大田区議会 2020-02-25
令和 2年 第1回 定例会−02月25日-03号
令和 2年 第1回 定例会−02月25日-03号令和 2年 第1回 定例会
令和2年第1回定例会 大田区議会会議録 第3号
2月25日(火曜日)
出席議員(50名)
1 番 田中一吉 2 番 松原秀典 3 番 高瀬三徳
4 番 岸田哲治 5 番 大森昭彦 6 番 塩野目正樹
7 番 押見隆太 8 番 鈴木隆之 9 番 湯本良太郎
10 番 伊佐治 剛 11 番 深川幹祐 12 番 長野元祐
13 番 渡司 幸 14 番 高山雄一 15 番 海老澤圭介
16 番 松本洋之 17 番 岡元由美 18 番 勝亦 聡
19 番 広川恵美子 20 番 秋成 靖 21 番 玉川英俊
22 番 田村英樹 23 番 大橋武司 24 番 小峰由枝
25 番 椿 真一 26 番 田島和雄 27 番 末安広明
28 番 大竹辰治 29 番 清水菊美 30 番 黒沼良光
31 番 佐藤 伸 32 番 菅谷郁恵 33 番 福井亮二
34 番 荒尾大介 35 番 杉山公一 36 番 犬伏秀一
37 番 三沢清太郎 38 番 松原 元 39 番 須藤英児
40 番 植田智一 41 番 庄嶋孝広 42 番 小川あずさ
43 番 平野春望 44 番 野呂恵子 45 番 荒木秀樹
46 番 奈須利江 47 番 北澤潤子 48 番 馬橋靖世
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○岡元 副議長 第2日に引き続き質問を行います。
まず、16番松本洋之議員。
〔16番
松本洋之議員登壇〕(拍手)
◆16番(松本洋之 議員) 皆様、おはようございます。大田区議会公明党、松本洋之でございます。質問通告に従い、順次質問をさせていただきます。理事者の皆様には明快な答弁をよろしくお願いいたします。
昨年、国におきまして、行政手続きを原則、電子申請に統一する
デジタルファースト法が可決、成立いたしました。引っ越しをする際、ネットで住民票の移転手続きの準備をすると、その情報をもとに電気やガス、水道の契約変更もできるようになり、相続や死亡の申請もネットで完結できるようになるとのことで、これは利用者の利便性を高めるとともに、行政の効率化にもつながることになると考えます。
そこで、本区においての申請・届出等手続きのオンライン化について、どのような現状なのかお知らせください。
国が行政手続きに係るオンライン利用の原則化を明確にしたことを受け、各部署が所管する申請・届出等手続きの実態をまず把握する必要があるのではないでしょうか。本区としての年間の処理件数のほか、本人確認や添付書類の有無、また、面談の必要性の有無などでその調査結果をもととして、電子申請が可能なものについて全庁的な調査を実施する必要性について所見を伺います。
また、既に実施されているようでしたら、状況をお知らせください。
次に、これまでも何度か質問させていただきましたRPAやAIの活用による行政の効率化についてお伺いをいたします。近年、IT技術の発展が著しく、民間では仕事の進め方も大きく変わっているところでありますが、IT技術の活用は、行政での業務においても大きな効果があると思います。前回の質問での答弁では、「ITの活用は、業務の効率化だけでなく、いわゆる誤入力の防止や職員の負担軽減によるワーク・ライフ・バランスの推進なども期待できることから、RPA導入の検討を行っていく」との前向きな答弁をいただきました。RPAの導入につきましては、とりわけデータ量が多く、汎用的で反復処理の多い定型業務に適性がありますことから、
財務会計システムを用いた支払い業務などにおいて効果を発揮するものと考えており、推察するに、現在、その活用範囲について検証を進めておられることと思いますが、RPAやAIの導入の検討に向けて、現在の取り組みについてお伺いをいたします。
次に、AIの活用についてお伺いをいたします。行政の中では事業を行った際のアンケート等により、様々なデータが取得されています。そのような
アンケート調査等は、取得した担当課はもちろん、他の施策を実施していく中でも有効なものが多くあると感じます。このようなデータは、事業を行っている部局はもちろんのこと、その他の施策などにも有効なデータであると感じます。
ただ、現状では担当課の中で眠っているだけのデータになってしまってはいないでしょうか。データを蓄積し、それを分析、共有化することが重要と考えます。現時点での運用についてお伺いをいたします。
前橋市においては、住民の意見を効果的に政策立案に役立てるため、市民アンケートの結果分析にAIを活用することとしています。言語解析を得意とするAIがアンケートの中の記述回答欄の内容を分析し、市政の課題を見つけるとのことです。アンケートは区民の多様な意識や要望を把握し、行政運営の基礎資料とするため、本区におきましても二、三年、または5年置きに実施していると思いますが、AIの活用で作業の迅速化も図れることから検討してみてはいかがでしょうか。所見を伺います。
次に、住民相談のAI対応について所見をお伺いしたいと思いますが、住民相談のAI対応については、住民サービスの向上という観点からも有効であると考えます。若者の電話離れ、メール離れが叫ばれて久しくなりました。LINEやメッセンジャーの利用拡大によって、メールすら使えない若者も増えてきました。
そのような中で、対行政だけではありませんが、何かあったときに問い合わせるということに対するハードルは、かつてよりも高くなりつつあります。そのような世代に対しても相談しやすい行政であり続けるためには、テキストによる相談をこれまで以上に身近にしていく必要があると考えます。また、サポート業務の世界では、若者のトレンドという観点以外からも、テキストによるサポート業務が着目されつつあります。テキストやチャットであれば、自由な時間に質問を送付することが可能です。例えば混み合っていて、いつかけてもつながらない、待ち時間に流れるBGMのリピートにうんざりする、サービスの向上のために録音していますという言葉に不安を感じる、新人の職員の場合、回答が要領を得ない、たらい回しにされる、職員と話をすると緊張するなどの課題が、テキストによる相談業務では解消されることになります。
住民相談のAI対応のうち、テキストによる相談の一つにチャットボットでの相談対応があります。例えば渋谷区では、子育て関連についての相談業務について、LINEのチャットボットが導入されています。一例を紹介しますと、住民がLINEのトーク画面に「予防接種の時期を逃してしまったのですが」と打ち込むと、「原則自己負担になります。ただし、一部例外もあるのでお問い合わせください」、地域保健課と担当課の連絡先が続く返信が自動で打ち込まれます。ここには子育て関連情報から発信される仕組みとなっており、住民にとっても、行政にとってもメリットのある運用となっています。本区においても業務のICT化を進めることが必要かと考えますが、所見をお伺いいたします。
現在、ITやICTの活用には担当課が情報システム課と連携し、専門的な対応がなされていますが、例えば情報システム課を
ネットワークシステムなどの保守部門と新技術を活用する部門とに役割分担することで、より現場の課題を共有化でき、安全面を確保しつつ、新技術を果敢に導入できる環境を整えることができるのではないかと思います。そのことにより、これまで以上に新技術活用が積極的に図れると思いますが、いかがお考えでしょうか。所見をお聞かせください。
次に、母子手帳、お薬手帳、障害者手帳の電子化について質問をいたします。
まず、母子健康手帳の始まりは、昭和17年に創設された妊産婦手帳に始まり、厚生省令をもって妊産婦手帳規程が公布され、世界で初めて妊産婦登録制度が発足いたしました。創設から78年たった今、そのコンテンツは時代ごとに一新され続けておりますが、スマートフォンやパソコンといったネット通信の普及により、母子健康手帳は全国の関係団体によって変革を求められております。
そうした環境の中、民間企業が開発したスマートフォンアプリとパソコンで利用可能なウェブ版の電子母子手帳は、地方自治体で導入・普及が急速に進められております。スマホとネットを活用して、誰もが安心して妊娠、出産、子育てができる社会を支援するためにつくられた電子母子手帳は、千葉県柏市において全国に先駆け試験導入を経て、4年前より本格的な導入を開始いたしました。現在、多くの
電子母子手帳アプリが存在いたしますが、代表的な機能としては、自治体からの子育て情報の提供、
子育て関連制度情報の定期配信、育児不安の解消、家族で成長記録を共有できること、離乳食づくりの動画閲覧、予防接種などの
スケジュール管理、災害によって紛失した際の対応等々に活用できることから、このシステムの導入は多くの自治体で広がりを見せており、行政サービスの一環として自治体独自の特色を出すことも可能であり、電子化には個人認証やプライバシー保護の難しさがありますが、あるアプリではフェイスブックやツイッターなどの利用者IDとパスワードを使う
オープンアカウントと呼ばれる手法を採用しており、個人情報をみずから管理するリスクを負わずに希望者に情報を届けることが可能であります。
先ほど成長記録を家族で共有と申し上げました。現代社会において核家族が増加する中、保護者と離れて暮らす祖父母、単身赴任中のご家族でも、子の、孫の成長記録が共有されるということは、育児の大切さ、すばらしさを家族で分かち合うことができることであります。そして、本区に電子母子手帳が導入され、本区で誕生した子どもたちの成長記録は、将来必ず家族に後生に受け継がれるものと思います。
また、母子健康手帳とともに、電子化が進んでいる手帳がございます。それはお薬手帳であります。お薬手帳の起源は、平成5年に発生した医薬品の併用による重篤な副作用が引き起こした死亡事故をきっかけとして、患者自身が服用・使用した医薬品の履歴を管理することの重要性が認識されたことに始まっています。そして、災害時、慢性疾患の患者に対して継続して行える最低限の医療は、それまで服用していた同じ薬を供給することであります。しかし、カルテなどの記録がない救護所に来る患者の薬についての記憶は、薬の形状や色に限られることが多く、同じ薬さえ渡すことができない事態が起こるのは予測することができます。また、災害時の特例として、お薬手帳があれば処方箋なしで薬を受け取ることができる場合があり、災害の備えとしても重要なツールであります。
平成27年度
厚生労働省委託事業「電子版お薬手帳の適切な推進に向けた
調査検討事業報告書」に示されているとおり、国では現在、電子版お薬手帳サービスの普及促進を積極的に推進しており、日本再興戦略において電子版お薬手帳のさらなる機能性の向上について検討を行い、
医療情報連携ネットワークの全国各地への普及とあわせて、国民への普及を進めるとしたところであります。このような現状に鑑み、今後も自治体、関係団体が連携し、電子版お薬手帳の普及へ向けた働きかけが一層深まり、推進されるものと考えます。
あわせて、障害があると証明したり、各種割引を受けたりするのに必要な障害者手帳が変わりつつあります。紙製で破れやすく劣化しやすい、外出先で取り出すのに手間取ると不便さを感じる人が多く、国がカード型を認めたほか、手帳がわりに使えるスマートフォンのアプリも登場、持ち運びやすくすることで当事者の外出を後押ししています。スマホならば取り出しにも時間がかからないし、スマホの提示で済めば周りの目も気にならない、こういった心理面での利点もあります。このように、生育記録、投薬記録、障害の有無などデータを一括管理できることで、例えば遠隔地で急遽病院にかかる際に正確な情報を伝えることができ、リスク回避にもつながります。
そこで、健康増進、健康管理に資する電子化、情報化推進の総体的な所見をお伺いするとともに、電子母子手帳の導入の可否、電子版お薬手帳の推進、
電子版障害者手帳の推進策をお示しください。
次に、小学校における
プログラミング教育について質問をいたします。
令和2年度から小学校での新学習指導要領の全面実施に伴い、
プログラミング教育が全面実施となります。本区におきましては、平成30年度から北糀谷小学校、矢口西小学校、おなづか小学校の3校の小学校が東京都教育委員会の指定を受け、
プログラミング教育推進校として先進的に研究を進めているところでありますが、研修授業の概要と子どもたちの変容についてお知らせください。
また、今後、全面実施を行っていくうえで、小学校の
プログラミング教育では、どの学年でどの教科でどれくらいの時間を使うなど、指導計画についてお示しください。
プログラミング教育とは、自分が意図する一連の活動を実現するためにどのような動きの組み合わせが必要であり、どのような改善をすれば、より意図した活動に近づくのかという理論的に考えていく力であります。
プログラミング教育の目的は、児童・生徒が考える力、すなわち思考力を身につけることであります。そして、
プログラミング教育で大切なことは、物事を結果から逆算し、順序立てて考え、筋道を整理して実行する力、理論的な思考力を伸ばすことであります。
近年におけるIT技術の発展は著しく、新たなニーズに対応し得る人材の確保は世界的にも共通のものとなっており、我が国においてもグローバルに活躍し得る人材を育成するうえでITスキルの向上は不可欠なものでありますが、2016年に経済産業省が発表した資料によると、2015年時点でIT人材不足数は約17万1000人、2030年には最大で約79万人が不足すると試算されています。
しかしながら、全ての児童が同じようにコンピューターに関心を持って、同じようなスキルを持つわけではありません。
プログラミング教育の目指している論理的思考の習得からさらにもう一歩踏み込んで、ともに教え合い、乗り越えていく。協働を子どもたちが体験して、1人でやるよりもみんなでやったほうがものすごい成果が出せるという経験を得ていく。これが、子どもたちが社会に出たときに何よりも財産になるのだと考えます。
本区としては、
プログラミング教育においてどういったところに力点を置き、いかなる人材を養成すべきと考えるのか、所見をお伺いいたします。
現在では、一般家庭におけるIT機器の普及は著しく、児童・生徒たちは幼少期より
一定程度IT機器に接することが珍しくない中で、教員に求められる技能はおのずと高いものとならざるを得ません。このことから、近年、特に顕著となっている教職員の多忙化に拍車をかけることとなりかねず、外部人材の活用など、人的あるいは財政的支援が必要となると考えますが、いかがでしょうか。本区としての取り組みをお知らせください。以上で質問を終わります。(拍手)
○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 私からは、行政の効率化に関する6問の質問にお答えをさせていただきます。
まず、申請・届出手続きのオンライン化の現状に関するご質問でございますが、令和元年5月に公布されましたいわゆるデジタル手続法では、国の行政手続きは原則としてオンライン化とされ、地方公共団体におきましては努力義務とされているところでございます。
そのような中、本区における現状につきましては、平成30年度の実績といたしまして、図書館の図書貸出予約、文化・スポーツ施設等の利用予約、粗大ごみ収集の申し込み、公文書開示請求、
地方税申告手続き、いわゆるeLTAX、児童手当、児童医療証関係の手続きなど、合計29種類の手続きをオンライン化しており、約428万8000件のご利用をいただいてございます。また、電子申請可能なものに関する調査につきましては、総務省が示している地方自治体における利用促進対象手続きとされている手続きの範囲に基づいて実施をしてございます。今後も国の動向等を注視しつつ、子育て支援など多くのニーズが見込まれる分野での電子申請化の検討を進めるとともに、区民の皆様の一層の利便性向上に取り組んでまいります。
続いて、RPAやAIの導入に関するご質問でございます。RPAにつきましては、今年度において実証実験として導入検討を進めてまいりました。具体的には人事課、課税課、介護保険課、子育て支援課、保育サービス課で実施している13業務についてRPA化を進めてまいりました。この間、得られたデータやノウハウを活かし、また課題等の整理を進める中で、引き続き対象業務の拡大について検討を深化させてまいります。
AIにつきましては、平成30年度からこども家庭部におきまして、保育所入所選考事務で実証実験を行っており、令和2年4月入所分から本稼働させてございます。従来と比較いたしまして、全体工程でおおむね600時間程度の圧縮を見込んでいるところでございます。今後は、令和3年以降の入所選考に向けて作業時間の一層の短縮による内定通知の早期発送の実現などに向けて取り組みを進めてまいります。また、AIの音声認識技術を活用した議事録作成支援ソフトの導入に向けた実証実験も行ってございます。企画経営部、総務部において実際の会議など様々な利用環境下において、音声認識率などをはじめとした効果測定を実施したところでございます。将来的には議事録を作成する際、これまで以上に区民の方々への速やかな情報提供につながるものと期待してございます。引き続き、令和2年度からの円滑な導入に向け、検討を重ねてまいります。
次に、区におけるデータの蓄積、分析、共有化などの運用に関するご質問でございますが、様々な事業の中で実施した取り組みやアンケート調査などにおいて得られた情報は、区民満足度の向上、行政の質的向上において大変貴重なものでございます。現在のデータ運用の基本的な考え方でございますが、当該事業の今後の施策評価、政策立案などのための基礎資料として取り扱うことを前提に管理・運用をしてございます。また、これらの情報には、電子データのほかに紙媒体もございます。今後、データの蓄積、分析、共有化を一層効果的に進めていくためには、個人情報保護に配慮したうえで、紙媒体データの電子化や取り扱いなどに関する課題の抽出と整理が必要と考えてございます。区といたしましては、データの蓄積や共有化などはエビデンスに基づく政策立案、いわゆるEBPMへの取り組みにも必要不可欠なものと考えてございます。
次に、AIを活用したアンケートの分析に関するご質問でございます。国は、デジタル・ガバメントによる行政の高度化、効率化を目標に、地域におけるAI、IoTサービスの実装、共同利用や自治体によるAIサービスの共同開発等の推進を図ってございます。また、それに伴い、自治体向けのAIサービスも今後充実していくことが想定されます。現在、アンケートの結果につきましては、外部機関の協力などもいただきながら分析を行い、政策立案の基礎資料としてございます。
このような中、議員お話しのとおり、AIの活用によって分析作業の迅速化が期待できるほか、従来の方法では技術的に得ることが難しかった角度からの分析も可能になるものと考えてございます。区は今後も個人情報の保護に留意するとともに、国や他自治体の動向並びにAIなどの技術の進展等を注視し、効果的な政策立案に資するAIの活用について検討してまいります。
次に、区における業務のICT化の推進に関するご質問でございますが、国が目指しているソサエティ5.0では電子政府の実現を掲げてございます。加えて、現在、5G通信網の整備が進んでおり、利活用が促進されることで、近い将来、様々な行政サービスへのアクセスの向上が見込まれてございます。
こうした中、全国的にはここ数年、住民相談へのAIを活用した問い合わせへの自動応答サービス、いわゆるチャットボットの導入が進んでおり、実証実験も含めて様々な自治体で検討が進んでございます。区の業務ICT化の一例では、家庭ごみの分別に関するお問い合わせにつきまして、ごみ分別辞典Webサイトを通じたご案内がございます。チャットボットの活用に当たりましては、24時間365日、お問い合わせに対応できるなど、行政サービスの向上に高い効果があるものと考えてございます。今後も区民の利便性向上を第一に考えた業務のICT化につきまして、様々な角度から取り組んでまいります。
最後に、情報システム分野における保守部門と新技術活用部門との役割分担に関するご質問でございますが、現在、情報システム基盤の安定的な運用については情報システム課が担い、新技術の導入検討や将来の活用策などについては、自治体経営と情報政策の観点から企画課が情報システム課と連携して取り組みを進めてございます。
こうした中、今年度は政策的課題の解決に向けた一層の検討深化を図るべく、企画経営部に情報政策担当副参事を設置し、また、平成30年9月からは外部からの人材登用として経営・情報化戦略顧問を採用し、専門的かつ技術的な助言のもと、取り組みを進めてまいりました。今後につきましては、国や都との一層の連携強化や区政の情報化を一段と加速させていくために、令和2年度から新たに任期付職員を登用する予定でございます。引き続き、企画課が情報政策推進の全庁の取りまとめとなり、情報システム課と連携していく中で、区民の皆様の利便性向上に資する新技術の導入などに向けて検討を重ねてまいります。私からは以上でございます。
◎今岡 福祉部長 私からは、障害者手帳の電子化等についてお答えをいたします。
まず、障害者手帳のカード化につきましては、議員お話しのとおり、手帳の様式が規定されている省令が改正され、東京都においてもカード化について検討されております。また、国が策定したデジタル・ガバメント実行計画では、安心・安全で利便性の高いデジタル社会の構築に向け、マイナンバーカードを活用した障害者手帳のデジタル化等の推進の工程表が示され、今後は具体的な取り組み等が検討される予定でございます。区は、こうした国の動向を注視するとともに、障害者手帳の交付を行う東京都と情報共有し、障がいのある方が手帳を使用する際の利便性を向上できるよう考えてまいります。私からは以上でございます。
◎今井 健康政策部長 私からは、母子健康手帳及びお薬手帳の電子化に関するご質問にお答えします。
電子母子健康手帳により、健診や予防接種の記録、
スケジュール管理など、現在、紙の手帳が担っている機能を充実するとともに、区がきずなメールで発信している情報を電子アプリに一元化できるなど、利便性の向上が期待できます。23区中、4区が導入している中、国は令和2年度中に乳児期、学童期の健康情報を一元化し、マイナポータル上で保護者等への提供を始める予定です。区における電子母子健康手帳の導入につきましては、こうした国の動向やきずなメールなどの取り組みとの整理など課題もあり、先行自治体の例も参考に考えてまいります。
電子版お薬手帳につきましては、記録や閲覧、共有が簡便になることや、災害時にデータのバックアップを利用できるなどのメリットがあります。一方で、データを共有する際の個人情報の保護や電子アプリには多数の規格があるなどの課題もあり、区内で導入している薬局は約20か所にとどまっています。加えて、紙も含め、お薬手帳の活用が十分浸透していない現状があります。電子版お薬手帳の推進につきましては、こうした現状を踏まえ、区は普及啓発に努めるとともに、区内薬剤師会と意見交換しながら進めてまいります。私からは以上です。
◎後藤 教育総務部長 私からは、
プログラミング教育に関する三つのご質問に順次お答えいたします。
初めに、
プログラミング教育推進校の研究授業の概要と子どもたちの変容についてのご質問です。1月20日に研究報告会を開催したおなづか小学校では、論理的思考力の育成を目的として、総合的な学習の時間でロボットを動かすプログラムをつくる授業などを公開いたしました。子どもたちはタブレット操作に慣れるとともに、意欲的に学習に取り組む姿や、よりよい組み合わせを考え、工夫、改善を繰り返すことで論理的思考を深める姿が見られております。また、指導計画につきましては、学習指導要領におきまして、第5学年の算数「正多角形」、第6学年の理科「電気の利用」、総合的な学習の時間におきまして、プログラミング体験をしながら論理的思考力を身につけるための学習活動が示されております。このほか、例示以外の内容や教科等におきましても工夫して取り入れることが求められており、現在、各学校におきまして、学年ごとの年間指導計画の中に
プログラミング教育を位置づける準備をしているところでございます。
次に、養成すべき人材についてのご質問ですが、
プログラミング教育では論理的思考力を育成する中で、クラスの友達とともに試行錯誤しながら協働的に学び、課題解決の達成感が感じられるよう、教材や授業スタイルなどを工夫しております。また、養成すべき人材につきましては、急速に変化する情報化社会にもしなやかに対応するとともに、プログラミング的思考を活かして新たな知識や価値をつくり出し、主体的に社会に参画する人材であると考えております。
最後に、教職員へのICT機器の活用に対する支援策についてのご質問です。授業等で活用するタブレット端末や電子黒板などにつきましては、月3回、専門事業者であるICT支援員が各校を訪問し、教員に対して校内研修や説明会を行うほか、校内ICT環境を利用した授業を行うための資料収集の補助や児童・生徒のICT機器の効果的な活用方法についての支援を行っております。また、財政的支援といたしましては、来年度の本格実施に向けてプログラミングソフトや教材の購入などの支援を行う予定です。今後も学校のICT環境整備に伴う教職員の負担軽減を図り、授業でのICT機器の効果的な活用ができるよう、支援に努めてまいります。私からは以上です。
○岡元 副議長 次に、19番広川恵美子議員。
〔19番広川恵美子議員登壇〕(拍手)
◆19番(広川恵美子 議員) 大田区議会公明党、広川恵美子です。通告に従い質問させていただきます。
昨年の大型台風に引き続き、新型コロナウイルスと行政の危機管理能力が問われる事象が相次いでいます。刻々と変化する状況への対処は、年度末の煩雑な時期とも重なり、ご苦労も多いことと思います。職員の皆様の奮闘に心より感謝しますとともに、一刻も早い終息を祈念いたします。
先日、お子さんが重い病気で治療中のお母さんとお会いした折、「医療費が無料で本当に助かります」と言われていました。児童医療費補助制度は、心を支える貴重な施策であることを実感いたしました。
ケニアの環境運動家で日本の「もったいない」文化を世界に広めたノーベル平和賞受賞者、故ワンガリ・マータイ博士は、「未来は未来のためにあるのではない。今このときからしか未来は生まれないのです。将来、何かをなし遂げたいなら、今やらなければならないのです。私たちは、みずからの小さな行いが物事をよい方向に変えていることを知っています。もし、この行いを何百万倍にも拡大することができたなら、私たちは世界をよくすることができるのです」と、たった7本の植樹運動から始まり、現在までに150億本まで広がったグリーンベルト運動を振り返り、語られたそうです。本区においてもマータイ博士が言われる未来のための行動が広がることを期待して、質問させていただきます。
まずは、令和2年度で計画期間を終え、次期計画の策定に着手される男女共同参画推進プランについてお伺いいたします。
現在、おおた未来プラン10年の成果を踏まえて、新基本計画の策定に取り組まれています。また、時を同じくして、(仮称)大田区産業振興構想や次期多文化共生推進プランなど、各部に次の計画策定に向けた動きがあります。上位計画である新基本計画と同時並行で行われている各実施プランには、大田区の政策理念が共有されることが重要と考えます。まず、新基本計画の理念についてお伺いします。
昨年末、男女格差の大きさを国別に比較した世界経済フォーラムによるグローバル・ジェンダー・ギャップ指数が発表されました。順位の詳細は、先日、共産党の菅谷議員が紹介されていますので割愛いたしますが、このジェンダー・ギャップ解消のために本区が取り組んでいるのが、大田区男女共同参画推進プランに基づく男女共同参画事業です。これまでのプランをひもとくと、おおた未来プランなど関連計画との整合性や前期のプランを踏まえつつという言葉が出てきます。次期プランについても、国の指針とも言うべき男女共同参画基本法などの法令は遵守することとなりますが、前期プランの踏襲だけでは世界との差は埋まらないばかりか、ますます開いていくのではないかと懸念すら生まれてきます。次期推進プランにおいては、守るべき人権に関する施策はより充実を望みますが、個々の事業内容についてはしっかりと精査していただき、より時にかなったプランにしていただきたいと考えます。
今年度は今期の事業の精査と区民の意識調査等、準備を進めておられると思いますが、7期の計画以降、世界の趨勢はジェンダーとともに、多様な人材の活躍を進めるダイバーシティという概念が広がっています。次期の計画がこうした概念のもとに進められることは、先日の松原区長のご答弁にも明らかなように、言わずもがなのところです。既に若い世代は私世代より柔軟に対応しているように感じますが、とはいえ、日本ではまだまだジェンダーやダイバーシティの本質を理解し、自分の人生をつくっていくための教育が進んでいるとは言えません。その結果がジェンダー・ギャップ指数にあらわれているのではないでしょうか。
そこで、次期プランの策定に当たって、来年度予算のテーマでもある新しい世代のためのテーマを盛り込み、事業に取り組んでいただくことを求めます。区の所見をお聞かせください。
具体例を挙げさせていただくと、就職活動中に就活セクハラと言われる採用担当者によるセクシュアルハラスメントや、理由も明らかにされずに内定取り消しになるなど、不利益を受けているにもかかわらず、大学と企業のはざまや相談する場所も対策もなく、泣き寝入りするしかない若者が少なからずいます。また、日本では就職するまで社会人としてのマナーや社会保障や福利厚生の必要性、ファイナンスを含めたライフサイクルプランなど、実社会で必要な知識を学ぶ機会があまりありません。自立した社会人としての基本を身につけることは、男女を問わず、ライフ・ワーク・バランスという点からも重要です。恋愛や結婚なども含め、若者のトラブル回避の意味からも、18歳成人制を目前とした次期プランの事業として大田区の10年後、20年後を見据え、若い世代を対象とした親しみやすい実学講座や相談事業を盛り込んではどうかと提案いたします。区の考えをお聞かせください。
一人ひとりが自分らしく輝ける社会は、ジェンダー・ギャップ指数の評価向上につながると考えます。今後、教育現場でも社会人教育の必要性が認識されていくとは思いますが、まずは次期プランの施策に期待し、次の質問に移ります。
先の我が会派の代表質問で「来年度当初の設置」とのご答弁がありました子育て世代包括支援センターの産後ケア事業の具体策についてお伺いいたします。
昨年度、児童虐待にかかわる相談件数は約16万件と依然として増加傾向にあり、平成29年度の虐待による死亡事例では、ゼロ歳児の割合が約5割だったそうです。背景には、望まない妊娠を誰にも相談できず、一人で抱え込んでいる女性や、産前産後の母親の育児不安や、うつ状態が虐待の誘因になることが指摘されています。
例えば、産後数か月以内に産婦の10から15%前後が産後うつ病を発症するとの報告もあります。虐待による子どもの死亡事例の検証では、実母の育児不安やうつ状態が背景にあるケースが少なからず存在していることも明らかとなっています。また、妊産婦の死因として、身体的合併症による死亡よりも自殺による死亡が上回っていることも報告されています。出産後、特に6週間から8週間は、妊娠、出産による体の変化だけでなく、ホルモンバランスも急激に変化するため、精神的にも不安定になりがちな時期です。しかも、昼夜関係ない二、三時間置きの授乳など日常生活ががらっと変わる時期にもかかわらず、周りに手助けを求められずに子育てをするお母さんは少なくないことから、産後の母子に対する心身のケアや育児のサポート等、安心して子育てができる支援体制を確保することによる産後うつ等のメンタルヘルスの改善や子ども虐待の発生頻度の軽減が期待されます。
