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平成29年  9月 決算特別委員会-10月10日-05号

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  1. 世田谷区議会 2017-10-10
    平成29年  9月 決算特別委員会-10月10日-05号


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    平成29年  9月 決算特別委員会-10月10日-05号平成29年 9月 決算特別委員会 平成二十九年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第五号 日 時  平成二十九年十月十日(火曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十五名)    委員長       安部ひろゆき    副委員長      津上仁志    副委員長      たかじょう訓子              石川ナオミ              おぎのけんじ              加藤たいき              上山なおのり              河野俊弘              菅沼つとむ              真鍋よしゆき              三井みほこ              山口ひろひさ              山内 彰              ゆさ吉宏
                 和田ひでとし              板井 斎              岡本のぶ子              河村みどり              佐藤弘人              高久則男              高橋昭彦              諸星養一              風間ゆたか              そのべせいや              中塚さちよ              中村公太朗              羽田圭二              藤井まな              江口じゅん子              桜井 稔              中里光夫              村田義則              大庭正明              田中優子              桃野よしふみ              阿久津 皇              小泉たま子              佐藤美樹              高岡じゅん子              田中みち子              あべ力也              上川あや              すがややすこ              ひうち優子              青空こうじ  出席事務局職員           議事担当係長 岡本俊彦  出席説明員   副区長            宮崎健二   世田谷総合支所 副支所長   皆川健一           生活支援課長 三浦与英           保健福祉課長 安永もと子           健康づくり課長                  河島貴子   北沢総合支所  副支所長   西澤 滋           生活支援課長 小林清美           保健福祉課長 佐久間 聡           健康づくり課長                  淺見一雄   玉川総合支所  副支所長   笠原 聡           参事     畠山明美           生活支援課長 藤原彰子           保健福祉課長 亀谷智惠子   砧総合支所   副支所長   桐山孝義           生活支援課長 箕田裕子           保健福祉課長 山本久美子           健康づくり課長                  相馬正信   烏山総合支所  副支所長   清水昭夫           生活支援課長 三羽忠嗣           保健福祉課長 奈良部晴美           健康づくり課長                  石崎泰江   保健福祉部   部長     板谷雅光           地域包括ケア担当参事                  岩元浩一           生活福祉担当課長                  木本義彦           指導担当課長 中里 忍           国保・年金課長                  和田康子           保険料収納課長                  太田一郎           臨時福祉給付金担当課長(国保・年金課長兼務)                  和田康子   障害福祉担当部 部長     松本公平           障害施策推進課長                  竹花 潔           障害者地域生活課長                  加藤康広   梅ヶ丘拠点整備担当部           部長(保健福祉部長兼務)                  板谷雅光           梅ヶ丘拠点整備担当課長                  須藤剛志   高齢福祉部   部長     瓜生律子           高齢福祉課長 柳澤 純           介護保険課長 相蘇康隆           介護予防・地域支援課長                  髙橋裕子   子ども・若者部 部長     澁田景子           子ども育成推進課長                  尾方啓美           児童課長   好永 耕           保育課長   後藤英一           保育認定・調整課長                  有馬秀人           保育計画・整備支援担当課長                  菅井英樹           子ども家庭課長                  松本幸夫           若者支援担当課長                  小野恭子           副参事    長谷川哲夫
      世田谷保健所  所長     辻 佳織           副所長    伊藤美和子           健康推進課長 鵜飼健行           感染症対策課長                  長嶺路子           生活保健課長 山本恵造     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  認定第一号 平成二十八年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定  認定第二号 平成二十八年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第三号 平成二十八年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定  認定第四号 平成二十八年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第五号 平成二十八年度世田谷区中学校給食費会計歳入歳出決算認定福祉保健委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○安部ひろゆき 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 本日は、福祉保健委員会所管分の決算審査を行います。  なお、本日の委員会について撮影の申し出があります。報道関係者への対応については、既に議会運営委員会において、会議の運営に支障を来さず、かつ報道の公平性を保つ、照明を使用しない、報道の腕章を着用する、指定した場所から撮影をする、傍聴者を撮影する場合は傍聴者全員の了承を得ることを条件に原則として許可することと決定しております。  なお、さきに開催いたしました決算運営委員会においても許可することとなりました。  当委員会においてもこの条件で許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○安部ひろゆき 委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。  それでは、質疑に入ります。  日本共産党、どうぞ。 ◆江口じゅん子 委員 おはようございます。日本共産党の福祉保健領域の質問を始めます。  まず、産後ケアセンターの今後についてです。  さきの区議会本会議において、世田谷区産後ケアセンター事業に関する条例が全会一致で可決をされました。来年四月の区立産後ケアセンター開設に向けて、公募による委託事業者選定が行われており、十一月には決定の見込みです。  当区の乳幼児人口はここ数年増加が著しく、毎年約八千人の新生児が誕生しています。出産の高齢化が進んでいるのも当区の特徴で、平成二十八年度は三十五歳以上の高齢出産が四六・七%を占め、二人に一人という状況です。この割合は年々増加をしています。  母親たちを取り巻く背景はというと、核家族化や母親が高齢ということは、祖父母も高齢で頼れない、また、夫は長時間労働で育児協力者がいない中、子どもと二人きりの密室育児に多くの母親が不安や孤独を感じています。  こうした中、産後鬱など支援が必要な母親たちがふえています。ホルモンの劇的な変化などを要因に産後鬱を発症する母親は十人に一人と言われ、成育医療研究センターの調査では、産後二週間時点で産後鬱陽性者の割合は四人に一人という報告です。産後ケアセンターは、育児不安解消や児童虐待予防を目的につくられましたが、設立から十年たち、その役割はますます重要になっています。  私も産後鬱を経験したということは、この区議会で何度も申し上げております。区の支援の中で、私も産後ケアセンターを利用させていただきました。余談にはなりますけれども、私が議会で産後鬱だったと話すのは、それだけ病気になる人が多いなということを私自身も実感しているからです。この病気を公言する人が、例えばがんなどと比べて絶対的に少ない中、このやりとりを見た方々が、人知れず悩んでつらい思いをしている母親に、元気になった人がいるよ、治療すれば治る病気だよと伝えていただきたいと思うからです。  産後鬱の私も利用することで休息ができまして、母乳育児などに助産師さんが丁寧に指導、ケアを行ってくれ、ほかの母親と交流する中で、自分だけが悩んでいるんじゃないと思えたことなど、このセンターを利用することでつらくて大変な時期、本当に助けられました。  先日、センターの視察を行いましたが、母親たちから、ここに来て元気を取り戻せた、世田谷区民でよかったなどの声を伺いました。センターの質を支えているのは二十四時間常駐している助産師です。産後の母親の回復を促し、育児の自立支援などを行う産後ケアには助産師の専門性が必要です。この点では、事業者公募の条件に、現在の人員配置、職員の継続雇用の協議が明記されており、評価いたします。  一方、センターの年間稼働率はここ数年九六%以上、競争率は高く、宿泊数の限定や二回目以降の利用は難しいのが実態です。やむなく宿泊は諦め、日帰り利用の方もいます。これまでは区民利用枠に外れても、どうしても使いたいという方には、大変高額ではありますが、事業者の独自枠で利用が可能でした。しかし、今後は全十五室が区民利用枠となる予定です。  このベッド数では、使いたくても全ての方を受け入れることは困難と考えます。利用できない区民に対し、区立施設として広く地域の母子支援機能を持つことが必要です。現に数年前までセンターでは一階ホールを利用し、親子ヨガなど、母子が集まるさまざまな場があり、地域のお母様方で大変にぎわっておりました。  ここで伺いますが、センターは虐待予防の二次予防施設の位置づけではありますが、区立施設として地域の母子支援事業が必要と考えますが、区の見解を伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 産後ケアセンターの利用につきましては、条例や要綱にありますとおり、家族などからの支援が受けられず、心身の健康や育児に対する不安がある方を対象としております。利用の必要性の高い方が、情報が届かないために利用ができなかったということがないように、妊娠期面接や乳児期家庭訪問などで適切に御案内をしているところです。  現在、武蔵野大学では、自主事業として、施設の一部を活用して、外部の方も利用できる母乳外来やボディケアサービスを行っております。来年度からの運営事業者につきましても、現在自主事業で活用している部屋のほか、お話がありました一階のホールなどを活用した地域に還元できる自主事業の提案をしていただくこととしており、より多くの方の支えとなる施設として活用してまいりたいと考えております。 ◆江口じゅん子 委員 当区の人口は九十万となっております。そして出生数増加など、先ほど申し上げた状況もあり、やはり宿泊機能を持つ第二の産後ケアセンター、本当に必要になっていると思います。議会でも多くの会派がそれを求めております。  区は国に申し入れを行い、本年八月、厚労省の産後ケア事業ガイドラインにおいて、旅館業法の適用除外となりました。しかし、区民の関心は、それで次の産後ケアセンター設置が進むのかどうか、ここです。区の見解をお伺いします。 ◎松本 子ども家庭課長 産後ケア事業の法的な位置づけがこれからの課題として残されてはおりますが、ガイドラインにおいて、産後ケアセンターのような規模の大きな施設も、条例等で衛生管理基準を定めることで、旅館業法の適用除外とすることが示されたことは前進だと考えております。  産後ケアセンター事業に関する条例が可決され、今後、旅館業法の届け出を行う必要がなくなります。また、将来新たな施設を設置する必要が生じた場合でも、区においてはこの条例が根拠となります。  現在、産後ケアセンターの需要は高く、二回目以降の利用につきましては、全ての希望にはお答えできていない状況にあります。そのため、今年度、委託室数を二室ふやして十三室に、また来年度は区立施設とするに当たりまして十五室として事業を開始してまいります。  今後も世田谷版ネウボラの実施により、利用希望の増加が見込まれることから、医療機関で実施しているデイケアも含め、どういった利用状況となるのか、財政負担も踏まえ、産後ケア事業の拡充の必要性について見きわめてまいります。 ◆江口じゅん子 委員 産後ケアセンター、本当に多くの母親が求めていると思います。ぜひ第二のセンター設立ということについても前向きな検討をお願いいたします。  それでは次に、ゼロから二歳の低年齢児の保育施設整備について伺います。  当区のことし四月の待機児童数は八百六十一名と実に六年ぶりに減少に転じ、三歳児以上待機児はゼロとなりました。この間、区は認可を中心に、量とともに質を大切にした保育園整備に精力的に取り組んでいます。国が規制緩和を中心とした対策で、逆に待機児童がふえる中、質を大切に認可を中心とした区の整備にこそ効果があることを示しています。この間の区の努力は、保護者からも大きく評価をされています。  しかしながら、待機児の内訳は、ゼロ・一歳児が約九五%を占め、大変深刻です。一刻も早い待機児解消を求めますが、質の確保は最重要課題であり、以下、順次伺います。  さきの福祉保健常任委員会で、低年齢児保育施設の促進ということで、ゼロから二歳の本園整備についての報告がありましたが、今後の整備の考え方を伺います。 ◎菅井 保育計画・整備支援担当課長 待機児童がゼロ歳から二歳の低年齢児となっている状況や、これまでゼロ歳から五歳の認可保育園を中心にあらゆる手法で整備を進めてきた結果、主に新設園等において、三歳児以降の幼児枠に余裕が出てきている状況があることなどを踏まえまして、待機児童解消に向け、保育の質の確保を前提に、今後は、ゼロ歳から五歳の認可保育園を中心に整備しつつ、低年齢児に特化した保育施設の整備を重点的に進めていく必要があると考えております。 ◆江口じゅん子 委員 今の御答弁で、質の確保を前提にとありました。区のゼロから二歳児の保育施設の種類はさまざまです。区独自の保育施設である保育室、保育ママ、都の認証、さらに区が許認可を行う家庭的保育所、小規模保育所、事業者内保育所、医療的ケアが必要な子どもの自宅で保育を行う居宅訪問型保育事業があります。本当にさまざまあるということを実感します。求められる面積や人員体制なども施設によりさまざまですが、重要なのは、どの施設でも保育の質ガイドラインに掲げている子どもを中心とした健やかな成長、発達が保障されることです。特に低年齢児になるほど状態の急変や予期せぬ事故が起こりやすくなります。  ことし五月、内閣府が発表した平成二十八年度の保育施設などにおける事故報告集計では、昨年一年間の死亡事故は十三件、このうち認可外が七件を占めました。亡くなったお子さんの年齢はゼロから一歳が十一件、睡眠中が十件です。ここ十年、保育所の死亡事故は年齢がゼロ・一歳、そしてお昼寝などの睡眠中に発生、こうした発生状況は八割を占め、これはここ十年変化はありません。低年齢児保育施設の促進に当たっては、特に乳幼児の命と健やかな成長の保障が必要です。区における保育の質確保の取り組みについて伺います。 ◎有馬 保育認定・調整課長 保育の質を確保する観点から、認可保育所につきましては、児童福祉法や子ども・子育て支援法に基づき、区では平成二十七年度から認可保育所等の運営管理、保育内容、会計経理の三項目に関する指導検査を実施しております。  現在、認可保育所については、新規園を中心に指導検査を実施しておりますが、小規模保育事業家庭的保育事業等につきましては、区が認可と指導検査の両方の権限を有していること等もございまして、例えば新規開設の場合には、新規の施設整備が一定程度進んだ段階で検査に入るとともに、既存園についても原則として毎年一回指導検査を実施しているところでございます。  また、ゼロから二歳を対象とした施設に限りませんが、区の保育士や看護師等が保育施設を訪問し、保育園を支援する観点から、保育内容や安全管理、衛生管理などのさまざまな悩み、質問について、ともに考えていく巡回指導相談を実施しているところでございます。さらに、運動遊び、パネルシアターなどの保育実践、食育、保健衛生講習会などの衛生管理や健康管理、公立、私立の保育の取り組みを発表し、相互に学び合う保育実践フォーラム、新規開設園に対する開設前研修とフォローアップ研修などのさまざまな研修、地域の保育施設間で保育についての情報交換や施設間交流を行う保育ネットなど、保育の質の確保への取り組みを行っているところでございます。 ◆江口じゅん子 委員 現状の取り組みの確認をいたしました。しかし、来年四月までの保育施設の計画数は約一千六百人、昨年度は過去最大約二千人分の整備を行う中で、本当に多くの保育所、区の努力で開設していますが、そのチェックと指導監督を行う区の役割、ますます重要になっていると思います。現状の仕組み、人員体制で本当に大丈夫でしょうか。以前、待機児アンケートでも紹介しましたが、保育の質を落としてほしくないというのは、多くの保護者の強い願いです。区の見解を伺います。 ◎後藤 保育課長 区では、保育課及び保育認定・調整課に保育士、看護師、栄養士を配置し、巡回指導相談、研修、指導検査等のさまざまな手法を取り入れ、保育の質の維持向上に取り組んでおりますが、お話しのとおり、施設数は年々増加しており、将来、現在の人員体制で現状の仕組みを同様に継続していくことには課題があると考えております。  例えば巡回指導相談は、保育士と看護師等の二名ペアで各施設を訪問し、さまざまな相談に対応し、一つの施設について数回訪問しておりまして、来年度は訪問施設数が約二百七十施設となり、少なくとも五百二十回以上の訪問回数となる見込みでございます。  巡回指導相談は、さまざまな悩み、質問を事業者と一緒に、その施設の状況に合った対応を考える身近な相談相手として、保育施設からの相談を受容し、寄り添いながら、きめ細やかに対応することにより、保育施設との何でも相談できる行政機関として、良好な関係を構築しておりまして、質の維持の観点からいたしますと、一定程度の巡回指導相談は必要であると考えております。  区といたしましては、保育課及び保育認定・調整課の指導育成体制の強化とあわせまして、区立保育園が中心となって、近隣の保育施設のより身近な相談相手としての役割を担うことや、保育施設同士の自主的な交流の場である保育ネットの活用などにより、全ての保育施設が質の高い、子どもを中心とした保育を実践できるよう、現場とともに取り組んでまいります。 ◆江口じゅん子 委員 今の御答弁で、巡回指導相談、来年度は訪問施設数が約二百七十施設、少なくとも五百二十回以上の訪問回数となるということで、現場も、大変な労力、人手が必要かなというふうに思っております。しかし、世田谷区の保育の質を支えている一つにこの巡回指導相談はあるわけで、ぜひそれにふさわしい人員体制も要望しておきたいと思います。  そして、ゼロから二歳児の保育施設には、三歳児以降の連携園をどうするかなど、さまざまな問題があります。私もこの間小規模保育所の運営費の底上げや保育室支援など質問も行ってまいりました。区のガイドラインでは、ゼロ歳児から幼児教育は始まっているという位置づけで、保育士のかかわり方やまた集団の中での子ども同士の関係づくりの大切さについて示されております。ガイドラインの趣旨に沿って低年齢児の施設について、しっかり検証する必要があります。  そこで、課題の一つである三歳からの保育所への円滑な接続について伺います。  私ごとではありますが、私の子どもも二歳までの小規模保育所を卒業し、三歳から新しい保育園に入りました。入園前には、親子ともに園長先生による詳細な面談を受けました。しかし、親としては一回の面談で伝え切れなかったことや、保育園には春休みはないので、三月三十一日まで一クラス七名の小さな園にいて、そして翌日、四月一日からいきなり新しい園の大集団に切りかわることに不安も感じました。私と同じ三歳入園組の保護者に伺うと、新しい環境になじむのに子どもなりに時間がかかるし、負担は大きい、こういった声を聞いております。  従来までは、多くの子どもたちは入園から六歳の卒園まで同じ園におりました。また、一昔前でしたら、ゼロから二歳児の保育施設は地域との関係が深い保育室、保育ママが主でした。おのずと卒園後は、同じ地域にある認可保育所へ接続となり、なじみや関係性も高く、円滑な接続もできやすかったと感じます。  その後、低年齢施設の多様化や在籍児童数の増加、さらに受け入れ先の三歳からの園も新設が多くなっております。私は、保育の質と継続性の担保という観点で、低年齢児保育施設から三歳での入・転園における新たな支援が必要と考えます。  小学校入学においては、円滑な接続などを目的に、国の保育指針において、保育園から子どもの育ちの記録を保育要録にて伝達をします。三歳からの入・転園においても、例えば食物アレルギーや、そして持病への対応、経過や保護者との関係など、前の園から新しい園に引き継ぐ記録があれば、保育の質の向上につながるのではないでしょうか。  現場の負担の問題や保護者の同意など、課題はありますが、区としての見解を伺います。 ◎後藤 保育課長 子どもを中心とした保育、こちらの展開に当たっては、心身の発達の基盤が形成される時期のゼロ歳から二歳児保育の実績を踏まえた上で、三歳児以上の保育が展開されることは極めて重要と考えております。  現在、お話しのとおり、同じ事業者が運営する保育園間、小規模保育事業から連携保育園の転園の際には、子どもの育ちについて情報を共有することができておりますが、そのような連携施設がなく、三歳児から新たな保育園に転園する場合には、個人情報保護の観点から、改めて入園前面談を行い、保護者からの聞き取りを行っている状況でございます。  入所前の子どもの保育環境や生育歴、保育時間や期間などは、これまでの子どもの育ちについて理解する重要な情報であることから、引き続き、保護者への方々との詳細な面談を実施するとともに、必要に応じ、個人情報に十分留意しながら、保護者の方々の御理解、御協力を得まして、施設間での情報が行われるような工夫についても検討してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 私もこの件である保育室からお話を伺いました。今現在は、何かあれば送り先の園からこの保育室に問い合わせが来て、対応している。また、記録が新たにふえるということで手間の問題もありますが、連携ということは大切だというお話を伺いました。保育所によりさまざまな受けとめがあり、区としては、例えば園長会などで問題提起などもしてもらいたいと思います。  この点でも、小規模保育所などにはこうした会議体は現在はないと認識しております。現場の小規模保育所の方からもお話を伺いましたが、区からの情報が伝達されない、協議の場がないという意見が届いております。  保育の質ガイドラインでは、多様な形態の保育施設の支援ということで、定期的に園長会や事務連絡会などを開催し、区の事業などの進捗状況の説明や保育施設間の情報共有の場を設定していると、このように明記していますが、その実践はこれからだと思います。ぜひこういった協議体についても設置の検討をしていただきたいと思いますが、区の見解をお伺いいたします。 ◎後藤 保育課長 小規模保育事業等の地域型保育事業につきましては、これまで各事業者と個別にきめ細やかな情報提供等を行い、運営支援を実施してまいりましたが、私立認可保育園の施設長による任意団体である民間保育園連盟に類した区内事業者による組織体がないため、事業者が一堂に会し、相互の情報共有を図ることのできる機会が少ないという課題があると認識しております。  地域型保育事業は、御承知のとおり、家庭的保育事業、小規模保育事業、事業所内保育事業、居宅訪問型保育事業の四つの類型がありまして、事業ごとに基準等が異なるため、どこまで共通の課題として共有できるか、また保育所と比較して、職員数が少ないことなどから、会の開催時期や時間等の制約といった課題もございます。  区といたしましては、事業者の意向を伺い、より効果的な機会が設定できるよう努めるとともに、今後も各事業者に寄り添ったきめの細かい対応を行うことにより、低年齢児の保育を担う事業者が質の高い保育をさらに実践できるよう、ともに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆江口じゅん子 委員 保護者は何より保育の質、これを重視しております。世田谷区への期待も大きく、保育の質ガイドラインをさらに高めるその取り組み、実践、ぜひこれをお願いいたします。  そして次に、第七期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画素案について伺います。  国では、ことし五月、地域包括ケアシステム強化のための介護保険法などの一部を改正する法律が可決されました。一定所得以上の方への利用料の三割負担、財政的インセンティブ、そして「我が事・丸ごと」地域共生社会の名で、自治体による強引な介護サービスの取り上げや福祉に対する法的責任の大幅な後退が危惧をされております。こうした中、区では、第七期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画素案が示され、現在策定中と思いますが、順次これについて伺ってまいります。  まず、介護予防・日常生活支援総合事業についてです。  昨年四月から始まった総合事業は、六十五歳以上の要支援一、二で基本チェックリストで一定の基準に該当した方を対象に、従来の介護保険サービスと同様の現行相当サービスや住民主体によるサービスなどに置きかえていくものです。我が党は、総合事業に対し、介護保険の給付抑制が目的ではあるが、サービス後退とならないことを求めてまいりました。  ここで伺いますが、総合事業開始から一年半たち、現時点での評価や課題、また平成三十年度以降も専門職による現行相当サービスを継続するのか伺います。 ◎相蘇 介護保険課長 介護予防・日常生活支援総合事業につきましては、平成二十八年四月より開始をいたしまして、認定の更新に合わせて順次利用者を移行し、平成二十九年四月より本格実施しております。  本事業は九割以上が従前相当サービスを利用しており、区が独自に基準を定めたサービスについては事業者の参入が少なく、利用も伸びておりません。また、住民主体型の通所サービスについては、少しずつ利用団体がふえてきておりますが、さらにふやしていく必要があると考えております。  利用者の多くが従前相当サービスを利用していることを踏まえ、区では、事業者や関係団体と事業内容等について議論を重ねてまいりました。その中には、事業者より月額報酬で設定している従前相当サービスの継続を求める声が上がっておりました。  国は、平成二十九年六月に総合事業のガイドラインを改正し、従前相当のサービスを平成三十年度以降、引き続き制度として実施することを示しております。これを踏まえて区では、従前相当サービスを引き続き実施する方向で検討を進めております。  従前相当サービスを初め総合事業につきましては、今後、基準の見直しや報酬の上限設定などの国の動向を注視するとともに、介護人材の不足への対応や支えあいによる地域づくりに向け、専門職以外の多様なサービスの担い手の育成、サービス量の拡大に引き続き取り組んでまいります。 ◆江口じゅん子 委員 利用者の九割が専門職による従前相当サービスを利用している状況の中、今後も継続するということなので、しっかりお願いしたいと思います。  次に、第七期計画における区民にとっての最大の関心事である保険料がどうなるか、これについて伺います。  区の第六期の介護保険料の基準額は月額五千八百五十円です。基準額の第六段階は本人が住民税非課税となっております。高齢者の実態は年金が引き下がる中、医療費の負担は大きく、また国民健康保険など保険料も値上がる中で、今でさえ高い介護保険料は高齢者にとって大きな負担です。基準額が上がるもとで、区は保険料区分の多段階化など低所得者への配慮を進めてきました。この点は評価します。  七期保険料の軽減対策について、そして保険料の全体を引き下げるためにも、今現在三十億円積み上がっているということですが、準備基金の活用が必要と考えます。あわせて見解を伺います。 ◎相蘇 介護保険課長 現在、区では、平成三十年度から三十二年度の第七期の介護保険料について、地域保健福祉審議会に考え方をお示しし、御議論をいただきながら検討を進めているところでございます。検討に当たっては、介護保険制度の安定した財源を確保するための介護給付費準備基金の活用や現在三・三倍に設定している基準額と比較した上限設定、所得金額区分段階数の増、低所得者対策などをポイントとしております。低所得者対策については、第一・第二段階の保険料率軽減や第三・第四段階の区独自軽減等の継続などを検討するとともに、国の消費税率改定に付随した取り組みについても動向を注視して対応してまいります。  第七期の保険料は、被保険者や給付額の増加、被保険者の負担割合の変更等により、保険料の上昇は避けられないと考えておりますが、上げ幅をできるだけ抑えるとともに、持続可能な介護保険制度となるよう検討を進めてまいります。  今後は、検討の状況について、適宜、常任委員会に御報告させていただくとともに、給付費の実績等をもとにした第七期の給付料の見込みを十一月に推計し、来年一月ごろに国から示される予定の各種係数や介護報酬改定の内容を反映させ、二月に保険料額の案を提示し、三月末に確定させていただく予定でございます。 ◆江口じゅん子 委員 今の御答弁で、上げ幅をできるだけ抑えるとともにということなので、さまざまな課題はあると思いますが、ぜひその努力、区としても精いっぱいお願いしたいと思います。  そして、これから介護保険料はどうなるかということです。区の第六期計画の試算では、二〇二五年、介護保険料の基準額は月八千五百七十七円となります。これは制度発足時のほぼ三倍になります。ここで介護保険の財政構成についてパネルがありますので、御説明します。  小さいので、見にくいかもしれません。介護保険の財源構成は、利用料を除いて公費と保険料によって賄われます。公費財源は五〇%です。国が二五%、そして東京都が一二・五%、区市町村が一二・五%、公費財源五〇%、そしてこちらが私たちの保険料で五〇%という財源構成になっております。先ほど国が二五%と言っておりましたが、実はこの中には調整交付金の五%が含まれております。この調整交付金というのは、後期高齢者の比率が高い自治体などに重点的に配分されるというものです。
