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  1. 世田谷区議会 2009-03-18
    平成21年  3月 予算特別委員会-03月18日-07号


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    平成21年  3月 予算特別委員会-03月18日-07号平成21年 3月 予算特別委員会 平成二十一年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第七号 日 時  平成二十一年三月十八日(水曜日) 場 所  大会議室  出席委員(五十一名) 委員長  菅沼つとむ 副委員長 中塚さちよ 副委員長 小泉たま子      石川征男      上島よしもり      川上和彦      小畑敏雄      宍戸のりお      下山芳男      新川勝二      鈴木昌二      畠山晋一      山口ひろひさ      山内 彰
         飯塚和道      板井 斎      市川康憲      岡本のぶ子      栗林のり子      佐藤弘人      杉田光信      高久則男      高橋昭彦      平塚敬二      諸星養一      稲垣まさよし      上杉裕之      風間ゆたか      重政はるゆき      すがややすこ      中村公太朗      西村じゅんや      ひうち優子      藤井まな      岸 武志      桜井 稔      里吉ゆみ      中里光夫      村田義則      桜井純子      竹村津絵      山木きょう子      吉田恵子      大庭正明      田中優子      唐沢としみ      羽田圭二      木下泰之      あべ力也      上川あや      青空こうじ  出席事務局職員          議事担当主査 堂馬孝之  出席説明員   副区長           平谷憲明   政策経営部  財政課長   岩本 康   教育長           若井田正文   教育委員会事務局          教育次長   若林謙一郎          教育総務課長 霜村 亮          施設課長   伊東友忠          学務課長   阿竹 恵          学校健康推進課長                 岡本逹二          副参事    水野 聡          副参事    辻 裕光   教育改革担当部          部長     髙山 博          学校職員課長 寺林敏彦          教育指導課長 小島 茂          教育相談・特別支援教育課長                 伊佐茂利          副参事    直田益明   生涯学習・地域・学校連携担当部          部長     萩原賢一          生涯学習・地域・学校連携課長                 古閑 学          中央図書館長 畑中 健     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 平成二十一年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 平成二十一年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 平成二十一年度後期高齢者医療会計予算  議案第四号 平成二十一年度世田谷区老人保健医療会計予算  議案第五号 平成二十一年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第六号 平成二十一年度世田谷区中学校給食費会計予算文教委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○菅沼つとむ 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 本日は、文教委員会所管分の予算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  せたがや政策会議、どうぞ。 ◆田中優子 委員 おはようございます。せたがや政策会議の質問を始めます。  最初に、区立幼稚園の預かり保育について伺います。  二十一年度、区立幼稚園二カ所で九月から放課後の預かり保育を行うという新たな施策が発表され、一千五百九十一万円の予算がついています。この件はさきの本会議におきましても他会派から質問がありましたが、その答弁では私もちょっと理解できない部分がありましたので、今回質問させていただきます。  まず、この預かり保育ですが、午後四時三十分までとなっていますけれども、この時間では中途半端だと感じるんですが、何を目指しての延長保育なのかお答えください。 ◎阿竹 学務課長 国が幼稚園教育要領を改訂し、いわゆる預かり保育を規定した背景といたしまして、子育て家庭や世代を取り巻く状況にさまざまな変化が生じているということが言われております。区立幼稚園をご利用されているご家庭を取り巻く状況も同様な変化が起きておりまして、こうした区民の多様なニーズにこたえるという観点から、理由は問わないで預かり保育を実施するものでございます。 ◆田中優子 委員 今のご答弁で、多様なニーズにこたえるということで、子育て支援の一環ということでもあるのかと思うんですが、今世田谷区では、子どもといったらイコール保育といって、やっぱり保育サービス待機児が区政の大変な重要な課題であるという状況ですよね。そういうこともある中で、だったら、四時半じゃなくて六時までとすればその保育需要までもカバーできる。そういう意味では、ぜひとも六時までにすればいいんじゃないかなと思うんですけれども、その辺の延長保育でもカバーできないのかという、その点ではいかがですか。 ◎阿竹 学務課長 預かり保育は、九月からの実施に向けまして準備を進めていく予定でおりますが、現在、幼稚園の運営体制、私立幼稚園との均衡、また、他区の実施状況等さまざまな観点から検討を行い、幼稚園教育時間終了後から十六時三十分までとしたものでございます。  区教育委員会といたしましても、保育園入園待機児の対策が区政の最大の重要な課題となっていることは十分承知しております。預かり保育を実施していく中で、さらに踏み込んだニーズ調査も行っていきたいと考えておりまして、ご提起の点も踏まえ、さまざまな視点からの検討を進めてまいります。ご理解をいただきたいと存じます。 ◆田中優子 委員 私、子ども部のほうで調べたんですけれども、区立幼稚園を認定こども園に転換した二園がありますよね。そこでは、幼稚園として申し込んでいる保護者の方、その九割が六時までの延長保育を利用しているということなんですよ。もうほとんど保育サービスのほうと変わらない状況というのが今の区民のニーズなんだなということがすごくよくわかると思うんですね。そういう意味からも、四時半というのは一体何を目指してというか、何をカバーできる時間なのかなとちょっと思うわけですね。  それから、認定こども園になった元羽根木幼稚園と旭幼稚園、この二園は、現在は転換されてうまくいっているわけですけれども、転換するという最初に方針を出されたとき、やはりすごい反対運動がありまして大変だったわけですよ。それでも、今の状況を見ましたら、利用者のアンケート調査をしたということで全体の評価ですけれども、羽根木こども園のほうでは大変満足と満足を合わせると七四%以上の結果、それからもう一園、青葉のほうでは七九%となっておりまして、とても評価が高いわけですね。区立幼稚園だったとき、この二園というのは、同じ場所にありながら五割とか六割程度の充足率だったわけですよ。しかも、この四月からは一〇〇%以上の充足率を満たすということがわかっています。ですから、今回、中途半端に区立幼稚園で四時半までの延長保育をやるということよりも、むしろ早く認定こども園のような形に転換すべきではないかと思うわけです。  本会議での他会派への答弁では、認定こども園を評価、検証して、それから考えたいということだったんですけれども、先ほども述べましたように、もうわかっているんじゃないですか、明らかじゃないですかと思うわけです。しかも、今幼稚園にお子さんを預けている、いわゆる在宅子育てのお母さん方にしても、この大不況を受けたら、今後、本当に仕事をしなければやっていけないという家庭も出てくると思うんですね。そういうことをもっと早くとらえて、迅速に保育ニーズに対応していただきたいというふうに思うんですが、これは今ご答弁いただいても変わりないと思うので聞きませんけれども、この私どもの考え方はしっかり受けとめていただきたいと思います。  次に、区立小・中学校の適正規模化・適正配置について伺います。  昨年の九月に区立小・中学校の適正規模化・適正配置に関する基本的な考え方、そしてその具体的な方策の素案が公表されました。そして、ことしの二月には新たに年次計画が盛り込まれた具体的な方策案が取りまとめられました。それによって、一つは住宅開発が進むような地域、これは小学校で教室が足りなくなるというようなことが予想されていますし、校舎を増築する計画が示されましたが、一方で小規模化する中学校については、二つのグループ、一つは若林中と山崎中、もう一つは希望丘中と船橋中、この二つのグループの名前も出されて統合計画が示されたわけです。  教育委員会ではこの間、関係する小中学校の保護者や学校協議会など、学校を支える地域の皆さんに説明してきたということなんですが、先日、私は、今回のこの統合に関係する保護者のお話を直接聞く機会がありました。若林中と山崎中の保護者の方々です。そこで感じたのは、教育委員会の説明が、申しわけないけれども、ほとんどというか全くうまく伝わっていない、そういう印象です。保護者の中には相当の不満とか不安を抱えている人がいるというのが現状です。  これまでの説明はまずどのように進めてきたのか、それについてお答えください。 ◎水野 副参事 昨年八月に策定いたしました区立小・中学校の適正規模化・適正配置に関する基本的な考え方、それから、これに基づく具体的な方策の素案につきまして、まず、昨年九月から十二月にかけまして、若林、山崎両中学校など統合対象の中学校四校の学校関係者を中心といたしまして、PTAの役員会、保護者会、新入生保護者会学校運営委員会、学校協議会、また、青少年地区委員会や町会長会議など、延べ三十三回にわたりますけれども、説明してまいったところでございます。  続きまして、ことしの二月には具体的な方策の案をまとめまして、二月から三月初旬にかけまして、これに基づきまして、統合対象の中学校四校及び関係する小学校十校になりますが、保護者の方々を初め学校関係者にその内容をご説明してまいったところでございます。 ◆田中優子 委員 今のご説明だと、三十三回にもわたり説明してきて、一生懸命やってきたという感じなんですけれども、それはそれで。  では、その説明会の中でどのような質問とか意見があったか、まずそれをお答えください。 ◎水野 副参事 全体といたしましては、学校関係者の多くの皆様からは、将来を見通した区立小中学校の新たなあり方への提案として受けとめていただいたものと認識をしております。具体的な方策の案の説明に対しましては、若林中学校、山崎中学校両校の保護者の皆さんなどからは、統合の時期、手順、改築中の仮校舎の使い方などにつきまして具体的なご質問をいただきました。また、関係する小学校の保護者の皆さんからは、統合までの学校生活、生徒同士の交流などについてお尋ねをいただいたところでございます。
    ◆田中優子 委員 その中で、新しい学校が山崎中の場所となるのはどうしてという質問はなかったですか。 ◎水野 副参事 そういった質問もございました。 ◆田中優子 委員 それでどのように答えられたか、説明されたか、教えてください。 ◎水野 副参事 通学区域ですとか敷地の形状、それから建築要件などを総合的に勘案して判断したものというようにお答えをしました。 ◆田中優子 委員 今の説明を保護者が聞いてわかると思いますか。それで、そういう説明だったんだ、だから、何か全然理由がわからなかったんですという訴えが私なんかにはあるわけですよ。  改めて伺いますけれども、もうちょっとわかりやすく、なぜ山崎中の場所にしたのか、そのメリットは何なのか言わないとわからないと思うんですが、それはどうなんですか。 ◎水野 副参事 このたび提案しております若林中学校と山崎中学校の統合でございますけれども、学校の小規模化に対しまして、学校間が近接する両校の統合による適正規模化を進めてまいるものでございます。平成二十三年四月の統合後、新校舎が竣工するまでの間は、現在の若林中学校を仮校舎といたしまして、授業や部活動などに支障のないようにしてまいりたいというふうに考えております。そして、平成二十六年度の新校舎への移転を目指して進めてまいります。  このように老朽化が進む山崎中学校の全面改築による教育環境の改善を組み合わせた取り組みによりまして、生徒たちにとってよりよい教育環境を確保、整備するといったことともに、地域コミュニティーの核となる新しい学校づくりを進めてまいりたいということでございます。  また、新校の位置につきましては、先ほど申し上げましたが、全体の通学区域でありますとか現在の敷地の形状、建築上の条件など、こういったものを総合的に勘案して判断したものでございます。 ◆田中優子 委員 先ほどの説明よりちょっとわかったかなという感じはするんですけれども、つまり、今ある若林中の校舎、もし若林中を選んだとしたら、まだ耐震がきいていますから、そこに新しい学校の子どもたちを全部詰め込むというよりも、全く改築で新しい学校に向けて、それにあわせて建てられるというんですか、それだったら、山崎中がちょうど建てかえの時期を迎えているということもあり、タイミングもいいし、恐らくそういう意味では経費的な面でもいいと思うんです。そういう使い勝手から何からいいんですよというメリットなんだと思うんですけれども、こういう言い方してくれたほうがよっぽどわかるなと思うんですが、話を聞いていると何か難しいんですよね。  じゃ、次の具体的な話なんですけれども、保護者が心配している中に、幾つかあるんですが、二つの学校が統合するとなると、今いらっしゃる先生も当然減りますよね、それは一体どうなるのか。それぞれの学校の先生の割合ですとか、全く知らない先生ばかりになってしまうのかとか、保護者の方々はそういう不安をすごく抱いているわけです。そういう質問も出たと思うんですけれども、そのときの教育委員会の説明というのが、教員の人事権は東京都ですから、それは何とも言えません、区としては何もできないんですみたいな、そう言っていないかもしれないですよ。でも、そのように保護者は受けとめているわけです。そうじゃなくて、最大限の配慮ができるように、例えば何としても東京都に働きかけますとか、何か安心できる答えが欲しいわけなんですけれども、それが感じられなかったというようなことなわけですよ。  いつもいつも、教員の人事権を早く区に持ってこられるようにと、教育長なんかにもいろいろな質問も出たりしているわけですけれども、その点というのは、課長に聞いても難しいかもしれないんですが、教育長としては、保護者がそういう心配をしているということに関してはどのような配慮ができるか、いかがですか。 ◎若井田 教育長 ご心配はもっともだと思います。それで、三宿中が統合されたときの例を挙げますと、池尻、新星の両方の先生のご希望を両方の校長が聞きながら、両方の校長が話し合って、人数としては減るわけですけれども、それぞれの中学校の先生をバランスよく残すことを前提として教育委員会と協議をし、また都に内申をした、そういう過程になっています。 ◆田中優子 委員 そこがすごく大事だと思うんです。それぞれの先生をバランスよく残すことを基本というか、それを条件に、前提にしていますという一言があるとないとでは本当に大違いだと思うんですね。今回、この場で質問させていただいたのは、やはりそういうことが明らかになるといいなという気持ちがあったんですけれども、ぜひこういう教育長の言葉も保護者に伝わっていくといいなと思います。  もう一つ具体的な話なんですが、若林中、山崎中それぞれに特別支援学級がありますよね。若林中のほうは知的障害を持つ生徒さんたちのための双葉学級で、山崎中は不登校対策のためのひなぎく学級なわけですが、統合されて仮校舎、つまり現在の若林中のほうに移ったときに、この二つの特別支援学級は違う性質のものですから、きちんと分けられて担保できるのか、大丈夫なんですかという声もあります。それはいかがですか。 ◎水野 副参事 若林中と山崎中に現在設置されています特別支援学級につきましては、統合に当たりましてもそれぞれの学級を確保するということを基本に考えております。統合後の新校の仮校舎となります若林中学校の学校施設につきまして、新校の生徒数、学級数に応じた普通教室や特別教室の確保とあわせまして、二つの特別支援学級の設置場所の確保のために、必要に応じては学校施設の一部を改修することも含めまして対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆田中優子 委員 必要だったら一部を改修してでもということで、その答弁も非常に心強いことだと思うんですね。ぜひそれをお願いします。  それからもう一つ、区立小中学校は、世田谷の地域というのは地域コミュニティーの活動の拠点という役割も果たしていると思います。地域のお祭りとかさまざまな地域の行事など、それから避難所運営訓練ですとか防災の拠点、そういう役割も学校というのは果たしていますよね。  このほかにも、学校施設を利用したスポーツ活動なども盛んに行われておりまして、今大勢の地域の方々が参加されていると聞いています。学校の統合によって、要するに拠点が一つなくなってしまうわけですから、活動の場がなくなってしまうわけですから、そうするとこれらの活動ができなくなってしまうのではないかと不安の声が届いています。また、若林中の跡利用というのはどうなるのかというのも、早速、やっぱり保護者、地域の方々の関心事であります。  私は世田谷区はスポーツ施設が足りないと思っていまして、校舎はともかくとして、校庭とか体育館は、ぜひともスポーツ施設としてそのまま使用できるようにしてもらいたいと私は思っているわけですが、もちろん地域の方々など区民の参加、区民意見というものを大事にして進めていただきたいと思いますけれども、こうしたことを教育委員会としてはどのように考えているか、お答えください。 ◎水野 副参事 区立小中学校は、教育ビジョンにもございますように、地域コミュニティーの核となる施設としての役割が期待されております。また、学校運営委員会や学校協議会によるさまざまな活動、こういったものも展開されておりまして、地域が参画する学校づくりが進められているところでございます。  このたびの学校統合の取り組みにおきましても、こうした地域と学校のかかわりを十分に踏まえまして、保護者や地域の方々と一緒になって、新しい学校づくりの中で地域との連携の今後のあり方などを考えていく必要があると考えております。  なお、学校統合の取り組みに伴う跡利用についてでございますが、公共施設整備方針の考え方との整合を図りながら、全庁的な体制のもとで検討してまいるものと考えております。 ◆田中優子 委員 できるだけ今ある活動がなくならないように、狭まらないようにという努力もしていただきたいと思いますし、跡利用に関しても、十分に区民意見を聞きながらということで進めてもらいたいと思います。  とにかく、今回感じましたのは説明、別にこの件に関して以外でも、行政の方々というのはいろいろな住民説明会に入る機会が多いと思うんですよ。そのときに、皆さん方は普通に使っている言葉かもしれないんですけれども、それが一般区民とか学校の保護者から聞いたらとても難しく聞こえてしまう。改築という言葉一つでも、改築とか改修とか、わけがわからないわけですね。更地にして建て直すんですと言えばわかるんだけれども、そういうことですらもわからないような状況の中、悪気はないんでしょうけれども、非常に不安を与えてしまっているような場面が多々あるように思います。これからまだまだ説明の場というのはたくさんあると思うので、ぜひともその辺は留意されて、誠心誠意やっているでしょうから、それが伝わるように対応していただきたいと思います。それはよろしくお願いします。  最後に、区立小中学校のピアノのメンテナンスについて伺います。  まず、現在の小中学校のピアノの状況はどうなっていますか。 ◎阿竹 学務課長 区立小中学校のピアノの保有台数でございますが、平成二十年度は、小学校で百五十五台、中学校で九十台、合わせまして二百四十五台となっております。  それから、ピアノの調律でございますが、各学校の判断によりまして、卒業式ですとか入学式の前、状況に応じまして年一回程度実施していると聞いております。  それから、修繕につきましても、同様に学校の判断により行っているというふうに聞いております。 ◆田中優子 委員 調律という言葉が出たんですけれども、私は最近、ピアノのメンテナンスについて勉強する機会があったんですね。メンテナンスというと、私たち、調律しか思い浮かばないんですが、実は、調律、整調、整音の三つがあって、初めてそれが一つのメンテナンスだそうです。  調律というのは現在もやられているわけですが、整調、整える調子というか、それは各部品、ピアノの中には本当に細かい部品がたくさんあるわけですけれども、それをきちんと調整していくという専門用語らしくて、ピアノを弾いている方はわかると思うんですが、鍵盤を弾いたときに鍵盤が沈んでしまうような感じ、タッチが悪くて非常に弾きにくいですよね。弾いたときにポロンポロンとはね返る、はじけるような感じ、これは整調というメンテナンスによって整えられているということです。  それから、整音というのは整える音ですよね。ファイリングといって、変形してしまったフェルトでできたハンマーを布のやすりで削ったり、もとの形に整えたりという作業らしくて、そのフェルトのハンマー自体は、針刺しという専門用語なんですけれども、ピッカーという道具があって針がついていて、それでフェルトを刺して柔らかくするというんですか、そうやってほぐしていく。そういうことをしていって、初めてピアノというのはいい音、よい音色が保たれるということらしいんです。  調律は、あくまでもこの三つあるうちの作業の一つでしかなく、例えば自動車に例えると、定期的にガソリンは入れています。でも、定期点検も車検も何もやらず、ずっとただ走らせているというようなことに値してしまうらしいわけです。  このことを私は知らなくて、そうなんだとびっくりしたんですけれども、阿竹課長、ご存じでしたか。 ◎阿竹 学務課長 私も今まで存じ上げておりませんでした。 ◆田中優子 委員 そうなんですね。改めて聞けば、なるほどということだと思うんです。  それで、実は中央区はこのメンテナンスを学校の教育現場で使われるピアノに対してはちゃんとやっているそうなんですね。私、ちょっと調べたんですけれども、そのメンテナンスの費用はどのぐらいかかるんだろうと思いましたら、中央区の例なんですが、アップライトのピアノで五万円、グランドピアノの場合で六万円だそうなんです。  その調律というのは、中央区の例ですけれども、一年に半分の学校でやられている。つまり、一つの学校にとっては二年に一度メンテナンスをしっかりやっているわけです。作業というのは、アップライトで九時から六時ぐらいまでかかる。グランドピアノだったら朝九時から始めてもう夜八時まで、それで終わらないときもあるというぐらいの非常に綿密な細かい大変な作業で、そこまでかけてやるもので五万円、六万円だったら、決して高いものではないんじゃないかなという気がいたしました。  世田谷区でもピアノのメンテナンスというのを、ピアノを大事に使う、それからいい状態で使う、しかも教育の場で使われているものですから、よい音で、しかも弾きやすくやっていったらいいんじゃないかなと、私はこの話を聞いて思ったんですが、いかがでしょうか、見解をお聞かせください。 ◎阿竹 学務課長 ピアノの保守につきましては、現在、各学校におきまして、予算の枠内で年一回以上の調律ですとか必要に応じた修繕を行っておりまして、ピアノを良好な状態に保つよう努めているところでございます。委員からご提起いただきましたピアノのメンテナンスにつきましてはさまざまな手法があると思いますので、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。 ◆田中優子 委員 今まで知らなくて、今初めて知って、じゃ、それをやりましょうというわけにはいかないと思うんですけれども、やっぱりそういうことをやることで、ピアノがいい状態で、しかも長もちするということなんですね。特に整調ということをやることによって、各部品が、鍵盤の状態とか、それから線も切れにくくなるとか、非常に大事なことで、ピアノを大事に使う、長く使うためには、車と一緒ですよね、メンテナンスが必要だということですので、ぜひとも研究、きょうの段階では研究課題でしょうけれども、今後、学校のピアノをいい状態で保てるように本当に考えていただきたいと思います。  以上でせたがや政策会議の質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上でせたがや政策会議の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、社会民主党、どうぞ。 ◆唐沢としみ 委員 社会民主党からの質問に入ります。  私は、区民が参加、参画する区政の推進について、一般質問に引き続き、この予算委員会の中でも、企画総務・区民生活領域にわたって質問してまいりましたが、本日の文教委員会所管においても質問してまいります。  まず、区民のパワーを引き出して、区民とともに子どもを育てる学校づくりについて質問いたします。  区の教育ビジョンでは、地域とともに子どもを育てる教育が最初に掲げられ、その中に地域教育力の向上から家庭教育への支援までの六つの取り組み項目が示されております。  そこでまず、地域教育力の向上についてでありますけれども、学校、保護者、地域の連携の重要性については以前から繰り返し指摘されてきておりますが、教育委員会では、地域の教育力ということは具体的にどのようなことだと考えているんでしょうか、まずお願いします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 地域教育力についてお尋ねでございますけれども、地域社会は、生活していく上でさまざまな体験や地域の人との触れ合いなどを通しまして、子どもたちが社会の一員として健やかに成長していく教育的な基盤を有しております。  具体的に申しますと、例えば学校の授業や行事等に地域の方々が行う学校教育への支援や、また、登下校の子どもたちへの安全確保のための防犯活動、また、地域の多くの団体によって展開されております健全育成活動などを進める、地域が備える教育資源やエネルギーなどを総称して地域の教育力と考えております。  区教育委員会では、中学校区を標準単位といたしまして、地域の多様な教育資源を学校教育活動に生かして支援する地域教育基盤の整備充実などを進めているところですけれども、こういう取り組みを通しまして、学校、家庭、地域のそれぞれの教育力の向上と連携を進めているところでございます。 ◆唐沢としみ 委員 学校教育を進める第一の役割を担うのが教師であることは当然でありますが、先生の頑張りだけでは、教育ビジョンに掲げられております「せたがやで育てる世界にはばたく子ども」を実現するためには不十分であると思います。  そこで、教育ビジョンの取り組みを始めた平成十七年度からこれまでの間に、地域の教育力を生かした教育活動が具体的にどのように展開されてきたのか、どのような形で目標とする子ども像の実現に役立てたのか、そのあたりの実績、ユニークな例など、あわせてお伺いします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 区教育委員会では、学校協議会や学校支援コーディネーターの配置などを通しまして、地域教育基盤の整備充実を進めております。これまでの状況を見ますと、児童生徒の学習成果を上げる効果的な取り組みが推進されているものと認識しているところでございます。  例えば学校支援コーディネーターによる企業や地域の人材を活用した授業では、福祉、環境、科学、スポーツ、文化など多様な分野で、専門的な知識や経験を有する方から指導を受け、大きな成果が上がったと報告されております。具体例としましては、いのちの授業や戦争体験の話、また福祉体験や食育、環境に関する授業などを通しまして、印象深い授業として子どもたちの心に深く刻まれたというような感想が寄せられているところでございます。  これからも地域の教育力を学校の教育活動に積極的に取り入れまして、また活用するなどによりまして、教育ビジョンが目指す子ども像を実現してまいりたいと考えております。 ◆唐沢としみ 委員 地域に開かれた学校になってきたと同時に、地域もこれまで以上に責任を持って教育にかかわるようになってきており、区民の力が教育に生かされてきていると私も感じております。引き続き市民の力を引き出すためにも努力を重ねていっていただきたいと思います。とはいえ、学校協議会などに伺いますと、時々、この協議会が子どものためにどのように役に立っているのかよくわからないというような声も聞くわけであります。  私は、この議会の中でも、実施計画の見直しの問題でも、出張所のまちづくり機能の充実に関しても、区民との情報の共有が最も大切であると主張してまいりました。教育も同じであると思います。今の子どもたちがどのような状況にあって、学校がどのような教育課題を抱えていて、地域にどのような支援を求めているのか、また、区民はどうしたら実際の活動に参加できるかなどをわかりやすく地域に示していくことが必要であると思います。  そこでお伺いいたしますが、地域の教育力を生かすためのさまざまな情報に関しては、地域と学校はどのように共有しているのでしょうか、その点について伺います。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 区教育ビジョンの柱であります地域とともに子どもを育てる教育を推進していく上では、学校から保護者を初め地域の方に積極的に学校の情報を提供し、また、地域の情報を収集しながら共有化を図ることは大変重要なことであるというふうに認識しております。  情報の提供につきましては、インターネットを利用したホームページはもとより、学校通信やPTAだよりなどを活用し、各学校の経営方針や学期ごとの行事などの周知に心がけているところでございます。また、学校協議会など地域の方がお集まりいただく機会などを通し、幅広い広報活動に努めております。さらに、現在段階的に指定しております地域運営学校では、保護者や地域の代表で構成されている学校運営委員会を通して情報の共有化を行い、地域の教育力を学校に生かしていただいているところでございます。 ◆唐沢としみ 委員 できるだけわかりやすい働きかけ、そういうPRに努めていただきたいなと思います。  また、私は、身近な地域で区民が力を存分に発揮していくためには、その牽引役となるのが人材でありますということを繰り返してきたわけであります。私は学校は子どもを中心としたもう一つのまちづくりセンターであるべきだと考えております。まちづくりセンターに、区民のまちづくり活動を支援し、そして引っ張っていく人材になるような職員が必要なように、学校にも地域の潜在力を引き出す具体的な活動を導く人材が必要であると思っております。もちろん教育委員会が青少年委員や学校支援コーディネーターなど地域の人材を活用していることはよく承知しておりますが、私は、実際に教育活動を担う教職員が地域の力を引き出す力量を備えていることが大変重要であると思っております。  そこで伺うわけでありますが、地域とともに子どもを育てることを大原則とする世田谷の学校の先生には、地域と連携し、地域の教育力を学校経営や児童生徒の指導に生かす力量を備えていただきたいと思うわけですが、そのような人材をどのように育成しようとしているのか、取り組みについてお伺いいたします。 ◎直田 副参事 教育ビジョンが掲げます地域とともに子どもを育てる教育を推進するには、区立学校の一人一人の教職員が、世田谷区は学校選択制をとらず、地域の教育力を生かした教育活動を進めているということを理解し、家庭、地域と一層連携を深めて教育活動の質を高めようとする自覚を持たなければなりません。  区立学校では、毎学期ごとに学校公開週間を実施したり、学校関係者評価を推進したりするなどして、学校から積極的に情報発信をするとともに、教職員が保護者や地域の方々の声を受けとめて、学校教育の改善充実を図るようにしております。  また、区教育委員会では、管理職研修や学校経営塾などを通しまして、校長や副校長に、世田谷区が進める地域とともに子どもを育てる教育のねらいや、これまでの取り組みを十分理解させるようにしております。  今後、こうした取り組みを通しまして、地域の教育力を活用した教育活動を展開する教員の育成を図り、より一層信頼される学校づくりを進めてまいります。 ◆唐沢としみ 委員 区長の言われる、いわゆる区民とともにつくる町を教育分野でも実現していくためには、場と情報と人材が必要であります。教育委員会が学校と一体となって一層努力していただきたいことを強く要望しておきます。  次の質問に入ります。  教育ビジョンの第二期行動計画では、新たに生涯学習の拠点としての図書館の充実が強調されるようになりました。言うまでもなく、図書館は本を貸し出すだけの場所ではなく、区民が生涯にわたり学習を続け、その結果を地域に還元することにつながる、最も重要な社会教育施設の一つでもあります。  私は、教育ビジョンの第一期行動計画を評価しつつも、余りに学校教育に特化したビジョンであり、町や区民の姿は余り見えにくいビジョンであることに若干物足りない思いを感じておりました。  そこで、第二期行動計画の策定になり、ようやく地域社会の学習環境にも目を向け、新たな図書館ビジョンの策定に取り組む計画であることに対して、大いに期待するものであります。今後一層視野を広げ、区民文化の振興にもしっかりと取り組むことを求めておきたいと思います。  本日は、さまざまな図書館の課題の中から、子どもの読書に関して質問いたします。  全国学校図書館協議会と毎日新聞社が共同で実施した二〇〇八年の学校読書調査によれば、子どもたちの一カ月間の平均読書冊数は、小学生で一一・四冊、中学生が三・九冊、高校生が一・五冊となっております。小学生、中学生については、学校での朝の読書の広がりや、そして子ども読書活動推進のためのさまざまな取り組みによりまして、調査開始以来最高の数字になってまいりましたが、高校生については依然として読書離れには歯どめがかかっていない状況であります。また、経済開発協力機構が実施した二〇〇六年の国際学習到達度調査によりますと、日本の子どもたちの読解力は低下傾向にあると指摘をしております。  私は、教育ビジョンが目指す子ども像を実現していくためには、子どもたちが多様な読書活動を経験できる環境をつくっていくことが必要であると考えております。世田谷区ではこれまで、こうした状況を踏まえ、平成十八年三月に子ども読書活動推進計画を策定し、読書活動の推進と読解力の育成という課題の解決に取り組まれてきたものと認識をしております。  そこでお伺いいたしますが、区では、本年度からスタートした教育ビジョンの第二期行動計画に合わせ、子ども読書活動推進計画についても第二期行動計画を策定しましたが、これまでの間、具体的にどのような取り組みが行われてきたのでしょうか、お伺いいたします。 ◎畑中 中央図書館長 お話の計画に基づきますこれまでの主な取り組みでございますけれども、まず、世田谷区家庭読書の日を制定いたしまして標語募集を行い、また、子ども読書の日のイベントなどによる啓発活動を行っております。さらに、昨年十二月から、せたがやこどものとしょかんホームページを立ち上げまして、情報発信の充実を図っております。  また、区立学校への支援といたしまして、授業で使う調べ学習用の資料の貸し出しを充実させましたほか、図書館司書教諭など学校図書館の関係者と図書館員による研修や、討議を通じた交流などを実施しております。  また、地域で読書活動に取り組まれております方々の新たな人材育成といたしまして、また既に活動されている方々の技能の向上を目的といたしまして、段階に応じましたおはなしボランティア講座等を実施しております。  区立図書館といたしましては、こういったさまざまな取り組みを通じまして、今後とも家庭、地域、学校と連携を深め、子どもの読書環境の整備に取り組んでまいります。 ◆唐沢としみ 委員 いろいろと広げてきて活動していることはわかりますが、子どもたちが読書に関心を持つためには、家庭や学校、地域でそれぞれの取り組みが欠かせないと言われます。私は、これからは特に家庭や地域の役割が大きいと思います。地域では子どもの読書活動を推進するさまざまな区民の自主的な活動があるわけですが、それぞれの活動に連携協力する機会があり、お互いを充実させていくことが必要であると考えます。  そこでお伺いいたしますが、区では、地域のさまざまな区民の活動を結びつけ、発展させていくためにどのような取り組みをされているのか、その点をお伺いいたします。 ◎畑中 中央図書館長 地域の皆様の連携協力関係といたしましては、現在でもおはなし会のボランティア団体の方々同士が自主的に活動のネットワークをつくったり、あるいは交流されたりしているという例がございます。  区立図書館といたしましては、こうした地域で読書活動に取り組まれている皆さんの連携協力の輪をさらに広げていくために、活動団体にお声がけをしまして、毎年、子ども読書活動推進フォーラムを開催しております。今年度は一月三十一日に開催いたしまして、おはなしボランティア、あるいは区内の都立高校の学校司書、あるいは中学校の図書委員、お店で読み聞かせをしている区内の書店のスタッフなどの方々がお互いの活動を紹介いたしました。  区立図書館としては、今後ともさまざまな機会を通じて、こうした皆さんの連携協力への支援をしてまいりたいと考えております。 ◆唐沢としみ 委員 区民の力を結集した教育の推進に期待をいたしまして、以上で質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で社会民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。 ◆木下泰之 委員 最近、グリーン・ニューディールという政策が非常に日本でも受け入れられるようになってきたんですけれども、教育長、グリーン・ニューディールについての評価をお聞かせいただけませんか。 ◎若井田 教育長 地球環境のためにも、緑を大切にするということは大切なことだと思っております。 ◆木下泰之 委員 それで、給田小学校なんですけれども、給田小学校のことを聞く前に、まず、世田谷の小学校で、これから積極的に太陽光発電を導入していくというお考えはございますか。 ◎伊東 施設課長 太陽光発電に関しましては、今後積極的に導入を図ってまいりたいと考えております。 ◆木下泰之 委員 ところで、この前、光公害で問題になりました給田小学校なんですけれども、給田小学校は、新築であるにもかかわらず、現在、太陽光発電については設置してないですよね、いかがですか。 ◎伊東 施設課長 給田小学校に関しましては、現在、太陽光発電装置は設置してございません。 ◆木下泰之 委員 それで、この前、光公害に対してどういうふうに対処をとるかということを本会議で質問したんですけれども、どうも屋根が設置できるようにできていない、そういうことをおっしゃったので、方法としてはいろいろあるのではないか、そういったことも申し上げたんですが、その後、お調べいただいて、どういうふうな結論になっていますか。