本区の来年度予算には、新規事業として産後家事・育児援助事業実施委託経費が計上されていますが、この事業内容についてお聞かせください。
正直、私自身は公的な産後ケアの必要性をあまり重視していませんでしたが、産後ケアの効果の一例に、子どものころ虐待を受けた母親が産後ケアを受けたことで我が子に虐待をしなかったという事例があり、産後ケアによってオキシトシン、別名愛情ホルモンが十分に分泌されることによると医学的にも効果が検証されていることを伺いました。以来、子育ての孤独化が増える中、子どもに対する愛情が育まれる産後数週間から数か月の愛着形成の時期に受ける産後ケアによって虐待の連鎖を断ち切る可能性が高いという意味で、産後ケアはとても大切だと考えるようになりました。
ところで、産後間もない母親に寄り添い、子育てが軌道に乗るまで日常生活の手伝いをする産後ドゥーラという専門家の存在については、平成26年の岡元議員の質問以降、議会で何度か取り上げられています。産後ドゥーラの手助けを受けたお母さんたちからは、子育ての不安や産後うつの危機を乗り越えられたという声も少なくありません。また、あるドゥーラさんのところには、1年前に一度訪問しただけのお母さんから子育ての不安や家庭の問題を誰にも相談できず、追い詰められていると助けを求める電話がかかってきたこともあったそうです。たった一度の利用でそれだけの信頼を得た人柄もさることながら、スキルの高さに驚かされます。
既に産後ドゥーラの利用助成を行っている自治体も複数あります。大田区においても赤ちゃんを授かった喜びのまま、愛情と優しさで育児ができるよう、産後の最も大事な時期に寄り添う産後ドゥーラの利用支援を取り入れていただくことを要望いたしますが、区の所見をお聞かせください。
また、いくら支援メニューができても、肝心のドゥーラが不足しては絵に描いた餅となってしまいます。奈良県天理市では、一般社団法人ドゥーラ協会による養成講座の受講費用を市が負担して、2人の産後ドゥーラを養成し、生後4か月までの一部の赤ちゃん訪問を委託、赤ちゃんの成長の様子やお母さんの話し相手をしながら育児の不安などを受け止め、行政サービスにスムーズにつなげる役目として活用しています。市の担当者は、「養育支援家庭ではなくても、小さな不安や不満の積み重ねからうつや虐待につながりかねないお母さんもいます。市の保健師では身構えられてしまうところをしっかりと訓練を受けたドゥーラさんだからこそ、お母さんたちも安心して受け入れられるのではないか。こうしたかかわりの中でリスクの芽に気づき、早めの対処ができます」と話されていました。
産後ケア事業が法制化されたことや東京都の支援メニューが拡充されたことで、今後、産後ドゥーラの需要は増えていくことが想定されます。産後ドゥーラの活用は、子育て支援策の充実につながります。本区としての産後ドゥーラの養成と活用について、区の見解をお聞かせください。
近い将来、大田区の母子のために産後ドゥーラが活躍してくれることを期待します。そして、事業実施の暁には、産後ドゥーラの周知と利用促進の意味から妊婦さん・子育て応援グッズカタログに掲載していただくことを要望しておきます。また、このカタログについては、かねてより我が会派の末安議員が要望しています健診時のタクシー利用券や災害時にも役に立つ液体ミルクを加えていただくことを要望いたします。区の見解をお聞かせください。
子どもの命を守る児童相談所の整備とあわせ、何より子どもたちのために虐待が起こらない社会の形成のために、本区のさらなる産前産後事業の充実を期待して、次の質問に移ります。
最後に、昨年の決算特別委員会でも取り上げましたが、地球温暖化対策の環境マインドの醸成について質問いたします。
各地で頻発する大規模災害を想定した防災対策は待ったなしで、本区の来年度の予算編成においても防災力の強化を掲げ、我が会派の重点要望でもある小学校への防災ヘルメットの配備など、これまで以上に重点的に予算配分されていることを評価いたします。防災対策の詳細は予算特別委員会の質疑に委ねたいと思いますが、防災対策とともに、気候変動に対する地球規模の対策が早急に求められています。
本区の来年度予算には、環境対策としておおたクールアクション推進の予算が計上されています。昨年の第4回定例会で我が会派の秋成議員への答弁でも述べられていましたが、来年度の事業について改めてお聞かせください。
近年の異常気象は地球の温暖化に起因していることを懸念し、大なり小なり自分の行動を変えていかなければならないと考えている人は少なくありません。また、海洋汚染の報道をきっかけに、環境問題に関心を持つ人も増えています。
先日、我が会派は、子どもたちの未来のために環境問題に取り組まれている若いお母さんたちから、区の環境教育への要望をお受けしました。その中で、物を買う際、利便性や経済性、デザインなどで選んでいた生活から、地球環境に配慮した生活、商品を選択することを意識するようになったこと、そうしたお母さんの姿を通して幼い子どもたちがプラスチックやごみのことに関心を持つようになったことなど、生活に変化が起きていると伺いました。子どもたちの未来のためにという素直な愛情が地球環境問題につながる姿は、大気汚染から子どもたちを守るために立ち上がったアメリカの未来学者、ヘイゼル・ヘンダーソン女史に通じるものを感じました。
世界の緊急課題である貧困、人権、気候変動を同時に解決していくために、エシカル消費という概念が注目されています。エシカルとは、倫理的なという意味で、目覚ましい成長を続ける世界経済や社会の中で、生産性ばかりを高める動きが地球環境に深刻な問題を引き起こし、さらには人権をも脅かすような劣悪な労働環境を生み出すことにもつながっていることから、社会や環境に配慮する行動をエシカルという言葉で表現するようになっているそうです。
日本では、2015年に閣議決定された消費者基本計画に、「消費者の意識については、環境や被災地の復興、開発途上国の労働者の生活改善等の社会的課題に配慮した商品、サービスを選択して消費することへの関心が高まっており、これは、持続可能な消費や倫理的消費(エシカル消費)と呼ばれることがある」と、「エシカル消費」という言葉が盛り込まれ、「このような環境等に配慮した商品、サービスの選択を可能とする環境の整備や、食品やエネルギーロスの削減など、社会的課題に配慮した消費を促進することが求められている」と記述されています。また、環境の保全に配慮した施策として、ESD(持続可能な開発のための教育)の視点を踏まえた取り組みや、倫理的消費(エシカル消費)の普及啓発の取り組みとして、温室効果ガス削減による低炭素社会の実現及び資源の循環的な利用等による天然資源の消費の抑制、環境への負荷ができる限り低減される循環型社会の形成に向けた情報提供や普及啓発の推進、生物多様性の保全と持続可能な利用について消費者の理解増進のための情報発信や普及啓発の推進、有機農産物など環境に配慮した商品、サービスに対する理解と関心の増進を図るとして、本区でもこれまで消費者教育という観点で取り組まれていますが、エシカル消費の普及啓発は、まさに環境マインドの醸成に直結します。そこで、日々の暮らしが地球環境を守る行動となるエシカル消費を区民にわかりやすくアピールしていくことが必要と考えます。
徳島県では、エシカル消費の普及啓発の一環として、本年1月、高校生が環境配慮のアイデアを競うエシカル甲子園を開催し、全国70のエントリー校の中から本選出場した12校が食品ロスや海洋プラスチックごみの削減につながるエシカル消費を推進するための学習成果などを発表し合ったそうです。私個人としては、いたずらにイベントに頼ることを得策とは考えていませんが、他自治体のエシカル消費に関する取り組みも参考に、おおたクールアクションが区民を巻き込んだSDGsの運動につながることを期待しています。今後の区民に向けた展開についてお聞かせください。
エシカル消費の理念は、区民の行動につながらなければ用をなしません。本区では、備品調達を環境清掃部長の決定で策定した大田区役所グリーン購入ガイドラインに沿った環境配慮製品の購入やペーパーラボを導入して使用済み書類をリサイクルするなど、調達から処分に至るまで、全庁でエシカル消費に通じる環境対策に取り組んでおられることを評価いたします。今後はまだまだ聞き慣れないエシカル消費を区民向けにアピールするため、環境に配慮したはねぴょんグッズを販売するなど、環境清掃部が率先して関係各部に働きかけていただくことを要望し、全ての質問を終わります。ありがとうございます。(拍手)
○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 私からは、新基本計画の理念についてのご質問にお答えをさせていただきます。
現在、区は、全ての区民の皆様が「住んでいてよかった」、「いつまでも住み続けたい」と誇りに思えるまちを目指して、新たな基本計画の策定を進めているところでございます。新基本計画は、大田区基本構想に掲げる区の将来像「地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市 おおた」を実現するために策定するものでございます。近年の人口構成の変化やグローバル化、情報技術の革新などの社会情勢の変化と一層複雑化する地域課題を的確に捉え、より実効性のある計画として策定する必要があると考えてございます。
基本計画策定の視点といたしましては、自然災害への備えの強化、安心して産み育てられる環境の構築など、人生100年時代に「誰もが生き生きと暮らせる安全・安心なまち」、自治会・町会、事業者など、様々な主体の参画・連携のもと、地方創生にも取り組む「未来へ歩み続ける共に創る共創のまち」、将来にわたって輝き続ける「持続可能なまち」などの視点で、未来を担う新しい世代へとつなげる計画として策定してまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。
◎玉川 総務部長 私からは、次期男女共同参画推進プランの策定に関するご質問にお答えいたします。
男女共同参画社会とは、男女がみずからの意思に基づき、個性と能力を十分に発揮できる多様性に富んだ豊かで活力ある社会と言えます。本プランでは、そのための施策の基本となるものでございますが、今期プランでは、配偶者暴力相談支援センターの開設、女性の起業支援やワーク・ライフ・バランスの推進等に取り組んでおります。
国におきましては、女性活躍のための法制度を整え、地域でも環境整備が急がれているところでございますが、昨年実施いたしました区民意識調査では、男女平等に関する意識や理解は進んでいるものの、実際の家事や育児等の担い手は女性に偏っている実態が伺えます。このため、次期プランの策定に当たりましては、議員お話しの多様性の視点や、特に若い世代への働きかけが重要になってまいります。今後、こうした観点を踏まえつつ、国や東京都の動向、区民意識調査の結果及び大田区男女共同参画推進区民会議のご意見などを取り入れながら検討してまいります。私からは以上でございます。
◎西田 保健所長 私からは、妊婦さん・子育て応援グッズのカタログの内容についてのご質問にお答えいたします。
区は、出産・育児支援事業の中で面接を実施した妊婦さんに対し、妊婦さん・子育て応援グッズとして、育児用品、育児サービスに特化した商品カタログを配付し、希望する商品を贈呈しております。多くの妊婦さんに満足していただけるように、平成30年度から家事代行サービスを追加いたしましたが、ご要望の災害時にも役立つ液体ミルク等につきましても検討してまいります。以上です。
◎水井 こども家庭部長 私からは、出産直後の子育て支援についてのご質問にお答えいたします。
まず、今年度予算案に新規事業として計上している産後家事・育児援助事業についてのご質問ですが、産後8週間程度は心身ともに静養が必要な時期とされており、多くの家庭が核家族となっている中で、家事・育児を家族等に頼むことができず、産婦が無理を押して行っている状況が発生しております。
母子保健法改正により、母子健康包括支援センター、いわゆる子育て世代包括支援センターの設置が市区町村の努力義務とされましたが、産婦が家事・育児を行わなければならない状況を踏まえ、同センターの事業類型においても育児サポート等が挙げられているところでございます。
そこで、出産した方で生後6か月までの乳児を育児中の方を対象に、手軽な料金で家事・育児のヘルパーを利用できる事業を計画いたしました。利用上限時間は、ヘルパー1人1時間利用を1時間として数え、延べ18時間、多胎出産の方はその2倍の延べ36時間としております。利用者負担額は、ヘルパー1人につき1時間1000円、非課税世帯、生活保護世帯は無料とする予定でございます。本事業を通じて家事・育児の負担軽減とともに、気がかりな親子を発見し、子育て相談や養育支援家庭訪問事業等に結びつけることで、産後うつや児童虐待の防止にも役立ててまいりたいと考えております。
次に、産後ドゥーラの活用と養成についての2点のご質問に一括してお答えをいたします。出産は、心身にとって大きな負担となるほか、産後の新生児への授乳など、生活が不規則になりがちで十分な静養をとりにくいうえ、育児そのものへの不安など、産婦は大きなストレスにさらされます。子ども家庭支援センターでは、この時期への支援として、研修を受けた地域の支援員が養育に関する沐浴や授乳の補助、通院や健診同行のほか、簡易な育児相談などを行う養育支援家庭訪問事業「ゆりかご」を実施しております。しかしながら、うつ傾向が強かったり、精神的に不安定であるなど、医療機関につなぐほどではないが、ゆりかごでは対応が難しいケースも生じております。産後ドゥーラはこのようなケースへの活用が考えられますが、法的な基準や公的な資格制度がなく、また、活動内容や力量もまちまちであるという状況がございました。
近年、議員のお話しのとおり、医師や大学教授等を講師とし、70時間以上に及ぶ本格的なカリキュラムにより、十分な力量を備えた産後ドゥーラの育成を図る一般社団法人があらわれてきており、また、これを人材育成や子育て支援施策に活用する地方公共団体も出てきております。産後ケアについては、医療面だけではなく、福祉的な視点からのアプローチの重要性が指摘されており、産後ドゥーラの活用や養成について、今後、研究を進めてまいりたいと存じます。
◎落合 環境清掃部長 私からは、おおたクールアクションの推進に関する二つのご質問にお答えいたします。
初めに、おおたクールアクションの事業についてのご質問ですが、おおたクールアクションは、顕在化する気候変動の影響を最小限に食い止めることを目的に、区民、団体、事業者、区が一体となって地球温暖化対策を自分事として実践し、区内全体に活動の輪を広げていこうという区民運動でございます。現在、この運動の始動に向けて準備を進めているところでございますが、既に区内で省エネルギーや省資源に関する取り組みを実践している団体、事業者の皆様に活動への賛同をお願いし、2月20日現在、36団体の皆様から賛同登録をいただいております。これらの事業者の皆様には、みずからの取り組みを強化、また、地域のリーダーとしておおたクールアクションの推進にご尽力いただくこととしております。本事業のキックオフイベントとして、おおたクールアクションのつどいを開催する予定でございます。来年度の事業につきましては、ご賛同いただいた団体、事業者のスキルアップを目的とした活動報告会などとともに、賛同団体協働による普及啓発活動を実施してまいりたいと考えております。なお、賛同いただいた団体や活動情報は区のホームページ等にて掲載し、区民の皆様に情報提供してまいります。
次に、エシカル消費の視点によるおおたクールアクションの展開についてのご質問ですが、エシカル消費は、人や社会、環境に配慮した消費行動として、これまでも消費者教育の一環として消費者生活センターにて普及啓発に取り組んでまいりました。環境清掃部といたしましても、各種セミナーや啓発用のリーフレットを通じて省エネルギーや省資源、環境配慮製品の購入、いわゆるグリーン購入など、エシカル消費に含まれる環境配慮行動を促す取り組みを進めているところでございます。日々の暮らしの中で地球環境を意識し、みずから行動していただくことこそ地球温暖化対策を推進するうえで重要であり、まさにおおたクールアクションにつながるものと考えております。
エシカル消費は、日々の生活に欠かせない買い物という消費行動によってSDGsに貢献できる取り組みやすい行動であると認識しております。おおたクールアクションが大きな区民運動となるよう、ご提案のエシカル消費の視点も取り入れ、一人でも多くの方に実践、行動をいただくためのわかりやすい周知・啓発に取り組んでまいります。私からは以上です。
○岡元 副議長 次に、50番奥本有里議員。
〔50番奥本有里議員登壇〕(拍手)
◆50番(奥本有里 議員) 大田区議会都民ファーストの会、奥本有里です。
大田区における受動喫煙対策についてお伺いいたします。
いよいよ本年4月より国の改正健康増進法と東京都受動喫煙防止条例が全面施行されることになります。大田区においては、大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例とあわせて、喫煙に関する三つの法令が施行されます。あと約1か月を目前に、区内では取り組みを強化し、国や東京都と連携した周知活動が展開されていることと思います。国の改正健康増進法と東京都受動喫煙防止条例では、基準を満たした喫煙専用室を設置している飲食店を除き、原則屋内禁煙となります。昨年7月には学校や病院、行政施設などの第一種施設が敷地内全面禁煙となりました。昨年9月より第二種施設である飲食店の店頭表示義務が課せられております。
区内には約6000件以上の非常に多くの飲食店が存在します。対象となる区内飲食店の店頭表示義務の現在の進捗状況について教えてください。また、飲食店だけでなく、ホテルや事業所に対して大田区はどのように取り組まれてきたのでしょうか。
全ての店舗、事業所が店頭表示義務を果たせるようにするために、区は今後どのように取り組まれるのかお知らせください。
WHO(世界保健機関)の2017年の報告では、たばこが原因で世界で毎年700万人が亡くなっており、そのうち89万人が受動喫煙が原因で死亡しているとされています。また、健康を悪化させ、医療費の負担も増えており、経済的損失は155兆円に上ると指摘しています。2005年、WHOは、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約を定め、その中で受動喫煙防止、たばこの広告の制限、未成年者へのたばこの販売禁止などを定めています。この条約により、世界各国では屋内全面禁煙化が進められてきました。2005年当初より日本もこの条約を締結しています。
しかし、日本での受動喫煙に対する法整備は遅く、2016年、WHOは、受動喫煙防止に関する法整備がないことなど、三つの項目で日本を世界最低レベルと評価をしました。2018年12月時点で181か国がたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約を締結し、世界中で受動喫煙防止のための法整備がされてきました。法整備により、原則、屋内全面禁煙とした国は既に55か国を超えています。
IOC(国際オリンピック委員会)は、WHO(世界保健機関)と協定を結び、たばこのないオリンピックの実現を目指しています。近年行われた開催都市は原則屋内禁煙となっており、日本も受動喫煙対策の法整備が求められてきました。日本では、サイゼリヤやすかいらーくなど大手ファミリーレストランなどが条例施行よりも早く独自に全面禁煙を実施しています。飲食店の禁煙には、喫煙者の客足が減り、売り上げが下がるという一部の反対の声もありますが、逆に企業イメージの向上や女性客、ファミリー世帯の客数が増えたという声も寄せられ、飲食店にとってメリットもあるようです。
受動喫煙防止条例は2010年に神奈川県で初めて施行され、その後、東京、兵庫、広島、静岡、千葉、大阪、愛知などでも条例が可決されています。2020年、国の改正健康増進法と東京都受動喫煙防止条例の全面施行により、ようやく日本でも原則屋内禁煙が施行されます。この二つの条例はいずれも屋内禁煙を規定していますが、国の改正健康増進法では100平米未満の飲食店は規制の対象外となっており、対象となる飲食店は全体の45%にとどまっています。東京都受動喫煙防止条例では、従業員を雇っている全ての飲食店が対象となり、全体の85%の飲食店が対象となります。喫煙できる場所として定着しているスナックやバー、ナイトクラブ、パチンコ店も全面禁煙となり、喫煙するには店内に喫煙専用室を設置しなければなりません。たばこを吸うことを目的としているシガーバーなどは、主食を提供しないことや未成年者を立ち入らせてはいけないことを表示すること、従業員を雇っていないことを条件に、一部規制の対象外となっています。
そこで伺います。区の指導員が繰り返し指導に当たっても店頭表示義務に従わない悪質な店舗にはどのように対処をされる予定でしょうか。また、罰則を伴うことはあるのでしょうか。
店頭表示義務の指導のために区の職員が区内の飲食店の立入調査、指導をすることはこれまでにない取り組みです。この条例がなければ実施されることはなかったと思います。巡回することで今までなかなか立ち入ることができなかった違法営業の取り締まりや抑止力にもなると思います。実際に指導に当たる職員は非常に大変な労力だと思いますが、区民の健康を守るためにぜひ頑張っていただきますよう、お願いいたします。
続いて、屋外における喫煙マナーと路上喫煙禁止エリアについて伺います。
大田区は、大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例を定め、屋外における喫煙の禁止事項をさらに明確にいたしました。この条例は、屋外における喫煙マナーを定めた先進的事例として高く評価できるものであります。本年4月より受動喫煙防止条例と同時に施行されます。大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例では、区内全域の歩きたばこ、ポイ捨て、自転車運転中の喫煙の禁止、区内全ての公園での喫煙が禁止となります。努力義務ではありません。子どもの遊び場である公園内には喫煙所を設置しないことになっております。しかし、区内公園にはその注意喚起があまり見受けられません。喫煙所を設置しないことで逆に吸い殻のポイ捨てが増えないよう取り締まる必要があります。この条例を知らない方がいないように、禁止事項の表記やアナウンスが必要と考えますが、今後どのように周知をされていく予定でしょうか。現在、公園内に置かれている灰皿や喫煙所は撤去することになっておりますが、整備計画とあわせて教えてください。
次に、路上喫煙禁止エリアの指定に関してです。大田区では、蒲田駅東西口に加え、京急蒲田駅、雑色駅、大岡山駅、大森駅の駅周辺の道路を路上喫煙禁止エリアに指定し、喫煙所も整備すると伺っております。現在、区が設置している公衆喫煙所は、蒲田駅東西口に各1か所、大森駅東口に2か所、うち1か所は閉鎖型を設置する計画があります。今後、区が整備する喫煙所は可能な限り閉鎖型にするとのことは、受動規制防止のためには非常に喜ばしいことです。しかし、パーテーション型に比べ、閉鎖型喫煙所の維持管理費用は年間1000万円とも言われております。夜間の施錠をする必要もあり、人件費もかかります。長年設置していけば、区の財政負担は大きくなります。
2020年1月に厚生労働省が発表した2018年の日本の喫煙率は17.8%となっています。今後、区が閉鎖型の喫煙所を設置していくことは評価できますが、区民の健康を守るため、今後、喫煙率をさらに下げることを目標としているので、利用者の減少も考慮し、必要以上に喫煙所を設置しないことも考えなければいけません。
東京都では、子どもを受動喫煙から守る条例を2018年4月に施行し、いかなる場所においても子どもを受動喫煙させることのないように努めなければならないと規定を設けています。大田区内でも通学路や子どもが集まる公園、学校周辺の路上でも努力義務の対象となっております。しかし、努力義務が必要なエリアにその表記が足りません。対象エリアには、「ここは子どもたちの通学路です。路上でたばこを吸わないようにしましょう」といった具体的でわかりやすい啓発が必要です。大田区内にも電車に乗って学校に通う未成年の子どもたちがたくさんいます。全ての駅周辺の道路は子どもたちが通学で使う通学路と捉え、路上喫煙しないよう努めるべきだと思います。
喫煙マナーに関する区民の意識は徐々に高まりつつあるように感じられます。しかし、いまだ歩きたばこやポイ捨て、路上喫煙に関する区民からの苦情は絶えません。歩きたばこの多い住宅街、駅周辺や学校周辺道路の路上の取り締まりはどのように行っていかれるのでしょうか。
また、区民から屋外での喫煙に関する苦情や私有地に設置している喫煙所について、区はどのように対処をされていくのでしょうか。お答えください。
都内では、本格施行を前に、飲食店が集中しているエリアを中心に、カウントダウンキャンペーンとして各自治体で様々な啓発活動の取り組みを行っております。大田区では、これまでにクリーンキャンペーンなどで喫煙マナー向上のための周知を行ってまいりましたが、より一層の周知のための取り組みが必要です。受動喫煙対策や喫煙率の減少は、東京だけでなく、日本全体、さらには世界全体で取り組むべき課題です。遅れてきた受動喫煙対策をまずは東京から、そして大田区から喫煙マナーのモデル地域となるよう進めていただきますよう、お願いいたします。
本年度はオリンピック・パラリンピックを控え、世界各国からアスリートや多くの観光客をお迎えします。大田区は国際都市おおたを掲げており、先進国基準の喫煙マナーが行き届いたまちとしてお迎えしていただきますようお願いいたします。以上で私の質問を終えます。ありがとうございました。(拍手)
○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。
◎今井 健康政策部長 私からは、この4月からの東京都受動喫煙防止条例等の全面施行に向けた対策に関するご質問にお答えいたします。
まず初めに、区内飲食店における店内の禁煙状況等をあらわす店頭表示の進捗状況です。令和元年11月以降、受動喫煙防止対策等指導員が区内にある約6000の飲食店を訪問し、店頭表示確認やチラシ配布等の啓発活動を行いました。その後、表示が確認できない店舗を中心に2回目の訪問を行い、現在3回目の訪問を行っているところです。その結果、店頭表示の増加につながり、11月時点の約1400件から1月の時点では約2000件に増えております。
また、ホテルや事業所に対する取り組み状況としては、令和元年6月1日号の区報及び区ホームページにより周知をし、7月1日からは相談窓口を開設し、相談や苦情などの問い合わせに答えるとともに、これまで大田区商店街連合会や行政指導講習会等に出席し、説明を行っております。
次に、全ての店舗、事業所が表示義務を果たすための今後の取り組みです。4月以降も区報や区ホームページでの広報に加え、受動喫煙防止対策等指導員が区内の飲食店を訪問し、店頭表示確認やチラシ配布等の啓発活動を強化いたします。また、6月には区内全ての店舗、事業所を対象とした受動喫煙防止対策に関する施設管理者向け説明会を開催する予定です。さらに、区の相談窓口にて区民からの通報を受け、施設管理者への啓発及び指導を徹底いたします。今後も様々な手段による屋内の環境整備をすることで、受動喫煙のない国際都市おおたにふさわしいまちづくりを進めてまいります。
最後に、悪質な店舗に対する対策ですが、法令に関する違反の状況を把握した場合には、まずは啓発により正しく制度を理解していただくとともに、適正に助言等を行うことで法令の違反状態を早期に是正するよう促します。法令の啓発や助言を行っても改善されない場合には書面等を交付し、指導等を繰り返し行います。それでもなお違反状態が続く場合には、勧告、公表、命令や過料徴収という行政処分を行う場合もあります。私からは以上です。
◎落合 環境清掃部長 私からは、大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例に関する三つのご質問にお答えいたします。
初めに、区内公園の喫煙禁止の周知についてのご質問ですが、本年4月の大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例の施行を踏まえ、区が管理している区立公園の灰皿につきましては、これまで撤去を進めており、現在、大規模公園について撤去予告の掲示を行い、3月末までに全ての公園の灰皿を撤去予定でございます。また、公園の禁煙表示についても順次実施しており、3月末までに表示する予定で作業を進めているところでございます。
区では、大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例成立以降、公園の禁煙を含めて条例の趣旨を区民の皆様へ周知するため、喫煙マナーアップキャンペーンの実施や区報、区設掲示板、ホームページなどによる広報に取り組んでまいりました。引き続き、電車及びバスの区内路線の車内広告や、在勤者に向けた企業への戸別訪問等を行うなど、あらゆる機会や媒体を活用して、屋外喫煙ルールの周知に取り組んでまいります。
次に、歩きたばこの指導啓発についてのご質問ですが、来年度、蒲田駅周辺や主要駅周辺に加え、新たに公衆喫煙所を設置予定の駅周辺での集中的な指導啓発を予定しております。主に人が多く集まる駅周辺を中心に指導啓発を実施することで、喫煙マナー向上を図ってまいります。また、住宅街や学校、児童福祉施設等の周辺については、所管部局や地域の皆様のご意見を伺いながら、喫煙マナー向上路面シートやステッカーの貼付、指導員による指導啓発について検討してまいります。
3点目の苦情や私有地の喫煙所についてのご質問ですが、これまでも私有地に設置している灰皿については職員が現地確認を行い、設置者に移動や撤去のお願いをしてまいりました。今後も同様の対応を行いながら、事業者に対しては条例の内容を説明し、特に喫煙していない区民等にたばこの煙を吸わせることがないよう、必要な環境整備を行うよう配慮を求めることや、従業員に対し喫煙ルールについて啓発を図ることを依頼してまいります。また、区民の皆様からの屋外での喫煙に関する苦情については、喫煙マナー向上の啓発物の貼付や掲示の依頼を行ってまいります。人が多く集まる駅周辺での苦情につきましては、喫煙防止指導員の配置日数を増加するなどの対応も検討してまいります。今後も粘り強く周知・啓発を実施することで、喫煙マナー意識の浸透を図ってまいります。私からは以上です。
○岡元 副議長 次に、41番庄嶋孝広議員。
〔41番庄嶋孝広議員登壇〕(拍手)
◆41番(庄嶋孝広 議員) 立憲民主党大田区議団の庄嶋孝広です。
今回のテーマは、一言で言うと、大田区の子どもたちの多様な学びの確保です。「多様な学び」というキーワードのもと、三つのことを順次取り上げます。
