります。  図書館ビジョンに基づき、中央図書館を拠点として、多くの本に出会う世田谷を目指してまいります。  以上でございます。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、大介護時代に備えての質問三点に御答弁いたします。  初めに、小規模多機能型居宅介護の整備についてです。  小規模多機能型居宅介護は、高齢者の在宅生活継続を支援するとともに、介護者の負担軽減を図る大変重要なサービスと認識し、区では、二〇二五年に向け、看護小規模多機能型居宅介護を含め、二十七地区の整備を目指しており、現在、十二地区で十五事業所が運営しております。  今年度より未整備地区の整備を促進するため、未整備地区を対象とした区の上乗せ整備費補助の増額を図るとともに、オーナー型整備を補助対象に加えるなど、補助制度を拡充しております。  また、比較的小さな土地でも整備が可能なため、民有地の活用が進むよう、土地所有者や不動産関係者等に対し、引き続き補助制度の周知に努め、積極的に働きかけてまいります。  さらに、梅丘地区会館など転用可能性のある公共施設や公有地活用の機会を積極的に捉え、計画的な整備を推進してまいります。  次に、認知症対策条例についてです。  高齢社会が今後ますます進展し、認知症高齢者が増加する中、認知症施策を総合的かつ計画的に推進することは大変重要な課題の一つであると認識しております。  区では、第七期高齢者保健福祉計画介護保険事業計画で認知症施策の総合的な推進を七つの計画目標の一つに位置づけ、国の新オレンジプランとも整合を図りながら計画的な施策の推進に取り組んでおります。  認知症専門医や学識経験者、介護事業者、家族などが参加する認知症施策評価委員会で、認知症施策の評価、検証を行い、当事者の社会参加プログラム開発事業、認知症緩和ケアプログラム研修、認知症初期集中支援チーム事業など、施策のさらなる充実を進めてまいります。  認知症対策条例につきましては、国の仮称認知症施策推進基本法制定の動向を注視しながら検討してまいります。  最後に、フレイル予防についてです。  フレイル予防は、早期発見に努め、介護予防に積極的に取り組むことが重要であると認識しております。区では、基本チェックリストを活用して、心身の状況把握、支援が必要な方の早期発見に努め、筋力アップや口腔機能向上、低栄養予防などに取り組んでまいりました。社会とのつながりがフレイル予防で重要なため、世田谷いきいき体操などのグループ活動や身近な地区で交流できるつどいの場づくりなどをまちづくりセンターあんしんすこやかセンター等の三者連携の中で推進しております。  また、第七期介護保険制度改正で新設されました通所サービスの栄養改善加算など、専門職による要介護者への自立支援、重度化予防を進めるとともに、健康長寿を目指し、低栄養予防など、高齢者の主体的な介護予防の取り組みを進め、役割を持ち、活躍できる地域づくりに一層取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、二点について、まず一点目、住宅宿泊事業者登録についてお答えいたします。  初めに、良質な民泊を行う事業者が登録できるような事前相談体制の強化についてお答えいたします。  世田谷区におきましては、六月十五日の住宅宿泊事業法の施行に向けて、六月十一日現在で事前相談件数が六百九十一件、それに対し届け出数が五十一件となってございます。  御指摘の住宅宿泊事業者からの事前相談件数と届け出数との差につきましては、本年三月十五日の届け出受け付け当初、国土交通省に登録した管理業者数が少なかったために、家主不在型の事業者からの届け出数が伸びなかったことや、営業日数の上限が百八十日であるなど、法律による明確なルールが課せられることによる事業者の採算性の判断などさまざまな理由があると推測されます。  また、事業者からの問い合わせにつきましては現在、個々の住宅の状況により、必要書類や記載内容を個別具体的に御案内し、丁寧に個別対応を行っております。  さらに、区のホームページでの御案内や住宅宿泊事業者向けに住宅宿泊事業ハンドブックを作成するなど、より事業者がスムーズに届け出が行える環境づくりに努め、健全な民泊の普及を図ってまいります。  次に、無届け事業者の取り締まりについてでございます。  住宅宿泊事業の無届け事業者は、旅館業法違反となります。取り締まりにつきましては、現在、区民等からの通報を受け、現場調査、訪問、手紙のポスティング等、保健所で調査を行い、営業者を確定し、指導を行っております。  また、旅館業法は、住宅宿泊事業法と同様に、六月十五日に改正法が施行され、無許可施設への自治体の立ち入り権限が付与されることから、営業者への指導を一層徹底してまいります。  さらに、今後は、区内四署の警察署に情報提供を行い、情報の共有化を図り、連携して取り組みを進めてまいります。  続きまして、二点目、自殺予防対策について若者への効果的な取り組みの推進につきお答えいたします。
     区の自殺死亡率は、国や都に比べ下回るものの、厚生労働省が公表している自殺統計によると、平成二十九年は世田谷区で百十四人の方がみずから命を絶っております。その約三割を三十九歳以下が占めており、三十歳未満の自殺率は全国平均に比べやや高いこと、また、特に若年層では自殺が死亡原因の上位を占めることなどからも、若い世代への自殺予防の推進は区の喫緊の課題と認識をしております。  現在区では、区民向けゲートキーパー講座を開催しており、また、地域医療と連携した医療従事者向け講座にも取り組んでおります。一方、思春期世代が匿名、予約なしで相談できるこころスペースを毎月開催し、窓口には相談しやすくするために、若者ピアサポーターを配置しております。  なお、自殺対策基本法の改正により、区市町村にも自殺対策計画策定が義務づけられ、区では当該計画の策定に向け、現在準備を進めております。若い世代への対応を含め、より効果的な自殺予防対策の推進を目指してまいります。  以上です。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、自殺予防対策として、SOSの出し方の教育についてという御質問に答弁させていただきます。  命を守る大変重要な御質問をいただいたものと受けとめております。  区の取り組みですが、今年度、区立の全小中学校では、東京都が作成しました映像資料、DVDを活用しまして、SOSの出し方に関する教育について、一時間以上の授業を実施しております。  授業では、児童生徒がDVDを視聴し、ストレスに対するさまざまな対処方法や強いストレスに対応するためにどのように相談するかなどを話し合う活動を行っています。  また、教師用の資料としまして、気になる様子の児童生徒を見取るチェックリストですとか、悩みや不安を抱く児童生徒へ接する際の言葉かけ例、重大な事案が発生した場合の学校の対応例などを各校に配付しております。  今後、こういった内容について子どもの人権を守る第三者機関のせたホッとへ情報提供を行うとともに、保護者とも共有し、家庭と学校が一体となって悩みを抱えた子どもたちの助けを求める声を受け止めることができるよう、しっかりと連携してまいります。  以上でございます。 ◎松村 施設営繕担当部長 私からは、公共施設における耐震診断の優先度についてお答えいたします。  区では、平成七年より、防災上重要な区の施設から順次耐震診断を実施し、対策が必要な施設については耐震補強などを行い、耐震性を確保してまいりました。  しかしながら、このたび、希望丘小学校におきまして、既存校舎内の改修に当たり耐震診断を実施したところ、構造耐震指標Is値が平成七年の実施結果と相違する数値となりました。これを受けまして、先般、議会に御報告させていただいたとおり、希望丘小学校と同様の考え方に基づき耐震診断を行った三十一施設につきまして、実施体制や発注方法を工夫し、本年八月から一年以内を目途に耐震性能の再確認を進めていく予定でございます。  なお、三十一施設につきましては、三グループに分け、診断を実施してまいりますが、今回の希望丘小学校における結果を踏まえ、同校と同時期に、体育館棟の診断を行った学校から診断作業に取りかかり、順次、速やかに診断を進めてまいります。  以上でございます。 ◎淺野 教育次長 私からは、耐震の関係の体育館への影響、それから希望丘小の対応の二点につきまして御答弁申し上げます。  