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令和 2年 3月  予算特別委員会−03月06日-01号

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  1. 大田区議会 2020-03-06
    令和 2年 3月  予算特別委員会−03月06日-01号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    令和 2年 3月  予算特別委員会−03月06日-01号令和 2年 3月  予算特別委員会 令和2年3月6日                午前10時00分開会 ○渡司 委員長 ただいまから、予算特別委員会を開会いたします。  このたびの新型コロナウイルス感染症拡大を受け、傍聴人が激しくせき込むなどの体調不良の症状が見られた場合、周囲への影響を鑑み、感染症拡大防止の観点から、委員長の判断により、傍聴人には退場いただくことをお願いする場合がある旨、3月2日に行われました第4回議会新型コロナウイルス感染症対策本部において確認がなされました。  今般の社会情勢に鑑み、このような対応をさせていただく場合があることをご理解いただきますとともに、あらかじめご了承願います。  それでは、第1号議案 令和2年度大田区一般会計予算ほか3件を一括して議題といたします。  申し合わせ事項により、総括質疑につきましては、各会派の持ち時間のうち60分以内を原則とし、通知のあった時間を電光表示いたします。  なお、電光表示が0になりましても、質疑は継続し、各会派の款別質疑以降の持ち時間を消化いたしますので、ご了承願います。  また、款別質疑については各会派の持ち時間を、しめくくり総括質疑については20分を、それぞれ限度として行い、残り時間を電光表示いたします。  なお、会派の呼称は、略称とさせていただきます。  次に、理事者の皆様に申し上げます。  質疑時間には、答弁も含まれますので、簡潔な答弁をお願いいたします。  答弁の際には、その都度、自己の職名をはっきりと告げた上で答弁していただきますよう、お願いいたします。  それでは、総括質疑に入ります。  自民、質疑願います。 ◆高瀬 委員 自由民主党大田区民連合の高瀬でございます。会派を代表して総括質疑をさせていただきます。  予算審査に入る前に、新型肺炎に関してお伺いいたします。  全国一斉の学校休校や安倍総理の記者会見などを受け、現在、我が国はまさにこの国難と言える状況に対して全国民が一致団結して、乗り越えていかなければならない状況になっております。日に日に状況は変わっております。
     公衆衛生の観点からお伺いいたします。  現在の最新状況とこの間の本区の取り組み、あわせて今後の動きについてお伺いいたします。 ◎西田 保健所長 3月2日時点での状況といたしましては、世界65か国から8万7,817人の感染者発生の報告があり、国内ではクルーズ船関係を除くと232人となっております。  区では2月3日に区長を本部長とする新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、情報共有並びに各種対策を検討しております。区主催事業の原則中止、延期など、いち早く方針を決めて実行するとともに、区報の臨時号発行、ホームページなどで区民への正しい知識の普及啓発に努めております。  現時点では、感染経路の判明されていない患者も国内に発見されており、患者が発生した場合に保健所が適切に調査を行い、対応を指示し、拡大防止に努めております。  今後も、国や東京都の方針を確認し、区内の関係機関ともさらに連携しながら、区民の安心・安全を守るための対策を続けてまいります。 ◆高瀬 委員 保健所は、地域住民の健康を支える公衆衛生行政を担う組織です。状況の変化に的確に対応しながら、危機管理室とともに緊密に連携し、引き続き区民の健康を守り、寄り添っていただきたいと思っております。  それでは、当初予算についてお伺いいたします。  予算に込めた区長の思いは、当会派の鈴木幹事長が代表質問でお伺いいたしました。私からは、財政的側面からお尋ねさせていただきたいと思っております。  区は令和2年度一般会計予算を2,873億円で編成されました。日ごろから区は、今後、財政状況は厳しさを増すとしながらも、昨年に続いて過去最大規模の予算となっております。編成過程において創意工夫を重ねられたものだとは拝察しますが、いよいよ3,000億円台も現実味を帯びてきたように思えます。  そこで改めて平成元年度からこの間、一般会計当初予算の推移を調べてみました。すると、平成元年度は1,605億円で、2,000億円を超えたのは平成5年度でした。その後、18年度までは1,800億円台から2,000億円台前後で推移しております。その後、リーマンショックによる影響などで、年度間で若干の増減は見られますが、19年度の2,147億円からは今日まで一貫して増加傾向となっております。これは時を同じくして、松原区政の時期と重なり、このことは、この10年余りに区を取り巻く社会経済環境が激変する中、超高齢社会に伴う人口構成の変化や様々な制度改正、公共施設の機能更新などに積極果敢に対応し、住民福祉の向上に全力で取り組まれてきた松原区政の歩みそのものと受けとめております。  そして、特筆すべきは、それは財政規模が大きくなる中にあっても、極めて健全な財政状況を維持してきたということであります。これは各種の財政指標を見れば一目瞭然であります。改めて松原区政の行政運営を高く評価するものであります。  では、今後はどうなのでしょうか。予算規模は逓増路線で、本当に3,000億円に達するのではないかと思えております。  そこでお伺いいたします。このまま予算規模が伸び続けると、いずれは財政破綻してしまうのではないでしょうか。令和2年度予算は攻めの予算なのか、守りの予算なのか。現在の財政規模は行政規模に対して適正なのか。行政事務が適正レベルを超えて肥大化し、連動して予算も大きくなっているのか。身の丈にあった財政運営は自治体経営の基本であります。このたびの予算規模の分析と今後の財政運営への姿勢について、区長のご所見をお伺いいたします。 ◎松原 区長 令和2年度予算(案)でございますが、区政の課題を着実に解決し、災害時においても安全・安心なまちづくりを進め、次世代につながる持続可能な地域社会を目指す予算といたしました。  予算規模でございますが、平成27年度当初予算2,501億円から令和2年度予算では2,874億円と、5年で373億円の増となっておりますが、国・東京都の補助金の積極的な活用などにより、一般財源への影響を抑えてまいりました。  また、各年度におきます健全化判断比率では、財政の健全性を維持しておりまして、現在の予算規模は、適正なレベルであると考えております。  行政需要は今後も増加していくものと想定はしておりますが、必要な区民サービスが提供できる適正な財政規模を維持できるよう努めてまいります。  今後の財政運営についてでございますが、令和3年度を始期とする新基本計画は、中長期の財政見通しを踏まえ、誰もが生き生きと暮らせる安全・安心のまち、未来へ歩み続ける共に創る共創のまち、持続可能なまちなどの視点で策定をしてまいります。  今後は、おおた重点プログラムを推進するとともに、新基本計画に基づく政策課題を着実に解決し、地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市おおたの実現を目指してまいります。  そのため、人口構成の変化やグローバル化、情報技術の革新などの社会情勢の変化と一層複雑化する地域課題を的確に捉え、将来を見据えた持続可能な安定的かつ効率的な行財政運営を行ってまいりたいと思います。 ◆高瀬 委員 ただいま、区長から答弁いただきました。持続可能な区政にとって大変重要な視点であります、身の丈にあった財政運営に今後も取り組まれますよう、要望いたします。  次に、歳入について質問いたします。以前から感じていたことがありました。予算審議はとかく歳出ばかりが注目され、歳入面の審査がおろそかになる傾向が多いと思われます。  本区においても過去、歳入審査はほとんどありません。言うまでもなく、予算は歳入と歳出の表裏一体であります。例えば、歳出面ばかりに気を取られ、特定財源が充当されている事業をカットすれば歳入も減ることになります。歳出を審査するために、歳入審査も大変重要なものであります。  現在、本区を取り巻く税財政環境には看過できないものがあります。それは国が進める不合理な税制改正などによる影響であります。財政当局によれば令和2年度では、ふるさと納税に伴う減収として32億円、法人住民税の一部国税化の影響に伴う減が78億円、さらに、地方消費税の清算基準の見直しによる影響で42億円の減と、合計で152億円もの減収が見込まれております。これは歳入予算の5.3%を占め、仮に小中学校1校を新たに建築するのに約30億円かかると仮定すれば、新しい学校が5校も建設できる額であります。  そして、これらの中で影響額が一番大きい財調交付金は特別区税とともに歳入の根幹をなすもので、まさに予算フレームの根底を揺るがしかねない、極めて危機的な状況です。  この財調交付金ですが、今年に入って大きな動きがありました。平成19年度以来13年ぶりに都区間での配分比率が変更になり、区側割合が55%から55.1%となったことです。わずか0.1%とはいえ、18億円です。  そして、財調交付金は特別区が行う都市計画事業における財政措置にも密接にかかわっております。さらに、都市計画事業には都から都市計画交付金が交付されますが、その額は実態にあっていないという話も聞きます。  本区が進める新空港線整備は、現在、都市計画事業にはなっておりませんが、広域性を有する鉄道整備事業であることや、その目的、社会的貢献度から当然、都市計画事業とされるべきものであります。  そこでお伺いいたします。財調交付金の配分率変更の背景及び都市計画交付金の現状と課題をお聞かせください。また、両交付金に対する区の見解もお聞きいたします。 ◎市野 企画経営部長 まず、今回の特別区交付金の配分率変更については、都区財政調整協議において、特別区が政令の定めにより児童相談所を設置した場合の関連経費につきまして、東京都と区の考え方に乖離はあるものの、議論を重ねた結果、今後の協議において解決を図ることとし、今回は特例的な対応として、特別区の配分割合を令和2年度から0.1%増やし、55.1%とすること、また、配分割合のあり方については、令和4年度に改めて協議することと整理されました。  都区財政調整制度に関しては、都区制度をしっかりと支える財源保障制度として、適切に運用していくことが重要であると考えてございますが、需要額算定や特別交付金のあり方などにおいて、現状は必ずしも実態を踏まえたとは言えない課題を抱えていると考えてございます。  次に、都市計画交付金に関しては、都市計画税は全ての都市計画事業が充当対象となるのに比べ、都市計画交付金は、対象事業に制限があるなど、都区の事業実態に見合った見直しを図る必要があるものと考えてございます。  新空港線については、現行の都市計画交付金補助対象事業8項目に、都市高速鉄道が位置づけされておらず、この対象事業の項目に都市高速鉄道をまず追加する必要があると考えてございます。  都市計画交付金及び財政調整交付金への位置づけなどについては、現在、東京都をはじめとする関係者と、合意形成に向けた協議を鋭意進めているところでございます。  区といたしましては、このような課題解決に向けた建設的な議論を、特別区全体で連携して進め、都区財政調整制度及び都市計画交付金制度が実態と見合ったものになるよう、引き続き尽力してまいります。 ◆高瀬 委員 区の歳入構造に深く関する二つの交付金の今後の動向については、議会も注視していく必要があると思われます。  次に、歳出についてです。令和2年度予算は、新しい世代の礎となる予算と位置づけられております。まさに令和という新しい時代の入り口にあって、未来を見据えて区政の礎を築くという考えは重要であります。  では、区はどのような礎をつくるお考えなのでしょうか。超高齢社会の一層の進展に伴い、区民ニーズが多様化、高度化、複雑化する中、福祉や生活利便性の向上のためには、ソフトとハードの両面でバランスのとれた政策投資が今後一層必要になってくると考えます。このような予算は、義務的ではなく政策的であることから投資的経費として区分されます。投資的経費の動向は、持続可能な区政の確立に向けた重要な指標の一つだと考えております。  そこで伺います。投資的経費のこれまでの推移とその検証、さらに今後の展望について、区のご見解をお聞かせください。 ◎市野 企画経営部長 投資的経費の決算の推移は、平成27年度は前年度比1.4%減の262億784万円、28年度は前年度比4.3%増の273億3,461万円、29年度は前年度比14.0%減の235億488万9,000円、30年度は前年度比104.1%増の479億7,596万9,000円となっており、新規事業の開始や事業の完了などにより、各年度において増減がある状況となってございます。  今後の見通しでございますが、これまで、公共施設や都市基盤整備まちづくり事業など、計画的に進めてきたところでございますが、建物や橋りょう、道路、公園など、施設の機能更新は、今後も同じレベルで続くものと見込んでございます。  建築物の耐震化や、道路・橋りょうなどの都市施設の耐震対策による災害に強いまちづくりや、多様化・複雑化する区民ニーズにも対応する公共サービスに必要なハード面の整備により、誰もが健康で生きがいをもって暮らせるまちづくりを進めるほか、まちの活性化につながる地域整備を推進していくため、予算編成にあたりましては、投資的経費の効果的かつ適切な配分に努めてまいります。 ◆高瀬 委員 今後も限られた財源を重点かつ効果的に配分して、経常的経費と投資的経費の適正バランスを維持する財政運営に取り組んでいただきたいと思っております。  福祉費についてお伺いいたします。住民福祉の向上は自治体の責務ですから、福祉費が予算全体の多くを占めることは理解できます。そのような中、今回の予算では福祉費が全体の54%を占めております。福祉の充実は必要ではありますが、予算総額の過半を占める状況となると、全体的な視点で多角的な分析が必要だと考えられます。  予算に占める福祉費の割合はどれくらいが適正なのでしょうか。福祉費が高齢福祉や障害福祉、生活保護などの社会保障経費であることを考えれば、安易な削減は決してあってはなりませんが、ゆえに義務的経費の側面もあり、予算全体を硬直化させていくことも懸念されます。  高齢、障がい、生保、子ども対策といった区民生活に直結する重要事業を予算措置している福祉費であるからこそ、超高齢社会が今後も進展し、社会保障費のさらなる伸びが確実視される中にあっては、そのあり方についてしっかりと検討がされるべきと考えます。  そこでお伺いいたします。福祉の増進に取り組むことは重要であります。一方、区政にはほかにも地域振興、保健衛生、産業振興、まちづくり、都市基盤整備、環境衛生、義務教育など生活全般にわたる重要分野があります。社会保障経費の一層の伸びが今後も見込まれる中にあっては、持続可能な福祉行政の展望について、区はどのようにお考えなのか、ご所見をお伺いいたします。 ◎今岡 福祉部長 これまで区は、社会経済状況の変化等を見据え、障がい者総合サポートセンター(さぽーとぴあ)の設置や、大田区生活再建・就労支援サポートセンターJOBOTAの開設など、福祉分野において先駆的な取り組みを進めてまいりました。  今後も、超高齢社会の進行、障がいの重度化に伴うニーズの多様化、複合的課題への対応など、福祉分野における需要はさらに増大することが見込まれます。  令和2年度予算案では、未来を担う子どもたちの成長を応援するとともに、生涯を通して誰もが健やかに元気に暮らせるまちづくりに必要な経費を計上し、施策の充実を図っております。加えて、高齢者や障がい者の増加等も相まって、福祉費は、今年度予算と比較し18億円余の増額となりました。  将来の区財政が予断を許さない状況であることから、福祉施策の構築・展開にあたりましては、持続可能性の確保を念頭に置くことが必要です。  区は、介護や専門的支援の実施と並行し、介護予防・フレイル予防等の推進により健康寿命の延伸を図っております。また、多様な主体との連携・協働や支え合いによる地域づくりを一層推進していきます。  今後も、地域福祉計画に掲げる大田区版地域共生社会の実現を目指し、福祉行政の充実に取り組んでまいります。 ◆高瀬 委員 福祉費は、日々の生活や生命に直結する経費です。今後も新たな発想や創意工夫による先進的な取り組みについて、一層の展開を願うものでございます。  次に、「老いじたく」についてお伺いいたします。これは予算で初めて出てきた言葉です。生前整理のことだと思いますが、人生100年時代という言葉は今では当たり前のように使われるようになり、何の違和感もなくなりました。我が国は世界有数の長寿国と言われるほど平均寿命が延びていますが、これは医療や科学技術の進歩により健康でいられる期間が長くなったということが理由の一つだと言われています。  特に1990年から2015年のわずか15年の間に、平均寿命は男女ともに5歳延びており、戦後まもない1950年と比較すると今日では約25歳も延びています。長寿社会を迎えた今、老いという言葉よりは高齢者という言葉のほうが前向き感はあるとは思いますが、いずれにしても心身ともに元気なうちに将来の不安に備えておくことは大変重要なことであります。  近年は、老後の不安解消や安定した生活のために、成年後見人制度やリバースモーゲージなども注目されていると聞きます。おひとり暮らしの高齢者も年々増えてきております。  そこでお伺いいたします。老いじたくとは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。生前整理に対する区の見解と今後の超高齢社会における、老いじたくの施策の展開について、ご所見をお伺いいたします。 ◎今岡 福祉部長 ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯を中心に、住まいや財産の管理、遺言の作成など、みずからの老後に対する不安や悩みを抱える方は増加傾向にあります。区はこのような背景を踏まえ、より前向きに、安心した生活を送るための備えを老いじたくと捉え、取り組みを進めてまいります。  本事業は、区民の皆様が、自身の思いを反映できること、元気なうちから備えられることに重点を置いてまいります。まず、老いじたくの必要性をわかりやすく説明するパンフレットを作成し、周知・啓発に取り組みます。また、定期的な相談会の開催により相談体制を整備するとともに、ニーズの把握・分析に努めます。  取り組みに際しましては、大田区社会福祉協議会相談支援機能を最大限に活用し、成年後見制度の利用もあわせて、判断能力に応じた適切な支援を進めてまいります。  人生100年時代を見据え、予防的視点に立った高齢者施策とあわせ、元気なうちから皆様に取り組んでいただけるよう、老いじたく事業を進めてまいります。 ◆高瀬 委員 今後の区のこうした取り組みは、多くの高齢者にとって心のよりどころとなると思います。今後の一層の高齢者施策に期待をして、次の質問に移ります。  スマート自治体への取り組みについてお伺いいたします。現在、我が国ではデジタル技術が多用され、情報化イノベーションが加速度的に進展し、社会の仕組み、そのものが劇的に変わりつつあります。  国も成長戦略の中で未来の社会像をSociety5.0として示し、超スマート社会を実現しようとしています。そして、その実現に向けて5G通信網などのインフラ整備も急速に進められております。  翻って区政を見ますと、地域社会や区民生活においてもICT変革が着実に進んでおります。その流れに取り残されないためにも、区政は今後、スマート自治体の実現に向けてかじを取っていく必要があります。私は本区においてICT推進は、今から数年の取り組みが、その先、数十年の区政のあり方を決めてしまうのではないかとも考えております。  そこでお尋ねします。スマート自治体を目指すことは、持続可能な自治体となるために大変重要なことであります。スマート自治体に対する区の見解と、実現に向けた構想についてお聞かせください。 ◎市野 企画経営部長 人口減少に伴う労働生産性の低下や経済成長の鈍化などは、自治体運営においても影響があると考えられ、今から着実に準備をしておく必要があるものと認識をしてございます。  区といたしましては、生産年齢人口の減少が見込まれる中にあっても、持続可能な行政サービスを提供し続け、住民福祉の水準の維持・向上を図るために、ICTの積極的な活用を通じて、職員の貴重なマンパワーをより高度な判断が求められる業務などに振り向けることができる自治体をスマート自治体と考えているところでございます。  スマート自治体の実現に向けまして、区は今後も国や東京都の動向に注視していくとともに、来年度に策定を予定している情報化推進に関する計画の中でその道筋をお示ししていく予定でございます。 ◆高瀬 委員 スマート自治体への転換は単なる区政のデジタル化ではありません。この答弁にもあったように、AI、ICTでは対応できない、人間だけが持っている感性や感覚を必要とする業務に、マンパワーを集中投下できるように取り組むものであります。地方版デジタルガバメントに向けて全力で取り組んでいただきたいと強く要望いたします。  必要な物やサービスを、必要な人へ、必要な時に、必要なだけ提供する時代がもうすぐやってきます。そのような時代に対応していくためには、従来の概念にとらわれない斬新な組織が必要です。「組織は人なり」であります。デジタル区政を支える組織には、高度なICT人材の早期育成に加え、適材適所を可能とする柔軟な人事配置、さらにそれを支える研修や制度が欠かせません。  そこでお伺いいたします。デジタル区政に向けた人事戦略とスマート自治体を担う次世代の職員像について、区はどのようにお考えでしょうか。 ◎玉川 総務部長 スマート自治体の実現に向けまして、これまで区は職員の業務適性や本人希望等を踏まえ、情報システム課や各部局のシステム担当への柔軟な配置管理を行うことで、ICTの推進やシステム円滑化などの職場環境整備に努めてまいりました。  また、ICTリテラシー情報セキュリティ対策に関する職員研修を実施しまして、ICTの有用性に関する意識啓発や知識習得の支援を継続して行っております。  今後は、さらなるICTスキル向上のため、自己啓発支援制度を一層強化する予定でございます。こうした取り組みに加えまして、情報化を推進するために、本年4月に、課長級の任期付職員を採用する予定でございます。  引き続き、持続可能で堅ろうな行財政運営を行っていくため、より一層、庁内の情報化推進体制の強化に向けた人事戦略を講じてまいります。 ◆高瀬 委員 AIやICTをめぐる世の中の動きは、とてつもなく速く、また革新的であります。スマート自治体の構造と、それを支える戦略的な人事政策に期待しております。  次に、公共施設整備についてお伺いいたします。人口構成が大きく変化している中、全国的に更新時期を迎えた多くの公共施設への対応が課題となっております。こうした中、本区は今後の基本的考え方として、平成28年3月、公共施設適正配置方針を策定し、機能更新にあたっては原則としては可能な限りの複合化を目指すとしております。  これを踏まえ、特別出張所や区民センターの改築では様々な角度から検討が重ねられ、地域コミュニティの活性化、利便性の向上、防災機能の強化、効率的管理などの観点から、複合化が進められてきたと認識しております。  区の将来を見据えれば、複合化は絶対に必要な取り組みであります。我が会派も賛同しております。引き続き、可能な限り複合化に向けて取り組んでいただきたいと思います。  一方、この間には複合化に向けた区の姿勢に統一感が感じられない事案もあるなど、複合化を進めるとしている区の基本方針にいささか疑問を感じざるを得ない状況も見受けられます。  そこでお伺いいたします。区長は、これまで複合化を進めていくことを何度も答弁されておりますが、複合化に対する区の見解と今後の取り組み姿勢について、改めて確認をさせていただきます。 ◎市野 企画経営部長 区が保有する公共施設について、計画的かつ安定的に施設の機能更新や整備を進めていくことは、持続可能な区政運営を進めて行く上で大変重要であると認識をしてございます。  こうした中、区民の貴重な財産である区有施設の更新にあたっては、地域ごとの将来のまちづくりを見据えた施設の適正配置や複合化・多機能化により、新たな地域拠点を整備し、地域力のさらなる向上などを目指しているところでございます。  今後も、施設重視から機能重視への転換による施設の集約及び有効活用などを行い、効果的・効率的な施設マネジメントによる公共施設の機能更新を推進してまいります。 ◆高瀬 委員 改めて、原則複合化を可能な限り進めていくという区の基本姿勢が確認できました。複合化に対して、地域でも賛同する声が大変多い状況で、引き続き地域の将来をしっかりと見据えて、その責任を果たしていただきたいと思っております。  そのうえで、公共施設の中で最も広い延床面積を占める小中学校についてお伺いいたします。言うまでもなく、小中学校は地域における最も身近な公共施設の一つであり、子どもが安心して学び、生活する場であるとともに、休日の校庭開放や体育館の夜間利用など地域住民に多く利用されております。  また、災害発生時には従来の避難所の位置づけから、現在では学校防災活動拠点として、逃げ込む場所から災害に立ち向かう場所へと、その位置づけも変わっております。まさに、地域の拠点であります。  中でも、小学校は学校区域が中学校ほど広くないため、超高齢社会において地域行政の中心になることも考えられます。地域交流、にぎわい、利便性向上、防災面などから学校の複合化は大変重要であり、我が会派としても積極的に推進すべきと考えております。  そこでお伺いいたします。学校の改築は、教育環境の改善を最優先にした上で、それ以外にも様々な活用について多角的に検討を進めることが必要です。学校改築における複合化への取り組みにつきまして、区のご見解をお聞かせください。 ◎市野 企画経営部長 学校施設の改築時における複合化につきましては、児童・生徒の教育環境の維持向上を前提とした上で、余剰床が見込める場合に複合化を検討しているところでございます。  学校施設の複合化にあたりましては、地域の状況や特性を十分に踏まえ、放課後の子どもの居場所づくりの充実や、防災拠点としての機能強化を図るほか、地域が抱える様々な課題の解決につながる地域コミュニティの活動拠点づくりを進めているところでございます。  今後も、教育委員会など関係部局と連携し、将来的な人口構成の変化や地域のニーズに柔軟に対応した施設整備を行うため、多角的な検討を進めてまいります。 ◆高瀬 委員 地域全体で子どもを見守っていくためにも、学校は地域における最も身近なコミュニティ施設です。教育委員会をはじめ、組織横断的に検討を重ね、地域にとってかけがえのない学校をつくってほしいと思います。  そして、馬込地区におきましても、馬込第三小学校が改築着手校に選定され、改築協議会で検討が始められました。今後、地域特性を踏まえた複合化の検討や防災機能の強化なども進められるものと期待しております。  馬込地区は第二京浜を挟んで南北に広がり、大小多くの公共施設がありますが、急な坂道も多く、機能更新を迎えている施設も少なくありません。また、郷土博物館や馬込文士村に関する貴重な書籍を所蔵する馬込図書館など、文化のかおり高い地区でもあります。この間、大規模な再開発や公共施設整備は行われておりません。地域としては点ではなく、まち全体をふかんした面的な公共施設再整備の動きに大いに期待が寄せられております。  そこで伺います。区は馬込地区の特徴や特性を踏まえ、今後どのような公共施設整備を進めていくお考えなのでしょうか。未確定な部分もあると思いますけれども、可能な範囲でお聞かせください。 ◎市野 企画経営部長 馬込地区には更新の時期を迎えた施設が多く、今後は施設更新を契機として、周辺施設の再配置も視野に入れ、地区の特性にあった施設整備の検討を進めることが重要であると考えてございます。