まずは、不登校児童・生徒の多様な学びの場の確保についてです。
不登校に関する施策は、ある法律で変わりました。今から3年前の平成29年2月14日に施行された義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、いわゆる教育機会確保法です。そのことは大田区議会でもこれまで取り上げられてきました。法の第3条に定める基本理念には、こうあります。「不登校児童生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援が行われるようにすること。」この一文のポイントは、多様な学習活動。フリースクールをはじめ、学校以外で行われてきた多様な学びが法で認められることになりました。
不登校の真の問題は学校に行かないことではなく、学校に行けないことに悩み苦しんでいるうちに、大切な学ぶ機会を失ってしまうことです。私も子育てに奮闘する親の一人ですが、我が子の不登校に悩む保護者仲間と話す中で、我が子や自分を責めるより、今、我が子にできる学びの形は何かを考えることが保護者として大事なのだと話し合っています。
もっとも、法の施行後も、実は文部科学省からは、学校復帰を前提とする通知が出されたままになっていました。そこで、法の附則に基づき、施行後3年以内の見直し作業が関係者の意見も踏まえて行われました。そして、令和元年10月25日に文部科学省より、「不登校児童生徒への支援の在り方について」の新たな通知が出るに至って、指導要録上の出欠の取り扱いの記述から「学校復帰」の文言が削除され、支援の目的は「社会的な自立」であることが明確にされました。
そこで伺います。不登校児童・生徒に対する支援の目的を「学校復帰」から「社会的な自立」に変える今回の通知が出たことにより、大田区教育委員会として出席扱いのガイドラインや適応指導教室「つばさ」の運営について、どのような対応を行いましたでしょうか。
さて、学校外の学びの場には、教育支援センター、当会派でも視察した東京シューレ葛飾中学校などの不登校特例校、フリースクールなどの民間施設、ICTを活用した学習支援などがあります。そのうち、不登校児童・生徒への支援の中核とされているのは教育支援センターです。大田区では、適応指導教室「つばさ」の池上、蒲田、羽田、大森の4教室になります。退職校長・副校長が務める相談員、また、心理相談員により、きめ細やかな相談、指導がなされていることは、先日、当会派で池上教室を視察した際にも理解したところです。もっとも、つばさに通うのも難しい児童・生徒がいることも事実です。その場合、民間施設やICT活用などが学びの選択肢として重要になってきます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━お子さんが学校に行かなくなったという保護者の方から電話相談がありました。「ずっと自宅にいては社会との接点や経験の機会が限られるので、日中に過ごせる場所はないだろうか」とのことでしたので、区内のフリースクールに相談してみてはとつないだ経験があります。不登校のあり方は本当に様々ですので、その子どもに合った学びの機会を見つけるには、民間施設が充実していることが重要と考えます。また、その情報を不登校児童・生徒やその保護者が得やすくなっていることが重要です。学校や教育委員会の場合、公平さへの配慮も必要なため、特定の民間施設を紹介するのは難しいと思いますが、区内各校で指導要録上の出席扱いをした実績のある民間施設については、情報提供する仕組みがあるとよいと考えます。
そこで伺います。学校外の民間施設としてどのような施設が利用されていますか。また、大田区の地域力を活かす意味でも、学校外の民間施設について、不登校児童・生徒及びその保護者への情報提供、民間の団体等と連携した支援の充実をより積極的に行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。
ここまで民間施設について取り上げてきましたが、教育機会確保法ではフリースクールのような民間施設に通うに当たっての経済的な支援を位置づけていないため、経済的な負担の問題が残ります。そのため、学校そのものが多様な学び方を認めることも重要になってきます。
先日、当会派で横浜市立中川西中学校に伺い、校内フリースクールとも言うべき取り組みを視察してきました。通常の教室から離れた場所に専用の教室を設け、学校独自の判断で正規教員を担任として配置し、担任以外の教員、地域や学生のボランティアなどの協力者をコーディネートしながら運営されています。自分に合わせた登校や学習ができることで、生徒一人ひとりの欠席日数が減る成果が出ているとのことでした。
一方、大田区でも不登校対策について成果を上げている取り組みがあります。平成30年度、令和元年度に大森第三中学校が教育研究推進校として行った「豊かな心と確かな学力を育み、不登校を未然に防ぐための学校体制づくり」です。2月12日に行われたおおたの教育研究発表会でも発表されました。平成28年度には全校生徒の7%台が不登校状態と東京都平均の約2倍であったのが現時点では1%台後半まで下がったという成果が報告されました。取り組み内容として、副担任による生徒の登校確認や家庭連絡、教員全体での生徒の情報共有、校内と地域連携の二つの支援委員会の開催、また、不登校対策事業実施校として通常より1日多いスクールカウンセラーの3日配置などが紹介されました。私は、大森第三中学校のPTA会長でもありますので、校長にもう少し詳しく話を聞いたところ、別室登校している生徒に授業風景の様子を、いわばライブ中継して、別室でも授業を受けられるようにする環境も整えていたとの話でした。生徒の状況に合わせた学び方に柔軟に対応できる例と言えます。
そこで伺います。大森第三中学校が行った不登校対策の研究から、他校にも応用できるどのような研究成果が得られたでしょうか。また、児童・生徒の状況に合わせて登校や学習ができる工夫も必要と考えますが、学校としてどのような対応が考えられますか。お答えください。
次に、多様な学びの場としての館山さざなみ学校についてです。
まずは昨年9月9日の台風15号で施設が大きな被害を受けた後、2か月後の11月10日に学校を再開できるまでにしていただいた教育委員会職員並びに館山さざなみ学校の教職員の努力に感謝申し上げます。
館山さざなみ学校は、小学校のPTA会長をしていたころに訪れ、議員になった昨年、区外施設見学で久しぶりに訪れました。少人数での学び、館山での自然環境を活かした体験、館山の地域コミュニティの中での交流など、多くの学びがあることが見てとれました。体育館で見せていただいた劇、ダンス、歌を交えた「私たちのさざなみ」という表現活動の中で、区内の学校に通えていなかった児童が館山さざなみ学校に入ることになり、最初は家族と離れて暮らすのが不安だったけれど、他の児童と一緒に生活しながら楽しく学んでいるという自分の体験をもとにした役を演じ、「館山さざなみ学校があったから頑張れた」と言っていたのがとても印象的でした。
そこで伺います。館山さざなみ学校の教育には、児童の体の健康のみならず、自己肯定感など心の健康にもたらす効果もあり、区内の学校とは異なる学びの価値があると考えますが、いかがでしょうか。
最後に、医療的ケアが必要な児童・生徒の学びの確保についてです。
医療的ケア児については、過去に押見隆太議員がたびたび取り上げていらっしゃいますが、令和元年6月に策定されたおおた教育ビジョンにおいて、初めて医療的ケアの必要な児童・生徒への支援の事業が入ったことから、今回取り上げます。以前であれば助からなかった超未熟児や先天的な疾病を持つ子どもたちが医療技術の進歩によって助かり、たんの吸引、経管栄養注入、人工呼吸器管理などの医療的ケアを医療職ではない家族などから受けて生活しています。寝たきりの重症心身障がい児で医療的ケアを必要とする子ども、歩けるし、知的障害もないけれども、医療的ケアが必要な子どもなど幅があり、特に後者の場合は、従来の障がい児に当てはまらないため、支援の制度がないのが現状です。
今月初め、医療的ケア児に関する第一人者である医療法人財団はるたか会理事長の前田浩利医師の講演を聞きました。前田医師が語った「医療的ケア児は想定外とされ、社会にいないものとされてきた。そのため人権がない」という言葉は衝撃的でした。あわせて、全国医療的ケア児者支援協議会の会員である医療的ケア児を持つ保護者の方々からもお話を伺いましたが、家族の負担を支える十分な仕組みがないのとともに、保育園や学校に受け入れてもらえず、子どもの学ぶ機会、親の就労の機会を奪われている現状が語られました。
そこで伺います。現在、大田区には医療的ケアを必要とする児童・生徒はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。また、小中学校で学ぶに当たり、家族に負担をかけない形で学べるよう、どのような支援を受けることができますか。お答えください。
令和2年度予算案には「新しい世代の礎となる予算」とのタイトルもつけられ、子育て・教育の充実に係る予算も多く計上されています。大田区の子どもたちの多様な学びの機会が確保され、おおた教育ビジョンがうたう「未来を創る力」が育つような施策を改めて要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。
◎後藤 教育総務部長 私からは、不登校など教育にかかわる五つのご質問に順次お答えいたします。
初めに、不登校児童・生徒の出席扱いのガイドラインと適応指導教室「つばさ」の運営についてのご質問です。不登校児童・生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童・生徒がみずからの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があると考えております。
教育委員会では、令和元年9月24日付けで「大田区立学校における不登校児童・生徒の出席の取扱いガイドライン」を各学校に通知しておりましたが、その後、令和元年10月25日付け、文部科学省からの通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」を受け、令和元年12月20日に区のガイドラインの改訂版を作成し、改めて学校に登校するという結果のみを目標にすることがないよう、各校に通知したところでございます。
なお、適応指導教室「つばさ」に登校している児童・生徒につきましては、当初のガイドラインにおいても既に出席扱いにするとしております。今後も適応指導教室「つばさ」では、児童・生徒がみずからの進路を主体的に捉えて社会的な自立を目指すことができるよう、一人ひとりの状況に応じた丁寧な進路指導、学習指導に力を入れてまいります。
次に、不登校児童・生徒が利用する民間施設についてのご質問ですが、教育委員会では、教育センターの相談業務などを通して、不登校児童・生徒の一部に、いわゆるフリースクールや学習塾、区内の学習支援団体が実施している学習の場など、学校外の民間施設に通っている実態を把握しております。また、近年では、不登校のお子さんがいるご家庭に家庭教師を派遣する事業者もあると伺っております。不登校児童・生徒の中には学校に行きたくてもどうしても学校に足が向かない、人間関係をうまく築くことができず、集団に加われない、自分のペースで勉強したいというお子さんがいます。このように様々な状況のお子さんがいる中で、その子に合った多様な学びの機会が求められるようになったと認識しております。今後も教育委員会として教育機会確保法などを踏まえ、様々な不登校児童・生徒の心理的状況に対応した多様な民間の学びの場につきましても積極的に情報収集を行い、可能な範囲で子ども本人や保護者に対する情報提供に努めてまいります。
次に、大森第三中学校の教育研究推進校としての研究成果と、児童・生徒の状況に合わせた学校としての対応についてのご質問ですが、大森第三中学校の研究では、生徒の状況に応じた必要な支援が行われるよう、校内における環境整備や遅刻や登校していない生徒に対しても学校全体で把握するなど、組織的な対応を行いました。これらの取り組みにより、不登校、いじめなどの心配のある生徒の早期発見、早期対応に効果を上げることができました。
さらに、不登校生徒に対応するための校内支援委員会の体制を充実させるとともに、地域の民生児童委員、スクールソーシャルワーカー、登校支援員等で構成された地域連携支援委員会を定期的に開催することにより、個に応じたきめ細やかな支援につながりました。これらの大森第三中学校での研究成果は、他校におきましても十分に応用できると考えております。
なお、教育委員会では、各学校が不登校児童・生徒の一人ひとりの状況に合わせた登校や学習支援ができるよう、今年度の不登校対策事業実施校の成果を踏まえ、これまでの登校支援員に加え、養護教諭補助につきましても、来年度から全小中学校を対象として配置する予定でございます。
次に、館山さざなみ学校に関するご質問ですが、館山さざなみ学校は、温暖な気候と澄んだ空気に恵まれ、自然豊かな房総の地での楽しい活動や体験を通じ、体の健康のみならず、多くの児童の心を癒やし、健やかに育んできたと認識しております。現在、23名の児童が在籍し、日々の規則正しい生活、バランスのとれた食事と積極的な運動などの取り組みによりまして、各自が健康課題の克服のため、精神力や実践力を養っているところでございます。
なお、教育委員会といたしましては、平成25年の「大田区立館山さざなみ学校の今後のあり方に関する報告書」に示されました方向性を踏まえ、今日の児童を取り巻く社会状況を十分に考慮しながら、在籍児童の受け皿のあり方も含め、引き続き検討を進めてまいります。
最後に、医療的ケア児の支援に関するご質問ですが、区立小中学校には、令和2年1月現在で呼吸器疾患や歩行障害などにより、13人の児童・生徒が何らかの配慮が必要な状況にありますが、いずれも看護師の配置が必要なケースではなく、通常の学級に通うことができております。また、令和2年度の入学予定者につきましても、就学相談や直接学校に相談があった事例なども含め、現時点で学校に看護師を配置して医療的ケアを行う必要がある児童・生徒はおりません。教育委員会では、今後も就学相談などの機会を捉え、医療的ケアが必要な児童・生徒の把握に努めるとともに、保護者が抱いている不安などを丁寧にお聞きし、学校が行える配慮事項について確認してまいります。
また、年度の途中で対象となる児童・生徒の転入があることも想定し、令和2年度においても学校に看護師を柔軟に配置できる体制をつくってまいります。今後もおおた教育ビジョンでお示ししたとおり、児童・生徒に寄り添いながら医療的ケア児の受け入れに適切な対応が行えるよう、学校や関係部局との連携をさらに進めてまいります。私からは以上です。
○岡元 副議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。
午前11時41分休憩
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午後1時開議
○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質問を続けます。1番田中一吉議員。
〔1番田中一吉議員登壇〕(拍手)
◆1番(田中一吉 議員) 自由民主党大田区民連合の田中一吉でございます。質問通告に従い、順次質問いたします。関係理事者の皆様には、積極的、かつ、わかりやすいご答弁を求めるものであります。
まず、本区の行財政運営についてお伺いいたします。
令和として初めての新年がスタートいたしました。昨年は平成から令和と元号が変わり、日本は新しい時代を迎えた年となりましたが、米中貿易摩擦の激化の影響や年末年始を挟んだ中東問題による緊張など、1年を通して世界が目まぐるしく動いた年でもありました。
経済面では、IT関連や資本財を中心に日本の輸出が低迷し、国内の生産活動の停滞にもつながり、雇用環境については良好に推移していたものの、働き方改革などによる労働時間の縮小が所得の鈍化につながるなどの影響が出たとも言われました。また、10月に実施されました消費税の増税に際しては、軽減税率やポイント還元などの様々な対策が組まれ、本区におきましても商品券を発行するなどの緊急対策が組まれた結果、物価の上昇を通じた実質的な所得の減少は緩和されたとも言われておりますが、国民生活においても大きな変革があった年でもあります。
こうした中で、松原区長は令和2年度予算を編成したわけで、非常にご苦労されたのではないかと拝察をいたしております。特に心配をしておりましたのは、国の税制改正に伴う歳入の確保であります。特別区は基礎的自治体としての力は都区制度改革を通じて徐々についてきているとは存じますが、いまだ十分ではなく、その過程の中で国の税財政改革の影響をまともに受けているものと思います。
そこでお伺いいたします。現在、こうした税制改革などの影響を大田区はどのぐらい受けているのか。また、令和2年度予算の中で大きなウエートを占める区民税や特別区交付金、譲与税等の歳入予測についてどのように考え、歳入減に対してはどのように対応していくとお考えか、お知らせいただきたいと存じます。
人生100年時代と言われております。少子高齢化が進む中で、ソサエティ5.0の実現や社会保障制度のあり方も問われております。大田区の人口は増えており、人口減少を迎えている多くの自治体とは抱えている問題は異なるかもしれませんが、高齢者人口は着実に増えており、それらに伴う多くの課題が生じていると存じます。元気なうちはできるだけ生きがいを持って働いていける環境づくりも重要となってまいります。そのためには、まず健康を維持していくための政策に取り組んでいくことが重要であります。国民健康保険者は減少傾向にある一方で、後期高齢者の被保険者は増加し、医療を受ける機会も年齢とともに増える傾向にありますが、しっかりとした健康政策に取り組んでいくことが区民にとっても、大田区にとっても好ましい結果をもたらすことは間違いありません。
子育て、高齢者福祉は、基礎的自治体にとって非常に重要な取り組みであり、人口構成の変化や国の施策に対応していくには、これらの予算が増えていくものと思います。財源が限られた中で、これらにかかる予算は、扶助費として人件費と同様に義務的経費に含まれ、必ず負担していくことになります。
これまで、私は本区の行財政改革に取り組んでまいりました。事務事業の適正化にも取り組んでいただき、職員数の削減を行い、人件費の構成比も下げていただきました。私が過去に本会議等で指摘をさせていただいた現業職等を含めた事務改善に着実に取り組まれていることを高く評価し、今後とも着実な取り組みをお願いしておきたいと存じます。
こうした中、新年度は、非常勤の職員等が会計年度任用職員制度に移行になります。そして、働き方改革などを進めていく中で、職員はより能力を発揮し、効率的で効果的に職務を遂行していくことが求められていくものと存じます。今後、会計年度任用職員をどのような立場で活用していくのか、また、職員力を高めていくために区はどのようなことに力を入れて取り組んでいかれるのか、お聞かせいただければと存じます。
さて、AIなどICT技術の加速度的な進展には驚かされます。行政機関でもICTの活用による効率的、効果的な行政サービスや災害時対応が進められております。私は、AIやICTなどの活用については、それが有効であれば積極的に導入し、より効率的な行財政運営に取り組んでいくべきものと考えております。こうしたICTの導入には、個人情報の保護やサイバー攻撃などからデータを守るなど、様々なセキュリティ対策が重要になってまいります。
一方、働き方改革を進める中で、先に申し上げたとおり、行財政運営そのものの見直しも継続していくことが求められます。このように、社会全体が大きな変化をしていく中で、現状の組織、人員で行政需要全てをカバーしていくことは困難であります。行政組織が持つ人的資産、情報を有効活用するとともに、リスクに対する意識も高めながら、組織運営をより高度なものにしていくことが求められると存じます。そのためには、先ほど質問した職員の能力を高め、組織として強い職員力を持つとともに、業務プロセスの見直しなどとあわせて民間活力の導入や官民連携、そしてICTなどを有効活用するなど、情報化を推進し、生産性の高い区役所を目指していく必要があると存じます。
そこでお伺いいたします。大田区の情報化推進のあり方についてどのように考えているのか。今後、どのようにICTなどを活用し、情報化を推進していくのかお聞かせいただきたいと存じます。
次に、産業人材の育成について伺います。
大田区は、ものづくりのまちであると同時に、近年では物流、運輸、サービス、福祉など、あらゆる産業が区内経済を支えております。こうした中で、産業界からよく人材不足のお話をお聞きいたします。全国の中小企業に共通する問題の一つである人材不足、その主な原因は、若者が企業の存在を知らない、企業がどのような仕事をしているのかわからないといったものが挙げられるとお聞きしました。これまでもものづくり集積の強みをうたってきた企業や建設業界の話をお聞きしても人材が集まらないというのが今日の課題であると思っております。
例えば大田区のものづくりで言えば、将来の社会を担っていく子どもたちが地域に住み、ものづくりに従事してくれるような環境をつくっていく、ものづくりの格好よさを子どもたちに見せる、あるいは気づかせる、そうしたキャリア教育も重要だと考えております。
大田区教育委員会の教育目標では、「自らの可能性を伸ばし、未来を拓き地域を支える人」の育成を目標の一つに掲げています。この考え方を踏まえ、昨年の6月に策定したおおた教育ビジョンでは、技術革新やグローバル化の急激な進展など、社会を取り巻く環境は激しく変化し、今後ますます複雑かつ予測困難な社会が到来する中、子どもたちが希望を持って未来社会を力強く生き抜いていくためには、子どもたち自身が社会の変化に柔軟に対応し、豊かな感性を活かし、未来社会を創造的に生きようとする意欲や資質、能力が備わることが重要であるとうたっています。
さらに、教育基本法の第1条には、教育の目的として、社会の形成者としての資質・能力の育成が掲げられています。先ほども触れましたが、今後訪れる社会がどのような社会になるのか予測することは困難ではあります。しかし、子どもたち自身が人と人とのかかわりの中で幸せや豊かさを実感できる社会を目指すことが必要であり、キャリア教育の目的はここにあると感じています。子どもたちが現実社会を理解し、体験しながら新たな価値を創造するという人間ならではの資質、能力を活かし、主体的に未来社会を創造する力を身につけることがキャリア教育において最も必要な要素であると理解しています。
そこでお伺いいたします。教育委員会で取り組まれているキャリア教育に関する基本的な考え方、今後の方向性についてお聞かせいただきたいと存じます。
キャリア教育というと、中学生の職場体験をイメージする方も多いと思いますが、職業観といいますか、将来の夢を描くのは中学生というよりは、むしろスポーツ選手などに憧れを抱く小学生の時期に、勤労観、職業観を描く授業をすることが肝要かと思います。世界的に活躍している選手のインタビューをテレビで拝見すると、小学生のときの夢を実現したとか、小さいときに親から勧められて始めたといったことを聞きます。鉄は熱いうちに打てではないですが、一番感受性が高く、また柔軟性の高い小学生の時期からキャリア教育を行うことは非常に大事であると感じているところであります。
現在、小中学校で行っているキャリア教育の目的や具体的な取り組み、そしてその成果についてお聞かせいただきたいと存じます。
1月18日にものづくり教育・学習フォーラムがPiOで開催され、たくさんの子どもたちや保護者でにぎわったと聞いております。小中学生の作品展示はもとより、研究発表や大田区工業連合会等の方々の協力によるブースもあり、大田区らしい未来のものづくり人材を発掘するきっかけにもなっているのではないかと参加された方からお聞きをいたし、頼もしく感じたところであります。
世界の産業を支える高度先端技術の集積地である我が大田区の地域資源である町工場の技術をキャリア教育の中で活かし、教育施策を進めていくことは、地域の中で成長していく子どもたちにとってもかけがえのないものになると感じます。大田区らしいキャリア教育の一環として、大田区のものづくりそのものを教材にした授業展開も考えるべきだと思いますが、お考えをお聞かせいただければと存じます。
今回、リチウムイオン電池でノーベル賞を受賞された吉野先生を技術力の部分で支えたのが区内のものづくり企業であったとお聞きしました。教育という視点からも大田区の技術を発信し続ける次なる世代づくりを期待したいと思います。
次に、区立小中学校の移動教室についてお伺いします。
区立学校では、小学5年生が伊豆高原学園、小学校6年生が休養村とうぶ、中学校1年生が野辺山方面で実施しています。校外学習、いわゆる移動教室は、自然に親しみ、日ごろできない大自然の中で学習すること、高原での生活を通して心と体を鍛えること、寝食をともにする集団生活の中から、協力、規律のあり方を学ぶことという成長期の子どもたちにとって大変重要な学習機会となっています。
他区や他自治体の移動教室の実施状況を見てみますと、大田区のように小学校5年生から中学1年生までの3年にわたって実施している自治体は少なく、移動教室を重要視されていることが伺えます。その中で中学1年生の移動教室は、現在、民間施設を活用して実施されております。これは、一昨年、教育委員会が学園の委託事業者による安定的な業務履行が難しいと判断し、やむを得ず野辺山学園での移動教室の実施を中止し、民間施設での実施となったと理解しています。
そこで、今年度の民間施設を活用した移動教室はどのような状況であったのか、また、今までと同様の学習成果が得られているのか、費用面ではどのような状況なのか、教育委員会としての評価をお聞かせいただきたいと存じます。
さらに、野辺山学園の今後について伺います。長野県南佐久郡南牧村から土地を借地としてお借りし、区の建物として所有している野辺山学園ですが、今後も民間施設を活用した移動教室を継続していく場合は、学園は使用しないことになります。使用しないまま所有すると、借地代はもとより、建物の維持経費がかかることになります。教育委員会として今後、野辺山学園での移動教室を再開するのか、今後の方向性について現時点での考え方をお伺いできればと存じます。
私自身、35年前の昭和60年第1回定例会一般質問において、移動教室や林間学校の有用性を訴えさせていただくとともに、当時林間学校を実施していなかったおなづか小、矢口東小、仲六郷小の校名を挙げ、実施を求めたところ、その年の夏から全校で実施され、今日に至っていると承知をいたしております。いずれにいたしましても、移動教室や林間学校の内容の拡充、充実は子どもたちにとって大変重要であり、教育委員会の取り組みを高く評価するとともに、さらなる充実に努めていただくことを改めてお願い申し上げておきたいと存じます。
結びに、蒲田のまちづくりについて伺います。
いよいよ東京オリンピック・パラリンピックの開催まで150日となりました。蒲田は東京オリンピック・パラリンピックを控え、ポテンシャルが一段と高まる羽田空港から東京圏北西部を結ぶ新空港線軸と、品川方面、横浜方面を結ぶ東海道軸の重要な交通結節点として、大田区にとっても東京にとっても重要な中心拠点であります。
しかしながら、品川や武蔵小杉、川崎などの周辺都市が再開発に合わせて大きく変貌する中、蒲田駅周辺は航空法の高さ制限などの制約があることから、東西の駅舎、駅ビルを含めて駅周辺には古い建物も多く存在し、まち自体の機能更新が進んでいない状況にあります。このままでは、蒲田は周辺都市に取り残されて埋没してしまうのではないかという危機感が地域にはございます。
現在、蒲田東口駅前では民間の再開発の気運が高まっており、西口でも同じような気運が高まりつつあります。昨年の第3回区議会定例会における我が会派の質問に対して松原区長からは、「鉄道とまちづくりは一体的に進める必要があり、蒲田のまちづくりを考えるうえで新空港線は大きな契機となることから、早期整備実現に向けて先頭に立って進める」という力強い答弁がありました。また、区議会でも蒲田のまちづくりを行うには新空港線が必要不可欠であることから、第3回区議会定例会で「蒲田駅周辺のまちづくり等に関する意見書」を議決し、昨年の11月に塩野目議長、岡元副議長をはじめ、各会派の幹部が東京都を訪れ、筆頭副知事である長谷川副知事に都知事宛て意見書を手渡すとともに、石川都議会議長にも意見書を手渡し、区議会の思いを伝えてきております。まさに今こそ蒲田のまちの将来を見据えた周辺都市にも負けない持続可能なまちづくりを目指すべきときであると存じます。
このように、区と区議会が連携しながら新空港線を大きな契機として蒲田のまちを大きく変える千載一遇のチャンスが今だと考えますが、区としてまちの機能更新をどのように進めようとしているのかお伺いいたします。
中長期のまちの将来像を考えるに当たっては、蒲田駅周辺の歩行者環境の改善や交通結節点機能の向上を図るほか、駅周辺は駅前再開発を含めたまちとの一体性や連続性が必要であり、全ての利用者が快適に利用しやすい環境にならなければならないと存じます。そのためには東西自由通路の整備が効果的であると考えております。
区は、昨年の第4回定例会の一般質問の中で、東西自由通路を蒲田駅周辺の大きな課題として挙げており、「鉄道事業者と来年度以降、基礎調査を行えるよう、鋭意協議していく」との答弁がありました。現在の東西通路は、朝夕のラッシュ時には明らかに歩行者の通行量が多く混雑しており、通路の幅員も十分ではないと思われます。災害時のことを考えれば不安もございます。早急に東西通路のあり方についても方向性を出していただきたいと存じます。東西自由通路の検討に向けて基礎的な調査を実施できる目途はついているのか、具体的にはどのような状況なのかお伺いいたします。
昨年は中防の帰属問題、そして羽田空港跡地のまちづくり、新空港線の早期整備と沿線のまちづくりなど、長年の懸案に大きな動きがございました。これらの動きに加え、令和2年は、大田区にとっては教育、子育て、福祉、防災など、様々な課題の解決に向け、将来を見据えた新たな成長軌道に乗せるためのしっかりとした基盤をつくるべき年であると存じます。松原区長の強いリーダーシップで職員が一丸となり、大田区の発展のためにご尽力いただくことを願い、質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 私からは、2問の質問にお答えをさせていただきます。
まず、歳入に関するご質問でございますが、不合理な税制改正による大田区の影響額につきましては、特別区民税は、ふるさと納税による減収分として、令和元年度の減収額マイナス26億円から6億円減のマイナス32億円となる見込みでございます。特別区交付金は、平成28年度の税制改正による法人住民税の国税化の影響が令和2年度から大きくあらわれることにより、令和元年度の減収額マイナス54億円から、さらに24億円減のマイナス78億円、また、地方消費税交付金は、清算基準の見直しによる影響による令和元年度の減収額マイナス28億円から、さらに14億円減のマイナス42億円となります。不合理な税制改正による影響額といたしましては、合計がマイナス152億円に及ぶ見込みでございます。