    ◎伊東 施設課長 太陽光発電装置には、これまで世田谷区で設置しているやり方としましては、屋根の上に架台を設置いたしまして、置き型の太陽電池モジュールを設置するやり方というものを行っております。そのほかにも、現在の技術といいますか、そういう中では、屋根材一体型の太陽電池モジュールというようなものもございます。そういった内容で、太陽光発電のいろんな装置については検討を進めているところでございます。 ◆木下泰之 委員 そうしますと、単刀直入に聞きますけれども、この前の光公害を防止するために太陽光発電を利用するということについてはいかがでしょうか。 ◎伊東 施設課長 現在検討を続けているところでございますけれども、太陽光モジュールで、例えば屋根材一体型の太陽光電池モジュールというようなもの、この場合にはちょっと屋根をつくり変えるような形にはなりますが、そういった部分で総合的な再検討が必要になるのかなというふうに思っています。  また、太陽光電池モジュールにつきましては、表面がガラスですとか、フィルムですとか、そういったものが張られているというのが現在多うございますので、そういったもので、太陽光の反射で白くモジュール自体が光らないかどうかというようなことについても研究、検討を続けているところでございます。 ◆木下泰之 委員 たまたま光の公害の問題が出てきて、それを回避するために太陽電池はどうか、そういうことで申し上げたんですけれども、今のお話ですと、太陽光発電でも光る可能性があるということをおっしゃったわけです。  私は、これから学校の屋上等に太陽光発電をつくっていく、あるいは公共施設の上につくっていく、一般家庭の上に乗せていく、そういったことを考えたときに、やはり反射の問題というのは結構大きな問題だと思うんですね。ただ、技術的には反射しないようなものもいろいろ考えられてきていることは事実ですし、また、そういうものがきちっと確立しなければ、普及するにもいろいろ支障もあると思うんですね。  そういった意味では、給田小学校で光らないような形での、周辺にそういう光公害を与えないような形でのモジュール等をつけていく、そういうことをやるのは実験的にも非常に大事なことではないかと思うんですけれども、その辺はいかがですか。 ◎伊東 施設課長 太陽光発電装置につきましては、設置にかかる工事費、発電量の費用対効果、あとは屋上利用の形態と設置スペースの関係、こういったものを考慮しまして、現在は総合的に判断しているものでございます。太陽光モジュールにつきましては、比較的新しい技術でございますので、これからも技術開発の進みぐあいなどを見ながら検討を行っていきたいというふうに考えております。 ◆木下泰之 委員 そうしますと、周辺に与えている光公害については、これを防止するために何らかの方策はとりたい、そうお考えになっていろいろ対処されている、そういうふうに考えてよろしいですか。 ◎伊東 施設課長 解決に向けまして、引き続き研究、検討を進めるとともに、ご指摘いただいている方の理解と協力を得られるよう努めてまいります。 ◆木下泰之 委員 それで、グリーン・ニューディールの評価、先ほどお聞きしたんですけれども、一般的に環境に優しいというだけじゃないと思うんですね。むしろ、ニューディールについての評価はどういうふうにお考えですか。教育長、どうお考えですか。 ◎若井田 教育長 今、地球環境を保全していくということは非常に喫緊の課題でございますので、その喫緊の課題に対して姿勢を打ち出していくという意味で非常に評価できると思っております。 ◆木下泰之 委員 ニューディール政策といいますと、これはTVA計画という、小学校や中学校の教科書にも載っていて、私なんかそれを習った覚えがあるんですが、要するに、当時不況のさなかに、これは公共工事ですけれども、どんどんそれをやることによって経済を復興させていく。ところが、最近言われてきたことは、土木とか建築ではその効果がほとんどない、そういうことがずっと言われてきたんです。  そこで、新しくグリーン・ニューディールというような、エコロジカル・ニューディールというのは私も十年ほど前からずっと言ってきましたけれども、そういう概念が、これは一九七〇年代にティン・バーゲンという方、ローマクラブがいろいろ環境政策を提唱したときに、ゼロ成長と言ったんですね。それに対して、クリーンセクターとダーティーセクターに分けて、クリーンセクターを成長させるような成長政策をとるべきだということを言ったのがほぼ経済学者としては最初だと思うんですけれども、それが現在によみがえってきた。  そういったことでは、ただ単に環境問題だけではなくて、日本の経済復興のためにも、これから一番成長産業だというふうに目されているわけですから、そういった意味で学校にも普及されてくると思うんです。給田小学校の問題では光公害の問題も抱えているわけですから、これからの実験にもなりますので、ぜひ光らないような形で体育館に大きな太陽光発電をつける、そういったことで世田谷が先導していくことを私は期待していますので、よろしくお願いしたいと思います。  以上で終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、区民の会、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、総括のときに、犬山市の視察をもとに、全国学力テストに自治体として唯一不参加だったということをもとに質問させていただいたんですけれども、犬山市も市長がかわって、全国学力テストに参加をするというような動きもあるようでありますが、世田谷区として、まず全国学力テストに関する基本的な考え方を伺いたいと思います。  それと、今、犬山市もテスト結果の非開示の条例の改正案を提出したいということで、テスト結果のデータに関する取り扱いに対して文科省も大変問題にしておりまして、文科省の有識者会議でも、都道府県知事が成績の結果の提供を求める場合であっても、市区町村別の成績が公表されないように管理徹底を求める規定を盛り込むとかというような今動きがあるわけですけれども、世田谷区としての基本的な考え方を伺っておきたいと思います。 ◎直田 副参事 全国学力・学習状況調査でございますが、区教育委員会といたしましては、この調査を各学校が自分の学校の指導方法の改善、充実に生かすことが重要であるというふうに考えており、区立小中学校では、一人一人の子どもの学習状況を把握して授業の改善に役立て、子どもたちの確かな学力の定着を図っているというふうに考えております。  それから、結果についてでございますが、文部科学省の方針、通知に基づいて実施をしているということでございます。 ◆あべ力也 委員 私は、学力テストの是非に関して問うつもりはなくて、この結果の取り扱い、その問題のほうが大事だと思っております。世田谷区として、取り扱いの仕方の指針なり考え方というのをしっかり持つべきだと思いますので、その辺の検討をお願いしたいと思います。  次に、携帯電話の問題でありますけれども、文科省は二月二十五日に、小中学校の携帯電話の利用の実態調査の結果を公表いたしました。実に、十代でもう既に携帯依存症になっているというような結果でありまして、大変驚く内容であります。  それに先立って一月三十日に、小中学校の九割では携帯電話の禁止というような取り扱いをしているということを受けて、国としては初めて、小中学校に携帯電話の持ち込みを原則としては禁止するという指針を決定したということでありますけれども、まず、世田谷の実態はどうなっているのか。この指針を受けて、今後の世田谷区としての対応について伺いたいと思います。 ◎小島 教育指導課長 委員お話しのとおり、ことし一月に文部科学省から、学校における携帯電話の取り扱い等についての通知が出され、小中学校においては、学校への児童生徒の携帯電話の持ち込みについては原則禁止すべきであると示されました。  世田谷区内ですが、既に区立の小中学校では、児童生徒に対して学校に携帯電話を持ってこないように指導しておりますが、区教育委員会といたしましては、文部科学省等の通知を受けて、学校への児童生徒の携帯電話の持ち込みを原則禁止すべきであるという方向で基本的な指導方針を今検討しているところでございます。  また、家庭によっては携帯電話を緊急に連絡手段とせざるを得ない場合等もあることから、例外的に持ち込みを認める場合もあること。また、その場合には学校での教育活動に支障がないように配慮することなどについてもあわせて検討しているところでございます。 ◆あべ力也 委員 今回、文科省はこの通知を通して、各教育委員会が学校任せにせずに、教育委員会としての考え方をまとめるように求めているということでありますから、世田谷の場合も、教育委員会としてしっかりとした考え方を示していただけるように要望しておきたいと思います。  携帯電話をめぐっては、学校の裏サイトなどに中傷を書き込むいじめの問題が一番の持ち込みに関する禁止の理由になったんだと思います。  この学校の裏サイトについてちょっと伺いたいんですけれども、学校裏サイトに関しては、東京都も裏サイトの監視に関して外部委託をしてやっていくとか、埼玉の教育委員会なども監視専門班を外部委託で設置するというようなこと。また、江東区は二十三区では初めて学校裏サイトを区で監視する。匿名の中傷、いじめの温床になっている、こうした学校の裏サイトを監視していくということで予算計上するというようなことを江東区はやっておりますけれども、世田谷区として、こうした学校の裏サイトに関する取り組み、現状と今後の考え方について伺いたいと思います。 ◎小島 教育指導課長 区教育委員会といたしましては、昨年八月に設置した世田谷区立学校非公式サイト等対策検討委員会におきまして、児童生徒のインターネットや携帯電話の利用から生じるさまざまな問題への具体的な対応策を現在検討しているところでございます。  また、学校非公式サイト等による被害を未然に防止する指導についての研修会や、児童生徒にかかわる学校非公式サイト等を見つける具体的な方策等について研修会を実施し、学校での児童生徒のインターネットにかかわる問題の未然防止や、あるいは早期解決のために取り組んでいるところでございます。 ◆あべ力也 委員 携帯電話の持ち込みというのは、文科省が音頭をとって禁止になったわけですけれども、学校への持ち込みが禁止されて問題が解決するわけではないということでありまして、この裏サイトの現状なんかを教育委員会がしっかり把握して、未然に問題の発生を防止するということも大事なことだと思いますので、この点について、教育委員会として対応をしっかり考えていただきたいということを要望しておきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で区民の会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 本日は、近代建築の保全について伺いたいと思います。  埼玉県深谷市の公民館に隣接しまして、現在、誠之堂と呼ばれる建物がございます。これは渋沢栄一ゆかりの建築物で、二〇〇三年には国の重要文化財に指定されたものです。日本の建築史から見ても、大正期を代表する名建築とのことです。  ところが、これはもともと深谷市にあった物件ではありません。地域活性化の中核施設とするべく、深谷市が譲り受けましたが、九七年までは世田谷の瀬田にあった建物でした。現在、区内に国の重要文化財建築物は世田谷代官屋敷の一カ所しかありません。世田谷の歴史、風土を物語る上でこれほど重要な建築物がみすみす区内から失われたことは、返す返すも残念でなりません。文化財の評価と保全を担当する教育委員会には、くれぐれも第二の誠之堂を出さないよう、細心の注意と最大の努力を払っていただきたいと考えます。  誠之堂を区内に残せなかった経緯とあわせて、所管の意気込みのほどをお聞かせいただければと思います。 ◎萩原 生涯学習・地域・学校連携担当部長 お話しの誠之堂は、明治から昭和初期にかけて政財界で活躍した渋沢栄一氏の喜寿記念に、当時の第一銀行が、大正五年、一九一六年に建てたものでございます。銀行の保養施設として使用されておりましたが、敷地を私立学校に譲渡した際、老朽化を理由に取り壊す予定となりました。  区教育委員会では、誠之堂が近代日本の代表的な建物の一つであることから、当初、保存の方向で所有する銀行側に要望いたしましたが、費用や用地補償で折り合いがとれず、また時間的な制約もあったことから、平成九年、一九九七年に、渋沢栄一の生誕地である深谷市に打診したところ、同市による保存の道筋ができたものでございます。結果として、区では報告書を作成して記録保存という形態をとりましたが、深谷市に移築することで貴重な建築物を破壊から守ることができたと認識しております。  区教育委員会としましては、今後ともこのような事例が少なくなるよう、文化財所有者に対しまして啓発活動を通じ努力してまいります。ただ、保存には用地や多額の維持管理費が必要となるため、さまざまな制約があることをご理解いただきたいと思います。 ◆上川あや 委員 文化財の取得や保存にコストがかかるということは私もよくわかるんです。ただ、私、いろいろ勉強してみますと、区の方法にはちょっと知恵が足りなかったんじゃないかということを思ったんですね。  当時、区の対処と比べると、例えば、時を同じくして北九州市ですけれども、市内に残されていた近代建築の保全に一計を投じています。門鉄会館と呼ばれた近代建築に重要文化財級の同じような価値があるということを熟知していた北九州市では、まず文化庁にその重文指定を認めてもらいまして、九八年に自治省が創設したふるさとづくり特別対策事業というものを移築の費用に充て込むことで、この建築物を取り壊しの危機から守りました。結果、移築の費用は自治省の助成金で賄われまして、復元費用の大半も文化庁から拠出されたそうです。防火地域への木造建築物の移築も、文化財ということで建築基準法の適用除外となりまして、今では門司港レトロ地区を代表する重要文化財として観光の目玉にもなっているんです。行政担当者の才覚でコストは極限まで抑えて、市民にとっての財産はちゃんと保全を図る、それが産業振興にもしっかりとつながっているというケースです。  文化財の保全に必要な視点は、何も学術的な価値だけではないはずだと思います。区の魅力アップ、あるいは緑や環境の保全、観光振興、さらには国や都の補助事業の動向など総合的な視野で、こういったことは取り組んでいただきたいと思います。  区教育委員会に対しても、この点の留意をぜひともいただきたいと思いますけれども、お考えはいかがでしょう。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 今北九州市の取り組みをご紹介されましたけれども、委員からご指摘いただいた事例も参考に、今後、国や都の動向も注視しながら、有用な社会資源の活用も心がけていきたいというふうに考えております。  また、区教育委員会では、本年度から文化財建築物を含む歴史的町並みや自然環境などを一括して文化財ととらえまして、それを保護するために文化的景観という新たな分野を設けております。また、より緩やかな文化財保護の仕組みといたしまして、指定文化財に加えまして登録文化財制度をつくって取り組んでいるところでございます。地域の生活や歴史、文化を今に伝える建築物や町並み、風景等も後世に伝え、また世田谷の魅力を高めるためにも、新たな文化財保護の仕組み等の活用を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆上川あや 委員 ぜひともよろしくお願いいたします。  初めに、深谷市に移築された誠之堂という建物の話を紹介しましたけれども、貴重な区内の近代建築が流出、消滅する事例はこれだけではありません。例えば、一昨年、山梨市にオープンした推理作家の横溝正史館というものも、成城にあった書斎を移築したものだそうです。また、長野県飯田市にある柳田國男館というものも、成城にあったお宅を移築したものだそうです。また、現在、岡崎市で移築復元を目指している旧岡崎藩主本多家のスペイン風の洋館も、世田谷区から運ばれていっています。  区は観光振興と口では言うんですけれども、肝心な世田谷オリジナルの歴史遺産、格好の観光資源は続々と区外に流出しているわけです。そう考えますと、区内にはまだまだ、正当な評価も受けないまま、その存亡が危ぶまれる、そういった物件もあるのではないかと思います。  例えば、日本土木学会では、駒沢給水塔のほかにも、和田堀給水所の二号配水池も近代遺産のAランクに評価をしているそうです。これは重要文化財級の価値を学会として認めるという意味だそうです。また、最近、東京都下水道局の旧三河島汚水処理場喞筒場も重要文化財になりました。ですので、ぜひ区としてもこの登録を目指して保全に取り組んでいただきたいと考えます。  また、駒沢大学裏手にある電通八星苑には、二十世紀建築の三大巨匠の一人、フランク・ロイド・ライト建築の旧林愛作邸が今もひっそりと残されています。フランク・ロイド・ライトといえば、明治村に一部が移築されました旧帝国ホテルの設計で知られていますけれども、これは残されているあとの世田谷以外の二件はもう重要文化財なんですね。こういったことの保全にもしっかり取り組んでください。一言お願いします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 今お話にありました駒沢給水塔、フランク・ロイド・ライト、旧林愛作邸なんかに関しましては、高い文化財という価値を有するものとして認識しております。今後、こういう文化的な価値を有する近代建築の保存、保護、そういうものに可能な限り努力を払っていきたいというふうに考えております。 ◆上川あや 委員 こういった文化財、一たんなくしてしまうと二度と取り戻せませんので、私たちの責任で後世の区民に残していきたいと思います。議会サイドから私も応援しますので、自信を持って大いに取り組んでください。お願いいたします。  終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 初めに、学校協議会フォーラムについて伺います。  去る一月三十一日、学校協議会フォーラムが五つの地域に分かれ開催されました。地域ごとにテーマを掲げ、それぞれに趣向を凝らした内容だと思います。  私は地元の北沢地域のフォーラムに参加しました。フォーラムでは、「共に学ぼう合同学校協議会~合同学校協議会の充実に向けて~」というテーマで一生懸命やりました。防災・防犯、小中学校の連携、健全育成活動等の実践報告やパネルディスカッションが行われ、大変貴重な時間を過ごすことができました。  私は第一回のフォーラムから参加していますが、たしか平成十年の三月に太子堂小学校で、神戸から学ぶ地域防災活動をテーマに開催されたのが最初のフォーラムだと記憶しております。初めての開催ということもあり、期待に胸が膨らんだ時期だったと思います。  これまで開催されたフォーラムの内容を思い出してみると、その時々の子どもを取り巻く問題や教育課題も反映され、意見や情報交換の場として、また学習やネットワークの強化機会としても大切な役割を果たしてきているように思います。  しかし、今回フォーラムに参加した折、来年度からは学校協議会フォーラムを、七月あるいは八月に開催している教育フォーラムに取り込んで開催していく方向性が示されました。  そこで伺いますが、地域ごとの開催も大変意味があるように思うのですが、なぜ教育フォーラムに統合するようなことになるのか、どのようなことを新たに期待するのか、教育委員会の見解をお伺いします。 ◎直田 副参事 学校協議会フォーラムは、地域や保護者、学校の関係者が一堂に会し、全校に設置した学校協議会の充実を目指して各地域の実践報告などを行い、相互に情報交換できる場として開催をしてまいりました。  一方、世田谷区教育フォーラムは、世田谷区教育ビジョンの取り組みでもある教科「日本語」や地域運営学校、学校関係者評価制度、「才能の芽を育てる体験学習」など、世田谷区の教育の取り組みを広く内外に発信し、より質の高い教育を実現していくことをねらいとして、平成十八年度より開催しております。  平成二十一年度からは、世田谷区教育フォーラムの中に学校協議会フォーラムを位置づけまして、学校協議会の取り組みを区内外に発信することによりまして、地域とともに子どもを育てる教育の一層の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆青空こうじ 委員 実際に、一つのフォーラムにあれもこれもと欲張ると、全体として中途半端になってしまう可能性もあります。現場の先生の意見を聞きながら、これまでの積み重ねを大事にしてほしいと思いますが、そのあたりはいかが考えているのでしょうか、お伺いします。 ◎直田 副参事 学校協議会フォーラムを世田谷区教育フォーラムの中に位置づけることにつきましては、これまで学校協議会フォーラムを中心となって推進してきました区立学校の校長や副校長などと協議を重ね検討してまいりました。こうした検討を通しまして、来年度の世田谷区教育フォーラムでは、これまでの学校協議会の大きな成果を踏まえまして、学校、保護者、地域の連携をさらに深め、地域とともに育てる教育が一層充実するように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 教育委員会の考えは理解しましたが、学校協議会については、小中学校合同協議会の開催などで新たな取り組みも始まっていますが、これまで学校協議会フォーラムが果たしてきた実績等を踏まえ、一層学校協議会の活動が充実し発展するよう推進をお願いしたいと思います。  次に、先ほど上川さんも言ったんですが、文化財の防火対策についてお伺いします。  二月十七日に、江戸時代の農家の形式を伝える三田家住宅の主屋が全焼しました。文化財の指定ではなかったのですが、世田谷の古民家がなくなったことは非常に残念なことです。三田家住宅の焼失のちょっと前には、お隣の杉並でもトトロの家のモデルになった古民家が全焼するなど、最近、歴史を刻む貴重な建物が焼失することが、ついこの間も横浜のほうでもありました。  文化財については、防火等の措置は十分対策がなされていると思いますが、テレビ報道によりますと、京都では、火災が発生した場合には、文化財を敏速に安全な場所に持ち出すために、消防署が事前に文化財がある位置を示した配置図を整備し、また、その特徴や内容、写真等をカード化し、持ち出しの優先順位を明確にしておき、消防隊員が効率的に、また効果的に対応できるようにする試みが検討されているようです。日本を代表する文化財が数多く存在する京都ならではの知恵だと思います。  そこで、世田谷区においては、文化財を火災から守るためにどのような対応を行っているのかお伺いします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 文化財の防火対策といたしましては、国の重要文化財に関しましては、消防法施行令で消火設備の設置を義務づけております。それ以外の文化財に関しましては、所有者の自発的な対策にゆだねられております。文化財の修復や防火設備の充実には、行政による一部補助の仕組みはありますが、所有者への防火意識の普及啓発が何よりも重要と考えております。  区教育委員会では、先ほどお話にありました三田家住宅主屋の火災の翌日に、区内の文化財所有者に対し、文書で火災に対する注意を呼びかけたところでございます。また、早期に職員等が各所有者を戸別に訪問しまして、防火設備の現状を詳しく確認し、予防対策等について十分な協議を行う予定にしております。  委員のお話にありました京都市の例は、国宝等、我が国にとって貴重な文化財を多く抱える京都市消防局が、職務研究の中で、火災時の効率的な文化財保護の方策として集団人命救急救助のシステムを取り入れて研究しているものと伺っております。  区教育委員会といたしましても、区内消防署など関係機関とも文化財に関する情報交換等の機会を設けるなどの連携を一層進め、防火対策への取り組みを強化してまいりたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 新BOPの使用するトイレについて伺います。  先日、特別支援学級のある小学校の新BOPを見てきました。障害のある児童にとっても、新BOPは、集団遊びを通した交流の中で社会性をはぐくみ、成長を図る大切な場となっています。新BOPのスタッフが各児童の状態や障害を理解し、安全管理に心を砕きながら、放課後が実り豊かな時間となるよう努力をしている様子を、非常に好感を持つ思いで見てきました。  ちょっとこの時間が長いもので、新BOPの中で子どもが排せつしたときに、それをふいたりするスペースが全くないもので、そういう汚れたりするときに温水シャワーがあればいいなと思うんですが、そういうことはできるのかできないのか、お願いします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 順次トイレ改修を進めておりますけれども、今後……。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆山口ひろひさ 委員 私は、午前中一番最初に出ました預かり保育と区立幼稚園のあり方ということで質問していきたいと思います。  人間、物事のとり方というのはいろいろありまして、私、代表質問の中で再々質問までさせていただいたんですけれども、これを再々質問させていただいて、またきょう質問するわけですが、これをしつこいととるのか、それとも粘り強く頑張っているな、努力しているなととるのかは、やはり皆様の受けとめ方次第ということでございます。  そういう中で、保育園の待機児という、非常に区総力を挙げて取り組んでいかなくてはいけないという課題に対しては、私も同じ気持ちであるわけですけれども、その中で区立幼稚園のあり方というのは、我が会派も、この保育園の問題が出てくる前にもう提示していた課題であるわけであります。そういった中で保育待機児の問題と預かり保育という問題が出てきたわけですけれども、そういう中で区立幼稚園のあり方というのをどう解決していくのか、そういった道筋を、私は教育長のほうから聞きたかったわけです。  「東京一子育てしやすいまち世田谷」ということを区長が掲げているわけでありますけれども、区が総力を挙げて取り組んでいくこの課題に、区立幼稚園を所管する教育委員会としては、まずどういったスタンスを持っているのかお聞きしたいと思います。 ◎若井田 教育長 保育待機児の解消につきましては、お話しのとおり、区が総力を挙げて解決を目指さなければならない喫緊の課題であると認識いたしております。  区教育委員会ではこれまで、区立幼稚園二園を廃止し、保育園機能をあわせ持つ認定こども園に用途転換するとともに、瀬田中学校など四つの小中学校に保育園を整備してまいりました。このたびの区立幼稚園での預かり保育の実施に加え、区立中学校二校において、学校敷地の一部を活用した保育園分園の整備を進めることといたしております。  引き続き子ども部と連携し、保育待機児の解消に、教育委員会といたしましても全力で取り組んでまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 まず、区立幼稚園のあり方ということでちょっとお聞きしたいんですけれども、このあり方を検討するには、答えを出すには、さまざまな角度で検討していくことが必要になってくるのは私も承知しているわけですが、うちの会派からも、この問題に関しては十年以上も前からいろいろと提示をしているわけであります。  そういった中で、今回、区立幼稚園で預かり保育を行っていくと、予算書にも出ているわけでありますけれども、さまざまな形で検討していく、検討していくということだったわけです。本会議場でも私は聞きましたけれども、民間企業ではある程度の期限を切って答えを出していくのは当たり前なわけですが、本会議場ではそれに対しての区長の答弁がなかったわけであります。
     再々々度お聞きしたいと思うんですけれども、いつまでに世田谷区の区立幼稚園のあり方ということに結論を出していくのか。それともう一つ、今回の預かり保育に関して、予算書にも出ていますけれども、本会議場でも私は言いましたが、民間の私立幼稚園というのは、補助金をもらっているところもありますけれども、もらわないところでもさまざまな工夫をして行っているわけですね。そういったところを考えると、私、民間の感覚と今回の予算というのは非常に乖離していると思うんですけれども、その辺を含めてお答えをいただければと思います。 ◎若井田 教育長 区立幼稚園二園の預かり保育の実施につきましては、私立幼稚園のさまざまな工夫に十分配慮をし、均衡に配慮するとともに、議会のご意見も伺いながら、預かり保育を実施する上で真に必要な部分に絞って内容を精査してまいりたいと思います。  また、区立幼稚園の今後のあり方につきましては、早急に検討を行わなければならない課題だと認識しております。認定こども園の二園の検証を踏まえ、このたびの預かり保育の実施状況も勘案しながら、平成二十二年度中には一定の方向をお示ししてまいりたいと思っております。 ◆山口ひろひさ 委員 今、平成二十二年度ということで、やっとまずまずということでお答えをいただきました。それが早い遅いというのは、私はきょう何も言いませんけれども、一応本会議場で私も声を荒らげた部分がありましたが、こうして具体的にお答えをいただきましたので、教育長と私はこれで和解だという形になったのではないかなと思います。  うちの会派の下山委員がよく議場の中でも、子ども部に笑顔がない、こういうふうに言っております。今回の保育の待機児等を見ますと、いろいろ努力されていると思いますけれども、非常に厳しい状況になっているわけであります。そういった中で、区が総力を挙げてこの対策に取り組んでいくという中で、私は教育委員会の立場というのは非常に重いと思います。そういった中で、藤野部長が笑うも笑わないもこの教育委員会にかかっているということを私申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆鈴木昌二 委員 私からは、教育現場の実情に即して、学校教育をより充実させることをテーマとして、そのための教育委員会の役割、かかわり方などについて、実例を挙げながら何点か質問してまいります。  私は、教育委員会の役割は、学校の実情をよく理解しつつ、同時に広い視野を持って、学校や子どもたちが本当に必要としていることに丁寧に対応していくことが最も基本的な役割だと考えます。現場のニーズを十分把握して、学校が困っていることがあったら、直ちに支援の手を差し伸べることが大切なのは言うまでもありません。また、将来を見据えて、新しい教育課題やすぐれた取り組みの情報を学校へ伝えていくことも重要な点であります。  さて、このような考え方に立ち、まず、学校の緑や環境教育に関して伺います。  教育委員会はこのたび、学校緑化推進計画の案を発表しました。区長が推進するみどり33の実現に向けた、学校でも緑化を進める計画です。教育委員会では、この計画に従い、緑のカーテン、校庭の芝生化、屋上緑化、ビオトープを組み合わせて、平成二十年度からの四カ年で一万四千六百六十九平方メートルの学校緑化を進めるとのことです。  もちろん緑をふやすことは必要ですし、ぜひ進めてほしいと思いますが、だからといって、目標達成のために、教育委員会が学校を機械的に選んで工事を造園業者に発注するだけでは、緑の面積はふえるかもしれませんが、本当に価値ある学校緑化につながりません。また、緑は最初に植えるのは簡単ですが、継続して維持管理していくことのほうがもっと大事だと考えます。時には、校長先生や熱心だった理科の先生が人事異動すると、学校の緑がいつの間にか消えてしまったなどということを耳にすることがあります。  そこで、緑化を進める対象となる学校の選定方法や、たとえ先生が異動してもずっと緑が守られていくような学校づくりについてどのようにしていくお考えなのか、まずお聞きいたします。 ◎伊東 施設課長 緑のカーテンや屋上緑化などの場合、対象校の選定につきましては、希望する学校と設置場所や維持管理方法などを相談しまして、その年度の計画に沿って実施する学校を決定しております。また、改築校では、基本構想、基本設計策定時に、学校、保護者、地域の方々などの要望を踏まえ、校庭の芝生化や屋上緑化などを取り入れております。  良好に緑を維持していくには維持管理が重要であるということはご指摘のとおりでございます。日常の維持管理は各学校で行っておりますが、学校から管理方法の相談があった場合や大規模な対応が必要な場合には、専門業者を派遣するなど、学校と連携を図り実施しているところでございます。 ◆鈴木昌二 委員 学校の緑をふやしていくに当たっては、学校とよく相談して、教員の熱意や地域の協力体制など、学校の実態を十分把握して、継続してやる気のある学校を選ぶことが必要であります。しかし、そればかりでなく、たとえ面積が小さくても、これまでしっかりと環境教育に取り組んできた学校の取り組みを支援していくことも重要ではないでしょうか。  みどり33の大きな目標があることは理解しますが、学校の緑化では面積ばかりを追い求めずに、子どもがかかわる小さな緑も大切にしてほしいと思います。例えば教室の窓際に置いてある小さな鉢植えを子どもたちが当番で大切に育てる、よく見かけることですが、そんな小さな緑もしっかりと評価する。そうした視点を忘れてしまうと、予算がついたときだけたくさんの工事をやりましたという形ばかりの緑化になってしまうことでしょう。せっかく予算を使うのですから、ぜひ現場の先生と十分意見を交わしながら知恵を絞って、子ども、教職員、地域がみんなで進める緑化に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎伊東 施設課長 学校緑化推進計画では、ご指摘のような児童生徒が育てている鉢や学級菜園などのほか、学校が保護者、地域住民と連携して進めている花壇づくりや屋上緑化などの活動も、積極的に取り組むべき緑化手法の一つとして位置づけております。学校施設の緑化は、他の公共施設と異なり、単に緑をふやすというだけではなく、子どもたちが緑を守り育て、環境への関心を深めるために重要な意義や役割を担っているというふうに思っております。  今後は、各学校の緑化にかかわる活動の実態を調査し、学校と十分相談しながら、子どもたちの教育環境や環境教育につながる緑化を進めていきたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 せっかく植える緑が、学校や地域に愛され、大切に保たれる緑となるよう、一層の工夫をお願いいたします。  学校の緑は、子どものため、教育のための緑でなくてはなりません。お金をかけて植えればよしとするのではなく、例えば、子どもたちが水をやり、雑草取りなど手をかけ世話をする体験を通じて、生命や自然環境、あるいは歴史や社会を学ぶ緑としていくことが必要であります。  そこで、学校の緑をどのように子どもたちの環境学習につなげ生かしていくのか、お考えをお聞かせ願います。 ◎直田 副参事 学校施設の緑化は、快適な教育環境を確保するとともに、地球環境に配慮した行動を、身近なところから自主的、主体的に実践していく力を育てるという、環境教育の場となるようにしていくことが大切であるというふうに考えております。  例えば屋上緑化を行っております守山小学校では、地域の方と連携して屋上での植物の栽培を行っております。また、喜多見中学校では、壁面緑化でゴーヤやヘチマ、キュウリを栽培いたしまして、食育の学習に活用するとともに、生徒や保護者に配布し、緑化を通して環境への意識を高める活動に取り組んでおります。  区教育委員会では、現在、学校エコライフ活動を推進しておりますが、平成二十一年度は全区立小中学校が学校エコライフ活動の認定校及びモデル校として活動していく予定でございます。学校緑化を通した環境教育につきましても、こうした取り組みを通して環境教育の一層の推進に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 次に、緑化に関連して、校庭の芝生化について伺います。  世田谷区ではこれまで、烏山北小学校、旭小学校、駒沢小学校などで校庭の芝生化を行ってきておりますが、これまでの実績を踏まえ、校庭芝生化にはどのようなメリットがあるのか、ご認識をお聞かせ願いたいと思います。 ◎伊東 施設課長 区の校庭を芝生化しました学校からは、外に出る子どもが多くなり、伸び伸びと運動ができるようになったとの運動面の効果が伝えられています。そのほか、芝刈りや種まきなどを通じて緑を育てる喜びを得たり、昆虫や鳥の観察の授業を実施するなど環境教育に役立っていることや、砂じんの飛散防止や、照り返しがない夏場の地表温度が土の校庭に比べて低いなど、環境問題にも効果があるという報告を受けております。 ◆鈴木昌二 委員 多くのメリットはあるものの、経費の大きさに加え、維持管理の手間や利用制限が生まれてしまうことなどが課題だと思っております。  さて、先日、広島県の北広島町にある町立豊平西小学校という学校の校庭芝生化を見学してまいりました。その学校では、鳥取方式と言うそうですが、ティフトンという、成長が早く、踏まれることにも強い種類の芝のポット苗を植える方法を採用したということでありました。この方法は、従来の芝を全面に敷き詰める方法と比べるとはるかに経費も安く、また、刈り込み作業が必要なものの、全体としては維持管理も簡単で、子どもにも地域にも喜ばれ、大成功しているとのことでありました。  必ずしもこの方法が世田谷の学校の土壌や気候に合うものかどうかわかりませんし、児童生徒一人当たりの校庭面積も異なるでしょうから、簡単にこれがいいとはいかないかもしれません。しかし、私が申し上げたいことは、教育委員会は学校が本当に必要としている校庭芝生化を真剣に考えていただきたいということであります。豊平西小学校の芝生化は、予算も乏しい中で、地元のスポーツクラブの運営にもかかわっている町の若い職員が鳥取で開発された新しい方法を知り、学校や教育委員会、PTAなどが話し合いを続けて実現したとのことであります。  私は、世田谷区もぜひこのような姿勢を学んでほしいと思っております。若い職員が情熱を傾け、それで経費の上から不可能にも思えた芝生の校庭をつくり、学校や地域が大切に育てているという点だけでも大変参考になると思います。これまでのやり方にこだわるのではなく、よいものがあればどんどん取り入れ、学校や子どもたちが本当に喜ぶ芝生化に取り組んでいただきたい。初期投資を安く済ますことができれば、その分の予算を一番大切な維持管理に回すことができるのであります。  学校に喜ばれ、使われてこその芝生だと思うのですが、いかがでしょうか。これからの校庭の芝生化の進め方についてお考えをお伺いいたします。 ◎伊東 施設課長 校庭の芝生化を広めていくには、芝生校庭のよさを学校や保護者、地域住民、利用団体の方々に広く理解していただくとともに、校庭利用のあり方について相互理解を促進していくことが重要でございます。また、校庭の利用実態に合った維持管理方法を整備していく必要がございます。  そのためには、本区にも事例がございますように、校庭の利用実態に合わせた全面または一部の芝生化の提案や、養生期間が短く、踏まれ強い芝の導入や施工方法などの検討も進める必要があると考えております。また、学校改築の際には芝生化の提案を行ってまいります。維持管理についても、学校、地域住民の方、利用団体の方々など、地域が一体となった体制を構築できるよう、専門家の派遣や専門業者の効果的な活用も進めてまいります。  ご指摘のような例も含めまして、今後、さまざまな芝生化の事例を参考に、学校関係者の理解と協力を得ながら、積極的かつ計画的に校庭の芝生化に取り組んでまいります。 ◆鈴木昌二 委員 地域のシンボルとなるような校庭づくり、また、家庭生活で緑と土のない生活をしている児童生徒のためにも、自然に触れ合う、無理のない校庭の芝生化をぜひ進めていただくことをお願いして、次の質問に移ります。  さて、教育ビジョンには地域の核となる学校づくりという項目があり、学校施設を地域のスポーツ活動で活用することで、地域コミュニティーの活性化につなげようという目標を立てております。  このたび教育委員会が取りまとめた資料によりますと、教育委員会では総合型地域スポーツクラブの育成を行い、その結果、二十年度には四カ所でクラブが活動しており、その登録数が合計で千六百人ほどになったとのことであります。地域住民が中心となってスポーツ活動が活発になるのは大変喜ばしいことですが、私は、教育委員会には、目新しい総合型地域スポーツクラブばかりではなく、もっときめ細やかに地域のスポーツ活動にも配慮していただきたいと思っております。  