希望丘小学校の体育館では、部分的にではありますが、極めて構造耐震指標が低かったことから、教育委員会として、児童の安全確保を第一に考え、体育館の使用を中止いたしました。  このたびの再診断の取り組みでは、小中学校の十四校の体育館が対象になっており、診断結果次第では、それぞれの学校において学校運営等に大きな影響が出てくることは、教育委員会としても認識をしております。  このため、体育館が使用できない場合の代替施設の確保につきましては、既に学び舎を中心に検討を進めております。また、耐震補強工事等につきましては、極力短期間で終わらせ、学校運営への影響を軽減してまいりますが、一方で、騒音や振動なども発生する場合は、夏休み期間などを利用せざるを得ない状況もございます。それぞれの学校ごとに状況も異なってくると思いますが、児童の安全を第一に考えるとともに、代替施設の確保や工事期間の短縮に努めながら、教育委員会として学校への支援を図ってまいります。  次に、希望丘小学校の今後の対応でございますが、既存校舎については耐震補強工事等を今年度の夏休みから開始し、安全性を確保していくとともに、三十一年度には全ての補強工事を終える予定にしております。また、体育館については、既存体育館の耐震補強か、新たに体育館の建設を行うかなど、幾つかの選択肢を検討しております。一方で、希望丘小学校では教室数の不足も懸念され、増築の必要もございます。  これらの条件を踏まえまして、保護者や地域の皆様への情報提供と丁寧な説明に努め、早急に結論を出してまいりたいと考えております。  以上です。 ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、東京二〇二〇大会に向けたプロデュース室の設置につきまして御答弁申し上げます。  区では、「二〇二〇年に向けた世田谷区の取組み」を平成二十九年に策定し、観光やスポーツなど八つのテーマに沿った取り組みを進めているところでございます。  今般、その取り組みに区民や企業、大学などの民間の方々との具体的な連携を迅速に実行するため、本年三月に、庁内関係部に外郭団体を加えた事業推進プロジェクトチームを新たに設置したところでございます。その中で区は、アメリカ合衆国のホストタウン、共生社会ホストタウンであることに加え、キャンプに訪れるアメリカ合衆国の選手と区民との交流事業を実現するため、アメリカオリンピック委員会と交渉する具体的な企画案をまずは検討しているところでございます。  東京二〇二〇大会に向けてのテーマはまさに区全般にわたり、大会一年前の同時期に区内の機運を盛り上げるイベント等を実施するなど、庁内の連携調整、そして外部の協力連携が欠かせません。そのため、各部長で構成されます庁内推進本部、プロジェクトチームを推進エンジンとして、これまで経験したことのない交渉にアメリカ大使館や日米協会などの力もかりながら、お話にありました扇のかなめの役割をスポーツ推進部で担ってまいります。  以上でございます。 ◎小山 道路・交通政策部長 私からは、道路整備につきまして三点お答え申し上げます。  まず、補助五四号線Ⅰ期の進捗状況です。  下北沢周辺の補助五四号線のⅠ期区間につきましては、平成三十三年度の事業完成を目指し、取り組んでいるところですが、区内有数の商業地であり、一つの建物に多くのテナントが入居していることもあって、調査や補償説明に多くの労力を費やしております。  用地取得に当たっては、事業の必要性を相手方へ丁寧に説明し、進めているところですが、商業地での営業継続、生活再建を望まれる方が多く、代替地の取得も含めて取り組む必要があり、時間を要しております。  お尋ねのⅠ期区間の用地取得率につきましては、平成二十九年度末の段階で土地開発公社取得用地分も含めますと約三割でございます。  今後につきましては、駅前の食品市場の土地収用に一定のめどがついたことから、これまでの人員投入を補助五四号線のほうへシフトさせております。また、補償説明等、業務の外部委託も活用して、用地取得のスピードアップにつながるよう全力で取り組んでまいります。  次に、Ⅱ期、Ⅲ期の事業化検討についてです。  補助五四号線のⅡ期及びⅢ期区間は、高低差の大きい複雑な地形上に計画されているため、平成二十八年度には計画道路と周辺の地形との関係を調査して、道路構造に関する法令等との適合状況を確認するなどの作業を実施しました。  引き続き、平成二十九年度には都市計画道路区域内及びその周辺の土地や建物の所有者などの権利関係調査並びに上下水道や、ガスなどのライフラインの埋設状況の把握等を行っております。  これらの調査検討により、高低差処理の構造検討が必要になる箇所の特定や、実際に道路を整備する際に、埋設物の整理が必要となる箇所なども明らかになりましたが、道路整備については、法令等の基準値内での整備が可能であるとの結論を得られております。  区では、補助第五四号線のⅡ期及びⅢ期区間につきまして、これら基礎的な調査をこれまでに実施いたしましたが、今後は、区の財政状況やⅠ期区間の事業進捗状況、また区全体の効果的な道路網形成の視点から、優先的に事業に取り組むべき路線の抽出などを勘案し、当該区間の事業化のめどについて総合的に判断してまいります。  最後に、主要生活道路第一〇六号線についてです。  主要生活道路一〇六号線につきましては、この道路の全線開通を待つ地域住民の声も長きにわたって届いており、区としても早期開通を目指しております。  区は、これまで相手方に対して、生活再建についてさまざまな御提案をするとともに、粘り強く事業に対する御理解を得るために努力を続けておりますが、残念ながら合意できていない状況でございます。  一方で、事業の長期化は避けなければならないことは明らかであり、区は相手方の自主的な移転に向けて働きかけを継続しておりますが、行政代執行の可能性も排除せず、今年度は執行基本計画の案をまとめる準備を進めているところでございます。  本件につきましては、合意に基づく解決が何よりも望ましいことから、単に法による手続の準備を進めるだけでなく、引き続き、粘り強く働きかけてまいります。  以上です。 ◎知久 保育担当部長 私からは、区立保育園跡地の活用についてお答えいたします。  区立保育園は、今後の保育園施策推進のための保育施設再整備方針に基づき、平成三十一年度以降、老朽化する十カ所の区立保育園を対象に、区立拠点園や統合園として五カ所に統合する計画を進めております。  統合移転後の区立保育園跡地の活用について、同方針に基づき、地域における保育需要等が見込まれる場合に、私立保育園の新規整備や認可外保育施設の認可移行のための用地等として民間へ貸し付けを行うこととしておりますが、地域の保育需要の状況等から地域内の保育施設が充足していると判断される場合は、他用途への転換等、区全体としての有効活用を図ることとしております。  依然として厳しい状況が続く低年齢児を対象に、保育施設整備を進める必要があると認識していることから、区立保育園跡地の活用は、私立保育園整備を基本としつつも、御指摘のとおり、地域における保育需要等をより精査した上で、保育園整備の可否について判断してまいります。  以上です。 ◎岩本 政策経営部長 私からは、都立高校跡地の今後について御答弁申し上げます。  旧都立玉川高校跡地は、お話しのとおり、三十一年度中に東京都公文書館の仮庁舎用地としての利用が終了し、三十二年度中には玉川総合支所の仮庁舎用地としての利用も終了する予定ですが、現在のところ、その後の跡地の活用について、東京都から具体的な案は伺っておりません。跡地のある二子玉川駅周辺地区は、商業、文化、交流等の機能を備えた広域生活・文化拠点に位置づけており、近年、人口増の傾向も続いております。  三十一年度には、地区の区域の見直しを踏まえ、用賀地区からの分割も予定しており、目指す地区像の実現や人口動向に対する活用を検討する必要があると考えております。  東京都とは適時情報交換を行いながら、まずは当該地区の施設需要などをもとに必要な施設や機能の整理検討を進めるとともに、整備手法や財政面の検討もあわせて行い、区としての活用の方向性をまとめた上で活用の可否や条件面など、都の意向を確認してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎田中 生活文化部長 私からは、高齢者の交流機会の創出に関連して、ふじみ荘について及び公共施設の浴室についてあわせて御答弁いたします。  