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  1. 大田区議会 2020-10-08
    令和 2年 第3回 定例会−10月08日-04号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    令和 2年 第3回 定例会−10月08日-04号令和 2年 第3回 定例会 令和2年第3回定例会 大田区議会会議録 第16号 10月8日(木曜日)  出席議員(49名)   1 番 田中一吉       2 番 松原秀典       3 番 高瀬三徳   4 番 岸田哲治       5 番 大森昭彦       6 番 塩野目正樹   7 番 押見隆太       8 番 鈴木隆之       9 番 湯本良太郎   10 番 伊佐治 剛      11 番 深川幹祐       12 番 長野元祐   13 番 渡司 幸       14 番 高山雄一       15 番 海老澤圭介   16 番 松本洋之       17 番 岡元由美       18 番 勝亦 聡   19 番 広川恵美子      20 番 秋成 靖       21 番 玉川英俊   22 番 田村英樹       23 番 大橋武司       24 番 小峰由枝   25 番 椿 真一       26 番 田島和雄       27 番 末安広明   28 番 大竹辰治       29 番 清水菊美       30 番 黒沼良光   31 番 佐藤 伸       32 番 菅谷郁恵       33 番 福井亮二   34 番 荒尾大介       35 番 杉山公一       37 番 犬伏秀一   38 番 三沢清太郎      39 番 松原 元       40 番 須藤英児   41 番 植田智一       42 番 野呂恵子       43 番 北澤潤子   44 番 小川あずさ      45 番 庄嶋孝広       46 番 平野春望   47 番 奈須利江       48 番 馬橋靖世       49 番 荻野 稔
      50 番 奥本有里                ――――――――――――――――――――  欠席議員(1名)   36 番 荒木秀樹                ――――――――――――――――――――  出席説明員   区長            松原忠義    副区長           川野正博   副区長           清水耕次    企画経営部長        市野由香里   総務部長          後藤 清    危機管理室長        須川孝芳   地域力推進部長       今井健太郎   観光・国際都市部長     飯嶋清市   スポーツ・文化担当部長   町田達彦    区民部長          小泉貴一   産業経済部長        山田良司    福祉部長          今岡正道                         障がい者総合サポートセンター所長   福祉支援担当部長      張間秀成                  森岡 剛   健康政策部長        木田早苗    保健所長          伊津野 孝                         まちづくり推進部長                         新空港線・まちづくり調整準備室長兼務   こども家庭部長       浜口和彦                  齋藤浩一   都市開発担当部長      青木重樹    空港まちづくり本部長    白鳥信也   都市基盤整備部長      久保輝幸    環境清掃部長        落合邦男   会計管理者         鴨志田 隆   企画経営部企画課長     杉山良樹   企画経営部財政課長     田村彰一郎   総務部総務課長       中澤 昇   教育長           小黒仁史    教育総務部長        玉川一二   教育総務部教育総務課長   政木純也    代表監査委員        河野秀夫   監査事務局長        西山正人                ――――――――――――――――――――  出席事務局職員   局長       井上隆義         次長       古川雅章   議事担当係長   矢作研治 議事日程第4号  令和2年10月8日  午後1時開議  第1   第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算   第76号議案 令和元年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算   第77号議案 令和元年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算   第78号議案 令和元年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算  第2   2第144号 大田区のオープンデータを早急に充実させて公開してほしい陳情   2第142号 大田区介護保険料減額制度の改善を求める陳情   2第147号 学校、保育園でのコロナ感染者発生時に濃厚接触者範囲より広くPCR検査を求める陳情   2第145号 田園調布5丁目水防拠点土地購入問題についての陳情   2第149号 私道整備助成期限付き補助率割合増で道路舗装をすすめてほしい陳情   2第146号 学校、保育園でのコロナ感染発生時に名称を公表することを求める陳情   2第148号 外国人学校保護者助成金制度の見直しを求める陳情   2第150号 自主休校をしている生徒が提出する課題で通知表の評価をするように求める陳情   2第143号 航空機騒音による区民への健康被害を調査し、実態の把握を求める陳情  第3   委員会提出第1号議案 固定資産税及び都市計画税の減免措置等の継続を求める意見書  第4   委員会継続審査及び調査要求               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜                     午後1時開議 ○塩野目 議長 ただいまから本日の会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 まず、黒沼良光議員から発言の申出がありますので、これを許します。                    〔30番黒沼良光議員登壇〕 ◆30番(黒沼良光 議員) 日本共産党大田区議団の黒沼良光です。発言の機会を与えていただいたことを感謝申し上げます。  私の所属する9月15日の総務財政委員会で、大田区特別定額給付金申請受付終了についての質疑の中で、私の発言について不適切な部分があり、皆様にご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます。  私の発言は、申請書に記載する金融機関コードに関するものです。私の発音が悪く、それを金融口座番号と聞き間違えられた方もおられたようです。申請書に記載するよう求められた金融機関コードは、添付する通帳のコピー部分に載っている金融機関通帳と載っていない金融機関通帳があることはご存じかと思いますが、私の使用したさわやか信用金庫の通帳には、金融機関コードがありません。調べられない高齢者も多く、通帳に金融機関コードが記されていない場合でも、「大丈夫です。受け付けます」と担当課から返事ももらっておりました。こういった経過もあり、委員会で「わざと金融機関コードナンバーを書かなかったんです」と不適切な発言をしてしまい、改めておわびいたします。  以上で終わります。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 本日の日程に入ります。  日程第1を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第1  第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算 ほか3件(委員会審査報告)                ――――――――――――――――――――                   決算特別委員会審査報告書  本委員会に付託された議案は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。     令和2年10月8日   大田区議会議長 塩野目 正 樹  様                                決算特別委員長  海老澤 圭 介                         記  ┌───────────────────────────────────────┬────────┐  │議  案  名                                │結 果     │  ├───────────────────────────────────────┼────────┤  │第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算               │認定      │  │第76号議案 令和元年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算       │        │  │第77号議案 令和元年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算        │        │  │第78号議案 令和元年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算           │        │  └───────────────────────────────────────┴────────┘                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 決算特別委員長の報告を求めます。                  〔15番海老澤圭介議員登壇〕(拍手) ◎15番(海老澤圭介 議員) ただいま上程されました第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算ほか3件につきまして、決算特別委員会における審査経過並びに結果のご報告を申し上げます。  本委員会は、今定例会に提出された令和元年度決算4件の議案審査のため、去る9月11日、委員47名の構成により設置され、同日、直ちに正副委員長の互選を行いました。9月23日には会計管理者から総括説明を受け、9月25日から10月6日まで、実質6日間にわたり集中審査を行いました。  なお、質疑等の具体的な内容につきましては、全議員出席のため、ご報告を省略させていただきますので、ご了承ください。  各会計決算の質疑終結後、討論を行いましたところ、各会派から、それぞれ反対、賛成の態度が表明されました。  以上の後、採決を行いましたところ、第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算、第76号議案 令和元年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算、第77号議案 令和元年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算及び第78号議案 令和元年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算の4件の議案につきまして、いずれも賛成者多数により認定すべきものと決定いたしました。  以上、決算特別委員会における審査経過並びに結果のご報告とさせていただきます。(拍手) ○塩野目 議長 討論に入ります。  本案については、黒沼良光議員大森昭彦議員野呂恵子議員小峰由枝議員奈須利江議員、犬伏秀一議員、荻野 稔議員から通告がありますので、順次これを許します。  まず、30番黒沼良光議員。                  〔30番黒沼良光議員登壇〕(拍手) ◆30番(黒沼良光 議員) 日本共産党大田区議団を代表して討論を行います。  まず最初に、新型コロナ禍被害の中、区民の生活も中小企業、小規模企業も大変な状況です。昨日も、お店を閉めたと胸の痛む声が届きました。区民の命と財産を守るため、万全の体制を整え対策を講じることを求めます。  それでは、討論を行います。第75号議案 2019年度(令和元年度)一般会計歳入歳出決算、第76号議案、第77号議案、第78号議案の各特別会計歳入歳出決算の認定に反対の討論を行います。  まず、一般会計歳入歳出決算です。決算では、歳入総額は2806億7690万円、歳出総額は2760億912万円、歳入歳出差引額は46億6778万円となりました。  今決算には、認可保育所の整備、区立小中学校体育館の暑さ対策、地域包括支援センターの南馬込新設、障がい者総合サポートセンターの充実、精神障がい者へのアウトリーチ支援と退院後の支援、呑川高濃度酸素水浄化施設設置ものづくり産業等実態調査等は評価しますが、今決算の認定に反対の理由の第1は、国民健康保険料をはじめ、相次ぐ値上げで区民の負担増を押しつけながら、最終となった第5次補正で公共施設整備資金積立基金、新空港線整備資金積立基金を各10億円、防災対策基金も同様に10億円、計30億円の積立て、特別区債を当初予算57億円だったのが4億3000万円と53億円減額、内訳は、予定だった各施設整備の区債発行は大田スタジアムだけで、他は区債発行せずに執行され、53億円を減額しました。
