大田区議会 2020-09-11
令和 2年 第3回 定例会−09月11日-02号
令和 2年 第3回 定例会−09月11日-02号令和 2年 第3回 定例会
令和2年第3回定例会 大田区議会会議録 第14号
9月11日(金曜日)
出席議員(50名)
1 番 田中一吉 2 番 松原秀典 3 番 高瀬三徳
4 番 岸田哲治 5 番 大森昭彦 6 番 塩野目正樹
7 番 押見隆太 8 番 鈴木隆之 9 番 湯本良太郎
10 番 伊佐治 剛 11 番 深川幹祐 12 番 長野元祐
13 番 渡司 幸 14 番 高山雄一 15 番 海老澤圭介
16 番 松本洋之 17 番 岡元由美 18 番 勝亦 聡
19 番 広川恵美子 20 番 秋成 靖 21 番 玉川英俊
22 番 田村英樹 23 番 大橋武司 24 番 小峰由枝
25 番 椿 真一 26 番 田島和雄 27 番 末安広明
28 番 大竹辰治 29 番 清水菊美 30 番 黒沼良光
31 番 佐藤 伸 32 番 菅谷郁恵 33 番 福井亮二
34 番 荒尾大介 35 番 杉山公一 36 番 荒木秀樹
37 番 犬伏秀一 38 番 三沢清太郎 39 番 松原 元
40 番 須藤英児 41 番 植田智一 42 番 野呂恵子
43 番 北澤潤子 44 番 小川あずさ 45 番 庄嶋孝広
46 番 平野春望 47 番 奈須利江 48 番 馬橋靖世
49 番 荻野 稔 50 番 奥本有里
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出席説明員
区長 松原忠義 副区長 川野正博
副区長 清水耕次 企画経営部長 市野由香里
総務部長 後藤 清 危機管理室長 須川孝芳
地域力推進部長 今井健太郎 観光・国際都市部長 飯嶋清市
スポーツ・文化担当部長 町田達彦 区民部長 小泉貴一
産業経済部長 山田良司 福祉部長 今岡正道
障がい
者総合サポートセンター所長
福祉支援担当部長 張間秀成 森岡 剛
健康政策部長 木田早苗 保健所長 伊津野 孝
まちづくり推進部長
新空港線・
まちづくり調整準備室長兼務
こども家庭部長 浜口和彦 齋藤浩一
都市開発担当部長 青木重樹
空港まちづくり本部長 白鳥信也
都市基盤整備部長 久保輝幸 環境清掃部長 落合邦男
会計管理者 鴨志田 隆
企画経営部企画課長 杉山良樹
企画経営部財政課長 田村彰一郎 総務部総務課長 中澤 昇
教育長 小黒仁史 教育総務部長 玉川一二
教育総務部教育総務課長 政木純也 代表監査委員 河野秀夫
監査事務局長 西山正人
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出席事務局職員
局長 井上隆義 次長 古川雅章
議事担当係長 矢作研治
議事日程第2号
令和2年9月11日 午前10時開議
第1
第79号議案 令和2年度大田区一般会計補正予算(第6次)
第80号議案 令和2年度大田区
国民健康保険事業特別会計補正予算(第2次)
第81号議案 令和2年度大田区
後期高齢者医療特別会計補正予算(第1次)
第82号議案 令和2年度大田区
介護保険特別会計補正予算(第1次)
第83号議案 大田区手数料条例の一部を改正する条例
第89号議案 大田区
産業プラザコージェネレーションシステム更新工事請負契約について
報告第26号 令和元年度決算に基づく健全化判断比率の状況について
報告第27号 訴え提起前の和解に係る専決処分の報告について
報告第28号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について
報告第29号
根方橋構造改良工事請負契約の専決処分の報告について
報告第30号 大田区立大森第四小学校校舎ほか1施設改築その他工事(U期)請負契約の専決処分の報告について
第2
第84号議案
大田区立消費者生活センター条例の一部を改正する条例
第85号議案
大田区立池上会館条例の一部を改正する条例
第90号議案 大田区
田園調布せせらぎ館の指定管理者の指定について
第91号議案 大田区
南六郷創業支援施設の指定管理者の指定について
第3
第86号議案 大田区
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
第87号議案 大田区手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例
第88号議案 大田区
国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例の一部を改正する条例
第4
第92号議案 区の義務に属する損害賠償の額の決定について
第93号議案
大田区立田園調布せせらぎ公園の指定管理者の指定について
第5
第75号議案 令和元年度大田区
一般会計歳入歳出決算
第76号議案 令和元年度大田区
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
第77号議案 令和元年度大田区
後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算
第78号議案 令和元年度大田区
介護保険特別会計歳入歳出決算
第6
議員提出第5号議案 大田区特別区民税・
国民健康保険料等滞納解決支援条例
第7
議員提出第6号議案 大田区
応急小口資金貸付条例の一部を改正する条例
第8
議員提出第7号議案 大田区乳幼児及び義務教育就学児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
第9
2第129号 新空港線計画をやめ積立金をコロナ対策などのために使うことを求める陳情
2第135号 大田区独自の
サポカー補助金制度を導入してほしい陳情
2第139号 無施錠自転車の見守りロックなどの効果的な対策をしてほしい陳情
第10
2第126号 新飛行ルートの騒音が推定値より高いことへの対応を国に求めてほしいと願う陳情
2第133号 新
飛行ルート運用開始に伴い、定点騒音測定地点を増やしていただきたい陳情
第11
常任委員の所属変更について
第2号追加の1
令和2年9月11日 午前10時開議
第1
オリンピック
パラリンピック観光推進特別委員選任
羽田空港対策特別委員選任
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午前10時開議
○広川 副議長 ただいまから本日の会議を開きます。
〜
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○広川 副議長 昨日に引き続き質問を行います。
まず、41番植田智一議員。
〔41番植田智一議員登壇〕(拍手)
◆41番(植田智一 議員) 令和大田区議団、植田智一です。会派を代表いたしまして、区長並びに教育長に質問をいたします。初めての代表質問なので、元気よくまいりたいと思います。
8月28日に安倍首相が辞任を表明されました。7年8か月という長い間、本当にお疲れさまでした。まずはゆっくりとご静養いただき、体調の回復に努めていただきたいと思います。
さて、今年は大東亜戦争終結から75年の節目の年であります。我が会派も終戦への思いとコロナ禍に負けない区政を目指してと題して、新聞の折り込みチラシを配布しました。暑かった夏を振り返り、区政レポート8月号から一部抜粋し、会派の思いを紹介したいと思います。8月15日、戦没者を追悼し平和を祈念する日に当たり、日本の未来のため、自らの命を懸けて戦った英霊の皆様、戦火に命を落とされた民間人の方々、全ての戦没者の御霊に感謝と鎮魂の誠をささげます。GHQや日教組による自虐史観教育のおかげで、戦後の日本は国家の誇りを忘れたえせ国家に成り下がってしまいました。捏造の従軍慰安婦や南京大虐殺の流言飛語が世界中にまことしやかに広がり、日本の評価をおとしめています。世界に誇れる、世界から尊敬と羨望の目を向けられる国、日本、そんな祖国を目指し、戦後75年、そろそろ日本は悪い国だったという教育から覚醒しましょうと、区民の皆様に、世界の平和と我が国の繁栄を訴えさせていただきました。
また、道半ばで持病の再発により辞任を決意された安倍首相の胸の内を思うと残念でなりません。安倍政権の最重要課題であった拉致問題の解決、そして自民党結党以来の大方針、憲法改正の実現を果たせなかったことは無念でしょう。その思いを次のリーダーが継承してくれることを期待し、質問に移らせていただきます。
新型コロナウイルス感染拡大防止に協力する飲食店等の支援について伺います。
夏を迎えても衰えない
新型コロナウイルス感染症は、8月1日には陽性者数が過去最大の472名を記録するなど、再び拡大を見せています。こうした状況を受け、東京都では酒類を提供する飲食店、カラオケ店に対し、感染拡大防止の観点から、午前5時から午後10時までの営業時間短縮を要請いたしました。しかし、4月7日から5月25日までの緊急事態宣言時及び解除後の段階的緩和に続き、再び協力要請を受けた飲食店は想像を絶する影響を受けています。
営業時間短縮の要請を行った東京都では、8月3日より31日までの期間に協力した事業者に対し、20万円の協力金支給を決定しましたが、営業を継続するためには決して十分ではないとの声を、区内産業団体をはじめ多くの皆様からお聞きします。つきましては、現下の状況等を鑑み、感染拡大防止のため、やむなく営業時間短縮要請に協力した店舗に対し、大田区独自の支援策を講じることを強く要望しますと、令和2年8月6日付けで松原区長に対し、我が会派を含む議員33名で要望書を提出したところ、早速実施の決定をいただきました。さらに、都の支援策と連動して、期間延長分についても実施の方針が発表されています。会派としても、区の迅速な対応を高く評価し、大いに期待しているところでもあります。
しかしながら、飲食店等を営む事業者の方々には、実に切実な問題です。1か月の時短営業でも苦しいのに、さらに時短延長の要請をお願いしなければなりません。
区長に伺います。大田区独自の時短営業協力金の給付方法などをお示しください。
次に、新空港線についてお聞きいたします。
コロナ対策は、大田区においても最優先課題ではありますが、同様にコロナ収束後による区の将来的な発展に向けた取組も行っていく必要があります。新空港線は、区内の東西交通の分断解消のみならず、羽田空港へのアクセス改善や区内から渋谷、新宿、池袋といった副都心への利便性の向上など、区に与える効果が非常に大きな事業です。また区長は、昨年度末に都知事と会い、都知事から、都としても事業化に向けて支援していく、できる限り早期に協議が整うように進めましょうと協議の場の設置について発言があったとおっしゃっています。こうしたことから、新空港線の実現に向けた都、区の調整も順調に進んでいるものとうかがえます。
未曽有の世界的な感染症の蔓延により、人の移動が制限される中、公共交通の利用者が一時的に減少していますが、活力あるまちの維持には、人の移動が必要不可欠です。区民からの期待も大きい新空港線事業の実現は、コロナ禍で一時的に低迷している経済を再び活性化させる起爆剤としての役割を果たすことを期待しています。
コロナ禍において区が取り組むべき事業は山積していることと思いますが、長期的な視点に立ち、区の持続的な発展に向け、新空港線をこれからどのように進めていくのか、区長の思いをお伺いいたします。
次に、蒲田駅東口再開発事業についてお伺いいたします。
蒲田駅周辺は、戦災復興の土地区画整理事業により形成され、都市基盤施設や建物の老朽化が進んでおり、防災面で課題があります。さらに、歩行者環境の改善や駅、東西回遊性及び連絡性の強化、交通結節点機能の不足などの問題もあります。まちを見渡しても、駅周辺にはかなり古い建物と新しい建物が混在していることから、統一感のないまちの景観が見受けられます。
大田区は、平成22年3月に蒲田駅
周辺地区グランドデザイン、平成26年2月には蒲田駅
周辺再編プロジェクトを策定し、それに基づき蒲田駅周辺の再整備を進めています。その蒲田駅
周辺再編プロジェクトの中では、蒲田駅を中心としたおおむね半径200メートルを駅前空間と位置づけ、その整備の方向性として、安全・安心な街区形成のための共同化による建替えや、商業のまちとしてにぎわいを創出することを促進しています。
一方で、蒲田駅周辺は航空法の高さ制限などもあり、まちづくりの機能更新も進みづらいと聞いていますが、8月の
まちづくり環境委員会では、東口の駅前再開発の事業協力者決定との報告もあり、民間再開発の動きも活発になってきているものとうかがえます。このように、まちの機能更新に向けた動きがある中、区として蒲田のまちづくりを今後どのように進めようとしているのか、区長の見解をお聞かせください。
次に、
キャッシュレス決済についてお聞きいたします。
9月2日で、大田区の特別定額給付金の申請受付が終了となりました。大田区の対象世帯40万3000世帯に対し、給付金の申請件数約39万6000件となっており、そのうちオンラインでの申請は2万7018件で、圧倒的に郵送による申請が多かったということです。
オンライン申請には、
マイナンバーカードを持っていることが条件で、さらにIDやパスワードの設定をするなどのほか、煩雑な作業を要します。それでもコロナ以前と比べると、区内だけでも約5万人の
マイナンバーカードの新規登録者が増えています。この
マイナンバーカードの普及率から見ても、オンラインの利便性が見直され、さらにICTの利活用が必要不可欠なものとなってきていると考えられます。
老年人口の増加、共働き世帯や単身世帯の増加など、社会構造の変化やライフスタイルの多様化により区政に対するニーズは高度化、多様化しています。民間企業では、ICTの効果的な導入や仕組みの変更を通じて、日々変化する顧客ニーズに対応した取組を行っています。しかし、区の手続きの大半は窓口に行く、対応時間が決められているなど、区民にとって利便性の高いサービスとは言えない状況にあります。
区は、国、都の動向、区の現状と課題を踏まえ、ずっと住み続けたい大田区の実現に向けた情報化政策強化に係る計画を本年度中に定めるとしています。その一つとして、国が進めている
マイナポイント事業というものがあります。このマイナポイントのアプリをスマホに登録することで、コンビニなどの支払いをキャッシュレスで決済できます。いわゆるソーシャルディスタンスを保った非
接触型決済サービスということです。今、世間を騒がせているドコモ口座問題や
マイナンバーカードにひもづけされているなど是非はありますが、コロナ対策に非常に効果のある事業だと考えます。区でも本庁舎入り口に相談ブースを設けるなど、普及率の向上を目指しています。
区長に伺います。
キャッシュレス時代における
キャッシュレス決済に関する将来の展望や区の取組についてお聞かせください。
最後に、コロナ対策における学校行事の在り方について教育長に伺います。
今年度は、
新型コロナウイルスの影響により様々な学校行事が中止となっていますが、令和2年7月16日には修学旅行も中止が決定しました。非常に残念ですが、
新型コロナウイルス感染拡大防止や生徒の安全確保の観点からも仕方ないことであり、教育委員会の決断を我が会派も尊重するところであります。
しかしながら、ただでさえ運動会や学芸会、各種大会など様々な行事が中止となっている中、修学旅行までも中止となってしまったら、中学3年生にとっての1年間、何が思い出として残るのでしょうか。私たち大人にとっては長い人生の1コマにすぎませんが、子どもたちにとってはかけがえのない1年であることは言うまでもありません。
現在、修学旅行に代わる行事の代替案は各学校任せになっているとお聞きしています。もしその代替案に区として何かできることがあれば、積極的に支援すべきではないでしょうか。
大田区には、学び修めることのできる地域資源がたくさんあります。民間施設では、大田市場、尾上部屋、町工場、空港整備場、クロノゲートなど枚挙にいとまがありません。区施設でも、
平和島ユースセンター、
平和の森公園バーベキュー場、令和島、ふるさとの浜辺公園、大森海苔のふるさと館など大田区への郷土愛を育むことのできる施設がたくさんあります。民間施設に関しては個別に交渉する必要があると思いますが、区施設に関しては、学校が望むのであれば優先的に利用できるような配慮があってもよいのではないでしょうか。また、大田区側からこんな施設もありますよというような情報提供をするだけでも、代替案検討の一助になると思います。
そこでお聞きします。修学旅行をはじめ様々な学校行事が中止となっている現状において、子どもたちが充実した学校生活を送れるよう、どのような考えをお持ちでしょうか。移動の制限や3密の回避、卒業式までの限られた時間を様々な制約がある中で、非常に難しい問題だとは思いますが、最後に教育長の思いをぜひお聞かせください。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。
◎松原 区長 植田議員の代表質問に順次お答えさせていただきます。
まず、大田区
感染拡大防止協力金の支給方法に関するご質問でございますが、東京都が実施している営業時間短縮に係る
感染拡大防止協力金の支給を受けた事業者等に対して、区の上乗せ支給を予定しております。申請の手続きや支給方法の詳細については現在検討中であり、本定例会に提出した令和2年度大田区一般会計第6次補正予算案に必要経費を計上させていただいております。東京都は、今回の協力金の対象要件の一つとして「
感染防止徹底宣言ステッカー」を店舗に掲示することを求めており、申請者については、本年4月、5月の東京都
感染拡大防止協力金と同様に、ポータルサイトにおいて、屋号等の対象店舗名を紹介することとしております。今回、8月3日から31日までの営業時間短縮にご協力いただいた事業者に対する東京都の協力金については、9月末までの間で申請が受け付けされており、申請はオンライン、郵送、または都税事務所等に設置された専用ボックスに投函することができます。区における申請受付方法については詳細の検討を行っており、申請される事業者の皆様の負担を極力軽減し、分かりやすい申請方法となるよう検討を進めるとともに、迅速かつ正確な支給を行えるよう準備を進めてまいります。
新型コロナウイルスの感染拡大により、休業や営業時間の短縮を余儀なくされた飲食店等は大きな影響を受けております。区といたしましては、東京都と連携しながら感染症の拡大防止に迅速に取り組むとともに、ご協力いただいた事業者の皆様を最大限支援し、地域経済を支えてまいります。
次に、新空港線に関するご質問でございますが、新空港線の実現は区の30年来の悲願であり、これまでと同様、引き続き区として全力で取り組むべき事業と考えております。今回の
新型コロナウイルス感染症に限らず、区はこれまでも困難な状況を幾度となく経験しつつも、その困難を乗り越え、着実に発展を遂げてまいりました。こうした継続的な発展を絶やすことなく未来に伝えていくためには、将来にわたってまちづくりの基礎となるインフラの整備をしっかりと行っていく必要があります。新空港線は、まさに今後の区の将来の発展に必要不可欠な事業であり、何としても実現させるべき事業であります。鉄道路線の整備が周辺のまちづくりに与える影響は大変大きく、その効果も多岐にわたるため、区民の皆様からの期待も非常に大きな事業であります。新空港線を整備することによって、区内の移動利便性が向上するだけでなく、災害に強く、安全・安心で快適なまちづくりを実現させることができます。このように、まちを強靱化することは、
新型コロナウイルスで大きな打撃を受けた経済の活性化にも寄与すると考えております。現在は、新空港線を着実に進めるべく、東京都知事から提案がありました「協議の場」において、都区の費用負担割合の決定に向けた検討を先日開始したところでございます。今後は、この「協議の場」において検討を深め、新空港線の一刻も早い実現に向け、引き続き全力で取り組んでまいります。
次に、蒲田のまちづくりに関するご質問ですが、蒲田は大田区の中心拠点であり、大森や羽田空港周辺などとのスクエアなまちづくりを進めるうえで重要な拠点であるため、
新型コロナウイルスの感染状況を見極めながら、まちの機能更新を図り、魅力的なまちづくりを進めていく必要があります。まちの機能更新を図るうえで、鉄道は地域のまちづくりの中核を担う公共交通機関であることから、鉄道とまちづくりのより一層の連携が必要でございます。蒲田のまちづくりにおける重要な要素となるのが新空港線であり、新空港線整備を見据えて、東西駅前広場、東西自由通路、駅舎・駅ビル、東口駅前再開発など周辺の基盤施設を一体的に捉えたまちづくりを進めることで、より利便性の高い魅力的なまちに進化することができます。また、コロナ禍においてはウィズコロナ、アフターコロナを見据えた中長期的な視点で、ゆとりのある居心地のよい防災性の高いまちを目指すことが必要です。蒲田はこれまで蒲田駅
周辺地区グランドデザインに基づき、着実にまちづくりを進めてまいりました。しかしながら、このように区内外を取り巻く情勢とまちづくりの動向に変化が生じていることから、現在、改定作業を令和3年度に向けて進めております。加えて、新空港線や駅前再開発のほか、周辺の基盤施設と将来的なまちづくりの方向性を整合させるため、国や東京都、鉄道事業者などの関係機関とも連携して取り組んでおります。このように計画的に新空港線整備と蒲田のまちづくりを着実に進めることが重要であり、引き続き、蒲田のさらなる発展と安全・安心なまちを目指して鋭意取り組んでまいります。
次に、
キャッシュレス決済に関するご質問でございますが、現在、日本の
キャッシュレス決済比率は約2割であり、国は、2025年までに4割、将来的には世界最高水準の8割を目指すとしております。社会全体の
キャッシュレス化を進めているところでございます。国は、昨年10月から、消費など国内需要喚起のため、キャッシュレス・ポイント還元事業を実施し、本年7月からは
マイナポイント事業を行い、
キャッシュレス決済基盤の構築を図っております。加えて令和元年12月に施行されたいわゆるデジタル手続法においては、行政手続きに関して、キャッシュレスを進める法的な環境が整いました。
新型コロナウイルスとの共存を前提とした新しい生活様式が求められる社会において、非接触型サービスの拡充は、区民の皆様が利用する行政サービスの向上に不可欠であります。区では、現在、税や保険料について、クレジットカードによる収納を実施しており、今後は、ICTの活用をさらに推進してまいります。私からは以上でございます。
◎小黒 教育長 コロナ禍における子どもたちの充実した学校生活についてのご質問です。
今年は、修学旅行をはじめ、移動教室、連合行事など、子どもたちが楽しみにし、活躍し、成長する多くの行事を中止せざるを得ませんでした。楽しみにしていた行事がなくなり、一番がっかりして、残念に思っているのは児童・生徒たちだと思います。また、残念な思いは、私をはじめ、子どもの教育に関わる者の共通の思いでございます。現在、学校では、フィジカルディスタンスを取り、感染防止に努めながらも、お互いの心の距離を縮め、子どもたちの学校生活を少しでも楽しいもの、充実したものにするために、教職員が知恵を絞り、協力して指導に取り組んでおります。そのうえで、ICTを効果的に活用し、「誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学び」と「個に応じた指導」により、教科の学習はもちろん、一つ一つの教育活動を充実させ、子どもたちに達成感や成就感を持たせる新たな学びの取組を進めているところでございます。子どもたちが現在の困難な状況を乗り越えて、たくましく未来を生きる力を育てることは、教育委員会の使命でございます。制約のある状況の中においても、子どもたち一人ひとりに、自ら学び、考える姿勢を身につけさせ、子どもたちの豊かな人間性を育み、未来を創る力の育成につながる施策を進めてまいります。
○広川 副議長 次に、43番北澤潤子議員。
〔43番北澤潤子議員登壇〕(拍手)
◆43番(北澤潤子 議員) エールおおた区議団の北澤潤子です。会派を代表して、子どもをめぐる課題、人権、心豊かに過ごせる環境をテーマに質問いたします。初めての代表質問です。どうぞよろしくお願いいたします。
国連児童基金(ユニセフ)が、この9月3日に、先進・新興国38か国に住む子どもの幸福度を調査した報告書を公表しました。精神的な幸福度、身体的健康、学力・社会的スキルの3分野で指標化した総合順位では、日本は20位、身体的健康では1位でしたが、精神的な幸福度は37位という最低レベルでした。学校のいじめや家庭内の不和、また学力はあっても、新しい友達をつくるという社会的スキルに自信がない、15歳から19歳までの自殺率の高さなどの実態と生活への満足感がないというのが主な要因の残念な結果でした。ちなみに、総合でも精神的な幸福度でも、第1位はオランダです。
日本の子どもたちが幸福感を感じることのできる社会を私たちはなぜつくり得ていないのか、模索していかなければなりません。ましてや児童虐待が引きも切らないこの日本、大田区でも蒲田で起きた3歳児の放置死事件、稀華ちゃんのご冥福を祈ると同時に、社会全体の問題としてしっかり向き合わなくてはなりません。検証結果を待ち、共に対策に取り組みたいと思います。
2年間のおおた重点プログラムには、「未来を拓き地域を担う子どもを、みんなで育むまちにします」とあります。もし子どもが将来、地域を担うのであれば、地域を愛し、地域で生きる共同体の一員という意識がその根底に育まれてこそではないでしょうか。改めて大田区の目指す地域力とは何かということを問うていきたいと思います。
今、社会は暮らしの大部分をお金で外注するようになり、サービス産業化が進んできました。かつては、ないものは自分たちでつくろうと、保育園が足りないときは親たちが共同保育所をつくったりするなど、社会課題を自分たちで解決しようという機運もありましたが、皮肉なことに、社会制度や福祉が進むと同時に経済論理も働いて、お金で解決することや行政サービスに求める傾向が強くなってきました。それが必ずしも悪いわけではありませんが、自分たちで切り開いていこうという社会の構成員としての当事者性を持つことが難しくなっている時代ではないかと感じます。
そんな中、大田区には子どもを応援している区民活動団体が、区内に20ほどもある子ども食堂、子どもの遊びを見守る中央五丁目公園プレーパーク、ベストキッズやユースコミュニティーによる学習支援など、また子育て中の親を応援している区民活動団体としては、子育てひろばを行っているこあら村や、早朝や夜間の預かりもしているぷーさんの家など、子育てをしている人のニーズに応えてそれぞれ子どもを育む家庭に寄り添う活動をしています。いずれも自主的な活動であり、社会課題に立ち向かっている団体です。決して経済論理での活動ではなく、社会の構成員としての当事者性を持ち、地域の仲間として子どもたちや子育て中の親たちの幸せを純粋に願っての活動です。
特筆すべきは、子ども食堂で育った子どもが食堂の手伝いをし、学習教室に通ってきた子どもが大学生になって、今度は教える側になってきています。活動を通して地域の一員としての自覚、自信が生まれ、今度は自分の力を発揮できる充実感、喜びを味わっているのではないでしょうか。自分の居場所や役割があること、必要とされることは幸福感にも通じるのではないでしょうか。
大田区が地域力を大事にしようとするのなら、こうした地域の担い手たちと共に一丸となって、時代の荒波を進んでいかなくてはならないのではないでしょうか。一緒に地域をつくる努力をする必要があるのではないでしょうか。ある事業の継続が必要なら事業化する、ある事業の拡大が必要なら一緒に拡大の方法を探るなど、地域の持続可能性を共に考えていくべきです。子育てを応援している団体から現場の声をしっかり聞き、大田区に必要な施策を探ることが必要です。
大田区は、子どもを見守り育む体制を地域力の中でどのように実現していきますか。松原区長のご見解をお伺いいたします。
次に、人権問題である配偶者暴力(ドメスティックバイオレンス)、いわゆるDVと性暴力対策についてお聞きします。
今年は第8期の男女共同参画推進プランがつくられる年です。2015年には、大田区独自で6か年をその計画期間とする大田区配偶者暴力の防止及び被害者保護等のための計画がつくられました。松原区長の巻頭言は「暴力は、その対象の性別や間柄を問わず、個人の尊厳を著しく傷つけるとともに、犯罪となる行為を含む重大な人権侵害です。日常生活の中で、相手を力ずくで自分の意に従わせようとすることは、他人との間においてはもとより、夫婦の間でもあってはならないことです。まして、暴力を加えることは、決して許されることではありません。」と、区民の人権擁護に立ち向かう力強いメッセージであり、大変勇気づけられます。
DVは家庭内で起こるので発見されにくく、しかも加害者には罪の意識がない場合も多く、エスカレートし、被害が深刻化しやすい特性があります。この計画においては、DVが配偶者間にとどまらず子どもへの影響が深刻なこと、子どもがDVを目撃することは心理的外傷を与えるもので児童虐待であり、子どもの人権侵害に当たると指摘し、そのような暴力を根絶するために、あらゆる対策に力を尽くすとし、実践的な未然防止、早期発見、被害者支援等に言及しています。
昨今の児童虐待死事件からは、子どもへの虐待と夫婦間のDVが一体的に起きているという新たな認識が高まっていることを見ても、大田区の計画は大変先駆的で意欲的なものであったと言えます。
この計画は、翌年、2016年策定の第7期男女共同参画推進プランに内包されましたが、第8期にはどのように引き継がれるのか注目するところです。
しかしながら、区のDV相談は年々増加しており、2015年には828件だったものが、2019年には1323件にもなりました。対策の強化が求められます。
「誰もが尊重される安心のまちを築きます」と第7期男女共同参画推進プランでは目標に掲げられています。区民に奉仕する立場の区職員においては、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメントなどの人権侵害への認識はもちろんですが、DVについても認識と理解を持っていただきたいと思います。
区民の中には、DVを受けていても、それがDVだとは気がつかない人、DVを受けていても相談ができない人が多いことが大きな課題であり、周囲が察知すること、特に学校や行政の窓口での正しい理解は必要です。児童相談所においても、DVと虐待との包括的支援が不可欠です。
区は、あらゆる暴力の根絶を重点的課題とし、DV対策を一層促進するとしています。であるなら、現在は希望者だけとのことですが、全ての職員と教職員、早期発見のためには子どもに関係するあらゆる職種の担当者には、支援につなぐためにもDV研修を含めた啓発を求めますが、松原区長のご見解をお伺いいたします。
さて、政府は近年の世界的な性被害根絶の市民運動や性被害者の勇気ある告発、また刑法改正を受けて、今年6月に性犯罪・性暴力対策の強化の方針を打ち出しました。今年から3年間を性犯罪・性暴力対策の集中強化期間として、刑事法の在り方の検討、被害者支援の充実、加害者対策、教育・啓発の強化等の実効性のある取組を進めるとしています。
魂の殺人と言われる性暴力は、心身に深刻な影響を与え、望まない妊娠、中絶など、その後の人生に甚大な影響を与えます。
全国に49か所ある性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターは、被害直後からの総合的な支援を目的とするセンターですが、2019年の6月からの3か月間の内閣府による調査では、面接による相談1600件のうち、被害者の年齢別では、19歳以下が40.6%、中学生以下の被害者はそのうちの約2割でした。加害者との関係は、多い順で、友人・知人、次に職場やバイト先、次に監護者、実の父親が最も多いそうですが、13.2%というものでした。相談できない人もいるので潜在的な被害者がどれだけのものか分かりませんが、若年層での被害の実態からは、性暴力への対策は待ったなしです。教育の重要性は言うまでもありません。
小学生からの性被害やSNSを通じて事件に巻き込まれることも少なくありません。発達に応じた性教育、自分の体を守ること、義務教育のうちから、少なくとも全ての中学校でデートDV予防講座を行うことを要望します。現在は手を挙げた学校だけ、年に3校ほどが性感染症についての講義を保健師から聞いているとのことですが、それでは間に合いません。家庭内に加害者がいる場合、交際相手から性的行為を求められた場合など、予防と同時にSOSを出しやすくなるよう、学校側で相談を受ける体制を強化することも重要です。
誰も被害者にも加害者にもしないように、義務教育課程における教育が重要です。中学校においては、デートDV予防講座を行うことを要望しますが、区長の認識をお聞かせください。
また、政府から出ている性犯罪・性暴力対策の強化の方針は、第8期男女共同参画推進プランにどのように盛り込みますか。区長の見解をお伺いいたします。
次に、区長の掲げる国際都市おおたについてお聞きします。
大田区は、外国籍住民に対して先駆的な支援体制を持っています。消費者生活センター1階、micsおおたと同じフロアの国際都市おおた協会多言語相談窓口です。生活相談は毎年増加、2019年度は2586件でした。ほかにも、翻訳・通訳派遣、日本語教室などを行っており、少ない職員でフル回転しています。
窓口には様々な生活上の相談が寄せられますが、最近は労働問題の相談が多く、雇用主が外国人、日本人に限らず、日本の労働法規を遵守していないことも多いそうです。例えば会社が社会保険に加入していないために、休業手当が払われない、失業給付も受けられないという状況などがあり、病気やけがになった場合はすぐに生活困窮に陥るそうです。今は特にコロナの影響を受けやすいレストラン、弁当工場、ホテルの清掃、空港関連などで働く人が多く、急に解雇された、雇い止めに遭ったという相談、ホームレス状態になった相談も複数あり、今後自殺者が出ないかというほど心配だとのことでした。
まず、ここに暮らす外国人の生活が安定していることが、松原区長が目指す国際都市おおたの基本ではないでしょうか。それぞれ家族を養いながら懸命に生き、そして税金を納めている大田区に暮らす人たちです。このコロナ禍にあり、支援の仕方を探るためにも、調査と対策が必要だと考えます。
コロナ禍で生活困窮している外国人もいます。サービスの情報は届いているでしょうか。国際都市おおた協会多言語相談窓口への相談から見える課題に対して大田区はどう取り組みますか。区長の見解をお聞かせください。
次に、緑化の推進についてお聞きします。
近年、健康を害するほどの酷暑や巨大台風などの異常気象からは温暖化の影響を憂慮せざるを得ません。区内の小学校のうち、校庭がゴムでできている学校では、酷暑の中、ゴムが熱くなり過ぎて、校庭では遊べない日もあると聞きました。熱を吸収してくれる土と熱を反射するアスファルトの違いは私たちも日常的に感じるところですが、将来世代のためにも世界的な課題でもある温暖化に少しでもブレーキをかける努力をしなければなりません。緑を増やすことは有効です。
大田区は、緑の基本計画「グリーンプランおおた」の理念として「地域力が支える空からも見える豊かなみどりを未来を担う子どもたちに贈ります」としています。しかし、大田区の緑被率は、2009年度が20.47%、2018年度が18.32%で、10年間で2ポイント下がっています。面積300平方メートル、高さ5メートル以上の樹林地は、2009年には766か所あったものが、2019年には566か所となり、激減しています。地域を見回しても、数年前よりは着実に緑が見えなくなってきています。
今、大田区では四つ目の特別緑地保全地区が西嶺町に指定されようとしています。正式には10月の都市計画審議会を経て、11月に決定ですが、大田区最古の江戸時代建設の家を含む土地は約3800平方メートルほど、緑豊かな地域の一角です。
都市緑地法に基づくこの特別緑地保全地区制度は、豊かな緑を未来に継承するために大変有効な制度です。指定されることで、相続税の最大8割減免、固定資産税、都市計画税は最大5割の減免となります。将来的には区がその土地を買い取ることとなっており、広い土地を持っている人にとっては税制面でのメリットを受けながら先祖代々の緑をそのまま残すことができる制度です。
しかし、区内に貴重な緑を確保するためには、さらに積極的な制度の拡充や周知が必要だと考えます。練馬区のみどり推進課は、無償で樹林地を5年以上貸してくれる土地所有者をホームページで募集しています。1000平方メートル以上は憩いの森、300平方メートルから1000平方メートルは街かどの森という名称にしています。所有者のメリットとしては、固定資産税と都市計画税が非課税になり、維持管理は区が行います。現在、練馬区内には、憩いの森が50か所、街かどの森が5か所あって、区民の貴重な憩いの場になっています。区はそれぞれの森の魅力を広報し、みんなで森を大事にしようと呼びかけています。
以前、練馬区みどり推進課の職員から話を聞く機会がありました。緑を増やすためには、子どもの頃から緑と触れ合う経験が大事なので、冒険遊び場の設置、自然体験教室の実施など、子どもたちが自然や緑に親しむ機会を大事にしていると言われていました。
都内で緑を推進することは簡単なことではありません。しかし、子どもたちに豊かな緑を残すこと、緑を体験させることは、長い目で見たとき、豊かな地域づくりになるのではないでしょうか。
大田区は今後、どのような手法で緑をどのくらい増やそうとしていますか。今後の目標や対策を含めて、区長の緑化に対する展望をお伺いいたします。
大田区は「みどりあふれる地球にやさしいおもてなしのまち」を目指し、区民、事業者、区の力を合わせた地域力により、緑のまちづくりを進めるとしています。緑に親しむ区民の活動として、公園の清掃や花壇づくりなどを行うふれあいパーク活動、18特別出張所ごとに地域の花を選定して育てるという18色の緑づくり、地域の人と区が連携して駅前の花壇や道路の植樹帯などに花を植え、育てる活動、おおた花街道など、多彩な事業があります。また、畑仕事を楽しみたい人には区民農園が現在は5か所、5200平方メートルが利用されています。
実に多彩な事業やプログラムがありますが、担当があまりにもばらばらなので、区民からは問合せがしにくいという問題があります。ふれあいパーク活動について詳しく聞く場合は道路公園課公園管理担当で、申込みは地域基盤整備課、18色の緑づくり支援は環境対策課環境推進担当、おおた花街道は道路公園課道路河川管理担当、区民農園は産業振興課商業振興担当です。区民が関わりやすくするために、また大田区としても共通した目標を掲げたり、共通した課題があれば、共に取り組むためにも事業に連携体制を持たせることはできないでしょうか。
