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平成27年  9月 決算特別委員会-10月05日-03号

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  1. 世田谷区議会 2015-10-05
    平成27年  9月 決算特別委員会-10月05日-03号


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    平成27年  9月 決算特別委員会-10月05日-03号平成27年 9月 決算特別委員会 平成二十七年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第三号 日 時  平成二十七年十月五日(月曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十五名)    委員長       三井みほこ    副委員長      津上仁志    副委員長      藤井まな              安部ひろゆき              石川ナオミ              石川征男              おぎのけんじ              加藤たいき              上山なおのり              河野俊弘              真鍋よしゆき              山口ひろひさ              山内 彰              ゆさ吉宏
                 和田ひでとし              板井 斎              河村みどり              佐藤弘人              高久則男              高橋昭彦              福田妙美              諸星養一              風間ゆたか              中塚さちよ              中村公太朗              羽田圭二              江口じゅん子              桜井 稔              たかじょう訓子              中里光夫              村田義則              大庭正明              そのべせいや              田中優子              桃野よしふみ              阿久津 皇              小泉たま子              佐藤美樹              青空こうじ              あべ力也              高岡じゅん子              田中みち子              上川あや              すがややすこ              ひうち優子  出席事務局職員           議事担当係長 長谷川桂一  出席説明員   副区長            板垣正幸   政策経営部   部長     板谷雅光           総合戦略担当参事政策経営部長兼務)                  板谷雅光           政策企画課長 笹部昭博           庁内連携担当課長                  後藤英一           政策研究・調査課長                  藤野智子           財政課長   加賀谷 実           広報広聴課長 小澤弘美   地域行政部   部長     萩原賢一           地域行政課長 平澤道男           住民記録・戸籍課長                  和久弘幸           窓口調整担当課長                  舟波 勇           情報政策課長 庄司秀人           共通番号制度準備担当課長窓口調整担当課長兼務)                  舟波 勇   総務部     部長     岡田 篤           総務課長   星 正彦           庁舎計画担当課長                  長岡光春           区政情報課長 淺野 康           人事課長   堀込章仁           研修担当課長 金澤博志           職員厚生課長 松永 仁           副参事    柳澤正孝   危機管理室   室長     金澤眞二           災害対策課長 有馬秀人           危機管理担当課長                  髙野真弘   財務部     部長     本橋安行           経理課長   梅田 亨           課税課長   太田一郎           納税課長   小渕由紀夫           用地課長   釘宮洋之   施設営繕担当部 部長     松田隆夫           施設営繕第一課長                  安間正伸           施設営繕第二課長                  佐藤絵里           公共施設マネジメント推進課長                  窪松泰幸   会計室     会計管理者  河合岳夫   選挙管理委員会事務局           局長     宮内孝男   監査事務局   局長     髙木景一           次長     大石智康     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  認定第一号 平成二十六年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定  認定第二号 平成二十六年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第三号 平成二十六年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定  認定第四号 平成二十六年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第五号 平成二十六年度世田谷区中学校給食費会計歳入歳出決算認定企画総務委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○三井みほこ 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○三井みほこ 委員長 本日は、企画総務委員会所管分の決算審査を行います。  なお、本日、遅参の届け出がありますので、御報告いたします。  遅参者は小泉委員、以上であります。  それでは、質疑に入ります。
     公明党、どうぞ。 ◆津上仁志 委員 おはようございます。それでは、公明党の企画総務委員会領域の所管分の質問を始めさせていただきたいと思います。  まず、私のほうからは迷惑電話対応について伺っていきたいと思います。  警視庁の発表によると、昨年度の特殊詐欺と呼ばれる、面識のない特定の者に対し、電話その他の通信手段を用いて預貯金口座への振り込みやその他の方法により現金等をだまし取る詐欺の被害は九千百八十七件、三百十八億円となっており、電話を使った手口が多く、振り込みではなくて、最近では直接被害者の自宅などに取りに来る現金受け取り型や宅配便などを利用して犯人が指定した宛て先に配達させる現金送付型が増加しており、犯人と接触しないためにも、不審な電話に出ないことが犯罪を防ぐ最も効果のある対策となっております。  区でも、昨年は迷惑電話チェッカーのモニター募集、また、今年度は自動通話録音装置の貸し出しを東京都と連携して行っております。自動通話録音装置とは、相手に通話が録音されることを音声案内することで抑止効果を図ることができる、そういった装置でございます。  本年六月一日から募集を開始しましたけれども、約一カ月で予定していた二百台に達して、私の周りでも大変反響が大きくて、募集台数をふやしてほしいというようなお声をたくさん頂戴しておりました。伺うと、区にも同様の要望が多く寄せられているということで、きょうから追加の二百台の募集が始まったとお聞きしております。先ほど少し聞いたら、電話が鳴りやまないような、そういった大変大きな反響であるというふうにも伺いました。  まず、さきの災害・防犯・オウム問題対策等特別委員会では、犯罪認知件数は減少しているけれども、振り込め詐欺の件数はふえているというふうな報告がありました。まず、区内の被害状況について伺っていきたいと思います。 ◎髙野 危機管理担当課長 振り込め詐欺を含む特殊詐欺につきましては、ことしの一月から八月末までに都内では約千三百件の被害が発生しており、被害額は約四十四億七千万円となっております。区内では被害件数が百三十四件、被害額が約三億七千万円に及んでおりますので、おおむね都内の被害の一〇%が区内で発生しているという状況でございます。  また、被害状況を昨年の同時期と比較しますと、都内全体では件数、被害額ともに減少しているのに対しまして、区内では件数が十四件、被害額が約六千六百万円増加しているという状況でございます。  区といたしましては、区内四警察署と連携して被害防止に努めているところでございます。 ◆津上仁志 委員 非常に多くの被害が発生しているということですけれども、世田谷区が都内でも一番多い被害があるというふうにも聞いたんですが、それでよろしかったでしょうか。 ◎髙野 危機管理担当課長 昨年一年間の被害につきましては、二十三区で被害額が一番多いということでございます。 ◆津上仁志 委員 非常に増加している傾向で、唯一世田谷区が増加している傾向で、しかも二十三区でも一番多いという状況を考えると、しっかりこの対策を進めていかないといけないと思うんです。被害を下げるためにも、また、きょうの区民の反応から見ても、この取り組みというのは継続してしっかり取り組んでいく必要があるのではないかなというふうに思うんですけれども、その辺の区の見解を伺いたいと思います。 ◎髙野 危機管理担当課長 今後の取り組みといたしましては、引き続き区広報媒体による啓発広報、街頭キャンペーンなどを通じて、高齢者はもとより、子ども、孫世代を含めた幅広い世代に対する注意喚起を行ってまいりたいと考えております。今月十九日月曜日には「犯罪ゼロの日」のキャンペーンとして、女子サッカーなでしこリーグの選手とともに、祖師ヶ谷大蔵駅前において振り込め詐欺防止についての啓発活動を行う予定にしております。  また、自動通話録音機につきましては振り込め詐欺防止に効果が高いものと認識しております。東京都は来年度から三年計画で、都が二分の一、区が二分の一を負担して、自動通話録音機を配布する補助事業を検討していると聞いております。  区といたしましても、この補助事業を活用した自動通話録音機の配布について検討してまいります。 ◆津上仁志 委員 東京都もこの事業を継続して行うような検討をしているということなんですけれども、世田谷区は被害も多いということですし、また、対象としているのが六十五歳以上の方のいらっしゃる御家庭ということで、世田谷区も六十五歳以上の方の数、世帯数というのは非常に多いのではないかなと思うんです。  それを考えると、今年度は四百台になっていますけれども、また、区内にある各警察署が配布しておりますが、それを合わせても千台余りという状況ですので、配布対象数を考えると、この台数で果たしていいのかなというふうにも思います。また、世田谷区、先ほど御答弁があったとおり、そういった被害が非常に多い状況を考えると、さらなる拡充というものもしっかり検討しないといけないんじゃないかなと思うんですけれども、そのあたりの見解を伺います。 ◎髙野 危機管理担当課長 平成二十六年四月一日現在、区内における自動通話録音機の配布対象となる六十五歳以上の高齢者がいる世帯は約十二万五千世帯でございます。自動通話録音機につきましては、今年度配布いたします合計四百台に加えまして、来年度以降、東京都の補助事業の活用による配布を検討しているところでございますが、委員御指摘のとおり、対象世帯と比較してまだまだ少ないという状況にございます。自動通話録音機の配布に当たりましては、機器を設置することによる直接的な効果に加え、配布していることを広報し、より多くの方に知っていただくことにより防止につなげるという間接的な効果も期待できます。  そこで、警察署、防犯協会などの関係機関、団体と連携いたしまして、六月に配布した際には、成城ホールにおける振り込め詐欺根絶のつどいの会場で、今月の配布に際しましては、区民会館ホールにおける世田谷区民地域安全のつどいの会場で、それぞれ来場された皆様に自動通話録音機の御案内をするなど広報啓発を図っているところでございます。  今後も被害防止に向けて自動通話録音機配布の効果をより高められるよう努めてまいります。 ◆津上仁志 委員 しっかり拡充していっていただきたいなと思います。  世田谷区が非常に被害が大きい状況を考えると、さらなる強化というのも必要になりますので、東京都の事業を活用して来年度は考えていくというふうな方向性ですけれども、区独自でもしっかりと対策を考えていただいて取り組んでいただきたいなというふうに要望させていただきます。  それでは、次に移ります。次は、昨年、第一回定例会、また予算特別委員会においても質問させていただきましたけれども、クラウドファンディングの導入ついて伺っていきたいというふうに思います。  昨年質問をしたんですけれども、その後、何も反応がない状況でしたので、どういった取り組みをしているのかということを伺っていきたいんです。  改めて説明させていただくと、クラウドファンディングというのは、団体や個人などの企画立案者がプロジェクトを仲介サイトに公開し、必要な資金を不特定多数の賛同者からインターネットを通じて小口出資で募る方法です。既に海外では資金調達の仕組みとして一般的になっている手法です。  最近では多くの自治体も導入を開始して、私が昨年質問した時点では、鎌倉市とか大阪市、また夕張市、こういった自治体だけだったんですけれども、今はかなり多くの自治体もさまざまな取り組みを始めている状況にあります。それで、実績もたくさん上げておりますので、御存じの方もたくさんいらっしゃると思います。  昨年の質問では、鎌倉市、大阪市、夕張市の事例を紹介しまして、税金に頼らない新たな資金調達手法としての活用、また、市民活動や創業支援などの地域振興、産業振興への活用方法として、全庁として寄附の構造化をどう進め、安定的な事業としていけるようにしっかりと検討すべきというふうに提案をさせていただいたのに対し、区からは、先進自治体の実践例を参考にして、効果的な活用方法があるのか。例えば地財法等の制限などの関連する法令を確認しながら研究を進めたいというふうな答弁にとどまりました。  一年半が過ぎましたので、また多くの自治体が導入をされて、また実績も上げられている現状を踏まえて、区の検討状況をお聞かせいただきたいと思います。 ◎加賀谷 財政課長 お話しいただきましたクラウドファンディングにつきまして、インターネットを介して、国内に限らず、幅広く事業資金の調達を可能とする手法と認識してございます。  それで、この間の取り組みですが、一応区といたしましては寄附文化の醸成ということがございますので、そういった意味で、広い意味でまずは寄附制度の普及ということで、「せたがや便利帳」を活用しました寄附のPRの開始ですとか、それから、ふるさと納税制度の御案内も含めた寄附リーフレットの作成、配布なども行うということ。それから、職員提案制度も活用いたしまして、新たな施策の提案を全庁職員に募集いたしまして、使い道が見えやすく、寄附者の意思が尊重できる、世田谷らしい取り組みを目指した検討をまずは進めているところでございます。  それで、先進的な自治体の確認のところなんですけれども、身近なところで言いますと、墨田区におきまして導入状況を確認することができました。墨田区におきましては北斎美術館の建設を今行っているところでございまして、二十八年度の開館を目指すということで、そちらの資金調達に向けまして、昨年度から募集を開始したところです。具体的には、区のホームページの募集とあわせて民間企業のサイトを利用した、目標額としまして五億円を設定して、八月末現在ではその半分を超える寄附額が集まっているという状況が確認できたところです。  また、そのお話の中では、民間企業を利用した場合の寄附金額に対しまして約二割程度の手数料が必要になる。それから、さらにクレジット決済を導入した場合ですが、また別途費用が必要になること。また、寄附の見返りとして返礼品を出す場合、また、これにつきましては別途経費が必要になるということで、こうした一定の歳出の予算の計上が伴うということから、導入に係る全体の費用対効果など幾つかの課題が明らかになっているという状況でございます。 ◆津上仁志 委員 コストの面で、またさまざまリスクもあるということで、そこまでの研究にとどまっているということなんですが、世田谷区で導入する場合、先ほど言ったような迷惑電話の自動音声の録音装置だとか、そういったこともありますけれども、台数が非常に少ないということもあって、これらを補完する意味で募集をしたりとか活用したりということも考えられるのではないかなと思いますので、検討していただきたいと思うんです。  自治体がクラウドファンディングに取り組む導入の動きというのは大きく三つに分類されるのかなと思います。三つ言うと立案、支援、運営、これらに分離されて、立案というのは、自治体自身がプロジェクトリーダーになってクラウドファンディングで資金を集める手法、また、支援というのは、民間の団体とか、市民とか、企業がクラウドファンディングを使って資金調達できるように支援していくこと、また、運営というのは、クラウドファンディングプラットフォームの運営自体を自治体が担っていくという方法、この三種類があると思うんです。  自治体自身がこのクラウドファンディングをつくって構築してやっていくというのは非常にリスクもあるし、コストもかかることなので、こんなことは難しいというふうに考えるんですけれども、立案、支援というのは、既存のプラットフォーム、先ほど民間のそういった企業を使ってやっているということ、二割程度コストがかかるということでしたが、そういう形で考えれば、コストはかかりますけれども、例えば事業ができなかった、不発になってしまったときのリスクとか、あと返金する場合の手間とかそういったものは、そういったところに委託することによって回避ができるのではないかなというふうに考えるんです。  それを考えれば、既存のそういうプラットフォームを活用して、区が行うというのにはそんなにハードルは高くはないんじゃないかなと思うんですけれども、その辺の考えはいかがですか。 ◎加賀谷 財政課長 その施策事業の組み立てにおきましては、まずは実施に当たっての財源をどう確保するかというところで、基本的にはその税ですとか、その他特定財源、国や東京都の補助金などの活用の可能性があるのかというところを十分見定めた上で、まずはそこからの組み立てが原則になるのではないかなというのが原則だと認識しております。 ◆津上仁志 委員 わかりました。さまざま資金をどう使っていくかということにはハードルはあるとは思うんですけれども、実際に行っている自治体が数多く存在しているという事実をしっかりと認識した上で、もう少し詳しくというか、どうやれば導入できるかということに主眼を置きながら研究を進めていただきたいなと思うんです。  また少し取り組んでいる自治体のことを紹介すると、たくさんあるんですけれども、その中でも京都府の長岡京市というところは大学と連携したクラウドファンディングを行っているんですね。これは子ども向けの環境学習教材、デジタル紙芝居というものを共同開発していたんですけれども、それを英語訳つきの絵本にする事業、これをクラウドファンディングを使って行っておりました。  環境団体などを通じて市内及び国内外の幼稚園とか小学校、図書館にそれらを届けて、次世代環境教育教材のスタンダードを目指す事業として、自治体、長岡京市が中心になりながら行いました。市の財政が非常に厳しい中で、どうやったらこの事業ができるかということを考えて、このクラウドファンディングというところにたどり着いたようです。目標額は百二十万円という額だったんですけれども、これも二カ月で募集ができて、二カ月で百五十四万円の調達を達成することができたという事例でありました。  返礼品なんですけれども、この場合は、贈られた小中学校、世界にもそうなんですが、そういった方々、お子さんたちからのお手紙とか、写真とか、そういったものを返礼品として、出資していただいた方に届けたという事例でございます。  そう考えると、返礼品の問題とか、また導入するに当たってのコスト云々というものは、事業をどう捉えるかによって考え方も変わってくるのかなと思いますので、その辺もしっかり検討していただきたいと思うんです。  新たに資金調達する確率、そういった方法で行う、例えば区でもオリンピックに向けた環境整備とか観光資源開発などさまざまな事業を、区独自、もしくは大学や団体と連携して共同立案した事業を、こういう既存のプラットフォームを活用しながら資金調達を行って実施していくことも必要ではないかというふうに考えるんですけれども、それらを導入するためにはどういったような課題があるのか、その辺についてまた教えてください。 ◎加賀谷 財政課長 いろいろ先ほど先進自治体、それから世田谷区における今後のオリンピック・パラリンピックに関連した企画、そういったことに関連して、クラウドファンディングを利用した資金調達を活用しました区政参画になろうかと思いますが、それぞれ全体を含めました導入効果ですとか、その実現の可能性につきましてはさまざま課題があろうかと思いますので、そういった部分につきましては、関係所管と引き続き具体的な効果というんですか、それから副次的な効果もあろうかと思いますけれども、そういったことを見定めながらちょっと検討する必要があるかなというふうには思っております。 ◆津上仁志 委員 検討が必要だということですけれども、実証実験とかそういった形で実際にやってみて、その中で課題を見つけていくということも手法の一つだと思いますので、そのあたりも含めて検討を進めていただきたいというふうに思います。  時間もあれなので、次に行きます。次に、マイナンバー制度について伺ってまいります。  いよいよ本日より番号通知が始まって、来年一月より雇用保険及び税務でのマイナンバー制度が実施される予定です。事業主は、従業員とその扶養家族の個人番号を取り扱うため、特定個人情報の安全管理措置が義務づけられます。そのため、どんな準備が必要なのか、また、措置をしなかったら、そういった措置ができなかったらどうなるのか、また、従業員が番号通知を拒んだときどうしたらいいのか、そういった具体的な取り組みについて不安の声をたくさんいただきます。区として事前準備など整備についての周知がまだまだ不十分じゃないかなというふうにも感じております。  あるアンケート調査によると、導入について不安であると答えた方が八割に上る、そういった調査結果も出ておりますので、さらなる周知が必要ではないかなというふうに思っております。  区は、区内事業者団体への説明、機関紙などへの掲載や説明会の実施を依頼してきたというふうに伺っていますけれども、ホームページなど、政府などの関連ページがリンクされているものにもなっております。  事業者からの具体的な相談に答えられるのは、社会保険労務士の方になるとは思うんですけれども、専門士相談として予約制で今、第二木曜日一時から四時に実施していますが、個人番号通知が始まったことにより、事業者からの相談はこれからふえていくのではないかなというふうにも考えられます。  制度実施を円滑にするためにも、また、運用がマイナンバー制度に特化した相談窓口の設置が必要と考えますけれども、そのあたり、区の見解はいかがでしょうか。 ◎舟波 共通番号制度準備担当課長 マイナンバー制度においては、事業者が法定調書等の作成のため、従業員やその扶養親族等の個人番号を取り扱う必要があり、それに伴い、事業者に対して特定個人情報の安全管理措置が義務づけられたことから、そのための準備などに御心配の声が多いことを認識しております。  これまで地域での区民説明会や法人会の学習会などにおいて、区内税務署と合同で事業者向けの説明を行ってまいりました。また、今後、青色申告会など税務関連の説明会の機会を捉え、新たな制度や各種手続などの説明を行っていくことを予定しております。  事業者からの個別相談をお受けする体制といたしましては、三軒茶屋の産業プラザ等における社会保険労務士の社会保険・労働相談や事業所への訪問相談などを行っておりますが、個人番号や法人番号などの通知などに伴いまして、事業者からの問い合わせや相談もふえてくることが想定されます。このため、事業者からの御相談があった場合は、こうした相談窓口を御案内するとともに、御指摘いただきました相談窓口の拡充に向け、多様な方法により御相談をお受けすることができないか、産業政策部門など関係機関とも調整し検討してまいります。 ◆津上仁志 委員 検討していただけるということなんですけれども、キャロットタワーに個人カード交付の窓口の設置を予定されていると思うんですが、そういった場所で事業者向けにも、社労士の方にそこに来ていただいて相談を受けるとかいう体制もとれるのではないかなと思います。  実際にもうカードの番号が通知されるわけなので、これから事業者の方の相談は本当にふえてくると思います。これからふえてくるんだろうなというのは予想されますので、そういったことも含めて検討していただきたいというふうに思いますので、それは要望して、福田委員にかわります。 ◆福田妙美 委員 引き続き質問をさせていただきます。  私のほうからは、選挙公報についてまず伺いたいと思います。  本年四月二十六日、世田谷区議会議員選挙が行われました。ここにいる皆様も記憶に新しいと思います。選挙が終わった直後ですけれども、区民の方から次のような声が届きました。今まで届いていた選挙公報が今回の選挙では届かなかったけれども、どうなっているの、今後改善をしてほしいですとの内容でした。  選挙で投票するということは、有権者自身が複数の候補者の中から一人の候補者を選ぶということですので、候補者を比較し選ぶ上では重要な判断材料が選挙公報です。選挙公報は選ぶ上で非常に大きな役割を果たしていると言っても過言ではありません。インターネットなどでもありますが、全有権者に公平な情報提供に選挙公報の配布は欠かせません。選挙公報の配布に関して、区が定める条例によって、選挙人名簿に登録をされている各世帯に選挙期日の前日までに配布する旨が記載されています。  ここで質問いたします。今回、選挙公報の配布は行き届かなかったとの声が届きましたが、本年四月の選挙における選挙公報の配布状況がどうだったのかお聞かせください。 ◎宮内 選挙管理委員会事務局長 各種選挙での選挙公報の配布に当たりましては、近年の新聞未購読者の増加に伴いまして、各有権者に確実にお届けするために、現在は業者委託により各戸配布を実施しているところでございます。  本年四月の区議会議員・区長選挙におきましては、告示日の翌々日であります四月二十一日の火曜日から二十三日の木曜日までの間に各戸に配布いたしました。配布に当たりましては、配布漏れがないよう、配布業者が住宅地図と照合しながら一軒一軒注意を払って行うよう、業者に指示しておりました。しかしながら、区内配布予定の約四十八万件のうち、区民の方から配布されていない旨のお問い合わせをいただいた件数が合計で百七十四件ございました。  なお、選挙管理委員会に御連絡いただいた方には、住所、氏名等を確認した上で、速やかに業者により配布をいたしましたが、これ以外に実際に届かなかった方もいらっしゃるものと思われます。このことにつきましては大変申しわけなく思っております。改めておわび申し上げます。 ◆福田妙美 委員 今回は、今までになくこの配布がされなかったお宅があるということですけれども、今回、こういった事態が起きた本当の原因というのは何なのか、区のほうでおわかりであれば教えてください。 ◎宮内 選挙管理委員会事務局長 選挙公報の配布につきましては、入札により業者を決定しております。本年四月の区議会議員・区長選挙におきましては配布件数が約四十八万件と多いことから、受託業者が個別に契約する再委託業者九社を含めまして、それぞれ担当地域を分担して配布いたしました。配布員は配布に当たりましては住宅地図を確認しながら各戸別に配布し、配布を終えた住居にはその都度地図にチェックを落とし込みます。その地図は、配布終了後に現場管理者に提出いたしまして、その現場管理者は、各配布員から提出された地図をチェックし、漏れなく配布できているかどうかを管理いたします。その結果、もし配布漏れがあった場合には、直ちに全体管理を行う受託業者と選挙管理委員会に報告した上で再配布することになっておりました。  しかしながら、この再委託業者のうちの一社が担当した地域ではこのことがきちんと履行されておらず、現場管理者が配布漏れの事実を把握できておりませんでした。また、この一社につきましては、配布員が不足していたこともありまして、現場管理者自身がみずからも配布業務に当たってしまったということも、管理する上で不十分になってしまったことが要因だったというふうに考えております。 ◆福田妙美 委員 今回、入札によって元請が決まる、そしてその後、再委託業者が九社ということですけれども、ここのうちの一社が、どうも今回の配布がうまくいかなかったということでありますが、こういった入札で行っていきますと、どうしても金額の設定というところになってくると思います。こういうような状況の中で、今後、またこの選挙公報の配布という大切な任務を履行できる業者を選べるのかどうか、非常に重要なことだと思っております。  特に区議会議員選挙は選挙期間が短いということもありますので、この短い期間で確実に配布できる業者の選定も必要かとも思いますが、今後どのように改善されるのか、区の見解をお聞かせください。 ◎宮内 選挙管理委員会事務局長 選挙管理委員会といたしましては、このたびの件を教訓といたしまして、今後の選挙公報の配布契約に当たりましては、現行の契約内容を一層精査するとともに、業者が決定しました際には、委託業者及び再委託業者の履行内容を確認いたしまして、業者の配布計画が妥当であるか、あるいは配布人員に不足はないか、配布の確認作業を徹底化するための現実的な手段などを含めまして、さらに徹底した検討を加えたいというふうに考えております。  御指摘のように、有権者にとりまして投票の際の重要な判断材料となります選挙公報をお届けできなかったことは重く受けとめまして、今後の選挙におきましては、このようなことがないよう再発防止に努めてまいります。 ◆福田妙美 委員 今御答弁いただきましたけれども、委託業者が決定してからこの履行内容を確認するということですが、それ以前に、本当は委託業者の選定の段階から何か対策が必要ではないかというふうに考えます。  現在、入札で委託業者を決定して、安くポスティングをしますということで確実に業務を履行できるのかと疑問が残りますが、今後の改善策をしっかり行っていただくことを強く求めて、次の質問に移ります。  続きまして、区が所有する財産について伺っていきたいと思います。  今回は、区が所有する財産の基金、そして公有財産です。  まずは基金について伺っていきたいと思います。平成二十六年度の決算状況が報告をされました。そこから見えてきた財政運営の状況は、区民所得の増加などによる歳入の増加があったものの、さらに少子・高齢化が進む中、社会保障分野への対応と改築改修を待つ公共施設が多くなることを考えると、区の財政は予断を許さない状況と考えます。財政負担軽減策とあわせて、税外収入の確保で強固な財政構築が必要と考えています。  経済状況の著しい変化や災害などに対応するため、地方自治体が備える財政上の緩衝材となるのが基金です。基金はどの自治体も設置をしていますが、運用次第で違いが生じます。自治体経営の観点から、運用と借り入れはいわばコインの表裏の関係にあり、一体的に統括をすることが望ましいと考えます。基金の効率的な管理運用を推進していくことは、税外収入の確保につながるというふうに大変重要なことと考えます。  ここで質問いたします。資金調達と表裏一体でもあり、基金の運用は税外収入にもつながる重要な財源と考えますが、区はどのような考えで取り組んでいるのかお聞かせください。 ◎河合 会計管理者 区の公金運用につきましては、公金管理方針などに基づきまして安全性を大前提といたしまして、基金の取り崩し、それから支払い準備金が不足する場合の基金からの繰りかえ運用など、資金の流動性に注意を払いながら効率性も高めていきたいと考えております。  具体的な運用につきましては、効率性の観点から十三種類の積立基金を全体で一括して運用していくことをルール化しておりまして、毎年度策定いたします公金運用計画に基づき実施してございます。  また、資金の流動性を確保するため、短期的な運用と比較的高い利回りが期待できます長期的な運用を組み合わせ、世田谷区中期財政見通しを踏まえて運用していくこととしております。  以上のような考え方のもとで、できるだけ多くの利子収入を確保しようということで、今年度につきましては二億円を超えることを目標に取り組んでおります。  なお、資金調達につきましては、一時借り入れを基本的な手法と考えておりますけれども、現在はキャッシュフロー上収支のバランスが比較的よいということもありまして、一時借り入れを活用していない状況にございます。 ◆福田妙美 委員 基金に関しては、自治法第二百四十一条第二項に確実かつ効率的に運用しなければならないとされています。区の平成二十六年度の基金残高は約六百三十一億円、基金運用は平均利回り〇・三三%で、利子収入は約二億円です。前年度と比較すると利子収入は約八百八十八万円の減となっております。  基金運用に関しては、先ほども答弁にありました、安全性が何よりも重要というふうにおっしゃっておりましたが、その上で、効率性をさらに求める工夫で税外収入の増加にもつながっていきます。財政資金に調達運用で模範となる自治体を表彰する地方公共団体ファイナンス賞に、二〇一四年度、大分県国東市が基金運用利回りで全国トップ級の一・九六%を達成して受賞しました。  国東市の運用上の特徴は、十八基金をまとめた一括運用の導入と同時に、運用の改善により基金の運用利回りが、十一年度の〇・二一五%から、十三年度には一・九六%に改善をされました。市町村民税が約十一億円の市で二億円の運用益を出す高い利回りは、世田谷区の五倍以上になっていることには驚きました。  国東市の資金管理の改善の特徴は基金運用にありましたが、我が区も多くの自治体と同様、預金と債券が占める比率が約七対三に比べ、国東市は三対七でした。かつ債券の種類は、多くの自治体が短期・中期債券が大半で、世田谷区も長期の二十年債券は一割にとどめるのに比べ、国東市は二十年の長期債券を全体の半数近く取り入れて利回りを高くする手法を用いていました。  資金運用は、安全性確保とともに、効率性を見出す絶妙な工夫が運用益を生み出すと考えます。しかし、公金である上、安全性の確保が最々重要だとは考えておりますが、その中で債券が占める割合、長期債券が占める割合の工夫の余地はあるかと考えます。  現在、低金利の続く中、運用の工夫次第で財源のさらなる捻出が可能と考えます。金融情勢は低金利が長期に続いてはおりますが、そうした中でも、国東市のような債券の割合、種類の工夫次第で、さらなる財源の捻出が可能と考えますと、安全性を確保しながら利回りを上げる工夫で、さらなる財源捻出について、区の見解をお聞かせください。 ◎河合 会計管理者 現行の日本銀行によります金融緩和政策のもとで、金利動向は過去と比較しましても非常に低い水準に押し下げられておりますので、基金の運用につきましては、お話にございましたように、今まで以上の工夫が求められていると考えております。こうした運用環境のもとで債券運用につきましては、各年度の満期償還額がほぼ同水準になるような構成で、五年債、それから十年債を満期まで保有し、その償還分でさらに五年債や十年債を再投資していくという、いわゆるラダー型運用を行っておりますが、現時点でその効率性、収益性が低下しているという状況がございます。こうしたことから、本年度より当面収益を補完する観点から、二十年債による資金配分も実施するなどの創意工夫に努めているところでございます。  日本銀行による金融緩和政策が継続されるもとで金利は低い水準が続くものと見られておりますので、世田谷区の中期財政見通しのもとで、相対的には高い利回りが期待できる二十年債の債券保有率を高めるなど、御指摘の国東市の例などを参考にしながら、基金運用の効率性をさらに高めるよう工夫に努めてまいりたいと存じます。 ◆福田妙美 委員 続いて、公有財産である公共施設について伺っていきたいと思います。  総務省は、平成二十六年度に総合管理計画の指針を発表してから、全国の自治体に対して公共施設等総合管理計画の策定を要請してきています。早急に公共施設の全体の状況を把握し、長期的な視点を持って更新、統合、長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担の軽減、平準化を行うための計画です。まさに公共施設等が老朽化し、更新財源が不足する病気を治すための処方箋づくりになります。予算不足を招かないための手だてを打つことが最大の目的です。  平成二十五年度に作成された世田谷区の公共施設白書によりますと、区が保有、管理する施設が六百五施設あり、今後三十年間で築年数六十年を超える施設が二百八十一施設で、全体の約四六%、年間の改築・改修費用は約百六十億円との予測でしたが、二年を経過した現在は二百二十六億円に見直されました。これは建設コストの二〇%の増加と年少人口の増加で、学校などの施設規模の需要拡大などの変化への対応から、年間の改築・改修費が増額となっています。短期間でコスト予測が変更では、将来の予測が本当に大丈夫なのかと心配になってまいります。  先日、会派で視察をした老人休養ホームふじみ荘は、建設当時と比較して、利用者の減少と施設の活用が十分されていないことを目の当たりにして、改めて公共施設のPDCAサイクルとマネジメントの重要性を実感してまいりました。  ここで伺ってまいりますが、現在、区では公共施設等管理計画の策定を行っていますが、区の公共施設マネジメント推進課がどのような役割を果たしているのでしょうか。また、計画策定後の公共施設マネジメントの実施体制について、区の見解をお聞かせください。 ◎窪松 公共施設マネジメント推進課長 公共施設マネジメント推進課は、平成二十六年三月に策定された公共施設整備方針に基づき、政策企画課や施設所管課が行う施設の整備計画や配置の見直し、また、施設の運営改善や維持管理経費の抑制などの取り組みに対し技術的な支援を行っております。  公共施設等総合管理計画の策定作業では、施設営繕担当部で管理する公共施設のデータベースを活用しながら、今後の整備計画のもととなる改築・改修経費等のシミュレーション作成やその分析などを担っております。  次に、実施体制でございますが、現在、世田谷区では施設営繕担当部に公共施設マネジメント推進課を設置し、ソフトを担う企画部門とハードを担う営繕部門が連携しながら、施設の配置及び運営の適正化を図っております。
