世田谷区議会 2006-03-22
平成18年 3月 予算特別委員会-03月22日-06号
平成18年 3月
予算特別委員会-03月22日-06号平成18年 3月
予算特別委員会
平成十八年
予算特別委員会
予算特別委員会会議録第六号
日 時 平成十八年三月二十二日(水曜日)
場 所 大会議室
出席委員(四十八名)
委員長 原田正幸
副委員長 竹村津絵
副委員長 小泉たま子
赤沢雅彦
石塚一信
五十畑孝司
大場康宣
川上和彦
小畑敏雄
宍戸教男
下山芳男
新川勝二
鈴木昌二
新田勝己
畠山晋一
平山八郎
山内 彰
飯塚和道
板井 斎
市川康憲
岩本澈昌
栗林のり子
佐藤弘人
高橋昭彦
谷 逸子
長谷川義樹
増田信之
諸星養一
あべ力也
稲垣まさよし
桜井純子
桜井征夫
すがややすこ
西崎光子
羽田圭二
山木きょう子
吉田恵子
大庭正明
田中優子
富永早苗
岸 武志
里吉ゆみ
中里光夫
下条忠雄
木下泰之
上島よしもり
上川あや
青空こうじ
出席事務局職員
議事担当係長 秋元勝一
出席説明員
助役 平谷憲明
世田谷総合支所 街づくり部長
大塚保道
街づくり部参事
浅見 保
土木課長 杉本義徳
北沢総合支所
街づくり部長
安水實好
街づくり課長
吉村靖子
街づくり部副参事
辻 裕光
土木課長 桐山孝義
玉川総合支所
街づくり部長
春日敏男
街づくり課長
北川秀雄
土木課長 安藤武男
砧総合支所
街づくり部長
井伊和子
街づくり課長
窪松泰幸
土木課長 五十嵐慎一
烏山総合支所
街づくり部長
伊澤 節
街づくり課長
野徳浩保
土木課長 小野田 眞
政策経営部 財政課長 宮崎健二
都市整備部 部長 株木孝男
都市計画課長
中杉和明
街づくり推進課長
男鹿芳則
副参事 渡辺正男
建築調整課長
工藤健一
建築審査課長
内田博愛
交通企画課長
草野智文
住宅課長 板谷雅光
道路整備部 部長 板垣正幸
土木管理課長
吉田 博
土木調整課長
山口浩三
道路計画課長 青山雅夫
用地課長 城倉 茂
道路事業推進担当課長
直井基次
交通広場整備担当課長
近江善仁
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本日の会議に付した事件
議案第一号 平成十八年度世田谷区一般会計予算
議案第二号 平成十八年度世田谷区
国民健康保険事業会計予算
議案第三号 平成十八年度世田谷区
老人保健医療会計予算
議案第四号 平成十八年度世田谷区
介護保険事業会計予算
議案第五号 平成十八年度世田谷区
中学校給食費会計予算
(
都市整備委員会所管分に対する質疑)
────────────────────
午前十時開会
○原田正幸 委員長 ただいまから
予算特別委員会を開会いたします。
────────────────────
○原田正幸 委員長 本日は、
都市整備委員会所管分の予算審査を行います。
それでは、質疑に入ります。
日本共産党、どうぞ。
◆里吉ゆみ 委員 おはようございます。私からは、まず初めに、区の住宅政策についてお伺いしてまいります。
これまで何度も質問をしてまいりましたけれども、特に高齢者や障害者の方など、住宅を探すのに本当に苦労されている方が区内にたくさんいらっしゃいます。こうしたもとで、区営住宅の申し込みも大変多いわけですけれども、例えば平成十七年の六月の募集でも、このときに区営住宅の空き家募集は、一般世帯でも十四戸の募集に対して六百五人の方が応募する、平均倍率は四十三倍、中には百七十三倍というところもございました。ここに対して、行政がどう援助するのか、このことがますます求められていると思います。
ところが、現在、政府が国会に出しています住生活基本法という法案があるんですけれども、これは居住者や国民の権利が全く登場しない不十分なものです。これまでの
住宅建設計画法と住宅建設計画が廃止されて、公共住宅の供給に関する政府目標がなくなるわけです。これまでも政府は住宅に関する公的責任を大きく後退させて、公営住宅、公団住宅は新規建設は行わない、また、住宅金融公庫の融資も縮小、廃止するなど、住宅の供給も、住宅取得のための金融も市場任せ、民間任せにしてきました。今回の法案は、それを追認、固定化することを、今後の日本の住宅政策の基本指針とする内容であり、本来あるべき基本法とは相入れないと考えます。
今、
耐震強度偽装事件や、自然災害、またホームレスの増大を初め、住まいに対する国民の不安と不満は深刻です。民間任せや自己責任を基調とした現在の住宅政策を、住まいは人権という立場に立った住宅政策にすることこそ必要だと考えます。
本来、住まいは生活の基準であり、憲法二十五条が保障する生存権の土台です。住まいが人権であることは、世界人権宣言や、日本も批准している国際人権規約でも認めています。
一九九六年に採択した
イスタンブール宣言は、負担可能な費用で、安全で健康的な住宅に住む国民の権利や、住宅環境改善への住民参加など、国民の適切な住まいに住む権利を確認しました。安価で良質な公共住宅が一定のシェアを占めれば、それは民間の住宅にも影響を与えて、結果として国民全体の住生活の改善、向上へとつながります。
国が今出している法案のように、公共住宅の供給を
セーフティネット対策に矮小化すれば、全くの救貧対策となって、国民の居住を保障することにはなりません。貧困化や格差社会が問題となっている今、公共住宅の役割はますます大きくなっています。既存の公共住宅の改善や安価で良質な公共住宅の供給にこそ取り組むべきです。
こうした考え方は、世田谷区が一九九〇年に全国に先駆けて制定した住宅条例にも通じていると思います。住宅条例では、住宅の水準や住環境の水準を適切なものに引き上げることや、住宅の供給や区民等に対する援助を定めています。
そこで、世田谷区第二次
住宅整備後期方針の案が示されていますが、安価で安心して住める賃貸住宅を求める区民が多数いる中で、特にこの供給をどう進めるのか、これが今区に問われていると思います。障害者や高齢者の方々は公的住宅の供給を何よりも望んでいます。
住宅整備方針で、区が推進する住宅として都営住宅の移管受け入れや
借上げ公営住宅が挙がっています。前回、こういった問題について私は質問しましたが、その答弁では、多様な手法で供給してきたと。国が公的賃貸住宅の整備に関する基本方針で、新規建設から既存ストックの有効活用や民間市場の活用等に方向転換している、新規建設は難しいという答弁でした。しかし、区の計画には
借上げ公営住宅も方針としてきちんと載っています。
住宅の実数をふやす計画として、この
借上げ公営住宅などをふやす必要があると考えますが、区としての住宅の供給をどのようにふやすつもりなのか、このことについて、まずお伺いします。
◎板谷 住宅課長 今委員のお話がありましたように、国においては、今国会で
住生活基本法案が提出されています。この中身といたしましては、一九六六年以来、
住宅建設計画法に基づきまして五年ごとの建設目標を定めて進めてまいりました。つまり、量の確保ということを進めてまいりました。ところが、住宅のストックは、今や総世帯数、
オールジャパンですけれども、上回っています。また、総人口は昨年より減り始め、世帯数も間もなくというか、もう既に減少に転じております。こうしたことを背景に、国においては量より質へということで、今回、昨年度の住宅関連三法に続き、住生活基本法が提出されております。
こうした中で、国の方でも
三位一体改革等により補助の削減ということで、区の住宅施策も厳しく影響を受けております。
借上げ公営住宅をふやすというご提案もありますけれども、この中でどういうふうに住宅の供給を確保していくか、区にとっては緊急であり、難しい課題であります。
これまで都営住宅の優先移管、あるいは既存ストックの有効活用ということで、
バリアフリー改修を積極的に進めてまいりました。また、公的住宅だけでは供給が間に合いませんので、居住支援事業を立ち上げ、これまでその普及啓発に努めてまいりました。
今後ともそれらの手法をいろいろ絡めまして、積極的に供給数の確保に努めてまいりたいと思います。
◆里吉ゆみ 委員 都営住宅の移管受け入れを進めて、バリアフリーにしているのはよく存じ上げているんですが、これだと、区内の公営住宅の数はふえないわけですよね。公営住宅をふやすという計画は、国はもう持っていない。だから、世田谷区としては今大変苦しい立場なんだというご答弁だったと思うんですが、区としてはいろいろな手法を使って公営住宅をふやす予定はないのか、そういうつもりはないのか、その区の姿勢が今すごく問われていると思うんですが、そこについて、再度お伺いしたいんですが。
◎板谷 住宅課長 住宅施策は、本当に区民の基本的な生活の中で大切なことです。特に行政においては、比較的所得の低い方、あるいは障害等いろいろなご事情の方、そちらの方々に優先的に供給することが、区にとって大切な責務であると認識しております。
繰り返しになりますけれども、これまでもあらゆる手法で住宅の確保に努めてまいりましたので、今後とも積極的に進めてまいりたいと思います。
◆里吉ゆみ 委員
借上げ公営住宅というのが、ここの住宅整備目標に書いてあるんですが、こういうやり方については進める計画ということでよろしいんですか。
◎板谷 住宅課長 先ほども申し上げましたように、国等の施策転換もありまして、
借上げ公営住宅には助成金の削減等厳しい背景がございます。その中で何とか進められないのか、一生懸命検討してまいりたいと思います。
◆里吉ゆみ 委員 国の政策も本当にひどいと思うんですけれども、地方自治体として、区民の住宅確保に向けてきちんと公営住宅をつくる、確保するという住宅条例をつくっている区として、その立場でしっかりと取り組んでいただきたいということを要望しておきます。住まいは人権という立場で、この条例にのっとって、区は住宅政策をぜひ進めていただきたいと思います。
続いて、福祉所管でも聞いたんですが、精神障害者の住宅支援について伺ってまいります。
公営住宅の確保とあわせて、
民間賃貸住宅があいていても、精神障害を理由に入居できないというケースがまだまだ多いのが現実です。社会的入院をしてきた方は保証人もなく、住宅を探すのは本当に困難です。
昨年の九月の一般質問に対して、居住支援制度の普及と充実に向け、区の
保健福祉領域の関係所管とともに、民生委員や仲介事業者の方々、
精神保健福祉関係の方々と、研修会を初め意見交換、情報交換などを行っている、こういう答弁をいただきました。しかし、実際には、今でも何件も不動産屋さんを回っても、区の住宅支援制度の紹介をしても住宅が見つからない、こういう話を私は伺っております。高齢者の方も一緒ですが、本当にご苦労されて住宅を探されています。
第二次
住宅整備方針の中にも居住支援制度の問題点などを書いています。これはきちんと住めるようにするために、区は解決を行う必要があると思うんですが、区はこの解決に向けてどう取り組んでいくおつもりなのか、お伺いします。
◎板谷 住宅課長 居住支援制度は、保証人がいない、入居後の生活が不安等の理由で、
民間賃貸住宅に入居しにくい障害者や高齢者等を対象に、入居や継続居住を支援するため、平成十三年度に事業開始しております。三月一日現在、実績は百十三件となっております。
事業開始後、保証料の半額助成、信用保証会社の複数化や、福祉領域との連携強化により
電話訪問サービスを開始するなど、これまでも保証内容やサービスの向上に努めてまいったところです。
今後とも制度の普及を目指し、福祉領域や関係機関等との連携の強化を図ってまいりたいと思います。
◆里吉ゆみ 委員 精神障害の方が
民間賃貸住宅に入るときに、この居住支援制度のパンフの中に、区としての対応、こういうことをやりますということも記載してほしいという声を多く聞くんですね。保健所ですとか
保健福祉センターときちんと連携する旨を、この制度をパンフレットなどにも書き込むし、説明するときにも、それをきちんと説明するということを具体的に行っていただきたいんですが、具体的にそういった対応はとれないんでしょうか、お伺いします。
◎板谷 住宅課長 今、精神障害者の方のサポートということでお話がありました。
精神障害者の方々の
民間賃貸住宅への入居を進めるためには、まず家主の方のご理解、仲介事業者や近隣の方々等の理解と協力を得ることも不可欠です。
平成十六年度より、区の
保健福祉領域の関係所管とともに、民生委員や仲介事業者の方々、
在宅介護支援センターや
精神保健福祉関係の活動団体の方々等と、研修会開催を初め、意見、情報の交換を行っております。今後も関係者の方々と連携協力を進める中でやっていきたいと思います。
パンフレットのことでご提案がございましたけれども、現在のパンフレットについても、制度を利用できる方として、精神障害者の方ということも明記してございます。ご提案につきましては、関係所管と検討を進める中で、検討を図ってまいりたいと思います。
◆里吉ゆみ 委員 パンフレットを見た利用者側が、私も使えるんだなと思うのもすごく大事なことなんですけれども、パンフレットを見て、大家さんですとか不動産屋さんの貸す側が不安を解消して、少しそのことについて一歩踏み出してみようかなと思えるかどうか、そこが大事だと思うんですね。
来年度から、世田谷区としても福祉領域の方で精神障害者の方の退院促進の事業を始めるということですから、それにあわせて、ぜひ取り組んでいただきたいと思うんです。この第二次
住宅整備後期方針の中にも、安全・安心の住まい・まちづくりの推進ということが書いてありまして、そこにも
バリアフリー化ですとか、それから福祉領域との連携などもいろいろ書かれているんですけれども、具体的にどのように進めていくつもりなのか、改めてお伺いします。
◎板谷 住宅課長 第二次
住宅整備後期方針では、安全・安心の住まい・まちづくりの推進といたしまして、住まいの確保、居住継続の支援と、防犯・防災への取り組みを主な内容としております。
この進め方なんですが、今委員がお話しになっています精神障害者の方に関して申し上げますと、今回、公営住宅への精神障害者の単身入居が法改正により可能となりましたけれども、区営住宅等だけではストックが少なく、対応がすごく難しいと考えております。
区では、
民間賃貸住宅の活用や、都営住宅、住宅供給公社による公的住宅の建てかえ時に、グループホームの設置要請や誘導を図っております。
また、安全・安心の住まい・まちづくりの実現には、ハード面の整備だけではなく、地域のコミュニティーの自主的な支えあい活動の育成と、
保健福祉領域との
ネットワーク化といった、ソフト面の充実も大変重要なことです。今後も関係所管と協議を進めてまいります。
◆里吉ゆみ 委員 ぜひ近隣の方も含めて理解を進めるためのさまざまな努力、関係所管と協力して行っていただきたいと思います。
そして具体的には、やはりパンフレットなどに、何かあったら地域の
保健福祉センターが対応します、ぜひご相談くださいなどきちんと明記して、区としてもきちんと取り組んでいるという姿勢を表に出していただきたいと思います。
次に移ります。次は、駅の
バリアフリー化についてお伺いしてまいります。
来年度予算なんですが、新たに駅舎の
エレベーター整備の促進として、上北沢駅、代田橋駅の計画が示されています。まず、この二つの駅が
バリアフリー化できることになった、その経緯についてお伺いします。
◎草野
交通企画課長 この二駅が今回計画として挙げられているわけでございますけれども、鉄道事業者と駅の
バリアフリー化につきまして協議を行っております。この中で、
バリアフリー化のための
エレベーター等の設置、この具体的な計画の見通しがついたものにつきまして、鉄道事業者からの要望を受けまして計画にのせているということでございます。
◆里吉ゆみ 委員 鉄道事業者からの要望を受けて行うということなんですけれども、
交通バリアフリー法で、既存鉄道駅の
バリアフリー化については、二〇一〇年までに
移動円滑化基準に適合するよう努力義務が課せられているわけですね。
そうしたもとで、世田谷区としては一年一駅ずつの計画が示されていたと思うんですが、それを上乗せして、今回、二駅やるという計画なんですが、今後その計画について改善する駅をふやしていく、そういうことでよろしいのかどうか、お伺いしたいんですが。
◎草野
交通企画課長 バリアフリー化につきましては、委員ご指摘のとおり目標年次がありまして、努力義務というものが鉄道事業者に課せられております。区としては、実施計画におきまして年度一駅という補助を挙げておりますけれども、
バリアフリー化推進の観点からは、これを最低目標として取り組んでおります。
なお、予算の計上につきましては、その時々の社会情勢など諸状況を踏まえながら対応してまいりたいと考えております。
◆里吉ゆみ 委員 当初、その一年一駅では、二〇一〇年までに世田谷区じゅうの駅の
バリアフリー化はできないのではないかということで、私も所管に申し上げましたけれども、ぜひこのように進めていっていただきたいと思うんですね。
区としては、もちろん区がやるわけではないですから、鉄道事業者との話し合いなんですが、二〇一〇年までにすべての駅を
バリアフリー化する、こういう立場で、ぜひ話し合いを進めていっていただきたいと思うんです。
私、千歳烏山駅の
バリアフリー化については、これまで何度か質問してまいりましたけれども、鉄道事業者と話し合っていくという答弁で、なかなか前に進まないんですが、スロープがあるので、そこのスロープを使って、
車いすスロープが使われているところに自動改札をつけるなどして
バリアフリー化を進めれば、既存駅を残したまま、大規模な改修をしないでできるのではないか、再三、こういう提案もいたしました。
それに対して区の答弁は、スロープの利用については、利用者の安全性と利便性を確保するために、既に設置されているスロープの利用拡大ができないのか、鉄道事業者である京王電鉄に対して要請を行ってきた。どのような
バリアフリー化の対応ができるか、引き続き検討を要請していくということで答弁をいただいたんですが、その後、千歳烏山駅についての区と鉄道事業者との交渉というかお話し合いはどうなっているのか、お伺いします。
◎草野
交通企画課長 千歳烏山駅におきましては、委員ご指摘のとおりスロープが設置されておりますが、
バリアフリー化は図られていない状況がございます。この中で、エレベーターの設置等につきましては、駅構造上、なかなか難しいというようなお話を伺っております。
スロープの活用につきましてでございますが、スロープは
車いす利用者対応とされているところでございます。ただし、お客様の、利用者の申し出によりまして、駅係員の業務に支障のない限り、ベビーカー、それから大きな荷物、この辺の搬送については手伝いをするというような駅の対応をとっているという回答を受けております。
◆里吉ゆみ 委員 ベビーカーについては、私、お母さんたちと一緒に、直接千歳烏山に行って交渉したんですね。それで、ベビーカーの人は、本当に大変であれば、あそこを使っていいですよというふうに言っていただいたんですけれども、あそこのスロープは坂が急で、電動車いすだったら入れるんだけれども、手動の車いすだと一人では上れないという高齢者の方もいらっしゃるんです。ですから、車いすの方にとっても、スロープさえあればいいという状況ではないんですね。
急行駅ですし、烏山総合支所があって、
保健福祉センターがあって、ゼロ歳児健診で赤ちゃんを連れたお母さんが来る。それから福祉の相談に来る。世田谷区にとっても、千歳烏山駅というのはそういう主要駅だと思うんですが、これについての
バリアフリー化、区として本当に二〇一〇年を待たなくてもいいんですけれども、一刻も早くやってほしいということで、優先的にやっていただくということで交渉していただいているのかどうか、再度お伺いします。
◎草野
交通企画課長 千歳烏山駅につきましてでございますけれども、ほかの駅も
バリアフリー化されていないところがございます。これらとあわせてでございますけれども、早期の
バリアフリー化の実現に向けて、事業者と協議を行ってきております。今後も引き続き行ってまいりたいと考えております。
◆里吉ゆみ 委員 ほかの駅も全部やれればいいんですけれども、それをやることを考えながらも、やはり本当に多くの区民が不便を強いられているということで、一刻も早く進めるように、区としてきちんと事業者に申し上げてほしいと思うんですね。これは事業者が決めたから、二つやると決まったということで、上北沢と代田橋を聞きましたけれども、区としてもっと強く、一番区民の利用が多いところ、まだ
バリアフリー化されていないところをするべきだというふうに言っていただきたい、このことを強く申し上げまして、質問を終わります。
○原田正幸 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。
────────────────────
○原田正幸 委員長 引き続きまして、世田谷改革派、どうぞ。
◆下条忠雄 委員 くどいようだけれども、また砧の支所の建てかえ問題。
きのう、共産党が「砧支所建てかえに四十億円 本庁舎は数百億円に」、いろいろ書いてあるね。「区役所建てかえより」。だけれども、この中身を見ると、「オール与党は庁舎建てかえを推進」、自民委員は「いっそのこと、ここで思い切って改築をしていっていただきたい」、公明は「改築というのはやむを得ないのではないかというスタンスでございます」、民主、ネット、社民は「もう建てかえるということをはっきりと示すべきです」、こう書いてあるんだけれども、私のことを、これはまた書いてないんだよな。全然書いてないんだよ。何か共産党だけが全部やっているように書いてあるんだよ。無視するなよ、ちゃんと区民の信託を受けて当選してきているんだから。
それで、去年の八月二十二日の庁舎問題の特別委員会で、最終的に中里委員がこう言っているんですよ。「住民の方に広く情報公開していって、本当に住民が望むような庁舎のあり方をぜひ進めていただきたいと思うんです。改築するにしても、やはり住民の声をよく聞いていかなければいけない」「区民にその情報も返しながら、区民とキャッチボールしながらまとめていくというような作業が必要だと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか」、これは容認をしているんだね。
それで、それに溝口砧総合支所区民部長は「今お話がありましたように、今後の基本構想に当たりましては、住民の声あるいは利用者の声をよく聞きながら、そこをよく受けとめながら、今後基本構想等では進めていきたいと考えております」。
ということは、あなた方はこの委員会では共産党も含めすべて了解したというふうに受けとめているんじゃないですかな、どうですか。簡単に言ってくれ。
◎窪松 砧総合支所
街づくり課長 区といたしましては、砧の支所の建てかえについて、おおむねの了解をいただいていると認識しております。
◆下条忠雄 委員 私は了解していないんだ、これに入っていないからね。
それから、私は、去年の第三回定例会、それから第四回定例会、これは一般質問が二回あった。最後は言論の自由の問題だったけれども、私はこの問題について取り上げました。決算委員会の質疑はほとんどこれに費やしたんですよ。これを反対したのは私が本家本元なんだ、そのとおりだろう。
そういうことで、この問題について、私はこれは心血を注いで追及した。自民党からは反省しろだとかなんとかっていろいろ脅かされたよ。戦ったんだ、戦ったんだ。戦わない共産党が、何か知らないけれども、これは横取りをして、人のものを盗んで、こういうようなビラを配って、私どもがやりましたという、そういうふうに、どうも共産党はよくこういう汚い手を使うんだよ。これには私は怒り心頭に達したな。(「そのとおりです」と呼ぶ者あり)そうだろう、そのとおりだろう。そういうことをやるから、共産党は信用されないんだよ。どこの党にも信用されない、それはこういうことをうそをつくから。党中央でこういうふうにやれと言われたんだろうと思うけれども、しかし、これには私は怒り心頭に達したね。こんなことが、あなた、政治の世界というのは魑魅魍魎がばっこしているけれども、これはけしからぬことだ。
これは、あなた方に共産党の批判をしろといっても、それは全体の奉仕者だからな、それはあれだけれども(「共産党から答弁もらった方がいいよ」と呼ぶ者あり)答弁といったって、あっちに座っているから行かない。
そういうことで、本論に戻るけれども、まずこれについては納得ができない。私は総括的に第三回定例会の意見として、この問題についてはずうっと総括をした。これについて、あなた方はどういうふうに思う。読んでいないか。
◎窪松 砧総合支所
街づくり課長 砧総合支所につきましては、平成十三年度の耐震診断の結果、耐震性に問題があるという結論を得まして、その後、新庁舎の整備検討会を立ち上げ、その中で建てかえ、改修等の議論をいろいろ示して検討し、その後、議会に改築の方針についてお示ししてきた次第でございます。
◆下条忠雄 委員 耐震問題も、道路問題も、バリアフリーの問題も、これは三点セットだよ。あなた、すべて改修で解決できるでしょう。峯田財務部参事は私の質問に対して、平成十三年の耐震診断でIs値をクリアできるという診断結果が出ております、こう言っているんだよ。それから、あなた、窪松さんか、バリアフリーの改善を図るのであれば、昇降機を設置する必要があると認識していると。私は段差解消機でいいと言ったら、昇降機でできる、こう言っているんだよ。それから道路問題は、あなた、階段から道路まで五メートルあるでしょう。今、成城学園が二メートルセットバックしたよ。二メートルセットバックすれば、それでストレートにつながる。あなた、これはすべて解決できるんじゃない。あと残るのは建設業者に対する利益誘導だけだよ。
私は劇辛新聞というのを、これは何というかあれだけれども、浜松の私の高校の同級生がちょっと関心があるようだから送ったら、世田谷区というのは裕福ですね、四十億円の金が右から左にぽんと出てくる。浜松市はそんなことはないですよと言っていたね、大変だと。
きのうだって、あなた、テレビでやっていたけれども、鹿児島県で、前にビルを建てると十億円で、その土地に建てさせないようにするといったら、住民運動ができて、監査請求まで出て、あなた、十億円使うんだって大変なんですよ。ぱっと四十億円なんて、三億円か四億円でできるものを四十億円かけるなんていうのは、これはまさに愚の骨頂だよ。
まだ建てて三十五年だよ。耐震補強工事をすれば、あと十五年ということはないんだよ。もっと延びるんだよ。あなた、三越だって、伊勢丹だって、七十何年も耐震補強工事でもっているじゃない。そういうばかな税金の使い方をしちゃいけないよ。あなた、助役は下を向いているけれども、時間がない……。時間がないみたいだ、残念。
○原田正幸 委員長 以上で世田谷改革派の質疑は終わりました。
────────────────────
○原田正幸 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。
◆木下泰之 委員 砧の庁舎建てかえ問題では、私も反対しているということについて、ここで表明しておきます。とりわけまちづくり交付金の問題も絡めて質問しておりますので、一応その点はここで主張しておきます。
それから、きょうは小田急線と下北沢のまちづくりの関係ですけれども、基本的なことについてちょっと聞いておきたいと思います。
梅ケ丘駅~代々木上原間の連続立体交差事業に当たって、建運協定上で定義されている二本の交差道路とは補助五四号線と補助二六号線であるとの答弁を以前いただいておりますが、そう解釈したと、こちらでは評価しておりますけれども、そのとおりですか。
◎草野
交通企画課長 委員ご指摘のとおり、補助五四号線及び補助二六号線、これが連続立体交差事業におきます幹線道路に該当しております。
◆木下泰之 委員 そうしますと、この区間には環状七号線も通っているんですよ。環状七号線と補助二六号線の二本でも成り立つのではないかというふうにも思われるんですけれども、これは環七が含まれない理由は何ですか。
◎草野
交通企画課長 この点、東京都に確認いたしましたところ、環状七号線につきましては立体化が既に完成しているということで、道路と鉄道の立体化を目的とします、当事業における幹線道路には該当しないと聞いております。
◆木下泰之 委員 そうしますと、建運協定上の定義としては、補助二六号線と補助五四号線の二本が必要であるという認識ですか、改めて確認します。
◎草野
交通企画課長 補助五四号線と補助二六号線が幹線道路に該当するということでございます。
◆木下泰之 委員 それで、連続立体交差事業の事業採択というのがありますね。この事業採択というのは何を指すんでしょうか。
◎草野
交通企画課長 事業採択につきましては一連の手続という認識をしておりまして、国が当該事業、今回は連立事業でございますが、これを国庫補助の対象事業として認めるか否か、その意思を示すものであるというような認識をしております。
◆木下泰之 委員 よく国の国庫補助についての事業採択がされましたというような言い方をしますよね。そのされたという時期は、この代々木上原~梅ケ丘の間については、いつを指して言っているんですか。
◎草野
交通企画課長 当該区間につきましては確認しておりませんが、連立事業におきましては着工準備採択というものが行われるということを聞いております。
◆木下泰之 委員 その準備採択って、時期はいつですか。
◎草野
交通企画課長 通常は、都市計画決定、それから環境影響評価などの着工準備の前に受けるというふうに聞いております。
◆木下泰之 委員 そうすると、計画のアセスと案が出たのは、これは平成十五年でしたっけ、十四年でしたっけ。
◎草野
交通企画課長 申しわけありませんが、その時期の詳細については資料がございませんので、お答えできません。
◎安水 北沢総合支所
街づくり部長 委員のご質問の年度は十四年だったと思います。
◆木下泰之 委員 前にも聞いたんですけれども、採択要件が緩和されたというのがあって、前は建運協定上の二本の道路が幹線道路に交差していないと認められなかったのが、踏切の遮断時間等で満たせば緩和して、それは通るということが平成十二年度に決まっていますね。これは採択条件の緩和なんですけれども、そうしますと、採択に当たっての要件として、補助五四号線は必ずしも必要ではない道路になっていたという認識でよろしいんですか。
◎草野
交通企画課長 この区間につきましては、先ほど申し上げたように、二本の道路を幹線道路として該当させているということを聞いております。
◆木下泰之 委員 ですから、平成十二年度の規制緩和というのはご存じですよね。この前、それは理事者側がお答えになっていますけれども。
◎株木 都市整備部長 委員のご指摘は、確かに平成十二年に拡充等行われておりますけれども、その場合、踏切等の総合対策プログラムの策定等を条件とした緩和でございまして、当該区間につきましては、この拡充制度によらずに、従来からの基本形で採択されたというふうに東京都から聞いてございます。
◆木下泰之 委員 しかし、これについて、都市整備部長は、当時は知らなかった、世田谷区は認識していなかったというふうにおっしゃっているけれども、そういう制度等もきちっと勘案してみれば、必ずしも補助五四号線が必須の条件であるということにはならなかったわけで、そういったことについて、例えば街づくり懇談会の方々は、そういう認識はなかったんですよね。もしそういうことについて知っていれば、補助五四号線を通さずとも、小田急線の連続立体交差事業と下北沢のまちづくりが両立する、そういうことになったんじゃないんですか。
◎辻 北沢総合支所街づくり部副参事 補助五四号線につきましては、既に昭和二十一年に都市計画決定いたしておりました。その後の変遷はありましたが、その中で、下北沢のまちづくりをいかに進めるかということでは、地元の下北沢街づくり懇談会が真剣に取り組んできたところであります。あくまで五四号線は都市計画決定をしていたという事実がございます。
◆木下泰之 委員 この前の質疑の中で私が示しました、世田谷区がトーニチコンサルタントにやらせたアンケートでも、駅前の広場については、それほど広いものは必要ではないというのが多数を占めているんですよ。これに対して街づくり懇談会の方が、これも前に質疑をしていますけれども、そんなに広いものは必要ではないのではないかと言ったところ、これは平成十二年の十月に東京都の連立調査がありますけれども、これでは五千三百平米というのが出ているんですよ。この五千三百平米を導入しないと補助金がおりないというような理由で広さを広くとろうとしているんですね。
これは交通結節点として環七とか補助二六号とつなぐということであれば、広い広場が必要だということになるけれども、必ずしもそうじゃなかったんじゃないでしょうか。それで、つまり懇談会の方々が言うように、それほど広くない広場、これはやはり区が調査をさせたレポートで三百から千九百平米の駅前広場というのが出ているんですね。そういったことでも足りたんじゃないでしょうか、いかがですか。
◎辻 北沢総合支所街づくり部副参事 下北沢の駅前整備に当たりましては、交通結節機能は重要な部分でありまして、交通広場の機能、防災広場の機能、環境広場の機能等をあわせ持ちまして、今日の面積に至っております。
◆木下泰之 委員 昨日も三百名を超える人々が下北沢でデモ行進をやっています。それで、五百十店舗もの商業者協議会に結集した方々が反対の意見を表明されています。それからアンケート調査についても、住民で六〇%が全体計画について反対、商店が四八%も反対しています。こういった中で現計画を事業申請することは、私は断固許すべきではない、そのことを申し上げて、質問を終わります。
○原田正幸 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。
