大田区議会 2020-11-27
令和 2年 第4回 定例会−11月27日-02号
令和 2年 第4回 定例会−11月27日-02号令和 2年 第4回 定例会
令和2年第4回定例会 大田区議会会議録 第18号
11月27日(金曜日)
出席議員(47名)
1 番 田中一吉 2 番 松原秀典 3 番 高瀬三徳
4 番 岸田哲治 5 番 大森昭彦 6 番 塩野目正樹
7 番 押見隆太 8 番 鈴木隆之 9 番 湯本良太郎
10 番 伊佐治 剛 11 番 深川幹祐 12 番 長野元祐
13 番 渡司 幸 14 番 高山雄一 15 番 海老澤圭介
16 番 松本洋之 17 番 岡元由美 18 番 勝亦 聡
19 番 広川恵美子 20 番 秋成 靖 22 番 田村英樹
23 番 大橋武司 24 番 小峰由枝 25 番 椿 真一
26 番 田島和雄 27 番 末安広明 28 番 大竹辰治
29 番 清水菊美 30 番 黒沼良光 31 番 佐藤 伸
32 番 菅谷郁恵 33 番 福井亮二 34 番 荒尾大介
35 番 杉山公一 37 番 犬伏秀一 39 番 松原 元
40 番 須藤英児 41 番 植田智一 42 番 野呂恵子
43 番
北澤潤子 44 番 小川あずさ 45 番 庄嶋孝広
46 番 平野春望 47 番 奈須利江 48 番 馬橋靖世
49 番 荻野 稔 50 番 奥本有里
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欠席議員(3名)
21 番 玉川英俊 36 番 荒木秀樹 38 番 三沢清太郎
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出席説明員
区長 松原忠義 副区長 川野正博
副区長 清水耕次 企画経営部長 市野由香里
総務部長 後藤 清 危機管理室長 須川孝芳
地域力推進部長 今井健太郎 観光・国際都市部長 飯嶋清市
スポーツ・文化担当部長 町田達彦 区民部長 小泉貴一
産業経済部長 山田良司 福祉部長 今岡正道
障がい
者総合サポートセンター所長
福祉支援担当部長 張間秀成 森岡 剛
健康政策部長 木田早苗 保健所長 伊津野 孝
まちづくり推進部長
新空港線・
まちづくり調整準備室長兼務
こども家庭部長 浜口和彦 齋藤浩一
都市開発担当部長 青木重樹
空港まちづくり本部長 白鳥信也
都市基盤整備部長 久保輝幸 環境清掃部長 落合邦男
会計管理者 鴨志田 隆
企画経営部企画課長 杉山良樹
企画経営部財政課長 田村彰一郎 総務部総務課長 中澤 昇
教育長 小黒仁史 教育総務部長 玉川一二
教育総務部教育総務課長 政木純也
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出席事務局職員
局長 井上隆義 次長 古川雅章
議事担当係長 矢作研治
議事日程第2号
令和2年11月27日 午前10時開議
第1
第117号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第118号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第119号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第120号議案
会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第121号議案 大田区
教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第122号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
第2
第 94号議案 令和2年度大田区
一般会計補正予算(第7次)
第 95号議案 大田区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例
第 96号議案 大田区使用料、手数料等収入金の督促及び滞納処分に関する条例の一部を改正する条例
第 97号議案 大田区
国民健康保険条例の一部を改正する条例
第 98号議案 大田区後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例
第108号議案
大田区立田園調布富士見会館内部改修その他工事請負契約について
第109号議案 大田区蒲田西特別出張所大
規模改修工事請負契約について
報告第 31号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について
報告第 32号 仮称大田区
田園調布せせらぎ公園文化施設新築工事請負契約の専決処分の報告について
第3
第 99号議案 大田区新蒲田一丁目複合施設条例
第100号議案 大田区
新蒲田区民活動施設条例
第4
第101号議案 大田区介護保険条例の一部を改正する条例
第102号議案 大田区立心身障害者緊急一時保護施設条例を廃止する条例
第103号議案
大田区立障害者福祉施設条例の一部を改正する条例
第110号議案
大田区立特別養護老人ホームの指定管理者の指定について
第111号議案
大田区立高齢者在宅サービスセンターの指定管理者の指定について
第112号議案
大田区立軽費老人ホームの指定管理者の指定について
第113号議案
大田区立障害者福祉施設の指定管理者の指定について
第5
第104号議案 大田区廃棄物の減量及び適正処理に関する条例の一部を改正する条例
第114号議案 特別区道路線の廃止について
第115号議案 特別区道路線の認定について
第6
第105号議案
大田区立児童館条例の一部を改正する条例
第106号議案
大田区立保育園条例の一部を改正する条例
第107号議案
大田区立図書館設置条例の一部を改正する条例
第116号議案
大田区立母子生活支援施設の指定管理者の指定について
第7
議員提出第8号議案 大田区
心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例
第8
議員提出第9号議案 地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例
第9
議員提出第10号議案 大田区
入学祝金支給条例
第10
2第159号 何のための埋立て、空港沖合移転、大田区
航空機騒音データ活用をお願いする陳情
第2号追加の1
令和2年11月27日 午前10時開議
第1
会期延長
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午前10時開議
○広川 副議長 ただいまから本日の会議を開きます。
〜
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○広川 副議長 昨日に引き続き質問を行います。
まず、37番犬伏秀一議員。
〔37番犬伏秀一議員登壇〕(拍手)
◆37番(犬伏秀一 議員) 大田区議会の
キャスティングボート、令和大田区議団の犬伏秀一です。6名の会派を代表して質問しようといたしましたら、本日は2名が体調不良で欠席をしておりまして大変申し訳ありません。
新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中、ころころ変わる政府の方針、自己のアピールのためコロナ禍を利用しているように見える一部劇場型知事らの発言など、リーダーとしての胆力の欠落を感じざるを得ない行動は、誠に残念と言うほかありません。そんな中、現場では医療従事者、保育士、教員、保健所などが見えない敵と懸命に闘っていただいていることは感謝に堪えないのであります。
23区においても、ふだんは各区横並び政策を取っていながら、現金給付をするなど区民におもねる施策をアピールする区が少なからずあったのは誠に残念なことでありました。このようなパフォーマンスが出てくると、もはや特別区一体としての共同歩調は困難であり、大田区も積極的に独自の施策を強力に発信すべきだと考えます。
23区で真っ先に実施した中小企業への500万円
無利子緊急融資制度創設、さらに区議会からの要請により金額を10倍の5000万円へ増額、また、区内飲食店の時間短縮に対し、都の制度と協調しての15万円支給など、他自治体に対しても胸を張ることができる施策が多々あったと思います。が、いかんせん大田区は広報が弱いと感じるのは私だけではないでしょう。中央防波堤の帰属問題においても、判決後すぐさま区長が強い言葉で本音の記者会見を行った江東区に比べ、大田区長のコメントの遅さ、事務方が書いたと思われる弱々しい文章など、その発信力の差は歴然としていました。
大田区は、
シティプロモーションだ、ブランディングだと、はやり言葉を羅列しておりますが、区民が困っているときの区長の力強い発信こそ、リーダーとしての安心感を生みますし、行政に対する信頼を得ることができると思います。大田区の青パトで区長の声を流していましたが、失礼ながら、どこのおじさんがぼそぼそ話しているのだろうという感じでした。74万区民のうち、区長の声だと認識できる区民は、多分半分もいないと思います。もっと元気いっぱい、区民に頑張ろうと語りかける、ふだんの松原区長の明るいメッセージが欲しかったと、大変残念であります。
総務省の統計によれば、13歳から59歳の
年代別インターネット利用率は8割を超えており、情報取得手段に広い年代でネットを利用していることが分かります。反面、60歳代は76.6%、70歳代では51%、80歳以上になると21.5%しか利用していなく、激減をいたします。現在の大田区の情報発信は多くをインターネット、ホームページに頼っているようですが、10万人近い区民がインターネットを活用していない状況にあって、複合的な同時情報発信を考える必要があります。
国の持続化給付金や飲食店に対する東京都の協力金では、必要書類をPDFにしてオンラインで申請せよとあり、事業者の皆さんの多くがPDFって何だ、オンラインってと戸惑っていらっしゃいました。その点、大田区の協力金は紙ベースで非常に簡便で好評でした。このように、お役人の目線、自分たちの常識で物事を判断すると、それ以外の一般区民にとって大変冷たい対応になってしまうことがあるのです。
私は過日、区内に実家のあるDV被害の母子の支援をいたしました。大田区のホームページからDV被害や母子家庭に必要な情報を得ようとしましたが、実に分かりにくいと感じました。その後、DVのページは所管課の素早いご対応で以前よりは改善されましたが、まだまだであります。
ホームページを作る会社も様々です。きれいなホームページにありったけの情報を入れる会社、見栄えよりも情報にいかに早くたどり着けるかを最優先する会社。残念ながら、大田区のホームページは見栄え優先です。年間1500万円もの税金をかけているとは思えない、実に情けないホームページであると断じておきます。
私は、議場外での松原区長のスピーチは大変フレンドリーで、その場に合わせた秀悦、すばらしいものだとご尊敬申し上げております。ところが、事議場でのご挨拶やご答弁は、所管課が書いた無味乾燥な文章であり、全く別人のようであります。どうか区長のふだんのお言葉で自らの政策を、信念を、自らの意思で発言される残りの任期であっていただきたいと望むのであります。
区報、ホームページ、区長のメッセージ、区の発信する全ての情報が区民の信頼、または反感につながります。その意味では、発信力は極めて重要であると言えます。区長が先頭に立って、自らのメッセージを含めて、マスコミからも弱いと指摘される大田区の発信力を高める努力をすべきだと思います。先ほど指摘しました使いづらいホームページなど、発信力の劇的向上につき、区長のお考えをお伺いいたします。
大阪市において大阪都構想が住民投票で反対多数となったことは、皆様ご存じのとおりであります。大阪都構想では、東京特別区とは財源割合や権限を増やすなどの改善は見られますが、東京都と同様に大阪府の権限が増加する制度設計でありました。
一般市と違い、多くの権限と財源を東京都に握られている特別区制度については、戦後長い間、特別区の自治権拡充運動を行ってきた都区協議を思い起こさなければなりません。大田区議会は、23区に率先して昭和24年9月21日第5回定例会において、満場一致をもって大田市制施行に関する建議が決議されたのです。そして同年10月18日、大田区議会は
大田市制施行促進本部を設置し、区長部局にも
大田市制施行推進本部が設けられたのです。当時の区議会議員は全員、大田市制施行のたすきをかけ、街頭啓発運動を行ったとの記録が残っています。その運動の成果もあり、
GHQシャウプ勧告、
都区調整協議会設立など、23区の自治権拡充にGHQや国、都も渋々着手したのでありました。
このように、大田区議会が都区改革に大きな一石を投じ、市制施行運動は終結を迎えたのです。我々、大田区議会は、23区の中で真っ先に市制施行運動を展開した先人の思いを忘れてはなりません。
総務省自治行政局に確認したところ、総務省は特別区の独立、または中核市、政令市への変更を容認するとの立場を明確にしています。また平成11年、森記念財団は、特別区を港、品川、大田の3区を城南市とし、渋谷市、千代田市など6市に再編する案をまとめました。現状の都区財政調整が格差是正の役割を担っていることを考慮したこの再編案は、いまだに検討に値すると思うのであります。
区長は、このような大田区の自治権拡充運動を踏まえて、特別区の再編、一般市への転換につき、どのようにお考えでしょうか。
また、都区制度の弊害で、大田区職員が区民に寄り添うのではなく、東京都のお役人に寄り添っていると感じるのは私だけでありましょうか。都に対しても対等に物を言える文化を区役所に醸造すべきだと考えます。新空港線に対する都区協議の場設置では、大田区所管部局が区執行部、大田区議会と一丸となり、都側に物申した事例は画期的であったと評価しておきます。
大都市の一体的整備という戦時中央集権の亡霊から逃れられない東京都に対し、正面から戦える区管理職の養成を図り、区は都の下請ではないという文化を醸造すべきと考えますが、区長のお考えを伺います。
大田区職員の皆さん、採用時には大変な競争率を勝ち抜いて入庁された優秀な方ばかりであります。ところが、入庁して何年かのうちに言動に大きな違いが出てまいります。どんな災害があろうと、不景気になろうとも、年収は減らない、ボーナスも大丈夫、リストラがない、退職金も安泰、このような厚遇の中、区民のために真剣勝負で働く職員さん、反面、遅れず、休まず、働かずを実践し、休日と老後を楽しみにしている職員さん、明らかに違ってまいります。
私は、雑色から蒲田までバスに乗ることがよくあります。この区間は道が狭いので、小型バスです。運転技術がすぐ車体の揺れに出てきます。急ブレーキ、急ハンドル、乗客に対する挨拶や思いやりの放送のない運転手と、極めて丁寧な運転手さん、分かりやすい路線です。なぜこんなにもつまらなそうに仕事をするんだろうと、かわいそうになる方もいます。
公務現場では、なかなか対応の差が表に出てまいりませんが、やはり違います。先日、DVのお母さんの対応をしてくださった保育サービス課の職員さんの涙の出る神対応。ある区施設の運営に応募した結果、落選した業者にわざわざ電話で結果を伝え、次は選定されるよう勉強会を開催してくださる区職員さん。落ちた業者さんが半べそで、ほかの自治体では文書1枚だけだ。大田区の対応はすばらしいと教えてくださいました。すばらしい職員さん、区民に寄り添ってくださる職員さんが大田区にはたくさんいらっしゃいます。シーラカンスのような遅れず、休まず、働かずの職員を駆逐して、大田区役所全庁がみんな明るく、丁寧で、区民目線で、たらい回しなんか絶対にない区民に寄り添う区役所にならなければなりません。区長が先頭に立ち、お客様対応日本一の自治体を目指そうではありませんか。ご決意を伺います。
議員一斉メールには、毎日のように、区立小中学校、保育園などの陽性感染者情報が届きます。特に注目すべきは、園児、児童・生徒の濃厚接触者への感染がほとんどないことであります。彼らの感染由来は両親であることがほとんどです。そして、子ども同士での感染はほとんど報告されていません。
区議会議員であれば多かれ少なかれ、区内保護者から学校閉鎖しろ、感染者が出た学校名を公開しろとの怒りのメールを受け取った経験があると思います。大切なお子さんを感染させたくない気持ちはよく分かります。しかし、実情をぜひ理解していただきたいのであります。感染者が出た学校の保護者にはその事実を連絡していますし、感染拡大防止の処置もしています。さらに、子ども同士の感染拡大がないという歴然とした事実があります。
文部科学省の全国データでも同様です。残念ながら、なぜ子ども同士が感染しないかという科学的エビデンスは存在しませんが、事実感染しないのです。ぜひ教育委員会におかれましては、この事実を事実として保護者に周知をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
また、大田区も
新型コロナウイルスに対する広報の在り方を再検討する必要があります。マスコミでは毎日感染者が過去最大になったと騒いでいます。しかし、その数は1日2000人程度です。米国における1日13万人、フランスの8万5000人とは桁違いなのです。そこで気にしなければいけないのは、感染者の数ではなく、死亡率と重篤率、
ハイリスク感染者の数でありましょう。
医療現場では、治療法も確立されつつあり、重篤化する前の対症療法により死亡も少なくなっています。人口動態調査による2018年のインフルエンザが直接原因の死亡者は3225名、
インフルエンザ発症により他の病気が重篤化し亡くなった方は1万人を超えています。では、
新型コロナウイルスはというと、直接の原因で亡くなった方は、2月から累計2001名であります。
もちろん、人の死を軽く扱うつもりはありません。しかし、毎日毎日、マスコミの垂れ流す感染者数に恐れを抱く習慣が日本人には根づいてしまったのではないかと危惧するのであります。インフルエンザよりも死亡者数は少ない、対策をきちんとすれば大丈夫ということこそ広報すべきなのであります。
昨年の今頃、1週間当たりの
インフルエンザ患者数は4000人を超えておりました。ところが、最近1週間の
インフルエンザ感染者は30名程度に激減しています。大田区は、事実だけを冷静に区民に周知すべきです。
日本人は、マスコミ報道をうのみにしやすい国民性があります。マスコミ報道にいたずらに踊らされない正確な客観的数字を明らかにすべきだと考えますが、いかがでありましょうか。
Go ToでもGo Toイートでも、どんどん行きなさい、大丈夫だからと申し上げたいのであります。
いじめによる自殺やDVによる死亡事件が毎日のように報道されています。大田区においても、悲しい事件が発生してしまいました。そして残念なことに、いじめによる自殺事案では、関係する教育委員会が記者会見で、マニュアルでもあるかのように、保身、責任逃れの記者会見を行い、世論のひんしゅくを買っています。
先日、DV家庭のお手伝いを行い、区役所内の縦割り制度、区民に寄り添わないお役所の理論に振り回されてまいりました。いじめやDVは即命に関わる重大事案であります。認知したら素早く対応することが事件にならない、または命を救えるのであります。お役所の理論は関係ないのです。
全国で繰り返されるいじめ問題。昨年度のいじめ認知件数は、全国で61万2496件に上ります。学校現場では、SOSの見逃しや初動体制の遅れなどにより、問題が長期化、複雑化しています。そこで、大阪府寝屋川市では、昨年10月、いじめ問題を教育委員会や学校任せにせず、市長直轄の人・ふれあい部に監察課を新設して、いじめ問題に取り組んでいます。寝屋川市は、その再現性の高さの要因として、教育的指導としての正しさを追求すればするほど問題に陥る可能性を指摘し、
教育的アプローチの限界という仮説に立った新たなアプローチを提案しました。
教育的アプローチの限界という仮説に立てば、学校現場への
教育カウンセラーの派遣や教育委員会への第三者機関の設置など、よくある
教育的アプローチの補強では課題解決につながらないと考えたそうであります。
そこで、
教育的アプローチは、いじめの予防に注力し、新たなアプローチとして
行政的アプローチを導入されました。学校は、とかく加害者への過度の配慮、または事件の矮小化に走る傾向があると感じられます。八尾市でも同様のいじめからこどもを守る課を設置、大阪市などでも教育委員会から離れた立場でいじめに対応しようとの動きが広がっています。
私は、誰も個人で責任を取らない連合体の教育委員会には否定的な立場でありますが、教育委員会が設置した第三者機関なども信用できないのです。千代田区
いじめ問題調査委員会委員でもある明治大学准教授の内藤朝雄氏は報道機関のインタビューで、公選もされず、首長から独立した教育委員会は閉鎖的な教員村となる。外部からのチェックを受けないため、組織にとって都合の悪い事実を隠そうとする体質へと腐敗すると手厳しく答えています。
そこで、教育委員会、学校からも独立したいじめ撲滅専任の組織を設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。そして、どうせ新たな組織をつくるのであれば、縦割りのDVも所管させたらよいと考えます。
いじめもDVも重大犯罪ですが、いつも行政の対応は後手後手、悲しい結末が起こると他人事のように記者会見。大田区では、いじめやDVで命を絶つ事案は絶対に起こさせない、そんな決意を23区で初めて発信しようではありませんか。
区長部局への
いじめDV専門課設置につき、お考えをお伺いいたします。年がら年中、組織改編を行っている大田区なら、明日にでもできると思います。
コロナ禍では、人類が様々なことを考えさせられました。私ごとですが、6月1日に面会もままならないホスピスで、実の姉を見送りました。親しい人の死を目前で見送る経験は、そんなにあることではありません。それも、コロナ禍の中でありました。すると、今生きていること、仕事があること、食事ができること、そんな当たり前の日常に感謝する気持ちになりました。
大田区役所には、心の底から区民、区内事業者のために、人知れず頑張ってくれている職員さんがたくさんいらっしゃいます。大田区役所を動かしているのも、区民に評価されるのも、今この議場にいらっしゃる区長以下、理事者の皆さんではありません。そんな現場の職員の皆さんであります。
その全庁全職員が、いま一度、民間にはない安定した環境で仕事ができることに心から感謝し、役所の論理を持ち出さず、偉ぶらず、たらい回しにせず、保身に走らず、区民のため、区内事業者のため、今どうすることが最善なのかを考える習慣を常に身につけるよう望み、令和大田区議団の代表質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。
◎松原 区長 犬伏議員の代表質問に順次お答えをさせていただきたいと思います。
まず、区の発信力向上に関するご質問でございますが、区は、区民にとって最も身近な基礎自治体であり、区民の生命と財産を守るため、区民生活に必要不可欠な行政サービスを着実に提供する責務を負っております。その中で区の広報が担う最も重要な役割は、サービスを必要としている区民に対し、区の施策に関する様々な情報を、適切な時期に、的確に発信することであると考えております。私自身、発信するのには、記者会見をやりますね。それから臨時の記者会見をやります。それから、部長さんたちに、区のほうの、行政のほうからの発信、こういうふうな形も図っておるところでございます。おっしゃるとおり、適切な時期に発信することが大事だと思います。また、区報、ホームページ、SNSなど多様な媒体を相互補完的に活用し、幅広い年代やライフスタイルに合わせた広報を行っております。
今般のコロナ禍により、区政を取り巻く状況が一変し、区民生活や区内経済にも多大な影響が生じております。私は区長として、時機を逸することなく、感染拡大防止のための注意喚起など区民の皆様にお伝えしたいメッセージを動画にまとめ、これまでに5回、力強く発信してまいりました。最近では、コロナ禍における今後の施策展開等を的確に進めるため、医学的な知見を有する学校法人東邦大学との連携を開始するに当たり、記者会見を行い、自ら区民の皆様に意気込みをお伝えさせていただきました。
お話しの区のホームページにつきましても、必要な情報をより取得しやすくなるよう、検索性や操作性の面を重視し、絶えず改善に取り組んでいるところでございます。引き続き、区民に必要な情報が行き渡るよう、行政と区民の相互理解を促進するため、私が先頭に立って、区の発信力を強めてまいります。
次に、特別区の再編、一般市への転換についてのご質問ですが、特別区は平成12年に施行された改正地方自治法により、いわゆる基礎自治体に位置づけられました。これは私もしっかり覚えておりまして、実は東京都議会の副幹事長をやっておりました。たまたま東京都議会の中で、23区出身の議員さんがそろって執行部に入ってきましたので、思いは皆同じなものですから、とにかく都の区をなくそうということで、地方公共団体に行政側、あるいは国側に働きかけて、ここまで持ってきたという、あれは今でも自分としては忘れられないことがありました。自治権拡充は非常に大事なことだと思っています。そして、特別区は大都市東京の基礎自治体として、より幅広く地域の事務を担うことを基本とする都区制度の枠組みが法定されました。また、平成15年には、財団法人特別区協議会に特別区制度調査会が設置され、都の区の廃止を含めて、大都市東京の行政主体である特別区の今後の在り方について、調査研究が行われました。
区におきましては、急速に進む少子高齢化や自然災害への備え、更新時期を迎える公共施設への対応といったこれまで顕在化している行政課題に加え、
新型コロナウイルス感染症のもたらした区民生活への対応等、基礎自治体として取り組むべき様々な課題があります。この難局に立ち向かうためには、区民に最も身近な区が権限と財源を拡充し、今必要な行政サービスをより早く、より確実に提供することが区長としての責務であります。
これを実現するためには、都区のあり方検討委員会での議論を着実に進めながら、これまで勝ち取ってきた清掃事業や児童相談所事務等の自治権をさらに拡充していくことが重要であるというふうに考えています。思い起こすと、これは区長互選もやりました。これは区議会と行政が一緒にやったということで、天野さんを生み出しました。これはたしか品川区と大田区だけだったというふうに記憶しています。そのほか、福祉事務所が来たり、保健所が来たり、いろいろその都度、事務権能の移管を進めてきたところであります。引き続き、私が先頭に立って、都から区への事務や財源の移管を加速させ、より強固な行財政運営の実現を目指してまいります。
次に、区と東京都との関係についてのご質問ですが、私は、区が東京都の下請だとは考えたことは一度もありません。今回の
新型コロナウイルス感染症対策における東邦大学との連携のように、私は、区民にとって必要な施策を東京都の動向に左右されることなく積極的に展開していることが、まさにその表れだと考えております。区と東京都は、大都市東京の行政を担うという点では、その立場は共通しております。また、大都市東京が今後も日本を牽引するエリアであり続けるためには、東京都のみならず、区や市町村がそれぞれ主体的に各自治体が抱える課題に向き合い、乗り越えていくことが重要であります。これは、最近のHICityとか障がい者総合サポートセンターなんかもそうであると思っております。
区と東京都におきましても、議員お話しの新空港線に関する協議をはじめ、様々な場面において忌憚のない意見交換を行っております。私自身も先月、東京都知事との意見交換に臨み、区政における課題等について、直接知事に意見を述べてまいりました。こういった姿勢は、4000人を超える全ての区職員が共有をしております。今後も引き続き、区の発展と大都市東京の発展のため、区と東京都において対等な立場で政策協議を行ってまいります。
次に、職員の人材育成に関してのご質問ですが、まさに組織の要は人であります。区では、平成31年1月に改訂した大田区人材育成基本方針の中で、職員に求められる意識として、熱意を持ち、自ら考えて業務に取り組むこと、お互いを支え合い、チームとして組織目標を達成すること、行政のプロとして、区民の信頼を構築することを掲げています。そのため、管理職は職員の力を引き出し、チーム力を高め、未来のおおたの実現に導くマネジメントに努めてまいりました。区民目線のサービスを提供するためには、職員一人ひとりがこの意識を持って業務に当たるとともに、常に明るく真摯で的確な対応のできる組織の構築が不可欠であります。
次に、
新型コロナウイルス発生状況の広報、周知に関するご質問でございますが、区は、
新型コロナウイルス感染症について、患者数、回復者数、検査実施数及び年齢別、感染経路別のグラフ等をホームページに掲載し、区民への注意喚起を行っています。今後も区民には、正しく恐れ、正しく行動していただくため、区内感染状況の正確な数字を分かりやすく周知し、感染拡大防止に活かしていただくよう努めてまいります。
次に、区長部局へのいじめDV専門課の設置についてですが、いじめやDVはあってはならない重大な人権問題です。現在、子どもから大人に至る
新型コロナウイルスに関連した差別や誹謗中傷が増えており、区では、ホームページでの啓発のほか、区報の人権コラム欄で、人権問題に関する様々な記事を掲載しております。さらに、12月の人権週間では、パネル展やチラシ、グッズを作成し、人権問題の啓発を集中的に実施する予定でございます。お話しのいじめDV専門課の設置ですが、これまでも、いじめやDVに関する相談は、教育委員会やこども家庭部、福祉部など関係部局が連携して対応しており、特に学校におけるいじめ対策では、今後、教育委員会で、公平性、中立性に十分配慮した有識者による組織、大田区いじめ問題対策委員会を常設するなどの内容を定めた条例制定を予定しております。今後も、当事者に寄り添ったきめ細かな対応に努めてまいります。私からは以上でございます。
◎小黒 教育長 私からは、学校における
新型コロナウイルスへの対応についてのご質問にお答えいたします。
現在、区立小中学校において児童・生徒や教職員等に
新型コロナウイルス陽性者が判明した場合には、保健所と連携し、濃厚接触者の特定や校内の消毒の徹底など必要な対応を行っております。また、当該校の保護者にその事実を伝えるとともに、大田区及び教育委員会ホームページで公表しております。その際、学校名及び地域については、人権配慮の観点から非公表としております。
現時点では、区立小中学校を起点とした感染拡大は確認しておりませんが、東京都内でも感染者が拡大傾向にあり、予断を許さない状況であると考えております。そのため、子どもたちが安心して学校生活を送ることができるよう、引き続き保護者などに必要な情報を提供するとともに、学校においては9月に策定いたしました大田区立学校における
新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインに定める対応を徹底し、学びの保障に取り組んでまいります。
○広川 副議長 次に、46番平野春望議員。
〔46番平野春望議員登壇〕(拍手)
◆46番(平野春望 議員) エールおおた区議団の平野春望です。初めての会派を代表しての代表質問になります。全集中の呼吸で行いたいと思います。区長と教育長におかれましては、ご本人の言葉で、気持ちのこもったご答弁をぜひよろしくお願いいたします。
質問の前に、コロナ禍で奮闘されている全ての皆様に感謝を申し上げます。そして、74万大田区民の方々には、今が大変でも決して諦めないでいただきたいと思います。やまない雨はない。必ず夜は明けます。大田区議会や大田区が一丸となって、この危機を取り組んでまいります。一緒にこのコロナの危機を乗り越えてまいりましょう。
今日は大きく三つ、地域共生社会、教育、財政について質問いたします。
まず、団塊世代全員が後期高齢者、75歳以上になる2025年、そして団塊ジュニアが全員65歳以上になり、死亡者数がピークに達すると言われる2040年、それに向けて、とても重要な大田区版地域共生社会の実現について、いくつかお伺いをいたします。
この地域共生社会については、令和2年決算特別委員会で私が質問に取り上げたヤングケアラーについても大きく関係することから、2万5000円を払って、地方議員向けの勉強会に参加しました。そこで厚生労働省の局長や元厚生労働省の全国社会福祉協議会の副会長から、地域福祉や地域包括ケアシステム、地域共生社会についてのご意見をいただき、ほかにも地域包括や大田区の社会福祉協議会、地域の各種団体、NPOの方にもご協力いただき、今回の質問をまとめました。その方々に感謝するとともに、大事なこれからの大田区版地域共生社会について、これを聞いている皆様と質問を通して理解を深め、前に進めていきたいと考えております。
先日、第3回大田区高齢者福祉計画・介護保険事業計画推進会議を傍聴しました。そこで次期である第8期計画の概要案について議論がされていました。その中で取組に当たっては、一つ目は切れ目のない支援、二つ目は地域力、三つ目は新たな取組の導入という三つの視点を踏まえ、PDCAサイクルによる事業評価・検証を基に取組内容を充実、改善していくというお話がありました。大田区としては具体的にどう進めていくのか、区長のご見解をお聞かせください。
令和2年6月12日に厚労省から通知があった地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律の公布があり、改正趣旨として「地域共生社会の実現を図るため、地域生活課題の解決に資する支援を包括的に行う市町村の事業に対する交付金及び国等の補助の特例の創設、地域の特性に応じた介護サービス提供体制の整備等の推進、医療・介護のデータ基盤の整備の推進、社会福祉連携推進法人に係る所轄庁の認定制度の創設、介護人材確保及び業務効率化の取組の強化等の所要の措置を講ずること。」とありますが、この社会福祉法等の改正に関して、大田区ではどのように捉え、どのような方向性で検討を進めようとされていますでしょうか、区長の答弁を求めます。
大田区版地域共生社会の実現に向けた地域包括ケアシステムについて、三つの視点には、一つ、切れ目のない支援、ここには、元気・介護など状態の切れ目に加え、高齢・障害といった分野の切れ目、年齢、性別など属性の切れ目なく対応するとあります。2、地域力、区民一人ひとりの力の源として、様々な主体が持っている力、それが相互及び区の連携・協働によって生まれる力を地域づくりのために欠かせない力として活用することで、多様な主体による重層的な支援体制を構築するとあります。区として、地域包括支援センター、子育て支援、さぽーとぴあなど、高齢、介護、障害福祉、子育て保育など様々な区の機関が、区民団体、NPO、自治会、町会、民生児童委員などの地域資源と連携や活用して重層的な支援体制をつくると思います。
その要になるのが、高齢施策に関わるコーディネーター、地域福祉に関わるコーディネーター、その他専門のコーディネーター、これらが複合的にチームを組んだり、専門性を発揮して様々なご相談に乗るコーディネーターとして活躍されると思います。そして、私は、このコーディネーターが様々な複合的な課題に取り組む中で、高齢、障害、児童、生活困窮等のお困り事を、地域包括センター、障がい者総合サポートセンター、子ども家庭支援センターなど様々な機関に適切につなげることが、この地域包括ケアシステムの要になると考えています。もししっかりとして連携が取れないとなると、仏を作って魂入れずという連携という名の誰も責任を取らない仕組みになってしまうおそれがあります。
先日、私の住んでいる蒲田一丁目の若手経営者の方々が、今、大田区でお祭りやイベントの多くがどんどん中止になっているので、子どもたちのために蒲田元気まつりという子どものためのイベントを開催されました。そこで、地域包括センターの所長や見守り支えあいコーディネーター、地域支えあい強化推進員の方がお手伝いとして来られていました。この方々は、通常業務としてではなく、地域のつながりのため、自ら進んでご参加をされていました。こういった方のご尽力で地域のイベントやつながりができていくことは大変すばらしいことだと思いました。そして後日、現場のコーディネーターの方の意見を聞くために、違う地域包括のコーディネーターの方に取材をして、実際の業務についてお聞きをしました。