緑を育てることで、健康増進、仲間とのコミュニケーション、社会貢献しているという喜びや生きがいなど、心身の健康に関して大きな効果を生むと言えます。区民の誰もが楽しく緑に関わることができるような緑施策を考える必要があります。
例えば、ふれあいパーク活動、18色の緑づくり、おおた花街道では、花づくりに取り組み始めたものの、うまく花が育たない、手入れのコツが知りたい、アドバイスが欲しいという人が少なくないそうです。そこで、この三つの活動をコミュニティガーデン(地域の庭)と捉え、これらの活動に対して共通の統一した仕組みとして緑のアドバイザーを派遣する支援を行うのはいかがでしょう。区民活動団体の中には、専門的知識を持つ実績のある団体もあります。区民協働での緑づくりの活動をより活性化させ、上手に花壇をつくることができることで公園への愛着が増し、仲間とのコミュニケーションも活発になり、花壇とその活動そのものがまちの景観となることが期待できます。
大田区には、区民参加型の緑に関わる事業が多くあります。それらの窓口をもっと分かりやすくしたり、緑のアドバイザーを置くなど事業に統一感を持たせ、区民の緑への関わりをさらに後押しをする体制づくりが重要だと考えます。緑化の推進と区民との連携・協働に対する松原区長のご見解をお伺いいたします。
以上、人権が守られ、心豊かに暮らすことのできる大田区、地域を我が事として切り開く地域の担い手たちと力を合わせて、子どもたちが幸せを実感できる大田区であることを願い、エールおおた区議団の代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。
◎松原 区長 北澤議員の代表質問に順次お答えをさせていただきます。
地域で子どもを見守ることについてのご質問ですが、区は、大田区子ども・子育て支援計画において、子どもの育ちを地域全体で応援するまちにすることを基本理念としております。また、地域社会全体で子育てを支援することを重要な目標に位置づけ、その際、地域の担い手や社会資源を効果的に活用することとしております。区では、この目標の実現に向けて、区民や子育て支援に従事する団体等で構成する大田区子ども・子育て会議において、子育てに関する地域の現状や課題について意見交換するなど、計画の進捗状況を検証しております。また、保育所や児童館等の関係機関による連絡会に民生委員等に参加していただき、子育て支援の充実のための情報交換を行っております。さらに、地域で子どもを育む目的で、地域とつくる支援の輪プロジェクトにおいて、子どもが大人と対話するコドモとトークを実施し、子どもが地域の大人と交流することで信頼感が育まれました。これらの事業を通じて、複雑化、多様化する家庭をめぐる諸課題の解決に向けて、地域の皆様のご協力を得ながら、着実に取り組んでまいります。
次に、DV研修、啓発についてのご質問ですが、区は、平成30年7月に大田区配偶者暴力相談支援センターとして機能整備を図り、DV支援体制を強化してまいりました。開設に当たり、区民部、福祉部、こども家庭部の関係職員を対象とした研修を実施し、DVの基礎知識の習得に努めました。また、区民と接する窓口職場に区が作成した配偶者暴力対応マニュアルを配布し、対応しているところでございます。今後も、内容を充実させた研修を継続的に実施していくとともに、教職員も含め受講対象の職場を拡大してまいります。また、国や他の自治体の先進的な取組を参考に、分かりやすいパンフレットを作成し民生委員等に配布するなど、DVに関する効果的な情報発信に努めてまいります。
次に、デートDV予防講座についてのご質問でございますが、議員お話しのとおり、誰もが被害者、加害者にならないよう、若年層からデートDVを含めあらゆる暴力について意識づけをしていくことは重要であります。デートDVは、交際関係にある間柄で起こる暴力です。これまで区は、若年層に対する暴力の未然防止と早期発見並びに相談機関の周知を目的としてデートDV防止の出前講座を区内の大学等で実施してまいりました。また、成人のつどいの会場においても、デートDVのチラシを配布し、啓発を行っております。今後は、これまでの取組を踏まえ、中学生世代に向けた効果的なDV防止講座についても研究をしてまいります。
次に、国の性犯罪・性暴力対策の強化方針を第8期大田区男女共同参画推進プランにどのように盛り込むかについてのご質問でございますが、性犯罪・性暴力については、大田区配偶者暴力相談支援センターのDV相談員が相談や被害者の安全確保、自立促進などの対応に努めております。第8期プランは、現在、大田区男女共同参画推進区民会議において策定を進めておりますが、策定に当たりましては、性犯罪・性暴力対策に関する国の強化方針の内容等を踏まえ、さらなる相談体制の充実と地域でできる啓発活動を通じた社会の意識改革と暴力予防に向けた取組についても検討をしてまいります。
次に、多言語相談窓口から見えてくる外国人区民への取組についてのご質問ですが、区では外国人区民の増加傾向が続くことを想定し、平成22年9月、全国自治体の中でいち早く多言語相談窓口を設置し、きめ細かな相談体制を整えてまいりました。コロナ禍が深刻さを増し始めた3月頃からは、飲食店や製造の現場における雇用の維持が大きな課題となり、外国人にとっても、生活に対する不安が生じました。そこで、区といたしましては、4月初めに急遽、コロナ感染防止及び多言語での相談可能な窓口等の情報を多言語で発信し、外国人区民への情報格差解消に努めてまいりました。さらに特別定額給付金の郵送申請が始まる6月には、申請書の書き方を7言語で作成し配布するとともに、新たに多言語通訳タブレットを特別出張所等に配置し、外国人区民に対応してまいりました。これらの取組により、多言語相談窓口には、オンライン相談も含め多くの相談が寄せられ、区は協会と連携し、様々な支援を行ってまいりました。一方、これらの相談を通して、日本語の読み書きの不自由さが各種サービスを受けるうえでの課題となっている実態が浮き彫りとなりました。今後は、多言語情報の発信とともに、日本語学習支援にさらに力を入れてまいります。
次に、緑を増やすことに関するご質問ですが、区では、緑の現状を把握するため、昭和49年からおおむね10年ごとに大田区みどりの実態調査を実施しており、緑被率は昭和58年の21.07%をピークに、その後減少傾向となり、平成30年には18.32%となっております。緑のまちづくりを進めていくために、グリーンプランおおたにおいて取組方針と目標を示し、進捗管理を行っています。また、台地部における屋敷林の開発などにより緑被率自体は減少しているものの、大田区みどりの条例に基づく壁面緑化や屋上緑化をはじめ、公園整備など区が取り組んでいる様々な施策により増加している緑もございます。引き続き、区内の緑の状況を把握するとともに、今後予定しているグリーンプランおおたの見直しにおいて、これまでの取組の見直しや発展的な取組を検討し、緑のまちづくりをさらに推進してまいります。
最後に、緑化の推進と区民の連携・協働に関するご質問ですが、区では、緑のパートナーシップを強化するために、グリーンプランおおたに基づき、地域力を活かしながら、区民、事業者、行政の全てが力を合わせ、緑のまちづくりを推進してまいりました。引き続き、誰もが楽しめ、親しめる良質な緑をつくるとともに、これを育て、未来に引き継いでまいります。以上でございます。
○広川 副議長 次に、26番田島和雄議員。
〔26番田島和雄議員登壇〕(拍手)
◆26番(田島和雄 議員) 大田区議会公明党の田島和雄でございます。理事者の皆様におかれましては、前向きで明快な答弁をお願いいたします。
まず初めに、感染症対策についてお伺いいたします。
新型コロナウイルス感染症は新しい感染症として、いまだ解明できていない部分も多くあります。大規模な流行が明らかとなってからは、手探りの対応が続きました。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、大阪府河南町は、大規模災害を念頭に策定した行動計画タイムラインを
新型コロナウイルスの大流行、パンデミックに応用するパンデミック対応タイムラインを試行で運用しました。ゼロから7の8段階のステージごとに感染状況、対応を設定し、庁内の各部局、関連機関、地域機関、住民組織に分類して具体的な対応行動を定めております。例えば、大阪府のほかの市町村で感染が発生した場合を想定したステージ3では、公共施設の使用制限、行事などの中止、公共交通機関などにマスク着用を要請、中小企業への休業補償・融資などを周知、説明するなど、具体的に定めております。また、三重県紀宝町も同様の取組を進め、長野県飯田市も
新型コロナウイルス感染症対応業務継続計画を策定しております。
タイムラインは完璧なものではなく、臨機応変に対応しなければならないことは防災のマイ・タイムライン講習会でも必ず確認されるところですが、先回りして準備を進め、いざというときの行動の目安を示すことで区職員の対応の漏れを少なくし、混乱を防ぐ一定の効果があると考えます。
過去を振り返ると、2003年に重症急性呼吸器症候群SARSの流行、2009年に新型インフルエンザの流行など、およそ10年周期で新しい感染症が世界的に流行しております。今後、新しい感染症が起こらないという保証はなく、今回の
新型コロナウイルス感染症の流行は現在進行形であるものの、
新型コロナウイルスへの対応を検証し、第2波、第3波、そして新たな感染症の流行にも備える必要があると考えます。
本区は、大田区業務継続計画〈新型インフルエンザ等編〉及び大田区新型インフルエンザ等対策行動計画を策定しておりますが、時系列で各部局、関係機関の対応を整理した感染症に対応するタイムラインを防災タイムラインと同じ位置づけで本区においても策定してはいかがでしょうか。本区における感染症対応タイムラインの策定について区の見解をお伺いいたします。
次に、防災・減災についてお伺いいたします。
災害の中でも、昨年の台風19号など激甚化する風水害対策の一環として、区民に災害リスクを周知するため、区は本年4月に改訂したハザードマップ(風水害編)の全戸配布を行いました。昨年、令和元年第4回定例会の代表質問でも、区民への情報提供の見直しとハザードマップの見直し、区民への適切な提供を求めておりましたので、今回の対応を評価いたします。しかし、単にハザードマップを配布することで終わらせてはなりません。区民にハザードマップを実際に手に取って開いて見ていただき、災害リスクを的確に把握し、いざというときに正しい情報を取得できるようにしていただかなければなりません。そして一番大事なことは、区民が適切なタイミングで避難のスイッチを入れ、自分の命を自分で守ることができるかどうかです。そこには、自分が置かれた状況下でのリスクを想像できるかどうかが重要となります。避難訓練でのハザードマップの活用など、ハザードマップの今後の活用方法について区の所見をお伺いいたします。
先日、私は羽田地域力推進センターで開催されたマイ・タイムライン講習会を見学させていただきました。一般財団法人河川情報センターの職員を講師として行われるマイ・タイムライン講習会は、昨年から他自治体に先駆けて本区で開始されました。ただ、昨年はワークショップ形式で行われていたものが、今年度は感染症対策として話し合うことをしない形式での開催となっております。私は、このマイ・タイムライン講習会を区民に広く周知し、大田区に根づかせるためには、区職員や住民が主体性を持ち、開催単位をもっと細かいものにする必要があるのではないかと考えます。例えば、区職員や自治会・町会、消防団、市民消火隊、防災士などの皆さんが講師となって、裾野を広くして様々な単位で開催することも検討すべきではないでしょうか。今後のマイ・タイムライン講習会の開催の在り方について区の見解をお伺いいたします。
次に、避難場所の在り方、避難場所運営の在り方についてお伺いいたします。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、防災対策は感染症対策も併せて考慮に入れる必要に迫られております。これまでの避難所は、できるだけ多くの避難者を受け入れることを目指してきましたが、感染症対策として避難所の密集を避けるため、避難者同士の間隔を空けざるを得なくなり、それに伴って収容人数も大幅に減ることが想定されます。洪水の場合では、大田区における水害時緊急避難場所の収容人数は、感染症対策を考慮に入れると、浸水想定区域内の人口の僅か10.4%に限られてしまうとNHKで報道しておりました。
日本災害情報学会は、本年5月、避難に関して分散避難を提言いたしました。昨日の玉川議員の代表質問でも触れましたが、分散避難とは、浸水や土砂災害の危険がない場所や頑丈な建物の上層階にお住まいであれば、備蓄品を準備したうえで、その場にとどまる在宅避難、また、危険の少ない地域の友人、知人、親戚のお宅やホテルなどへ早めの避難をすることなど、避難所以外への避難も選択肢に入れることを指します。命を守る最終手段として避難所や避難場所への避難はちゅうちょなく選択されなければなりませんが、分散避難の呼びかけもさらに強力に行う必要があると考えます。水害のおそれがある場合の避難の在り方について区民にどう周知していくのか、区の見解をお伺いいたします。
昨年、令和元年台風19号の教訓から、水害時においても地震と同様に学校を避難場所のメインとするとともに、避難場所を運営するに当たっては、区職員に加え、地域の方のお力をお借りする方針に変更すると伺いました。しかし、
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、避難所や避難場所の運営をどのように行うべきか、地域の方の不安があるのも事実です。
そこで、洪水などの水害は、突然起こる地震と異なり、事前の準備の時間がある程度確保できることから、引き続き地域の方のお力をお借りすることを進めながら、それに加えて教職員のお力もお借りすることを検討すべきではないでしょうか。
先日、ふれあいはすぬまにおいて、水害時緊急避難場所の実地検証を行ったと伺っております。感染症対策を考慮に入れながらの運営は困難もあったと推察いたしますが、実地検証で課題を抽出し、対策を立てていくことは重要であると考えます。また、水害時緊急避難場所がいつのタイミングで開設されるのか分かりづらいとの区民のお声もあります。
伺います。令和元年台風19号を教訓とした水害時緊急避難場所運営の見直し状況と今後の避難場所の運営の在り方について区の所見をお知らせください。
次に、防災・減災対策における情報インフラ整備についてもお伺いいたします。
私は、平成28年第4回定例会の一般質問において、渋谷区の例を引いて防災ポータルサイトの整備を提案いたしました。また、平成30年予算特別委員会における款別質疑で防災アプリの導入も提案いたしました。いざというときに備え、区民の命を守るシステムの導入を図らなければならないと考えます。
一方、区職員にとっても、区民の命がかかっている災害対応に漏れや落ち度があってはなりません。例えば、東京大学生産技術研究所では、災害対応業務の全体工程を48種類、500工程に標準化する災害対応工程管理システムを開発いたしました。このシステムは、災害対応の全体像を見える化し、地域防災計画の内容の把握、各課に分散しているマニュアルやガイドライン、過去の教訓を共有可能にし、対応に漏れがないようにするほか、平時のトレーニングにも使用できるというものです。
伺います。防災・減災対策における情報インフラ整備について所見をお聞かせください。
次に、公園の防犯対策についてお伺いいたします。
私は、区議会議員に初当選させていただいて初めて臨んだ平成27年第2回定例会の一般質問において、公園や人の目が届かない死角となるところなどへの防犯カメラの設置について、区が本腰を入れて設置方針、設置基準を策定し、本予算を組んで強力に進めていくべきと訴えました。当時は、川崎市の多摩川河川敷で中学生が殺害されるという痛ましい事件が発生し、多摩川を挟んで大田区の対岸という地理的な近さもあり、区民の不安が高まっていた時期でした。現在も、公園においては、トイレや遊具が壊される事案、大声で騒ぐなどの迷惑行為、不審者の出現、ごみの不法投棄などの情報を区民からお寄せいただくことがあります。
防犯対策の一つとして防犯カメラが有効であることは、これまでの議会質問で私も何度も強調してまいりました。本区においては、通学路に防犯カメラを設置する事業や自治会・町会、商店街向けに防犯カメラの設置に対して助成する事業を進めているほか、公園においても、大田区防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン、そして公園の防犯カメラ設置基準を策定し、現在のところ、15の公園に44台を設置していると伺っております。
行政が防犯カメラの整備を進めるうえで財政負担の増大が懸念されるところですが、財政負担がない形で防犯カメラの設置を進めている自治体が数多くあります。例えばお隣の世田谷区では、8台の自動販売機の設置と連動して世田谷公園など8の公園に18台の防犯カメラを設置。大阪市では、防犯カメラつき清涼飲料水自動販売機を平成29年度からの2年間で355の公園に426台を設置しており、いずれも設置や運用にかかる経費に対して行政の財政負担はないとのことです。
言うまでもなく公園のトイレや遊具も税金で設置された公的な財産であり、壊されることを防がなければなりません。また、公園が不審者や犯罪の温床になってはなりません。ここ数年の大田区政に関する世論調査の結果を見ても、特に力を入れてほしい施策として防犯対策を挙げる割合が常に上位を占めていることから分かるとおり、区民はより一層の防犯対策の強化を区に求めております。私のところにも、公園が安心して過ごせる空間となるよう防犯対策を強化してほしいとの区民のご要望を複数いただいております。
新型コロナウイルス感染症の拡大により県境をまたぐ移動の自粛が求められた際には、公園の利用者も増えました。犯罪や迷惑行為の抑止力向上と犯罪検挙率向上、そして、より一層の区民の安心確保のため、防犯カメラの設置をはじめとした公園の防犯対策のより一層の強化を図るべきではないでしょうか。
伺います。公園の防犯対策の強化について本区の見解をお示しください。
次に、学校の換気対策についてお伺いいたします。
これまで
新型コロナウイルス感染症の集団感染が発生した状況を調査すると、1、換気の悪い密閉空間である、2、多くの人が密集している場所である、3、互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる密接場面であるという三つの条件、いわゆる三つの密、3密のある場では感染を拡大させるリスクが高いことが分かりました。そのため、
新型コロナウイルス感染拡大を防止するためには、3密の場面を避けるとともに、マスクの着用や石けんを使った小まめな手洗い、人との距離を保つソーシャルディスタンス、フィジカルディスタンスなどを日々の暮らしの中で実践する新しい生活様式を政府が国民に求めております。
この新しい生活様式を学校教育現場で実践するために、教職員をはじめとした学校関係者が奮闘されております。先生のアイデアで、換気のために教室の前と後ろの出入口の扉を取り払い、ロールスクリーンに改修している学校があります。また、児童・生徒が使う机や椅子を放課後に消毒する教職員やPTAの保護者、水飲み場や手すりなどを消毒して回る保健の先生、水飲み場やトイレを待つ際に間隔を空けて並ぶよう床に靴のマークを貼る用務主事の方がいらっしゃると伺っております。その努力もあって、これまでのところ、本区においては、学校でクラスター感染が発生した事例は一つもありません。
今回は、学校の換気についてお伺いいたします。これまでは、空調効率を高めるために、窓枠にサッシが採用されるなど、教室の密閉性を高くすることが求められていました。しかし、状況は変わり、
新型コロナウイルス感染症が集団感染する場合の主な条件である三つの密のうち、密閉を避けるために小まめに換気を行うことが求められる状況となりました。換気を行ううえで教室の窓を開ける必要がありますが、一般家庭にあるような網戸が設置されていないところがほとんどです。これまで窓を積極的に開放することが少なかったことや、網戸の落下を防ぐためなどの理由があったのではと推察いたします。
新型コロナウイルス感染症対策を進める学校現場からは、換気のために窓を開放すると蚊や蜂などの害虫が教室に入ってくるので困るとの声が届いております。それら害虫に刺されると、かゆかったり痛かったりするだけでなく、蚊についてはデング熱、蜂については蜂毒アレルギーによるアナフィラキシーショックのおそれがあり、児童・生徒の健康と安全を考えるうえで害虫の侵入を防ぐことは軽視すべきではないと考えます。
また、教育環境という観点に加え、防災の観点も考えるべきです。学校避難所は、災害時、避難者の収容人数を最大にするために、教室も避難スペースとして開放することが計画されております。避難所や避難場所の感染症対策を考えるうえでも換気を行うことが求められます。
伺います。教育環境と避難所環境の両面の観点から、網戸の設置など学校施設の換気対策について区の所見をお伺いいたします。
最後に、学校の業務継続計画(BCP)についてお伺いいたします。
新型コロナウイルス感染症の拡大により3月から5月末までの約3か月にわたる臨時休業が明けた後も、教職員や児童・生徒に陽性者が出現したため、臨時休業する区立学校が散見されております。陽性者が出現したことによって突然の臨時休業となると、子どもたちの学習が滞ってしまう事態となってしまいます。小学校の担任の先生が陽性者となり、入院など隔離された状態になってしまうと、特に影響が大きいと伺っております。また、校長先生をはじめとした教職員が保護者対応にかかりきりになってしまったということも伺っております。
災害が発生した場合については、学校ごとに災害対応マニュアルを策定しているかと思いますが、感染症に対しても、学校ごとに業務継続計画(BCP)をしっかり策定すべきではないでしょうか。これまで陽性者が出現した学校の対応も参考にして、学校長による学校経営の一環として、いざとなった場合に慌てることのないよう、学校ごとに対応を事前に準備しておく必要があると考えます。
一方、教育委員会としても、陽性者が出た学校をフォローする応援体制を定めておく必要があるのではないでしょうか。学校ごとの感染症に関する業務継続計画(BCP)の策定と教育委員会のフォロー体制について区の見解をお伺いいたします。
新型コロナウイルスによる生活環境の激変は、明治維新、先の大戦に次ぐ日本の近現代第3の転換期と指摘する識者もいるほどです。新たな視点に立った区政運営によって、安全・安心を区民にもたらすことを願い、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。
◎須川 危機管理室長 初めに、感染症対応タイムラインの策定に関するご質問にお答えいたします。
区では、感染症の流行時に当たっては、大田区新型インフルエンザ等対策行動計画において感染症の発生段階別に各部局が実施するべき対策を定めております。今般の
新型コロナウイルス感染症への対応につきましても、この行動計画に基づき、各部局において区民の皆様の生命、安全を守るための対策を全庁を挙げて実施してまいりました。
新型コロナウイルス感染症は、現在も感染の流行が続いており、今後の大規模な流行等に備えておく必要がございます。この点につきましては、これまでの対応について検証し、他自治体の事例も参考にしながら、より迅速かつ的確な対応ができるよう、
新型コロナウイルス感染症に関するタイムラインの策定を進めております。
次に、ハザードマップの今後の活用方法についてでございますが、ハザードマップは、ご自宅の災害リスクを正しく理解し、災害時に適切な避難行動を取っていただくことを目的に作成しており、区民の皆様に活用していただく取組を継続的に実施していく必要があります。区は、8月の全戸配布の際に区報特集号を同封したほか、ホームページやシティニュースおおたなど、多様な媒体を活用してハザードマップの活用を呼びかけてまいりました。また、マイ・タイムライン講習会や防災週間フェア、出前講座など様々な機会を捉えて、ハザードマップを活用して検討することの重要性を訴えているところです。ハザードマップの活用事例としては、例えば、実際にご自宅から避難先までの安全な避難経路や危険箇所を確認しながらまち歩きをしたり、防災訓練や各種イベントなどで図上訓練を取り入れるといった方法が考えられます。区民の皆様に、ハザードマップをより一層ご活用いただけるよう、引き続き普及啓発に努めてまいります。
次に、今後のマイ・タイムライン講習会の在り方についてでございます。2年目となる今年度は、河川や気象の専門家をお招きして12回実施し、368名の方にご参加いただきました。参加者からは、マイ・タイムラインが水害への備えとして有効であり、講習会の継続を望む声が数多く寄せられました。こうした防災の専門家による講習会方式は、非常に説得力があり、参加者に事前の備えの必要性を強く認識していただけるものですので、今後も引き続き実施してまいりたいと考えております。一方、マイ・タイムラインを区民に広く根づかせていくためには、講習会に参加された方々に、ご家庭や地域など、よりきめ細かな単位でマイ・タイムラインの考え方を広めていただくことが重要です。この際、防災分野で常日頃から活躍しておられる方々にリーダーシップを取っていただくことは非常に効果的であると考えます。区では、こうした裾野を広げるための啓発活動を支援するため、区の職員が出向いて講師となるいわゆる出前講座を実施しています。マイ・タイムラインの考え方が広く浸透していくよう、今後もこうした取組を粘り強く継続してまいります。
次に、災害時の避難の在り方をどのように周知していくかについてのご質問でございます。
自宅での安全確保ができる場合には、あえて避難場所に行く必要はなく、また自宅外への避難が必要な場合は、避難場所のみならず、親戚・知人宅やホテルなども候補地となります。このように、避難先を一つではなく複数考えておくことが災害状況に応じた避難をするためには重要です。とりわけ
新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されている現状を踏まえますと、従来のように避難場所に多くの方が集中すると感染が拡大するリスクがありますので、災害時の避難行動にも新しい生活様式を取り入れる必要があります。この避難先の検討に当たりましては、まずハザードマップなどでご自宅の災害リスクを正しく理解していただくことが前提となります。区では、ホームページや区報、シティニュースおおたなど、できる限り多様な媒体での普及啓発を推進しているほか、マイ・タイムライン講習会や防災週間フェア、出前講座などでは、ハザードマップの解説を行う機会を活用して、避難先を複数検討しておくことの重要性を訴えているところでございます。今後も、あらゆる機会を捉えてこうした取組を粘り強く継続し、区民の皆様に適切な避難行動を取ってもらえるよう、普及啓発に努めてまいります。
次に、避難場所の運営の見直し状況と今後の在り方についてのご質問でございます。
昨年の台風19号では、避難場所の周知不足や受入れスペースの不足により、区民の皆様に混乱が生じました。そのため、震災時の避難所としている91か所の学校防災活動拠点のうち、89か所を水害時にも活用することとし、水害時緊急避難場所として指定しました。これまでに、ハザードマップの全戸配布やマイ・タイムライン講習会などを活用し、区民の皆様への周知に努めてまいりました。これらの避難場所は、警戒レベル3「避難準備・高齢者等避難開始」を発令するときに開設し、早めの避難を呼びかけてまいります。また、
新型コロナウイルス感染症の発生を受け、避難者の受入れ時の検温や健康チェック方法の設定、発熱などの症状のある方の専用スペースの確保など、感染症対策に必要な見直しを実施してまいりました。避難場所の運営は、区職員、学校教職員を中心に、応援可能な避難者を含めて当たりますが、感染症対策を十分に行ったうえで、これまで学校防災活動拠点の取組で築いた運営体制も活かしてまいります。ますます激甚化する自然災害から区民の生命を守るため、区一丸となって取り組んでまいります。
次に、防災・減災対策における情報インフラ整備についてでございます。
現在、区は、災害対応力の向上を図るために総合防災情報システムの導入を進めております。この中で、区民の皆様に分かりやすく、また迅速に災害情報をお伝えするために、区民向け防災アプリの開発を行うこととしております。機能として、気象警報や地震情報、避難情報等の通知や気象レーダー情報、土砂災害危険度情報等の地図表示、ハザードマップも確認できるよう検討しています。さらに、総合防災情報システムと連携して、避難所の開設・閉鎖情報や避難者の収容情報が確認できるほか、指定した避難所へのルート案内もご利用いただけるようにする予定です。一方、災害対応工程管理システムにつきましては、災害対応の工程をシステム管理することで、災害対応の標準化や漏れ防止、研修・訓練にも活用できるなど、有用なものと認識しております。現時点では、システム開発は研究段階と確認しており、同システムの今後の開発状況を注視しながら、本区での導入について調査・研究してまいります。私からは以上でございます。
◎久保 都市基盤整備部長 私からは、公園の防犯対策に関するご質問にお答えします。
公園の管理に当たりましては、利用者の皆様にとって不安となる死角を解消するよう、日常の点検などにより状況を確認し、樹木の剪定や下草の除草などを適時行っております。さらに、公園のリニューアルの際には、遊具や便所などの施設の配置についても、園内の見通しがよくなるよう工夫に努めております。加えて、公園内の明るさを確保した園内灯のLED化を進めており、現在までに9割以上の園内灯についてLEDへの交換工事を完了しております。また、ふれあいパーク等の地域での取組においては、区民の皆様の地域の庭として公園に親しんでいただき、公園の利用率を高め、人の目を増やしていくことも公園の安全向上につながっていくと考えております。今後は、先ほど申し上げました様々な防犯上の手法に加え、必要に応じて防犯カメラの設置も有効な防犯対策として併用しながら、総合的、より効果的な公園の安全対策を講じてまいります。私からは以上でございます。
◎玉川 教育総務部長 私からは、まず、学校施設の換気対策についてのご質問にお答えいたします。
施設内の換気につきましては、密閉を避けるために、換気扇による機械換気と定期的な窓の開放によります自然換気を併用しながら適切な環境確保に努めております。網戸につきましては、換気の重要性に鑑みまして、階数や当該諸室の使用状況といった条件面に加え、ビオトープや植栽の付近などの環境面を踏まえたうえで設置する旨を全小中学校に通知しており、今後、現地確認を行いながら設置を進めてまいります。
次に、学校ごとの事業継続計画(BCP)の策定と教育委員会の体制についてのご質問でございます。
現在、感染症につきましては、国や東京都の指針に基づきまして対応しておりますが、より具体的なものとして、大田区独自のガイドラインを策定しているところでございます。これを基に学校は感染症に関する様々な対策を講じることにしております。このガイドラインを学校の感染症に関する事業継続計画(BCP)として活用してまいります。これに併せまして学校ごとの創意工夫が児童・生徒の学びの保障に生かされるよう、学校へのICT支援員の派遣等々、教育委員会として、より一層、学校を支援する体制を築いてまいります。私からは以上でございます。
○広川 副議長 次に、18番勝亦 聡議員。
〔18番勝亦 聡議員登壇〕(拍手)
◆18番(勝亦聡 議員) 大田区議会公明党の勝亦 聡です。質問通告に従い順次質問させていただきますので、理事者の皆様におかれましては、誠意ある答弁をお願いいたします。
初めに、行政サービスのデジタル化について質問いたします。
国は2016年に官民データ活用推進基本法を成立し、行政運営の簡素化、効率化を進めてきました。しかし、このたびの1人一律10万円給付の特別定額給付金事業では、行政手続きのデジタル化の立ち遅れが目立ちました。今回、マイナンバーを経由しオンラインで給付金を送る仕組みが整っていれば、もっとスムーズな給付が可能であったのではないかと、改めて行政手続きデジタル化の必要性が感じられました。
本区では戸籍住民課が手続きを進めましたが、新宿区は特別定額給付金対策室、文京区は緊急経済対策推進室などの組織を立ち上げ対応してきました。
今回のような事態だけではなく、大規模自然災害を想定すると、有事の際、スムーズに対応するためには、平時から最適な執行体制の構築が必要と考えますが、区の見解をお示しください。
今回の給付金事業の検証を行い、今後の組織体制強化の糧としていただくよう要望させていただきます。
本区は、7月よりLINEアプリを活用して新型コロナ感染症や防災、ごみ・リサイクルなどの情報を区民に発信する取組を開始いたしました。今後、さらなるICT化の推進で、例えば区民と行政の双方向でのコミュニケーションやAIが応答するチャットボットなどの活用で、24時間のサービス提供に期待するところであります。このチャットボットについては、本年第1回定例会で公明党の松本議員、また、3月の予算特別委員会においては自民党の伊佐治議員もその有効性に触れられております。
本区はこうした業務のICT化について大田区情報化推進計画を策定し、来年4月から令和7年3月までの4年間で情報化を強化するとしています。コロナ禍における非接触の観点からも、大田区情報化推進計画を積極的に進める意義は大きいと考えます。この行政サービスのデジタル化の目標やロードマップについて区の見解を伺います。
今後は、デジタル化時代に即応した人材が必要となります。デジタルネイティブ世代が社会の中心となってくる中、彼らの持つ力が山積する課題解決に効果的に発揮されるような人材育成にも期待し、次の質問に移ります。
次に、大田区に暮らし学ぶ子どもたちの命を守る取組について伺います。
本年6月、大田区内において当時3歳の女児が尊い命をなくすという事件が起こりました。初めに、この事件で亡くなられた女児に対し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
事件の様子やその背景については多くのメディアが伝えているようですが、それはあくまでも報道の域を超えません。私たちは、この事件に対する大田区の対応の是非を取り上げるのではなく、今後、同じような痛ましい事件・事故が二度と起こらないよう、これまで区が進めてきた貧困やひとり親世帯に対する支援策などについて改めて確認するとともに、コロナ禍における新たな取組を検討していく必要があると考えます。
大田区は、平成29年3月に策定したおおた子どもの生活応援プランの基本的な考え方において、子どもの貧困問題を地域共通の課題として捉え、区民、地域活動団体、企業、事業者などとも積極的に連携し、地域においては、区民の理解と協力により、全ての子どもたちが地域社会から切り離されないよう、社会的に包み込むような支援を実施していくと示されておりますが、計画策定から3年が経過し、こうした課題を抱える家庭と地域社会との関わりについて、関連する福祉部局としてどのような視点を掲げて取り組まれてきたか。また、その実績について見解をお聞かせください。
7月13日にプレスリリースされた松原大田区長のコメントでは、区では、子どもの虐待防止のため、問題のある情報を共有し、早期発見、早期対応を行っているとあるように、今回事件のあった家庭に対しても、通常必要な対応は進めてこられたと思いますが、本件は、近隣からも行政からも見えにくい状況の中で発生した事件と表現されていることから、なかなか表目に出てこない支援が必要な全ての家庭を行政だけで見守り、支えることに対し限界があるということも明らかになったのではないでしょうか。
地域には、民生委員児童委員、また各地区には主任児童委員も活動されているほか、子ども食堂や学習支援の団体、また直接子育て世帯への支援に取り組む団体も数多く活動をされております。こうした活動を日頃から行っている団体と、支援が必要な子育て世帯の保護者や子どもたちを結びつけることができれば、地域にある複数の目で見守ることができるのではないかと考えます。
全国に先駆けておおた子どもの生活応援プランを策定し、地域力を大切にしてきたこの大田区で、こうした見守りの仕組みの構築を検討していただきたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。
一方、大田区では、このたびの令和2年度補正予算一般会計第6次において、おおた子どもの生活応援プラン推進事業の拡充を目的に、区内で活動している子ども食堂に対し、年額補助を上限170万円に引き上げる予算を計上しました。コロナ禍により一つの場所に集うことが難しい中、今は自宅で時間を過ごす子どもたちへの配食がメインとなっていますが、配食に係る活動団体の経費負担は相当大きくなっているのが現状です。
この補助事業について、各活動団体への周知はもとより、申請の方法や取りまとめ等、格差が生じないよう、ソフト面での支援も大変重要と考えます。本事業に対する区の取組についてお知らせ願います。
本年5月、農林水産省が決定した子ども食堂に対する政府備蓄米の無償交付事業に対し、公明党は、輸送費負担の軽減や、玄米でなく精米の支給等について見直しを強く求め、改めてこの8月、使いやすい事業として制度改善につなげました。本区においても、政府備蓄米の有効活用、食品ロス削減の観点からも、本事業を積極的に取り組むべきと考えます。
そのためにも、区内で子ども食堂を運営されている方々が煩雑な申請にちゅうちょすることがないよう、申請へのサポート等、しっかりと支援していただきたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。
厚生労働省は、令和2年度の第2次補正予算において、支援対象児童等見守り強化事業の実施について編成を行いました。これは、国が進める子どもの見守り強化アクションプランの取組を一層推進するため、民間団体等が要保護児童対策地域協議会の支援対象児童等として把握されている子ども等の居宅を訪問するなどし、状況の把握や食事の提供、学習・生活指導支援等を通じた子どもの見守り体制の強化を目的としています。現下のコロナ禍の影響で、学校等の休業や外出自粛が継続する中、子どもの見守り機会が減少し、児童虐待リスクが高まっていることが懸念されていることから、本区としても、こうした事業の活用について検討していただきたいと要望し、次の質問に移ります。