老人休養ホームふじみ荘は、年間四万人を超える方が来館されており、特に大半の方が利用される浴室、食堂、大広間、マッサージは高齢者の方々の憩いの場として、また交流機会の創出にもつながっているものと考えております。一方、開設から四十八年が経過し、前回の大規模改修から約三十年たっていることから、適切な改修工事が必要な時期に来ているものと認識しております。  こうしたことから、施設改修の見込みを踏まえて、今年度からの指定管理期間を三年間と設定し、関係所管とも連携しながら、民間資本を導入した整備手法の可能性や機能の見直しなども含めて幅広く検討を進めているところでございます。  今後も、引き続き高齢者の健康増進、孤立防止などの観点から、施設のあり方について検討し、適切な運営管理に努めてまいります。加えて、浴室があり、入浴の機会を提供できることは、高齢者の心身の健康増進にとって重要であることから、他自治体などの事例も参考にしながら、地域資源の発掘、活用なども含め、憩いの場、交流の場のあり方を研究してまいります。  以上でございます。 ◆五十番(高橋昭彦 議員) 答弁いただきましたが、何点か再質問させていただきますね。  学校給食費の無償化についてです。さきの議会で所得制限の具体的なシミュレーションを提示して検討を進めると前向きな答弁がありました。今回は、子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援の揺るぎない土台をつくる上で重要というふうに言っておきながら、より慎重な検討が必要であると認識しているという、余りにも後ろ向きな答弁に変わったのはどういうことなんでしょうか。これは副区長が答弁していただいたわけですけれども、区長はどう考えているのか、教育ジャーナリストとして必要だというような見解を持っているんだろうと私は信じていたんですが、見解をいただきたい。  二点目、国際観光協会、これまで何度も議論しているのは、今まででは攻めの観光政策は打ち出していないんじゃないかということを言っているわけです。今回の答弁で、下北沢や世田谷線沿線などでも外国人旅行客を見かけることが多くなったと余りにものんきな答弁、まずは産業振興公社が二〇二〇年を目指して効果的な事業を打ち出しますみたいなことを言っていますけれども、二〇二〇年まであと二年、最も消極的と言わざるを得ません。観光も国際もこのままでいいと思っているのか再答弁を願いたい。  三点目、高齢者の交流機会の創出についてですが、ここでは風呂と浴場について触れました。我が党は、昔、がやがや館の整備について第二ふじみ荘ということで、風呂を整備しなさいということを以前言っていたんです。だけれども、隣に風呂屋があるから、民業圧迫だということで一歩引いたんです。一歩引いたのが間違いだったと思っているんですけれども、その後、公衆浴場がどんどんどんどん閉鎖されている。銭湯がないという状況にもなっている。  港区では、さっき言いましたけれども、風呂と交流室がある施設、高齢者の交流施設いきいきプラザというのが十六施設ある。渋谷区も調べました。渋谷区ははつらつセンターという名称で三カ所ある。そして、地域交流センターという名称で五カ所、合計八カ所こういうところがある。町田市もそうですよ。町田市では、高齢福祉センター、ふれあい館というのが六館あるんですよ。  どこも介護予防に資するという考えで行っていると。先ほど述べましたフレイル予防という中には、孤独は肥満より健康に悪いって言っているんです。高齢者の死亡リスクを高めるというんです、孤独は。だから、そういう意味では、こういう非常に重要な、これからは発想を転換して世田谷区は進めなきゃいけないというものだと僕は思うんですけれども、これは高齢福祉部長にぜひお答えいただきたい。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 高橋議員の再質問にお答えをいたします。  学校給食無償化についてであります。  御提案の件につきましては、先ほど宮崎副区長から答弁を申し上げたとおり、対象者や財政負担の点など、さまざまな観点からシミュレーションを行って、次の議会をめどに具体的な方向性を整理いたします。  御提案いただいている未来への投資、教育の充実、大変重要な観点でありまして、これからの、今日本で生まれた昨年の子どもが九十四万人ですか、百万人を切ったと思ったら、もう九十四万になった。非常に少子化の中で、歯どめをかけて反転させていきたいという点からも、その子どもたちやその家庭を支援していくという重要な政策だと認識をしています。御意見を踏まえ、今後、義務教育に係る負担の軽減策について具体的な案をお示しさせていただきます。  また、国の東京を標的としたふるさと納税、地方消費税、法人税、こういった際限なき財源収奪をはね返し、財源確保に総力を挙げてまいりたいと思います。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 それでは、観光事業に関する再質問にお答えをいたします。  先ほど御答弁申し上げましたが、観光事業の推進体制につきましては、二〇二〇年という機会をぜひ活用して、インバウンド対策を前提といたしまして、産業振興公社が民間事業者、特に民間事業者との連携が非常に重要だと思っておりますが、この連携を深めながら、効果的な事業をぜひ前向きに進めていきたいと考えております。  以上でございます。 ◎瓜生 高齢福祉部長 再質問に御答弁いたします。  公衆浴場が減少している中、近隣自治体の公衆浴場とも連携しておりますが、高齢者の静養、健康保持や社会交流のため、身近なところで集え、入浴ができる場の確保は大変重要な課題と認識しております。  高齢者の交流の場として、地区会館やふれあいの家、特別養護老人ホームの地域交流室、有料老人ホームなどの場を活用して、会食会、サロンや地域デイサービスなどのさまざまな活動が行われております。  一方、高齢者福祉施設の入浴設備の利用については、施設利用者の感染症などの点、公衆浴場法や介護保険法などの規制がありますので、研究が必要と認識しております。  今後とも、特養ホームの施設整備の際には、地域の方々が利用できるよう、地域交流室の整備を進めるとともに、有料老人ホームや地域の大規模団地の集会所など、地域の社会資源の活用も含め、高齢者が集える場の確保に努めてまいります。  以上でございます。 ◆五十番(高橋昭彦 議員) 期待している半分、期待ができないなという部分もありますけれども、瓜生さん、あんなちっちゃい区でたくさんのそういう入浴(「あんなちっちゃい区」と呼ぶ者あり)言っちゃいかぬか。世田谷区よりも小規模なところで、多くのところでこういうことをやっているわけですよ。本気になって、研究じゃなくて、検討してください。ぜひよろしくお願いします。  以上で終わります。 ○三井みほこ 議長 以上で高橋昭彦議員の質問は終わりました。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 次に、世田谷立憲民主党・社民党を代表して、三十五番中村公太朗議員。    〔三十五番中村公太朗議員登壇〕(拍手) ◆三十五番(中村公太朗 議員) 立憲民主党・社民党、プラス晴れて無所属になりました藤井まなを代表いたしまして、質問をしたいと思います。  学校を初めとした施設が耐震基準を満たしていない可能性が生じて以来、最優先課題として、議会側は行政の対応に特段の注視をしてまいりました。先般、常任委員会で正式に状況報告がなされ、三十一施設を一年ほどで診断完了させるという診断計画の発表について、従来よりも迅速な区の姿勢には、それだけ重大事と捉えている点も含めて一定の評価をしています。  とはいえ、対象校の保護者や子どもたちに不安が広がっているのは事実で、診断にかかる期間はそのまま工事の完了に影響しますから、一カ月でも、一日でも診断期間を縮める努力が求められています。また、万が一にも診断結果が安全値に達しなかった際の一日でも工事完了こそが何より重要であることは言うまでもありません。診断スケジュールの公表だけでは不安解消にはなりませんし、工事については診断結果が出てからその後対処を検討しますというのでは話になりませんから、工事が必要となった際にはどんな速度で実施をされ、また費用はどのように捻出をするつもりなのか、あらゆる可能性を想定しながら全体を把握できる計画を明示すべきです。  