     決算年度は、台風15、19号災害、10月の消費税増税を受けた深刻な不況、そしてコロナ禍という三重苦に苦しんだ区民に対して、このような財政がありながら、避難所改善のための職員増も、中小企業を励ます家賃助成や国保の人頭税に等しい均等割の改善もやらず、住民の福祉の増進という自治体としての本来の役割を果たさなかったことです。区民の雇用を最も支えている中小企業、商店の倒産、廃業が消費税増税、コロナ禍で増えていることは、「大田区の景況」で見てとれます。  反対の第2は、不要不急の大規模開発を推進していることです。予算編成方針でも、羽田空港跡地については、空港跡地第1ゾーン5.9ヘクタールを、鹿島建設をはじめ出資企業9社による羽田みらい開発株式会社に平米600円で50年間の借地契約を行い、7月にオープンしましたが、開発会社は事業費540億円を見込んでいると日経新聞が報じているように、これだけ巨額の事業費をつぎ込むということは、いかに膨大な利益を見込んでいるかうかがえます。これに大田区は手を貸していることになります。  そもそも国家戦略特区とは、企業が世界で一番ビジネスをしやすい環境をつくることを目的に、大胆な規制緩和と税制面の優遇を行う規制改革制度です。現在、区が賃料を払っている17ブース、4000平米の賃料は毎月計2400万円です。いまだに1社も借り手が決まっておらず、年内は見通しが立たないとのことですから、区に入るはずの賃料はゼロであるだけでなく、区内中小企業とのマッチングの見通しもないことになります。6か月で1億4400万円ということですから、7月から支払いが始まっている1か月2400万円はどぶに捨てるようなものです。利用計画の再検討を求めます。  さらに、新空港線について、区は、「東京都との協議は大詰めを迎えており」と言いながら、6次補正で整備主体の設置予算1億8000万円を削除してしまいました。それにもかかわらず、新空港線整備資金積立基金積立金は補正で積み立てたままにしておくなどは整合性がありません。しかもコロナ禍の中で、これまでの1260億円の基礎としてきたデータは、乗客数も工事費も根拠を失っています。新しい生活様式から考えても、実現はほぼ不可能に近い状態です。1年前の決算討論でも述べましたが、東急の橋社長が「蒲蒲線は大田区と同じ思い、我々の悲願です」と述べているように、東急の計画ということではないでしょうか。中止の決断を求めます。  反対の第3は、一層の民営化と、非正規職員の配置や臨時職員を活用し、区民サービスの質の低下が心配されていることです。区立保育園の民間委託、児童館や学童保育の民間委託、図書館や障害者施設の指定管理者制度など、経費削減とサービス向上を理由に進めてきましたが、民間委託や指定管理の職員は低賃金の非正規労働者で、自治体自ら官製ワーキングプアをつくり、貧困を生み出しています。それは災害時の最前線に立つ区職員が大幅に削減され、災害時に招集をかけられず、職員不足を招く原因になるという矛盾をつくり出しています。このことは新自由主義そのもので、企業の利益を最優先に据え、民営化、自己責任、小さな政府として、医療、福祉など社会保障費抑制、公務員削減など、行財政改革を推進することです。保健所の感染専門保健師も減らされてきたことも同じ流れです。  さらに、複合施設について党区議団はかねてから指摘してきましたが、公共施設適正配置方針は企業のもうけ先づくりのためです。総床面積を1割程度削減し、民間に売却もする計画であるとともに、規模が大きくなり、地元業者が工事に参入できない上に、工期が長くなり、児童・生徒に大きな負担を与えてしまいます。しかも複合化は、身近な公共施設がなくなってしまい、遠い、狭い、不便という高齢化社会に逆行する社会になってしまいます。こうした様々な問題がありますので、施設の複合化は見直すべきです。  まず、コロナ禍についてです。新型コロナウイルス感染症拡大を抑える鍵はPCR等検査の抜本的拡充です。検査を増やすと患者が増えて困ると言う人や、PCRの検査感度は7割と言う人もいますが、逆です。検査を狭くしているから感染が広がり、患者が増えるのです。無症状の感染者が排出するウイルス感染が市中感染です。この対策をしない限り感染防止は不可能です。「コロナウイルスの検出には、抗体検査や抗原検査よりも、正確さにおいてPCR検査を超えるものはない」と、日本臨床検査医学会新型コロナに関する委員会委員長の蛹エ克紀さんは言っています。PCR検査は増幅させる方法です。微量のウイルスでも検査できる高い感度が最大の特徴だからとのことです。無症状の人でも、感染した人の喉にウイルスがあれば、ほぼ100%検出できるといいます。また、7割と主張する人々の根拠としている論文は、1000人の患者についてPCR検査をした結果を記したもので、ウイルスを出していない人も含まれたデータです。出していない人が3割いたことをもって、PCR検査の感度は7割と言っているだけです。もし偽陽性者がいても、再検査で防げます。日本で一番問題なのは、諸外国と比べて検査が圧倒的に少ないことです。大田区も同じです。PCR検査の抜本的改善を求めます。  次に、新年度予算に要望します。来年度予算では、区民への負担増をしながらの大規模開発をやめて、区民の暮らしや福祉、子育て、教育、産業支援への転換をすることを求めます。子育てでは3か年実施計画で今年度末で待機児ゼロの計画になっておりますので、改めて、区民への公約であり、年度内での実現を求めておきます。  また、大田区保育従事職員宿舎借り上げ支援事業がありますが、大変喜ばれています。保育の質の確保にもつながります。東京都が来年度補助金廃止の方向を出していると聞いていますが、都に廃止しないよう求めるとともに、廃止した場合でも都の分を区が補填し、継続するよう求めます。  次に、生活保護基準額が10月に下げられ、3年連続して引き下げられました。憲法25条の立場で元に戻すことを求めます。また、ケースワーカー職員は係長を入れることなく、職員1人当たり80世帯という国の標準数を守ることを求めます。  また、5年ぶりに行った区内中小企業全ての事業所に対してものづくり産業等実態調査を行っていますが、結果を受けて、小規模企業振興基本法に基づき、具体的に後継者支援、工場家賃助成、従業員の給与、社会保険料の事業者負担固定資産税への支援等を来年度予算に反映させることを求めます。  次に、羽田空港機能強化についてです。コロナ禍の中で大幅に減便されている中で、増便の根拠は失われています。国は、増便の影響により新たに発生する危険、騒音、落下物の増大、環境悪化など、対策を打ち出しましたが、区民にとって最大の対策は増便しないことです。住民の安心・安全、暮らしを守る地方自治体としての役割を発揮し、新飛行ルート案を含む機能強化を名目にした増便計画の撤回を求めるべきです。  次に、公共施設使用料の値上げ分は凍結されましたが、値上げそのものは消えていません。そもそも公の施設は地方自治法244条第1項で規定されており、住民生活に不可欠な施設は租税で、いわゆる区民税で地方自治体による設置義務、管理義務となっており、人件費も含み、大田区のような使用料に入れることはもってのほかです。また、地方自治法第10条2項は、住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有するということから、使用料に受益者負担の立場を持ち込むことはできません。租税を徴収できない民間のやり方ならば使用料に受益者負担の基準で考えられますが、公は租税を基準にすべきです。  最後に、全事務事業見直しについて申し上げます。見直しの視点3点は、公共サービスの産業化で生産性の向上の考え方です。いわゆる稼ぐ力路線を持ち込むことで、自治体の変質が進みつつあることにほかなりません。あらゆる公的サービスを民間に開放しようとするもので、その立場から補助金事業、窓口業務を見直そうとするもので、小さな政府として、削減、減少を意味しており、認められません。区民の暮らしと安全を第一に考え、自治体の公的責任を果たすことが求められます。こうした路線を撤回し、公的責任を果たすべきです。  さらに、生産性の向上とは、2018年に制定された生産性向上特別措置法に基づくものであり、産業と就業構造をAIやIoTの進展に対応させるものです。行政機関の持つデータを大企業へ提供する新たな仕組みです。これはプライバシーについて懸念があり、このような仕組みを事務事業見直しに持ち込むべきではありません。第6次補正に見られるように、このような事務事業の見直しは、4月から半年もたたないのに、年度途中で出た不用額を他の事業の財源として使っていくことになります。このことは今後新たに財源をつくる名目で、区民に約束した事業を途中で放棄することになります。  次に、第76号議案 国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定に反対します。  2018年度から制度改正で財政運営主体が東京都になったものの、毎年上がり続ける高い保険料は是正されず、今年度も平均額で1028円増の12万6202円となりました。さらに、法定外繰入れを段階的に解消する方針を取っており、さらなる保険料の引上げが予想されます。特に問題なのは、保険料の納期内に納められなかった区民に課す延滞金です。前年度の決算では109万円だったのに、今年度は1356万円と一挙に12.4倍です。3年前までは徴収していなかったのに、異常な徴収状態です。いくら東京都から徴収するよう助言があったとはいえ、指示でも命令でもありません。しかも、延滞金を徴収している自治体は、23区中、大田区を含むわずか9区です。直ちに延滞金の徴収をやめるよう強く求めます。  また、国保にしかない多子世帯など、世帯加入者の人数が多いほど高額になる人頭税のような均等割のせいで、8月末現在で31.7%も滞納世帯があります。決算年度2019年度は、滞納世帯に対して差押え752件で、差押えするような資産がなく、執行停止が4026件あったと報告されています。保険料の滞納者は払わないのではなく、高くて払えない実態があります。国や都のさらなる財政負担を求めると同時に、一般財源からの法定外繰入金の投入を増やし、高過ぎて払えない保険料の値下げを求めます。  次に、第59号議案 後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定に反対します。  東京都後期高齢者医療広域連合の保険料は値上げです。さらに、均等割の減免特例を廃止して、本則に戻しつつあります。制度そのものに反対しているので、反対します。  次に、第60号議案 介護保険特別会計歳入歳出決算の認定に反対します。  今決算年度は、第7期介護保険事業の中間の年度となります。第7期事業では、要支援者に対して、自治体の裁量によって行われる総合事業が本格的に始まり、総合事業が予算額でも決算額も毎年減っている状況が続いています。それは介護事業者による支援について、原則1年と期間を決めて卒業、終了として、サービスの切捨てが行われていることが減っている原因です。その結果、介護給付費準備基金は、今決算年度では当初2億円余、補正で8億円余と10億円余も積み立てられ、第6期事業終了時35億円から18億円余増の53億円と大幅に増えています。こんな保険あって介護なしの決算の認定に反対します。  最後に、我が会派の議員が款別質問で求めた項目を改めて求めます。  指定保養施設の補助日数が2日に、補助金も3000円が2000円に削減されたことを元に戻すこと。コロナ禍の中でいこいの家敬老マッサージ中止による視覚障がい者に保障を。熱中症対策で生保受給者に電気代の補助とエアコン設置費用の助成を。コロナ禍対応就学援助の拡充継続と生保削減による就学援助引下げ中止を。国保加入者の延滞金の徴収の中止を。コロナ感染による国保料減免者に過年度分延滞金の免除。国保料の強引な収納問題の改善を。区のホームページや督促状を送る際、「おおたの国保」などに徴収の猶予や換価の猶予を明記し、制度として周知の徹底を。コロナウイルス感染症対策で保育士へ危険手当の支給を。商店街のお休み処を増やすためにスタートアップ支援事業の見直しを。決算年度の特別区債は世代間負担の公平の確保のためにも適正な発行を。感震ブレーカー支給事業では支給対象の緩和とともに、全ての世帯や事業所に感震ブレーカーの設置を。  ただいま申し上げましたところの第59号議案は第77号議案でした。第60号議案は第78号議案です。訂正いたします。  これら款別質問での要望を新年度予算に盛り込んでいただくことを改めて要望します。  以上で反対の討論を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 次に、5番大森昭彦議員。                  〔5番大森昭彦議員登壇〕(拍手) ◆5番(大森昭彦 議員) 自由民主党大田区民連合の大森昭彦です。ただいま上程されました第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算及び第76号議案から第78号議案に至る3件の特別会計歳入歳出決算の4件全ての会計決算に対し、自由民主党大田区民連合は全て認定することに賛成の立場から討論いたします。  令和元年度予算は、昨年の第1回定例会予算特別委員会において、議決機関として一層充実した予算審査を行うため、任期満了の年における審査日数を6日間に延長して初めて委員会審査が行われ、可決された予算でありました。その当初予算は2818億9242万円余となり、前年度比31億1595万円、1.1%増と、過去最大の予算規模となりました。その後、選挙が行われ、松原区長の4期目がスタートしたところで、間もなく元号が改定され、令和の年を迎えました。特に肉付け予算を加えるわけでもなく、その後の定例会にて5次にわたる補正予算を組むに至り、最終補正後の予算は2888億2550万円となり、当初予算に比べ69億3308万円増となりました。  歳入は、特別区税、特別区交付金及び国庫支出金などが増加するとともに、新たな財源として、環境性能割交付金が1億円、幼児教育・保育の無償化の導入に伴い、令和元年度限りで子ども・子育て支援臨時交付金が約9億8000万円増となるなど、国や都の交付金で予算が膨らんだということもあり、過去にない大きな歳入決算となりました。年度前半は、都内の経済が依然として緩やかな景気回復基調が続いていたことが好条件をもたらしたと考えます。区の納税義務者数が前年より約8800人増加し、人口増となり、特別徴収義務者数も1126人の増加が見られました。これらを反映し、特別区税は平成24年から7年連続で伸びています。区税の現年度分徴収率は99.11%、滞納繰越分も含め、それぞれ目標徴収率を達成できたことは、職員がしっかり業務に努めている成果であることを評価いたします。今後も継続的に取り組んでいただくようお願いしておきます。  一方で、普通会計決算における経常収支比率が昨年度の83.3%から85.9%と、2.6%増えることとなりました。これは平成27年度79.9%以降、4年連続して増加している模様で、財政構造の弾力性をはかる上に検討される数値でありますが、一般的には70%から80%の間で推移していることが望ましいと従来から示されています。本区では80%台を維持することを目標にしています。増え続けるこの数値には今後注意をするべきであると考えます。  年度後半の区政運営については、新型コロナウイルス感染症の発症、感染拡大の影響を受ける世の中となりました。ここまで顕著に税収増となってきた区財政ですが、コロナ禍における世界的な経済不況が我が国にも及び、国内の感染拡大と国民の生活に大打撃を与えるようになりました。区ではその対策を、区長を中心に積極的な取組をされましたが、区が抱える施設の貸出しを中止することで歳入減を招き、また感染拡大防止対策支援事業の翌年度繰越しなど、事務執行及び会計処理において影響が出たと考えます。さらには昨年の秋、立て続けざまに日本本土を襲った台風15号と19号、その他ゲリラ豪雨等、区民生活や行政施設にも自然の災害が及び、大変な教訓を得た上で新たな行政需要に対応しなくてはならず、行財政運営のかじ取りが中長期の視点で求められます。国庫支出金、都支出金など積極的に活用し、さらなる財源確保、収納率向上や未収金の対策をしっかりやっていただき、新たな歳入の確保に取り組み、様々な手法などを活用して組織的に取り組んでいかれることを期待します。  そういった中、近年、毎年のように不用額が出ていることにいささか危惧しているところであります。100億円を超える額がここ数年示されております。何ゆえに不用額の縮減が図られてこないのか、その背景や原因を丁寧に分析し、費用対効果を踏まえた精度の高い見積りを持って、次年度の予算要求へ的確に反映することをお願いしておきます。  本区の積立基金は、年度末において1248億円余となっていて、その運用益については4426万2789円となり、前年度比212万円余の減となりました。