次に、
新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
本区は、他自治体に先駆けて2月3日に
新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、この間、感染症拡大防止、区民生活支援、区内経済支援を柱として様々な施策を講じてまいりました。しかしながら、再び感染が拡大し、予断を許さない状況です。区は引き続き、区民の皆様の命と健康を守るため、感染症拡大防止に努めながら、区民生活と区内経済をしっかりと支えていく必要があると考えます。
その重要な課題の一つは、検査体制の抜本的拡充と医療体制の強化です。まず、検査体制について伺います。
世田谷区が打ち出した、いつでも、誰でも、何度でもPCR検査が受けられる取組、通称世田谷モデルという報道に触れました。これには賛否両論があるようで、私自身、この世田谷区の取組については、PCR検査は陽性者が出た後の受入れ場所の確保とセットで考えていく必要性があること、また、費用負担を区独自で賄えるのかどうかも疑問で、現実性に欠ける気がしていますが、区独自の取組としては強力なインパクトを与えたことは事実です。
本区では、従来から区内3か所の医師会と連携・協力し、大田区地域外来・検査センターを今年5月から開設し、8月からは区内3か所で拡大実施されています。医師会ごとに週2日ずつ実施されておりますが、まず直近の検査状況と傾向についてお知らせください。
また、本区としては、この世田谷区の取組に対してどのような所感をお持ちか、お知らせください。
現下のコロナ禍において、
新型コロナウイルス感染症予防の意識向上を図り、区民の不安を軽減させるための検査体制を確立していくことは重要と考えます。
米国のニューヨーク州では、経済活動の再開に向けた判断材料として、4月20日から抗体検査を開始し、約14%の人に抗体が確認されたそうです。また英国では、抗体検査で陽性とされた人に免疫証明書を発行して、免疫を獲得した人から外出制限を緩和していく計画が検討されています。
これからは、数十年に一度は大きな突然変異を起こして大流行する新型ウイルスのリスクと共存していかなければいけないと言われております。
日本では、新型コロナから回復して抗体陽性となった罹患者の血液成分を治療薬として試みるという血漿抗体療法が始まっています。また5月には、抗体検査のみならず、15分ほどで判定できる抗原検査キットも開発されました。今後、これらの抗体検査、抗原検査はともに医療保険の適用となり、インフルエンザの検査と同様に普及して、身近なクリニックにおいても身近に行える検査となるでしょう。抗体を確認し、再感染しにくい状態であるかを把握して、ニューヨークのように経済活動再開の目安となるよう、区としても後押ししていければと考えます。
そこで、PCR検査と比較してコストも安価な抗体検査、また抗原検査を受ける意思がある区民に対して、必要に応じて受けることができるようにする体制ができないでしょうか。特に区内の施設で業務に従事する医療・介護従事者、学校等関係職員、行政関係者等であって、業務上感染リスクが高く、特に感染予防に努める必要性が高いと区長が認めるものについて助成するなど検討を進めていただけないでしょうか。区の見解をお聞かせください。
ここまで行政のデジタル化、地域と連携したひとり親家庭などへの見守りについて、コロナ感染症対策について伺ってまいりました。地方自治法第1条の2には、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。」とあります。ある資料には、福祉とは、幸せや豊かさを意味するものであるとありました。新しい事業等を行う際、行政はとかく費用対効果を念頭に置かれます。もちろんそれは必要な検討項目であると思いますが、その物差しのみで必要性を図るのではなく、区民に安心を与える施策の推進をお願いいたします。
最後に、コロナ禍の影響で大変厳しい状況の中で生活している方々への支援策は待ったなしです。ぜひともスピード感を持って取り組んでいただくことを強く要望させていただき、
新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束を願い、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 私からは、企画経営部が所管する2問のご質問にお答えをさせていただきます。
まず、緊急時における区の体制に関するご質問でございますが、有事の際に速やかに執行体制を整備し、必要な区民サービスを着実に提供していくことは大変重要であると認識をしてございます。今般の特別定額給付金の支給に当たりましては、区民部に専任の副参事を設置し、速やかに執行体制を構築いたしました。加えて、短期間での確実な給付に向けて体制を強化し、全庁から延べ約1200人の職員の応援により給付事務を実施してきたところでございます。また、限られた経営資源の適正配分を行うため、全事務事業の徹底した見直しを行い、特に優先度の高い施策に人員を重点的に配置する予定でございます。今後も、
新型コロナウイルス感染症への対応のみならず、激甚化する災害時におきましても、着実に区民サービスを提供していくため、最適な執行体制の確立に努めてまいります。
続きまして、デジタル行政の目標やロードマップについてのご質問でございます。
国は、ソサエティ5.0を掲げ、世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画におきまして、国民が安全で安心して暮らせ、豊かさを実感できる強靱なデジタル社会の実現を目指すとしてございます。区は現在、児童手当に関する手続きなどのオンライン化を実施してございます。今後さらに、
新型コロナウイルス感染症との共存を前提とした新たな日常に向けた体制整備のため、行政手続きのオンライン化など非接触型サービスを推進してまいります。また、現在策定を進めております大田区情報化推進計画では、ICTの活用による区民ニーズへの対応、行政手続きの利便性向上など、区における行政サービスのデジタル化を重点項目の一つに位置づける予定でございます。現在実施している自動応答型のチャットボットやコミュニケーションツールの活用によるプッシュ型の情報発信の充実を図るとともに、今後は、施設利用や窓口における
キャッシュレス決済の導入などを検討し、令和3年度から6年度の4か年で、これらの施策を着実に推進してまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。
◎張間 福祉支援担当部長 私からは、子ども生活応援に関する新たな取組の検討など四つのご質問にお答えいたします。
初めに、課題を抱える家庭と地域社会との関わりに関する福祉部の取組についてのご質問ですが、区は、平成29年3月、全国的にも早い段階で、子どもの貧困対策に関する計画であるおおた子どもの生活応援プランを策定いたしました。福祉部局として、本プランにひもづく約140にわたる全庁の施策事業を組織横断的に推進するとともに、家庭と地域社会との関わりについては、社会的包摂の考えの下、地域力を活かし、区と地域が連携することで気づき・見守る体制を構築していく視点を持って課題に取り組んでまいりました。地域とつくる支援の輪プロジェクトでは、区民活動団体や大田区社会福祉協議会と連携し、見守り体制の強化と区民活動団体のネットワーク構築に取り組んでまいりました。子ども食堂連絡会参加団体は20団体にまで増えてきております。さらに昨年度、大田区子ども生活応援基金を創設し、今年度からは、インターネットからもご寄付をお寄せいただけるようになってございます。こうした取組を通じて、子どもの問題を家庭の問題としてのみ捉えるのではなく、地域で温かく支援していくという社会的包摂の考えが広がっております。
次に、支援が必要な子育て世帯の見守りの仕組み構築に関するご質問ですが、行政だけでなく、地域にある複数の目で、支援を必要としている世帯や生活が困難な子育て世帯を見守ることはとても大切な視点です。ひとり親家庭など支援が必要な世帯に対して、区から各種支援制度や相談窓口の案内を送る際に、子ども食堂や学習支援団体など、地域の区民活動のイベントや支援情報も併せて周知をします。そして、子どもや保護者がこのようなイベントに参加することで、地域活動団体の支援者との関係性が生まれ、より細やかな地域での見守りにつながるものと考えます。今月から、次期プランの基礎資料とするための子どもの生活実態調査を実施しております。
新型コロナウイルス感染症が与える影響なども含め、ひとり親家庭等の生活実態を把握してまいります。地域での見守りを強化する仕組みの構築につきましては、大田区社会福祉協議会とも連携し、支援を必要としている子育て世帯と地域を結びつけるよう、早急に検討を進めてまいります。
次に、子ども食堂への補助事業に対する区の取組に関するご質問ですが、本事業は、東京都の子供家庭支援区市町村包括補助事業を活用し、区の子ども食堂推進事業として取り組むものです。これまでも、区は、本事業の活用が進むよう、申請書類の作成に関する相談や助言等を丁寧に行ってまいりました。本事業を活用した団体は、平成30年度は1団体でしたが、令和元年度は8団体に活用されました。今年度は、食材費などに加え、感染症対策に係る費用も補助対象となり、区からも積極的に活用を推奨した結果、申請団体は昨年度を上回る団体数を見込んでいるところです。今後も、本制度を活用して、子どもの食の支援を通じた居場所づくりや気づき・見守る体制づくりが一層推進されるよう、区民活動団体を支援してまいります。
次に、子ども食堂に対する政府備蓄米無償交付事業についてのご質問ですが、区は、
新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言の期間中に、中学生以下の子どものいる生活保護受給世帯に対して白米やレトルト食品を、ひとり親家庭等医療費受給世帯に対しておこめ券を提供し、食糧支援を実施いたしました。その中で、家計が厳しい状況で、こうした支援は大変助かるなどの感謝のお手紙やメールをいただきました。区としても、コロナ禍で経済的に困窮する世帯が増え、地域での見守り機会が減少していることから、子ども食堂をはじめとした区民活動団体による地域の子どもたちの生活応援活動を今まで以上に推進していく必要性を感じております。コロナ禍にあっても感染症対策を講じながら、子ども食堂団体の皆様が熱心に子どもへの食の確保、孤立しがちな家庭とのつながりの確保に取り組んでくださっています。子ども食堂が政府備蓄米を有効活用し、食の支援が必要な子どもたちにおいしいご飯を提供するとともに、見守りの強化にもつながるよう、区は、大田区社会福祉協議会と連携して、本事業の周知、申請方法の案内など、子ども食堂の活動をしっかりと支援してまいります。私からは以上です。
◎伊津野 保健所長 まず、大田区地域外来・検査センターでの最近の検査状況の質問ですが、PCR検査が検査時に感染の危険性が少ない唾液での検査が可能になったのを受けて、区は3医師会と連携し、8月からは、各医師会においてそれぞれ週2回、唾液による検査ができる体制を整えております。一方で、一般の診療所で唾液のPCR検査を実施するところも増えてきたこともあり、8月の地域外来・検査センターでの検査数は23件で、そのうち陽性2件と、以前より少ない件数となっております。
次に、世田谷区のPCR検査の独自モデルについての区の所感については、他区の施策を論評することは差し控えたいと思いますが、大田区では、国の方針に従い、陽性者が出た場合には速やかに積極的疫学調査を行い、濃厚接触者を特定し、PCR検査を行う初動対策を確実に行うことで感染の拡大を防いでまいりました。実際、8月末現在、23区の中で10万人当たりの陽性者数は少ないほうから3番目となっており、区の対策は有効に働いていると考えます。PCR検査の結果はあくまで検査を受けた時点のものであること、また、PCR検査は完璧な検査ではなく、見逃しも一定程度あり、本当は陽性であるにもかかわらず陰性と判定された人が安心してしまい、感染を広めてしまう可能性もあります。これらのことから、莫大な費用をかけて無症状者へ一律にPCR検査を行うより、今まで行ってきたように検査が必要な方に確実に検査を行い、陽性者への速やかな入院等の調整や、濃厚接触者の検査などの対応を確実に行っていくことが区としての対策で重要なことだと考えております。
最後に、安価な抗体検査や抗原検査による検査体制の確立及び感染予防に努める必要性が高い職種への検査助成の質問ですが、抗体検査は過去の感染状況の広がりの判断に使うものであり、感染性があるかどうかはPCR検査や抗原検査で判定いたします。国は今後、その場で簡易に検査できる抗原キットを1日20万件と大幅に拡充するとしており、必要な方には身近な医療機関でこれまで以上に検査を受けやすい体制になります。また、東京都は第3回定例会で高齢者・障害者施設の職員及び入所者へのPCR検査費用の助成を行う補正予算案を提出しております。重症化しやすいとされる高齢者及び職員に対象を絞り、定期的に検査を行うことは一定の効果が見込まれます。区といたしましては、保健所の体制を強化し、まずはこの東京都の新しい事業にしっかり対応していきたいと考えます。私からは以上です。
○広川 副議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。
午前11時56分休憩
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――――――――――――――――――
午後1時開議
○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質問を続けます。2番松原秀典議員。
〔2番松原秀典議員登壇〕(拍手)
◆2番(松原秀典 議員) 質問通告に基づき順次質問いたします。理事者の方々の明快なるご答弁をよろしくお願いいたします。
まず、財政について質問します。
内閣府が8月17日に公表したGNPの年間実質成長率はマイナス27.8%とリーマンショック以来の大幅な下落となっております。当然、区内経済や大田区の財政にも大きな影響が及んでまいります。区内経済の落ち込みによる歳入減や、コロナ禍対策等による歳出増加が予想されます。このような厳しい状況下の中で大田区の財政をどう切り抜けていくのか、ご見解をお伺いいたします。
また、以前行われたようなマイナスシーリングが、令和3年度以降に再び行われることがあるのでしょうか。現段階でのご見解をお尋ねいたします。
次に、コロナ感染防止対策について質問いたします。
市中感染が広がり、収束のめどが立たないことに区民は漠然とした不安を感じていると思います。関係部局の献身的な取組には感謝と敬意を申し上げますが、区民に安心してもらう方策をさらに講じてほしいと思います。
多くの区民がPCR検査の拡大と収容施設の増加を望んでいます。誰に相談し、どこで受診したらよいのか分からないなどの声をよく耳にします。いろいろ課題があることは承知しておりますが、区民にもっと分かりやすく周知する方法があると思います。不安を感じている区民を安心させるための有効な周知方法をどのように考えているのかお聞きいたします。
東京都から、コロナ患者入院専門病院を渋谷と府中に設立するとの発表がありました。一般病院の負担を軽くすることと、専門的な治療が受けられることになり、一日も早い開設を期待するところでございます。その際、大田区と東京都とはどのように連携していくのか、お尋ねいたします。
最近、少しずつですが、高齢者施設や私立保育園や区立小学校などでの感染が増えているような印象を受けています。クラスターの発生を防ぐために、高齢者施設や障害者施設や保育園や小中学校等の感染防止対策に今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。
次に、教育についてお尋ねします。
特別支援教室、通称サポートルームについて質問いたします。
通常の学級に在籍しながら通級による指導を受ける児童・生徒や、特別支援学級での指導を受ける児童・生徒の割合が増加する中で、今まで以上に多くの教師が障がいのある児童・生徒をある一定の型にはめ、理解するだけでなく、一人ひとりの障害に応じた適切な指導方法を選択、実践することが求められています。
特に、自閉症、情緒障害、学習障害、注意欠陥性多動性障害などの発達障害のある子どもたちの指導については、在籍校で特別な指導を受けられる特別支援教室の体制を全ての学校で整備することが必要です。現在、大田区では、小学校については、特別支援教室を全校に配置し、中学校においても、モデル校で実施していますが、実際に特別支援教室を運営している小中学校の中には、巡回指導教員による助言が在籍学級での支援に活かされ、発達障害のある児童・生徒の集団適応能力が伸長されるなど、よい効果がもたらされている学校があるとお聞きしております。また、専門家等の意見を踏まえながら、校内全ての教職員が全ての児童・生徒にとって分かりやすい授業を実践している学校もあるとお聞きしています。
特別支援教室の成果と課題について教育委員会はどのように認識しているのでしょうか。また、今後の特別支援教室について、どのようにお考えでしょうか、ご見解を伺います。
次に、不登校特例校について質問します。
大田区では、平成28年度より東京都の不登校児童生徒支援モデル事業の指定を受け、7校の中学校を実施モデル校といたしました。都のモデル事業が終了した平成30年度以降も、区の施策として不登校対策事業を展開し、不登校対策事業実施校である全中学校に登校支援コーディネーター、負担軽減講師の配置や、スクールカウンセラーの増配置、全小中学校を対象に、登校支援員や養護教諭補助、登校支援アドバイザーの派遣などの教育施策を展開いたしました。その結果、不登校傾向にある児童・生徒の早期発見など一定の成果があったと聞いております。
一方で、平成28年12月14日に公布された義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律や、令和元年10月25日に通知された「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」によると、不登校児童・生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童・生徒が自らの進路を具体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があると示され、児童・生徒の才能や能力に応じて、それぞれの可能性を伸ばせるよう、本人の希望を尊重したうえで、場合によっては、教育支援センターや不登校特例校、ICTを活用した学習支援、フリースクール、中学校夜間学級での受入れなど、様々な関係機関等を活用し、社会的自立への支援を行うこととしております。
大田区では、不登校対策の一つの柱として、不登校特例校を将来的に開設することを検討していると、令和元年連合審査会での我が会派の渡司議員、そして令和2年第1回定例会の一般質問での、我が会派の海老澤議員の質問において伺っております。
そこで質問ですが、
新型コロナウイルス感染症に係る臨時休校により、不登校の生徒にも多大な影響があったと思われます。今後、教育委員会として新たな取組が必要だと考えますが、今後の不登校対策について、どのようにお考えなのでしょうか、ご見解をお伺いいたします。
次に、防災対策について質問します。
昨年の台風19号の田園調布の水害被災以後に、国土交通省や東京都に対して治水対策等の要望書を提出するなど、働きかけをしてもらいました。この点については、令和元年12月の第4回定例会におきまして、我が会派の長野議員が詳細な質問をしたところでございます。しかしながら、不安を抱く区民からは、その後の具体的な対策がどうなっているのか知りたいという要望が寄せられております。
そこで、現段階におけるその後の進捗状況について具体的にお聞かせください。
また、最近の気象状況を踏まえると、集中豪雨の際には呑川地域でも浸水被害の発生が懸念されております。呑川の浸水対策の取組についてもお尋ねいたします。
ところで、災害時の大きな課題の一つとして、ひとり暮らしの高齢者や障がい者や外国人等の避難行動要支援者対策があります。こういった方々には、行政からの防災情報が伝わりにくく、逃げ遅れたり、避難行動が十分に取れない懸念があります。
そこで質問ですが、高齢者などパソコンやスマホ等の情報通信機器の取扱いが苦手な方々や、日本語が通じない外国人の方々に対する災害時の情報伝達をどのように考えているのか伺います。
また、避難行動要支援者名簿を活用して、日頃から要支援者への対策を自治会・町会でも取り組むことになっており、地域力を活かし、行政と地域とで協力して災害対策に当たることが大切なことであります。しかしながら、自治会・町会によっては、組織の高齢化などの事情により、共助の取組が難しいところもあります。
そこで伺いますが、台風シーズンを控え、避難行動要支援者に対する防災の普及啓発や避難行動の対策について、区としての取組をお聞かせください。
次に、産業政策について質問いたします。
新型コロナウイルス感染拡大により、4月には緊急事態宣言が発出され、それに伴う緊急事態措置として、多くの業種に休業要請が行われました。これにより多くの区内業者が休業、そして営業時間短縮に協力し、感染状況は一定の落ち着きを見せましたが、経営的には大きな影響が及んでしまいました。その後、5月下旬には緊急事態宣言が解除され、段階的に休業要請は緩和されましたが、人々の生活様式、行動様態が大きく変化したこともあり、コロナ以前の経営状況にはなかなか戻っていないのが実態であります。
こうした状況の中、区も様々な事業者支援を行ってきました。融資あっせんやプレミアム付地域商品券事業支援や新製品新技術開発助成など、適宜適切な補正予算を編成し、我々区議会もその必要性を理解し、議決することで迅速な事業者支援を実現してまいりました。
一方で、区内産業への影響という意味では、まず飲食・宿泊等がいち早く影響を受け、医療機関や不動産業などにも広がり、最後に、区の特徴であるものづくり工場への影響が本格化してきております。業種業態を問わず、どのような事業を行っていくかは経営者の判断であり、その時々の社会情勢や消費者ニーズなどを見定め、求められる商品、サービスを提供していくことは、経営者として当然考えなければなりません。しかし、今回の感染症のように、人々の意識、行動が一気に変わってしまうような状況変化が起きた場合には、その事業環境の改善や新たな環境の創出に、行政が一定の支援を行う必要があると思います。
そこで伺います。区内の中小零細工場がニューノーマルと言われる新たな生活様式に適合するような操業環境を整備、改善していく場合、区としてどのような支援ができるのでしょうか、伺います。
この場合の支援とは、助成金や融資のような直接的な支援もあれば、経営者への助言や商談機会の提供など間接的な支援も考えられます。困難な状況下においても、事業者が自らの足で立ち、踏ん張って前に進もうとする場合には、行政が手取り足取りの支援ではなく、いわゆる寄り添った自立支援を行うことで、事業者が困難にも負けない強靱な体力をつけていく手助けができる場合があります。
そこで質問です。現在の産業施策において、困難に直面した事業者に寄り添い、何でも相談に乗ってもらえるような窓口を充実させていくという考え方はあるのでしょうか、お伺いいたします。
最後に、大田区産業のまちづくり条例は、「大田区は、産業のまちである。」という書き出しで始まっております。区民の生活を支える産業を、単純に守るということではなく、より力強く発展させていくためにも、現在のコロナ禍を自助、共助、公助を総動員して乗り越えていけるような適宜適切な産業政策を展開していくことを要望いたしまして、私の全質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 私からは、財政に関する2問の質問にお答えをさせていただきます。
まず、財源不足の見込みとその対応についてのご質問でございますが、
新型コロナウイルス感染拡大の影響による景況の悪化は、特別区税や特別区交付金といった基幹財源への大きな影響が想定され、今後、区財政は減収局面に転換するものと見込んでございます。一方、歳出におきましては、少子高齢化への対応や生活保護費などの社会保障関係経費、更新時期を迎えている公共施設の維持・更新経費のほか、
新型コロナウイルス感染症対策への迅速な対応など、財政需要のさらなる高まりが想定されるところでございます。こうした状況を踏まえ、既存の事務事業を対象に、見直し、再構築を進め、予算や職員定数などの経営資源に的確に反映させるよう鋭意取り組んでいるところでございます。今後も、予算執行段階におけるコスト意識の徹底など、一層工夫を凝らし、財政基金や特別区債など、これまで培った財政の対応力を効果的に活用し、安定した行政サービスの提供に努めてまいります。
続きまして、令和3年度予算編成におけるシーリングに関するご質問でございますが、いわゆるシーリングは、経費見積りに当たっての要求基準となるもので、予算編成の効率化、経費の節減を図り、予算総額の財政規律を維持する手法の一つと捉えてございます。税収をはじめとする減収が予想される中で、財政収支を均衡させ、行政サービスを安定的、継続的に供給するうえで一定の効果が期待できるものと認識をしてございます。その一方で、既定事業の抜本的な見直しや新たな施策の構築に向けた創意工夫が働きにくくなるなどの課題も指摘されてございます。こうした状況も踏まえ、区は、令和3年度予算編成に当たり、「
新型コロナウイルス感染症などの危機から区民の暮らしと経済活動を守り、『新たな日常』の実現に向けた変革を進める予算」と位置づけ、新たに生じる行政課題にも積極的に対応し、予算の重点化を図る考え方でございます。同時に、経常的な事務経費の節減をはじめ、事業の再構築や最適な事業実施方法の追求、新たな財源の確保を進めながら、財政の健全性の維持と新たな課題への対応の両立を目指してまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。
◎須川 危機管理室長 災害時の情報伝達に関するご質問にお答えいたします。
区は、区民の生命に関わる避難勧告、避難指示については、防災行政無線からサイレン音を用いて放送することといたしました。高齢者など情報通信機器の取扱いが苦手な方々には、サイレン音が聞こえたら、防災行政無線電話応答サービスやテレビのdボタン操作などにより、詳細情報を確認いただくよう、広く周知しております。また外国人区民に対しましては、安全・安心メールを4か国語で情報発信するほか、全ての避難所に多言語表示シートを配備しております。さらに、ツイッターやフェイスブックなどでも多言語で情報提供できるよう、不安解消に向け早急に取り組んでまいります。これからも、外国人も対象とした防災訓練などに取り組み、啓発を図ってまいります。
◎山田 産業経済部長 私からは、産業経済に関する二つのご質問についてお答えをいたします。
まず、操業環境の整備・改善に関するご質問ですが、コロナ禍においても操業を停止することができない製造業にとりまして、環境の変化に対応して速やかな操業改善を行うことは、様々な効果が見込まれると考えてございます。そのため区は、前に向かって進む中小ものづくり企業・事業者を積極的に支援するため、持続可能な操業環境の創出につながるものづくり工場立地助成制度を拡充することといたしました。拡充する内容は、対象経費の下限を500万円から100万円に変更するものでございます。これにより、比較的小規模の工事などでも補助金を活用することが可能となり、より多くの事業者の皆様にご利用いただけることで、感染拡大防止にもつながるものと考えてございます。ウィズコロナ、アフターコロナの中にあっても、操業環境の改善に取り組む中小企業を区は最大限支援し、支えてまいります。
次に、事業者に寄り添う相談窓口に関するご質問ですが、行政による中小企業、小規模事業者への支援といたしましては、いわゆる伴走型の支援も有効な手段であると考えてございます。本区では、大田区産業振興協会において、例えばビジネスサポートサービスを実施しており、中小企業診断士や弁護士などの専門家を派遣し、課題解決に向けた取組をサポートしております。また、製品開発や販路開拓などに関するご相談に対しても、サポート体制を整えてございます。社会が大きく変わりつつある今、サポート体制の一層の充実は喫緊の課題であり、現在、産業振興協会と体制強化について鋭意、協議・調整を行っているところでございます。今後も、中小企業、小規模事業者などの皆様が抱える様々な課題に対しまして、しっかりと寄り添った支援を行ってまいります。私からは以上でございます。
◎今岡 福祉部長 私からは、避難行動要支援者に対する防災対策のご質問にお答えをいたします。
避難行動に心配がある高齢者や障がい者など要支援者には日頃からの自助、共助の備えが大切です。風水害時のお一人お一人に合った避難行動計画について考えていただけるよう、高齢者、障がい者向けのマイ・タイムライン講習会を今月初めて実施いたします。また、区内89か所の水害時緊急避難場所に設置する要配慮者スペースの運営体制の構築や福祉避難所の開設準備にも取り組んでおります。さらに、多摩川が氾濫した場合に甚大な被害が想定される家屋倒壊等氾濫想定区域の低層階にお住まいの要支援者には、現在、福祉部職員から避難先が決まっているかの把握を行い、避難先の確認をしております。今後、避難行動要支援者が災害時に適切な避難行動を取っていただくために、地域における支援関係者と連携し、防災への取組を推進してまいります。
◎木田 健康政策部長 私からは、
新型コロナウイルスへの対応についての3問についてお答えをさせていただきます。
まず、区民を安心させる有効な周知方法についてですが、区は、ほぼ区報の毎号で「
新型コロナウイルス感染症に関するお知らせ」として、症状がある方や不安のある方の相談窓口の案内をしております。また、ホームページでは、東京都や大田区の感染状況を日々更新しており、ツイッターやLINEを活用した情報発信も行っております。ただ、このウイルスにはワクチンや治療薬がまだなく、ほとんどの方が不安に思われていることは認識をしております。この状況ですが、十分に皆さんを安心させることができるよう、区民の不安な気持ちに寄り添い、不安に思っていることをしっかり捉えて、感染状況はもちろんのこと、国や東京都からの情報や区における医療体制など、区民の安心につながる情報をより効果的に周知してまいります。
次に、
新型コロナウイルス感染症患者の入院専門病院についての東京都と区の連携についての質問ですが、保健所は入院が必要と判断した場合には、区内の入院患者を受け入れる病院、もしくは東京都の入院調整部門へ連絡し、入院できる病院を選定していただいております。新しくできる
新型コロナウイルス感染症患者の入院専門病院についても、東京都が入院調整をする病院の一つになると考えております。今後も東京都と連携し、区民が必要な治療を受けられるよう、対応をしてまいります。
次に、クラスター発生を防ぐための感染防止対策の取組についての質問ですが、保育所等において乳幼児が常時マスクをすることは難しく、また、高齢者施設の寝たきりの高齢者等は手洗いが十分にできないなど、基本的な感染防止対策が取りにくい状況もあります。保健所では、施設において1例でも陽性者が発生した場合は、検査対象者をより広範囲に選定し、速やかに検査を実施することにより、クラスターを封じ込めてまいります。現在、区内の高齢者施設や保育園、区立小中学校など、必要な対策は取っていると認識をしておりますが、今後もアルコール消毒や手洗いなど基本的な対策を徹底するよう周知するとともに、所管部と連携し、その施設に必要な感染防止の情報を提供してまいります。私からは以上でございます。
◎久保 都市基盤整備部長 私からは、水害対策の進捗と呑川の浸水対策に関する質問にお答えいたします。
区は、昨年の水害後に、国や都に対して要望書を提出するとともに、連携して治水対策の強化に取り組んでおります。国土交通省では、田園調布本町の多摩川の堤防における漏水箇所の補強工事を行い、6月に完了いたしました。次に、東京都では、田園調布上沼部排水樋門における操作の安全確保のための遠隔操作盤の設置や警戒ランプの設置をいたしました。区の対策といたしましては、水防活動の拠点として仲六郷に資機材センターの建設を進めるなど、さらなる水防の強化を図っているところでございます。
また、呑川の浸水対策としては、1月に東京都が策定した東京都豪雨対策アクションプランにおいて、呑川流域は重点エリアとなりました。1時間当たり75ミリの降雨に対応するために、上池台地区の新たな下水道施設の整備などについて、これまでの取組を着実に推進、加速する事業に位置づけられております。今後も、関係機関と連携を取りながら、一層の治水対策の強化に取り組んでまいります。私からは以上でございます。
◎玉川 教育総務部長 私からはまず、特別支援教室「サポートルーム」についてのご質問にお答えいたします。
現在、小学校全59校、中学校は大森第十中学校、東蒲中学校を拠点とする14校で、サポートルームでの指導を実施しております。これまでの成果としては、小中学校ともに発達障がいのある児童の集団適応能力が伸長されるとともに、在籍学級における学級運営が安定化していることが挙げられます。一方、小学校におきましては、巡回指導教員と在籍学級担任が、これまで以上に連携・協力する必要があることが課題となっております。また、中学校におきましては、生徒の発達段階に応じた相談機能の充実を図り、自信喪失や進路、将来への不安等に適切に対応していくことが課題でございます。来年度には、全中学校におきましてサポートルームでの指導実施を予定しておりまして、課題を踏まえながら小中学校の連携によって、切れ目なく効果的な指導を目指してまいります。
次に、今後の不登校対策についてのご質問です。
これまで区では、適応指導教室つばさを4教室開室するなどして、不登校児童・生徒の対応を行ってまいりました。教育委員会としましては、今後の不登校対策の柱の一つとして不登校特例校の開設が重要であると考えております。不登校特例校は、在籍校への復帰が困難である不登校児童・生徒を対象として、その実態に配慮した特別の教育課程に基づき指導が行われる学校であり、正規の教員が配置されます。区ではまず、令和3年度に移転を予定している池上図書館に、御園中学校を本校とする中学生を対象とした不登校特例校分教室を暫定的に開室することを検討しており、将来的には、現在のふれあいはすぬまの場所に不登校特例校を開設したいと考えております。以上でございます。
○塩野目 議長 次に、5番大森昭彦議員。
〔5番大森昭彦議員登壇〕(拍手)
◆5番(大森昭彦 議員) 自由民主党大田区民連合の大森昭彦です。質問通告により質問してまいります。区長はじめ理事者の皆様には、明快なご答弁をお願いいたします。
中国武漢市より発症した
新型コロナウイルスは収束の気配を見せず、日本全国で連日数百人の患者を出すといった感染拡大をいまだ続けております。都心部の繁華街などで相変わらず100数十人の感染者が出ており、昨日は276人の感染者の確認と増減を繰り返すといった感染拡大を続けています。本区内において大きくクラスターまでにはなっていませんが、感染が確認されています。過去にはあまり見られなかった感染ケースが家庭内感染であると思います。
幼児や学校の児童にまで感染が見られるのは大変痛ましい限りです。我々大人がしっかりコロナウイルスの感染プロセスに対し再認識をして、感染しない、うつされそうなところには出入りしない、正しい情報を受け止めて、日々の暮らしの中で、社会の一員として責任ある行動を取ることが求められるのではと考えます。
今日まで感染のリスクにさらされながら、感染した患者様や感染の疑いがある方たちに対し、献身的に医療に携わっておられる各種医療従事者の方たちに対し、心よりそのご労苦に感謝を申し上げる次第です。誠にありがとうございます。
質問に入ります。
まず、区の財政について伺ってまいります。
本年の第2回定例会において、松原区長が冒頭のご挨拶の中で、5月25日の緊急事態宣言解除日に、今後の区政運営の方向性を決めたと挨拶されました。感染拡大が収まらない世の中で経済活動の停滞が見られ、区政運営にも少なからず影響を受けてきていると述べられました。コロナウイルス感染症拡大による経済への影響がリーマンショック以上となっていること、また、令和4年度までに見込まれる予算不足は560億円余に及ぶと述べられました。昨日の区長のご挨拶においては580億円余というお話でしたので、この3か月の間に20億円の修正になったようであります。非常に厳しい状況に向かっていくのであろう区の財政に対し、今後、不要不急な事業の延期や廃止、全事務事業の聖域なき見直しを行い、これにより捻出した経営資源を適正に配分し、効果的、効率的に行政運営を行っていくと区長が言われております。また、聖域なき見直しと言われておりますが、どこまで可能な限り行っていくことになり得るのか、コロナウイルス感染拡大の問題と対処しながらの行政運営は難しいかじ取りであると思われます。財政基金の管理、また起債の活用についても同様に思います。このような中で、どのように行政を進めていくことになるのか。今回、事務事業の見直しを実施したようですが、その見直しの目的、視点、そして効果について改めて伺います。
本定例会において同僚議員による同様の質問が見られましたが、再度お伺いします。75万区民を守っていく大田区のお考えをお聞かせください。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い景気も後退する中、ウイルスとの共存に折り合いをつけながら、経済の活性化を図る必要があります。このような現状で、区民生活をどのように整えていくことになり得るのか、行政運営は難しいところです。まずは感染拡大の防止や区内経済の下支えなどを行いつつ、経済復興を目指し、暮らしやすく災害に強い安全・安心なまちづくりに向けて、効果的なタイミングで投資的経費を重要事業に投入する必要があるものと考えます。教育環境の充実など、区民の安心・安全のための施策課題は山積であります。安心して暮らせる大田区のまちのイメージを内外に発信して、区内産業がにぎわいの中で創業を展開できるよう、区がそのあかしなど独自の取組等を考慮することができないかと考えます。