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○原田正幸 委員長 引き続きまして、新保守、どうぞ。
◆上島よしもり 委員 新しい施策であります花いっぱい運動について伺ってまいります。
世田谷区のブランドを維持、また向上していくということを考えたときに、都心の近くにありながら花と緑にあふれるといったことが、この世田谷区にとって大事なイメージになろうかと思っております。それは、公共がすべて用意するというものではなくて、やはり区民、または事業者といった方々と協力して進めていく、そういう運動をどういうふうに巻き起こしていくかということが大変重要だというふうに思っております。
以前、ニュージーランドのクライストチャーチという町を訪れたことがありました。その町は、中心部に小さな川が流れておりまして、町を眺めても、またどの家を見渡しても緑と花でいっぱいの、本当に美しい町でございました。市民一人一人が生活の質というものを大変意識して生活されているということが伝わってきた町であります。
伺ったところによりますと、年に一度、花が美しく咲くころに、市を挙げてコンテストを行いまして、そこで選ばれることは、市民にとって大変名誉とされているということを伺いました。なるほど、お互いに家々が競い合うように美しくアレンジされる町には、そういう仕掛けがあるのだなと感心したことを覚えております。
今回、区がこの花いっぱい運動の中でコンテストを行うという予算案を組まれまして、非常に期待しておるところでございますが、かといって、区民の意識を高めるまでの運動につなげていくには、これは大変難しいといいますか、簡単なことではないと思っております。
そういう思いを持ちながら、幾つか質問をしてまいりたいと思います。
まずコンテストの内容についてなんですが、現在検討中ということでございますけれども、より多くの参加と注目を集めるための工夫が必要であると思います。区内を見渡しますと、花を大切にしている取り組みはさまざまであることから、私は、まず幾つかの部門を設けるべきだというふうに思っております。
例えば、既に想定されているところでしょうけれども、道路や未利用地での取り組みを里親部門、また、それとは別に、商店街や駅前などの公園広場部門、また、個人のお宅でも道路や線路の方に向かってすばらしい花や緑を咲かせているところもあれば、また、マンションや団地でもすばらしいところがあります。そういう意味で、個人宅部門と集合住宅部門という分け方もあると思います。そして、そういった取り組みとは別に、これは花だけではなくて、緑という観点で生け垣部門や屋上緑化部門なども必要かと思います。また、あらゆるカテゴリーにこだわらず、すばらしいアイデアがあれば、アイデア部門というものがあってもいいと思っております。
このようなイメージで、幾つか部門を設けていただきたいと私は思っておるわけですが、こういう考えについてご感想といいますか、ご所見を伺いたいと思います。
◎男鹿
街づくり推進課長 コンテストにつきましては、やはり多くの区民の方が運動に参加するための動機づけが必要だと思っていますので、委員ご指摘のとおり、やっぱりいろんな部門が必要ではないかと思っています。そのあたり、きょうのご意見を聞きながら検討していきたいと思います。
◆上島よしもり 委員 生け垣部門とか、また屋上緑化部門といった、いわゆる花というよりは緑、花も含まれると思いますけれども、その辺については、いかがお考えでしょうか。
◎男鹿
街づくり推進課長 屋上緑化とか生け垣については、なかなか緑ということもありまして、花いっぱいのコンテストに入れるかどうかについてはいろいろと検討が必要なのかなと思いますけれども、運動の中では、やはり緑を広めていくということの中で何かしらとらえていきたいなと思っています。
◆上島よしもり 委員 ぜひ緑という観点も入れていただきたいと思います。
もう一つポイントとしては、私は出張所の協力が必要だと思うんですね。つまり、町内のことをよく知っていらっしゃる、町会と関係の深い出張所ごとに取りまとめを行ったり、これは所管は違いますけれども、まちづくり出張所を盛り上げていくといいますか、活性化の仕組みとしても生かせると思っておるんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
◎男鹿
街づくり推進課長 町内についてはまだ検討段階ということで、体制はできていないんですけれども、やはり身近なまちづくり推進委員の中で緑化部会とかありまして、その緑化部会の方のご協力は必ず必要かと思いますので、そのあたりは考えていきたいと思います。
◆上島よしもり 委員 ぜひ出張所を巻き込んでやっていただきたいと思います。
次に、継続性についてでございますけれども、コンテストといいますか、今回は一年という予算組みというふうに聞いておりますけれども、私は継続的に行って、世田谷のすばらしい花と緑をお互いたたえ合って発展させていくといった、そういう運動につなげていければなと思っております。
もちろんずっと区が直接行うのではなくて、今回、まず区がしっかりとした形をつくって、その後に、例えば新財団に実施主体となっていただいて引き継ぐという形も考えられると思うんですが、その辺のお考えをお聞きしたいと思います。
◎男鹿
街づくり推進課長 コンテストにつきましては、やはりあくまでも花いっぱい運動の動機づけということで、今のところ継続して実施するということは考えてはいないんですけれども、やはりコンテストの結果とか、花いっぱい運動の展開の状況によっては、あるいは実施主体を新しい財団とかということの先ほどの提案も含めて、何かしら総合的に判断した上で考えていきたいなと思っております。
◆上島よしもり 委員 やはり一回限りのイベントのように終わってしまうのは私はもったいないと思いますので、ぜひその辺、さらに検討していただきたいと思います。
その際に、世田谷区が形をしっかりとつくるという部分では、所管を超えた協力といいますか、最低限、区内のすべての公共施設において率先垂範していくという姿勢が非常に重要だと思うんですが、その辺の意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
◎男鹿
街づくり推進課長 この花いっぱい運動に取り組むに当たっては、やはり区内部の取り組みが重要じゃないかなというふうに考えております。職員の中には園芸とかそのあたりの趣味とかを持っている方もおられると思いますので、そういう職員も含めて、やはり公共施設、区が率先してやっていくような体制をつくっていきたいというふうに考えております。
◆上島よしもり 委員 公共施設といいますと、学校もありますし、また、準公共的といいますでしょうか、線路わきなど、こういうところでも、やはり積極的に進めていただきたいと思います。また、大前提として、植栽なんですけれども、植栽で枯れたところ、またはげたところが随所見受けられると思っております。その辺の管理が不十分ではないかと私は思っておりますので、こういう運動をやる際には、しっかりとその辺もやっていただきたいと思います。
もう一つ、区内の事業者の協力も必要だと思っております。
そこで、世田谷区は、既にあらゆる施策を進める上で、区民と事業者の協力連携は欠かせないとしておりますけれども、最近はCSRということで、企業の社会貢献が活発になっております。その事業者に対する呼びかけ、その辺が大事だと思いますが、その辺のお考えをお聞きしたいと思います。
◎山口 土木調整課長 企業の社会的責任、いわゆるCSRでございますけれども、最近活発になってきておりまして、今お話がありましたように道路とかの中でも、逆にこちらから企業者側にアプローチしていくことも必要だと思っておりますので、その辺、今後、企業のCSRの方向性を確認しながら考えていきたいと思います。
◆上島よしもり 委員 時間の関係で、もっと質問したいことはあったんですけれども、ぜひこういう中途半端な形じゃなくて、しっかりと取り組んでいただいて、真の世田谷らしい運動をつくっていただきたいと思っております。ぜひよろしくお願いいたします。
終わります。
○原田正幸 委員長 以上で新保守の質疑は終わりました。
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○原田正幸 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。
◆上川あや 委員 まず、視覚障害者用誘導ブロックの整備についてお伺いします。
本件については、例年、予算審議の中で私取り上げているんですけれども、一昨年の予算審議では、いわゆる既存不適格になるブロックの敷設状況について調査を求めたところです。昨年の予算審議では、その調査結果をもとに、今後五年をめどに改善するというご答弁をいただきました。しかし、細かいデータを取り寄せまして、こちらで考察をしてみますと、なかなか答弁をそのままうのみにできないのかなという気がしています。
昨年の予算委員会では、JIS規格に合わないもの、老朽化したものなどを含めて、六百五十カ所の要改善箇所があるというご答弁でした。しかし、個人的に昨年八月の段階で最新のデータを求めましたところ、要改善箇所は六百九十四カ所にふえておりました。箇所数で区内全体の三五%、面積比で言うと三九%のブロックが不適切なものであるというご説明です。
ところが、土木調整課がまとめました視覚障害者用ブロックの改善計画を取り寄せますと、改良計画箇所は本年度を含む五カ年で三百十六カ所ということです。つまり、不適切と判断された六百九十四カ所あるうち三百七十八カ所、半分以上が、実はこの計画からそもそも抜け落ちてしまっているということです。
まずお伺いしますが、半数以上の不適切箇所を把握しながら、計画に含めなかったその理由をお答えください。
◎山口 土木調整課長 十七年度に定めた五カ年の計画で三百十六カ所というふうになっておりますが、調査の結果、六百九十四カ所でございます。確かにその中でも優先度の高いものを五カ年計画で改善していくということで、この五カ年に載せたわけでございまして、決して残りをそのままにしておくということではございません。
◆上川あや 委員 その残ったものについても、しっかり取り組んでいただけるようにお願いいたします。
今年度の進捗状況についてもデータを提供いただきました。土木調整課がまとめた整備計画では、十七年度、区全体で五十九カ所の改善を図るという計画がつくられておりましたが、実際に改善されたのは、これまでのところ二十六カ所ということです。達成率にして四四%、半分以下ということですね。支所ごとの達成状況を見ると、計画を満たしたのは北沢支所が唯一ということです。世田谷支所は十カ所中三、玉川支所は十六カ所中三、砧が十六分の七、烏山が五分の一という状況で、中身は骨抜きなんですね。
進捗のおくれの原因についてご説明ください。
◎山口 土木調整課長 ちょっと歯切れが悪くなってしまいますけれども、一部入札にかけたものが、協議不調ということで落ちなかったためにできなかったというものもございますし、私どもの全体的な進行管理の中の不適切という部分があったことは否めないのかなと思っているところでございます。
◆上川あや 委員 調べてみますと、本所の土木調整課がこの改善計画を立案し、全体調整をしているということですけれども、実際に予算を持って工事を行うのは、今のところ各支所の土木課という組織体制になっています。
そもそも土木調整課長は五年で改善したいというご答弁をいただいたわけですけれども、予算を持っていない課長が全体の進行管理を徹底させるということは、そもそも無理があるのかなというふうな気もいたしました。
いずれにせよ、五年で改善するというお約束だったわけですけれども、この状況では詭弁に終わるのではないかということを危惧せざるを得ないんですね。来年度、土木の領域では組織改正が行われますけれども、当初のお約束をしっかり守っていただけるのかどうか、この点のご答弁をお願いいたします。
◎山口 土木調整課長 今年度はそういう状況だったわけでございますけれども、来年度になりますと、土木事業担当部ということで、土木事業の計画から設計、工事、それからでき上がるまで、一元的に予算の進行管理を行っていくことができます。そういう意味では、今回のように進行管理に若干不備があったということはなく、きめ細かな対応がより行われるようになっております。
本日、非常に歯切れの悪い答弁に終始しておりますけれども、来年度につきましては、きのうの王ジャパンの選手のように、晴れやかな顔でご答弁できるように努力してまいります。
◆上川あや 委員 私もぜひ晴れやかなその姿を見て万歳したいんですけれども、本当によろしくお願いいたします。
ちょっと時間があるので、もう一つ聞きたいんですけれども、資料をいろいろいただきましたら、段差の解消についてもバリアフリーの計画をつくられているんですが、こちらも初年度、十七年度の達成率を見ると七三%、つまり計画をつくっていながら、四分の一は各土木の方が手をつけていないという状況で、これも大変問題だろうなと思いました。つまり、笛吹けど踊らずということでは本当に困るんですね。
段差の解消についても、五年をめどに改善していただけるのかどうか、これもお伺いしたいと思います。
◎山口 土木調整課長 あわせて一緒に努力いたします。
◆上川あや 委員 よろしくお願いいたします。
あと、もう一点お伺いしたいんですけれども、土木工事の記録写真の管理についてお伺いしたいと思います。
昨年、国土交通省が発注した佐賀県唐津市内の道路工事で、完了検査に提出された写真記録にデジタルカメラの画像を見ばえよく改ざんしたものが見つかったということでした。この事態を重く見ました国土交通省が百件の工事記録について緊急の点検を行ったところ、提出された写真二十万枚のうち一千枚で異常が見つかっているということだったそうです。これを受けまして、国交省では一切の写真編集を禁止するということをしまして、十一月なんですけれども、ここにもありますが、インターネットでもすぐに閲覧できます。各地方整備局に再発防止に向けて厳正に対処するようという通達を出しています。
世田谷区でも道路工事を中心とした土木工事を、今年度、百二十件ほど発注しているということを伺ったんですけれども、デジタルカメラが普及しております。画像処理は自宅のパソコンでもすごく簡単なんですね。こういう状況を考えますと、当区もこのまま無策であってはならないなということを強く感じるんですけれども、区ではこの事案をどのように把握して、どのように対処するおつもりであるのか、あわせてお聞かせください。
◎山口 土木調整課長 工事記録写真の改ざんはあってはならないということで、非常に大変な問題だというふうに認識しております。
世田谷区の状況でございますけれども、まず工事記録写真のデジタル化というものが進んでいなくて、現段階では工事記録写真とあわせてネガフィルムも提出させることになっております。したがって、まだデジタル化という状況ではないんですが、東京都も平成十五年からデジタル化が進んできておりまして、こういう状況も厳しく認識しているところだと思っております。
今後、国の対応策ですとか、東京都の対応策だとかを含めまして、このデジタル化の波は、当然世田谷区の方にも来るわけでございますので、世田谷区として、工事記録写真がデジタル化になっても改ざんされないような仕組みというものを、国や都の検討状況も踏まえて、新しくつくる工事記録写真の基準には、そういう定めをしていきたいというふうに思っています。今後検討してまいります。
◆上川あや 委員 この点もしっかりお願いいたします。
バリアフリー化に関してなんですけれども、以前、私も指摘させていただいたんですが、本庁周辺、まちづくりのバリアフリーの特区とかもしておりますので、どこに重点的に手を加えていくのかということを、またしっかり考えていただかなければいけないと思うんですね。
以前、所管にお伺いしたところ、そこはもちろん前倒しして重点的に取り組むということでしたので、今後の成果、万歳三唱したいと思っているので、よろしくお願いいたします。
以上、終わります。
○原田正幸 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。
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○原田正幸 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。
◆青空こうじ 委員 本日は、都市整備に関係している安全安心のまちづくりについて伺っていきます。
熊本区長は、昨年の九月、第三回区議会定例会の招集あいさつの中で、区政は先見性が求められる。対症療法型行政から予防型行政への転換を図るとともに、区民の目線に立った区政の成果を出し、区民の信頼にこたえていきたいとおっしゃっていました。
対症療法型行政から予防型行政に変えていくことは、安心安全のまちづくりを進めていくために欠くことのできない重要な視点だと私も考えています。安心安全の確保には、予防型行政に力を注いでいくべきだと思います。
安心安全のまちづくりの実現には、区民みずからが地域力の向上のために、日ごろからスムーズなコミュニケーションをとることなどのソフト面も大切であり、また、車の両輪のように、ハード面における予防型行政の施策、そして事業も大変重要なことと思います。
そこでまず、建築物に関して伺ってまいります。
昨年の十二月に発覚した耐震偽装問題は、建築物、そして建築行政に対する信頼を損なう非常に大きな事件であります。言うまでもなく、住宅は本来、人が生活する上において安らぎの場所でもあります。しかしながら、その住宅が大きな地震に耐えられない、建物が倒れてしまうなどの恐怖感は、まさしく生命、そして生活にかかわる重大な問題ではないでしょうか。何十年もの住宅ローンを組んで一生の買い物をして、今度の事件で途方に暮れている人たちをテレビの報道などで見て、いたたまれない気持ちを感じたのは私だけではないと思います。
構造計算の難しさや、民間の検査機関から情報が少ないといった、国の制度設計による課題があることもわかっていますが、やはり予防型行政にして、区の建築行政の信頼を回復することが一番大事だと思います。
そこで伺いますが、本国会で建築基準法の改正があると聞いていますが、その内容について、もしくは概要でも結構ですから、お伺いします。
◎内田 建築審査課長 建築基準法の改正案でございますが、今月の三月十四日に内閣官房における局長級の関係省庁連絡会合にて決定され、近々、閣議決定後、本国会に提出されると聞いております。
改正案の概要でございますが、第一に、建築確認・検査の厳格化で、一定の高さ以上の建築物について、第三者の指定機関による構造計算審査が義務づけられると聞いております。
第二に、建築確認の審査方法及び中間検査、完了検査方法の指針の策定及び公表の実施、また、建築確認の審査期間が現在の二十一日から三十五日に延長される予定でございます。
第三に、三階建て以上の共同住宅について中間検査を、また確認申請書の図書保存の期間も、今回初めて法律で義務づけられることになっております。指定確認検査機関の業務の適正化、建築士等の業務の適正化及び罰則強化等、関係法令の改正も予定されると聞いております。
これからも、区は建築物の安全に対する区民の信頼を回復するために、法令遵守を厳格に行ってまいります。
◆青空こうじ 委員 これは二十日の新聞なんですが、墨田区のグランドステージ東向島の住民の会合が何かあったそうです。国の発表では補強建てかえが必要であるというので、強度が〇・五と言っていたんです。それが今回、独自に設計事務所などから協力してもらって、計算ソフトで変えるなどして再計算したところが、これがまた計算違いなんですよね。〇・五六から〇・五四、こういうふうになっていますね。もしこれが建てかえのときには一世帯が約二千万円もかかるのに、補強だったら五百万円で済むというんですよね。
こういう点では、世田谷区の場合も烏山にあるんですが、世田谷区では再度計算するということはあるんでしょうか。
◎内田 建築審査課長 世田谷区においては、計算結果からしまして、とても〇・五を超えるような結果が出ないということで、考えておりませんが、いわゆる〇・五を境にした建てかえ及び改修ということですけれども、これは構造設計者の考え方によるものであって、一般的には国の検査で示したのが妥当だと考えております。
◆青空こうじ 委員 初めに、区長の招集あいさつを紹介しましたが、予防型行政への転換、区民の目線に立った区政の成果を出し、区民の信頼にこたえることが必要ではないでしょうか。
そこで思い出されるのが昨年の水害であります。予防型行政として、また区民から要望や、そして要請が強い水害対策について、大変重要な課題であると考えています。
まず第一に、昨年の水害をどのように分析されているのか、お聞かせください。
◎吉田 土木管理課長 昨年九月四日の水害に対しましては、早急な河川改修が必要であるとの認識のもとに、東京都に対しまして前倒しの工事を要望いたしました。それから、区としましても、野川のあふれた溢水箇所に取水場の設置、それから土のう積みを行ってまいりました。
また、水害に対する区の対応につきましては、職員の参集のおくれによる初動態勢の不備、区民の問い合わせの集中による窓口の混乱、災害情報が適切に区民に伝わらなかったこと及び避難所開設、それから消毒、ごみ処理に関する対応の問題、本庁と総合支所間の指揮命令系統の混乱など、多くの課題と教訓を残す結果となったというふうにとらえております。
◆青空こうじ 委員 世田谷区のごみ関係に関しては、うちへなんかも視察に行ったときには、住民はすごく喜んでいました。もう燃えるごみだの、燃えないごみだの、全部やってくれたというので喜んでいましたけれども、もし雨がばっとここで降ったり、それから河川の水が上がってきたりしたらサイレンが鳴るとか、点滅する赤ランプでも結構ですが、そういうところを何カ所かつけてくれというのを住んでいる方が言っていたんですが、そういう点はいかがなんでしょうか。
◎山口 土木調整課長 十七年度につきましては、ライブカメラとかをつけて、そういうことをインターネットで見られるような、区民の方にも提供できるような仕組みを、ことしの雨季までに整備する予定でございますので、その辺で、かなりその精度のレベルアップを図ってまいります。
◆青空こうじ 委員 行ったときには、出張所で話し合いをしたんですが、住んでいる方は決して若い方ではなく、インターネットなんて持っていない方もいると思うんですよね。だから、住んでいる年寄りにも一番わかりやすい何か、そういうふうな考えはないんでしょうか。
◎山口 土木調整課長 情報は地元でもすぐ収集できて、広報車も出すとか、そういうような仕組みを考えていきたいと思っています。
◆青空こうじ 委員 ありがとうございます。一生懸命頑張って、そういうふうに、年寄りに優しい町にしてください。
以上で質問を終わります。
○原田正幸 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。
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○原田正幸 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。
◆下山芳男 委員 それでは、自由民主党の質問を始めさせていただきます。
昨今の世田谷区内を車で走りますと、本当に多くの場所で、マンションとかいろいろな建物の建築工事が行われているように思われるわけです。近隣でマンション建設が計画されますと、大規模マンションのみならず、中型やワンルームマンションといった小規模なものまで、その地域の方々はご自分たちが住まわれている地域の特性とその計画を照らし合わせながら、自分たちの町並みや景観など、住環境が破壊されるのではないかとか、近隣住宅との距離が不十分で圧迫感を感じるのではないか。また、日照、風害、電波障害などの影響を直接受けるのではないか。そしてまた、プライバシーの問題、プライバシーが侵害されるのではないかというような、建築物そのものに対する不安。そしてそのほかにも、当然としてマンションの住人が入居した後の問題でありますが、ごみ出しの方法であるとか、騒音、バイクの路上への駐車、地域でのルールが守られるのかなど、地域のコミュニティーとして、そういったものが壊されてしまうのではないかというような危機感を感じるケースも多いのではないかと思っております。
熊本区長は常に、安全安心な町、住み続けたい世田谷区にしたいと言っておられるわけですが、世帯数が一千世帯を超えるような大型マンションから二十坪前後の土地に容積率や階高ぎりぎりに建設する小型のワンルームマンションまで、規模の大きさや用途もさまざまな建物が建築されていると思います。
都心に近く、しかも、緑が豊かで環境も比較的よい世田谷区に住みたいと思う人は、これからも多くいらっしゃると思いますが、このような状況が続くと、世田谷区が持っている住環境のよさが失われてしまうのではないかと心配に思うのは私だけではないと思います。
私の近くでも、今まで銀行や商社の社宅などが広い敷地にゆったりと、二、三階建ての建物が建っていたところに、法律や条例で建築できる条件を満たしていれば、地域の環境などについては余り配慮しないような建築計画もありまして、陳情として区へ持ち込まれるケースも多いと思うわけであります。
そこでお伺いいたしますが、こういった状況について、区としてはそういうような状況だと認識しているのかどうか、いかがでしょうか。
◎浅見
世田谷総合支所街づくり部参事 世田谷区では、中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例を制定いたしまして、建築の紛争に係る予防と調整を図っているところでございます。
紛争の解決は、基本的には当事者の話し合いに求められるものでございますが、当事者の話し合いによって紛争の解決に至らない場合には、調停員によるあっせん、調停といったことを行っているところでございます。
最近の紛争の傾向でございますが、委員ご指摘のように、企業の社宅跡地の開発に伴う大規模マンションの建設に係るものが多いというのが一つございますが、また、以前、戸建ての住宅であったような、小規模な宅地におけるワンルームマンションの建設がふえておりまして、紛争化するケースが目立っているところでございます。
区といたしましては、こういった事案については、事業者に近隣への周知と丁寧な説明の徹底努力、それから、特に説明や交渉を事業者任せにするケースが最近多うございますので、こういったことについては、必ず建築主みずからが説明会に出席して説明するということを要請しているところでございます。
そうしたことを含めまして、近隣住民と誠実な話し合いが円滑に進められるように、きめ細かい指導に取り組んでいるところでございます。
◆下山芳男 委員 今、住民側からのちょっと心配ということをお話ししたわけですけれども、一方で、事業者、そして建築主とすれば、世田谷区という一つのブランドを持った土地を比較的高価な金額で購入して、できるだけ多くの利益を出すように計画し、設計、建築工事を行って分譲販売したり、あるいは賃貸物件として資金の回収を行うわけでありまして、いざ建てる段になって、地域の方々からの要望で、十階建てを八階建て、七階建てにするような建築の計画変更は、事業自体が非常に成り立たなくなってしまうような可能性もあると思うわけですよね。
そこで伺いますが、今、中高層条例というようなお話もありましたけれども、件数とか実態はいかがでございますか、お伺いします。
◎浅見
世田谷総合支所街づくり部参事 平成十七年度、これまでの紛争事案の取り扱いの件数でございますが、中高層の届け出は、
世田谷総合支所の管内で申し上げると約五百件でございます。そのうち紛争となった事案が八十六件ほどございます。これについてあっせんに持ち込まれたケースが二件でございます。そういった状況でございます。
こうしたあっせんの効果でございますが、あっせんについては、あくまでも建築主の任意の協力が前提でございますので、強制的にといいますか、区の方から一方的に譲歩を求めることはできないという状況がございます。
また、最近の事例で特に目立つところでございますが、建築主側があっせんに応じた場合でも、面積や階数、特にワンルーム等の用途の変更等については譲歩するケースは非常にまれでございまして、その結果、あっせん打ち切りという形が、その後、直接弁護士による交渉に移行するといったようなことも、ケースとして増加しております。
先ほど申し上げましたけれども、住民説明会や交渉を業者任せにするということで交渉をこじらせている面もございまして、区としましては良好な近隣関係の維持形成に、業者を指導しているところでございます。
◆下山芳男 委員 今のお話を伺うと、非常に厳しい状況というか、なかなか結果が出ないように感じるわけです。その地域に相入れることができないような計画は、できれば事前に防ぐことができることがいいと思うわけですけれども、もっときめ細かく地域のルールを定めることはできないのでしょうか。その点は、今後の方策とか何かあったら、お伺いしたいんですけれども。
◎浅見
世田谷総合支所街づくり部参事 近隣紛争を未然に予防する手だてといたしましては、地区計画や建築協定といった制度を活用する手法がございます。地区計画は都市計画法に基づく制度でございまして、建ぺい率、高さ、最低敷地面積とか、ワンルームマンションといった用途の制限を定めることもできます。
こういった地域の皆様の意向に沿ったまちづくりを進めるということは非常に大切なことだと思っておりまして、区としても地区の状況を踏まえ、地域の皆様の要望を踏まえながら、そういった計画の策定、それから協定の締結等について支援を進めているところでございます。
◆下山芳男 委員 そういった住民との話し合いがあれば、その点、きめ細かく対応できるようにお願いしたいと思います。
続いて、マンションの管理についてお伺いいたします。
大規模なマンションについては、管理業務や管理者の主体についても明確にされて、きちっとした管理がなされていることが多いと思いますが、主に賃貸のワンルームマンションの管理については、世田谷区建築物の建築に係る住環境の整備に関する条例と施行規則がありますが、まず管理人について伺います。
先日、私は月曜日の私の地区の資源回収の日に、私の住んでいる玉川通り沿いのマンションのごみの回収場所に、資源のほかに燃えるごみや燃えないごみが全く分別されずに、山のように置かれている状況を見まして、マンションの管理会社に電話で状況の説明と、近所の人やお店が大変迷惑しているということを伝えたんですが、先方は、私は受付の担当でよくわからない。会社は新宿区内にあるので、すぐには対応できません。後日連絡をしますという女性の返事だったわけですけれども、その後、一向に何の返事もないという状況でありました。
管理人室等の設置基準二十条三によりますと、住戸の数が二十未満のものであれば、管理人室の設置にかえて、清掃業務等の管理を行うために必要な倉庫を設置することができるというふうになっているわけですけれども、また、駐在ではなく、巡回の方法による管理でもよいことになっています。ところが、実際には倉庫にはごみがあふれ、管理もされていないようなワンルームマンションがあるのも実情ではないかと思います。
ワンルームマンションの建設に関してはさまざまな規制や指導等を行っていると思いますが、その主な内容、また、駐在と巡回についてはどういうことなのか、ちょっと具体的に、では、手短にお返事をお願いしたいと思います。
◎工藤 建築調整課長 昨年の十一月の請願審査を契機に、ワンルームマンションについての検討を続けてまいりました。管理について中心に、他自治体の条例とか状況を把握して、また、区内の既存のワンルームマンションについての実態調査も行ってきたところでございます。
最近建てられた二十戸以上の比較的大きなワンルームマンションについては、二十五件ほど抽出して実態調査をしていますけれども、その中では特に問題のある物件はないという状況ではございます。しかしながら、そういった状況もあるということは踏まえてまいりたいと思います。
管理につきましては、これまで二十戸以上の規模につきましては管理人を設けて、そこで駐在管理としまして、二十戸未満については巡回管理として、適正な管理、ごみ出し、収集後の清掃をするなどの指導をしているところでございますので、これらのことにつきましては取扱基準としまして、現在、指導をしているところでございます。
◆下山芳男 委員 ワンルームマンションというと、一般的に言いますと、どうしても若い単身者が多いということで、先ほどもお話ししたように、ごみ出し、それから友達が来て車とかバイクをとめるとか、いざ連絡をしても、先ほどお話ししたように、なかなか直接の管理人と話ができないというような不安を感じると思いますので、対応をしっかりとお願いしたいと思います。
そこで、以前、都市整備常任委員会の請願審査の際に議論になった件でもあるんですが、特にワンルームマンションにおいては、地域とマンション住人との橋渡し役として、管理人の役割やあり方について、もう少しきちんとした形で対外的に示すように考えるべきだと思います。特に明文化するような必要もあると思うんですが、いかがでございましょうか、お伺いします。
◎工藤 建築調整課長 世田谷区建築物の建築に係る住環境の整備に関する条例では、先ほども答弁させていただきましたように、ワンルームマンションの管理の基準としまして、二十戸未満で巡回、それから二十戸以上で駐在管理として、内容については取扱基準で定めてきたという現状がございます。
