世田谷区議会 2007-10-05
平成19年 9月 決算特別委員会-10月05日-04号
平成19年 9月
決算特別委員会-10月05日-04号平成19年 9月
決算特別委員会
平成十八年
決算特別委員会
決算特別委員会会議録第四号
日 時 平成十九年十月五日(金曜日)
場 所 大会議室
出席委員(四十八名)
委員長 新川勝二
副委員長 杉田光信
副委員長 ひうち優子
石川征男
上島よしもり
川上和彦
小畑敏雄
宍戸のりお
下山芳男
菅沼つとむ
鈴木昌二
畠山晋一
山口ひろひさ
飯塚和道
板井 斎
市川康憲
岡本のぶ子
栗林のり子
高久則男
高橋昭彦
平塚敬二
あべ力也
稲垣まさよし
上杉裕之
風間ゆたか
重政はるゆき
すがややすこ
中塚さちよ
中村公太朗
西村じゅんや
藤井まな
岸 武志
桜井 稔
里吉ゆみ
中里光夫
村田義則
桜井純子
竹村津絵
山木きょう子
吉田恵子
大庭正明
小泉たま子
田中優子
唐沢としみ
羽田圭二
木下泰之
上川あや
青空こうじ
出席事務局職員
議事担当係長 岡本守広
出席説明員
副区長 森下尚治
世田谷総合支所 総合支所長 四元秀夫
地域振興課長 山﨑廣孝
すぐやる課長 加藤政信
副参事 淺見一雄
北沢総合支所 総合支所長 安水實好
地域振興課長 寺林敏彦
玉川総合支所 総合支所長 志村千昭
地域振興課長 髙木景一
砧総合支所 総合支所長 佐藤健二
地域振興課長 菊池弘明
烏山総合支所 総合支所長 佐藤 洋
地域振興課長 安齋俊彰
生活文化部 部長 堀 恵子
市民活動推進課長
杉本 亨
地域窓口調整課長
新保 信
文化・国際・
男女共同参画課長
松本公平
区民健康村・
ふるさと交流課長
坂本雄治
参事 佐藤正廣
環境総合対策室 室長 大塚保道
環境計画課長 吉原清治
環境保全課長 市澤廣幸
産業政策部 部長 田中 茂
商業課長 内田政夫
工業・雇用促進課長
小田桐庸文
都市農地課長 高山義貴
清掃・
リサイクル部
部長 堀川能男
管理課長 杉野憲三
事業課長 松下洋章
世田谷清掃事務所長
栗原英昭
参事 溝口 猛
砧清掃事務所長
和久弘幸
副参事 大石智康
──────────────────
本日の会議に付した事件
認定第一号 平成十八年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定
認定第二号 平成十八年度世田谷区
国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定
認定第三号 平成十八年度世田谷区
老人保健医療会計歳入歳出決算認定
認定第四号 平成十八年度世田谷区
介護保険事業会計歳入歳出決算認定
認定第五号 平成十八年度世田谷区
中学校給食費会計歳入歳出決算認定
(
区民生活委員会所管分に対する質疑)
──────────────────
午前十時開議
○新川勝二 委員長 ただいまから
決算特別委員会を開会いたします。
──────────────────
○新川勝二 委員長 本日は、
区民生活委員会所管分の決算審査を行います。
それでは、質疑に入ります。
民主党・無所属連合、どうぞ。
◆西村じゅんや 委員 おはようございます。民主連の西村じゅんやでございます。本日最初の質問をさせていただきます。
まずは
廃プラスチックの
サーマルリサイクルのモデル事業に関して何点か伺います。
東京二十三区は、ごみの埋立処分場の延命措置として、二〇〇八年から
サーマルリサイクル本格実施の方針を打ち出しました。これまで不燃ごみとして扱われていたプラスチックやゴムなどが可燃ごみとして収集され燃やされるわけです。世田谷区もことしの七月より、世田谷一丁目と二丁目、上用賀一丁目から六丁目、そして粕谷一丁目から四丁目をごみの
分別区分変更モデル地区として、モデル収集を開始しました。さらに、今月からモデル地区の範囲を区内の約一割に拡大して実施していますが、これらのモデル地区の選定基準の根拠は何だったのでしょうか。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 モデル地区を選定させていただきました際には、分別区分が従来と異なるということから、モデル地区以外の区域と区画が、例えば道路ですとか鉄道などで区分されているといったような、区民の皆さんに混乱を生じるおそれができるだけ少ないような区域であること。また、検証をさまざま行っていく中で、ごみの収集運搬、また清掃工場での実証確認を行っていく際に、ごみの出され方が比較的一般的な区域、すなわち大規模な集合住宅もあり、戸建て住宅もあり、商店もありといったような比較的一般的なエリアであるといったこと。また、効率的な収集作業が可能で、経費が極力抑制できるように、極端な飛び地状ではなくて、ある程度一団の固まった区域であるといったような観点から、区内の三カ所の
清掃事務所管内でそれぞれ一カ所ずつ選定いたしまして、今後の展開に向けまして適切な対応を図ることとしたものでございます。
◆西村じゅんや 委員 先述したモデル地区においては、同じ曜日に
不燃ごみ収集と
ペットボトル回収が隔週で行われることになりましたが、実際に該当地区にお住まいの区民に感想を伺うと、それぞれの収集日が隔週であることによって、今週は
ペットボトルの日なのか、はたまた不燃ごみの日なのかわからなくなるそうです。まだ試行段階にあって、区民の混乱も不可避ではありますが、毎週のように集積所に不燃ごみと
ペットボトルが同時に置かれているとのことです。この状況に関して、区の見解を伺います。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 ごみの組成分析調査のデータですとか他区の
モデル収集等の事例から、不燃ごみの量、また
ペットボトルの量といったものの試算を行いまして、ご家庭での保管のご負担、集積所に出される容積などから、それぞれ隔週一回の収集が適切と見込んで、
ペットボトルと不燃ごみの交互収集というスタイルをとっておるわけでございます。こうした隔週収集という事例は、例えば東京におきましても多摩地域など他都市におきましては多数ございますけれども、世田谷区においては初めてということもございまして、事前に収集日のカレンダーをモデル地区の全戸にお配りいたしました。また、集積所の看板表示も張りかえるなどの周知も図っておりまして、当初から日を経過するにつれて定着してきているものというふうに考えております。
また、
ペットボトルの収集量も、店頭回収、また集積所での回収、これまでのところそれぞれ順調に推移してきているというふうに考えております。
◆西村じゅんや 委員 今お話に出ました
分別区分変更の周知のためにモデル地区へ全戸配布しておりますこのチラシというか、パンフレットについて伺わせていただきます。
まず、ちょっと豪華なんですけれども、パンフレットの制作の諸経費と、あと全戸配布におけるポスティングの予算等をお聞かせください。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 分別区分変更のモデル地区、現在のところ、合計七地区、計四万三千世帯ほどでございますけれども、この区域内にチラシの全戸配布を行った際に必要な九月末現在での経費といたしましては、七種類作成しておりますけれども、印刷費が合計で四百万円ということでございます。なお、今回は清掃事務所の職員が全戸配布に当たりましたので、配布に当たっての、いわゆるポスティングの経費というものは発生しておりません。
◆西村じゅんや 委員 概算で構いませんので、次回からのポスティングの予算はお幾らぐらいになるのか、聞かせていただきたく思います。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 次回からにつきましては、今後のモデルといいますか、来年度以降の計画内容にもよってまいりますので、あくまでも見込みといいますか、見積もりというふうなレベルのものになろうかと思いますけれども、仮に今回の全戸配布程度のチラシを四十三万世帯対象に作成いたします場合には、印刷経費としましては約四百万円程度を要するものというふうに見込んでおります。
◆西村じゅんや 委員 パンフレットの裏面には、先ほどちょっとおっしゃっていただいた
収集曜日カレンダーが記載されていまして、先述した隔週の不燃ごみと
ペットボトルの収集日の日にちがわかりやすく図で描かれております。
今後、
分別区分変更地区の拡大が予想される中で、現状のチラシによる収集日の周知方法では、定期的といいますか、永続的に全戸配布が行われることになりますよね。非効率で、決してコストパフォーマンスがいいとは言えないと思います。この点の、毎度チラシを更新する手間などを省く手段とか、区の見解がございましたらお伺いいたします。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 今回の
全戸配布チラシも、単なる
収集日カレンダーということではございませんで、区民の方々へのごみの減量、リサイクル、分別といったことへの協力の要請、また、ごみの現状についての一定のお知らせということも含めた内容としておりまして、今後、仮に全戸配布を行っていく場合におきましても、分別区分、収集日のお知らせのみならず、ごみ減量の大切さを呼びかける手法としての活用ということも当然想定されるものでございます。
したがいまして、収集日のお知らせということについての費用対効果といいますよりは、いわゆる広報紙の全戸配布といったようなもの、また、町会、自治会等への回覧といったようなものをさまざま手法として組み合わせをしていきます中で、総体としてより効果を上げていくような普及啓発を進めていく必要があるのではないかと考えております。
◆西村じゅんや 委員 これまでの他区の
サーマルリサイクルモデル事業の結果によりますと、可燃ごみが約二割増加、不燃ごみが約七割減少とのデータがあります。本区の七月からの
モデル収集実施分の
検証速報データにおきましても、実施前と比べ、可燃ごみが四百九十一・二トンから五百七十五・六トンへ増加、そして不燃ごみが百三十三・五トンから二十四・八トンへ減少と、他区とほぼ同様の結果が出ております。不燃ごみの収集量が七、八割減少となると、ごみの収集車の出動台数などが従前と同様では、とても費用対効果が悪いと思いますが、今後の区の対応を伺わせてください。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 七月から回収をしておりますモデル地区の排出状況について、ただいま委員からご紹介いただきましたような収集量については、既に速報という形でお示しさせていただいておりますが、これ以外にも、集積所の状況ですとかごみの組成――中身でございますね。また、収集運搬の効率等、さまざまな観点からの調査を現在行っているところでございます。この調査の中で、ごみのモデル地区におきます現状を適切に把握いたしまして、また、今週からスタートしております十月からのモデル地区での状況、こういったものもあわせて見きわめまして、本格実施に向けまして、より効率的かつ安定的な収集体制といったものを検討してまいりたいと考えております。
◆西村じゅんや 委員 ありがとうございます。プラスチックの可燃ごみ化によって区内の環境に異変はないのか、第三者機関による年間に複数回の排ガス測定などを行って、その結果を区民に周知徹底してくださいということを要望しまして、
サーマルリサイクルのモデル事業についての質問は終わります。
次に、
産業表彰制度について伺います。
ことしで四十一回目を迎える
世田谷産業表彰ですけれども、これは、区内産業の育成、振興に貢献された個人、また、団体や事業所の功績をたたえ、より一層の発展を願い表彰する制度であります。
この制度自体は、頑張った人間が評価されまして、仕事に対するモチベーションがさらに上がるというすばらしいものです。いささか例外はあるものの、産業関係団体または企業が、昭和四十二年より適用されております世田谷区産業表彰要綱に定められている選考基準に該当する方々を推薦した後に、表彰審査会に諮り、表彰者、また、団体が決定されるわけです。
商店会、
商工業団体関係団体、また、商工会議所、同業種団体などの区内の産業団体から、個人と団体を合わせて毎年約百四十名が表彰されておりますが、問題は、推薦する所属団体の範囲が限定されているということです。何が言いたいかと申しますと、
福祉サービス団体及び事業者にも表彰の枠を拡充してはどうかということでございます。産業の観点からも、福祉をほごにできない時代になっているというのは火を見るよりも明らかでして、福祉の現場で頑張っている方々にもスポットライトが当たるように配慮していただきたく思います。
また、現行の表彰基準は昭和四十二年に制定された、いわゆる時代にそぐわないものですし、今後の表彰審査会のあり方も見直しが必要と思われますが、区の見解を伺わせていただきます。
◎内田 商業課長 産業表彰は、世田谷区の表彰条例、そして要綱に基づきまして、区内産業の育成、振興に貢献され、功績顕著な方々を表彰するものでありまして、お話しのとおり、表彰審査会に諮って決定をすることになります。
お話しの福祉産業でございますけれども、この福祉も含めましてすべての中小企業が産業表彰の対象となってきております。また、表彰基準につきましては、これまでも時代に合ったものに改正をしてきたところです。今後とも区内産業の発展に貢献された個人、事業所、団体の功績をたたえ、より一層の活躍、発展を願って産業表彰を実施していきたい、このように考えております。
◆西村じゅんや 委員 ありがとうございます。
最後に、町会、自治会について質問いたします。
災害発生時に援護を必要とする方々の支援活動ですけれども、区は協定を交わした町会、自治会などに、区が作成した災害要援護支援者の名簿を提供することになりました。ことしの三月以降、協定締結町会、自治会は十に上り、また、名簿登載に同意した方々は二百二十二人ほどいらっしゃいます。
さきの阪神・
淡路大震災発生時には、日常から地域交流の深い淡路市が神戸市よりも災害要援護者の救出率が高かったという事例においても、町会、自治会は地域交流のかなめであり、今後ますます重要な役割を担う存在になることは言うまでもございません。
しかし、この災害要
援護支援者名簿を提供するということに関しまして、やはりそこで問題になるのが個人情報でして、今、民間企業においても、また行政機関においても、どれだけ管理を徹底しても個人情報の漏えい事件が後を絶たないのが現実でございます。侵入盗を含め、取り扱いに慎重な配慮を要するもので、もし悪用された場合、取り返しのつかないことにもなりかねません。
実際、協定書を交わすという町会との接触――現場ですよね。それに関して、その協定書以外に個人情報について注意していることなどあればお聞かせください。
◎安齋
烏山総合支所地域振興課長 災害要援護者の名簿は、その情報の中身からしても、慎重に取り扱わなければならない個人情報だというふうに認識しております。町会、自治会と協定を取り交わす際には、情報の管理に当たっての注意事項を十分に説明いたしまして、その後、名簿を提供しているところでございます。
私ども烏山地域におきましては、今、八幡山町会に具体的に災害要援護者の名簿を提供しているわけですが、この名簿につきましては、町会で
名簿管理責任者といったものを定めていただいて、保管をお願いしております。要援護者の訪問活動を行う町会の支援者の方につきましては、自分が担当する地域のマップに要援護者の情報を落とし込みまして、他の方の個人情報はわからないような工夫がされていると聞いております。また、この作成したマップにつきましても、支援者に厳重な保管をお願いしているところでございます。
今後とも高齢者、障害者の情報を持っている支所の保健福祉課と連携いたしまして、個人情報の取り扱いについて慎重を期するとともに、実際に活動を行う町会、自治会に支障が出ないような、そういった運用をしていきたいと考えております。
◆西村じゅんや 委員 ありがとうございます。この件に関しては、また福祉保健領域の日にも、改めて質問をさせていただきます。
最後に、また引き続き町会、自治会について、初日、二日目と我が会派からも質問しましたけれども、町会、自治会の位置づけについてでございます。
平谷副区長は公益団体と明言されました。区の掲示板等に広報物を張っていただいているのですから、当然区政の一部を担っているのは明白であります。また、その連合組織には、区は年間二千三百万円もの助成金を支払っているわけですから、公益団体であることは納得できます。
これは、ことし四月の選挙公報を改めて拝見したんですけれども、その中に、町会、自治会の会長が推薦人の肩書きで名前を載せているケースが七件ほどございました。区民・有権者にしてみれば、その町会が全面的に支援していると誤解する可能性もあるのではないでしょうか。辞書によると、公益とは公共の利益とあります。特定候補者や特定政党のための活動は、とても公益性、中立性の観点から認められませんが、これを区として容認するとの見解でよろしいでしょうか。
◎堀 生活文化部長 今、委員のお話にありましたように、この件に関しましては、私どもは一貫してご答弁申し上げているかと思いますが、町会、自治会は、一定の区域に住所を有する者を地縁に基づいて形成された団体、地縁団体というふうに私どもは考えておりますので、今のようなお話は、各自が独自に判断して行っているというふうに理解しております。
◆西村じゅんや 委員 区からの助成金はあくまでも税金ですから、町会、自治会の位置づけと役割を区として明文化するように要望しまして、私からの質問を終了いたします。
◆中村公太朗 委員 おはようございます。中村でございます。区民生活の領域は、これまで課長方とも余りお話をしたことがないものですから、きょう初めての方も多いと思いますが、どうかよろしくお願いしたいというふうに思います。
まずお伺いしたいと思いますけれども、「せたがやで育てる世界にはばたく子どもたち」、これは教育ビジョンのキーワードなんですが、この世田谷区から世界を見るであったり、世田谷で育つ子どもたちのことを考えれば、世田谷区全体のテーマとして考えてもいいのではないかなというふうに思いますが、まず、この区民生活分野の中で、区長部局として何か具体的な取り組みとか方針とかがあれば聞かせてください。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 教育ビジョンのお話でございますけれども、将来の子ども像として「せたがやで育てる世界にはばたく子どもたち」ということがビジョンに示されていることについては、私どもとしても承知しております。こういった将来像に基づきまして、教育委員会では学校の授業、あるいは外国人の講師の方を招いての異文化理解、こういった国際理解の教育を進めているというふうには聞いております。
区長部局としての取り組みでございますけれども、私どもで取り組ませていただいておりますが、区立小中学校の児童生徒を海外三つの姉妹都市に派遣する事業及び姉妹都市の児童生徒に世田谷を訪問していただく、こういった交流事業を、教育委員会と連携、それから役割分担させていただきながら行っているところでございます。ちょうど一昨日からバンバリーの小学生に世田谷を訪問していただいている、こういったことがございます。
◆中村公太朗 委員 今お話がありましたとおり、この
海外交流事業、確かに教育の分野と今回の分野と若干連携をとりながら、時にはそれぞれがやりながらまたがっている事業だと思いますが、期間とか予算とか、この辺の概要というのをもう少し教えていただけますか。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 小中学生の派遣交流の概要、あるいは予算も含めてということでございますけれども、小中学生の姉妹都市との交流は、国際理解とか国際的な視野を広めるというようなことを目的に実施させていただいております。
ウィニペグ市、これはカナダでございますけれども、中学生との交流は昭和四十六年度から始まっておりまして、ことしで十九回目。小学生の海外派遣事業は平成三年度からの実施となっています。
中学生の派遣受け入れということを概略申し上げますと、区立の中学一、二年生ですね。今年度から一年生まで枠組みを拡大して実施しておりますけれども、十六名を九月十二日から十八日間派遣しまして、現地で十一泊のホームステイもしているというようなことがございます。受け入れにつきましては、中学一、二年生で同じですけれども、三月に訪問をいただくというようなことでございます。
小学生のほうの派遣事業でございますけれども、これは毎年の実施になっておりますが、バンバリー市と、あとウィーンのドゥブリング区へ派遣しておりまして、区立小学校の五年生を対象に、それぞれ十六名を派遣しているということがございます。バンバリー市のほうにつきましては、今年度の例ですが、十月二十七日から八日間派遣をし、ホームステイもさせていただいております。ドゥブリング区のほうは、十一月三日から同じ八日間ということで実施させていただき、現地の小学校での授業、あるいは農場体験、それから歴史文化の学習などを行っております。バンバリーのほうからは、先ほど申し上げたように十六名の方が来られるということです。
予算の点で申し上げますと、生徒ですとか、あるいは引率者の旅費に、ウィニペグ市の場合、今年度は派遣の経費として五百六十八万円ほどを予算化しているということでございます。それから、小学生の派遣につきましては、バンバリーとウィーンへの派遣、受け入れを合わせてですけれども、一千百三十五万円ほどを予算化している、こういう状況でございます。
◆中村公太朗 委員 先ほどお話がございましたが、ちょうど今の時期に中学生の交流事業を行っているということですけれども、二年に一度ということです。今ちょうど手元に二年前の報告書がありますが、これを読ませていただくと、すごくおもしろいんですね。中学生がそれぞれ研究テーマを発表したり感想を書いているわけです。例えばカナダの鉄道について調べてみて、日本はすごく忙しい国だ。時間どおりに到着させるのが鉄道の役割だけれども、カナダにおいては風景を眺めながらゆったりと過ごす、いわば観光的なものが常に町なかにある、それがカナダの鉄道だとか、また、ある子は、日本の印象を向こうでリサーチしてみたら、一番目はすしだと。二番目が地震だと、日本が地震の国だということはカナダでもよく知られている。三番目が侍で、四番目がセガだということだそうです。
何でここで会社の名前が出てくるかわかりませんが、小学校五年生であったりとか、中学校一、二年生の感受性豊かな時期にこうした経験をするということは、多分一生の思い出にもなるし、人格形成にもすごく役立つのではないかな、この事業は大変重要だというような認識の中でいろいろ質問をしてまいりますが、先ほど十六名ずつだというようなお話がありましたけれども、これは倍率というのはどれぐらいになるんですか。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 中学生の参加につきましては、区立中学生の公募というような形で実施させていただいております。選考に当たりましては、作文、それから面接というような選考の手続をさせていただいておりますけれども、今年度実施をするに当たりましては、五十一名の方の応募、それで十六名ということでございますので、倍率で申し上げれば三・二倍というようなことでございます。二年に一度の実施でございますので、前回、平成十七年度では一・八倍、前々回では三・八倍、こういうような状況がございます。
◆中村公太朗 委員 要は三倍の子どもたちが行きたいと思っていて、行けるのは十六名だということですし、先ほど述べましたとおり、こうした非常に重要な、子どもたちのためにもなる事業ですから、なるべく多くの子が経験できるようなチャンスを上げていったらいいなというふうに思います。
これはちょっと所管は違いますが、小学校のオーストリア、オーストラリアのほうの人選ですけれども、こちらも、先ほど十六名ずつ、毎年行っているということでしたね。区内小学校六十四校のうち三十二名の定員の中で、オーストリア、オーストラリアどちらかに、一つの学校から二年に一回、一人しか送れませんという中で、さらにその中で男女比をちょうど分けているわけですから、一つの小学校から男の子か女の子が行けるのは八年に一度という今の状況なわけです。
中学生にしては三倍、小学生にしてみれば八年に一人しか行けないということは、やっぱりこうした人数というものはもう少し拡大していただいて、なるべく多くの子に経験していただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 今、小学校のお話がございましたけれども、小学校は毎年半数の学校からご参加いただけるように、毎年三十二校ずつ実施しているということで、各学校の代表というような形で一名の児童を選んで実施していると聞いております。小学生の派遣については、学校、教育委員会で実施をいただいているところでございますので、学校あるいは教育委員会の考えを尊重してまいりたいと考えております。
◆中村公太朗 委員 一九七一年からスタートしたこの事業、最初は二名で行っているんですね。それが現在十六名ということなんですが、一九九一年からはもうずっと十六名で固定されています。十六年間、同じ定員ですから、もし十六名が一つの団体として行くということが一番適正な人数だとすれば、回数をふやすなり、いろんな方法があると思うんですが、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
今の人数のことにも関係しますが、この事業は、応募をかけているのは小学校、中学校、区立だけですよね。区内に在住している私立の子どもたち、当然ご両親は世田谷区に住民税を払っています。納税をしております。機会の平等という意味で考えれば、当然私立の子にも声かけがあってしかるべきではないかというふうに思います。実際に杉並区で同じような事業に取り組んでいますが、私立の子どもたちに対してもこうした応募の通知は行っております。この点についていかがですか。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 姉妹都市への小中学生派遣は、教育委員会と連携をしまして、教育ビジョンの実現ですとか、あるいは私どもの国際交流事業の目的に沿って進めさせていただいているというところがございます。私立学校へ拡大してというようなお話でございますけれども、私立学校に、あるいは区民の方に広くということにつきましては、それぞれに建学の理念ですとか特色ある取り組みということをお持ちだと理解しておりまして、私どもの交流事業、あるいはそれ以上の取り組みもあるのではないかというようなことを考えております。
ただ、毎年一千七百五十万人もの方が海外へ行っている時代を迎えておりますし、また、地域で外国人の方に触れる機会というんでしょうか、こういったことも急速にふえております。こういった点を考えますと、姉妹都市交流そのものが果たすべき役割とか、あるいは事業の内容については、今後改めて検証をしていく必要があるのではないか、このようには考えております。
◆中村公太朗 委員 今課長からおっしゃっていただいたことはそのとおりだと思うんですが、これだけ海外旅行にだれでも行けるような時代ですし、それこそこの事業の意義というものを改めて考えると、やっぱり実際現地に行ってホームステイをする、ホストファミリーの方と暮らすということが、子どもたちに一番影響を与えるプログラムだと思うんです。
これは小学校のほうのスケジュールなので、ちょっと分野が違うかもしれません。もし聞いているのであれば教えていただきたいんですが、小学校はオーストリアとオーストラリアに行っていますね。オーストリアはホームステイが入っていないんですよね。この辺、何か聞いていれば教えてください。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 オーストリアのほうのホームステイを行わない理由ですけれども、これは姉妹都市交流のそもそもの経過が異なっているということが一つございます。カナダのウィニペグ市の場合は、中学生を主にした会話交換ということがきっかけで、今日の中学生交流に至っているということが一つございます。それからバンバリー市の場合ですと、小学生の交流が原点にあったというようなことがございまして、現在も小中学生の相互訪問が続いているということがございます。
ウィーンのドゥブリング区の場合でございますが、これは世田谷とドゥブリング区の自然ですとか、あるいは町の姿といった共通点が多いことからの提携に至ったということがございますので、まず、そもそものスタートの経過が違っているということが今日の状況になっております。
加えて、オーストリアの場合は英語圏ではございませんで、ドイツ語というようなことがございまして、小学生の場合、語学学習というのはやっておりませんけれども、英語に比べても、さらに耳なじみのないドイツ語で現地でのホームステイをすることは環境としては難しいのではないかというようなことから、実施をしていないと理解しております。
◆中村公太朗 委員 自然が似通っているから見に行くというのは、それこそ旅行でいいわけですよね。せっかく世田谷区独自で取り組んでいる海外事業なんですから、その辺は、今、ドイツ語というお話もありましたけれども、小学校五年生、十一歳は、英語を習い始めて、そんなにしゃべれるわけでもありませんし、基本的には目と目を見て会話をして、お互い感じ合うということが一番感受性を広げさせられることだと思うんですよ。やっぱり言語を超えた経験というものをさせることが一番重要だと思いますので、ぜひオーストリアでもホームステイというものに取り組んでいただくように、前向きに検討していただきたいと思います。
このホームステイの話でいきますと、オーストリアもオーストラリアも一週間のプログラムであります。土曜日に出発して土曜日に帰ってくるホームステイをオーストラリアでやっているんですが、するのが月火水なんですね。ホームステイの一番の意義というのは、やはりホストファミリーとどれだけふだんのような生活をしていくか、その地域の地元の生活をできるのか、そういう経験をするかということだと思うんですが、やはり月火水のホームステイですと、お父さんが仕事中なわけですね。土日のホストファミリーのお父さんがあいている時間であればこそ、車でどこかへ遊びに行ったりとか、いろんな経験をすることができると思うんです。お母さんがいるだけだと、結局、お母さんも家事に追われて、日中はどこか好きなところで遊んでいらっしゃいと言われて外へほうり出されても、右も左もわからない外国じゃ、結局ホームシックにかかって終わるというようなことがなくもないかと思うんですが、こうした土日を絡めたホームステイのプログラムというのはどうでしょうか。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 バンバリー、オーストラリアへの小学生派遣というのは八日間させていただいておりますけれども、お話しのとおり、月曜日から木曜日の朝までの三泊をホームステイとさせていただいております。ホームステイ中の活動、あるいは受け入れ家庭の状況でございますが、ご家族の方等が休暇をとられていろんなところにお出かけになるとか、そういったことでの交流をしていただいている家庭もございますし、ホームステイ先のお子さんと一緒に学校に通学をするというようなことで、取り組みとしてはさまざま工夫をいただいているというふうに承知しております。
委員のお話のように、週末にホームステイを実施してはというようなことでございますけれども、ご家族との交流の時間が拡大するということは可能性としてはあるんだろうと思いますが、現行のこういった日程の組み方につきましては、小学生が帰国した後の体調への配慮ですとか、できるだけ学校を休まなくてもいいようにといったことも含めて、教育的な配慮から組み立てられていると考えておりますので、私どもとしては、その教育委員会の考えを基本にしてまいりたい、このように考えております。
◆中村公太朗 委員 それから、この経験を経て戻ってきた子どもたち、先ほどの感想文とかでもすごくいい経験をしたというふうに書いてありますが、こうした子どもたちの、この世田谷区においてのその後の地域活動とかへの影響は、もうちょっと何か推奨していったらいいんじゃないかなと思います。
新宿区では応募要項に、帰ってきたら、しっかりと地域活動へ得てきた経験で何か貢献をしていただける子どもたちというような、資格ではないですが、項目もあります。この点、この経験をしてきた子どもたちというのは、世田谷区において、今地域活動というものにどの程度参加をされたり、そして発表の場だとかというのはあるものなんでしょうか。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 姉妹都市へ派遣されました児童生徒が帰国後に何らかの地域貢献ということについては、私ども世田谷区では特段の決め事というのはございません。帰国の後については、国際理解という観点からの実施でございますので、各自の学校に戻りまして、派遣期間中に学んだことを、全校集会ですとかクラスにおいて発表しているというようなことを聞いております。
ウィニペグ市の例で申し上げると、中学生が戻ってきた後に、OB、OGとなった方々が自主的に、世田谷に来たウィニペグの生徒の歓迎会、交流会のようなものを開催して貢献いただいているということがございます。それから、前回、平成十七年度の派遣からになりますけれども、ウィニペグに派遣をした生徒がエフエム世田谷に出演しまして、ウィニペグ市の紹介ですとか、あるいは現地での体験、文化などについて学んだ感想、こういったことについて、広く区民の皆さんに向かってお話しいただいているというようなことを実施しております。
◆中村公太朗 委員 実は、僕も小学校五年生のときに、これは民間のNPOだったんですが、一カ月間、こうした
海外交流事業に参加させていただきました。当時、僕は小学校五年生で、相当前ですけれども、中南米のグアテマラという国に一カ月間行ったわけです。大分貧富の差の激しい国でありまして、受け入れられるようなホストファミリーは自家用ジェットで移動したりとかしますけれども、いざ町に出てみると、それこそホームレスの方々があふれているというようなことで、すごく影響を受けました。人生で一番の経験はと言われると、僕はこの思い出を真っ先に挙げられますし、挙げてきました。
そういった意味で、子どもたちの人生に実体験として非常に大きな影響を与えるこうした事業を、僕は一〇〇%賛成しますので、枠の拡大もそうですし、こうしたホームステイとかもそうですが、ぜひ前向きに検討していただきたいというふうに思います。
今回、区議会議員として新人で、初めて
決算特別委員会に参加させていただきましたが、せっかくですから、きょうずっとお答えいただいた課長の横に座っていらっしゃる、初めての
決算特別委員会にいらっしゃる森下副区長からも一言、海外事業に意見か何かありましたらお聞かせください。
◎森下 副区長 いろいろなご意見、本当にありがとうございました。私も、国際的に交流を深めまして、多様な文化に触れるということは、区民にとりましても大変意義がありますし、区政の発展にとっても大変重要なこと、そんなふうに思っております。姉妹都市交流事業の本来の趣旨を踏まえまして、教育委員会とも連携して、今後とも実施に努めてまいりたい、こういうふうに思っております。
◆中村公太朗 委員 ありがとうございました。
次に、消費生活の話を少しさせていただきたいと思います。