一方で、特別区民税は、納税義務者の増などの影響で前年度比約18億円増、地方譲与税につきましては、自動車重量譲与税、森林環境譲与税等で前年度比約8000万円増、財政基金繰入金を約6億円の増とし、歳入額全体で前年度比約55億円増の2873億円余となってございます。今後も不合理な税制改正が大きく影響し、予断を許さない状況が続くものと見込んでございます。
こうした状況を踏まえ、引き続き財政基金や公共施設整備資金積立基金を有効活用するほか、特別区債の活用を適時適切に図るとともに、国や東京都が進める新たな施策による補助金の動向を注視し、必要な財源の確保に努めてまいります。また、事業の見直しを適宜行い、限られた財源を効果的、効率的に活用することで、多様化する区民ニーズに対応してまいります。引き続き、健全な財政運営を進め、区民の皆様が住み続けたくなる魅力的なまちづくりの実現に向けて積極的に取り組んでまいります。
次に、区の情報化推進のあり方に関するご質問でございますが、国はソサエティ5.0を掲げ、世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画において、国民が安全で安心して暮らせるデジタル社会の実現を目指すとしてございます。この計画では、行政手続きにおける電子化の徹底や業務改善に関しても掲げており、住民及び事業者の利便性向上のほか、行政職員の事務負担軽減などが示されております。
区におきましても、多様化、高度化する区民ニーズへの対応、業務効率化の一層の推進に向けて、この間、様々な角度からICTの活用に取り組んでまいりました。今日、情報化を取り巻く環境は大きく変化していることから、確かな先見性を持ち合わせた情報政策の展望をしっかりと描くことが必要になってございます。
このようなことから、持続可能な区政に向けて情報政策に取り組む区の基本的な考え方をお示しするため、このたび大田区情報化推進指針を策定いたしました。来年度におきましては、本指針を踏まえ、具体的な考え方や取り組みを体系的に取りまとめた(仮称)大田区情報化推進計画を策定する予定で、本区の情報化推進を一層進めてまいります。私からは以上でございます。
◎玉川 総務部長 私からは、会計年度任用職員の活用と今後の職員力向上に関するご質問にお答えいたします。
まず、会計年度任用職員ですが、これまでの非常勤職員や臨時的任用職員の任用面、処遇面を明確にした新たな任用制度です。昨年の第3回定例会におきまして関連条例の改正をご決定いただきまして、この4月からスタートいたしますが、保育や教育など幅広い区政の分野におきまして、約2500名の会計年度任用職員の採用を見込んでおります。今後、常勤職員のほか、会計年度任用職員や特別職非常勤職員、任期付職員等の多様な任用、勤務形態の職員を最適に組み合わせまして、効果的な行政サービスの提供を行ってまいります。
次に、職員力を高めるための取り組みですが、限られた人材、時間の中で着実に成果を出す働き方に転換していくためには、人事管理や配置管理、人材育成の適切な運用とともに、事務事業の改善、業務の効率化、そして職員の意識改革に取り組むことが重要でございます。こうした取り組みは職員の意欲を引き出し、能力の向上にも資するものがあると考えます。刻々と変化する区政課題に対しまして、強い使命感と責任を持って果敢に取り組む職員づくりを目指し、一層の職員力強化に取り組んでまいります。私からは以上でございます。
◎齋藤 新空港線・まちづくり調整準備室長 私からは、新空港線と蒲田のまちづくりに関する二つのご質問についてお答えをいたします。
まず、蒲田のまちの機能更新に関するご質問でございますが、現在、策定から約10年が経過いたしました蒲田駅周辺地区グランドデザインの改定作業を令和3年度に向けて進めてございます。改定に当たりましては、ワークショップを開催するなど、地域の皆様をはじめ、多様なご意見を受け止めながら、魅力あるまちの将来像を検討してございます。令和2年度から蒲田駅周辺のまちの将来像に実現性があり、さらに利便性や快適性が高くなるように、まちづくりの専門家である有識者のほか、国や東京都、鉄道事業者などが参加する検討部会を開催する予定でございます。その中で、新空港線はもちろんのこと、駅舎、駅ビル、東西駅前広場、東西自由通路、東口駅前再開発などを一体的に捉えた具体的な中長期の将来像を様々な角度から検討するとともに、有効な整備手法や効率的なスケジュールなども検討いたしまして、その結果を蒲田駅周辺地区グランドデザインの改定に反映してまいります。
次に、蒲田駅の東西自由通路に関するご質問でございます。現在の東西通路は、歩行者交通量から考えると幅員が不足しているほか、直線ではないクランク状になっておりまして、円滑な歩行者動線に課題がございます。また、鉄道の営業時間内でのご利用となることから、終電後には東西のまちが分断されまして、災害時の避難経路としての機能にも課題がございます。そのため、東西のまちを直線で結び、十分な幅員のある24時間開放された自由通路の整備が必要でございまして、これによりまして、まちの一体感や回遊性が生まれるところでございます。東西自由通路の整備に向けた第一歩といたしまして、令和2年度から現況調査を含めた東西自由通路の位置などを決めるための基礎調査を鉄道事業者に委託して実施する予定でございます。私からは以上でございます。
◎後藤 教育総務部長 私からは、産業人材の育成などの五つのご質問にお答えいたします。
初めに、キャリア教育に関する基本的な考え方、今後の方向性についてのご質問ですが、昨年策定いたしましたおおた教育ビジョンで重点的に進める教育プランの主な取り組みとして、プラン2の学力の向上「知」におきまして、キャリア教育を掲げております。キャリア教育は、一人ひとりの発達や社会人、職業人としての自立を促すことを基本的な考え方としており、学校の教育活動全体を通して実現されるものでございます。今後の方向性につきましては、小学校からのキャリア教育のさらなる促進と、中学校での職場体験の狙いや学習内容を再確認してまいります。そのため、これまで実施していました職場体験連絡協議会を拡大し、来年度は全小学校のキャリア教育担当者も対象とした中学校生徒職場体験フォーラムを開催する予定でございます。引き続き、小学校から中学校までの系統的なキャリア教育を推進してまいります。
次に、キャリア教育の目的やその成果についてのご質問です。区では、キャリア教育の目的を人間関係形成能力、情報活用能力、将来設計能力、意思決定能力の4領域を育成し、今後の社会変化に対応できる基礎的・汎用的能力を身につけることとしております。具体的な取り組みといたしましては、小学校低学年では日直や給食当番などの活動を通して勤労観の育成を身につけます。また、多様な職歴を持つ地域ボランティアに仕事の魅力や働くことの意義について講義していただき、児童が自身の生き方や職業選択について主体的に考える機会を設けてまいります。さらに、来年度は小学校で新たにキャリア教育モデル校を指定し、将来の夢について考え、実現するために必要なことを考える授業を系統的に実施する予定でございます。
また、成果の一つといたしまして、平成31年度の全国学力・学習状況調査での「将来の夢や目標を持っていますか」との問いに対して、肯定的に答えた児童・生徒の割合が東京都の平均値を上回る結果となっております。
次に、ものづくりを教材にした授業展開についてのご質問ですが、児童・生徒がものづくりにかかわる方の高い技術や専門性を実感し、生き方や職業選択などを主体的に考える態度を育むことは、ものづくりのまち大田の人材育成や産業の発展という視点から大変重要なことと認識しております。ご紹介いただいたものづくり教育・学習フォーラムは、ものづくり学習の成果を発表する場として毎年実施し、今年度で18回目を迎えました。また、ものづくりを教材化した授業につきましても、ものづくりのまち大田の特色を活かし、各学校で創意工夫して展開しております。来年度はものづくり教育の研究推進校を新たに指定し、新教科「未来ものづくり科」の設置検討や、各学校で共通して実施する学習プログラム、ものづくり体験の開発などに取り組んでまいります。このような成果をさらに向上させていくため、小学校の早い段階からのキャリア教育を推進してまいります。
次に、民間施設を活用した移動教室についてのご質問ですが、昨年度の途中から円滑で安全な事業の実施のため、事前の実地踏査を施設ごとに行うなど、工夫と改善を図りながら実施しております。今年度も9月から10月にかけて野辺山、車山、菅平地域の三つの民間施設において、これまでのプログラムを活かし、全ての学校が無事日程を終了したところでございます。現在実施している民間施設を活用した移動教室事業は、従来の野辺山学園での事業に比べて費用面ではほとんど差がないうえ、自然や文化等に親しみ、集団生活を通して規律や相互協力などを体験し学ぶといった移動教室事業の目的を十分達成できていると評価しております。
最後に、野辺山学園の今後についてのご質問ですが、教育委員会では、昨年度から中学校移動教室の今後について、これまでの野辺山学園での事業継続や現行の民間施設を活用したケースについて、事業目的を着実に実行できる体制の観点で比較検討を行ってまいりました。野辺山学園での事業再開に関しましては、都内や現地の事業者に対して調査を行いましたが、安定した雇用や建物維持管理、きめ細かい給食提供、オンシーズンのみでの限られた期間での運営など、解決困難な課題が多く、受託事業者の確保が極めて困難との結果となりました。一方、現行の民間施設を活用した移動教室事業は、安定的かつ継続的な事業実施が期待でき、同時期に複数施設での利用が可能となることで実施期間の適正化が図られる点や教員の負担軽減にも寄与するなど、新たなメリットがございます。教育委員会といたしましては、この調査検討における評価や移動教室実施後の学校アンケートの内容などを踏まえ、現在実施している「民間施設を活用した移動教室事業」が今後の方向性として適切であると考えております。また、議員お話しのとおり、野辺山学園には施設の維持管理や借地料が課題となることから、野辺山学園を活用した事業につきましては、早期に適切な判断を行ってまいります。私からは以上です。
○塩野目 議長 次に、4番岸田哲治議員。
〔4番岸田哲治議員登壇〕(拍手)
◆4番(岸田哲治 議員) 理科・科学教育についてお伺いいたします。松本議員と重なる部分もありますけれども、ご答弁のほどよろしくお願い申し上げます。
日本の科学研究の実力が著しく低下していると、国は2018年(平成30年)の科学技術白書で日本の科学力への危機感を表明いたしました。文部科学省科学技術・学術政策研究所の科学技術指標2018によると、研究開発力を国際比較する際の研究論文の数は、2014年から2016年での国別の論文数シェアは、米国が25.1%、中国が19.9%、英国7.1%、日本は5.5%と大きく引き離されており、米中の存在感が際立っています。2004年から2006年度の研究論文の日本のシェアは8.6%で、米国に次いで2位、中国は8.0%で4位と日本を下回っていましたが、中国は10年間で一気に論文数を増やしています。米中の論文の質を見ても、引用数が多く、すぐれているとの評価を得た論文数の国別シェアを見ると、2014年から2016年では米国37.9%、中国21.6%、日本は4.6%と全体の11位まで落ち込んでおり、存在感が低下しております。
米中は研究を担う人材も大きく増やしています。2015年に米国は138万人の研究者を抱えていますし、中国の研究者数は2016年で169万人で、EUの主要15か国の研究者数165万人よりも多く、5年前の2011年より40万人近く増やしており、専門人材を確保し、研究を進める意欲がうかがわれます。ちなみに、日本は2017年に66万人の研究者数だそうです。
私たちの生活を豊かにする自動運転や医療など、様々な分野で人工知能(AI)の活用が広がり、専門知識を持つ人材の需要は増え続けていますが、人工知能(AI)の研究や開発をリードするトップ級人材の約半数が米国に集中し、日本はトップ級人材での世界の約3.6%にとどまっているとのことです。調査によりますと、現在の世界のトップ級人材は約2万2400人、うち約半数が米国で1万295人、中国2525人、英国1475人、ドイツ935人、カナダ815人、日本は805人で6位だそうです。さらに、日本の人材の多様性の乏しさが浮かび上がっています。他国に比べ、海外で専門教育を受けたグローバル人材が少なく、外国で学んだ後に戻って自国企業で働く比率は17%で、主要17か国・地域で下から2番目の15位です。特に女性の比率は最低で、世界平均18%の約半分の9%にとどまっています。
このような状況下、国は、総合イノベーション戦略の柱の一つに、科学技術人材の育成を打ち出しました。研究型の大学では、1980年代後半まで40歳未満の若手教員が約4割を占めていましたが、最近では2割強まで下がっています。そこで、国は2023年度までに40歳未満の教員の比率を現在の2割強から3割以上に増やす目標を掲げ、人工知能(AI)など最先端分野の研究人材を厚くするため、カリキュラムを整えて専門知識を持つ科学技術人材を毎年25万人規模で育てる目標も昨年3月末に盛り込みました。そして、経済産業省の試算では、IT産業の先端分野で活躍する人材は、2030年に最大55万人不足するとされています。しかし、現状ではAIの専修士課程を修了する人が全国で毎年約2800人にすぎませんし、多くの大学では人材育成を担う教員が不足し、全国で100人程度の教員数との見方もあります。
長年にわたり、教育関係者から子どもたちの理科離れが指摘されてきた日本。欧米や中国は国策として科学技術分野を総合的にカバーする人材を育てています。米国は10年以上前から理数系教育の振興策を打ち出し、科学技術の教員を大幅に増やしました。中国も次世代AI発展計画を策定いたしました。幼児期からの人材の育成は大きな課題となっています。世界的に理数系教育を強化する中で、我が国も遅まきながら、本年4月より物事を理論的に考え、創造する、問題解決するプログラミング的思考を育成する小学校でのプログラミング学習が開始されます。プログラミングは、読み、書き、計算と同じように基本的な力として求められるようになってくると言われております。
この4月、令和2年度からプログラミング学習が開始されますが、区の取り組みがどのようになっているのか、教員の準備はどのようになっているのかお伺いいたします。
このように、科学力の低下が言われている中、国は理数系教育の振興に力を入れる方向へと動き出すようですが、理数系教育の振興策を打ち出してすぐに人材の育成が成り、日本の科学技術が強化され、先端分野で世界をリードするようになるとは考えられません。まずは科学に興味を持ってもらい、科学が好きになり、科学的な考えを持ってもらうことが大切だと思います。
そのような中、大田区教育委員会の理科教育研究推進校が指定した清水窪小学校でおおたサイエンススクールが平成23年(2011年)に始まって今年度で9年、平成25年(2013年)、文部科学省教育課程特例校としてサイエンスコミュニケーション科(SC科)を新設して今年度で7年、「科学大好きな子どもを育てる」をテーマに、東京工業大学と連携しながら、科学を通じて子どもたちの人間力の育成を目指し、1年生から全学年で年間35時間、大体週1回をSC科(サイエンスコミュニケーション科)として子どもたちは授業を受けています。子どもたちは皆、「知りたい」と思う気持ちでいます。高度な調べ学習はできなくても、なぜ、どうしてという問題意識を持ち、自分なりの仮説を立て、実際に調べながらわからない問題を解決していく。このように目的意識を持って授業に取り組む子どもたちの理解力に驚かされると、清水窪小学校の加藤校長が言っています。
このように成果を出しているサイエンススクールを大田区全学校に広げるべきと思いますが、区はサイエンススクールの成果をどのようにお考えなのか、大田区の各学校にどのように広げるお考えなのかお伺いいたします。
昨年4月、令和元年度からおおたサイエンススクールの成果を広げるために、理科教育推進拠点校として大森地区の入新井第一小学校、蒲田地区の南六郷小学校、羽田・糀谷地区の萩中小学校の3校を指定いたしました。この3校と清水窪小学校はどのように違うのか、また、同じ授業内容なのかお伺いいたします。また、3校以外の他の学校にはどのように授業を行っていくのかお伺いいたします。
清水窪小学校と連携しているのが東京工業大学です。理科教育を推進するためにも東京工業大学との連携が重要と考えられます。大田区の小学校と東京工業大学のような教育機関や企業との連携はどのようになっているのか、区はどのように働きかけているのかお伺いいたします。
このサイエンススクールを卒業した生徒たちが中学に進学いたします。全員が同じ中学校に進学することではないと思います。それぞれの進学先の中学校でサイエンススクール卒業生とサイエンススクールを卒業していない生徒が同じように授業を受けると、学習の進捗や理解度に違いが出てくるのではないかと思います。科学が好きになり、さらに伸びようとしている生徒のやる気がしぼんだり、勉強がわからず、授業内容についていけず、さらに勉強がわからなくなる生徒も出て学習に差が出るのではないかと思います。この解消をどのようにするお考えなのか、小学校全校でサイエンススクールを取り入れ、中学校でもどのように理科教育に力を入れるのか、お考えをお伺いいたします。
1月18日土曜日に行われました第18回ものづくり教育・学習フォーラムで教育長の所信にもありましたとおり、冷たい雨が降る日ではありましたが、約6500人の児童・生徒が参加されたとあります。また、今年度の子ども科学教室講座は、小学校5年生から中学校2年生が12講座16回行われ、「親子」、小学校3年、小学校4年とその保護者対象が8講座12回行われました。昨年度は参加倍率が約1.6倍だったそうです。ただし、講座によっては当選倍率が4倍を超える講座もあったようです。多くの参加がありますが、参加できない子どもが出ております。来年度はさらに定員と講座を増やしてはと思いますが、お考えをお伺いいたします。
この子ども科学教育をさらに発展させて、理科・科学全般を毎日学べる理科・科学館をつくってはと思いますが、どのようにお考えなのかお伺いいたします。大田区が理科教育に力を入れていることですので、科学館はぜひつくるべきと考えます。
教育委員会の基本方針にも、(3)重点的に進める「6つのプラン」、プラン1、未来社会を創造的に生きる子どもの育成、「コミュニケーション能力、情報活用能力、ともに生きる力など、これからの社会の変化にしなやかに対応する子どもの力と自信を身に付けます」にも、「論理的、科学的に思考し、新たな『知』を生み出す子どもを育てる」、「科学教育の充実、算数・数学教育の充実」とあります。力強い推進を期待いたします。ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎後藤 教育総務部長 私からは、教育に関する五つのご質問に順次お答えいたします。
初めに、令和2年度より全面実施される小学校での
プログラミング教育に関するご質問です。教育委員会では、
プログラミング教育の確実な実施に向けて、今年度、各小学校に対して児童用タブレット型パソコンを40台増配備いたしました。来年度も主に理科の学習で活用することができるプログラミング教材を各小学校に配備するなど、多くの児童が直接パソコンに触れ、プログラミング的思考を学ぶことができる環境整備に努めてまいります。また、今年度は各校のICT活用推進を担うリーダー教員の連絡協議会におきましてプログラミング学習に関する授業公開を行い、教職員の理解を深めるとともに、東京都が指定する
プログラミング教育推進校の研究報告会において、豊富な実践活動に触れる機会を設けてまいりました。さらに、各学校を訪問するICT支援員による
プログラミング教育の研修を実施し、教員が具体的な授業実践の方法について学ぶ支援体制を強化しております。
次に、清水窪小学校の成果についてのご質問です。清水窪小学校では、サイエンスコミュニケーション科の取り組みを実践することで、理科や科学に対する興味・関心が高まっただけでなく、論理的思考や考えを広げて深めるために積極的に話し合う姿が見られる児童が増えております。このような成果を広めるために、来年度、新たに理科教育推進拠点校3校に小学校理科教育指導員を配置する予定であります。小学校理科教育指導員は、理科教育推進拠点校の校内研究の支援のほか、大学、ものづくり事業所等での体験などのコーディネートを行います。また、各学期2回程度、近隣の小学校を訪問し、理科の授業力向上のため、教員への指導、支援、理科の教材開発や理科室の安全指導、理科支援員の活用状況の確認などを通して、各校に清水窪小学校の成果を広めてまいります。
次に、理科教育推進拠点校と清水窪小学校との違い、東京工業大学などとの連携についてのご質問ですが、理科教育推進拠点校は、清水窪小学校と同様に、理科好きな児童の育成を図ることを目的として、大田区教育研究推進校を兼ねており、理科教育を中心に校内において研究を深めてまいります。清水窪小学校との違いは、サイエンスコミュニケーション科のような特別な教育課程は実施せず、現行の理科の授業を通して論理的、科学的な思考力を育成してまいります。
また、清水窪小学校の理科教育は、東京工業大学との連携が大きな特色となっておりますが、他の理科教育推進拠点校では、新たにものづくりの町工場や企業、近隣の大学などと連携し、児童による事業所等への訪問見学や、事業所等からゲストティーチャーが学校に来ていただき、先端科学技術についての講話や科学について興味・関心を高める学習などを実施する予定であります。拠点校では、各地域の特色を活かして科学的な内容を体系的に取り入れた学習計画を立て、実践に活かすことで理科教育の充実を図ってまいります。
教育委員会では、この取り組みを円滑に実施できるよう、大学や一般社団法人大田工業連合会、キャリア教育推進協議会(CP21)などの団体に対して連携・協力を働きかけてまいります。
次に、中学校における理科教育の充実についてのご質問ですが、現在、中学校では小学校に先行して中学校理科教育指導員を配置し、拠点校や担当する巡回校で観察・実験の支援や授業者への指導、助言を行い、理科担当教員のさらなる指導力の向上を図り、区全体の理科の授業充実に取り組んでおります。来年度からはさらに指導員を1名増員し4名体制で、より一層、理科教育を推進してまいります。また、小学校の理科教育指導員と小中合同連絡会を開催し、理科教育の現状や課題などを話し合う機会を設け、小学校と中学校での指導内容を確認し、共通理解や授業改善を図り、児童・生徒の理科の学力向上に取り組んでまいります。
最後に、子ども科学教室についてのご質問ですが、子ども科学教室は、区立小中学校の児童・生徒だけでなく、区報等を見た国立・私立小中学校の児童・生徒からの応募もあり、大変好評をいただいております。中でも多くの保護者からの期待の声が寄せられている親子講座は、毎回応募倍率が高い実績がございます。これらの状況を踏まえ、来年度は親子講座を11講座16回に増やし、充実してまいります。
なお、議員お話しの科学館でありますが、近隣の自治体ではプラネタリウムや科学室などが設置されており、授業等でも活用されていると聞いております。このような近隣自治体の取り組み状況を今後確認し、区における効果などを研究してまいります。私からは以上であります。
○塩野目 議長 次に、15番海老澤圭介議員。
〔15番海老澤圭介議員登壇〕(拍手)
◆15番(海老澤圭介 議員) 自由民主党大田区民連合の海老澤圭介です。
質問通告に従い質問をいたします。その質問の中には要望や、いろいろ希望的な観測もちょっと含まさせていただきますので、理事者の皆様には前向きで、そして未来に向けてという思いでご答弁をお願いしたいと思います。
まず、大田区の不登校対策事業についてお伺いいたします。
昨年6月に区は、おおた教育ビジョンを策定しました。ICT教育やサイエンス教育の充実など、このビジョンの柱となっている「未来社会を創造的に生きる子どもの育成」に関する施策を精力的に進めていただいている点は、まず高く評価するものであります。私自身を振り返ってみても、当たり前のことではありますけれども、学校はその時々でいろいろな経験を積むことができる場であり、人間としての幅を広げ、社会で活躍していく基盤をつくる大変重要な場であり、そして恩師と呼ぶ先生や親友との心に残る出会いが育まれ、生きていくためのすべを身につけるところだと思っています。
しかし、一方で、様々な要因の中、この貴重な機会を提供する学校に通うことが難しい子どもたちもおります。昨年5月の連合審査会において、我が会派の渡司議員が、不登校対策の充実の一環として、また教育の機会均等という観点からも、大田区において新たに不登校特例校の設置を検討してはどうかと質問をさせていただきました。その際、理事者からは「不登校特例校は、不登校児童・生徒の実態に配慮し、法に基づき、教育課程の基準によらず特別の教育課程を編成して教育を実施することができる制度である。また、特別の教育課程の編成に当たっては、個々の児童・生徒の実態に即した指導上の工夫が求められており、特例校の設置はハードルの高い事業ではあるが、不登校対策の新たな施策の一つ」と答弁をされました。
不登校児童・生徒の状況は、近年、残念ながら全国的にも増加傾向を示しており、本区においてもその傾向は変わりません。このことは、来年度予算の中でも、不登校対策事業の推進を重要施策の一つとして挙げていることや、区長の所信表明でも進めていくべきと述べられたことからもわかります。
そこで伺います。不登校特例校の実現に向けた取り組みを積極的に進めていただきたいと考えますが、その後の検討状況についてお答えください。
次に、スポーツ振興についてお伺いをいたします。
これまで区は、東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まり、いろいろな取り組みをしてきました。区の東京都施設がグランドホッケーのサウスピッチとして競技利用が決まっていますが、区の施設では事前キャンプ、期間中の練習会場としての利用しかないのは、何度も言っていますが、残念でなりません。しかし、グランドホッケーが大田区内で開催されるわけですから、ルールとか選手の名前、顔を知っていただき、昨年のラグビーワールドカップのように、にわかファンでも構いませんので、皆さんもぜひ地域の皆様とともに応援をしていただきたいと思います。
ですが、区の施設がこの競技会場に選ばれなかったことというのは、いろいろな理由があるにせよ、誘致の計画、プレゼンの出遅れなど、原因をしっかりと検証して未来に活かしてもらい、大田区施設を、大田区のポテンシャルを有効に使っていただくことを強く申し上げます。
コミュニティライブサイトのメイン会場として、大田区総合体育館がオリンピック・パラリンピック会場に行けない人たちの観戦の機会をというふうな考えを持っておられますが、今回の競技日程は、日本のゴールデンタイムと言われる午後7時から2時間後の9時まで、この時間がゴールデンタイムとよく言われておりますが、この時間帯に競技もあるんですけれども、人気の競技や各競技の準決勝、決勝という盛り上がるようなものは、諸外国のゴールデンタイムに開催を合わせて、日本では午前中の開催が多いんじゃないかというようなうわさや、一部決定が聞かれます。オリンピック・パラリンピックの開催時期は、子どもたちは夏休みであります。午前中に競技があるというと、大人たちは仕事の時間帯でありますので、ライブ中継をされている会場にどれほどの人たちが集まるのかは疑問でなりません。
ライブ中継をする放映にもいろいろな制限があるでしょうから、録画を流すわけにもいかないでしょうし、そんな結果がわかっているものを見に行ってもつまらないと思いますので、いろいろと工夫をしていると思いますが、区は、ライブ中継にあわせ、会場でステージショーや競技体験、展示などのオリンピック・パラリンピックのイベントを企画していますが、オリンピック・パラリンピックに関連する体験ができるとはどのようなことを考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
我が会派の同僚からは、世界記録や日本記録などをわかりやすく展示するなどもよいのではないかとの案もいただきました。例えば、大田区に在住するオリンピアン・パラリンピアンの記録を展示して目で見られるようにするとか、ブラジルの選手団が事前キャンプに訪れるわけですので、バレーボールチームの一番高く飛ぶような選手が、最高到達点、どのぐらいまで飛んでいるのかというような掲示だったり、ハンドボールチームもいらっしゃいますので、ハンドボール、皆さんご存じだと思いますけれども、シュートするとき、とてつもなく前に飛び出すんですね。それがどれぐらいの距離を飛んでいるのかというようなことも、実際に目で見て感じられるようなことをすると、せっかくブラジルチームが大田区に訪れてキャンプをしていただけるわけですから、日本チームの選手とあわせて、ブラジルチームの応援もしてもらえるような取り組みになるということで、よいのではないでしょうか。
そのほか、大森スポーツセンターや大田スタジアムでもライブ中継の開催、イベントなどは考えていないでしょうか。大田スタジアムでは、LEDビジョンカーと言われる後ろが画面になっている車、こういったものを使ってライブ中継などもよいのではないかという同僚からの案もいただきました。大田スタジアムは競技利用がないんですけれども、トラックとか車が入れる入り口をつくったり、ピッチャーマウンドが下に下がる工事をしたのは皆さんご存じだと思いますけれども、これは今後の多目的利用に向けて予算をかけたわけですから、この機会をチャンスと捉えて活用すべきだと思います。
そこで伺います。区は、オリンピック・パラリンピック開催のときに大田区総合体育館、大森スポーツセンター、大田スタジアムをどのように使い、オリンピック・パラリンピックの効果を高めようとしているのか、使い方を教えてください。
次に、区のオリンピック・パラリンピックのレガシーの考え方についてお伺いをいたします。
先日、区長は所信表明の中で、「レガシーを築く原動力は将来への想いである」と述べられて、「多くの想いを具現化したレガシーが未来に引き継がれることを切に願っております」と力強いお話をいただきました。オリンピックレガシーというのは、IOCのオリンピック憲章によりますと、「オリンピック競技大会のよい遺産(レガシー)を開催都市並びに開催国に残すことを推進する」とあり、有形、無形の文化財、環境財であります。有形は競技会場や関連したものなどを指すわけで、それで言えば、事前キャンプや練習会場の体育館はレガシーとも言えなくはないかもしれません。この後、施設機能を活かした観光などの活用が期待されております。無形というものは目に見えないものではありますけれども、若者をはじめ、感動の体験や記憶が紡ぎ出す未来につながる取り組みであります。
そこで伺います。区における東京オリンピック・パラリンピックのレガシーの考え方と、未来へつなげる具体的な取り組みについて教えてください。
次に、はねぴょん健康ポイントアプリについて伺います。