ご指摘の点を踏まえまして、今後、小規模なワンルームマンションにおける管理等につきましても内容を強化いたしまして、さらに、四月中を目途に明確な形として規則を定めて、対外的にもわかりやすいものにしてまいりたいと考えております。
◆下山芳男 委員 私が今ちょっとお話ししたんですけれども、マンションの管理会社というところによくお電話をするんですが、この条例施行規則を見ましても、第二十条の(3)のところに「当該建築物の建築主が当該建築物又はその近接地に居住して当該建築物の管理業務を行う場合は」、その倉庫を設置してもよいということになっているんですけれども、実際、新宿区であるとか、豊島区であるとか、場合によっては都外で管理を担当しているというようなことが見れるわけです。そういった点で、やはりきちっと明文化して、わかりやすい、そして地域の人たちが安心できるようなものにしていっていただきたいと思いますので、よろしくご検討をお願いしたいと思います。
そうしたら、次の質問に行きます。
住環境を守ることと町の開発とを両立することは、どこに線を引くかという大変難しい判断があると思いますが、長期的に見れば、世田谷区では住環境を守ることへの重要性は高まっているように私は思います。
そこで次に、斜面地における住宅建築について質問をさせていただきます。
区内には国分寺崖線を初めとした斜面地が多数あります。もともとは緑豊かな良好な景観を保ってきた地形であると思いますが、平成六年の建築基準法の改正によって住宅の地下室容積緩和が行われ、斜面地の開発が加速されてきたわけです。
世田谷区では、平成十七年三月に国分寺崖線保全整備条例や斜面地における建築物の制限に関する条例を定め規制をしてきましたが、昨年六月の法律の改正によって、第一種・第二種低層住居専用地域以外を含め、全区的に容積率について斜面地での地盤面について地方自治体の条例によって定めることができ、地下室の容積率の緩和を規制できるようになったと聞いておりますが、区では、今後この点についてどのように進めていくのか、お伺いいたします。
◎工藤 建築調整課長 区では、ご指摘のとおり、斜面地に建築される集合住宅について、周辺の良好な住環境との調和を図るために、第一種と第二種低層住居専用地域を対象に建築基準法に基づく建築条例を定めまして、建物の階数を制限として定めております。さらに、国分寺崖線地区を対象に、階段状の建物が周囲の地盤と接する位置の高低差を六メートル以下にするという制限もしております。
このように、区では斜面地における建築物を制限し、周囲の住環境との調和を図っているところでございます。お話にもございました、全区的に第一種と第二種低層住居専用地域以外の地域まで斜面地への建築制限を拡大することにつきましては、昨年、建築基準法が改正され、条例化するための環境が整ってまいりましたので、今後、さまざまな角度から検討してまいります。
◆下山芳男 委員 開発と、そして住環境を守るということは、非常にしっかりした展望を持っていかないと、後で取り返しのつかないようなことになってしまうと思いますので、これからもしっかりと区としての方向性を持って進めていただきたいと思います。
以上で私からの質問を終わります。
◆新田勝己 委員 まず、東急電鉄が提示しました大井町線上野毛駅の改良問題について、ちょっと伺ってまいりたいと思います。
この上野毛駅改良については、平成十一年十二月に区議会に、上野毛地区町会自治会連合会より「上野毛駅改修等に関する請願」が出され、区議会として全会派一致で趣旨採択されております。
そういう形の中で、今回出た東急電鉄の上野毛駅改良案は、この採択された請願に則したものとして理解していいのかなという気がするわけでございますが、その辺はいかがでしょうか、まずお伺いいたします。
◎北川 玉川総合支所
街づくり課長 平成十一年度に提出されました請願の内容は、ホーム及び線路上に陸屋根を築造し、そのスペースに駅舎、トイレ、駐輪場等を設置し、あわせて駅前広場を整備するよう、東急電鉄へ申し入れてほしいというものでございます。
世田谷区では、区議会の趣旨採択を受けまして、東急電鉄に対して駅舎の
バリアフリー化も含めて要請書を提出しております。その結果、駅利用者からも設置要望の強かったトイレにつきましては、駅舎改良工事までの措置として、平成十四年度に仮設トイレが整備されております。
今回の上野毛駅改良工事につきましては、
バリアフリー化についてはしっかりしたものとなっておりますが、今後、引き続き地元との調整が必要な事項も含まれていると理解しております。
◆新田勝己 委員 二月十五日の公共交通機関対策等特別委員会に報告があり、また、三月五日には地元住民への説明会があったわけでございますが、その両資料を見ますと、いろいろと疑問を感じるようなものが少し出てくるわけですね。
別にこれに反対する、反対しないということではありませんけれども、東急電鉄さんの方で、まず人の流れを考えているのかなと。また、上野毛通り、線路をまたいでいる陸橋、不動橋と言いますけれども、あそこら辺は大変渋滞する、こういうことも考えているのかな。また、区の条例で設置義務を課した自転車の駐車場が、この説明会の資料には出ていない。また、請願でも出されております駅広場は、地区に貢献できるような駅広場を考えているのかなというような気がしてならないんです。
まだまだバス停を考慮した車寄せだとか、現駅舎の跡地はどうするんだろう、交番はどうするんだろう、駅舎の二階にはテナント、店舗が入るというような話もあるわけですが、こういうものはどういうものなのかというような疑問がふつふつと、地元の人たちも、私も感じるわけであります。
これはもちろん鉄道事業者の東急電鉄さんが個別に説明したり、それなりの団体の人たちには説明があるとは思いますけれども、そういうものの意見を集約して、事業者を指導していただきたい、これが世田谷区の役目だろうと思うわけです。
そういうこととあわせて、上野毛地区のこの駅舎改良等にあわせて、上野毛地区のまちづくりを進めていくべきじゃないかと思うわけであります。そういう視野を入れた感じの中で、これから事業者を指導していくのか、まちづくりを視野に入れていくのか、見解を伺いたいと思います。
◎北川 玉川総合支所
街づくり課長 今回、新たに駅改良工事の計画が示されましたので、平成十一年度の請願の趣旨に沿って、駅周辺施設の整備についての要望を、改めて文書で伝えてまいりたいと考えております。そのため、現在、区としても地元の意見を取り入れながら、まちづくりの観点から課題を整理しているところでございます。
◆新田勝己 委員 特に、先ほども申し上げました自転車の駐車場、これは本当にどこにもないんですよね。これは区として申し入れ、またはつくるように指導はしていくんですか。
◎北川 玉川総合支所
街づくり課長 お話にございました駐輪場につきましては、世田谷区自転車条例において、鉄道事業者が駅施設の大改良を行うときは、必要な自転車等駐車施設を設置するものと規定されております。したがいまして、条例に則して駐輪場の設置を求めていきます。
なお、設置台数、設置場所等につきましては、今後、事業者と協議してまいりたいと考えております。
◆新田勝己 委員 もろもろの形の中、住民の皆さん方のご意見をいただきながら、よりよいまちづくりを進めていかなければならないと思います。
特に大商業圏である二子玉川の再開発が始まっていこうとしている、そういう形の中では、隣接地の玉川地区というのは影響を受けるような、そういう形も見受けられるのではないかなと予測をするわけですね。そういう意味合いでは、今、上野毛地区のまちづくりをしていかないと、取り残された上野毛という形になっていってはならないと思うわけですね。
そういう意味からして、改めてまちづくりに取り組むよという意思を確認させていただきたいと思いますし、いろんな形の中で、駅前商店街というのはだんだんと店舗がなくなっていく。こういう形の中で、お隣の二子玉川へ全部とられていくという形ではいけないと思うわけですよね。再開発は再開発として、しっかりとしてやっていただきたい。そういう意味合いでは、上野毛地区の発展ある、魅力のあるまちづくりを進めるよという意思を、改めてお伺いしたいと思います。
◎北川 玉川総合支所
街づくり課長 駅は町の顔、そして町の中心でございます。事業者はそのことを十分認識し、他の公共施設と同様に、周辺住民に対して丁寧な説明を行い、地元の理解を得ながら進めていく必要があると考えております。
いずれにしましても、地元の皆様の意見をよくお聞きして、今回の計画を機会に、区民、事業者とともに、上野毛駅周辺の魅力あるまちづくりにつながるように努めてまいります。
◆新田勝己 委員 当たり前の答弁なんですが、当たり前が一番大事でありまして、安全で安心して住み続けられる上野毛地区まちづくりをしていただきたい、進めていただきたいということを、切にお願い申し上げます。
また、東急電鉄さんには、どうもこの大井町線の問題等に関しましても、急激に計画変更だとか、工事の着工だとか、そういう形の中の急激な変化が出てくる。やはり総体的な形、総合的な形の中で、もちろん東急電鉄さんには混雑率の緩和、これは緩和していかなきゃいけないという使命があるのでしょう。また、安全性や正確性を求めていくというのも、これも鉄道事業者の責務でありますが、特に自分たちだけの事業計画、事業執行という形ではないよ、東急電鉄さんは、やはり町を見詰めていっていただきたいなというような形の中で、ぜひ親切なる、また丁寧なる事業執行をしていただきたいなということを申し述べさせていただきたいなと思います。
次に、等々力渓谷の保全と整備について伺っていきたいと思います。
等々力渓谷には、等々力渓谷保存会、以前からあったみたいでありますが、昭和五十三年に保存会が正式に発足いたしております。そういう保全を図ろうという形の中で、熊本区長さんが都議会議員時代に、鈴木都知事さんを視察にお招きいたして、その結果、東京都から随分お力添えをいただきながら、東京都の名勝に指定された。
また、その等々力渓谷保存会の活動によって、旧建設省の河川局からも表彰を受けている。こういうような等々力渓谷保存会でありますが、このたび等々力渓谷ガイドブックというのを発行される予定であります。これはまだ製本されていないものですから、ばらばらになっている形です。これを見せてもらうと、渓谷の地形や湧水、それから歴史、谷沢川の清流復活事業などもやってきたよという形の中で、地図でわかりやすく、また、写真でもわかりやすくつくられているガイドブックであります。
このガイドブック、これからの渓谷の保全と整備には指針の一つともなり得るのかななんて思っているわけでありますが、また、保存会はいろんな形の中で、等々力商店街、地元商店街と協力しながら、清掃活動や親子連れを対象とした七夕飾り、昨年は相当好評であったようであります。
渓谷の樹木などにも、親子連れで樹木に名札をつける。また、新しく渓谷公園としてでき上がりました旧渡辺邸のところにはミカンの木が相当数あります。そのミカン狩りもやられている。そういうような行事などをしながら、早く言えば、等々力渓谷保存会は地域のコミュニティーの先鞭をつけてきたというような、僕なんかは意識をしているわけであります。
そういう形の中で、これからもより一層、等々力渓谷保存会と地域住民の皆さん方、また、区の当局と保全に邁進していただかなければならないなと思っております。
ここで一つ提案をさせていただきますけれども、今お話しした区民とともにというのならば、渓谷を身近な環境の学習の場として、渓谷の楽校をつくっていただけないかなという提案であります。
実は国土交通省の河川局で、小中学校、高校も含まれますが、総合的な学習の時間の導入にあわせて、川を生かした環境学習、自然体験活動を推進する水辺の楽校プロジェクトというものを立ち上げているんですね。平成八年だと思います。今、実はこれは展開されていないようでありますが、それの等々力渓谷版楽校をつくって、区民と一緒に、また小中学校生と一緒に環境を勉強しよう、そしていろんな形の中で保存整備にもお力添えをいただこうというような形を考えたわけです。
たまたま私も議長時代に、桜丘のすみれば自然庭園、これは武蔵野の思い出が残るという形の中で、自分の資産を出しながら庭園をつくられた、樹木を残されてきた、植えたり何かされてきた。こういうところを区が買収なされて、すみれば自然庭園というのをつくられているわけですが、あれは環八沿いですね。こちらから行きますと、三本杉の少し先なんですが、そういうところにも、たまたま区民参加の植生物の調査、ビオトープづくり、年間を通じた学習プログラムというような形の実施がなされている。
そういう形の中では、まねをするというわけではありませんけれども、等々力渓谷版の何かできないかな、それが渓谷の楽校という形の中でつくれないかな、そういう形を思っているところであります。
そういう意味合いでは、こういう提案を区はどう思っていただけるのか、考え方に賛同していただけるのか、お伺いしたいなと思います。
◎安藤 玉川総合支所土木課長 等々力渓谷は、林や湧水、池、野鳥など、豊かな自然環境に恵まれておりまして、区民の学習の場、また維持管理に参加していただく場としてすぐれていると考えてございます。
先ほど委員がお手にお持ちになられましたガイドブックでございますが、拝見させていただきました。手づくりのガイドブックでありまして、自然環境や文化、昭和初期の記録写真、歴史などが書き込まれております。等々力渓谷を総合的に解説した詳しい資料となっております。これを活用いたしまして、区民と区行政が協働するまちづくり、渓谷の保全整備を進めるため、委員よりご提案がありましたような場づくりを検討してまいりたいと思います。
◆新田勝己 委員 この渓谷の楽校ということについて、もう少しあれさせていただきますけれども、等々力渓谷のそばにお住まいの方で、散策や、四季折々の写真をずっと撮っていらっしゃる方もいらっしゃいます。また、渓谷の自然に詳しい東京農業大学の先生もいらっしゃる。渓谷のそばには、また武蔵工業大学の研究室がありまして、実は等々力渓谷を研究材料となされている、そういう研究室もあるんですね。そばには都立園芸高校の実習園、こういうものもあったり、もう本当に造園業をやっていらっしゃる、何々をやっていらっしゃる、緑をしっかりと見詰めていらっしゃる、研究なされている、近隣には専門家がたくさんいらっしゃるんですね。そういう人たち、人材や学校などを活用して、環境学習や環境整備に、そういう活動に、もっとサポートしていただけるような体制をつくることも必要なのかなと。そういう人たちもすべて含めていければ、渓谷の楽校というのはもっと楽しいものにまた発展していくのではないかな、渓谷の整備にもお力添えいただけるのではないかな、こう考えているわけなんです。
そういう形の中で、人材、近隣の周辺の学校、また渓谷を研究なされている学校、先生、そういうものを含めたサポート体制といいますか、そういうものをつくり上げたいと思うんですが、区は、こういう形の中で思いがあれば、お伺いしたいと思います。
◎安藤 玉川総合支所土木課長 等々力渓谷につきましては、お子様から大人まで多くの区民の皆さんから、渓谷の自然環境、歴史、散策の見どころ、桜、新緑、紅葉の見ごろなどの時期に、問い合わせが区に寄せられております。
このため、ご提案を初め、区民参加による渓谷の整備、保全の取り組みにつきましては、小中学生の皆さんに参加していただくことが大切と考えてございます。また、等々力渓谷を古くから見守っている保存会や、総合学習で自由研究している小学校の先生方、等々力渓谷の近くの大学や高校の先生、研究室などのご協力をいただくことも必要かと考えてございます。
◆新田勝己 委員 私は、もう以前より渓谷にホタルの自生をとか、谷沢川の河床がコンクリートになっている。はがして、やはり自然の河床に戻せないものか。また、ゴルフ橋からの上流も公園の枠に入れて、網をかけて保存整備できないのかとか、いろんなことを申し上げてきているわけなんですが、等々力渓谷保存会も、区の方にいろんな形の中で物を申されているみたいであります。例えば外来樹木の除去をしてほしい、池やせせらぎの環境整備に早急に取り組んでほしい、こういう声も上がっているようであります。
こうした声の中で、やはり今区がしていかなければならない等々力渓谷の自然的環境の管理、保全、こういうものは、先ほど提案した渓谷楽校を、地域の学校、大学、また保存会と協働して、事業を遂行していただきたい。そうしなければ、後世にこの等々力渓谷というものが残していけない。外来樹木が生えてまいりますと、ほかの樹木に影響していく、倒木したり何かしていくという可能性が大変多いんですね。そうしますと、渓谷の自然的環境が残されていかないという面も見受けられるわけであります。
区には、こういう後世に残していく責務もあると思うわけでありますが、早急に取り組んでいただかなければならない問題と、それから、区が考えている今後の保全・管理計画をお伺いしたいと思います。
◎安藤 玉川総合支所土木課長 現在、等々力渓谷公園の林は、野鳥が種を運び育ったと思われるシュロの木やアオキ、ヤツデなどの木がふえてございます。区といたしましては、平成十五年に策定いたしました等々力渓谷保存管理方針に基づき、渓谷内のシュロの木等の除去や、池、湧水、せせらぎ等の清掃整備を順次進めていきたいと考えてございます。この作業に当たっては、ご提案がありますように、学習の場と連携し、実習の一つとして行うなど、区民の皆さんに参加していただく管理活動にしたいと考えてございます。
なお、シュロでございますが、日本原種の野生のマジュロと中国が原産となりますトウジュロという種類がございます。これにつきましては、今後詳しく個体を調べていくことは必要かと存じております。
◆新田勝己 委員 いろんな形の中で、あらゆる考え方をそれぞれお持ちであろうし、いろんな提案がたくさん出てくるだろうと思います。しかしながら、区の方はそれをしっかりと受けとめていただきながら、やはり私たちの財産、等々力渓谷、こういうものをしっかりと保存、管理をしていただきたいな、整備をしていただきたいなということを、あわせて申し上げさせていただきます。
次に、昨年の第二回定例会で、目黒通りから多摩堤通りへ上がる導入路といいますか、多摩堤通りから目黒通りへ入ってくる導入路といいますか、これが狭い。いつも車両同士の事故や、それから、いつもどなり合いのけんか等が日常茶飯事であるという形の中で、その整備を図ってもらえないか、国と東京都に働きかけをしてほしい、こういう質問をいたしましたけれども、今通っておりましても、なかなかその改善が見られてこないんですね。あわせて歩道の整備も質問をさせていただいておりますが、そういう形の中で何も今見えてきていないんですが、これは何か進展があるんですか、ないんですかね。
◎安藤 玉川総合支所土木課長 現在、拡幅整備事業が進んでおります目黒通りから多摩堤通りへの導入路部分につきましては、道幅が狭く、車両のすれ違いができないため、車両及び歩行者等の通行に大変ご不便をかけている現状でございます。ご近所の方にお尋ねしますと、運転手同士のトラブルがよく発生しているというふうに聞いてございます。
このことにつきまして、昨年六月ごろから、事業者であり管理者でもある東京都第二建設事務所に具体的な改善を申し入れてまいりました。その後、東京都第二建設事務所から、関係機関と調整し、取りつけ道路の車道幅を五・五メートルに、路側帯を一・二五メートルまで広げて、車のすれ違いと歩行者の通行が容易となる計画案ができ上がったとの連絡を受けてございます。
現在、この計画案をもって、多摩川の河川管理者でございます国土交通省に堤防の河川占用許可の具体的な手続を進めており、多摩川の渇水期となります本年十一月ごろから順次工事を行う予定であると聞いてございます。
◆新田勝己 委員 渇水期に合わせてということでありますが、本来でありますと、早急に取り組まなきゃいけない場所だと思います。しようがないとは思いますが、いろいろ手続上も、こういう形の中で延びてきたことはいたし方ないのかなと思いますけれども、通行車両の方や、また近隣の方にもご迷惑がかからないようなよりよい形の中で、早急に工事はやっていただきたいなと思っております。
あわせて伺いますが、目黒通りは今随分と広がって、歩道整備もでき上がってまいりました。多摩川に橋をかけて川崎方面、言えば新城、あちら方面を抜けていくという形になっておりますが、これは今どういうような進捗状況なのか、東京都から何か報告は受けておりますか。わかる方で結構ですよ。
◎板垣 道路整備部長 計画では、目黒通りが川崎側に今架橋される予定にはなってございますけれども、東京都の方は今、川崎市とは調整中ということで、まだ具体的な計画にはなっていないという現状でございます。
◆新田勝己 委員 図面等では、一応目黒通り、等々力不動尊の少し下の方から水平に橋をかけるというような形になっておりますが、今、現況の工事を東京都が進めておりますよね。いろんな形の中で、これは前にも質問をいたしましたけれども、パイロン的なもの、道路分離帯といいますか、そういうところにも、これから工事を図るというような話なんですが、見ていて、近隣住民の皆さん方、またはそこを通行する車両の皆さん方、そういう方たちに、やはり少し迷惑がかかっているような工事なのかなという気がしてならないんですね。パイロンの置き方だとか、いろんなものを考えますと、こういうものも、やはり地元の世田谷区とすれば、随時声が上がってくるものに対しては、東京都にも物を申していかなきゃいけないのかなと。
最終的な本当の計画というものは何なんだろう。住民の皆さん方にも説明はなされておりますが、そういう形の中では、先の計画という、事業計画の遂行の計画といいますか、そういう形のものが、東京都さんからなかなか提示されてこないのかな、こちら側から問い合わせないと、東京都は答えてくれないのかなというような気がしてならないんですが、本当はどこまでどうやっていくのか。
川崎側ができていない、神奈川県側ができていない、整備が図られていない、本当に橋がかかるのかかからないのか、こういう住民の人たちもいらっしゃるわけでありますが、その様子的なものを、道路整備部長、どういう本当の姿になるのか、計画は本当に遂行されてきているのかという形を、その辺、わかる範囲でいいですから、お答えいただきたい。
◎板垣 道路整備部長 今るるお話がありましたように、基本的には多摩川に架橋をする前提でございますので、今の用地買収そのものも、橋をかけて、なおかつ側道が必要になってくるというようなことで、かなり広い用地を買収しているところでございます。
したがいまして、あとは川崎側との調整ということが残っておりまして、一部、川崎側の都市計画とのすり合わせ等も必要だというふうに聞いておりますので、その部分での調整が進んできた暁には、実際の架橋に向けての具体性が出てくるのではないかというふうに考えております。
◆新田勝己 委員 その橋梁の架橋ということは間違いないんですね。
◎安藤 玉川総合支所土木課長 神奈川県と東京都をまたぎます橋の総合調整につきましては、東京都の建設局が担当してございます。橋がかかることについては間違いございません。具体的な詳細設計、工事になりますと、東京都第二建設事務所が担当となります。先ほど目黒通りの導入部のことで要請してまいりましたが、先ほど委員からお話がありましたように、地元が望んでいる導入部の改良でございますので、あわせて情報を入手してまいりたいと存じます。
◆新田勝己 委員 いろいろと住民生活に影響を及ぼすような形、そういうもので、計画をどの辺まで遂行しているのか、どこまであれするのかな、延々と続かないのかな、橋梁はかけられないのかとか、いろんなうわさが飛んでくる。そういう形の中では、しっかりとした形の中で、世田谷区は周りの人たち、住民の人たちの安全安心をまず考えていただきたい。生命、財産を考えていただきたい。
東京都は、なかなか上が見えないものですから、下もなかなか見てもらえないような感じになっておりますので、そういう面では、地元世田谷区がしっかりとした形の中で、いろんな住民の安全安心を守っていただくことをお願いして、午前中の自民党の質問を終わります。
○原田正幸 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、休憩いたします。
午後零時休憩
──────────────────
午後零時五十五分開議
○原田正幸 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
自由民主党、どうぞ。
◆石塚一信 委員 区民の方々の日常生活におけるさまざまなお話をよくお聞きするわけでありますが、皆さんに安心して暮らしていただけるように、区の行政の方々にその声をお伝えして、皆さん方には、それを一生懸命解決していただいております。都市整備領域にかかわらず、特に私の近所には、北沢
保健福祉センターの方々も、急な話でありながら、区民の方々のお話を大変熱心に聞いていただいて、解決していただいております。
そんな意味もいろいろありまして、私が昨年の三月にこの
予算特別委員会でご質問を申し上げました何件かにつきまして、その後の経過と今後のことをお聞きしたいと思っております。
まず、区民の方から寄せられた声の中から、赤堤二丁目九番地先の東急世田谷線を横断する掘り割り状の水路の解消について、昨年ご質問をいたしました。この水路につきましては、前回の質問の中でご説明を申し上げましたけれども、悪臭、ネズミや蚊だとか、さまざまなものが発生し、対応が望まれていたところでございます。抜本的な対応が必要となっているところでございますが、その後の解消に向けた取り組みと今後の見通しについて、簡潔にお答えいただきたい。
◎桐山 北沢総合支所土木課長 今、ご質問の水路の解消に対する取り組みにつきましては、昨年の四月以降、東急電鉄株式会社と討議を重ねておりまして、その結果、水路を埋めて解消することとなりました。そうして、今現在、その実現に向けた協議、調整を図っているところでございます。今その水路につきましては、埋め戻すための前提条件としまして、世田谷線の軌道に降った雨が水路に流れ込むような状況になっておりますことから、その雨水を直接下水道管に接続する必要がございまして、現在、東急電鉄側で下水道管接続のための工事に着手しているところでございます。
それで、この区の管理する水路の埋め戻し工事につきましては、今後施工の条件等の詳細協議を経て、東急電鉄と事業委託の締結をした後に、平成十八年度中の埋め戻しの完了を目指して取り組んでまいりたいというふうに考えております。
◆石塚一信 委員 十八年度中にというお答えがありましたので、当然予算の計上もしていただいていると思います。ぜひひとつよろしくお願いします。
この問題は、そもそもがもう十数年前に、松沢小学校の夏休みの日記の中に世田谷線沿いの暗渠の中を探検するという作文が出まして、何人かの子どもたちが暗渠の中をどこまで行けるかというようなことをやっていた。中で窒息死、もしくはガスで倒れた場合には、死体が見つからないんじゃないだろうかというようなこともありまして、おかげさまであの沿線をずっと整備していただいた経緯があります。ここのところが最後のところですので、ぜひひとつ、大変難しいところだと思いますけれども、そういう積極的にやっていただけることに感謝をしたいと思います。ご近所の皆さん方のお気持ちを代弁して、深く感謝をいたします。ありがとうございます。
それと、続きまして京王線の問題につきまして、昨年、やはりこの席でご質問を申し上げました。何点かございますので、答弁はわかりやすく簡潔に、区民の方にわかりやすく、ひとつよろしくお願いします。
まず確認をいたしますが、上北沢駅の駅舎の
バリアフリー化について、私はそのときに持論を申しましたけれども、上北沢と代田橋駅のエレベーターの設置について、その後の経過と結果について、具体的に位置などもお話しいただきながらご説明願いたいと思います。
◎草野
交通企画課長 京王線上北沢駅及び代田橋駅につきましては、鉄道事業者と駅の
バリアフリー化の協議を行ってまいりました。このたび具体的な調整が整いましたので、来年度、鉄道事業者がエレベーターを設置する予定となっております。その内容でございますけれども、上北沢駅につきましては、南側の出入り口と地下改札階の間、それから地下改札階と島式ホームの間にそれぞれ一基、合計二基のエレベーターを設置する計画としております。また、代田橋駅につきましては、やはり南側出入り口と地下改札階の間、それから地下改札階からホームが二面ございますので、それぞれのホームの間に各一基、合計三基のエレベーターを設置する計画としております。なお、この二駅におきますエレベーター設置につきましては、区の補助対象として、当初予算に計上させていただいております。
◆石塚一信 委員 先日、池尻の駅も改良されたようでありますが、京王電鉄と区との検討の成果というんでしょうか、着実に実ってきているように思われ、大変ご苦労を感じるところであります。
このように各駅舎でバリアフリーが着実に進んでいく、鉄道会社や区の対応を、私は高く評価したいと思います。しかしながら、今まではよく委員会、検討会なんていろいろお話がありましたけれども、こういうふうに着実に結果が出てくると、私は大変すばらしいことだなと思います。しかしながら、もともと京王線については都市高速鉄道十号線として都市計画決定されているものであります。
そこで確認しておきたいのですけれども、連続立体交差事業の目的についても、簡単にご説明いただきたいと思います。
◎草野
交通企画課長 連続立体交差事業につきましては、あかずの踏切によります渋滞、それから鉄道によります市街地分断の解消を図るということで、鉄道を一定区間連続しまして高架化、または地下化することによって、多数の踏切の除去ですとか、新設交差道路との立体交差を一挙に実現するものでございます。この事業の実施によりまして複数の踏切を一挙に除去しまして、交通の円滑化を図るとともに、市街地の一体化によります都市の活性化を図るなどの効果がもたらされることとなります。
◆石塚一信 委員 今のご答弁によりますと、あかずの踏切解消の決定策として連続立体交差があるんだというようにご説明がありましたけれども、区として区民にどのように理解を求めていくのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
◎草野
交通企画課長 この事業につきましては、一般に事業費が大きい、それから事業期間が長いなどの特徴がございます。先ほど鉄道が高架化、または地下化されるというご説明をいたしましたが、こういったことによりまして、周辺の状況におけます変わりようというのは小さくございません。しかしながら、将来にわたりまして市街地の改善が持続する、こういうような大きな効果をもたらすものでございますので、検討に際しましては、この点について区民の理解を得られるように努めていく必要がある、このように考えております。
◆石塚一信 委員 本来ですと、普通の道路上というんでしょうか、一般の地表レベルで、区民の方々が自由に往来ができるというように連続立体化を進めるのがよろしいわけですが、こういう問題は、今説明にもありましたけれども、大変膨大なお金がかかる、費用がかかる。立体化には、国や東京都、世田谷区の公費を投入するというような状況も生まれてくるわけであります。しかも、この連立事業の主体は東京都ということでもあるわけで、沿線のまちづくりを進めていかなければならない、皆さんのいろいろなご心配事も解決していかなきゃならない、さまざまな問題を解決していかなければならないわけですね。
これは小田急の連続立体化、現在まで進んでおりますけれども、今日までのご苦労の結果、でき上がったところを拝見します。また、私も利用させていただきますと、今まで本当に車が詰まって詰まって、そこらじゅうの道路が車だらけになってしまうということもおかげさまでなくなりまして、その沿線の方たちも、本当に空気もきれいになったし、自動車の騒音も少なくなったと。道路もどんどん改良されておりますし、とてもすばらしい環境になってきておるわけです。
実際にでき上がってみると、多くの方々が本当によかったなというような感があるわけでありますが、しかし、京王線の問題も同様に、今日までのいろんな経過を見てみますと、現実にはこれから先十年ぐらい、もしくは十年以上、十数年かかるというふうに私は何か感じるわけであります。それで、率直に言わせていただければ、もういいかげんにしてほしい、何とか区民の不便さを解決してほしいというような思いだと私は思うんです。
そこで、桜上水の駅舎の
バリアフリー化の改善についてお尋ねをしたいと思います。
この件につきましては、私が初めて当選をさせていただきましたのは昭和六十二年、六十三年の一般質問でご質問申し上げました。約一年間に一億四千四百万人の方々がその周辺で踏切その他を利用されるのではないかというようなことを含めましてご質問をしました。
それから約十九年、はや十九年たちました。その後、朝、改札口があかない。したがって、南の方は北に踏切を渡って、甲州街道の方に向かって渡って、それから駅舎に入って通勤に行く。朝七時半過ぎないと南の入り口はあかない。もうあそこの踏切は大変な人だ、電車にも乗れないと。そういうこともあって、京王電鉄ともいろいろと話し合いをして、地域の方々とご一緒に電鉄会社にもお邪魔しながら、南の改札口も二十四時間あくようになりました。
あそこの踏切は、以前、私どもの小畑委員も大変ご心配になりましてご質問いただきましたけれども、引込み線やいろいろありまして、踏切の長さがほかの踏切より非常に長いんですね。したがって、遮断されている時間も五十数分、ともかく大変なところであります。さらに言えば、駅舎にはスロープもなければ何にもない。バリアフリーが最もおくれているところであります。文字どおりあかずの踏切であり、大変危険なところであります。こうしたことを考えると、鉄道の立体化までに優先的に改良をすべきではないかというように私は思います。