費用負担については、今回補正予算で計上されている診断費が四億七千万円、診断結果が判明をしないと実際の工事にどのくらい予算がかかるのかわかりません。区の持ち出しを軽減すべく補助金の獲得を模索するのは結構ですが、まかり間違っても、都や国と財政面での綱引きをしている間に悲惨な事故が起きてしまったなどということがないように、従来の学校改築改修計画を一年後ろ倒ししてでも財源を捻出して、最優先で工事着手をすべきと考えますが、区の見解を問います。  行政のチェックが我々区議会の大きな仕事である以上、使われているのが区民の大事な税金である以上、対象が特定の誰かへおかしな偏りをしたり、その根拠や効果が曖昧な税金支出については徹底的に問題提起をしてきました。以下、順次質問します。  昨年から続く談合問題は、区内事業者が手をとり合って区民の税金を食い物にしていた極めて悪質な事件で、入札制度の抜本的な見直しだけでなく、区内事業者育成という区の姿勢にも一石を投じかねない事態だと捉えています。談合という不法行為の危険性については長いことテーマにしてきましたが、今回の事件が発覚する前までの区のぬるい状況認識、それに裏打ちされたかのような談合に関する議会質問へのかわりばえのない答弁、黙認していたのではと勘ぐりたくなるほどの甘過ぎる対策に、改めて行政には猛省を促します。  一方で、今般の事例をけがの功名とするのであれば、発覚以降、迅速に厳しくした監視体制や罰則に満足することなく、世田谷から違法な入札を徹底排除するためのルールづくりを聖域なく検討、実施すべきです。特に前後百年でも類を見ない予算規模となる本庁舎の入札は、誰が見ても真っ白な形で完遂をされなければいけません。区の状況認識と今後の制度改革の見通しを伺います。  また、名称に監視とつきながら、ほぼ何もできない入札監視委員会の位置づけを明確にし、必要であれば、実務的に監視ができる別機関を創設すべきと考えますが、区の見解を伺います。  さまざまな団体に交付されている補助金について、これまで幾度も指摘してきたような疑義を生ずる余地と実例がある現在の状況は極めて深刻で、早急に是正すべき問題です。まず、区民の税金である以上、政治的中立性の確保は最低限の要件であるべきところ、今の運用は惨たんたる状況です。モリカケ問題を例に挙げるまでもなく、交付団体の政治的な偏りは恣意的な補助金交付決定すら疑われかねません。全ての補助金要綱への政治的中立性厳守の明文化と、反する行為が確認された際の交付取り消し及び返還請求まで含めた管理体制がなぜできないのか、区の見解を伺います。  岡山で活動実態がない幽霊消防団員への一千四百六十万円もの長年にわたる補助金支給が問題となりました。世田谷では大丈夫なのか、また同様に、活動実態がないにもかかわらず支給され続けてしまうおそれがある区の補助金はないのか、チェック体制は万全なのか、あわせて伺います。  最後に、先般、国際交流をテーマとした催しに際し、飲食提供を伴う税金使用がありました。特定の区民や一部区内団体しか声がかかっていない中での飲食提供はせっかくのテーマに大きくブレーキをかける事態で、国際交流の拡大について先頭に立って推進をしてきただけに非常に残念です。今回のケースは補助事業ではなく、区所管の直轄事業ということですが、行政は、自分たちが使うのも、補助金の使途をチェックするのも、相当認識が甘過ぎるのではないでしょうか。いかなる場合においても、税金で行われる事業においては、飲食禁止もしくは参加者自己負担を徹底すべきですが、区の見解を問います。  予算委員会で多くの会派から問題提起があったプレミアム付区内共通商品券は、まさに不公平ででき上がった代物です。六五%が大型店で使われていたという調査結果も出され、そもそもの行政目的すら空振りであることが判明をしました。一般枠ではなく、高齢者や福祉の優先枠を充実すべきだとか、商品券にかわる産業支援へと移行すべきだとか、さまざま指摘がされたばらまき政策ですが、行政も空気の変化をしっかり感じていることかと思いますし、大いなる節目を迎えています。
     我が会派としては、不十分にもほどがある効果検証と、さまざまな不公平リスクを排除できない販売システム、その他多くの問題を理由に即時廃止をすべきとのスタンスで一貫をしています。いずれにせよ、予算委員会でも指摘をしましたが、早急に抜本的な見直しが必要であり、あれから約三カ月が経過をして区として具体的に何が検討されたのか、また今後のスケジュールも真摯に示すべきですが、区の見解を問います。  次に、民間活用について質問します。  世田谷区が官民連携に力を入れ始めてから三年目を迎えています。宅配ポストの設置を皮切りにさまざまな取り組みが始まっており、区の予算を抑えながら、民間の知恵や協力で整備される新しい住民サービスのさらなる誕生に心から期待をしています。一方で、そろそろ企業からの提案を受けるだけでなく、区が抱える特有の課題解決にこそ民間の力を活用し、一緒に取り組むべく、テーマ設定型官民連携に注力をする段階だと思います。他自治体に比べても先行している官民連携の今後の発展に向け、区のビジョンをお示しください。  また、こうした流れを受ける形で、外郭団体のあり方自体もこれまで以上に大きく議論をされなければいけません。毎年多額の税金が投入されている事業が本当に必要なのか、それは外郭団体でしかできないものなのか、より疑問符のつく時代に突入をしていくのではないでしょうか。区として、外郭団体の今後、統廃合も含めてどうしていくのか見解を問います。  区民に直接届くサービスだけでなく、庁内環境の改善にも民間の活用は進めていくべきです。  民間人材の登用は硬直化した区政運営に大きな変化をもたらしてくれると期待をしていますし、将来の区政を担う若手職員の活性化については、これまでも多くの提案をしてきました。使い古されたシステムと、それに疑問を持たずに日々をこなす人材では、ミスをしない点にはたけているかもしれませんが、新しく生み出すものはないでしょう。職員の魅力的な成長は区政のサービス向上に直結をすると確信をしていますから、視野を広く持って柔軟な発想ができるよう、民間の充実した研修プログラムを活用すべく、受講生の支援を拡充したり、民間講師の招聘をふやすべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、さまざまなプロジェクトで積極的に若手を活用し、やりがいとチャンスを与えることができる組織づくりを進めてもらいたいと考えますが、現状とあわせて区の戦略を伺います。  二〇〇七年から内部組織として設置をされたせたがや自治政策研究所ですが、シンクタンク機能としてどこまで区政に貢献をしているのか、いまいち効果のほどが見えません。区の基礎的なデータ収集と調査分析が役割に掲げられていますが、データを収集するだけでは何の意味もありませんし、調査分析の成果物である定期的な刊行物は目にしますが、果たしてそれが区の政策に生かされていないのだとすれば、まさに存在自体が危ぶまれます。  研究所は、どの程度区の政策立案機能とリンクをしているのか、現状を伺います。もしほぼ活用されていないのだとして、調査分析能力の問題だとすれば、外部への委託も選択肢かもしれませんし、成果物がしっかりしていながら活用されていないのだとすれば、それは、それを取り入れる政策企画側の問題です。  区は、せたがや自治政策研究所の能力をどのように評価をし、今後どのように活用していくつもりなのか、認識を問います。  先日、会派でAIロボットを使った英語の授業を視察をしに戸田市の中学校へ行ってきました。生徒たちが喜々としながら授業を楽しんでいる様子は、それだけでこの取り組みが自発的かつ前向きな授業として成功していると実感ができましたし、そうした中にも課題と可能性の両方を見ることができて、非常に勉強となる機会でした。今、日本のおくれた英語教育を解消していこうと、民間の進んだプログラムを積極的に取り入れるなど、さまざまな取り組みが自治体の努力で始まっています。学年ごとの英検取得率を明確な達成目標として掲げる学校もあります。  世田谷区としては、どのような手法で、どのような目標設定をし、独自の英語教育推進に向けて取り組んでいくつもりなのか、具体的な展望を求めます。  