この見守り支えあいコーディネーターや地域支えあい強化推進員は、国の制度では生活支援コーディネーターといい、大田区では2020年度現在8人ですが、今後3年くらいをめどに18人配置され、各特別出張所ごとに配属されると聞いております。現場の方のご意見を聞くと、高齢者の対応ノウハウはあるが、障害や子ども、経済困窮などの複合的な課題に対して対応できるか不安を抱えていらっしゃいました。こういった現場の不安を解消するために、しっかりと様々な複合的な課題に対応できるコーディネーターをどう育成するかが重要になってくると考えております。
質問します。地域福祉における要となるコーディネーターをどう育成していくのか、区長のご答弁を求めます。
大田区地域福祉計画の支援と共生の地域づくりという項目にあるように、区民同士が出会う場、居場所の確保が重要だと認識しております。その場をつくることにより、お互いにケアし合う関係性を広げ、多様な役割と参加の機会や地域での助け合いができるようになると考えております。この居場所をどうやってつくっていくのか、この部分を行政が、大田区がしっかりと整える必要性を感じています。
質問します。区として、具体的にどのような居場所や地域づくりを考えておられるでしょうか、区長のご見解をお伺いいたします。
そして現在、次期おおた障がい施策推進プラン、関連する計画として大田区障害者計画、第6期大田区障害福祉計画、第2期大田区障害児福祉計画、大田区発達障がい児・者支援計画も検討が進められていると認識しております。この計画が目指す姿、基本理念は「障がい者が地域で自分らしく安心して暮らせるまちをつくります」とあります。
大田区は、今までも地域力を活用して、障がい者が暮らし続けられる地域づくりを進めてこられたと思います。それは日々進化し、昔より障がい者が住みやすいまちになっている反面、まだまだ足りない部分もあるという声も寄せられております。先日、志茂田福祉センターの見学に行ってきました。そこでは障がい者の就労が減っている、区としても、コロナ禍の3年間で580億円の減収見込みがあり、ひょっとすると、現在ある様々な助成が減らされるのではないかという不安な声を現場の方からも聞いております。それに対して、今後、高齢者や子どもと同じく障がい者の居場所も大事になってくると私は考えております。全ての人が共に支え合う、活躍できる社会、誰一人取り残さない社会を目指していきたいと考えております。そして、その居場所が必要だと強く認識をしております。
区長が初当選されたときに、障がい者総合サポートセンターさぽーとぴあをつくることを公約として掲げられ、当選され、現状があると認識をしております。そのときの思い、またコロナ禍で不安になっている障がい者やご家族、支援者にぜひ安心していただけるような気持ちのこもった区長の決意とご答弁をお願いいたします。
現在、区では、各種奨学金の給付や貸付けの拡大を補正予算で進めています。そこには、区長の子どもの学びや成長のためにしっかりとした体制をつくる意思を感じます。また、平成29年に区が策定したおおた子どもの生活応援プランに基づき、子どもの貧困対策に取り組む区民、地域活動団体などのネットワーク形成と自主的活動を支援することを目的とした取組があります。今後は、同じ地域で暮らす仲間としての自分以外の人への思いやり、その中での地域包括ケアセンターの中に子どもの居場所、例えば学童保育や子どもの遊び場としての高齢者、障がい者と自然に関わる場所のインクルージョン、社会的包摂という意味で重要になってくると認識をしております。
質問します。生活困窮している子どもやその家庭だけではなく、大田区で成長していく全ての子どものために、地域のいろいろな方、高齢者、障がい者、子ども等が一緒に過ごす場、学び合い、支え合う場が必要かと思います。子どものために地域で暮らす多様な方の居場所について、区長のご所見をお聞かせください。
私は現場の地域包括支援センターの所長や見守りコーディネーター、地域支えあい強化推進員に取材をしてお話をお聞きしたり、子ども食堂のお手伝いもしながら、地域の方の親御さんのご意見も聞きました。この地域共生社会の理念はすばらしく、うまくいけば行政と地域の方々が連携して、お互いに支え合う仕組みができると思います。しかし、現場の意見をしっかり聞いているでしょうか。しっかりとした仕組みのためには、図書館のように地域包括センターも一つは区が直営で運営して、しっかりと現場の課題を見つけ、解決していくために、中核機関として区直営の施設の整備の必要があるかと思います。現場からも今後の体制について不安の声が上がっております。ぜひご検討いただきますよう、強く要望いたします。
次に、教育についてお聞きします。
コロナ禍で子どもの学びの保障について、いろいろな議論があります。しかし、間違いなく言えるのは、子どもはオンラインだけではなく、対面で人と人とが触れ合って学ぶ必要が少なからずあるということです。やはり今後の新しい生活様式においても、学校は集団や人との関わりを学んだり、社会性を身につける場の一つとして大変重要な役割を果たすと私は考えております。そのためには、修学旅行をはじめ、いろいろな経験を実地で人と関わりながら、自分の肉体を通して学ぶ必要があると私は考えております。
また、コロナ禍で不登校の子どもの気持ちが楽になったという話がある一方で、臨時休校で生活習慣が乱れて、遅刻や不登校になった子どももいると聞いております。今回の小中学校の全児童・生徒にタブレットを配布するなど、現在、区では家庭でも勉強できるようにICT環境の整備が進んでおります。この機会を捉えて、ぜひ今までとは違う、不登校児は学校に戻らないといけないという画一的な指導から、様々な子どもに合った、様々な子どもに寄り添う教育環境整備を進めていただき、多様な学びの保障をぜひ進めていただきたいと要望いたします。
質問します。教育長は、この新しい生活様式、コロナ禍の中で、大田区の小中学生に対してどのような教育が必要か、校長としてもご自身の経験を踏まえた上で、ご見解をお伺いいたします。
次に、大田区の財政についてお聞きします。
新型コロナの中で、3年間で580億円の財源不足になると報告がありました。私はその中で一律のシーリング、例えば全事務事業を一律で1割削減するというようなことではなく、住民の福祉に必要なものは削減しないでしっかりと進めていただきたいと考えております。それは、日本国憲法第25条「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」、また、地方自治法の第1条の2「地方公共団体は、住民福祉の増進を図ること」と示してあるように、当然必要なことであるし、重要なことと認識をしております。
質問します。区として、この財源不足についてどういう対応を考えているのか、現時点での区長のご見解をお伺いいたします。
今後、新たな歳入を確保していく視点が必要だと思います。区の新おおた重点プログラムでも、柱の一つとして、新たな自治体経営へのシフトとあり、
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、社会経済状況は大きく変化し、区の行財政運営は今後さらに厳しさを増していくことが予想されます。このような状況下で、区は最小の経費で最大の効果を発揮する持続可能な区政を実現するための方針を示し、新たな自治体経営へとシフトしていきますとあります。
この大田区の財政が危機を迎える中で、いかに知恵を絞って新しい発想で歳入を増やすことができるか、今、求められています。例えば、電力自由化による見直し、施設のネーミングライツ、区内施設や税金の収納業務を全て電子決済で行い、税金の収納率を上げるなど、そういった新しい収入源の確保として、どのような方法があるのか、これ以外も様々な方法があると思います。
質問します。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い社会経済状況は大きく変化し、区の行財政運営は今後さらに厳しさを増すことが予想されます。例えば会社経営では、カルロス・ゴーンのように、まず現場に行って確かめる、やはり経営のヒントは現場に落ちているというような話もあります。ぜひ大田区の職員も、新人カリキュラムの中に問題が起きたら現場に行く、現場の声を聞くというような研修を入れていただき、その新人たちが係長、課長、部長になったときに、現場の声を聞きながら素早く対応できることが、これからの自治体経営の中で本当に区民にとって必要な事務事業を進めていく基礎になると考えます。最小の経費で最大の効果を発揮する持続可能な区政を実現するための新たな自治体経営に関する区長のご見解を伺います。
最後に、大田区の令和2年度の地域力推進部事業概要の目標達成に向けた組織運営上の視点には、とてもすばらしい文章が載っておりましたので、ご紹介いたします。6ページ、7ページにあります。
「最新の知見を踏まえていなければ、より良い仕事はできません。各分野の先進事例における優れた手法や新たな手法を研究、追求し、大田区の実情に合わせて積極的に取り入れましょう。」、「前任から引き継ぎを受けた時より、自分が後任に引き継ぐ時の方が、1ミリでも改善されていることを目標にしましょう。「小さな見直し・改善、新たな取り組みなど、何でもいいから、チャレンジしましょう。チャレンジすることができるよう力をつけましょう。部長・課長(所長)・係長はサポートします。」、「地域力推進部は、課題解決のために多くの権限を持っているわけではありません。地域の声を聴いて、関係部局・団体に繋いでいくことが大切な役割です。」、「所管する立場にとらわれることなく大田区全体を視野に入れ、課内・部内や他部局との連携を強化するとともに、地域力を活かした効果的、効率的な事業運営を行いましょう。」、このようなすばらしい文章が明記されておりました。ぜひこれを全部局で進めていただき、他自治体の優れた事例を、失敗を恐れることなく、周りがそれをサポートしながら、大田区全体を視野に入れて、部局間連携を進めていただければ、必ず大田区はこのコロナ危機を乗り切れると確信しております。
現場の声、地域の声、区民の声を丁寧に聞きながら、74万区民のために、常によりよい区政を目指して、大田区と議会で力を合わせて力強く前に進めてまいりましょう。
以上、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。
◎松原 区長 平野議員の代表質問に順次お答えをさせていただきます。
まず、次期「おおた高齢者施策推進プラン」の取組についてのご質問でございますが、区は、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるまちを実現するため、次期計画の策定を進めております。社会情勢等が大きく変化する状況におきまして、施策や事業が目標の実現に寄与しているかを検証していくことが重要であります。
区は毎年度、事業の実施状況と課題の把握、評価を行い、反映させるよう、取組を強化しております。こうした事業の実施状況等については、大田区高齢者福祉計画・介護保険事業計画推進会議へ報告し、専門的な見地からのご意見、ご助言をいただいております。また、次期プランでは、計画の進捗を測る評価指標を新たに設定する方向で検討を進めております。区は、今後もこれらの取組を着実に推進し、高齢者の地域における安心した暮らしを支えてまいります。
次に、社会福祉法に関するご質問でございますが、今回の法改正では、地域住民の複合化した課題に対応する包括的な支援体制を構築するため、相談支援、参加支援、地域づくりを一体的に整備する事業が創設されております。現在、区は区民が抱える課題に対し、地域包括支援センターや子ども家庭支援センター、障がい者総合サポートセンターなど、様々な相談機関で受け止め、支援に取り組んでいます。
改正社会福祉法は、平成31年度から令和5年度までを計画期間とした現行の大田区地域福祉計画で掲げる区の目指す方向性を後押しするものと捉えております。区は、一つの機関で解決できない課題には、関係機関との連携をより一層強化するとともに、大田区の地域力を活かした支え合いの取組につなげ、引き続き、大田区版地域共生社会の実現に取り組んでまいります。
次に、地域福祉の推進に関するご質問ですが、大田区地域福祉計画において、区の地域包括ケア推進担当や大田区社会福祉協議会の地域福祉コーディネーターなどが個々の生活課題や地域の課題と公的サービスや支援機関、地域資源とを結びつけていく重要な役割を担っております。この役割を果たすため、区はこれらの地域福祉を推進するコーディネーターが把握した課題や解決策を共有する場を設け、互いに資質の向上に取り組んでおります。また、東京都社会福祉協議会主催の養成研修のほか、大田区独自の研修の実施により、専門的な知識や技術の習得に向けても取り組んでおります。こうした取組を通じて地域福祉を推進するコーディネーターの育成と強化を図ってまいります。
次に、区民同士が出会う場、居場所に関するご質問でございますが、大田区地域福祉計画で掲げる支援と共生の地域づくりを推進していくためには、住民同士の助け合いなどの顔の見える関係を地域に広げていくことが大切です。そうした地域のつながりを育むためには、生きがいや役割を見いだす交流の機会をつくり出す支援が重要であります。そのため、区は、高齢者が気軽に集い、介護予防や交流を通じた生きがいづくり等を支援するため、シニアステーションや老人いこいの家において様々な事業を実施してきております。また、区民同士が出会い、地域社会で役割を持って活躍できるように、地域福祉を推進するコーディネーターが場の創出の支援などにも取り組んでいます。地域力を活かして、新しい生活様式も踏まえた共生の地域づくりを進めてまいります。
次に、障がいのある方への支援に関するご質問でございますが、本人や家族が地域で自分らしく安心して暮らしていくためには、様々な施策を着実に進めていくことが重要です。障がい者総合サポートセンターは、私が区長就任当初から強い思いを持ち推進し、障がいのある方の暮らしを総合的に支える拠点施設として、平成27年に開設いたしました。その後、重症心身障がい児・者を対象とした短期入所サービスや学齢期の発達障がい児への療育など新たな事業を開始し、機能の充実を図ってまいりました。現在、区では、次期おおた障がい施策推進プランの策定を進めております。この中では、日中活動の場の整備、居住の場の確保など、障がいのある方が地域で安心して暮らしていただくための施策を掲げております。今後も計画を着実に推進し、障がいのある方々の地域生活の充実に努めてまいります。
次に、地域で暮らす多様な方の居場所に関するご質問ですが、子どもをはじめ、高齢者、障がい者等、区民一人ひとりの課題を当事者だけの問題として捉えるのではなく、地域住民の理解と協力により、社会的包摂を実践していくことが大切です。そのためには、身近な地域で人と人がつながる場を築き、誰にとっても参加しやすい活動が広がるよう、環境を整えていくことが重要です。
羽田地域力推進センターには、中高生ひろば羽田とシニアステーション羽田が併設されており、多様な方が出会う場となっております。また、区内の子ども食堂の多くは、子どもが利用できる場であるとともに、誰もが気軽に訪れ、世代間交流ができる場となっております。様々な世代の方が集うこうした場所を通じて交流が深まることで、地域への愛着が育まれていきます。今後も、区と区民活動団体が連携し、多様な住民が集う居場所づくりを進めてまいります。
次に、財源不足への対応に関するご質問でございますが、今後の区財政は大変厳しい局面を迎えますが、こうした状況においても、区民の生命、安全を守り、暮らしを支える取組や経済活動を支える取組、子どもたちの学びの保障と生活を応援する取組に加え、区の発展の礎となる社会資本の整備などの施策を途切れることなく推進する必要があります。コロナ禍において目まぐるしく変化する行政課題に柔軟に対応するためには、事務事業の見直しを通じ、歳出の精査を徹底するとともに、財政基金の取崩しや特別区債の発行など、これまでの堅実な財政運営により培ってきた対応能力を最大限発揮することが必要であります。現下において優先すべき取組を定め、喫緊の行政課題に対応する計画となる新おおた重点プログラムを着実に推進し、区民の皆様の期待に応えてまいります。
次に、持続可能な区政を実現するための新たな自治体経営に関するご質問でございますが、
新型コロナウイルス感染症の拡大により、区民の皆様の生活や区内の経済活動に多大なる影響が生じております。区の財政状況も極めて厳しくなることが予想されますが、このような状況下においても、区は区民に最も身近な基礎自治体として、これまで以上に効果的、効率的な区政運営を推進し、住民福祉の向上に努めていかなければなりません。
私は区長として、この間、全事務事業の見直しや柔軟な人員配置を行い、感染症の拡大防止、区民生活の支援、区内経済対策という喫緊の課題に全力で対応してまいりました。先行きが不透明な状況が続いておりますが、今後はさらに、限られた行政財源を最大限に有効活用しながら、区民の皆様が一日も早く安全・安心な生活を取り戻し、区内経済の復興が進むよう、粘り強く取り組んでまいります。私からは以上でございます。
◎小黒 教育長 コロナ禍で必要な教育についてのご質問でございますけれども、まずは一人ひとりの子どもたちの不安や困難を丁寧に見取り、きめ細かく対応することが大切であると考えております。加えて、学校では3密を避け、身体的な距離を取りながらも交流を図り、子どもたち同士の心の距離を縮めていく教育に努めております。
先日拝見した体育の授業では、長い竹の棒を使って、バンブーダンスやリンボーダンスなど、子どもたちが密着せずに運動を楽しむ様々な工夫がございました。また、タブレットを使って一斉に考えを伝え合う授業や、外国の方と時間や距離を超えて交流する授業など、新たなコミュニケーション手段を活用した授業改善が試みられております。
このように、コロナ禍におきましても、方法や場を工夫することで、主体的、対話的で深い学びによる創造的な教育活動を推し進めたいと考えております。また、ICTなどの新たなコミュニケーション手段を活用した教育は、不登校や特別支援教育など多様な教育ニーズを要する子どもたちの可能性を拓く個別最適化された教育に有効であり、その充実を図ってまいります。
○広川 副議長 次に、27番末安広明議員。
〔27番末安広明議員登壇〕(拍手)
◆27番(末安広明 議員) 大田区議会公明党の末安広明でございます。質問通告に従い順次質問させていただきますので、理事者の皆様におかれましては明快なご答弁をよろしくお願いいたします。
初めに、商店街振興策として行われたプレミアム付商品券事業についてお尋ねいたします。
地元店舗の利用を促進し、消費喚起、商店街活性化につなげるためとして、令和2年度大田区一般会計第3次補正予算において、プレミアム付商品券事業が予算化されました。同事業は、補助率10分の10、1商店会当たり上限300万円、50商店会を対象とし、予算規模は1億5000万円であったと認識をしております。
まずは、同事業の現在の実施状況についてお尋ねいたします。
今回のプレミアム付商品券については、区民の皆様から様々なお声をいただいております。プレミアム率が高く、お得にお買物ができたなどの好評のお声があった一方で、告知されていた販売時間に販売場所に行ったら、既に売り切れていた。購入する人たちが販売場所に密集し、密であった。近くの商店街ではプレミアム付商品券を販売しなかったなど、クレームに近いお声も聞かれました。
かつて、不況対策、景気刺激策としてプレミアム付商品券を発行したことが複数回ありました。しかし、今回の事業は、区内全域で使える共通商品券として発行した過去の方法とは異なり、商店会ごとの発行となっておりました。しかしながら、事務局体制の有無や商店会の状況、特性などにより商品券を販売した商店会と販売しなかった商店会が存在することとなり、事情を知らない区民の皆様は、先ほど紹介したお声に表れているように、不公平感を抱く結果となりました。
そこで、今回の事業の公平性について、区としてどのように考えるのか、ご見解をお示し願います。
今回の事業では、商品券が使用できる店舗に大型店を含めるか、含めないかといったことも、それぞれの商店街が決めたものと伺っております。商品券が使用できる範囲を地元店舗に限定をすれば、利便性に一定の制約がかかることによる商品券の売れ残りの懸念が生じ、かといって大規模店舗を含めれば、そちらに利用客が流れてしまうというジレンマがあります。そうした課題に対し、例えば愛知県小牧市では、商品券の利用できる範囲を大規模店舗を含めた全加盟店を対象とした共通商品券と、小規模取扱加盟店に限定した専用商品券をセットにして販売する手法を採用するなどの工夫を加えた事例も見られました。
そこで、商品券を利用する際の利便性と地元店舗の顧客増加の双方を考慮に入れたこのような手法について、本区のご見解をお尋ねいたします。
プレミアム付商品券については、課題の一つである購入の際の不公平感を解消するため、抽せんとした事例もありました。社会のデジタル化の流れを受け、神奈川県鎌倉市のように、QRコードを使用したカード型商品券を導入する自治体もありました。また、スマホを活用したデジタル商品券、電子版商品券を発行するといったキャッシュレス化ならぬ商品券レス化した自治体も数多く現れました。次を見据え、新たな手法を取り入れながら、これまでのプレミアム付商品券事業で指摘された多くの課題を乗り越え、地域経済活性化を目指す本区の取組に期待をいたします。
続いて、保育園の建て替えについて伺います。
本区は、公共施設等総合管理計画の策定に向けて、平成27年にその実態を大田区公共施設白書として取りまとめ、さらに平成28年には、公共施設全体の今後の方向性を明らかにする大田区公共施設適正配置方針を策定し、効果的、効率的な施設マネジメントによる区民サービスの維持・向上の実現を目標に、五つの柱を基本的な方針として掲げています。そして、前出の二つと「大田区公共施設等マネジメント 今後の取り組み」を含め、「大田区公共施設等総合管理計画」として位置づけられております。このような方針の下、学校施設をはじめとした改築への計画的な検討、整備が進められております。
一方、保育園については、待機児童解消を目指し、新規開設を中心に整備が進んでおります。また、公共施設白書等で特に老朽化が進んでいるとされた施設、耐震対策が必要と判断された施設につきましては、順次改築も進められております。ただ、区立として建てられた保育園は、それ以外の施設でも昭和40年から50年代に整備されたものが多く、建物や設備の老朽化、破損、また、それに伴う危険箇所が目立ち始め、関係者から子どもたちの生活や安全が脅かされる事態も生じているとの話を伺っております。
そこで、区としては現状をどのように把握し、認識しているのかお尋ねいたします。
特に区立保育園の民営化により、社会福祉法人等に区から土地、建物の貸与が行われている民立民営の保育園について課題があると認識しています。これらの園と区との間では、建物、設備は区の所有財産であるため、修繕や建て替え計画は区が計画的に行うことが確認されております。園側が早急な修繕や建て替えが必要だと考えた場合でも、区有財産である施設を園自らが自由に工事を行うことができないため、逆に困っているとの声も聞きます。
区内初の民立民営園が誕生してから10年以上が過ぎましたが、現在までに修繕や建て替えについての具体的な計画は示されておりません。民営化園については、区立保育園の土地と建物を運営法人に貸し付け、借り受けた法人は、自らの直営園として運営するものであり、民間保育所に対する法外援護補助金の対象となります。したがって、民営化園は、建物の老朽化による大規模修繕費及び建て替えについては区の負担とし、建物の維持管理については法人が負担することとなっていて、この費用負担の考え方は、民営化する際に、運営について区と運営法人との間で基本協定を締結し、定められております。このことにより、たとえ園側の負担で改築を行いたいと相談しても、60年間は修理しながら使ってくださいとの回答しか得られないとのことであります。区は、真面目にこのようなことを考えているのでしょうか。
民営化園は、改築は個別に対応するとなっておりますが、新規園を設置する際、設置基準があるのと同様に、民営化園の改築についても明確な基準を明示すべきと考えます。この点について所見を伺います。
自治体によっては、民営化する保育所について、自治体が園舎を取り壊し、運営法人が国の補助制度などを活用し、新園舎を建設することで保育所の建て替えを行っている事例もあります。こうした手法であれば、園としては、国の補助制度などを活用し、事業者の持ち出しも大変少ない形で新しい保育園舎を手にすることができます。
そこで、大田区の負担を少なくして新しい園舎を造り、保育園の質を担保する、こうした方式を本区としても取り入れるべきと考えますが、所見を伺います。
子どもたちの安全・安心を最優先に、実態に即した運用計画が図られることを期待し、次の質問に移ります。
次に、廃棄物対策について伺います。
感染拡大に伴い、エッセンシャルワーカーに対する感謝の言葉を頻繁に耳にするようになりました。人々が日常生活を送るために欠かせない仕事を担ってくださっている皆様に、改めて感謝を申し上げたいと思います。
一般的にエッセンシャルワーカーと聞くと、医療や福祉、公共交通機関など社会生活を支える事業が注目されておりますが、コロナ禍以前と変わりなく、ごみの回収や処分業務を行ってくださっている方々や団体に対しては、なかなか光が当たりにくく、支援の手が行き届いていないようにも感じます。
先般、ごみ収集業務に従事されている方から、コロナ禍の中での課題や問題などについてヒアリングをさせていただきました。ごみ収集作業や仕分け作業の危険性について、収集するごみ袋には
新型コロナウイルスが付着している可能性は高く、感染防止のためのマスクや手袋、消毒液やゴーグルなどの衛生用品は命を守る意味においても大変重要で、物によっては医療関係従事者などと同様、頻繁に取り替える必要があると伺いました。そうした細心の注意を払った中で、日々の業務に当たっていただいている皆様に対しては、これまで本区で実施された他のエッセンシャルワーカーに対する支援などと比較しますと、十分でないようにも感じます。
そこで、ごみ収集事業者に対しても何らかの支援策を講じていく必要もあろうかと考えますが、区の所見を伺います。
また、環境保全にもつながり、ごみ収集車のドライバーと区職員との接触を避けるうえでも、区の発注案件の産廃処理に関し、電子マニフェスト化は効果的であると考えます。現在の区発注案件の産廃マニフェストは、7枚複写の紙マニフェストを使用していると伺いました。環境省のロードマップにおいても電子マニフェスト化の目標値が示され、菅内閣の目玉の一つにもデジタル庁の新設や印鑑廃止が盛り込まれております。世界的なトレンドも、ペーパーレスと電子化に向けて進んでおります。そうしたことから、近隣区との制度の整合性なども考慮しながら、今後、導入に向けて検討を進めていく必要があるものと考えております。
そこで、電子マニフェストの導入について、本区の認識や課題などあれば、ご見解をお尋ねいたします。
先般、京都市伏見区で、廃タイヤ400本を農地近くの水路に不法投棄した事件が発生し、付近の農作物への悪影響が心配されているとの記事を目にしました。このように悪質な産業廃棄物収集業者による不法投棄は後を絶たず、不法投棄をされた側の住民の心境を考えますと、決して許される行為ではありません。実際に、最近使わなくなった古い家電を処分したいが違法な産廃業者の不法投棄のニュースなどを見ると、どこに出していいか分からないといったご相談をいただくことも多く、今後何らかの対策を講じていく必要があると考えます。
不法投棄は、それが判明した場合、結果的に依頼主の側に責任が及ぶこと、また個人と事業主では廃棄物の処理事業者が異なり、処分を依頼する際には、具体的にどういった事業者に依頼すべきかといった点をいま一度、本区として周知徹底していく必要があると考えます。
そこで、本区として、廃棄物処理に関して、また推奨する事業者の案内などについて、区民へ周知を図ることを検討すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
最後に、子どもたちの命を守る取組について伺います。
本年6月に、区内において3歳の女児が尊い命を亡くす痛ましい事件が起きました。亡くなられた女児に対しまして、改めて心よりのご冥福をお祈り申し上げます。
その後、区が取りまとめた検証報告書の中で、地域の子育て支援団体等による見守り体制の構築が取り上げられ、孤立しがちな世帯と身近な地域活動団体等がつながることで、行政だけでなく、地域による複数の目による見守り体制を築くことができ、家庭が抱える見えにくい問題の早期発見が可能となると述べられております。
このことに関連して、地域と連携したひとり親家庭などの見守りについて、前回の第3回定例会において、我が会派の勝亦議員が、全国的にも先駆けて、おおた子どもの生活応援プランを策定し、地域力を大切にしてきたこの大田区で、こうした見守りの仕組みの構築をご検討いただきたいと質問し、区の見解を伺いました。その際、大田区社会福祉協議会とも連携し、子育て世帯と地域を結びつけ、地域の見守りを強化する仕組みの構築について、早急に検討を進めるとの前向きなご答弁がありました。
そこで、その後の進捗や取組の状況について区のご所見をお伺いいたします。
行政が中心となることは前提のうえで、それでも行政だけでは解決できない課題に対して、地域や活動団体と支援を必要とする方をつないでいくことについては大変重要な取組であります。一方で、なかなか行政に頼ろうとすることすらイメージできない方や、設けられた場に足を運ぶまでの行動が起こせない方、また様々な事情から困っていても誰にも助けを求めることができない方がいることも事実であります。今回の事例を契機として、より支援にアクセスしやすい仕掛けやつながる仕組みづくりを進めるべく、さらに知恵を出し合い、大きく施策の拡充に結びつけていただきたいと考えます。
そうした中で、アウトリーチ型の支援についても、一つの解決策として検討が図れないものかと強く感じているところであります。例えば、2017年にスタートし、注目を集めている文京区のこども宅食事業などでは、経済的な困難を抱えるご家庭へ、2か月に1度、食品等を約650世帯に対して直接配送することをきっかけに、見守りを行いながら、必要な支援を届けるという取組が行われております。食品を届けることで関わり合いを持ち、困り事をヒアリングし、リスクが高まる前に適切な支援につなぐよう働きかけるという取組は大変評価するべき取組であり、こうした取組を全国的に広げていこうという流れもある中で、本区としても、ぜひ今後、前向きに検討を進めていただきたいと望むものであります。しかしながら、区の規模的にも、本区において一足飛びにこうした取組をスタートさせることはハードルも高いと思いますが、こうしたアウトリーチ型の支援について、本区として何らかの対応策を検討していくことは必要ではないでしょうか。
そこで伺いますが、今回の事例を契機として、アウトリーチ型の支援策について検討を進めていくべきと求めますが、本区としてのご所見をお聞かせ願います。
本当に難しい課題ではありますが、不安定な社会情勢の中で、今後ますます子どもたちが危険にさらされる可能性も高まっていると言え、全庁挙げてのさらなる対策拡充を期待し、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。
◎後藤 総務部長 私からは、廃棄物の電子マニフェストに関するご質問にお答えいたします。
区では、現在360を超える直営、指定管理など様々な管理形態の区有施設から排出される廃棄物の処理委託に関わる業務を総務課に一元化することにより、各施設における業務の効率化と経費の削減を図ってきたところであります。こうした経過がある中での電子マニフェスト導入に当たりましては、保育園や区営住宅なども含め、各施設管理者においてインターネットによる入力業務をはじめとした廃棄物処理に関する一連の業務が新たに発生することから、各施設の廃棄物処理業務の変更や関連経費の増加などの課題が想定されます。一方、環境省による普及拡大に向けたロードマップの策定や行政のデジタル化の動きについては、区としても推進すべき事業であると認識しております。今後も、電子マニフェストの導入に関しては、調査研究を進めてまいります。私からは以上でございます。
◎山田 産業経済部長 私からは、プレミアム付地域商品券事業に関する三つのご質問にお答えさせていただきます。
まず、現在の実施状況についてのご質問ですが、先週末、11月20日時点で39地域、59会が本事業を活用してございます。7月末から商品券販売が始まりましたが、歳末の売出しに合わせてこれから販売する商店会もあるなど、区内の多くの商店会で、その実情に合わせ、取り組んでいただいております。これまでの交付決定額約1億4900万円に対しまして、約4億2700万円の商品券が発行されており、一定の経済効果が出ているものと考えてございます。
次に、公平性に関するご質問でございますが、本事業は、感染症拡大によって経済的に大きな影響を受けた商店会が、地元の特性や状況に合わせ、主体的な取組ができることを目指したものであり、事業の実施判断も含めまして、商店会の主体性を尊重する制度設計としてございます。大田区商店街連合会が区内を巡回し、商店会への支援を行っていただけたこともあり、単独実施が難しい商店会が近隣の商店会と連携をして共催で実施するなど、これまでにはなかった新たな動きが出てまいりました。
一方で、コロナ禍における緊急経済対策であったことから、周知のための時間が必ずしも十分確保できなかったことや、3密防止に配慮しつつ商品券を販売せざるを得なかったといった制約などから、利用者の皆様に対してご不便をおかけした点もあったと聞いてございます。これらの課題につきましては、しっかりと検証しまして次回以降の取組につなげてまいります。
次に、利便性と顧客増加についてのご質問でございますが、これらの両立は、商品券を発行する際の重要な課題であると認識をしてございます。消費税率などの引上げに伴い、過去に区が実施したプレミアム付商品券事業では、全体の6割から8割が大型店やチェーン店で利用されたとの報告を受けてございます。そこで今回の事業では、商店会ごとに利用可能店舗を設定できることとし、大型店やチェーン店の取扱いにつきましては、それぞれの実情に応じて対応していただいております。
また今回、議員お話しのような共通商品券と地域商品券をセットで販売された商店会も実際にございました。商品券の発行主体は商店会ですが、お使いになるのは各店舗となりますので、魅力的な商品の取扱いや購入意欲を高める工夫、さらには利便性にも配慮したサービスの提供などは今後も欠かせないと考えます。今回の結果に加え、全国各地のプレミアム付商品券事業の内容を分析していく中で、今後の取組につなげてまいります。私からは以上でございます。
◎張間
福祉支援担当部長 私からは、子育て世帯の支援に関する二つのご質問にお答えいたします。
初めに、地域での見守りの強化に関するご質問ですが、区が4年前に実施したひとり親家庭の生活実態調査では、子どもに関する悩み事を相談する先として、友人や同僚、地域の人など身近な人に相談する方が約5割と、多くの方が地域の支えを期待していることが分かりました。こうしたことからも、社会的包摂の理念の下、地域活動団体等による見守りの体制を強化することが大切です。そこで、ひとり親家庭など支援が必要な世帯を把握している区が対象世帯へ各種支援制度の案内を送る際に、子ども食堂など地域活動団体のイベントや支援情報も併せて周知することを新たに開始し、子どもや保護者がイベントへ参加しやすくすることで地域とつなげてまいります。子ども食堂等の場で、世帯の異変を覚知した場合には、支援者が区や大田区社会福祉協議会につなぐことで、問題発生を未然に防ぐ予防的福祉の取組ともなります。区は、こうした一連の取組を子どもと地域をつなぐ応援事業として構築し、大田区社会福祉協議会と連携して来月から開始いたします。
次に、アウトリーチ型の支援策についてのご質問ですが、支援が必要な状況にあるにもかかわらず、行政の窓口へ相談に来ることができない家庭や、地域の居場所へ行くこともできない家庭に対し、いかに支援を実施していくかは大変重要な課題です。議員お話しの支援が必要な家庭へ直接出向いて支援につなげることは、この課題に対する一つの解決策であると考えます。