     施設整備を進めるにあたりましては、施設機能の集約・複合化を図り、相乗効果を生かした地域コミュニティの活動拠点を整備することや、地域ごとの行政需要に的確に対応することなど、将来のまちづくりを見据えた視点が不可欠と考えてございます。  今後も、馬込地区の歴史・文化・自然などの地域資源や地域特性を踏まえ、様々な角度から検討を進めてまいります。 ◆高瀬 委員 区内の随所で公共施設の機能更新が計画され、進行しております。馬込地区においても、今後一層の取り組みを加速されることを強く要望して、次の質問に移ります。  新しい産業政策についてお伺いいたします。区がこれまで公民連携手法で進めてきた羽田空港跡地のまちづくりが、いよいよ本年7月3日にオープンとなります。あわせて整備してきた、新産業創造・発信拠点も動き始めます。  国際空港に隣接する利便性と機能性が極めて高いこの地において、これまでにないスタイルでの商談や交流などが行われるとのことで、国内はもとより、海外からも熱い視線が向けられていると聞きます。ぜひ、この施設を区の新しい産業政策の発信拠点とし、区内産業活性化の活用につなげていただきたいと考えております。  そこでお伺いいたします。重要なのは施設をつくるのが目的ではなく、どう活用させるかであります。運用開始まで4か月を切った今、この施設にかける区の思いをお聞かせください。 ◎飯嶋 産業経済部長 公民連携手法で進めてきました本開発において、羽田みらい開発株式会社は、先端産業分野の研究開発に取り組む企業などを複数誘致しており、区は産業振興協会等と連携し、区内企業への波及効果を高めることが求められているため、その体制を整備すべく準備を進めております。  委員お話しのとおり、この開発を通じて区内産業をより活性化するためには、マッチングに加えて、国内外から多様な事業者を継続的に呼び込み、先端産業をはじめとする多様な産業分野の集積という強みを生かして相乗効果を創出し、その成果を発信することが重要となります。  そのため区は、区施策活用スペースを最大限活用し、産業振興協会が有する全国の大学や研究機関等とのネットワーク活用に加え、多様な産業分野で活躍する国内外の事業者を積極的に誘致し、区内産業関係者とのパートナーシップの構築などを進めていく予定です。  これにより、区内企業との多様な連携が創出され、新産業を創造する契機となるよう、オープンまでの残された期間でしっかりと準備をするとともに、この取り組みを広く国内外に発信をしてまいります。 ◆高瀬 委員 世界的な経済競争が一段と激しさを増す中、これからの産業政策は従来の慣例にとらわれることなく、斬新な発想によらなければなりません。  そうした点を申せば、本区の産業政策の新たなシンボルとなるこの施設から発信するメッセージや取り組みには、高い戦略性と革新性が込められていなければなりません。まさに区の産業政策は、新たなステージに入ると言えます。  そこでお伺いいたします。産業政策を一層戦略的に展開していくためには、全く新しい発想による取り組みが必要です。区内中小企業の活性化、先端技術産業と学術機関との産学官連携、多様な産業間での商取引などを踏まえ、区は今後の産業政策にどのような思いを込められているのでしょうか。 ◎飯嶋 産業経済部長 区は、今後の産業政策につきまして、今年度から2か年をかけまして、産業のまち大田区が目指す将来像を明らかにするとともに、今後の産業振興施策の方向性を示すべく、(仮称)大田区産業振興構想の策定に取り組んでおります。  構想の策定にあたりましては、有識者や区議会議員、区内産業団体代表者等を委員とする検討委員会を設置し、今年度実施をしております区内産業の実態調査や社会経済情勢の動向調査・分析などの結果を踏まえつつ、委員お話しの新しい発想による取り組みを含め、議論を重ねているところでございます。  これまでの議論を通じまして、委員の皆様からは、産業集積や羽田空港という大田区が持つポテンシャルへの期待が述べられる一方、人材不足や事業承継、産業構造の急激な変化にどう対応していくのか等、切実な問題提起もいただいております。  区はこれらの意見を真摯に受けとめ、区内産業発展のための議論を検討委員会でさらに深め、本年6月ごろに中間報告として取りまとめる予定です。  社会経済状況の変化は激しく、産業施策はこうした変化に機敏に対応することが求められております。そのため、(仮称)大田区産業振興構想については、大きな方向性を示しつつも、その時々のニーズに的確に対応できるよう、柔軟な視点を持って策定に努めてまいります。 ◆高瀬 委員 区内産業活性化に向けたご答弁をいただきました。この産業政策に、大いに注目してまいりたいと思っております。  産業に関する最後の質問として、現下の新型肺炎による影響を鑑み、区内産業に対する緊急対策についてお伺いいたします。  現在、区内の飲食店ではキャンセルが相次ぎ、客の入りも激減するなど大打撃を受けております。また、中小零細企業では中国経済の影響を受け、受注が大きく落ち込み収益が悪化するなど、区内の産業全体が危機的な状況になりつつあります。中には運転資金が回らず、倒産を余儀なくされる企業も出ていると聞きます。かつては回収できないことから課題も多かったと言われてはおりますが、経営の安定化に資する融資などもありました。  まさに今回は緊急事態であることから、様々な角度から経営や再生に対する支援策を検討して、区は一刻も早い緊急措置を講じる必要があります。さらに、区単独ではなく国や都と連携するなど、一層効果的な支援方法もあると考えます。  そこでお伺いいたします。先日には、区議会からも塩野目議長名で緊急対策への要望書が提出されておりますが、新型肺炎の影響を受けている区内産業、中小零細企業などに対する緊急経済措置について、区の対応をお伺いいたします。 ◎飯嶋 産業経済部長 区は、今般の新型コロナウイルス感染症への緊急対応として、2月17日から区及び大田区産業振興協会に特別相談窓口を設置し、区内中小企業・小規模事業者の皆様が苦慮する売り上げ減少や融資など、あらゆる経営上の相談に対応しております。  新型コロナウイルス感染症により、深刻な影響を受けている区内中小企業・小規模事業者を緊急支援することは、区として最優先に取り組むべき課題と捉えており、委員お話しのとおり、区議会からも緊急支援策の実施を強く求められているところでございます。  そこで区は、独自の緊急経済対策として、週明けから、大田区中小企業融資あっせん制度の中に、運転資金に対して区が全額利子補給する新型コロナウイルス対策特別資金を新たに設け、区内中小企業・小規模事業者を全面的に支援してまいります。  あわせて、国や東京都が打ち出しております緊急経済支援策との連動を図ることで、より効果的な支援につなげ、区内産業に与える影響が最小限となるよう、今後の動向を注視しながら機動的な支援を行ってまいります。 ◆高瀬 委員 23区の中で、もっとも最高レベルの産業施策を展開している本区ならではの緊急経済対策として伺いました。  このような国難に伴う危機的状況だからこそ、区はこれまで以上にしっかりと区内企業に寄り添っていただき、産業政策の中で力強い経営サポートをしていただきますようお願いいたします。  次に、まちづくりについて伺います。私道助成についてお伺いいたします。  令和元年第4回定例会で、区民の暮らしに必要不可欠であり、また、防災・防犯上の避難通路としての役割などから、地域住民にとって重要なインフラの一つである私道助成事業について、我が会派から質問を行いました。  質問の趣旨は、道路の整備工事は一般的に10メートルで100万円と言われておりますが、私道の所有者は高齢化し、年金収入のみの方などは沿道の皆様の同意があっても、多額な自己負担で道路の再整備につながりにくい状況があります。  そこで、区は安全で快適な生活環境を整備する観点から、私道助成事業について区の助成割合を見直すなど、区民が私道の整備に取り組みやすい条例への改正について見解を伺う、というものでありました。  区からは、私道整備助成における周辺区の状況を調査し、助成割合などについて検討してまいりたいと考えている、との答弁がありました。この間、区が周辺区などの状況を調査し、このたび助成率を引き上げる条例改正の議案提出を行ったことに対して我が会派としては高く評価をしているところでございます。  そこでお伺いいたします。区は私道をどのようなインフラであると認識し、どのように整備を行うべきと考えているのか、ご所見をお伺いします。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 区は、私道が区民の生活道路の一部として浸透していることや、避難通路などとしても活用できることから、区民に最も密着した公共性の高いインフラであると認識してございます。  そのため、大田区私道整備助成条例によります私道助成事業は、区民の生活環境の整備、公衆衛生の向上、治水対策などを目的といたしまして、昭和55年から実施しているわけでございますが、条例制定時に整備したものが約40年以上経過しておりまして、経年による劣化など、私道の再整備に向けた課題が顕著になってきてございます。  区では、議会からのご要望を受けまして、私道整備助成における周辺区の状況を調査したところ、多くの区では、私道の再整備の際に、9割の助成を行うなど、区民が活用しやすい制度設計であることが確認されました。  区は、この調査結果などから、今回の第1回定例会において、区助成の負担率を一律9割に引き上げまして、区民の経済的負担を減らす条例改正について議決していただいたところでございます。  今後、区は本制度を一層活用いただくため、ホームページ等で区民周知の強化を図るとともに、相談の初期の段階から区民に寄り添いながら、私道整備に向けた取り組みを鋭意進めてまいります。 ◆高瀬 委員 引き続き、私道助成につきましては、行政として最大限のご支援をいただけるよう、よろしくお願いいたします。  次に、鉄道駅の安全対策等への取り組みについてお伺いいたします。区民が安全に安心して利用できる駅実現のために大田区は様々な働きかけをしておりますが、特にホームドアについては、鉄道事業者の取り組みに対する区の支援が実り、昨年にはJR大森駅、蒲田駅に設置されました。その他の駅についても、東急東横線の多摩川駅、大井町線の大岡山駅、北千束駅、京急線は京急蒲田駅にホームドアが次々と整備され、区内鉄道駅の安全対策が着々と進んでいると実感しております。  しかし、ホームドアのない駅での転落事故は各地で今も続いております。区内で未整備の駅についてもホームドアを早期に設置する必要があるのではないかと強く感じるところでございます。  昨年9月には東京都が、鉄道駅のバリアフリーに関する優先整備の考え方を公表し、利用者が1日10万人未満の駅についても新たな考え方を示しております。この中には、ホームドア優先整備の視点に、駅利用者の特性や駅の構造、鉄道運営上の特徴を考慮することなどが盛り込まれております。区民の安心・安全のためにもこの新たな考え方に基づいた支援を行う必要が区にはあると考えます。  そこでお伺いいたします。この新たな考え方に基づいた取り組みの進捗状況と、今後、具体的にどのように進めるつもりなのでしょうか、お考えをお聞かせください。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 区はこれまでも、区民が安全に駅を利用できるよう、ホームの狭さや、それから特急や急行などが通過するときの危険性など、ホームの状況を現地で確認し、鉄道事業者と安全性について話し合いの場を設けて課題を共有するなど、機会を捉えて駅の安全性確保に対する働きかけを行ってまいりました。  あわせて、鉄道駅総合バリアフリー推進事業を通じて1日10万人以上が利用する駅につきまして、東京都と協調して補助を行ってきた結果、大森駅、蒲田駅にホームドアが整備されてございます。  そのほかにも、10万人未満の駅である京急蒲田駅や北千束駅等に、鉄道事業者により独自にホームドアが整備されるなど、安全対策が進んでございます。その一方で、区内にはまだ未整備の駅が残っております。  東京都が昨年9月に公表した、鉄道駅バリアフリーに関する優先整備の考え方の中では、委員お話しのとおり、駅利用者が1日10万人未満の駅に対しても、駅周辺に学校、それから福祉施設、病院が立地するなどの駅利用者の特性といったものや、それからホームの形状、あるいは特急や急行などの通過駅といった駅の特性を、優先整備の視点として示してございます。  東京都は、この考え方に基づきまして要綱改正を進めておりまして、今後区においても補助金交付要綱の改正手続を進めまして、東京都と協調してさらなる支援を行ってまいります。 ◆高瀬 委員 さらなる支援を行うということですが、京急電鉄が3月2日に平和島駅について、ホームドアを整備することを公表いたしました。このことについて、区はどのように捉えているのかお聞かせください。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 平和島駅のホームドア設置につきましては、区がこれまで駅の安全性向上に向けて鉄道事業者への働きかけを粘り強く行ってきた成果であると認識してございます。  京急電鉄は、平和島駅のホームドア設置を公表しましたが、区は優先整備に対する新たな考え方を踏まえまして、利用者が1日10万人未満の駅でありましても、特急や急行などの通過駅である場合には、駅へのホームドア設置を想定した補助額を既に来年度予算案に計上してございまして、平和島駅のホームドア整備についても予算可決の上で、迅速に対応できると考えてございます。  今後もこのように、駅の安全対策に対する取り組みを適時適切に支援してまいります。 ◆高瀬 委員 引き続き、駅の安全対策について、交通事業者と緊密した連携をしていただきたいと思っております。  最後に教育についてお伺いいたします。まずは教育指導方針についてです。  教育の目的は何でしょうか。その魅力と可能性はどこにあるのでしょうか。教育は、カリキュラム次第で大きく変わります。そして変えることができます。指導にあたる教員には豊かな感性と大きな包容力、そして的確な指導力が求められています。  一方、家庭における教育力の低下や子どもの地域活動や社会奉仕などへの参加機会の減少など、子どもの礼節や規範意識の低下が叫ばれております。道徳観念をいかに伸ばしていくのかは、教育の大きな使命の一つであります。  そこでお伺いいたします。相手を思いやる心を育み、たくましく生きる力を身につけ、自分の将来をしっかりと考えられるようにする教育の実践が改めて求められております。区のご見解をお伺いいたします。 ◎後藤 教育総務部長 委員お話しのとおり、相手を思いやる心やたくましく生きる力を身につけ、自分の将来をしっかりと考えられる子どもを育てることは大変重要であると考えております。  教育委員会では、昨年策定した、おおた教育ビジョンにおきまして、「豊かな人間性をはぐくみ、未来を創る力を育てる」をテーマに知・徳・体の調和のとれた成長を図り、豊かな人間性をかん養する取り組みを進めております。  各学校では、授業や生活指導を通じて、子どもたちに対し、日常生活の様々な場面や状況におきまして、誰かに言われて行うのではなく、みずから思いやりや礼儀などの道徳的な行いが進んでできる力を身につけさせております。  このような、学校の全教育活動を通じた指導を行うとともに、教科化された特別の教科道徳の授業におきまして、読み物教材を活用して登場人物の行動を追体験させたり、自分の日常の行動を振り返らせることで考えを深めさせております。  今後も、思いやりの心や礼節を重んじ、自分の将来をしっかりと考えることのできる子どもたちを育てる教育を実践してまいります。 ◆高瀬 委員 引き続き、人間性を豊かにする教育の一層の展開をお願いいたします。  続けて、教育指導における校外学習の効果についてです。野辺山学園に関する区の見解は、我が会派の一般質問に対する答弁でお伺いいたしました。  その上でお尋ねします。今、子どもたちに求められているのは自発的発想と行動による自主性と協調性の向上であります。そのためには、私は校外学習が大変有効だと考えます。ふだんの学校生活とは異なる環境で展開される学習の中で、学年や学級において和を深めることができる効果は何にもかえがたい体験であります。そして、公共マナーを学び、相互理解を深める機会としても役立つと確信しております。  そこでお伺いいたします。校外学習で学ぶ多様な体験や価値観は、日ごろの学習では得がたい高い教育的価値があると思います。区のご見解をお伺いいたします。 ◎後藤 教育総務部長 校外学習におきまして、様々な集団活動に取り組み、集団や自己の生活上の課題を解決することは、豊かな情操と感性に富む子どもたちを育てる上で、高い教育的価値があるものと認識しております。  校外学習は、日々の授業をより深め、豊かな人間性や、みずから学び、みずから考える力など、生きる力の基盤として自然体験や社会体験を実際に自分の身体を通して経験する活動でございます。  例えば、自然体験活動では、子どもたちが日常と異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、よりよい人間関係を築くなど、集団生活のあり方や公衆道徳などについての体験を積むことができるようにしております。  また、社会体験活動では、子どもたちが勤労の尊さや生産の喜びを体得し、勤労観や職業観にかかわる啓発的な体験が得られるようにするとともに、ともに助け合って生きることの喜びを体得し、ボランティア活動などの社会奉仕の精神を養う体験が得られるようにしております。  今後も、子どもたちが、集団活動に自主的、実践的に取り組み、相互理解を深められるよう、校外学習の充実を図り、子どもたちの豊かな人間性や未来を創る力を育ててまいります。 ◆高瀬 委員 校外学習のあり方を考えるにあたっては、拙速にならず様々な角度から広く、深く、丁寧に検討していく中で模索していくべきだと考えております。  教育委員会及び事務局におかれましても、今後の検討において、このことをしっかりと受けとめていただけるよう、強く要望させていただきます。  最後に、学校における働き方改革についてお伺いいたします。  子どもたちの豊かな人間性を育む教育を推進していくためには、教師が教師でなければできない仕事に全力投球できる環境を確立することが、大切であると考えております。我が国の将来を担う子どもたちの学びの充実のために、教師が子どもたちと向き合う時間を確保し、教育の質を維持・向上させながら学校の持続可能性を確立することが本来の目的であることを忘れてはなりません。  専門職である教師が誇りを持ち、子どもたちの指導に使命感を持って、より教育活動に専念することができるよう、教師間の業務の隔たりを解消しながら、業務量の削減を推進していく必要があります。  昨年の第200回臨時国会において、給特法と言われる、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法が改正され、教師の時間外勤務を月45時間、年間360時間以内とする上限ガイドラインが法的根拠のある指針となり、各地方公共団体に対して、指針を参酌した上で条例・規則等に教育職員の在校等時間の上限時間を定めるよう求めることが示されました。  そこでお伺いさせていただきます。東京都においては、指針を踏まえた業務改善を行う旨の条例改正案がまだ都議会には提出されてはおりませんけれども、本区における、規則等に教育職員の在校等時間の上限時間に関する準備状況についてお聞かせください。 ◎後藤 教育総務部長 教育職員等の在校等時間の上限時間に関しましては、服務監督権者である大田区教育委員会として、国が定める指針に準じて、在校等時間の上限を規則等に定め、教員の健康及び福祉の確保を図ることが求められております。  このようなことから、教育職員等の業務量の適切な管理を行うため、東京都の条例改正を待って、在校等時間の上限時間の原則を1か月45時間、1年360時間とする規則等の改正に必要な準備を現在進めているところでございます。  なお、在校等時間とは、教員が在校している時間を基本とし、みずからの判断に基づく自己研さんの時間や業務外の時間、休憩時間などを除いた時間となっております。  この在校等時間を把握するためには、教員から日々の勤務状況の自己申告が必要となり、教員に新たな事務負担が生じるという課題がございます。  今後、東京都や他自治体の取り組みを参考にしながら、教員に負担の少ない集計方法などを早期に検討し、規則等の遵守に向けて、必要な環境整備に努めてまいります。 ◆高瀬 委員 この問題の解決は、教員はもとより、子どもたちのために喫緊の課題でございます。我が会派としては、今後も区の最大限の取り組みを要望するものであります。  以上、会派を代表して総括質問をさせていただきました。多岐にわたり、質問に対して真摯な答弁ありがとうございました。 ○渡司 委員長 次に、公明、質疑願います。 ◆小峰 委員 大田区議会公明党の小峰由枝でございます。会派を代表して、総括質疑をいたします。よろしくお願い申し上げます。  初めに、令和2年度一般会計予算(案)について伺います。  一般会計予算の総額は2,873億8,746万円、前年度比55億円、率にして1.9%増の、過去最大、積極的な予算となりました。  特に、昨年、これまでにない甚大な被害を大田区にもたらした台風19号への対応につきまして、我が会派から緊急要望も提出いたしましたが、今回の予算は、その意を酌んでいただいた、防災力の強化の予算であると評価しております。  また、防災以外にも我が会派の重点要望には積極的に取り組んでいただいているところですが、事業を実施するにあたりましては、やはりその財源がとても気になるところであります。  基幹財源となるのが特別区税と特別区交付金ですが、前年度と比べて特別区税が18億円の増となる一方、特別区交付金は61億円のマイナスです。このような見込みの中で、様々なご苦労があったかと思います。  そこでお聞きします。歳入の減収見込みの内訳と、その減収に対する財源対策について、どのように対応されたのか伺います。 ◎市野 企画経営部長 令和2年度歳入予算は、全体といたしまして55億円の増額となっておりますが、様々な減収見込みを含むものとなってございます。  特別区税では、納税義務者の増加などにより、予算額では18億円の増となる一方で、ふるさと納税の影響による減収として約32億円を見込んでございます。  また、地方消費税交付金では、税率引き上げに伴い、予算額では25億円の増となっておりますが、清算基準の見直しに伴う影響額として、約42億円の減が見込まれます。  さらに、特別区交付金は、予算額では61億円の減ではございますが、法人住民税の一部国税化による影響額としては、約78億円の減と見込んでございます。  このような中にあっても、防災対策の一層の充実を図るとともに、少子化・超高齢社会への対応や公共施設の機能更新など、区民の安全・安心のための取り組みを着実に推進していかなければならないと考えてございます。
     そのためには、特別区民税等の収納率向上に一層努めるとともに、国や東京都の補助金の動向を注視し積極的に活用していくことや、基金や特別区債等の有効活用による財源確保なども、非常に重要であると考えてございます。  さらに、歳出予算では、既存事業の見直しや新規事業において、必要性、緊急性、費用対効果や後年度負担などを十分に精査し予算編成を行いました。 ◆小峰 委員 次に、歳出について伺います。幼児教育・保育の無償化、待機児童対策の充実などには、これまで本当に力を入れて取り組んでいただきました。子育て、教育への予算の投入は、未来の子どもたちへの投資でもありますので、これからもしっかりと配分していただきたいと思っております。  しかし、これらの分野の予算の多くは扶助費であり、人件費などと同様に、いわゆる義務的経費に分類されています。義務的経費は、容易に縮減することのできない経常的な経費であり、この伸びは財政構造の弾力性を示す指標である経常収支比率にも大きく影響してくる経費です。  令和2年度の扶助費の予算は953億円、対前年度比38億円、4.2%の増となりました。10年前の平成22年度と比べて336億円増加しており、毎年、右肩上がりに増えています。  そこで伺います。この扶助費の伸びが区財政に与える影響は、どのようなものなのか、今後の扶助費の見通しと、これからの財政運営についてお聞かせください。 ◎市野 企画経営部長 扶助費は、社会保障制度の一環として、生活困窮者、児童、障がい者などを援助するために要する経費であり、待機児童対策に係る私立認可保育所の運営費や、生活保護法に基づく援護の経費がこれにあたります。  令和2年度における扶助費は953億円、対前年度比38億円、4.2%の増、平成12年度の332億円から621億円、約3倍の増となってございます。  義務的経費である扶助費の伸びは、財政構造の弾力性を示す指標である、経常収支比率にも大きく影響を与えることになり、この指標が高くなればなるほど、新たな区民ニーズに対応できる余地が少なくなり、財政は硬直化していることになります。  平成30年度決算における区の経常収支比率は83.3%となっており、現段階においては健全な範囲で推移してございますが、今後の扶助費などの経常的経費の伸びに加え、さらに、これに充当する特別区民税や特別区交付金の動向にも注視する必要があると考えてございます。  国の不合理な税制改正などにより、特別区民税はふるさと納税による32億円の減収、特別区交付金は法人住民税の一部国税化の影響による61億円の減収など、今後も大幅な増収を見込むことは難しい状況にございます。  そのような状況下においても、様々な行政課題に的確に対応していけるよう、引き続き経常的経費の縮減に努め、健全な財政運営に努めてまいります。 ◆小峰 委員 次に、猛威を振るい世界経済に大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルス対策について伺います。  3月2日に議会が提出した区内産業の経営等に対する緊急支援策の要望に対応し、早速、中小企業、小規模事業者への新型コロナウイルス対策特別資金を新設されたことを高く評価いたします。  飲食業など、緊急の資金が必要な事業者にとって、この特別資金は命綱ともいうべき支援となります。  そこで伺います。周知方法及び受付窓口をお知らせください。  また、通常の融資あっせん制度がありますが、今回の特別資金は通常の融資制度とあわせて併用ができるのでしょうか。  また、融資額につきましては、限度額に満たない融資が実行された場合、限度額に達するまで何回でも申し込みが可能なのでしょうか。伺います。 ◎飯嶋 産業経済部長 今回の特別資金につきましては、産業振興課融資係で受付を行います。また、他の融資との併用ができるのかとのご質問ですが、この資金は、通常の融資あっせん制度とは別に新設するものであるため、通常の融資制度をご利用中の方であっても、新型コロナウイルスの影響により売上高が減少した場合には、併用ができることといたします。  あわせて、ご質問の申込回数につきましても、限度額に達するまでは、何回でも申し込みできるものとするなど柔軟に対応してまいります。多くの中小企業・小規模事業者の皆様にご利用いただけますよう、区ホームページ、区報4月1日号、関係団体等を通じまして、積極的に周知を行ってまいります。 ◆小峰 委員 的確な周知方法で、ぜひ多くの中小企業・小規模事業者の皆様が利用できるよう、努力をお願いいたします。  次に、災害時の自助力の強化について伺います。区民の命を守るためには、みずからの命はみずからが守るという自助意識の向上が重要であり、その周知啓発に努めることなど公明党として要望してまいりました。  自助力の強化が予算にどう反映していますでしょうか。お伺いいたします。 ◎井上 危機管理室長 令和2年度の予算では、昨年の台風の経験を踏まえ、区民の皆様の命と安全を守るため、防災対策を一層強化いたしました。  区民一人ひとりが日常生活の中で防災を意識し、防災対策を具体的に実践していくことにより、自助の力が着実に高まっていくものと考えております。  来年度は、地域の災害リスクを知っていただくための、ハザードマップの全戸配布や平時から風水害の発生に備えて自分や家族の状況に応じたとるべき行動を準備していただくためのマイ・タイムライン講習会の実施を予定しております。  また、自助力の向上のための区報防災特集号の発行、小学生などの子どもに対しましては、親子で防災を学べる、子ども向け防災ハンドブックの作成等の予算を計上しております。 ◆小峰 委員 マイ・タイムラインにおきましては、より多くの区民が作成できるよう、積極的な講習会の開催をよろしくお願いいたします。  自助と同様に重要なのが共助です。阪神・淡路大震災のときに、地震によって崩壊した建物から、人々を救い出したのは消防や警察、自衛隊ではなく家族や友人である共助での救出が全体の約8割だったという話は有名です。  本区でも、「避難所に行っても皆が主体者になっていこう」という取り組みをしている地域があります。そこでは、毎回の避難訓練をマニュアルに従って実践し、訓練が終わると皆で反省点を確認し合いマニュアルを見直し修正していくそうです。  また、体育館にマットを敷く作業を、運営側スタッフだけに任せるのではなく、被災者側として参加した一般の方々がみんなで取り組み、短時間で敷き終えたとのことです。  こういった実践訓練の中で、本当の災害が起きたときに、何をすべきなのかということを学ぶすばらしい取り組みです。  このような方々の主体的な取り組みは、現在、地域を担ってくださっている方々との連携が大切になってくると思います。  お聞きします。地域性を生かした共助の向上の取り組みについて、本区の見解を伺います。 ◎井上 危機管理室長 災害から自分の地域の被害を少しでも減らすためには、地震に関する地域危険度測定調査結果や、想定最大規模の浸水想定により、地域の災害リスクを把握し、その特性を踏まえて地域防災に取り組むことが大切です。そのためには、個人や家族で取り組む自助と、住民が地域社会の一員として積極的に地域活動に取り組む共助が重要です。各地区の独自の防災訓練などは、地域課題の解決を見据えた取り組みであり、共助の力を向上するために効果のあるものと考えます。  区では、共助への取り組みへの支援として、地域防災の先進的な自治会・町会の事例紹介や、PTAなど、多くの団体が学校防災活動拠点事業へ参加していただけるよう働きかけております。  昨年の総合防災訓練では、町会や自治会、中学校など、複数の地域団体が連携して訓練プログラムをつくり上げ、実施していくことを提案いたしました。  当該地区では初めての試みでもあったため、当初は戸惑いもあったようでございますが、区と協議を重ね、実施に至りました。参加された皆さんからは、初めはどうなるのかと不安であったが、みんなで話し合って実施し、一つ一つの役割がよくわかった、ぜひ続けていきたいなどの感想がありました。  こうした主体的、かつ地域連携の防災活動を実施していくことが地域防災力の向上につながっていくものと考えております。引き続き、区は地域における防災訓練などの共助の取り組みを支援してまいります。 ◆小峰 委員 よろしくお願いいたします。避難所においても、共助を発揮していくためには、職員のリーダーシップが重要なポイントになってくると思います。  昨年の第4回定例会でも我が会派の末安議員が、災害時の職員の対応力の向上の必要性について質問しましたが、職員の機動的な対応力向上に向けた来年度の取り組みをお知らせください。 ◎玉川 総務部長 避難所開設など、発災直後の対応には職員による瞬時の判断力や行動力が求められます。こうした不測の事態にも区民とともに災害に立ち向かい、迅速かつ適切に対応できる職員を育成することは大変重要です。これまで区は、職員の防災意識の醸成を図るとともに、救命講習による技能の習得等に取り組んでまいりました。  今後は、防災士の資格取得者の活用や、職層研修の中で要援護者への介護技能など、より実践的なスキルの取得を進めるとともに、平常時の備えに必要なリスク管理能力及び発災時の危機管理能力の強化を図り、職員のさらなる災害対応力の向上に努めてまいります。 ◆小峰 委員 よろしくお願いいたします。  次に、感震ブレーカーの推進について質問します。公明党が何度も要望し続け、昨年の12月から施行実施されました、感震ブレーカー支給取りつけ事業ですが、今回は拡充された予算が計上されました。対象者は65歳以上の高齢者や障がい者などで、住民税非課税、または住民税課税所得金額80万円以下の世帯とのことです。  該当する申請者に対して、福祉支援体制へと橋渡ししていくとありましたが、その詳細と周知方法を伺います。 ◎井上 危機管理室長 一般住宅の分電盤の多くが高い壁面に設置されており、災害発生後の復電の際に高齢者や障がい者はブレーカーを操作することが困難です。感震ブレーカーの設置情報が避難行動要支援者名簿に記載されることにより、事業者が行う復電作業と自治会・町会の避難行動要支援者組織が実施する安否確認とが連携することとなり、災害時の要配慮者対策の充実につながります。今後、福祉部をはじめ、関係各部が一丸となって本事業も活用し、避難行動要支援者対策の充実に努めてまいります。  事業の周知につきましては、チラシの配布や区施設へのポスターの掲出のほか、区イベントなど、様々な機会を活用してまいります。自治会・町会や民生委員の皆様などの地域のお力もかり、ご協力いただきながら本事業を周知してまいります。 ◆小峰 委員 すばらしい取り組みだと思います。木造建築の多い地域は、特に火災による被害をいかに減らしていくかが大きな課題です。まさに減災への大事な取り組みですので、しっかりと推進していただくよう要望いたします。  次に、学校防災体制について質問をします。未来に生きる児童・生徒のために日夜ご尽力をいただいている教職員の皆様に対し、この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございます。  激甚化、頻発化する災害に対して、本区も様々な対策を講じている中、発災時のときには児童・生徒たちの命を最優先で守るという取り組みを重ねてきていただいております。  文科省は、昨年の12月、これまでの学校防災体制及び防災教育が適切であったかを振り返り、点検し、次の対策につなげていくという観点から、自然災害に対する防災教育の推進についてという通知を出しました。過去の災害の教訓を受け、防災教育・防災体制のさらなる強化を促すもので、重要性が高いものとなっています。  学校における取り組みとして、学校安全計画の策定・見直し、実践的な防災教育の実施、危機管理マニュアルの作成・見直しなどが挙げられています。  このうち、危機管理マニュアルの作成・見直しでは、学校が立地している地形や地質などの自然環境や社会条件から、危険を明確にし、危険等発生時に対応できるものとなっているか。過去の災害やハザードマップなどの想定を超える危険性をはらんでいる自然災害に備え、複数の避難場所や避難経路の設定をしているか。事前、発生時、事後の3段階の危機管理を想定し、各段階において取るべき対応をあらかじめ整理し、教職員が迅速かつ的確な判断で対応できるものとなっているかなど、見直しのポイントが示されています。液状化、がけ崩れ、浸水、火災など、地域によるリスクは学校によって様々です。  教育委員会は、この通知を通し、各学校に対し、どのように見直しを進めていかれるのでしょうか。また、地域との連携をどのようにお考えでしょうか、伺います。 ◎後藤 教育総務部長 昨年発生した台風15号や19号のように、近年は気候変動による風水害が頻発化、激甚化しております。教育委員会では、委員お話しの昨年12月の国からの通知の中で示されました学校が立地している地形や過去の災害、区の浸水想定などの見直しのポイントを踏まえ、各学校における危機管理マニュアルの作成、見直しを現在進めているところでございます。  これまでも、各学校では防災ボランティア団体と協力した日帰り避難所体験、防災設備や危険箇所を確認するまちなか点検など、地域の方と連携した防災教育や防災訓練に児童・生徒が参加し、安全上の課題についてみずから考え、主体的な行動につながる取り組みを進めております。  しかしながら、昨年の台風19号では、避難所の開設、運営におきまして様々な課題が生じました。児童・生徒の命を守り抜くためには、学校と家庭や地域との連携強化は不可欠であり、引き続き、教育委員会として校長会などにおいて取り組み事例などの紹介など、確認を重ねながら、これまで以上に学校防災体制の構築と実践的な防災教育の推進に努めてまいります。 ◆小峰 委員 よろしくお願いいたします。学校拠点の防災事業は、教育委員会が単独で行えるものではないので、出張所や地域力推進部、防災危機管理課など、各部局との連携を要望いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。  次に、環境教育について伺います。近年の自然災害は年々拡大、深刻化しており、大半は異常気象によるものと言われています。このままの状態が続けば、西暦2100年の気温は日中で40度以上、夜は30度を上回る熱帯夜が予想されるようです。例えば、現在、小学6年生の児童は2100年には91歳、92歳になります。今の子どもたちにとって地球温暖化は人生を貫く大変に大きな問題となるといわれています。  その中、誰も置き去りにしないとの理念のもと、SDGsの取り組みが2030年を目標に、現在、世界的に進められています。学習指導要領の前文にも、今後の教育の目的は持続可能な社会の創り手を育てることとうたわれており、SDGsの学習は2020年代の日本の教育の主要な柱の一つとなっています。本区でも、SDGsに取り組んでいる学校が数校あり、大きな成果を挙げ、着目されています。  私も過日、SDGsの学習を実践している大森第一小学校の研究発表会を拝見しました。学習の形態は、従来の教え込むタイプの直線型の学びではなく、地域や行政の応援を得た講義、ワークショップなど立体的なものでした。児童の瞳はキラキラし、自信に満ちていて、まさに誰も置き去りにしない学習だと感動いたしました。それ以外の学校でも、目立たなくともSDGsにつながる学習をしているかと思います。  これらの取り組みをさらに深め、拡充し、各学校での特色を生かしていくには、教育委員会としてどのような取り組みが考えられますでしょうか。 ◎後藤 教育総務部長 SDGsに関しましては、大森第一小学校のほか、文部科学省の教育課程研究指定校である大森第六中学校、ユネスコスクールである赤松小学校、馬込東中学校、大森第四中学校が研究課題に掲げ、取り組んでおります。このほかの学校でも、中富小学校の運河清掃や、六郷中学校のしじみの稚貝まきなど、各校の特色を生かしたSDGsにつながる取り組みをしている学校は多くございます。  現在行われている理科や社会活動をSDGsに関連づけたものとして捉え、全ての学校へ拡充していくことが大切であると考えております。  教育委員会といたしましては、このような実践的な取り組みを大田の教育研究発表会などにおいて、区内全ての学校へ紹介し、SDGsへの理解を深めることで、各校が現在取り組んでいる特色ある学習とSDGsに関連づけて意識づけを進めてまいります。  このほか、教員研修や教育研究推進校の取り組み、子どもの生きる力を育むプログラム事業実施校の制度を生かして、各校の特色や地域資源を活用したSDGsの実践を進めてまいります。 ◆小峰 委員 よろしくお願いいたします。SDGsの学習の拡充には、各学校を統括するコーディネーターの存在が必要かと思います。各校へのコーディネーターの配置については、強く要望させていただきます。SDGsの学習は、ひいては防災教育にもつながっていくと考えます。今後の取り組みに期待いたします。  次に、2億3,157万円が予算計上されている不登校対策事業について伺います。不登校児童・生徒への支援体制の強化や、不登校の未然防止への取り組みは、公明党が重点項目として要望したものであります。  予算案では、不登校対策実施校の区立中学校全校への拡充、学級集団調査の小学校への拡充、スクールソーシャルワーカーの拡充などを推進するとしています。  そこで伺います。現在、本区が進める不登校対策の検証結果、さらに今回の予算でどのような改善が期待できると考えているのか、教育委員会の所見をお聞かせください。 ◎後藤 教育総務部長 不登校対策事業実施校に指定した中学校では、児童・生徒の情報収集、不登校対策委員会の開催など、不登校対策の中心的な役割を担う教員を登校支援コーディネーターとして指名し、校内での推進体制を構築してまいりました。加えて、登校支援コーディネーター負担軽減講師や、養護教諭補助、登校支援員の配置のほか、スクールカウンセラーの在校日を2日から3日に増やしております。  このような取り組みの結果、全国的に不登校の出現率が増加傾向にある中、平成30年度の実施校14校の不登校の出現率は、実施校指定前の平成27年度に比べて、7校で減少しており、実施校に指定されていない中学校と比較して、約3倍の成果が出ていることが確認できました。  このことから、これまで進めてきた不登校対策事業につきましては一定の成果が出ており、次年度の予算では区立中学校全校に実施校での取り組みを拡充し、登校支援コーディネーターを中心とした組織的な対応による不登校、いじめ等の心配のある生徒の早期発見、早期対応につなげ、状況が異なる生徒に寄り添った、個に応じた指導を行うことができると考えております。 ◆小峰 委員 令和元年第4回定例会における、我が会派の田島議員の代表質問で、不登校に関する大田区の方針を策定すべきとの提案に対し、教育長は不登校施策の検証結果や、おおた教育ビジョンを踏まえ、総合的かつ計画的に不登校対策を推進するために、今後、検討してまいりますと答弁されました。しかしながら、令和2年度予算案には方針策定の記載がありません。  お伺いいたします。不登校地策の方針策定に向けての今後のロードマップをお示しください。 ◎後藤 教育総務部長 区では、不登校対策事業を総合的、かつ計画的に推進するために、令和3年4月を目途に、(仮称)大田区不登校対策基本方針を策定してまいります。そのために、次年度予算案には示されておりませんが、教育委員会事務局や学校代表者からなる庁内検討委員会を来年度設置し、これまでの取り組みの検証結果や、おおた教育ビジョンを踏まえ、区の不登校対策を体系的に再構築し、より充実した実効性のある方針を検討してまいります。  内容といたしましては、学校内の居場所として養護教諭補助や登校支援員を活用した教室以外のスペースでの学習指導の充実、在籍校に通うことができない生徒に対する居場所として、特別の教育課程に基づき指導が行われる不登校特例校の設置、学校外の居場所として、これまでの適応指導教室つばさの充実や、フリースクールなどの民間施設とのさらなる連携などを考えております。  今後、区の不登校対策方針を策定することで教育機会確保法の趣旨を踏まえた、児童・生徒一人ひとりの社会的自立を目指すことができる多様な居場所の整備の充実に向けて、取り組んでまいります。 ◆小峰 委員 様々な角度での児童・生徒の支援に期待いたします。  次に、おおたフレイル予防事業について、伺います。人生100年時代と言われていますが、誰もがいつまでも健康でいたいと望んでおります。本区は、元気シニア・プロジェクトとして多様な栄養摂取、筋力低下防止を掲げ、社会参加による体操などの取り組みを嶺町、糀谷、田園調布をモデル地区に設定し、3年間にわたり取り組んでいます。現時点での取り組み、課題をお伺いいたします。 ◎今岡 福祉部長 区では、委員お話しの大田区元気シニア・プロジェクトを継承する事業として、今年度からおおたフレイル予防事業を開始し、区内全域への普及啓発に取り組んでおります。幾つかの地域でシニアクラブを中心としたポールウォークのイベントに加え、シニアステーション等を活動拠点と位置づけた中高年向け調理教室など、地域特性を生かした新たな取り組みが動き出しております。  課題といたしましては、男性の参加率が低いことや、地域の文化的な活動の中にフレイル予防の要素が不足している取り組みが見受けられることなどが挙げられます。  こうした課題への対応として、今後、男性の参加促進を視野に入れた講座の開催や、自主サークルの活動に運動、栄養、社会参加といったフレイル予防の要素を取り入れていけるよう働きかけるなど、取り組みの幅を広げ、高齢者の健康寿命の延伸を推進してまいります。 ◆小峰 委員 目的をもって外出すること自体、フレイル予防につながっていると思います。とても重要な取り組みですので、さらなる拡充を期待いたします。  次に、はねぴょん健康ポイント事業について伺います。今年度の重点プログラムとなっているこの事業は、松原区長が新年会等で率先して推進され、登録者も伸びているようですが、高齢者の参加が気になるところです。現在の状況と年代別の登録状況、そこから見えてくる課題など、お聞かせください。 ◎今井 健康政策部長 昨年12月1日にはねぴょん健康ポイントをスタートし、現時点で約5,500人以上の方々にスマートフォンアプリケーションによる参加をいただいております。  2月までのアプリケーション登録でございますが、男女比では男性が約40%、女性が約60%と、女性の参加が多い傾向にあります。年代別では、30歳代から50歳代の登録が全体の7割を占めています。一方で60歳代以上は全体の2割にとどまっております。こうしたことから、今後はスマートフォンによる参加者として60歳代以上の登録者も増やしていくことが課題と考えております。 ◆小峰 委員 スマートフォンを使用されていない高齢者のために、紙ベースのポイント台帳もありますが、大変駆使してつくっていただいたと伺っておりますが、字が細かいので使いづらいとの声も聞かれます。  一方、高齢者のアプリ参加がこれからの時代の新しい社会参加になるという識者の声もあります。アプリを操作し、スマートフォンが使いこなせるようになったと喜ばれる高齢者は少なくなく、これもこの事業の一つの成果と言えると考えます。  フレイル予防事業も、はねぴょん健康ポイント事業の対象と伺い、期待をしているところです。これを進めるにあたり、また高齢者のアプリによる参加数を増やすためには、具体的に支援することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。 ◎今井 健康政策部長 健康寿命延伸のためにも、高齢者のフレイル予防や介護予防を含めた日常的な健康づくりの取り組みを推進することは、大変重要です。そのため、スマートフォンを使ってはねぴょん健康ポイントに参加したいという高齢者の方に対しての支援を関係部局とも連携し、進めてまいります。  具体的には、高齢者にもわかりやすいアプリケーションのインストール方法や、初期設定の方法を紹介したマニュアルを作成する予定です。また、おおたフレイル予防事業や一般介護予防事業の会場において、スマートフォンアプリケーションの操作支援を行うことなどを検討してまいります。 ◆小峰 委員 よろしくお願いいたします。  大阪府高石市では、歩いて健康になるまちづくりの一環として、筑波大学と共同研究で、市民に向けた運動や栄養などのプログラムを提供し、体力年齢の若返りや医療費削減成果のエビデンスを得ているようです。この事業を以前、私は予算特別委員会で提案いたしましたが、本区も来年度、東邦大学との共同研究による、人生100年を見据えた健康寿命延伸プロジェクトを新規事業として取り組まれるとのことです。  どのような内容で、何を目的に取り組んでいくのか、お聞かせください。また、高石市のような歩いて健康になるまちづくりを見ると、ハード面での充実も必要だと考えますが、いかがでしょうか。 ◎今井 健康政策部長 区は、おおた健康プラン第3次において、区の健康課題として健康寿命が男女とも東京都の平均を下回ること、国保保険者で生活習慣病の有病率が23区で一番高いこと、地域ごとの特徴が見られることなどを明らかにしました。  それらの課題解決のため、65歳健康寿命延伸を総合指標に掲げ、「キラリ☆健康おおた」と称し、適切な食事、適度の運動、休養、喫煙・飲酒のリスクの理解と行動、検診の受診を推奨するとともに、はねぴょん健康ポイントなど、様々な事業を実施しております。  人生100年を見据えた健康寿命延伸プロジェクトは、東邦大学との共同研究事業と位置づけ、区民へのアンケート調査や行政情報の分析などにより、区の健康課題を深ぼりし、はねぴょん健康ポイントなど、区の健康施策を検証することで、より効果的な施策展開につなげていくことを目標としてまいります。  このプロジェクトの推進にあたり、まちづくり推進部、都市基盤整備部等のハード部門と連携することで、従来の健康づくり施策の充実だけではなく、日常生活の中で意識しなくても体を動かしたくなり、歩きたくなるなど、住みながら自然に健康になれるまちづくりにつなげられるよう取り組んでまいります。
    ◆小峰 委員 期待いたします。よろしくお願いいたします。  次に、医療的ケア児の支援についてお伺いします。近年、医療技術の進歩などにより、人工呼吸器などを使用したり、たんの吸引などを必要とする医療的ケア児が増加しています。  東京都は都議会公明党の提案を受けて、医療的ケアの必要な児童・生徒の通学バス事業を開始するとともに、規制改正を行い、保護者の付き添いがなくても授業に出席できるよう、人工呼吸器を学校で看護師が操作可能にする体制を整えることにしました。  本区においても椿議員をはじめ、会派として医療的ケア児の支援を要望してきましたが、サポートセンターのB棟を増設し、医療的ケア児や家族に丁寧に対応していることを評価いたします。  来年度予算に児童発達センター田園調布を整備し、乳幼児から学齢期の主に医療的ケア児を含む重症心身障がい児に対する切れ目のない支援を実施するとあります。そのためには、適切な支援が必要ですが、その内容についてお聞かせください。 ◎今岡 福祉部長 (仮称)児童発達支援センター田園調布は、区内で初めての医療的ケア児を含む重症心身障がい児の児童発達支援等を実施する療育支援機関となります。当センターでは、0歳から18歳までの障がい児を対象とした療育や、保護者の不安に寄り添った相談支援を実施いたします。また、地域の児童発達支援事業所等への支援を通して、区全体のサービス基盤の強化を図ってまいります。  今後は医療関係者や関係機関で構成する、大田区医療的ケア児・者支援関係機関会議において、専門的な視点からのご意見、ご助言をいただきながら、切れ目のない支援体制をしっかりと整え、重症心身障がい児・者の地域生活を支えてまいります。 ◆小峰 委員 想像以上に心労がかさむと思われるご家族に対する相談体制など、しっかりと支援していただくことを要望いたします。  次に、若年性認知症の方の支援について伺います。若年性認知症とは、発症年齢を区分したもので、若年性認知症という独立した病気ではなく、18歳から64歳までの間に発症した認知症の総称です。働き盛りの世代であるため、本人はもとより、家族の生活影響は大きく、支援も十分とは言えない状況で、早期発見、早期治療が重要であるといわれています。  本区における若年性認知症の推定人数は、約220人ぐらいとのことですが、本区は昨年度より、若年性認知症対応の通所介護事業を先駆的に立ち上げ、地道に取り組んでくださっていること、高く評価いたします。  この通所介護所は下丸子にあり、まだ1年たっていませんが、利用者から大変喜ばれていると伺いました。現状の成果と次年度の取り組みについて、お聞かせください。 ◎今岡 福祉部長 若年性認知症デイサービス事業HOPEは、昨年7月に開設し、利用者に寄り添いながら昼食づくりや買い物など、様々な活動を実施しております。その結果、利用者は不安感が軽減し、記憶の維持にも効果があらわれてきたとの報告を受けております。  令和2年度は支援員を増員することで、利用者の受け入れ人数を1日当たり2名から3名へ増やし、地域の清掃作業といった社会活動への参加プログラムを取り入れるなど、自身の役割意識や自己肯定感を高められる支援を積極的に進めてまいります。加えて、利用者のご家族同士が支え合えるよう、家族懇談会を立ち上げ、日常生活全般に向けたサポートについても、より一層取り組んでまいります。 ◆小峰 委員 高齢者の認知症と比較すると、若年性認知症の人数は少ないのですが、若いゆえに腕力もあり、動揺も大きい中、家族ともども日々、格闘していらっしゃいます。  先日も、若年性認知症の方が通える通所施設がないかと問い合わせがありました。また、若年性認知症対応の中に高齢者の認知症対策全般の大事な課題が凝縮されているとも考えます。本区の若年性認知症通所施設HOPEで積み上げたノウハウを、今後どのように活用していくのかお聞きします。 ◎今岡 福祉部長 本事業のご利用に際しては、ご本人、ご家族に寄り添い、継続的な支援に取り組んでおります。またデイサービス事業の場面では、ご本人の年齢に応じた体力や考え方、これまでの社会的な経験などを尊重した対応を心がけております。さらに関係機関と連携して、講演会等において事業の状況を報告するなど、周知に努めております。  今後は、これまで積み上げたノウハウをさらに広げるため、介護事業者等を対象とした実践報告会を実施するなど、支援の輪を広げていくとともに、来年度開始予定の相談事業にこれまでの成果を活用してまいります。 ◆小峰 委員 よろしくお願いいたします。HOPEと連動して、若年性認知症支援の相談事業、それが連動してくださるというお話でしたが、では、その若年性認知症支援相談事業の内容をお聞かせください。 ◎今岡 福祉部長 若年性認知症の方は、年齢的に家庭や社会の中で中心的な役割を担っているため、支援の範囲は多岐にわたります。支援を的確に結びつけ効果を上げるには、常に本人に寄り添い、その意志を尊重する支援ネットワークを構築することが不可欠です。  この取り組みを推進するため、区は本年10月、専任コーディネーター2名を配置する相談窓口を新規に開設する予定です。コーディネーターは、ご本人と支援計画を立て、取り組みを進めます。必要に応じて関係機関等に一緒に出かけ、手続をサポートするなど、生活が安定するまで対応してまいります。  区は、こうした支援を着実に提供できるよう窓口の整備を進め、ご本人とご家族の地域生活をしっかりと支えてまいります。 ◆小峰 委員 よろしくお願いいたします。若年性認知症の方々のニーズは、居場所の確保です。対応できる専門職の不足など課題は多いと思いますが、ぜひ当事者に寄り添った支援として居場所をつくっていただくことを要望し、次の産業の質問に移ります。  平成30年度は商店街エリアサポーター事業、令和元年度には商店街・個店グループモデル事業が実施されており、商店街に対して様々な事業を展開してこられました。来年度はスマート商店街実証実験事業が5,000万円余で予算計上されています。  ICT戦略を活用した事業を展開するとのことですが、ICT戦略の具体的な内容について、お知らせください。 ◎飯嶋 産業経済部長 来年度、実施を予定しておりますスマート商店街実証実験事業は、商店街にICT技術を導入し、そこから得られる来街者動向や購買傾向、天候やイベント情報などのデータを多角的に分析、活用することにより、新たな顧客の獲得や、潜在的な消費者の購入傾向の把握などを行い、経営環境の改善や起業者誘致につなげることを目的としております。  実証実験により得られた成果は、他の商店街にも順次展開をすることにより、区内全域の商店街活性化につなげ、環境変化に的確に対応する持続可能な商店街の実現を目指してまいります。 ◆小峰 委員 よろしくお願いいたします。  次に、区内企業と事業者のマッチング事業について伺います。先日、産業プラザPiOで行われた高技術・技能展「おおた工業フェア」は、目をみはるものがありました。傾斜のある道路も少ない力で進める車椅子、濁った水も飲み水に変え、被災地でも活躍した移動式ろ過装置、海水に浮かんだ油だけを取る環境改善整備装置など、大田のものづくりの技術を生かした展示会でした。今までのものづくりを重点に置いた事業から、企画、開発、設計、販売へとつながる動きが見え、勢いを感じました。  一方、頑張ってはいてもなかなか受発注につながらずに厳しい状況に追い込まれているという中小企業や、中規模クラスの工場の声も数多く聞いています。  区内企業の現状と発展、後継者不足の問題を、どう捉えていますか、お伺いいたします。 ◎飯嶋 産業経済部長 大田区産業の強みであります、集積する中小製造企業が持つ基盤技術は、日本経済の成長分野が鉄鋼から自動車、航空、宇宙産業と時代ごとに変化しても、あらゆる分野に対応し、常に新産業を支え続けております。その集積の強みを生かした仲間まわしと呼ばれる対応力を持つ区内企業でございますが、現在は発注側の大手企業が設計から加工まで、まとめて発注する傾向を強めており、従前の受注体制では仕事がとりにくくなっております。  こうした状況に対応するため、区ではIoT仲間まわしによる中小企業の生産性向上プロジェクトを立ち上げ、IoT技術を活用して企画・設計の段階から手がける中小企業グループづくりを行うとともに、そのノウハウの蓄積を進める実証実験を行っております。この実証実験では、今年度で約2,000万円を受注し、参加企業への波及効果をもたらしております。この成果は、順次、他の区内企業へも生かせるよう展開をしてまいります。  また、このプロジェクト以外でも設計力を持つ地域中核企業が付加価値の高い案件を受注し、区内に集積する小規模事業者にも仕事を回していくことで、グループを形成する動きが進んでおります。この新たなグループづくりの多くは、若手経営者が牽引をしており、区としては、このような取り組みも支援をすることで、中小製造業の活性化や円滑な事業承継、人材確保に努めてまいります。 ◆小峰 委員 その上で、羽田イノベーションシティの区施策活用スペースにおけるマッチング事業が生み出すものとして、何が期待できるかお聞かせください。 ◎飯嶋 産業経済部長 羽田イノベーションシティの区施策活用スペースを最大限に生かし、区内企業に新たな取引機会を提供することが、区の重要な役割と考えております。そのため、区施策活用スペースでは、区内企業への発注者紹介にとどまらず、これから成長が見込まれる先端産業をはじめとする多様な産業分野に区内企業の参入が可能となるような機会を創出することが、何よりも重要と考えております。こうした先端分野での研究開発は、大手企業だけでなく、大学などの研究機関やスタートアップ企業においても盛んに行われており、区では、このような多様な事業者等と区内企業との接点を多くつくることを念頭に検討を進めております。  そのため、区施策活用スペースには、企業誘致のための区画のほか、国内外の多様な人、モノ、情報と区内企業が出会えるための区画も整備する予定でございます。これにより、区内企業の新たな活躍の機会を設け、その活躍を国内外に広く発信することで、区内産業の存在感を高め、興味関心を持つ人を増やし、受注機会の拡充や人材確保につなげてまいります。 ◆小峰 委員 世界から認められている大田の技術を大きく生かし、今後の世界の情勢を的確に捉え、ともに豊かになっていけるよう期待をいたします。区施策活用スペースという名称がすてきな名前になるよう、こちらも期待いたします。  次に、災害に強いまちづくりについて質問をします。本区は、これまで大田区耐震改修促進計画の策定、木造密集地域対策、ブロック塀改修などに取り組んできました。しかし、昨年の台風19号の折には、今まで経験したことのない被害を受け、今後も予断を許さない状況です。  このたび、赤羽国土交通大臣が、住宅の売却や賃貸などを扱う不動産業者に対して、大雨が降った際の水害のリスクを購入・入居希望者に説明するよう義務づけるよう、関係省令を改正するという、そのような発表をしました。  本区では、この発表に先んじて、第1回定例会において地域力を生かしたまちづくり条例を改正し、災害に強いまちづくりの理念を掲げ、ハザードマップや浸水履歴など、予想される災害を事業者や区民に対して情報提供することを義務づけました。  事前のリスク情報の提供は、大変に重要なことと考えます。この条例改正を国より早く取り入れた経緯を、お伺いいたします。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 昨今、自然災害による被害が全国各地で発生しておりまして、令和元年10月に発生いたしました台風19号では、区内においても大きな被害を受けてございます。  建築物における防災対策は、地域によって予想される被害の程度が異なるといった事情がございますので、なかなか一律な対策とはなりませんし、建て替え等を伴う対策を一斉に行うというのも困難という側面がございます。ただ、その一方で予測される災害と、その被害を区民の皆さんが把握をし、対策等を考えることが災害に強いまちづくりの実現に向けた重要な一歩であると、このように考えてございます。  区といたしましては、このような観点に立ちまして、速やかに今回、本条例を改正することで、結果として国の取り組みに先行することができたものでございます。 ◆小峰 委員 それでは、条例改正により、区は具体的に何に取り組み、それは区民にとってどのようなメリットがあるのか、お聞かせください。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 都市計画や建築、道路など、主にハード部門に関する窓口には、土地や建物に関連する相談や、届け出等のために多くの区民や事業者が来庁いたします。これまでも、こうした各窓口では、相談内容にかかわる防災情報をお伝えしてまいりましたが、今回の条例改正を契機にハード部門のみならず、防災危機管理課や特別出張所など、区民に身近な部署も含め、どの窓口でも統一して情報提供できる体制を整備しているところでございます。  具体的には、各種ハザードマップ、それから浸水実績図、液状化予測図、高潮浸水想定区域図、それから各種助成制度などの情報でございまして、これらをもとに家の購入や改築をする方々に向けまして、防災意識を広く普及啓発させ、それが地域全体に広がることで、災害に強いまちづくりが促進されると、このことが区民にとって最大のメリットであると考えてございます。  それで、そもそもこの地域力を生かした大田区まちづくり条例でございますけども、その目的としてまちづくりに関する基本理念を定めるということと、それから区民、事業者、区、それぞれの役割を明らかにすることといったところに主眼が置かれているところでございます。その中で、区民の生命、財産を守るということが自治体の使命でございますので、今回、災害に強いまちづくりという要素を、この地域力を生かした大田区まちづくり条例に入れ込むことによって、その理念を一層高めるということ。それから、区民、事業者、区の役割といった意味合いでは、災害に強いまちという部分で区と事業者には、それを推進するようにということの義務化。それから、区民の皆様には災害に強いまちづくりに関する理解とご協力ということの努力義務といったようなことを書かせていただいたところでございまして、そういうところを総合的に勘案しながら事業を進めていくというところが大事でございます。  それから、ただ条例を改正するということだけではなく、それをいかに活用するかといったところが大事でございますので、事業者に対する今後の説明会であるとか、それから地域にこれを浸透させるための発信であるとか、そういった創意工夫も、これから鋭意考えていきたいと、このように考えてございます。 ◆小峰 委員 各部局で連携すること、それも望ましいことだと思います。国や東京都ともよく連携した上で、区民や事業者の皆様が自助力を高めるような寄り添いの対応を要望いたします。  最後に、自転車適正利用の促進について質問をいたします。都内においても自転車事故は増加をし、中でもスマートフォンによる、ながら運転の事故も増加傾向にあります。自転車運転中にスマホ地図を見ていたところ、赤信号を見落として先方と接触し、死亡事故につながった例など、枚挙に暇がなく、また区内自転車盗難被害においてもゆゆしき状況となっており、例年、本区は都内自治体のワースト上位、昨年はワースト1位となっています。  本区は昨年、自転車条例を改正し、自転車利用者による道路交通法関係条例の遵守及び自転車盗難防止のための措置実施を義務化しました。同時期に東京都の自転車条例も改正され、都内では本年4月から自転車利用者などの自転車損害賠償保険等への加入が義務化されることになっています。  先ほどの状況を鑑みますと、自転車保険への加入率が低迷している現状に対し、急速に改善する必要があると考えます。  伺います。区民の皆様に自転車を適正に利用していただくため、保険義務化を含むこの課題に、区はどのように対応していくのでしょうか。お伺いいたします。 ◎久保 都市基盤整備部長 自転車の普及啓発については、喫緊の取り組むべき主要な課題であり、区でも様々な対策を行ってきたところでございます。近年の傾向としまして、自転車事故件数は3年連続で増加し、自転車盗難件数は昨年度、都内でワースト1位、自転車保険への加入率は現在48%と半数以上の無保険者がいる状況でございます。これら三つの課題への対策強化が急務であると認識しております。  委員お話しのとおり、本区は昨年、自転車条例を改正いたしまして、自転車利用者による道路交通法の関係法の遵守及び自転車の盗難防止のための措置実施を義務化したところでございます。また、東京都の自転車条例も改正されまして、都内で本年4月から自転車利用者等の自転車損害賠償保険等の加入が義務化されることとなったところでございます。  そのため、区は総合的な視点から、これらの課題に効果的、効率的に取り組むために損害保険会社等と自転車の適正利用の促進に関する協定を締結する予定でございます。  今後は本協定の締結を契機と捉えまして、区と民間が互いの特性を生かして連携協力することで自転車の適正利用啓発を、より一層促進してまいります。 ◆小峰 委員 全国初で自転車保険の義務化を実施した兵庫県の保険加入率は、68.5%とのことです。我が会派は、自転車保険の加入について、たびたび要望してまいりましたが、高額な損害賠償で苦しむ区民が出ないよう、自転車保険の加入促進をくれぐれもよろしくお願いいたしまして、質問を終わります。 ○渡司 委員長 会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。                午後 0時01分休憩                午後 1時00分再開 ○渡司 委員長 ただいまから、予算特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、総括質疑を行います。  それでは、共産、質疑願います。 ◆清水 委員 日本共産党大田区議団の清水菊美です。総括質疑を行います。よろしくお願いします。  まず初めに、新型コロナウイルスから区民の暮らしを、そして営業を守ることについて、伺います。まず初めに、安倍首相が新型コロナウイルス感染拡大の緊急事態を理由に人権制約に歯どめがない、曖昧な新型インフル特措法の改正の成立を図ろうとしております。日本共産党は、立法自由はなくなっており、提出を断念することを求めています。国が今すべきことは、医療や検査体制などの充実、国民の不安に寄り添うことです。日本共産党は、この立場に立って国民の期待に応える徹底審議を行ってまいります。  