     総合管理計画の策定後は、その計画に基づき施設の維持と更新を着実に推進する必要があるため、現在のマネジメント体制のさらなる強化に向け、さまざまな先進自治体の公共施設マネジメントの実施体制を参考にしながら、政策企画課と連携して、世田谷区にふさわしいマネジメント体制のあり方を研究してまいります。 ◆福田妙美 委員 今まで公共施設白書の作成とか、あとは公共施設のマネジメント部門の設置をずっと求めてまいりまして、もともとこれを質問してきたというのは、やはり将来負の遺産を残してはいけないというすごく強い思いがありまして、こういった内容を今まで何度となく質問してまいりました。  今後、総延べ床面積も抑えていきながら、また、限られた土地、施設を有効利用していかなくてはいけないと思いますが、その中でも、この区民サービスを落とさないという工夫もなお一層求められてくると思います。整備後は整備前と同等のスペース確保ができないとしても、これから区民の人に喜んでいただける、そして負の遺産には絶対しないという決意でマネジメントを行っていただきたいという思いです。  現在、世田谷区において総合管理計画を作成されていますが、全国では人口減少の中、世田谷区は人口微増ということで、ありがたくも喜ばしいことではありますが、都心部ならではの課題もあります。自治体ごとに人口構成、区民ニーズの特色があります。また、限られたスペースをいかに有効活用するのか、世田谷区としてはどのように工夫をして将来に備えるのか、こういった管理計画の作成をどのように行っているのか、区の見解をお聞かせください。 ◎笹部 政策企画課長 区では、公共施設整備方針に基づきまして、計画的な施設の整備ですとか更新については取り組んでまいりました。しかしながら、公共施設をめぐります社会状況を踏まえるといったところ、さらに踏み込みました方針ですとか新しい発想に基づきます取り組みが必要というふうに考えてございまして、公共施設等総合管理計画の検討を進めてございます。まずは基本的な方針(骨太の方針)《建物編》につきまして取りまとめて御報告をしたところでございます。  この基本方針につきましては、今後は施設の集約化と抑制のための手法としまして複合化ですとか多機能化といったものをうたってございます。建物の合築によりまして複合化を進めるとともに、建物や施設の空き時間を別の機能としまして有効に活用するような多機能化といったものも進めてまいります。  例えば地域コミュニティーの拠点的な機能を有してございます学校を有効に活用しまして、休日、夜間におけます集会施設としての利用ですとか、例えば民間事業者による保育や高齢者施設などの複合化を図ってまいります。この際に、それぞれの施設の機能の利用者が同じ敷地ですとか建物を使うということになりますので、区民の皆様が利用しやすい、利用者や団体の方々の参加によります、例えば運営のルールなどの管理体制についても、今後の総合管理計画の中で検討するようにしてまいります。 ◆福田妙美 委員 まだ質問がありましたけれども、時間も来ましたので、以上で私からの質問を終わらせていただきます。 ◆高久則男 委員 それでは、三人目の公明党会派からの質問をさせていただきます。  最初に、木材の公共施設への利用ということについて質問させていただきます。  木材の利用は、快適で健康的な住環境等の形成に寄与するのみならず、地球温暖化の防止、また、森林の多面的機能の持続的な発揮及び地域経済の活性化にも貢献しております。木材は独特のぬくもりや弾性を持ち、音を適度に吸収し、目に有害な紫外線を吸収するなど、人に心地よい感覚を与える素材であることに加え、この木の香りというのはリフレッシュ効果、また鎮静効果などがあると言われております。木造の校舎では、鉄筋コンクリート造の校舎と比べ気力の減退が少ないなどの健康や精神面にもよいという報告も出ております。  先日、会派の代表でこの夏に、学校の内装で多くの木材を活用している板橋区の小学校に視察に行ってまいりました。この小学校に入ってすぐ感じたのは、優しいにおいであり、そしてまた落ちついた感触をすごく私も感じました。図書館であるとか、廊下であるとか、ロッカーなど、ふんだんに木材を使っており、児童または先生方にも極めて高い評価をいただいておりました。  板橋区は、以前から栃木県の栗山村、今の日光市とふるさと交流協定を結んでいると聞いており、その一環として、日光市と木材使用に努める覚書というのを交わしております。それで、板橋区内の小中学校の改築に対して、今回三校、モデル的に木材を利用してつくったということも聞いております。  最初にお聞きしたいんですが、世田谷区内の学校や、また公共施設などでの木材の利用状況はどうか、お聞きいたします。 ◎安間 施設営繕第一課長 委員お話しのとおり、木材はそのぬくもりややわらかさといった特徴を備えるとともに、計画的に木を使うことによって森林が活性化され、二酸化炭素の吸収量が増加するという、地球環境の保全にも貢献するものと認識しております。  区ではこれまで、学校施設や保育園などの床のフローリング材やランチルームの腰壁などに木材を使用するなど、木材の使用を積極的に行ってまいりました。また、千歳台小学校の多目的会議室や、京西小学校、給田小学校の改築における内装材についても木材を多用するなど、木のぬくもりを感じられ、落ちつきのある仕上げとなっており、児童や地域の方からも好評を得ております。  今後も建物の用途や部屋の用途により、利用者の御意見を伺いながら、木材の利用も含め、内装材の使用を決めてまいりたいと考えております。 ◆高久則男 委員 我が国の公共建築物における木造の利用率というのは非常に低くて、平成二十四年度に新築、増築、改築を行った建築物のうち木造のものの床面積の割合は建築物全体で四一%ありますが、公共建築物は九%という報告が出ておりました。  こういった状況を踏まえて、国においては公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律というのを平成二十二年に制定いたしました。この法律では都道府県及び区市町村に対して、この法律に基づいて公共建築物等における木材の利用の促進に関する方針を策定し、木材の利用を進める方向性を明確化するとともに、地方公共団体や民間事業者等に対し、国の方針に即した取り組みを促すこととしております。この方針は、過去の非木造化の考え方を可能な限り木造化にする、また、内装等の木質化を図るという考え方に大きく転換したものであります。  その意向に沿って、例えば港区では区有施設等を積極的に木質化し、地球温暖化防止と日本の森林整備に貢献するとして、平成二十四年度に区有施設等の内装を木質化、木製什器等を積極的に活用する、二十三区では初めての港区公共建築物等における協定木材利用推進方針というのを策定したと聞いております。  それでは、現在どのくらいの地方自治体がこういった木材利用推進方針を策定しているのかお聞きいたします。 ◎安間 施設営繕第一課長 既に方針を策定している自治体はとの御質問ですが、二十三区においては木材の利用方針を策定している区は、江東区、港区の二区となっております。  その中で江東区は歴史的に木材と関係が深く、地場産業として木材加工、流通の拠点、新木場を有し、これまでも公共施設への木材利用に取り組んできているとお聞きしております。  港区のケースは、全国七十六の自治体と国内の林業の活性化、低炭素社会の実現に貢献するという趣旨を踏まえた協定を結んでおり、その協定自治体から産出された木材を公共建築物や工作物に利用する事例となっております。  都内の二十三区以外では市部で二市などで、東京都全体では約一三%が策定しており、全国の自治体では約八割となっております。 ◆高久則男 委員 世田谷区では今、国の法律を受けての指針はまだ策定していないわけでございますが、区におけるこういった公共施設への木材の利活用の方針を早期に定めるべきと考えておりますが、見解を伺います。 ◎安間 施設営繕第一課長 区では、学校施設の標準設計仕様書の中で教室の床材などに木質材料を使用することを定めており、ランチルーム、多目的室などの諸室を合わせると多くの教室に木材を使用する内容となっております。また、学校以外の公共施設においては、公共施設設計標準仕様書に基づき、保育園の床材でフローリングなどの木材を利用しています。  一方、区では今後、公共施設の建設、維持管理に係る費用が増大することを踏まえる中、国から要請されている公共施設等総合管理計画策定に向けて、その基本方針(骨太の方針)《建物編》を示したところです。  御指摘の法律に基づく公共建築物等における木材の利用の促進に関する方針につきましては、現在、区としては策定しておりません。委員お話しのように木材の利用は公共施設の整備に当たり重要な視点ではありますが、区の方針として策定するとなりますと、施設所管を初め、環境や産業など幅広い分野と関連してまいります。  今後はこうした関係所管とも十分協議した上で、公共施設等総合管理計画の作成に合わせて研究してまいります。 ◆高久則男 委員 先ほどのお話で、全ての件で今、こういった方針を入れていますよと。全国で八割の自治体がこの方針をつくっていますよということでございます。こういった全国の流れに応じて、やはり世田谷区としてもしっかりとこの木材化ということを進めていただきたいと思っております。  世田谷区は木材の生産地ではありませんが、多くの交流自治体を持ち、特に川場村とも協定を結んでいるわけですから、こういった川場産材を活用した公共建築物の利用というのも十分可能でありますし、東京都が進めている多摩産材の活用というのも今うたわれているわけでありますが、しっかりと木材活用を推進していただきたいことを要望して、次の質問に移らせていただきます。  次は、防犯カメラということについて質問させていただきます。  夏に中学校一年生の二人が殺害されるという大阪の寝屋川市というところで事件がありましたが、防犯カメラが犯人を特定するのに大きく役立ったということで言われております。防犯カメラは、地域の見守り、また犯罪を行おうとしている者の犯行を中止させる効果、いわゆる犯罪抑止力の効果があるとともに、不幸にして犯罪が発生した場合には、犯人の捜査、犯人の特定、立証にもつながるなど重要な効果が認識されており、防犯カメラの設置は今、全国で普及しております。  特に子どもの登下校時における交通安全、また防犯では、さまざまな局面で子どもの安全を確保する上では、通学路の防犯カメラは極めて有効な手段だと思っております。  東京都では、児童の見守り活動を補完することを目的に、通学路に設置する防犯カメラに対する補助事業を平成二十六年度から三十年度までの事業として実施しており、世田谷区も今後、学校に防犯カメラを設置していくという方針であり、通学路の安全対策が前進していくことについては非常に期待するものでございます。  最初に、商店街に対する防犯カメラの助成事業についてお聞きしたいと思います。商店街に対する防犯カメラの整備費補助事業については平成十七年度から、また、維持管理費補助事業については平成二十五年度からスタートしており、東京都が三分の一、世田谷区が二分の一、商店街が六分の一の設置費用で、六分の五がいわゆる公費で助成されております。  商店街の設置状況は、先日の総括の話でも出てまいりましたが、三月現在、四十団体で四百八十一台と聞いております。それで、ことしの商店街の申し込み状況、また、新実施計画においては二十六年から二十九年まで毎年四商店街の設置となっておりますが、今現在申し込みが多い状況であれば、さらに設置数をふやしていくということをしっかりと推進すべきであると思いますが、見解をお聞きいたします。 ◎髙野 危機管理担当課長 本年度の商店街における防犯カメラ設置補助事業の申し込み状況でございますが、十の商店街から設置の希望を伺っております。しかしながら、予算などの都合により、来年度まで四団体にお待ちいただき、今年度は新実施計画より二団体多い六団体、七十一台の設置に向けて、東京都への申請手続を行ったところでございます。  また、お待ちいただいている四団体を含めまして、既に十を超える団体から来年度の設置について要望をいただいておりますので、できるだけ要望にお応えできるように検討していく必要があると認識しております。 ◆高久則男 委員 地域の安全対策というのは、必ずしも防犯カメラがあれば進めるというわけではなく、あくまでもやはり人的パワー、防犯パトロールを実施するとか見守り活動を実施していくということを並行に行っていかなければならないと思いますが、本当の意味で地域での犯罪抑止力効果になるためにも、防犯カメラ設置の推進をお願いしたいと思います。  また、今年度新規に町会等に対する防犯カメラ設置助成事業がスタートしております。世田谷区の実施計画においては、今年度は新規に四町会、来年度、再来年度は各八町会というふうに出ておりました。聞いたところによりますと、現在も団体から申し込みが七件来ているとも聞いておりまして、今後、この計画のさらなる上乗せも検討していかなければならない局面に入っているかと思いますが、見解を伺います。 ◎髙野 危機管理担当課長 本年度から開始いたしました町会・自治会への防犯カメラの設置補助につきましては、委員お話しのとおり七団体から希望がございましたが、予算の都合により、一団体につきましては来年度までお待ちいただき、新実施計画より二団体多い六団体、三十二台の設置に向けて、東京都への申請を行ったところでございます。  また、お待ちいただいている一団体を含めて、既に十を超える団体から来年度の設置について要望をいただいておりますので、新実施計画では来年度は八団体を予定しておりますが、商店街と同様に、できるだけ要望にお応えできるように検討していく必要があると認識しております。 ◆高久則男 委員 次に、マンション等に対する防犯カメラの設置助成ということについてお聞きしたいんですが、マンションなど共同住宅では、防犯カメラで中を写すんじゃなくて、いわゆる公道、道路を写すためであれば、東京都の補助金のスキームが使えるというふうに聞いております。  世田谷区でも、マンション管理組合など、道路を写すというような形で補助事業の活用も有効ではないかと思っておりますが、この辺の推進についてどう思っているか、お聞きいたします。 ◎髙野 危機管理担当課長 町会・自治会などの地域団体への防犯カメラ設置補助につきましては、設置補助の基準となる東京都の要綱におきまして道路以外の施設などは対象外と定められておりますので、道路への設置をお願いしているところでございます。  委員御指摘のとおり、マンションの住民のみで構成している自治会からも防犯カメラの設置希望を多くいただいております。防犯に関する見守り活動を月一回継続して行うこと、事業を実施する地域において住民の合意形成がなされていることなどの要件を満たせば、マンションから道路に向けて写すような防犯カメラについて設置補助をすることは可能でございますので、説明会などを通じて周知してまいります。 ◆高久則男 委員 同様に公園にも防犯カメラを設置してほしいという意見が私のところには結構来ておりますが、これも公園の出入り口を写す、こういったマンションであるとか、町会とか、商店街の設置補助を使って対応できるように、しっかりとまた推進していただきたいということで、次の質問に移らせていただきます。  私のほうからは最後に、通電火災対策、いわゆる感震ブレーカーということについて質問させていただきます。  平成二十六年度の決算委員会、または平成二十七年度の予算委員会で、通電火災対策としての感震ブレーカーの設置促進について、私は質問をさせていただきました。具体的には、平成二十七年度の三月の予算委員会で感震ブレーカーの設置費用を一部区が負担したとしても、火災による延焼拡大を阻止できて、人的・物的被害を軽減できるのであれば、こういった感震ブレーカーの設置促進を区が進めるべきだということを提案させていただきました。そのときの区の見解では、国の報告書や、また他自治体の取り組み等を踏まえ、世田谷区の地域特性に応じた効果的な普及方策について検討していきたいということでありましたが、その後の検討状況はどうかということをお聞きいたします。 ◎有馬 災害対策課長 平成二十七年度、区は内閣府からモデル事業への協力依頼を受け、簡易タイプの感震ブレーカーの無償配布によるアンケート調査を実施いたします。延焼火災による被害の拡大が最も懸念される木造住宅密集市街地である不燃化特区を調査対象区域としまして、二十八の町会・自治会に協力を求め、十月から十一月にかけて五回の住民説明会を開催し、事業内容について御理解いただきます。  最大約千台の簡易タイプの感震ブレーカーを配布し、アンケートの調査結果を、今後の感震ブレーカー設置促進策の検討に有効活用してまいります。 ◆高久則男 委員 先日、九月四日の特別委員会で、こういった地域にモデル実施ということの報告がございました。その中で、区のほうでは、不燃化特区内で昭和五十六年以前に建築された戸建て住宅を中心に、平成二十七年度の取り組みを踏まえながら、平成二十八年度以降の取り組みを検討するというふうにおっしゃられました。今現在、全国的にも横浜市なんかでは分電盤タイプに対しての設置費用の三分の二、上限五万円まで、対象区域を区切って補助事業というのを行っていることは前回も申し上げましたけれども、こういった形をとっていく自治体もこれからどんどんふえていくと思いますし、私は特に分電盤タイプとコンセントタイプ、簡易タイプ、それぞれ三つの特性はあるかと思いますが、しっかりとした設置をしていく意味では、分電盤タイプの設置助成促進というのをまずは第一に考えていくことも必要かと思っております。  そこでお聞きいたしますが、二十八年度以降、区としてこの三つのタイプの特性に応じた普及啓発、また、設置促進についてどうしていくおつもりか、見解を伺います。 ◎有馬 災害対策課長 区としましては、感震ブレーカーの設置は、区民の方々の協力を得て設置していただく事業が基本と考えております。  一方、延焼拡大が懸念される不燃化特区や、特に地震の揺れに大きく影響を受け倒壊危険が高い、昭和五十六年以前に建築された戸建て住宅の出火抑制は緊急性が高いことから、感震ブレーカーの設置を促進し、火災の発生による被害拡大の抑制を図る必要がございます。  設置促進については、既にお話しのありましたとおり横浜市で分電盤タイプ及びコンセントタイプへの補助制度や、簡易タイプ設置を推進する町会・自治会への補助を実施していると聞いております。  区としましては、他自治体の事例や平成二十七年度のモデル事業の検証結果等を踏まえ、対象地域の優先度、公費負担のあり方も含め、感震ブレーカーの設置促進策を総合的に検討してまいります。 ◆高久則男 委員 世田谷区にはこういった木造密集地域というのは非常に多いわけであり、この世田谷区において首都直下型地震が来た場合、火災による延焼というのは本当に大事な観点でございます。不燃化特区のこの感震ブレーカーの設置促進、緊急性が高くて効果的ではありますが、私のところにはこういった不燃化特区区域に指定された以外のところ、例えば上馬とか野沢地域からもお話が来ております。この地域は新たな防火規制区域とも言われておりますが、不燃化特区、木密地域、また、この防火規制区域においてもしっかり検討していただいて設置促進を進めていただきたいことをお願いして、公明党からの質疑を終わります。 ○三井みほこ 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○三井みほこ 委員長 引き続きまして、世田谷民主党・社民党、どうぞ。 ◆中塚さちよ 委員 世田谷民主党・社民党の質問を始めます。  指定管理者制度についてまず質問させていただきます。  今定例会では、図書館管理における民間活力の活用を念頭に、指定管理者制度を適用できるよう条例改正を行ったところです。図書館運営への民間活用については、我が会派としては慎重を期すべきという立場ですけれども、つい昨日、愛知県小牧市で佐賀県武雄市での実績がある民間企業に運営委託を予定した新図書館建設計画に対して住民投票を行った結果、反対票が多数を占めたとの報道がありました。  私は以前に一般質問で、新宿区の例などを参考に、幅広い区民の方々や有識者の声を図書館運営に反映していくために、図書館運営協議会の設置などを求めてまいりまして、これは文教領域の話にもなってくるかと思うんですけれども、今後、区民に求められる図書館をつくっていくために、やはり住民の声というのをさらに聞いていく必要があると思っております。  今回の報道をどのように受けとめているのか、副区長に答弁を求めたいと思います。 ◎板垣 副区長 今お話しがありましたように、愛知県の小牧市については報道のとおりでございます。ただ、争点について報道では詳細はわかりませんが、といいますのは、民間との連携が問われていたということはそうでしょうけれども、計画内容が当初から変更され、高額な建設費だということも指摘があったかのような報道もございましたので、詳細はいろいろ分析をしてみたいというふうには思っております。  世田谷区といたしましては、今後の区政運営におきましては民間との連携は非常に大切でございますので、また必要というふうに考えております。民間連携におきましても、民営化を初め、委託あるいは指定管理者など多様な形がございますので、最適な連携を目指していきたいというふうに考えているところでございます。 ◆中塚さちよ 委員 私ども、今回新しい会派になりましたけれども、これまで民主党としてやってきた中で、民間活力を活用していくこととか、指定管理者制度そのものについてはメリットが生かされるように進めていくべきではないかといった立場ではおりましたので、ただ、それが分野分野によって本当にそれで大丈夫なのかということは、今後しっかり見きわめていっていただきたいというふうに思っております。  さて、この指定管理者制度なんですけれども、これは平成十五年の六月の地方自治法改正で創設されたもので、まさにこうした民間のノウハウというのを活用していくことで、やはり行政の硬直化したサービスというだけではなく、多様化する市民のニーズに効率的、効果的、そして柔軟に対応していく、サービスの向上と、さらに経費の削減ということも図れるのではないかということを目的として、この指定管理者制度というのを導入してきたかと思うんです。ちょうどそれから十年たったところで、こうした問題も起こってきました。  また、区ではこの間は区民集会施設、区営住宅、駐輪場、特養ホーム、障害者福祉施設、こうしたさまざまな区の施設の運営、維持管理に指定管理者制度というのを導入してきて十年がたったところかと思います。  区のこの指定管理者制度の指針では、指定管理者制度を適用した施設であっても、指定管理者制度の効果が期待できない場合には、指定期間終了後、区の直営による管理とすることとし、区による適正な管理のもとで業務委託を行うということが指針に書かれておるように、指定管理者制度を適用した結果、うまくいかなかった場合は、区の直営に戻すという選択もできることになっているかと思います。  この間、指定管理者の状況を見てみますと、公募の結果、これまでずっとやってきた区の外郭団体が、審査で民間企業に及ばず交代となってしまった事例や、区の外郭団体が応募を見送ることで民間活用が図られてきた事例、さまざまな事例がございました。  一方で、今のところ直営に戻した事例はないといったところを見ると、指定管理者制度には一定の成果があったというふうに言えるのかなと思いますが、区の見解を伺います。 ◎笹部 政策企画課長 区では平成十七年度より、民間事業者の経営の手法ですとかノウハウの活用ができるとか、サービスの向上が図れるとか、管理経費の削減ができるとか、区民ニーズへの迅速な対応ができるなどの効果が見込まれる施設に関しましては指定管理制度を導入しまして、現在では百八十八カ所の建物でもって導入してございます。  指定管理者制度の成果でございますけれども、経費の削減のほか、利用料を直接事業者の収入とできるような利用料金制によりまして、施設運営の効率化ですとか、例えば区民利用施設におきましては、事業者の自主事業としまして、区民や利用者の方の御要望とか御意見をもとにしました創意工夫によりますさまざまなイベントを実施しまして、地域の方に御参加をいただくなど、サービスの質の向上ですとか地域のコミュニティーの活性化といったものにも貢献ができているというふうに考えてございます。 ◆中塚さちよ 委員 今、区のほうでも一定の成果を認められるということなのかとは思うんですけれども、一定の効果があったという一方で、特別な事情というのを理由に、公募を行っていない指定管理者の事例というのも散見されております。特に特別養護老人ホームですとか障害者福祉施設などは、なれ親しんだ職員が利用者さんのケアに継続して当たるということが非常に大事なことであって、指定管理者が変わることによって利用者に不安があるというよりは、同じ事業者が行うということに理解できる部分もあるんですけれども、なれ親しんだケアは大事なんですが、区と事業者がなれ合いになってはいけないというふうに考えております。  区が関与してこの適格性を審査しているというふうになっておりますけれども、果たしてこの適格性の審査というので十分にチェックできているのかどうかは甚だ疑問だと思っております。特に最近、福祉作業所のほうで過誤請求があったということが常任委員会でも報告がありまして、これは区のほうがチェックをして発覚したというのではなく、法人のほうから自主的に過誤請求があったということを申し出てこられたということです。申し出がなかったら、これは区が気がつかなかったということなので、これでは区のほうの責任を果たしているとは言えないのではないでしょうか。  福祉作業所は小規模なので、隋契による業務委託というふうに聞いておりましたけれども、指定管理者で公募を行わないで、同じところがずっと受託していっている中で、このようなことがほかにも起こらないとは限らないと思います。指定管理者の選定の際の審査項目ですとか審査のやり方という中で、こうした問題について十分にチェックできる体制になっているのでしょうか。 ◎笹部 政策企画課長 御指摘の公募によらない候補者を選定する場合につきましては、外部委員も含めました選定委員会で選定方法について審議をした上で、公募による選定と同様に、事業計画のチェックだけではなくて、公認会計士によります団体全体の財務内容の審査などもチェックをするなど、公正で厳正な体制のもとで適格性の審査を行っているのが実態でございます。  また、指定管理の期間中におきましても、提供サービスですとか施設運営につきましては、事業計画書や仕様書に定められた業務がきちんと適正に執行されているかどうか、サービス水準がきちんと確保されているかどうかについて、各所管のほうで評価検証するとともに、必要に応じた現地調査なども実施するなど、管理運営体制の適正な把握を実施してございます。  今後とも、区としては指定管理者のコンプライアンスの確認の徹底ですとか、通常の管理体制のチェックの向上につきましては、一層の調整指導を実施してまいります。 ◆中塚さちよ 委員 今の答弁でもありましたし、常任委員会でもそのように言われたんですけれども、指定管理者の選定のときだけではなくて期間中においても、これはちゃんと適正に執行されているかどうかを各所管のほうでも常にチェック、検証して評価しているということですが、その日々の業務をチェックしているというのが全然働いていないから、結局こういった問題が起こったんじゃないかなと思っております。多少のミスというのはあったにしても、今回のような話というのは、それにとどまるものではないのかなと思っておりますので、さらに日々の所管業務でのチェックもそうですけれども、運営法人についてしっかりと審査していけるような、指定管理者制度のあり方というのも検討していただきたいと思います。  これまでもたびたびほかに指摘してきたことなんですけれども、この指定管理者制度に一定のメリットがあるということで導入しておきながら、うちの区ではこの公募を実際には行っていないといったケースがかなり多いと感じておりまして、そこにも課題があると思っております。  特に過去には、例えば区営住宅の維持管理に関して、これは居住者が高齢者の方が多いということで、きめ細かい対応が必要だから、トラストまちづくりに適格性審査でいつも指定していますけれども、ほかの自治体では公募を行っているケースもあります。また、特養ホームについては、介護報酬で運営できるのだから、事業団に委譲すべきではないかといったことも言ってきたんですけれども、頓挫しつつあるようです。  指定管理者制度導入より十年が経過した中でいろいろあったわけですけれども、他自治体の例などを見きわめながら、このメリットが十分に生かされるよう、この制度を再度検証したり改善していくべきと考えます。区の見解を伺います。 ◎笹部 政策企画課長 区では指定管理者制度運用に係る指針によりまして、指定管理者の選定につきましては原則公募としてございますが、実際に御利用される区民の立場に立ちまして、受託事業者の専門性ですとか、地域との連携がある場合などの一定の条件と、実際の管理運営の実績を検証した上で、継続して安定した区民サービスの提供が期待できる場合には、特別な事情によりまして、公募によらず選定ができることとしてございます。  加えまして、公募によらずに選定をしました施設におきましても、次回の選定の際には、選定方法についてはその都度検討するとともに、効果が得られない施設については管理方法を検証するなど、指定管理制度の目的に沿った運用を実施してございます。  区としましては、指定管理者導入のメリットが発揮できるような制度の向上に努めてまいります。 ◆中塚さちよ 委員 常に検証していってください。  次、外郭団体改革について質問します。  区では外郭団体に対する補助金を減らすなど改革の取り組みを進めています。常任委員会にも毎年外郭団体の幹部の方に報告に来ていただいておりまして、今年度のお話を伺う中でも、補助金削減の中で各団体とも経費削減に努めるなど、一定の努力や成果が認められるなというふうに感じております。  しかし一方で、先ほどの特養ホームの事業団への委譲が検討に上がったようですけれども、頓挫してしまったり、あと、トラストまちづくりが公益財団法人に移行できなかったとか、がやがや館は大赤字になっているサービス公社ですとか、せたがや文化財団については、他会派からいろいろと指摘があったと思うんですが、こうした外郭団体の運営に対する区の関与と責任のあり方についてどのようにお考えでしょうか。 ◎後藤 庁内連携担当課長 区では政策展開や重点施策の実現のために、その時代の社会状況を踏まえまして、区が直接事業を実施するよりも外部組織に委ねたほうが効率的、効果的である等の理由から、各外郭団体を設立し、連携して公共サービスに取り組んでまいりました。  その設立した外郭団体が当初の役割を発揮するとともに自立した経営を確立することで、より一層区民サービスを拡充するよう指導調整することが、区の責任であると認識してございます。しかし、この間、指定管理者制度の導入を始めまして公益法人制度改革が実施されるなど、外郭団体を取り巻く環境が大きく変化している中で、改めて公益に果たすみずからの役割や存在意義を見直し、民間事業者の参入が困難な公共性の高い事業に積極的に取り組む経営体制の構築が求められていることから、昨年度、外郭団体改革基本方針を策定いたしまして、改革に必要な取り組みを進めているところでございます。  御質問にございました、それぞれの団体の改革方針に基づく取り組みにつきましては、現在、所管部と団体で検討を重ねておりまして、その進捗状況については新実施計画推進状況の中で明らかにしてまいります。引き続き各団体が改革基本方針の中で明らかにした課題の解決に向け、関係所管部とともに検討を進めてまいります。 ◆中塚さちよ 委員 今御答弁をいただきましたけれども、本当に私が考える区の責任というのは、ただ補助金を減らすだけで責任を全うしたとはとても言えないと思います。その外郭団体が設立されたときにはそういった意義があったわけですから、各団体が補助金を減らされつつある中でその使命を果たせるように指導する。指導というと上から目線ですけれども、それだけではなくて、やはり区のパートナーとして、ともに事業を公共で担っていくパートナーとして、連携していったり、協働していったり、そういった取り組みをどんどん進めていく必要があるというふうに考えています。  そうした中で、サービス公社の話なんですけれども、がやがや館の大赤字以来、私たちの会派としても注目しているわけですが、平成二十六年度の事業報告と平成二十七年度収支計画というのを見ますと、これまでサービス公社で事業の柱が七つあった中で、三茶の地下の掲示スペースを借りた広告事業が平成二十六年度末で終了、そして保坂区長肝いりと思われた自然エネルギー普及活動事業については平成二十七年一月三十日で終了となっています。