大田区社会福祉協議会では、コロナ禍で見守りの機会が減少している状況を踏まえ、子育て世帯に直接出向くほほえみごはん事業を今月下旬から開始いたしました。この事業は、区民ボランティアの絆サポーターが月に2回、要支援家庭を訪問し、レトルト食品などの食糧支援を行います。会話を重ね、身近な存在としての信頼関係を築くことで、子育て世帯が地域や社会から孤立することを防ぐ取組です。区もフードドライブ等で食糧を提供するとともに、支援を要する世帯の情報を受けた際には、しっかりと支援機関につなげるなどの対応をしてまいります。まずは、大田区社会福祉協議会が把握している支援を必要としている世帯から開始されるわけでございますが、今後、区は、この事例を通して、アウトリーチ型の支援の在り方についてさらに検討してまいります。
◎浜口 こども家庭部長 最初に、民営化した民立民営の保育園の建て替えに関する現状についてでございますが、基本協定書に基づき、大規模修繕は区が行い、その他の修繕は運営事業者が行います。区は、建物全体にわたる受変電設備やガス管、空調設備などの大規模な修繕を計画的に実施してございます。また、その他の修繕については、保育園からの申出のほか、私立保育園への定期的な巡回訪問の際に、危険と思われるなどの箇所があった場合には、修繕をしていただくようにしてございます。その場合の費用は区から運営事業者に支払っている施設型給付及び法外援護費を活用していただき、保育施設の環境向上に努めていただいております。
次に、民営化園の改築基準及び改築の方法についてですが、区では、鉄筋コンクリート造等の建物については、施設の維持保全及び改修が継続して行われることを前提に、原則として60年を目標耐用年数と定めております。また、老朽化が極めて著しいもの、または大規模改修等による施設の改良が困難な建築物等は、目標耐用年数によることなく、個別に判断することとしてございます。この方針に基づいて、現在、こども家庭部では、保育園・児童館等の更新に関する基本計画を検討しており、民営化した保育園の改築についても方向性を示してまいりたいと考えてございます。この基本計画を基に、個別案件について、老朽化の程度や運営事業者による建設を含む様々な改築方法による効果や課題等についても慎重に検討し、児童等の安全・安心を最優先事項として取り組んでまいります。私からは以上でございます。
◎落合 環境清掃部長 私からは、事業系廃棄物事業者に関する二つのご質問にお答えさせていただきます。
初めに、ごみ収集事業者に対する支援についてのご質問ですが、ごみの収集運搬事業者の皆様におきましては、マスクの着用、清掃車内での消毒、換気など
新型コロナウイルス感染予防対策に取り組んでいただいており、大変感謝しております。区の清掃事務所・事業所におきましても同様の取組を行うとともに、庁舎内の消毒、換気を毎日行うなどの対策を講じているところです。マスク等の衛生用品は、コロナ禍において、ごみ収集作業を継続して行うための必需品であり、区においても、様々な販売先を通じて入手することで必要数を確保している状況でございます。
コロナ禍が続く現在、区としましても、社会基盤を支えるごみの収集運搬事業者の皆様に改めて感謝申し上げるとともに、区内でごみや資源の回収を行う団体等を対象として、感謝状の贈呈を検討してまいります。さらに、事業者向けフェイスシールドを作製する区内企業のご紹介、東邦大学との連携の一環として、コロナ禍におけるごみ処理事業の継続に関する情報共有など、様々な取組を通じて、ごみ処理事業者の事業継続を支援してまいります。
次に、廃棄物処理及び推奨事業者のご案内についてのご質問ですが、廃棄物の不法投棄は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律により禁止されている行為であり、違反した場合、懲役や罰金等が科され、排出者に責任が及ぶこともあります。こうしたことを踏まえ、家庭ごみであれば当該自治体が処理責任を負うとともに、事業系ごみであれば排出事業者に処理責任があり、ごみの収集運搬から処理、処分に至るまで、しっかり確認していただく必要がございます。
廃棄物処理を行う者は、区市町村または都道府県の許可を受ける必要があり、本区においても許可事業者が多数おります。区では、廃棄物の処理に関するご相談やお問合せをいただいた場合、区の許可事業者や当該事業者で構成される団体をご紹介することで、廃棄物の適正処理を確保しています。区の許可事業者等のご案内につきましては、現在、区ホームページで行っておりますが、区民や事業者の皆様が違法な業者に処理を委託することがないよう、許可事業者の情報等をより分かりやすくお伝えするため、周知方法や内容等につきまして、さらなる工夫、検討をしてまいります。私からは以上です。
○広川 副議長 次に、24番小峰由枝議員。
〔24番小峰由枝議員登壇〕(拍手)
◆24番(小峰由枝 議員) 大田区議会公明党、小峰由枝でございます。
本区で6月に起きた虐待の死亡事例は、今でも胸が締めつけられる思いであり、二度と起こしてはならないと決意した事例でもありました。お母さんを待ちながら3年という短い命が失われてしまいました。そのお母さんもまた、世代間連鎖の視点から見ても虐待を受けていた可能性が高いと察します。
子どもを抱きかかえる母親を抱きかかえるという観点で、今まで数々の質問をさせていただきました。本日は、子育て世代包括支援センター事業の中でも重要な役割を担っている保健師の切れ目のない支援事業などについて質問をします。
コロナ禍で産後うつが2倍に増え、コロナのストレスを子どもにぶつけてしまうケースも相当あると聞きました。またいらいらして子どもを怒ってしまった、子どもに泣かれると私は悪い親だと言われている気がする、そのような思考からも虐待に向かってしまうと言われています。
コロナがもたらしたものは人々の孤立であり、その孤立化はコロナの大きなキーワードになっています。そして、虐待を生む大きな原因も孤立です。コロナと虐待が孤立化というキーワードでつながり、状況を深刻化させています。その中、相談業務に尽力してくださっている保健師の皆様に心から感謝申し上げます。コロナ禍の激務の中、保健師からハイリスク妊産婦に対して状況確認のために小まめに電話をかけ、お声を聞いてくださったと伺いました。ありがとうございます。
一方、誰に相談していいか分からず、ずっと1人で育児の悩みを抱えているお母さんからの相談も数多く受けます。お母さんと行政のファーストコンタクトは、母子手帳を渡す妊婦面接のときで、妊婦自身が今まで育ってきた経緯を聞き取る作業があり、ここから保健師との関わりが始まります。大切なのは、妊婦が自分の担当保健師を明確に認識するか否か、さらに担当保健師との信頼関係です。状況を把握し、庁内連携を図りながら、関係機関へコーディネートしていく切れ目のない業務は、命を守る、命を育むセーフティーネットです。
昨日の勝亦議員の質問に、乳幼児健診の未受診者に対し、保健所から子ども支援センターに引き継ぐまでの期間を短縮するとの答弁がありました。少し掘り下げたさらなる連携の仕組みを伺います。
妊婦面接で記される記入シートの連携体制や、今回見直しのあった乳幼児健診における未受診者などの支援体制、そして、今まで保健師がどのようにコーディネートして、専門家や支援機関につなげてきたのか伺います。
以前、精神疾患歴のあるお母さんが、育児の悩みを聞いてほしくて担当保健師に電話をしたそうですが、寄り添ってくれず、指導的でとても苦しかったと相談を受けました。相性もあると思いますが、一度心を閉ざしてしまうと信頼を回復するのは容易なことではありません。ほかにも、このような相談が何件か続きました。一方、保健師さんに聞いてもらって、ほっとして涙が出たという声もあります。
フィンランドのネウボラおばさんと呼ばれている保健師は、お母さんの話を一緒に考えましょうと傾聴し、お母さん自身から答えが出るまで待つという寄り添いの伴走式の支援を行っているそうです。フィンランドでは担当保健師が変わらないので、日本と体制が違うものの、保健師が寄り添う支援の在り方の重要性を感じ、平成29年2月の1定で私は質問をしました。さらなる支援サービスの質の向上のために、保健師、助産師対象のネウボラ先駆者などによる寄り添いの研修、ブラッシュアップを望みますが、いかがでしょうか。これに対し、区では、保健師、助産師に対して専門分野に関する幅広い研修を適宜行い、日々の変化に対応できる資質の向上を図っております。引き続き、切れ目のない支援充実のため、研修も充実してまいりますと、保健所長から答弁をいただきました。
近年になって、妊娠する前に、心療内科にかかっていた、摂食障害の経験がある、かつてスクールソーシャルワーカーにお世話になったなど、メンタル疾患を成育歴に持つお母さんが多くなってきていると聞くにつれ、保健師のこういうときはこうしましょうという理論、正論の指導型では、どうしても気持ちが離れてしまうと思います。保健師の資質向上のために行ったと言われる3年間の研修の状況と、アフターコロナを見据えた今後の保健師の研修の方向性を伺います。
また、転入した妊婦は妊婦面接をしていますが、転入した産婦、いわゆる赤ちゃんを産んでから引っ越してきたお母さんに対しては、状況把握が行われていないままとなっています。転入した産婦を保健師につなげるまでどのような対応が考えられますでしょうか、お伺いします。
昨日、自民党の渡司議員の答弁に、地域団体とつながる新たな仕組みづくりに取り組むとありました。その仕組みを活かしつつ、保健師がどうコーディネートしていくかが問われます。民間の子育て支援の底力のすごさは、ドゥーラや子ども食堂、音楽療法などでも有名です。保健師が様々なお母さんに対し適した支援先につなぐコーディネートができる具体的な取組を要望しますが、区の見解をお示しください。
子どもの発達において重要な時期はゼロ歳から2歳で、そのゼロ歳のときは愛着形成と呼ばれる時期の中で最も大切と言われています。親子が基本的信頼関係を育むこのときに親が大きな不安を抱えると、子どもへの影響も大きいと言われています。産後うつを予防することは重要であり、産後ケアは有効と考えます。産後ケアの充実に向けた本区の取組を伺います。
産後支援として、保健師、助産師、発達心理士による母子講座なども有意義であると思います。今後のコロナの拡大が懸念され、そのうえでのサポートは大変ですが、今までの経験を活かしていただき、子どもを抱きかかえる母親を抱きかかえる切れ目のない支援を期待します。
次に、新しい日常における高齢者のICT活用について質問をします。
私は、令和元年6月の予特で、高齢者のアプリ参加がこれからの時代の新しい社会参加になるという識者の声を紹介し、スマートフォンやアプリなどで使える高齢者の支援を提案しました。その間、部局間連携で進めていただいていると伺いました。大変にありがとうございます。
ウィズコロナの今、高齢者に対してさらに進んでICT活用が求められる時代になりました。早稲田大学などが超高齢社会へのICT活用に関する調査研究した提言によると、高齢者はパソコンや携帯電話などのIT機器を多く利用しており、IT機器をポジティブに捉えている人が多いとのことです。一方、それに抵抗がある人も依然として多く、高齢者の中でも自発性や意欲のあるなしで情報格差が生まれており、ここが課題と言えます。
総務省は、高齢者が蓄積した知識や経験を活かして若い世代との交流や地域づくりなどの社会参加をICTの活用をもって進めていくことが重要としています。近い将来を見れば、独居高齢者のオンライン診療も視野に入れていく必要があり、一方、オンライン詐欺の標的とされることから、高齢者に対して丁寧な指導が求められる時代になったと思います。また、コロナ禍で改めて介護予防の大切さを痛感しました。
今後を見据え、老人いこいの家などの利用者に向けたスマートフォンやパソコン教室の開催や、高齢者のICT利用がしやすい環境を整備し、介護予防事業に取り組むなど、積極的に高齢者のICT活用の支援をしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
先日、コロナ虚弱要注意という新聞の見出しが目に飛び込んできました。広島大学大学院の石井教授は、今年6月から7月に行った調査に対し、コロナ禍で認知症の状態が悪化したのは全体で4割との結果を発表しています。介護入所施設では、外出制限や面会制限でADLという日常的生活動作の低下だけではなく、不安抑うつや徘回などが多く見られるようになり、今後も認知症の状態の悪化が懸念されます。入所施設の職員によると、入所者のADLの低下が増えると、職員はそのサポート、消毒、洗濯など手の抜けない仕事量が増えるので、レクリエーションが必要と分かっていてもなかなか余裕がないそうです。
先日、ある入所施設で認知症の女性が、施設から見える飛行機を見て、ああ、ラバウルだと、懐メロのラバウル小唄を手を振りながら歌い、そこから不穏症状が消え、その後、落ち着いてお茶を飲み始めたと伺いました。その女性が青春時代を生きた太平洋戦争のことが思い浮かんだのでしょう。
音楽療法士に聞いたところ、音やリズムは精神的な開放だけでなく、脳の活性化にも効果があるそうです。また、歌を歌うときの喉仏の上下運動は、気道と食道の弁である喉頭蓋の周りの筋肉によい刺激が入り、高齢者の死因の割合が多い病気である誤嚥性肺炎の予防効果があると言われています。さらに音楽療法後では、ストレスホルモンのコルチゾールが減少したエビデンスもあり、ある施設では、介護している自分たちも本当に疲れているので、音楽療法を受けたいと職員から申出があったそうです。
区内では、おおよそ6500人の方が施設入居をしていると伺いました。3密回避の工夫をしながら、入所施設の高齢者に対し、ユーチューブの大田区チャンネルなどを活用し、口腔ケアも取り入れた小さな声でもできる音楽療法や運動療法などで、コロナ禍における質のよい発信ができないでしょうか。まずは施設の職員にセラピーを受けていただき、十分理解したうえで入所者のサポートをしながら一緒に楽しい時間を過ごしていただくことで、認知症の方も画面に集中できると考えます。何もしないと、認知症の状態が悪化する可能性が高くなると思います。ユーチューブの活用で、コロナ禍における認知症の進行を防止する取組を行うことを提案しますが、区の考えをお聞かせください。
次に、人生を最期まで自分らしく生きることができるよう、老後の暮らしの知恵を得る学びの場の重要性を感じ、質問をします。
現在、本区は65歳以上の方が22%で超高齢社会であり、国は2025年にはその割合が30%まで到達すると予測しています。シニアガイドによると、2040年には65歳以上の男性の5人に1人、女性は4人に1人がひとり暮らしになる可能性を示唆しています。
私ども区議会公明党は、松原区長に、老後の人生設計をサポートする相談体制を整備することを要望書として提出しました。本区は、今年度から、「人生100年!自分らしく明るく暮らしていくために」と、遺言、相続、不動産など、将来への不安や疑問に司法書士などの専門家が対応する無料の老いじたく相談会を開催してきましたことを高く評価いたします。この相談会は大変好評であることを伺いました。老いじたく相談会の状況をお聞きします。
相談者の多くは高齢者で、相続や遺言を相談される方が多い中、老後のお金のことで困っているという相談もあったようです。平成29年度の内閣府の調査によりますと、高齢者層の中で、ゆとりのある層が18%に対し、家計にゆとりはなく多少心配である層は21.7%であり、私が受ける相談も、裕福ではないけれども、かといって生活保護を受けるまで困窮には至っていないという方たちからの相談が少なくありません。ライフプランを提供している行政書士の永易氏は、その層の方々が、一番経済的に余裕がなく厳しい。情報がなくて、また様々な情報に惑わされて苦しんでいるが、家計や貯蓄を見直すと改善の余地があり、お独り様の終活、人生の終わりのための活動が必要であると述べています。今後、生活保護受給者も増加することが予想されます。そのような層にも、さらに光を当てるべきではないでしょうか。
社会的経済の状況も変化に次ぐ変化の時代の中で、早めに人生設計を再構築していくことで、より自分らしい生活が継続でき、同時に尊厳も守られると考えます。実年齢はいまや8掛け。定年60歳といっても48歳ぐらいの感覚ではないかと言われており、定年後の再就職のために50代から準備を進める動きも出てきています。そのうえで、エンディングノートを活用したライフプランを見直す取組に着目したいと思います。
本来、エンディングノートは、自分自身の終末期の希望を書き留めておくノート、もしものときに備える伝言ノートですが、その中、東日本大震災をきっかけに出版された30代から40代の女性向けの未来に残すエンディングノートが注目を集めています。画期的なその内容は、ゼロから100歳までの年表を書き込むことによって、自分史をつづることができ、楽しく人生の棚卸をしながら今後の見通しも立てられるというもので、ライフプランを立てるにはよい効果を上げているようです。
本区の取り組む老いじたく推進事業ですが、まずは少し幅を広げた年齢層の取組を明確化し、ライフプランの見直しができる50代からも向き合える大田区版の楽しいエンディングノートを作る提案をしますが、いかがでしょうか。その際、題名は、私が輝くノート、私の生き方ノートなど、明るいイメージがいいかと思います。併せてお伺いいたします。
現在、老いじたく推進事業として、遺産相続や遺言書の対応を司法書士や弁護士が相談業務として行ってくださっていますが、士業の先生方のお力をお借りし、さらに公正証書などにおける法的保障の知識が得られれば、不安の老後が安心の老後に変わります。突然倒れて救急車で運ばれたときなどの延命処置の有無、誰に連絡をしてほしいか、ほしくないかなど、自分の意思が守られることになります。一方、エンディングノートには、基本的に法的効果がないので、そこを徹底していただき、希望する方には法務局でも預かれる制度になった遺言書を丁寧にお伝えしていただきたいと要望します。
自分らしい人生を最期まで過ごすために、老い支度に関する制度の周知や必要な知識を得ることが大切であると考えます。このような点を踏まえ、本区の老いじたく推進事業を今後どのように進めていくのか、お考えをお示しください。
この取組は、事実婚やLGBTQの方も網羅していけると考えます。マイノリティーの方が暮らしやすい社会を目指せば、誰もが暮らしやすい社会になるとも言われています。また、ファイナンシャルプランナーなどにも加わっていただき、分かりやすい年金セミナーや等身大のライフプランニング講座、公正証書や見守り及び財産管理契約と合わせて契約できる任意後見制度講座などの開催も有意義であると考えます。さらに、いつでも相談できる相談体制の構築を要望いたします。
老後、必ず来る死という現実に向き合いながら、人生を最期まで自分らしく生きるために、学びの場の重要性を質問させていただきました。以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。
◎今岡 福祉部長 私からは、高齢者の支援等に関する5点のご質問にお答えいたします。
まず、高齢者のICT活用の支援に関するご質問ですが、
新型コロナウイルスの影響により、高齢者自身の活動の機会が減ることで、心身の機能低下が懸念される状況にあります。区は、これまで実施してきた参集型の介護予防教室などに加え、ICTを活用した新たな高齢者支援施策の構築に取り組む必要があると受け止めております。現在、いくつかのシニアステーションや老人いこいの家において、運営法人の自主事業として、スマートフォンの操作教室などを試行的に実施しております。区といたしましては、こうした取組の効果も検証しながら、高齢者のICT活用支援の仕組みの構築を積極的に推進してまいります。
次に、認知症の進行を防止する取組に関するご質問ですが、区内の特別養護老人ホーム等では、
新型コロナウイルス感染防止のため、以前のようなプログラムを行うことが難しい状況の中、3密を回避しながら、職員がリハビリテーションなどを入居者に提供しております。各施設では、DVDを視聴して、リハビリ体操や音楽コンサートの上映会を開催したり、外出が思うようにできない中、季節を感じていただけるよう、室内の装飾や食事を工夫するなど、趣向を凝らしています。家族との面会の際も感染防止を図りながら、ウェブ面会やアクリル板越しの面会等を行っている状況です。区としましても、高齢者の認知症の進行を課題として捉えており、コロナ禍の中で施設の職員の負担が増加していることも認識しております。
ユーチューブなどを活用した認知症の進行を防止する取組については、施設の職員や専門家のほか、通所介護等の事業者とともに、音楽療法や運動療法など動画配信の効果的な活用方法や他自治体の取組状況などを調査し、具体的な方策を検討してまいります。今後も、施設に入居されている高齢者の認知症の進行が少しでも防止できるよう、施設と共に、認知症の高齢者への支援に努めてまいります。
次に、老いじたく相談会についてのご質問ですが、本事業は、人生100年時代と言われる今日において、区民の皆様が生涯を健やかに安心していきいきと暮らせるよう、元気なうちから老い支度に取り組めることを目指して、今年度からの新規事業として実施しています。今年度は区役所本庁舎において、相談会を年間12回計画し、これまでに10回の開催で52組の方からのご相談をお受けいたしました。相談者は70代以上が7割強と多数ですが、50代から90代までの幅広い年齢層の方にお越しいただきました。各回とも、募集開始後すぐに定員を超える申込みがあり、老い支度への区民の需要は高い状況です。
各相談会では、まず、大田区社会福祉協議会のおおた成年後見センターの相談員が一人ひとりの状況をお伺いし、課題に応じて、専門的な相談には、司法書士や税理士、宅地建物取引士などの相談員が対応しております。相談内容としては、相続や遺言が4割弱と最も多く、次いで不動産に関するものが多い状況ですが、その他にも幅広く相談をお受けしています。アンケート結果では、相談者全員が参考になったと回答され、不安に思っていること、迷っている問題を的確に答えてくださってよかったなどの声をいただいております。今後も、丁寧に幅広い相談に応じてまいります。
次に、老い支度に関するノートについてのご質問ですが、老い支度を進めるうえで、人生を最後まで自分らしくどう生きるかを考えておくことが重要です。判断能力があるうちに、老後にやりたかったことや過ごし方を考えるとともに、介護が必要になったときには、どこでどのように暮らしたいか、ご自身の思いやライフプランを再確認しておくことが大切です。
コロナ禍においては、今、元気な方でも突然の疾病など、ご自身の将来に不安を覚える方がいらっしゃいます。もしものときに備え、どなたでも思い立ったときから前向きにご自身の思いの整理やライフプランを見直す機会が提供できるようなノートの在り方について検討を進めてまいります。ノートの題名についても、相談会で捉えたニーズを踏まえ、大田区らしい親しみの湧く明るい名称を考えてまいります。
次に、今後の老いじたく推進事業についてのご質問ですが、区民の方が老後の備えを具体的に進めていくには、遺言、相続に関する知識や任意後見制度など、様々な知識を身につけておくことが必要です。現在実施している相談会においても、法的な行為や制度に関することを分かりやすく説明し、ご理解いただくことで、具体的な手続きを始めることができたという方がいらっしゃいます。また、相談者は老後の問題を1人で重く抱え込みがちですが、相談員とオープンに話すことで把握していなかった視点に気づき、より前向きに老い支度を進められた方もいらっしゃいます。
今年度は、この相談会により区民ニーズの把握を行うとともに、パンフレットの作成や12月1日号の区報1面への特集記事の掲載により、周知、啓発に取り組んでいるところです。今後に向けては、区民の皆様に自分らしい老後の備えを支援できるよう、いつでも気軽に相談できる体制や、必要な知識を身につけていただくためのセミナーの実施の検討など、老いじたく推進事業の進展に取り組んでまいります。私からは以上でございます。
◎伊津野 保健所長 私からは、乳幼児虐待防止対策についての5点のご質問にお答えいたします。
初めに、母子保健における庁内及び関係機関との連携に関するご質問ですが、妊婦面接の連携体制については、記入シートを所属長を含め実施所属内で情報共有しております。リスク判断が適切であるか複数の職員で確認し、支援が必要な方は、地区担当保健師が関係機関につないでいます。乳幼児健診の未受診者につきましては、医療機関や保育園、民生委員児童委員との連携を強化し、養育状況の確認等にこれまで以上にきめ細かく取り組んでいます。支援が必要な家庭につきましては、子ども家庭支援センターのほか、ニーズや個人の特性を的確に捉え、個々の状況に適した医療機関や支援団体等につないでおります。今後も虐待防止と早期支援の実施に向け、庁内及び関係機関との連携強化に取り組んでまいります。
次に、保健師の研修に関するご質問です。まず、これまでの研修状況ですが、保健師人材育成計画に基づき毎年実施しております。職員が講師となり、母子保健や精神保健等に関する研修を実施するほか、産後うつや産後ケアについては、医師や大学などの外部講師による専門研修を行っております。また、東京都や特別区等が主催する研修にも積極的に参加し、特に個別支援のスキル向上を図っております。今後はアフターコロナを見据え、不安を抱える妊産婦や産後うつ予防のため、寄り添い型の支援スキルを一層向上させる必要があると考えます。母親が孤立した子育てに陥らないよう、気持ちを受け止め、共に考え、必要な行動に向けて具体的な支援を実践できる保健師を育成するため、研修内容をさらに充実してまいります。
次に、転入した産婦と保健師をつなぐ取組に関するご質問ですが、区では、転入者に送付する予防接種のお知らせに、お子様の発育状況や育児・生活に関するアンケートを同封するなど、保健師が状況把握を行う機会を設けることを検討しております。今後は、関係部署とも連携し、様々な機会を捉えて支援が必要な家庭に気づき、保健師等による関わりと支援が適時適切にできるよう、引き続き検討してまいります。
次に、保健師のコーディネートに関する具体的な取組についてのご質問ですが、保健師が地域の様々な子育て支援団体とつながり、共に支援できる関係性を構築し、コーディネートできることが重要であると考えております。今後は、福祉部等と連携し、民生委員児童委員等との連携を強化するとともに、会議等を通じて、地域の子育て支援団体と顔の見える関係づくりを行ってまいります。このように保健師のコーディネート力の一層の向上を図り、支援が必要な方が適切な支援先に確実につながるよう努めてまいります。
最後に、産後ケアの充実に向けた取組に関するご質問ですが、出産直後の母親に対して、母体管理や育児の助言等を行う産後ケアは、母親の身体的な回復と心理的な安定を支援するとともに、母子の愛着形成を促し、安心して子育てをするために非常に重要な事業と考えております。母子保健法の改正により、令和3年度から産後ケアの対象が出産後1年未満の母子にまで拡大されることを受け、訪問について利用回数を増やすなど、支援が必要な方が利用しやすい制度となるよう検討してまいります。さらに宿泊型は、今年度から新たに区内の医療機関を加え、実施したいと考えております。今後も産後ケアの充実に向けた取組を積極的に推進してまいります。
○広川 副議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。
午後0時2分休憩
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――――――――――――――――――
午後1時開議
○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質問を続けます。1番田中一吉議員。
〔1番田中一吉議員登壇〕(拍手)
◆1番(田中一吉 議員) 自由民主党大田区民連合の田中一吉でございます。
新型コロナウイルス感染症は、世界規模での広がりを見せ、一向に収束の兆しが見えない状況であります。我が国においては、経済活動の再開が続く中で拡大防止に取り組んでおりますが、インフルエンザ流行時期である冬を迎えるに当たり、これまでの知識や経験を踏まえ、これまで以上に感染対策について大田区が取り組んでいく必要があると考えます。そうした中で、感染症専門の先生がいらっしゃる東邦大学との連携による感染防止対策や啓発に対するアドバイスなど、専門的な知見をいただきながら区民の健康を守っていく取組には、大いに期待しているところであります。一日も早く将来の見通しを持てるようになることを願い、質問に入らせていただきます。
館山さざなみ学校の今後の在り方、方向性について伺ってまいります。事の性質上、その背景や経緯について懇切な説明が必要と考えておりますので、平成25年4月に報告された大田区立館山さざなみ学校の今後のあり方検討委員会の報告書を、かなりの部分で引用させていただきますことをご理解いただきたいと存じます。
まず初めに、平成25年3月に報告された大田区立館山さざなみ学校の今後のあり方検討委員会の報告書によるところの検討委員会設置の経緯からご報告申し上げます。
大田区立館山さざなみ学校は、区内在住の肥満、ぜんそく、偏食、病虚弱などの健康上の課題を抱える児童が寄宿生活を送りながら、その改善を目指す学校である。開校当初は119人の入校者があったが、過去4年間の在籍者数10月1日現在は、平成21年度が37人、22年度が29人、23年度が33人、そして24年度が28人と定員を大幅に下回る状況が続いている。このような状況に対応するため、さざなみ学校の利用者数の減少の原因を分析するとともに、さざなみ学校の今後の在り方について検討を行うため、平成24年7月に大田区立館山さざなみ学校の今後のあり方検討委員会を設置した。本報告書は、大田区の児童の健康教育の視点から、さざなみ学校の今後の在り方について検討結果をまとめ、一定の方向性を示すものであるとしています。
次に、その沿革について触れさせていただきます。
大田区の病虚弱児童を対象とした養護教育の歴史は古く、旧大森区の臨海学園として、昭和11年7月に千葉県安房郡富山町に岩井学園が、旧蒲田区の臨海学園として昭和14年7月に静岡県伊東市に宇佐美学園がそれぞれ設置され、その後、この2校は何度かの組織変更を経て、昭和22年4月に大田区立養護学園として再出発しています。両学園は多くの成果を上げてきたと伺っておりますが、年月を経て施設の老朽化が進み、敷地が借地だったこともあり、大規模改修は困難との判断から、昭和47年2月、大田区教育委員会は大田区養護学校建設審議会を設置し、その在り方について検討を行った結果、審議会は区内の在籍児童の中には多数の養護教育対象児童が存在すること、区民の方からもその必要性が要望されていること等の理由から、大田区にふさわしい養護学校が必要であるとの報告を行い、本区はこの検討結果を受け、新たな養護学校の設置を決定し、千葉県館山市に用地を購入して新施設の建設を進め、昭和58年4月、大田区立館山養護学校が開校。館山養護学校は、岩井学園、宇佐美学園の経験を基に、さらに高度な養護教育を実施するため、学校教育法における病虚弱児童を対象とした養護学校とされ、平成18年の学校教育法の改正により、特別支援学校へと変更された機会を捉えて、平成19年4月から校名をより親しみやすい大田区立館山さざなみ学校に変更し、現在に至っておりますとしています。
次に、学校の現状と課題については、前段申し上げたとおり、館山さざなみ学校は寄宿生活を前提としているため、親元を離れて生活ができる年齢を考慮したうえで、対象学年を小学校3年生から6年生までとしており、定員は1学年20人とし、4学年で最大定員は80人としています。前段で申し上げたとおり、開校当初は当時の定員120人に近い119人の利用があったものの、報告書を提出した平成25年3月の過去4年間の在籍者数は、21年度が37人、22年度が29人、23年度33人、24年度28人、ちなみに本年度、令和2年度は25人となっており、定員を大幅に下回る状況が続いております。
一方、大田区の小学生全体の病態別児童数は、肥満については、平成20年度1412人から平成24年度1176人と減少が見られるものの、ぜんそくについては、平成20年度の1137人から平成24年度の1658人と大きく増加しており、館山さざなみ学校の入校理由の大半を占める二つの疾患合計では約11%の増加となっており、学校が対象としている区内の児童数は、疾患別に増減があるものの、全体としては増加しております。
教育委員会では、入校児童を増加させるために年2回体験入学を実施しており、区立小学校対象学年児童全員にリーフレットを配布するなど、様々な努力を続けてまいりましたが、入校者の増加には結びついていないのが現状であります。
報告書では、減少の理由として、大田区の小学校児童数は昭和58年の5万577人から年々減少し、平成24年の児童数は2万8131人である。館山さざなみ学校開校当時、昭和58年から見て、大田区の小学生児童数は約45%減少しており、少子化が入校児童数の減少の理由の一つであることは間違いないことを指摘するとともに、前述のとおり、ここ数年だけを見れば、館山さざなみ学校が対象としている病態の児童は増加しており、単に児童数の減少だけでは説明することは難しく、このような状況が生じている理由として、世帯当たりの児童数が減少したことで、子どもを手放したくないという保護者の意識の変化が大きく影響していると考えられる。我が国では、希望する子どもの数が2.2から2.4人であるのに対し、今いる子どもの数は1.1から1.4人にとどまっている(内閣府「少子化社会に関する国際意識調査2011年」)。希望する子どもの数より少ないことが、手元に置いて手をかけて育てたいという意識を強め、親元から離れて寄宿生活を送る館山さざなみ学校を選択することをためらわせているのではないかと考えられるとしています。
また、大気汚染の状況については、オキシダント濃度は上昇傾向にあるものの、大気汚染自体は改善されているとし、ぜんそく児童数の増加については、大気汚染よりもダニやカビが原因であると理解されていると指摘し、現在では医師の管理の下での予防薬も含めた吸入、服薬などのコントロールが可能となっており、ぜんそくに関しては、転地療法は過去のものになりつつあるとの見解を示しております。
また、肥満児の減少については、小児生活習慣病予防健診の実施成績執筆者、東京女子医科大学名誉教授、村田光範氏、東京都予防医学協会2012年年報を表記し、体重は多くの年齢で減少傾向を示し、児童・生徒は全体として痩せ形になってきているといえる。さきに述べた大田区内の肥満の児童の減少が館山さざなみ学校の利用者の減少の一つになっているとしています。
偏食については、その定義が困難であり、区内全体の児童数の統計はないが、対象児童及び保護者に対して専門職による継続的な個別指導により家庭での取組を促すことにより、改善が可能であるとし、親元を離れて生活を送らせることの必然性が高いとは言えず、さきに述べた保護者の意識の変化もあり、減少しているものと捉えているとしています。
病虚弱の児童は、少数ながら区内に存在していると考えられる。経過観察や医師の管理の下で改善を図ることが可能であるとし、かかりつけ医や専門医の多い区内のほうが安心できるため、利用が減少しているものと推測しているとしています。
また、館山さざなみ学校の児童の対象拡大についても考察し、様々な角度から多様な疾病が対象にならないか検討を加えましたが、専門医の管理が難しい館山さざなみ学校での対象疾病の拡大は難しい状況であるとしています。
館山さざなみ学校の施設については、建物のメンテナンスの考え方を示すとともに、施設の現況と改修経費の試算を示している。館山さざなみ学校は竣工後30年が経過していることから、大規模改修の時期を迎えており、建物の延命のための改修を行うとともに、バリアフリー、非構造部材の耐震改修を併せて行う必要が生じている。外壁改修、屋上防水等の建物の外回り及び空調、トイレ、照明など、内部改修に伴う大規模改修の経費概算は、総計で3億9200万円。そのほか、エレベーターの新設及び改修に伴う設計委託費として7000万円程度が必要としています。
