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平成29年  9月 決算特別委員会-10月04日-03号

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  1. 世田谷区議会 2017-10-04
    平成29年  9月 決算特別委員会-10月04日-03号


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    平成29年  9月 決算特別委員会-10月04日-03号平成29年 9月 決算特別委員会 平成二十九年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第三号 日 時  平成二十九年十月四日(水曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十五名)    委員長       安部ひろゆき    副委員長      津上仁志    副委員長      たかじょう訓子              石川ナオミ              おぎのけんじ              加藤たいき              上山なおのり              河野俊弘              菅沼つとむ              真鍋よしゆき              三井みほこ              山口ひろひさ              山内 彰              ゆさ吉宏
                 和田ひでとし              板井 斎              岡本のぶ子              河村みどり              佐藤弘人              高久則男              高橋昭彦              諸星養一              風間ゆたか              そのべせいや              中塚さちよ              中村公太朗              羽田圭二              藤井まな              江口じゅん子              桜井 稔              中里光夫              村田義則              大庭正明              田中優子              桃野よしふみ              阿久津 皇              小泉たま子              佐藤美樹              高岡じゅん子              田中みち子              あべ力也              上川あや              すがややすこ              ひうち優子              青空こうじ  出席事務局職員           議事担当係長 岡本俊彦  出席説明員   副区長            宮崎健二   政策経営部   部長     岩本 康           政策企画課長 田中耕太           官民連携担当課長                  山戸茂子           政策研究・調査課長                  藤野智子           財政課長   加賀谷 実           広報広聴課長 池田 豊           情報政策課長 齋藤 稔           副参事    中西成之           副参事    柳澤正孝   総務部     部長     中村哲也           総務課長   望月敬行           区政情報課長 大塚 勇           人事課長   松永 仁           研修担当課長 金澤博志           職員厚生課長(人事課長兼務)                  松永 仁           副参事    上村 隆   庁舎整備担当部 部長(施設営繕担当部長兼務)                  松村浩之           庁舎整備担当課長                  秋山武徳   危機管理室   室長     澤谷 昇           災害対策課長 荒  学           危機管理担当課長                  加藤秀紀           副参事    前島正輝   財務部     部長     菊池弘明           経理課長   山田 実           課税課長   古川雅也           納税課長   庄司秀人           用地課長   村田義人   施設営繕担当部 部長     松村浩之           施設営繕第一課長                  安間正伸           施設営繕第二課長                  青木 徹           公共施設マネジメント推進課長                  窪松泰幸   会計室     会計管理者  金澤眞二   監査事務局   局長     山本茂孝           次長     松田隆夫     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  認定第一号 平成二十八年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定  認定第二号 平成二十八年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第三号 平成二十八年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定  認定第四号 平成二十八年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第五号 平成二十八年度世田谷区中学校給食費会計歳入歳出決算認定企画総務委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○安部ひろゆき 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 本日は、企画総務委員会所管分の決算審査を行います。  なお、本日、遅参の届け出がありますので、御報告いたします。  遅参者はすがや委員、以上であります。  それでは、質疑に入ります。  公明党、どうぞ。 ◆諸星養一 委員 おはようございます。ちゃんと御挨拶しないといけませんのでね。企総所管の質問を始めさせていただきたいと思いますけれども、きのう、我が党の高橋幹事長から、独立構想ということで大変熱のこもった質疑が行われまして、保坂区長も思いのたけは十分、問題は中身なんですけれども、委員長もお熱くなったようでございますけれども、きょうは冷静に始めたいというふうに思っておりますので、ただ、引き続き、独立構想という中の部分で、ちょっと昔の資料を引っ張り出してきましたので、それを参考にしながら、最後には宮崎副区長に投げかけたいなと思うんですけれども、余り指名してはいけませんのでね。  昔の話というのは、今、まさに本庁舎を建てかえしようとする、ある意味では世田谷にとって歴史的な意味というか意義がこもっている中で、特別区という二十三区の存在をどう変えていけるかということ、きのうからの議論になっているわけですけれども、その中で財政調整制度、これについて。  実は十年以上前になります。平成十五年度より世田谷区が独自に都区制度・都区財政調整制度の今後のあり方等に関する調査・研究というものを十五年度から始められて、十九年――もう十年前です――三月にその報告書が出されているわけですけれども、当事、宮崎副区長が財政課長でしたね。決算だか、予算だか、少し議論をしたような記憶を今思い起こしているわけですけれども、この報告書には財政調整制度の再構築と、改革ということで、再構築の考え方として三点挙げられています。都が実施している大都市事務を全て特別区の事務とする。特別区相互間の財政調整については、特別区が自主的に調整をする。三点目が、都区財政調整制度の財源となっている調整税を全て特別区の税とするという、そうした改革試案の内容が示されていますけれども、もう十年、十五年になるわけですけれども、まず、これを作成した世田谷区として、作成した意味について、改めてお尋ねをします。 ◎加賀谷 財政課長 今お話がございました都区財政調整制度の区の独自研究でございますが、平成十五年度から調査研究を進めてまいりまして、お話しのとおり、十八年九月に区の改革案として公表させていただいたというものでございます。  その研究を始めた背景といたしましては、平成十二年の都区制度改革により、特別区は基礎的自治体と位置づけられたものはございますが、東京都と特別区の担う事務の役割分担、いわゆる大都市事務というものは続いてきておりました。また、特別区の財政自主権の確立など、平成十二年改革で積み残したいわゆる主要五課題も含めて、依然さまざまな未解決の課題がありまして、真の都区制度改革がなされていないという問題意識があったものと認識してございます。
     平成十八年度は、都と特別区の間で都区のあり方検討委員会がまた新たに開始された年でもありまして、特別区側でも特別区制度調査会において都区制度改革の議論がされるということで、都区制度の改革に対します議論が高まっていたという時期でもございました。こうした状況の中で、財調交付金の財源でございます調整税、こちらを全て特別区の税とするとともに、東京都が特別区の区域で行う市の事務、いわゆる大都市事務ですけれども、全て特別区の事務とすると。また、特別区間の財政調整は特別区が自主的に行うということで、世田谷区として地方分権の流れを加速して、東京都主体の制度から特別区主体の制度への転換を図る案として独自の改革案を作成したというものでございます。  御参考に、この独自研究でございますけれども、特別区が主体的に制度運営を目指すという改革案でございまして、世田谷区は二十三区から独立して一般市になるといった改革案ということではございませんでした。 ◆諸星養一 委員 平成十二年に清掃事業の移管ということがあって、基礎的自治体として辛うじてというか、現在に至っているということについて、本来、区の職員の方々、特別区というその制約がどれだけ皆さん方の士気、やる気を阻害しているということ、ひいては、八百万都民の生活を目に見えない形ではあっていても、都民として、もちろん世田谷区民としての生活をどれだけ阻害しているかということを、それはもう議会も行政もしっかり直視していかなくてはならないと、大命題だというふうに思っているわけです。  その当時、せっかく試案ができたんですけれども、現実にそれが議論をされてきたのかということが一点、それから、残念ながら、今、都区のあり方検討会の議論が中断しているというふうにも聞いているんですけれども、なぜその検討会が進んでいないのかということ、どこに問題があるのかということ、この二点についてお聞きをいたします。 ◎加賀谷 財政課長 都区のあり方検討でございますが、お話しのとおり、平成十九年一月に第一回が開催されております。その内容といたしましては、都と区の事務配分の議論が中心ということで、いわゆる四百四十四項目の検討対象事務について、都が担うべきか、区が担うべきかという観点からの検討というものでございました。区側の勉強会、資料要求などでは、さまざま区の独自案についてのお尋ね等がございましたが、この都区の検討会の場においては、独自研究が話題となったということは、残念ながら確認はされてございません。  その後の都区のあり方検討委員会についてでございますが、平成二十三年十二月に検討状況の報告ということで、検討を進めました対象項目四百四十四項目について、区に移管する方向で検討する事務として五十三項目が示されてございます。区側としましては、その中に含まれてございました児童相談所の設置について、先行して検討を進めるよう求めておりましたが、その後は検討が進まず、今般の児童福祉法の改正によって、ようやく具体的な都区の協議が開始されているというところでございます。  その都区のあり方検討委員会のその後でございますが、区に移管する事務の検討については終了してございますが、都側が特別区の区域のあり方の議論、こちらのほうを主張してまいりまして中断をしているという状況でございます。この間、平成二十一年度からですけれども、特別区だけでなく、東京の自治のあり方についての研究の場ということで、市町村も含めた東京の自治のあり方研究会ということで設置をいたしまして、その結果を待って必要に応じて都区のあり方についての議論を再開するということとしておりましたけれども、二十七年三月、東京の自治のあり方検討会の最終報告が出た以降、検討委員会自体は開催はされてございません。 ◆諸星養一 委員 その中断をしているって、非常に残念というか、東京都があえてそういうふうに仕組んでいるのか。児相の問題にしても、これは国が法律をつくったからこそ、それが進められているという現状があるわけで、そこをどう突破口を開いていけるか、ここはこのテーマの最後に、宮崎副区長にお聞きしたいんです。せっかく副区長が当時中心になっておつくりになって、財調がある以上、独立は非常に困難なわけで、その壁をどう超えていけるかということについて、世田谷区として改革試案をおつくりになった以上、ある意味では、二十三区のリーダーとしての資質は、当然世田谷区としてお持ちであろうというふうに私は期待をしているわけであって、特にそれを財政課長の当時から宮崎副区長のことを、その旗頭になっていただけるというふうに私は思っておりますので、そのお覚悟はありかどうかお尋ねしたいと思います。 ◎宮崎 副区長 今、御紹介いただきましたその研究ですけれども、まずちょっと補足しますと、まず特別区ということについてのスキームはそのまま残すということの中で、御案内のとおり、都区協議という場がございまして、その中で、解決をし得る選択をしようということが前提で研究を進めたわけでございます。都区財調が水平調整と垂直調整、都区と区区の間の調整、両方があるわけでございますけれども、先ほど財政課長のほうから御答弁申しましたように、特に水平調整を東京都が関与してくるということについては納得できないというところのスタンスを大きく出しまして、この研究を進めたわけでございます。当時、言ってみれば、各区長さんのほうはかなりこれを読んでいただきまして、それぞれ私どものほうから御説明に上がったりしまして、それと一方で、東京都からを含めまして、国のほうもかなり呼び出しを食らいまして、この意図は何だということで議論もさせていただいたところでございます。  要は、区区間の中で、今回の調査研究の結果で、今回もしこれをやれば、また状況が変わっていると思いますけれども、大体三分しまして、二十三区の中で、この財調の依存度も含めて非常に大きいところについては、その当時の世田谷区が出した案は不利になる。それから、世田谷区も含めて、今のまま、その当時の十九年度の状況ですと、財調とこれを独自財源として使った場合では大体ツーペイする。それから一方で、持ち出しをしてきた財調のほうに対しましては、かなり低い数字になってきているところについては逆に有利になると、大きく三分されたわけでございます。  そういう意味では、それぞれの区の主張の部分においても、言ってみれば自分のところの区に持ち帰ったときに、その辺が受け入れられるかどうかというところまでの議論は尽くしていただいたと思っていますけれども、なかなかそれ以降の結論が出なかった中で、先ほど御紹介があったように、都区のあり方検討委員会のほうに推移しているという状況がございます。  昨日、区長のほうからも御答弁申し上げていますが、今のままでいきますと、人口増に対しまして、この財調の仕組みを今のままの状況ですと、多分世田谷区はやはり持ち出しのほうに入ってくる。言ってみれば、コストのほうが上がっていっているという状況だと思います。そういう意味からも、抜本的にやはり基礎自治体としてやっていくということになりますと、その辺は何か手を打たなきゃいけない。財調の問題だけではないんですけれども、事務の仕組み、それから法制度の問題、そういうことも含めて、抜本的にやはり声を上げていかなきゃいけない、そういう時期に来ているというふうに思っております。 ◆諸星養一 委員 きのうも高橋幹事長と保坂区長との間で話をされていて、要は、事務的に進めていくということは基本にはなると思います。ただ、やはりさっきも言ったように、そういう歴史的な転換点がいずれ出てくるだろうと。そういうときに、やはり区が何をもって財調を切り崩していくのか、東京都とやり合っていけるのかということ、それをしっかりと、これは議会も含めて、そんな遠くない将来にかかっているのかなというふうに私は思っておりますので、小池都知事がどうなるかということによるとは思いますけれども、そういう対外的なものはおいておいても、しっかり世田谷区として、改めて二十三区の中でこれをどうしていくんだということを、もっとリーダー的な存在として発揮していただきたいということを強く要望させていただきます。  次のテーマ、あと五分しかないんですが、SDGs、皆さん御承知かな。これは畠山議員に言っていただいたほうがいいんですけれども、私が言うと日本語なのか英語なのかわからないんですけれども、正式名称がサステイナブル・ディベロップメント・ゴールズということで、(「ダイバーシティー」と呼ぶ者あり)ダイバーシティー関係ないよ。SDGs(エスディージーズ)、持続可能な開発目標ということで、地球環境と人々の暮らしを持続的なものとするために、全ての国連加盟国が二〇三〇年までに取り組む十七分野の目標、それを十五年九月の国連サミットで採択されたわけです。  これは、その前に出ていましたミレニアム開発目標、MDGsの後継というふうに言われているんですけれども、昨年の国連で行われたSDGsの進捗状況を各国が報告する会合があったわけです。そこでピコ太郎さんが、このPPAPのSDGsバージョンを国連で披露したということが大きく取り上げられたことが記憶に新しいものですけれども、そのSDGsと自治体がどうかかわるのかという点について、以前にも世田谷区も環境モデル都市環境未来都市に手を挙げた記憶を思い起こすわけですが、その発展形としてこのSDGs未来都市構想、これについて、まず世田谷区としての認識を簡潔にお答えいただきたいと思います。 ◎田中 政策企画課長 サステイナブル・ディベロップメント・ゴールズということでSDGsです。ゴールズのところでディーズというわけですけれども、お話の環境未来都市構想、現在、国においてSDGsと同じ考え方の先行例として、環境未来都市構想をさらに発展させ、地方自治体におけるSDGs達成のための施策を策定し、積極的に推進することにより、地方創生のさらなる実現につなげていくことについて検討がされているところです。  区では、平成二十四年に区の地球温暖化対策についての取り組みを全国的に発信することは、区のプロジェクト推進に寄与するものと考えまして、環境モデル都市に応募したんですけれども、選定外の結果となっております。ただ、しかしながら、その後の温暖化対策に向けた具体的な取り組みを展開してきておりまして、現在策定中の世田谷区地球温暖化対策地域推進計画素案では、取り組みの施策などについて関連するSDGsの項目を示すなど、自治体レベルでのSDGsの取り組みは重要であるというふうに認識しております。 ◆諸星養一 委員 前のMDGsについては、どちらかというと、開発途上国に対する支援が多かったのかなというふうに思っていますけれども、今回のSDGsについては、そうした開発途上国、先進国にかかわらず、大きな目標として国連として掲げているわけで、その国としてやるべきこと、それから私たち自治体としてどうこれを目標、またターゲットを絞り込んでいくかということについては、非常に積極的に私は取り組んでいくべきだということで、例えば富山市においては、昨年の五月、G7のサミットの前に、環境大臣会合を招聘して、そこではこのSDGsが議題のトップに上げられているわけです。  そこで、岩本部長にお聞きしたいんですけれども、これは富山市、北九州市、横浜市、札幌市、滋賀県、さまざまなところでもう取り組みが始められているわけで、これについて、世田谷区でどう取り組んでいけるかということについてのお考えがあるかどうかを部長にお聞きします。 ◎岩本 政策経営部長 SDGsの十七の目標には、エネルギーや雇用の創出、まちづくり、あと健康的な生活の確保など、人々の生活に直結する課題のほか、気候変動への緊急対策など、地球規模での課題などが掲げられていると認識してございます。  今、北九州市や富山市の取り組みについて御紹介いただきましたけれども、本区においても、先ほど申し上げた地球温暖化対策地域推進計画のほかにも、男女共同参画の推進、生物多様性の保全、子どもの貧困など、区の重点施策としてSDGsの目標に沿った取り組みを展開していると思っております。  今後もこうした取り組みを着実に進めるとともに、SDGsでは、市民社会のパートナーシップの奨励推進もされておりまして、現在策定中の実施計画後期においても、子育てやまちづくり、区民の参加と協働などの取り組みを一層進めるとともに、計画の策定、改定の際には、今お話しいただきましたSDGsの要素を反映した取り組みを進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆諸星養一 委員 岡本委員に交代をいたします。 ◆岡本のぶ子 委員 私からは、さきの我が会派の佐藤弘人政調会長の代表質問でも触れましたが、来年度から着手される次期情報化事業計画素案に、本年の第一回区議会定例会で私が提案をしたマイナンバーを活用した母子健康情報提供サービスのシステムの構築が、世田谷版ネウボラを支えるシステム構築として、新規事業に組み込まれたことをまず高く評価させていただきます。  その上で、私は、世田谷版ネウボラを支えるシステムの構築のもととなる母子健康管理情報の電子化による効果は、職員の方々の業務効率の向上のみならず、今後、母子を支える所管間で情報共有を図ることにより、支援が必要な母子に対する切れ目のない支援サービスの充実の推進につながると考えます。例えば障害や疾病を抱えたお子さんが、保育園、幼稚園へ入園し、その後、小学校、中学校へ進学、さらに高校、大学、就労と生活のステージが変化する中で、各教育現場や療育現場でそのお子さんのサポート内容を記した紙媒体の支援シートなどを電子化し、シームレスに情報共有を進めることで、適切な切れ目のない支援に子どもをつなげることが可能となるのではないでしょうか。  先日、東京大学の学生さんとお話をしました。彼はフィンランドのネウボラの子育てのことを研究されていたんですけれども、そのときにその学生の方が私に教えてくださったのが、フィンランドのネウボラは一人のお子さんの情報を五十年間電子保管し、必要に応じてサポートができるようにその情報活用がなされているんですよということです。翻って、世田谷区は何年なのかと私のほうで確認させていただいたところ、世田谷区の母子健康管理情報は、現在、医師法に基づいて五年間の保管とのことですから、その差は歴然でございます。  今後、世田谷版ネウボラを支えるシステム構築に向けては、将来にわたって子どもの生育に関連する所管の情報の共有が図れるよう、電子システムの構築を考慮して進めるべきと考えます。課題と今後の対応に関して区の見解を伺います。 ◎齋藤 情報政策課長 次期世田谷区情報化事業計画では、ICTを活用した行政サービスの拡充及び継続的改善を掲げております。これは住民サービスの利便性と満足度向上のために、さらなる業務システムの高度化、効率化を含んでおります。基本的に情報化とは、紙などだけに記述している情報や文書化されていない区における決まり事やノウハウなど、共有が困難であった情報を電子化し、情報化することによって、情報共有を推進して、仕事の効率化や区民サービスの向上を行うことを意味します。しかしながら、従来は、区民の情報を扱う制度のために取得させていただいた情報を、他の制度のために利用する目的外利用をしないように、個人情報保護の観点から情報連携や情報共有する仕組みは全てのシステムでは必ずしも検討しておりませんでした。  委員御指摘のとおり、世田谷版ネウボラや障害者支援など、複数の所管課が関与する事務を効率的に進め、さまざまな課題を持つ区民へ切れ目のない支援を効果的に行うためには、個人情報の利用目的を整理し、組織横断的に情報を共有していく仕組みの方向性を庁内で関係所管と十分検討した結果を踏まえ、システム化してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 今まではそういう考えはなかったということですけれども、今後はマイナンバーカードの普及とともに、また、こういう世田谷版ネウボラと世田谷がネウボラを表している以上は、そういうサポート体制ができるという区民の期待も高まっていくと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。  次に、国は働き方改革を掲げ、長時間労働の是正を推進しております。私はそのためには、区が特に残業が多い職場に対して、非効率な事務処理はないかなどの総点検を実施して、業務改善の必要な職場への着実なサポートが必要と考えます。その一つの手法として、手書きによる事務処理のさらなる電子化は、業務効率の向上、データ管理の精度の向上、ひいては区民サービスの向上につながることが期待できます。  今後、行政内の事務処理の電子化をさらに進めていくためにも、計画的な取り組みが求められます。区の見解を伺います。 ◎齋藤 情報政策課長 区では、昭和四十五年に大型コンピューターを導入して以来、コンピューターの大量一括処理能力の特性を生かして、人事給与からシステムを適用し、特別区民税、国民年金、国民健康保険など、従来は手作業で行っていた事務を区民サービスの向上を目指して、電算処理にいたしました。さらには、昭和五十年代にコンピューターがネットワーク化され、即時処理も可能になったことから、財務会計、住民情報漢字オンライン、図書館システムと適用範囲は広がり、大型汎用機からパソコンを端末とするオープン系サーバーの利用を経て、現在はサーバーの設置場所を問題としないクラウドの利用の時代となって、システム利用は飛躍的に広がっております。平成二十九年度現在は百三十を超えるシステムが利用されています。しかしながら、現在もさまざまな理由で紙媒体に手書きで行われているような業務が存在しており、業務効率の悪さや情報共有の阻害になっていることから、職場の仕事量が増大している場合もあり得ると意識しております。  このような事務を計画的に電子化、情報化することは、世田谷区情報化事業計画には記載しておりませんが、業務の電子化、情報化の推進は、情報政策課の本来の業務として受けとめており、主管課への情報化に関する相談機能や支援機能を今まで以上に行ってまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、がらっと変わりますが、平成二十九年の予算特別委員会の総括質疑で、私は、ふるさと納税による返礼品合戦にくみするのではなく、税源流出阻止と世田谷の魅力を発信する体験型、政策提案型の取り組みを、民間の知恵も取り入れながら、早急に区長を本部長とする対策本部で考えるように求めました。その後、常任委員会の中で、この「私たちのまち世田谷に『ふるさと納税』。」という、こういうパンフレットをつくりましたという説明をいただきました。そして、その裏のページに、世田谷区の取り組みとして、魅力発信、区の魅力や取り組みを知っていただくための活用事例の御案内などをお送りしていますとともに、事業の体験など、新たな記念品も御用意しています。ふるさとチョイス、検索となっているんですが、これは七月三十一日でしたっけ、区長が三軒茶屋でこれを持ってアピールしますとおっしゃられました。  区長は、本年度三十一億円減収しているということをさまざまなところでおっしゃられて、私たちは予算委員会の中で、これ以上税源流出を進めては困るということで、スピーディーな対応を求めたわけなんです。そこで、この紙はつくられたんですけれども、実際、このふるさとチョイスを見てみると、一向に事業体験なんていうものは上がってきていないんですね。多分区民は、ここをのぞいても「世田谷みやげ」しか見られないということになっているのが現状です。これに対してその後の進捗状況を伺います。 ◎望月 総務課長 区では、ふるさと納税に対する取り組みの一環として、三万円以上の寄附をいただいた方に対して、寄附の活用事例の御案内などに合わせて、送料を含めて五千円程度の記念品を贈呈しているところです。記念品は、世田谷を知っていただき、区の取り組みを応援していただくため、区の施策に関する品物などをお送りしております。体験型記念品につきましては、庁内に設置したふるさと納税等対策本部におきまして、庁内から実施案を募り、議会からの御意見なども踏まえ、今年度は四つの事業、スポーツ施設の利用券の贈呈、たまがわ花火大会観覧席の提供、まち歩きイベントへの御招待、世田谷美術館年間パスポートの贈呈の四つに取り組むことといたしました。残念ながら、第一弾として用意いたしました花火大会は中止となりましたが、現在、そのほかの三事業につきまして年度内のできるだけ早い時期に実施できるよう準備を進めております。  区としましては、今後も世田谷を知っていただき、さらに世田谷の魅力を高める記念品を御用意できるよう、委員から御提案のありました体験型、政策提案型の案も含めまして、実現の可能性について検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 今、四つの事業ということで言われましたけれども、遅いなと、その一点なんですね。今年度の年度内のできるだけ早い時期に実施ということですけれども、やはり区長の答弁のときも、また、当時総務部長だった岡田副区長の答弁にも早急にという言葉が入っていたんですけれども、もう予算委員会から半年たった今、花火大会は流れてしまいましたので、まだ一つも実施されていないということ自体に、区の危機意識が本当なのかどうかということをいぶかしく思ってしまうのは私だけではないと思います。早急に手を打っていただくことを要望しまして、次の質問に移ります。  次に、世田谷区の本庁舎等設計者審査委員会の審査結果が九月二十七日に発表され、株式会社佐藤総合計画が最優秀者に選定をされました。この昨日の総括質疑でもさまざまな会派から意見がありましたが、今回の最優秀者の設計案の中で、災害対策機能上、気になる点がありますので、何点か伺ってまいりたいと思います。  まず、審査委員会の講評において、最優秀者の設計案の防災面については、非常時の広場の利用方法を想定したさらなる検討が求められるとの指摘がありました。具体的にどのような検討が必要とされたのか伺います。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 今回最優秀者となりました佐藤総合計画の提案によりますと、広場面積は三千百平米、ピロティーも含めると四千五百平米の広さがあります。また、その災害時における活用方法としましては、緊急車両、それから物資供給車両スペースという提案内容でございました。本庁舎は災害時の中枢機能としての災害対策本部、また世田谷地域の災対地域本部としての機能、そして広場は周辺住民の一時集合場所や物資運搬、緊急復旧車両の駐車並びに物資の荷さばき場の機能が求められます。審査委員会としまして、このような機能を前提としつつ、特に屋外の現在より広くなる災害時の広場の使用方法としては、緊急車両の駐車スペースだけでなく、他の用途での使用も想定し、今後、さらなる検討が求められることが意見として出されたものでございます。 ◆岡本のぶ子 委員 今の広場の約倍になるという今回の設計案でございますので、やはりその活用方法をしっかりと検討していただきたいと思います。  次に、広場の災害対策機能についてですけれども、復旧復興期には、緊急・復旧車両の駐車並びに物資の荷さばきスペースの確保はもちろんのこと、万が一広場に面する庁舎内で出火した場合、はしご車などの緊急車両が広場へ進入し、迅速に人命救助、消火活動等に取り組むことが想定されます。今回の設計案では、世田谷リングと称される回廊デッキが庁舎の中をつないでいくということになっておりますけれども、その対応の消火活動等の妨げにならないように考慮した設計が必要であると考えますが、区の見解を伺います。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 最優秀者の提案では、各機能を連結させる世田谷リングという考え方のもとで、広場を囲むように配置される回廊デッキにつきまして、災害時に緊急車両が広場へ通行可能となるよう、デッキ部分につきまして車両の通行を考慮いたしまして四・五メートルの高さを確保する提案となってございます。今後、法令上の課題などを整理しながら、災害時の活用を踏まえ、庁舎内で出火時の人命救助、そして消火活動等も考慮し、基本設計段階において改めてデッキの高さや安全性等について検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 次に、世田谷区民会館の機能について伺っていきます。  まず私は、これまで区議会定例会の一般質問や特別委員会の委員としての質疑を通じて、音楽・芸術ホールを求める区民の声を踏まえて、音楽や芸術を楽しめる世田谷区民会館の機能強化を再三求めてまいりました。今回の最優秀者の設計案において、日本を代表する音響等の専門チームによる音響・舞台機構等の最良な改修手法が提案されたことに対しては、高く評価するとともに、期待をするものでございます。  その一方で、気になるのがバリアフリーの対応です。今回示された設計案は、現世田谷区民会館の保存、再生ですので、現状のバリアの改善がどこまでできるのか、多くの高齢者の方を含めまして、非常に使いづらいというお声を再三いただいている区民会館でもあります。今後、車椅子の方の円滑な移動はもちろんのこと、目の不自由な方の誘導案内、耳の不自由な方、また耳の遠くなった高齢者や難聴者の方々がこの区民会館を訪れて、音楽や演劇を楽しめる客席周辺での音響整備を含め、またいざという災害時には安全な避難誘導ができるよう、ユニバーサルデザインに配慮した設計が求められます。区の見解を伺います。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 基本構想の五つの基本的方針の一つでございます「すべての人にわかりやすく、利用しやすい、人にやさしい庁舎」のとおり、ユニバーサルデザインの考え方に基づき、高齢者や障害者など、利用される方の立場に立ったきめ細やかな配慮によって、災害時も含め、全ての人に優しい施設を目指すべきと考えてございます。区民会館の整備に当たりましては、区民自治と協働、交流の拠点となるよう、講演会や式典のほか、音楽や演劇等のイベントなど、多様な区民活動に対応できる施設としていくことから、障害者や高齢者を初め、誰もが区民会館で行うイベント等に参加でき、親しむことができる施設となるよう、設計に取り組むことが重要であると考えてございます。  最優秀者からは、バリアフリー対応といたしまして、ホワイエから客席まで段差のない動線を新設し、災害時の安全な避難誘導についても配慮して設計がなされているものと想定しておりますが、今後、専門家や当事者等からの意見も参考に、さまざまな視点から検討を行い、ユニバーサルデザインに配慮した設計を進めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 今回選定された最優秀者の設計案では、本庁舎については国土交通省が定めた最高水準のⅠ類の耐震性の確保が示されたものの、保存、再生の改修手法による世田谷区民会館の耐震性は、現行のⅢ類をⅡ類に引き上げるところまででとどまった提案となっております。世田谷区民会館を全面改築する他の設計者の案では、免震構造が示され、最高水準のⅠ類が確保されていたことを考えると、保存、再生の改修による整備ではⅡ類相当までの耐震性の向上が限界ということなのか。