     介護保険の財源構成は、このように公費五〇%、保険料が五〇%となっておりますが、特養ホームなどの施設整備などがふえたり、介護職の労働条件を改善すれば、当然この保険料や利用料の負担にはね返る、そういった根本矛盾を抱えております。そもそも保険料が高い、この原因は、介護保険発足時に国庫負担率を従来の給付費の五〇%から二五%に引き下げたことにあります。しかもこのうち五%が調整交付金が入っているといった状況です。  こうしたことから、全国市長会、そして特別区長会でも被保険者の保険料負担を軽減するため、調整交付金は二五%の外枠にして、全ての自治体に最低でもこの二五%がちゃんと確保されるよう繰り返し要望しております。私、この特別区長会の要望はまさにそのとおりだと思っております。サービス量がふえれば介護報酬は増大し、介護保険料にはね返る介護保険の制度設計は限界に達しているのではないでしょうか。  区は、国保の広域化については、特別区長会でも多子世帯の負担軽減など積極的に要望しておりますが、介護保険に対する国の公費負担増についても発信をしていただきたいと思います。これは本来なら、区長に伺うところではありますが、本日はいらっしゃらないので、副区長、いかがでしょうか。 ◎宮崎 副区長 今御紹介いただきましたように、この制度スキームの平成十二年の創設のときに私もかかわらせていただきました。この間、担当のほうからも御説明していますように、この介護保険制度をつくる際には、やはり持続可能な制度にしていくということがまず大切な観点だろうと思っています。そういう中で、約十七年経過の中で、この高齢化の進展、それから少子人口減少時代を迎えまして、改めてこの制度スキームの検証は避けて通れないものだと認識しております。  この間も、区長会を通じまして、特別区の実態に合わせまして、制度改善の要望を出してきております。先ほど申しましたように、介護保険制度の意義を含めまして、安定した制度運用に照らした主張を続けてまいります。 ◆江口じゅん子 委員 今、副区長がおっしゃった制度スキームの検証は避けて通れない、まさにそのとおりだと思います。現状でも二十三区区長会のほうでこういった要望をしているということで、引き続き、その発信はぜひお願いしたいなと思っております。  第七期の計画について順次伺ってまいりました。そして、この質問の終わりに、介護士の人材確保、処遇改善について伺います。  介護現場の深刻な人材不足は、区の平成二十八年度世田谷区介護保険実態把握調査報告書事業者編においても明らかです。議会にはもう既に配られていますが、この厚い資料です。この中に人材確保の状況について調査があります。人材確保の状況では、不足、やや不足の回答が六割、サービス提供における課題の問いに対しては、スタッフの人数不足が四割半ばという回答、そして不足している理由を伺うと、給与が労働条件に見合わないが六割半ばと、本当に介護現場の深刻な実態がうかがえます。  国は、平成二十七年度に介護職員処遇改善加算を行いました。しかし、この加算の対応はどうですかということで、区の調査を聞いておりますが、対応なしが三割半ばとなっております。区内の介護事業者の七割以上が従業員十九人以下の小規模な事業所になっております。私、この問題、昨年の決算特別委員会でも行いまして、国の処遇改善加算の課題のほうを説明させていただきましたが、特に小規模の事業所で加算取得が難しいと指摘をされており、区の調査でもそれが裏づけられたかなというふうに思っております。  世田谷区が第七期策定に当たっての実態調査で、人材確保や、そして処遇改善について詳しく調査をしていることは評価しますが、問題はそれを具体的にどう施策に生かしていくかということです。第七期の素案では、福祉・介護人材の確保及び育成が章立てをされておりまして、「地方からの転居費用や宿舎借り上げ経費などの負担軽減策の検討」と明記をされておりますが、その検討状況について伺います。 ◎柳澤 高齢福祉課長 介護需要が高まる二〇二五年に向け、地域包括ケアシステムの基盤を整備する上でも、介護人材の確保、育成は喫緊の課題であると認識しております。  区では、これまでもハローワークと連携した就職面接相談会や介護施設バス見学会などを実施しているほか、初任者研修や実務者研修の受講料助成、介護福祉士の資格取得費用の助成事業を行っております。また、身近なところで職種や経験に応じた研修やセミナーが受講できるよう、福祉人材育成研修センターを設置し、年間二千人を超える方に研修受講などで御利用いただいています。  現在策定中の第七期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の素案においても、介護人材の確保及び育成は重点課題の一つとしてお示ししているところです。これまでの取り組みに加え、地方から区内介護サービス事業所に就職する際の支援や宿舎借り上げに関する助成など、その財源や効果などの観点から検討してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 世田谷区がこうした宿舎借り上げ経費や地方からの転居費用と、踏み込んで明記をして、現在検討されているということは評価をしたいと思います。さらに、やはり深刻な介護現場の人材不足という状況ですから、踏み込んだ対応が必要かと思います。  先日、区内で唯一の介護福祉学科を持つ世田谷福祉専門学校から区と区議会に要望書が届けられました。内容は、深刻な介護現場の人材不足がある中、介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修の受講料助成金の拡充強化、介護福祉士養成学校の学費助成金の予算化と要望事項が書いてありました。  私、この件について校長先生からお話を伺ってまいりました。校長先生からは、今後も増大する介護現場の人材確保において、中長期的な視野に立ったすぐれた人材の育成が不可欠、介護職の入り口である介護職員初任者研修、介護福祉士の資格取得のために義務づけられている介護職員実務者研修のこうした修了者をふやすことが必要だが、ネックの一つは高い受講料、実務者研修は修了している資格やスクールにより受講料は異なるが、当校では最高で約十七万円の設定、こうした中、昨年、区が実務者研修の受講料助成を行い、現場からは大変評価の声が聞かれていると、こういったお話を伺ってまいりました。  区としては、この要望書が届いて、もちろんごらんになっていると思います。ぜひ受けとめをお願いいたします。 ◎柳澤 高齢福祉課長 委員からお話のございました要望の背景としては、介護職員を取り巻く環境が厳しく、また専門知識、技術を習得して介護の仕事につくために、養成機関等で学ぶための費用負担がネックであると認識しております。  区では、これまでも独自に介護の仕事につくための入門的研修である初任者研修の受講料助成に取り組み、これまでに約九百五十人に助成を行ってまいりました。また、本年度からは、実務者研修の受講料助成も行っており、この十月から申請の受け付けが始まったところです。このほか、国や都においても、教育訓練給付金制度やトライアル雇用事業など、さまざまな人材対策関連施策を行っております。  御要望の点につきましては、さきほど御答弁申し上げた支援策を含め、総合的に判断する必要があると考えております。今後、介護人材の確保、育成、定着支援に取り組み、課題分析を行い、対応策の検討を進めてまいります。 ◆江口じゅん子 委員 介護職の人材確保と同時に、やはり質の向上、これは本当に求められることです。多くの調査で介護現場の虐待がふえている、こういったことも示されております。区として、どこまでこうした研修の助成を行うかということは、大変大きな課題ではありますが、他区では十割、全額負担をしている、そういったところもあります。ぜひ先進自治体の取り組みなども検討していただいて、区としてのさらなる処遇改善、人材確保策についての検討をお願いしたいと思います。  そして、最後に、認知症の方も精神障害者保健福祉手帳がとれますということについて伺いたいと思います。  区内で何らかの認知症状がある方は二万一千六百人いらっしゃいます。高齢者人口の約一二%を占め、中にはピック病など若年性認知症の方もいらっしゃいます。認知症は経過が長いこともあり、医療費や介護費用など経済的負担は大変大きいものです。特に若年性認知症では、家計や家庭の中心を担う世代の発症であり、ローンや教育費などを抱える中、生計に深刻な状況をもたらします。  そして、認知症の方でも精神障害者保健福祉手帳をとれるということは大変経済的な助けになりますが、その周知、まだまだ十分でないと考えます。  ここで伺いますが、現在、区内で手帳の交付ができる認知症の対象者はどのような方で、何人いるのでしょうか。また、手帳取得によるメリット、そして現在の周知方法について伺います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 認知症は、国際疾病分類において精神疾患に分類されるため、認知症の診断を受けた場合、精神障害者保健福祉手帳の申請を行うことができます。手帳を取得されますと、税金の控除や交通機関の運賃割り引きなどが受けられるほか、民間保険の中には、認知症の進行度により、住宅ローンの免除なども受けられます。加えて六十五歳未満の方は、手当や障害基礎年金を受けることができます。  区では、認知症講演会や認知症サポーター養成講座等の際に手帳の説明を行っておりますが、働き盛りに発症される若年性認知症の方は経済的な問題も生じますので、御本人と家族のサービスのための制度と紹介のリーフレットを作成し、制度の周知に努めております。今後も、福祉の相談窓口や「区のおしらせ」、ホームページなど、多様な手法で周知を一層進め、認知症になっても住みなれた地域で安心して暮らし続けていただけるよう、認知症施策を総合的に推進してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 ぜひ周知を一層進めていただきたいと要望します。  それでは、これで日本共産党の質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、無所属・世田谷行革一一〇番、どうぞ。 ◆桃野よしふみ 委員 十月六日の質疑でも取り上げましたDV被害者Aさんの話です。  DV被害があると主張しつつも、シェルターに逃げたり、至急の転居をしていない、と区がAさんのことを文書に書いて、二十三区にばらまいたということがありました。こういったことを知ると、区はAさんをなりすましというふうに考えて、本来必要な対応をしなかったのではないかとも感じるわけです。ちなみにAさんは、警察もDV被害者だと認識していて、実際に動いてくれていました。この時点で動いてくれていました。また、離婚に係る裁判でも、DVについては認定をされています。  このAさんが児童扶養手当の申請をしようとしたんですけれども、一カ月申請をさせてもらえなかったということがありました。Aさんは、平成二十八年六月に裁判上の離婚が成立しました。それで、六月にAさんは児童扶養手当等の申請をしようとした。区は、このときに戸籍謄本が必要だと、戸籍謄本は絶対に必要な書類だというふうに説明をしました。Aさんの元夫、これはDV加害者ですけれども、DV加害者が離婚をいつ届けるかわからないということと、かつこのDV加害者が戸籍を遠くに移してしまったということで、Aさんは、この六月末までに戸籍謄本を提出できませんでした。翌月、七月からの受給はできなかったということです。  児童扶養手当の事務取り扱いに関する厚労省の通知では、戸籍謄本は離婚に関する調停証書などで代替できるというふうに定められているにもかかわらず、区はほかの書類ではだめだと、戸籍謄本は絶対に必要だというふうに言い続けたということです。その後、このAさんは、この区の対応に納得できずに、区に問い合わせなどを続けてきましたけれども、区は、自分たちは一切間違っていないとAさんに答え続けてきた。  ところが、私がこの事件を一般質問で取り上げた後、急遽、この一カ月分の手当が支給されることになったというふうに聞きました。この戸籍謄本は絶対だと言い続けてきた、この手当の申請をさせなかった、これは間違いだということを認めたということでよろしいんですか。 ◎箕田 砧総合支所生活支援課長 御指摘の児童扶養手当につきましてお答えさせていただきます。  二十八年六月には、DV相談で御来所し、案内を受けていれば七月から支給されたはずのお申し立てをいただいております。このお申し立てを受けて、再度調査、確認させていただいたところ、六月の相談ではDV相談のほうから手当の相談におつなぎできておりませんでした。また、それまでの相談の中では、制度の一般的な説明はさせていただいておりましたが、この確定証明書が添付された判決書の謄本での手続については承知しておらず、御案内しておりませんでした。  区としては、この間、厚生労働省に状況を伝え、法令の適用に関していただいた意見を踏まえ、区民に寄り添い、適切な情報提供とワンストップの対応に取り組むという立場から総合的に判断した結果、児童扶養手当法第七条第二項のやむを得ない理由に該当すると判断し、二十八年七月分を支給することとし、御本人にもお伝えしたところでございます。  今後、例外的な取り扱いも含めましたマニュアルの改定など、マニュアルの適正化を継続していくとともに、関係所管に周知徹底してまいります。そしてDV被害者の方の対応におきましては、詳細な聞き取りを行い、関係各所と連携を図り、ワンストップで相談支援ができるように、相談者の方に寄り添ったきめ細やかな支援の充実に努めてまいります。 ◆桃野よしふみ 委員 驚くべき答弁だと思いますよ。児童扶養手当の事務取り扱いに関する厚労省の通知を知らなかったというんですよ。  先ほども言いましたけれども、このAさんは、私が質問する前からずっと区にアプローチしていたんですよ。あなたたちは間違ったんじゃないですかと、ほかの書類では代替できなかったんですか、できないんですかとずっとアプローチしていたんですよ。それをはねつけ続けてきたんでしょう。それを今さら知らなかったというのはどういうことなんですか。大変なミスだと思います。  案内の不備が原因ということであれば、ほかの手当等も救済されてしかるべきだと思います。児童手当だとか、あと就学援助、こういった問題も取り上げてきました。案内ができていなかったから、それが不備だったというなら、こちらのほうも急ぎ対応していただく必要があると思います。  確認しますけれども、この間のこの経緯、この七月もこういうことをやっているんですよ。七月も戸籍謄本が間に合いそうにないということで、Aさんが申し出てきた。区はこの元夫の住居の公共料金、別居だから、別のところに住んでいるんだったら、その公共料金の関係の書類を持ってきてくださいというふうに提案しているんです。当然、DVですから、このAさんが元夫に協力を求めても、この夫は応じてくれなかったということで、何とかなりませんかと、Aさんはまたここでずっと言っていたんですよ。そのときに、区は、例外で特別な対応ですよと言って、民生委員が家に行って、別居を確認して、なりすましでないことを証明するというふうにやったんですよ。民生委員が実際に訪問したんですよ。こういうことをやっているんです。  その知らなかったという裁判の書類があったら、何もこんなことをやる必要がなかったんですよ。公共料金の書類はとれますかなんて、それはDV被害者がDV加害者に接触を求めているということですよ。それと、民生委員といっても、赤の他人にまたDVのことを一から説明して、家の中を見てもらって、本当にこの人はDVなんだ、家に加害者がいないんだって、そんなことを確認させるなんていうのは、もう屈辱的ですよ。何でそんなことをやったのかということです。知らなかったでは済まされませんよ。これまで自分たちのミスを隠すために、いろんなことを強弁して、失礼な対応をし過ぎなんです。  先ほど申し上げましたけれども、このAさんは、いろいろと区とやりとりしている中で、言葉の行き違いがあっても困るから、録音しながら、録音していいですかと区からも承諾をとってやりとりを録音しながら記録を残してきたんですけれども、その中でもこういう会話が出てくるんですよ。六月九日に離婚が成立して、それで戸籍が向こうに戻されちゃって、七月の申請ができない。七月分を受給するための六月中の申請が、向こうに移動されちゃったことによって間に合わないんですけれども、何とか七月からは受給できるようにしていただけないんですかと相談したところ、だめだって、これはAさんがこう発言したんですね。区の職員を前にして、課長もいました。そのときに区はこう言っています。戸籍はちょっと厳しいんですね。Aさんは、その根拠は何ですか。私がDVであっても絶対にひっくり返せない根拠は。そこはDVであっても例外がないということなんでしょうか。その根拠をきちんと文書にして出していただけませんかと言ったら、これが平成二十九年三月三十一日の区とのやりとり。  それで、箕田課長がこういう文書を出した。児童扶養手当申請時の対応について、児童扶養手当を認定請求する際に添付しなければならない書類については、児童扶養手当法施行規則第一条に定められています。必要書類のうち、お尋ねの戸籍謄本については、児童扶養手当法施行規則第一条第一項に定めがあり、御提出いただかなければならないものと定められていますと。平成二十九年四月の段階でまだこんなことを言っているんですよ。ちゃんと調べたらどうなんですか、一回ぐらいは。――もういいです。答えなくていいです。  先ほど言った、こういうことを繰り返してきたんだから、就学援助だとか、ほかの児童手当だとか、そういうことも生活支援課が中心になってちゃんと救済するということを動かれたらどうですか、これを質問します。 ◎箕田 砧総合支所生活支援課長 今回、児童扶養手当及び私どものほうで児童育成手当、ひとり親家庭医療制度につきましては、御支給をさせていただく予定でございます。委員お尋ねの児童手当、就学援助につきましては、各所管のほうで判断させていただくことになると思います。 ◆桃野よしふみ 委員 各所管に判断してもらうって、区民にとってはそんなの関係ないでしょう。あなたたちがミスしたんだから、生活支援課がミスしたんだから、あなたたちが中心になってやらなきゃだめじゃないですか。  児童手当についても聞いていきます。一般質問でAさんのお子さんの児童手当が、別居しているDV加害者である夫のほうに支給され続けたと。これは間違いではないかと。あくまでAさんとAさんの子どもが一緒に住んでいるんだから、Aさんに支給されるべきだったんではないですかというふうに聞きました。その際の答弁では、離婚成立前でも被害者の方を受給者に変更できる場合があるとして、二つの方法を挙げています。一つ目は、配偶者からの暴力を理由として、Aさんとその児童が配偶者の被扶養者となっておらず、Aさんが実際に児童の生活の面倒を見ている場合、ただし、この場合、Aさんが配偶者の健康保険の扶養に入っている場合は該当しないと言っています。この一つ目は、一般にDV要件と言われるものです。二つ目は、離婚協議中であれば、Aさんが手当対象児童と同居事実があれば受給できるとしていて、この場合は、届け出上の別居、または世帯分離が要件だというふうにしています。この二つ目は、一般に同居優先というふうに言われます。また、答弁では、本件において、Aさんには同居優先制度と世帯分離が必要であることを説明したというふうに言っています。  そして、Aさんが区に児童手当について相談した際の記録、子ども育成推進課ケース記録表にはこう記載されています。同居優先に該当するには世帯分離が必要だが、児童手当のためにするのではなく、弁護士と相談して決めてほしいと、こういうふうに言ったということなんでしょうね。DV要件には該当しない。同居優先の書類を砧生活支援課で受け取るよう案内したというふうに書いてあります。  このDV要件には該当しないというふうに判断したというふうに記載されていますけれども、AさんがDV被害者であるということは認識していたんですよね。まずそれを確認します。DV被害者であることは認識していたんですよねということ、それが一つ目。  そして、なぜDV要件には該当しないと判断して、同居優先の説明しかしなかったのか、これが二つ目の質問、答えてください。 ◎尾方 子ども育成推進課長 まず一つ目の御質問でございますが、平成二十六年二月に御相談をいただいた際に、DVの被害者であること、夫からの暴力もあったというようなお話をAさん御本人からお伺いしておりますので、その点は認識していたというふうに考えております。  また、DV要件に該当しないというふうに判断した理由でございますが、いろいろとお話を伺っている中で、健康保険については当時の夫の方の扶養のままであるということがお話の中からありましたので、厚生労働省から出ている文書に従いまして考えました結果、DV被害者の方であることを要件に受給者を変更することができないというふうに考えたものと認識しております。 ◆桃野よしふみ 委員 そんな判断はだめですよ。児童手当の受給者を夫から自分に変更してほしいとDV被害者が相談してきたんですよ。相談してきたんだから、皆さんの専門用語でいうところの職権による消滅、つまりDV加害者の手当受給権をあなた方の強い権能で、職権で消滅させて、受給者を変更する。そのためにはこういうことが必要ですということをAさんに案内しないといけなかったんじゃないですか。だって、この方はDV被害者だということはわかっていたんでしょう。今の答弁だと、この職権による消滅について案内されていないんですよね。 ◎尾方 子ども育成推進課長 職権による消滅ということについては御案内はしておりませんけれども、御相談をお受けしまして、この方が最も求めていることは、御自分が児童手当を受給するということであるというふうに考えた結果、そのための要件などについて御案内したものと考えております。 ◆桃野よしふみ 委員 だから、制度を理解していないというんですよ。同居優先はDVなどではない、通常の離婚前別居を想定しているんですよ。だから、世帯分離だとか、住民票の異動を要求しているんです。一方、DVについては、これは命にかかわることだから、世帯分離や住民票の異動を求めずに、職権による消滅、あなたたちの強い力で、職権による消滅で受給者を変更できるんですよ。  先ほどDV要件と判断しなかった理由をAさんがDV加害者の健保の扶養に入っていたからだというふうに答えていますけれども、DV被害者がみずからDV加害者の夫に連絡して、あなたの会社の社会保険から抜いてくださいってそんな連絡普通しますか。逃げているんですよ。仮にそれを言ったとして、加害者が素直に社保から抜くと思いますか。DVなんですよ。多くの場合、そうじゃないでしょう。だから、このDV要件と同居優先というのを制度の上では分けてつくっているんじゃないですか。通常の離婚前別居のときにとってもらう制度だけ案内して、職権による消滅、今の答弁だと、DVならこういう方法がありますよという案内をしていないということなんでしょう。それはだめじゃないですか。どうなんですか。 ◎尾方 子ども育成推進課長 夫の方が受給していることを消滅させるということが、イコール妻の方に受給権を移動するということではございませんで、当時の職員もこの御本人様が受給できるように、受給者を変更できるようにというような要件に当てはまるような御案内をしたものでございまして、夫の方の職権消除は、確かに職権でございますので、できますけれども、本来お子様の養育のために支給されるものが児童手当でございますので、妻の方が受給できるような要件に当てはまらないと、その受給権が宙ぶらりんといいますか、どなたも受給できないということになります。こちらの職員が御案内いたしましたのは、あくまでAさん御本人様が受給できるようにというふうな要件に当てはまるようにということでございますので、職権による消除について、そういった事務的な手続の御案内は特にはさせていただかなかったものと考えております。 ◆桃野よしふみ 委員 だから、世帯分離だとか、住民票の異動というのは、それだけでもリスクがあることでしょう。加害者と被害者が接触しなきゃいけないリスクがあったり、加害者がそれに気づいてまた逆上するとか、そういう可能性があるから、同居優先とDV要件は分けているんです。だから、DV被害者はこっちだって言っているわけですよ。  まず職権による消滅からスタートさせないと、それがイコールAさんの受給にはつながらないと言ったけれども、でも、そこからスタートさせないとつながらないじゃないですか。先ほど申し上げましたけれども、実態としてDVを受けているAさんがいて、お子さんがいて、一緒に住んでいるんですよ。DVだから、配偶者との関係というのは、別にコミュニケーションはとれないわけですよ。だけれども、お金を使って子どもを監護している状態、面倒を見ている状態ですよね。だけれども、DV加害者のほうに区はどんどんお金を振り込んでいるんですよ。まず客観的に見て、これをとめなきゃだめじゃないですか。とめてくださいと、自分に変更してくださいと言ってきたんですよ。DV要件で対応しなきゃいけないんですよ。  それで、この場合、例えば職権による消滅、これをしっかりと案内をしてやらなきゃいけないわけだけれども、夫と接触せず、かつ夫にばれずに、今課長が言った保険のところを整える方法ってあるでしょう。配偶者の社保から抜いて、このAさんが独自の保険を持つ方法があるじゃないですか。何でそれをやらなかったんですか。その制度は知っていますよね。 ◎尾方 子ども育成推進課長 平成二十六年二月に御相談をいただいた際に、その健康保険が夫の方の扶養のままである理由として、穏便に済ませたいのでというふうに記録に記述がございます。その穏便に済ませたいという真の意味まではちょっとこの記録からは読み取れませんけれども、穏便に済ませたいので、健保も夫の扶養のままであるというお話でございましたので、その後の御案内をしたかどうかは定かではありませんが、その穏便に済ませたいというお申し出を尊重したものと考えております。  また、健保が配偶者の扶養のままでは、DVの要件に該当しないというのは、厚生労働省の文書にございますことですので、それを基本として判断というか、御案内をしたものと考えております。 ◆桃野よしふみ 委員 だから、DV要件に当てはめるように案内しなきゃいけないでしょうと言っているんですよ。保険がどうこうということじゃなくて、それを案内しなきゃだめでしょうと言っているんですよ。だから、穏便に済ませたいというのは、さっき言ったように、夫に頼めないじゃないですか、あなたの社保から抜いてくださいって被害者が加害者に。だから、そんなことしなくてもできますよという案内をしなきゃいけなかったんじゃないですか。答えられないんでしょう。  国保年金課長、教えてあげてくださいよ。どうすればいいんですか。 ◎和田 国保・年金課長 今、委員御指摘のようなDV被害者の方が国保に加入するというような状況はさまざまなケースがございます。年間で数十件DVの方の申請も受け付けております。大半の場合は、まず生活支援課等で御相談を受けている中で、国保の制度を御案内いただいて、相談の後に、国保の加入手続をとるというような形になってございます。  相談に当たりましては、社会保険から抜ける手続の部分につきましても、さまざまなケースがございますので、そういったケースに応じた対応をそれぞれとっているようなところでございます。 ◆桃野よしふみ 委員 もう時間がないですけれども、できるんですよ。国保・年金課長は知っていて言葉を濁しているんだと思うけれども、これはそんな難しい話じゃないですよ。皆さんが持っているDV被害者対応職員ハンドブック、これに書いてあるんです。私はこれを読んだだけ、別に難しいことを何も調べていない。これに書いてあるんです。DV被害者の場合、こうやって加害者の社保から抜けると書いてある。これは制度を全然わかっていない。副区長、しっかりこの件を検証して、この方を救済するべきだと思いますよ。三十秒で御意見を聞かせてください。 ◎宮崎 副区長 この間、いろいろ御指摘いただいているわけでございますけれども、改めて私のほうも報告を受けながら指示を出したつもりでございます。  今お聞きしていますと、まだまだ不十分ということでございますので、まずは該当者の方にまずはきちっと御説明をさせていただきたいと、こう思います。 ◆桃野よしふみ 委員 終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、せたがや希望の会、どうぞ。 ◆阿久津皇 委員 せたがや希望の会の福祉領域の質問を始めさせていただきます。  私からは、児童養護施設退所者の自立支援について伺ってまいります。  昨年度、二十八年度から児童養護施設退所者等へ住宅支援、居場所支援、給付型の奨学金事業といった施策が始まりました。二十八年の決算委員会ということですので、昨年度の状況、また今年度現状について伺ってまいります。  まず、住宅支援については、昨年度は三住戸に五名、今年度は対象が四住戸ということで、実際に入居されている方は五名で変わらないということですが、利用できる住戸もふえて順調に活用されているのかなというふうに思います。一方、まだスペース的にはあきがあるということですので、しっかりとその施設ですとか、里親さん、そういったところと情報共有を進めて、しっかりと活用できるように進めていただきたいと思います。  また、居場所支援について伺いたいんですけれども、なかなかここは、初めての事業ということもありますし、ソフト面というところで、大変難しいとは当初から、私も課長とはお話しさせてもらいましたけれども、とりあえず、現状について、昨年度の状況等についてお聞かせください。 ◎小野 若者支援担当課長 居場所事業は、退所した若者たちが住みなれた地域で、仲間や大人たちと関係を築き、交流することで、孤独、孤立を解消できるよう行うもので、平成二十八年度は、区内二つの児童養護施設から比較的近い二カ所で地域活動団体に委託し、岡’Sキッチン、サポコミュカフェとして運営をして開始いたしました。それぞれ月一回、食事会という形をとりながら、仲間づくり、また地域の大人との交流の場ともなっております。  平成二十八年度の二カ所を合わせた実績は、退所者等の参加は、区外の方も含め延べ三十四名、地域の方や大学生も含めました参加は延べ二百九十七名でした。なお、委託先のうち、サポコミュカフェにつきましては、施設や地域との交流を進める努力をいたしましたが、退所者や地域の方の参加につながらず、話し合いの結果、一年間で委託を終了いたしました。今年度は、元施設職員が代表者であります退所者の支援活動を行う団体に、for youthシモキタトナリとして居場所を委託し、引き続き二カ所で実施をしております。  今年度の実績は、九月までで退所者等が延べ四十六名、地域の方や大学生も含めた参加を延べ百五十五名と、実施回数を重ねたことに加え、施設と連携し、退所者とつながりをつくり、また退所者同士の口コミ、地域の方や活動団体からの声かけにより、少しずつではありますが、参加者はふえてきております。 ◆阿久津皇 委員 今おっしゃったサポコミュカフェさんですけれども、一年で委託を終了したということで、この委託先であるグリーフサポートせたがやさんという事業者ですけれども、そもそもグリーフケアというんですか、そういったことが中心で、児童養護施設の退所者支援、あるいは児童養護施設との直接的な事業上かかわりがなかったということにもかかわらず、地域が近いということだけで選定されていて、当初からちょっと大丈夫なのということはお伝えしていたかと思いますけれども、結果として、一年間で退所者が三名のみの参加ということで、委託料が五十万円弱ですけれども、入っております。計算すると、退所者一人お食事にお招きするのに十五万円近くかかっちゃうという、大変残念な結果だったんですけれども、そもそもグリーフサポートせたがやさんが選定された理由については、大変大きな疑問が残るかなというふうに感じております。  子どもたちの居場所支援というのは、児童養護施設で、虐待等で親を頼れない、頼る大人がいない子どもたちの日常生活ですとか、将来のこととか、就職について相談できる大人たちとの人間関係をつくるということが目的ですので、そもそも子どもたちと事業者さんとの間で人間関係、信頼関係がないとなかなか難しいだろうなということは、児童養護にかかわっている方だったら、多分わかることだと思うんですよ。先ほども申し上げましたが、なかなか前例のない事業ということで難しいと思いますけれども、今後もしっかり進めていく上で、今後どのように取り組んでいくのかお聞かせください。 ◎小野 若者支援担当課長 利用する退所者たちは、学校とアルバイトのかけ持ち、また就労時間と重なるなどで、時間的に居場所になかなか参加できないこともございましたが、居場所事業開始から一年以上回数を重ねてきたことで、少しずつ地域の大人や年齢の近い大学生たちと信頼関係ができ、開かれた温かい雰囲気の中で、仲間づくりや交流が進んできております。また、今年度は、委託団体のスタッフに児童養護施設退所者が加わったことで、新しく参加する退所者との情報交換ですとか、相談、応援、ピアサポートにつながる機運が居場所の中で芽生え始めております。  さらに、十八歳での施設退所者が、まだ先である中学生、高校生を交えた居場所交流も予定しており、早いうちから身近に安心した居場所があることを知ってもらうとともに、地域の大人と顔の見える関係をつくり、退所後も地域で安心して暮らしていけるよう、今後も施設や地域の方、活動団体と連携し、居場所づくりに取り組んでまいります。 ◆阿久津皇 委員 施設で育った子どもたちにとっては、その施設が家であって、そこの職員さんたちが親であり、家族であるというところだと思うんです。それは里親さんもしかりで、退所後の居場所支援、相談相手というのは、おのずからその施設や里親さんというところが中心になってくると思います。なかなかこの事業を、今後どういうふうにしていくかというところで、施設のアフターケア事業の充実であったりとか、あるいは退所した方々がその後どういうふうに歩んでいるか、三十歳ぐらいまでやっぱりしっかりフォローしていきたいという施設の言葉もありますので、そういったところに予算とか、人員とかを割いていく必要があるのかなというふうに思っています。  給付型の奨学金についても伺おうかと思っていたんですけれども、時間がないので、またほかの機会にしますが、三千万円ほどプールされるような状況であるということで、その活用についてもしっかりと検討していただきたいと思います。  以上で佐藤美樹委員にかわります。 ◆佐藤美樹 委員 続きまして、私からは、先ほど阿久津委員からも少し名前が出ましたけれども、グリーフサポートについてまず伺いたいと思います。  二十八年度の決算書を見ていまして、福祉保健の健康づくりの推進のところの三一ページにグリーフサポート事業ということで載っているんですけれども、数字が年間の数字としては、電話相談、この決算書は三十件、その後、訂正のペーパーが入りまして、電話相談四十一件、個別相談が六十四件というふうに来ましたが、それであっても少し数が少ないかなということで、これについて今回質問したいなと思っているんですけれども、まずこの決算書の実績に対して、二十八年度決算額を教えていただけますか。 ◎鵜飼 健康推進課長 グリーフサポート事業は、親や子ども、配偶者などの御家族の死別などによるグリーフを抱えた区民が地域で安心して生活できる一助として相談事業、ネットワークづくりの普及事業を行うものでございます。平成二十八年度の補助金は総額で三百六十九万一千二百円でございます。 ◆佐藤美樹 委員 三百六十九万というこの決算額の内容の内訳の紙をいただいたんですけれども、この中で、電話相談とか個別相談、先ほど申し上げた、ちょっと件数が少ないんじゃないですかと言っていた部分ですが、電話は週二回、一回二時間と、個別相談は申し込みがあったときに相談を実施していくような形態だと思いますが、これの実施場所というのは、この事業者、グリーフサポート事業を実施しているグリーフサポートせたがやというNPOの場所ということでいいですか。 ◎鵜飼 健康推進課長 NPOではございませんで、一般社団法人グリーフサポートせたがや、こちらが事業を担っております。会場ですが、先ほどからお話のあるサポコハウスという、太子堂のほうにございます。そちらのほうで事業を行っております。 ◆佐藤美樹 委員 サポコハウスで事業を行っているということで、決算書に載っていないんですが、決算の三百六十九万円の内訳で、電話相談とか個別相談の会場費ということで五十万円ほど支給が出ているんですが、もしわかればでいいんですけれども、これはどういうことなんでしょうか。 ◎鵜飼 健康推進課長 このサポコハウスのほうの費用等がありますが、その部分の世田谷の補助金の対象となる部分、例えば先ほど言った週二回の電話相談、あと面接相談でもそこの会場を使っていますので、そこの部分の補助金額としてお支払いしているものです。
    ◆佐藤美樹 委員 この会場費以外も、結局さっき言った週に二回、一回二時間ですと、まず月八回、年間で九十六回ぐらい電話相談を受ける。人が多分そこで電話を受けるようにスタンバイしているんだと思いますけれども、実際、その実績が四十一件ということは、電話が鳴らない日もあるんだろうなというふうに推察されますし、この三百六十九万円という補助金額を投入してやることなのかなというのがまずすごく疑問に思っているところです。電話相談の件数とか、個別相談の件数が、去年、二十八年度から始めて認知度が低いから件数が上がっていないという部分はもちろんあるとは思うんですけれども、それ以前に、やはりこれだけの補助金の額を投入して区が実施することなのかどうなのかというところに疑問を持っています。  このグリーフサポートのような事業をほかの自治体でやっているのかなというところをちょっと見たんですけれども、港区の、先ほどちょっと私は間違えましたけれども、こちらはNPO、特定非営利活動法人暮らしのグリーフサポートみなとというところが実施をしていて、それの助成として、これは港区NPO活動助成事業と、NPOが、全般に助成を出している団体の一つとして助成金が出ているというような位置づけです。これで二十九年度の助成金額として二十五万円を実施していて、こういうふうにグリーフサポートというような死別などの悲しみを抱えている人の相談を受けるというこの事業自体は私は否定をしませんけれども、区のかかわり方としては、一方で、世田谷のほうはグリーフサポートせたがやに三百六十九万円ほど年間支払って、電話や個別相談やセミナーもやっていますけれども、そういったことに補助金額をそれだけ、かなり高い金額だと思うんです。年間の実績が四十一件で、電話相談の人件費だけで見ると、内訳を見ると四十万円ほど出ていますので、電話一件に一万円ほどの補助金が出ることになりますから、こういうふうな補助金のあり方より、港区のような区とのかかわり方のほうが妥当なんじゃないかなというふうに思いますが、その辺についてどう考えていらっしゃるかお聞かせいただけますか。 ◎鵜飼 健康推進課長 区で実施する意味でございますが、悲しみの気持ちの表現、感情を受け入れるための適切な支援があることをやはり行政から発信し、必要な支援につなげていく手助けをする、要は一助をする団体、その団体を区内に育成することで、心のケアを進めることになるということ、そして将来的には地域社会のつながりを深めていくことをこの事業の目的としています。  ただ、御指摘のとおり、相談実績が少ない理由としましては、やはり相談の多くが家族等の身近な方との死別であるだけに、当事者がやっとの思いで連絡をする場合も多く、とてもデリケートな一面があること、また、こうした支援が必要な方へこの事業の周知がまだ十分でないことなどが考えられます。こういった中、今後はグリーフサポート事業の啓発の裾野をより広げることを目途に、医療現場、葬儀に携わる企業等への周知なども検討してまいります。  本事業がより多くの区民にとって身近に感じられるよう、さまざまなチャンネルを活用し、周知に努めてまいります。 ◆佐藤美樹 委員 先ほども申し上げましたけれども、グリーフサポートということ自体を否定はするつもりはないんですけれども、(「否定したほうがいいよ」と呼ぶ者あり)私は否定はしないんですけれども、ただ、区のほうが、この事業者に三百六十九万円年間支払うって、かなりの部分はほとんどが人件費なんですけれども、三百万円ほど人件費で支給をしているわけですが、そこまでしてやることなのかということです。区の補助金の事業としてのあり方ですとか、港区のほうはことし始まったばかりのようですけれども、港区のほうの取り組みとかも、だから、私もこれから掘り下げようかなと思っていますが、今課長がおっしゃったように、このグリーフサポートというのは、既にいろんな形で、例えば協会であったり、今おっしゃっていたような葬儀の関係のところとか、いろんな民間のところが既にやっているわけですので、それを区の事業としてこういう補助金を支給してやることがどうなのかというところは大いに疑問を感じます。ほかの質問もしたいので、ここで終わりますけれども、見直していただきたいと申し上げておきます。  次の質問で、保育関係で質問をします。  さきの本会議で、低年齢児の認可本園という整備がこれから、来年度始まるというところで、その前に似て非なるほかの事業体系である小規模保育のほうの整備が、この三年間で新規新設のものが六園しかないというこの数字の少なさがなぜなのかという点と、その一つにある事業者に求めている募集段階での応募書類が六十書式項目ぐらいあって、ほかの自治体の大体二、三倍で、ちょっと不要なものも含んでいるんじゃないんですかということを質問しました。特に三年前もちょっと取り上げたんですけれども、事業者がきちっと納税能力があるかどうか、滞納していないかどうか、当然、区が補助金を出す先になりますので、この保育の事業者が滞納していないかどうかの納税証明ですとか、納税額の証明というものを区が手を挙げるときに出してくださいというのは、これはここまでは妥当だと思いますけれども、その小規模事業者が借りる物件のオーナーさんの所有者の納税証明というものは、その保育の質というところを担保したいという議論からいっても、不要なんじゃないかということを申し上げてきたわけです。  そういう不要なものも含んでいるからゆえに、六十書類とか、煩雑になっているというところもありますので、見直していただきたいということを申し上げたんですけれども、この間、きょうに至るまで三週間ぐらいの間、検討されてきている状況などがありましたらお聞かせください。 ◎菅井 保育計画・整備支援担当課長 お話のありました建物所有者の納税証明書につきましては、継続的、安定的に小規模保育事業を運営できるよう、滞納処分による競売など、事業の継続が困難となる事態を避けるため、提出をお願いしているところでございます。  このたび本会議における委員からの御指摘や小規模保育事業者からの意見などを踏まえまして、応募書類の見直しを行い、ほかの応募書類によって滞納がないことを確認できることから、納税額についての証明書の提出を求めないよう改善を図るとともに、あわせまして、平成三十年五月以降に開設する事業者の追加募集を行うため、募集要項を改定いたしまして、先週、十月六日より募集を開始したところです。  引き続き、来年度の募集に向けましても、応募書類の再点検を行い、適正な審査、選定の実施に向け、これまでどおり、保育の質の確保や事業者の運営能力、物件の確保状況などにつきましては、十分に確認することを前提といたしまして、必要書類や提出部数等の見直しについて検討してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 納税額についての証明書の提出は求めないということで、一つ見直していただいたことは評価をしますけれども、ほかにもあるなというのが正直あって、ちょっときょうは取り上げませんが、もう少し見直しを進めていただきたいのと、先ほどおっしゃっていましたけれども、部数も、今提出部数が、正が一とコピーを四書式、私も一回拝見したことがありますけれども、このぐらいのパンチファイルが丸々二冊とか三冊とか、非常に大量の書式を皆さんそろえていらっしゃって、確かにこのコピーもそこまで要らないのであれば、減らしていただきたいというふうに要望をしておきます。  