九月二十一日に生活文化部の消費生活課が出した新たな取り組みの進捗状況というものがございます。内容を見ると、昨今の高齢者の被害に対する取り組みを実施されております。消費者あんしん講座の開催、消費者ほっと協力員の派遣、消費者相談専用電話の設置と三点あるんですが、消費者あんしん講座というのは、高齢者が集まるところに出かけていって三十分程度の講座をやっているそうなんですけれども、実施回数が、今年度でもう三十五回も行われているそうなんですが、これは、今年度中に何回やる目標というか、計画なんでしょうか。
◎佐藤 生活文化部参事 今お話にございましたあんしん講座の件でございます。ご案内いただきました九月二十一日というのは、常任委員会で最新の進捗状況についてご報告をさせていただいた件でございます。お話しいただいたように、九月末現在であんしん講座を三十五回実施してございますが、年度計画といたしましては百回程度を目標としてございます。
◆中村公太朗 委員 解約通知等の作成、発送の補助、商品返却時の立ち合いを行うなど、高齢者を支援して救済を図る十二名のほっと協力員に委託したということであります。取り組みとしてはすごくいいと思いますが、これは、ことしはまだ一回しか支援した事例がありません。ことしから導入しているそうですが、これは十二名雇って、今回、十月現在でまだ一件ですよね。昨年度の同じような、例えばこの協力員を派遣できるような事案というのはどれぐらいあったんですか。
◎佐藤 生活文化部参事 ほっと協力員のお話でございます。今委員ご案内のとおり、十二名のほっと協力員に委嘱をさせていただいております。この制度は、五月一日からスタートさせていただきました。この制度は、第八期の消費生活審議会でご提案いただいた具体的な高齢者への取り組み、高齢者の消費者被害を防止する、または救済する取り組みとして実施しているものでございます。
昨年度、こういった仕組みがあったらいいなというような事例としては十件程度の事例がありました。具体的に言いますと、私ども相談員のほうにご相談をいただいて、私どもはいろいろな助言をさせていただく。解約はこうするんです、クーリングオフはこのようにしてください、商品はこのように返してください、このようなご助言をさせていただき、行動そのものは契約者ご本人にしていただくわけでございますが、クーリングオフの手紙の書き方ですとか、実際にどういうふうにやったらいいか。センターに来ていただいて、もちろん書くのをお手伝いしたりしているわけでございますが、商品をお送りしたり、それから、センターになかなか来られないとおっしゃる方もございます。そういった事例については、私どもが近所の方の支援をいただいたり、今、制度でスタートさせましたほっと協力員制度を活用しまして、相談者のお宅にお邪魔してクーリングオフの手紙の書き方をお手伝いしたり、商品の返却の立ち合いをさせていただいたり、そのような個別具体的な対応をイメージしております。
お話にございましたように、今現在、その相談事例から、ぜひこのほっと協力員制度を活用すべきであるというのが九月に一件発生したわけでございますが、それも当初の想定を超えまして、もっと緩やかな運用が必要であろうというので活用した例もございます。高齢者の被害というのは非常に深刻であり、かつ高額にもなってきております。その後の生活にも響くというようなこともございますので、今後、消費者相談をいただいた折に、ぜひほっと協力員制度なりの運用については柔軟に幅広く行ってまいりたいというふうには考えてございます。
◆中村公太朗 委員 確認だけさせてください。この十二名の協力員に委託をして、現在一件だということですが、お給料というのは、この十二名全員に恒常的に支払われているわけではないですよね。
◎佐藤 生活文化部参事 十二名というのは、私どもの講座を受けていただき、研修を行っていただいた方に、区長から委嘱をさせていただいております。問題が発生し、派遣をさせていただいた折に、交通費等の費用弁償レベルで謝礼を差し上げている、こういった段階でございまして、この十二名について、ご懸念の毎月お支払いをしているといったような制度ではございません。
◆中村公太朗 委員 高齢者被害というのはまだまだ言われていますし、こうした取り組みというのは評価いたしますが、一方で、消費生活相談の件数を見てみますと、昨年度の統計ですが、男性が二千四百七十二、女性が四千二百一、まずこのバランスですね。女性のほうが倍近く多いんですけれども、東京都内、これは大体こんなものなんですか。
◎佐藤 生活文化部参事 今読み上げていただいた数字は、平成十八年度の消費生活課の事業報告概要に載せさせていただいております。ご案内いただいたとおり、昨年度の総相談数としては六千七百九十一件、十六年度に比較しますと少し減少してまいりましたが、それでもかなりの数の相談を受けてございます。そのうち、約三分の二が女性、三分の一が男性からの相談となっております。これについては地域的な差があろうかというふうに思っています。各区によってこの比率等も若干違うようでございます。私どもの相談は女性が多いということが特徴でございますが、世田谷は在宅・在住者からの相談が圧倒的に多うございます。在勤者からの相談が多い地域では男性からの相談の比率が多くなって、半分近くになってきている、こういったような分析がされております。
◆中村公太朗 委員 ごめんなさい。今、一方でという話をしてもらったんですが、というのは、数の年代別統計が出ていますと、一番生活相談をしているのは三十代の女性なんですね。ぱっと入ってくる情報のイメージからすると、耳がよく聞こえなかったりとか、余り断わる勇気がなかったりとかというような高齢者の方のところに行く、押し売りじゃないですが、そういった苦情が一番多いのかなと思ったら、そんなことはなくて、女性の三十代の方が一番多いんですが、まず、これはなぜなのか。この案件の分析がもしあればということと、ここに対してのケア、取り組みというものはされているんですか。
◎佐藤 生活文化部参事 確かに三十代の女性からの相談が一番多うございます。といいましても、二十代、三十代、四十代は割合拮抗してございまして二〇%内外、その中でも三十代が多いということは事実でございます。
ご相談の内容でございますが、一番多いのは、オンライン等の関連サービス業関係が最も多うございまして、次が不動産賃貸、フリーローン、サラ金の順になっております。そういった意味では、この二十代、三十代、四十代の女性に共通した傾向と言うことができます。相談内容として特色がありますのは、エステティックや外国語教室などが特徴的にはございますが、これらを二つ合わせまして、相談内容の一割以下程度ということでございます。やはり特に多いのはオンライン等の関係ということで、全体的な傾向の一部であろう、こんなふうに考えてございます。
そういった意味では、この三十代女性を中心にケアというお話がございましたけれども、啓発なり講座なりの意味合いかと思っておりますが、一般的な全体の啓発を行っていく中でご参加いただければありがたい、こんなふうに思っている次第でございます。
ただ、高齢者については特にいろいろな施策をしなければならないというのは、前期の第八期の消費生活審議会でご議論、ご提案いただいたことでもございますが、今月から第九期の消費生活審議会がスタートいたします。この審議会で、今委員からご指摘のございましたような内容についても、きめ細かな対応はどういったものが考えられるか、こんなことを審議会で検討していってもらいたい、こんなふうにも考えているところでございます。
◆中村公太朗 委員 先ほども言いましたけれども、こうした高齢者に対する取り組みというのは、大分いろんな策を講じていただいて取り組んでいただく、これは継続していただくことをぜひお願いしたいと思います。
今お話にありましたオンライン、ネットが普及をして、携帯に変な題名のメールが送られてきたりとかさまざまなことがありますけれども、特にこうした地域の事情もあるでしょうから、三十代の女性、特に若い女性の数が男性の二倍ぐらいいっているという世田谷区の特色にもぜひ焦点を当てていただいて、この世代のそうした取り組みというものも続けていっていただきたいなと思います。
以上で私からの質問を終わりにいたします。
◆藤井まな 委員 民主党・無所属連合の藤井まなでございます。
まず、他会派の議員からも連日質問が出ておりますけれども、この本庁舎に地震や災害が起きたときに備蓄食料がないという話はもう既に出ておりますが、ほかの各総合支所や出張所においてはどうなっているのか、質問させていただきます。
◎髙木
玉川総合支所地域振興課長 私ども
玉川総合支所と玉川地域は出張所が六カ所ございますけれども、こちらについては、災害対策活動に要します発電機とか照明灯、ガソリン、そういったような防災資機材は備蓄しておるんですが、現在、職員用の食料あるいは飲料水というものは備蓄してございません。
◆藤井まな 委員 なぜ食料が備蓄されていないのか、お伺いいたします。
◎髙木
玉川総合支所地域振興課長 備蓄につきましては、区民の方向けということで、現在、災害の発生に備えた食料品、生活必需品など、避難所となります区立の小中学校、それから十二カ所ございます広域防災倉庫に備蓄しておりまして、そちらのほうを優先して整備してまいっているところでございます。
◆藤井まな 委員 小学校や倉庫に食料が備蓄されているということですけれども、私が前回の一般質問でも言ったとおり、実際、一時避難場所に一番遠くて、最大で一キロ以上離れている方もいらっしゃるんですね。もしかしたら、一時避難場所よりも総合支所や出張所に近い方も多くいらっしゃると思うんです。そういった方が、出張所なら、もしかしたら何か食料があるんじゃないかといったときに、やっぱりないというのはちょっと心もとないかなと私は思うんですけれども、そこについてはどうお考えでしょうか。
◎髙木
玉川総合支所地域振興課長 避難される方、おうちが地震等で生活できない方については、あくまでもお近くの小学校、中学校、そこは避難所ということで、そこでは、今お話ししました食料ですとか、いろんな生活必需品の備蓄もございます。それから地域の町会の方で、そこを活用した防災訓練ですとか、学校ごとの避難所マニュアルというのも整備されておりまして、そちらで体制を整えておりますので、そちらのほうに行っていただく。あくまでも支所、出張所は防災活動の行政上の拠点ということで、活動をする場というふうなことでやっていきたいと考えておるわけでございます。
◆藤井まな 委員 何が起こるかわからない状況が予想されるので、必要最低限の食料は備蓄しておくことが必要だと思いますので、そこら辺は、改めて検討を要望しておきます。
備蓄食料が倉庫や小学校にあるというお話だったんですけれども、各倉庫にある備蓄食料はどれぐらいあるのか、お伺いいたします。
◎髙木
玉川総合支所地域振興課長 ただいまご質問の備蓄の量でございますけれども、避難所になっております区立の小中学校の防災倉庫に、食料関係ですとビスケット、アルファ米、おかゆ、粉ミルク、こういったものを中心に備蓄しております。ビスケットでございますと三十一万食、それからアルファ米ですと十五万食、そういったものを中心にしてございます。そのほか、先ほど言いました十二カ所の広域防災倉庫におきましては、ビスケットですと五万食、それからアルファ米ですと大体二万五千食というようなものも用意してございます。
◆藤井まな 委員 この備蓄食料なんですけれども、備蓄食料といえども、ある程度は長くもつと思うんですが、賞味期限はどれぐらいなのか。その賞味期限が切れた場合とか、入れかえとかのことについてお伺いしたいんです。
◎髙木
玉川総合支所地域振興課長 今委員ご指摘のように、災害対策用に備蓄しておりますこういった食料は有効期限があるものがございます。これについては有効期限が切れる前の入れかえを行っておりまして、残った期間で可能な限りの有効活用を図っております。一例を挙げますと、ビスケット――乾パンでございますが、有効期限が五年間でございますので、丸四年を経過した後一年の期限が切れる前、ぎりぎりというわけにはいきませんので、例えば二、三カ月前までの間に防災訓練等で有効に活用しているというようなことでございます。
◆藤井まな 委員 実際十何万食以上あるその備蓄食料、防災訓練等でどれぐらい使って、防災訓練に使わなかった分はどうなっているんでしょうか、お聞かせください。
◎髙木
玉川総合支所地域振興課長 今、防災訓練等での使い方でございますけれども、ビスケット等は、防災訓練に参加された方に試食用ということで提供しております。それからアルファ米につきましては、防災訓練で炊き出し訓練をしておりますので、その食材というようなことで活用しておりまして、そこでつくりましたご飯、おにぎりにすることもございますけれども、参加者に物資配分訓練ということで配布しております。
それで、今お話にありましたけれども、十八年度の実績でありますと、こういった食料関係ですと約五万食を有効活用してございます。年度によりまして数の多い少ないというのはいろいろございますけれども、十八年度につきましては、入れかえを行った食料の大部分が、こうした防災訓練等で有効活用されております。
◆藤井まな 委員 大部分というお話ですけれども、大部分じゃない残りの部分はどうなっているんでしょうか。
◎髙木
玉川総合支所地域振興課長 こちらの全体の運用につきましては、本庁の災害対策課のほうで行っておりますけれども、例えば福祉関係の活用をしているとか、そういったようなことも聞いてございます。
◆藤井まな 委員 余った備蓄食料を廃棄処分とかはしていないんでしょうか。
◎髙木
玉川総合支所地域振興課長 支所としては詳しく把握しておりませんけれども、どうしても配り切れないものはあろうかと思いますが、最終的に捨てなきゃいけない場合には、一般的には一般廃棄物ということで廃棄されるだろうと思っております。
◆藤井まな 委員 大体でいいので、どれくらい廃棄処分されているか、教えていただけないでしょうか。
◎髙木
玉川総合支所地域振興課長 支所のほうでは数としては把握しておりませんが、災害対策課のほうでは、十八年度は大部分有効活用されて、廃棄したものはないというふうに聞いております。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 以前、清掃・
リサイクル部で、防災訓練の際に配布し切れなかった部分ということでのご相談をちょうだいしたことがございますが、結論といたしましては、食品としての廃棄というのは生じておりませんで、訓練後に、消費いたしました飲料水の
ペットボトルについて、いわゆる廃棄物としての処分ということではなくて、資源としての有効活用ということでのご相談をいただいておりまして、通常の車両一台程度で、廃棄物処理業者さんの手によってリサイクルをされるという形で指導させていただいた事例はございます。参考までに申し上げます。
◆藤井まな 委員 廃棄されているというお話を聞いたことがありますので、もしも廃棄されているのであれば、有効活用という手段はたくさんあると思いますので、そこら辺を考えていただきたいと思います。例えば海外で食料が足りない人、国連の基準だと、半年前までに現地に届けば、それを受け入れられるというシステムがありますので、もしも廃棄処分とかがあるのであれば、そういった有効活用をしていただきたいと思います。
続きまして、観光政策について質問したいと思います。
世田谷という都市は、世田谷区に住んでいる方や、その内側の人に向けた世田谷というブランドイメージは、かなり戦略としてきちんとしたものが区にあるんじゃないかと私は評価しているんですけれども、これをいざ外側から世田谷区を見たときのブランドイメージ、都市ブランドとして確立されているか、方向性があるかというと、まだまだ疑問が残るところがあるなと私は思っています。
言い方が正しいかわからないんですけれども、世田谷区もある程度の外貨獲得というものが必要なんじゃないかなと私は考えています。世田谷という都市は商業で発展している場所もたくさんあるわけですから、そういったことが必要なところもあると思います。
ブランドという言葉は、私は大学時代にブランドの研究をしていたんですけれども、お金を払って物を買ったり食べたりすることをした以上に、対価以上に満足感を得ることができる、これがブランドだというふうに定義づけられています。この世田谷にはさまざまな観光場所があったり、私の通っていた給田小学校の近くだと寺町みたいな場所があったり、等々力のほうには等々力渓谷のような場所があったり、また、観光するのであれば、二子玉川がどうなっていくかわからないんですけれども、二子玉川という場所があったり、三軒茶屋という場所があったりすると思うんです。
この観光政策として、私は区民まつりのときに交流都市の方々にちょっと意見を言われて、今回、世田谷区に区民まつりのために来たんだけれども、世田谷区には泊まる場所もなければ、そういった知り合いもいない。渋谷のホテルに泊まって、二日間、毎日朝、区民まつりの場所に行っていたと。世田谷に来たんだけれども、どこをめぐっていいかわからないみたいなことも言われました。もちろん行政がホテルを建てるなんてことはなかなかできないとは思うんですけれども、区民まつりとかそういう交流をした方が世田谷区で泊まるのに、区民施設を利用したり、あとはホームステイ。今は普通に世田谷区内の方にホームステイを募集したりとか、そういうことが可能だと思うんですけれども、世田谷区は産業振興公社もあるわけですから、そこについて何かご意見があれば、思っていることがあればお聞かせ願いたいと思うんです。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 現在、区では、先ほども答弁がありましたが、姉妹都市の交流とかスポーツ文化、それからさまざまなイベント等で多数の方々が区内にいらっしゃっております。その方々からもよくご意見をいただくんですが、世田谷をゆっくり見学するために、区内に宿泊施設をというご意見は伺っています。
観光客の方向けの宿泊施設については、これまで議会でもたびたびご提案いただいておりました。また、魅力アップ推進協議会、十七年度から立ち上げた協議会ですが、こちらでも委員の方からお話がありまして、ただいまのお話にありましたホームステイの活用というような具体的な提案もされております。
ホテルやコンベンションホールの建設や経営といったものは民間企業にゆだねるべき事業であると考えております。今後、世田谷に求められる都市機能の一つということで、新たな産業ビジョンの中であり方などについて検討していきたいというふうに考えております。
また、ホームステイについては、協議会の中で、韓国で文化として大分定着している部分があるとか、世田谷の場合だと、ひとり暮らしの高齢者の方の話し相手を兼ねてやるというような案も出されました。世田谷のホームステイの形としてどういう形ができるか、研究をするという課題に今なっているところであります。
◆藤井まな 委員 ほかの大きな観光都市だったら、ホテルとかがメーンになると思うんですけれども、まさに今研究している最中だと言われているホームステイを利用したりということが、世田谷らしさを出していけるんじゃないかなと僕は思います。
今、ブランドの研究の中で、地方都市がどうやって都市ブランドとして確立していくかというところのキーワードでB&Bという言葉がありまして、ベッド・アンド・ブレックファーストという、その地域に泊まれて朝食を食べることをステータスにできるような、そういった新しい地方観光都市ブランドが、まさにこの世田谷でこそ確立できると思いますので、そういったことに向けて取り組んでいただきたいと思います。
先ほども言ったんですけれども、この世田谷区内にはいろいろな名所があると思うんですが、そういったものをバスで回ったりするツアーとかというのはあるんでしょうか。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 申しわけありません、正式な正しい年数ではないかもしれませんが、数年前、もうちょっと前ですか、区内でバスのツアー、地域バス見学会というものをやってございました。現在はやっておりません。実績はそれだけだろうというふうに思います。
ただ、区内観光ツアーについては、区内のいろいろな観光資源をPRするために大変有効な手法であると考えております。浅草などで行われている二階建てバスだとか人力車、こういった町の中を案内するいろいろな手法、ユニークな事例もございます。これまでも議会からご提案をいただいてきましたが、今後、世田谷らしいツアーというんですか、町の観光資源をご案内する手法というのを継続して研究してまいりたいと考えております。
なお、現在、来年度もしくは今年度から先行して取り組むものもございますが、観光マップや、イベントなどを紹介するガイドブック、こういったものの作成に取り組んでおります。これらのマップやガイドブックを活用して、さまざまな目的、用途に応じた散策ルートなどの、世田谷らしい区内観光を企画、PRしていきたいというふうに考えております。公社と区の連携事業として取り組んでいきたい、このように考えております。
◆藤井まな 委員 この世田谷という都市は緑が多いと言われて、みどり率三三%を目指していくということなんですけれども、都市の中の緑というところで、世田谷はほかのところとまた違った緑があると思うので、そういう緑を中心に、いろんな商業施設を回ったり、文化を見て回るというバスツアーをぜひとも企画していただきたいと思います。
それで、この世田谷は、魅力アップ推進協議会を中心にさまざまな取り組みを進めてきたとお伺いしておりますけれども、森下副区長が座長になられているというお話なんですが、ことしはその魅力アップ推進協議会はどういった状況で進行しているんでしょうか。また、森下副区長は出席してどういったことをされているんでしょうか。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 私から、今年度の魅力アップ推進協議会の活動内容をご紹介させていただきます。
今年度、十九年度は六月に一回開催いたしました。その中では、特に重要なテーマは、来年度以降、さらに世田谷らしい観光のあり方についての意見交換をして、産業ビジョンの中に盛り込んでいくというようなテーマで、世田谷らしい観光、魅力アップの取り組みについての意見交換をさせていただいています。
それ以外に、ご案内のとおり、「世田谷みやげ」の本年度版、「もらってうれしい」に次ぐ「ウチのいちおし」というほうの選考だとか、今後予定しているものとして、「世田谷まちのステーション」に関するご意見をいただく、そういった具体的な魅力アップ推進の事業についてのご意見をいただくということで活動する予定でございます。
◆藤井まな 委員 多分今言われたのはこれだと思うんです。確かに「世田谷みやげ」は大変センスがよくてデザインもすばらしいんですが、やっぱりどうしても内向けというか、もちろん世田谷区民の人たちに向けて出しているものなので仕方がないんですけれども、外側から来た人に対して、果たしてこれが見やすいのかな、丁寧なのかな、親切なのかなといったときには、もうちょっと外側向けのものもつくったほうがいいんじゃないのかなと私は思っています。ぜひその魅力アップ推進協議会の中で、そういう外側からの目線を意識した政策を取り入れていただきたいということを要望させていただきます。
次に、環境に対する問題を質問させていただきます。
最近、本当にCO2の対策に対していろいろ大きな関心が、国内でも世界じゅうでも高まり始めているなと感じるんですけれども、この世田谷区で区民の方々に、こういったことをやるとCO2が減らせるよという政策は大変評価できますし、区民の方たちの善意でこれだけ減らしましたという報告があるのはもちろん大変評価できるんですけれども、それって、実際本当に減っているのかというのはなかなか検証しづらいと思うんですね。例えば企業なりが、これから実際にCO2を減らしていく、目に見える形でこれだけ減ったというのを出していく政策とかはあるんでしょうか、ご質問いたします。
◎吉原 環境計画課長 ただいま目に見える形での環境政策、特に事業者の皆様方にということでございます。実は事業者の方に、特に施設所有者の方が施設のエネルギーの使用状況を具体的に把握して、省エネにつなげるための取り組みということで、今年度からエネルギー消費量報告書制度というのを実施する予定でございます。これは事業者の方が参加をしていただいて、施設の省エネ度を分析して、省エネ設備の改修だとか使用方法などの改善を具体的にやっていただく。特に省エネアドバイザーの派遣ですとか省エネ診断等も行いまして、具体的な数値も把握していきたいと考えているところでございます。
私ども環境部局以外でも、例えば雨水タンクの設置ですとか、それから路面の温度を抑えるエコ道路といった取り組みも行われておりますので、こういった関係部局、それから事業者の皆様、区民の皆様と連携して、ただいま委員のお話のあった具体的に目に見える形での取り組みというのを、ぜひ今後も進めていきたいと考えております。
◆藤井まな 委員 先に言われてしまいましたけれども、まさに今、確かにノクサーというNOXを除去するレンガを使ったエコ道路、結構ほかの都市でもいろいろ推進されているようなので、これも検討していただきたいと思います。
あと、もう一つ提案というか、こういったこともあるんだよということで、緑がどれだけCO2を吸収するのかというのにも種類で差があるんですね。例えばゼンリンというインド原産の植物があると思うんですけれども、これはほかの植物に比べたら、本当に飛び抜けてCO2を吸い込む率が高いんです。これから緑をふやしていくという政策をもちろん進めていくと思うんですけれども、その中でどういった植物がCO2を多く吸収してという効果も、これからどんどん研究していけば、同じ緑の面積であっても、ほかよりもCO2を吸収する量が全然変わってくるんですね。これを考えているということはどこでも余り聞いたことがないので、そういったCO2を吸い込む緑の質ですね。緑の場所、量をふやすのも重要ですけれども、緑の質を高めていく作業をこれから行っていっていただきたいと思います。
また、余り知られていないんですけれども、植物というのは、植物の中で太陽光で発電するんですね。そういった植物を使った発電ということも今研究されておりますので、そういった発電にもつながっていく。緑をただふやすんじゃなくて、CO2をどれだけ吸収するか、さらには新しく植物から電力をどれだけとっていくかということもどんどん研究していっていただいて、まさに環境の中で世田谷区は進んでいるんだぞという取り組み、緑をただふやすだけじゃない政策を進めていただきたいと思いますけれども、何かご意見はありますでしょうか。
◎吉原 環境計画課長 ただいま委員のお話にございました、木によってCO2の吸収力が違うというお話も聞いております。今ご指摘の種類のほかにも、例えばキリとかケヤキというのもCO2の吸収が多いと聞いておりますが、いずれにしても、みどりとみず政策担当部等の関係所管と研究を進めていきたいと思っております。
◆藤井まな 委員 次に、環境問題と言っていいと思います。たばこの問題をちょっと取り上げさせていただきます。
この間、大田区が区内の完全禁煙をたばこの灰皿を置くことに変えるという話が出ましたけれども、渋谷区とかは最初から分煙でいっているので、今、禁煙を徹底してやっているのは、世田谷区が一番大きく取り上げられて、ほかは結構方向転換をしてきているんです。確かに完全禁煙にすることも必要だと思います。たばこを吸わない方にとってみれば、それが当然であるとは思うんですけれども、僕がたばこを吸うから言うわけじゃないんですが、そういった方たちに最大限配慮して、分煙化というものをもうそろそろ考え始めたほうがいいんじゃないのかなと僕は思っています。皆さん、吸わない方への配慮を最低限というか、必ずしなきゃいけないんですけれども、それでも禁煙化をすることによってごみがふえたという例がいろんなところで挙げられているんですね。それはやっぱりもうちょっと考えていかなきゃいけないんじゃないのかなと思っています。多分このことに関してはいろいろ反論する方がたくさんいらっしゃると思いますので、それは話し合わなきゃいけないと思うんですけれども、私が今回取り上げたいテーマは環境ということです。
分煙化するにしろ、しないにしろ、少ない箇所ですけれども、たばこの灰皿があると思うんですが、このたばこの灰です。たばこはもともと植物でありまして、これはもっと有効利用していけないかなと私は考えています。たばこの灰というのは、これは集めますと肥料になるんですね。たばこを灰皿でフィルターと灰を分離して灰だけ集めれば、あとは石灰土になって、畑にまいたりする肥料になってくるんですね。たばこを漬けた汁というか、水にたばこを溶かすと、これは害虫除去の薬になるんです。
こういったたばこというものは今後いろいろ利用することができるので、たばこの分煙化とか、区内にある灰皿を新しくそういった環境の用に、資源として再利用してみてはいかがかなということを提案したいんですけれども、ご意見はありますでしょうか。
◎吉原 環境計画課長 区では現在、ポイ捨て防止条例等によりまして、区長が路上禁煙地区を指定しておりまして、道路上での喫煙を禁止いたしております。ただ、委員のお話にございましたとおり、歩行喫煙が減らないという現状もございまして、他区の事例を見ますと、完全禁止にすると裏側へ入って余計危険だというお話も聞いてございます。このため、路上禁煙地区の実効性を高めるとともに、たばこを吸う方、吸わない方の共存ができるまちづくりが必要ではないかなと私どもは認識しているところでございます。
また、たばこの灰のご活用というか、たばこの資源化というお話でございますが、例えば区役所等で喫煙場所から集められた吸い殻につきましては、現在、可燃物として処理をされているというふうに聞いております。たばこの灰につきましては、ただいま委員のお話のように肥料としての利用ができるというお話も聞いておりますが、現実問題として、今のたばこはほとんどフィルターがついておりましたり、全部吸わないで、生の葉と灰がまじっていたり、分離の問題ですとか、実際に回収するルート、そういった課題もあろうかと思います。機会があれば、私ども関係のところに今聞いておりますが、今のところ研究しているところはなかなか見つからないんですけれども、私どもも考えていきたいなと思っております。
◆藤井まな 委員 たばこの問題は、吸う側と吸わない側でいろいろ問題があると思いますので、(「吸う側の問題だ」「そうだよ、吸う側の問題なんですよ」と呼ぶ者あり)はい、吸う側の問題なんですけれども、北風と太陽じゃないですが、北風の政策ばかりじゃなくて、太陽の政策があってもいいんじゃないかなと思っておりますので、もう一度話し合っていったほうがいいんじゃないかなと私は思います。
分煙に向けて話し合ってみてはいかがかなと思うことを提案して、質問を終わらせていただきます。
○新川勝二 委員長 以上で民主党・無所属連合の質疑は終わりました。
──────────────────
○新川勝二 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。
◆岸武志 委員 地震などの大災害時の区の対応、とりわけ区民生活分野の対応について伺いたいと思います。
地震はいつ来てもおかしくないというのは、今や常識です。関東大震災規模の地震が起これば、阪神・淡路大震災のような被害も予想されます。中央防災会議などでも指摘されているように、マグニチュード七・九を超えるような東海地震、また、二十三区直下地震なども想定され、これらの地震が起こった際にどのように対応するかは、世田谷区地域防災計画で決められております。
大規模な地震、火災、爆発その他重大な災害が発生し、総合的な応急対策を必要とするときは、災害対策本部が設置されることになっております。災害対策本部設置に伴い、各地域の災対本部も設置されることになっています。本部には、総合支所が移行してつくられる災対地域本部も含まれます。災害対策本部が設置された際、災対地域本部では総合支所長が本部長になると思います。
そこで伺いますが、特に発災直後に、地域の本部長はまず何をするのか、発災直後の地域本部長の任務や仕事内容について伺います。
◎佐藤 砧総合支所長 災害発生時の地域本部長の任務や仕事内容ということでございますけれども、各総合支所は、災害発生の場合には災対地域本部を設置しまして、災害復旧対応に当たることになっております。その基本につきましては地域防災計画、それから詳細につきましては初動期マニュアルの中に定められているわけでございますけれども、総合支所長は地域本部長としてその陣頭指揮に当たります。
その主な役割としましては、まず被害状況等の全体把握、それから災害復旧方針等の重要事項の決定等がございます。また、地域内の避難所の統括管理責任者として、避難所の開設状況、それから避難状況等の把握に努め、必要な支援を行っていくということでございます。
また、地域本部長は災対の本部員でもありますので、災対本部会議に出席しまして、区全体の意思決定にもかかわることになります。去る八月三十日に行いました総合防災訓練におきましては、テレビ会議システムを活用した災対本部会議の実践的な訓練を行ったところでございます。
いずれにしましても、災害発生時には、地域本部長としていち早く地域本部の態勢を整えまして、災害復旧に全力で対応してまいりたいと考えます。
◆岸武志 委員 情報収集や避難所の設置、それから支援物資等の受け入れや配布など、災害対策の地域本部は、現場の本部として重要な役割を果たすことになります。
ここに阪神・淡路大震災の記録がございます。平成八年に神戸市がまとめた「阪神・淡路大震災―神戸市の記録一九九五年―」というものですが、これを読みますとさまざまなことがわかります。当初は問い合わせへの対応などに追われ、その混乱の中でも、連絡体勢の確立、情報の収集、そして避難所の開設などに全力で取り組んでいる、こういう様子が克明に書かれております。
そのうちの一つではありますけれども、自治体でなければできない事務の中に、遺体の安置とか保管、火葬、埋葬というものにかかわるものもあります。これは全体の事務からすればほんの一例ではありますけれども、阪神・淡路大震災のときには、神戸市だけで四千三百名もの方がお亡くなりになられました。このとき、通常の事務とは異なる非常時の対応も迫られたわけです。
災害時でなければ、区民が亡くなったときは、医師の立ち合いによって死亡を確認し、区に死亡届を出します。受理と同時に、区は戸籍などと照合し、火葬許可証を発行します。これがないと火葬ができません。遺体は霊柩車などの車両で火葬場に運ばれます。そして埋葬許可証が発行される、こういう流れになっているようです。しかし、震災時にはこうした通常の業務は通常どおりにはできない、こういう実態になったわけです。市の職員がひつぎづくりまでやったという記録も残っております。
そこで伺いますが、災害時ではなく、まず通常時、区民が亡くなった場合の手続について、いま一度確認したいと思います。そしてもう一つは、阪神・淡路大震災のような災害時には、これらの事務はどのように変化するのか、あわせて伺いたいと思います。
◎菊池 砧総合支所
地域振興課長 まず通常時の手続でございますが、区民が亡くなられた場合、管轄する支所の戸籍係の窓口に、死亡者の親族が死亡診断書等を添えて死亡届を提出することになります。その内容の審査、あるいは戸籍、住民票との照合をした後、火葬許可証を発行することになります。なお、埋葬許可証につきましては、火葬場において火葬許可証の裏面に署名をすることになっているところでございます。