また、教育センターの二階に整備される多文化体験コーナーは、これからの鍵を握る極めて重要な施設になると捉え、以前会派で視察をした大阪のイングリッシュビレッジを念頭にさまざま提案をしてきましたが、区が進める英語教育の中でどのような位置づけとして機能させていくつもりなのか伺います。  英語を使ったただの文化発信施設は要りませんし、圧倒的な英語教育貢献施設となるようなグランドデザインと、結果が追及される運用とすべきです。  日本人の英語は、ペーパーテスト向けの書くや読むは比較的できても、聞く、話すが弱いと言われていますが、体験型だからこそ、そうした点を克服をし、英語を使ったコミュニケーション能力を伸ばすことができるよう、明確な目標設定が必要です。初年度は小学四年生の課外授業としてスタートをするようですから、そこに絞った効果判定を稼働前から準備しなければいけませんが、区の見解を問います。  オリンピックまで約二年となり、それに背中を押される形での民泊がいよいよあさってから施行されますが、世田谷は閑静な住宅街であり、さまざま懸念する声が多いのは、ここにいる全員が御存じのとおりです。  姉妹都市との小中学生相互派遣におけるホームステイ受け入れについては、もちろん金銭のやりとりがないボランティアでの受け入れにもかかわらず、ぜひ海外の子どもを家に招いて貴重な経験にしたいとの御家庭が多く、二十九年度は五人の受け入れ枠に対して実に八十四世帯が受け入れ希望するという超高倍率になっています。子どもに限らず、日常的に英語に触れる機会をもっとふやすべきで、ホームステイ型民泊は多少のコミュニケーションは発生し、事業スタイルとしての方向は従来のホームステイに近いものがあるかもしれませんが、金銭が絡む以上、その目的や効果が営利に引っ張られかねません。  金銭よりも貴重な経験を望む純粋な思いをお持ちの方々が少なくない世田谷の特性を生かし、民泊文化が世田谷のよさを損なう形で定着をする前に、ホームステイ文化の醸成を積極的に推進すべきです。  余り知られていないようですが、世田谷区には、姉妹都市や区内大使館経由での訪日外国人のホームステイ受け入れを橋渡しをするホームステイボランティア家庭登録制度があります。残念なことに登録数は現状五十五世帯という状況ですから、周知方法を根本的に見直せば、需要にマッチした非常に魅力的な政策に生まれ変わるのだと思っています。ぜひ登録家族数の増加に加えて、受け入れ外国人の数もふやすことができるよう、さらにまた可能であれば世田谷からも同様にホームステイ派遣ができるよう、関係各所と綿密な打ち合わせをすべきと思いますが、区の見解を伺います。  小中学生の海外派遣もそうですが、あくまで区の制度を窓口としてスタートしたホームステイの関係が、毎年お互いに行き来するようなつながりへと発展し、都市間の交流を超え、個々人同士、家庭同士のきずなになっていくことこそが、真の交流として目指すべき理想の形だと確信をしています。改めて、世田谷が国際交流を通して目指す将来像を伺い、次の質問に移ります。  ものづくり学校の契約期間終了が来年七月と近づいてきました。都内初、民間主導での廃校を活用したインキュベーション施設が世田谷に誕生してから十四年が経過をすることになります。現在でも、パン祭りの盛況など、一部のにぎわい創出としての実績は定着をしています。一方で、平日の施設は閑散とし、本来目的である起業支援や産業振興の結果がなかなか見えてこず、この機能がいつまで必要なのか、区の援助に見合った成果が出せているのかなど、さまざま指摘されてきたのも事実です。  特に我が会派として、検証、分析がされずに効果が曖昧なまま支援を続ける区の産業政策については抜本的な政策転換が必要だと問題提起をし、経済産業部の新設を提案してきた経緯があります。ものづくり学校についても、ちゃんと起業家が育っているのか、巣立っていった企業がその後どうなっているのか、区民の雇用にはつながっているのか、区への還元はどういった部分でなされているのか、あの立地と広さに見合う活用と効果が達成をされているのかなど、明らかにされなければいけない点が山積をしています。まずは当該施設の効果検証が現状どうされているのか伺います。  もし万が一、これまで経済産業の視点が欠如し、効果の分析を怠っていたとするのであれば、この機能を継続するかどうか議論する以前の問題ですから、やるべきことをやり、それを議会に報告をした上で、初めてその方向性が議論をされるべきです。耐震基準を満たしていない可能性も出てきた当該施設を区は一体どうしていくつもりなのか、さまざまなスケジュール感を含め、お聞きをいたします。  最後に、再生可能エネルギーへの転換について質問します。  あの震災から七年以上が経過をしましたが、いまだ復興は道半ばです。一番電力を消費している東京都民であればこそ、原発事故を忘れずに新たな社会をつくっていく責務があり、誰よりもその先頭に立たなければいけません。保坂区政になって以降、三浦健康学園を太陽光発電所へと生まれ変わらせたことを初め、エネルギーを通じた自治体間連携や水素ステーションの設置など、エネルギー政策の大転換を目指して先鋭的に取り組んできました。一方で政府は、原発再稼働を推し進め、ゼロだった原発は現在四基が再稼働し、玄海原発四号機は六月中にも運転開始をしかねない状況で、危険な日本が次々と復活をしています。福島第一原発を初めとした廃炉についても遅々として進んでいません。  世田谷が再生可能エネルギーへの大転換を進める理由は、地球温暖化対策であると同時に、原発事故を絶対に繰り返さないためだと明確に示し、再稼働や廃炉の現状と進捗をエネフェスなど区内の環境イベントを活用し、もっと発信することで、区民がエネルギー問題について、日常的に、そして身近に我が事と捉えて考えるような環境を整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 中村議員にお答えをいたします。  まず、官民連携についてでございます。  本年度は新実施計画後期がスタートし、区の重点政策を推進する新たな取り組みが始まる初年度となります。各施策の取り組みを着実に推進するとともに、大きな成果を獲得するために、事業の推進と展開に当たって、民間とのマッチングを進める大変重要なポイントだと思います。このため、新実施計画後期の行政経営改革の取り組みの中で官民連携を重要な取り組みと位置づけており、民間からの提案についてその効果を見定めた上で積極的に受け入れることが必要だと考えています。  施設の整備において、新たな手法の開拓や経費の抑制などを目標にしまして、民間の企業に対して公開サウンディング調査、これを行う準備などを進めているところであります。また、民間からの提案を待つだけではなく、テーマを設定して官民連携を進めるべきだという提案も受けとめ、今後、民間の知見やネットワーク、そして、区民の中に非常に幅広く潜在するさまざまな人的資源、NPOも含めて、そういった力をより活用するように指示をしてまいりたいと思います。  次に、原子力発電所の問題、エネルギー政策について御質問をいただきました。  残念ながら、まだ国のエネルギー政策につきましては、原発依存を継続するということを土台に置いておりまして、将来に向けた電源構成比率についても、再生可能エネルギーの主力電源化を目指しながら、まだその原発については依存を続けると、こういう内容になっております。  議員御指摘のように、東京電力福島第一原子力発電所の事故の原因も、次々と爆発をし、また炉の中で何が起きているのか、七年前、七年半前になりますか、あのときに何が起きていたのかということもまだ全てわかっていない。そしてまた、廃炉への道も描けない中で全国の原発の再稼働に向かっている姿には大変な危機感を覚えます。先日、新潟県知事選挙結果がございました。ただ、出口調査では、県民の七割以上が再稼働に反対だと。まさに知事は交代をしてきましたけれども、福島第一原発事故の検証、そして、メルトダウンなど重大事態のときの避難経路の確保、こういったことに明確な回答をという新潟県の取り組みは大変重要な問題提起だと捉えています。  区では、環境基本計画で、「自然の力と人の暮らしが豊かな未来をつくる~環境共生都市せたがや~」と掲げておりまして、省エネルギーや、地産地消の議員御指摘の自治体間連携を柱として、再生可能エネルギーを世田谷区内でもっともっと使おうと、ポテンシャルを高めようとしているところでございます。新しい国の環境白書では、川場村木質バイオマス発電の電力を区民が購入する仕組みについて、先進的な取り組みとして紹介をされました。