このように、様々な角度から検討を加えたうえで、報告書では館山さざなみ学校の今後の方向性について、次のように結論を導き出しております。
館山さざなみ学校は、これまで児童の健康回復に大きな役割を果たしてきた。しかし、入校者はここ数年大きく減少している。対象となる区内のぜんそく等の児童数は必ずしも減少しているわけではなく、むしろ症状によっては増加している。にもかかわらず、減少傾向が継続している背景には、保護者の意識の変化、医療の進歩等による健康改善対策に対するニーズの変化があるものと考えられる。医療の進歩により自宅でのケアが可能となり、また専門医の下での服薬管理による健康改善が主流となる中で、転地療養を目的とする館山さざなみ学校の存在意義が相対的に低下している。これは、近年顕著になってきたアレルギーや生活習慣病についても当てはまる。
また、利用児童数の減少に伴い、1人当たりの経費が増加しており、平成23年度決算を基にした事業コストを算出すると、区立小学校在籍児童にかかる1人当たりのコストが34万円であるのに対し、さざなみ学校は約445万円と約13倍のコストが発生している。このコストには東京都が負担している教員等の人件費が含まれておらず、これらのコストを含めた比較では、格差はさらに拡大することになる。これらに加え、さざなみ学校の施設は多額の経費を要する大規模改修期を迎えつつある。
平成24年7月22日に区民公募委員により、さざなみ学校の事務事業外部評価が行われた。8人のうち廃止・休止の判断をした委員が1名、縮小・統合の判断をした委員が4名、改善・一部見直しの判断をした委員が3名であり、いずれも現状のままの存続は好ましくないというものであった。
繰り返しになるが、自然環境の豊かな房総の地で多くの児童を癒やし、育んできたさざなみ学校の成果は実に大きなものがある。しかしながら、時代の変化により、その使命を終えたものと結論づけざるを得ない状況となっている。今後は、区内の医療機関との連携の下、区内の小中学校においての健康教育事業を強化することで、児童の健康改善を図っていくことが妥当であるとの結論を導き出しています。
以上、大田区立さざなみ学校の今後の在り方に関する検討委員会の報告書の結論は、廃止であります。
くしくも私は、館山さざなみ学校の開校した昭和58年4月の選挙で当選し、今日に至っているわけですが、何度か議員として、また監査委員として館山さざなみ学校を訪れているわけですが、定員80名に対し、児童が少な過ぎること、職員の数が児童数と比べて多いこと、敷地内にある職員寮の空きが目立つこと、宿舎や体育館、プールや校庭などが充実しているのに十分活用されていないのは教育上の問題等を含め問題であると、お邪魔するたびに感じてきたところです。教育委員会としても、入校児童を増やすべく様々な努力を続けてきたところでありますが、前段申し上げましたとおり、入校生は減り続けている状況であります。学校を存続させるには、入校生を増やすことが必須の条件であります。
現在、東京23区で館山さざなみ学校と同様の趣旨で4区が学校施設を運営しているようでありますが、他区も同じような悩みを抱えていることが容易に想像ができるわけでありますので、他区の学校施設との統合、合同運営が法律的問題等を含め可能であるならば検討すべきではないかとも考えたりもしてまいりました。このことを含め、ご検討をいただきたいと存じます。
外部評価をいただいたご意見の中には、様々な手だてを講じても入学希望者が増えなければ廃止に向けた検討をすべきであるが、いきなり廃止はしないでほしいというものもあったわけでありますが、それでもそのことができないようであれば、廃止の方向が打ち出されてから、既に数年余、かなり時間がたっているわけでありますので、そろそろその方向性を判断していくことが、教育委員会、行政、議会の責任ではないでしょうか。
私は、現況を考えれば、館山さざなみ学校の今後のあり方検討委員会の報告書のとおり、廃止の結論を出すべきであると考えます。廃止をしたからといって、さざなみ学校の目指した対象児童に対する施策は今後とも続いていくわけで、さらに時代や社会、意識の変化や医療の進歩に合わせ、本区の児童・生徒に対する健康教育はより充実させていくわけでありますので、多くの区民の皆様のご理解をいただけるものと存じます。
とはいうものの、人間、今まであったものがなくなるというのは、生理的にも感情的にも、なかなか受け入れられないこともよく理解できるところであります。22年以上前の話ですが、特に私は大田区役所本庁舎移転の問題でも、その司令塔として深く関与し、各位のご理解をいただき、本庁舎の移転を実現させた者として、よく理解しているつもりです。
また、大田区立小学校・中学校の廃止・統合を子どもたちのために検討した適正規模適正配置審議会答申が平成11年4月に出された際にも、私の地元の小学校1校も廃止・統合の答申が出され、その後、当該地域は大騒動になったわけであります。
その際にも、私たちの話を聞いてほしいとのご要望をいただきましたので、当該校に出向いてお話をお伺いしたわけでありますが、地元自治会長様をはじめ、自治会の役員の皆様やPTA役員の皆様をはじめ、かなりの皆様がお見えになっておられ、被告席に私1人という中で、廃校にしないで存続させてほしいとのご要望、お話も伺ったわけでありますが、いろいろな考え方があり、何が正しいかは難しいところですが、私は単学級の編成しかできず、クラス替えもできない状況が、本区の公教育として望ましいとは思いませんでしたので、統合して、一定の児童数が存在することが当該地域、私たちの地域の子どもたちにとって、よりよい教育環境を構築することにつながると思っておりましたので、ただただ子どもたちにとってよりよい教育環境をつくっていくにはどうしたらよいかということを中心に考えてほしいと言うばかりでした。日頃、私の政治活動にご理解、ご支援をいただいている方も多かったわけで、何とも苦しい複雑な思いをしたのを記憶しています。
結果として、私の地元の小学校1校は廃止され、生徒の増により分かれた元の学校に統合されたわけでありますが、廃校となった小学校には、多くの卒業生もおられるわけであります。また、地元の皆様にとっても、長年にわたり地域の子どもたちを愛情を持って育んでくれた小学校がなくなるわけで、それらの皆様の寂寥感に思いを致すとき、何とも申し訳なく、いたたまれない思いをしたことを記憶をいたしております。
廃校が決まった後の選挙の前に、政治活動用ポスターを貼り出した際、前回貼らせていただいたお宅に再度貼付のお願いに行っても、多くの皆様にご協力をいただけなかったことなど、当該地元の皆様の複雑な思いの一端を感じさせていただきました。
もとより私は、子どもたちのよりよい教育環境に資する判断であると確信しておりましたので、私自身は地元地域の方にどのように思われても構わないわけでありますが、統合された小学校の盛況な運動会などをご覧になって、いろいろな思いを持たれながらも、統合してよかったと思っていただける方も多くなっておられる感じもいたしております。
当時の自治会長さんの次の会長さんから、ある会合で、当時、私も統廃合に反対していたけれども、田中さんの言うとおりに統合してよかったと今は思っていると、しみじみおっしゃっていただいたことに、ほっとしたことを覚えています。一方、田中は存続には一切協力しなかった議員であったという複雑な思いを持たれていることを感じさせていただくこともあります。本庁舎の移転も、小学校の統廃合も、それぞれ内容は異なるわけでありますが、その地域に合った施設がなくなることに変わりはないわけであります。
館山さざなみ学校が仮に廃校となれば、卒業生をはじめ、保護者の方やさざなみ学校への入学を希望されている児童や保護者の皆様のご落胆は大きなものがあると存じますが、報告書にあるとおり、館山さざなみ学校の本区児童・生徒に対する健康教育の果たしてきた役割や機能は、時代の変化、進展の中で役割を終えようとしているのか、また、昨今のコロナ禍における生活様式や社会環境が変化していく中で、かつ、新たな政策課題としての児童相談所の設置を目指す中でも、新たなさざなみ学校の必要性、在り方も問われているのではないかとも考えております。
近年の館山さざなみ学校に入校する児童は、開校当初とは違い、肥満やぜんそくなど健康課題のみで入校する児童は少なく、不規則な生活習慣から始まり、身の回りの整理整頓、挨拶など人とのコミュニケーションの取り方、ゲーム依存など現代社会の縮図とも言える状況が見受けられるとも聞いております。特に肥満や偏食は、家庭内に原因があることも少なくなく、入校して規則正しい生活を続けることで、精神的にも肉体的にも効果が表れることも多く、また、友達はつくりたいが関わり方が分からない、感情がうまくコントロールできないといった難しい課題を抱えている児童も多いのではないかと思います。
そうした中で、館山さざなみ学校では、規則正しい生活習慣を身につける際に、その子自身の成長と学びを支える取組を進めていらっしゃることは存じ上げておりますが、検討会の報告がなされてから時間も経過しており、場合によっては状況も変わってきていることを踏まえれば、先ほど申し上げたことも含め、館山さざなみ学校の今後の在り方、方向性について、区としての考え方を示していくべき時期になってきていると考えます。
そこで、お伺いいたします。さざなみ学校の存続、在り方については、他の自治体と連携した統廃合という選択肢も過去にはあったと思います。これについて、現在、区はどのように考えているのか伺います。
次に、教育機会確保法の成立を受け、全ての子どもたちが健やかに成長する環境を整えることがさらに重要になってきておりますが、こうした点も踏まえますと、報告書にある課題を含め、区としてどのように課題を抱える児童に対して施策を展開していくのか、区のお考えを伺います。
また、将来的には、区においても新たな政策課題としての児童相談所機能が設置されることと存じます。児童相談所の機能と学校教育は密接に絡む内容でもあり、児童相談所と学校の連携いかんによっては、その子自身の将来まで左右しかねないと存じます。大田区の宝である子どもたちのために、今後、児相政策との連携についても研究する必要があると考えますが、区のお考えを伺います。
いずれにしても、平成25年3月に報告された大田区立館山さざなみ学校の今後のあり方検討委員会の報告書によるところの検討結果について再度ご確認をいただき、様々な社会環境に置かれている子どもたちの健全な育成、並びに施設の経年変化に対する老朽化や維持管理、大規模改修の必要性、財政的な課題などの現状を踏まえ、総合的にご検討いただき、あるべき方向性を出していただくことを要望し、質問を終わります。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎玉川 教育総務部長 私からは、3点のご質問にお答えいたします。
まず、館山さざなみ学校の今後の方向性についてのご質問でございます。館山さざなみ学校の在り方につきましては、平成25年の検討委員会の報告書の方向性を踏まえ、検討してまいりました。しかし、施設は竣工から約40年が経過しており、昨年の台風15号によりまして甚大な被害を受けました。復旧に当たりましては、区内の事業者の方、企業の方に多大なるご協力をいただいたところでございます。また、昨年度末から今年度にかけましては、
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、学校が臨時休業となりました。在籍児童は一時帰宅し、宿舎へ戻るまでの約3か月間は、課題を配布し添削による指導を行ったほか、電話による学習相談も行ったところでございます。教育委員会といたしましては、館山という立地環境や施設の利活用といった視点を含めまして、引き続き検討してまいります。
次に、様々な課題を抱える児童への施策の展開についてのご質問でございます。児童の抱える課題には、肥満やぜんそくなどの健康課題のほかにも、障害や疾病、不登校など様々でございます。また、友達との関わり方に困難さを感じたり、感情をうまくコントロールできないなどの悩みを抱えている児童もおります。これまで、こうした課題への対応といたしまして、発達障がいのある児童を対象とした特別支援教室、通称サポートルームの区立小学校全校設置や、知的障がいのある児童を対象とした特別支援学級の増設を行ってまいりました。また、来年4月からの医療的ケアの必要な児童の区立小学校への就学に向けまして、学校施設の改修や支援体制の確保などの準備も進めております。さらに、中学校におきましても、サポートルームの全校設置や不登校特例校分教室の開設を予定してございます。引き続き、児童・生徒の抱える個々の課題に配慮し、全ての子どもたちが健やかに成長することのできる魅力ある教育環境づくりに取り組んでまいります。
最後に、区が設置を予定しております児童相談所機能と学校教育との連携についてのご質問でございます。区の児童相談所の設置につきましては、児童相談所の機能と子ども家庭支援センターが担っている児童虐待相談を含む相談機能を統合した(仮称)大田区子ども家庭総合支援センターの整備を計画しております。現在、人材の確保、育成と施設の設計作業を進めております。児童相談所は、虐待相談のほか、障害相談、非行相談、不登校相談、性格行動相談などの幅広い相談に対応し、子どもの利益を最優先に考え、支援を行う行政機関で、現在は東京都の品川児童相談所がその役割を担っております。区の児童相談所の設置後は、様々な相談や課題に対して、これまで以上に迅速かつ的確な対応が可能となるとともに、地域の実情を踏まえた幅広い支援の提供が期待できます。議員お話しのとおり、大田区の宝である子どもたちのため、将来設置される区の児童相談所との具体的な連携策につきまして、こども家庭部をはじめとする関係部と共に取り組んでまいります。以上でございます。
○塩野目 議長 次に、7番押見隆太議員。
〔7番押見隆太議員登壇〕(拍手)
◆7番(押見隆太 議員) 自民党の押見隆太です。
まず、子どもや親たちが住んでいてよかったと思ってくれるような大田区へ向けて、何点か質問していきます。
最初に、何度も聞いております周産期医療ですが、いよいよ蒲田南口にできる牧田総合病院のオープンが来年2月と近づいてきました。以前にも質問させていただきましたが、この牧田総合病院産婦人科病棟には、三つの分娩室や19床のベッドなど、大田区でも大規模な分娩施設が誕生することとなります。昨年分娩を再開していただいた大鳥居医院を含め、10年間、分娩施設が一つもなかった蒲田地区で大きく分娩環境が改善することとなります。
二つの分娩施設に共通していることは、大田区の周産期医療緊急対策事業補助金を活用し、施設を整備したことです。荏原病院の分娩再開の際に創設された制度で、平成22年から5年の時限立法でしたが、その後もさらに中身を充実させた形で存続し、今回もこのように活用してもらい、蒲田地区の分娩環境が大きく改善していくことは高く評価をいたします。
ただ、区内分娩率が改善してきたのは確かですが、それでもまだ50%前後で、一時期の妊娠5週1日目で予約が埋まってしまう状況からは脱却してきていると思いますが、蒲田地区には牧田総合病院と大鳥居医院の2か所、調布地区には荏原病院1か所しか赤ちゃんを産める産婦人科がないのが現状です。引き続きしっかりと問題意識を持ち、区内分娩環境の改善や調布地区への分娩施設誘致等をやっていただくことを強く求めさせていただきます。
続いて、双子ちゃんや三つ子ちゃんの多胎児育児支援についてお聞きします。
区議会でも、多胎児育児支援について取り上げられることが増えてきました。多胎児育児については苛酷を極めると言われており、母親の産後うつや虐待死も発生しているのが現状です。大田区でも、一時預かり保育の費用面での改善や、この秋スタートした産後家事・育児援助事業ぴよぴよでの多胎児には若干優遇措置ができたぐらいで、もう少し充実したサポートが必要だと感じております。
国では、厚生労働省が多胎児がいる世帯への支援を手厚くする方向でして、多胎妊産婦サポーター事業を今年度から始め、来年度からはさらに規模の大きな自治体では補助額を大きく引き上げると言われておりますし、妊婦健診では、多胎妊婦は健診回数が多くなりがちなので、通常14回の健診に加え、さらに5回分の健診費用を補助する方向で調整しているとのことです。また東京都でも、とうきょうママパパ応援事業の中の多胎児サポーター事業において、3歳未満の多胎児がいる世帯や多胎妊婦に対しての産後の家事育児支援、外出補助を都の10割負担で始めています。政府では、菅総理肝煎りの政策として、不妊治療の保険適用の拡充が近々行われる予定です。不妊治療で体外受精や排卵誘発剤の利用が増えれば、現在、全出生数の2%前後ですが、さらに多胎児妊娠・出産も増えていく可能性が高いです。
そこで質問します。多胎児家庭の子どもや親を守るために、大田区でも多胎児育児支援をもう少し拡充を検討してほしいと思います。その中で、今年度から国や東京都において3歳になるまでベビーシッター制度を使える多胎児育児支援プログラムが始まりました。こういった制度を活用していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
今回、多胎児育児を取り上げるに当たって、大田区の縦割り行政の弊害を強く感じました。縦割りのはざまで光が当たらなくならないよう、しっかりと横串型行政の充実を求めます。
多胎児育児支援というと、ご存じの方はいらっしゃるかなと思うんですが、大田区では日本初の五つ子ちゃんが育ったところでして、私より少し年下ですが、山下さんちの五つ子ちゃんということで、マスコミにも多く取り上げられ、私の生まれた雪が谷大塚でもたまに見かけました。多胎児育児と縁が深い自治体でもありますので、しっかりとした施策の提案をこれからも期待をいたします。
次に、民営化保育園の建て替えについてお聞きします。
先ほどの公明党、末安議員の質問とかなり内容が近いので詳細は省かせていただきますが、16分の1の支出で新しい保育園舎を手に入れることができます。区財政面を見ても、非常に大きなことでありますし、子どもの保育環境の充実の面から見ても、投資価値はあるのかなと思います。6億円、7億円出して区が建て替えるのと、中古のワンルームマンションくらいの支出で新築の保育園舎が手に入るのとでは一目瞭然です。今まで高畑保育園1例だけ民営化保育園の建て替えが実現できましたが、あのように全ての条件がそろわないと建て替えないというのであれば、今後ほぼ民営化保育園の建て替えは難しいのかなと思います。与党から、このような声が多数出ていることをしっかりとご理解いただきたいと思います。
質問します。民営化保育園の建て替えに関して、大田区行政側では今後の可能性についてどう考えているのかお聞かせください。
次は、幼稚園の先生の処遇改善です。現在、保育士さんには、低賃金、処遇改善が社会問題化され、国3万円や都4万4000円の給与上乗せの手当が支給され、そこに大田区保育士応援手当の月1万円も支給されております。また、宿舎借り上げ支援制度では、実質家賃が無償になる恩恵を受けられます。一方、幼稚園教諭に関して言いますと、同じような低賃金の中で処遇改善が叫ばれておりますが、大田区としてなかなか効果的な施策が打てていないと考えております。保育士さんと幼稚園の先生の賃金格差は、宿舎借り上げ制度を加味しますと、月々の処遇は15万円程度開いてしまっている現状を大田区としてはどのように考えているのでしょうか。両方の資格を取得する方が多い中、これだけ給与格差が開いてしまうと、なかなか幼稚園の先生として就職していただくというのは厳しいのではないのでしょうか。保育士応援手当と同じように、幼稚園の先生にも応援手当を出してもいいのではないかと考えます。また、これは本来、国や都の役目の部分が大きいと思いますので、国や都への働きかけも含め対応をお願いしたいと要望をいたします。
また、小中学校関連では、いよいよ30人学級導入に向けて動き出しました。政府では今までも前向きに議論してきましたが、ここに来て、密を避ける新しい日常の考え方や、大田区でも参画しているGIGAスクール構想の効果を高めるということで、萩生田文部科学大臣は11月13日の閣議後の記者会見で30人学級の方向性を示しました。区教育委員会としましても、時代の変化が非常に早く、保守的な大田区教育委員会としてはいささか大変かと思いますが、鋭意検討をして、大田区の学校に通わせてよかったと思われるような環境づくりをお願いしますし、また今後、議会でも取り上げていきたいと思います。
次に、
新型コロナウイルス関連で、人材の活用という観点でお聞きします。
羽田空港を抱える本区といたしましては、空港と共に生きる大田区として、共に発展を遂げてきました。また日本航空、全日空、航空2社とも、区や地域のイベント協力など二人三脚で歩んできた歴史がありますし、多くの方が大田区に住んでおります。
両社の状況は皆さんご存じだと思います。95%の減とかウン千億円の赤字とか、すごい数字が発表されております。社員さんたちも、国の雇用調整助成金を使って何とか食いつないでいる状況ですが、来年度には両社とも数千人規模で余剰人員が出ることが想定されています。その中で、民間はもちろんのこと、各自治体でもこういった人材の活用をするところが増えてきております。大田区でも真っ先に保育園や小学校で任期付職員として有能な航空会社社員を採用できたことは、大田区、航空会社共にメリットがあることですし、評価いたします。やはりJAL、ANAと共に歩んできた大田区としては、さらにこういった有能な人材を活用できるチャンスでありますので、両社と人材育成の協定を早急に結んで、例えば英語が堪能で礼節知識を備えている国際線のCAさんを各小中学校に任期付で配置して、大田区独自の特色を出すのもすばらしいと思います。大田区在住の方や教職免許を持っている方などと、条件をつけてもいいかもしれません。そして、航空需要が元通りに戻った場合でも、高評価だった施策は継続してお願いしていくことも可能でしょうし、事務方の人材を引き受けたり、こちらから派遣して、大田区役所の血の循環を行うことも大変重要だと考えております。
そこで、教育委員会に質問します。JAL、ANA両社と早急に人材育成の協定を結び、優れた職員を派遣してもらい、大田区の小中学校に配置したら非常に特色ある大田区の教育が実現できると思いますが、いかがでしょうか。
毎回言うことですが、こういったことが特に子育て世代への区民満足度の向上、シビックプライドの醸成につながっていくと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、大田区環境公社についてお聞きします。
大田区環境公社につきましては、平成29年1月に設立され、同じ年の4月から可燃ごみの収集業務が大田区から委託され、今では調布地区の半分程度と大森地区の一部の収集業務を担ってきております。当初のスモールスタートから順次拡大している状況で、現在では60名の作業員を抱える大所帯へと変貌を遂げております。私も何度か行かせていただいているのですが、環境公社がどこにあるのかご存じない方も結構いらっしゃるのかなと思われますが、京浜島の粗大ごみ収集センターのところにプレハブみたいな建物がございまして、そこが事務所になります。行ってみたら分かるのですが、区の雰囲気とはまるで違い、職員さんとすれ違うときには皆さん挨拶してくれますし、若い人が多いということもあり、活気が違います。このように、大田区環境公社が法人として育っていることに関し、大変評価をしたいと思います。
一方で、職員さんたちの就業環境や待遇面などは改善が必要な部分ではないかと考えます。例えば、ほかの清掃事務所・事業所には風呂が当然のようにありますが、公社にはシャワーしかなく、それも数が少ないので、いつも大渋滞になっています。まともなランドリー室もありませんし、休憩室や更衣室を見ますと、1人当たりの面積は場合によっては10倍以上ほかの清掃事務所・事業所と広さが違うのかなと思います。また大部分が調布地区の収集業務であることを考えると、移動だけで片道小一時間かかりますので、こういった部分も改善が必要です。そして、待遇面を見ましても、結構厳しい面がありまして、区の清掃職員に待遇を合わせろとは言いませんので、他区の環境公社並みには支払わないと、勤務地の遠さもあり、なかなか厳しい面があると思われます。給与、福利厚生、人材育成、採用などもう少し環境公社の育成をしていくべきと考えます。
質問します。大田区環境公社の就業環境全体の改善についての区の考えをお聞かせください。
最後に、入札制度改革についてお聞きします。
入札・契約制度改革におきましては、我が区でも様々な取組を鋭意行ってきたと考えております。今年度4月からは労働環境整備に向けた大田区が発注する契約に係る労働環境の確認に関する実施要綱を制定し、10月からは事業者の受注機会の拡大、競争性の確保に向けた大田区発注工事における現場代理人の兼任に関する基準の緩和などの取組が示されました。
質問します。コロナの影響などもあり社会情勢が大きく変貌する中、本区の入札においても様々な影響が想定されると思いますが、今後の入札・契約制度改革の取組の方向性について区の見解をお聞かせください。
そして、総合評価方式の積極的な活用についてお聞きします。
総合評価落札方式は、公共工事の品質確保の促進に関する法律に位置づけられたもので、通常の入札における価格評価だけでなく、企業の技術力、信頼性、社会性など、価格以外の要素と価格を総合的に評価して、区にとって最も有利な契約者を選定する方式でありまして、公共工事の品質確保や区内企業育成の観点からも非常に有効な取組であると認識しております。我が大田区においても、工事において平成20年度より総合評価方式の入札を試行実施しているらしいですが、実施件数が少なく、議会報告案件でも私は見たことがありません。そして、価格以外の技術点や地域貢献点の配点比重が低く、ほとんどの案件が最低価格者に決定しているため、モチベーションが上がらないとの意見があります。
質問します。総合評価落札方式の趣旨を踏まえ、配点基準の見直しや同方式の議会報告案件工事などへの積極的な活用に取り組むべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎後藤 総務部長 私からは、契約に関するご質問にお答えいたします。
初めに、入札・契約制度改革についてのご質問ですが、この間、透明性、競争性、公平性の確保に向けて、入札監視委員会の設置、制限付一般競争入札の拡大、最低制限価格制度の活用、総合評価落札方式の導入などを進めてまいりました。また、昨年4月の働き方改革推進に向けた労働基準法等の関連法規の改正に伴い、今年度より大田区が発注する契約に係る労働環境の確認に関する実施要綱を制定し、適正な労働環境の確保に努めているところです。特に、労働環境の改善に向けては、区の最低制限価格の設定範囲や設定方法の見直しも連動して取り組むべき課題として認識しており、現在、早期の見直しに向けた準備を進めているところでございます。入札・契約制度改革に関しては不断の取組が必要と考えており、引き続き、国の適正化方針や労働基準法等関連法規の改正の趣旨を踏まえ、労働環境の整備、競争性の確保、不良・不適格業者の排除、発注の平準化など様々な視点での取組を強化し、一層、入札・契約事務の適正化に努めてまいります。
次に、総合評価落札方式の見直し、活用についてのご質問ですが、区では平成20年度に要綱を制定し、特別簡易型の工事総合評価落札方式を導入しております。評価項目には、価格点以外に施工能力・配置予定技術者の能力などの企業の技術力に加え、災害時協定の締結や障がい者、高齢者の雇用状況などの地域貢献などを評価項目として設定しております。なお、この間、区といたしましても、入札結果の検証を行い、見直しを図ってまいりましたが、残念ながら、議員お話しのとおり、多くの案件が価格評価の順位で決まっている状況でございます。今後は、総合評価落札方式の趣旨をこれまで以上に活かせる仕組みとなるよう、評価項目の追加や配点の増減、価格評価と技術評価の配点比重の見直しを行うとともに、同方式による契約対象を拡大するなど積極的な活用に向け、準備を進めてまいります。私からは以上です。
◎伊津野 保健所長 私からは、多胎児支援に関するご質問にお答えいたします。
区との最初の接触機会である妊婦面接の際、多胎児を妊娠されている方については、支援を要する方として地区担当保健師を紹介するとともに、その方の状況に応じた子育て支援サービスの情報提供などを行っています。
次に、産前産後の育児や家事の生活支援策として、妊娠中から参加可能で、出産や育児に関する不安や悩みを共有し、多胎児の育児経験者からアドバイスも受けられ、母親同士が交流できる育児学級を開催しております。また、出産直後の母体管理や育児指導を行う産後ケア事業において、多胎児について利用料金を加算する自治体もある中、区では料金を一律としております。さらに、産後家事・育児援助事業ぴよぴよを多胎児のご家庭は36時間までご利用できます。対象となる年齢の拡充については、東京都の補助金を活用し、子どもが3歳に達するまで利用できるよう検討しているところでございます。今後、妊婦面接の際にお渡ししている子育て応援グッズにつきまして、複数の贈呈や内容の見直しを検討してまいります。区では、既にこのように多胎児支援の充実を図っております。引き続き、国や都の事業を注視し、多胎児支援を含め、誰もが安心して地域で子育てができるよう支援に取り組んでまいります。私からは以上です。
◎浜口 こども家庭部長 民営化した保育園の建て替えに関するご質問ですが、こども家庭部では、現在、保育園・児童館等の更新に関する基本計画を検討してございます。この基本計画においても、建物の目標耐用年数を踏まえつつ、老朽化が極めて著しいものや大規模改修等による施設の改良が困難な建築物等は、目標耐用年数によることなく、案件ごとの事情を考慮し、個別に判断していくことを基本的な方針としてございます。また、改築の必要性や課題への対応状況を見極めた上で、改築方法については、国の補助金制度を活用する方法も含め、様々な角度から慎重に検討してまいります。私からは以上でございます。
◎落合 環境清掃部長 私からは、大田区環境公社職員の就業環境の改善に関するご質問にお答えいたします。
区は、平成29年4月以降、大田区環境公社への可燃ごみ収集業務の拡大を順次進めております。来年度末に、調布清掃事務所を現在の多摩川清掃事業所庁舎へ移し、その後、調布清掃事務所庁舎へ大田区環境公社を移転させる計画としております。移転後は、職員1人当たりの面積増など、公社の執務環境が大きく改善いたします。
公社職員の人材育成につきましては、公社が実施する研修に加え、今月から、区のごみ収集に関する技能や安全作業手順等を実地に学ぶため、公社職員を行政実務研修員として、区の清掃事務所に受け入れているところでございます。給与制度につきましては、公社職員の年齢層が当初の想定より高いなど、実態に合わせた調整が今後の検討課題と認識しております。また、地道に頑張っている職員を正しく評価し、給与等においても報われる仕組みをつくることが重要と考えております。引き続き、公社と連携し、公社職員が仕事を通じて成長することができ、継続して働き続けることができる就業環境を整備し、優秀な人材の確保に努めてまいります。区は、大田区環境公社の柔軟性、機動性を最大限に活かし、安定的で持続可能な清掃事業を構築してまいります。私からは以上です。
◎玉川 教育総務部長 私からは、教育分野への航空会社職員の活用についてのご質問にお答えいたします。
学校には、学校講師や学習補助員、副校長補佐や教員支援員など様々な人材を活用し、教育関係の支えとなっております。また、一部の職種には、人材確保が課題となってございます。一方、航空会社には、英語や接遇などのスキルを有した人材が多く存在し、議員のお話しのとおり、教育現場への活用の意義は高いものと認識しており、既に航空会社へは人材不足の職種など活用分野の案内をしております。来年度に向けましては、様々な職種におけます人材活用の可能性を精査し、航空会社の社員の活用を含めまして検討してまいります。
なお、来月12月でございますが、北糀谷小学校におきまして、航空会社と連携し、世界で働く方とのオンラインでつながるキャリア教育を実施する準備を進めております。この授業でございますが、オンラインによりまして、オーストラリアのシドニー及びインドのデリーで勤務中のキャビンアテンダントと業務内容や仕事のやりがいなどについて、英語を織り交ぜながら児童と交流するというもので、英語教育とも関連づけております。今後、学校を支える人材の活用に向けまして、航空会社との連携を含めて検討してまいります。以上でございます。
○塩野目 議長 次に、11番深川幹祐議員。
〔11番深川幹祐議員登壇〕(拍手)
◆11番(深川幹祐 議員) 自由民主党大田区民連合の深川幹祐でございます。
本年度新設されました大田区商店街プレミアム付地域商品券事業補助金制度について質問いたします。
この目的は、地域の消費喚起、商店街活性化につなげていただくためとうたわれております。改めて、プレミアム付地域商品券事業を行った目的と、その目的はどの程度達成されているのか、見解をお示しください。
また、プレミアム率の上限を定めなかったことから、結果として最大で50%となり、多くが40%といった高プレミアム率となってしまいました。そのため人気が殺到し、早朝より並んだ人たちによって販売時間前に売り切れてしまう例が多く見られました。多くの区民が買えず、一部区民だけが得をしたとの批判があります。上限を定めなかった理由をどのように捉えておりますでしょうか。
また、売れ残りが発生しないようにと区が区商連を通じて強く指導したと聞いています。私も具体的に発行総額の60%は売り切ってくださいと言われました。発行したが、ほとんど余ったでは問題がありますが、当日に売り切れることだけでも問題だと思っております。しかし、初期の頃は、区も区商連も売り切れてよかったといったように捉えており、それは間違っていると繰り返し指摘をしておりました。これまでに実施した商店会における初日の売り切れ率はどのくらいでしょうか。また、発売当日に完売するような消極的な発行数を設定させたのはなぜでしょうか。
そして、複数商店会の共催を認めているが、複数商店会による連合会が発行主体になることを認めなかった理由は何なのでしょうか。これも実体験でありますが、池上地区商店会連合会として申請団体になることは認められず、単会が申請すべきと言われました。あまつさえ、連合会として広い範囲で使えるようにするということにクレームが入った状況であります。結果として実質的に連合会としての発行ができたようになりましたが、ここを抵抗する理由は見当たりません。明文化して改善すべきと考えますが、いかがでしょうか。
しかし、いいところもありました。それは久が原の商店街が連携をして、このプレミアム付商品券事業を行ったことです。このように、単会だけでの運営は困難となることが今後商店街では多く予想されますので、広域連携もしっかりと考えるべきと考えます。
また、池上では離れたエリアのお店にも連合会に直接加盟してもらうことで、池上を中心に活動している池上蕎麦匠の会という、もともと組合組織であった団体も加入してくれました。これまでの固定概念に捉われない新しい商店街像というものも一緒に描きたいと思います。
次に、プレミアム付商品券事業を行う際に、あってはならないことでありますが、自己換金等の不正が生じる懸念があります。こうした不正が生じないような対策として、地域金融機関との連携・換金による対応等が考えられます。つまり換金したこと、つまり売上げが立ったことが金融機関に証明されることから、税務調査が入れば一目瞭然でありますし、もしそういう懸念があれば警察も含めて犯罪としての捜査も円滑に行うことができます。つまり、そういうことが抑止力となるわけであります。
これは以前のプレミアム付商品券事業のときに我が池上が始めたことで、地元の金融機関である城南信用金庫池上支店、湘南信用金庫本門寺前支店にご協力をいただき、池上モデルとして始めたものであります。この取組について区商連にも説明をしてきましたし、単会へも説明に行ったこともあります。そういったこともあり、今回は多くの商店街でこのスキームを使ったというふうにも聞いております。大田区の見解をお示しください。