本定例会での各議員により蒲田のまちづくりに対する質問がありますが、地元で活動している私にとって、日々多くの地元区民の方たちや関係者の方たちより、区に対する多くの期待が寄せられていることをまずお伝えしておきたいと思います。それらを受け、これから行う行政の見直しは、各部、各課において区民生活に相当影響を与えることになります。一方で、区内のものづくり産業は大変疲弊していることは理解されていることと思います。まちの商店街においても、倒産する店舗や、チェーン店でも撤退をする店舗もあり、蒲田のまちの現状はとてもにぎやかで元気のある雰囲気ではないと言ってもよいと考えます。限りある区の財源を選択と集中という観点の下、優先順位をつけながら進めることが重要であり、区も聖域なき全事業の見直しを区長を先頭に行っていると聞いています。
そのような中で、大田区都市計画マスタープランや蒲田駅
周辺地区グランドデザインの改定作業を、
新型コロナウイルス感染拡大の影響を見極めながら慎重に進めているとも聞いているところです。しかしながら、京急蒲田駅前エリアの再開発地区やJR蒲田駅東口ロータリーの周辺街区における共同化に向けた取組は、区にとって重要な拠点で大事な事業であります。現在、新空港線や民間再開発の動きもあり、蒲田の地域ではご苦労されながら前向きに議論を続けていて、まちの将来について話合いが行われています。そういったことから、大田区の将来の発展に向けて中心市街地の開発は優先的に進めるべきと考えます。
蒲田駅周辺のまちづくりでは、東口の2街区で再開発準備組合が立ち上がっているほか、駅周辺の基盤整備方針を策定するため、学識、国、都、鉄道事業者が参加する蒲田駅周辺地区基盤整備研究会も開催し、事業推進のためのご努力をいただいていると聞いています。京急蒲田駅周辺のまちづくりでは、西口地区で地区計画が決定し、既に共同化事業が完了した地区があるほか、センターエリア南第二地区などでは共同化の動きも進んでいるところであります。蒲田のまちなみは、戦後の区画整理事業にて建設された5階建ての長屋ビルがまだ使われていて、その一帯の共同化を目指す動きも見られ、区の役割はとても大切なものであります。区民の期待にしっかり応えてもらいますよう、まちづくりや都市計画には今後も確実に取り組んでいただきたいと思います。
事務事業の見直しで、行政運営の難しさは、コロナ禍での社会情勢を考えれば理解しますが、蒲田及び京急蒲田のまちづくりに向けた動きが活発化する中、区として今後どのようにまちづくりを進めていこうとしているのか、確実に予定どおり推進を図っていくよう取組をしっかりお願いしたいと思います。区のお考えをお聞かせください。
空港跡地第1ゾーンについて伺います。
過去、区長が区民向けに述べられたスピーチにおいて、羽田イノベーションシティエリアに平成の出島を造るとよくお話しされていたと思います。区長のお話を聞いた区民の方たちや町会長たちは、その完成を楽しみに期待をしていたところであります。新産業創造・発信拠点、空港の利便性を活かし地方の農産物や特産品などを展示即売、そういった中では友好都市と本区の連携で盛り上がったり、多くの業種、業界が実施するコンベンション、インフォメーションセンターでの羽田の歴史の伝承など様々な取組が展開されると期待していたところです。しかし、想像もしていなかった
新型コロナウイルス感染症が発症したことで、感染拡大は今日まで大変な影響を世の中に与えていると思います。それに伴い、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の延期など、想定外のアクシデントにも見舞われました。
区では、7月3日のまち開きを予定どおり実施したものの、様々なイベントを中止にするなど大きな修正を余儀なくされたことと思います。こうした中、開会の挨拶で羽田イノベーションシティを本格稼働させると発言が区長からありました。
新型コロナウイルス感染拡大の問題は依然として解決には至っておりませんが、そうした中でも、いよいよまちが動き出すのであれば、当然のことながら、我々は大きな期待を持つところであります。そこで我が会派では、本年第1回定例会の代表質問、鈴木隆之議員の質問で、イノベーションシティの確認をさせていただいたり、続いて、第2回の定例会代表質問においても、海老澤圭介議員からも、事業者とともにまちを発展させていただきたいと、強い思いでそれぞれエールを送らせていただいたと思います。そうして区長の思いを確認させていただいてきたところでありますので、改めてお聞きします。今後のまちのにぎわいに向け、松原区長はどういった意気込みで取り組んでいかれるのかお聞かせください。大田区内外へ向け、区長自ら大いに広報してもらいたいと思います。いかがでしょうか。
イノベーションシティの計画に入っていく際、大田区の工業連合会をはじめ、広く区民の方たちより意見をいただくといった取組をしました。私も一区民としてパブコメに参加しました。多くの区民の皆さんからご意見をいただき、その関心の高さや、いろいろな期待が寄せられたのではないかと思います。完成したイノベーションシティには、大事なエリアとして研究開発ラボがあると思います。区の産経部と産業振興協会の職員が既に入居していましたが、このスペースの数と産業交流の場としてつくった割にまだまだ入居企業の数が乏しく感じられます。さらに、このスペースは区内企業を後押ししていく場と思っていたところでありましたが、コロナウイルス感染症の問題はいろいろなところに影響を与えてしまったと思います。とはいっても、4000平米の床借用代の支払いが発生し、ここに税金が投入されるわけですので、しっかり活用方取り組んでいただきたいと思います。
今後の研究開発ラボの活用の見通しと、PiOで行っている産経部の事業、産業振興協会の業務など、どのように効率よく区内企業に対し貢献し、さらなる区内企業の発展に寄与していく計画なのか、従来の産業支援オフィスや工場アパートなどの施設との連携など、もともとのそれら業務と研究開発ラボとの連携予定など併せてお聞かせください。
第1ゾーンの開発では、後の後の工事予定となる都市計画公園整備事業についてでありますが、伺ってまいります。この場所については、従前より私が行った質問の中で触れてきていましたが、再び質問させていただきます。
もともと、この公園整備計画では、区民の憩いの場を設けることになっていたと記憶しているところです。そもそも羽田の住民の方たちが生活していたところを終戦後、48時間で強制退去させられた歴史があり、そのつらい思いは決して風化させてはいけなく、風化させないよう、しっかり後世に伝えていくことが重要であるとかねてから思っていたことであります。多くの区民の方たちも同様に言われてきたことと思います。
羽田空港跡地第1ゾーン整備方針では、羽田の歴史の伝承プロジェクトが位置づけられ、先日供用した交通広場には、旧三町顕彰の碑が建立されたことや、羽田イノベーションシティ内の歴史資料コーナーでは、旧三町出身の方のインタビュー映像や旧三町の写真などが閲覧できるようになっており、プロジェクトが着実に進捗しているように思われます。しかし、コロナ禍の影響もあると思いますが、第1ゾーンを訪れる人はまだ少なく、この取組が十分伝わっているとは思えません。外を通る車などから見えるのは白い壁になっているビルで、中に何があるのか、外目からは何も分からず、理解されないことを感じてしまうのであります。この場所のにぎわいを創出させるために、羽田イノベーションシティが本格稼働するこのタイミングにおいて、さらにこの取組を進めることで、多くの人々に足を運んでもらい、イノベーションシティを知ってもらい、羽田の歴史も併せて伝えていく必要があると思いますが、区のお考えをお聞かせください。この場所だからこその取組に期待したいと思います。
今回の最後の質問をさせてもらいます。この公園整備計画において、やはり従来から質問、要望させてもらっていることですが、この空港跡地の都市計画公園は、区民のスポーツや憩いの場、地域活動拠点、災害時の一時避難の場など、様々な利用形態が想定されると思います。また、この公園は居住地域に接しておらず、空港に隣接しているという特徴を有しており、この立地特性を活かした施設整備が有効であると考えます。活用の一例を申しますと、我が会派の渡司 幸議員からも以前質問で紹介されましたが、大田区出身の若者で、スケートボードの世界大会でも大活躍するレベルの高いスケートボーダーが複数います。彼らが練習する場所が近くにはなく、その環境に恵まれていないのが現状です。足立区の町屋方面でムラサキスポーツが設置している上級者までもが練習できるリンクや、横浜市が運営する小机の日産スタジアム脇の高架になっている公道の下に設置している初心者用リンクと上級者用リンクなどを併設されているものがありますが、自由に練習を楽しんでいまして、地元の若者ばかりでなく、遠方からもたくさんの人たちが、年齢層も幅広く、にぎやかに楽しんでおりました。
一方、本区では、まちなかや体育館裏の防災広場において、深夜まで大きな音を立てて練習している若者の存在があり、近隣より迷惑に思われている次第です。オリンピック競技にもなっているスケートボードができる環境を都市計画公園内につくってはいかがでしょうか。スケートボードをやっていたり、興味のある若者がこの公園を訪れるようになることは間違いないと確信しております。また、インバウンドの中で、羽田を訪れる外国人の方たちに対し、より来日の楽しみをアピールする材料となり、ぜひ羽田に泊まり、利用してみたいと思ってもらえるような場所となるのではと考えます。維持コストはさほどかからないと思いますし、まちなかで遊び切れないスケートボーダーが発散できる場所となり得ると考えます。本用地においていろいろな取組があり、このことはほんの一例にすぎませんが、立地特性を活かした幅広い活用が可能な公園になると思います。そして、その整備に当たっては、様々な立場でご利用になる区民の皆様の声や要望をしっかり聞いて進めてもらいたいと思います。これらをお願いいたしまして、区のお考えをお聞かせください。以上で全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎松原 区長 私からは、羽田イノベーションシティにおけるにぎわいの創出についてのご質問にお答えさせていただきます。
羽田イノベーションシティを含む羽田空港跡地第1ゾーン整備事業のコンセプトは、羽田空港に隣接する立地の優位性を活かし、国内外からヒト・モノ・情報を集積させ、交流による新たな産業の創造と世界に向けた発信拠点の形成を目指すものでございます。その第一歩となる7月3日のまち開きについては、
新型コロナウイルス感染症の拡大防止を最優先に考え、最小限とさせていただきましたが、その後も羽田みらい開発株式会社と協議を重ね、9月18日からまちを本格稼働させることとしました。本格稼動におきましては、区民の皆様が最先端技術の実証実験に参加いただくことで近未来を体験していただいたり、日本が世界に誇る浮世絵などに触れることにより、日本文化を身近に感じ、より多くの方が興味を持つきっかけとしてまいります。こうした取組を一過性にすることなく、羽田イノベーションシティならではの先端産業と文化産業が融合する様々な取組に加え、日本全国、さらには海外との産業、文化の両面からの交流を公民連携の下、促進することで、にぎわいの創出につなげてまいります。以上です。
◎市野 企画経営部長 私からは、事務事業見直しについてのご質問にお答えをさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止と区民生活支援、区内経済対策のほか、災害対策や学びの保障などの喫緊の課題に迅速かつ的確に対応するため、約1500に及ぶ全事務事業の見直しを行いました。この見直しは、財源や人材など、貴重な経営資源を再配分し、より効果的、効率的な行財政運営を実現することを目的に実施いたしました。見直しの視点といたしましては、業務の効率化や生産性の向上、公民連携などの手法の活用、ICTの導入推進などを掲げ、全庁一丸となって見直し、再構築に取り組んだところでございます。全ての事務事業についてゼロベースで見直した結果、本定例会で19億円を超える予算の減額を行うとともに、新たな
新型コロナウイルス感染症対策経費を補正予算案で計上させていただきました。事務事業見直しによって生み出された経営資源につきましては、一日も早く区民が安全・安心な生活を取り戻すために、優先度の高い施策へ重点的に再配分するとともに、
新型コロナウイルス感染症との共存を前提に、持続可能な自治体経営の実現を目指して、引き続き不断の見直しに取り組んでまいります。私からは以上でございます。
◎山田 産業経済部長 私からは、羽田イノベーションシティにおける区施策活用スペース、ハネダピオの今後の見通しと区内産業の発展に関するご質問にお答えをさせていただきます。
羽田空港至近の立地環境を活かして整備をした当該施設は、医療、航空・宇宙、環境、エネルギー、食、農業といった今後も成長の見込まれる先端産業分野などの研究開発企業や学術機関などを国内外から誘致をし、高度な技術力を持つ区内企業、事業者等とつなげていくことで、区内産業の持続可能な発展、さらには地域課題の解決を目指していくところでございます。議員お話しの研究開発ラボへの入居につきましては、詳細協議が複数進む中、感染症拡大の影響を受け、協議に時間を要する案件なども生じておりますが、問合せやご関心は多くいただいており、引き続き誘致活動を進めるとともに、さらなる周知にも取り組んでまいります。区は、産業振興協会が蒲田ピオで展開をする事業と連携をしながら、様々な施策を通して、区内企業、事業者の皆様を支援してございます。ハネダピオでの取組の成果を新たな産業振興策として、今後の各種施策に取り組むことが重要でございます。引き続き、区は産業振興協会と一体となり、ハネダピオを新産業創造・発信拠点として位置づけ、区内産業施設との連携も合わせながら、区内産業の発展に取り組んでまいります。私からは以上でございます。
◎齋藤
まちづくり推進部長 私からは、蒲田及び京急蒲田のまちづくりに関するご質問にお答えをいたします。
コロナ禍にはありますが、蒲田は都市計画マスタープランの中でも区の中心拠点でございまして、現在、その改定作業を進めている過程の中でも、京急蒲田とともに将来にわたり発展を続け、持続可能なまちづくりを確実に進める必要がございます。そのために蒲田に特化をいたしました蒲田駅
周辺地区グランドデザインの改定にも着手しているところでございまして、全体的なスケジュールに遅れが生じないように令和3年度に向けて鋭意推進しているところでございます。同時に蒲田駅周辺では、実現性があり、利便性の高い基盤施設の整備を目指しまして、蒲田駅周辺地区基盤整備研究会を立ち上げまして、去る7月に第1回目を開催したところでございます。この研究会の中には、JR東日本、それから東急電鉄、あるいは国、それから東京都などが参画をしていただいているところでございます。この中では、新空港線や東口駅前再開発など周辺の基盤施設を一体的に捉えた中長期の基盤整備方針の策定に向けまして取り組んでおりまして、蒲田駅
周辺地区グランドデザインと整合を図ってまいります。その基盤整備方針の検討内容などを踏まえまして、将来的な駅周辺の基盤施設整備に向けて連携し、推進していくために、東日本旅客鉄道株式会社、いわゆる先ほど申し上げたJR東日本、こちらと東急株式会社と大田区という三者で覚書を締結いたしておりまして、今年度は、JR東日本に対して東西自由通路の基礎調査委託を実施いたします。これによりまして、JRとの協力関係がより強固になると私どもは認識をしてございます。京急蒲田駅周辺でも、防災性の向上、地域の回遊性、土地の合理的な高度利用を図るために、再開発や共同化の取組に対して地元調整を重ねておりまして、まちづくりの機運を醸成してまいっております。このように蒲田及び京急蒲田のまちの機能更新に向けた機運が高まる中、この好機を逃すことなく、誰もが気持ちよく過ごせる安全・安心なまちを目指して、官民連携をしながら積極的に蒲田のまちづくりを進めることが重要であると考えてございます。
最後に申し添えさせていただきますが、蒲田及び京急蒲田は、両者を一体的なエリアと捉えまして、それぞれの活性化が相乗効果を生み出すと考えておりますので、今取り組んでいる一歩一歩が大きな足跡として花開くよう、これからも全力を尽くしてまいります。私からは以上でございます。
◎白鳥
空港まちづくり本部長 私からは、跡地に関する二つのご質問にお答えいたします。
まず、羽田空港跡地の歴史についてのご質問ですが、区は羽田空港跡地における羽田の旧三町と言われる羽田鈴木町、羽田穴守町、羽田江戸見町の歴史について、事業を進めるうえで起点となる重要な出来事と認識しております。議員お話しのとおり、区はこれまで羽田の歴史の伝承プロジェクトに関して、旧三町顕彰の碑の建立と解説板の整備、旧三町復元タイルの設置、羽田イノベーションシティ内歴史資料コーナーなど、羽田地域の皆様、空港関連企業等と連携・協働しながら取組を進めてまいりました。区としましては、ご説明した施設の整備だけではなく、引き続き地域の皆様や団体、特別出張所、羽田みらい開発等と連携を図り、様々な機会、多様な方法により羽田の歴史の発信に努めてまいります。
次に、羽田空港跡地の都市計画公園に関するご質問ですが、第1ゾーン都市計画公園につきましては、羽田空港跡地まちづくり推進計画、羽田空港跡地第1ゾーン整備方針を踏まえて、公民連携も視野に入れた様々な検討を進めております。この都市計画公園は近隣地域の皆様の日常的なご利用から、羽田イノベーションシティとの連携、ソラムナード羽田緑地との一体的な活用など、跡地ならではの立地特性や周辺状況を踏まえた施設整備や運営が必要であると考えております。そのために、公園をご利用になる区民の皆様や第1ゾーンを訪れる方などからご意見を伺い、それらを踏まえて今後の取組に反映させることが重要であると考えております。区といたしましては、様々な機会を通じて、都市計画公園に関する多様なご意見をいただきながら、区民の皆様の憩いの場として、また、多くの方にご利用いただける公園整備に取り組んでまいります。私からは以上です。
○塩野目 議長 次に、10番伊佐治 剛議員。
〔10番伊佐治 剛議員登壇〕(拍手)
◆10番(伊佐治剛 議員) 自由民主党大田区民連合の伊佐治 剛でございます。
まず、いくつになっても、障害があっても安心をして暮らせるまちについてお聞きをいたします。
6月12日、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律が公布されました。8050問題をはじめとしたダブルケアと呼ばれるような地域住民が抱える課題が複雑化、複合化する中で、従来の属性別の支援体制では対応が困難な事例が増加をしています。こうした課題へ対応するため、国は改正社会福祉法の中で、断らない相談支援、参加支援、そして地域づくりに向けた支援を一体的に実施する重層的支援体制整備事業をスタートすることになりました。この事業は、これまでの縦割り制度を見直し、誰もが必要な支援を受けられるようにする、誰もが生きがいを持って安心して暮らせる地域共生社会の実現を目指すものです。既に2016年から厚生労働省としてモデル事業を実施しており、今年度は200を超える自治体が事業を行っています。
例えば松戸市のモデル事業では、基幹型地域包括支援センターに福祉まるごと相談窓口を設置し、高齢分野だけでなく、障害、生活困窮、児童などの分野のワンストップの相談体制を整備し、各地域に展開をしました。相談件数も2倍以上へと増加をし、これまで掘り起こせなかったニーズへの対応も可能となりました。また、包括や教育委員会にエリアディレクターという専門職員を配置し、地域ボランティアと連携した課題の解決につなげるといった自治体もあり、重層的支援体制整備事業は、自治体が柔軟に包括的な支援体制を構築することが可能となっています。
大田区地域福祉計画の中では、「複合課題に取り組む個別支援」と「支援と共生の地域づくり」の二つの取組を柱としており、これこそまさに重層的支援体制であると言えます。縦割りを取っ払う、区としても大きな転換を求められる事業ではありますが、地域福祉の新たな姿を示すことができる事業でもあります。大田区でも重層的支援体制整備事業に手を挙げるべきであると考えますが、区の見解を求めます。
こうした複雑化、複合化した課題への対応とともに、まだまだ十分な福祉的支援が行き届いていない方々に対する施策の充実も重要です。その一つが若年性認知症の方に対する支援であります。昨年、大田区では、若年性認知症の方を対象としたデイサービス事業をスタートしました。小さなスタートではありましたが、高齢者の認知症とは違い、日常生活の訓練的な支援も必要である利用者に対して、個別プログラムを実施できるこの環境は、とても意味のある事業であると感じています。
こうした中、昨年6月に取りまとめられた認知症施策推進大綱では、認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援が掲げられており、その中には、具体的な施策として介護サービス事業所利用者の社会参加の推進について示されています。そしてもう1点、平成23年の厚労省老健局の若年性認知症施策の推進についての事務連絡には、介護サービス利用中においては、社会参加の意識の高い若年性認知症の方に対応するプログラムとして、ボランティア活動を行った際、謝礼を受け取ることを可とする見解が示されております。若年性認知症の方の中には、働きたいという思いを持っている方もたくさんいらっしゃいます。そして、僅かでもお金を受け取ることができる環境は、生きがいにもつながっていきます。
大田区は現在、官民連携基本方針に従い、様々な民間企業と包括連携協定を結んでいます。こうした民間企業と連携をし、若年性認知症の方が介護サービス利用中に、有償ボランティアとして活躍できる環境をつくるべきであると考えます。まずは、大田区若年性認知症デイサービス事業HOPEからスタートをしてみてはいかがでしょうか。区の見解を求めます。
認知症への支援は、若年性だけではなく、高齢者へもさらなる多層的な支援が必要です。大田区はこれまで、認知症高齢者を地域で支え合う仕組みとして、見守りキーホルダー登録事業の普及啓発、高齢者見守りメールの活用などを行ってまいりました。さらなる支援体制の強化を図るうえで、タクシー事業者の見守り事業者登録推進及びタクシーへの高齢者見守りメールの配信など、新たな取組にも期待をさせていただきます。
次に、障害者差別解消条例を基礎的自治体で定める必要性について伺います。
我が国では、2014年に国連において障害者の権利に関する条約を批准し、条約が発効、そして2016年4月には、障害者差別解消法が施行されました。これにより、障がい者の権利を改めて明確化し、障がい者に対する権利保障は実効性のあるものになりました。障害者差別解消法は、障害を理由とする差別等の権利侵害行為の禁止、社会的障壁の除去を怠ることによる権利侵害の防止等について定めていますが、合理的配慮の不提供の禁止の扱いにおいて、民間事業者は努力義務になっている点、相談や紛争防止等のための体制整備など課題はあります。こうしたことを受け、東京都は平成30年に東京都障害者差別解消条例を施行しました。都条例の中では、民間事業者等への合理的配慮の提供の義務化、問題解決の仕組み、また広域支援相談員の設置が定められ、まさに障がい者差別解消の課題に対する答えを示したものになりました。
内閣府の障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針には、障害者にとって身近な地域において、条例の制定も含めた障害者差別を解消する取組の推進が望まれると記されています。いわゆる上乗せ、横出し条例を含めて差別解消のための取組の推進が期待をされており、こうした観点から東京都の差別解消条例も制定をされたわけであります。
それでは、都条例が施行されたことによって、障害者差別解消法における課題は解消されたのでしょうか。弁護士で、東京都の障害者への理解促進及び差別解消のための条例制定に係る検討部会副会長であった池原毅和氏は、ご自身の著書の中でいくつかの課題を挙げています。障害の定義の拡張という観点で、機能障害に限定するのではなく、例えば精神科等過去の治療歴や外見、そして症状が固定しない方への対応、そして行政や民間企業だけでなく個々人の責務、履行確保方法の強化等が示されています。
昨年3月に超党派で実施をいたしました障がい者関係団体との懇談会には、区内の20を超える団体の皆さんにもご参加をいただき、その中でも、多くの団体の皆さんから障害者差別解消条例を定める意義を強く語られていました。私自身も、条例の制定を公約として区議会議員選挙を戦ってまいりました。私は、先に述べた様々な課題の解消に向けて独自の条例が必要であると考えていますが、大田区が基礎的自治体において独自の障害者差別解消条例を制定する意義をどのように考えているのか、お答えください。
次に、給付型奨学金の拡充について伺います。
大田区の奨学金制度については、
新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響を鑑み、先の区議会定例会において、我が会派の海老澤圭介議員の代表質問の中で、現時点での収入見込みによる随時の貸付けや返還猶予を求め、実施をしていただいているところであります。しかしながら、感染症の脅威は現在も収まっておらず、社会経済への影響が長期化しており、高校生や大学生を抱える世帯収入も相当の割合の方々が減収となっていると思われます。
こうした中、今定例会に提出をされました第6次補正予算案には、奨学金の
新型コロナウイルス感染症対応として、大学等への来年度進学予定者及び貸付けを受けている大学生への給付型奨学金のほか、高校等給付型奨学金の対象の拡大のために、2997万円が計上をされています。この点については、今定例会で今後の審議になるわけでありますが、ここでは、これからの給付型奨学金に関する区の基本的な考えについて伺いたいと思います。
本区で従来から実施をされている給付型奨学金の末吉育英基金は、来年で残高がなくなり、終了せざるを得ない状況だと思いますが、今回の給付型奨学金の拡充の方向は、
新型コロナウイルス感染症の問題に関係なく、学びの機会の確保、少子化の中での人材育成の観点からも必要と考えます。
一方で、私も過去において他の分野での質問でも申し上げておりますが、いわゆるベネフィットトラップ、つまり給付制度は、一度始めてしまうと行政も受給者もより充実を図る方向に動いてしまい、その流れから抜けられなくなるという課題もあるため、実施に当たっては十分な検討が必要です。今回の補正予算で拡充する考え方と併せて、今後の給付型奨学金をどのようにしていこうとされているのか、区の考えをお示しください。
次に、保育士への区独自支援についてお聞きをいたします。
4月7日、国は東京都に対して緊急事態宣言を発令し、感染拡大防止の観点から、東京都は商業施設や遊戯施設等、様々な業態に営業の自粛を要請しました。しかしこうした中でも、エッセンシャルワーカーと呼ばれる医療や介護、保育、物流等で働く方々は、感染のリスクに恐怖を感じながらも、日常生活を維持するうえでなくてはならない仕事として業務を継続してくださいました。特に医療や高齢、障害福祉については、人間の命に直結する仕事でもあり、国は医療従事者が強い使命感を持って業務に従事していることに対し慰労金を給付、そして福祉サービス従事者に対しても同様に慰労金が給付されました。大田区としても、第3次の補正予算では、感染者受入れ医療機関等への支援、第5次補正予算では、福祉サービス事業者への緊急支援金の支給を決定しました。そして今回、第6次補正予算では、保育所等における感染拡大防止物品購入補助のための予算が示されました。保育関係者の方から様々な声が届く中で、やっとその声が一つの形になったと言えます。
しかし、こうした様々な支援制度が示される中、保育士等に対する支援は、国からも東京都からも何も示されていません。大田区は
新型コロナウイルス感染が拡大する中、保育施設については原則開園とし、自宅で保育が可能な場合などを除き、児童の受入れを継続しました。同じエッセンシャルワーカーである医療や福祉の現場で働く方々は、保育士の皆さんの協力があったからこそ、子どもを安心して預け、業務に当たることができたと言えます。当時は未知のウイルスであったということもあり、多くの保育士の皆さんが感染の恐怖の中で業務に当たってくださいました。私は、こうして強い使命感を持って業務に従事していることに対して感謝の気持ちを示すべきだと考えます。独自の動きをしている自治体も多数あり、練馬区では高齢、障害、保育分野の福祉施設、事業所で働く職員を対象に1人当たり2万円の慰労金を支給、ひたちなか市では3万円、倉敷市では5万円など、国の慰労金で対象外となった職種を補完する位置づけとしての独自給付を行っています。私自身、慰労金支給の必要性を強く感じますが、自治体が独自で保育士等へ慰労金を給付することに対して区の見解を求めます。
次に、分身ロボットの活用についてお聞きをいたします。
皆さんは分身ロボットOriHimeをご存じでしょうか。OriHimeは、株式会社オリィ研究所が開発した分身型ロボットで、直接対面をしなくても、PCやスマートフォンから遠隔操作をすることで、会話や相手の表情を確認、また、手を挙げたり、拍手をしたりといったジェスチャーも行うことができるコミュニケーションロボットです。テレワークや重度身体障がい者の意思伝達等に活用できる分身ロボットとして、今注目をされています。
我が党の平将明衆議院議員が、国会と大田区の事務所でOriHimeを活用した遠隔会議を実施しているのを聞き、私自身もこの分身ロボットOriHimeの存在を知ることになりました。昨年、蒲田でオリィ研究所の正規代理店を経営されているany globalの矢野代表と出会い、実機を使いながら、大田区教育委員会や障害福祉課、高齢福祉課とも意見交換をさせていただきました。
現在いくつかの行政でも、分身ロボットOriHimeの導入が進んでおり、神奈川県では、
新型コロナウイルス感染者の宿泊療養施設に導入をし、感染リスクを避けながらコミュニケーションを実現できるツールとして活用をされています。教育現場での活用として、東京シューレ学園では不登校対策にOriHimeを活用しており、対面で人に会うことをストレスに感じる場合でも、OriHimeでならば登校できるといった生徒もいるとのことです。OriHimeで友達をつくったことがきっかけとなって、最終的には本人が学校に復帰したケースもあります。特別支援学校において入院することが多い生徒に活用されている事例もあります。それ以外にも、高齢福祉の現場での活用や遠隔行政サービスの提供を行った自治体もあります。
大田区は、高度な加工技術を有する中小企業が集積する日本有数のものづくりのまちです。そして、多種多様な加工技術の集積の強みを活かし、先端的な技術開発を支えてきました。今こそ、分身ロボットのような先端技術を行政運営に生かすべきです。障がい者の雇用創出や教育現場での活用、また遠隔行政の実施など、大田区として、分身ロボットOriHimeの活用に向けた実証実験を行うべきと考えますが、区の見解を求めます。
また、大田区では今年7月3日に羽田イノベーションシティがまち開きをし、そして9月18日には、我が国を支える先端技術の中心拠点としての本格稼働が予定をされています。こうした分身ロボットOriHimeの活用における実証実験をきっかけに、健康医療、ロボティクスなどに関する先端産業を核とした企業の集積を目指す羽田イノベーションシティへOriHimeのような遠隔操作ロボットを研究する企業を誘致すべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、路上喫煙マナーの向上についてお聞きをいたします。
今年4月1日、喫煙する人としない人が共存できる環境を実現し、区民の生活環境の向上を図ることを目的とし、大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例が施行されました。あれから約5か月、区内における路上喫煙の状況はどのように変化をしたでしょうか。残念ながら、何も変わっていないと感じる方のほうが多いかもしれません。
新型コロナウイルス感染症拡大の中で、街頭等で十分周知を行うことができなかった点は理解をしておりますし、区報やホームページ、また路上喫煙が多い場所への横断幕やステッカーの掲示など、できる限りの対応を行ってきたことは評価をしております。条例はつくれば終わりではなく、まさにその内容を区民の皆様に的確に伝えてこそ、条例の本来の目的を達成していくことができます。
多くの方々の生活がやや日常へと移行しつつある今、改めて効果的な条例の周知・広報を行っていく必要があります。販売店での声かけや自販機等への掲示など、たばこ販売事業者に対して条例の周知を義務化すべきと考えますが、区の見解を求めます。
最後に、不断の事務事業の見直しについてお聞きします。
区として、この間、
新型コロナウイルス感染症対策として課題は残したものの、医療機関や福祉事業者への独自支援、学校感染拡大防止のための対策や外国人への相談体制の強化など、ニーズを捉えながら様々な施策の実現を図ってまいりました。しかし、区独自の施策の実現において多額の財政出動を行っており、今回の補正予算を含めると、現時点で令和2年度は125億円余の財政基金を取り崩すことになります。
過去に大田区から示された中長期財政見通しの中では、経済停滞ケースの場合、毎年100億円程度の財政不足が生ずるとの推計が示されています。数年後の財政状況を冷静に捉えながらも、持続可能な大田区政を実現するためには、今、聖域なき不断の事務事業の見直しが必要と考えます。その一つが、これまでこの区議会定例会で提言をしてまいりました乳幼児及び義務教育就学児の医療費助成制度の見直しであります。詳細につきましては、過去の議事録を参照いただければと思いますが、これまでは適正な受益者負担、また事業の選択と集中という観点から、世帯所得等により助成費の階層分け、高所得層の助成制限などを検討すべきと提案をしてまいりましたが、今回は視点を変えまして、医療費への意識の向上の観点から、償還払いを導入するなど、実効性のある仕組みを導入すべきと考えますが、区の見解を求めます。
新型コロナウイルス感染症による子育て世代への負担を考えれば、今すぐにとは言いません。ぜひ適切な制度の運用に向けて議論を始めていただきたいと思います。以上で質問を終わります。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎山田 産業経済部長 私からは、羽田イノベーションシティへの遠隔操作ロボット研究企業の誘致に関してお答えさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症の拡大によって新たな生活様式の到来が確実視されている中、議員お話しのような取組が実現可能になる時代が到来していると認識してございます。遠隔操作ロボットは、その人がその場にいるようなコミュニケーションを実現することができる分身ロボットであり、次世代のコミュニケーションツールとして、今後の活用が期待されております。羽田イノベーションシティ内に整備したハネダピオは、先端産業分野と区内ものづくり企業との連携創出を通じて、区内産業の発展と地域の課題を解決していく新産業創造・発信拠点でございます。遠隔操作ロボットの研究は当該施設のコンセプトに合致をすることから、今後、積極的な連携や誘致に取り組んでまいります。私からは以上でございます。
◎今岡 福祉部長 私からは、福祉関係の4点のご質問にお答えいたします。
まず、重層的支援体制整備事業についてのご質問ですが、区では、議員お話しのとおり、大田区版地域共生社会の実現のために、複合課題に取り組む個別支援と支援と共生の地域づくりの二つの柱を基に具体的な体制整備を進めており、国が示す方向性に合致するものと考えております。個別支援においては、いわゆる8050問題をはじめとした複合・複雑化した課題に対して関係機関が連携し、民生委員児童委員をはじめとした地域の支援者とも協力をしながら支援しています。
地域づくりにおいては、地域ささえあい強化推進員や大田区社会福祉協議会の地域福祉コーディネーターが、日常の生活課題に対して新たな資源開発に向けた活動をサポートするなど、自助力・互助力の強化に取り組んでいます。こうした個別支援と地域づくりを推進する中で、関係機関等と十分に話し合い、重層的支援体制整備事業の実施について検討してまいります。
次に、若年性認知症の方が社会で活躍する環境整備についてのご質問ですが、若年性認知症の方が有する力を社会で最大限発揮し、自分らしい生活を送ることは重要です。厚生労働省が当事者の方々と行った意見交換の中で、「地域の清掃ボランティアを行った際に感謝の言葉をかけられやりがいがあった」、「何らかの報酬があるとうれしい」などの声があったと紹介しております。国の認知症施策推進大綱では共生と予防を基本的考え方とし、共生の分野では、ご本人が希望を持って前を向き、自身の有する力を活かしていく社会を目指すとしております。
区では、若年性認知症デイサービス事業HOPEにおいて、例えばボランティアとして地域の清掃活動等を行うなどの取組も始めております。今後も認知症施策の動向も踏まえ、ご本人が持つ力を最大限に発揮し、一定の報酬を得られるような活動など多様な取組の推進について、民間企業等との連携を含めて検討してまいります。
次に、障害者差別解消条例を基礎自治体が制定する意義についてのご質問ですが、障害を理由とする差別解消の推進は、地域共生社会の実現に向け基本となる取組です。現在、都内、市部において条例を定めているいくつかの基礎自治体があり、市民の関心が高まったことや検討の過程で地域の状況が顕在化したことなどの効果があったと聞いております。これらの条例では、医療・防災・文化活動等における合理的配慮の提供等について規定されています。基礎自治体における条例制定については、住民への周知や理解促進等の面において意義があるものと考えております。
区では現在、大田区障がい者差別解消支援地域協議会を設置し、合理的配慮の検討、理解促進を進めています。今後予定されている障害者差別解消法の見直しや、他の自治体の動向等を注視しつつ、区における障害を理由とする差別の解消の取組を着実に進めてまいります。