そこで何点かお尋ねしますが、まず、区は桜上水駅付近の自由通路についてどのように対応しようとしているんですか、お答え願います。
◎草野
交通企画課長 ご指摘いただきましたとおり、桜上水駅の東側、下高井戸五号踏切でございますけれども、これはあかずの踏切である上に、周辺に迂回路となる道路、それから駅の南北通路もないというような状況で、鉄道による南北方向の分断が、かねてから地域の大きな問題となっておりました。
区といたしましては、鉄道を横断するための立体横断施設の設置についても検討を行いましたけれども、先ほど委員ご指摘のように、京王線が都市計画決定されている状況ですとか、家屋が連檐しているという駅周辺の状況から、対応策が見出せない状況でございました。そのため、駅での南北自由通路の設置につきまして、桜上水駅の
バリアフリー化のための駅舎の橋上化検討とあわせまして、鉄道事業者と現在協議を進めているところでございます。
◆石塚一信 委員 事業者が、そういうことの仕事をされるというような、橋上駅舎という橋上的なものをつくるというようなお話がありました。去年、私、たまたまご質問をさせていただきましたけれども、勉強不足で恥ずかしいような発言もしましたが、ブリッジをかけてというようなお話をさせていただきました。
どういうような形でどういうものができるかということは大変興味があるんですけれども、こういったものは事業者がやるということが当たり前に思われます。当時、私は、四億円か五億円かかるかもわからんけれども、行政で借金をしてでもやってくれと申しました。これは本当に大勢の方々が毎日の生活の中で大変困っていらっしゃることなんだということを申し上げました。行政指導のおかげさまで、ほかの各駅でもエレベーターが設置されておりますけれども、利用されている方々なんかは、赤ちゃんを抱いていらっしゃった方、子どもを一人二人連れて階段を上がっていく、赤ちゃんをおぶっていくというような方々にも本当に喜ばれているんですね。お年寄りだけじゃない、さまざまな方が本当に喜んでいる。ということは、大勢の方が困っているということなんですね。ですから、非常に公共性が高い自由通路である、こう思うわけです。行政がやってもおかしくないというぐらいに思っています。
しかし、これを行うときに事業の支障になるようなことがあれば、ぜひ区がまとまって積極的にそういうものを解決して、実現に向けて支援に取り組んで、地域の方々、またそういう地域においでになる方々のために、何としてでも一日も早く完成するように取り組むべきであるというふうに思いますが、その点はいかがですか。
◎草野
交通企画課長 桜上水駅付近におけます状況でございますが、踏切付近の自由通路ですね。駅の自由通路の整備ということは、人の移動を容易にすることなどで、踏切対策の一助となる効果があるというふうに認識いたしております。
このため、区といたしましては、自由通路の整備に対しまして、鉄道事業者とともに知恵を絞りますとともに、早期の実現へ向けて、法的な面などの側面から支援してまいりたいと思います。
◆石塚一信 委員 今お話しさせていただきましたけれども、これまでも鉄道、またはその一帯の道路を利用される区民の安全と利便性を第一に、京王線沿線については、かなり前になりますけれども、明大前の駅舎の改良の問題、それから下高井戸駅の橋上駅舎のこと。それから、下高井戸はホームが湾曲しておりますので、ホームと電車との間にすき間があくところがかなりありまして、足を挟んで落ちる方もいらっしゃるようなことで、点滅警報機というんでしょうか、ホームのところが光る装置であるとか、それから電車の運行が変われば待っている時間が長いこともあったりして、待合室の問題であるとか、さまざまな問題を提起し、時間がかかりましたけれども、幾つかについては改善が進んできたというところであります。
桜上水の自由通路の現状を見れば、ぜひとも早期に実現してもらいたい。しかし、今後さまざまな形で、地域の中でいろんな論議があろうかと思うのでありますが、しかし、皆さんのご同意を、ご協力をいただいて、一日も早く実現をしていただきたいと、重ねて強く意見を申し上げておきたいと思います。
先般、前回のお答えの中には、部長の方から今しばらくというような、私は本当にびっくりするほどうれしい答弁をいただきました。今しばらくというのは、一年間の間にこれだけ事を、行政の方々が電鉄会社との検討の中でしっかりと進めていただきましたことについては、私は本当に敬意を払いたい。これからが勝負でございます。まだまだ芦花公園でしょうか、それから、大勢の方が利用されている千歳烏山の駅も、皆さん、本当にお困りのご様子で、各会派の方も踏切のことを申されておりますけれども、一段のご努力をしていただきたいなと思います。
この間、ちょっとある本を読んでおりましたら、鉄道が敷かれまして、鉄道をつくろうかというところから、日本は百三十八年ぐらいたっているんだそうです。百三十八年しかたってないというような表現もありますけれども、アメリカの人でポートマンという方が、一八六八年に江戸~横浜の間を、幕府から許可をもらったというような記録が残っています。しかしながら、その話は一時立ち切れになりまして、新政府は、それを旧幕府が許可したのだからということで、それはなしにしまして、国で何とかやりたいというような方向で、今日の国有鉄道、今のJRの前身が始まったようであります。
私鉄では東京馬車鉄道というのが、今から百二十四年前に、馬が二頭立てで貨車を引っ張ったなんていうことが記されております。世田谷ですと、東急池上線とか、目蒲線であるとか、東京横浜鉄道、今の東急ですね、こういった方々が、一九二二年から一九二六年の間、今から百二十年前ぐらいに大変ご努力をなさって、今日のような状況が生まれてきたわけであります。
私は何を申し上げたいかというと、鉄道や道路、これらが有効に機能しないと都市の生活はできない。しかし、鉄道や道路の建設となるといろいろ、今お話したとおり長い年月がかかる。しかし、明治の時代は、世田谷はほとんどが農地であって、こういう鉄道とかそういうものはなかったわけですね。しかし、我々の先輩たち、先人の方々が鉄道を建設し、道路をつくり、今日のような世田谷を築き上げ、その恩恵の中に、我々は今生きているわけであります。
つまり、今日生活をさせていただいている我々の世代が次の世代の方々のために、まさに天から命じられた天命とも言うべき義務は社会資本の整備であり、次の世代の方々が、本当に安全で安心して、少しでも豊かな生活ができるような、有効な社会資本を整備していくというのが、私は大変大切なことだと思います。さまざまな地域でいろいろな社会資本の整備が今進められております。世田谷の中でも本当に多くの方々が自分の土地を協力のために手放し、そして大勢の方々が、それに対して何とかして報いたいというようにやっているわけであります。
将来の社会資本の整備のためにご感想ということはちょっと甘いかもわかりませんが、ご決意のことがあれば、道路整備部長にお伺いしたいと思います。
◎板垣 道路整備部長 社会資本整備への感想といいますか、決意ということでございましたけれども、私たちが都市生活を営む上では、それを支える社会資本の整備というのは、委員ご指摘のように、大変重要であるというふうに考えております。
先ほど鉄道のお話がございましたけれども、私、道路所管ですので、道路の基盤整備という点から申し上げますと、道路基盤を整備することによりまして、ご承知のとおり、交通機能としての役割だけではなくて、水道ですとか、ガスとか、電気などの、いわゆるライフラインを収容する空間であったり、あるいは災害時の防災上の重要な役割を担うというような、そういった道路が多様な役割を担っていると考えております。したがいまして、その道路を整備することは、基本的には安全安心まちづくりを支える重要なインフラの整備でございますし、また、それは次世代に引き継ぐ大切な社会資本になるだろうというふうに考えています。
いずれにしましても、委員ご指摘のように、次世代に引き継ぐ社会資本、それを次世代の方たちが豊かな生活を送れるように、ぜひしっかりと取り組みたいというふうに考えております。
◆石塚一信 委員 私の質問は、以上で終わります。
◆小畑敏雄 委員 きょうの都市整備所管、朝から今までだれも触れないので、私がやっぱり王ジャパンのなし得た業績を一言言わなきゃいけないのかなと思いました。
昨日午前十一時から、もうテレビの前へつきっきり、一時はテレビチャンネルは五〇%の視聴率をとったというようなことですけれども、王監督を初め、イチロー、松坂、上原、松中、西岡、多村、里崎、今江、そして例のピンチヒッターでホームランを打った福留さんと、本当に日本人の愛国心をかき立ててくれた一時だったのではないかなというふうに思います。
この愛国心という言葉を言うと、どうもアレルギーを感じる方々がおられるようですけれども、これはちょっと最終日にとっておいて、都市整備所管ということで、まず歩道橋について伺いたいと思います。
歩道橋については、過去、平成十一年から八回、六人の委員、もしくは議員さんが、それぞれの所管で質問されております。一般的には国道、都道の関連で、東名入り口の環八のところの問題とか、二四六の瀬田の問題とか、それから世田谷通りの病院坂下、JA砧の付近の問題について触れられておりますが、一般的には、どうしても道路幅が三十メートルとか五十メートルあるというようなことで、やむを得ないんだというようなやりとりがずっと続いてたようですが、病院坂のところにつきましては、今、二一七号線の道路整備と相まって検討しているというような答弁も返ってきております。
そんな中で、実は私が非常に気になって、区民の方からも相談を受けたわけですけれども、特に世田谷通りの環八から世田谷境、喜多見駅入り口のところまでの三キロメートル、実際に走ってみました。そうしましたところ、環八から日大のところまでは一基もございません。日大商学部のところから病院坂下までのところと、もう一カ所、喜多見七丁目のさくら児童館のところに一基ありますけれども、あそこまでの一・五キロメートルの間に五つあるんですね。
今回、私が一番問題にしたいと思っておりますのは、その中の、大蔵三丁目の信号機がついてて、横断歩道のゼブラゾーンがかいてあるそばに歩道橋があるという状況の場所でございまして、この辺について伺いたいんですけれども、まず一点目に聞きたいのは、世田谷区には八十二の歩道橋があるというようなことですが、そのうち、私が今言った大蔵三丁目以外で何か問題が生じているというような歩道橋について、認識があったら教えてください。
◎五十嵐 砧総合支所土木課長 各道路を管理している国土交通省東京国道事務所、東京都第二建設事務所に確認しましたところ、区内において、道路管理者として撤去しても支障がないと思われる歩道橋につきましてはないという回答をいただいております。
◆小畑敏雄 委員 実は大蔵三丁目にある歩道橋は、大蔵団地から反対側にある、やはり大蔵団地に結ぶところでございまして、高齢者とか、子どもさんとか、障害のある方にとっては、歩道橋というのは必要なのかなとも思いますけれども、この大蔵三丁目の歩道橋については、スロープもないし、車いすは渡れないというような状況の中で、この歩道橋というのは、昭和四十年ころから設置をされてきたようですが、どうしてそこのところに信号機がついたのか、ゼブラゾーンがかかれたのか、その辺については理解していますか。
◎五十嵐 砧総合支所土木課長 詳細についてはちょっとわかりかねるところもあるんですけれども、歩道橋については、やはり障害者の方だとか、そういった不便もございます。それで、横断歩道をつくることによって、そういった方についても利用していただけるということで設置されたのではないかと考えております。
◆小畑敏雄 委員 ここのところを渡る方は、大体が健常者の方が多いんです。むしろ逆に、昔の大蔵病院前あたりには友愛十字会等もあって、天気のいい日は車いすなんかもかなり動いている。そういうところに歩道橋がなくて、当時、スロープつきの歩道橋をつくればよかったのになと思うんですけれども、ここのところに問題があるわけです。
実は先ほどから申し上げている大蔵三丁目の歩道橋付近で交通事故が多いんですよという区民の方の通報なんですが、この一年間で何回ぐらい事故があったか、把握していたら教えてください。
◎五十嵐 砧総合支所土木課長 成城警察署からの事故情報によりますと、昨年の一年間で八件の事故が発生しております。
◆小畑敏雄 委員 先ほどの答弁ですと、問題のある歩道橋はないというお話ですけれども、そうすると、この大蔵三丁目の歩道橋というのは問題ありという認識でよろしいですか。
◎五十嵐 砧総合支所土木課長 東京都が管理している歩道橋といいますのは現在六百八十橋ございます。その大部分が、先ほど委員がおっしゃられました四十年代に整備されたものでございます。中にはほとんど利用されていないものもあるとのことで、撤去する条件が合致し、役割が終えたと考えられる十八橋を順次撤去していくことと表明しております。
東京都では撤去の主な選定条件として、利用者が著しく少ないこと、通学路の指定がされていないこと、近傍に横断歩道が設置されていることとなっております。進め方としては、条件を満たし、かつ地域住民の合意を得て、十分理解された上で撤去を行うという回答をいただいております。ここの部分の歩道橋につきましては、やはりそういった条件が整えば撤去するというようなことも考えられるかと思います。
◆小畑敏雄 委員 今、事故の状況、そして危険だということを把握されているようですけれども、実は、私もここのところはよく通るんです。成城から来て、世田谷通りを左折して大蔵団地の側に入りたい、もしくは仙川沿いに南へ下りたいと思ったときは、あそこが一番近道ですから、あそこで右折の信号を待ち、それで、車が途切れたところで右折をするわけですけれども、実は私はラッキーなことに、今まで一回もそういうことに遭ったことがないんです。
先日、あるご婦人がすごいきれいな外車で通りかかって、右側の歩道を上がってきた。あそこは坂なんですよね。ですから、右側からというと、坂の下から上ってくるわけだから、そんなにスピードはつかないと思うんですけれども、右折をするのに左側の車ばかり気をつけていたために、右側の自転車に気がつかなくて接触をして、びっくりしてアクセルとブレーキを踏み間違えて、それで右へハンドルを切りながら仙川の方へ直進して、お花がいっぱい植わっているところをなぎ倒して、なおかつ、木の周りが一メートルぐらいある樹木を一本なぎ倒して、そこでとまったということです。
陳情者の方は、もし私があそこでお花の手入れをしていたらとか、あそこに木がなかったら、あのまま川へというようなことをおっしゃっていました。私はむしろ、坂の上から来る、左側から来る自転車が、坂ですから、これはブレーキがききませんし、私がもし右折をしかけていたら、その自転車とは確実にぶつかるなという恐怖感に駆られました。現場に立ってみて、ちょうど歩道橋の影がそこの死角に入るわけでございまして、また、歩道橋のおり口のところに雨しのぎのために、また近くにバス停があるんですね。そこからバスに乗る人が、どうもそこへ自転車をずらずら並べて、自転車置き場にもなっているようです。
そんな死角のある、非常に危険な場所だということが認識されて、このことについては早速、実は私、質問するにつきましては、けさ六時半から現場をずらっと見てまいりまして、後から質問する住宅についてもついでに見てまいりましたが、きょう見たらば、自転車はほとんど撤去され、特にバイクが置いてありましたが、それも撤去されて、整理されているから、まあ、いいかなというふうに思いましたけれども、見ていると横断歩道を信号で渡る人が多いんです。現実に地域の人の話を聞くと、そこを渡っているのは見たことがないというような状況の中で、これはひとつ、今お話にありましたように、そういうことも踏まえて、ぜひとも撤去をする方針だというふうに理解していただいて、一日も早くその方向で動いていただきたいと思います。
平成十二年十一月に岡沢建設・
住宅部長が当時お答えの文章を見ますと、歩道橋については、まず改良に努めるもの、二つ目には撤去するもの、三つ目には新設の検討を行うものというようなことを申されておりますから、撤去するのなら一日も早く、事故が起きて死亡事故にならないうちに対策を練っていただきたいというふうに思います。そんなことで、ひとつご努力をお願いして、次の質問に移りたいと思います。
先ほども申しました区営住宅といいますか、都営住宅移管を進めている中で、私は先般、砧にある都営住宅の敷地に白線を引いて駐車枠を設けて、なおかつ、そこへとめる方々から駐車料を徴収して、それを住宅の自治会の運営費に充てているということを委員会の方で質問して、是正をするようにお願いしました。
きょう、デジカメを持って行ってまいりました。実は肩透かしを食いまして、当時の吉村課長だったと思います。住宅課長が早速に手配をいたしますと言ったことがきいたのか、その後の野徳課長が頑張ったのか、それはそれとして、きょうは一台もとまっていなかったということで、私としては感謝をしています。
そんな中で残念だったのは、成城八丁目にある住宅に車が三台とまっていまして、ここにはちゃんと団地自治会が発行している紙をフロントに置いていました。これはこれからの調査で、そこでお金を徴収しているのかどうかなんていうことは、やっぱりこれから調べていこうと思いながら、けさ帰ってきたわけです。
なぜこの質問をするかといいますと、債権管理という問題です。要するに、都営住宅の家賃を払わないで、何年もずるを決め込んでいる人がいるということで、資料にも載っていましたが、まず住宅課長にご質問いたしますが、現状についてお話しください。
◎板谷 住宅課長 住宅に関する債権管理のことでございますけれども、区全体として出しました債権管理重点プラン、平成十六年度の決算ベースで言いますと、滞納者数で七十四名、未済額計で約四千万円となっております。この間、今年度に入りまして、滞納の歳入に取り組んでまいりました。それで申し上げますと、先ほどの約四千万円から九月一日現在で約三千三百万円、十八年二月十七日現在で約三千万円を切るところ、そこまで滞納未済額の方の減少を進めております。
◆小畑敏雄 委員 この問題は債権管理ということで、我が党の代表質問から始まって、企画総務領域からずっと、それぞれの自民党の役員である予算委員が連続して、この債権管理については質問を展開してきている中で、私が都市整備で第四弾目の質問というふうに位置づけております。
そんな中で、債権総額が百六十五億円に達しているというような中で、百六十五億円というと、世田谷区の起債が幾らだったっけなというようなことを考えると、これを全部回収すると起債がゼロになるんじゃないかななんていうことも片っ方では考えながら、ここは都市整備部門ですから、住宅について伺っているところです。
そこで、大分頑張ったんですね。四千三十八万円から三千三百万円まで回収努力したということについては了とします。ご苦労さまでございますが、まだまだというふうに思います。
そこで伺いたいのは、ひどい人で、年間に二百万円ぐらいためているような人がいるというんですが、こういう人は何人ぐらいいて、その実態といいますか、相手を知るという意味では、どういう仕事をしていて、なぜ払えないのか、その辺の調査というのはなさっているんですか。
◎板谷 住宅課長 滞納者の状況でございますけれども、特に最近は高齢者の方が区営住宅に住まわれる方が多いんですが、そういった方で、特に失職、あるいは社会経済状況の厳しい中で支払いの方が滞っているという、そういったケースが多いように思われます。
◆小畑敏雄 委員 高齢者が多くなったからというお話ですけれども、その高齢者の方、区営住宅に入っていたとしても、必要なものはちゃんと払っていると思うんですね。例えばガス代、電気代、新聞代、電話代、これは払わなきゃ、即とめられちゃうんですからね。そういう点で、いわゆる家賃といいますか、これは取り立てが一番厳しくないから、ここを払うのを最後に回そうなんていうことを考えているんだとすれば、これはとんでもないことなんですね。
さきの質問でもうちょっと答えてほしかったのは、本当に払えないようなお年寄りとかいうんだったら、これはちょっと考えなきゃいけないけれども、自動車なんかを持っている方々が結構いるんですよね。私が数年前に砧一丁目の都営住宅を見たときには、外車の新品などが並んでいるぐらいです。それが一カ月たって行くと、同じ場所にちゃんとあるんです。ということは、お客さんが乗ってきているわけではないので、そういうものも買えるような方、結構多い資産を持っている方が入っているんじゃないかという気もするんです。
そんな中で、そういうような所得がかなりありながら家賃を払わないような人というのはどうなんですか、把握していますか。
◎板谷 住宅課長 住宅に関しましては、例年六月に収入の実態調査を行っております。その中で、今、特別に悪質なケースということで押さえておりますのは四件ほどございます。一つは飲食店の経営者で、支払い能力がありながら二十五カ月滞納している方、あるいは、特公賃にお住まいなんですけれども、二十五カ月、二百万円を超す滞納をされているというような方、そういった方々には、これから少し強目に、債権回収の方に向けて努めていきたいと思っています。
◆小畑敏雄 委員 そうですね。債権管理の取り組みということの中で、二一ページの十七年度末までの取り組みというので、十二カ月以上、または百万円以上の滞納者に対する条件つき使用取り消し通知を送付すると言っているんですね。こういう人って、送付しただけじゃ全然だめですね。十九年度末に向けた取り組みというのに、十二カ月以上、滞納者に対する裁判上の和解手続って、初めから和解なんだよね。それとか、十二カ月以上の滞納者に対する明け渡し請求ということなんでしょうけれども、これは別に十九年度末に向けた取り組みなんていうよりも、前倒しにして、それでそういう悪質な人に対しては立ち退いてもらうようなことが公にわかるように、例えばその建物の扉に張り紙をするとかいうようなことはできないものかと私は思うんですけれども、どうですか。
◎板谷 住宅課長 住宅の使用料は税の滞納と異なり、私法上の債権でございます。そのため、滞納家賃について法的手段を用いて回収を図るためには、民事訴訟における債務名義が必要となります。その上で、財産や給与等に対する強制執行が可能となっております。ただ、委員おっしゃるように、悪質な方というのはこれまでさまざまな催告活動を行いましても、無視といいましょうか、支払いを行っておりませんので、今度、十八年度予算に法的措置をとるため、強制執行に要する経費を計上してございます。今後、新年度早々にでも、法的措置により、強い態度で滞納家賃の未収の回収に努めていきたいと思っています。
◆小畑敏雄 委員 そこで、歴代の住宅課長を調べさせていただきました。十三年度と十四年度が吉村課長、十五年度、十六年度が野徳課長、たまたまこの席にお二人おられるので伺いたいんですけれども、その吉村課長がなる前の佐藤課長がなさっていたときの滞納額が一千八百万円ぐらいなんですね。それが、年々ふえていってしまって、翌年が二千二百万円、その翌年が二千四百万円、十五年度が三千七百万円、十六年度が四千万円と、右肩上がりがいいのは株価ぐらいなもので、滞納額が右肩上がりじゃ困るんです。
その辺について、今のお二人の課長がたまたまいるから伺いたいんだけれども、ご自分が課長のときに、課内で回収努力をいろいろ考えたと思うんですが、その一番よかったような例を一つぐらい挙げてみてください。
◎吉村 北沢総合支所
街づくり課長 滞納のことにつきましては、早目に対応するのが一番というふうなことで考えておりまして、日常的には、管理を委託しております都市整備公社の方から連絡を受けまして、滞納者に対しまして電話とか訪問したりとか、あるいは来庁していただきながら督促等を指導しておりました。また、集中的な取り組みといたしましては、長期滞納者を中心に電話、訪問等をして、お支払いを促していたところでございます。
◎野徳 烏山総合支所
街づくり課長 今、ワーストフォーということなんですが、私のときはワーストスリーの方がありまして、お一方は大病されておりました。それがためにお支払いができなかった。大変入院中でしたので控えておりました。結果的に亡くなられまして、こちらはちょっと解決できなかったんです。あとお二方は何度督促してもナシのつぶてということだったので、会社訪問をいたしました。会社訪問して直接会えない場合は外で、いわゆる張り込みをいたしました。待っていて、それで事務所の方へのプライバシーを尊重いたしまして、外で直接お話をしました。そのお二方については履行されたものでございます。
◆小畑敏雄 委員 今も出ましたけれども、吉村課長、どうですか。ご自分がもし貸し家を持っていて、入っている人が家賃の滞納をした、どうなさいます。
◎吉村 北沢総合支所
街づくり課長 もちろん督促をして、早く払っていただくように言います。同じようなことで、区営住宅につきましても、同じような気持ちで取り組んでいく必要があるというふうに思います。
◆小畑敏雄 委員 同じ質問、板谷課長。
◎板谷 住宅課長 今、吉村からも申し上げましたように、借りたもの、それも入る前に当然契約ということになっていますので、それはきちんと履行を強い姿勢で臨んでまいります。
◆小畑敏雄 委員 役所だからという役所的発想ではなくて、民間のいいところは取り入れて、やはり家賃を二カ月とか三カ月滞納したら、すぐそうした法的手続に入るよというような厳しいことが必要じゃないかなというふうに思います。これからそういうふうにしていくし、そういうことに関する予算も計上したということですから、一日も早くそうしたことの取り組みを実行に移していただくことが、より公平で公正な区政につながると私は思います。
ただ一律に全部というのではなくて、本当に困っている方々については、それなりの措置がまた必要だと思います。そうしたお商売をなさっているような収入のある方についてはきちっとした対応をしていただきたいと思いますけれども、担当部長、決意のほどを。
◎株木 都市整備部長 今、委員からるるご説明がございましたように、やはり今おっしゃったように公平公正の観点からも、この滞納問題はしっかり取り組まなくちゃいけないと思っていますので、重点的に取り組んでまいります。
◆小畑敏雄 委員 ありがとうございます。
そういう意味で、この債権管理の問題については終わらせていただきますが、この都市整備分野以外にも相当の債権管理があるわけですから、ひとつ助役さんも含めて全庁的に、ぜひとも債権の回収ということについては努力していただきたいことを要望しておきます。
結びになりますけれど、実は昨年五月三十日、平成十七年の一五号として請願を採択いたしました。「成城学園駅南口バス停の移動と横断歩道の設置を求める陳情」が、砧総合所の街づくり課、土木課に頑張っていただいて、南口にある渋谷行きのバスを西口に移動する手はずがいよいよ整い始めた。そして事業者の方が国土交通省に対して、その運行手続の変更を上申したという報告をいただきました。本当にご苦労さまでございました。
以上で終わります。
○原田正幸 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後一時四十九分休憩
──────────────────
午後二時開議
○原田正幸 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
公明党、どうぞ。
◆栗林のり子 委員 それでは、公明党の質問に入らせていただきます。
初めに、樹木の保全に関連することからお伺いさせていただきます。
定例会でも触れさせていただきましたけれども、組織改正後の総合支所に設置される街づくり課と、そして本庁に設置される新たなみどり政策課の連携についてお伺いしたいと思います。
総合支所の街づくり課は、地域の方々が困り事や相談事で、一番初めに訪れる大変重要な窓口であります。緑の保全は、区にとっても最重要課題であります。地域内での開発の問題とか、また、土地利用の問題から起こる樹木の保全等について、区民の方が街づくり課を訪ねた場合、対応策を検討しなくてはなりません。その際、みどり政策課とはどのように連携を図り、緑の保全についてはどちらが責任を持って取り組んでいくのか、明確にお示しいただきたいと思います。
◎男鹿
街づくり推進課長 新年度から新設されるみどりとみず政策担当部のみどり政策課は、国分寺崖線などの緑の保全や創出の推進を図るために設置されるものであります。今までも世田谷区の緑の保全や創出に向けて、国分寺崖線の検討とか、あるいは保存樹木に関しては、各支所の街づくり課と本所の私のところと連携をとり、あるいは土木課も含めて連携をとって取り組んできたところでございます。
今後でございますが、本年四月からは、今、住環境整備条例というのがありまして、その中で、本所と支所の街づくり課をメンバーにした会議を定期的に行ったり、あるいは今までのように、緑関係に関しては、やはり定期的に担当が取り組んできたことを踏まえて、会議を進めてまいるところでございます。
いずれにいたしましても、委員ご指摘のとおり、緑の保全とか創出については、やっぱり地域の現場で取り組んでいかなきゃいけないということで、街づくり課を初めとした総合支所と、本庁の新しくできる組織も含めて協力体制を継続していくとともに、四月以降にできる新財団の世田谷トラストまちづくりとも連携を深めて、全庁的に取り組んでまいりたいと思っております。
◆栗林のり子 委員 やはり何といってもわかりやすさが大事ですので、わかりやすい案内をぜひ進めていただきたいと思います。
またあわせまして、今回、まちづくり三法の見直し案も検討されるという流れになっておりまして、高齢化社会に向けて歩いて暮らせるまちづくりということからも、ますますコンパクトシティーを目指すという考え方に動き出してきていると思います。これから地域ごとのまちづくりはどのような方向に向かうのかとか、それもとても重要なことになってまいります。その辺もとてもわかりにくいのではないかなと思います。
例えば砧地域で考えますと、戸建て住宅とか大型マンションの建設の急増でして、人口の増加、通過車両の増加は、もう驚くべき現状にあります。人口の増加から子どもの数もふえまして、多くの区立小中学校では指定校変更も受け入れることができないのが現状で、平成十四年から十七年までのたった三年間なんですけれども、私もどのくらいの数の増加があったかという推移をちょっと計算してみました。
小学校なんですけれども、まず塚戸小学校が七十二名、祖師谷小学校五十二名、明正小学校は何と百五十名、砧南小学校六十名、山野小学校百九名、千歳小学校四十五名、喜多見小学校九十四名と、三年間でこれだけの児童数がふえているんですね。少子化と言われている中、大変うれしい、ありがたい話ではあるんですけれども、満足のいく教育環境をつくるためにはどうなのかなと。
また、この二、三年間で、一日の通過車両が五千台以上もふえたという通りも現実に出てきております。住宅の増加と密接な関係を持つということからも、都市整備所管が中心となって関連所管と連携をして、都市整備方針に反映して方向づけをしていく。現行の法律の中では建設の規制とか行政指導にも限界がありますので、大変難しいことではあるとは思うんですけれども、特に緑、樹木の保全については、やはり五十年、百年先を考えて対策に取り組むということも必要であるかと思います。
今回の本会議でも、他会派からの質問にありましたが、地域ごとにどのような町をつくるのか、また、そのリーダーシップをとっていくのはどこが担当するのか、その辺をはっきりと教えていただきたいんです。
◎中杉 都市計画課長 地域ごとのまちづくりにつきましては、委員おっしゃいましたように、基本方針として都市整備方針というものがございます。これにつきましては、区の基本構想をもとに、おおむね二十年間を見据えた区全体、あるいは各地域の整備方針を定めておりまして、一昨年に状況の変化を踏まえまして、中間の見直しを行っているということでございます。
また、リーダーシップということでございますけれども、まちづくりの推進につきましては地域に根差したまちづくりを推進するために、今回の組織改正でも、各総合支所に街づくり課というものを残しております。そういったところで、各街づくり課におきましては、その都市整備方針に基づいて、地域の状況を踏まえながら、住民とともに総合的なまちづくりを進める役割を担っていっていただきたいということで考えております。
◆栗林のり子 委員 せっかくの組織改正が今回あるわけですので、事務の仕分けだけではなくて、やはりその辺も十分に検討した、内容面の充実もあわせて検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
引き続き、昨年のこの
予算特別委員会で、我が会派の長谷川委員より砧八丁目の屋敷林の保存について質問がありました。
その際、総合支所長より、かなり強い決意で区としての誘導方針を示して、積極的に緑地確保のために全力を挙げていくというお話があり、答弁があったと思うんです。三項目の条件が挙げられまして、進めてきていただいているとは思うんですけれども、やはり解釈の違いから、周辺住民の方たちと多少食い違いが出てきているように感じます。
現状と今後の取り組みについて、食い違いをどう調整していくか、その辺を教えていただきたいと思います。
◎窪松 砧総合支所