新たな積立金が取り組まれたものの、新型コロナ感染拡大の影響下で、区民の暮らしやものづくりで頑張っておられる区内企業が疲弊し、経営を圧迫し、さらには従業員の生活も脅かす事態となり、本区においては支援策に取り組み、基金を取り崩す事態となっています。区民生活を守っていく中で緊急な対策を実施できるのも財政基金を積み上げてきたからで、これからの情勢を鑑み、区民の生命、財産をしっかりと守っていく施策の取組をお願いしておきます。  羽田イノベーションシティの開発では、基金の活用が一段落しました。コロナ禍の影響で、オープン時やその後の営業開始に遅れや多少のずれが生じたことと思いますが、これからのにぎわいに期待するところであります。  羽田の開発以前から、区民や企業の協力をいただきながら話し合い、調整を繰り返してきているのが新空港線であり、蒲田の再開発問題であります。  現在、新型コロナウイルス禍の社会情勢でありますが、大田区では総括質疑での答弁のとおり、生活の復興、経済復興の推進をしっかり取り組み、国土強靱化への取組の強化、新しい生活様式の実現という3本の柱を定め、コロナ禍を踏まえた経営方針を掲げるとともに、事務事業の見直しを行い、ニューノーマルに対応したまちづくりに取り組んでいることは高く評価しています。非常事態においては、このような考え方を示すことが極めて重要であると考えます。  大田区の中心拠点である蒲田については、新空港線整備とともに、国土強靱化に向けた安心・安全で利便性の高いまちづくりを優先的かつ計画的に進める必要があります。これまで蒲田駅周辺は、戦災復興の土地区画整理事業により形成されており、周辺の道路幅員も十分ではなく、街区自体も小規模であるということと、航空法の高さ制限という大きな制約もあることから、まちの機能更新が進みづらい状況にありました。しかしながら、新空港線の整備はあと一歩まで来ており、蒲田駅東口では、駅前の2街区で再開発準備組合が立ち上がっているほか、現在、国、都、鉄道事業者などの関係者と蒲田駅周辺の基盤整備方針の策定を検討するなど、関係者間の連携も強固になってきました。今こそ官民連携しながら、蒲田を大きく変える絶好の機会であると考えます。こうしたまちの機能更新の気運が高まる中、これを逃すことなく、新空港線整備を契機に蒲田の地域特性、交通特性を踏まえながら、蒲田らしさを意識したアフターコロナ、ウィズコロナにも対応する、ゆとりのある居心地のよい安心・安全な蒲田を目指し、これまで以上に力強くまちづくりを進めていただくよう強く要望いたします。  区内企業の盛り上げ、経済の活性化を考えれば、リフォーム助成事業の拡充は欠くことのできないものであります。これからもしっかり取り組んでいただくことをお願いいたします。  また、相次ぐ災害に対する備えを積極的に取り組まなくてはなりません。耐震や水害に対する備えをしっかり実行していただき、防災の強化を図り、不燃化特区制度の区民周知に粘り強く取り組まれるよう要望します。  安心・安全なまちづくりに対する施策、次世代を担う子どもたちへの応援施策、国際都市おおたの実現に向けた施策、地域課題の解決を支える施策など、未来の大田区の発展、区民が住み続けたいと思う大田区の構築を目指し、突き進んでいただくことをお願いいたしまして、第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算から各特別会計歳入歳出決算に至る4件全ての会計決算の認定に賛成いたします。  以上で討論を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 次に、42番野呂恵子議員。                  〔42番野呂恵子議員登壇〕(拍手) ◆42番(野呂恵子 議員) エールおおた区議団は、ただいま上程されました令和元年度(2019年度)第75号議案 大田区一般会計歳入歳出決算並びに第76号議案 国民健康保険事業特別会計決算の認定に反対し、第77号議案 後期高齢者医療特別会計決算並びに第78号議案 介護保険特別会計決算の認定に賛成し、討論を行います。  初めに、国保会計についての討論をいたします。  国保会計は2019年3月の条例改正を受け、保険料が増えた世帯が96%、減った世帯が4%、加入者の50%の世帯が収入250万円以下という状況でスタートいたしました。区の滞納者世帯は2018年12月の委員会で3万4000世帯、34%と報告されていました。厚労省の昨年度調査結果は、国保滞納者が全加入者の14%、実に245万世帯、滞納率が最も高い東京都は22.3%でした。特に、国保会計に占める無職者が、昭和40年6.6%だったものが現在43%を超えているのです。  国保制度改革と称して、激変緩和措置を6年後に終了させるとした2018年度から間もなく終了の機会を迎えますが、それは法定外繰入れを解消することと背中合わせです。このままでは高過ぎる保険料に区民は一層厳しい状況に追い込まれます。昨年10月に社会保障の充実のためと消費税が引き上げられましたが、国の激変緩和の継続、国の負担を増やすよう求めるとともに、区民の保険料負担を改善すべきです。  続いて、一般会計決算について述べます。  松原区長が自ら公約として掲げた3期12年の多選自粛条例の廃止を議会の承認を得て議決され、編成した2019年度当初予算は、過去最大規模でした。第5次補正を経た一般会計歳入決算額2806億7690万円と前年比マイナス23億円余、歳出総額は2760億912万円でした。不用額が前年度より約1億円減ったとはいえ、118億円と多額であり、入札結果に伴う事業費の執行残、各部局の経費削減などが要因としておりますが、監査委員から、「財政主管部局は、新たに生じた課題や優先度の高い事業などに再配分する役割を担うことが求められる」と意見が付され、長年の課題が改善できません。  また、年度末の第5次補正予算において、41億2032万円余も減額補正をしたことを勘案すれば、区民を支えるより多くの事務事業が可能でした。  昨年度は台風やコロナ禍など大変な変動のあった年であったことは承知しておりますけれども、会派として、決算で問題があるとした事務事業は、羽田空港跡地における産業交流拠点の形成事業、空港跡地関連業務委託費等約4億2574万円です。  区は、羽田みらい開発株式会社と事業契約を締結し、新産業創造、クールジャパンの発信拠点などを掲げ、羽田イノベーションシティにハネダピオをオープンさせました。ハネダピオの17ユニットのテナントゾーン総面積2543.1平方メートル、全ユニットに入居すれば月額約1653万円の収入、年間約1億9836万円の収入を見込めますが、入居予定者は昨年の8事業者から現在4事業者と、賃貸料収入予測も確約できていないのです。これまで住民の福祉のため職務に励んでこられた職員の方々には、経験したことのないユニットの賃貸など不動産事業など、企業との交渉を含め、民間レベルの事業でもあり、そもそも自治体の事業内容として取り組むことが疑問です。  10月1日からハネダピオでは、産業交流課課長含め7名の職員が勤務を開始し、公益財団法人産業振興協会から3名、航空会社ANAから出向2名で5名体制、施設管理のため、株式会社大田まちづくり公社から3名と、総勢15名がこの事業に当たるようですが、これだけ多くの人材を投入し目指す事業ではありますが、新産業創造・発信拠点の具体性、目指す到達点などが私たちには分かりにくいのです。  大田区には産業プラザという拠点があり、数々の事業に取り組んできました。産経部決算額約45億円余でしたが、産業支援施設の運営、新製品・新技術開発の支援、創業支援、ネットワーク形成支援、次世代のものづくりを担う人材育成、海外市場開拓支援など、区内中小企業を支える多岐にわたる事務事業の推進は、試行錯誤をしながら区が進めてきた全国の先駆的なものづくり、大田区の産物だと考えています。  一方、ハネダピオでは、ものづくりを中心とした区内産業振興に資することで、産業面からの地域振興に寄与することを目指し、世界と地域をつなぐ新産業創造・発信拠点になると、新しい産業モデルの創出を訴えていますが、コンセプトがいまひとつ分かりにくく、企業にも見えやすくなっているでしょうか。  ハネダピオのソフトを担う産業振興協会の昨年度運営費決算額は5億6958万7145円、さらに委託料として大田区から1億4953万円余が支出されてきました。協会のホームページに並ぶ商談機会の拡大や産学連携などは、これまでも打ち出してきたものであり、ハネダピオならではの新産業創造をどう打ち出すのか、協会は問われています。本日、ホームページが大々的にリニューアルされ、大分見やすくなっておりましたが、試行錯誤しながら努力していることは実感いたしました。  確かに、製造業の現場では今、デジタル化が加速し、ものづくりの分岐点に差しかかっていますが、若手人材不足と資金不足でIoTに取り組む余裕がないという課題も抱えています。  今年4月、一般社団法人ファクトリーサイエンティスト協会が開設し、製造業各社の付加価値をどう高めるか、IoTの知識と技術の習得、各企業に合ったデジタル化の促進のため、養成講座に力を入れました。特に入社9年目程度で、30代までの社員の育成に取り組んでいます。新産業創造に若いノウハウが必要であり、製造業の存続をかけているのです。講座には金融機関の方も参加されるなど、受注が減っているコロナ禍の今、その時間を技術を高めるチャンスに変えるという視点もあります。大田区は既にIoTを活用した取引環境の整備に1億1906万円支出し、仲間回しに先進的に尽力してきた実績があり、それらを有効に活かすべきです。  阪神大震災を契機に、地域の産業振興のため創設された兵庫県の公益財団法人新産業創造研究機構では、大田区が掲げる新産業創造に既に取り組み、健康・医療、ロボット・AI、地域産業、環境エネルギー、航空機分野など、5分野での地域創生を目指しています。コロナ禍の環境変化が産業振興に及ぼす影響を短期、中期、長期の視点で分析し、もちろん県と自治体の違いはありますけれども、取り組むことが提示されています。  また、賛助会員を募り、独自資金を確保し、関わってきた企業や金融機関の名前を連ね、財団がどんな企業と取引しているか一目瞭然で分かる安心感を新たな開拓につなげているのではないでしょうか。世界と地域をつなぐというのであれば、協会をそうした視点からも発展させる人材育成が今求められています。  区は50年という長期の事業に取り組むのです。区長として、50年先を見据えた短期、中期、長期の見通しをどのように区民に示されるか。コロナ禍により今年4月から6月期のGDPがマイナス27.8%と、1955年以降最大の落ち込み、台風など気候変動による食糧危機など、短期間で世界的な影響を受けていますが、長期事業の見通しをどう立てるのか。しかも職員は、大手企業を相手に調整を続け事業に向き合っていくのであり、50年先を誰が最後まで見届けていくのか。  コロナ禍の今、区民生活はじめ、あらゆる分野で影響を受け、580億円の財源不足と提示されました。限られた財源を住民の福祉のために使うことこそ第一とすべきです。ただし、施設は建設され事業が開始している現在、しめくくり総括質疑でも取り上げたように、ユニットの一部をコワーキングスペースなどに活用させ、ハネダピオを多くの人に知ってもらう工夫、少しでも収入を得て、税金の持ち出しを減らすなど、代案の検討を要望させていただきます。  続いて、人件費と物件費について述べます。人口74万人に増加した区では、事務事業も膨大に増えています。区は長らく職員の条例定数を見直さず、非常勤職員の採用、委託、指定管理などで運営してきました。その結果、人件費413億6600万円に対し、委託や指定管理など物件費は472億9100万円と逆転し、その幅が昨年度過去最大の決算でした。  総括質疑でも伺いましたが、今年度から非常勤職員ではなく、地公法22条に基づく一般職、会計年度任用職員の採用を開始しました。予算書によれば、会計年度任用職員の採用予定は2613名、9月1日時点では1473名、そのうち専門的な職員数は1070名ですが、全て短期採用、その多くは教育委員会、保育所、児童館など、子どもたちを支える部局の勤務です。しかし、短期採用一般職は、災害時に緊急配備につくことを採用時に示していません。改善が求められると同時に、それが難しいのであるなら、定数条例と災害時の職員配置について審議会を設置し、検討すべきです。物件費の増大が加速し過ぎれば、自治体運営を支える公務員が減少し、その力を弱めていくことになります。職員は大田区の、この地域をつくる要であり、その育成を大切にしていきたいものです。  さて、会派として多くの事務事業も評価しています。女性の就労支援、女性のための相談は785件に上りました。待機児解消のため、16か所の認可保育園整備、当初目標の850名を大幅に上回り、896名の定員拡充、新たに認可外保育施設等の指導監査も行うため、職員配置は必須です。一時預かり保育での利用実績延べ8576人、しかも今年度は、より利用しやすい環境整備のため、利用料1時間900円を500円に、双子や多胎児のため、1時間250円と引き下げて、子育て世帯を支援してくださいました。  生活困窮者自立支援事業では、貧困の連鎖を防止するため、高校進学の学習支援を続け、利用者151人のうち、中学3年生112人全員が高校合格を果たし、信頼関係を築いた結果と受け止めました。在宅医療体制の強化のため、情報共有の在宅医療連携ノートを作成し、切れ目のない医療体制の取組。働き盛りの従業員の健康づくりを進める区内事業者を健康経営事業所として認定し、企業の生産性向上を健康面から支援。ひきこもりの方の支援では、定期的に茶話処を開催し、保護者とのつながりを深めています。障がい者総合サポートセンターでは、重度心身障がい児の宿泊利用、主治医がいない発達障がい児児童などの支援で、B棟での新たな事業を展開してくださいました。文化財保存のため学芸員による書籍編集。子どもたちに大田区の歴史、文化が継承されることを期待します。  居住支援協議会が設置され、安心して住み替えができる支援事業へ着手いたしました。今後は、メンバーである市民協など区民団体の力も活かし、高齢者だけではなく、ひとり親世帯なども利用しやすい工夫を求めます。多文化共生の相談事業が定着し、文化の異なる外国人支援は区外からも高い評価を受け、特にコロナ禍では、一層その重要性が増しています。まだまだ多くの評価する事業がありますが、これら区と区民、地域をつなぐ事業において、昨年度、社会教育主事の採用を行い、地域人材の育成のため、生涯学習相談員の育成に取り組みました。社会教育の充実で区民協働が根づくことを期待します。大田区区民協働推進会議では、協働と学びの地域づくりを柱に、コロナ禍にあっても排除のない社会、行政だけでは見えない課題を地域で活動する区民や団体から学び、施策に活かしていく重要性が訴えられていると感じました。  最後に、会派が質疑で取り上げた項目について要望させていただきます。  認知症高齢者が年々増加しており、2025年には730万人、高齢者の5人に1人が認知症と予測されます。さらに、若年性認知症の増加でヤングケアラーと呼ばれる親を介護する子どもたちが増えている中、その実態調査を求めます。切れ目のない子育て支援、母子支援につなげる子育て世代包括支援センターの設置を求めます。  そして、ウィズコロナ時代の子どもの学びと育ちを支える教育委員会の革新的な取組をお願いいたします。教育の機会均等のため、全ての小学校で理科教育の充実を。そして、児童養護施設退所後のフォロー。この点、先日、国がようやく全国調査をすると発表いたしました。