次に、遠隔操作ロボットの福祉分野における活用についてのご質問ですが、障がいのある方へ様々なICTツールを活用した支援を行うことは、これまでは実現できなかったことを可能にする有効な手法と考えます。在宅の障がい者であっても、意思伝達装置と分身ロボットの組み合わせにより社会での活動の範囲を広げることは、地域共生社会の実現に資するものと考えます。
福祉分野におけるICTの活用は緒に就いたところでありますが、議員お話しの遠隔ロボット等の活用によって、どのような実験的な取組ができるか検討し、障がいのある方の生活の質の向上に取り組んでまいります。私からは以上でございます。
◎張間 福祉支援担当部長 私からは、奨学金に関するご質問にお答えいたします。
社会経済情勢が厳しく将来への不安が高まっている状況だからこそ、就学意欲を高め、安心して勉学に励めるよう、未来を担う学生、生徒を支援することが重要です。第6次補正予算案は、従来の貸付型の当初予算を7732万円減額しつつ、給付型奨学金を1億730万円増額するものです。今回の大学等への給付型奨学金は、現在の
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い遠隔授業等が導入された影響への対応であり、実施は今年度限りの予定です。
今後の区の奨学金制度は、本年度創設した人材確保型特別減免制度や、末吉育英基金による奨学金を含め、貸付や給付を受けた奨学生の声も聞きながらしっかり検証を行い、就学環境の変化に対応していく必要があると考えます。給付型奨学金についても、学生、生徒が学びの機会を失うことなく意欲的に勉学に取り組めるよう、制度設計には十分留意をしながら検討してまいります。私からは以上です。
◎浜口 こども家庭部長 初めに、保育士への区独自の給付金についてのご質問にお答えいたします。
国では、本年6月に成立した第2次補正予算の中で、介護職員、障害福祉職員への慰労金を盛り込みましたが、学童保育や保育園などの職員は対象外とされております。対象外とされた理由は、重症化リスクの高い利用者との接触がある福祉施設とは異なり、子ども分野では重症化リスクが低く、クラスターの発生も少ないことから対象外となるとの見解が示されてございます。
コロナ禍における保育園の運営は、保育士はもとより、看護師、栄養士、調理員など全ての職員が一丸となって子どもたちの安全のために取り組んでおり、その対応に大変感謝してございます。引き続き、各保育施設に対しては、マスクやアルコール消毒液などの衛生資材を随時配付するなど、主に物的支援を通じて支援を行ってまいります。今後は国や東京都の動向を注視してまいります。
次に、乳幼児等の医療費助成の給付方式についてのご質問ですが、本事業は次世代を担う乳幼児等の健全な育成及び保健の向上と保護者の経済的負担の軽減を図ることを目的としています。また、これまでの制度設計に当たっては、国、東京都、近隣自治体の動向を踏まえ、慎重に検討の上、構築した経緯がございます。償還払い導入への提案につきましては、コロナ禍における子育て世代の負担軽減の観点からも慎重に議論をする必要があると考えてございます。
不断の事務事業の見直しの中、本制度が必要なときに誰もが安心して利用できる制度として維持するためにも、適切な利用を踏まえた周知に努めてまいります。私からは以上でございます。
◎落合 環境清掃部長 私からは、喫煙マナー向上に関するご質問にお答えさせていただきます。
令和2年4月1日から、大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例が施行されております。条例の施行に当たりましては、その内容について、区民、自治会・町会、商店街、事業者の皆様に向けて、チラシの配布、区報、公共交通機関における周知、企業への訪問など様々な方法を活用し、広報を実施してまいりました。今後は歩きたばこやポイ捨てなど喫煙マナーを守っていただけない喫煙者の方への対策を進める必要がございます。そのため、たばこの販売店等におきましても、喫煙者の方へ向けた周知にご協力いただくよう働きかけを行い、喫煙マナーの一層の向上を図ってまいります。私からは以上です。
◎玉川 教育総務部長 私からは、分身ロボットの教育現場での活用についてお答えいたします。
教育現場での分身ロボットの活用につきましては、児童・生徒と学校を結ぶコミュニケーションツールとして、私立小学校や特別支援学校、フリースクールなどで導入事例があることは承知しております。また、例えば長期入院など身体的な理由等により学校に登校できない児童・生徒が、自分の分身ロボットを教室に置くことで、ロボットを通じて会話ができたり、授業や教室の様子を自発的に見ることができるなど、コミュニケーションの補助ツールとして期待できるものと考えております。
現在、教育委員会では、児童・生徒1人1台のタブレット端末の配備を目指し、ICTを活用した双方向のコミュニケーションの実現に向けまして検討を進めております。今後もICT機器を活用した質の高い教育を目指していく中で、分身ロボットなどの様々なツールの活用等、いかなる状況においても学びを止めない教育環境の整備に取り組んでまいります。以上でございます。
○塩野目 議長 次に、40番須藤英児議員。
〔40番須藤英児議員登壇〕(拍手)
◆40番(須藤英児 議員) 令和大田区議団、須藤英児です。災害対応を軸に、まちづくり、ごみ問題、災害時の支援の三つの視点で質問させていただきます。
では最初に、災害に強いまちづくりについて。
日本では、人口の3割が浸水想定区域に住み、河川氾濫や増水による被害は毎年起こっております。今後も水害リスクが増大することを前提に、これまでの堤防整備などのハード重視から、河川流域の住民各自が日頃から備え、有事は速やかに避難するなど、自助の視点で河川と関わる流域治水という考えが広まっております。危険度の高い地域での開発制限により、被害を最小限に抑えるまちづくりを進める必要があると考えております。
さて、宅地建物の売買、住宅を借りる際には必ず行われる重要事項説明、この重要事項説明について、宅地建物取引業法施行規則の一部が改正され、8月28日からは新たに水害リスクの説明が義務づけられることになりました。購入者が災害リスクを知った上で、土地・建物を購入することは災害対策について考えるきっかけとなり、毎年のように全国で水害が発生する状況を鑑みると、大変有意義な改正だと思います。
最近の水害を振り返りますと、平成26年は広島市での土砂災害、平成27年は常総市での浸水被害、平成28年は岩手県、北海道での浸水被害、平成29年は朝倉市での土砂災害、平成30年は倉敷市での浸水被害、広島県各所での土砂災害、そして令和元年は台風19号による東日本広範囲での浸水被害、大田区も多摩川からの外水が、等々力排水樋管から逆流、矢沢川の閉門により、市街地などに降った雨が河川などに排水できない「内水による洪水」による浸水被害が、田園調布四丁目、五丁目で起きたことは皆様ご存じのとおりです。
私が注目するのは、平成30年7月豪雨により被害を受けた岡山県倉敷市真備地区、令和2年7月豪雨で被害が大きかった熊本県人吉市で、共に大きな浸水被害を受けましたが、実際の浸水範囲と洪水浸水想定区域図における浸水予測範囲がほぼ一致していることです。一方で、岡山県倉敷市真備地区のハザードマップに海抜が13メートルと書かれた地域で、ここは海抜13メートルだから大丈夫と言って逃げるのが遅れた事例があったとのことです。熊本県人吉市では、標高100メートル以上の中心市街地の広範囲で浸水被害が発生しました。水は高いところから低いところに流れますが、降水量と排水能力の差や河川の決壊が原因で、海抜が高くても浸水被害に遭います。つまりハザードマップの洪水浸水想定区域内に住んでいる方は、海抜などの情報によらず、速やかに避難することが命を守るために必要な行動となります。そのためには、水害リスク情報を危険な地域の住民に災害前に伝えておくことが必要となります。
そこで伺います。国の動きに先んじて、令和2年3月に区が、地域力を生かしたまちづくり条例を改正し、まちづくりの基本理念として、災害に強いまちづくりを追記したことは、各種ハザードマップなどの災害情報を区民及び事業者に提供する大変すばらしい取組だと評価いたします。条例改正に込めたその思い、改正後、区民、事業者からどのような反応があったのか、今後の取組などについてお聞かせください。
災害に強いまちづくりを進めるためには、建物の耐震化・不燃化が欠かせないと考えます。旧耐震基準建物の建て替えや耐震補強を促進することにより、大地震時における建物の倒壊を減らし、死亡者数を減らすことができます。また、建物倒壊による災害ごみを大幅に減らし、復旧・復興を早めることもできます。
内閣府による平成24年中央防災会議首都直下地震対策検討会ワーキンググループの報告書の中で、「建物の耐震化率を90%にすると全壊棟数と死者数を約5割減、建物の耐震化率を100%にすると全壊棟数と死者数を約9割減」と書かれています。平成24年想定の東京湾北部を震源とする地震規模がマグニチュード7.3の東京湾北部地震による大田区の被害想定は、建物倒壊は1万1108棟、死者1073人となっていますが、区内建物の耐震化率を90%にすることができれば、全壊棟数を約5550棟まで、死者数を約540人に、さらに耐震化率を100%まで高めることができましたら、全壊棟数は約1110棟まで、死者数を約110人まで減らすことができると考えられます。
また、「首都直下型地震などによる被害想定(平成24年4月)」に基づいた大田区での建物撤去などに伴い生じる約440万トンと想定されている災害ごみも、建物の耐震化率を100%で、10分の1の約44万トンまで減らすことができると推測されます。
そこで伺います。最新の大田区の建物の耐震化率の状況と、これまでの耐震診断、改修設計、改修工事、除却工事の助成実績と今後の動向などをお教えください。
平成30年6月18日発災の大阪府北部地震により、高槻市の小学校に設置されていたブロック塀が倒壊し、登校中の児童が亡くなりました。この事件をきっかけに、大田区では直ちに通学路沿いのブロック塀についての緊急点検を実施し、この結果、通学路沿いの高さ2.2メートルを超える塀や、劣化の進んだ塀が198か所確認できました。地震だけでなく強風でも倒れる可能性のある塀の安全を確保することは必須だと考えます。
私は、平成28年熊本地震発生後、復旧活動に入り、大量に倒壊したブロック塀の片づけに関わりました。令和元年台風15号では、千葉県鋸南町にて強風で倒れたブロック塀を片づけました。ブロック塀の倒壊防止も大規模災害時の災害ごみ削減につながります。
そこで伺います。大田区では、他の自治体に先駆けて、大阪府北部地震の2か月半後の9月には、ブロック塀をフェンスに改修したい方も利用できるブロック塀等改修工事助成を始めています。これと同時に、狭あい道路拡幅整備事業や生垣造成に合わせて塀を撤去する場合の助成額も拡充しており、利用者のニーズに合わせて利用できる三つのブロック塀の助成制度がありますが、平成30年以降のこれまでのブロック塀撤去に関する三つの助成事業の利用実績と、通学路沿いの塀の所有者に対する改修の働きかけについて、区の取組状況をお聞かせください。
次に、災害ごみについて。
令和2年7月豪雨による浸水被害、土砂災害は、九州南部から始まり、四国、中国、中部、そして東北と約1か月間続き、日本各地で大きな被害を引き起こしました。被害の大きかった人口3.2万人の熊本県人吉市では、堤防が決壊、中心市街地の大部分が浸水被害を受けました。浸水により水につかった家具や家電、食器、衣服や書物や写真アルバム、暮らしや生活に結びつく多くの家財が災害ごみとなりました。水を含んだ畳などの放置は、発酵による発火の危険性があります。また、住宅地に広く流れ込んだ漂着ごみも問題となっていました。大量に発生した災害ごみは復旧の足かせになり、早期復旧に向けて災害ごみの処理は大きな問題となりました。
人吉市では、市中心部から車で約20分の場所にある工業用地に4.5ヘクタールの中間仮置き場を設け、7種類に分別して、被災者の手で持ち込むことが原則でした。しかし、中間仮置き場まで運ぶための人手や自動車の不足により、可燃ごみ、不燃ごみが混在した状態で空き地などに一時的に持ち込む「勝手仮置き場」が市内15か所に発生しました。分別されてない災害ごみは分別・運搬に多くの労力と時間が必要で、災害時のごみの分別の問題は大きいと考えます。
市街地中心に4700棟が浸水被害に遭った人吉市では、3.3万トンの災害ごみが発生しました。この事例を大田区に置き換えて考えたとき、独自試算での大田区の住宅棟数約22万棟のうち6割が浸水被害を受けた場合には、96.28万トンの災害ごみが発生すると推測されます。このように、大量の災害ごみを迅速に処理するためには、ごみを排出する段階から適切に分別することが必須であると考えます。また、事前の備えとして、家具や家電製品の転倒・落下・移動防止などの対応を行うことで、災害ごみの発生を抑制することができます。
令和元年台風19号により浸水被害に遭った大田区田園調布四丁目、五丁目でも多くの災害ごみが発生しました。大田区では通常のごみ収集とは別に収集車両を手配し、連日、災害ごみの処理に当たっていたと認識しております。一方で、災害ごみが出されていた現場を思い起こしますと、公道沿いの集積所以外の場所にも多数の災害ごみが出され、また、可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみが分別されずに積み重なって出されていた光景が印象的でした。災害ごみであっても、通常のごみ処理施設で処理することから分別して排出する必要がありますが、令和元年台風19号のときの状況を振り返ると、区民への周知が十分でないと感じます。
そこで伺います。大田区が大規模な地震や風水害に遭った場合、災害ごみの分別排出が早期の復旧には欠かせないと思いますが、区民への事前周知に関する取組について、区の考えをお聞かせください。
最後に、災害時支援について。
災害によりガス、水道、電気などが止まると、通常の食事や生活ができなくなります。特に大規模水害時は備蓄品、生活品の全てが水につかるため、発災直後からの物資の支援は重要です。
例えば飲料水、発災すぐに求められるものは、生命の維持に欠かせない水です。発災からの時間の経過とともに水が十分に供給されますと、要望はお茶やスポーツドリンク、炭酸水など細分化され、さらに日数経過とともに、子ども向けのノンカフェインのお茶が欲しいなど要望もより具体化されていきます。必要不可欠と見込まれる物資を調達し被災地に送るプッシュ型支援、過去に被災地での必要な物資や数量が把握できず、被災者に十分な物資が行き渡らなかった教訓から、平成28年の熊本地震のときから、自治体の要請を待たず、送り先や物資を決めて送るプッシュ型支援が実施されるようになりました。
ただし、プッシュ型支援は、被災直後の混乱期を乗り切るための緊急処置であり、支援物資が過剰に届いて被災地を混乱させるミスマッチを起こすことが多いのが現状で、早い段階で自治体の要望を把握して、プル型支援に切り替える必要があります。また、被災した自治体での事務手続きが増えるため、多くの人手が必要となり、人的支援も必要となります。
災害後の支援の受入れは、支援の送り出しと比べると機会は少ないと考えますが、支援の受入れ態勢は平時から備えておく必要があります。また、支援の受入れを備え、考えておくことで、ミスマッチの少ない、よりよい支援の送り出しができると思います。
そこで伺います。基礎自治体大田区として、他自治体への支援の仕組みと、物的支援と人的支援などの支援実績をお聞かせください。
また、大田区の他自治体からの物資の受入れ態勢と実績、平時における支援物資の受入れのための取組、他団体との連携、災害時の受入れ態勢などをお聞かせください。
これで私の質問は終わりです。ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎後藤 総務部長 私からは、被災地支援に関するご質問にお答えいたします。
被災地への支援については、平成30年から国が被災自治体と支援自治体を原則1対1で応援職員を確保し、支援する対口支援を制度化しております。区では東京都を通じて、平成30年7月豪雨の際に岡山県倉敷市へ職員2名を交代制で12日間派遣するとともに、独自の支援として、区内の町工場と連携して作成した土のう袋スタンド「大田の輪」を200個支援いたしました。同じく昨年の台風15号では、千葉県君津市に職員2名を交代制で16日間派遣するとともに、館山さざなみ学校がある館山市へ、不足していたトラロープやブルーシートをお届けいたしました。このほかの枠組みといたしまして、特別区長会等の要請に基づき、広島県三原市へ8日間1名、北海道厚真町へ6日間4名、千葉県館山市へ職員3名と清掃車1台を5日間派遣いたしました。
こうした支援活動を通じて蓄積された実践的なノウハウを区の災害対応に活かして、今後も対口支援を基本としながら、防災協定締結自治体等の被災に対しては、協定に基づき、速やかに現地の要請に応えられるよう努めてまいります。私からは以上です。
◎須川 危機管理室長 援助物資の受入れ態勢に関するご質問ですが、大規模な風水害や震災によって被災した場合には、国や東京都、協定締結自治体などから援助物資を受け取ることを想定しております。区の受入れ態勢につきましては、拠点施設として京浜島新設備蓄倉庫のほか産業プラザと大森スポーツセンターを開設し、受入れを行うこととしております。また、援助物資の受入れ、払出し業務を円滑に行うために、区は民間物流企業と災害時における物資輸送等に関する協定を締結しております。物資輸送調整業務への助言、また物資拠点施設の運営補助など、民間ノウハウを活用しながら対応してまいります。
なお、本区が被災した際に他自治体から物資を受け入れた実績はございません。
◎齋藤
まちづくり推進部長 私からは、地域力を生かした大田区まちづくり条例の昨年度に行った改正に関するご質問にお答えをいたします。
令和元年10月に発生しました台風19号では、区内においても大変大きな被害を受けておりまして、その教訓から、建築物に対する防災対策の第一歩として、予想される災害を区民に知ってもらうことは大変重要だと考えてございます。このような観点に立ちまして、昨年度に災害に強いまちづくりの考え方を取り入れまして、速やかに条例改正に取り組んだことが、結果として国の取組に先行したものでございます。
ハザードマップ以外にも、災害対策に関する情報や各種助成制度が多数ございまして、これらの情報を区民や事業者に的確に伝えることは区の責務でございます。地域力を生かした大田区まちづくり条例改正後、まちづくり推進部の各課、都市基盤管理課、防災危機管理課、特別出張所の窓口に、災害対策に関する問合せ窓口一覧表を備えつけまして、来庁者への周知に取り組んでございます。特に都市計画課窓口での事業者からのお問合せが一番多く、災害対策に関する問合せ窓口一覧表の配布もここで行っております。これによりまして、職員へのご質問や来庁者がハザードマップをお持ち帰りになるケースが増えまして、防災に関する関心が高まるなど、条例改正による効果が出ております。
防災意識を区民に啓発し、地域全体に広げることで災害に強いまちづくりを促進することは、区民にとって大きなメリットになると考えてございます。引き続き家の購入や改築等の機会を捉えまして、災害対策に関する情報などを確実に区民に伝えていくことで、災害に強いまちづくりを目指してまいります。私からは以上でございます。
◎青木 都市開発担当部長 私からは、大田区の建物の耐震化と危険なブロック塀の撤去の2問にお答えをいたします。
大田区の住宅の耐震化率は平成29年度で88%となっており、1年に約1ポイント上昇していることから、令和元年度末で90%程度と推測されます。平成18年度に開始した耐震化助成事業は、令和元年度末までに耐震診断助成が2206件、耐震改修設計助成が1011件、除却を含む耐震改修等の工事助成が1080件となっております。このうち、木造住宅除却助成は62件となり、改修工事による件数38件を大きく上回りました。旧耐震基準で建てられた木造住宅は築後39年以上経過しており、建て替えによる耐震化のニーズが高く、除却助成を戸別に周知し、耐震化につなげてまいります。
1棟当たりの戸数の多い非木造建築物に対しては、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に重点的に取り組んでおります。最大で工事費の9割を助成する有利な制度を建物所有者にご説明し、助成期限までに設計に着手するよう働きかけております。また、分譲マンションなどでは、マンションの総会などにも積極的に参加し、耐震化に踏み込んでいただけるよう、全力で建物所有者の合意形成をサポートしてまいります。
続きまして、ブロック塀撤去に関する助成事業についてのご質問ですが、平成30年9月以降、令和2年8月末までに生垣造成助成8件、狭あい道路拡幅整備事業59件、ブロック塀等改修工事助成事業で30件、合計97件のブロック塀等撤去に関する助成を受け付けております。また、大阪府北部地震直後、通学路沿いのブロック塀を調査したもののうち、高さ2.2メートルを超えるブロック塀120件と劣化等のある塀23件、合計143件について訪問した結果、これまでに26件の改修につなげてまいりました。
訪問の際には、教育委員会の職員とともに、通学中の児童の安全確保のため塀の改修のお願いをいたしました。今年度はその他の通学路沿いの塀の所有者約450件にもポスティングを始めており、引き続き通学路沿いの塀の所有者に対して助成制度の紹介とともに、塀の適正管理の重要性を啓発することで、危険な塀の改修に努めてまいります。私からは以上でございます。
◎落合 環境清掃部長 私からは、災害時におけるごみの分別排出に関するご質問にお答えいたします。
議員お話しのとおり、災害時においても、排出段階から適切な分別を徹底していただくことが、迅速かつ効率的な処理につながります。区は、昨年の台風19号による災害ごみの処理経験を踏まえ、区ホームページ等で災害時のごみの分別について広報するとともに、ごみの積み替え場所や、地区仮置き場等で使用するのぼり旗の購入など、災害に備えた対応を進めております。
また、収集車両を確保するため、東京二十三区清掃協議会の協力の下、委託先との調整を図るほか、令和2年4月1日付けで他の特別区及び関係事業者6団体と、災害ごみとし尿の収集運搬及び処理についての協定を締結いたしました。引き続き災害時のごみの適切な分別・排出について、清掃だよりや、ごみ分別アプリ等を活用し、区民の皆様への周知に取り組んでまいります。
○塩野目 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。
午後3時1分休憩
――
――――――――――――――――――
午後3時20分開議
○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、会議時間を延長しておきます。
質問を続けます。49番荻野
稔議員。
〔49番荻野
稔議員登壇〕(拍手)
◆49番(荻野
稔 議員) 東京政策フォーラムの荻野 稔です。今回は質問通告に従いまして、3件質問をさせていただきます。
まず、防犯について質問いたします。
大田区では、安全・安心なまちづくりのため、防犯カメラの設置、また防犯カメラを設置、運用している自治会・町会、商店街等の地域団体に対して、維持管理費の一部を助成しています。維持管理費として、電気料金など、また移設・修繕費などにも補助を行っております。防犯カメラのメリットとしては、犯罪などの証拠保全とともに、そもそもの犯罪の抑止という効果もあります。こうした防犯カメラの運用がしっかりとなされていれば問題がないのですが、盲点となるような事態が生じていたことを先日確認いたしました。
その事例では、物品の盗難が行われ、警察に被害届を出したところ、警察が防犯カメラを調べたところ、SDカードの接続不良とのことで録画がされていなかったという案件です。これでは置物と一緒です。先ほど公明党の田島議員も指摘されていましたけれども、ここ数年の区政への世論調査で、区民の皆様が関心のある上位は防犯が占めておりますけれども、やはりしっかりと運用されていることが大切です。電気代や移設、修繕などについては区も補助していますが、カメラ自体の運用についてどのように指導しておりますか。新たな建物の建設なども含めて設置場所や角度、そして防犯カメラ自体の運用についても定期的に呼びかけをするべきではないでしょうか、見解を伺います。
続いて、夏季の労働環境について伺います。
熱中症による被害が後を絶ちません。総務省の統計によれば、全国で8月24日から8月30日までの間の熱中症による救急搬送人員は7700人を超えました。東京都でも6月1日から8月30日の間で緊急搬送が5000人を超え、東京都の8月の熱中症関連の死者数は187人です。報道によると8月の死亡者数31人、7月は7人という、
新型コロナウイルス感染症よりも多くの死者を出しています。
環境で見ても、20年前の約2倍、真夏日が増えています。真夏日は最高気温が30度以上の日のことを指しますが、1年間の真夏日の日数が多くなるほど熱中症死亡者数も多くなると言われています。地球温暖化やヒートアイランド現象の影響もあり、東京都では朝は都心が周辺に比べて1度から2度程度高温になっております。この傾向はさらに続いていくと思われます。
大田区としても既に広報はしておりますけれども、区職員や関連事業者から、まず熱中症による死者を出さない。そして、職員の方等が強く意識を持つことが、区民の皆様の熱中症対策への意識強化にもつながっていくのではないかと思います。特に日中、長時間屋外作業することが想定される区の職員、清掃事業者、また区が発注する工事業者などに対しても、啓発や労働時間、環境などについての対策が必要ではないでしょうか。大田区は職員等へどのような対策をしていますか、見解を伺います。
ウィズコロナでのイベント再開について伺います。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、大田区でも多くのイベント、事業が中止になりました。イベントに限った話ではありませんが、今回の令和2年度一般会計第6次補正予算でも、工事や会議、事業の延期、見直しなどで19億円の減となっています。また、大田区内施設でのイベント中止、返金なども相次いでおります。区内には産業プラザPiO、アプリコ、区民プラザ、大田区総合体育館、大田スタジアムなど大型施設もあり、影響は大きいです。少しでも元の形に近い形で施設利用や催しが実施できるようにしていくことも大切です。東京都の感染防止徹底宣言、お隣の埼玉県彩の国「新しい生活様式」安心宣言などの取組も比較的近隣の自治体では行っていますが、大田区としても啓発をするべきです。
私は、東京青年会議所大田区委員会に所属していることもあり、8月15日、16日に、中野区で開催された中野駅前大盆踊り大会のお手伝いに参加しました。このコロナ禍での実施ですので、東京都感染防止徹底宣言に協力をしたうえで、イベントでの範囲を仕切り、参加者の管理、マスク着用、ソーシャルディスタンスの徹底を行った上で、オンライン配信も併せて開催されました。スタッフ向けには、感染症対策などを含めたチェックシートも配付され、
新型コロナウイルス接触アプリCOCOAについても啓発されました。
現在、総会を開けず役員の方が結果を掲示板で報告するのみになっているという自治会も区内にあります。オンラインの活用も併せて進めるべきではありますが、地域の方々同士での顔の見える関係を継続できないと、地域社会の縁が希薄になり、様々な社会問題の悪化にもつながります。空きが続いていけば施設の運用にも支障が出ます。とにかく全部が怖い、中止というのではなくて、対策をしたうえで付き合っていくこともどうしても必要になります。ウィズコロナでの地域社会の在り方、そして区事業の再開や施設利用についての大田区の見解を伺います。
以上で質問を終わります。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎後藤 総務部長 私からは、職員の熱中症対策についてのご質問にお答えいたします。
今年の夏は、東京都心の8月の猛暑日が観測史上最多の11日間となり、9月に入りましても大変厳しい暑さが続いております。このような中、
新型コロナウイルス感染予防として、症状がなくてもマスクを着用することが求められており、例年より職員の熱中症が心配されております。区では6月に、小まめな水分補給や適宜マスクを外すほか、日頃からの健康管理や暑さに備えた体づくりなど、コロナ禍の新しい生活様式における熱中症予防行動のポイントについて、全職員に周知いたしました。
特に屋外で作業を行う職場では、今年度も急速冷却剤や塩あめなどを購入し、熱中症予防に努めております。また、清掃事務所・事業所の現場におきましては、日中の最高気温が午後2時前後に記録されることが多いことから、これまで以上に効率的なごみ収集に努め、昼間の暑い時間帯の作業を避けることや、定期的な水分や塩分の補給、適切な休憩時間の確保などについて周知を徹底しております。
引き続き、職員への様々な注意、啓発を通じて熱中症予防に努めてまいります。私からは以上です。
◎須川 危機管理室長 防犯カメラの運用に関するご質問でございますが、防犯カメラをより安全なまちづくりに役立てるためには、設置後、機器や運用方法を定期的に点検し、必要に応じて更新、見直しをすることがとても重要です。防犯カメラの運用については、防犯カメラの設置検討に当たり、区は、自治会・町会、商店街等から防犯カメラ設置の申請を受領後、警察へ意見の照会をし、設置予定場所や台数など防犯設備の整備に支障があるかないかの確認を行い、その意見を参考に審査を行っています。
また、区では、防犯カメラ維持管理費に係る補助金制度を活用して、防犯カメラを設置した自治会・町会、商店街などに対して、防犯カメラの設置及び更新を促進することを目的に、その維持管理に要する費用の一部を補助しております。なお、毎年、補助団体に対し、補助制度の案内をしておりますので、その機会を捉えて、防犯カメラの適切な設置、運用がされているか確認するよう呼びかけてまいります。
次に、イベント実施に関するご質問でございます。
区は、
新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、今年度内の区主催イベント、式典の開催を原則として中止することを決定いたしました。一方で、新しい生活様式を取り入れながら、区民生活支援、区内経済対策に取り組み、社会経済活動を維持していくことも必要です。そこで、区主催のイベントにつきましては、区民の皆様の安全・安心を第一優先とし、その在り方や新たな開催方法などを工夫・検討しながら、イベントごとに開催の可否について判断をしているところでございます。
また、区施設におきましては、東京都の感染拡大防止チェックリストを実施したうえで、
感染防止徹底宣言ステッカーを掲示するなど、区民の皆様に安心してご利用いただけるよう、感染拡大防止対策を徹底しております。地域の行事や民間のイベントにつきましても、国や東京都のガイドラインなどを踏まえ、感染拡大防止策を十分に講じた上で、ICTの活用など様々な手法で開催されているものと考えております。
引き続き、他自治体や民間の事例なども参考にしながら、今後のイベント開催の在り方について研究してまいります。以上でございます。
○塩野目 議長 次に、29番清水菊美議員。
〔29番清水菊美議員登壇〕(拍手)
◆29番(清水菊美 議員) 日本共産党大田区議団の清水菊美です。
まず初めに、国はこのコロナ禍でも強引に介護保険制度のさらなる改悪を進めています。要支援の介護外しと同様に、今度は要介護まで保険外しを可能とするものです。このような改定作業はやめることを強く求めておきます。
質問に入ります。コロナ禍において、介護施設における緊急対応について伺います。
党区議団は、介護事業所緊急アンケートを、8月17日に区内約600事業所に発送し実施しました。僅か2週間で1割を超える74通の返信がありました。コロナ禍での介護の現場の実態、従事者の切実な思いと度重なる制度変更に振り回され、膨大な事務量に苦労しているなど、困難さがひしひしと伝わってくるものでした。コロナ感染防止対策について、アンケートで多くの要望として寄せられたのは、「業務上、絶対に必要なマスク、使い捨て手袋が異常に高騰し、手に入りにくい状態で本当に困っています」、「布マスクは要りません。消毒液、手袋が足りません」などの声です。マスクや消毒液等は市場に出回っていると言われる8月の後半というこの時期に、このようなせっぱ詰まった声がたくさん上がっていました。
大田区は介護事業者へのコロナ感染対応として、大田区
新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所等及び障害福祉サービス事業所等に対するサービス継続緊急支援金が、第5次補正予算において可決されました。それぞれの介護事業所へ、コロナ対応への支援、1事業所30万円、施設サービス等は50万円が支給されるというものです。
新型コロナウイルス対策として要した経費の一部を支援金とするとしています。この支援金の補助対象は、新型コロナ感染予防に対して衛生品等、リモートワークに必要な電子機器、人手不足の対応に係る費用等ですが、領収書添付等、申請には煩雑な手続きがかかります。しかも、この支援金は一部のみで、1回限りです。対象期間は、令和2年4月1日から令和3年3月31日としているのに、これではとても足りないのは誰の目にも明らかです。コロナ禍の下、介護現場にあふれている声に応える区の支援が求められております。
伺います。介護事業者へ、消毒液、マスク、使い捨てプラスチックグローブ等の現物支給を実施すべきです。お答えください。
アンケートで、「コロナ感染拡大で困ったこと」について聞いた項目には、本当に多くの意見をいただきました。「いつ感染者が出てしまうか分からない恐怖。相手の命を奪いかねないスタッフの仕事継続へのストレスは計り知れません。それを取り除いてあげられるすべもなく、利用者へも絶対安全ですとは言い切れない中での事業継続は本当につらいです」、「コロナと闘っているスタッフへの配慮が欲しい」などです。また、隣の品川区が介護事業者に慰労金として1人当たり4万円、パートの方にも常勤換算した額が支給されていることについて、「大田区はどうしてできないのか」の声が大変多く上がっていました。
第2回定例議会で我が党の大竹区議の一般質問で、「医療、介護、障害福祉サービス等業務の職員に対して、区独自の上乗せした危険手当の新設を」と求めましたが、福祉部長の答弁は、「国の第2次補正予算の中で、
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の事業対象として、感染者や濃厚接触者に対応した事業所に勤務し、利用者と接した職員に20万円、それ以外の事業所で勤務し、利用者と接した職員に5万円を支援するので、区は事業所が利用する場合は、適切な相談や助言を行っていく」と答弁しました。しかし、感染者、濃厚接触者に対応した事業所に勤務し、利用者と接した職員に20万円の支援の対象期間は、6月30日までに発生した場合のみです。区内では特養1か所、障がい者施設1か所しか該当しません。7月以降に陽性者が発生した施設は対象になりません。それ以外の事業者に勤務し、利用者と接触する職員への交付金1人5万円は、8月末に1回目の申請の締切りでした。申請の手続きが、職員一人ひとりから委任状を取るなど煩雑で大変と言っている現場の声があり、まだ申請していない事業者もいます。
区は、「交付金の適切な相談や助言を行う」と答弁しましたが、事業者が東京都に申請するものです。区は、相談があったら、都のホームページを見てくださいと言うだけです。これが適切な助言と言えるでしょうか。感染防止の責任とストレスの下で働き続ける職員一人ひとりに、いまだにこの交付金は届いていないということになっています。
伺います。介護を支える介護従事者へ、大田区独自の危険手当の支給を求めます。お答えください。
また、アンケートでは、「感染対策をしてほしい」、「職員のPCR検査をしてほしい」、「感染が心配で、利用を控える方が多い」などがありました。千代田区では、介護に関わる職員にPCR検査を公費で3か月ごと行うとしています。世田谷区では、介護のみならず、保育園等の職員にもPCR検査を定期的に行うことを発表しています。大田区でも事業者に費用の負担をさせるのではなく、公費で誰でも安心して定期的にPCR検査を受けることができ、無症状の陽性者を見つけ出し、隔離していくことが感染を防止し、利用者、区民の不安の解消につながります。現在、区内の特養ホーム、有料老人ホーム、老健、グループホーム等の施設では、感染防止のために面会は禁止となっております。家族と数か月にわたり会うことができていません。しかし、区内の特養ホームでもコロナ感染陽性者が出ています。感染経路の特定は難しいと思いますが、新入所者や職員等からの可能性が考えられます。
9月3日に東京都は補正予算を発表し、PCR検査については、介護施設750か所の職員や利用者への検査費用15万人分の支援費用として30億円を行うとしています。都民の要望が一歩前進しましたが、全ての介護事業所職員がPCR検査を受けられるようにはなっていません。
伺います。特養等の施設に新たに入居する区民と、区内で働く全ての介護職員へ、定期的なPCR検査の実施を一刻も早く行うことを求めます。お答えください。
アンケートで、「通常時と比較して収入は減りましたか」と質問したところ、特に通所介護の事業所では、利用者のコロナ感染の不安からの利用控えにより収入が激減していることが明らかになりました。事業所によっては、3割、2分の1減った、数百万円もの減収という事業所もありました。介護事業所では通常から慢性的な人手不足、低い介護報酬、低賃金で働く職員、それらの困難に、コロナ禍で拍車がかかり、介護崩壊しかねない事態となっています。減収の補填がなければ事業を継続することができません。また、利用者やその家族からは、「事業所がなくなったらどこへ行けばいいのか」、「施設がなくなったら介護ができない、生活ができない」との声があります。国、東京都に支援を求めるとともに、大田区としても事業者を支援することが急務です。
伺います。利用者減となり、収入が激減した事業者へ、減収分の補填策を求めます。お答えください。