街づくり課長 砧八丁目の屋敷林の保全につきましては、誘導方針を定め、土地を取得した事業者に対し、この方針に沿った形で開発するように強く働きかけてまいりました。誘導方針では、残したい南側の緑地の位置を示しながら、戸建てにすると敷地が細分化されるため、テラスハウス等の一戸建てにするよう、また、約千平米の竹林、樹林地を保全する、そして周辺の景観に配慮した計画とするといった三つを定め、住民の方々にも周知してまいりました。
一方、周辺住民からは、南側の緑地の広さを縮小しても既存樹木の保全をしてほしい旨の要望があり、事業者はこの誘導方針と住民の要望を踏まえて検討を重ね、約千平米以上の緑地の確保と、要望のあった高木のうち二十メートルのユリノキを残す計画となりました。しかし、一方、周辺の住民の方からは、さらに既存樹木を残せないかという要望が出ております。区といたしましては、住民の方々の理解が得られるよう、引き続き業者へ説明するよう申し伝えてまいりたいと思っております。
◆栗林のり子 委員 やはり一たんなくされたものというのは、もう再生するのにかなり多くの年月をまた費やすという大変な作業にもなりますので、できるだけどこまで残せるかということに執着をしていただきながら、引き続き力を入れて取り組んでいただきたいと思います。
やはり世田谷区の緑の六割は民有地と言われています。その民有地が今、相続に伴う土地の細分化とか開発事業で減少していることになります。東京都も、今回、都心の緑の減少の一因として、古くから残る屋敷林が相続税の納付などのために売却されるケースもあるため、都では新年度から調査会をつくり、税負担の軽減を国に求めていくという方針も出しています。
こういう点を考えましても、区としても、やはりきちんと調査を始めて動き出すことが必要と思います。しかし、難しい問題だけに、実現するには時間もかかりますので、まず現状の中でいかに事業主に協力してもらえるか、せっかく立てていただいた誘導方針をより有効的にしていくためにも、緑化の保全に協力していただいた事業主にも、やはり何かメリットをつけることはできないのかなと思います。ただお願いします、お願いしますだけでは、やはり効果は限界がございます。
今、いろいろ調べますと、独立法人とか、また財団とか、あと各自治体でもさまざまな取り組みをしているところがあります。福島県では環境共生住宅市街地モデル事業というものを推進しておりまして、民間事業などで環境問題に総合的に配慮した住宅、自然環境活用モデルなどに補助金を交付したり、また、神奈川県では環境と共生する都市づくりを支援する制度を実施して、環境共生都市づくり事業の認証制を設けているようです。締結した事業は、県として認証マークをつくって、それが交付され活用をすることができる。また、建築関連五団体により設定されているエコビルド賞とか、また、国土交通省で推進している美しい景観づくりのための土地利用というような、そういうところにも協力していただいて、いい事業展開ができたところは推薦するなど、何か事業主が協力したいなと思うような、そういう工夫はできないものでしょうか。区独自の環境共生住宅認証制度なども考えることはできないのでしょうか。その辺はいかがですか。
◎男鹿
街づくり推進課長 現在、世田谷区では、住環境条例に基づいて整備された環境空地につきましては、建築物に管理者の協力を標記した看板を設置したりしております。また、既存樹木を残していく工夫といたしましては、昨年改正したみどりの基本条例の中で、既存樹木を残すことによって、新たに植栽する面積は若干少なくてもいいですよということで、既存樹木が残っていくような工夫も現在やっております。
さらに、相続の問題なんですけれども、今現在、国の公園の担当部署と、東京都の緑の担当部署と、あと区市ということで、杉並区とか練馬区、あるいは武蔵野市を含めて研究会をやっていまして、相続の問題についてどうにかならないかということで、今研究している状況であります。
今後ということなんですけれども、例えば先ほど言った環境空地のところについて、保存樹林地とか、今年度から始まりました、トラスト協会の方でやった小さな森に指定することによって、例えば管理の一部を、要するにトラスト協会――新しい財団になると思うんですが、財団がやることによって支援していくとか、あるいは、先ほど委員がご指摘の環境共生住宅の認証制度についても、民間の開発事業者に対して区から指導していくとか、そういうふうないろんな取り組みを研究してまいりたいと思っております。
◆栗林のり子 委員 やはり事業主も、それなら協力したいですというように思っていただけるような、どんどんいろんな知恵を絞っていただきながら、工夫を凝らしていただきたいと思います。
最後に、子育て支援マンションの認証制度についてお伺いをいたします。
我が会派の板井委員も以前から質問して、要望を続けてきた内容でございますが、今回、予算もつき、取り組みが始まることになりました。予算も五百万円ほど計上されていますけれども、制度の内容はどのように考えているか、また、仕組み、条件なども含めて、わかりやすく示していただけますか。
◎板谷 住宅課長 子育て支援マンション認証制度は、市場活用の視点から、民間事業者の活力を子育てに適した住環境が整備された集合住宅の供給に誘導するため、区は一定の基準を満たす民間マンションを認証し支援していく、そんな制度でございます。
具体的には、キッズルーム整備等のハード面の助成制度と、育児相談や地域の子育て世帯との交流といったソフト面の支援により、子育てに配慮した良質な住宅ストックの形成と、地域での子育て世帯の交流の場の創出を目指しているものでございます。認証の条件といたしましては、地域交流機能を備えたキッズルームの整備、住戸面積の確保、子育てに配慮した住宅仕様の採用、地域交流、子育て支援計画、そのあたりの作成等を柱としております。
◆栗林のり子 委員 積極的な取り組みをお願いしたいんですが、新築の分譲が対象であるということですけれども、今後検証しながらも、中古とか、また賃貸とか、そういうような方向に展開するということはどのように考えていらっしゃいますか。
◎板谷 住宅課長 子育て支援マンション認証制度の対象を中古や賃貸に広げられないか、そういうお話でございます。
当初は新築だけを対象としておりましたけれども、より多くの集合住宅を誘導するため、適用は、子育てに関するハード面の整備条件について一定の基準を満たすものであれば、既存及び賃貸、そちらの方もともに対象にしてまいる、そういうふうに考えております。
今後、早急に関係部署と連携して、子育て支援マンション認証制度を制定いたしまして、子育て世代の居住支援と良質な住宅ストックの確保、そちらを目指してまいりたいと思います。
◆栗林のり子 委員 以上で私の方からの質問は終わりますけれども、今回、質問の中に、長谷川委員とか小泉委員からもご指摘がありました。やはり職員の方の感性ということで触れていらっしゃいましたけれども、特にこの都市整備所管というのは、都市をデザインする、町をどうつくり上げていくかというその想像力が問われる、大事な感性が必要とされる所管でもあると思いますので、一層の取り組みに期待をいたしまして、谷委員と交代いたします。
◆谷逸子 委員 まず初めに、交通安全対策についてお伺いいたします。
昨年一年間の全国の交通事故の死者数は、一九五六年以来、四十九年ぶりに七千人を下回ったことが警察庁より発表されました。交通戦争と言われた一九七〇年前後には一万数千人が死亡しており、おおむね半減したことになります。しかし、減少したとはいえ、昨年は六千八百七十一名のとうとい命が失われています。その家族や周囲の方々の悲しみ、つらさははかり知れません。負傷者も七年連続で百十五万六千人に上っています。
また、死者数が減少したにもかかわらず、昨年十月中旬ごろ、世田谷線が交差します環状七号線の横断歩道上で、絶対にあってはならない交通事故が発生してしまいました。若い女性が即死の状態で亡くなられました。毎日のようにその方をしのんで大勢の方がお参りに見えています。また、地域の皆さんも、いつ起きてもおかしくない状況の中での事故でしたので、大変にショックを受けておられます。
今回の交通事故は踏切上ではありませんでした。もちろん今までも、世田谷警察署、東急電鉄、東京都にも改善の申し入れをしてくださっていることは承知しております。環状七号線の交通渋滞の緩和を図る目的で、遮断機の設置は困難であることも聞いております。遮断機が無理であれば、歩行者の安全を確保するために、一日も早く信号機のあり方を工夫すべきと、議員をさせていただいたときより要望、提案してまいりました。
視覚障害者や聴力障害者を含めた歩行者の安全を確保するために、何がネックになって、今までに設置ができていないのか、お伺いいたします。
また、交通安全整備に係る予算の内容についてお尋ねいたします。予算書の三〇三ページに記載されております、例えば交通安全施設整備、世田谷管轄でございますけれども、三千七百二十四万七千円が計上されております。どういう整備に使う予定なのか、あわせてお伺いいたします。
◎杉本
世田谷総合支所土木課長 視覚障害者の方に横断歩道用の信号が青であるということをお知らせするような音響つきの信号機につきましては、都内では今非常に設置要望が多いということでございます。福祉施設や公共施設など、視覚障害者の方の利用頻度が多い場所に優先的に設置してきているというふうに、交通管理者であります警察署から聞いているところでございます。
ご指摘の若林踏切と平行いたします横断歩道への導入につきましては、まずこのような施設や利用者などの前提になります条件につきまして、現在、交通管理者におきまして整理中であるということでございます。また、信号が変わる時間を表示します信号機の設置もございますが、これにつきましても、交通管理者が判断することになっておりまして、現在検討中であるというふうに聞いております。
次に、先ほどご指摘がございました、予算書三〇三ページにございます交通安全施設整備(世田谷)の内容でございますが、区道を管理する立場にあります区が行う項目につきまして予算計上させていただいているところでございます。具体的には、区道の滑りどめ舗装、あるいはスクールゾーンのカラー化だとか、いわゆるカーブミラーでございますが、道路反射鏡の設置など、十項目につきまして計上させていただいているところでございます。
◆谷逸子 委員 わかりました。世田谷では本当になかなか手が届かないというところなんでしょうけれども、ただ、若い女性が亡くなられて、はや五カ月たちました。この環状七号線の二カ所に花束が飾られていない日は一日もありません。きっと児童、PTA、保護者の方々がかわるがわる添えられているのでしょう。また、三月三日のひな祭りにはたくさんの桃の花が飾られておりました。
私も、地域の方々も、この事故を機に、きっと安全対策に取り組まれるであろうと確信をしておりました。しかし、私たち区民にとりまして、目に見える形では何も変わっていません。現状についてお伺いいたします。
遮断機が無理であるのであれば、踏切上に警報機の設置、または今、全国津々浦々に音声信号機が設置されております。再度要請を申し入れていただきたいと考えますが、お伺いいたします。
◎杉本
世田谷総合支所土木課長 環状七号線の若林踏切と平行します横断歩道の安全性の向上のために、信号機の設置につきましては、これまでも幾度となく交通管理者であります警察に相談とか、要望とか、要請をさせていただいているところでございますが、信号機につきまして早期に実現できるように、引き続き交通管理者であります世田谷警察署、それから環状七号線を管理しております東京都の方に相談、要請してまいりたいと考えております。まず踏切につきましては、電鉄会社にも相談してまいりたいと思っております。
◆谷逸子 委員 やはり死亡事故が発生をしてしまいました。本当にいろいろ努力をされていることはもう十分に承知しておりますし、でも、これをこのまま放置することは絶対にあってはならない。解決するまで、今まで以上にご努力をお願いしたいと思います。
今月十五日の新聞報道によりますと、政府は第八次交通安全基本計画を発表しました。それは年間死亡者数を、今後五年間、昨年より約二割少ない五千五百名以下に減らす目標を設定しております。
区には未解決の課題がたくさんあります。十六年度に協議会が発足をしていると伺っておりますけれども、今後さらに、東京都、警察、鉄道事業者などの関係者の方々に一堂に集まっていただいて、一歩踏み込んだ協議会をしていただきたいと考えますが、見解を伺います。
◎山口 土木調整課長 交通事故の課題というのは、即効性のある、いわゆる切り札というのがなかなかないような状況の中で、交通戦争始まって以来、徐々にさまざまな努力を重ねた結果、約半減以下になってきたというのが全国の状況でございます。世田谷区におきましても、交通事故五千件を超える年度がここのところ続いておりまして、高どまりの状況になっております。
こういった状況の中で、世田谷区としては、区内の四警察署と交通安全連絡会を十六年度に立ち上げまして、警察との連携をさらに深めていくと、それだけ交通事故の防止に努めていきたいということで会議を設けました。その中では、さまざまな細かい話ですとか、具体的な交通安全対策とか、そういうのを議論してきております。
結果といいますのは、ことしは昨年度に比べて、交通事故件数で見れば二百四十六件減少した。これがいいかどうかというのは、先まで見なければちょっとわからないと思いますが、今後も警察とは、引き続きこのような連絡会を通して、連携を密にして詰めていきたいと思います。
また、踏切事故もここのところ、昨年、竹の塚で起きまして、そういう中で、東京都と鉄道事業者と世田谷区も含めて、踏切対策についても、拡幅ですとか、カラー化とかということで安全対策を協議しております。ご指摘もありましたように、今、東京都、警察、鉄道事業者が一堂に会するという状況にはございませんが、それぞれのチャンネルの中でしっかりと交通事故の減少に努めていきたい、このように思っております。
◆谷逸子 委員 実効性のある、本当にこの問題解決のための協議会であっていただきたいことを要望いたします。
続きまして、国士舘坂通りの安全対策についてお伺いいたします。
国士舘坂通りはトンネル構造として、災害時の緊急輸送路や避難路として分断されていました避難所内での東西方向の移動が円滑になりました。以前は狭く、急カーブで、見通しの悪い危険な道路でありましたが、整備されましたことによりまして、車、歩行者にとりまして大変快適な道路と変わりました。トンネルを抜けますと左右に烏山川緑道があり、大変危険ではありましたけれども、今では横断歩道も設置されました。
その先の山崎中学校に行く手前の交差点の右側よりは環七からの車が走ってきます。平成十三年当時の国士舘坂通りは、車は一方通行でありました。大変危険ではあるけれども、車が相互通行になれば、きっと信号機が設置されるものと、地元の方はだれもが思っておりました。
しかし、車が相互通行になって一年になりました。国士舘坂通りが快適な道路になったために、物すごいスピードで車が走ります。先ほどの交差点で何回も冷やり、はっとするような場面が発生し続けております。また、住民の方々は、いつ事故があってもおかしくない、そのように、とても心配をされております。
また、役所にも何回か電話が入っていると思いますが、この道路はまた山崎小学校、中学校の通学路でもあります。小学校のさらに北側のT字交差点で車が左右に走っていく、道路上の整備も急がなければいけないと考えますが、信号機の設置の取り組みとあわせてお伺いいたします。
◎桐山 北沢総合支所土木課長 ただいま委員ご指摘の二つの交差点につきましては、国士舘坂通りが相互通行になった関係で、自動車交通量がふえたものと認識しているところでございます。
区では、これまで所轄警察署に信号機の設置や交差点の交通安全化に向けた働きかけを行っているところでございます。こうした働きかけを踏まえまして、警察署において一定の理解を得ることができまして、警察署から信号機の設置を含めた交通規制の判断の権限を持ちます警視庁交通部に照会をかけていただいているところでございます。
なお、本日午後、警視庁交通部による現地の調査が行われる予定となっております。今後につきましては、現地の調査結果を踏まえまして、所轄警察署と連携を密にし、適切に対処していきたいと考えております。
◆谷逸子 委員 世田谷、北沢、各総合支所の皆さん、本当に一生懸命頑張ってくださっておりますし、また、土木課長は現場に何回も行ってくださっておりますし、また、警察との話し合いの努力も本当によくやってくださっているなと感謝を申し上げたいと思いますけれども、しかし、まだまだ解決を急がなきゃいけない課題がたくさんございます。
今申し上げました環七~国士舘坂通り以外に、世田谷区にはもっと危険な道路がたくさんあります。区長は道路整備は倍のスピードでと述べられております。生命を守るという最優先すべき安全対策も同じように倍のスピードでやっていただきたい。区長筆頭に取り組みをお願いしたいと思いますけれども、平谷助役、ご決意をお願いいたします。
◎平谷 助役 今お話をいただいておりますように、先ほど山口も申し上げましたが、区内の交通事故が約五千件ということで、これは委員ご案内のとおり、そのおよそ八〇%は車同士の事故ということであります。
一方、先ほど来お話がございますように、地域にありましては、高齢者の方とか、あるいは子どもさんだとか、事故に遭いやすいというようなこともあろうかと思います。したがいまして、私どもといたしましては、既に申し上げておりますように、今年度、いわゆる子どもセーフティ計画ということで、ご案内のような施策を、これまでの施策に加えて実施をしていこうということで、ご指摘の点を踏まえて、より一層の努力をさせていただきたい、こんなふうに思っております。
◆谷逸子 委員 最優先で取り組みをよろしくお願いいたします。
これは幼児視野体験めがねと言うんですけれども、大人に見える車が実は子どもに見えていなかったという、何かすごい、やはり子どもさんの視野はすごく狭いということなんですね。大人、私たち成人は左右百五十度、上下百二十度見えている。ところが、五、六歳児といいますのは左右九十度、上下七十度しか見えていない。だから、車が来ていてもボールをとりに走ってしまう。それがこの幼児視野体験めがねをこういうふうにつけていただきますと、角度が、要するに視野が狭められる。ですから、こういう視点で、交通安全対策すべて、不慮の事故が日本は非常に多い。
これは京都の京あんしんこども館というところが新聞に出ておりました。これを取り寄せまして、ぜひこれは区長を筆頭に使っていただいて、安全対策を子どもの目線でやっていただきたいと、強く要望させていただきます。よろしくお願いいたします。
続きまして、都立明正高校跡地についてお伺いいたします。梅丘で五十四年間にわたり高等教育を担ってきました都立明正高校が廃校になりました。今、校舎の解体作業が行われております。
この地域は小中学校も隣接する学園地域であります。広域避難場所地域、防災のまちづくりを重点的に進める、区役所周辺にもなっております。今では国士舘大学が取得いたしまして、国士舘大学の高層校舎が建てられるのではと、いろいろな声が聞こえてまいります。現状についてお伺いいたします。
◎吉村 北沢総合支所
街づくり課長 都立明正高校跡地につきましては、委員がおっしゃったように、国士舘大学が取得いたしまして、世田谷・梅ヶ丘キャンパスの建設を予定しております。現在、住環境整備条例に基づきます届け出がなされておりまして、事前協議を始めたところでございます。
本建設予定地を含めます区役所周辺地区につきましては、地元のまちづくり協議会から、広域避難場所の機能の確保、安全で良好な住環境の維持向上、歴史の町にふさわしい文教施設の誘致等の提案を受けました。それらに基づきまして、地区まちづくり計画及び防災街区整備地区計画を策定いたしまして、防災まちづくりを推進しているところでございます。
今後、区といたしましては、地区計画や条例等に基づきまして、広域避難場所としての機能の向上、また、周辺環境と調和し、地域に開かれた計画となるよう、協議等を進めてまいりたいと考えております。
◆谷逸子 委員 ありがとうございました。
続きまして、補助一五四号線の整備状況についてお伺いいたします。
元明正高校、今お話がございました、校庭のど真ん中に都市計画道路補助一五四号線が都市計画決定されまして、着々と整備がされております。この整備状況についてお伺いいたします。
◎直井
道路事業推進担当課長 補助一五四号線については、目黒通りから甲州街道まで六千五百メートルございまして、現在、世田谷通りから北側について事業を実施しているという状況でございます。現在、事業を実施している区間は、世田谷通りから梅丘二丁目まで約千百メートルの区間でございます。これにつきましては、用地取得完了後、速やかに電線地中化工事、道路築造工事を進めている状況でございます。委員お話しの明正高校のところにつきましては、今年度、電線地中化工事を完了いたしております。来年度、築造工事ということでございます。そこで、この事業化区間すべての完成というのは、平成二十年度を予定しております。
◆谷逸子 委員 同じ一五四号線の小田急の高架付近の交差点についてお伺いしたいと思いますけれども、踏切が今なくなりました。しかし、踏切がなくなったことによりまして、やはりここも猛スピードで車が走ってまいります。この現状についてお伺いをしたいと思います。
◎吉村 北沢総合支所
街づくり課長 梅ケ丘駅西側にあります小田急線高架下の交差点のことでございます。高架下におきましては、駐輪場、そして物販店などが整備されまして、歩行者の横断が増加するなど、区といたしましても、早急な交通安全対策が必要であるというふうに認識しております。
この交差点付近の信号機及び横断歩道の設置につきましては、平成十七年、昨年の五月以来、北沢警察署及び警視庁交通規制課と協議を継続して行っております。協議の中で、この場所につきましては、北側の直近に既設の信号機があること、また、南側が五差路になっていること、こういったことから、多面的な角度から具体的な検討をしているところでございます。ちょうど本日午後になりますけれども、警視庁の交通部による現地調査が行われる予定となっております。
区といたしましては、具体化に向けた協議を行いまして、早期に歩行者等の安全が確保できるよう努力してまいります。
◆谷逸子 委員 よろしくお願いいたします。
では、続きまして、羽根木公園の再整備の見通しについてお伺いいたします。
本年は例年になく寒い日が続きました。区内の梅の花も一カ月おくれとなり、羽根木公園の梅まつりを楽しみに、毎年、大勢の方々が来園されております。梅まつりは今回二十九回目となり、期間中、約三十二万人の方々でにぎわったようであります。私も毎年楽しみにしており、開催中、足を運びました。
また、本年は、羽根木公園のテニスコートの移転など公園施設の一部の再整備が行われまして、祭りの出店のレイアウトだとか、広場空間が非常にゆったり確保されていまして、来園者の方がとても喜んでおられました。また、広場では木の枝をリサイクルしました木のチップが敷かれており、雨対策の工夫だと思いますけれども、とても足に優しい、歩きやすいように思いました。ご努力に感謝をしたいと思います。
また一方、まだバリアがあるかな、また地面の勾配がきついところもあります。また、水たまりができているところもあったように思います。羽根木公園の施設の再整備はまだこれから続くのだと思いますけれども、特に子どもたちが伸び伸びできるような広場づくり、これも要望があるかと思いますが、今後どのように整備されるのか、教えてください。
◎桐山 北沢総合支所土木課長 羽根木公園の再整備につきまして、平成十三年度から実施しました住民参加会議とか、公園利用者のアンケート調査、こういったものを踏まえまして、平成十七年二月に策定しました羽根木公園再整備基本計画に基づいて実施しているところでございます。
委員のお話の中にありましたように、今年度につきましてはテニスコートの移転に伴う再整備を行っておりまして、今後につきましては、公園内の主要施設であります児童遊園、それから野球場、桜並木がありますプロムナードの整備を順次行っていく予定でございます。
なお、来年度につきましては、梅まつりのメーン会場にもなります広場の整備を予定しておりまして、今、委員のお話の中にありました、子どもたちが伸び伸びと遊べるような草広場としての整備を行うとともに、地面の勾配がきついところもございますので、そういったところを平坦に整地する工事を予定しているところでございます。
◆谷逸子 委員 ぜひ子どもたちが伸び伸び遊べて、また、だれもがくつろげるような、そういう広場の整備をお願いしたいと思います。
今お話ししました広場のそばに、車いすの方も利用できるトイレがありますけれども、これがかなり老朽化しておりまして、大変不便であります。やはり梅まつりのメーン会場のトイレにもなっておりますので、ベビーシートを初めとしたユニバーサルデザインのようなトイレの整備を進めていただきたいと考えますが、お伺いいたします。
◎桐山 北沢総合支所土木課長 ご指摘のトイレにつきましても、建てかえを求める声を非常に多くいただいているところでございます。先ほど申し上げました羽根木公園再整備基本計画に基づきまして、来年度の広場整備とともに建てかえを予定しているところでございます。整備に当たっては、車いす利用対応、そういったものを初めとしまして、ベビーチェアだとか、あとおむつがえのシート、それからオストメイト対応の設備を備えたトイレを考えております。いずれにしても、幅広く区民の方々に、より快適で安全に利用できるようなトイレ整備を目指してまいりたいと思います。
◆谷逸子 委員 よろしくお願いいたします。
来年度は羽根木公園の梅まつりが三十周年になります。区内はもちろん、近県からもたくさんの方々が楽しみにお見えになるわけですので、三十周年という記念、そういうときに横断幕みたいなメッセージ、ようこそ梅まつりへ、梅まつりへようこそみたいな、何かそういうようなものを掲げていただけないかなと思います。やはり春の便り、寒い時期から梅を見に、本当にそういうお祭りとしても今定着をしておりますので、これは要望としておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、北沢川緑道の再整備につきましてお伺いいたします。
北沢管内の北沢川緑道再整備はふれあいの水辺事業として、平成七年度より整備が始まりました。この事業は、下水道局の落合水再生センターの下水高度処理水を導水して、代沢せせらぎ公園の地下の浄水施設でオゾン処理をして、その処理水を北沢川緑道にせせらぎとして流すものであります。
最初は淡島通りから代沢小学校まで完成しておりました。しかし、茶沢通りから環状七号線まではなかなか整備が進みませんで、平成十三年だったと思うんですけれども、私もなぜなのかなと質問をさせていただきましてより、今現在、同じようにせせらぎの工事をしてくださっております。進捗状況を教えていただきたいと思います。
◎桐山 北沢総合支所土木課長 茶沢通りと交差します橋場橋から環状七号線と交差します宮前橋までの北沢川緑道につきまして、延長としては約六百六十メートルございますけれども、ここの区間につきましてはふれあいの水辺事業として、平成十五年度より順次整備しているところでございます。
平成十七年度、今年度につきましては鎌倉通りから鶴ケ丘橋までの延長約二百二十メートルの区間を整備しておりまして、現在、橋場橋から西側約四百メートルが完成していることになります。来年度につきましては、鶴ケ丘橋から上流、西側に向けて百二十メートルの区間を整備する予定でございまして、あとあわせて、さらに上流の区間である寺前橋の地下埋設の構造物、そういったものを撤去する予定でございます。残りの環七までの百四十メートルの区間につきましては、平成十九年度に施工を予定しておりまして、それをもって北沢川のふれあいの水辺事業は全線完成するということになります。
◆谷逸子 委員 ありがとうございます。
北沢川緑道の清掃について、地域の皆さんは非常に関心を持っておられます。烏山川緑道では、近くにお住まいの区民の方々で構成されます緑美会という方たちが定期的に清掃してくださっております。これは、やはり会員の方々が力を合わせて作業を行っていく、また、区民の方々が気持ちよく烏山川緑道を利用されております。
このように区民の方々の協力を得た管理を、北沢川緑道、また、このせせらぎを整備している場所におきましてもどのようにして行われているのか、教えていただきたいと思います。
◎桐山 北沢総合支所土木課長 北沢総合支所管内の北沢川緑道の管理につきましても、区民の方々の参加をいただいておりまして、全区間で六団体の方々と管理協定を締結して、維持管理をお手伝いいただいているところです。そのうち、せせらぎを流す区間につきましては、三団体の方々と協定を締結しておりまして、内容としましては、緑道内の清掃だとか、あと除草、それから植え込みの手入れ、また、異常発見時の土木公園管理事務所に対する通報連絡などを行っていただいているところでございます。
なお、せせらぎの水の流れる部分、流水部分につきましては、区が業者に委託しまして、ごみの除去等の管理対応を行っているところでございます。
◆谷逸子 委員 では、最後に、北沢川緑道の環状七号線から梅ケ丘駅付近までの再整備についてお伺いいたします。
今、環状七号線までは十九年度で終了するということでございました。やはりこの緑道再整備の完成区間が広がっていくことに、皆さん非常に喜ばれております。また、老朽化した緑道区間の一日も早い再整備を心待ちにされている、そのように区民の方はおっしゃっております。
じゃ、具体的に、環状七号線から梅ケ丘方面へ向け、その西側緑道は大変老朽化されているかなと思います。改修が必要であろうかと考えます。地理的にせせらぎというわけにはいかないかと思いますけれども、この区間の整備に向けてどのように検討されているのか、教えてください。
◎桐山 北沢総合支所土木課長 環状七号線から梅ケ丘駅付近までの北沢川緑道につきましては、今委員のご指摘もありましたように、緑道を整備してから約二十八年近くが経過しているところでございまして、施設の老朽化が進んでいるところでございます。
そういったところで、区としましては、平成十八年度には測量調査を行うとともに、近隣の住民の方々の要望を把握するためのアンケート調査を行う予定でおります。今後につきましては、これらの調査結果を踏まえた上で、老朽化が進んだ緑道の再整備を計画的に取り組んでいきたいと考えております。
◆谷逸子 委員 よろしくお願いいたします。
梅丘が終わりますと、今度は豪徳寺の方と、ずっと続いていきますので、やはり長期的な展望に立って、ぜひ計画を進めていただきたいことを要望いたしまして、私の質問は終わります。
◆長谷川義樹 委員 私の方からは、住宅問題をまず一つやります。
世田谷区第二次
住宅整備後期方針(案)というのが出ました。これを少し読ませていただいたんだけれども、かつて住宅条例をつくって、住宅委員会を設置して、私も何年かメンバーになっていたんですね。「せたがやの家」とか、ファミリー向け、高齢者向けのさまざまな住宅をつくってきたと。ファミリー向けの「せたがやの家」は危ないということで、中止せざるを得ないという話になって、わかりましたと。時代の中で、家賃もどんどんバブルの時代じゃなくなってきちゃっているから、ただ、高齢者住宅だけは何とかという話をして、そのときにはわかりましたという話だったんだけれども、住宅委員会に議員がいなくなっちゃって、結局、これを見たら、とっくの昔に高齢者への住宅供給というのはストップしているんですね。
高齢者の住宅をストップしたということは、整備方針を見てよくわかったんですが、じゃ、実際どうなのかということなんですね。高齢者、障害者の住宅困窮者はどのくらいあるのかという問題が一つあると思います。
この前、栗林委員の方からちょっと情報が入ったんですけれども、八十五歳になる女性がいて、去年の暮れ、十九年、来年の三月三十一日でもって住み替え家賃の家賃補助を打ち切りますよと言ってきたと。この方は家賃補助を受けていて、今アパートに住んでいる。年金だけだと。その話は聞いていたので、一生懸命二年間探して、シルバーピア等の住宅を申し込んでいたが、当たらないと。結局、余り身寄りもいないから、とにかく年金だけで何とかやるには、区のシルバーピア的なものに入れればやれると。ところが、八十五歳ですから、住宅支援事業で保証するというので民間の方に行っても、あなたは無理ですよということで入れない。それで、打ち切られたら、今の住宅、アパートには住めないと、日夜悩んでいらっしゃるんですね。その人の気持ちを考えると、やはり住宅は基本だから、どうしてもいたたまれない。そういうところにセーフティネットとして、区が住宅の問題をやるのが住宅条例の根本だったんじゃないかと思うんですね。
それで今、高齢者の住宅困窮者はどのくらいあるのか。二〇〇〇年のデータだから随分古いんだけれども、今、六十五歳以上の単身世帯が二万人を超えた。夫婦でも、二人とも必ず単身になりますよね。そうすると、住宅で困っていらっしゃる何万人の単身者、または高齢者夫婦の方のうち、自分で何とかやれればいいけれども、困っていらっしゃる方はどのくらいいるのかと。去年一年間で、高齢者の単身で二十戸募集したら、三百人集まった、高齢者の二人世帯は二戸募集したけれども、九十三人応募して、四十六・五倍だった、こういう現状が出ているんだけれども、世田谷区として、高齢者、障害者、障害者はおいておいてもいいけれども、とりあえず高齢者の住宅困窮者はどのぐらいあるのか、現状はどう考えているのか、まず教えてください。