     これはいずれも赤字事業だったので、終了はやむなしなんですけれども、平成二十七年度の収支計画を見ますと、営業利益の目標数値は三百六万三千円の利益が出るといった計画になっています。しかし、平成二十六年度の営業利益を見ますと、これは三千百三万円の黒字だったわけですね。つまり、赤字事業が二つ終了するにもかかわらず、この目標とされる営業利益の数字が三千百三万から三百六万円と十分の一に下がっているというのは一体どういうことなんでしょうか。  今後、事業がどんどん縮小されていく中で、こうした収益をどのように改善していくのかについて、ちょっと御答弁いただければと思います。 ◎笹部 政策企画課長 世田谷サービス公社につきましては、二十六年度の事業実施に当たりましては、全事業の総点検を行いまして、採算がとれない事業については廃止をするなど収支改善の徹底した取り組みが、二十六年度の黒字決算につながったものと考えてございます。  一方で、外郭団体改革方針のサービス公社の改革方針に掲げてございますとおり、障害者の雇用の場を拡大するために、地方公社としての地域貢献を発揮していくことを中心にしました検討に着手してございまして、今年度からは社会貢献を推進するための専管体制に再編するなど、平成三十年度から身体、知的に加えまして精神障害者の方の雇用を実現するための課題の抽出や検討を進めていると聞いてございます。具体的に新たな事業計画も聞いてございます。  区としましても、このような取り組みを通じまして、設立の目的でもございます地域社会の発展と区民の福祉の向上に寄与するというサービス公社にしかできない役割をしっかりと発揮ができるように指導調整をしてまいります。 ◆中塚さちよ 委員 サービス公社は、公益的な事業と、なお一方で収益を上げるといったことも前提に、外郭の中でも公益法人ではなくて株式会社として設立されたというふうに聞いております。障害者雇用の分野での貢献ですとかそういったところは、これまでサービス公社の特徴がいろいろ生かされていると思うんですけれども、このサービス公社のホームページ、トップページを見ましたら、「株式会社世田谷サービス公社は、区が出資、設立した株式会社として、民間企業ならではのアイデアと、日々たゆみない努力により、快適な地域社会の実現をお手伝いします」と書いてあります。しかし、この民間企業ならではのアイデアというのは一体どこにあるのか。収益の事業の柱が二つ減ってしまった中で、新しいアイデアで何か新しい収益の柱となるような事業といったものはとても見出せません。また、役所の発想でやりますと、またそこも失敗しかねない、新しい事業をやると言いながら失敗しかねないということも懸念されます。  サービス公社に限った話ではないんですけれども、補助金を減らすだけではなくて、外郭団体の改革を多岐にわたって促していくために、他自治体を見ますと、外郭団体改革の担当の課があったり、外部の委員を入れた経営改革委員会などの機関を設けているところもございます。こういった取り組みを区も検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。 ◎後藤 庁内連携担当課長 区は、これまで政策評価委員会や外部評価委員会を設置しまして、外郭団体の経営に対する区の関与のあり方について、有識者から評価と提言を受けまして、団体に対する財政支援や人的支援策に反映してまいりました。外郭団体についても、評議員や監事、また監査役によるチェックのほか、区を初め法人設立を許認可している東京都といった監督庁から監査を受けるなど、適切に外部から評価を受け、経営に対する透明性の確保に努めていると認識してございます。  委員のお話にございました外郭団体に対する外部評価委員会を区に設置する趣旨につきましては、先ほど申し上げました既存の仕組みがまずうまく機能すべく、改めて外郭団体に働きかけることを通じて実現してまいりたいと思います。 ◆中塚さちよ 委員 中村委員にかわります。 ◆中村公太朗 委員 よろしくお願いします。  先ほどもありましたが、きょうからマイナンバーがスタートをするわけです。きょうの時点で住所登録されているところに通知カードが送られていくということですけれども、まず、この土日に行われた調査では、やっぱりよくわからないとか不安だという声が圧倒的だということですね。  そもそもこのマイナンバー制度は消えた年金問題から議論がスタートして、あれが二〇〇七年だったですか、今は一五年なので、八年ぐらいどうしようかという議論の中でこの制度が決定して、きょうからスタートをするということなんですが、あの事件、あの問題、ずさんな管理がなければ、この問題は出てこなかったのかなと思う反面、まだいまだに解消されないああいう一大事がもうこれ以上起きないように、管理するに当たっては制度としては必要なのかなというふうにも感じます。  この定例会においても委員会と本会議でマイナンバー関連に伴う条例を含めて採決が行われましたけれども、我々会派としてももちろん賛成しましたが、意見をつけさせていただきました。やはり一番懸念されているのは個人情報の保護、漏えいの問題だと思っていますので、このセキュリティー対策というものが、今後、さらにこのカードがどんどん多機能化していくという流れでもあるようですので、ただ単に身分証明書とマイナンバーのカードだけではないほかの機能、クレジット機能だったり、その他もろもろが今後ついてきかねないということでございますので、便利になる一方、一度漏れた瞬間の被害というのは大きくなっていくわけで、このセキュリティー対策は重要だと思うんです。  まず、結局、国が決定して、ただ、一方で事務自体は区が行っていくわけなんですが、区と国とのセキュリティー対策の切り分けというんですか、または国が全部責任を持って、最終的な責任管理の大もとになっていくのか、それとも、やはり窓口でやっていく、もしくは運用していく区が、いざそうした事態が起きたときに責任をとるのか、その辺の切り分けをまず教えてください。 ◎舟波 共通番号制度準備担当課長 一般的には制度全般の仕組みや事務処理の基本的な方式などにつきましては、法令や事務要領など国が示し、その具体的な処理方法につきましては、地域の実情等を勘案して、自治体が責任を持ち実施するものと認識しております。  マイナンバー制度のもとで国の機関や全国の自治体の情報がつながる情報提供ネットワークシステムを例にとりますと、全体的なシステムの仕組みや成り済まし、改ざん防止などの情報セキュリティー対策につきましては、総務省が設計、構築し、そのネットワークの自治体内の重要な情報をどのように接続するかにつきましては、国から示された基本的な条件を踏まえて、各自治体が責任を持って具体的な対策を立てることになると認識しております。 ◆中村公太朗 委員 物によって切り分けていくんだ、責任は変わっていくんだということだと思いますが、さっき言った成り済ましとか詐欺の懸念なんかが一番大きいわけですけれども、多分不審な電話があったりとか、もしくは通知が来たりとか、もしくはだまされたりとかということがあったら、結構相談というか、被害的なものは区に寄せられることが大きいだろうと思いますし、区の責任なんじゃないかという声も多分大きいと思うので、制度の通知と同時に、その辺の部分というのもなるべく切り分けを明確にしていったほうが、本来必要のない責任まで区が、責任転嫁をする必要はないと思いますが、窓口とか相談は必要だと思いますけれども、何でもかんでも区の責任にされるのも、また現実とは違った状況なのかなというふうに思います。  ちなみに、共同通信が全国の各自治体にマイナンバーの関連にまつわる管理その他もろもろ、セキュリティー対策に不安かどうかというような調査を自治体宛てにしているんですよね。回答が九五%あって、不安と言っている自治体が実に六〇%以上あるということなんです。問題ないと三三%が言っているらしいんですけれども、よっぽど国を信頼している自治体なのか、連携がとれているのかわかりませんが、六割以上が不安ですと答えている状況の中で、世田谷区はこれはどう回答されましたか。 ◎舟波 共通番号制度準備担当課長 委員御紹介の共同通信社によるマイナンバー制度に関する全国市区町村アンケートにつきましては、調査のあった八月に世田谷区も回答しております。内容的には、まずマイナンバー制度導入に当たってセキュリティー対策の準備は進んでいるかという質問に対しましては、選択肢にございました問題なく進んでいると回答しております。 ◆中村公太朗 委員 そうすると、今回の管理については、世田谷区は問題ない、全国自治体の三三%に入るという認識でいいですか。 ◎舟波 共通番号制度準備担当課長 本区におきましては、これまで情報セキュリティーポリシーに基づきまして対策を実施し、利便性を考慮しながらも、安全性に重きを置いて情報システムを運用しております。このことから、マイナンバー制度への移行に当たり必要となるネットワークセキュリティー対策等におきましては、一定の安全基準を満たしていると認識しておることから回答しております。 ◆中村公太朗 委員 とはいっても、結果としてデータを集めると三割に入っているわけですよね。だから、自信を持っていることは多分いいことだし、これまでやってきたことがあるんでしょうけれども、今回の件に関して六割も不安だと言っているということは、恐らく同じようなことをやってきた自治体も、それでもなお不安だと答えている自治体もあると思うんです。その辺の分析、要は全く同じ状況なのに、片や問題ないと言っていて、片や不安だと言っているところ、問題ないと言っている世田谷区なんですから、そこはほかの自治体はどこがどう問題で、もしかしたら自分たちの気づいていない部分に、ほかの自治体は気づいていて問題だと言っているかもしれないわけですよね。その辺のリサーチとかというのはされましたか。 ◎舟波 共通番号制度準備担当課長 このアンケートに関する詳細な結果報告は、実は自治体のほうには来ておりませんで、概要版として来ておる次第でございます。内容的には、不安だとお答えされた自治体が多数あるということは認識しておりますけれども、どういう部分で不安視されているのか。例えば国からの情報セキュリティーに関するいろんな仕様書がまだきちんと明確にはなっていないとか、あるいは御自分の自治体の、例えばシステムベンダーですとか都道府県との連携の中で不安があるとお答えになっていらっしゃるのか、その部分については、今後実情を調査しながら進めてまいりたいと思います。 ◆中村公太朗 委員 今後の調査といっても、きょうから始まってしまうわけで、変な話、きょう、いきなり届く人はいないと思いますが、きょうからスタートした制度においてのセキュリティー対策というのは必要になってくるわけですよね。だから、自信があって万全であれば、それは文句を言うつもりはありませんけれども、これまでやってきたセキュリティー対策が、全てのこれまでの行政業務に対するセキュリティーの部分でそんなに違いがあるとは思えないんですよ。もちろん意外にずさんな自治体があるのかもしれませんし、世田谷は群を抜いてすばらしいセキュリティー対策をやっているというのだったら、でも、そう思えないので、それはぜひ積極的に、少なくとも二十三区でセキュリティーで、もしくは対応で、むしろ高レベルで足並みがそろえられるぐらいになっていかないと、過度な自信だけで、実は漏れがあって、それにすら気づいていませんでしたみたいなことになってしまった瞬間、とんでもないことが起きかねませんので、そこは何か不安なんですけれども、二十三区連携とかで何かやったりとかしていないんですか。 ◎舟波 共通番号制度準備担当課長 二十三区におきましては、例えば電算課長会ですとか、住基関係の課長会ですとか、そういう横の連携がございます。そういう中でセキュリティーに関しましてもいろんな話題が出ておりまして、それぞれの各区がどのように対応しているかということにつきましても検討は進めているところでございます。  委員御指摘のとおり、世田谷区は過度に自信を持っているわけではございませんけれども、今後ともその辺、他の区ですとか東京都と連携しながらセキュリティー対策を高めてまいりたいと思います。 ◆中村公太朗 委員 例えば二十三区が全部この三三%に入るかどうかはわからないので、ぜひその課長会なりなんなりがあるのであれば、その不安だと答えた区がどの部分を思われていて、そこは自分たちはクリアされているのかどうなのかということは、今後近々に早急にちゃんとやるべきだと思いますので、それは意見をつけておきます。  それから、通知カードがこれから送られていくわけですけれども、届かない、さまざまな理由があって相手の手元に行かない。書留なので、その後、郵便局にも受け取りに来ない方がいらっしゃると思いますが、これは大体何%ぐらいと区は読んでいるんですか。 ◎和久 住民記録・戸籍課長 通知カードの返戻率でございますが、もちろん予測の範囲を出ませんけれども、一割、一〇%程度というふうに考えております。 ◆中村公太朗 委員 一〇%で何件ですか。 ◎和久 住民記録・戸籍課長 世帯数は四十六万世帯ですので、一〇%は四万件強ぐらいと考えております。 ◆中村公太朗 委員 そうすると、その四万件に対しては、郵便局での受け取り期間にも取りにこないという人たちだと思うんですけれども、その後どのように対応していって、どのぐらいの期間をイメージされているんですか。 ◎和久 住民記録・戸籍課長 まずはその期間、十月五日が基準日でございますので、それはあくまでタイムラグ等ございます。住所変更等されていらっしゃる方がいらっしゃいますので、住所の確認等は行います。場合によっては亡くなられているという方もいらっしゃるかもしれません。また、一番多いのが郵便局での保管期間を経過したもの、一週間程度ですが、区に返ってくるケース、これが一番多いと考えております。その方につきましては、通知カードを御案内しました。ただ、返戻されてきましたというぐらいの御案内はがきを普通郵便で送付するつもりでございます。その後再送付、または本人の希望により窓口で受け取りということを考えております。 ◆中村公太朗 委員 だから、それが一巡するのが大体どれぐらいのイメージですかね。 ◎和久 住民記録・戸籍課長 まずは十月の中旬から十一月末にかけて第一回が届く、それから返戻等が始まっていく、それで十二月。さらには三カ月間区で保管するということは考えておりますので、最長になりますと三月までということも視野には入れてございます。 ◆中村公太朗 委員 そうすると、十二月から三月までの三カ月間で四万六千世帯分に対して追っかけていくと。三カ月で四万六千ということの確認と、その三カ月で四万六千追っかけられるんですかという確認をします。 ◎和久 住民記録・戸籍課長 十二月から、まずは一カ月間が一つのピークと考えております。御案内を全てはがきで行います。コールセンター等での対応、その状況についての問い合わせ等も設けてございます。連絡のない方につきましては再送付も考えてございます。この期間の間において、できるだけ多くの方に届けられるように、確実に届けられるように努力してまいります。 ◆中村公太朗 委員 わかりました。では、マイナンバーはそういうお話で、いずれにしてもきょうから進んでしまいますので、まだまだ不備な部分はあると思うし、国からの明確になっていない部分もあると思いますけれども、とにかく鋭意最先端のセキュリティーができるような努力をしていただきたいなと思います。  個人情報の流出という件に関連して、世田谷ではありませんけれども、二十三区で最近、高齢者のおむつの配達にまつわる情報が結構どんどん流出しているという話で、実態は契約すると再々再委託ぐらいまで契約が及んでいて、その過程においてその情報が流出したり、その再々再委託と何個目か知りませんが、委託先が別にやっている事業のパンフレットをその情報を利用してお送りするとかいうような事態が起きているようなんです。  区のさまざまな契約がありますよね。各部署によって行われているものもあるだろうし、経理課が一括しているものもあるんでしょうけれども、その辺の個人情報の保護の契約という部分と、あとはお聞きしたいところは、再が五つとか六つつくような委託というのは可能なのかということと、世田谷区で行われているのかということを伺います。 ◎淺野 区政情報課長 区が個人情報を取り扱う外部委託を行う場合には、基本的に個人情報保護審議会の意見を聞いてまず決定することが必要です。それから、委託契約には、これは条例に基づいてなんですけれども、個人情報を取り扱う場合のいろんな守るべき事項、そういったものを委託の仕様書につけなければならないことになっております。  御指摘の再委託の部分なんですけれども、こちらにつきましては、基本的に再委託する場合には承認行為が必要になっておりますし、また、区の条例では再委託の事業者に対しても罰則等を適用するような条例のつくりにしております。 ◆中村公太朗 委員 では、再々再々委託というのは世田谷区でもあるということですか。 ◎淺野 区政情報課長 基本的には事業者を決めて、その保護管理体制をお受けして委託していますので、その再々再と永遠に続くような形については、そもそも承認をしないような形になると考えております。ただ、必要に応じまして再々委託も可能だと思っております。 ◆中村公太朗 委員 もう時間がないので、最後に聞きますが、では今、世田谷区では承認をした再委託の一番の回数というのは何個あるんですか、何階層まで再々再されているんですか。 ◎淺野 区政情報課長 そちらにつきましては、申しわけないんですが、所管課になりませんと把握しておりません。 ◆中村公太朗 委員 効率性とか直接管理できるということを踏まえると、なるべくなくす方向で、もし必要ならば分割すべきだと思いますので、ぜひ個人情報の保護という観点を強く注意しながら、今後の契約をやっていっていただきたいと思います。 ○三井みほこ 委員長 以上で世田谷民主党・社民党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時四十五分休憩    ──────────────────     午後零時三十五分開議 ○三井みほこ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆村田義則 委員 日本共産党の企画総務領域の質問をいたします。  きょうは、世田谷区の附属機関という問題について伺いたいと思っております。  委員の皆さんには、机上に世田谷区の附属機関一覧という表をお配りさせていただいております。ぜひごらんいただきながらお聞きいただきたいと思います。  まず、その附属機関ですけれども、これは一体どういうもので、一体どのくらいあるのかということについて伺いたいと思います。 ◎星 総務課長 附属機関につきましては、地方自治法第百三十八条の四の第三項に規定されているものでございます。その内容につきましては、普通地方公共団体は、法律または条例の定めるところにより、執行機関の附属機関として自治紛争処理委員、審査会、審議会、調査会その他の調停、審査、諮問または調査のための附属機関を置くことができるということになっておりまして、区では現在、四十の機関が設置されているということでございます。 ◆村田義則 委員 今お答えがありましたけれども、四十あるということですが、先日の空き家対策の条例ができまして、その中でもう一つ、新しい附属機関をつくりましたので、現状四十一にこれからなるんだろうと思います。名称も審議会、審査会、協議会、委員会などいろいろあります。設置目的も、区政運営の全般にかかわる問題から、各分野の政策提言のための機関であったり、あるいは個々の具体的な決定にかかわる問題までさまざまです。  例えば、区政全般や各分野の政策提言などにかかわる機関では基本構想審議会、これは時限的なものですから、今はもうありませんけれども、現在の基本構想を定めるときに条例でつくりました。情報公開・個人情報保護審議会、防災会議、消費生活審議会、環境審議会、スポーツ推進審議会、中小商工業振興対策委員会、農業振興対策委員会、清掃・リサイクル審議会、地域保健福祉審議会、子ども・子育て会議、子ども・青少年協議会、都市計画審議会、ユニバーサルデザイン環境整備審議会、住宅委員会、世田谷区の本当にさまざまな部門の政策にかかわるところに、それぞれこうした審議会が設置をされているということになっております。  これらの委員会、審議会での議論や提言、そして議会での議論を踏まえて、世田谷区のさまざまな政策や計画、方針、こういうものが打ち出されております。例えば基本構想審議会でいえば基本構想と基本計画が区の計画として打ち出されました。また、地域防災計画、あるいは産業ビジョン、スポーツ推進計画、ノーマライゼーションプラン、高齢者保健福祉・介護保険事業計画、子ども計画、みどりとみずの基本計画などさまざまな計画が、附属機関の議論、議会の議論をもとに、区の計画として策定されています。  またもう一方、区の決定に対して公正公平を担保する、そういう目的で設置されているものもあります。例えば特別職報酬等審議会、名誉区民選定委員会、財産評価委員会、あるいは昔さまざまな議論がありましたが、例えば美術館美術品等収集委員会、介護認定審査会、建築審査会などです。  さらに制度の運営に関するものとして国民健康保険運営協議会、こういったものも法定の機関として設置をされています。附属機関は区政全般に関して極めて重要な役割を担っているということは明らかだと思います。  そこで、私はきょうはこの二つの角度からこの審議会の問題について質問したいと思っています。一つは会議の情報公開について、もう一つは議会との関係について、この二つの論点で質問させていただきたいと思います。  以上申し上げたような目的や内容の附属機関ですから、その情報公開は極めて重要だと思います。まず、本日の企画総務領域の中で、実は五つの課にまたがって十の附属機関があります。委員の皆さんにお渡しした資料で言うと一番目から十番目まで、これが全部、きょうの領域の中で設置されている附属機関ということになります。それぞれこの情報公開がどのようになっているのか、会議開催のお知らせですとか、傍聴や議事録、その扱いなどについて、現状についてお答えいただきたいと思います。 ◎星 総務課長 五つの課でということでございます。まず総務課から答弁させていただきます。  総務課におきましては二つの機関を持ってございます。  まず、特別職報酬等審議会でございます。この会議につきましては、会議の開催、お知らせにつきましては、ホームページや「区のおしらせ」で周知しております。傍聴については、傍聴を認めてございます。これについても区のホームページ等でお知らせしております。会議録につきましては全文記録としているところです。会議録の扱いにつきましては開示ということで、ホームページ、区政情報センター等で公開しているというところです。  二つ目です。二つ目は、直近で二十四年に開催していますが、名誉区民選定委員会でございます。こちらにつきまして、会議のお知らせについては、これは非公開ですので、お知らせはしてございません。傍聴についても非公開ということで認めてございません。会議録につきましては、要約記録ということで記録をさせていただいています。その会議録の扱いにつきましてはホームページ等で公開をしているということです。  私のほうは以上です。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 うちの課におきましては、本庁舎等整備審議会がございます。こちらにつきましては、まず会議の開催のお知らせにつきましては、ホームページと「区のおしらせ」で周知しております。傍聴につきましては認めておりまして、ホームページと「区のおしらせ」で周知です。会議の議事録につきましては全文の記録となっております。議事録の扱いにつきましては公開で、ホームページや区政情報センター等で公開しております。 ◎淺野 区政情報課長 情報公開・個人情報保護審議会についてです。会議の開催のお知らせは、ホームページで周知してございます。それから、傍聴につきましては認めてございまして、こちらにつきましてもホームページで周知して手続等も行っている、周知しているところです。それから、会議の議事録は全文で記録しております。議事録の扱いですが、ホームページと区政情報センター・コーナーで公開しております。  それからもう一つ、名前が同じような形なんですが、情報公開・個人情報保護審査会、これは不服申し立てが出たときに対して、その審理をインカメラで行う機関です。そういった内容から、会議が非公開のため、会議のお知らせ等は周知しておりませんし、傍聴も認めておりません。それから、会議の議事録ですが、記録としては全文でとっておりますけれども、こちらにつきましては、会議の内容から、どういった案件を行ったというものを要約で記録したものを公表用に別途つくっております。議事録の扱いは、区政情報センター・コーナーで公開しております。  私からは以上です。 ◎有馬 災害対策課長 私からは三点ございまして、防災会議につきましては、会議の開催はホームページにて周知しております。傍聴も認めており、ホームページまたは電話で受け付けております。会議の議事録は全文記録となっており、区政情報センターにて公開しております。  次に、消防団運営委員会につきましては、会議の開催は周知をしておりませんが、傍聴は認めております。会議の議事録は全文記録をしておりますが、議事録は公開していない状況です。  次に、国民保護協議会でございますが、こちらは会議の開催は周知しておりませんが、傍聴は認めております。会議の議事録は全文記録をしておりまして、計画策定時にホームページで全文を公開したということになっております。 ◎梅田 経理課長 私のほうからは二件ほどございます。  まず初めに、財産評価委員会でございますが、会議の開催のお知らせは周知しておりません。傍聴については認めておりません。会議の議事録につきましては要約記録となっております。議事録の扱いにつきましては非公開となっております。  また、この四月一日から立ち上げました世田谷区公契約適正化委員会でございますが、会議の開催については周知しておりません。傍聴も認めておりません。会議の議事録につきましては要約記録となっております。議事録の扱いにつきましては、まだできてはおりませんが、公開予定でございます。 ◆村田義則 委員 ありがとうございました。私も審議会を傍聴させていただいたり、あるいは議事録を取り寄せて読ませていただいたりして、区の政策形成過程の議論や論点が、こういうものを読むと大変よくわかって勉強になります。  そこで、この四月に立ち上がった公契約適正化委員会の審議の様子について、私は七月ごろだったかな、担当課に問い合わせをして聞きました。それまでに審議会はたしか二度やられておりますけれども、議事録はありませんでした。どんな審議が行われているんですかと様子を伺いましたら、議事概要の案というのを持ってきまして、それはA4一枚だったんですけれども、議事録はないのですかと聞いたら、その時点ではないと言われました。  一方、その委員会の委員の方から会議の様子、話を伺いますと、議事概要からは読み取れない会議の様子が実は見えてまいりました。相当いろいろ議論されているということもわかりました。ところが、議事概要はもう本当にA4一枚のごくわずかなものしかなかったということなんですが、その議事概要ですけれども、いまだに公表されていません。四月に第一回目をやっていますけれども、もう半年たっているんですね。議事概要は今どうなっていますか。 ◎梅田 経理課長 議事概要につきましては、各委員のほうにこの概要でいいかどうか、確認のためメールでお送りしましたところ、まだ二名ほどの委員から回答が返ってきておりませんでしたので、公開はまだしていない状況でございます。 ◆村田義則 委員 私はその議事概要と実際の会議の様子を見比べ、聞き比べをしまして、私だったら、これは議事概要に署名できないかなと率直に思いましたよ。審議会では、労働報酬下限額の設定、それから入札制度改革や労働環境チェックシートの作成の議論など、重要な案件がこの審議会では議論されるわけです。そして、それぞれの案件の結果が区の契約や、あるいは労働報酬下限額ですから、区民生活にも直接かかわる大変大きな問題です。  例えば労働報酬下限額についてもどんな議論で基準がつくられたのか、こういうことを区民の皆さんが見て納得いかなければ、お上の命令で報酬下限額はこれで守りなさいと言われて、それだけでわかりましたということには当然ならないと。そういう意味からも、私はこの会議の公開、本当に重要だ、こういうふうに思っております。  議事録は個々の発言も含めてきちっと区民の皆さんに明らかにすべきだと思います。改めて第一回目の委員会から議事録をつくって公開すべきだと思いますけれども、いかがですか。 ◎梅田 経理課長 委員おっしゃるとおり、この適正化委員会の内容につきましては重要だと思っておりますので、一回目から議事録をつくるような形で進めたいと思います。 ◆村田義則 委員 では、一回目の議事録をつくる、今からつくれるというわけですから、テープか何かとってあるわけですね。 ◎梅田 経理課長 テープはとってありまして、そのときに、委員さんのほうに概要でいいですかということで納得を得たと思いまして、議事概要とさせていただきました。 ◆村田義則 委員 この附属機関の会議録、議事録について、区としての基本的ルールというものがあるんじゃないかと思いますけれども、その内容について伺いたいと思います。 ◎星 総務課長 区の附属機関の会議につきましては、区民が正確でわかりやすい情報を迅速かつ容易に得られるよう、会議録の作成と公表につきまして要綱及び指針を設けており、区政情報センターや区政情報コーナー、または区のホームページなどで公表を行ってきているところでございます。  各附属機関の担当所管におきましては、指針に基づきまして設置の附属機関の会議の内容、性質を踏まえ、会議録の作成について、例えば要旨とするか、全言とするか、さらにはその公表方法についてどうするかということについて判断しているのが現状でございます。 ◆村田義則 委員 今お答えがあった附属機関の会議録作成に関する指針の中には、例えば審議計画の中で、発言内容については、主な発言の肝要な部分を簡潔にまとめて記載するとか、こういう一定のルールを示しているわけですね。しかし、現実に公契約適正化委員会ではそういうふうにはなっていなかったということなわけです。しかも私は委員会の様子を伺っても議事概要しかなくてなかなかわからないから、委員の方、複数の方に、私は様子を聞きましたよ。そうしたら、かなり違いがあったということがわかりました。  区長は、情報公開は区政運営の一番の根幹だ、こういうふうに位置づけています。そういう意味では、たび重なるといいますか、一期目もデジコンの話だとかありましたよね。こういうことは区政の信頼にかかわる大きな問題だというふうに思っておりますけれども、副区長、事務方の責任者として、改めて区長が示している区政運営の根幹という情報公開のこうした事務手続の瑕疵についてどのように思われますか。 ◎板垣 副区長 今の審議会の状況等は御答弁でお答えしたような状況もございますけれども、審議会等での議論を踏まえて、やはり区としてのさまざまな政策決定をしてきているというようなことも御指摘のとおりだと思っております。そういう面では、区民から信頼される区政運営、区政への参加の促進という点におきましては、適切な会議録の作成、そして公表というのは極めて大事だろうというふうに思っておりますので、改めてそういう点は、各所管にもそういうことをしっかり受けとめさせていただきたいと思っております。 ◆村田義則 委員 審議会の問題だけじゃなくて、先般の総括質疑でも、教育委員会の資料の問題で何かよくわからないやりとりがありましたけれども、こういうことがないように、区政の信頼にかかわる問題だということで、本当にしっかりやっていただきたいと思います。  次、二点目ですけれども、この審議会、附属機関の委員の構成について、具体的には議員の参加、委員としての参加について次に伺いたいと思います。