それから、また次の質問に移るんですけれども、六月の本会議で、子どもの見守りということで、特に三月にあった松戸市の連れ去り事件を受けて、連れ去りというような子どもの抱えている環境のリスクの部分の対応で、GPS機能などのツールを用いて子どもの見守りを実施していくということを六月の議会で取り上げたんですけれども、今ほかの自治体でいろいろ取り入れていたり、あるいはいろんな民間事業者が開発しているものを見ますと、その見守りの部分では、子どもももちろんなんですけれども、高齢者向けの、特に認知症で徘回というようなことを考えたときの高齢者の見守りにもツールを開発していたり、あるいは自治体でも子ども、高齢者の見守りとして導入をしていたりというふうに、徐々に出てきているなというふうに思います。  世田谷区では、高齢者の見守りということについて、いろいろ取り組みがあると思うんですけれども、こういったITのツールの活用にしては、今どのような検討をされているか伺いたいと思います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 近年、行方不明になった方を捜索するシステムの開発が進んでまいりましたので、区では、平成二十七年度に認知症の家族会の方を対象に捜索サービスに関する取り組みについてアンケート調査を行っております。回答された六十三人のうち、捜索サービスを使ったことがあるという方からは、GPS端末を本人が身につけてくれないですとか、介護者自身が高齢で位置情報アプリの使用などが困難ということで、現在のところ、まだGPS等を活用した見守りサービスは導入には至っておりません。  今年度開始いたしました高齢者見守りステッカー事業は、二十四時間三百六十五日つながる安心コールを活用しており、今後、ステッカーの利用の普及に努めているところです。今後も、認知症の方を含め、御家族を地域全体で見守り、誰もが安心安全に生活できる地域づくりに取り組んでまいります。 ◆佐藤美樹 委員 ちょっと時間がなくなったので……。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆高岡じゅん子 委員 生活者ネットワークの福祉保健所管の質問を始めます。  昨年の決算特別委員会で生活者ネットワークの田中区議から、児童虐待の防止や早期発見の意味で、長年世田谷区が実施してきたさんさんサポート事業の活性化に向けて質問いたしました。そんな中で、担い手事業者の減少を指摘し、対策として交通費の支給などを提案いたしましたが、今年度の事業の実施状況を確認します。事業者の増減や利用者の状況をお聞かせください。 ◎松本 子ども家庭課長 さんさんサポート事業については、ここ数年、保育士不足の問題に影響され、ヘルパーの人材確保が難しくなっていることや、本事業のヘルパー訪問単価が現状と見合わないなどの理由により、受託事業者が減少傾向にありました。そのようなことから、新規事業者を開拓するため、東京都に登録している居宅訪問型保育事業者や全国保育サービス協会、ベビーシッター派遣事業者など、百十一事業者に事業参入の呼びかけを行ってまいりました。また、今年度から訪問単価に訪問一回につき六百円の交通費相当分を加算しております。  こうした取り組みにより、平成二十九年四月時点では、十八カ所だったところが、六月には二十六カ所、七月には二十八カ所、九月には一つの事業者が複数箇所を登録しているところも含め、三十五カ所と増加しております。また、この事業者増によります利用件数の伸びの検証についてはこれからとなりますが、六月以降、昨年度の実績を上回っておりまして、四月から八月の五カ月間の合計では、昨年度の千四百五十六回と比べ、今年度が千六百十九回と、約一割増の百六十三回に件数がふえております。 ◆高岡じゅん子 委員 利用者数もふえ、また事業者数が三十五件と、ほぼ倍増したことを評価いたします。事業者数がふえたということは、利用する側としては、サービス提供者を選ぶ必要が出てくるわけです。ネウボラの子育て利用券の手引書などでは、会場とか、事業内容の記述があり、より自分に合った事業者を選びやすくなっています。利用者と事業者のミスマッチを減らし、より利用しやすくするためには、事業者の訪問可能エリアや事業内容などの情報提供に工夫が必要だと考えます。利用者向け案内に新たにふえた事業者を加え、つくり直す必要もあると思います。  さんさんサポート利用者向けのチラシに、営業エリアなどの情報を加えることや、区のホームページや子育てアプリなどを通して、利用者が事業者を選ぶヒントとなるような情報提供をすることが、さんさんサポート事業のさらなる活性化のために有効だと考えます。区の見解を伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 委員御提案のうち、チラシについては紙面に限りがありますことから、ホームページについて主な対象地域を表示するなど、事業者の実情等も確認しながら、御利用を希望する子育て家庭が、さんさんサポート事業の利用予約がよりスムーズになるようにわかりやすい御案内を検討してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 このさんさんサポート事業ですが、事業者の通報が虐待への情報につながるというような事例もあると聞きました。出産、育児で困ったときに、無料でサポートを呼べるというこの制度の利点を踏まえて、今後も利用者の目線に立ち、世田谷版ネウボラとの連携も密にし、事業の充実を図っていただきたいと思います。要望します。  一般質問に引き続き、高齢者の孤立を防ぐ施策について質問いたします。  昨日の一般質問を聞いてくださった地域の方から、区は二十七の全ての地区に見守りネットワークをつくったと聞いているが、参加の仕方がわからない。近所の喫茶店の方が、常連の高齢者がモーニングセットを食べに来ないのを不思議に思っていたところ、たまたま地区社協の関係者がそれを聞き、安否確認につながったというような事例は見守りネットワークの中にどう位置づけられるんだろうかというような質問を受けました。区の施策の現状分析には、二十七地区で見守りネットワークを展開しているとされています。この表現では、区が一方的にシステムをつくってくれるように区民は捉えてしまいます。住民参加でつくり上げていく地域包括ケアでの見守りネットワークは、区民主体でつくっていくものではないでしょうか。  先ほどの喫茶店の方の例のような幸運な気づきを確かな情報ルートに育てていく必要があると考えます。二十七地区における見守りネットワークは、まだまだスタートしたところであり、これからより密に実体をつくっていく必要があるのではないかと考えます。区の見解を伺います。 ◎柳澤 高齢福祉課長 高齢者見守りネットワークは、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、地区社会福祉協議会が連携し、町会・自治会、民生委員や日赤、商店街などの地区の方々の参加により緩やかな見守りを行うもので、平成二十七年度には全二十七地区で取り組んでおります。  各地区では、高齢者の異変に気づき、あんしんすこやかセンターや区につなげる緩やかな見守りに取り組められるよう、チラシ、シールの配布や講演会による見守りに関する啓発、地区を住民が歩いて危険な箇所を確認するなど、地区ごとに創意工夫による主体的な取り組みが行われております。  地区高齢者見守りネットワークでは、地区内で顔の見える関係を築き、網の目を密にして継続的に実施していく必要があると認識しております。今後は、地域の方々との連携やさまざまな見守り施策を重層的に行うとともに、地域包括ケアの地区展開とあわせて、地区での課題の発見、解決に向け、誰もが住みやすい地域づくりに引き続き取り組んでまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 地区内の高齢者についての見守りの情報共有という意味では、社会福祉協議会やまちづくりセンターにも一定の役割があります。しかし、気がかり情報を適切なサービスに結びつけていく上では、あんしんすこやかセンターの役割が最も重要だと考えます。うまくいった事例を地域と共有する、小さな情報を寄せてくださる方に小まめにお礼を言うなど、地域の実情に合った手法で声がけし、あんすこさんに自然と情報が集まってくる、そういった地域づくりが望まれます。  地区見守りネットワークの実体化には、あんしんすこやかセンターが中心になって住民の協力を引き出すための働きかけを続けることが必要です。区の見解を伺います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 地区高齢者見守りネットワークにつきましては、地域の方々がふだんの暮らしの中で、近所の高齢者の様子の異変に気づいたときに、あんしんすこやかセンターに連絡していただくことで、予防や早期発見、早期解決につなげるものでございます。  区では、これまで区報やパンフレット等により、区民に周知してまいりました。現在、あんしんすこやかセンターでは、区民からの連絡のほか、高齢者への実態調査、民生委員やケアマネジャーからの情報等に基づいて、支援が必要な方の把握に努めております。あんしんすこやかセンターで受けた見守りに関する相談のうち、近隣住民等からの御連絡による相談の割合は、平成二十八年度では三・一%となっております。  区といたしましては、区民の方々の主体的な見守りや御協力により支援が必要な方の把握が一層進むと考えております。区民による緩やかな見守りの大切さやあんしんすこやかセンターの専門職がしっかり見守るあんしん見守り事業等の周知を一層進めるとともに、気軽に連絡や相談をしていただけるあんしんすこやかセンターを目指して、広く区民の方々への周知に努めてまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 地域の力による緩やかな見守りと気がかりな方へのあんしん見守り事業の接続を協力する区民にわかりやすく伝えることも見守りネットワークへの参加意識を高め、活動の広がりにもつながります。一般質問では、認知症徘回SOSネットワークと高齢者安心コールの連携強化を求めました。重層的な仕組みの間での情報共有を図り、高齢者の暮らしを支えることを求めます。  さまざまな持病を抱えながら、地域でひとり暮らしを続けている高齢者の方が、万一のとき、通報システムとして使えるものに緊急通報システムがあります。世田谷区では、東京都の消防庁と連携し、昭和六十三年からこのシステムを運用してきています。当初は、近隣に安否確認の連絡先のあることが利用条件となっていましたが、今は頼める相手がなくても利用可能になっていると聞きます。三十年間続いてきたこの緊急通報システムの現在の活用状況を確認いたします。 ◎柳澤 高齢福祉課長 緊急通報システムは、ひとり暮らしなどで慢性疾患のある高齢者などの方が緊急の事態になった際に、ペンダント型の無線発信器を押すことで、必要に応じて救急車を出動させるシステムでございます。救急車の出動とともに、事前に登録している緊急通報協力員が利用者宅に駆けつけ、鍵をあけ、緊急搬送を円滑に行う消防庁方式と、協力員を見つけることが難しい方には、警備会社が駆けつける民間方式がございます。  平成二十八年度の設置者数は、消防庁方式では百三十八名、民間方式では七十三名となっており、昨年度の通報二百十二件のうち、停電や誤報などが百五十五件と多く、次いで救急対応が五十七件、そのうち三十八件は救急搬送されております。  事業は東京都の要綱に基づいて実施しており、ひとり暮らしや高齢者のみ世帯などの方のうち、慢性疾患のある方を対象としていることですとか、また、緊急通報協力員の登録は不可欠なことなどから、利用できない方がいることは課題として認識しております。他の民間事業者が実施している緊急通報システムの情報収集に努めまして、課題解決に向け検討してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 ベッドサイドからボタン一つで緊急通報できるこのシステムは貴重です。初期に、近所に協力者がいないと利用できないというイメージが強く残り、自分には使えないと思い込んでいる方もいらっしゃいます。必要な支援が必要な方に届くよう、今後も活用を進めてください。  見守りのためにさらに進めることを提案したサービスに、清掃の安否確認つき高齢者訪問収集事業があります。清掃事業の報告書で見ると、昨年度末の時点で五百四十七世帯が利用しているこの事業は、要介護二以上の高齢単身世帯や高齢者のみ世帯、障害者のみ世帯などを対象に、玄関ドアまで行き、必要に応じ、声がけをしながらごみの収集をする事業です。異常を認めた場合には、登録の緊急連絡先への通報もします。  この事業は、けがなどのため、一時的にごみ出しが困難になった場合も使えるものです。迅速な情報連携により、このサービスを活用すれば、ごみがたまってしまったことをきっかけに始まる生活の質の低下や、ひいてはごみ屋敷の予防の効果も見込まれます。  ケアマネジャーや民生委員など、地域の見守りのキーパーソンへこの制度についての周知を進め、清掃現場の情報を高齢者の見守りに活用するため、連携の一層の強化を求めます。区の見解を伺います。 ◎柳澤 高齢福祉課長 ごみ出しがうまくできないといったことから、室内にごみがたまり、衛生上や健康面で問題になることがございます。また、決められた収集日にごみを出さないと、夏場には悪臭や虫が発生しまして、近所の方にも迷惑がかかる場合がございます。その要因としては、認知症の症状により、理解、判断力が低下している場合や、足腰が弱り、ごみ出しができないといったことがございます。適切なサービスの利用により、重度化を防ぎ、生活が維持できるよう支援する必要がございます。  また、清掃事務所によるごみ、資源の訪問収集サービスは、衛生面が改善されるとともに、ごみが玄関先に出されていない場合は、御登録いただいている緊急連絡先やケアマネジャー、区へ連絡が来るなど、見守り機能も持っております。日ごろから地域で高齢者の見守りを行っている民生委員には、シルバー情報でごみ、資源の訪問収集サービスを含め、高齢者施策についてお知らせしております。また、ケアマネジャーや高齢者の在宅生活を支援できるよう、介護保険法以外のサービスの周知もさらに努めてまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 所管の領域を超えた行政の連携のネットワークと地域の支えあいの仕組みづくりに参加する区民のネットワークの両方があって、世田谷型地域包括ケアが支えられ、充実していくのだと考えます。福祉所管以外の部署との事業なども積極的に連携を図り、現場の声を生かし、区民サービスの充実を図ることを求めます。  福祉のサービスが給付型から利用者の主体性を大切にする契約型に変わってきたことは、時代の流れに合った進歩です。一方、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯の高齢者にとっては、介護保険の手続など、サービス利用を始めるための契約手続自体がハードルとなり、サービス利用を控えてしまうこともあります。  社会福祉協議会では、福祉サービスの契約支援などができるあんしん事業を行っていると聞いていますが、現状を伺います。 ◎木本 生活福祉担当課長 委員お話しのように、各種の契約手続などに不安がある方には、社協があんしん事業によりサービスを提供しています。この事業は、福祉のサービスの情報提供や各種契約手続のお手伝いを基本契約として、希望者には金銭管理や年金証書、権利書などの大切な書類の保管サービスなども有料で提供してございます。  日常生活に不安を抱える方に向けて、判断能力があるときから将来に備えるサービスとしてさらに周知されるよう、あんすこや関係機関と連携して取り組み、安心して地域で暮らせる仕組みの充実を図ってまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 今、このあんしん事業の利用者は大体百件と聞いています。今後ふえていく高齢者の中で、より必要になってくるサービスだと考えます。  今、喫緊の課題として、高齢者の特殊詐欺の問題があります。DV被害者に対しては、警察への申し立てや通報に同行する支援というのがありますが、このあんしん事業では、特殊詐欺被害者の高齢者に対しての同行などの支援ができているのか、現状を伺います。 ◎木本 生活福祉担当課長 あんしん事業では、生活支援員が定期的に見守りを兼ねて訪問しておりますが、お話しの、例えば被害届の提出などにつきましても、福祉サービスの一環として同行等の支援をさせていただきます。まずは利用者の日常に寄り添いながら、被害に遭うことがないよう注意喚起しつつ、見守りを行ってまいりますが、被害が頻回になっていたり、次々と高額な買い物をしてしまう場合などは、当事業の範囲を超える支援が必要と判断し、成年後見制度へのつなぎを行ってまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 契約社会の中で高齢者の生活を守っていくために、事業の充実を求めます。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいりますが、先般の補正予算の中で、これは賛成をいたしましたけれども、障害者施設の維持管理ということで、民間施設の六十施設と区の関連施設の二十九施設に、障害者施設ですけれども、防犯カメラを設置するという予算を補正でつけたわけです。これは外部侵入者に対する方策として防犯カメラを設置するという予算だということですけれども、昨今の障害者施設ばっかりじゃなくて、高齢者施設も含めて、そういう施設の中でのいろいろな問題というのは、内部の職員による事件というのが大変多いというふうに思います。  まず、障害者施設に関しては、昨年の相模原の障害者施設、津久井やまゆり園、これは外部からの侵入でしたけれども、実際は中で働いていた方がそういう犯行に及んだということ、また、ことしの四月には、宇都宮の障害者施設で、職員が暴行して入所者が重症を負うということで、この件についてはまだ捜査が進んでいる段階で、職員による県警のOBの方三人が逮捕されて、証拠隠滅で防犯カメラの映像等を意図的に消去したというような疑いも持たれているということです。  また、高齢者施設では、川崎の有料老人ホームで、入居していた高齢者三人が相次いでベランダから職員に落とされたんではないかと、それで死亡したんじゃないかというようなことも問題になりました。ことしは七月に岐阜の高山の介護保険施設で、三人が、これも相次いで不自然な死亡をするなど、さまざま施設内でのそういった事件をどういうふうになくしていくのかというのは、自治体としては、補助金を出しているからには、課題の一つだと私は思うわけです。  こうした介護施設や障害者施設での殺傷事件と虐待のニュースは後を絶たないわけですけれども、今マスコミなんかでも言われているのは、職員の質の劣化がとまらないというようなことが言われているわけですが、これは適性検査や職場教育などでは私は防止ができないと思うんです。ですから、区としては、この内部犯行が起こらないための抑止として、内部の防犯カメラを設置するとか、さまざま対策が考えられるわけですけれども、例えば保育園なんかで、預けている親御さん、家族なんかが、預けている子どもの状況をインターネットで逐一見られるというようなことを提供している施設もあるということでありますけれども、これと同じようなシステムを介護施設や障害者施設にも組み入れていくということは、私は大切なことであると思います。  区が言うようなさまざまなチェックとか、そういうことで職員の意識向上に取り組んでこれをなくしていくというのは、私はナンセンスだと思いますので、そういうことが起こらないための方策として、実効性のある効果的な施設の運営等をしていく必要があるのではないかと思います。  その上でちょっと伺いたいのは、まず、この施設で防犯カメラの管理なんかに関しては、管理運用基準によって管理責任者というのはあると思うんですが、現状で管理責任者とそのデータ等の管理については、区はどのように携わっているんでしょうか。 ◎柳澤 高齢福祉課長 現在、高齢者福祉施設におきましては、外部からの侵入の防止を目的としまして、防犯カメラを設置している施設がございます。防犯カメラの設置につきましては、施設管理者において映像等の記録について責任を持って対処してございます。 ◆あべ力也 委員 今回起こった事件では、内部の職員が証拠、エビデンスになるものを消去してしまうというようなことですから、こういうことが起こらないように管理自体を、例えば今技術的にいろんなものが進んでいますから、クラウドか何かでその情報を一括管理して、世田谷区がその情報を管理するとか、施設そのものにお任せするというのは、やはり消去をされたり、証拠を隠滅されたりというような可能性もありますから、そういうことに対する対策として、世田谷区はどのように考えるかということが私は重要なことだと思うんです。あくまで職員の善意に期待をしていれば、こういった事件というのは起きないわけで、性善説に立つのか、性悪説に立つのかという話になってしまいますけれども、私はあくまで、こういうことが起こらないために、もしかすると起こるんじゃないかということの上で対策を講じていただきたいと思うんですが、部長、どうですか。 ◎瓜生 高齢福祉部長 施設職員はみんな一生懸命介護の仕事に取り組んで、誇りを持って従事しております。一部の方の虐待で入所者を死亡させたというのは大変ショッキングなことでございまして、施設のみならず、事業全体の信頼関係を崩壊させる大変遺憾な事件だと思っております。  虐待を起こさせない環境づくりがやはり重要と認識しておりまして、ハードの防犯カメラを設置することだけでは防げないというふうに思っておりますので、職員の働く環境を整えて、人生の最終章を幸せに送れるよう、区としても課題解決に取り組んでまいりたいと思っております。 ◆あべ力也 委員 部長の言うことももちろん大切なことだと思いますけれども、私はやっぱり抑止という観点からすれば、一挙手一投足が全て記録をされているという状況のほうが、これは防げるんではないか。よく入所者のプライバシーの問題というけれども、そのプライバシーよりも人の命のほうが私は優先をすると思いますので、この点も含めて内部の職員の犯行がなくなるように、ぜひ防犯カメラを内部に対して設置をする。または、遠隔の監視システム等、さまざま方法があると思いますので、ぜひそういうことを実現していただきたいと要望して、質問を終わりたいと――そういうことは可能ですか。遠隔とか、そういうこと。 ◎柳澤 高齢福祉課長 高齢者福祉施設ですと、生活の場であったり、あるいは職員、ボランティア等も活動してございますので、そういった……。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 初めに、シックハウス症候群関連物質への対応について伺います。  平成二十年六月の定例会でこの問題を初めて取り上げました。当時、区が毎年室内環境を検査していたのは、文科省が学校環境衛生基準を定めていた区立の小中学校と幼稚園のみでした。同じく子どもが集まる保育園、児童館については、平成十四年度に改修工事等のあった九施設で一回検査がされただけ、そのほかの施設については、平成十五年以降、新築、改築された施設で引き渡し時に検査がされているだけでした。つまり平成十五年以前の建物についてはノーチェック、また、施設内の改修や什器の入れかえ等でも化学物質がふえますが、こうした変化についてもノーチェックということで、しっかりとした検査をするべきだと求めたのがこのときの質問でした。  その結果、区は、翌年、シックハウス対策の独自のガイドラインとマニュアルを定めてくださいました。取り組んできてはくださったのですが、ここに来て、厚労省の専門家の検討組織が規制の強化を打ち出しています。新たに対象の化学物質が三つ追加された上で、既存の四物質についても規制が大幅に強化されるという見通しなんですが、平成二十二年三月策定の区のガイドラインとマニュアル、これもバージョンアップしていく必要があると思うんですけれども、いかがでしょう。 ◎山本 生活保健課長 厚生労働省のシックハウス問題に関する検討会において、シックハウス症候群の対象化学物質の指針値改定と追加など、室内化学物質濃度指針の改定が検討されていることは認識しております。  区施設における空気中の化学物質検査は、区立小中学校等で行っている学校環境衛生の基準に準じております。学校環境衛生基準が改定された場合は、区施設シックハウス対策ガイドライン等の見直しを行うこととしております。今後、厚生労働省の指針が改定されることにより、学校環境衛生基準が改定された場合は、区施設シックハウス対策ガイドライン等の速やかな見直しを図り、新築、増改修工事等を行った区施設等での検査に反映させてまいります。 ◆上川あや 委員 年内に正式決定される規制値では、キシレンの濃度は従来の四分の一、エチルベンゼンについては何と六十六分の一にまで大幅に規制が強化される見通しだそうです。既に検査を終えて、もう大丈夫と検査をしていない施設についても既存不適格が出てくると思いますので、新たな検査が必要になるのではないでしょうか、いかがでしょう。 ◎山本 生活保健課長 区では、新築、増改修工事等を行った区施設での空気中の化学物質検査において、指針値以下であった施設においても、他の施設に比較して値が高い場合などでは、翌年度も再度検査を行うなどの対応を行っております。  今後、区施設シックハウス対策ガイドライン等を改定した際には、既に検査が終了している福祉施設におきましても、検査項目の追加や過去の調査結果に基づき、基準を超えている施設について継続して検査及び検査結果に基づく助言等を図ってまいりたいと考えております。 ◆上川あや 委員 しっかりお願いいたします。  次に、八月に示されました総合福祉センターの業務移行計画について伺いたいと思います。  それまでの計画で民間医療機関に任せて廃止する方針だった身体障害者の手帳相談と補装具相談判定が一部保健センターに残る方針に変わったことを私は歓迎しております。専門性の高い検査を民間に任せ切るということに不安がありましたし、また、総福では無料で行われていたこうした判定、診断が有料化することにもちょっと抵抗感がございました。どういう理由で変更されたのか、改めての説明を求めます。 ◎竹花 障害施策推進課長 平成二十七年度策定の総合福祉センター機能業務移行計画では、補装具相談判定や身体障害者手帳判定については、判定できる地域の指定医が総合福祉センター開設当初よりはふえたこともあり、地域の民間医療機関へ移行することといたしました。  区内で補装具相談判定などを行う身体障害者福祉法第十五条の指定医は、障害区分の肢体不自由が約二百六十名、視覚障害が約五十名など、十三の障害区分全体で約八百五十人の登録がございます。  今般の総合福祉センター個別事業移行計画を検討する中で、身体障害者手帳の診断では、例えば一部の聴力検査など、設備の関係から地域の民間医療機関では対応が難しいもの、また補装具判定では、下肢装具など、理学療法士が御自宅を訪問した上で判定をする必要があるものなど、地域の民間医療機関では対応が難しいものがあることが判明したため、それらの判定については、区複合棟に整備する保健センターの専門相談で対応する方向としたものでございます。 ◆上川あや 委員 この議論の過程で気がついたことなんですが、障害者手帳取得のための診断料をほかの自治体では助成対象としているんですね。これは世田谷区でもできないですかということを伺ったところ、実はこの事業、取得の診断書助成はありますということだったんですね。伺うと、平成三年十月に施行された区の実施要綱に基づいて、区内医師会所属の指定医で診断書を得た場合には助成対象ということなんですが、私はネット検索をいろいろして、ほかの自治体では見当たっても、世田谷区のサイトから見つけられなかったんです。区の担当者に伺うと、障害者のしおりや「せたがや便利帳」にも書いてあるということなんですけれども、障害者のしおりは手帳をもらってから手渡されるものですから、タイミングが合いませんよね。また、便利帳も通常、転入時に手渡されるものですから、タイミングが合うとは限りません。ホームページにもあるというんですけれども、PDF、どうやって細かく探せというのか、これは広報になっていないと思うんですよ。改善していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎竹花 障害施策推進課長 区では、身体障害者手帳の診断書作成に関して、障害者のしおりや「せたがや便利帳」に掲載するとともに、区のホームページでも御案内をしております。しかしながら、御指摘のとおり、区のホームページでは、該当ページが探しづらく、身体障害者手帳の診断料の助成に関する説明に不十分な箇所もございました。  今後、ホームページでの掲載方法等についてを見直し、診断料助成について容易に検索できるように改めてまいります。また、来年度が障害者のしおりの改訂年度でございますので、ホームページでの情報提供も含め、情報提供全体について点検をし、区民に必要な情報を適切に提供できるよう努めてまいります。 ◆上川あや 委員 三十秒しかありません。このスキーム、区内の医師会で診断書をもらわなきゃいけないんです。ほかの自治体、都内では全ての医療機関からの診断書でオーケーなんです。これは変えられませんか、いかがでしょう。 ◎竹花 障害施策推進課長 都内の自治体では、一定の条件を付しているところ、付していないところ、今後、計画策定の見直しの中で検討を進めてまいります。 ◆上川あや 委員 世田谷区の助成率六・二%です。ほかのところは八割、九割あるんです。ぜひ変えてください。  終わります。
    ○安部ひろゆき 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時五分休憩    ──────────────────     午後零時五十分開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 本日、私からは、子育て支援中のお母さんへの支援ということで、情報弱者の御家庭に対する支援について質問していきたいと思います。  世田谷区では、世田谷版ネウボラを進めておりますけれども、子育て中の区民の中には、その情報を知らない人もいらっしゃいます。情報を知らなければ、必要なときに支援につながらず、息詰まって虐待につながるということも考えられます。子育て支援の情報伝達について、取りこぼしがないように政策を進めていくということが大変重要であるというふうに考えております。  そこで、初めの質問なんですけれども、子育て支援の情報について、妊娠中や子育て中の方に対しては、現状、どのようにお届けしていますでしょうか。 ◎松本 子ども家庭課長 子育て支援の情報提供につきまして、まず妊娠中の方については、妊娠届け出時に母子健康手帳とともに、母と子の保健バッグをお渡しし、バッグの中身を説明したチラシを活用して、簡単な中身の説明と健康づくり課での妊娠期面接の御案内を行っております。  母と子の保健バッグの中には、子育て情報をまとめた世田谷子育て応援ブックや子育て応援アプリの御案内も同封しております。また、妊娠期面接では、ネウボラチームが新しい家族を迎える準備についてお話ししながら、一緒に考え、その家庭に合ったサービスを適宜御案内しております。そのほか、十月一日号の「区のおしらせ」でも世田谷版ネウボラの周知を行いましたが、区報の活用や年四回発行の子育て情報誌であります世田谷の子育てでのテーマを絞った周知、また区のホームページの充実、民間の子育て情報誌の活用など、さまざまな手法を用いた情報提供を行っているところです。 ◆すがややすこ 委員 世田谷区にずっと住んでいらっしゃって、そこで妊娠をされて、区役所に妊娠届というか、母子手帳をもらいに行くわけですよね。そういう方々に対しては母と子の保健バッグというのが届いているかと思うんですけれども、例えば妊娠中に引っ越してこられた方だとか、お子さんが生まれてからこちらに引っ越してこられた方というのも相当数いらっしゃるわけです。そういう方々に対する案内とか、世田谷区ではこういうことをやっていますということがなかなか伝わっていないのではないかなという現状があるかと考えられます。  また、そういったバッグをもらっても、情報を区役所からもらったとしても、そこら辺にぽいとやって自分から情報をとりに行かない結果、何も知らないという方々も実際にいらっしゃるわけですね。ですので、そういう方々たちに対する支援ということも必要になるかと思いますけれども、世田谷区の対応と現状についてお聞きしたいと思います。 ◎松本 子ども家庭課長 区内に転入をされてきた子育て家庭への情報提供につきましては、各総合支所くみん窓口や出張所へ転入届が提出された際に、子育て家庭である場合には、せたがや子育て応援ブックをお渡ししております。また、現在の子育て世代は、インターネットで情報を得る傾向が強いことから、九月には世田谷版ネウボラに関します各所管の取り組みを一つにまとめるなど、区のホームページの充実を図ったところです。そのほか、子育て応援アプリのさらなる活用など、インターネット上での情報提供の充実にも取り組んでまいります。 ◆すがややすこ 委員 子育て支援政策、いろいろ世田谷区でも取り組んでおられて、そのネウボラといったこともやっているんですけれども、結局それが情報としてその方々に届いていかなければ意味がないものになってしまいますので、しっかりとその辺の情報共有というか、情報伝達を、子育て家庭、どの家庭にも届くようにしていただきたいと思います。  世田谷区が、先ほども課長から御紹介がありました、こういった区報で世田谷版ネウボラということでアナウンスしているというふうにおっしゃっていましたけれども、去年も世田谷版ネウボラとかいってでっかく書いたのがありましたよね。あれをうちの父が――もう七十五歳ぐらいね――見て、世田谷版ネウボラって何だとかいっていて、パパは知らなくていいのとかって私は言っちゃったんですけれども、やっぱりネウボラと聞いても、なかなかそれイコール子育て支援というふうにはならないと思うんですよね。ですので、わかりやすい子育て支援の情報伝達ということも必要なんじゃないかなというふうに思います。  世田谷版ネウボラの名称について、ネーミングがわかりづらいということと、あともうちょっとわかりやすいような名前に、サブタイトルをつけるでも何でもいいですけれども、していってもいいのかなと思いますが、その辺についての見解はいかがでしょうか。 ◎鵜飼 健康推進課長 フィンランドでは、どの自治体でもネウボラという子育て支援施設があり、保健師等が妊娠から子どもが六歳になるまで切れ目なく支援を提供しております。それを手本として、区は平成二十八年七月に世田谷版ネウボラを開始しました。そのために、名称にネウボラを取り入れております。二十七年度以降、特別区で十六区がネウボラを事業化し、一部の区では当区と同様のネーミングを採用しております。その一方で、各区が実施する妊娠期面接では、中野区はかんがるー面接、豊島区はゆりかご面接、おめでとう面接など、事業名とは別の愛称を採用する区もございます。  一方、区におきましては、乳児期家庭訪問は赤ちゃん訪問、地域包括支援センターをあんしんすこやかセンター、略してあんすこと称しており、複数年が経過した今では、区民に定着したネーミングとして親しまれております。  本事業を開始して間もないことから、ネーミングの変更は区民を混乱させることも懸念され、今後の周知に当たっては、世田谷版ネウボラのイメージが正しく伝わるよう、さまざまな機会を通じ、この事業について、正しく、わかりやすく周知するよう、より一層工夫してまいります。 ◆すがややすこ 委員 今、御答弁がありましたけれども、例えばあんすことかも、その当時は名前がわかりづらいみたいな話もいろいろあったけれども、今は定着しているというのがありますが、そうはいっても、やっぱりさっき私の父が知らないって言っていて、パパは知らなくていいのかといったら、そういうことではないと思いますし、やっぱりお年寄りの方々から全ての方が、世田谷で子育て支援をやるといったらこれだよということをきちんと世田谷区としてPRしていかないといけないのかなというふうに思っていますので、その辺のところの周知徹底をお願い申し上げまして、私からの質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、成年後見制度の報酬助成制度について伺ってまいります。  成年後見制度には、既に認知症、知的障害、精神障害などで判断能力が十分でないため、自分自身で法律行為を行うことが難しい場合、家庭裁判所への申し立てにより、家庭裁判所が後見人をつける法定後見と将来認知症などになったときに備えて、誰にどのような支援をしてもらうのかあらかじめ任意後見契約を公正証書で作成し、自分が希望する後見人と支援内容を決めておく任意後見があります。そのうち、法定後見には、世田谷区の後見人報酬助成制度があります。  法定後見を開始するには、家庭裁判所に後見開始の申し立てを行わなければなりませんが、申し立てができるものは、本人、配偶者、四親等内の親族、市区町村長と定められております。  ここで、世田谷区の後見人報酬助成制度ですが、生活保護受給者に関しては、親族申し立ての場合、区長申し立ての場合と両方が対象となっておりますが、生活保護受給者ではないが、後見を開始すると、後見の報酬を負担することが困難な低所得者に関しては、区長申し立てのみが対象となっており、親族申し立てによる低所得者については対象外としております。  そこで、この制度についてまず詳細を伺います。 ◎木本 生活福祉担当課長 成年後見制度では、後見人等からの報酬付与の申し立てにより、家庭裁判所が制度利用者本人の財産状況を勘案して、後見人等の報酬額を決めています。区では、成年後見制度を利用される方のうち、後見人の報酬を負担することが困難な低所得者に対する報酬助成制度を平成十五年より開始しております。成年後見制度がもともとは親族申し立てを基本としている中で、親族自身が成年後見人になる場合が多く、報酬申し立てをしない状況があったことなどを踏まえ、現行の助成制度においては、生活保護受給者が対象となりますが、後見人報酬を支払うことで、生活保護相当となる低所得者については、申し立ての親族がいない区長申し立てのケースのみを助成対象とする仕組みとなっております。  