世田谷区民会館が今後、千席満席の利用であるということを考えた場合に、本庁舎の敷地内でもし熊本地震のように震度七を超えるような震災が頻発した場合に、世田谷区民会館だけが崩れてしまうということはないのか。区民会館が崩れれば、救援物資の集積はおろか、広場側に倒れた場合は、広場の一時避難所や緊急復旧車両の駐車、救援物資の荷さばきへの影響も大きく、災害拠点機能が大きく損なわれる可能性があります。  保存、再生を優先することにより災害拠点の弊害を残すことがないよう、今後、設計者による調査の中で世田谷区民会館の耐震性をⅠ類へ引き上げる方策を検討すべきと考えます。区の見解を伺います。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 区民会館の耐震安全性のⅡ類につきましては、官庁施設の総合耐震・対津波計画基準におきまして、大地震動後、構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて機能確保が図られていると規定されており、Ⅱ類相当の耐震性を確保することにより、大地震後においても人命の確保はもちろんのこと、大きな補修を行うことなく、継続して建物を使用することが可能であると考えてございます。  区民会館の改修につきましては、何よりも安全を第一とし、基本構想で求める区民会館に必要な機能が確保できるⅡ類相当以上の建物となる改修方法について、今後、基本設計の中で検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 人命が大事ですので、最優先に考えていただきたいと思います。  最後に、区民会館の持続可能性について伺います。  今回の最優秀者の設計案による世田谷区民会館を保全、再生した場合の持続可能性をしっかり見定めるために、改修費はもとより、コスト面から維持管理費用もしっかり見ていくことが必要と考えます。区の見解を伺います。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 建物の使用に関しましては、建築時のイニシャルコストだけでなく、その後のランニングコストも含め、ライフサイクルコストを削減するという視点は非常に重要だと考えてございます。  今回の最優秀者からは、区民会館につきまして、保存、再生によるイニシャルコストの削減とともに、全体としては、高効率設備システムや太陽光発電による光熱費削減や長寿命材料、機器の採用等の各種のランニングコストの低減手法も提案されてございます。今後、設計者からのこうした提案も踏まえながら、委員御指摘のイニシャルコスト、ランニングコスト等のコスト全般について、できる限り抑制に努め、基本設計を進めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 以上で私の質疑を終え、佐藤弘人委員にかわります。 ◆佐藤弘人 委員 私からは、さきの代表質問でも、また昨日の総括質疑でも質疑をさせていただきました未来への投資ということで、教育のための社会充実に向けて、私たちが果たすべき役割、責任は非常に大きいと、最優先にして取り組む課題だということで、二つの柱を宣言させていただきました。一つは幼児教育無償化、もう一つは学校給食の無償化ということで、幼児教育無償化については、我が党ではゼロ歳から五歳まで実質無償化を目指すというふうに公約を掲げております。また、国においては、既にゼロ歳から二歳は低所得者層へと、三歳から五歳を完全に全家庭を対象にして無償化を目指すという方針が出ております。その財源の一部は、消費税率一〇%の一部を充当するという話も来ております。また、二つ目の学校給食については、さきの代表質問の答弁でも、区で考えるならば財源的には約二十五億円必要だと、一方で、国も無償化への調査をする予定ということをいただいております。  きょうは企画総務所管なので、では、その財源について、もちろんそんな簡単に財源が出てくるとは思いませんし、しっかり議論を重ねていきながら、どういうふうに有効かつ効果的にその財源を新たに確保して充当していくのか、そういった議論のスタートになればというふうに思っております。  五つ、六つぐらい、幾つか提案をさせていただきたいと思いますが、最初に、幼児教育関係でいくと、これからの流れの中で考えられる、予測されるという方向性の中で、一つは、我が党も申し上げているように、区立保育園を民営化にということで掲げております。これは区立と私立の保育園については、それぞれ区の負担が大きく違うということは議会でも表明されておりますし、福祉保健委員会でも、以前、概算ですけれども、ゼロ歳児に当てはめてみると、一カ月、区立では約四十万円、民間の私立では約十五万円ぐらいの経費の差があるというふうに聞いています。区立保育園を私立の保育園、民営化することによって、新たにどれぐらいの財源が確保されるのかということが一つ。  二つ目は、今進めています、区立幼稚園、九園ありますが、これが随時認定こども園に用途転換が進んでいます。これによって、区立の認定こども園が五園、私立が四園ということで、それによって新たな財源の確保が見出せるのかどうかというのが二点目。  三点目は、国のほうが先に幼児教育無償化に仮に踏み切った場合、現在世田谷区が実質支出している分に、そこに国が充当していただければ、既に区が支出している分の予算が一部開放されるのではないかなということを考えていますが、この三点について御意見を伺いたいと思います。 ◎加賀谷 財政課長 まず、一点目の区立保育園から私立保育園への転換ということですけれども、現状の経費全体になりますが、区立・私立保育園の運営経費全体で、二十八年度決算ベースになりますけれども、約二百五十億円の運営経費の規模となってございます。こちらの財源構成につきましては、保育料収入が約三十七億円、一五%ほど、国、都からの法定の負担金、補助金も一部含みまして約四十二億円、一七%になります。残りが区の一般財源が百六十八億円、約六八%となって、一般財源の規模が非常に大きな状況となってございます。こちらの財源構成につきましては、既に保育園の保護者向けの入園の御案内、こちらのほうで掲載している内容でございますが、お尋ねの区立保育園から民営化という部分では、保護者の保育料相当、全体の約三十七億円、こちらが国からの無償化と言われている補助金相当のほうに振りかわるのではないかということで想定してございます。  ちなみに区のほうとしましては、一般財源の規模、非常に大きい規模でございますが、こちらは既に保護者の負担軽減という観点から、区の保育料を国基準のおおむね半分程度に設定しているという部分で、大部分が区の負担が大きいというものとなってございます。  それから、二点目のお尋ねの区立幼稚園の認定こども園を用途転換した場合という部分でございますが、区立から私立の認定こども園の用途転換につきましては、一園当たり平均的な運営経費になりますが、おおむね現在六千五百万円程度となってございます。こちらが新たに私立認定のこども園へ移行するといたしますと、例えばゼロから三歳児の保育、延長保育、それから給食の新規実施、預かり保育の時間延長といった新たな新制度に伴うサービスの拡充ということが伴いますので、そういった意味では、施設に対します措置費、こちらの増加が見込まれるという部分がございます。こちらの分につきましては、新制度に伴う法定の負担になりますので、国、都からの一定程度の財源については、一部は見込まれるというものでございまして、ちょっと詳細なコストについては、現在のところ試算はできてございません。  それから、三点目の部分の今回の国の無償化に伴います幼稚園、保育園ともに、三歳から五歳に対します財政負担という部分でございますけれども、二十八年度決算ベースで抜き出しますと、十八億円の現在保護者からの保育料収入が見込まれておりますが、それが先ほども区立全体で申しましたけれども、国からの補助金に振りかわるといった想定でございます。こちらは現在、国の財源の詳細、これからになろうかと思いますが、先ほど申し上げましたとおり、既に区のほうで国の基準の半分程度の設定とさせていただいている部分がございますので、その国の基準がどの段階で示されるかによって、区の財源構成が変わってくるというふうに認識をしてございます。  あともう一点、全体的なこの関連で申しますと、区のほうの部分としましては、消費税率一〇%に引き上がることで、区の二%相当引き上がる地方消費税交付金、こちらの増額も一定程度、中期見通しでも把握してございます。こういった部分への影響が新たな無償化の国の補助金によってどう変わるかという部分が、若干懸念されている部分がこちらとしては把握してございます。 ◆佐藤弘人 委員 では、整理しますと、一点目については、区立を私立にした場合ということで、私も、時間がちょっとなかったんですが、理事者の皆さんに御協力いただいて、区立認可保育園、私立認可保育園、認証保育所に関する区の運営費の負担をゼロ歳から五歳、もう一括してまとめて、区立と私立と、単純計算ですけれども、子ども一人に対しての月額の費用がどれぐらいかかるかという比較を出してもらったら、区立だと、ゼロ歳から五歳、全部の人数に対して一人当たり約十二万五千円、私立は約九万六千円ということで、これだけでも約三万円ぐらいの差はある。そうすると、これも極端な話ですが、定員百人の区立保育園が私立になった場合は月額三百万円、年間で三千六百万円の支出減を確保が見込める余地があるというふうに思います。  二点目の認定こども園の用途転換は、確かに四歳、五歳の区立幼稚園がゼロ歳から五歳のこども園になるということを考えれば、当然、区の支出については増加をするということで、ここはかなり厳しい状況かなというふうに考えます。  大事なのが三点目です。国の幼児教育無償化になった場合ということで、今経費のお話がありましたが、今年度の保育のごあんないの五四ページに財源構成が出ていますね。今、財政課長のお話でいくと、総額二百四十七億八千百万円ということで、二十八年度決算で出ています。実質世田谷区がここで負担しているのが百六十八億一千万円、今の答弁でいくと、今世田谷区が支出、負担をしている一部分に、本来であれば、国が実質補助として対処をすべき財源も含まれているというふうに聞こえるんですが、それは含まれているか否か。含まれているとしたら、大体どれぐらいの財源が、本来ならば国の基準として出してもらわなきゃいけない部分を世田谷区が出しているのか、そこをお知らせください。 ◎加賀谷 財政課長 その円グラフ、全体経費で、認可保育園の規模ですけれども、そちらで申しますと、保育料自体が既に三十七億円ですから、一五%ほどの保護者負担、これは国の基準のおおむね半分程度を保護者からいただいているという設定でございますので、残りの約三十七億円が既に区の負担として、全体の一般財源のほうから支出をしているということかと思います。 ◆佐藤弘人 委員 ですから、今、実質保護者の方が負担している分がそのまま国が負担というと、全く財源の確保の余地がないんですが、交渉によっては、今区が実質負担している部分の一部を国が見てもらえれば、新たな財源の確保の余地があるということで、そこについては、これからしっかり交渉して、推移を見守っていくしかないなという現状でございます。  それから次に、今、大体世界的にそうですけれども、新たな寄附文化というところで、さっきふるさと納税の話もありましたけれども、今ちょうど世田谷区は利用料、使用料の見直しをやっています。今、寄附文化の醸成と言いながら、なかなかお一人に対して幾ら寄附ということではなくて、さまざまな工夫をしながら、実質的にそのお金が寄附に充当されるという仕組みがあります。よく議会でも引用されますけれども、テーブル・フォー・ツーという団体のロゴマークのついた、例えば食事をしたりとか、物を買ったりとか、その一部が十円とか二十円ということで、実質その寄附に充当される。日常生活の中での流れの中で、買ったり食べたりするお金がそのまま寄附に回ると。  では、これを引用して、例えば学校施設の開放分のところとか、利用料です。それから、教育関連施設もそうですけれども、利用料、使用料の一部にそこを上乗せして、これは強制的になかなかできるものでもないですし、当然、賛否もあると思いますから、御希望される方の分とそうじゃない方の分を分けながら利用料、使用料を設定するということも検討できるのではないかと思いますが、これは地方財政法の抵触も絡むので、そういった手法が可能かどうかだけお聞かせください。 ◎田中 政策企画課長 今お話があったとおり、地方財政法の規定がございまして、割り当てによる寄附金の徴収を禁止しているということで、寄附分の使い道を明らかにした上で、通常の使用料とは別に、寄附をしたい方のために、通常の使用料に寄附分を上乗せして新たな料金を規定する方法というのが考えられます。ちょっとイメージできるような形でお話を差し上げると、例えばプールの入場料、こういったもので考えますと、入場するときに寄附があるボタンと寄附がないボタンというのを設定する場合が考えられますけれども、大蔵運動場の温水プールを事例に挙げますと、現行で大人が四百八十円となっています。例えば大蔵運動場のプールなので、わかりやすい寄附例として、スポーツ施設建設のための寄附と規定して、寄附分二十円を追加した、大人四百八十円の通常料金に対して、もう一個ボタンを、例えば大人五百円という料金を新たに設定しますと。  仮に、今回、この間、一年間の利用者の一割の方がこういった仕組みを利用した場合、年間およそ六万円ぐらいの寄附が集まるのではないかという計算となります。ただ、今後、社会保障関連経費、公共施設の更新経費が増加いたします。厳しい財政状況が見込まれる中で、御提案の未来ある子どもたちへの投資、こういった経費を振り分けるためには、先ほどふるさと納税で御答弁させていただきましたが、基金などへの寄附の呼びかけ、こういったものも含めて区民が気軽に寄附できる仕組みということについて、研究、検討してまいりたいと考えております。 ◆佐藤弘人 委員 具体例を出していただいて、金額別としても、手法としては可能ということですので、ぜひ検討していただきたいと思います。  時間がないので、またこの辺については補充でやりたいと思いますが、最後に、さまざまな事業の事務経費の削減ということで、例えば今横浜市の教育委員会が、これは所管が違いますけれども、教職員の事務負担軽減のために、さまざまな事務の分掌化、いわゆる分散化です。アウトソーシングしながら負担軽減するとともに、コストの削減にも取り組んでいるという事例が今注目を浴びていますけれども、総論的な事務負担軽減とか、集約というか、統合というか、そういったことについての今見直しの取り組みはされていますか。 ◎中西 政策経営部副参事 大幅な歳入増が見込めない現状ですので、新たな事業の財源を確保するために、さらなる行政経営改革をしなければならないと認識しておりまして、御指摘いただいたような重複の見直しですとか、それから外部委託、どこができるのかというようなことを一層進める必要があると考えています。  具体的にはですけれども、今まで重複の見直しというのが領域横断的にされていませんでしたが、領域横断的に実施するということですとか、事業の目的を踏まえながら、民間のノウハウなど、そういった強みを生かした民間活用を推進していくということ、それから区が行っている事務について、業務内容やボリュームをよく精査して、ここは標準化できるというところは標準化して委託していくというようなことを検討していこうと考えております。すぐに取り組めることは着実に実行しながら、中長期的に経費抑制につながる取り組みも同時に検討して、さまざまな視点から不断の行政経営改革を新実施計画後期で進めていきたいと考えております。 ◆佐藤弘人 委員 今、早足でいろいろとお話しさせていただきましたが、しっかりとこれからその新たな財源確保の議論を進めていきたいと思いますので、また別な機会で取り上げます。  次に、入札制度の改革について少し触れて終わりたいと思いますが、公契約条例制定後、入札制度の改革も同時並行でやるということで、これまで十三項目ぐらい取り組まれたと思いますが、じゃ、改めて、これまでの取り組みに呼応した効果をどう考えているか、まずお答えいただきたいと思います。 ◎山田 経理課長 例えば総合評価方式の入札では、入札しました価格点が二位以下であったものが、施工能力評価点により逆転して落札した案件は、昨年度では十五件中約半数の七件がございました。 ◆佐藤弘人 委員 よくわからないんですけれども、まあ、いいや。  今、入札の不調とか、さまざまな要因もあって、この入札制度の改革は非常に求められていますが、その中で、今回予定価格の精査というのを私どもも第三者機関、例えば積算事務所に委託をして、しっかりとミスがないように精査をすべきだということを申し上げていましたが、このたび、試行的にその実施をするということは評価しておりますが、この実施した後の検証についてどうやった、その後、またどういう方向性等を考えているのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。 ◎安間 施設営繕第一課長 積算の数量検証に至った経緯ですが、現在の建築設計においては、工事の積算業務は設計事務所に設計委託の中で積算もあわせて委託している状況でございます。この積算業務を分離発注してはどうかという御意見もいただいておりましたが、費用や日数が従来の発注方式よりも要してしまうために、実施には課題がございました。これにかわる方法として、設計受託者以外の第三者による積算のチェックを試行として実施することとし、今月中には検証業務を開始する予定です。  検証業務の概要でございますが、工事内訳書にある記載のあるコンクリートや型枠、鉄筋などの建物躯体工事の数量に関して、積算の専門家である第三者に確認をさせます。材料の数量は階ごと、あるいは部屋ごとの数字を積み上げて計上されておりますので、それと同じことを実施し、これにより材料の数量に一定の差異が出た場合は、その原因を調査することとしております。今回は試行となりますが、実施範囲を広げていくことは、全工事の全体設計スケジュールに余裕がない現状を鑑みますと、非常に難しいと言わざるを得ません。  こうしたことから、業務の成果品である検証業務報告書の内容を踏まえた積算研修会などを開催し、検証業務の成果を最大限に職員の積算能力の向上につなげていく検討を進めております。また、今後、数量だけでなく、市場価格調査も外部発注するなど、工事予定価格の適正化に向けて多角的に検証を進めてまいります。 ◆佐藤弘人 委員 それから、国土交通省が今年度の追加対策の取り組み方針として、法定福利費をしっかり計上する、もしくは明示をするということがもう既に都道府県に対して五月の末日に出されています。先月の二十七日付の報道でも改めて受注者側に請負代金の内訳書の様式を見直して、この法定福利費をしっかり明示することをルール化しているということになると、当然発注者側においても、公契約条例を制定している自治体として、さまざまな質のいい公共事業を安定して継続維持していくには、当然必要だと思いますが、この予定価格の精査とあわせて、法定福利費の明示、計上ということについてお答えいただきたいと思います。 ◎安間 施設営繕第一課長 法定福利費は、現場労働者及び事務員の労災保険料、雇用保険料、健康保険料などの社会保険等に係る費用でございます。公共工事におきましては、建設業界における就労環境の改善及び業界の持続的発展に必要な人材の確保のため、工事に適切に計上していくことが求められています。公共工事発注側の法定福利費の具体的な計上方法ですが、事業主負担分を現場管理費及び一般管理費に工事の諸経費として、また、下請事業者負担分については、工事単価の中にそれぞれ計上しております。そのため、現状では、法定福利費のみを把握することはできません。標準単価の基本的な構成、ベースは、都道府県を初め、各自治体が統一された規格により構成されているため、世田谷区独自での法定福利費を明確にする見直しは極めて困難であります。  一方、国としては、八月に建設工事における適正な工期設定等のためのガイドラインについてを策定し、その中で、工事の請負代金内訳書や見積書に法定福利費等を明示することなどにより、適正な代金で契約を締結することについての記載がございます。そうした動きが公共工事の……。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、世田谷民進党・社民党、どうぞ。 ◆中村公太朗 委員 よろしくお願いします。  決算委員会なので、決算書を見ますと、二十八年度世田谷区の土木費は三百三十八億円という決算になっています。構成比が一二%ということで、非常に大きな金額が世田谷区においては工事契約案件に使われているわけです。聞くところによると、世田谷と規模の近い政令市でも、年間大体五十億円とか、六十億円しかこの土木費がないというところも結構多い中で、世田谷はこれだけの金額を使って行っているわけです。これ自体をいい悪いは特に言いません。少し大きいなとは思いますけれども、今後、庁舎の問題も出てきますし、過去には二子玉川等々がありましたから、一瞬一瞬で上がるときもあれば、押しなべて二百億円から三百億円ぐらいなのかなというふうに捉えています。
     問題は、皆さん共有していると思いますけれども、昨今出た談合情報を初めとして、至るところにこのひずみが出ているわけですよ。それはシステムにおいてのひずみでもあるでしょうし、当事者、プレーヤーというんですか、行政もしかり、事業者もしかりというところにひずみがところどころに明確に出てきているということについては、結局それで負担を負っていくのは、区民の税金ですから、本当に真剣に考えていただきたいというふうに思うわけです。  この間、入札制度を初めとした契約については、前回の予算でも大分やらせていただきましたし、一般質問等々でもやらせていただいておりますけれども、もうそろそろ本気で大きく転換をしていかないと、これから先の、独立を目指すというような話もありましたけれども、しっかりとした自立した自治体として運営をしていくためには、そういうところをメスを入れて変えるところは変えていけるような発展性のある自治体にならないといけないんだろうというふうに思う中で、質問してまいりたいと思っております。  まずは、話題の談合についてですけれども、この間の経緯について、最初のケースから少し、ざっと簡単に教えていただけますか。 ◎山田 経理課長 談合の経緯につきまして御説明をいたします。  最初の件は、梅ヶ丘の施設整備の件と、それから希望丘の複合施設、そこで入札の前に一定の建設企業体が落札するという情報がございまして、それで早速その事業者の代表者を呼んで事情聴取をしたところ、そういう事実はないということだったものですから、誓約書を徴した上で入札を実施したところ、その予言どおりになったということでございます。  それから二件目は、先ほど梅ヶ丘と希望丘は電気だったんですけれども、今度は玉川と若林小学校は建築工事です。これもやはり同じように開札前にそういった情報が来まして、それと同じように、談合情報取扱要綱に基づいて、業者を呼んで、それで事情聴取をしたところ、やはりやっていないということだったので、誓約書を徴した上で入札したところ、その書かれていたところがやはり落札した、そういった件でございます。 ◆中村公太朗 委員 この間の委員会で議案がありまして、我々としても、明確な証拠が上がっていないと、一〇〇%黒とは言い切れない中で、苦渋ですけれども、賛成をさせていただきましたし、同様の厳しい意見を言っている会派が多数あったというところだと思うんですね。  問題は、この間の経緯の途中、途中で区はどの程度問題対処をしようとしてきたかで、そのスタンスが、別に区がやっていないというわけじゃないんですが、やはりこの問題って結局抑止にしていかないといけない問題で、区が本気なんだと、率先して能動的に証拠を探しに行ったりとか、談合は絶対だめだから潰しに行くんだというようなスタンスがやっぱりいまいち見えてこないと僕は認識をしているんです。やっぱりそれを見せていくことが、区としてまず第一義的にやっていかなきゃいけない問題だと思うんです。まず最初の一件目の入札情報があってから開札がされるまでの間に区は何をしましたか。 ◎山田 経理課長 先ほど答弁させていただきましたように、事業者を呼んで、それで事情聴取をして、誓約書を徴した上で入札を実施したということでございます。 ◆中村公太朗 委員 それが手続論にのっとったマニュアルだと思うんですね。意見も出ていましたけれども、そこで、呼んで、やっていますかと言って、やっていますと言うわけないんで、誓約書がとれたということだけだと思うんですね。実際に開いた、そのとおりになりましたと、その時点で区は何をしましたか。一件目ですよ。 ◎山田 経理課長 最初の梅ヶ丘を落札した件ですか。そのときは何もしてございません。 ◆中村公太朗 委員 その後、二件目の情報が出たときに何かしましたか。 ◎山田 経理課長 少し時間がたつんですけれども、入札監視委員会を開きまして、それで今後の抑止策について検討していただいたということでございます。 ◆中村公太朗 委員 二件目が的中をした後、現状は何をしていますか。 ◎山田 経理課長 先ほど何もしないというのはちょっと語弊があったんですけれども、当然、公正取引委員会には報告をしていますし、それから入札監視委員会にも報告をしておりますので、一件目、二件目ともに同じような対応はしております。ただ、二件目のときはさすがに、公正取引委員会にはもちろん通報したんですけれども、特に動きがなかったものですから、ほかのこういった談合情報取扱要綱なんかもほかの自治体を参考にしたところ、例えば都道府県レベルでは警察には通報していたものですから、今回は警察にも相談をさせていただきました。 ◆中村公太朗 委員 なので、現状、捜査中と、捜査が始まっているということでいいんですか。届けた後の受理されているのかどうか、その辺はどうなっているんですか。 ◎山田 経理課長 警察のほうから余り詳しくは話をしないでくれと言われているんですけれども、捜査していることは事実でございます。 ◆中村公太朗 委員 今回二件あって、一件目の対応、二件目の対応、遅かった、もしくは後ろ向きだったということを今さらどうこう言うつもりもありませんし、別に一〇〇%そうだと言いません。結果として今、この二件、的中をしたということと、公正取引委員会及び警察が動いているということは、これまでにない形だと思いますから、そこの経緯はそこの捜査としてやっていくということだと思いますが、それ以外に区独自で今後やっていくつもりというのは何かあるんですか。 ◎山田 経理課長 今、検討中でございまして、何らかの方法でそういった談合はもう許さないという姿勢が出るものがあればいいということで考えているんですけれども、なかなかまだ出ていない。ただ、一回入札監視委員会を開いて、抑止策ということで出させていただいた指名停止期間を二十四カ月から三十六カ月にするということと、それから賠償金を十分の一から十分の三にするということについては、もう既に共同の入札をする場合の一覧が出てくるわけなんですが、その一覧をクリックすると、それぞれの案件の詳細が出てくるので、その画面の一番下に注意事項というところがありまして、そこをクリックすると、そういった改正がありましたよということが出てくるものですから、世田谷区の入札に参加している事業者で、もう知らない事業者はいないと思いますので、その姿勢は少しは伝わっているのかなというふうには考えています。 ◆中村公太朗 委員 一点指摘というか、お伺いします。二件目も的中をして警察も動き始めた中で、入札監視委員会は開かれていますか、開かれる予定はありますか。 ◎山田 経理課長 十一月に開催する予定なものですから、それに合わせて報告はさせていただこうというふうに考えております。 ◆中村公太朗 委員 現状、こういう問題が来たときに誰が責任を持って対処するかというのは、区であり、公取委であり、警察でありかもしれませんけれども、やはり入札監視委員会といっているので、すごく踏み込んで調査をしてくれるようなイメージを我々は持つわけですけれども、年に二回という開催が平時で、この問題が起きたのが八末、九月でしたっけ、結局十一月まで開催されないと。この間もされて、急遽条例が変わりましたけれども、あれだって結構時間がたってからだったわけですよね、委員会で大分指摘されてから。やっぱりそこのスタンスというのが、この問題に対する後ろ向きに見られる一つの要因だと思いますし、本当に緊急の話だと思うんですよね。  だから、やっぱり入札監視委員会で一つ本当に機能を持たせて、権限を持たせるんだとしたら、そこをちゃんと動かしていくということをしないと、半期にあったものは大きなものも、小さなものも問題が起きたのはまとめてやりましょうみたいなこととか、平時でいえば、抽出ですよね。その間、何十件もあるものから数件をとって、それが合っているかどうか、正しいかどうかという、無作為抽出のことしかというのは申しわけないですけれども、やっていないということになると、本当に監視できているのかというのは、極めて疑問が浮かぶので、そこをもっと活用し、効果を持たせていく、もしくは事業者が本当に何かあったら怖がるような立ち位置に持っていかないといけないと思いますので、ぜひこれはもっと意識を持って監視委員会についてはやっていただきたいと思います。  もう一つは、今回結局難しいのは匿名だったからなわけですよ。ただ、名指しで事前にあって、結果も合っているということを考えると、恐らく内部なのか、周辺なのかというところは、ほぼほぼ間違いないだろうと思うんですね。では、なぜその方は匿名なのか。確かに競合他社が足を引っ張るためにやるという可能性ももちろんある。だけれども、本当に意気に感じてというか、疑問を感じて内部告発をしている可能性もある。でも、結果として、それは取り扱いは証拠までは行かず、結局入札は行われ、そのとおりになったというのがこの経緯だと思うんですけれども、やっぱり区が信頼されていないんじゃないですか。というのは、名前を明かしたときに、それが漏れてしまうんじゃないかとか、ちょっと前に似たような話がありましたけれども、そこのちゃんとしたセキュリティーをしっかりとした中での何でも言ってくれよというような機関というものを設置した上で、発信をした上で、しかもそれを確実に実行していけるような機関というのがあれば、匿名じゃなかったかもしれないと思うんですね。  予算要望書で、我々はもうかれこれ十年前から談合情報のホットラインをつくれということを書かせていただいています。そこにセキュリティーの問題がさまざま出てくる、付随して検討しなきゃいけないものがたくさんあると思うんですけれども、信頼感がないという状態も多分おかしいと思うし、信頼されるようなものというのは機関をつくるべきだと思うんですけれども、いかがですか。 ◎山田 経理課長 区には内部通報者の制度としてはありますので、そういったことも活用しながら対応できたらいいのかと。今回はたまたま無記名だったものですから、対応できないですけれども、記名の場合にはそういった対応もできるのかなというふうには考えております。 ◆中村公太朗 委員 その内部通報者というのは、役所の内部通報者のところじゃなくて、外からのそういう話も受ける部署というか、窓口なんですか、僕の認識と違うんだけれども。今区にある内部通報というのは、区の職員が匿名なりなんなりで行政のものを言う窓口と僕は認識しているんですけれども、そこは課長にはわからないですよね。わかる人はいますか。 ◎望月 総務課長 確かに内部通報は公益通報制度でありますが、そのほか、外部通報という制度がありまして、その窓口は各所管課というふうな形であります。 ◆中村公太朗 委員 もしあるんであれば、しっかりとそれは大丈夫だよと、本当に言ってくださいよと、むしろ区から発信して、この間匿名通報してきた方、そのとおりになりましたと、絶対守るので、出てきてくださいよと、もっと証拠があるんですか、どうですかみたいなのがあれば、この極めてグレーな、でも、通らさざるを得なかった議案、今後、もし警察があれして、ひっくり返った場合にはもう一回やり直しですよね、賠償金を取れるにしたって。ということにならないように、安心して言ってきてくださいよみたいな発信をちゃんとすべきだと思うんで、ぜひやっていただきたいと思います。  次に、もう一つのひずみという形でいきますと、契約変更です。今度はちょっと事業者側が苦悩をしているという中で、契約が行われました。工事事業者にしてみると、設計書が出てきて、それどおりに工事を進めていくわけですけれども、設計と違う部分が出てくる。実際の現況と設計図が違ったり、先般も掘ってみたら、中に瓦れきがあったみたいな話がありました。掘ってみるのはしようがないと思うにしても、壊してみたら、設計書の中にはないようなものが出てきたりということで、とまって、追加予算という形で来るならまだしも、どうやら現場では、軽微なものについてはちょっと頼むよというような形の中で、お互いの信頼関係、いい部分もあるんですけれども、なあなあで行われていて、企業の利益が圧迫をされる、企業努力という言い方をして行われているということもあるという話を聞いていますと。これはもしかしたら、それを聞くことで評価点がある程度心証がよくなって、次の工事につながるかもと思っている業者さんもいらっしゃるかもしれませんけれども、度が過ぎれば、これはやっぱり大きな負担にもなるわけですし、行政が仮に予算組み直しとか、議会に出し直しの手続上、大変だとかいうことがあるんであれば、それはやっぱり適正な契約にはなっていかないんだろうなというふうには思うわけです。  設計が間違っている場合と、現場でまたここをやってよみたいな追加が口頭で示される場合、さらに言えば、この間委員会でも言いましたけれども、その設計をするに当たってのもととなる改修の前の竣工図がもう既にずれている場合、これはいろんなプロセスで起きてきて、最終的に事業者さんが違うよという形になっているわけですし、それが利益がもし圧縮をせざるを得ない状況になった場合には、まだ事業者さんならいいとは言いませんが、最終的にしわ寄せがいくのが、もし現場で働く労務者の方々だとするんであれば、この間、区が進めてきた公契約条例の方向性とも真逆に行きかねない問題だろうと思うわけです。  まずその竣工図、そもそも論です。竣工図がずれていれば、設計もずれて、それは工事するときに間違いなくずれてくるわけですけれども、竣工図の管理及び竣工図が合っているのかどうなのかということの調査みたいなものというのは、しっかりされているんでしょうか。 ◎安間 施設営繕第一課長 竣工図につきましては、平成十四年ころを境に、工事受注者から電子データとして提出を義務づけておりますが、それ以前はフィルムに図面データを焼きつけたものを提出させていました。竣工図の適正管理をということでございますが、過去にフィルムとして提出された図面データについては、平成十四年から二十年にかけて電子化し、これらを全て施設経営情報システムに取り込む形で一元管理をしております。ただ、フィルムは経年劣化しますので、保存状態の悪いフィルムから電子データにすると、図面全体が不明瞭になってしまいます。こうした状況が現場との食い違いとしてあらわれる可能性もあります。  このため、設計時における入念な現場調査が不可欠で、区の設計基準においても、職員に対し、計画場所における状況確認を義務づけしております。また、設計図面は、建築、電気、機械、それぞれの設計者が分担して作成しますので、これらの整合性をとった綿密な打ち合わせも重要となります。こうした設計図面の精度を上げるための手順を改めて職員に励行を徹底してまいります。 ◆中村公太朗 委員 それがその設計の時点でずれるという可能性もあるんですか。 ◎安間 施設営繕第一課長 設計の時点でずれるというのは、現場を入念に調査しておれば設計に反映されるわけですが、それが不十分だった場合に、設計が間違えるという可能性はあります。 ◆中村公太朗 委員 役所はその設計図が出てきて、今度工事事業者の入札が行われるのか、どのタイミングかわかりませんけれども、設計図自体の調査、精査、確認みたいなことは営繕はしているんですか。 ◎安間 施設営繕第一課長 施設営繕第一課におきまして、二十八年度、二十九年度とも百三十件ほどの工事を行っておりますが、その設計は委託しているものと、自主設計のものがあります。委託しているものについては、職員と何度も打ち合わせを経て設計成果物を得ますが、その設計スケジュールの厳密な管理や設計成果物のすり合わせが重要になってまいります。