     私は、この附属機関一覧を見て、過去に私が所属したことのある審議会、委員会が幾つあるかというので、実は勘定してみたんですね。全部で十二の審議会に参加をしていました。これを見ながらいろいろ思い出していたんですけれども、この議員の審議会の参加について、今は本当に限られたところしかないんですが、この経過についてちょっと説明いただけますか。 ◎星 総務課長 附属機関への区議会議員の参加につきましては、区民代表という位置づけで、事業の計画段階から議員が加わることによりまして議論が深まるという面などから、平成十五年以前は十八の附属機関に区議会議員が参加しておりました。その一方で、区長の附属機関に構成員として区議会議員が参加することについては、地方自治法での執行機関と議決機関、その性格から適当ではないとするという考え方もございました。こうした中で、世田谷区議会におきましては、平成十四年当時に附属機関から議員を外していくべきではないかなど、附属機関の議員参加の是非について議論がされてきたところです。  このような議論も踏まえまして、平成十五年の改選期を機に、原則として法律や都の条例で議員を構成員とすることが規定されているもの以外につきましては、区議会議員を除く方向で見直しを図ることといたしまして、そのとき必要な条例改正につきましても、区議会議員が参加する附属機関については削除させていただいて、現在では附属機関は六機関に区議会議員が参加している、こういうことになってございます。 ◆村田義則 委員 その六の附属機関ですけれども、皆さんの附属機関一覧のうちで、六番の防災会議、七番の消防団運営委員会、二十の民生委員推薦会、二十三の国民健康保険運営協議会、そして二十七の子ども・青少年協議会、そして三十二の都市計画審議会、以上の六つに議員が今参加しているということになっています。  私は十二個の委員会を渡り歩かせていただきまして、いろいろ勉強させていただきました。少し思い起こしてみますと、例えば情報公開・個人情報保護審議会の委員をさせていただいたことがありました。このときは、たしか今、「情報公開の手引」という手引書があるんですけれども、これをつくったりする議論に参加をさせていただいた、そういう記憶があります。  それから、地域保健福祉審議会、実はこれは当時は保育の分野もここで審議をしておりまして、私は区長からの諮問を審議会で議論したときに、世田谷区に認証保育所制度を導入するかどうかという問題について審議をして答申する、こういうところにかかわらせていただいた記憶があります。  住宅委員会では、世田谷区の住宅条例に基づく最初の住宅整備方針をつくる、こんな議論にも参加させていただいた記憶もあります。  文字どおりさまざまな分野で政策の勉強や、あるいは審議会には専門家の方々がたくさん参加しておりますから、そうした方々の議論や意見を聞くことができて、これは大変よい機会を与えられたというふうに今でも思っています。  もう一度伺いますけれども、このような審議会から議員の参加をなくした理由、ポイントですね。先ほどちょっと話もあったかと思いますが、行政実例という話などもあるようですけれども、このポイントをもう一回、ちょっと簡潔にお答えいただけますか。 ◎星 総務課長 先ほどもお答えしていますが、主な理由としては、地方自治法上の執行機関と議決機関との制度論的なものがあったのではないかと思います。先ほどちょっと触れましたが、たしか議会での議論の中にも、区長に答申する機関に議決機関の議員が入っていていいのかというような議論があったかと思っています。あとは行政実例の話が出ました。行政実例においても、議員が附属機関に参加することについては違法ではないが、適当ではないというふうな規定をしているということでございます。 ◆村田義則 委員 ということで現状になっているわけです。しかし、考えてみますと、例えば都市計画審議会、これは区長の諮問を受けて審議会で議論して、区長に答申も出すわけですね。その結論は、物によっては議会で議決するような内容も含まれるということがあるわけです。  つまり、附属機関と議会との関係ということでそのときは整理されているんですけれども、例えば都計審一つとってみても、諮問機関に議員が入っていて、別にこれといって大きな支障はないんじゃないかと。それから、子ども・青少年協議会、これは東京都の条例での設置で、地方議員が入るように定められているから入っているんですけれども、ここでも青少年問題に、区長の諮問に基づく答申を出していると。それに基づいて区の政策が決められ、議会でも議論するという経過もあります。  ですから、現実、国の法律でも都の条例でもそういうふうになっているわけですから、議員は審議会に入ってはならないというルールにはならないんじゃないかと思うんですけれども、この辺はどのようにお考えですか。 ◎星 総務課長 法的なルールとしては、議員が審議会に入ってはいけないというルールはございません。先ほど言ったとおり、行政実例では適当でないということが示されているところです。  また、先ほどもちょっと触れましたが、今回の議員さんを審議会から外すときに、これは十五年でございます。十五年に、各条例で審議会の中に構成員として議員が入っている場合、これについては条例改正ということで、幾つもの条例をその当時、議会に出させていただきまして、議会の議決をいただいた上で、議員を構成員から外してきた、こういう経過がございます。 ◆村田義則 委員 審議会への議員の参加については、この表をごらんになっていただければわかるとおり、もともと議員の参加がなじまないものもたくさんあります。しかし一方、基本構想審議会にも議員は参加しています。それから、各分野の政策にかかわる審議には、加わることによって議会での議論を深めるとか、あるいはまた、審議会に議員としての広い立場からの意見を反映することもあるんじゃないかと考えております。議会にとってどうか、審議会の側から見てどうか、私は区としても改めて、議会側も改めてこの審議会への議員の参加については議論、整理が必要ではないかというふうに考えておりまして、そういう意見を申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆中里光夫 委員 それでは、続きまして、私のほうから質問してまいります。  先ほどの村田委員の質問でも公契約条例に関して審議会の様子などがやりとりされました。活発な議論がされているということですが、この四月から条例としては施行されております。この公契約条例を実効性あるものとしていくために、区としてできること、どんどん進めてやれることはやっていくべきだというふうにも考えております。この公契約条例が施行され、それについての区の取り組みについて質問していきたいと思います。  まず最初に、この公契約条例が制定されて、これがいよいよ施行だというときに、区長の記者会見がありました。その区長の記者会見の文章を見てみますと、一番最後のところに、労働報酬下限額を守らない場合は、契約を解除したり、指名停止を行うなどといった強権的なものではなく、広報啓発を主体とする協調型、意識誘導型とする、こんなふうに書かれております。  私、これを見て、これではまるで公契約条例をつくるけれども強制力はないんだ、労働報酬下限額は守らなくても厳しいことは言いませんよ、こういうことを言っているかのように見えるわけです。しかし、これは事実と違うんじゃないかなというふうに思うんです。  条例を決めたときに、区議会の中でも議論がありました。各会派とも、罰則はないけれども、それで実効性は担保できるのか、こういう議論がされました。実効性のある条例になるようにということで、さまざまな提案などもされてきました。この議論の中で、区の答弁でも、この条例自身に罰則はないけれども、区の再三再四の指導に従わない場合は、その基準に基づいて指名停止というルールの適用も考えられます、こんなふうに答弁しております。この考えは変わってしまったんでしょうか。 ◎梅田 経理課長 世田谷区の公契約条例につきましては罰則規定は設けておりません。そのため、実効性を確保するため、その仕組みの一つとしまして、区と契約する事業者に対しまして労働条件の確認を、これはチェックシートと呼んでおりますけれども、提出を求めておるところでございます。このチェックシートの内容につきましては、労働条件であったり、社会保険の加入の有無など九項目、十九細目について適正であるかどうかを確認させていただいております。しかし、公契約条例に違反する事業者がいた場合につきましては、事業者に対し是正措置を求めるなど対応してまいります。  それでも区の指導に従わない場合につきましては、現行の指名停止基準の不誠実な行為に該当するということも考えられますので、現行の制度を活用して実効性を担保していきたいと考えております。 ◆中里光夫 委員 区は、条例が守られない場合は厳しい対処もするんだ、こういうことをきちんと表明して、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。  それから、チェックシートのお話がありました。区が発注した業務の現場で労働環境が守られているかどうか、これを確認するためにチェックシートを提出してもらうということなんですが、このチェックシートは、本区の公契約条例のかなめをなすものだというふうに思います。  今後、労働報酬下限額が決められれば、それが守られているのかどうか、また、適切な労働条件となっているのかどうか、このチェックシートを通じて確認することになってきます。このチェックシートの内容がどのように運用されているのかが大変重要だというふうに考えております。  四月から運用が始まっているというふうに聞いていますが、新宿区の同様に行っているチェックシートと比較してみました。比べてみました。この中で就業規則などについての記述があるんですが、例えば世田谷区はチェックポイント二つで、就業規則をつくっているか、それがきちんと従業員に示されているか、そういうチェックになっています。  新宿区の場合は七項目にわたってチェックがありまして、基準はどういうつくり方をしているか、どういう内容を書かなければいけないか、その従業員に示すやり方もどういうやり方をやっているか、こういうのを一々チェックするようになっていて、非常に具体的で詳細なものだというふうに見比べて感じました。  それに比べて世田谷区のチェックはとても粗いものだというふうに感じております。このチェックシートの中身で、実際の労働環境がどう守られているかというのを見ていくわけですから、このチェックシートそのもの、今使っているものの内容を見直していくべきだというふうに私は考えます。  労働報酬下限額が決められれば、さらにこれを反映させるというふうになると思いますけれども、このチェックシートの改定はいつ行って、どのように行うのか伺います。 ◎梅田 経理課長 現在使用しておりますチェックシートにつきましては、これは先行自治体、新宿区もそうですが、その辺のチェックシートを参考にさせていただいて作成したものでございます。確かに新宿区のチェックシートと世田谷区のチェックシートでは違う場所がありますが、おおむね確認項目としては一致しているものではないかと考えております。  区では、五十万円を超える全ての契約について、現在、チェックシートの提出を求め、より幅広く労働条件の確認を行っているところでございます。今後につきましては、公契約適正化委員会での議論を踏まえ、必要に応じて他の自治体の状況等も参考にしながら、より確実に労働条件が適正であるか確認できるよう、チェックシートの内容についても検討してまいりたいと思います。 ◆中里光夫 委員 大枠の項目は大体同じなんです。しかし中身なんですね。今紙が届きましたけれども、例えばさっき言った就業規則です。世田谷区のものは、従事者に係る就業規則を基準法の定めに基づいて作成し、労働基準監督署に届けているか、内容を変更した場合も同様のことが行われているかというのが一つ。それと就業規則を従事者の全てに周知しているか、これがもう一つです。  これは同じものが新宿の場合は、就業規則、雇用契約、労使協定等の書類を整備しているか、事業所ごとに三六協定を締結しているか、就業規則の記載事項を適正に整えているか。一番目は始業時間、終業時間であるとか、賃金であるとか、退職手当の定めであるとか、労働者の食費はどうだとか細かく書いてあります。それから、事業所の就業規則を労基署へ届け出るその届け出の仕方は、事業所として出しているのか、事業所ごとに意見を行い、同一監督管内で事業所で一括して出しているのか、それともというような幾つかの選択肢から選ばせる。労働者に周知しているかというのに対しても、各作業所に提示しているか、書面を労働者に配付しているのか、磁気テープなどで常に確認できるようにしているのか、どのやり方をやっているか、このぐらい詳細なわけです。大枠は同じ労働法制のもとですから、同じようなものですが、やはり世田谷区のものが非常に粗いものだというふうに感じざるを得ません。これはきちんと見直しをしていただきたいというふうに思います。  それから、この四月からチェックシートの提出が始まって、この提出されたものを窓口で閲覧できるようになっているというふうに伺っています。これは大変いいことだと思います。一部を見させていただきました。このチェックシートは項目ごとに、はい、いいえを答えるようになっています。一つでもいいえがあれば、これは法令違反していると見ていいような中身になっています。  昨年の議会答弁で、区側の処理体制においても年間三千件以上ある契約の全てをチェックすることになり、今後の実務においての工夫が要ると考えていると。労働環境チェックシートを補完するための調査票の送付、審査、疑義が生じた場合の聞き取り調査、不適切であった場合の労働環境改善の指導などについて、区が主体的に取り組んでまいります。こんなふうに答弁もしています。  このチェックシート、実際にどのように内容を確認しているのか、いいえだとか未記載があった場合はどのような対応をしているのか伺います。 ◎梅田 経理課長 チェックシートにつきましては、契約をする段階で契約書とともに一緒に提出いただいております。その際に、疑義がある場合につきましては窓口等で確認させていただいております。また、窓口に持ってきていただいた担当者がわからなければ、後日連絡をいただく等、内容については確認をしているところでございます。また、年間三千件以上ありますけれども、内部工夫により、現在、内容は全てチェックしているところでございます。 ◆中里光夫 委員 全てチェックして、その窓口で受け付けたときに対応するというようなお話ですけれども、見させていただいた中に幾つか、就業規則や三六協定について未整備の事業所がありました。備考欄に社労士と相談して今つくっているところだとか、後で労基署に届けますなどの記載がありましたけれども、こういうものについてはどういう対応を行っているんですか。 ◎梅田 経理課長 それにつきましては、ただし書きで書いてあるところにつきましては、ちゃんと労基署のほうに提出しているかどうか、今後確認をする形になると思います。 ◆中里光夫 委員 それから、そもそもこのチェックシートに書かれていることが本当に守られているのかどうか、その確認の仕組みが必要だろうと思います。条例を決めるときの議論でも、答弁で、労働環境のチェックシートについては契約時に添付していただく書類ということで考えておりまして、その中から一定の時期がたったときに、抽出調査ということでランダムに統計的な手法で抽出いたしまして、事業者の方に実態の調査をするということを今考えております、こういうふうに答弁がされているんですが、この事業者の方に実態の調査をするということについては、今どのような検討状況なんでしょうか。 ◎梅田 経理課長 チェックシート等、あるいはそういう告発的なことがあれば、即対応させていただきます。ただ、そういうものがない部分につきまして、これはやはり事業者側の同意が必要だと今思っておりますので、その辺はどういうふうにしたら同意を得て調査ができるかを現在検討しているところでございます。 ◆中里光夫 委員 やはりチェックシートの信頼性であるとか、その辺をきちんと担保するためにも、実態の調査を行えるように、事業者との話し合いなども今後進めていただきたいというふうに思います。これはきちんと統計的に抽出して調査をするということですので、ぜひこれを実施するようにお願いしたいと思います。  それから、現場からの告発というお話が今ありました。労働環境を向上させていくためには、現場で働いている皆さんが、労働法制であるとか、公契約条例そのものであるとか、労働報酬下限額などを知って、そして条例が守られていなければ現場から告発する、こういう仕組みも必要になっていくと思います。  そのためには、現場で働く皆さんに公契約条例や労働報酬下限額がしっかりと周知されていなければ実現できません。周知の必要性や、現場に掲示する、こういったやり方などについてどうお考えでしょうか。 ◎梅田 経理課長 今まで公契約条例制度が施行されましたという形ではPRをさせていただいております。今後、労働報酬下限額が決まり次第、より幅広く周知をしていきたいと思います。その内容としましては、事業者、労働者の双方に対して条例の趣旨が浸透するよう工夫してPRをしていきたいと考えております。 ◆中里光夫 委員 現場の労働者の皆さんにしっかりと伝わるように工夫していただきたいと思います。  それから、告発があった場合はどのような対処になるんですか。 ◎梅田 経理課長 告発があった場合につきましては、告発の方からよく話を聞かせていただいて、その内容を事業者のほうにヒアリング等をさせていただいて、実態の調査で把握していきたいと考えております。 ◆中里光夫 委員 時間となりました。入札制度改革であるとか、来年度の予算に反映させるとか、その辺のことを少しやりたいと思っていたんですが、時間切れなので、以上で終わりにします。 ○三井みほこ 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○三井みほこ 委員長 引き続きまして、無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 本庁舎の問題について、きょうは伺います。  どうも本庁舎の話については、区長によって何か一方的な方向に、非合理的な方向に引っ張られているんじゃないかというような感じがしてなりません。  先日も大雨で常総市役所が水没しました。これは二十九時間たってから、やっと全員が救助されて、千人ほどが、避難してきた四百人の区民の方、職員の方、または自衛隊の方も閉じ込められてしまいました。それで、非常用電源はその庁内に置けないので、庁内の外の一階の部分、路肩のところに非常用電源があって、水をかぶってだめだったと。  さらには、二十九時間ですから、おなかもすいて、非常食、非常用の食料というものが本当は庁舎に備蓄されているはずだったんですけれども、ここは水没する可能性もあるということで気をきかせたんでしょうか、ここから六百メートル離れた高台のところに場所をつくりまして、そこに非常用の食料をためていたと。六百メートルも離れていて、下はもう水ですから、ボートで行かないと取りに行けないということで、ひもじい思いをしたということなんですね。やはり庁舎というのは一つの機能としてまとめていかないと機能しないということの一例でもあると思うんです。  さらには非常用電源については、二〇二〇年に横浜市役所が新庁舎を竣工させる予定になっているんですけれども、中層階に非常用電源を入れて、システムが二系統に分かれて、一つのシステムが壊れても、もう一つのシステムが作動するような設計になっているということです。やはりこれらの議論をもっと深めていかなくてはいけないのに、いまだに景観の問題でまごまごしている。  そこで私は、区長の言われるような景観というのが一体何なのかというようなことをいろいろ考えてみました。これは招集挨拶ですけれども、現在の第一庁舎と世田谷区民会館、また、それらをつなぐ低層棟のピロティーが中庭を囲む特徴的な景観、こういうものを大事にしたいというふうに再三言われているわけです。  そこで、私は景観の中ではセブンイレブンの近く、あのあたりから区役所のこちら側を見た景観が一番それにふさわしいんじゃないかと言われているそうなので、まずセブンイレブンのところに行って、ここですね、セブンイレブン、この前、ここの場所に立って区役所を見ました。一体どういう景観が見られたか、こういう景観です。こういう景観が見えました。これが景観と言えるものでしょうか。  実は前川建築事務所が第一庁舎をつくった直後に写した古い白黒の写真があります。これがその当時の写真です。実は前川建築事務所では、当然ケヤキと建物を見せる。それから下のほうは灌木にしろと。灌木、低木ですね、要するにそのコントラストで景観をつくりなさいというふうな形でつくってあるんです。それがいつの間にか、このみどりの方向が横から見るとこうなっています。ほとんど建物を遮蔽するような形でできているわけです。これで景観というものを大切にしていると言えるでしょうか。世田谷区をあらわす景観としてこのような構造なんですよ。要するに外から見えないようにしている。日当たりの関係もあるのかもしれません。景観、景観とか、先ほど言った、現在の第一庁舎と世田谷区民会館、また、それらをつなぐ低層棟のピロティーが中庭を囲む特徴的な景観を大切にしたいなんて言い出したのはここ二、三年ですよ。実際、その場所はどこにあるんですか。私はいろいろ見ました。中庭を囲む場所はあります。でも、第一庁舎と区民会館をつなぐピロティーからピロティー越しに見える景観というのはどこにもないんですよ。あったら写真を写してきてください、ありませんよ。  そこで、まず第一に伺います。一番長くいらっしゃる副区長、そういう景観ってありましたか。 ◎板垣 副区長 今、冒頭お話がありました、そこが遮蔽されているというお話ですけれども、私は昭和五十四年に入所しましたので、たしかちょうどその前後ぐらいにできたような記憶があります。多分そこに親水性のある水路をつくったりした関係で、道路への飛び出しを防ぐだとかそういうようなことで、たしかあれが一緒に植栽をされて、今の状況になっているんだと思います。  その前の写真も御提示いただきましたけれども、まさにそれはケヤキと庁舎の関係という意味で、そういう景観というようなところはあらわれていると思いますし、そこは結構大事なところではないかと思います。また、ピロティーを越えると広場に入っていきますので、そこはピロティーを越えて中庭に入っていく、そこに広い空間があって庁舎に囲まれているという、そういうような全体を一体として景観ということを区長も言っていると思いますし、そういうことだというふうに思っております。 ◆大庭正明 委員 だから、言われているもとというのはこの一九六〇年ですよ。第一庁舎ができた直後の写真ですから、その一九六〇年当時のロケーションというか、全体の雰囲気というものについては、それは当時としては、今から見れば残すべきだったかもしれないですけれども、現実にもうこの光景というのは失われているんですよ、なくなっているんです。しかも当時の前川建築事務所は、この施設というのは半径二百五十メートルぐらいの人たちが利用するような施設でしかないというような形で構想しているんですね。それほどほとんど人が余り近くに住んでいなかったというような状況もあるのかもしれません。  それで、例えば学者さん、有識者の中でも景観について、いわゆる区民会館のファサード、ファサードというのは外観のことを言うんですけれども、外観を残す意見と残さない意見と両方ありましたよね。有識者の中で、必ずしもこの景観を残すことが全員一致というわけじゃありませんでしたよね。意見が異なるところはありましたよ。ファサードについては特にそうでしたよね、確認です。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 区民会館のファサード、外壁のところですけれども、それにつきましては、委員おっしゃるとおり、両方の意見がございました。 ◆大庭正明 委員 だから、有識者の人たちにおいても景観に対する考え方というのは全然違うんですよ。ましてや、世田谷区、または世田谷の原風景として残すべきか否かというような話じゃないわけですよ。  お聞きしますけれども、この中間まとめが出たのはいつですか。三月と書いてありますけれども、実際的に我々が手にしたのは。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 選挙の関係もありまして、六月の頭にこれ自体は配付をさせていただいています。ただ、(案)のものにつきましては、二月の段階で御提示して御議論いただいたということでございます。 ◆大庭正明 委員 その速報としての案は十パターンあったわけですよ。十パターンあって、六月に正式に、選挙が終わってから、これが我々の手元に来て、いろんな記載を読ませていただいたわけですよ。そうしたら、今度は八月になって、それ以外で三パターンに勝手にまた変わってしまったと。この変遷というのは何なんですかねと。  それで、僕は先ほどから区長本人が勝手に引っ張っているんだという言い方をしているんですけれども、庁内では今年度になってこの庁舎問題についての会合というのは何回ほど開かれたんですか。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 副区長をトップとする庁舎計画推進委員会につきましては、今年度二回開催しております。 ◆大庭正明 委員 それは第一回庁舎計画推進委員会のことでしょう。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 そうです。 ◆大庭正明 委員 これには副区長も含まれていますし、選挙管理委員会事務局長までほとんどの部長級も含めて、要するにオール部長が出席している三十人から四十人ぐらいの部長会ですよね。これは第一回が五月二十五日に開かれています。それから、第二回が八月二十一日に同じような形で庁議室で開かれています。記録によると、庁舎問題に関しての庁内関係者、要するに理事者側の会議というのはこの二回しかないんですけれども、五月二十五日の何時から何時まで開かれていましたか。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 五月二十五日の九時四十五分から十時まででございます。 ◆大庭正明 委員 では、八月二十一日の金曜日は何時から何時までですか。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 八月二十一日は九時三十五分から九時五十分です。 ◆大庭正明 委員 これは二回開かれているんですけれども、四十人から成る部長さんが集まって、区長も出て、副区長も出て、オール部長会議みたいな形でやっていて、集まるだけでも結構大変ですよね、部屋に入るまででも。それでも十五分、これが二回。これは十五分、あなた方は理事者として大切な庁舎問題に関して本当に会議をしているのかということを僕は問いたいんですよ。こういうことだと、区長が一人で勝手に何か独断でやっているように見えるんですよ。一体どこでやっているんですか。これは理事者としてちゃんと会議をやったということを言えるんですか、副区長。 ◎板垣 副区長 今回、素案に向けての中間ということで今まとめて報告をさせていただいておりますけれども、当然議会での議論、それから、区民からの御意見をいただく機会はまた改めてつくっていくということも考えておりますので、いずれにしましても、そういうことも多様な議論のことを踏まえて、最終的に来年二月に素案としてまとめていくということで考えているところでございます。 ◆大庭正明 委員 たった三十分でこういう重要なことが済むんですかということを問うているわけです。実質的には庁内でそんなに活発な議論もないわけですよ。ない中で、今回の三案が出てきたわけです。おさらいのためにしておきますけれども、この四万五千平米の庁舎をつくるという形においては、仮庁舎をつくれない、仮庁舎をつくる場所がないというところで、改築の手順というのがあらかじめ決まっているんですよ。これしかあり得ないわけですよ。  というのをもう一度繰り返しますけれども、まず最初に区民会館を壊す。これは議論が分かれますけれども、ここを壊して、ここの跡地に第一庁舎と第二庁舎を入れる。第二庁舎を入れた後に、こことここがあくので、ここにまた庁舎を増設する。こっち側に区民会館をつくるというのが基本的なパターンなんですよ。これはもう前回、予算のときにも申し上げました。何かを壊さないとできないわけですよ。これは営業中ですから、唯一区民会館が常時営業中ではないということなので、区民会館から手をつけるというようなことが当然考えられるわけです。  そこで、実はきょう申し上げたいのは、平成十九年に一つの案がもうできているんです。今手順で言った形でつくるやり方なんです。これは今回出ている(1)―cと似てはいますけれども、まずお聞きしたいのは、区長がきのう、三パターンについて、この三パターンというのは、別にこれに限ったことじゃないんだと。たまたまこういうような形に事務方が出してくれと言われたから、しようがなくて出したということを言っているんですけれども、課長、そうじゃないですよね。本庁舎等整備基本構想の検討状況についてという形でここに出てきているわけです。これは三パターンがついてきたわけです。だけれども、ここに書いてある文章を全部読み込むと、形とすればあの三パターンになってしまうんですよ、違いませんか。 ◎岡田 総務部長 今のお話ですけれども、今回お示しした検討状況の中では、本庁舎整備の基本的な考え方を整理しまして、配置パターンのイメージとしてお示しさせていただきました。この内容については、区長も当然了解をして出しているわけですけれども、その中で三つのパターンというのは、事業費を想定できるように、議論しやすいようにということで、参考に三つのパターンを出したんですが、それが十パターンから三つのパターンに絞り込んだというような御理解をされていることもありまして、その辺については、私どもの説明が不十分だったという気がしております。それについては、区長は違和感を持っている可能性があると思っています。 ◆大庭正明 委員 そっちのごたごたは、そっちでやってくださいな。  それで、基本的にこの三パターンの値段でいくと三百四十億円から三百八十億円という数字を出していますよね。それで以前、平成十九年に出した、これは日本設計がつくった案ですけれども、これは価格は幾らか。当時、平成十九年ですから、今から八年ぐらい前になりますけれども、価格は幾らだったか、覚えていますか。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 その案につきましては、区民会館の建設費等が含まれていませんが、当時の冊子に公表している金額としては二百三十五億円でございます。 ◆大庭正明 委員 二百三十五億円なんですよ。確かに区民会館が含まれていません。今回の三パターンで含まれている区民会館の価格は幾らですか。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 今回は区民会館は約二十五億円ぐらいですが、区民会館のほかにも、当時の今委員御指摘の案と比べるとそのほかのものも入っています。そのほかのものというのは、例えば免震があったりですとか、駐車場の広さが今の案のほうが広かったりとか、そういったものがあります。 ◆大庭正明 委員 今、区民会館が入っていないので、区民会館の二十五億円を入れても、もともと二百三十五億円ですから、二百三十五億円に二十五億円を足しても二百六十億円です。それでも三百八十億円から比べると百二十億円も差があるんです。  では、駐車場が足りない、仮に免震を入れたとしても三百億円は超えません。この案の最大のポイントというのは第三庁舎を壊さないということなんです。第三庁舎は平成四年に着工で、二十三年ぐらいたつわけですけれども、これは鉄骨造ですから、まだもつ、相当もつわけですよ。しかも、平成二十五年に七十二時間、五百キロワットもつような非常用電源と地下水の装置までつくって、災害対策本部機能を担えるように区長はしているわけです。おととしですよ。それなのに、この三案では第三庁舎を完璧にぶっ壊すというふうになっているわけですよ。それは無駄遣いだと思うんです。  つまり、第三庁舎というのは平米数にすると三千八百平米になります。三千八百平米を今回出てきている単価でつくり直すと大体十七億円、解体費用を入れると十九億円ぐらいになるんです。もろもろの移設費だとかなんとかすると、ここだけで二十億円は確実に浮くんですよ。ここを壊すということはもったいないと僕は思うんですね。前川の庁舎を残すよりも、第三庁舎を無残に壊してやっていくなんていうことをやって安くできるはずがないじゃないですか、僕はそう思いますよ。  それから、この案によると、まだここのところは、こっち側は買えていなかったんですけれども、今度買えていますから、この土地になります。ここでかなりの広場ができます。この広場と、今回三案、三つのパターンに出ている広場の面積は幾つと幾つですか。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 委員御指摘の今のそちらの案については約四千平米で、今回、うちのほうでお示ししたイメージ図の案のほうは約二千五百平米でございます。 ◆大庭正明 委員 四千平米と二千五百平米、広場の大きさが一・六倍も違うんですよ。やはりここは避難場所、それからもろもろのいろんな形で使える場所、それから、お祭りの広場としてもまた使えるわけですよね。この広場というのはいろんな意味で多様に使えるわけですよ。そこのところを二千五百平米にするのか、それとも四千平米にするのか、その辺について全然議論がなされていない、比較検討もされていない、ただ位置の問題だけなんです。  それからすると、はるかにこの平成十九年の問題、駐車場の問題についてはまた別途ありますよ。では、この広場の一部を多少削って駐車場にするとか、または地下を駐車場にするとかということを考えたとしても、百億円以上の差が出てくるんですよ。これは圧倒的に経済的に見たって、今回の三案なんていうのがとんでもない無駄遣いだということになってくるわけです。  これが今出ている三パターンですよね。これは三パターンでどういうふうにやるんですか、手順をお聞きしたいんですよ。まず、一応区長のほうも現状の区民会館を壊すということまでは認めていますよね。区民会館を壊した後どうするんですか、パターン別で言ってください。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 大体同じなんですけれども、まず一番左の案で見ていただけるとわかりやすいんですが、先ほどの委員御指摘の案と同じように、区民会館の跡地と、あと、これについてはその右の低層棟の両方をまず壊します。そこに区民会館の跡地には、この案については区民会館の休館期間を短くするために、区民会館を同じ場所に建てます。ただ、これはイメージですけれども、区民会館の今の高さで言うと大体四階ぐらいの高さになるんですけれども、この案ですと、一番上の五階のフロアというのは事務スペースというふうに考えています。その右の低層棟については、これは一応三階というイメージになっていますけれども、今度、そこの部分に西の敷地の第三庁舎と第三庁舎のプレハブの人たちが入ると。そこを壊して、そこからさらに北を含めてつくる。その次に、これはどちらか、どっちでもいいんですけれども、そこのつくったところに第二庁舎か第一庁舎かが入っていく、それで順番につくっていく、そういう形になります。 ◆大庭正明 委員 これは第一庁舎を残すという場合は引き家はするんですか。引き家というのは建物自体をトロッコみたいな形で移動させるということですからね。