なお、平成二十八年度の報酬助成実績は、区長申し立てと親族申し立てがともに十件の合計二十件で、助成額は五百四万四千円となっております。 ◆ひうち優子 委員 この成年後見の報酬助成制度ですが、二十三区の約七割は申し立ての種類にかかわらず助成しております。一方、世田谷区では、生活保護受給者に対しては、申し立ての種類にかかわらず助成対象となっておりますが、生活保護受給者に準ずる低所得者に対しては、区長申し立ての場合には対象ですが、親族申し立ての場合には対象外になります。これにより、生活保護を受けずに頑張っている低所得者の方は、報酬が払えず、成年後見制度が利用できない状況となっており、助成制度が他区に比べておくれています。  成年後見制度の先進自治体である世田谷区として、成年後見制度の普及促進のため、成年後見の報酬助成の対象拡大に取り組んでいただきたいと考えます。見解を伺います。 ◎木本 生活福祉担当課長 親族申し立てにおいても、親族以外の第三者が後見人等に選任される割合が高まっている中で、親族申し立ての低所得者についても助成対象とした区が近年ふえてきました。後見人報酬の助成額については、一人平均で年間約二十五万円を要することとなります。先行する自治体からは、申請予定件数が把握できず予算積算が難しいこと、助成が長期に継続するとともに、申請数の増加により、財政負担が大きくなっているといった課題についても伺っているところです。  区といたしましては、昨年に施行された成年後見制度利用促進法にも鑑み、報酬助成制度の対象拡大を含めた諸課題について検討し、成年後見制度を必要とする方の利用が促進されるよう努めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 成年後見制度利用促進法も昨年施行されました。ぜひ検討していただきたいと思います。  次に、民泊についてです。  二〇二〇年、東京オリンピック・パラリンピックに伴い、世田谷区には、国内はもちろんですが、外国からの訪問者も劇的にふえると思います。現在、世田谷区にはホテルや旅館などの宿泊施設が少ない状況ですが、民泊を訪問者の受け皿として活用することは、国の経済活性化という観点からも、また世田谷区にとっても、国際交流、産業、観光の面からプラスになると考えます。  一方で、現在、エアービーアンドビーを初めとする民泊がふえておりますが、民泊施設において騒音やごみの出し方、不法転貸などで、近隣の居住者とのトラブルになっているという声も聞きます。住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が来年度より施行され、法でも民泊を運営する事業者の義務が規定されていることと思います。  現在、外国の訪問者に対するルールは、滞在先の事業者が作成するものに限られていますが、トラブルを避けるためにも、今後は、民泊の実施者のみならず、区としてもルールづくりが必要だと思います。また、区としてルールをきちんと守るよう、実施者への指導を行うべきだと考えますが、見解を伺います。 ◎山本 生活保健課長 住宅宿泊事業の適正な運営におきましては、世田谷区の良好な住環境を確保することを基本に検討を進めております。有識者や区民等の外部委員による住宅宿泊事業検討委員会での御意見や区に寄せられる苦情の内容は、騒音、ごみ出し、安全面についての不安などとなっており、区としても、生活環境の悪化への取り組みの重要性を認識しております。  住宅宿泊事業法でも、周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関する事項、苦情対応や標識の掲示などを義務づけており、事業者が守るべき一定のルールを示しております。区といたしましても、生活環境を守るための必要なルールについて検討を進めております。例えばごみ出しに関しては、清掃・リサイクル部とも連携し、事業者へのごみ出しルールの徹底を図るなど、近隣の方々へ影響が及ばないよう、取り組みを進めます。  今後、示される国の政省令などの内容も受けて、区といたしましても、住宅宿泊事業を適正に運営するための事業者への指導を徹底してまいりたいと考えております。 ◆ひうち優子 委員 いろいろな区民の方から御意見をいただいておりますので、ぜひ徹底していただくようよろしくお願いします。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私は、区の高齢者、障害者の入所施設の現状と今後について、まず初めに、特別養護老人ホームの現状はどうなっているのか。  世田谷区では、待機児童の問題だけではなく、高齢者や障害者が地域で安心して生活していくための入所施設が世田谷区の人口の割には大変少ない実態があります。こうした中、高齢者や障害者を受け入れる施設を今後とも整備していく必要があると考えますが、現在、世田谷区の特別養護老人ホームの入所待機者の数とホーム開設の現状をお伺いします。 ◎柳澤 高齢福祉課長 現在、世田谷区内には特別養護老人ホームが、地域密着型一カ所を含めまして二十カ所、定員千五百二十七人分ございます。また、多摩地域に区民の入所枠として九カ所、定員百七十七人分を確保しております。一方、本年三月の区への特別養護老人ホームへの入所申込者数は千七百五十四人で、依然として多くの方が入所を希望されており、引き続き、計画的に整備が必要な状況と認識しております。  区では、第六期計画において二〇二五年までの中長期計画として、特別養護老人ホームを新たに約千人分整備することとしておりますが、本年八月に深沢で定員九十六人、九月に成城で定員二十九人の特別養護老人ホームが新たに開設いたしました。また、現在、地域密着型二カ所を含め、平成三十二年度までの開設を目指し、七カ所、五百十八人分の整備が進んでおります。 ◆青空こうじ 委員 でも、千七百五十四名が依然として多くの方が入所を希望されていて、今回、それでつくたって、結局九十六人ですから、まだまだ追いつかない状態です。  次に、世田谷区の子どもたちが毎年区のイベントでもいつもお世話になっている群馬県の川場村に特別養護老人ホームをつくれば、入所待機者の解消にもなると思うんですが、これは前に自民党の石川さんも言ったんですが、こういうお話はいかがでしょうか。 ◎柳澤 高齢福祉課長 都外における特別養護老人ホームの整備につきましては、杉並区が南伊豆町で整備を進めており、来年三月に開設を予定していると聞いてございます。区外での整備に際しては、入所する方の環境変化に伴う心身への影響ですとか、遠方に移ることにより、家族や友人などと日常的な関係が希薄になること、急病等で施設からの呼び出しの対応など、課題があると認識しております。  区が平成二十八年十二月に実施した高齢者ニーズ調査、介護保険実態調査では、約九割の方が現在住んでいる地域に今後も住み続けたいと回答しており、区民の区内居住の意向が高い状況がうかがえます。区内の特養ホームでは、妻が入所している施設に夫が通って一緒の時間を過ごされたり、施設のイベントに家族や知人が訪れるなど、地域とのつながりが保たれております。区では、こうした点を踏まえ、御自宅での生活が難しくなった方でも、住みなれた地域での生活を継続していただけるよう、特養ホームの中長期計画に基づき、二〇二五年に向け、新たに約千人分の整備を区内で進めており、計画達成の見込みが立ってございます。  区といたしましては、介護が必要となっても、住みなれた地域で家族や知人との関係を続けられるよう、在宅生活を支える地域密着型サービスの整備を推進するとともに、引き続き、区内での特養ホームの整備を着実に進めてまいります。 ◆青空こうじ 委員 期待しています。  障害のある方もない人も、誰もが住みたいのは、世田谷区で生活ができて、また障害のある人が地域で生活をする、ホームヘルプのサービスの支援が必要だと思います。  七月二十日の毎日新聞では、東京都内の知的障害者のうち、約三千人の人が都外の施設に入所しているという記事がありました。現在でも、都の補助金で地方に建設した施設があって、合計の定員数は三千二百十二名、そのうち約九割が都民だそうです。  昨年発生しました相模原の障害者施設殺傷事件では、十九名もの方が刺殺されました。また、二十六人の方が重軽傷を負うという痛ましい事件がありました。ついこの間も、先ほどあべ力也委員も言ったんですが、宇都宮の障害者施設で暴行を加えたという事件がありました。そこでは、まさか警察のOBが三人も捕まるという内部調査資料の証拠隠滅疑惑により、事件解決の足かせになっているという問題も発生しています。  施設に入所している障害者は、自分から声を上げられない方もたくさんいるのが現状です。地域で安心して生活ができる障害者の入所施設が必要と考えます。世田谷区から都外施設に入所している障害者の数の状況と障害者が安心して地域で暮らせるよう、入所施設からの地域への移行などをするために、世田谷区の今後の取り組みについて区の考えをお伺いします。 ◎加藤 障害者地域生活課長 入所施設で生活をしている世田谷区民は現在四百二十七名となっており、うち都内の入所施設に二百五名、都外には二百二十二名が入所しております。平成二十七年度から平成二十九年度までを計画期間としております第四期世田谷区障害福祉計画では、三十名の地域移行を目標にしておりますが、これまで九名の方が地域移行しており、移行先はグループホームに五名、在宅復帰が四名となっております。  地域移行が十分に進んでいない背景としまして、入所施設での生活が安定しており、本人が環境を変えることを望んでいないことや、親の高齢化により、施設入所を継続したいなどの理由がございます。また、その一方で、地域での生活を希望されている方もおり、重度化、医療的ケアなど、個々のニーズに対応したグループホームや通所施設の整備、高齢障害者が利用可能な日中活動の場の確保など、課題があると認識しております。  平成三十一年度に開設する梅ヶ丘拠点の民間施設棟では、地域移行を促進するための障害者入所支援施設の整備を予定してございます。ここでは、現在入所をしている方の利用も考えてございまして、地域移行に向けた受け皿づくりについても積極的に取り組み、地域移行の環境を整えてまいりたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 よろしくお願いします。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆ゆさ吉宏 委員 それでは、自民党の福祉保健委員会所管の質疑をしてまいります。  いよいよきょうから衆議院選挙がスタートしました。安倍総理の解散表明から約二週間、当初、小池都知事と前原代表がメディアを席巻しておりました。  先週十月五日の朝日新聞、前原代表へのインタビューで、民進党として衆院選に突っ込んだ場合、獲得議席はせいぜい四十から五十ではなかったかというふうに語っておられます。一方、十月四日の産経新聞、同じく前原代表へのインタビューで、小池都知事にだまされたと思ったことは一度もないと答えておられます。翌十月五日の産経新聞には、次のような記事があります。前原さん、本当にありがとう。前原さんの決断で全ては変わった。矛盾を抱え続けていた政界のあり方を瞬く間に一変させ、すっきりとわかりやすくした功績は、憲政史上に残ることだろうと賞賛しています。正直者がばかを見るのではなく、報われる社会をつくっていくこと、そして人からありがとうと感謝されることが大事であります。  ありがとうといえば、平成三十二年度に開設を目指す児童相談所は、不幸にして利用されるお子さんからありがとうと言ってもらえるような施設を目指して、準備を進めていかなければなりません。さきの私の一般質問で、課題を解決し、切れ目のない支援を行うためには、迅速かつタイムリーな対応を行うことができる仕組みづくりが必要であると宮崎副区長に答弁をいただいておりますが、ということは、虐待が発生した家庭のその後の家庭生活の支援などについて、現時点では支援に切れ目があるということでしょうか、区の見解を伺います。 ◎藤原 玉川総合支所生活支援課長 子ども家庭支援センターは、区民に身近な地域で、児童虐待の事前予防、早期対応や子育て支援に取り組み、児童相談所と共有ガイドラインに基づき、連絡調整を行っております。  子ども家庭支援センターは、ケースの情報収集や児童相談所への一時保護等の依頼を行い、一方児童相談所は、専門的な知識や技術を必要とする対応や児童虐待相談等を行うなど連携を図っております。  一方、こうした連携の中におきましても、一時保護から家庭に復帰する際に、児童相談所から子ども家庭支援センターへの情報提供がおくれ、個別ケースの検討が十分行えない場合や児童相談所の人員体制の状況により、子ども家庭支援センターの対応が困難なケースで、児童相談所に対応を求めても連携がとりづらい場合など課題もございますので、支所としても解決に向けて全力で取り組んでまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 児童相談所と子ども家庭支援センターの役割分担や一元化の議論は、虐待通告を受けた際の初動についての議論が中心ですが、子どもが家庭に復帰する際の支援の役割分担について、どこまで議論をされているのか伺います。 ◎長谷川 子ども・若者部副参事 児童相談所が指導や支援をしている事例を子ども家庭支援センターへ引き継ぐに当たりましては、その家族の見立てや対応方針などについて、情報の共有化が必要であると認識しています。  区で提供しているさまざまな福祉サービスを活用し、迅速なサービスや見守りにつなげるなど、現在の東京都との二元的な体制のもとでは実現できなかった一貫したアセスメントのもとでの支援が行えることで、より効果的で切れ目のない支援となることが期待されます。電算システムを共有化するなど、効果的かつ確実に支援が引き継がれるよう、今後、実務的な検討を行いますとともに、区に児童相談所を移管することによる効果を最大限発揮できますよう、支援に当たっての役割分担や連携についても議論を尽くしてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 最近の国の子ども虐待死亡事例の検証結果では、心中以外の虐待死の約六割がゼロ歳児との結果が出ています。区の子育ての状況を見ると、ゼロ歳児においては、約八割が在宅で子育てをしているなど、多くの子育て家庭が在宅子育てを経て、保育園や幼稚園に至っています。  こうした中、就学前の子育て家庭、特に乳児を持つ家庭が多く集うおでかけひろばは、在宅での子育てを支援するために大変重要な意味があります。在宅での子育てのさまざまなニーズに応えるため、おでかけひろばを有効に活用し、子育て家庭と地域をつなげ、地域の子育て力を高める取り組みを進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 おでかけひろばは、利用者同士の交流や気軽な相談の場であるとともに、子育て家庭が地域やサービスにつながるきっかけの場でもあります。また、ゼロ歳児からを対象としたほっとステイ事業をひろば内で実施している事業者もあります。  区では、利用者と地域をつなげ、地域の子育て力を高める事業やひろば内での一時預かりを実施する事業者に補助金の加算を行い、ひろばの持つ地域の子育て支援拠点としての機能の充実を図っているところです。現在、それぞれのひろばが工夫を凝らし、例えばおもちゃの修理や包丁研ぎなどをきっかけに、地域の多世代が交流できる取り組みを行っております。  地域のさまざまな方が子育て家庭を支え、孤立化を防止する取り組みを進めることは、児童虐待予防の観点から大変重要です。今後も事業者の創意工夫による活動を促し、おでかけひろばを通して、地域のさまざまな方が子育て家庭にかかわっていけるような取り組みを進め、地域の子育て力の向上を図ってまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 さて、私が生まれた昭和四十六年の時点では、祖父は二人、祖母が一人がもう既に他界をしていて、母方の祖母のみが存命でした。明治四十年、一九〇七年の生まれで、平成十五年、二〇〇三年に九十六歳で亡くなりますが、実は昭和五十八年、一九八三年、祖母が七十六歳のときに大腸がんで手術をします。当初から本人には腸捻転としか言っておりませんでしたけれども、亡くなるまで自分ががんだったとは全く知りませんでした。というのも、予後が順調で、抗がん剤が体に合わないといって、ほとんど使わなかったのですが、どうもそれがよかったようで、その後、亡くなるまでの二十年間、がんが再発することもなく、元気で過ごしてくれました。  祖母が大腸がんの手術をした昭和五十八年、今から三十年以上前は、当時、がんというと不治の病というイメージが強くて、本人にはもちろんのこと、周りの知り合いにも公表するのがはばかれるような、そんな時代だったと思います。しかし、その後、医術が進み、がんも助かる病気になってからは、生活習慣病の一種とぐらいに見られるようになりました。  早期発見、早期治療であれば助かる病気、特に胃がんは治る率の高いがんですが、区でも従来のエックス線検査、いわゆるバリウムによる検査に加えて、ことし十月から内視鏡、つまり胃カメラによる検査が始まりました。区が従来実施してきた胃がん検診の受診率は四%台と低迷してきましたが、今回、区が新たに開始した内視鏡検査による胃がん検診の狙いと、今後、低迷する受診率に歯どめがかけられるのか、そのためにどのような方法で受診できるのか、またそれは誰もが受けやすい環境が確保できているのでしょうか。あわせて区は、区民への安全と安心をどのように捉え、今回の内視鏡検査による胃がん検診を実施しているのか伺います。 ◎鵜飼 健康推進課長 まず、内視鏡検査による胃がん検診導入の狙いについてお答えいたします。  国のがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針に基づき、がんの予防対策として、区はこれまでエックス線検査による胃がん検診を実施しております。国はこの指針を平成二十八年二月に改定し、自治体の対策型検診として内視鏡検査による胃がん検診を初めて奨励いたしました。そのため、区は、区民の受診機会の拡充に向け、本年十月からエックス線検査による胃がん検診と併用して内視鏡検査による胃がん検診を開始しております。  次に、受診率の向上についてでございますが、今年度上半期のエックス線検査による胃がん検診の受診者数は、月平均で四百件、一方、内視鏡検診の申込受け付け数は、九月の受け付け開始後、一カ月で九百四十三件を数えています。先行する自治体の多くから、内視鏡検査導入後は受診者数が伸びていると伺っており、引き続き、受診率の向上及び胃がんによる死亡率の減少を目指してまいります。  続きまして、胃内視鏡の検査の受診しやすい方法となっているかについてお答えします。  区は、これまでのエックス線検査による胃がん検診を、区立保健センターの施設及び同センターが各地域に年間六十カ所ほど配車する二台の検診車にて実施しております。一方、今月より開始した内視鏡検査による胃がん検診につきましては、区民にとって身近な地域にある七十九の医療機関等で受診できる仕組みといたしました。このことで、かかりつけ医のもとで安心して受診し、検診後の丁寧なフォロー等も期待できるなど、受診しやすい環境を整備し、提供しております。  最後に、胃内視鏡検査における区民の安心安全の確保に関する取り組みについてお答えいたします。  区では、国のマニュアル等に基づき策定した世田谷区胃内視鏡検診の手引に、内視鏡機器の消毒方法や各検診医療機関に対する偶発症対策に備えることなどをお示ししております。また、検診医となるための条件としては、日本消化器がん検診学会認定医等の資格を有するか、あるいはおおむね年間百回以上の胃内視鏡検査を実施している実績があることとするなど、さまざまな安全管理基準を設けております。これらの全ての基準を満たすことを内視鏡検査による胃がん検診を実施する医療機関の条件とすることに加えまして、検診医に対する研修会を実施するなど、安全対策を講じております。 ◆ゆさ吉宏 委員 がんはここ三十年で、いわば市民権を得ましたが、一方で、まだ偏見があるのが認知症です。精神病と同列で見られることが多く、まだ認知症への理解が進んでいないというのが実情だと思います。高齢者のひとり暮らしや認知症の方が増加している中で、地域での高齢者の見守りが必要だと思いますが、現在の取り組み状況と今後の取り組みについて伺います。 ◎柳澤 高齢福祉課長 高齢社会の進展や家族形態の変化により、高齢者のひとり暮らしや認知症の方が増加している中、区では、地区高齢者見守りネットワーク、あんしん見守り事業、民生委員ふれあい訪問、高齢者安心コールなど、高齢者見守り施策に取り組んでおります。また、今年度より、認知症などによって外出先から帰れなくなるなどの不安のある方が保護された場合に、迅速に身元が判明し、自宅に戻れるよう、二十四時間三百六十五日対応している高齢者安心コールを活用した見守りステッカー事業も実施してございます。  さらに、区では、事業者と高齢者の見守りに関する協定を締結し、地域で高齢者の異変に気づいた際には、あんしんすこやかセンターや区に連絡をいただきまして、安否確認などを行う事業者との連携により見守りを実施してございます。世田谷新聞販売同業者組合、東京ガスに加え、金融機関や宅配事業者など、合計十七の事業者、それから団体と協定を締結し、事業者の日々の活動を通じ、高齢者の見守りが行われてございます。さらに、地域のふれあい・いきいきサロンや支えあいミニデイなどのさまざまな支えあい活動でも住民同士の見守りが行われてございます。  区といたしましては、地域の中での見守りに重層的に取り組むことが重要と認識しておりますので、今後も充実に努め、誰もが住みなれた地域で安心して在宅生活が継続できるよう、地域づくりを推進してまいります。
    ◆ゆさ吉宏 委員 区は、現在、第七期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定を進めていますが、今後ますます増加する高齢者人口を見据えれば、特別養護老人ホームの整備はもとより、在宅生活を支える地域密着型サービスの基盤整備も重要です。地域密着型サービスのうち、小規模多機能型居宅介護や認知症高齢者グループホームは、各地区に一カ所以上となるよう整備を目指すとされていますが、まだ整備されていない地区があります。  そこで、小規模多機能型居宅介護と認知症高齢者グループホーム整備の第六期計画の進捗状況と第七期計画に向けた取り組みについて伺います。 ◎柳澤 高齢福祉課長 小規模多機能型居宅介護は、要介護高齢者が在宅での生活を継続するために重要なサービスで、区では、訪問看護が一体的に提供される看護小規模多機能型居宅介護といずれかが日常生活圏域に一カ所以上を目指して整備を進めてございます。現在、二十七圏域のうち、十一圏域で整備されております。それから、認知症の方が地域での暮らしの場になります認知症高齢者グループホームは、地域密着型特養ホームといずれかが日常生活圏域に一カ所以上を目指してございまして、現在二十一圏域で整備されております。  区では、整備を促進するために、整備費補助の活用の公募を毎年行うほか、区有地を初め、公有地の積極的な活用を図っておりますが、まだ未整備圏域の解消が第七期に向けて重要な課題の一つと認識してございます。区といたしましては、未整備圏域を対象とした整備費の上乗せ補助や公有地活用の機会を確実に捉えた整備を進めるとともに、土地所有者に施設整備に協力をいただけるよう、サービスの種類、補助金などを記載したパンフレットやポスターにより働きかけを粘り強く続けてまいります。  今後とも誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられる地域社会の実現を目指しまして、介護基盤の整備に全力で取り組んでまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 高齢社会の進展に伴う認知症高齢者の増加で、区では、認知症高齢者や御家族への支援など、認知症施策を総合的に推進しています。一方、六十五歳未満で発症する若年性認知症は、働き盛りで発症するため、仕事や家族などへの社会的影響が大きく、御本人も役割や生きがいを失う可能性があるという問題があります。  このため、現在、区では、認知症デイサービス事業者の協力のもと、若年性認知症や軽度認知症の方の社会参加型プログラムを実施していますが、その成果と今後について伺います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 区では、若年性認知症の方や軽度認知症の方が主体的かつ意欲的に参加できるよう、平成二十八年度から認知症当事者のための社会参加型プログラム開発事業に取り組んでおります。これまで実施した社会参加型プログラムでは、手づくりのお菓子づくり、野菜販売店の商品こん包や値札つけなど、屋内での作業、活動のほか、地域の農家の方のお手伝いとして、畑の土壌づくりや種まきなど、屋外での活動など、少しずつ広がりが出てきております。参加されている御本人からは、続けたい、御家族からは表情がよくなったなど、よい評価も得ております。  本事業は、認知症通所介護事業所に御協力いただきながら、平成二十八年度に区内一地域から開始し、今年度は三地域、平成三十年度には全地域で実施いたします。協力いただいている認知症通所介護事業所では、プログラムを通して地域との新たなつながりが生まれているほか、認知症デイサービスの活動の充実が図られております。  本事業において蓄積したプログラムの開拓方法や認知症の御本人に合わせた活動方法等のノウハウは、他の認知症通所介護事業所にも広め、平成三十二年度に梅ヶ丘拠点に開設する認知症在宅生活サポートセンターに引き継ぎ、さらなる充実を図ってまいります。今後も、御本人や御家族の視点を重視し、認知症になっても安心して暮らし続けられる地域づくりを推進してまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 関連で介護保険料は、介護保険制度を支える重要な財源になっています。介護保険制度を健全に運営し、信頼される制度にするためにも、保険料の設定は重要になります。第七期計画における保険料設定に当たって、区の考えを伺います。 ◎相蘇 介護保険課長 介護保険法では、利用者負担分を除いた費用の総額を公費と被保険者の保険料で五〇%ずつ負担することが定められております。現在の六期計画の保険料設定に当たっては、所得段階区分について、国の九段階から区は十六段階にふやしております。また、基準額と比較した料率設定の上限を三・三倍に設定する一方、第三・第四段階で収入、資産が一定以下の方を五〇%に軽減しております。  平成三十年度から三十二年度の第七期の保険料の設定は、被保険者や介護給付費の増加、被保険者の負担割合の変更等により、上昇は避けられないと考えておりますが、所得段階区分の段階数の増であるとか、保険料率の上限等の見直し、介護給付費準備基金の活用など、上げ幅をできるだけ抑えられるよう検討してまいります。また、第六期に引き続き、区独自軽減等の低所得者対策の継続を検討するとともに、国の動向も注視して取り組んでまいります。  今後、区は、給付量の見込みを十一月に推計し、来年一月ごろに国から示される予定の介護報酬改定等の内容を反映させ、二月に保険料額の案を提示いたします。検討の状況については、適宜、常任委員会に御報告させていただき、三月末に保険料額を確定させていただきたいと考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 最後に、障害福祉関連で何点かお聞きしたいと思います。  区では、今般、ノーマライゼーションプランの見直しと第五期障害福祉計画素案を出しましたが、非常に多岐にわたり、積極的な取り組み意向が示されていますが、実際にどこまで実現ができるのか心配になります。障害福祉計画においては、区独自の重点取り組みを示していますが、どのような理由で重点施策を選定したのか伺います。  一方、障害理解の促進と障害者差別の解消はいずれも簡単ではありませんが、それぞれどのような方策で実現していくのかあわせて伺います。 ◎竹花 障害施策推進課長 現在策定中の第五期障害福祉計画は、平成三十年度から三十二年度までの三年間の実施計画に当たるものでございます。この計画は、国の定める成果目標等について定めるものでございますが、これ以外に区として別途、この三年間で重点的に取り組む施策を三点選定いたしました。  重点施策の一点目は、障害施策の基盤となる取り組みの観点から、障害理解の促進と障害者差別解消を設定いたしました。二つ目は、障害者の地域生活の支援で、住みなれた地域での生活の継続に向けて、医療的ケアを必要とする障害児への支援も含め、障害者が必要とするさまざまなサービスを充実させる必要があることから設定いたしました。三つ目の障害者就労の促進では、ライフステージを通じた障害者の社会参加と経済的自立に向け、地域や社会の一員として、みずからの力を生かせる環境を整えることが必要であることから、重点として設定したところでございます。  次に、重点施策の推進に当たりましては、参加と協働の視点を持ち、保健、医療、福祉、教育等の各分野がそれぞれの役割を果たしながら、区民、団体、事業者等と連携をして積極的に取り組むことが必要だと考えております。  一つ目の障害理解の促進と障害者差別の解消においては、商店街との協働による実効ある取り組みや教職員を対象とした研修、当事者と協力した出前事業など、二つ目の障害者の地域生活の支援においては、事業者と協力した住まいや日中活動の場の確保、三つ目の障害者就労の促進では、雇用者や支援機関と協力した就業形態の多様化や就労支援など、それぞれ取り組んでいく予定でございます。  第五期障害福祉計画の重点施策は、現在、素案としてお示しをしております新実施計画後期の重点項目にも一部位置づけ、重点施策の実現を目指して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 梅ヶ丘拠点整備について、総合福祉センターからの業務の移行や民間棟の業務内容が示されましたが、前々から質問をしておりますミドルステイについて、今後検討するとなっております。具体的にはどのような方向で検討が進められるのか、区の見解を伺います。 ◎加藤 障害者地域生活課長 短期入所施設については、日常介護をする人が病気の場合などに、短期間の施設での入浴や食事の介護等を行う目的で、現在、区内十五カ所の施設において五十四名の枠がございますが、ニーズが多いことから、原則一回の利用を二泊三日とし、事情により一、二週間程度の期間で利用をいただいているところです。  梅ヶ丘の民間施設棟に整備いたします短期入所施設は、障害者二十名、障害児八名の定員を予定しており、障害者団体や通所施設利用者の御家族などから、家族のけがや病気などで入院されたり、親族の介護で一時的に障害のある家族の世話ができないなどの理由から、数週間から一カ月程度の利用ができるようにとの御要望をいただいております。  現在、民間施設棟の障害者支援施設全体の事業の枠組みについて運営事業者と協議を進めておりますが、運営事業者においてもミドルステイを実施する方向で具体的な期間や利用の人数などを検討しております。来年二月には梅ヶ丘拠点で実施いたします短期入所を含めた個別事業の概要をまとめる予定にしておりますので、その中で事業の枠組み等を明らかにしてまいりたいと考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 施設入所支援は、原則三年、その後の状況により、延長二年の計五年が最大の期限となっています。この期限設定の考え方について伺います。  また、実際に支援区分が四以上の方となると、重度の方が多いと思いますが、五年で通過できない場合はどうなるのか。例えば無理やり追い出すようなことをするのか、それとも新たな人が入れないということになるのか、区の考えを伺います。 ◎加藤 障害者地域生活課長 梅ヶ丘拠点の民間施設棟には、区内で初めて障害者の地域生活支援型の入所施設を開設いたします。この施設は、入所期間中に外出や買い物などの日常生活のスキルを高めたり、専門職員による身体機能の訓練や安定した生活リズムの構築など、個々に合わせた支援を行うことにより、地域移行の実現を目指す施設としております。  さきにお示ししました梅ヶ丘拠点民間施設棟・障害者支援施設における新規事業概要素案の中では、利用期間を原則三年として地域移行を目指していただくこととしております。利用期間につきましては、障害者総合支援法に基づく自立訓練の支援期間や他自治体で開設している地域移行施設の例を参考としております。また、入所後の状況により、三年で地域移行ができないケースも想定されるため、最大二年まで延長期間を設ける方向で運営事業者、区、相談支援事業者等によるサービス担当者会議等で検討を行っております。  五年でも対処できないケースの取り扱いですが、施設入所支援の利用希望者の状況によりますが、基本的には最大五年としておりますのは、これ以上の期間によりますと、長期の入所施設となり、地域移行が難しくなると考えていることによります。五年を経過してもまだ地域移行が困難な方の対応の方法につきましては、検討課題と考えておりますので、引き続き、団体の御意見も伺いつつ、本人支援の視点を重視しつつ、運営法人との間で協議を煮詰めてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 御答弁いただきありがとうございました。  以上で私からの質疑を終わります。質疑者を河野委員にかわります。 ◆河野俊弘 委員 自由民主党の福祉保健領域の質疑を続けます。  私からは、初めに、区における介護人材の確保に向けた区の取り組み及びその方策について質疑をしてまいります。  平成十二年度の介護保険制度施行後、要介護・要支援認定者の増加とともに、サービス量も増加しています。あわせて介護職員数も平成二十六年度まで、十二年度から二十六年度までの十四年間で約三倍の百二十一万六千人に増加しています。しかしながら、平成二十七年六月に国が発表した介護人材における需給推計によると、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年には、全国で約三十八万人の介護人材が不足し、うち東京都だけで見ると、約三万六千人の需給のギャップが生じるとされています。  ここで確認ですが、世田谷区の介護人材の需給ギャップの現状についてお聞かせください。 ◎柳澤 高齢福祉課長 区では、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、特別養護老人ホームを初めとした介護施設などの整備を進めているほか、在宅介護サービスの急速な伸びも予想されることから、介護人材の確保、育成は喫緊の課題であると認識しております。  区における介護人材の需給ギャップの状況ですが、昨年度実施しました区内介護事業者の実態調査において、約六二%の事業所が、人材が不足している、またはやや不足していると回答しております。また、事業所を運営する上での課題として、職員の確保が六三・七%と回答してございます。  区の二〇二五年の需給ギャップですが、都に占める区の要介護・要支援認定者数の割合である約六・八%、この数字を用いまして、都の推計値約三万六千人にこの値を掛けて得たところで約二千四百人、このあたりが介護職員の需給ギャップであるというふうに考えてございます。 ◆河野俊弘 委員 今、東京都の推計ギャップから出しているということですが、このギャップの数字って結構大事だと僕は思っています。なので、世田谷区でも独自にやっぱり調べていただくこととかも要望しておきます。  その必要な介護人材において、有効求人倍率を見ると、現在、介護サービスの施設職員、訪問職員を含めて、東京都全体で五・七一倍で、世田谷、渋谷、目黒の三つの管内での数字を見ると、何と一二・九六倍となっており、都内全産業の一・七二倍と比べて非常に高く、人材の確保の厳しさが明確にあらわれています。  以上のことからも、目指すべき、住みなれた地域で安心して暮らし続けられる地域包括ケアを構築していくために不可欠である、社会基盤である福祉・介護人材について、現在もその確保の厳しい状況がわかります。団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、介護需要が一層高まり、区において人口推計でも、人口がどんどん増大していくことというのが予想されています。それとともに、今の介護スタッフが高齢化していくということも考えられます。より厳しい状況に置かれるということが明白です。  そこで、昨年の法改正によって大きな動きを見せている外国人介護人材について、区における確保策及びその必要な支援策についてお聞きします。  平成二十年に、インドネシア、フィリピン及びベトナムとの経済連携協定、いわゆるEPAに基づく介護福祉士候補者の受け入れが開始されて以降、平成二十九年一月には累計二千七百人の人が雇用されていますが、この二千七百人という数字、やはり本格的な広がりということにはなっていません。  しかし、昨年の入出国管理及び難民認定法の改正により、本年の九月から、外国籍を持つ人が介護福祉士の国家資格を取得すれば日本の介護現場で働けるようになり、さらに十一月、来月からは、技能実習適正化法が施行され、これまで農業などが対象だった外国人技能実習制度でも、介護職種が追加されることが決まりました。ただ、高齢化が進むアジアでは、韓国や台湾など、介護人材の争奪戦になっていることが見込まれています。今まで受け入れている事業者から、外国人介護従事者の区におけるニーズの把握及び事業者への聞き取りが必要であると考えます。  まず、区における外国人介護人材の状況について伺います。 ◎柳澤 高齢福祉課長 区では、区内の特別養護老人ホームで、お話がありましたEPAに基づき、外国人介護人材の受け入れを積極的に行っている施設がございます。その状況などをお聞きしています。外国人介護人材の受け入れに当たっては、言葉や生活習慣の違いのほか、日本語研修などの費用負担が課題として挙げられます。受け入れを行っている区内特養ホームからは、母国を離れて一生懸命仕事や勉強に取り組む姿勢は、日本人の職員にも刺激になっているなど、ともに働く日本人職員の意欲向上につながるとともに、優しく、明るく接してもらえているといったことが入所者の評価も非常に高いというふうに聞いてございます。 ◆河野俊弘 委員 今言った法の整備が進んでも、人材を受け入れる事業者にとって、受け入れ体制や労働環境をどのように担保できるか、多くの国から人材を入国させて管理するのは容易でないことなど、不安要素を今後払拭しなければ、外国人介護人材の登用にはつながらないと思います。  そして、今の御答弁の中で、積極的に外国人雇用をしている施設と経験が浅く、実績の少ない施設があるということですが、そこで、実績ある施設と人材交流をするなど、一定の情報を事業者間で共有することも必要であると考えています。区として、雇用主となる事業者及び外国人介護職員への必要な支援はどのように今考えているのかお聞きします。 ◎柳澤 高齢福祉課長 外国人介護人材の受け入れを行っている特養ホームからは、外国からお引っ越しされてきて区役所への手続ですとか、あと住居探しなどに時間がかかるというふうに聞いてございます。介護施設等が外国人介護人材を受け入れる際の課題などを整理しまして、必要な支援策の検討を進めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 実際に必要な支援策というのが具体的にはまだまだ決まらないというところだと思うんですけれども、なぜ今まで受け入れが進んでいないのか、厚労省の調査によると、実際に日本へ就労した外国人介護職員は、まず選択した理由として、安全安心だったり、あとは政府のサポート、あと日本式の質の高いサービスの習得などを挙げる、その一方で、就労定着のネックとしては、やはり待遇やスキルアップなどの支援体制を挙げています。中には、介護福祉士資格を取得しても、習得した日本語能力が自国の日系企業への就職に有利であることから帰国をしてしまったり、次の受け入れ国に行くまでの資金と介護スキルの蓄積と捉えていたりするケースもあると聞いています。  つまり、日本の介護分野で就労するということは、外国人労働者にとって、母国の同分野で就労するよりは条件がいいものの、ほかの受け入れ国と比較すれば、決して有利ではないということになります。人事確保が困難な理由として、外国人労働者にとっても同様であり、中長期的な人材の定着は望めないと思います。  国内同様に介護職は、夜勤などがあり、きつい仕事、給与水準が低い仕事などのマイナスイメージが大きく、人材の参入を阻害していることも考えられます。したがって、まずは日本の介護分野への就労について、既に国内でマイナスと捉えられている部分を改善するということが必要だと思います。雇用環境を整えていくことが不可欠であります。こうしたマイナスイメージを払拭するための策を講じねばなりません。  そこで、外国人介護職員の視点では、日本への就職希望として、なぜその事業者を選んだのか、そのきっかけの多くは、インターネットを通じて、もう既にリアルタイムで情報共有された評価を見て、聞いて、それで選んでいると聞いています。もともと介護職という専門職は、EPA介護福祉士の送り出し国であるインドネシア、フィリピン、ベトナムにはそもそも存在しません。それらの国と日本の国との間では、疾病構造や平均寿命、文化的な背景の違いなどがあり、高齢者のケアは、施設ではなく、自宅において専ら家族によって担われているということだそうです。評価されていることは、事業者の評価とともに、日本独自の高齢者看護、介護に触れることができたことに対する評価であると考えます。  事業者を選び、もしもそれが日本の先進的な介護、私が本年三月の予算特別委員会でも取り上げた介護ロボットによる介護などを体験した場合、これは提案ですが、それが一番初めの介護職に対するイメージとなるということは、これは大きなアドバンテージになると思います。外国人介護職員の介護に対する評価が、これは新しいイメージとして、提案ですが、世田谷ブランドの介護として母国に発信をされれば、それは日本、世田谷区の先進的な介護をアピールする大きなチャンスとなって、結果的に人材を呼び込むこととなると考えますが、区の見解をお聞かせください。 ◎柳澤 高齢福祉課長 区では、職場環境の改善や介護者の負担軽減を目的としまして、委員のお話がありました介護ロボット導入、これの支援事業を平成二十八年度より行っております。その効果、検証を行っているところでございます。例えばEPAに基づく外国人介護人材の受け入れを行っている特養ホームにおきましても、ベッド内蔵型センサーによる見守りロボットや人型ロボットの導入もしてございまして、介護職員の身体的・精神的負担の軽減に向けた取り組みを進めております。  また、タブレット端末を導入し、介護記録の入力やケアプランとの一体管理を行うなど、ICT化により、情報の共有や業務の効率化に取り組んでいるといった法人もございます。  区といたしましては、介護環境の改善は介護職のイメージアップになり、魅力ある職場として人材の確保にもつながることから、介護ロボットやICTを活用した区内介護サービス事業者の先駆的な取り組みについて、アピールに努めてまいりたいと思います。 ◆河野俊弘 委員 今回のこの法整備をきっかけに積極的な区内事業者への働きかけと、先ほど言った世田谷ブランドと介護といった部分を支援策として講じていただくよう強く要望して、次の質問に移ります。  次に、本年三月の予算特別委員会で私から提案した定期巡回・随時対応型訪問介護看護――以降、定期巡回・随時サービスと言います――について、その後の区の取り組みの状況に関連して何点か伺ってまいります。  医療機関や介護事業者は、大きな転換期にあります。その背景には、先ほど述べたように、人口構造の変化で高齢者人口の増加に対して生産年齢人口の減少があります。三人で一人の高齢者を支えるいわば騎馬戦型から団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年には二人で一人の肩車型になると言われています。支え手の減少は、人材不足だけではなく、保険財源や税収の減少にもなります。  区において、人口増加によって特養の整備に必要な土地の確保も今後より厳しくなるでしょうし、一施設当たり数億円の整備費も、今後の財政負担に拍車をかけかねないと考えています。  そこで、最小の経費で最大の効果をもたらし、住みなれた家で介護を受けたいというニーズに応えることができる定期巡回・随時対応型訪問介護看護があります。定期巡回・随時対応サービスは、要介護一から五の方を対象に、短時間、頻繁に訪問介護と訪問看護を提供する利用料固定のサービスです。訪問介護のみを提供することも可能です。その場合においても、必ず月一回は、看護師によるサービス状況や利用者の健康状態の確認など、アセスメントを実施します。また、計画に基づいた定期的な訪問を行うだけでなく、転倒や急変時などに備えて、二十四時間いつでも対応できる体制を整えることができます。  利用者からの連絡には、介護福祉士などのオペレーターが対応し、利用者とのやりとりから状況を判断して、必要があれば訪問介護員に連絡し、訪問計画以外のサービスを提供するなど、定期巡回・随時対応サービスでは、利用者の状況に応じた柔軟なサービスが可能です。そのため、このサービスでは、今後、急増が見込まれる認知症や退院直後で状態観察が必要な方などの在宅生活を継続するために、中心的な役割を担うことが期待されています。  従来のサービスでは、在宅での生活が困難であった方が、定期巡回・随時対応サービスの利用によって、在宅で生活できるようになったことが多く報告されています。  このように、定期巡回・随時対応サービスは、在宅の限界点を引き上げることから、地域包括ケアのかなめであると考えます。区における整備状況及び制度の周知、そして現在どういったニーズがあるのか伺います。 ◎柳澤 高齢福祉課長 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、医療的ケアが必要な方や重度者も含めまして、要介護高齢者の在宅での生活を支援するため有効なサービスと捉え、区では、区内五つの地域ごとに一カ所以上となるよう、計画的に整備を進めております。  現在、区内では六カ所の事業所のほか、訪問介護の拠点となるサテライト拠点が九カ所あり、本年十二月には砧地域に新たな事業所が開設される予定で、世田谷地域を除く四地域で事業所が整備されます。  区民のサービス利用状況は、区内事業所の総利用予定者数が三百七十人のところ、約百七十人の方がサービスを利用されております。区では、サービス内容や効果を多くの方に正しく理解していただくため、平成二十六年度から区内事業者連絡会との共催でケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーを対象としたセミナーを開催しております。また、区内で定期巡回・随時対応型訪問介護看護を運営する事業者連絡会では、サービスの概要や特徴などの紹介を一つにまとめたパンフレットの作成を進めるなど、サービスの周知に努めているところでございます。 ◆河野俊弘 委員 このサービスの利用者として唯一懸念されているのは、現在利用しているなじみのヘルパーさんを変更しなければならないことなどで踏み切れないといったことも聞いています。同事業者間であれば、利用料の折り合いも問題なく、提携のヘルパーさんの変更もせずに、随時サービスの部分だけを担い、ニーズに対応するなど、今後、進歩した形でのサービス提供も可能になると聞いています。  制度の利用によって普及促進をするため、介護事業者及び介護に対しての普及を進めるよう働きかけることが必要だと考えますが、区の見解を伺います。 ◎柳澤 高齢福祉課長 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、在宅での生活を支えるために有効なサービスと考えておりますが、なかなか利用者数が伸びない状況がございます。利用者がふえない要因といたしましては、ケアマネジャー、医療関係者、あと家族介護者などにサービスの内容や利用の効果がまだ十分に周知されていないこと、定額報酬で介護サービスが中心であること、通所介護や短期入所サービスなどとのケアプランが立てにくいこと、それから現在利用されているなじみのヘルパー事業所を変更する必要があることなどが挙げられております。  区といたしましては、サービスに対する理解を一層深めていただけるよう、毎年実施しているセミナーの内容を工夫しながら開催していくとともに、せたがや介護の日のイベントなどの機会を積極的に活用し、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の一層の普及啓発を進めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 今言っていただいた介護の日のイベントなどの機会をぜひ活用していただいて、さまざまな機会で普及啓発に努めていただきたいと思っております。  最後に、昨年度、国の導入支援事業補助金を活用し、介護事業所に導入する介護ロボットの現状について伺ってまいります。  補助金制度の導入後、現在、その効果検証を行っているとしているが、介護事業所における検証のほか、在宅介護における導入もどの程度進んでいるのか伺います。 ◎相蘇 介護保険課長 介護ロボットにつきましては、昨年度、国の導入支援事業補助金を活用して介護事業所に導入し、その効果検証を行っておりますが、特養ホームや通所事業所が中心となっております。  一方在宅においては、車椅子や介護ベッドなどの福祉用具は、生活の自立や介護負担軽減の一助となっており、そのほかにも、移動用リフト、体位変換器、徘回感知器、自動排せつ処理装置等が利用されております。  在宅で介護負担軽減のために介護ロボットを介護保険サービスとして利用するためには、福祉用具の品目となる必要がございます。この福祉用具の品目を新たにふやす場合には、国の介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会の議論を踏まえ、社会保障審議会介護給付費分科会に報告することとなっておりますので、今後、国の動向や介護ロボットの研究開発の推移を注視してまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 介護ロボットは、介護業界のネガティブイメージの払拭はもとより、普及啓発という面で今後、非常に重要な要素であると考えます。先ほど外国人介護職員へのアピールにもなるということと、定期巡回・随時対応サービスの普及啓発についても介護ロボットのサービス内容を組み合わせて活用していくべきだと考えます。  介護の現場におけるモノのインターネット、いわゆるIoTは非常に進んでいます。今までは、ロボットやセンサーの活用という場合、これまでの人手で行っている介助を単純にロボットに置きかえるという発想が強過ぎる傾向でありましたが、今般の技術革新を契機として、単純な置きかえではなく、介助業務そのものを減らすといった新たなケアのあり方が示されています。  特にセンサーというところで、IoTの技術による業務改善や利用者の生活の質の向上が期待できる分野として期待されており、実際に排せつ介助やおむつ交換などが挙げられています。例えば最近注目を浴びているのが、トリプル・ダブリューという会社なんですけれども、そこが開発したDFreeというもので、このくらいの万歩計のような大きさのもので、それを下腹部に、ベルトだったりとかテープで固定していただくと、それが超音波を発生して、排尿の予兆を検知して知らせてくれると。そのデータも蓄積して、その人独自の排せつリズムというのをわかるようにしてくれるというものです。これを介護の現場でうまく活用して、適切なタイミングでトイレに誘導できれば、おむつ交換という業務自体を減らすことができます。一律に時間を決めて行っているトイレ誘導といった過剰なサービスも見直させる可能性があります。  これ以外にも定期巡回・随時対応サービスにマッチしたコール用のセンサーなども多く開発されており、介護サービスとIoTを組み合わせた世田谷モデルの介護サービスを導入し、進めていくべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。 ◎柳澤 高齢福祉課長 委員御提案の介護ロボットの導入につきましては、入所施設だけでなく、在宅で見守りや介護が必要な方に対する見守り支援機器など、新たな機器が開発、商品化されており、普及が進んでいくものと考えております。  区といたしましては、よりきめ細かで、質の高いサービスの提供や介護職員の負担軽減につながる介護ロボットの導入などにつきまして、利用実績の情報収集に努めるとともに、昨年度から実施しております介護ロボット導入支援事業の効果検証も踏まえまして、その普及について検討してまいります。 ◆河野俊弘 委員 今回は定期巡回・随時対応サービスを例にとって、介護ロボットとの連携をモデル的に実施するべきと述べましたが、今後、施設においても、在宅においても、さまざまな場面でこの介護ロボットの導入を進めていただいて、介護従事者の負担軽減を図るということと同時に、この技術革新が介護の質の向上というところにいかにつなげていくかという発想が非常に重要であるということをつけ加えて、以下、要望させていただきます。  これで私の質疑は終え、三井委員にかわります。 ◆三井みほこ 委員 では、私からは、まず初めに、地域包括ケアシステムについてお聞きいたします。  区長は、よく地域包括ケアの話になると、福祉の相談窓口を二十七地区で進めたとすぐおっしゃいますけれども、そもそも地域包括ケアシステムは、おおむね三十分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域を単位として想定しているものですので、地区展開するのは当然のことだと私は思っております。三者連携して身近なところに相談の窓口ができたことは評価いたしますが、これまで何度も質問等で言ってきておりますが、高齢の方が可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるようにするには、医療、介護、予防、住まい、生活支援、この体制を包括的に整備していかなければなりません。  世田谷区新実施計画【後期】(素案)の一番上に今回やっと、地域包括ケアシステムを推進するため、医療、介護・福祉サービス、予防・健康づくり、住まい、生活支援、社会参加の一体的な提供体制の構築を目指すと掲げられて、本当にほっとしています。ですが、二〇二五年までにこの地域包括ケアシステムを構築するためには、まだまだ取り組み方が甘いと思っています。住みなれた地域で暮らし続けられるためには、新実施計画で掲げられたとおり、一人一人必要なサービスを包括的に提供する仕組みを構築しなければならないわけですが、そのサービスを支える人的資源やインフラの整備などの課題があります。特に地域包括ケアシステムの仕組みを支えていくには、人がいなければ成り立ちません。それは世田谷区だけではできません。  世田谷区は、このように地域包括ケアシステムを進めていくんだということを事業者の方にも、区民の皆様にも理解していただいて、そして進めていく必要があると私は考えています。この部分の理解が進まないと、例えば介護予防とか日常生活支援総合事業の住民参加型、住民主体型のサービスの取り組みも進んでいかないのではないでしょうか。  厚労省のホームページを見たら、ほかの自治体の参考になると考えられる取り組み事例のところに世田谷区の取り組みが出ておりました。取り組みの背景とか地域課題とともに、この医療、介護、予防、住まい、生活支援、それぞれの取り組みのポイントが載っていました。相談窓口を設置しましたということはいいんですが、そこをPRしていくというより、まず、今の厚労省のホームページに出ていたようなことを住民の方にもわかりやすく伝えていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎岩元 地域包括ケア担当参事 区では、平成二十六年から三十五年までを計画期間といたします地域保健医療福祉総合計画を策定いたしまして、今後の施策を展開する柱として、地域包括ケアシステムの推進、区民と事業者等との協働による福祉の地域づくり、また、地域福祉を支える基盤整備を掲げ、さまざまな施策を推進しております。この中で平成二十八年七月より、福祉の相談窓口と、参加と協働による地域づくりの地域包括ケアの地区展開を二十七全地区で進めるとともに、保健福祉サービスの基盤整備に取り組んでいるところでございます。  地域包括ケアシステムを推進するためには、相談機能の充実とともに、地域福祉を支える基盤整備が重要なことから、委員のお話もございましたけれども、今般御報告させていただきました次期新実施計画素案では、重点政策2におきまして、四年間の取り組みの方針の第一に地域包括ケアシステムを推進するための医療、介護・福祉サービス、予防・健康づくり、住まい、生活支援、社会参加、就労の一体的な提供体制の構築を目指すこととしたものでございます。これらの取り組みの推進に当たりましては、事業者や区民の皆さんの理解と協力が必要でございますので、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(素案)のシンポジウムや地域包括ケアの地区展開報告会では、地域包括ケアシステムの基調講演のテーマにするなど、今後とも研修等さまざまな機会を通じまして周知を行い、地域包括ケアシステムの推進に取り組んでまいります。 ◆三井みほこ 委員 しっかりお願いしたいと思います。  また、地域包括ケアシステムの中で、予防は本当に重要な要素だと思っています。そのためには、介護予防ケアマネジメントの質を上げていかなければなりません。しつこいようにこれも何度も言っておりますが、これまで和光市の例なども取り上げていますけれども、和光市では、市がとてもきめ細かくケアプランの点検をしています。世田谷の介護予防ケマネジメントの取り組みの状況をお聞かせください。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 要支援者等の介護予防ケアマネジメントにつきましては、主に利用者の居住する地区のあんしんすこやかセンターが実施しており、平成二十八年度の実施件数は四千三百十七件となっております。要支援者等の介護予防と自立支援の視点を重視し、地域のリハビリテーション専門職等と協働した研修の実施や、あんしんすこやかセンターへの巡回によるケアプラン点検・助言などを現在行っております。  また、地区版地域ケア会議での個別事例検討などを通し、その方のニーズに応じた適切なサービスが選択できるよう、介護予防ケアマネジメントの一層の質の向上に努めております。あわせて、総合事業を広く区民に知っていただくとともに、多様な主体によるサービスの担い手の発掘を目指し、本年九月の介護予防講演会に引き続き、各地域でワークショップ形式の健康長寿セミナーを開催するなど、支えあいによる地域づくりの機運醸成に取り組んでいるところです。  今後も、さまざまな機会を捉えて介護予防の取り組みを推進し、サービスの担い手として区民の主体的な参加を広く呼びかけ、事業の周知や区民の支えあいの意識の醸成を進めてまいります。あわせて、あんしんすこやかセンター等を対象とする研修内容の充実を図るなど、介護予防ケアマネジメントの質の向上に取り組み、区民を初めとする多様な主体の参加、協働により、誰もが住みやすい地域づくりを一層推進してまいります。
    ◆三井みほこ 委員 介護予防ケアマネジメントの質の向上というのは本当に大事なことだと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。  続いて、これまでも総合事業について質問しておりますが、特に住民主体型・住民参加型サービスの取り組み状況についてお聞きしたいと思います。  多様な主体が参画し、多様なサービスが充実することで地域の支えあいの体制づくりができて、要支援者等に対する効果的、そして効率的な支援を可能とすることを目指しているのが総合事業だと思っています。より多様な担い手を発掘していかなければ、利用者ニーズに合った充実したサービスにはなりません。どのくらい進んでいるのでしょうか。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 区では、平成二十八年四月から介護予防・日常生活支援総合事業の住民参加型・住民主体型サービスとして、訪問型サービスの支えあいサービス事業及び通所型サービスの地域デイサービス事業を実施しております。住民参加型の支えあいサービス事業は、平成二十八年度の利用者は五十七名、サービス提供者の登録は四百三名となっております。また、住民主体型の地域デイサービス事業は、平成二十八年度実績で活動団体が九団体、利用者が六十九名となっております。  住民参加型・住民主体型のサービスは開始当初から徐々に担い手がふえてきてはおりますが、今後さらに担い手を発掘し、多様なサービスを充実させていく必要があると認識しております。そのため、総合事業を進める意義や効果などを広く区民に知っていただくとともに、多様な主体によるサービスの担い手の発掘を目指し、区民同士の支えあいによる地域づくりの機運醸成に取り組んでいるところです。  今後も、さまざまな機会を捉えて事業の周知や支えあいの意識の醸成を進めるとともに、担い手を対象とする研修内容の充実を図るなど、担い手の確保や活動の支援を行い、区民を初めとする多様な主体が参加、協働する支えあいの地域づくりを推進してまいります。 ◆三井みほこ 委員 少しずつふえてきたとはいえ、まだもっともっと担い手をふやしていかなければならないと思います。それには、今御答弁いただきましたけれども、やはり総合事業を進める意義というものをどのように区民の方に知っていただくかということ、そこが本当にポイントだと思います。事業の周知に、より力を入れていただきたいと要望いたします。  また、支えあいによる生活支援を進めていくには、社会福祉協議会の日常生活支援センターが役割をしっかり果たさなければなりません。設立当初のセンター長の人事については、いろいろとこの委員会でも議論がありましたけれども、今年度、新しいセンター長になり、少しは動いてきているようです。ですが、多くの団体に参加していただかないと、充実した生活支援サービスの提供は難しいと思います。今、どのような状況なのか、お伺いいたします。 ◎木本 生活福祉担当課長 社会福祉協議会の日常生活支援センターでは、ふれあいサービスや支えあいサービス、NPOとの連携サービスのコーディネート、NPO等との連携によるサービスの拡充、担い手の発掘、育成等に取り組み、高齢者や障害者、子育て家庭等の困り事を支援するための仕組みづくりを目指しております。  今年度は、重要な取り組みである生活支援NPO等福祉団体協議会の参加団体の増に向けて検討を重ね、去る九月二十一日には今年度第一回目の協議会全体会を三十団体が参加する中で開催しました。協議会の趣旨や取り組み内容等を説明し、多様な団体に協議会への参加の働きかけを行い、うち二十団体が現時点で協議会の会員となっております。  今後さらに参加団体をふやすための働きかけとともに、日常生活支援センターがNPO等福祉団体と連携し、日常生活支援センターを窓口とした支援の調整、地域の課題に基づく新たなサービスの創出、生活支援の担い手の発掘、育成、生活支援事業の広報等に取り組むとしています。  区といたしましては、より多くのNPO等福祉団体が協議会の趣旨を理解いただき、参加いただくことにより、生活支援サービスの提供体制の拡充が図られ、地域の支えあいが広がっていくと考えております。 ◆三井みほこ 委員 区から予算もついているわけですから、しっかりと指導していただきたいと思います。  続きまして、福祉の窓口についてですが、厚労省のモデル事業に選定されているということをさまざまな場で区長はおっしゃいます。私のところにはいろいろな声も頂戴しております。ですので、地区ごとに違いはあると思うんですけれども、多様な相談の対応ができているとは言えない現状があるのではないかと感じております。相談の対応力の向上と相談のつなぎ先との連携がまずは急務ではないでしょうか。  今まで質問してきましたが、総合支所でバックアップしていくという答弁をいただいてきました。それだけではなくて、その相談をつなぐその先の専門的なほかの機関との連携など、まだまだ課題が山積していると思います。砧のモデル事業のときも報告書にいろいろ課題として挙がっておりましたけれども、まだ二十七地区展開してもその課題はあるように感じています。どのように課題を整理していくのか、お聞きいたします。 ◎岩元 地域包括ケア担当参事 福祉の相談窓口は、さまざまな困り事を抱えた方やどこに相談したらよいかわからない方など、身近な地区のまちづくりセンターの場で相談できる仕組みで、地域包括ケアシステムが目指します誰もが安心して暮らし続けられる地域社会を築く取り組みの一つでございます。これまでの事例では、親の介護と子育てについての相談、また、ひきこもりの子やその親の介護等についての相談といった、いわゆる八〇五〇問題など複数の課題があり、相談先がわからないといったような相談が寄せられてございます。  福祉の相談窓口では、支援やサービス提供を行う仕組みではなく、幅広い内容の相談に対応することから、総合支所の各課のバックアップや適切な相談の引き継ぎ、障害者相談支援センター等、他の相談機関との連携が重要となります。今後は、福祉の相談窓口の周知を図り、多くの区民の皆様に、地区において認知度をさらに上げるとともに、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会とも、相談者の課題を適切に把握し、最適な所管に確実に相談をつなぐため、職員研修や事例共有の仕組みづくりなどでスキルの向上に努めてまいります。また、総合支所の福祉三課を初めとした相談を受け継ぐ側との連携も強化し、確実に相談をつなぎ、適切に対応できる体制づくりに努めてまいります。 ◆三井みほこ 委員 それでは続いて、介護人材確保について質問いたします。  先ほど河野委員からも介護ロボットの話などが出ておりましたけれども、私も視察したり体験したりしてきております。今回は、世田谷区で唯一の養成校である世田谷福祉専門学校から介護職員養成のための予算に関する要望が来ていると思いますので、その件について少し聞きたいと思います。  介護人材不足なのに学生が減っているというのは、この学校だけの問題ではなくて、全国的に本当に大変な状況になっています。介護職員のキャリアアップを支援して定着を図るために介護福祉士実務者研修受講料助成も今年度から開始されましたが、介護職のニーズはますます高くなりますので、人材確保の対応が必要かと思います。区の取り組み状況と今後の対応等をお聞かせください。 ◎柳澤 高齢福祉課長 区では、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けて介護需要が一層高まることから、介護人材の確保は喫緊の課題と認識し、今までも介護職員養成に関する助成事業を実施してまいりましたが、今年度からも介護福祉士の資格取得などの事業についての拡充を図っているところでございます。  また、東京都では介護福祉士の養成施設に在学する方を対象とした修学資金の貸し付けを行っており、介護の仕事に五年間継続して従事するなどの要件を満たせば返還が免除されるといった制度も実施してございます。  区といたしましては、こうした区や都の制度の周知に努めるとともに、介護人材不足の要因を分析し、対応などを今後とも検討してまいります。 ◆三井みほこ 委員 さまざま使える制度があるということなので、周知に力を入れていただきたいと思います。  介護職のイメージという話もよくいろいろ出てきますけれども、介護というのは、例えば単にお食事とかお風呂とかトイレのお世話をする、もちろんそこも大事なんですけれども、それだけでなくて、御本人がどういうふうに生きたいか、御家族はどう思っているのか、そこをしっかり捉えてそれをかなえる、そういう仕事だと思います。ですから、仕事にやりがいを持って、それを続けられるような社会的な環境づくりもとても大切だと思っています。将来に希望が持てるような職場づくり、事業所づくり、そういうことができるような人材、介護業界を引っ張っていく人材を育てる役割も専門学校に担っていただきたいなと思っております。  養成校の中には、さまざまな取り組みをして、生徒数が五割増しになっている専門学校もありますので、貴重な介護人材を養成する専門学校は本当に大切だと思っています。区としても、こういう成果を出している学校の取り組みをぜひ見に行っていただきたいと思います。  次に、権利擁護の取り組みについて質問いたします。  地域で安心して暮らすためには、地域包括ケアシステムの構築とともにとても重要だと思っています。この夏、私は二度、区内で認知症の高齢の方が道に迷われて困っている、そういう状況に遭いました。その中で、お一人の方は、五千円札を本当に十枚以上握り締めて、これでよかったかしら、お願いします、そう言いながら歩いていらっしゃって、本当にせつなくなりました。もちろん対応はさせていただきましたけれども、こういう方々の日々の暮らしが本当に心配になります。  預貯金とか各種保険料の支払い、それだけでなくて、認知症の方は日常生活の見守りとか入退院の手続、また、さまざまな福祉サービスの契約、処遇の見守りなど、成年後見人のお仕事は本当に広範囲に及びます。私も、この方ではなく、もっと以前、昨年、御相談を受けて成年後見人制度を御紹介したこともあります。このようなサービスが必要な方はますますふえてくると感じています。  世田谷区は成年後見センターも設置しており、また、区民成年後見人も養成しているのは承知しておりますが、潜在的な需要はまだまだかなり大きいと考えます。十分な体制整備を続けるべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎木本 生活福祉担当課長 国は成年後見制度の利用を着実に促進するため、昨年に施行された成年後見利用促進法に基づき、本年三月に利用促進基本計画を策定し、自治体や関係団体等と連携して取り組みを推進するとしております。法律や計画がつくられた背景には、認知症の高齢者数に比較して成年後見制度の利用者が少ないという課題もございます。区においても、認知症の症状がある高齢者が二万人を超える中で、家庭裁判所の報告による世田谷区の制度利用者は認知症以外の方を含めても約千六百人であり、潜在的な需要は大きく上回ると考えられます。  区では、平成十七年に成年後見センターを設置し、弁護士や司法書士会、社会福祉士会の皆様にも御協力をいただき、全国に先駆けて開始した区民成年後見人養成研修を初め、成年後見制度の普及啓発や実施体制の確保、整理を推進してまいりました。今後も成年後見センターや関係団体との連携やネットワークの強化を図り、制度利用者の増加に対応できるよう体制整備に努めるとともに、安心して利用できるよう、団体間の情報交換や事例検討を重ねるなど、後見人の質とモラルの向上を図り、権利擁護を推進してまいります。 ◆三井みほこ 委員 後見人の質とモラルの向上というお話がありましたけれども、財産管理の厳格化だけでは御本人の生活の充実につながりませんので、利用者の視点に立った支援の仕組みづくりをお願いいたします。  では次に、昨年も質問しております福祉避難所の母子の部分、母子避難所についてお聞きいたします。  まずは、最寄りの指定避難所で安心して過ごせるようにすることが大切です。前回、熊本地震の事例を取り上げましたが、本当に日ごろの生活からは想像できない過酷な状況に置かれてしまいますので、指定避難所での生活が困難な方、リスクが高い母子のための福祉避難所は必要と考えています。  前回の答弁では、被災自治体の実態を把握し、対象者の範囲や実施体制についてなど仕組みづくりについて検討を進めるということでしたが、進んでいるのでしょうか。 ◎尾方 子ども育成推進課長 福祉避難所、母子の制度設計について、今年度より、災害対策課を初め庁内の関係所管で検討組織を立ち上げるとともに、また、この避難所が妊産婦や乳児を支援するという特性に留意し、母子保健の視点から専門的な検討を行うため、健康づくり課などの保健師で構成する専門分科会を設けております。それとともに、被災地における妊産婦や母子の状況に詳しい学識経験者の助言もいただきながら検討を進めているところでございます。  この間、この避難所に必要な機能や備えるべき環境、求められる支援の内容など、母子保健の現場の意見も聞きながら、また、被災地派遣の経験も持つ保健師の視点も踏まえ議論を行ってまいりました。また、こうした庁内の検討と並行し、東京都助産師会世田谷目黒地区分会の助産師さんと意見交換を行うとともに、日ごろから地域で子どもや子育て家庭の支援に取り組む方々にも御意見を伺うなどして、さまざまな角度から検討を進めているところでございます。 ◆三井みほこ 委員 助産師会の方々との意見交換や、さまざま勉強会等々をして進んできているとは思いますけれども、開設場所はふえた、開設場所を借りられたということではあるかと思いますが、一番気になるというか心配なのは、肝心な運営をどうするのか、また、対象者の基準、あとは指定避難所から母子避難所へ移動する、その手段はどうするのかなど、私が妊婦だったらとか、乳児を抱えていたらどうなるんだろうと、いろいろ想像してみると、本当にさまざまな課題があるんだなと思います。それらをどのように進めていくのかをお聞きいたします。 ◎尾方 子ども育成推進課長 御指摘のとおり、福祉避難所(母子)の開設には、御指摘のように運営主体のあり方など多く課題がございます。例えば高齢者や障害者の福祉避難所の協定は施設が中心となって運営する内容となっている一方、福祉避難所(母子)は、大学等の施設を利用して開設するものの、管理運営は区の役割とされるなど、協定の内容も異なっております。また、いずれも使用できる施設に限りがあることから、受け入れるべき対象者はどのような状況の方々なのか、要件の絞り込みなどにつきまして、保健師や助産師等、専門職の御意見を聞きながら仕組みづくりを進めてまいります。  また、御指摘いただきましたように、指定避難所から福祉避難所までの移動についての視点も重要であり、他自治体の事例なども参考にしながら検討してまいります。引き続き区民や専門職等の意見を聞きながら、今年度はその枠組みをしっかり固めることを目指してまいります。より具体的な内容につきましては、今年度の検討を踏まえ、来年度以降、関係者との丁寧な調整や運営訓練なども行いながら実効ある仕組みとなるよう取り組んでまいります。 ◆三井みほこ 委員 運営訓練等を行っていくということでした。少しずつ進んでいて、よかったなと思います。本当にいろいろ考えれば考えるほど大変なことだなと思いますけれども、当事者の目線に立って、母子避難所で安心して避難生活が送れるようにしっかりと取り組みを進めていただきたいと要望いたします。  最後に、母親学級、両親学級についてお聞きいたします。  参加した方から、内容について、せっかく休みをとって参加したのに少しがっかりしたという声も聞いております。まずは、どのような内容で行っているのか、お聞きいたします。 ◎相馬 砧総合支所健康づくり課長 総合支所では、毎月二日間の日程で母親学級、両親学級を開催しております。砧総合支所では、昨年度各十二回、計二十四回開催し、延べ四百九十名の参加がありました。内容ですが、一日目は、主に母親を対象に妊娠中の過ごし方や健康管理などの講義や体験とともに参加者のグループ交流を行っております。二日目を両親学級としまして、新生児の特徴や迎える心構えなどの講義と、妊婦ジャケットによるパートナーの妊婦体験、沐浴などの育児体験などを行っております。最近では、栄養士による望ましい食事の試食体験や新生児の泣き声についてDVDを上映するなど、体験を通したわかりやすい伝え方を工夫しているところでございます。 ◆三井みほこ 委員 今、本当にインターネットなどでさまざまな情報がとれますので、工夫が必要かなと思います。世田谷版ネウボラということで、妊娠期から切れ目ない支援と言っているわけですので、せっかく開催する母親学級、両親学級です。より内容を充実させて、参加者の状況に合わせたプログラムにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎鵜飼 健康推進課長 母親学級、両親学級の内容を、時代や区民要望等を踏まえ見直すことは必要と考え、妊娠期に伝えたい情報のあり方、あと、講座の質の向上や講師の選定などを課題の一つと捉えております。