現在は、弘前市と締結をしたメガソーラー発電の電力購入者募集に取り組んでいるところでございます。まだこれらの規模は世帯数においては非常に小さいんですが、しかしながら、一つの手法として確立をし出しているので、今後、世帯数において、この弘前市や川場村のような何十世帯ではなくて、かなり幅の広い世帯数に再生可能エネルギーを届けるということも可能になり、そのことによって原発依存ということを一日も早く脱する状況づくりを私としても牽引をしていきたいと思います。  区民の皆さんが環境とエネルギーについてしっかりと学び、また、創造するきっかけとなる環境イベント等でもっとしっかりこういったエネルギー政策の根幹を示してはどうかという提案もいただきました。しっかり受けとめて、二十一世紀のこの日本が、今後、絶対に繰り返してはならない原発事故を二度と起こさない社会の創出に向けて、こういった機会も活用してまいりたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、まず外郭団体の存在意義につきまして御答弁申し上げます。  官民の連携が進展し、またソーシャルビジネスの普及などによりまして、民間企業、NPOなど公共的なサービスの担い手がより充実してきており、外郭団体を取り巻く社会環境は大きく変化しております。その意味では、改めまして、第一、第二、第三セクターのこの第三セクターの概念についてがかなり問われていると思っておりまして、今までの外郭団体におきます法人の性格も検証する時期に来ていると認識しております。  区は、外郭団体改革基本方針に基づきまして、外郭団体が専門性の確保やノウハウの蓄積を進め、区民サービスの充実、拡大の役割が果たせるよう、改革の推進に取り組んできたところでございます。今後も、外郭団体改革を着実に推進するため、世田谷区新実施計画後期におきまして外郭団体の見直しの方針を示したところで、外郭団体の経営基盤確立やガバナンス強化に向けた指導、調整を行うこととしております。  御指摘の団体の事業再編につきましても検討を進めておりまして、今後、外郭団体が担うべき役割を明確化した上で必要な見直しを進めてまいります。  次に、自治政策研究所についてでございます。  せたがや自治政策研究所は平成十九年四月に開設いたしまして、発足当初より、人口や世帯の変動など、世田谷区の社会的特性の把握や地方自治推進に資する基礎研究を中心に取り組んでまいりました。共同研究にも力を入れておりまして、平成二十六年度には、情報政策課との共同研究として世田谷区におけるオープンデータの推進を、平成二十八年度には、子ども・若者部、教育委員会との共同研究として子どもの放課後の居場所としての新BOPをそれぞれ研究論文にまとめております。また、昨年度までの三年間、家族をテーマに取り上げ、シンポジウムの開催を通じまして広く問題提起を行うとともに、例えば平成二十九年度の研究論文、経済的困難に直面する若年女性たちでは、政策充実に向けた具体的提案を試みており、研究所としてのスキルは少しずつ上がってきているものと思っております。  区の設置するシンクタンクとして、研究成果の区政への還元につきましては、特に共同研究の成果の具体化が進んでいないなど、まだ課題もあると認識しており、庁内で抱えるさまざまな政策課題に対しまして、各種統計資料を用いた支援など、具体的な取り組みをさらに進める必要があると考えております。  今年度から、将来人口動向に応じました自治体経営のあり方に関する研究プロジェクトを立ち上げまして、各領域管理職、若手職員の参加を得て進めていくこととしております。今後より一層、庁内所管の政策立案に資するよう、研究所の取り組みの充実を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  まず、プレミアム商品券についてでございます。  本年三月に策定した今後十年間の世田谷区における産業のあり方を示した世田谷区産業ビジョンでは、そのありたい姿の第一に、「住み慣れたところで、充実した日々がおくれる活力あるまち」を掲げまして、商店街の公共性の深化や商店街の魅力向上を取り組みの方向性としております。  御指摘のプレミアム商品券は、こうした政策の方向性や区内の景気動向などを踏まえ、区民の消費意欲の向上と区内商店街での買い物促進を目的に、平成二十一年度以降は、毎年、区として世田谷区商店街振興組合連合会が実施する事業を支援してまいりました。しかしながら、この間、区議会におきましても、事業目的の観点からの効果検証、区民間での公平性の問題、大型店での利用率の偏りなど、さまざまな御指摘をいただいているところでございます。  区といたしましては、こうしたさまざまな御指摘を踏まえまして、この事業の趣旨から事業のあり方を十分に精査すべく検討を進めているところでございます。今後とも、引き続き区議会の御意見をいただきながら検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、ものづくり学校の今後についてでございます。  区が本年三月に策定しました新たな世田谷区産業振興計画において、起業・創業支援の推進を重点項目と位置づけており、世田谷区産業振興公社、世田谷ものづくり学校、金融機関等の支援機関と連携しながら起業・創業支援に取り組むこととしております。  今後は、創業の場の紹介等や、今の社会環境に即し、ソーシャルビジネスや地域ビジネスを進め、スタートアップやベンチャー企業等を含めた創業者に対する総合的な支援が必要であると考えております。そのためには、相談事業や技術的・財政的支援などのアドバイザー等の配置を新たに行うなど、創業希望者を育てる仕組みを整え、さらに創業後のフォロー体制も強化する必要があります。あわせて、IOTやVRなどの新しい技術、ビジネスについての講座の開催や、事業者との連携の強化、さらに次世代を担う子どもたちへのものづくりの普及などが重要であると考えております。  また、国の産業競争力強化法の改正では、創業支援事業に加え、創業機運醸成を高めることが追加される予定です。こうしたことを踏まえ、ものづくり学校につきましても、若年層、女性や高齢者に対する創業支援の機運の醸成を図るなど、多様な観点から検討し、事業の見直しの必要があると考えております。一方で、ものづくり学校がある旧池尻中学校は、耐震性能再確認施設に該当しておりますので、今後の方向性につきましては、施設の耐震診断の状況を踏まえた上で、これまでの成果をきちんと評価し、今後の事業内容をお示ししてまいります。  以上でございます。 ◎松村 施設営繕担当部長 私からは、耐震診断の期間の短縮等、その後の対応の計画についてお答えをいたします。  今回の希望丘小学校の耐震診断の結果を踏まえまして、同校と同時期に同様の考え方に基づき耐震診断を行った教育施設二十九、区長部局施設二の計三十一施設につきまして耐震性能の再確認が必要となりました。この再確認につきましては、安全安心の観点から早急に対応しなければならないと認識をしております。  区は、診断を早急に進めるための体制の確保や、三十一施設を三つのグループに分けて、各グループの工程をずらして発注するなどの工夫によりまして、本年八月から一年以内を目途に耐震性能の再確認を進めていく予定でございます。さらに診断作業におきましては、診断基準で認められている範囲で過去の診断データを使用することなどで、できる限り迅速化を図り、一日でも早い診断作業の完了に努めてまいります。また、再診断の結果、対策が必要になった施設につきましては、適切な時期に区民への正確な情報提供に努めるとともに、関係所管と連携をしながら、補強設計から補強工事へと迅速に実施できる体制の構築や予算措置を行い、スピード感を持って取り組んでまいります。  以上です。 ◎松永 財政制度担当参事 私からは、学校改築・改修を一年後ろ倒ししてでも財源を捻出して最優先で着手すべきという点にお答えをいたします。  再診断の結果が出ていない現時点では、具体的な経費の見通しなどをお示しすることは難しい状況ではございますが、仮に対象施設の多くで耐震補強工事が必要となった場合には、一時的に財政負担が生じることが想定されます。  現段階で考え得る財源確保の対応といたしましては、例えば緊急性を考慮した上で、必要に応じて予防保全工事の実施を先送りするなどの対応などが考えられます。