12月1日から運用が始まった、このはねぴょん健康ポイントアプリですが、これはとてもよい取り組みだと思っております。私も初日にダウンロードさせてもらいました。日頃から車に乗る機会が多い私でも、歩いた歩数やミッションではねぴょんを探してゲットしたりとか、楽しみながら使わせていただいております。
その他、いろいろな機能があり、楽しみながら健康になろうというコンセプトはよいのですが、ここからは私の個人的に感じたことで述べさせていただきますと、名前の登録をするときに6文字以上というふうになっているんですけれども、以上とするならば4文字以上でもいいんじゃないかなというふうに私が単純に思ったことですね。その他、いろいろな機能があっていいんですけれども、登録時、やっぱり一番最初の入り口ですから。それで、自分がアバターを決められるんですね。アバターというのは自分のキャラクターですけれども、そういった部分も登録時に4種類しか選べないんですね。はねぴょんが二つ、犬と猫が一つずつということで、四つあるんですけれども、こういったものは、数あるミッションの中で、たくさんのはねぴょんがゲットできて、大田区の中にはいろんなはねぴょんがいるんですね。そういったものをアバターにできる機能や、自分の好きな写真とか、そういうのを入れると、またアプリに対する思いが少し上がるんじゃないかなというふうに思います。
歩数とか健康になるというのがメインの機能ですから、たくさん歩いたらはねぴょんが元気になったり、逆に歩かないとはねぴょんが寝てしまったりというような視覚的効果も歩く意欲につながるのではないでしょうか。はねぴょんがゲットできるチェックポイントは各所にあり、その場所の近くを通るとゲットできるんですけれども、今後は取り組みとして、近くを通った場合とは別に、お店や施設を利用したらはねぴょんが新たにゲットできるというようなのは取り組みに加えてみたらどうでしょうか。
例えば、健康メニューを食べたらヘルシーポイント、大田区にはたくさんありますけれども、いちおしグルメを食べる店に行ったらおいしいポイント、お土産100選のお土産を買ったらうれしいポイント、イベントなどで参加会場に限定ではねぴょんを設置してイベントに集客を促して、子どもたちは参加できませんけれども、子どもたちにはスタンプラリー、大人ははねぴょんが集められるというような楽しいポイントなど、ヘルシー、おいしい、うれしい、楽しいというようなポイントがゲットできることを考えれば、いろいろな広がりを持たせる有効な手段となるので、各地の数あるキャラクターに負けないような人気キャラクターとして全国に発信できると思っています。
もちろん、予算や時間のかかることとは思います。12月から今までの期間でたくさんの改善点や改良点、新規案を集約して、4月からの令和2年度に向けて考えていただきたいと思います。
そこで伺います。現在までに上がった改善案、改良案、新規企画案などがありましたらお聞かせください。
運用が始まってから3か月足らずで、このアプリのダウンロード者数は5000人を超えたと聞いております。頑張っていると思います。でも、目標は1万人ということですので、まだ半分ですね。この半分の原因は広報不足なんでしょうか、それともダウンロードなどの難しさなのでしょうか、はたまた健康ポイントなので、ターゲットが大人に限定されているからでしょうか。様々な要因が考えられますが、いろいろな機会にいろいろな場所で広報していただき、ダウンロードの手伝いをするなど、各地のイベント会場で取り組みを考えていただきたいと思います。
このアプリは、私も以前からスポーツの質問などで訴えてまいりました、縦割りでない、各部連携ができている庁内で唯一の取り組みだと思っています。現在、母体の健康づくりの健康政策部と観光やストレッチ動画などの観光・国際都市部、スポーツ推進課、グルメやお土産などの産業経済部と多岐にわたっていますけれども、今後は6部連携で取り組んでいくと聞いておりますので、私は、単発でもこのアプリに絡める部はどんどん利用していただいて取り組みを提案していただき、健康な人づくりは健康な企業をつくり出し、健康な地域の形成につながるという思いから、ぜひ健康政策部もその他連携をする各部も相互にオーダーをかけ合っていただきたいと思います。
そこで伺います。アプリの利用促進、アプリの利用者拡大について、現在までに各部連携で決まっている取り組みをお聞かせください。
ぜひ、区民の大人のスマホにははねぴょん健康ポイントアプリが入っているように、特に今回連携をする6部の皆様には再度強く申し上げますけれども、活用案、企画、検討、予算案など、しっかりと取り組んで頑張っていただきたいことを要望いたします。
次に、情報メディアの取り組みについてお伺いをしたいと思います。
いよいよ4月から各携帯会社が5Gサービスを開始します。このサービスは通信速度ですので、容量の大きいデータや動画のダウンロード、アップロードなどが、今までとは違い、驚く速さであるとの話題が飛び交っております。しかし、まだ試行期間で不具合などもわからないから様子を見たほうがよいのではないかなといううわさも聞かれます。
区では、先ほどのはねぴょん健康ポイントアプリやホームページ、ユニークおおた、SNS、デジタルサイネージなど、いろいろとネットメディアがあると思います。この5Gサービスが始まることにより、これらの媒体でも容量が大きいものが扱えるようになると考えます。
自身の質問でも再三にわたりお話をしておりますが、ネットを利用した区独自のネット放送を考えるチャンスではないかなというふうにも思っております。紙媒体であるおおた区報、これはさすがにペーパーレス化というのは難しいと思います。でも、今まで区を二分してケーブルテレビで放送されていた「シティーニュースおおた」は、区のホームページでユーチューブ動画として見られるようになったりとか、私がちょっと勉強不足ではあったんですが、ユーチューブの中に大田区チャンネルというのもちゃんとあるんですね。そこでは過去のニュース動画も見られるように取り組みが進んでいます。あと、現在のデジタルサイネージでは、先頃いろいろと不具合がありましたけれども、現在でも文字や写真にあわせ、この議会中継なども動画で配信しています。デジタルサイネージでユーチューブの「シティーニュースおおた」を流すことなども考えていってはいかがかなというふうに思っております。
そして、区のシティプロモーションであるユニークおおたにあわせて、「スマートニュース」の中にも大田区枠ができたことですし、いろいろなコンテンツにもよりますけれども、区のすごくディープな情報とかを動画配信で告知できたら、世界にいる観光客の人たちとかにもいろいろな情報を前もって知らせられるのではないかなというふうに思っておりますので、注目を浴びやすくなるのではないかなと展開も期待されておりますので、そういったことは、やはりユニークおおたと言っているんですから、ユニークにしていただきたいなというふうに考えます。
そこで伺います。5Gの利用開始を区としてどのように捉えて考えているのか、ネット放送の取り組みの第一歩として、ユニークおおたの中で動画版など、いろいろな取り組み、計画や案があればお聞かせいただきたいと思います。
この動画配信の充実に取り組んでいただきたいということは、本当に未来に向かってのことではありますけれども、区独自でネットの放送局を立ち上げる夢に向かっていただきたいなと思っております。いろいろとFM局の話も出ておりますけれども、未来に向かってという部分では、私は、スマートフォンだとか、いろいろなモバイルが発達してきているこの世の中ですから、動画版というものだったりとか、ネットで放送を流すということは早めといってももう遅いのかもしれませんけれども、取り組んでいただきたいと思っておりますので、どうかそういった部分を、答弁の中にないとしても、いろいろと検討、研究をしていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
本日は、ちょっと時間がある感じで始まったんですけれども、なかなかいい時間になってきましたので、4項目6問でお伺いをしてきましたけれども、要望的な質問が多くなってしまいましたけれども、このことに関して、答弁の内容によっては、まだちょっと質問が足りないなと思いましたら、再質問ではなく再度予算審議で、款別でさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
以上で海老澤圭介の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 私からは、第5世代移動通信システム(5G)などの最新技術を活用したシティプロモーションについてのご質問にお答えをさせていただきます。
高速かつ大容量通信である5Gの今後の展開につきましては、各種申請手続きにおける簡素化や、高速かつ安定した通信体制の確保といった行政サービス基盤の観点のほか、有事の際の災害対応などにも期待されるなど、その有効性や将来性は高いものと考えてございます。こうした状況を踏まえ、引き続き、通信網の整備状況や国や東京都などの動向を注視しながら、ウェブ、SNSやデジタル技術などを活用し、効果的な情報発信を実施していく必要があるものと考えてございます。
区では、昨年5月に大田区シティプロモーション戦略を策定いたしまして、多様な魅力や地域資源の情報を戦略的に発信していくための方向性をお示しいたしました。情報発信力を強化するための取り組みといたしまして、これまで、専用ホームページの開設、多様なメディア活用による発信や民間事業者などとの連携事業などを行ってまいりました。また、先月には、ユニークおおたを広く知っていただくため、スマートフォン・タブレット用ニュースアプリ「スマートニュース」にて大田区チャンネルを開設し、大田区ならではの多様な魅力を発信してございます。ユニークおおた関連動画につきましても、ユーチューブなどにアップロードした動画を専用ホームページへ掲載することなどは、サイトをさらに充実させるための有効な手法と考えてございます。今後も、新しい通信技術やデジタル技術を取り入れながら、専用ホームページを充実させるなど、引き続き、より多くの人が大田区に関する情報に触れられるよう、積極的かつ効果的に情報発信してまいります。私からは以上でございます。
◎町田 スポーツ・文化担当部長 私からは、オリンピック・パラリンピックに関する二つのご質問にお答えをいたします。
まず、大会に向けた区の各施設の利用についてのご質問でございますが、区は、オリンピック・パラリンピックという世界最高峰のスポーツイベントが東京で開催されることを契機に、区民だけでなく国内外から大田区を訪れる来訪者に向けて、スポーツのすばらしさを伝えるとともに、区の文化や地域の魅力を積極的にPRしてまいりたいと考えております。この趣旨に合わせまして各施設を活用していく方針でございます。
まず、大田区総合体育館では、7月上旬から中旬にかけまして、リオ大会で金メダルを獲得しましたブラジル男子バレーボールチームが事前キャンプを行います。大会の開会後には、競技会場に行かなくてもオリンピック・パラリンピックを楽しめるように、区にゆかりのある選手やブラジルチーム、区内開催競技のホッケーなどの競技放映を行うほか、ステージイベントや競技体験、区の取り組みを紹介する展示などを行うコミュニティライブサイトの会場といたします。このコミュニティライブサイトの会場では、夜間の試合を観戦する機会を設けることで、多くの区民の皆様にもお越しいただけるものと考えてございます。その中で、先ほど議員からご提案をいただきました世界記録や、区のゆかりの選手の記録などをわかりやすく展示することなども検討してまいりたいと思っております。
次に、大森スポーツセンターでは、7月の上旬からオリンピックの期間中、ブラジルハンドボールチームのキャンプを受け入れ、区民との交流を実現できるように調整をしてまいります。
3点目に、大田スタジアムでございますが、野球・ソフトボールの公式練習会場として、メジャーリーガーなど世界トップレベルの選手たちが利用することになってございます。練習は非公開が原則となりますけれども、選手の直筆サインをいただくことや、そこで練習をした足跡などを残していただき、記念となる品物を施設内に展示することで施設の価値の向上に努めてまいりたいと思っております。
あわせまして、区民の皆様に区内の施設がどのように活用されていくのかを知っていただくとともに、コミュニティライブサイト等への参加を促すため、ホームページや公式ツイッターを活用し、最新の情報をお伝えできるように取り組んでまいります。
次に、大会を通じました区としてのレガシーに関するご質問でございます。区は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の誘致が決まった後に、東京オリンピック・パラリンピック大田区推進本部会議を組織しまして、その中で区の目指すレガシーを定めております。具体的には、スポーツ推進、まちづくり、産業振興、文化振興など6分野にわたるレガシーを掲げまして、それに基づき個別のアクションプログラム事業に取り組んでおります。
一例を挙げますと、スポーツ推進の面では、オリンピアン・パラリンピアンの招致、区内開催競技であるホッケーの体験、区ゆかりの選手の応援などの事業により、大会やスポーツへの関心を喚起してスポーツ実施率の向上に努めております。また、区独自のおおたウエルカムボランティアの皆様には、大会期間中の活動とともに、大会後も様々な分野のボランティアとして活動いただけるように、関係団体と調整を行い、区内にボランティアマインドを定着させていくというレガシーに取り組んでおります。同様に、まちづくり、産業振興、文化振興などの分野においても、区の目指すレガシーを常に意識し、未来へつなげる取り組みをしているところでございます。私からは以上でございます。
◎今井 健康政策部長 私からは、はねぴょん健康ポイントに関する二つのご質問にお答えいたします。
まず、アプリケーションの改善点や新規企画案などについてのご質問です。昨年の12月に開始した直後には、アプリのダウンロード方法やポイントのため方などがわかりにくいといったご意見を多くいただきました。それを踏まえ、ダウンロードや初期設定のマニュアルを作成するとともに、イベント会場ではダウンロード操作の実際の支援も行っております。ポイントのため方につきましても、お手元のスマートフォンですぐに確認できるようにアプリ内に解説ページを掲載しました。
新規企画案の1点目としましては、企業単位で楽しく競い合いながら健康づくりができる機能として企業対抗ランキングを加えます。2点目は、仲間同士が情報共有することで健康づくりの継続につながるよう、写真やコメントを投稿できるSNS機能を追加いたします。3点目は、健康づくりの実績に応じてキャラクターが成長する機能を追加いたします。今後も、気軽に楽しみながら健康づくりを継続でき、使いやすいアプリとなるよう、機能を改善・充実してまいります。
次に、アプリの利用促進や利用者拡大のための各部連携による取り組みについてのご質問です。現在、地域力推進部、観光・国際都市部、区民部、産業経済部、福祉部、空港まちづくり本部、都市基盤整備部と連携した推進体制を進めております。また、関係団体や事業者とも連携し、効果的な事業PRに取り組んでおります。具体例としましては、事業PRの連携として、大田浴場連合会公式サイトにはねぴょん健康ポイントをリンク先として掲載しております。また、若年層から高齢者まで、日常生活での健康づくりの取り組みを推進するため、民間も含めたスポーツ施設の利用、フレイル予防や介護予防教室へ参加した場合にもポイントがたまる仕組みを考えております。さらに、羽田空港をはじめ、7月にまち開きを予定する羽田イノベーションシティなどへのはねぴょんスタンプスポットの設置についても検討しております。今後も、関係部局の事業連携を具体化し、はねぴょん健康ポイントを、健康というキーワードを横串にしたハード・ソフト両面にわたる大田区の健康まちづくり事業として推進してまいります。私からは以上です。
◎後藤 教育総務部長 私からは、不登校特例校の設置に向けた検討状況についてのご質問にお答えいたします。
不登校特例校では、不登校児童・生徒の実態に配慮した、特別の教科課程に基づいて指導が行われることとなります。令和2年2月現在、全国で12校、東京都内では分教室を含めて4校の設置となっており、全国的にもまだまだ数の少ない学校でございます。区におきましては、これまでの不登校対策の取り組みにより、不登校発生率が低下する効果が出ている学校も一部ありますが、小中学校全体といたしましては、不登校者数は依然微増傾向にございます。不登校児童・生徒にとって、多様な居場所の一つとして不登校特例校は大変有益な施設であると考えております。
議員ご紹介いただいたとおり、昨年、連合審査会で渡司議員からご質問いただきました。その時点では、区としてかなりハードルの高い事業であると捉えておりまして、なかなか難しいというような内容でご答弁させていただきました。この間、教育委員会では、不登校特例校の設置に向けまして、東京都内の不登校特例校や分教室を教育委員会として視察してまいりました。様々な調査・研究を行う中、不登校児童・生徒の実態に配慮した教育課程を編成する上で考慮すべき視点であるとか、具体的な時間割の設定のほか、学習環境として必要な対策など、様々な課題を抽出し、現在その解決策の検討を行っているところでございます。教育委員会といたしましては、引き続き、国や東京都と積極的に協議・調整を行い、不登校特例校設置に向けた検討を着実に進め、ぜひ、全国的に珍しいハードルの高い事業ではありますが、区としては本当に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。私からは以上です。
○塩野目 議長 次に、35番杉山公一議員。
〔35番杉山公一議員登壇〕(拍手)
◆35番(杉山公一 議員) 日本共産党大田区議団、杉山公一です。
質問通告に従い、まず最初に、区内中小企業の支援につながる羽田空港周辺地域の開発について質問します。
新春のつどいの区長の挨拶では、「羽田空港跡地整備事業では、国内外のヒト、モノ、情報の集積と交流により、新たなビジネスやイノベーションを創造する、新産業発信拠点を形成しております」と述べています。インダストリアルパーク羽田は、高付加価値型企業入居施設と位置づけられ、「いわゆる成長支援という考え方ではなく、操業の受け皿、あるいは区内のその他の企業に対して仕事を出す、こういった機能を期待しているところでございます。そういった企業は、企業としては一定の規模感、あるいは一定の成長段階に成長している成熟した企業というところを想定してございます」と所管地域産業委員会で所管課長は答弁されています。
使用料は、区の歳出に見合う歳入を確保することを基本と考えながら、類似施設の賃借料も考慮して設定するとし、1区画約1000平米を、4区画中3区画を貸し出します。入居する企業のメリットとしては、例えば周辺に非常に技術のある工業集積、交通、物流の面などを挙げています。
入居企業がどういった形で操業をして、今後どういったビジネスプランを持っていくか、しっかりヒアリング等を行いながら調査し、考えていく中で、区内の適切な中小企業にしっかりとマッチングする機会を均等に提供するなど、波及効果を少しでも大きくしていきたいとしていますが、区民の税金を投入して行うインダストリアルパーク羽田、高付加価値型企業の入居施設の事業整備が、区内中小企業に仕事を出すなどの波及効果をしっかり担保する保証が必要です。事業費用に見合った経済効果と区内産業への波及効果をどのように示し進めていくか、その検証方法も含めてお答えください。
羽田空港跡地第1ゾーン整備事業は、羽田イノベーションシティと命名され、第一期事業地に5.9ヘクタールを活用し、総床面積13万1000平米に産業創造・発信拠点の形成をしています。自動運転のテストコースを設け研究開発に取り組むトヨタ、先端医科学研究センターを運営する東邦医大、イベントホール運営のZeppホールネットワーク、大規模会議やコンベンションホール運営のコングレ、飲食業を展開するインフォマートなどが誘致されると聞いています。この跡地開発に国家戦略特区を使い、世界で一番ビジネスをしやすい環境をつくることを目的にしているからです。地域や分野を限定することで、大胆な規制・制度の緩和や税制面の優遇を行う規制改革制度です。
第1ゾーンの区施策活用スペース「羽田研究開発ラボ」の17ブースに入居予定者募集要項では、昨年の9月17日から11月11日まで応募を行い、審査結果は12月13日頃に書面にて入居者に通知とあります。昨年、区内中小企業全てに対して、ものづくり産業等実態調査を行っていますが、5年前の調査に基づき、現状の調査・分析を行い、課題について明らかにしてから、今年度から2年かけて(仮称)大田区産業振興構想の策定を取り組んでいくとのことですが、これでは入居希望には間に合いません。
羽田研究開発ラボの募集内容の目的に、「本ラボが大田区内企業と連携することで、ICT、AI、新エネルギー、環境、医療、福祉、航空・宇宙、ロボティクス、自動運転など、様々な我が国の産業シーズを活かした新産業創造に寄与することを期待します」と記載されていますが、床面積の大きさを条件とすると大企業が入り、そこから区内中小企業に仕事が回るのは多くても1割程度しか考えられません。残りの9割は見捨てられます。羽田空港の跡地大型開発に区財政をつぎ込み、区民の暮らしや福祉の充実を、中小企業の発展を望む切実な願いに応えられていません。地方自治体として、中小零細企業が活用でき、ものづくり大田のまちが再生するように、それに応えられるよう取り組むことが必要です。約3000社と言われている区内中小企業・業者とのマッチングを進め、区内中小企業の仕事づくりを目的としていることを契約に入れ、毎年、実績検証の体制をつくることです。お答えください。
次に、区民の命と暮らしを脅かす羽田空港の機能強化・増便中止について質問します。
2020年3月29日より新飛行経路の運航を開始し、羽田空港において国際線を年間3万9000回増便する計画ですが、どうして羽田空港の増便が必要なのでしょうか。地方創生、一極集中を解消すると言いながら、羽田に集中する増便は必要がないのではないでしょうか。地方空港を活用することが地方の再生につながります。航空会社からの要望、自社の使用勝手のよい時間帯、羽田空港の南風時、北風時の時間帯の増便はそこから来ています。航空行政は国土交通大臣が許認可権を有しています。国際線の便を航空会社が申請し認める。安全が最優先としていますが、米国航空会社及び本邦航空会社の申請を鵜呑みにしている計画となっています。安全より経済優先になっています。
羽田空港機能強化による増便の新ルート案は、南風時平均4割の離着陸は午後3時から7時の実質3時間について、1時間当たり80回を90回に増やす計画で、様々な問題点が指摘され、住民からの不安も広がっています。この間、基本とする運航方式であった海から入って海に出るが変更になり、都心上空を低空飛行することになり、騒音、落下物、環境悪化が指摘されています。
国土交通省は、1月30日から3月11日の間で、北風運用時、南風運用時、それぞれ7日間程度、「実機飛行による確認を実施します」と発表し、区は、「この実機飛行による確認に際しましては、国に対して区民への騒音影響が把握できるよう、確実な騒音測定が可能な体制の構築と、測定した騒音値の公表などとともに、運用開始後も引き続きそれらの対応をしっかりと図るよう求めてまいります。また、区としても騒音値について注視するとともに、騒音測定結果を踏まえ、必要に応じた対策を講じるよう国に要請してまいります」としています。
実際に1月30日から2月12日に行われた実機飛行確認では、2月3日に滑走路から側方距離1キロメートルの距離にある羽田小学校において、B滑走路西向き離陸により、大型機から85デシベル、中型機から77デシベル、小型機から78デシベルの最高値も実測しています。これは、国土交通省が高度500フィートで滑走路からの側方距離1キロメートルの穴守稲荷駅で、大型機76デシベル、小型機72デシベルの予想値を上回り、机上の計算は崩れています。実際に区民からは、この爆音が毎日続くとノイローゼになってしまうなどの苦情も寄せられています。
今回の実機飛行確認による騒音は予想以上です。区民の生活を脅かすとの認識に立つべきです。この騒音問題に対して対策を求めるべきです。この対策ができるまで増便の延期を求めるべきです。対策ができないのであれば増便中止しかありません。国に増便中止を求めるべきです。お答えください。
国土交通省が追加対策で騒音を少しでも軽減するとして、飛行機の着陸時の降下角度を現行の3度から3.5度に引き上げると打ち出しました。これに対して、航空評論家で元JAL機長は、「世界の大空港で降下角度は3度です。パイロットにとっては、降下角度は0.1度変わるだけで外の景色、高さは全く違って見えます。かつて世界一着陸が難しいと言われた香港の啓徳空港でも降下角度は3.1度でした。降下角度3.5度は、世界のほぼ全てのパイロットが経験したことのない急角度になる大問題です」と語っています。
今回の実機飛行確認では、2月2日の南風時に、エアカナダの001便は、降下角度を3.5度に設定したRNAV進入方式での新飛行経路での進入ができない旨を報告し、その後、成田空港に目的地を変更しています。この時点でカナダの航空当局から降下角度3.5度の承認が得られていなかったことが判明しています。また、米国のデルタ航空が通常よりも急角度と見合わせの理由を挙げています。3月29日の都心ルートの正式運用までには社内の事前準備を終えたいとしています。デルタ航空は、これまでの飛行確認では、都心ルートの運用時間外に着陸するなどして欠航や目的地変更などの影響は出ていませんが、このことは、国土交通省の対応が、外国の航空当局と航空会社に実機飛行確認に対応できる状況をつくり出していないことが証明されたのではないでしょうか。国土交通省は、他の外国航空会社に対しても準備状況の確認を進めると言うが、体制がとれていない中での実機飛行確認は安全のリスクを大幅に高めるもので、危険極まりない行為です。
国土交通省が騒音対策として降下角度を3度から3.5度に引き上げましたが、実機飛行確認では騒音の対策にはならなかったことが明らかになりました。危険極まりない降下角度3.5度は即中止を国に申し入れるべきではないでしょうか。お答えください。
そして、南風運用時のB滑走路西向き離陸は、川崎の石油コンビナート上空を低空飛行で行う無謀なルートです。離陸直後に石油化学コンビナート地域の上空を通るようなルートを持つ空港は、世界にほかにはありません。発着回数、乗降客数、貨物取り扱いで上位の世界の主要41空港について調査したところ、付近にコンビナートがある空港は、羽田空港のほかにはシンガポールのチャンギ国際空港しかなく、そのチャンギ空港も最寄りのベンゲラン石油コンビナートまで東に約14キロメートル離れています。南北に走る滑走路の先は、いずれも川と海の上で、石油化学コンビナート上空を飛ぶものはありません。
2011年の東日本大震災のときに、千葉県のコスモ石油のタンクが炎上し、燃え尽きるまで消火できなかった事例から、お隣の川崎市ではコンビナートの被害想定を作成しており、大規模災害の場合には、多摩川を越えて南六郷、本羽田、羽田、
羽田旭、萩中、東糀谷あたりまで被害が及ぶとされています。航空機事故の場合はさらに拡大するので、新たな大規模災害の想定をしなければならないとしていますが、大田区では、対岸の火事では済まされません。もし一旦事故が起これば炎上し、有毒ガスが発生することも想定されます。想定外では済まされません。区民の命と財産を守るのは地方自治の使命です。
私たちは、
羽田空港機能強化・増便の中止を求めていますが、厚木基地のある神奈川県大和市では、航空機事故に対応した防災対策と防災マニュアルがあり、市民の生命と安全を守っています。大田区としては航空機事故に対応した具体的な防災対策がないのは問題です。現在でも南風時の運用でB滑走路に着陸を試みて何らかの不具合でゴーアラウンドが発生し、川崎のコンビナート上空を通過する事例も発生しています。区として、コンビナート火災や有毒ガスの発生などに対応した防災対策は必要です。大田区において早急に航空機事故に対応した防災対策とコンビナート火災に対応した防災対策を立てることです。お答えください。
羽田空港で働く人たちの声を聞くと、どの職場でも人員不足で、長時間過密労働で働いています。疲弊しています。管制官やパイロット、整備士、グランドハンドリング、空港内外全ての機材、施設の準備、それを使えるように訓練された作業員、担当者の準備が整っているでしょうか。整っているとは思えません。むしろ無理やり合わせていると言っても過言ではありません。
昨年の6月15日には、神戸発羽田行きのスカイマーク機がランウェイ・34レフトに着陸態勢に入っているところに、他滑走路に着陸し、国際線ターミナルに向けタキシングしていたバンクーバー発羽田行きのANA機が、スカイマーク機が着陸予定の滑走路を横断しました。着陸の際に別の飛行機が滑走路を横切る管制上の重大インシデントが起こりました。こうしたヒューマンエラーも起こり得るのです。もし事故が起きてから、あのとき認めなければよかったと言っても遅いのです。区民の財産、生命と安全を守るためにも、
羽田空港機能強化・増便及び新飛行ルートの撤回を政府に強く求めるよう要望して、質問を終わります。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎井上 危機管理室長 私からは、航空機による大規模事故への区の対応についてのご質問にお答えいたします。
航空機事故の発生は、その被害が広域に及ぶことが想定されます。東京国際空港では、航空法や空港保安管理規程等に基づき、空港及びその周辺の航空機事故などに備えた東京国際空港緊急計画が策定されております。この計画は、区や国、東京都、関係機関が連携し、緊急事態の際には迅速かつ適切に対応することを目的としております。区は、空港やその周辺で航空機事故が発生した際に、災害対策本部を速やかに設置して区民の安全を確保し、事故情報の収集や区内の医療機関などとの連絡調整、国の現地合同対策本部へ職員を派遣し対応に当たります。また、国が主催します航空機の大規模事故を想定した航空機事故対処総合訓練へ定期的に参加するなど、事故発生時の適切な対応がとれるよう努めております。区といたしましては、この計画に基づき役割を果たしてまいります。
◎飯嶋 産業経済部長 インダストリアルパーク羽田に関するご質問に順次お答えをいたします。
まず、当施設の整備が区内中小企業等に波及効果を担保する保証が必要とのお話ですが、募集要項に「区内の高度なものづくり技術集積との連携が促進され、立地企業の成長に寄与するとともに、区内全体のものづくり企業の維持・発展にも結びつくもの」と記載し、さらに入居予定者を選定する際にも、地域貢献性を審査基準として定め、審査を行いました。このような過程を経て入居する企業は、区内企業との連携や地域への貢献などについて十分にご理解をいただいているものと考えております。また、入居予定の企業には、区内ものづくり産業と親和性のある企業も含まれているため、産業集積の維持・発展に資する立地施策ともなっております。
次に、経済効果と波及効果を、検証方法も含め、どのように示し進めていくのかとのご質問ですが、経済効果については、まさに企業立地により雇用の創出や消費拡大が期待されますが、既存区内企業との取引機会等についても、大田区産業振興協会が持つマッチング機能などを活用しながら生み出すことにより、波及効果が地域産業にもたらされるよう取り組みを進めてまいります。