それで、お尋ねの災害時におけるこういった手続がどうなるかということでございますが、大規模な災害に際して死亡者等が発生した場合につきましては、総合支所の役割として、地域防災計画に基づいてあらかじめ指定されている地区会館に遺体収容所を開設することになっております。その後、搬送された遺体につきましては、警察の検死、検案を受けまして、死体検案書というものが作成される運びとなっております。その中で身元の判明した遺体に対しましては、総合支所の戸籍係の職員が出向きまして臨時窓口を設置し、死亡届に基づいた火葬許可証の発行を行い、遺体の遺族への引き渡し、あるいは火葬場への搬送を行うことになってございます。
なお、災害時におきましては戸籍確認事務の迅速な手続が困難なことから、緊急避難的に特例許可証というものを発行して、事前に火葬し、死亡届等の補正処理を事後にすることも認められているところでございます。
◆岸武志 委員 またもう一つ伺いますが、墓地埋葬法では、「死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない」と定めております。身元のわからない遺体については、だれの責任でどのように対応するのでしょうか、伺います。
◎菊池 砧総合支所
地域振興課長 災害時に身元のわからない遺体の取り扱いでございますが、地域防災計画によりますと、警察の検死、検案により身元が判明しない場合、一定期間経過した後に、区が責任を持って火葬し、その遺骨と遺留品を保管することになっております。おおむね一年間保管するということで、その後も引き続き身元が判明しない場合につきましては、都営の納骨堂に保管する、そういった段取りになってございます。
◆岸武志 委員 いずれにしても、こうした業務は世田谷区がやらなければならない、こういうことになるわけです。阪神・淡路大震災のときは冬の時期ということがありましたが、仮に夏にこうした災害が起これば、これがどんな事態になるのかということも大変な問題になるわけです。こうした意味で、世田谷区の責任でどうしてもやらなければならないこうした事務が、やっぱり地域の行政に課せられているということは触れたいと思います。
それで、支所についてですけれども、当然災害時のバックアップ用の電源などは準備されていると思いますが、大災害時に、これらが必ずしも機能するとは限らないと思います。電源が切れ、パソコン等の機器が使用できないということも十分考えられることです。電源が使用できない場合、こうした事務はどのように行われていくのでしょうか、伺います。
◎菊池 砧総合支所
地域振興課長 災害時に電源が使用できない場合の対応でございますが、改築後の砧総合支所のバックアップ機能としましては、二方向からの充電が可能な施設ということで、それに加えまして非常用発電が約三日間稼働できる仕組みになっております。ただし、万が一すべてがダウンしたような場合につきましては、災害時の手続につきまして特例的に事後の処理が認められておりますので、復旧次第、そういった入力作業等を速やかに行うことになるかと存じます。
◆岸武志 委員 私が聞きたいのは、そうした電源等は使えないけれども、それまでの間どういうふうにやるのか。実際上は相当手作業や何かでやらなければならないのではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
◎菊池 砧総合支所
地域振興課長 火葬許可証の発行ですとか受け付け等の業務につきましては、緊急時は手書きでやる、手処理でやるということになってございますので、とりあえずそういった対応をすることを考えております。
◆岸武志 委員 戸籍課が中心となるようなこれらの事務は、当然現場対応で進められていくと思います。災害対策本部がつくられているわけですが、本部長室などから具体的な指示がない場合でも、当然こうした事務は進められなければならないと思います。こうした具体的なほかの指示や何かが出ていない場合でも、当然事務をとめるわけにはいかないと思いますけれども、その点についてちょっと伺っておきたいと思います。
◎菊池 砧総合支所
地域振興課長 災害時でございますけれども、その対応につきましては、東京都におきましては東京都の地域防災計画、世田谷区におきましても世田谷区の地域防災計画及び初動期マニュアルということで、役割分担が明確になってございます。そういった際に、警察等関係機関と綿密な連携を図って、指示がなくても迅速かつ適切に処理することになるかと思います。
◆岸武志 委員 現場対応の重要さは言うまでもないと思います。しかし、現在の区の機構は、地域にかかわる部署が脆弱になってきていると思います。総合支所ごとにあった土木課などは本庁に一カ所に集中され、地域に残っているのは土木部門では土木管理事務所ということになります。人員数は以前の半分程度です。出張所の人数なども減らされて、組織の上でも地域行政が弱体化しているという現状は、災害対策上もゆゆしき事態ではないでしょうか。大災害時は通常にも増して現場が重要です。災害対策の側面からも、土木を含めた支所や出張所を中心としたような地域行政をむしろ拡充することを求めて、次の質問に移ります。
区内のNPOへの支援、融資事業に関して伺います。
先日、このような話を聞きました。介護のNPO法人がお金を借りられず困っているということです。NPO法人自体が融資を受けにくいということに加えて、介護の事業者ではさらなる制約があります。介護保険のサービス事業では、サービス提供から介護報酬の受け取りまで三カ月近くかかることもあるということで、十分な資金のない事業所は資金難の状態に置かれております。
東京都ではNPO向けの融資事業を始めています。ところが、この制度は信用金庫が窓口とされており、区内の信用金庫が乗り出さなければ、区内には取扱窓口が開設されません。七月二日より、東榮、亀有、小松川、西武、城北の各信用金庫ではこうした窓口の実務が取り扱われてきておりますが、これらは葛飾、江戸川、荒川などに偏っており、NPO活動が盛んな世田谷には取扱窓口がないということになります。
そこで伺いますが、この東京都が始めた融資制度の仕組みについて伺います。
◎杉本
市民活動推進課長 今ご質問の制度でございますが、正式名称はNPO法人向け保証付融資制度と申しまして、東京都が今年の七月二日より開始した新しい事業でございます。
保証機関としましては、新銀行東京のほうが行われると聞いております。対象は東京都または内閣府から認証を受けたNPO法人でございます。融資機関としましては信用金庫等の提携金融機関となっておりまして、保証内容としましては融資金額の八割を新銀行東京が保証するようになっております。融資金額については一千万円を限度とする、それから融資期間については五年間を限度とするという要件となっていると聞いております。
◆岸武志 委員 この制度はやっぱり重要であって、非常に意義があるものだと思いますけれども、本当にNPOなしでは、今の世田谷区の行政も成り立たないような分野というのはたくさんあるわけです。その点について、区の認識を伺いたいと思います。
◎杉本
市民活動推進課長 世田谷区におきまして約三百近いNPOが存在しております。いろんな場面で活躍されているわけですけれども、私どもも、NPOを含めた市民の自主的な活動を支援しているセクションでございます。
NPOにつきましては、お話を聞きますと、例えば団体の本来的な目的が公益的な行動を行うことでありまして、NPOの名前のとおり、経済活動より、まず社会貢献活動が基本になっていることと、それから発足から間がない、まだ新しい団体が多いことや、小規模な活動をしている団体が多いことから、資金面では財政規模が小さいという団体が多いと思われます。
今回の事業につきましては、東京都のほうが市民活動の支援ということを新たに融資の内容としたことについては、所管課としては非常に関心を持っております。東京都のこの事業につきまして融資の推移について、また動向を見ていきたいと思っております。
◆岸武志 委員 関心を持っているというだけでは非常に消極的だと思うんですよ。これは信用金庫さんがやると言わなければ区内では始まらないわけですから、我が党の区議団では八月に、これを区のほうからも働きかけをするように、産業政策部のほうにも働きかけてきた、そういう経過がありましたけれども、その後どのようになったのでしょうか。
それから、区からの働きかけは、やはり金融機関さんですから、市民活動のセクションだけでは不十分だと私は思うんです。やっぱり産業政策部のほうからも同時にアプローチをしていかないとできないと思いますけれども、その後どのように対応されてこられたのか、この対応について伺いたいと思います。
◎杉本
市民活動推進課長 ご指摘の点でございますけれども、世田谷には区の中に信用金庫の協議会がありまして、そこの幹事行というのが決められています。私は、先ほども言いましたが、NPOまたは市民活動の支援を所管している課長としまして、その幹事行に伺いまして、今回の融資制度のことについてお話を伺いました。それにつきましては、現在、新銀行東京さんのほうが東京都の命を受けて、東京都の中を順次ご説明に回っているというお話を聞きました。
これはあくまで融資でございますので、金融機関さんが、じゃ、やりましょう、やりませんという話をするわけですけれども、この辺の手続上の細かい部分もありますので、お話を聞いてから協議会におかけして、話を進めてまいりたいというお話を伺っております。それにつきましては、また打ち合わせを進めていくといいますか、お話を伺ってまいりたいと思っているところでございます。
◎内田 商業課長 NPOの融資の受け付けにつきまして、市民活動推進課が金融機関に話を持っていくために、私どもとしては信用金庫の幹事行の窓口、いわゆる担当セクションに概略をご説明いたしまして、そして話をつないだところでございます。引き続き市民活動推進課と連携をし協力してまいります。
◆岸武志 委員 当然そういう話をそれぞれのところでつないでいって、それで確実にアプローチをずっとやっていくべきだと思うんです。その上で、やはりそのときに産業振興のセクションの働きかけが非常に重要になってくると思うんです。
追加でちょっと質問しておきたいのですが、その見通しですね。今、区でも公社までつくって、通常だったらちょっとできないようなところまで踏み込んでいろいろやっていこうという、そういう姿勢でやられているわけですから、いつぐらいまでにできそうかとか、こうやったらこうできるという、その辺のところはいかがでしょう。見通しについてもあわせて伺いたいと思います。
◎杉本
市民活動推進課長 確かに私どものほうがNPOの所管でございますが、融資、金融機関とのおつき合いは産業政策部のほうでやっておられます。その辺は、先ほども申しましたけれども、新銀行東京さん、東京都の制度が、今順次回って手続をさせていただいておりますので、その推移を見ながら、区の中でお話をさせていただいて連携していきたいと思います。
◆岸武志 委員 話は少し戻りますけれども、世田谷ぐらいNPO法人さんがあるようなところはなかなかないわけで、やっぱりそこで区の積極的な働きかけが不可欠だと思うわけです。信用金庫さんとの関係で言うと、以前は、例えば預託金を預けていましたよね。三十億円以上そちらのほうに預けておいて、そういう意味で関係も、いろんな事業もよくしていくというか、そういう対応をされていたわけですよ。やはり区としてもう一歩踏み込んだそういう対応を、今後ぜひとっていただきたいということ、これは要望して、だから、そういう意味では必ずやっていただきたいわけです。
次の質問にも行きたいと思います。
働いても生活保護以下の生活しかできないワーキングプアということが社会問題となっております。厚生労働省の調査で、働いても働いても住居も確保できずに、インターネットカフェや漫画喫茶で寝泊りしているネットカフェ難民が全国で五千四百名、東京では二千名いると言われております。ネットカフェ難民に至らなくとも、劣悪な労働条件で働いている、こういう青年はたくさんいます。
日本共産党の青年後援会である、日本共産党とともに日本を変えるネットワークが行ったアンケートでは、世田谷で次のような声も出されました。マスコミ関係、正社員、二十二歳、女性。手取り十万円、残業は週十時間、残業代は出ない。健康に不安がある。営業、正社員、二十四歳、男性。手取りは十七万円、残業は週三十時間、残業代は出ない。労働時間が長い。自宅と書いてありました。
若者のこうしたものの実態調査では、非正規労働者が約半数を占めて、月収二十万円未満が五割でした。若者の多くが正規、非正規とも低賃金、そして長時間労働、サービス残業に苦しめられている実態や、親から自立できないでいる実態、家賃が収入の五割を超えている、こういうような実態などが浮かび上がってきました。
実態がどのようになっているのか、これは区としても青年の労働実態の調査などをするべきではないでしょうか、見解を伺います。また、青年雇用の拡大にさらに努力すべきです。あわせて見解を伺います。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 現在、若年の雇用状態の実態という点で、結論から申し上げますと、区では確実な数字を押さえてございません。ただ、この原因として、区民の実態はどうかというものを探る場合には、区の世帯戸別調査をする以外に、確実に情報を得られる方法がないということです。そういったことで、現在は四年ごとに行われる国勢調査の結果を基礎データとして雇用促進事業に取り組んでいるところです。これらの実態調査をするに当たっては、国のとっている手法なども参考に、区で可能なものはぜひやっていきたいというふうに考えておりますが、現在検討中です。
今後、このようなワーキングプア、またニート、フリーター、そういった若年雇用に関する問題につきましては、新たな産業ビジョンにおいても重要な課題としてとらえております。具体的にニート・フリーター相談の窓口を増設する方向、それから、より公共の高いサービスも含めて、若年者を地域で活用するビジネスモデルマッチング事業、そういったものを検討しているところでございます。地域で眠る人材を活用する取り組みとして検討してまいりたいと考えております。
◆岸武志 委員 雇用の拡大についても、あわせて伺いましたけれども、その点についても、あわせてお答えをお願いしたいと思います。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 雇用の促進という点で申し上げまして、先ほどのお答えをもう一度繰り返すことになろうかと思いますけれども、ニート・フリーター相談窓口の拡充といったもので、まず働く意欲を持っていただく。持っているんだが、なかなか勤められない、そういった方々のご相談をまずやっていきたいなと。それから、トライアル雇用促進奨励金がございますが、その活用をより効果的に活用できる仕組みというものを考えていきたいと思います。
あと、セミナー、相談会などは現在も行っているところですが、なかなか参加者が少ない、もっと来ていただきたいというようなところで、より魅力的な内容のものを工夫することとPRの強化、この辺が当面の課題であろうかと思っております。
◆岸武志 委員 私も見てびっくりということがあるんですが、例えばの話、区内でも深夜のファミレスとか、そういうところに若い人が結構いるんです。そういう時間、たまたまですけれども、意外と女性が本当に多かったりするんです。ちょっと見ていてどうかなと思いますよね。
世田谷は、二十代、三十代の人口で見れば、そういう点では人口の層としても非常に多いわけですけれども、政府がやっているような、そういった調査や何かはかなり慎重にやっているようなところがあるようです。ぜひそういうところをちょっと参考にして、一つは実態調査を、そしてもう一つは、区で取り組むにはちょっと難しいところがあるのでしょうけれども、やっぱりそういった雇用の拡大ということにいろんな面からアプローチしていただきたいということを、あわせて要望したいと思います。
最後になりますが、区で行っている労働相談について伺います。
世田谷区では労働相談が行われておりますが、相談時間はすべて昼の時間帯で、夜間の相談というものが行われておりません。相談者は勤労者であり、昼の時間帯だけでは来れないという方がいるのも事実です。夜間の時間帯の相談を実施するべきではないでしょうか。
そこで伺いますが、なぜ現状の時間設定になっているのか伺います。そして、今後の対応として夜間の時間帯での実施を求めたいと思いますが、見解を伺います。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 現在行われている労働相談につきましては、委員おっしゃるとおり、夜間はやってございません。ただ、日中でも日曜日にやっているものが一個ございまして、週に一回ということになっております。
これの時間設定をした経緯については、会場を総合支所、烏山区民センター、それから三軒茶屋の分庁舎、そういった利便性が高いところを優先的に選んでおりまして、必然的にその隣接する事務室等の行政情報を管理する上での問題といったものも含めて、もろもろの条件をつなぎ合わせ、お願いしている社会保険労務士会のほうにも意見を伺いながら決めたものです。
ただ、夜間の相談については、東京都の労働相談はやってございます。全体の相談件数のうちの五%ぐらいと聞いております。その数字を参考にしまして、区のほうでも夜間の相談というものを今後検討していきたいと考えております。
◆岸武志 委員 夜間の時間だと、弁護士相談がちょうどあるわけですね。労働相談にかかわるものが一定、そちらに流れているのではないかなというふうにも思うわけです。そこは専門のものがあるわけで、そういった工夫をして、ぜひそうした時間に開設していただきたいということを要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。
○新川勝二 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後零時五分休憩
――――――――――――――――――
午後一時開議
○新川勝二 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
生活者ネットワーク、どうぞ。
◆竹村津絵 委員 生活者ネットワークの午後の質問を始めます。
初めに、東京二十三区清掃一部事務組合の新会社、東京エコサービスについてお聞きします。
サーマルリサイクル計画とあわせて急浮上してきた新会社の設立計画には、当時の会派、区民連として問題提起をいたしました。中央区や港区は議会を挙げて異議を唱えた事案です。
この計画についてもう一度少しご説明をいたしますと、清掃工場の運転管理受託事業とごみ発電などの電力販売事業を行う資本金二億円の株式会社を、一組が六〇%、東京ガスが四〇%出資するというものでしたが、一組の一億二千万円の資本金は、二十三区が清掃分担金として五百二十万円ずつ負担をしたものです。世田谷区議会にこの構想が示されたのは昨年の夏ごろのことで、九月議会に十八年度補正予算として分担金五百二十万円が組まれ、十月にはこの新会社東京エコサービスの設立という、驚くべき速さで進められた計画です。
ごみ発電による売電事業のための会社設立は、ごみがふえれば利益が上がるシステムをつくることになります。これは各区が進めるごみ減量への取り組みと全く相反するものです。また、社員は退職した一組の職員をという人事計画は、天下りの受け皿になる危険をはらんでいます。
私は一般質問で、こうした問題提起とともに、一部事務組合のあり方そのものについても問題提起をいたしましたが、そのとき、区長はこう答弁されています。概要ですが、一組の情報が議会に伝わっていないという指摘だったが、今後はできる限り報告し、協議に臨んでいただきたい、こうお答えになっていらっしゃるのです。しかし、設立から一年がたっても、この新会社、東京エコサービスについての情報提供はありません。
そこで、私はホームページをあけてみました。これがそのホームページのトップページです。TOPICSという項目がありまして、ここに会社設立以来五つの項目、トピックスが並んでいるんですが、ここをクリックしても中身は全く開きません。項目だけになっています。(「工事中だ」と呼ぶ者あり)はい、工事中になっています。工場受託事業とエネルギー販売事業、この企業の二つの大きな事業の柱、ここにメニューボタンとして二つあるのですけれども、あけてみると、まさに工事中、ただいま準備中ということに二つともなっています。これではこの企業が活動しているかどうか全くわからない状態です。
当初、区議会にこの企業の事業収支見通しも示されていました。民間では事業計画として示す値ではないかと思います。そもそも見通しという主体性を欠く言葉を使っていることに、税金で設立することに対する責任感が私には感じられません。
そこで伺います。議会に示された資料には、一年目には運営管理事業収入二億八千九百万円、電力販売事業収入十八億五千七百万円となっていたのですが、計画どおりに進んでいるのでしょうか、伺います。
◎杉野 清掃・
リサイクル部管理課長 東京エコサービス株式会社につきましては、清掃一部事務組合の経営計画と経営改革プランに基づきまして、効率的で安全、安定的に清掃工場の運転業務を請け負わせる等のために、昨年十月に設立されたものでございます。
まず、清掃工場の受託につきましては、事業計画に基づき、今年度から大田清掃工場を受託いたしまして、安心、安全、安定とコストの抑制をモットーに、万全の体制で業務を推進しておると聞いております。
また、売電事業につきましても、今年度から清掃一部事務組合が保有する五工場から発生する余剰電力を購入し、販売につきましては、一般競争入札を行った上で選定し、事業展開を図っているところであると聞いてございます。
◆竹村津絵 委員 それでは、この収支目標というか、収支見通しとなっていましたけれども、五工場の受託ということで、それによる売電ということもほぼ達成できそうな見通しでしょうか、わかったら教えてください。
◎杉野 清掃・
リサイクル部管理課長 四月からスタートしておりますので、現在のところまでは計画に沿った展開をしておるということで聞いてございます。
◆竹村津絵 委員 私は当初、新会社がもし赤字になっても、税金の再投入はないのかということを一般質問で確認していたのですが、これが非常にあいまいな答弁でした。行政の無駄遣いは許されない時代です。二十三区民の一億二千万円を投じてつくった会社ですから、区のほうにも責任はあります。今後、この事業収支が計画どおりなされているのかは、区議会にもしっかりと報告をし、また、一般区民にもこの説明責任を果たす意味でも、東京エコサービスのホームページの充実を区からも求めるべきではないかと考えますが、これについてお考えを聞かせてください。
◎杉野 清掃・
リサイクル部管理課長 東京エコサービスのホームページにつきましては、現在準備中というような形の表示が確かに出てございます。今年度受託を開始したところから、まだ内容として出せていない部分もあるかと思います。今後、清掃一組を通じまして、事業内容や経営状況など、東京エコサービスの透明性の確保等に向けた情報公開を、区として働きかけていきたいと考えております。
◆竹村津絵 委員 課長は大変ソフトでいらっしゃいますけれども、税金に対しては非常に厳しい目を持っていらっしゃる方だと思いますので、ぜひしっかりと、よろしくお願いいたします。
次に、清掃事業の情報公開という観点から、もう一点伺います。
中防の灰溶融施設にトラブルがあり停止しているということについて、九月二十六日の清掃・リサイクル特別委員会で他会派の委員より資料請求があり、十月一日に各委員のポストに一組からの報告書が届けられました。
排ガス中の水銀濃度が自主規制値を超過し、それが四日間もそのまま操業していたこと、スラグから基準値を超える鉛が検出されたことはもちろん問題なのですが、九月十三日付で一部事務組合からこのような報告が出されながら、委員から請求されるまで、議会に報告がなされなかったことが、それ以上に問題であると私は感じております。「区民をはじめ多くの方にご心配をおかけすることになったことに対して、深くお詫びをもうしあげます」、こういう一組の謝罪の一文まで入った報告書です。区としても区議会に報告する義務があったということを、ここで申し上げておきます。
今、二十三区ではすべての焼却灰を減量して再利用するための灰溶融施設整備が完了し、動き始めたことからも、清掃事業が大きく変化をしています。
この灰溶融施設から生成されるスラグの溶出試験の鉛の値は、中防では実は基準値の九十六倍という大きな超過の値となっていました。また、それ以外にも、大田、板橋、足立、葛飾の四工場でも鉛が基準値を超えています。これは検査機関から一部事務組合に出されている五月分の報告書にそう報告されているという事実です。二〇〇五年に稼働を始めた足立清掃工場の灰溶融炉は二カ月後に水蒸気爆発を起こしています。また、
サーマルリサイクルの実証確認で廃プラ混入率が六、七%まで上がった豊島清掃工場は、つい先日、九月十九日に、これももう爆発と言ってもよい事故を起こしています。
こうした情報は、必ず二十三区の区民に届いていきます。もちろん問題がないことが一番ですが、問題があれば、しっかりと状況報告を行い改善していくことで、区民の信頼を得られるものだと考えます。見解を伺います。
◎杉野 清掃・
リサイクル部管理課長 区民生活に係る情報につきましては適切に提供していくことが大切であると認識しております。こうした認識のもとで、必要に応じて情報を提供していくことがまた、重要であるというふうにも考えております。
◆竹村津絵 委員 九月十三日に出された一組の報告書に、先ほど申し上げたような深くおわびを申し上げますということを見まして、私はかえってこれで安心しました。これまでは本当に、一組さん、情報をストップしているんじゃないのということがありまして、どうなっているんだろうという心配があったんですが、逆に事実をこういう形で報告して、そしておわび、さらに改善をします、しましたということが出されることによって、区民は安心を得られますから、ぜひこの点はしっかりとよろしくお願いいたします。
次に、
廃プラスチックのリサイクルの拡充策、これまでも会派の代表質問、一般質問で聞いてまいりました。二十年度が目前に迫っていることから、今回、総括質疑で山木委員が区長に質問をいたしました。既に容器包装プラスチックをリサイクルすると宣言している区は、現在、十二区となっているのですが、実際に中間処理施設まで確保できている区はごくわずかです。果たして本当に二十年度までに実現できるかどうかということは、世田谷だけでなく、今、二十三区共通の課題になっていると認識しています。
唯一のと言ってもよい候補地は、清掃一部事務組合が第一プラントを廃止すると示している中央防波堤の不燃ごみ処理センターです。ここを二十三区共同の中間処理施設とすれば、各区が抱える難問は一気に解決できることから、区長の政治的手腕をぜひ発揮していただきたいと質問したのですが、部長から、清掃一組の規約から外れることであり、二十三区で一組の基本計画を見直す話し合いは想定していないという答弁がありました。
そもそも一部事務組合をなぜ設立させたのか。その趣旨は、二十三区の清掃事業を連携して円滑に行うということにあったはずです。三十年間も続けてきたプラスチックの分別回収、埋め立てという事業を今大きく転換しようとしているのですから、今後必要となる事業が、現在の一組の規定にそぐわなくなってくるということも当然です。二十三区が本気でリサイクル拡充に取り組もうというのであれば、一組の規約改定も必要なプロセスだと考えます。しかし、これは事務方ではなく二十三区のトップの仕事であり、熊本区長のリーダーシップをぜひ期待していたのですが、これは大変残念なことです。
きょうは、ここに区長がいらっしゃいませんので、これ以上お聞きすることはできませんが、この件は、ぜひ担当の森下副区長から区長にもお伝えいただきたいというふうに思います。
さて、そこで実証確認のあり方について聞いていきます。
十月からはモデル地域が一〇%にまで拡大されましたが、区民生活の安全を実証するには、モデル地域を区内の全世帯対象にまで広げ、一定の期間、炉の稼働状況を確認し、排ガスや排水、スラグのサンプリング調査を行う必要があります。二十年度はもう目前に迫っていますが、今後実証確認はどのようなスケジュールで拡大していくのか伺います。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 モデル収集の拡大のスケジュールということでございますけれども、
分別区分変更のモデル収集は、ご承知のとおり、七月から区内の約一万六千世帯を対象にいたしましてスタートいたしました。今月からは、これを約四万三千世帯、区内の約一割に拡大させていただきまして、現在、収集量、集積所の状況、ごみの組成等の調査を行うとともに、清掃工場での実証確認を行っているところでございます。
モデル収集におけます各種の調査、また、清掃工場での実証確認の状況、こういったものを取りまとめるということになってまいりますので、平成二十年度の対応等につきましては、これらを踏まえて判断してまいりたい、このように考えております。
◆竹村津絵 委員 それでは、モデル地域は今一〇%ですけれども、私が伺った、どのように拡大していくのか、そのことが今のご答弁ではちょっとわからなかったので、もう一度お答えください。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 例えばモデル地区を段階的に拡大するのか、それとも一気に拡大するのかということも含めてのお尋ねではないかと思いますけれども、まず平成十九年度中の対応につきましては、これ以上の拡大は現時点では予定しておりません。平成二十年度の対応につきましては、本年十月から開始いたしました、新たにモデル地区の拡大をいたしました地区も含めまして、今後の状況を踏まえて判断させていただきたい、このように考えております。
◆竹村津絵 委員 前の区議会には、プラスチックの焼却で環境中にどのようにダイオキシンが蓄積していくのか、つまり区民の体がこの焼却でどの程度影響を受けるのか、その実態を把握するための土壌調査を求める陳情が区民から出されましたが、継続審査となりました。そのために、区民は自分たちで資金を集め、カンパを募って調査を実施しています。また、別のグループでも松葉を使ってのダイオキシン調査を行っています。プラスチック焼却には、それほど区民の不安と抵抗があるものなのです。
実証確認というものを名ばかりのものではなく、区民にしっかりと安全性を示せるものにするまで、プラスチックの本格焼却を始めるべきではありません。この点をどうとらえているのかをもう一度伺います。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 世田谷区内の清掃工場での焼却実証確認という意味合いにおきましては、現在、モデル地区で収集した可燃ごみは千歳清掃工場で焼却して、さまざま確認を行っております。実証確認の結果がまとまるまではまだ時間を要する状況でございますけれども、ちなみに、現在までの運転管理の状況につきましては、何ら問題は生じていない、順調に推移している状況であるというふうに聞いております。
また、ただいま申し上げましたのは千歳清掃工場に関するお話でございますが、世田谷清掃工場が現在試運転中ということでございますので、こちらも竣工以降において実証確認を行っていく、こういうスケジュールで進めてまいりたいと考えております。
ただいま委員からお話のございました、さまざまな環境面での、また安全性の観点での調査ということにつきましては、ただいま申し上げましたような両工場の実証確認、こういったものの状況を踏まえて判断してまいりたい、このように考えております。
◆竹村津絵 委員 安全性の確認について、これはしっかりと議会のほうにもデータを出していただきたいと思います。生活者ネットワークとしてもしっかりと見ていきたいと考えています。
関連してもう一点伺いたいのが、モデル地域での分別の仕方についてです。
可燃ごみの日には、プラスチックとその他の可燃ごみが別々の袋で出されているということを収集の現場から聞きました。つまり家庭のごみ箱は、まだ可燃ごみとプラスチックとで分別されているということです。また、モデル地域以外の方からも、生ごみとプラスチックを一緒に出すなんてとてもできないというたくさんのお声を私はいただいています。まさにプラスチックの分別は、二十三区民の文化になっているのです。
リサイクル拡充の目標をこれからも持っているのですから、三十数年間、区民が努力を重ね、二十三区の文化にしてきたプラスチックの分別を、実証確認のためにふいにしてしまう手はありません。モデル地域においても、可燃ごみの日にはプラスチック類とこれまでの可燃ごみを別々の袋で出すということをルールづけてはどうかと考えています。一度一緒にごちゃまぜに排出をと呼びかけてしまえば、もう一度分別してくださいというふうに呼びかけることは、今以上に大変になってきます。家庭のごみ箱がまだ分別されている今なら間に合います。この点についてはどう考えていらっしゃいますでしょうか。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 モデル地区における収集の現場のお話として、ただいまのご発言がございましたけれども、私自身もこの間、七月以降のモデル地区の集積所、また集合住宅などの保管場所の状況などは、各地区に足を運ばせていただいて、さまざまな方のお話もお聞きしながら状況を確認しているところですけれども、従前の可燃ごみとプラスチックが分けて出されている事例が頻発しているというふうな印象は私自身は持っておりません。これまでのところは、おかげさまで、私どものほうでの分別ルールに従った形のご協力を相当いただいているというふうに把握しているところでございます。
お話の内容は、
ペットボトル、発泡トレイ以外の、現時点では資源化ルートのないプラスチック類、さらにゴム、皮革類、すなわち、今回のモデル収集において不燃ごみから可燃ごみに扱いを変更したもの、こういったものを、いわば当面の対応として、従前の可燃ごみと別の袋で、可燃ごみ収集日に二つセットで出しましょうというご提案ではないかと思われますが、しかしながら、現在のところ、プラスチックの資源化ルートが確保できていない状況の中で、区といたしましては、現在のルールによって収集を行い、ご提案は一つのご意見として受けとめさせていただきたい、このように考えております。
◆竹村津絵 委員 ぜひこの排出のされ方も実証確認を通してチェックしていただいて、今後、実証確認モデル地域を広げていくときには、この排出の仕方まで再度検討していただきたいと思います。
世田谷清掃工場と同じ川崎重工のガス化溶融炉の全国で唯一の先行事例を、私たち生活者ネットワークは滋賀県高島市で視察してきたことを会派の代表質問でも述べました。何でも燃やせるとメーカーが売り込んだガス化溶融炉ですが、プラスチックの焼却がプラントに非常に大きな負荷をかけ、補修費やランニングコストをかさませることから、高島市では今、プラスチックのリサイクルが課題だと聞いてきました。スラグの鉛対策も同じように問題が起こっていましたが、メーカーの試算の二倍の薬剤費がかかっているそうです。世田谷にとって大きな教訓です。
二十三区全体を見ても、前述のように灰溶融炉の問題や焼却炉のプラント事故が相次ぐ現状で、最新技術と言われるものはまだまだ未熟であること、大都市の雑多なものが大量に出されるごみ処理に、焼却至上主義は通用しないということが明らかになってきています。まず世田谷からもリサイクルをしっかりと拡充させることを求めまして、次の質問に移ります。