設計業界の多忙さからスケジュール管理に難儀することも多く、建築、機械、電気、それぞれの図面のすり合わせも不備なものが多いのが、そこが職員の業務の肝心なところで、綿密、入念な打ち合わせを心がけております。  その中でも、近年はいながら工事も多く、例えば保育園工事でも、園の運営の関係で工事の段取りが変更になったり、子どもたちの動線を守るために新たな工事がふえたりと、現場に入って設計変更が相当数あります。その都度、工事業者と何度も打ち合わせを重ねて、協議の上で変更します。今後も、そういった現場の工事場面を想定した設計を心がけていくとともに、やむなく変更が生じても十分に協議、対応してまいりたいと思っています。 ◆中村公太朗 委員 そうなんですよね。普通に考えて不思議なのは、保育園みたいな形で、子どもたちの通路確保が途中で起きますみたいな、それってそもそも論として、設計で何でそれが最初に落ちていないのかなとか、工事事業者が決まって、工事が始まっていく中で、いやいや、やっぱりみたいな話が結構あるみたいですよね。もしくは園の方の希望と、そもそも発注する際の行政がそれを理解しないままの設計を設計会社と打ち合わせするみたいな、それで工事会社にいきなり園の方から、いやいや、これじゃ困るから変更してくれと言われたけれども、事業者にしてみれば、区からこう聞いていますみたいな、設計もこうなっていますみたいな、そこのすり合わせとか準備というのもやっぱり必要だと思うし、しっかりと、もちろん先ほど言った竣工図が正しいかどうかのチェック、管理、その上で設計に投げて、設計が出てきたものもチェック、管理をできる。さらに言えば、工事の進行もチェック、管理できるという形になってくると、やっぱり圧倒的に営繕の人が足りないという話を聞くわけです。打ち合わせに来たときに、事業者さんて、もう全部細かく書き込んでいるのに、真っさらな仕様書で来る役所の人がいるんだよみたいな声もやっぱり上がってくるわけですよね。それは多分多忙であり、サボっているとは言いませんから、案件が多くて人が足りないんだろうと思っていますので、そこも含めてちょっと一度根本的に考え直したほうがいいんだろうなというふうには思います。  いずれにしても、工事事業者、ひいては実際に働く方々の待遇、環境が悪化をするような状況というのはよくないと思うので、ぜひこのひずみをなくすような努力をしていただきたいなと思います。  それから、予算で言いました最低制限の話です。要は一つの案件においては全社が最低制限価格を下回ったけれども、調査をしてもらったら、そのとおり履行できると、区がおそれているのか、規制する言いわけにしているのかわかりませんけれども、見えない敵であるダンピングというのではなかったということが明確になったこともありました。この間、昨年一年間のデータですか、一五%近くの案件で、最低一社は最低制限を下回った札を入れてくると、数字を出してくるということで、仮にそれが履行可能なものであれば、本来その金額でできたものが、最低制限という形で金額がつり上がっていってしまうという状況ですと。なので、最低制限は取っ払い、低価格調査に切りかえていくべきだろうということを言ってきました。  前回やりとりもしました。区長からの話もありましたけれども、まず、前回の全社最低制限を下回ったというのはなぜ起きたのかということを簡単に触れていただきたいと思います。 ◎安間 施設営繕第一課長 全社最低制限価格割れですが、昨年度につきましては、建築工事百七十件の発注のうち二件ございました。今年度につきましては、九月末現在で約九十件のうち三件となっております。積算は原則として標準単価に基づいて行っておりますが、標準単価にない材料については、見積もりやカタログにより価格調査することになります。これら見積もりなどに記載された材料価格と市場価格は金額差があるのが一般的で、これらの単価に掛け率を乗じることで市場価格として設定しております。例えば単独の防水工事のような比較的単純な工事については、見積書などを使用する割合が大きくなり、ある見積もり単価が工事価格の設定に大きく影響する場合がございます。  このような見積もり単価の設定において、市場動向調査が不十分な場合、全社最低制限価格割れとなる可能性があると考えられます。そのため、標準単価以外の単価設定については、より詳細な市場動向調査が求められていると認識しております。そこで、数多くの建築材料の膨大な市場価格動向のデータを保有している第三者に、標準単価にない建築材料の調査を工事予定価格の適正な設定に向けた一つの取り組みとして、今年度実施してまいりたいと考えています。 ◆中村公太朗 委員 新しい取り組みをやっていただいたらいいと思います。前回のカタログをそのまま単価にしてしまったと、その結果、事業者さんたちの常識金額から大分ずれて、全員が普通に算出したにもかかわらず、最低制限を下回ってしまうみたいな、そんな話はあり得ないと思いますので、やっていただいたらいいと思いますが、さっきも答弁もありましたけれども、だからといって――今後、積算をちゃんとしてもらいたいということです。第三者に丸投げをして、区の積算能力がどんどん失われていくみたいなことも、やっぱりそれは責任を持って、そこも含めてチェックができるような能力をちゃんと持っていかないと、それは全然だめなので、やっていただいたらいいと思います。これは積算の問題。  だけれども、最初に言ったように、これは別に最低制限を、今やっているものを外して、低入札価格で本当にやれば、その問題も解決をしたでしょうし、積算は、結局余り目印でしかなくなってくるわけですから、しっかりとした制度の変換が必要なんだろうと思っていますけれども、現状、区はいまだかつて発見もされたこともないダンピングというものを必ず制限する理由にしてきます。一億八千万円以下については、最低制限という形で調査もせず足切りをする。一方、議案案件に一億八千万円以上については、現状、低価格調査という制度は残ってはいるものの、そこになぜか失格基準というわざわざ最低制限と同じものをつくって、これも足切りをしているという状況ですけれども、なぜこれが必要なのか、なぜわざわざ失格基準をつくるのかということについて説明を願います。 ◎山田 経理課長 やはり調査となるとかなり膨大な労力が、区側にとっても、それから事業者にとっても必要になります。その要領においてもほぼ四週間以内にやりなさいみたいなことが書いてありまして、それぐらい手間のかかることということなものですから、極端に低い金額を入れてきたところについては、その調査をせずに失格ということで、いわば無駄な手間を省くためにあるというふうに認識しております。 ◆中村公太朗 委員 無駄はないんですけれども、予算がかかる、手間がかかるということで、方向性はわかりますけれども、現状、先ほど申し上げましたけれども、全案件の一五%が最低制限を下回ってくる事業者が出る案件なわけですよ。いまだかつてなかったものが、全部ダンピングなわけもなく、むしろ全部ダンピングじゃない可能性のほうが、現状の実績からいえばあるわけで、その一五%を全部切っちゃって、切っちゃって、本来はもっと安くできた案件をわざわざ高目にとる、区民の税金を無駄に使っていくということについては、この三百三十八億円の土木費の中では、恐らく相当な金額になってくると思いますし、これはしっかりと取り組むべきだと思うんですけれども、副区長、いかがですか。 ◎宮崎 副区長 まず、この今までの制度も含めてですけれども、公平公正にやっぱり事業というものを進めなきゃいけないということが一つ、それから、一方で質も確保していかなきゃいけないという中で、こういう制度をつくってきたわけでございますけれども、先ほど来、談合情報のこともそうですけれども、いろいろ、言ってみれば、事業者にとっても、それから区にとっても不信を持たれるということがやっぱり最大の危機だろうと思っております。  そういう意味でいえば、先ほど調査の問題も申し上げましたけれども、一度その辺については、どういう方法が一番効果的なのかということ、それから、言ってみれば、その制度の部分においても、やはり対外的に打ち出す中で、いろいろその声も聞こえてくると思うんですけれども、そういうことも一度打ち出してみて、その中で、やりとりの中でもやはりいいものが生まれてくる。ただ一方で、先ほど御紹介があった標準単価の問題というのは、言ってみれば、国のほうとの関係の中で生まれてきたものです。そういう意味では、時期が少しずれてくるという問題もありますので、ここも少し練りながら、区としてどうしていくのかということについても考えていきたいと、このように考えております。 ◆中村公太朗 委員 ぜひこの問題というのは、本当に大事な視点だと思いますし、さっき言ったように、本当にひずみが大きいと思います。この契約にまつわるさまざまな部分というのは、やっぱり区としての姿勢を示していただきたいと思います。  最後に、くしくもきょうはたしか上馬の再入札の日でしたっけ、そうですよね。上馬の区民センターを駐輪場に変えるのが一回不調で流れましたね。入り口が狭いとか割に合わないとか、さまざまな――最初は解体でしたかね。今回、解体と建築をセットで再発注するということのようですけれども、金額というのは大分上乗せされているという認識でいいですか。わかりますか。答えが出れば、無理。金額、わからない。  では、意見にしますけれども、不調があること、さっきの積算が高過ぎるのも低過ぎるのもおかしいと思うんですよね。適正な競争性が確保できるライン引きをするのが、やっぱり行政の積算の最大の役目だろうと僕は思っていますし、そういう意味で、いろんな特殊事情はあったんだと思います。さっき言った間口が広いとか、狭いとか、言い方が悪いですけれども、奥にいる人がとかあるんですけれども、とにもかくにも、やっぱり不調になった場合って今後出てくると思うんですけれども、特命随契も打診もされたとも聞いていますし、それを断られたから、多分今回セットになったんだと思いますが、こんなんじゃとてもできないよと思うものについては、やっぱりちゃんと一回検討して、下からぎりぎりで攻めるのでもなくね。――ありましたか。では、あったそうなので、最後、その金額、幾らでどれぐらいなんですかというのを聞いて終わります。 ◎山田 経理課長 正確に言いますと、旧上馬地区会館の跡地ができて、そこを解体して、駒沢東の駐輪場にするという案件でございます。解体工事が最初、四月四日に開札があったんですけれども、このときは約三千万円の予定価格で、もう一回金額を上げて解体工事の案件としまして、このときが約三千二百万円ほど、今回が解体だけではだめだ、二回とも不調だったものですから、今回は解体と駒沢東駐輪場の建築工事も上げて、一億七千万円ほどで開札をきょうしまして、無事に落札業者が決まりました。 ◆中村公太朗 委員 決まったまでは知らなかったですけれども、であれば、結果はよかったと思いますけれども、やっぱり不調というか、入札の準備も、手間も、お金もかかるので、最初三千万円で、三千二百万円にしたけれども、やっぱり誰もつかなかったみたいな話だと、そこの設定も少し市場動向と離れているということになるんだろうと思いますので、やっぱりそこは適正に、少なくとも二回目ではちゃんと何社か入ってきて落ちるというような試算を含めて、ぜひやっていただきたいということを申し上げまして、かわります。 ◆藤井まな 委員 私も積算の話をちょっと触れたいなと思って、さっき他会派の答弁をちょうど自席で聞いていたら、積算に関して、設計事務所が今行っているけれども、積算会社、積算事務所と分離発注して、正確なものをやるべきだという意見もいただきましたがという答弁がさっきありました。多分議会の中でその意見を言ったのは私だけなので、多分、私の話、そういう意見もありましたが、それはしませんという答えだったと思うんですけれども、それでも積算に関する第三者を絡めるというお話に今後していくということなんだと思うんですね、さっきの答弁は。そういう意味でよろしいんですか、積算の話。 ◎安間 施設営繕第一課長 工事予定価格の適正の取り組みを精査する中で、積算検証業務の提案をさせていただいております。積算委託成果品に対して、積算の専門家による第三者にチェックを委託する業務であります。この検証業務は、検証の対象となる設計委託の完了後に実施することとしていますので、この十月から開始をしたいと考えております。また、今後、議会でも報告してまいります。 ◆藤井まな 委員 一つの前進だと私も捉えますので、評価をさせていただきたいと思います。  もう一つ、法定福利費の話、さっき他会派の答弁が途中で終わっちゃったので、私が続きをやろうかなと思うんですけれども、業務委託であれば、一般管理費に含まれると言われていて、工事であれば、労務費や現場管理費に含まれると言われている法定福利費、私は六月の議会において、別枠計上してわかりやすくするべきだという話で、先進事例とかも示させていただいたんですけれども、私の示した先進事例とかを課長は覚えていらっしゃるか、その後、その先進事例とかを参考にされたのかどうかお伺いしたいんですけれども、どうですか。 ◎安間 施設営繕第一課長 先日伺いましたある自治体の法定福利費を別途計上するということにつきまして、私もホームページ等で調べさせていただきましたが、その件に関しては、たしかある自治体の清掃業務委託の委託業務でございました。そのほかに自治体の中で工事発注に関して、法定福利、別途計上があるかということを調べましたが、それはなかったので、清掃委託業務は、金額のうち、ほとんどが基本労務だと思うので、ある意味、その自治体は意識して法定福利費ということを明確にしたのではないかというふうに考えております。 ◆藤井まな 委員 そういった研究をなされて、今後、世田谷区としては、法定福利費、今回も僕の意思としては、別枠計上して、わかりやすくしていくべきだという意見をまたここでも言うんですけれども、今、世田谷区はどう考えていて、これからどうしていくつもりなのかお伺いいたします。 ◎安間 施設営繕第一課長 先ほど答弁が途中になってしまったのですが、公共工事の発注側の法定福利費の具体的な計上方法ですが、事業主負担分を現場管理費及び一般管理費に工事の諸経費として、また、下請事業者負担分については、工事の単価の中にそれぞれ計上しております。そのため、現状では法定福利費の計上分を把握することはできません。標準単価の基本的な構成、ベースは、都道府県を初め、各自治体が統一された規格によって構成されております。なので、世田谷区独自での法定福利費を明確にする見直しは極めて困難でございます。  ただし、国として、八月に建設工事における適正な工期設定等のためのガイドラインについてを策定し、その中で、工事の請負代金内訳書や見積書に法定福利費等を明示するなどにより、適正な代金で契約を締結することについての記載がございます。そうした動きが公共工事の発注者において求められることが今後考えられるのかどうか、その辺、今後、国や都の動きに注視してまいりたいと考えております。 ◆藤井まな 委員 別に東京都とか国がやらなくても、別枠計上をやっていいんですよ。だって、僕が示した事例、さっき課長が示した事例もそうなっているわけで、別に誰から指示されたわけじゃなく、その自治体が始めたわけですよね。だから、別にそれは世田谷区だけで単独でやるというのは難しいというのは、そういう理論は成り立たないと思うので、引き続き、他の東京都とか、国の動向はもちろんしっかり調べるとかいうのは大事ですけれども、世田谷区独自でそういった法定福利費の別枠計上をやっていただきたいと思います。  次に、公契約条例のことについても聞いていきたいんですけれども、去年もこの同じ場所で聞かせていただいたんですが、ことしの十月一日から始まる最低賃金てお幾らだか御存じですか。 ◎山田 経理課長 昨年から二十六円上がりまして、九百五十八円でございます。 ◆藤井まな 委員 これも聞かせていただいたんですけれども、深夜だと割り増しになるんですけれども、幾らになるんですか。 ◎山田 経理課長 これに一・二五倍を掛ける金額でございます。 ◆藤井まな 委員 一・二五倍を掛けて千百九十八円というところまで言ってほしかったんですけれども、何でこんな話をするかというと、公契約条例の中で、ことしも審議会が開かれていると思うんですけれども、千二十円というある程度のいい数字で今推移をしていますけれども、まだまだ今後、この最低賃金というのはどんどん上がってくるわけで、なおかつ、審議会の出している目標値としては、高卒の初任給の時間、単価割りを目指していくということを出していると思うんですね。  いきなり一足飛びにどんどんそこまで上げていくのが難しいというのは私もわかりますし、区の予算もわかるんですけれども、これだけ、ここ最近、本当に最低賃金の価格って勢いが結構上がっていると思うんですね。もうあっという間に九百五十円を超えちゃって、千円も間近だと思うんですけれども、やっぱりその千二十円というままでは、今後あってはならないですし、今こうやって二十六円も最低賃金が上がっている中で、今後の報酬労働下限額、審議会の意見も含めて、世田谷区は今現時点ではどう考えているのか、そして、高卒初任給の時間割りというものに対して目指していく意思というのはあるのかどうかお伺いをします。 ◎山田 経理課長 労働報酬下限額の労働報酬専門部会のほうでは、やはり目標値としまして、今、委員お話しのように、高卒初任給の時間換算した金額ということで千百十三円が目標ということはおっしゃっておりました。ただ、今のところ、ここで労働報酬専門部会では結論が出たんですけれども、今後、十月に適正化委員会のほうが開かれますので、そちらのほうで正式に金額というのが決まってくるものですから、今の段階での区の意思というのはまだないという状況でございます。 ◆藤井まな 委員 この専門部会の千百十三円というのは、そのまま審議会の意見になってくると思うので、そこまで一足飛びに上げられないことはわかっていますけれども、常に金額が上がっているということは理解してほしいですね。一番最初の審議会の意見は千七十七円か七十五円ぐらいだったと思うんですけれども、常に上がっているわけですから、そういったこともしっかり理解をしていただきたいと思います。  あと、これは四月からスタートしたんですけれども、実効性の担保というものがしっかりできているのかというのがやっぱり大変重要になってくるんですけれども、ここのところにおいて、実効性の担保が四月以降、確実になされていると区は考えていらっしゃいますか。 ◎山田 経理課長 あくまでもその実効性の担保ということになりますと、今私どもで行っているのがチェックシートでございますので、自己申告ということになりますので、実効性の確保ということになると、それはどうやったらいいのかということを今後検討していかなくてはいけないなというふうには考えています。 ◆藤井まな 委員 公契約条例の問題は大事な問題なので、今後もしっかり議会で取り上げていきたいと思います。  もう時間がなくなっちゃったんですけれども、災害の問題について一つだけお伺いをしたいと思います。災害が起こったときに、その場に外国人の方もたくさんいらっしゃるということが想定をされます。新しく避難所運営マニュアルとかを見ていても、外国人の対応は外国の言葉をしゃべられる方ができる限り対応するというふうに書かれていたりとか、それもいない場合もあったりしますし、やっぱり外国人のためにさまざまな部分で多言語化というものを進めていかなければいけないと思うんですけれども、災害対策という部分に関して、外国人の方たちに対しての避難、多言語化という部分に関して、簡単にお答えをしていただければなと思うんですけれども。 ◎荒 災害対策課長 近年、区における在住外国人の数は増加しておりまして、また二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックも控え、今後も増加が見込まれます。災害時における外国人への情報提供につきましては非常に重要と認識しているところです。これまで区では、災害時区民行動マニュアル(マップ版)の多言語化や地域での外国人向け防災教室などに取り組んでまいりました。  今後も指定避難所や一時集合所の表示の多言語化や避難所でのスムーズな外国人の受け入れのための専用シートを用いるなど、避難所運営マニュアル(標準版)の修正も含め、外国人にも配慮した災害対策を進めてまいります。 ◆藤井まな 委員 言語というものがすごく大切で、もちろん英語というのは当然すぐに考えると思いますけれども、英語以外にもフランス語というものもあるでしょうけれども、日本には特にアジアの方が大変に多くいらしている現状があると思うんですね。アジアの方といっても、中国の方と台湾の方で中国語というだけでも繁体字と簡体字というのがあって、台東区のほうでは、もちろん日本語、英語、それ以外にも、中国の方が多いので、中国語という中でも繁体字、簡体字、あとは韓国語みたいなものを入れたりして対応しているそうです。ぜひとも他の地域の多言語化、特に観光で多く外国人を入れているところであればあるほど、その多言語化というところにすごい力を入れて、観光の部分に力を入れて書いてあるんですね。でも、やっぱりどこにでも、これからオリンピックがあって、外国の方がいらっしゃって、アジアの方も多くいらっしゃると思いますので、やっぱりこの多言語化というもの、英語だけでは足りないと思いますし、さまざまな多言語化ということをしっかりと研究していただきたいと思います。  あと一分で何が質問できるのかわからないんですが、決算書を見ていて、目標に達していない災害対策の部分も見られて、防火水槽のところが本当は五つを目標にしていたのが二つだったりとか、災害対策って予算を執行していくのってすごく難しいとは思うんですけれども、やっぱり――点滅しちゃいましたね。ある程度難しい面はあると思うんですけれども、できる限り決算において達成できない部分て、もう多分課長は御存じだと思うので、来年はこの防災、防火水槽を初め、達成できていない部分をしっかりと、決算を見たときに達成できているように、全てが一〇〇%になっているように取り組んでいただきたいということを意見として申し述べまして、質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で世田谷民進党・社民党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時五十三分休憩    ──────────────────     午後零時四十六分開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆村田義則 委員 それでは、日本共産党の企画総務領域の質問を行います。  私からは、先ほどの中村委員に引き続きまして、談合情報とその対応について伺いたいと思います。  まず、最初に確認をしておきたいんですが、この公共工事の入札における談合問題について、区の基本的立場についてはっきりとお答えをまずいただきたいと思います。 ◎山田 経理課長 談合はあってはならないことだと考えております。 ◆村田義則 委員 あってはならないんですが、なぜあってはならないかというところをよく掘り下げて議論をこれからしていきたいと思います。  先ほど中村委員からの話がありましたので、前半戦は少し割愛をしまして、今年度、これまでの公共工事の契約案件で、匿名の談合情報が二件寄せられました。案件としては四つになるかと思います。その中で、具体的な落札事業者名の予告があったわけです。結果として、その予告は全て的中をしたと、こういう結果になっているわけです。世田谷区は、談合情報取扱要綱に沿って、それぞれについて対応したということだと思いますが、第二に伺いたいことは、この二件――一件でもいいんですが――の談合情報の信憑性について、現時点で区はどう評価しているのかということについて伺いたいんです。  三択でお願いしたいんです。第一、たまたま四件全て当たったと、的中したと。第二、情報のとおり談合は行われていたという判断なのか。第三、事実は確認できないが、談合が行われていた疑いが濃厚だと。この三つでどれか、それ以外にあったら、それ以外でもお答えいただいて結構ですが、どれですか。 ◎山田 経理課長 極めて三に近いとは思いますけれども、ただ、断定はできないというふうに考えています。 ◆村田義則 委員 部長はどう。 ◎菊池 財務部長 私も三だと思っております。 ◆村田義則 委員 そうですよね。私も談合情報の信憑性は高いものだと、談合の疑いは本当に強い案件だったというふうに判断せざるを得ないと思うんですね。だからこそ、世田谷区はこれに対して何とかしなくちゃいけないというふうに思って、各方面から意見も聞いて、新しい措置も出したということだと思うんです。その前提に立って、じゃ、これからどうしたらいいのかということについて、一緒に議論しながら考えていきたいというふうに思っているわけです。  まずお答えいただきたいのは、その談合情報があった場合に、世田谷区は談合情報取扱要綱というのがありますよね。これに沿って一つ一つの事案について進めてきたと思います。こちらでいいますけれども、まず第一に、調査の必要があるかどうか判断する。これについては、調査の必要があると判断して、調査を行ったと。二つ目に、公正取引委員会に連絡すると。第三に、入札参加者から事情聴取を行う。第四に、その事情聴取の結果を受けて、入札執行の是非について、入札参加者等選定委員会に付議すると。第五に、付議された案件について、選定委員会は審議をすると、要綱ではしなければならないと書いてあります。そして、問題がなければ、入札参加者から誓約書を徴取した上で、入札を執行する。また、もしそこで問題があるということならば、委員会が執行すべきでないと判断したときは入札を取りやめる、あるいは延期するという判断になる。最後に、処理結果を区長に報告するというのが要綱で、談合情報があったときに区がやるべきルールとして定められております。
     この経過について、二つあるんですが、最初のほうの談合情報でいいですが、具体的にとった措置について説明をお願いします。 ◎山田 経理課長 それでは、最初の件につきましては、五月八日月曜日に経理課のほうに世田谷をよくしたい者と名乗る匿名の投書がございました。このため、今おっしゃっていただいた談合情報取扱要綱に従って調査を行うということにいたしまして、翌九日に参加予定の建設共同企業体の五名から事情聴取を行いました。これは当然というか、やっていないということでしたので、お話も伺ったんですけれども、談合を疑わせる内容はございませんでした。事情聴取が行われましたので、この後起案の回付によって入札参加者等選定委員会を開催しまして、入札を執行することが決定されました。翌十日に、それぞれの建設共同企業体から誓約書をいただきました。それから、この結果は、翌十一日木曜日には公正取引委員会に通知をいたしました。  それから、十二日に梅ヶ丘の拠点整備事業の開札がございまして、情報どおりの建設共同企業体が落札になりました。  それから、明けて五月十六日の火曜日に、今度は希望丘の複合施設の電気設備工事の開札がございまして、これもやはり情報どおりの建設共同企業体が落札者になるということで、これは二件まとめて五月十八日に公正取引委員会に報告をしたものでございます。 ◆村田義則 委員 そこで、その議論の前提で、今私が言った入札参加等選定委員会というのは、どういうメンバーで、どういう委員会なんですか。 ◎山田 経理課長 メンバーといたしましては、両副区長と政策経営部長、総務部長、それから教育次長とあと世田谷総合支所長でございます。 ◆村田義則 委員 最終的にそこの委員会、入札参加者等選定委員会が問題がないからこのまま入札を行おうということになったということなんですけれども、その審議の内容というのはどんな様子だったんでしょうか。 ◎山田 経理課長 メンバーは非常にお忙しい方ばかりなので、なかなか日程がとれなかったものですから、私のほうで全ての方のところに行って御説明をして、それで内容が事情聴取を行っていると、それでないということなので、入札は予定どおり執行しようということになったというふうに記憶しております。 ◆村田義則 委員 ですから、付議はしたけれども、実際の会議はやられなかったということなんですよね。二件ともそうです。その前にやった平成二十一年の談合のときも調べましたが、このときも結局実質的な審議はなかったということなんです。それで稟議というんですか、起案書で、それを回してそれぞれ判こをついてもらったと。  その稟議の回した起案書をここに、今年度の前半分と後半分があります。その中で、談合情報に関する事情聴取についてというのがあります。A社、B社、C社、五社あるわけですが、事情聴取に対する報告の内容ですけれども、例えばいついつどこで誰が聴取をしたかということがあるんですが、そしてその相手が何と言ったかということですが、例えば最初の件のA社、梅ヶ丘のほうです。そういった事実は一切ないというものが一言書いてあるだけです。次に、B社の事情聴取の結論、とんでもない、そのような事実は一切ないと言ったと書いてある。C社、うちはない、過去の入札結果を見ていただければ明らかである。D社、やっていない、それだけです。E社、そのようなことはない。これを稟議したわけです。それでその委員会は問題ないというふうに判断した。  それから、後半戦の部分です。玉川支所の稟議の起案書の中身です。これはA、B、C、三社です。A社、心当たりがない、そのような事実はない。B社、そのような事実は一切ない。C社、そのような事実は一切ない。これが証拠となって、委員会で審議をするはずなのが審議せずに、これがずっと持ち回りで回って判こをついてやりましょうということで、問題なしで入札になったというのが事実を確認してみたところ、そういうことになったわけです。  実際、例えば最初の梅ヶ丘のほうで、事情聴取に対して区はどんな質問をしたんですか。 ◎山田 経理課長 まず、それぞれの会社に来ていただくときに、一切理由については申し上げずに、来てくださいということでお願いしまして、その場で、私のほうから、そういった文書が届いたんだけれども、どうなんですかということでお話を伺っております。 ◆村田義則 委員 質問したのは課長ですよね。御本人ですよね。 ◎山田 経理課長 質問したのは私でございます。 ◆村田義則 委員 ここにもう一つ、世田谷区に送られてきた談合情報の文書がございます。ちょっと紹介します。突然の投書で大変失礼します。区で現在公告しています世田谷区梅ヶ丘拠点整備事業に係る開発工事及び(仮称)区複合棟新築電気設備工事ほか…は、談合で落札業者が決まっています。梅ヶ丘拠点整備JVは旭日JV、希望丘複合施設は旭電業JVですと、こういうふうに始まりまして、その知っていることがいろいろ書かれています。その中で、例えば旭電業は、以前は世田谷電設工業会に加盟していましたが、受注する順番でもめ、脱会したようです。他にも数社同様のもめごとで退会したようです。今回は、旭電業が抵抗勢力にならないよう、一件受注させることで話がついたようですというふうに書いてあるんです。  これは事実かどうか確認しましたか。つまり、例えばその旭電業がやめたかどうかとかというのは、この事情聴取の中で。 ◎山田 経理課長 事情聴取の中では確認をしておりません。 ◆村田義則 委員 だって、これは事実かどうかを確認すれば、その背景といいますか、この談合情報がどこまで事実なのかという一端でもわかると思うんですが、私はこういうことを聞くべきじゃないかと思うんですが、そうすると、事情聴取で、結局、あなたはやりましたかということを聞いただけなんですか。 ◎山田 経理課長 ここに書いてあることは確かに一言というか、短い文章なんですけれども、ただ、何回かやりとりはさせていただいて、そこはこの文章の中には書いていないということでございます。 ◆村田義則 委員 それと、この方は大変優しい方で、どうやったらその談合情報を見きわめられるかということで、よく内容も知っておられる方なんだろうと思いますけれども、こういうことを調べてみたらという提案までしてくれているわけです。読みます。談合しているかどうか見きわめるには、入札後、すぐに入札参加全業者より積算内訳書、外注品の見積書のコピーを提出させると、自社で積算したか、談合により落札した会社から入れ札の連絡をもらい、積算せずに入札を行ったか判断することができますと、内容を精査すれば、自社手配か他社からもらったか、そのコピーの判断もできるでしょうと、ぜひこういうのをやってみたらどうですかという提案までしてくれているんですね。これはやりましたか。 ◎山田 経理課長 追加の資料の請求は行っておりません。 ◆村田義則 委員 それで、私は今回の経過をいろいろ聞いてみて、本当に事実を明らかにしようというふうに思ったのかどうか、先ほども中村委員も言っていたけれども、疑わしいと思わざるを得ないんです。本当に事情聴取も不十分というか、もっと率直に言えば、アリバイ的にやっただけじゃないかと思わざるを得ないし、委員会での審議も全く行われていない。やろうと思えばできる調査もやっていないと。この談合情報の方は、最後にこう言っています。区民の税金でよい設備を安価で建設していただきたいと切に願うものですというふうに書いてあるわけです。私は、本当に区民のこういう情報を、気持ちを裏切る対応だったんじゃないかと言わざるを得ないと思って、こういう対応はぜひ今後改める必要があるということをまず申し上げたいと思います。  次に、入札監視委員会が行われました。今回の談合二件があったことについて、区長の要請で談合抑止力の強化に向けた取り組みについて、委員会での審議をということで急遽委員会が開かれたと。これは企画総務委員会でも委員からやるべきだという意見も出て、そういう中で開かれたんだろうと思います。その入札監視委員会の提言が出されておりますが、どんな提言だったのか御説明ください。 ◎山田 経理課長 一つが、指名停止基準を見直して、法律的に言われている最大の指名停止期間を三十六カ月とすべきであるということと、それから入札談合等の不正行為に起因する賠償金の金額を現行より引き上げ、より厳格にすべきであるということ、それから入札時に事業者から積算状況がわかる資料の追加提出を求めるなど、積算金額が確認できる体制の強化を検討すべきであるということ、それから談合情報の取り扱いについて、受け取った場合の処理手順などをより明確化するための見直しを検討すべきであると、この四点でございます。 ◆村田義則 委員 それで、この入札監視委員会の議事録も読ませていただきました。委員会の中では、私が今読み上げた情報提供者の、例えば積算状況がわかる資料についても、ちゃんと今後、チェックするようにしたらどうだという議論もあって、それで、今の四つの提言のうちの第三に、積算状況がわかる資料の追加提出を求めるなど、積算金額が確認できる体制の強化を検討すべきであると、こういう提案をしています。一と二はもう既にやりました。この三については、今後、きちっとやるべきだと思いますが、どうですか。 ◎山田 経理課長 先ほどの追加提出をしなかったということの一つの理由は、やはりそれぞれの共同企業体、会社のほうから社判も押してある誓約書をいただいているということもあって、その上で追加資料というのはなかなか厳しいものがありまして、ですから、そこら辺をもしやるのであれば、やはり例えば談合情報取扱要綱とか、そういったところにも規定した上でないと、ちょっとそういったことがしにくいのかなというふうに思っておりまして、そういったことも含めて検討していくというふうに考えています。 ◆村田義則 委員 だから、監視委員会は、その要綱にこれをきちんと定めなさいよということを提案している。だから、それをやりますかと聞いているの。 ◎山田 経理課長 他自治体の例なんかも参考にはさせていただいているところなんですけれども、なかなかちょっと決定打というのは見つからないんですけれども、引き続き検討していく予定でございます。 ◆村田義則 委員 だから、私が聞いているのは一般論じゃないんです。ここで言っている積算状況がわかる資料の追加提出もできるように要綱を改めると、そういう措置をとるべきじゃないかということを聞いているんですが、どうですか。 ◎菊池 財務部長 この件につきましては、先進的な自治体として横須賀市をちょっと調べてみたんですが、ここでは一切談合が行われていないということで、その入札心得というものがありまして、その中にはっきりと談合情報についての記載がありまして、その中で、積算の内訳書を提出させる場合もあるというような明記された部分もあります。