次に、羽田イノベーションシティにおける区施策活用スペース内への入居者に関するご質問に順次お答えをいたします。
まず、当スペースは、大企業が入るであろうとのお話ですが、入居予定者募集要項において、対象区画の面積を約100平方メートルから約200平方メートルと幅を持たせ、また、複数の法人による応募も可能とし、企業の規模を問わず応募しやすくしたところ、区内外の中小企業に分類される規模の企業などから応募をいただきました。このため、当スペース内に新たな中小企業の入居が見込まれており、産業集積を強みの一つとしている区内製造業への波及効果が生まれるものと捉えております。また、入居企業と区内企業とのマッチングを契約書に規定し、実績検証の体制整備をすべきとのご意見ですが、入居審査項目の一つに区内製造業との取引実績や今後の構想などを指標として明示しております。入居希望者からは、この指標を確認いただいた上で申請書類を提出していただいております。区では、この申請書類をもとに審査させていただいているため、区内企業との連携や地域貢献などの必要性は十分認識されているものと考えております。
区は、大田区産業振興協会等と連携しながら、入居企業に対して、既存区内企業との取引機会等の創出を行い、波及効果を区内にもたらすとともに、当スペースで多様なヒト、モノ、情報等の出会いを生み出すことにより、区内企業が新産業創造に寄与することを目指して取り組みを進めてまいります。私からは以上でございます。
◎白鳥
空港まちづくり本部長 私からは2問、まず、実機飛行確認に伴う騒音と対策に関わるご質問ですが、私もB滑走路からの西向き離陸の実機飛行確認を視察してまいりましたが、大型か小型かなど使用機材により騒音状況や上昇性能、旋回の位置等が大きく違うことを感じております。区としましては、国が行った騒音測定の結果について、現在、国に対し検証、分析を実施するよう求めております。その上で必要に応じた対策を講じるよう国に要請してまいります。新飛行経路の運用は国の航空政策ではありますが、運用開始後も引き続き、騒音などの環境対策や落下物を含む安全対策の確実な取り組みと、最新技術、知見などの反映など、さらなる対策の強化と徹底を国に要請してまいります。
次に、南風時の着陸の新飛行ルートにおける降下角3.5度に関わるご質問ですが、3.5度での着陸は、サンディエゴ国際空港やローマ空港、国内では稚内、広島空港などにおいて採用されております。国は、3.5度の降下角度について、安全基準に則ったものであるとしており、今回の導入に際して、航空会社との間でシミュレーションによる確認が行われており、その結果を踏まえたものであるとしております。区としましては、航空の安全は何より重要と考えており、引き続き国に対し安全確保の徹底を求めてまいります。私からは以上でございます。
○塩野目 議長 次に、42番小川あずさ議員。
〔42番小川あずさ議員登壇〕(拍手)
◆42番(小川あずさ 議員) 立憲民主党大田区議団の小川あずさです。
東京国際空港を擁する大田区は、国際都市のイメージがあり、海外でもハネダという名前は日本の窓口として認識されています。2017年の国際都市おおた宣言で、さらなる国際化へとかじを切っている大田区に暮らす外国人との共生について質問させていただきます。
私は28年前と13年前に約2年ずつ、インドネシアの首都ジャカルタに家族で暮らしました。ジャカルタでは、英語はほとんど通じず、インドネシア語を理解できなくては生活が成り立ちませんでした。最初のジャカルタは初めての子どもを産んですぐ行ったので、子育ても海外生活も初めてで不安だらけでした。日本人社会はあって、そこでいろいろ教えてもらい暮らしながらも、常にその方たちと一緒にいるわけにもいかず、一人で子育てする時間が大半でした。娘をおんぶして市場へ買い物に行くと、当時、国際放送されて、インドネシアでも大人気だったドラマ「おしん」で、日本人のおんぶというものを知った現地の人たちから、おしん、おしんと呼ばれ、喜ばれながら、インドネシア語の辞書を引きながら野菜や肉などを買ったのも今となっては楽しい思い出です。しかし、困ったのは病院です。赤ちゃん連れでしたので病院に行くことが多く、病状を説明するのが一苦労ですし、医師からの説明も言葉がわからず、病状への対応も日本と違い、途方に暮れたこともありました。
大田区には、平成31年4月1日現在、約2万5000人の外国人が在住しておりますが、そのうち多くの方々は、今述べた病院での例のように、言葉の壁によるお困り事を日常の生活の中でたくさん感じているのではないかと思われます。そして、困ったときにとっさに言葉がわからないというのは、本当にストレスとなって蓄積していきます。そのストレスの軽減のためには日本語を理解することが最重要ですが、日本語を習得していくための支援として、大田区では、日本語学習の機会を設け、ボランティア日本語教室も行ってくれています。
ボランティア日本語教室の一つである洗足池図書館での日本語教室を先日、見学させてもらいました。ボランティアの方々が外国人生徒一人ひとりのカルテをつくって、思い思いの気軽な会話で、基本1対1で対話しながら日本語を習得していくというものでした。お互いにわかり合おうという気持ちを持って会話をしていく中で、ボランティアの方々も相手の国や文化について聞けて勉強になると言いながら、お話が弾んでいて、双方ともに楽しい時間を過ごしており、すばらしい教室の様子でした。
そこでお尋ねいたします。今後も増えていくであろう外国人に対し、国際都市おおた協会での日本語教室とボランティア日本語教室をもっと広げていくような今後の展開の具体策などございましたら教えてください。
平成30年に大田区多文化共生実態調査が実施されておりますが、その中の外国人区民の大田区の施策に対する満足度の項目のところで、就労・起業支援への満足度が約27%と低いものとなっております。働くことは生活の基盤であり、このサポートに対する満足度が低いのが気になります。
このような悩みや不安に対して、大田区では多言語相談窓口がmicsにあります。ここでは、労働賃金や保育園、住宅など生活に密着した相談が多く来るそうです。ただ、保育や税金などのような目的が異なる相談の場合、それらがそれぞれ現場対応のため、mics内の相談窓口からそれぞれの場所に移動して相談をするということになり、不便が生じているとも聞きました。この不便を解消できる策はないものでしょうか。また、もっと相談可能な言語や曜日の範囲を広げていっていただき、これからも増えていくであろう外国人区民の困ったに対応していただきたいところですが、いかがでしょうか。現状からできるであろうことがあればお教えください。
もう一つ、先ほどの共生実態調査で、交流の機会充実や日本人への多文化共生意識啓発、外国人住民の地域社会への参加支援など、区民との交流に関わる項目の満足度が25%前後と低く、外国人区民がもっと区民の人たちと交流したいのに、そのきっかけがつかめないような様子が見受けられます。
私は、インドネシアではガムランというバリダンスを演奏する楽器のサークルに入り、月に2回ぐらいの割合で、オダランと呼ばれるバリ寺院のフェスティバルで演奏させてもらい、現地の方々と交流させてもらいました。このおかげで現地の人たちとの楽しい思い出がいっぱいでき、インドネシアを第二の故郷と言いたいくらい大好きな国になりました。
アニメでもグルメでも、何をきっかけでもいいので、交流の輪を広げていくため、空フェスのような国際交流イベントをもっと小さくてもいいので回数を増やしていくとか、また、各国文化や語学、宗教などの区民勉強会を催していくなどして区民からの歩み寄りの機会を増やしていくなど、交流の機会をもっと増やしていくきっかけづくりを区のほうからお願いできればと要望いたします。
在住の外国人から、大田区に住んでよかった、楽しかった、大好きだと、いい思い出でいてもらえる区にしていきたいと思いつつ、質問を終わります。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎木田 観光・国際都市部長 多文化共生についての二つの質問について順次お答えさせていただきます。
まず初めに、外国人区民に対する日本語学習支援のご質問でございます。外国人が日本で働き、学び、そして暮らすには、一定程度の日本語理解が不可欠となります。世界の言語の中で日本語は最も難解で習得に時間を要すると言われており、区が行った実態調査でも、外国人区民が最も不便に感じていることは、まさに日本語の読み書きという結果が出ております。
このようなことから、国際都市おおた協会は、最も教えるのが難しいとされる日本語がゼロレベルの外国人のために、専門家から学ぶことのできる初級日本語教室の開催や、不就学児童のためのこども日本語教室を実施しております。また、区内19か所のボランティア日本語教室では、団体ごとの方針・カリキュラムに基づき、多様な日本語学習が行われております。
一方、今後一層増加が見込まれる外国人区民に対して十分な日本語学習の機会を提供していくためには、日本語を適切に教えることのできる人材と教室の確保、そして習熟度別の対応がこれまで以上に必要となってまいります。そこで、区は国際都市おおた協会と連携して、日本語を外国人に教える日本語ボランティアを育成する講座を実施するとともに、講座を修了した方のボランティア登録支援、また新たに日本語教室を立ち上げるためのサポートに力を入れております。将来的には、外国人区民が身近な場所や自分のレベルに合わせて気軽に日本語が学べるよう、人材の育成と活動団体の支援に全力で取り組んでまいります。
続きまして、外国人区民の困り事に対するmicsおおたの取り組みについてのご質問ですが、micsおおたの多言語相談は、近年、外国人区民の増加に比例して件数が伸びており、平成30年度実績は2519件となっております。また、相談件数の増加とともに、内容も高度化、複雑化しており、毎月第1、第3の日曜日に弁護士などによる法律・労務相談を実施しております。議員お話しの移動の不便さにつきましては、専門性の高い相談は日本人、外国人を問わず担当する機関・部署が対応することが適切であると考えております。そして、micsおおたは、お困り事を目的の窓口に速やかに案内し、円滑なコミュニケーションを支援することを本来の業務としております。また、相談窓口の多言語化につきましては、英語、中国語などニーズの高い五つの外国語を基本としつつ、その他の言語につきましては現在も予約制で対応をしております。最後に、相談時間につきましては、対象となる部署の受付時間に合わせる形で支援等を行っている状況がございます。このことから、micsおおたの相談業務におきましては、現在の業務体制のもとで創意工夫を凝らしながら、引き続き相談者に寄り添った丁寧な対応を心がけてまいります。以上でございます。
○塩野目 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。
午後3時6分休憩
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午後3時30分開議
○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、会議時間を延長しておきます。
質問を続けます。38番松原 元議員。
〔38番松原 元議員登壇〕(拍手)
◆38番(松原元 議員) 令和大田区議団、松原 元でございます。ご声援いただき、感無量でございます。
さて、本日は質問を行う前に一つ申し上げたいことがございます。(発言する者あり)違います、浮ついた話ではございません。昨年、大田区は風水害が度々発災した受難な年でありました。殊に、10月12日、13日に来襲した台風19号においては、田園調布四・五丁目に大規模な浸水被害が発生いたしました。人命被害こそありませんでしたが、昨年の第4回定例会において、壇上に立たれた同僚議員の皆様方の多くが本件に触れられておりました。これは本事件がいかに大田区において衝撃的であったか、それを示す証左であると考えます。我々は、あの日、田園調布で起こったことを忘れてはならないわけであります。
被災地の住民に対して、大田区は発災から1か月以上経た11月24日に、隣接区である世田谷区はさらに1か月後の12月21日、22日に住民説明会を行いました。しかし、両区の説明会で行われた浸水要因は一致をしておりませんでした。これは大変懸念すべき事態です。同じ災害に対して、両行政の考える原因が異なれば、今後の対策にそごが生じかねません。両区では検証結果を本年度中に取りまとめる予定で、その後にその検証結果に基づいた対策が行われるようですが、その際には両区の一致した見解がなされることを強く求めます。
また、田園調布四・五丁目の住民生活の再建はまだ完全にはなされておりません。住民らは再度の浸水被害が発生することを恐れ、日々不安を抱えながら生活をしております。去る1月17日、被災地域の町会である田園調布西町会から町会長名義で、「令和元年台風19号被災に関する課題と要望」と題された要望書が区へ提出をされました。委細については控えますが、この要望書に記載された九つの要望は、当該地域の水害に対する危機対応能力向上を願う、この地域の切なる思いであると考えます。本要望書への回答へは格別の配慮がなされることを求めます。
では、質問に移ります。本日伺うのは、ごみ屋敷に対する対応についてであります。
ごみ屋敷は社会問題となって久しく、それは大田区においても同様であります。ごみ屋敷、大田区の言い方としては、環境上不良な状態の住居でありましょうか。これらは以前より大田区議会としても、時の様々な会派、多数の議員により発言がなされてきたと記憶をしております。これら環境上不良な状態の住居は、近隣住民の住環境を衛生面から著しく悪化させるだけでなく、時には区道を塞いだり、電信柱、電線等の社会的インフラに対しても脅威となる状況を生み出します。また、時には外部からの不法投棄や付け火を招きかねません。
大田区には清潔で美しい大田区をつくる条例が制定されております。これは、大田区における環境美化を促進するための必要な事項を定めることにより、区民の生活環境の向上を図ることを目的としております。その11条には代執行の記述がございます。しかし、私は、この11条が死文と化しているのではないかと危惧をしているところであります。この条例は、その昔、調布地区北千束に存在した環境上不良な状態の住居を、犬伏氏の血と汗流す献身、そして区職員の努力により解決された後に制定された尊い条例であります。
代執行の実行の必要性について、私はこの議場にて申し述べ、それに対し区より、代執行よりも住居者への福祉的なアプローチを優先する旨の発言がなされてから、かれこれ3年半あまりがたちました。この間、本件における区内の状況は、その一部においてはむしろ悪化していると思えてなりません。
2件、私の知る、ある住居について申し述べさせていただきます。ある坂を上がった角地にある住居は、草木が伸び切り、電信柱、電線に覆いかぶさり、区道をも空から覆わんばかりです。先の台風で坂道側の擁壁が崩れ、区道の一部を塞いだ際も、区は住居者へのアプローチを優先され、しばらくカラーコーンで崩れた部分の外周を覆うだけでありました。今、この家屋は、草木について言うに及ばず、住居者によるものか外部からの投棄か判別できないごみが入り口に散乱し、崩れた擁壁も補修もされておりません。これが区の言う福祉的アプローチの目指したものでありましょうか。
また、ある食品の小売業を営む商店に極めて隣接した住居では、住居の前に様々な物品や、時には汚物が散乱し、周りに異臭を漂わせる状況でありました。住居者は近隣住民と様々トラブルも起こしておりました。本件は、この住居から出火、火災があり、住居者が入院したことをきっかけに状況の改善がなされましたが、長年にわたり近隣住民、近接する食品店がこうむった、そして火災におけるショックなど、精神的な苦痛は想像に余りあるものがあったと考えます。そして何より、この住居は、ごみ屋敷、環境上不良な状況の住居として区に把握さえもされておりませんでした。大変嘆かわしく憤りを感じます。これらの問題はこれから先も増え続けていくことが想定されます。今、一つ一つの住居を確実に解決していく取り組みが必要であります。
では伺います。現在、大田区は、清潔で美しい大田区をつくる条例の3条が定める不良状態に該当する住居はいかなる情報の集約がなされておりますでしょうか。3年半前確認したところ、この環境上不良な状態の住居は8件とのことでした。しかし、先ほど申し上げた事例もあり、集計のあり方には疑問を感じます。条例の定める不良状態の定義が庁内で周知徹底されておらず、関連部署との連携が密接になされていないのではないかと懸念を覚えます。環境上不良な状態の住居が周辺環境に脅威を与えるという観点から、随時把握する必要があると考えますが、いかがお考えでしょうか。ご答弁を願います。
また、福祉的支援の優先に関しても期間を定めて対応すべきであると考えます。支援による対応期間は、それはすなわち近隣住民に対して忍耐を強いる期間と同義であると見るべきです。同時に、大田区は、本条例第10条の定める改善命令及びそれが履行されない際の同条例第11条が定める代執行を行うに足る条件、つまり代執行を除き改善が望めず、放置することが著しく公益に反する状況を明確にし、区内の環境上不良な状態の住居の解消に向けて、なお一層対応すべきであると考えますが、いかがお考えでしょうか。ご答弁を願います。以上であります。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎落合 環境清掃部長 私からは、環境上不良な状態の住居に関する二つのご質問にお答えいたします。
初めに、環境上不良な状態の住居の把握に関するご質問ですが、平成28年の調査において、大田区が確認しております廃棄物の管理が不適切な家屋は8件ございました。区としましては、これらの住居の居住者に対し、継続的な訪問や助言、文書により生活用品等の適切な整理と管理について強く指導してまいりました。その結果、現在までに、関係部局と連携するとともに地域の皆様にご協力をいただき、廃棄物の撤去に至ったケースが3件ございます。現在、区民の方や特別出張所からの報告で、新たに3件の環境上不良な状態の住居を確認しております。引き続き、関係部局と調整の上、環境上不良な状態の住居の把握に努めるとともに、改善に向けた相談や指導を継続してまいります。
次に、福祉的支援の優先に関しても期間を定め、区内の環境上不良な住居の解消に向けて、なお一層対応すべきであるのではないかというご質問ですが、区といたしましては、居住者が抱える生活上の課題の福祉的支援を通じた根本的な解決に向けて、居住者との話し合いはもちろん、必要に応じ指導も積極的に行うとともに、近隣住民の方にもご理解とご協力が得られるよう取り組んでまいります。さらに、居住者が地域との関係性を構築できず、近隣とトラブルとなることで一層孤立を深めることがないよう、関係部局や地域の皆様と連携を図り、環境上不良な状態の住居の解決に取り組んでまいります。私からは以上です。
○塩野目 議長 次に、40番植田智一議員。
〔40番植田智一議員登壇〕(拍手)
◆40番(植田智一 議員) 令和大田区議団、植田智一です。
通告に従いまして、コロナウイルス感染症対策について質問をさせていただきます。
その前に、今年は東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されますので、一言所感を述べさせていただきます。私は、オリンピック パラリンピック観光推進特別委員会に所属していることもあり、昨年の夏に大井ふ頭中央海浜公園に整備されたホッケー競技場完成披露式典に参加させていただきました。大井ホッケー競技場は品川区と大田区にまたがっており、ノースピッチは品川区、サウスピッチは大田区にあります。ピッチはサッカーのグラウンドを一回り小さくした感じで、目に鮮やかな青々とした人工芝がとても印象的でした。ユニバーサルデザインやバリアフリーもしっかりしており、お手洗いへのスムーズな誘導など、とてもよく工夫を凝らしています。そして、オリンピック・パラリンピックは国内経済に及ぼす波及効果も計り知れないものがあり、大いに期待をしています。ぜひとも、日本代表にはメダル獲得に向け躍進してほしいと思います。
本題に入ります。オリンピック・パラリンピックに国民の気運が高まっている中、昨年末より中国湖北省武漢を中心に発生した新型コロナウイルスによる肺炎が、瞬く間に世界各国に広がり、今もなお猛威を振るっています。2月24日時点で、新型肺炎患者は全世界で7万人を超え、死者は2000人を突破し、感染はさらに拡大し続けています。日本は発生源の中国に続き、世界で2番目に感染者が多く、全くもって予断を許さない状況です。いまだ世界保健機関WHOはパンデミックではないとの見解を示していますが、既に2002年に中国南部の広東省で発生したSARSを超える全世界の死者744人を上回ったことからも、私は非常に危機を感じます。
連日のように報道されている横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で新型肺炎による集団感染の報告がされてから一月近く経過しました。厚生労働省は、検疫を理由に今月5日から約2週間、乗員、乗客3700人を船内に待機させました。ようやく19日から順次、陰性とみなされた乗員、乗客から下船を開始しました。24日時点で感染が確認されたのは691人です。また、神奈川県の80代男性と東京都の80代女性の死亡も確認されました。
この新型肺炎は、一般的な風邪や季節インフルエンザとは違い、これといった治療法や特効薬が見つかっていないことからも、早急に感染を防ぐ取り組みが重要です。国の対応は、令和2年2月1日より感染法上の指定感染症と定める政令が施行されました。また、出入国管理法第5条を適用し、中国湖北省に滞在歴がある外国人等の上陸を許可しないことを閣議決定しました。現在は浙江省も追加されました。
大田区においても、日本の空の玄関口である羽田空港を擁する自治体として、ウイルスの蔓延を水際で阻止しなければなりません。厚生労働省は感染症対策として、手洗いやマスクの着用を推奨しています。区民の方から「ドラッグストアはマスクが売り切れで在庫もない。新型肺炎も心配だけれども、花粉症で困っているの」という日常生活に支障をきたすような切実な声もお聞きしています。毎日のようにテレビのニュースから新型肺炎の感染情報などが報道されています。時として、インターネットやSNSからフェイクニュースとも思えるようなデマや不安をあおるような情報も流れています。基礎自治体である大田区は、区民の生命や健康を守り、感染拡大防止対策を講じる努力が必要です。
2月3日に区長を本部長とする大田区新型コロナウイルス感染症対策本部を設置しました。そして、私たち区議会議員も2月7日付けで議会新型コロナウイルス感染症対策本部も設置され、情報は日々提供されていますが、改めて区の対応をお聞きします。いわゆる情報弱者とされる高齢者の方や区民の方々に、感染予防や不安解消のためにわかりやすくご答弁ください。
大田区では、新型肺炎の感染予防を具体的に区民にどのように周知していますか。また、感染者が出た場合に保健所はどのような対策をとられるか、お聞かせください。
新型コロナウイルス感染症に関する相談窓口を東京都と共同でコールセンターを設置し、24時間体制で相談を受けていると聞いていますが、具体的に1日どのくらいの相談件数があり、どのような相談内容が多いか教えていただきたい。まだまだ感染のピークを迎えていないと考えます。緊急時に電話回線がパンクするということはないとは思いますが、増設の予定などありましたら教えてください。
続いて、マスクと高額商品の抱き合わせ販売や、インターネットオークションによる高額販売が波紋を呼んでいます。聞くところによりますと、本区にもマスクの備蓄があると伺っていますが、入手ができずに困っている区民に無料配布してはどうかと考えますが、区の見解をお聞かせください。
今後、中国湖北省、浙江省からの旅行者はもとより、中国本土からの旅行者も減少されると予想されますが、大田区に訪れる中国人観光客の実態、推移などを教えていただきたい。また、区内における観光収入などが減少し、関係する事業者が経済的に困窮する事態なども考えられますが、どのような支援やコーディネートをされるか、お聞かせください。
以上、4点についてご答弁願います。
なお、政府は、日中関係改善の流れが続いていることを契機に、殊さらに経済的な友好を深めようと、中国の習近平国家主席を今年の春、国賓訪日する準備を進めています。中国側の国内情勢を鑑みるに、延期されるとの声もあるようですが、国賓として公式招待することにいささか疑問を感じます。中国は新型肺炎への初動対応をめぐる問題、尖閣諸島付近での中国公船の活発化、相次ぐ日本人拘束、そして何よりも天皇陛下、ご皇室の政治利用、懸念材料は山ほどあります。友好を語るだけでは国益を守ることはできません。国民の生命、財産を守るため、従来の政策におぼれることなく、毅然とした態度で外交に取り組んでいただきたいと考えます。
最後になりますが、区民に一番身近な基礎自治体である大田区は、大田区基本構想の基本理念にもあるように、国際都市おおたを掲げ、地域力を発揮し、いま一度原点に立ち返り、区民が安全・安心して平和に暮らせるまちづくりに寄与していただきたい。そして、平和の祭典オリンピック・パラリンピックを東京で迎えます。世界中からたくさんの人が楽しみに来日します。大会の成功と一刻も早い新型肺炎の終息を願いまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎飯嶋 産業経済部長 私からは、区を訪れる中国人観光客の実態及び観光事業者への支援等に関するご質問にお答えをさせていただきます。
観光庁の統計によれば、訪日外国人に占める中国人観光客の割合は年々増加をしており、2019年は全体の30.1%、959万4000人に達しております。羽田空港を擁する大田区にも中国から多くの旅行者が訪れており、それらの方々の減少は、観光業のみならず、広く区内産業へ影響が及ぶものと考えております。国は、今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急対策といたしまして、日本政策金融公庫等に緊急貸付・保証枠5000億円を確保するとともに、雇用調整助成金の支給要件緩和という特例措置などにより、観光業など地域の中小・小規模事業者等への資金繰りや雇用維持の支援に万全を期するとしており、区のホームページでも周知をしております。区といたしましても既に、新型コロナウイルス感染症の流行により影響を受ける、または受けるおそれのある中小企業・小規模事業者を対象として、融資や経営上の相談などを受ける特別相談窓口を区及び大田区産業振興協会に独自に設置し、事業者からの相談に対応しております。引き続き、新型コロナウイルス感染症が区内産業に与える影響を注視し、国や東京都と連携をしながら適宜対応してまいります。私からは以上でございます。
◎西田 保健所長 私からは、新型コロナウイルス感染症について所管のご質問に順次お答えいたします。
初めに、感染予防と感染者発生時の対応のご質問です。新型コロナウイルス感染症の感染様式は、飛沫感染、接触感染であるため、手洗い及び咳症状のある場合はマスクをするなどの咳エチケットが有効です。区のホームページ、ツイッターで情報発信をしており、そのほか町会回覧板や保育園、学校でのチラシの掲示などで周知を行っております。3月には区報臨時号を発行し、感染予防策や相談窓口などを掲載する予定です。今後もわかりやすい周知に努めてまいります。また、感染者が判明した場合は、近い距離で長時間会話をしたなどの濃厚接触者を調査にて確認し、14日間の健康観察を指示することになります。その間に発症した場合は、医療機関受診の上、検査を実施いたします。
次に、新型コロナウイルス感染症の電話相談についてのご質問です。区の相談窓口では、1月下旬より相談が増えており、電話回線を増設して対応しております。平均すると2月18日までに1日平均約25件で、区内病院での事例を受けた翌日は163件と増え、累計584件の問い合わせがありました。都の帰国者・接触者電話相談センターは2月16日までに累計1006件の問い合わせがありました。相談内容としては、症状があって心配な方、訪日外国人と接して不安に思っている方など様々なものがあり、感染が疑われる場合は帰国者・接触者相談センターへご連絡いただき、専門の外来への受診を保健所が調整することとなっております。
最後に、マスクの区民配布のご質問です。区では、新型インフルエンザが発生した場合、広く住民を対象にワクチンを接種する住民接種を行うこととされており、その際の医療従事者の必要物品としてマスクを備蓄しております。そのようなことから、現時点で区民へのマスク配布は難しいと考えます。私からは以上です。
○塩野目 議長 次に、48番馬橋靖世議員。
〔48番馬橋靖世議員登壇〕(拍手)
◆48番(馬橋靖世 議員) 何かひとしきり盛り上がりが終わったような雰囲気を感じて、大変やりづらい雰囲気の中で、最後のラストバッターということで、大体いつも私は無所属なので最後なんですが、しっかりと取り組ませていただきたいと思います。
大田無所属の会の馬橋でございます。
今回は、SDGsについて取り上げて質問させていただきたいというふうに思います。きょう、この後、SDGsというちょっと漠然としたテーマを取り上げさせていただきますが、この後、SDGsという単語は21回出てきますので、ここは少しご容赦をいただければというふうに思っております。今のは1回に入れておりません。
SDGsという言葉は、2015年9月に国連サミットで採択されたテーマでありますが、当時の日本ではあまり広がりを見せませんでした。それが、この間の関係各所の広報や企業での取り組みなどが進み、かなり身近な言葉になってきたように感じています。議会関係者の方も含め、きょう主役の座をさらった松原議員の胸元にも光っておりますが、SDGsのロゴバッジを胸元につけている方を最近よく見かけるようになってまいりました。ただ、SDGsというテーマが漠然と周辺にあふれ始めてはいるものの、地球規模の開発目標であり、自分自身も含めて、まだまだ本当の意味で一人ひとりの市民レベルに落とし込んでは理解できてはいないというふうに感じています。ちなみに、朝日新聞が昨年行った認知度調査によると、SDGsという言葉を聞いたことがあるという人の割合は約27%だそうであります。今回は、この大きな大きな地球規模の目標と、地域住民のための基礎自治体である大田区の目標とを両面で考えながら質問をさせていただこうと思います。
さて、そもそもSDGsとはどういった経緯で採択をされてきたのか、これを振り返ってみたいと思います。もちろん、様々な地球環境の変化だったり、関係諸国の取り組みだったり、国連自体の動きなどの中で、環境負荷軽減に向けた取り組みの必要性と気運の高まりがベースではありますが、具体的な目標として確立し、採択されるに至った経緯があります。この点について、SDGsが国連で採択をされた2015年に国連大使を務められ、交渉にも関わった前国連日本代表部特命全権大使の吉川元偉さんが、雑誌の取材に対して当時の経緯を語っている記事がありましたので、少し引用させていただきたいと思います。