今後、再診断の状況に応じて財政見通しとの整合を図る上で、学校改築・改修などについて診断途中においても一定のシミュレーションを行う必要があると考えております。  いずれにいたしましても、施設の安全性の確保に向け、迅速に対応していかなければならないと認識しており、本定例会において再診断経費についての補正予算案を御審議いただくところですが、今後、補強工事などの対策が必要となった場合には、適宜補正予算による対応を含め、スピード感を持って進めてまいります。  以上でございます。 ◎進藤 財務部長 私からは、入札談合につきまして二点お答えを申し上げます。  最初に、取り組みと今後の対策についてです。  入札談合は、入札参加者間の公平かつ自由な競争を通じて受注者や受注価格を決定しようとする入札システムを否定するものであり、予算の適正な執行を阻害し、納税者である区民の利益を損ねる行為であると認識しております。区では、平成七年度までに、それまでの請負業者指名停止基準を世田谷区指名停止基準として全部改正し、談合等不正行為を行った者について一定期間指名の対象外とする措置を定めるとともに、平成十一年二月に制定した世田谷区談合情報取扱要綱において、契約に係る談合情報に対する区の取り扱いを定めるなど談合防止に取り組んでおります。  昨年度、五月と七月に談合情報が寄せられたことを契機に、入札手続の一層の透明性と公正性を確保するため、談合情報取扱要綱を改正し、談合情報の調査の要否を判断する基準の新設と警察への相談の明文化をしたほか、事情聴取書及び誓約書の様式も改めました。また、談合等不正行為に対する区の毅然とした姿勢を明確にし、入札参加者の談合抑止力を高めるため、指名停止期間の最長を三十六カ月とする指名停止基準の改正や、契約約款に基づく賠償金を契約金額の十分の三とする増額改正に取り組んでまいりました。  こうした中にもかかわらず、ことし三月に指名停止事案が発生したことを踏まえ、今後さらにこれらの取り組みを徹底するとともに、区議会を初め、入札監視委員会等の御意見をいただきながら、さらに入札制度の改善に取り組み、談合抑止力のより一層の強化に努めてまいります。  次に、実質的に監視のできる別機関の設置についての御提案をいただきました。  地方自治体の入札監視委員会は、国が示す入札監視委員会等第三者機関の運営マニュアルにおいて、警察や公正取引委員会等とは異なり、刑法の談合罪や独占禁止法違反事案に係る調査を行う専門機関ではなく、強制捜査権、また、違法行為を認定する権限を持たない機関であることが明記されております。  そのため、区では実質的に捜査権等を有するような第三者機関を設置することはできません。こうした中で、例えば現在の入札監視委員会において、複数年度連続して発注している契約事案を抽出し、その入札結果や入札参加者の傾向を分析することにより、談合防止につながる入札制度のあり方や仕組みなどについて検討することも考えられます。  別機関の設置というお話もございましたが、今後、どのような方法がより実効性のある入札監視の体制となるのか、御質問の趣旨も踏まえ、検討してまいります。  以上でございます。 ◎岩本 政策経営部長 私からは、まず税金の使途について順次答弁を申し上げます。  最初に、補助金交付に関する政治的中立に関してでございます。  補助金交付規則では、担当者の責務として、公正かつ有効に使用されるように努めなければならないと規定しているところであり、補助金が区民の税金で賄われるものであることを留意し、公平性や透明性を確保し、厳正に事務処理を行わなければならないものと認識しております。  お話しの補助金の対象となっている事業が行われる中で公平性が損なわれる疑いが生じることは、補助金交付の原則に照らし課題があるものと認識しているところです。一方で、補助の対象事業や経費がさまざまであり、補助金の交付決定や実績報告の確認の仕組みの中で、お話しいただいたように、政治的活動の取り扱いなどを一律に規定することには課題があり、必要に応じて個別の補助要綱に記載することが基本であると考えております。区民の皆様に誤解を与えることのないよう、適正な補助金制度の運用について庁内に周知してまいります。  次に、岡山市の事例を含め、補助金等のチェック体制について御答弁申し上げます。  岡山市における活動実績のない消防団員に報酬が支払われていた事例では、岡山市消防局が報酬を団員の口座に支払っていたけれども、消防団分団側で団員個人の口座の通帳を管理し、飲食等の費用に不適切に使用していたものでございます。  世田谷区では、消防団は都の管轄となっておりますが、所属する人数や世帯数等に基づき補助額を算定するケースとしては、例えば町会・自治会等補助金や高齢者クラブ助成金などございますけれども、いずれも、事業実施主体者に対し、名簿等を確認した上で基本的に直接お支払いを行っているほか、補助金の使途についても実績報告等により内容を精査しており、同様の事例はないものと認識してございます。  また、補助金の区のチェック体制でございますが、補助金の交付に当たりましては、規則や要綱等に基づき、申請者に事業計画や収支計画を提出させ、担当所管において、法令適合性や目的、内容が適正か、金額の算定に誤りがないかなどについて審査をしております。あわせて、補助事業等について、公益上の必要性や補助事業者に遂行能力があるかなどの調査を行った上で交付の決定をしております。また、補助事業が完了した時点で、実績報告書により補助事業の成果と収支計算に関する事項などを確認の上、補助金の交付が適正だったかを審査しています。その結果、必要に応じて精算を行い、さらに実績が交付決定の内容を満たさない場合には交付の一部を取り消すなど、厳格な運用に努めております。さらに、定期的に各部において補助金の見直しに係るガイドラインに基づく見直しを行っておりますので、その中で補助対象となる団体の活動実態や実績についてもチェックをしているところでございます。  次に、税金による飲食の提供について御答弁を申し上げます。  区が公費により飲食等を提供するケースといたしましては、例えば夕刻から開催される審議会等の会合や区民まつりなど、事業内容によっては持ち場を離れることができない場合などに、一般需用費により弁当や軽食を提供している例がございます。  今般のバンバリー市長一行の歓迎レセプションにつきましては、区民によるおもてなしをテーマに、バンバリーマラソンの参加者やバンバリー市にゆかりのある区民の方々に企画委員としてさまざまな企画を出していただきました。また、歓迎レセプション当日は、昨年度バンバリー市に派遣された小学生などにも集まっていただいており、企画プログラム全体の中で飲食の提供を行ったものと認識してございます。  飲食の提供については、具体的な事業目的や参加者に求める役割を踏まえ、懇親会の必要性、経費の妥当性など各事業所管において判断するものと考えております。地方公共団体におきましても、その活動において食料費の支出は許容されるものと認識しておりますが、公費により飲食を提供する場合、事業の円滑な実施を図る上での必要性、妥当性について慎重に判断し、社会通念上必要と認められる範囲で行うべきものと考えております。  最後に、若手職員の積極的活用について御答弁申し上げます。  区ではこれまでも若手職員の活用を図り、柔軟な発想での政策の立案や業務の改善を進めてきました。職員研修において、二十八年度より若手職員による職場活性化をテーマに若手職員研修を実施しているほか、昨年度も、新実施計画後期の策定に向け若い職員を中心とした研究会を立ち上げ、若い世代の参加と協働の促進などをテーマに、職場推薦のメンバーで二回、三十五歳以下の無作為抽出の職員で一回研究会を実施したところでございます。  先ほど副区長より御答弁申し上げました自治体経営のあり方を研究するプロジェクトチームにおいても若手職員を活用し、二十年先の区政を担う当事者として積極的に役割を果たしていくことを期待しているところでございます。今後も、このような若手職員の活用を進め、組織と職場の活性化に努めてまいります。  以上でございます。 ◎岩元 玉川総合支所長 私からは、消防団の補助金に関しまして、消防団員の確認方法について御答弁を申し上げます。  消防団員の在籍につきましては、玉川地域においては、事務局であります玉川消防署において適切に確認をしております。月一回の団点検の際に一次的な確認を行うとともに、事務局の消防署が調整して、消防団の三大事業であります消防団ポンプ操法大会、消防団合同点検、消防団始式におきまして団員としての確認をしてございます。