アスベスト対策について伺います。
アスベスト関連企業の従業員や関係者の中皮腫などの健康被害が明らかになり、アスベスト問題が再び社会問題化したのは平成十七年のことです。現在、アスベストの製造と使用は原則として禁止されていますが、多くの既存の建物に建材や吹きつけ剤として使用されたままの状態になっています。世田谷でも、公共施設と子ども関連施設については、十七年にいち早く対策がとられましたが、問題は民間の建物です。
この年に、国は民間建築物の吹きつけアスベストに関する調査を行っているのですが、世田谷の調査結果はどのようなものだったのかを伺います。
◎市澤 環境保全課長 お尋ねの調査でございますが、平成十七年七月から八月にかけまして、昭和三十一年ごろから平成元年に建築されましたおおむね一千平米以上の民間建築物につきまして、国が各自治体を通じ行ったものでございます。
世田谷区では、鉄骨で耐火被覆されていると想定されるものを重点に三百六十七棟について、所有者に吹きつけアスベストの報告を求めてございます。結果でございますが、二百三十七棟の回答がございまして、そのうちアスベストの露出した吹きつけのある建築物につきましては九棟で、これらについて改善指導を行ったところでございます。
◆竹村津絵 委員 実際に吹きつけアスベストが存在している九棟には改善指導が行われたということで、その点は非常に安心のできることなんですが、三百六十七棟に求めていたこのアンケート調査、回答があったのは二百三十七棟ということですから、わからないものも、実はたくさんあるということだと思います。
また、これは千平米以上ということでしたので、それよりも若干小さな施設は、大きな施設であっても調査もなされていないということだと思うんですが、やはり区内にどの程度のアスベストというものの危険性があるのか、まずその点を把握しておく必要があると考えているのですが、いかがでしょうか。
◎市澤 環境保全課長 事業者等に飛散防止の適切な処置を行っていただく必要がございます。そのためにも、大気中に飛散しやすい吹きつけアスベストの区内における使用状況につきましては、可能な限り把握を行っていく必要があるものと考えてございます。
先ほどお尋ねいただきました国の調査につきましては、担当した所管から、区内で未回答の所有者に対しましても、改めて報告を求めていくと聞いてございます。今後、区内の建築物に係るデータ等をもとにいたしまして、把握の方法や対象について検討してまいりたいと考えております。
◆竹村津絵 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
アスベストが有害物質となるのは建物の解体を行うときです。近所で解体作業があるとなれば、近隣の多くの区民がアスベストの飛散を今心配しています。このために昨年、区は要綱を定め、解体工事の際には、建物の高さの二倍の範囲の住民などへ説明を行うこと、あわせて標識を設置することを事業者に示しましたが、前述の調査でも無回答がたくさんあったということは、建物の所有者、事業者の意識の低さを物語っています。アスベストの飛散防止のために、いま一歩踏み込んだ対策が求められますが、見解を伺います。
◎市澤 環境保全課長 解体工事に際しましては、規模などに応じまして、騒音、振動に係る各種の法令の届け出が必要となってございます。区では、特に近隣への解体工事の事前周知の徹底を図ることを目的といたしまして、先ほどおっしゃいました建築物解体の指導要綱を昨年十一月に定めたところでございます。
アスベストにつきましては、同要綱の中で使用状況や除去の方法について近隣への説明を求めてございます。今後はこの要綱の運用に当たりましては、アスベストの有無についての調査や箇所の方法の確認、これらの徹底、さらにアスベストがない場合につきましてもその旨の適切な掲示を求めるなど、解体時の周辺区民の不安解消を十分に図れるよう、指導を徹底してまいりたいと考えております。
◆竹村津絵 委員 さて、今回の議会では災害対策にたくさんの課題提起がありました。現在、区の地域防災計画や震災復興マニュアルなどにはこのアスベストに関する項目がないのです。私はこの点について伺いたいのですが、地震で一度に多くの建物が倒壊、損傷した際のアスベスト飛散防止についても対策を練っておく必要があります。実際、阪神・淡路大震災、そして新潟県中越地震、七月の新潟県中越沖地震においては、アスベストの問題は大きな問題となっています。
国は、このほど自治体に向けて、災害時の建物危険度判定や解体、廃棄の適正化のためのマニュアルを示しました。災害時にもアスベスト飛散防止が徹底できるよう、災害対策に位置づける必要があると考えているのですが、いかがでしょうか。
◎市澤 環境保全課長 災害時のアスベストの対策につきましては、さきの中越沖地震の際も、被災地、被災施設での飛散が確認されるなど、この問題が大きく取り上げられております。したがいまして、災害時の対策として現実的な課題であると受けとめております。
今回、八月末に環境省において、委員がおっしゃられました、一般向けに策定した「災害時における石綿防止に係る取扱いマニュアル」というものがございます。これなども踏まえまして、災害担当の所管部とも連携いたしまして、対策について検討してまいりたいと考えております。
◆竹村津絵 委員 区民にとっていろいろと心強いご答弁をいただきました。
このアスベストというものが、過去、一度大きく問題になって、それで使用と製造が禁止されたわけですが、十七年の際に実際の健康被害が明らかになったということから、またクローズアップされてきた社会問題だと思うんですけれども、十七年の際には、たしか区の中に検討委員会というような名前だったか、正式には覚えていないんですが、各所管が連携してこのアスベスト対策を図る組織を設置したということが、当時、区民生活常任委員会に報告されていたと記憶しております。
改めてその資料を見たんですけれども、そこには災害対策の所管、危機管理室が入っていなかったんですね。今回の議会で本当にたくさんの災害対策についての重い指摘、緊急性の必要なものがあった中で、非常に大変な作業になってくるとは思いますが、環境保全課は災害対策課とも連携をして、この災害対策というところにアスベスト問題を位置づけていただきたいと考えております。
区民は本当にこのアスベスト、意外と、ふだんは皆さん余りおっしゃらないんですが、解体があったりしたときには、どうなんだというお声を私もたくさんいただきますので、しっかりと取り組んで、早急な対応をしていただきたいと思います。
以上で生活者ネットワークの質問を終わります。
○新川勝二 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。
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○新川勝二 委員長 引き続きまして、せたがや政策会議、どうぞ。
◆小泉たま子 委員 では、総括に引き続きまして、地区のまちづくりについてお伺いしてまいります。
この国のトップは自立と共生がメーンテーマとされています。よいテーマではありますが、別な見方からしますと、自立と共生がいまだに達成されていないということを、総理大臣がみずから認められたということになります。ただ、この自立ということは、考えてみれば永遠のテーマでもあります。解決のためには、何よりも足元を見詰める、固めるということが必要です。私は、この自立のためには地区の力の強化が必要であり、そのためには地区の出張所の強化が必要であると申し上げております。総括質疑とは違いまして、きょうは実務の責任者である課長がおられますから、細かくお話をいたします。
一昨年、そしてことしの台風による災害は、まさに区の言われる安全安心なまちづくりを考えるに当たって、とても大切な材料を提供したと感じています。災害防止のためのハードのまちづくり、避難勧告、避難場所、町会、自治会の動き、区民一人一人の意識、行動などさまざまな要素が、日々は別々に動いていても、一たん大災害が起こりそうなときにはすべてが連携して動いていく、また、動かなければならないということが再確認できました。
ここでかなめとなるのが地区の出張所です。出張所こそが、いざとなったときに区民生活の支えとして、地区の安全安心の拠点の役割を果たさなければならないはずです。この役割、機能まで、まちづくり出張所の役割ではなくて拠点出張所の役割であると言われる方はおられないと思います。
さて、この観点から、今回の区の出張所改革の評価・検証についての報告を見てみますと、疑問を持たざるを得ません。改革の理念、基本方針は変わらないとして検討、検証するならば、この改革が、いかに区民に影響を及ぼしているかということを検証するのが筋ではないでしょうか。それが、検討内容が窓口における混雑期の対応であったり、広報の掲示板であったり、福祉相談であったり、土曜窓口の拡大であったり、地域コミュニティ活性化支援事業など、自分たちで今行っている事業の評価を自分たちで行うという、区民から見れば筋違いとも思える検討をされています。これはほかの事業の評価でも同じことなのですが、本庁が現場を見ないで机上での検討に基づき行うことから、このような形になると思うのです。
さて、実際の出張所改革の区民生活への影響は、支所なり出張所そのものが実感してわかっておられることでしょうから、そのことを前提に質問していくことといたします。
まず、総括でもお話ししたことですが、先日の多摩川の堤防の外側にお住まいの区民およそ千五百人、その方々の中で何人ぐらいが、この二年間、つまり出張所改革がスタートしてから転入されたかを調べていただきました。三百六十三人だそうです。全体の五分の一で、相当な人数です。ただ、この数字をいただくに当たって相当な日数がかかりました。私が疑問に思うのは、このような基本的な数字を当局が把握していないということです。基礎的な状況を把握せずにどのような対策がとれるのでしょうか。これも地区の力の低下の一因だと思います。
それはそれとして、その方々は新たな拠点出張所で転入届を行ったと思うのですが、現場の支所から見て、これらの方々に転入時に、堤防の外側であって、いざとなれば避難勧告も出されるということを情報提供されたと思われるでしょうか。例えば太子堂出張所で転入届を出したときに、今お話しした情報を区民にお伝えしたかどうか答えてください。
◎新保
地域窓口調整課長 ただいまお話しいただいた部分ですけれども、世田谷区では世田谷区洪水ハザードマップというものを作成しております。こういったものを出張所、まちづくり出張所のほうにも備えてございますので、窓口で必要に応じて提供できているというふうには考えております。必ずしもすべての方に情報が提供できているとは考えてございません。
◆小泉たま子 委員 今のお答えでいろいろわかったわけですけれども、もし転入時にそのことが伝わらなかった新区民について、何らかの方法でお伝えすることが大切なわけですね。しかし、その新区民がどこに住んでおられるか、今の状況ではわからないんです。総括でも申し上げましたけれども、一昨年の大水の際には、町会が避難場所誘導についてとても大切な役割を果たしました。そのことについては皆さんご存じだと思いますが、町会、自治会の役割は安全安心の観点から、とても重要なものです。そうしますと、区民の皆さんに町会、自治会に参加していただくことが、とても大切なことになります。町会、自治会への加入がなかなか進まない、このことが問題であると思うのですけれども、このことについて区の積極的な姿が見えません。
先ごろ、町会、自治会への加入促進の動きが見られ、パンフレット等も作成されたようですが、それほど効果があるようにも見えません。これは役所内の問題だとも思うんですけれども、町会、自治会を所管する部門として転入事務を行う部門に対して、転入届を受け付ける際に、地元の町会、自治会への加入をもっと呼びかけてもらうよう協力を求めるべきと思うのですが、いかがでしょうか。
◎杉本
市民活動推進課長 現在、私どもの生活文化部のほうでは、町会、自治会の加入促進に向けて、昨年度よりいろいろな動きをさせていただいております。先ほど先生にお話しいただいたように、町会、自治会が地域のまちづくりの基点であるということで、加入促進を進めているところでございます。拠点出張所につきましても、町会、自治会のお知らせを便利帳とかその他等でご紹介させていただいているところでございます。
◎堀 生活文化部長 今課長からもご答弁申し上げましたように、また、ことし本会議でも委員からお話がありましたように、各拠点出張所、まちづくり出張所のほうでは、町会、自治会の管轄エリア、また、年間行事等が入ったまちづくり活動一覧なども準備させていただきまして情報提供に努めているところでございます。本日のお話も踏まえまして、地域で必要な情報を的確にお伝えできるような仕組みも考えていきたいと思っております。
◆小泉たま子 委員 なかなか加入の人たちがふえていないのが現実でございます。区は、町会、自治会の加入については距離を置きながらも、福祉とか災害時などについてはその重要性を認めて、さらに仕事を担わせようとしている。実際の町会、自治会にしてみれば、新たな転入者がどこにいるかわからないのに、加入促進運動ばかりやってみても苦労するばかりなわけです。
本来的なまちづくり出張所のあるべき姿はどうかという点について、区としては地域コミュニティ活性化支援事業を柱にと言われているでしょう。しかし、区と区民との協働、ともに働くという協働ですけれども、それもその行き先が、先日、区民生活常任委員会でお話の出た、区民自身がコンシェルジュ、つまり案内人になって、区がそれを支援するということであれば、これは本当に相当おかしなことになる、地域は一体どういう姿になるんだろう、こう思います。
私は、まず地区レベルにおいて区の役割をはっきりさせる、このことが最も大切なことだと思うのですけれども、先ほどから申し上げていますように、安全安心が問題となる災害時にも、また福祉のまちづくりに当たっても、地区の拠点としての出張所の役割が大変重要である、こういうことから申し上げているわけですが、このことについて、地域の責任者である支所長のお考えを伺います。
◎佐藤 砧総合支所長 今、委員ご指摘の点でございますけれども、まちづくり出張所につきましては、ご案内のとおり、世田谷区は地域行政制度をとってございます。その地区レベルでのまちづくりの拠点として位置づけられておりますし、また、改革のほうもまちづくりの最前線として、区民生活から福祉、教育にわたるさまざまな活動支援を行っておりますし、引き続き重要な役割を担っているというふうに認識しております。
一方、地域の担い手というところでは、地域にはすぐれた人材、あるいはリーダーの方がたくさんいらっしゃいます。主体的に熱心にまちづくりに取り組まれているということがございます。ただ、その反面、非常にご苦労も多くなっているというのも事実でございます。そうした中で、まちづくり出張所では、例えば町会、自治会の加入促進の支援、これはなかなか難しい課題でございますけれども、生活文化部の意向を受けまして、今、地域ごとに出張所単位で、自分たちのユニークな自治会の案内のパンフレットを町会と一緒につくっている。あるいは、これは砧地域でございますけれども、転入者向けの独自のリーフレットということも今考えております。
こうした取り組みは、自治会だけではなくて、おやじの会、PTA、商店街等のネットワークの拡大、こういうことを進めまして、区民と行政の協働によりまして、地域の力あるいはきずなを強めていきたいというふうに考えております。
◆小泉たま子 委員 拠点出張所で転入届を受けるときに、じゃ、全部の地区のパンフレットを各拠点出張所に置かなければいけなくなるわけですよね。転入してくる人のプライバシーというのもなかなかわからない中でどうやってやっていくか。個々にやっていることはいいかもしれませんけれども、それがつながっていっていないんです。そういうことをもう一度考えていただきたいと思います。
総括質疑では平谷副区長が、出張所の見直しについては、他の自治体が出張所を全部廃止する、そういう動きのある中で、七つの拠点出張所と二十のまちづくり出張所を逆に残したということを評価していただきたい、こういうお答えがありましたけれども、私は、全部なくなるよりは少しでも残っていたほうがよい、この区の判断に感謝しなければならないとも、それは思いますが、でも、今申し上げてきましたことからすれば、この出張所改革によって地区の力が本当に弱くなってきています。区民の安全安心の確保も難しくなって、結果として世田谷区全体の力が急激に落ちてきている、このことに皆さんが気がつかなければならない、こう思います。
この出張所改革の大胆な見直しについては、今の区はどうしても取り組まないようです。その理由が私にはわかりません。私は出張所の正規職員の数を以前の数値に戻せと言っているわけではありません。創意工夫ができるはずです。
以前の議会で、私は転入届の重要性を申し上げて、それに対して区側も情報提供について充実すると答弁されました。でも、その結果は区民便利帳などの三点セットをお渡しするだけ。その資料を渡すということだけでは、本来の情報提供にはなりません。
今回の総括質疑で、少なくとも転入届の際の情報提供を充実すべきという質問に対して、担当部長は努力すると答えられました。
そこで、その実務の責任者である課長に伺うのですが、最も標準的な家庭が転入してこられるとして、その転入処理にかかる時間はおよそどのぐらいでしょうか。
◎新保
地域窓口調整課長 世帯構成ですとか、保険の有無等ですとか、あるいは三月、四月の混雑期など、ケースとか時期によっても異なりますけれども、通常時、平均的にはおおむね十分から十五分程度お時間をいただくということで、窓口のほうでご案内をしてございます。
◆小泉たま子 委員 今十分から十五分というお答えでしたけれども、それが十五分であったといたします。それに、先ほどの堤防の外側の場所でのいざとなったときのこととか、それから地区の情報、ごみ出しのことなどをお伝えするということでほぼ十分。さらに、先ほどの町会、自治会のご紹介とか、地区の区民の活動のご紹介など、これも十分ぐらいかかるでしょう。もし転入者の方からご質問を受けたとしたら、もっとかかるわけです。そうしますと、全部で三十分以上かかります。
ここから問題なのですけれども、このようなことを、あの混雑する拠点の出張所でどのようにとり行うのか、それについてお答えください。
◎新保
地域窓口調整課長 先ほど委員のほうからお話がございましたけれども、転入者の方が新しく区民として、それからそれぞれの地区の一員ということで、区、地区に対する理解を深めていただくということは、既に総括質疑の中でもご答弁申し上げておりますように、重要なことであるというふうに考えてございます。
それで、先ほど委員のほうから、便利帳ですとか地図、リサイクルハンドブック、そういったものを配布することだけではどうなんだというお話がございましたけれども、地域情報コーナーで、町会、自治会の管轄エリアや年間の行事予定、まちづくりマップなどを掲載したまちづくり活動一覧や、地区まちづくり概要などの配備に努めるなど、地区情報も提供しているということでございます。
いずれにいたしましても、転入される方に地域で必要な情報を的確にお渡しできるように、今後とも努めてまいりたいというふうに思います。
◆小泉たま子 委員 今のそういう考え方では伝わらない、つまり紙を見てくださいということでは伝わらないんですよ。それをずっと申し上げているわけです。私は、現実として今の拠点出張所できめ細かく情報提供を行うのは無理だと思います。では、どうすればいいか。地区のまちづくり出張所で転入届事務を行うということです。私は何も出張所の正規職員を前のようにふやせと言っているのではありません。創意工夫ができるはずです。地区の情報の提供は町会、自治会が担当してもよいと思います。もちろん仕事として、地区の出張所において担当するのです。このような抜本的な見直しについて、実務の責任者である皆さん方からさまざまな提案を出していただきたいと思います。考えてください。
さて、ここで森下副区長にご意見を伺いたいのですけれども、世田谷に来られてまだ日が浅い中でもさまざまな事柄が起きました。その一つ一つに、これまた多くの課題が積み上がっているわけですが、私はこの基本のところをないがしろにしてはいけない、基礎がしっかり固まっていないと全体がおかしくなってきてしまう、その一つが地区の出張所問題だと思って取り組んでいます。
副区長はハードのまちづくりの専門家ですから、基礎の大切さということは身をもってご存じでいらっしゃるわけです。世田谷が世田谷らしくいられるのは、地区がしっかりしていて、区民が安心できる、優しさに包まれている、温かさの中にいる、こういうことが大切だと思っています。このことについて、副区長のご感想を伺いたいと思います。
◎森下 副区長 出張所の改革に伴いましていろんなご指摘をいただきました。私も七月の就任以来、地域の皆さんの活動の場に何度か出させていただきました。その際にも、出張所の職員がさまざまな形で地域の皆さん方を支援しているというような姿を見させていただきました。それからまた、二十七の出張所、まちづくり出張所につきましてもくまなく歩きまして、現場の状況も見させていただきました。
その感想でございますけれども、私としての率直な感想なんですが、基本的には、出張所とまちづくり出張所と地域の皆さん方との間では、それなりに強い関係を持ち、また、信頼感というものも私としては感じ取れました。それは東京都という行政の場を出てきて、地域と皆さん方のつながり方が区の行政とは違いますから、区に来てそういうことを一層感じたのかもしれませんけれども、そういう基本的なまちづくりを支えるような出張所のあり方として、職員はそれなりに頑張っているなというのは率直に受けました。
ただ、委員ご指摘のように、世田谷が世田谷らしいいい町となっていくために、これから本当に出張所、まちづくり出張所が地域の皆さんと連携して、いいまちづくりをしていかなきゃいけないわけですけれども、ご指摘のような改善すべき点はあろうかと思います。そういう点については、私としてもまた十分に考えさせていただきますけれども、従来にも増して地域の安全を守り、活性化を図るようなまちづくり出張所、出張所の活動をさせていただきたいと思っております。
◆小泉たま子 委員 期待しているところでありますので、積極的にお願いしたいと思います。
さて、生涯現役支援の取り組みが、今まで福祉であったのを区民生活の部門にするべきだということを再三申し上げてまいりました。このことも今申し上げようと思いましたが、ちょっと時間がなくなってきましたので、今回、このことを踏まえて申し上げたいと思いますが、障害者の雇用創出について、他会派の質問に対して保健福祉部門で答えられていましたけれども、これは産業政策部門で取り上げるべきものだと思うんですが、いかがでしょうか。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 障害者の方が日常生活に必要なさまざまな能力を身につける訓練、それとあわせて経済的にも自立するための支援というのは、行政での大きな課題の一つだと思っております。このためには、障害者の方をよく理解した上で、生活訓練、職業訓練、それから就職に対しての相談、日常生活における相談など、さまざまな場面で一貫した支援というものが必要であることが一つ。二つ目として、障害者雇用促進法などに基づいて、企業への働きかけ、啓発等による働く機会を拡大することが必要だと考えております。福祉領域と産業政策領域のほうで、それぞれの役割を明確にして連携していくことが必要であると考えております。
◆小泉たま子 委員 そこから出てきた製品のPR、それから販売のルート、あらゆる機会をとらえてその促進もお願いしたいと思います。やはり障害者の方も自立して税金を払えるようになっていただきたいと思いますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
これで質問を終わります。
○新川勝二 委員長 以上でせたがや政策会議の質疑は終わりました。
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○新川勝二 委員長 引き続きまして、社会民主党、どうぞ。
◆唐沢としみ 委員 社民党より質問に入ります。
私は、世田谷らしい産業政策という観点から何点かお伺いいたします。
区は、新たに地域生活拠点づくりとしての商店街のあり方、あるいは物づくりが地域の基盤となる工業のあり方、さらには都市農業の新たな方向性などを示す産業ビジョンの策定に取り組んでおります。
そこで、まず初めに、商店街のあり方としてどのような商店街づくりを目指すのか、消費者の視点からお伺いいたします。
◎内田 商業課長 下北沢、二子玉川、三軒茶屋のように、区内外から多くの人を集めている商店街、また、ウルトラマンやサザエさんのキャラクター等を活用いたしまして、地域資源を活用した商店街など、さまざまな個性を持った商店街がございます。立地も駅前型から住宅街にある商店街などさまざまでございます。
高齢社会を視野に入れますと、地域生活を支援する拠点としての商店街では、区民の日々の生活を支える機能に特に注目いたしまして、高齢者等が歩いて暮らせるエリア内で安全安心して買い物ができる、楽しく過ごせる商店街、まちづくり、こういったことを産業ビジョンの中で検討してまいります。
◆唐沢としみ 委員 では、同じように、産業振興ビジョンの描く工業のあり方、そして都市農業のあり方について、それぞれお伺いいたします。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 私から、工業のあり方についてご説明させていただきます。
世田谷区は、良好な住宅環境の中で準工業地域が点在しております。また、区内の工業系事業所は、その多くが三十人未満という中小企業でございまして、そういう中で、国内外に広く取引先のある企業や特色ある製品を製造するという企業が多数存在しております。
こういった状況を踏まえまして、現在、区内では大規模な用地を確保して工場を建設することは非常に困難であるという状況も加えて考えます。また、将来、職住近接などのワークライフバランスに関する意識の高まりというようなものが予測される中で、区内では、今後、IT産業、コンテンツ産業を信用取引先とするデザイナー、クリエイター、そういった方々が区内で事業所を構えることが見込まれるのではないかと考えております。
都心に近い立地状況を活用し、新旧それぞれの企業が特色を発揮して事業を継続するということで、閑静な住宅地の中で町の活況を持続する、また、物づくりの大切さを後世につなげていく役割も担う、そういった都市型工業の一つのあり方として、世田谷の工業を位置づけていければというふうに考えております。
◎高山 都市農地課長 私のほうからは、都市農業についてお答えしたいと思います。
世田谷の魅力の一つとして、大都市でありながら農業と触れ合う機会が多くあるということが挙げられます。都市農業は、新鮮で安全な農産物を提供するだけではなく、緑豊かな生活環境や、ヒートアイランド現象の緩和、災害時のオープンスペースなど、多面的な機能を果たしております。
都市農地は一度失われますと、回復するのには大変困難でございます。地域資源といたしまして貴重な緑地空間を将来の世田谷区民に残していくためには、農家や行政だけではなく、区民お一人お一人に農地、農業、これらの機能について理解していただき、世田谷の農業のよき理解者として、また、支援者として応援していただくことが大切だと考えております。
そのためには、さまざまな機会を通じまして都市農業に触れ合っていただく施策を展開し、区民と共生する都市農業として、また、生活密着型の産業として位置づけていければと考えております。
◆唐沢としみ 委員 それぞれお話をお伺いいたしました。お話からも感じますが、これからの産業政策は、ただ既存の商業、工業、都市農業を守るだけでは到底成り立たないと思います。なぜならば、言うまでもなく、社会経済情勢は好むと好まざるとにかかわらず急速に変化を続け、そして産業基盤も構造的な変化を続けてきているからであります。したがって、既存の中小零細産業を守り、厳しい経済環境の変化から区民生活を守るということが区の責務となっており、公共の存在の意義は、まさにそこにあると思います。
だからといって、守りばかりではなく、前へ進むことはおろか、今の状況を維持することすら難しいことであります。真の意味で、これからの時代に活動できる活力ある産業を振興させるためには、新たな発想で、世田谷らしい新たな産業の創出を考えていく必要があると思います。
このようなことから、区は、今までに余り取り上げたことのなかった観光などに取り組んできていることは、もちろん私も承知しております。しかし、まだまだ新たな産業政策という点についてははっきりしないというか、余り熱意が感じられないような感じがします。
私は、これからの産業政策は、商業、工業、都市農業といった個々の産業ごとの施策、事業の検討だけではなく、もっと広い視野から検討していくべきと考えております。地域や地区の特性を生かした魅力あるまちづくりの視点から、産業をどういうふうに位置づけるかということ。また、地域住民や地域団体等の調和をどう図っていくのか。そして、団塊の世代を中心とした生涯現役世代の力を、これからの施策の中にどう活用していくかということなど、重要な要素があると思います。
そこでお伺いします。区は、世田谷らしい新しい産業の創出などに関してどのようなイメージをお持ちになっているか、どのように取り組んでいこうと考えているか、その点について、今の段階で結構ですので、イメージなり方向についてお伺いいたします。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 現在、区内では、砧地域や池尻にございますものづくり学校、そういったところで、映画、ドラマの撮影所、CMを制作する事業所、そういった、いわゆるクリエイターと称される方々の事業がふえつつあるところです。また、下北沢周辺では、ファッション、演劇、そういったものにかかわる若い事業者の方々が集まり活動しているところが区の特色であると思います。このような区内における業種、業態の特色、こういったものをさらに伸ばし、都心に近い立地条件も踏まえた、世田谷らしい新たな産業ができるのではないかというようなところを今検討している最中です。
また、少子・高齢社会で、さまざまな価値観が多様化していく社会の中では、高齢者が安心して生活できるためのサービス、子育て支援サービス、こういったものが地域を支えるコミュニティービジネスとして需要が高まるのではないかというところを予測しております。
このような世田谷の特性だとか社会変化に対応した新しい産業、それらの誘導、誘致の手法、こういったものを、専門家の意見もいただきながら、また、産業団体の意見もいただきながら研究しているところです。我々の熱意を新しい産業ビジョンで示してまいりたいと考えております。
◆唐沢としみ 委員 産業の中でも、特に区民の日常生活に身近な商店街の振興は、区民生活に直結する課題であると思います。
そこでお伺いいたします。今、区は商店街の現状と課題をどのように認識しておられるのか、その点について伺っておきます。
◎内田 商業課長 商店街の数も減ってございますし、事業者数につきましても、事業所統計調査、十三年、十六年を比較いたしますと、やはりこれも減少傾向にございます。大型店の進出であるとか、インターネットによる買い物の選択肢の拡大、消費者ニーズの変化、また、内部要因といたしましては、経営者の高齢化であるとか後継者不足、こういったことも課題でありまして、商店街の新たな事業展開に向けた改革の意欲を引き出しまして、商店街を活性化させていくことが重要な課題である、このように認識してございます。
◆唐沢としみ 委員 私の住んでおります奥沢地域においては、住民が毎日の買い物を楽しんできた商店街も次々と店を閉めてきております。そのかわり、高齢化とともに、高齢者の介護事業所関連の仕事場というか、事務所がどんどんとふえてきているというようなことです。
もちろん地域で住み続ける高齢者にとっては、とても身近な地域でさまざまなサービスを選択できる、そのことは喜ばしいことではあるけれども、とはいえ、こうした事業所は、商店というよりも、むしろ事務所的な性格が強く、町のにぎわいとか、あるいは個性づくりについては、今ひとつつながりにくいものがあると思います。
区として、こうした新しい動きを見据え、これからどのようなまちづくりを考えていったらいいかという視点を含めて、商店街の振興についてお伺いしたいと思います。
◎内田 商業課長 区では、産業振興公社と連携いたしまして、東京都の補助事業も活用しながら、ハード、ソフト、イベント、それぞれの商店街の特色を生かした、そうした取り組みを支援してきてございます。
商店街は、基本的には買い物の場でありまして、区民が何度も足を運びたくなるような、例えば良好な町並みの商店街であるとか、安心して買い物ができる、空間のある商店街づくりということが必要だというふうには認識をしてございます。
一方で、買い物の場ではなくてサービス業というものも商店街ではかなりふえてきておりますので、それも商店街の中に人を呼び込む効果があるのではないかというふうに認識してございます。
いずれにしても、区では、個性あふれる商店街づくりを支援するために、まちづくりの視点を踏まえた都市整備とも連携を図りながら、総合的な商店街の活性化を図っていきたい、このように考えてございます。
◆唐沢としみ 委員 世田谷の町の魅力、これからいろいろとそれにかかってくると思います。そういう視点から一点お伺いしたいと思います。
さきの区民生活委員会で、文化・芸術振興の取り組みとして、商店街とアートの協働事業として報告がありました。内容としては、烏山区民センターの壁にペンキで絵を描くフラッグアートでございますが、こういうことをやるという報告であったわけです。つい先日も、読売新聞において烏山の壁画の記事が載っておりました。
この商店街とアートの協働によるプロジェクトということは具体的にどういう目的、ねらいであるかということと、また、このような文化・芸術をもって、区民が楽しめる世田谷の魅力づくりを進めることも必要であると思いますが、文化の所管であります課長さん、どうとらえているんでしょうか、お伺いいたします。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 具体的な取り組みは、今委員がお話しされたとおり、商店街とアートにつきましては、地域のにぎわいの中核となっております商店街と文化資源を結びつけまして、地域の活性化、それから商店街が文化創造の拠点となることを目指すと同時に、若手アーティストの活動の発表機会を提供していきたい、このようなことを目的にさせていただいております。
もう一点、文化・芸術による世田谷の魅力づくりという点のお話でございますけれども、今年度から区民の皆様に気軽に文化・芸術に触れていただこうとスタートをさせました「世田谷芸術百華」、こういうプログラムがございます。大道芸ですとかまちかどコンサート、ただいまお話がありました商店街とアートの取り組みなどがこれに当たるものでございます。
午前中にもお話がございましたけれども、この事業は、世田谷の魅力アップ推進協議会の一事業ともなっておりまして、文化・芸術による世田谷の魅力づくりを進めるものとしております。来年度以降も継続実施をさせていただいて、文化面から世田谷の新たな魅力づくりとして取り組んでまいりたい、このように考えております。