政府のデジタル庁創設の動きをはじめ、非接触型決済が大きく進んだ1年であるとも言えます。このことから、他自治体ではそういった例もあります。非接触化、不正使用の抑制など様々なメリットがあると考えられます。しかし、課題として、高齢者や、いわゆるガラケーでは使えないということであります。大田区としてどのように考えているのか、お聞かせください。
大田区のプレミアム付地域商品券事業については、一定の効果があったものの、一方で様々な課題も露見いたしました。これらをどのように総括し、今後のプレミアム商品券事業に反映させていくのか、見解を伺います。
また、池上では、本日より第2弾のプレミアム付商品券を発売させていただいております。このテレビ中継をご覧の皆様には、本日午後3時まで池上駅前で販売をしておりますので、ぜひお買い求めをいただき、池上でご利用いただければと思います。ちなみに、明日は午前10時から3時までの発売予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、健康政策について質問いたします。
大田区の健康政策は
新型コロナウイルス感染症対策に注目が集まっていますが、どのような社会状況であっても、区民の健康づくりを粛々と確実に進めていただくことが、基礎的自治体の健康政策として大変重要であると考えております。
その区民の健康づくりツールの一つとして、昨年12月からスタートしたはねぴょん健康ポイントは、初年度の目標アプリダウンロード1万人を超えたと聞いております。先日も僅かな時間ではありましたが、テレビの「news every.」にも取り上げられ、区内外にもこの取組は広がっております。また、私を含めて我が会派の議員も参加をしており、コロナの期間中にウォーキングを始め、ダイエットに成功した者もおります。この私も5キロやせることができました。大変感謝をしております。
昨年の第4回定例会、私の代表質問で、はねぴょん健康ポイントは健康というキーワードで、庁内各部局が一体となって健康まちづくりの基盤を目指した新たな取組と区長から答弁をいただきました。庁内各部局が一体となって健康まちづくりの基盤を目指す具体的な部局間連携の状況はどのようになっておりますでしょうか。
健康ポイントのアプリは毎日立ち上げておりますが、他部局にまたがるスポットが取り上げられ、新たな発見につながるものであります。つまり、はねぴょん健康ポイントのアプリは、様々なポテンシャルを秘めたツールとも言えます。写真投稿機能を使ったコンテストなど、環境清掃部は連携をしていましたが、特に観光分野でのもっと具体的な連携をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
例えば、おいしい食べ物屋さんがあったときに、その離れたところからのコースを設定し、1日のウォーキングを通すと食べたものと運動でゼロキロカロリーになってリセットできるプランとか、そのルートで食事をして、その後にスイーツのお店を回るものなど、観光課との連携では様々楽しい興味深い企画ができるわけであります。このように、他部局連携が大きなテーマでありますので、引き続きしっかりと取り組むことを求めておきます。
次に、教育について伺います。
コロナの影響により学校教育に大きく支障が出ている現状を認識しております。学校の臨時休校や、再開後のコロナ罹患者発生による授業時間の確保などの課題を抱えていることも認識しております。また、大田区では中学校生徒海外派遣事業を行うなど、国際都市おおたを具現化するプログラムを開発し、数十年にわたり実行してまいりました。しかし、今年度と来年度は、例年実施していた中学校2年生の海外派遣事業は、コロナ禍にあり難しいと考えます。しかし、この多感な中学校時期の海外派遣は貴重な国際交流の経験となることから、代替施策を検討すべきと考えます。この点について教育委員会としてどのように捉え、かつ、今回派遣機会がなくなった生徒が例えば大学1年時相当になった約5年後に、国際都市の施策として海外への派遣ができないか検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
例えば、ドイツにおいては、自由ハンザ同盟という商業連携都市の一つであります。また、ミュンヘンは南側のドイツ特有の国の成り立ちをしている自治州があるところであります。こういったことをきっかけに、ヨーロッパの歴史やドイツの歴史、そして世界に目を向けて世界史の勉強をするなど、様々なきっかけとなることができるわけであります。そういった観点を学校教育の中に入れて、国際都市おおたとして世界に目を向ける施策、そして学習につなげていく必要があると考えます。
そして、
新型コロナウイルス感染症は収束の気配もなく、第3波が到来しております。これまでも保健所に在籍している医師は土日昼夜問わず業務に従事しており、心身ともに休まるいとまもない状況であります。先日も夜中に課長がたたき起こされて対応に当たったとも聞いております。区民に対するPCR検査体制についても、区内医師会と連携・協力の下、進めてまいりましたが、これから年末年始を控える中で、区の保健所の役割がさらに重要となります。とりわけ、医師はPCR検査に直接携わるなど引き続いており、年末年始の対応がさらに加わるとなると、まさに不眠不休が続くことになります。
本来であれば医師職を増員し対応すべきでありますが、公衆衛生医師は慢性的に不足しているのが現状であります。また、年末年始の医師の確保は金銭的にも課題があります。通常の給料の3倍をもってして、やっと確保ができるといったような状況だと医師会の先生方と話合いの中で聞かせていただきました。大田区内における年末年始の医療体制を充実させるためにも、しっかりと医師会、医師の先生方や関係する団体の皆様と連携をし、意見交換をする中で、必要な予算的な措置をすべきと考えます。
その中で、医師職等に対する特殊勤務手当について先般改正をいたしましたが、このコロナ禍の状況を鑑みて、日頃のご労苦に感謝するとともに、手当の増額について、特別区区長会や人事委員会に求めるものであります。見解を伺います。
以上で質問を終わります。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎後藤 総務部長 私からは、医師職の処遇に関するご質問にお答えいたします。
区は現在、
新型コロナウイルス感染症対策として区民の生命を守るため、保健所を中心に全庁を挙げて対応しているところです。とりわけ、医師職は直接PCR検査を実施するなど、まさにコロナ禍の最前線で業務を遂行しており、年末年始を迎える今、感染者が拡大している中で、公衆衛生医師に求められる役割は高まっており、人材確保の重要性がこれまで以上に増していると認識しております。医師職の処遇につきましては、これまでも行政職の給料水準を上回る給料表が適用されておりますが、昨年度、特別区人事委員会は、全体の月例給が引下げ勧告される中、その処遇確保の観点から、医療職給料表(一)につきましては改定しない内容の勧告を行っております。
なお、管理職に対して、週休日等に勤務した場合、職種に関係なく管理職特別勤務手当が支給されておりますが、さらに、第2回区議会臨時会で特殊勤務手当に関する条例を改正し、医師職など
新型コロナウイルス感染症の検体採取等の業務に従事した職員に対して、日額4000円の感染症予防業務手当を支給できるようにさせていただきました。今後も、医師職の業務実態に合った処遇改善に向け、統一交渉事項である給料表及び特別勤務手当額について、特別区人事・研修担当課長会、総務部長会等を通じて特別区人事委員会に働きかけてまいります。私からは以上です。
◎飯嶋 観光・国際都市部長 私からは、二つの質問にお答えをさせていただきます。
初めに、はねぴょん健康ポイントに観光分野ももっと具体的に連携すべきとのご質問ですが、はねぴょん健康ポイントアプリ機能の一つである、おすすめ散歩コースは、区内の歴史や文化、自然のスポットを結んだものとなっております。今後、これらにグルメや買物といった観光に欠かせない要素も加えることで、運動や食事なども楽しみながら、区内回遊にもつながるような工夫を健康政策部と検討してまいります。このほか、観光課では、ウェブ上ではねぴょんがまち歩きし、新田神社にある石の卓球台など、区内の隠れた魅力を紹介する事業の試行も予定をしており、これらの取組をはねぴょん健康ポイントとリンクさせることで、より効果的なPRと事業展開を図ってまいります。引き続き、健康政策部や産業経済部等、庁内関係部局と緊密に連携し、区民の皆様の健康増進とともに、区内経済・地域活性化に向けた取組を力強く進めてまいります。
次に、海外派遣の機会を失った生徒への国際都市施策に関するご質問でございますが、観光・国際都市部はセーラム市への区民親善訪問団派遣事業を隔年で実施しており、過去に実施した際には、中学生が保護者と一緒に参加をしたり、大学生自らが参加した事例もございます。また、北京市朝陽区や大連市へ区内の高校生を隔年で派遣する大田区日中青少年友好訪問団事業も実施をしております。コロナ禍にある本年6月には、急遽の取組でございましたが、区長や議長、昨年セーラム市に派遣された中学生などからセーラム市の皆さんに「新型コロナに負けず共に打ち勝とう」との応援ビデオメッセージを送ったところ、セーラム市長をはじめとする多くの方々から、勇気をもらった等の感謝の言葉もいただいております。
来年度実施予定の中国への青少年友好訪問団派遣事業については、セーラム市への中学生派遣事業と同様、コロナ禍の影響により見送らざるを得ない状況にあり、区としては大変残念であると考えております。新型コロナ感染拡大が世界的に続く中、セーラム市や中国との今後の国際交流は見通せない状況にありますが、ポストコロナも見据え、区は海外姉妹友好都市との新たな交流の在り方を検討するとともに、部としましても、教育委員会や関係部局などと連携し、今回派遣の機会を失った生徒、学生たちへのサポートについて引き続き研究をしてまいります。私からは以上でございます。
◎山田 産業経済部長 私からは、プレミアム付地域商品券事業に関する七つのご質問に順次お答えさせていただきます。
まず、目的、達成度に関するご質問ですが、感染症拡大の影響により小売店舗や飲食店等は深刻な影響を受けております。こうした中、新しい生活様式の実践など、地元での消費活動に注目が集まっていることから、緊急経済対策の一環としてプレミアム付地域商品券事業を急遽立案し、補正予算として議決をいただきました。本事業は、これまでのような画一的な運用とはせず、それぞれの商店会が創意工夫されることで、地域内で経済循環が生まれることを目的としたものでございます。具体的には、近隣の複数の商店会による商品券の共同発行のほか、プレミアム率の設定も含め、柔軟にご対応いただける制度といたしました。現在、60に迫る商店会が本事業を活用され、商品券発行総額は区からの補助金の約3倍となっており、地域の経済波及効果に役割を果たしているものと捉えております。
次に、プレミアム率に関するご質問ですが、コロナ禍において各地域で事情が異なることから、地域の特性や状況に合わせて実施していただきたいと考え、一律なプレミアム率の設定はいたしませんでした。実施に当たりましては、大田区商店街連合会のご協力もいただきながら、プレミアム率の考え方や販売時の注意点などについて共通のガイドラインを設けたところでございます。近隣自治体では目黒区が50%、全国では100%で販売する自治体もあるなど、プレミアム率の設定に当たっては様々な事例もございますが、できるだけ多くの区民の皆様にご利用いただくことは重要な視点であると認識しており、今回の結果についてはしっかりと分析をしてまいります。
次に、発行規模に関するご質問ですが、今回初めて商品券発行に取り組む商店会も多く、発行数を含めた販売体制全般について不安やご質問の声が多数寄せられました。そのため、地域の実情や商店会の運営体制などを鑑みた発行数となるよう、大田区商店街連合会を通じて助言をさせていただく中で、売れ残りに関するご心配についても様々な角度からご相談に応じさせていただいたところでございます。現在のところ、平均発行数は約1000冊、初日で売り切れとなった商店会は約3割との報告を受けております。3密対策を兼ねて複数の販売日を設けたり、事前予約や抽選方式を採用するなど、販売方法についても工夫していただいております。発行数については、より多くのお客様にご利用いただけるよう、今回の取組を分析していく中で、今後の課題として対応してまいります。
次に、発行主体に関するご質問ですが、現在、区の補助金等を活用するに当たりましては、商業関係団体届をご提出いただくことが制度上の要件となってございます。これにより区では、商店会としての継続的な活動を確認させていただいております。今回は緊急経済対策として可能な限り早期に実施することを最優先に取り組んだ結果、既に当該届出をいただいている商店会からの連携申請に基づき、共催事業として受付をさせていただいたところでございます。今回の事業では、商店会同士の連携が進展したこともあり、今後は複数の商店会による連合体での実施も可能とすることも含め、次回以降に向けた制度の見直しに鋭意取り組んでまいります。
次に、地域金融機関との連携に関するご質問ですが、商店会員が商品券を購入し、自らの店で使用されたことにして換金をし、プレミアム相当分の金銭を不当に得ることは不正行為であり、禁止をしております。今回は事業実施に当たりまして、ガイドラインの中で、こうした誤解を招かないように、商店会員による商品券購入はできないこととしております。こうした中、議員お話しの地域の金融機関との連携・換金は、商品券や現金の流れが透明化され、不正利用の防止に効果的と考えてございます。今回は金融機関への換金委託経費も補助対象としており、約4割の商店会が地域の金融機関に換金を委託してございます。これにより、不正利用防止とともに、商店会の負担軽減にもつながっていると認識をしてございます。区といたしましては、地元金融機関と商店会との良好な関係構築の一助にもつながるよう、引き続き働きかけを行ってまいります。
次に、デジタル化に関するご質問ですが、コロナ禍において、様々な自治体で検討、実施されていると承知をしてございます。デジタル化には非接触、不正利用の抑制などの効果がある一方で、機械操作が苦手な方や情報共有などに対する配慮、事業者のキャッシュレス化への対応といった課題もございます。今回の事例では、購入の際にオンライン予約を取り入れた商店会があるなど、一部でデジタル化への取組も見られます。区といたしましては、デジタル社会への潮流を踏まえ、実施状況や課題を商店会の皆様と共有していく中で、利便性がさらに向上するよう検討を進めてまいります。
最後に、総括に関するご質問ですが、効果といたしまして、商店会の創意工夫や商店会同士の連携が促進された一方で、緊急性の関係で周知が必ずしも行き届かなかった面もあり、ご購入できなかった方もおられました。また、発売当日の混雑状況に対応するため、事前周知した販売方法から変更し、臨機応変に対応していただいたことで、かえって混乱が生じた商店会もございました。商店街連合会では、こうした状況を踏まえ、既に事業実施した商店会から今後実施する商店会へ工夫と改善点を伝える機会を設けていただくなど、様々な角度から情報共有が図られております。区におきましても、商店会に対して実施報告とともにアンケートの提出をお願いしており、振り返りを行いながら、一層利用しやすく安全な制度設計に向けた取組を進めてまいります。地域に根づいた商店会によって地域経済が活性化され、地域のにぎわいが維持・発展されるよう、引き続き商店街連合会などと連携をしながら取り組んでまいります。私からは以上でございます。
◎木田 健康政策部長 私からは、はねぴょん健康ポイントの部局間連携に関するご質問についてお答えをいたします。
現在、アプリケーションのダウンロード者数は、コロナ禍においても着実に利用者を伸ばし、1万9000人を超えました。また、様々な団体で競い合えるグループ対抗ランキングには150を超えるグループに参加をいただいております。関係部局が連携することは、各部局の関連事業の広報力の強化や参加者の増加といった相乗効果が期待されます。部局間連携の状況でございますが、現在は11部連携の体制となっております。具体的な連携事例といたしましては、コロナ禍における区内飲食店の応援として、テイクアウトができるお店に行くと、はねぴょんスタンプとポイントがたまる企画や、羽田イノベーションシティにスタンプスポットを設置し、羽田地域へのハイキングイベントを鉄道事業者との連携の下、実施いたしました。また、親子参加を進めるため、区立小学校59校にはねぴょんスタンプスポットの設置も予定をしております。今後は、はねぴょん健康ポイントを例えばフレイル予防や様々な区民活動団体に活用いただくことなどにより、官民一体となった健康まちづくりをさらに進めるとともに、部局間連携も一層強化をしてまいります。私からは以上です。
◎玉川 教育総務部長 私からは、コロナ禍におけます中学校生徒海外派遣事業の代替措置についてのご質問にお答えいたします。
中学校生徒の海外派遣は、未来をつくる力の育成という観点から、教育委員会が最も重点を置く事業の一つでございます。しかしながら、今年度はコロナ禍によりまして、やむを得ず中止といたしました。本事業を期待していた中学校2年生の生徒は残念に感じたことと思います。また、そのような思いは子どもの教育に関わる者の共通の思いでもございます。今後、教育委員会では、中学2年生の生徒に対しての代替措置として、授業等で国際感覚を育む機会をつくるよう研究してまいります。私からは以上でございます。
○塩野目 議長 次に、33番福井亮二議員。
〔33番福井亮二議員登壇〕(拍手)
◆33番(福井亮二 議員) 日本共産党の福井亮二です。
コロナ禍から区民生活を守る区施策について伺います。
日本共産党大田区議団は、この間、各団体や区民の皆さんと懇談や、区内の全ての介護事業者に郵送によるアンケート調査を行い、そのことを踏まえて11月17日に松原区長に来年度の予算要望について申入れを行いました。懇談やアンケートに寄せられた声を中心に質問を行います。
まず、保育園の問題です。保育園の職員や園児が
新型コロナウイルスに感染した場合、症状がなく厚労省が定めている感染可能期間に出勤、登園していない場合は休園となりませんが、職員や園児に症状がある場合、保育園は休園となります。そして、保健所の指導として感染者以外も自宅待機が要請されます。ある休園となった園児の保護者からお話を伺いました。園児だけでは自宅待機はできず、ベビーシッター利用支援事業も紹介はあったが、ベビーシッターが確保できず、利用開始まで最短でも1週間かかると言われ、休みを取らざるを得なかったとのことでした。また、別の保護者は、どうしても休みが取れず、友人、知人、親戚に頼み込んで10日間面倒を見てもらったとのことでした。制度があっても実際は機能しない場合、改善が必要ではないでしょうか。
そこで質問します。ベビーシッター事業の紹介にとどまらず、保育園が休園になった場合は、大田区が取りまとめベビーシッターを確保すること。保育園の休園は保健所の指導によるものであり、保護者に責任はありません。仕方がなくベビーシッターを頼んだ場合は大田区が負担をすべきです。お答えください。
次に、PCR検査について伺います。東京都では、高齢者や障がい者の入所施設を対象にPCR検査などの費用を支援する補正予算が成立しました。また、世田谷区ではPCR検査(社会的検査)を区内の介護事業所の職員を対象に実施しました。その結果、今月18日までに無症状の感染者が、区内の特養ホームの職員と入所者15人の陽性が判明しました。入所者は医療機関に入院し、職員は入院か、ホテル及び自宅で療養しています。症状のない人への社会的検査で多数の陽性者が見つかったことは、新型コロナ感染症第3波の下、感染リスクの高い医療機関や介護施設等への定期的な検査を速やかに実施、感染拡大と重症化を防ぐことの大切さを改めて示しています。
世田谷区のホームページによれば、検査の目的は、施設利用者への感染を未然に防ぎ重症化を避けること、早期対応ができること、施設内でのクラスターを抑制することを挙げています。対象施設には介護事業者・障害者施設に加え、児童養護施設、保育園、幼稚園の職員、小中学校の教職員が対象になっています。コロナ感染が不安で学校に行きたくない、こういった生徒・児童もいます。ある調査では、1校当たり平均3人いるというデータもあります。児童・生徒の不安を少しでも解消するには教職員へのPCR検査の実施です。保育園でも保護者から同様の声が上がっています。
世田谷区のホームページでは、財源については、区が行う社会的検査が国の通知により行政検査となることから、全額国の負担となる見込みですとあり、区の負担が増えるわけではありません。そして今、感染者が毎日のように過去最高の感染者数となっています。PCR検査体制を拡充することは医療崩壊を防ぐことにもつながります。
保育従事者、区立小中学校の教職員へのPCR検査の実施を求めます。お答えください。
次に、各障がい者団体との懇談の中で多く上がった要望の一つは、障がい者の居場所の問題です。親亡き後の居場所の問題も深刻ですが、コロナ禍で障がい者の保護者や介護人がコロナ感染または疑いで入院・待機を要請された場合の対応です。この問題では昨日、同じような質問がありました。一人では生活ができない障がい者がいます。国立感染症研究所の積極的疫学調査実施要領によれば、感染者の同居家族は全て濃厚接触者となります。そのため、家族が陽性になれば障がい者本人が濃厚接触者となり、自宅待機、健康観察が保健所から要請されます。
今回、第7次補正で福祉費の中に障がい者、高齢者の在宅要介護者の受入体制整備事業が組まれました。このことは評価できます。障害の状況によって入所ができない障がい者が出ないような緊急一時入居施設の拡充を求めます。お答えください。
コロナの影響は学生にも出ています。全国大学生活協同組合連合会の調査によれば、回答者の約4割がストレスを抱え、「やる気が起きない」は5割を占めています。今、大学を辞めざるを得ないと考えている、こういった学生も5人に1人がこういった状況です。1日の食費が500円以下が約2割、900円未満が約55%となっており、生活が厳しい状況が出ています。コロナの影響でバイトができず収入が減少し、経済的な不安や悩みが多く寄せられています。学生支援緊急給付金などの活用はされていますが、多くの学生は受給していない状況です。緊急給付金は主にバイト生計を立てている人に対してであり、慢性的に苦しい人は使えない問題や、貸付型の給付の場合、限度額まで借りているために借りられない、こういった声がありました。その背景には、高過ぎる学費を賄うために多くの学生がアルバイトをせざるを得ない状況にあることです。
今年5月、衆議院に日本共産党、立憲民主党、国民民主党などの共同会派で学生支援法案を提出しました。大学院、大学、短期大学、専門学校などに通う全学生を対象に、授業料の半額免除、アルバイトの収入が減少した学生などに最大20万円の緊急支援、2020年度中が返済期限の奨学金の返済が困難な場合はその返済の免除、この三つの柱となっています。何よりも国の責任で高過ぎる学費を引き下げることです。
大田区でも補正予算で給付型奨学金制度を創設しました。このことは大田区の英断です。しかし、コロナが収束になっても高い学費のままでは学生の生活はよくなりません。大田区の給付型奨学金制度を来年度以降も継続することを求めます。お答えください。
第5次補正予算では、高齢者、子どものインフルエンザ予防接種費用助成が行われ、区民からも喜ばれています。インフルエンザは
新型コロナウイルスと症状が似ているために、インフルエンザの予防対策は医療崩壊を防ぐ上でも大切な対策です。インフルエンザ予防接種がコロナの重症化リスク減少に関係とのアメリカのジョンズ・ホプキンス大学の研究者らが出した論文があります。一言で言うと、インフルワクチン接種率の高い地域では新型コロナ死亡率が低い、こういった内容です。このような論文の著者に共通しているのは、「予防接種を受ける人は、そうでない人に比べて健康に注意している傾向が高く、高齢者の場合には、いろいろな病気を抱えている人ほど医師に勧められて予防接種を受ける可能性が高いことなどに注意が必要である」と述べています。予防接種費用の助成を行うことで意識の向上につながり、手洗い、マスク着用などの徹底にもつながります。
子どものインフルエンザ予防接種も大切です。インフルエンザで最も重い合併症がインフルエンザ脳症です。死亡率は約30%、後遺症も約25%の子どもに見られる重篤な疾患であります。6歳未満の小児を対象とした研究では、発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効率は60%と報告をされています。ワクチン接種をしなかった人の発病率リスクを基準とした場合、接種をした人の発病率リスクが相対的に60%減少しています。
高齢者のインフルエンザ予防接種費用助成、子どものインフルエンザ予防接種費用助成を来年度以降も継続することを求めます。お答えください。
新型コロナウイルスの影響で利用者が減ったり、感染対策で出費がかさんでいる介護事業者が出ています。我が党区議団が行ったアンケート調査でも、回答していただいた事業者の66%が「収入が減った」と答えています。その中で介護事業者の声をお伝えします。総合事業の介護報酬を以前の水準に戻してほしい、要支援の方々で大田区のみが卒業制度がある、いつ感染者が出てしまうか分からない恐怖、ストレスを感じているなどの声が上がっています。
利用者が感染の不安でデイサービスを控えるケースが少なくありません。適切な介護サービスを受けられないと筋力や気力が弱まり、介護度が上がったり、病気が重症化する場合があります。ある方は、デイサービスを控えてしまったためにひきこもりになり、認知症が進んでしまいました。また、別の方は、以前は1人で杖をつけば歩いていましたが、現在、寝たきりに近い状況になっています。適切な介護サービスが受けられないと、このような悪影響が出ています。
厚生労働省は6月から利用者の同意を条件に利用実態を上回る報酬支払いの特例を認めています。しかし、このやり方では実際の利用時間より多く申請をするので、現実的には使用できる時間が短くなってしまいます。連日、感染者が過去最高を記録する中で、先行きが見えない、収束の見込みがない中で、大田区が安心して介護を受けられる環境づくりを急いで行う必要があります。この状態が続くと介護事業者が撤退をせざるを得なくなり、区民が必要な介護サービスを受けられなくなります。その結果、病気が進み、医療費も増加することが懸念をされます。
補正予算で介護事業者への支援を行っていますが、不十分であり、区民の命と健康を守るためにも拡充が必要です。大田区として介護事業者へ事業継続の補助を行うことを求めます。お答えください。
次に、調布市道路陥没事故とリニア中央新幹線との関連で伺います。
そもそも我が党は、リニア中央新幹線計画については中止を求めています。スーパー・メガリージョン構想の中に盛り込まれています。世界からヒト、モノ、カネを引きつけ、日本の成長を促すという中身です。最終取りまとめが2019年5月に出されました。この中では、訪日外国人旅行者が増えている、3大都市圏間を約1時間で結び、人口7000万人のスーパー・メガリージョンを誕生させればグローバルマーケットで羽ばたくようになるとバラ色に描いています。
しかし、コロナ禍でこの考え方を抜本的に見直すことが求められています。ICTの活用でリモートワーク、Zoom会議などが進められています。インバウンドも見込めなくなりました。移動そのものが見直しをされることになりました。さらに、この計画自体、JR東海の社長は2013年9月の記者会見で、「リニアは絶対にペイしない」と、こういった趣旨の発言をしています。そのため、政府は財政投融資3兆円を無担保でJR東海に貸付けを行っています。
リニア中央新幹線の工事の影響は様々なところで出ています。大井川の水減少やゼネコンの談合、トンネル残土の問題などが起きています。そして、何よりも問題なのが大深度地下法です。政府は、「大深度地下は通常利用されない空間であるので、公共の利益となる事業のために使用権を設定しても補償すべき損失が発生しません。このため、本法律は、事前に補償を行うことなく大深度地下に使用権を設定することができます」としています。そのため、JR東海は土地所有者に対して十分な説明や調査を行っていません。
このようなときに、東日本高速道路のシールド工法による外環道の工事により調布市の道路陥没事故が起きました。大深度地下法は安全で安心であるという安全神話は崩れました。これまで安全であることを理由に家屋調査や空洞調査は行われておりません。法律には、「例外的に補償の必要がある場合には、使用権設定後に補償が必要と考える土地所有者等からの請求を待って補償を行います」とあるだけです。法律では、「当該損失を受けた者は、第21条第1項の規定による告示の日から1年以内に限り、認可事業者に対し、その損失の補償を請求することができる」とあり、1年を過ぎてしまえば補償の請求はできなくなってしまいます。補償のルールを見直して、家屋調査や地中空洞化調査を行い、本当に安全なのか再検討をすべきです。
この間、JR東海は事業説明会で、シールドトンネル工事の説明で、「本事業においては、騒音や振動の影響はありません」と明記しています。しかし、事実として、大深度地下法を活用し、シールド工法を用いて掘削を行っていた調布市で道路陥没事故が起きました。リニア中央新幹線も同じ大深度地下法を活用し、シールド工法によって工事が進められます。区民の不安の声は当然ではないでしょうか。
区民の命や財産を守る立場から、大田区としてJR東海に対して、外環道工事における陥没事故調査の結果、因果関係と安全対策が明らかになるまで、シールド工事の着手を行わないように指導するよう国に申し入れることを求めます。お答えください。
道路陥没事故後、リニア中央新幹線事業計画上の住民の方に話を聞いてまいりました。道路陥没事故については非常に関心が高かったです。そして、自分の土地の下を通ることに対して非常に不安を覚えて、補償はしてくれるのかと逆に質問がありました。道路陥没事故は調査中ですが、陥没した現場近くの地中に空洞があることが次々に明らかになりました。付近の住民は不安をさらに募らせています。我が党は、リニア中央新幹線計画自体は白紙撤回を求めていますが、どうしても工事を進めるというのであれば、せめて安全性の確認を再度行うこと、地権者に説明をしっかり行うこと、補償制度を明らかにすることなどが必要です。
現在、東雪谷一丁目では非常口新設工事が進められており、非常口土留め壁工事が今年度中に終わる予定となっています。そして、来年度以降にシールド工法による工事が始まる予定です。先日、国土交通省に話を聞きに行きましたが、現時点ではJR東海が工事の変更や中止をすることは聞いていない、予定どおり進めていくと思われるとのことでした。住民の理解と合意がない限り、工事を進めるべきではありません。
大田区として、シールド工事の開始は、住民説明会を行い、住民の理解と合意を得てから行うようJR東海に求めてください。
以上で質問を終わります。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎今岡 福祉部長 私からは、福祉関連の2点のご質問にお答えします。
新型コロナウイルスへの家族の感染に伴う障がい者への対応についてのご質問ですが、区はこれまでも、障がいのある方が緊急の事情により見守りが必要になった場合に、在宅、施設等、様々なサービスを組み合わせ、支援を行ってまいりました。昨今の感染症の状況を鑑み、本定例会の補正予算に提案いたしました
新型コロナウイルス感染症に係る在宅高齢者・障がい者支援事業により、環境の変化に配慮の必要な障がいのある方が、それぞれに合った場所で支援を受けながら、家族の回復を待つことができます。障害者施設をはじめとした地域の資源を活用しながら、今後、適切に取り組んでまいります。
次に、介護事業者への支援に関するご質問ですが、介護サービス事業において、
新型コロナウイルス感染症対策に関する衛生物品等の経費が発生していることは区としましても把握しております。区では、8月から介護事業者に対してサービス継続緊急支援金の支給を行ってまいりました。東京都でもかかり増し経費の補助事業を行っておりますが、区の支援金が役立ったとの声を事業者からいただいております。今後、希望する介護事業者へ手袋やゴーグルなどの必要な衛生物品の配付を予定しております。このようなことから、現段階では介護事業者へのさらなる支援金の交付を行うことは考えておりません。私からは以上でございます。
◎張間
福祉支援担当部長 私からは、給付型奨学金のご質問にお答えいたします。
経済的に厳しい状況にあっても学生が修学を断念することがないよう、区が奨学金制度により支援していくことは重要であると認識しております。大学等の高等教育については、今年度から国が、授業料等の減免措置や給付型奨学金により、世帯の所得に応じた支援を拡充しております。高校教育については、国の就学支援金制度が拡充され、東京都の授業料軽減助成と併せた支援が図られております。区は、これらを踏まえて奨学金制度の見直しを行い、今年度から高校進学前に1人8万円を給付させていただく制度のほか、区内の福祉職場への人材定着に寄与することを目的とした人材確保型特別減免制度を創設いたしました。さらに、
新型コロナウイルスの影響により家計が急変した世帯を支援するため、大学等に進学または在学する方を対象とした臨時の給付型奨学金をこの秋に実施いたしましたが、現段階では今年度限りの対応と考えております。区といたしましては、これまで申し上げておりますとおり、今後も国や東京都が実施する学生支援の動向を注視し、必要な奨学金制度全体の在り方について検討を続けてまいります。私からは以上です。
◎木田 健康政策部長 私からは、PCR検査及びインフルエンザ予防接種助成についてお答えをいたします。
PCR検査の社会的検査に関する質問ですが、PCR検査の結果はあくまでもその時点のものであること、検査結果も完全ではないことから、区としましては、急速に感染拡大が続いている現状では、必要な検査を必要な対象者に迅速に実施することを優先すべきと考えております。
次に、予防接種助成制度に関する質問ですが、令和2年度は季節性インフルエンザと
新型コロナウイルス感染症の同時流行に備え、インフルエンザの重症化予防及び発熱患者の増加による医療機関の混乱を防ぐため、高齢者への自己負担全額助成及び1歳以上中学3年生までの子どもへの一部助成を実施いたしました。今後、
新型コロナウイルス感染症については、ワクチンが開発され接種が開始される見込みであることから、今後のインフルエンザ予防接種の助成制度については、感染状況や国及び東京都からの様々な情報を確認しながら対応してまいりたいと考えております。私からは以上です。
◎浜口 こども家庭部長 保育園休園時におけるベビーシッターの利用についてでございますが、
新型コロナウイルス感染拡大に伴うベビーシッター利用支援事業は、東京都の実施要綱に基づき、各区が実施してございます。区では、保育園の休園と同時に保育園と連携して手続きに必要な書類を送付し、保護者が速やかにご利用いただけるよう努めてございます。ベビーシッター事業者は、東京都が認定し、日中の利用の場合、1時間当たり2250円を上限に助成を受けております。利用者は、1時間当たり150円で、低廉な料金でご利用いただけるようになってございます。また、ベビーシッターの研修やその確保についても、東京都が広域的に取り組んでございます。以上のことから、ベビーシッターの確保や利用者負担額の助成について、区が独自に行うことは考えてございません。
◎齋藤
まちづくり推進部長 私からは、中央新幹線に関する二つのご質問にお答えをいたします。