また、家族の介護や、本人、家族の疾病等が原因で長期間活動できない場合におきましては、分団長を通じて事情を確認し、休団扱いにしております。また、休団扱いとして一年経過した場合におきましては、再度分団長と事務局が面談等を行い、長引く場合につきましては退団とすることとしております。  以上でございます。 ◎中村 総務部長 私からは、職員研修における民間活用についてお答えをいたします。  区の職員研修では、個々の研修の目的に応じて、行政内部の講師と外部の講師を使い分けて活用し、より高い効果を図っております。具体的には、地方自治や区政概要、公務員倫理などの基礎的な知識の習得や、財務、文書、情報セキュリティーなどの実務にかかわる知識、技法の習得においては内部講師を活用する一方で、接遇や事務改善、コミュニケーション力向上など民間のほうが進んでいる分野では、そうした民間の視点や考えを取り入れるため、積極的に民間事業者を活用しております。  二十九年度実績では、内部講師による研修は三十三件、民間講師による研修は二十六件となっております。今後も民間の研修事業者や講師を積極的に活用するとともに、民間の方々とともに受講できる研修や、企業に職員を受け入れてもらう民間派遣研修の実施なども検討し、さらに職員研修を充実させ、人材育成、組織の活性化につなげてまいります。  以上です。
    ◎工藤 教育政策部長 私からは、英語教育につきまして、一括して御答弁をさせていただきます。  まず初めに、これまでの取り組みですけれども、世田谷区では、小学校の一年生から四年生及び中学校全学年にALTを、小学校五、六年生には英語活動支援員の配置をしてまいりました。また、中学校においては、外部指導員を活用した放課後の英語教室であるイングリッシュタイムを年間二十回行うなど、子どもたちが英語に触れる場の充実に取り組んでまいりました。  今年度からの取り組みですけれども、小学校の英語につきましては、高学年の年間授業時間数を三十五時間から七十時間にふやし、短時間学習において英語のストーリーや歌などの映像を見ながら学べるICT教材を導入し、繰り返し英語を聞き、話す機会の拡充を図っております。また、新たに小学校四年生を対象とした多文化体験コーナーにおける英語学習を九月から実施しまして、学校で学んだ英語を体験的に活用し、楽しみながら学べるようにするなど、区独自の取り組みも進めているところでございます。  教育委員会としましては、今後とも校長会と連携しまして、世田谷区独自の取り組みを一層充実させ、子どもの英語の話す、聞く力を高め、英語で自分の気持ちや考え方を伝えようとする態度の育成や、海外に出て活用しようとする意欲の向上を目指してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎田中 生活文化部長 私からは、ホームステイ事業の推進について御答弁いたします。  東京二〇二〇大会に向け、多様な宿泊先の確保が課題になっておりますが、区では平成十八年度より世田谷区ホームステイボランティア家庭登録制度を実施しており、姉妹都市との小中学生交流事業やマラソン交流事業などで来日された方に御利用いただくなど、海外都市との友好親善を進める上でも重要な役割を果たしてまいりました。  ホームステイは、日本を訪れた外国人が受け入れ家庭でのコミュニケーションを通し、日本の文化や生活様式を体験しながら信頼関係を構築する貴重な機会となるだけでなく、御家庭にとっても、外国人との触れ合いを通した国際理解や語学力の向上など、さまざまな効果を生み出すものと考えております。区民の国際交流への機運が高まる中、ホームステイ事業の持つ地域の国際交流を推進する意義なども踏まえ、一層の周知、登録家庭の増加に努めてまいります。  また、世田谷区民が利用する姉妹都市などのホームステイにつきましては、現行の教育やマラソン交流事業以外での利用の可能性に向け、関係機関とも検討してまいります。  以上でございます。 ◎久末 経済産業部長 私からは、ものづくり学校のこれまでの成果と分析について御答弁申し上げます。  世田谷ものづくり学校は、開設以来、時代に合った創業支援を行い、創業支援ブースの設置やITの普及に伴い、オフィスがなくとも起業、創業できるコ・ワーキング・スペースを区内でいち早く設けることで起業創出の機会を向上させてまいりました。また、運営事業者が持つネットワークを活用し、さまざまな事業者とのマッチングを行う等、創業したばかりの事業者の支援を行ってまいりました。  世田谷ものづくり学校は、廃校活用として、ものづくり事業者、クリエイターの創業を支援する民間活用事例というビジネスモデルになっており、国内外からも企業、自治体が多く視察に訪れ、一定の評価がされていると思っております。また、ものづくり体験ができる場として、児童生徒を初め、教員やものづくり事業者に対し、プログラミング講座や、新産業や技術に関するセミナーの開催、3Dプリンターやレーザーカッター等、デジタル機器を使ったものづくり事業の普及啓発や技術の習得について実績を積み重ねてきていると評価しております。  一方、これまで創業支援ブース退去後は六十一名の方が区内、区外で事業を継続しましたが、その後、本年五月に調査したところ、区内で事業継続をされている方が二十一名、区外で継続している方が二十六名、廃止された方が八名、その他転職、不明が六名となっております。退去後に区内で事業を継続するための場の相談やフォロー等までは踏み込んでおらず、必ずしも全員が区内事業に結びついていないことなどが課題となっておりますが、新しい時代に向けて多様な観点から検討してまいります。  以上でございます。 ◆三十五番(中村公太朗 議員) では、最後にちょうど出たので、ものづくり学校から言いますが、今、最後に数字を挙げていただいたことがまさに全てを物語っているのかなと思います。区の財産を使って創業支援をしているわけですけれども、支援ブースを卒業して起業した会社が六十一名、六十一社と言えばいいんですかね、そのうち区内で創業したのが二十一社ということで、三分の一なわけですよ。これは条件に入っているんですよね、区内で起業してくださいねと。六割裏切っているというんですかね、違うことやっているわけですよね。この時点でもう既に、本来区のものを活用して、区が予算を投じるというよりは安く提供をして、環境よく、求めているものが破綻をしているという状況なわけですから、いい点で言えば、独立した二十一社、区内で行っている二十一社は今のところまだ継続をしているということのようですから、雇用で世田谷区民を雇用しているかどうかはわかりませんが、そこにつなげていくためにそもそも十四年前にスタートをしたはずなわけなので、それが管理できていないということ自体、区も問題もあるでしょうし、運営事業者の問題もあるかと思いますので、しっかりとこれは継続というか、先ほどいろいろとまた新しいことをやるんだみたいな方向性でありましたけれども、その前にちゃんと本当にどうなっているんだということを検証しない限り、しっかりと報告しない限り、やはりすんなり認めるという状況にはなり得ないと思っておりますので、指摘をしておきます。  それから、るる述べた補助金については、どこからどこまでが違法なんだとか、行政はここまでしかできないという議論をいろいろさせていただきましたけれども、やはり最終的に実績報告書を提出されたことによって完遂をするということでは多分ないんだと思うんですよね。抑止及びチェック、こういったものがどう機能できるかということがやっぱり重要になってくるんだろうと思いますから、もちろん抜き打ち検査とまでは言いませんが、ただペーパーで審査、オーケーして補助金を出して、終わったのも、ペーパーで提出されたものを見るだけということでは、はっきり申し上げて、実際の補助事業の達成も、先ほど言った政治的なさまざまな動きも含めてチェックはできないと思いますので、ちゃんと制度を設計し直すように改めて申し上げて、終了します。 ○三井みほこ 議長 以上で中村公太朗議員の質問は終わりました。  これで本日の代表質問は終了いたします。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明十四日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時二十分散会...