◆唐沢としみ 委員 文化や芸術で商店街がにぎわったり、また、世田谷全体が魅力的になるということは、とてもすばらしいことだと思います。世田谷区は緑とともに文化が一つの特色となっておる自治体でもあります。いろいろなことを継続してやっていかないと、町自身が枯れてしまうものだと思っております。区内のさまざまな資源を使って、例えば烏山のような商店街の絵の取り組みとか、あるいは大道芸のようなことも継続して実施していく、そのことが世田谷区の魅力アップにつながると思いますので、ぜひとも取り組んでいただきたいと思います。
さらに、今回質問したけれども、特に困難な課題であればこそ、区民とともに果敢な取り組みでもって汗を流しながら、皆さんと、ぜひ斬新な発想でもって解決することが大事です。特に産業振興というのは非常に大事な課題で、難しい部分を抱えて、各自治体の共通問題です。こうしたことを十分思っての質問ですけれども、ぜひとも皆さんも大事な人材を豊富に使いながら、区民と考えながら進む区政をしっかりつくっていただきたい。進めていただくことを要望して、質問を終わります。
○新川勝二 委員長 以上で社会民主党の質疑は終わりました。
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○新川勝二 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。
◆木下泰之 委員 平成十三年の十一月十五日に区民生活常任委員会が開かれたわけですけれども、そこで世田谷線旧型車両保存に関する請願が審議されたんですね。これが継続審査になったという事案がありました。これに対して、この中でのお役人の説明が不適切だったということで、請願者が国賠訴訟で訴えた事件があったんです。これについては、委員会に報告等をしましたか、いかがですか。
◎山﨑
世田谷総合支所地域振興課長 今ご指摘の訴訟は、平成十七年の十二月十九日に提起されてございます。議会報告につきましては、当時、関係方面で協議をしまして、議会報告には至っておりません。
◆木下泰之 委員 今最高裁にかかっているわけですけれども、こういった訴訟というのが起こされた場合には、やはり委員会等にはきちっと報告すべき事案だと思うんですね。
とりわけこの国賠訴訟の原因が、つまり、宮の坂の地区会館に今ある世田谷線の旧型車両、これは江ノ電を持ってきたやつで、それを廃止された世田谷線の車両をそこに持ってきてはどうか、そういうことで、署名が三千七百三十八名、追加もありますので、もっと多かったと思いますけれども、区民からありまして、その保存運動を請願に出したわけですね。
それで、これは八谷さんですか、当時の担当者が回答しているんですが、二千万円かかりますと。そういうことになって、例えばその中にいた委員のお一人は、区民の皆さんが愛着を持つのは当然だと思うが、かなりの費用をかけて保存することになると、区民全体の合意が得られるかという点ではかなり難しいと思うというような意見で、継続になっているんですね。
継続ということになりますと、実現がなかなか難しいということもあって、それで結局、東急もこれを処分することになってしまったわけですね。それに対して国賠訴訟が提起されたということです。結果的には、一審、二審とも原告は負けているんですが、ただ、その記録を読ませていただいたら、つまり二千万円というのは、本来は一千万円程度であったということについては認定しているんですね。それはもう争いがなくなっているわけですよ。
そうしますと、当時、二千万円もかかると言ってしまったことが審議に大きく影響したと思うんですね。こういったことについて大事なことだと思うんですけれども、このことは報告するつもりはないんですか。
◎山﨑
世田谷総合支所地域振興課長 今ご指摘のように、地方裁判所、そして高等裁判所で、それぞれ判決が出ておりまして、今度は原告のほうが最高裁に上告をしておりまして、判決としては確定しておりませんので、判決が確定した段階で、議会に報告をするつもりでございます。
◆木下泰之 委員 問題は、確定しようとしまいと、争いのない事実の中で、まさに二千万円かかると言っていたものが、実は一千万円で済んでいた事案である、そういったことが明らかになったわけですね。これは判決がどうであろうと、そういったことがあった、それについては所管の委員会にきちっと報告すべきなんじゃないですか。
◎山﨑
世田谷総合支所地域振興課長 被告である世田谷区が例えば敗訴というような状況になって、世田谷区に責任が生ずるような可能性がある場合は至急すべきであると思いますが、そもそも原告の請求は地裁及び高裁で退けられておりまして、かつ、それを不服に思った控訴人が最高裁に上告をしているということから、最終的な結果を待って報告しようというふうに考えているところでございます。
◆木下泰之 委員 国賠訴訟の結論は、それは故意責任、過失責任について出されたにせよ、事実として区民に説明すべき区の役人が、それを間違えた形で、それは故意か過失か、裁判所の認定は最終的にはわかりませんよ。ただ、事実問題としてそういうことがあったと。それはやはり大きく判断を誤らせることにもなるわけだから、それはどうであろうと、そういうことはきちっと報告して、なぜそういうことになったのか説明すべきなんじゃないですか。
◎山﨑
世田谷総合支所地域振興課長 高等裁判所での判決でも、時間の許す限りの範囲内で調査を行い、本件車両の保存に要する費用の見積額について認識に至ったものであり、費用に関する説明に正確を欠く部分があったとしても、そのことをもって職務上の義務を怠った過失があるとすることはできないという判決が出ておりまして、そういうふうなご指摘のことが多少あったとしても、後日まとめて報告することでもって報告が十分に足りるというふうに認識をしたものでございます。
◆木下泰之 委員 本人の過失責任ということよりも、事実が大事だと思うんですね。こういう幾らかかるかというような議論というのは、やっぱり審議にも大きく影響する。そういったことについてはきちっと逐一報告すべきだと思います。
裁判というのは特別なものではないわけですよ。つまり議会で法律を、ある意味で条例等をつくっていくわけです。裁判所というのも一つの、事後的になるかもしれないけれども、法律についてのいろんな吟味をして、その中では法の創造活動が行われているわけですね。そういったものは、やっぱり連携していかなきゃいけないし、やはり請願という大事な場面で判断を誤るような形になっている事実、これは事実です。その事実について、どうしてそうなったのか、そういったことについて明らかにすることが、どうしても必要だと私は思います。
これを国賠で提起した方は都市整備公社の職員の方ですよ。最近、警察の中の方が、警察が特別に裏金をつくる、そういう行為をやっていたことを告発して村八分になったけれども、裁判で勝ったとか、そういうのも報告されています。またいろんなところで、そういう内部告発であったりということも行われていると思うんですね。これは内部告発ではありませんけれども、しかし、そういうことをされるということは非常に大事なことだし、そのことは非難されるべきことじゃなくて、今の議会のあり方、あるいは請願のあり方、それから事実を伝えなければならないことがいかに大事であるか、そういったことをきちっと明らかにしたという点では画期的なことだと思うんですよ。
そういうことがある以上は、私は、議会に対して区のほうはそういうものをきちっと報告すべきだし、議会の中でそういうことも吟味していくべきだと思います。そういったことがなされてしかるべきだということを申し上げまして、終わります。
○新川勝二 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。
──────────────────
○新川勝二 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。
◆上川あや 委員 初めに、男女共同参画センターらぷらすの運営に関して伺います。
この夏のことなんですが、あるNPOの関係者の方から、らぷらすの施設運営の実際について、やんわりとではありますけれども、苦言をいただきました。このNPOがこの夏、らぷらすを会場にリハビリメークというものの講習会を開きたいと相談しましたところ、対応した非常勤の職員の方から、実技のある講座には貸し出しをしていないが、担当者に聞いてみるので、返答を待ってほしいと帰されたそうです。翌週、約束の曜日に、この方が電話確認しましたところ、検討の結果、実技の場合はやはり不可だと、やんわり断られたということです。
何が問題になったのかといいますと、らぷらすの利用要綱は、そもそも実技を伴う利用を認めていないというものが一点。もう一つは、らぷらすは座学、つまり座って勉強することを基本としており、講師とその補助員が立った姿勢で講習することは座学とは言いがたいということが理由だったそうです。
そこで、まず伺いますが、実技を禁止している理由、そして座学でお願いしている理由は何でしょうか、お答えください。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 男女共同参画センターらぷらすで講座等を行っていただく場合は研修室をご利用いただいているわけですが、男女共同参画に関する研修会議等を目的に、この部屋というのは設置をさせていただいております。そうした目的から、体操、演劇、音楽などの実技を伴う活動、あるいは生け花だとか習字、こういった施設の汚損などのおそれがあるものにつきましては、他の団体のご利用に支障が出るということが考えられますことから、利用要領の中で会議等に限らせていただいている、こういうような状況でございます。
◆上川あや 委員 騒音が出ることを心配する、あるいはその利用によって施設が汚されるおそれがある、そういった理由そのものは確かにもっともで、理屈は通るんです。しかし、だからといって、実技はだめ、座学でないとだめという決めつけは不適切ではないかと私は思うんですね。
ここで説明いたしますと、初めに申し上げましたリハビリメークというものは、そもそも顔にあざや傷、あるいは変形がある人のコンプレックスをメークの技術によって解消に近づけるもので、特に女性のメンタルヘルスの向上、その社会参加を大いに助けるものです。その本来の目的は、そもそも男女共同参画センターの理念に全くかなっているものだろうと思います。
では、心配される設備の汚れや騒音はどのようになるのかといいますと、メーク道具を使ったからといって、部屋が磨耗するわけでも、派手に汚れるおそれがあるわけでも全くありません。座学で油性インクを落としたほうが、よほどひどい汚れが残るでしょう。
では、騒音が出るのかというと、それもあり得ないことだろうと思います。メークを教えることに、大声も、音楽も、派手な動きも一切必要ないからです。
ところが、区は要綱の文句だけに縛られて、本末転倒な結論を出しています。本来の施設の目的に十分貢献できる問題、なおかつ、お困りの方にとっては、国内でも非常に貴重なリハビリの機会です。これを実技はだめだという一言で摘み取ってしまうことは一体どういうことなんでしょうか。こういう融通のきかなさを、一般にはお役所仕事というふうに言うんだろうと思います。お考えを聞かせてください。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 今お話しのご相談については、実際にらぷらすに確認いたしまして、そのようなことがあったというふうに報告を聞いております。ご利用に当たりましてご迷惑をおかけしたという点では大変申しわけなく存じます。
施設利用に当たりましては、基準ですとか、ルールですとか、これは大変不可欠なものと考えておりますけれども、ただ、基本は、できるだけ多くの方にご利用いただくということが前提だろうと考えております。基準が先行して、利用者の視点ということが失われているとすれば、私どもの指導の至らなさという点もあろうかと存じますので、区民の目線に立ってご利用いただくような格好で進めていくということを、職員にも指導してまいりたいと考えております。
◆上川あや 委員 結局、このNPOの方はリハビリメークと講習会を、お隣の大田区の男女平等推進センター「エセナおおた」というところで開いたそうです。こちらでは、当然快く受け入れられたということですけれども、このNPOさん、東北と関東で結構な頻度でイベントを行っていまして、やはり性差別をなくすイベントをやっているんですが、実技がだめだというふうに一律に断っているところは、世田谷以外には一カ所もないという彼の記憶なんだそうです。こういった貴重な機会が世田谷から逃げていくことがないように、ぜひ要綱の変更も柔軟に考えていただくように、この点はお願いしておきたいと思います。
次の問題なんですけれども、ホタルを使ったまちおこしイベントについて伺います。
この夏も世田谷代官屋敷では恒例の「ホタル祭りとサギ草市」が開かれまして、多くの来訪客でにぎわったということを私も承知しています。昭和五十六年から始まったイベントも二十七回目ということで、すっかり町の風物詩という感がします。
区内では、このほか等々力でも
玉川総合支所の駐車場を利用して、この夏、ホタルイベントが開催されていました。いずれも主催者は民間組織で、区は後援名義を出すということですね。あと、職員の応援、区報や区の掲示板による広報で協力しているそうですけれども、この例に限らず、区は、これからもホタル関連イベントの協力を求められる可能性があると思うんですね。
そこで、ぜひお願いしておきたいことがあります。比較的知られていることなんですけれども、ゲンジボタルは、そもそも西日本と東日本で点滅の間隔が異なるということなんだそうです。これは地域ごとに遺伝的な文化が進んでいて、その生態も異なるということの証左なんですね。ゲンジボタルのDNAをより詳しく調べますと、東北、関東、中部、西日本、北九州、南九州と、六つの遺伝子集団に分けられるのが本来の分布なんだそうです。ところが、各地でホタルを使ったイベント、放流、養殖が盛んになるにつれて、遺伝子の攪乱が各地で進んでいるそうなんですね。
二〇〇一年に東京都内のゲンジボタルを二十一カ所で採取しまして、その遺伝子を調査したところ、本来都内に生息する関東型だけのところが六カ所にすぎないということで、二十三区でゲンジボタルがそのまま自生しているのは成城みつ池だけなんだそうです。ですので、協力を求められる区は、こういったこともしっかり加味して、今後、助言、アドバイスをお願いしたいんですが、一言お願いします。
◎山﨑
世田谷総合支所地域振興課長 「せたがやホタル祭りとサギ草市」はホタルの生育が目的ではございませんが、生物を扱ってのお祭りのため、今後は、委員ご指摘の点も踏まえながら十分配慮するよう、町場の実行委員会の方にお伝えしてまいりたいと思います。
◆上川あや 委員 今回のイベントでも、終わった後のホタルを主催者の方々が持ち帰っているんですね。こういった事後のこともしっかりお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
○新川勝二 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。
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○新川勝二 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。
◆青空こうじ 委員 九月二十日の新聞に「レジ袋辞退に二四〇〇社が協力」という記事がありました。何でも、十月の一カ月間、イオンや日産自動車、松下などの会社やグループが、従業員と家族が買い物をする際にレジ袋の受け取りを辞退して、CO2の排出量の削減に取り組むという内容でした。レジ袋を受け取ることをしないのは、自分のマイバッグを持っていないとできません。
そこで、まず最初に、マイバッグについて伺います。きょう出席しています理事者の皆さんでマイバッグを持っている方、済みませんが、手を挙げてください。――いますね。すごいな、立派立派。私も、これはコンビニのと自分で買ったのと、コンビニのはただでもらったんですね。コンビニがオープンのときにはぜひ行ってください、ただでくれますよ。よろしくお願いします。これだけ持っているとは思わなかった。ありがとうございます。
私は本当にマイバッグを二つ持っているんですけれども、理事者の皆さんがこれだけ持っているということは私も思いませんでした。でも、手を挙げなかった方、私はまた来年の次の予特でもやりたいと思うので、そのときには全員手が挙がるように、よろしくお願いしたいと思います。なるほどね、すごいすごい。次の質問に入るときに、私、ちょっと入りづらくなったけれども。
聞くところによりますと、世田谷区でもレジ袋の受け取りを辞退する運動に加わっていくような話ですが、そのためにはマイバッグを持っていることが必要になります。隗より始めよということわざがありますが、環境問題に取り組むのであれば、区の理事者が自分自身から積極的に取り組み、そして周りの意識を変えていくことが大切だと思います。
そこで伺いますが、区のこれまでのマイバッグ運動の推進の取り組みの経緯や、マイバッグの関心度を高めるためのPRなど、今後予定があるのならお伺いします。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 マイバッグ、すなわち買い物袋の持参ということにつきましては、これまでも区内の商店街、また消費者の皆様、さらに本年度は区内の大学とも連携いたしまして積極的にPRを行ってまいりました。また、先ほど委員からコンビニエンスストアの事例のお話がございました。チェーンストアやフランチャイズチェーンなどの事業者団体には、私みずからも訪問いたしまして、取り組みの要請を強力に行ってきたところでございます。
また、今後の取り組みということにつきましては、これまで以上に、事業者によるレジ袋の削減、簡易包装、こういったものの事例につきまして広報紙でのPRを行っていきますとともに、今月におきましては、今度の週末、連休にマイバッグまつりというイベントが開催されますけれども、こちらのほうにも区の関連する所管が連携して出店をする。また、区の啓発施設でのエコバッグの展示、手づくりバッグ講習会の開催、こういったイベントでのPRに加えまして、先ほど委員のご紹介がございました全国規模のグリーン購入ネットワークの一斉行動というもの、世田谷区もこの一員でございますので、この行動に呼応する形で、先ほど理事者も多数手を挙げさせていただきましたけれども、職員も率先して利用していくということを、関係部局で連携して進めてまいります。
◆青空こうじ 委員 マイバッグを持っていることが区民の間にも広がり、無理なく日常生活に溶け込むのがいいと思います。ちなみにマイバッグの運動というのは、たしか八日の日にやるというので、ぜひ頑張ってください。
次に、ごみ出しマナーについて伺います。
たびたび委員会で取り上げてきましたが、集積所のごみ出しのマナーの問題について伺います。
ごみ出しマナーの悪さについては、私が見る限り、四つにパターン化していると思うんです。少し重なると思うんですが、まずパターンの一が、指定日以外にごみを出す人がいる。そこでごみが集積所に置きっ放しになる。第二に、若い住人の多いアパートやワンルームマンションのマナーが悪い。第三に、指定日の時間以外にごみを出す。四番目に、ごみ出しマナーが悪く集積所が汚れていると、地域の住民以外の人が通りすがりに捨てていく。特に朝の散歩のときに、ワンちゃんのうんちをぽんと捨てていく人がいるんですよ。本当にこれは困るんです。立つ鳥跡を濁さずという例えもありますが、ちゃんと社会のマナーを守ってくれる人が多ければ、世田谷区に住んでよかったなという気分にもなると思うんです。
このようなごみ出しマナーのルールを守らない人はごみ出し警告のシールが張られていますが、これも二、三日すると、そのまま置いておくと、ごみが置いてあるその場所とか周りの方にご迷惑だというので、区のごみの清掃員の方が持っていってくれる、これも区民の甘えだと思うんです。そういう点は、私自身も、近所の方も全部、ふだんから紙を書いて、そういうことはやめてくれとやっております。そういう意味では、世田谷区のごみの清掃員に甘えがあるんじゃないかなと思います。よそから引っ越してきても、ぜひそういうごみ出しマナーだけはきちんとしてほしいと思います。
ところで、ごみを出す場合においては、いっそ集積所をやめて、各個人が責任を持って自分の家の前に出すような方法を考えていかなければならないのではないかと思いますが、現在、区ではどのような対応をしているのか、その点をちょっとお伺いします。
◎栗原
世田谷清掃事務所長 指定日以外にごみを出したり、分別がきちんとされていない、いわゆるマナーの悪い集積所についての改善対策につきましては、集積の効率性や地域コミュニティーの醸成の観点から、集積所の収集を基本とする考えのもとに、ただいま対応しております。
具体的には、今お話のあったように、収集のときにごみ袋に警告シールを張ったり、集積所に警告看板を出したり、集積所を利用されているおたくに指導ビラを配布する。それから、排出者個人が特定される場合には、直接お宅に伺ってご協力をお願いするなどの対応で改善を図っているところでございます。それでも、住人以外の人が通りすがりに捨てていきやすい場所などにある集積所はなかなか改善が進まないこともございますので、このような場合には、集積所をご利用の方々からご意見を伺いまして、集積所の移動だとか分散、集積所の状況に合わせたさまざまな対応をして改善に取り組んでいるところでございます。
◆青空こうじ 委員 やはりごみ出しマナーというのは、人から言われて強制されてもなかなか改善するものではなく、子どものころから大人までマナーを守るという心を育てていけばいいんじゃないかなと思います。この観点から、区ではどのような対策を考えているのか、一言でもいいからお願いします。
◎栗原
世田谷清掃事務所長 とにかく町ぐるみの啓発活動というのが大事だと思いますので、地域にありますごみ減量・リサイクル推進委員を初め、その方々と協力してやっていこうというふうに考えております。
◆青空こうじ 委員 世田谷に住んでいる方、ぜひごみ出しマナーだけは、きちんとマナーを守ってください。
以上で質問を終わります。
○新川勝二 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後二時三十六分休憩
――――――――――――――――――
午後三時十分開議
○新川勝二 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
自由民主党、どうぞ。
◆石川征男 委員 自民党の石川征男でございます。理事者の皆様、よろしくお願いいたします。
きょうは区民生活ということで、産業政策、清掃・リサイクル、環境総合対策、砧支所の順で質問させていただきます。
それでは、早速質問に入らせていただきます。
最初に、産業政策部長にお聞きします。
私は、区からいただいた平成十九年度の産業ガイドを二、三度読ませていただきました。非常に細かく、そして、私は特に商店のことをやっておりますので、気配りがよくできておると思います。できるだけ区民の要望にこたえて、この政策を執行していただければ幸いと思います。
そこで、産業政策部長に、これからの産業政策に対する指針と決意をお聞かせください。
◎田中 産業政策部長 指針と決意ということなんですが、実は先日、新潟県知事と新潟市長さんのお話を伺いました。新潟市は人口八十万で、本州の日本海側では初めての政令指定都市となりましたが、先ほどの地震の影響もありまして、大都市でありながらも、まさに生き残りをかけて一丸となって頑張っていく、そういう産業振興、観光に力を入れておりまして、とにかく来ていただきたい、県知事も市長さんもそういうふうにおっしゃられた。放射能の影響など一切ありませんと強く言ってくださいと私は言われたわけですけれども、ちょっと心に響いたわけです。
また、全国自治体においても、中心市街地活性化法の認定に向けて、心ある自治体というんですか、なりふり構わず頑張っていくという姿が見えます。認定によって、国からの支援を何とかかち取ろう、こういう自治体が多いわけです。
一方、世田谷と言えば、残念ながら、それほどの危機感という形ではないようにも私は思えます。多くの商店街は、まだほかの自治体、地方とは違って、シャッター通り商店街というわけではないわけですし、ただ、工業とか農業というのはちょっと厳しいような状況もございます。ただし、ビジョン策定に当たりまして、みんなでいろいろ考えていく中では、決して楽観できないんじゃないか、このように思います。特に今後の景気の動向などが区民生活を直撃するようなことは何としても避けたい。そのためには自立ということがテーマになろうかと思います。いわゆる足腰の強い世田谷づくり、そのために産業振興がちゃんと貢献しなくちゃいけないんじゃないか、そのことは思います。
そのためにも、工業も農業もそうですが、物づくりということが区内にあることについて、区民の方々の理解を何とかいただきたい。それから、ちょっと率直に言い過ぎますけれども、どうやったら渋谷、新宿に人、物、金が流れないようにするのか、このような形に全力を注ぎたい。そのようなことから、先ほど担当課長が熱意を持ってとか言ったわけですけれども、産業政策部門は何とか頑張りたいと思いますもので、よろしくお願いします。
◆石川征男 委員 そこで、実はこの中に融資の件で非常に細かく書いてあります。見ると、割合に借りやすいような形になっております。ところが、融資を受ける方というのは、どちらかというと困っておりますので、産業政策部のところで判を押してもらっても、なかなか保証協会のほうでオーケーが出ません。できるだけプッシュして出やすいように、ひとつよろしくお願いいたします。
それでは、次に参ります。
次に、一般質問でさせていただきましたが、防犯カメラ維持管理に助成をして、防犯カメラの設置促進を促したいと思います。一般質問は危機管理室にお願いしました。商店街の防犯カメラということで、きょうは産業政策部にお聞きいたします。
商店街は、安全安心、そして楽しいお買い物ができる商店街を目指しております。商店街にとって維持管理は毎年経費として大きな負担となります。商店街の活性化の観点からも、ぜひ助成をお願いしたく、産業政策部の後押しをお願い申し上げます。産業政策部のご見解をお願いいたします。
◎内田 商業課長 お話しの防犯カメラにつきましては、防犯対策の効果を向上させることを目的にいたしまして、機器の購入、設置等の費用の一部に対しまして、東京都が防犯設備の整備要綱で三分の一を補助、さらに区では危機管理室において三分の一を上乗せ補助しているというのが現状でございます。今定例会の一般質問でも、所管である危機管理室が、都の事業の動向を見きわめながら、防犯カメラの事業のあり方を研究してまいりますということでお答えしてございます。
産業政策部としても、こうした動きを踏まえまして、防犯カメラの整備につきまして、商店街へ積極的に情報提供するとともに、防犯カメラの設置が商店街振興につながる点を所管課に伝えてまいります。
◆石川征男 委員 よろしくお願いいたします。
続きまして、視点を変えさせていただきますので、よろしくお願いします。
非常に身近な問題でございますが、皆様方の周りに週に一回、必ず配られるものがあります。それは資源回収用の瓶、缶のプラスチックのケースでございます。(「配られないよね」と呼ぶ者あり)置かれるんです。その置かれたケースの中を見ますと、次の朝見てみますと、いっぱい入っているところもありますが、ゼロのところが非常に多くあります。この点、区内の設置数は幾つあるのかということをちょっとお聞きします。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 集積所でのガラス瓶、缶の資源回収に関してのお尋ねと思います。品目ごとに分別してお出しいただく、また、それを分別して回収するということを容易にするために、また、資源として良質な資源を回収していく、また、ガラス瓶の場合は、壊れてしまいますと、資源としての価値が著しく失われてしまうという破損防止を目的としまして、専用のコンテナを使用して回収を行っております。
区内には合計で集積所が約五万一千カ所ございますけれども、コンテナをすべてに配布しているわけではございません。そのうち約三万二千カ所ということで、大ざっぱに申しますと、六割ほどのところにはコンテナを設置していますが、逆に、それ以外のところにはコンテナを設置していないということでございます。
このような状況でございますので、全部のところにということではなく、必要に応じての適宜の対応を図らせていただいているというのが現在の状況でございます。
◆石川征男 委員 このプラスチックケースの問題を勉強するに当たり、私も何度か地域を車で走って、百メートルに何個置いてあるかということを何カ所か計測してみました。同じような家並みの中で、百メートルの間に十カ所というところと五カ所というところ、そういうような非常にまばらなところがありまして、やっぱり十カ所置いてあるところ、それにはなかなかいっぱいというところはありませんが、五カ所ぐらいのところだと非常に多く入っているところもあります。この点、よく調べて、適正な配置をお願いいたします。
◎松下 清掃・
リサイクル部事業課長 適正な利用に、またコンテナの配布に努めるべし、こういうお尋ねと思います。
委員ご指摘のとおり、すべての集積所に置かれているコンテナの中に、必ずしも適量の資源が出されているという状況ではございません。まず集積所自体が、地域住民の皆様でいわばお話し合いいただき、地域で決めていただくという形で設定されていますことから、基本的には、その定められた集積所にコンテナを配置しているわけでございますけれども、今まさにお話がございましたように、そういった集積所を分散化していくことによって、コンテナの中に資源が少ししか出されないという状況などもございます。逆に、夏場ですとか年始などに、皆さんお酒などをいっぱい召し上がるような時期なんかになりますと、やはり場所によってはコンテナがあふれてしまうような状況が出てきてしまうということが、年間を通じての状況としては出てまいります。
そういったことから、区では、コンテナが全く使用されない状況が続くようなケース、また、逆にコンテナが非常に不足してあふれてしまうケース、こういったものが二、三週続くような場合には、現場から必ず報告を聴する形で、それに基づいて、私どものほうで調査に入らせていただく。集積所を利用される方の意向などを確認の上で、コンテナの配布の中止、あるいは配布数の追加等の対応を行ってまいりました。その結果として、先ほどご答弁申し上げましたように、集積所すべてに配布するのではなく、配置していない集積所も多数ある、こういう状況になっております。
◆石川征男 委員 今のお話を聞いていると、割合に満遍なく配置しているように聞こえますけれども、実際問題として、私がこの問題を取り上げるということは、そういうゼロのところが非常にたくさんあったというのが長い間続いていて目についたので、これを取り上げたものですから、今後とも配置のほど、ぜひよろしくお願いします。
続きまして、この清掃のことを勉強していくうちに、環境問題にたどり着いたというか、読まざるを得ない状態になりました。というのは、これを勉強していくうちに、地球温暖化ということに非常に興味を持つようになり、勉強させていただきました。
特にこの地球温暖化のことで、今、テレビや新聞で地球温暖化の話題が絶えぬ状況にあります。前アメリカ合衆国副大統領であるアル・ゴア氏による「不都合な真実」のことを私も映画で見ました。それが頭の中によぎってまいりまして、キリマンジャロの万年雪が解ける、あるいはスイスの山の万年氷河が解けてしまう、南極、北極の氷河が崩壊する、このような場面が頭の中に浮かんでまいりました。
それで、非常に考えさせられて、私も環境問題に力を入れなくちゃならないのではないかと思い、この状況を区ではどういうふうな状況で扱っているか、ひとつよろしくお願いします。
◎吉原 環境計画課長 委員のご指摘にもございました地球温暖化防止というのは、私どもも本当に緊急な課題だと思っております。そのためには、世田谷では特に家庭が多いということもございまして、区民の皆様を広範に巻き込んで、しかも、それを一過性じゃなくて継続して、ずうっと環境に対する取り組みをしていかなければいけないなと認識してございます。
私どもいろいろな計画をつくっておりますが、それだけだと、なかなか皆様実践ができないということで、そのきっかけづくりをぜひいろいろ考えていきたいということで、例えばことしの夏は、区民の一人一人が環境について考えるきっかけづくりということで、昔から生活の知恵でございました打ち水を、「せたがや打ち水大作戦二〇〇七」ということで、十万人の目標を立てて実施したところでございます。この取り組みは、区の施設だけではなくて、学校、町会、自治会、商店街、事業者の方、いろんな方に呼びかけて、大変参加をいただきました。特に商店街の方からは地域が一体になれたと。別に打ち水の環境だけではなくて、地域一体化ができたというお声もいただいております。しかも、私どもはこういうきっかけを、また児童生徒さんから保護者の方にもフィードバックしていただく、そういうことも考えているところでございます。
また、ことしの十一月十七日には、区民の方と事業者とかNPO、大学をつなぐイベントとして、環境意識の啓発ということで、「せたがや・環境行動DAY二〇〇七 エコサタデー」と題しまして、キャロットタワーを中心にいろいろな企画を考えてございます。このエコサタデーでは、区民の方、大学、NPO、事業者、国の外郭団体等にも参加を呼びかけまして、家庭でできるエコライフの提案だとか、省エネルギー製品、また、太陽光等の新エネルギーの実際の製品なんかも展示していただけないかなと考えているところです。団体、企業、さまざまな方にご協賛をいただいて、区民の方が気軽に楽しめるイベントをやりながら、環境に配慮したいろんな情報が入るということができればいいなと考えているところでございます。
区といたしましては、委員のご指摘のとおり、地球温暖化の防止というのは重要なことだと認識しておりますので、区民の方、事業者、区が協働して大きな流れとなって、温室効果ガスの排出とか削減、それから省エネルギーの促進というのを今後も進めていきたいと思っております。
◆石川征男 委員 今の答弁を聞きまして、ここにいる全員の皆さんが、これから地球環境をよく考えて、できるだけ環境問題に関心を持つようにしてください。
続きまして、実は本会議でも他の議員が質問されましたが、砧保健所の砧総合支所に移転後の活用方法についてお聞きします。
私は地元で砧保健所の近くに住んでおります。地元に活用できる施設ができればよいということで質問させていただきますので、よろしくお願いします。
◎菊池 砧総合支所
地域振興課長 お尋ねの現在の砧保健福祉センターでございますが、この機能は、ご案内のとおり、砧総合支所の改築に伴いまして、新庁舎の一階と二階に集約されることになります。新たな庁舎は、地域における安全安心の拠点、区民の活動、交流の拠点としまして、皆様が利用しやすく親しみやすい施設とする予定でございます。例えば集会系の施設について言えば、周辺の二カ所の民間借り上げ区民集会所を集約するほか、可動式の間仕切りを設けるなど、使い勝手のよいものにする予定でございます。