◎板谷 住宅課長 高齢者の住宅困窮者はどれくらいかということですが、世田谷区の高齢化率は、平成十三年一月一日、一六%、約十二万五千人から、十八年一月一日現在、一七%、約十四万人に上昇しております。高齢単身世帯や高齢者のみの世帯が、今後ともさらに増加していくことを予測しております。
また、平成十年度と平成十五年度の住宅・土地統計調査によりますと、高齢者の借家率は二四%から二五%にふえております。先ほど委員の方からもお話がありましたとおり、シルバーピアつきの空き室の応募状況につきましては、単身向けが約三百人、世帯向けに七百、八百世帯の応募があり、倍率は、単身向けが二十倍、世帯向けが六十から八十倍で、ここ数年推移しております。具体的な数字ではございませんけれども、今後の高齢化の進展を考え合わせますと、区営住宅等の応募者、対象者が、より一層ふえてくるというように考えております。
◆長谷川義樹 委員 かなりの住宅困窮者がいらっしゃるし、これからもふえていくだろう、そういう現状だと思うんですね。以前、僕らが十九年ぐらい前に区議会に入ったときは、この問題がかなり大きな問題で、住宅条例みたいな結果になったんだけれども、ただ、今でも続いていると見ていいと思うんですね。ところが、世田谷区は特公賃、高齢者向け民間住宅の誘導ということで、特公賃とか区立住宅だよね、区立の高齢者借り上げ住宅。「せたがやの家」の福祉型、これは高齢者向けですね。今、新規事業を全部ストップしているんだね。特公賃は、平成七年度整備で終わり、それから区立高齢者借り上げ住宅は、平成二年から三年度に整備しただけで終わり、「せたがやの家」の福祉型は、平成六年から九年に整備しただけで終わり。新規事業は一切やってない。これはどういうわけかな、ちょっと教えてください。
◎板谷 住宅課長 先ほども別の会派にご答弁いたしましたけれども、この間、国、都の施策の展開が量より質ということで、新規の供給に対します助成等の見直しが行われております。区といたしましては、先ほど委員のご質問にありましたように、これからもどんどん整備をしていかなきゃならないという認識はございますけれども、その中で財政環境等を考えまして、どのように進めていくのかというところで、当面、都営住宅のシルバーピアつきの住宅の優先移管等に内容を変更し、また、行政だけではそういった供給が足りませんので、居住支援制度というものを創設いたしまして、高齢者の方が民間の方に円滑に入りやすいような、そういったような環境整備ということで頑張ってまいりました。
◆長谷川義樹 委員 中止についての議論は、やっぱり一度真剣にどこかでやらなきゃいけなかったんだけれども、僕らがわからなかったというのが現状だったので、住宅委員会のありようも問題かなと思います。
それで、問題はこの
住宅整備方針なんですね。これは十年間で、今回、十八年度から後期の五年間に入るんだけれども、
住宅整備方針の、区の高齢者、障害者用住宅の整備目標というのは、区は六百戸、国や都は五百戸ということで整備方針に載っているんですね。ところが、区の供給というのは六百戸のうち、この五年間で何戸ありましたか。区の供給に関しては、世田谷区は何戸ですか。
◎板谷 住宅課長 この間の実績といたしましては、
借上げ公営住宅で百十七戸、都営住宅等の移管で二百五十六戸というところになってございます。
◆長谷川義樹 委員 この区の目標は、整備方針でシルバーピア、東京都の移管の戸数は、この目標当初から入れているんですか。多分入れていないはずでしょう、どうなんですか。
◎板谷 住宅課長 国、都が推進する住宅とは別に、当初、供給手法別ということで、区が推進する住宅ということで、都営住宅、シルバーピアを含む移管受け入れは対象としてございます。
◆長谷川義樹 委員 そうすると、とりあえず対象としていないところで、区は六百戸を目標としていると
住宅整備方針に書いてあるんだよね。現実に百十七戸しか供給できていないと。今まで五分の一もできてないのが、あとの五年間で六百戸、目標を達成することはできないと僕は思うんだけれども、都市整備部長、この六百戸はどうなんですか。あなたは東京都から来ているんだから、今までいろいろやっていたんだから。
◎株木 都市整備部長 この住宅整備目標については、前期目標の段階から、基本的には後期目標で変えなかったということでございまして、この供給については、先ほど言いましたように、都からのシルバーピアの移管とかそういったもので、今後はそういったものを主体に供給せざるを得ないような状況であろうというふうに認識しております。
◆長谷川義樹 委員 そうすると、第二次の後期の案で六百戸と書いてあるのは訂正しなきゃいけないんじゃないですか、どうなんですか。
◎株木 都市整備部長 これは二〇〇一年に策定した目標ということで、今回この目標自体は変えないということでやったということでございまして、この目標に向けまして、あと五年でございますけれども、いろんな工夫をして、できるだけ近づけていきたいというふうに考えてございます。
◆長谷川義樹 委員 ちゃんと供給が、どんどんシルバーピアでも来ればいいので、いわば住宅困窮者が一定規模ふえていくし、それに対して受け入れる体制、キャパシティーをどうするかという大きな問題なんですね。
それで、具体的な問題で、課長の方でいいんですけれども、都からの移管、シルバーピアがありますよね。百戸以下は都営住宅を区に移管するという方針で来た。それは現状どうなっているのか、それはいつまでかかるのか、ちょっと教えてください。
◎板谷 住宅課長 都区の合意で百戸程度の都営住宅を対象にするということで、今年、十八年四月一日で二団地、シルバーピアつきで合わせて六十戸のものの受け入れを行います。この百戸程度という基準にいたしますと、都との協議の三カ年の計画の中では、来年度、十九年度に上用賀五丁目の方の移管を入れておりますが、百戸以下の基準ですと、そちらはシルバーピアは最終ということになります。
◆長谷川義樹 委員 ですから、十八年四月が百戸以下というので、上用賀五丁目のやつもあると聞いたんだけれども、ただ、来たとしても、これは住んでいらっしゃるわけだから、それがあけられなきゃ空室にはならないし、区営住宅も供給できないんだけれども、それ以後、例えば世田谷区から東京都に対して百戸以上についても積極的に移管を受け入れて、高齢者の住宅困窮者に対する対策としてのキャパシティーを少しでもふやすという、そういう方向を考えていらっしゃるというんですが、どうなんですか。それから、それ以外の、例えば都営住宅でも、高齢者住宅ではない場合も考えていらっしゃるという話をちょっと聞いたんだけれども、その辺を説明してください。
◎板谷 住宅課長 先ほどお話ししましたように、都区合意は百戸程度を基本としておりますけれども、都と当事者の区との協議が調えば、百戸以上も移管対象となるというただし書きがございます。今後は、区内にあります百戸以上のシルバーピアの併設都営住宅についても移管の協議を進めたいと考えています。また、シルバーピアでなくても、エレベーターが完備されましたバリアフリー仕様の都営住宅の移管受け入れ、これも百戸というラインにかかわらず、協議の俎上にのせてまいりたいと思います。
また、先ほど委員の方から、シルバーピアつきで、人も入って、すぐ空室がたくさん確保できるわけではないだろう、そういったお話をいただきました。それの対応といたしまして、東京都との間で建てかえ時移管ということで、都営住宅を区へ移管することを前提としまして、区の要望に従って、都が建てかえた上で区営にすると。その場合、既にお住まいの方々は、ほかの都営住宅等にご転居ということを基本とさせていただきますので、空室確保ということで、すごく有効な手段でございますので、その手法についても、東京都と検討を開始したいと思っております。
◆長谷川義樹 委員 ですから、あらゆる方法で都営住宅も含めて、ぜひキャパシティーか、その受け入れ体制が確保できるような方向で、目標に向かっていただきたい。
助役、この目標値六百とありまして、多分修正しなきゃいけないと思うけれども、やっぱり住宅困窮者というのがかなりある以上、それなりの目標値を持っているわけだから、あらゆる手段をつくって、できれば区の、ある意味では基本的なプライオリティーの高い問題として、ぜひ進めていただきたいんですが、感想をどうぞ。
◎平谷 助役 先ほど委員がおっしゃっておられますように、世田谷区の住宅政策のいきさつですね。それは、委員おっしゃるように、住宅条例ができる前に、当時、建設省さんの方も自治体としての取り組みとして住宅白書等、ある種分析的なレポートをまとめながら、議会のご承認いただいてあの条例ができたわけです。
その後、政策的な位置づけとする中で、先ほど板谷が申し上げておりますように、自治体としてセーフティネットとしての住宅というものを考えた際に、区の自前の財源だけではなかなかできないということが、客観的状勢としてはこれまでもあったわけですね。その中で、議会のご提案をいただく中での都営住宅移管もありますけれども、一方、その時代時代において、特公賃だとか、あるいは子育てファミリーだとか、ある種財源の工夫を担保させていただきながら、それぞれのご要請に応じてきたというふうには思っております。
ただ、今日の状況が、今回の第二次
住宅整備後期方針の中で、そういった数量的な意味合いにおいての課題は確かにありますが、私どもといたしましては、都市整備、あるいは住宅等もこの間やっておりますのは、やはり基本的には目標は堅持する中で、とにかくあらゆる施策というものを組み立て直す中でどういった形で確保できるかと。ですから、そういう意味では、目標を余り安易に引き下げるんじゃなくて、それは堅持する中でどういう施策の形があるかということでやらせていただいております。ですから、この課題においては、そういう姿勢で取り組んでいきたいというふうに思っております。
◆長谷川義樹 委員 住宅問題のハード面は、これでともかくできるだけ目標値になるように努力していただきたいということを要望しますが、ソフトの問題で、居住支援、安定支援制度。家賃補助は打ち切ったんだけれども、居住支援制度、いわば大家さんが貸したがらないと。そのために保証人をつけるとか、保証会社とかいって居住支援制度やっているわけで、平成十三年度は十八件、平成十四年度は二十件、平成十五年度が二十一件、平成十六年度は三十二件で、九十一件。十六年度までしか出てないんだけれども、出ているわけですね。家主さんとしては、高齢だから、火事が出たり、病気になったらどうするんだろうかということで不安だから、どうしても貸したがらないと。
ただ、一方で、どんどん少子化時代に入って学生も少なくなってくると、高齢者の住居というのはターゲットだというみたいな不動産業者の話もあるんだけれども、世田谷区も、そのために福祉との連携を我々は何回も主張してきたんですよね。家主さんに、福祉の方と連携して、何かあったら行政側の
保健福祉センターがいろんなことやりますよ、だから安心ですよ、だから供給してくださいみたいな話をやっていくべきだって僕はさんざん言ったんだけれども、この辺は実際はどうなっているのかしら。
◎板谷 住宅課長 居住支援制度の普及啓発ということで、福祉保健の既存施策とネットワークを活用しながら進めてまいります。
これまでに、研修会、保健福祉の職員、民生委員さん、不動産業の方々と研修会を重ねてまいりました。その中で大きな流れとしましては、先ほど委員が言われましたように、不動産業界の方々も少子化ということで、これから高齢者のためのアパート等が仕事の種になっていくだろうということは理解しておりますけれども、大家さんをどういうふうに理解、説得するか、そこのところなんですが、私どもも保健福祉の方といろいろ検討を重ねまして、いろいろリーフレット等も作成いたしております。
また、今後、保健福祉の方も組織改正等がございますけれども、今度は全体ではなく、不動産業界さんも四地域の地域性でリーダーさんとかいろいろいらっしゃいますので、地域単位でもう少し、住宅課も中心になりまして、保健福祉の領域の職員、あるいは不動産業者、あるいは民生委員の方、その方々が顔の見えるような関係になりまして、ソフト面のサービスの充実を図りまして、大家さん等の理解、あるいはそれに参加することによって、不動産業者さん等の理解も進めてまいりたいと思っています。
◆長谷川義樹 委員 この近くのサミットの前にヤシマというレストランがあって、この間行ったら、もうそこがビルになって、高齢者住宅になっているんですよね。ここは住宅になったのかと。
この間、国交省が、これは板谷課長の方から情報をもらったんだけれども、国交省が高齢者円滑入居賃貸住宅登録制度というのを始めたと。高齢者の入居を拒まない賃貸住宅というステッカーがあって、登録住宅ご案内、高齢者でも入居できる賃貸住宅をご案内しますというのを始めたそうなんだね。それを聞いたんですが、例えばこれは都道府県なんだろうけれども、不動産業界も注目しているらしい。
世田谷区もこの登録制度を積極的に使って、例えば高齢者のマンションをつくりますよと、その人に登録してもらって、そうすると、入る高齢者も、お金を出して入るんだろうけれども、区が登録しているんだったら、何かのときに安心じゃないかと。だから、そういう意味では入りやすいし、そうすると、事業者もメリットが出てくるわけね。さっきの子育て支援マンションと同じような考え方なんだけれども、こういうこともやると言っている。
ぜひ区の方でこういうことをどんどん積極的に取り入れて、区民の皆さん、高齢者の困っている皆さんにわかるようにどんどん広報していくという形を、ぜひ積極的に展開してほしいんだけれども、どうでしょうか。
◎板谷 住宅課長 何か新しい手法はないかということで、先ほどご答弁申し上げました子育て支援マンション、そちらの認証制度等も見習ってということでお話しいただきました。
今後、需要の増加が確実視される高齢者の住まいの確保は喫緊の課題と認識しております。国等の整備方針が大きく転換された中で、ご提案の
民間賃貸住宅による供給を誘導する仕組みは、まさに時宜を得たものだ、そういうふうに考えております。
現在は、お話にありましたように、都道府県レベルでは高齢者の居住の安定の確保に関する法律に基づきまして、知事、または都道府県の指定登録機関が、一定の基準を満たす、高齢者の入居を拒まない
民間賃貸住宅の情報を登録し、窓口やホームページで紹介をしております。
また、区の居住支援事業でも、まちづくりセンター等でインターネットで、そこらの情報もつかんでご案内をいたしておりますところなんですが、区といたしましても、高齢者の方が安心、円滑に入居できる賃貸住宅の確保を目指しまして、お話にありましたような認証制度、新たな手法について、事業者が参入しやすい誘因も含めて検討をしてまいりたいと思います。
◆長谷川義樹 委員 あらゆる方法で、ぜひ困窮者に対するセーフティネットを確保していただければと思っております。
もう一つは、住宅問題の最後で、ポイント方式をもう少し見直したらどうかなという感じがするんですね。というのは、この前、うちの近くでお握り屋さんをやっていまして、お年は七十三歳で、一人なんですが、もう半年も仕事をしていないんですね。右肩が上がらなくなっちゃって体が悪くなって、買い物もできなくなっちゃったと。家賃を払って、店は小さな店を持っているんだけれども、結局、家賃が払えない。今の年金だけじゃ、もちろん仕事をしていないから、預金もどんどん削られちゃう、なくなっちゃうと。ことしいっぱいもつかどうかわからないので、何とか公営住宅に、シルバーピアみたいなところに入りたいんだけれどもとかいう話で行きました。
結局は、周りの人に相談すると、世田谷は倍率が高くてなかなか入りにくいらしい。あと、生活保護を受ければ住宅扶助が出るんだから、それで民間を借りたらという話で、でも、その人は、私は生活保護を受けたくない、自分の年金だけでも、ともかく住宅さえあれば、孤立しても何とか自分でやっていくんだと。長年ずっと、何十年も世田谷に住み続けたので、子どももいないし、兄弟は遠くの方に一人いるらしいんだけれども、世田谷にいたい、何とかならないかという話があったんですね。だから、こういう人は、多分ポイントの対象にはなっていないと僕は思いますよ。
それで、立ち退きを要求されたら十ポイント。ふろがないと十ポイント、ふろのないのと立ち退きのポイントが同じというのはおかしいかなと僕は思うんだけれども、例えば生活保護を受けなきゃならなくなっちゃう人は、受ければそれだけ国の税金がかかるわけですよ。そのときに、少ないキャパシティー、少ない物件だけれども、できるだけそういう人たちを入れてあげると。
だから、前に特別養護老人ホームの入居者を募ったら、何千人も出ちゃった。ところが、緊急度で入れるようにしたら、それも随分少なくなった。だから、ひとしからざるを憂えるのではなく、公正ならざるを憂えると、前に、長洲さんだったかな、神奈川県知事が言ったけれども、公正さが必要だと。その場合は、やっぱり住宅の困窮度というものをいろんな角度から見て、それで一番大変な人から入れてあげる、それはさまざまな尺度があると僕は思うんですよ。それも、やはり今のポイント方式を改善する余地があるなというふうにふと思うんだけれども、その辺はどうなのかしら。
◎板谷 住宅課長 お話にありましたポイント方式につきましては、平成十三年一月より実施しております。ポイント方式は、委員のお話にもありましたように、住宅困窮度を数値化しまして、困窮度の高い人を選び出し、区営住宅への入居を優遇する措置として導入を図っております。申込者のうち一定以上のポイントの方を対象に、抽せんと資格審査、住宅調査を行い決定しております。配点見直しのご提案でございますけれども、六カ月以内の立ち退き要求を受けている高齢者世帯の転居を支援している居住安定支援事業の見直しを図っておりますので、住宅困窮度のポイント基準の見直しについても、あわせて検討してまいりたいと思います。
◆長谷川義樹 委員 住宅問題については、以上、いろいろよろしく頑張っていただければと思います。
時間が余りありませんけれども、なかったら補充に続けます。
住宅じゃなくて、今度は耐震の問題ね。結局、五十六年以前の建物、一九八一年以前、二十数年前ですね、七万二千棟ある。木造住宅がそのうち六万五千棟ある。耐震強度はどうなのかという問題なんですね。この間、一般質問でいろいろやったんですけれども、世田谷区は無料耐震診断に三千件ぐらい来たけれども、そのうち相談が百九十件ぐらいあったと。現状は、例えば耐震診断の相談を受けたり、無料の耐震診断をやったりして、五十六年以前の世田谷の建物の危険度というのはどのくらいあるのか。これはかなり大きな問題なんだけれども、これは都市整備領域でやっているので、その辺の状況、補強が必要な家屋がどの程度あるのかというのは推測できますか。
◎工藤 建築調整課長 これまで申し込みを受けまして、百九十軒の木造住宅に対しまして耐震診断士を派遣し、耐震診断を実施しているところでございますが、耐震診断の方法は、国土交通省で告示されている、いわゆる一般診断と言われているものでございます。
この方法によりますと、これまでのところ、地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、または崩壊する危険性について、危険性が高いと言われる構造耐震指標というのがございますけれども、これが〇・七以下となっているものが約七八%ございます。同じく、それについて危険性があるとされているものが〇・七から一・〇に該当するものでございますけれども、これについては一八%、危険性が低いとされているものが残り四%、こういったような結果になっております。
これは、いわゆる一般診断と言われる方法に基づいて、基準に従ってやっていくとこのような結果になってきておりますので、百九十軒でございますが、五十六年以前で、この申し込みをされている方が不安を持っていらっしゃるということもありますので、サンプル数が必ずしも平均とそれが合うかという検証はまだまだ必要だと思いますが、今、私どもが持っているデータとしてはこの程度かなと思っております。
◆長谷川義樹 委員 この前も本会議でちょっとやったけれども、烏山の問題で立ち退き勧告を受けて、何万世帯という人が十数万人、もっといるのかな、九〇%が立ち退き勧告を受けてもいい状態にあるというのが現状だと僕は思いますね。そうなると、問題は、この方々をどうするか。自分の家は自分で建て直すのは至極当たり前で、その線は抜けないけれども、やっぱり耐震診断とかなんとかって、入り口のところでは全面的に数多くやってあげることが一つだと僕は思いますね。
それから、この前の本会議で、平谷助役は国交省による耐震改修促進計画、都道府県の九〇%を十年間で耐震補強する、耐震度を高めたいという国交省の動きで、都道府県はこの一年以内に耐震改修促進計画を立てろということになっているんですね。ただ、区市町村は可能な限りみたいな話なんだけれども、平谷助役は、世田谷独自の耐震改修促進計画を立てると、本会議で述べたわけですね。
この問題について、時間があともう一分ぐらいしかないから、多分突っ込めないので、人、金をどう投入するのかとか、さまざまな問題がありますので、次の補充で意見を聞きますけれども、固定資産税を減免したり、所得税の控除をしたり、地震保険に新たな控除制度を設けるとか、今、国で大きな動きになっています。
この辺、改修促進計画についての考え方だけでもいいですから、お答えがあればぜひ、あと三十秒、四十秒しかないけれども。
◎工藤 建築調整課長 今後、耐震改修促進法に基づきまして、既に先行して世田谷区として行っている耐震施策に取り組みながら、東京都との整合を図りながら、委員のご指摘がございました計画を策定してまいります。
◆長谷川義樹 委員 あとは補充で続きをやらせていただきます。
以上で終わります。
○原田正幸 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後三時二十二分休憩
──────────────────
午後三時五十五分開議
○原田正幸 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
民主党・生活者ネット・社民党世田谷区民連合、どうぞ。
◆羽田圭二 委員 最初に、住宅問題について触れます。
第二次
住宅整備後期方針(案)が出されたわけですが、今回の方針に新たな目標が定められていると思います。住宅に係わる将来目標像では、ライフステージに応じて選択できる住宅の確保ということがうたわれているかと思います。
世田谷区の地域性や特殊性、この点を踏まえた場合、午前中の討論の中にもありましたが、民間では社宅や寮、それから公務員では宿舎の廃止、統合が相次いでいる。こうした事態、そうした中での今後の対策が問われているのではないか。言いかえれば、これまでの高齢者の増加、若年単身者ということで、そうした対策もとられてきたわけですが、同時に、今後、中高年の単身者が増加傾向にある。
こうした点を踏まえた単身居住への配慮が求められているのではないかというふうに思うわけですが、区の対応を最初にお聞きしたいと思います。
◎板谷 住宅課長 公営住宅法では、公営住宅は原則として同居親族を入居資格要件としておりまして、その中で、例外として高齢者や障害者といった方々に単身での入居を認めております。今回改正されました公営住宅法施行令におきましては、単身入居の資格として五十歳以上とされていた年齢要件を六十歳までに引き上げております。これは、少子・高齢化の進む中で公営住宅のセーフティネット機能を果たすため、公営住宅のストックを、より住宅の確保が難しい高齢者、障害者などに的確に供給するために行われた改正です。
また、区においても高齢単身者向けの区営住宅募集では、先ほどご答弁を申し上げましたように、毎回三百を超える方からの応募があります。
お話にありましたように、区内においては単身者が増加傾向にあり、また、企業や官公署の福利厚生事業の合理化等で廃止される社宅や寮がふえていることは存じ上げておりますけれども、現役世代の単身者の方々は、これまで申し上げました高齢者や障害を持つ単身者の方々に比べて、比較的住宅の確保が容易であり、区としましては、そういった方々には民間の住宅供給、そちらの役割を期待しているところでございます。
◆羽田圭二 委員 東京都は都民住宅の入居要件の緩和に入るというふうに言われておりますけれども、これは既存の住宅に空き室が多くなっているということが理由のようなんですが、区の「せたがやの家」の使用状況と改善の方向、この点はどうでしょうか。
◎板谷 住宅課長 お話にありましたように、都民住宅については、来年度から応募資格の都内在住、在勤の条件を撤廃するということが報道されております。これは、特優賃法に基づき、毎年家賃が上昇する傾斜家賃制のため、早期の住宅ほど家賃が高い傾向があり、競争力が落ち、空室が増加したためと聞いております。
「せたがやの家」についてでございますけれども、現在、七百二十七戸を都市整備公社で借り上げ管理しておりますが、同様に、近年、空室の増加傾向にあり、その解消が課題となっております。
その対応でございますけれども、都市整備公社では昨年十二月から、年四回の公募時に募集戸数に応募者が満たなかったりして入居者が決まらない住宅については、随時先着順募集を開始しております。その結果、十戸募集したところに七戸の入居があり、空室解消に一定の効果が見られたところでございます。
今後とも都市整備公社と協議しながら、さらに効果的な入居促進策を検討いたしまして、空室の解消に努めてまいりたいと思います。
◆羽田圭二 委員 今後、少子・高齢化のもとで、ライフステージや家族形態の変化に応じた居住に対するニーズ、ここにきちんとこたえていくということ。そして、現実の住宅の規模や立地などが必ずしも合致していない、こういう問題も抱えているかと思います。
同時に、先ほど以来出されておりますが、公営住宅などの住宅困窮者の居住対策を地域の実情に合わせながら、今後改善していくことが必要なのではないか、このことをつけ加えておきたいと思います。
次に、耐震診断と耐震改修についてです。
最近、実は立て続けに建物等の報告会あるいは説明会が開かれておりまして、それに幾つか出席する機会がございました。その一つに、玉川一丁目の堤防の内側にもう一つ堤防をつくるという、そういう考え方が報告される場がありました。これは国土交通省が関係住民を対象に行ったものなんですが、現在、玉川一丁目には、ご存じのとおり、多摩堤通りのわきに土手、堤防があるわけですね。その内側に、河川までの間に住宅地が玉川一丁目ということで立ち並んでいるんですが、以前、大雨が降った際に避難勧告が出された場所でもあったと思います。
これまで国土交通省は、この付近一帯にスーパー堤防をつくるという考え方を打ち出していたわけですが、それは住居の移転が伴うということで、なかなか住民合意が得られないという状況にあるかと思います。
そこで、今回新たに提示されたのが、現在の堤防、これは完成堤防というふうに言うようなんですが、その内側に河川敷を利用して暫定堤防、完成堤防に対して暫定堤防ということなんですが、そういう提案を行ったと。これは近年の豪雨などによる洪水被害、全国各地で起きた、そういう事態をきちんと把握する中で、少しでも食いとめるという考え方から、完成堤防よりやや低い、一・五メートルから二メートルの高さの堤防をつくるという考え方が提示されたわけです。
これを進めるか進めないかは、もう少し地元の議論が必要だとは思うんですが、私自身は、この説明会といいますか、提案説明会というか、名称は非常に難しいんですが、この考え方ですね。つまりゼロか百ではないという考え方を示したと思います。
先ほども耐震診断、耐震改修の話がありましたが、この考え方をここに適用した場合、今回の予算では、これから耐震診断、耐震改修等々についてもその件数をふやしていくということなんですが、その点について幾つかお聞きしたいと思います。
昨年の実績と結果についてなんですが、どれだけの診断を受けて、いざ改修しようとして断念した方の人数、これを報告というか、伺いたいと思います。
◎工藤 建築調整課長 数についてお答えいたします。
木造住宅の無料耐震診断については、区内の建築士で診断士の登録制度を整えるなど準備作業を経まして、昨年の七月に開始しました。二月末までの八カ月間で百九十件の申し込みをいただいており、診断は本年中にほぼ終える見通しでございます。
耐震改修工事助成につきましては、耐震診断を終えたものが対象になってまいりますけれども、昨年十月より開始いたしまして、二月末までの五カ月間で六十件ほどの相談を受けておりますが、正式に申し込みを受けたものは十一件でございます。診断を終え、対象となる物件がふえてまいりますので、今後は増加していくものと見込んでおります。
◆羽田圭二 委員 先ほどの話と、さきの一般質問の中で言われていたこともあったと思うんですが、つまり安全性の確保という立場から、基準を下回る耐震改修には支援できないというような趣旨の回答がされているかと思うんですね。費用が高くて改修ができないという方への支援の中身というのは、一定考慮されてもよいのではないかというふうに思うんですが、この点はいかがでしょうか。
◎工藤 建築調整課長 区内で耐震診断を終え、改修工事の助成対象となる住宅が増加して、改修工事件数は増加してくる状況でございます。耐震改修の促進に関する法律に基づきまして、本年一月二十五日に、国土交通省では建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本方針を告示しております。こうした方針が国によって出されておりますので、今後、これに沿って耐震診断や改修工事が行われることになってまいります。
こうした基本方針や技術的基準が整備されている中で、さまざまな耐震改修の事例が区に集まりますので、身近な実例として紹介できるようにするとともに、さらに他自治体での先進的な改修事例なども講習会等で紹介してまいり、それぞれの住宅の事情に合った改修が行われるように環境を整えてまいりたいと考えております。
◆羽田圭二 委員 先ほども言いましたけれども、ゼロか百の対策ということじゃなくて、安価な方法による安全性の確保ということ、ここをぜひ大事にしていただきたいと思います。
次に、まちづくりと住民参加について何点か伺います。
先ほどお話しした堤防の報告会というか、説明会というか、もう一つ感心したことがあるわけです。会の名称は正確には余り覚えていないんですが、堤防に関する話題提供という内容だったんですね。したがって、報告をして説明して、これで工事を進めますというようなことではなくて、まず話題を提供して、皆さん、いかがでしょうかということを行ったわけですね。つまり、最近、まちづくりで忘れがちになっている住民とともに進めるまちづくりという視点を、逆にこの話題提供を通じて思い起こさせられたということです。
そうした視点から幾つか考えてみたいと思うんですが、一つは、これも午前中に出されましたが、依然多い建築紛争。最近多く寄せられるのは、説明が一方的で資料や説明不足、それから説明の範囲と説明会のあり方に関する問題と、低層住宅に集合住宅が建設されることによる住環境の変化、ここを懸念する声が多いと思います。
そして最近、再び顕著な例が、国や都の土地に加えて、先ほども言いましたが、民間の社宅や寮が廃寮となって、その土地が売りに出されるケース。今後、さらに公務員住宅、それから郵政宿舎が区内でも数多くありますが、統廃合されるという状況になっております。それだけに、その対応いかんで、つまり周辺環境との関係で新たな問題が投げかけられているのではないかと考えるわけです。
多摩川の土手の話ではないんですが、できるだけ早い時期に情報を把握して、周辺住民にその情報を提供して、まちづくりのあり方を協議していく、このことが改めて問われることになるのではないかと思いますが、この点についてお聞きしておきたいと思います。
◎北川 玉川総合支所
街づくり課長 大規模敷地につきましては、土地所有者や周辺住民が将来像を共有しておくことが必要と考えております。上用賀一丁目の都立用賀技能開発学院の敷地について、都立大跡地を教訓に、土地が民間に処分されるという情報を受けて、早期に地区計画を策定しました。さらに国立医薬品食品衛生研究所の三ヘクタールの敷地まで範囲を広げ高さ等の制限を設け、住みよいまちづくりを目指しております。
また、国分寺崖線上にある野毛三丁目の大規模民有地につきましては、開発相談の動きをとらえ、早急に地権者や周辺住民に働きかけて、緑地保全方針を策定いたしました。
これからも大規模開発の動きを早期にとらえ、区は住民を支援しながら、先手を打ったまちづくりを進めてまいります。
◆羽田圭二 委員 今のお話の中にもありましたけれども、都立大の深沢校舎の跡地利用の問題というのでは非常に苦い経験があるかと思うんですね。その教訓を、今後、ぜひ世田谷全体で生かす必要があるのではないかというふうに思います。
それから、この説明会の中で、次に、二子玉川東地区の再開発の問題もあったかと思います。
ここでも説明内容や説明範囲が意見としても出されておりましたが、道路の拡幅や超高層ビル建設の影響というのは、高さの二倍という範囲の住民への説明では十分とは言えない。そして配付資料の中で、これは私自身気になったんですが、一枚のパースがありまして、それは国分寺崖線から見たというふうに言われている絵なんですが、実際には、はるか上空から見たような全体像。
区は、今年度予算で四十四億円を計上しているんですから、こうした説明会のあり方について改善を求めるべきではないかと思うんですが、この点についてお聞きしておきたいと思います。