また、孤立しがちな若い妊婦の母親学級や双子などの多胎の場合の不安感の共有のための学級など、参加者に共感しやすいプログラムを提供することが必要と考えており、関係所管で連携を図り検討を開始したところでございます。今後、この検討経過等を世田谷版ネウボラ推進協議会に報告し、意見などを伺いつつ、引き続き検討を進めてまいります。 ◆三井みほこ 委員 以上で私の質問を終わりまして、上山委員にかわります。 ◆上山なおのり 委員 引き続き質問をしてまいります。  区の将来人口推計によると、二〇二五年時点では総人口が増加傾向にあるため、高齢者率は現在と横ばいの約二〇%で推移しますが、後期高齢者人口は二万人以上増加し、十一万人を超える見込みです。また、年齢が上がるにつれてひとり暮らし高齢者の割合がふえる傾向もあることから、住まい、医療、介護予防、生活支援が一体的に提供される真の地域包括ケアシステムの構築が必要であると我が会派はこれまでも申し上げてまいりました。  先日示された第七期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の素案によると、世代間交流を含めた日常的な地域との交流、連携により、地域包括ケアシステムにおける地域の拠点となる特別養護老人ホームの整備を今後も着実に進めるとあります。区は、二〇二五年に向け千人分の特養整備を中長期的目標としていますが、それ以外にも認知症高齢者グループホームや都市型軽費老人ホームなど、高齢者がいつまでも安心して暮らせる施設を総合的に整備する必要があります。今後、高齢化のスピードが区の予想をはるかに超えることも想定し、国や東京都の動向を機敏に捉え、高齢者施設の整備に努めるべきであると先日の代表質問で質問したとおりでございます。  その中で、区の答弁といたしましては、区としては、誰もが住みなれた地域に住み続けられるよう、介護基盤について最新の将来人口推計に基づき、要介護高齢者予測やニーズ調査の結果などを踏まえ、必要数や配置のバランス等を勘案して第七期の整備計画を策定し、公有地や整備費補助等の情報を的確に捉え、施設整備に努めてまいりますという答弁がありました。  老人ホームはいろいろと数がありますが、やっぱりいろんなことを通じて、高齢者の方が住み続けれるような環境づくり、また、定員をふやしていくというのが必要だと思います。その中で、今回は通所介護についてお伺いしていきます。  通所介護に求められる機能というのは、心身機能の維持向上、また活動の維持向上、社会参加の促進に加え、認知症高齢者・重度者への対応、地域連携の拠点としての機能であります。さらに、政府が目指す一億総活躍社会の実現に向けて生産性の向上がポイントに挙げられております。限られた人材で今後さらにふえ続けていく要介護高齢者を支えるために、業務負担の軽減や生産性革命の実現が必要がなるということでございます。  そこの点でお伺いしてまいります。現在、世田谷区で行われております地域密着型通所介護事業所の現状と視点について、まず初めにお伺いいたします。 ◎相蘇 介護保険課長 通所介護事業所のうち、利用定員が十八名以下の小規模通所介護事業所につきましては、平成二十八年四月より地域密着型通所介護事業所として指定及び指導の権限が東京都から区に移譲されております。平成二十八年四月の時点では、区内に百五十事業所ございましたが、この間、新規指定が十三事業所、廃止が二十四事業所あり、十月一日時点で百四十一事業所となっているなど、事業所の変動は比較的大きいと認識しております。  また、これら地域密着型通所介護事業所の新規指定や六年ごとの更新に当たりましては、適切な体制が確保されているか確認を行うために、事業所からの提出書類に基づき、基準を満たしているか書類審査等を行い、その上で実地調査や地域密着型サービス運営委員会での意見聴取等を実施し、指定更新を行っているところでございます。さらに、事業者に対しては、適宜、実地指導や集団指導を実施し、事業所の安定的な運営とサービスの質の向上に取り組んでいるところでございます。 ◆上山なおのり 委員 その中で、新聞報道等もありましたが、「小規模通所介護、抑制へ 厚労省が自治体に拒否権付与」ということで、「厚生労働省は、定員十八人以下の小規模なデイサービス(通所介護)の新設を抑える方針を決めた。小規模な通所介護は急増しているが、地域の計画を超える場合には市町村が設置を拒否できるようにする。さまざまな介護サービスを各地で提供できるようにする狙い。通常国会に介護保険法改正案を提出し、二〇一八年度からの実施をめざす」というような新聞記事がありました。この件に関しまして、世田谷区としてはどのように考えるのか、お伺いいたします。 ◎相蘇 介護保険課長 地域密着型通所事業所は、定員が十八人以下であるために比較的小さな規模で開設が可能であり、さまざまな経営主体が参入しております。そのサービス内容も多様なものとなっているために、利用者にとっては身近な場所で事業所の選択の幅が広がり、利用者の心身の状態やニーズに即したサービス提供が行われているものと認識しております。  区といたしましては、現時点では指定拒否の取り組みを導入する予定はございません。今後も、介護を要する方の尊厳の保持と、自立した在宅生活を継続できるようなサービス提供を事業者ができるように、区では実地指導であるとか集団指導を行い、適宜、指導助言を行います。また、さまざまな情報の提供に努め、事業者に対しては事業者がみずから行う運営推進会議等の機会で情報提供や意見交換を行っていただき、サービスの質の確保に努めてまいります。 ◆上山なおのり 委員 やはり住みなれた地域で住み続けれるよう、特に世田谷の場合は、なかなか大きな場所というのは開発ができませんので、小規模ということをしっかりと進めていただきたいと思います。  その中で、超高齢化社会の歩みを進めている現在の日本であります。ここ十年で有料老人ホームの数が約三倍以上にも増加しております。社会のニーズに応える形として当然の流れとも言えると思います。しかし、その一方で、問題となっていることが無届けの有料老人ホームの増加であります。昨年六月、厚生労働省の調べでは、その総数は全国で実に千二百七カ所、行政の目の行き届かないところでも運営されている可能性も考えると、その数はもっとふえるかもしれないということです。また、その推移から鑑みると、さらに右肩上がりにふえていっても不思議ではありません。全ての有料老人ホームにおける無届けの有料老人ホームの割合は約一〇%にも上がっており、単純計算ですが、十件の有料老人ホームを見学に行ったら一件は無届けになっているという現状も考えられます。  無届け老人ホームでも、衛生面での管理を徹底し、火のもとに関しては一カ所一カ所を指さし確認して対応するなど、感染症や不慮の事故の防止に注力している施設もあるようです。しかし、一方では、そこまで徹底して管理をしている施設は少ないというのも現状のようです。記憶されている方も多いかもしれませんが、二〇〇九年三月に群馬県渋川市にある無届けの高齢者施設で火災が発生し、十人が亡くなるという痛ましい事故がありました。もちろん火のもとの管理もしていたのだとは思いますが、予測できない、また、ヒューマンエラー的な事故が起こらないとも限らないということが事故の教訓として残ったのは事実であります。  それを受けて、スプリンクラーの設置の義務化が決まりました。有料老人ホームとしての届け出も義務づけられたという経緯がある以上、届け出を出していただく必要があります。現在、世田谷区では、未届け有料老人ホームに対しての現状と対応をどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎柳澤 高齢福祉課長 老人福祉法では、高齢者を一人でも入居させ、食事の提供、介護の提供、洗濯、掃除などの家事、健康管理等のサービスのいずれかを行い、特養ホームや認知症高齢者グループホームなど、他の法令の定めがない施設、そういったものは有料老人ホームに該当し、都知事への設置届の提出が義務づけられているところでございます。  いわゆる未届け有料老人ホームは、有料老人ホームに該当するにもかかわらず法令に基づき設置届が提出されていない施設で、区内では現在一カ所が未届け施設として東京都のホームページで公表されております。有料老人ホームの設置届は、入居者の処遇に関する不当な行為を未然に防止するため、必要に応じて都道府県等が迅速かつ適切に関与できるよう義務づけられており、未届け施設は法令上の義務を果たしていないことに加え、届け出施設に比べ、重要事項説明書など運営にかかわる情報の公表が少なく、利用者のサービス選択という観点からも課題があると認識しております。  区では、日ごろから庁内の連携と情報共有により未届け施設の把握に努めるとともに、新たな未届け施設を把握した際は、東京都の担当所管課と連携を図りながら設置届の提出を働きかけております。区といたしましては、今後も未届け施設に対して東京都とも連携しながら、実地調査などにより運営状況を把握し届け出の勧奨を行うなど、適切に対応してまいります。 ◆上山なおのり 委員 今、現状と対応ということで答弁いただきましたが、また、この先、法改正があると伺っておりますが、その法改正によってどのように変わるのかもお伺いいたします。 ◎柳澤 高齢福祉課長 先般の地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部改正に伴いまして、有料老人ホームの入居者保護の施策強化を図る観点から、業務停止命令の創設など、新たな仕組みが平成三十年四月一日から施行されます。再三の指導に従わず悪質な事業を続ける有料老人ホームへの指導監督の仕組みを強化するため、未届け有料老人ホームを含め、悪質な有料老人ホームに対する事業停止命令措置が新設されるほか、前払い金保全措置の義務の対象拡大、それから利用料金やサービス内容などの都道府県等への報告義務と当該情報を都道府県等が公表する仕組みなどが盛り込まれております。  区といたしましては、区民の皆様が安心して地域で暮らし続けていただけるよう、法改正に伴う東京都の対応等を注視しながら、適切に対応してまいります。 ◆上山なおのり 委員 先ほどの答弁でもありましたが、区内でも一カ所ということでございますが、無届け老人ホームを対象とした調査では、七割の施設が病院やケアマネジャーから入居者を紹介されているとのことであります。費用が安く、医療・福祉関係者が身寄りのない低所得の高齢者をやむなく紹介する例が多いようであります。届け出されなければ、行政が実態を把握するのが難しく、事故や虐待などがあっても入居者を保護することができない。自治体への届け出促進、そういったことで届け出を呼びかけていただいて、高齢者、また入居される方も安心安全で暮らせるようしっかりと進めていただきたいと思います。  続きまして、シニアボランティア・ポイントについてお伺いいたします。  高齢化の進展等で総給付費がふえる中、介護保険料が上がるのはやむを得ないところであると思いますが、それにしても大幅な上昇となっております。団塊の世代が六十五歳を迎えていく中で、この高齢化の勢いはとまりません。この調子で介護保険料がふえ続けていくことは、被保険者にとっても保険者にとっても大きな負担となり、制度そのものの維持も難しくなるのではないでしょうか。何とか保険料の上昇を抑えるには、何か工夫が必要と考えます。  それには、介護保険を使わない高齢者をどんどんふやすことが有効だと考えます。そういう高齢者が地域で元気に活躍することが重要だと思います。五年前にもこのボランティア・ポイント制度のことについて質問させていただきました。五年たちまして、この現状と今後の取り組みにつきましてお聞かせください。 ◎相蘇 介護保険課長 せたがやシニアボランティア・ポイント事業は、六十五歳以上の方を対象に、社会参加、地域貢献に踏み出すきっかけをつくるとともに、みずからの健康増進、介護予防に取り組むことを目的として実施するものです。参加者は、研修を受けていただいた後に登録施設でボランティア活動をし、その活動に応じて保険料負担軽減資金として年間六千円を上限に支給されるものです。この研修を毎年二百人以上の方に受講していただいており、平成二十八年度の活動の実績は約四百五十人、活動先は特養ホームや障害者施設など約百五十施設です。  本事業は、区民の関心が高く、参加者自身の生きがいや介護予防に寄与していると評価しておりますし、活動先の施設からも感謝されている状況であると認識しております。課題といたしまして、研修を受講した方がボランティア活動に安心して参加をし、また、継続的に活動ができるような環境づくりが必要であると考えております。そのために、活動施設の増加や新たな活動の場の充実に取り組んでまいります。また、研修カリキュラムの工夫や事業の広報の充実、また、参加者の交流の場の検討なども行ってまいります。今後は、社会活動への意識醸成や介護予防、健康増進を一層進めるとともに、地域で区民が支えあえる事業として充実を図ってまいります。 ◆上山なおのり 委員 健康で介護保険を利用されない高齢者の方々が地域の中で生きがいを持って活動されることはとても大切であります。せたがやシニアボランティア・ポイントが、ささやかであっても皆さんの社会貢献と社会参加の励みとなり、より一層地域で活躍する方がふえるように、区としても事業の周知拡大を図っていただきたいと思います。  さらに、長年、介護保険料を納入しながら介護保険を利用されていない方々に対して、何らかのフィードバックを考えられないでしょうか。使わなければ損という認識から、使わない誇りへと変えていく必要があると思います。いずれにしても、高齢になっても住みなれた地域で住み続けることができるよう、地域で支える仕組みづくりに今後も取り組むことを要望いたします。  続きまして、障害者に関するマークについてお伺いいたします。  ヘルプマークという言葉がネット上で一時期話題になりました。事の発端は、難病を抱えているという女性が投稿したものです。電車内で老人から席を譲れと言われたので、ヘルプマークを知っているか尋ねたが、知らないけど席を譲れと言われたという内容のツイートです。これが話題になりました。  ヘルプマークは、内臓疾患や難病の方、義足や人工関節をしている方など、外見からはわからなくても援助や配慮を必要としている方のためのマークです。このマークをつけていることで周りの方々からなるべく支援が得られるようにと作成されました。妊娠初期の女性も使うことができ、ヘルプマークがあると周りも気づくことができるため、困っている人に配慮しようという意識も高まってきます。  実際にどんな人が困っているかというと、例えば多発性硬化症という難病があります。脳や脊髄など中枢神経の病気で手足がしびれる、力が入らない、疲れやすいなどの症状が出ますが、平均発症年齢は三十歳前後と、一見若くて健康的に見えます。実際の患者の声を聞くと、健康そうに見えることから、症状があっても電車で席を譲られたことは一度もない。優先席に座ったら、妊婦じゃないのにとおなかを見られたというように、電車やバスなどで周りに気づいてもらえないつらさがあります。  こういう人たちはヘルプマークがあると助かるだろうし、多発性硬化症の治療薬をつくる製薬会社もヘルプマークの利用を促進しています。また、こうした難病のほかにも、心臓や肝臓、呼吸器系などの内部障害を持つ人もいて、こうした人たちへのアンケートによれば、八一%の人が電車やバスで困ったことがあり、そのうち最も多かったのが優先席に座りづらいという悩みだったそうです。  そのため、東京都は、都営地下鉄の各駅や都営バスの各営業所などで希望する人にヘルプマークを無料で配っており、ことしの六月末までに約十七万個を配られたそうです。東京都福祉保健局によると、使っている人からは、外に出る勇気が出た、マークを持っていると安心といった声があり、配慮する側からも、困っている人に声がかけやすくなったという意見がありました。  今はヘルプマークの話をしましたが、それ以外にも障害者に関するマークがいろいろとあります。普及には情報発信が必要と考えておりますが、現状と、区では現在どのように考えているのか、対応しているのかお伺いいたします。 ◎竹花 障害施策推進課長 障害者に関するマークは、車椅子マークやヘルプマーク、ほじょ犬マーク、オストメイトマークなど、さまざまなものがございます。活用の例を申し上げれば、車椅子マークは、障害者対応の建築物や多機能トイレなどの表示に用いられております。  内閣府では、障害者に関するマークを障害者白書やホームページ等で公開し、普及を図っております。先日公表された内閣府の障害者に関する世論調査において、障害者のための国際シンボルマークでもある車椅子マークの認知度は九七%でございましたが、平成二十四年度に東京都が発表した、配慮や援助が必要なことを知らせる、今、委員お話がありましたヘルプマークの認知度は九・五%にとどまっております。このように認知度に大きな開きがございます。  区におきましては、障害者に関する十一のマークの普及のため、「障害者のしおり」に掲載したり、各マークを区の窓口や庁舎内に掲示するなどを行っております。また、ヘルプマークについては、障害者差別解消法の啓発リーフレットに掲載し、区立小中学校や区の施設、イベント等でポスター掲示を行うとともに、総合支所保健福祉課、まちづくりセンター、図書館などで配付をしております。  障害者に関するマークは、障害のない方に知っていただくことにより効果を発揮するものでございますので、引き続き「区のおしらせ」やイベントでの紹介、小中学校への出前事業における説明など、さまざまな機会を捉えて普及と啓発に努めてまいります。 ◆上山なおのり 委員 いろいろと答弁いただきましたが、やはりまだまだ普及には課題もあるのだろうなと思います。それは、自治体ごとでそれぞれ独自のマークをつくっているということだと思います。例えば山口県ではサポートマークを昨年つくったばかりで、中国地方の四つの県などで普及を呼びかけている。また、埼玉県などはハート・プラスマークを啓発している。これは、内部障害や内臓疾患のある人に限っておりますが、十年以上の歴史がある。また、兵庫県は、五年前に譲りあい感謝マークをつくり、独自に普及させている。こうしたマークがそれぞれ根づいていることもあり、なかなかヘルプマークが全国に広がらないというのがあるようです。妊婦がつけておりますマタニティマークのように、全国共通でできれば一番よいのでありますが、こうした配慮を求めるマークは既にたくさんあるとおりで、なかなか一つに統一するのは難しいということです。  しかしながら、当事者の方は、ちょっとした下準備、知識を持ってもらうだけで助かるんですと話されております。日常生活でなかなか想像力を持つことが難しかったり、余裕がなかったりするかもしれませんが、こういう障害者のマークの存在が思いやりのきっかけになればよいと思います。ぜひとも周知を続けていただきたいと思います。  続きまして、障害者へのサービス向上についてお伺いいたします。  ファクス、メールなど、電話の代替となり得る情報通信手段が普及して久しいところでございますが、民間企業や行政が提供する各種サービスに関する問い合わせや申し込み、予約などの手続を行う際には電話連絡が必要となることが依然として多いのが現状です。そのことは、電話でのコミュニケーションが困難な聴覚障害者にとってサービス利用の大きな壁となっております。  二〇〇八年末に実施した調査の結果ですが、聴覚障害者がサービス利用に関する何らかの手続を行った際に感じた不便、不満として、電話で連絡できないので、仕方なく窓口、店に行ったというのが六九・四%で最も多かったそうです。また、電話連絡が難しいためサービスの予約や申し込みなどを諦めることがあると答えた割合が七四・八%、すなわち四人に三人がそのように思っているそうです。  聴覚障害者は、電話のかわりにファクスやメールで連絡する方法が用意されていないため店舗まで足を運ばざるを得ないなど、多くの不便を感じたりサービスの利用を諦めたりしていることが現状のようであります。  その中で、港区が聴覚障害者等のために代理電話サービスということを始めたと伺いました。聴覚または言語機能に障害のある区民の方で、区役所、病院等へ緊急あるいは簡単な連絡が必要な方に代理で電話をかけます。リアルタイムで電話をかけるサービスです。代理電話は、お手持ちのスマートフォン等のフェイスタイム、スカイプ、LINE、いずれかのアプリを利用して、手話または筆談で使用するということでございます。こういった港区で始めたサービスでございますが、世田谷区としてはどのように考えるのか、お伺いいたします。 ◎竹花 障害施策推進課長 平成二十九年六月から、港区が障害福祉サービスとして代理電話サービスを開始いたしました。聴覚障害者や言語機能に障害のある方が自宅や出先などから区役所や病院等へ連絡する際、御本人のスマートフォン等のアプリのテレビ電話機能を活用し、手話や筆談を受け、民間委託事業者が本人にかわって電話をかけるというような内容でございます。  本区におきましては、月曜日から金曜日の午前中、区役所第二庁舎において手話通訳者が待機し、聴覚障害者の方などが区役所での手続の際、手話通訳を実施しておりますが、御要望に応じ、手話通訳者が他自治体への問い合わせや病院の予約などを御本人にかわり電話する場合もございます。  御指摘のありましたように、近年さまざまな支援のツールが開発されておりますので、そうした情報や……。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。
     ここでしばらく休憩いたします。     午後二時五十八分休憩    ──────────────────     午後三時三十分開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆河村みどり 委員 それでは、公明党の福祉保健所管の質疑を始めさせていただきます。  まず初めに、読み書き、代読・代筆支援について質問いたします。  昨年四月、障害者差別解消法が施行され、合理的配慮の提供が行政機関には法的義務として求められています。この合理的配慮の例として、筆談、読み上げ、手話、点字、拡大文字などのコミュニケーション手段を用いることなどの意思疎通の配慮があります。  まずここでお伺いいたします。障害者差別解消法施行から一年半が経過しましたが、意思疎通支援についての本区の取り組みの現状をお伺いいたします。 ◎竹花 障害施策推進課長 区では、昨年三月に障害者差別解消法の施行に当たっての区の基本方針を定めるとともに、職員対応要領を作成しております。この要領では、障害のある人との意思疎通の具体例として、筆談、読み上げ、手話、点字、拡大文字等のコミュニケーション手段を用いること、ゆっくり丁寧に繰り返し説明し、内容が理解されたことを確認しながら対応することなどを記載しております。  これらの対応については、障害者差別解消法の職員研修の中で周知するとともに、各窓口では筆談器やメモ用紙等を配置していること、配慮が必要な場合には声をかけていただきたいことなどをお知らせしております。また、区役所本庁舎には手話通訳を配置しておりますが、総合支所での対応を図るため、タブレット端末を活用したり、住民税、軽自動車税、国民健康保険などの区民宛ての封筒に視覚障害のある方に向けた音声コードの印刷なども行っております。  この九月二十六日に開催いたしました第五期障害福祉計画等の策定に係るシンポジウムでは、手話通訳やパソコンによる文字通訳を実施し、参加者の御依頼に応じて資料を拡大文字で事前に御用意するなど、可能な限りきめ細やかな対応に努めているところでございます。 ◆河村みどり 委員 先日、視覚障害のある区民の方から、行政等の情報を得るために、また、手続等に訪れたとき、行政のどの窓口に行っても代読、代筆の支援を提供していただけるように体制を整えてほしいとの声がありました。視覚障害者には歩行や移動の障害のほか、情報のバリアがあり、高度情報化社会の現代において、読み書きの情報支援の保障が、生きることにつながるのです。  平成二十八年の日本盲人会連合のアンケート調査によると、弱視者の八五%が読むことに困難を抱えており、文字が見えにくい、読む箇所を探すのが大変という点が多く、困っている内容として、役所や公共機関等の行政手続の書類が一番多く、全体の八割を占めています。また、書くことについては、どこに書いてよいかわからない、書類を代筆してくれる人がいないなどで、役所や公共機関等の行政手続書類で困っている人は六六%に上っています。代読、代筆は決して視覚障害者だけでなく、高齢者の方にとっても大変大事な支援でございます。本区の窓口での読み書き支援である代読、代筆について、現在の取り組みの状況をお伺いします。 ◎竹花 障害施策推進課長 区では、障害者差別解消法施行前の平成二十七年六月に、区の窓口における障害者への対応や、区が実施する事業における手話通訳の配置、印刷物への音声対応等の合理的配慮について、庁内各課の取り組み状況を調査いたしました。このうち、窓口における代読、代筆については、約七割の所属から、御本人の了解を得て代筆、代読を行う用意があると回答がありました。そこで、差別解消法の施行に当たり、こうした対応を全ての職場で行うよう職員対応要領に盛り込んだところでございます。  昨年九月には、施行後半年の時点で対応した事例の把握を行いましたが、総合支所保健福祉課などの障害者や高齢者が多く来庁される窓口では、来庁された区民の心身の状況に応じて職員の側から代読や代筆の必要性をお伺いし、日常的に対応していること、また、一例になりますが、出張所やまちづくりセンターで申請書や届け出書類について代読・代筆対応を行ったなどとの報告がございました。 ◆河村みどり 委員 以前、近隣の視覚障害のある知人宅に訪問する機会がありまして、テーブルの隅にためられていた郵便物を読んでほしいと依頼されたことがありました。ひとり暮らしのその方は、郵便物などの情報はほとんど職場の方に読んでもらっているようで、年金や税金などの通知はもちろん、自分にはプライバシーなどはもうないようなものだと話しておられました。先日、行政にかかわることは窓口で読み書き支援をしてくれることを伝えると、そんなことは全く知らなかったと驚いておりました。たとえ支援の体制を整えても、本当に必要な人にその情報が届かなければ意味がなく、区民にわかるように周知が必要ではないでしょうか。  芦屋市や熊谷市では、弱視者でも見えやすいようにと、全体が黒字で文字を白抜きにした、読み書きにお手伝いが必要な場合はお申し出くださいとの案内板の設置で、読み書き支援の周知を図っております。合理的配慮の促進からもこのような案内ができないか、また、視覚障害のある方に窓口での代筆・代読支援を行っていることを、例えば福祉の通知等にあわせて周知できないでしょうか。お伺いします。 ◎竹花 障害施策推進課長 窓口対応での配慮は、視覚障害や聴覚障害など障害特性によっても異なりますし、高齢の方も窓口に来られることから、幅広くお手伝いが必要な区民の方に対応できるよう、応対について必要なことがあればお知らせくださいという旨の文章を窓口に掲示しております。また、こうした表示物だけではなく、窓口にいらっしゃった区民の方に職員の側から御用件をお伺いし、速やかな対応を行うことは窓口対応の基本と考えております。  御指摘のより見やすくわかりやすい表示を作成し窓口に設置するなど、窓口での支援を依頼しやすい環境づくりについては、ユニバーサルデザインの視点も踏まえ、今後関係各課と協議し、取り組んでまいりたいと考えております。また、代読、代筆の対応についての通知等での周知につきましては、来年度、障害福祉サービスのお知らせを掲載しております「障害者のしおり」の改訂年度でございますので、その中で効果的な情報提供について検討してまいりたいと考えています。 ◆河村みどり 委員 この読み書き支援については、一見、誰でも行えるように思われるわけですけれども、特に代読に関しては、資料など読む対象物に応じて相手に理解できる読み方などの一定の専門技術が必要とされており、また、プライバシーの配慮など、意思疎通のきめ細やかな支援が必要です。自治体職員向けに行っている読み書き情報支援員講習会を実施し、意思疎通支援の向上を目指すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎竹花 障害施策推進課長 区においては、職員対応要領に意思疎通の配慮の具体例として、本人の依頼がある場合には代読、代筆を行うことを記載するとともに、職員向けガイドブックでさまざまな場合における対応の例として、どのような手助けが必要なのか御本人に尋ねることを示しております。  区では、障害者差別解消法の施行に先駆け、法の内容や当事者が望む対応などについての研修を実施いたしました。また、昨年度より新規採用職員の研修の中で、障害者差別解消法の理解と車椅子・アイマスク体験、障害当事者とのディスカッションを組み合わせて実施するなど、実体験から学ぶ機会を取り入れた研修等も行っております。  お話にありましたが、他の自治体や民間企業では、視力や聴力に障害のある方への対応スキルを習得する研修や講習を実施しているところもございますので、引き続き、職員が障害のある方へ窓口において適切に対応できるよう、関係課と連携して接遇能力の向上に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆河村みどり 委員 ぜひ積極的に取り入れていただきたいことを要望いたします。  次に、認知症の見守り支援について質問いたします。  昨年の予算特別委員会でこのことを質問させていただきました。前回の質問では、認知症になっても、住みなれた地域で安心して暮らしていけるよう見守りが大事だ、また、当時のスタートしたばかりの社会福祉協議会のせたがやはいかいSOSネットワーク事業を今後注視していくとともに、実効性のある取り組みを求めました。まず初めに、せたがやはいかいSOSネットワーク事業の一年半たった進捗状況をまずお伺いいたします。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 高齢社会の進展に伴い、認知症の方がふえ続けている中、認知症のため行方不明になられる方が安全に早く御自宅へ帰ることができるよう支援することは大変重要であると認識しております。  世田谷区社会福祉協議会では、平成二十七年度より、商店街や民生委員等の区民ボランティアが協力員となり、行方不明になられた方を早期に発見する、せたがやはいかいSOSネットワーク事業を実施しております。平成二十九年八月末現在で、事前に登録をされた方が四十二名、発見の協力員は約五百名いらっしゃいます。高齢の方が行方不明になられて、協力員の方へSOSメールを送信した件数は十五件で、メールを受信した協力員により発見された事例はありませんが、地域の方の気づきなどにより全員無事に御自宅へ戻られております。協力員の方は、SOSメールを受信すると自宅内にいても外の様子をうかがうなど、地域での見守りの活動が少しずつ深まってきていると伺っております。  区といたしましても、世田谷区社会福祉協議会との連携をさらに進め、認知症の方やその御家族を地域全体で見守り、誰もが安心安全に生活していただける地域づくりに取り組んでまいります。 ◆河村みどり 委員 次に、二年前に我が党の福田議員による質疑から、認知症の見守りステッカー事業を本年の五月より開始しました。まだ、たった半年ではありますけれども、状況はいかがでしょうか。お伺いいたします。 ◎柳澤 高齢福祉課長 介護保険の認定調査から、認知症により外出して家に戻れないことがある方は、在宅で約五百名と推定しております。区では、こうした認知症などにより外出先から帰れないなどの不安がある方が外出先で保護された場合にも迅速に身元が判明し、自宅へ戻れるよう見守りステッカー事業を開始いたしました。この事業は、事前に氏名や住所のほか緊急連絡先などを登録していただきまして、登録番号と高齢者安心コールの連絡先が記載してあるステッカーを靴や衣類、つえなど身の回りのものに張っていただくことで、保護された際にステッカーに付されている登録番号をもとに、二十四時間三百六十五日対応している安心コールを活用し、その方の氏名、住所、緊急連絡先がわかる仕組みでございます。  ことしの五月から実施し、九月現在で九十一名の方が登録されております。お申し込みは本人のお子さんからが多いんですが、次いで配偶者、ケアマネジャーなどとなっております。現在まで、ステッカーによって警察などから高齢者安心コールへ緊急連絡先の問い合わせというのはまだございません。今後は、ステッカー事業や世田谷区社会福祉協議会が実施しているせたがやはいかいSOSネットワークとも連携し、地域での高齢者見守りの目が重層的になるよう周知、普及に取り組んでまいります。 ◆河村みどり 委員 区は、在宅で暮らす認知症の人が外出して家に戻れない人数を五百名と想定している、今、そういった答弁をいただきました。現在、見守りステッカーは、この五カ月間で九十一名の登録、それに対して、SOSネットワークの登録人数に至っては約二年間で四十二名と、五百名に対して余りにもおぼつかない数字だなと、そのように感じております。  私自身も認知症になった父の徘回の経験がありまして、本当にわらにもすがるような思いをたびたびしてまいりました。家に戻れない可能性のある五百名の認知症の方には五百名の方の家族がおり、日々本当に不安と隣り合わせで過ごしていて、もうゆっくり推進している場合では本当にないと思います。  区は五百名と人数を導き出しているのですから、この五百名の方にSOSネットワークも、また見守りステッカーも、今後具体的にどのようにアプローチしていくか、それが本当に大事ではないでしょうか。このような状況で、その必要な五百名に本当にたどり着くのか。社協の事業だけでのSOSネットワークの構築が本当に間に合うのかが本当に疑問でございます。従前より我が党が主張してまいりましたけれども、社会福祉協議会の事業として区は甘んじているのではなくて、区自体が主体となって、責任を持ってSOSネットワークの構築を推進して区民の命を守るべきと考えます。  今、御答弁いただいた中で、既に発見協力員の方が五百名、また今後さらにふやしていこうとしてくださっているんだと思うんですが、そういった大事な人材をなくすということを言っているのではなくて、あくまでも本当にそういった核になるところをしっかり区が責任を持っていく、そうやって構築する、そういうことを望んでおります。いかがでしょうか。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 認知症があり、外出先から家に帰れなくなることのある方の安心安全を守るため、今年度開始しました見守りステッカーとせたがやはいかいSOSネットワークの両事業がまずは連携し、見守ることが効果的であると認識しております。区といたしましては、社協が主体的に取り組んでいるはいかいSOSネットワークと協力するとともに、区内四警察署とも連携を強化するため、区や社協との意見交換を行い、区として実効性のあるネットワークづくりに取り組んでまいる予定でございます。今後、一層認知症の方を地域全体で見守り、誰もが安心安全に生活していただける地域づくりに一層取り組んでまいります。 ◆河村みどり 委員 ぜひ区が本当に責任を持って推進していただくことを要望させていただきます。  認知症の見守り支援についての質問が最後です。  神奈川県大和市は、高齢者を被保険者として公費で保険料を負担するはいかい高齢者個人賠償責任保険事業を本年の十一月より全国に先駆けて開始することになりました。きっかけは、二〇〇七年に高齢者が電車にはねられ死亡した事故で、賠償問題に発展し、最高裁では、このケースでは家族には賠償責任はないとの判決が下された事例ですけれども、踏切事故も状況によっては賠償金を払う可能性もあり、市は認知症の人や家族が安心して暮らせるための制度としています。  調べてみますと、大和市は、平成二十八年九月に「認知症一万人時代に備えるまち やまと」という宣言をしておりまして、昨年の六月現在、認知症者数が約八千六百人から一万八百人まで増加すると予測されている十年後を見据えて、積極的に認知症施策に取り組むと表明しております。この保険の対象者は、市が行っている、はいかい高齢者等SOSネットワークの登録者の方になります。大和市の認知症の人数は本区の半分以下ですけれども、本年七月現在では二百三十七名と登録が進んでいるようです。今回の公費の保険事業は、大和市民を守る市の本気度が感じられる、私はそのように感じました。  三日前に、さいたま市で認知症男性が列車にはねられ死亡のニュースが流れました。ことし六月には、認知症女性が井の頭線の踏切ではねられ死亡しています。このような事故は、認知症の家族にとって本当に人ごとではないのです。大きな安心につながるこの公費保険事業について、認知症の見守り支援の一つとして検討できないでしょうか。見解をお伺いします。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 個人賠償について行政が補助することにつきましては、まださまざまな課題もございますため、他自治体などの取り組みなど、さまざまに情報収集をしながら研究してまいりたいと存じます。 ◆河村みどり 委員 ぜひ積極的に検討を要望いたします。よろしくお願いいたします。  それでは最後に、がん対策について質問いたします。  これまでも、我が党の福田議員を初め他会派の皆様も取り上げております、子宮頸がんの検診時に、子宮頸がんの原因とされるヒトパピローマウイルスの感染を調べるHPV検査も併用すべきとの質問です。この二つの検査を併用することで、格段に検査の精度が上がり、重篤になる前に発見できるために、本当に多くの自治体が有効と判断されて導入をしております。HPV検査を実施している全国の自治体は平成二十八年五月現在で百五十二カ所、都内においては平成二十七年度時点で豊島区、八王子市、武蔵野市が既に導入をしています。  現在、区で行っている子宮頸がん細胞診検査の方法は従来法と伺っております。子宮頸がん細胞診とHPV検診を同時に行うことができる検査方法に変更できないでしょうか。お伺いいたします。 ◎鵜飼 健康推進課長 お話にもありましたHPV検査と同時に行う子宮頸がんの検査の方法としましては、液状検体法というのがございます。その方法は、標本のでき上がりに差が少なく、不適正検体の減少に効果があるとも言われております。