それでは、区内の状況ですけれども、区内は消費税増税の影響のある中で新型コロナウイルス問題によるイベントの中止など、そして中国や韓国のインバウンド客の激減などにより、外食産業等に大きな影響が出ております。飲食店の多くは客が来ないと、早目に閉店。飲食店に食材を納めている業者は注文が以前の2割から3割しか来ない。商店街では、歩く人が極端に減った、このままでは大変なことになるとの声が区内にあふれております。区民の不安と混乱は広がり、買い占めによる消耗品等の物不足も発生しております。マスクも消毒液も店頭から消えております。区内の医療や介護、運輸にも多大な影響が起きております。  そのような中で突然、2月27日、安倍首相は全国の全ての公立小中学校、高等学校、特別支援学校について、3月2日から春休みまで臨時休校を行うよう要請するとし、これを受けて大田区教育委員会は区立小中学校を3月2日から春季休業まで休業としました。  私がいつも会う小学生の子どもに、28日の夕方に出会いました。ランドセルはぎゅうぎゅうづめでして、そして両手にも荷物を持って、もうランドセルが重い、疲れたと言っておりました。満員電車はそのままにしておいて、児童・生徒にとって大事な学校を閉めるのは、あまりにも安易で納得がいかないなど、学校現場でも声が挙がっています。保護者も共働き世帯をはじめ、大混乱です。私は教育委員会にも要望しておりますけれども、一人ひとりに寄り添った対応を求めております。各学校や担任に任せるのではなく、ガイドラインを作成することを求めます。  また給食がとまることで、児童・生徒の栄養が心配をされております。さらに学校給食に納入している肉や魚や野菜の近隣業者が大変な事態になっているといわれております。中には、売り上げの7割がとまってしまった。1か月は何とか持ちこたえるけれども、長期になったらもたないという悲鳴が上がっております。  午前中にも各委員から同様の質問がございましたが、質問通告に沿って質問をいたしますが、この区内の経済の影響について緊急に調査を行い、新型コロナウイルス等の影響により売り上げが減少している事業者を対象にした緊急融資制度を創設すること。かつて不況時に実施した、保証協会の保証枠がいっぱいになっている事業者も利用できる、区が直接保証する融資の実施や、返済期間の延長など、条件変更にも柔軟に対応することを求めます。お答えください。 ◎飯嶋 産業経済部長 今般の新型コロナウイルス感染症に対する緊急支援策につきましては、先ほどの総括質疑においてもご答弁させていただいたところですが、区議会からの区内産業等に対する緊急支援策に関する強いご要望も受け、大田区中小企業融資あっせん制度の中に、運転資金に対して区が全額利子補給する、新型コロナウイルス対策特別資金を新たに設け、区内中小企業・小規模事業者を支援していくことといたしました。  今回新設する新型コロナウイルス対策特別資金は、通常の大田区中小企業融資あっせん制度とは別に新設する制度でございますので、先ほどもご答弁させていただいたとおり、通常の融資制度をご利用中であっても、新型コロナウイルスによる影響により売上高が減少した場合には併用していただくことが可能となり、限度額に達するまで何回でもお申し込みができるなど、柔軟に対応した制度としております。なお、国は新型コロナウイルス感染症により、事業活動に影響を受ける中小企業・小規模事業者を対象に借入債務を100%、もしくは80%を保証する特例措置を実施しております。また東京都におきましても、融資にかかる信用保証料を全額補助する等の予定を公表しております。  区では、区及び産業振興協会に設置した特別相談窓口や区ホームページ等を通じて、これら国や東京都などにおける支援制度の最新情報の提供に常に努めております。引き続き、国や東京都の動向に注視しながら、中小企業支援に努めてまいります。 ◆清水 委員 ということは緊急融資の限度額はない、返済期間もないということでよろしいのですね。 ◎飯嶋 産業経済部長 限度額については500万円で、融資期間は36か月ということを予定しております。 ◆清水 委員 本当に緊急事態ですので、先ほど決まったばかりの、そういうものを今ご発表になっておりますけれども、ぜひ本当に今の中小企業等の実態に即したものになるよう、引き続き、要望いたします。  次に、売り上げが一定減少している全ての事業者を対象に、企業規模にかかわらず事業者に対する休業補償についてもしっかりすべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎飯嶋 産業経済部長 国におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、先ほど委員からお話がありました、小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校に通う子の保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規、非正規を問わず、労働基準法上の年次有給休暇とは別途、有給の休暇を取得させた企業に対する助成金制度を創設し、令和2年2月27日から取得した休暇に適用するとしております。  これは保護者に休暇を取得させた企業に対して、日額8,330円を上限に助成金を支給するものであり、これらの対策は国を通じて企業から労働者へ支給される支援の一つと考えております。  なお、この制度ではフリーランスの事業主や自営業者の保護者は対象外となっておりましたが、フリーランスや自営業者に対しても措置を講ずるとの考えが国から示されており、その動向に引き続き、注視をしてまいります。 ◆清水 委員 今のご答弁ですと、その休業補償はフリーランスの方や自営業、それからパートや非正規の方々にも直接支援がいくということでよろしいかと思いますけれども、生活ができなくなるような、そういった方々にも私たちはずっと直接支援をすべきだと提案してきましたけれども、今のお話のように国も動いているということですが、ひとり親世帯や障がいがある方や、パートや非正規等の就労の問題、様々な不安を抱えている方に支援をすべきと考えますが、生活ができない区民への支援ということについても重ねてお答えください。 ◎張間 福祉支援担当部長 区では、生活にお困りになられた区民の方の就労相談や生活相談を、大田区生活再建・就労サポートセンターJOBOTAでお受けし、課題の解決に向けた様々な支援を行っております。  就労支援では、ハローワークなどと連携し、一人ひとりの状況に合わせた働き方ができるよう、伴走型のきめ細やかな支援に努めております。その他、就労準備支援事業や、家計改善支援事業なども実施するなど、関係機関と連携した支援も行っております。これらの支援で対応できないほどの困窮状態にある方に対しましては、生活福祉課の窓口において、生活保護に確実につながるようご案内をしております。  また、生活資金については大田区社会福祉協議会とも連携を密にして、支援をしてまいります。一方で、国や東京都の支援策の方向性は、日々充実変化しております。区としましては、それらの動向を注視しながら、引き続き、区民の皆様に寄り添う支援を行ってまいります。 ◆清水 委員 今のお答えですと、直接支援は国がやるということで、どうしても生活ができない方の場合はJOBOTAやハローワークということですけれども、今、区民の仕事を休まざるを得ない方から、どこに相談に行けばいいのか、どうすればお金がもらえるのか、そういったこともたくさん相談が来ていますので、たらい回しとか、そうならないで確実な支援を行っていただきたいと思います。  今、区内もそうだと思いますが、国民の約3割は貯金が0の世帯だといわれております。ぎりぎりで働いて、暮らして、子育てをしている、猶予がない世帯もたくさんおられると思います。そういったことをしっかり考慮してもらうということで、よろしくお願いします。災害と一緒です。今回のこの新型コロナウイルス感染問題は、本当にみんなが被害者で、その中で区の職員も対応が大変だと思いますけれども、今こそ公共の力を発揮するときだということで、全庁挙げてやっていただきますよう、区長をはじめ、よろしくお願いいたします。  日本共産党は、3月2日に区長と教育長に対して緊急要望を行っております。区は、国や都に区民の実態に沿った要望を挙げること、動向を一刻も早く把握して、区民に周知すること。そして、都の動向、国の動向を待つだけではなくて、区独自に区民を支援するための財源を確保し、活用すること。今、様々な自治体で補正等で準備金のような形で用意している区もありますので、ぜひ大田区でもそういったことをお願いしたいと思います。そして山梨県のような生活費を助成する制度も東京都に要請して、連携してやっていただきたいと思います。  それから、休校期間中の児童・生徒への問題ですけれども、この問題についてもきめ細かい対応をよろしくお願いいたします。昨日のこども文教委員会では修了式を行うと、そして卒業式に関しては、来賓、地域の方々、在校生はなく、卒業生と教職員、保護者で行うということでしたけれども、納得のいく形で実施できるように各校を励まし、各校の判断の尊重を求めておきます。  そして、学童保育事業についてですけれども、区は学童保育事業を拡充して、一時利用の申し込みも行い、十分な対応をしている。学校の体育館や運動場なども使って、密集しないようにしている。職員についても一般利用をとめた児童館等の職員を派遣しながら、十分な対応をしているということで、要望している方々は残らず受け入れられているとご説明がありましたけれども、問題は、申し込みをしない、本当は子どもの居場所がなくて大変な状況になっているかもしれないけれども、申し込みをしないというニーズがはかれない、そういった子どもが区内にいるのかどうかという点です。それから、利用料金が1日600円。それから、昼食、お弁当を持っていく。それから8時半からということですけれども、このような学童事業の利用の条件に沿うことができない、難しい、そういう児童もいらっしゃるかもしれない、そのことについて区は把握をしていただきたいと思います。その点については家庭訪問や電話等の対応をしている教育委員会の教職員の皆さんと連携をしていただいて、児童の遊び場と生活の場所が確保されない、そんな場合が出た時は、緊急的に対応することを、全庁あげて児童を支えることを要望しておきます。  次に、区民へ約8,000万円の負担増となる公共施設の使用料の値上げについて、伺います。この使用料の値上げについてですが、区は値上げと言わず見直しといっておりますが、その理由の中に受益者負担の適正化に向けた施設使用料の見直しとしております。  公共施設、公の施設は、そもそも誰もが利用できるもののはずです。地方自治法第244条は、1、普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設(これを公の施設という)を設けるものとする。2、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。3、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的扱いをしてはならないとしています。  公共施設は住民自治と住民生活に役立つものとして、多くの区民に利用されてこそ、その目的が達成されます。道路や学校、橋という公共施設の利用にあたって利用料はありません。図書館も図書館法に基づいて、利用料を徴収できません。老人いこいの家も日中は無料です。  しかし、使用料にあたっては地方自治法第225条に、行政財産の使用または公の施設の利用につき使用料を徴収することができるとなっています。この使用料を取ることができるという趣旨は、使用者と一般住民との公平を図るとともに、行政経費の補填という意味をもつとされております。使用料は行政経費であり、管理経費ではありません。本来、税金で賄うべき人件費や建設費や大規模修繕費など、受益者負担という名のもとで使用料に含めて値上げをさせるということは、税金を払っている区民に二重に負担をかぶせるというものではないでしょうか。  使用料の値上げについて、これら総務財政委員会にわたって、使用料の値上げの根拠を我が党の議員が何度聞いても明確な答弁はございませんでした。サービスを利用する人と利用しない人との間における負担の公平を考え、受益を得る者が負担する部分と公費で賄う部分とのバランスを適正に保つという考えですけれども、公共施設に受益者負担を持ち込むことはしてはいけない、そのように考えます。  4年前には約8割の区分で、それぞれ54施設、総額2,100万円の値上げでした。今回の提案は、指定管理者の分を除いて、利用料の見直しをする方針となっていて9割の区分で、それぞれ56施設で総額8,000万円、前回の4倍の値上げとなります。  伺います。今回の施設使用料の値上げの算出基準はどのようになっておりますか、お答えください。 ◎市野 企画経営部長 施設使用料の徴収につきましては、施設を利用される方とそうでない方との公平性の確保の観点から、施設を利用される方にご負担いただく受益者負担の考え方にたってございます。  平成29年度の改定でお示しさせていただきました、統一的な施設使用料算定についての基本的な考え方では、使用料の根拠となる対象経費等の変動に合わせて、原則4年ごとに見直しを行うものとしてございまして、令和3年度の改定を予定しているところでございます。
     施設使用料の算定基準は、まず人件費、維持管理費、資本的経費を対象経費といたしまして、全体の貸出面積と利用可能時間で除して、1平米、1時間当たりの使用料原価を算出いたします。この使用料原価に貸し出す諸室の面積、使用時間、利用者負担割合を乗じて使用料を算定してございます。個人利用施設につきましては、対象経費を利用者実績数で除した額に利用者負担割合を乗じて算出してございます。  利用者負担割合につきましては、提供するサービスが必需的なものか選択的なものか、公共性の程度はどの程度かなどの要素のほか、政策的な効果も考慮し設定しているところでございます。 ◆清水 委員 先ほども受益者負担という考えを、この公の施設の使用料に入れていいのかという点を述べさせていただきましたけれども、今の算出基準についても、この受益者負担の適正化という名のもとに未利用者の公平確保となっておりますけれども、公の施設ですよ。皆さんの税金でつくった施設です。これは見直し、見直しと言っていますけれども、値上げです。適正化といっても、9割値上げです。25%も値上げです。例えば、アプリコ小ホール、夜間、今までは1万5,000円、それが1万8,700円、24.7%の値上げです。ほかにも20%以上値上げした区分は、7割以上になっております。これが本当に公の施設として、使用料は取ってもいいけれども、それにふさわしい金額かどうかということが問われております。使用料の見直しにあたって、今、算定基準に補正係数というのがあるのですけれども、この補正係数についてご説明ください。 ◎市野 企画経営部長 補正係数は、使用料原価から算定した使用料が高額になる場合などに、使用料の算定にあたりまして補正係数を乗じ、調整を行うものでございます。一例を挙げますと、区民センターや文化センターの体育室は1室当たりの面積が大きく、使用料原価から算定した使用料が非常に高額になることから、利用者負担の軽減を図るため、補正を行っているところでございます。 ◆清水 委員 その集会室等のスポーツ施設等が高額になるというところから、私は本当に、この公共施設の使用料を取るということについての問題があらわになっております。面積や利用人数で使用料を計算する、高額になるから無理やり、補正係数というものを使って金額を出している。どこから見ても矛盾に満ちているのではないかと思います。  本来、税金で賄うべきものに受益者負担という名で使用料を置き込むことは、先ほども申しましたが二重に区民負担をさせることになります。これは地方自治法第225条の考えから逸脱する、地方自治法の違反の懸念も出てきます。  税金の二重取りということになるこの使用料の値上げについて、やめることを求めます。お答えください。 ◎市野 企画経営部長 区民サービスに必要な区民利用施設の建設や運営には多くの経費が必要となるため、施設を利用される方とそうでない方との公平性の確保の観点から、施設使用料をご負担いただく受益者負担の考え方に立ってございまして、利用者負担を求めることについては、税の二重取りという考え方ではございません。  今後も社会経済状況の変化を踏まえ、公共施設の使用料の適正化に向けて、継続的に取り組んでまいります。 ◆清水 委員 多くの経費を見込んでということをおっしゃいましたけども、それも今までちゃんと大田区の税のもとに基づいて、それは区が賄うと、当たり前のことではないでしょうか。それを入れるということについては、区民の納得が得られないと思います。  区民の暮らしは、今、消費税増税とか、年金の引き下げとか、給料も上がらないし、物価も上がっている。そういう中でスポーツや運動場を使う、そしてスポーツをしようと区も呼びかけて、健康のためにこういう施設を使って楽しんでいる。集会室は区民が地域活動や趣味等で使っている、子どもから高齢者も利用している。それなのに、その区民に対して利益を得ると言っている。これは公共の仕事として本当に大変な大問題だと思います。4年ごとの際限のない見直しという値上げは、まさに見直して、多くの区民が利用できるようにすべきだと思います。  今、公共施設について、区民の皆さんからどんな声が上がっているか、区の皆さんはご存じでしょうか。区民から上がっているのは、使用料金が高い、椅子や机が壊れている、壁紙がぼろぼろ、そしてとにかく借りたいときに借りられない、こういう声が上がっているのです。  今、消費者生活センターの大集会室について苦情が来ています。10月6日から3か月間、区が国勢調査のために使い、区民が使用できなくなっているという問題なのです。国勢調査ということですけれども、行政の都合でこの大集会室という公共施設を区民が使えない、そういう事態は避けるべきだったのではないでしょうか。必要な事務所を別に借りることもすべきだったと思います。ほかにも、アプリコや文化の森、PiO等が改修で休止になります。区民から、そのことについても苦情が上がっています。改修のための工事は必要です。しかし、休止が集中していることが問題です。誰もが自由に使えて、喜ばれる公共施設のために力を尽くすことを求めます。  次に、不要不急の大企業のための大規模開発を転換していただきたい。区民のための区政の予算について伺います。大田区内において、不要不急の大企業の大規模開発の中で最も問題なのは、新空港線計画です。区は、まちづくり推進部内に新空港線まちづくり調整準備室を設立して、東急電鉄株式会社の職員が派遣されております。  平成28年8月、関係者間で事業費等の話し合いを進めて、一定の整理を図ることができたとして、大田区が発表した新空港線(蒲蒲線)事業計画は、第1期工事、東急矢口渡駅先から京急蒲田駅地下駅までで費用は1,260億円、費用便益費は1.5、黒字転換年31年、営業主体は東急電鉄と発表しました。しかし、この4年以上の間に消費税は増税になりました。機材等の様々な物価が上がっています。労務単価も上がっています。JRは2023年着工を目指して、東京駅と羽田空港を結ぶJRアクセス線構想も発表しています。羽田空港跡地第2ゾーンの1,717室のホテル事業には、バスターミナルが完備されております。  ここで伺います。平成28年に出した事業計画と現在とでは、状況は大きく変わっております。費用等の見直しをしているのか、お答えください。 ◎齋藤 新空港線・まちづくり調整準備室長 新空港線の事業概算費は、委員お話しのとおり1,260億円でございまして、平成28年度に区が行った調査に基づく金額ということになってございます。  このとき調査の際、当時想定できた物価の上昇及び消費税増税分につきましても、既に概算事業費に見込んでおりますので、現段階での事業費の見直しは考えてございません。  一方で、実際に事業化が決定した際には、整備主体となる第三セクターが詳細設計に基づきまして、事業費を改めて算定することになってございます。 ◆清水 委員 今まで、この新空港線については、委員会等でお話を聞いても、水面下で進んでいるということで、今のようなお話は聞いても答えていただけなかったことなどたくさんありました。  しかし、この水面下、一体どの程度の水面なのかわかりません。浅瀬なのか、深海なのか、池なのか、海なのか、どの程度なのかさっぱりわからない。そして区民の感情は、その1,260億円にもう見込んでいるといっても、それはもう無責任な説明だと言わざるを得ません。区長は最終段階だと発言しております。今年度中にある程度の見通しができると、いろいろなところでご挨拶されました。しかし、今年度中というのは、あと25日です。あと25日で最終段階、一体どこなのかわかりませんが、どこを最終段階に言っているのかわかりません。こういったことで、区民の理解は得られない。  さらに、区議団が反対したにもかかわらず、昨年の第3回定例会で新空港線の早期整備と蒲田駅周辺まちづくり等に関する意見書を区議会が議決したことで、区長は、区と区議会が両輪となって取り組んでいる姿勢を示したと発言をされております。  ここで伺います。蒲田駅周辺まちづくり、多摩川線沿線まちづくりとあわせて新空港線計画を進めるとしていますけれども、この計画にも巨大な財政がかかることになると思います。予算は積算されているのか、区民にどのように説明されるのか、お答えください。 ◎齋藤 新空港線・まちづくり調整準備室長 新空港線の整備は、区内の東西交通の分断解消という区の長年の悲願の事業でございまして、何としても実現させる必要がある事業でございます。  また、蒲田と下丸子につきましては、いずれもおおた都市づくりビジョンにおきまして重要地域に位置づけてございまして、新空港線整備の有無にかかわらず、区として、まちづくりを行っていく必要がある重要な拠点でございます。  こうしたことから、引き続き、区では地域の皆様をはじめとし、関係機関や鉄道事業者等の関係事業者と連携をしながら、鉄道整備とまちづくりが一体となった、より利便性の高い魅力的なまちづくりの推進に取り組んでまいります。  今後は、有効な整備手法や効率的なスケジュールなどを検討いたしまして、事業費などを精査してまいります。 ◆清水 委員 事業費も精査されていない、それから新空港線と一緒に行うと言いながらも、まちづくりはまた別だと、東西交通など便利になるようにするためだと、これではなかなか理解できません。予算積算されていないということですけれども、例えば京急蒲田駅駅前開発を行いましたけれども、そのとき区議会に発表された費用は、国費80億5,000万円、区費78億円、組合で94億4,000万円、合わせて京急蒲田駅前開発は252億9,000万円。糀谷駅前開発では、再開発総事業費で国費48億5,000万円、区費61億7,000万円、組合107億7,000万円、合わせて217億9,000万円という多額の財政がかかっております。  さらに、京急蒲田駅でも、糀谷駅でも、住みなれた人が住み続けられず、個人商店なども移転や廃業をせざるを得ないという状況が生まれました。大手ゼネコンや不動産ディベロッパーがもうけを生み出す、そういう開発になったという事実は、もうこの議会でも明らかになっております。  区が進めるまちづくり、意見書の中にもありましたけれども、品川や川崎のような大手チェーン店が入る大型店やビルが立ち並ぶ、そんなまちづくりを、今進めようとしております。川崎でも、近隣商店街がさびれております。こういったまちづくりを区民の皆さんにお約束するときに、予算も積算されていない、これではあまりにも無責任だと言わざるを得ないのではないでしょうか。  4日に可決されましたけれども、第5次補正予算、日本共産党区議団は反対いたしましたが、その反対の理由に、10億円もの新空港線積立基金を補正予算で組んで、この新空港線積立金があわせて68億円余となったという点です。この補正予算については、消費税増税や不況や台風被害、いまだに大きな傷を残しております。そして、今回の新型コロナウイルスによる混乱、こういったときに、幾らかかるか、いつできるか、区民にわからない新空港線に区民の税金、血税を積み立ててよいのでしょうかという声があったから、日本共産党はこの第5次補正に反対をいたしました。  今、部長の答弁にもありましたけれども、新空港線計画が悲願である、区民の願いであると言っておられますけれども、本当にそうでしょうか。東急電鉄株式会社のホームページには、新空港線計画は悲願であると書かれておりました。松原区長も、挨拶で悲願だと言っておられます。  この新空港線計画、区が第三セクターに加わって、鉄道事業に自治体が加わることになります。平成28年の8月の計画でも、黒字転換年が31年とありますように、30年間はもう初めから赤字続きだと計算しております。孫子の代まで借金を背負うことになりかねない、区民の声をよく聞くことを求めておきます。東急電鉄や大企業の利益になる計画に多額の税金投入をやめることを、再度要望します。  次に、新年度予算の大きな柱の防災対策予算が、区民の不安に応えることになっているかについて伺います。  新年度予算案には、昨年の台風19号の教訓を踏まえて、水害時に浸水するおそれのある学校防災備蓄倉庫については、上階に移設するなど、風水害時の計画について予算を計上されております。避難先の見直しについても、風水害対策の強化策が策定されて、風水害時避難所は多摩川小、嶺町小以外の89か所として、一部2階以上も活用する。そして、その新たな内容をハザードマップに新たに入れて、区内全戸に配布するということです。  そこで伺います。水害時の避難場所の運営は、学校防災活動拠点を活用して運営することになっておりますが、町会・自治会、消防団、市民消火隊の皆さんだけでなく、区職員も配置されるのか、その体制についてお答えください。 ◎井上 危機管理室長 昨年の台風を経験し、区民の命を守るためには、区が備えを十分に整えるとともに、区民一人ひとりがみずから取り組む自助を理解していただき、災害時の行動へつなげていくことが重要と考えております。  自分の住んでいる地域の災害リスクを理解していただき、自助意識の向上に向け、ハザードマップの全戸配布を行う予定でございます。  また、昨年の台風19号では、応急復旧活動以降、全庁を挙げて今回の経験の振り返りを行いました。水害時緊急避難場所について、震災時と異なるため、区民にとってわかりにくいなどの課題がありました。  水害時緊急避難場所は、避難行動要支援者等が一時的に避難をする場所という考え方に変更はございませんが、昨年の台風では、避難行動要支援者以外の区民も多く避難してきました。このことから、水害時も可能な限り震災時に活用する小中学校を開設し、区民の皆様にわかりやすくしました。あわせて、避難者の受け入れ数を増やしました。  また、これまで、台風、大雨、集中豪雨など風水害の種類ごとに水害時緊急避難場所を指定しましたが、今後は風水害の種類を問わず避難場所を開設いたします。  また、避難場所の運営につきましては、震災対策と同様に、地域力推進部が指揮します特別出張所と拠点配置職員が地域の方と一緒に運営する学校防災活動拠点組織の協力を得るほか、避難してきた人たちにもお手伝いをいただけるよう働きかけをしてまいります。  なお、今回修正した内容を反映したハザードマップの全戸配布につきましては、令和2年度の予算に計上してございます。 ◆清水 委員 今、昨年の教訓を得て、新たに区が努力しているということが伺えましたが、台風19号の際にたくさんの方々が避難されてきた。今度も避難所を拡充するけれども、あのような事態がまた起きる可能性があるときに、町会や自治体の方々にお願いするだけでは、共助に頼るだけでは、大変な事態になると思います。区の責任を明確に示して、この職員の配置をお願いします。  ただし、昨年は19号の際、交通機関がとまったということがありまして、区職員の配置に大変な苦労をされたと伺っております。区職員の人員を増員することなどを含めて、体制強化をよろしくお願いします。  それから、今出ました要支援者の避難についてですけれども、台風19号のときに、こんなお話がありました。民生委員の方からです。避難を呼びかけた名簿に伴って、要支援者のところに行って避難を呼びかけたけれども、高齢の方、ここで死ぬからもういいと言って、避難しようとしなかった。車がなければ動けない人がいた。もしあのときに大変な被害になって、自分が応対して置いてきた人たちがもしものことがあったら大変だったという声がありました。要支援者名簿というのを区が作成しておりますけれども、この要支援者の避難の具体的な施策がないと避難できません。区はどのように対応していくおつもりなのか、お答えください。 ◎今岡 福祉部長 区では、要配慮者のうち、災害が発生し、または災害が発生するおそれがある場合に、みずから避難することが困難であって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るために、特に支援を要する方について、避難行動要支援者名簿に掲載をさせていただいております。  避難行動要支援者名簿は、自治会・町会及び民生委員児童委員等に配付し、平時からの見守り等への活用を従来からお願いしているところでございます。今年度から、この名簿にさらに詳細な具体的活用事例を盛り込み、発災時に備えて、地域で助け合うためのツールとして活用していただけるよう工夫しております。  この取り組みにつきましては、名簿配付時の周知に加え、民生委員児童委員の改選時に伴い、新たに就任した方々に対して説明を行っております。  また、発災時に滞りなく福祉避難所を開設できるよう、区の総合防災訓練において、障がいのある方々が参加した運営訓練、区立特別養護老人ホームにおいては、複数の運営法人の施設長と区職員の協働による図上訓練を実施するなど態勢を整えております。  さらに、大田区自立支援協議会防災・あんしん部会において、避難行動要支援者やそのご家族などを対象とした、マイ・タイムライン学習会を開催するなど、平時から災害に対する心構えを身につけてもらえるよう取り組んでおります。  こうした現場レベルの実践を踏まえ、区は地域と連携し、避難行動要支援者が円滑に避難できるよう、引き続き取り組んでまいります。 ◆清水 委員 心構えだとか、それだけでは、やはりこういう高齢者の方や障がい者の方を福祉避難所等に避難させることは大変なことだと思います。町会役員や民生委員の方々にも家族もおられますし、自分の身も守らなければなりません。重ねて、具体的な避難の仕方を検討していただくよう、要支援者名簿を作成している区の責任としてお願いします。  次に、災害時の情報発信についてですけれども、区はホームページやツイッター、区民安全・安心メール、デジタルサイネージ等、多様な媒体を活用すると言っておりますけれども、これらの媒体を活用できない区民がどのぐらいいると把握しておりますか、お答えください。 ◎市野 企画経営部長 区では、災害時の情報発信について、ホームページやツイッター、区民安全・安心メール、デジタルサイネージのほか、ケーブルテレビや緊急通報メール、防災行政無線、電話応答サービス、広報車などの媒体を活用し、より多くの区民の皆様に情報が届くよう取り組んでいるところでございます。  平成30年に実施いたしました、大田区政に関する世論調査におきまして、災害時の情報収集手段を聞いたところ、ケーブルテレビを含むテレビ、緊急通報メール、インターネットが5割を超えて高く、次いで家族・友人・知人・近所、ラジオが約3割などとなってございます。  また、性別・年代別では、ケーブルテレビを含むテレビは男性70歳以上で7割近く、インターネットは男性30代で約8割、SNSは男女とも年代が低くなるほど割合が高いという結果も出てございます。  この設問に回答されなかった方を除く97.5%の方は、いずれかの手段または複数の手段により災害情報を入手していると回答してございまして、このような調査結果も踏まえ、区の情報発信手段について、さらなる周知を行っていくとともに、今後も多様な媒体を相互補完的に活用しながら適時適切な情報発信を行ってまいります。 ◆清水 委員 より多くの方が、こういった媒体を活用していると。3割、5割、7割ということがございましたけれども、災害時で最も大切なことは、その情報をいかに受け取るかということだと思いますので、一人でも情報が届かない人がないようにしなくてはいけないと思っているのですが、代表質問で日本共産党は、FM局を開設して、そして防災ラジオを各家庭に配布していただくことを要望しました。品川や世田谷区、それから友好都市、防災協定を締結している東御市でも実施しております。重ねて、情報発信について、このFM局の開設をお願いします。  新予算では、今行っている防災行政無線、聞こえない、聞き取れない、こういう防災行政無線の維持費が、来年度の予算で7,101万1,000円計上されております。しかし、聞こえないではもったいない。特に、水害時では、時間当たり50ミリ、75ミリ、100ミリの豪雨が降った場合は、周りの音が聞こえないとなっております。ぜひ、この情報発信について、FM局の開設を重ねて要望します。  次に、民間との連携について質問いたします。日本共産党は、全ての民間との連携を否定しているのではありません。行政のあり方をゆがめる公共の産業化、公民連携について伺います。  まず初めに、ブルートライアングルプロジェクトについて伺いたいと思います。ブルートライアングルプロジェクトにかかった費用と分担金も含めて幾らになったのか、お答えください。 ◎久保 都市基盤整備部長 ブルートライアングルプロジェクトに関する費用ですが、平成27年度から3年間実施したブルートライアングルプロジェクト基礎調査に約874万円、バタフライガーデン及びバタフライコーナーの整備につきましては、平成28年度から令和元年度にかけて16の公園及び大森南ほ場等で実施し、約2,654万円です。  最後に、東京労災病院での飼育実証実験の負担金につきましては、平成28年度から2年7か月実施し、250万円となっております。 ◆清水 委員 このブルートライアングルプロジェクトというのは、区の発表によりますと、平成27年から基礎調査ということで行われておりますが、オリンピック・パラリンピックに向けた大田区のおもてなしのシンボルとなる、そんな取り組み。アオスジアゲハチョウはオーストラリア人の方が好む蝶で、オリンピックに来られた方々をお迎えする、こういう説明で行われておりました。オリンピック前に今はなくなっていますが、この継続ができなかった、それはなぜですか。 ◎久保 都市基盤整備部長 東京労災病院から、平成30年度に入りまして、病院側の経営方針の変更で、生態調査等につきまして継続が困難になったとの相談を受け、協議の結果、負担金を伴う事業につきましては終了いたしました。なお、病院内のバタフライガーデンの管理等は継続して行っております。この間の飼育実証実験や生態調査により、飼育体験マニュアルの作成などの成果を得ているところでございます。  引き続き、公園等において、バタフライガーデンやバタフライコーナーの整備を進めるとともに、地域イベント等の広報活動を行い、あげは蝶の舞うまちづくりに取り組んでまいります。 ◆清水 委員 いろいろと調べさせていただきましたら、この東京労災病院で中心になっておられた方が、区長と一緒に写真等も撮られていた方だと思うのですけれども、転勤になったということが大きいのではないかと思いますけれども、その方がいなくなったとともに、蝶ですから飛んでいったのかなと思いますけれども、大変もったいない。地域からも、大森南ほ場の話もありましたし、労災病院のバタフライガーデンの立派な温室を見て、病院に行った方が心が和んでいた、こういうこともありましたので、こういうアイデアは引き続き続けていかれたらなと、そういう思いで質問をしているところでございます。  民間企業の独自のアイデアというのは、本当にすぐれているものもありますけれども、区と公共と違うのは継続性、ここにあるのではないかと思います。民間業者等は、みずからの利益を得るために行います。これは当たり前です。公共とは全く違う。そもそも公民連携というのは、国が公共の産業化、財界に求められて進められているというのが公民連携です。  次に、羽田空港第1ゾーンにおいて行われている、羽田みらい開発株式会社と連携している公民連携について伺います。この羽田みらい開発株式会社の中心である鹿島建設株式会社のパンフレットを見ますと、そのパンフレットにはこう書いてあります。公民連携、PPP、PFI、公共事業分野において、民間事業者の持つ企画力、資金力、技術力、事業運営ノウハウなどを活用して社会資本整備を行う公民連携事業、この事業はまさに鹿島の総合力を遺憾なく発揮できる事業方式であり、積極的に参画していきますとなっています。  この鹿島建設が中心になって行った羽田みらい開発株式会社との連携に、大田区が区民の税金165億円で、本来は昭和20年まで大田区の土地だった国有地を購入して、提供して、それによって総事業費540億円の巨大な事業が実現しています。その土地、1平米6,000円を払って、羽田みらい開発株式会社から4,000平米を借りて、区施策活用スペースというのを、区は大きな目玉にしております。  当初、区は約3,000社の区内中小企業に仕事が回るよう、入居企業への受発注力に、このスペースにおいて力を入れると説明されておりました。しかし、区施策活用スペース入居予定者募集要項を見ますと、様々な我が国の産業シーズを生かした、新産業創造に寄与することを期待しますとあり、我が党が一般質問で質問しました、ここで経済波及効果がどのぐらいあるかという質問に対して、1割にも満たない100社程度にしか波及しないのではないですかという質問を、区は否定しませんでした。国内外からの事業者が区内中小企業に仕事をどれほど回すのか、単に期待というだけで、保証も担保もとらないことが明らかになりました。  新年度予算でも、ここに9億4,883万6,000円が組まれております。羽田空港第1ゾーンで進められる事業は、公民連携という名目で区民の血税が注がれ、民の羽田みらい開発株式会社のもうけの事業に、公、大田区が協力していることではないでしょうか、お答えください。 ◎白鳥 空港まちづくり本部長 羽田空港跡地第1ゾーン整備事業の第一期事業につきましては、区民サービスを一層向上し、持続可能な行政運営を推進するため、行政のみならず民間企業との連携・協力による公民連携事業として、区の目的である、新産業創造・発信拠点の形成を進めております。  当該事業は、約5.9ヘクタールの区の土地を、区の目的を実現するため、羽田みらい開発株式会社に50年間の定期借地権設定で貸し付け、民間資本として建物を建設し、区との基本協定、事業契約に基づき、先端産業、文化産業、エリアマネジメントを含む共通事業の3分野を中心に、様々な事業を展開することになっております。この3分野では、官民の検討組織を立ち上げ、建設的な議論のもと、区内への波及効果を創出してまいります。  あわせて、区が窓口となり、国や東京都などを積極的に巻き込むことにより、波及効果の最大化も目指してまいります。  このように、区と羽田みらい開発が互いに力を合わせて事業を推進しており、民間事業者の利益追求に区が協力しているという事実はございません。 ◆清水 委員 今お話がありましたけれども、今後の大田区の発展と活性化のために連携していくということですけれども、その保証については、今の答弁では区民はなかなか納得できないのではないでしょうか。  区は、平成31年1月に公民連携指針を発表しております。社会経済情勢等により、公民連携の前提が変化する場合も考えられる。適切な期間を定めて客観的な方法で検証をし、必要に応じて見直しを行うこととあります。しかし、この羽田みらい開発株式会社との公民連携では、50年という期間をもう先に決めております。この目的が新産業創造・発信拠点と、るる説明されましたけれども、この目的が達成されているのかどうか、この検証が透明、明確に行うことができるでしょうか。大変な税金をかけて行っているということをしっかりと説明していただいても、区民は納得できないと思います。  第1ゾーンの隣の第2ゾーンで行われる、1,717室のホテル、それから温泉、それからバスターミナル、この事業は1平米2,000円の賃料を国に払うことになっております。第1ゾーンも、国から土地を借りて行うことだってできたのではないでしょうか。区民の血税で大田区が購入したのはなぜかという疑問の声が、区民から上がっております。  長い間、区内で何件もの店を出して商売をしてきた人が、「あの天空橋近くの土地は俺たちの税金165億円も出して買ったそうだね。俺たちも商売させてくれないか。店を出させてほしいよ、優先で」と言っておられました。まさに実感ではないかと思います。  最後に、東邦医大と共同で行われる、人生100年を見据えた健康寿命延伸プロジェクト、1,600万9,000円について伺います。先駆的事業と位置づけられて行われますけれども、ここで無作為アンケートを行うとなっておりますが、その規模と予算をお答えください。 ◎今井 健康政策部長 人生100年を見据えた健康寿命延伸プロジェクトは、科学的根拠に基づいた政策立案を行うため、区が包括連携協定を結ぶ東邦大学との共同研究により、区民へのアンケート調査や行政情報の分析を行うものです。  これにより、おおた健康プラン第3次に基づき推進しております、「キラリ☆健康おおた」や「はねぴょん健康ポイント」の効果検証など、区の健康づくり施策に反映させてまいります。  アンケート調査は、区内を18地域に分け、1地域当たり2,000人、計3万6,000人を無作為抽出して、はねぴょん健康ポイントの効果検証や、地域とのつながりなど、行政データでは把握できない項目や健康の地域差要因の把握に資する質問項目を設定し、実施する考えです。  この区民の健康寿命延伸に向けたアンケート調査関連の経費は、アンケート調査票の印刷経費、送付及び返信用の郵送料、入力費用などからなり、1,325万8,000円を見込んでおります。 ◆清水 委員 東邦医大と連携してやるということですけれども、東邦医大は大田区にある唯一の大学病院を有して、区民の命と健康にとって大変重要な関係があることは十分承知しております。様々な協定も結んで連携しております。  しかし、私が大変気になるその点は、この事業はSociety5.0の新たな視点を持った取り組みとなっているのです。このSociety5.0、安倍内閣、財界が掲げております。膨大なビッグデータを、人間の能力を超えたAI、人工知能が解析して、ロボットなどを通して人間に戻ってくる。これまでにはできなかった新たな価値が産業や社会にもたらされるとして、無責任に国家戦略を掲げております。これは財界の利益のために進められております。ビッグデータやAI、ロボット、仮想空間で健康、高齢化社会、災害や貧富の格差などの課題解決ができるでしょうか。  課題解決には、現実の空間で生身の人間が行うことが、解決に向かう道なのではないでしょうか。はねぴょん健康ポイントもデータ化して、活用するということですけれども、歩くことや区内をめぐることでポイントがもらえるはねぴょん健康ポイント事業、ここに参加している区民はスマートフォンを使い、健康に関心がある層だと思います。そのデータの効果検証をしても、効果的な区の施策、例えば区が言っておられる、健康無関心層、健診を受けない、がん検診を受けない、生活習慣病と健診で出ても治療を受けない、こういう区民への対策ができるでしょうか。  今年度予算で、区は新年度予算に、がん対策の強化及び新たな検診として1億7,763万1,000円が計上され、中に大腸がん検診を無料にするとなっておりますが、その経緯をお答えください。 ◎西田 保健所長 平成30年東京都人口動態統計の大田区における悪性新生物の部位別死亡割合では、大腸は肺と気管支に次ぐ第2位となっています。  大腸がん検診の経緯ですが、平成26年度、これまでの検診費用負担無料を廃止し、自己負担制度を導入しました。平成27年度には受診者数の上限を撤廃し、その後、受診者数は大幅に増加しています。しかし、平成28度以降は、やや減少傾向にあります。  こうした状況を取り組むべき課題として捉え、令和2年度に限り、大腸がん検診の無料化を計画しております。  単年度に限っての検診無料化は、今年は無料だから行こうという人の行動を誘発する手法で、厚生労働大臣も検診受診率向上の効果があるとして推奨する、ナッジ理論を活用しております。期間限定で無料化し、実施した検診結果につきましては、検診を実施する医療機関等も含めた関係者と検証してまいります。 ◆清水 委員 今、説明がございましたように、区は、がん検診を有料化したときに、そのときに自己負担にすることで、健康への関心が強まるといった説明もありました。しかし、今説明されたように、なかなか受診率は思うように増加していません。  1日1,000円で暮らす区民も大勢おられる中で、健康が置き去りになってしまって、がん検診や健診を受けに行かない区民も出ている。それを、そのとき大田区は、自己負担することが健康への関心が強まると言い切った。しかし、今回ナッジ理論ということで、大腸がん検診だけを1年間だけ無料にするということですけれども、ぜひ区民が健診に行かない、健康に無関心だということに理由があるということを、しっかりと把握していただいて、そこにこそ手だてをお願いします。  Society5.0や国や財界が進める施策に乗るのではなくて、多くの区民が健診を受けやすくする、予算を拡充する、そのことを求めて、質問を終わります。 ○渡司 委員長 次に、令和、質疑願います。 ◆犬伏 委員 令和大田区議団の犬伏でございます。会派を代表して、総括質疑をさせていただきます。  まずは、中央防波堤に新しい街区ができますけれど、どうもこの名前が令和島とつくようであります。我が会派の名前を街区の名前につけていただいたことを、心より御礼を申し上げて、質疑を始めたいと思います。
     さて、私は、今から10年ほど前に大学院に入りまして、地方議会は機能していないというテーマで論文を書き始めようとしましたら、指導教員から怒られまして、原案全て可決をもって、何で地方議会が機能してないのだと言えるのだと。それは民主主義のもとで選ばれた議員が賛成しているのだから、機能してないというのはおかしいだろうという、ぼこぼこにやっつけられまして、そのテーマは取り下げられたわけであります。  それで今般、私は20年ほど議員をやっておりますけれど、この予算書に書かれている内容は、びた一文変わらずに、多分可決をされるのでありましょう。では、何でおまえらは質疑しているのだという議論になりますけれど、当然、良識ある理事者の皆さんは、ここで様々な議員が様々な角度から、たまには何か違うのではという方もいますけれど、様々な角度から皆さんにご指摘を申し上げまして、それを皆さんそれぞれのお立場、事業課のお立場で確認をしていただいて、お金は1円も変わらないけれど、予算執行の中でその思いを具現化していこうと、きっとそういうことなのだろうと。だから予算委員会をやっているのだろうなと。これは嫌みではなくて、本当にそう思っているのです。20年もやっていると、ああいう騒がしくはなくなるわけでありまして。  さて、今回の予算を見てみますと、ついに4,000億円を超えた大変な予算になりました。鳥取県の一般会計が3,000億円、島根県は4,000億円ちょっとですから、この大田区というのは、まさに県レベルの予算を執行しているわけでありますから、我々も県会議員と同じ緊張感を持ってやらなければいけないと思っているわけであります。  予算というのは、首長の思いが出ている、数字に思いが出ていると思うのです。松原区長は、常々ものづくりのまちということをおっしゃっているのですが、残念ながら、この産業経済費というのは、款別を見ると一番下、公債費が1.6%で産経費が2%、50億円ぐらいですか。この金額だけが全てではありませんけれど、ぜひ区長最後の任期でありますから、次年度からは、ものづくりについて、やはり数字でもうちょっと上乗せをしていただけたらありがたいなという感想を持ったわけであります。  さて、今回は、これは総括でありますけれど、こういう総括をしてはいけないと、まるで款別のような質疑を、私どもの会派には新人議員がおりますので、こういうのはだめだよという例を挙げて、3点ぐらいに絞ってお尋ねをしたいと思います。  区内の病院やクリニックに、今、感染を疑われる方が来られております。実際に感染をされた方も、区内にはいらっしゃるわけでありますけれど、国や東京都が定めた感染症対応については、肺炎まで進展した重症な方に対して対象としたものであります。専門的な言葉、代用でありますが不顕性患者、実際には感染しているのだけど、表に何も出てこないという患者や軽傷の感染者については、現在の国や都の事例でいきますと、検査の対象になっていないのではないかと思われるわけです。  この不顕性患者の実態を把握することができないと、区内の診療施設における感染対策がとれなくて、患者はもとより、医療従事者にも多くの感染者を出す可能性があると考えられますが、いかがでしょうか。 ◎西田 保健所長 区では、医療機関より連絡のあった疑い事例、感染者と接触があり症状のある事例等に検査を実施しております。東京都における1月24日から3月1日までの検査実施人数は801人、うち陽性者は39人となっております。  医師会、歯科医師会、薬剤師会、感染症診療協力医療機関等を委員とする大田区感染症対策検討委員会を2月27日に開催しまして、そこでも新型コロナウイルス感染者の現状や医療体制、院内感染対策等を共有したところでございます。  今、委員ご質問のありました、不顕性感染を疑う人に全てやっていたら、やはり医療の機構がおかしくなるということがありまして、今はそういう形で選んでというか、医療機関の医師がそうだと疑う方について、お受けして実施しているところでございます。 ◆犬伏 委員 見えない敵、相手がなかなか見えない。それから、根本的な治療法もまだ確立されていない、検査機関も1日900件とかいうレベルしかないところで、まさに保健所長がおっしゃったように、不顕性の患者まで手を広げていたら、医療機関がパンクしてしまうというのは、またこれ事実であろうかと思うのですが、しかしながら、出てこない患者がやはり感染を広めてしまうという事実もあるわけで、このところは何とかできないのかなというのは素人ながらの考えであります。  今後とも、国と都と連携しながら、区内に感染が広がらないように、大変だと思いますが、よろしくお願いをしたいと思います。  さて、報道機関の皆さん、特に大田区を担当している報道機関の皆さんとお話をしておりますと、大田区はとにかく発信をしないと有名だそうであります。今回のコロナについても、取材に来ると、できればよそを取材してくれと。よそに案件があったら、よそを出してくれと、とても発信に消極的だと報道関係者は言っているのを聞くことがあります。  領土問題の際も、江東区との差は歴然としておりました。江東区はすぐさま発表して、大田区には一つもやりたくないという大変厳しい発言をされておりました。コロナについても、東京都に情報発信は一元化するということではありましたけれど、ほかの区は相当発信をしております。ぜひ情報発信をする所管課と、それから事業課、保健所でありましょうが、ここが一丸となって、発信しないのではなくて正しい情報を発信して、区民の方が混乱をしないように。特にデマでトイレットペーパーを買いあさるなんていうのは、行政がやるべき話ではないかもしれませんけれど、ぜひ発信をしていただきたい。今後も正しい情報を、東京都に丸投げにしないで、発信をしていただきたいというわけであります。  さて、大田区でありますけれど、1月31日現在、マスクは何枚ぐらいあったのでしょうか。 ◎今井 健康政策部長 1月31日現在、区のマスクの備蓄は14万枚となっております。 ◆犬伏 委員 では、本日現在の数は。 ◎今井 健康政策部長 3月6日現在、4万6,000枚となっています。 ◆犬伏 委員 今の1月31日現在の数と本日現在の4万6,000枚のこの差は、どこに何枚出したのでしょうか。 ◎今井 健康政策部長 友好関係にある中国の二つの都市へ2万4,000枚を提供し、区内医療機関等へ7万枚を貸与いたしました。 ◆犬伏 委員 友好関係都市というと、中国大連市、同じく北京市朝陽区であろうと思います。それぞれに1万2,000枚ずつ出したのでしょうけれど、これは誰から要請があって、大田区の庁内ではどのような手続きがあって意思決定したのか、庁議には報告をされたのか教えてください。 ◎木田 観光・国際都市部長 大連市につきましては、令和2年1月27日、市政府の外事弁公室から、大連市内の感染拡大を阻止する目的で、医療従事者等が使用する医療物資の緊急支援要請を受けました。  区は、速やかに関係部署で協議を行いまして、支援について、組織として決定をいたしました。  また、北京市朝陽区は、2月4日に区政府の外事弁公室から、マスク等医療従事者が使用する物資の入手が困難となっている状況に、本区への支援要請があったものでございます。  区は、朝陽区に対しても、大連市へ支援を行った際と同様、関係部署で協議を行い、支援の決定を行っております。  なお、これらの支援につきましては、庁議報告案件とはしておりません。 ◆犬伏 委員 意思決定は誰が起案して、誰が、最終的には区長印を押すのでしょうけど、部長が決裁されたのですか。 ◎木田 観光・国際都市部長 当部の職員が起案いたしまして、区長決定をいただいております。 ◆犬伏 委員 保健所長は区議会のコロナ対策本部の会議に来られまして、備蓄しているこのマスクは医療従事者のためのものであって、区民には1枚たりとも出さないとおっしゃっていましたけれど、この段階では既に中国に2万4,000枚が出ていたということになります。  私は友好をすることを否定するわけではないのですけれど、今何をすべきが基礎自治体、住民に最も近い基礎自治体のミッションであるかということを、もうちょっと真剣に議論をしていただきたかったと思うのです。区民の税金で買ったマスクを、中国がくれと言ったら、はいはいと言って、それも保健所が保管している、これは災害用のマスクではなくて医療従事者のために備蓄をしているマスクを、木田観光・国際都市部長のところが、それを出してくれと言って。こちらは言うならば倉庫番みたいなものです、今回のケースは。だからほいほい中国にあげてしまうということは、おかしいのではないのと言った管理職や職員は一人もいなかったのですか。 ◎木田 観光・国際都市部長 両都市から要請があった当時、報道にもありましたように、中国は医療物資が極度に不足して、本当に切羽詰まった状況にございました。また、そのような危機的な深刻な状況の中、大連市、北京市朝陽区ともに、感染拡大防止に備えて、政府及び医療従事者が決意をもって総力を挙げて取り組んでおりました。  こうしたことから、区は今回の支援要請を看過することができませんでした。また、医療物資を送ることにより、中国の感染拡大を少しでも封じ込めることにつながれば、それが日本の中での感染拡大防止にも寄与すると考えました。  長年、両都市と友好関係にある大田区としましては、当時、何ができ、どのような形で要請に応えられるかを検討し、区として支援の決定をさせていただきました。 ◆犬伏 委員 誰か疑義を言った職員はいないのかということについて、お答えいただいていませんけれども、どうでもいいです、そんな話は。  何回も言いますけど、友好というのは、相手もこちらに信義を尽くした場合には友好なのです。大連市が別に偵察機を飛ばしているわけではないし、大連市が尖閣諸島に入ってきているわけではないけれど、中国という国家は日本に対して決して好意的ではないです。そういうことを理解しながら話していかないと、一方的に向こうの手中にはまってしまうことになってしまいます。  中国へのマスク譲渡について、我が会派の三沢議員が感染症対策課長に時系列で示してほしいと依頼したところ、何の権限で聞くのかと、怒られたそうです。私も同様の質問をしましたら、私は昼飯も食べてないのだと怒られてしまいまして、これは議会軽視ではないか。忙しいのはわかるのですけど、忙しいときこそ冷静にならなければいけないのです。  昔、陸上幕僚長の火箱さんという人が、PKOに行く隊員に激励をしました。隊員は頑張ってまいりますと言ったら、幕僚長はこう言った。「頑張っちゃいかん、頑張ると事故が起きるんだ、普段の訓練どおりやれ、普段どおりやれば事故が起きない」。まさに名言であります。飯も食わないのだから大変なのだと言ってしまうと、事故が起きてしまうのです。忙しいときこそ冷静になっていただきたかった。  議会軽視ではないかという質問を通告しておきましたけど、聞いたところで、議会軽視ではないとお答えになるのでしょうから、これは飛ばします。  もう一つ、さっき皆さんが民主主義で選ばれた議員だから、ここで全て賛成でも問題ないとお話ししましたけど、今回この中国にマスクを送ったという事実については、3月3日に初めて感染症対策課長から、それから木田観光・国際都市部長から伺いました。オフィシャルにです。ところが、区議会議員各位という文書を見ましたら、2月3日に自民党と公明党にはこの文書が渡っているということで、自民党と公明党で過半数いますから、自民、公明だけ情報を渡しておけば、議会対策は済んでしまうという気持ちはわかります。私もそっちにいれば、そうしたかもしれない。ただ、やはり民主主義の中で、区議会議員各位と書いたら、みんなに持ってこいよと思うのですけど、何で持ってこなかったの。 ◎木田 観光・国際都市部長 今回、友好都市へマスクを送りましたことにつきましては、委員会等への報告が大変遅れておりますことを、謹んでおわびを申し上げます。  備蓄のマスクにつきましては、区民医療関係者への貸与等、これまでの対応を区として集約をした上で、後日改めまして報告をさせていただきたいと存じます。 ◆犬伏 委員 答弁になってないよ。何で自民党と公明だけに報告したのか。その合理的な理由を、私が納得するように教えてほしい。 ◎木田 観光・国際都市部長 マスクの要請につきましては、本当に緊急を要するということで、本当に委員会等にかける時間等もございませんでした。区としての判断として送らせていただいているところでございます。これにつきましては、現在進行中のところもありまして、また後ほど、後日きちんと報告をさせていただきたいと存じます。 ◆犬伏 委員 緊急であろうが何であろうが、例えば各議員のポストに1枚ずつ突っ込んで50回入れるのに、何分かかるのかね。または、区議会のコロナ対策会議が何回もその後行われているのです。そこに来て、報告すればいい話で。  私は共産党の主義・主張というのはあまり好きではないけれど、共産党の皆さんは、この中で8人もいるのです、区議会議員が。そこにも報告しない。うちも一応、交渉会派ですよね、何のための交渉会派なのだと。いや、もちろん一人会派の皆さんにも報告しないといけない。そういう、心の中に自民党、公明党だけわかってもらっていれば、もう予算特別委員会も通ってしまうし、議案も通ってしまうしという気持ちが皆さんの心の中に、長い間の役人生活の中であるのではないかなと。これはあえて警鐘を鳴らしますが、決して自公にけんかを売っているわけではないのです。そういう思いを変えていただきたい、そろそろ。  この質問もあまり品がないから、松原区長が日中友好協会の副会長だから、何かそん度したのではないかと聞こうと思ったけど、松原区長におかれて、そんなことがあるわけないから、これは私の品性が欠けてしまうので質問しません。  それから、今回、医療従事者用のマスクでしたけれど、学校現場でもマスクが足りない。それから、介護現場でもマスクが足りないということがありますので、いろいろな多面的に使えるマスクを避難所等に、医療従事者に限定しないで、防災、公衆衛生、いずれにも利用できるマスクを今後備蓄すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎今井 健康政策部長 今後、総務部と連携し、避難者の健康管理等の公衆衛生や避難所の生活環境の観点などから、マスクの備蓄も含め総合的に検討してまいります。 ◆犬伏 委員 ぜひお願いします。  次に、通告しました、最近気になる大田区の教育についてでございますが。大田区立の小学校で、副校長先生がほかの学校の女性教員と教育研究会で知り合いまして、飲食店に誘いました。飲食店に誘って、体をさわるなどのセクハラ行為を働いて、さらにタクシーの中で体をさわり、タクシーを下車後、ホテルの前、何軒もホテルのあるところに歩いて、ホテルに差しかかるたびに、1時間だけ入ろうと誘った事案が、覚えてらっしゃいますかね。この女性教員は大変怖くなって、所属校の校長に相談して、発覚をしました。  東京都教育委員会は厳重に処分するとマスコミに答えましたが、勤務時間後のことであったので、減給10%、3か月の処分といたしました。この教員は、その後、ある小学校の副校長として赴任いたしました。そして、この学校に、知り合いの保護者の女性を雇用いたしました。そして、校長のいない校長室や印刷室でセクハラ行為に及びました。最後は、人のいない印刷室で、壁ドンをして、この場では発言できないような行為を行ったのであります。女性は怖くなって、学校を退職し、事実関係を暴露した書面を全教員の机の上に配布いたしまして、学校が初めて事実を把握しました。副校長は、翌日から体調不良を理由に、本日に至るまで休職をしています。  このまま処分しないで退職させるつもりかもしれません。  そこで伺います。なぜ大田区でセクハラで減給になった教員が、副校長として他区に異動できたのでしょうか。 ◎後藤 教育総務部長 服務事故を起こした教員に対しましては、任命権者である東京都教育委員会が、教職員の非行に対する処分基準を定めました処分量定に基づき、厳正な処分を行うこととなっております。処分の後、その教員に対し、処分量定に応じて、東京都教職員研修センターや、所属校において行う、服務事故再発防止研修を課し、修了が認められた後に、東京都下の他の自治体への人事異動を行うことは可能となっております。 ◆犬伏 委員 副校長という管理職が、こんないかがわしい事件を起こして、副校長のままほかの学校に行くというのは、民間では考えられないです。本当に公務員の方は守られているなという気がするのです。  何で私にばれてしまったかというと、この副校長が人事処分を何も受けてないことを知った女性が、この大田区において案件がばれて、マスコミにリークした私に言えば、きっとマスコミにリークしてくれるだろうと思って、私に相談をしてきて。実際、都庁記者クラブと文科省の記者クラブに投げ込みをしまして、各社が都教委にヒアリングをしたところ、知らぬ存ぜぬであります。したがって、どこかで公開しなければ、この女性の人権が守られない。副校長の人権だけが守られて、こんなことふざけるんじゃないよと申し上げたいのです。こういう人が学校現場にいることを、本当に残念に思います。  残念ながら、学校教員というのは、成績がよければ受かってしまう。人間性、社会性は隅に置かれているのではないのかなと、こういうふうに思うわけです。セクハラと覚せい剤というのは、これは癖なのです。もうやってしまったら、やめさせなければだめなのです。なぜ被害者がいるのに、教員の人権だけが保護されるのですか。 ◎後藤 教育総務部長 教員がセクハラなど公務員としてふさわしくない非違行為があった場合、先ほども申し上げましたが、東京都教育委員会が教職員の非行に対する処分量定に基づき、地方公務員法による懲戒処分を行います。  大田区において、セクハラなど被害を受ける相手がいる服務事故を起こした場合には、大田区教育委員会が被害者、加害者双方から聞き取りを行った上で、東京都教育委員会に対し、厳正な処分を行うよう意見を申し入れることとしております。  なお、懲戒免職処分の場合は、当該職員は職を失い、退職金の支給が制限され、教員免許も失効することとなります。また、戒告以上の懲戒処分を受けた場合では、報道機関に公表され、履歴に処分内容が記載されるなど、一定の社会的な不利益を受けることとなります。 ◆犬伏 委員 私は、もう何年も前から、教育委員会というのは隠ぺい体質だと、なくてもいいのではないかと言っているのですけれど、今回の案件については、東京都教育委員会も被害女性からヒアリングをしているのですけれど、報道機関の問い合わせに対しては、そういう事実は把握してないと、こういう嘘っぱちを言うわけです。なるべく穏便にしてしまおうと。  一時、大田区でも魔の副校長時代というのがありまして、副校長が給食費60万円をピンはねして首になったとか、副校長がマイカーで通勤して、通勤手当をピンはねしたとか、本当に副校長の事件が相次いだ時代があります。ぜひ管理職を含めて、教員の社会性、このことを強く強く、勤めている区としてやっていただきたいと思うのです。  それから、教員は各区、各市の学校に勤務しながら人事権だけが東京都にあるという、ちょっと特殊な存在であります。教員の人事権を勤務する自治体に移すべきだという議論がありますが、今後の行方はいかがでしょうか。 ◎後藤 教育総務部長 区立学校の教員の人事権に関しましては、これまでも特別区長会に対して、国・都の施策及び予算に関する要望の中で、県費負担教職員の人事権の移譲について要望しているところでございます。  今後も、区立学校教員の人事権移譲について要望してまいります。 ◆犬伏 委員 どこぞで教員のいじめ事件が大々的に発覚しましたけど、例えば公務員一般行政職の皆さんがセクハラをしても、していいということではないけど、してもあまり子どもに影響にないのだけど、教員がセクハラをしたり、こういう事件を起こすと、その先生を信頼していた子どもたちの本当に心に大きな傷を負わせてしまう。大人は信用できない、先生は信用できないということになってしまいますから、特に教育現場においては、そういう破廉恥な事件が起きないように、今後とも服務指導の徹底をしていただきたいと思うわけであります。  まだ通告したのがあるのですが、盛り上がってしまったので、時間がなくなってしまいました。  次に通告申し上げたのは、大田区のごみ収集作業について、様々な雇用形態があると。今、同一労働、同一賃金というのが世の中で流行っておりますけれど、大田区職員、公務員の清掃職員、それから雇上会社の社員、それから大田区ではいませんけれど、品川あたりは労働組合の派遣の運転手等々、それから環境公社の社員もいらっしゃいます。同じ仕事をしながら、給与はばらばらであります。これは同一労働、同一賃金に反するということで、幾つかお伺いしようと思いましたけれど、時間がないのでやめます。  やっとなくなった学童擁護員、それから今減りつつある給食調理員、学校警備員、清掃職員など、公務員でなくてもいい仕事、いわゆる現業職員の方の仕事については、今後とも民間に移していく、公社に移していくということで、公務員がやらなければいけない仕事に皆さんは集中をしていただくことをお願いしたいと思うのですが、この現業職員を公務員にすべき合理的理由を見出せない、このことについてはどうお考えでしょうか。 ◎市野 企画経営部長 現業系の職につきましては、区が職員を配置して直接対応すべき業務の範囲を精査した上で、真に必要な分野についてのみ職員を任用するものと考えているところでございます。  例えば、学童擁護の職につきましては、既に業務委託により対応してございまして、区職員は任用してございません。学校警備の職につきましても、新規職員の採用は行わず、区職員の退職に応じて機械警備への切りかえを進めているところでございます。  区といたしましては、引き続き、限られた行政資源を有効に活用し、区民サービスの向上に努めてまいります。 ◆犬伏 委員 ぜひコロナウイルスという目に見えない大きな敵を前にして、73万区民のために四千数百名の大田区職員の皆様、ぜひ頑張っていただいて、大田区に住んでいてよかった、大田区は本当にすばらしい区だという行政執行、予算執行をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。 ○渡司 委員長 ただいまの犬伏委員の発言につきまして、後刻、記録を調査の上、措置することといたします。  以上で、総括質疑を終結いたします。  次に、第1号議案 令和2年度大田区一般会計予算歳入の審査に入ります。  なお、説明及び質疑につきましては、全ての款を一括して行いますので、ご了承を願います。  理事者の説明を求めます。 ◎梅崎 財政課長 私のほうから、一般会計歳入の説明をさせていただきたいと思います。大田区各会計予算事項別明細書で説明をいたしますので、ご用意いただきたいと思います。38ページをご覧ください。一般会計の歳入でございます。  第1款特別区税、本年度771億871万3,000円で、前年度比18億745万5,000円の増でございます。第1項特別区民税、本年度721億7,780万7,000円で、17億9,932万1,000円の増でございます。第2項軽自動車税、本年度3億2,824万1,000円で、841万6,000円の増です。  40ページ、第3項特別区たばこ税、本年度45億8,893万3,000円で、23万2,000円の減でございます。第4項鉱産税、1,000円の皆減でございます。第5項入湯税、本年度1,373万2,000円で、4万9,000円の減です。  第2款地方譲与税、本年度22億1,000万1,000円で、8,027万2,000円の増です。第1項自動車重量譲与税、本年度7億6,700万円で、3,472万5,000円の増です。第2項地方道路譲与税、本年度1,000円で、前年度と同額でございます。第3項航空機燃料譲与税、本年度11億1,300万円で、2,729万5,000円の増です。第5項地方揮発油譲与税、本年度2億7,300万円で、1,174万8,000円の減です。第6項森林環境譲与税、本年度5,700万円で、3,000万円の増です。  第3款利子割交付金、本年度2億2,500万円で、5,198万3,000円の減です。  42ページにまいります。第4款配当割交付金、本年度11億6,000万円で、311万円の減です。  第5款株式等譲渡所得割交付金、本年度6億4,200万円で、2億9,947万9,000円の減です。  第6款地方消費税交付金、本年度167億800万円で、25億2,750万4,000円の増です。  第7款自動車取得税交付金、本年度1,000円で、1億9,865万円の減です。  第8款環境性能割交付金は、本年度2億6,100万円で、2億141万2,000円の増となってございます。  続きまして、44ページにまいります。第9款地方特例交付金、本年度5億1,200万円で、1,076万6,000円の減です。  第10款特別区交付金、本年度698億6,600万円で、60億7,400万円の減となってございます。  第11款交通安全対策特別交付金、本年度5,603万9,000円で、531万2,000円の減です。  第12款分担金及び負担金、本年度24億4,521万6,000円で、11億122万6,000円の減です。  続きまして、46ページにまいります。第13款使用料及び手数料、本年度83億8,311万9,000円で、3億213万7,000円の減です。第1項使用料、第1目総務使用料から52ページ、第8目教育使用料まで合わせて、本年度72億1,261万6,000円で、2億8,562万4,000円の減です。  54ページ、第2項手数料、第1目総務手数料から58ページ、第7目教育手数料まで合わせて、本年度11億7,050万3,000円で、1,651万3,000円の減となってございます。  第14款国庫支出金、本年度527億7,381万7,000円で、41億6,165万円の増です。第1項国庫負担金、第1目福祉費負担金から60ページ、第3目教育費負担金まで合わせて、本年度480億9,519万4,000円で、28億8,959万5,000円の増です。第2項国庫補助金、第1目福祉費補助金から62ページ、第8目総務費補助金まで合わせて、本年度46億5,869万8,000円で、12億6,496万6,000円の増です。第3項国庫委託金、第1目総務費委託金から第3目衛生費委託金まで合わせて、本年度1,992万5,000円で、708万9,000円の増です。  第15款都支出金、本年度223億4,178万4,000円で、19億6,559万5,000円の増です。  64ページ、第1項都負担金、第1目福祉費負担金から第4目教育費負担金まで合わせて、本年度114億8,323万3,000円で、12億8,689万4,000円の増です。第2項都補助金、第1目総務費補助金から68ページ、第8目環境清掃費補助金まで合わせて、本年度87億7,327万円で、2億9,348万8,000円の増です。  70ページにまいります。第3項都委託金、第1目総務費委託金から第6目教育費委託金まで合わせて、本年度20億8,528万1,000円で、3億8,521万3,000円の増です。  第16款財産収入、本年度12億3,904万4,000円で、6億80万9,000円の増です。第1項財産運用収入、第1目財産貸付収入から72ページ、第3目基金運用収入まで合わせて、本年度12億3,891万6,000円で、6億81万円の増です。第2項財産売払収入、74ページ、第1目不動産売払収入と第3目物品売払収入合わせて、本年度12万8,000円で、1,000円の減となってございます。  第17款寄附金、本年度4億2,889万4,000円で、4,106万2,000円の増です。
     第18款繰入金、本年度162億2,842万7,000円で、18億7,559万2,000円の増です。第1項基金繰入金、第1目財政基金繰入金から76ページ、第30目勝海舟基金繰入金まで合わせて、本年度162億2,842万6,000円で、18億7,559万2,000円の増です。なお、財政基金繰入金は、本年度84億2,303万1,000円で、5億9,487万8,000円の増となってございます。第2項特別会計繰入金、本年度1,000円で、前年度と同額でございます。  第19款繰越金、本年度20億で、前年度と同額です。  第20款諸収入、本年度73億9,840万7,000円で、5億8,035万2,000円の増です。第1項延滞金、加算金及び過料、本年度1億2,136万8,000円で、1億2,758万1,000円の減です。第2項特別区預金利子、本年度34万円で、1万2,000円の減です。  78ページにまいります。第3項貸付金元利収入、第2目土地開発公社貸付金収入から第15目大森赤十字病院改築支援貸付金元利収入まで合わせて、本年度30億2,341万4,000円で、2億1,785万円の増です。第4項受託事業収入、第1目福祉費受託収入から80ページ、第8目総務費受託収入まで合わせて、本年度14億4,833万円で、2億7,777万9,000円の増です。第5項収益事業収入、本年度2億円で、5,000万円の増です。第6項事務処理特例交付金、本年度6億8,500万円で、2億5,100万円の減となってございます。第7項雑入、第1目滞納処分費から84ページ、第14目雑入まで合わせて、本年度19億1,995万5,000円で、4億1,331万6,000円の増です。  第21款特別区債、第1項特別区債、86ページ、第2目産業経済債から第8目環境清掃債まで合わせて、本年度54億円で、3億円の減となってございます。 ○渡司 委員長 歳入には質疑の通知がありませんので、歳入の審査を終結いたします。  次に、一般会計予算歳出の款別審査に入ります。  初めに、第1款議会費の審査を行います。  理事者の説明を求めます。 ◎梅崎 財政課長 議会費の説明をさせていただきます。事項別明細書88ページをご覧ください。  第1款議会費でございます。本年度11億2,385万3,000円で、480万8,000円の増です。第1項議会費は、款と同額となってございます。第1目議会費、本年度9億3,848万4,000円で、291万9,000円の減です。第2目事務局費、本年度1億8,536万9,000円で、772万7,000円の増です。  第1款議会費は以上となりますが、ここで人件費全体について説明をさせていただきます。事項別明細書の266ページをご覧いただきたいと思います。  こちら給与費明細書のうち、特別職でございます。一番左側の区分欄をご覧いただきますと、年度の欄がありまして、次に、長等、議員、その他、計となってございます。それぞれ右に移りますと、職員数、給与費、共済費となってございます。給与費及び共済費を合わせると、本年度の額は合計で14億5,634万円でございます。前年度との比較では、一番下の欄、合計で29億4,619万円の減となってございます。  本年度から、新たに一般職、非常勤職員である会計年度任用職員制度が導入されることに伴いまして、これまで特別職、非常勤職員としてこちらに計上しておりました報酬額等が大きく減少してございます。  続きまして、268ページから273ページまでは、一般職となってございます。268ページの総括は、270ページの会計年度任用職員以外の職員と本年度から追加をいたしました、272ページの会計年度任用職員との合計となってございます。  270ページのア、会計年度任用職員以外の職員をご覧ください。上段の本年度の欄、職員数3,871人、9人の増でございます。271ページの合計は、給与費と共済費合わせて、369億9,534万1,000円で、5,561万7,000円の減です。その下の表は、職員手当等の内訳でございます。  272ページのイ、会計年度任用職員をご覧ください。上段の本年度の欄、職員数2,615人、273ページの合計は給与費と共済費を合わせて、50億5,591万5,000円です。その下の表は、職員手当等の内訳でございます。  274ページからは、給料及び職員手当等の増減額の明細等について触れてございますので、後ほどご確認ください。 ○渡司 委員長 この款には質疑の通知がありませんので、第1款議会費の審査を終結いたします。  次に、第2款総務費の審査を行います。  理事者の説明を求めます。 ◎梅崎 財政課長 続きまして、事項別明細書92ページをご覧ください。  第2款総務費でございます。本年度384億8,970万1,000円で、79億2,750万2,000円の減です。第1項総務管理費、本年度209億4,123万2,000円で、56億2,257万9,000円の減です。第1目一般管理費、本年度84億4,814万1,000円で、12億2,154万3,000円の減です。主なものは、11番、基金積立金の(1)公共施設整備資金積立基金積立金で10億2,772万8,000円の減です。  94ページ、第2目人事厚生費、本年度35億3,282万2,000円で、1億1,426万5,000円の増です。主なものは、10番、行政サービス支援員の任用で、2億2,246万1,000円の増です。  96ページにまいります。第3目庁舎管理費、本年度17億2,712万6,000円で、2億2,432万6,000円の増です。主なものは、4番、蒲田地域庁舎で1億3,082万3,000円の増です。第4目広報広聴費、本年度2億9,653万5,000円で、2,336万6,000円の増です。  98ページ、第5目財政管理費、本年度392万3,000円で、2万7,000円の減です。第6目会計管理費、本年度6,534万3,000円で、703万6,000円の減です。  100ページにまいります。第7目財産管理費、本年度1,858万1,000円で、5億2,184万8.000円の減です。主なものは、2番、普通財産撤去工事で、5億936万9,000円の減です。第8目土地対策費、本年度23億6,655万3,000円で、37億5,661万3,000円の減です。主なものは、1番、土地開発公社関係費で37億5,661万7,000円の減です。第9目企画経営費、本年度1億486万8,000円で、3,037万2,000円の減です。  102ページ、第10目電子計算費、本年度21億6,550万1,000円で、8億5,783万4,000円の減です。主なものは、2番、情報システムの運営で8億6,332万8,000円の減です。第11目施設管理費、本年度1億182万5,000円で、3,176万2,000円の減です。  104ページにまいります。第12目防災対策費、本年度10億1,883万1,000円で、2億2,094万6,000円の増です。主なものは、2番、防災意識の高揚及び防災行動力の向上で1億2,831万8,000円の増です。  106ページにまいります。第13目複合施設建設費、本年度10億9,118万3,000円で、2億2,155万3,000円の増です。主なものは、2番、田園調布富士見会館改修工事で、皆増でございます。  第1項総務管理費は、以上です。  続きまして、108ページ、第2項地域振興費、本年度70億9,421万8,000円で、4億7,692万1,000円の増です。第1目地域振興総務費、本年度28億3,982万1,000円で、2億7,210万5,000円の増です。主なものは、2番、基幹統計事務で3億9,461万円の増です。  110ページ、第2目区民施設費、本年度6億7,836万9,000円で、1億6,391万8,000円の増です。主なものは、4番、休養村とうぶ管理運営費で1億5,194万4,000円の増となってございます。第3目消費行政費、本年度6,449万5,000円で、1,816万7,000円の増です。  112ページにまいります。第4目区民協働費、本年度3億383万7,000円で、12億4,320万9,000円の減です。主なものは、5番、青少年交流センター管理運営費で12億6,910万3,000円の減となってございます。  続きまして、114ページ、第5目特別出張所費、本年度14億9,140万5,000円で、189万円の増です。  116ページにまいります。第8目複合施設建設費、本年度17億1,629万1,000円で、12億6,405万円の増です。主なものは、1番、田園調布地区公共施設の整備で10億6,334万9,000円の増です。  第2項地域振興費は、以上となります。  続きまして、118ページにまいります。第3項観光国際費、本年度65億9,006万1,000円で、25億2,269万4,000円の減です。第1目観光国際総務費、本年度8億8,007万9,000円で、1億1,981万5,000円の増です。第2目観光振興費、本年度2億4,133万9,000円で、3,676万2,000円の増です。  続きまして、120ページにまいります。第3目文化国際費、本年度27億7,735万5,000円で、5億3,421万3,000円の増です。主なものは、10番、文化施設管理運営費の(3)その他施設費で1億3,392万9,000円の増。  123ページ、16番、博物館管理運営費で2億4,078万2,000円の増となってございます。続きまして、第4目スポーツ振興費、本年度26億3,754万3,000円で、27億7,886万3,000円の減です。主なものは、125ページ、20番、大田スタジアム維持管理で29億3,403万7,000円の減となってございます。第5目文化施設建設費、本年度5,374万5,000円で、4億3,462万1,000円の減です。  第3項観光国際費は、以上でございます。  続きまして、126ページ、第4項区民費、本年度14億7,847万円で、6,718万5,000円の増です。第1目区民総務費、本年度6億5,128万6,000円で、4,054万9,000円の増です。第2目戸籍住民費、本年度8億2,718万4,000円で、2,663万6,000円の増です。  第4項区民費は、以上でございます。  続きまして、130ページ、第5項徴税費、本年度18億2,834万4,000円で、8,370万1,000円の減です。第1目税務総務費、本年度13億4,743万4,000円で、319万3,000円の増です。第2目賦課徴収費、本年度4億8,091万円で、8,689万4,000円の減です。主なものは、133ページ、3番、電算関係費で9,709万5,000円の減です。  第5項徴税費は、以上でございます。  続きまして、134ページ、第6項選挙費、本年度4億2,416万7,000円で、2億4,269万4,000円の減です。第1目選挙管理委員会費、本年度1億3,131万9,000円で、2,242万7,000円の増です。  136ページ、第2目選挙啓発費、本年度242万1,000円で、28万円の増です。第3目選挙執行費、本年度2億9,042万7,000円で、2億6,540万1,000円の減です。主なものは、大田区長・区議会議員選挙執行事務で3億1,072万9,000円の皆減でございます。  第6項選挙費は、以上でございます。  続きまして、138ページ、第7項監査委員費、本年度1億3,320万9,000円で、6万円の増です。第1目監査委員費は、項と同額でございます。  第7項監査委員費は、以上でございます。 ○渡司 委員長 この款には、自民、公明、共産、令和、立憲、つらぬく、無所属、区民、都民ファから通知がありますので、順次これを許します。  それでは、自民の質疑に入ります。伊佐治委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可いたしましたので、ご了承を願います。 ◆伊佐治 委員 自由民主党大田区民連合の伊佐治剛でございます。  令和2年度の予算、この基本的な考え方は、防災力の強化、新しい世代の礎となる予算ということで、区民、事業者の防災意識啓発1億1,825万円余、マイ・タイムラインの普及促進1,135万円余と、昨年の台風19号、こうしたことの課題に対する対応費が多く含まれているところでございます。  台風19号の対応につきましては、私自身も区民の皆様から様々なご意見をいただきたいと思いまして、ハッシュタグとして、大田区台風、対策改善、そのハッシュタグを使って、70数名の区民の皆様から様々なご意見をいただいてきたところでございます。  既に、集計をして公表はしてあるのですが、意見として多かったものを幾つか紹介をさせていただきたいと思います。1位としては、避難所が遠かった、少なかった、これが22名。2位は防災無線が聞きづらい、21名。3位が大田区のホームページが見られなかった、15名。4位が定員オーバーで追い返された、これはうわさも含むそうですが、11名。5位がネットを使えない方への情報発信が不十分、9名ということで、アンケート結果を示させていただいたところです。  避難所のことにつきましては、先日も防災安全対策特別委員会の中で、今後、防災会議の中で具体的な見直しについて議論をしていくということで、本当に前向きに検討してくださったことに、心より感謝を申し上げたいと思います。  しかしながら、防災無線の音の関係の問題につきましては、まだまだ課題があるところと我々も認識をしております。そうした点について、少し議論をしていきたいと思うのですが、私は現在、この区議会では防災安全対策特別委員長という役職をいただいておりまして、防災に関する質問については、前段、数問、質問をさせていただくのみで、残りの部分につきましては、基本的に広聴広報、地域力の視点から質疑をさせていただきたいと思います。  まず、幾つか防災行政無線についての認識について伺います。区として、これからも防災無線が情報伝達の重要なツールであると考えているのか、お答えください。 ◎長沼 防災危機管理課長 避難勧告やJアラートなど、緊急情報を区全域に対して、音声で一斉に伝達できる唯一の仕組みでありまして、災害時の重要な情報伝達手段であると考えております。 ◆伊佐治 委員 私も、一斉に音声を伝えることができるという上では、重要なツールだと考えているところですが、それでは、防災行政無線の音は、これからさらによくできると考えているのか、お答えください。 ◎長沼 防災危機管理課長 防災行政無線は、風雨や周辺の騒音、建物等の影響を受けやすい設備でございますが、より聞こえやすくするよう、これまでもスピーカーの音量や方向を調整するなど対応を行っております。避難所の開設状況など複雑な内容を伝えるには、難しい状況がございます。 ◆伊佐治 委員 やはり聞こえなくなっている一番の要因は、建物の高層化、防音性の強化という、そうした建物の問題が前提にあると思っております。  それでは、大田区では、防災行政無線は区民がどのような環境で聞くことを想定していますか。 ◎長沼 防災危機管理課長 屋外はもとより、屋内にも情報を伝えていくものと想定しております。しかし、近年の住宅は防音性能が高まっておりまして、屋内での聞き取りは厳しい面もございます。今後は、放送に注意を向けていただけるような工夫が必要と考えます。 ◆伊佐治 委員 そのとおりで、やはり工夫をしていかなければならないわけでありますが、これは一例なのですけど、2018年11月、防災安全対策特別委員会で、大阪府の箕面市というところを視察させていただきました。この箕面市の市民安全政策室長が、市民に対して防災行政無線については基本的に屋外で聞くものと周知をさせていただいているという、そうしたお答えをいただいたところです。  大田区でも、ぜひこの防災行政無線については、基本的に窓を開けて聞くか、屋外で聞くことを区民に周知をしたほうがよいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ◎長沼 防災危機管理課長 屋内で聞き取りにくい場合は、窓を開けていただくなど協力をお願いすることも一つの方法ですが、風雨が強い場合など外で聞くには難しい場合もございます。そういう場合に、電話応答サービスや区民安全・安心メールで放送内容を確認いただくようご案内しております。 ◆伊佐治 委員 今のは極論として聞いていただければいいのですけど、基本的に、今答弁をいただいたとおり、大田区では区民安全・安心メールであったり、電話応答サービスということで、様々お力を入れていただいているということは、大変認識をしているところでありますが。防災行政無線単体というものを考えていった際に、なかなかこれから先、これを活用していくというのも困難な状況もありますし、歴史的な役割というものを考えていったときに、課題があるのではないかと認識をしているところです。  江東区では、令和2年度の予算といたしまして、ホームページでは高齢者に情報が届きにくく、防災無線は聞き取りづらいなどの声があるとして、全世帯に防災備蓄用のラジオを配布するという、そうした予算を決定したそうですが、私からすれば税金の無駄使い、愚策としか言えないと考えています。  我々が今考えることは何かというと、全世帯に同じものを提供する必要などはなくて、要はスキルや年齢に合わせて使える情報網、それをしっかりと受け取れる環境をつくっていくことを、まずしっかりと考えていかなければならない。こうした江東区のような取り組みは、本当に無駄な施策であるなと、私は認識をしているところです。  災害時の情報政策について、様々な視点から検討を進める上で、地元の衆議院議員でありまして、現在、防災担当・IT担当の内閣府副大臣、平将明副大臣のもと、我々としては勉強会を開催いたしまして、今年の1月には、本日委員長でもございます、渡司幸政調会長が我が会派の政調会長なのですが、令和2年度予算編成に対する緊急追加要望をつくっていただいて、そして提出をさせていただきました。  その中でチャットボット等、AI技術を活用した新たな災害時コミュニケーションツールの導入、これを要望させていただきました。台風15号で千葉県は甚大な被害が発生をしましたが、被災された方から、生活再建等に関する問い合わせに24時間自動で回答できるよう、LINE上でAIが質問に回答する、AIチャットボットによる情報提供を行ったところであります。これについては、皆様のタブレット端末に配信しております。これは千葉県ではないのですけど、亀岡市というところの自治体の資料がわかりやすかったので、そちらを示させていただきました。  二つ目を見ていただくと、例えば避難所を探したいといった際に、大田区の区民安全・安心メールのような機能である、かめおかメール、これを今登録したいなと思ったときに、LINEにかめおかメールと打つと、登録先をAIが判断をして示されるようなもの。そして、その右側を見ていただくと、例えば避難所ナビと打つと、自分自身の居場所を認識して、自分自身の近くにある避難場所をLINEがAI機能で検索をして、こうして情報を掲示してくれるような、そうした機能であります。  3枚目を見ていただくと、これは先ほど千葉県の事例で使った被災者支援の取り組みの部分になると思うのですけど、基本的にこのLINEを活用することによって、災害対策という観点からしていくと、様々な取り組みを進めていくことができます。  その次の資料を見ていただくと、今度これは福岡市のものなのですが、福岡市では、要は自分自身で情報を拾いにいかなくても、LINEを使っている方々に対して、居場所を判断して、避難行動を促していく、そうしたプッシュ通知を行うことによって、市民の安全確保に取り組んでいるところであります。  そして、今、大田区でも、みちパトアプリを使っていると思うのですけど、このLINEを使うことによって、逆に大田区が区民から災害時の情報を直接受け取ることができるような、そうした取り組みも進んでいるところであります。  私も今、町会で会計副部長という役員をやらせてもらっているのですけど、実は、この町会の皆さんが高齢化していて、何かネットとか使えないのではないかとよく声をいただくのですけど、実はうちの町会、LINEを使って皆さん情報共有をしておりまして、会議の日程の変更であったり、内容なんかを事前にLINEでお互いに共有することによって、円滑な運営をさせていただいているところでございます。  ぜひ、今かなりの割合で高齢者世代にも、このLINEが広がっておりますので、大田区としても、防災行政無線の補完ツールとして、また現在、試行運用をしているみちパトアプリのように、区民の皆様から情報収集ツールとしても、このLINEを活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎長沼 防災危機管理課長 台風19号対応で区民等からの問い合わせが殺到いたしまして、限られた人員で電話対応に追われた状況を振り返りますと、24時間自動で問い合わせに回答できるAIを活用した機能は、区民にとって便利なツールであり、また、現地から送られた画像や動画データを本部で地図情報と連動し、管理・共有できる等の機能は、情報収集ツールとしても有効であると考えております。  多くの方が日々利用するコミュニケーションアプリとAIが連動したツールを有効に活用することで、災害対策本部運営の省力化や効率化が期待できます。  一方、被害者数や避難者数など、数値データの集計や利活用の点では課題もございまして、現在進めております区の災害時情報通信体制の整備におきまして、このツールの活用方法について検討してまいります。 ◆伊佐治 委員 前向きに、ご検討をいただけるということですから。  千葉県では、台風15号が発生してから2週間後には、この生活再建のためのLINEアプリの活用を始めたということでございますので、ぜひそうした点も踏まえながら、できるだけ早い時期の活用に向けた取り組みを進めていただきたいと思います。  そして、もう一つの情報発信ツールといたしまして、さきの本会議でも各会派から災害時のラジオの活用について質疑がありました。私も、これいろいろ言いたいことがあるのですけど、私自身、昨年の6月の定例会本会議では、地域活性化の観点、また防災力の向上の観点からも、例えば日ごろから地域情報の発信に協力をいただいているジェイコムであったり、イッツコムとの連携をし、大田区としてコミュニティFM局を整備すべきと考えますがいかがでしょうかとの質疑を行い、企画経営部長からは、他自治体の取り組みなど情報収集に努めるとともに、区内の放送事業者であるジェイコム東京大田局やイッツコムとの連携を含め、FM局整備について調査・研究してまいりますとの答弁をいただきました。その後の動きについて、お答えをください。 ◎高野 広聴広報課長 コミュニティFMは地域住民が必要とするとき、きめ細かい情報提供のほか、災害時のライフラインとして期待されており、その役割や有用性は認識しております。  前回、委員からご質問をいただいた後、ジェイコムやイッツコムなどの区内放送事業者や近隣自治体から情報収集し、調査してまいりました。特別区において、コミュニティFMを自治体で独自運営しているところはなく、事業者へ出資または一部の放送を委託して運営しているという現状がございます。  大田区においても、区単独でコミュニティFM業務の運営を行うことは、平時におけるコンテンツなどの運用面や費用対効果のほか、無線従事者、スタッフの確保などの課題がございます。今後、開局を考える事業者を支える仕組みづくりを構築すべく、定期的な区内放送事業者との打ち合わせや働きかけを行うとともに、先進的な事例を持つ自治体を訪問するなど、引き続き、調査・研究をしてまいります。 ◆伊佐治 委員 実際に調査に動いてくださっているということで、ありがとうございます。  昨年ですが、我が会派の、名前を言うなと言われたのですが、幹事長とともに別府市を訪問いたしまして、とある防災に関する取り組みを視察させていただいたところでございます。  これ5枚目、6枚目の写真をご覧いただきたいのですけど、これは別府市防災スタジオ、Bスタジオという取り組みで、別府市役所の1階、この1階を区切った形でケーブルテレビの生放送スタジオが整備をされているものであります。災害時には、地元のケーブル会社と連携して、避難所の情報など災害情報を発信するわけでありますが、平常時でも様々な地域のコミュニティ情報の発信などとして活用をされているそうであります。整備費用は1,700万円余、別府市約6万2,000世帯のうち4万2,000世帯、要は70%の市民に災害時にリアルタイムの情報を伝えることができる、そのような場所であります。  大田区の場合であれば、例えばケーブルテレビを通じて情報を発信したいと思った際に、ケーブルテレビに情報を持ち込んで、そこで情報を精査して、なおかつそれを発信できる体制をつくっていかなければならないということで、かなりのタイムラグがそこには発生をすることになります。  しかしながら、このBスタジオのような、要は庁内に職員が発信をするようなスタジオがあれば、情報は例えば対策会議の中で検討されたものを、すぐにその場で流すことができるようになるものでありまして、今、情報の迅速性ということで、様々な議論をさせていただいておりますが、コミュニティFMの活用については、まだまだ調査、研究の時間がかかりそうなので、ぜひとも高齢者世代の皆様にも身近なケーブルテレビを活用するという観点で、本庁舎内に情報発信スタジオを整備し、リアルタイムで情報発信を行えるような環境をつくっていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎高野 広聴広報課長 災害時等の情報提供にあたっては、住民が必要とする情報を迅速かつ正確に伝えることが重要と思います。区では、ホームページやツイッターだけではなく、防災無線や区民安全・安心メール、デジタルサイネージなど多様な媒体を活用しながら、情報を即時に発信するよう努めております。  それに加えて、区内の放送事業者とは、災害時における相互協力に関する協定を結んでおり、区内に周知すべき情報を放送により伝達する協力体制を構築してございます。このような状況を踏まえ、委員お話しの連携方法について、まずは情報収集し、メリットや課題等を整理してまいります。  今後は、民間メディアなどとも連携を強化し、新しい情報発信方法を研究していくとともに、それぞれの媒体の特性を生かした効果的な広報を行ってまいります。 ◆伊佐治 委員 残念ながら、区のホームページであったり、ツイッターというのは、区民からすると、情報の即時性としては、ちょっとまだ課題があるかなと感じている方々がたくさんいらっしゃいます。ぜひリアルタイムに近づけることができるように、こうした取り組みを一つのツールとして検討をしていただきたいと思います。  ただ、私としては、やはり防災、地域振興の観点から、何としても、このコミュニティFMを導入していただきたいという、そのような思いがあります。先日、公明党の秋成議員のお声がけで手話のサークルにお誘いをいただきまして、そこでは防災についての意見交換をさせていただきました。貴重な機会をいただきました秋成議員、改めてありがとうございます。  この中で情報交換をさせていただくにあたって、私からは一つの考え方、自分自身がどんなことを考えているかということをお示しさせていただく中で、コミュニティFMがあれば、身近な環境の情報を、それを文字情報に乗せて示すことによって、聴覚障がいの皆さんにも重要なツールになるのではないかというお話をさせていただきました。  改めて、区として、このコミュニティFM局の整備を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
    ◎高野 広聴広報課長 災害時に、使いやすく持ち運びしやすいラジオを通しての情報提供は、委員お話しの障がいのある方ですとか、特にパソコンやインターネットなど操作が苦手な高齢者の方にも有効と認識しております。  また、平時には、その地域に関する生活情報などの発信媒体にもなり、地域密着メディアとして地域の活性化に貢献できると考えてございます。  委員お話しのFM放送の開局について、事業主体は民間企業だけではなく、NPO法人による開局も増加しております。今後は、様々な形態を想定して、開局に前向きな民間企業やNPO法人などとの連携について模索してまいります。 ◆伊佐治 委員 災害時は、とにかくできるだけ早く情報発信をすることが重要ですし、そして何よりも自分自身の身近な環境にある情報を多くの方は求めています。結果として、そういう情報がないから、危険な多摩川の水位を見に行ったりという区民行動が起きてしまうわけでありますから、ぜひそうした観点からも、こうした身近な情報を的確に伝えることができる、こうしたツールの実現に向け、取り組んでいただきたいと思います。  リアルタイムで、なおかつ地域性の高い情報共有手段といたしまして、地域SNSがあります。これにつきましては、平成30年第2回定例会から何度か議会でも取り上げてまいりましたが、改めて、「マチマチfor自治体」の活用を求めてまいります。  マチマチはフェイスブックとは違い、極めて地域性の高いSNSツールで、町名及び丁目単位で自分が必要な情報を選択することができるものです。これまで区の考え方としては、他の導入自治体ヒアリングを行った結果、運営会社の連絡体制や掲載情報の緊急対応などに課題がある状況を把握しており、引き続き、ほかの自治体の導入効果を見ながら判断をしていくとのことでありました。  このマチマチを導入している自治体は、既に25を超えておりまして、東京23区でも、港区、文京区、渋谷区、豊島区、中野区、目黒区、品川区、江戸川区などが既に活用をしているところであります。台風19号発生時にも、実際、大田区でも、このマチマチの情報を使って避難をされた方もいらっしゃいます。  皆様、資料の次のページをご覧いただきたいと思うのですが、マチマチでは、本当にその地域の情報が直接流れてくるもので、例えば自分の地域にあるコンビニの商品がないとか、今の水位がこんな状況ですよと、多摩川の河川敷に近いところのマンションの方が写真を撮ってアップをしてくれたりということ。こうした状況が、これを活用した背景には、やはり大田区の災害ホームページが使いづらかった、使えなかったということが、その前提にあるのですけど。  実際、どんな投稿がなされたかというと、その次のページになるわけでありますが、この方は身近な環境に東調布第三小学校があったのですけど、避難所スペースがもうないということが、このコミュニティの中で書かれておりまして、そのまま千鳥小学校に避難をしたことによって安心を確保することができたという、そのようなことがあったわけであります。これはNHKで放送されたものですが、私、基本的にNHKは嫌いで見ないので、人から情報としていただいたものでございます。  それで、実際、その次のページが、このSNSを見て避難をされた方でありますが、この方がおっしゃっているのは、このSNSだと、住んでいるまちだけの情報を集めることができるので信頼できるという、そうした言葉を残しているわけであります。  台風15号の被害を受けた、このマチマチを同じく活用している鴨川市では、停電で防災行政無線が使えなくなった中で、このマチマチの中に鴨川市災害情報共有コミュニティが立ち上がり、様々な共助の姿が示されたということであります。  既に、区の懸念材料でありました、運営会社の連絡体制や掲載情報の緊急対応などについては、改善が進められています。災害発生時の情報の多様性という観点から、また地域コミュニティの強化という観点から、改めて、「マチマチfor自治体」を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎近藤 地域力推進課長 まず、災害時の情報の多様性という観点においては、防災に関する情報を的確なタイミングで発信することが重要であり、区では災害時に備え、様々な媒体を活用し、情報伝達手段の多重化、多様化を推進していくことが必要と考えております。  一方、発信されるSNS情報には、デマ、流言や誤報が含まれるなどの課題もございます。また、地域コミュニティの強化という観点では、自治会・町会やNPOなどの地域活動団体や区民が、情報発信や情報共有を行うことが重要です。委員お話しの運営会社との連絡体制や掲載情報の緊急対応については、改めて他の自治体にヒアリングを行いましたが、自治体によって状況が異なっておりました。  自治会・町会が地域版SNSを主体的に利用する場合、回覧機能や会費の決済機能など有効に活用できる一方、地域住民にはスマートフォン等をお持ちでない方や、操作になれてない方も多くいらっしゃいます。購入、契約の際の操作方法についての講座を開催するなどの、継続的な支援が必要な状況と捉えております。 ◆伊佐治 委員 以前よりは、かなり前向きな方向に動いているのかなという感じを受けます。引き続き、災害時に限らず、多様な情報発信に努めていただくことをお願いしたいと思います。  最後に1問だけ、全く別の質問をさせていただきたいと思うのですが、昨日、大田区では、中央防波堤埋立地のうち、新たに大田区に編入される区域の町名案を令和島と選定したということを発表されました。  区長のコメントにもありますとおり、人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味のある令和という言葉を新たな町名として選ばれたことに、私たちは大変評価をさせていただいているところでございます。  しかし、ここで苦言を呈さなければならない部分があります。ここで皆さん、サイドブックス内にあります、「今日の新聞から」をお開きください。3月6日の記事でございますが、皆様開いていただくと、一番上に東京新聞の記事があります。これは「大田区帰属の埋立地、町名案、令和島に」という見出しのものです。その中の図をご覧ください、拡大していただくと見られると思いますが。  この図では、本来、帰属未定地である、新海面処分場Aブロックが江東区の土地として示されています。東京新聞には、これまで様々苦言を呈したいことはありましたが、このような無知で無責任な記事を示す東京新聞には、大田区として抗議をするべきではないでしょうか、いかがでしょうか。 ◎山田 企画課長 中央防波堤埋立地のうち本区に帰属されるエリアにつきましては、ただいま委員がお話しのとおり、令和島と町名案を決め、昨日プレスリリースを行い、今朝の新聞各紙などで掲載されているところでございます。  このうち位置図を掲載しているのが、読売新聞、東京新聞、産経新聞の3紙ございますが、このうち東京新聞と産経新聞の2紙につきましては、同じ地図を使っているものと推測されます。  その地図でございますが、今回の訴訟で対象となった帰属範囲には含まれない、まだ帰属が決まっていない新海面処分場埋立地のうちAブロックと呼ばれているエリアが、見方によりましては江東区に帰属されているように見えるものができるということになってございます。今回の帰属は、司法の判断を両区が受け入れて決まったものであり、法的にも、社会的にも、しっかり正しく報道されるべきものでございます。  事実でない、または誤解を招くような可能性のある報道に対しましては、しっかりと抗議をし、正しい情報を伝えていかなければならないと考えてございます。  こうした点から、本件につきましては、区でも現在至急確認をしているところでございますが、当該新聞社に対しましては、可及的速やかに確認を求めるとともに、事実誤認による掲載であれば、抗議も含め、しっかりとした対応を求めていきたいと考えてございます。 ◆伊佐治 委員 それでは、答弁どおりの対応をよろしくお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。 ○渡司 委員長 会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。                午後 3時20分休憩                午後 3時45分再開 ○渡司 委員長 ただいまから、予算特別委員会を再開いたします。  審査に入る前に、傍聴人に申し上げます。委員会傍聴規則第5条第1項各項に傍聴人の守るべき事項が定められております。傍聴規則を遵守すべき旨、改めてご留意を願います。  休憩前に引き続き、第2款総務費の審査を続けます。  それでは、自民、質疑願います。 ◆高山 委員 自由民主党大田区民連合の高山雄一です。  区民を狙った身近な犯罪である、特殊詐欺対策について伺います。区では、特殊詐欺被害を撲滅させるため、広く区民への啓発につなげることを目的として、ホームページでの広報をはじめチラシの作成、配布、また昨年12月には区民プラザで詐欺被害撲滅のつどいを開催するなどをしています。  そこで伺います。区内における特殊詐欺の直近の被害状況と、ここ数年での増減を教えてください。 ◎福島 生活安全担当課長 昨年の全国の被害状況ですが、認知件数は2年連続で、被害金額も5年連続で減少しており、全国と同様、東京都の被害状況も一昨年と比べて、件数、金額ともに減少しております。  そのような中、区においては、認知件数は199件、被害金額は約3億1,700万円で、金額は特に多かった一昨年よりは減少しているものの、件数が45件増加しております。  区におけるここ数年の推移につきましても、平成27年以降、件数、金額ともに増加傾向です。  全国、東京都が減少傾向にある中、区の認知件数が増加していることから、区における特殊詐欺対策は喫緊の課題であると言えます。 ◆高山 委員 最近の特殊詐欺の手口と特徴について教えてください。 ◎福島 生活安全担当課長 昨年、区における特殊詐欺199件の手口は、大きく四つに分類されております。  還付金詐欺が42%、キャッシュカード詐欺盗が31%、オレオレ詐欺が15%、架空請求詐欺が12%となります。  還付金詐欺とキャッシュカード詐欺盗で全体の73%を占めており、特にキャッシュカード詐欺盗は、都内で一昨年と比べて約3.5倍と大幅に急増しております。 ◆高山 委員 キャッシュカードは絶対に人に渡さないように気をつけなければなりません。つい1週間ぐらい前、私の実家にも電話がありました。某有名百貨店の店員を名乗る男からで、カードが不正に使用された可能性があるので、警察に報告しておきますという内容で、その後すぐに銀行協会からと言って別の男から電話があり、どこの銀行に口座を持っているかなどを聞かれたそうであります。何かあったらこちらから連絡するから、名前と電話番号を教えてほしいと言ったのがよかったのか、電話はそこで終わり、被害に遭うこともありませんでしたが、このような電話が一人で家にいるときにかかってくるので心配であります。  ちなみに、実家では以前、自動通話録音機を設置してもらおうと家まで来てもらいましたが、複数の電話回線が入っているビジネスフォンであったため、設置ができませんでした。  被害に遭う人に共通した特徴のようなものはあるのでしょうか。 ◎福島 生活安全担当課長 警察庁の調査によれば、被害者の約9割は自分は被害に遭わないと思っていたと回答しており、また、被害者の約8割が騙しの電話を受けた後、連絡や相談を誰にもせず、被害に遭っていることが判明しております。なお、都内の被害者の約8割が70歳以上、うち75%が女性になります。  そして、犯人からの騙しの電話の99%が自宅の固定電話にかかっており、昼間在宅して電話に出る方が被害者になっているなど、ひとり暮らしなどで誰にも相談ができずに、一人で悩み、被害に遭っている現状が浮き彫りとなっております。 ◆高山 委員 被害に遭ったことを誰にも言えずにいる人もいると思うと、実際の被害の件数はもっと多いことも考えられます。今年度の取り組みとして、自動通話録音機の無料貸与を3,000台予定していたと思いますが、これまでの設置状況と取りつけた後の効果について教えてください。 ◎福島 生活安全担当課長 区では、これまで平成28年に1,000台、29年に2,000台、30年と令和元年にも3,000台の合計9,000台を購入し、平成28年度からの合計で約7,800台の貸与、設置につなげております。  警察からは、区内で自動通話録音機を設置したご家庭で、現在のところは被害に遭っていないと聞いております。  自動通話録音機の設置のほか、留守番電話機能の活用や、家電量販店等で販売しております迷惑防止機能つきの電話機も効果的でございます。 ◆高山 委員 来年度以降もしっかりと対策を進めるべきと考えますが、予定している取り組みを教えてください。 ◎福島 生活安全担当課長 区では、自動通話録音機をさらに来年度も3,000台予算計上しているほか、騙しの電話を受けた後、連絡や相談を誰にもせず被害に遭っている現状を受け、被害対象者に対する啓発に加えて、被害対象者の周囲にいる方への注意喚起に力を入れております。  「みんなの力で特殊詐欺ゼロへ」をスローガンに、日ごろから家族と連絡をとる、ATMで電話をしている高齢者がいれば、迷わず一声かけるなどの環境を構築するために、区が発信する高齢者宛の郵送物を最大限に活用するなど、部局間連携も強化してまいります。  このような地域の見守り、家族のきずなによる未然防止で、被害に遭う方を一人でも多く救えるものと考えております。 ◆高山 委員 区内では、自動通話録音機を設置した家庭では、詐欺被害に遭っていないということからも自動通話録音機の無料貸与は対策として効果があると考えますので、さらに広めていただきたいと思います。  また、今は様々な種類の迷惑防止機能つきの電話機も販売されています。自動通話録音機と同じように、着信前に相手に通話を録音すると警告するほか、着信中に注意喚起のメッセージが流れ、通話中には録音をし、事業者が収集した迷惑電話番号リストの番号からかかってくると、自動で着信を拒否いたします。また、男性のような低い声に変えるボイスチェンジ機能や、ドアフォンのチャイムを流して、お客さんが来たので失礼しますと電話を切るきっかけをつくる機能もあります。  年齢などの一定の条件を満たした区民が、この迷惑防止機能つきの電話機を購入する際にも、購入金額の一部を助成してはいかがでしょうか。様々な方法で特殊詐欺対策を講じることで、広く啓発につながることと考えます。区の見解をお答えください。 ◎福島 生活安全担当課長 迷惑防止機能つきの電話機につきましては、区で無料貸与しております自動通話録音機の機能に加え、委員お話しのとおり、被害防止にも効果のある様々な機能を備えている機種が販売されていると聞いております。  今後、既に助成を導入しております他の自治体の動向を把握しつつ、当区における特殊詐欺の被害状況の推移、犯罪手口の変化を見ながら、区民の皆様が被害に遭わないために、より効果的な方策を研究してまいります。 ◆高山 委員 ぜひよろしくお願いいたします。しかし、それでも騙されてしまう人は振り込んでしまいます。電話機への対策に加え、被害を未然に防ぐ対策も必要だと考えます。  銀行のATMの前に警察官が立っている姿をよく見かけます。詐欺に遭わないよう、不審な行動をしている人に声をかけているとのことであります。私の知っている人にも還付金詐欺にATMまで誘導されましたが、そこで警察官に声をかけてもらい、被害に遭わずに済んだという人もいらっしゃいます。ATMでの声かけはとても有効だと考えます。  区では、客引き客待ち防止等指導員を夜の蒲田駅東西口などに配置していますが、昼間の時間帯などには被害の起きやすいATMを巡回してもらったり、ATMを設置してあるコンビニの店員に不審な行動をしている人を見かけたら声をかけてもらうのも効果的だと思います。さらに、追加で人員を配置できれば、もっと効果的だと考えますがいかがでしょうか。 ◎福島 生活安全担当課長 区では、区内警察署と連携して還付金詐欺の注意を促す床面シートを作成し、金融機関の協力を得て、ATMコーナーに貼っていただいているほか、金融機関の職員、コンビニ店員によります注意喚起も依頼しております。  委員お話しの対策につきましても、現在の取り組みに加えて、さらに踏み込んでいきたいと考えております。  区では、年末年始を除く毎日、小学校の下校の時間帯を中心に警視庁OBの客引き客待ち防止等指導員が青色回転灯車を活用し、パトロールを実施しております。この青色回転灯車4台は、現在パトロール前に区内4警察署にそれぞれ立ち寄り、犯罪発生状況などの情報交換をしております。  その際に、特殊詐欺の予兆電話などの情報もあわせて共有して、被害の可能性のあるATMやコンビニ、犯人がいる住宅地などを警戒エリアに含めまして、警視庁OBである指導員の職務経験を生かした防犯対策をしてまいります。  指導員の追加の人員配置につきましても、増員により抑止効果が高まることは確かですが、現時点では、地域の皆様の協力を得ながら、限られた人員を最大限に活用し、業務を創意工夫して、効果的な対策に取り組んでまいります。 ◆高山 委員 区民の大切な財産であります。詐欺被害に遭わないよう、今後もより一層力を入れて取り組んでいただきたいと要望して、質問を終わります。 ○渡司 委員長 次に、公明、質疑願います。 ◆秋成 委員 大田区議会公明党の秋成靖でございます。先日の防災安全対策特別委員会で今月末に開催される大田区防災会議について報告をいただきました。会議の議題で、令和元年度風水害対策の見直し方針が示され、新たな風水害対策の具体的な施策が盛り込まれているとのご説明をいただきました。台風19号の被害以降、防災の部署だけでなく、横断的な庁内連携をしていただく中で、私たち区民の安心・安全につながる具体的な改善策を検討してくださったことを高く評価いたします。  さらに、その新たな施策には、ハザードマップの全戸配布、指定避難場所の増設などの避難対策から情報伝達の改善、要配慮者対策の向上、治水対策の強化などが含まれており、昨年の台風19号以降、多くの区民の皆さんが抱えている風水害に対する不安な気持ちを払拭する内容だと感じました。  お伺いします。このたびの風水害対策の大幅な見直しについて、防災の部署、そして庁内の各部署がどのような危機意識を持ちながら意見を出し合い、改善策を練られてきたのか、お示しください。 ◎長沼 防災危機管理課長 昨年の台風19号では、区内でも多数の避難者と大きな被害が発生いたしました。全庁一丸となって水害時緊急避難場所の開設や避難勧告等の発令、内水の排水作業などを行い、その後は被災地域の応急復旧活動と被災者の支援に取り組んでおります。  しかしながら、今回の対応では、避難場所の開設・運営や避難情報の伝達など多くの課題がありました。  このことを踏まえ、全庁で台風19号の経験を振り返り、風水害への危機意識をもって、課題と解決策を検討し、取り組み事項を庁内共有しながら、風水害対策の強化策を取りまとめました。  短期的に対応するものにつきましては、補正予算や来年度予算案に反映し、中長期で取り組む課題につきましても、現在検討しております。 ◆秋成 委員 また、地球規模の環境の変化により、50年に一度、100年に一度と言われる豪雨災害が毎年迫りくるとも予想がされている中ですが、これからも災害に立ち向かうための庁内連携は重要なことだと考えます。今後のお考えをお聞かせください。 ◎長沼 防災危機管理課長 風水害は激甚化の傾向にあります。区の災害対策本部では、危機意識を持ち、区民の生命と安全を守るため、各部が当事者意識をもって、それぞれの役割を全力で果たした上で、一致団結して災害に立ち向かっていかなければなりません。  昨年の台風19号では、早期に災害対策本部を立ち上げ、避難対策等の応急復旧をはじめ、浸水被害地域への支援の際は住宅の修理など生活再建に向け、各部が連携して対応いたしました。  今後も激甚化する風水害に庁内一丸となって対応してまいります。 ◆秋成 委員 今回の総務費の質疑では、防災に関連して各部局の取り組みについて質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  昨年の台風19号の際、車椅子を使用する知人から避難所における車椅子使用者の受け入れについて問い合わせがありました。一時的な避難スペースとして開設された特別出張所の避難が難しい方に対して、区からは志茂田福祉センター、上池台障害者福祉会館、障がい者総合サポートセンターをバリアフリー対応の施設として開設いただきました。  しかし、区内に3か所しかなく、さらに遠方だったため、知人は避難を諦めたとのことでした。水害時緊急避難場所での車椅子対応につきましては、段差などハード的な部分で障壁があったとしても、ソフト面で職員の方が対応いただける旨、委員会でも確認することができました。  後日、実際に車椅子の受け入れが可能なのかどうか、水害時緊急避難場所として開設していた小学校へ、知人と私とそして防災危機管理課長と職員の皆さんとご一緒いただきまして現場を見に行きました。学校長と職員の方に当時の様子を伺いながらの検証となりました。その結果、避難者が過ごすエリアの滞在として難はありませんでしたが、車椅子で使用できるトイレが校舎内にないということから、水害時避難の際は車椅子を使用する方の滞在が困難であることが確認できました。  お伺いします。3月2日の防災安全対策特別委員会にて発表となりました、水害時の指定避難場所は増設され、89か所となりましたが、そのうちの85の学校には車椅子で使用できるトイレが何校に設置されていますでしょうか。 ◎鈴木 教育施設担当課長 水害時の指定避難場所となる学校におきましては、小学校で28校、中学校で16校に学校内に車椅子で使用可能なトイレを設置しております。 ◆秋成 委員 東日本大震災や熊本地震でも、地震直後に避難所で不便だったことは何か、また避難所で問題となった施設や設備は何か、という問いの第1位がトイレでした。  今回、水害時緊急避難場所へ確認に行った際に感じたのは、職員の皆さんのソフト面での対応ではなかなか乗り切れないハード的な部分での多機能トイレ、だれでもトイレの整備が今後必要となっていくと考えます。  現在、教育委員会ではトイレを和式から様式へと変える工事を進めていただいております。学校施設の全面改築、部分改修等のタイミングで、多機能トイレ、だれでもトイレの設置を進めていただきたいと考えますが、所見をお聞かせください。 ◎鈴木 教育施設担当課長 校内に車椅子で使用可能なトイレを設置することは、学校避難所としての環境整備の観点からも重要なことと認識しております。  現在、学校を全面改築する場合におきましては、大田区学校諸室等仕様標準におきまして、だれでもトイレを設置すると定めております。  また、車椅子で使用可能なトイレにつきましては、部分改修の機会も捉えながら、児童・生徒及び教職員に必要なトイレの数を確保した上で、スペースやアプローチの動線等について調査し、設置について検討を進めてまいります。  今後とも、バリアフリーの観点も含めた、学校施設における避難所機能の向上に努めてまいります。 ◆秋成 委員 今回、小学校へ行った際に感じましたのは、今後学校周辺のバリアフリー対応も考えていく必要があるのではないかということでした。このたびのことは、個別でもあり、一小学校の事例ではありますが、学校前の歩道と区道との段差が非常に急角度だったために、電動車椅子では空回りしてしまい登れない状況でした。  各小学校のバリアフリー対応につきましては、選挙の投票所で使用される際にも、それぞれの学校において大変な状況の中対応をいただいているとお聞きします。  これから先、学校施設の全面改築や部分改修とあわせて、学校周辺のバリアフリー対応の環境整備を進めていただきたくお願いをしたいと思います。本日は、今後の検討課題としての要望とさせていただきます。よろしくお願いいたします。  続きまして、昨年の台風19号の際に、大田区のホームページが閲覧できなかったことにつきましては、アクセス集中に耐え得る環境を構築するという見直し方針のもと、昨年の12月1日をもって、アクセス集中対策をとっていただきました。