◎渡辺 都市整備部副参事 今お話しの説明会でございますけれども、これは二月に再開発組合が、世田谷区の環境基本条例、あるいは中高層建築物の紛争の予防と調整に関する条例などに基づきまして三回実施したものでございます。当日は、建築の図面ですとかイメージパース、日影図や緑化計画図等を資料としてお配りし、会場内にはスクリーンでパソコンを使いまして説明をしたというふうな状況でございまして、その後、質疑が行われまして、さまざまな内容にわたり意見交換がされたというふうな状況でございます。その説明会でのやりとりを私も拝見いたしましたが、説明不足など、丁寧さに欠けた点もあったのではないかなというふうに思いました。
区としても、周辺住民のご理解とご協力を得て事業を進めることが必要であると認識しております。委員ご指摘の点につきましては、今後、現地組合に事務所がございますので、これを活用してきめ細かく、これまで以上にしっかりと、かつ丁寧に対応するよう、また、今後、工事説明会等も予定されておりますので、同様の姿勢で行うよう、組合を強く指導してまいりたいと思います。
◆羽田圭二 委員 さらに説明会の中では、さきの本会議で可決しました特別区道路線認定、補助一二五号線の整備のあり方、特に堤防側の歩道の整備について質問と意見が出されていたかと思います。
再開発地区は高さ六メートルの人工地盤面の上に建物が建てられる。そして公園部分ではスーパー堤防として整備される。こういうことから、川風を遮る大きな土手ができて、反対側は国分寺崖線があり、住宅街が谷間のようになるのではないかという心配の声も出ているかと思います。
再開発地域のスケジュールが示されているわけですが、道路や公園整備はもともとこれは区が行うことから、先ほどの話ではないですが、そちらの方については説明は非常に不十分になっている。
こうしてみますと、できる限りその地形を変化させないような工夫とともに、区が道路や公園の整備のあり方を住民とともに考えていくという、そういう姿勢を、早い時期から、スケジュールを示しながら行っていくことが必要なのではないかと思うわけですが、この点についてはいかがでしょうか。
◎男鹿
街づくり推進課長 再開発区域外の道路や隣接している二子玉川公園の今後の整備スケジュールにつきましては、二子再開発事業の進捗に足並みをそろえて整備を進めるものであります。
現時点では、世田谷区道路整備方針や、まだ案の状況なんですけれども、都市計画公園・緑地の整備方針においてお示ししているとおりでございます。
今後、区が整備する道路や公園につきましては、従来の区の事業と同様に、再開発の進捗状況を見据えて機会をとらえ、説明会など適宜開催するなど、区民の意見を聞く場を設けながら進めてまいりたいと思っております。
◆羽田圭二 委員 いずれにしても、建物の高さが周辺環境に大きな変化をもたらすことは、だれの目からも明らかだと思うんですね。そういう点もきちんと踏まえて、今後の説明のあり方やその範囲のあり方、改めてきちんと行っていくことを指摘しておきたいと思います。
次に、これも午前中出されておりましたが、大井町線の関連ですね。この説明会も同じように三月に行われたわけですが、東急電鉄の主催で行ったこの説明会では、これは率直な感想なのですが、平成二十年に大井町線に急行を走らせるというスケジュールだけが先行した、住民への説明会であったのではないか。
今回の提案は、急行の通過線を上野毛駅に増設するということと、あわせて上野毛駅を改良するという中身だったんですね。実際には、もともとは等々力駅で地下化工事をやって線増する、つまり追い抜き線をつくるという計画が最初の計画で、現在、それについては、検討委員会等で出された見解に基づいて、今後どうするかということになるわけですが、現状では、文化財保護の観点から、すぐに着工できない、そういう中で、今度は上野毛駅へというふうに移ったということも言えるのではないか。その際に、先ほど午前中に討論がありましたが、かつて上野毛一帯から出された陳情もあわせて、実現の方向にしていきたいという考え方だと思います。
説明会では、工事には振動や騒音に対する不安、そして駅舎及び改札口の移動による商店街への影響など意見や質問が出ていたわけですが、ここでも住民とともにつくり上げていこうという姿勢が非常に薄かったのではないかと思います。
上野毛駅の
バリアフリー化、これは先ほどもありましたように、以前から住民の要望が出されているわけで、そういう課題だけに、区としても事業者への指導が一層求められていると思いますが、この点について、改めてお聞きしておきたいと思います。
◎北川 玉川総合支所
街づくり課長 駅は人々の出会いと交流の場、そして町のシンボルとしての町の顔という役割を持っております。地域にとって大切な場所であります。そのため、駅の改良に当たっては、地元の理解と協力を得ることが重要であると認識しております。
説明会の後に、駅の
バリアフリー化は必要である、駅舎の位置が変わること、人の流れが変わることなどへの影響はどうかなどのご意見をいただいております。区といたしましては、住民からの疑問や要望については、事業計画の経緯も含めて丁寧でわかりやすい説明を行うよう、事業者を指導してまいります。
また、そうした住民からの意見を含めて、駅周辺まちづくりの課題を整理し、事業者に要望を伝えていくと同時に、先ほど午前中も申しましたが、区民、事業者とともに、上野毛駅周辺のまちづくりにつながるように努めてまいりたいと考えております。
◆羽田圭二 委員 きょうは、後半の部分は説明会のあり方等々について、そして特にこの住民参加、要するにまちづくりは住民の手で進めていくという考え方を、区の方は早くからそういう提案をしてきているわけですが、そのことが今、現実の一つ一つの説明会の中で、改めて非常に問われているということを指摘したわけです。
最後になりますが、懸案の多摩堤通りのバス停の改善について触れておきたいと思います。
これはもう既に何回かのこの予算あるいは決算等々でも取り上げて、他の会派からも同じように意見が出されてまいりましたが、その停留所の改善については、この間、区内七停留所、そのうち三つは改善をされまして、この努力は、特に玉川の土木課長を先頭にした玉川総合支所の熱心な取り組みがこの改善につながった。そういう意味では、住民の皆さんからも非常に感謝の声が届いているということを、まずお伝えしておきたいと思います。
そこで、残りの改善の時期、そして残念ながら、一たんは改善されているんですが、依然使用されないままに今日に至っているというようなバス停が、明神池というバス停ですが、そういう状況になっておりますが、その使われなかったのはなぜなのか、そして使用のめどは立っているのか、お聞きしておきたいと思います。
◎安藤 玉川総合支所土木課長 多摩堤通りの改良を必要としますバス停六カ所のうち三カ所につきましては、昨年の春、玉川温室村外二カ所が完了してございます。残り三カ所につきましては、本年度の工事といたしまして、東京都第二建設事務所の施工により、既に工事に着手し、鋭意進めているところでございます。
ご指摘にありました昨年の三カ所のうちの明神池バス停でございますが、このバス停を利用いたしますには、多摩堤通りの道路を反対側から――反対側というのは住宅地側から堤防の斜面につくりましたバス停でございますけれども、横断する横断歩道と信号機を新しく設置する必要がございました。横断歩道、信号機とも警視庁が設置するものでございますが、このことについて、東京都と警視庁で既に協議は済んでおりまして、警視庁の施工で設置が進められているところですけれども、警視庁管内、百一の警察署がございまして、その設置スケジュールの関係で、ことしの年明け後の時期になったものでございます。今か今かと待ち望んでいる利用者の方には大変ご不便をかけましたが、先週の十八日金曜日、信号機の完了検査が終了いたしました。
それと、横断歩道でございますが、本日午前十時ごろ横断歩道ができて、既に利用されていると、職場から報告が上がっております。ほっとしているところですが、決して本日の答弁に間に合わせようと動いたものではありませんので、ご理解をいただきたいと存じます。
◆羽田圭二 委員 土木課長の努力に大変感謝したいと思います。
土木課の集約によって、こうした取り組みが後退しないように、特に助役には重ねて要望しておきたいと思います。
私の質問は以上で終わります。
◆竹村津絵 委員 私からは、初めに、上野毛自然公園の植生管理についてお聞きします。
上野毛自然公園は、国分寺崖線の自然に触れることのできる公園です。かつて区が行っていた植物調査報告書、みどりの環境センサスを見てみますと、ここはスダジイ林であることがわかりますが、最近はシュロの繁殖が大変目立っています。
シュロは亜熱帯性のヤシ科の植物ですが、暖冬の影響で、都内に異常に繁殖をしているといい、このままではスダジイがシュロに占拠され、この公園がジャングルのような様相を呈してしまうことも懸念されます。自然公園とはいえ、温暖化、ヒートアイランドの影響で、本来の姿でなくなりつつある植生については軌道修正するべきと考えます。
また、この公園は上野毛駅からほど近い立地で、自然を味わうことができる魅力的な公園であるのに、いつ行っても、人に会うことがありません。暗くて怖いというのが区民のこの公園の印象のようです。スダジイは常緑樹であるために、自然に任せておけば、ますます冬でも暗くてうっそうとした林になってしまいます。この公園の植生の管理について、区の考えを伺います。
◎安藤 玉川総合支所土木課長 上野毛自然公園は、国分寺崖線上にございます、昭和五十一年に開園いたしました風致公園でございます。区内の国分寺崖線上には、主にクヌギ、コナラといった落葉樹が多くなってございますが、この公園には自然植生のスダジイ、シラカシ群等の林が残ってございます。
上野毛自然公園の樹木管理につきましては、この自然植生を維持するため、枯れ枝の除去、道路や住宅地側に伸びた枝の剪定など、林を維持する管理を行ってきております。現在、上野毛自然公園の林には、野鳥が種を運び育ったと思われるシュロの木やアオキ、ヤツデなどの木がふえてきております。地域の町会、自治会からは、この公園は薄暗いという声が区に寄せられておりますので、安全安心の公園管理を進めるため、林の中にふえてきたシュロの木やアオキ等の除却が必要と考えてございます。
◆竹村津絵 委員 砧地域では、みつ池や成城三丁目緑地のように崖線を生かした公園や緑地の維持管理に区民参加があります。玉川地域でも、十八年度からは等々力渓谷で何か学習会のようなことがスタートするということで、私も非常に期待しておりますが、この上野毛公園でも、区民が楽しみながら植生管理に参加できる仕組みをつくれないものでしょうか。みつ池でしっかりと活動しているボランティアの方たちの力もかりて、新たな区民活動の場をつくれば、人が訪れる明るい公園に改善できるのではないかと思うのですが、見解を伺います。
◎安藤 玉川総合支所土木課長 上野毛自然公園の植生管理につきましては、シュロ、アオキの除去に先立ちまして、林の樹木や下草調査、公園内の見通し、また公園からの眺望などの視点からの点検が必要と考えております。
これら現地での調査や点検、またはその成果をもとにしたシュロの木等除去の実践など、区民と区行政が協働して進めたいと考えてございます。
◆竹村津絵 委員 ぜひご検討して進めていただきたいと思います。
次に、等々力渓谷の湧水の保全について伺います。
等々力渓谷は、東京都の文化財である名勝として指定され、まさに世田谷区の、世田谷区民の財産として貴重な自然公園です。公園用地の取得や整備のために多額の税金もかけられており、十六年度に募集された区民公募債の十億円からも二億一千九百万円がこの公園整備に充当されています。
初めに、今回、十八年度予算で等々力渓谷公園につけている金額についてお聞かせください。
◎安藤 玉川総合支所土木課長 等々力渓谷の十八年度予算でございますが、公園用地取得費としまして約五億五千万円、公園整備工事費として約二千四百万円計上してございます。
◆竹村津絵 委員 毎年多額の予算をつけているということは、区もこの公園を重要視しているからでありますし、区民もこれに賛成をしているということだと思います。それだけに、等々力駅地下化計画による湧水への影響について、区民は大変憂慮をしているのです。
現在は、東京都と事業者が都の文化財保護条例第十四条による手続について協議をしているとのことですが、区民は検討委員会とあわせ、文化財保護の視点からも渓谷の保全を担保することを切望しています。
しかし、聞いたところによりますと、事業者は条例による東京都教育委員会への許可申請は不要であると主張しているようです。この地下化工事は、十四条で許可が必要と規定されている文化財に影響を及ぼす行為には当たらないというのです。しかし、技術検討委員会が影響を与えないと結論づけたのは地下水流動保全の対策を施した場合のことです。また、これはあくまでも予測であり、対策が一〇〇%完璧に機能するという保証はどこにもありません。だからこそ許可申請が必要なのです。区はこの点をどう考えているのかを伺います。
◎北川 玉川総合支所
街づくり課長 等々力駅地下化工事につきましては、昨年十二月に、湧水等を心配する住民や地下化工事に反対する人も参加した第五回技術検討委員会において、環境配慮工を実施した場合、等々力渓谷の湧水等に変化が生じない状況になるという予測結果が得られております。
東京都文化財保護条例の手続につきましては、この委員会の結果を踏まえ、東京都と事業者の間で協議を行っていると聞いておりますが、手続をどうするかについては、東京都教育委員会が最終的に判断を行うものと考えております。
いずれにいたしましても、技術検討委員会の助言を受け、等々力渓谷に影響を与えないように万全を尽くすよう、事業者を指導してまいります。
◆竹村津絵 委員 この許可申請ということについては、東京都が行うということなんですけれども、やはり区民の税金を投じて公園用地を買収しています。十八年度も五億五千万円という、そういうご答弁がありました。渓谷をこのように所有して管理をしている世田谷区は、この財産を守る責任があると思うんですね。決して第三者ではないと思うのですが、この辺、もう一つ伺いたいと思いますが、どのように考えているんでしょうか。
◎北川 玉川総合支所
街づくり課長 等々力渓谷の保存につきましては、東京都におきましては、文化財の指定は東京都がされて、等々力渓谷の保存という観点からすれば、東京都教育委員会も同じように非常に大切と思っております。
また、区といたしましても、そういう面から技術検討委員会を立ち上げて二年間も調査を行いまして、最終的に地下水等に影響を及ぼすことなく工事ができるという判断を受けております。区はその結果を尊重してまいりたいと思います。
いずれ区に対しても、東京都から何らか意見が求められるかもしれませんが、そのときは事業者から提出される工事計画書をよく見て、また判断してまいりたいと思います。
◆竹村津絵 委員 この文化財保護の条例で許可申請をということは、この現状を変化させないということを保全するためのものだと思うんです。区は検討委員会を通じてというお話なんですが、であれば、これは変化が生じたということが何かあったときに、区はそのあたりをきちんと指摘して、事業者に改善を求めることはできますでしょうか、その辺を伺います。
◎北川 玉川総合支所
街づくり課長 東急電鉄が工事を始める場合にも、技術検討委員会というのは引き続き存在いたしまして、施工等につきまして助言をしていきます。周辺に観測井戸等も設けておりまして、何か異変が起こったら、すぐ工事をとめて、その原因を調査しながら進めていくという方法をとっていくということで、絶対にそういうような渓谷に影響を与えるということがないようにしたいと考えております。
◆竹村津絵 委員 指導徹底していくことを強く要望して、次の質問に移ります。
二子玉川東地区再開発、下北沢の五四号線計画について伺っていきます。
両者は町の様子を大きく変える開発行為であるだけに、住民や専門家などから多くの異論の声が上がっています。いずれも都市計画決定がなされ、区として現段階まで積み上げてきたものですが、問題は、このことが一般の区民には落とし込まれていないということです。
世田谷区は、区の憲法である基本構想で区民主体のまちづくりを掲げています。地権者だけではなく、広く周辺の区民にも情報開示に努めてきたでしょうか。合意形成のための場づくりを重ねてきたでしょうか。これが全く不十分だったと申し上げます。単に図面上、手続上の積み上げでは、このように事業実施直前で区民との大きな乖離を生んでしまうということをいま一度肝に銘じ、合意形成のために、区民参加のまちづくりをここからスタートさせなければならないと考えております。
さきの羽田委員の質問で、二子玉川の再開発について住民の理解と協力を得ることが重要であるという答弁がありましたけれども、この点、いま一度、もう一度、合意形成のための場づくり、しっかり取り組んでいくつもりがあるのか、伺います。
◎渡辺 都市整備部副参事 今お話がありましたけれども、合意形成に向けた取り組みとしましては、平成十二年に都市計画を決定しておりますけれども、その際に、都市計画法あるいは環境アセスメントの手続等に基づきまして、さまざまな説明会あるいは相談会ということで実施してきております。
今後につきましては、そういったことをやってきておりますけれども、さらに周辺の住民の皆さん方にご理解、ご協力をいただきたいということで、組合の方にはしっかり指導してまいりたいというふうに考えております。
◆竹村津絵 委員 平成十二年、アセスの段階から説明しているということで、大きな施設整備については動かせないということだと思うんですが、きめ細かなまちづくりの要素、区民とともに点検し、周辺環境に寄与する計画に練り上げていくことが、今後の区の仕事だと思います。
そうはいっても、今、やはり事業計画、区民との間に乖離があると思います。でき得る限り解消していただきたいという視点から質問を進めます。
まず二子玉川東地区再開発なのですが、この超高層ビル群は二子にふさわしくないというのが大半の区民意見です。超高層にする理由は空地を生かすためということで、実際にこのⅢ街区の人工地盤の建ぺい率は一九%と、非常に抑えられたものとなっていますし、緑の密度の高い緑化計画が示されています。
しかし、危惧されているのがビル風、風害の問題です。魅力ある緑化に努めても、いつも強風が吹いていては、この超高層計画は失敗に終わってしまいます。
総括質疑で、稲垣委員の質問に対しては、アセスで事前に評価をしており、十分な注意をしていくということでしたが、実際にこの風害対策をどう講じるおつもりなのか、また、風害が生じた場合は対処できるのかを伺います。
◎渡辺 都市整備部副参事 今委員からお話がありましたように、風環境につきましては非常に大事な要素でございまして、風に対する計画としましては、高層建築物を円筒状というふうな形で南側に分散配置をさせまして計画をしております。そして、オープンスペースを十分にとりまして、低層建築物につきましては区域の周辺に配置するというような形で、建物の配置と形状などを工夫しまして、かつ植栽により風環境による影響を極力抑えるというふうな計画としてございます。
アセスメントの中で風洞実験ということをやっております。それによりますと、多摩堤通りの一部ではございますけれども、軽い旗を広げる程度の風というふうな状況になってございまして、おおむね現状の風環境と変化はないというふうなこととなっております。
また、施設の完成後でございますけれども、アセスメントに基づきまして風環境調査、いわゆる事後調査を行います。それを行いまして、必要に応じて植栽などを配置しまして、東京都と協議をした中で、しっかりした対策を講じていくというふうな状況になってございます。
◆竹村津絵 委員 現状と風の影響は余り大差はないというお話でしたけれども、実際、世田谷区内でも高層ビルの周りには強い風が吹いていますので、この点、しっかりと監視していっていただきたいと思います。
また、このほど策定されました世田谷区地域省エネルギービジョンによれば、区内で最も真夏日が多いのが、なぜか緑の多い砧地域だということです。新宿副都心の高層ビル群の照り返しで、練馬区が二十三区で最も暑くなっているということをあわせて考えますと、この再開発地域の高層ビルの照り返しによって、砧地域がさらに暑くなるということも心配されます。
ビルの放熱を防ぐ塗料や素材などの研究開発が進んでいますから、これを積極的に取り入れていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
◎渡辺 都市整備部副参事 環境の面から、ビルの放熱を抑えるような対応が必要ではないかというようなご指摘でございます。
本再開発計画におきましては、敷地内の緑化、建物の屋上緑化、歩道部分の芝とか、あるいは低木等による緑化、そして空地、通路等に多くの高木を配置するなど、可能な限り緑化をするという計画を立てております。
また、歩道の部分でございますけれども、ここの仕上げ材につきましても、選定に当たりましては維持管理などの面を考慮した上で、自然的な材料、被覆に近いものを使いまして行っていくというふうなことで、地表面の温度の上昇や熱の備蓄を抑制するような方法について、組合では検討しているという状況でございます。
いずれにしましても、委員がお話しの塗料や素材の採用等のお話でございますけれども、こういった点も踏まえまして、最新の技術等も研究しつつ、コストや維持管理、そういった面も含めまして総合的な視点から検討を行い、照り返しや、いわゆるヒートアイランド現象等の緩和にも努めていくよう、組合をしっかり指導してまいりたいと思います。
◆竹村津絵 委員 もう一点、二子玉川再開発で懸念、区民が非常に心配しているのが、車の渋滞を招くのではないかということです。
近隣のエリアからは極力自転車でアクセスしてもらうように、自転車走行環境についても研究をしていただきたいと思いますし、また、この地域には企業の施設のシャトルバスが二つも走っていますから、この民間活力を生かしたコミュニティーバスも可能ではないかと思います。
こうしたソフト面での研究にも、住民を交えて着手していただくことを要望いたしますが、見解を伺います。
◎山口 土木調整課長 自転車の走行環境の話が出ましたので、私の方からちょっとお話をさせていただきます。
今年度は、ご承知だと思いますけれども、「がやリン」ということで、コミュニティーサイクルの社会実験の中で、モデル地区内、桜上水、経堂、下北沢、三軒茶屋のエリアの中で、自転車走行環境についてもあわせて調査を行ってきてございます。この中で、自転車の走りやすい箇所ですとか、逆に注意を要するような箇所、こういうものを載せた地図を作成いたしてございます。
今後はこのような地図を、このエリアの方々、自転車利用の方々にお配りしながら、ご意見を伺いながら、さらに地図の評価もいただきながら、自転車走行環境のレベルアップを図っていきたいというふうに考えておりまして、お話しの二子エリアの自転車走行環境につきましても、このような考え方の中で進めていければいいなというふうに思っております。
◎草野
交通企画課長 バスにつきましては、私からお答えさせていただきます。
お話のありましたシャトルバスにつきましては、集客目的で、お客様サービスとしての企業あるいは商店街などの出資によりますバスの運行でございます。この路線を定めて定期的に運行します乗り合い旅客のバスと根拠法令が若干異なっておりますので、ご提案につきましては、行政のかかわり方についての課題があるということでございまして、ご提案として受けとめさせていただくということでお願いしたいと思います。
◆竹村津絵 委員 次に、下北沢のまちづくりについて伺います。
五四号線、今年度中に事業認可を目指しているというお話が、今回、議会でもたびたび出てまいりましたが、先ほどの質問にも出てきました。昨日も、それから一月にも、区民の反対、アピールというものが行われております。マスコミもこの動きに非常に注目している状況なのですが、この状況で、今、世田谷区は都にこの申請手続を急ぐのかどうか、まずこの点についてお聞かせください。
◎辻 北沢総合支所街づくり部副参事 補助五四号線の事業認可につきましては、年度内の取得を目指して、鋭意努力しておる状況でございます。
◆竹村津絵 委員 この点、この前の質問でも、区民連からも何回も聞いています。やはり区民との合意形成ということには努めていただきたい、ぜひとも丁寧に進めていただきたい、この点は要望しておきます。
下北沢の五四号線について、最も懸念されているのが広い幅員の道路で、車の流入がふえて、町が分断されてしまうということだと思います。ここには広い歩道、この五四号線は今回の第一期工事の部分だけが広くなっているんですね。そうであれば、ここをいっそ道路という機能以上に、広場の機能を充実させるということも一つの方法ではないかと思っています。
例えばオープンカフェを設置したり、歩行者天国を開催するということ。それから、区の木はケヤキなんですけれども、非常に大きく枝を広げて伸び伸びと育つということで、このケヤキを植えられるスペースが区内にはどんどん減っています。
それから、北沢二丁目の緑被率はわずか五・一%、区内の平均二〇・四五%と比べると、非常に緑が枯渇したエリアなんですね。ここの駅前の五四号線の広場に緑のケヤキのプロムナードをつくるということもできると思うんです。ぜひ実行していただきたいと思うんですが、どのようにお考えか、伺います。
◎辻 北沢総合支所街づくり部副参事 区は、広い幅の歩道を下北沢のまちづくりに積極的に活用して、歩行者回遊軸の形成を初め、委員ご提案のケヤキなどの豊かな緑による町の潤いづくりや、地域コミュニティー、商業活動への貢献などを実現していく考えでございます。
活用の具体案としましては、歩道の一部を荷さばき所や停車帯とすることで、商店街内部への搬入車両の流入を減らし、快適な買い物空間を確保したり、または地域を主体とした道路の活用の考え方がございます。委員お話しのオープンカフェやイベント活動など、既に各地の社会実験の成功例があるわけですが、例えば下北沢においても、曜日・時間帯限定の歩行者天国のカフェ空間などが実現すれば、新たな交流の場創出と商業活性につなげることができると存じます。
いずれにしましても、整備に当たりましては、交通ネットワークや防災性の向上のみならず、環境や景観、バリアフリー、地域への貢献等を重視しながら進めてまいる考えでございます。
◆竹村津絵 委員 次に、高さについてもお伺いしたかったんですが、ちょっと時間がないので、区は、この高さ、区民は高層への誘導ではないかというふうに非常に懸念しています。六十メートル、四十五メートル、三十一メートルという高さ制限が今地区計画素案で示されているのですが、区として、これは誘導ではなく規制であるというふうに主張されていると思うんですね。
実際に、これは今後こういう高さを建てられる敷地面積、下北沢にはそれほどないというお話を伺っています。こうしたことも区民に積極的に情報開示をしていただいて、まちづくりのイメージ、今もいろいろチラシをつくられて努力されているとは思うんですが、さらに努めていただきたいということを要望いたしまして、私からの質問を終わります。
◆吉田恵子 委員 私からは、
住宅整備方針について伺います。
この三月、世田谷区第二次
住宅整備後期方針(案)が示されましたが、世田谷区住宅条例で定められている住宅政策の目的である住宅及び住環境の維持・向上、健康で文化的な住生活の確立、区民の主体的な居住権の確立の三点を基本理念とし、七つの住宅政策の視点から、よりよい住まいづくりと住み続けられる世田谷を目指した、「区民が主体となった協働による住宅施策の推進」を基本目標に定めています。
住宅政策の領域を住宅、住環境、暮らしととらえ、ハード面の整備に加え、ソフト面の充実を目指すことは重要です。また、今あらゆる施策で外部評価が導入されていますが、この住宅政策についても必要な観点であり、この評価システムの中に、住まう当事者である住民、すなわち区民の参加が欠かせないと思います。区民主体のワーキングチーム等をつくり、もっとはっきりと区民参加を進めるべきです。
この点を踏まえ、評価の仕組みをどう構築していくつもりなのか、区の考えをお聞かせください。
◎板谷 住宅課長 第二次
住宅整備後期方針の策定におきましては、前期五年間の実績、区による評価等を、昨年十二月にパブリックコメントを実施するとともに、区政モニター対しましてアンケートを行い、いただいたご意見を方針に反映させていただいております。
また、学識経験者、関係団体及び区民で構成されます住宅委員会に、第二次
住宅整備方針の中間見直しにおける重点施策方針等のあり方について諮問し検討いただく中で、前期五年間の事業実績について報告し、ご意見をいただいております。
委員のお話にありましたように、住まう当事者である区民みずからが評価に参加することは、住宅施策にとって重要と考えております。今後も、より広く区民の皆様の参加をいただけるように努めてまいります。
◆吉田恵子 委員 住宅委員会からの答申にもありますが、個々の制度や事業の実績評価にとどまらず、基本目標の達成に向けて、区民の連携により実現されたのかの視点を含め、事業等を評価検証する仕組みを区民との協働により構築していくことは重要と考えます。より一層の検討、区民参加の実現への努力を要望します。
また、今後の五年間における基本方針が五つ。①区民主体の協働の住まい・まちづくりの推進を初めに、⑤まで掲げられて、そのもとに十八の基本施策が示され、それを支える仕組みづくりのために四つのプロジェクトが動き出します。この中の人材プロジェクトについて伺います。
この整備方針においては、すべての項で区民との協働がうたわれ、区民が主体と位置づけられ、人材が重要なポイントです。その中に区民専門家とありますが、一般的に言われる専門家とどう違い、どのような区民を想定しているのか。また、住まいづくり・まちづくりにかかわる人材をどう育てていくのか、伺います。
◎板谷 住宅課長 第二次
住宅整備後期方針では、前期方針に引き続き、よりよい住まいづくりと住み続けられる世田谷を目指した、「区民が主体となった協働による住宅施策の推進」を基本目標としております。
基本目標を実現するため、後期方針では四つの新規プロジェクトをモデルとして提案しております。区民が参加しやすい仕組み、区民が住まい・まちづくりの担い手として成長できる仕組み、それらの住まい・まちづくりが地域に展開していくことを支える仕組みづくりを想定しております。
お話にありました区民専門家でございますけれども、区民専門家は、住まいについて学ぶ場で一定の住教育を受講した人を住まいに係る区民専門家として認定登録し、地域の住まいづくりのリーダーとして活用していくことをイメージしております。
委員ご指摘のとおり、基本目標の達成には、ひとえに主体となる人材育成に係っていることは明らかであります。今後、重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
◆吉田恵子 委員 住教育の場への参加者が賛同者へとつながります。広がりを意識した取り組みを進めるべきです。
次に、住まい・まち連携プロジェクトについて伺います。
これまでもまちづくりセンターのニュースや、同時に送付されてきた「地域共生のいえだより」、こういうものです。本刷りではないので色がついていませんが、このニュースの中で、地域共生のいえづくりについて見聞きしてまいりましたが、これまでの成果と現状を伺います。
◎板谷 住宅課長 地域共生のいえづくり事業は、都市整備公社まちづくりセンターが、平成十五年に需要調査を行い、十六・十七年度にモデル事業として実施してきております。
本事業の目的といたしましては、区内の土地・建物所有者が、みずからの土地・建物を地域に役立てることを支援することを想定したモデル事業です。この事業は、まちづくりセンターの独自事業でございますけれども、民間ストックを活用した新たな住まいづくりの支援事業であることから、地域住宅交付金の制度を活用し、区としても支援をしております。
これまでの成果でございますけれども、平成十六年度募集では十件、十七年度募集では十四件の応募がありました。この中から、現地調査、土地条件等により選考の結果、十六年度は四件、十七年度は三件について、建築士等専門家派遣を実施して支援しております。そのほか数件についても支援を継続していると聞いております。
また、十六年度の支援案件のうち、赤堤と船橋では建てかえが完了し、建物の一部や庭が地域に開放されております。ここを拠点とした新たな地域コミュニティー活動が始まっており、今後ともの成果が期待されておるところです。
◆吉田恵子 委員 この事業は、土地や建物の所有者が地域のために貢献したいという、区民発のまちづくりへの気持ちが盛り込められ、今後の地域コミュニティーの活性化に期待が持てるものです。うたわれている趣旨や目的も共感を呼ぶものですし、松陰コモンズ、昨年八月に行われたワークショップがありました。地域共生のいえづくりの中にも出ておりますが、このワークショップでは、松陰コモンズを初め、コーポラティブ・オブ・スペース、略し、頭文字をまとめてCOSと言いますが、COS下北沢、先ほどありました赤堤の物件等、区内の先行事例四件をめぐるワークショップでした。私もこの訪問ツアーに参加したいと思ったほどです。
この行われた訪問ツアーから、相談や支援要請にはどのくらいつながったのか、伺います。
◎板谷 住宅課長 地域共生のいえづくり、PRが大変重要ということで、まちづくりセンターもいろいろな手法に取り組んでおります。お話にありましたワークショップの訪問ツアー、その中から応募されてきたというものは、残念ながら、まだ一件でございますけれども、今後ともそういう現場を見ていただくという方法、そちらの方を続けていくというふうに聞いております。