お尋ねの砧保健福祉センターの跡利用につきましては、現在、区の公共施設整備方針に基づいて調査検討を行っており、今後、全区的な視点から公共施設の充足状況、あるいは区民要望、借り上げ施設の返還等さまざまな要素を踏まえながら、土地・公共施設政策委員会で検討を進め、具体的な活用策をまとめることとなっております。
◆石川征男 委員 それでは、その区民の活用のときに、ぜひ参加させていただければ幸いと思います。
続きまして、最後になります。世田谷区たまがわ花火大会についてお聞きいたします。
去る八月に実施された世田谷区たまがわ花火大会を見ました。実は、これは区からの招待のあれをいただきまして行きました。迫力があり、内容も充実して、非常に見ごたえがありました。私の知っている方で一緒に行った方がおります。世田谷の花火のすばらしさ、これは帰ってきて、私に、よかったねということをお聞きしました。これは世田谷の夏の風物詩として、ぜひ記憶に残るように、来年もお願いしたいと思います。
また、警察を初め警備関係者も多く配され、会場内も整然としている印象を受けました。当日は猛暑の中で、つかの間の曇っている空ということで、見る側にとっても、従事者にとっても、割合に好天に恵まれた感じがいたします。久々の再開ということで期待している区民も多く、前回実施よりも、かなり多くの観客が集まったようだが、事故もなく無事実施することができ、大成功であったと思います。再開に当たってはゼロからのスタートをするものであり、地元町会、自治会を初め、商・工・農業の各団体から成る実行委員会の皆様の多大なるご苦労があったと思います。
そこで幾つかお聞きしたいと思います。四年ぶりの再開であったが、再開に当たって特に配慮したことはどんなことでしょうか。
◎菊池 砧総合支所
地域振興課長 今回、四年ぶりに再開しました世田谷区花火大会でございますが、まず来場者の皆様に安全に観賞していただき、安全にお帰りいただく、こういった安全対策を最重点課題として取り組んでまいりました。警察、消防及び同時開催の川崎市と、たび重なる打ち合わせと課題の洗い出しを行いまして、万全の準備を進めてまいりました。
特に花火会場に入る動線につきましては、野川の橋を渡ることから、帰路に観客が一極集中することを防ぐために、ブロックごとの退場ですとか、観客の誘導規制、あるいはステージ、売店の時間延長、こういった対策を講じました。こうした取り組みによりまして、大きな混乱もなく、成功裏に終えることができたと認識しております。
◆石川征男 委員 今回は有料席を設けたということで、何かその反応、あるいは今後もこれをやるかどうかということをちょっとお聞きしたいと思います。
◎菊池 砧総合支所
地域振興課長 今回の運営面における初めての試みとしまして有料席を設けました。約五千席設置しまして、多様な区民ニーズにこたえるとともに、財源の確保に努めてまいりました。まず区民優先受け付けを一週間設けましたが、結果的に約十日間で完売となるなど、区民の関心の高さに驚いたところでございます。
また、購入者からの反応としましては、間近で迫力のある大きな花火を見ることができた、あるいは開始時間近くに着いたが十分観賞できたといったご意見。その一方で、トイレが少ない、あるいは会場の案内表示がわかりにくいといったご指摘もいただきました。これらは今後の課題とさせていただきたいと思います。
また、今回、有料席販売による実行委員会の収入増、これは公費による花火の打ち上げ経費の削減につながったわけですけれども、財源確保策としての大きなメリットも確認できました。来年に向けましては、今回の実績を十分検証した上で、実行委員会において決定していくことになりますが、区民の皆様に安心して楽しく観賞していただくとともに、経費削減の視点から、前向きに検討してまいりたいと考えております。
◆石川征男 委員 非常に大成功に終わったと言いますけれども、それでは、世田谷区の予算、かかった経費はどのくらいだったのでしょうか。
◎菊池 砧総合支所
地域振興課長 十九年度予算としましては、会場の設営経費、あるいは警備関係経費、打ち上げ経費等、合計で九千九百余万円ということになってございます。
◆石川征男 委員 実は私、花火を見て帰るまでは一二〇%の感動を受けておりました。最後に帰るときに、家へ帰ろうとバスに乗ろうと思いましたが、非常に時間がかかりました。多分、実は二時間ぐらいかかったんです。それで、この二時間というのを引きますと、一二〇%の感動が三〇%ぐらい減額されたような気がします。満足度九〇%ぐらいの感じがします。ぜひ来年にはそのバスあるいは電車の運用方法をもう一度考え直して、よろしくお願いいたします。
今回の大会に対する区民の反応はいかがだったでしょうか。
◎菊池 砧総合支所
地域振興課長 今回は、花火大会のパンフレットにアンケートはがきをつけまして、区民の反応を初めて見てみました。四年ぶりの花火大会の再開に感動したといった意見、あるいは音楽と花火がよくマッチしていたというような、九割方よかったというご意見をいただいておりますが、一方で、会場での場所とりの規制の問題、あるいは案内表示の不足、委員ご指摘のように、終了後の帰宅に向けての混雑、また、分煙の不徹底等、こういった問題について貴重なご指摘もございました。
今後、こうした諸課題につきまして、実行委員会において検証し、来年に向けて改善を図りながら、区民に喜ばれる夏の風物詩として、一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
◆石川征男 委員 それから、パンフレットが非常に豪華なパンフレットであったと思います。パンフレットはもう少し安いものでいいんじゃないかと思うんですけれども、その点、どうでしょうか。
◎菊池 砧総合支所
地域振興課長 パンフレットにつきましては、今回一部がはがきに兼用できる形になっていたために若干厚くなりましたが、すべて広告協賛で賄っております。来年以降につきましては検討させていただきたいと思います。
◆石川征男 委員 わかりました。それでは、来年もぜひいい花火を打ち上げていただけるようお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
◆菅沼つとむ 委員 まず最初に、準工地域の保全についてお聞きします。
準工地域の保全については、現在、指導基準を設けているが、現実にはマンション等の一定規模以上の集合住宅等を建設する場合、地元工業主や関係団体との協議を行っている。過去の例を見ますと、協議が難航し、物別れになることが多いです。六月の定例会の答弁では、指導基準を条例化することは、行政として積極的に取り組む課題と考えていますと答弁がありました。
第一に、指導基準を条例化するのにどのくらい進んでいるのか、お聞きします。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 準工業地域における指導の基準、この条例化につきましては、他自治体等の条例の例、そういったものを探りながら検討を進めているところです。現段階では実効性のある条例、そういった内容の条例案にまだたどり着いてございません。このため、条例化とあわせまして、ご提案の趣旨を踏まえた、より実効性ある方策として、地域住民等による準工業地域のまちづくりを検討する会議体の設置などの準備を始めておりまして、準工業地域に関する住民の理解を深める、また、住宅と工業が共存するまちづくりを進める、そういった手法もあわせて検討しております。
今後も、区民、事業者、関係各部と意見交換を重ねながら、より有効に準工業地域の活用を図るため検討してまいりたいと考えております。
◆菅沼つとむ 委員 実際に条例にする場合は、都市整備のほうと関係してくると思うんですけれども、その辺の詰めは進んでいますか。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 指導の基準という点では、所管部は産業政策部になってございます。また、住環境条例で準工業地域の保全に関する規定が設けてありまして、それは所管部が都市整備領域の部になっております。双方の意見を踏まえて、条例化に当たっては検討する必要があると思っておりまして、連携して取り組んでいるところです。
◆菅沼つとむ 委員 第二番目に、既存不適格事業所の現状についてお聞きします。
準工業地域の保全とあわせて、既存不適格事業所の事業継続に対する支援は、行政の課題だというふうに思っております。用途地域が指定される以前から事業所を営んでいる工場などがあります。工場の中には優良企業も多数あり、事業の拡大や老朽化に伴い建てかえができません。区内産業にとって大きな損失だというふうに思います。このような事業所が区内で引き続き事業を継続できるように、行政として積極的に進めるべきだというふうに思います。区の考えを聞きます。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 これまで区のほうに既存不適格事業所として相談を受けた件は十一件ほどございます。恐らく過去にさかのぼりますともっとあるのかなとは思いますが、記録はそれだけです。ただ、既存不適格事業所が区内に実は何軒あるのか、何事業所あるのかということについては、細かな基準等に照らして比べないとわかりませんので、把握し切れていません。
こういった事業所が区内で事業を継続するために一番有効なものは、準工業地域への移転という方法です。ただ、民間の開発業者によるマンション建設、このための土地売買が大変活発でございまして、区内の移転を希望する事業者の方が用地を取得する情報を得るには非常に困難な状況です。引き続き区内の事業者の中で既存不適格事業所が一体どれぐらいあるのか、実は今の法制度の中で改築できるケースもあるというふうなことを聞いております。事業者様と具体的に相談をした上で、解決策について検討していきたいと考えております。
◆菅沼つとむ 委員 今答弁があったように、実際には基準前にずうっとやっていたから、改築や何か、建てかえができないんです。もうそろそろ大分直しても老朽化というのは進んでいるわけです。そのかわり、準工地のほうに土地を買いたいというときには、自分の土地を売っていけばいいんですけれども、その土地の量が合わないんです。例えば本人が五十坪でいいといって、売り出されるのは百坪だといったときに、百坪の値段では買えない。しかし、五十坪だったら買える。この辺を区のほうで考えれば、百坪買っておいて、そういう不適格の事業所に声をかけてやれば、そっちのほうを売れば、区としてお金をほとんど使わなくてできるんですよね。その辺も考えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 地方の都市におきましては、工業団地、産業団地、そういったものの実績は多々ございます。ただ、都心部におきまして工業団地のようなものの実績は、大田区でマンションを建てて、そこを賃貸で貸すというような手法をとっている例があるぐらいで、あとは大規模な団地のようなものの実例を私どもは把握しておりません。
特に世田谷区の場合は土地の価格が一般的に高価であるということを考えると、大規模な土地が売りに出されるケースは余りございません。ただ、委員のお話の中に百坪というお話がありましたが、準工業地域の中でまとまった売却の情報が入るまでに相当時間を要する。もしくは、区が把握し切れないまま取引が済んでいるというケースが多々ありまして、そこらあたりで情報収集することが最も大きな課題かもしれません。
その上で、そういった土地がどれぐらい出るのか、それに要する資金というものはどれぐらい必要なのか、それをどういう形で設ければいいのかということを、地方財政法の中で触れないその条件のもとで、可能な方策をこれから研究していきたいと思います。
◆菅沼つとむ 委員 まずは不適格事業所をきちんと把握して、それで、そういうふうな方法ができるかできないか、その辺をきちんと調べていただきたいと思います。いかがでしょうか。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 現在、毎年、工業事業所の統計調査をやってございません。ただ、数年置きにやっている中で、準工業地域では具体的にどういった事業ができるのか、もしくは準工業地域以外でも可能な事業運営はどういった事業者さんができるのか、そういった基準に照らして、はまるかはまらないかというような内容のものを調査するといったことを、改めてやらなくてはいけません。産業ビジョンを今検討している中で、区内の産業に関する調査、実態把握、これは課題であると考えております。その中で、ご指摘いただきました実態把握がどれだけできるのか、これから検討してまいりたいと思います。
◆菅沼つとむ 委員 第三点目に、喜多見地域のまちづくりについてお聞きします。
区内には準工地域のほかにも工業系事業所が集積する地域があります。その最も広範囲な地域は、多摩川に沿って広がる喜多見一丁目周辺の一部地域であります。土地区画整理もされていないまま、さまざまな事業所や集合住宅等が混在しています。事業所の集積状況や、将来、外かく環状道路が東名高速道路と連結する計画があることなどから、それを考えて、この地域を準工業地域に用途指定を変更するなど、事業者が事業を継続できるようなまちづくりを進めるべきだと思います。産業政策の観点からお考えを聞きます。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 喜多見地区には、区内の事業者さんで、自動車修理工場とか印刷工場、そういった事業所のほかに、国の財団法人が経営する研究所とか、すぐ隣接して東京都の水道関連の事業所、そういった工業系の事業所がたくさんございます。
現在、区のほうでは産業団体と連携しまして、事業者の方と地域住民が意見交換する場を設けまして、住居と工場と緑が共存する町、そういったまちづくりを実現する取り組みの準備を始めたところです。まだ具体的な協議会等が発足しているわけではございませんが、こういったまちづくりの動きの中で、準工業地域や喜多見地区のような工場が集積する地域、そういったところで、世田谷で住と産業が共存する形を実現していきたいと考えております。関係者や専門家の意見もいただきながら、関係各部と連携し、今後検討してまいりたいと考えております。
◆菅沼つとむ 委員 今答弁をいただきましたけれども、当然都市整備とかかわる問題だというふうに思います。その辺をきちんと調整しながら、地域がきちんとなるまちづくりを考えていただきたいということを要望しておきます。
それから、一点だけ、森下副区長にお聞きします。
今準工地域の話をしますと、当然都市整備とぶつかるんです。ほかの所管もそうですけれども、それで、都市整備のほうに聞くと、工業のまちづくりと頭からがあんとやると、当然産業政策部ですよという話になるわけです。それで、私が聞きたいのは、担当としてみれば産業政策部ですから、全庁的な意見というのは、当然産業政策部が優先されますよね。
◎森下 副区長 今の問題についての所管の問題ということなんでしょうか。いずれにしても、今の工業問題、あるいは準工地域の問題につきましては、やはり両方のセクションが共同して連携してやらなきゃいけないという課題だと思います。
実際に対応策を考える場合に、例えば、今までの段階で言えば、準工地域に住宅が出てくるような場合に、手続的に協議をしていただいて、何らかの事業所が入らないかどうかというようなことをやっております。そういう手続面で言いますと、やはり産業政策部主体でそういう手続をやってきたということで、これが中心になると思いますけれども、きちっとした形での、例えば準工業地域の中で、必ずそういうような用途を義務づけるということになりますと、これは都市計画、あるいは建築行政の所管の問題になりますので、そちらのほうの仕組みをきちっと取り入れなきゃいけないということになります。
それから、喜多見のような住宅系の地域の中で混在した工業があって、それが存立し得ないことについて解決するためには評価がえ、やはり都市計画的な面で、何らかの都市計画的な対応をしなきゃいけないということになります。それは都市整備部門の話となります。
ただ、そういうような都市計画的な法律的な対応をするためには、その地域の町をどういうものにしたいかという、地域の皆さんの合意形成というのが大前提となります。これはやはり産業政策のセクション、あるいはまちづくり出張所等があると思いますけれども、地域のまちづくりを考える部門での働きかけが、まず最初に必要かというふうに思います。そういう意味で、あくまで連携しつつ取り組むべき課題であると考えております。
◆菅沼つとむ 委員 今、副区長が言ったように、連携をきちっとしていただきたいというふうに思います。
次に行きます。次に、たばこの分煙化についてお聞きします。他会派からたばこの分煙化の質問がありましたけれども、私からも質問してまいります。
ここに、先月の九月二十七日の東京新聞があります。大見出し「大田区の完全禁煙地区丸三年で挫折」。十一月にも指定禁煙場所設置。大田区では条例で区内地域でたばこのポイ捨てと歩きたばこの禁煙、さらにJR蒲田駅周辺に立ちどまって喫煙してはいけない地域を設定しました。区民に完全禁煙を地域でよく説明したというふうに聞いております。たばこの啓発用の看板、それから路面表示などさまざまにPRしてきた。区民にモラルを訴えてきたということでやってきました。条例ができて、JR駅前周辺でたばこのポイ捨てがなくなるというふうに思っていました。しかし、残念ながらなくならなかった。早朝にたばこのポイ捨てを調査したら、約四百本のたばこがあったと。蒲田駅周辺の六つの商店街が、このままじゃなくならないということで、たばこのポイ捨てを減らすために、指定喫煙場所の設置を求めてきたというふうな例でございます。
世田谷区ではどうでしょうか。実際に世田谷区の条例として歩きたばこを禁止、それから、ここでは吸っちゃいけませんよというところを指定してきました。しかし、実際に減っていますか。私は余り減っているように思いません。私も一応喫煙設備設置地域、この辺だと自由が丘、この間、ハチ公前。ハチ公前というのは、ご存じのように、昔、あそこは待ち合わせ場所なので、若い人たちが座りながらたばこを吸ったり、いろんなことをしていたよね。だけれども、喫煙場所をつくって、大分少なくなった。それから原宿駅の並木通りもそうですよ。あそこで並木の間に小型の灰皿をして、そこで吸うようになってから、町が大分きれいになっているというふうに私は思っております。世田谷区でも、区民にモラルだけじゃなくて、きちんとした実効性のある対応が必要だというふうに思います。区の考えを聞きます。
◎吉原 環境計画課長 現在、我が国の喫煙者の割合は約二五%程度でございまして、四人に一人の方が喫煙されているというふうに聞いてございます。これらの喫煙をされる方と喫煙されない方、どう共存していくかということが大きな課題になってございます。ただいま委員のほうからご指摘のあった事例で、世田谷区でも、私どもモラルに訴えていろいろやってございますが、地域の方に聞くと、やはりポイ捨てとか歩きたばこをやっている方もなかなか減っていないのが現状だというのは、地域でキャンペーンをやるたびに、地域の方からは聞いてございます。
委員のご指摘のとおり、喫煙が禁止されている地区内に喫煙設備を設置いたしまして分煙化を進めている自治体も、ただいまの大田区の例のように、二十三区でもふえているのが現状でございます。
喫煙場所の設置を行うに当たりましては、たばこの煙というのが周囲の方に影響を与えるということもございますので、与えない場所であることが条件になると思います。それから、喫煙設備の管理、清掃をどうするかという大きな問題もございます。また、設置場所の管理者の許可、特に道路の問題についてはそういう許可が必要になって、例えば都道ですと、東京都の道路管理者との調整も必要になってくるということでございます。
区としては、路上禁煙地区内での喫煙場所の設置につきましては、こうした条件を踏まえまして、関係機関と十分な調整を行いまして、地域の方のご意見を聞きながら、喫煙する方としない方が共存できるまちづくりを進める中で、引き続き検討してまいりたいと考えております。
◆菅沼つとむ 委員 今言ったとおりだと思うんですけれども、実際に世田谷でも昭和女子大のところを、歩きたばこと、それから吸っちゃいけないよというのを決めましたよね。それで確かになくなったというふうに思ったら、わきの道にすごいたばこがある。だから、やっぱり実効性があるものじゃないと、これはいけないというふうに思います。
そこで、大塚室長、しっかり実効性のあるものをやっていただきたいと思いますけれども、一言。
◎大塚
環境総合対策室長 この間、議会でも、この問題については何回かご質問をいただきまして、分煙化の方向というふうなご答弁をさせていただいたと思います。実効性ということでございます。この間、我々もそれなりにかなり一生懸命検討はしてきたと。ただ、答弁がいまいち控え目かなという気もしますが、引き続き関係者の理解を得て前向きに頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◆菅沼つとむ 委員 考えるだけじゃなくて、実行してください。よろしくお願いします。
次に、けやきネットについてお聞きします。
十九年度第二回定例会一般質問では、けやきネットの質問をしてまいりました。世田谷区の答弁では、けやきネットは発足以来、議会でもさまざまな議論があり、平成十七年から公共施設利用のあり方検討委員会という全庁的な検討組織を設け、課題解決に取り組んでいると答弁をいただきました。区は、平成二十年四月、新たにけやきネットをスタートすると聞いております。
そこで、お聞きします。第一に、区の答弁どおり、区民が身近な施設で使えるのか、お聞きします。
◎杉本
市民活動推進課長 今ご指摘のとおり、平成九年からけやきネットを開始いたしまして十年を経過いたしまして、その間、利用率は、世田谷の例で恐縮でございますが、一一%伸びております。さらにこの中で地域優先枠の問題とか、それから落選回数等の問題、いろいろ対処しまして、このたび、平成二十年度に向けてけやきネットを改善しているところでございます。ご質問のように、それらの十年間の経過を踏まえまして、地域施設の利用を改善していくというふうに考えております。
◆菅沼つとむ 委員 今ご答弁をいただいたんですけれども、二十年四月ですよね、来年の四月。それで、コンピューターを使いながら、実際には身近な人が身近に使えばいいわけですよ。ほかの施設も全庁的にあるわけですから、その辺を具体的にどういうふうにしていくかというものがないと、来年の四月までに間に合わないんじゃないですか、いかがでしょう。
◎杉本
市民活動推進課長 先ほども述べさせていただきましたけれども、地域の施設、それから全区的な施設を分けて、例えば区民会館等はけやきネットに入っておりません。それから地域の案内機能の強化、当日のキャンセル、無断キャンセル等で使えなくなっていることに対する改善等を図りまして、けやきネットをより使いやすいようにしてまいりたいと考えております。
◆菅沼つとむ 委員 小中学校は、実際には各地域に全部あるわけです。地区会館も基本的には五百メートル範囲にあるというところで、顔見知りの人が地域で相談しながらやれば、わざわざけやきネットなんかは本当は必要ないんじゃないの。
次に行きます。第二番目、けやきネットの団体登録がふえている。これは前回の答弁で、平成九年にけやきネットが始まったときと十九年を比較すると、大体二・三倍になっているんですよ。さっき世田谷区の利用率が出ましたけれども、今利用率はどのくらいになっているの。
◎杉本
市民活動推進課長 平成九年から十年間の間で、この前お話しさせていただきましたのは、世田谷の地域の例をとりますと、平成九年で六三%だったのが七一%、約一一%の増加を見ております。
◆菅沼つとむ 委員 本当は全体的にパーセンテージを知りたかったんだけれども、今世田谷だけだということなんですが、逆に言うと、世田谷なんていうのは五つの総合支所の中で利用率が高いところだと思いますよ、世田谷にはまだ人口の少ないところもありますから。
平成九年に実際にこれを導入するときの一番の目的は、これは利用率を上げるということで導入したんですよ。これは全庁的に利用率が上がっているんですか。
◎杉本
市民活動推進課長 平成九年のころは紙ベースでやっておりましたので、その紙の保存部分で見当たらない部分があるので、全庁的なお話ができなくて恐縮ですが、全区のトータルの統計データでやらせていただきますと、平成十年になってしまうんですが、平成十年から十八年末でいきますと、計算では約一一%はいかなかったんですが、九%程度上がっているようになっております。
◆菅沼つとむ 委員 十年から十八年で九%、それで、世田谷の予算では、けやきネットの年間予算が約八千万円、これは人件費が入っていないから、当然人件費を入れると、およそ一億円かかっているというふうに思うんですよ。これはその九%で費用対効果がとれるの。
◎杉本
市民活動推進課長 経費の費用対効果についてのご質問だと思いますが、この十年間で九%、先ほど言いました概算で恐縮でございますけれども、六四%ぐらいに上がってきているということで、担当している課としましては利用率は上がっていると。その経費等、一年間の換算でどうかと言われることもありますが、身近なところで簡単に施設が予約できるという利便性も含めますと、効果があったものと考えております。
◆菅沼つとむ 委員 九%で一億円の予算というのは、やっぱり多過ぎると思います。今まで、最初始まったときには、各月に一回、みんなが集まって抽せんしていたわけですよ。予算はほとんどゼロに等しいですよ。午前中だけでやっていた。それで、毎年一億円かけてやっていて、九%というのは余りにも低過ぎるというふうに思います。
けやきネットの区の答弁で、前の答弁では無断、直前キャンセルが約一万件あったというふうに考えています。それは区のほうでも、無断キャンセルはとんでもないという話になっているんですけれども、無断キャンセルが少しでも少なくなる方法があったら教えてください。
◎杉本
市民活動推進課長 ご指摘のように、無断キャンセルというのは、この利用の中で、ほかの方に非常にご迷惑をかけるということになります。それで、平成二十年度から、当日のキャンセルにつきましても使った使用料の徴収を行う方向で持っていきたいと思っています。
また、今度のけやきネットの改善に当たりましては、悪質の場合、けやきネット登録を抹消するなど、重いペナルティーを科していきたいと考えております。
◆菅沼つとむ 委員 当日でキャンセルといっても、実際には、その地区会館だとかスポーツ施設を使うときには、前々から団体だとか打ち合わせをしてやるんですよ。当日にあいているからといって、じゃ、すぐ使えるかといって、それは使えないと私は思いますよ。
それから、登録抹消と言うんですけれども、登録を抹消したって、また新しい名前で五人さえいればできるんでしょう。この辺もちょっと、私はキャンセルが二十年になっても減らないというふうに思います。
それから、世田谷区外のけやきネットの利用団体があって、区の施設が使えないということをよく耳にします。それで、各利用団体のチェックはしているんですか。
◎杉本
市民活動推進課長 登録の段階におきまして、代表者の方の確認、名簿の登載の確認、五人以上の方の登録なんですが、三人以上の区民の方の参加を確認させていただいております。
◆菅沼つとむ 委員 例えば五人以上、百人でも同じ団体ですけれども、チェックして、抜き打ちで電話をしたことはあるの。
◎杉本
市民活動推進課長 先ほどのお話にありましたように、無断キャンセル等悪質の場合には、うちの職員のほうからご連絡をさせてもらっております。
◆菅沼つとむ 委員 ちょっと質問が悪くて、チェックするのに、当然住所と名前と電話番号が書いてあるはずです。それで、全部することはないけれども、抜き打ちにぽんぽんぽんと三カ所、そういうチェックはしているんですかということ。
◎杉本
市民活動推進課長 今、私のほうは悪質の例をさせていただきましたけれども、良質なといいますか、大半の方は適正に使っておられると思いますので、そのような抜き打ち検査は行っておりません。
◆菅沼つとむ 委員 これを何で言うかというと、他区は今利用施設を、各区でも自分たちの区民が優先して使いたいというので、チェックが厳しくなったんですよ。私の知っている範囲では、二十三区で一番チェックが甘いのが世田谷なんですよ。スポーツ施設もそうですし、地区会館もそうですし、実際にはその辺のチェックをしていない。ほかの区でチェックしていて、世田谷区がチェックしなかったら、うちのほうに流れてくるのは、それは当然の話なんです。その辺をきちんとチェックしていただきたい、二十年四月までに具体的に示していただきたい。
それから、けやきネットの団体登録が、もうさっきからあるように、区内で三人、区外で二人、五人でけやきネットの登録ができるわけですよね。それで、当然口座を区内の人にやれば、それで済むわけですけれども、実際に五人というのは、団体登録というのは全員書くわけです。それで、地区会館だとかいろんなところを使うんだけれども、全員が行くということは余りないわけですよ。五人で半分休んだら、地区会館を二人で使わなくちゃいけない。団体なんだから、せめて十五人ぐらいにするべきだというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
◎杉本
市民活動推進課長 ご指摘の点につきましては、前にもご議論させていただきまして、現在、けやきネットの推進調整会議、全庁的な会議でございますけれども、その中でも検討させていただいておりますが、団体を当初組み立てるときに、例えば十人とか十五人を集めるのは厳しいというご意見もあったり、今議論の途中でございます。つきましては、ご指摘をいただきましたので、さらに検討させていただきたいと思います。
◆菅沼つとむ 委員 五人で、十五人で厳しいといったら、それは団体じゃないよね。実際には個人だよね。
それから、平成十七年度から公共施設の利用のあり方検討委員会という全庁的な検討組織を設けて、さっきから言っているように、二十年四月までに課題解決をするという話になっているわけです。だけれども、今聞いた話じゃ、三年以上かけて、これは二十年四月までに課題解決に間に合うの。部長、どう。
◎堀 生活文化部長 この間、けやきネットにつきましては、いろいろとご意見、ご提案をいただいております。ただ、先ほど委員もおっしゃったように、これは一昨年から全庁的に担当の職員を集めてご意見をいただき、それから区民アンケートもとり、もちろん議会の皆さんのご意見もいただいて、それで、今ありました不適正利用とか、あと当日キャンセルのペナルティー等々も踏まえまして課題を幾つか抽出して、具体的に練り込んでいる最中ですので、申しわけありませんが、委員の期待にこたえられないところもありますが、より利用しやすいような形で検討は進めていきたいと思っております。
そもそもこのけやきネットは、地域の偏在はありますが、これから団塊の世代等々の方々も踏まえて地域で活動するということで、場所がないということをよくお聞きしますので、その方々のためにも簡単に利用しやすいような手法というんでしょうか、方法ということで導入されたということも聞いておりますので、今回の十年ぶりのシステム変更に当たりましては、その辺も留意しながら取り組んでいきたいと思っております。今後ともご意見、ご提案のほう、よろしくお願いいたします。
◆菅沼つとむ 委員 今部長が言ったように、何でこんなに厳しくやるかというと、世田谷は大きいんですよ。八十四万人いて、これから団塊の世代で、各地域でいろんなことをやっていって、それには地区会館だとか、地域の人が地域で顔見知りの人たちが集まるような場所がなくちゃいけない。それなのに、けやきネットで向うへ行ったりこっちへ行ったりしていたら何にもならない。その辺も含めてきちんとしたものをつくっていただきたいということを要望し、私の質問を終わらせていただきます。
◆下山芳男 委員 それでは、質問を始めさせていただきます。
過日の第三回定例会での代表質問で、世田谷区役所は震災が起こったとき、いざというときに災害対策本部の機能が十分期待にこたえられるのかどうか、他会派からの質問がございました。このことによって、世田谷区の庁舎の課題が大きくクローズアップされたのではないかと思います。
震災が起こったときに十分に機能する対策本部ができなければならないのは言うまでもありません。しかしながら、震災が起こったとき、最初に区民が思い浮かべるのは、区役所はどこかというよりは、地元の出張所であるとかまちづくり出張所ではないかと思います。区民にとって最も重要な役割を果たすのは、そういった身近な区の出先の機関ではないかと思います。
世田谷区独自とも言える本庁、そして五つの総合支所、そして七つの拠点出張所と二十のまちづくり出張所の三層構造というものが、やはり役割分担は区民の立場に立って、これからもしっかりと考えていっていただきたいと思うわけであります。
平成十七年の四月に、現在の新しい出張所の体制が始まりまして、その後、三年を目途に、出張所のあり方について検討されていることと思いますが、平成十九年六月末に、地域行政推進委員会のもとに出張所改革評価・検証検討部会を立ち上げたと聞いております。きょうは区民生活の領域ですので、現状での出張所とまちづくり出張所について何点か質問させていただきます。
平成十七年四月以降、拠点出張所では多数の区民が利用するようになり、曜日や時間帯によってはかなりの混雑があると聞いておりますが、私の見る範囲では、まちづくり出張所の利用者は自動交付機の利用や業務内容の一部縮小などにより減少しているように思うんですが、現状について、区役所のほうで担当部署としてはどのような認識があるのか、見解をお伺いいたします。
◎新保
地域窓口調整課長 平成十七年四月に実施いたしました出張所改革は、窓口サービスの効率的な事務運営と地区まちづくり支援の強化の二点を一体的に実現するとの理念、基本方針で行ったものでございます。
窓口サービスの効率的な事務運営を進めまして、二十のまちづくり出張所では転入や転出等の異動届や印鑑登録などの事務を取り扱わなくなりましたので、出張所改革以降のまちづくり出張所の利用者につきましては、委員お話しのような現象があるかと思います。
◆下山芳男 委員 私はちょっと勉強不足で、ほかの区であるとか市は、そういった出先機関がどのようになっているかということで、お隣の狛江市をちょっと調べてみたんですが、多少誤差はありますけれども、狛江市は面積も人口も世田谷区の約十分の一程度。そうすると、狛江市の場合は、本庁舎と、あと出先の出張所のような機関は、市民センターに一カ所、自動交付機が置いてあるだけなんですね。それから、そのマイナス点を補うために電話サービスという制度がありまして、電話で申し込みをして受け取り場所を指定しますと、四カ所のその他の地域センターと三カ所の小田急線の駅の売店で午後五時三十分から午後八時に受け取ることができるようになっています。
一方、大田区では、いまだに区内の十八カ所に特別出張所というのが設けられておりまして、戸籍届、住民移動に関する手続、住民票、印鑑証明、戸籍の謄本、抄本、そして納税証明書の発行、それから金銭の取り扱い、区税や国民健康保険料の払い込み等ができるようになっております。これまでの世田谷区の拠点出張所に近いと言われるような業務を持っている区もあるということです。そのほか、やはり杉並区もなかなかユニークないろいろな自動交付機なんかを、区民センターであるとか、図書館であるとか、そういったところに設置しているところもあります。