と申しますのは、学校を中心とした地域のスポーツや文化活動は、多くの学校で地域の熱意に支えられて長年継続してきており、子どもの体力づくりや健全育成に大きな役割を果たしているからであります。例えば、地域と学校が協力して取り組んできた小学校スポーツ教室では、サッカー二十五校、バレーボール二十一校を初めとして、多数の種目にわたって大変多くの学校で開催されていますし、スポーツ少年団の活動も幾つかの学校で続いております。  教育委員会では、このように地域で長年続けられている少年スポーツ活動の実施状況をきちんと把握しているのでしょうか。スポーツ活動を通じた地域の核となる学校づくりを教育ビジョンに掲げている以上、しっかりとした実態把握が必要だと思いますが、いかがでしょうか。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 地域のご協力をいただいて区教育委員会が実施しておりますスポーツ教室につきましては、委員のお話にもありましたとおり、サッカー、バレーボール、バスケットボール等を中心に、現在五十二校の小学校で七十八の教室が活動しております。また、地域では、スポーツ少年団を初め、スポーツ振興財団各賛助会員に加盟しております少年少女のクラブなど、多岐にわたる種目のクラブやNPO等が活動しております。  なお、けやきネット登録時に構成員の半数以上が中学生以下である団体につきましては少年団体として登録いただいているところでございますけれども、現在、文化活動も含め、五百五十九団体が少年団体として登録されております。  区教育委員会では、スポーツ振興課とも一層連携を図り、長年地域で展開されている少年少女のスポーツ活動の実施状況等の把握に努め、また、その発展に寄与していきたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 子どもの体力低下が問題となって大分時間がたっています。このたび発表された体力テストの結果を見ても、世田谷区は、東京都の平均は上回ったものの、全国平均には及ばないとの結果となっています。体育の授業や学校の部活動の充実ももちろん必要ですが、それだけでなく、たくさんの子どもたちが参加し、長年続いている、地域に根づいている少年スポーツ活動も再評価する必要があるのではないでしょうか。  このことに関連して、一つの実例を紹介したいと思います。  先日、二月二十八日の土曜日に総合運動場の体育館で、スポーツ少年団の一級から五級まで五種目のスポーツテストが行われました。子どもが百七十六人参加してテストを受けたのですが、何と一級の合格者が十二名、二級が六十六名という成績でした。この一級ですが、通常五十人に一人くらいしか合格しない、とても難しいテストだと言われています。それが百七十六人中十二名ですから、割合だけ見ると通常の四倍に近い好成績です。いかに少年団の活動が子どもの体力アップに役立っているかを証明していると思うわけであります。  子どもの体力づくりに大きな力を発揮しているこのような地域の少年スポーツ活動の実態をしっかり把握してきちんと評価し、予算を多くかけなくてもよいですから、必要な支援を行っていただきたいと思いますが、お考えをお聞きいたします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 今、委員のほうから実例が紹介されましたけれども、スポーツ少年団を初め、少年少女を対象とした地域のスポーツ活動団体では、体力の向上とともに、豊かな人間性や社会性を形成する上でも重要な役割を発揮していただいているというふうに認識しております。  現在、文化活動を含む団体への支援としまして、けやきネット登録時に、先ほどお話ししました少年団体としての申請を案内し、学校施設や一部の少年専用施設を無料で提供しているところでございます。  区教育委員会では、スポーツ振興課やスポーツ振興財団と一層緊密に連携をとり、少年少女のスポーツ団体関係者との意見交換等も行いながら、団体が地域で活発に活動できるように努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆鈴木昌二 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  また、けやきネットで、学校や子どもと関係のない大人たちが学校を使うだけ使って、備品などを傷めてしまう実例が相変わらず多いとも聞いております。子どもに影響が出るようでは、学校開放も本末転倒であります。そんなときは教育委員会がすぐに対応し補修して、学校が安心して教育活動に打ち込めるよう対応していただくことを求めておきます。  次に、特別支援教育についてお伺いいたします。  この数年、障害のある児童生徒がふえ、それに伴い、複数の学校に特別支援学級が増設されています。就学相談の件数もかなりふえ続けているという状況の中で、子どもたちの状況に応じた教育環境の整備はなくてはなりません。総括質疑でも取り上げられました中学校の肢体不自由学級の設置も含め、特別支援学級に入級する児童生徒の推移に加え、学校現場の声も踏まえながら、今後とも特別支援学級を計画的に整備していく必要があります。  さて、特別支援学級に関連して気になるのは、現場の先生についてであります。特別支援学級の増設は、世田谷ばかりでなく、東京都全体の傾向だと聞いております。そんな中、教員の大量退職、大量採用による世代交代が進んでおり、中には新任教員が特別支援学級に配置される実例も出てきているとのことであります。私が申し上げるまでもなく、特別支援学級では、教員が児童生徒一人一人の障害の特性を理解し、その状態に応じた指導や支援が行われるべきであり、教員の高い専門性が欠かせません。  そこで、特別支援学級の教員の質向上に向けた取り組みの現状についてお伺いいたします。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 特別支援学級の教員には、小中学校の教員としての専門性に加えまして、それぞれの障害に対して十分理解し、障害に応じた指導内容や指導方法の工夫や実践ができること、また、児童生徒の一人一人の心理や発達段階などを的確に把握し、それに応じた指導や支援が行えることなどが必要となってございます。  こうした特別支援学級の教員の専門性向上を図るために、区教育委員会では、特別支援学級の教員を対象といたしました特別支援教育研修や、また、初任者、新規採用職員を対象といたしました初任者研修などを実施しているところでございます。また、特別支援学級に対しまして医療や療育などの専門家を派遣する事業を通じて、各学級の教員が児童生徒の状況や指導について具体的なアドバイスを受け、個別の指導等に生かすなど、特別支援学級教員の専門性の向上に取り組んでいるところでございます。  さらに、特別支援学級設置校長や学級担任等で構成されております、自主的な研究団体となりますけれども、世田谷区特別支援教育研究協議会におきましては、専門家を招いて合同で研修会を開催したり、それぞれの障害種別に応じた研究調査やその実践活動などによりまして、教員同士が切磋琢磨し、みずからの専門性の向上に努めております。 ◆鈴木昌二 委員 教員への研修や専門家による指導助言を受けられる体制をとっているとのことでありますが、今後ともさらに充実しなければなりません。とはいえ、幾ら努力しても、人材教育には時間がかかると思います。  そこで伺いますが、退職教員を活用することはできないでしょうか。障害への専門性や指導のノウハウを貯蓄してきたベテランの先生が指導や支援に引き続きかかわる仕組みがあれば、若い先生や子どもたちの大きな助けになるに違いありません。教員の世代交代の中で、専門性が求められる特別支援学級での指導レベルを維持し、指導のノウハウを継続していくためにも、退職教員の活用が必要であると考えますが、いかがでしょうか。お考えがあればお聞かせ願いたいと思います。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 委員ご指摘のとおり、教員の大量退職などによりまして、特別支援学級に未経験の教員や新規採用の教員が配置されており、専門性が求められる特別支援学級での指導をいかに維持していくかが大切な課題であるという認識を持っております。  こうした特別支援学級の状況を踏まえまして、平成二十一年度から試行といたしまして、特別支援学級や都立の特別支援学校を経験した退職教員を各校の特別支援学級に派遣し、個々の児童生徒に対する具体的な指導方法などについての助言、また、現職教員の学級運営上の悩みなどに対してもアドバイスをしていただく、そういったことを考えているところでございます。 ◆鈴木昌二 委員 障害のある子どもたちへの教育活動は、専門性を持った教員の指導体制と障害特性にふさわしい教育環境が両輪となって、初めて成り立つものであります。教育委員会は、ぜひ現場の声をよく聞いて、特別支援教育の充実に取り組んでいただきたいことを要望して、次の質問に移ります。  次は、「才能の芽を育てる体験学習」について伺います。  平成十六年度、中学生を対象として始まったこの体験学習も、現在は対象を小学生にも広げ、平成二十年度には全部で十三の講座が開講されています。日本を代表するジャズトランペッターである日野皓正氏の指導によるドリームジャズバンドは、今やすっかり世田谷を代表するバンドの一つになりました。そのほかにも多様なジャンルの体験活動が用意されています。このようなユニークな取り組みは人気もあり、応募者も多いと聞いておりますが、参加した子どもたちの声や活動の成果をぜひ詳しく知りたいと思います。  そこで、これまでの取り組みに対する評価について、また課題を含めてお伺いいたします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 これまで行った講座修了後の児童生徒からのアンケートでございますけれども、小学生の講座では九九%、中学生の講座では九八%の児童生徒が満足であるというような回答を寄せていただいております。  例えば、先日修了した中学生のデザイナー体験講座では、区の重点施策でありますみどり33の世田谷区みどりトラスト基金の募金箱のデザイン制作に挑戦いたしました。生徒は、完成した募金箱を、区内事業所の方々を前に、作品のコンセプト、創作活動での工夫等のプレゼンテーションを行いました。事業者の方には、事業所のイメージや経営のコンセプトに合った作品を、事業所の窓口等に設置していただくために持ち帰っていただいたところでございます。  今回の講座の感想としましては、デザインは自分のためではなく世の中の人のためにあることを学べた、自分の考えをプレゼンするのは自信になった、また、みどり33のことは知らなかったが、この講座をきっかけに、世田谷区の緑、日本の緑、世界の緑を考えたい等の声が寄せられ、環境問題にも関心が広がったことがわかりました。  今後は、アンケートを参考に講座のジャンルや進め方を一層工夫いたしまして、さらに充実した講座にしていきたいというふうに考えております。 ◆鈴木昌二 委員 ぜひ子どもが楽しく学べる機会を充実するよう、一層の努力をお願いいたします。その際、より多くの子どもたちが参加できるようにするためにも、より幅広いジャンルの講座を考えていただきたいと思います。  例えば落語や漫才のような、子どもに身近で楽しそうなテーマもよいのではないでしょうか。言語を大切にして自分を表現できる子どもを育てるという、教科「日本語」の目的にもぴったり当てはまります。美しい日本語も大切ですが、生き生きとした言葉の文化や表現を学ぶことも大いに大事にしていただきたいと思います。  世田谷区は、それこそ一流の芸人さんたちがたくさん住んでおります。こういう人材を活用することも地域の教育力の活用だと考えますが、今後の才能の芽を育てる体験学習の充実について答弁をお願いいたします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 来年度につきましては、例えば南極観測の活動から地球規模の環境問題等を考える講座といたしまして、国立極地研究所のご協力による講座を予定しております。この講座では、南極観測の目的や歴史、観測を通した研究成果を越冬隊員から講義いただくとともに、観測船「しらせ」への乗船も予定しております。また、中学生を対象に、素粒子や原子核の研究で最先端を行く施設の見学や実験を宿泊して行う、サイエンス・ドリーム宿泊ゼミ形式の講座等も計画しているところでございます。  委員のお話にありました、落語や漫才等により言語や表現を学ぶことも貴重な機会となると思います。今後も、専門分野の第一線で活躍されている方々が多く住むこの世田谷の地域の特性も生かして、子どもの夢や目標が膨らみ、またその実現に向かっていく機会となる、日常ではなかなか触れられない体験学習を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆鈴木昌二 委員 最後に、教育は人なりと昔から言われます。教育委員会は、学校で一人一人の児童生徒と真剣に向き合っている先生を大切にし、現場の声を聞き、学校を盛り上げていただきたい。それが熊本区長が言われる、教育はすべての原点の根本だと思っております。教育委員会の真摯な取り組みをお願いし、続いて、自由民主党区議団の質問を山内委員にバトンタッチいたします。 ◆山内彰 委員 明日は区立の中学校の卒業式です。最近はないと思いますが、以前ちょっと感じたことがありましたので、ご質問をいたします。  国旗を掲揚するときは、自国、他国にかかわらず、国旗に対して謹みをあらわし、諸外国の中では右手を胸に当てるなどの習慣もあるようですが、日本ではそのような習慣はなく、起立、脱帽して、姿勢を国旗に向かって謹みをあらわすのが一般的とされております。  世田谷区の卒業式では、国旗と区旗を並べて掲揚することが多いと思います。以前も同じような質問をしたことがありますが、よろしくお願いをいたします。  国旗については、今もうすぐ韓国戦が始まりますが、WBC、侍ジャパンが活躍していますが、日の丸をちょうど帽子と襟のところにつけて、世界一を目指して頑張っています。私も期待しているところですが、子どもたちにとっても夢だと思います。  国旗は正しく掲揚するのが当たり前ですが、多少ややこしいところもあるので、下手に間違えると国際紛争にもなりかねないことがあります。例えばポーランドとモナコは赤と白の二色ですが、上下が反対です。コートジボワールとアイルランドは左右が逆になっています。ちなみに、モナコとインドネシアは同じですが、日本の日の丸については、縦横、横が三、縦が二で、中心の日章の直径は縦の五分の三ということです。上下、裏表がよく間違えられて掲揚されていることが多くありました。また、一緒に掲揚する場合、旗の大きさ、順序などが違うと大変で、ほかの国の方々に失礼になってしまうこともあり得ることです。東京都、区では、学校などにどのような指示をしているのかお伺いいたします。 ◎霜村 教育総務課長 国際社会におきまして国旗に敬意を持って接するということは重要なマナーでございます。また、学校教育を通じまして、児童生徒が国際社会を生きる基本的な態度を身につけていくことは大切な課題であるというふうに考えております。  こうした背景もありまして、卒業式などの儀式的な行事の際には国旗などを適切に掲揚するように、東京都から例年通知が来ており、区教育委員会では、この内容を区立小中学校、幼稚園に示し、適切に掲揚するよう指導しております。 ◆山内彰 委員 掲揚だけでなく、取り扱い全般についてはどのような注意をしているのでしょうか、お聞かせを願います。 ◎霜村 教育総務課長 区教育委員会では、今お話をいたしました東京都からの通知のほかに、周年行事などの機会をとらえまして、学校で行う儀式的行事の注意事項を配布しております。この中で、例えば国旗と区旗との位置関係であったり、お話にも出ておりましたとおり、旗を表裏あるいは左右反対に掲示しないことなどをわかりやすく具体的に示し、学校に注意を促しているところです。 ◆山内彰 委員 次に、給食についてお伺いをいたします。  食は、人間が生命を維持するための重要なものであり、楽しみでもあります。先日の新聞によると、足立区内の区立小中学校全校百九校で給食時間を五分延長したところ、食べ残しが、小学校で三%、中学校で四%減った。区内では一日約三トン出る残飯を約百キロ減らせる計算になったそうです。食べ残しが一六%も減った小学校もあり、区教育委員会では、各校は給食時間にゆとりを持ってほしいとしています。  給食時間は学校ごとに異なることですが、準備や片づけもあり、実質的には十分ぐらいしか食べる時間がないケースもあると言われております。この件に関して、区の実情と感想をお聞きします。 ◎岡本 学校健康推進課長 学校給食は、栄養バランスのとれた豊かな食事を提供することにより、児童生徒の健康の保持増進、体位の向上を図ることだけではなく、食育の観点からも重要なものであり、子どもたちにとっての大きな楽しみの一つでもあると考えております。  そうした中で、学校の時程の中では、給食の時間につきましては昼休みの九十分のうちに含まれておりまして、その九十分の中には、休憩であるとか清掃、そういったものも含まれております。中学校ではお昼休みが大体六十分でございますが、その中に給食時間、休憩時間などを含んでおります。  足立区の例でございますが、積極的に食べるための働きかけを、委員お話しのことにあわせて行ったと聞いております。各学校において、担任や栄養職員等が中心となって、食べることの大切さや食べ物に対する感謝の気持ちを持つことなど、給食指導を積極的に実施したことにより、児童生徒が給食を残さず、しっかり食べようという意識啓発につながったことで生まれた成果ではないかと考えております。 ◆山内彰 委員 この記事によると、中学校では一四%も減ったところもあり、特に思春期に入り、しっかり食べることを恥ずかしいと考えがちな女子中学生が、五分延長することによって完食するケースがふえたそうです。子どもたちは、昼休みをなるべく多くとるために早食い、以前にも事故があったんですが、ゲーム的に競争することもあります。給食指導についての現状をお聞かせください。 ◎岡本 学校健康推進課長 区教育委員会では、各学校において給食時間を充実したものにするためには、担任や栄養職員等が中心となって給食指導が適切に行われることが重要であると考えております。各学校では、学校の実態や児童生徒の発達段階を踏まえ、学校行事や各教科、他の教育活動とも関連づけ、年間を通じて系統的に実施ができる学校給食の年間指導計画を作成した上で、給食指導を行っておるところでございます。  具体的には、よくかんで食べることの大切さを知ること、給食をつくってくれた人に感謝して食べることなど月ごとの目標を定めて、担任や仲間同士が楽しい雰囲気の中で給食を食べながら、食に関する意識と関心を高めることができるように指導を行っているところでございます。 ◆山内彰 委員 まだ給食だけでなく、朝食についてもいろいろ事情があると思いますけれども、朝とってこない児童生徒もかなりいるようです。区の調査ではどのくらいの……。 ◎岡本 学校健康推進課長 委員おっしゃっていただきましたように、朝食の大切さは、食に関する指導の中で、具体的な献立の紹介やバランスのよい組み合わせなどとともに、折に触れて指導しているところでございます。今年度の小学校教育研究会保健部会によりますが、小学校八校の調査では、九五・七%の児童が大体きちんと食べているという回答をしているところでございます。 ◆山内彰 委員 ほとんどの子がとっているということで、私もちょっと安心したんですが、自分自身も寝坊したりして朝食をとらないことが多々あるので、やっぱりここにいらっしゃる方もきちんと朝食をとるように、そして居眠りが出ないように気をつけていただけたらありがたいかなとは思っております。  早寝・早起き・朝ご飯、自分自身にとっても、先ほど言ったとおりにちょっと問題があるんですが、二〇〇六年から文部科学省が進める子どもの習慣を見直す運動、国が朝食まで関与せざるを得ないような状態になっているということはちょっと気になるところです。  小学校五年生と中学校二年生を対象とした全国体力・運動能力、運動習慣等調査でも、朝食を毎日食べるとの回答は、小学校五年生で八八・二%、女子で九〇・五%、中二で男女とも八二・七%にとどまっているということです。  生活習慣の変化は、歩行という基本的な行為にさえもあらわれていると、東海大学体育学部の小澤教授はお話をしています。一九七〇年代は二万七千歩、八〇年度は二万歩と言われた子どもの歩数は、今や一万歩に減少した。さらに深刻なのは二極化で、学校での体育の授業を受け部活動に参加した場合一万五千歩に対して、体育の授業を受けないで部活動もしないと八千歩、運動能力というより、健康な生活を営むための体力もが問題になり始めています。頑張りたくても頑張れない体になっている。
     教授によると、朝食もトレーニングの一つ、朝食抜きの生活を変えることにより、体力ばかりでなく成績まで向上した。体力は活力をもたらし、それが学力につながる。基本的な生活習慣をきちんとすることが大事と書かれております。  そこでお伺いいたします。  世田谷区の小中学校では、生活習慣指導についてはどのようになっておりますでしょうか。 ◎直田 副参事 基本的な生活習慣は、子どもたちの学習意欲や体力の向上にかかわるものであり、基本的な生活習慣の確立は重要な課題であるというふうに認識をしております。  小学校では基本的な生活習慣の形成を、中学校では心身ともに健康で安全な生活態度や習慣の形成について、すべての教育活動を通して指導しているところでございます。また、体育科の保健の学習において、体をよりよく発育、発達させるためには、調和のとれた食事、運動、休養及び睡眠が必要であることや、家庭科の学習において、日常の食事の大切さや栄養を考えた食事の重要性について学んでおります。 ◆山内彰 委員 子どもたちだけでなく、親に対しての指導も必要かもしれません。そのような何か事例がありましたらお聞かせください。 ◎直田 副参事 各学校では、保護者会などにおきまして、子どもたちの基本的生活習慣について保護者と教員がともに話し合ったり、学校だよりや給食だよりなどを通して情報を提供しているところでございます。  また、例えば玉川小学校では、家族のあいさつ、手伝い、会話をテーマに、にこにこチャレンジという取り組みを一週間実施しました。取り組み後の感想では、自分たちの生活を見直すことができた、親子の会話をする時間がふえたなどが寄せられているというふうに聞いております。 ◆山内彰 委員 先日、私立、都立、国立に通う区内の小中学生に対して、生活習慣病予防検診について二十一年度より実施するということが報道されていました。その後の指導について、区として世田谷区保健センターに委託して検診、運動指導、評価を行うそうですが、区立の児童生徒はどのような状況になっているんでしょうか。 ◎岡本 学校健康推進課長 区立小中学校の児童生徒の生活習慣病予防検診でございますが、この検診は、生活習慣病の早期発見とともに、食生活や適切な運動等の指導を行い、早目に生活習慣の改善を図ることによって、生活習慣病を予防することを目的として行っておるところでございます。  本検診では、肥満度が三〇%以上の小学校二年生、四年生、中学校一年生及びその他の学年で、前年度の管理区分が一年後再検査となった者のうちから希望者を対象として、二回の栄養指導と医師による血液検査や診察を行っているところです。この二回実施する栄養指導では、一回目に保護者、児童生徒を含めて食事診断や軽度の体操指導等を行い、二カ月後の二回目には、設定した目標の達成度や計測値の変化等、生活習慣の改善の成果について評価、指導を行っておるところです。  医師の検診や栄養指導の結果に基づきます専門医による判定会によって、要精密検査などの事後指導の区分を判定し、特に要精密検査に該当する児童生徒につきましては、専門医療機関である成育医療センターへ紹介して、生活習慣病の早期発見と予防に努めておるところでございます。 ◆山内彰 委員 それでは、世田谷で肥満度三〇%以上の児童生徒はどのくらいいるか、様子をちょっと。 ◎岡本 学校健康推進課長 小学校二・四%、中学校四・〇%、全体では二・八%となっております。昨年度より〇・一ポイントの減ということでございます。 ◆山内彰 委員 ちょっとここで思いついたのは、以前、三浦健康学園でこういう肥満の子の指導をしていたようですが、今、世田谷では川場がありますけれども、そこらで何かこういう事業の展開を考えたことはございますか。 ◎岡本 学校健康推進課長 お話にありました三浦健康学園でございますが、こちらにつきましては、昭和三十九年に、小学校四年生から六年生までの病虚弱児を対象に、健康の改善などを図ることを目的とした全寮制の寄宿舎として設置されておりましたが、その後、医療の発達などに伴いまして、平成十五年に廃園されたところでございます。  生活習慣病の危険因子の一つである肥満の予防につきましては、児童生徒だけではなく、保護者を含めた家庭における生活習慣の改善が重要であると言われております。区教育委員会では、現在実施しております、先ほどご紹介しました生活習慣病予防検診において、保護者と児童生徒が一緒になった栄養指導や体操指導を行っておるところでございます。そういった中で、家庭における生活改善を図ることに取り組んでおります。  引き続き本検診の内容の充実に努めてまいりたいと考えておりますので、川場村における事業展開につきましては、今後の研究課題とさせていただければと思います。 ◆山内彰 委員 自分自身も少し油断すると太ってくるんだよね。そういう体質にあるのだと思うので、気をつけていかなきゃならないなと考えていますが、子どもたち、やはりきちっと健康の管理というのをやっていただけたらありがたいかなと思っています。  また、おいしい水というのは元気のもとだと思うんですよ。現在、世田谷区の小中学校で蛇口から直接水が飲める学校というのはどのくらいありますか。 ◎伊東 施設課長 現在、小中学校を合わせて九十五校ございますけれども、各学校とも蛇口から直接水を飲むことができます。  今後、区ではおいしい水を蛇口に直接供給可能にしていくため、水飲み栓の直結化を図ってまいりたいと考えております。 ◆山内彰 委員 夏場は水筒を持って登校している風景を見たことがあります。安全でおいしい水があることはすばらしいことで、都水道局が進めている、公立小学校の校内にある貯水槽にためるのをやめて、配水管から直接蛇口につなげることで冷たくておいしい水が飲めるとのことです。(「給水管」と呼ぶ者あり)間違えました、給水管です。それが直接つながることによって冷たくおいしい水が飲めるとのことです。  学校フレッシュ水道という事業で、七年から一〇年までに四百校で工事をしますということです。来年度は区では九校の予定だそうですが、今まで何校ぐらい改善されてきたのでしょうか。そして、子どもたちの反応はいかがで、今後残った学校に対しての計画はどうなっていますでしょうか。 ◎伊東 施設課長 区でも、校庭の水飲み場や冷水機につきましては、水槽を通さず直接水道本管と水飲み栓をつなぐ直結給水方式を順次進めていたところでございます。現在、小学校の校庭で水道直結化となっている学校は、改築中及び改築予定の学校を除いた四十五校中三十六校でございます。一方で、校舎の水飲み栓につきましては、東京都水道局の公立小学校水飲み栓直結化モデル事業を活用しまして、平成十九年度に一校整備を行ったところでございます。  子どもたちの反応でございますけれども、直結化を行った学校の児童生徒等に実施しました都のアンケート結果によれば、水筒を持参する児童が二割から一割に減り、学校で水道の水を飲む児童がふえ、八割を超えたということが判明しております。  今後の計画でございますけれども、区教育委員会では、本事業を活用しまして、平成二十二年度までに校舎の水飲み栓直結化をさらに四校、校庭の水飲み栓の直結化十四校を行いまして、全部で十八校の直結化を進める予定にしております。  なお、水槽等に貯留した水道水については、引き続き生活用水として利用するとともに、災害時には飲料水などにも利用が可能な仕組みにしてまいります。  本事業が終了する平成二十二年度以降におきましても、改築工事や大規模改修工事等の実施の際には水飲み栓の直結化を進めるとともに、あわせて老朽化した直結配管の取りかえなども順次進めていきたいと考えております。 ◆山内彰 委員 それでは、次に参ります。  さっきの配水というのは、配るほうの水という意味で言ったつもりです。  本区では、夏休みを短縮し、八月中に二学期が始まります。少しでも授業時間を確保することだろうと考えています。私が中学校に勤めていたころも補習が始まっていたような記憶があります。最近、公立学校が学習塾と連携し、補習を実施しているという事例が各地で見られますが、世田谷ではどう考えておりますか。 ◎直田 副参事 塾と連携して補習を行っているという事例はございませんが、区教育委員会では、放課後等の時間に、基礎的、基本的な学習の定着を図ることを目的とした放課後補習授業のための講師を派遣しまして、現在、ほぼすべての中学校で実施しているという状況でございます。 ◆山内彰 委員 大田区教育委員会では、新年度から、来年度から、放課後や土曜日に全小中学校で希望者を対象にした補習を無償で実施することを決めたとあります。正規の教員とは別に、教員免許状を持つ二百人を学習指導講師として採用して指導に充てるそうです。  補習対象は、小学校三年生から六年生、六十校に対し、中学生全学年、二十八校で、小学生は算数、中学生は数学と英語について実施し、算数、数学では、教科書に準拠した共通のテストを、まず正規の授業で年間二十から三十回実施し、一定のレベルに達しなかった児童生徒のうち希望者に、補習専用につくったドリルを使って無料で指導する、英語については、英検四から五級のテキストを無料で配り、補習で指導する。  放課後補習は各校で週四から十二時間程度になる見通し。土曜補習は年六回、全校で共通日を設定し、午前中に二時間実施したいとしています。  子どもを教える学習指導講師については、教員免許状を持っていることが原則で、既卒の教員志望者や退職教員を考えており、非常勤の身分で各校に二、三人配置し、基礎学力の底上げとともに雇用の確保にもつなげるという考えだそうです。  現在、世田谷区ではそういうお考えはあるのでしょうか。そして、今後の方向についてお教えください。 ◎直田 副参事 現在、世田谷区では世田谷九年教育の検討を進めているところでございます。この世田谷九年教育検討委員会において、学校運営体制や九年間を通したカリキュラムなどを検討しておりますが、その中で、こうした放課後等の補習のあり方や、その指導体制についても議論が行われております。こうした検討を迎えまして取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆山内彰 委員 それでは、次に、質問へ行きたいんですが、時間の関係で、私の感想だけをちょっとお話しして終わりにしたいと思います。  卒業式の歌というのは時代を反映していると思うんですよね。どの学校の児童生徒も非常に大きな声で歌って、見ている人たちもすごく感激する、そういう場面です。その歌、ことしはやるのが、やなわらばーという石垣島出身の歌手らしいんですけれども、その「ぷれぜんと」というのが幼稚園とか小学校なんかで歌われるのではないかということが言われています。  私、この歌に対して、子どもたちは本当にいつまでも覚えていますので、例えば成人式とかそういうところで多分もう何回かやられていると思いますが、そういう場面でもう一度歌う。そして、一つの節目としてその歌が子どもたちの成長に役立つことになればいいかなと思っています。そのことを助けるような施策というか、そんな難しいことではないと思いますので、今後考えていっていただければありがたいかなと思いまして、皆さん方、野球が気になると思いますので、ここで終わりにしたいと思います。 ○菅沼つとむ 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは、休憩いたします。     午後零時時十七分休憩    ――――――――――――――――――     午後一時十分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆下山芳男 委員 大分気温も上がっていまして、午後のこの時間、なかなかつらい時間なんですけれども、一生懸命やりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  最近、朝、新聞をとりにポストに行きますと、チラシがたくさん入った分厚い新聞を持ってくると思います。スーパーのチラシであるとか家電の量販店、それから不動産などと一緒に、入学試験の結果を誇らしげに掲載した塾のチラシがたくさん入っているのに気づくわけですけれども、需要があるからこそ、これほど多くの塾が経営できているんだなというふうにつくづく思うんですが、その数には本当に驚かされるような数だと思います。  そんな折、平成二十年度文部科学大臣優秀教員表彰というのが行われまして、全国で八百二十六人の教員の方が表彰されました。私が調べた限りでは、世田谷区の公立小中学校からは、小学校二名、そして中学校一名の合計三名の教員の方が表彰されていると思います。大変すばらしいことだと思うんですが、この三名の方は、いずれも学習指導がすぐれているということの表彰だったと思いますが、どのような内容での受賞であったのかお伺いをいたします。 ◎小島 教育指導課長 平成二十年度文部科学大臣優秀教員表彰において表彰された東京都の公立小中学校の教師は全部で二十四名であります。そのうち世田谷の区立小中学校で表彰されたのは、委員おっしゃったように、小学校二名、中学校一名の合計三名でございます。  まず、小学校の教員一名は、東京都の教育研究員として道徳教育の研究を深めたほか、世田谷区においても、初任者研修会で道徳の模範授業を実践したり、初任者の育成に尽力をしました。また、区の道徳資料作成委員としても長く副読本の編集にかかわり、道徳教育の推進に貢献したことが受賞の理由となっております。  また、他の二名の教員は、教科「日本語」の新設に当たり、作業部会に所属し、教科用図書や指導案の作成等に貢献したほか、区内の教員に対する研究授業等を行い、また、教科「日本語」の推進に貢献したこと等が受賞の理由となっております。  区教育委員会といたしましても、こうした世田谷区の教員の成果が国全体で評価されたことを一つの契機として、今後とも教育の一層の充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆下山芳男 委員 今お話にあったように、なかなか世田谷区の先生方も頑張っていらっしゃるなということで、引き続きしっかりとやっていただきたいと思います。  それでは、中学校の部活動、文化部も含めての部活動について質問させていただきます。  資料によりますと、埼玉県では、一九九四年から九七年の四年間で約五百五十八の中学校運動部が休廃部となり、大阪府においては、一九九七年から二〇〇〇年にかけて、中学の運動部が三百七十三部、高校運動部が四百四十四部、休廃部に追い込まれたと書かれております。  また、東京都の教育委員会は、都内の公立中学校で毎年度二百以上の部活動が指導者不足などの学校側の事情で休部や廃部に追い込まれている事態を深刻に受けとめ、外部の人材を部活動の顧問などとして有効活用する教育人材バンク構想を進めているとのことです。  改訂された学習指導要領では学校教育の一環と位置づけられ、授業など教育課程との関連を図るよう明記されています。間もなく二十一年度を迎えますが、今年度、区内中学校において、顧問教員の人事異動等の指導者不足により部活の休部、廃部があったのかどうか、その実態についてお伺いをいたします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 区立中学校の部活動の休部、または廃部の状況でございますけれども、二十年度におきましては、運動部については二つの部、文化部では五つの部活動が休部や廃部になっております。その理由といたしましては、入部希望者がなく休部、廃部になったものでございます。教員の人事異動等、指導者不足による休部や廃部になった部活動があったという実態は報告されておりません。 ◆下山芳男 委員 区内ではそういったことはなかったということですね。  生徒数の減少とか、生徒のスポーツや文化活動に対する考え方にもかなり変化があると思いますが、運動部、文化部への入部については、生徒の参加状況には変化があるのでしょうか、お願いをいたします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 生徒の部活動の参加状況でございますけれども、平成十七年度と比べてみますと、平成十七年度は、運動部では五千五百八十三人、文化部では一千六百二十七人ということで、総数で七千二百十人、生徒数に対する加入率としましては七三・八%でございました。平成二十年度は、運動部が五千九百八十六人、文化部が二千二百五十一人、総数で八千二百三十七人で、加入率につきましては八三・二%となっております。平成十七年度から見ますと、加入率で九・四%の伸びとなっております。 ◆下山芳男 委員 やはり部活というのは非常に大切なものだと思いますので、これからもアップするようにお願いしたいと思います。  小学校から中学校への進学を考える場合、例えばスポーツで部活動を続けられるかどうかというのが、本人にとっては大きな問題であると思います。現在、運動が苦手であるとか、また競技として運動をしたことがない教員がふえている状況があると聞いておりますが、すぐれた技術や知識を持つ地域や近隣の大学などの人材に指導していただくことができれば、生徒も部活動の楽しさや意欲が増すと思います。  世田谷区教育委員会では、まだ部活動の学校教育にかかわる位置づけが明確にされていない平成十八年四月に、全国に先駆け、教育委員会規則で、中学校はその管理下で部活動を行うと規定し、学校の教育課程外の教育活動としていますが、外部の人材を活用する部活動支援員の状況についてお伺いいたします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 部活動支援員につきましては、外部指導員という形で導入しました平成十二年度には百七十四名であった指導員が、平成十八年度、部活動支援員制度導入後、毎年増加しておりまして、今年二月一日現在では四百二十五名の方が支援員という形でご協力をいただいております。内訳といたしましては、監督百二十三人、指導員二百九十人、顧問サポーター四人、大学派遣生八名となっております。  なお、学校からは、支援員制度導入の成果として、教職員の負担が少なくなった、休部、廃部が減った、顧問が専門分野でなくても、支援員の指導で技術向上が期待できるとの声が寄せられております。 ◆下山芳男 委員 少しずつですけれども、大分多くの方が中学校の部活動を支えてくださってきているということで、少し安心をいたしました。これからも部活動が安定した指導体制のもとで推進され、部活動の楽しさ、厳しさ、そして協力し合うことの大切さを実感できるような部活動ができるよう、一層の充実をお願いしたいと思います。  ところで、平成二十一年度予算を見ますと、部活動の支援として約九千二百万円が計上されていますが、多くは部活動支援員制度を支える経費だと私は思うんですが、部活動の充実に向けて、二十一年度に実施する取り組みがあれば教えていただきたいと思います。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 平成二十一年度部活動支援の取り組みといたしましては、熱中症予防対策として体育館に大型送風機を配置するのに加えまして、新たに特別技術指導者支援事業、また安全管理研修事業、大会審判補助事業等を計画しております。  特別技術指導者支援事業としましては、一流のアスリート、アーチストを一定の回数、継続して学校に派遣し、技術指導、それに加えて部活動に取り組む姿勢や態度につきましても指導していただくことで生き方等も学んでいくことを目的に、来年度、四校程度を実施拠点校として選定し、実施する計画でございます。  