施設退所後の若者の支援は、貧困の連鎖を食い止める大切な施策だと受け止めました。  今回、我が会派は、一人ひとりの人権を守るという視点で質疑を行いました。蒲田で3歳児が死亡したことの重さは計り知れず、全庁を挙げ、短期間で3歳児死亡事例検証報告書を出し、併せて外部有識者による付帯意見も提出してくれました。そこには、子育ての孤立を防ぐため、子育て世帯に温かい、面としての地域づくりが期待されています。まさに行政だけではなく、地域の様々な団体や区民とともに見守り、支える地域づくりです。その根底にもう一度区民協働を置き、現場主義に徹する役所を目指したいものです。国内で引き起こされる子どもを取り巻く虐待や死亡などを受け止め、日本財団が子ども基本法の制定を国に提言いたしましたが、進まない法整備を前に、自治体から声を上げることも求められています。区の未来を担う子どもたちの最善の利益を守るため、子どもの権利条例制定に向け、大田区、そして私たち区議会も検討を始めていこうではありませんか。  このように、2019年度決算に評価する部分も多々ありますが、国保会計並びに一般会計歳入歳出決算の認定に二つの面からエールおおた区議団として反対いたします。新空港線の課題、そして羽田新飛行経路問題など多々ございますけれども、区民に寄り添う大田区を目指していきたいと思います。  そして、第77号、後期高齢では、中間所得層の保険料の引下げ、そして第78号、介護保険事業では、認定をいたしますけれども、総合事業は1年で卒業とせず、継続をして支援することを求めます。  今、まさに予算編成のさなかとは思いますが、住民福祉の視点に立った2021年度予算編成を期待し、エールおおた区議団としての討論を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 次に、24番小峰由枝議員。                  〔24番小峰由枝議員登壇〕(拍手) ◆24番(小峰由枝 議員) 大田区議会公明党を代表し、ただいま上程されました第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算、第76号議案から第78号議案に至る各特別会計歳入歳出決算の全てを認定することに賛成の立場から討論いたします。  まず、大型台風に続く新型コロナ感染への対応については、拡大防止に努めるとともに、区民の生命、安全、区内経済を支えるために迅速な対策を講じ、区民生活を支援したことを評価します。あわせて、今後コロナ禍の影響がさらに強まることを鑑み、本年度並びに来年度の取組について要望させていただきます。  令和元年度予算は「地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市 おおた」のスローガンの下、当初予算2818億9242万円が計上されましたが、その後、5次にわたる補正予算を行い、一般会計の予算規模は2888億2550万円となり、当初の予算に対して69億3308万円の増となりました。総括質疑でも述べたように、補正予算の決定額が当初予算を下回ることがないよう、この経験を活かし、適正な事業執行をするために精査を重ねるよう求めます。  経常収支比率は85.9%で、硬直化が懸念され、留意が必要ですが、一般的な水準に収まっております。実質収支比率、公債費負担比率も含め、国の定める健全化判断比率をもってみると、令和元年度における本区の財政は健全であることを認めます。  令和元年度末の特別区債の現在高は216億8148万円、前年度比22億3869万円で、9.36%の減となり、区債発行額は前年度比1億40万円の増にとどまりました。減額補正によって区債の発行が抑制され、余力が保たれました。今後は、コロナ禍による財政不足から区債の発行が必要となりますが、十分な精査の上、適切な区債発行をしていただきたいと思います。  次に、収入未済額、不納欠損額についてですが、令和元年度は、収入未済額49億8067万円で、前年度比4056万円、0.82%増、不納欠損額は4億9050万円で1957万円の4.16%増で、共に前年度を上回っています。中でも、生活保護費の収入未済額は19億5684万円で、ここ3年を見ても、毎年1億円ずつ増加し続けています。先行きの見えない経済の閉塞感が続く中、多くの方が生活への不安を抱えながら日々奮闘されていますので、生活保護は注目されるところです。社会的な公平性を保つ意味でも、生活保護受給者の不正受給を防いでいくことは喫緊の課題と思います。  例えば、生活保護の受給後に65歳を迎え、年金が開始される場合、被保護者は年金額を収入として申告する必要がありますが、申告が行われず、使ってしまった後に返金できなくなるケースが散見されます。生活保護手続きの際に、保護費以外の収入は申告しなくてはならないことを徹底するとともに、ケースワーカーが受給者の年金開始時にチェックができるような体制づくりが重要と考えます。  今後、生活保護受給者は増えると言われており、さらなるマンパワーの必要性も見込まれます。その意味でも、現場できめの細かな対応ができる、定年でリタイアされた経験のあるベテランケースワーカーを会計年度任用職員として採用するのはいかがでしょうか。今後、心身ともに疲弊し切って、生活保護申請に来られる区民に対しても、人生経験豊かなベテランケースワーカーの対応が望まれると考え、要望いたします。  次に、後期高齢者医療特別会計は、高齢化の進展により令和元年度までの12年間で被保険者は約4倍増加し、1.7倍となりました。介護保険特別会計は歳入歳出ともに増加傾向で、最大規模の決算額となっています。4年後に迫った団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題を見据えると、待ったなしです。現段階より、法定外繰入れの縮減、医療費の伸びの適正化、保険料収納率の向上が不可欠となります。  それを抑制する元気高齢者の推進は、フレイル予防の促進、就労促進、地域活動、介護予防ボランティア活動など、コロナ禍にあっては困難とされるものばかりですが、リモートなども工夫して活用し、新しい生活様式のウィズコロナの時代に気軽に参画できる新規事業をどう構築していくかが大きな課題と言えます。東邦大学と共同研究で進める人生100年時代を見据えた健康プロジェクトも、ウィズコロナ時代に合わせた再構築をもって、大田モデルをつくっていただきたいと期待します。  次に、まちづくり、特に新空港線について若干意見を述べさせていただきます。  大田区議会公明党は、区が推し進める新空港線の整備に対し、これまでも一貫して応援をしてまいりました。その新空港線ですが、第6次補正予算において1.8億円が減額されました。この事業見直しの精査は、未曽有の感染症との闘いに注力するという区の姿勢を示すものと理解しました。  一方、長期的な視点に立つと、この感染症によって大きな影響を受けた区の経済を立て直すための側面もあります。移動手段を持たない高齢者や障がい者など、交通弱者の社会参画は新たな需要としても見込まれると、しめくくり総括質疑の答弁にありました。加えて、高齢者や障がい者などの健康維持にも大切な役割を果たす公共交通は、これまで以上に重要なものになってくると思います。我が党が、先日、区長宛てに提出した令和3年度予算要望の重点項目にも上げましたが、都、区で前向きに動き出そうとしているこの機会を逃がさないよう、新空港線の早期実現に向け、これまで以上にご尽力いただきますよう強く要望いたします。  区民の安全・安心を守るため、感染症対策、防災や暮らしを支える経済活動、未来を担う子どもたちに対する子育てや教育、効率化に向けた行政デジタル化、さらには社会資本の整備など、これらの取組はかつてないほど山積していて、今後の区の財政は大変厳しいものと予想されます。  当分の間、ウイルスとの共存が想定される今後の社会において、刻々と変わる状況に注視しながら、効果的、効率的な行政運営に取り組んでいただき、区民が、あのビジョンがあったから希望が持てた、進む方向性が見えてきたから不安が消えたと、心から納得してもらえるような政策を求めます。本区の今後の取組に期待いたします。  また、令和3年度予算編成に際しては、大きく変化を伴う行政サービスのデジタル化を踏まえた事業の見直し、再構築のために、ビルド・アンド・スクラップの方式を運用することを再度要望いたします。  そして、決算特別委員会で大田区議会公明党として要望、提案させていただきました、産後ドゥーラの導入による産後ケアの充実、区民の健康と医療費抑制のためのがん検診や糖尿病重症化予防対策、ヘリコバクターピロリ菌の検査拡充、特殊詐欺対策、災害時要配慮者への感震ブレーカーの支給、取付けの啓発、高齢者など住まいに困っている方への住宅確保支援の拡充、コロナ禍で高まっている子どもたちのストレスに対する取組の拡充などは、現場の切実なご意見であり、ご要望です。この数か月間、直接お話を伺うことが困難な環境であったにもかかわらず、例年よりも多くの区民の皆様から寄せられました。今後の課題解決のための貴重な項目です。令和3年度の予算編成へとつながりますことを大きく期待し、大田区議会公明党の賛成討論といたします。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 次に、47番奈須利江議員。                  〔47番奈須利江議員登壇〕(拍手) ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算、第76号議案 令和元年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算、第77号議案 令和元年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算、第78号議案 令和元年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定に反対の立場から討論いたします。
     決算は予算と違い、首長が監査の意見をつけて決算を議会に送付すれば、その時点で決算は成立したことになります。使ってしまったものについて、議会がいい悪い言ったところで、予算で認めたのだからという理屈かもしれません。だからこそ、フェアな民主主義、奈須利江は、区長へ政治的責任を問うという強い意味合いを込めて、本決算の認定に反対をいたします。  今回の討論は、多選を批判しながら、自ら多選自粛の区民との約束を破棄して再選した初めての決算です。レームダックに陥ることを恐れるあまり放漫会計にならないよう、警戒の意も込めて討論したいと思います。  初の民間区長に期待したものの、民間の民が区民の民ではなく、民間投資家だった流れを止めたいと願った区民の代表として、国政や都政に無批判に追従する松原区政、松原区政において加速した民営化や企業利益の増大を経済効果とする税金の使い方の問題、今期、多選自粛を破棄して首長という権力についたことにより、さらに見えてきた弊害などについて総括して反対討論としたいと思います。  この間、行政分野が行政改革、規制緩和、構造改革、地方分権などという名目で変化を続けてきました。小泉構造改革から見ても20年ほどが経過し、土光臨調行革から言えば40年になろうとしています。一貫して行政分野の構造的な変化が求められ、官尊民卑ならぬ官より民間が優れているという思想の下、徹底した民尊官卑による民営化が進められ、行政分野を民と言っても営利企業に開放してきました。  松原区長になってからこの民営化が加速し、公共分野の意義について確認、議論することもなく、民営化の効果と弊害の検証も不十分なまま、安易な営利企業への市場開放が続けられてきました。区民が支払った税金や利用料、使用料の一部が、新たな市場を獲得した営利企業の余剰利益、株主配当、投資利益に流れる事業、金額がどんどんと増えてきたのが2007年からの松原区政の税金の流れです。  日本の税金は徴税の段階で格差是正の機能が低いことを厚生労働省自身が認めていますから、集めた税金を使う税の再分配により低所得者層に厚い税の支援を行わなければ広がる格差が是正されません。ところが、松原区政は民営化を加速させ、税の一部を富裕層である企業の株主利益に流し、格差の是正効果を弱め、その分格差を拡大してきたわけです。  私は10年くらい前から、こうした民営化が人件費、物件費併せ経費削減効果がないことを検証し、税の一部が投資利益に回る上、低賃金労働、不安定雇用を招く致命的な問題を抱えていることを指摘し続けてきました。民営化したことで透明性も確保できなくなり、ノウハウも提案書で示すことはできても、不安定な雇用では実際にスキルを持った人を継続的に雇用することができる保証はなく、公務員の皆さんが蓄積してきたノウハウの維持、蓄積も非常に不安定です。  そもそも地域独占事業は市場経済競争になじまないと指摘しましたが、当然、経済競争で価格が下がるわけではありません。こうした民営化の課題について指摘し続けてきましたが、それでも松原区政は、そして大田区は民営化を推進し続けています。民でできることは民でというスローガンのような方針で民営化が進みましたが、同じ人間がやることですから、できる、できないで見れば、できないことはありません。  公とは、民とは、の議論なしに民営化が進んだことで、営利と非営利の違いを理解し、意識する人が減り、あらゆる公共分野が投資家の投資の対象として法改正、規制緩和されてきたわけです。その結果、公園まで民間投資家の投資の対象で、誰もが無料でいられるはずの公園で、投資利益を上げる金もうけを積極的に推奨するのが今の大田区です。  また、学校法人など非営利法人の設立要件は、土地と建物は自己所有です。ところが、学校設置認可行政である大田区は、学校法人が何平米の土地を幾らで売却し、何平米の建物を年幾らで、どういった条件でリースバックしているか知っていながら、認可をそのまま認めています。大田区は決算特別委員会での質疑に対し、認可行政としての責任問題についての言及をあえて避け、責任の所在を曖昧にしましたが、学生や職員、他の非営利法人への影響が心配です。  今、大田区内の学校法人、社会福祉法人、医療法人などが運営する幼稚園や福祉施設や医療機関などは、各種の法改正と営利企業の教育、福祉、医療分野への参入で厳しい経営を強いられています。区長や大田区が、所管行政としてこれら非営利法人を守る責任を放棄してしまえば、今後、大田区の非営利法人が経営難に陥った場合に、乗っ取りに利用されないか心配です。  こうした営利企業の投資利益を拡大させてきた流れによる問題とともに、特に区長が再選した昨年度以降、新たな問題が顕著になってきたと思っています。一つが意思決定、合意形成、説明責任などの手続きの形骸化に拍車がかかっている問題です。2019年第2回定例会の補正予算で、池上図書館移転による賃借ビルの内装工事の債務負担行為5億1454万円は、本来、予算計上、入札、議決を経なければならない事業ですが、協定を締結したことで、内装工事は、大田区が、駅ビル施主が依頼する事業者に行わせることになり、債務負担行為に計上しただけで、入札も契約議案の議決も行いませんでした。  第3回定例会の補正予算では、平和島公園の水泳場施設改修工事基本計画策定委託事業者の選定方法を入札からプロポーザルにしています。プールで使う夏季2か月間以外の活用方法を提案させるため、入札ではなくプロポーザルにしたと言っていますが、10か月間プールを使うのは区民なので、区民の要望を聞くべきだと思います。区民の要望は聞かず、そこを使って収益を上げようとする事業者に提案させると大田区は判断しました。