世田谷区のまちづくり出張所の最も重要な仕事は、区民とのつながりを深め、行政と区民との信頼を築いていくことにあると思います。その上で、その地域の町会や団体等の活動が地域に受け入れられ、さらに発展するのだと私は思います。
主要施策の成果の協働のまちづくりの中には、地域活動団体等の自主的活動の支援及びネットワークの拡充、町会・自治会への加入促進等、地域活性化へ向けた取り組み支援、災害時に備えた地域の助け合い活動の推進に向けた検討を取り上げているわけですけれども、私はまだまだその成果は道半ばであるというように思うわけであります。
区として、まちづくり出張所が地域のニーズに十分こたえて、区の方針を区民が皆さん納得しているのかどうか、ちょっと難しい質問なんですけれども、区としてどのような認識をお持ちか、お伺いいたします。
◎山﨑
世田谷総合支所地域振興課長 出張所改革の柱の一つとして地区まちづくりの支援強化があります。これら地区のまちづくりを進める上では、より多くの地域住民が同じような問題意識を持ち、それぞれが一定の役割を担うことが必要であると考えております。しかし、このような地域の課題解決への取り組みには、まだまだ一般の区民の方がなかなか参加できていないのが実情だと思います。
一方、地域のふれあい祭りや子ども大会など、区民にとって関心のあるイベントや諸行事には、今まで地域の活動に余り参加していない住民も数多く参加していることがうかがえます。
このため、例えば各まちづくり出張所管内で、地域住民の多くの支持を得られるようなシンボリックな行事を展開し、まずは、より多くの住民が地域に目を開いてもらうことに取り組むことも有効ではないかというふうに考えております。
委員ご指摘のとおり、最も重要なことは、区民とのつながりを深め、区民との信頼関係を築くことであると認識しております。今後、まちづくり出張所は地域住民がそれぞれ支援しながら、ともに支え合い、地域の課題に取り組んでいけるよう、コーディネート役として取り組んでまいります。
◆下山芳男 委員 今後、本当にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
私の地域の上馬出張所では、その管内の五つの町会への理解、そして加入促進を促すチラシ等を作成して、新聞に折り込んだり、地域の人たちの陶芸や書道、絵画の作品展を開催するなど、地域の住民が出張所に足を運ぶ機会をふやすような手づくりの催し物を行っております。このような取り組みは、やはり各出張所で取り組んでいるのではないかと思うんですけれども、地域コミュニティ活性化支援事業の申請も次第にふえているように、この間の区からの情報をいただいておりますが、ほかのまちづくり出張所ではどのような取り組みがあるのか、もしあったら、一、二ご紹介いただきたいと思います。
◎山﨑
世田谷総合支所地域振興課長 今ご指摘のありましたマップというかチラシにつきましては、上馬地区の町会連合会が中心となって作成したものでございまして、一面には地区の避難所、広域避難所とか、医療機関を管内図面に落とし、位置をわかりやすく紹介しております。また、裏面には各町会の活動内容、身近なまちづくり推進協議会の自主的、主体的な活動を紹介するなど、地域の皆様にも好評を得ております。
また、今おっしゃっていただいたギャラリーでございますけれども、絵画、書、手芸等の展示で常設しておりまして、十八年の四月に始めまして、それ以降は、作品をごらんになった千名を超える方が上馬まちづくり出張所に来られております。
そのほかでございますけれども、下馬まちづくり出張所では、下馬・野沢地区の高齢者クラブの日ごろの活動の成果を発表する場としまして、作品の展示会を行っております。これも日ごろ余り外に出ないようなお年寄りの方々が、昨年、三日間やりましたけれども、三日間で三百人ぐらい、まちづくり出張所に来られております。また、池尻まちづくり出張所でも、待合スペースを利用して、地域で活動している個人やグループの発表の場として提供しております。
このような取り組みから、新しい方から出展の要望があったり、制作者を紹介してくれるなど、地域のつながりが広がっていったり、あるいは町会活動への参加など、少しずつではありますけれども、いろんな動きが生まれつつあります。
◆下山芳男 委員 やはりその地域に根差したいろいろな活動があると思います。
それから、まちづくり出張所では、介護予防講座であるとか、あんしんすこやかセンターの福祉相談などを行っていると思いますが、なかなか利用が少ないと、この間の、こちらの評価・検証についての報告書にも書いてございました。
私は、その地域に住んでいる方の相談事には何でも耳を傾けて、解決の方法をアドバイスできるような、いわばよろず相談所のような役割をまちづくり出張所は持つべきだと思うんですが、ぜひ活気のある、地域の中心になるようなまちづくり出張所になるように、これからも一生懸命取り組んでいただきたいことを要望して、次の質問に行きます。
次に、広域媒体としての広報掲示板について質問いたします。
広報というと、昨今はすぐにホームページということが頭に浮かぶんですが、地域の人、そして特に高齢者の方にとっては、区の掲示板は非常に有効な手段であると思います。
先月の台風九号の強風で、私の家の近くの町会の掲示板が倒れてしまったんです。区の広報掲示板は、現在約八百カ所に設置されているということでございますが、かなり老朽化しておりまして、ちょっと美観的にも、そういった強風であるとかそういうときに倒れてしまうんじゃないかなというようなもの、それから、いろいろな新しい建物が建って陰に隠れてしまったり、ほかのほうが目立つところがあるんじゃないかというようなところがあると思うんですが、広報掲示板について更新等について計画はあるんでしょうか、お聞きします。
◎新保
地域窓口調整課長 広報板につきましては、委員からお話がございましたけれども、出張所改革評価・検証検討部会の中で、地区まちづくりの支援強化の視点から、さらに地区のまちづくりを進めていくということについて、検討部会でもご意見をいただいたところでございます。来年度からの実施に向けまして、現在準備を進めて検討しているところでございまして、地区まちづくりの支援につながっていくものであるというふうに考えてございます。
◆下山芳男 委員 これはやはり場所等についてはしっかり検討していただきたいと思います。そして掲示するものについても、現在は三分の二が行政コーナーであり、三分の一が地域コーナーというふうになっているんですが、ただ単にポスター等を張るのではなくて、区や地域の情報を定期的に発信していくというような取り組みがあってもいいと思うんです。さらに有効な使い方についても検討すべきと思うんですが、今後の広報掲示板についてどのような取り組みを考えていらっしゃるか、伺います。
◎新保
地域窓口調整課長 委員からただいまお話しいただいた点につきましても大変重要な視点というふうに考えてございます。来年度以降の取り組みの中で視野に入れて検討してまいりたいというふうに考えてございます。
◆下山芳男 委員 やはり災害時なんかは、一番シンプルなもの、そういった掲示板なんかが一番最初に役立つものであると思いますので、ぜひ前向きに、しっかりしたものをつくっていくようにお願いしたいと思います。
そして、やはり設置場所等については、地元の人たちとしっかりとコンタクトをとって納得していただいて、設置あるいは更新をしていただければと思います。
次に、区内農業についてお伺いいたします。
私ごとで恐縮なんですが、もう四十九年前に私が駒沢小学校に入学した年の夏なんですが、今ではほかの皆さんなんかは信じられないかもしれないんですが、駒沢小学校の斜め前に広場がありまして、そこで農産物の品評会が開かれたのを覚えているんです。農産物はもちろんのこと、さくの中には牛や豚のものもありまして、その地域でまだそういった仕事があったということを今思い出しております。
駒沢小学校の近くにはキャベツ畑も非常にたくさんありまして、本当にチョウチョウなんかはもうとりたい放題とれたというのを覚えています。また、その三十年代初頭には、世田谷区内には約九百ヘクタールあった農地が、平成十八年、約五十二年間の間に八五・五%減少しまして、百三十一ヘクタールになっているということです。
そこで伺うんですけれども、まだまだ世田谷の農業は新鮮で安全な農産物を区民に提供していると思います。そして四百三十二軒という今の区内の農家の数なんですが、都市化であるとか、やはり収益性がなかなか低いというような逆境にも負けず、そのうちの約八割の農家がとれたて野菜を庭先で個人販売所ということで、多くの区民に販売をし喜ばれているわけですけれども、平成十五年の区民意識調査でも七五・五%の人が、やはり区内の農地を残したいと答えているわけです。地産地消を進めて、世田谷農業のすばらしさを多くの区民に理解してもらうことが大切であると思います。
ただ、やはり環状七号線の内側になりますと、ほとんど農地もないですし、そういった直売所もないわけです。そういったところにも世田谷の農業をPRすることが必要だと思うんですが、そういったPRについて現在どのようなことを行っているか、お伺いいたします。
◎高山 都市農地課長 世田谷の農業、農地を将来の世田谷区民に残していくためには、区民一人一人に農地、農業の持つ特性の重要性について理解、支援していただくことが大切だと思います。そのための第一歩としまして、これまで区民の方々に農地や農業の大切さを身近に感じていただけるイベントなどの施策を進めております。具体的には、毎年、春と秋に、世田谷公園や馬事公苑のけやき広場で、農産物品評会や農業祭、花の展覧会などで、新鮮な区内産農産物の販売を行っております。
また、三軒茶屋のふれあい広場では年に二回、農産物即売会を開催しております。今年度からは世田谷区産業振興公社と連携いたしまして、三軒茶屋にございます産業プラザの一階にあります産業情報コーナーで、七月より毎月一回、農産物のPRと販売を行っています。減農薬、減化学肥料の特別栽培に取り組んでおります農家の方々のご協力をいただきまして新鮮な野菜や果物などの販売を行っていますが、毎回、数時間で売り切れてしまうという、大変好評を得ている状況でございます。
◆下山芳男 委員 区内産の農産物は「せたがやそだち」という、先ほど出ましたブランドで「世田谷みやげ」としても選ばれているそうなんですが、今お話しのように、なかなか人気があるというふうに聞いております。多品種少量生産ということで、生産量や出荷時期など非常に難しい問題もあると聞いておりますけれども、一般の区民に通信販売などの何か新しい販売方法等の取り組みがあれば、お聞きしたいと思います。
◎高山 都市農地課長 農産物の通信販売などにつきましては、輸送のための梱包の手間など、出荷農家にとって大変負担が多くあるということを聞いております。特にしゅんの野菜のセットなど野菜の出荷につきましては、出荷時期に合わせまして品質と品目数などをそろえるのに苦労するというお話を聞いております。
来春、「世田谷まちのステーション」としてオープンします鎌田農産物直売所では、地場農産物を販売するだけではなく、これらを活用した食育事業、地産地消の推進など、これまでにない新しい事業に取り組む予定になっております。多くの朝どり野菜がそろいます共同直売所のメリットを生かしまして、直売所に来店できない一般の区民の方々にも通信販売などの方法で新鮮な農産物が提供できないか、JAに提案してまいりたいと思います。
◆下山芳男 委員 やはりみどり率とかそういった面についても非常に大切なことであると思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
それでは、次に区民健康村についてお伺いいたします。
区民健康村の事業は、昭和五十六年に川場村と区民健康村協力協定を結んで二十六年、そして昭和六十一年にふじやま・なかのビレジを開設して、一般区民の利用や区立小学校の移動教室が開始されてから二十一年が経過いたしました。この委員会に出席している委員の方の中にも、もしかすると体験された方がいらっしゃると思います。私もPTAの役員をやったときに、子どもたちと同じ日程を体験してみようということで、役員として、世田谷区では既に体験できない本物の自然を体験させていただきました。
世田谷区は、平成四年に友好の森事業に関する相互協力協定の締結、平成七年には災害時における相互援助協定の締結、また、平成十七年七月には、熊本区長と関村長との間で五つの新たな交流事業を推進していくことについて共同宣言が行われたとのことです。しかしながら、自分の子どもが小学校を卒業すると、川場村が少し遠き存在になってしまったように思えてならないわけです。
そこで何点か伺います。
まず移動教室について伺いますが、先ほど述べましたように、川場村で移動教室が開始されて二十二年目を迎えています。企画や運営は、教育委員会、学校の所管であり、直接区民健康村・ふるさと交流課はかかわっていないと思うのですが、小学校五年という柔軟な感性を持っている時期に、川場村の豊かな自然の中で体験活動を行うことは大変意義があると思います。どのような協力支援を行っているのか、区民健康村・ふるさと交流課の役割をお聞きいたします。
◎坂本 区民健康村・
ふるさと交流課長 今委員からお話がありましたように、昭和六十一年の開設以来二十二年目を迎えましたので、当時、十一歳だった小学校五年生の方はもう既に三十二歳ということで、移動教室を経験された方ももう大人、親の世代になってきているといったような歴史がございます。
移動教室の実施主体は教育委員会でございますが、お子さんの現地での受け入れはもとより、登山道の整備ですとか、農作業場所や農作業を指導していただく農家の方の確保、こういったようなことも、昨年度から指定管理者となりました世田谷川場ふるさと公社が担っておりまして、この公社と連携しながら、私どももハード、ソフトの両面から支援を行っておるところでございます。
◆下山芳男 委員 ふるさと公社を通じていろいろなサポートをしていると思いますが、第二のふるさととして実感できるように、行政側も単に縦割りのそういった感じじゃなくて、教育委員会とも十分に連携をとって対応していただきたいと思います。
次に、交流事業について伺います。友好の森事業の一環として行われてきたやまづくり塾に、共同宣言に盛り込まれた農業塾と茅葺塾を加えて、平成十八年七月に健康村里山自然学級が開講されましたが、やまづくり塾、農業塾、茅葺塾について簡単にご説明をお願いいたします。
◎坂本 区民健康村・
ふるさと交流課長 やまづくり塾は、平成七年から始まりまして、自然に親しむ体験的なものから森林ボランティアの養成を目指す本格的な教室まで幅広く事業を展開しております。
それから農業塾では、地元の農家の方の指導のもとに、農作業を通して農業の大切さを体感していただくということと、遊休農地の活用等による景観保全につなげていくことも目的としているところでございます。
それから茅葺塾は、昨年から始まったんですが、伝統的家屋の代表とも言うべきカヤぶき家屋の保全に向けた取り組みを行っているといったようなことでございまして、いずれにしましても、これらの活動は、多くの参加者の方が単に川場村の自然のすばらしさを享受するだけではなくて、自然を守り育てるといったことの大切さを世田谷区民の方にも学んでいただいて、みずからが区民の第二のふるさとである川場村の自然環境の保全育成にも参画していただくといったようなことが重要な視点だと思いますので、今後も村の方々のご協力のもとで、人との交流も含めまして、なお取り組んでいきたい、このように存じます。
◆下山芳男 委員 今の答弁の中にもありましたように、やはりそちらの先方の人たちとの交流というのが非常に大切であると思います。
それで、最後なんですけれども、一度体験された方のリピート率というのはなかなか高いそうなんですね。ところが、やはり新たな方を川場村に引きつけていくということが非常に大切だと思います。その点についてPRはどのようなことをやっているか、お聞きしたいと思います。
◎坂本 区民健康村・
ふるさと交流課長 特に団塊世代の方々も含めた新たな利用者層の掘り起こしに努めるなど、今後、PRの強化ということに取り組んでまいりたい、このように存じます。
◆下山芳男 委員 では、質問を終わります。
○新川勝二 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後四時三十八分休憩
――――――――――――――――――
午後四時五十五分開議
○新川勝二 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
公明党、どうぞ。
◆杉田光信 委員 本日最後の質問をさせていただきます、公明党の杉田光信でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、地域コミュニティー活性化についてお伺いいたします。
その前に、先ほど青空委員からもエコバッグについて、理事者の皆様に手を挙げていただいて質問がございました。私も二つ、皆様に手を挙げていただくご質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。
第一点目に、自分の住んでいる地域でコミュニティー活動をされている方。コミュニティー活動はさまざまありますけれども、そういう取り組みをされている方はいらっしゃいますでしょうか――ありがとうございます。
二番目が、先日、私は第三回定例会で地震対策について話をさせていただきました。そこで、自分の家に水、食料を備蓄されている方はいらっしゃいますでしょうか、お手を挙げて――ありがとうございます。
先ほど青空委員、こんなに挙がるとは思っていなかったので、話の内容が変わったというお話をされていましたけれども、私は、こちらの理事者の皆様が、本当に区民の先頭に立ってそういう活動をされているそのことをぜひ伺いたくて、話をさせていただきました。
続いて、皆様にお願いばかりではいけませんので、私の地域活動について少し話させていただいて、その後、質問に移らせていただきますので、よろしくお願いいたします。
私は、八年前から地域の消防団の一員として活動に参加させていただいております。当時、サラリーマンでありましたが、地域のために何かお役に立たせていただきたいとの思いから、消防団に入団させていただきました。入団当時は地域の方々とはつながりがなく、一人も知っている人はおりませんでしたが、八年がたって、今ではたくさんの方と知り合うことができ、今では地域の中で活動に参加させていただいて、本当によかったと思っております。
また、世田谷地域において、町会、自治会、商店街、地域のさまざまな活動をされていると思います。きょうは、一つの烏山地域のことについて紹介させていただきます。
烏山駅前通り商店街えるもーるでは毎月第一日曜日に、地域の方々に呼びかけて清掃活動をしております。昨年から私も参加させていただいております。昨年からこの活動に参加させていただいたのは、地域に住む若い方からこういう活動をしているというお話を聞いて、初めてここでこの活動に参加をさせていただきました。毎回出られるわけではありませんけれども、出られるときに、今そのような活動を進めております。その活動に来られる中で、家族連れの方、若い方などが参加され、汗を流しております。私は、地域のコミュニティーとは、人と人とのつながりの中、また、一対一の対話の中にこそコミュニティーの活性化があると思います。
それでは、第一点目の質問をさせていただきたいと思います。
地域の安全安心のまちづくりには地域コミュニティーが必要であり、町会、自治会を初め、NPO、地域団体の活性化が不可欠であると思います。地域の住みよさ、安住性などは、ただ地域の利便性だけではなく、地域のコミュニティーのあり方、住民のつながりなど人間的なつながりが重要であると思います。最近の世田谷を見ると、都市化の進展で住民がふえていくのはとてもうれしいことではございますが、マンション等がふえて、世田谷らしいコミュニティーが壊れていくことを危惧するところでございます。
区としてはこの緊急課題をどのように解決しようとしているのか。平成十七年度より出張所改革として、地域まちづくりの強化、コミュニティー出張所をまちづくり出張所と出張所に分けて、地域まちづくりの拠点として、地域のコミュニティーの推進を図ろうとしていることは認識しているところでございます。
そこで、出張所改革の手段として地域コミュニティー活動を推進するために、地域コミュニティ活性化支援事業を立ち上げ、三年がたっていると聞いております。
ここで、地域コミュニティ活性化支援事業を創設して三年目を迎えるが、実績や活用状況はどのようになっているのか、お聞かせください。
◎杉本
市民活動推進課長 今ご質問の件ですが、地域コミュニティ活性化支援事業につきましては、地域のコミュニティーを活性化する団体を育成していただくために、三年間のサンセット事業としまして、平成十七年度に創設した事業でございます。今年度は三年目を迎えているところでございます。
この三年間の実績としましては、まず交付件数としましては、十七年度当初では九十一件、十八年度、昨年は百十件、ことし、十九年度には百十三件と、年々伸びてまいっております。
また、その事業の内容につきましても、団体の皆様のつながりとか新しいつながりができて、地域への貢献とか、それから既存の団体以外の方の活動が生まれてくるなどの成果が見られてきているものと思います。
さらに、補助を受けた団体の方などの交流の場としまして、ただ補助をして終わりということではなくて、年に一度情報交流会を開催させていただきまして、そこで新たな出会いやつながりができるよう場を設けたり、また、交流の場を通して、お互いに活動のヒントになっていただければと思って交歓しております。
ただ、一方、コミュニティーの形成のほうは順調に伸びたかなと思っているんですが、こちらのつくり方といいますか、募集のときのかけ方も、当初まだ始めたばかりでしたので、地域貢献の点の薄さがやや目立ったり、それから地域団体の詳しい活動内容や課題が募集が広がることによって薄まってしまったりして、実務的な部分でございますが、支援にもう少し深く入り込んで受けとめるべきだったかなという反省も持っています。
今後、次のステップ、先ほども申しましたサンセット事業ということで、今、庁内でも見直しを進めているところでございますが、これまでの成果を踏まえまして、地縁団体を中心とした地域でのネットワークづくりを支援して、さらに、先ほど反省点にもありましたけれども、地域貢献がさらに強まるよう、見直し、検討を進めてまいりたいと思っています。
◆杉田光信 委員 わかりました。
続いて、平成十八年度に実施した情報交流会の内容と成果もお聞かせいただけますでしょうか。
◎杉本
市民活動推進課長 今お話しの情報交流会ですけれども、これをなぜ開催したかというと、ただ地域コミュニティーの活性のために補助金を出すだけではなくて、それから補助金の成果をご報告いただけるだけではなくて、その集まっていただいたやる気のある団体の方たちが相互に交流していただければなという前提でつくらせていただきました。
今年度は五月二十五日に世田谷区民会館の集会室のほうで行わせていただきましたが、五十五の団体に参加していただきまして活発なご議論をいただきました。その中には、当然町会、自治会の方も入られて、NPOの方と親しく交流をしていたように見ております。
成果としましては、地域での団体の自分のところだけではなくて、各団体の行動が理解できたり、または、そこで初めて、自分の地域でこういうことをやっている方もいるんですねとお知り合いになられたりされている例もありました。
また、先ほどちょっと言い忘れましたけれども、町会と自治会の方とNPOの方が、そこの場ではお互いに理解できなかったんだけれども、そういう活動をやっているんですかと、お互いが理解を深めるような場面も見られて、ほほ笑ましい場面があったように思います。
このような意見を参考にさせていただきまして、今後の課題としましては、この交流の持ち方につきましても、地域単位でのネットワークづくりをさらに詰めるような仕組みを検討してまいりたいと思っているところでございます。
◆杉田光信 委員 ぜひとも区民の皆様の意見をしっかり聞いていただいて、今以上にいいシステムができるように取り組んでいただきたいと思います。
第二点目に、地域社会を取り巻く環境は、地域コミュニティーが希薄化し、犯罪の増加、高齢者や子育て世代の孤独などが大きな問題となっております。だれもが安全で安心して暮らせるまちづくりを実現するためには、地域コミュニティーの活性化が重要であります。
そのためには、まず地域の方々が今何を困っているのか、また、今後何をやっていきたいのかなど、現状を把握するために、全町会、自治会に対してアンケートを実施したと聞いていますが、そのアンケートの中で何がわかり、どのような成果が出たのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎杉本
市民活動推進課長 今ご指摘のとおり、昨年度より町会、自治会の活性化に向けまして、区のほうもご協力をするというスタイルで、町会、自治会のアンケートをさせていただきました。この趣旨は、町会、自治会の活性化に向けまして、区のほうが課題を理解するということと、それから調査の結果を町会、自治会の方にお知らせするということ、また、町会、自治会の調査の中からすぐれた取り組みを抽出させていただきまして、ご披露できればと思って調査させていただいた次第でございます。
その結果としまして、町会、自治会としましては、地域の清掃活動を初め、防犯パトロール、防災訓練、健康づくりのための講座、体操教室、高齢者への訪問や見守り、災害時の支援の高齢者の名簿づくり等、既に行っている町会や行いたいという意欲を持っている町会が多く見られたと思っております。
もう一つ、逆に課題としましては、役員の皆様の高齢化や加入率の低下、特定の役員への仕事の集中、町会、自治会に対する無理解な方が多いなど、さまざまな課題を抱えながら進められている現状も見られました。
また、先ほど言いましたその調査の回答の中には、課題解決に向けて独自に、すぐれたといいますか、特色ある取り組みを進めている町会、自治会もございまして、区では、それらの取り組みの事例をまとめまして、ことし、「町会・自治会活性化マニュアル」という形にさせていただきまして、町会、自治会のほうに配布しましてご活用していただいています。
また、この間、町会総連合会では、町会の活性化のあり方や、それから活動報告につきまして、理事会研修会を行っていただきまして、ワークショップ型で熱い議論を重ねておられました。
区としましても、このアンケートやマニュアルを活用していただいて、町会、自治会の活性化につながるように支援をしてまいりたいと思っております。
◆杉田光信 委員 今お話がありました町会、自治会では、災害時の支援、また、高齢者の訪問、健康づくり、防災、地域の清掃活動、これはさまざまな課がかかわってくるところだと思います。せっかくこのようなアンケートを実施したわけですから、このような課にこういうアンケートが上がったというのをぜひ伝えていただいて、一つの部署だけで決めるのではなく、みんなが一つずつの問題を考えていただきたいと思います。
続きまして、町会、自治会への加入促進を進めていると聞いております。どのような流れで成果を上げていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎杉本
市民活動推進課長 先ほどもちょっと述べさせてもらいましたけれども、世田谷区の町会総連合会では、昨年度より町会・自治会活性化キャンペーンを実施されております。それに伴いまして、区でも町会総連合会での理事会、研修会などを通じて、特色ある取り組みや、町会、自治会の活動事例を紹介するなど情報提供を行ってまいりました。
また、一方、国や都の最近の流れを見ますと、区の動きに呼応するように地域コミュニティーの重要性に着目しまして、国では、ことしの二月にコミュニティ研究会を立ち上げ、東京都でも今年度より地域の
底力再生助成事業を新たに創設したところでございます。
区としましても今年度は、昨年度作成しました町会・自治活性化マニュアル、先ほどご紹介しましたマニュアルをもとにしまして、さらに新たな取り組みをする町会、自治会に対して、モデル的にまちづくりの専門家を派遣して取り組んでいただいているところでございます。
また、先ほどご紹介させていただきました区の地域コミュニティ活性化支援事業については活用していただきまして、ふれあいマップという地域の新聞、ペーパーをつくっていただいたんですが、その新聞折り込みをする取り組みを、昨年度は一地区、一出張所だったんですけれども、ことしは九地区に広がっているような状況でございます。そういう意味では活用されているなと思っております。
今年十一月には、町会総連合会とともに、区内の全町会を対象といたしまして交流会を開催することといたしておりまして、先ほどご紹介したモデル地区、モデル的に頑張っている町会の活動事例についても発表していただいて、意見交換をしていきたいと思っております。
区としましても、区の地域の基盤でございます町会、自治会の加入促進に向けて、NPOやその他の地域で活躍している団体との連携も視野に入れながら、一層地域のきずなを深められるよう支援してまいる所存でございます。
◆杉田光信 委員 今お話があった専門家の方も、こういうところに入って今やられていると思います。今後どのように進めていったらいいのか、こういう専門家の方のアドバイスをぜひ受けながら、より今以上にいい促進に進めていただきたいと思います。
三番目に、災害時要援護者の取り組みについてお伺いします。
災害発生時に援護を必要とする支援について、区と協定を締結した町会、自治会が十地区になったと聞いております。区が作成する災害要援護者名簿を提供することにより、各地で災害時の安否確認を初めとする助け合い活動を進めていると聞いています。
烏山地域においての今現在の状況についてお聞かせください。
◎安齋
烏山総合支所地域振興課長 区では、災害要援護者への支援といたしまして、高齢者や障害者の方で災害発生時に援護が必要となる方の情報を、ご本人の同意を得た上で町会、自治会に提供し、災害時の安否確認を初めとする助け合い活動がスムーズにいくような取り組みを本年三月より進めております。烏山地域においての取り組みでございますが、モデル地区として八幡山町会、それから千駄山町会の二町会と災害要援護者の支援に関する協定を締結いたしております。このうち八幡山町会については、ことし三月十九日に災害要援護者の支援に関する協定を締結し、災害要援護者の名簿の提供も終わりまして、現在、町会の支援者と要援護者の顔合わせを行っているところでございます。また、千駄山町会については、去る九月二十一日に協定を締結いたしまして、十一月下旬ごろ名簿の提供を行う予定にしております。
◆杉田光信 委員 世田谷区でも町会は百九十七、昨年、十町会がモデル地域ということでスタートしたと思います。地域において町会で協定等を結ばれていないところがまだまだあると思います。ぜひともしっかり取り組んでいただきたいと思います。
次に、防犯対策についてお伺いいたします。子どもに対する犯罪が後を絶たず、地域の安全安心性が脅かされております。こうした状況の中、各地域で区民の皆様による自主的なパトロールなど、さまざまな取り組みが行われていると聞いております。
先日、烏山地域におきまして、児童が車に乗った不審者から車の中から声をかけられた、そのような声を伺いました。また、その後も同じような話を聞いております。烏山地域でのこのような犯罪に対して、警察並びに地域の団体とどのような連携をとられているのか、また、どのような対策を講じていくのか、お聞かせ願いたいと思います。
◎安齋
烏山総合支所地域振興課長 子どもを犯罪から守り、地域の安全安心を確保いたしまして、犯罪のないまちづくりを進めることは大変重要な課題であるというふうに認識しております。
これまでも危機管理室、それから子ども部を中心に、例えば二十四時間安全安心パトロールですとか、防犯メールの配信ですとか、そういった取り組みを行ってきているわけですが、こうした観点から、このたび子どもをねらった犯罪や、空き巣やひったくり等を行おうとする者に対する抑止効果と区民の防犯意識の醸成を目的といたしまして、各総合支所の庁有車二台に青色回転灯を装着して、職員が業務で車両を運行する際に、地域を見回りながら走行するという取り組みを本年八月から開始いたしております。
今後、この青色回転灯装着車を活用いたしますとともに、警察や地域の防犯活動を行っております団体との連携も図りながら、区民の皆様に、今まで以上に世田谷区は安全で安心して暮らせる町という安心感を持っていただけるよう、犯罪のないまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
◆杉田光信 委員 今ございました青色パトカーですけれども、今までは狭い道などなかなか入れなかった、そういう場所等もさまざまあると思います。今回、軽自動車で回られているということなので、ぜひきめ細かく回っていただきたいというのと、今、防犯メールが毎日のように出ております。その中に、二時から六時ぐらいまでが結構犯罪が起きる時間帯と伺っております。ぜひともその時間に合わせて、そういう回るときに力を入れて回っていただきたいと思います。
続いて、地区会館、敬老会館などの地域の施設の状況についてお伺いしたいと思います。
施設を利用する高齢者の方から、施設のいす、立ちトレなどがとても重くて大変である、このような話をたくさんお聞きしております。地域にある施設のバリアフリー化に向けての取り組みはどのようにされているのか、また、どのような管理をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎安齋
烏山総合支所地域振興課長 地区会館や区民集会所など区民の集まる地域の施設は、高齢者や障害者が利用しやすい施設としていく必要があるというふうに認識しておりまして、こうした観点から、公共施設整備方針に基づいたバリアフリー化工事を進めているところでございます。
烏山地域でございますが、今年度は
烏山総合支所や上北沢区民センターのトイレに、オストメイト対応の装置ですとか手すりの設置、また、道路から施設の出入り口までの誘導点字ブロックの張りかえ等を行っております。また、引き続きまして、烏山、粕谷の両区民センターでも同様の工事を行うことにしてございます。さらにまた烏山区民センターのエレベーターへの音声誘導装置の取りつけですとか、北烏山地区会館のスロープ設置工事も年度内に実施する予定でございます。
今後も施設の改修、また備品等の買いかえに当たりましては、区民の皆様のご意見、要望を伺いながら、ユニバーサルデザインの考え方に基づきまして、だれもが安心して利用できる使い勝手のよい施設を目指して、バリアフリー化を推進してまいりたいと考えております。
◆杉田光信 委員 今お話を伺いました。私も高齢者の方から直接このような話を聞いております。皆様も地域に飛び込んで、ぜひそういう意見をお聞きしながら進めていただきたいと思います。
それでは、最後の質問になります。出張所の区民フロアについてお伺いいたします。
ある知り合いから、現在、出張所の区民フロアを利用しているのに、来年の三月いっぱいで利用ができなくなる、このようなお話を伺いました。区は、地域コミュニティ活性化支援事業を有効に活用するとともに、より効果的なコミュニティーの活性化を目指し、事業の見直し検討に取り組む、また、災害時への備えを含め、地域の活性化に向けて活動を進める町会、自治会への支援を行うとともに、多様なまちづくりの活動団体による活動のスペース、活動フロア、また、活動コーナー等の利用の促進に取り組んでいくとあります。