安全管理研修事業は、部活動支援員に対しまして、今まで実施してきました対症療法的な救急法の学習だけではなく、予防の視点から部活動中の安全指導、健康管理等の研修を実施いたします。  また、大会審判補助事業は、世田谷区中学校体育連盟主催の各種大会の審判員派遣に対して支援するもので、各競技団体等と連携協力し、審判員派遣を支援し、教員を支援しているものでございます。 ◆下山芳男 委員 信頼される部活動が行われるように、指導員への指導もしっかり行っていただきたいと思います。また、新たな事業につきましては着実に実行していただくよう要望して、次の質問に移ります。  部活動の質問の後に、学力の向上と体力の増進という、どちらも大切でおろそかにできない課題について質問させていただきます。  ゆとり教育から学力の向上にかじが切られ、新学習指導要領が完全実施となる平成二十三年度までの移行期間である二十一、二十二年度の学校行事や授業時間については、全国の学校でさまざまな取り組みがなされています。  例えば日野市の場合、年間授業時数の増加した分を、都民の日と開校記念日の従来休日であった日を授業日とするほか、土曜日に授業をした場合、月曜日を振りかえ休みとしていたものを、年六日については振りかえをしない、午後の授業がふえることに対応して給食の回数を五回ふやしたり、家庭訪問は夏休みに実施するなどの方針であるとのことです。  世田谷区の中学校では夏休みを短くしたり、小学校では十五分単位の学習時間を学力向上に生かすなど、学校現場ではさまざま工夫されているようですが、区教育委員会としてはどのような方針で進めていくのかお伺いをいたします。 ◎直田 副参事 委員ご指摘のように、区立中学校では八月二十五日より第二学期を開始し、授業時数を確保するとともに、各中学校が創意工夫した教育活動を展開できるようにしております。各学校では、新しい学習指導要領への移行に向けて、各教科等の指導内容について校内で研修を深めるとともに、指導計画の見直しや時間割の見直し等を行い、授業時数の確保も含め、さまざまな教育課程の工夫、改善を行っております。  区教育委員会では、学校週五日制の趣旨を尊重しつつ、校長の判断で事前に教育委員会に届け出ることにより、都民の日や開校記念日を授業を行う日とすることもできるようにするなど、各学校の取り組みを生かせるように支援しているところでございます。今後も新しい学習指導要領への移行を円滑に進め、より質の高い学校教育の実現に引き続き努めてまいりたいと考えております。 ◆下山芳男 委員 やはりそれぞれの学校の特色を生かすような、学校の主体的な取り組みができるようにお願いしたいと思います。  また、体力の低下については、昭和六十年前後をピークにして、その後二十年以上、少しずつ低下が続いています。体格は大きくなっているのに体力の低下というのが続いているわけですけれども、千五百メートルの男子の記録で見ますと、現在の十三歳の男子生徒の平均時間が六分四十八秒、父親世代の十三歳のときの平均時間は六分二十秒、距離に換算しますと約百十メートルの差ができているそうです。また、女子の千メートル走の場合は、現在が四分五十八秒、母親世代が四分三十八秒、距離にして約七十二メートルもの差があると言われております。  体力の増進については、重要な課題であることは認識していても、対応には、学校だけではなく、子どもたちの生活全体の変化によることでもあり、状況を向上に変えるのは大変難しいことと思いますが、この状況の中でどのように進めていくのかお伺いをいたします。 ◎直田 副参事 体力は、健康の維持のほか、意欲や気力の充実にも大きくかかわっており、大切な課題であるというふうに認識をしております。  区教育委員会では、すべての区立小中学校の体育主任を対象といたしました健康教育推進研修会におきまして、健康教育、体力づくりの研究指定校の研究の成果を報告しております。また、夏の研修会では、新たに小学校一年生から取り扱うこととなりました、体力を高めることを目的とした体づくり運動の実技にかかわる研修会なども実施しております。  各学校では体育の授業におきまして、子どもたちの十分な運動量を確保するとともに、子どもたちが進んで運動に取り組めるよう、運動の場やルールを工夫しております。また、体育の授業以外ではマラソン大会や縄跳び大会などを実施するなどして、学校の実態に応じた教育活動を工夫しているところでございます。  区教育委員会といたしましては、引き続き体育実技に関する研修会を実施したり、区内のすぐれた実践をもとに、体育の指導資料集、授業お助けブックを作成しまして、すべての小学校の担任教師に配布して指導に生かすようにするなどして、体育の授業の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◆下山芳男 委員 本当に体力というのは学校だけではなかなか難しいと思います。私の家族の子どもたちの生活を見ていましても、ゲームやパソコンで費やす時間がふえて、見るスポーツへの関心は高くても、なかなか行うスポーツへの関心が低いように感じるわけです。  体力の増進には家庭と地域の理解と協力が欠かせないと思います。先日の区民生活の領域でも総合型スポーツクラブの有効性について述べさせていただいたんですが、その総合型スポーツクラブの役割の第一は子どもの健全育成であり、高齢者の健康づくり、世代を超えた地域との連携であるわけですから、学校としても体力の向上への期待を込めて積極的な連携を期待すべきと思いますが、総合型スポーツクラブについてどのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 地域住民の方によって自主運営で進められております総合型地域スポーツクラブや、また、スポーツ少年団等、少年少女を対象とするような地域スポーツ団体等の活動は、子どもの体力向上に大きな役割を発揮していると認識しております。  区教育委員会や学校では、子どもを対象に地域で活発なスポーツ活動が展開されるように、学校施設等の教育資源を有効に活用していただくなど、団体関係者との連携を図り、ハード、ソフト両面から協力を行っているところでございます。  今後も地域のスポーツ団体の活動を支援し、学校が子どもの体力向上と地域スポーツの振興の核になるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆下山芳男 委員 ぜひ積極的な後押しをお願いしたいと思います。  スポーツだけでなく、文化クラブを加えれば、高校生、大学生や、もちろん子どもたちを含めて、世代を超えた地域の力をさまざまな教育の現場で生かすことができると思います。ぜひこれはしっかりと対応していただきたいと思います。  ちょっと蛇足になりますけれども、兵庫県の総合型スポーツクラブというのは、スポーツクラブ21ひょうごという事業がありまして、ここでは兵庫県全小学校区で八百二十七の総合型のスポーツクラブができていまして、会員の総数は三十四万三千七百人を超えるというふうになっております。世田谷区の事情とはまたいろいろな事情が違う点があると思いますけれども、ぜひとも総合型、皆さんと力を合わせて進めていくことがいいんじゃないかと思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。  次に、午前中の質疑に、他の会派からもあったんですけれども、平成二十一年度予算の新規事業に区立中学校非公式サイト等対策の検討という項目がございます。広島市では、児童生徒をインターネットの有害情報から守る取り組みとか、一日じゅうテレビを見ないで過ごすというノーテレビデーの取り組みなど、そういうような取り組みがあるようです。また、埼玉県教育委員会では、深刻化するネットいじめ対策として、その温床とされる学校非公式サイトなどを監視する専門の担当者を新年度から独自に雇用する方針だそうです。悪質な書き込みを見つけて、サイト管理者に削除依頼するなどして、姿なきいじめに目を光らせる取り組みと言われております。  そこでお聞きしますが、世田谷区が新たに非公式サイト等対策の検討を始めた目的、これまでの経緯、どのような経緯なのかお伺いをいたします。
    ◎小島 教育指導課長 情報ネットワークの急速な進展に伴いまして、児童生徒がインターネット等を介して、これまで想定されなかった事件や事故に巻き込まれるケースが頻繁に報道されるようになってまいりました。  こうした状況を踏まえて、学校非公式サイト等にかかわる問題の未然防止策などを検討することを目的として、昨年八月に世田谷区立学校非公式サイト等対策検討委員会を設置いたしました。これまでに検討委員会では、区立中学校の学校非公式サイトにかかわる実態を把握することを目的に、区立中学校の生徒と教員を対象にした実態調査を実施し、現在、大学の研究機関に依頼して調査結果の集計、分析を行っているところです。  生徒を対象とした実態調査につきましては、パソコンや携帯電話等の端末機の所有・利用状況、学校非公式サイトについて知っているかどうか、区立中学校から抽出した八校、約二千人の生徒を対象に実施いたしました。  また、教員を対象とした調査につきましては、すべての区立中学校の校長、副校長、主幹教諭、教育の情報化推進リーダーを対象に、また、生徒を抽出した中学校八校につきましてはすべての教員を対象に、学校非公式サイトについての認識や指導の状況などについて調査を実施しております。 ◆下山芳男 委員 私はネットのこういった問題について余り知識がないんですけれども、今のお話ですと、いろいろな調査、そして分析を今依頼しているということです。この予算は約二百八十万円ということだと思うんですが、実際にはどのようなことをやるのか、もう一度具体的なあれをお願いしたいと思うんですけれどもね。 ◎小島 教育指導課長 検討委員会では、中学校の生徒及び教員に対する調査結果をもとに、学校非公式サイトを初めとする、子どもたちのインターネットや携帯電話の利用から生じるさまざまなトラブルへの対応策等に取り組んでまいります。平成二十一年度は、検討委員会の検討を今年度に続いて継続するとともに、インターネット上の区立学校に関する学校非公式サイト等の実態についても明らかにするために、ウエブ調査、それから区立中学校保護者を対象とした子どものインターネット利用に係る意識調査等を実施する予定でございます。 ◆下山芳男 委員 こういったいわゆるネットのいろいろな課題というのは、日々進むといいますか、非常に変化が激しい課題だと思いますので、迅速、そして適切な対応をお願いしたいと思います。また、このネットなどの問題は家庭とともに取り組む必要性が非常に高いと思います。  そこでお伺いをいたしますが、家庭教育の重要性が指摘されていながら、私の感じでは、まだまだ学校任せの保護者も多いように感じます。家庭教育について、教育委員会がどのようなところに力点を置いておられるのかお伺いいたします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 区では、すべての教育の出発点であります家庭教育を充実させるために、今年度、世田谷区家庭教育支援推進区民会議を設置いたしまして、家庭教育支援推進区民大会を開催するなど、家庭、地域、学校、行政が一体となって、世田谷区全体で家庭教育支援の取り組みを一層推進していこうということで、今推進しているところでございます。  中でも家庭教育を担う直接の当事者である保護者への啓発や支援は大変重要なことから、区立幼稚園、小中学校のPTAに委託しております家庭教育学級につきまして、PTAと意見交換しながら、学級の持ち方や内容等の一層の充実を図っているところでございます。  また、区立小学校では、PTAと連携し、新たな家庭教育普及に関するリーフレットを作成、配布し、今後、学校と保護者が協力して活用する取り組みも計画しております。  一方、区立中学校PTAでは、学校と一体となって生徒のマナーに関する調査を実施しましたが、調査結果を踏まえ、中学生のマナーを向上するための今後の取り組みについて検討しております。  今後も、教育委員会では、学校と家庭が連携しながら協力して家庭教育を充実していく取り組みの推進に努めてまいります。 ◆下山芳男 委員 これから本当にいろいろな課題というのは、学校だけ、また家庭だけというわけではなくて、学校、家庭、そして地域を巻き込んでいろいろな対策に取り組んでいただかなくてはならないと思うんです。  私も以前、PTAの役員等をやっていたんですが、その当時もなかなかPTAの役員になっていただく方が少なくて、仕事をいろいろ分割したり、それから前期と後期を分けてみるとか、非常にいろいろな取り組みをして、何とかPTAの役員というのを決めて運営してきた経験もあるんですが、今でも、私がいろいろなところに出ますと、なかなかPTAが決まらないというようなお話を聞きます。  特に中学校では三年間ということもありまして、役員のなり手がなかなか少なく、新年度になってからようやく役員が決まるというようなお話も聞くわけですけれども、今出たネットの問題とか、また最近、やはり高校受験への対応など、本当に家庭と学校が一緒になって取り組まなければならない課題も多いと思います。  積極的な保護者の対応が望まれるわけですが、保護者の意識の啓発についても、やはり教育委員会にとっては大きな課題だと思うんですが、その辺はどのようにお考えか、伺います。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 PTAは、保護者と教師が子どもの健全育成や幸福を願い活動し、教育条件の整備等にも大きな役割を果たしております。また、研修その他の活動を通じまして、現代社会の中での子育ての課題等について学び合い、成果を上げていると認識しております。  特に中学校のPTAでは、子どもの成長に伴うさまざまな課題に対しまして、目前の高校受験といった進路など、小学校とは違った条件を抱えながら活動していただいております。このような中で、各学校のPTAや連合体では、みずからの活動のあり方を検討し、現代の社会情勢、また会員の状況に合った活動形態を模索しているところでございます。  教育委員会といたしましては、今お話にありましたネット等の問題も含めまして、PTAの自主的、自発的な活動を尊重しながら、活発な研修、また活動が展開できるよう、相談しながら活動の支援をしてまいりたいと考えております。 ◆下山芳男 委員 やはり保護者と学校といろいろな問題を共有しなければならないと思うんですね。私も先日ちょっと新聞を読みましたら、なかなか中学校のPTAの会合に出てきていただけないということの学校の問題で、やはりPTAの役員が中心になって、単発的な会合ではなくて四回シリーズで、いわゆる高校受験についての、それぞれ学校、それから専門家、そして先輩たちのいろいろな話を聞く機会を四回連続で行った事例を読みました。そういったことによって、やはり次第に学校に対する意識が高まって、PTA全体としての意識が高まったというような記事を見ました。ぜひ参考にして、保護者たちが自発的に問題に取り組むような進め方をお願いしたいと思います。  それから、最後になると思うんですけれども、学校関係者評価という制度についてお伺いをいたします。  私も、実は母校である小学校の学校関係者評価の結果を見せていただいたんですけれども、児童生徒はもちろんのこと、それから保護者の方も非常に回収率がよくて、地域の方たちの関心もかなり高くて、学校にとっては非常に役立つデータが得られていると思います。特に、子どもたちが先生の指導をどのように感じているか、また、保護者が子どもたちの評価について、先生たちの評価が納得できるかどうかというような非常にわかりやすい項目がありまして、私も非常に興味深く見せていただきました。  これは非常に大切なデータだと思いますので、学校改善には大変役立つと思います。このデータをどのように生かしていくのかお伺いいたします。 ◎直田 副参事 十八年度から学校外部評価を実施しておりますが、本年度から、学校教育法の改正を受けて、学校関係者評価ということで改善を図ってきております。この学校関係者評価を各学校では学校経営方針等に反映させて学校運営をしているという状況でございます。今後も学校の改善が図られるように、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆下山芳男 委員 それでは、自民党の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、公明党、どうぞ。 ◆飯塚和道 委員 今、日本は歴史的厳しい経済状況を迎え、将来を見据えた人材で立つ日本にとって、今こそ教育の深さが未来を決定するのではないでしょうか。  かつて司馬遷は「史記」の中で、国の衰亡は戦乱等によるものではない。人間の基本を失ったときに起こるとして、「もとを失う」と表現しました。すなわち、国の基本は人であり、地域が総がかりで人を育てる教育が実現されていかなければならないと思います。  そのためには、社会全体が本来持っている教育力の回復で、例えばすべての小中学校を支援できるように地域教育基盤の整備充実を加速させるなど、学校、家庭、地域が協力するためのシステムを刷新する必要があります。また、学校におけるキャリア教育、職業教育などの抜本的な充実であります。社会に出ていく子どもたちに、学校段階から生き抜く力を身につけさせるという観点から、教育制度を再構築しなければならないと考えますが、教育長のご所見をお聞きいたします。 ◎若井田 教育長 委員ご指摘のように、資源の乏しい我が国が未来を切り開いていくためには、基本は人であり、人を育てる教育の実現が何よりも重要であると考えます。そのために、教員と子どもたちとのよき師弟関係に結ばれた信頼と誇りの持てる学校教育の推進、また、地域の宝である地域の子どもたちをともに育てる、家庭、地域、学校の教育基盤づくりが何よりも重要であると考えます。  区教育委員会は、平成十七年三月の教育ビジョンの策定以来、その実現に向けて全力を尽くしてまいりましたが、昨年九月の世田谷九年教育検討委員会の中間まとめにおきましては、世田谷区の児童生徒、保護者、区民の学校教育への高い期待にこたえるために、義務教育九年間を通した質の高い教育を構築する必要性が示されたところでございます。  子どもたちが自他を敬愛し、理想と志を持ち、どのようなときにも力強く生きていく自立した個人として育つよう、議会を初め、保護者、地域の方々のご意見も十分にいただきながら、教育ビジョン第二期行動計画の実現のため全力を尽くしてまいります。 ◆飯塚和道 委員 またもう一点は、やはり教育の基本は先生と子どもたちの信頼の構築にあると思います。そのために、先生が子どもたちと向き合う時間を確保できるよう、今後とも教職員定数の大幅増等さまざまな、大胆な教育改革を望みますので、よろしくお願いをいたします。  次に、先ほどからも出ておりますけれども、児童生徒の体力について伺います。  文科省は本年一月、全国の小学校五年生と中学二年生を対象に、初の一斉調査となる体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を発表しました。低下が指摘される子どもの体力を正確に把握し、今後の取り組みに生かすことが目的で、全国の約七割の小中学校が調査に参加したと聞いております。一斉調査を実施した文科省によりますと、抽出調査でピークだった一九八五年に比べ、男女とも、小学校では反復横跳びを除くすべての種目、中学校では全種目で当時の平均値を下回るなど、全国的な子どもの体力低下が浮き彫りになっています。  世田谷区の実態はどのようになっているのでしょうか、お伺いをいたします。 ◎直田 副参事 今年度実施されました全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を見ますと、各種目の世田谷区の平均値は、東京都の平均値をおおむね上回っておりますが、全国の平均値を下回っており、全国と東京都の平均値の間に位置しているということが言えると思います。  小学校の長座体前屈と五十メートル走、立ち幅跳びについては、男女ともに全国の平均値を上回っておりますが、小学校のソフトボール投げにつきましては、男女ともに東京都の平均値を下回るという結果になっております。 ◆飯塚和道 委員 東京都ですと、小学男子が四十七都道府県中四十位、また、中学生男子が四十四位、女子が四十二位で、全国平均をかなり下回っている。  しかし、こういう中で注目を集めているのが、今回の調査結果でトップクラスだった福井県であります。合計平均点は、小学校で男女とも一位、中学校では男女とも二位であります。同県内では、大半の学校で活発に体育行事を行っているようであります。具体的には、二時限目と三時限目の間には週三回縄跳びをし、縄跳びの回数など、皆が明確な目標を持ち運動に取り組んでいます。また、五月と十月には全児童が参加しマラソン大会を行うとともに、九月には近くにある山を登山し、体力向上に励んでいます。  福井県は、今回の好成績の要因の一つに、県が毎年行っている独自の体力調査をやっていることを挙げております。県がまとめて全校に結果分析を返却、それを見て、各校は具体的な年間目標を立て、年度末に総括を行い、子どもたちは自分の体力をほかと比較し、個人目標を立てて努力することを毎年繰り返しているとのことであります。  また、さらに昨年四月からは、小学校を対象に放課後行うスポーツ大好きっ子育成事業をスタートし、ふだんスポーツに触れる機会が少ない児童に体を動かす楽しさを知ってもらい、体力の底上げにつなげるのがねらいとのことであります。  やはり子どもさんの体力向上が今強く求められますが、区はこれらの取り組みについてどのような見解をお持ちか、お聞きいたします。 ◎直田 副参事 区教育委員会では、過去四十年以上にわたりまして子どもの体力調査を実施しており、調査結果を各学校の体育の授業の改善に活用して十分な運動量を確保し、子どもたちが運動する楽しさや喜びを味わえるように取り組んでまいりました。また、区立学校の中には、朝の時間などを活用して持久走大会や縄跳び集会を実施している学校もございますが、学校の教育活動全体を通じて、体育、健康に関する指導を適切に行っていくことも大切であるというふうに考えております。  区教育委員会といたしましては、家庭への一層の啓発や総合型地域スポーツクラブなどの活用を通して、地域、家庭と学校が連携協力して、子どもたちの体力向上に向けた取り組みの充実を支援していきたいというふうに考えております。 ◆飯塚和道 委員 今回の調査結果でもう一つ見逃せないのが、いわゆる生活習慣と体力との相関関係であります。山内委員も触れておりましたけれども、今回の文部科学省の調査結果ですと、上位の県ほど早寝・早起き・朝ご飯を実践していると。実際、福井県の場合も、朝食摂取率が九割を超え、睡眠時間も全国平均を上回り、八時間から九時間という子どもが多く、逆に遅寝・遅起き・朝食抜きの子どもが多い都道府県は振るっておりません。  大阪教育大学の赤松教授は、外遊びの減少に加え、生活習慣が体力低下に影響しているのではないかと指摘をしておりますけれども、区の見解及び今後の取り組みについてお伺いをいたします。 ◎直田 副参事 子どもたちの心身の調和のとれた発達を図るためには、運動を通じて体力を向上させるとともに、食育の推進を通して望ましい食生活を身につけさせるなど、健康的な生活習慣を形成することが大切であると認識しております。  区立学校では、体育の年間指導計画や食育の全体計画を作成して、学校の教育活動全体で健康教育、体力づくりを進めております。  また、区教育委員会では、各小中学校の体育主任、保健主任、養護教諭、栄養職員を対象に、基本的な生活習慣の形成や食育なども内容に位置づけた研修会を実施するなどして、子どもたちの心と体の健康づくりを推進しているところでございます。  区教育委員会といたしましては、心身を総合的にとらえた健康教育をより一層充実させ、子どもたちの体力向上、健全育成に取り組んでまいります。 ◆飯塚和道 委員 子どもの健全育成の基礎となる体力向上へ一層の努力をしていただきたいことを要望しておきます。  次の問題に移ります。  文科省では、平成二十年三月二十八日に学校教育法施行規則の一部改正と小学校学習指導要領の改正を行いました。新小学校学習指導要領は平成二十三年度から全面的に実施することとしておりますが、平成二十一年度から移行措置として、一部を先行して実施することとしております。今回の改訂のねらい等について区の見解をお伺いいたします。 ◎直田 副参事 今回の学習指導要領の改訂は、教育基本法や学校教育法等の改正を受けた初めての改訂でございまして、生きる力を育成すること、知識、技能の習得と思考力、判断力、表現力等の育成のバランスを重視すること、道徳教育や体育などの充実により豊かな心や健やかな体を育成することが基本方針として示されております。  区教育委員会といたしましては、各学校がこうした学習指導要領の基本的な考え方を十分理解し、新学習指導要領への移行を円滑に進められるよう指導してまいります。 ◆飯塚和道 委員 豊かな心と健やかな体を育成するとありますけれども、この中でも、特に体育の充実も示されておりますが、具体的にどのように改訂されるのかお伺いをいたします。 ◎直田 副参事 新しい学習指導要領の小学校体育及び中学校保健体育の改善の基本方針は、体を動かすことを通して身体能力を身につけることや、コミュニケーション能力を育成することなどと示されております。  具体的には、例えば小学校学習指導要領解説体育編の中で、五、六年生のボール運動にティーボールなどが新しく示されました。また、中学校保健体育一、二年生では武道が必修化され指導されるなどの改訂がございます。また、平成二十三年度までに、小学校体育の授業時数は一年生から四年生で年間約十五時間増加となります。また、中学校の体育の授業が、平成二十四年度に全学年十五時間増加することなどが挙げられております。 ◆飯塚和道 委員 全体的に一割から一五%ですか、体育の時間が充実ということですけれども、中学校は柔道や剣道が、今までの選択制から、今度は二〇一二年度から必修化されるということでありますが、いささか課題が残るように思われます。  現在、全国の中学校で選択制が導入されている柔道、また剣道の実施状況は、文科省の調査によりますと、体育館で行う場合は、武道場で行うよりけがが二倍から三倍多く発生している。また、授業と部活動で柔道を行った際に起きたけがは、〇七年度は一万三千百四十一件、このうち武道場でのけがは四千四百二件だったのに対し、体育館や多目的ホールに畳やマットを敷き詰めて行った場合は八千七百三十九件、剣道でも、武道場での発生が千二百八十五件だったのに対し、体育館は四千三百三十三件と三倍以上の開きがあります。  全国の武道場整備率は約四六%とのことでありますけれども、当区の整備状況はいかがでしょうか。また、どのように対応を図られていかれるのかお伺いいたします。 ◎直田 副参事 委員ご質問の武道場の整備状況についてでございますが、区立中学校三十一校のうち、武道場が設置されている学校は二十五校となっており、約八〇%の中学校に武道場が設置されております。  中学校の武道の必修化につきましては、平成二十四年度の完全実施に向けまして、来年度から区内大学と連携いたしまして実技研修会を実施するとともに、安全対策を含めた武道指導の充実を図るための方策などを研究していく予定でございます。  さらに、区立中学校の教育研究会体育部との連携を通しまして、体育の指導内容、方法の改善、工夫を図るとともに、武道の必修化のための環境整備を含め、体育の授業の一層の充実に取り組んでまいります。 ◆飯塚和道 委員 小学校では今回、学習指導要領に新たにティーボールが加わるということでございますけれども、体力調査の結果、世田谷区では特にソフトボール投げが男女ともに東京都の平均値を下回っていると先ほど答弁されました。そのような観点から、ソフトボールとかティーボール等を通し改善が図られることを期待いたしますけれども、ティーボールなんかは特に先生自身に経験がなく、理解をされていない方も多いのではないか。そういう意味で、今後の取り組みについてどのように考えているのかお伺いをいたします。 ◎直田 副参事 新しい小学校学習指導要領解説の体育編で、小学校五、六年生のボール運動の一つとしてティーボールが示されております。新しく扱う種目だけに、教員がティーボールの意義などを十分に理解して指導することや、子どもたち自身がルールや試合の進め方を工夫しながら学習を深めていけるようにすることが必要であるというふうに考えております。  区教育委員会では、小学校の教員に対しまして、ティーボールを含めたボール運動の趣旨や内容の周知に努め、効果的に学習が実施されますよう、教育指導課訪問での指導や研修会に取り入れるなど、体育の授業の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆飯塚和道 委員 このティーボールなんかは、世田谷区はまだまだなんですけれども、実は毎年八月に、甲子園と同じように西武ドームで全国ティーボール大会が小学校三年生、四年生の間で行われているんですね。それで、世田谷区でも年に一チームなんですけれども、その西武ドームに行った子どもというのは、やはりあの松坂の投げたグラウンドで自分たちが体験できるといって、いわゆる思い出という観点からも、ぜひこれからも普及に努めていただきたいと思います。  また一方、ティーボールは、いつでも、だれでもが気軽にできるスポーツということで、例えば東村山市では、地域で毎年、子どもたちから高齢者が一体となって取り組んでおります。そういう意味でも、区としても取り組んでいただきたいのでありますけれども、教育委員会としての見解をお伺いいたします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 ティーボールは、とる、また打つ、投げる等の基礎的な運動能力向上だけではなく、ニュースポーツ全般に見られますように、だれもが気軽に親しみ楽しめることから、地域の活動や遊び場開放、また、新BOP等でも子どもたちの遊びの一つとして行われています。これからも、子どもから高齢者まで、だれもが気軽に地域で親しめるスポーツであるティーボールの振興につきましては、スポーツ振興課とも連携協力を図り努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆飯塚和道 委員 ぜひ連携を図りながら進めていただきたいと思います。  次に、不登校の問題についてお伺いをいたします。  不登校という状況が継続することは、ひきこもりの増大につながっていく可能性もあります。また、不登校経験者は総じて進学率が低く、就職率や高等学校中退経験の割合が高い傾向も示されております。不登校については、特定の子どもに特有の問題があることによって起こることとしてではなく、どの子どもにも起こり得るととらえ取り組んでいく必要があると考えます。  そこで伺いますが、区の不登校の実態、また、その要因について見解をお聞きいたします。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 毎年文部科学省が実施する調査におきまして、不登校につきましては、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的な要因、背景により、児童生徒が登校しない、あるいは登校できない状況にあるため、年間三十日以上の長期欠席の児童生徒、そういったとらえ方をしております。この定義に該当いたします区立小中学校における平成十九年度の児童生徒数でございますけれども、小学生が九十一名、中学生が二百九十二名でございます。  不登校の児童生徒数の割合では、小中学校ともに国、東京都の不登校の割合に比べまして若干下回っているものの、数そのものはここ数年横ばい傾向を示しているという中で、依然として重要な教育課題であるという認識をしているところでございます。  不登校の児童生徒数を学年別に見ますと、小中学校ともに学年が進むにつれて多くなる。特に中学校一年において不登校の割合が小学校に比べ大幅にふえる傾向にございます。  また、不登校の要因といたしまして、本人の問題に起因するもの、家庭生活に起因するもの、学校生活に起因するものなどが挙げられるところでございますけれども、多くの場合は、現在の社会環境の中で複雑に絡み合い、不登校という状態を生み出しているというふうに考えられるところでございます。このために個々の不登校の児童生徒の状態も多様化している、そういった現状になっているところでございます。 ◆飯塚和道 委員 不登校に対する支援の考え方でありますけれども、学校に登校することを最終目的にするのではなく、子どもが自分の進路について主体的に考えることができるように、将来の社会的な自立に向けて支援することが求められます。  区の支援に対する基本的な考え方及び不登校児童生徒への支援についての取り組みについて見解をお伺いいたします。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 現在は不登校対策検討委員会でご議論をいただいているというところがございますけれども、検討委員会におきましては、今後の不登校の児童生徒への支援の視点といたしまして、子どもの育ちを考えて支援する、早目早目の対応で支援する、地域全体で子どもを支援するという基本的な支援の考え方をまとめ、その支援を充実していく必要があるとしております。  学校での取り組みにつきましては、学校全体の組織的な支援体制の充実、校内での情報共有に向けた仕組みづくり、中一ギャップに対応した小中連携策の検討などが挙げられております。  また、教育相談体制の充実、特に不登校の子どもの状態等に応じた相談内容について総合的に対応する相談窓口の整備、新たなほっとスクールなど不登校の児童生徒の居場所となる場の整備、活動内容の充実の必要性などが盛り込まれているところでございます。  さらに、不登校の児童生徒の支援のために、区内の福祉や保健、医療などの専門機関との連携の強化、不登校への支援を行うフリースクールなどの民間施設や団体等との連携の推進などが主な取り組みとして挙げられているところでございます。 ◆飯塚和道 委員 区はこれまで、公明党の提案で、スクールカウンセラー、メンタルフレンドの導入、また、ほっとスクールの設置と取り組んでこられたことは大いに評価をいたしますけれども、さらなる拡充を求める観点からお伺いします。  一つは、相談機能を高める上で、やはり不登校相談窓口の設置をしてはいかがかと考えますけれども、見解をお伺いいたします。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、その検討委員会におきましては、児童生徒や保護者からの居場所や学習面、進路に関する相談や、在籍する学校やさまざまな関係機関等との調整など、不登校の児童生徒の状態に応じたさまざまな相談内容について総合的に対応する相談窓口の必要性が挙げられているところでございます。  新たな相談窓口では、個々の児童生徒の状態に応じまして、教育相談室での相談や、ほっとスクール、ひなぎく学級などの施設の紹介、それからメンタルフレンド派遣などさまざまな支援策を調整する機能を整備し、不登校へのきめ細かな支援を推進していく必要性を言われているところでございます。  区教育委員会といたしましては、検討委員会の最終報告をもとに報告書を取りまとめまして、不登校相談窓口を具体化していくために来年度検討を進めていく、そういった考え方でおります。 ◆飯塚和道 委員 ぜひ不登校の相談窓口の設置を求めておきたいと思います。  二つ目には、検討委員会でも取り上げておりますけれども、やはり不登校の居場所、いわゆるほっとスクールの拡充でございます。地域が偏在している、また、中途からなかなか入れない等の声も聞かれます。早急に整備をしていただきたいと思いますけれども、区の見解をお伺いいたします。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 検討委員会におきましては、ほっとスクールへ入る際の待機の解消や、通室する際の負担の軽減を図るために、やはり新たなほっとスクールなどの不登校の児童生徒の居場所の整備充実が必要であるとされておるところでございます。  区教育委員会では、検討委員会の最終報告をもとに、ほっとスクールなど不登校の子どもの居場所の整備充実などを具体化していくためにさらに検討を進め、来年度には具体的な案を作成していく予定でございます。  今後とも不登校の児童生徒の状況に応じたきめ細かい支援を充実していくために、積極的に推進してまいりたいと考えております。 ◆飯塚和道 委員 ぜひ積極的に推進を図っていただきたいと思います。  次に、学校をサポートするシステムづくりについてお聞きいたします。