誰を見て区政を執行しているのか、よく分かります。  入札は競争することで安い価格で質のよいものを入手すること、そこに公平性が担保されるために行っていますが、こうやって昨年度、議決や入札を省略し、既成事実化されて慣れてしまったのか、その後、コロナの特別定額給付金で区長の専決処分、当初予算計上せず防災システムを予備費から使うなど、議決を経ずに区長や行政組織だけで決定する案件が増えています。  田園調布せせらぎ公園の樹木を大量に伐採したのは、せせらぎ館の建設のためですが、利用方針を合意なく変更したことに住民は憤りを覚えるとともに、区政に落胆しています。そもそもの一連の開発の発端は、雨の日に中止になってしまったグリーンフェスタで、雨の日のためのグリーンフェスタ開催の場所が欲しくて、区長に要望したことで決まったと、要望した町会役員の方から直接伺いました。他の町会役員も町会の広報紙にそう書いていて、地域に配付しています。そこで田園調布小学校出身の隈研吾さんに頼めばよいという話になり、連絡のつく方がいたので隈研吾の設計も決まったと話されていました。  町会関係者のご提案もよいと思いますが、なぜ町会の会員は知らされていなかったのでしょう。大田区はどうして町会役員の提案を区民の提案だと思ってしまったのでしょう。ここにも意思決定、合意形成、説明責任の問題が見えてきます。こうした手続きが省略されることで、税金の使途の正当性、価格の妥当性、選定の公平性、区民意見の反映などに疑義が生じます。  ほかにもあります。公務員は全体の奉仕者であるはずなのに、こうして大田区は一部の人や事業者の要望で動くようになっています。しかし、それでも、大田区という公平中立な立場の公務員が、適正な選考や決定のもとで行っているというのが大田区の主張だと思います。ところが、大田区は、いつの間にか公民連携をうたい、包括連携協定を締結するようになっていて、指定管理者のように議決するわけでもないのに企業と大田区とが協定を結んでパートナーのようになっていて、大田区の政策立案に関わらせることを可能にしています。  今年、国家戦略特区法が改正され、企業の立案する事業を内閣総理大臣が認めると、データ基盤を見たり公表したりが、行政のチェックや、国会や地方議会の議決前にできるようになりました。これまで大田区と協定を結んでいた事業者たちは、より深く大田区の情報にアプローチし、政策立案に関われるようになるわけです。区長も行政の皆さんも私たち議会も、少し前までは、決めるのは、お金を出すのは大田区だから企業より力があると思ってきたと思いますが、急激にその力関係が変わってきていると感じます。そして、そのことを区長も職員の皆さんも私たち議会も薄々感じているのではないでしょうか。  大田区では、特別定額給付金の給付を急ぐからと区長の専決処分で議決なしに決めた業者により行った事務処理が他区に比べて非常に遅く、特別定額給付金の支給は民間でやるより職員が入って行ったほうが早いことが明らかになりました。作業の人員配置などの契約内容が十分詰められていないのが原因ではないかと大田区に指摘したところ、契約は双方の合意なのでという意味のことを言われました。専決処分で契約を急げば、足元を見られて思うような契約内容にならなかったことは想像に難くありません。受ける事業者の数が限られると交渉の余地が狭くなり、力の強いはずのお金を払う側が弱くなってしまうよい事例だと思います。  最近では各分野でビッグ5、ビッグ7など、事業者の寡占が増えています。保育でも認証保育所で子どもたちの受入れ先の確保を区や都と条件に廃業するのに、保護者が知らないのをいいことに知らんふりで、受入れ先を確保する責任を果たそうとしていない事業者がいたことが明らかになっています。この力関係を改善するためにも、民営化のあり方を変える、全体の奉仕者である公務員の直営比率を上げるといった具体的な方策を早急に講じる必要があると思います。  民間の力がさらに強くなると、価格も民間にコントロールされるようになるでしょう。そのうちクレームを言った区民は記録され、サービス提供しないようにされるのではないかと心配です。民間が行政の指導など軽視するようになってきていると感じるからです。  大田区と民間事業者の関係以外にも、大田区と国、大田区と東京都など、不安な要因は増えこそすれ減りません。不合理な税制改革は、23区域の脆弱な人間関係や家族関係から見ても、住民の需要を正しく捉えているとは言い難く問題があります。しかし、一方で、こうした23区域をターゲットにしたと言っていい税制改正で、23区は社会保障の責任主体でありながら財源が減っているのに、東京都と23区は財調算定において、区民の生活需要を踏まえた議論を行えているのでしょうか。  2019年における大田区と東京都の財調算定における社会保障分野の交渉内容で目立ったのは、都の事務だった児童相談所事業を区の事務とすることでの財調割合が、0.1%区側に大きくなった部分だけでした。0.1%しか増えないなど区側の主張が十分聞き入れられず、もともと強い都がさらに強くなったと感じます。格差が拡大し、じわじわと低所得者層が増えていますが、そのための社会保障基盤の充実のための要望が極めて小さく、聞こえてくるのは蒲蒲線や蒲田駅前のまちづくりなどインフラ整備のことばかりです。基礎自治体は社会保障の責任主体ですが、都からの55.1%がインフラ整備のために財源確保される額が増え続けてきていると感じます。  先日、期の途中で東京都が収入額ではなく基準財政需要額を減額したことによる特別区交付金の減額30億円が計上されました。これでは計画的な財政運営はできません。ほかにも、国の国保の診療報酬単価の算定ミスなど、無謬と言われてきた行政の信頼が壊れ始め、無秩序が始まっているように感じます。法治国家において秩序を守るのは法令で、規制緩和で法令を廃止してきたのですから当然だと思います。自己責任、弱肉強食は、私たちの人権を守ってきた法の支配が規制緩和で失われたことによるのだと思います。法による秩序の維持が難しくなったとき、人による支配や全体主義に陥ることを危惧します。  多くの新規事業の使途を見ると、その主だった事業のほとんどが土木建設費に使われています。しかも、その後、5回にわたって行われた補正予算で計上された使途のほとんども土木建設費でした。インフラが立派になっても直接的な区民生活の向上にはなりません。本当にこれでいいのでしょうか。  ただ、最終補正で乳幼児医療助成に8496万6000円増額していることは注目すべきだと思います。乳幼児医療をどうするのかの議論が始まっていますが、それだけ乳幼児医療で何とか健康を守ろうという暮らしぶりが見えてきますし、これを大田区が守っていくことはとても大切だと思います。  財政構造の弾力性、健全性などを測る財政指標の一つに実質収支比率があります。基金や公債などの影響もあり、一概には言えませんが、予算執行後の処理の仕方として見ると、大田区は実質収支比率が非常に小さく、昨年、特別区平均で5.2%のところ、大田区は2.8%、今年はさらに2.2%と大田区は減らしています。決算から3%の違いを計算すると55億円になります。例えば、大田区が最終補正で計上した公共施設積立金10億円、防災積立金10億円、新空港線積立金10億円、羽田空港対策積立金2487万円、これらを積み立てなければ実質収支比率は他区平均と同じぐらいになります。基金に積み立て財源確保しなければ翌年に繰り越し、財政基金に繰り入れて、コロナのための医療や衛生にも、また福祉や教育など社会保障財源にも使えたはずですが、大田区が最終補正でひっそりと色のついたお金にしたことで、実質収支比率の23区平均との乖離が出てきているわけです。  最後に気になるのが、私たちの長い歴史的な経緯の中で積み上げてきた文化や伝統や社会の構造を新型コロナで抜本的に変えようとしていることです。しかし、これはコロナ後に始まったわけではなく、区長が積極的に進めてきた国家戦略特区の平成25年7月に行われた有識者等からの集中ヒアリングで取り上げられていることが少なくありません。企業の投資利益を最大化するために制度から変えようとしているということです。  情報化、データベース化、遠隔教育、在宅医療、医療情報化など、言葉は違いますが、コロナの「コ」の字もない2013年に既に新しい生活様式を示す具体的な要望となっています。しかも、その中には、地方議会もまた規制改革の対象となっていることを私たち議会も知るべきだと思います。外国投資のための経済政策である国家戦略特区は、制度の改廃権を企業利益の代弁者に与える仕組みですが、今ある議会制民主主義まで形骸化させようとしているということだからです。  これまで大田区が歩んできた道が決して区民のためではなかったことを総括し、変えてきた投資家利益、それも外国投資家の利益のための区政からの転換と、区民のための区政に立ち返ることを求め、反対討論といたします。(拍手) ○塩野目 議長 次に、37番犬伏秀一議員。                  〔37番犬伏秀一議員登壇〕(拍手) ◆37番(犬伏秀一 議員) 大田区議会のキャスティングボート、令和大田区議団の犬伏秀一であります。今までの皆さんが大変品のいい討論をされましたので、いささか品のない討論をこの辺で入れさせていただきたいと思います。  令和大田区議団は、ただいま上程されました第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算及び第76号議案から第78号議案に至る各特別会計歳入歳出決算を認定することに賛成をいたします。  この際、幾つか嫌みや意見・要望を申し上げたいと思います。  本予算の始期である4月1日は平成31年でありました。そして、翌月には平成から令和へと御代替わりが行われ、第126代天皇陛下がご即位をされたのであります。我々の統一地方選挙も、このような慌ただしい中、執行され、今までにいないタイプの新人議員が何名もこの議場に新たなメンバーとして当選をされ、反面、ベテラン議員が苦汁をのむ結果となりました。御代替わり、そして新たな選挙スタイル、さらにはコロナ禍の新たな生活様式など、今までの物事の価値観が大きく変換した年でもありました。  このような時代の移り変わる中、果たして我々地方議会は時代の要請に応えているだろうか。平成11年の若かりし頃、初当選以来、私が日々考えている命題であります。同様に、行政は、区役所は、職員は時代の変化に追いついているであろうか、区民の多様なニーズに寄り添ってきただろうか、これも二元代表制の一翼を担う者としてのジレンマであります。  大田区役所の各事業課の皆さんは、それぞれ自らの職務に対して真剣に取り組んでこられたと思います。そして、その成果が決算書に表れているのでありましょう。しかしながら、日々のルーチンワークに流されている中、いま一度、大田区職員ではない、地方公務員ではない立場、1人の区民、1人の市民として、大田区役所の仕事、予算、区民への態度を客観的に見つめ直してほしいのです。  私のライフワークであります公共工事の入札率、落札率が、毎回のように99%前後という高率で落札されています。所管課からは適正な競争の結果と答弁がまいります。本当に、本気でそう思っていますか。そうじゃない、やむなく答えているのではないかと感じるのは私だけではないはずであります。  いつも申し上げておりますけれど、大田区観光情報センター、別名閑古鳥情報センターと呼んでおりますが、年間5000万円もの区民の税金が何の効果の検証もされず費やされています。昨年はお土産が1650万円も売れたと、うれしそうな報告がありました。びっくりです。年間5000万円もの経費をかけて、1650万円の売上げがあったと民間会社で報告したら、即刻左遷であります。  コロナ禍では、このお役人、お役所の民間との意識乖離が様々なところに現れていました。特にひどかったのは、厚生労働省絡みの書類でありました。ほとんど民間企業へのいじめのような面倒くささであります。今実施中のGo Toトラベルキャンペーン、これもひどい。事務局はほとんど機能不全で、旅行業者、宿泊業者からの書類が多過ぎてパンク寸前であります。Go Toへ行かれるなら早く行ったほうがいい。  大田区教育委員会の執務室を大田区本庁舎から日本生命の子会社が運営するニッセイアロマスクエアに移転したのは、東京都から3回目の天下りで当区の副区長に来られた方でありました。本庁舎であれば家賃は無料だったのにアロマスクエアに移動し、年間5000万円を超える家賃を区民の大切な税金から日本生命の子会社に払っています。10年で5億円、20年で10億円。例えば、皆さん、もしこちらにいらっしゃるお役人個人のお金で年500万円の賃貸マンションを借りていたらどうするでしょうか。奥様から、家賃が高いから今ある実家を整理して引っ越そうとなるでしょう。しょせん人の金であります。  そんな中、さらに腹が立つ書類が大田区役所から私の関係する会社に昨日届きました。先に送られた大田区景況調査に回答いたしましたが、それにつき、もう少し詳細に教えてほしいという区の委託業者からのメールでした。各項目たった2センチ程度の回答枠に以下のような質問です。新型コロナウイルスの収束後も継続して行っていく可能性が高い対策を書け、コロナ禍での労務対策における課題と苦労した点とその対応を書け、独自の労務対策について詳細な内容を書け、などなど、いかにも現場を知らないお役人や大田区産業振興協会の職員が考えた設問であることが分かります。そして、中小企業は、たった2行で語れるほど甘い経営をしているのか、冗談じゃない、そのお花畑的心境に激怒をいたしました。  本日の朝刊に、全日空が年収30%減、冬の一時金なしとの記事が掲載されていました。反面、同じ新聞に国家公務員のボーナスが年間0.05か月引下げとの記事がありました。この差こそ、そしてこの意識差こそ、コロナ禍での民間企業の大変なご苦労、雇用を維持しようとしているこのご苦労と、この意識差が公務職場の差なのであります。我々議員も同様であります。大変だろうなと感覚的には分かっていても、本質的にはそのつらさを分かっていない、そう感じます。  北朝鮮による国家主権侵害、人権侵害の大犯罪である拉致被害、その象徴的な横田めぐみさんが、先日、56歳のお誕生日を北朝鮮で迎えられました。拉致から43年経過するも日本政府は助け出すことができません。毎年、今年こそ取り返すとの国民大会に総理大臣が参加するのは、もはやオオカミ少年と化しています。ここにいらっしゃる皆さんの娘さんが拉致されたらどうでありましょうか。これもしょせん他人事であります。  文部科学省は、幼保無償化の対象外となった朝鮮学校幼稚班への支援なのか、簡単なアンケートに朝鮮学校幼稚班――幼稚班というのは幼稚園ですね――保護者が回答すると8万9096円を支給する、地域における小学校就学前の子供を対象とした多様な集団活動等への支援の在り方に関する調査事業という、何を言っているんだかよく分からない調査事業をつくり、各自治体に手挙げ方式で募りました。全国では4県19市区町がこの事業に手を挙げたのであります。東京都内では荒川区、私のふるさと国立市、そして大田区がこの事業を実施します。15枚ほどのアンケートに回答を入れる。年収は幾らですか、この程度のものであります。そうすると、8万円余りが国からいただける。無償化には入れないけれど勘弁してねという、この日本という国の最も悪い、毅然とできないなあなあ主義、それを自治体に負わせる制度であります。  拉致被害者返せ、返したら仲よくしよう、それでいいのです。