    ◎長岡 庁舎計画担当課長 前のときには引き家というのも一つの考え方としてあったんですけれども、今回は引き家ということではなくて、例えばこの真ん中の第一庁舎が茶色くなっているやつの一番下のところの事業費を見ていただきたいんですが、一つは上にある耐震という考え方で、これはそのまま建っていて耐震の工事をする。その下の案だと全て免震ということで、いながらの免震をするというイメージでございます。 ◆大庭正明 委員 結局無理なんですよね。お金の金銭的にも無理だし、配置的にも無理だし、それから時間、工期も、平成十九年のほうというのは六年八カ月ぐらいですか、七年はかからないんですよ。ですから、これは全部七年ぐらいかかるわけですね。七年半ですか、これよりも一年ぐらい早く工期が仕上がると、期間的に見てもそうなんですよ。だから、これはどうやって議論してきたんですかということなんです。  つまり、六月にまだ十パターンだったわけですよ。それが八月になってこの三パターンに絞られたというわけじゃないけれども、イメージとしては三つの方向になってきたと。たった二カ月ですよ。二カ月でこういうふうになってきたというのはどういう会議が行われたかというと、先ほど言ったように、五月と八月に十五分ずつ、二回しか会議をやっていないわけですよ。これは区長と誰かだけが相談したということじゃないんですか。オール世田谷としてどこで審議されたんですか。 ◎岡田 総務部長 今、世田谷区の中で本庁舎整備を推進するための会議体ということで、庁内の会議体としては庁舎計画推進委員会という先ほど来お話がありました。今回二回開催しておりまして、一回目は検討体制、検討項目を共有するという意味で、短時間でしたけれども確認をさせてもらいました。また、八月に行いました第二回では、現在御議論いただいております検討状況についての内容について、庁内で共有するということでやらせてもらいました。  この間、この中庭を中心とした景観について尊重しながら考えていこうというようなことについては、中間のまとめ、それ以前のアドバイザー会議等でも出ていたことでございまして、それらについて、特に整備手法の検討ということに軸足を置きまして、私ども総務部と施設営繕を担当する所管とで検討を進めてきたという形になります。  実際には基本構想というのは、さらに備えるべき機能だとか災害対策の問題、それから議会棟の問題、いろいろありまして、これらの具体的な検討が本当は必要なんですが、これらについては、これから精力的に議論していく予定でございます。 ◆大庭正明 委員 誰が考えても常識的に考えて、平成十九年の案ですね、第三庁舎を大切に使っていくと。第三庁舎もいずれ老朽化ということになれば、またそのときはそのときに考える、建て直すということ。またはどういう形で隣接の施設と合築というか合体させるかということも、それはまた考えるとしても、今、要するに費用的に相当お金がかかるということが言われている。しかもオリンピックの前で、また高騰、もっともっとお金がかかるかもしれないというときに、やはり無理な建て方をして、しかも防災上、これは非常に効率がいいとは言えない。現実的にもう第一庁舎と第二庁舎を行ったり来たりという形で、みんなそこで非常にロスが生じている。しかも中庭というのはもう幻想にすぎないし、囲まれた場所なんていう、そんな場所はないんですよ。囲まれた場所はあるんですよ。囲まれた場所はあるけれども、囲まれた景観なんていうのはないんですよ。そのなくなったものについてどうのこうのと言っている場合じゃないと僕は思うんですよ。  この間も調布で震度五弱ですか、地震がありましたよね。いつ、どうして調布であんなのが起きるのかよくわかりませんけれども、災害は間もなく必ずやってくるということになっております。記憶を継承するということは、例えばいろんな自治体でもレリーフとか、またはそういうもので銅画とか、銅画というのは銅版画ですね、ああいう形で、かつてこの地にこういうものがありましたよというような、そういう継承の仕方もあると思うんですけれども、副区長、どうですか、そういう継承の仕方もありでしょう。 ◎板垣 副区長 その前に、日本設計の案についてちょっとお話しさせていただきますけれども、区民会館のところを南側に寄せて、いわゆる九階建ての高さのものができるようになっています。先ほど担当課長が話しましたように、区民会館のほうの建てかえをした際に、やはりあそこが相当高くなると、南側はすぐ住宅地が隣接していますので、そこでの圧迫感というのは相当配慮しないといけないだろうというような、そういう議論もしてきました。  今、四階ぐらいの相当のものをもう一層ぐらいは何とか上げられるのではないかということで五階程度にしながら、そうすると、南側の戸建ての隣接地への配慮もできるのではないか。そうすると、全体の配置的にも低中層を中心とした配置が、結果的にも計画上はそういうことが一番いいだろうと。それで、その景観的な世田谷らしさの継承もできる、そういう議論をしてきたということでございます。  今お話しがありましたように、部分的に庁舎の中のパーツを残すだとか、ファサードを残すだとかというようないろんな技術的手法もありますので、それはそれで一つの考え方もあるというふうには認識しております。 ◆大庭正明 委員 やはり災害対策ということから考えると、広場をとるのか、高さをとるのか、低さをとるのか、広さをとるのか、二者択一になってくるんですよ。この面積が狭いですから、当然ある程度の広場をとるとなると、高さをとらざるを得ないということになるわけです。それで、やっぱり災害のとき、また家事が起きたときとかなんとかということを、火の見やぐらじゃありませんけれども、全体が高い必要はありませんが、高所から世田谷全体を監視できるような場所も僕は必要だと思います。九階建てがいいとは言いませんけれども、やはり圧迫感よりも区民全体の安全のためには、そういうことを考える必然性があるんじゃないかと。  とにかくこの三パターンだけじゃなくて、今違うやり方もありますというふうに答弁されましたので、必ずしも三パターン、または東西に庁舎を分けるということではないというふうに私は理解したので、これは庁内でもうちょっとちゃんと議論してくださいよ。中庭みたいな幻想にとらわれないで、そういう景観はないんですから、よろしくお願いします。  以上で私の質問を終わります。 ○三井みほこ 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○三井みほこ 委員長 引き続きまして、せたがや希望の会、どうぞ。 ◆佐藤美樹 委員 私からも、総括質疑で、本庁舎問題で、最後に区長に、この中間まとめで集約型の(1)―cというパターンがだめな理由というのをお伺いしているんですけれども、所管からいただいていた御答弁で、デメリットとして挙がっていたものについて触れたいと思います。  機能性とかコスト面を考えるといいと思われる案ですが、デメリットとして、高層化という点と、区民会館の休館期間、あと中庭を囲む景観ということを三つ挙げられているんですが、ただ、高層化といっても、七階を高層化というふうに捉えるのかどうかという点ですとか、先ほど来、大庭委員のほうでもありましたけれども、中庭を囲む景観等、今のまま全部残すのが、果たして将来世代、二十年後、三十年後、未来の世代がすごくいいものを残してくれたなというふうに思うのかどうかということだと思いますし、いろんなやり方、それこそ建築技術で一部を残す、あるいはその景観を再現して思い起こさせるような手法とかいろいろあると思いますので、コスト面、機能性と、将来を考えて検討していただきたいということを改めて申し上げておきます。  次に、質問に入りますけれども、今回は、地域の課題解決に情報をどう活用していくかという点について、情報化、ICT活用も含めて伺っていきたいと思います。  まず、今回の地域包括ケアの地区展開についてなんですけれども、ここでは、この事業について担う三つの組織、まちづくりセンターとあんしんすこやかセンター、社会福祉協議会、これらの情報共有と連携というのがすごく肝要になってくるわけですが、実際に建物として、並びのカウンターに座っているというような一体型ではなくて、フロアが違っていたり、あるいは建物自体違う建物というような地域包括ケアの姿というのもあるということを聞いていると、具体的に実務のレベルでどうやってその情報を共有していくのかなというのが見えてこないので、その辺も掘り下げていきたいと思っています。  そもそも今の地域包括ケアにかかわるこの三つの組織が、今どのような情報をどういう形態で持っているのかという点についてお伺いしたいと思います。 ◎平澤 地域行政課長 主に地域包括ケアの地区展開に関連すると想定される情報を中心に御答弁いたします。  あんしんすこやかセンターでは、利用者管理台帳により、世帯の状況や相談経過、担当の民生・児童委員、ケアマネジャーなど、支援者の情報などを紙ベースで記録、管理しております。このほか、介護保険の受給状況などを確認して、対応の正確性、効率性を確保するため、介護保険認定システムを参照することができるように整備しております。また、地域包括ケアの地区展開のモデル地区のあんしんすこやかセンターでは、あんしんすこやかセンターで完結できない御相談について、紙ベースの相談受付記録票を作成し、総合支所と共有しております。  社会福祉協議会では、相談等の記録、地域の人材や資源に関する情報について独自に電算化しています。  最後に、まちづくりセンターでございますが、地区で活動する団体等の情報についてそれぞれ独自に収集し、管理しているものと認識しております。なお、まちづくりセンターでは、例えば、母子手帳の交付、国民健康保険証を再交付する際、住民票情報を扱う区の基幹システム、SKY2を閲覧、確認等しております。 ◆佐藤美樹 委員 先ほども申し上げましたけれども、地域包括ケアにおいて、あんしんすこやかセンター、まちづくりセンター、社協と、情報量としては、あんしんすこやかセンターが個々のケースも含め一番たくさん持っているんですけれども、紙ベースで保有しているものもたくさんあるということですので、そうすると、どうしても紙ベースの情報はその担当者にしかひもづかなかったり、一旦共有しても、その後、進捗を追っていく、あるいはフォローアップしていくときにも、やはりデータ化してある、情報化してあるもののほうが扱いやすいという点もありますので、こういった地域包括ケアにおいて、情報のICT化できる部分についてどういうふうに進めていくか、この辺について取り組みを伺いたいと思います。 ◎庄司 情報政策課長 地域包括ケアの地区展開に対するICTによるバックアップとしましては、先ほども触れましたが、あんしんすこやかセンターで利用者管理台帳ということで紙台帳で管理されている情報、こちらを電子化することにより、総合支所、福祉三課との情報共有の利便性を向上させることができるというふうに考えております。今後、所管の希望も聞きながら必要なシステムを整備してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 今までいただいたお話を、データベースとか、どういうふうに情報が流れて共有していくのかというのを私のほうでパネルにしてみたんですけれども、今あんしんすこやかセンターの持っている紙ベースの台帳がデータ化されて、それを福祉三課とも共有できるような仕組みにしていくというところは見えてくるんですけれども、先ほど来申し上げているように、地域包括ケアをまちづくりセンターと社協と一体となって進めていくというところで、あんしんすこやかセンターと福祉三課は、個人情報も含め同じレベルの同量の情報を持っているけれども、そのレベルでは持っていないということで、本当にきちんとワークしていくのか、機能を発揮していくのかなというところはしっかりと見ていかなければいけない点だというふうに思っています。今は五地区での展開で、これから二十七カ所に展開していくに当たっていろんな形態になっていくと思いますので、その中で、やはりもうちょっとその情報の共有をするようにICT化を進めたほうがいいんじゃないかと、そういう点がありましたら、地域行政の側からも、そういったことを保健福祉部と議論しながら、体制についても進めていただきたいと思います。  あと、先ほどSKY2、基幹システムの話になりましたけれども、まちづくりセンターでは、来年から始まってくるマイナンバー関連情報について、今基幹システムのラインは来ているけれどもマイナンバーは表示されない、出張所にしかマイナンバー情報は――画面上に表示されるされないの権限設定の話になりますが、そういう状態でスタートをして、それはまちづくりセンターでそれを必要とする業務を行わないからだと思いますけれども、一方で、まちづくりセンターでも、三十二年までの間に、マイナンバーを使った関連業務、各証明書の発行業務ですとか手続窓口を持っていくということも検討しているというふうに先日伺っています。  その検討をしていって、やはりまちづくりセンターでもマイナンバー情報を扱っていこうという判断、意思決定になる際のその判断基準、目安というものはどういったことを持ってやっていくのか伺いたいと思います。 ◎平澤 地域行政課長 さきに御報告しました地域包括ケアの地区展開とまちづくりセンターの充実について(骨子)において、地区における窓口などの業務のあり方について今後検討するとし、例えば、マイナンバー制度や、総合窓口での対応が難しい高齢者や障害者等へのセーフティーネットを視野に、住民票の写しの交付等諸証明の窓口での発行につきましてもその検討対象としております。一方、マイナンバーを利用できる事務につきましては法律または条例で定められたものに限定されており、そこにまちづくりセンターで取り扱っている事務は含まれていないため、現行のまちづくりセンターではマイナンバーを利用した業務はございません。  今後のまちづくりセンターの充実に向けた検討の中で、窓口での諸証明の発行を行う場合に実際にどのように対応するかについては、その手法として、住民記録情報を扱っている基幹システム、SKY2によりまちづくりセンターで諸証明の発行を処理するのか、それとも、まちづくりセンターでは申請書を受け付けて、集中処理する部署で発行の処理をしてまちづくりセンターへ証明書を送付し、まちづくりセンターで来庁者にお渡しするのか等が考えられ、今後検討が必要であると考えております。その手法によっては、まちづくりセンターでもマイナンバーを利用した業務が発生するものと考えております。  平成三十二年の新たなまちづくりセンター発足に向けて、マイナンバー制度の浸透による諸証明の発行件数の推移、個人番号カードの普及状況や総合窓口の利用状況等を踏まえ、地区の行政拠点であるまちづくりセンターでどのような業務を行っていくか判断してまいりたいというふうに考えております。 ◆佐藤美樹 委員 今の時点では、マイナンバー制度そのものが民間にどこまで利用を進めていくのか、健康保険証との一体化ですとか、預金口座もマイナンバーで開設できるとか、いろんな広がりの案がどこまで本当に実現していくのかというのが見えない時点ですので、こういったスタートということも理解はしているんですけれども、ただ、こういったマイナンバー制度のようなITの技術、ICTの部分というのは、恐らく使える人はすごく使って、証明書発行、コンビニ交付も、以前よりも、証明書をとらなくても済む、マイナンバーを記載すればいろんな手続が済む、証明書の添付をしなくても済む、そういったサービスを利用していく人はどんどんそうやって利用していくと思いますし、一方、使えない方、やはり特に高齢者の方が中心になると思いますけれども、取り残される方というのは取り残されてしまうと思いますので、そういうときに、そのギャップを埋めていくというか、情報を利用できる人と利用できない人のギャップを埋めるというのもすごく重要な行政の役割だと思いますので、その辺を観点に入れながら三十二年に向けて検討していただきたいと思います。  マイナンバー情報は、各出張所については実際に窓口業務として取り扱っていくわけですけれども、やはりそのセキュリティー対策として、これまでも私のほうから申し上げてきた点なんですけれども、扱う全ての職員の方々全員がこういったことに対するリスク感度を身につけて、区の行う研修ですとか、セルフチェックの対象にもなっていただかないといけませんし、これからやるセキュリティー監査という部分においては、窓口業務も含めてセキュリティー監査の監査対象にしていただきたいと思うんですけれども、この辺についてのお考えを伺います。 ◎舟波 共通番号制度準備担当課長 セキュリティー対策を有効かつ継続的に行うためには、委員御指摘のとおり、職員のリスク感度を高め、ルール遵守はもちろんのこと、運用改善にも取り組んでいくことが必要であると認識しております。  マイナンバー制度開始後は、主に窓口業務に携わる職員を対象としまして、外部講師も活用した研修や実務説明会を開催するなど、セキュリティーに対する意識向上を図り、職員みずから日常的な事務処理の再点検、見直しに取り組むことができる教育体制の整備を図ります。また、今後定期的に実施しますセキュリティー監査におきましては、主に事務運用やシステム管理の状況をチェックする予定でございますけれども、職員の研修受講状況や定期的に行う自己点検の実施状況も確認し、必要に応じて組織的な改善を求めていくものと考えております。  今後、情報セキュリティー監査計画等を作成するに当たりまして、専門知識を有する外部有識者からの意見をいただく中で、職員のリスク感覚をどのように点検し、向上させていくかについても検討してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 まちづくりセンターにもマイナンバー情報を参照可能として広げていくかどうかというのは一つのターニングポイントだと思いますけれども、その前の段階でも、出張所も窓口業務をやっていますので、窓口業務を扱う職員全ての方に対しての対策というふうにやっていっていただきたいと思います。  それから、私からの質問の最後に、冒頭申し上げましたいろいろな地域課題の解決のための情報活用ということで、オープンデータについても一点質問したいと思います。  本会議でも取り上げていたんですけれども、ちょうどオープンデータを九月七日から公開して、今約一カ月というところなんですが、この間、区のホームページにオープンデータの窓口を設けて問い合わせを受け付ける、こういった活用をしたいというアイデアも含めて受付窓口を開いていると思いますが、この間お伺いしている時点での数字ですけれども、問い合わせについては一件というふうに伺っています。  やはり世田谷区がオープンデータを始めたよということ自体の認知度がまだ低いのかなというふうに思うんですが、さまざまな取り組みを――一方で、区内にいる事業者、団体でこのオープンデータを活用したいろいろな動きというのは既にありますので、そういったところに区が始めたということがしっかりと伝わっていくといいなと思いますので、その辺の認知度を上げるための取り組みについて伺いたいと思います。 ◎庄司 情報政策課長 九月七日にオープンデータを公開して以降、区内の事業者のホームページで活用事例が紹介されたり、あと、オープンデータの活用を推進する区内の非営利団体から、より利用しやすいデータ形式への整備についての協力の申し出をいただくなど、徐々に認知されているというふうに考えております。  認知度を上げる取り組みとしましては、所管課として参加したオープンデータの活用イベントなどで交流のあった事業者や非営利団体ですとか、地方公共団体のオープンデータを推進する内閣官房など国の機関ですとか、他区など近隣自治体ですとか、そういったところに区のオープンデータの取り組みを積極的に紹介し、オープンデータの活用を推進するための連携の可能性などを模索しているところでございます。引き続き、区政情報課、庁内連携担当課など、関係所管と協力しながら、区のオープンデータの取り組みに対する認知度を高め、成果につなげてまいりたいと思います。 ◆佐藤美樹 委員 これで終わりにして、委員を交代します。 ◆小泉たま子 委員 引き続きまして、総括の続きです。コンビニについてですが、この図のように、コンビニはあるところにはあるけれどもないところにはない、こういうことがわかったわけですが、このないところについてどのように考えるか、そういうことです。今の区は、国から指示が出たら、何も考えずに、はい、そうですかとなることが多くて、それが私にとってのとても大きな疑問です。  コンビニ活用については、私はやるべきではないということを言っているのではありません。活用するのならば、きちんと検討すべきと申し上げているわけです。コンビニには、端末があるだけだから窓口機能はありません、こういう紋切り型の考えでよいのでしょうか。コンビニを活用していく以上、萩原部長の言われたお客様の目を見た対応という窓口での対応をどのように考えるのか、また、適正配置についてはどのように考えるのか。これらを含め、コンビニの区行政における位置づけを明らかにすべきだと思いますが、お考えを伺います。 ◎和久 住民記録・戸籍課長 区の行政におけるコンビニ交付の位置づけというのは、端的に申し上げますと、窓口サービスの補完的な役割であるものと考えております。全国どの地域でも早朝から深夜まで、土曜、日曜含めまして証明書を取得できるというコンビニ交付の持つ大きな利便性、この利点というのを区民に提供する、その一方で、行政機関が実施する窓口サービス、顔の見える関係、お客様の目を見た窓口のあり方というその窓口サービスの利点というものもより充実させていく、その両面が大事になってくると考えております。区民や区議会の御意見等を十分踏まえまして、窓口サービスのあり方についても検討してまいりたいと考えております。 ◆小泉たま子 委員 私は今、非常に区政運営に疑問、危機感を持っています。各部はばらばらなことを言い、それを指摘すると今後の検討ということとなる、どうやってプライドを持って仕事をされているのかわかりません。マッチング担当部門は、この本庁舎問題についてどのように検討を進めているのでしょうか。各部は、分散庁舎についてどのように考えているのでしょうか。疑問が山積みで、さらには何の的確な答弁がありません。区は、思考停止状態に陥っているようです。コミュニティーの醸成のために中庭が必要ということならば、それがなお必要なのは総合支所のはずです。北沢タウンホールにもないし、それでは、今まさに設計中の玉川総合支所ではどうなるのでしょうか。今の区はどうして思いつきのような計画しか立てられないのか。本庁舎の計画案が区民の議論を呼び起こすたたき台であるならば、なぜ多様な案を出せないのか、全くおかしいです。  今、地域行政として、総合支所での総合窓口の検討をしています。その資料を見ても、申請窓口の統一化のメリットが全く感じられません。基礎データが不足しています。それよりも、本庁舎問題で、総務部が世田谷総合支所の移転を言っています。もともと世田谷総合支所には、ほかの支所と違って出張所がありません。そのような特殊な支所を使って想定の検討をするということは現実離れをしています。なぜ世田谷総合支所をモデルケースとして検討しているのか、ほかの支所において問題点を探ることをしないのか。本庁舎案については、区長は、所管が出したいと言ったから出したと答弁しましたが、全く見識を私は疑います。たとえそうであっても、組織のトップが部下のせいにするというのは絶対にあってはならない、言ってはいけない言葉です。今回は、その所管ではなくて、区長が出すことを決めたのには間違いありません。総務部長が勝手なことをするはずがありません、できません。  問題は、政策経営部です。政策経営部、以下、三部がこのような骨太の方針なるものを出しています。私は、初めてこの骨太の方針という言葉を聞いて、すごいとびっくりいたしました。大変な位置づけだなと、今までとは違うんじゃないかと、骨太だからと。総務部は今のような意向があったのでしょうが、政策経営部は、建物の統合、面積九割という方針を出しています。今回の本庁舎の案作成に当たって政策経営部はどのような役割を果たしたのか、疑問です。  行政の広報は、異なる意見があったときには公平に取り扱うことが原則のはずです。すると、今後、本庁舎問題について区民の意見を伺うときには、総務部としては、面積二倍、分散庁舎を考えているけれども、政策経営部門としては、庁舎も含めて、建物集中、かつ面積は既存の面積の一〇%縮減、九〇%とする骨太の方針を持っているということを私は明らかにすべきだと思います。これに対しての区のお考えを伺います。 ◎笹部 政策企画課長 公共施設総合管理計画の基本的な方針につきましては、これから三十年を展望しまして、六百余、合計で百二十万平米の公共施設をこれからどうやって更新をしていくかという点と、加えまして、子どもや高齢者の新しい公共施設をどうやって獲得していくかというふうな点から考えたときには、庁内でさまざまな工夫をして、公共施設総体としては現状の面積を抑制していく方向があるといったような方針を明確にしたものでございます。  一方、庁舎に関しましては、昭和四十年当時の人口が約七十四万人という中で、東京都の内部団体で、職員総数が二千名の当時の区役所が現状に至って非常に狭隘化をしている中で、これから本庁舎に必要な機能をどうやって獲得するかといったような基本構想を検討している最中だというふうに考えてございます。政経部としましても、これから総務部とはしっかりと協議をしてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆小泉たま子 委員 これから五十年、六十年使う庁舎に対してのお答えとは、私は思えません。これは答弁になっていないと思います。  以上で質問を終わります。 ○三井みほこ 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時十二分休憩    ──────────────────     午後二時四十五分開議 ○三井みほこ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  無所属・減税せたがや無所属連合、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私からは、区政運営の基盤を支える区民税の徴収について伺います。  区から、世田谷区債権管理重点プランの推進状況の案が区議会に報告されました。区では、区民税、国民健康保険料、保育園保育料など九つの債権について、重点プランに基づき、債権の徴収率の向上と収入未済額の縮減に向けて取り組んでいます。プランによりますと、平成二十六年度決算において、区民税の収入未済額は前年度と比べて約四億円減り、収納率は九四・二%と、前年度と比べて〇・八%上がりました。区民税は、区政を進めるための貴重な財源であり、その収納率が向上したことは評価しますが、なお六%の区民税が納められていません。  区では、期限までに税金を納めない方には、督促状の郵便や電話による催告などを行い、それでも納めていただけない方には財産の差し押さえなどを行っています。そうしたことは当然やらなければなりませんが、私はその中で、区の職員ができる限り納税者に直接会って納付をお願いすることが大事だと思います。郵便や電話では区の意思が十分伝わらないかもしれませんし、納税者が郵便物を読んでいるかいないかもわかりません。しかし、直接顔を合わせれば区の本気度も伝わり、相手の事情や反応もすぐにわかります。納税者も、少しでも税金を納めるよう、頑張ろうという気持ちになるかもわかりません。  そこで、税金を納めていない方に、区はどのように直接的な働きかけをしているのか、現状をお伺いします。 ◎小渕 納税課長 区では、郵便での督促や電話での催告を行っても税金を納めていただけない方に対しては、できる限りお会いし、納付を働きかけ、相談を行うことが大事なことであると認識しております。納税の相談は、納税者に来庁していただき窓口で行うことが基本となりますが、郵便や電話ではなかなか連絡がつかない方などには、御自宅や事業所などに区の職員が出向き、納付交渉を行う場合がございます。  例えば、現年度の税金の徴収を担当している係では、昨年度二百八十六件の納税者への訪問を実施いたしました。直接お会いすることにより納税者の御事情をうかがえるとともに、区の考えを伝え、納税に向けての助言もできますので、早期の納税につなげられるものと考えております。また、遠隔地に転出した方のところに区職員が訪問することは容易ではないため、区では昨年度から民間に委託し、転出者の御自宅等に直接区からの文書を届けるなどの取り組みを始めました。昨年度は四十七件訪問し、それを契機に納付交渉を行いまして、約八百万円の納付誓約を得るなどの成果がございました。今後とも、こうした未納者への働きかけに努めてまいります。 ◆青空こうじ 委員 よろしくお願いします。期限までに税金を納められない方への対応は、今の答弁でもわかりました。その上で、税金を期限内に納めていただくためには、今まで以上に納税者が税金を納めやすい環境を整えることが大事です。税金の納付方法についてはどの自治体も知恵を絞っていますが、その中でも注目されているのがクレジットカードやマルチペイメントを利用したインターネットで納税する方法の導入です。私も、他の区から転入してきた方などから、なぜ世田谷区はクレジットカードで税金を納められないのかとよく聞かれますが、日常の買い物はもとより、公共料金もクレジットカードで支払っている方にとっては、なぜ納付はクレジットカードでできないのかという疑問はもっともだと私は思っています。  インターネットがこれだけ普及している現在、税金の納付にも積極的にインターネットの利用を取り入れて、区民の納税の利便性を高めることは大事なことです。また、納付機会を拡大すれば収納率向上も期待できると思います。区の見解をお伺いします。 ◎小渕 納税課長 インターネットを利用した納税につきましては、平成二十三年度から携帯電話で納付書のバーコードを読み込んで専用のサイトから納付できるモバイルレジを導入しており、昨年度は千七百十六件の特別区税の御利用がございました。  委員お話しのクレジットカードを利用した納付は、手元に現金がなくてもインターネットから納付できること、また、マルチペイメントを利用した納付は、金融機関のATMやインターネットから納付できることなど、利便性の高い納付方法であると認識しております。  納税者が納付しやすい環境を整えることは、納税者の利便性を向上させるとともに、納付率の向上が期待されますので、拡大に向けた検討を進めてきたところでございます。 ◆青空こうじ 委員 区も納付機会の拡大の必要性については認識しているようですが、それでは、クレジットカードやマルチペイメントを活用した納付の導入についての課題と、今後、区はどういうふうに納税をしていただくように取り組んでいくのかお伺いします。 ◎小渕 納税課長 区ではこれまでに、クレジットカード納付などを導入している自治体やクレジットカード納付の指定代理納付者となる業者などへの聞き取りや実施報告書などにより情報収集に努め、検討を進めてまいりました。今後は、課題をさらに整理し、庁内関係部署と調整を図りながら、所管といたしましては、できるだけ早く方針を出してまいりたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 区民税は、区の歳入予算の四割を占めています。区政を一層発展させていくためには、全ての納税者に定められた区民税を納付していただくことが大事です。区のしっかりした取り組みを求めて、私からあべさんにかわります。 ◆あべ力也 委員 きょうは企画総務の領域でありますから、ふだんは、税金に関してはふるさと納税なんかをいつも質問していますけれども、きょうはちょっと視点を変えまして、八月に国会のほうで女性活躍推進法というのが可決、成立をいたしました。これに伴って、地方自治体みずからも、事業主という立場から女性職員の活躍に向けた一定の取り組みが求められるということになりました。それで、世田谷区の現状とか、そういうことも含めてお伺いをしてまいりたいと思います。  きょうは企画総務の所管ということで、管理職の方も出ていらっしゃいますが、ぱっと見ましただけでも、女性は三人ですか、世田谷区の管理職の比率としてどれぐらい女性の割合があるのかとか、そういうことも大切なことだと思いますけれども、職員の採用ということでは男女比というのが大変重要だということで報道でもされておりましたけれども、世田谷区の勤務年数の男女差について、現状についてまず伺いたいと思います。 ◎堀込 人事課長 ただいまの女性活躍推進法のお話でございますけれども、法の中で、区も一事業主の立場といたしまして、女性活躍の状況をまず把握するということがございまして、そのポイントといたしまして、今お話がございましたように、職員の採用の比率ですとか管理職の比率、あるいは勤続年数といったところを分析するということになっております。  まず、区の採用の関係でございますが、区の新規採用職員の男女比でございますけれども、今年度の採用者で見ますと、男性が百二名、女性が百二十三名、比率といたしましては、男性が四五・三%、女性が五四・七%、女性職員のほうがやや多い状態となっておりまして、例年この傾向は変化はございません。また、勤続年数の男女差でございますけれども、在職職員を年代別に区分いたしまして、その男女比を見てみますと、採用から四十代前半ぐらいまでは、採用の際と同様に女性がやや多い状態が続きます。四十代の後半ぐらいで男女ほぼ半数、五十代の後半になりまして、男性が約五三%、女性が約四七%ということになります。職員全体の比率といたしましても女性のほうがやや多く、五一・四%と、状況としては以上のような状況でございます。 ◆あべ力也 委員 管理的な職業従事者に占める女性の割合というのは、日本全体では一一・三%となっていて、国際的に見ても大変低いというような状況なんだそうですが、区においては、管理職の監督層にある女性の割合は、採用はそんなに格差がないようですけれども、現状においての女性の割合というのはどういうふうになっているんでしょうか。 ◎堀込 人事課長 管理監督層の女性職員の割合でございますけれども、一般に管理監督層と申しますと、区の場合は係長級職員以上ということになります。今年度の四月時点の集計を見ますと、係長級以上職員全体で千二百十五名、うち女性職員が四百十三名ということで、その割合は三四・〇%ということでございます。  区では、平成十九年度からの計画でございます世田谷区男女共同参画プラン、これは十年計画ですけれども、この中で、区の管理監督者の女性職員の割合を三五%という目標を定めてございまして、この間、昇任選考の受験勧奨などの取り組みを進めてきた結果、計画の策定当初、平成十九年度でございますが、この際は女性の割合が二七%でございましたが、現在では三四%ということで、七ポイントほどの上昇となってございます。こういった意味では、着実に成果があらわれていると思っております。一方で、管理監督者のうち、課長級以上のいわゆる管理職で見てみますと、女性職員の割合は一五・六%ということで、かなり低い状態となります。この点、女性管理職の登用に向けては引き続き積極的な取り組みが必要である、このように考えております。 ◆あべ力也 委員 世田谷区の実態を今お教えいただいたんですが、女性活躍推進法の要請しているところは、来年の四月までに事業主の行動計画を策定して、国に示すようにということなんですけれども、今の管理職の実態であるとか、まだまだ努力目標等を設定していく必要があると思うんですけれども、そうした状況を踏まえて、今年度中に数値目標を含めた行動計画を作成するということなんですが、世田谷区の現状と、この要請に対してどういうふうに対応していくのかということについて伺えればと思います。 ◎堀込 人事課長 先ほども委員のお話にございましたように、今般の女性活躍推進法では、地方自治体みずからも事業主の立場といたしまして、まず女性の活躍に関する状況把握と分析を行うということが一つ。この状況分析等に基づきまして、必要に応じて数値目標等を含めた事業主行動計画の策定が求められております。これが次の四月までということでございます。  区では、先ほども御答弁の中で申し上げましたけれども、今般の法制定の以前から、それに先行する形で取り組みを進めておりまして、区の男女共同参画プランの中で管理監督者における女性の割合を設定しております。三五%ということで、毎年着実に二七%から上昇しておりまして、世間一般では三〇%を超えるとよいというような状況だと思っておりまして、現在は三四%ということでございます。  今後、事業主行動計画に関しまして、国のほうからの資料は、簡単なものは来ておるんですけれども、国のガイドラインのようなものが今後出されるというふうに聞いておりますので、これまでの区の取り組み、実績を踏まえながら、引き続きこの法の趣旨に即した取り組みを進めていきたいというふうに考えております。 ◆あべ力也 委員 法律の名前が女性活躍推進法ですから、世田谷区も、女性が活躍できるようにしっかり取り組みを進めていっていただきたいと思います。  以上で終わります。 ○三井みほこ 委員長 以上で無所属・減税せたがや無所属連合の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○三井みほこ 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆田中みち子 委員 まず、マイナンバーについて質問します。  赤ちゃんからお年寄りまで割り当てられる十二桁のマイナンバーをお知らせする通知カードの郵送が今月から始まります。この通知カードには、マイナンバーカードの申請書がついており、希望する人は、その申請書を郵送することで、来年一月以降に区の専用窓口などでマイナンバーカードを受け取ることができます。ところが、先月発表された内閣府の調査によれば、制度の内容を知らないと答えた人が五六・六%に上り、万全な体制とは言いがたい状況です。納税や社会保障など生活に密接にかかわる制度にもかかわらず、区民の理解も進んでいません。先日、世田谷区から配られたマイナンバーの広報もわかりにくく、誤解を招くことが懸念されました。お話を伺った高齢者の中には、簡易書留で送られてくる通知カードが大切なカードだという認識がなく、大切なのは申請書のほうとの理解をされていて、通知カードを紛失したり、捨ててしまうことが危惧されました。また、来年交付されるマイナンバーカードは公的な身分証明書になるからと、財布に入れて常時携帯するつもりでいらっしゃる方もありました。確かにマイナンバーカードは身分証明書になりますが、個人番号が印刷されているカードを常時持ち歩くことに対する危険性もあります。さらに、マイナンバーカードの申請は義務で、通知カードが届いたらすぐに申請しなければならないと思っていらっしゃる方もいます。  制度の開始を迎え、このような誤解や理解不足に対して、区民へのきめ細かい広報をどのように行っていくのか見解を伺います。 ◎舟波 共通番号制度準備担当課長 マイナンバー制度では、来年一月から、国や区などの窓口におきまして、社会保障分野などの申請をされる際に個人番号を記載していただくことがふえてまいります。この場合、御本人の個人番号の確認をさせていただくため、通知カード、または個人番号カードを提示していただく必要がございます。  委員のお話にもございましたが、個人番号の書かれたカードを常時持ち歩くことにつきましては紛失等の危険もございますけれども、必要な手続の際にはすぐに提示、確認ができるよう御用意をいただく必要もございます。マイナンバー制度の概要や個人番号の取り扱いに関しましては、これまで「区のおしらせ」の特集号やコラム記事の連載、ホームページ等による周知に加えまして、区民向け説明会などによりまして積極的な周知に努めております。  今後は、制度の全般的な御案内に加えまして、間違えやすい事例、あるいはよくある御質問など、より具体的でわかりやすい方法による周知に努めてまいります。