まず、工事に対する国への申入れについてのご質問でございますけれども、調布市における陥没事故につきましては、現在、東京外かく環状道路のトンネル工事との因果関係を究明するための調査が実施されていると伺っております。この陥没に関しまして、赤羽国土交通大臣が11月6日の記者会見の中で発言をしております。その内容は、「東日本高速道路株式会社において、引き続き、陥没箇所、空洞確認箇所及びその周辺の監視を重点的に行うとともに、原因究明に必要な調査や空洞を充填するための準備作業を早急に進めているところと承知しており、国土交通省としても、住民の皆様方の不安をできるだけ速やかに取り除けるよう、調査や原因究明にしっかり協力してまいりたい」とコメントしてございます。このため、区としましては、その調査の経過を注視してございます。中央新幹線は国土交通省の指導監督の下、事業者であるJR東海が進めております。安全・安心に工事を進めることは事業者の責務でございまして、今後もその責務を果たすべく適切に進められていくものと区としても認識しております。これまでも区は、中央新幹線についての区民の声などを国土交通省に伝えておりまして、引き続き沿線自治体として必要に応じて対応してまいります。
次に、説明会の開催についてのご質問でございますが、去る平成30年8月23日に開催されました第8回首都圏大深度地下使用協議会におきまして、区はJR東海に対し、環境への配慮、沿線住民及び地権者に対して適切な対応を求めてございます。これに対しJR東海は、今後、ルート沿線の皆様には工事内容やスケジュールについてお知らせする予定であることや、ご質問があれば適切に対応するといったようなことを回答してございます。今回、改めてJR東海に確認したところ、工事の進捗に応じて適切に説明を行っていくとのことでございまして、現在もこの考えに沿って進めていると区としても認識してございます。区はこれまで、中央新幹線に関して区民の方から寄せられたご意見・ご要望につきましてJR東海に伝えるとともに、適切な対応を求めてきているところでございます。今後とも同様の対応を適宜適切に行ってまいります。私からは以上でございます。
○塩野目 議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。
午後2時58分休憩
――
――――――――――――――――――
午後3時30分開議
○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、会議時間を延長しておきます。
質問を続けます。45番庄嶋孝広議員。
〔45番庄嶋孝広議員登壇〕(拍手)
◆45番(庄嶋孝広 議員) エールおおた区議団、庄嶋孝広です。
大田区議会令和2年第3回定例会において、大田区立田園調布せせらぎ公園の指定管理者の指定について賛成討論を行いました。その関連で、今後も大田区で増えるであろう指定管理者や公民連携について取り上げたいと思います。
総務省が設けた自治体戦略2040構想研究会が平成30年7月に行った第二次報告でも、自治体は、行政サービスを提供するサービス・プロバイダーであるのみならず、公共私相互間の協力関係を構築するプラットフォーム・ビルダーに転換することが今後の在り方として示されています。行政サービスの外部化、アウトソーシングはより一層進む傾向にあります。私は、何が何でも公務員が行政サービスを担うべきとの考えは持っておらず、区民にとってよりよい行政サービス、公共サービスを提供できることが大事であると考えています。
公民連携の手法の一つである指定管理者制度に関する考えを大田区において示した文書としては、平成23年度大田区指定管理者制度検討委員会報告書があります。その10ページに、「指定管理者制度は、公の施設の運営に民間事業者等のノウハウを活用し、区民サービスの向上と行政コストの縮減を図る制度である」とあります。つまり、区民サービスの向上と行政コストの縮減の二つが指定管理者制度を導入する狙いであると言えます。この二つのうち、ともすると行政コストの縮減が注目されがちですが、むしろ区民サービスの向上につながることこそ大事です。もちろん、指定管理者制度を導入している施設は、駐車場、地域コミュニティ施設、文化施設、スポーツ施設、産業施設、高齢者施設、障害者施設、住宅、プール、図書館など多岐にわたりますので、区民サービスの向上と言っても一概ではありません。
そこで伺います。大田区では、現在136の区施設に指定管理者制度を導入していますが、区民サービスの向上とはどのようなことを指していますか。また、その達成状況をどのような方法で評価し、実際の達成状況はどのようになっていますでしょうか。
大田区では、平成31年3月に大田区公民連携基本指針を策定し、指定管理者制度も含め、業務委託、PFI、包括連携協定など、区と民間企業等との公民連携に取り組むに当たっての考え方を整理しました。現実の動きとしても、公の施設とは異なる羽田イノベーションシティのような特定目的会社SPCが建設・運営する公民連携施設を大田区は持つことになりました。新産業創造・発信拠点と銘打つビジネス施設ではありますが、一方で、観光やイベントなどの舞台となる可能性を持つ施設であると考えます。
今月初めの11月5日木曜日、6日金曜日には、城南信用金庫をはじめとする全国の信用金庫ネットワークが主催する「2020“よい仕事おこし”フェア」が開催されました。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、当初予定されていた東京国際フォーラムから、屋外開催できる羽田イノベーションシティに会場変更しての開催でした。2階のオープンエアのイノベーションコリドーには、全国各地から物産や観光PRなどのブースが出展され、私も2日間とも訪れましたが、大いににぎわっていました。会議や展示会などのMICEの舞台としてのポテンシャルを試す機会になったと言えます。
そこで伺います。公の施設ではないものの、例えば公民連携手法で建設・運営される施設についても、指定管理者制度のモニタリングのような評価の仕組みが必要と考えますが、区の所見を伺います。5年程度の期間で指定されることの多い指定管理者と異なり、より長期にわたり運営者が変わることのない施設となる場合、モニタリング等による評価がより一層重要になると考えます。
次に、公園における指定管理について伺います。
新型コロナウイルス感染拡大の中、公園は3密を避けて運動したり、休息したり、家族団らんを楽しんだりすることで、体と心の健康に役立つ施設として、区民にとってこれまで以上に大事になっていると考えます。緊急事態宣言の発令下にあったゴールデンウィークの期間中も、ステイホームが言われ外出しづらい状況ではありましたが、オープンエアの公園を上手に使いながら、体と心の健康を保つ区民の皆さんの姿が見られました。
平成26年に日本創成会議により消滅可能性都市とされた豊島区が、池袋の公園を活用したまちづくりにより、持続発展する都市への逆転劇を展開中であるのはよく知られるところです。特に、平成28年に芝生の公園にリニューアルされ、家族利用が増えたことで有名な南池袋公園、また、造幣局跡地に今年オープンしたばかりのイケ・サンパークも同じく芝生の公園で、いずれの公園も利用してみましたが、大変にぎわっていました。公園内に飲食店があることで、お昼ご飯の時間も挟んでゆっくり過ごせる公園となっています。指定管理者制度などの公民連携手法も効果的に取り入れながら、公園の魅力をより一層高めることは、住んでよし、訪れてよしの大田区の魅力アップにつなげることが期待できます。
都市公園における公民連携手法を規定した平成29年の都市公園法改正を受け、大田区でも公園面積1ヘクタール以上の拠点公園における公民連携推進基礎調査を行い、今年8月には拠点公園の魅力向上に向けた運営方針を策定しました。その方針にも沿う形で、田園調布せせらぎ公園は、文化施設である田園調布せせらぎ館とセットで指定管理者制度を導入することになりました。プールなど公園の一部施設だけでなく、公園全体に指定管理者制度を導入するのは、大田区においてはせせらぎ公園が初めての例となります。
そこで伺います。指定管理者制度を導入した拠点公園において、指定管理者制度の狙いの一つである区民サービスの向上はどのような形で現れると期待していますでしょうか。
東京都では、都民、NPO、企業と連携しながら、都民の視点に立って公園を整備し管理するパークマネジメントの考え方に立って、平成18年度から都立公園において指定管理者制度を積極的に活用してきました。企業、NPOなどが共同事業体JVを組むことで、それぞれの特技を活かしてチームで指定管理に当たっています。毎年、第三者も含む評価委員会で行う都立公園の指定管理のモニタリングで高い評価を受けているのは、住民の参加や地域との連携・協働を推進し、コミュニティを育てる機能が充実している公園です。
せせらぎ公園の指定管理者の指定の際の賛成討論でも述べましたが、西東京市に本拠を置くNPO法人NPObirthは、JVの一員として指定管理する都立公園において、住民や地域と公園をつなぐパークコーディネーターを配置しています。モニタリングで最高のS評価を受けている武蔵国分寺公園では、利用者の提案を活かし、地域の事業者や団体との連携・協働により事業を生み出す「あったらいいな」をみんなでつくるプロジェクトを展開し、マルシェやワークショップなど、住民が公園を楽しく使いこなす手伝いをしています。
また、都立公園以外でも、八王子市立長池公園をはじめとする市内81か所の公園緑地は、NPO法人NPOフュージョン長池が代表団体を務めるJVが指定管理していますが、住民や地域団体のコーディネートで実績を上げています。小学生によるパークキッズレンジャー、週末中心のサタデーパークボランティア、平日中心のボランティア里山保全隊、退職者による生きがい就労など、住民が生物調査や環境保全活動に参加する場を設けています。また、長池公園内で雑木林の手入れや田んぼ、畑の作業を行う団体、長池里山クラブとの連携、障害者団体との連携も行っています。
これらの公園は、私も以前視察をさせていただき、コミュニティを育てる機能を実感しました。公園には様々な機能があり、都市公園のストック効果としても知られますが、その一つ、コミュニティ形成効果を高めることが、地域力を掲げる大田区においては特に重要であると考えます。このコミュニティ形成効果は、指定管理者制度の狙いである区民サービスの向上の一つとも言えます。
最後に伺います。指定管理者制度を導入した拠点公園において、公園の持つコミュニティを育てる機能を充実させるため、住民や地域と公園をつなぐコーディネート機能を確保することが重要であると考えますが、区の所見を伺います。
以上、拠点公園を中心に、公の施設の指定管理や公民連携について取り上げました。本定例会にも新蒲田一丁目複合施設を設置する条例が上程される予定となっており、今後も続く予定の複合施設の在り方を考えるタイミングに差しかかっています。様々な施設の単なる寄せ集めではなく、各施設間の相乗効果が発揮され、多様なコミュニティの交流が生まれるような管理運営が必要であることを申し添えて、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 私からは、指定管理者制度及び公民連携に関する2問のご質問にお答えをいたします。
まず、指定管理者制度に関するご質問でございますが、スポーツ・文化施設、社会福祉施設などで現在136施設の導入実績がございます。制度の意義といたしましては、限られた財源の下、民間事業者などの保有するノウハウや多様な人材が活用されることで、利用者のニーズに対応したきめ細やかな質の高いサービスの提供が実現するとともに、効率的な施設運営を図ることでございます。
本制度では、民間ならではの多様な雇用形態に基づくサービス提供時間の拡大のほか、自主事業によるイベントの充実など、区民のライフスタイルに合わせた柔軟な施設運営が実現してございます。これらの創意工夫が施設の利用率や総合的モニタリングにおける満足度の指標に反映されてございます。大田区産業プラザPiOと平和島公園水泳場を例に挙げますと、令和元年度のモニタリングにおいては、利用者満足度調査の全ての項目で高い評価を確認してございます。今後も、社会状況の変化と施設に対する区民のニーズを的確に捉え、民間活力のより効果的な活用を進めながら、区民サービスのさらなる向上に努めてまいります。
続いて、公民連携手法による取組の評価に関するご質問でございます。公民連携の取組は、近年の民間企業などの社会課題解決に向けた連携機運の高まりを踏まえて、各種団体や学術機関などを含む地域の様々な主体と連携・協働を推進し、地域力のさらなる強化を目指すものでございます。この取組には、民間企業などが行う社会貢献活動と連携して進める取組や、議員お話しのような公募などの手続きにより民間企業等と連携して進める取組がございます。区は、大田区公民連携基本指針を定め、質の高い行政サービスの提供や地域課題の解決、地域の活性化の実現を目指してございます。より質の高い公共サービスを継続的に提供するためには、課題解決に向けた取組の進展や社会情勢などの変化に柔軟に対応する必要がございます。そのために定期的なモニタリングなどを実施し、その成果について適切な期間を定め、客観的な方法で検証し、必要に応じて見直しを行うなど、常に連携事業の最適化を図ることが必要であると考えてございます。私からは以上でございます。
◎久保
都市基盤整備部長 私からは、公園に関する2問にお答えします。
まず、拠点公園における指定管理者制度導入の効果に関するご質問ですが、区には様々な魅力を持つ拠点公園が多数ございます。これらの公園につきまして、より多くの区民の皆様に公園で過ごす時間を満喫していただけるよう、整備や維持管理に努めてまいりました。一方で、区立公園の数は500を超え、施設の老朽化が進んでおります。コロナ禍の影響もあり、今後、区の財政状況が厳しくなることが見込まれる中、区は公園管理者として常に適切な維持管理を行っていく必要があります。そういった中、指定管理者制度を導入することで、地域の要望に対して迅速かつ誠実に対話を深めていくことや、地域に根差した自主事業を進めることなどにより、地域との信頼関係や連携の強化がされていくと考えております。また、民間のノウハウを活用することで、新たな公園の魅力を引き出し、多様なサービスの提供が可能となるとともに、効率的な維持管理を行うことにも寄与すると考えております。
次に、指定管理者制度を導入した拠点公園におけるコーディネート機能の確保に関するご質問ですが、区では、魅力ある公園をつくっていく上で、公園管理者と地域住民との連携が非常に重要であると考えており、これまでもふれあいパーク活動や地域主体のイベントの実施により、地域コミュニティの醸成と活性化を図ってまいりました。今後、拠点公園において指定管理者制度を導入する際にも、個々の公園の持つポテンシャルを活かし、区民の皆様の交流の場、特色ある地域活動の場となるよう、積極的に公園管理者と地域住民が連携し、運営条件の整理を行っていくことが重要であると考えております。私からは以上でございます。
○塩野目 議長 次に、50番奥本有里議員。
〔50番奥本有里議員登壇〕(拍手)
◆50番(奥本有里 議員) 東京政策フォーラム、奥本有里です。
男女共同参画の取組について伺います。
大田区は第8期大田区男女共同参画推進プランを策定しています。2016年度から2020年度までの第7期では、保育園の増設により待機児童が大幅に減少し、女性が働きやすくなり、最近、区内でも赤ちゃんを抱きかかえたお父さんたちの姿を以前より多く見かけるようになり、子育ての男女共同参画がより一層推進されてきたことを実感しています。また、大田区配偶者暴力相談支援センターの運営など、DVやハラスメントに対する取組も積極的に行われています。
しかし、一方で、大田区においても女性議員の少なさや女性管理職の少なさなど、意思決定過程での男女共同参画は遅れています。2020年はニュージーランド、台湾、ドイツなど、女性首相たちのコロナ禍での活躍が高く評価された1年でした。いずれの国もジェンダー平等や男女共同参画に対する理解が進んでいます。女性が優秀ということではなく、政治家や管理職が男女同数の社会は、教育、就労、家庭など、あらゆる場面で男女が平等に機会を与えられ、古くからある慣習や固定観念よりも、実力や新しい発想が重視され、若い世代の人材登用が進み、男性にとっても、より正しく評価を受けられる平等な社会であることを示しています。
国は、社会のあらゆる分野で指導的地位に女性が占める割合を、少なくとも30%程度にする目標を掲げています。大田区の職員の男女比は、現在、男性48%、女性52%となっており、全体で女性のほうが少し多いのですが、管理職における女性の数は17%と少なくなっています。本会議での女性理事者の数はもっと少ないときもあります。女性管理職を男性と同数まで増やすことは、単に女性を増やせばいいというのではなく、長い年月をかけて取り組んでいかなければ実現できません。
こうした状況を踏まえて、意思決定における男女共同参画を推進するためにも、大田区も女性管理職を増やすことが重要ですが、区は今後どのように取り組まれるのでしょうか。
令和2年3月に区が公表した男女共同参画に関する意識調査では、政策などの意思決定過程に女性が少ない理由として、「男性優位の組織運営があるから」と答えた人が6割で最も多く、次いで「パートナーの協力が不十分で、家事、育児を女性がやらざるを得ないから」と答えた女性は4割もいます。「女性が就労していく上で支障がある」と答えた女性は7割もいます。その理由として、「家事、子育ての負担」が最も多くなっています。
大田区の女性管理職が仕事を続けやすい環境が整っているか、キャリアアップすることを妨げていることが何かなど十分に議論をし、ワーク・ライフ・バランス、仕事と家庭の両立、ジェンダー平等や男女共同参画に対する理解などについても、まずは大田区がモデルとなるよう取り組んでいただきたいと思います。
1980年から2019年までの40年の間に、共働き世帯は全国で614万世帯から1245万世帯へと2倍に増えました。それに対し、専業主婦世帯は1114万世帯から575万世帯へと半減しました。男は仕事、女は家庭を守ることが当たり前だった時代は変わり、より多様化しています。しかし、急速な社会の変化の中で、子育てや女性が働くことに関して世代間のギャップが大きくなっています。親や夫の理解や協力を得られないこと、また、女性が家事、育児、仕事を一人で抱えてしまったり、男性優位の古い固定観念を押しつけられてしまうことなどもあり、男女共同参画についての理解がないと、あらゆるハラスメントの原因などになります。
SDGs、持続可能な開発目標は、経済発展、教育、福祉など全ての目標はジェンダー平等、男女共同参画の上に成り立つべきものとしています。その土台が崩れると様々なひずみが生まれます。大田区も今後、高齢化が進み、労働力人口が減り、年金や社会保障を維持するためには、女性の労働力と経済力により税収を確保していくことが必要になってきます。人生100年時代、女性がもっと活躍しやすくなれば、新しいビジネスチャンスも生まれ、経済は活性化し、人手不足を補い、社会保障を充実させることができます。
しかし、区が行った意識調査では、男女共同参画について、「分からない」と答えた方が全体の4割以上いることなどから、区民にこの施策の理解が進んでいません。環境整備だけでなく、世代を超えた人たちが互いに違いを認め、男女共同参画を理解し、意識を変えていくための努力が必要です。
こうした状況を踏まえ、第8期推進プラン策定に伴い、さらなる男女共同参画の取組が必要だと考えますが、区の取組についてお知らせください。
最後に、区政の最前線で活躍されている数少ない女性管理職の皆様に改めて敬意を表したいと思います。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎後藤 総務部長 私からは、男女共同参画に関するご質問にお答えいたします。
区では、女性活躍推進に関する大田区特定事業主行動計画に基づき、性別や年齢に関係なく、多様な価値観を有する人材が活躍できる環境づくりを推進しております。意思決定に関わる女性管理職を増やすための取組といたしましては、管理職選考の受験勧奨や、その前段となる監督職の確保に当たり、係長任用時の経験分野へ配置するなど、昇任に際しての不安を払拭する柔軟な対応を実施しております。職場環境づくりにおいては、職員の服務をマネジメントする管理職の果たす役割は大きいと考えており、新任管理職セミナーをはじめとした各種研修を通じて管理職の意識改革を図っております。また、人事課では、職員のためのワーク&ライフサポートハンドブックを作成し、出産・子育て期間に活用可能な制度の周知に努めるとともに、スマートワーク通信やキャリアデザイン通信を定期的に発行し、男性・女性を問わず、誰もが働きやすい職場環境の実現を目指し、職員の意識改革を図っております。
こうした取組により、令和元年度における育児休業を取得した男性職員の割合は13.3%となり、計画目標である10%を上回る結果となっております。さらに、令和2年6月1日より職場におけるハラスメント防止対策が強化されたことに伴い、改めて職場におけるハラスメントに関する相談・苦情担当窓口を職員向けに周知したところでございます。今後も、男女共同参画を推進し、誰もが働きやすい職場環境の実現及び大田区人材育成基本方針に基づく人材育成に努めてまいります。
次に、第8期推進プランの取組についてのご質問です。現在進めている第8期大田区男女共同参画推進プランの策定に当たりましては、昨年度、男女共同参画に関する区民意識調査を実施しております。調査では、「男性が外で働き、女性は家庭を守るべきだ」との質問において、「同感しない」と回答した男性の割合が、平成26年度の前回調査と比べ25.1ポイント増加するなど、男女共同参画への意識や理解に関しては大きく高まっている一方で、家庭における家事や育児等の担い手に関する項目では、前回調査と大きな変化は見られず、いずれも女性に偏っている現実が明らかになっております。第8期推進プランでは、今回の調査結果を踏まえ、男性のための家事・育児、介護等に関する意識啓発講座や、女性の就労支援事業、ワーク・ライフ・バランスや固定的な男女の役割分担意識の解消に関する啓発事業、コロナ禍におけるDVや女性のための相談事業などをさらに充実し、男女が対等なパートナーとして協力し、誰もが活躍できる男女共同参画社会の実現に向けて取り組んでまいります。私からは以上です。
○塩野目 議長 次に、48番馬橋靖世議員。
〔48番馬橋靖世議員登壇〕(拍手)
◆48番(馬橋靖世 議員) 大田無所属の会の馬橋靖世でございます。質問通告に従いまして質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
新型コロナウイルス感染症対策としての経済支援施策について、以下2項目について伺います。1つ目はプレミアム付商品券について。今日、末安議員と深川議員からプレミアム付商品券については各種質疑がありまして、私からも3問、質問を予定しておるんですが、かなり重なってしまっておりますが、私なりの立場で質問いたしますので、少し退屈かもしれませんが、やらなくていいというふうには言わずに、ぜひ聞いていただきたいなと思います。2つ目は大田区感染拡大防止協力金についてであります。この二つ、いずれの項目につきましても、地域経済を営む区内の商店や飲食店舗などの皆さんを応援し、その背中を支える大田区の支援施策についても応援する立場から質問させていただきます。ぜひ前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。
相変わらずコロナウイルスは世界中で猛威を振るっております。また、そうしたコロナ禍による影響は様々な分野で確実に顕在化してきており、区民の経済活動にもかつてないほどの打撃を与えていることはご案内のとおりであります。しかしながら、最近の報道では、有効性が90%を超えるワクチンの開発が進むなど、少しずつ明るい兆しも見えつつあるように思います。昨日の区長のご挨拶にもありましたが、人が生活をする限り、そこには必ず経済活動が存在するという言葉のとおり、生命の安全を最大限に確保した上で、区民の生活を守るための経済施策については積極的に行っていく必要があり、基礎自治体である大田区は、その呼び水となり得ると私は考えております。
これまでも大田区では、国や東京都と連動して様々な経済支援施策を行ってきておりますが、中でも大田区独自の施策については、もっと区内外に周知をしていく必要性を感じています。また、ピンチをチャンスに変えるという言葉もありますが、今回のコロナ禍により必要に迫られた緊急的な経済対策についても、これまでの仕組みを振り返り、今後、よりよい区民生活への支援施策となるよう、しっかりと検証と振り返りを行うことが重要だと考えています。
そこで、まず初めに、大田区プレミアム付商品券について伺います。大田区として第1弾が発売されて以降、折々に地域経済のカンフル剤として、大田区ではプレミアム付商品券を発行してきました。初めは大田区商連からの委託を受けた日本郵便株式会社が、大田区内72の郵便局でプレミアム付大田区内共通商品券という名目で販売を行い、その際のプレミアム分は20%でありました。郵便局のほかにも取扱いのある商店街や、グランデュオ蒲田、東急プラザ、アトレ、イオンなど大型店舗でも販売をしていましたが、やはり主は郵便局であったというふうに記憶をしております。
その後、大田区商連での販売取扱いや各単一商店街での販売など、様々な販売方法に形を変えながら今日に至り、今回のプレミアム付商品券については、皆様もご承知のとおり、各単一商店街もしくは連合の商店街として、300万円の予算の枠の中で、それぞれにプレミアム分や販売セット数などを設定し、それぞれで販売する方法へと変遷をしてまいりました。
現在も各商店街で奮闘が続いておりますので、池上地区では今日の15時までだということでありますが、今回の検証と振り返りは事業が終わってからということになろうかと思いますが、施策自体の振り返りとして、まず大田区において制度開始から今年度に至るまで、様々な方法で発行され販売されてきた、その変遷について教えてください。
今回のプレミアム付商品券については、商店街活性化推進事業として今年度の第3次補正予算において、委託料等を含め1億8000万円余が計上されましたが、大田区内の商店街は約150ありまして、それらを考えると当初から不足に陥る可能性も指摘をされておりました。今回の事業について、取扱いの商店街数と、これは実は先ほど60というふうにご答弁がありましたけれども、現段階での予算の執行率等について教えていただければと思います。
少し脱線して私自身の話をいたしますけれども、私も石川台の希望ヶ丘商店街の会員になっておりまして、これまでプレミアム付商品券の販売などもお手伝いをしてまいりました。非常に慣れない作業が多く、いろいろと悩む場面に直面したのを思い出します。私だけではなくて、ほかの商店会員さんたちももちろん皆さん同様で、商店街で初めて直接販売したときには大行列に対応できずに、列に並んだのに買えなかったとどなられたり、また交通整理がなかなかうまくできずに、メガホンを持って大声を張り上げたりといったこともありました。
こうした経験を振り返ると、やはりプレミアム付商品券を設定して販売するということは、それ相応の労力がかかることだと認識をしているわけであります。ましてや今回はプレミアム分の設定や販売、換金など、全て商店街が行うことになるわけで、経済効果に相応して労力もかかることと思います。区内商店街の皆様に聞き取りをしたわけではありませんけれども、こうした状況を考慮して取扱いをやめてしまった商店街もあったのではと推察をしております。
上乗せプレミアム分の開きや、そもそも事務的作業量に耐えられず取り扱えなかった商店街があったと考えると、今回の助成金の価値に偏在が出たようにも感じますが、今後の事業スキームについて区のお考えを教えてください。
プレミアム付商品券については、あくまで緊急的な経済支援施策であり、恒常的な事業でないことは理解をしておりますが、事業開始からこれまで継続的に事業を行ってきた経緯や、コロナ禍の先行きが不透明な現状を考えると、今後も経済対策としてのプレミアム付商品券発行はあり得ることだと考えています。1回1回を別事業として捉えるのではなく、事業自体のコストパフォーマンスを最大限に引き上げる取組が必要だと考えます。
また、第1弾の際には、先に述べたように、区内の郵便局で委託販売を行ってもらいましたが、購入の利便性と同時に、郵便局のカタログ商品に区内商品券が使えたり、商店街に加盟していない大型店舗での使用がかさんだりといったことがあり、事業の本来の狙いとずれてしまったことで、取扱いについても変遷してきたと理解をしています。しかし、金券としてのプレミアム分を補助金として税投入する以上、区民の誰もが等しく手軽に活用できるよう制度設計をする必要があります。改めて、大田区商店街連合会の皆様をはじめ、日頃取扱いを行っている各商店街の方々から情報を吸い上げて、今後のよりよい制度設計に活かしていただくよう要望いたします。
次に、大田区感染拡大防止協力金について伺います。おととい東京都において、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金、11月28日、明日から12月17日実施分について、協力店舗に対し一律40万円の支給を行うという報道がありました。現在のコロナウイルス拡大の第3波を封じ込めるためのものと理解をしておりますが、飲食店を経営されている方々にとっては大変に厳しい対策が打ち出されたものと感じております。
制度としては、こうした東京都や国などが一律に行う施策自体はいいのですが、コロナ禍の中、大田区民にとってどうしても他区の各種助成制度などが光って見えてしまうことがあります。しかし、大田区としても独自に区民向けの様々な支援施策を行ってきております。これらの制度をもっとアピールする必要を感じます。
そんな中、大田区の感染拡大防止協力金においては、手続きも非常に簡便で、東京都の支給決定通知を受けていれば、あとは時短営業に協力すると受給条件を満たせるというものであります。手続きも紙ベースでのやり取りなので、私の周りのご年配の経営者の方々も大変に喜んでおりますが、まだ、時折この事業自体を全く知らないという方に遭遇をし、お話をさせていただくことがあります。こうした状況を踏まえて、以下3点伺います。
まず、本事業については、今年度の6次補正で2億5000万円余が計上されましたが、区内の対象店舗数はいかほどでありましょうか。1店舗当たり最大15万円ですので、単純計算だと最大で1300店舗ほどの予算かと思いますが、先に述べたとおり、東京都においては、おととい追加の時短営業協力依頼と、同時に協力金の支給を打ち出しております。大田区としても同様にスピード感を持った政策を打ち出すため、制度の途中でも状況把握と検証は常に必要だというふうに考えております。
そこで伺います。受付開始日の9月24日から直近集計分までの申請件数について、対象店舗における割合なども含めてお知らせください。
最後に、この制度の広報について伺います。先ほど少し述べましたが、最近も地元のお店に立ち寄った際、世間話の中でコロナ対策支援の話になり、大田区感染拡大防止協力金のお話をしたところ、この制度を知らないという経営者の方にお会いしました。制度のご案内をして、たまたま持っていた申請書類をお渡しし、2週間ほどした頃、手続きができましたと喜びのご連絡をいただきました。こういった状況を見ると、まだまだ区内店舗に対しての制度周知が徹底されていないというふうに感じてしまいます。
これまでも多々感じてきたことではありますが、大田区はせっかく他区と比較して優れた施策を実施していても、それを区民があまり知らないということがかなりあるというふうに感じております。ましてや今回の事業は現金の直接給付ですので、情報の伝達漏れが極力ないように努めるべきです。
大田区として、今回の感染拡大防止協力金事業について、今後の広報をいかに充実させていくか、ご見解を伺います。
対象店舗数も相当数あると考えられますし、1軒1軒案内を持って回ってというのは現実的ではありませんが、東京都の支給決定を受けている店舗が対象となっている以上、東京都との情報共有の中で対象店舗は把握できているものと認識をしています。制度をつくってホームページに載せたら終わりではなく、必要な方にしっかりと届く施策となるよう、引き続きご尽力をいただきますよう要望いたします。
また、質問は通告しませんでしたけれども、最後に、ほかの項目でもこれまで何度かお願いはしてきましたが、やはり大田区のホームページが分かりづらいです。資料掲示できないので伝えづらいですが、例えば東京都の感染拡大防止協力金のページは、図形やイメージをうまく使って分かりやすく説明をしています。また、東京都のホームページは、下段に進むと手続きから受給までのフローチャートも表示があり、自分が受給をするために何をすればいいのか、非常に分かりやすい構図となっています。
一方、大田区の感染拡大防止協力金のページは全て横書きの文章のみで、使われているフォントも赤、青、黒、また太文字、この程度であります。何というか、この制度を使ってこの難局をぜひ乗り切って頑張ってほしいという大田区の優しさのようなものがあまり感じられないしつらえになっているように感じてしまいます。ぜひ、ほかの自治体のホームページなども参考に、より区民に分かりやすい案内へと変えていただくよう要望しておきます。
新型コロナウイルスによる経済への影響は、顕在化をしていない部分も含めて、まだまだ我々の生活にダメージを与えることと予想がされております。大田区財政もかつてない難局に直面をしている今、その中でどのように区内経済を支えていくのか、非常に難しい局面だと理解をしておりますが、皆で力を合わせて乗り切っていきたいというふうに思っております。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎山田 産業経済部長 私からは、プレミアム付商品券に関する質問3問、感染拡大防止協力金に関する質問3問、合計6問について順次ご答弁申し上げます。
まず、プレミアム付商品券の変遷についてのご質問でございますが、平成27年の地域消費喚起型プレミアム付商品券は、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策として、内閣府まち・ひと・しごと創生本部が、地域住民生活等緊急支援交付金を創設したことを受けて実施し、購入対象者は区内在住・在勤者で、商品券販売額は約17億円でございました。また、昨年のプレミアム付商品券は、消費税率等の10%への引上げの影響緩和と地域における消費喚起・下支えのために実施し、購入対象者は住民税非課税者及び子育て世帯で、商品券販売額は約8億5000万円でございました。購入対象や販売額などは異なりますが、ともに消費税率等の引上げを契機とし、国庫補助金を原資に大田区が商品券を発行したものとなります。これらの事業では、国による緊急経済対策として大規模に商品券が発行できる一方で、運用ルールが全国統一で厳格に定められたため、店舗によっては参加しにくいといったお声も寄せられました。
次に、このたびの実施状況に関するご質問ですが、今回、区独自の緊急経済対策として、これまでのプレミアム付商品券事業に対する商店会等のご意見等を踏まえて、地域の実情や特性に合わせ、柔軟にご対応いただける制度設計といたしました。先週末の11月20日時点で39地域・59会が本事業を活用しており、予算執行率は99%となります。これまでとは異なる仕組みであることから、今後しっかりとした検証が必要と考えており、様々な課題も見えておりますが、実施した商店会や利用された方々からはご好評をいただく声も多く届いているところでございます。
次に、今後のスキームに関するご質問ですが、今回の事業では、単独実施が難しい商店会が近隣の商店会と連携して取り組めるよう共催を可能としたことで、制度を活用した商店会のほぼ半数で共同発行となり、区内各地で商品券がご利用いただける形になりました。また、プレミアム率も地域の実情に合わせて設定できるようにしたことから、プレミアム率を調整することで発行数を増やし、より多くのお客様にご利用いただけるよう創意工夫を行った商店会も複数ございます。今回はコロナ禍における緊急経済対策であることから、事前の周知が必ずしも十分でなかった点や、各商店会の発行状況などについて今後の分析が重要と考えてございます。
一方、本事業の活用によって、ここ数年イベント事業などの補助金活用がなかった調布地区の商店会において、若手の掘り起こしや活動見直しのきっかけとなるなど、今後の商店会の活性化に向けた新たな機運も生まれつつございます。区といたしましては、発行主体である商店会や大田区商店街連合会などとともに、本事業の振り返りを行う中で、今後のよりよいスキームづくりに向けて取り組んでまいります。