     昨年9月の決算特別委員会において、自民党の海老澤圭介委員が、災害時の情報収集伝達体制について触れられ、災害時の情報収集伝達について、現行の情報通信システムでどのように取り組んでいくのかを質問されました。その際、行政からは、防災行政無線やデジタルサイネージやホームページなどを通じて、必要な情報を広く提供・周知していく旨の答弁がありました。  お伺いします。今回の質問では、行政内部の情報伝達に加えて、現在、行政から民間施設のデジタルサイネージや、ケーブルテレビなどに対して、行政情報や災害情報などを提供し、発信していただいている媒体があるものでしょうか。 ◎高野 広聴広報課長 区では、現在、区内ケーブルテレビ事業者と密に連携をとっておりまして、平常時から大田区安全・安心メールサービスの情報を事業者からケーブルテレビを通して、区民の皆様に情報提供しており、特に、防災・防犯に対してご協力をいただいております。  また、区内ケーブルテレビ事業者とは、「災害時における放送等に関する相互協力協定」を締結しており、緊急時においては、区から放送要請することも可能となってございます。 ◆秋成 委員 現在、JR川崎駅では、改札を出た左、アゼリア側に国土交通省が設置した大型画面、河川情報表示板を活用し、市政情報等が提供されています。反対の右、階段、エスカレーター側には、川崎アゼリア株式会社が設置した大型画面、アゼリアビジョンを活用し、ここでも市政情報等の提供を行っております。また、地下街防災推進事業の第1号に採択された延べ床面積全国第3位の地下街である川崎アゼリアでは、災害発生時に情報伝達システムへと切りかわるサイネージを使い、防災力向上を図っています。  都内を見たときにも複数の駅や駅周辺において、様々な種類のデジタルサイネージを活用しながら行政情報が発信されています。企業広告の掲出、行政からのお知らせの発信、発災などの際には、災害情報、防災情報の発信にも活用ができます。スマホなどでの情報入手が難しい方にとっても、駅や駅周辺での情報を得られることは大変に助かる方法ではないでしょうか。  鉄道駅や商業ビルなど、情報発信が可能なデジタルサイネージなどがある場合には、行政情報発信に向けた区からの積極的なアプローチをすることにつきまして、区の所見をお聞かせください。 ◎高野 広聴広報課長 デジタルサイネージは都市部を中心に、店舗やオフィスのほか、駅や電車内、空港、郵便局などの公共スペースに情報媒体として普及してございます。災害時は、災害関連情報をいかにわかりやすく掲示するかが重要となり、駅構内などでサイネージを使用した情報伝達は非常に有効と認識してございます。  現在、区でも大田区行政情報モニター兼防災情報モニター事業に関する基本協定を締結し、区施設21か所にデジタルサイネージを設置しております。協定書に基づき、行政情報のほか、災害情報を発信し、非常時の情報伝達ツールとして活用しております。  委員お話しのような非常時の情報伝達システムについては、昨今、民間事業者が自治体と連携して防災力の向上を図るため、サイネージを活用した取り組みも見られ、効果を上げていると聞いております。  今後、先進事例等、情報収集に努めるとともに、鉄道事業者との連携を含め、新しい試みとして災害時の情報伝達について調査研究してまいります。 ◆秋成 委員 引き続き、よろしくお願いいたします。  続きまして、福祉避難所についての質問です。昨年12月7日、令和元年度の大田区総合防災訓練が新井宿地区で開催され、小雨の中ではありましたが、多くの区民の皆様が会場である入新井第二小学校、大田文化の森、障がい者総合サポートセンターに参集されました。  この日は、学校防災活動拠点と福祉避難所開設訓練を同時に実施いただき、学校防災活動拠点の入新井第二小学校から福祉避難所である障がい者総合サポートセンターへ二次避難をしてくる皆さんの様子を拝見しました。  当日は、近隣で信号の停止や火災の発生なども想定されていた訓練と伺いますが、この訓練の目的や成果についてお示しください。 ◎要 障がい者総合サポートセンター次長 避難所開設訓練は一次避難所での避難生活が困難な要配慮者の受け入れ態勢を整え、福祉避難所を開設するまでの流れと災害時の対応方法について関係者が理解することを目的として実施しております。  障がい者総合サポートセンターでは、毎年、福祉避難所の開設を想定した訓練を実施していますが、委員お話しのとおり、昨年は新井宿地区の大田区総合防災訓練の中で学校防災活動拠点と福祉避難所開設の訓練を同時に行いました。  関係機関との連携として、バリアフリー対応が必要な要配慮者とその介助者が一次避難所である小学校から福祉避難所である障がい者総合サポートセンターまで移動する訓練を実施いたしました。  今回の訓練では、避難スペースへご案内する方法や備蓄品の展示を行い、町会の方を含めた多くの方に見学していただき、福祉避難所を知っていただくことができました。  今後もこのような福祉避難所開設訓練を続け、災害時の対応に備えてまいります。 ◆秋成 委員 実際に発災し、自身の家で生活を送ることができなくなった場合、まず学校防災活動拠点に避難し、その後、支援の必要に応じて福祉避難所を利用するということが、なかなか知られていない状況にあります。区としては、まずこの学校防災活動拠点への避難、そしてその後の福祉避難所の利用に関連する流れを区民の皆さんへと周知することが必要と考えますが、いかがでしょうか。 ◎曽根 障害福祉サービス推進担当課長 住みなれた地域社会において、顔の見える関係の中で、災害時の支援を受けることは障がいのある方にとって大きな安心につながります。  学校防災活動拠点は、発災当初の最初の避難先として身近な避難場所です。まずは、学校防災活動拠点への避難をお願いいたします。  しかしながら、限られた設備での避難所では、障がいの特性に応じた支援を受けることが難しい場合があります。次の段階として、学校防災活動拠点からより安定した避難先として、福祉避難所に移り、落ちついた避難生活を確保することができます。  災害への備えとして、障がい当事者の方々が中心となった自立支援協議会防災・あんしん部会で、自助、共助のためのヘルプカードを作成したり、訓練の実施などの取り組みが進んでおります。  この取り組みにも歩調を合わせ、初期の避難手順について、例えば、手帳の取得、更新などの生活の見直しの機会となるタイミングで再確認できるよう、周知してまいります。 ◆秋成 委員 関係する皆様への周知をよろしくお願いいたします。また、今回のような学校防災活動拠点と福祉避難所開設を同時に開催した訓練ですが、とても実践的な訓練であると高く評価いたします。これからもこの両方を体験ができる同時訓練をほかの地域でも広げていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。この所見をお知らせください。 ◎曽根 障害福祉サービス推進担当課長 区では、高齢、障がいあわせて46か所の施設を福祉避難所として位置づけております。  障がいのある方を対象とした直営の区立3施設に加え、指定管理を行っている通所施設、入所施設においても、施設運営法人との間で災害時の応援協定を結び、福祉避難所としての開設に備えております。  昨年の水害から得た教訓や、地区における総合防災訓練で得た成果や課題を生かし、具体的にどのようなことができるのか、実際どのような動きを進めればよいのか検討し、学校防災活動拠点と福祉避難所が連携し、実践的な訓練につなげてまいります。 ◆秋成 委員 引き続き、よろしくお願いいたします。  令和元年度からスタートいただいているマイ・タイムライン講習会ですが、新年度も予算化され、6月中に実施いただく予定と伺いました。  先ほど申しました、まず学校防災活動拠点への避難、そしてその支援の必要に応じて福祉避難所を利用する、このことがわかれば、マイ・タイムラインを作成する中で、避難行動要支援者の皆さんにも避難する流れが広く定着していくのではないでしょうか。  伺います。既に自立支援協議会でマイ・タイムラインの講座を実施しているとお聞きします。その成果についてお示しください。 ◎要 障がい者総合サポートセンター次長 台風や豪雨などといった風水害のときは、避難行動要支援者の方々には、早目の避難行動をとっていただくことが大切です。  あらかじめ何を準備し、いつごろどこへ避難したらよいのかをみずからが確認しておくことで、計画的な避難をすることができます。  昨年、12月16日に大田区自立支援協議会の防災・あんしん部会で実施したマイ・タイムライン学習会には、障がい当事者の方やご家族、支援者の方など、約40名が参加し、ハザードマップなどを用いて、水害のリスクやマイ・タイムラインの必要性を学び、実際にご自身のマイ・タイムラインを作成いたしました。  学習会後に回収したアンケートでは、ほとんどの参加者が、洪水からの逃げ遅れゼロに対して、マイ・タイムラインは有効だと思うと回答し、災害について学びながら、有事に備えることができると好評でした。  また、支援事業所や支援団体から参加した方からは、参加できなかった人と内容を共有し、広報していきたいとの言葉がありました。  今回の講習は、要支援者本人や支援者が風水害について学ぶと同時に、災害に備える一つの手だてとして情報発信の効果もあったと捉えております。 ◆秋成 委員 障がい者団体では、当事者の動きや支援者制度の利用について、さらには発災時に立ち上がる支援制度などについて情報が乏しく、マイ・タイムラインをつくろうとしても途中で行き詰まってしまうことが懸念されます。  そこで、福祉部で関係する職員の皆さんがマイ・タイムライン作成の中で障がい者団体の疑問を積極的に受け付け、具体な答えをいただける仕掛けができないものでしょうか。これまで区が気づかなかったような課題や、必要とされる仕組みなどを知ることができると考えます。区の所見をお示しください。 ◎曽根 障害福祉サービス推進担当課長 マイ・タイムラインでは、いつ、誰が、何をするかが時系列で整理され、きめ細かな準備の必要な障がいのある方にとって大変重要です。さらに、障がいのある方にとっては、お一人おひとりの障がい特性に合わせ、支援の体制をどうつくるか、個別性の高い計画となります。  マイ・タイムライン普及のため、講習会への参加を促しながら、障がい者団体等と情報交換、連携をし、マイ・タイムラインをつくり上げ、最善の防災行動がとれるよう支援を進めてまいります。 ◆秋成 委員 区民の方と一緒にマイ・タイムラインを何度か作成する中で、既によい方法に取り組んでいる方がいたことや見習いたい町会等のよき事例がありました。それは、台風19号の際に建物の比較的上の階に住まわれている親族や友人の家へと、前もって避難されていた方が多かったことです。そういった方の取り組みから浸水被害に不安を抱える方、特に独居で不安でおられる高齢の方に対して、そのような方法も考えられることをお伝えすることもあります。  また、南六郷一丁目町会では、10年近く前から避難行動要支援者訪問日を設け、年に3回見守り活動として、避難行動要支援者名簿を届け出た高齢者、障がい者の自宅を訪問し、その方へどんな支援ができるか、意見交換を繰り返しているそうです。複数の方でチームを組んで訪問されているそうで、いざというときにあの人は大丈夫かと思い出せる、まさに地域力の取り組みであると感じます。  働き方改革が叫ばれる中ですが、特別出張所の職員や地域包括のスタッフの皆さんの同行や協力を仰ぐことで、さらに効果が上がるのではないかとの声も挙がっているそうです。障がい者団体の中には、防災に関する勉強会、検討会を自主的に開催しているところもあります。  しかし、先ほども申しましたが、ある程度まで協議を進めていくと、やはりこの先は役所の担当の方に話を聞かないとわからないというところで立ちどまるケースが多いと伺います。発災時に、当事者も支援者もどのような動きをとればよいのか正直わからない。そのときは行政もこうしていただき、進んで出ていって、ご指導いただきたいと考えます。特に、福祉の制度的なところは、福祉部の職員の方だからこそご存じな専門的な部分があると考えます。東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨、直近の台風被害の中で、行政のどの部署がいかにしてかかわり、どのような支援で整えていったのか、伝えていただけたらと要望します。  また、今回の予算特別委員会で担当されている課長とやりとりをさせていただき、今まで不透明だったことが数多く確認ができました。そのような中ですが、特に避難行動要支援者、要配慮者の対策に対しては、待ったなしの喫緊の課題であると感じました。  マイ・タイムラインを進めるにあたり、新年度の予算概要には防災危機管理課の担当としか記載がありません。しかし、本年9月、10月の台風シーズンを迎えるまでの間、冒頭の要望と関連しますが、全庁での連携をしながらの備えが必要だと感じます。なぜならば、台風で甚大な被害を受けた後に、そういえば区民のあの方から相談を受けていた内容だった。団体の方から指摘する意見をいただいていたと思い返すようではあまりにもつらいと思います。それは自身の仕事に対する戒めでもあります。  役所の仕事では、幅広い年齢、障がいの有無、避難に関しての課題等を抱えている、いない、あらゆる区民の皆さんと職員一人ひとりがかかわっています。日ごろから関係をもつ、各課、各係で自身の職務の中でサポートできることは何か、準備できることはないのか、そういった動きを始めていただきたくお願いをいたします。  私は、令和元年第3回定例会において、マイ・タイムラインに関連し、地域にお住まいの区民の皆さんが、特別出張所ごとの災害特性について意識づけできるようなパネル等の掲出を提案させていただきました。特別出張所における防災啓発につきましては、新年度の予算、特別出張所の防災機能強化などの新規事業の中には計上がありませんでした。本日は改めてお願いをさせていただきます。  特別出張所は、地域や区民の皆さんが日ごろから利用され、頻繁に足を運ばれている施設であります。その場所においてあらゆる工夫を施していただきながら、地震や水災害に対する啓発について、また災害に立ち向かうための情報などについての掲出をいただきたいと改めて要望します。今後の特別出張所での防災啓発の予定についてお示しください。 ◎伊藤 防災支援担当課長 地域の防災活動拠点である特別出張所で、パネル等を展示することにより、多くの人が地域の災害特性を理解するよい機会となり、地域の防災意識の向上に効果があります。  視覚的な素材は、標高差や水の影響を受けやすいなど、地域の状況を一目で確認でき、より具体的に地域の災害リスクを知り、自助意識を向上できるものです。  現在の進捗状況は、地域の災害リスクが理解できるような立体的な地図の作成を計画しております。  こうした展示物を特別出張所などに置き、ハザードマップとあわせて活用することで、地域全体の防災意識の向上が期待できるものと考えております。 ◆秋成 委員 地域の安全につながるような、またその掲出をぜひともご検討をよろしくお願いいたします。  水害時に避難スペースとなった各特別出張所では、新たな計画がこの先打ち出される中とは思いますけれども、指定避難場所が89か所となり、担当となっている特別出張所の職員の方がやりとりをしなければならない場合や、風水害対策の見直し方針にうたわれる地域防災との連携が求められるときに、昨年10月の台風の時と同様、あのレベルまで避難者の皆さんと寄り添っていただけるかとも考えます。まずは、避難場所は学校として水害時における特別出張所の方向性もご検討いただきたいと要望いたします。  以上、防災に関連しまして、各部の取り組みについて質問をさせていただきました。  続いて、総務費の後半は地域力推進部の、こどもSOSの家事業について質問をさせていただきます。  現在、小中学校は新型コロナウイルスの拡大を防止するため、政府からの臨時休校を求める要請を受け、休校となっています。保護者に配布された新型コロナウイルス感染症対策に伴う学校の臨時休業の対応についての、家庭での過ごし方についての中に、不要不急な外出は避けるように児童・生徒へのご指導をお願いしますとありますが、日中外を歩いていると、公園やまち中で子どもたちは元気に遊んでいる姿を散見します。  大田区安全・安心メールの情報によれば、一部地域では、小さな子どもたちを狙った事件も多発していると伺います。その地域では、警察と地域の皆さんが連携をしながら対応にあたられていると伺っております。  このようなときこそ、大田区が平成13年から活動いただいている大田区こどもSOSの家事業は、地域の皆さんと大田区、そして警察が連携をし、子どもたちの安心・安全を守るための重要な施策であると捉えます。  既に今年度も、令和元年度もこどもSOSの家の関係では、事業充実のため、新たな作成物を幾つかおつくりいただいたと伺いました。その内容についてお示しください。 ◎金子 青少年健全育成担当課長 こどもSOSの家は、地域と連携し、子どもたちが犯罪など身の危険を感じたときに駆け込める避難場所として、青少年の健全な育成に向け、重要な施策として捉えております。  今年度は、協力員が活動する際に着用できるタスキを作成いたしました。これは、反射材を使用し、協力員活動のときの安全確保や協力員活動の啓発などを目的としており、これにより児童・保護者、学校やPTAなど地域の皆様と協力員との顔の見える関係づくりに一歩貢献できたと考えております。  また、こどもSOSの家ステッカーについても、協力員からのご要望に応え、ガラスの内側から貼れるように工夫したものや、大きさを約4分の1に縮小したものを新たに作成し、助けを求める子どもたちが、こどもSOSの家を見つけやすいよう、効果的な掲示となるように改善を図ったところです。 ◆秋成 委員 地域の子どもたちにも、また親御さんにおかれても、安心につながる施策と感じます。  昨年12月には、こどもSOSの家事業協力者説明会を開催いただきました。私も地域の協力者の皆様とともに参加をさせていただきました。会議の中では、地域の協力者の方から積極的な意見が述べられたり、様々な質疑が交わされるなど、活発な意見交換の場にもなったと感じました。  お聞きします。今回の事業協力者説明会の開催の目的と成果について、お示しください。 ◎金子 青少年健全育成担当課長 委員お話しの事業協力員説明会は、区と区内5警察署の連携により、子どもたちの安全・安心を守るための最新の取り組みを紹介することや、協力員の皆様と直接お会いをし、日ごろの疑問や事業に関する生の声を今後の事業の充実につなげることなどを目的に開催いたしました。  当日は、57名の参加のもとで、例えば、児童、保護者へのさらなる事業周知等についてのご意見や、協力員が加入する保険制度についてなど、様々なご質問をいただき、活発な意見交換の場となりました。このような意見を踏まえ、本事業のPRを「おおたの教育」へ掲載する予定となっており、より効果的な周知へ向けた庁内連携を図ることができました。  また、当日新たに4名の方が協力員として新規登録をしていただいたことも成果の一つであったと考えております。 ◆秋成 委員 当日の開催場所が嶺町集会室だったこともあり、田園調布警察署管内の子どもたちを見守る積極的な取り組みを伺うことができました。  また、福島生活安全担当課長にも子どもの見守り事業や青パト事業などについてもわかりやすくご講演いただきました。ありがとうございました。今もご案内がありましたが、この説明会に参加をされ、こどもSOSの家事業協力者を希望された方がおられたことも伺います。終了後に、ほかの警察署管内から参加された方からは、田園調布管内だけでなく、ご自身の地域でも同様な事業説明会を求める声も伺いました。  お伺いします。今後の事業協力者を増やしていくための考え方と令和2年度以降の事業予定をお知らせください。 ◎金子 青少年健全育成担当課長 事業協力員を増やしていくことは、本事業の推進に向け、大変に重要な課題だと捉えております。現在、2,582件の協力員の登録があり、今年度は50件程度増えましたが、区全体の分布を見ますと、特に住宅地などは少なめになっており、そうした地域を重点的に協力員の募集を行う必要があると考えております。  このため、来年度以降は重点エリアを定め、区設掲示板や回覧板を活用し、加入促進のPRを行うとともに、これまでの自治会連合会などの地域団体や介護保険事業者連絡会などの事業者への協力依頼、ホームページや区報への掲載を行ってまいります。  一方で、事業の周知を図るため、委員お話しのPRチラシを作成し、保育園、幼稚園の年長クラスの保護者への周知を行うとともに、区立小学校新入学児童へのこどもSOSの家マップの配付や協力員向けには啓発活動といたしまして、こどもSOSの家通信の発行を継続して行ってまいります。  今後も、区は警察や地域と連携し、子どもの見守り活動を進め、子どもたちの犯罪や被害防止への啓発や環境づくりに取り組んでまいります。 ◆秋成 委員 これからも引き続きよろしくお願いいたします。  予算特別委員会の資料、予算の主な事務事業の中にも、こどもSOSの家事業は重点プログラム事業としての予算が組まれています。令和2年度も各警察署の協力をいただきながら、引き続きまして本事業を前へと進めていただきたく要望をしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○渡司 委員長 次に、共産の質疑に入ります。黒沼委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可いたしましたのでご了承願います。 ◆黒沼 委員 事項別明細書95ページ、人権推進事業のうち同和対策事業について質問します。  同和対策事業は、1975年、部落解放同盟品川支部による真夜中の糾弾会に屈服し、翌年1976年から、大田区に部落もないのに大田区政が始めた同和対策事業だと記憶し、認識しています。  既に44年もたちました。当初は二人の相談員、同和対策資金融資制度もあり、1,400あるいは500万円も予算化されてきました。今は相談員1名であり、同和対策資金融資制度はなくなりましたが、なお1,288万円も予算化されています。  相談員は、毎週月水金の3日間、午前9時から12時まで9階に座っています。相談件数はタブレットに資料を示してありますが、1件の相談を1時間としますと、昨年は249件でしたので、年間441時間で時給4,513円と高額なのに、292時間、約半分の時間は何もしていないことになります。相談日を半分にすれば、100万円以上節約できます。  ところで、部落もない大田区で教育相談が33件、就職相談は20件もあります。44年間も教育相談と就職相談が続くことはあり得ないことです。部落の実態もないのに、ごみ問題など環境衛生20件もあり得ません。極めて欺まんに満ちています。  そこでお聞きします。月報は項目と件数だけでどのような内容か全くわかりません。うまみのある相談事業を何とか残したいという思いが透けて見えます。この数字が本当の数字であるとどのように証明できるでしょうか。お答えください。 ◎塩沢 人権・男女平等推進課長 数値につきましては、報告のとおりの数値でございます。それぞれの数値で相談件数となってございます。 ◆黒沼 委員 このような相談件数が存在するはずがありません。減らない理由は何かあるはずです。減らない理由は何ですか。 ◎塩沢 人権・男女平等推進課長 同和問題は今なお解消されない根深い差別意識に基づくものであり、いまだに悩みや苦しみを訴える相談が寄せられております。同和問題を含め、人権問題について、区では啓発活動を通してその解消に努めているところであります。  平成28年に施行された、部落差別の解消の推進に関する法律でも、現在もなお部落差別が存在する旨明記されております。  差別問題が無くならない限り、努力が必要であると認識しております。 ◆黒沼 委員 タブレットにもありますが、生活相談全般もあるのですよ。だけれども、この教育相談と就職相談は、大田区に部落はないわけです。ですから、大田区に子どもは生まれません。部落の人はね。そうすると、どこからか来るのですよ。この相談になると。部落解放同盟品川支部が意図的に大田区に送り込んでいるとしか考えられない。  どうして、44年たったら0歳だって44歳になるでしょう。教育相談もないのですよ。就職相談もないのですよ。この数字がなぜ生まれるのか、もう一度お聞かせください。 ◎塩沢 人権・男女平等推進課長 今、0歳の人が44歳になるというお話ですが、子どもは毎年、毎年生まれるわけであって、学校も当然入られるわけで、そういう方もその後には就職されるということがございます。その中で、こういった問題が起きていると認識しております。 ◆黒沼 委員 大変苦しい答弁なのですが、大都会は隣の人も誰かわからないぐらいなのですよ。そうすると、もし差別があったにしても、その人の子ども、次は孫、だんだん薄れていくはずなのですよ。この数字は薄れていないではないですか。ということは、この大田区でやっているのは効果がないということですよ。減らないのだから。  何で効果のないことをやるのですか。もし効果があるのであれば、その取り組みで何か教訓が生まれたかお聞かせください。
    ◎塩沢 人権・男女平等推進課長 平成30年の人権に関する意識調査におきましては、8割以上の方が人権を尊重すべきだと回答しております。この調査を開始してから年々その数は増加しており、人権を尊重する意識が浸透してきていると考えております。しかし、身内の結婚相手が同和地区出身とわかった場合の対応では、「わからない」、「できるだけつき合いを避けていくと思う」の割合は約3割あり、相談をお受けする受け皿は必要であると認識しております。  これまでの同和生活相談からは、根深い差別意識に基づく事案が多く見られ、対応には特段の配慮が求められます。相手の立場や差別の背景を理解し、相手に寄り添い、解決の方向性を示し、必要な場合には関係者との調整を行うものでございます。  今後も国や東京都と連携しながら、部落差別の解消を推進し、部落差別に関する相談に的確に対応できる体制を図るよう取り組んでまいります。 ◆黒沼 委員 例えば、就職問題の相談だとすると、差別があった場合にはその企業に大田区から指導するではないですか。その差別はやめなさいということでね。その例を聞きたいのだけど何もないのですよ。ということは今一般的にしゃべっているだけで、こういう具体例があったということを語れないということは、ただいまの答弁からやはり矛盾に満ちた同和対策というのがわかりました。  部落解放同盟を対象にした同和対策をやめて、真の人権差別対策を行うことを求めて終わります。 ○渡司 委員長 次に、令和の質疑に入ります。須藤委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可いたしましたのでご了承願います。 ◆須藤 委員 令和大田区議団、須藤英児です。先ほどの秋成委員の質問から、立体的な防災地図の話が出ていましたが、私も立体防災マップに特化した質問をさせていただきます。  令和元年7月8日、墨田区役所にて立体地図を用いた江東5区、墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区の大規模水害時の浸水予想範囲と避難に関する説明を受けることができました。江東5区のどこが危険度の高い地域で、どの方角に逃げるべきか、明確に理解することができました。墨田区役所で防災に役立つ立体地図を見て以来、私も大田区版立体防災マップがあればよいのにと長い間思い続けていました。お願いします。  これは、私が国土交通省国土地理院の基盤地図情報をもとに、株式会社ニシムラ精密模型に依頼してつくっていただいた大田区の立体模型です。縮尺は大田区ハザードマップ水害編、多摩川の氾濫、高潮の被害と同じ3万5,000分の1です。  地震災害や風水害から家族や自分の命を守るために、自宅周辺や通勤、通学ルートの災害時の危険度を把握しておくことが重要です。しかし、そのことをうまく伝えることは困難であります。  例えば、標高図(海抜表示)、これは資料の中に載っております。標高図(海抜表示)は、津波災害や高潮災害からの避難行動には有効であります。しかし、河川の氾濫による浸水被害からの危険度を理解するためには、近くの河川や近隣地域との高低差を把握する必要があります。そのためには、このように周辺地域との高低差を目で見て、さわってみて、危険度を実感できる立体防災マップは危機意識を高めるため、正しい避難行動をとるためには、有効であると考えます。  この立体防災マップは、区内防災関係団体多数の方々に見ていただき、皆、自宅と周辺地域の高低差を目で見て、さわってみて、危機意識を実感できるとの見解もいただいております。  そこで伺います。立体防災マップの採用はご検討されていますでしょうか。区のお考えをお聞かせください。 ◎伊藤 防災支援担当課長 区では、自然災害の被害軽減や防災対策を目的として、震災や大規模水害による被害を想定したハザードマップを作成し、ホームページへの掲載やマイ・タイムライン講習会で活用しています。  現在、区全体をふかんし、より視覚的に地域の災害リスクが理解できるよう、立体的な防災地図の作成を計画しております。  立体的な防災地図は、標高差や地盤の傾斜などを知ることができ、地形の影響や、具体的な浸水区域の理解を高め、自助の強化につながるものと考えております。 ◆須藤 委員 立体的な防災地図の作成を計画しているとのこと。それは、大変すばらしいことです。  立体地図は一度型をつくれば、このようにプラスチック板を用い、加熱と加圧成型により大量生産もできます。多摩川の氾濫や中小河川の氾濫、高潮の被害、がけ崩れ、液状化など、今ある大田区ハザードマップのあらゆる地図情報を反映させた多様な立体的な防災地図をつくることも可能です。  また、プロジェクションマッピングの技術を応用すれば、避難経路を印象的、効果的に伝える立体的な防災地図をつくることも可能です。  そこで伺います。計画している立体的な防災地図の多様な活用を含め、検討していただけないでしょうか。区の考えをお聞かせください。 ◎伊藤 防災支援担当課長 区で発行しているハザードマップは、震災編で液状化現象や風水害編で高潮や土砂災害などの被害想定と基礎的な防災知識に関する内容を掲載して、区民に周知をしております。  ハザードマップと現在作成を計画している立体地図を活用し、区民への災害リスクの周知と強化を予定しています。  多くの区民を対象とした講習会などでは、講習内容により地震や風水害のハザードマップと関係する刊行物を全員に配布し、地域の災害リスクを説明することで、統一的な内容の理解と共有が深まります。  引き続き、区民が自分の命を守ることができるような災害リスクの周知方法について研究してまいります。 ◆須藤 委員 よくわかりました。昨年の令和元年台風19号の被害後、被害が大きかった田園調布四丁目、五丁目地区の多くの方との会話を通して、隣接している世田谷区の矢沢川のことや周辺地域の地形を知らない人が多いことに驚かされました。  風水害でも、地震災害でも想定外の大災害が起こったとき、世田谷区や目黒区など、他の自治体への避難行動の必要性が考えられます。広域避難を踏まえ、近隣自治体の地形をあわせて理解できる立体的な防災地図があるとよいかと考えます。これは要望といたします。 ◆松原〔元〕 委員 令和大田区議団の松原元でございます。同僚議員の須藤委員の熱意あるこの質問を聞いて、本当に私も胸が熱くなる思いでございました。  では、本日、総務費にお時間をいただきまして、1問、お伺いをさせていただければと思います。  区は、大田区が発注する契約に係る労働環境の確認に関する実施要綱、これを本年4月1日に施行するとのことであります。区はこれによって、区事業時の契約の適正な履行の確保及び労働環境の整備に配慮した調達の推進を図るとしております。  経理管財課発注の委細について少し申し述べますが、経理管財課発注の予定価格が2,000万円以上の工事請負契約及び委託契約を確認するとされ、基準は労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金、その他、関係法令に則るとされております。  確認方法は、契約元に労働環境チェックシートの提出を求め、その内容について説明を業者側に対し求め、問題が確認された場合は改善を指示するという、こういった運用となっていることです。  これは、皆さん覚えていらっしゃるでしょうか。18期のとき、私も所属しておりました会派、大田区議会民主党、大田区議会民進党、おおた国民民主党、これらうたかたのごとく消えていった民主系会派が毎年区に要望していた公契約条例、こちらに類するものであると考える次第であります。この要綱を特に強い思いをお持ちであった山崎勝広元区議にやはりお伝えしたところ、大変感動され、目頭を熱くされていたと思います。本要綱は公共工事等における労働環境の確保とさらなる改善に向けた大きな一歩であると考えます。  では伺います。本要綱を制定にかけた区の思い、熱い思いがあると思うのですが、お聞かせください。 ◎鈴木 経理管財課長 委員お話しのとおり、区が発注する契約に従事される方の労働環境を確保いたしますことは、大変重要な課題であると認識してございます。  区といたしましても、この間の議会でのご質問や答弁の経緯を踏まえまして、庁内での検討を鋭意行ってまいりました。  また、昨年4月に働き方改革の推進に向けました労働基準法等関係諸法令の改正もございまして、より一層の労働環境改善に向けた取り組みが求められているところでございます。  こういった状況を踏まえまして、区では来年度以降の一定規模以上の経理管財課発注の契約につきまして、労働環境の確認に関する要綱を定めさせていただき、区としての姿勢を対外的に広く示すとともに、契約の適正な履行及び労働環境の整備に配慮した調達の推進に努めてまいります。 ◆松原〔元〕 委員 既に、この要綱は区のホームページにも掲載をされ、労働環境チェックシートもアップロードをされて、閲覧が可能な状況となっております。このチェックシートには、従業員の最も低い賃金単価を記入する欄もしっかりとありまして、区が本要綱を的確に運用されることにより、公共工事等の契約における労働環境の保証がなされるとともに、今後なお一層、末端に至る従業員の方々の賃金引き上げを意識された予算設定がなされることを期待するところであります。  本要綱を定めることによる予算づけはなされておりませんので、担当の経理管財課職員の方々に対する純粋な業務量の増加となると思うのですが、公共サービスの質の確保、地域経済の活性化のためにも、ご尽力のほどお願いを申し上げます。  これにて質問を終えます。 ○渡司 委員長 本日は、この程度をもって予算特別委員会を閉会いたします。                午後 4時56分閉会...