区介護担当者が区内介護事業者に通知した6月1日付け厚生労働省の臨時的取扱いの内容、介護保険最新情報842は、コロナ感染予防で収益が下がった事業所に対しての救済として、利用者が同意すれば、2段階アップ請求できるとしています。例えば通所介護の場合、5時間以上6時間未満765単位を月4回まで、2区分上位の報酬区分7時間以上8時間未満887単位に算定を可能としました。介護現場では混乱が生じています。同意しない利用者にはサービスを提供しない事業所があったり、利用者は断ったら通えなくなると思い、仕方なく我慢して同意してしまったなどです。コロナ禍による減収を利用者に負担を押しつけるのはおかしいとの声がアンケートでも多く寄せられました。このような理不尽な取扱いの改善を国に求めることを要望します。しかし、当面は介護保険者の区の責任が問われます。
伺います。現在利用者が負担している差額分は区が負担すべきです。お答えください。
続いて、コロナ禍での生活保護行政は、区民に寄り添ったセーフティーネットにすることについて質問します。
コロナ禍という、私たちがいまだかつて経験したことのない緊急事態に、国、社会の在り方が問われています。今後の日本社会を考えたとき、人権保障の視点を強くしていかなければなりません。真の貧困、低所得者対策とは、生活保護基準の引下げで、社会が対応すべき貧困と判断する基準を引き下げることではないはずです。国はこんなときに生活保護基準を引き下げました。健康で文化的な最低限度の生活を送ることができる、しっかりとした生活保護基準を保障することが、コロナ禍ではさらに重要となっています。
厚生労働省としては、コロナの事態を踏まえて、柔軟、迅速な保護決定をするよう事務連絡を4月7日に出しています。区もこの事務連絡を受けて、生活保護業務がコロナ対応となっていると聞いております。生活保護の要否判定に直接必要な情報のみ聴取、感染リスクを最小限に抑えること、稼働能力の活用に関する判断留保、一時的な収入の減により保護が必要になる方への留意点などを示しています。
厚生労働省のまとめでは、解雇者数は8月末時点で計5万326人に、5月から7月までの3か月間は月1万人を超え、8月も1か月で約9000人と高水準でした。6割超えが非正規労働者。業種別では製造業が最も多く、次に小売業、外出自粛で飲食業も苦境に陥っていると発表しました。大田区内においても、商店街、飲食店街ではシャッターが閉まったままの店が目立ち、町工場、製造業でも「仕事がない」の声が出ています。突然の解雇や休業強制は人々の暮らしを直撃し、生活保護の受給者も急増していると思われます。
しかし、7月15日健康福祉委員会に提出された大田区の生活保護の動向についてでは、2020年4月末時点では世帯数は1万3283世帯で、2019年の10月より減少しています。受給者数も1万5953人で減少しています。担当課からは、2020年5月、6月、7月の受給者数は未集計で公表できないが、増加はしていない。コロナ特別対応で家賃助成等を受けることによって生活が維持されているのではないか、リーマンショックのときのように半年、1年後に生活保護の相談が急増するのではないかとの見方をしているようです。
しかし、現在本当に生活に困っている区民は減少していると考えていいんでしょうか。先日、私のところに相談に来られた方は、「生活保護はできるだけ受けたくない、今は1日300円くらいで生活している」と言うのです。また別な人は「1度相談に行ったが、もう二度と行きたくない」と言うのです。生活保護を受けると、親族に連絡が行くから受けるのをためらっているという人もいました。生活保護への偏見で我慢していたり、相談の仕方が分からない区民もいるのではないでしょうか。安倍首相は、「文化的な生活を送る権利があるので、ためらわず生活保護を申請してほしい」と、6月15日に国会で答弁しました。
伺います。厚生労働省が作成した「生活保護は権利です」のリーフレットを活用し、ホームページ、区報などを使い、誰もが生活保護を受ける権利があること、心配しないで相談に来てほしいと広報、周知の努力をしてください。生活保護を受けて生き続けてほしいと、大田区が発信してください。お答えください。
大田区福祉オンブズマン制度2019年度運営状況報告書では、生活福祉に係る事例が多く報告されました。ある事例の調査では、「生活福祉課のケースワーカーが異動になったとき、次のケースワーカーへの引継ぎがお互いのコミュニケーションを密にして、被保護者への援助が切れ目がないようにする工夫が必要になります。残念ながら、こうした工夫が生活福祉課内で欠けていたと考えます」と報告がありました。生活保護を受けている高齢者が、担当のケースワーカーが1回会ったか会わないうちに代わってしまい、名前も覚えられないという声を聞きました。これでは相談もできません。2年、3年程度の異動年限の見直しが求められています。
また、ほかのオンブズマンからは、生活保護の返還金問題の事例で、「生活保護等の福祉の職員の丁寧な説明が大切だが、その説明がきちんとできている前提として、職員と利用者の信頼関係が必要で、ふだんから信頼関係が構築できる対応にしていくことが職員には求められている。人員体制、マニュアル、チェックシート、それを使いこなすための研修等、多方面の改善を進めていただきたい」と報告されています。さらに別の調査報告では、「生活福祉課からは、職員の数が足りておらず、職員の負担が過重になっている」との説明がありました。調査した生活福祉課は、令和元年11月時点でケースワーカー、面接員1人当たり90.3世帯、面接員の人数を除くとケースワーカー1人96.9世帯を担当、既に東京都から指導検査で勧告を受け、ほかのオンブズマンからも、このケースワーカー問題の提言がされていると報告がありました。
東京都の指導検査で勧告を受け、福祉オンブズマンからもケースワーカーの増員が必要と言われています。2020年の4月時点の各生活福祉課の被保護世帯数で試算をしてみました。面接員を除くと、現業ケースワーカー1人当たりの世帯数は、大森で95.7、調布で104.5、蒲田で97.2、糀谷・羽田で92.6となっています。社会福祉法16条では、現業を行うケースワーカー配置の標準数は、保護世帯80世帯に1人と定めています。
伺います。職員の過重負担を減らし、被保護者と信頼関係ができ、一人ひとりに寄り添った相談活動ができるようにケースワーカーの増員を求めます。お答えください。
以上で質問を終わります。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 私からは、ケースワーカーに関するご質問にお答えさせていただきます。
社会福祉法におきまして、生活保護法の適用を受ける被保護世帯数により、ケースワーカーなどの人数が標準として定められてございます。この標準の人数を踏まえ、定数算定をしたうえで、各生活福祉課に職員を配置してございます。また、就労相談や資産調査などにおきまして、専門的な知識や経験を持った会計年度任用職員を活用するなど、執行体制の充実を図っているところでございます。今後も社会情勢や被保護世帯数の動向を的確に把握し、生活保護事務の適切な執行に向けて適正な職員配置に努めてまいります。私からは以上でございます。
◎今岡 福祉部長 私からは、介護分野関連の5点のご質問に順次お答えをいたします。
まず、介護事業者への衛生物品等の支給についてのご質問ですが、8月から開始いたしました
新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所・施設に対するサービス継続緊急支援金の交付にて、マスクなど衛生物品等の購入を対象経費として事業者支援を実施しております。また、これまでも区の備蓄マスクや東京都から配付されたマスクを介護施設や介護事業所へ配付してまいりました。さらに、東京都からは、順次、マスクやプラスチックグローブなどの衛生物品が区に配付される予定でございます。今後も必要な衛生物品につきましては、区から適時適切に配付し、介護事業者を支援してまいります。
次に、
新型コロナウイルス感染症に係る介護従事者への手当支給についてのご質問ですが、国による介護施設・事業所に勤務する職員に対して慰労金を支給する事業が実施され、感染症や濃厚接触者に対応した事業所に勤務し、利用者と接触した職員に20万円、それ以外の事業所で勤務し、利用者と接した職員に5万円を支給することとなっています。区としましては、適切な支援が国から行われていると考えております。現時点では、介護従事者を対象とした手当の支給を行う考えはありません。
次に、特別養護老人ホーム等へ新たに入居する区民と介護職員へのPCR検査についてのご質問ですが、PCR検査の公費負担につきましては、現在国の
新型コロナウイルス対策本部会議において、「感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、その期間、医療機関、高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に、いわば一斉・定期的な検査の実施を都道府県等に対して要請する」など今後の取組が示されております。また、東京都は、
新型コロナウイルス感染拡大防止策として、特別養護老人ホームなどを対象にスクリーニングを含むPCR検査等を実施した場合の経費を支援する事業を、都議会第3回定例会補正予算案に計上しております。引き続き、PCR検査の実施に係る国や東京都の動向を注視し、介護従事者が安全に介護サービスを提供いただけるよう、区といたしましては支援してまいります。
次に、介護事業者の減収への対応についてのご質問でございますが、区では、事業活動に影響を受けている中小企業に対して、低利の融資を金融機関にあっせんし、全額利子補給する
新型コロナウイルス対策特別資金の融資あっせん制度を実施しています。また、独立行政法人福祉医療機構においても、
新型コロナウイルス対応支援資金として無利子の融資を行っており、区から事業者に情報提供をしております。さらに、国の給付金制度といたしまして、事業の継続を下支えし、事業全般に広く使うことができる持続化給付金、家賃等の負担を軽減する家賃支援給付金などの活用を案内してございます。現時点では、事業者の減収分を区から補填する考えはなく、各種融資制度や給付金を事業者に活用いただくことで介護事業を継続できるよう引き続き支援してまいります。
次に、厚生労働省より示された
新型コロナウイルス感染症に係る人員基準等の臨時的な取扱いに係る利用者負担についてのご質問でございますが、通所介護サービス等において、2段階上位の区分での介護報酬の算定を可能とするこの臨時的な取扱いの具体的な運用方法につきましては、通所介護事業者等が、必ずケアマネジャーと連携し、利用者の同意を事前に得ることが条件となっております。区といたしましては、通所介護事業所等における臨時的な取扱いは、介護サービスの安定的な供給に資するものと捉えております。感染防止対策に尽力している通所介護事業者の状況を利用者にご理解いただいた上で、利用者負担分について事業所から十分に説明いただくことが肝要であり、利用者負担分の一部を区が負担することにつきましては、現在のところ考えておりません。引き続き、適切な介護サービスが継続できるよう、臨時的な取扱いに関する国や東京都からの情報収集に努めてまいります。私からは以上でございます。
◎張間 福祉支援担当部長 私からは、生活保護の広報、周知に関するご質問にお答えいたします。
言うまでもなく、生活保護は、憲法第25条に基づく国民の権利です。生活に困窮した場合に、最低限度の文化的生活を保障する制度として生活保護があることは、既に区民の皆様に広く知られているものと認識をしてございます。区は、生活保護制度の概要や相談窓口について区のホームページに掲載をしているほか、各生活福祉課の窓口に「生活保護のしおり」を用意して、個々の相談に応じております。また、地域の民生委員をはじめ、大田区社会福祉協議会、大田区生活再建・就労サポートセンターJOBOTAや、区役所内の各窓口から生活福祉課の相談窓口につながるようにご案内をしております。さらに、今回の特別定額給付金を路上生活を余儀なくされる方々に周知する際のチラシにも、生活福祉課を記載してご案内をいたしました。区はこれまで同様、必要な方が生活保護を受けられるよう周知に努めてまいります。私からは以上です。
○塩野目 議長 次に、47番奈須利江議員。
〔47番奈須利江議員登壇〕(拍手)
◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
新型コロナウイルス感染症の出現で、多くの区民が自分と人にうつさないよう他者の命や健康も守るために、国や都道府県や大田区の様々な要請を受け入れ、そのことで暮らしに大きな影響が及んでいます。コロナの感染だけでなく、特措法や感染症法による自粛や、休校や、就労制限や、検査や入院などの法的強制が私たちの暮らしに影響を与えているのです。
フェアな民主主義リサーチ分科会は、今年6月にコロナの感染拡大防止に伴う外出自粛や営業時間短縮など、行政が講じた対策についてどう考えるのかアンケート調査を行いました。アンケート結果から行政が感染拡大防止のために講じた就労制限や、外出自粛や、営業時間短縮などによって、医療へのアクセス、学習、移動、就労、知る権利、ほか様々な人権が制約されていた状況や、それが世代ごとに異なっていることも見えてきました。また、テレビやインターネットからの情報が大きな影響を与えている状況も分かりました。
コロナが人権を過度に制限するのではないかという危惧は、3月の時点で国連専門家から指摘され、「国家は緊急対策を人権抑制のために濫用してはならない」、「全ての人は人命救助を受ける権利がある」という二つの声明が出されています。今回の行政という公権力が、コロナから命を守るために行っている制限が適正だったのか、人権を過度に制限していなかったか、引き続き検証していきたいと考えています。
コロナはあらゆる方たちに大きな影響を及ぼしていて、私も反貧困ネットワークの方たちのお手伝いもしています。
また私は、企業数で99.7%、雇用の約3分の2を占める中小企業や個人事業主などへの影響が、日本の経済構造と社会全体に深刻な影響を及ぼすのではないかと心配しています。飲食店では東京都からの営業時間の短縮要請で売上げが減るだけでなく、ソーシャルディスタンスや3密でこれまでの来客数を見込めない状況です。収益モデルを変え、減収を補おうとしていますが、そう簡単ではないと思います。
コロナの影響は数え上げればきりがありませんが、生じている問題は、コロナをきっかけにグローバル投資家に日本市場を明け渡すための構造改革、民営化、規制緩和などの問題を表面化させている部分も大きいと感じています。
中小企業憲章は今の私の気持ちを代弁しているので、一部省略して紹介し質問いたします。「中小企業は、経済や暮らしを支え牽引する。雇用の大部分を支え暮らしに潤いを与える。経営者は家族のみならず従業員を守る責任を果たす。中小企業は、経営者と従業員が一体感を発揮し、一人ひとりの努力が目に見える形で成果に結びつきやすい場である。中小企業は、社会の主役として地域社会と住民生活に貢献し、伝統技能や文化の継承に重要な機能を果たす。小規模企業の多くは家族経営形態を取り、地域社会の安定をもたらす。このように中小企業は国家の財産ともいうべき存在である。一方で、中小企業の多くは賃金や人材などに制約があるため、外からの変化に弱く、不公平な取引を強いられるなど数多くの困難にさらされてきた。この中で大企業に重きを置く風潮や価値観が形成されてきた。しかし、金融分野に端を発する国際的な市場経済の混乱は、かえって大企業の弱さをあらわにし、世界的にもこれまで以上に中小企業への期待が高まっている。」
そこで伺います。今コロナによる影響を受けている個人事業主や中小企業を守ることは、日本の産業構造において極めて重要だと考えていますが、大田区はどう考えていますか。
だから、持続化給付金や協力金などを給付し、大田区独自の支援もしているというのかもしれませんが、それで足りるでしょうか。昨日の区長挨拶や答弁で融資のことにも触れていましたが、早い段階から区長は、ウィズコロナ、アフターコロナと、コロナが長く続くことを前提にしているのに、貸出し枠を広げています。返済をどう考え支援しているのでしょう。しかも、国が行っている施策は、Go Toキャンペーン、Go Toイートなど、税金の大半が大規模事業者、大規模資本に流れる仕組みばかりです。
経済学者で法政大学教授の水野和夫氏は、月刊日本の6月号で、「大企業はある程度コロナウイルスによる売上げ減に対応できますが、中小零細企業はそういうわけにはいきません。すぐに対策を打たなければ次々に倒産してしまうでしょう。活用すべきは、これまで企業が積み上げてきた460兆円に及ぶ内部留保金です。これは企業がまさかのときに備えてため込んでいたお金です。今がそのまさかのときでしょう。今こそ内部留保金を使うべきです。そもそもこの460兆円には、企業が労働者から不当に奪い取ったお金が含まれています。この間、労働生産性は緩やかに上昇していましたが、企業は賃金を抑えていました。つまりこの内部留保金には賃金の未払い分が含まれているのです」と、大企業に税金投入するのではなく、大企業の内部留保を中小企業支援に回すべきだと言っています。
全体像を知らない誠実な多くの区民が、コロナだから仕方がないと今の状況を受け入れていますが、感染拡大防止とはいえ、特措法で国や都道府県が法的強制を行っていることにより、区民生活に影響が出ているのです。内閣官房に、特措法のつくりから一義的な責任は国にあると説明を受けました。
そこで伺います。今、経営に困っている個人事業主や中小企業は、新型インフルエンザ特措法により国から要請されて自粛しているのですから、要請している国に責任があります。個人事業主や中小企業への国や大田区の責任は大きく、その責任に見合った十分な支援が行われていないと考えています。大田区の考えを伺います。
さらに問題を感じるのが、PCR検査により陽性になった方が全て感染者として扱われている状況が続いていることです。現在、感染症法に基づき、
新型コロナウイルスは1年間指定感染症に指定され、就業の制限や入院の勧告とともに、感染症の発生を予防し、または感染症の発生状況、動向及び原因を明らかにするため、積極的疫学調査をしています。PCR検査の特徴は、増幅することにより少ない量のウイルスでも見られるところにあります。今コロナウイルスのPCR検査では、病原体検出マニュアルにより、何と2の40乗、1兆995億1162万7776、実質1億倍以上に増幅しているそうです。
厚生労働省に確認した際に、PCR検査のやり方によっては、幅広く検査しようとすれば無症状の人を拾ってしまうと言っておられました。PCR検査は病原性の新型コロナだけを検出するということで、感染防止の観点からほんの僅かなウイルスでも拡散を防止しなければならないという考えで、最大限の感度でPCR検査をされていると思います。しかし、実施にはPCR検査は新型コロナだけを検出する保証もなく、新型コロナも病原性や伝播力も実験的なデータが乏しく、日本の検査成績もPCR検査のサイクル数の限界値、Ct値も公表されていません。
そうなると、そこまで増幅してようやく出てきたコロナウイルスの陽性者が、どの程度人に感染させ、重症化するのか調査することが重要だと思います。これまでのPCR陽性者のCt値を公表することにより、
新型コロナウイルスがどのような感染力や病原性を持つのかということなど、感染防止に必要で適切な対策を医療従事者や、この問題に関係する事業者全般に共有することができると思います。行き過ぎた対策は経済的に多大な損失を招き、医療資源の浪費、医療崩壊につながります。適切なレベルの対策を速やかに実行することが求められているのです。
指定感染症にしているのも、検査した方たちの調査を行うためだと思いますが、大田区の保健所ではそうした調査を行っておらず、どこがどういう調査をしているか伺いましたが、ご存じありませんでした。その後、ネットで調べたところ、江東区や国立感染症研究所のホームページに調査用紙や結果が載っていましたが、年齢や既往症などが中心で、ウイルス量と感染力や症状との関係などについての調査は見当たりませんでした。
6月25日の厚生労働省から都道府県や各保健所設置市や特別区に宛てた文書では、これまでのPCR検査と調査の結果から、検査の日から10日たっても無症状だと隔離を解いてよい、退院させてよいというふうに運用も変わっています。ウイルス量と感染力や症状との関係などについても調査をしていけば、感染者数とその対応の在り方も変わってくるのではないでしょうか。
今年6月に承認された
新型コロナウイルス抗原検査キット、富士レビオの承認についての厚生労働省医療機器審査管理課の検査結果の資料によると、PCRで検出された97.3%のウイルス量が8以下になっています。長崎大学の発表したコロナウイルスの動物実験に関する総説論文によると、コロナウイルスの動物への感染実験では、どの研究においても少なくとも10万個のウイルスを投与しています。このPCR検査結果の大半、97%を占めるコロナウイルス量8以下だと、感染力があるのか、重症化するのか、今行われている大田区や全国のPCR検査結果のウイルス量はどの程度なのか気になります。
厚生労働省は、PCR陽性者全てについて、無症状者、重症者、死亡者別にPCRのCt値を公表するべきです。また、感染履歴の調査においても、感染伝播疑いのペア、集団クラスターの事例について、PCRのCt値によりその実態を明らかにする必要があります。これらのデータがあって初めて適切な感染防止策を取ることができるわけです。
しかも、今年6月に厚生労働省は、死因選択や精査に一定の時間がかかるので、コロナ陽性で入院中や療養中に亡くなった方については、厳密な死因を問わず、コロナで亡くなったと公表するようにしています。解剖もしていないということです。1年間に限定して指定感染症に指定しているのに、今国が行っている調査では、コロナの感染力も正確な死亡率も分かりません。法的強制を続けるだけで、指定感染症の目的を果たせているでしょうか。
厚生労働省でも5月以降、PCR検査だけでなく、抗原検査も行うことで、PCR検査の特徴と抗原検査の特徴を考慮しながら、ふさわしい検査を行うことで感染拡大防止に努め始めたようです。指定感染症の指定は、来年2月までの1年で、1年延長することができるので、延長するかどうかの検討が始まりましたが、公費負担がなくなることを不安に思う区民もいます。
私は、このPCR検査の増幅回数の大きさが、大きな混乱を招いてきた部分もあると思っています。
そこで伺います。感染や重症化の実態が明らかにならないままこれを続ければ、本当に医療を受けなければならない重症者への医療資源が不足したり、医療を提供できなくなる医療崩壊を招きかねません。現実に陽性になった場合、仕事を長期間休まなければならないなどの措置を恐れてPCR検査を行わないなどの、本末転倒の状況も起きていると医療の現場からは聞いています。PCR検査の増幅回数は、これまでの知見に基づき適正なサイクルにすべきではないかと思います。ところがせっかくPCRで増幅して微量なウイルスまで検知できるようにしながら、ウイルス量を示すCt値と、感染力や症状などについてのデータは公表されていないようです。大田区はどう考えますか。
東京大学医学部卒業で、国立感染症研究所感染症情報センター初代センター長、井上栄氏はその著書で、上下水道の優れた技術や手洗い、土足で家に入らない、箸で食べるなどの習慣が日本の高い衛生環境をつくってきたことを指摘しています。そこと医学的な知見に基づくコロナ対策に期待します。
コロナを科学的な知見が不足したまま拙速なワクチン認可の動きが心配ですが、コロナ後の世界、アフターコロナ、ニューノーマル社会など、コロナで社会は変わらなければならないといった決めつけで、リモートワークや遠隔診療、遠隔教育、対面の会議を避けるなどの推進がものすごい勢いで進んでいます。これらの多くは、コロナの感染予防という理由で始まったかのように説明されていますが、構造改革や国家戦略特区での事業者などからの要望事項として以前から挙げられていた企業利益につながるものがほとんどで、それらのデメリットや導入における課題が知らされないまま、この大田区でも推進する傾向にあります。きちんとメリット、デメリットを検証し、区民への広報も行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
コロナに乗じたグローバル資本の支配と個人情報管理の加速とに警鐘を鳴らし、質問を終わります。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 私からは、リモートワークや遠隔教育などの取組の推進についてお答えをさせていただきます。
リモートワークや遠隔教育などの取組につきましては、我が国の持続的な経済発展と人口構成の変化、地域間格差の是正などの社会的課題の解決を両立するソサエティ5.0の一部として位置づけられており、
新型コロナウイルス感染症が拡大する中、人の接触を減らすために有効な手だてとして、官民問わず、これまで以上に取組が進んでいるものと認識をしてございます。リモートワークやオンライン会議につきましては、感染拡大防止のみならず、業務の効率化やワーク・ライフ・バランスの推進などにも資するものであり、また、遠隔教育につきましても、教育の機会均等を確保するうえで重要な役割を果たす機能であると考えます。
区は、働き方改革やICT教育の推進などにおきまして、これらの取組を進めるための情報収集、試行などを行っているところであり、今後は効果的な実施に向けて検討、検証を行い、メリット、デメリットを確認してまいります。また、必要に応じて、区民の皆様への情報提供を行い、区民サービスの最適化を図ってまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。
◎山田 産業経済部長 私からは、産業経済に関する二つのご質問にお答えさせていただきます。
まず、個人事業主や中小企業を守るご質問でございますが、本区には高度な技術力を持つ中小ものづくり企業が多く集積をしており、その特徴である「仲間まわし」などを通じて、我が国のものづくり産業を支えていると認識してございます。また、区内には特色のある商店街や特徴的な個店も多数存在し、地域のにぎわいをつくり出すとともに、区内経済の循環、活性化に大きな役割を果たしてございます。
区内産業を構成している中小企業・小規模事業者は、区における大切な財産であるとともに、我が国の産業構造を支える不可欠な存在であると認識をしてございます。その支援は大変重要であると区では考えてございます。そして、この考えは、大田区産業のまちづくり条例におきましてもしっかりと明記をされているものでございます。区といたしましては、今後も個人事業主や中小企業の皆様にしっかりと寄り添い、区内産業の維持、発展に取り組んでまいります。
続きまして、責任に見合った支援に関するご質問でございます。
国の緊急事態宣言を受け、東京都は感染拡大防止のために、事業者の皆様に対して、施設使用の停止や営業時間短縮への協力を要請し、協力した事業者に対して協力金を支給しました。その後、新規陽性者数の再増加を受け、都は再び営業時間短縮を要請し、協力金支給を決定したことから、本区も独自の協力金支給を行う考えを表明いたしました。さらに、区は早い段階から経済状況の先行きを憂慮し、区が全ての利子を負担する23区最高レベルの融資あっせんを行い、これまでに3200件以上ものご利用があり、区内の企業、事業者、ひいては地域経済を支えてきたと認識をしてございます。
このほかにも、大田区産業振興協会における特別相談窓口の設置や、新たな生活様式に対するための店舗改善助成など、様々な緊急経済対策を実施しております。都区制度における税財政上の様々な課題がある中、区は必要な支援を行い、地域経済を支えているものと考えてございます。私からは以上でございます。
◎伊津野 保健所長 PCR検査の増幅回数を適正なサイクルにすべきとの質問ですが、PCR検査の増幅回数は、国立感染症研究所による病原体検出マニュアルで示されているとともに、検査機関は、法に定められた精度管理調査を受けておりますので、検査は適正に行われているものと認識しております。私からは以上です。
○塩野目 議長 次に、46番平野春望議員。
〔46番平野春望議員登壇〕(拍手)
◆46番(平野春望 議員) エールおおた区議団、平野春望です。話したいことを詰め込み過ぎましたので、少し早口でしゃべらせていただきます。よろしくお願いいたします。
新型コロナウイルス感染症は、9月10日現在、全世界での感染者が2800万人に迫り、我が国においても、感染者は7万4000人を超えており、東京都においては、一時より減りましたが、連日数十人から200人を超す新規感染者が確認されております。区ではこれまで感染者が900人となり、最近では保育園や区立小中学校での感染者が出るなど予断を許さない状況となっており、収束への道のりは長期間に及ぶものと考えております。こうした状況を踏まえ、区は感染拡大防止策の徹底を図りながら、区内事業者を支援するために、区民の生活と命を守るために、区独自でも様々な施策を行っていると認識しております。しかし、このコロナ禍はいつ収まるか全く見通しが立たない状態になっており、ウィズコロナというコロナウイルスと共存する生活が一、二年、下手をするともっと長期間に及ぶかもしれません。
区は、令和4年度までの3年間で、リーマンショック時を超える約580億円の財源不足となることを想定していると聞いております。このような時期だからこそ、地方自治法にも何度も出てくるように、住民の福祉の増進に努めることが大事になってくると思います。住民の福祉のために公共サービスを維持していくためにも重要な歳入の問題として、今回はふるさと納税を取り上げたいと思います。
ふるさと納税とは、実質的には寄付制度であり、寄付者は自己負担額2000円を超えたものが所得税、住民税から控除されます。そのため寄付者が居住する自治体では、本来入るはずの住民税が失われることになります。平成20年度の税制改正により始まったこのふるさと納税は、年々影響が大きくなりつつあり、住民税がマイナスの影響を受けており、住民税の流出額が毎年1.4倍ずつ増え、6億円前後増加しています。令和元年度の大田区の住民税は、ふるさと納税により、本来の課税額に比較して25億8200万円余りのマイナスの影響を受けました。ただ、令和2年6月1日の時点でのふるさと納税は25億7000万円余となっており、ほぼ横ばいになっています。これは、令和元年6月より法改正がされて、返礼品の地場産品基準の強化や寄付額の3割までというルールが厳格化された影響もあるかと思います。しかし、寄付をすれば実質的に返礼品がもらえるという今の制度では、流出額が増えていく傾向にあると考えられます。
総務省の統計資料によれば、2019年に最も住民税控除額が大きかった市区町村は136.7億円の横浜市、以下、名古屋市、大阪市など大都市が並びます。しかし、これらの市は地方交付税による補填が受けられるため、実質流出額はその4分の1にとどまります。横浜市をはじめ、多くの自治体が補填を受ける一方、独自の税収で財政運営ができる東京23区や川崎市などは地方交付税を受けておらず、ふるさと納税で多額の住民税が流出しても補填がない状態が続いています。その実質住民税流出ランキングで言うと、1位は56.4億円で川崎市、2位は53.4億円で世田谷区、3位は42.5億円で港区、4位は34.1億円で横浜市、大田区は25.7億円で5位です。このように、23区で3位の実質住民税を流出しております。
質問します。区は、今年度から令和4年度までの3年間で、リーマンショック時を超える約580億円の財源不足となることを想定していると聞いております。このような状況下で、区として、このふるさと納税に関する住民税の減収についてどうお考えでしょうか、区の見解をお聞かせください。
他の23区の自治体では、ふるさと納税の流出を防ぐために、ホームページを工夫しています。例えば世田谷区は、「ふるセタ」というページで区のふるさと納税についての考え方を示しています。その中には、ふるさと納税をした人は返礼品による見返りを受け、実質的に税負担減の恩恵を受ける一方、住民税の減収による行政サービスの低下は区民全体で受け入れざるを得ないという、ふるさと納税をする区民と、しない区民の不公平感についての説明があります。また、今後、福祉に係るお金が400億円や、学校改築にかかるお金が500億円かかるなどという説明もあります。この中で、区内の人も、区外の人も寄付をしたい人には呼びかける。今ですとPCR検査の充実や子どもたちへの未来への投資など、多彩なメニューをそろえています。
また、杉並区では、返礼品を障がい者の就労支援や工賃アップにつながるように、障害者施設でつくられたものを使ったり、返礼品を児童養護施設にプレゼントできるようにしています。また、流出額をはっきりと示して、その金額で何ができたのか分かりやすく説明をしています。例えば特別養護老人ホーム等の施設整備補助金が24億円、小学校41校分の運営維持経費が約22億円などという記載があります。
質問します。こういった具体例を挙げて、区外にふるさと納税する区民が増えると、本来区民が受けられるべきである行政のサービス低下につながる可能性があることを分かりやすく伝えることが重要ではないでしょうか。例えば大田区の減収分25億円余あれば、現在の区の事業で言えば、すこやか赤ちゃん訪問や産後ケア事業の12億6000万円余、障がい者総合サポートセンター「さぽーとぴあ」の運営費8億円余、特養老人ホーム等の介護保険施設等の整備支援の3億円余、子どもの生活応援について400万円余など、これらを足し合わせてもまだ余るぐらいいろいろなことができます。実際にイメージができるように分かりやすく伝えることが重要かと思います。区の見解をお聞かせください。
ほかにも魅力的な返礼品をそろえるということで、ふるさと納税による住民税の減収を防ぐ方法も考えられます。例えば区内産業の活性化の観点から、大田区お土産100選のような魅力的な商品、コロナで打撃を受けている区内ホテルの宿泊券と航空会社の航空券などをセットにして旅行券やクーポンとして提供すること、また区内施設の年間パスポート、例えばゆいっつの宿泊券、郷土博物館、熊谷恒子記念館、龍子記念館など、勝海舟記念館と併せて区内の観光スポットを回っていただくきっかけにするというのも、一つの案だと思います。
また現在、大田区のふるさと納税は返礼品として、勝海舟基金と子ども生活応援基金の二つの制度について選択ができるようになっています。もし返礼品競争に乗らないで寄付文化を醸成するというお考えがあるのでしたら、例えばこれを世田谷区のように、PCR検査など区のこの事業に寄付したいと思えるような魅力的なメニューを増やしてはどうでしょうか。
質問します。こういった区外からふるさと納税の寄付を増やすために、返礼品や寄付メニューを増やすということについていかがお考えでしょうか、区の見解をお示しください。
次に、代表質問で我が会派の北澤議員が、「誰もが尊重される安心のまち」を取り上げたように、高齢者、障がい者の人権を守るために、成年後見制度について質問したいと思います。
区では、高齢者や障がい者の権利擁護のために、成年後見制度の利用促進を図っており、大田区成年後見制度利用促進基本計画で、成年後見制度の利用を進められていると思います。そして、成年後見制度では、利用される方の判断能力に応じ、後見、保佐、補助の三つの類型が用意されています。
先日、区内で、司法書士の方が講師の成年後見制度についての勉強会に参加しました。そこで、成年後見制度を使った当事者が保佐人を変更したいという事例についてお話がありました。保佐人は、当事者本人と面会せず話もしない、本人の意思や利益に反するような言動があり、保佐人を解任したいというものでした。しかし、家庭裁判所はそれを許さないというお話がありました。
この件を通して、現行の成年後見制度では、職務執行に問題がある後見人を変更するのに裁判手続きを取らなければならない仕組みであり、利用者にとって非常に負担が大きいものと感じました。現状、成年後見制度を実施する裁判所は、後見人等に対する苦情などを受け付けておらず、成年後見を利用している市民やその家族が後見人等と紛争となった場合、解決する窓口がないと思いました。区では現在、成年後見制度の利用を進めていますが、利用している市民やその家族の実情、ニーズをしっかりと把握する必要があるかと思います。
質問します。区は、成年後見制度について本年度4月以降、中核機関を設置し、機能を開始したと聞いております。中核機関の役割は、成年後見制度の周知と啓発、成年後見制度及び権利擁護に係る相談支援、後見人の受任者調整支援、親族などの成年後見人への支援となっております。その役割の一つである権利擁護支援検討会議とはどのような役割を果たすのか、お伺いします。
また、今回、事例でお話ししたケースのように、制度利用後に、ご本人と成年後見人等との間で問題が起こることはあると思います。そうしたことが起きても、ご本人の意思が尊重される、人権が守られるような支援が必要だと考えます。中核機関としてどのような役割が果たせるのかお伺いします。
最後にですが、障害者権利条約に関する国連の審査の過程では、日本の成年後見制度のうち、特に「後見」について重大な懸念が示されています。利用促進どころか、反対に廃止すべきという意見もあるやに聞いております。廃止を願う意見があるほど問題をはらんでいる制度だとすれば、区としてもご本人の人権が守られるよう、意思が尊重されるように、ご注意やご配慮いただきたいと思います。
以上、新型コロナ禍のふるさと納税について、そして高齢者や障がい者の人権を守るための成年後見制度について質問させていただきました。前向きで建設的なご答弁をぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 私からは、ふるさと納税に関する住民税の減収についてのご質問にお答えをさせていただきます。
ふるさと納税制度は、生まれ故郷や地方団体の様々な取組を応援する気持ちを形にする仕組みとして、平成20年度に創設をされました。返礼品を受けた住民が恩恵を受け、その他の住民は減収による行政サービスの低下を受け入れざるを得ないといった不公平が生じていることなど、制度のゆがみが顕在化してございます。また、特別区全体における令和2年度の減収額は約424億円に達し、看過できない状況と認識をしてございます。
区におきましても、令和2年度の推計値では約25億円を超える影響額を見込んでございまして、これまで特別区長会を通じて、国に対し本制度が抱える問題点を指摘し見直しを要望しております。直近では、本年8月6日、「ふるさと納税制度に対する特別区緊急声明」を発出し、指摘されている様々な問題に対処し、抜本的な見直しを行うよう改めて強く要望したところです。