    ◆田中みち子 委員 超高齢化が進む中で、さらにわかりやすい配慮をしていただけますようお願いいたします。  マイナンバー制度の施行に伴い、実際には、平成二十八年一月より、一部の行政手続から個人番号の運用が始まります。社会保障や納税などの区の窓口においても、通知カードやマイナンバーカードなどによる番号確認や本人確認が必要となります。このため、このような事務に当たる区の職員は、マイナンバー制度や個人番号を含む個人情報を扱う際には、漏えいやずさんな管理など許されないという自覚を持って、不十分な対応はプライバシー侵害などの問題を招くということを肝に銘じて事務処理を行うことが必要です。  世田谷区情報公開・個人情報保護審議会の答申でも、先ほど質問しました区民周知の推進を図ることと、個人番号を取り扱う職員への教育を徹底することが求められています。区の取り組みを伺います。 ◎舟波 共通番号制度準備担当課長 マイナンバー制度の施行に向けましては、区では、平成二十五年十二月より定期的にテーマを変えながら、全庁の管理職及び一般職員に向け、説明会、勉強会等を重ねてまいりました。今年度におきましては、これまで多くの説明会を実施しております。制度や特定個人情報の基本的な取り扱いを学ぶ基礎編の説明会は、庁内の全所属を対象にしていることに加え、番号法の法定事務を取り扱う所属のほぼ全ての職員が参加し、知識の習得を図っております。その上で、より詳しい専門的な知識を習得する応用編の説明会も実施しております。  制度導入に伴いまして、住民票の異動の発行の窓口も大きく業務が変わるため、出張所等の職員におきましては、非常勤職員も含めまして、全ての職員に向け具体的な実務の説明会を行っております。また、課長級職員を対象とした説明会を実施し、特定個人情報の管理者の立場で注意する点について周知を図ったところでございます。今後におきましても、職員自身がセキュリティー対策をしっかり自覚して対応するよう、計画的な研修を実施し、特定個人情報の取り扱いの周知徹底を図ってまいります。 ◆田中みち子 委員 公平公正な社会の構築は大切なことですが、既に格差が厳然と存在している時代にあって、情報流出、悪意のある第三者のなりすまし行為など懸念されています。区民の納付や給付などの状況を把握することを可能にする大切な個人情報が流出してしまうことがないよう、個人番号を取り扱う職員の教育を徹底し、正しく管理する能力と姿勢を保ち続けていただくよう要望いたします。  次に、防災について、最初はマンションなどの防災対策について質問します。  大規模地震発生時、とりわけ新耐震基準のマンションにおいては、引き続き自宅で生活できる可能性が高いと言えます。マンションのハード面では、建築構造が強固であり、倒壊や延焼の可能性が低いことが安心な要素です。一方で、停電などにより、エレベーターの停止、上下水道の使用不可などで生活の不便などが強いられやすいこと、そして、長周期地震動は高層階になるほど大きく長くなり、家具の転倒や落下、移動の被害が大きいことなどの特徴があります。ソフト面では、居住者間や近隣住宅とのおつき合いが少ないといった特徴もあります。  マンションにおける防災対策は、正しい策を講じることで災害時の被害も最小限に抑えられると考えますが、そのためにどのように取り組むべきか、見解を伺います。 ◎有馬 災害対策課長 委員御指摘のとおり、集合住宅は、建物の特徴を正しく捉え、コミュニティーとしての対策を講じることで、災害時の被害軽減や復旧対策など、力を発揮できる場であると考えております。  集合住宅としての活動としまして、救出、救助、初期消火、居住者や要援護者の支援など、居住者による共助に取り組むことが重要です。その共助を推進するためには、各家庭の備蓄、家具の転倒、落下、移動防止措置を行い、みずからの命を守り、けがをしないようにすることも重要です。また、集合住宅は、その特性から在宅避難の方が多くなる可能性が高いため、主に情報や物資への対応が必要となります。身近な情報と物資の入手はいずれ避難所で行われることが想定されますので、地元の町会・自治会との日ごろからの関係づくりも必要であると考えております。区としましては、集合住宅における防災対策について、防災に関する相談業務や防災教室などの機会を捉えまして、総合支所と連携し、普及啓発を進めてまいります。 ◆田中みち子 委員 御答弁にありましたように、安心安全を確保するために自助は大切ですが、それ以上に大きな力となるのは共助、つまり地域の助け合いです。ところが、共助の役割を果たしている自治会や町会などに未加入のマンションやアパートも多く、災害時の情報や物資の対応などの対策が全く伝わっていません。  もっと区としてマンションやアパートなどにおける防災対策などの周知を図るべきと考えますが、見解を伺います。 ◎有馬 災害対策課長 区内の集合住宅においては、防災区民組織を結成するなど、先進的に進んでいるところもあると聞いておりますが、防災対策を進めている集合住宅はまだまだ少ないものと認識しております。  区ではこの間、関係所管と連携しまして、マンション交流会で防災の講演会を通じて啓発活動を行ってまいりました。また、集合住宅に対するアンケート調査の実施や、地元町会と集合住宅居住者による懇談会の実施などの取り組みを進めている地区もございます。  今後も、集合住宅居住者に対して、さまざまな機会を捉えて防災対策の普及啓発を進めていく必要があると考えております。そのため、災害時区民行動マニュアルマップ版などのこれまでの防災啓発物の配布に加えまして、集合住宅向けの防災啓発物の作成、配布などを通じて、関係所管と連携し、取り組みを進めてまいります。 ◆田中みち子 委員 区民の生活と命を守る防災対策を進める上で必要なのは、被害が起こってから対策を立てるのではなく、被害が起こる前の先行した対応です。中でも、保護者と連絡がとれなくなり、災害により保護者が死亡、または行方不明など、身寄りのなくなった乳幼児や子どもへの対応については積極的に進めていく必要があります。現在の進捗状況をお聞かせください。 ◎有馬 災害対策課長 災害時に頼る先もなく、孤立している子どもへの対応については、区民に最寄りの避難所や警察へつないでいただいた後、最終的には東京都の児童相談所が対応を行うこととなります。区では、そうした子どもが一時的に安心して生活するための区内での受け皿が必要との観点から、この間、支援の体制等について検討を行っているところです。  その後の検討状況ということでございますが、子どものうち未就学児につきましては、既に保育園で一時的に保育を行うこととしており、具体的な受け入れ方法等につきましては引き続き所管で詰めているところでございます。一方、児童、特に小学校低学年への対応でございますが、区内の児童養護施設を一時的な受け入れ施設として活用できないか、施設や東京都、区関係所管も交えながら協議を行っているところです。区としましては、災害時に子どもが孤立し、絶望を感じるような状況が少しでも緩和できるよう、引き続き関係機関等と連携し、支援体制の構築に努めてまいります。 ◆田中みち子 委員 緊急時の対応は、平常時からの支援体制が整備されていなければなかなかうまく機能しません。孤立してしまった児童への対応で、区内の児童養護施設を一時的に活用できないかどうか協議を行っているところだと答弁いただきました。平常時でも行き場のない子どもたちの保護体制が整っていないと感じます。これからも多方面からこの問題を取り上げていきたいと思います。  最後は、世田谷区に暮らす東日本大震災による避難者についての質問です。  ことしの六月、東日本大震災の避難者に対する応急仮設住宅の供与が二十九年三月末をもって大きく変わることが報道されました。平成二十九年四月以降については、被災時の居住していた市町村または区域によって取り扱いが異なります。中でも、避難指示区域以外からの避難者支援については、帰還促進により重点を入れ、生活再建に向けた住宅支援や相談会の開催などが盛り込まれた支援策へ移行していきます。被曝をおそれ避難している親子が安心して生活できる保障は今後どうなるのでしょうか。  世田谷区においても、区が提供している応急仮設住宅に入居している避難者が一定数いらっしゃいます。このような状況を踏まえて、世田谷区としての今後の対応について伺います。 ◎有馬 災害対策課長 東日本大震災による世田谷区への避難者でございますが、九月十六日現在、百五十七世帯、二百五十九人となっております。このうち福島県からの避難者は九十六世帯、百八十二人となっており、その中でも四十五世帯、百五名の方が区の提供する区営住宅や「せたがやの家」、民間の借り上げ賃貸住宅のいわゆる応急仮設住宅に入居しております。  福島県は、応急仮設住宅の供与につきまして、避難指示区域内からの避難者についてはその期間を今後判断し、避難指示区域外からの避難者については平成二十九年三月末で終了することとしております。区としましては、福島県の御判断、東京都の動向なども踏まえまして、今後、区としての対応を決めていくことになります。その際は、区としても避難者への丁寧な対応に努めてまいります。 ◆田中みち子 委員 被曝を逃れて世田谷区に暮らす人々へ、地域の力も生かした何らかの対策を講じていただいて、引き続き避難者へ支援の手が差し伸べられますように要望して、生活者ネットワークからの企画総務の質問を終わります。 ○三井みほこ 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○三井みほこ 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 先月九日の台風十八号への区の対処の不備について問いたいと思います。  まず、水害対策です。今から七年前の台風九号から振り返ります。二〇〇八年九月六日、時の台風九号が関東を直撃し、多摩川は氾濫危険水位を超える大出水になりました。区長は、二十三区で唯一、堤防に守られていない住宅街、玉川一・三丁目の一角、七百四十世帯、千四百九十人に避難勧告を出しましたが、避難者はたった六人という大失態、避難率にして〇・四%でした。しかも、最初に濁流にのまれる河川敷一帯に避難勧告は出さずに、ホームレスは見殺しとなりました。区内で流された方のお一人は、安否不明のままとなりました。  台風の直撃はあらかじめ予想されておりましたし、上流の小河内ダムの放流もあらかじめ知らされておりましたので、お隣大田区では台風が直撃する前日夕方から区の職員がホームレスを一軒一軒訪ねて避難を呼びかけました。また、放流後も避難所を開き、行き場のない方々を保護しています。ところが、当区は、今述べたとおりの見殺しでした。直後に開かれた区議会で私はかんかんになって怒りました。すぐに対策を見直すように求め、その結果、区は二カ所の待避所を設定し、今後は待避をきちんと呼びかけるとしましたが、今回の台風でこの教訓が生かされることはありませんでした。  小河内ダムの放流は十二時からスタートをし、その二十分後、私は災対課長のお席にお電話を入れております。ホームレスの退避を求めました。この段階で、ダムは順次放水量をふやす計画を具体的に明らかにしており、河川敷の危険も明らかでした。その日の午後五時のニュースは、多摩川が氾濫寸前という字幕で、兵庫島に渡る兵庫橋の冠水と、それよりもっと低い河川敷一帯が川と化した濁流の様子を中継で流しています。ところが、砧支所からの報告では、ホームレスに退避が呼びかけられたのは午後五時過ぎ、地元町会の方々が、河川敷にホームレスが四人いると区に通報して、初めて区から避難所の設営が知らされて、住民の方が知らせたんです。玉川地区でも区の職員が退避を呼びかけましたが、その時刻も午後四時過ぎと遅く、退避先の開設もなく、ただ退去をさせただけ。避難誘導が遅過ぎますし、避難誘導と待避所開設は必ずセットであるべきだと考えます。区の見解を伺います。 ◎有馬 災害対策課長 区では、平成十九年の台風第九号を踏まえ、多摩川河川敷のホームレスの方への対応について速やかに再検討し、一時退避場所二カ所を設定するとともに、チラシやハンドマイクを活用した退去の呼びかけを行うことといたしました。  砧・玉川総合支所で実施内容をマニュアル化し、その後の台風の接近時にはマニュアルを基本に対応しております。先月九日の対応につきましては、砧では、成城消防署と連携して退去の呼びかけを行い、一時退避場所を開設し、地元町会の協力も得ながら三名の方を受け入れました。玉川では、一時退避場所の開設できる状況を整えた上で呼びかけを行ったところ、自主的かつ速やかに避難を開始されたことから、結果として、今回は一時退避場所への避難は行わなかったと聞いております。今回は、両支所がマニュアルに沿って適切に対応できたと認識しておりますが、初動が遅いという御指摘につきましては、河川敷からの避難誘導という観点から、動き出しのタイミングについて、改めて総合支所と連携しながら検証してまいります。  なお、小河内ダムの放流情報につきましては、危機管理室から庁内への共有において時間が経過した点につきましては、次回以降適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆上川あや 委員 タイミングが遅過ぎますので、マニュアルごと改めてください。  続いて、土砂災害対策です。  今回の豪雨で気象庁は、目黒、大田、品川、板橋の四区に土砂災害警戒情報を出しました。その結果、大田区、品川区は急傾斜地の三千百世帯余りに早速避難勧告を出しました。世田谷区の地盤の含水率は幸い隣接の二区よりも若干低く観測をされ、土砂災害警戒情報が出ることはありませんでしたが、当区の対応が万全だったとは言えないと考えています。  当区と同様に、区内に多くの急傾斜地を抱える港区、文京区では、今回、土砂災害警戒情報が出ていないにもかかわらず、避難勧告の一方手前、避難準備情報を急傾斜地に対し出しています。一方、当区で準備情報を出す判断基準は曖昧で、今回も非常に迷ったと確認をしています。しかも、当区で問題だと思うのは、過去、気象庁から土砂災害警戒情報を出されたときですら、避難勧告はおろか、準備情報さえ出したことがないという点です。昨年十月六日、当区に土砂災害警戒情報が出された際も、避難準備情報さえ出されませんでした。港区、品川区、練馬区の土砂災害対策の基準をチェックしますと、大雨警報が出た時点で避難準備情報はしっかり出されることになっています。世田谷区の対応は遅過ぎると考えますが、いかがでしょうか。 ◎有馬 災害対策課長 御指摘のとおり、昨年十月に土砂災害警戒情報が発表された際、都や気象庁からの情報等を踏まえまして避難準備情報を発表しませんでした。昨年は、判断基準の作成に着手した段階でしたが、現在では、庁内で訓練も行いながら検討を進め、現段階では、都または気象庁から土砂災害警戒情報発表の可能性が示唆された場合に避難準備情報を、土砂災害警戒情報が発表され引き続き降雨が見込まれる場合に避難勧告を発表することとしております。  今回のケースは、副区長をトップとした水防本部会議を適宜開催し、その結果、土砂災害警戒情報が発表された場合は即座に避難準備情報を発するということで準備しておりました。この方針に基づき、総合支所とともに避難勧告も視野に準備を進めましたが、結果として、土砂災害警戒情報は発表されず、避難準備情報の発令は行いませんでした。  区では、当該地域の区民等へ土砂災害に関するチラシを配布するとともに、国のガイドラインや他区の状況を勘案しながら判断基準の作成を進めてまいります。 ◆上川あや 委員 最後に、避難等の呼びかけ方についても伺います。  さきの本会議でも、防災無線塔が聞こえない地域があるという指摘が他会派からございました。区は、ホームページ、災害防犯メール、ツイッターなど多様な手段で呼びかけると答弁をしておりましたが、なぜそこに重要なツール、伝わるツール、エリアメールが出てこないのかが不思議でした。エリアメールであれば、幹線道路沿いでも、繁華街でも、風雨が強くても、室内にいても、あるいは耳が聞こえない方に対しても確実にメッセージが手元に届きます。港区では、今回の避難準備情報でも積極的に使われました。世田谷ではいまだどういうときに使うのかの整理もついていないそうですが、もう一歩、しっかりとした検討を進めていただきたく考えます。区の見解を伺います。 ◎有馬 災害対策課長 エリアメール、緊急速報メールとも言いますが、その利用規約では、避難準備情報発表も利用可能とされております。  区では、避難準備情報について、対象エリアが局所的である場合や深夜に及ぶ場合など、その都度判断し、実施する必要がありますが、緊急速報メールを活用する方向で検討してまいります。 ◆上川あや 委員 速やかに改善をしていただきたいと思います。  九月二十八日に危機管理室がまとめました台風や大雨による土砂災害に対するチラシの配布というものがありますが、対象世帯四千四百十六世帯、九千六十七人、一万人の命がかかっているんですね。緊張感を持って速やかにやっていただかないと本当に困るということを重ねて申し上げまして、私の質疑を終わります。 ○三井みほこ 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○三井みほこ 委員長 引き続きまして、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 私からは、先ほども質疑があったんですけれども、公契約条例と入札制度改革について質問いたします。  公契約条例については、先般の一般質問、あと先ほども議論がありましたが、私からも、労働報酬下限額について、労働報酬専門部会の議論は現在どのような状況になっているか、また、そこでまとめられたものが具体的には世田谷区にどのように反映されるのか。そして、区民、事業者、労働者への広報についてですけれども、公契約条例制定による効果や、区、事業者の責務等についてこれまでどのように広報が行われてきたのか、そして、今後、労働報酬下限額が設定された際、どのように周知を図っていくのかということについて、まとめてお聞きしたいと思います。 ◎梅田 経理課長 公契約条例につきましては、本年四月一日の条例施行後、区長の附属機関としまして公契約適正化委員会を発足させ、公契約の適正な履行を確保するために必要な施策及び区内産業の振興や地域経済の活性化に向けた入札制度の改革の二点について諮問を行い、現在、御議論をいただいているところでございます。また、労働報酬下限額につきましては、公契約適正化委員会の委員で組織されました労働報酬専門部会におきまして、国が定める公共工事設計労務単価や最低賃金のほか、社会情勢や他自治体の動向などももとに現在御議論をいただいているところであり、年内に中間報告という形で御意見をいただくことになっております。  区といたしましては、公契約適正化委員会で取りまとめられる中間報告をもとに、入札制度改革を初め、労働報酬下限額につきまして、区議会や関係団体等の御意見をいただきながら平成二十八年度予算に反映できるよう進めてまいりたいと考えております。  また、これまでホームページや区の広報紙等により公契約条例の施行につきましては周知を図ってまいりました。今後、労働報酬下限額や入札制度改革等が決まり次第、ホームページやリーフレット等による周知、また、契約の当事者となる事業者に対しましては、入札説明書や契約書を作成時にお渡しする際、案内等により周知を行っていく予定でございます。 ◆すがややすこ 委員 その周知ということについても、今後、労働報酬下限額ですとかが設定された際には重要となってくると思いますので、事業者さんへの周知の徹底と、あと、区民の方への周知ということもぜひお願いしたいと思っています。  それから、公契約条例なんですけれども、一見すると、建設業界に従事する方々のためだけのものというふうに思われがちなんですが、その条例の前文には、「区の調達に係る売買、賃借、請負その他の契約(指定管理者の業務に係る協定を含む。」とありますので、例えば、低賃金が今問題となっている介護ですとか保育など、福祉分野に従事される方々の雇用・労働環境の改善にもつながるのではないかというふうに考えています。  現状、保育事業者や介護事業者と世田谷区の契約形態では公契約条例の対象にはならないということですが、今、人材不足がすごく続いています。その人材不足の背景には、やっぱり労働環境であったり、低賃金であったりということが問題として上げられていますから、ぜひそういった分野に関しても労働報酬下限額が適用されるように検討していただきたいというふうに考えています。  また、公契約条例の目的の一つとして、公契約における適正な入札等を実施とありますけれども、入札制度改革を進めていく必要もあります。特に今回は世田谷区外郭団体の入札制度について質問したいと思うんですけれども、世田谷区では、物品の調達に関しては五十万円以上、工事に関しては百三十万円以上であれば入札ということになると思うんですけれども、外郭団体については規定が各団体ばらばらなんですね。サービス公社とかふるさと公社に関しては入札対象金額に関する規定自体もないという状況です。規定がある団体でも、例えば、外郭団体発行の印刷について、入札要件規定があるにもかかわらず、また金額が五百万円、一千万円と高額なものについても随意契約としているものがあり、その透明性について疑問を持たざるを得ないものもあります。この件については世田谷区としてどのように対応しているのでしょうか。 ◎後藤 庁内連携担当課長 外郭団体につきましては、行政サービスを補完、支援する役割を担うだけでなく、文化やスポーツ、産業振興、市民活動支援や区民福祉の向上など、さまざまな分野で専門性の確保やノウハウの蓄積に努め、区と協力しながら区民サービスの拡充を進めているところでございます。  このように、区と密接に連携している外郭団体ですけれども、例えば、お話にございました公契約条例の五条に規定されております適正な賃金の支払いや労働条件の確保、それから、障害者、高齢者、若者の雇用を進めるといったいわゆる事業者等の責務、これを率先して遵守する立場にあると認識してございます。改めまして、外郭団体の連絡協議会といった機会を通じまして公契約条例の趣旨の徹底を図り、各団体が適正な契約事務を遂行するよう、指導、助言をしてまいります。 ◆すがややすこ 委員 今御答弁がありましたとおり、事業者としての責務は当然なんですけれども、例えば、世田谷区から発注する際の区からの責務と同様に、外郭団体から事業を発注する際の契約に関しても、やはり世田谷区と同様の制度をとるべきであるというふうに考えています。その点についても、外郭団体に関してはぜひしっかりと指導をしていただきたいというふうに考えています。  特に、今回、個別の外郭団体に関しては、この企画総務委員会だけで聞けることではございませんので、本日はこの質問で終わりにしますけれども、各外郭団体にぜひそういった指導をしていただきたいということを要望しまして、質問を終わります。 ○三井みほこ 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○三井みほこ 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、昨年十月の決算委員会及び本年三月の予算委員会でも取り上げた昨年八月四日の基幹システムの停止問題について、前回に引き続き質問いたします。  昨年八月四日に世田谷区の基幹システムがダウンし、当日、八時半から十七時まで、住民票の転出入の入力や国民健康保険の加入などができなくなり、区民の方々に迷惑がかかりました。調査の結果、基幹系システムの前段に配置する負荷分散装置に原因があり、バグにより高負荷になった結果、二重化された運用系から待機系に切りかわる動作、つまりフェールオーバーに失敗したことに原因があることが判明しました。  システム監査の世界では、SPOF、シングル・ポイント・オブ・フェイラーという考え方があります。これは一カ所が故障するとシステム全体がストップしてしまう、システムの弱点のような箇所です。影響範囲を局所化することがBCPの基本であり、今回は負荷分散装置が二重化されていたので、SPOFの問題はクリアされておりました。  一方で、今回の問題は、負荷分散装置が一蓮託生になっていたためであると考えます。一蓮託生とは、共同クラウドシステムになっていることで、世田谷区の場合、豊島区、練馬区、中央区との共同クラウドシステムになっており、データベースサーバー、アプリサーバー、ウエブサーバーについては各区ごとに別の筐体に乗っていますが、負荷分散装置だけは他区のものと同一筐体に乗っており、いわば一蓮託生の状態にありました。  よって、通常であれば、負荷分散装置が過負荷になった場合、すぐに再起動することにより解決することが知られておりますが、しかし、今回の場合は、この負荷分散装置が他区と一蓮託生の構造になっていたため、世田谷区の負荷分散装置を再起動させると他区に影響が出るおそれがあり、再起動は他区の業務終了時刻を待たなければなりませんでした。よって、丸一日障害が復旧できなかったと考えます。  前回の質問では、基幹システムの安全性の確保の観点から、他区との共同クラウドシステムではなく、別の筐体にすべきと質問しました。今回の一蓮託生は既に解消しているのか、解消しているならばそれはいつ解消したのか、また、解消していないならばいつまでに解消できる見込みがあるのか、進捗状況について伺います。 ◎庄司 情報政策課長 昨年八月の基幹システムの障害につきましては、区民の皆様には、多大なる御不便、御迷惑をおかけしたことにつきまして改めておわびを申し上げます。  委員御指摘のとおり、負荷分散装置を他区と共有していたことが障害対応に手間取った原因の一つであると認識しておりますので、抜本的な対策として、ことし六月に新たな機器に置きかえ、負荷分散装置の共有を解消し、安定稼働しているところでございます。 ◆ひうち優子 委員 ことし六月に負荷分散装置の共有を解消したということで、一蓮託生の問題は解決しているとのことで、安心しました。  次に、データベースのバックアップの二重化について伺います。  昨年の第三回定例会の決算委員会では、障害が発生した場合に甚大な被害が発生する可能性のあるデータベースの管理状況について質問し、データベースのバックアップの二重化が必要との質問をいたしました。そのときの答弁では、バックアップは毎日取得しているが、バックアップ媒体の多重化、遠隔化管理はしていないとのことでした。三・一一の教訓を考えると、バックアップ媒体の多重化、遠隔地管理は直ちに実施すべきであると考えます。このバックアップ媒体の多重化及び遠隔地管理の実施時期について、答弁を求めます。 ◎庄司 情報政策課長 まず、基幹システムのデータベースは毎日バックアップを取得しております。また、事務センターに設置のダウン時対応システムには、基幹システムの全データベースを同期しておりまして、障害発生に備えております。  それから、平成三十年度より、区の情報システムの安全性をさらに高めるために新たなデータセンターを利用開始することを目指しております。この中で、基幹システムのデータベースのバックアップ先としての利用も視野に入れて検討をしてまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひ検討していただきたいと思います。  最後に、今後の防止策として、システム監査技術者だけでなく、ITコーディネーターや公認システム監査人のような幅広い知識を求められる資格を持つ専門家も加えるべきではないかと考えます。見解を伺います。 ◎庄司 情報政策課長 専門技術者からの支援につきましては、区の情報システムとかかわりの深い高度な技術を有する事業者と契約し、サポートを受けております。また、公認システム監査人など資格を有する専門家にCIOアドバイザーを委嘱し、支援を受けているところでございます。引き続き、区の情報システムに必要な専門的な支援を受けてまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひ今後の防止策として、幅広い知識を求められる資格を持つ専門家、この方々を加えていただくように要望いたしまして、質問を終わります。 ○三井みほこ 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時三十八分休憩    ──────────────────     午後四時開議 ○三井みほこ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆河野俊弘 委員 本日、最後となります自由民主党の企画総務質疑に入ります。  まず私から、災害時における各地域自治体の連携協力体制について質問いたします。  一般的に町会や自治会は各地域管轄内での活動が多く、日ごろの地域活動の中でほかの町会・自治会の方と顔を合わせることはあっても、実際に連携に至るといったケースは多くないように思います。特に災害時においては、町丁目で分かれた地域や各町会の単位では災害時の相互協力体制に対応できない場面が出てくると考えます。町会によっては東西南北で分かれていたり、同じ町会でも道路一本挟むとコミュニティーが分かれてしまっていたりというのが現状です。防災を通じて、近い地域コミュニティー同士がつながること、そしてその先、相互に地域の特性、環境を理解することが地区の防災力を向上させると考えます。  そこで、その仲介役として行政が町会と町会を結びつける役割もあると思いますが、この点について区の見解をお聞かせください。 ◎有馬 災害対策課長 区全体の防災力の向上のためには、同じ地区における町会・自治会同士の連携と、さまざまな団体が連携、協力して災害時に活動できる体制を構築していくことが重要であると考えております。  このような認識のもと、二十五年度から地区防災対策を出張所・まちづくりセンターの職務として明確に位置づけ、町会・自治会等と連携し、地区における防災訓練や避難所運営訓練の支援、災害時要援護者に関する支援、防災に関する相談等を行い、二十六年度からは主に共助の推進の観点から防災塾を実施するなど、地区防災対策の強化を図っております。  現在、町会等を中心とした防災塾参加団体に対して防災対策備蓄状況等の調査を実施しております。この調査結果を公表することで、町会等が情報の共有化を図るとともに、情報をもとに相談、連携を図るなど、相互に高め合っていくことを狙いとしております。また、最近の事例では、道路を隔てて他支所の町会同士が連携を図りつつあるというお話も聞いております。  今後も、出張所・まちづくりセンターにおいて、地区防災対策業務の一環で、今回の調査結果等を活用しながら、町会等からの相談に対して他の町会の事例を紹介したり、町会同士の仲介役を務めるなどの支援をしてまいりますが、総合支所と連携し、区を挙げて地区の防災力の向上に向けた取り組みを進めてまいります。
    ◆河野俊弘 委員 御回答いただいた中で防災塾の話がありましたが、実は私もおととい、地元の若林地域の防災塾に参加してきました。その中で幾つか感じたことを今申し述べたいと思います。  実は去年も参加をしまして、顔ぶれは実際のところやっぱりほぼ同じで、内容は変わっていても参加団体自体は余り変わらないというところが印象にあります。今質問した地域コミュニティーのつながりを広げるといった内容で、この点が結構疑問に思うところでもあるんですが、今回、防災塾の趣旨として、共助を推進するという観点から実施しているということであれば、なおさら新たな地域コミュニティーの開発というのが必要だと考えますが、この点はいかがでしょうか。 ◎有馬 災害対策課長 特に防災対策については、これまで町会・自治会を中心に行政と進めてきたという状況がございます。その中で、東日本大震災等を踏まえまして、やはり多くの団体等に影響があるというふうに認識しております。防災塾につきましては、七十二時間は地区の力で乗り切るというテーマをもとに、町会を中心としながらも各団体にお声がけをしているところです。  これまで参加団体が防災塾に限られているところもありますが、一方で、上町のようにかなり多くの方々が出ている団体等もありますので、そういった事例も参考にしながら、多くの方々に参加していただけるように働きかけてまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 ちなみに、上町の防災塾の参加人数は何人でしたか。 ◎有馬 災害対策課長 昨年度の事例では、中学生もたしか十五から二十名ぐらい出ておりまして、体育館を使っておりましたので、たしか百名近くいらっしゃったと思います。 ◆河野俊弘 委員 私も、若林の地区でこの間出たときは、四班に分かれて、一テーブル十名ほどで、やっぱりほとんどが町会の方がメーンだったんですけれども、今回話し合われた内容は、避難所に避難しない避難生活というテーマでグループワークをして、すごく活発で、意見交換というのはすごく充実していたと思います。先ほどから申し上げているように、これをさらに充実するために、同じ地区でもより広いエリアというところでの参加者がいれば、共助という面で幅の広いものになると考えております。  その中で、自分たちが日ごろやっている防災訓練の違いに気づくとか、あとは新たな情報も出てくるはずであり、自分の地域の特性を理解し合うということが重要であると考えます。今回の防災塾の防災対策備蓄状況等の調査を公開するというところがあるんですけれども、その公開する内容というのは、どういった内容を公開するんでしょうか、お願いします。 ◎有馬 災害対策課長 現在、八月から防災塾の参加団体を中心に調査を実施しているところですが、こちらの内容につきましては、例えば、各団体の食料や資機材の備蓄状況はどうか、また、スタンドパイプやD型ポンプの配備状況はどうか、防災訓練の実施状況はどうか、防災マップを作成しているのかどうか、要援護者の協定団体というのはこちらでも把握しているのですが、独自で進んでいるところがあるのかどうか、また、町会・自治会によっては事業者とか大学と協定を締結しているというお話も聞いておりますので、そういった状況等を調査して公表を進めてまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 自分の地域のことにまたなってしまうんですけれども、例としてですが、地元である若林町会では、平成二十一年にこの近くの国士舘大学と防災協定を結んで、平時から両者合同で防災訓練を実施していたり、あと平成二十三年には小田急シティバスとの災害時の協力体制を結んでいるといったこともあります。ただ、こういった情報はその地域の中ではよく知られているんですけれども、やはり団体が違うと近くても意外に知られていないということがたくさんあると思います。  一団体の中では当たり前の内容をほかの地域に関連してもっと発信するべきだと思います。自分の地域でもこういったことをやってみようと、そう感じ、行動に移したときに、必然的に互いの意思の疎通というのができて、共助の面でも新たな開発というところにつながるはずだと私は考えます。情報の一つとして発信していただきたいと思います。しかしながら、実際に大規模災害が起きたときには共助や行政による公助だけでは乗り切ることはできないと考えています。  そこで次に、大規模災害時において、応急救護、復旧活動をより円滑に進めるために、災害ボランティアの区の受け入れ体制について伺いたいと思います。  発災後、早ければ三日後には他県からボランティアが駆けつけます。阪神・淡路大震災では、ボランティア元年と言われ、東日本大震災でも多くのボランティアが復旧活動に従事されていたことは皆さん御存じかと思います。しかしながら、一方で、被災地の各自治体によるボランティアの受け入れ体制がとれている自治体とそうではない自治体というのが実際におりまして、結果として、復旧、復興のスピードに差が出ていたことも事実だと思います。本年九月の台風十八号等による豪雨被害においても、被害の多い茨城県常総市などでは多くのボランティアが今回のシルバーウイークを利用して活動されていたというのを聞いております。  こうした大規模災害時の教訓を踏まえた上で、区におけるボランティアの受け入れ体制について、現状どのような体制を組んでいるのかお聞かせ願います。 ◎有馬 災害対策課長 近年、防災に関するボランティア活動は、被災地の復旧・復興支援、被災者の生活再建支援等に大きな役割を果たしております。一方、お話しのありましたとおり、例えば東日本大震災においても、被災地での受け入れ環境が整っていなかったためにボランティアの力が十分に発揮できない事例も見受けられました。  現在の地域防災計画では、区における受け入れ体制につきましては、世田谷ボランティア協会内に常設のせたがや災害ボランティアセンターが総合支所ごとにボランティアマッチングセンターを開設し、ボランティアの受け入れ、登録、コーディネート等を行うこととしております。今後より一層の具体化を図る必要がありますので、二十七年度、二十八年度の二カ年で区地域防災計画の修正作業を進めておりますが、こちらの検討の場を活用しまして、防災会議の中に専門部会を設置いたしました。関係機関でボランティアの受け入れ体制等を具体的に検討してまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 では、ボランティアを実際に受け入れる際に、現状区における課題がもしあれば、その課題についての対応策というのがもしあればお聞かせ願えますでしょうか。 ◎有馬 災害対策課長 区におけるボランティア受け入れに関する課題は、主に三つございます。その一つ目は、支所ごとのボランティアマッチングセンターの開設場所の確保でございます。これはボランティアの受け入れ、登録、コーディネートや避難所等への派遣等をするためには広目のスペースの確保が必要となるためです。昨年度協定を締結し、玉川総合支所については日本体育大学を確保いたしましたが、他支所につきましては確保できない状況でございますので、引き続き区内大学等に働きかけるなど、開設場所の確保に努めてまいります。  二点目は、ボランティア協会を中心とした社会福祉協議会、区内NPOと区との連携体制の確立でございます。