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  1. 大田区議会 2019-11-28
    令和 1年 第4回 定例会−11月28日-02号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    令和 1年 第4回 定例会−11月28日-02号令和 1年 第4回 定例会 令和元年第4回定例会 大田区議会会議録 第15号 11月28日(木曜日)  出席議員(50名)   1 番 田中一吉       2 番 松原秀典       3 番 高瀬三徳   4 番 岸田哲治       5 番 大森昭彦       6 番 塩野目正樹   7 番 押見隆太       8 番 鈴木隆之       9 番 湯本良太郎   10 番 伊佐治 剛      11 番 深川幹祐       12 番 長野元祐   13 番 渡司 幸       14 番 高山雄一       15 番 海老澤圭介   16 番 松本洋之       17 番 岡元由美       18 番 勝亦 聡   19 番 広川恵美子      20 番 秋成 靖       21 番 玉川英俊   22 番 田村英樹       23 番 大橋武司       24 番 小峰由枝   25 番 椿 真一       26 番 田島和雄       27 番 末安広明   28 番 大竹辰治       29 番 清水菊美       30 番 黒沼良光   31 番 佐藤 伸       32 番 菅谷郁恵       33 番 福井亮二   34 番 荒尾大介       35 番 杉山公一       36 番 犬伏秀一   37 番 三沢清太郎      38 番 松原 元       39 番 須藤英児   40 番 植田智一       41 番 庄嶋孝広       42 番 小川あずさ   43 番 平野春望       44 番 野呂恵子       45 番 荒木秀樹   46 番 奈須利江       47 番 北澤潤子       48 番 馬橋靖世
      49 番 荻野 稔       50 番 奥本有里                ――――――――――――――――――――  出席説明員   区長            松原忠義    副区長           川野正博   副区長           清水耕次    企画経営部長        市野由香里   総務部長          玉川一二    危機管理室長        井上隆義   地域力推進部長       小泉貴一    観光・国際都市部長     木田早苗   スポーツ・文化担当部長   町田達彦    区民部長          浜口和彦   産業経済部長        飯嶋清市    福祉部長          今岡正道                         障がい者総合サポートセンター所長   福祉支援担当部長      張間秀成                  森岡 剛   健康政策部長        今井健太郎   保健所長          西田みちよ                         まちづくり推進部長                         新空港線・まちづくり調整準備室長兼務   こども家庭部長       水井 靖                  齋藤浩一   都市開発担当部長      青木重樹    空港まちづくり本部長    白鳥信也   都市基盤整備部長      久保輝幸    環境清掃部長        落合邦男   会計管理者         近藤倫生    企画経営部企画課長     山田良司   企画経営部財政課長     梅崎修二    総務部総務課長       中澤 昇   教育長           小黒仁史    教育総務部長        後藤 清   教育総務部教育総務課長   杉山良樹                ―――――――――――――――――――― 出席事務局職員   局長       鴨志田 隆        次長       三上浩史   議事担当係長   矢作研治         議事担当係長   枝川 航 議事日程第2号  令和元年11月28日  午前10時開議  第1   第113号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例   第114号議案 大田区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例   第115号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例   第116号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例   第117号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例   第118号議案 大田区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例   第119号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例  第2   第 92号議案 令和元年度大田区一般会計補正予算(第4次)   第 93号議案 大田区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例   第103号議案 呑川高濃度酸素水浄化施設水処理装置設置その他工事請負契約について   報告第 