景気の落ち込みにより大幅な減収が見込まれている中、ふるさと納税による減収はこれまで以上に特別区の財政運営に影響を及ぼすことが想定されます。今後とも、特別区が一体となり、制度の抜本的な見直しを行うよう国に強く求めてまいります。私からは以上でございます。
◎後藤 総務部長 私からは、ふるさと納税の返礼品についてのご質問にお答えいたします。
返礼品を巡っては、昨年6月の制度改正により、当該地方自治体の区域内に住所を有する者に対する提供が認められないこととされたため、区民と区外にお住まいの方との間で同一の対応ができない状況となりました。本制度の利用については、これまで以上に区民への丁寧な説明が求められるものと考えております。また、特別区長会による特別区緊急声明でも指摘されているように、多くの自治体で返礼品の経費負担に苦しんでいるとの実態もあり、返礼品については、歳出の面からもより慎重な判断が必要であると考えております。
こうしたことから、区では、ふるさとやお世話になった地方団体に感謝し、もしくは応援する気持ちを伝えるという制度本来の趣旨に立ち、現在は勝海舟基金においてのみ返礼品を設けさせていただいております。また、返礼品という視点ではなく、ご賛同の気持ちによる寄付で事業を推進している大田区子ども生活応援基金なども貴重な取組であると考えております。
区は、引き続きこうした事業を通じ、郷土愛の向上につながる寄付文化の醸成に取り組んでまいります。私からは以上です。
◎小泉 区民部長 私からは、ふるさと納税に関する分かりやすい伝え方についてのご質問にお答えいたします。
現在区のホームページでは、「大田区への寄附金について」のページで、寄付金の種類として、勝海舟基金、地域力応援基金、大田区子ども生活応援基金、使途を指定しない寄附についてをご案内し、住民税の寄付金控除のページへリンクするように掲載をしております。リンク先の「寄附金税額控除の概要と手続き」のページでは、対象となる寄付先、ふるさと納税ワンストップ特例制度、住民税で控除される金額の計算方法や控除を受けるための手続きなどについてご案内をしております。また、「税に関する冊子」のページに税務概要を掲載しており、ふるさと納税による調定額への影響について、グラフなどを用いて平成27年度以降の影響額を掲載しております。ふるさと納税による区の影響額は、平成27年度の約1億6000万円から令和元年度は約25億8000万円と激増しており、大きな影響を受けております。
こうした区財政や行政サービスへの影響について、今後は議員お話しの世田谷区、杉並区など他自治体の例も参考にしながら、関係部局間で連携し、区民の方により一層丁寧で分かりやすいご案内となるよう検討してまいります。私からは以上でございます。
◎今岡 福祉部長 私からは、成年後見制度に関する2点のご質問にお答えをいたします。
まず、成年後見制度利用促進のための権利擁護支援検討会議に関するご質問ですが、区は4月に設置した中核機関の役割である権利擁護の相談や、成年後見制度の利用促進を強化するため、大田区社会福祉協議会おおた成年後見センターとともに、権利擁護支援検討会議を8月から開始いたしました。この会議の役割は、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職による知見や法的根拠を基に、多角的な視点で権利擁護支援の方針等を検討することです。
具体的には、申立ての妥当性や適切な候補者の検討、後見人等の選任後の支援などです。さらに、支援者間で支援方針に迷いが出ているケースや、成年後見人等の候補者に悩むケースなどの検討を行っています。この会議の事前準備のために、ご本人の意向やご本人を取り巻く支援者からの情報を再度確認し、状況を整理していきます。引き続き、権利擁護支援検討会議の充実を図り、ご本人の意思を尊重した適切な支援方針につなげてまいります。
次に、成年後見制度の利用後の支援と中核機関としての役割に関するご質問ですが、成年後見制度は、後見人を選任したら解決というわけではなく、ご本人の意思が尊重されかつ生活の質の向上につながるよう、ご本人と後見人、支援者を含めたチームで支援していくことが重要です。権利擁護支援検討会議では、成年後見人等が選任された後も、ご本人の状況の変化等による支援方針の再確認が必要な場合や、チームの再構築が必要になる場合等に、必要に応じてモニタリングを行います。継続的なモニタリングにより、現在の後見人ではご本人の適切な権利擁護を図ることが難しいと判断した場合は、中核機関として後見人等の監督を担う家庭裁判所に情報提供をするなど連携し、ご本人の権利擁護に努めます。
こうした中核機関の役割について、地域包括支援センターをはじめとした関係機関等に周知するとともに、地域での成年後見制度の正しい理解と協力体制を構築するため、地域連携ネットワークづくりに取り組んでまいります。私からは以上でございます。
○塩野目 議長 次に、44番小川あずさ議員。
〔44番小川あずさ議員登壇〕(拍手)
◆44番(小川あずさ 議員) エールおおた区議団の小川あずさです。
今週初めにも、台風10号が九州に大接近したところですが、近年は海水温が高くなっており、台風も中心気圧の低い規模の大きいものが増えてきました。これからの季節、数個の台風が日本へ向かうことが考えられます。また風水害だけでなく、首都直下型地震が30年以内に80%の高確率で起こることも予想されていることもあり、それら災害から命を守るために、区民が利用する避難所の在り方について質問いたします。
大田区では、災害時に避難所になる小中学校の避難所を、新たに平成24年から学校防災活動拠点整備事業として位置づけ、逃げ込む場所から災害に立ち向かう場所へと機能を拡充してまいりました。大規模地震が発生した場合、地域の代表を本部長とした拠点本部を設け、班長を地域の方に、教職員や区の職員を副班長に、地域と学校と区で一体となって災害に強い地域にと取り組んできました。
避難所の環境も改善が進み、昨年度の第4回定例会と予算特別委員会にて、我が会派の平野春望議員が質問した段ボールベッドの配備をはじめ、畳や間仕切りの設置など、より快適に過ごせるように配慮していただき感謝しております。
ただ、女性目線からという考え方にしますと、避難所の在り方には考慮していただきたいところがあります。女性は服を着替えることから気を使うもので、思春期以降の女性は人目のあるところでTシャツ1枚着替えられません。体調面でも、生理、つわり、更年期など女性特有の不調があり、女性同士でも症状には個人差があるため、理解してもらうことは難しいです。これらの不調は私自身も全て経験したことがありますが、特効薬もなく、できれば横になって過ごしたいと思うような症状なのです。このような体調で避難所で過ごすことを考えたとき、避難所では人目があり、横になることもできないであろうし、女性しか入れないスペースがあればいいのにと思います。
また、避難生活が長引きますと、あってはならないことですが、避難所での性犯罪が実際にはあったと、これまでの災害での報告に多々あり、この3月には、NHKでドキュメンタリーが放送されたほどです。災害時は非常事態で言い出せずに心の中に収めた女性たちもさらにいると思いますと大変胸が痛みます。生きるのに必死の避難所でのこのような蛮行は許されるべきではないでしょう。
そこでお聞きいたします。このようなことから考えまして、各避難所で、女性をパーテーションで区切った場所で女性スペースを設けることはできますでしょうか。
また、乳幼児の授乳などで、よりプライベートな空間の必要な妊産婦につきましては、本年1月に東邦大学看護学部と協定が締結されました。施設を借り、施設内に運営に必要な資機材を可能な限り保管し、災害時には校舎の一部を妊産婦避難所として開設し、区職員が常駐し、心身のケアにも当たってくださるとのことです。不安の多い妊産婦の女性にとって大変心強いと思われ、配慮していただき感謝いたしております。願わくは、このような避難所が大田区のほかの地域にも今後も増えていってほしいものです。
避難所の管理について考えますと、今までも女性リーダーがまとめることでうまく運営された避難所があると聞きます。
そこでお尋ねします。大田区でも区独自で女性リーダーを育成し、各避難所に配置し、困ったときにリーダーにすぐ相談できるような状況を整えていただくなど、何か取組はできますでしょうか。
避難所では、学校の中のトイレを使うことにもなります。学校では、足腰の弱った高齢者や子どもたちが利用するのに、大田区の学校においては、まだ半分強のトイレが和式ということです。そこで不便があるのではないかと考えられます。既に家庭のトイレがほぼ洋式の中で、学校生活でも慣れない和式トイレが苦手で、トイレを我慢したり、憂鬱に思ったりしている子どもたちの話を聞きます。トイレを我慢して、ひどくなると病気になってしまうということも考えますと、トイレの洋式化への取組は急いでほしいものだと思っております。トイレ改修は、工事を長期休暇を利用しないとできない上に、このたびのコロナ禍で工事の遅れが懸念されます。
そこでお尋ねします。現状でどのくらいの学校トイレの洋式化がなされ、今後どのように洋式化が進められていくのかお示しください。
災害時の要である避難所の運営が、区民に、特に今回申しました女性に対して、少しでもストレスを和らげてくれるものとなりますようお願いいたしまして、質問を終わりにいたします。ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎須川 危機管理室長 初めに、女性専用スペースについてのご質問ですが、女性が避難所で共同生活を行うに当たっては、プライバシーの保護や防犯対策などのため、着替え、洗濯、授乳などに当たり、女性専用の施設を設けるといった配慮が必要です。そのため、各避難所には女性専用の部屋を設けるほか、併せてプライベートテント、生理用品や乳児向け用品なども備えております。また、避難所の収容能力などの制約から専用スペースを十分に確保できない場合に備え、一定のプライバシーを確保できる段ボールや布製の間仕切りを迅速に配備できるよう協定を締結しております。女性の方が安心して生活できる避難所の環境づくりに努めてまいります。
次に、女性に配慮した避難所の整備についてのご質問ですが、女性の避難生活における心身の負担を少しでも軽減させるため、女性の視点を避難所の運営に反映していくことが必要です。区は各避難所の運営指針となる学校防災活動拠点標準マニュアルの中で、女性のリーダーを多く配置することや、女性の相談窓口、話し合いの場をつくること、防犯面を考慮した環境をつくることなど、女性が安心して生活できるよう配慮すべき事項を示しております。
一方、女性の防災リーダーの育成については、その担い手の確保など課題がございます。このため、引き続き、防災訓練や防災講習会の実施に当たり、テーマの設定や講師の選定などを工夫しながら、女性を含めた幅広い防災人材の育成に取り組んでまいります。
◎玉川 教育総務部長 私からは、学校トイレの洋式化についてのご質問にお答えいたします。
教育委員会では、家庭におけるトイレのほとんどが洋便器であることや、災害時には避難所となり多くの方々が利用することから、学校トイレの洋式化を喫緊の課題としており、令和元年度からの5年間で洋便器率80%以上を目指して取り組んでおります。洋式化につきましては、学校を改築する際には標準仕様とするとともに、その他の学校では、単純な便器の取替えと、給排水設備等の大がかりな改修工事を組み合わせながら進めております。
今年度は、
新型コロナウイルス感染拡大の影響により夏休みが短縮されたことから、夏休み中に予定していた改修工事が実施できなかった学校もございましたが、今後も当初の目標どおり洋式化を継続的に進め、学校を利用する全ての方にとって使いやすい環境整備に努めてまいります。以上でございます。
○塩野目 議長 次に、37番犬伏秀一議員。
〔37番犬伏秀一議員登壇〕(拍手)
◆37番(犬伏秀一 議員) 大田区議会のキャスティングボート、令和大田区議団の犬伏秀一です。
コロナ禍の中、医療従事者をはじめ、多くのエッセンシャルワーカーが人々のために働いていただいております。そんな皆様に感謝を込めて大田区上空を飛行してくれたブルーインパルス、航空自衛隊第4航空団第11飛行隊、今日は私も感謝を込めて、ブルーインパルスのマスクをしてまいりました。
さて、今回は生活保護受給者の就労支援、産業振興の分野から創業支援、この2点につきお伺いいたします。一方は負からの脱出、他方は未来への出発という、見方は相反するような課題ですが、行政が人の人生に火をつけるという点においては極めて重要な施策であります。
まずは、生活保護受給者の就労支援につきお伺いいたします。
大田区における生活保護受給者は1万5870名であり、そのうち稼働年代と言われる15歳から64歳の受給者は6259名であります。そして、これらの方々に支給されている生活保護費は、何と337億7144万円余りという本区の歳出でも大きな割合を占めています。身体に障がいのある方など、最後のセーフティーネットである生活保護制度を否定するわけではありませんが、受給者の40%が稼動年代であることは問題であります。
大田区では国のメニューに従って様々な就労支援を行っていますが、その対象者数は2203名、稼働年代保護対象者の35%にしかすぎないのであります。さらに、就労支援対象者のうち、就労により生活保護から脱することができたのはたった170名、稼動年代生活保護者の2.7%という低い数字なのです。ケースワーカー1人の受け持つ人数も増加しており、マンパワーの問題もあろうかと推察いたしますが、なぜ稼働年代保護対象者と就労支援の数に3倍もの開きがあるのでしょうか、お示しください。
多数の支援対象者を少ない就労支援専門員や多忙なケースワーカーで対応することは無理があるのかもしれません。そこで提案ですが、災害現場などで使われている、トリアージの手法を就労支援の現場でも使えないでしょうか。トリアージとは、患者の重症度に応じて搬送する、または治療する優先度を選別することを言います。就労支援の現場では、就労意欲、就労能力など就労可能性の高い対象者を選別して、そこに専門員やケースワーカーの力を集中する、それにより就労率は上がるのではないでしょうか。就労支援現場におけるトリアージの導入につき、お考えを伺います。
また、就労支援専門員による属人的な成果を感じる数字が所管委員会で報告されています。区内4か所の生活福祉課の就労支援専門員による対象件数対就労件数を比較すると、大森45%、調布29%、蒲田46%、何と糀谷・羽田は74%と群を抜いています。これだけの違いは就労支援専門員の能力差、ノウハウの差と思われるのですが、糀谷・羽田生活福祉課の就労支援専門員の就労件数が多い理由は何でしょうか。もし属人的なものであれば、ぜひ全庁においてケースワーカーを含め、その情報を共有すべきであると考えます。糀谷・羽田の就労支援専門員の成果の源泉は何なのか、把握していたらお教えください。そのノウハウの共有につき、お考えをお伺いします。
そして、残念ながら、稼働年齢の生活保護受給者の多くに共通する行動様式が、規則正しい生活習慣がないことであるのは、現場の誰もが認めるところであります。そして、多くが「せい病」にかかっています。行政のせい、政治のせい、親のせい、学歴のせい、社会のせい、性別のせいなど、とにかく他人のせいにする癖です。どうかケースワーカー、就労支援専門員の皆様には、稼働年齢の生活保護受給者に対し、「規則正しい生活習慣」、「せい病からの脱皮」へ導いていただきますようお願いを申し上げます。
また、大田区だけでは変えられない生活保護の制度設計にも問題があります。生活保護世帯のモデルケースで生活保護費を積算してみました。40歳、小学生1人、中学生1人の母子家庭の場合、生活保護費は26万8450円が支給されます。果たしてこのような制度設計で、このお母さんは働いて生活保護から自立しようと思うでしょうか。75歳、単身独居の高齢者さんであると12万6870円が支給されます。40年間国民年金を支払った高齢者に支払われる国民年金月額は6万4941円です。このような正直者が損をすると思わせるような社会保障制度は早晩瓦解するでしょう。
次に、創業支援施設について伺います。
質問の前に文句を申し上げておきたいことがあります。産業経済部は、大田区産業プラザP@Oの完成によりP@Oに拠点を移し、同じ建物に所在する大田区産業振興協会、東京商工会議所、東京信用保証協会、区商連などと連携しつつ事業を進めてまいりました。ところが、東京都収入役から突如大田区副区長に天下ったある御仁の鶴の一声により、本庁舎に移転を余儀なくされてしまいました。その結果、本庁舎にあった教育委員会がニッセイアロマスクエアに押し出されることになり、現在、大田区教育委員会はニッセイアロマに賃貸料として、5階のフロア分、年間5883万円余り、9階にある倉庫分として163万円余りを貴重な税金から支出しています。産業経済部こそ現場に近い場所にあるべきですし、教育委員会は本庁舎に戻り、アロマスクエア救済のような無駄な賃料の垂れ流しをするのはやめなければ、区民の理解は得られないでしょう。京急蒲田駅にある観光情報センターの運営委託費5125万円余りと合わせて、年間何と1億円余り。大田区政最大の愚策を早急に是正されるよう、区長をはじめ、良識あふれる執行部の皆さんに、強く強く申し上げておきます。こいつは答弁がしにくいでしょうから、言いっ放しにしておきます。
さて、私の地元、まさに自宅から一、二分、伊佐治 剛議員の自宅から3分の場所に新設される
南六郷創業支援施設の改修工事が進んでおります。これは六郷図書館、六郷保育園の改修の必要から取得した建物を再利用するもので、ものづくりのまち六郷の地元では大きな期待を持って迎えられています。
そこで伺います。
南六郷創業支援施設について、大田区はどのようなコンセプト、ビジョンを持っているのかお示しください。特に旧羽田旭小学校にあるBICあさひとの違いを含めてお答えいただきたいのです。
そのほか、区内には工場アパートもあり、ヒデカズ・イヌブシ・シティ、もとい、HICity羽田も開設するなど、多くの産業支援施設が点在しています。どうも施設開設が目的化しているように感じるのは私だけでしょうか。施設開設をゴールとせず、大田区全域にある産業支援施設、民間企業、学校など、あらゆるハードウェアを縦割りではない目線で駆使し、オール大田、産業支援フィールドを今回の
南六郷創業支援施設開設を機に展開すべきと考えますが、お考えを伺います。
今回は二つの支援についてお伺いをいたしましたが、最も有効な支援の在り方は、釣り竿を与え魚の釣り方を被支援者に教えることであります。魚を与えてはいけないのです。生活保護者には働くという釣りの楽しさを教える、創業者には様々なメニューにより独自の釣り竿を持てるような支援をする、そんなそれぞれの立場に合った寄り添った支援を、大田区各事業課において構築されるよう願い、私の品のいい質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎山田 産業経済部長 私からは、産業経済に関する二つのご質問にお答えいたします。
まず、
南六郷創業支援施設のコンセプト、ビジョン等についてのご質問でございますが、この施設は創業前、または創業の初期段階にある起業者の支援を目的としてございます。事務所スペースを低廉な価格で利用できるほか、インキュベーションマネージャーをはじめ、専門家によるアドバイスの下、創業初期段階に不足している経営ノウハウを補完し、行政や金融機関などの支援を受けながらスタートアップを目指すことができる施設でございます。
現在、羽田旭町に同種の施設がございますが、この南六郷の施設には、潜在的な創業者の発掘と、区内企業や地域との連携の機能を新たに付加してまいります。詳細な運用方法は現在検討中でございますが、例えば地域住民や学生、障がいを持つ方など様々な創業希望者の方々に当該施設をご利用いただくことで起業家マインドを醸成し、区内における創業の裾野の拡大を図ってまいりたいと考えてございます。引き続き、産業のまち大田における創業環境の整備に取り組んでまいります。
次に、全区的な産業支援フィールドに関するご質問でございます。
区内には創業支援施設のほか、それぞれ異なる目的を持った産業施設が多数存在し、本区の産業政策の一翼を担ってございます。コロナ禍を経て、区内産業の今後の持続可能な発展に向けては、産業施策にこれまで以上にそれぞれの産業施設がその特徴を活かして連携していくことが重要でございます。施設間連携では、例えばハネダピオへの創業希望者の積極的な参加は、創業にとどまらず、起業後の成長過程における事業の拡大や多角化などへのアプローチに有益なものと考えます。また、工場アパートは、創業支援施設で産声を上げて成長した企業が次のステップに進む際の受け皿として大切な機能を果たします。さらに、大田区産業振興協会のほか、金融機関、大学、専門学校、地域社会など多様な主体と連携をすることで、創業に向けた成長の一層の加速が期待できるものと考えてございます。
区は、今後も産業施策全体の中で創業を目指す方々を全力で支援してまいります。私からは以上でございます。
◎張間 福祉支援担当部長 私からは、生活保護行政における就労支援に関する三つのご質問にお答えいたします。
初めに、稼働年齢層の人数と就労支援の人数についてのご質問ですが、稼働年齢層の受給者の中には、就労することが難しい方も多数含まれております。例えば就労することが難しい疾病を抱えている方、生まれて間もない子どもを育てなければならないひとり親の方、また保護世帯の中の高校生などです。そのほかに、対人関係が築けず就労への不安を抱えている方もいます。そのような、すぐに就労することが困難な方に対しては、就労に向けた準備として、日常生活の立て直しや社会性の回復に向けた支援を行っております。引き続き、稼働年齢層の方が抱える就労阻害要因の軽減を支援して、就労支援対象者の拡大に努めてまいります。
次に、就労支援における手法についてのご質問ですが、就労支援は生活保護申請時から、稼働能力や就労意欲等の把握を行い、おのおのに応じた必要な支援の方法を見極めることが重要です。就労支援の必要な方々については、迅速にハローワークとの連携による就労自立促進事業等につなげていく必要があります。そのため、就労支援対象者に対して早期にアセスメントを行い、その適性や強みの把握に努めております。その上で、ハローワーク等とも連携をしながら支援を行っております。今後は、効果的な支援を行っていくため、アセスメントをより細やかに行うよう工夫をし、就労件数の増加を目指してまいります。
次に、就労専門相談員の成果とそのノウハウの共有についてのご質問ですが、就労専門相談員の主な職務は、就労支援対象者のアセスメントシートの作成等となっております。議員お話しの就労専門相談員は、地元の求人情報を積極的に取り集め、新しい求人情報を分類、整理しています。その上で、就労支援対象者に対してニーズに合うような情報を提示しながら、相談を受け、助言を行い、就労への意欲を引き出して、就労件数の増加につなげております。
○塩野目 議長 答弁の途中ですが、所定の時間が参りましたので終了願います。
次に、50番奥本有里議員。
〔50番奥本有里議員登壇〕(拍手)
◆50番(奥本有里 議員) 東京政策フォーラム、奥本有里です。
コロナ禍における区の文化振興事業について伺います。
新型コロナウイルスの感染拡大により最も大きな損害を受けている業種の一つが、イベントやコンサート、演劇などのエンターテインメント業界です。6月29日には、シルク・ドゥ・ソレイユが破産再生手続きを申請いたしました。世界各地で休演により3月の時点で売上げがゼロになり、雇用していた4000人のうち9割の3480人を解雇すると発表しました。その中にはアーティスト1300人も含まれます。全世界で多くのイベントや公演が軒並み中止となり、アーティストたちは活躍の場を奪われ、文化芸術活動の存続は非常に難しくなっています。大田区でも予定されていた様々なイベントが中止となり、現在は少しずつ再開されつつありますが、区民ホールの予約は長期間、空き状態が続いておりました。
そんな中、大田区では、大田区文化振興協会がすばらしい取組を行いました。7月、8月に期間限定で、「アプリコ大ホールでピアノを弾こう」という企画が行われました。イベントが中止となり空いてしまったアプリコの大ホールを無料で無観客で貸出し、区が保有する世界三大ピアノの一つ、スタインウェイのピアノを演奏することができるという企画でした。その模様は、読売新聞、東京新聞などでも広く取り上げられることとなりました。これまでコロナ禍になってから、大田区の対応が遅いと言われたり、暗いニュースが多い中で、このような他の自治体に先駆けた取組は、非常に誇らしく感じました。
コロナ禍で行われた7月、8月の期間限定イベントとのことでしたが、ぜひ今後も実施していただきたいと考えております。各方面での反響や参加者のご意見など、このイベントで得られた成果について教えてください。
また、この間、東京都により、コロナ禍でのイベント開催に関する新たなガイドラインが示され、大田区では、今回のイベント会場のアプリコなど文化施設においても、大田区文化振興協会が独自の感染症拡大防止ガイドラインを策定し、きめ細やかな参加者への対応がされたと伺いました。イベントの開催を待ち望む声も多く伺います。しかし、今後の感染拡大の状況を懸念し、集客は難しく、3密を避け、収容人数の半分しかチケットを販売できないことなどから、主催者側のリスクが大きく、以前と同じような形での開催は当分の間は難しく、アプリコの大ホールのような会場も運営していくことは難しいと感じます。
そんな中、アーティストにとっての活躍の場もユーチューブなどのオンライン配信に変わりつつあります。新宿都庁の南展望室には「おもいでピアノ」という誰でも弾けるピアノがあります。昨年4月より南展望室に設置され、都民から寄贈されたピアノを芸術家の草間彌生さんがデザインされたものです。色鮮やかな黄色のデザインが非常に目を引きます。誰でも5分間だけ弾くことができるのですが、ストリートピアニストたちがすばらしい演奏をする様子がユーチューブで配信されると、たちまち人気スポットになりました。ストリートピアニストのハラミちゃんや、よみぃさんなどの人気ユーチューバーを生み出しました。彼らがストリートピアノで演奏する様子は100万回以上再生されているものもあります。
そこで、ストリートピアノが都内にどのくらいあるのか調べたところ、現在7か所に置いてあります。新宿都庁のほか、新宿三角広場、大田区では羽田空港の国内線第1ターミナルビルの5階にも設置してあります。新宿都庁の「おもいでピアノ」は設置からたった1年で非常に人気が出ましたが、残念ながら現在は演奏を休止しており、展示のみとなっています。ほかの6か所では、周囲のテーブルの間隔を空けるなど、感染防止の対策をしたうえで現在も演奏ができます。都庁の「おもいでピアノ」は、ヤマハのG3Aという中古のピアノで100万円前後のものです。世界三大ピアノとは、スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインの三つで、スタインウェイはその中でも最高峰であり、ピアニストたちにとって憧れのブランドです。
アプリコに設置しているピアノは、スタインウェイD274で、スタインウェイの中でも最も大きなサイズで1台1200万円以上する世界最高峰のピアノです。ピアノだけを比較しても非常に価値があることが分かりますし、このような区の保有する大切な資産を眠らせてしまうことなく、広く区民に利用していただきたいと思います。ぜひ大田区でもストリートピアノを開放するなど、若手アーティストたちの活動を支援していただきたいと考えますが、区の見解をお知らせください。
ピアニストたちの音楽は、隔たりのない世界共通の言語です。自粛生活の中で世界が悲しい気持ちに覆われているときでも、音楽で人に感動を与えたり、勇気づけることもできます。ユーチューブで発信されるストリートピアニストたちの演奏は、国内だけでなく海外でも人気を得ています。大田区蒲田は、映画の制作が行われていた文化芸術のまちです。大田区文化振興協会が管理するアプリコ、文化の森、区民プラザの3施設にそれぞれスタインウェイのグランドピアノが置かれています。本庁舎にも、1階にアップライトのピアノがあり、以前はフライデーコンサートの際などに利用されていましたが、現在はイベントの自粛により全く使われていません。
今回のように、施設利用の新たな取組を積極的に進め、ケーブルテレビやオンライン配信を可能にするなど、多岐にわたる利用方法の拡充をお願いしたいと思いますが、区の見解について教えてください。
補助金や給付金を出すだけでなく、既に区が保有している重要な資産を活かし、文化振興事業へのさらなる積極的な取組により、コロナ禍でも大田区がアーティストたちの文化芸術活動を推進していけるよう期待し、私の質問を終えます。ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎町田 スポーツ・文化担当部長 私からは、文化事業に関する三つのご質問にお答えをいたします。
まず、ピアノイベントについての反響や参加者の意見、成果についてのご質問ですが、今回の「アプリコ大ホールでピアノを弾こう」は、
新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの文化芸術活動が中止や延期となり、文化芸術に触れる機会や活動の場が失われている中で、区民の皆様が文化に触れる機会をつくるために、大田区文化振興協会が実施をしたものでございます。
音響のすばらしいアプリコ大ホールで、スタインウェイのグランドピアノを無料で演奏できることから注目をいただきました。小学生からご高齢の方までの応募があり、7月、8月共に予約枠はいっぱいとなりました。参加された方から、「ホール全体に響いた音がすごくきれいだった」などの反響や貴重な経験を喜ぶ声を多くいただき大変好評でございました。区としては、コロナ禍においても、文化芸術に触れることの大切さを発信する機会となったこと、また新たな区民ニーズを把握することができたものと考えております。
次に、若手アーティストの支援についてのご質問ですが、文化振興協会では、若手アーティストを支援する取組として、「フレンドシップ・アーティスト」事業を実施し、ピアノ、声楽の2部門で若手アーティストの発掘を手がけております。オーディションによって選ばれた新進の演奏家、声楽家には、「アプリコ・お昼のコンサート」の出演や福祉施設への訪問コンサートなどで活躍いただいております。また、分野は異なりますが、区民プラザで開催をしております下丸子らくご倶楽部でも、若手バトルと称しまして、若手のはなし家に出演の機会を設けるなど、継続した支援を行っております。区は、これからも多くの若手が羽ばたいていけるよう、文化振興協会とともに、若手アーティストを引き続き支援してまいります。
最後に、施設利用の新たな取組や、オンライン配信に関するご質問ですが、区は文化振興協会とともに、このたびの企画のように、区民の皆様に新たな経験の機会を提供するなど、前例に捉われない様々な企画の検討を進めてまいります。また、区と文化振興協会では、緊急事態宣言下のステイホーム期間中に、ご自宅で文化芸術に触れていただけるように、区では「おうちミュージアム」、協会では「オンラインあーとシアター 〜おうちで楽しもう!〜」というコーナーを設定し、落語、映画、音楽などの動画を提供いたしました。施設利用再開後においても、感染予防のため収容観客数に制約のある中、直接ホールにお越しいただけない皆様に向け、一部のピアノコンサートや落語についてライブ収録し、動画配信を行っております。また、9月から協会の文化芸術情報を区内のケーブルテレビにて放映を開始いたしました。
コロナ禍においても、多くの区民の皆様に文化芸術の魅力を届けられるよう、区は協会とともに芸術発信の強化に努めてまいります。以上でございます。
○塩野目 議長 以上で質問を終結いたします。
会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。
午後5時20分休憩
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午後5時40分開議
○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
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○塩野目 議長 本日の日程に入ります。
日程第1を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第1
第79号議案 令和2年度大田区一般会計補正予算(第6次) ほか10件
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○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案について、ご説明申し上げます。
第79号議案は、令和2年度大田区一般会計補正予算(第6次)で、今回の補正は歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ3億5870万円を減額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ3685億9788万4000円となります。歳入で追加する内容は、国庫支出金、繰入金などでございます。減額する内容は、特別区交付金、繰越金などでございます。歳出で追加する内容は、福祉費、衛生費、産業経済費でございます。減額する内容は、土木費、都市整備費などでございます。このほか、債務負担行為の補正として、追加4件、変更5件をお願いしてございます。
第80号議案は、令和2年度大田区
国民健康保険事業特別会計補正予算(第2次)で、今回の補正は歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ1億3867万8000円を追加し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ667億1778万7000円となります。歳入で追加する内容は、繰越金でございます。減額する内容は、繰入金でございます。歳出で追加する内容は、国民健康保険事業費納付金でございます。減額する内容は、保健事業費でございます。
第81号議案は、令和2年度大田区
後期高齢者医療特別会計補正予算(第1次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ1894万9000円を追加し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ173億9588万円となります。歳入で追加する内容は、諸収入でございます。減額する内容は、繰入金でございます。歳出で追加する内容は、諸支出金でございます。
第82号議案は、令和2年度大田区
介護保険特別会計補正予算(第1次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ21億7986万4000円を追加し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ597億5069万1000円となります。歳入で追加する内容は、国庫支出金、繰越金などでございます。歳出で追加する内容は、基金積立金、諸支出金でございます。
第83号議案は、大田区手数料条例の一部を改正する条例で、国家戦略特別区域法の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。
第89号議案は、大田区
産業プラザコージェネレーションシステム更新工事請負契約についてで、契約の相手方は、菱熱工・エバジツ建設工事共同企業体、契約金額は1億8810万円でございます。
報告第26号は、令和元年度決算に基づく健全化判断比率の状況についてで、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき報告するものでございます。
報告第27号は、訴え提起前の和解に係る専決処分の報告についてで、使用料等の支払いを求める訴え提起前の和解について報告するものでございます。
報告第28号は、区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告についてで、防災行政無線電話応答サービス用ハードウェアの借上げ契約の解除に伴う損害賠償ほか1件について報告するものでございます。
報告第29号は、
根方橋構造改良工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の2億1010万円から2億588万400円に変更いたしました。
報告第30号は、大田区立大森第四小学校校舎ほか1施設改築その他工事(U期)請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の6億1600万円から6億1710万円に変更いたしました。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 質疑に入ります。
この際、議員の皆様に申し上げます。本会議での議員の発言につきましては、会議規則第53条で「発言はすべて簡明にするものとし、議題外にわたり、又はその範囲を超えてはならない。」と規定され、また質疑についても、「自己の意見を述べることができない。」と明記されております。したがいまして、議員の皆様には、発言に当たっては、規則で定められたルールに従って行うよう、ご留意のほどお願いしておきます。
本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。
〔47番奈須利江議員登壇〕
◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
第79号議案 令和2年度大田区一般会計補正予算(第6次)について質疑いたします。