それぞれで検討しているところでありますが、一緒になってどう受け入れるか、役割分担はどうかというところがまだまだ不十分な部分がありますので、そちらについては今後議論をさせていただきたいと考えております。  三つ目は、区の災対各部及び避難所等におけるボランティアの受け入れ体制の確立でございます。こちらも先ほどの受け入れ体制でございますが、ボランティアの方がいらっしゃっても、そのボランティアの方々を上手に活用できない場合には、実際には復旧、復興が間に合いませんので、そういった受け入れ体制の確立というのは課題となっております。これらの課題は、先ほど申し上げました防災会議の専門部会において、関係機関及び関係部署とともに対応策等について議論を進めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 ありがとうございます。今言っていただいた三つの課題で、私は共通していると感じた部分があるんですけれども、ボランティアを受け入れる上で、まずその場所の確保ですね、そしてあと、関係施設への協力の働きかけ、連携体制の構築というのが必要だと考えます。防災という面では、連携、協力の呼びかけというのは共存共栄という意味で大きなアドバンテージがあると私は思います。そして、ボランティアの受け入れについても、区が公的に協定を取り交わすことができたときに、区民のみならず、他県に対しても強力な情報発信につながるのではないかと考えます。  大規模災害時の後も、もしボランティアに行く立場に自分がなったときに、真っ先にその情報を得るのは、各自治体のオフィシャルのサイトであったりとか、インターネットを介した情報ではないかなと思います。そこに相互の名前で世田谷区――例えばこの間の常総市以外でも、協定を結んでいる小山市だったり、そういったところのお互いの名前があったときに、初めて協定を結んでいるんだということに気づく人も多くいるはずだと思います。この点も踏まえて、区からより積極的な対策を講じるべきと考えます。ボランティアの受け入れは、事前に対策を打っていなければいざというときに受け入れることができない、そういったことのないように、受け入れ体制の整備というのは今後も進めていただきたいと思います。  次に、防災について最後の質問なんですけれども、大規模災害時の混乱の中発生する窃盗、空き巣、いわば火事場泥棒についての対策です。  命からがら避難所に来た被災者の気持ちを踏みにじるような犯罪で、言語道断、許されないと思います。テレビのニュースなどでも多く取り上げられておりますが、この点について区の対応策をお聞かせ願います。 ◎有馬 災害対策課長 委員お話しのとおり、大規模災害時の被災者の自宅などに対する窃盗被害については到底看過できる問題ではございません。区地域防災計画におきまして、警察の任務の一つである公共の安全と秩序の維持に関することとございますが、災害時の治安維持に関しましては警察との連携は不可欠であると認識しております。しかしながら、警察は治安維持のほか、交通規制、被災者の救出、救助及び避難誘導、行方不明者の捜索及び調査、死体の見分及び検視といった業務を同時に行うため、地域住民による共助の力も必要となると考えております。  過去の事例では、阪神・淡路大震災のときに、警備業等の民間団体によるボランティア、防犯パトロール隊が結成されたり、住民などにより地域の防犯巡回や避難所の警備、巡回が行われたと聞いております。区としましては、平時に防犯パトロールを行っている団体が災害時にも同様の活動を担っていただくことになるものと考えておりますが、過去の事例や他自治体の事例などを参考に、災害時の治安維持に関する取り組みを研究してまいります。 ◆河野俊弘 委員 災害時の混乱の中、この犯罪を食いとめるためには、今、有馬課長が言われたように、役割を事前に決めることが非常に重要であると思います。ただ、そこですごく難しいのが、地域の防犯パトロールということを行う前に、その地域の方々が被災者になっているということが十分にあります。機能するかどうかというのは非常に不安が残ると思います。建物が全壊、あるいは火災が集中するであろう木密地域、そういったところがあると思います。そういった地域、もう既にわかっている部分に関しては早急に対応策を講じるべきだと考えております。  さらに発展して、三・一一以後、被災地のその周辺における被災者の弱みにつけ込んで、点検を装った悪徳商法だったりとか、あと募金、義捐金の詐欺なども多く関係各所に届けられているということを聞いています。絶望に追い打ちをかけるような非人道的な犯罪を食いとめてほしいですし、今後もこれは非常に研究の余地があると思いますので、私も一緒に進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。  次の話に移ります。若手職員の人材育成について質問をいたします。  世田谷区に限らず全国的に後継者不足というのがうたわれている昨今、有能な若手職員は全ての職において必要だと思います。現在、区の職員のうち五十歳以上が三三%、五十歳以下の職員は六七%という状況を聞いております。現在の職員数の総計は五千四十九名ということで、入れかわりもありまして、平成二十二年度から二十六年度の五年間で千二百二十六名の退職者が出ており、逆に平成二十三年度から今年度まで千百三名の新規採用が行われたと聞いています。この数字から、やはりベテラン職員の減少というのが見られると思います。  今まで築いていただいた伝統、ノウハウというのはやはり非常に重要だと私も考えますし、それを若手職員に受け継ぐということが非常に重要だと思います。若手職員ならではの柔軟なアイデアをその中で引き出して、今までよりさらに充実した職務に全うできる環境づくりというのが必要であると考えます。世田谷区の職員においても、若い職員を育てる上でどのように進めていこうと思っているのか、今後の人材育成の方針についてお聞かせ願います。 ◎柳澤 総務部副参事 定年による職員の大量退職が続く中で、ここ数年、二百名程度の職員の新規採用が続いております。新規採用職員には一日も早く職場になじみ、区政を支える組織の一員として貴重な戦力になっていただく必要がございます。  新規採用職員には、職場外で学ぶ研修、いわゆる研修として、研修担当課が実施する研修も重要ですけれども、職場で日常の職務を遂行しながら学ぶ職場内研修、英語でオン・ザ・ジョブ・トレーニングと言っておりますが、頭文字をとってOJTと呼んでおりますけれども、こういった職場内研修、OJTも重要でございます。  これまで区では、新規採用職員のOJTにつきましては、どちらかというと各職場任せになっておりましたが、来年度に向け、各職場に育成担当者を定め、新規採用職員の指導、育成を図っていくことや、職場においてOJTを進めるためのハンドブック、また、新規採用職員に区の仕事を早く理解してもらうための冊子の作成などについて今検討しているところでございます。  職員のアイデアを引き出すような研修につきましては、昨年度、情報政策課との共催で、タブレット端末を区のさまざまな場面で活用することを検討する、タブレット端末を活用する新たな業務実施手法、課題解決手法を構築する研修を実施いたしました。若手職員十名が二班体制で十回以上集まり検討を重ね、八つの活用方法を提案し、発表を行いました。その提案のうち、例えば、広報紙アプリの導入につきましては既に実施されております。  意欲の高い職員の育成のために、今後も関係所管と連携するなどして職員の提案を引き出していくことができるよう、今後とも、職員研修の手法などを活用して進めてまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 今回、職員の新しい提案を取り入れるというところで、職員提案制度というのもあると思うんですが、この数字がちょっと気になりまして、平成二十二年はその提案数が二十九件、翌年は三十三件、その次の年は二十二件、十四件、九件と、実際に今、提案数というのが年々減少しているということを知りました。それを受けてということで、本年の八月十三日から九月末までの期間で、新たに事前にテーマを掲げた上で提案を募集するといったような区の新たな取り組みを聞いています。  やはりこの提案数の減少というのは、職員提案制度の中で本来の目的である幅広い職員の参加による区政の活性化、職員の政策形成能力というんですか、そういった部分の醸成について達成が難しくなってしまうというふうに思います。若手職員からのアイデアというのがそこで新たなエッセンスとして非常に重要かと私も思います。アイデアをもっと吸い上げて、それが職員同士の刺激となって、それをより発展させることによって、行政改革という部分で進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。  最後に、関連して、本日、他会派からも複数出ておりますが、今月から始まったマイナンバー制度です。少し角度を変えて、マイナンバー制度における職員教育というのを中心に質問したいと思います。  マイナンバー制度が始まることで今一番懸念されているのが個人情報の漏えいの問題です。区としても、来年一月からの社会保障、税、災害対策の分野でマイナンバーの利用が始まる状況に万全の管理体制を組み、情報セキュリティーを確実に向上していくことが行政の信頼というのを高めることにつながると思います。管理体制という中でも、特にマイナンバーを扱う窓口の現場の職員の方への意識啓発などの教育の強化というのが必要だと思います。  そこで、新たなマイナンバー制度への移行に当たって、職員教育についてどのように進めていくのか、区の考えをお聞かせ願います。 ◎舟波 共通番号制度準備担当課長 自治体が保有する個人情報は重要かつ多岐にわたるため、これらを取り扱う職員に対しましては、常勤職員、非常勤職員を問わず、集合研修や運用状況の自己点検、あるいはメールマガジン等によりまして、繰り返し個人情報保護や情報セキュリティーに関する意識啓発に努めているところでございます。来年一月から個人番号の利用が始まりますけれども、特に窓口業務におきましては、事務取り扱いマニュアルの周知徹底を図るとともに、新たな制度に対する手続を御存じでない来庁者の方への丁寧な説明や、申請手続が滞ることのない対応など準備を進めております。  今後、個人情報保護、情報セキュリティーに関します意識啓発をさらに進めていくとともに、個人番号を取り扱う職員には、計画的な窓口業務の研修や組織的な事務処理のチェック等を実施することによりまして、個人情報の適正運用の徹底を図ってまいります。 ◆河野俊弘 委員 いよいよ始まるマイナンバー制度について、窓口が新しいシステムに対応するために、今あらゆる意見を集約して対策に取り組んでいただいているかと思います。万が一、あってはいけない個人情報の漏えいについて、今区民は特に敏感になっていると思います。今後もより丁寧に区民の意見を聞いていただくことが非常に大切であるというふうに思います。  それをお伝えし、おぎの委員に交代します。 ◆おぎのけんじ 委員 私からは、まず、区の広報のあり方について質問いたします。  地域行政制度はもちろん、来年には地域包括ケアシステムも各地域に整備をされるということで、今後ますます総合支所、まちづくりセンターの地域における重要性、存在感は増していくと思います。それに伴いまして、地域に住む方々への情報提供もそれ相応にしていくべきだろうと思っております。  今回はネット広報という点に絞ってお聞きしますけれども、今、各地域の情報というと、区のサイトの地域・地区情報というページになるかと思います。ただ、ここも階層が深くて、情報をとりに行く手間は結構かかるというような印象を持っております。もっと手軽に情報発信するツールとして、ツイッターだとかフェイスブック等がありますが、きょうここでお聞きしたいのは、ツイッターのほうです。  今、区のアカウントは五つあるようでございますけれども、まず、広報におけるツイッターアカウントの付与条件及び現在の運用状況についてお聞かせください。 ◎小澤 広報広聴課長 区では、平成二十三年三月に、東日本大震災に関連する災害情報を迅速に提供いたすためにツイッターによる情報発信を開始いたしまして、本年三月からは、利用される区民の方が自分の欲しいカテゴリーに特化した情報を得やすくするために部単位による情報発信を開始いたしました。  ツイッターアカウント付与に関する考え方ですが、より多くの方に利用していただくため、行政の発信する情報として、ツイッターの利用基準を遵守し、セキュリティー管理を確実に行うことはもとより、平常時における定期的、計画的な配信が可能であることや、緊急時における情報発信の必要性などの観点から、所管部と協議し、決定しております。  現在のアカウント付与の状況ですが、広報広聴課のほかに、危機管理室、子ども・若者部、世田谷保健所、教育委員会事務局の四部署がアカウントを開設しておりまして、きめ細かな情報提供に努めておるところでございます。 ◆おぎのけんじ 委員 それで、今は各総合支所のアカウントがありません。当然まちセンもありませんけれども、地域の情報、特に災害対策情報だとか防犯情報というのは即時性が要求されますし、各地域の総合支所というのは当然情報としては握っているわけですから、それをすべからく発信する体制が望ましいと思っております。緊急性を伴う情報だけじゃなくて、各地域のお祭りやイベントにも、支所長以下、各課長さんもたくさん行っていらっしゃるわけですから、そういうリアルな町の動きというものをもっと積極的に地域の方に発信していくことも非常に重要なことかなと思っております。  ですので、広報戦略の一つとして、せめて各総合支所にアカウントを振って、運用していくべきだと思うんですけれども、広報の考えとしてはいかがでしょうか。 ◎小澤 広報広聴課長 総合支所へのツイッターのアカウントの付与に関しましては、平常時や緊急時にどのような情報をいつ発信するのかなど、具体的な内容を明確にいたしまして、既にツイッターで情報発信を行っている危機管理室や子ども・若者部など、総合支所以外の所管との役割分担や仕組みを整理する必要がございます。また、各地域の情報を発信いたします地域・地区ホームページにつきまして、現在、総合支所を中心にリニューアル後の研修を行っているところでございます。こうした状況も踏まえながら、ツイッターアカウントの付与を含めまして、地域、地区の情報発信のさらなる充実、こちらに向けて、総合支所と連携し、検討してまいりたいと考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 導入の必要性をきちんと検討していただいて、ぜひ運用に持っていけるよう御要望いたします。  次に、関連して、災害情報についてお聞きします。  災害情報というのは、全区民、あるいは近隣自治体に向けた総合的なものから極めて地域性の高い情報など、いろんなレベルがあると思います。また、そうした情報をどの程度の範囲まで何を使って伝達するかという判断も区のほうでは逐次こなしているんだと思いますけれども、区での災害情報に関する管理、運用ルールのようなものは今どのように整備されているのか教えてください。 ◎有馬 災害対策課長 地震等の災害時、とりわけ初動期では、被害情報を把握し、応急・復旧対策を立てるため情報の収集が大変重要となることから、現在、初動期における情報収集に係る行動目標を再確認し、一覧にまとめる作業を進めているところです。具体的には、例えば、職員の参集状況や、施設、道路の被害状況、防災関係機関や医療機関等の被災状況、ライフラインや避難所の状況など、情報の種類を大きく四十程度に分類し、それぞれの情報の収集の時期や収集する部署、情報伝達ルートやツール等について整理し、本年八月二十七日の区の災害対策本部運営訓練において、特に災害対策本部において必要な情報の精査や情報収集の実効性、手順等の研修を行いました。一方、収集した情報を区民等へ配信するためには、配信する情報や配信する時期、情報提供の対象者や配信手段、配信のルート等を整理する必要があります。区としましては、災害時に的確に情報を収集し、また発信できるよう、さらに仕組みの検討及び訓練等に取り組んでまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 先日の常総市では、一部避難勧告指示が出なかったという報道もありましたけれども、そういうヒューマンエラーの防止策も含めて、しっかりとした情報管理体制の構築と庁内での周知徹底を強く要望します。  あと、それから、この間の豪雨のときですけれども、私の家の近く、用賀中町通りの一部が冠水をしたり、谷沢川の水位がどんどん上がっていって、土のうステーションから土のうを持ってくるかみたいな状況に周囲の方がなっていたわけなんですが、結局そういう情報は区のインフラには乗らなかったわけなんですけれども、出せば助かる区民の方というのはたくさんいると思うんです。  ですので、本部だけじゃなくて、総合支所、まちセンからも、さっき申し上げたようなツイッターを使って災害に関する情報発信ができるような体制をつくっていくべきではないかと思っております。私は別にツイッターの回し者じゃないですが、三・一一のときも最も安定していたツール、メディアでありますし、それ以降、世界中で起こった大災害のときにも大きな役割を果たしていると思っているところから申し上げておりますが、災害対策課としてはどうお考えでしょうか。 ◎有馬 災害対策課長 ツイッターでございますが、東日本大震災において、ツイッターは、速報性の高い情報発信、また、特定地域の詳細な災害情報の発信、被災者からの問い合わせ対応という点で有効であったという結果も出ております。特に特定地域の詳細な災害情報の発信という点では、ツイッターを活用して、どの地域でいつ給水を行うかという情報を地域の住民にきめ細かく伝達できたといった事例が挙げられております。  区におきましても、地域、地区の情報、例えばですが、避難所の開設情報などの積極的な配信に向け、総合支所を含めた関係支所間とさらに検討を深めてまいります。また、区が発信した情報は区民にきちんと伝わる必要があることから、ラジオやテレビ等に加えまして、ホームページやメール、ツイッターによる方法等を区民の方々へお知らせするなど、情報収集も含めた区民の防災意識の普及啓発活動につきましてもあわせて努めてまいりたいと考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 各地域でのきめ細やかな情報発信体制、平常時も含めてだと思いますが、万全な整備をぜひお願いいたします。  次に、本庁舎整備についてお聞きします。  まず、面積についてですけれども、最低四万五千平米、総務省の基準をもとに算定をしている、非常勤職員は含んでいない、二十三区で比べてもまだ狭いという報告が半ばパターン化しておりますけれども、そもそもこれが前提になっているのがおかしいという点から質問をいたします。  算定基準というのを調べてみると、総務省のもののほかに、国土交通省の基準もありますし、そもそもこれらの基準を使わなくてはいけないということはないんですね。面積が今より広くなるということ自体は、私は別に問題視はしていませんけれども、決め方がいかにも機械的過ぎやしないかと思っております。向こう七十年、あるいは百年もたせようとするならば、もっと丁寧に各所管で、今の業務だとか、これからの業務、あるいは人員のシミュレーションというのをやって、例えば高齢福祉部では車椅子の方と付き添いの方が一緒に来る、だから通路の幅はこれぐらいで、全体としてはこうだとか、もう少し実態と将来予測に即した血の通った面積算定というんでしょうか、そういったものをするべきではないかと思っております。  それから、算定に千九百七十五人という今の正規職員数を使っていますけれども、これも単純に今の人数を当てはめているだけで、行革だとか、あるいは地域行政制度をさらに深めていく、あるいはマイナンバー制度導入で業務効率化をどう図っていくんだという観点が抜けておるわけであります。そういう視点もしっかり考慮して、人数にせよ、面積にせよ決めていくべきだと思うんですが、所管としてはいかがでしょうか。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 本庁舎の規模につきましては、平成二十六年三月策定の整備方針において、城山分庁舎、三軒茶屋分庁舎など、現在、分散化した職員の本庁舎への集約を前提に、正規職員二千人で、先ほど委員お話しのありました国の旧地方債基準により算出した面積を踏まえ、最低約四万五千平米を必要面積としております。仮に移転を検討している世田谷総合支所の移転先が見出せた場合に、同基準により算定した世田谷総合支所の正規職員数約二百二十人分の面積である約四千五百平米があく計算になりますが、本庁舎に引き続き残す窓口スペース、また、災害対策や区民交流のスペース、本庁舎で働く非常勤職員の執務スペース、地方分権改革による国や都からの事務移管なども考慮する必要があると考えております。  こうしたことから、本庁舎の規模につきましては、今後の地域行政制度の進展、事務改善などを見込んでも、引き続き最低約四万五千平米は必要であると考えておるところでございます。今後、非常勤職員を含めた職員数の将来予測、また、災害対策や区民交流などの考慮すべきスペース、また、窓口部門や関連部署の集約など、具体の検討をさらに進め、基本構想の素案の段階ではより精査した形でお示しをさせていただきたいと考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 いずれにしても、前提となっている条件が余りにも短絡的に決められているような印象を持ってしまって、区はちゃんと考えることを放棄しているようにすら思えてしまうので、もう少し真剣に検討しているように見せていただきたいと思います。  次に、本庁舎そのものの整備についてお聞きします。  先日の総括質疑を聞いていて、二点大きく感想を持ったんですが、区長は、やはり中庭と景観への思い入れが尋常ではないということと、このままでは本庁舎整備は、十年どころか三十年ぐらいかかるんじゃないかということで、聞いていて頭がちょっとくらくらしてきたんですが、総括質疑において区長は、ピンクのこの冊子や、三パターンではあくまで考え方を示すものという御答弁がありまして、これをもとに考え方を議論しましょうということだと思うんですけれども、私は、これらの資料はそもそもそのたたき台にすらなっていないと思っています。  このピンクの冊子の中で十パターンのシミュレーションをしているわけですが、まず、シミュレーションの条件が定められています。八個あります。災害対策、コスト、近隣への配慮などに合わせて、本庁舎の世田谷らしさについてという項目があります。シミュレーションをした結果、先日、他会派から(1)―c案がいいんじゃないかという指摘もありましたけれども、一応この冊子の中では一四ページで、(3)―aと(4)―aがよかろうという判断をされています。そもそもこの選び方にもいろいろ言いたいことはあるんですが、とりあえず置いておいて、その二つのパターンをもってしても、中庭を囲む開放的な配置、景観の継承が困難であり、引き続き検討を進めると書いてあります。シミュレーションの条件ということで八項目定められているうちのただの一つである世田谷らしさという条件がこの結論の段落で突然出てきて、全ての条件を大きく飛び越えて結論に影響を与えてしまっているわけです。まずそういう事実があります。  それで、次に新しい三パターンが出てきましたけれども、これはベターとされた(3)―a、(4)―aの東側の建物、七階想定だったところを景観保全のために三階あるいは二階に落としているわけでありますが、この資料でも、庁舎の狭隘化あるいは分散化という課題をこのプランによってどう解消したのかという機能面の話が全く出てこない、これはどう考えてもおかしいんじゃないかと思っているわけであります。  確かに区民や識者の方々から景観を保全すべきであるという声はあるのかもしれませんが、それ以上に話題になっているイシューというのはいっぱいあるわけです。中庭を含む世田谷らしさの継承、これに全てのシミュレーション結果が軌道修正されてしまうだけの合理性は断じてありません。この点について、所管としては、今出ているパターンになったその判断に論理的な飛躍は全くなかったと言い切れるのかどうか、まずお聞かせ願います。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 今お話しのありました平成二十六年度の十パターンのシミュレーションを行うに当たりましては、委員お話しのとおり、前提条件を設定しております。具体的には、先ほどおっしゃられたような八つの条件を設定しておりましたが、この前提条件の中で世田谷らしさを最優先しているわけではありません。シミュレーションを実際に行い、比較、検討する中で、幾つかのポイントとなる項目、いわゆる幾つかの観点から比較、検討したわけですけれども、そこの中で、ちょっと似ていますけれども、延べ床面積ですとか、仮設庁舎の要否ですとか、工期、区民会館の休館期間、総事業費、それから中庭を囲む配置の継承などの観点から比較、検討して、その特徴と課題を整理することができたという状況でございます。  そして、引き続き検討するということで、この考え方としては、区民サービスや機能性を向上させる、また災害対策機能を強化させる、また総事業費の抑制等と中庭を囲む景観の継承等を両立させるためにさらに検討を進めていくというふうな形で整理をいたしました。所管としては、飛躍はなかったというふうに考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 これの一五ページには、区民の方々の御意見、議会の御意見、職員の意見を聞きながら進めていきますと書いてありますが、現時点では全くそのようになっていないということを改めて確認をさせていただきました。  区長が、どうしても景観が大事だというのであれば、改めて、あなたにとって世田谷らしさを象徴するものは何だと思いますかと、人、物、空間でも何でもいいですというようなテーマで、ワークショップだとかパブリックコメントを改めてやればいいと思うんです。そこで、本庁舎の中庭を含む景観というものが多数意見を占めるのであれば、そこで初めて本庁舎の景観イコール世田谷らしさというふうに言えると思います。その上で、初めて本庁舎整備の検討材料に世田谷らしさが上がってくるわけです。でも、それでオーケーなのではなくて、ほかの機能、面積、コスト、区民の利便性、職員の利便性というさまざまな検討要素と並べた上で重みづけをする、優先順位を決めるという作業が始まるわけです。それが本来とるべき手続だと思います。  ですから、景観にこだわるのであれば、もう一度きちんとしたステップを踏み直すべきだと思いますが、この点に関していかがでしょうか。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 平成二十五年の十一月に無作為抽出で区民ワークショップを行いました。このときは、災害対策ですとか、環境面、それから区民サービス面の機能面等をテーマとして行いましたが、実際やってみましたら、コストの話ですとか、一部残すか全部改築するのかなどという幅広い御意見をいただく結果となりました。この御意見の中には、区として案が整理できてから区民に示してくれないと議論がしにくいというような旨の意見もいただいたところでございます。  今後の検討につきましては、面積や機能等、ソフト面も含めて、来年の二月に基本構想の素案として整理いたしまして、来年の四月から、世田谷らしさも含めて区民の皆様にパブリックコメントや意見交換会で幅広く御議論をいただきたいというふうに考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 とにかく本庁舎整備に関してはそもそも検討のスピードが遅過ぎると思いますし、今申し上げたように、案づくりに至るステップが余りにも不透明だから、我々もこういう疑念の目を向けざるを得ない、かつ、こういう不毛な議論がいつまでたっても終わらないわけだと思います。区長が幾ら配置案はフィックスしたものではない考え方なんですと言われても、実際にこのシミュレーションには一千万円以上かけて久米設計さんが一生懸命やってくれているんですから、区長も無責任なことは言わないで、しっかりと仕切り直して、かつスピーディーに対応いただきたいと思います。  それから、本庁整備に係る財政計画についても伺っておきます。  整備に関する事業手法にもよると思いますが、いずれにしましても、財政面のしっかりとした裏づけが当然必要だと思います。今、基金には百億円程度あるようですが、全部基金で賄うなら三・五倍にしなければいけない、それができない場合は起債をする、起債するなら起債計画をどうするか、返済計画をどうするか綿密に固めないといけませんし、これからの行政改革とも密接に絡んでくると思いますけれども、今の検討資料を見ていると財政の話が出てきません。この点に関して、現状の検討状況と今後の予定についてお聞かせ願います。 ◎加賀谷 財政課長 お尋ねの本庁舎整備に係る財政計画、財源になりますが、多額の財政負担ということは確実でありますし、整備期間におきましては、単年度の財政負担ではかなり影響があるということで、一定の平準化を図る必要があると思ってございます。そういった意味では、起債の活用は、まずは一定程度の活用ということを前提に、おおむねですが、対象事業費の六〇%から七〇%ほど、そのほか、基金、それから税などの一般財源での負担を見込んでいるところです。  今般の素案で示されました工事費、最大で約三百八十億円ほどが示されておりますが、そういった工事費に対します粗い試算では、起債が約六割となりまして、約二百億円を超えるだろうと、残り四割程度が基金と一般財源での負担になるという試算になると見込んでございます。こういった多額の財政負担になりますので、この間、庁舎等建設等基金がございますが、二十五年度以降、順次補正等のタイミングで積み立てを行っておりまして、先ほど補正もお認めいただきましたが、今年度二十億円積み増しをして、今年度末には百十億円の残高の確保ということで見込んでございます。  また、より一層の基金の確保ということで、二十八年度の予算編成方針では、当初予算の段階から積み立てを予定しているところで、今のところ三十一年度からの工事予定時期までには財源確保を行っていく必要があると思ってございます。今後、具体的な整備案とともに、財政計画のほうもあわせて担当所管とも調整を図りながらお示しをしていくということになろうかと思っております。 ◆おぎのけんじ 委員 ぜひしっかりとお願いいたします。  次に、総合窓口について伺います。  まず初めに確認したいのが、世田谷における総合窓口の定義です。資料を見ると、総合窓口(申請窓口の総合化)となっています。普通の区民感覚からすると、総合窓口と聞いてイメージするのは、何でも相談に乗ってくれる窓口のようなものじゃないかと思うわけなんです。そうじゃないんですと区が言ったって、そういう期待値でやってくる区民の方というのは必ず出てくると思います。  まず確認したいんですけれども、世田谷における総合窓口というのは、書面どおり申請窓口の総合化であって、総合的な相談窓口ではないという認識でよろしいんでしょうか。 ◎舟波 窓口調整担当課長 総合窓口は、転入や出産等のライフイベントに伴いまして、申請手続をなるべく一つの窓口で効率的に取り扱うことによりまして区民の利便性の向上を図るものでございます。福祉サービス等の専門性の高い相談につきましては、従来どおり担当所管の相談窓口を御案内することになりますが、総合窓口で簡易な申請受け付け事務等を取り扱うことで、その他の窓口ではより相談業務に重点的に取り組めるよう、それぞれの役割を果たしてまいりたいと考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 先ほど申し上げたように、世田谷区にとってはイレギュラーだとしても、相談に乗ってもらえると思っていらっしゃる方も必ずいると思うんです。現に豊島区は、総合的な相談窓口の形で運用されていまして、結果的に区民の窓口滞留時間は以前に比べてかなり長くなっているということも聞いていますけれども、そういう方々に対しての対応をどうするのか、想定はされていらっしゃいますでしょうか。 ◎舟波 窓口調整担当課長 総合窓口の開設に当たりましては、区民の方が迷われないよう、事前に広報紙やホームページ、「せたがや便利帳」などの広報媒体を活用しまして、どのような手続を総合窓口で取り扱うかなど、わかりやすく御案内してまいる所存でございます。 ◆おぎのけんじ 委員 あと、やはり重要なのは、受付担当、フロアマネジャーというんでしょうか、及びカウンターに座っている窓口担当の方ですね。つまり区民に一時対応する方々だと思っていまして、それ相応のスキルが必要なようにも思うんですが、今、主要なメンバーの人材要件についてどういう想定がされているのか教えてください。 ◎舟波 窓口調整担当課長 フロアマネジャーにつきましては、来庁者と最初に接する係員でございまして、いわば総合窓口の顔となる重要な役割でございます。御高齢の方などは、御自分の要件に沿った申請書をみずから判断し、必要な事項を記入することが負担となる場合もございます。このため、フロアマネジャーには来庁者の要件を的確につかみ、必要な手続をわかりやすく説明することが求められます。  総合窓口の取り扱い業務以外のお問い合わせがあった場合に対しましても適切に対応し、担当窓口を御案内することも必要となります。また、カウンター業務におきましては、手続の内容を詳細に確認し、法的なお問い合わせなどにも対応できる専門性の高い知識が求められます。フロアマネジャー、カウンター要員ともに区民に安心感を与える接遇のスキルとともに、区役所業務の幅広い情報や専門的な知識が必要となることから、業務研修等を通じて人材育成に努めてまいります。