そういったものを参考にしまして、すぐにできるところから取りかかりたいと思っております。 ◆村田義則 委員 私が言っているのは、入札監視委員会が、事実上、区長の諮問に応じて、どうしたらいいですかと意見を聞いたと。それに対して、監視委員会が提言したと。そのうちの一つをちゃんとやってくださいということを言っているわけですよね。それはぜひきちっとやってください。  それと監視委員会の四つ目の提案は、談合情報の取り扱いについて、今少し話がありましたけれども、受け取った場合の処理手順などを明確化するために、その処理手順の見直しを検討すべきだと。  私もいろいろ調べてみました。横須賀は見ていなかったので、札幌市があります。ここはなかなか微に入り細にがありまして、例えば札幌市の談合情報調査要領というのが、世田谷区の要綱と同じですよね。談合があったときにどうするかと細かい手順を全部書いてあります。その中で、入札執行前に談合情報を把握した場合の対応というのがあって、事情聴取だとか、そういうのは当然あるんですが、その先でなかなかなるほどなと思ったのは、談合の事実があったと認められる証拠を得た場合の対応と、これははっきりしているわけです。三つ目に、談合の事実があったと認められない場合の対応で二つあるんです。一つは、事情聴取の結果、事実があったと認められない場合には、全ての参加者から誓約書を提出すると。もう一つは、事情聴取の結果、談合の事実があったと認められないが、談合の疑いを払拭できない場合には、次の方法を基本として入札を執行するという規定なんだと。  そして、具体的中身は、例えば当初の入札が一般競争入札の場合は、一度入札を取りやめ、そして入札参加資格要件の見直しを行って、新しい事業者を募ってもう一回入札すると。それから、例えば指名競争入札の場合、これは入札を取りやめ、新たに一般競争入札に変えるとか、公募型指名競争入札に変えるだとか、いずれにしても、同じところで同じことを二度やってもだめだから、条件を変えて入札をやり直すと、こういうような規定がこの中に盛り込まれています。  先ほど皆さんも言っていたわけで、談合の情報が極めて濃厚だと思うような案件については、こういうことを要綱できちっと定めてやるべきだということなんですが、私はいろいろ調べていたら、これはいいなと思って、さらにいいのがありました。北海道の談合情報対応手順というもの、これは実は入札監視委員会で委員さんが御紹介している中身です。それを読ませていただくと、こういうのがあるんです。談合情報どおりの者が落札者となった場合はどうするか。つまり今回の世田谷と同じですよ。落札してみたら、情報どおりの人が落札しちゃったと。この場合、どうしたらいいかという項目がその対応のルールの中に入っているわけです。そのときはこういうふうにするとなっています。落札決定を保留し、資料の提出を求め、再調査を行うということなんですね。私はこれは非常にいいなと。だって、今、部長も課長も言った、落札してみたら、これは談合の疑いが極めて濃厚だなと思ったわけでしょう。思ったんだったら、例えばこういう要綱があったら、これでやればいいわけですよ。ちゃんと一回決定を保留し、再調査を行うと。それで事実を明らかにすると。私はこういう一つ一つの積み重ねをやってこそ世田谷ではこんな談合なんかはやっちゃいけないんだ、できないんだなという環境をつくることができると思います。そういう意味では、世田谷区の談合情報の取り扱い要綱、これそのものを、全国の教訓や何かを生かして抜本的に見直すということが必要だと思いますけれども、この点について見解を伺いたいと思います。 ◎山田 経理課長 大変ありがたい御提案をいただいたので、それを含めて検討してまいります。 ◆村田義則 委員 この入札監視委員会は約一時間議論されているんです。私はこれを読んで、一生懸命この問題をなくそうとして真剣な議論が行われているなと本当に思いましたよ。その中で、ある委員さんがこういう発言をしています。公正取引委員会も動きそうにないと。区の対応も限界がある。こういう議論からこう言っています。もし区民がこの事実を知ったならば、ちょっとびっくりするというか、区が動かなかった決め手は、やっていませんと言ったのでという話だけで終わってしまうというのは、感想としては何かおやっという感じがします。皆さんを前にしての発言だから、余りきついことは言っていませんけれども、おやっという感じがしますというんだけれども、私もそう思いますよ。区民がこの事実を知ったならば、何で入札は問題ないといって進めたかといったら、さっき私が読み上げましたよね。事情聴取の中でやっていませんと、そういうふうに言ったと、それだけを根拠にして問題なしということで入札を進めちゃったんだから、こんな事実を区民が知ったら、何をやっているんだということになると私は思いますよ。これは確実に見直していただきたい。  それで、宮崎副区長、来ると思っていただろうと思いますけれども、最初の案件は、板垣前副区長がこの選定委員会の責任者、二番目の案件の責任者は宮崎副区長だったわけですよ。あなたはこのやっていませんというのを読んで、判こを押したわけですよ。監視委員会の委員の方じゃないですけれども、本当にこの談合がなかったという子どもだましみたいな結論で済ますことのないように、手順の見直しを含め、区民の信頼に足る対応をしっかりとるということについて、見解と決意を伺いたいと思います。 ◎宮崎 副区長 今、所管部のほうからこの間の経過を御説明したとおりです。今、委員のほうからも委員会のほうで議論があった部分についての御提示がありましたけれども、まさに今後の案件がまた引き続き多いわけでございまして、その中では、透明化を図っていかなきゃいけないということがまず大前提だろうと思っております。その中で私たちがやれる範囲のところがどこなのかということと、先ほど、少しこれは言いわけがましいですけれども、今般のこの経過の部分については、逐一財務のほうからも報告が入っておりました。その中で、入札を含めて続行するかどうかという判断をさせていただきました。やはり区長のほうからも指示がありまして、これで二度ということでございます。そういう意味では、抜本的にその辺の見直しを含めてやったほうがいいということで指示をいただいております。先ほど他都市の例もいただいていますので、その辺のところの世田谷としてとり得る部分はどこなのかということも含めて見直しを図りたいと思っております。 ◆村田義則 委員 来年になったらまた新実施計画に基づく予算ができて、その予算に基づくまた工事の契約案件がずらっと出てくるわけですよね。そのときに同じことが起こらないように、早急な今年度中の対応もぜひすべきだということを申し述べて、私の質問を終わります。 ◆中里光夫 委員 それでは、私からは、公契約条例について、一般質問に続いて質問していきたいと思います。  世田谷区の公契約条例では、区が発注した業務のその現場で、労働環境、労働条件が守られているかどうか、これを確認するために、事業者から契約のときにチェックシートを提出してもらう。このチェックシート方式をとっているということであります。条例を読んでみますと、賃金、労働時間、社会保険の加入の有無、その他の労働条件が適正であることを確認するための帳票というふうになっています。これがチェックシートです。  具体的にどういうものかということですけれども、例えばこんなことが書かれています。就業規則を労基法の定めに基づき作成し、労働基準監督署に届け出ているとか、就業規則を従事者の全てに周知するだとか、三六協定、時間外及び休日の労働に関する協定を締結し、労働基準監督署に届け出ているとか、それから従事者の労働時間を把握し、適正に記録、管理する。また、時間外、休日、深夜における従事者の労働について、割り増し賃金を適正に支払うとか、従事者の賃金は世田谷区長が告示した労働報酬下限額以上の額に基づき支払う。従事者の賃金一時間当たりの単価の最低額及びその職種、幾ら払っているかということ。それから、従事者の社会保険について加入手続及び官公署への届け出を行っているか。従事者に係る労働者名簿、賃金台帳、出勤簿、雇用契約書、労働者災害補償に関する書類を関係法令に基づき適正に整備し、管理しているかなどなど、こういう労働法制に基づいてきちんとした実務がされているか、業務がされているかというのを確認しています。この確認は、「はい」と「いいえ」で答えるようになっています。一つでも「いいえ」があれば、法規上、あるいは条例上問題があると言えるようなものばかりであります。  せたがや文化財団で長時間労働の実態が明らかになって、そしてさきの一般質問では、指定管理者の契約における公契約条例に基づいたこのチェックシートの内容と実態にそごがあるということを認めました。どこがどう食い違っていたんでしょうか。 ◎山田 経理課長 三六協定のところ、それを締結し、労働基準監督署に届け出、この「はい」はよかったんです。その次の三六協定を含め労使協定の締結、運用は適正であると思うが「はい」となったところが事実と違っていたところでございます。 ◆中里光夫 委員 その三六協定の運用が、チェックシートでは適正な運用で「はい」ですけれども、実際は「いいえ」であるべきだったと、そこが食い違っていたということだと思いますけれども、じゃ、なぜその食い違い、そごが生まれたのか、事業者が虚偽の報告をしていたんでしょうか。 ◎山田 経理課長 せたがや文化財団からこのチェックシートの提出があったのが、年度協定書を出していただいたことしの三月三十一日だったんですけれども、その時点では出勤確認簿とそれから超過勤務命令簿というのが突合されていて、それが合っているということを確認したので、これは「はい」というふうにしていたというふうに言っておりました。 ◆中里光夫 委員 そのときには、「はい」の状態なんだというふうにその事業者の担当者は考えていて、違っていることを知らなかったと、そういうことでよろしいですか。 ◎山田 経理課長 そのとおりでございます。 ◆中里光夫 委員 実態を知らずにそうなっていたと。では、その後、そごがあるということを区として確認した後、そのチェックシートはどのような扱いになったんですか。 ◎山田 経理課長 九月八日にせたがや文化財団のほうからそごがあったということの御報告があったものですから、その時点で同日付でチェックシートを再提出いただきまして、それを「いいえ」に直していただいて、それで一連の経緯を記した報告書もいただいて、それと一緒に閲覧できるようにいたしました。 ◆中里光夫 委員 実態に合わせて「いいえ」に変えて、理由もつけさせて、それが今閲覧されていると。今後、それはどうするんでしょうか。是正されたらどうなっていくんでしょうか。 ◎山田 経理課長 正確に申し上げますと、先月二十九日、やはり改善策がまとまったということで、文化財団のほうからお話があったんです。ただ、その時点でも、改善策がまとまって、取り組んでいるんだけれども、一部で適正な運用が図られていないということでしたので、その時点でまた「いいえ」に丸をしたものをいただいて、一連の改善策をまとめたものも閲覧できるようにしているというのが今の状態です。これは今後は、適正な運用を図るように努力するということなので、適正な運用が図られた際には「はい」にしていただいて、それを閲覧する予定にしております。 ◆中里光夫 委員 このチェックシートが実態を反映したものとして更新されていくと、これは大変重要なことだというふうに思います。そして、それが常に区民が閲覧できる状況になっているということは大事だというふうに思います。  私もチェックシートを閲覧しましたけれども、たくさんある中で、ずっと見ていくと、就業規則や三六協定について未整備だと。備考欄のところに、社労士と相談して今つくっているところだとか、後で労基署に届けるはずだと、こういう記載があるものもありました。「いいえ」の理由や今後の予定なども書かれるようになっています。  今後、この文化財団の例のように、それらの事業者が努力して、その状況を改善して、「いいえ」から「はい」になると、そういう場合もあるんじゃないでしょうか。今「いいえ」になっているチェックシートというのはどのぐらいあるんでしょうか。 ◎山田 経理課長 工事案件が二百四十七件中、「いいえ」に丸がしてあるのは六者で八項目でございます。 ◆中里光夫 委員 チェックシートは工事だけじゃないと思いますけれども。 ◎山田 経理課長 ちょっと委託のほうは数が膨大なものですから、まだ数のほうは把握しておりません。 ◆中里光夫 委員 世田谷の公契約条例、これは対象が非常に広いというのが特徴で、チェックシートも五十万円以上の契約ということで、たしか年間三千件ぐらいあるということなんですが、これは世田谷の特徴として、こういうチェックを小さな事業者もたくさんあるということだと思うんです。そういうところにちゃんとチェックの目が入るということで、非常に評価をしております。  その中で、「いいえ」と書いて、今後、直していくんですという対応を書いてくるというのは、大変正直な事業者だと思うんです。そういう正直な事業者はみんな頑張って状況を変えていると思うんですけれども、それをきちんと確認して、「はい」に直して閲覧し直すというのは、やっぱり区として行っていくべきじゃないんでしょうか。いかがですか。 ◎山田 経理課長 おっしゃるとおりだと思いますので、所管課と連携して取り組んでいきたいと思います。 ◆中里光夫 委員 全ての「いいえ」の案件について、しっかりとそれを所管としても把握して、それから発注した部署とも情報を共有しながら、しっかり是正を進めていく。そのことが、労働条件の改善や公共工事、公共サービスの質の向上につながっていくんじゃないかというふうに思います。  ぜひ進めていきたい。そのためにも、閲覧の仕方ですけれども、今全部一緒くたにファイルになっていますけれども、この「いいえ」がある案件を別にするだとか、所管も把握しやすいし、区民もわかりやすい、そういう対応をとるべきだと思いますが、いかがですか。 ◎山田 経理課長 実際に取り扱っている職員とよく話し合って検討していきたいと思います。 ◆中里光夫 委員 さらに、再三の指導があっても従わない、そういう場合には厳しい対応もとるということも条例制定時に言っています。ぜひそうした対応で公契約条例がしっかりと実効性があるものにするよう、今後も努力していただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、無所属・世田谷行革一一〇番、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 まず庁舎問題について、ようやくここまで来ました。うちの会派としても、災害対策機能の拠点として、一刻も早くつくり変えなくちゃいけないということでありまして、基本設計に入られると思うんですけれども、一刻も早く基本設計に入られて、基本設計に入った段階でもかなり難易度の高いものが求められているので、設計段階でもいろいろ問題が出てくると思いますので、またそのときに重点的に指摘をさせていただきたいと思います。  さて、そこできょうは、一般質問に続きまして、災害時における遺体の管理ということの続きをいたします。  一般質問において、不幸にも大庭正明議員が犠牲者になってしまって、それをどうするかというところから話をしました。それで、まず最初に、区の最大の死者数というのが六百五十五人となっていて、そこの遺体収容所というのは、十三カ所の地区会館ということで、そこに集められるということになっているんですけれども、そもそも遺体袋というのは、どこにどれほど用意を現在されているのか。 ◎荒 災害対策課長 各地域の土木管理事務所に百袋ずつ、それから道路管理課のほうに五十保管してあります。 ◆大庭正明 委員 五地域の土木管理事務所に百ずつですから五百、それから道路管理課に五十ですから五十、合わせて五百五十ということで、聞くところによると、世田谷の四警察署では千ぐらいの遺体袋というのが常時あるそうですから、六百五十五というものが集中的にどこかで発生しても一応足りるということになると思います。  それで、きょうその遺体袋というのを持ってきましたので、ちょっとお見せしたいんですけれども、遺体袋というのは二層になっています。一つは、この透明のこういう形の袋に遺体をまず入れます。広げませんけれども、その次に、外を覆う袋としてこういう中身が見えない形の袋になっています。これを運ぶときに僕は担架が必要じゃないかと思ったんですけれども、実はこの袋の袖のところに四カ所、こういう握り手がついていまして、この握り手を持って、四人でこれを搬送するということになっております。  主にこれは土木課の職員がやるだろうということになると思うんですけれども、実は東日本大震災のところの状況を克明に書いたルポルタージュが、石井光太さんが書いた「遺体」という本がありまして、この本によると、運ぶというのがいかに大変なことか、いかにつらいことか、要するに、きれいな形での遺体というのは、津波の場合ですから、比較的あったんですけれども、通常の地震の火災とか災害の場合というのは、それほどきれいな遺体という場合ではないわけです。やっている土木課の職員が、これにも書いてあるんですけれども、つらいと、毎日やっているのはつらいといって、やっぱり所管がえを願うんです。それで、じゃ、もう三日ぐらいたった段階から、全員がつらいと言い出したので、ほかのセクションの人間がかわりばんこに一日ずつやろうという形にしたそうです。そうしたら、とんでもないことが起きた。要するに、最初からやっている人というのは、遺体が変化していく状況というのを毎日見ているわけです。一日たつとこうなる、二日たつとこうなる、三日たつとこうなると。でも、かわりばんこで来た人は、いきなり三日目の状態の遺体を収容するということで、もうひどいショックを受けるということがここに記載されているんです。  いかに遺体収容を早くしなければいけないかということがいろいろ書いてあるんですけれども、これは担当課長、所管の課長、荒さんにも読んでいただいたんですけれども、この感想をちょっとどうですか。想像していたことと、被害想定、また地域防災計画のことと考え合わせて、どう思いましたか。簡単にね。 ◎荒 災害対策課長 私も、委員に紹介いただいて、この本を読ませていただきました。想像はしているんですけれども、やはりこの関係者の方たちがこの本の中で語っているところ、これは本当に自分たちの思いや経験を語っているところが書かれていたんですね。やはり今、委員おっしゃったように、職員だからという責任ではやりますけれども、なかなか本気で向き合っていくのは難しいのかなと。ここの地域においては、結果として一人の職員だけが最初から最後までやっていて、ほかの方はかわっていたと。そのあたりの現実というのは真摯に受けとめて、今後の防災計画に反映していかなきゃいけないかなと思いました。 ◆大庭正明 委員 僕はこの本を読んで、初めてわかったことというのがあって、一体こういう最初の災害で被害者が出た場合、またその遺体というものを収容する場所において何が必要なのかって、これは読んで初めてわかったというか、考えればわかることなんですけれども、ドライアイスが足りないんです。圧倒的にドライアイスが足りない。遺体の保存のためには、真冬、もちろん三月十一日以降に発生した釜石での出来事が記載されているんですけれども、ドライアイスがないと、あの釜石、三月でもやはり変化をどんどんしていくということなわけです。  ドライアイスの手配、釜石の三月ごろの気候に起きるとは限りませんし、真冬の寒いときに起きるとも限りませんし、また地区会館の収容所のクーラーがきいたとしても、せいぜい十度ぐらいか十五度ぐらいにするのが精いっぱいだと思うんですけれども、ドライアイスの手配というのは、地域防災計画ではどのような位置づけにされていますか。 ◎荒 災害対策課長 区は、協定を締結しています一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会にドライアイス、それからひつぎの要請をいたします。また、東京都も同様に関係機関と協定を締結しておりますので、そこに要請して回していただくような形で考えております。 ◆大庭正明 委員 この要請というので、一言要請するということで終わっているんですよ。しかし、その要請をされているところが、全日本冠婚葬祭互助協会というところなんですけれども、世田谷の場合は、そこの中の一社しか割り当てがなくて、メモリード東京という一社なんです。そこだけに任せておいて本当に大丈夫なのかなという気はするんです。区内のいわゆる葬儀屋さんというのは、電話帳で調べてみると大体四十社ぐらいあるわけです。それは零細のものもあったり、大きな組織のところもあるかもしれませんけれども、そのあたりはもうちょっと詰めていかないといけないんじゃないですか。本当にそれはできるのかどうか、少なくとも六百五十五に対するドライアイスはどれぐらい必要なのかということは計算しているんですか。 ◎荒 災害対策課長 おおむね一遺体に対して一日五キログラムほどのドライアイスが必要だと考えられていますが、冬と夏でそれぞれの計算はしておりません。 ◆大庭正明 委員 悪く言うわけじゃありませんけれども、地域防災計画では、この辺のことを詳細は全然詰めていなかったんですよ。例えばドライアイスの量がどれぐらい、六百五十五に対して一日五キロ、ただ、これは五キロというのは多分冬を想定しているわけですよ。真夏だったら、当然五キロで足りるわけがない。そうした場合、大体のドライアイスの割り当ての量というのは、時期によって想定がつくわけですよ。その辺もやっぱり詰められていないということだと僕は思います。  あと地区会館に、さっき言った黒い遺体袋のままで置かれて、それで検視、検案が行われるわけですけれども、その後、そのままにしておくんですか。ひつぎというのは用意できるんでしょうか。 ◎荒 災害対策課長 亡くなった方につきましては、まず警察と医師のほうで検視と検案を行います。それが終了するまでは遺体袋に入れて安置する形になりますが、その後につきましては、ひつぎが届けば、それに入れて安置するような形で考えております。 ◆大庭正明 委員 多分検視、検案というのは、最初の七十二時間という三日間は救助、救出ということに全力を傾けるわけで、多分警察、また監察医務院のほうも人手をなかなか出してくれないだろうと思うので、想定からすると、検視、検案というのは三日目以降、または初日からあるということはあり得ませんから、少なくとも三日目ぐらいから始まるのじゃないかと思うんです。世田谷の四署の警察署では、とりあえずそのチームは人員は整っているということだったんですけれども、それも七十二時間たってからじゃないかと僕は推察するんですけれども、その間、やっぱり大丈夫ですか。どう見ていますか。七十二時間ぐらいはかかると思っていますか。 ◎荒 災害対策課長 最初の発災から三日間、いわゆる七十二時間につきましては、基本的に救命、救助を優先していく形になると思います。その間に、遺体収容所のほうを開設準備等を始めますが、基本的に検視、検案を実際に始めるのは三日後以降だと考えております。 ◆大庭正明 委員 ですから、最低でも初日に収容された方でも、現場に発見されないでいる遺体も、七十二時間はかかると。そのまま、もしくは遺体収容所に来ればドライアイス等で冷やすことはできるけれども、それ以外、まだ未発見の、二日目に発見されるものはそれだけおくれる。三日目以降に発見されるのは、さらにその状態がどんどん変化していくということが予想されるんですけれども、私が言いたいのは、またそこから先の話です。それだけでもドライアイスの手当ての部分、それからひつぎをどれだけ用意できるか。ひつぎがないまま、また火葬するということもなかなか難しいだろうと思うし、火葬許可が出たとしても、どうやって運べばいいのかという問題が出てくると思うんです。  震度六弱以上になると、交通規制がかかりますね。どんな規制がかかりますか。 ◎荒 災害対策課長 まず発災後、一次的な交通規制ということで、基本的に災害救助活動にかかわる車、例えば警察、消防、それから自衛隊、それらの車しか環七より内側に入ることができなくなります。その後、状況によりまして、警察のほうで判断しますと、第二次規制になりまして、そのときには応急・復旧活動に使用するような車両も通れるようになると。遺体を運ぶとすれば、そのタイミングで運び出せるんじゃないかと考えております。 ◆大庭正明 委員 ここに掲げているのが、いわゆる交通規制で環七の内側からは外に出ることは可能だと、だけれども、環七の内側に入るには規制が入って、環七の内側には入れないと。環七の内側には特別の許可のあった救出とか、もしくは特別な許可がないと、一次規制の場合は入れないということですよね。それで、二次規制になったら、いわゆる遺体の搬送もできるかもしれないということなんですよね。  環七の内側に入れないということが何を意味するかということなんです。実は二十三区内のほとんど、戸田の火葬場以外は全部環七の内側に火葬場があるということなんですね、二十三区の中では。こうなってくると、要するに、例えば少なくても、震災初日には既にもう病死されている方で火葬が予約されている人が、例えば一週間分とか、十日分というのがあるわけです。しかし、環七の外側からはこの火葬場には入れませんので、事実上の火葬ができていないわけです。環七の内側にいる人も一次規制の段階では、遺体をどこに置いてあるのかわかりませんけれども、遺体を移動することはできません。ですから、この火葬場の被災状況もわかりませんし、どれほどの被害があって、どれほどの処理ができるのかというのも、これは想像の範囲でしかないわけですけれども、少なくとも交通規制というものがあって、環七の内側に戸田火葬場以外は全部使えないということなんですけれども、このことに関してはどういうふうに考えていますか。遺体の処理というか、管理の最終の火葬の部分ですけれども。 ◎荒 災害対策課長 一次規制のもとにおきましては、遺体の搬送車については対象外というのを警察のほうで確認しております。ですので、その一次規制の間は、環七の中に遺体を乗せている車については進入はできません。 ◆大庭正明 委員 環七の外側の、世田谷区は三分の二ぐらいがほとんど火葬場は使えないということになりますよね、そこでの問題は。 ◎荒 災害対策課長 環七の内側……。 ◆大庭正明 委員 外側。外側からは火葬場は使えないんでしょう、一次規制。 ◎荒 災害対策課長 中には入れないということです。その間は運ぶことができないので、結果として火葬はできない。
    ◆大庭正明 委員 そうです。だから、僕が言っているのは、要するにこの一次規制というのが七十二時間ぐらいは続くだろうと、三日間ぐらいは続くだろうと。ひょっとすると、四日間か五日間か、それは災害の程度、またはその環七の内側の状況によってどう解除されるかというのがわからない。ですから、それはもうなってみないとわからないから、想像の範囲でしか言えませんけれども、少なくとも先ほど言ったドライアイス、ひつぎ、こういうものの手当てをしっかりしていなくちゃいけないわけなんですけれども、実際、今ドライアイスというのは、国内では生産が追いつかない。今の平時の状況でかなりドライアイスの需要というのが高くて、外国から輸入しないとドライアイスの供給が間に合わないというような状態ではあるわけです。ですから、そういう意味で、ドライアイス、この本にも本当に終始ドライアイスが足りなくて、土葬をしてしまうというような話というのも出てきます。  そこで、全体として、この辺の部分について、遺体の搬送から、遺体の地区会館への持っていき方、そこから三日間ぐらいかかって、やっと初めて遺体の検視、検案が行われて、それから引き渡しが行われる。引き渡しが行われても、交通事情によっては規制がかかって、火葬場までたどり着けないような状況が何日間か続くと。その間にもその遺体の変化というのがどんどん伴うということを考えると、遺体の最後の弔い方というのが、極限的にはやっぱり人間の尊厳の問題、人間としての振る舞いの尊厳の問題にもかかわってくると思うので、ここの部分をやっぱり丁寧にやらないと、一般質問から申し上げているとおり、要するに復旧復興の一番手前の、多分これは最初の三週間とか、四週間ぐらいの出来事になると思うんですけれども、そこの部分で非常にデリケートな問題だと僕は思うんですけれども、この辺のところについて、やっぱり光が今まで当てられていなかったということを今回痛切に感じまして、一般質問として取り上げているんです。  これは交通規制のほうは、例えば東京都がやるとか、棺桶だとか、ドライアイスのほうも業者を通じて、業者を通じてということは東京都を通じてやる。つまり区が直接情報を得るところもあれば、または東京都を通じなければ情報を得られない場合があって、これはごたごたになっていると思うんですけれども、その辺、総合的に副区長、どう思われますか。この計画の中で、やはりこの部分というのは、かなり未然の部分というのが多いんですよ。 ◎宮崎 副区長 今回、一般質問の段階からお聞かせ願いまして、改めて、先ほど御紹介があった本、これについてもちょっと目を通してみたいと思いますけれども、今までやはり御指摘のありましたように、なかなかそこまでこの計画の中で盛り込まれていないというのが今の実態だと思います。特に具体的にはドライアイスということの御指摘もいただきましたけれども、それ以上に職員の体制を含めて考えた場合でも、先ほどちょっと御紹介がありましたように、今、荒のほうからも感想を述べましたけれども、それが実態なんだろうと思います。そこの部分までもやはり含んだ形にしないと、今回災害が起きたときの想定でこの防災計画をつくっていますけれども、よりリアルにしていかないと、いよいよやはり迫ってきている時期もありますので、その辺のところについては進化させていかなきゃいけないと、このように考えております。 ◆大庭正明 委員 それから、やっぱり火葬場が環七の内側にほとんどあるというその東京都の都市構造というのが改めて、東京都ってこういう形で東京都をつくっているんだなというふうなことを考えると、くしくも何で環七の内側だけを規制するのかというところの意味も、何で環七の内側だけに火葬場があるのかという問題も含めて、やっぱり都市設計の中でいろいろ考えさせるところが僕はあると思うんです。環七の内側だけに火葬場があっていいのかという問題もあるわけです。環七の内側だけシャットアウトして、そこだけよければいいみたいな形になって、環七の外側はもう置いてきぼりみたいな形で、待たなくちゃいけない、待たされる。  恐らく火葬場がもしあいたとしても、東京都の指示で、例えばこの場所に行くと、あなたは町屋に行ってください、あなたは四ツ木に行ってくださいとかって、多分その辺の指示が東京都から来ると思うんです。多分災害は災害ですから、恐らく遺体とまたその近親者の人一人ぐらい、家族一人ぐらいを限定でそこに行って、とりあえず火葬してくださいという形になると思うんです。その辺の時々刻々の説明というものの体制が、僕は遺族に対してどういう形でされるのかということも問うたんですよ。やっぱりその辺についてもよくできていない。地区会館にいる職員はネームプレートをちゃんとつけて、ネームプレートとか、役割、私はこの係ですとか、このことについてはと、窓口だけじゃなくて、窓口で座っているだけじゃないと思うんですよ。多分いろいろ入ったり、出たりして、遺族の方はいろいろ聞くんだろうと思うんですけれども、その辺の工夫について一考されるべきだと思いますが、いかがですか。 ◎荒 災害対策課長 地域防災計画等、マニュアル的にはそういう係の配置等については記載しているところなんですが、じゃ、実際にどの職員がついて、どのような御案内をして、どのように遺族の方に対して接するかとか、そのあたりは今後、具体的な内容を詰めていきたいと思っております。 ◆大庭正明 委員 とにかくハードの建物は今これからどんどん整備していくということですけれども、今度は、実際に起きたときに、職員がどういう働きをするのか。それから、被害者に関連する人たちに対して、情報が速やかに、やっぱり電車でもとまっていると不安なんですよね。でも、これこれこれで十分ぐらいとまっていますとか、こういうことが起きていますと説明すれば、その人たちもわかる。でも、災害において一番悲劇的な状況にある遺族の方々に対して、やっぱり適切、随時情報が行くという形にして、何かわからないと、待たされっ放しでどうなっているんだと、あれはこうなっているんだ、こうなっているんだという状況にならないようなスムーズな情報体制をまずつくっていただきたい。とにかく六百五十五人が亡くなるという想定のもので、しっかりした計画、六百五十五人とは限りませんけれども、桁が違ったりすることは十分あり得ますけれども、それを一応要望して、私の質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、せたがや希望の会、どうぞ。 ◆佐藤美樹 委員 せたがや希望の会の企画総務領域の質疑を始めます。  きのう人口減少社会ならぬ世田谷の人口増加という情勢の中で、公共施設をどう維持していくか。特に学校施設というのはその人口増加というのがそのままダイレクトに反映されやすい施設ですし、官と民の役割と考えても、民設民営化というようなことが絶対にできない、区はしっかりとやっていかなければいけないという性質から考えても、学校施設のための財源確保というのをしっかりやっていっていただきたいということで、その辺を聞いてきたわけなんです。  その続きで、今回学校施設の財源のところで、きょうは基金の話を伺うのですが、まず、そもそも学校施設の改築、一校ぐらい改築すると三十から三十五億円、四十億円弱ぐらいかかるとして、その際に、いろいろ起債とか、国庫補助金とか、一般財源というのを使って、基金を取り崩すという場合のその基金というのは、こちらに今、決算概要にも載っているものですけれども、この義務教育施設整備基金と、この基金を取り崩すということでよろしいですか。 ◎加賀谷 財政課長 お話しのとおり、小中学校の改築につきましては義務教育施設整備基金、こちらのほうを充てていくこととしてございます。 ◆佐藤美樹 委員 そうすると、きのうのお話で、例えば起債五割、国庫補助金五割とか、基金を一割とか、そういうのを組み合わせて財源に充てていくわけですけれども、仮に三十五億円ぐらいの改築費用の一割を基金に充当するような形で考えると、今、これは二十八年度決算ベースで九十一億円があるんですが、もし一校当たり三・五億円ぐらい基金を取り崩すとすると、二十五校分ぐらいしか今積んでいないということになるので、これが果たして足りるのかどうなのか、今後の基金の見通しというのをどのように考えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。 ◎加賀谷 財政課長 昨日も全体の総事業費に対します一般財源構成をお話しさせていただいたかと思います。それのうちの一部、全体収支を見ながら、基金を一部充てていくということになろうかと思っています。それで、総合管理計画のほうでも、この先の状況をお示ししていますけれども、当面十年間のスパンについては、今段階の収入状況が続くことを前提とすれば、九十一億円の残高でおおむね賄えるかなという見通しにはあります。ただ、その後のさらに十年間、かなりそこがピークを迎えると。特にその計画の中では、六十五年改築サイクルを前提にしておりますが、そこにかなり四十数校の学校が改築時を迎えますので、その段階では、基金については、今以上の必要性が出てくるということでは、計画的な積み立てというのは行っていかなければいけないというふうに考えております。 ◆佐藤美樹 委員 きのう、その人口推計の話と人口増加という中で、学校の施設整備というところをどう、その財源というところの話と絡めて質問したわけなんですけれども、やはり改築して十年後ぐらいにまた増築してというのは、実際に今、区内で起こっているケースになりますが、そういうことはやはりなるべく避けて、改築時に人口増加分も見込んで、もちろん無駄はないようにしなきゃいけないと思いますけれども、そういうときに、その財源が確保できるように、この辺の基金の積み立てというのも、人口推計もにらみながらやっていっていただきたいと思います。  もう一つ、一般質問でも触れたんですけれども、公共施設の改修、改築の公共施設に使える基金というのは、義務教育は学校だとして、その他のもののうち、今どのぐらいあるのかお聞かせいただきたいと思います。 ◎加賀谷 財政課長 二十八年度決算、記載のとおり、百七十五億円ほどですが、今般の補正のほうで積み立てを行うことで三十二億円の積み立てで、一応二十九年度末の見込みとしては約二百十億円の残高になろうかと思っています。 ◆佐藤美樹 委員 それは庁舎等建設等基金というもので、全部は書いていないですけれども、それ以外も基金はあるので、公共施設に使える基金というのは、今の御説明だと百七十五のこれしかないということですか。 ◎加賀谷 財政課長 基本的には公共施設は、庁舎等建設等基金がメーンになろうかと思っています。 ◆佐藤美樹 委員 そうすると、先ほど学校の基金、九十一億円も、これも見据えて積むということでしたけれども、この庁舎等建設等の基金は、基本的に本庁舎等に充てられていくので、それ以外の施設整備についてはどのぐらい積み立てていくというめどをもっていらっしゃるんですか。 ◎加賀谷 財政課長 今まさに玉川総合支所、梅ヶ丘の拠点整備、それから、これから本庁舎ということで大規模な公共施設がまさに続くということで、この二百十億円、さらには全体の収支状況、繰越財源を見ながら積み立ては行っていかなくちゃいけないなというふうには思っておりますので、当面はそのサイクルはかなり大規模かなというふうに思っています。その後につきましては、どちらかというと、今の段階では、公共施設のほうにつきましては、それほど今の予定では大規模なものは見込まれていないということでありますが、全体の収支状況を見ながら、こちらについても義務教育と同様に、機会を捉えて積み立てのほうを確保していきたいというふうに思っております。 ◆佐藤美樹 委員 基金の残高を総額で見ていると、七百五十億円とか、二十八年度決算ベースでも七百八十五億円あって、世田谷の基金残高はかなり多い金額があるなというふうにも思っていますけれども、実際に使える金額ってその一部ということであれば、その目的の基金の残高が適切に積まれているかというのを常に見ながら、また、繰り返しになりますけれども、学校については人口推計をにらみながら積み増しをしていっていただきたいと思います。  阿久津委員に交代します。 ◆阿久津皇 委員 私からは、三軒茶屋における公共施設の整備についてまず伺ってまいります。  昨日の総括質疑の中でも、各会派からいろいろと御指摘がありました。私どものほうからも、今回の件については、NTTの土地の活用がありきなんではないかといった御指摘をさせていただいたりとか、あるいは私どもの小泉幹事長のほうからも、不燃化特区である地区に、帰宅困難者の滞在場所を設置するのは問題があるのではないかと、そういった御指摘もさせていただきました。そもそもあそこの場所に当初は支所をつくろうとした、その経緯について改めてお聞かせください。 ◎田中 政策企画課長 今、支所ということで御質問がありましたけれども、三軒茶屋のあの場所で、あのぐらいの規模感でということで、NTTの場所が該当したというふうに認識しております。 ◆阿久津皇 委員 支所というふうに申し上げましたけれども、当初は支所というところで、それが支所が難しくなったというところで、借り上げ施設の集約ということに変わってきたかと思うんですけれども、ことし二月に報告のあった報告書を見ますと、今回借り上げ方式ということで、借り上げ方式は、短期、中期的に行政需要や事業手法の変化があり得る事業に向いた可変的施設であって、庁舎等の基幹的な施設には向かないということでありました。支所というのは、基幹的な施設と考えますけれども、この支所をそもそも設置しようとしていたというところで、NTTさんとの土地の売却、そういったことに関する交渉というのはあったんでしょうか。 ◎田中 政策企画課長 NTTのほうと、土地そのものを売っていただく、それから土地を貸していただいて、その上に区が建物を建てるみたいな可能性についてお話をしたところ、そういったようなことは考えていないということでNTTから返事があったと認識しております。 ◆阿久津皇 委員 なので、そもそもその土地の売却にNTTさんが応じないよというところで、支所の設置というのは、もう当初から難しかったんだろうなというふうに思います。それができなくなったというところから、今回、出張所の拡張も含めて周辺の施設の集約ということに変わってきたというところが、そこの土地を活用することを前提として、それに何かしらその事業というか、役割を当てはめているのかなという印象がどうしても拭えないというところが印象としてございます。  NTTさんとはこの五月に覚書を取り交わしたということですけれども、覚書を見させていただくと、解消ということも含めて検討するということですけれども、解消となった場合、違約金等というのは発生するんでしょうか。 ◎田中 政策企画課長 今回の覚書につきましては、平成三十年三月三十一日までの間に可否を決めるということで、取り交わさせていただいております。検討に関する費用につきましては、原則おのおので負担するということ、それからNTT東日本プロパティーズというNTTの不動産部分の関連会社も参加するというような覚書でございます。今回、仮にそのNTTの敷地を使った建物を借りるという計画が成り立たなかった場合、そういった場合の違約金というのは発生しないということになっております。 ◆阿久津皇 委員 違約金も発生しないということですので、取り急ぎ必要とされるのは、太子堂出張所の狭隘化の解消というところかなと思いますので、いわゆる産業支援とか、就労支援の部分の集約というのはまた後回しにして、その出張所のまずは拡幅、そういったことを検討するですとか、あるいはキャロットタワーのテナント、あるいはあそこは今再開発、第三工区、第四工区とありますので、そういったことも含めて、コストとか、利便性なんかも含めてゼロベースで再検討することもぜひ考えていただきたいなということを意見として申し上げておきます。  続きまして、国民保護計画について伺ってまいります。  世田谷区では、武力攻撃やテロ等から区民の生命、財産を守る世田谷区国民保護計画を平成十九年三月に策定いたしました。その国民保護計画の作成の基準となる国民の保護に関する基本指針において、まず避難所に関して、いわゆる武力攻撃等があった場合に、屋外にいる方たちが避難する、そういった爆風等から身を守る、そういった意味での避難所ということですけれども、その避難所に関して、学校、公民館、体育館等の施設を指定するというふうにされています。  世田谷区がどういった施設が指定されているのかなというふうに見てみますと、小中学校、現在九十二カ所が指定されていますけれども、これが人口比にすると一施設当たり九千七百人ということで、二十三区内では数としては一番少なくなっています。これをほかの区と比較すると、一番多いところが荒川区で、人口比にして世田谷の四倍ほど施設を指定しているということです。ほかの区では、学校だけではなくて、高齢者施設であったりとか、私立の高校、大学なんかも含めて、さまざまな施設を指定しているわけですけれども、世田谷区においては、小中学校のみというところにとどまっている理由というのを、また、ほかの施設に広げることも考えていらっしゃるかお聞かせください。 ◎前島 危機管理室副参事 武力攻撃事態等において住民の避難及び避難住民の救援活動を的確かつ迅速に実施するために、国民保護法第百四十八条において、都道府県知事は住民を避難させ、また避難住民等の救援を行うため、あらかじめ政令で定める基準を満たす施設を避難施設として指定しなければならないとしております。  世田谷区におきましても、区立小中学校が避難施設として都知事により指定されております。国民保護事態に対する体制としまして、国が事態認定を行うまでは、区は必要に応じて災害対策本部を設置し、区民の安全確保のため、避難誘導等を行うこととなります。例えば弾道ミサイルが発射された場合、該当地域の住民は初動時の避難として、国が示しております建物等の中への避難、身の安全の確保をすることとなります。その後、区において状況を確認しまして、区民を危険物等から避難させる必要がある場合には、国の指示を待たずに安全確保が可能な避難場所や施設に区民を誘導し、すぐに危険が及ばない場合には、国や東京都の指示に従って、適切に区内外の避難施設へ誘導を行うことになります。  御指摘のありました国民保護事態発生時の避難施設の確保につきましては、事態の状況を把握した上で、区立小中学校を中心としまして、必要に応じて地域防災計画に準じて必要となる避難施設の確保ができるよう努めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 十一月十四日にはJアラートを鳴らす訓練というか、テストも行われるということで、北朝鮮問題が緊迫度を増す中で、屋外でJアラートが鳴るような、そういった事態が発生した場合に、少しでも堅牢な施設に避難することで被害を軽減させることができ、人命を守ることができるというふうに考えますので、そういった施設を少しでもふやすことと、あとは一般質問でも申し上げましたが、何かしら明示、サインが出ているとわかりやすいのかなと思いますので、そういったところを進めていただきたいなと思います。  また、同様に、先ほど申し上げた基本指針において、国民保護措置の重要性について、平素から学校、教育や学習の場も含め、さまざまな機会を通じて広く啓発するように努めるというふうにあります。先ほどありましたように、小中学校は、万が一有事の際の避難所にも指定されるわけですから、近隣を歩いている、通行されている方、そういった方たちを受け入れるといったことも想定されるわけですので、教育現場でそういったことの啓発をする必要があると思いますけれども、その現状についてお聞かせください。 ◎前島 危機管理室副参事 御指摘の国の基本方針では、国は地方公共団体の協力を得つつ、パンフレット等、防災に関する啓発の手段等も活用しながら、国民保護措置の重要性について、平素から教育や学習の場も含めて、さまざまな機会を通じて広く啓発に努めることとともにとしております。世田谷区の国民保護計画におきまして、区教育委員会は、児童生徒等の安全確保及び災害対応能力育成のため、区立学校において、安全教育や自他の生命を尊重する精神、ボランティア精神の養成等のための教育を行うとしております。  教育委員会におきまして、国民保護事態への対応としまして、国の通知に基づき、学校長宛てに、いざというときの避難行動等について周知をしております。また、学校では、日ごろから地震や火災の発生を想定した児童生徒の避難訓練を実施しており、国民保護事態が発生した場合には、これらの訓練を応用して、いざとなったら避難行動をとることになります。いざというときに行動できるよう、今後も引き続き、日ごろから訓練を重ねるとともに、国等からの情報を庁内で共有し、教育委員会と連携して、学校を含む区民への啓発に努めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 通常の避難訓練の応用ということですけれども、いたずらに子どもの不安をあおるというようなことは得策ではないと思いますので、少なくとも教職員の間では、しっかりと認識を共有して備えておく必要があるのかなというふうに思います。  また、そういった有事の際に、実際に被害が出たというときには、警察、消防というものもすぐに対応できるのかということは、その被害の規模に応じてわかりませんが、そういった際に、実際に地域での避難や誘導、あるいは初期消火、被害者の救出といったことには、第一義的には消防団が当たる必要があるのかなというふうに考えておりまして、先ほどの指針においても、消防団に対して研修を通じて充実を図るとともに、訓練の実施を促進するよう努めるとあります。これに対して区の現状をお聞かせください。 ◎前島 危機管理室副参事 国民保護計画では、国の基本方針に基づきまして、区は都と連携し、国民保護措置についての訓練に消防団が参加できるよう配慮するとしております。区の危機管理室におきまして、本年八月三十日の本部運営訓練の後、国民保護に関する勉強会を開催しました。また、ミサイルが発射された際の庁内の初動体制についても今般整理をしたところでございます。  国民保護事態が発生した際には、東京都、警察、消防等の関係機関と連携した対応が必要となりますので、事態を想定した情報共有、訓練等を実施していくことについての検証をしていくことが重要であると認識しております。今後は、東京都、警察、消防と連携した情報共有や訓練等を検討していく中で、消防団の方々につきましても、連携を図れるよう、努めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 学校とか、地域と一緒で、私は消防団に関しても国民保護事態といったことに対する準備、備えというのはなかなかできていませんので、一義的には都の所管になるのかなと思いますけれども、区のほうからもしっかりと働きかけていただきたいなというふうに思います。  また同様に、同じような事態が起きた後、大きな被害が出た後、そこからの災害復旧ということも必要になってくると思います。同じように指針の中で、ボランティアの受け入れ体制というところまで想定されていますが、先般、世田谷ボランティアセンターにおけるボランティアコーディネーターというものも動き出したようですけれども、こういった有事の際にも復旧の過程で、ボランティアセンターが所管するような、そういったボランティアマッチングのようなボランティアの受け入れというものはやっていくんでしょうか。 ◎前島 危機管理室副参事 御指摘の基本方針を踏まえまして、区の国民保護計画では、区は武力攻撃事態等におけるボランティア活動に際しまして、その安全を十分に確保する必要があることから、その状況を踏まえて、その適否を判断する。また、安全の確保が十分であると判断した場合には、東京都と連携してボランティア関係団体等と相互に協力するとしております。  事態の内容や規模によりますが、地域防災計画で想定しているような大地震による全区的な被害と同等の被害が発生し、かつボランティアが活動可能な状況であれば、震災時と同様の体制が必要になると考えられます。このような場合には、関係団体等と協力して災害ボランティアセンターを中心としまして、受け入れ体制をとり、ボランティア活動の支援を行えるよう、今後検討してまいりたいと思います。 ◆阿久津皇 委員 万が一に備えて、被害を最小限に抑える取り組みをしっかり進めていただきたいと思います。  以上で終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時十五分休憩    ──────────────────     午後二時四十五分開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆高岡じゅん子 委員 生活者ネットワークの企画総務委員会所管の質問を始めます。  初めに、先日まで行われてきた本庁舎等設計者審査のプロセスにおける区民参加について質問します。  災害に強い二十一世紀型の区庁舎建設と文化遺産である前川建築の特徴の継承、保存という二つの大きな課題、さらに、現地で業務継続しながらの工事などの条件は、区民委員も参加した検討委員会の議論を経てつくられた本庁舎等整備基本構想に基づくものです。検討委員会からは、区民参加について、本庁舎等の整備のプロセスそのものが区民の参加と協働によるものとすることが提言されています。生活者ネットワークは、公開プレゼンテーションなど具体的な手法を提案し、可能な限りの公開と審査過程への区民参加を求めてまいりました。  今回の審査において二回、特に区民参加の機会がつくられました。二次提案の公開では、意見募集のアンケートに参加する区民が、利用しやすさ、災害対策、執務環境、環境性能、空間特質の継承、工期やコストという、いずれも重要な六つのテーマを全て視野に入れて、この本庁舎問題を考えることができるような工夫がされていました。その分、アンケートは気楽に答えられるものではなく、大変難しかったという声も聞こえています。  二次審査の公開プレゼンテーションは、応募者全ての案を区民自身が比較し、理解できる意味で、審査の透明性確保となったと思います。前川建築の区民会館のホール部分のみとは言え、保存する提案の佐藤総合計画が最優秀者に選ばれたことは、妥当で納得のいくものと感じています。  区民の声を聞く機会を設けつつ、最終的には専門家集団による観点別評価で結論を導いた今回の審査における区民参加について、区の見解を伺います。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 設計者審査委員会では、公正で透明性、公開性のある選定方法で設計者を選定すること、二番目としまして、すぐれた建築計画力、技術提案能力などを有している設計者を選定すること、提案を踏まえながら、人、組織を選ぶプロポーザル方式をすることの三つを基本的な考え方として審査を進めました。  今回、公平性を担保しながら、区民への公開、参加の実施につきまして、審査委員会で慎重に御議論いただき、審査過程におきまして、二次提案書の公開展示及び区民意見聴取、また、応募者からのプレゼンテーション及び審査委員会委員からのヒアリングを公開で行ったものでございます。その結果、二次提案書の公開展示及び区民意見聴取には六百八十件の御意見をいただき、公開プレゼンテーション及びヒアリングには三百七十四名もの方に御来場いただきました。  区といたしましては、区民の安全安心を支える防災拠点でもある本庁舎等の整備につきまして、区民の皆様にも大変大きな関心を持っていただけたものと考えてございます。 ◆高岡じゅん子 委員 今回の区民参加の取り組みの中で、公開プレゼンテーションの場が区民会館ではなく成城ホールとなったことは、建設工事などの影響を一番受ける周辺住民の参加のハードルが少し上がってしまい、とても残念でした。今後の過程においても、区役所周辺の住民を置き去りにすることがないように、一層の配慮を求めます。  今回の審査は、でき上がった作品を評価するコンペではなく、たたき台としてのコンセプト案をもとに、実務体制、今後の取り組み姿勢を評価するプロポーザル方式の審査でした。このことは、今後の設計を進める過程で、現場の職員や利用する区民の声を取り入れ、よりよい完成形を目指す意味で重要なポイントです。今回、最優秀に選ばれた佐藤総合計画のプレゼンテーションでは、設計側の提案として、広く区民や職場、利用予定者の声を聞く世田谷リング会議を持つという提案があり、その点にも注目しています。  区は、世田谷リング会議など、基本設計に向けた区民参加型の提案をどのように生かしていくのか見解を伺います。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 今回、最優秀者の提案書では、世田谷リング会議という区民と設計のプロセスを共有する考え方が提案され、また、子どもからお年寄りまで参加しやすい特定のテーマに絞ったワークショップの開催が提案されてございます。詳細につきましては、今後、設計者と契約する協議の中で検討していくこととなりますが、区民に親しまれる安全安心な魅力ある庁舎及び区民会館となり、また、本庁舎等整備のプロセスそのものが区民参加と協働によるものとなるよう、最優秀者からの提案の意図や全体スケジュールを鑑みながら、区民参加の仕組みを検討してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 佐藤総合計画の提案は、テーマ型のワークショップなど、設計の着手に向け、集中的に区民等の意見を直接聞こうという姿勢に期待が持てます。他のグループからの提案の中には、オープンハウスタイプの常設の情報拠点をつくるなど、区民参加や情報公開に関して大変よい提案もありました。長い工事期間中の継続的な進捗状況の公開についても、検討を求めます。  生活者ネットワークは、障害者差別解消に向けての取り組みを実効性があり、目に見える形にしていくことを強く求め続けています。新しい庁舎には、障害者当事者の目線に立ったユニバーサルデザインの実現が必要です。車椅子利用者の動線確保は当然のこととして、トイレ、視覚や聴覚に障害のある方の誘導、特に災害時の避難誘導など、課題は枚挙にいとまがありません。  ユニバーサルデザインといった場合には、授乳室の設置や誘導表示の多言語化など、多様なニーズのある区民へ対応した課題も含まれます。誰もが使いやすい建物、それがユニバーサルデザインです。従来の建物では使いづらさを感じているさまざまな当事者と、幅広い区民がともに参加し、誰にでも使いやすい本庁舎に向けてワークショップを集中的に積み重ねていくことはとても有意義なことで、結果が期待できます。  都市整備所管でもユニバーサルデザインや区民参加のまちづくりに携わってこられた松村部長に、当事者参加による新本庁舎等のユニバーサルデザイン実現に向けて見解を伺います。 ◎松村 庁舎整備担当部長 本庁舎等整備基本構想の五つの基本的方針の一つに、「すべての人にわかりやすく、利用しやすい人にやさしい庁舎」を掲げています。この方針の中では、ユニバーサルデザインの考え方に基づき、利用者の立場に立ったきめ細かな配慮によって、高齢者、障害者、外国人など全ての人が利用しやすい庁舎を目指していくこととしております。  一方区では、ユニバーサルデザイン推進計画の事業の一つに、区立施設のユニバーサルデザインによる整備の推進を掲げておりまして、既に竣工しております代田区民センター、また上馬複合施設では、専門家や利用者の参加によるユニバーサルデザインの検討会を実施し、より利用しやすくなる新たな工夫も提案されまして、プランやサインに反映できた事例もございます。  今回、最優秀者からは、世田谷リング会議という区民と設計のプロセスを共有する考え方や、子どもからお年寄りまで参加しやすい特定のテーマに絞ったワークショップの開催が提案されているところですが、今後、全体スケジュールを鑑みながら、これまでの実績も踏まえまして、先ほどの考え方に基づき、ユニバーサルデザインの実現に向けた区民参加についても検討し、早期に全ての人にわかりやすく、利用しやすい人に優しい庁舎が竣工、完成しますように取り組んでまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 設計者が決まり、いよいよ本庁舎整備は本番を迎えます。区民、当事者参加のさらなる充実を求めております。  佐藤総合計画は、議会部分については、あえて白い箱を行政サービス機能の部分の上に乗せたコンセプト案を提示し、議会自身が区民との融和などを図る意図で新たなビジョンを見せた場合にはそれに応えると、公開プレゼンテーションで明言しています。区民本位の議会棟のあり方を求めて、議会内の議論にも今後参加していきたいと考えております。  次の話題に行きますが、先日の議案審議でも、入札における談合情報の取り扱いについて、大変懸念の声が各会派から上がっております。区民生活、区民サービスに必要な諸施設の建設、改修などの工事は、適正価格と確実な品質が求められるのはもちろんですが、利用開始予定の期日に合った工期での実施も大変必要なことです。さまざまな理由により入札の不調が重なると、それによって月単位で工事の開始がおくれ、区民サービスに影響を与える結果になります。  東日本大震災以降、入札の不調がふえたと聞いておりますが、現在の状況はどのようになっているのでしょうか。 ◎山田 経理課長 入札不調は、これからの時期以降に着工となる土木工事や学校の夏休み工事、保育園のいながら工事など、工期が限定された工事や施設の利用者に気を使いながら行う工事などでの発生が多い傾向にございます。  入札不調の状況ですが、過去五年間の入札不調率の推移で申し上げますと、平成二十三年度は七・二七%でしたが、二十四年度は一三・七四%と前年度から倍増し、二十五年度は一九・〇三%、二十六年度には二一・四%となり、二十七年度は一九・四%、二十八年度は二〇・六八%と、ここ数年は横ばいとなっております。 ◆高岡じゅん子 委員 約二割の入札不調という状況がここ数年続いているということですが、さらにオリンピックに向け、楽観のできない状況が続くと考えられます。殊に学校施設や保育園など、年度末までに仕上げることが絶対に必要な施設について、余裕を持った工期で発注するなど、さまざまな工夫が必要です。予定価格が現場の実情に合っていないという可能性も指摘され、積算の検証なども行われていると聞いています。入札不調を減らすためのさらなる取り組みを求めます。区の見解を伺います。 ◎山田 経理課長 入札不調は、まずは起こさないことが大切であると考えております。このため、入札公告前には、過去の類似案件での参加状況等を参考に、当該工事の施工条件に適合する入札参加資格を定めております。また、入札公告後、入札参加希望者が二者に満たない場合は、当該入札を中止し、発注の条件に合致する事業者を全て指名し、改めて入札を行っております。  このように、区では起こさないための取り組みを行っているところですが、入札不調は議決案件でも十分起きる可能性があります。このため、議決案件については、予定する議決日程等を十分に踏まえた上で、他の契約案件の入札日程よりも一カ月以上の余裕を持った入札スケジュールを組んでいるところです。  このような備えをしつつ、昨年度から実施しております工事請負契約における現場常駐義務の緩和など、受注者に配慮した発注条件の検討や、営繕所管で進めております積算精度の向上の結果を予定価格に反映させることなどを含めまして、さまざまな工夫により適切な入札の執行に努めてまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 工期を守れる入札の仕組みをぜひ工夫していっていただきたいと思います。  次の質問です。区制九十周年に向けて、区史編さんの準備作業が始まったと聞いています。進捗状況を伺います。 ◎柳澤 政策経営部副参事 区史編さんの状況ですが、六月に、学識経験者などで構成する編さん委員会を設置し、編さん方針ですとか刊行する区史の内容などを御議論いただいております。昨日、第二回の区史編さん委員会が開催され、編さん方針などの区史編さんの基本的な考え方が決定されたところでございます。 ◆高岡じゅん子 委員 この区史編さんですが、特に災害時に何が起き、どのように区民が行動してきたかということを語り継ぐことが、今後起こる災害などの備えとしても非常に有効だと考えられます。  関東大震災の直後、烏山付近の甲州街道で、京王電気の作業に向けて都心に向かっていた朝鮮人労働者が暴行を受け、何名かが亡くなったという事件なども正確に語り継ぎ、再びこのような民族差別的な行動が起きないように啓発し続ける必要があると考えます。  今回申し上げましたこの朝鮮人暴行殺害事件に関しての今までの区史での取り扱いも含め、区の見解を伺います。 ◎柳澤 政策経営部副参事 関東大震災では、正確な数は不明でございますが、六千人以上の朝鮮人が自警団や軍隊によって虐殺されたと言われています。世田谷区では、昭和五十一年の近・現代史においては、これまでこういった殺傷事件が発生したとの記録は見つかっていないという記述でございましたが、その後、昭和五十七年の「世田谷、町村のおいたち」ですとか「せたがや百年史」では、人数の違いはございますが、烏山において殺傷事件があったという記述になってございます。  また、昭和六十二年に、下山照夫さんという烏山の郷土史家の方がいらっしゃいますが、その方の冊子ですと、古老からの聞き語りの中ですけれども、一人の方がお亡くなりになったという記述がございます。この古老の方は、二度とこんな不幸な事件が起こらないために、後世の人々のためにあえてお話し申し上げるということでございました。
     私といたしましても、こういったことは二度と起こしてはならないという気持ちを込めて、できるだけ事実に正確な区史編さんに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆高岡じゅん子 委員 本当にこの烏山の事件に関して、下山さんのまとめた古老の聞き書きというのが非常に大きな力となっています。戦争体験に関しても、実際体験した方が本当に今次々とお亡くなりになる時期になっています。ぜひこの戦争体験、実体験を語っていただく最後のチャンスですので、平和資料館とも協力し、区史においても、この戦争の記録、そして戦争の悲惨さを語り継ぐ活動をぜひ続けていっていただきたいと要望して、私どもの質問を終わります。  以上です。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 きょうは、世田谷区情報化事業計画後期の素案について、何点か質問してまいりたいと思います。  まず、その中でペーパーレス化の問題を伺いたいんですが、まず、世田谷区は各職員の皆さんがパソコンを各自お持ちになっているわけで、職員間の情報交換に関しては、ほとんど紙では行っていないというふうに伺っているんですが、庁内での紙利用というのはまだ一向に減っていないかに思われます。  そこでちょっと伺いたいんですが、外部に対してはいろんな情報の提供のあり方がありますから、紙による情報提供も、これは一足飛びになくすわけにはいかないと思うんですが、庁内において、今、紙による情報提供というのはどこに一番されているんですか。お答えをいただければと思います。 ◎大塚 区政情報課長 区におきましては、平成十七年度に総合文書管理システムを導入いたしまして、文書の収受から起案、決裁、保存までを電子システムにより行っている一方で、このシステムによっても紙文書を作成し、添付書類とともに決裁しているものでございます。  多くは、例えば補助金の申請書などにかなり添付書類がついておりますので、そういうものについては紙文書で保管しているというような状況があるというふうに考えております。 ◆あべ力也 委員 僕、職員の方に聞いたら、どうも議会に情報提供するのが一番紙を使っているんだという話で伺っているんですけれども、どうですか。 ◎大塚 区政情報課長 区議会に対しましても、一般的には紙文書で情報を提供しているというような状況がありますので、その部分につきましても、かなり多くの文書を提供させていただいているというふうに考えております。 ◆あべ力也 委員 ペーパーレス化を進めるに当たって、どこに紙を一番使っているかというと議会だという話を私は伺って、議会に対する情報提供のあり方も、庁内で職員の皆さんがデジタルデータをもとに情報交換をされている、また資料をつくったりしているというような状況に鑑みれば、議会に対して情報提供するに当たっても、何ももともとデジタルデータは持っているわけですから、紙ベースじゃなくてデジタルデータでの情報提供というのは、私は可能だと思うんです。  副区長、現時点で、議会に対してデジタルデータでの情報提供というのは可能だと考えてよろしいんでしょうか。 ◎宮崎 副区長 可能だと思います。ただ、この間、ペーパーのほうでいろいろ資料をお出ししている、特に資料の中でもグラフとかそういうものをだんだんお出しするような形にしておりますので、その辺のところについては、今おっしゃっているように庁内はデジタルデータ化しているわけですから、議会のほうへ向けての情報提供のあり方としても、そういうものを十分使っていかなきゃいけないというふうに思っております。 ◆あべ力也 委員 この素案を見ますと、議会機能の面で、議会活動の一層の充実を図るために、議場等のICT設備の導入等の検討というふうに、議会に関してはこの一文しかないんですね。ただ、議会と行政とのありようの違いから、議会そのものが情報提供をどういう形で受けるかということも、議会側もこれから検討していかなければならないと思いますけれども、近い将来に議会もそういう決断をしなくちゃならないと思うんです。それには、行政側の情報提供のあり方をしっかり構築しておいていただきたいと、これは要望しておきたいと思います。  次に、公文書のあり方について伺いたいんですけれども、情報化のスピードは大変速い中で、公文書をデータ化してそれを保存していくという考え方は、私は方向性としてはそういう形だと思うんですが、聞くところによると、今、公文書の保存において、まだマイクロフィルムを利用しているというふうに伺っています。そういったものも電子化をしていくというようなことが必要でありますし、電子化すれば、何も公文書庫だけではなくて、世田谷区内にある公立の図書館等のネットワークを利用して、公文書をデジタル化していれば、それを区民の皆さんに提供する、公表するということもこれは可能になってくると思いますので、その点についても、この情報化計画の中でしっかり検討していっていただきたいと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。 ◎大塚 区政情報課長 区の文書、電子データ等につきましては、世田谷区文書管理規程に基づきまして、法令の定めですとか、文書等の効力、重要度、資料価値などを考慮して、長期、十年、五年、三年などの保存期間を定めて管理をしております。  先ほど御答弁させていただきましたとおり、区では、文書管理システムというシステムで収受から保存までをしておりますけれども、このシステムによっても、紙文書とともに、添付書類とともに決裁をしているものもございます。こうした紙文書につきましては、船橋にあります公文書庫に移管して保存しておりますけれども、今後の本庁舎整備などに備えまして十分な保管スペースの確保が課題となっております。また、長期保存文書の中には、マイクロフィルムにして保存しているものもございますが、フィルムの劣化や利便性などの問題も出てきております。  こうした状況の中で、お話しの公文書の電子データ化については、今後の文書保存のあり方を検討する上で重要な視点であると認識しております。  区としましては、御指摘の点も踏まえまして、情報化推進・事業計画案に上げております本庁舎整備等に連動したICT利用環境の整備などに合わせて、検討してまいりたいと考えております。 ◆あべ力也 委員 ぜひよろしくお願いします。  それともう一点伺いたいのは、この中でオンプレミスの、自庁の設置の仮想サーバーからクラウドサービスへの移行ということが書いてありますけれども、そうなると、世田谷区が持っていた弦巻の事務センターの位置づけというのはどういうふうになってくるのかなというふうに私は思うんですが、この点については、今後どのような位置づけで活用していくのか。副区長、お答えをいただければと思います。 ◎宮崎 副区長 既にクラウド化を進める段階からその検討に入っております。ただ、現時点では二次的な部分についてのものも構えなきゃいけないものですから、事務センターのその耐久度も含めて、考えていきたいと思っております。 ◆あべ力也 委員 公文書庫というのが今ありますけれども、ここと一緒にしちゃうとかという考え方もできると思いますので、あらゆる選択肢を考えながら検討していただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 初めに、区の法規担当に二点、お伺いいたします。男女共同参画と多文化共生の条例についてです。  さきの他会派の代表質問の中に、基礎的自治体である世田谷区が今になって本条例を制定する意義は何かとの問いかけがございました。憲法第十四条は、侵すことのできない永久の権利として国民一人一人の人権を保障しており、世界人権宣言も、「いかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる」とうたっている。本条例骨子案における目的、趣旨については、ともに約七十年前に制定された日本国憲法や世界人権宣言でほぼ網羅されているように思えるという御指摘です。  両者は確かに、区の今回の条例の趣旨、目的にも重なるように思えます。しかし、条例にかわる法的拘束力があるかどうかが重要だと考えます。憲法第十四条が拘束するのは、基本的に公権力であって、市民ではない。このことは、さきの一般質問でも、最高裁判決を引きまして、申し上げましたとおりです。  では、世界人権宣言はどうでしょうか。法的拘束力はあるでしょうか。法規担当者の見解を伺います。 ◎大塚 区政情報課長 お話しの世界人権宣言は、一九四八年十二月十日、第三回国連総会の決議として宣言されたもので、前文と本文三十条から成り、前文では、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準として、この世界人権宣言を公布する」と述べられております。宣言の本文は、全ての人間の自由と平等、刑事手続上の権利、表現の自由、社会保障を受ける権利など、全ての国の人々が持っている市民的、政治的、経済的、社会的、文化的分野にわたる多くの権利を内容としております。  