一方で、従来法に比べ、機器の導入の初期投資が高額なことや、検体回収費用の増加など、経費負担の大幅な増加が懸念されております。  国は、現在区が採用する従来法に加え、お話のありました液状検体法の二つの方法、どちらも推奨しております。一方、HPV検査につきましては、子宮頸がん死亡率減少効果の証拠が不十分との理由で、自治体が実施する対策型検診としては推奨しておりません。そのため、区は、国の基準に基づき、子宮頸がん細胞の検体検査を従来法で行い、HPV検査は実施していない状況でございます。  区の子宮頸がん検診につきましては、子宮頸部の細胞採取を区内の指定医療機関に委託し、検体を準備するとともに、公益財団法人世田谷区保健センターに従来法での検体検査を委託し、実施しております。そのため、従来法からこの液状検体法へ切りかえるためには、さまざまな環境等を整備する必要がございます。今後は、この液状検体法導入の費用対効果やHPV検査の効果等を総合的に検証するなど、導入効果等の研究を進めてまいります。 ◆河村みどり 委員 今後、総合的に検証されるということでした。ぜひ、今回の梅ヶ丘拠点整備として準備を進めている新たな保健センターの医療事業の具体的な検討課題と位置づけていただき、導入を推進していただくことを要望いたします。  以上で私からの質問を終え、岡本委員に交代をいたします。 ◆岡本のぶ子 委員 私からは、未来ある子どもへの投資について伺ってまいります。  公明党は、これまで一貫して子育て支援を掲げ、教育費の負担軽減に取り組んでまいりました。総括質疑で我が会派の高橋幹事長が、未来ある子どもへの投資が大事であるとの観点から、幼児教育の無償化、学校給食の無償化を進めていくことの必要性を強く訴えさせていただきました。本日は、乳幼児から中高生世代にかかわる児童館職員の専門スキルに光を当てながら、児童館の拡充について質疑に入らせていただきます。  世田谷版地域包括ケアシステムの構築は、高齢者、障害者、子育て世代、生きづらさを抱えた若者の相談機能の充実を目指しております。本区の児童館は、赤ちゃんからお年寄りまでの多くの人々が集う触れ合いの場ともなっていることから、まさに本区の地域包括ケアシステムが目指す方向で大きな役割を担っていると考えます。また、児童館職員の方々は、その専門性を生かし、日々子どもたちと向き合い、地域や団体の方々の協力をいただきながら、子どもの変化に気づき、緩やかに子どもたちを見守る地域のかなめの存在だと思います。  ここで二点伺います。児童館と新BOPの学童クラブに配属の常勤職員の職種と人数、今後の児童相談所の移管に伴う人員確保を考えた場合、児童館職員の中から児童相談所の関連業務にその能力を発揮していただくことも大いに期待されますが、区の見解を伺います。 ◎好永 児童課長 児童館・新BOP学童クラブの常勤職員は、事務三名、児童指導二百二十四名の計二百二十七名でございます。一つの児童館で五ないし六名、新BOP学童クラブは一ないし二名の常勤職員がおります。また、児童相談所の業務としましては、子ども本人やその保護者などからの幅広い相談対応が基本にあり、特に子どもの保護が必要となった場合の一時保護所では、家庭に近い環境での子どものアセスメントや生活指導が必要となります。  こうした業務のうち、一時保護所での子どもの生活指導や見守りについて、児童健全育成に携わってきた児童館及び新BOP学童クラブに勤務する児童指導職としての経験が生かせるものと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 区は、二〇二〇年、平成三十二年度の児童相談所開設に向けて準備を進めております。特に大きな課題が人材育成とその確保だと思います。同時開設の一時保護所の職員、子どもソーシャルワークを担う子ども家庭支援センター職員の増員等、現在、区が考える職員配置予定数と今後新たに増員が必要な職員数を伺います。 ◎長谷川 子ども・若者部副参事 児童相談所の移管に当たっての計画案におきましては、正規・非常勤職員を含め、児童相談所には六十名程度、一時保護所につきましては二十一名程度の配置を見込んでおります。しかしながら、子ども家庭支援センターの職員配置につきましては、児童相談所との役割分担や児童相談所の移管と同時に、新たに担う事務について検討を進めているところであり、配置予定数の見込みまではまだ算定できていない状況でございます。  いずれにいたしましても、平成三十二年四月以降、早期の児童相談所の開設を目指すに当たりましては、平成三十一年度には適切な人員体制を組み、具体的な準備に取りかかる必要がありますことから、三十年度の早い時期に職員数を算定できますよう検討を急いでまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 昨年七月より、本区では地域包括ケアの全二十七地区での展開がスタートし、子育て世代の支援において児童館の役割はますます重要になってくると思います。ところが、残念ながら、さきの総括質疑でも取り交わされましたが、太子堂、上馬、代沢、北沢、松原、奥沢、九品仏の七地区には児童館がなく、未整備地区への設置は今後区の取り組むべき大きな課題の一つと考えます。  さらに、先ほどの答弁でも明らかなように、児童館職員二百二十四名の方々は、今後、児童相談所の開設時の要員として――現行配置数としては約八十一名と言われていますが、さらにプラスになっていくと思いますが、その要員として期待されることから、所管の児童課としては、児童館未整備地区への対応と人材育成、人員確保は容易でないことは理解できます。  私は、児童相談所の体制整備と地域包括ケア地区展開による子どもの見守り強化を両立する最善策は、我が会派がこれまでも再三主張してきたことですが、児童館の民営化による手法をとることだと考えます。今後、区として児童館未整備地区の新たな児童館の設置に向けては、指定管理または民間委託を含め、民営化の導入を求めます。区の見解を伺います。 ◎好永 児童課長 児童館は、子育て支援や児童の健全育成にかかわる地域の身近な相談機関としての役割も担っており、児童相談所の移管に伴い、その存在意義や従事する職員の役割が重要になってくると認識しております。  まちづくりセンターと児童館の関係は、その数と設置場所が異なっているため必ずしも一対一の関係にはなってございませんが、子育て支援館や中高生支援館など、一部の児童館においては地区、地域を超えた子どもたちや子育て家庭を対象に運営しているところでございます。  地域包括ケアの地区展開の対応につきましては、現在、二十五館で全域をカバーしておりますが、今後、より顔の見える関係の構築を考慮し、委員御指摘の地区としての整備が必要なエリアへの対応につきましては、敷地の確保の課題や財政状況等を踏まえながら、民間との協働についても児童館のあり方の中で検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 次に、新BOP学童クラブの時間延長について伺います。  現在、認可保育園の延長保育の時間帯は、保護者の事情に柔軟に対応し、ほとんどの園で午後七時十五分から八時十五分ぐらいまでの利用が可能となっております。一方、小学校に入学した途端、新BOP学童クラブの開設時間が放課後午後六時十五分までに短縮してしまうことから、保護者の戸惑いの声が多く寄せられております。  さきの我が会派の総括質疑の答弁で、子どもの家庭環境の問題や子どもが一人で帰ることへの問題もあるので、こういうことを含めて十分検討していくとの答弁がございました。自立した子どもは頑張って一人でお留守番もできますし、兄弟がいればなおさら安心して自宅で過ごすこともできます。また、ファミリー・サポート・センター事業の活用も考えられますが、その対応が難しい場合、午後七時以降まで開設を延長していただくことで不安なく過ごせる児童と保護者がいるのも事実です。今後、区として新BOP学童クラブの時間延長を改めて求めます。区の見解を伺います。 ◎好永 児童課長 学童クラブでは、児童の日々の成長への気づきや声がけ、保護者と児童の成長の情報共有をすることで、児童が不安なく保護者の帰宅まで過ごせるようになるための支援を進めております。平成二十六年には、学識経験者、小学校長及び保護者代表等による子ども・子育て支援制度及び新BOP事業に関する検討委員会において、子どもたちを長い間学校にとどめないほうがよいといった御意見があり、子どもの生活のリズム、放課後を過ごす時間、家庭での生活時間の大切さ、子どもが一人で安全に下校できる時間帯などを勘案して新BOPを運営しております。  全国的に福祉に関する仕事に従事する人材が不足している中で、新BOPでも運営に当たる指導員については、「区のおしらせ」やホームページで募集するだけでなく、インターネットや広告媒体の活用、区内だけでなく区外の大学へ訪問し、依頼するなどの採用努力をしております。しかし、需要を満たす十分な応募がない状況の中、時間延長を行うことは、子ども一人一人に目を配るだけの十分な支援体制の確保がより難しくなるなどの課題もございます。  その中で、学童クラブの運営時間の延長につきましては、保護者から多くの御要望があることも認識しております。区といたしましては、子どもの自立という本来の目的に向けて新BOPがどうあるべきかについて、時間をいただきまして、区民や議会の御意見も伺いながら検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ただいまの答弁の中で、福祉人材の確保が非常に困難な中で、新BOP学童クラブの人員確保も難しくなっているというお話でしたけれども、であるならば、新BOP学童クラブの時間延長等への柔軟な対応も、先ほど新設する児童館の民営化を申し上げましたが、新設する児童館と学童クラブをセットで民営化する手法も視野に入れながら検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎好永 児童課長 御指摘のとおり、学童クラブの職員である児童指導は児童課の職員であり、児童館長は新BOPの運営責任者でもあるため、学童クラブの時間延長に当たっては、児童館の運営とともに考える必要がございます。新BOPは、教育委員会、学校、新BOP、児童館を含む児童課が連携し、放課後子ども教室に当たるBOPと放課後児童クラブである学童クラブが一体型で運営されている好事例として全国的に紹介され、視察も受け入れております。  区内では、民間の学童クラブが民間の施設におきまして、区より長い開設時間や学習支援などのサービスで運営されており、区の学童クラブから引き続き民間の学童クラブを利用されている方も少なくありません。一方、放課後児童健全育成事業として学校施設を利用しながら、児童館職員が子どもたちの健全育成に気を配るところに安心感があるという声もいただいております。学童クラブのあり方につきましても、本日新たな御提案をいただきましたので、児童館の未整備地区への対応を含めました児童館のあり方の検討にあわせまして考えてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、夜間保育について伺います。  さきの総括質疑で高橋幹事長より、医療現場で働く医師や看護職、介護職を初め、夜間勤務の方々が家族だけに頼るのではなく、安心して夜間預けることができる保育園が必要であることを求めましたが、先日、二歳半になる男の子の双子を育てながら大手企業でフルタイムで働いているお母様とお会いしました。その際、お母様に夜間保育の必要性について伺ったところ、以前、双子の男の子の一人が入院したときに、付き添ってあげたくても、もう一人の子どもを預けるところがなかったために、自分は会社を休み、その間保育に当たっていたとのことでした。自分の企業が大きかったためにそういう制度があったので休むことができたけれども、そうでなければ恐らく会社をやめざるを得なかったという声がありました。  まず、本区における夜間保育の実施施設について、現状を伺います。 ◎後藤 保育課長 お話しのケースのように、従前の日中の預かりでは対応できない子どものための夜間保育について、区内には夜間保育所と定義される午前十一時ごろから午後十時ごろまでのおおむね十一時間開所している認可保育所はございませんが、成育しせい保育園において十三時間の延長保育を実施しておりまして、二十四時間保育に対応しております。また、区内五カ所の私立認可保育所において四時間の延長保育を実施しておりまして、二十二時十五分までの預かりを行っておりますが、利用対象は在園児のみとなっております。成育しせい保育園での夜間保育の利用実績につきましては、昨年度は月四、五回の利用がありましたが、今年度は月一回程度の利用となっております。  保育園へ夜間保育の問い合わせはあるものの、利用条件や自宅が施設から遠い等の理由で利用に至らないことが多いとのことです。その他、区内には病院が独自に設置している院内保育所など、二十四時間あるいは夜間の保育に対応している認可外の保育施設が複数ございます。 ◆岡本のぶ子 委員 先ほどのお母さんからは、年内に自分が入院することになり、お泊まり保育を探したけれども、施設は二週間前にならないとあきがわからないと言われてとても不安ですとのお声もいただきました。現行の区内の認可保育園で唯一、二十四時間の保育園を開設しているのが国立成育医療研究センターと同じ敷地内にある成育しせい保育園でございますが、私は、緊急一時保育を含め、保護者の仕事や病気などの要望に応えるためには、利便性を考え、まずは地域内に一カ所の設置が必要と考えます。  さらに、先ほどの答弁によると、夜間十時十五分まで延長をしている五園の園は、利用は在園時に限定しているということもあります。今後、柔軟な受け入れ可能な緊急一時保育の拡充とともに、二十四時間を含め、夜間保育の拡充を推進すべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎後藤 保育課長 保護者の多様な働き方の広がりに伴いまして、区は二十二時十五分以降の保育を行う夜間保育だけでなく、休日保育や緊急一時保育といったさまざまな形態の保育提供に対するニーズの高まりを課題としては認識をしてございます。一方で、これらの保育の提供に当たっては、従前の保育とは異なる勤務体制が必要となることなどから、保育士の確保が困難であるといった運営上の課題があるほか、国や都の補助制度が十分でないことなど、財政上の課題もございます。  また、成育しせい保育園の夜間保育では、子どもの生活のリズムに合わせた保育を重視しているため、夜間帯のお迎えは行わず、翌朝の七時過ぎのお迎えを行っている点が、ほかのいわゆる二十四時間保育所と異なっておりまして、夜間保育の実施については、子どもの育ちに配慮した保育の提供についての検討も不可欠であると考えております。  未来の子どもたちへの投資を考えていくに当たりましては、さまざまな形態の保育に対する潜在的なニーズを把握し、その上でしっかりとニーズにマッチングさせた保育施策について検討し、できるところから取り組みを進めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひできるところから取り組んでいただきたいことを要望いたします。  最後に、がらっと変わりまして、生活困窮者の支援について質問いたします。今月十月二十五日に施行予定の住宅セーフティネット法改正法に関連した入居支援等について質問をさせていただきます。  私は、平成二十六年三月、予算特別委員会の当所管分において、平成二十七年度から区がモデル実施した生活困窮者自立相談支援センターぷらっとホームの事業の中に、民間のNPOや株式会社を活用して、居住者の見守りや住宅の賃貸借保証事業のような支援策を盛り込むことを求めましたが、当時の区の答弁では、法制度に位置づけられていないので難しいとのことでした。今般の法改正により、入居支援等を担う居住支援法人の指定等が盛り込まれました。  今後、高齢者や生活困窮者等の居住に関する困り事への具体的な支援メニューをつくるためには、本年三月に立ち上げた区の居住支援協議会に新たに居住支援法人の参画が必要と考えます。速やかな区の実施を求めます。区の見解を伺います。 ◎岩元 地域包括ケア担当参事 区では、平成二十九年三月に、委員のお話もありましたけれども、世田谷区居住支援協議会を設立し、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅の円滑な入居促進などについて、情報の共有を図るとともに、啓発活動や環境整備等の取り組みに関しまして意見交換などを行っております。  この協議会は、関係団体として公益社団法人全日本不動産協会東京都本部世田谷支部、公益社団法人東京都宅地建物取引業協会世田谷区支部、NPO法人日本地主家主協会、世田谷トラストまちづくり、世田谷区社会福祉協議会に参加いただき、区の都市整備領域、福祉保健領域も構成員となってございます。  本年十月に改正住宅セーフティネット法が施行され、居住支援法人の指定が開始される予定となってございます。区といたしましては、生活困窮者への住宅支援を進めるためには、関係機関や団体が協議の場に参加することが重要と考えておりますので、今後、指定されます居住支援法人やぷらっとホーム世田谷の参加につきまして、住宅所管と連携して検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 居住支援法人は東京都が指定をするということがまず大前提になっておりますけれども、区側から推薦を東京都に出すこともできると法律のもとでなっておりますので、ぜひ速やかに働きかけをお願いしたいと思います。  ただ、時間がかかるということも考えられますので、まずは現場のぷらっとホームとして住まいの不安などを抱えた相談者にアウトリーチを含めた対応をするために、居住支援事業を専門とするNPO等と連携した対応を求めます。区の見解を伺います。 ◎木本 生活福祉担当課長 ぷらっとホーム世田谷では、生活困窮者の自立に向けた就労支援や家計相談支援等を行っていますが、家賃の負担増や滞納、立ち退きの必要等、住まいに関する相談も多く寄せられており、住居確保給付金による家賃助成や低額家賃物件への転宅等の支援を行っております。  相談者の中には、メンタル的な課題を抱えた方や七十歳以上の高齢者の方も多く、既存の支援メニューだけでは限界があり、新たな住まいの確保のためのきめ細やかな支援や居住後のさまざまな生活課題に対するサポートが必要な方も少なくありません。
     こうした中で、委員御指摘のように、国の新たな住宅セーフティネット制度においては、入居者への相談、見守りなどの生活支援等を行う法人を居住支援法人として位置づけるなど、さまざまな民間支援機能との連携の仕組みを打ち出しました。生活困窮者の多様な支援ニーズに対応するためには他機関との連携が欠かせません。ぷらっとホーム世田谷では、地域関係機関調整会議を主催して、包括的な支援に向けた多機関連携を進めておりますので、今後は居住支援法人等にもお声がけを行い、相互に連携して生活困窮者に寄り添った支援につなげられるよう取り組んでまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 以上で私の質問を終わり、板井委員にかわります。 ◆板井斎 委員 初めに、梅ヶ丘拠点整備事業について、確認の意味も込めて何点か質問いたします。初めに、民間棟に整備される施設入所支援、地域生活支援型について伺います。  同施設は入所三年後で地域に移行することが明示されています。しかし、先ほども質疑がありましたけれども、グループホーム等の受け皿がない限り地域に移行することはできません。グループホームは、障害者の親亡き後も継続してなれ親しんだ地域で暮らすために必要不可欠な施設であります。そうした受け皿になる施設の整備計画を示さず、入所期限を設定することに疑問を感じます。裏を返せば、年限を切った以上、受け皿の整備を進めるための方策を区は責任を持って示さなければなりません。  そこで私は、現実的にこのグループホームの整備を進めるためには、どうしても区内の法人に運営を担っていただくことが重要かと思います。そうした方々のプラットホームをつくり、法人相互がノウハウや情報を共有できる体制をしっかりと区が責任を持って進めていくべきと考えますが、見解を伺います。 ◎加藤 障害者地域生活課長 梅ヶ丘拠点の民間施設棟に障害者の地域生活支援型の入所施設を開設いたしますが、地域移行を進めるに当たっては、医療的ケアや障害の重度化などにも対応したグループホーム、また、日中活動の場の確保についても必要と考えております。  グループホームの整備については、ハウスメーカーや不動産団体に協力を求めているほか、土地・建物オーナー向けにグループホームの普及啓発チラシを作成し、住宅課が開催する不動産等に関するセミナーで情報提供するとともに、UR都市再生機構の空き室を活用した整備方法についても協議を行っているところでございます。  日中活動の場である通所施設の整備については、一定の面積が必要なことから、公有地の活用を中心に進めておりますが、加えて、施設の多機能化や民有地、民間物件の活用についても取り組み範囲を拡大しながら、不足しております生活介護施設の整備に取り組んでおります。  また、本年三月に設立された世田谷区居住支援協議会では、住宅部門と福祉部門の庁内での連携強化を図るとともに、不動産団体や居住支援団体等と協働し、居住支援に係る福祉サービスや住まいの確保に関する課題等についての情報共有を図っているところでございます。  今後は、同協議会のネットワークを生かし、障害者施設の整備促進に向けまして、ハウスメーカーや不動産団体、施設整備を希望する社会福祉法人等が情報を共有する場を新たに設けるなど、障害者施設の整備に取り組んでまいります。 ◆板井斎 委員 確かにハウスメーカーだとか不動産団体との連携も必要ですけれども、やはり運営していく法人がなければ成り立たない話ですので、また、三十一年四月に開設する際には、施設への入所基準やその後の移行計画を明らかにしないと、やはり保護者は判断に困り、混乱することも想定されます。また、肢体不自由児者向けのグループホームの整備が大変おくれていますので、そうしたことも念頭に置いて進めていただきたいと思います。  次に、総合福祉センターの個別業務の移行について伺います。  先月、素案が示されました。総合福祉センターで行っている業務は、例えば視覚障害者の自立訓練や高次脳機能障害者の支援等、大変スキルの高い人材を確保することで、全国的にも先駆的な事業が多々行われています。サービスの水準を維持し、個別業務を継続するには、やはり高いスキルを持った専門職の確保に尽きると思います。そうした意味で、専門職をどのように採用し、育成していくのかを伺います。 ◎竹花 障害施策推進課長 現在、民間施設棟の障害者支援施設では、平成三十一年度からの事業開始に向けて、介護職やリハビリ専門職員、医師や看護師を含めて約百四十名の人材を順次確保する計画で準備を進めており、新規採用者については事業者の運営する施設で研修を行った後配置するという旨の報告を運営事業者から受けております。  この間、総合福祉センターから梅ヶ丘拠点への事業移行に向けて、区と総合福祉センター、運営事業者との間で定期的に個別事業の移行の詳細や業務引き継ぎ等に関する協議を重ねており、その中で事業ごとに必要な専門職員のスキルや体制などの共通理解を図りながら、運営事業者が行う人事異動や職員採用など、配置に関する調整も進めているところでございます。  また、総合福祉センターでは、運営事業者の職員を既に受け入れ、実務を通じた引き継ぎも行っているところでございますが、高次脳機能障害支援などを担う専門職員につきましても、運営事業者の職員配置計画が整ったことから、今後、総合福祉センターの専門職員が持つノウハウの継承に向け、職員の受け入れを行い、サービス水準の低下を招かないよう進めてまいります。 ◆板井斎 委員 専門職の配置をしっかりやっていくという答弁でしたけれども、やはり星となる専門職、この専門職がいなければ事業の水準が維持できない、そういう専門職がいると思いますので、計画的というか、星となる人をしっかり採用して進めていくということもぜひ取り組んでいただきたいし、そうした方はしっかり一年間、総合福祉センターで実務を一緒にやっていくということも大事だというふうに思います。業務は一年単位で行われていますので、その辺もよろしくお願いいたします。  今、高次脳機能障害の話が出ましたけれども、高次脳機能障害者については、総合福祉センターは基幹型のセンターとして、障害の評価、福祉用具の判定、個人及びグループ訓練、そのグループ訓練のフォロー、また、関係機関との連絡、研修など、幅広い役割を果たしてきているわけですけれども、この機能の一部が縮小され、リハビリ訓練は民間棟、相談、育成は区複合棟、研修は他団体に委託というふうに分かれてしまう、そのことによってサービスが低下するのではないかとの懸念がありますけれども、そうした連携をいかに図るのかを伺います。 ◎竹花 障害施策推進課長 総合福祉センターの機能については、主に梅ヶ丘拠点施設の民間施設棟と区複合棟の区立保健センターに移行することとしており、お話にありました高次脳機能障害支援を例に挙げますと、民間施設棟に自立訓練事業を移行し、区立保健センターに専門相談などの事業を移行いたします。また、高次脳機能障害者関係施設連絡会や医療ソーシャルワーカー連絡会など、ネットワーク事業についても民間施設棟と区複合棟の区立保健センターへ移行することとなります。  区としましては、民間施設棟の運営事業者と区立保健センターが有機的な連携を図ることが不可欠だと考えておりますので、両者が連携して取り組む個々の事業やネットワーク事業が有効に機能するよう、区が運営事業者や公益財団法人保健センターなどと調整を密に行いながら引き継ぎを進めるとともに、移行後についても三者協力のもとで事業を進めてまいります。 ◆板井斎 委員 三者連携、協力という言葉がありましたけれども、やはり誰がコーディネートするのか、その機関と人を明確にしていかないと、やはり実質的な連携というものは図っていけないというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  最後に、この項の質問で、医療的ケアの必要な方の受け入れについて伺います。  イタール成城短期入所施設では、希望者に対して十分応えられたかというと、疑問がありますけれども、開設時からそうした方々をしっかりと受け入れていただけるのかどうか、今の現状についての認識を伺います。 ◎竹花 障害施策推進課長 民間施設棟で行う事業につきましては、総合福祉センターから移行する児童発達支援、自立訓練のほか、施設入所支援、短期入所などにおいて医療的ケアに対応することとしております。これらの事業については、平成三十一年度からの事業開始に向けて、平成三十年度中にサービスの種類ごとに利用者の登録申請や利用者の決定をする方向で、事業の枠組みについて民間事業者と協議を進めております。医療的ケアの実施は、事業者募集の際の要求水準書に盛り込み、看護師等の支援体制整備に対して事業者補助を予定しており、平成三十一年度の開設時から医療的ケアに対応するように、区としては引き続き民間事業者と調整を密にしながら事業を進めてまいりたいと考えております。 ◆板井斎 委員 関係者の期待に応えられるようにしっかりと整備を進めていただきたいと思います。  次に、社協改革について伺います。  社協の決算状況を見ると、過去九年間で七年が赤字決算になっています。黒字になった年も多額な寄附があり、それがなければ大幅な赤字だったということになっています。積立金がなくなるのも時間の問題です。他方、サービス公社や社会福祉事業団などの外郭団体は、財務を改善する努力の一環として、人件費の削減に踏み込んだ改革をしている一方、社協にはそうした姿勢がかいま見られません。社協の財源構成は、区からの補助金、委託費、給付金が約九割を占めています。社協不要論もある中、こうした財源構成を考えたときに、まさに今、社協にそうした意識改革、経営改革があるのか大変疑問でありますけれども、区及び社協はこの状況をどのように捉えているのか、伺います。 ◎木本 生活福祉担当課長 社会福祉協議会では、これまでも財務改善の取り組みをしてきましたが、御指摘のとおり赤字収支が続いており、法人としても財政収支の改善が喫緊の課題であると重く受けとめ、経営改革に向けた取り組みを開始したところです。取り組みに当たっては、理事会の諮問機関として、外部有識者から成る経営企画専門委員会を設置し、地域福祉を推進する社会福祉協議会の役割を果たしていくための組織、人事、事業のあり方及び財政の健全化について諮問し、さまざまな御議論をいただいております。  さらに、新たに社内報を定期発行し、経営改革の必要性について意識の浸透を図るとともに、職員参加による法人内の検討組織を立ち上げて、今後の事業や人事のあり方を含めた議論を開始していく運びであると伺っております。  こうした取り組みによる検討結果につきましては、可能なものから前倒しで実行に移すとともに、今後、(仮称)世田谷区社会福祉協議会経営改革計画を策定し、法人が一丸となり危機意識を持って取り組むと聞いており、区といたしましても法人経営の健全化に向けた取り組みを支援してまいります。 ◆板井斎 委員 億を超える赤字があった年もあるぐらいで、今の答弁では危機感が感じられないわけですけれども、支出に占める人件費の割合というのはこの約七三%で、今、社協は正規職員が七十三名、非常勤が七十二名の百四十五名を抱えており、単純に割り返すと一人五百七十万円の年収になりますけれども、年収に合った存在価値、そして成果をしっかり出していただかなければ納得できるものではないんですが、社協のこの収支の改善については、みずから自主財源、お金を稼ぐ、そうした努力をすることが求められると思うんです。  今までの強みである介護分野、あるいはこれまで寄附された土地、家屋、そうした財産を活用する、さまざまな方法は考えられるんですけれども、そうしたことは考えているのでしょうか。伺います。 ◎木本 生活福祉担当課長 財政収支を改善していくための方策の一つとして支出を見直す一方で、事業収益を上げるために自主財源を確保していくことは重要であると考えております。社会福祉協議会は、介護保険が始まるまではデイサービスセンターの運営を行っていましたが、介護保険法の施行と社会福祉法の改正を機に、区民の方々とともに地域の福祉を推進する団体として法人の事業内容を見直し、現在に至っております。  これまで、自主事業の見直しを行い、赤字が続いていた配食サービスを廃止するとともに、法人後見事業の実施による収益の拡大に取り組んでまいりました。近年は、ファミリー・サポート・センター事業や地域包括関連の新規事業の受託の拡大などを図っていますが、法人後見の件数が伸び悩むなどもあり、収支が安定していない状況となっております。  社会福祉協議会では、経営改革に向けた計画を策定して取り組むとしておりますので、委員の御意見も法人に伝えさせていただくとともに、区といたしましても検討状況を注視しつつ、経営改善に向け必要な指導、助言を行ってまいります。 ◆板井斎 委員 九年間で七年も赤字で、二億円の給付があった年なんかもあったり、九千万円の寄附があったりした年は何とか黒字で、そう考えると、実質九年連続で赤字決算になっているということをもうちょっと重く受けとめていただかないと、大橋謙策先生なんかのレクチャーを受けていると思うんですが、私も大学で習ったことがあるのですけれども、社協不要論みたいなこともおっしゃっていたり、やはり環境は厳しいかというふうに思います。実際、社協の過去の経過がありまして、ふれあい公社からの話があったかと思うんですけれども、そうしたことはもうこっちに置いておいて、自主財源をしっかり確保するような努力をしていただきたいと思います。  次に、個別事業について伺いますけれども、日常生活支援センターについてですけれども、この日常生活支援センターには議会でもさまざまありました。この事業というのは社協みずからが提案した事業であり、センター長は途中で職を投げたり、三十法人に協力を依頼したが十法人に断られるなど、地域包括ケアの地区展開を支える機能を果たしていないと。私も声をかけられた数法人に話を聞きましたけれども、やはり社協の実力不足に加えて、信頼を得ていない、何をしたいのかわからない、思いつきの事業との言葉をいただきました。これは、事業の目的に沿っているのか、再考を求めたいと思うんですけれども、いかがですか。 ◎木本 生活福祉担当課長 社会福祉協議会の日常生活支援センターは、各地区単位だけでは対応できない相談、生活支援サービスのマッチングなどについて地区を超えてバックアップできるよう、法人の自主事業として昨年七月に開始されたものでございます。  この間、サービス提供におけるNPO法人等の連携を開始し、区内における生活支援ニーズの把握と提供に努めてまいりましたが、より多くの団体間の連携やより多様なサービスの創出、担い手の発掘、育成を協働で進めることの重要性が増してきているとの認識から、生活支援NPO等福祉団体協議会を立ち上げたところです。  この協議会の目指すところは、日常生活でお困りの区民が地域で自立した生活を送れるよう、生活支援にかかわる福祉団体が連携して課題の解決を図ることとしています。先月の全大会は三十団体の参加を得て開催し、うち二十団体が現時点で協議会の会員となっています。各団体においては、それぞれ設立の理念やさまざまな活動への考え方がありますので、社協のコーディネート力も問われるところです。多様な生活支援の創出と提供を広げていくために、継続して議論を積み重ねながら、相互連携と情報交換を進めていくと伺っております。  区といたしましても、地域包括ケアに寄与するものとして積極的に推進していく取り組みと捉え、引き続き補助対象として推進状況を注視しつつ、適宜指導、助言をしてまいりたいと考えております。 ◆板井斎 委員 補助対象として継続するなんていうのは、本当に間違っているというか、もうちょっと下から積み上げてきて、本当は何を世田谷区全体でやるべきなのか、課題は何かということを明らかにした上で協力をお願いするということをしない限りは、社協よりも皆さんしっかりやっている法人ばかりですよ。社協のほうがやっていないと、そういうふうに厳しい見方をしているということをぜひ理解していただきたいと思います。  次に、支えあいサービスについても伺います。  先ほど、和光市の例を挙げた他会派の質問がありましたけれども、私たちは、地域包括ケアシステムというのは介護ケア、介護予防に尽きる、ニーズ調査をして不足するサービスを創出する、そういうことが必要だというふうに求めてきましたけれども、その中で、この総合事業が、それにちょっと似たようなシステムかと思うんですけれども、区では、二十六年度で要支援一、二と判断された方一万百七十人中、二年後に重度化した方は四千四十六人、実に四〇%の方が二年間で重度化しているんですよね。こういったことをしっかりと捉まえてこの総合事業というのはやっていかなければならないんですけれども、この総合事業、本当に成果が出ているのか、区の目標及び効果測定について認識を伺います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 介護予防日常生活支援総合事業の訪問型サービスの一つである支えあいサービスは、住民参加型サービスとして世田谷区シルバー人材センター及び世田谷区社会福祉協議会に委託して実施しております。社会福祉協議会につきましては、サービス実施者の発掘、登録のほか、利用者とサービス実施者とのマッチング、サービス実施者の人材育成もあわせて委託しております。支えあいサービスは、介護予防や自立支援のための生活支援サービスを利用者の健康状態や生活状況に応じて柔軟に提供し、要支援者等が住みなれた地域で自立した生活を継続できるよう支援することを目的としております。  現在、サービス実施者の人数は四百三名となり、徐々に増加しておりますが、利用者のほうは五十七名という状況でございます。介護予防や重度化予防の目的を達成するため、事業の効果測定としてサービス実施者の登録数、利用人数などのほか、要支援、要介護の認定割合なども指標としてまいります。また、自立支援を総合的に推進していくためには、あんしんすこやかセンターの介護予防ケアマネジメントの質の向上に取り組むとともに、今後も社協と連携、協力しまして、介護予防の取り組みを総合的に推進してまいります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時三十五分休憩    ──────────────────     午後四時五十分開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  世田谷民進党・社民党、どうぞ。 ◆中塚さちよ 委員 世田谷民進党・社民党の福祉保健領域の質問をさせていただきます。  まず最初に、先ほど公明党、他会派の方からも質疑がございましたが、私も社会福祉協議会の状況に関して、特に成年後見制度についての質問をさせていただきたいと思います。  社会福祉協議会は、先ほど、私の地元の先輩でもあります板井委員から大変厳しい御指摘がございましたが、非常に赤字になっていると。自主財源というのをつくっていくのに取り組んでいくということで、区の答弁というのも、特にこの成年後見制度というのはニーズがあると。それで拡大に取り組んできたといったような御答弁がございました。私も平成二十年、そして二十四年と継続して、この成年後見制度についての質疑を取り上げてきたところでございます。  世田谷区社会福祉協議会では、成年後見制度について、社協の自主事業ということで、特に法人後見というのを行っています。法人後見というのは、いわゆる特定の誰かに後見人をお願いするというのではなく、法人として後見業務を請け負いますので、特に若い知的障害の方など、長期間にわたる後見業務が見込まれるような場合に、一人の人じゃなくて複数でかかわるので、継続してこの後見業務をやっていきやすい。また、法人後見の中では、法律とか福祉とかさまざまな専門資格を持つ方がチームでかかわることができるので、非常に柔軟性や即応性というのがすぐれているというふうにも言われています。また、もちろん一人の方が受託するよりも、複数で、法人で請け負いますので、多くのケースを受任することが可能であり、そのため、この業務のノウハウの蓄積もできますので、より質の高い支援というのが期待できるといったメリットがあると言われております。  