◆吉田恵子 委員 個人資産が原点にあるので、なかなか爆発的な広がりにはならないのでしょう。ですが、公共施設整備に歯どめがかかっている現在、区民がみずから提供してくれる区民との協働の場づくりを有効に活用できるようサポートすれば、区にとっても大きな救いの手となります。この事業をまちづくりセンターが担ってきたことは、とても意義深く、高く評価します。そしてその必要性が高いのは、だれの目にも明確で、その目的の公平性、公正性を担保した上で、最大限の支援を続けるべきです。
区としてこの事業の今後の広がりをどう考えるのか、伺います。
◎板谷 住宅課長 地域共生のいえづくりのモデル事業は、事業開始から二年目に入っておりまして、平成十八年度からの本格運用に向け、支援案件について、まちづくりセンターはプランづくり等の検討に取り組んでいるところでございます。
これまでの支援の結果、相談内容に適した専門家を派遣し、所有者の方に対して建てかえ事業計画の提案などに取り組むことを想定しておりましたけれども、実際には、所有者の事情により、プランなどのハード面だけの提案にとどまらず、運営の仕組みや進め方など、ソフト面の提案も必要であり、支援内容に多様なメニューが求められていることが明らかになりました。
これらの事業を推進していくことは第二次
住宅整備後期方針の基本目標につながることでありますので、先ほども言いましたように、ハード面だけではなくソフト面も必要ということで、区としても関係所管のつなぎ等も積極的に行い、引き続き支援を続け、事業拡大を促してまいりたいと考えております。
◆吉田恵子 委員 十月二十一日の朝日新聞に取り上げられたCOSちとふな、千歳船橋の事例等を見てみますと、構想、設計段階から、入居者と合議の上進める場合が考えられています。一方、既存の建物をそのまま活用し、これは赤堤の哲学カフェなど、個人のお宅の図書室をそのまま開放していく場合など、また、個人のお庭をそのまま地域の方に開放している例などがありました。良好な地域コミュニティーの形成につながると考えられます。
また、その使われ方も多岐にわたります。多様化する暮らしの各ニーズに的確に対応できるようにすること、区民ならではの融合策が実践できる場として整備、利用されることを考えると、この地域共生のいえづくり事業への本腰を入れた支援が必須です。いつも言われることですが、関係部署の密度の濃い連携と、ここでは特に各所管が持つ支援の仕組みを総合的にとらえ、適用枠の柔軟な運用が求められます。
この事業を地域コミュニティーの場づくりとして、区はどのように進めていくつもりなのか、伺います。
◎板谷 住宅課長 地域共生のいえづくり事業は、所有者がみずからの土地や建物を活用し、地域に役立つ住まいや場をつくる取り組みです。高齢者や障害者の暮らし、地域の中の子どもの居場所、地域コミュニティーやまちづくりへの貢献を目指す、そういった内容と考えております。
まちづくりセンターが支援しました取り組みは、建物の新築ばかりではなく、既存建物や敷地の一部を地域活動の拠点に開放するなど、支援の対象となっております。支援の基本は所有者の意向である地域に役立てたいとの思いをコーディネートすることでございます。
委員からもいろいろお話はございましたけれども、公共的な施設を区だけではなく、こういった志をお持ちになっておられます区民の方、それを事業につなぐことは非常に大切であり、地域の良好なコミュニティーの活性化に役立つと考えておりますので、区としても、これまでどおりといいましょうか、これまで以上に支援を重ねていきたいと思っております。
◆吉田恵子 委員 ほかの委員からも出ておりましたが、今、都市整備部は変わろうとしていると私は考えています。子育て支援マンション認証制度、これは子ども部との連携、そしてこの「地域共生のいえだより」、一つずつ見ていきますと、グループホームにしたい、ここも保健福祉部との連携。そして地域開放の会議室など、地域の方が集まることにしたい、区民生活。さまざまな所管との連携が動き出しています。
そして、ハードが行き渡ったと言ってしまっていいのか、まだちょっと不確かではありますが、公共施設整備方針で歯どめがかかっている今では、このハード面ではなくてソフト面で充実させていくまちづくり、そこへと転換していく、この変わり目だと思うんです。ぜひ各所管と本当に密度の濃い連携、そして共同事業をしっかりと組み立てていってほしいと思います。
また、この地域共生のいえづくり事業は、今回新しくできます財団法人世田谷トラストまちづくりの事業として進められます。歴史的・文化的資産の保全、整備、活用と緑の保全・創出等は、まさに今までトラスト財団がしていた事業ですが、そこに、今まで都市整備公社が進めていたまちづくりセンター事業がオーバーラップされます。まさに財団の中心に位置する事業の一つとなるものと思います。新しい財団をつくった意味が実感できるよう、より一層の努力で、世田谷から全国に発信できるような事業にすることを強く要望します。
次に、道路パトロールの日常業務について伺います。
区内には、区道が千七十五キロ、都道が六十八キロ、国道が十三キロ、ほかに高速道路が十二キロあります。五地域の土木課には各一台、区全体では五台のパトロールカーが配置されていますが、タクシー泣かせの一方通行規制の道が多数存在する世田谷区です。道を切れ目なく運行するには苦労されているのではないかと思います。
そこで伺いますが、すべての道をくまなく運行できているのでしょうか。パトロールでどのくらいの問題箇所を発見し予防できているのか、現状をお聞かせください。
◎杉本
世田谷総合支所土木課長 まず運行でございますが、
世田谷総合支所管内を例にとりますと約二百四十キロほどございます。それぞれパトロールのエリアを設定いたしまして、日数を要しますが、管内の道路をくまなく回っているところでございます。
次に、問題箇所の発見でございますが、昨年の四月からことしの二月末まででございますが、これは世田谷支所を例にとりますと約二千二百件でございます。そのうちパトロールで発見したものが三〇%、六百五十件ほどでございます。これにつきましては、すぐに維持担当の方に連絡いたしまして適正な補修を行うなど、未然に防ぐというふうにしております。
◆吉田恵子 委員 世田谷支所の土木課の例だと発見率約三〇%ということは、残りの約七〇%は区民からの通報となると、区民全体へも積極的に通報してほしい旨を周知する機会を持つべきです。検討していただくことを要望します。
また、漫然と点検項目を反復しながらパトロールをしていても、発見にはつながりにくいと思います。
そこで伺いますが、実際の場面ではどのように回られているのか、テーマを持って臨むことが有効と考えますが、現在の取り組みの方法をお聞かせください。
◎杉本
世田谷総合支所土木課長 職員によります日常的なパトロールでございますが、道路反射鏡の向きとか破損などの交通安全施設の確認とか、あるいは車道とか歩道の亀裂、陥没、段差の確認、あるいは放置自転車の警告札の張りつけなどを行っているところでございます。それぞれテーマを持ってございまして、例えば曜日によりましては立て看板、張り紙を撤去する、あるいは放置自転車の警告札、あるいは水路とか河川への転落防止さくなどの確認をやっていくというようにやっています。また、季節的にもございまして、日の長い夏には台風が多うございますもので、あるいは雨も多いことから、地下水位の高いところの陥没箇所を見たり、雨水枡の確認。それから、冬には日没が早いことですから、街路灯の点灯確認とか、そういうところをテーマを持ちながらやっているところでございます。
◆吉田恵子 委員 私が考えていたものよりたくさんの視点を持って点検していることがわかり安心しましたが、区民にとってはこの道がどこの管理か等わかるはずがなく、通報が来ます。加えて、区ですべて対応できないとき、例えば道路標識の老朽化や、事故による柱の曲がり等を見つけたときの、警察や関係機関への連絡は密にできているのでしょうか。ほかにも、道路以外の公共施設等での問題へはどのように対応しているのか、また、その後の確認はどのようにしているのか、伺います。
◎杉本
世田谷総合支所土木課長 パトロール中に発見しました、例えば事例に出ました警察、いわゆる交通規制標識などのふぐあいとか、あるいは危険箇所が出ました場合は、その場で可能なものにつきましてはできる限り初期対応いたしますが、その後、それぞれの管理者に、警察ならば警察、あるいはほかの管理者につきましては早期対応を依頼する連絡をとってございます。
その後の確認につきましては、現状ではそれぞれの管理者に通報しまして、その後の対応をゆだねるということがパトロールの趣旨でございますが、一部につきましては、パトロール中に確認をしたり、あるいは現場へ行ったときに確認をしたりしてございます。しかしながら、全体として見れば、必ずしもそういう事後確認ということが明確にはなっていないところがございます。
今後につきましては、そこらあたりも検討しながら、より安全な道づくり、道の管理をしていきたいと存じます。
◆吉田恵子 委員 ぜひ事後の確認というところもしっかりと検討して、実施をお願いいたします。
私のところには、区民の方から交通標識の微妙な角度調節や、出会い頭の事故が多発している交差点への対応等の改善要請が来ています。免許取得からの日が浅い人、運転の得意ではない人や高齢者等、どのような運転者でも運転しやすく、安全が確認できるようにすることは、歩行者や自転車利用者の安全確保にもつながります。
今回、予算書の重点項目の中にこの道路パトロールが載っていますが、ほかのものと大きく違うのは予算額がついていないことです。今までの業務の延長線上にできるとの判断からと推察しました。点検のテーマがたくさん盛り込まれているのに、さらに安全安心の視点を盛り込み、実践でこなせるのか、危惧していますが、具体的にはどのように対応しているのか、この点についてお聞かせください。
◎杉本
世田谷総合支所土木課長 職員が行っている日常パトロールで、道路は当然見ておるんですが、そのほかに、例えば小学生の下校時の時間帯に合わせまして、小学校周辺の道路パトロールを実施するというようなことをやってございます。また、通学路の重点的なパトロールなども行っておりまして、安全安心の視点に立ったパトロールを行いまして、皆様に安心して使われる道路づくりをしております。
◆吉田恵子 委員 原色に近い黄色の目立つ車が回ることでの抑止力にも期待しています。また、複数で二十四時間巡回している安全安心パトロールの車両からの情報提供があれば、問題箇所が放置される時間が短くなり、危険性も下がります。カーブミラーの角度調整では、車高の差やボンネットの長さの差でも若干見えにくさが変わりますので、車種の違う車からの情報が有効です。この点からも安全安心パトロールからの情報が交換できるように、密に連絡をとり、きめ細やかな点検できれいに整えることが、事故をなくす一助になります。
関係職員の懸命の努力を期待して、民主党・生活者ネット・社民党世田谷区民連合の質問を終わります。
○原田正幸 委員長 以上で民主党・生活者ネット・社民党世田谷区民連合の質疑は終わりました。
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○原田正幸 委員長 引き続きまして、せたがや政策会議、どうぞ。
◆小泉たま子 委員 きょうの委員会の最後の質問者でございます。お疲れでしょうが、よろしくお願いいたします。
まず参考にお伺いいたします。地域行政制度の進展に伴い、総合支所にはまず土木課が設置されました。その後に街づくり課が置かれたわけです。今回、土木課が戻ってくることになったわけですが、何も先に出たから先に戻ってくるという鬼ごっこでもないと思うのですけれども、いま一つ、土木課が戻ることの理由がはっきりしません。どちらかが残るとすれば、地域行政の順番どおり、土木課が残る選択もあったはずです。
率直にお伺いいたしますが、街づくり課が残るのと土木課が残るのでは、区民の一般生活に対してはどのような違いがあったのでしょうか、教えてください。
◎中杉 都市計画課長 今回の組織改正でございますけれども、これにつきましては、新たな基本計画を推進するために、新たな時代にふさわしい執行体制を確立するために行われたということでございます。また、これまでの十数年来の地域行政の課題といたしまして、さまざまあるわけですけれども、五支所分散による意思決定に時間を要することとか、あるいは専門知識の蓄積、共有化や、継承などの人材育成面での問題がある、そういったことが課題として指摘されております。
そういった中で、都市整備領域におきましては効率性の観点から、土木課を本庁に集約いたしまして、総合支所の街づくり課は、地域に根差した住民参加によるまちづくりを一層推進するということと、個別建物等に対しまする地域にふさわしいまちづくり相談、指導を行うということでございます。
なお、街づくり課におきましては、集約効果の高い建築線狭隘整備や開発許可等の事務を本所に集約しているわけでございますが、土木課が今まで担っていたさまざまな通報、陳情等について対応ができるような組織としております。そういったことから、区民の一般生活に対しては、これまでと特に大きな変化はないのではないかと考えております。
◆小泉たま子 委員 期待をしております。
次に、交通政策についてお伺いいたします。
今回組織改正で設置される交通政策部門とは、実際にはどのような政策を行うのでしょうか。
私は、これまで何回も申し上げてまいりましたが、区民の自由な移動は基本的な人権にも相当するものと考えております。とても大切なものです。そこで、区民の自由な移動の保障を区の基本的な政策として掲げるべきと申し上げてまいりました。
出張所がまちづくり出張所となり、区民が遠くの出張所に出かけなくてはならない事態を都市整備部門はご存じでしょうか。年金の受給のための六十五歳の証明をいただくため、わざわざまちづくり出張所を通って、遠くの出張所まで行かなければならないのです。
バス問題を質問いたしますと、そのお答えからは、区は公共交通というものについては民間事業者の活動を軸に考えられていることがわかります。確かにバス事業は民間で機能していますから、区のお考えは正しいようにも思えますが、民間事業者の収益を基本として区民の移動の保障を考えなくてはならないのは、とても情けなく思います。区民の負担はどのように位置づければよいのでしょうか。
今回の出張所改革で、これまで近くの出張所でできていたことが、バス代往復四百二十円かかることになりました。交通政策とは、バスをどう民間事業者を使って走らせるかと考えるだけではなく、区の政策変更によって、区民がどう移動しなくてはならなくなり、そのためにはどのようなサポートが可能かということを考えていただける部門であってほしいと思いますが、区のお考えを伺います。
◎草野
交通企画課長 今回の交通政策部門につきましては、交通政策課が所管することとなります。交通政策課につきましては、現在の交通企画課と土木調整課の一部が統合されて設置されるものでございまして、新たな課では、広域的な交通政策、それから新たな公共機関等の企画など、交通企画課の所管する事務にあわせまして、交通安全対策、それから自転車対策等の土木調整課の所管する政策実施を担うこととなります。
区民の自由な移動というような委員のお話がございましたけれども、区は、これまでもこういったことを目標としまして、バス交通のネットワークの整備に取り組んできているところでございますし、今後の高齢社会の進行に伴いまして、バスというのは最も身近な公共交通機関として、重要性がさらに増大するという認識をしております。
昨年十二月に開通いたしました祖師谷・成城地域におきます循環路線につきましては、一日平均の利用者数が、開通当初の十二月の三百十五人から四百八人、四百六十六人、四百八十七人と、毎月、月ごとに増加しているという状況がございますし、その内訳はシルバーパスの利用者が約四〇%ということでございまして、一般の路線に比べまして少し高い率を示しておりまして、実際に身近な足の確保という効果があらわれているような状況がございます。
区としましては、こういった状況、実態も踏まえまして、引き続きコミュニティーバスも含めましてバス交通ネットワークの充実に取り組むとともに、区民の視点に立った移動利便性の向上に向けまして総合的に推進してまいりたいと考えております。
◆小泉たま子 委員 ぜひともよろしくお願いいたします。まだまだ足の確保が十分ではない地域がたくさんありますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、川について伺います。
議会で緑と水、川というものについて議論がなされましたので、野川を見てまいりました。と申しましても、家のすぐ前を野川が流れておりますので、毎日見ているのですが、今回は、実際に水辺までおりてみました。
遠くで見ているのとそばまで行って見るのとでは大違いでした。はっきり申し上げますが、今の野川の所管は都市整備部門ではなくて清掃・リサイクル部門が適当ではないかとまで思います。議会においては、水辺の環境とか、緑と水のすばらしさをどうするかという議論がなされていますが、実態は、とてもかけ離れたものとなっているのです。
余りにも汚いのです。想像できないほどです。ありとあらゆるごみに川がまみれている、こういった印象です。結局、一人で数時間、掃除、ごみ拾いをいたしまして、ごみ袋に入らない大きなものを除いて、大きなごみ袋四個分を回収しました。このごみのように、河川管理ということはどのようになされているのでしょうか、現状をお答えください。
◎五十嵐 砧総合支所土木課長 特別区における河川管理につきましては、東京都と区の役割分担が示されております。東京都の河川管理は、現在、野川最下流部において施行中の河川改修など、計画的に実施するものでございます。
世田谷区で行っている河川管理につきましては、河川内に堆積した土砂のしゅんせつや、高水敷に繁茂した草木の除去、河川内の構造物や河川管理用道路等の小規模な補修を行っております。あわせて河川内に投棄された自転車や粗大ごみ等の除去も、週一回の道路パトロールで発見次第実施しております。
◆小泉たま子 委員 以前、自民党の小畑委員が野川の汚染問題を提起されまして、都や関係機関との協議、調整に入っていられると伺っておりますが、実態は本当にひどいものです。普通考えられないようなごみが大量に流れております。今回は女性の生理用品の大量の残骸とも言うべきものが、中州や川の中の石、草や枯れ木など、ありとあらゆるところにへばりついていました。私は二百まで数えましたが、もうあきらめてやめました。ちょうど掃除をしているときに土木の職員の方がいらっしゃいましたので、偶然ですが、お聞きいたしますと、下水が時にあふれ出して汚物が流れ出してくる、こういうことでございました。
さて、まず、ここで基本に立ち返って、去年九月の水害の後、区長は議会答弁で、今後絶対にこのようなことはないと言っていただいたのですが、まずどのようにして去年九月のような水害を出さないようにするか、お伺いいたします。
◎板垣 道路整備部長 昨年の集中豪雨の教訓を踏まえまして、区長からは、今回の問題点への対応策を構築しまして、水害に万全を期す体制を整備するようにとの指示をいただいております。
この間、初動態勢の強化ですとか、あるいはそれに伴う要員計画の確立、あるいは保健所や清掃・リサイクル部などを水防本部へ編入するというような、そういう体制を確立してきてございまして、既に昨年十一月からその体制がスタートしてございます。
したがいまして、これらの体制を踏まえまして、区民の安全安心のために万全の体制で取り組みたいというふうに考えております。
◆小泉たま子 委員 さて、それを前提に、大水のときだけではなくて、小畑委員の指摘されたように、日常においても下水、汚水が流れ込む状況があるということに対して、今後どのような改善策があり得るのか、お伺いいたします。
◎山口 土木調整課長 世田谷区は、あの地区は分流式の下水道が普及されておりますけれども、多摩の狛江市とか調布は合流式の下水道でございまして、ちょっと雨が降ると、下水道の幹線に行かないで、川の方にオーバーフローしていく。それが結果として川の汚染につながっているということで、東京都の都市整備局の方で、多摩の各地区の合流改善計画というものを今まとめております。
狛江市も本年のうちに、夾雑物というか、先ほどご指摘がありましたような生理用品だとか、トイレットペーパーとかを取るスクリーンをつける予定にはなっていたんですが、設計がちょっとミスったというか、うまくいかなくて、型式を変えて、十八年度に夾雑物を取るようなスクリーンを設置するという情報をいただいております。
また、この野川の滝下橋のはけ口につきましては、東京都の河川部と砧の土木課等も含めまして、鋭意改善に向けて話し合いを詰めておりまして、河川部だけではなくて下水道局も含めて、今後も取り組みを強化していきたいと思っております。ご理解いただきたいと存じます。
◆小泉たま子 委員 私が川におりまして、それで何だろうと思って見たら、そのものなわけですね。それで、そこだけかしらと思って、どんどん上流に上がっていくと、もう同じようにだあっとあるわけですね。ということは、その滝下橋から流れてきて、そういう水に溶けないものだけが残って、うちの前のかなり下流まで来ていると。ですから、上流においては大変なことだと思うんですね。それから、まだ子どもたちがおりて、これから魚釣りをします。そういうときの教育的なことも含めて、これを流さない、流すこと自体が問題ですよね。そういうことは申し入れられないのでしょうか。
◎五十嵐 砧総合支所土木課長 実は野川の清掃を行っていただいているボランティア団体の方が、河川清掃の中に、先ほど委員ご指摘の生理用品のごみが多くて大変驚きまして、生理用品会社に対して、CMの中でのメッセージだとか啓発活動を行うよう働きかけているということでございます。
河川の清掃につきましては、このような民間の力というのは不可欠でございます。今後も地域の皆様と連携をとりながら協働して、河川管理に努めてまいりたいと思っております。
◆小泉たま子 委員 今度、川の中に砂利が物すごいたまっているわけですけれども、それを除去するというかしゅんせつに対しては、今どのような計画があるのでしょうか。
◎五十嵐 砧総合支所土木課長 先ほど河川の管理ということで、そのしゅんせつの話についてもご説明差し上げましたけれども、今順次、野川についてもしゅんせつを行う予定になっております。
◆小泉たま子 委員 しゅんせつは渇水期のときだと思うんですけれども、豪雨は去年九月でした。そうしますと、例えば十一月過ぎ、冬になりますと、もう非常に時期を逸するわけですね。できるだけ早い、夏前にやっていただかないとと思うんですが、そのようなことを要望いたしておきます。
今その砂利のところには、これから菜の花が一面に咲きます。子どもたちが大変喜んで、また中へ入って遊びますので、ごみなども、できるだけ危ないもの、自転車等は取っていただくようにお願いいたします。
また、砂利を掘るとき、ここの砂利は大変いい砂利だそうで、この土地の人が言っておりますけれども、これも有効活用していただきたいと思うんですね。世田谷産の砂利です。世田谷生まれの資源を何とか区内で有効活用していただくことも、あわせて要望しておきます。
それから、川も公園と同じように、もっと日常に区民の活動を受け入れる場所になるべきだと思いますが、きたみふれあい広場付近の野川のところのように散歩道から気軽に川べりにおりられるような工夫があれば、区民の活動がより盛んになると思いますが、川への区民の活動がより活発となるような方策についてお伺いいたします。
◎五十嵐 砧総合支所土木課長 河川法が改正されまして、治水、利水だけではなく、人々が憩える環境づくりも河川管理の一つと考えております。下流部では、現在、東京都による河川改修工事が行われておりまして、工事が完了すれば、水辺におりられる施設を設けることも可能となりますので、今後、東京都第二建設事務所の方と調整してまいりたいと思います。
人々が水辺に親しむことのできるようにするためには、河川も公園と同様に、地域の方々やボランティアの団体、小中学校の生徒たちの協力を得られるような仕組みづくりも必要だと思われます。今後も区民と行政が協働しまして水辺の美化を図り、河川の利用促進に努めてまいりたいと思います。
◆小泉たま子 委員 先日、ごみを拾っていたときには、土木の方がいらしてくださったので助かったのですが、土木部門が本庁に入った段階で、このような河川のきめ細かな管理についてはどのようになるのでしょうか、お伺いいたします。
◎五十嵐 砧総合支所土木課長 支所にある土木課は四月より本所に統合されますが、河川の維持管理や道路パトロールは現在と変わらず、地域において土木管理事務所が行うことになっております。また、ボランティアによる清掃活動や学校関係者による清掃活動も含め、河川管理は土木管理事務所の所管である土木事業担当部全体で対応いたしますので、ご安心ください。
◆小泉たま子 委員 期待をいたしますが、野川にはカワセミを初めとして三十五種類の鳥が来ています。大変いいところですので、期待をいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、現在、去年の九月の水害を踏まえて、野川に土のうが積み上げられています。つまりサイクリングロードのところ、野川の際ですが、地元ではこの土のうのことを万里の長城と呼んでいます。まだ余り時がたっていないのに、それでも劣化が非常に激しくて、もう砂がこぼれ出ているという状況があります。幾ら命を預けているものとはいえ、余りにも見苦しく、また、崩れてきているところなどを見ますと不安を感じます。これを今後どのようにされていこうとしているのか、お伺いいたします。
◎五十嵐 砧総合支所土木課長 委員ご指摘のとおり、土のうの耐久性や景観上の問題につきましては認識しております。道路パトロールにより状況把握に努め、補修等の措置を講じるとともに、今後設置方法等につきましても検討してまいります。
◆小泉たま子 委員 毎日、近所の方がガムテープを持って補修している方もおられまして、どんどん見苦しくなっていっておりますので、中側に入れるとか、野川側に入れれば転がっていくかもしれませんけれども、何とかその辺を工夫しながらしていただければ大変ありがたいと思うんですね。
やっぱりあの土のうがあれば水は来ませんでした。はかってみますとそうです。ですから、それはいい効果があるものと思いますけれども、やはりもう少し考えていただきたいと思います。
次に、公園がどのように区民のためになるかということについてお伺いいたします。
ハードのまちづくりに人の姿が見えません。議会質問でも風景づくりということが言われていました。おかしいと思うのは、それらの議論に人の姿が見えないことです。幾ら景色がよくても、人がいなければ役に立たないはずです。区のやろうとしているのは風景写真づくりではないか、こう思います。公園なども一部を除けば、言ってみれば、写真写りがよいようにつくっているように見えてしようがありません。
まちづくり部門そのものが、多様な区民の地域での居場所づくりに主体的に取り組むようにすべきだと思いますが、お考えを伺います。
あわせて、一般質問でもありましたが、公園がもっと多世代の人々の居場所になるように、特区申請をしてでも集会所などができないものでしょうか、お伺いいたします。
◎男鹿
街づくり推進課長 ハードのまちづくりの中で地域の居場所づくりができないかというものと、それを公園でというご質問だと思いますが、居場所づくりということになりますと、道路ということになると、なかなか車が多いということで、公園、あるいは今まちづくりの中でポケットパークとかをつくっているということで、やはりそういう公園が中心になるのかなと思っています。
その中で、委員がご指摘の集会所ですか、特区制度を利用してということでございますが、そもそも構造改革特区というのは、平成十四年に施行されたものでありまして、地域のまちづくりを進めるために規制を緩めるということだと思うんですね。
それで、集会所等でございますが、都市公園法では建ぺい率が二%までと規制されております。その中で、公園というのは何で二%まで規制されているかということは、阪神・淡路大震災でもわかるように、やはり避難地としてのものとか、延焼防止のための防災効果とか、その存在自体の効果とか、あるいは委員のご意見のとおり地域のコミュニティーの場の利用効果ということで、二つの効果がある。要するにその場として、建物じゃなくて空間としてあることが必要だということで、このような建築の規制がされているということだと思います。
ただ、利用したいというものと法律がやはりバッティングしていて、アンバランスであるのはよくないということで、そのあたり、なかなか集会所というのは難しいかもしれませんけれども、ソフトとハードのあたりを両面から考えて、なるべく利用されるように、我々はソフトの面も含めて、ご提案の部分も含めて検討していきたいと思っております。
◆小泉たま子 委員 一層の工夫をしていただきたいわけですけれども、例えば健康器具をそろえている公園とか、今、区民の要望を受けていろんな公園があるわけですけれども、それがなかなかPRが不足で、活用されていないということがあるわけですね。だから、それはもう有効活用されるように、一層PRに努めていただきたい。在宅サービスであっても、いろんな保健福祉の所管と連携をとりながら、大いに使っていただきたい、使うべきだと思うんですね。そのことを要望しておきます。
次に参りますが、身近な広場というのがあります。先日、瀬田四丁目広場に行ってみたんですが、お客様が一人もいらっしゃいませんでした。静かな環境の中で、管理室からテレビの音が聞こえてくるぐらいでした。
この施設の案内は、区の便利帳で探しても見つかりません。区のホームページで探しても見つかりません。トラスト協会のホームページを見て、やっと見つけました。よほど表に出したくない、出たくない、奥ゆかしい施設なのだと感じました。
トラスト協会のホームページによりますと、この瀬田四丁目広場を含め、身近な広場は三カ所ある、こうされています。しかし、これらはどれも全く身近ではありません。一方で、地域振興部門では、区民集会施設の利用者があふれており、けやきネットの調整がつかなくなっている。他方で、身近な施設と言いながら、ほとんど利用者がいない。さらには、全く積極的にPRすらしていない。こういうことをどのように考えればいいのでしょうか。
公園は憩いの場、たまり場であっていいはずです。楽しみがあってもよいのではないでしょうか。お茶を飲んだり楽しく食べるということは、もう生活そのものではないですか。瀬田四丁目広場の静かなたたずまいの中の旧小坂邸でゆっくりとコーヒーや軽食を味わう、これこそ世田谷にふさわしい姿ではないでしょうか。
都市整備部門では、区民の楽しみ、コミュニティー再生などをどのように考えていらっしゃるのでしょうか。区民のために大胆に変わっていただきたいと思うのですが、お考えを伺います。
◎安藤 玉川総合支所土木課長 瀬田四丁目広場でございますが、国分寺崖線の緑の保全を図るために、都市緑地として都市計画決定されたもので、区の文化財指定とされております。建物が一体となり、歴史、文化的にも貴重な環境が保存されております。
公園や緑地におきましても、委員ご指摘のように、地域コミュニティー形成の場としての役割が大切と考えます。そのためにも、もっと広く利用していただくために、広場のパンフレットを近くにある岡本民家園や静嘉堂緑地に置き、来場者をこの広場に誘導する工夫や、持参したお茶、お弁当等を広げる場として建物が使えるようにするとともに、広場の利用ルールづくりを考えてまいります。
大胆に変われとのご指摘でございますが、五十嵐課長のように力強い答弁はできませんで困っておりますけれども、この広場の多様な利用につきましては、国分寺崖線の緑や近代建築の歴史、文化を学習する場として、また、ボランティア活動として活用する取り組みなど、新財団世田谷トラストまちづくりと検討してまいりたいと存じます。
◆小泉たま子 委員 入るときには、ペットはお断りいたします。帰るときには、看板だけがありがとうございました。これではむなしい。玉砂利でじゃりじゃり、もう足が前に行かない。これではもう高齢者も行かれない。車いすはもちろん、足のちょっと不自由な方は行かれないということですね。ぜひご検討ください。
それでは、もう時間もなくなりましたので、伊澤烏山
街づくり部長が今年度で退職なさるわけです。きょうで最後になりますが、朝からどのようなお気持ちでこの委員会に臨まれていたのでしょうか。何かおありになりましたら、一言どうぞ。赤ランプになるまで、終わりまでどうぞ。
◎伊澤 烏山総合支所
街づくり部長 貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。一言お礼を申し上げたいと思います。
私、三十九年に入りまして、それ以来、世田谷区のまちづくりにずっと携わらせていただきました。本当にありがとうございました。殊に後半の十三年間は理事者として、議員の皆様にいろいろな場面でご指導いただきました。重ねてお礼を申し上げます。
議員の皆様におかれましては、今後も世田谷区の発展のためにご活躍をいただきたいと思っております。
長い間、本当にありがとうございました。(拍手)
◆小泉たま子 委員 今後ともお体に気をつけられまして、第二の人生を楽しんでください。そして、また世田谷区のこともよろしくお願いいたします。
では、これで質問を終わります。ありがとうございました。
○原田正幸 委員長 以上でせたがや政策会議の質疑は終わりました。
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○原田正幸 委員長 以上をもちまして本日の質疑はすべて終了いたしました。
本日の委員会はこれにて散会いたします。
午後五時三十九分散会...