世界人権宣言は、各国政府が達成すべき共通の基準を宣言したもので、法的な拘束力を持つものではないとされておりまして、裁判例においてもこうした考えが示されているものがございます。 ◆上川あや 委員 国には、既に男女共同参画に関して男女共同参画社会基本法がございます。また、性差別の禁止に関しても、雇用機会均等法などの定めがございます。こうした関連法令と今回の条例制定の必要性について、法規の立場からはどのように整理をされますでしょうか、伺います。 ◎大塚 区政情報課長 お話しの男女共同参画社会基本法は、男女共同参画社会の形成について、基本理念や国、自治体等の責務などを規定しておりますが、主に、国の取り組み内容の枠組みを定めた法律となっております。また、男女雇用機会均等法は、雇用の分野における面から、性別を理由とする差別の禁止など、事業主の義務やとるべき措置などについて規定されております。  男女共同参画と多文化共生を推進する条例については、こうした関係法律を踏まえた上で、区として施策を総合的、計画的に推進する観点から、区の基本理念や責務、具体的な基本施策、行動計画の策定などを内容として検討を進めているものでございます。  御案内のとおり、自治体の条例制定につきましては、地方自治法において、地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて、地域における事務と法令により処理する事務に関して、条例を制定することができると定められております。このため、例えば条例と同じような趣旨や目的を持つ法律があっても、自治体として必要がある場合は、法律に違反しない範囲において議会の議決により条例を定めることが可能となっております。このことから、男女共同参画と多文化共生を推進する条例の制定は、最終的に区議会の御判断によるものと考えております。 ◆上川あや 委員 ありがとうございます。  次に、職員の勤務時間の管理について伺います。  先月十四日のこと、区が、働き方改革の一環として、新たな超過勤務ルールの試行(案)というものを職員に対して提示をいたしました。今後は、職員退勤時のタイムレコーダーの打刻を原則毎日行うことにするというのが、この新ルールの骨子となっております。当然なされなければならない超勤の管理が、今回ようやく日の目を見るのかと、私は半ばあきれつつこの事態を見ております。  平成二十二年、七年前になりますが、決算質疑で、区の労働時間の掌握がいかにいいかげんであるのかということを私から問いました。調査の発端は、連日連夜残業していても、上司がかわったら超過勤務手当が働いたとおりには出なくなりましたという職員の方のつぶやきなんですね。  残業の実態を知るために、各部各課で最後に帰る職員が、消灯、戸締まり、金庫の施錠等を確認の上、巡視室で退庁時間を記載する室内処理管理簿というものを取り寄せ、チェックしました。すると、そこからは、連日二十三時、二十四時まで残る職員さんがいる課が少なくないということがはっきりとわかりました。しかし、ネームプレートで出退勤時間を打刻している出勤簿の開示を求めると、驚くことにほとんど空欄なんですね。そこには次のようなからくりがありました。  基本的に、区が退勤時間の打刻を求めるのは事前に上司が超過勤務命令を出した場合のみであって、そのほかの日は、たとえ残業していても打刻しないで帰るのが基本的なルールということでした。ところが、実際には、事前に上司から超過勤務命令が出ることはむしろまれでありまして、翌日以降、実際に行った残業を職員のほうから上司に報告し、後づけで超過勤務命令が整えられる処理こそが通例ということでした。  このため、残業した多くの日で、退出時間は打刻を当然されません。出勤簿にも、当然記録は残りません。つまり、過労死が出ても記録はちゃんと残らないということなんですね。加えて、上司によっては、課の予算がもうありませんという判断なのか、実際に働かれた労働時間に対して超過勤務を認めないということで違法な不払いさえもがまかり通っている様子でした。  こうしたおかしな出退勤の管理が、今回は基本的に改められるのかなというふうに推察はされるんですけれども、これで改善はされるんでしょうか、伺います。 ◎松永 職員厚生課長 区では、世田谷区役所版働き方改革として、職員一人一人が生活と仕事を両立しながら、持てる能力を存分に発揮し、活躍できる働きやすい職場環境の整備、組織風土づくりを進めていくことといたしました。ただいまお話にもありました新たな超過勤務ルールの試行案は、この働き方改革のテーマの一つとして、十二月からの試行実施に向けて現在庁内で議論を進めております。  タイムレコーダーの打刻につきましては、厚労省のガイドラインが一月に出ておりますので、それに基づいてやります新たな超勤ルール、この申請で、適正な勤務時間の管理に資することで、取り組みを進めていきたいというふうに思っておりますので、まずは試行ということでやらせていただきたいと思います。 ◆上川あや 委員 これはあくまで試行なんですね。試行、本格実施をしっかりやって、このようなことが二度と起こらないように努めていただきたいと思います。  終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 私からは、プレミアムフライデーに絡みまして、先ほども出ていました働き方改革とあわせて質問をしていきたいと思います。  プレミアムフライデーは、経済産業省と経団連等が中心となって行っていますので、経済活性化という側面が多いわけですけれども、一方で、職員さんたちとか会社の従業員さんたちの働き方の改革という側面もあるというふうに思っています。本日は企画総務分野ですので、世田谷区の職員の働き方改革とプレミアムフライデーを絡めて質問していきたいというふうに思います。  まず、その職員さんの健康保持、それからワークライフバランス推進の観点からは、プレミアムフライデーに限らず、有給休暇の取得ということも課題となっているかと思います。有給休暇の取得状況を教えてください。 ◎松永 職員厚生課長 非常勤職員を除く区職員の年次有給休暇につきましては、通常一年度に二十日間付与されますが、平成二十八年度の実績では、管理職を除く一般職員が平均十五・五日、管理職が平均十・〇日を取得しております。 ◆すがややすこ 委員 今の話を聞くと、有給休暇の取得ができていない状況が世田谷区では見受けられますよね。残った有給をどうするんだといって、次の年に繰り越したって、次の年だってまた有給を取得できないという話になると思うんです。やっぱり私が思うに、私も民間企業でちょっとだけ昔勤めていたんですけれども、上司が有給をとっていないとか休みをとらない人とかだと、こっちも一生懸命働かなきゃいけなくなって、私は一生懸命働くのが余り好きではなかったので、率先して有給休暇をとっていましたけれども、なかなかやっぱりそんなふうにずうずうしくとれる人っていないと思うんですね。ですので、ここにいらっしゃる管理職の方々には、本当にお忙しいとは思うんですけれども、ぜひ有給取得をお願いしたいなというふうに思います。  また、世田谷区役所では、最近特に土日出勤が多いということも職員さんから聞いています。特に土日、休日出勤の場合、代休取得ということが可能になるわけですけれども、その代休取得率というのも調べていただいたんですが、全体だと六二・五%なんです。ですので、やっぱり代休取得もできていないという状況なんですよね。ですので、有給とあわせて代休というか、土日出勤が多い部署、特に総合支所の街づくり課長さんとかはほぼほぼ毎週みたいなお話も聞いていますので、ぜひその点は、皆様も気をつけていただきたいというふうに思います。  世田谷区では、世田谷区役所版働き方改革の検討も行っているというふうに聞いていますけれども、例えばライフスタイルに合わせて最低月一日は有給休暇を取得するような運動を行ってはいかがでしょうか。 ◎松永 職員厚生課長 年次有給休暇は、労働基準法の休日である週休日のほかに、有給で勤労から解放される日というのを毎年一定日数設けることにより、職員に休養をとらせ心身の疲労を回復、またひいては、労働力の維持向上を図るのが本来の趣旨と言われております。年次有給休暇の取得日数は、先ほども言いましたが、ここ数年ほぼ横ばいで、特に管理職の取得日数はほぼ半分という状況になります。  先般、区長を初めとした幹部職員が行ったイクボス宣言で、休暇をとりやすい職場環境づくりに取り組むこととあわせて、管理職みずからも、生活と仕事の両立に向けて率先して行動をすることとしておりますので、働き方改革を進めていく上で重要な課題として認識しております。お話がありました手法も検討してまいりたいと思います。 ◆すがややすこ 委員 例えば発想を変えて、プレミアムフライデーは月末は忙しくて休めないよというふうに会社のほうからはあったわけですよね。なかなか実際には進んでいかなかったという点があるかとは思うんですけれども、例えば月曜日の朝はすごく忙しいじゃないですか。電車も大体おくれますよね。お子さんがいる家庭とか、保育園に連れていって何して何して何してといって、大体会社は月曜日の朝九時とか八時半から会議だったりするんですよ。なので、その発想をやめて、月曜日はもう午前中は会議を入れないとか、午後から会議にするとか、そういった取り組みなんかも、それはもう各部署で実践できることだと思うんです。それは管理職の方々が率先してできることだと思いますので、そういった取り組みなんかもできるのではないかと思います。  この話をしたときに、窓口はやっぱり月曜日が一番忙しいという話も聞きましたので、その点はぜひローテンションとかをしていただいて、皆様でそれぞれのお休みを共有していただくみたいな取り組みが世田谷区役所でできるとよいかなというふうに私は思いました。  それで、そういった月曜日でもいいんですけれども、職員さんが余裕を持てる働き方みたいな感じで、世田谷区役所で何か取り組みはできないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎松永 職員厚生課長 休み明けの月曜日は、やはり憂鬱になるとか心身に不調を来すという話もよく聞きます。お話にもありました、月曜日がふだん以上に業務量が増加するような職場もございますが、そういう意味では、一律的に実施するというのは難しい面もございます。ただ、働き方改革を実現する上では、そうしたささいな取り組みも工夫して考えていくことも重要だというふうに考えております。  今後、ペーパーレス化、また効率的な会議のあり方などとあわせて、こうした観点も研究してまいりたいと思います。 ◆すがややすこ 委員 そういうわけで、私は世田谷区役所と政府に、プレミアムフライデーではなく、プレミアムワンデーという言葉をお勧めしたいなというふうに思いまして、以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本年三月の予算特別委員会及び第二回定例会で質問した新公会計制度について、公会計の発生主義、複式簿記化対応の進捗状況について伺います。  新公会計制度により、特に世田谷区が採用する東京都方式は、総務省方式と異なり毎日仕訳を起こすなど、企業会計並みの透明性が確保されることになります。  これが、公会計と企業会計の比較です。特に注目されるのは三点。外郭団体を子会社または関連会社とみなして連結する、公会計においても、上場企業と同様の連結財務諸表が必要となる、キャッシュフロー計算書は、直接法でなければならない、主にこの三点と考えます。  六月の定例会では、外郭団体や特殊法人は全てフル連結とし、一部事務組合については、比例連結を用いるとの答弁をいただきました。一般の上場企業の有価証券報告書や四半期報告書などを見ますと、親会社から子会社への投資経路などが詳細に書かれております。  そこで、区の財政の透明性をより一層高めるために、区が資金を出している外郭団体や特殊法人及び区が参加している一部事務組合への資金の拠出について図解したものを作成し、公表するべきと考えますが、区の見解を求めます。 ◎金澤 会計管理者 お話のありました連結財務諸表につきましては、外郭団体の指導調整事務要綱などに定めている十二の外郭団体と、二十三区等で共同設置する五つの一部事務組合などを会計データを合算する連結の対象といたします。この目的は、区とその関連の団体を一つの組織体とみなすことで、資産や負債、行政サービスに要したコストなどをより見える化することにあります。御指摘の資金拠出につきましては、外郭団体への出資金と年ごとの補助金、一部事務組合につきましては年ごとの負担金、それが対象かと思います。  結論から申し上げますと、連結財務諸表の附属明細書や注記というもので対応することを想定しております。国の統一基準でも附属明細書等の作成が例示されておりますが、その具体的なことは各自治体に任されておりますので、区ではそれらも参考にしながら、一覧性を持った資料にする予定でおります。 ◆ひうち優子 委員 今回の公会計の改革では、発生主義化、複式簿記化という流れに加えて、比例連結、直接法のキャッシュフロー計算書という技術的にハードルの高い機能要請があります。  前回も質問しましたが、難関である期首BSの整備、資産台帳の整備、時価の再評価、耐用年数、償却方法の確認などの進捗状況は何%ぐらい進んでいるのか伺います。 ◎金澤 会計管理者 お話にあった新しく財務諸表を作成するためには、その準備として、期首、つまり開始の貸借対照表、開始BSと申しますが、それと固定資産台帳の作成が必要になります。そのため、その準備を計画的に進めております。  今年度は、システムの構築とあわせて、二十八年度の決算データを使ってデータの確認を行っております。この九月下旬にテスト版が完成をいたしました。これから年度末にかけて、テスト版を使ってデータチェックと、それからシステムのチェック、テストを行ってまいります。  まずデータチェックでは、例えば固定資産台帳の金額と所管課の台帳の数字の突合であったり、システムテストでは、仕訳の自動処理が正しく作動するかどうか、さまざまなチェックを行ってまいります。なお、システムの検証は、全庁の職員に機器に触れてもらいながら同時にチェックを行う予定です。  来年度になりますが、最新のデータをシステムにセットアップをいたします。開始BSと固定資産台帳を完成させてまいります。これは二十九年度の決算データを使いますので、出納整理期間の終わった六月から作業を始めて、十月に完成させる予定です。現在、このような形で準備を進めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 準備が着実に進んでいることが確認できました。今後も引き続き準備を進めていただくことを要望いたします。この新公会計制度につきましては、今後も継続して質問してまいります。  次に、基幹システムの運用体制の整備について伺います。  平成二十六年八月四日、世田谷区の基幹システムが丸一日停止する事件が発生してから、システムについて質問を行ってまいりました。その後、情報政策課の方々の不断の努力により、運用体制の見直し、改善が図られてきたと思います。その進捗状況について伺ってまいります。  過去の質問の経緯を申し上げますと、平成二十六年八月四日に、世田谷区の基幹システムが丸一日ダウンした要因は、基幹系システムの前段に配置する負荷分散装置に原因があり、高負荷になっていることが判明しました。今回の問題は、データベースサーバー、アプリサーバー、ウエブサーバーについては、各区ごとに別の筐体に乗っているが、負荷分散装置だけは外部センターで、豊島区、練馬区、中央区との共同クラウドシステムになっており、一蓮託生になっているため、再起動をすぐにかけることができなかったことに要因がありました。その後、決算委員会で取り上げ、平成二十七年六月に負荷分散装置の一蓮託生は解消し、新たな機器に置きかえ、安定稼働をしております。  また、平成二十七年の決算委員会では、バックアップは毎日取得しているが、バックアップ媒体の多重化、遠隔地管理はしていないとのことで、やはり三・一一の教訓を考えると、バックアップ媒体の多重化、遠隔地管理は、直ちに実施すべきであるとの質問をいたしました。その後、この遠隔地管理はできているのか、また、旧データセンターの切りかえの予定など、進捗状況と今後についてお伺いいたします。 ◎齋藤 情報政策課長 住民記録システムを初めとする基幹システムは、区民生活に深く関与しているシステムでございますので、自然災害や機器障害時の際も継続的に区民サービスを提供できるよう、万一の事態を想定したシステムの二重化やデータの保管であるバックアップの取得など、さまざまな業務継続対策を実施する必要があるものと認識しております。  委員御指摘の基幹システムのデータセンターの利用につきましては、将来的には二カ所でのデータセンターでの二重化対策も視野に入れておりますが、現状でも、データセンターの設置の基幹システムサーバーの中での日々のバックアップの実施と、適宜、磁気媒体によるバックアップ保管を実施しております。  あわせて、世田谷区の事務センターに設置しておりますダウン時対応システムへの毎日バックアップも実施しており、万が一データセンター側に障害が発生した場合でも、事務センター内のダウン時対応システムに切りかえることによって、住民票の発行や税証明の発行など、業務継続が可能な体制を構築しております。  さらに、このダウン時対応システム自体は、事務センターからクラウド上で運営している高度なセキュリティーが確保された世田谷区専用のクラウド環境に年内に移行する予定でございます。このクラウド環境は東日本地域に設置されておりますが、同時に西日本地域のこの会社のクラウド環境にも日次でデータがバックアップされておりますので、今後、委員御指摘のバックアップは、より高度に実現されるものと考えております。 ◆ひうち優子 委員 年内にクラウド環境で、バックアップの多重化ができる予定ということで、今後も……。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私からは、行政経営改革についてお伺いします。  リーマンショックの翌年となる平成二十一年、当時の民主党政権のもと、事業仕分けが行われました。二番ではだめなんでしょうかという蓮舫さんの言葉ばかりが記憶されていますが、二番でよいかどうかはともかくとして、国民からお預かりした税金を一円たりとも無駄に使わないという問題意識を持っていたのではないでしょうか。
     世田谷区でも、時を同じくして、政策点検方針に基づく全事務事業の点検が行われ、千件以上に及ぶ予算事業の見直しが行われました。リーマンショックによる急激な税収の落ち込みに対応するため、区民からお預かりした税金の使い道を一つ一つ丁寧に点検し、子どもや孫の代に借金で迷惑をかけることのないよう責任感を持って取り組まれていたと思います。しかしながら、世田谷区ではそのときを最後にして、全事務事業の点検は行われていません。行政経営改革の取り組みは行われているようですが、特定の分野に限られ、全庁を挙げて見直すという姿勢に欠けているのではないでしょうか。  ことしも世田谷区の税収は伸びていて、財源不足になるということは幸いにしてなかったようですが、(発言する者あり)そうです。いつまでもこの状況が続くと限りません。もし高齢化がさらに進めば、歳出がふえていくことは間違いなく、将来に備えて常に我が身を振り返ることが大事ではないでしょうか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)ありがとう。  世田谷区でも改めて全事業の点検を実施すべきではないでしょうか。区の見解をお伺いします。 ◎中西 政策経営部副参事 お話しのとおり、行政経営改革の取り組みは、特定の分野に限ることなく、全ての分野において実施し、安定した行政運営を将来にわたって持続していく必要があると認識しています。このたびお示ししました新実施計画後期の素案では、将来の人口増加による歳出増を見据えまして、引き続き事業手法の改革に取り組むとともに、新公会計制度を活用したコストと成果に基づいた事業の見直しを行うことを掲げております。  新公会計を活用した財務分析では、従来の行政評価では新実施計画の事業で評価をしていたんですけれども、それのみならず、例えば保育政策全体の評価といった特定の政策課題の財務分析を行うことも可能になります。現在、それに向けて制度設計を進めているところです。  区民からお預かりした税金を無駄にせず、また、将来を担う子どもたちの世代に大きな負担を残すことがないよう、今後も不断の行政経営改革に取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 次に、私が、世田谷区の職員の気になるコミュニケーションならぬ飲みニケーションの重要性についてお伺いします。  皆さんも御存じのとおり、飲みニケーションは仕事帰りにちょっと居酒屋でお酒を飲みながら交流を図るということで、日本ではよく行われていたものです。研修担当課が作成した職員研修案内二〇一七を拝見したのですが、新規職員が大量に採用される状況から、若手職員の育成のために育てる人を育てることが急務であると書かれています。新人の育成担当者や係長に対して、コミュニケーション方法、また指導方法の研修をするなど、職場におけるコミュニケーションの重要性を意識しているようですが、こうした背景には、他人とのコミュニケーションがうまくとれていない、仕事にも影響があるといった問題意識からだと思っております。  私も、今の若い方々は、コミュニケーションをとることが苦手で、特に世代を超えた交流がうまくできないのではないかと感じております。若い職員が仕事を覚えていくためには、仕事の中だけではなく、仕事以外の場での上司や同僚とのコミュニケーションも、大変重要な役割を持っていると考えております。人と人とのコミュニケーションは、公式の場面だけでつくられるものではありません。仕事場で、パワハラ、セクハラにつながりかねないという飲みニケーションをちゅうちょする風潮もあるようですが、私は、職員同士の交流、情報交換の場は絶対に必要だと思っております。  聞くところによりますと、新人歓迎会をしても、肝心の新人さんが来ない、また、二次会に行ったら、新人社員が全員帰ってしまった。区でも多くの職場で、歓送迎会、暑気払いとか忘年会などが行われているようですが、若い職員の参加状況はどうなっているのか気がかりです。  昔は職場では、春にはお花見、夏は花火大会、職場ごとに旅行に行ったりしたという話も伺っておりますが、こうした非公式の行事ももっと行ったほうがいいと私は思っています。区として、こうした状況にどのような感想を持っているのかお話を聞きたいと思います。 ◎松永 人事課長 お話しのとおり、仕事を円滑に進めるためにも、職場内でのコミュニケーションは欠くことのできない大変重要なものだと認識しております。仕事から離れた交流などにより、職員同士がより理解し合えるようになることもございます。私といたしましては、お話しいただきましたような飲みニケーションなど、インフォーマルな場面も含めまして、職員とのコミュニケーションを積極的に図ってまいりたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 私たちの世界では、特殊なんですが、仲間の舞台を見たり飲み会に行ったりする中で、目で見て、話を聞いて、芸の肥やしにしています。若手芸人は、先輩を見るときにはなるべく早目に現場に行って、リハーサルをのぞいたり、アイデアを盗んで自分のものにしています。区の若手職員も、飲みニケーションなどを通して、先輩の仕事のやり方やほかの自治体のアイデアを盗んで自分の仕事に幅を広げていくことが必要ではないでしょうか。いかがでしょうか。 ◎松永 人事課長 御指摘のように、コミュニケーションをできるだけ図っていくように頑張っていきたいと思います。 ◆青空こうじ 委員 よろしくお願いします。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時四十三分休憩    ──────────────────     午後四時開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆石川ナオミ 委員 自由民主党、企画総務領域の質疑を始めたいと思います。トップバッターは、私、石川ナオミが担当いたします。  まず、循環型資源である木材の活用について伺います。  二〇一〇年に、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が施行されてから七年余りたちますが、残念ながら、いまだ世田谷区ではこの木材利用の方針が策定されていないというのが現状です。このことにつきましては、以前議会でも伺いました。先進的に取り組んでいる港区なんですが、公共建築物への木材の利用量の目標を定めるなど、具体的な取り組みが見られます。  さて、世田谷区のその後の取り組みというのはどのようになっていますでしょうか、現状を伺います。 ◎安間 施設営繕第一課長 お話しの公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律に基づく木材利用方針ですが、現在、特別区においては、港区、江東区、品川区、豊島区、足立区の五区で木材利用方針を策定しております。例えば最近策定した足立区では、友好都市や東日本大震災被災地などの産材使用を優先しているところでございます。  世田谷区としての木材利用推進方針の策定については、法規制や建設コストなどの課題はありますが、世田谷区の状況を踏まえた目標、仕組みがどうあるべきか、環境や産業など、幅広い分野と関連することから、継続して関係所管と連携して研究してまいります。  一方区では、具体的な取り組みを進めておりまして、以前も答弁で世田谷中学校の事例を紹介しましたが、直近の事例では、例えば平成二十八年度竣工の城山小学校改築工事では、内装材で平米当たり〇・〇二一立米の木材を使用し、お話にもありました港区の木材利用推進方針でうたっている平米当たり〇・〇〇五立米以上という目標の四倍となる木材使用量となっております。  今後とも、コストや諸室の用途を考慮して、木材利用を推進してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 そうですね。世田谷区でも、こうした木材利用というのは見られるということなんですが、また、ことしの六月に、先ほど来から触れております公共建築物等における木材の利用促進に関するこの基本方針の一部が変更されたんですね。それは、建築物における木材の需要の拡大のため、CLT、直交集成板といいますが、このCLT等の新たな木質部材の活用に努めるものとするという文言が追加されました。  私は、昨年の十一月に定例会で、このCLTについて初めて取り上げました。そのときは、恐らくCLTって何ぞやと、皆さん思われた方も多かったというふうに思います。認知度は、まだまだ低かったように思います。今、まだ検討段階なんですが、オリンピック・パラリンピックの新国立競技場にはこのCLTの活用をしようということで、国でも申し入れていることですとか、また、先日の本庁舎の整備におきますプロポーザルでも、区民会館の内装にCLTを用いてはどうかというようなプレゼンテーションを建築会社もしたということもございました。建築業界ではこのように一般的になってきているということがありますけれども、まだまだ普通には知られていないというところが現状ではないでしょうか。そこで、このCLTを改めて御紹介したいと思います。取り出したのは、このCLTの――以前にも、実際にCLTの木を組み合わせた模型なんですが、CLTというのは、クロス・ラミネーティッド・ティンバーといいまして、直交集成板といいますが、木をこのように直角に交わるように重ねて接着をしたパネルのことでございます。国産材を使っていまして、木の香りをお届けできないのが残念なんですが、とてもいい香りがしております。  このCLT、軽量なんですね。とても軽いんです。これぐらいのコンクリートでしたら結構重さがございますけれども、コンクリートに比べて軽いということがありますが、逆にコンクリートに匹敵するぐらいの強度があるんです。かたいんですね。やっぱりパネルを重ねているということがあります。  そして木は、やはり気になるのが火なんですけれども、このCLTは耐火性にもすぐれていまして、火災などにも強いということなどもあるんですね。耐熱性にもすぐれております。また、地震などの耐震性も高いというところがこのCLTの特徴となっております。このように、CLT、次世代の木造建築材ということが言われております。  さて、営繕課の安間課長、以前から私も安間課長には、CLTどうでしょう、どうでしょうというお話をさせていただいておりますが、このCLTのメッカと言われます四国の高知に、安間課長、実際に行かれて建築物をごらんになったということを伺いました。率直に感想を伺いたいと思います。 ◎安間 施設営繕第一課長 お話しのとおり、本年の夏休み休暇に個人的に四国旅行で訪れた際に、今話題のCLT建築視察もよいかと考え、高知県内に現在建築された九件のCLT建築物を全て見てまいりました。  国内CLT建築の第一号と言われている三階建て約二百六十平米の共同住宅、二階建て約六百平米の高齢者福祉施設、二階建て約八百平米の銀行社屋などなど、中には、二階建て約千四百平米の県立林業学校校舎などの中規模の建物もありましたが、やはり法規制もあり、単独CLTのみの木造建築では、大規模な建築はなく、CLTという平面的な盤で構成する単純整形な建築に使用されている印象を受けました。高知市の中心市街地の商店街に、三階建て約二百四十平米の店舗も建築されておりましたが、延焼のおそれがあることから、外見は木造とわからないような外装となっておりました。  九件のCLT建築物を見た感想としては、建築敷地が広く、密集地でなければ、外装木材の延焼の心配は少なく、単純整形な形で大量に建てるような団地のような集合住宅では施工も早いだろうと思いましたが、外装の維持メンテナンスのための木材の表面処理は必要だと感じました。  世田谷区において、公共施設の構造材としてCLTを利用することは、現時点では、法規上の課題や建築費も割高なので大変難しいと考えたのが正直な感想です。 ◆石川ナオミ 委員 バイクで高知までいらっしゃったということも伺っておりますが、非常にアクティブで、率先して休暇もとっていらっしゃるというところでもありますけれども、百聞は一見にしかずとは言いますけれども、本当に現地でごらんになっていただいて、今、世田谷区においては厳しいかもというような、ちょっと厳しい見方もございましたが、やはり九棟、九件の建築物もごらんになってきたと。そこまでの熱い思い、熱意を感じるところで、頭が下がる思いがします。  残念ながら、やはり世田谷区においてはすぐにということは難しいということではございますが、例えば延焼を防ぐという観点からでしたら、公園内の敷地の建物、公共物でも、この木造建築というのは可能なんじゃないかなというふうにも思います。  また、公共建築物として、これから学校建設もまだまだ控えておりますし、高齢者施設ですとか、青少年の育成センターといったところも工事がございます。全部CLTではなくて、内装などの一部にこういったCLTを活用するということもできるのではないでしょうか、見解を伺います。 ◎安間 施設営繕第一課長 公園内の木造建築物の可能性については、防火構造等の建築上の制限は他の敷地と変わりませんが、公園の広さ、敷地境界や隣地の建物からの距離による延焼のおそれからの制限を受けない場合もあります。したがって、建築制限という観点からCLTを利用して、木の特徴を生かした建築物を整備できる可能性は高いと考えられます。  しかしながら、現状のCLTについては、建設コストや資材調達などの課題があります。また、公園の樹林地などに建築する場合、多湿な状態が想定されますが、木材は湿気に弱いため、木造建築物では耐久性の課題もあると考えております。  続きまして、学校などの公共施設の内装へのCLT活用についてですが、構造体であるCLTの内部空間での活用についても、同様にコスト増につながるため、木の特徴を生かした快適な空間づくりの効果とコストを十分に検証しながら、CLTを間仕切り壁や内装材としての活用も含めて、検討する可能性はあると考えます。 ◆石川ナオミ 委員 御答弁でもございましたが、やはりコストが割高になるということが推進においては大きな壁になっているのかなというふうにも感じております。であるならば、既に国として、三十年度の予算にも、林野庁ですとか国交省、環境省から、さまざまな補助金が出されております。こうした補助金も活用して、少しずつCLTの導入ということを御検討いただいてはどうかなというふうにも思います。  また、地元の業者の皆様にも、研修等でこのCLTを御理解いただいて、実際に区内産業の活性化にもつなげていただけたらなというふうに思っております。木の香りは、癒やしですとか疲労の回復にも効果があるということも言われておりますので、こうした木による恩恵というものも、しっかりと世田谷区にはお広めをいただきたいというふうに思います。  このみどり33を目指す世田谷区にとって、緑と水だけではなくて、木の調和、環境づくりも大切なのではないかなというふうにも思いますので、これからも検討をどうぞよろしくお願いします。  さて、続きましては、入札についての観点から二点伺います。  本日のこの決算特別委員会におきましても、入札に関しては多くの委員が取り上げておりました。契約・入札制度の改善を図ることで、区内産業の振興及び地域経済の活性化、区内事業者の安定した経営基盤を保っていくためにも、この入札制度の改善、見直しは必要であると私も考えております。  例えば総合評価方式入札制度につきましては、現在、造園協力会ですとか区内建設業関係にも、防災協定などを締結していただきまして、地域貢献にも従事していただいておりますが、今年度は、地域貢献評価点などにも拡充策ということで策がございました。  改めて、この入札制度の改革についてどのように取り組んでいるのか伺います。 ◎山田 経理課長 今年度は、まず、総合評価方式入札制度において二つの拡充策を実施しております。一つ目は、施工能力評価点への優良工事実績点の加点です。これまでの工事成績評価点に加えまして、区が年度ごとに公表している工事成績トップテンに、過去五カ年度内に認定された事業者に二点を加算いたします。これは施工能力をより適正に評価し、一層履行の質の確保を促進するために追加したものでございます。  二つ目は、地域貢献評価点における区内本店事業者への加点です。地域貢献評価点につきましては、これまで区と災害時協力協定、またはそれに準ずる協定を締結している団体等への加点で四点満点としておりましたが、これに加えて、本店所在地が世田谷区内にある場合は二点とし、計六点満点とします。これは、区内の地理への熟知度や機動性等の観点から、地域に貢献している事業者をより適切に評価することとしたものです。  次に、公共工事部分払い金制度を充実いたしました。これは、部分払いの回数をふやすことによって、受注者の円滑な資金繰りを促進し、もって経営環境の改善を図ることを目的としております。  そして、営繕所管において、試行実施に向けた準備を進めてまいりました設計積算の検証業務委託につきましては、今月から検証を開始し、年度末までにその結果を取りまとめ、区議会へ御報告させていただく予定にしております。 ◆石川ナオミ 委員 常にやっぱり改善策を講じていくということは必要であろうかと思います。発注業務の履行状況ですとか、専門性なども見きわめていただきまして、質の担保というところでは適切な評価をしていただきたいというふうにも思います。  続きましても入札です。いわゆる公共工事の入札及び契約の適正化の促進について伺ってまいります。  ちょっと余談なんですが、どのような業界でも閑散期と繁忙期というのがございます。例えば旅行業界などでも、ゴールデンウイークですとか夏のお盆の時期などが非常にお客様が利用すると、動く時期でもありまして、繁忙期というふうにも言われております。私は以前、研修業界にも携わっておりましたが、研修業というのはやはり新入社員研修などが多い四月は、年間でも非常に多く稼働しているということ、講師としても稼働しているということがございますが、比較的八月などはその研修業が少ない閑散期というようなことも言われております。