ここでお伺いしたいと思います。区民フロアの利用の仕方が変わるという話を聞いておりますが、このようなことがあるのか、お聞きいたします。
◎新保
地域窓口調整課長 区民フロア、お話がありました活動フロアの利用方法を来年度から変更するという予定はございません。
◆杉田光信 委員 ありがとうございます。
では、今お話しのように、これからも利用は、今までどおり使えるということでよろしいんでしょうか。
◎新保
地域窓口調整課長 委員のほうからお話があった事例は、身近なまちづくり推進協議会の健康増進部会の健康教室から誕生した健康体操のグループが自主的に運営できるようになるまでの間、区民フロアを利用されておりまして、このたび自主運営が可能になったため、そういうお話をさせていただいたというふうに伺っているところでございます。
今後ますます高齢者の方がふえていく中で、健康管理等に自主的に取り組みをされる方が多くなるということは、区にとりましても大変喜ばしいことというふうに考えてございます。そういった意味からは、健康体操グループの皆さんが活動場所の確保に大変ご苦労されているというお話もお伺いしておりますので、今後、各出張所、まちづくり出張所の区民フロア、活動フロアの状況を調査いたしまして、総合支所と連携をしながら、どのような工夫が可能であるかを検討してまいります。
◆杉田光信 委員 今お話がありましたように、先ほどのお話もありましたが、けやきネット等、場所がなかなかとれない。健康、健康と勧めているものの、なかなかその場所がとれない、そういう現実がありますので、ぜひ議論を重ねていただいて、区民の皆様がより使いやすい場を与えていただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わりにいたします。ありがとうございました。
◆市川康憲 委員 私からは、世田谷区文化・芸術振興計画の中から幾つかお伺いしたいと思います。
世田谷区と言えば水と緑と文化・芸術、これはもう八十万区民、皆さんそのように理解されると思うわけですけれども、文化・芸術というと、もう一方で文化財団を頭に思い浮かべるわけです。この計画の中でも、六ページに文化財団との位置づけ、役割という部分が課題として掲げられているわけですけれども、現状と今後のあるべき姿についてお伺いしたいと思います。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 今委員のお話がありました文化・芸術振興計画、ことしの三月に策定させていただいております。計画の策定に当たりまして、文化施策の現状と課題としまして、文化施策の体系的な整備ですとか、文化財団の位置づけの明確化、こういったことを記載しております。
これは、これまでも文化・芸術に関しましてさまざまな取り組みをさせていただいておりますけれども、施策、事業が十分体系的に整理されてこなかったということが一点。もう一点は、今お話がございましたように、文化財団が文化事業の中核を担ってきてはおりましたけれども、文化施策全般における位置づけが十分に示されていなかったというようなことから、今回課題認識を示させていただいたということがございます。
今回の計画の中では、文化施策全体の体系的な整理ということをさせていただいたのと、文化財団につきましては、計画の重点取り組みを推進する核、それから総合的な文化・芸術施策の牽引役、こういった位置づけをさせていただいております。
◆市川康憲 委員 ご承知のように、文化財団の評議員会なんかも、私は評議員でいつも出させていただいていますけれども、かつては、それぞれの美術館、文学館、それから文生、それが一つになって評議員会は行われるわけですが、内容的に非常に広範囲にわたって議論する。しかしながら、時間がすごく短いということで、なかなか活発な議論にならないという部分もあるわけですね。そういう意味で、文化財団がもっと活性化できるような形で、評議員会等の仕組みも考えていただけたらありがたいな、これは要望しておきます。
それからもう一つ、二四ページにチルドレンズ・ミュージアムという言葉が出てくるんですね。このチルドレンズ・ミュージアムという言葉については、今まで余り聞いたことがなかったんですが、いろいろ調べてみますと、この発祥の地はアメリカ合衆国で、一八九九年にニューヨーク州に設立された、ブルックリンのチルドレンズ・ミュージアムが最初と言われているから、その歴史はもう百年たっていると。今では海を超えて、新大陸で萌芽した、子どもたちの自然な好奇心を刺激し満足させることを目標にオープンしたチルドレンズ・ミュージアムは、その後四半世紀の間に、ボストン、デトロイト、インデアナポリスなどの都市に次々と誕生していった。こうしたかなり古い歴史を持っている、こうしたミュージアムの考え方みたいですね。
なぜこのチルドレンズ・ミュージアムというものが子どもたちに対して必要なのかというと、創造力等が物すごい。今までのミュージアムというと、眺めるとか、さわってはいけないとかという、こういうミュージアムがほとんどだったんですが、子どもたちのミュージアムというのは、いろいろさわったり、壊したり、いじったり、そういう中から創造力等を引き出していくという、こういう意味合いだそうです。
こうした中で、今回、この文化・芸術振興計画に、我が世田谷区もチルドレンズ・ミュージアムを掲げたわけですけれども、まず、このチルドレンズ・ミュージアムの意味を説明していただきたいと思います。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 計画の中にチルドレンズ・ミュージアムを掲げさせていただいておりますのは、子どもの創造性をはぐくむ取り組みの一つとして盛り込ませていただいております。発想は、今委員のお話がありましたとおり、アメリカで発想されておりまして、さまざまな文化・芸術に触れること、あるいは遊びながら体験することを通じまして、子どもが持っている創造性ですとか感性を伸ばしていこうというものでございます。
世田谷区におきましても、文化財団を中心にさまざまな教育普及事業を実施しているところでございますけれども、近年、テレビゲームですとか電子媒体などの発達によりまして、本物に直接触れる機会が減少していると。感動を身をもって味わうということが減少しているのではないか、こんな議論がございました。
こういったことから、今回の計画の中では本物に触れ体験する、こういったことを通じまして、子どもの創造性ですとか自由な発想を伸ばすことを、文化面から一層支援していきたいというようなことで考えたものでございます。
◆市川康憲 委員 例えば、これはことしの八月十一日、十二日に行われた福岡の宗像市のチルドレンズ・ミュージアム、二日間にわたって行われたわけです。基本的には常設館が一番好ましいのかもしれませんけれども、本区としてはどういう形態のチルドレンズ・ミュージアムを考えていらっしゃるのか、教えていただけますか。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 アメリカのお話、先ほどございましたけれども、アメリカでは、いわゆる施設を持ってチルドレンズ・ミュージアムということを考えて実施されておりますけれども、世田谷区の場合は、既にさまざまな文化施設を持ちまして、ワークショップ、それから生活工房などでは「分解ワークショップ」というような取り組みなどをさせていただいております。そのほかにも、民間の文化施設、美術大学など、地域資源も数多くございます。
具体的な検討、議論というのはこれから進めてまいりますけれども、本物を体験するということを一つのキーワードにしながら、さまざまなワークショップですとか体験型の学習を横つなぎにしていく。ハードではなくて、これまでのソフトの取り組みを総合化する。それからもう一点、例えばの例でございますけれども、美術館、文学館など、夏休みの期間に子どもの事業を集約していきまして、チルドレンズ・ミュージアムというような形で、子どもにより密着した事業を夏の期間に実施する。こういったことをイメージしながら、財団との議論、検討をこれから進めてまいりたい、このように考えております。
◆市川康憲 委員 子どもたちにとっては大変力になり得る効果的な事業だと思いますので、世田谷区としても、全国に誇れるような、刷新できるようなチルドレンズ・ミュージアムをぜひ実現していただきたいと思います。
次は、環境の問題にちょっと入りたいと思いますけれども、最近は、私ども区議会の駐車場にも、各議員の皆様方の車の中にもハイブリッド車が随分とふえてきたわけです。区としてもアイドリングストップ運動ということを随分やられてきていると思いますけれども、まずその実績等についてお話しいただけますか。
◎吉原 環境計画課長 ただいま委員のお話にございましたアイドリングストップキャンペーンにつきましては、自動車が排出するCO2の削減などを目指しまして、平成十六年より実施しているところでございます。広く区民の方から募集いたしまして、東急世田谷線と環状七号線が交差する若林の踏切ですとか三軒茶屋の交差点等で、プラカードで持ってドライバーの方々に、信号待ちの際にアイドリングストップを呼びかけているところでございます。
ことしの四月に実施した際でございますが、スタッフとしてボランティアとして小学校二年生のお子様から七十歳代の方々まで多世代の参加がございまして、スタッフを含めまして八十名の活動になってございます。
また、このキャンペーンのときに信号待ちをしていたお車で、四百七十七台中九十台がアイドリングストップに協力してくれたという記録がございます。
◆市川康憲 委員 このアイドリングストップについては、後づけでアイドリングストップ装置をつけることができるということから、平成十九年度予算にも五十台分が予算化されているという状況になっております。したがって、このアイドリングストップをするということは、ある意味ではCO2の削減に寄与するであろう、こういう前提で予算化をされたと思うんですね。
一方、区長車を考えてみますとシーマですか、議長車はソフトハイブリッド。しかし、区長車は、これはハイブリッドでもなければアイドリングストップ車でもないですよね。ある意味では、今ご説明いただいたように、区長を中心にアイドリングストップ運動をやっている中で、区長車が余り環境に優しくない三千ccの車に乗っているということ自体がどうなんでしょうか。これは早急に何らかの手を打つべきじゃないかと思いますけれども、その辺はどうですか。
◎吉原 環境計画課長 アイドリングストップにつきましては、ただいまお話ししたキャンペーン等に、昨年、熊本区長みずから参加をして、プラカードを持っていただいて呼びかけていただいたところでございます。それで、今回の庁有車へのアイドリングストップ装置の装着につきましても、区長の方針でございます、環境を重視した、区役所が率先する行動の一つということでございます。
今後、区としては自動車のCO2排出の一層の削減に向けまして、区長車を含めて庁有車全体を低公害化にしていこうというふうに、担当所管と協議をしているところでございます。
◆市川康憲 委員 そこで、今回五十台、後づけでアイドリングストップ装置を装着するわけです。環境問題というのは、やはり一般の区民の方々の協力なくしては実現不可能ということだと思うんですね。その意味では、このアイドリングストップの後づけの装置をつけるために、ある意味では助成制度があってもいいんじゃないかなという、こんな思いをするんですが、何とかアイドリングストップ装置の助成制度、これは考えていただけませんか。
◎吉原 環境計画課長 ただいま委員のほうから助成についてのご提案をいただきました。現在、このアイドリングストップ装置の助成制度につきましては、財団法人の省エネルギーセンターにおいて、当初からこの装置がついているものについては助成がされている。それから、後づけの装置につきましては、タクシー用の車両に限り、そういう助成制度があると聞いております。
助成制度につきましては、装置を普及させる有効な手段というふうに私どもは認識してございますが、今後、他の低公害車への助成制度ですとか、そういった他の助成制度との整合性ですとか、財政負担等を含めまして、関係部署と検討したいと思っております。
◆市川康憲 委員 石原都知事が中心になってディーゼルの排ガス規制をやりました。ですから、ディーゼル車の後ろを見ると適合車というシールが張ってあるわけですよね。そういうような形で、アイドリングストップ装置がついていない車は、ついている車に比べて恥ずかしいな、申しわけないなと思えるような形で、何とか助成制度を充実させていただいて、アイドリングストップ装置をどんどんと普及していただく中で、皆さんに少しでも環境に優しい車に乗っていただけるような、そういう機運を何とか盛り立てていただきたいなと思いますので、よろしく検討のほどをお願いしたいと思います。
あと一つだけお伺いしたいんですが、総合支所の体制です。総合支所長さんは五人いらっしゃるわけですけれども、他の自治体ですと、各地域のいろんなイベントに区長がお見えになれない場合は助役さん、今では副区長さんが区長代理としてお見えになって、大体かわりにごあいさつをしていただく。しかしながら、私どもの場合は地域行政制度という形をとっておりますので、各総合支所長さんが区長代理としてごあいさつをする。そうすると、助役さんと地域との関係が非常に薄い感じがしてならないんですね。ですから、その意味で、副区長さんは極力地域に出ていただきたいと思うんですけれども、副区長さんはいかがですか。
◎森下 副区長 お話しのように、今、世田谷区の場合には区長がおりまして、それから地域行政を展開しているということで、地域における具体的な場面においては、総合支所長が区長の責務を一部代行するような形で行政を行っているということで、そのような場面が多くなるわけでございます。
私としては、当然に地域のまちづくりの中にもいろんな形で参画して、事業の実施をちゃんと見ていくとか方向づけをしていくようなことも大切でございますので、私個人が副区長の役割として地域に出るべきだということについては、私もそのとおりだと考えております。
ただ、職務柄の役割としては、区長がおり、総合支所長がいるという関係がまずベースでございまして、その中で、私は区長を直接に補佐する立場として、全区的な立場からの施策の実行であるとか区民への対応をするということでございますので、あくまでも区長の補佐というのが役割でございます。地域の場面においては、総合支所長が具体の場面では中心になるという役割は、やはり原点としてあるということは理解しております。その上で、できるだけ私も現場のほうに出まして、区民の皆様の前に出て活動していきたいと考えておるところでございます。
◆市川康憲 委員 要は縦割りという形の組織になっていますから、どうしても総合支所長さんだけでは完結し得ない部分があるんですね。ですから、総合支所長さんにさまざまな形でお話をしても、それは縦割りですから、ほかにお話がいって、そこからまたこちらへ回ってくるというケースも多々ある。しかしながら、総合支所長さんというのはその地域を代表する方ですから、要するに自分の地域にある課題を、ことし一年かけてこのように変えていったという、やっぱりそれなりの闘いというんでしょうか、決意というんでしょうか、そういうものを持ちながら活動していただきたい、このように思うんですね。
その意味で、私の地元の志村
玉川総合支所長、去年一年間でも結構です。どういう課題に向かい、そしてどう解決をしてきたのか、それをちょっと話していただけますか。
◎志村
玉川総合支所長 今、市川委員からお話がありましたけれども、一年間どのようなことということですが、総合支所に求められている大きな役割というのは、今副区長がお話ししたとおりでございますが、私のほうは、その総合支所での最前線ということで、町場の人からいろんな声を聞きます。イベントに行けば、これはどうだったんだとか、そういうお話を聞きますから、そういう生の声を感じながら、これは困っていらっしゃることをどうしたら解決できるかなということを頭の中で考えながら、それをつなげていく。総合支所は本所の縦割りを横つなぎでいかに解決していくか、それが大切だというふうに思っています。ですから、その道筋をいかに考えるかということだと思います。
それで、事例を幾つか挙げさせていただきますと、この議会でもたくさん出ています多摩川の無堤防のところ、俗に堤外地というところは、私が行ってから、国の暫定堤防の計画のお話が地元でありまして、ぜひそこのまちづくりも含めて解決していかなきゃいけないということでやっていまして、ぜひ街づくり課も応援しながらやろうということで、私を挙げてやってきております。それは、国の今年度から三カ年の暫定堤防の予算化にもつながっております。国は意外に、とかく河川だけを見てやっておりますので、そこにまちづくりの観点を加えるということが、地元の人の理解が進むということだと思っておりまして、その堤外地のまちづくりも含めて、そこへ今回の避難勧告があったということでございます。
それから、もう一つ大きな問題を言いますと、昨年の区長のタウンミーティングで、急に廃止になった東急コーチの路線、私は初耳で聞きまして、そこを本所の土木関係にも協力いただいたり、交通関係に協力してもらったり。というのは、東急コーチは住宅地内を走っているものですから、道路が振動するということで、その振動の原因をまず土木に直してもらいながら、交通とバス事業者と協議しながら、半年後に復活したという事例もあります。ですから、初耳だったのですが、そういう身近な困っていることを解決しながらやっていこうということで、数を挙げればたくさんあるんですが、そういった喜ばれている事例がありまして、解決をしていく事例がございました。
いずれにしましても、基本的には身近で顔を合わせて、区民の方からいろんなお話、困ったことを聞きますから、区民の方のよかった、よかったと喜んだ顔が見れることが一番喜びでございます。
◆市川康憲 委員 五人の総合支所長さん、ぜひご努力のほど、よろしくお願い申し上げて、私の質問を終わります。
◆高橋昭彦 委員 きょうの最後になりました。お疲れだとは思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
この時間になりますと、やっぱり重なってきますので、いろいろとぶつかるとは思います。先ほども市川さんから文化について話がありましたけれども、まずは世田谷美術館について伺いたいと思います。
世田谷美術館は昨年、開館二十周年を迎えたと。ルソー展というのを開催されて、非常に話題を呼びました。私も拝見させていただきました。子どもたちの参加による飾りつけとか、ショップでの販売物なども工夫が凝らされていまして、美術館全体でルソー展を開催しているんだという雰囲気がありました。大変よかったというふうに思っています。
また、ことしは長年の教育普及事業が評価されて、国の外郭団体から総務大臣賞を受賞するというようなことがあったと。地方自治体の美術館として、全国をリードしてきたあかしだろうというふうに思っています。
ここ数年、入館者数が非常に低迷をしていたと。本当に世田谷の美術館、文化の世田谷と言われる中での象徴の美術館が大変なことになるんじゃないかというふうに心配をしておりましたけれども、このルソー展で少し持ち直したというようなお話もありました。いよいよ文化の世田谷の復活の兆しが見えてきたかなというふうに思うんですけれども、昨年のルソー展のような取り組みが、二十周年という節目だからできたというだけでは困ってしまうわけですね。毎年、身近なところで良質な絵画や作品を見たいというのが区民の思いだと思うんです。
そのことを踏まえて、まずお伺いしますけれども、世田谷美術館のこういう展覧会、企画展というのはどのような考え方で、年間何本程度実施しているのか、お聞かせ願えますか。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 世田谷美術館で開催しております企画展、展覧会でございますが、せたがや文化財団の自主事業として実施しておりまして、年間五本から七本程度を開催してございます。
昨年を例に企画展を大別して申し上げますと、第一に、今お話がございましたルソー展ですね。これはNHKですとか東京新聞などのメディアとの共催によります特別大型展でございますが、これが一点。それから、吹田文明展、これは区内在住の作家の方の展覧会でございますけれども、そういった区内在住作家の美術展を行う中規模の展覧会、それから、日本のパブリックアート展のように教育普及的な意味合いとか、収蔵品を中心にした展覧会。それと富本憲吉展のように、京都の国立の美術館とか、茨城の陶芸美術館などの他の公立美術館との提携による巡回展などがございます。
これらに、絵画ですとか彫刻、写真などのジャンル、あるいは国際性、国内のものなどを組み合わせまして、できるだけ身近なところで質のいい作品をごらんいただく機会をつくっていきたい、このような形で実施しております。
◆高橋昭彦 委員 世田谷美術館二十年の中で、過去の集客といいますか、観覧者が一番多かったのは、平成十二年に行われたメソポタミア文明展ですか、四十万人が来られたということですね。それ以降はなかなかなかったんですね。二番目の大英博物館展が三十六万人、去年のルソー展は十二万人ということです。やはり多く入っていただく、多く見に来ていただく、そしてまたいろんなところにバックアップしていただく、そういったことが非常に大事なんだろうと思うんですけれども、公立美術館という役割上は、さまざまな展覧会をやらなきゃいけないという状況もあると思うんです。ですけれども、やはりこういった集客数ということを気にしていかなければ、お金もかかりますから、そういう意味では、どういう企画をするかって非常に難しいところだと思うんですけれども、でも、これは取り組まなきゃいけない部分。
去年のルソー展、そういう意味では、これだけ十二万人と集まったわけですから、それなりの黒字なのではないかと僕は思うんですけれども、この収支についてはどうだったんでしょうか。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 昨年開催しましたルソー展、世田谷美術館の開催分について申し上げますと、先ほど申し上げたとおり、世田谷美術館、NHK、東京新聞などが実行委員会を形成するような形で運営しております。世田谷開催分の総事業費は九千三百万円ほどと聞いておりまして、世田谷美術館の負担は一千五百万円ほどでございました。
収入のほうでございますけれども、チケット収入が七千五百万円ほどございまして、各団体の負担金、あるいは展覧会本来の会場設営ですとか、ほかの館から借りてまいります保険、運搬費、こういったものに経費として充てさせていただいておりますが、おかげさまで、お話しのとおり十二万人を超える入場があったということで、図録あるいはグッズの販売といったことも大変好調でございましたし、NHKが独自に宣伝をしていただいたというようなこともございまして、世田谷美術館の負担一千五百万円に対しまして三千万円ほどの分配金が出た、こういう状況と聞いております。
◆高橋昭彦 委員 十二万人入るとなれば、やっぱり事業費も大きいわけですが、収支としても黒字になるということです。
ぜひともまた明年以降もいいものが続けられるように、やはりいい循環ができるようなことにならなければいけないと思うんですね。
金沢二十一世紀美術館というのがございますね。ここで館長であった蓑豊さん、この方が書いた「超・美術館革命」という本があるんですね。これを読ませていただきました。今の美術館事情と工夫を凝らした金沢二十一世紀美術館の成功例というのが出ていたんですね。この美術館は、年間百三十八万人、ここ二年間で三百万人以上もの来館者がいたというんですね。最近では美術館の奇跡と言われて、経済誌の取材も殺到している。工夫が尽くされたこの美術館のキーワードは子どもであったと。子ども向けということではなくて、子どもが本物に触れる、先ほど市川さんも言われていたとおりなんですが、そこから発想して、その上で子どもの目線で工夫をするんだと。旭山動物園という、ここもそうですね。その見せ方次第では人は集まるんだよというふうに言うんですね。敷居を低くし、開かれた美術館と交流館というのがコンセプトであったというところからスタートしたと言われているんです。
また、美術館は確実に町をよみがえらせるというふうに言います。以前、僕はニューヨークの例をとりまして話をさせていただきましたけれども、文化が町を変えるんだと。金沢は駅と美術館を結ぶ道をアートアベニューというふうにして、そして町を活性化することができたというんですね。
その本の中にも出ていました。経済学者のガルブレイス博士はこう言ったと。これからの日本はGNP、グロス・ナショナル・プロダクトではなくてGNEだ、グロス・ナショナル・エンジョイメントを伸ばすべきなんだというふうに言われたと。どうしたらもっと楽しめるかという知的産業に日本は取り組まなければならないというふうに言われたと。経済が文化を支えるのではなくて、文化が経済を活性化して豊かにするのだと。
世田谷区においても大胆な工夫が必要なときだと思うんですね。ここ数年、都心には国立新美術館もできましたし、民間の美術館も活発に活動しており、環境としては非常に厳しいものがあるというふうに思います。それだけに、世田谷らしさをどう出すか。公立美術館という厳しい予算のない中でどう工夫をして、国や都や民間に負けない展覧会を実施するかは難しい問題だというふうに思うんですが、しかし、見せ方の工夫、工夫次第でいいものができるんじゃないかと思うんですね。
かけられるお金は当然限度があるでしょうけれども、海外の作品をしょっちゅう持ってくるというわけにいかないと思いますが、ルソー展のように黒字になったお金を生かして、区民が足を運びたくなるような魅力的な展覧会を知恵や工夫を絞って実施してほしいと思いますが、お考えはありますでしょうか。
◎堀 生活文化部長 私どももルソー展のような魅力的な企画展が毎年できればいいなと思っておりますが、今回のルソー展は十二万人ということで、大変人気を博したと思っております。これはタイトルに見られますように、「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢」ということで、企画が大変すばらしかったということが一つあるのと、いわゆる世田谷企画と申しているんですが、この世田谷企画と愛知県立美術館、それから島根県立美術館と連携しまして、全国で展開したということも一つ。それと、お話にありましたNHK、東京新聞といったメディアと連携したということが挙げられるかと思っております。
余談になりますが、このことが評価されまして、私ども学芸員が西洋美術振興財団賞ということを受賞しました。大変うれしく思っております。
ただ、先ほど委員のお話にありましたように、この数年、六本木等にも新しい美術館が出てきておりますし、指定管理者制度も導入されまして、お話しのように、今まで以上に館の努力が必要な時代になってきたと思っております。
ご案内のように、世田谷美術館の館長、全国の公立美術館連絡協議会の会長も担っております。その館長が常々申しておりますのは、これからは大型企画展をするのではなく、地域に密着したいぶし銀のような企画展をすべきだと。それと、先ほど委員のお話がありましたように、世田谷美術館は全国の公立美術館をリードしていかなくてはいけないということをおっしゃっておりますので、大変厳しい現状ではありますが、この考え方に立ちまして、今後も美術館が魅力的な企画ができるよう支援していきたいと思っております。
◆高橋昭彦 委員 私は文化というのは一種の基盤整備だと思うんですね。道路や水道などがハードの基盤整備だとすれば、文化は心の基盤整備だというふうに思うんです。ソフトの基盤整備、文化がなければ暮らしも殺風景になりますから、ぜひ力を入れていただいて、すべての区民が一度は世田谷美術館に行ったことがあるというような敷居の低い美術館を、ぜひとも今後も期待しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
だんだん時間がなくなってきましたけれども、文化をもう一点だけ聞かせていただきたいと思います。
何回も議会で触れました世田谷芸術月間、「世田谷芸術百華」というのがいよいよ始まりまして、今開催されております。まだ気が早いんですけれども、今回は五十事業ですか、もう少し派手にやれるとよかったかなというふうな気がして、事業自体がちょっと小さかったかなというような感じもするんです。まだ途中ですので、申しわけないです。
来年度に向けて、この芸術百華をどう育てていくのか、やっぱり世田谷の文化の象徴と言うべき「世田谷芸術百華」だと思うんですね。もっと地域の方々を巻き込めるような、また、区主導というよりも地域主導みたいな、そんなものができないのかなと思っているんですけれども、展望はどのように考えていらっしゃるでしょうか。
◎松本 文化・国際・
男女共同参画課長 芸術百華は、ことしからスタートさせていただいておりまして、文化・芸術を区民の皆様の生活の中で気軽に触れていただけるような環境づくりということで始めさせていただいております。大道芸の出前実施ですとかまちかどコンサート、商店街とアートの事業など、今年度は二十五事業ほど展開させていただいております。
事業が小さいのではないかというようなお話でございますけれども、昨年度、プレ・アートフェスティバルということを実施させていただいておりまして、それを引き継ぎながら今年度スタートしたというような状況がございます。来年度以降も実施してまいりたいと考えておりますけれども、さらに事業数についてはふやしていきたい、このような考えを持っております。
現段階では、今年度実施した事業の中で、大道芸ですとかまちかどコンサートのように既に非常におなじみになっているもの、あるいは人気のあるもの、こういったものの継続、それから、文化財団の事業の中でもこういう開催目的に合致しているものについては、あわせて取り組ませていただく。それから、これから開催していくんですけれども、今年度のアートネットワーク会議、こういったものを予定しておりまして、芸術百華の核となるような新たな事業の取り込み、それから芸術百華の目的に合致した地域の区民主体の事業についてもご参加いただくようなことで、広くアーティストの方、それから文化・芸術の関連で地域で活動されている方々などにご参加いただくような、すそ野の広い取り組みとして育ててまいりたい、このような考えを持っております。
◆高橋昭彦 委員 ぜひ大きく育てて、大きな事業になるように期待をしておりますので、よろしくお願いします。
代表質問でも触れさせていただきました産業政策について、同じ観点で質問してみたいと思います。
産業の発展は即、区民生活のレベルアップにつながります。これから自立都市世田谷の構築のためにも、区内産業が定着し発展することは必要不可欠であります。
代表質問でも触れましたけれども、世田谷区は全国でもトップクラスの福祉の町であります。世田谷区の福祉は日本のモデルケースでもあります。これからの少子・高齢社会の中で、産業政策として福祉産業を主要な産業として位置づけていく必要があるというふうに述べさせていただきました。産業政策部としての見解を伺います。
◎内田 商業課長 区内の産業の多くは、区民の日常生活を直接支えております。その中で福祉サービス事業は、介護保険制度の導入にあわせまして、さまざまな事業者がサービスの新たな担い手となっておりまして、雇用の創出、そして経済活動の一翼を担っていることから、産業としての位置づけがあるものと認識してございます。
今後も進展する少子・高齢社会における区民ニーズに対応するためには、お話しの福祉サービス事業等も区の主要な産業の一つとして位置づけまして、産業ビジョン、そしてそれを具体化する産業振興計画に反映していきたい、このように考えております。
◆高橋昭彦 委員 では、その区民生活を支えているこの福祉産業というのをどのような視点で支援ができるのか。例えば大学や企業と結んでいくということが必要だと思うんです。交流をすることによって新たなビジネス展開というのが生まれる可能性もあります。
また、区民の生活を安定的に支えるために不可欠な福祉産業には、人材をいかに確保できるかというのが今喫緊の課題にもなっています。産業政策部のノウハウを生かせるのではないかと思いますが、お考えを伺います。
◎小田桐 工業・雇用促進課長 ただいま申し上げましたように、福祉サービス事業が重要な役割を担ってくるだろうという中で、国、都においては産業交流展、そういったもので医療、福祉に関する部門を独立させてビジネスマッチング等をするというような力を入れており、また、区においても社会福祉事業団が区内の福祉サービス職員の合同就職面接会を行うなど、福祉産業にかかわるさまざまな支援、動きが出ております。
産業政策部といたしましても、今後の産業施策における重要テーマとして、ご提案いただきました産学公連携とか、福利厚生も含めた人材の確保策、そういったものについて、社会福祉事業団や産業振興公社と連携して、地域へのビジネスマッチング、福祉サービスの安定したサービス提供、そういった観点から取り組んでまいりたいと考えております。
◆高橋昭彦 委員 成城に子育てステーションというのができました。若いお母さん方が集まって、商店というか、そういう周りに人の活気が生まれる状況があります。これからの少子・高齢社会の中では、そういった商店街の中に、高齢者や子育て中のお母さん方が立ち寄れるような施設があることが大事なんだろうと思うんですね。そういう意味では、NPOや民間の誘致など、商店街活性化のためにもしっかり連携をとっていただきたいと思います。
最後にお聞きしますが、何よりも産業政策より見た福祉、産業政策部長はもともと子ども部長もやられていて、福祉畑も経験された方ですから、そういう意味では、福祉領域との連携というのが、これはもう一番大事な観点になってくると思うんですけれども、この福祉との連携の中でどうやってこの福祉産業を位置づけて、そして、ここをどう結びつけていけるのか、部長の考えを最後にお聞かせいただきたいと思います。
◎田中 産業政策部長 私は福祉のほうからこちらへ来て、福祉のときには措置から選択へという、確かにその渦中にいたわけですけれども、こっち側に来てみると、産業の支援の面からすると一つポイントがあって、産業とか商業者というのは、ほかとは違って日々選ばれるという要素があるわけですね。選ばれないと自分の生活が成り立たないという緊張感の中にあるわけで、それが経営感覚ということになると思うんですけれども、そのことが福祉産業のほうでどれだけぱかっとはまっていくかというのが非常に一つの問題に思っているんです。
一方で、福祉産業はサービス供給が安定的に供給されていなくちゃいけないから、選ばれるためには別のこともやらなくちゃいけないけれども、きちんと安定していなくちゃいけないという、そういう経営感覚と福祉理念がどうやって産業の中にはまっていくかということについて、産業政策部としてはきちんとルートをつくっていく。それから、前も出ましたけれども、障害者の雇用みたいなことについては、きちんと収益が上がるようなルートをつくる。こういうことについて、じっくり福祉部門と連携をとってみたいと思います。
◆高橋昭彦 委員 以上で質問を終わります。
○新川勝二 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。
──────────────────
○新川勝二 委員長 以上をもちまして本日の質疑はすべて終了いたしました。
本日の委員会はこれにて散会いたします。
午後六時七分散会...