今回の補正予算では、特別区交付金の減額補正が約30億円計上されています。東京都は、この30億円は基準財政収入額が増え、需要額が減ったことによるもので、基準財政収入額は1兆2291億9200万円となり、前年度と比べて629億500万円、5.4%の増。基準財政収入額は人口増に伴う納税義務者の増による特別区民税の増や、税率引上げの影響による地方消費税交付金及び地方消費税交付金特例加算額の増により、全体として増額。区別の基準財政収入額は、特別区民税、地方消費税交付金の増、前年度に比べて全ての区が増額となった。令和元年度地方特例交付金の措置に伴い、各区の基準財政収入額に所要額を反映したとして、基準財政収入額は増えている一方で、基準財政需要額は2兆1489億2500万円で、前年度と比べて38億3500万円、0.2%の減で、その内訳は児童相談所関連経費について54億1500万円を新規に算定、投資的経費に関わる建築工事単価の上昇分について300億1600万円を臨時的に算定したことなど、算定改善等を図り、その他の見直しとして、公共施設改築工事費について849億4800万円を臨時的に算定したことなどによると説明されています。
そこで伺います。東京都は基準財政収入額が増え、需要額が減ったことで30億円の減額だと言っていますが、調整3税の収入の見込みと算定根拠はどうなっているかお答えください。
次に、お伺いいたします。算定根拠が変わった理由は何でしょうか。
また、お伺いいたします。東京都は基準財政需要額が減ったと言っていますが、コロナや年齢構成、経済構造の変化で、住民福祉ニーズは減るどころか増えると思いますが、基準財政需要額の算定根拠は区側の現状を反映できていますか。また、今回の特別区交付金の減額について大田区はどのように評価していますか、問題があるとすればどこですか。以上です。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎川野 副区長 第79号議案について、通告がございました4点の質問にお答え申し上げます。
1点目、2点目の基準財政需要額の算定についてでございますが、特別区交付金の財源は、東京都が特別区の区域において、都税として徴収する市町村税の一部である固定資産税、市町村民税法人分、特別土地保有税のいわゆる調整3税等となってございます。この財源を都と区の役割に応じまして配分することになっており、特別区の配分割合55.1%を乗じて得た額が特別区全体の交付金総額となりますが、このうち今回補正予算として計上した普通交付金は、基準財政需要額及び基準財政収入額を基に、特別区ごとの財源不足額を算定し交付金総額の範囲内で、この財源不足額に応じて交付されるものとなってございます。
本区の予算措置につきましては、例年東京都から1月に示されます交付金総額の当初見込み額などを基に、当初予算を計上しておりますが、このたびの減額補正につきましては、本年8月に示されました令和2年度都区財政調整区別算定結果に基づき対応するものでございます。したがいまして、調整3税等の収入見込みや基準財政収入額といった算定根拠によるものではございませんで、東京都による区別の需要算定を行った結果、普通交付金が、特別区全体で令和2年度当初見込み額からは241億円余の減額となり、不交付区を除きまして、ほぼ全ての区で減額算定となったものでございます。
3点目の基準財政需要額への実態の反映についてでございますが、基準財政需要額は特別区が等しくその行うべき事務を遂行することができるよう、合理的かつ適正な方法により算定を行うことを前提としてございます。この算定に当たりましては、特別区における財政力の実態を踏まえつつ、行政目的ごとにそれぞれの経費を的確かつ客観的に測定するための測定単位を設定いたしまして、行政実態を反映するよう都区間で協議をしてございます。区側の実態の反映につきましては、特別区が抱える行政需要を適切に反映できるよう、東京都との協議の場である都区財政調整協議会等において、新規算定はもちろん、算定方法の合理的な改善などを区側より提案し、協議をしてございます。
4点目の特別区交付金の減額の評価と課題についてでございますが、特別区交付金は、財政運営に重要な財源であり、必要額の総額が交付されるべきものと捉えてございます。今回交付される普通交付金の交付総額は3年ぶりに減少しており、前年度と比べますと、特別区全体で642億円余、6.4%の減額となりました。これは平成28年度税制改正の影響により、特別区交付金の財源となる市町村民税法人分が大幅に減収したことが主な要因となります。都区間の財源配分や特別区の財政需要の的確な算定はもちろん、不合理な税制改正など様々な問題があり、こうした課題に対して、引き続き区の立場を強く主張してまいります。以上でございます。
○塩野目 議長 奈須議員、再質疑ですか。奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。
〔47番奈須利江議員登壇〕
◆47番(奈須利江 議員) ただいまの答弁は、需要額の変化に応じるものだということなんですけれども、私のつたない理解ですと、収入の見込み額が減らないのであれば、算定の額が変わらないように思うんですが、最終的にはその収入額に基づいて、もう1回算定し直し調整されることになるんでしょうか。その場合に、今回のコロナなどの影響により調整3税が減れば、結局は当初の見込みの収入額は今回は反映してないということなんですけれども、今回減ったものがそのまま固定化されることになるんでしょうか。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 ただいま再質疑をされた点につきましてお答えをいたします。
発言通告された内容についての基本的な考え方は、先ほど川野副区長が申し上げたとおりでございますが、改めてご説明をさせていただきますと、今回の予算措置につきましては、1月に示される交付金総額の当初見込みなどを基に当初予算を計上してございますが、減額補正については本年8月に示された令和2年度都区財政調整区別算定結果に基づき対応するものでございます。
なお、最終的にどのような取扱いになるかという点につきましては、今後、東京都の予算編成が進む中で、調整3税の見込みが明らかになった段階で都区間で協議するものというふうに認識をしてございます。私からは以上でございます。
○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。
本案については、報告第26号から報告第30号に至る5件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第2を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第2
第84号議案
大田区立消費者生活センター条例の一部を改正する条例 ほか3件
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○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第84号議案は、
大田区立消費者生活センター条例の一部を改正する条例で、使用料規定の整備を行うことにより、大田区立消費者生活センターの利用しやすさの向上を図るため、改正するものでございます。
第85号議案は、
大田区立池上会館条例の一部を改正する条例で、使用料規定の整備を行うことにより、大田区立池上会館の利用しやすさの向上を図るため、改正するものでございます。
第90号議案は、大田区
田園調布せせらぎ館の指定管理者の指定についてで、大田区
田園調布せせらぎ館について、令和2年11月1日から令和6年3月31日まで、田園調布せせらぎハーモニーを指定管理者に指定するものでございます。
第91号議案は、大田区
南六郷創業支援施設の指定管理者の指定についてで、大田区
南六郷創業支援施設について、令和3年4月1日から令和6年3月31日まで、
南六郷創業支援施設運営共同事業体を指定管理者に指定するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 質疑に入ります。
本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。
〔47番奈須利江議員登壇〕
◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
第84号議案
大田区立消費者生活センター条例の一部を改正する条例、第85号議案
大田区立池上会館条例の一部を改正する条例について質疑いたします。
これらの条例は、2021年4月からの施設使用料引上げの条例改正をしているため、コロナの影響を考慮し引上げ時期を遅らせるための条例改正です。使用料引上げを延期する改正はほかにも多くの施設の使用料を引き上げるため行われていますが、使用料の減免規定を区長の裁量に委ねる規定を設けている施設設置条例は条例改正せず、区長の裁量権に従い減免しています。
そこで伺います。施設使用料の減免について、区長の裁量に委ねる施設とそうでない施設がありますが、その違いは何ですか。
第90号議案
田園調布せせらぎ館の指定管理者の指定について質疑いたします。
今回の第90号議案
田園調布せせらぎ館の指定管理者の指定は、第93号議案の
大田区立田園調布せせらぎ公園の指定管理者と同じ指定管理者です。
そこで伺います。公園と公園施設であるせせらぎ館の指定管理者の協定は同じでしょうか、別の協定ですか。また、同じ施設にありながら、アプリコとアプリコの駐車場は別途協定を結んでいます。今後、公園に駐車場や駐輪場、体育館などの施設をつくる場合、指定管理者は公園の指定管理者になりますか、それとも別の協定を締結しますか、その根拠はどこにありますか。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎川野 副区長 第84号議案及び第85号議案について、通告がございましたご質問にお答え申し上げます。
施設使用料の減免について、区長の裁量に委ねる施設とそうでない施設の違いにつきましては、公の施設における使用料におきましては、条例で減免に係る規定を整備したうえで、個別具体的な事情を判断すべき事由について、機動的に行政需要へ対応するため、必要性及び合理性が認められる範囲内で首長に委任する規定を設けることが一般的でございます。本区の施設使用料における減免規定につきましてもこうした整理がなされておりますが、今回上程いたします二つの条例につきましては、条例制定時からこれまで区長に委任する規定の必要性がなかったこと、また、区長に委任する減免規定はあるものの、ただし書き規定によって、一部使用について除外されることがその他の条例と違いがございます。
今般、
新型コロナウイルス感染症の影響下における区民生活支援等の観点から、区民の皆様の利用しやすさに配慮するとともに、状況に応じた柔軟な施設利用を実現するものとして規定の整備が必要であり、一部改正を行うものでございます。
次に、第90号議案について、通告がありました2点のご質問にお答え申し上げます。
1点目の公園と公園施設であるせせらぎ館の指定管理の協定は同じですか、別協定ですかにつきましては、大田区
田園調布せせらぎ館は、公園の休憩施設としての機能を有することから、両施設の一体的な管理が適切であり、1本の指定管理に関する協定を締結することを想定してございます。
2点目の今後、公園に駐車場や駐輪場、体育館などの施設をつくる場合、指定管理者は公園の指定管理になりますか、それとも別の協定を締結しますか、その根拠はどこにありますかにつきましては、公園内に整備を予定してございます体育施設等の運営手法につきましては、今後、施設の機能や特性を踏まえ検討してまいりますので、現時点では未定でございます。以上でございます。
○塩野目 議長 奈須議員、再質疑ですか。奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。
〔47番奈須利江議員登壇〕
◆47番(奈須利江 議員) 今後、公園内に駐車場、駐輪場、体育館などが設置された場合については別途協議をするというか、別途考えるというのがご答弁だったと思いますが、既に指定管理者の議案が出ている中で、今回上程されている指定管理者には、その旨が伝えられているのでしょうか、それともそのときにまた新たに協議をするということになりますか。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎今井 地域力推進部長 ただいま質疑された点につきましては発言通告書には記載がないため、答弁は差し控えさせていただきます。
○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。
本案については、いずれも所管地域産業委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第3を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第3
第86号議案 大田区
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 ほか2件
――
――――――――――――――――――
○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第86号議案は、大田区
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例で、
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準及び指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令の一部を改正する省令の施行に伴い、指定居宅介護支援事業所における管理者の要件を改めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。
第87号議案は、大田区手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例で、手話が言語であることの理解の促進及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関し、基本理念等を定めることにより、障害の有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する地域社会の実現に寄与するため、制定するものでございます。
第88号議案は、大田区
国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例の一部を改正する条例で、国家戦略特別区域法の改正により、認定事業者に対する立入検査等の規定が整備されたことに伴い、規定を整理するため改正するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 質疑に入ります。
本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。
〔47番奈須利江議員登壇〕
◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
第86号議案 大田区
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について質疑いたします。
この条例改正により、ケアマネ事業所の管理者は主任介護支援専門員であることとする原則に対する例外を定める条例改正です。2006年に主任ケアマネ制度が創設されましたが、ケアマネ経歴5年以上のケアマネが必要な研修を受け、都道府県から認定されることで主任ケアマネ資格が得られます。2018年度の前回介護報酬改定ではこの制度を重視し、ケアマネ事業所の管理者は必要な研修を受講した主任ケアマネであることの要件が設けられました。しかし、主任ケアマネ資格を得るための研修受講には時間と費用がかかり、受講期間も限定されていることなど、3年間の猶予する経過措置が設けられました。
しかし、それでも主任ケアマネの配置がなかなか進まない実態があり、これを放置すれば相当数のケアマネ事業所が廃業せざるを得ないなどの理由があるため、介護給付費分科会で主任ケアマネ要件の猶予期間延長等を決定し、そのための法改正に伴う条例改正案です。
この改正により、ケアマネ事業所の管理者に主任介護支援専門員を配置するに際し、主任介護支援専門員の確保が著しく困難であるなどやむを得ない理由がある場合には、事業所の管理者を介護支援専門員とする取扱いを可能とする例外を認めることや、2021年3月の時点で介護支援専門員が管理者である事業所については、その者が管理者である限り、管理者を主任介護支援専門員とする要件の適用を令和9年3月31日まで猶予するものです。
そこで伺います。大田区はケアマネ事業所の管理者に主任ケアマネを配置させることは必要だと考えていますか。配置が進まず猶予しなければならない理由は何だと考えていますか。主任ケアマネ要件の猶予期間延長は大田区の介護保険利用者のためになりますか。ケアマネ事業所の管理者に主任ケアマネを配置させるために、大田区独自の取組は行いますか。以上です。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎川野 副区長 第86号議案について、通告がありました4点のご質問にお答えいたします。
1点目の大田区はケアマネ事業所の管理者に主任ケアマネを配置させることは必要だと考えていますかにつきましては、区は高齢者が適切な介護サービスを利用し、住み慣れた地域で生活を続けるために、居宅介護支援事業所の管理者として、より専門性の高い主任介護支援専門員を配置することが必要であると考えております。
2点目の配置が進まず猶予しなければならない理由は何だと考えていますかにつきましては、国は居宅介護支援事業所の人材確保に関する状況を考慮し、猶予期間を6年延長したものでございます。具体的には、主任介護支援専門員になるためには、介護支援専門員の実務経験が5年以上必要であり、かつ専門研修を受講する必要がございます。居宅介護支援事業所にその要件を満たす者がいない場合、管理者として、主任介護支援専門員を配置できなくなることを理由としております。区といたしましても、国と同様に考えているところでございます。
3点目の主任ケアマネ要件の猶予期間延長は大田区の介護保険利用者のためになりますかにつきましては、猶予期間延長を介護支援専門員が高い専門性を身につける期間と位置づけ、管理者が主任介護支援専門員である居宅介護支援事業者が増えることで、利用者は質の高いケアマネジメントに基づく介護サービスを継続的に利用することができます。
4点目のケアマネ事業所の管理者に主任ケアマネを配置させるために、大田区独自の取組を行いますかにつきましては、区では、介護支援専門員を対象とした専門的な研修を継続して開催しており、区全体のケアマネジメントの質の向上及び主任介護支援専門員の職務を担うための知識と経験を持った人材育成に努めてございます。区は引き続き、居宅介護支援事業所の管理者の状況を注視しつつ、管理者が主任介護支援専門員でない事業所に対して必要な支援を行ってまいります。以上でございます。
○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。
本案については、いずれも所管健康福祉委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第4を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第4
第92号議案 区の義務に属する損害賠償の額の決定について ほか1件
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○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第92号議案は、区の義務に属する損害賠償の額の決定についてで、庁有車による人身及び車両損傷事故の損害賠償の額を決定する必要があるので、地方自治法第96条第1項第13号の規定に基づき、提出するものでございます。
第93号議案は、
大田区立田園調布せせらぎ公園の指定管理者の指定についてで、
大田区立田園調布せせらぎ公園について、令和3年1月1日から令和6年3月31日まで、田園調布せせらぎハーモニーを指定管理者に指定するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管
まちづくり環境委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第5を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第5
第75号議案 令和元年度大田区
一般会計歳入歳出決算 ほか3件
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○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
タブレットに配信してございます令和元年度大田区各会計歳入歳出決算参考資料に沿ってご説明申し上げます。
第75号議案は、令和元年度大田区
一般会計歳入歳出決算で、予算現額は2888億2550万2401円でございます。歳入総額は2806億7690万3118円、歳出総額は2760億912万3667円、歳入歳出差引額は46億6777万9451円でございます。この差引額から令和2年度への繰越明許費繰越額であります10億1345万3500円を除きました残額が、令和元年度の実質収支額となりまして、36億5432万5951円でございます。大田区財政基金条例第2条第1項によりまして、この実質収支額の2分の1、18億2716万3000円を財政基金に積み立て、残りの18億2716万2951円を令和2年度への繰越財源といたします。
第76号議案は、令和元年度大田区
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算で、予算現額は682億9460万2000円、歳入総額は683億6801万65円、歳出総額は673億8398万6111円、歳入歳出差引額は9億8402万3954円でございます。
第77号議案は、令和元年度大田区
後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算で、予算現額は171億2192万3000円、歳入総額は171億3066万6861円、歳出総額は170億712万684円、歳入歳出差引額は1億2354万6177円でございます。
第78号議案は、令和元年度大田区
介護保険特別会計歳入歳出決算で、予算現額は572億5531万2000円、歳入総額は562億6957万8357円、歳出総額は541億1776万9041円、歳入歳出差引額は21億5180万9316円でございます。
なお、各特別会計の歳入歳出の差引額につきましては、令和2年度へ繰越しとさせていただきます。
以上、よろしくご審議の上、ご認定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありません。
お諮りいたします。本案については、決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
お諮りいたします。ただいま設置されました決算特別委員会の定数は47名とし、委員は、委員会条例第6条第1項の規定に基づき、タブレット型端末に配信しました決算特別委員名簿のとおり本職から指名したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
なお、本日の会議終了後、正副委員長互選のため、決算特別委員会を本議場において招集いたしますので、ご了承願います。
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決 算 特 別 委 員 名 簿
松 原 秀 典 委員 高 瀬 三 徳 委員 岸 田 哲 治 委員
大 森 昭 彦 委員 押 見 隆 太 委員 鈴 木 隆 之 委員
湯 本 良太郎 委員 伊佐治 剛 委員 深 川 幹 祐 委員
長 野 元 祐 委員 渡 司 幸 委員 高 山 雄 一 委員
海老澤 圭 介 委員 松 本 洋 之 委員 岡 元 由 美 委員
勝 亦 聡 委員 広 川 恵美子 委員 秋 成 靖 委員
玉 川 英 俊 委員 田 村 英 樹 委員 大 橋 武 司 委員
小 峰 由 枝 委員 田 島 和 雄 委員 末 安 広 明 委員
大 竹 辰 治 委員 清 水 菊 美 委員 黒 沼 良 光 委員
佐 藤 伸 委員 菅 谷 郁 恵 委員 福 井 亮 二 委員
荒 尾 大 介 委員 杉 山 公 一 委員 荒 木 秀 樹 委員
犬 伏 秀 一 委員 三 沢 清太郎 委員 松 原 元 委員
須 藤 英 児 委員 植 田 智 一 委員 野 呂 恵 子 委員
北 澤 潤 子 委員 小 川 あずさ 委員 庄 嶋 孝 広 委員
平 野 春 望 委員 奈 須 利 江 委員 馬 橋 靖 世 委員
荻 野 稔 委員 奥 本 有 里 委員
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○塩野目 議長 日程第6を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第6
議員提出第5号議案 大田区特別区民税・
国民健康保険料等滞納解決支援条例
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○塩野目 議長 提出者の説明を求めます。
〔30番黒沼良光議員登壇〕
◎30番(黒沼良光 議員) ただいま上程されました議員提出議案、大田区特別区民税・
国民健康保険料等滞納解決支援条例につきまして、読み上げて提案理由とさせていただきます。
区民共通の願いは、健康、安全、幸せであります。大田区では、生活が立ち行かなくなった区民に対して、生活の困り事を解決するという大きなくくりで捉えて支援を進めてきました。問題に個々に対応するのではなく、相互関係を把握し、一体的な解決を目指して、助け合いを合い言葉に、公共サービス、専門家、地域社会の総合力を効果的に発揮させる機能強化が求められます。区民の生活の困り事を解決し、自立を促し、生活再建に向けた支援を行うことは区の重要な役割です。
その場合、督促状を出す前に、1か月でも滞納が生じた場合、直ちに連絡を取り、地震、水害等の自然災害、また病気、事故、失業、離婚等社会的・経済的要因のいずれかの要因を掌握し、その支援方針を策定し、直ちに支援を始めることで、本人の窮地を救い、財産差押さえでなく再び納税ができるように支援することが大切です。特別区民税、国民健康保険料滞納、教育的課題、健康、地域社会からの孤立、その他の生活上の諸課題があることを踏まえ、その税滞納状況の解決及び生活再建を図り、もって安全かつ安心で、区民が支え合う暮らしの実現に寄与することを目的とし、生活再建の立場で、区民を守るために税金を使う区政になるために、条例を制定することが必要です。
この案を提案いたします。以上です。(拍手)
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管総務財政委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第7を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第7
議員提出第6号議案 大田区
応急小口資金貸付条例の一部を改正する条例
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○塩野目 議長 提出者の説明を求めます。
〔28番大竹辰治議員登壇〕
◎28番(大竹辰治 議員) ただいま上程されました議員提出第6号議案 大田区
応急小口資金貸付条例の一部を改正する条例について、提案者を代表して説明をいたします。
この条例は、
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業等による収入の減少などによって、緊急的かつ一時的に生活資金が必要な世帯への支援を強化するために条例を改正する必要があるため、この案を提出するものです。
ご審議の上、ご決定をしていただきますようお願いいたします。(拍手)
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管健康福祉委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第8を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第8
議員提出第7号議案 大田区乳幼児及び義務教育就学児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
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○塩野目 議長 提出者の説明を求めます。
〔35番杉山公一議員登壇〕(拍手)
◎35番(杉山公一 議員) ただいま上程されました議員提出第7号議案 大田区乳幼児及び義務教育就学児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例について、提出者を代表して、提案理由の説明を行います。
この条例は、医療費助成の対象者を高校生の18歳まで拡充することにより、保護者の経済的負担の軽減と子どもの健全な育成を図るために、条例を改正する必要があるために提出するものです。
よろしくご審議の上、ご決定くださいますようよろしくお願いいたします。
以上で提案理由の説明を終わります。(拍手)
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管こども文教委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第9を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第9
2第129号 新空港線計画をやめ積立金をコロナ対策などのために使うことを求める陳情 ほか2件
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○塩野目 議長 お諮りいたします。本件については、いずれも交通臨海部活性化特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
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○塩野目 議長 日程第10を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第10
2第126号 新飛行ルートの騒音が推定値より高いことへの対応を国に求めてほしいと願う陳情 ほか1件
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○塩野目 議長 お諮りいたします。本件については、いずれも羽田空港対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
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○塩野目 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。
今回受理しました請願・陳情は、ただいま特別委員会に付託しました5件を除き、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会及び議会運営委員会に付託します。
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令和2年第3回定例会 請願・陳情付託表【第1号】
令和2年9月11日付託
総務財政委員会
2第111号 固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続について意見書の提出に関する陳情
2第112号 固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続について意見書の提出に関する陳情
2第113号 固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続について意見書の提出に関する陳情
2第119号 国保料の緊急の引き下げを求める意見書を国に対して提出することを求める陳情
2第134号 選挙ポスターをすべての立候補者がすべての掲示場に貼られるようにしてほしい陳情
2第140号 2023年の大田区議会議員選挙に向けて電子投票導入の準備を進めてほしい陳情
地域産業委員会
2第123号 区立集会施設に「オンライン会議」が可能な機材・設備の設置を求める陳情
2第132号 田園調布せせらぎ公園の今後の整備の見直しを求める陳情
健康福祉委員会
2第116号
新型コロナウイルス感染症対策としてのPCR検査体制の拡充を求める陳情
2第117号
新型コロナウイルス感染症に係る介護事業所への財政支援を求める陳情
2第118号 コロナ禍における障害福祉サービス事業所等への財政支援を求める陳情
まちづくり環境委員会
2第131号 大田区の各施設に、マイボトル用の給水スポットを設置することを求める陳情
2第137号 タイヤ公園を大田区のほかの地域にも設置してほしい陳情
こども文教委員会
2第109号 小中学校の学級定数を20人以下に変更するよう国や東京都への意見書を求める陳情
2第110号 子どもの利用する施設の感染防止対策と職員の定期的PCR検査体制の確立に関する陳情
2第115号 コロナ禍における入新井第一小学校建て替えを一時中断し計画の見直しを求める陳情
2第120号 大田区のすべての子ども達がコロナ禍ですこやかな成長を保障するための陳情
2第121号 新型コロナの感染予防と行き届いた教育実現の為、少人数学級の実現を求める陳情
2第124号 東京都に公立教職員への「1年単位の変形労働時間制」導入反対の意見具申を求める陳情
2第125号 「今後の学級編制と教職員の定数改善」を東京都及び大田区長に求める陳情
2第127号 教育現場における離婚等のこども養育支援にかかる陳情
2第130号 大田区立の小中学校の少人数学級を求める陳情
議会運営委員会
2第136号 定期的に区議会議員の活動報告チラシをおおた区報とともに全戸配布してほしい陳情
2第138号 区議会議員の女性比率を上げる努力をするようにしてほしい陳情
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○塩野目 議長 日程第11を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△日程第11
常任委員の所属変更について
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2020年9月8日
大田区議会議長
塩野目 正 樹 様
日本共産党大田区議団
大 竹 辰 治
荒 尾 大 介
委員会所属変更申出書
都合により委員会の所属を下記のとおり変更されるよう申し出ます。
記
大 竹 辰 治
まちづくり環境委員会から健康福祉委員会へ
荒 尾 大 介 健康福祉委員会から
まちづくり環境委員会へ
日本共産党大田区議団
幹事長 佐 藤 伸
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○塩野目 議長 本件については、大竹辰治議員より、
まちづくり環境委員会から健康福祉委員会に、荒尾大介議員より、健康福祉委員会から
まちづくり環境委員会に、それぞれ委員会の所属を変更したい旨の申出がありました。
お諮りいたします。本件についてはいずれも申出のとおり、それぞれ委員会の所属を変更することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
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○塩野目 議長 次に、特別委員の辞任について報告いたします。
オリンピック パラリンピック観光推進特別委員、清水菊美議員及び羽田空港対策特別委員、菅谷郁恵議員から、それぞれ当該委員の辞任願が提出されましたので、委員会条例第12条の規定に基づき、これを許可いたします。
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○塩野目 議長 日程の追加についてお諮りいたします。オリンピック パラリンピック観光推進特別委員及び羽田空港対策特別委員にそれぞれ欠員が生じましたので、この際、各特別委員選任の件を本日の日程に追加し、直ちに議題といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
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○塩野目 議長 追加日程第1を議題とします。
〔井上事務局長朗読〕
△追加日程第1
オリンピック
パラリンピック観光推進特別委員選任 ほか1件
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○塩野目 議長 お諮りいたします。本件は、委員会条例第6条第1項の規定に基づき、タブレット型端末に配信いたしました特別委員会委員名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認めます。よって本件は特別委員会委員名簿のとおり選任することに決定いたしました。
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特別委員会委員名簿(補充)
オリンピック パラリンピック観光推進特別委員会
菅 谷 郁 恵 議員
羽田空港対策特別委員会
清 水 菊 美 議員
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○塩野目 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。
お諮りいたします。明9月12日から9月22日までは委員会審査のため休会とし、来る9月23日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後6時30分散会...