こうした繁忙期、閑散期という観点から伺ってまいります。  地方公共団体の発注工事、特に道路整備に目を向けてみますと、年末や年度末にこの道路工事が多いなというふうに感じるんですね。実際、私の娘も、何でこんな三月にとか十二月に道路工事が多いのという質問を受けたり、まことしやかに言われていることなんですが、役所の予算消化のために無駄な工事なんじゃないのというようなことも冷ややかに言われることなどもございます。  真相はいかがなのとかいうところなんですが、この公共工事、ここでは土木工事について特化して伺いますが、どんな事業計画、年間スケジュールが立てられているのでしょうか、答弁願います。 ◎山田 経理課長 道路工事を含む土木工事につきましては、起工課となる所管が毎年度、土木事業実施計画を策定し、計画的な工事発注に努めていると聞いております。また、上下水道、ガス、電気などの道路占用企業者と工事の区間や時期が重複する工事についての調整を図る道路調整会議を年三回開催して、工事を計画的に進めていると聞いております。 ◆石川ナオミ 委員 では、その土木工事の昨年度の月別件数はどのようになっていますでしょうか。 ◎山田 経理課長 昨年度の土木工事は、その前年度から施工していた工事も含めまして、施工中の工事の件数を月別にしまして、三カ月ごとに申し上げますと、四月から九件、十件、十二件、七月から十二件、二十件、二十三件、十月から二十九件、三十七件、四十四件、一月から四十五件、三十八件、二十五件となっており、ピークとなる一月の件数は最も少ない四月の五倍の件数で、十一月から二月までの四カ月間で年間の半分以上の工事を施工するという状況になっております。 ◆石川ナオミ 委員 ちょっと数字の羅列で、パネルに用意して準備をしたいところでもあったのですが、もう一度おさらいをしますと、十二月に四十四件で、一月に四十五件と。少ない四月に関しては五倍の数字になっているということなんですよね。やっぱりこの時期に工事が集中しているということがうかがえます。  そして、十月ごろから着工するということで工事がふえてくるわけなんですが、心配されるのが、入札にも影響が出てくるんじゃないかなというふうに思います。昨年度の入札状況、入札の不調状況を教えてください。 ◎山田 経理課長 土木工事の入札におきましては、昨年度は二十一件の入札不調がございました。入札不調は、十月に着工する工事のあたりからふえる傾向にございまして、過去三年間でも約七割が十月以降に着工する工事で起きております。入札不調となりました案件は、仕様の一部を変更して、応札した事業者の中から随意契約を行う不調随契や再入札を実施することとなりますが、最低でも一カ月から一カ月半のおくれが生じることとなります。  こうしたこともありまして、昨年度事故繰り越しとなってしまった五件のうち、四件が不調随契の工事であったという状況にございます。また、五百万円以上の工事におきましては、世田谷区土木工事成績評定要綱に基づきまして、工事の監督員と検査員が工事の評定を行っておりますが、土木工事全体の平均の評定点が六十八・九点であるのに対し、不調随契十七件の平均点は六十七・〇点と低い評定となっております。 ◆石川ナオミ 委員 つまり、スケジュールが過密になってくると工事の質も下がってしまうということなんですよね。これでは、区民にとりましても、発注者にとりましても、また受注者にとってもよいことではないということが言えます。  そこで、国土交通省が昨年の四月に、地方公共団体における平準化の取組事例についてを作成し、公表いたしました。これは工事完成時の年度末への集中を避けるため、発注、施工時期などの平準化を示した事例をまとめたものと伺っております。改めて、この事例集はどのようなものでしょうか、伺います。 ◎安間 施設営繕第一課長 公共工事の品質確保の促進に関する法律によって、発注者は、計画的な発注と適切な工期設定に努めることが定められ、発注関係事務の運用に関する指針等において、発注、施工時期等の平準化に努めることとされたところです。  そこで、国は、地方公共団体における平準化の取組事例についてを取りまとめ、地方公共団体が行っているゼロ債務負担行為の活用や、発注者が指定する一定期間内で受注者が工事開始日、完了日を選択できる余裕期間制度、地域の発注見通しの公表など、五つの項目事例を公表しました。  世田谷区においても、一般的に予算成立後に入札契約手続を行うため、第一・四半期内の工期の工事は少なく、営繕所管においても、学校や多様な区民利用施設など、利用状況から工事期間が限定されたり、年度単位の事業計画等により、工期設定が集中する傾向はあります。  このような施設利用状況や事業計画において、年度内の工事量の偏りを解消し、平準化することは、現状では起工所管課のみで行うことは困難でありますが、公共施設等総合管理計画や新実施計画を踏まえ、工事計画を練る中で、債務負担行為など予算措置に関して、財政所管課を初め、事業所管課や施設管理者、契約所管課と調整して、柔軟な事業計画を立てることが必要と考えます。 ◆石川ナオミ 委員 そうですよね。その柔軟な事業計画というところでは非常によいと思いますが、やはりこの債務負担が複数年にわたってしまうというのが心配されるところでもあります。財政課として、この状況をどのように捉えているでしょうか、答弁願います。 ◎加賀谷 財政課長 道路の路面改良工事におきましては、その改良箇所の優先順位などにつきまして所管と調整いたしまして、翌年度の工事実施に向けた予算化の手続としているところでございます。それで、緊急度の高い路線につきましては、年度の補正予算とともに繰越明許費の手続をあわせて行いまして、対応しているという状況がございます。  それで、この間、工事の早期着手を行うための手続としまして、毎年度五億円を上限として債務負担行為を当初予算の段階で既に設定をしておりまして、前年度の契約を行うと。いわゆるゼロ債務負担行為によって速やかな対応を可能としている状況がございます。  この間の予算規模の推移を参考に申しますと、補正予算による前年度からの繰越分を含めまして、平成二十七年度では十億五千万円、二十八年度は十六億円、今年度につきましては十二億円となってございます。設計の状況を踏まえて、順次予算化をしているという状況がございます。  お話にありました国交省の取り組み事例、こうしたものも参考にいたしまして、あわせてまた自治体の取り組みなども取り入れた手法は、所管課と連携を図りながら取り組んでいきたいというふうに思っております。 ◆石川ナオミ 委員 工事量の偏りが解消されまして、安定することは、発注者にとってもよいことですし、また受注者にとりましても、企業経営の健全化ですとか労働者の処遇改善、稼働率の向上にもつながってくるのではないかと思います。他部署との連携というところも必要ですので、またこれは土木課の方にも、違う機会に伺ってみたいというふうに思っております。  さて、最後は、公金のクレジットカード収納の導入について伺います。  私は二年前に、クレジットカードで税金などが納められることができれば、よりよいサービスにつながるのではないかということで、このクレジットカードでの税金が納付できるというサービスの導入を進めてまいりました。決算特別委員会などでも訴えてまいりました。  このクレジットカードでの収納ができるということは、仕組みによる効率化を目指していくこと、つまり、行政改革の一環として、また住民サービスの向上に図ることということですとか、公金の支払い方法の多様化、お金を支払うときも選択肢が広がると、より区民の皆さんが支払いやすいですよねという思いがございました。そして一番早いスケジュールでシステム開発などに取り組んでくださり、この二年でそれが実現をいたしまして、ことしの四月からクレジットカードでの納付が可能となっております。  これは、本当に迅速に対応してくださったということは高く評価をしているところでございますが、私たち自民党は、責任政党でもありますので、ただ提言をするだけではなくて、PDCAでしっかりと確認、その効果についても検証していきたいというふうに思っております。  このクレジットカードで納付できるのは、今のところ区民税、軽自動車税、国保保険料の三つなんですが、ことしの四月からの利用件数と収納金額はどのようになっていますでしょうか、現状を伺います。 ◎庄司 納税課長 本年四月二十七日より開始しましたクレジット納付は、インターネット上の公金支払いサイトから、特別区民税、都民税の普通徴収分、軽自動車税、国民健康保険料を対象に、納付書一枚当たりが百万円未満のものをクレジットカードで納付いただくものでございます。  九月末までの収納実績の概数を申し上げます。特別区民税、都民税は、件数三千三百件、収納額四億四百万円でございます。この収納額は都民税も含まれてございますので、収納額のうち、区の歳入となります区民税分は二億四千七百万円でございます。軽自動車税は八百件、三百八十万円、国民健康保険料は千二百件、一億五百万円でございます。 ◆石川ナオミ 委員 四月二十七日からスタートしたということですから、九月末までとすると五、六、七、八、九と五カ月での収納実績を御答弁いただきましたけれども、それによりますと、例えば特別区民税、都民税は、収納額が四億四百万円、件数にして三千三百件ということでございました。この収納実績をどのように評価していますでしょうか。 ◎庄司 納税課長 税の普通徴収の納付方法としましては、インターネット上でのクレジット納付のほか、区役所、銀行、郵便局等の窓口での納付、口座振替、コンビニエンスストアでの納付、スマートフォン等のアプリを使ったモバイルレジ、これらがございます。  クレジット納付のこれまで約五カ月の収納実績は先ほど御説明しましたとおりでございますが、件数で見ますと、今のところ、区民税普通徴収件数のうち、おおむね〇・八%がクレジット納付での御利用でございます。クレジット納付を行っている他の自治体では、普通徴収件数のうち、おおむね〇・五%の御利用と聞いておりますので、クレジットカードで納付をしたいという御希望にお応えできているのではないかと考えております。  また、口座振替からクレジット納付に切りかえたいというお問い合わせなど、御用意した納付方法の中から、納税する方のライフスタイル等に合わせて選択されているというふうに考えております。 ◆石川ナオミ 委員 まだまだクレジットカードで納付ができるということを御存じない方もいらっしゃるんじゃないでしょうかね。これまで行ったこの広報、皆さんへの周知というのはどのようになさってきたのでしょうか。今後の取り組みについても伺います。 ◎庄司 納税課長 クレジット納付に関するこれまでの広報としましては、四月二十七日の開始に合わせて区ホームページに掲載するとともに、「区のおしらせ せたがや」五月一日号に掲載いたしました。また、六月発行の区税ガイドブック、八月発行の「せたがや便利帳」に、納付方法の一つとしてクレジット納付を記載しております。また、納付書の裏面にも納付場所の一つとしてクレジット納付を記載しております。  債権管理重点プランでも述べておりますとおり、クレジット納付につきましては、納付機会の拡大として、御利用状況を見ながら引き続き取り組んでまいります。 ◆石川ナオミ 委員 住民サービスの向上のためにも広く皆さんに知っていただくような、そうした周知の工夫をぜひしていただきたいと思います。  以上で私の質疑は終了いたします。続いては、加藤委員にバトンをお渡しいたします。 ◆加藤たいき 委員 引き続き、企画総務領域の質疑を進めてまいります。  私自身、庁舎のある地域で生活して、活動している議員として、地域からの注目も高く、災害時においては非常に懸念している方も多い庁舎について聞いていきます。  やはり大半の方が私に言うことは、一刻も早く庁舎を建て直してほしいなんですが、これは基本構想の策定をし直したことが純粋に庁舎建設の後ろに倒れた要因で、区民になかなか理解されておりません。
     世田谷区は、高度経済成長期に住人が急増し、成長末期には鈍化しましたが、二〇〇〇年以降はまた増加し続け、現在約八十九万人になりました。二〇二八年前後では人口百万人になると想定しています。世田谷区の人口の適正規模などの議論は、今後していかないといけないとは思ってはいます。  今般、法律の改正や区民の増加に伴い、行政需要が高まった結果、職員数が増加していっていると思います。一九六〇年に第一庁舎ができた当時、区民は六十一万人、職員数が一千百三十八人、見込みが甘かったのか、当時の状況はわかりませんが、九年後には庁舎が狭隘化し、一九六九年に第二庁舎を建設、区民は七十五万人、職員数が倍増の二千二百六人となりました。  次に、ますます行政需要が高まり、一九九一年に第三庁舎を建設し、そのころ区民は七十五万人、職員数が五千九百九十人、区民がふえると、相対的に職員がふえていっています。百万人区民になった場合には、法律等の改正により、なかなか言いにくいとは思いますが、数字上の仮定で構わないので、職員数の増加はどのぐらいになるのか伺います。 ◎松永 人事課長 現時点で具体的な職員数見込みをお示しすることは難しいのですが、区の人口と職員数についてですが、まず常勤職員は、この間定員適正化の取り組みなどによりまして、人口が八十一万人であった平成十八年度が五千四百六名、人口約九十万人に近くなった今年度が五千百四十一名と減少しております。一方で、非常勤職員につきましては、平成十八年度で約二千二百名おりましたが、保育園、また新BOPなどの事業部門を初め、事務の補助的業務など、積極的な活用を進めてきた結果、今年度は約三千百名となっております。  本庁舎整備に係る職員数についての御質問ですが、本庁舎に従事する職員は、非常勤職員を含め、平成十八年度当時が約二千百名、今年度四月時点では約二千八百名となっております。  今後につきましては、人口増に伴う行政需要の高まりなど、職員の増要素がある一方で、本庁舎等整備基本構想にも掲げたとおり、地域、地区の充実強化を目指す地域行政の推進や、職員の働き方改革に取り組むことに加え、今後のICTはもとより、いわゆる物のインターネット、IoT等の大幅な技術革新などを見据えますと、著しくふえることは想定していないということでございます。 ◆加藤たいき 委員 答えにくい質問になってしまいました。申しわけないです。  今年度庁舎で働く職員は約二千八百人とのことですが、正規職員については、この間相当数の定員削減を行ってきたものの、昨年の四月からは増加に転じている状況であり、また非常勤職員も、先ほどのとおりこの間増加の一途をたどっています。人員の増加をしようとしても、本庁舎にはそのスペースがなく、机、椅子が置けないということも、今の庁舎では聞いています。現在のこの広さでは、増員ができないということ、このような状況下で、設計業者が出してきた設計案を非常に危惧しております。  本庁舎等整備基本構想では、二千八百三十一名という職員数をもとに本庁舎の規模を五万三千平米としています。本庁舎等の整備における基礎数値では、二千八百三十一名からふえた場合には執務スペースをどのように考えているのでしょうか。設計案で見ると、空地がなく、フレキシブルな対応ができるとは思えません。著しく職員がふえることはないとのことでしたが、人口推移も大きく外してきましたし、区にとっては大きな買い物ですから、失敗はできません。今だけではなく、次の世代のことも想定しないといけません。  新しい本庁舎が整備されましたが、既に机を置くスペースがなくなってしまい、今後の必要な事務の増加に対応できる職員数は配置をできませんなどということがあっては、庁舎の整備そのものが本末転倒です。もちろん必要な事務の増加への対応には職員数をふやすこと以外にも、事務そのものの改善等も必要だと思います。しかし、それでもなぜ多少でも職員数に幅を持たせ、庁舎を整備しようとしないのでしょうか。二十年後には庁舎を増築なんてことになったら、それこそ次の世代に負の遺産をつくることになります。  前回の予算特別委員会でも言いましたが、都庁では、ワンフロアを完全に常に空きスペースにしており、人員がふえた際や改修する際には、フロアごと移動し、対応できるようになっているようです。  庁舎は、当然区民のためのものでもあり、区民の方の多くの区民サービスが滞りなく提供され、区としての施策を実行するには、職員が働きやすい環境を整えることも非常に重要な観点です。伺います。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 まず、今回のプロポーザルでございますが、現在の庁舎が抱えている課題、今、御指摘いただきました狭隘化などの課題に対しまして、庁舎等に求める機能、規模等をまとめまして、平成二十八年十二月に策定いたしました本庁舎等整備基本構想をもとに実施したものでございます。  基本構想におきましては、行政機能の規模につきまして、今後も地域行政の推進、職員の働き方改革の取り組みにより新たな行政需要にも対応することで、想定する規模の中で窓口、執務空間を確保していくこととしており、行政機能として約四万七千三百平米を定めたものでございます。今回最優秀者になりました提案につきましては、基本構想で求めている行政機能の規模を満たしてございます。  今後の職員増への対応というお話でございますが、基本構想では、五つの基本的方針の一つとして、機能的、効率的で柔軟性の高い庁舎を掲げ、基礎的自治体と、事業展開にふさわしいオープンフロアを基本とした機能的、効率的で柔軟性の高い計画とすることとしてございます。最優秀者の提案で評価されました広くフレキシブルで利便性の高い執務空間の考え方等を踏まえまして、設計者との契約後ではございますが、新庁舎に合わせた働き方も含め、将来のさまざまな変化に対応できる庁舎となるよう、今後行う基本設計の中で検討してまいります。 ◆加藤たいき 委員 面積は足りているとのことですが、ゆとりを持ってつくっていくというのは、区民に私は理解されると思っております。逆に執務スペースが足りなくなり、増設には厳しい声が届くはずです。現に、ノバビルや城山分庁舎、産業プラザ等、庁舎内に集約しておくべきものが点在しているほうが問題です。  この件は解決するとのことですが、建蔽率に多少余裕があるはずです。集約型の観点からも考えていただきたいと思っております。  設計業者のプロポーザルの話をさせていただきますが、基本構想の中には、集約型の一棟で大きな庁舎を建てる案が掲載されていましたが、今回の六つの業者からは提案されることはありませんでした。設計業者も、営利目的の民間会社ですから、どこの業者も選ばれたいと思うのは当然です。選ばれなかったら、設計費も無駄になります。これまでの庁舎の議論の中で、区長の既存庁舎の保存と中庭を残したいという強い気持ちを酌んできたのではという要らない憶測をしてしまっています。厳正な審査委員会からの答申だと理解をしていますが、庁舎近辺に住む地域の方々の理解を得られていないというのが、私のところに来る区民の声です。  私自身、今年度に入り、地域の方々と庁舎にかかわる議論を数回重ねてきています。延べ三百五十人以上の方に参加してもらいました。先日の区長の記者会見の後にも開いたところ、要望書をいただきました。  これなんですが、全文、ちょっと読ませていただきます。  世田谷区役所本庁舎整備における災害機能の充実についての要望、世田谷区長、保坂展人様。熊本地震では、宇土市の本庁舎が倒壊寸前になるなど、災害対策機能の中枢である庁舎が大きな被害を受け、使用不能になったために、復旧活動に大きなおくれが生じることとなりました。この事態は、区民にとって災害時の行政の対応について非常に大きな不安を抱かせるものでした。  世田谷区は、平成二十八年十二月に策定された基本構想で、区役所本庁舎を区民の安全安心を支える防災拠点とすることを基本的方針の一つに掲げ、その中で、災害時の発災直後には一時集合場所等となり、復旧・復興期には、緊急復興車両の駐車並びに物資の荷さばきスペースとなる広場が必要となるとし、最低二千から二千四百平米を確保すると記載しています。  現在世田谷区役所周辺地域に住む人たちには、区役所中庭を一時集合場所としている方も多く、災害時にはほかの地域からも多くの区民が押し寄せることが想定されるため、基本構想に示す必要最低面積ではなく、空地を大きくとり、可能な限り広い広場を整備することが必要です。よって、本庁舎の整備については、建物をできるだけ分棟せずに集約し、道路に面した大きな広場を地上に整備する計画とすることを要望しますという要望書が来ております。  個人情報が入っているので、これはちょっと出せないんですけれども、皆さん署名と住所を書いてくれています。  今現在も署名が集まってきているようで、本会議終了後に区長に渡したいとのことです。地域の方々は皆さん不安に思っています。高さに関しても、低い建物がよいなんて私には誰一人言っていませんでしたし、なるべく高さ制限ぎりぎり建てるべきだと地元の方々は言っておりました。保存したホールの上には新たに建てることができない案に対しても、敷地の有効活用ができていないと非常に強い反発がありました。  区では、パブリックコメントをとったとありますが、前にも私は区の広報が課題だと言いましたが、情報のとり方がわからない人が多くいること、興味がある人や造詣に深い人しか意見を言えない環境はいかがかと思っています。この要望書の取り扱いとあわせて伺います。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 まず、今回最優秀者に選ばれた提案では、災害時に中枢機能となります災害対策本部が入る庁舎部分については、免震構造というふうになってございます。広場面積も、現在の千六百平米に比べまして三千四百平米ございます。また、雨がかからないピロティー部分が千四百平米、さらに広場のテラスの軒下は、災害時には雨よけのスペースなどとして活用可能な空間として提案がされており、災害時におけるさまざまな工夫がございます。  新たに西側の一五四号線から広場へ抜ける通路の設置も提案されているとともに、敷地中央区道は、その大きな役割の一つである広域避難場所である国士舘大学への避難経路として利用できるものとなってございます。  また、敷地が東西に分かれている中、基本構想で求めている本庁舎等の規模を満たしている提案であり、東西に集約化された建物をつなぐ世田谷リングというコンセプトによって、各施設の機能的な連携が期待できるとともに、来庁舎にとってもわかりやすい構成となっております。  一方、本事業でございますが、現在地で解体、建築を繰り返す長期間の工事になることから、近隣にお住まいの方への影響が非常に大きいものと認識しております。近隣の皆様には、現在も本庁舎等整備ニュースを各戸配付するなど進捗状況等をお知らせしておりますが、今後、基本設計の段階に入ります。近隣住民向け説明会を開催するなど、より一層丁寧な説明を心がけてまいります。  本庁舎等整備は、二十一世紀半ばを長期にわたり区政を支え、災害時には災害対策の中枢機能を果たす拠点としての整備であり、多額の財政負担を伴う事業でございます。現在持っている防災機能を向上させ、より安全な本庁舎等を整備していくという認識のもと、今後も区議会、区民の皆様とともに、本庁舎整備を推進してまいります。 ◆加藤たいき 委員 この本庁舎は世田谷区民全体の資産です。建築に詳しくない方たちの声も拾うようにしてください。  そして、きのうの総括質疑で、我が党の菅沼委員の質疑内で、区長は、この設計業者のプロポーザルでの決定は人、組織を選んだだけであるという答弁をしていましたが、人、組織だけを選んだのであるのならば、設計案も自由に変えられるという認識でいいのでしょうか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 今回の設計者選定方式は、提案を踏まえて人、組織を選ぶ、こうしたプロポーザル方式でして、設計者審査委員会においては、公正で透明性、公開性のある選定方法で審査をいただきました。その結果、株式会社佐藤総合計画がその設計の考え方、それを実現する技術力などが評価され、最優秀に選定されたものでございます。  区といたしましては、この審査経過と結果を尊重し、今後、区議会の御意見も踏まえまして、区として契約相手先を決定してまいります。最優秀者と契約した場合は、その提案内容を基本に基本設計を進めてまいります。審査委員会の審査報告書にも記載がございますが、今後、区民、議会の意見を伺いながら、今回の提案内容を基本に、さらに深化、発展をさせ、より安全安心で魅力ある本庁舎の実現へ向けて取り組んでまいります。 ◆加藤たいき 委員 今の答弁だと、設計どおりに進めるということですが、区長の発言とは若干そごしていると感じてしまいます。  ヘリポート等の議論もしたかったのですが、私の時間の持ち時間は余りないので、補充の委員に任せて次に行きますが、私自身、ホール部分は耐震で免震ではなかったりで、余り納得はいっておりません。  次に、ちょっと話題を変えて、指定管理者制度について聞いていきます。  皆さん御存じだと思いますが、がらがら館と非常に痛烈にやゆされたがやがや館も、五年の契約が終了し、来年四月からは新たな事業者と契約することになります。とはいえ、議会でさんざん話題にもなった世田谷サービス公社との五年にわたった契約について、五年の期間内に区としてできることがあったのではないかという問題意識のもと、幾つか聞いていきます。  民間企業と契約するに当たって、契約どおり、計画どおり、提案どおりにいかずに赤字になるなど、仕方がない場合もあります。私も会社を経営していたので、どうにかならない時期というのも経験があることから、理解できる部分もあります。しかしながら、民間同士の契約の話とは指定管理者の制度は違うのではないかと考えています。指定管理者の指定管理期間は五年としていますが、余りにも提案、計画と乖離して運営している場合や、財務状況が著しく悪化した場合に、指定管理の打ち切りはできるものなのでしょうか、伺います。 ◎山戸 官民連携担当課長 指定管理者制度は、基本的にはいわゆる契約行為であり、状況の著しい変化などが生じた場合には、ルールに基づき契約の解除を行えるものでございます。地方自治法において、指定管理者による管理を継続することが適当でないと認めるときは、その指定を取り消し、または期間を定めて管理の業務の全部、または一部の停止を命ずることができるとしております。  区では、指定管理者と結ぶ基本協定において指定の取り消しの項目を設けており、主に協定に違反したときや業務の処理が著しく不適当と認められるときなどを規定してございます。一方で、指定の取り消しによる区民サービスへの影響を鑑みますと、区による改善指示などに取り組む必要があることから、まずはモニタリングや年度ごとの評価により、随時改善点を反映していき、施設におけるサービスの維持や向上を図っていくものと考えております。  このような評価や改善の取り組みを踏まえました上で、改善が行われない、もしくは改善することが極めて困難な経営状況にあるなど、指定の取り消しに踏み込む必要があると判断する場合には実行していくものと考えております。 ◆加藤たいき 委員 がやがや館の来年度からの事業者選定における選定委員会の議事録要旨を読むと、委員から、一、二年たったときに、第三者評価を入れて厳しく評価する仕組みがあったほうがよいという意見があり、また、違う委員からだと思われるのですが、指定管理者に任せるのではなく、ぜひ区で第三者評価を最低一年に一回ぐらいはやったほうがよいという発言をしています。この提案は至極真っ当だと思うのですが、区としては、この提案についてどのように考えているのでしょうか。例えば区でも課題のある施設はわかっているのでしょうから、その施設に限って三年目に第三者評価を実施し、その結果を踏まえた上で残り二年を引き続き任せるというような指定管理者制度を見直す仕組みはつくれないのでしょうか。 ◎山戸 官民連携担当課長 区では、平成二十九年四月に行った指定管理者制度運用に係る指針の見直しで、定期的に行うモニタリングや年度の評価として、指定管理者が行う自主評価、施設所管が行う区の評価を行っていき、事業報告として区議会に報告することにしております。  また、次期指定管理者選定時に、学識経験者等外部委員を含む選定委員会によって現在の指定管理者の評価を行い、次期選定時に加点、減点を行うものとしており、評価の低い場合は一定のペナルティーが課せられるものとなります。  三年目に評価、残りを延長する仕組みをとのお話でございますが、指定管理期間は、指定管理者の事業計画、雇用関係、採算性などに影響するものでございますので、見直し時期を定めた場合、実質指定管理期間の縮小と捉えられ、参入意欲の低下や魅力向上の投資に踏み込めないなどが想定されます。  区としましては、定期的なモニタリングや年度評価の中で、随時問題を把握した上で改善を図っていき、さらに、次期選定前には、外部委員を含めた選定委員会にて評価を行い、次期指定管理の改善につなげていきたいと考えております。  今後とも、指定管理者制度を生かし、区民サービスの向上につながるような制度設計を研究してまいります。 ◆加藤たいき 委員 民間企業とはいえ、区民の皆さんには、区が運営しているように見えているはずです。そのあたりを理解して、この制度の運営に携わっていってください。  次に、区の情報公開について聞いていきます。  参考内訳書等の情報が欲しい場合には、通常庁舎の区政情報課に訪れ、公開請求を行い、二週間後に再び来庁し、手にするという流れになっていると思います。参考内訳書のような具体的に欲しい情報が決まっている場合には、来庁をせずに情報を手にする方法はないのでしょうか。 ◎大塚 区政情報課長 区の情報公開請求につきましては、現在、三種類の請求方法がございます。  一つは、本庁の区政情報課、または世田谷を除く各総合支所の地域振興課の窓口での請求、そのほか、郵送による請求とインターネットを利用した電子申請による請求の受け付けを行っております。また、請求方法にかかわらず公開決定した文書は、各窓口や郵送での受け渡しを行っております。  情報公開請求の受け付けでは、窓口におきまして、請求者にお話を伺いながら情報を特定することが必要な場合がございます。お話のような文書名が明確となっており、職員とともに情報を特定する必要のない情報につきましては、電子申請などを御利用いただくことで、比較的簡易に情報を取得できる仕組みとなっております。 ◆加藤たいき 委員 オンブズマンのような職員と話をしながらどういった情報が欲しいかを聴取する場合は、電子申請はなかなか使いにくいのかもしれません。しかしながら、来庁しなくても会社等で欲しい端的な情報だと有効です。電子申請等の件数をそれぞれ教えてください。 ◎大塚 区政情報課長 電子申請による請求件数でございますが、平成二十八年度実績では、全体の請求件数五百十六件のうち、窓口での請求が四百十七件、郵送請求が四十件、電子申請による請求が五十九件となっておりまして、割合にして約一一%が電子申請によるものとなっております。電子申請を導入した平成二十五年度は、電子申請は請求件数の全体の約五%でございましたが、今年度も含めまして、この三年間ではいずれも一一%台で推移している状況でございます。 ◆加藤たいき 委員 財務部や施設営繕部の方々は、業者にこういった仕組みがあることを教えてあげてください。庁舎まで足を運ばなくても使える点、また、参考内訳書自体、世田谷区が公開し始めたことを知らない業者もいます。電子請求で済めば職員の時間も有効に使えます。小さなことを一つ一つ積み重ねていってください。  最後に、ドライブレコーダーについて聞いていきます。  昨年の第三定例会の一般質問でも聞きました。その際に、経理課の数台に試行すると答弁にありましたが、その後の設置状況をまずは伺います。 ◎山田 経理課長 昨年十月より、職員の安全運転意識の向上を図ることを目的に、事故等の衝撃があった場合に、車両係に設置しているパソコンに即座にメールが送信される通信機能つきドライブレコーダーを、経理課が管理する職員貸し出し用車両三台に設置いたしました。これまでの間に事故は起きておらず、適切に運用されているものと認識しております。引き続き効果を検証していきますが、今後は、経理課が管理している全ての貸し出し用車両への導入に向けて取り組んでまいります。 ◆加藤たいき 委員 経理課の車全台に設置とのことですが、ほかの課につける予定は今のところないのでしょうか。 ◎山田 経理課長 運転手が運転をする車両には、通常のドライブレコーダーを設置する方向で検討してまいります。ほかの課が管理する公用車に関しましては、ごみ収集車の一部には既に設置されていると聞いております。 ◆加藤たいき 委員 いずれにしても、区の職員側の過失かどうかがドライブレコーダーを設置していればわかりますし、意見の相違により判断がつかないケースもなくなります。職員も区民も守るという観点からも、ドライブレコーダーの設置は今の世の中は必須ではないでしょうか。区の公用車全体に設置を要望して、ゆさ委員にかわります。 ◆ゆさ吉宏 委員 それでは、引き続き質疑をしてまいります。  名を捨てて実をとる、この前原代表の言葉というのは、他党の党首ではありますけれども、大変感動的で、私も心を打たれる思いがありました。しかし、その後の新聞報道なんかによりますと、実をとるはずが人と金を取られるという、まるで詐欺に遭遇してしまったような状況で、私が言うのも変ですが、気の毒な感じといいましょうか、いずれにしても、刻々と変化をしております。  こうなった要因の一つに、排除するとか、さらさらないとか、本当にちょっとした言葉遣いにあると私は思っておりますけれども、これで随分雰囲気が変わってしまったなというふうに多くの方が感じておられるのではないかなというふうに思います。いずれにしても、攻守が、攻めと守りが日がわりで変わって、最後まで全く先が見通せない選挙というのは、近年珍しいなというふうに感じております。  さて、見通せないと困るのは区の財政なんですけれども、平成三十年度当初予算編成について、まずは歳入の見通しについて伺います。 ◎加賀谷 財政課長 この間の国の月例経済報告でございますが、景気は緩やかな回復基調が続いていると、緩やかに回復していくことが期待される一方、海外経済の不確実性、金融市場の変動に留意する必要があるということとされてございます。こうしました経済状況を前提といたしまして、平成三十年度の当初予算案の歳入フレームでございますが、特別区税につきましては、二十八年度決算を踏まえました人口増に伴う納税者数の見込みについては上方修正とする一方、三十一億円の税収減となりましたふるさと納税の減収拡大も想定されるところでございますが、現段階では同規模としているところでございます。  また、特別区交付金、財調交付金につきましては、この間の区の都市計画公園用地取得の一般財源相当の需要額算定などの増加を見込みまして、九億円の増としてございます。  それから、法人住民税などの交付金の財源の見通しの不安定要素もございますので、こうした状況によっては、特別区交付金の状況が予断を許さないという見込みもございます。  また、配当割交付金、株式関係の交付金もございます。二十九年度に引き続き、三十年度当初予算についても、現段階では厳しい状況にあるという見込みでございます。  こうした状況を前提に、今後、国、都の動向を十分留意いたしまして、予算編成のほうに努めていきたいというふうに思っているところでございます。 ◆ゆさ吉宏 委員 今回、自民党が衆院選で公約で打ち出しております全世帯型社会保障の充実によって、例えば幼児教育の無償化など、国の社会保障関連政策が大きく変わる場合、区の予算への影響についてもあわせて伺います。 ◎加賀谷 財政課長 現状からになりますが、保育サービス運営費、それから生活保護費、障害者の自立支援給付費など、社会保障関連経費の増加が続いてございます。二十九年度の内訳で申しますと、一般会計のうちのいわゆる民生費、これらが含まれる民生費の割合ですが、関係職員も含めますと、全体の半分、五〇%、一千五百億円の規模を占めていると。そこについての特定財源が四五%の六百六十八億円という財源構成でございます。  また、今般お示ししました中期財政見通し、三十三年度までの見通しですが、民生費の大部分を占めます扶助費、こちらは人口の増加、それから保育サービスの拡充などで三十三年度まで百二十億円、約一五%の増加と見込んでいる状況がございます。こうしました義務的経費の増加によるいわゆる経常収支比率の増加によって、他の政策経費への財源の余力がなくなるということにもなりかねないと思ってございます。  