世田谷区の社協のほうでも、この法人後見というのに力を入れてきた。それで、ここで受託を多くふやして財源ともしていきたいということに力を入れてきたところと聞いております。私も平成二十四年の質問のときに、実際、この法人後見というのは非常にニーズがあると。特に品川区ではこれが非常に進んでおりまして、この一年間で、平成二十四年のときに四千万円以上の収益が社協の財源となっているというようなことも質問させていただきました。  そうした中で、我が区の社協の法人後見、決算を見ますと、どうなっているかといいますと、過去数年間、新規の受託というのが年々減っている現状にありました。平成二十五年度のとき、三十八件新規で受託していました。二十六年度は二十五件、二十七年度は十七件、二十八年度の実績はこの法人後見四件まで減ってしまっています。また、任意後見といった、高齢者の方が、今は大丈夫なんだけれども将来のために公正証書を依頼するというような中身ですが、これについては、平成二十五年度が七件、二十六年度は三件、二十七年度は四件、二十八年度についてはゼロ件となってしまっています。これはそもそも非常にニーズが見込まれるということで、社協では力を入れていくということだったはずですが、なぜこんなに減ってしまったりゼロ件になっているのでしょうか。 ◎木本 生活福祉担当課長 初めに、法人後見ですけれども、対象といたしまして、弁護士や社会福祉士のような専門性が求められていない中で、法人として得意な身上監護が中心の案件を主に受任をしていたところです。状況といたしましては、成年後見センターの扱う区長申し立て案件において、年々、虐待絡みの困難な事案が多くなっており、法人後見に見合う案件自体が少なくなってきている状況にあります。  委員御指摘のとおり、平成二十八年度の新規は四件にとどまっておりますが、年度末件数については六十八件、また、年度内終了件数の七件を足しますと、昨年度の実績件数は七十九件ということになっております。今年度については、八月末までに新規で二件を受任したところです。  一方、任意後見ですが、こちらは後見人をあらかじめ利用者が選び契約を結ぶ制度ですが、昨年度末の累計件数は十四件にとどまっております。受任についての周知が行き届いていないことも一つの要因と考えております。法人としては、今後、周知に努めるとともに、より利用しやすい仕組みとなるよう検討していきたいと伺っているところです。 ◆中塚さちよ 委員 力を入れていくと言っている割には――もともと、お金を目当てにやる事業ではないと思っておりますので、困っている方のお役に立つことをやっていらっしゃるんだと思うんですけれども、しかし、かといって、大きな赤字も出ている中で、一定程度、他の自治体では実績が上がっている部分を世田谷区として同じように取り組めていないというのは、何か機会を損失しているのではないかと思うわけなんですね。  それで、この社会福祉協議会の決算を見ましても、今回、社協というのが大変赤字になっていると。その赤字の原因は、二十八年度赤字の七千九百二万円のうち、半分ぐらいがこの成年後見に関する業務で赤字になっているということなんですね。これはかなり大きな金額だと思うんですけれども、具体的には、成年後見センターを新しい場所に移転した、また、専門員をふやした、そうしたところに先行投資をしたというような記述があります。  この先行投資というのは、まず、その場所を移すというところで、果たしてそれで利用の拡大が、場所を移せばお客さんがふえるのかという、それはどういった根拠だったのかということと、あとは、人をふやしたというのは専門の相談員の方ということですけれども、この人たちは一体どういう方々なのか、ニーズを着実にサービスにつなげていくことで収益につなげていくとか、そうしたことをする方なのか、そのあたりも、先行投資の中身について教えていただきたいんですけれども。 ◎木本 生活福祉担当課長 成年後見センターにつきましては、平成二十七年十二月に成城から現在の下北沢に移転をしたところでございます。当時といたしましては、これから成年後見のニーズが非常にふえるだろうということで、そうした区民のニーズに応えるために、成城の事務所の中ではでき得なかった手狭な事務所の拡張、それから、対応に見合う体制の整備、これを含めまして下北沢に移転をしてきたところでございます。  成年後見支援員につきましては、社会福祉協議会の専門職でございます。主に被後見人の身上監護とか、そういったことについて専門的なスキルを持って対応していくという形で五人の専門員が対応しているところでございます。  そうした中で、決算書にございますように、法人後見の収益でございますが、二十八年度の後見報酬収益につきましては三千九百五十五万円余りと、昨年度に比べて七百十八万円の増収を図っているところでございますが、まだ不足しているというような状況にあります。 ◆中塚さちよ 委員 収益は若干ですが上がっているということで、利用も多少伸びたということなのかなと思っているんですけれども、しかし、普通に考えて、これからふえるだろうと見込んだというのも、実際、品川のほうでは一生懸命やっている結果ふえていて、収益が平成二十四年のときに四千万円以上だというふうに私が聞いていたところ、今はその倍ぐらいまでこの法人後見事業の報酬が上がっているということですが、世田谷区としてはまだその半分ぐらいにとどまっていると。  なおかつ、成城の事務所というのは手狭とはいえ、ただだったというか利用料はかかっていなかったらしいんですけれども、下北沢は新たにそのお金を出して借りている。後見支援専門員という方は、お客さんがふえたらそれに対応するという方ですけれども、お客さんがいない段階では、まずやるべきことは、いかに利用者をふやしていくかということだと思うので、本来、これがビジネスであれば、営業マンを増員するとかならわかるんですけれども、まだお客さんがいないのに、対応する人にお金を払って、その人たちをふやしているということで、とても考えにくいというのか、お金の使い方としてどうなんだろうというふうに思うんですね。  品川でそれだけ利用に結びついたというのは、地域のほうからそうしたニーズを発掘してサービスにつなげていくというところが、地域包括支援センターとか民生委員ですとか、地域の方々や民間の方々が非常にそこに注力していて、そうしたところがしっかりできているということなんです。世田谷区の社会福祉協議会は、そうした、本来利用につなげていく、お金を生み出していくところに注力をせず、事務所を引っ越して広くしたとか、対応する人をふやしたとか、お金の使い方としてどうなのかというふうに思いました。  もちろん今後、困っている方、ニーズある分野だと思いますし、重要なことをやっていらっしゃると思います。お金にならないという内容のところで頑張っていらっしゃる職員の方、現場の方は多くいらっしゃると思うんですが、経営方針としてどうなのかなということは、どうなんですか。 ◎木本 生活福祉担当課長 委員指摘のとおり、法人後見の件数が伸び悩むことなどによって、この事業の財政収支については赤字というふうになっていることは認識してございます。先ほども御答弁したとおり、社会福祉協議会では、現在、経営改革に向けた計画の策定に取り組むとしておりまして、この成年後見センターの事業運営の財政改善も課題の一つとなっております。  成年後見センターでは、これからまだまだ利用に結びついていない層の発掘だとかも含めて、入所施設とかそういうところを回りまして、施設関係者との情報共有も図りながら、そうした利用促進に向けて取り組んでいきたいと考えているというふうに伺っております。 ◆中塚さちよ 委員 それを採用した後見支援専門員の方々と一緒にやっていくということですか。 ◎木本 生活福祉担当課長 後見の専門員というのは主に身上監護を担う職員ですので、それだけでなく、成年後見センターのいわゆる事務職員も含めて、そういった中にいろいろと利用促進に向けた取り組みを進めていきたいというふうに考えています。 ◆中塚さちよ 委員 事務職員の方がそうした、営業じゃないんですけれども、適材適所という言葉がありますけれども、果たして本当にそういうことをやっていけるのかどうなのかと思います。それに、設備投資を、先行投資をするのであれば、経営の観点から言うと、この事業じゃなくてもある程度、社協全体として見たときに、削れるところは削ってから新たに投資をする分のお金をつくって確保していくという考え方もあったかと思うんですけれども、特にそうしたことは考えてはいなかったんですか。 ◎木本 生活福祉担当課長 社会福祉協議会としても、これまで財政改善計画みたいなものを持っておりまして、そういった取り組みもしてございました。ただいまその確保の取り組みについては検証しているところでございます。今後に向けては、今、経営改革のための専門委員会という外部の有識者を集めた会議からの意見もいただいているところでありまして、可能なところから前倒しで改善に向けて実施していきたいというふうに考えているとのことございます。 ◆中塚さちよ 委員 例えば普通に生活している感覚で言うと、今月はここの外食にすごくお金がかかりそうだし、あるいは冠婚葬祭にかかりそうだから、じゃあ今月はこのお金しかないんだから、ここのお洋服を買うのを我慢しようとか、そういうふうにやりくりってやっていくものだと思うので、無尽蔵に先行投資ばかりするのは本当に危険だと感じております。この下北沢も撤収したほうがいいんじゃないかと思うぐらいですが、それは意見というか、感想ということで言わせていただきます。  実際、今後伸びていく分野だということは私も承知しております。各種法律などの専門職の方の相談というのは利用の件数も非常に多いようですが、どういった相談内容が多いでしょうか。 ◎木本 生活福祉担当課長 成年後見センターでは、月三回実施している弁護士による予約制の法律相談のほか、弁護士会や司法書士会などの機関と共催で行う専門職による相談会、さらに、職員による電話相談や窓口相談など、区民後見人による申し立て説明会なども開催しているところでございます。  委員お尋ねの相談内容につきましては、法律相談では、親や御自身の財産管理や遺言相続についてなど、また、職員が受ける相談では、後見制度、あんしん事業、任意後見等の相談が多いようです。漠然とした将来への不安感から後見制度の利用の仕組みなどを知りたいといったお話なども多い中で、虐待や経済破綻など差し迫った相談などもあり、最近は家族にかかわる課題がふえてきているものと伺っております。また、任意後見の相談では、個人を特定することなどへの不安などから、公的な機関や専門機関等を希望する方もおり、社会福祉協議会で対応できない場合は弁護士等の有志で構成している団体等を紹介しているところでございます。 ◆中塚さちよ 委員 ここに相談をして、いろいろある中で、世田谷区の土地柄もあるのかもしれませんが、財産のこと、相続のことといったことも多いのかと思います。相談するメリットとしては、お金をかけずに法律の専門家の弁護士さんとか専門職の方が相談に乗っていただけるというのもありがたいところかと思いますが、そういった意味でも、やはり多様な職種、専門職の方々がチームでかかわっていければと思いますので、特に税理士さんですとか、そういった方々もそうした対応に参加していただくのはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎木本 生活福祉担当課長 税理士会として、成年後見センターの取り組みに参画したい旨の要望は区としても受けとめておりまして、本年七月より申し立て案件の内容を検討し、適任な後見人候補者の選任を行う事例検討会の傍聴に参加していただいております。事例検討会に諮られる申し立て案件の詳細と各専門職による多角的な検討のやりとりを含めて、成年後見センターの取り組みについて御理解いただくとともに、税理士会としての対応の可能性も見ていただいていると認識しております。  区といたしましても、多職種の連携強化を図り、後見制度利用を必要とする人への早期把握と包括的支援に向けて、今後は幅広い関係機関や組織等とのネットワークづくりが大切であると考えており、制度運営の裾野を広げていく場を新たに設けるなども検討して実施体制の充実を図ってまいります。 ◆中塚さちよ 委員 社協の事業とはいえ、区としてもこの成年後見センターのほうには運営の補助とかを出している面もあると思いますし、今後もしっかり、この運営ですとか内容についても区としてもかかわっていっていただきたいというふうに要望させていただきます。  それでは次は、在宅の障害者の方々の支援について質問させていただきます。  せたがやノーマライゼーションプラン(世田谷区障害者計画)の一部見直しと第五期世田谷区障害福祉計画の素案が示されたところです。特に、私はずっとケアマネジャー、あるいはヘルパーとして在宅介護の仕事が長かったものですから、特にこの在宅の障害者の方の福祉サービスというところに関心がありますけれども、特に訪問系のそうした介護、介助のサービスというのは、ここ数年、計画数に対して実績数が下回っているというのが現状のようです。  この計画数というのは、そもそも一人一人の障害のある方がおうちで自立して生活していくために最低限必要なサービスの支給時間、この上限を区が決めている。それを人数分積み上げたものが計画数になっていると思いますけれども、それが達成できていないというのはどういうことかというと、現場の実態からすると、本当はそれだけの時間、介助が必要にもかかわらず、提供してくれるヘルパーさんがいないからその利用を消化できていないという実態があるんですね。  本来必要なサービスが受けられなくて我慢に我慢を重ねた結果、どうなっているかというと、例えば私の知っている方では、お手洗いのタイミングのときにヘルパーさんが、どうしてもそのとき人がいない。我慢に我慢を重ねて、次の介助者が来るまで本当に我慢をしてしまっている結果、尿管結石ができて腎盂腎炎で腎瘻になってしまったという悲惨なケースもあります。また、ほかのケースでは、寝るときのベッドに移乗する、でも、夜の時間のヘルパーさんがなかなかいなくて、そうするとしようがないので、九十代の要介護二のお母さんが登場して、そのお母さんがベッドへの移乗を手伝っていると。これは何かちょっとあったら、二人ともひっくり返ってけがをしてしまうんじゃないかと、とても安心して暮らしていけない、本当に悲惨、大変な状態で、障害のある方は苦労して生活していらっしゃいます。  そうした中でも、何十社とヘルパーを探す電話をかけたり、当事者の方がみずからチラシをつくって配ったりして頑張っているという状況です。計画の中では、ノーマライゼーションだと、障害のある方が地域でその人らしく暮らしていけるようにと理念は立派なんですけれども、それを実際実現するためにどうやってその介助の人を確保していくのかということについて、何の具体的な記述もありません。一体区はどう考えているのでしょうか。 ◎竹花 障害施策推進課長 昨年実施いたしました世田谷区障害(児)者実態調査では、事業者の約八割が職員が不足していると回答しており、サービス提供に当たり、障害者の介護人材の確保は大きな課題であると認識しております。  計画の御質問をいただきました。現在、一部見直しを進めておりますせたがやノーマライゼーションプランでは、保健福祉人材の確保、育成について、研修の実施や研修内容の充実、区内施設運営事業者等への研修費の助成等により専門的な人材の確保、育成、定着を図る旨、お示しをしております。  並行して策定を進めております障害福祉計画では、サービスの見込み量や見込み量の確保に向けた方策を示すものでございます。現計画では、計画数値との乖離はございますが、サービスの利用実績は増加しております。今般お示しをしている第五期障害福祉計画の素案では、訪問系サービスについて、事業者に対しサービスの質の向上に向けた支援などを行うことにより見込み量の確保を図ることとしておりますが、今後、このサービスごとの利用者の見込みや一人当たりの利用時間数の推移等も踏まえ、サービスの必要量とその供給体制について詳細な検討を行い、案として取りまとめてまいりたいと考えております。 ◆中塚さちよ 委員 なかなか難しい問題かとは思うんですけれども、人がいないためにサービスが計画どおり利用できていないから利用時間が多いんじゃないかといって、削られるというような話まで出てきて、とんでもないことなので、現場の実態をよく把握していただけたらありがたいと思います。  特に障害者の方の介助の資格についてなんですけれども、今、介護保険のほうでは初任者研修とか実務者研修を受講するに当たって、区のほうで九割補助をしてくれるという非常にいい制度がございます。しかし、障害者の介助の資格は、特に重度訪問介護とかは、介護保険に比べると非常に短い、三日間とか短期間でとれるものがありまして、本当に人手不足なので、三日間の講習を受けて、まずはすぐに障害者の介助からというような介護の仕事の始め方もあるんですね。  学生さんとかでよく取りに行く方もいるんですけれども、こちらのほうは補助がないんですよね。三万円ぐらいなんですけれども、学生さんとか若い仕事を探している人たち――若い障害者の方の介助は体力が要るケースも多いし、夜勤もあったりするので、学生さんとか若い人は本当にありがたいんですけれども、そういう人にとって三万円は決して小さくない金額なんです。これについて補助というのも検討していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎竹花 障害施策推進課長 区では、在宅障害者を支える介護人材を広く確保するため、福祉人材育成・研修センターなどで重度訪問介護や知的障害者移動支援、同行援護の従事者養成研修を実施しております。平成二十八年度の実績といたしましては、重度訪問介護など、三つの研修全体で百七名の修了者でございました。研修の実施に当たりましては、参加しやすい費用設定とすることで、介護の業務を希望する方に参加しやすくするとともに、修了後は従事者として活用できるスキルが取得できる内容となっております。  これらの研修は、事業者が介護職員処遇改善加算を得られるための条件の一部にもなっており、事業者の支援にもなっていると考えております。御提案のありました民間の重度訪問介護研修受講者への受講料助成についてでございますが、既に先ほど御説明しましたように、区として重度訪問介護研修を実施しておりますので、まずはその関係機関、あるいは大学等への周知の工夫を行うなどにより、まず受講者をふやすという取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆中塚さちよ 委員 その区のものをまず受講してほしいというのは、やっているのは年に一回でしたかね。そうですよね。その区がやっている年に一回の都合に合わせてというのは、もうあすもあさってもヘルパーさんがいないと困っている障害者の方々に対してとんでもない話ですよ。民間でいろいろ早くやってすぐに受けられるものがあったら、それを受けて、そして一日でも早くヘルパーさんが確保できるように区として努めるべきだと思います。
     ほかに有料老人ホームについて質問したかったんですが、時間がないので、これは必ず、またの機会にさせていただきますので、答弁を御用意いただいていたものは保管しておいてください。  そのべ委員にかわります。 ◆そのべせいや 委員 本日、朝も話題に上がっておりましたけれども、今回、保育の質という観点で質問してまいります。  保育の質といいますと何となく大切そうに聞こえますが、保育という事象が一元的でない以上、それを分解してかみ砕く必要がありまして、その上で保育の質の確保に必要なことが何なのかという視点で質問を進めてまいります。  世田谷区議会では、二十年前から保育の質という言葉が使われ始め、この二十年で認可保育園でない保育施設での人命にかかわる事故、虚偽申請と補助金不正受給、また、区立保育園の民営化、株式会社の参入、東京都による数値基準の緩和、保育士の待遇改善と、これまで多くの場面で保育の質を担保する、確保することへの重要性について、恐らくどの会派、議員からもなされているところです。そして、その解決策として、時には第三者評価、時には巡回指導、また時には保育士への補助と、時代に合わせて多岐にわたった質の担保策を打ち出してきたところであります。  まず、改めて、世田谷区では保育の質をどのように捉えており、そして担保するための策を講じてきたのか、確認させてください。 ◎後藤 保育課長 保育所は、子どもが生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な乳幼児期にその生活時間の大半を過ごす場であり、全ての子どもの健やかな育ちの実現には、保育の質の確保は非常に重要であると認識してございます。  国の定める保育所保育指針では、子どもたちの現在が心地よく生き生きと幸せなものとなることや、生涯にわたる生きる力の基礎が培われること、これを目標に、環境を通して養護と教育を一体的に行うことを保育の基本としてございます。これを実現するためには、専門性を持った保育士等が常に学び、専門性を高め、保育内容や保育環境を子どもの育ちとともに再構成するなど、計画的かつ柔軟に保育を展開していくことが必要であり、それが結果として保育の質を向上させるものと考えております。  区では、これらを踏まえまして、子どもの最善の利益を第一に、子どもを中心とした保育を提供し続けるために必要な要素を質として捉えまして、平成二十七年三月、世田谷区保育の質ガイドラインを策定いたしました。このガイドラインにおいても、保育の質の確保、向上を実現する基本は、保育所に勤務する職員一人一人の資質であると明記してございます。ガイドラインは、このような職員に求められる資質など、目に見えない保育の質について、具体的な項目を例示し、保育の質を見える化し、既存の保育施設やこれから施設を設置する事業者などとの共通理解を深めるとともに、各施設で職員育成に有効に活用していただいているところでございます。 ◆そのべせいや 委員 これまで研究の中では、人間発達文化学者の大宮勇雄氏は、コロラド大学のハウズとヘルバーンが提唱するプロセスの質、条件の質、労働環境の質と三つの要素を挙げておりまして、一方、世田谷区では、前区長時代の二〇〇九年度、保育の質の向上委員会を実施し、保育内容、保育環境、人材の三つの要素を保育の質の構成要素として定義しました。表現の違いこそあれ、一つ目が日常的な保育内容に関すること、二つ目が職員配置や面積基準、研修といった制度、構造に関すること、三つ目が保育者に関することと、三つの柱が重要であることは世界的にも、また世田谷の中でも見解は統一されているようです。  そして、その中でも、先ほどの答弁の中でも一人一人の資質であると世田谷保育の質ガイドラインで明記しているというお話でしたけれども、特に重要になってくる職員一人一人の資質という点について質問してまいります。  世田谷区の保育施設という、区が毎年九月に発行している、ことしは緑色だった冊子、その名のとおり世田谷区内の公的な補助の対象となっている各保育施設が一覧になっている冊子があります。こちらを見ると、住所や構造、連絡先だけでなく、どんな保育方針を掲げているのか、どんな特徴があるのかといったことが記載されています。ここに退職者、異動者、採用者、そして平均保育経験年数ということについて記述があります。  今回はここで平均保育経験年数についてまずは言及しますが、平成二十九年度認可保育所整備・運営事業者募集要項(提案型)や過去の委員会答弁を見ると、区では平均経験年数として四年ということを一つの基準にしていることがわかります。一方で、最も平均経験年数の短い認可保育園だと、十一人の保育士の中で平均一・三年と、ほとんどが新人で構成されている保育施設も存在しています。  直感的に、株式会社が金もうけ主義に走った結果、賃金を抑えるために経験年数を抑えた運営をしていると思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、区内の認可保育園のうち、社会福祉法人運営であっても平均経験年数が現実的に四年ぴったりという表記の園が六件、株式会社だと四件、四年未満――三年以下だと社会福祉法人が三件、株式会社は二件となっておりまして、運営形態にかかわらず、保育の質を担保するのには大変な状況を抱えている園が存在していると考えられます。  一方で、区立の保育園の平均経験年数を見てみると、十年を切っている施設は一カ所もありません。世田谷保育の質ガイドラインを見ても、また、私自身、保育士となり保育の現場に出てみても、現場ありきの仕事ですから、経験年数がある程度物を言うところがあるように痛感をしています。  現在の認可保育園は、競争原理によって質の向上が図られるという性格のものではなく、ほかの日本の福祉制度と同じく、形式的な部分が担保されたら、実態の質が異なっていても同じ料金体系となっています。同じ料金体系であるならば同質なサービスがもちろん提供されてしかるべきですし、そうでないのであれば、そこに改善すべき質の問題が生じていると考えます。  どこの保育園に入園したか、今の世田谷区においては入園できたかという表現のほうが適切であると考えますが、それによって質が大きく異なる可能性があるということ、また、経験の蓄積が重視をされる仕事において、この経験の移転ということは育成の観点でも重要であると考えますが、保育施設間の人事交流、区立職員の民間派遣、また、民間からの経験の浅い保育士の育成のための受け入れなどができないのかということについてお伺いします。あわせて、区立認可保育園と民間認可保育園での業務の差はないと認識をしておりますが、そちらも確認をさせてください。 ◎後藤 保育課長 施設が増大する中で、新規開設園においては、保育士としての経験が浅いことによる保育への不安を抱えていたり、世田谷区に初めて参入した保育園では、世田谷区の特徴を余り理解していないことにより保育園運営に課題を感じている事業者もございます。区立保育園の経験豊かな保育士と相互の人材交流は一定の効果が見込まれると考えますが、任用制度や労働条件の違いなど、実行するにはさまざまな課題があると認識してございます。  区では、世田谷区内の保育施設同士が顔見知りになり、お互いに協力して切磋琢磨することで保育の質の向上に取り組む保育施設の自主的、自立的な取り組みである保育ネットが地域ごとに展開されております。この保育ネットでは、区立保育園と民間保育園との合同研修、意見交換会、施設見学会など、情報共有やお互い保育を語り学び合う活動のほか、保育士が園児を連れて区立保育園の園庭に遊びに来たり防災訓練に参加するなど、職員の育成の場ともなってございます。  区といたしましても、この保育ネットの活動の成果を重要であると捉え、後期子ども計画の重点取り組みに位置づけ、側面から支援をすることとしております。また、公立と民間の業務に関する違いに関してでございますが、一つ目には保育内容という点については違いはございませんけれども、公立保育園ということで経験の多い職員がまず多く在籍すること、また、そうしたメリットを生かしまして、例えば緊急保育でありますとか、虐待の予防、また在宅の子育て支援までを広く視野に入れまして、今後の保育施策としてあるべき姿を検討し、中心的な役割を担っていくことが公立保育園の大きな役割であるとも考えてございます。  区としては、これらを踏まえまして、全ての保育施設が子どもを中心とした保育を実践できるよう、今後とも保育の質の向上、人材育成に努めてまいります。 ◆そのべせいや 委員 虐待についての連携ですとか、そういうことは押しなべて区の保育施設全体で実施されるべきものだということは保育の質ガイドラインにあるということはそうですし、また、保育所保育指針を見ても、保育所が地域の子育ての拠点としての機能が期待されているということでありますので、もちろん公立というところなので、公により奉仕するという観点は必要かと思いますけれども、民間とも大きく分けるとそんなに差はないのではないかなと考えております。  ハードルというところが人事制度であるならば、保育の質と両てんびんにかけた上で、本来であれば保育の質のほうが必要な観点ではないかなということは申し伝えておきます。  保育ネットの取り組みというのも必要な部分はあるかと思いますけれども、日常的な業務に追われている、また、そもそも人手が足りていない現場の保育士が研修に参加したり、園を離れること自体難しさがありますので、日常の中でのOJTでそうしたことが進められていけばと考えます。また、保育ネットの取り組みに関しては、五地域ということで、恐らく総合支所ごとに行われているのかなと考えられますけれども、余りにも広い地域になりますので、近隣の保育園と連携をするという意味合いで考えると、ぜひもう少し近いエリアでの近隣保育園とのかかわりという取り組みの色を強くしていただければと思います。  続いて、保育の質を直接担保するという意味で、保育園への指導ということに関して伺います。  世田谷区は待機児童解消のための対策が甘いと言われながらも、認可保育園の整備を中心に据えて進めてきた経緯もありまして、認可保育園が世田谷の公的な保育の中心となっている現状でありますが、一方で、さまざま区の独自の保育事業、都独自の認証、ほかにも認可外の保育施設が存在をしており、彼らが世田谷の保育の一翼を担っていることは事実です。同じ世田谷で育つ子どもたちですので、管轄が都か区か、保育施設の制度の違いにかかわらず、質の担保された環境下での保育が期待されますので、世田谷保育の質ガイドラインを含めた指導が必要になると考えますが、現状の区ができる指導権限と内容についてまず確認させてください。 ◎有馬 保育認定・調整課長 まず、都と区の指導権限でございますが、特定教育保育施設である保育所につきましては、都が児童福祉法に基づき、区は子ども・子育て支援法に基づき、それぞれ指導検査を行うことになります。実際の指導検査につきましては、都または区がそれぞれ単独で行うこともあれば合同で実地検査を行うこともございます。  次に、家庭的保育事業や小規模保育事業は区に認可及び指導検査の権限がございますので、区が単独で指導検査を毎年実施しております。認証保育所につきましては、都が認証し、指導監督を行うことになりますが、立入調査には区職員も同行しております。保育室、保育ママは区の独自事業であることから、区が立入調査等を実施しております。その他の認可外保育施設は東京都へ届け出することになっておりますので、東京都が指導監督する権限を有しております。  続いて、認可に対する指導内容でございますが、区では、実施方法等を規定した指導検査要綱に基づき、実施方針及び計画を年度ごとに定め、平成二十七年度から指導検査を実施しております。指導検査の方法でございますが、設置者等を一定の場所に集めて講習等を行う集団指導のほか、施設に直接赴く実地検査がございます。実地検査の結果、評価し、改善の必要があれば、軽微なものであれば助言指導または口頭指導を行いますが、福祉関係の法令、基準等の違反があれば文書指摘を行い、その後、文書による改善報告の提出を求め、事後の経過も確認を行っているところでございます。 ◆そのべせいや 委員 現状の実地検査では、事前に連絡が入り、日程調整をして、どんな資料が必要かというやりとりもした上で、一通り準備をして当日に臨むというような、いわば一夜漬けが可能な、範囲の定められたテスト勉強に近い形で実施をされていると認識しています。  経営者も保育士も、その日はある種よそ行きな顔をすることになりますが、本来、こうした実地検査をする中で知りたいことは、当たり前ですが、ふだんどのような保育が行われているかです。区にも直接各保育園の苦情が入ることもあるかと思いますが、それだけでなく、例えば先ほどの世田谷の保育施設という冊子を見ても、二年連続で退職者が全体の三分の一出ているというようなところもありますので、こういうところにも課題が横たわっていると考えて、かかわっていくということも必要なのではないでしょうか。  冒頭述べた三つの要素で言うと、制度、構造にかかわる部分を適切に満たしているということを現在の実地検査巡回指導では主に確認の対象としていると思われますが、日常の保育がきちんとなされるのかという当たり前の部分についても焦点を当てる目的であえて保育の質ガイドラインを策定したことと考えていますが、この点に関しては一歩進んでいる状態であると思われます。しかしながら、本当に日常の保育内容の質を担保することに責任を持つという姿勢であれば、抜き打ちも含めた実地検査を行っていく必要があると考えますが、見解を求めます。 ◎有馬 保育認定・調整課長 抜き打ちで指導に行くべきとの御質問でございますが、区は一般指導検査の実施に当たりまして、国の通知等に基づき、区は設置者に対し根拠規定、目的、日時、場所、従事する職員、準備すべき書類等をあらかじめ書面で通知しておりますが、事前に通知することで実態が把握できない場合には通知を行わず、当日に指導検査を開始するケースもございます。昨年度は、事前に通知した一般指導検査は五十四件ございましたが、一方で、事前通知を行わず実施した一般指導検査は五件ございまして、案件としては職員不足や不適切な保育、事故の改善状況の確認等となっております。  区としましては、原則は事前に通知した上で指導検査を実施してまいりますが、必要に応じて事前の通知なく指導検査を行うなど、設置者等の適正かつ円滑な経営及び当該設置者等による施設、事業の安定的な運営の確保を図ることに主眼を置きながら、より効果的な指導検査を実施してまいります。 ◆そのべせいや 委員 毎日出向いて保育状況を確認するということがもちろん現実的でない以上は、実地検査の際にさまざまなチェック表の提出を求めたり、書面や証拠になるもので日常の保育状況の確認、推察をするということしかできない限界がありますが、毎日いつでも行きますという姿勢を示すことで、世田谷区が、絵に描いた餅にならないように保育の質に責任を持っているということは、事業者にも伝わりますし、それをふだんの保育の質の担保につなげていただきたくお願いをしたいと思います。  一方で、世田谷区の中には認証保育所や、また最近ですと企業主導型保育のように公金が投入されている施設もあれば、ベビーホテルに限らず完全に民営の認可外保育施設も存在しています。先ほどの答弁の中では、認可外保育施設は都に権限があるとのお話でしたが、これらの施設には世田谷区は指導権限を有していないからといって都に任せているということであれば、ただでさえ制度的、構造的には質が低いこれらの施設での、日常の保育内容の質ということを担保することもできません。まず、認可外保育施設の指導の現状について確認します。 ◎有馬 保育認定・調整課長 認可外保育施設における区の指導についてでございますが、児童福祉法第五十九条に基づきまして、都道府県知事が無認可施設に対する措置として改善勧告等を行っております。認証保育所とベビーホテルにつきましては、区は東京都認可外保育施設指導監督基準を満たした適切な運営、保育内容であるか、東京都が実施する施設への指導検査に同行しまして、児童福祉法を初め関連法令の適合状況を東京都と一緒に確認するとともに、区としても助言、指導を行っているところでございます。  また、認証保育所、保育室、保育ママにつきましては、区が補助金を交付する財政援助団体として適正な補助金の執行と運営が実施されているかという観点から、職員の配置、児童の受託状況、保育の状況を確認し、必要に応じて指導検査を行っております。さらに、支援する観点から、運営、保育に対し、区の保育士等による巡回指導相談を年三回以上実施しているところでございます。 ◆そのべせいや 委員 翻って、認可外保育施設の側から考えると、公金が投入されずに完全に利用料のみで運営をしているにもかかわらず、公金が投入されている施設と同じような水準を要求されたとしても厳しいのが現状でしょう。保育の質の担保をお願いするにしても、インセンティブは必要ではないでしょうか。先ほどの答弁の中にもありましたが、認証保育所ではない認可外保育施設の中にも東京都認可外保育施設指導監督基準を設けており、この基準を満たした園は、制度的、構造的にも一定の質は担保されているという証明になります。  これらの施設については、パートナーとして区の保育をともに担っていくということでインセンティブを付与するとともに、日常の保育内容の質に関しては担保できるように支援の対象として、基準を満たさない園との位置づけをもう少し明確にしていくべきと考えますが、見解を伺います。 ◎有馬 保育認定・調整課長 例えば認可外保育施設であるベビーホテルでございますが、東京都は、認可外保育施設指導監督基準を満たした施設に対して証明書を交付していることから、交付を受けた施設は一定の質が確保されているものと認識しているところでございます。  区では、認可保育園に申し込んだにもかかわらず入園待機となり、結果的に証明書が交付されているベビーホテルを利用された場合には、保育料の一部を区が補助しているところでございます。その結果、証明書の交付を受けているベビーホテルは、待機児童数から差し引くことができる無認可保育施設利用者に対する保育料補助利用申請者に該当しまして、今年度は二十六名が待機児童数から差し引ける対象となるなど、待機児童の解消にも寄与しているところでございます。  また、区は、平成二十六年度より、認可を希望する認可外保育施設に対して認可への移行の調査費や移行にかかる改修費の支援を行っており、一件ではございますが、ベビーホテルから認可保育園への移行の実績もございます。  区としましては、引き続き、証明書の交付を受けたベビーホテルを待機児童解消の観点から活用を図るとともに、認可への移行を希望するベビーホテルがございましたら、移行に向け支援をしてまいります。 ◆そのべせいや 委員 基本的には、もちろん保育の質ということに関してきょうは論じている部分でもありますので、認可保育施設であったり制度的、構造的な質というのを担保していくべきだという立場ではありますが、多様な方法も含めて、あくまでも日常の保育内容の質はまず第一に担保いただければと思います。  最後になりますけれども、このテーマを続けていければと思いますけれども、保育の質というと曖昧で誰もが受け入れざるを得ない表現なので、どんな要素のどんな部分かということを切り出した議論というのを今後深めていければと思います。  以上で終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で世田谷民進党・社民党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後五時三十八分散会...