全額国費負担の事業を大田区が仲介するだけの制度でありますが、あまりにも姑息な文部科学省のやり方には、この日本国の国民として悲しく、そして情けなくなるのであります。これらのしょせん人ごと、人の金の感覚を大田区役所の全庁全職員の頭から払拭しなければなりません。  さあ、文句ばかり申し上げてまいりましたが、すばらしい職員さんも多数いらっしゃいます。決算特別委員会の中でも申し上げましたが、DVで心も体もくたくたなお母さんの苦悩を聞いてくださった保育園入園担当の職員さん、生活保護就労支援対象者へ寄り添った対応で就労率を飛躍的に伸ばした支援員さん、30年間就労したことのない健常者を就労に結びつけた職員さん、地域課題をすぐさま対応してくださる特別出張所、地域整備課の皆さん、反対者に対して新空港線と蒲田のまちづくりを熱く熱く説く職員さんなど、一人ひとりの大田区職員さんはすばらしい素養の持ち主でありますが、役所の理論、所属課の理論、そして一番怖いのは、できない理由を言い続けるという区役所、公務員のDNAに侵されることであります。  菅総理大臣におかれましては、昨日、脱判こ法案提出のため各省庁へ指示を出されました。コロナ禍を機会に国の公務現場は大きく変わろうとしています。議員の質問原稿と理事者の答弁原稿をすり合わせる舞台稽古のようにも感ぜられる場面もあった決算特別委員会ではありましたが、委員会審査を通じて各議員からの提言、指摘された区民の悲痛な叫びを、大田区役所全庁全職員、委託業者、指定管理者らが真摯に受け止め、さらにさらに区民に、区内事業者に寄り添う大田区であってほしいと、個性強き5名の同志とともにこれまた強く強く願い、各議案の賛成討論といたします。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 次に、49番荻野 稔議員。                  〔49番荻野 稔議員登壇〕(拍手) ◆49番(荻野稔 議員) 東京政策フォーラムの荻野 稔です。皆様お疲れのところだと思いますけれども、私で最後となりましたので、もう少しの間お時間をいただければと思います。  東京政策フォーラムは、ただいま上程されました第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算及び第76号議案から第78号議案までの各特別会計歳入歳出決算の認定に賛成をいたします。  この際、若干の意見を述べます。  一般会計では歳入歳出で2806億円余の決算額が示されました。この決算は松原区長4期目の区政の最初の決算となります。令和元年度は平成最後の年であり、改元によって令和という新しい時代が幕開けた年でもありました。中盤には消費税の増税が執行され、台風19号の被害と大田区にとっても大きな影響のある出来事もあり、また、現時点でもまだ先行きの見えていない新型コロナウイルス感染症の猛威、オリンピック・パラリンピックの延期など、激動の1年となりました。  今回、松原区長が冒頭のご挨拶でも触れられておりましたが、このままでは令和4年度には区の予算が400億円余足らなくなるというお話もありました。かねてから懸念されていた少子化や福祉などの扶助費の増加、区民のライフスタイルの多様化、多層化による区民サービス需要の変化の中、消費税の増税やコロナ禍で区内の産業、区民生活がより一層厳しくなる中、大田区の今後のかじ取りはさらに難しいものになると言わざるを得ません。  大田区は羽田空港立地区であることも含め、国際都市として掲げていましたが、今般の新型コロナウイルスの流行もあり、すぐには今までどおりの需要、人の流れが元に戻るとは考えられず、装いも変えていかなければならないでしょう。新空港線などの大型開発もゼロベースで聖域なく見直していく必要もあるのではないでしょうか。  ふるさと納税での大きな税の流出が起きていることなど、国の不合理な税制改正への対応、今後の区政、大田区民の生活のための予算の確保など、大田区の未来を考えると、東京都との一層の連携も大きな意味を持ちます。先般行われた東京都知事選挙では、小池百合子東京都知事の2期目の任期もスタートいたしましたが、区はしっかりと連携ができているでしょうか。東京都の感染拡大防止協力金への上乗せなど、大田区も今回コロナ禍において支援制度を実施しましたが、ふだんから都の補助や支援制度をもっとしっかりと活用していくことも必要ではないかと思っております。  区民の皆様の雇用にも大きな影響を受けています。国内では既に6万人を超える新型コロナウイルス感染症を原因とした解雇、雇い止めなど、職を失った方も出ています。今年度以降予想される不景気、特に区民の生活が厳しくなる中で、自殺対策や区民の生活相談ほか、柔軟に対応していただきたいと要望します。  防災・防犯においても要望いたします。区民の世論調査では常に防災・防犯が上位に来ます。現在も週末に台風の接近が予想されていますが、大田区としては優先課題として、区民の生命、財産を守る取組、避難所での犯罪防止、そしてサイバー犯罪や巧妙化する新たな犯罪形態など含めて、様々な課題に積極的に対策を行っていただきたいと思います。  今回の決算で、我が会派としては優先課題として教育の問題について取り上げました。図書館の充実もそうですけれども、教育格差の問題についても今回コロナ禍で浮き彫りになりましたが、貧富の差の拡大、また子どもを取り巻く環境の変化により公教育の役割は大きくなります。大田区としましては、区内に住む子どもたちがひとしく必要な教育を受けられるよう、一層の努力をお願いいたします。  多層・多様化する区民生活、地域課題の解決、そしてコロナ禍による様々な苦難から区民の生活、命を守れる大田区であるよう願いを込めまして、賛成の討論を終えます。(拍手) ○塩野目 議長 以上をもって討論を終結いたします。  採決に入ります。  まず、本案中、第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算及び第76号議案 令和元年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の2件を一括して起立により採決いたします。  本案に対する委員長の報告はいずれも認定であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○塩野目 議長 起立多数であります。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。  次に、第77号議案 令和元年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算及び第78号議案 令和元年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算の2件を一括して起立により採決いたします。  本案に対する委員長の報告はいずれも認定であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○塩野目 議長 起立多数であります。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後2時46分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後3時5分開議 ○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第2を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第2  2第144号 大田区のオープンデータを早急に充実させて公開してほしい陳情 ほか8件(委員会審査報告)                ――――――――――――――――――――                 総務財政委員会請願・陳情審査報告書  本委員会に付託された請願・陳情は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。     令和2年10月8日   大田区議会議長 塩野目 正 樹  様                                総務財政委員長  押 見 隆 太                         記  ┌─────────────────────────────┬────────────────┐  │受理番号及び件名                     │   審査結果(決定月日)   │  │                             │   意見または理由      │  │                             │   送   付   先    │  ├─────────────────────────────┼────────────────┤  │2第144号 大田区のオープンデータを早急に充実させて公開し │不採択(9.24)        │  │      てほしい陳情                  │願意にそいがたい        │  └─────────────────────────────┴────────────────┘                ――――――――――――――――――――                 健康福祉委員会請願・陳情審査報告書
     本委員会に付託された請願・陳情は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。     令和2年10月8日   大田区議会議長 塩野目 正 樹  様                                健康福祉委員長  深 川 幹 祐                         記  ┌─────────────────────────────┬────────────────┐  │受理番号及び件名                     │   審査結果(決定月日)   │  │                             │   意見または理由      │  │                             │   送   付   先    │  ├─────────────────────────────┼────────────────┤  │2第142号 大田区介護保険料減額制度の改善を求める陳情   │不採択(9.24)        │  │                             │願意にそいがたい        │  ├─────────────────────────────┼────────────────┤  │2第147号 学校、保育園でのコロナ感染者発生時に濃厚接触者 │不採択(9.24)        │  │      範囲より広くPCR検査を求める陳情       │願意にそいがたい        │  └─────────────────────────────┴────────────────┘                ――――――――――――――――――――                まちづくり環境委員会請願・陳情審査報告書  本委員会に付託された請願・陳情は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。     令和2年10月8日   大田区議会議長 塩野目 正 樹  様                             まちづくり環境委員長  海老澤 圭 介                         記  ┌─────────────────────────────┬────────────────┐  │受理番号及び件名                     │   審査結果(決定月日)   │  │                             │   意見または理由      │  │                             │   送   付   先    │  ├─────────────────────────────┼────────────────┤  │2第145号 田園調布5丁目水防拠点土地購入問題についての陳 │不採択(9.24)        │  │      情                       │願意にそいがたい        │  ├─────────────────────────────┼────────────────┤  │2第149号 私道整備助成期限付き補助率割合増で道路舗装を │不採択(9.24)        │  │      すすめてほしい陳情               │願意にそいがたい        │  └─────────────────────────────┴────────────────┘                ――――――――――――――――――――                 こども文教委員会請願・陳情審査報告書  本委員会に付託された請願・陳情は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。     令和2年10月8日   大田区議会議長 塩野目 正 樹  様                               こども文教委員長  勝 亦   聡                         記  ┌─────────────────────────────┬────────────────┐  │受理番号及び件名                     │   審査結果(決定月日)   │  │                             │   意見または理由      │  │                             │   送   付   先    │  ├─────────────────────────────┼────────────────┤  │2第146号 学校、保育園でのコロナ感染発生時に名称を公表す │不採択(9.24)        │  │      ることを求める陳情               │願意にそいがたい        │  ├─────────────────────────────┼────────────────┤  │2第148号 外国人学校保護者助成金制度の見直しを求める陳情 │不採択(9.24)        │  │                             │願意にそいがたい        │  ├─────────────────────────────┼────────────────┤  │2第150号 自主休校をしている生徒が提出する課題で通知表の │不採択(9.24)        │  │      評価をするように求める陳情           │願意にそいがたい        │  └─────────────────────────────┴────────────────┘                ――――――――――――――――――――                羽田空港対策特別委員会請願・陳情審査報告書  本委員会に付託された請願・陳情は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。     