お話しの国の無償化の影響がお話としてございますが、今現在、ちょっと詳細が見えない段階ですけれども、保護者からの保育料相当が国からの補助金に振りかわるという状況で現段階では想定しておりますが、引き続き、今後、国、都の社会保障関連施策の動向に注視しながら、しっかりと財源確保のほうでは取り組んでいきたいと思っております。 ◆ゆさ吉宏 委員 そんなことから、平成三十年度の歳入増に向けた取り組みも必要になりますが、まずは、たばこ税の収入の確保策について伺います。 ◎古川 課税課長 たばこ税につきましては、平成二十五年度から年々減少しているものの、平成二十八年度決算では、おおよそ八億七千万本の販売により、約四十五億円の歳入となっております。たばこ税は、使途を特定しない一般財源として区のさまざまな施策に活用されており、ふるさと納税による特別区税の減収の影響が大きくなる中で、区政を安定して運営するための重要な財源であると認識しております。  そのため、区では、世田谷区内で販売されたたばこの特別区たばこ税は、世田谷区の財源となり、区政に役立てられていますという喫煙者に向けた御案内を区内五カ所の喫煙所に掲示しているほか、区税ガイドブックその他の広報媒体を通じて、たばこの区内購入促進のためのPRに努めているところでございます。  今後も、禁煙、分煙化の進展や、それに伴う喫煙環境の整備、喫煙マナーの普及啓発等、たばこを取り巻く状況や課題も踏まえつつ、たばこのさらなる区内購入促進のための有効な方策について、他自治体の先進事例も参考にしながら、検討を進めたいと考えております。引き続き、貴重な財源確保のため、関係所管と連携して取り組んでまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 次に、税外収入の拡大策について伺います。  税外収入のさらなる確保に向けて、ネーミングライツをもっと推進すべきであると考えております。例えば対象の施設を広げたり、施設の一部のみを行うなど、企業がやりやすい、取り組みやすい工夫をするべきであるというふうに考えますが、区の見解を伺います。 ◎中西 政策経営部副参事 ネーミングライツですけれども、平成二十三年度に実施したレンタサイクルポートのみとなっておりまして、その後はふやせていないのが現状です。区が所有する施設は、誰もが知るような有名な施設というのはないので、待っていても提案は来ないと。ですので、お話のような事業者が提案しやすいような仕組みをつくる必要があると認識しています。  例えばですけれども、名古屋市では、市役所の庁舎みたいなネーミングライツになじまない施設は除いて、全ての施設を対象に、年間を通じていつでも提案を受け付けるという仕組みにしています。また、委員お話にもあった、施設の一部だけでもネーミングライツが可能だ、提案が可能だというような工夫もしております。それから、あとは対象施設を種別ごとにまとめて、この施設は年間利用者数何人だよというようなリーフレットを作成していて、それを広く周知することで、事業者が、じゃ、ここにしようというふうに選びやすいような工夫もしています。  今後、このような他自治体の事例も取り入れながら、施設の改築や改修を機に募集するなど、事業者が提案しやすい仕組みを検討し、さらなる税外収入の確保に向けて取り組んでいきたいと思います。 ◆ゆさ吉宏 委員 一方、プライマリーバランス、平成二十八年度から赤字に転じているというふうに聞いておりましたが、現状と今後の推移について、改めて伺います。 ◎加賀谷 財政課長 プライマリーバランスでございますが、歳入総額からその特別区債を控除したものと、歳出の総額から公債費を控除したものとの比較で、単年度で財政運営の健全性を見るものとして、当初予算概要によってこれまでの状況、今後の見通しのほうをお示ししてございます。  お尋ねの直近の状況でございますが、平成二十八年度当初予算時点では赤字に転じる見込みとしてお示ししておりましたが、今般の決算を踏まえまして、歳入歳出額の減少、特別区債の発行抑制などによりまして、プライマリーバランスとしては四十七億九千八百万円の黒字となってございます。  また、お尋ねの今後の推移になりますが、平成三十三年度までの中期財政見通しでいきますと、梅ヶ丘拠点整備、玉川総合支所、その後の本庁舎の改築などの大規模な投資事業が続く見通しでございます。各年度において、百億円を超える起債のほうを見込んでございます。その結果、当面はプライマリーバランスとしてはマイナスとなる見通しでございます。  この間の特別区債の発行に当たりましては、全体の収支状況を踏まえまして、満期一括債のいわゆる借換債の抑制を行ってございます。平成二十三年度から二十八年度の段階では、抑制した結果、百三十六億円の残高の抑制を行ってきてございます。新たな発行に当たりましては、金利動向を見定めて、定時償還方式、それから満期一括の償還方式といった方法、それから借換債の一部活用など、効果的な組み合わせを行って借り入れ方法の工夫をするということで、毎年度の公債費の縮減、あるいは区債残高の抑制に努めていきたいと考えてございます。 ◆ゆさ吉宏 委員 私が議員になります前、サラリーマンを約二十年ぐらいやっておりました。大学卒業して、まず金融機関、その後メーカーに転じまして、最後は損害保険会社でした。その保険会社に、今から十年ほど前に入りましたときには、当時、創業九十周年ぐらいの、九十年目の、純粋に日本の会社だったんですけれども、それから二、三年後に、アメリカから外資が入ってきまして、その後、完全に外資系の保険会社に変わってしまいました。  当時私は、本社のマーケット開発部門の課長をやっておりまして、銀座二丁目の昭和通り沿いにあります本社ビルは、間もなく売却をされまして、神谷町の駅前にあります森ビルの中に本社が移転をしました。多くの日本の保険会社は、自前の土地に自前のビルを建ててテナント料を稼ぐという発想がありますが、外資の場合は、余計な資産は持たずに単年度の経費で物事を考える、キャッシュフローを最優先するという発想で、そのかわり貸借対照表ですとか損益計算書には、日本社以上にシビアでした。  そんな企業会計手法による客観的な財政分析などを取り入れた新公会計制度を世田谷区は来年度から導入しますので、今後は、持続可能な行財政運営を行っていくことが重要で、行政サービスを客観的に捉え直し、効果のある施策を是々非々で見きわめ、優先順位をつけて、果断に実行していくことが求められます。そのためには、客観的なデータを用いて、行政内部でしっかりと検証するとともに、議会に判断材料として提示し、かみ合った議論を行うことが必要になります。新公会計制度は、そのような目的を持つ取り組みであり、財務諸表はそのツールとして、しっかり活用することが求められます。  そこで、新公会計の目的の確認と、行財政改革のツールとして、財務諸表を活用して何をどのように変えようとしているのか、区の見解を伺います。 ◎金澤 会計管理者 今お話のあった新公会計の取り組みにつきましては、政策経営部と財務部、そして会計室の三部が共同で推進をしております。委員の御質問につきましては、事務局の私からお答えをさせていただきます。  御案内のとおり、新公会計制度は、来年度から日々仕訳によるデータの蓄積を行い、再来年の三十一年度から、財務諸表を作成してまいります。議会にも、決算の参考資料として提出をする予定にしております。  また、区民の皆様については、現在の世田谷区の財政状況という冊子を充実させて、情報提供する予定にしております。これは、区の財政運営状況を、自治体会計だけではなく、補完的な役割ではありますが、もう一つの視点から御説明を申し上げるものです。  また、この財務諸表を活用して何を変えようとしているのかという御質問でございますが、委員がまさに御指摘になったように、会計データを用いて行政活動をより客観的に捉え直すことがもう一つの大きな目的であり、より効果的な施策の選択、行政コストの縮減など、行政経営改革に活用していくものです。このため、行政評価だけではなく、毎年の予算編成の応用拡大というものがテーマであるというふうに考えております。  また、これまで自治体会計としては把握をしてこなかった資産、負債といったストックの情報、減価償却などのフルコスト情報というものが財務諸表でわかりますので、特に公共施設の総合管理に用いることも大きなテーマでございます。
     さらに申し上げれば、この取り組みを通じて、職員のより一層のコスト意識の醸成も図ってまいります。  財務諸表は、行政にとっても大変有効なツールであると思います。ことし三月の報告書で、行政のPDCAサイクルに合わせて場面ごとに幅広く活用するということを基本方針といたしました。具体的な内容につきましては、現在、庁内でも議論を重ねているところですので、改めて議会にも御報告申し上げたいと思っております。 ◆ゆさ吉宏 委員 それでは、新実施計画について伺いたいと思います。  現在、来年度からの新実施計画を策定中だというふうに聞いておりますが、政策的経費を有効に使い、計画の実効性を高めるためには、現計画の目標達成度を把握し、目標が達成できなかった事業については、課題を整理し、改善を図ることが必要です。個々の事業の評価、検証は個別に行っていると思いますが、計画全体でどの程度目標を達成できる見込みなのか見解を伺います。 ◎中西 政策経営部副参事 この間、基本計画の実現に向けまして、現在の新実施計画における計画目標の達成に取り組んでまいりました。現時点での見込みでは、多くの事業でおおむね目標を達成できる見込みです。例えばですけれども、公園緑地の拡充、豪雨対策の推進といった都市基盤の整備ですとか、CO2排出量削減のための自然エネルギー利用の促進、粗大ごみの資源化等ごみ減量の取り組みなどの環境分野では、着実に目標を達成しております。  ただ一方で、保育待機児対策では、三歳から五歳までの待機児はおおむね解消したものの、ゼロ歳から二歳の定員はまだ不足しているですとか、福祉分野においては、目標の達成が困難な事業もございます。また、木造住宅密集地域の解消、建物耐震化も計画値を下回る見込みになっています。  このような事業につきましては、計画の後期におきましても継続した取り組みが必要であり、目標に満たなかった原因を明らかにし、改善を図ることで、計画の実効性を高めてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 次に、後期の計画で特に取り組むべき課題と、その実現の方策について伺いたいと思いますが、現在の新実施計画の達成状況については、先ほどのお話で理解しましたんですけれども、目標に到達しなかったものについては、どのように改善し、後期の計画に位置づけていくのか。また、社会状況の変化によって、新たに顕在化したさまざまな課題に対し、何を特に重視して取り組んでいくのか伺います。 ◎中西 政策経営部副参事 後期計画の何を重視するかということについてお答えさせていただきます。  人口の増加や、人口構成の変化に加えまして、家族のありようの多様化が進む中で、限られた財源と人員で持続可能な自治体経営を維持していくには、着実な行政経営改革を進めることに加えまして、地域運営の担い手をふやしていくことが必要であると考えております。  これまでも区では、区民事業者などの参加と協働を軸にした共助共生の地域社会づくりを進めてまいりました。新実施計画後期では、これをさらに進めるため、参加と協働のさらなる推進を横断的な視点に掲げ、区政の各分野で、区民、事業者が主体的に地域を運営する機会をふやすことで、参加と協働の裾野を広げてまいります。  また、人口増加や社会情勢の変化に伴いまして、拡大し、複雑になる行政需要に対応するためには、先ほど申しましたが、行政経営改革に徹底して取り組む必要があると考えており、経費の削減や業務の効率化をより一層進める必要があると考えております。新公会計制度を活用したコスト分析や官民連携による事業展開など、新たな手法を積極的に取り入れながら、安定した財政基盤の構築を進めてまいります。  以上の基本的な考え方に基づきまして、先ほど御答弁させていただいた個々の課題につきまして総括をし、次の四年間の取り組みの具体化を進め、後期の計画をまとめてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 今後、人口がふえることによって増大する社会保障を初めとした行政需要をどのように見込んでおり、どのように対応するのかということについても区の見解を伺いたいと思っております。  新実施計画素案に掲載された人口推計では、二十五年後には、総人口が百八万人を超えるという推計結果になっていますが、年齢階層別の推計を見ますと、高齢者人口、年少人口がともに生産年齢人口の増加を大幅に上回る見込みでありまして、行政需要が拡大するのに対して、歳入の増加が見込めない模様です。  増大する社会保障を初めとした行政需要をどのように見込んでおり、どのように対応するのか、区の見解を伺います。 ◎中西 政策経営部副参事 今お話にありました実施計画に掲載した人口推計では、二十五年後の人口増約十八万人のうち、その内訳で、年少人口は三万人以上ふえますと、高齢者人口は七万人以上ふえるという推計結果になっております。したがいまして、主たるところでは、介護サービスの大幅な需要増、次いで保育施設や学校教育施設の需要増が懸念されます。一方で、生産年齢人口は、現在から七万人の増加にとどまりますので、生産年齢人口一人当たりが支えるいわゆる従属人口は、現在の〇・四八人から〇・六人にふえると、現役世代の負担がさらに厳しくなることは予想されます。  こういう状況ですので、子どもたちの世代に負担を先送りすることのないよう、厳しい状況になってから行動するのではなく、今から事業手法の改革による歳出抑制や、コストと成果を重視した事業の選択といった予防型の取り組みを重視していきたいと考えております。また、将来人口動向に応じた自治体経営をテーマとし、都市計画、財政運営、機構改革といったさまざまな観点からも検討を行ってまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 最後に、区職員の高齢期雇用に関して伺いたいと思います。  ことし三月、働き方改革実現会議で決定しました働き方改革実行計画の一つに、高齢者の就業促進という項目があります。多様な技術や経験を有するシニア層が、幅広く社会に貢献できるエイジレス社会を実現するとして、継続雇用年齢等の引き上げを進めていくための環境整備を行っていると聞いております。  また、この八月に出された人事院勧告におきましても、高齢層職員の能力、経験を本格的に活用することが不可欠として、国家公務員の定年の延長について言及しております。公務員の定年延長の検討は、年金支給年齢が段階的に六十五歳まで引き上げられることなどを踏まえる面もありますが、少子・高齢社会にあって、高齢者を含めた誰もが活躍できる社会の実現が急務であり、六十五歳までの定年延長を公務員が民間企業に先駆けることで、労働人口を確保しながら、社会全体の活力維持につなげていく狙いがあるとしています。  そこで伺います。世田谷ですと、児童相談所、あるいは建築分野で人材不足が叫ばれている中、区においても、経験豊かな高齢層職員の活用が安定的な区政運営のために必要だと考えますが、区の見解を伺います。 ◎松永 人事課長 現在、区では、定年退職をする職員について、継続雇用の意向を確認の上、再任用職員として任用しております。平成二十九年三月――二十八年度です――の定年退職者のうち、約八割の方が再任用を希望し、本格的な職務に従事しており、そのうち六割以上の方が、フルタイム再任用として退職前と同様の勤務形態で職務に従事しております。  お話しのとおり、少子・高齢化が進展し、労働人口が減少する中、質の高い行政サービスを維持していくためには、これまで以上に高齢層職員の能力や経験を最大限活用して、組織活力と公務能率を確保していく必要があると考えております。  今後も、定年延長に関する国や特別区人事委員会の動向なども注視するとともに、高齢層の職員の方が長期にわたって培ってきた知識や経験を多くの職員に継承し、育成を図りながら、やりがいを持って活躍できる環境の整備に努めてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 御答弁いただきありがとうございました。  以上で私からの質疑を終わります。ここで山口委員にかわります。 ◆山口ひろひさ 委員 窓際に座ることが非常に多くて、こうして窓際から外を見ると、もうすっかり暗くなっていまして、この時期だんだん暗くなってくる寂しさを感じますけれども、寂しいといえば、夏に安室奈美恵さん、安室奈美恵ちゃんと言っていますけれども、来年の九月で芸能界を引退するというニュースが流れました。私にとっては、山口百恵、桜田淳子、そしてキャンディーズの解散に匹敵する、安室奈美恵世代、ファンの方は、それに匹敵する衝撃的な出来事なんじゃないかなというふうに感じます。  ここで、安室奈美恵さんも非常に人気があるころは、町の中も、ロン毛でミニスカートの厚底ブーツというんですか、そのファッションをまねたアムラーという方々が町にいろいろあふれ出ていまして、一つの社会現象みたいになっていましたけれども、この安室奈美恵の引退のニュースが流れる中で、テレビの中で、実際にアムラーを皆さん知っていますかという調査をやったんですね。僕なんか、アムラーってみんな知っているんだろうなというふうに思いましたけれども、実はアムラーを知っているのは四割で、半分以上の人がアムラーという言葉自体を知らないんですね。僕も、思い出すというか、自分の生活を振り返ってみると、よく居酒屋なんかへ行って、時々ピロピロ飲みなんていうふうにやっているんですけれども、居酒屋の女の子がそれを見て笑ったりしてくれているんで、ピロピロ飲みって知っているというふうに聞くんですけれども、大体の女の子は知らないというふうに言います。  こうして年を重ねていくと、何か自分がもうやって、はやっていたことはみんな知っているんだろうなという感覚でやっていくんですけれども、このピロピロ飲みも、多分半分以上の人が知らないんじゃないかなというふうに思いますし、今、話をしました山口百恵、桜田淳子、あとはキャンディーズ、これも若い子なんかに聞けば、聞いたことはありますけれども、生まれていませんなんて、今、こんなふうな世の中になっているんだと思うんですけれども、ちょっと寂しさを感じます。  僕が若いころは、女性は三人娘ね。これも二世代三人娘がありまして、それから中三トリオが出てきて、キャンディーズという感じですね。男性のほうは、御三家、それから新御三家ですね。その後、こう考えてみると、たのきんトリオというのが出てきたのかなというふうに思います。トシちゃんこと田原俊彦、マッチこと近藤真彦、ヨッちゃんこと野村義男ですね、野村克也のほうが有名かもしれないですけれども、その三人が、金八先生とかそういうドラマに出て活躍をしていました。  その中で、近藤真彦、マッチなんかは、アイドル歌手をやっていたんですけれども、その後、フォーミュラというんですか、レーサーのほうに転向していったりして、「ギンギラギンにさりげなく そいつが俺のやり方」なんて歌っていたんです。きのうからこの決算特別委員会が始まりまして、総括質疑が昨日ありましたけれども、区長がきのう総括に出席されていて、他会派の質問ですけれども、区長、私の質問にも実直に答えてくださいなんて、こういうふうにやっている方もいましたし、やじで、すりかえ答弁だなんていうふうに言われていましたけれども、たまたま区長が今モニターを見ていたら、そいつが俺のやり方なんて言っているかもしれないと思うんですけれども、それはどうでもいいことなんですけれどもね。  そういう中で、このマッチも、今、片岡鶴太郎さんていますけれども、今、お笑いの香りは全然しませんけれども、実は僕が若いころはお笑いで、物まねをやっていたんですよね。よく、「マッチでーす」なんて言ってマッチの物まねをして、「マ」と「チ」の間を微妙に伸ばしていて、僕もお笑いが好きなものですから、これは流行していたからちょっと使っちゃおうかなと思って、友達と別れ際に、「マッ」って言うんですよ。朝会ったときに、「チでーす」と言って笑わせてやろうかなというふうに思っていたんですけれども、実際、「マッ」と言って別れたんですけれども、家帰って寝ちゃって、それで朝起きてまた学校へ行って友達に会ったらもうすっかりそれを忘れちゃいまして、友達、ナカザワ君というんですけれども、そういえば、山口さ、きのう別れ際に「マッ」って言っていたけれども、あれは何と。それで急に思い出しまして、「チでーす」と言って説明はしたんですけれども、ナカザワ君、はあという顔をして、ナカザワ君なんですけれども、どん引き男君になっていまして、それから余り僕に話しかけることが少なくなったような気がします。何でっと聞いたら、やっぱり疲れると言われましたね。  この伸ばすというのは、適度がやっぱりよくて、余り伸ばし過ぎてもこういうのってよくないので、そろそろこの話ももうやめたほうがいいんじゃねえかという雰囲気だと思いますけれども、この近藤真彦、非常に今、もう過去の人になってしまったかもしれませんけれども、じゃ、世田谷でマッチはどうなんだと。ちょっと探してみたんですよ。しかも世田谷では、過去の人ではなくて現在進行形、ingがついて実際やっているんですね。マッチング、やるじゃねえかingという感じがするんですけれども、僕はこのマッチングについて、少し質問をさせていただきたいなというふうに思います。  基本計画の視点として、マッチングを掲げられているわけでありますけれども、まずその成果をお聞きしたいと思います。 ◎山戸 官民連携担当課長 世田谷区基本計画において、目的を共有し、縦割りを超え、さまざまな分野や主体を横つなぎ、組み合わせることで、課題解決の力を高めるよう相互に協力し、政策を進めることをマッチングと定義し、これまで庁内各部が協力し、庁内連携を強めながら、マッチングにより効率的で効果的な政策の形成や推進に努めてまいりました。  マッチングの成果でございますが、現在策定中の新実施計画後期の検討過程において、各部に対し、マッチングの視点に立った上での取り組みの提案を募集したところ、さまざまな提案が上がっており、その取り組みを実施計画事業へ反映しているところでございます。  また、最近の取り組みといたしましては、ユニバーサルデザイン推進計画の事業の一つで、誰でも使えるトイレとベンチ等の休憩施設のネットワーク整備を進める際の事例がございます。この事例は、近年、高齢者の増加とともに歩行に困難を抱えるいわゆるロコモティブシンドロームの症状を訴える方がふえてきており、痛みを感じても、少し座って休むことで再び歩くことができることから、各総合支所街づくり課と都市デザイン課の職員が、福祉的視点を学習し、介護予防・地域支援課の保健師の職員より、ロコモティブシンドロームについて説明を受けた上で町歩きを行い、座れる場所の点検を行いました。  このように、庁内関係部が連携、協力して取り組んでおり、マッチングの好事例であると考えております。また、十月下旬に発行予定のマッチングレポート第四号にもこの事例を取り上げております。引き続き、マッチングによる政策の推進に向け、取り組んでまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 今、答弁いただいて、ちょっとわからない言葉があったので。ロコモティブシンドロームというんですか、済みません、勉強不足で。いろいろ答弁を聞いていると、ちょっとあれっという、聞くのも恥ずかしいんですけれども、歩行が困難な方のことをロコモティブシンドロームと言えばいいんですか。 ◎山戸 官民連携担当課長 ロコモティブシンドロームというのは、骨や関節などの運動器の衰えが原因で、自分で移動される能力が低下をしている状態であることから、当然、歩行が困難というより、長い間歩き続けることが困難である状況でございます。 ◆山口ひろひさ 委員 いわゆる僕もちょっとヘルニアをやっているもんですから、長く歩くとしびれてきちゃうんで、骨とかそういう関節とかが弱くなってそういうふうな状況に、移動はできるんだけれども、余り長くできないという人のことを言うわけですね。ありがとうございます。  今、答弁をいただきまして、今度出る、今まで出たレポート以外に出るんだと思うんですけれども、誰でも使えるトイレとベンチ等の休憩施設のネットワーク整備の事例というふうな説明がありましたけれども、そういう事例が出てくるということは、効果的な部分というのが出てきているんだろうというふうには思うんです。  主要事務事業の中にも、このマッチングを推進していくために、課題解決に向けてマッチング推進会議というふうに掲げられているんですけれども、このマッチング推進会議は、今現在、どんな状況で行われているんでしょうか。 ◎山戸 官民連携担当課長 マッチング推進会議は、各領域の計画担当課長などが兼務している領域連携担当副参事等によって構成されております。これまで各部のさまざまな連携事業等の取り組みを共有し、議論を重ね、マッチングの考え方やモデル事業を通して見えてきたことをマッチングレポートとしてまとめ、公表してまいりました。  今後も、引き続き領域を横断する施策等について、柔軟な組織運営や執行体制により、庁内関係部が連携、協力して取り組むことができるよう、マッチング推進会議を通して、庁内外に発信してまいりたいと思います。 ◆山口ひろひさ 委員 答弁いただきながら、マッチングレポートというのがたびたび出てくるわけですけれども、今度発行するのが多分四号になると思うんですけれども、いろいろそれぞれ今までの成果というのをまとめられているんだと思います。これはずっと継続して、このマッチングレポートというのは出し続けていかれるわけですか。 ◎山戸 官民連携担当課長 マッチングレポートは、マッチングの考え方を初め、モデル事業の取り組みを通して見えてきた好事例をまとめ、毎年度発行してきたところです。今年度発行するマッチングレポートは、お話しのとおり第四号で、新実施計画前期期間の総括号として位置づけ、発行するものです。元外部評価委員による寄稿を初め、これまでのマッチングモデル事業の取り組みなどを掲載し、今月下旬に発行する見込みです。マッチングレポートは、今後も引き続き年一回の発行を見込んでおります。  また、新実施計画後期の行政評価には、参加と協働による新たな評価軸が導入される見込みのため、事業を実施する中で行われたさまざまな工夫が集まってくると思っております。これらの中から好事例をピックアップし、庁内により周知ができるのではないかと考えております。 ◆山口ひろひさ 委員 年一回、これから区が継続的に発行していくということで、参加と協働の新たな評価軸が導入されるので、さまざまな工夫が集まってくるという答弁がありました。この集まってくるということは、それなりにマッチングをする事業がいろいろあって、その工夫をして成果があらわれていくということで、これから四号はもう出ますけれども、五号、六号、七号に向けて、ネタには苦労しないのかなというふうな感じがしております。  ということで、そういうネタがある、そして、ということは横の連携もできているんだろうなというふうには思うんですけれども、ただ、ここで僕、質問してなんなのですけれども、本来、こういう横の連携というのはマッチングと、こういうふうにわざわざうたわなくても、本来だったら、当たり前のことだと思うんですよね。民間では当たり前のことなんだけれども、いろいろ過去の歴史を戻りますと、やっぱり役所というのは、縦割りの中でなかなかこういった横の連携ができなかったということなんですけれども、そういう中でも、わざわざマッチングとしてうたうことなく、本来だったら民間が当たり前にやるべきことなんですから、やるのが当たり前なのかなというふうに思うんです。こうして基本計画等に掲げて、いかにも横の連携、こんな難しいことをやっています、マッチングですという感じで表にあらわすというのは、まさに保坂区長の保坂チックという感じがしないでもないんですけれども、いかんせん、そういっても、こうして実際にその成果があらわれつつあるんだと思うんで、それは決して批判することじゃないし、喜ばしいことなんで、進めていただきたいと思うんです。  そうしてレポート等やりながら、この好事例を発表していくということです。そういうことであれば、このマッチングというのも、僕は職員の一人一人のやる気、また部のやる気、職場のやる気というのも非常に大事になってくると思うんです。  先ほどその事例を答弁の中でいただきましたけれども、それがレポート四号ですから、四つはレポートの中で、そういう好事例が出されているので、マッチング第四号になるのかどうかわかりませんけれども、そういうのがどんどん出てくると思うんですよね。そういうことをこれから積み重ねていった中で、例えばマッチング事例第五十号とか、百号とか、そういう記念すべき事例にちょうどぶち当たったりすることがあるじゃないですか。野球でも、東京ドームで一番多く打ったのは誰だとか、五千号を打ったのは誰だとか、そういうのも時々いろいろ名前が出たりします。  そういう意味において、例えばここの部署とここの部署が第五十号を達成しましたとか、その部署に何かそれの報告をするような横断幕じゃないですけれども、ちょっと出したりする。そうすると区民が、そこの窓口に足を運びに行って、そんなの、達成なんていうのを見ると、例えば何とか部署は何かすごくいいことをやってるらしいぜなんて町でうわさになったり、そうすることによって、職員も部署も職場も、よし、マッチングをやってやろうという気持ちにもなると思うんです。  例えばこの中で管理職の方は、次がそろそろ百号で、絶対うちが百号をとるんだと、あそこの部署だけには負けねえなんていう、そういう気持ちになってやることによって、職員のやる気も出てくるし、例えばスピードアップにもつながるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そこまでの考え方はないですよね。 ◎山戸 官民連携担当課長 これまでマッチングレポートに取り上げましたマッチングの好事例に取り組まれた所管や、またそれに関する区民活動団体の皆さんには、マッチングレポートで紹介されたことを大変喜んでいただいております。また、新たな評価軸による評価をすることでマッチングの好事例が集まってくるのは、三十一年度発行予定の第六号からなのですが、来年度発行予定がちょうど第五号と切りがいいものですから、委員御提案のように、その第五号への掲載を目指して、積極的に各所管の皆さんにはアピールしていただけるように、先ほどのマッチング推進会議を通して働きかけていきたいと思っております。  今後も、職場の皆さんに掲載されることを目指していただけるように、マッチングを推進していきたいと考えております。 ◆山口ひろひさ 委員 今までの横の連携というのは、一番の大きな壁だったと思いますので、これを打ち破って進めていくことによって、やっぱり区民利益につながっていくものだと思いますし、そういった中で、職場の職員のやる気といいますか、そういうのも啓発をしながら、推進をしていっていただきたいと思います。  マッチングの最後に、今、自治体連携というのをやっていますけれども、私はこれも一つのマッチングだと思うんですよね。この世田谷区は、さまざまな区民まつりの関係ですとか、幅広く自治体といろいろやっていますけれども、御承知のところでは、川場村とお隣の川崎、そういったところとやっているわけですけれども、非常にエネルギーだとか災害の対策でやっています。僕も以前、委員会というか、区長がいる中で、もう少し福祉分野ですとか、もっと幅広く連携をとるべきじゃないかというふうな質問をさせていただいたんですけれども、この自治体連携の現在の進捗状況というのはどういうことになっていますか。 ◎山戸 官民連携担当課長 世田谷区総合戦略に、基本方針の一つとして、心豊かな暮らしを実現するための地方、都市との連携、交流を掲げまして、区単独では解決が難しい分野の課題や、相互に発展するための共存共栄の取り組みについて、関係自治体同士で知恵を出し合い、それぞれの強みが生かされるよう連携、協力し、広域での課題解決に結びつくように取り組んでまいりました。お話しの川場村との縁組協定や川崎市との包括連携協定を初め、災害協定や自然エネルギー活用協定など、多くの自治体と連携して取り組んでおります。  こうした自治体同士の連携のほか、区の商店街と地方の自治体とが連携した取り組みが進んでおります。商店街が主催される事業などにおいて、連携している地方の自治体に声をかけて事業を実施される事例のほか、北海道中川町のアンテナショップの運営に下高井戸商店街が協力するなど、地方の自治体単独ではできないことを、区民、商店街等の連携により進めている事例もございます。また、特別区全国連携プロジェクトを契機として、北海道胆振町村会との連携も進めておりますが、既に三軒茶屋商店街とのつながりができ、来月十一月には、北海道いぶり体験まつりが三軒茶屋で催されると聞いております。  自治体間連携につきましては、住民参加と協働による自治体間連携をテーマに取り組んでおります。引き続き、自治体同士の緊密な連携を進めるとともに、その良好な関係性をもとにして住民同士のマッチングが進むよう、自治体の紹介や連携情報の発信などに取り組んでまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 産業の部門とか、そういうところでも今答弁いただきましたけれども、つながりはできつつあるんだなというふうに思います。  僕は、この間テレビで、たまたま地方の町なんですけれども、やっぱり人口減少ですとか、その町のお店をやっている息子さんとかが都会に出ちゃっているんで、こっちで商売、田舎に戻って商売をやるということがない、後継者がいないんで、そのお店をもうやめちゃいますと。それから、農業の関係では、農園をやっている方も、やっぱりもう後継者がいないんでやめちゃいますと。そんなのを、インターネットなのかわからないんですけれども、情報提供するのがありまして、それを都心というか都会に住んでいる方がそれを見て、昔から商売、お店やってみたかったんだ、そんな夢を持っていたんで、そこに移住して、商売を始めたとか、そして農園を始めたとか、そんな事例を紹介していました。  地方にとっては、お店がなくなるとか、今まであった農園がなくなる。やっぱり人口減少とともに、生活のスタイル、町の活性化というのも衰退してきちゃいますので、そういう細かいあれでも構わないんですけれども、情報というのを、もっとこれだけいろいろ地方の方もアイデアというのを持っているんだと思うんで、移住だけではなくて、いろんなアイデアを区民に情報提供して、それを選択するのは区民ですから、区民のライフワークの選択肢をふやすということも僕は必要になってくると思うし、それがつながることによってお互いの利益につながっていくんじゃないかなというふうに思いますので、ぜひその辺の取り組みを、引き続き幅広くやっていただきたいなというふうに思います。  ちょっと時間がなくなってきてしまったので、せっかくパネルもつくったんですけれども、パネルは次の機会にさせていただいて、あと何分ですか――一分ぐらいある。  個人情報保護法が改正されまして、僕も知らなかったんですけれども、固有名詞を言っちゃいけないから、T洋経済、この雑誌にそのことが載っていまして、実は、今まで対象になっていなかった小事業主とか、そういった情報、五千以下のところも全部対象になるということで、町会、同窓会とかも今度この対象になってきちゃうそうなんですよ。一般質問でも町会の加入促進の質問もあったり、やはり名簿をつくっている町会・自治会の方も、そういう個人情報の対象になるなんて聞くと、ちょっとひるんだり、身構えちゃうところもあると思うんです。大田区、帯広市では、結構そういったレクチャーというか、ホームページで説明したり、マニュアルをつくったりして進めているらしいんですけれども、ぜひ世田谷もそういった部分を、ちょっとホームページを見てもないので、進めていただくことを要望して、質問を終わらせていただきたいと思います。要望じゃかなわないんだね。やっていただきたいと思います。  以上で、自由民主党の企画総務領域の質問を終わらせていただきます。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会をいたします。     午後五時四十五分散会...