SDGsが採択されるまでの経緯を簡単に話しますと、1987年に、国連の「環境と開発に関する世界委員会」の委員長を務めていたノルウェーの首相が、「我ら共有の未来」と題する報告書を発表、それまでは個別に議論をされていた開発問題を、環境と切り離して考えることができない問題として捉えた画期的な報告書であったと書いてあります。大気や海洋、土壌などの地球環境を守らない限り、どんな開発をしても人間の生活は豊かにならないという視点で提言をされたのであります。「持続可能な開発」という言葉も、この首相の名前をとったブルントラントレポートで初めて使われました。そして、この提言は、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議、通称地球サミットに受け継がれ、この地球サミットの後、気候変動枠組条約締約国会議、通称COPが始まり、京都議定書やパリ協定につながるという気候変動対策のラインが、この1992年に引かれたのであります。
そして、そのラインの中で、2000年にMDGs(ミレニアム開発目標)が採択をされたわけであります。その後の後身であるSDGsへの変遷として、MDGsは、どうすれば開発途上国を豊かにできるかというアジェンダであったのに対し、SDGsは、先進国も含めた世界の全ての国が取り組むアジェンダであることというふうになり、対象は大きく広がったのでありますとありました。つまり、我々一人ひとりも宇宙船地球号の乗組員の一人として未来世代に環境をつないでいかなければ、人類そのものに明るい未来は待っていないのだということ、その結論を国連が共通認識として捉えたということであり、このSDGsを達成していくことが人類の継続と発展にとって欠かせない命題であると表明をしたことになりました。
こうした背景の上で、目線を我が大田区に戻してみますと、途上国を中心とした開発目標であったMDGsから発展したSDGsの主要17項目の開発目標には、地域区民の福祉の増進や効率的な行政サービスの提供などという基礎自治体としての目的達成の視点とは乖離する部分も多く見受けられています。一方で、先ほど来取り上げているとおり、現在、世界中で多くの企業が、CSRやCSVなどの価値観も含め、SDGsへの取り組みをプロモーションしており、企業評価の1項目としてSDGsへの取り組みの有無は優良企業の条件として捉え始められていると言えますし、この基準は、恐らく今後、地方公共団体へも広がりを見せることになろうというふうに思っています。
自治体としての責任やシティプロモーションなどの観点からも、持続可能な社会実現に向けた取り組みを前に、今後、SDGsとどう向き合っていくのか、まずは大田区の見解をお伺いいたします。
地球規模の持続可能な開発目標を達成するためには、途上国、先進国、両方が互いのエゴイズムを排除して取り組んでいく必要がありますが、それだけではなく、世界には目標達成を阻む、もしくは計画を大幅に狂わす様々なリスクがあふれています。2015年のSDGs採択から今日まででも、例えば環境的なリスクとして、地球温暖化の深刻化やそれに伴う様々な環境負荷の増加、中国をはじめとする廃プラスチックの大規模な輸入規制、アマゾンでの広範な森林火災、こういったことがありました。先進国の政治的なリスクとしては、アメリカのパリ協定の離脱やイギリスのEUの離脱、2015年、パリでのテロをはじめとするイスラム国の活発化など、またアジア圏においては、昨年大変話題になりましたが、香港での100万人規模の大規模な政治デモ、北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射実験やイランの核開発の拡大など、挙げ始めれば切りがありません。
さらに、今まさに渦中と言える新型コロナウイルスによる肺炎やインフルエンザの世界的な流行なども大きなリスクですし、同時に、それに伴って起こり得る国家間の関係性の悪化や民族間の差別、迫害の助長など、宇宙船地球号がはらむ大きな社会的リスクとなっているというふうに感じています。こうした情勢の中、国際都市おおたとして、2030年のあるべき姿、ありたい姿を描き、明確な計画を立てて進んでいくべきだと考えています。
さて、再度大田区に戻り、個別のケースに目を向けさせていただきたいと思います。来週からいよいよ本格的な2020年度の予算審議が始まりますが、それに伴って予算事項別の明細が示されました。その中で、毎年度ほぼ同額で、資源リサイクルについて、年間2000万円から3000万円程度の資源持ち去り対策費が計上されています。当然、資源の持ち去りは条例違反であり、許されない犯罪行為でありますが、一方で、少しマクロな視点で捉えると、こうした予算について、回収された資源による区の収入とどのようなバランス関係にあるのかという疑問もわいてきます。違反者の発生抑制という考え方からもパトロールをやめるべきとは全く考えませんが、広範にわたる巡回には限界もあり、組織的な犯行が後を絶たない現状を見ても、新しい取り組みを検討する必要性を感じています。例えば、集団回収の増進や発生抑制、再使用などの取り組みの推進、民間企業による新たな環境負荷軽減の手法開発など、投資すべき事業もほかにたくさんあるようにも感じます。
対症療法ではなく根絶を目指すという考え方として、例えば行政の回収業者以外は資源を持っていけないような手段の開発など、新しい方法も研究すべきと考えますが、区の見解を伺います。
次に、世界的な廃プラ輸入規制について関連で伺います。この件については、中国が2017年の輸入廃棄物管理目録の改正をもって、廃プラスチックを含む資源ごみの受け入れを全面的に禁止したことで大きな問題となりました。日本でも既にレジ袋の削減、廃止を決定する大手スーパーや、紙ストローを採用する飲食店が増えるなど、取り組みは始まっており、年々、廃プラスチックの総排出量は大幅に減少してきています。東京都でも昨年から廃プラスチック処理・有効利用推進協議会を立ち上げたり、廃プラスチック緊急対策ホームページを設置したりと、廃プラ抑制とリサイクルに徹底注力をし始めています。こうした情報プラットフォームを見て回っていると、おおむね国内の輸出業者の経済的な負担増は軽微なものであるというふうに見てとれていますが、だからオーケーということでもありません。
大田区をはじめ都内23区では、サーマルリサイクルによる熱エネルギー還元を行っていますけれども、中国をはじめとするこの世界各国の廃プラ輸入規制などの流れを見ると、持続可能かつ低炭素社会の実現という視点からは、清掃事業全体として再資源化などマテリアルリサイクルなどの可能性も検討されるべきだというふうに感じています。
大田区では、これらの動向についてどのような見解をお持ちか、お伺いをいたします。
最後に、本当の意味での持続可能性という観点から、資源回収された資源物について伺いたいと思います。区では、資源回収された資源物について、中間処理後に売却をしていますが、回収から売却までにかかる費用と売却による収入のバランスを鑑みると、生産性のある事業ということではなく、あくまで環境対策として予算をかけて行っている投資的な事業であることがわかります。
今後、このバランスを踏まえた上で、基礎的自治体として区はどのような方向性を持ってリサイクル事業に取り組むのか、お考えを伺います。
環境負荷軽減への取り組みは喫緊の課題である一方、区民の税金から編成される区の予算から、身の丈に合わない環境投資を行っていくことが本当の意味での持続可能なのか、こうした視点からも事業を見つめ続ける必要があるというふうに感じています。
大田区では現在、2021年度から2028年度までの新基本計画策定に向け、有識者懇談会などを実施していますが、ぜひ、SDGsの視点を盛り込んだ2030年の大田区の姿についても議論、検討を進めてほしいと思います。本当の意味での持続可能とは何かを真剣に考えるべきときだと感じています。例えばですが、北海道下川町では、国のSDGs未来都市事業、自治体SDGsモデル事業指定を受け、下川版SDGsを策定して下川町が2030年にどうありたいかを明確化し、様々な計画と取り組みを始めています。ほかにも十数の自治体が同様の認定を受けて取り組みを始めていますので、我が区としてもしっかりと先進事例について研究するべきと感じています。
大田区としては、既に行っている区内の環境に配慮した優れた技術を有する町工場などを優工場として表彰するなど、大田区独自の取り組みも推進をぜひこのまま進めてほしいというふうに思っています。
最後に、重ねてになりますが、こうした情勢の中、国際都市おおたとして2030年のあるべき姿、大田区がありたい姿を描き、区民とともに計画を立てて進んでいくべきだと考えています。今後、SDGsの視点を取り入れた区の未来計画が必要になると感じています。ぜひ検討していただきますよう要望いたします。
大田区の先進的な取り組みに期待をして質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 私からは、SDGsに関するご質問にお答えをさせていただきます。
SDGsは、世界が直面する喫緊の環境、政治、経済などの課題に取り組むため、2015年9月の国連サミットにて全会一致で採択された、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指す世界共通の目標でございます。掲げられた17の目標を達成していくために、様々な主体がみずからの強みを活かした取り組みを積み上げ、有機的に連携していくことが重要とされてございます。一方、SDGsに先立ち、この間、区政運営の根幹としてきた地域力の考え方は、地域の様々な主体が連携・協働していくという方向性を示すものでございまして、また、もう一つの考え方である国際都市につきましては、日本のゲートウェイとして地域の力を結集し、新たな時代を切り拓いていくという方向性を示したものであることから、本区の取り組みは、まさにSDGsの考え方と軌を一にするものでございます。
現在策定してございます新たな基本計画につきましても、このような状況の中、「安全・安心」なまち、「共創」のまち、そして、将来にわたって輝き続ける「持続可能」なまちなどを目指して、未来を担う新しい世代へとつなげ、区の将来像を実現していく計画といたします。引き続き、人口構成の変化、グローバル化、情報技術の推進など、本区を取り巻く環境の変化に的確に対応しながら、いつまでも住み続けたいまちの実現に向けた取り組みを全力で進めてまいります。私からは以上でございます。
◎落合 環境清掃部長 私からは、資源回収とリサイクルに関する三つのご質問に順次お答えいたします。
初めに、資源の持ち去り対策事業に関するご質問ですが、第三者による古紙やびん・かん等資源の持ち去り行為が広く区内で発生しており、区民の皆様からも取り締まってほしいとの声が多数寄せられております。そこで、区では、民間委託によるパトロールを毎日実施しているところでございます。持ち去り行為を確認した場合は、その場で注意・指導を行い、再三の指導にもかかわらず持ち去り行為を行う者に対しては、各警察署と連携のもと、告発を行う等の取り組みを行っております。今年度は1月末時点で、警告書交付59件、禁止命令書交付5件、告発1件の実績となってございます。
民間委託によるパトロールは、持ち去り行為が頻発している地域を対象に、清掃事務所の管轄ごとにパトロール車を配置し、巡回するという手法で試行的に実施しており、今後、費用対効果の面からも検証してまいります。区としましては、古紙価格の動き等、資源をめぐる状況を適切に把握しながら、資源回収事業全体として効果的・効率的な事業展開につながるよう、引き続き検討を重ねてまいります。
次に、廃プラスチックのリサイクルに関するご質問ですが、区では、単一素材の品目を回収することで、より質の高いリサイクルを目指しております。現在、ペットボトル、食品トレイ、発泡スチロールの3品目を回収し、マテリアルリサイクルを行い、90%以上を再利用しております。プラスチックを含むごみ減量のためには、まず発生抑制の推進が第一であると考えており、普及啓発に取り組んでおります。東京都では、昨年12月、東京都廃棄物審議会の答申を受け、プラスチック削減プログラムを策定し、長期的視点に立ったプラスチックの削減目標を掲げ、都内自治体の動きを支援する等の方針を打ち出しております。区といたしましては、プラスチックをめぐる社会全体の動きや国・都の動向等を十分踏まえるとともに、費用対効果を見据え、より効率的で適切なごみ処理対策につきまして検討してまいります。
3点目の区のリサイクル事業の方向性に関するご質問ですが、区のリサイクル事業は、ごみの発生ができる限り抑制され、再生利用により資源消費の低減が図られる循環型社会の構築を目指すことを目的として実施しております。区では、回収した資源を市況に応じて売却し、区の歳入としておりますが、資源の売却額は事業コスト全体の1割程度であり、リサイクル事業そのものは多くの経費負担が必要な事業となってございます。区といたしましては、リサイクル事業には多くのコストがかかっていることを区民の皆様にご理解いただけるよう、これまで以上に情報発信を行い、発生抑制リデュース、再使用リユースといった、いわゆる2Rの推進と実践につなげてまいります。また、区民の皆様による自主的・主体的な資源回収活動でございます集団回収がより充実する方向で検討してまいります。こうした取り組みにより、発生抑制や再使用を優先し、ごみを出さない生活への転換を図り、適正に分別された資源が無駄なく再利用される資源循環のまちづくりを進めてまいります。私からは以上です。
○塩野目 議長 以上で質問を終結いたします。
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○塩野目 議長 本日の日程に入ります。
日程第1を議題とします。
〔鴨志田事務局長朗読〕
△日程第1
第5号議案 令和元年度大田区
一般会計補正予算(第5次) ほか15件
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○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第5号議案は、令和元年度大田区
一般会計補正予算(第5次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ41億2032万2000円を減額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ2873億2674万2000円となります。歳入で追加する内容は、特別区税、国庫支出金などでございます。減額する内容は、繰入金、特別区債などでございます。歳出で追加する内容は、都市整備費、環境清掃費などでございます。減額する内容は、土木費、教育費などでございます。このほか、繰越明許費17件、債務負担行為の補正として追加1件、廃止3件、地方債の補正として廃止2件、変更4件をお願いしております。
第6号議案は、令和元年度大田区
国民健康保険事業特別会計補正予算(第1次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ1億5046万2000円を追加し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ682億9460万2000円となります。歳入で追加する内容は、繰越金、国民健康保険料などでございます。減額する内容は、都支出金でございます。歳出で追加する内容は、諸支出金、総務費でございます。減額する内容は、保険給付費でございます。
第7号議案は、令和元年度大田区
後期高齢者医療特別会計補正予算(第2次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ3億6205万5000円を追加し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ171億2192万3000円となります。歳入で追加する内容は、後期高齢者医療保険料、繰越金などでございます。歳出で追加する内容は、広域連合納付金、諸支出金でございます。
第8号議案は、令和元年度大田区
介護保険特別会計補正予算(第2次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ710万円を減額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ572億5531万2000円となります。歳入で減額する内容は、繰入金でございます。歳出で減額する内容は、総務費でございます。
第9号議案は、職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例で、児童福祉業務手当を追加するため改正するものでございます。
第10号議案は、大田区積立基金条例の一部を改正する条例で、郷土博物館資料収得積立基金の名称を文化振興基金に改めるため改正するものでございます。
第11号議案は、大田区手数料条例の一部を改正する条例で、毒物及び劇物取締法、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の改正に伴い、必要な手数料を定めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。
第44号議案は、東京都
後期高齢者医療広域連合規約の一部を変更する規約に関する協議についてで、当規約の一部変更について協議を行うに当たり、地方自治法第291条の11の規定に基づき提出するものでございます。
報告第1号は、民事訴訟の提起に係る専決処分の報告についてで、建物明け渡し等を求める訴えの提起について報告するものでございます。
報告第2号は、訴訟上の和解に係る専決処分の報告についてで、区立小学校の児童らの行為についての区の責任に関する損害賠償請求事件に係る訴訟上の和解の専決処分について報告するものでございます。
報告第3号は、区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告についてで、庁有車による車両損傷事故ほか3件について報告するものでございます。
報告第4号は、仮称大田区新蒲田一丁目
複合施設新築工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の35億2000万円から34億7938万8000円に変更いたしました。
報告第5号は、大田区立大森第七中学校校舎改築その他工事(T期)請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の32億2300万円から32億3368万1000円に変更いたしました。
報告第6号は、大田区立志茂田小学校及び大田区立志茂田中学校ほか3施設外構その他工事(U期)請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の5億3028万円から5億4129万1000円に変更いたしました。
報告第7号は、
森ケ崎公園改良工事その4(
多目的スポーツ広場)請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の2億3331万円から2億4123万4400円に変更いたしました。
報告第8号は、大田区立大森第四小学校校舎(棟番号F−1その他)取壊しその他工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の1億4850万円から1億5536万4000円に変更いたしました。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 質疑に入ります。
この際、議員の皆様に申し上げます。本会議での議員の発言につきましては、会議規則第53条で「発言はすべて簡明にするものとし、議題外にわたり、又はその範囲をこえてはならない。」と規定され、また、質疑についても「自己の意見を述べることができない」と明記されております。したがいまして、議員の皆様には、発言に当たっては、規則で定められたルールに従って行うよう、ご留意のほどお願いしておきます。
本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。
〔46番奈須利江議員登壇〕
◆46番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
第5号議案 令和元年度大田区
一般会計補正予算(第5次)につきまして質疑いたします。
今回の補正予算には、公共施設整備積立基金積立金の増額10億円、防災基金10億円、新空港線10億円、羽田空港対策基金は2487万5000円が積み立てられています。これらの主な財源は、予算として積まれたものの、期末を目前に予算を使い切れないことから執行残を減額し、その分を積み立てる形になっています。このまま年度末を迎えれば、半分は翌年に繰り越し、残り半分は使途を限定しない財政基金として積み立てられると定められています。
そこで伺います。補正予算は不要不急のやむを得ない状況の変化に対応するというのが基本です。あえて最終補正予算で使途を限定した公共施設整備基金に10億円、防災基金に10億円、新空港線基金に10億円、羽田空港対策基金を2487万5000円積み立てなければならない理由と、事業上の具体的なメリットについてお答えください。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎川野 副区長 第5号議案につきまして、通告がございましたご質問にお答え申し上げます。
基金の積み立てにつきましては、各基金の目的に応じた将来の需要に備えるため、原則として当初予算で計画的な積み立てを行っているところでございます。その上で、その時々の予算の執行状況や区債の発行額とのバランスなどの財政状況を踏まえまして、補正予算におきましても適時適切に積み立てを行うことが財政の安定化につながるものと考えてございます。今回の各基金への積み立てでございますが、公共施設整備資金積立基金につきましては、今後の公共施設の機能更新の集中に対応するため、また、新空港線整備資金積立基金につきましては、新空港線事業の早期着手を目指すことから、令和2年度予算で計上予定だった一部を前倒しで積み立てるため、防災対策基金につきましては、昨年の台風19号の被害対応といたしまして、第4次補正予算で基金の一部を取り崩したことから、大規模災害対策経費の確保や今後の台風等の災害に備える必要があるためで、今年度の収支見込みなどを勘案いたしまして補正をさせていただくものでございます。また、羽田空港対策積立基金につきましては、事業者への貸し付けを行った第一期事業用地に係る貸付料を、今後の羽田空港跡地まちづくりなどに活用するため積み立てるものでございます。基金の活用は、景気の影響に左右されることなく、区の一般会計への影響を抑えながら、将来の行政需要に的確に応えることができることがメリットと考えてございます。以上でございます。
○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。
本案については、報告第1号から報告第8号に至る8件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託します。
なお、本案中、第9号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、あらかじめ特別区人事委員会の意見を聴いておきました。タブレット型端末に配信の写しのとおりですので、ご報告いたします。
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31特人委給第791号
令和2年2月14日
大田区議会議長 塩野目 正 樹 様
特別区人事委員会 委員長 中 山 弘 子
地方公務員法第5条第2項に基づく人事委員会の意見聴取について(回答)
令和2年2月7日付31大議発第11026号により意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。
記
第9号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
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○塩野目 議長 日程第2を議題とします。
〔鴨志田事務局長朗読〕
△日程第2
第12号議案
大田区立消費者生活センター条例の一部を改正する条例 ほか15件
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――――――――――――――――――
○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第12号議案
大田区立消費者生活センター条例の一部を改正する条例、第13号議案 大田区
区民活動支援施設条例の一部を改正する条例、第14号議案 大田区
特別出張所付属施設条例の一部を改正する条例、第15号議案
大田区立区民センター条例の一部を改正する条例、第16号議案
大田区立文化センター条例の一部を改正する条例、第17号議案
大田区立大森東地域センター条例の一部を改正する条例、第18号議案
大田区立ライフコミュニティ西馬込条例の一部を改正する条例、第19号議案
大田区立池上会館条例の一部を改正する条例、第20号議案
大田区立山王会館条例の一部を改正する条例、第21号議案 大田区多
文化共生推進センター条例の一部を改正する条例、第22号議案
大田区民プラザ条例の一部を改正する条例、第23号議案
大田区民ホール条例の一部を改正する条例、第24号議案 大田文化の森条例の一部を改正する条例及び第25号議案
大田区立大森スポーツセンター条例の一部を改正する条例は、受益者負担の適正化の観点から、施設の使用料を見直すため改正するものでございます。
第26号議案は、大田区
南六郷創業支援施設条例で、大田区南六郷創業支援施設を設置し、その管理に関し必要な事項を定めるため制定するものでございます。
第27号議案は、大田区
創業支援施設条例を廃止する条例で、大田区
南六郷創業支援施設条例の制定に伴い、施設の使用を終了するため廃止するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 質疑に入ります。
本案については、奈須利江議員、北澤潤子議員から通告がありますので、順次これを許します。
まず、46番奈須利江議員。
〔46番奈須利江議員登壇〕
◆46番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
第12号議案
大田区立消費者生活センター条例の一部を改正する条例について質疑いたします。
大田区は4年に1度、施設使用料を見直すとしています。今回の使用料改定は、2017年に改定しなかった施設の使用料を2021年から改定するための条例改正と説明を受けました。実際に改定される施設のうち、この消費者生活センターはじめ多くの施設が前回に引き続き改定されます。中には、前回値下げされたにもかかわらず今回は引き上げられる施設もあれば、この消費者生活センターのように、4年前に引き続き引き上げられる施設もあります。引き上げで平成28年以前の料金に比べると5割増になる施設もあります。施設使用料は、施設にかかった経費を算定し、それを施設の性質で公費負担と利用者負担に分け、面積や時間で配分して算定すると示されています。かかったコストの一部を税金だけで負担するのではなく、使用料として徴収して区民の皆様に税金以外にご負担いただくという考えです。
そこで伺います。1 今後、原価の算定項目、公費負担、利用者負担の割合などは変わる可能性がありますか。
2 消費者行政について、公共性は中程度とした理由は何ですか。
3 補助金、交付金は原価から減額されますか。
4 減免することにより、本来利用者が負担すべきところ、利用者の使用料が入りませんので、その分、公費負担として区民で広く負担することになります。大田区で統一的な減免の基準はありますか、それとも施設ごとに判断していますか。
5 消費者生活センターは家賃をどう扱っていますか。
6 公共施設整備方針などで、建て替えの際の施設建設費は、その全額を将来の必要額として計算し、基金が積み立てられています。施設使用料の算定基準を見ると、施設建設費の一部を使用料で負担する仕組みになっていますが、ここで利用者負担を求めることは税の二重取りにはなりませんか。また、区民が使用料として負担している金額まで将来負担に含めるため、その分、過大な将来負担予測になりませんか。以上です。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎川野 副区長 第12号議案につきまして、通告がありました6点の質問にお答え申し上げます。
区民生活に不可欠な公共施設の建設・運営には多くの経費が必要となるため、施設を利用される方とそうでない方との公平性の確保の観点から施設使用料をご負担いただいているところでございます。施設使用料の算定に当たりましては、いわゆる受益者負担の原則の考え方に立っておりますが、提供するサービスが必需的なものか選択的なものか、さらには公共性の程度はどの程度なのかなどの要素のほか、政策的効果も考慮し算定をしているところでございます。
そのような基本的な考え方に基づきまして、1点目の利用者負担割合についてでございますが、今回の改定に当たりましては、平成29年度改定でお示しいたしました「統一的な施設使用料算定についての基本的な考え方」に基づいて利用者負担割合を設定いたしました。今後の原価の算定項目や利用者負担の割合などにつきましては、社会状況も踏まえ、適切に対応させていただきます。
2点目の消費者行政の公共性を中程度とした理由についてでございますが、消費者行政の公共性を中程度としたものではなく、原則として消費者生活センターなど全ての集会室の公共性の基準を中程度とさせていただいたものでございます。一方、区民・文化センター等の集会室は、設置目的を「区民に研修、集会の場等を提供することによって、区民の文化活動及び地域活動の促進を図り、文化の向上、地域の振興に寄与するため」と条例で規定していることや、区の施策である地域で活動する団体などの生きがいづくり、健康づくりの拠点であることから、公共性が高い施設として位置づけております。
3点目の補助金の原価からの減額についてでございますが、前回の使用料改定でお示ししました「統一的な施設使用料算定についての基本的な考え方」では、施設サービスの提供に必要な光熱水費等の維持管理費や人的経費、維持補修費のランニングコストのほか、施設建設に係るイニシャルコストのうち、建物の減価償却相当分についても施設使用料の算定基礎としております。なお、補助金や交付金については原価から減額しておりません。
4点目の減免の基準についてでございますが、現在のところ、区の統一的な基準はございませんが、障害者基本法に基づく経費負担の軽減や青少年健全育成に係る軽減など、施設の目的や機能などに応じて個別に判断をさせていただいているところでございます。