令和2年10月8日   大田区議会議長 塩野目 正 樹  様                            羽田空港対策特別委員長  渡 司   幸                         記  ┌─────────────────────────────┬────────────────┐  │受理番号及び件名                     │   審査結果(決定月日)   │  │                             │   意見または理由      │  │                             │   送   付   先    │  ├─────────────────────────────┼────────────────┤  │2第143号 航空機騒音による区民への健康被害を調査し、実態 │不採択(9.24)        │  │      の把握を求める陳情               │願意にそいがたい        │  └─────────────────────────────┴────────────────┘                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 討論に入ります。  本件については、荒尾大介議員、奈須利江議員から通告がありますので、順次これを許します。  まず、34番荒尾大介議員。                  〔34番荒尾大介議員登壇〕(拍手) ◆34番(荒尾大介 議員) 日本共産党大田区議団を代表して、2第142号、147号、149号、143号の陳情について、不採択とした委員長報告に反対し、採択を求める討論を行います。  2第142号 大田区介護保険料減額制度の改善を求める陳情は、大田区独自の介護保険料減免制度があるが、要件の一つである預貯金の額、1人世帯で200万円(1人増えるごとに100万円を加算)以下を、1人世帯で300万円(1人増えるごとに150万円を加算)以下に改善してほしいという内容です。  各会派からは、理事者が答弁した貯蓄の中央値1万6500円から大きく乖離している、300万円も貯蓄している人はいない、他自治体と比べても劣らないなどを理由に不採択としました。また、ある委員の発言で、陳情に関係のない内容まで持ち出すことは問題です。  23区でも足立区や板橋区のように貯蓄金額を400万円、300万円まで引き上げて減免している区があります。理由にあるように、高齢の低所得者世帯は、病気や入院、施設への入所、葬式など、万が一に備えて預貯金しているのが実態です。採択を求めます。  2第147号 学校、保育園でのコロナ感染者発生時に濃厚接触者範囲より広くPCR検査を求める陳情は、学校や保育園で陽性者が出た場合は、濃厚接触者だけでなく範囲を広げて検査をすることを求めています。  委員会の各会派の意見では、PCR、PCRと感覚で求めるのはおかしい、必要以上に検査をすることはいじめの二次被害につながる、保育園、学校など大田区は保健師が出向いて行っているので、大田区の判断は妥当と思う、以前のようにPCR検査を受けられないという声もないなどの理由で不採択にしました。  しかし、大田区の陽性者数は増え続け、10月7日現在、23区では新宿区、世田谷区、港区に続いて4番目に多い陽性患者数です。これから冬にかけて新型コロナ感染者はさらに増えるとも言われています。日本臨床検査医学会新型コロナに関する委員会委員長、蛹エ克紀長崎大学教授は「検査をしないから患者が増える」、尾ア治夫東京都医師会会長は「感染震源地での集中的PCR検査を」と述べるなど、専門家がコロナ感染拡大防止へPCR検査拡充を求める緊急提言を行っています。  日本共産党は、感染震源地での徹底したPCR検査の実施を国に求めています。党区議団は、新型コロナ感染症から区民の命を守るためには徹底したPCR検査が必要であり、東京都が補正予算をつけましたから、それらを活用してPCR検査の拡充を求めるものです。  2第149号 私道整備助成期限付き補助率割合増で道路舗装をすすめてほしい陳情は、私道整備助成の補助率を10割などにすることを求める内容です。  現在、区の助成割合は工事費の9割となっていますが、陳情者の方は、この制度を区民に広く周知させることを目的に補助率アップを求めています。23区では荒川区、江東区、板橋区が10割助成を実施しています。区では、制度改正により9割助成を実施し、昨年度から件数が増加傾向にあり、今後も増加が見込まれるとの説明がありましたが、私道整備は住民の利便性や住環境の向上など公共性のある事業です。陳情者の方は、区民への周知を理由に、2年の期間限定で補助率アップをと控えめに訴えていますが、制度利用の一つのきっかけとして有効と考えられます。よって本陳情の採択を求めます。  2第143号 航空機騒音による区民への健康被害を調査し、実態の把握を求める陳情は採択とします。  陳情者は新飛行ルートの開始による航空機騒音の健康への影響を懸念されています。航空機騒音による住民の健康影響を調査し、実態の把握と対策を講じるよう求めています。  委員会での議論の中で、浦安市の事例で、健康への影響のエビデンスがないなどの意見がありましたが、2010年10月末からの羽田空港D滑走路使用開始による空港の24時間国際空港化などの空港機能強化に対して、当時の浦安市は独自の騒音影響予測シミュレーションを行うとともに、騒音による睡眠への影響を調査研究している専門家への相談も行い、飛行ルート下の住民の健康被害を考え、訴訟も辞さずとの覚悟で国土交通省に臨み、当初の飛行ルートを陸から海側に大幅に変更させたとの記事を浦安市の広報に掲載しています。  2018年10月、WHO欧州事務局は、環境騒音による心臓血管系や代謝への悪影響を生ずるとしています。航空機騒音に関しては、健康への悪影響が生じるとして、基準値Lden45デシベルを下回るよう強く求め、また、夜間は睡眠への悪影響が生じるとして、Lnight40デシベルを下回るレベルまで騒音を削減するよう推奨する内容となっています。  しかし、大田区航空機騒音固定調査の5月の確定において、Ldenで大田市場では47.4デシベル、新仲七町会会館46.2デシベルで、国土交通省の基準値、Ldenでは大田市場で62デシベル以下、新仲七町会会館57デシベル以下であり、問題ないとしていますが、WHOの基準値からは上回り、健康被害が懸念されます。新飛行ルートにおける航空機騒音による住民の健康影響を調査し、実態の把握と対策を講じてくださいとの理由で、本陳情の採択を求めます。  以上で討論を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 次に、47番奈須利江議員。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  2第143号 航空機騒音による区民への健康被害を調査し、実態の把握を求める陳情について、委員会審査結果に反対、採択を求める立場から討論いたします。  この陳情は、新飛行ルートの開始に伴い、悪化している区民の住環境を踏まえ、区民の健康を守る責任を有する大田区に対し、航空機騒音による住民の健康影響を調査し、実態の把握と対策を求める陳情です。  新飛行ルートは空港関係の設備の増強に伴うものではなく、ルート変更だけなので、環境アセスメントは行われませんでした。しかも、前回の羽田空港に関わる環境アセスメントは2010年ですが、その際に行われた想定では、国際線の定期便も飛んでいない時期であり、深夜早朝便も少なく、国際便なし、深夜早朝便は極めて少数でアセスメントを行っています。浦安市が2010年の羽田空港の再拡張に伴うルート変更に伴い、住民への健康影響調査を行ったのも、空港周辺の環境アセスメントは行われたものの、浦安市民への影響がどの程度なのかを把握する意味もあったと思います。  大田区は、この調査がルート変更につながったわけではないと答弁したようですが、だからといって自治体が住民の環境実態を調査することで環境改善を図ることをしなくてよいことにはなりません。特に、先ほども触れたように、新ルートもありますが、D滑走路の新設による環境アセスメントのアセスの前提と現状とでは、国際線の飛行の有無、便数、夜間便の増加など騒音影響が大きく変わる変化が起きています。  その上、B滑走路西向きの離陸やA・C滑走路南向きの着陸などの今回の新ルートが加わっているわけですから、単に新ルートだけでなく、今、羽田空港周辺に暮らす区民が、空港を離発着する定期便、民間チャーター便含めた航空機やヘリコプターなどからの影響実態を明らかにすべきだと思います。そこから、新ルートがさらに空港周辺住民に及ぼす影響を評価し、航空機運航はどうあるべきかを、航空行政を担う国交省に提言すべきです。  特に、日本は諸外国に比べ、航空機はじめとした騒音が健康に与える影響についての規制が緩く、海外の知見に比べ20年遅れているという評価もされています。基準を低く取り、あるいは基準を設けず、大丈夫だというのは行政としてあまりにも無責任です。
     しかも、今回、住民団体でアンケート調査を取ったところ、思った以上に多くの住民の皆さんからお返事をいただきました。多分、北海道大学の松井教授の監修の下、調査を行うということをお知らせしたからだと思います。それが行政大田区と、例えばこの松井先生との共同調査なら、もっと率直な区民の声が多く集まると思います。空港立地自治体としての知見を積み重ね、自治体航空行政をリードしてきた大田区として、陳情者の求めるように、区民の声を真摯に受け止め、実態把握に努めるべきで、採択を求めます。(拍手) ○塩野目 議長 以上をもって討論を終結いたします。  採決に入ります。  まず、本件中、2第142号を起立により採決いたします。  本件に対する当該委員長からの審査報告書は不採択であります。当該委員長からの審査報告書のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○塩野目 議長 起立多数であります。よって本件は当該委員長からの審査報告書のとおり決定いたしました。  〔42番野呂恵子議員、43番北澤潤子議員、44番小川あずさ議員、45番庄嶋孝広議員、46番平野春望議員棄権〕 ○塩野目 議長 次に、2第143号を起立により採決いたします。  本件に対する当該委員長からの審査報告書は不採択であります。当該委員長からの審査報告書のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○塩野目 議長 起立多数であります。よって本件は当該委員長からの審査報告書のとおり決定いたしました。  〔42番野呂恵子議員、43番北澤潤子議員、44番小川あずさ議員、45番庄嶋孝広議員、46番平野春望議員入場〕 ○塩野目 議長 次に、2第147号及び2第149号の2件を一括して起立により採決いたします。  本件に対する当該委員長からの審査報告書はいずれも不採択であります。当該委員長からの審査報告書のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○塩野目 議長 起立多数であります。よって本件はいずれも当該委員長からの審査報告書のとおり決定いたしました。  次に、2第144号を起立により採決いたします。  本件に対する当該委員長からの審査報告書は不採択であります。当該委員長からの審査報告書のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○塩野目 議長 起立多数であります。よって本件は当該委員長からの審査報告書のとおり決定いたしました。  〔42番野呂恵子議員、43番北澤潤子議員、44番小川あずさ議員、45番庄嶋孝広議員、46番平野春望議員棄権〕 ○塩野目 議長 次に、2第150号を採決いたします。  本件に対する当該委員長からの審査報告書は不採択であります。当該委員長からの審査報告書のとおり決定することにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認めます。よって本件は当該委員長からの審査報告書のとおり決定いたしました。  〔42番野呂恵子議員、43番北澤潤子議員、44番小川あずさ議員、45番庄嶋孝広議員、46番平野春望議員入場〕                    〔47番奈須利江議員棄権〕 ○塩野目 議長 次に、2第145号を採決いたします。  本件に対する当該委員長からの審査報告書は不採択であります。当該委員長からの審査報告書のとおり決定することにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認めます。よって本件は当該委員長からの審査報告書のとおり決定いたしました。                    〔47番奈須利江議員入場〕 ○塩野目 議長 次に、2第146号ほか1件を一括して採決いたします。  本件に対する当該委員長からの審査報告書はいずれも不採択であります。当該委員長からの審査報告書のとおり決定することにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認めます。よって本件はいずれも当該委員長からの審査報告書のとおり決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第3を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第3  委員会提出第1号議案 固定資産税及び都市計画税の減免措置等の継続を求める意見書                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 総務財政委員長の説明を求めます。                  〔7番押見隆太議員登壇〕(拍手) ◎7番(押見隆太 議員) ただいま上程されました委員会提出第1号議案 固定資産税及び都市計画税の減免措置等の継続を求める意見書につきまして、案文の朗読をもって提案理由の説明に替えさせていただきます。                ――――――――――――――――――――            固定資産税及び都市計画税の減免措置等の継続を求める意見書  我が国の経済状況は、令和2年9月に内閣府が公表した月例経済報告における景気の基調判断において、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きがみられる。」とされており、「企業収益は、感染症の影響により、大幅な減少が続いている。企業の業況判断は、厳しさは残るものの、改善の動きがみられる。」と報告されたところである。  一方、区内中小企業を対象に景気動向を調査した、令和2年4月から6月期の「大田区の景況」における業況では、小売業はわずかに持ち直したものの、製造業、建設業、運輸業は悪化傾向が非常に大きく強まったとのことであり、来期の業況についても、製造業は今期並みの厳しさが続く、小売業は悪化傾向が多少強まると予想していると報告されている。  さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、今後もさらに厳しい経済状況が予測されるとともに、新しい生活様式の実践が求められるなど、区民生活はもとより、小規模事業者の事業経営にも大きな影響が生じている状況にある。  