次に、大田区感染拡大防止協力金の対象店舗数に関するご質問ですが、東京都の営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金の申請専用ポータルサイトで公表されている大田区内での協力の申出をした施設数は、11月24日現在で、8月3日から同月31日までを期間とする8月実施分が1884件、9月1日から同月15日までを期間とする9月実施分が1107件でございます。今後、9月実施分につきましても8月実施分と同程度まで対象件数が増加することが予想されます。こうしたことから、区内の対象店舗数は現時点で最大1900件程度になるのではないかと見込んでおります。
次に、申請件数に関するご質問です。申請受付開始以降、11月20日時点で、8月分としては1094件、9月分としては895件の申請を受理しております。先ほど申し上げました対象施設数は、東京都に対して協力の申出があった施設数であり、支給が決定された数ではございません。また、複数店舗で営業時間短縮に取り組んでいただいた事業者でも、申請上は1件になるなどから単純には比較はできませんが、おおむね6割程度の対象事業者から現在申請をいただいているのではないかと考えております。
なお、区では、事業者の皆様に一日でも早く協力金が届くよう、申請の際の負担軽減も図っておりまして、迅速な支給決定に努めているところでございます。11月20日現在、8月分は946件、9月分は769件の支給を決定し、順次支払い手続きを進めております。
最後に、周知に関するご質問ですが、本事業の実施に当たりましては、事前に積極的なプレスリリースを行い、報道でも取り上げられるなど、対象事業者の皆様が本事業を活用されて感染拡大防止にご協力をいただけるよう、可能な限りの周知に努めたところでございます。また、受付開始以降も、区報、区ホームページ、区公式ツイッターなど様々な媒体を活用して周知を図ってまいりました。さらに、大田区商店街連合会や大田区食品衛生協会などの関係団体にもご協力をいただいて、会員の皆様への情報提供も行ったところでございます。受付期間は12月25日までとなってございます。本制度の対象となる事業者の皆様は、これからの申込みも可能でございますので、対象事業者の方々にしっかりと情報が届くよう、引き続きの周知に努めてまいります。私からは以上でございます。
○塩野目 議長 次に、43番
北澤潤子議員。
〔43番
北澤潤子議員登壇〕(拍手)
◆43番(
北澤潤子 議員) エールおおた区議団、
北澤潤子です。
中途視覚障がい者へのサポートについて伺います。
緑内障、糖尿病、網膜色覚変性症、あるいは事故で人生の途上で視力を失う人が少なくありません。私たちは日頃、意識せずに今日は富士山がよく見えるとか、紅葉がきれいなどと景色を見ては気持ちが癒やされ、またあらゆる情報を目から取り込みます。情報の80%は視力から取り込むそうです。全く見えない状況や、視力がだんだん落ちてくることを想像することは難しいことです。
大田区では、視覚障害で手帳をお持ちの方が1309人と聞いていますが、手帳がなくても病気の途上だったり、あるいは高齢によって視力を落とした方を含めると、低視力、弱視等の方はかなり多いと考えられます。全盲でなくても、眼鏡などの矯正をしても見えにくく、日常生活に不自由をきたす広い意味での視覚障がい者のことをロービジョンといいますが、日本眼科医会の調査では、国内の視覚障がい者人口は164万人、うち失明者が18万8000人で、145万人がロービジョンだという推定値を公表しています。高齢化の進展のことを考えても、残存する視力を使って日常生活を多角的に支援するロービジョンケアに取り組む必要があると考えます。
大田区で手帳を取得した知人は、現在、同行援護サービスを受けて、ガイドヘルパーの付き添いで高田馬場にある日本点字図書館に生活訓練に通っています。そこでまず、自分に合った白杖を手に入れたそうです。白杖は、身長に合わせた長さはもちろん、材質や重さ、折り畳み式かどうか、先端が路面に沿って回転するものとしないものなど、機能別に幾つかの種類があり、実際に使ってみないと使い勝手が分かりません。白杖の使い方は歩行訓練士によって実際の道路を歩いて行われますが、点字ブロックの意味、横断歩道の渡り方、階段の歩き方など丁寧に教えてくれるそうです。
日本点字図書館は、その名称のとおり、点字図書やCDの貸出し、対面朗読なども行っていますが、そのほかに相談支援、ニーズに合わせたサービス利用計画の作成、併せて訓練のメニューもそろっています。また、視覚障害を補う様々な機器の展示と販売も行われていますが、文字を100倍にも拡大して、くっきり見せてくれる拡大読書器、音で時間を教えてくれる音声時計、音声体温計など様々な福祉機器を見て、日本の優れた工業技術に感心します。
ほかにも、パソコンの音声機能、iPadの拡大機能、パソコンやスマホの文字が白地に黒の文字では見えにくいので、黒地に文字を白、あるいは黄色にする色反転機能など様々なアプリケーションを活用して、残存視力で生活をしやすく、あるいは仕事を可能にする工夫、研究がなされています。生活の道具にしても、白いまな板に白い大根では見えませんが、黒いまな板だとよく見えるとのこと、生活の便利グッズも展示されていました。知人はここでスマホの使い方を習い、また訓練士はどこにでも来てくれるので、今は自宅に来てもらい調理を習っています。
お聞きします。地域福祉課、障がい者対応の職員、障がい者総合サポートセンターの職員には、日本点字図書館など専門支援施設に行って、どのような福祉機器があり、それによって何ができるのか、どのような訓練が受けられるのかを実際に見てくることを提案しますが、いかがですか。現在、地域福祉課の窓口ではリストを渡しているだけですが、職員が様々なサポートの実際を実感することで、少しでも中途視覚障がい者に対して具体的な寄り添った対応ができるのではないでしょうか。
さて、障がい者総合サポートセンターでは声の図書室があり、本など印刷物の音声化、点訳して貸し出すというサービスを行っていますが、さらに視覚障がい者の生活を支えるサポート体制を拡充することを希望します。視覚障がい者にとっては、白杖は命綱とも言えますが、現状は地域福祉課でリストを渡されるだけで、見本さえ区内の行政機関のどこにもないことは大変残念です。
このことは多くの視覚障がい者やロービジョンケアに取り組んでいる眼科医からも指摘されているところです。どこからどうしてよいか分からない中途視覚障がい者にとっては、まず安全に歩けるようになることが大事です。現状、区内では、白杖を持たずに歩行訓練も受けたことがないロービジョンの方が多いと聞いています。訓練士はどこにでも来てくれるのですから、多くのロービジョンの方が自分に合う白杖を手に入れ、歩行訓練を受けられるようにサポートするべきです。
ちなみに白杖は、品川区は社会福祉協議会に、目黒区では障害者支援課の窓口に見本が置かれています。世田谷区では五つの総合支所で無料配付されています。
お聞きします。障がい者総合サポートセンターに白杖の見本を置けませんか。また、拡大読書器や音声時計など、基本的な福祉用具や生活に便利なグッズの紹介をすることはできませんか。これは視力が衰えた高齢者をはじめ、手帳を持たない多くのロービジョンの方にとっても有用なものです。豊富な機器のそろう専門的施設に行ければよいのですが、遠方まで出かけることは視覚障がい者や高齢者にとっては難しいことです。身近なところで手に取って安心な生活につながるものに出会うことや、遠方であっても訓練に通う意欲喚起がなされれば、さらに喜ばしいことです。
次に、就労支援についてお聞きします。ハローワークに相談に行った区内の視覚障がい者は2019年度18名で、うち就職できた人は5名でした。さぽーとぴあで昨年、就労の相談に来た人は3名、現在、就労定着支援をしている人はたったの2名といいますから、かなり少ない状況です。
中途失明者の就労支援に20年以上関わっているNPO法人タートルに聞いたところ、今は拡大読書器や音声機器、音声パソコンや音声ソフトなどITの力を借りて、工夫次第で就労は十分可能だと言われていました。それまで培った仕事の実績、スキルや知識を活かさないのは、職場にとっても損失なはずです。現状、履歴書提出などの問題もあり、応募さえできない状況もあります。行政として働くことを諦めている人へのアプローチ、代筆などの柔軟なサポート、企業の受入れ体制、環境整備へのサポート、合理的配慮の周知啓発が必要です。
お聞きします。さぽーとぴあには企業への働きかけとマッチング、訓練士の活用を通して、中途視覚障がい者に向けた就労支援、就労定着支援を強化していただきたいと考えますが、いかがですか。
失明原因の第1位の緑内障は、40歳以上の20人に1人の有病率といいます。高齢化とともに増加しますが、自覚症状がないので、気がついたときには視野が狭くなるなどの進行を止めるのが難しく、早期発見、つまり検診が重要だと言われています。大田区では、2019年度の特定健診のうち、眼科検診の受診者数が1642人、緑内障罹患者が57人で3.4%の発生率、精密検査を要する人が367人ですから、検診のさらなる推進とともに、ロービジョンケアへの取組の必要性が示唆されます。徐々に視力が落ちていく現実にある区民に対して、少しでも有益な情報を提供する必要があります。
お聞きします。区内の眼科医と連携を取って、大田区のサポート体制、福祉メニューの情報提供をしていき、生活支援につなげることが必要だと考えますが、いかがですか。
今年、視覚障がい者を目的地まで誘導するスーツケース型の移動支援ロボット「AIスーツケース」の共同開発が、日本IBM、アルプスアルパイン、オムロン、清水建設、三菱自動車の5社により開始されました。発起人兼技術統括者に就任したのは、長年、日本IBM社で研究開発に関わってきた浅川智恵子さんです。彼女は中学2年生で失明しましたが、工学博士となり、様々な技術開発で世界に貢献しています。障害から見えてくるニーズが社会のインクルージョンの実現につながることを示しています。
区内においても、障がい者理解をさらに進め、そのニーズを吸い上げ、誰もが自分の力を発揮し、いきいきと暮らしていける大田区であることを願って、質問を終わります。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎今岡 福祉部長 私からは、視覚障がい者への支援に関する2点のご質問にお答えいたします。
まず、職員の知識習得に関するご質問ですが、障がいがある方に障害の特性に応じた適切な情報提供ができるよう、職員の能力を向上させることは重要です。地域福祉課などの職員については、庁内で研修を行っているほか、東京都心身障害者福祉センターの専門研修などを受講し、必要な知識の習得に努めています。また、毎年行われている国際福祉機器展で実際に最新の機器を見学することや、専門的な施設を訪問し、知識の習得を図っています。そのほかに、他自治体の動向等の情報収集も行っております。職員の知識習得につきましては、研修参加や専門的な施設への見学など多様な方法を用い、引き続き取り組んでまいります。
次に、中途視覚障がい者に対する区の支援体制や福祉サービスに関する医療機関への情報提供についてのご質問ですが、区は、区内3医師会と健康政策部、福祉部などの関係部局による会議体をはじめとした様々な機会を通して、医療機関に必要な情報を提供し、課題等を共有しております。また、個別の相談においては、相談者の個々の症状や相談内容等に応じ、障害者手帳の取得手続きや必要な障害福祉サービスの利用等を決定しています。その過程の中で、視覚に障がいのある方に関しては、指定医として診断書、意見書を作成する眼科医と必要な情報等の共有・確認をしております。引き続き、中途視覚障がい者の支援のため、医療機関が必要とする情報については、適宜適切な提供に努めてまいります。私からは以上でございます。
◎森岡 障がい
者総合サポートセンター所長 私からは、2点のご質問にお答えいたします。
初めに、白杖や福祉用具の紹介に関するご質問ですが、白杖は体格や歩き方、使用目的によって、その長さや形状、材質等が異なるため、専門家のアドバイスを受けながら購入することが推奨されております。障がい者総合サポートセンターでは、白杖や福祉用具に関するご相談があれば丁寧にお話を伺い、必要に応じて適切な支援機関等をご紹介しております。現時点で白杖や福祉用具の見本をそろえる予定はございませんが、今後、中途視覚障がいの方に向けてどのような支援ができるか、調査研究してまいります。
次に、就労支援の強化に関するご質問です。失明や急な視力低下により、それまでの日常生活を送ることができなくなった中途視覚障がいの方には、計り知れないご苦労があると推察いたします。そのような状況でも前向きに就労を希望する方に区としても丁寧に寄り添い、支援する必要があると考えております。障がい者総合サポートセンターでは、相談はもとより、求人情報の提供や履歴書の書き方といった個別支援を行っております。また、就労前の訓練が必要となった場合には、東京都視覚障害者生活支援センターなど視覚障害の専門職がいる訓練機関をご案内しております。今後も引き続き関係機関と連携し、中途視覚障がいの方が一人でも多く就労できるよう努めてまいります。
○塩野目 議長 議員の皆様に申し上げます。三沢清太郎議員より本日の会議を欠席する旨、届出がありました。また、松原 元議員におかれましては本議場におりません。よって、三沢清太郎議員及び松原 元議員につきましては、会議規則第50条第5項の規定に基づき、質問通告は効力を失いましたことをご報告いたします。
次に、49番荻野 稔議員。
〔49番荻野 稔議員登壇〕(拍手)
◆49番(荻野稔 議員) 東京政策フォーラムの荻野 稔です。本日の一般質問は私で最後ですので、もう少しの間、お耳を傾けていただければと思います。
まず、新空港線、蒲蒲線についてお伺いいたします。
私は多摩川線沿線に住む区議会議員としても最初に選挙に当選して、区議会議員としての仕事をさせていただけるようになってから質疑を重ねてきました。新空港線について、皆様ご存じのように9月に動きがあり、その様子が報じられましたので、ご紹介いたします。9月18日の日刊建設通信新聞に「新空港線整備で協議の場/20年度中に三セク設立を目指す/東京都と大田区」とのタイトルで、大田区と東京都は9月3日に都庁で新空港線、蒲蒲線について協議を行った旨が報じられていました。記事によると、「JR・東急蒲田駅の乗り換え利便性向上、沿線開発の動向、事業費の縮減について検討する方針で合意した。これらの検討を踏まえ需要予測や収支採算性などを精査して、都区負担の考えを整理する」とあります。
私は直接都庁にお伺いし、都の認識を確認いたしましたが、東京都側も京急蒲田での地下階と地上の乗換えに時間がかかることから利便性に難があること、京急蒲田の新入り口側の駅前再開発の課題があり、そうしたことが新たに作成する予定の第三セクターの収支にも関わってくることからも、現在の計画について改善を検討する必要があること、また、1260億円という現在の事業予測についても可能であれば圧縮に努める必要があると、記事と同じ認識であることを確認いたしました。
さらに記事には、「区は新空港線整備を契機としたまちづくりを推進しつつ、
新型コロナウイルス感染症を踏まえた区の財政状況や収束時期などを複合的に勘案し、生活や経済の復興にも取り組む」と書かれています。これらは私もまた区議会の場で指摘し続けてきたことであります。
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、5月19日に東京都が補正予算を発表した段階では、
新型コロナウイルスの対策のための都の貯金に当たる財政調整基金を95%近く取り崩し、残高はおよそ500億円となり、税収が減ることも予想される中、今後の財源の確保が課題と指摘されていました。今年3月末時点で過去最大の9345億円まで増えていた財政調整基金をここまで減らしてしまったことは、とても大きなことだと思います。
大田区もまた、令和4年度までに区の予算が約580億円不足する可能性を、先日、松原大田区長が第3回定例会において示されており、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大において、大田区や東京都の財政運営も厳しくなり、区民、都民の生活様式の変化などが注目を浴びる中、コロナ禍以前とは様々な計画の置かれた前提、環境も変わっているのではないでしょうか。
今回の東京都との協議において、都からは現在の計画、予算規模の鉄道計画のままでは難しく、計画についての修正を検討すべきと指摘されたということではないでしょうか。現在の鉄道計画ではなく、周辺を巻き込んだ都市計画でという選択もあるかと思いますが、都市計画となれば蒲田駅前周辺の開発を具体的に考えていかなければならず、また、用地買収や再開発の規模によっては区役所の移転なども含めた大きな話となってしまい、簡単ではありません。とてつもない時間がかかると私は考えています。
さて、このようなことから、東京都との協議の場の協議項目で、計画の変更や収支の変更について触れられていますが、東京都との協議を受けての大田区の認識をお答えください。
続きまして、この蒲蒲線、新空港線は、都市鉄道等利便増進法という法律を使って計画を実施する予定です。以前発表された総工費1260億円の場合、3分の1が国、3分の1が地方自治体――この場合は都と大田区です――3分の1が事業者――これは大田区が主体となる事業者となります――の負担となり、それぞれが420億円ずつの負担ということになります。大田区は区議会でも、この地方負担分の420億円の東京都と最終的な費用負担の割合の最終的な調整をしていると、1年近く繰り返し答弁してまいりましたが、議会の答弁と現在の都との協議の進捗が矛盾しているのではないでしょうか。
また、今年度、大田区はコロナ禍への対応ということもあり、整備主体設立のための費用を第6次補正予算で令和2年度当初予算の1億8000万円削減しました。このことは、今年度中の整備主体の設立は見送るということだと思いますが、この整備主体の第三セクターは、都との費用負担の割合が決まらなくても法律上は設立することができます。区として整備主体の設立を都との協議がまとまらなくても実施する考えはあるのでしょうか、お答えください。
最先端産業支援について伺うつもりでしたが、時間の関係上、省略いたします。
次に、難病の方への支援について伺います。
先日、区内にお住まいの方に相談を受けました。相談の内容は、大田区は他区と比べて難病を持っている方への支援が行き届いていないというものです。具体的にどういうことかとお伺いすると、住宅改修助成の指定難病者への支援についてのお話でした。例えば、隣の世田谷区ではホームページにも記載があり、「難病の方へ」という項目で住宅改修助成制度があります。では、大田区の難病患者の方にはないのかと問合せをしたところ、大田区でも指定難病の進行具合などにより、下肢、また体に障がいのある方が受けられると回答をいただきました。
では、どうして相談のような事例が起きるのでしょうか。調べてみたところ、大田区のホームページにおいては医療助成などの一覧のページにも特に記載がなく、難病患者支援ガイドブックも同様でした。利用できる制度であれば、記載、広報、告知をするべきではないでしょうか。そうしたことがないだけで、難病患者の方から見ると、大田区は冷たい、支援をしてくれないんだと見られてしまう懸念があります。インターネット、大田区の難病患者支援ガイドブック、その他広報物などについても同様で、記載が必要です。受けられる制度は受けられるようにするべきです。分かりやすく広報するべきです。区のご認識をお答えください。
以上で質問を終えます。ご回答よろしくお願いいたします。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎張間
福祉支援担当部長 私からは、難病等患者への住宅改修助成制度に関するご質問にお答えいたします。
住宅改修助成制度である大田区重度身体障害者(児)等住宅改造相談・助成事業は、手すりの取付け、段差の解消、引き戸等への扉の取替え、洋式便器等への取替えなど住宅改修を行うことで、在宅の重度身体障がい者(児)等の自立向上と介護者の負担を軽減することで福祉の増進を図り、日常生活の質の向上を目指すための事業です。難病等患者の方につきましては、下肢または体幹機能に障害があり、医師からの意見書を勘案し、区長が必要と認める方に対しまして、障害者手帳を所持している方と同様に、本事業の中にある小規模住宅改修の対象とさせていただいております。議員お尋ねの本事業の広報等につきましては、今後、ホームページや紙媒体などについて、必要な方へ情報がしっかり届くよう掲載方法等について工夫をし、広報に努めてまいりたいと存じます。私からは以上です。
◎齋藤 新空港線・まちづくり調整準備室長 私からは、新空港線に関する二つのご質問についてお答えをいたします。
まず、東京都との協議の場に関するご質問でございますが、協議の場は、まちづくりの要素も加味をいたしまして、新空港線をよりよい事業プランとすることを目的としております。第1回において確認された検討項目は、乗換え利便性の向上、沿線開発の動向、事業費縮減等となっております。これらの項目については、今後、協議の場において検討を進めてまいります。第1回協議の場において合意をさせていただいたとおり、これらの検討結果を踏まえまして、需要予測、収支採算性等を精査し、課題となっております都区費用負担割合に関する協議を進めまして、早期に合意形成が図れるよう努めてまいります。
次に、整備主体に関するご質問でございますが、現在、新空港線の整備は都市鉄道等利便増進法の活用を想定してございまして、その整備主体につきましては第三セクターの設立を想定しております。この組織には大田区も出資を予定しておりまして、関係各者と力を合わせ新空港線の整備を専門に行うこととなります。東京都との協議が調わないまま第三セクターを設立することも確かに法的には可能ですが、関係者合意がなければ事業を円滑に進めることは困難であるとも考えております。これまでも区は一貫して、「合意形成後、速やかに第三セクターを設立する」と答弁をしており、現在もその方針は変わっておりません。
また、先ほど申し上げた協議の場は、計画を見直すという後ろ向きのものではございませんで、これまで別々に検討しておりましたまちづくりと鉄道、これを一体的に考えることで相乗効果を生み出すという積極的で前向きな議論をする場でございますので、その意味でも東京都といい政策論争をしていきたいと考えております。
また、第三セクターにつきましては、設立すること自体が目的ではございませんで、あくまで新空港線を整備すること、これを目的にしておりますので、整備主体として当事者能力を備えた形で組織化することが重要でございます。この実現に向けまして区としても全力で取り組んでまいります。私からは以上です。
○塩野目 議長 以上で質問を終結いたします。
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○塩野目 議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。
午後4時45分休憩
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午後5時25分開議
○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
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○塩野目 議長 本日の日程に入ります。
日程第1を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第1
第117号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例 ほか5件(委員会審査報告)
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総務財政委員会審査報告書
本委員会に付託された議案は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。
令和2年11月27日
大田区議会議長 塩野目 正 樹 様
総務財政委員長 押 見 隆 太
記
┌───────────────────────────────────────┬────────┐
│議 案 名 │結 果 │
├───────────────────────────────────────┼────────┤
│第117号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例 │原案可決 │
│第118号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例 │ │
│第119号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 │ │
│第120号議案
会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する │ │
│ 条例 │ │
│第121号議案 大田区
教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例 │ │
│第122号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一 │ │
│ 部を改正する条例 │ │
└───────────────────────────────────────┴────────┘
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○塩野目 議長 総務財政委員長の報告を求めます。
〔7番押見隆太議員登壇〕(拍手)
◎7番(押見隆太 議員) ただいま上程されました第117号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例ほか5件につきまして、所管総務財政委員会における審査経過並びに結果のご報告を申し上げます。
初めに、主な質疑について申し上げます。
特別区人事委員会勧告では、職員給与を1人当たり約2万円減との勧告内容であるが、条例改正によってどの程度の金額が削減になるのか伺いたいとの質疑に対し、区職員の人件費の削減額については、今回、期末手当分としては約8000万円余、共済費の減額分が約1400万円余である。トータルで約9400万円余の減額となるとの答弁がありました。
大田区特別職報酬等審議会での審議内容は公開されているのか。また、どのような意見が出されたのか伺いたいとの質疑に対し、会議録は区ホームページに掲載をしている。主な意見として、特別職等の報酬については、しっかりと評価をしていきたいとの意見もあった。そのほか、制度に関すること、民間給与の実態調査対象事業者の規模に対する意見などがあったが、期末手当の0.04か月分の引下げについては、今般の状況から了承するとの意見をいただいたとの答弁がありました。
職員の場合、特別給は期末手当のほか勤勉手当があるが、
会計年度任用職員は期末手当のみである。そのため、
会計年度任用職員の改定比率が高くなるが、どのように考えているのかとの質疑に対し、
会計年度任用職員は、地方公務員法が適用される一般職の非常勤職員であることから、期末手当のみを支給できることとなっている。人事委員会の勧告を
会計年度任用職員に適用することは妥当であると考えているとの答弁がありました。
以上の後、討論を行いましたところ、第119号議案及び第120号議案について、反対、賛成の態度がそれぞれ表明されました。
その際、反対の立場から、特別区人事委員会勧告の制度自体が公務員の労働基本権を奪っている。公務員の仕事の性質を考えると、それにふさわしい賃金や待遇が求められる。民間賃金との格差是正のために職員給与を引き下げるとの考え方は誤りであり、官民が給与の引下げ競争を続ければ景気回復どころか、さらに内需を引き下げる悪循環を引き起こしかねないとの意見がありました。
一方、賛成の立場から、特別区人事委員会勧告に基づく適正な条例改正である。特別給が期末手当と勤勉手当から構成される職員とは異なり、
会計年度任用職員は期末手当のみで特別給が構成されている。
会計年度任用職員は職員と比べて減収割合が大きく現れるため、その点については改善を求めるとの意見・要望がありました。
次に、第117号議案、第118号議案、第121号議案及び第122号議案については、全員賛成の態度が表明されました。
その際、特別職の報酬に関しては、大田区特別職報酬等審議会の中でも様々な意見があったとのことであり、その結果を尊重する。昨今のコロナ禍においては、給与や報酬を減額することは致し方ないと理解している。コロナ禍によって大打撃を受けているこの経済状況をみんなで乗り切るという気概を持って賛成するとの意見がありました。
以上の後、採決を行いましたところ、第119号議案及び第120号議案は、賛成者多数で原案どおり決定いたしました。
また、第117号議案、第118号議案、第121号議案及び第122号議案につきましては、全員異議なく原案どおり決定いたしました。
以上、所管総務財政委員会における審査経過並びに結果のご報告とさせていただきます。(拍手)
○塩野目 議長 討論に入ります。
本案については、福井亮二議員、奈須利江議員から通告がありますので、順次これを許します。
まず、33番福井亮二議員。
〔33番福井亮二議員登壇〕(拍手)
◆33番(福井亮二 議員) 日本共産党大田区議団、福井亮二です。
第119号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例、第120号議案
会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例の反対の討論を行います。
まず、他会派の主な賛成の理由は、人事院勧告に従っているからとのことでした。この特別区人事委員会勧告制度自体が公務員の労働基本権を奪っていることです。給与を引き下げ、労働条件を引き下げる見直しが、労働基本権制約の代償機関とされる人事院の勧告としてなされてきたことは重大で、ILOは繰り返し日本の公務労働者の労働基本権回復の勧告を行っています。公務員の労働基本権を回復し、労働条件の向上を図る労働政策への転換を求めています。
今回、民間の賃金が下がったため、格差是正の引下げです。民間の賃金が下がった理由は、自公政権の消費税増税と
新型コロナウイルスの不十分な対策、給与を上げずに株価だけを上げる間違った経済政策の失敗の現れです。官民が給与引下げ競争を続ければ、景気回復どころか、さらに内需を冷え込ませ、悪循環を生み出します。今回の改悪で職員部分だけでも8000万円の引下げです。職員の給与が下がれば、その分、個人消費が落ち込むことは明らかで、よって反対です。
以上で討論を終わります。(拍手)
○塩野目 議長 次に、47番奈須利江議員。
〔47番奈須利江議員登壇〕(拍手)
◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
第119号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例、第120号議案
会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例について反対、第117号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例、第118号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例、第121号議案 大田区
教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例、第122号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例について、賛成の立場から討論いたします。
これらの議案は、特別区人事委員会の令和2年特別区職員の給与に関する報告及び勧告に従い、職員、
会計年度任用職員は0.05月、期末手当が引下げになります。職員1人当たり約2万円、全体で約8000万円、
会計年度任用職員全体で1117万円減ることになります。職員も
会計年度任用職員も同じ期末手当の月数0.05月減らされるので、そもそも期末手当の支給月数の少ない
会計年度任用職員の影響額は、職員に比べ、さらに大きいと思います。
一方、区長、副区長、教育長、常勤監査委員、議長、副議長、委員長、副委員長、議員は0.05月ではなく、0.04月引下げ、影響額はそれぞれ区長7万4000円、副区長5万9000円、教育長5万3000円、常勤監査委員4万円、議長5万4000円、副議長4万5000円、委員長3万8000円、副委員長3万7000円、議員3万6000円引下げになり、特別職全体で214万2000円、期末手当の支給総額が減る条例改正です。
公務員、特別職等の給与、報酬、費用弁償は、客観性を担保するため民間に準拠し、一定の比較対象を定めて算定されてきました。民間給与を公務員給与の比較対象として妥当としているのは、民間は労使交渉により決めているからと聞いています。この仕組みは戦後すぐに決まり、今日まで行われてきています。
今回の給与、報酬の人事委員会の勧告に従い改定することには、大きく分けると私は三つの問題があると考えています。一つが、戦後一貫して行われてきた給与、報酬の改定の基本原則である期末手当と給与の改定時期を今回初めて分けたことです。本来、期末手当と給与は不可分の関係にあります。委員会での期末手当は生計費が一時的にかさむという説明のとおり、給与の不足分を補う色合いを持っています。給与、報酬、期末手当は年額で考えられてきましたし、一体で考えるべきで、官民格差是正において、これを分けて考えることの合理的な理由が見当たりません。果たして期末手当だけの改定が成り立つでしょうか。
また、これまで特別区人事委員会は訪問による丁寧な聞き取り調査を行ってきましたが、今回の調査はメールやファクスなど通信等の方法で行われています。報告書は、給与の調査がないことから、例えば昨年で全体のページ数で81ページでしたが、今回は17ページで、昨年まで公表されてきた初任給の増額、減額などの状況、ベースアップを行ったかどうか、定期昇給制度の有無や行ったか中止したか、物価指数などとともに示されていません。これらなしの期末手当月数だけの改定にどれほどの意味があるでしょうか。
大田区は、労働環境や経済・金融状況、物価などの変化をどう捉えているか、区民生活に影響しないかという私の質疑に対し、「一般状況を反映している」と答弁しましたが、報告書ではこうした調査結果が公表されていないにもかかわらず、コロナで激変している社会・経済・金融状況を反映した勧告と言えるでしょうか。人事委員会は、まず給与調査すべきだったと思います。
二つ目の問題は、この制度ができたときと公務労働や社会の構造が大きく変わってしまっていて、今の民間から抽出した給与・期末手当等実態でも公務員賃金の適否を判断できなくなっていることです。ここ何年も指摘していますが、民間の対象事業所が企業規模50人以上かつ事業所規模50人規模は、かつての100人から引き下げられたものの、例えば製造業で従業員20人以下、商業サービス業で5人以下、全体の4分の1を占める小規模事業者は対象外です。大企業と中小企業の従業員の賃金格差は歴然としています。大田区のものづくりや商店街はこの小規模事業者が多く、大田区民の実態とはほど遠いところで大田区の職員や区長、区議会議員など特別職の報酬が議論されていることになります。これでは区民の理解を得ることはできないでしょう。