5点目の消費者生活センターの家賃につきましては、消費者生活センターの建物部分は区が区分所有をしてございます。そのため、家賃の支払いは発生してございません。
6点目の基金と利用者負担についてでございますが、利用者の負担の考え方につきましては、1点目のところでお答えをさせていただきました。したがいまして、利用者負担を求めることにつきましては、税の二重取りという考え方ではございません。また、過大な負担とならないよう適切に算定しております。以上でございます。
○塩野目 議長 奈須議員、再質疑ですか。奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。
〔46番奈須利江議員登壇〕
◆46番(奈須利江 議員) 最初にお伺いをいたしました今後の原価の算定項目や、公費負担、利用者負担の割合などについては、今後変わる可能性があるというご答弁でございまして、そこには社会状況に応じて判断をするという、たしか答弁だったと思うんですけれども、具体的にはどのようなことをお考えでしょうか。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 ただいま再質疑がございました今後の原価の算定項目、利用者負担割合についてお答えをさせていただきます。
発言通告された内容についての基本的な考え方は、先ほど川野副区長が申し上げたとおりでございますが、改めてご説明させていただきますと、社会経済状況とは、一例を挙げますと、物価などの経済状況、人口構成の変化、あるいは施設の利用状況などを現在のところ想定してございまして、これらを総合的に判断し、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。私からは以上でございます。
○塩野目 議長 次に、47番北澤潤子議員。
〔47番北澤潤子議員登壇〕
◆47番(北澤潤子 議員) 大田・生活者ネットワークの北澤潤子です。
第12号議案から第25号議案の施設使用料の改定のための条例の一部改正について質疑いたします。
これらの議案は、受益者負担の適正化のためとして、大田区立消費者生活センターをはじめとする施設の使用料を、25%を上限として見直しをするものです。
2点お聞きします。施設の性質を必需性と選択性、公共性と市場性の視点から分類をして算定をしていますが、実際問題としては、利用率や稼働率が低いところがあれば、値上げをするとさらに利用率が減るかもしれません。税金でつくられた施設です。利用者が少なければ原因を探り、利用しやすくする工夫が必要です。
そこでお聞きします。今回の改定には利用率、稼働率を反映していますか。
もう1点は、今回の改定に際して、区民の意見を聞くかどうかお聞きします。もし聞く場合はどのような形で聞くか、もし聞かないのならなぜ聞かないのかをお聞かせください。
公共施設の使い勝手は区民生活に深くかかわります。そこで受益者負担の考え方の透明性、公平性を示す必要があり、そのため、区からの一方的な料金改定の提示ではなく、双方向の意見交換で理解を得、さらにより良い施設運営につなげる必要があります。施設が有効に活用され、利用満足度を高めることは大変重要です。例えば、ある施設では、区民が電子ピアノを持ち込んでミニコンサートをやりたいと相談しますと、「この部屋は音を出すことはできません」と断られたのに、町会の新年会ではカラオケ大会が行われていたそうです。また、大田区は地域によって施設の配置に偏りがあるので、区民の集まる場所が少ない地域では、例えば出張所が会議室を使っていないときには融通するなど、地域への目配りも必要です。区民の福祉向上や地域づくり、地域力の向上のためには、地域の区民ニーズを丁寧に拾い上げながら、施設の有効利用や改善に対して庁内連携で対応していくべきではないでしょうか。
以上、2点お聞きします。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎川野 副区長 第12号議案ほか13件について、通告がございました2点のご質問にお答え申し上げます。
1点目の施設利用率の使用料算定への反映につきましては、使用料の設定に当たって利用率は反映をしてございません。1平米・1時間当たりの使用料原価の算出では、対象経費の合計を貸出面積と利用可能時間で割り返しており、利用されていない時間帯の使用料相当分につきましては、実質的には区の負担となります。前回の改定以降、施設の利用率はおおむね改定前の状況を維持しておりますが、今後も区民利用施設の利用率向上に向けた取り組みに努めてまいります。
2点目の使用料改定に当たって区民の意見を聞く場についてでございますが、使用料は、施設を利用される方とそうでない方との公平性を確保するため、適正な使用料を設定するものでございます。区民の皆様のご意見を聞く場につきましては、使用料の改定のみならず、区政全般に関しまして、区民意識調査や区政に関する世論調査、区民と区長との懇談会など、様々な機会を設けて広く区民の皆様のご意見を伺っているところでございます。また、施設においても、いつでも何か問題がございましたらご意見をいただければありがたいというふうに考えてございます。使用料の改定に当たりましては、十分な周知期間を確保いたしまして、区民の皆様に丁寧にお知らせをしてまいります。以上でございます。
○塩野目 議長 北澤議員、再質疑ですか。北澤議員、演壇にて再質疑を許可します。
〔47番北澤潤子議員登壇〕
◆47番(北澤潤子 議員) 区民の税金によってつくられた施設でありますから、やはり利用料金については、公平性、透明性は本当に重要なことです。区民の意見をしっかり聞くということを今の副区長の言葉にはありましたけれども、聞くということを表現しなければ区民はどのように聞いていいのかわからない。例えばご意見箱を置くとか、また、このときに際しては説明会を開くなど、区民の意見を聞くという表明を大田区はする必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎市野 企画経営部長 ただいま再質疑がございました件についてお答えをいたします。
発言通告された内容についての基本的な考え方は先ほど川野副区長が申し上げたとおりでございますが、改めてご説明させていただきますと、使用料の改定のみならず、区政全般に関し、区民意識調査や区政に関する世論調査など、様々な機会を設けて広く区民の皆様の意見を聞いているところでございます。今後も引き続き、区民の皆様方のご意見に耳を傾け、区政への反映に努めてまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。
○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。
本案については、いずれも所管地域産業委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第3を議題とします。
〔鴨志田事務局長朗読〕
△日程第3
第28号議案 大田区奨学金貸付条例の一部を改正する条例 ほか3件
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――――――――――――――――――
○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第28号議案は、大田区奨学金貸付条例の一部を改正する条例で、高等学校等における奨学金の給付制度を新設し、及び貸付制度を廃止し、並びに一定の要件を満たす者に対する貸付奨学金の減免規定を設けるほか、規定を整備するため改正するものでございます。
第29号議案は、大田区
身体障害者奨学金貸付条例を廃止する条例で、身体障害者奨学金貸付制度を廃止し、大田区奨学金貸付条例による奨学金貸付制度へ統合するため廃止するものでございます。
第30号議案は、大田区老人いこいの家条例の一部を改正する条例で、受益者負担の適正化の観点から、施設の使用料を見直すため改正するものでございます。
第31号議案は、大田区
国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例の一部を改正する条例で、国家戦略特別区域法施行令の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管健康福祉委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第4を議題とします。
〔鴨志田事務局長朗読〕
△日程第4
第32号議案 地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例 ほか5件
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――――――――――――――――――
○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第32号議案は、地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例で、災害に強いまちの実現に向けて、基本理念並びに区民、事業者及び区の責務に災害に強いまちづくりの推進等を掲げ、遵守すべきまちづくりの基本に大田区地域防災計画を加えるほか、規定を整理するため改正するものでございます。
第33号議案は、大田区
私道整備助成条例の一部を改正する条例で、私道を整備する者に対する助成制度を拡充するため改正するものでございます。
第34号議案は、大田区
私道排水設備助成条例の一部を改正する条例で、私道の排水設備を整備する者に対する助成制度を拡充するため改正するものでございます。
第35号議案
大田区立公園条例の一部を改正する条例、第36号議案
大田区立下水道関連施設公園等の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例及び第37号議案
大田区立多摩川緑地付属施設条例の一部を改正する条例は、受益者負担の適正化の観点から、施設の使用料を見直すため改正するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 質疑に入ります。
本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。
〔46番奈須利江議員登壇〕
◆46番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
第32号議案 地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例について質疑いたします。
今回の条例改正で、大田区は次の改正を行おうとしています。地域力を生かした大田区まちづくり条例の第2条に、災害の定義として、「地震、洪水、豪雨、暴雨、崖崩れ、高潮、津波その他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する原因により生ずる被害をいう。」という文言を加える。第3条、まちづくりの基本理念に「災害に強いまちづくりを推進するなど」を加える。第4条、区民の責務に「災害に強いまちづくりを推進するなど」を加える。第5条、事業者の責務に「事業者は、区民と共に災害に強いまちづくりの推進に努めるとともに、区が実施する災害に強いまちづくりに関する施策に協力しなければならない。」を加える。第6条、区の責務に「区は、災害に強いまちづくりを推進するに当たり、区民及び事業者の理解及び協力を得なければならない。」を加えるほか、自転車条例改正に伴う条例名の変更を行うための改正になっています。これらの条例改正により、主に地域力を生かした大田区まちづくり条例に、災害に強いまちにするという目的が加わることになります。
そこで伺います。第5条に加える区が実施する災害に強いまちづくりに関する施策とは何か決まっていますか。
2 施策は今後、増えますか。
今回の改正は、区民、事業者、大田区に対し、災害に強いまちづくりの推進について、努力や協力を強制する「ねばならない」という義務を課しています。
3番目に伺います。協力や努力規定とせず、「ねばならない」という義務規定にしたのはなぜですか。
4 「ねばならない」という義務規定があることで、区民が不利益をこうむることはありませんか。
5 災害に強いまちをつくるための開発促進型のまちづくり条例になり、開発を抑制するまちづくりを制限することにはなりませんか。
6 災害には戦争も含まれますか。以上です。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎川野 副区長 第32号議案につきまして、通告がございました6点のご質問にお答え申し上げます。
今回の地域力を生かした大田区まちづくり条例の改正案は、台風19号による被害等を踏まえ、災害に強いまちの実現に向けて理念を掲げるものでございます。1点目と2点目の施策につきましては、事業者に対し、ハザードマップや浸水履歴など、予想される災害を把握し、土地・家屋などの購入者への情報提供をお願いするなど、災害対策に関する分野を想定しており、それ以外の分野に増やす予定はございません。
3点目の義務規定につきましては、第4条では、区民に対して、災害に強いまちづくりに寄与するよう意識啓発を図るため、努力義務としたものでございます。第5条では、事業者が土地・家屋などの購入者へ予想される災害の情報を提供することが被害の防止につながるため、義務化しております。
4点目の区民の不利益及び5点目のまちづくりを制限することにつきましては、あくまで災害に強いまちづくりへの寄与やご協力をお願いするものでございます。これにより大田区全体の公共の福祉の向上に資するものであるため、不利益及び制限はございません。
6点目の災害につきましては、戦争は含まれておりません。以上でございます。
○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。
本案については、いずれも所管まちづくり環境委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第5を議題とします。
〔鴨志田事務局長朗読〕
△日程第5
第38号議案
大田区立児童館条例の一部を改正する条例 ほか5件
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――――――――――――――――――
○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第38号議案は、
大田区立児童館条例の一部を改正する条例で、分館を新設するため改正するものでございます。
第39号議案
大田区立共同利用施設条例の一部を改正する条例及び第41号議案
大田区立多摩川集会室条例の一部を改正する条例は、受益者負担の適正化の観点から、施設の使用料を見直すため改正するものでございます。
第40号議案は、大田区児童館等における一時預かり事業実施に関する条例の一部を改正する条例で、一時預かり事業の利用料等を見直すほか、規定を整備するため改正するものでございます。
第42号議案は、大田区
子ども家庭支援センター条例の一部を改正する条例で、一時預かり事業の保育料等を見直し、及び規定を整備するほか、受益者負担の適正化の観点から、施設の使用料を見直すため改正するものでございます。
第43号議案は、
大田区立保育園条例の一部を改正する条例で、大田区立南馬込保育園及び大田区立西糀谷保育園を廃止するため改正するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 質疑に入ります。
本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。
〔46番奈須利江議員登壇〕
◆46番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
第40号議案 大田区児童館等における一時預かり事業実施に関する条例の一部を改正する条例、第42号議案 大田区
子ども家庭支援センター条例の一部を改正する条例について質疑いたします。
これらは一時預かり事業について、周辺自治体に比べ大田区の負担が大きいため、負担しやすい料金に改定するための条例改正です。
そこで伺います。施設使用料は、受益者負担から原価を計算し、公費負担と利用者負担に分けて考えています。一時預かり事業と公共施設使用料の区民負担の考え方が違いますが、その理由を説明してください。
2 大田区はどのような方がこの事業の対象となると想定していますか。例えば、共働き、所得層、一時預かり事業を行っている施設ごと利用者の居住地域などを分析していますか。以上です。
○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
◎川野 副区長 第40号議案及び第42号議案について、通告がございました2点の質問にお答え申し上げます。
1点目の一時預かり事業の利用料設定の考え方についてのご質問でございますが、一時預かり事業は児童福祉法に基づく事業で、乳幼児を家庭において保育することが一時的に困難となった場合、または保護者の心理的・肉体的負担を軽減する必要が生じた場合に対応することを目的としており、本事業は、施設スペースの貸し出しではなく、保育士が行う保育サービスでございます。事業目的を踏まえ、利用しやすい料金とする必要がございますが、人件費が含まれる原価に負担率を乗じる方法では高額となり過ぎまして、事業目的を果たすことが難しくなることから、受益者負担率を採用しませんでした。
次に、2点目の想定する対象者と利用状況についてのご質問でございますが、対象は区内在住の生後5か月から小学校就学前までの乳幼児の保護者でございます。利用状況につきましては、保育園の開設時間と同時間帯で実施していることから、在宅で子育てをされる方が多いと捉えているところでございます。また、大森・蒲田地区の利用が多くなっており、施設の所在地が影響していると考えられることから、来年度は、認可保育園の定員の余裕を活用した一時預かり保育事業を調布地区で2園、大森西、馬込地区各1園で開始する予定でございます。以上でございます。
○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。
本案については、いずれも所管こども文教委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第6を議題とします。
〔鴨志田事務局長朗読〕
△日程第6
第1号議案 令和2年度大田区一般会計予算 ほか3件
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○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。
◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第1号議案は、令和2年度大田区一般会計予算で、歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ2873億8746万2000円となり、令和元年度当初予算に比べ1.9%の増となっております。
まず、歳入予算の主なものを申し上げます。特別区税771億871万3000円、特別区交付金698億6600万円、国庫支出金527億7381万7000円、都支出金223億4178万4000円などとなっております。次に、歳出予算の款別の額とその主な内容を申し上げます。議会費は11億2385万3000円で、議会活動諸経費などとなっております。総務費は384億8970万1000円で、水防災意識向上のためのマイ・タイムラインの普及促進やハザードマップの全戸配布など普及啓発に係る経費、災害時の対応力強化に係る経費、東京2020大会の気運醸成や開催時関係事業に係る経費、大森西、田園調布、蒲田西地区の公共施設整備に係る経費などとなっております。福祉費は1552億5848万3000円で、福祉人材の確保・育成・定着に係る経費、高齢者や障がい者への支援等の充実、待機児童対策の推進に係る経費などとなっております。衛生費は87億7500万4000円で、健康ポイント事業に係る経費、健康経営事業所認定・表彰事業に係る経費などとなっております。産業経済費は56億3199万円で、(仮称)スマート商店街実証実験事業に係る経費、産業交流施設の開設及び取り組みの推進に係る経費などとなっております。土木費は205億6123万3000円で、(仮称)仲六郷水防資機材センターの整備等防災に係る経費、合流改善貯留施設の整備等呑川の水質改善対策に係る経費などとなっております。都市整備費は74億2633万5000円で、新空港線の整備主体設立及び関連事業に係る経費、ブロック塀等改修工事等、耐震診断・改修助成に係る経費、「羽田空港跡地第1ゾーン」都市計画公園予定地等の土地活用事業の推進に係る経費などとなっております。環境清掃費は110億5017万1000円で、屋外の喫煙対策の取り組みに係る経費、給食残渣に係る食品リサイクル推進に係る経費などとなっております。教育費は340億5445万3000円で、東京2020大会競技観戦の実施に係る経費、池上図書館の移転に係る経費、区立小中学校体育館等空調設備の整備に係る経費などとなっております。そのほか、公債費44億7232万4000円、諸支出金2億4391万5000円、予備費3億円となっております。このほか、債務負担行為52件、地方債8件をお願いしております。
第2号議案は、令和2年度大田区
国民健康保険事業特別会計予算で、歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ665億6910万9000円でございます。歳入予算の内容は、国民健康保険料、都支出金、繰入金などで、歳出予算の内容は、総務費、保険給付費、国民健康保険事業費納付金などとなっております。このほか、債務負担行為1件をお願いしております。
第3号議案は、令和2年度大田区
後期高齢者医療特別会計予算で、歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ173億7693万1000円でございます。歳入予算の内容は、後期高齢者医療保険料、繰入金などで、歳出予算の内容は、広域連合納付金、保健事業費などとなっております。
第4号議案は、令和2年度大田区
介護保険特別会計予算で、歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ575億7082万7000円でございます。歳入予算の内容は、介護保険料、国庫支出金、支払基金交付金などで、歳出予算の内容は、総務費、保険給付費、地域支援事業費などとなっております。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありません。
お諮りいたします。本案については、予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
お諮りいたします。ただいま設置されました予算特別委員会の定数は49名とし、委員は、委員会条例第6条第1項の規定に基づき、タブレット型端末に配信しました予算特別委員名簿のとおり本職から指名したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
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予 算 特 別 委 員 名 簿
田 中 一 吉 委員 松 原 秀 典 委員 高 瀬 三 徳 委員
岸 田 哲 治 委員 大 森 昭 彦 委員 押 見 隆 太 委員
鈴 木 隆 之 委員 湯 本 良太郎 委員 伊佐治 剛 委員
深 川 幹 祐 委員 長 野 元 祐 委員 渡 司 幸 委員
高 山 雄 一 委員 海老澤 圭 介 委員 松 本 洋 之 委員
岡 元 由 美 委員 勝 亦 聡 委員 広 川 恵美子 委員
秋 成 靖 委員 玉 川 英 俊 委員 田 村 英 樹 委員
大 橋 武 司 委員 小 峰 由 枝 委員 椿 真 一 委員
田 島 和 雄 委員 末 安 広 明 委員 大 竹 辰 治 委員
清 水 菊 美 委員 黒 沼 良 光 委員 佐 藤 伸 委員
菅 谷 郁 恵 委員 福 井 亮 二 委員 荒 尾 大 介 委員
杉 山 公 一 委員 犬 伏 秀 一 委員 三 沢 清太郎 委員
松 原 元 委員 須 藤 英 児 委員 植 田 智 一 委員
庄 嶋 孝 広 委員 小 川 あずさ 委員 平 野 春 望 委員
野 呂 恵 子 委員 荒 木 秀 樹 委員 奈 須 利 江 委員
北 澤 潤 子 委員 馬 橋 靖 世 委員 荻 野 稔 委員
奥 本 有 里 委員
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○塩野目 議長 なお、本日の会議終了後、正副委員長互選のため、予算特別委員会を本議場において招集いたしますので、ご了承願います。
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○塩野目 議長 日程第7を議題とします。
〔鴨志田事務局長朗読〕
△日程第7
議員提出第1号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
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○塩野目 議長 提出者の説明を求めます。
〔30番黒沼良光議員登壇〕
◎30番(黒沼良光 議員) ただいま上程されました議員提出第1号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例について、共同提案者を代表して、公用車を利用したときは支給しないことを追加し、日額旅費の支給を実費支給に改めるため、条例を改正する必要があるので、この案を提出するものです。
ご審議の上、ご賛同くださいますよう、よろしくお願いいたします。(拍手)
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管総務財政委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第8を議題とします。
〔鴨志田事務局長朗読〕
△日程第8
議員提出第2号議案 大田区
心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例
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○塩野目 議長 提出者の説明を求めます。
〔28番大竹辰治議員登壇〕(拍手)
◎28番(大竹辰治 議員) ただいま上程されました議員提出第2号議案 大田区
心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例について、提出者を代表して提案理由の説明を行います。
今回の条例案は、精神障がい者2級の人も支給対象にするとともに、手当の拡充をするために改正するものです。心身障害者福祉手当は、身障手帳1・2級、愛の手帳1から3度の人には、20歳以上は1万7500円、20歳未満は4500円支給されていますが、精神障がい者の人には1級4500円のみです。身体・知的障がい者と同様に、精神障がい者に1・2級とも、20歳以上の人には1万7500円、20歳未満の人には4500円の支給を行い、心身に障がいのある人に対する手当を公平にし、もって社会参加を助長するために提案するものです。
よろしくご審議の上、ご賛同いただきますようお願いいたします。(拍手)
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管健康福祉委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第9を議題とします。
〔鴨志田事務局長朗読〕
△日程第9
議員提出第3号議案 大田区
就学援助費支給条例
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○塩野目 議長 提出者の説明を求めます。
〔34番荒尾大介議員登壇〕(拍手)
◎34番(荒尾大介 議員) ただいま上程されました議員提出第3号議案 大田区
就学援助費支給条例について、提出者を代表し、提案理由説明を行います。
この条例案は、現在の大田区就学援助費支給要綱を条例化し、支給対象を生活保護基準1.2倍から1.3倍とすることで、義務教育の円滑な実施及び教育の機会均等を実現するために提案するものです。
よろしくご審議の上、ご賛同くださいますようお願いいたします。
以上で提案理由説明を終わります。(拍手)
○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管こども文教委員会に付託します。
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○塩野目 議長 日程第10を議題とします。
〔鴨志田事務局長朗読〕
△日程第10
2第3号
羽田空港機能強化に関する陳情 ほか2件
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○塩野目 議長 お諮りいたします。本件については、いずれも羽田空港対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
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○塩野目 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。今回受理しました請願・陳情は、ただいま特別委員会に付託しました3件を除き、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会に付託します。
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令和2年第1回定例会 請願・陳情付託表【第1号】
令和2年2月25日付託
総務財政委員会
2第8号 高過ぎる国民健康保険料の引き下げなどを求める陳情
健康福祉委員会
2第1号 国に対して福祉職員の大幅な増員と賃金の引き上げを求める陳情
2第5号 東京都の「新たな病院運営改革(独法化)ビジョン」に関する陳情
まちづくり環境委員会
2第9号 新空港線と蒲田駅周辺のまちづくりとを連動する計画の見直しを求める陳情
こども文教委員会
2第10号 区立小中学校の給食費無償化を求める陳情
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○塩野目 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。
お諮りいたします。明2月26日から3月3日までは委員会審査のため休会とし、来る3月4日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時16分散会...