     学校に理不尽な要求を繰り返す、いわゆるクレーマーと呼ばれる保護者や地域住民が大きな社会問題となっております。例えば野球ボールによる物損事故で恐喝やおどかしの言動を繰り返したり、また、虐待を児童相談所へ通告したことで、保護者が学校に暴言を繰り返すケース等、いわゆる学校だけでは解決困難なさまざまなケースに対し、区はどのように対応されているか、お伺いをいたします。 ◎小島 教育指導課長 学校や区教育委員会には、保護者の方々も含め、さまざまな方から教育活動についてご意見をいただくことがあります。学校では、ご意見が寄せられた場合には、校長が十分にお話を伺い、学校の意図や教育活動の実際、子どもたちの様子などについて丁寧に説明し、理解を得るようにしております。また、学校と児童相談所、警察、医療機関などの関係機関が連携し、さまざまな問題の対応に当たることができるように、サポートチームを設置したり、世田谷区法曹会と基本協定を結んだりして、学校への支援に取り組んでまいりました。  区教育委員会としましては、平成二十一年度より、臨床心理士、弁護士といった専門家を教育指導課で活用できる体制を整備し、学校への支援体制をより強化充実できるようにしてまいります。 ◆飯塚和道 委員 ぜひ学校への支援体制を強化していただきたいと思います。  最後に、保育園待機児解消、先ほども出ておりますけれども、これは喫緊の課題であり、本年、二校が分園として学校を活用されますが、学校施設内の保育園設置に対し、教育委員会の見解をお伺いいたします。 ◎霜村 教育総務課長 教育委員会ではこれまで、駒留中学校、砧南中学校、瀬田中学校、そして深沢小学校の四校で、学校敷地の一部を転用するなどして保育園を整備してまいりました。これらの学校内の保育園の様子でございますけれども、保育サービスの提供ということばかりではなくて、児童生徒が保育体験を行ったり、園児との交流を通じて豊かな情操を養うきっかけとするなど、特色ある教育活動の場としても活用されております。  また、このたびは保育園待機児解消の一環として、上祖師谷中学校と八幡中学校の校地の一部を保育園の分園の用地として活用することといたしました。今後とも児童生徒の教育上の効果も見定めながら、保育園の設置など、学校施設の有効活用に努めてまいります。 ◆飯塚和道 委員 この学校の分園というのは、平成十一年六月、全国で初めて駒留中学校に設置をされ、当時は文科省と労働省とのいわゆる縦割り行政で大変厳しい状況であったわけですが、区の教育委員会が本当に尽力して、全国初めての分園という形になった。ただ、当時、一方では、中学生と幼児では何か問題があるんじゃないか、そういう声も確かに聞こえましたけれども、それは逆に、今、駒留中学は毎年秋、運動会、中学生がブラスバンドで約五十人ほど、中学生が幼児に対して案内したり、いろいろお手伝いをしたり、いわゆる心と心の交流、そういう意味で、ただ単に保育園の設置というより、私は中学生にとってもむしろ大きな教育効果があるんじゃないか。  そういう観点から、教育委員会としても、さらにその辺は福祉と連携を図りながら、学校施設を思い切って、思う存分、遠慮なく福祉のほうで保育園として活用していただきたいなと思っておりますけれども、何かあれば。 ◎霜村 教育総務課長 教育委員会では、区全体の公共施設整備方針の考え方に従いまして、学校施設にさまざまな施設を併設するなど、施設の有効活用に努めております。  お話しいただきました保育園の分園の設置に関しましては、安全な保育活動のためのスペースであったり、安心して登園できる出入り口の確保など、一定の条件というのはどうしても生じてきてしまうわけですが、今、駒留中学校の例を具体的にお話しいただきましたように、保育待機児の解消ということばかりではなくて教育効果も見込めることから、引き続き子ども部としっかりとタッグを組んで、増設に向け努力をしてまいりたいと考えております。 ◆飯塚和道 委員 もう一つ言わせていただければ、あのとき、五つの余裕教室をやったんですね。それで、厨房、トイレ、また耐震補強、わずか二千万円でできたんです。二千万円で、今子どもさんが三十三名通っているわけです。そういう意味でも非常に効果がある。そういう点は、ぜひ今後とも子ども部とも協力していただきたいことを要望して、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ◆平塚敬二 委員 一般質問に引き続きまして、校庭の芝生化について質問してまいります。  まず、どうして校庭の芝生化が必要なのかという問題から確認したいと思います。  少し前になりますけれども、中央教育審議会が出した、子どもの体力向上のための総合的な方策について(答申)を見てみますと、「体力は、人間の発達・成長を支え、人として創造的な活動をするために必要不可欠なものである。したがって、体力は、人が知性を磨き、知力を働かせて活動をしていく源である。また、体力は、生活をする上での気力の源でもあり、体力・知力・気力が一体となって、人としての活動が行われていく。このように、体力は『生きる力』の極めて重要な要素となるものである」と提起しています。  さらに、「子どもの体力の低下は、様々な要因が絡み合って生じているものと考えられる。知識を過度に重視する大人の意識は、子どもの外遊びやスポーツの軽視につながった」「このようなとき、大人が子どもを取り巻く社会環境や知識偏重の価値観、乱れがちな生活習慣などを振り返りつつ、今こそ、子どものころから体を動かし、運動に親しみ、また、望ましい生活習慣を確立するよう、社会全体で取り組む必要がある」とありました。  ここでお聞きします。区ではこの間、子どもの体力低下にどのように対処してきたのか、取り組んできたのかお答えください。 ◎直田 副参事 子どもの体力向上を図るためには、子どもたちに運動することの楽しさや喜びを十分に味わわせ、進んで運動に取り組もうとする態度を育成することが大変重要であると考えております。そのため、体育の授業に関しましては、子どもたちが十分運動を楽しめるような場やルールの工夫、子どもが自分の課題を設定し、課題の解決を図っていくような学習を展開することなど、子どもができる喜びを味わえるよう、体育の充実を図ってまいりました。  また、体育の授業以外では、朝の時間や昼休みなど、子どもの遊べる時間と場所を工夫することや、マラソン大会や縄跳び集会などの実施など、体力向上に向けた年間活動計画の充実に取り組んでいるところでございます。 ◆平塚敬二 委員 さらに子どもが体を動かしたくなる施設・設備の充実では、「特に、学校や社会体育施設の運動場の芝生化は、転倒したときの衝撃が芝生により和らげられることから、子どもがけがを怖がらずに体を動かすことが促されることとなり、学校においては、体育の授業や休み時間などにおいてスポーツや外遊びが活発化することが期待される。また、芝生化された学校の運動場を開放し、そこに子どもや地域住民が集うことにより、地域の交流拠点となる」とありました。  そこでお聞きしますが、芝生化による子どもの体力向上の効果はどう考えますか、お答えください。 ◎伊東 施設課長 校庭を芝生化した学校では、従来よりも休み時間に校庭に出て遊ぶ子どもたちが多くなり、けがを怖がらないで芝生の上を走り回ったり、寝転がったりと、伸び伸びと運動する姿が見られるというふうに聞いております。また、体育の時間においても、けがの心配が少なくなったということから、ハードル走やバランス運動など、授業内容が多様化したとも報告されております。このようなことからの校庭の芝生化は、子どもたちの体力向上につながるのではないかと認識しております。 ◆平塚敬二 委員 芝生化は、子どもの体力向上に効果があるという認識を私も強く主張させていただきますけれども、その上で、じゃ、なぜ芝生化がなかなか進まないのか、一つには費用の問題があると思います。しかし、これも本当に心配はございません。東京都が二〇〇七年からスタートした緑の東京十年プロジェクトの校庭芝生化事業では、都は都内二千校での校庭芝生化を目標にしています。二十一年度、来年度は三十三億三千百万円の予算を計上しています。  また、この事業は、公立小中学校校庭の芝生化の補助と、あと、私立の小中高、また、公立、私立の幼稚園、認可保育園の芝生化モデル事業への補助です。通常の維持管理を学校と地域の協働で行うことにより、初期費用は一〇〇%助成されます。さらに、今年度から専門的維持管理に要する経費も三年間は二分の一が補助されます。  しかし、この事業は申請をしなくてはできませんので、そこでお聞きしますが、区ではこの間、この事業について何校に説明をし、芝生化への推進をしてきたのかお答えください。 ◎伊東 施設課長 現在、区では烏山北小学校を初め四校で校庭の芝生化を実施しておりますが、小規模な一校を除く三校では、ご指摘の東京都の補助事業を利用しております。  芝生化事業の学校への周知につきましては、他の緑化施策とあわせまして、毎年、校長会などを通じて説明するほか、改築時や、学校より問い合わせや相談があった場合には個別に応じているところでございます。また、都の補助事業の対象が幼稚園にも拡大されたことから、今年度は幼稚園の教頭会にも出向き説明を行いました。 ◆平塚敬二 委員 実際、校長会、あと幼稚園のほうにも説明されても、今現在は三校しか利用されていないという現状でございます。  ここで、私は視察してまいりました鳥取方式の芝生化についての少し詳しい説明をさせていただきたいんですけれども、グリーンフィールドの代表者であるニール・スミスさんの言葉をちょっと紹介したいと思います。  「芝は英語でグラスと言います。それは草という意味です。芝生は、芝や草、雑草など種類を問わず、それらを刈り続けることでできたじゅうたんのような形状です。だから、芝生は自動車という言葉と一緒であると考えてください。自動車にはロールスロイスのような高級車から中古の軽自動車というふうにピンからキリまであります。でも、日本人が芝生と考えているのは高級車ばかり、それで芝生化は高いと考えられている。  では、運転免許を取ったばかりの子どもに高級車は必要でしょうか。鳥取方式というのは方法ではなく概念です。日本にある芝生に対する固定概念を崩すことです。芝生はさまざまなランクがあって、芝生化は利用目的と具備すべき、整備するべき機能により五段階のレベルに区分して、芝生の利用価値に見合った施設、機械設備、管理作業を採用すべきです。私は今、一年間で一平方メートル当たり二十円以下で芝生を管理しようとしているんです。」この話は、視察したときに一番最初にされた話なんですね。  それで、きょうは表をつくってきたんですけれども、こういう形で、ピラミッド型の形をとると五段階であります。一番上のレベルファイブというのは、まさに国立競技場とか、年間で平米当たり千二百円以上かかるような芝生です。校庭は一番下のレベル一になると、実は河川敷とか空き地、ただ刈るだけですね。これでも十分芝というか、青いじゅうたんになるんですね。  これも見せていただきました。このレベル三ぐらいになると、校庭とか運動場、これはまさに施設として必要なのはスプリンクラーとか、年四十回は芝を刈ってくださいとか、あとは肥料をやってください、あと冬の芝をまいてください、これぐらいで一年間通してグリーンの芝生ができるということを証明していらっしゃいました。どうしても必要な施設としては、水がたまってしまうと芝は腐るということで、一%の傾斜をつけてください、これだけです。あとはもうスプリンクラーをつけるだけ、これで芝生ができるということでした。  あと、先日、他党のほうからお話があった、どうしても東京のグラウンドというのはダスト舗装だということで、今草が生えないようにしてあるんですね。それでも短期で工事ができないかということで、グラスミックス工法というのがあります。この方法は、実は今あるダスト舗装の上に、まず貯排水のパネル板を敷いちゃうんですね。その上に、これはグラスミックスという火山灰をまぜたような土を積みます。それをかたく踏み固めた上に、僕が見てきたのはポット苗式の方法じゃなくて、ビッグロールという、本当に芝ができた状態のやつを上からかぶしていく、これは短期間で芝生化ができます。  一番問題なのは、芝がすぐにはがれてしまうということが一番問題なんですけれども、このグラスミックスだとかむんですね。根っこがすぐ入っていくということで、これは短期間でできますし、こういった形でどんどん芝生の根が張っていけば、芝生がはがれることはないということでした。ポット苗式による芝生化というのも僕はすごく感動したんですけれども、あらゆる方法を使って芝生化を進めることのほうが重要だと僕は思うんですね。  さらに、来年度、都では校庭の芝生化に対してさまざまな広報とか普及啓発活動を行っていくということを言っていました。また、これを見てみますと、DVDの作成とか、出前でそういう説明会をするとかということもおっしゃっていました。こういうのをどんどん利用して、区内に紹介していただきたいと思います。  あと、校庭の芝生化は、なかなか踏み切れないその理由の中に維持管理に手間がかかるというのがありました。芝生の短所は、土と違って芝が傷むことなんだということを言うんですけれども、少し考えていただけるとわかるんですが、それは芝生が衝撃を吸収しているということだと。土のグラウンドでは、実は子どもが傷んでいるんです。これが現状なんですね。転ぶとけがをするんです。だから、力いっぱい走れない、これをニールさんも強く訴えていましたので、これは逆に芝生が傷むことによって、子どもが傷まないんだ、そこを強く強調していました。僕はそれは本当にメリットだと思っております。  ニールさんの視点というのは、いつも子どもに向けられていまして、またここで少し紹介したいんですけれども、「なぜ芝生なのかということ。最近は芝生化は温暖化防止と言われています。私は余り否定はしませんが、もっと単純な理由があります。それはスポーツが楽しい、体を動かすことが楽しいと思ってもらいたいからです。気持ちがいい環境を提供すれば、子どもたちは言われなくても体を動かします。芝生で一番いいのは転んでも痛くないところです。ふかふかして転ぶのが怖くない。  これがスポーツではどうなるか。一つの例として柔道と畳はセットです。ラグビーも芝生とセットなんです。では、コンクリートの上で柔道はできますかといったら、答えはイエスと言うんですね。でも、けがをしますと。それでは、だれもやりたがりません。けがをしないように練習は単調になります。だれも積極的にはやらないようになる。それでは世界との差が広がっていくばかりかもしれません。けれども、僕にしてみれば、土の上でサッカーやラグビーをすることは、コンクリートの上で柔道をするくらいおかしいと思っています」というふうにニールさんは言っていました。私も同感であります。  先日の一般質問の答弁で、現在の区内には、四校、約四百平米の芝生化をしています。二十三年度までに約五百平米の芝生化を計画しているとのお話でしたが、あと三年間でたったの千平米しか進まない計算になります。これでは余りにも消極的だと私は思うんですね。もう一度計画をちょっと見直していただいて、できるだけ多くの子どもに一日も早く芝生の校庭で思いっ切り走らせてあげたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。 ◎伊東 施設課長 校庭の芝生化を普及させていくためには、芝生校庭の魅力について、学校、地域への理解を広げ、協力を得ていくことが重要だと考えております。その際には、ご指摘のような芝生化の多少の傷みなどを許容するといった校庭利用のあり方について、学校、保護者、地域住民、利用団体といった関係者が相互に理解し、それに見合った維持管理方法、体制を、学校、教育委員会、地域が一体となって整備していくことだと考えております。  今後も区内外の事例研究を続けて、優良な事例など、さまざまな取り組みを紹介するとともに、学校改築の際には校庭芝生化を提案するなど、学校緑化推進計画を着実に推進し、学校、地域ぐるみで校庭芝生化に積極的に取り組んでまいります。 ◆平塚敬二 委員 積極的に取り組んでいただきたいと思います。  最後に、またニールさんが一番言っていたのは、芝生で一番大事なのは刈り込みして形状を維持することだとおっしゃっていました。刈り続けることで満遍なく日が当たれば、草というのはやっぱり生えてくるんですね。横に伸びて絡み合って根がついてふかふかしたじゅうたんができ上がる、この繰り返しだそうです。その上を子どもたちが走って、楽しそうに走っているのを見ていると、実は土の上で走るよりもタイムが縮まるというんですね。それは、子どもが転ぶことを恐れないで走ることで、自然と走るストライドが大きくなるというんですね。そういうことも教えていただきました。  ともかく本当に一日でも早く、一校でも多くの校庭で芝生化が実現して、多くの子どもたちが楽しく走り回る姿を見られることを思い描きながら、今後の取り組みに期待して、次の質問に移ります。  次に、肢体不自由児童生徒の地域の学校への受け入れの促進についてお聞きします。  まず現状をお聞きします。現在、肢体不自由の児童は何名地元の地域の学校に通っていますか。また、松沢小学校のきはだ学級には何名通っていますか。また、さらには都立の光明養護学校には何名通っているか、お答えください。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 区立の小学校の通常の学級に在籍している肢体不自由の児童数は、現在、移動の介助等の支援を受けている児童でございますけれども、八名おります。また、区立の松沢小学校の肢体不自由児学級、きはだ学級に在籍している児童は十名でございます。また、世田谷区の在住で、都立光明特別支援学校の小学部に在籍する児童は四十七名でございます。 ◆平塚敬二 委員 それでは、さらに中学校ですね。地元の中学校に通っているのは何名ですか。また、光明養護学校に通っている方は何名ですか。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 同じく区立の中学校の通常の学級に通学している肢体不自由の生徒数につきましては、介助等の支援を受けている生徒でございますけれども、三名でございます。また、世田谷区の在住で、都立光明特別支援学校の中学部に在籍する生徒数は二十四名でございます。 ◆平塚敬二 委員 地元の小学校に通っているのが八名いらっしゃって、また、きはだ学級が十名と。光明養護学校はやっぱり四十七名と、かなり多くの方が通っていらっしゃるということがわかりました。また、中学校では、地元でやっぱり三名の方しか通われていない。ほとんどが光明養護学校のほうに進まれているということがわかりました。  先日、他会派の質問に、中学校の肢体不自由の学校の開設に向けての準備を進めていくとの教育長のご答弁がありました。私もぜひ進めていただきたいと思います。しかし、世田谷区の教育委員会の基本方針の一番目には、地域とともに子どもを育てる教育の推進が掲げられています。私もこの基本計画には大賛成ですし、公教育の使命はまさにここにあると信じています。  そこで、特別な場合を除いては、子どもは地域の学校に通うのがやはり自然だと思います。そのためには学校施設のバリアフリー化の推進が必要です。  そこでお伺いします。学校施設のバリアフリーへの取り組みの現状と、特に肢体不自由の子どもたちの上下移動に欠かせないエレベーターや階段昇降車の整備は、小中学校で何校整備されていますか。 ◎伊東 施設課長 区教育委員会では、改築、改修の中でバリアフリーの充実を図っているところでございます。改築の際には、ユニバーサルデザイン推進条例に基づく整備基準に従いましてバリアフリー化を行い、だれもが利用しやすい施設整備を推進しています。  お尋ねのエレベーターの整備状況でございますけれども、本年度までに小学校十二校、中学校六校の合計十八校に設置済みとなっております。また、エレベーターが未設置で対応が必要な場合には、階段昇降車を七台用意しておりまして、学校への貸し出しなども行っております。 ◆平塚敬二 委員 小学校十二校、中学校が六校ということで、必要な場合には七台の階段昇降車を用意しているというご答弁でありました。また、新規の改築では、当然バリアフリー化を推進していただけると思いますが、既存の学校施設に後づけしていくことは構造面で難しいというお話も伺っております。地域での受け入れのためには、これは必須条件になりますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。  また、今後の学校施設のバリアフリー化についての区の考え方をお聞かせください。 ◎伊東 施設課長 エレベーター整備に関しましては、全面改築時のほか、耐震補強や、生徒の増加に対応した一部改築や増築時などにも導入を図っております。現在は、平成二十二年度七校、平成二十三年度七校、平成二十四年度一校、平成二十五年度二校の設置を計画しております。また、平成二十六年度以降も新たな学校施設整備基本方針に基づきまして年二校の改築を目指しており、今後も計画的な整備を進めてまいります。  また、車いす用のスロープ、段差解消設備、手すりの設置、トイレの洋便器への取りかえなどについては、必要に応じて、学校現場のそれぞれの状況などを確認しながら、その都度、具体的な対応を検討し実施してまいります。 ◆平塚敬二 委員 現状が十八校で、平成二十五年度までには十七校ふえる、合わせて三十五校ですので、現状の九十五校で言えば三分の一以上が整備されるということです。また、必要に応じては昇降車を貸し出すということですから、余り遠い距離にわざわざ車に乗っていかなくても、地域で通えるという整備が本当に必要だと思いますので、ぜひ今後も推進していただきまして、地域の中で通えるような状況をつくっていただきたいことを要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ◆佐藤弘人 委員 WBCの試合が何回まで行っているかわかりませんが、公明党の質問は最終回、私のほうで務めさせていただきます。予定より早いバトンタッチなので、皆さんのご期待にこたえて早く終われればいいなと思っております。  私のほうからは、初めに、教育環境のバリアフリー、バリアフリーといっても、ソフトの面のバリアフリーという観点で、大きく二つの項目からお伺いしていきたいと思っております。  大きな項目の最初に、色覚バリアフリー、カラーバリアフリーについてお話をしたいと思います。  平成十五年の十二月の一般質問と予算委員会と、それぞれ私は取り上げさせていただきました。ご存じの方も当然いらっしゃると思いますが、色は、だれにでも同じように見えているものではないし、また、ある人にとっては区別しやすい配色が別の方には区別しにくいということもございます。逆に、よく似た色の違いに大変敏感な方もいらっしゃると。そうした色弱とか、色覚障害とか、色覚特性などと称される見え方をする方は全国で今三百万人以上いらっしゃるというふうに言われています。  特にここ数年、この視覚情報の伝達技術というのが高度化したり、それから多様化して、さまざまな色の組み合わせによって情報を伝えるという機械だとか手法が多く用いられています。大事なのは、色を使って情報を伝えようとするとき、冒頭言いましたように、色の見え方というのは人それぞれであるということをまず留意すべきであって、その留意した上で、医療とか、教育とか、交通の場面において情報の送り手の意思が逆に伝わらなかったりとか、異なる受け方をされてしまう、こういうこと自体が起きてしまうことは、場合によって大変危険なこともございます。  そうした意味からも、社会全体としてカラーユニバーサルデザインという取り組みが今広がっておりまして、色の見え方とか感じ方が一般の人と異なる色覚にハンディキャップを持つ方に対して正しく情報が伝わるように配慮した製品とか環境づくりを進めようということで、民間の企業も今かなり切磋琢磨して、こうした考えを取り入れている現状がございます。  一番わかりやすいのは、東京メトロの地下鉄の路線図なんかは、最初は色だけで判別していたのを、色に数字を加えて、さらに路線の名前まで加えているのを、機会があれば見ていただければよくわかると思います。  学校現場において、じゃ、その辺についてはどうなのかということに話を進めさせていただくと、実は平成十五年の四月から、学校の児童生徒の定期健康診断の必須項目からこの色覚の検査自体が削除をされております。  この背景は、大半は学校生活に支障はないという判断のもとで、これが実施決定されたということを聞いております。だからといって、じゃ、教育活動上、全く配慮が必要ないのかというと、そうではないというふうに私どもの会派としては思っておりますが、まずこの点について、教育委員会事務局の認識をお伺いしたいと思います。 ◎直田 副参事 色の見え方や感じ方に配慮が必要な児童生徒が一定の割合でいることにつきましては承知をしております。区教育委員会では、一人一人の児童生徒の状況を十分に把握して、そのニーズに応じた教育を進めることが大切であるということを、各学校に繰り返し指導してきているところでございます。  委員ご指摘の色の見え方や感じ方について配慮が必要な児童生徒につきましては、各学校におきまして保護者との連携を十分に図りながら、プライバシーに留意して、必要な配慮を行っているものと認識しております。 ◆佐藤弘人 委員 大切な視点だと思います。この色覚にハンディキャップのある児童生徒にとってどのようなところに不便を感じてしまうのかとか、逆にどのような工夫をしておけば、そういった改善ができるかというのを、先ほど答弁にもありましたように、人を特定することなく認識しておくことが大変大切だと思います。  そうした意味において、文部科学省からも、実は平成十五年に色覚に関する指導の資料というのが策定されています。ここにあるんですけれども、これについては具体的にさまざまな項目が出ているんです。例えば色分けだけに頼らないとか、色と色の間に緩衝材のあるデザインを使うとか、この後ろにもありますけれども、黒板に赤チョークを使わず、白と黄色のチョークを主体に表現する。色の対比ですね、同じ色を対比させるときは、赤と緑よりも赤紫と緑を用いるほうが、これは判別がしやすいというようなことです。  それから、授業に用いるマーカーのペンの色とか、教材の選択の配慮等も、ここに細かく明示されているんですけれども、この色覚に関する指導の資料について、それぞれ世田谷区の学校現場ではどのように活用されてこられたか、これまでの実態を教えていただけますでしょうか。 ◎直田 副参事 文部科学省は、色覚検査が健康診断の項目から削除されたことに伴いまして、今議員のご紹介がありました色覚に関する指導の資料というものを作成しておりますが、その中では、色の見え方や感じ方に配慮が必要な児童生徒については、引き続き配慮を行っていく必要があることや、その具体的な例が示されております。  各学校では、例えば色の見分け方が困難な児童生徒がいるかもしれないという前提に立って指導を行ったり、配慮が必要な児童生徒がいる場合には、今ご紹介の資料のほか、さまざまな資料を参考にするなどしながら、保護者と十分に連携しながら必要な対応を行っているものととらえております。 ◆佐藤弘人 委員 ここの文科省の指導についてもそうなんですけれども、この色覚に関する指導に当たっては、やはりそういった対象に当たる児童生徒の方が特別視されることなく、また劣等感を抱かないように配慮していくのは当然なんですが、教育現場において、やはり教職員の方がこういった認識があるのとないのとでは、ちょっとした言葉遣いや行動において、逆に相手を傷つけてしまうということもあります。特に色を答えさせるようなことを質問にしてしまうと、それが大きく反動を呼んでしまうということがあります。  埼玉県なんかは、世田谷区にもあるんですけれども、こういう色覚バリアフリーガイドブックといって、かなり実例を踏まえて、この中に、こういった表現は丸で、こういった表現はバツですよというふうに書いているんですね。私もそうだったんですけれども、これは言葉で言うよりも、これを読んでいくと色と色の使い方でこういうことは非常にいけないんだなという判断ができる、とてもいい材料で、多分首都圏の中では一番いい教材というか、指導みたいなガイドブックをつくられているんです。  逆に、先ほど言いましたけれども、学校の教育現場においては、この色覚の検査が削除されたその背景の中で、それ以降、何らかのことで色覚に不安を感じてしまうような機会が児童生徒もしくは保護者の方にあった場合、例えば学校医などによる健康の相談の中でとか、希望に応じて適切な対応ができる体制というのは当然とっておかなくてはいけないと思っているんです。  これはなかなか公にはできない部分がありますから、水面下での体制づくりと言ったほうが適切なのかもわかりませんけれども、この点についてはどうなっていますか。 ◎直田 副参事 各学校におきまして、保護者や本人からそういった申し出があった場合、プライバシーに配慮しつつ、十分相談に乗れるように体制をつくっております。 ◆佐藤弘人 委員 ぜひよろしくお願いします。非常にデリケートな問題で、クラスに何人いるかとか、そういったことを言ってしまうと、これは原因としては遺伝という要因が非常に強いという学術的な所見もありますので、この点に配慮をしつつ、自然体の中で、こうした生徒の方にも同じ情報を、公教育の中で、教育の機会の均等という観点で機会を与えていただけるということを要望させていただきたいと思います。  次に、もう一つの大項目の中で、弱視用拡大教科書の普及についてを取り上げさせていただきたいと思います。  眼鏡をかけても小さな文字が見づらい弱視、これはロービジョンというふうに称されるそうですが、弱視の子どもたちのために、通常の教科書より文字などを大きくした拡大教科書の普及に向けた取り組みが今全国的に進んでおります。ご存じの方もいらっしゃいますけれども、弱視とは、矯正視力、いわゆる眼鏡などをかけて矯正しても視力が〇・三未満の状態を言うそうなんですが、ただ、見えにくさというのは、十人いらっしゃったら、十人とも違う。これは単なる視力の問題だけではなくて、例えば夜の暗さがとても嫌いな方もいれば、まぶしさが苦手な方もいる。それぞれの見え方に対する支援もワンパターンでいいということになかなかなりづらいそうです。  その数は、視覚障害者は今、全国で三十万人いらっしゃると言われているんですが、その約七割以上と言われていまして、義務教育段階では、盲学校には約五百五十名、弱視学級に約二百六十名、通常の学級には約千七百四十名程度が在籍しているという、〇五年度の文科省の調査が出ています。  特にもう一つ、この弱視というのは、私たち年をとってくると、加齢になるとだんだん老眼になってくる。そういった方も弱視という扱いになるそうなんですが、その加齢による弱視者の数というのは百万人以上というふうにされています。  拡大教科書というのは、そうした弱視の子どもたちのために、通常の教科書の文字を大きくしたり、もしくは太くしたり、図などもわかりやすく書き直した本のことを言うんです。  まず、この世田谷区において、義務教育課程での拡大教科書についての認識と必要性についてお聞きしたいと思います。 ◎小島 教育指導課長 現在、通常の検定教科書を使用することが困難な弱視の児童生徒のために、必要に応じて、今委員おっしゃったように拡大教科書を用いた指導が行われております。現状でも必要としている児童生徒がいらっしゃいますし、これはぜひ必要なものというふうに考えております。 ◆佐藤弘人 委員 何かあっさりした答えですね。  実はその拡大教科書を出版会社から借りてきました。これが小学校六年の国語の一般の教科書ですね。普通のはこういうふうになっています。この一冊の一般教科書に対して拡大教科書は三冊あります。文字がこんなに大きいんですね、こういう感じになります。(「ここから見てもわかる」と呼ぶ者あり)わかりますよね、こういう感じになります。  これは教科書出版の会社が出版している拡大教科書です。これは国語です。それから音楽。音楽は、これは通常の教科書で、普通であればこういう感じになっていますけれども、これは音楽も二冊になります。これは中学校の音楽の教科書です。音符がこういう感じになります。だから、これもこういう感じになります。  あと、私がびっくりしたのはこの金額ですね。実は、この国語の通常の一冊の教科書に対して三冊必要なんですが、何と一冊は三万二千円。ですから、これは一教科で九万円ぐらいするんですね。音楽に至っては一冊六万円。ですから、一つの教科書に対して、音楽だと十二万円するんです。  そういった状況がありまして、弱視と言われる児童や生徒さんにとってこの拡大教科書はやっぱり欠かせないものだということをよく教えていただきましたし、そういう現状もよくわかったんですが、ただ、実際では教科書協会というのがあって、ここに加盟する教科書の出版会社は四十四社あるんですけれども、拡大教科書を発行しているのはたった四社で、実際使われている拡大教科書の約八割は、こういった出版会社が出しているのではなくて、全国のボランティア団体が一冊一冊手づくりでつくったものを使用しているのが現状なんですね。  さっきお見せした出版社の教科書と違って、確かにボランティアの方が手づくりでつくる拡大教科書は一人一人の見え方に合わせて、コピーの仕方とか、拡大の大きさとか、文字のレイアウトとかをオリジナルでつくってくれるので、受け取ったその児童生徒たちはとても使いやすいんですが、ただ、その反面、手づくりのため、一冊つくるのに数カ月から半年ぐらいかかる。だから、とても需要にこたえられなくて、実際は三人に一人の人しかこの拡大教科書を使えていない。弱視で困っている児童生徒の三人に一人しかこの拡大教科書を実際は使えていなくて、やはり一般の教科書をルーペとか拡大鏡で見たり、保護者の方が部分的に拡大したりして学んでいるという大変な苦労をされている状況でございます。  この世田谷区のそういった状況について、まずどうなのかという現状を教えていただきたいのと、教科書出版会社から発行されている拡大教科書の費用についてはどのようになっているか、教えてください。 ◎小島 教育指導課長 では、今のご質問についてですけれども、まず費用についてですが、文部科学省では、特別支援学校、学級で使用される拡大教科書に加えて、平成十六年度から小中学校の通常学級に在籍する視覚に障害のある児童生徒に対しても拡大教科書の無償給与を行っております。  今委員ご指摘のとおり、この拡大教科書につきましては、教科書発行者や教材制作会社から発行されるものは大変少なくて、多くがボランティア団体によって作成され、国が配付しているというのが現状でございます。
     続きまして、では、世田谷区においてはどうかということでございますが、平成二十年度、区立小中学校で拡大教科書を使用している児童生徒が区内に数名いらっしゃいます。現在、区内の児童生徒が使用している拡大教科書はすべてボランティア団体が作成しており、通常の教科書と同様に、その購入費用を国が負担し、無償で子どもたちに配付されております。ボランティア団体が児童生徒の担任教員と連携して作成する拡大教科書は、一人一人の児童生徒の視力や見え方を考慮した点でメリットがございます。  来年度、教科書発行者から新たに八十種類以上の拡大教科書が追加発行される予定でございますが、今後、こうした市販のものも含めて、児童生徒の一人一人の状況に見合った拡大教科書の配付に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆佐藤弘人 委員 確かに、今教育指導課長がおっしゃったような現状について、ほぼボランティアの方で賄っていると。ただ、実際は、昨年六月に障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の推進に関する法律、教科書バリアフリー法というのが国会で成立はしているんです。その中で、拡大教科書の発行の努力義務を教科書出版会社に課しているんですが、ただ、実際は、努力義務ということと、この拡大教科書を出版会社がつくるには、当然それだけのコストと労力と大変な負担がかかるので、じゃ、国がどこまで予算措置をしてくれるのかというところが、なかなかまだ明快になっていない状況がございます。  それを受けて、今度は〇九年度に発行を予定している拡大教科書というのは確かにふえたんですが、それでも百四十五点。ただ、これはいまだ検定教科書の三分の一以下という状況で、一種類も拡大教科書を発行していない会社がまだ十社以上も残っているという状況です。  今ご答弁があったように、小学校、中学校で仮にこれを購入したとしても公費で賄ってもらえるんですが、これは高校になってしまうと全額自己負担ということで、高校についてはいまだ手つかずという状況です。  まず、こういった拡大教科書を望む、欲しいという相談については、この世田谷区の場合はどこでキャッチをされて、どのようにつないでおられるんですか。 ◎小島 教育指導課長 拡大教科書が必要な場合には、学校から、あるいは保護者から教育委員会が受けて対応するということで、教科書の配付につきましては教育指導課で扱っております。そのルートにつきましては、教育指導課に入る場合もありますが、あるいは教育相談・特別支援教育課のほうに入る場合もありますし、それぞれの例ですけれども、実際に保護者あるいは学校のほうで指導に当たっておりますので、小学校から中学校に現在在籍している場合、そのようなルートで来ると思います。小学校に入る場合には、それ以前の段階で相談に入ってくるというふうになろうと思います。 ◆佐藤弘人 委員 そこは細かく聞きませんけれども、その相談体制についてはしっかりお願いしたいと思うんです。  それからもう一つ、やはりこの拡大教科書を必要としている児童生徒さんにはしっかり与えるべきだという反面、いやいや、社会に出て、文字はすべてが拡大されているわけじゃないんだから、社会に適応できるように、今のうちから拡大鏡だとかルーペを使って、しっかり頑張っていったほうがいいんじゃないかという意見も確かにあるんですけれども、でも、それを選択するのは、あくまでも教育を受ける権利がある児童生徒のほうなので、やはりこちらとしては両方ともしっかり施策として準備をしておく体制は当然必要だと思いますし、それはやっぱり公教育として選択の自由をしっかり与えてあげていかなくてはいけないなというふうに思います。  本来ならば拡大教科書というのは、教科書協会に加盟している教科書出版会社が全部やらなきゃいけない、そっちが主だと思います。ボランティアはあくまでも補助である、そういった形が理想だと思いますが、現状そうなっていない。  そう考えた中で、やっぱり行政としても何らかバックアップをできないものか。例えばデジタルデータだけを無償で提供してあげるとか、ボランティアの方に少し負担の軽減ができるような、そういった措置を講じて、さらにこの拡大教科書を必要とされている児童生徒の皆さんの学習意欲を高めてあげるべきではないのかなというふうに考えますが、教育長、いかがでしょうか。 ◎若井田 教育長 先ほど委員もおっしゃいました障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進に関する法律というものでは教科書デジタルデータの提供義務が課されておりますが、そういう意味では、平成二十一年度以降、拡大教科書が今よりは普及すると考えられます。  教育委員会といたしましては、各学校でそういうことを必要とする子どもの実態を正確に把握して、教育委員会に報告していただくとともに、そういうお子さんがいらした場合の支援について十分尽くしていきたいと考えております。 ◆佐藤弘人 委員 国の予算措置もしっかりやっていただかなくてはいけないのは当然ですし、ボランティアの方にもまだご苦労をおかけすることもあると思うんですが、その側面として、世田谷区における公教育の中で、小学校、中学校のそういった児童生徒の方にも何らかのバックアップはぜひご検討していただければと思いますので、この点は要望しておきたいと思います。  最後の項目になりますけれども、公明党の序盤、中盤の飯塚委員、平塚委員の質問の中でもありましたが、学校施設のあり方についてということで、子どもの体力のこと、学校の芝生化のこと、新学習指導要領に新しく入ったニュースポーツ、ティーボールということで、そういった子どもたちの生育環境を取り巻くさまざまな学校施設のあり方というのは、これからもっとクローズアップをされてくるのではないかというふうに思っております。  今まで述べさせていただいたのは、確かに運動不足を解消するとか、さらに運動能力を向上させるといういろんな手段ではもちろんあると思うんですが、じゃ、実態として本来の目的は何なのかということもしっかり触れておきたいと思うんです。  私、これは平成十九年だったと思いますけれども、子どもたちの体力の危機的な状況という観点で、予算委員会で質問させていただいたんですが、実はOECD、経済協力開発機構が二〇〇六年に発表したある調査があるんですね。これはOECD加盟国、二十五カ国の十五歳の子どもたちに対して行った実態調査で、質問の項目は、自分は孤独だと感じるかどうか、こういう質問だったんです。何と日本が断トツのトップで、実に二九・八%ですね。三人に一人の子どもは自分は孤独だと感じている、こう答えたそうです。第二位は一〇%のフランスでございました。そんなに突出しているということなんですね。  先ほども飯塚委員、平塚委員からありましたように、文科省がずうっと調査をしています全国の体力とか運動能力も含めて、学力もそうですからね。特に体力で言うと、身長とか胸囲とか座高というのはこの四十年間で大体三%ぐらいアップしているんですけれども、なぜか体重だけは一二%も上がっている。これは明らかに運動不足じゃないかというふうに、この調査を見て指摘される方もいらっしゃいますし、もちろんこの運動能力の低下というのは、ここ平成へ入ってからずうっと低下をしている状況です。  神奈川県の藤沢市が一九六五年から二〇〇五年までの間の四十年間、ずっと市独自で学習意欲という観点で調査をしていて、その調査によると、この四十年間で学習意欲が四〇%も減少しているという結果報告が出ているそうです。  じゃ、これなどは一体どこに原因があるのかということで、建築家で放送大学の教授である仙田満さんという方が、ここのことについてちょっと記事を出されているんです。いわゆる子どもたちが遊ぶ空間がこの四十年から五十年間の間で最大百分の一ぐらい縮小されて、外で遊ぶところがもうなくなってしまっていると。昔は道路で遊んだり、さまざまな遊ぶところがあったんですけれども、今は遊ぶところといったら、公園でもなかなかボールも使えない。そうなると、やっぱり学校の中で遊ぶしかない。そうすると、学校の中で遊ぶのに、さらに学校の空間自体が子どもたちを閉じ込めてしまうようなことになってしまう。結果的にはさまざま、そういった体力のこととか学習意欲というのがだんだん下がってきてしまうんじゃないかというような指摘をされているんですね。  そうすると、やはり学校施設のこれからのあり方というのは、当然地域とのコミュニティーの場であったりとか、それから災害時の拠点だったりとか、そういう側面は当然ありますけれども、やはり子どもたちの生育環境として、じゃ、これからの学校は一体どうあるべきなのかという観点に立って、学校の芝生化とか、バリアフリーのこととか、さまざまなことというのは考えられていくんですね。  世田谷区においても、今まで学校の改築等リニューアルがいろいろとされてきましたけれども、これについて、例えば、今までの学校施設のあり方のノウハウの蓄積とか伝承とか、そういった効果とか検証とかというのは具体的にどうやってされてこられたのかというのをまず聞きたいんですが、どうでしょう。 ◎伊東 施設課長 学校の改築では、各学校の歴史ですとか地域の状況を勘案しながら、改築検討委員会を設置して、児童生徒や保護者、地域住民、教職員へのアンケートなども実施して、地域に親しまれ、シンボルとなるような、その学校らしい施設の整備に努めております。  