しかも、それだけでなく、労働者に占めるパート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託など非正規雇用の割合が高くなっているにもかかわらず対象外です。これらの多くは期末手当もないでしょう。最新の今年2月に公表された2019年の非正規雇用の割合は38.3%、2015年が37.5%でしたから、さらに非正規雇用が増えています。非正規雇用の平均賃金は正規雇用の労働者に比べ3割から4割程度低くなっていますが、人事委員会は労働者の61.7%を占める正規雇用の労働者の中でも規模の大きな事業所の給与と均衡させているのです。民間給与との比較といっても、第三者性というより、国民の雇用・就労状況の実態を反映していない金額と比較しているところに問題があります。非正規雇用の所得や雇用の改善を政治は行わなければなりません。しかも、公務労働を民営化により縮小させ、大田区の職員数も減らしていて、人件費が安く不安定な雇用で民間企業に雇われている正規、非正規の方たちが公共サービスの担い手になっています。
それでは、賃金が安くなっても社会保障などが整い、安定した生活を行政が保障しているかといえば、逆に社会保障は目減りするばかりです。昨年の給与、報酬の改定で、2014年からの民間給与と特別給を職員給与、特別給と比較したところ、給与は下がる一方で、特別給月数が官民ともに増えていました。職員の平均年齢が3歳若くなっているのでという見方もできますが、年功序列が薄れてきている民間と比較すれば、公務員給与は限りなく下がり続けるでしょう。
給与は退職金はじめ多くの算出の根拠になります。給与が下がり続け、特別給月数を増やしてきましたが、今年、その給与の算定を後にし、特別給を先に下げてきたのは重大な問題だと思います。会計基準が変わり、かつての日本型の社員のための会社から、ここ約20年で政治が外国投資家の投資を国内に呼び込むことを可能にして、会社は投資家のものに変わってきています。その社員の給与と公務員給与を比較する仕組みは改めるべきです。
一方の区長、副区長、議員はじめ特別職の期末手当の改定は、人事委員会勧告に従うなら0.05月とすべきですが、0.04と減らす月数を職員よりも少なくしているのも問題です。非正規雇用を拡大させてきたのも、民営化を推進し不安定雇用を増やしてきたのも、職員の定数削減に賛成してきたのも政治の責任は重く、特別職はその立場、役割から引下げを受け入れるべきだと考え、賛成といたします。低賃金労働を放置している政治の責任と区民感情から言えば、もっと下げるべきだと思いますが。
最後の三つ目の理由は、区の社会・経済・金融状況に対する大田区の認識が甘く、対策を講じていないことです。議案質疑で、この引下げで労働環境や経済・金融状況、物価などの変化をどう捉えているか、区民生活に影響はないか、あるとしたらその影響を防ぐために何をすべきかに対し、「一般状況を反映している」と答弁していますが、それでは区民生活を守れません。
私は、今、政策的にインフレ局面に入りつつあると見ています。固定資産税評価額が上がり、国有地の区民への地代評価も3年に一度短期で急激に引き上げています。民間の新築マンションの価格も下がりません。食品などはじわじわと上がっていますし、ステルスインフレといって、価格は据え置き、質や量を下げる実質値上げも見られます。コロナで密を避けることを強要されていますから、店舗は客単価を引き上げざるを得ない状況で、外食単価も上がり始めています。
しかも、コロナによる事業者の経営への打撃は無利子融資により何とか維持されていますが、今の大田区と国のコロナ対応を見れば、今後、多くの廃業と倒産を招くのではないかと危機感を持っています。人事院の方に問い合わせたとき、先週の内閣委員会で自民党の衆議院議員が、「消費が冷え込むが、引き下げてよいか」と発言していたと聞きました。コロナインフレなど、経済から見ればまさにそういう状況にあると思います。民間給与が下がっていることに問題があり、それを政治が抑止できていないのに、この局面で公務員の特別給を下げなければならない官民均衡の仕組みは間違っていると思います。人事委員会勧告が社会の実態に即さなくなっているにもかかわらず、機械的に下げざるを得ない中で、こうした社会・経済・金融状況を踏まえれば、安定した雇用を確保することこそが今の大田区に最も求められることだと思います。
大田区特別職報酬等審議会でも、議員については民意で選ばれた方々だが、その働きよう、地域との関わり方に対して地域では様々な意見がある、我々としてもしっかり評価していかなければならない、月額の前提がないまま先に期末手当だけ審議するのはどうか、こういうものはトータルで考えなければいけないのではないか、今回の勧告は昨年悪くないときの民間の景況に影響されている、税収も落ち込む懸念がある、来年はもっと厳しい状況となるであろう、そういうことも考えていかなければいけない、企業規模50人以上は、もっと小さな規模で比較しないと、勧告内容は甘いなどのご指摘を真摯に受け止めたいと思います。
その上で、行政改革、構造改革により、今の投資家利益を優遇する社会構造に変わって、これまでの人事委員会、国の人事院の勧告など、公務員の給与の算定の在り方が目的をかなえる指標ではなくなっていることを指摘し、日本の構造を改めて構造改革すべきことを主張し、職員、
会計年度任用職員の引下げに反対、それ以外の特別職の引下げに賛成といたします。(拍手)
○塩野目 議長 以上をもって討論を終結いたします。
採決に入ります。
この際、申し上げます。本会議における表決につきましては、会議規則第84条で「問題を可とする者を起立」させることが規定されておりますが、本定例会中、菅谷郁恵議員におかれましては、挙手によることを認めることといたしますので、ご了承願います。
まず、本案中、第119号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例及び第120号議案
会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例の2件を一括して起立により採決いたします。
本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○塩野目 議長 起立多数であります。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。
次に、第117号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例ほか3件を一括して採決いたします。
本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認めます。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。
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○塩野目 議長 日程第2を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第2
第94号議案 令和2年度大田区
一般会計補正予算(第7次) ほか8件
――
――――――――――――――――――
○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第94号議案は、令和2年度大田区
一般会計補正予算(第7次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ1億5314万2000円を追加し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ3687億5102万6000円となります。歳入で追加する内容は、都支出金、繰入金でございます。歳出で追加する内容は、福祉費、都市整備費でございます。減額する内容は、議会費でございます。
第95号議案は、大田区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例で、個人番号を利用する事務及び当該事務において利用する特定個人情報を加えるため改正するものでございます。
第96号議案 大田区使用料、手数料等収入金の督促及び滞納処分に関する条例の一部を改正する条例、第97号議案 大田区
国民健康保険条例の一部を改正する条例及び第98号議案 大田区後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例は、租税特別措置法の改正に伴い、延滞金の割合の特例に係る特例基準割合の規定が見直されたため改正するものでございます。
第108号議案は、
大田区立田園調布富士見会館内部改修その他工事請負契約についてで、契約の相手方は北信土建株式会社東京支店、契約金額は2億1538万円でございます。
第109号議案は、大田区蒲田西特別出張所大
規模改修工事請負契約についてで、契約の相手方は幸建設株式会社、契約金額は2億1120万円でございます。
報告第31号は、民事訴訟の提起に係る専決処分の報告についてで、使用料等の支払いを求める訴えの提起について報告するものでございます。
報告第32号は、仮称大田区
田園調布せせらぎ公園文化施設新築工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の15億282万円から15億7789万5000円に、工期を当初の令和2年5月15日から令和2年10月30日に変更いたしました。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 質疑に入ります。
本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。
〔47番奈須利江議員登壇〕
◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
第94号議案、95号議案、109号議案について質疑いたします。
第94号議案 令和2年度補正予算(第7次)について質疑いたします。
今回の補正予算の狭あい道路拡幅整備に伴う工事請負費等の増額の要因は何でしょうか。件数、工事単価に分け、割合でどのぐらい上がっているのか、また、工事単価は人件費とそれ以外の物品価格ほかに分けてください。
2、工事単価の増加は、大田区が工事単価を上げたからですか、それとも東京都の単価表が上がったからでしょうか。
3、工事件数が増えた理由について大田区はどう捉えていますか。
4、大田区は9月の委員会報告で、コロナ禍を踏まえたまちづくりの取組について、感染拡大防止、区民生活支援、区内経済対策の三つの視点から取り組んでいて、狭あい道路の拡幅助成事業を区民生活の維持向上だけでなく区内業者の経済活性化と捉えています。このことと今回の件数、工事単価の増加は関係ありますか。
5、1から4の工事単価や人件費の増加は、一般の物価の上昇や人件費の増加に伴って増加したものですか、それとも工事単価だけが上昇したのでしょうか。
また、ここで人件費を伴った工事単価が上昇することで、一般の物価も上昇することにはなりませんか。大田区はどう予測していますか。
工事の人件費が増加しても現場の労働者の賃金がそれに伴い上がらないと聞いています。工事単価や人件費の増加とそれに伴う税負担の増で、事業者、雇われて働いている労働者など、メリットを受けるのは誰ですか。
第95号議案 大田区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例について質疑いたします。
今回の条例改正により、特定の個人を識別するための番号、いわゆるマイナンバーと、認可外保育施設等を利用する児童の保護者に対する利用者負担額の補助に関する事務で規則に定めるもの、併設型定期利用保育事業を利用する児童の保護者に対する利用者負担額の補助に関する事務であって規則に定めるものの二つの情報をひもづけることになります。これらの改正によるマイナンバーと事業のひもづけにより、誰にどういった効果や影響が及ぶと捉えていますか。区民、大田区の視点からお答えください。
また一方で、国では、国家戦略特区法を改正し、スーパーシティ事業を可能にしました。このスーパーシティでは、複数のサービスのデータ連携を条件として、多くの場合、民間事業者が受託事業者となってデータ連携基盤を整備することとなります。
そこで伺います。大田区はこれまでも、特定の個人を識別するための番号、マイナンバーに区民が使用している事業情報をひもづけてきました。国家戦略特区法の改正によりスーパーシティのデータ連携基盤整備が進めば、区民の番号にひもづけされた情報を最終的に多くの企業が使用できることになります。これが区民生活に及ぼす影響や効果、弊害について、大田区は調査、検証していますか。
第109号議案 大田区蒲田西特別出張所大
規模改修工事請負契約について質疑いたします。
この契約議案提出に至る前に、入札が不調に終わり、その後行われた指名競争入札の結果、選定された事業者と契約している議案です。
そこで伺います。12の事業者を指名していますが、そのうち入札に参加したのは僅か4事業者で、それ以外の7事業者は辞退、1事業者は不参加でした。一般競争入札でなく指名競争入札とした理由は何ですか。
半数以上の7事業者が辞退していますが、大田区はその理由をどう分析していますか。
一方、連絡なく入札に参加しなかった事業者がありますが、競争入札に指名されることは、言ってみれば事業者にとって仕事の機会を与えられるよいことだと思っていましたが、ある意味、無視できること、迷惑なことなのでしょうか。
辞退が多い、不参加が出るといった状況は、大田区の入札において、よりよい契約を適正な競争における適正な価格で調達する視点から見てどう評価していますか。今後も続いても構わないということでしょうか。改善すべき余地があるとしたらどういったことですか。以上です。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎川野 副区長 ただいまのご質疑に順次お答え申し上げます。
最初に、第94号議案について、通告がございました7点のご質問にお答え申し上げます。
1点目の狭あい道路拡幅整備事業の増額の原因についてでございますが、増額補正の理由は、工事件数及び工事費用の増加によるものでございます。工事件数につきましては、過去3か年の実績、見込件数を申し上げますと、平成30年度は384件、令和元年度は359件の実績があり、令和2年度は工事見込分も含めますと現時点で約400件となってございます。
工事単価の考え方でございますが、区は、予算を作成する際、作成年度の執行見込額、見込件数、単価上昇の傾向を踏まえて、工事1件当たりの金額を算定しております。こちらの数値を参考まで申し上げますと、平成30年度約161万円、令和元年度約166万円、令和2年度約181万円と上昇してございます。この上昇の割合につきましては、対前年度比で令和元年度は約3%の増、令和2年度は消費税率の引上げ等の要因などにより約9%の増となってございます。人件費に当たる労務単価は、対前年度比で平成30年度約2.4%、令和元年度約3.3%、令和2年度約2.5%の上昇でございます。また、それ以外の材料単価でございますが、令和元年度、令和2年度ともに大幅な変動はございません。
2点目の工事単価の増加についてですが、工事単価の上昇は、東京都の積算基準及び単価改定等によるものでございます。
3点目の工事件数が増えた理由につきましては、狭あい道路拡幅整備事業は、民間の建築物の建て替え機会等を捉えて道路拡幅整備を行っております。区へ申請される建築確認の完了検査の状況から、近年の建築物等の申請件数につきましては横ばいとなってございますが、その一方で拡幅工事は増加してございます。その要因といたしましては、狭あい道路沿いにおける建築物の建設が増えたこと、また事業の進捗に伴い制度が浸透しまして、狭あい道路拡幅整備の必要性につきまして区民の皆様のご理解が進んでいることなどが背景にあると捉えてございます。
4点目のコロナ禍を踏まえたまちづくりの取組と工事単価等の増加の関係についてでございますが、区のまちづくりの経営方針として、狭あい道路拡幅整備事業を含めた各種助成事業は、区民生活の維持向上並びに区内事業者の経済活性化に資するものであり、コロナ禍においても事業を継続すべきものと位置づけてございます。
なお、工事件数の増加は申請者の行為によるものでございまして、工事単価の上昇は、先ほど申し上げましたとおり、東京都の積算基準等によるものでございます。本補正予算案の成立によりまして、事業者の受注機会拡大及び安心・安全なまちづくりに寄与するものと考えております。
5点目の工事単価や人件費の増加と一般の物価や人件費の増加との関係についてでございますが、1件当たりの工事は、例えばアスファルトの舗装や道路の両端にございますL形溝などの移設といった各工種の費用を積み上げて工事費用の算定を行ってございます。この費用の中には労務単価や材料費等が含まれております。工事単価や人件費の増加は東京都の積算基準及び単価改定によるものでございますが、市場の実勢価格を適切に反映しており、一般の単価の上昇や人件費の増加と連動するものと認識してございます。
次に、6点目の工事単価が上昇することで一般の物価も上昇するとのご質問についてでございますが、市場の実勢価格の変動は工事単価に影響するものと捉えておりますが、一方で、工事単価が一般の物価に及ぼす影響につきましては、予測は困難だと考えてございます。
7点目の工事単価や人件費、税負担の増加でメリットを受けるのは誰なのかについてでございますが、整備によりまして区民の皆様がメリットをお受けになるのはもちろんでございますが、工事費は、工事を請け負う事業者、施工する職人の方、また材料を製造、販売する過程に関わる方々など、連関する経済産業構造まで及びますので、メリットを受けるのは誰かというご質問に一般論でお答えするのは困難であると考えてございます。労働者の賃金や労働条件につきましては、関係法令に基づきまして当該労使間で決定されることとなってございます。区は、公共事業等の契約に際しては、関係法令等の遵守を仕様書に記載しておりまして、事業者はその趣旨を踏まえて適切に履行していただいているものと認識しているところでございます。
また、大田区は今年度、大田区が発注する契約に係る労働環境の確保に関する要綱を制定いたしまして、契約の適正な履行と労働環境の整備に配慮した調達の推進に努めているところでございます。したがいまして、区における工事契約は適正に履行されているものと考えております。引き続き、契約に当たり、事業者の皆様には、関係法令の遵守等について適切に履行していただくとともに、本区におきましても、要綱に基づき、契約の適正な履行と労働環境の整備に配慮した調達に努めてまいります。
第95号議案について、通告がございました2点の質問にお答え申し上げます。
1点目のマイナンバーと事業のひもづけによる効果や影響につきましては、認可外保育施設等及び併設型定期利用保育事業を利用する保護者の負担を軽減する補助金を扱う際に、マイナンバーを活用できるように改正し、保護者負担の軽減及び区の事務の効率化を図るというものでございます。認可外保育施設等及び併設型定期利用保育事業の利用料の補助金は、施設等利用給付分(幼児教育・保育の無償化)のほかに、所得割課税額に応じて決定された金額の補助が交付されております。区外から転入された方で保育料の補助を受ける場合、前年度の課税額について、前居住地の自治体が発行する証明書の提出が義務づけられてございます。この改正に伴いまして、マイナンバーを活用して情報提供ネットワークによる他自治体への情報照会をすることで、保護者からの資料提出を省略し、利便性の向上につながるものと考えてございます。
2点目のスーパーシティに関するデータ連携基盤の整備についてのご質問でございますが、政府が検討する住民目線での未来社会の実現を目指す、いわゆるスーパーシティ構想におきましては、行政手続き、移動、医療、教育等の新たなデータ連携基盤を構築することで、様々なデータの分野横断的な活用を可能とし、住民福祉や生活全般の利便性向上を図ることとしてございます。
一方、マイナンバーによる情報連携は、いわゆる番号法によって利用する機関が行政などの公的機関に限られて、その中でも利用できる用途を限定した上で、専用の情報提供ネットワークを介して行っているものでございます。したがいまして、マイナンバーにひもづいた情報は、スーパーシティ構想におけるデータ連携に現時点で活用されるものではないことから、区民生活に及ぼす影響について調査、検証はしておりません。区といたしましては、今後も国の動きを注視しながら、区民の安全・安心を最優先に、適正な情報管理を徹底し、引き続き住民福祉や区民生活全般の利便性の向上を目指してまいります。
次に、第109号議案について、通告がありました4点の質問にお答え申し上げます。
1点目の指名競争とした理由につきましては、本件工事は制限付一般競争入札で2度の入札を執行いたしましたが、いずれも予定価格超過により入札不調となった経過がございます。しかしながら、本件工事は東京都の発注する工事との関連もあり、区発注工事の契約時期が遅れることによる事業への影響等を踏まえ、指名基準や等級格付、過去の工事実績などを総合的に勘案し、事業者を広く選定できる指名競争入札に切り替えて入札を執行いたしました。
2点目の事業者の辞退理由を区がどう分析しているかにつきましては、一般的に入札を辞退された事業者には様々な事情があると存じます。事業者の希望により参加する一般競争入札においても、受注に際し技術者の配置が困難であること、積算が間に合わないことなどの理由で、設計図書、仕様書等を確認した後に参加を辞退している状況も見受けられます。特に本件入札につきましては、事業者の希望によらず区が指名した入札案件ですので、今お話ししたような理由で参加いただけなかったものと考えてございます。
3点目の不参の事業者につきましては、辞退の申出がなく応札いただけなかったことにつきまして、区といたしましても大変残念に思っているところでございます。同様の状況が繰り返されるようであれば、今後の指名を控えるなどの対応を検討させていただきます。
4点目の辞退が多い、不参が発生する状況をどう評価するかにつきましては、区といたしましても、辞退や不参が多いことは、入札及び契約の適正化の観点からも課題であると認識してございます。今後の発注に当たりましては、適正な積算期間の確保、発注時期の平準化などに取り組み、より入札に参加しやすい環境整備に努めてまいります。以上でございます。
○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。
本案については、報告第31号及び報告第32号の2件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第3を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第3
第99号議案 大田区新蒲田一丁目複合施設条例 ほか1件
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――――――――――――――――――
○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第99号議案は、大田区新蒲田一丁目複合施設条例で、大田区新蒲田一丁目複合施設を設置し、その管理に関し必要な事項を定めるため制定するものでございます。
第100号議案は、大田区
新蒲田区民活動施設条例で、大田区新蒲田区民活動施設を設置し、その管理に関し必要な事項を定めるため制定するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管地域産業委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第4を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第4
第101号議案 大田区介護保険条例の一部を改正する条例 ほか6件
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――――――――――――――――――
○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第101号議案は、大田区介護保険条例の一部を改正する条例で、租税特別措置法の改正に伴い、延滞金の割合の特例に係る特例基準割合の規定が見直されたため改正するものでございます。
第102号議案は、大田区立心身障害者緊急一時保護施設条例を廃止する条例で、心身障害者緊急一時保護施設を廃止するため条例を廃止するものでございます。
第103号議案は、
大田区立障害者福祉施設条例の一部を改正する条例で、つばさホーム前の浦において、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する短期入所及び共同生活援助を実施することに伴い、規定を整備するため改正するものでございます。
第110号議案は、
大田区立特別養護老人ホームの指定管理者の指定についてで、
大田区立特別養護老人ホーム蒲田ほか2施設について、令和3年4月1日から令和8年3月31日まで、社会福祉法人池上長寿園を指定管理者に指定するものでございます。
第111号議案は、
大田区立高齢者在宅サービスセンターの指定管理者の指定についてで、大田区立蒲田高齢者在宅サービスセンターほか4施設については、令和3年4月1日から令和8年3月31日まで、社会福祉法人池上長寿園を指定管理者に、大田区立大森本町高齢者在宅サービスセンターについては、令和3年4月1日から令和4年3月31日まで、社会福祉法人東京蒼生会を指定管理者にそれぞれ指定するものでございます。
第112号議案は、
大田区立軽費老人ホームの指定管理者の指定についてで、大田区立おおもり園について、令和3年4月1日から令和8年3月31日まで、社会福祉法人池上長寿園を指定管理者に指定するものでございます。
第113号議案は、
大田区立障害者福祉施設の指定管理者の指定についてで、令和3年4月1日から令和8年3月31日まで、大田区立久が原福祉園ほか2施設については、社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会を指定管理者に、大田区立新井宿福祉園ほか3施設については、社会福祉法人大田幸陽会を指定管理者にそれぞれ指定するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管健康福祉委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第5を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第5
第104号議案 大田区廃棄物の減量及び適正処理に関する条例の一部を改正する条例 ほか2件
――
――――――――――――――――――
○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第104号議案は、大田区廃棄物の減量及び適正処理に関する条例の一部を改正する条例で、租税特別措置法の改正に伴い、延滞金の割合の特例に係る特例基準割合の規定が見直されたため改正するものでございます。
第114号議案は、特別区道路線の廃止についてで、大田区南馬込三丁目1374番10の地先から大田区南馬込三丁目1058番2の地先までの特別区道路線を廃止するものでございます。
第115号議案は、特別区道路線の認定についてで、大田区南馬込三丁目1374番2の地先から大田区南馬込三丁目1374番3の地先までの路線を特別区道路線として認定するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管まちづくり環境委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第6を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第6
第105号議案
大田区立児童館条例の一部を改正する条例 ほか3件
――
――――――――――――――――――
○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第105号議案は、
大田区立児童館条例の一部を改正する条例で、多摩川児童館新蒲田分室を新設するため改正するものでございます。
第106号議案は、
大田区立保育園条例の一部を改正する条例で、新蒲田保育園の移転のため改正するものでございます。
第107号議案は、
大田区立図書館設置条例の一部を改正する条例で、池上図書館の移転のため改正するものでございます。
第116号議案は、
大田区立母子生活支援施設の指定管理者の指定についてで、大田区立コスモス苑ほか1施設について、令和3年4月1日から令和8年3月31日まで、社会福祉法人大洋社を指定管理者に指定するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管こども文教委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第7を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第7
議員提出第8号議案 大田区
心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例
――
――――――――――――――――――
○塩野目 議長 提出者の説明を求めます。
〔28番大竹辰治議員登壇〕(拍手)
◎28番(大竹辰治 議員) ただいま上程されました議員提出第8号議案 大田区
心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例について、提出者を代表してご説明を申し上げます。
この条例案は、心身障害者福祉手当の支給対象者として障害等級が2級の精神障がい者を加え、1級と同額の4500円を支給することにより、心身に障がいがある者に対する手当を公平にし、もって社会参加を助長するために提出するものです。
よろしくご審議の上、ご賛同くださいますようお願いいたします。(拍手)
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管健康福祉委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第8を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第8
議員提出第9号議案 地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例
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――――――――――――――――――
○塩野目 議長 提出者の説明を求めます。
〔34番荒尾大介議員登壇〕(拍手)
◎34番(荒尾大介 議員) ただいま上程されました議員提出第9号議案 地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例について、提出者を代表してご説明申し上げます。
地域力を生かした大田区まちづくり条例に、良好な住環境、長年にわたり培われてきた歴史と文化など、こうした地域の特色を踏まえ、未来にわたって誰もが安心して快適に暮らせるまちづくりを目指し、とあるように、基本理念を尊重する立場で、建築基準法に適合する場合でも、基本理念にある良好な住環境が不適切な形態によって損なわれる場合、十分に対応できるようにする必要があるため本案を提出するものです。
よろしくご審議の上、ご賛同くださいますようお願いいたします。(拍手)
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管まちづくり環境委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第9を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第9
議員提出第10号議案 大田区
入学祝金支給条例
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○塩野目 議長 提出者の説明を求めます。
〔35番杉山公一議員登壇〕(拍手)
◎35番(杉山公一 議員) ただいま上程されました議員提出第10号議案 大田区
入学祝金支給条例について、提出者を代表しまして提案理由のご説明を申し上げます。
この条例案は、子育て世代、若年層の収入が厳しい中、児童・生徒の保護者に入学祝金を支給することにより、子育て家庭の就学における支援とするとともに、児童・生徒の健全な育成を助長するため、条例を制定する必要があるので、この案を提出するものです。
ご審議の上、ご賛同くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管こども文教委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第10を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第10
2第159号 何のための埋立て、空港沖合移転、大田区
航空機騒音データ活用をお願いする陳情
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○塩野目 議長 お諮りいたします。本件については、羽田空港対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
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○塩野目 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。今回受理しました請願・陳情は、ただいま特別委員会に付託しました1件を除き、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会及び議会運営委員会に付託します。
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令和2年第4回定例会 請願・陳情付託表
令和2年11月27日付託
地域産業委員会
2第153号 コロナ禍のもと、施設使用料の減額を求める陳情
こども文教委員会
2第158号 保育園の突然の廃園からこどもの保育環境と家族の就労を守ることを求める陳情
議会運営委員会
2第154号 鷹栖町のような議会広告で傍聴者、Youtube視聴者を増やす努力をしてほしい陳情
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○塩野目 議長 この際、日程の追加についてお諮りいたします。本定例会の会期延長についてを本日の日程に追加し、直ちに議題といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
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○塩野目 議長 追加日程第1を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△追加日程第1
会期延長
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○塩野目 議長 お諮りいたします。12月7日までとしております本定例会の会期を12月28日まで延長いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、会期を12月28日まで延長することに決定いたしました。
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○塩野目 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。
お諮りいたします。明11月28日から12月6日までは委員会審査のため休会とし、来る12月7日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後6時22分散会...