このような厳しい社会経済環境の中、東京都が従来から実施している小規模非住宅用地に対する固定資産税及び都市計画税の減免措置等は、小規模事業者の事業継続や経営健全化に寄与し、また、多くの区民生活に対しても安定をもたらすものであり、欠くことのできない措置となっている。  こうした減免措置等について、東京都が廃止も視野に見直しを行おうとすれば、区内小規模事業者の経済的、心理的影響は極めて大きく、区内経済に与える悪影響が懸念されるところである。  よって、大田区議会は東京都に対し、以下の措置を令和3年度以後も継続することを求めるものである。 1 小規模住宅用地に対する都市計画税を2分の1とする軽減措置 2 小規模非住宅用地に対する固定資産税及び都市計画税を2割減額する減免措置 3 商業地等における固定資産税及び都市計画税について、負担水準の上限を65%に引き下げる減額措置  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。                                             年月日 東京都知事  宛                                        大田区議会議長名                ――――――――――――――――――――  以上でございます。ご賛同賜りますよう、よろしくお願いいたします。(拍手) ○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありません。  本案については、会議規則第38条第2項の規定に基づき、委員会への付託を省略いたします。  本案については討論の通告がありません。  採決に入ります。  本案は原案どおり決定することにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認めます。よって本案は原案どおり決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第4を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第4  委員会継続審査及び調査要求                ――――――――――――――――――――               請願・陳情継続審査件名表(令和2年第3回定例会)                                          令和2年10月8日 常任委員会 総務財政委員会  元第29号 国連の「沖縄県民は先住民族」とする勧告の撤回を求める意見書の提出を求める陳情  元第30号 選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書を国に提出することを要望する陳情  元第50号 新池上図書館へ移転後の旧図書館跡地の利用法についての陳情  2第16号 性犯罪にかかわる刑法改正を求める意見書の提出を求める陳情 地域産業委員会  元第82号 馬込文士村記念館(仮称)開設のご検討への陳情  元第85号 大森南地域に前の浦集会室に代わる公共施設を求める陳情 健康福祉委員会  元第40号 高齢者が安心して暮らせるための介護保険に関する陳情  元第65号 近年急増する香害の実態調査及び啓発活動についての陳情  元第66号 大田区精神障がい者グループホーム活用型ショートステイ事業に関する陳情  元第68号 大田区後援事業に係る障害の合理的配慮の提供を促進することについての陳情 まちづくり環境委員会  元第45号 区民の意識を向上させ、環境を良くするため戸別収集の検討を求める陳情  元第46号 汚れた廃プラ輸入規制に伴い、輸出が難しくなるので、大田区でも対策を求める陳情  元第83号 西馬込駅西口前の歩道拡幅に関する陳情  元第84号 カラスの被害・迷惑の調査及び繁殖抑制策に関する陳情  元第86号 公園水泳場の利用料金を矢口区民センター水泳場と同じにすることを求める陳情  元第88号 平張児童公園の整備・改善についての陳情  2第54号 蒲田駅西口道路上「島」廃止を求める陳情
    特別委員会 羽田空港対策特別委員会  元第98号 羽田空港の新ルート及びヘリコプター飛行コースに関する陳情                ――――――――――――――――――――               特定事件継続調査事項表(令和2年第3回定例会)                                          令和2年10月8日 常任委員会  総務財政委員会   1 区政の企画及び財政運営について   2 区政の総務について   3 区民生活について   4 会計管理室、選挙管理委員会及び監査委員の事務事業について   5 埋立地の帰属問題について  地域産業委員会   1 地域振興について   2 国際都市について   3 文化振興について   4 産業振興について  健康福祉委員会   1 保健衛生について   2 社会福祉について   3 社会保障について   4 健康増進について  まちづくり環境委員会   1 都市基盤整備について   2 建設事業について   3 環境保全について   4 清掃及びリサイクルについて  こども文教委員会   1 学校教育について   2 社会教育について   3 児童福祉について 議会運営委員会  1 議会の運営について  2 議会日程の調整について  3 会議規則・委員会条例等の取扱いについて  4 議長の諮問に関する事項について                ――――――――――――――――――――              特別委員会継続調査事項表(令和2年第3回定例会)                                          令和2年10月8日 オリンピック パラリンピック観光推進特別委員会  1 スポーツ資源の活用による地域活性化について  2 観光のまちづくりについて  3 東京オリンピック・パラリンピックについて 交通臨海部活性化特別委員会  1 交通網整備等に関する対策について  2 自転車対策及び交通安全について  3 臨海部(羽田空港に関する事業を除く)の開発及び産業活性化等に関する事業について  4 京急空港線加算運賃について 羽田空港対策特別委員会  1 羽田空港の跡地利用について  2 羽田空港の空港機能について  3 羽田空港に関する事業について 防災安全対策特別委員会  1 防災対策について  2 危機管理対策について  3 地域防犯対策について                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 本件については、タブレット型端末に配信の請願・陳情継続審査件名表及び継続調査事項表のとおり、当該委員長から閉会中の継続審査及び調査の申出がありました。  本件を一括して採決いたします。  本件はいずれも当該委員長からの申出のとおり決定することにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認めます。よって本件はいずれも当該委員長からの申出のとおり決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 以上をもって本日の日程全部を議了いたしました。  閉会に先立ち、区長から挨拶があります。                     〔松原忠義区長登壇〕 ◎松原 区長 令和2年第3回大田区議会定例会の閉会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。  去る9月10日に開会されました本定例会におきましては、令和元年度各会計歳入歳出決算のほか、令和2年度一般会計補正予算案(第6次)、条例議案などを提出させていただきましたところ、いずれもご認定、ご決定を賜り、誠にありがとうございました。特に、令和元年度の一般会計歳入歳出決算及び各特別会計歳入歳出決算につきましては、決算特別委員会におきまして集中的なご審議をいただきましたこと、厚く御礼を申し上げます。本定例会で頂戴いたしました幅広いご意見や積極的なご提案を今後の区政運営においてしっかりと活かしてまいります。  まず、国政におきましては、安倍晋三首相の辞任に伴い、9月16日の臨時国会にて菅義偉首相が誕生いたしました。新内閣には引き続き新型コロナウイルス感染症対策や経済対策、自然災害対策など、様々な課題にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次に、新型コロナウイルス感染症についてですが、我が国における感染者は8万6000人を超え、区におきましては、10月7日現在、感染者は1242人となっております。国は、サービス産業消費喚起事業、いわゆるGo Toトラベル事業について、感染状況などを踏まえ、10月1日から東京都を追加することを発表し、東京都は都民の都内旅行を対象に補助する方針を公表いたしました。これらの事業は、新型コロナウイルスの感染拡大により大変深刻な影響を受けている宿泊業や飲食業などを支援し、感染拡大により失われた人の流れを地域に取り戻し、地域の消費を促すことで経済の好循環を創出するものであり、その効果に大変期待をしております。  また、区では、今後も感染拡大防止、区民生活支援、区内経済対策などにしっかりと対応していくため、先に実施した全事務事業の見直しを踏まえ、人員の再配置を行いました。10月1日付けで保健所や福祉部、産業経済部などの職員体制を強化し、前例のないコロナ禍という危機に対し、引き続き、区民生活、区内経済を支える取組を全力で進めてまいります。  区は、ウィズコロナ、ポストコロナの時代を見据え、学校法人東邦大学との官学連携を進め、医学的視点を踏まえた新たな行財政運営モデルの確立を目指すこととしました。東邦大学とは平成25年から連携・協力の協定を結ばせていただいており、これまでも区の施策に様々なご協力をいただいております。大田区と東邦大学との双方の強みを活かし、区民の命と生活を守る取組として進めてまいります。  次に、区の業務から発生する温室効果ガスの削減を目的に、10月1日から区役所本庁舎の電力を太陽光などの100%再生可能エネルギーに切り替えました。また、これまで一部の区立小中学校に導入していた23区内の清掃工場のごみ焼却熱を利用して発電した電力を、全区立小中学校と清掃事務所に拡大いたしました。このことにより、区の業務から排出される温室効果ガスの削減量は年間3861トンを見込んでおります。  地球温暖化の影響と思われる異常高温や大雨、干ばつなどの異常気象は世界各地で発生しております。また、近年は、その被害の深刻さから、気候変動ではなく、全ての生き物にとっての生存基盤を揺るがす気候危機という言葉も使われるようになってまいりました。地球温暖化対策は、安全で快適な暮らしを守り、持続可能なまちづくりを進める上での喫緊の課題でございます。区民の皆様には、区民運動「おおたクールアクション」を通じて、省エネ、3R、環境にやさしい製品の購入の実践をお願いするとともに、区といたしましてもその取組を強化してまいります。  区は、大田区地域福祉計画を策定し、地域共生社会の推進に取り組んでまいりました。本計画に掲げている「ともに支えあい 地域力ではぐくむ 安心して暮らせるまち」という基本理念にのっとり、本定例会では大田区手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例を議案として提出し、ご決定いただきました。この条例は、手話が言語であることの理解の促進と、障害の特性に応じた多様な意思疎通手段の利用の促進に関し、基本理念を定め、それに基づく施策の推進や、区民、事業者の皆様の役割について明記しております。この条例を新たな礎とし、障がいのある人もない人も、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する地域社会を実現するために、引き続き様々な取組を進めてまいります。  区は、9月27日に区内初となるランニングステーションを大森スポーツセンター内に設置いたしました。大森スポーツセンターを起点にランニングコースを設定し、ランナーの方々には安全で快適に楽しんでいただくとともに、新スポーツ健康ゾーンの魅力を知っていただく機会にしてまいります。スポーツ健康都市宣言を行った大田区として、スポーツ環境の整備を通じて区民の皆様の健康の維持・増進につなげてまいります。  次に、羽田空港跡地第1ゾーン整備事業についてご報告をいたします。羽田イノベーションシティにつきましては、7月3日にまち開きをしたところでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、開業時に予定しておりましたイベント等は、3密を避けるため中止といたしました。このたび、9月18日を本格稼働と位置づけ、一部の施設や飲食店などのテナントを開業することができました。  また、本格稼働に合わせ、羽田イノベーションシティを訪れる皆様に日本文化を体験していただくため、区内の小中学生に協力していただき、浮世絵をモチーフにした文化イベントに加え、先端産業の取組として、アバターロボットや自動運転バスなど、スマートシティの先端技術に触れられるイベントを開催しました。9月18日からの5日間で約3万人の方にお越しいただきました。日本文化とともに、近未来の先端技術を体験できるまちとして、広く区民の皆様にアピールできたと考えております。  また、この間、国や東京都、民間企業など多くの方々にご視察をいただき、羽田イノベーションシティが地域経済のさらなる発展、ひいてはその効果が日本全体に及ぶポテンシャルを持つものであるとご認識いただけたと考えております。さらに、昨日は赤羽国土交通大臣にもご視察をいただいたところでございます。引き続き、新型コロナウイルス感染防止対策を行いながら、羽田イノベーションシティならではの魅力を知っていただけるよう、公民連携により事業を推進してまいります。  今年のおおた商い観光展は、新型コロナウイルスの収束が見通せない中、大田区のまち全体を一つの会場と見立て、区民を中心とした参加者に直接お店や観光地を訪れていただく企画で、10月1日にスタートしました。12月16日までの会期中、各お店や商店街、観光地が感染拡大防止策を取りながら、工夫を凝らした商品や出し物を用意しており、その情報をウェブサイトやポスターで提供しています。また、OTA!いちおしグルメ、商店街プレミアム付地域商品券などの既存の事業とも連携し、区内経済を盛り上げてまいります。バーチャルでまち歩きをする企画など、新型コロナウイルスに対応した形で楽しんでいただけますので、皆様のご参加をお待ちしております。  10月に入り、日ごとに秋も深まってまいりました。議員の皆様におかれましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の予防など健康には十分にご留意をいただき、区政発展のためにますますご活躍いただきますようご祈念を申し上げまして、閉会のご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 以上をもって本日の会議を閉じ、令和2年第3回大田区議会定例会を閉会いたします。                     午後3時38分閉議・閉会...