こうした経験やノウハウの蓄積につきましては、各学校の改築基本構想報告書や、平成十八年に策定した標準設計指針・標準仕様書に生かして、区の学校建築の仕様における標準化を図っているところでございます。  なお、具体的に過去の改築校での成果を次期改築校に継承した例としましては、環境問題や区政の課題を踏まえた太陽光発電の設置や屋上緑化などの例がございます。  今後も知識や情報の蓄積を進めて検証を行いながら、またよりよい教育環境の充実に向けて、学校改築を進めてまいりたいと思っております。 ◆佐藤弘人 委員 じゃ、具体的に、今までの改築における取り組みとか、試行事例とか、モデルケースとかというノウハウをどこで蓄積して、それを例えば検証して、効果はどうだったのか、反省点はどうだったのか、次に、それをどう応用させていくのか、反映させていくのか、そういった反復作業というのはどこでどのようにされているんですか。 ◎伊東 施設課長 各学校の基本構想策定時など、こういったものは、基本構想の報告書ですとか、そこでの成果というものは、その建築物の設計図書の中にあらわれてまいります。こういったものにつきましては、次の改築校で、また改築の検討委員会とかでご議論していただくときに、こうした事例等を紹介しながら、また、学校というのは各地域の地域特性によりまして、いろいろなご要望とか立地条件にも違いがございますので、そういった部分で参考にしながら継承して生かしているということでございます。 ◆佐藤弘人 委員 例えば、さっき私が紹介した学習意欲を一九六五年から四十年間調査していた藤沢市では、ある学校をターゲットにして、その小学校はたまたま四階建ての学校なんですけれども、改築するに当たって全生徒にアンケートをとったら、三階、四階にいる高学年の生徒たちの七割以上の方が昼休みにグラウンドへおりて遊ばないというデータもあるんですね。そうすると、学校にいても外で遊ばなくて閉じこもってしまうみたいなデータをもとにして、じゃ、どうやったら休み時間でも生徒たちに外で遊んでもらえるような学校づくりができるのかということを検討していたという事例があるんです。  例えば、そういうような実態調査みたいなことを今後検討していく予定はないのか、もしくは、今まででもそういった機会はなかったのかどうか、この点はどうですか。 ◎伊東 施設課長 文部科学省の学校施設整備指針では、小学校は三階、中学校は四階以下が望ましいというふうにされておりまして、世田谷区でも現在、高層化といいますか、高い建物をつくっていこうということはございません。検証等につきましては、今後も充実していく必要があると思いますので、検討してまいりたいと思います。 ◆佐藤弘人 委員 学校がこれから高層化になるかどうかわかりませんし、だんだんグラウンドで遊ばなくて、何か屋上庭園で遊んでいる姿ができてくるのかどうかわかりませんけれども、ただ、やっぱり大事なことは、子どもたちの生育環境として、区としては一体どうあるべきかというその大黒柱をしっかりしんに据えていただかないと、さまざまなコストの面とか工期の面とか、地域の実情に応じて当然加味しなきゃいけない点はたくさんありますので、改築といっても非常に難しい面はあるんです。やっぱりさまざまな取り組みの中で、ノウハウの蓄積と、それから効果と検証によって、じゃ、次をどうしていくのか、この地域にとってはどういう学校の施設としてのあり方が必要なのかというところを、文科省が決めている標準的な構造ではなくて、性能的な基準みたいなものをしっかり守っていただくことが大事じゃないかなというふうに私は思っております。  最後、ちょっと取りとめのない話になってしまいましたが、本当はこの辺で終わっている予定なんですけれども、時間が少し余っているようですので、最後に一言だけ要望しておきます。  教育委員会事務局としても、これから学校のリニューアルというペースがさらに加速度を増してくる、その反面、統廃合という側面もあります。やっぱりこれは地域にとっては非常に大事な事柄で、それぞれの思いが一つ一つの学校にも入っていますし、また、そこに通う児童生徒の皆さんにも思いが入っていますので、そこを含めたさまざまなノウハウの蓄積と伝承をしっかりと伝えていっていただきたいということで、気になる皆さんのご期待におこたえして、これで公明党の質問を終わりたいと思います。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時九分休憩    ――――――――――――――――――     午後三時四十一分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  民主党・無所属連合、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 それでは、民主党・無所属連合の質疑をさせていただきます。  この休憩中に、WBCで日本が韓国に負けてしまったという大変残念な結果で、私もかなりちょっと落ち込んでいるところではありますが、気持ちを入れかえて質問してまいりたいと思いますので、ご答弁のほうもさく越えホームランをよろしくお願いいたします。  それでは、まず初めに、教育センターのプラネタリウムについての質問をさせていただきます。  先日、教育センタープラネタリウムの改修工事に関する議案が可決されました。それで、これを見ると、契約金額が三億五千万円で、随意契約と書かれておりましたので、その紙を見る限り、何事かと思ったんですけれども、いろいろ話を聞いてみますと、そのプラネタリウムを取り扱う業者さんというのは限られている。改修工事だけではなくて、メンテナンスとかそういったことも必要だということだったので、なるほどと一応理解はしたというところです。  とはいっても、三億五千万円というと、かなり莫大な予算の投入ということで、この質問をさせていただくわけですけれども、まず初めに、今回の改修によって区が目指すところ、これは何なのでしょうか、お答えください。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 教育センタープラネタリウムにつきましては、開設当初より小中学校の学習投影、それから幼稚園、保育園の幼児投影、さらに一般向けの投影など生涯学習の面からも幅広く事業を行ってきたところでございます。  開設から二十一年を経過いたしまして、プラネタリウム関連機器、光学式の投影機ですとかドーム全体に映像を映し出すシステムにつきまして老朽化が進んでいること及び投影ソフトの供給停止、修理部品の入手困難などで、円滑な事業運営に支障が生じかねない状況にございます。そのため、光学式投影機やデジタル式の映像システムなどのプラネタリウム機器への更新とともに、施設の多目的利用に対応する座席、音響・照明設備の改善、車いす席の設置や聴覚障害者の補聴システムなど、バリアフリーへの対応を行っていくという予定をしているところでございます。  今回の改修によりまして、従来のプラネタリウム機器等に比べまして、投影時における天文学習機能やデジタル映像を駆使することにより、学習投影の一層の充実、区民向けの一般投影時にコンサートもしくは講演会等を開催するなど、ドーム施設の多目的利用の拡充につながるものというふうに理解をしております。 ◆すがややすこ 委員 教育センターは、地方自治法に基づく公の施設ではなくて、地方教育行政法の教育機関ということで設置されているとのことですので、現在は、今ご答弁がありましたとおり、主に小中学校ですとか、幼稚園、保育園とかの教育活動を中心に利用されていると思うんですね。  私も数年前に教育センターのプラネタリウムに行ったんですよね。あれは確かインターンの学生さんと一緒に見学に行ったということだったんですけれども、そのときは、私たちのグループ以外はだれもいなくて貸し切り状態ということで、ゆっくりと見させていただいたというようなことを記憶しています。  それで、東京でプラネタリウムというと、まず初めに思い浮かぶのが渋谷の駅前にある東急文化会館の上のプラネタリウムだと思うんですけれども、あそこは今、渋谷の駅前の再開発で、あそこ自体が建てかえになってしまっているので利用はできないんですが、プラネタリウムというと、渋谷の場合は場所柄、カップルのデートスポットだったりとかもするわけですよね。教育施設にも開放していて、私も学校で東急文化会館のプラネタリウムは見に行った記憶があるんですけれども、一般利用を目的に、もうちょっといろいろな取り組みをしてもいいんじゃないかなというふうに思った次第です。先ほど伊佐課長のご答弁にもありましたけれども、コンサートですとかそういったことで、いろいろな方たちを呼び込んでいくことも一つの重要な取り組みじゃないかなと思います。  教育センターのプラネタリウムというのは、私は世田谷が持つすばらしい施設の中の一つであるというふうに思っています。ですので、この教育センタープラネタリウムをもっと活用してもらいたいという質問をさせていただいているんです。  小中学生の教育施設という意味でもすごく重要だとは思うんですが、それだけではちょっともったいないということで、もっと区民へのPRを行って、例えばプラネタリウムでもクリスマスとかに季節のイベントを行ったりとかして、いろいろイベント事を行うことによって、デートスポットじゃないですけれども、世田谷の中の一つの名所になればいいかなというふうに思うんですが、そういうことについての区の見解をお聞かせください。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 教育センタープラネタリウムの施設利用に当たりまして、先ほど委員ご指摘のとおり、教育機関という施設の性格からの制約がまずあります。また、周辺が住宅地ということで、必ずしもアクセスがいいという施設ではございません。しかしながら、今回、機器の更新に当たりまして、デジタルの映像システムなどによりましてドームという特殊な空間を使用して、今まで以上にさまざまな分野での施設利用ができるのではないかというふうに思っておりますので、世田谷の魅力を高めるという観点から、積極的に運営について検討させていただきたいというふうに思います。 ◆すがややすこ 委員 今いろいろな方法で運営していくということでしたので、それが結局は収益の向上につながるというふうに思うんですけれども、その辺についてのご答弁をお願いいたします。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 収益の向上につきましてでございますけれども、今回、プラネタリウム機器の更新に当たりまして、投影する間隔を短縮することができるということもございます。教育活動を中心にしていくことは変わりませんけれども、そういったあいた投影回数の拡充という観点から、区民の方のプラネタリウム利用を拡充していきたいというふうに思っております。  そのために、各種の大人向けというか、今、座席も小中学生向けということになっていまして、それを大人向けに改善するですとか、多目的利用を目的とした音響施設ですとか、そういった改善をしていくことにしているわけでございます。  そういった区民利用の促進策とあわせまして、観覧料金につきましても、他の自治体の料金設定等を勘案しながら今後検討してまいりたい、そういうふうに考えているところでございます。 ◆すがややすこ 委員 わかりました。プラネタリウムについては、今回の改修を機に、今後、取り組みですとか、その観覧料金、そういったことも検討していくということですので、いろいろな角度から取り組みをお願いしたいなと思います。  さっきもちょっと言ったんですけれども、プラネタリウムは、産業政策と連携して、結構いい観光スポットになるんじゃないかなというふうに思っています。先ほど課長のご答弁でもありましたけれども、確かに交通が不便だなというのはすごく感じますが、それはいろいろバスでも通していただいて、それは教育委員会の所管ではないかもしれませんけれども、コミュニティーバスとか、レンタサイクルとかいろいろあると思いますので、そういうことで交通の便を図っていき、このプラネタリウムを活用していただきたいなというふうに最後要望しまして、次の質問に移ります。  次に、区立幼稚園の預かり保育について質問いたします。  これは、午前中からも他会派から何点か質疑がありましたけれども、私が思うに、保育園待機児童解消策としては、預かり保育時間が四時半までということで、それが果たして保育待機児童解消につながるのかというような指摘も確かにあると思います。  ただ、やっぱり今のお子さんを育てている家庭の状況というのはさまざまあると思いますので、そういういろいろな家庭に対してさまざまな施策を行うことによって、それが結果、最終的に保育園待機児童解消につながるというふうにも思っています。幼稚園に通っているお母さんの中でも、特にこういうふうに経済状況が悪い中ですから、やっぱりちょっとでも働いて家計の足しにしたいというふうに思って、本当に頑張っているお母さんはたくさんいらっしゃるんですね。なので、今回、この区立幼稚園の預かり保育、本当に一〇〇%ではないと私も思いますけれども、今回こうやって一歩踏み出していただいたということは、私は評価するといったらすごくおこがましいと思いますので、一子どもを育てる親としてすごく感謝しているというふうに申し上げておきたいと思います。  それで、これは私の考えを今申し上げただけで、質問なんですけれども、先ほどの保育園待機児童解消という意味では、今回の区立幼稚園の預かり保育では、やっぱりまだまだ不足している部分があるなと。先ほど午前中の指摘でもあったように、四時半までという時間帯もそうですし、あとは夏休みとか、実際にやるのは九月からということですので、夏休みとかは入らないと思うんですけれども、冬休みとか、そういった長期休業の間とかはやらないということでしたので、長期休業中とかもやっていかないと、結局は保育園待機児童解消につながっていかないと思いますし、仕事は夏休みでも春休みでもありますから、やっぱりそういうところがまだまだ欠けているなと思っています。  ということで、区立幼稚園の預かり保育に関しては、保育園待機児童解消ということで、区としてどういうふうに考えているのかということ、区の見解をお聞きしておきたいと思います。 ◎阿竹 学務課長 区教育委員会といたしましても、保育園入園待機児対策が区政の最重要課題となっていることは十分承知しております。預かり保育を実施していく中で、さらに踏み込んだ人数調査も行っていきたいと考えております。ご提起いただきました件も踏まえまして、さまざまな視点からの検討を進めてまいりたいと思っております。 ◆すがややすこ 委員 そういうことで、保育園待機児童解消の一つとしてということもあるんですけれども、もともとは、私が所属する民主党とかでもそういうふうに言っているんですが、小学校以前、就学前教育というのは、今、日本では保育園と幼稚園があるじゃないですか。これは私もずうっと言ってきたことなんですけれども、保育園と幼稚園は、日本の厚生労働省と文部科学省の縦割りの違いだけで、そうやって親の就労形態とかによって、子どもが受けられる教育、保育が変わってくるというのは、それは何かちょっとおかしな話なんじゃないかなと思っています。というのが根本にあって、就学前の子どもたちが過ごす場所として、幼稚園でも保育園でも本当にいいんですけれども、やっぱり同じような保育とか教育内容というのがちゃんとなされなきゃいけないんじゃないかなと思っています。  そういう意味では、区立幼稚園で預かり保育をやろうと、私立幼稚園で預かり保育をやろうと、区立保育園で区立幼稚園でやる教育をやろうと、それはやっぱりどこででもやっていかなきゃいけないことだと思うので、区立とか私立とか、余りそういうのは関係なく、教育委員会というか、世田谷区にはやっていってもらいたいなというふうに思います。  かといって、これからまた新しい施設をどんどんつくるというわけにもいかないと思いますので、例えば小学校の空き教室というか――空き教室と言わないんですね、余裕教室ですよね。余裕教室とかを使って、保育園待機児童の解消策ですとか幼稚園のような教育を行うこともできると思いますので、幅広い意味で、ぜひ世田谷区には、今後も就学前の子どもたちの過ごす場所の教育について議論していっていただきたいということ、これは要望にしておきます。  以上で区立幼稚園につきましては終わりまして、次に、図書館関連で幾つか質問していきたいと思います。  まず初めに、図書館の本の契約、この質問を平成十九年の九月の決算委員会で行ったんですね。平成十九年当時は区内の書店で構成されている書店商業組合と随意契約で契約していたということで、そのときのご答弁では、図書館ごとに特色のある図書を選定するため、契約は各図書館で行っていると。契約方法は随意契約、これはさっきも言いましたけれども、そういうことだったんですね。  その後、契約方法を入札に変えたというふうに聞きましたけれども、変更した経緯について確認しておきます。 ◎畑中 中央図書館長 前回、平成十九年の決算特別委員会でご質問いただいた後の流れの経過についてご説明いたします。  まず、十九年度に区の入札制度の改善報告に基づく契約締結方針が示されたことを受けまして、区立図書館では、契約担当課と調整の上、平成二十年度より図書購入契約の業者選定方法に入札を導入いたしました。二十年度の実績でございますけれども、各図書館別の図書購入契約に三社と契約したところでございます。二十一年度の契約につきましては、予算のご承認が前提となりますけれども、既に事務的には契約締結の準備を進めておりまして、入札に付しましたところ、二社が落札しております。 ◆すがややすこ 委員 その後、入札で二社が落札したということです。本は、基本的に著作権とかの関係で業者さんが決まっていたりして、やっぱりなかなか難しいかなというふうに思う部分もあるんですけれども、もともと私が図書館の本の契約の質問をした経緯は、値段とかだけじゃなくて、例えば世田谷独自の本をたくさん仕入れてくださる業者さんとか、あとは新しい作家とかに対して積極的に前向きに取り組む本の業者さんとか、世田谷区としても積極的にそういうところと契約していってもらいたいというような思いもあったものですから、そういう質問をさせていただきましたが、一応入札制度になったということで、今後はいろいろな意味で競争がなされればいいなというふうに思いますので、世田谷区としても、ぜひこういったところでも新しい取り組みをしていっていただきたいと思います。  本の契約の質問はここまでにしまして、次に、ウエブ図書館について質問します。  先日、夕方のニュースか何かで千代田区立図書館、今結構いろんな意味で話題になっていますけれども、そこの図書館で実施しているウエブ図書館のことをやっていたんですね。これはタイトルは、わざわざ図書館に行かなくても本が借りられるというようなタイトルで、どういうことと思ったら、ネットで本を見られるというようなシステムだったんですね。  ちょっと思ったのが、YouTubeってあるじゃないですか。私は余り見ないんですけれども、うちの会派の若い議員さんとかは結構夜中じゅうYouTubeを見ていたりするらしくて、それで、YouTubeでは昔の漫画とかも見られたりするらしいんですね。そういうのをちょっとイメージしたんです。  これは平成十九年度ですか、今もちょっと言いましたけれども、サービス開始当初には結構テレビとかマスコミでかなり取り上げられていて評判になっているということで、最近どういう状況なのかというのは、世田谷区の教育委員会としてどのように把握しているのか、まずお聞かせください。 ◎畑中 中央図書館長 今お話しの千代田区立図書館が始めましたウエブ図書館サービスは大変先進的な取り組みであるということで、区の教育委員会といたしましても動向を注視しているところでございます。  ウエブ図書館の仕組みでございますけれども、これは電子図書館のシステムからネット配信によって利用者に貸し出すもので、お話しのように図書館まで足を運ばなくても利用できる、利便性の高いものであるということは承知しております。  千代田区の担当所管に最近の状況について確認いたしました。それによりますと、まずタイトル数は、当初の開始時点では三千タイトルだったものが、現在は四千三百タイトルにふえている。それから利用登録者ですが、当初は区民限定でございましたけれども、現在では在勤・在学者に拡大いたしまして、二千人ほどの方が利用されているということです。それからサービス開始以来の貸し出し件数ですが、六千三百件ほどございまして、おおむね順調に推移しているということでございました。  一方、当初は、これは単価になりますけれども、タイトル数が増加すれば購入経費は下がるものというふうに見込んでいたようでございますが、実際にはさほど経費が安くなっていないということ、あるいは著作権法の関係等によるものだと思われますが、タイトル数そのものが限定されているといったことが課題になっていると聞いております。  また、製品として見た場合でございますが、この千代田区のものとは別の方式も今開発されてございまして、こういった状況を見ますと、図書館資料のネット配信につきましては、現状ではまだ発展途上の段階にあるというふうに認識しておるところでございます。 ◆すがややすこ 委員 今ご答弁いただきましたけれども、世田谷区ですと、やっぱり実際に千代田区とは人口とか規模も全然違いますし、住んでいる区民の層も違うと思いますし、交通の利便性ですとか、利用者の特性というところについても千代田区とは全然異なってくると思うので、一概に同じ土俵では語れないと思うんです。それでもちょっと思ったのは、千代田区とかのシステムを使わせてもらって、そうすると、システム開発にお金がかからなくていいじゃないですかというのを安易に思ってみたんです。  そういうこととか、世田谷区でウエブ図書館の導入をやるということ。それから、先般からいろいろ議論されていますけれども、ICT環境の整備推進ということについても進めていくべきだなと思っています。  この点につきまして、区としてどのように考えているのか、見解をお聞かせください。 ◎畑中 中央図書館長 現在、本区を初めといたしまして多くの公立図書館では、インターネットの活用による資料検索とか、あるいはホームページの開設による情報発信の充実、さらにはネット上からの資料予約等のサービスを拡大してきているところでございます。  さらに近年につきましては、お話しのウエブ図書館など新しい手法による資料の提供、あるいはICチップというものがございまして、これを活用して自動貸し出しということができるような機械などを置くなど、図書館におけるICT環境の整備が進んできております。  区立図書館における情報化推進の取り組みといたしましては、当面は電子政府世田谷推進計画に基づきましてICT環境を整備していくこととしておりまして、二十一年度は中央図書館に公衆無線スポットサービス、いわゆる無線LANと言っているものでございますが、これの導入を試行実施する予定としております。  今後のさらなる情報化推進への対応でございますけれども、区民ニーズを踏まえつつ、他の自治体の導入事例、あるいは活用状況、さらには製品の市場動向などの情報を収集いたしまして、費用対効果を十分に見きわめてまいりたいというふうに考えております。 ◆すがややすこ 委員 わかりました。私が小さいときの図書館とはもう全然違っていて、昔は判こでぽんぽん貸し出し期限とかいって押していましたけれども、今は世田谷区でもこういうカードで、バーコードがついていますよね。それももう既に何かちょっとおくれているみたいな感も、今、畑中課長のご答弁でわかりましたので、いろいろな取り組みをしていって、ぜひ世田谷区内のより多くの区民の方々が図書館を利用できるというふうにつながっていけばいいなと思います。  図書館の質問は以上で終わります。  次に、私費会計関連についてまず質問していきます。  学校の私費会計なんですけれども、私費会計というと、例えば給食費がそうですよね。あと修学旅行のお金とか、どこかへ遠足なんかに行くときの入館料みたいな、入場料みたいな、そういうのも入ってくると思うんです。  以前、この質問もさせていただいているんですが、運動会とか、卒業式とか、今ですと卒業式ですよね。小中学校でも卒業式がありますけれども、そういうときに、来賓の方々とかがご祝儀を持ってくる場合があったかと思うんですね。それについてはどうなっているのかというような質問をさせていただいたんですけれども、そのときのご答弁では、お祝い金に関しては辞退するようにということで、学校側には教育委員会のほうから指導しているというようなことだったんですけれども、その後、学校にすべてそれがきちんと徹底されているのかということをまずお聞きしておきます。 ◎阿竹 学務課長 ただいまお話にございましたような卒業式ですとか周年行事等が終了した後の祝賀会などは、一般的には会費制で行われるようでございますけれども、その際、委員のお話にございましたように、ご祝儀などもあるようでございます。この祝儀につきましては、それぞれの祝賀会などを主催するPTAですとか実行委員会が独自に取り扱っております。お話しのご祝儀等はこのような性質のものであることから、学校がかかわるものではありませんけれども、区教育委員会といたしましては、今後もその趣旨を各学校にお示ししまして、区民の誤解を招くことがないよう徹底してまいります。 ◆すがややすこ 委員 わかりました。  それで、私費会計なんですけれども、去年なんですが、修学旅行の積立金を着服して、中学校の職員を逮捕というようなこともあったんです。これを見るとかなり悪質だなと思ったんですけれども、逮捕された人は、家を二軒所有し、その住宅ローンの返済に充てたらしいんです。生徒の修学旅行の積立金八十五万円を着服したということで逮捕されたんですけれども、結局、着服金額というのは総額二千万円に上ると見られ、余罪を追及するみたいなニュースが去年あったんですね。
     学校で管理しているお金は、確かに一人とかで管理していると、監査ができるものではないし、好き勝手に使われたりしてしまう可能性がすごくあるということで、非常に危険だなというふうに思っています。世田谷区では学校徴収金等取扱要綱で、一応いろいろ報告義務とかもそこで定められているというふうに思いますので、そういうことはあり得ないと思いますけれども、やっぱり保護者のほうとしても、自分たちが支払ったお金がちゃんと適正に執行されているのかということはすごく気になるところだと思うんですね。  保護者への報告というのは、もちろん会計処理ということに関しても、学校運営に結構大きくかかわってくることだと思います。地域運営学校とかであれば、学校運営委員会の場でいろいろ議論できるでしょうし、それ以外でも、学校協議会とか、その地域の方々ですとか、保護者の方々が集まっていろいろ議論する場もあると思うんです。  そういうところで私費会計の適正執行について議論すべきであると思いますけれども、そういうことに対しての区の見解をお聞かせください。 ◎阿竹 学務課長 給食費や教材費などの学校徴収金等、学校の私費会計につきましては、学校長の責任のもとに、公金に準じた適正な執行管理を図ることとされております。  区教育委員会では、先ほど委員のほうからもお話がございましたように、学校徴収金等取扱要綱を定めまして、学校長など管理監督者の職務や事務手続を明確にしまして、学校徴収金会計等の適正な執行管理の確保に努めているところでございます。  各学校では、通常は給食費ですとか教材費などにつきまして、学期ごと、あるいは年度末などに,保護者会ですとか学校だよりに会計報告を掲載するなどさまざまな方法で、保護者に周知していると聞いております。 ◆すがややすこ 委員 わかりました。では、今後も引き続き適正な執行について尽力していただきたいと思います。  それで、私費会計ともちょっとかかわってくるのか、この辺、私は頭の中がごっちゃになっているんですけれども、寄附についてお聞きしていきたいと思います。  企画総務領域のときに質問したんですけれども、学校の建てかえのときに、地域の方々から寄附があるんじゃないかということで、その寄附をもっと有効活用せよというような趣旨の質問をさせていただいたんですね。ただ、その質問のご答弁は、今財政課長がいらっしゃいますからあれですけれども、その財政課長とのやりとりの中で、過去、一千万円単位の寄附があったときは補正予算を組んだというようなことだったんですが、やっぱり少額ですと、なかなか受け入れるところが区にないので、現金での寄附というのはかなり難しいということだったんですね。  そうはいっても、地元の学校ですとか、自分の卒業した学校に対しての寄附というのは、やっぱり地域の方々からあると思うんですよ。特定の学校だけじゃなくて、例えば世田谷の教育のために使ってくださいとかというような場合の寄附もあると思うんです。お金だけじゃなくて、物品での寄附というのもあると思うんですね。そういうとき、教育委員会としてその窓口とかそういうのはどのようになっているのかお聞かせください。 ◎寺林 学校職員課長 物品の寄附につきましては、教育委員会事務局内の二つの課で分担しております。具体的に申し上げますと、寄附先の学校が特定されている場合につきましては、私ども学校職員課、寄附先の学校が特定されていない場合につきましては、学務課が窓口となっております。区民からお問い合わせがありましたら、まず学校職員課で受けまして、内容によりまして、それぞれの窓口で対応しております。  窓口を分けている理由でございますが、寄附先の学校が特定されていない場合につきましては、寄附者のご意向をより反映させていただくために、各学校におけます寄附物品の充足状況を確認した上で受け入れ学校を決定しておりますので、学校の物品状況を把握している学務課が窓口となっております。一方、特定の学校への寄附の場合でございますが、可能な限り事務手続を素早く迅速に行うために、我々学校職員課で受け付けております。 ◆すがややすこ 委員 わかりました。いろいろ学校に対しての寄附というのは、お金とか物品に関しても、どっちにしても、学校に対してすごく思い入れがあるというふうに思います。今後とも、教育委員会としても寄附者の思いを最大限反映できるようなきめ細かい対応をお願いしたいですよね。  企画総務領域のときにも質問したんですけれども、寄附の申し出は、これまで過去にも結構あるということが確認できましたので、この思いを反映できるような寄附の仕組みを、ぜひ財政課と連携してやっていただきたいんですが、これは要望にしておきます。  以上で私の質問を終わりまして、藤井委員と交代いたします。 ◆藤井まな 委員 午前中から他会派の質問でも何回か取り上げられました学校裏サイトについて、今回、新しい予算で二百七十九万三千円ついたということだったんですけれども、これの内容は、先ほどもう既に自民党のほうからお話が出てしまいましたので、この内容についてはお聞きしません。  これは予算を執行していくときに、中学校と書いてあるんですけれども、これは中学校しかやらない、小学校は取り上げないんですか。携帯電話とかの普及率、この間、警視庁が出した調査だと、中学生が六八・四%、小学生も三二・四%、携帯電話が普及しているという数字が警視庁の調査で出ていますけれども、これは小学校とかの対応についてはどうされるんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 今おっしゃった学校非公式サイト等対策検討委員会の内容につきましては、パソコンや携帯電話によるインターネットの利用状況を把握して、未然防止、早期発見等のための方策を明らかにするところでございます。おっしゃいましたように、予算の中でのウエブサイト調査等については中学校を対象としていますが、検討委員会の中での携帯電話やインターネット利用についての方策については、小中両方を対象として検討していく予定でございます。 ◆藤井まな 委員 先ほどの会派の質疑の中でアンケートのお話が出ました。また、小学校、中学校でアンケートをとったりしているという話を聞いたんですが、僕も今この手元にあるんですけれども、アンケートの集計は三月と言われているので、まだ出ていないと思うんですが、このアンケートをとる前に、現在、ネットトラブルというのは世田谷区でもあるのか把握しているのか。もしも把握しているんだったら、どれぐらいあるのかお聞かせください。 ◎小島 教育指導課長 インターネットの携帯電話が中心だと思われますけれども、それにかかわって指導したということについては、学校から何件か報告を受けております。現状としてはそのようなご回答を差し上げることになります。 ◆藤井まな 委員 今回、この質問するのに当たって、いろいろなところに取材に行って、ある会社では独自に調査していて、ネット関連の問題が起きたことがあると答えた教員が七六%に上ったということがされているので、教員たちから、またそういった今の現状を教育委員会がしっかり把握することが大切だと思います。  生徒に対して実態を調査するために、今、こういうアンケートを配って調査しているということだったんですけれども、この間、これは事前にもらって、こういったことを研究されている専門家の方にいろいろ聞いてまいりました。このアンケートを見せて、これはどうなんだというふうに聞くと、複数の方に聞いたんですけれども、これをやっても大体全国平均がわかるぐらいで、地域の特性がなかなかわからない、もうちょっと工夫したほうがいいんじゃないかというお話をいただきました。  また、これは一回のみだということで、それに関しても、これをことし一回把握しただけでは全く意味はないと。毎年毎年やっていって情報を蓄積していくことによって、こういったアンケートは大変重要な資料になってくるんだというお話を、その専門家の方はされていました。こういった調査は一回だけで本当に終わらせてしまうんですか。 ◎小島 教育指導課長 今回、区立学校の非公式サイト等対策検討委員会で検討を進めるために、区立中学校での調査を実施いたしましたが、そういうアンケート調査等を進めるかどうかということについても、検討委員会の中で検討していただき、今後の方針を定めていくということでございます。現在のところ、一回でやめるとか、あるいは検討するとかということについては、今後の検討課題ということで、今後の検討になろうかというふうに考えております。 ◆藤井まな 委員 これは何回も続けてほしいと思います。それで、今ちょうど出た対策検討委員会、いつも出席なさっている髙山部長、きょう一言もしゃべっていらっしゃらないですけれども、ある意味、第三者委員会的な対策検討委員会ですが、実際、この対策検討委員会ではどういった話し合いを今まで進めてこられたんでしょうか。 ◎髙山 教育改革担当部長 検討委員会は、まず昨年からしてございますが、最初は、専門の学経の先生がいらっしゃいますので、今の子どもたちが実際携帯電話とかウエブ上こういう使い方をしていると。我々は正直申し上げて、校長先生方も入っていたんですが、そういう使い方までしていると。あるいは、すべてではないでしょうけれども、メールというんですか、これに非常に敏感になって、おふろやトイレ、寝るときも、いつも携帯を片時も離せなくなるような事例とかさまざま、特に国の検討委員会のメンバーの方が一人、そういう方がいらっしゃるので、そういった実態についてお話を伺いました。  そこから出てきましたのは、世田谷の特性があるかどうかは別だけれども、やっぱり区の実態を把握する必要があるんだと。それは子どもたちもそうだけれども、先生方あるいは保護者にも聞いていくべきじゃないかというようなお話がありまして、とりあえず調査をすべきだということで、今調査の段階になっています。  また、通信の事業者の方もオブザーバーで入っておりますので、現在、そういった方々は区内のセーフティー教室なんかで大分やっていただいておりますが、携帯電話の受け方とかマナーだとか、携帯電話の怖さみたいなことの学習資料なども、この間、お話を伺いましたけれども、なかなか簡単に解決方法がないということはあります。  ただ、今の子どもたちの中で、情報社会の中で非常に重要な問題であるということ。それから、学校だけでは解決しないかもしれませんけれども、やはり今の教育の中で非常に大きく重たくとらえなきゃいけない課題であるという認識に今現在立っております。そういったところが現在までの委員の中での検討の状況といいますか、お話でございます。 ◆藤井まな 委員 なかなか内容のあるお話をしていると思うんですけれども、それがこのアンケートの質問には生かされていないんだと僕は思っているんですね。例えばほかの区の同じようなことをやっているアンケートを同じように専門家の方に見せて、ほかの区も、やっぱり余りいいアンケートをしていないなと皆さんおっしゃられるんですけれども、例えば江東区の小中学校が出しているアンケートの中に、あなたの携帯は寝ている間はどこに置いていますかという質問があるんですね。  今、ちょうど部長も、そういう夜メールとかやっている話があるという話し合いがせっかく上ったのに、そういったことはまだまだこの世田谷のアンケートにはなかなか生かし切れていなくて、そういった実態を把握できないアンケートになっておりますので、このアンケートに関しては毎年続けていただいて、その対策検討委員会の中でも少しずつアンケートを変えて、より正確に実態把握をするようにしたほうがよろしいのではないかなと私は思いますので、委員会でもそういった発言が出ていることを、髙山部長のほうからぜひ言っていただきたいなと要望させていただきます。  この第三者委員会の対策検討委員会なんですけれども、これは出ているメンバーの方々、学識経験者の方、警視庁の方とかいろいろいらっしゃるんですが、確かに問題把握をする場としては、この委員会は大変必要だなと思うんですけれども、いろんな方に聞いて回ったら、これはあくまで問題把握の委員会で、問題を解決する機関ではないという感じの印象を受けるなという話をいろんな方からもらいました。  実際、委員会として、この後、現実にアンケートが出てきてどういった状況かわかった後には、やっぱりアンケートをやっているうちに、それに関してどれぐらいネットのトラブルがあるかというのもどんどんわかってくると思うんですね。  それで、問題を解決する機関として、やっぱり精神科の先生だとか、ネットの裏サイトの問題の専門家だけじゃなくて、また違った形の医者の観点だとか、そういった方々を入れて問題解決を図るような委員会というのも必要なんじゃないかなと思います。  ただ、もっと重要なのは、この間、ちょうど文教常任委員会でも聞かせていただいたんですけれども、例えばネットいじめがあったとかというときの解決の手段として、普通のいじめの問題もそうですが、やっぱりこれからスクールソーシャルワーカーの存在が大変重要なのではないかというお話をいろんなところで伺います。  私もこの間、文教常任委員会で、今、世田谷区の現状はどうなんだという質問をさせていただいたんですけれども、改めてスクールソーシャルワーカーという方はどういったことができるのか、そして今、世田谷区の現状はどうなのか、これからどうしていくのかということをお伺いしたいと思います。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 スクールソーシャルワーカーのお話でございました。いじめや不登校などの背景には、児童生徒を取り巻くさまざまな要因が複雑に絡み合っている場合がございます。そのために、学校内だけではなく、学校の枠を超えて、福祉や保健、医療などの関係機関等との連携を図りながら、児童生徒が置かれている家庭関係などの環境改善に向けて働きかけていくことが必要な場合がございます。  お話にありましたスクールソーシャルワーカーについては、教育分野に関する知識に加えまして、社会福祉の専門的な知識などにより、児童生徒の周囲の環境改善に向けて、学校や保護者との関係調整などを図っていく役割を担う、そういった役割を担うもので、私ども不登校対策の検討委員会の中においても、その役割や必要性などが議論されているところがございます。  世田谷区においてはまだ具体的な取り組みをしていないところでございますが、教育委員会といたしましては、スクールソーシャルワーカーの国のモデル事業での取り組み状況ですとか、その成果を検証しつつ、既に学校に配置しておりますスクールカウンセラーとの役割の明確化、それから人材確保の面などの課題を整理するなど、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆藤井まな 委員 スクールソーシャルワーカーは大変いろんなところでこれから新しく、さっきスクールカウンセラーとの違いを明確にという話が出ましたけれども、カウンセラーというのはメンタルな面の解決は図れても、なかなか入っていって解決することが難しいというところで、やっぱりいろいろ問題があるというところから、スクールソーシャルワーカーの話というのはいろいろ出てきているんだと思います。