    ◆おぎのけんじ 委員 いずれにせよ、やはり導入前に現場のシミュレーションを徹底的にやらなければだめだと思いますので、ほかの自治体のケースを細かく分析するとか、あるいは実際に視察をするとか、始めたはいいですけれども現場が大混乱で、区民の不満が爆発するということが最悪のケースだと思いますので、そこはしっかりとリアルな想定をして稼働に臨んでいただきたいと思います。  最後の質問になりますが、さきの定例会の一般質問で、我が会派の石川ナオミ議員が質問した地域行政に関する骨子について、区から行革への逆行について答弁がありませんでしたというところから、改めて伺いたいと思います。  今回のまちづくりセンターの充実(骨子)によると、国民健康保険料等の収納業務のほかに、住民票の写しについて、まちセンでの窓口交付も提案をされています。一方で、区では来年二月から住民票の写しのコンビニ交付を始めます。収納業務と同じように、コンビニでできる業務をまちづくりセンターで行うということは行革に逆行しているようにも思えてしまうのですが、本件の真意といいますか、背景について改めて伺います。 ◎平澤 地域行政課長 御質問の住民票の写しの交付ですとか、収納事務を含めまして、地域行政における事務事業の展開につきましては、これまでも例えば、利便性、現地性、参加性などの地域行政の目的から求められる要素ですとか、効率性など、自治体運営の観点から導かれる、求められる要素を考慮しながら、その要素の均衡の中でどうあるべきか、その最適化を目指しまして判断がなされてきているというふうに考えております。  コンビニ交付が始まりますと、お話しのように、個人番号カードの利用により証明書交付が可能となりますが、まちづくりセンター業務につきましては、高齢者や障害者等へのセーフティーネットを視野に、平成三十二年度までに検討することとしており、住民票の写しの諸証明の窓口での発行、収納事務も検討項目の一つとして上げております。いずれにいたしましても、まちづくりセンターの業務につきましては、効率性も十分に留意しつつ、検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 以上で私の質問は終わって、安部委員にスイッチします。 ◆安部ひろゆき 委員 それでは、私は、本日は行財政改革について伺っていきます。  二〇一二年の政権奪還から、アベノミクスによりまして、株価は当時約九千円程度であったものが二〇一五年には一時約二万円を超したということがあったと思います。まさにそういった意味で、デフレは脱却、また、雇用の増加については承知のことだと思っております。その効果として、区における財政も目に見える形で改善しているのは事実ではないでしょうか。  本年の決算書の特徴からもそれを見ることができます。歳入が増額し、歳出は微増となりまして、二十六年度の実質収支は歳入増より九十八億六千百九十五万円、実質単年度収支におきましても三十八億円となり、区の財政状況は健全性を保つことができたことは評価をするところであります。区は、それにおごらず、なお一層の行財政改革の取り組みが必要と記載されておりますが、他会派からも質問がありましたけれども、二十八年度予算編成等の基本方針の中で、外郭団体の自立的経営への転換を指導すると書かれてあります。その上で、自立的な経営との観点から、特に世田谷サービス公社の経営状況、また方針について伺っていきたいと思っています。  まず、二十三年度より二十五年度まで続いた営業赤字が本年は約六千八百四十一万円の純利益が見込めるようになりました。その要因は何が付与したものと考えるか、お答えいただけますでしょうか。 ◎笹部 政策企画課長 世田谷サービス公社の経営状況についてでございますが、昨年度、二十六年度決算の当期純利益が六千八百四十一万円と、四期ぶりに黒字決算となってございます。この理由でございますけれども、サービス公社では、二十六年度の事業執行に当たりまして、全ての事業を再点検しまして、徹底的な経費削減と売り上げの向上に取り組みまして財務体質の改善を図ったものと考えてございます。  具体的な取り組みでございますが、施設維持管理等事業につきましては、例えば、夜間清掃や配置人員の定数管理手法の導入によるコスト削減を徹底しました。それから、健康増進事業につきましては、レストランをリニューアルオープンしまして、カフェテリア方式へ一新してございます。そのほかに、例えば飲食事業につきましては、世田谷美術館のボストン美術館展により集客が伸びまして、売上高につきましては前年度比一・二倍でございます。また、販売管理費につきましては、福利厚生費ですとか広告宣伝費などの削減、見直しを徹底したことによるものと聞いてございます。 ◆安部ひろゆき 委員 まさに人員の定数削減であるとか福利厚生費の削減、事業のコスト削減と、現場では大変痛みを伴う改革で、現場の苦労の中で今回の利益が発生できたということではないかと思っております。  実際、そのような苦しい、大変苦労する改革が必須になった大きな原因、二十五年四月から始まった健康増進・交流事業、せたがやがやがや館の無理な指定管理者受注によりまして多額な損失が発生しているわけでありますが、昨年も相変わらず約六千万円の赤字を発生しました。まず、今後収益を見込めるのか、また、今までの赤字による総資産の減少額、また、今後想定する赤字事業の合計損失額、また、区以外の株主がいると思いますが、その件についてどのように評価しているのかについて伺います。 ◎笹部 政策企画課長 健康増進・交流施設のせたがやがやがや館でございますが、一昨年、二十五年四月に開設をしまして、初年度につきましては利用者が少なかったことから、トータルとしてはマイナス一億二千七百十万円の赤字となってございます。  このため、サービス公社としましては、サービスを低下させることなく、先ほど申し上げましたが、人件費の徹底的な削減ですとか、レストランの具体的な方式ですとか営業時間について見直しを徹底した結果、経費の削減等、加えまして、多彩なイベントを開催しまして、がやがや館の認知度向上ですとか利用者の増加などに努めた結果、昨年度、二十六年度決算では、マイナスの金額については七千八百十八万円と縮減したわけでございます。赤字の合計額につきましては二年間で約二億円ということでございまして、今年度、二十七年度の事業計画につきましてはさらに圧縮をしまして、マイナス六千五百万円と計画をしてございます。  収益でございますけれども、サービス公社からは、当初の事業計画につきましては、三年間で黒字転換で、五年間トータルで黒字というふうな計画でございましたが、昨年度全面的に見直しをしまして、全事業点検をしながら赤字の圧縮に努めながら、受託期間の五年間については責任を持って全うするというふうに報告を受けてございます。区としては、より多くの区民の方から親しまれ、きちっと安定したがやがや館の運営ができるようにしっかりと指導してまいります。  また、株主様の状況でございますけれども、御理解、御了解をいただいていると聞いてございます。 ◆安部ひろゆき 委員 要は赤字が改善できないということで、五年間での赤字による総資産減少額は、ちょっと答弁がございませんでしたけれども、先ほどの金額を積算していきますと、二十五年、二十六年で約二億円、二十七年度以降三年間で約二億円になります。合計四億円ということですね。先ほど申し上げた約一〇%持ち分の区以外の株主が了承しているということなんですけれども、昨今、経営のミスによって大きな損失が出ますと、株主代表起訴など報道ではよく耳にしますけれども、逆に言うと、本来は、区が委託費用として当初は一億円以上の金額を想定していた、支出を考えていたわけですが、区が五年間で五億円以上負担する予定であったその経費を総資産減少として株主が負担したということで、本当に俗に言う物言わぬ株主というんでしょうか、ちょっと複雑な気持ちではあります。  事業としての売上高が拡大しているわけでありますが、今後どの程度の売上高、事業拡大を考えているのか。また、民業圧迫とならず、適切かつ必要な事業規模と考えているのかについてお答えいただけますでしょうか。 ◎笹部 政策企画課長 世田谷サービス公社につきましては、公共施設の管理運営等の公共サービスを担うために、地域社会の発展と区民福祉の向上に寄与することを目的としまして昭和六十年に設立をされまして、その後、例えば飲食事業ですとかIT支援事業等と展開してございます。トータル的な売上高で申しますと、十四年度の六十六億円がピークでございまして、現時点では、二十六年度としては三十二億円の事業規模というふうな状況でございます。  先ほど民業圧迫のお話もございましたけれども、サービス公社は地方公社としての役割をきちんと認識してございまして、公共施設の維持管理・運営事業につきましては、区内の中小企業との連携や協力をしっかりと図るといった観点から、区内業者への具体的な委託率が五〇%と高く、向上に努めてございます。加えまして、障害者ですとか、高齢者、女性の雇用など区内雇用が極めて高く、地域経済の振興と地域の雇用に貢献しているというふうに考えてございます。 ◆安部ひろゆき 委員 長期的に見ると事業規模が縮小しているということについては理解しました。今後、事業規模を縮小するかどうか、それはまさに区民ニーズによるところではありますけれども、今回のような無理な指定管理は受注をしないようにくぎを刺しておきます。  これから発生する既存事業、新規事業を区内業者が応募したときなど、サービス公社は公平に評価をされるのか、あるいは区内業者についてある程度考慮をするのか、それについてはいかがでしょうか。 ◎笹部 政策企画課長 ただいま御質問がございました公平な評価についてでございますが、区としましては、基本計画の外郭団体改革基本方針の中にございますサービス公社の改革方針に掲げてございますとおり、一般の民間事業者と競合するような事業への参画については見直しを行いまして、障害者雇用の場の拡充ですとか区内事業者との連携をしっかりと進めるように、今後とも指導、調整を図ってまいります。 ◆安部ひろゆき 委員 今、民間事業者と競合する事業への参画については見直すというふうな答弁でありますので、多分現時点でも多少なりともあるのかなというふうに理解するところでありますが、この件に関しては、またいずれかの機会でいたします。  次に、区はほかに、文化財団や産業振興公社、スポーツ振興財団、トラストまちづくりなどの六つの外郭団体があります。総事業に対しての補助金の割合をまさにゼロに近づけていくことが区の言っている自立的な経営への転換、指導になると思いますけれども、産業振興公社の総事業に対する補助金率は六二・三%、文化財団は四六%、スポーツ振興財団は一〇%、トラストまちづくりは八・七%と、まさに補助金なしでは事業が成り立たないというのが現在の外郭団体であるわけです。区として、落としどころというんですか、どの程度が適切と考えているのか、また、これからの区の方針というのをちょっとお答えいただけますか。 ◎後藤 庁内連携担当課長 外郭団体につきましては、外郭団体改革基本方針で示しました団体の役割に応じた事業の見直し、それから区からの財政支援の見直しなどの五つの方針に沿った取り組みを進めることで、一層の自立的な経営へ転換することを目指しています。  御質問にございました外郭団体への補助でございますが、その対象を性質ごとに、管理費、事業費に分け、区分間の流用は行わない、公益法人の管理費には財政支援を基本的に行わないといった補助金支給の取り扱いを定めました外郭団体の財政支援基準に基づきまして、事業の公益性等から補助の必要性を精査するとともに、事業運営の効率化の徹底を求めるなど、毎年予算の範囲内で適切に交付していると認識してございます。さらに、その積算に当たりましては、各団体と所管部との調整の上、これまでの事業実績や決算等を十分に分析、検証いたしまして、経費節減や自主財源を積極的に活用することで、補助金適正化と縮減に取り組んでいるところでございます。  引き続き、改革の基本方針に基づく取り組みを推進いたしまして、各団体がより一層の効率的な経営を確立させ、自立した財政基盤が築けるよう指導、助言してまいります。 ◆安部ひろゆき 委員 今の答弁の中で、適切な交付、補助金適正化と縮減、自立した財政基盤への指導、助言とありますけれども、具体的に目に見える結果として、今後データとしてわかりやすく提示をしていただければと思います。  次に、土地開発公社になります。  外郭団体の自立の視点とはちょっと異なるんですけれども、効率的な財政運営の視点から伺ってまいりますが、取得した土地は公有地の譲渡に約五年以内を原則としているというふうに書いてあります。そういった意味で、その五年超の取得公有地は今現在土地開発公社には残っているのか、また、その額というのはわかるんでしょうか、お答えいただけますか。 ◎釘宮 用地課長 土地開発公社を所管している用地課として御答弁いたします。  土地開発公社は、区の依頼に基づき、道路事業用地や公共施設建設予定地などの公有地の先行取得を行っております。この先行取得におきましては、区は、五年の債務負担行為を設定してございまして、この債務負担行為の期間中に区が買い戻すことを基本にしてございます。御質問にございました区が五年を超えて買い戻していない土地開発公社の保有地はございません。 ◆安部ひろゆき 委員 土地開発公社の決算書に書かれている多くの物件の中で一件もないとは全く驚くところで、感心するところでありますが、視点を変えて申し上げていきます。  下北沢周辺の再開発、区長さんはいまだはっきりとしたその道筋というのを決めていないようなんですけれども、また、うちの地元のほうで補助一三〇号という道路があるんですが、その道路拡幅などまだまだこれから先の見えない事業があります。先ほど申し上げた既に取得した公有地が五年を過ぎるんじゃないかなというふうに心配しているところなんですが、それについてはいかがでしょうか。 ◎釘宮 用地課長 区では、国の補助金などの導入に支障を来さないように、順次土地開発公社からの買い戻しを進めてございますので、委員御質問の既に土地開発公社が取得した公有地が保有期間五年を過ぎる予定はございません。 ◆安部ひろゆき 委員 主要生活道路一三〇号線などは、はるか昔から買収を行っていて、いまだに道路拡張の予定が立たない非常に特殊な案件でありますけれども、区が五年以内に買い戻すことにより公社が公有地を保有五年以内を過ぎないようにする、本当にまるでマジックみたいな裏わざですけれども、国の補助金の導入に支障を来さないための対応というふうに認識をしたところであります。  以上のように、現場での努力と先見性、これから五年超の公有地譲渡が発生していない現在を鑑みまして、区としても、その原則を破らないことが重要と思いますけれども、今後の区の対応方針について、改めていま一度お願いいたします。 ◎釘宮 用地課長 これまで区は、国の補助金などを計画的に導入することで、一般財源の歳出を極力抑えることや、財政の平準化を目的に、計画的に土地開発公社を通して用地取得を実施しております。今後も、土地開発公社での保有期間が五年を超えないように、区として計画的に進めてまいります。 ◆安部ひろゆき 委員 では、少し時間がなくなってきたので、急いでいきます。災害時の医療運営について、六月三日に開催された災害医療運営連絡会、八月四日の医療救護体制等検討部会、九月四日の防災会議におきまして、大震災が発生した際の医療救護体制について、三カ所の災害拠点病院、三カ所の災害拠点連携病院、八カ所の救急告示病院、六カ所の緊急医療救護所、二十カ所の医療救護所の協議を行ってきたと聞いております。その中で何点か伺っていきます。  首都直下地震で、人的被害を、都は死者が約九千七百人、負傷者が約十四万七千六百人、そのうち重症者が約二万一千九百人と想定しております。区においても以前、区内の死傷者数を報告しておりますが、改めて現在の想定人数についてお答えいただけますでしょうか。 ◎有馬 災害対策課長 東京都の防災会議による平成二十四年の被害想定では、世田谷区の被害想定についても示されております。具体的には、東京湾北部を震源とするマグニチュード七・三の地震を想定し、地震発生の時期や時刻に応じて異なる数値が出ておりますが、冬の夕方十八時の場合、人的被害は、死者六百五十五人、負傷者七千四百四十九人で、そのうち重症者が千三百六十六人となっております。世田谷区の地域防災計画ではこの被害想定を指標として、今回の医療救護・衛生計画修正もこの想定に基づいたものとなっております。 ◆安部ひろゆき 委員 御答弁ありがとうございます。震災時の医療機関の役割分担で、今回協議された三カ所の災害拠点病院から二十カ所の医療救護所まで、また、世田谷区内においては、震災時稼働可能な診療所など、対応できる人数というのは一応議論されたんでしょうか。また、想定されているのであればお答えいただきまして、まだ把握できないのであれば、今後、調査、分析をするのか、それについてお答えいただけますでしょうか。 ◎有馬 災害対策課長 医療資源の観点で申し上げれば、これまでは三カ所の災害拠点病院と二十カ所の医療救護所という枠組みで長く検討を行ってきましたが、このたびの見直しで三カ所の災害拠点連携病院が新たに位置づけられるとともに、災害拠点病院及び災害拠点連携病院に緊急医療救護所を設置することとしました。一方、各医療機関での対応可能人数の想定は行っておりません。この間の議論は、現にある医療資源をどう活用するかという観点から行われております。  今後さらに、区内には計画上位置づけられていない救急告示病院やその他の病院等もございますので、これらの病院を活用し、負傷者等に対応していくことを検討してまいります。あわせて対応可能人数につきましては、病院に聞く必要はありますが、病院と連携し、より一層具体的な取り組みを進めてまいります。 ◆安部ひろゆき 委員 今回、災害拠点病院から医療救護所まで細かく班構成を行っています。その協定で、医師、歯科医師、薬剤師などに協力をお願いするわけでありますけれども、その医療救護活動での人員数は、時系列によって、その区分によって大分異なっているようなんですけれども、トータルでどのぐらいになるんでしょうか。 ◎有馬 災害対策課長 開設後の医療救護班の構成ですが、医師会、歯科医師会、薬剤師会、柔道整復師会から構成されまして、一カ所の救護所では、医療関係スタッフが十八から十九名従事することになります。区全体では、緊急医療救護所及び医療救護所が二十六カ所ございますので、開設時期に前後はございますが、その全てで医療救護活動が行われている場合にはおよそ五百名が同時に活動を行うことになります。 ◆安部ひろゆき 委員 五百人というかなり多くの方々の協力が必要だということはわかりました。  そういうことを考えまして、ちょっと視点を変えて質問していきたいと思っています。九月十一日の台風により、栃木県小山市の浄水場が冠水で使用できなくなったというふうに報告を受けておりまして、区は、協定を結んでいる団体などに飲料水一万本の提供を行ったと聞いています。今回のその費用は多分区が負担したと思うんですけれども、どの程度なのかわかりますか。 ◎有馬 災害対策課長 栃木県小山市とは、大規模災害における相互応援協定を締結しておりまして、こちらの要請を受け、五百ミリリットルの飲料水ペットボトル合計約一万本を提供しました。こちらの経費につきましては、飲料水の調達、運送費等を合わせて約九十五万円となります。 ◆安部ひろゆき 委員 緊急時の協定ではありますが、結構な費用がかかるわけで、さきに述べました首都直下地震が発生し、都が想定する死傷者数が発生、今回の区の災害医療運営でどのぐらいの費用が必要か想定しているのか、また、その費用というのは実際区が負担するのかどうなのか、それについてもお答えいただけますか。 ◎有馬 災害対策課長 医療救護所等の人件費を例に申し上げますと、医師会等との間で、協力協定に基づき費用弁償に関する覚書を交わしておりまして、医療救護活動の従事実績に応じて支払うこととなります。仮に全ての医療救護所二十六カ所で、計画上の医療救護班全員が従事し、一日十二時間、三日間稼働した場合を想定しますと約九千五百万円の費用弁償が見込まれます。これらの経費は当初区が負担しますが、災害救助法に規定する医療を行う救護班として活動いただく場合には同法の規定に基づき補填されるものと考えております。その他、医薬品、医療用資機材などについても支出が見込まれますが、この支出についても災害救助法の適用が予定されております。 ◆安部ひろゆき 委員 いずれ災害救助法で補填されるということでありますけれども、全額国が対応するわけではないでしょうし、初期の段階では区が負担するということで理解しました。  それでは、区には災害に備えて災害対策基金というのがありますけれども、現在の残高はお幾らですか。 ◎有馬 災害対策課長 災害対策基金の残高は、平成二十六年度末現在で十億三千六百九十万五千円余りとなっております。 ◆安部ひろゆき 委員 さっきの災害時の運営だけでも約一億円ぐらいかかるということですから、基金については大分不足するんじゃないかなと心配をするところであります。  首都直下地震は今後三十年間で間違いなく来ると想定されているわけですから、震災時には医療救護以外に多額の復興費用がかかるわけで、そういった意味で、これからも財源の確保ということが非常に重要になってくるんじゃないかなと思っています。  区は、現在、本庁舎をこれからいろいろ考えていくわけですが、当然低コストで、なおかつ早期に全面改築するのはもちろんでありますけれども、ぜいたく品ですね。二十六年の決算書に記載されている物品の項目なんですが、例えば、水彩画、日本画などの芸術系のものです。区には約二千展を超える芸術品があるんです。その多くの作品は寄附というふうに聞いているんですけれども、その数は毎年のようにふえているんですね。また、区が購入したものも約五百九十六点あるそうです。その価格は約二十九億円に上るというふうに聞いております。  有効活用されているものが多いと思うんですけれども、このまま高額な物品をストックする是非を検証しまして、震災に向けた財源を確保するといった観点から、少しそういったものについては検討してもいいんじゃないかなと思うんですけれども、それについて御意見はございますか。 ◎有馬 災害対策課長 災害の観点からでございますが、先ほど残高を申し上げましたが、災害対策基金の設置目的は、災害応急対策及び復旧に要する経費の財源に充てるためとされております。特に応急対策の段階で本基金を活用し、迅速な対応につなげてまいりたいと考えております。その後の復旧、復興においてさらなる多額の経費を要することになりますが、御指摘の点は、他の自治体や、特に被災自治体の例なども参考にしながら関係所管と研究してまいります。 ◆安部ひろゆき 委員 以上で質問を終わりまして、山口委員とかわります。 ◆山口ひろひさ 委員 こうやってだんだん日が短くなって薄暗くなってくると、疲労感も何か増してきますね。自由民主党、最後ということですけれども、自民党は四人でしっかり刻んでいますので、御安心いただきたいと思います。  何を安心するのかよくわからないんですけれども、きょう本当にうれしいことがありました。それは、先ほど他会派の質問で、第三庁舎を残そうという質問がありました。僕も常々、あの十パターンが出たとき、そして三つに絞られましたときから、第三庁舎というのは、今本当に震災が起きたら災害対策本部として活躍をするわけですけれども、その取り扱いが十パターンにも入らないというのはかわいそうだなというふうに思いました。第三庁舎の立場になれば、今頑張っているんだからそれはないだろうという気持ちだと思いますので、ぜひその辺も考慮しながら、これからの庁舎の建てかえを考えていきたいと思うんです。  総括のときに、公共施設の整備でこれから一〇%削減していくんだけれども、本庁舎については逆じゃないかと、言っていることが違うのはどういうことだというような質問もありましたけれども、ただ、本庁舎とか、これから核になる公共施設というのはやっぱり複合化というのを行っていかなければならないので、僕自身は、核になる公共施設というのは、やはりある程度スペースが確保できるものはしていかなくてはいけないんじゃないかなというふうに考えています。  我が会派のおぎの委員からも結構厳しい質問がありましたけれども、この問題というのは熊本区長のころからずっとやっているわけですけれども、今はこの第二庁舎から第一庁舎のほうに移るところにちょうど区道がありますね。僕も昼間によく通ると、また長い列をつくっているなということで、あの駐車場の渋滞がいつも目につくんですけれども、そのスペースをこれから確保するという観点からいくと、この区道も廃道にする、以前に質問があったかとも思いますけれども、そういう考え方も取り入れる必要があるんじゃないかなというふうに思いますけれども、いかがですか。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 現在の敷地中央の道路には、世田谷区役所周辺地区の防災街区整備地区計画における地区防災施設としての位置づけがございます。災害時には、延焼を防止する役割や避難路としての役割がある道路とされています。  そのため、この道路を廃止する場合には地区計画の変更が必要となり、地区計画区域内の住民の理解が不可欠であるとともに、地区計画の変更自体や廃止に伴う交通上の影響と交通管理者協議などにも時間を要することから、事業全体のスケジュールが数年程度延長される可能性がございます。一方、道路を廃止しない場合も、地区計画上の地区防災施設としての役割を担保しながら、東西両敷地の一体的な活用が可能かどうか工夫をすることも考えられます。また、全部改築の場合には、一団地認定を受けることで、日影規制や容積率に関して廃道と同様の効果を得ることができます。こうしたことから、現時点では区道を廃止しないものとして整理しております。 ◆山口ひろひさ 委員 この廃道をすると地区計画云々ということで、かなり時間がかかるということです。今の計画でもかなり時間がかかるので、それは追いついてしまうんじゃないかなという感じもしますけれども、そのほかで緩和措置もあるということでありますので、一つの考え方としてどこかに入れておいていただきたいと思います。  それで、区長の総括質疑の答弁の中で、三案に絞られたわけではないということでありましたけれども、他会派の質問の中で、職員に言われたから出したというような答弁があったと思いましたけれども、きょうの検討会議ですか、十五分が二回というのも聞いて、おじさんびっくりという感じなんですけれども、熊本区長のころからずっと特別委員会をつくったりしてやってきて、そして今、区長もかわりましたけれども、三案に絞られたわけじゃないけれども、出てきたと。  今までの議会の中でもいろいろな議論、そして意見というのが出されていたと思うんですけれども、余りにも議会の声というのは届いていないんだなというのを率直に感じているんです。これから修正があるということで、そこでどんと大きく出してくれるのかなというふうに期待はしているんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。 ◎岡田 総務部長 本庁舎整備につきましては、今後の進め方ですけれども、来年の二月には基本構想の素案をまとめまして、その後、区民に意見をいただくというようなプロセスに入っていきまして、九月には案としてまとめ、決定して以降、今度は設計者の選定のプロセスに入っていくというようなことで想定をしております。二月以降、区民の皆さんに素案をお示しする段階では、ソフト面での庁舎の備えるべき機能、そういったことも含めまして、ある程度区の考え方をまとめて御議論をいただきたいというふうに考えております。  庁舎の詳細な形状、ボリュームといったものについては、九月以降の設計者の創意工夫、こういったものをぜひ生かしてもらいたいというふうに考えておりますけれども、二月の素案の段階までに、現在私どもが考えている中庭を中心とした中低層で構成する庁舎群という形でいくのか、それ以外のコンセプトでいくのかということについては詰めていきたいというふうに考えております。いずれにしましても、私どもとしましては、区議会の御理解が得られない案を区民にお示ししていくというわけにはいきませんので、ぜひ今後十分に議論を尽くさせていただきたいと考えております。 ◆山口ひろひさ 委員 大いに期待するところですけれども、今まで本当にずっと景観、景観、景観、景観ということでいろいろ答弁がありましたけれども、そのうち区長も本官はなんて言い出すんじゃないかなと思ったりして、ちょっと気をつけてもらいたいなと思いますが、区長は、有識者の声だとか、こういうふうにやっていますけれども、僕は、一番聞かなくてはいけない声というのはやっぱり職員じゃないかなと。職員は、一番長くずっとこの庁舎にいて、そして、区民と対応しているわけですから、どういったところが不便だとか、どういったところを改善してもらいたいとか、そういう声というのはやっぱり職員が一番わかっているのではないかなと思うんです。  先ほど、おぎの委員の質問の中でも、議会、そして区民、職員とありましたが、職員提案制度というのがあるわけですけれども、職員がどんどん意見を出して、区民サービスにもつながる本当にすばらしい庁舎というのを考えていくべきじゃないかなと私は思いますけれども、その辺の声は全然聞かれていないんでしょうか。 ◎長岡 庁舎計画担当課長 今回、案をお示しする段階で職員のほうにも周知をしたところでございます。ただ、余り声が上がっていないというような状況でございます。ただ、先ほども部長のほうから申し上げましたが、今後、庁内の検討委員会で面積や機能等精力的に検討を進めるとともに、今お話がありました職員にも具体的な意見を聞いていきながら進めていきたいと思っております。 ◆山口ひろひさ 委員 今課長から、余り声が上がっていないというような話でした。先ほど検討会議でも部長級の方が集まって、十五分の会議が二回あったということですけれども、私は、上がってこないというよりも、やっぱり上げられる、声が出せる雰囲気をつくって、庁舎というものをつくっていかなくてはいけないと思いますので、その辺は、そんなに時間がないかもしれませんけれども、ぜひそういったところにも十分留意をしてこれから臨んでいただきたいと思います。  次の質問に移りたいと思います。世の中、考え方がいろいろ多様化しているということで、僕なんかも、今まで何でもないようなことでいろいろと苦情が出たり、迷惑だというような声が出るというので、昨今だんだん耳にしてくるんですけれども、まずその一つの例が、この間終わりましたが、秋の交通安全運動で、春、秋と、自治会・町会、そして商店街の方々がいろいろなところにテントを出して、交通安全の啓発活動をやっていますね。子どもが来れば、かわいい子どもに風船を配ったり、ティッシュを渡したり、また、場所によっては横断歩道で黄色い旗を持って歩行者の安全を確保したり、地域によってさまざまな活動をしているわけですけれども、いわゆる交通安全のこの活動も、多分テントの御近所の方なのかなという気はするんですけれども、いつも見られているようで嫌だと、このテントをやめてくれとか、最近はこういう苦情が出てくるそうです。それで、のぼり旗だけにした町会のところも実際にあるみたいです。  今はどこの地域も、秋、九月、十月はお祭りのシーズンですけれども、この伝統あるお祭り、これにも、おみこしが練り歩くわけですけれども、その声がうるさいとか、あと、通りをおみこしが巡行するときに安全を考えて車をとめたりすると思うんですけれども、何で通行どめにするんだと、こういう苦情がいろいろ出てくるそうであります。  何でお祭りをやるか。これは簡単に考えると、私たちもいろいろ困ったこととか苦しいことがあると神頼みなんて言いますけれども、またちょっと旅行に行ったりして、その名所、神社があれば手を合わせたりしているわけです。そうすると、神様というのは三百六十五日私たちの願いを聞いてくれているわけです。かなうことも、かなわないこともあるかと思いますけれども、簡単に言えば、お祭りというのは、そういう神様の御苦労を、一日ぐらいは神様に楽しんでもらおうということで行われるそうであります。だから、神楽殿でいろいろ踊りをやったり、またおはやし、演芸とかをやりますね。おみこしというのは神様が乗っていますから、その町を練り歩くわけですけれども、そういうふうに、うるさいとか、何で通行どめにするんだというふうに思うのも、神様に喜んでもらえるから一日ぐらいはしようがないかな、神様に感謝をあらわすという気持ちになれば、また迷惑の捉え方もちょっと変わってくるんじゃないかなというふうに思うんです。  そういう観点から質問したいと思うんですけれども、たばこ税について聞きたいと思います。今、たばこ税の税収というのはどれぐらいあるんでしょうか。 ◎太田 課税課長 区のたばこ税につきましては、販売本数千本につきまして五千二百六十二円の税収となっております。年々減少しておりますが、昨年度は約九億本の販売がございまして、約四十七億円の税収があったところでございます。 ◆山口ひろひさ 委員 九億本と聞くと、すごいですね。四十七億円の税収があるということで、たばこというのは、僕はもう六年前にやめたので気楽なものですけれども、吸われる方によっては、飲食店だとか、禁煙のところがどんどんふえている。公共施設もそうですし、この第二庁舎においても吸えませんね。地下に喫煙スペースがありますけれども、たばこを吸う方がどんどん追いやられている、居場所がなくなっているということですけれども、四十七億円のたばこの税収がある中で、例えば喫煙をされる方に、多少還元されているというのかな、こういった分煙だとか、そういうところに使われている税金というのはどれぐらいあるんですか。 ◎太田 課税課長 たばこ税は重要な一般財源であることから、広く区政のさまざまな事業に活用されております。他区における還元状況につきましては、税務所管におきましても、携帯灰皿やライターを提供している区もあるというふうに伺っております。 ◆山口ひろひさ 委員 この間、委員会で報告がありましたけれども、いただいた資料がなくなっちゃったんですが、八幡山の地区でいわゆる路上喫煙禁止になりましたね。  今、家族がうるさくて、自宅の中でもなかなかたばこを吸えない人がいたりして、よくマンションなんかだとベランダに出てたばこを吸って、ホタル族なんてというふうに言われていましたけれども、ただ、そのホタル族も、今マンションによっては、そのベランダの煙が例えば上の階のお宅だとか、隣に行くということで、マンションでもベランダで吸うのを禁止されているところがあります。僕も犬を飼っているので、朝散歩に行くんですけれども、そうすると必ず、僕もマンションなんですが、隣のマンションで、お二方、入り口の道路に出て、おいしそうにたばこを吸っている方がいるんです。  そう考えてくると、今指定されましたが、これからこういう地域はどんどんふえてくると思うんです。私の地域はそういう指定をされていないからマンションの外へ出て吸うことができますけれども、ここの指定された地域の方になると、例えばたばこを吸うのも隣の町に行かなくてはいけないのかなというふうに考えるわけですよ。そうすると、俺、何々町まで歩いて行ってくるよと。歩いて行くから健康にはいいのかもしれないですけれども、たばこを吸うからどっちがいいのかよくわかりませんが、そういうふうになってくるわけで、これがどんどん広がるということを考えると、私はやっぱりたばこを吸うスペースというのもしっかりと考えていかなくてはいけないと思います。  これは新聞のあれですけれども、受動喫煙でも歯周病のリスクということで、先ほど専門家の安部先生もいらっしゃいましたけれども、タバコを吸わない男性でも受動喫煙によって歯周病の危険性が高まるという調査結果が出ているそうです。本人はたばこを吸わないけれども、家庭で受動喫煙がある男性三十人のうち重い歯周病は十一人、家庭に加え、なおさらに職場で受動喫煙がある場合は三十七人中十三人。危険性は、全く吸わない、受動喫煙もない場合の方と比べて約三・一倍、三・六倍だということであります。たばこは歯周病菌の発生を促し、免疫力を低下させるため、喫煙者は歯周病になりやすい、受動喫煙にも同様の危険性があると確認されています。  この研究をされた大学の教授の方も、最後に、喫煙者はせめて周囲に配慮をするようにしてほしいというふうに書いてあるわけですけれども、僕もたばこは吸いませんが、そういった喫煙者の煙で自分たちの健康を害することもあるわけですけれども、喫煙者の方は健康を投げ打ってたばこを吸って、そして区税の税収に貢献してもらっている。そういう観点から考えると、これから喫煙所、ちゃんとした分煙の施設というのは、僕は積極的に行っていかなくてはいけないんじゃないかと思いますし、そういう意味では、今財政が非常に厳しいので、財政課としては、カット、カット、カットと来ているかもしれませんけれども、いわゆる分煙のところに関しては少しアドバンテージを持たせるとか、そういったことを進める必要があるんじゃないかなと思いますけれども、いかがですか。 ◎太田 課税課長 御指摘を踏まえまして、関係所管のほうと連携して検討を進めさせていただきたいと思います。 ◆山口ひろひさ 委員 これは本当に進めていかないと、今度、八幡山であれになりましたけれども、隣は上北沢なのかな、そっちのほうの人は、上北沢のたばこの煙は許せるけれども八幡山の煙は許せないとか、そういうことも出てくるし、だんだんと自分の煙は自分で処理をということで、ビニール袋を持って自分の煙を処理するようになっちゃうかもしれない。そうすると、煙が見えるわけだから、きょうはちょっと吸い過ぎちゃったかなとか、そんな会話が出て、お宅はどうやって処理しているのと、うちは燃えるごみですよなんて、そんな世の中になってしまうかもしれないんですよ。  だから、喫煙者の権利と、それと吸わない方の健康にも配慮できる分煙というのはやっぱりしっかり力を入れていかなければいけないと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎太田 課税課長 繰り返しになりますが、御指摘いただいたことを踏まえまして、税務部門でできることをしっかりやらせていただきたい。その点につきましては、やはり関係所管のほうとも連携させて検討してまいりたいというふうに思っております。 ◆山口ひろひさ 委員 もう一問あるんですけれども、多分これを質問すると赤になっちゃうので、自民党は緑のほうが似合うかなということで、ここで終わらせていただきたいと思います。 ○三井みほこ 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○三井みほこ 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後五時四十三分散会...