私もその意見に対しては大変納得するところがありますので、世田谷区として、このスクールソーシャルワーカーをどんどん進めていっていただきたいなと思います。  また、私、こういう場で何度も何度も発言させていただいていますけれども、このスクールソーシャルワーカーというものも大変重要ですが、こういった問題が実際出てきて解決を図るときに、現状を見ていると、この問題、例えば裏サイトの問題とかが悪いと思っていてやっている人、悪いとわかっていてやっている人、悪いとわかっていなくてやっている人というのに分かれるんですね。  悪いとわかっていなくてやっている人間は、現状がわかったりすると、やっぱり解決手段というのはすぐ見えてくる。ただ、悪いとわかっていながら、それでもやるという児童なり生徒がいることも現実だということを僕は聞いています。その中では、実社会教育を取り入れて、メディアリテラシーの問題を授業の中でしっかりと教えることが私は必要だと思います。毎回毎回質問していますけれども、実際、義務教育に実社会教育を取り入れて、やっぱりメディアリテラシーを教育していっていただきたいということを要望させていただきます。  次に、最近、光問題でいろいろ話題になっている私の母校の給田小学校なんですけれども、この間、給田小学校の新校舎落成式に行かせていただきまして、母校がこんなにきれいになってうれしいなと思って、皆さんの説明をいろいろ聞いていたら、もう給田小学校は全部防火ガラス、強いガラスになっているんだという話を――何でしたっけ。(「強化」と呼ぶ者あり)強化ガラス、はい、そうです。全部強化ガラスになっているという話を聞きました。それに全部なっているんだよと話すということは、今の新しい学校だからなっているというわけで、逆に、ほかの学校で強化ガラスじゃないところがあるんだということに、私はそのとき初めて気づいたんです。  区内の小中学校の体育館とかは、やっぱりいざというときに避難場所にもなったりするわけで、そういったところは、すぐにでも強化ガラスにしなければいけないと思うんです。実際、区内の小中学校の体育館、もちろん校舎もそうですけれども、強化ガラスというのは何割ぐらいになっていて、これからどういうふうに進めていくんでしょうか。 ◎伊東 施設課長 従来の学校のガラスは一般的なフロート板ガラスでございますが、現在は強度が強く割れにくい、より安全な強化ガラス四ミリを標準として取りかえを進めているところでございます。また、改築校などでは、全面改築や耐震補強とあわせた一部改築、増築では省エネ効果なども勘案して、二枚の強化ガラスの間に乾燥した空気を閉じ込めた複層ガラスを使用しております。  現在、耐震補強工事に関連したサッシの取りかえ時にも強化ガラスを採用しています。その他の学校では、大規模改修、サッシ改修工事等の際に、校庭に面したところが中心でございますけれども、校舎、体育館ともに強化ガラスの導入を図っております。  今、割合ということでございますけれども、これは目視による調査でございますが、強化ガラスを一枚でも入れた学校ということでありますと、小学校につきましては約九五%、小学校の体育館については九〇%、中学校の校舎については約八七%、中学校の体育館については約六四%という状況でございます。 ◆藤井まな 委員 中学校の体育館はまだ六十数%ということは、まだまだ一〇〇%じゃないということです。もちろんすぐに建てかえが決まっているところはいいですけれども、例えばまだまだ建てかえが先になるところだと、最近だと何かもうフィルムを張るだけで、それが十分強くなるようなこともあると聞いていますので、すぐにでも対応する。いつ地震が起こって避難所になるかもしれないわけですから、そういった強化ガラスの導入というのは急いで進めたほうがいいと思います。  最後に一つ、他会派からこの問題は質問されて答弁も出ているので、我が会派の要望として、最後に一言言わせていただきますけれども、中学校の肢体不自由学級、本当に絶対必要だと我が会派も思っております。この間、具体的な数字も挙げていただいて、する予定ですと言っていましたけれども、本当に予定というのは絶対やるという気持ちで、肢体不自由学級を中学校に入れていただくことを要望いたしまして、風間委員と交代いたします。 ◆風間ゆたか 委員 新学習指導要領に関して対応するという形で、外国語教育の充実だとか中学校武道科必修化に関する予算づけということが確認できます。これは、我々会派としましても昨年度より要望していることですので、より一層充実していくことを期待していきたいところなんですけれども、同じように、今回、新学習指導要領に対応する形で、文部科学省が支援策を幾つか打ち出しているかと思います。その中で、今回は情報モラル教育というところについてちょっとお伺いしたいと思います。  きょうも学校裏サイト関係の質問というのはたくさんあったと思いますが、その上段にあるのがこの情報モラル教育ということかと思います。平成十六年度に文科省が検討をスタートしてから、ようやくこういう形でどの地域でも検討し始めているというような状況かと思いますけれども、世田谷区においては情報モラル教育をどのような形で進められているのか教えてください。 ◎小島 教育指導課長 情報モラル教育は、情報社会で適正な活動を行うためのもとになる考え方と態度を育成するための教育指導であります。具体的には、情報の信頼性の確認や、個人情報やプライバシーの保護、発信する情報への責任、コミュニケーションをとる際のマナー、TPOに対するやりとり等について、生活の中で適切に生かすことができるよう、各学校で情報モラルを含む情報活用能力を児童生徒に身につけさせることを目指しております。  区教育委員会では、平成二十年三月に世田谷区教育の情報化推進計画を策定し、駒繋小学校と富士中学校を情報教育推進研究校に指定して、児童生徒の情報モラルを含む情報活用能力を育成する指導方法、指導計画等について研究を進めているところです。  駒繋小学校では、三年生の総合的な学習の時間に、自分がかいたイラストに、友達が親切心から勝手にかき足してしまった事例をもとに、イラストをかいた側とイラストにかき加えた側の気持ちを比べる活動を通して、著作権の意味について考える学習が行われています。  富士中学校では、新しい友達でチャットを利用しているときに、第三者から不愉快な書き込みをされた事例から、インターネットを利用したチャットや掲示板、ブログなどでは不特定多数が書き込みを見ていることや、インターネット利用の際のマナーについて考える学習が行われています。  また、管理職研修や生活指導主任研修や、教育の情報化リーダー研修などにおいて情報モラル教育に関する内容を取り上げるなどして、教員の指導力の向上を図る取り組みを通して、今後も区立小中学校での情報モラル教育の充実に努めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆風間ゆたか 委員 時間が余りないので、もうちょっと巻いてしゃべってもらえればなと思います。  私も先日、ICTメディアリテラシー、以前は情報モラル教育という形で呼ばれていなかったときから、いろいろな企業も含めて、外郭団体などが教材開発とかしてきたと思いますけれども、十八年度の総務省予算で開発された「伸ばそうICTメディアリテラシー」という教材をうまく使って、学校裏サイトができてしまうことを未然に防ぐような取り組みをしている先生の事例というのを見てきたんですが、この総務省予算で開発された「伸ばそうICTメディアリテラシー」を使っている事例というのは、世田谷区内にはないんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 各学校に情報提供しておりますが、現在のところ正確な情報をつかんでおりませんので、申しわけありませんが、今はそういう答弁でお許しいただきたいと思います。 ◆風間ゆたか 委員 同時に、このセミナーを受けたときに、学校裏サイトも、そうはいっても、今全国に三万八千以上あると言われている中で、簡単にそれをチェックするサイトがあるんですよなんていう紹介も受けました。非営利でやっているサイトで、こういった学校裏サイトチェッカーというサイトですけれども、これは簡単に検索できるということですが、世田谷区内で学校裏サイトがあるかどうかというのは、こういうのを使って調査していたりとかはしないんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 学校非公式サイト等対策検討委員会の中では、来年度、業者委託を通して、各中学校の学校非公式サイトについて調査することも含めて検討しております。まだ現在のところ実行しておりません。 ◆風間ゆたか 委員 いじめ、こういう裏サイトとかでは日々更新されていくわけでありまして、我々議員も、そういうサイトで書き込みされているような人もいますし、私自身も書かれたことがありますけれども、やっぱり精神的なショックというのは少なからず受けるわけですね。それは子どもにしてみたら、その対処法とか、ストレスを除いていく方法なんかも知らないでしょうから、やっぱり日々進んでいってしまうものだと思いますので、余り悠長に検討ばかりをしていないで、できることからやっていくということは、ぜひとも進めてもらえればなと思います。これは要望としてお願いしておきます。  いじめという話が出てきましたので、いじめの対応について、先日もある小学校の保護者から、いじめに遭っていて、子どもが不登校になっているという相談を受けております。その保護者いわくは、校長先生とか副校長先生の対応が余りにも悪くて、子どもが戻れない状況にあるなんていう相談を受けています。その一方的な情報だけしか私は得ていない状況ですけれども、こういった相談とかを受けたときに、教育委員会としてはどのように管理職を指導しているんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 いじめの問題は、どの学校、どの学級にも起こり得る課題と認識しております。いじめは人の心を傷つける行為であって許されない、早期発見、解決に取り組むべき問題と認識しております。もし学校で子どもや保護者からいじめの訴えがあった場合には、管理職がリーダーシップを発揮して、学級担任に任せることなく組織的に対応することにしておりますし、またそのように指導しておりますが、万が一、管理職の対応がまだ十分でないということであれば、区教育委員会としては指導主事を派遣したり、あるいは校長から事情聴取をし直接指導する等さまざまな手段で、いじめを決して許さないということで対応をとっているところでございます。 ◆風間ゆたか 委員 偶然なんですけれども、一年ほど前にも別の方から相談を受けたことがありまして、たまたま同じ小学校だったんですね。それで、やっぱり校長先生の対応がよくないというような形での相談だったんですけれども、そういった校長先生、管理職になって、なかなか行動特性を変えていくのが難しい状況下にあるということもあると思うんです。それは研修なんかで指導していくんだと思いますが、余りにも変容が見られない場合に、指導課としては、校長さんをかえるだったりとか、そういうようなことというのはできるんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 管理職の対応が不十分であれば、指導課として十分指導して、その改善を図るということでありますが、その人事のことで言いますと、これは人事権は都にありまして、区として内申をしてということでありますけれども、ルールとして、校長は五年を経過した者を異動対象、副校長は三年を経過した者を異動対象ということで、区の意思で勝手にかえることはできないというのが、人事上の今の状態でございます。 ◆風間ゆたか 委員 いじめの問題に関しては、やっぱり子どもの将来にかかわってくることですので、子どもが一刻も早く楽しみながら学校生活を送れるような環境をつくるということに、今後も全力を尽くしてもらえればなと思います。  続きまして、総合学習とか「日本語」という観点で、議場でも質問させていただきましたけれども、総合的な学習の時間が減少するに伴い教科「日本語」の時間の比率が上がる、このことに関しての問題指摘というのはたびたび行ってきたところであります。  区の教育委員会の決まり文句になっている、「日本語」は総合学習として特区で認定されたんだというようなお話でしたが、まず、私も調べましたけれども、特区ではなくなっているということですね。いつの間に特区でなくなったんでしょうか。 ◎直田 副参事 さまざまな特区の制度がございますが、教育に関する特区そのものがなくなりまして、本年度、たしか七月だったと思いますが、特区ではなくなっているという扱いになっております。 ◆風間ゆたか 委員 今、何月か、よく聞こえませんでしたけれども、私が文部科学省に確認したところ、平成二十年三月までは特区の事業として行われてきたことも、この四月からは教育課程特例校制度に移行になったということでしたが、これはこういう制度にのっとって教科「日本語」を行っているという認識でいいんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 今年度からは文部科学省に申請をして、委員のおっしゃるとおり、特例校という新しい制度の中で実施しております。 ◆風間ゆたか 委員 これも文科省に確認したんですけれども、その制度認定自体はまだしていなくて、申請をことし受け付けている状況だということでしたが、私の聞き間違えでしょうか。 ◎若井田 教育長 教育課程特例校の承認を二月二十三日付で文部科学大臣からいただいております。 ◆風間ゆたか 委員 わかりました。とすると、特区ではないわけですが、これに関して、昨年九月、三定の代表質問の答弁で、議事録を見たら、教育長は内閣府より特区を認定されておりますと答弁してありまして、髙山部長もこれを繰り返しております。されていましたとか、されましたとか、過去形ならわかりますけれども、この特区に関して、その件を文教委員会に報告されていないのはどういうことなんでしょうか。 ◎髙山 教育改革担当部長 今教育長がご答弁申し上げたところでの手続が済んでいるわけでございますけれども、国のほうでは、これは文科省の部分だけではないと思いますが、現時点、今まで特区でやっていたものを、各省の仕組みの中で申請があればそれを認めていく。今回の教科「日本語」の特区につきましても、具体的な学校の中での教育課程上の扱いは、今までの特区の時代と変わりませんけれども、特区ではなくて教科の届け出で認めていく、こういうことでございます。  これは特区をとるということよりは、教育上の手続として申請がそういう形になってございますので、区教育委員会としては、そうした判断で手続を済ませているということでございます。 ◆風間ゆたか 委員 私が文科省で確認したところ、教科ではなくて教育課程の特例校、あくまでも学校で申請をするということでしたけれども、そうじゃないんですか。 ◎髙山 教育改革担当部長 それはそうでございます。今の言い方は、私どものその教科の言い方でございます。 ◆風間ゆたか 委員 いずれにしても、特区で行われてきたものが、違う制度で教科「日本語」を行っていくということであれば、なぜ文教委員会で報告がなかったんでしょうか。 ◎髙山 教育改革担当部長 委員のお考えでは文教委員会の報告ということが必要であったかもしれませんけれども、私どもとしては、事務手続上、そういう形で処理を行ったということでございますので、教科としては、教育課程の届け出としては手続が変わったということで処理をしてございました。文教委員会の報告につきましては、また今後ちょっと協議させていただきます。 ◆風間ゆたか 委員 この「日本語」を総合学習の中でこれだけ時間を割いていくことに関しては、我々の会派はもう二年も前から問題意識を持って質問を繰り返しているわけですね。それがその制度が変わったということは、違う制度で存続していく、継続していくということなんだと思いますけれども、それを委員会で報告しないということには、私自身はすごく問題意識があります。ちなみに、これは教育委員会自体では検討をされたことなんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 教育委員会には報告をしております。 ◆風間ゆたか 委員 教育委員会に報告したということは、ほかの教育委員とその制度に移行することでいいのかどうかということを議論したのではなく、教育長を初めとする事務局で判断して、そのまま進めたということなんですか。 ◎若井田 教育長 構造改革特区につきましては、その所管する省庁の内容にもよりますが、文部科学省関連の教育関係の構造改革特区につきましては、構造改革特区を受けている自治体はそのまま新しい制度の上に乗っかっていくというふうに伺っておりまして、それをもとに教育ビジョンの第二期行動計画を策定したところでございます。その教育課程、構造改革特区から新しい制度に変わるという要綱が昨年の十月に示されて、その結果、二月に認定されたわけでございますが、その情報につきましては、第二期行動計画策定中にも構造改革特区がなくなるよという話がありましたので、それを前提に第二期行動計画を、教育委員会決定でしているところでございます。 ◆風間ゆたか 委員 いずれにしても、教育委員会でもまともに議論されていないということにもすごく問題意識を感じますし、文教委員会にも報告されないまま、知らないうちに進んでいるということにはすごく危惧するところがありますので、ぜひこういうところはしっかりしてもらえればなと思います。  その総合学習の時間が削減するというところからの問題意識で調べていったところだったんですけれども、国のほうでも先日、教育再生懇が再開されて、主権者教育の検討が始まったりとか、都の教育委員会でも、中高生の半数が自分に否定的という調査結果を受けて、これから四月から自尊教育を試験的に取り入れていくなんていう報道がなされています。  主権者教育といえば、品川区の市民課はこれを一部分取り入れているんだろうなと思いますし、自己肯定感をはぐくむような自尊教育というものは、各地域ごとに民間プログラムを活用したりしながら取り入れられているんだなと思うんですね。でも、こういった時代に応じて必要な教育というものが、どんどんいろんなところで研究されて取り入れていかれているという状況で、それをやっぱり総合学習でやっていくというのが、かつて総合的な学習の時間を導入したそもそもの意図だったと思います。  新学習指導要領においても生きる力をはぐくむということにおいては、この総合学習の時間が大変重要だということを言っているわけですが、その「日本語」ということに固執し過ぎずに、あらゆる新しい時代に応じた教育を区教委として取り入れていくことを検討していく必要があると思うんですけれども、それについてはどうお考えでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 新学習指導要領の中でそれぞれの目標が示されておりますが、総合的な学習の時間におきましては、やはり子どもたちが自分で課題を見つけたり、あるいはその解決する過程を見つける、あるいは今回は他の教科の中と総合的な学習の連携をより重視するとか、さまざまな対応がありますけれども、新学習指導要領の目標に沿って、各教科及び領域等についても内容を充実させていきたいというふうに考えております。 ◆風間ゆたか 委員 ぜひあらゆる観点で、世田谷区で時代に応じた教育がなされるようにお願いしたいところです。  続いて、PTAに関して質問をします。  PTAの役員をやっている方々から日々相談を受ける機会があるわけですけれども、整理させていただきますと、PTAとはそもそもどういう団体という位置づけなんでしょうか。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 PTAの目的ということでは、会員である保護者の方、それから教員、教師が、子どもの健全な育成を目的に、子どもたちの育成と幸福を目指してお互いに学習していく。また、それに加えて、子どもたちの教育環境等の整備なんかに活動していくというような目的を持っていると理解しております。 ◆風間ゆたか 委員 この「みんなで学ぶPTA」という冊子を私も読ませていただいたんですけれども、この「みんなで学ぶPTA」というのを世田谷区立小学校PTA連合協議会が発行しているのはわかるんですが、世田谷区教育委員会とも書いてあるわけですね。任意団体であるPTAを学ぶ上で、なぜ教育委員会がここに名前を連ねているんでしょうか。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 学校と保護者の方、そういう中で、私どものところはPTAの支援ということの役割も担っております。そういうところで、例えば研修会なんかも、ある面では共催という形で行ったりしておりますので、そういう意味でのいろんな意見交換とか、ご助言とか、そういうところも含めまして、そういった面をやっているという形でございます。 ◆風間ゆたか 委員 教育委員会として、PTAはどういう存在なんでしょうか。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 あくまでも自主的な任意団体という位置づけと理解しております。 ◆風間ゆたか 委員 PTAの役員の方々にお話を伺っていると、もちろん子どもたちのために活動していることなんだけれども、例えばブロックだったりとか世小Pの役員とかになったりすると、余りにも物すごい時間をとられてしまって、お仕事がある人にとってはすごく負担になるし、家庭で子育てをされている方にしてみても、夕食の時間も割かなければならないというようなことも含めて、かなり時間をとられて負担感があるというようなお話をいただくこともあるんですが、その現状に関しては、教育委員会はどのような認識でしょうか。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 いろんな役員になられたりすると、ある面では大変な負担感を持っていらっしゃるというお声も聞いております。また逆に、ひとつ子どものためにやっているという意欲を持って進められている方もいらっしゃるということがあるかと思います。ただ、そういう中で、時代に即したようなPTAのあり方、また活動のあり方、こういうものの中で真剣に議論がされてきているように思います。私どもとしましても、そのような柔軟かつ、また効果的な取り組みが進むように、PTAの方とも相談しながら、一緒になって意見交換しながら、いろんな要望につきましては、より真摯に耳を傾けましてご支援させていただこうというふうに思っております。
    ◆風間ゆたか 委員 私もPTAってどういう存在なのかなということで簡単に調べてみましても、戦後のGHQ主導で始まった団体だということがわかりましたし、その前の戦前の日本の地域ごとの支えあい活動みたいなところもあったからこそ、日本ではPTAが一気に普及したというようなものも何かの本で見たことがあるんです。  じゃ、果たして、今の時代にこのPTAが本当にマッチしているのかどうかということに関しては、無理をしながらやっていかなければならない体制には、やっぱりどこか問題があるんじゃないかなと思うわけですね。これは教育委員会の事務局の方に言ったところでどう変わるものでもないと思うんですが、その一つの解決策としては、議場でも申し上げました、杉並和田中の学校支援地域本部事業を紹介させていただきましたけれども、文科省のホームページを見ますと、この学校支援地域本部事業ということに関しても、かなり予算をつけているという状況かと思います。  無理のない形で、地域全体で学校を支えていこうということかと思いますし、むしろ教育委員会が協力依頼をしやすい形なのではないかなと私自身も感じているところですが、この学校支援地域本部事業を世田谷で取り入れていくかどうかということも含めて検討したことはあるんでしょうか。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 文部科学省の学校支援地域本部の補助金に関しましては、世田谷区も教育委員会として受けております。中身としましては、その実態として、世田谷では地域支援本部にかわると言おうか、それに似たような組織として、例えば学校協議会がございます。そういう中でまた合同の学校協議会もしておりますので、そういうものを土台にして考えております。そういう中で、さらに機能化を図っていこうという形で考えて、国の文科省のほうに申請をして認められているという実態がございます。 ◆風間ゆたか 委員 時代に応じてという話をしましたけれども、もともとPTAの成り立ち、目的から考えると、PとTがともに子どものために学び合いましょうということだったかと思うんですね。ただ、今、時代の変化に伴って共働きの世帯も大分ふえてきているところですし、学ぼうといったときに、学ぶ機会というのは選択できる時代になってきているのではないかと思います。  もちろん教育委員会としてこういうことを学んでほしいということもあるとは思うんですけれども、今のPTAの状況は、話を伺っていると、各学校PTAごとの研修会があり、ブロックごとの研修会があり、また世小Pでの研修がありということで、もう研修漬けで、その準備も大変だし、本当にそれで時間をとられるのがもったいないというようなお話もいただきますので、もっとフラットな形で、学校支援地域本部事業の中の保護者部会というような形で、参加できる方は参加するし、保護者OBの方でも気軽に参加できるしというような、全体で学校を支援していくような新しい枠組みということを模索してはいかがかと思いますけれども、どうでしょうか。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 PTAも含めまして、今後のあり方については、役員の方なんかと相談して進めていきたいと思います。 ◆風間ゆたか 委員 よろしくお願いします。  以上で民主党・無所属連合は終わりにします。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で民主党・無所属連合の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時一分休憩    ――――――――――――――――――     午後五時十六分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆岸武志 委員 それでは、質問いたします。  希望丘中学校と船橋中学校の統廃合について伺います。  区の教育委員会は、平成二十四年四月、三年後という期日を具体的に示して、希望丘中学校と船橋中学校を統合しようとしております。教育委員会が作成した世田谷区立小・中学校の適正規模化・適正配置に関する具体的な方策にその考え方や方針が示されておりますが、基本的な内容に疑問を感じる点もございます。希望丘中学校は、この世田谷区立小・中学校の適正規模化・適正配置に関する具体的な方策で、児童数、生徒数及び学級数が減少し、今後も横ばい、または減少傾向が続くと見込まれる学校の中に含まれております。  今、一般的ですが、小学校から中学校に上がるときには三割程度の生徒が私立にも行く、こういう状況が生まれてきていると思います。今日の経済状況で、私立中からの回帰の可能性というものも今生まれてきているかと思います。  希望中についてですが、生徒数が減るとされていることについて、まず区の見解を伺いたいと思います。 ◎水野 副参事 このたびの適正規模化の取り組みでございますけれども、まず小規模化傾向が続くと見込まれる中学校で、他の学校と近接している学校について統合を図るといったものでございます。平成十年の世田谷区立小・中学校適正配置等審議会の答申におきましては、中学校における規模の下限を、連続する学年が三学級を維持することができない場合としています。  希望丘中学校でございますが、昭和五十七年に、当時八学級で開校いたしまして、十四から十五学級程度の学校でございましたけれども、現在、平成十五年以降、六学級となっておりまして、減少化傾向が続いているものと認識しております。 ◆岸武志 委員 そういう傾向が続いているというふうに言われる側の関係者の気持ちもよく考えてもらいたいと思うんです。  それで、もう一つは、東京都の都政にかかわることですが、全国の都道府県で東京だけが少人数学級を実施していないということになっております。それで、これは区で決めることではないかもしれませんが、三十人学級などの少人数学級化が実施されていた場合、本当に学校の教室のキャパシティーその他は、こういった計画で足りていくんでしょうか、その点についても伺います。 ◎水野 副参事 ただいまのところ、三十人学級についての情報はございませんで、現在の制度の中での検討でございます。 ◆岸武志 委員 声がどうかということではなくて、そういう学級編制の仕組み自体が変わった場合のことは、ここには想定されていないと思うんですね。そうしたこともあり得ることだということも申し上げておきたいと思うんです。  もう一点、希望丘中について言うと、学校の校舎自身は二十六年程度と、比較的新しい校舎になっていると思います。それでもこういう対象にするというのはどのようにお考えなんですか、伺います。 ◎水野 副参事 先ほど申し上げましたけれども、このたびの適正規模化の取り組みは、まず小規模化傾向が続くと見込まれる中学校、この場合、希望丘中学校になりますが、もう一方の船橋中学校が近接している、こういった条件から統合を図るといったものでございます。 ◆岸武志 委員 教育委員会は地域にいろんな協議機関をつくろうとしております。学校の統廃合というのは、各学校の関係者や地域住民の合意というものが大前提です。学校関係者などから、現在どのような声が出されているかについても伺います。 ◎水野 副参事 まず、昨年八月に策定いたしました区立小・中学校の適正規模化・適正配置に関する基本的な考え方及びこれに基づく具体的な方策(素案)でございます。さらに、今委員ご紹介ありました本年二月にまとめました具体的な方策の案につきまして、昨年の九月からことし三月にかけまして、統合対象の中学校四校及び関係小学校十校になりますけれども、保護者を初め学校関係者にその内容をご説明してまいったところでございます。  いただいた意見でございますけれども、全体としては、学校関係者、多くの皆様からは冷静に、区立小中学校の新たなあり方への提案と受けとめていただいたと認識をしているわけでございます。保護者、地域の方々からいただいたさまざまなご意見、ご要望を大きくまとめますと、一つは、早目に具体的スケジュールを明らかにして、今後の協議、検討では、保護者、地域の意見を十分に聞いてほしい、また、新校のイメージがわかるように具体的な説明をして、生徒への負担を少なくしてほしい、また、学校統合にあわせて通学区域の見直しなどにも取り組むべきである、このようなご意見をいただいております。 ◆岸武志 委員 実際に一番大きな影響を受けるのは現在の小学生だと思います。区の教育委員会の案では、例えば受験を控えた中学校三年生がこの統合の対象になるという学年は何年生になるでしょうか。 ◎水野 副参事 今回お示ししました具体的な方策の案では、船橋中と希望丘中学校の学校統合の時期は平成二十四年四月を目途とするとしております。具体的には、現在、小学校五年生の児童が中学校二年から中学校三年生へ進級するときに、また、小学校四年生の児童が中学校一年から中学校二年に進級するときに統合を迎えることになりまして、現在、小学校三年生の児童は、初めから新校に入学するといったことになります。 ◆岸武志 委員 今の小学校四年生と特に五年生ですよね。ここの児童や生徒がなったとき、それからご家庭が一番大きい影響を受けると思うんですよ。ですから、子どものことをやっぱり第一番目に考えるということが何より重要だと思うんです。そうした立場はしっかり持っていただきたいと思います。  それから、希望丘小学校も希望丘中学校も、希望ケ丘団地を初めとして、やっぱり地域がはぐくんできた、そういう学校です。小学校も含め、学校関係者や地域の合意のないような強引な統合ということだけはやめるように強く求めたいと思います。  それでは、次の質問に移ります。  喜多見東地区会館のまちかど図書室について伺います。  私は一般質問で、喜多見東地区会館の改築にかかわって質問いたしました。工事中の代替施設確保や現在のまちづくり出張所の跡利用にかかわる要望のほか、まちかど図書室にかかわる要望も出されております。地区会館にはまちかど図書室が設置されております。改築によって図書室が広くなり、蔵書をふやす予定もあるやに聞いております。説明会でもレファレンスサービスをしっかり行ってほしいとの声も出されておりました。  施設が充実されるのに伴い、サービスや運営をどのように改善していくのか、区の見解を伺います。 ◎畑中 中央図書館長 お話しの喜多見東地区会館まちかど図書室でございますが、現在、施設が狭隘であるということなどから蔵書数が約六千冊と、五つのまちかど図書室の中では最も少なくなっております。また、開室日も週三日の午後の半日という形でとどまっております。ほかの四カ所のまちかど図書室でございますけれども、蔵書数が約一万四千から一万八千冊ほどありまして、開室日も週六日、午前午後の全日開室しております。  改築後のサービスや運営方法については、これから決めていくことになりますけれども、改築後のスペースが現在の約二倍になるというような予定となっておりますので、できればほかのまちかど図書室と同じ水準にしてまいりたいというふうに考えております。 ◆岸武志 委員 まちかど図書室のオンライン化についても伺います。  まちかど図書室では、蔵書の貸し出しのほか、ほかの図書館の本も取り寄せられると聞いております。しかし、オンライン化されていないため、資料の検索などが十分できず不便です。まちかど図書室をオンライン化できないのか、区の見解を伺います。 ◎畑中 中央図書館長 ご指摘のとおり、まちかど図書室では、現在のところ事務処理がオンライン化されておりませんので、利用者の方がご自身で図書館の資料を検索することができず、あるいは貸し出し、返却などの事務手続は手処理でやっているという形になっております。  オンライン化をすれば利便性が向上することは間違いないと思っておりますけれども、ただ、まちかど図書室のオンライン化につきましては、設備の改修、あるいはスタッフの配置、あるいは図書を運搬する物流システムの改善などさまざまな課題があるというふうに認識しております。  今後、まちかど図書室の機能については、現在策定中の図書館ビジョンを策定検討の中で考えていくこととなっておりますので、お話しの点も踏まえながら、今後、利便性についても改善を図っていきたいというふうに考えております。 ◆岸武志 委員 図書館ビジョン策定の中で検討するということですが、喜多見東地区会館が合築施設として再開されるときには、このオンラインシステムをぜひとも導入していただきたいと思います。見解を伺います。 ◎畑中 中央図書館長 繰り返しになりますけれども、お話しの点も踏まえながら、あと、いろいろ課題もございますので、そちらの解決も図りながら進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆岸武志 委員 実現方、要望いたします。  それでは、質問者を交代いたします。 ◆中里光夫 委員 未曽有の不況が押し寄せています。この貧困問題について、私、この間、ほかの各所管でも質問してきましたけれども、きょうは文教所管にかかわる問題でやりたいと思います。  先日のNHKのドキュメンタリー番組で「貧しくて学べない」と題した特集を行っていました。番組で紹介された高校生は、父親の自動車部品工場が昨年十一月から受注が激減したと。操業停止状態に追い込まれ、住居を手放し、工場で寝起きする事態になっていると。ユニホームも買えないので、部活もやめた。片道二百円の電車代を節約するために、一時間以上かけて歩いて通学を始めたと。学校は続けたいけれども、お金がかかる。しかし、親はつらいつらいと言っている、こういったコメントをしておりました。失業や収入の激減で高校の授業料を滞納したり退学をする家庭がふえている、こうしたことがこの番組の中で紹介されていました。  公立高校の授業料減免を受けている人数が全国で二十二万人、十年間で二倍にふえているということであります。区立の小中学校の児童生徒の家庭でも同じようなことが起こっているんじゃないでしょうか。今後、失業や収入の激減で生活が急激に困窮する、こういう家庭がふえてくるのではないか、大変心配だと思います。  教育委員会は、この不況のもと、生徒児童の保護者の経済状況が就学困難な状況になっていないかどうか、実態をつかんでいるのでしょうか。学校はこうした問題に注意を払い、速やかな対応がとれるようになっているんでしょうか。何か対策を打っているのか伺います。 ◎阿竹 学務課長 ただいまお話がございましたように、就学が経済的に困難な状況にある世帯につきましては、就学援助制度を利用いたしまして援助しているところでございます。 ◆中里光夫 委員 就学援助を実施しているということでありますけれども、給食費の滞納であるとか、子どもの様子がおかしいんじゃないかだとか、サインを見逃さずに、そういった経済状況の相談に乗ったり、速やかな対応をするようなことが求められると思います。これまでの年に二回、就学援助のお知らせを配って対応するというだけでは、今後、こうした急激な経済不況の中での状況に対応できないんじゃないか、常に注意を払っている必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎阿竹 学務課長 ただいまのご質問でございますが、就学援助の実施につきましては、社会経済状況が非常に厳しくなっているということは私ども重々承知しております。そういったことで、就学援助の制度の周知につきましては、学校のほうにもきちっと周知をいたしまして、保護者の皆様に知らなかったということがないように、先ほど委員のほうからも年二回というお話がございましたが、学校で年二回周知するとともに、公共の施設にもそういった就学制度のお知らせ等を置きまして周知しているところでございます。 ◆中里光夫 委員 文部科学省が三月十一日に就学援助について、年度の途中であっても速やかに認定し援助することなどを求める通知を都道府県の教育委員会に出したと報道がありました。この通知について、区は知っているでしょうか、どのような内容でしょうか。 ◎阿竹 学務課長 ただいまお話しいただきました文部科学省からの都道府県あての通知につきましては、東京都のほうから通知がまだ来ておりませんので、内容については承知しておりません。 ◆中里光夫 委員 私、けさ東京都の教育委員会から手に入れましたけれども、ここにはこんなことが書いてあります。タイトルは経済的に就学困難な学齢児童生徒に対する就学援助の実施について、この中には、保護者の失職等経済的理由により就学が困難になることが懸念されるということが書いてあります。そして、年度の途中であっても速やかに認定し、必要な援助を行うよう求めています。  世田谷区の就学援助制度は、前年の所得をもとにした判断が基準となっています。例えば、先ほどテレビの例で紹介しましたけれども、昨年の十一月に失業して、今生活が困窮している、こういう場合に、すぐ就学援助の支給を受けられるんでしょうか。 ◎阿竹 学務課長 ただいまのお話でございますが、現在は、先ほど委員からもお話がございましたように、就学援助の認定に当たりましては前年度の所得を基準としておりますことから、そういった対応をしております。 ◆中里光夫 委員 前年度の所得ということになりますと、先ほど言ったような、十一月に失業したり、工場が操業停止になったというような場合に、例えばこの四月に申請をした場合に認められるんでしょうか。 ◎阿竹 学務課長 先ほど申し上げましたように、認定のもとになりますのは前年度の所得でございますので、申請をしていただきましたときに、その所得が認定基準以下であれば受給ができるということでございます。 ◆中里光夫 委員 その所得というのは、前の年一年間を見てということではないんですか。 ◎阿竹 学務課長 そのとおりでございます。 ◆中里光夫 委員 そうすると、例えばこれが十一月ではなくて二月、今苦しくなったと。貯金が全くないというような場合に、四月にやった、この一年間を見てということでは難しいと思うんです。  この文部科学省の通達ではこう言っているんです。昨今の金融経済情勢の悪化に伴い、雇用状況の悪化が顕著となる中で、学齢児童、または学齢生徒が保護者の失職等の経済的理由により就学が困難になることが懸念されます。こういう場合、就学が困難だというふうにはならないんですか。 ◎阿竹 学務課長 先ほどもお話し申し上げましたように、文部科学省の通知は承知しておりませんので、これまでどおり必要な対応を行ってまいりたいと考えております。 ◆中里光夫 委員 ここにもありますように、今急激な経済不況で、いつ失業するか、いつ所得がなくなるかというのは、これはわからないわけです。失業すると、これはきのうの都市整備所管で言いましたけれども、突然家を失うというような場合さえあると。そういう状況の中で、やはり就学が困難な状況かどうかというのをきちんと見て、きちんと必要な対応ができるよう強く求めたいと思います。  それでは、次の質問に移ります。  日本語に不自由している(「もっとやったほうがいいんじゃない」「もっと頑張れって」と呼び、その他発言する者多し)まだやれという話があるので、続けたいと思います。  そこをもう一度確認したいんですけれども、この十一月、十二月というような時期に仕事を失って、貯金もない、家も出されるかどうかというような人が、小学生、中学生のお子さんがいる場合に、前の年の所得ということで見たら、そこまではうまく仕事が回っていたわけですから、それはあるわけなんです。今までの基準で見るというだけだと、そこは救えないんじゃないかと思いますが、そんなことはないということですか。 ◎阿竹 学務課長 ただいまのお話でございますが、先ほど来申しておりますように、国の通知を私ども承知しておりませんので、私どもの対応といたしましては、これまでどおりきちっと対応させていただきたいと思っております。また、そういった失業等で本当に日々の生活に困るような場合につきましては、セーフティーネットというところで生活保護もございますので、そういったさまざまなサービスを利用しながら、そういった方を支援していくことになろうかと思っております。 ◆中里光夫 委員 これまでどおりということではなくて、緊急な場合、実態を見ていただいて、就学が困難な家庭を生まない、子どもを生まないというのがこの就学援助の趣旨でありますから、それがきちんと実行できるように行っていただきたいというふうに思います。  それでは、次の質問に行きます。  次、日本語が自由にしゃべれない、例えば帰国子女であるとか外国人の児童生徒への対応について伺いたいと思います。  日本語が話せない児童生徒への対応というのは、区としては今どのように行っているんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 外国籍あるいは帰国子女の場合には通訳を派遣して、学校生活が困らないというような制度を活用して、学習及び学校内の生活が順調にいくようにというような援助を行っております。 ◆中里光夫 委員 通訳を派遣するということですけれども、今までの実績ではどのぐらいあるんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 今正確な数字は把握しておりませんけれども、帰国子女の中でも日本語に不自由しない児童生徒の場合にはほとんど活用しません。済みません、何時間という時間の単位で区切っておりますけれども、申請があったらば大体一週間程度で、言語のできる通訳を各学校に派遣して、初期の導入と。特に子どもについては、数カ月以内に日常言語についてはかなり困らない状態になりますので、人数について正確な数が今手元になくて申しわけないんですが、かなり活用されているという実態はございます。  外国人の児童生徒への日本語通訳の派遣につきましては、現在、予算としては七百二十九万八千円の予算がついております。 ◆中里光夫 委員 私が相談を受けた例で、日本語がわからないお子さんが中学校に通っていて、なかなか十分な対応ができずに、結局、授業についていけなくて、インターナショナルスクールに移らざるを得なくなったと。インターナショナルスクールの場合は学費も非常に高い、それから奨学金などの支援の制度もうまく使えないということで、経済的に大変苦しい状況の中で、お子さんをそういった学校に通わさざるを得なかったというお話も伺っています。  今、通訳を派遣する制度があるということだったんですが、それは保護者の方には広く周知されているんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 周知もございますけれども、区立の小中学校にそのような日本語が自由でない児童生徒が入学した場合には、すぐに学校のほうから要請をいただいて派遣するというふうに動いております。 ◆中里光夫 委員 これから国際的な交流もふえますから、そういったお子さんがふえていくと思います。先ほど時間でということですけれども、今のお話だけでは十分な体制がとれているのかどうかよくわかりませんが、こういった通訳の派遣など、今後さらに充実していただきたいというふうに思います。  それから、三宿の夜間中学校で、常駐の中国語の通訳を配置してほしいんだ、こんなお話を伺いました。私も何度かこの三宿の夜間中学校の授業を見せていただいたり、先生のお話を伺ったりという機会がありました。私が学校に行って感じたことは、外国人の生徒さんが本当にたくさんいらっしゃる。卒業文集なども見せていただきましたけれども、母国にいたときには教育を受けられなかった、日本に来て、この三宿中学校に来ることができて本当によかった、そういう声がたくさん卒業文集には書いてあるんですね。三宿中学校のこういった教育というのは本当にすばらしいなと、授業なんかを見せていただいたときに思いました。  同時に、外国人の方が随分多いなというのが私の印象でしたけれども、その通訳をというお話をなされた方の話だと、全体の生徒さん百名余りのうちの四割近くが中国人の方だということなんですね。授業は日本語で行っていますけれども、私も授業を見させていただいて思いましたが、本当に日本語がほとんどわからないという方からかなり達者な方まで、いろんなレベルの方がいらっしゃる。中学生の学齢よりは上だということですから、十七、八歳の方から高齢の方までたくさんいらっしゃる。そういう中で、いろんな生活の相談であるとか、進路の相談であるとか、授業以外のところで、やはり母国語である中国語で対応ができる体制というのは大事なんだろうなというふうにお話を伺いました。  ところが、今回、中国語ができる先生が異動でいなくなってしまって、その後の補充がないというようなお話だったんですが、そこについての事実関係はどうなっているのでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 中国語の堪能ないわゆる県費負担職員――通常の教師ですけれども――が今いて、今度、それについては、人事のことについては詳しくは言えませんけれども、いるかいないかについてということで、心配があるというような話は聞いております。 ◆中里光夫 委員 その方から資料をいただきましたけれども、都内にあるほかの夜間中学でも、やはり中国の方が多いということで、中国語が話せる先生なり職員なりを配置しているというようなことなんですが、今後、三宿中学校でそういった体制というのはどうなっていくんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 中国語の堪能な人が欲しいという学校からの要望を受けまして、区の教育委員会では、昨年六月から中国語に大変堪能な臨時職員を週三日程度配置して、生徒の対応に当たっているところでございます。  二十一年度は、今年度の対応に加えまして、区独自の施策であります外国人の児童生徒や保護者に対しての通訳を派遣する、先ほどの事業ですけれども、これを拡大して、夜間学級で健康診断や保護者会などが行われる日に、中国語の通訳を派遣できるような働きかけも加えて行う予定でございます。  また、教員配置につきましては、責任を持つ東京都教育委員会にあっては、教職員研修センターにおいて中国等帰国児童生徒を担当する教員向けの研修として、日本語指導の基礎や日本語学級等で必要な基本的中国語会話の習得などのプログラムを用意しております。  公立中学校の教員の任命権は都道府県教育委員会に属しますので、区教育委員会といたしましては、東京都教育委員会に対してこうした夜間中学校の現状を訴え、中国語会話のできる教員の配置を強く求めていきたいというふうに考えております。 ◆中里光夫 委員 やはり学校というのは毎日のことですし、日々、いろんな出来事があると思うんです。通訳を派遣することを考えているということで、それは一歩前進だとは思うんですけれども、今まで必ず中国語を話せる先生がいたという状況から考えると、生徒さんたち、それから学校側の体制としても不安が大きいと思うんですね。ぜひより厚い体制で臨めるよう、検討をさらに進めていただきたいと要望します。  それでは、次の質問に参ります。  CO2削減のために、再生可能エネルギー、自然エネルギーへの転換は重要な問題だということで、これは環境の分野でよくお話ししますけれども、学校施設で太陽光発電を行う、この問題についてちょっとやりたいと思います。  世田谷の自然環境からすると太陽光発電というのは極めて有効だということが、環境所管でも答弁がありました。今後、学校施設の建てかえであるとか一部建てかえで太陽光発電を導入する、こういう方針が出されています。実際に随分たくさんの学校で今後ついていくような計画が、今回の予算案でも出されています。非常に頑張っていると思います。これは当然のことだと思うんですね。公共施設が率先してCO2を削減していく。さらに、教育機関ですから、環境教育にもなるということで、私は、さらにできるだけ多くの学校で、将来はすべての学校で太陽光の発電を導入していくべきではないか、こんなふうに思うんです。今やっているのは建てかえ、一部建てかえのときだけだと思いますが、どうでしょうか。
    ◎伊東 施設課長 現在は、全面改築校のほか、一部改築、あとは屋上のスペースの関係などを見ながら増築校などにも導入しているところでございます。 ◆中里光夫 委員 建物の条件とかいろいろあるでしょうけれども、既存の建物に対しても太陽光発電を設置していくことが必要じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎伊東 施設課長 太陽光発電の設置につきましては、設置に係る工事費と発電量の費用対効果、屋上利用の形態と設置スペースの関係などを考慮して、総合的に判断しております。  既存校への設置では、加えて荷重の問題を初め、建築関係の法令等への適合などさまざまな課題がございますので、慎重に検討しなければならないと考えております。 ◆中里光夫 委員 いろいろハードルはあると思いますけれども、新しい技術も生まれていますし、必要な補強をすれば可能だという学校も当然あると思うんです。特に建てかえ、一部建てかえのときにしかやらないとなりますと、この太陽光発電をつけ始める前に建てかえが終わってしまったような学校は、五十年、六十年先までつかないというような話にもなりかねませんから、そんなことはないと思うんですね。実際可能かどうか、見解を伺います。 ◎伊東 施設課長 太陽光発電につきましては、比較的新しい分野の製品でございますので、今後もさまざまな新しい装置ですとか技術開発が進むものと考えております。そういった意味で、今後も研究検討を続けて、将来的にはすべての学校への設置というようなこともできたらいいなとは考えております。 ◆中里光夫 委員 大変心強い答弁だったと思います。ぜひ前向きに検討して、すべての学校につけるような計画をぜひ立てていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わりにします。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆桜井純子 委員 生活者ネットワークの文教所管の質問を始めさせていただきます。  初めに、不登校対策について質問いたします。  これまでも不登校対策については、私からも継続して質問をさせていただいてきましたけれども、先日の一般質問の答弁の中で、区の認識として、不登校の要因は複合化、多様化していて、不登校の子どもの状態も一人一人異なっているということとか、また、長期化して、学校だけではなく、その支援機関にもかかわっていない子どもが多くいるということなどを答弁なさっていらっしゃいました。これは本当に現在の不登校の子どもたちの現状を的確にとらえているというふうに思います。私もこの点については同感です。  だからこそ、一人一人の子どもの状況に合った場の提供をすることが大変重要になってくると思いますし、その場を提供することが、子どもの学ぶ権利を保障することになってくるということは、これまでも何回も主張をしてきたところです。  今回出されました世田谷区不登校対象検討委員会における検討状況というものを見ますと、その中に、子どもの状況に応じた多様な居場所の整備や相互連携というものが現状の主な課題ということで示されています。もちろんずっと主張もしていますので、こういった視点を盛り込まれていくことにはとても評価をしているところですが、この不登校対策委員会の中での議論の中で、やっぱりほっとスクールの増設ということが何度か議論にもなっていました。  でも、先ほどから申し上げているように、子ども一人一人の状況が違うということ、多様化しているさまざまな要因を持った子どもたちを何らかの形で居場所につなげていくためには、多様な居場所をつくっていくほうが、第三のほっとスクールを単純に設置していくことよりも、まず初めにやっていかなくてはいけないものではないかというふうに考えます。  フリースクールとかフリースペースというような、そういったものもありますし、また別の京都にもあるような、また奈良にもありますけれども、いろいろな新しい視点での居場所というものをつくっていくことがまず先決なのではないかと思います。選択肢の多様化をまず目指していくべきだと思いますけれども、区の見解をお聞かせください。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 不登校対策検討委員会における検討の中では、ほっとスクールや山崎中のひなぎく学級において、毎年、年度の後半に入室待ちとなる状況や、区域が広い世田谷区での通室負担を理由に入室に至らない場合などがあることから、待機の解消や通室負担の軽減のための施設整備の必要性が挙げられているところでございます。  検討委員の中からは、不登校の児童生徒のさまざまな状況に応じた居場所づくりの必要性、多様な活動スペースの確保や区内での地域バランスなど、また、施設ごとにその機能や運営を考え、児童生徒や保護者が施設を選択できるようにすべきとの意見などもいただいているところでございます。  区教育委員会といたしましては、三月末に予定しております検討委員会の最終検討をもとに報告書を取りまとめ、来年度には具体的な実施案を作成していく予定でございます。 ◆桜井純子 委員 多様な選択肢をまず用意していってあげるということも大切ですので、新たな施設のイメージなどをしっかりと整理して、次なる支援策の取り組みを示していっていただきたいというふうに思います。  これまでも不登校の子どもの多様な居場所の例として公設民営の場所、例えば公設民営で取り組まれている川崎市の子ども夢パークの中にあるフリースペースえんなどを紹介したりとかしてきました。こちらなんですが、昨年の秋に不登校対策検討委員会で視察をしたというふうに聞いていますけれども、この視察によって得たものや、また議論がどのようになったのかということを教えてください。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 お話にございました川崎市のフリースペースえんの視察につきましては、不登校の子どもたちの多様な居場所づくりをどのように進めていくか。また、えんは、川崎市の設置主体でNPO法人が運営する、いわゆる公設民営方式の施設であるという視点から、視察先とさせていただいたものでございます。  検討委員からは、施設を利用したいときに利用が認められるのは、状態が日々変わる不登校の子どもにとっていいのではないか、それから、施設でのさまざまな活動のプログラムを子どもたちが決めているのがよいなど、さまざまな意見や感想をいただいている、そういった状況でございます。  また、検討委員会におきましては、特区による不登校の中学校でございます京都市の洛風中学校の取り組みですとか、大和郡山市の適応指導教室ASUなどの他の自治体の先進事例についても、さまざまな観点から検討しているところでございます。 ◆桜井純子 委員 やっぱり私もえんに視察をしたことがあるんですが、施設で多様な活動のプログラムを子ども自身がつくっているということは、やはり子ども自身が力をまた取り戻していくためにもすごく必要なことだと思います。京都の洛風中学については、教育長も一緒に視察をしたことがありますけれども、さまざまな取り組みが各地で行われていますので、例えば民間との連携のあり方を参考にしていくことも大事ですし、また、この中には出てきませんでしたけれども、葛飾区もNPO東京シューレと連携して、葛飾区の東京シューレ葛飾中学というのをつくっていますよね。私はまだ行ったことはないんですが、そういったところも参考になるのではないかと思いますので、ぜひまたそこら辺も勉強していっていただきたいと思います。  というのは、検討の状況の中に、NPO団体と民間施設との連携というのが示されているわけですね。ですから、いろんな角度で民間団体、NPO団体との連携というのを考えていかなくてはいけないと思います。民間との連携というのはとても有効だということをこれまでも指摘してきましたけれども、この検討の中に示されたことはすごく評価をしたいと思います。  区は、現時点で民間との連携についてどのように考えていらっしゃるのかお聞かせください。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 不登校を支援している民間施設や団体との連携につきましては、不登校の子どもの立場に立って、何が大切であるのかを考えながら推進していきたいというふうに考えているところでございます。  検討委員会の中では、現状の不登校の児童生徒の多様性を考えると、こうした民間の施設や団体もサポートの一つの主体としてとらえ連携を深めていくことが必要である、そういったご意見もあるところでございます。  こうした民間の施設や団体は不登校の居場所づくりにおいて独自のノウハウを持っており、ほっとスクールなどの施設とは異なる、特色ある支援を行える可能性もございます。今後、お話しの連携についても、民間施設や団体の持つ活動のノウハウや活動の実績などを踏まえながら、施設運営の中で生かしていく方法について検討してまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 子どもの最善の利益という視点に立って、民間のノウハウや実績、そういったものを持ったものとどのように連携して生かしていくのかということをしっかりと検討していっていただきたいと思います。  民間との連携と同時に、民間への支援ということも積極的に取り組んでいかなくてはいけないところだと思います。そういうことをすることによって、今ある民間の団体が今以上に力をつけていって、また新しい連携や新しいノウハウをいろいろと提供してもらうということも出てくると思うんですね。そういったところの支援については、区はどのような考えを持っているのかお聞きします。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 民間団体への支援というお話でございますけれども、検討委員会の議論の中では、地域全体で不登校の子どもにかかわり支援していく、そういう視点から、福祉や保健などの公的な関係機関との連携だけでなく、区内にあるフリースクールなどの民間の施設や団体の活動との連携した取り組みが必要であるというご意見でございました。  区教育委員会といたしましては、区内で不登校への支援のために活動している民間施設や団体等と不登校の子どもに対する支援策での相互協力、それから情報交換の機会等を定期的に設けていくなど、連携に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  また、お話にございましたフリースクールなどへの支援についても、こうした連携を強め、お互い顔が見える関係づくりを推進していく中で、支援のあり方等についても検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆桜井純子 委員 今までこういったことを聞きますと、大体相互協力とか情報交換みたいなところで話は終わっていたんですけれども、顔の見える関係をつくって支援のあり方を検討していくということですから、この検討委員会をしながら一歩、二歩進んできたのかなというふうに思います。こちらの検討も三月にまとまりある一定のまとまり方をしてくると思うんですが、期待をしておりますので、もう少し突っ込んだものを出していっていただきたいというふうに思います。  これから具体的に計画をまた一年間かけてつくっていくことになると思うんですが、それに当たっては、不登校を経験した子どもとか保護者とか、話をしたいということであれば、今不登校をしている子どもとか、そういった当事者の方々の話を聞いていくことも、支援をつくり上げていくためにはとても大切な視点だと思うんですけれども、こういったことというのは、区は今どのようにお考えでしょうか。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 今後、不登校の児童生徒への支援をしていくに当たりまして、不登校の経験のある方ですとか、不登校の子どもを育てた保護者などからご意見やご要望をいただく機会を設けていくことは大切であるというふうな認識をしております。  区教育委員会では、不登校の子どもを育てた経験のある方に本検討委員会に参加いただくとともに、検討委員会の設置に先立ちまして、ほっとスクールの保護者を対象に意見交換会を開催しているところでございます。保護者からは、学校には行けなくなったが、学校以外の選択肢として行けるところがあるのは心強い、安心感につながっている、ほっとスクールに、子どもたちと共通の話ができる学生ボランティアなどがいるといい等々の意見もいただいているところでございます。  今後、検討委員会の報告書をもとに、新たな施設などの具体化に取り組んでまいりますけれども、その具体化の中で、ほっとスクールに通室している子どもたちなどの声も聞きながら、不登校の児童生徒の状況に即したきめ細かな対応ができるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆桜井純子 委員 直接子どもの声を聞くというのは本当に大切だと思いますので、いろいろな工夫というのが必要になってくるとは思いますけれども、ここのところをしっかり行っていくことが、これからの世田谷区の不登校対策の本当に大きな柱になっていくと思いますので、しっかりと取り組んでいっていただきたいというふうに思います。  そして、この不登校対策を進めていくに当たっては、まず、区が不登校をしている子どもたちに対してどのような視線を向けているのかということが大変重要になってくると思います。不登校をしている子どもの中には、自己肯定感がとても低くて、自信を失っている子どももいるということや、また、以前、この場で私の経験も踏まえて、どれほど不登校の子どもが毎日毎日挫折感を味わっているのかといったことをお話ししたこともございます。そういったことも考えますと、不登校の子どもへの支援を行うときには、まずありのままの子ども自身を認めていく、ありのままの自分でいいんだよという、そういったメッセージを送ることも大切なんですね。  そういった自己肯定感というものをはぐくんで取り戻すという視点をしっかりと持って対策に臨んでいくことが必要なんですが、こういった点に関しては、区はどのようなお考えをお持ちでしょうか。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 不登校対策検討委員会の中では、今後の不登校の児童生徒への支援の基本的な考え方といたしまして、子どもの育ちを考えて支援する、早目早目の対応で支援する、地域全体で子どもを支援する、そういった三つの視点を整理し、支援を推進することとしておるところでございます。  特に不登校の児童生徒への支援に当たりましては、一人一人の児童生徒の気持ちを第一に考え、児童生徒の立場に立って、何が重要であるかを考え支援していくことが必要でございます。  不登校となる背景や要因は複雑化、多様化している現状でございますけれども、今後とも社会的な自立を支援する観点から、不登校の児童生徒の状態に応じて支援のための施策を充実していきたい、かように考えているところでございます。 ◆桜井純子 委員 現在つくられている後期子ども計画の中でも、今までですと、子ども計画というと、子育て支援というところが大きく図上に来るというものだったんですが、今回は子ども支援という視点がまず第一に来るという計画のつくり方になっています。こういったところは、教育の現場でもしっかりとその視点を持っていかなくてはいけないというふうに思います。不登校のことを話すときに、教育長とも何回かやりとりをしたことがありますけれども、カウンセリングのそういったマインドを持っていかなくてはいけないということはよくご存じだと思いますので、子どもがありのままでいいよというメッセージを受け取る、そのことがどんなに大切かということを全体で共有しながら、不登校の対策というのを行っていっていただきたいと思います。  では、次に、男女平等教育について質問をいたします。  内閣府の男女共同参画局では、地域における女性に対する暴力の予防啓発に関する調査研究というもの、簡単に言えば、デートDV予防啓発の調査研究が行われました。  これに取り組んだのが横浜市なんですが、この横浜市が平成二十年三月に調査結果をまとめました。この調査結果を見ますと、交際を経験したことのある人の被害率というのが出ているんですが、高校生の男子で二七・一%、女子が三三・七%、大学生が男子二八・二%、女子が四四・八%の被害を受けた経験があるという結果が出ています。  これはいろんな質問を読み取っていくとすごく重大な結果がわかるんですが、まず、高校生のときには言葉による暴力とか性的な強要というのが女子のほうが被害率が高くて、そのほかのものというのは男女が割と横並びなんですね。  ですけれども、大学生になると、男性よりも女性のほうが被害が大きいというものがすべてのものに当てはまってくるんです。たたく、けるとか、そういった身体的暴力や、ばかにしたことを言ったり、どなったり傷つける言葉を言うという精神的暴力、性的な行為の強要、これはもう本当に女子だけが受けているような被害です。この中の項目でびっくりするのが、お金を無理やり出させるという金銭的な暴力や、今すごくデートDVで問題になっているのはメールチェックというものがすごく激しいということで、すべての項目について、大学生になると女性が大きな被害を受けているということがわかります。  先日の一般質問の中でも女性は弱いから殴ってはいけないのではないということを申し上げましたが、女性が弱いという、こういった考え方自体が暴力を生み出す背景となっていて、こういったことがどんどん根づいていくことによって、年を重ねるごとに女性が弱いような立場の者になっていくということ。社会に出ると、やはり社会的に賃金格差などがどんどんあふれている。そういった社会の中で、社会的に女性が弱い立場にならざるを得ないということなんです。生まれたときから弱い者ではないということです。  若い人たちの間で起きていますデートDVというのは、高校生になったから突然起きるということでもありません。それまで培われてきた男性感や女性感にも大きく由来しているものです。こういった暴力を生み出す背景を改めていくには、子どものころからの男女平等意識を育てることが不可欠だと思います。  世田谷区の教育ビジョンなんですが、教育ビジョンの中には人権教育として男女平等教育をしっかりと位置づけています。このことについては、生活者ネットワークとしても大変高く評価をして、その推進には期待を寄せてきたのですけれども、現在、学校現場ではどのような男女平等教育を行っているのかお聞きいたします。 ◎小島 教育指導課長 学校での男女平等教育でございますが、道徳におきましては発達段階に応じて男女仲よく協力し助け合うことの大切さや相手の人格を尊重することを指導し、中学校社会科の公民的分野では男女共同参画社会の形成について取り上げております。  また、特別活動では、男女相互の理解を一層深めるとともに、人間として互いに協力し尊重し合う態度や、家庭、社会における男女相互の望ましい人間関係のあり方などについて指導しております。また、日常の学校生活におきましても、性別によらない男女混合名簿の使用など、あらゆる場面で人権の視点を持って取り組むなど、各学校ではすべての教育活動を通して男女平等教育を進めています。  男女平等教育は人権課題にかかわる重要な課題であり、各学校では、人権教育の全体計画、年間指導計画などを作成し、児童生徒の発達段階に応じて計画的に人権教育を進めております。 ◆桜井純子 委員 教育ビジョンの中には、教育ビジョンの施策のすべてが人権尊重の精神を基調とし、人権教育を基盤としているということが明記されていて、その人権教育の中で男女平等教育を推進するということが書かれています。ところが、先日、ある小学校に行ったときにトイレの表示が、女子は赤、男子は青という、そういった表示になっていました。男女平等教育を推進していくためには、その性別色分けというものをしないことは基本中の基本なんですが、そういったことが起きていました。こういったことを進めていくと掲げていながら、こういう全体化したところに男女平等教育が行われていないんじゃないか、そういった首をかしげるようなことがありました。  全体的なことを考えますと、指導課はもちろんですけれども、施設課も、例えば生涯学習というふうにすると、地域に対しての発信ということにもなってきますし、また、図書館というのも大きな役割を担っていくと。一つ一つ挙げていっても、教育委員会の中すべての所管が男女平等教育に取り組むべき所管だというふうに思います。  こういった状況のことを考えますと、教育委員会全体で本当にこのことを理解して推進していこうと考えているのかということが疑問になりますが、この点について、教育長はどのようなお考えを持っているでしょうか。 ◎若井田 教育長 今、委員に教育ビジョンの文章を読んでいただきましたけれども、教育ビジョンの施策のすべてが人権尊重の精神を基調とし、人権教育を基盤とするというふうにしておりますので、当然各所管がそれを実践していく、体現していくということであると思っております。 ◆桜井純子 委員 教育長は体現していくとおっしゃいましたけれども、細かいところでいろんなことが起きているのではないかという、そういうアンテナをしっかりと張りながら進めていっていただきたいと思います。  人権の課題というのは日々変わっています。社会の変化の中でどんどん変わっているものですので、本当に男女平等教育を進めようと掲げたのならば、新しい課題にもしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。  先ほど触れましたデートDVというのもその新しい課題の一つです。佐賀県では中学二年生に対して、性教育のプログラムの中でデートDV予防教育というのをもう既に行っています。このデートDV予防教育を行っている人が内閣府の男女共同参画のプログラムづくりにもかかわっているといった状況です。それが社会の今の流れなんです。ですから、男女平等教育をどのように小学校一年生から行うのか、プログラムづくりなどを通して、こういったところもしっかりと行っていっていただきたいと思います。  では、次に、スクールセクシャルハラスメントについてお伺いいたします。  スクールセクシャルハラスメントというのは、学校教育の現場で起こっている性的な暴力です。児童生徒にとっては学習権の侵害や、教職員にとっては労働権の侵害と言われています。セクハラというのは、社会的につくられた大きな力の構造、権力関係があるところで起こるということです。また、男子がセクハラの被害者にならないということはございません。男女の区別なく、児童生徒、教職員、保護者、出入りの業者の方まで、その被害というのは幅広く及んでいくというものなんです。こういったところもしっかりと根絶していかなくてはいけないし、世田谷区としてはそこに取り組まざるを得ない、そういった状況があるのではないかと私は思います。  今現在どのようにセクハラの対策について取り組んでいるのかということを聞きたいんですが、その前に、一月から三月の間に新聞に載ったセクハラの例について幾つか言いたいと思いますけれども、中学校の男子教諭が顧問を務めるクラブの女子生徒十九人にわいせつ行為を繰り返していたということが報道されています。この人は顧問として自分自身が絶対的な権力を持っていると錯覚していたそうです。女子生徒は被害を受けながらも、試合に出たかったので我慢をしていたということです。  こういったことから、セクハラというのはなかなか表に出てこないんです。その私の探した記事の中にも、男子生徒が男子教諭からみだらな行為を強要されたりとか、そういうことをしたという、そういった記事も載っていました。  今ちょっと全部話すことはできないので、そこで終わりにしますが、まず初めに、なぜセクハラというものが学校現場で起こるのか、教育委員会はどのようにとらえているのかお聞かせください。 ◎小島 教育指導課長 セクシャルハラスメントは相手の人権を侵害する行為であり、決して許されるものではないと考えています。  区教育委員会では、平成十六年に世田谷区立学校等における児童・生徒等に関するセクシャル・ハラスメントの防止に関する要綱を定め、すべての学校と教育委員会の教育指導課にセクシャルハラスメントの相談窓口を設置するとともに、教職員対象の研修の充実を図るなど、学校におけるセクシャルハラスメント防止の徹底に努めております。  セクシャルハラスメントが起きる原因や背景としては、教職員が人権を尊重するということを十分に理解していない場合や、相手の立場に立って相手の存在を尊重するという意識が欠如した場合などに生じると考えております。  また、管理職が常に一人一人の教職員の状況を把握して、セクシャルハラスメントにつながる可能性が考えられる事象について、迅速かつ適切に十分な対応をしていないということも背景として考えられると思います。 ◆桜井純子 委員 教職員対象の研修を行っているということなんですが、どのような内容の研修なんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 各学校では、管理職が責任を持って定期的に、教職員のセクシャルハラスメント防止等の意識を高めることを目的として研修を実施しております。また、教育指導課訪問の際に、指導主事が人権教育の充実やセクシャルハラスメント防止について指導も行っております。  区教育委員会では、人権教育研修や事故防止研修などにおいて、東京都人権啓発センターから講師を招き、さまざまな事例を紹介することによりセクシャルハラスメント防止の徹底を図れる内容にするなど、教職員の意識を高める研修となるように努めております。 ◆桜井純子 委員 今お聞きした研修の内容というのは、私はいろんな方にもお聞きしているんですが、どちらかというと、服務事故を起こさないようにという事故防止のための研修、何をやっちゃいけない、これをやっちゃいけないんだよというような研修に多くを割かれているのではないのかと感じます。その服務関係の研修で扱うということで、セクハライコール処分というイメージが教職員の間についてしまって、そういったものから、隠そう、黙っていようとか、知っていても報告するのをやめようという、そういった意識が強く働くのではないかと思います。  セクハラをなくすためには、何がセクハラなのかということではなくて、まず初めに、なぜセクハラが起きるのかという、そういった根本に切り込むことが大切だというふうに思います。  例えば、先ほど取り上げました男女平等教育の中のプログラムづくりなどを通して、今以上に自分自身に尊重ある人間関係というものをもう一度考えてみる機会を教職員自身が持って学び直すことも大切だと思いますが、私の申し上げたような、こういった視点での研修を持つこと、そういうふうにあり方を変えていくことは、区はどのように考えますか。 ◎小島 教育指導課長 各学校が年二回、全教職員を対象に定期的に行っている服務事故防止研修だけではなくて、人権教育研修のように講師を招いて、一人一人の教職員の人権意識を高める研修もしております。また、事故防止研修や指導主事の学校訪問の際には、東京都教育委員会が作成した人権教育プログラムを活用するなどして、教職員に自分自身の人権感覚を振り返らせるように指導もしております。  教職員が自分の大切さとともにほかの人の大切さを認めることという人権尊重の理念を十分に理解し、一人一人の児童生徒の大切さを自覚し、日々の教育活動を振り返ることができるように研修を充実させてまいります。 ◆桜井純子 委員 このスクールセクシャルハラスメントに関しては、相談が一件もないというような状況ではないとも聞いています。過去にも大きな事件を起こしているこの世田谷区においては、しっかりとこのことに取り組まなくてはいけないし、ほかの自治体でいろいろと起こっていますから、似たような研修ではだめだということです。こういったところにもしっかりと改善を行っていくことで、子どもが安心して学校生活を送れるような、そういった世田谷区の学校をつくることにつながっていくと思います。  例えば、子どもがそういった被害に遭ったときにどのようなケアをしていくという、そういった準備ができているのかお伺いいたします。 ◎小島 教育指導課長 区教育委員会では、学校等におけるセクシャルハラスメントの防止並びにセクシャルハラスメントに係る問題に適切に対応するため、すべての学校と教育委員会の教育指導課に相談窓口を置いております。各学校では教員及びスクールカウンセラーの中から校内のセクシャルハラスメント防止に関する相談員を置き、児童生徒及び保護者に周知しております。また、区教育委員会では、教育指導課の指導主事や係員から相談員も選任しております。万が一区教育委員会に直接相談が寄せられた場合はもちろん、各学校に相談が寄せられた場合にも、区教育委員会に速やかに報告させ、区教育委員会が調査を行い、必要な措置を講ずることにしております。そして、スクールカウンセラーや教育相談室と十分に連携しながら、児童生徒及び保護者のプライバシーに十分配慮して、ケアを進める体制を整備しております。 ◆桜井純子 委員 セクハラの相談体制やカウンセリングの体制を整備するに当たっては、性暴力に対するトレーニングを積んだカウンセラーなどもいらっしゃいますので、そういった方を設置するとか、そういうことも取り組んでください。  最後に、一つだけ要望を申し上げます。先ほど共産党が取り上げました夜間中学での中国語を話せる教職員の配置なんですが、やはり安定した配置を行うことが重要だと思いますので、私たち生活者ネットワークからも計画的な配置、こういったことを要望したいと思います。  以上で生活者ネットワークの質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 以上をもちまして本日の質疑はすべて終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時二十五分散会...