38号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について   報告第 39号 仮称大田区田園調布せせらぎ公園文化施設新築工事請負契約の専決処分の報告について   報告第 40号 仮称大田区多摩川清掃事務所新築工事請負契約の専決処分の報告について   報告第 41号 大田区営大森西一丁目第2アパート及び大田区立おおもり園耐震補強その他工事請負契約の専決処分の報告について  第3   第 94号議案 大田区立本羽田二丁目第2工場アパート条例   第 95号議案 大田区賃貸工場条例の一部を改正する条例   第 96号議案 大田区大森南四丁目工場アパート条例の一部を改正する条例   第104号議案 大田区区民活動支援施設大森の指定管理者の指定について   第105号議案 大田区民プラザの指定管理者の指定について   第106号議案 大田区民ホールの指定管理者の指定について   第107号議案 大田文化の森の指定管理者の指定について   第108号議案 大田区立熊谷恒子記念館の指定管理者の指定について   第109号議案 大田区立龍子記念館の指定管理者の指定について   第110号議案 大田区総合体育館の指定管理者の指定について  第4   第 97号議案 大田区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例   第111号議案 大田区立障害者福祉施設の指定管理者の指定について  第5   第 98号議案 大田区住宅修築資金融資基金条例を廃止する条例   第 99号議案 大田区営住宅条例の一部を改正する条例   第100号議案 大田区民住宅条例の一部を改正する条例  第6   第101号議案 大田区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   第102号議案 大田区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   第112号議案 大田区立図書館の指定管理者の指定について  第7   議員提出第14号議案 大田区国民健康保険条例の一部を改正する条例  第8   議員提出第15号議案 大田区立勝海舟記念館条例の一部を改正する条例  第9   議員提出第16号議案 大田区立下水道関連施設公園等の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例  第10   元第 87号 羽田新飛行経路について学校や保育園、幼稚園等の関係者向け説明会の開催を求める陳情   元第 89号 新たな飛行ルートによる騒音被害を周波数帯域ごとに動的に計測し公表を求める陳情   元第 93号 新飛行経路に関係する国交省との協議内容を羽田空港対策特別委員会に報告を求める陳情   元第 95号 B、D滑走路から川崎石油コンビナート上空への飛行ルート変更を国に求める陳情   元第 96号 温暖化進行の要因を生む羽田空港離着陸増便を減便へ調整を国交省に求める陳情   元第 98号 羽田空港の新ルート及びヘリコプター飛行コースに関する陳情   元第100号 羽田空港増便、飛行経路変更実施時の大田市場の環境影響評価実施を都に求める陳情   元第103号 B滑走路西向き離陸の影響に関し、騒音と排気ガスの予測数値を公表して欲しい陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜                     午前10時開議 ○岡元 副議長 議長にかわり、副議長が議長の職務を行います。  ただいまから本日の会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岡元 副議長 昨日に引き続き質問を行います。  まず、37番三沢清太郎議員。                  〔37番三沢清太郎議員登壇〕(拍手) ◆37番(三沢清太郎 議員) 令和大田区議団の三沢清太郎です。会派を代表して質問いたします。  まず最初に、減災のための広域連携の必要性についてお聞きいたします。  千葉県、東京都、神奈川県の1都2県に大きな被害を及ぼした台風15号では、強風により区内での屋根等の家屋への被害や倒木被害、台風19号では、大雨により田園調布地区をはじめ大田区内で700件近くの浸水被害が発生いたしました。  これまで大田区では、19回に及ぶマイ・タイムライン講習会を開催し、家庭ごとに自宅周辺の危険度を知り、いつ、どこに避難するか決めておき、避難するまでの各自の行動を決める等、各家庭の事情に合わせて水害時行動計画をつくることを提唱してきました。しかしながら、確率0.1%の発生リスクではありますが、多摩川の氾濫により大田区の60%が浸水被害に遭うような大規模水害を想定したとき、大田区から品川区や世田谷区、目黒区、川崎市への避難や、反対に避難者受け入れなど広域での連携が必要になるケースが出てくるかと思います。そのためには、平時から隣接自治体と相互に大雨による洪水リスクや危険箇所などの情報を共有し、多摩川が氾濫時の避難行動について考えていただくための広域水害ハザードマップを隣接自治体と共同で作成をする必要がございます。  東京東部に位置する江東5区、墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区によい先行事例があることはご存じの方も多いかと思います。この江東5区では、大規模水害によって浸水する可能性がある区域に約250万人が居住をしておりますが、大規模水害による犠牲者ゼロの実現に向け、平成28年8月、江東5区広域避難推進協議会を設立し、これまで大規模水害時の広域避難について関係機関と連携して検討を進めてきました。そして、平成30年8月22日、第3回江東5区広域避難推進協議会にて、現段階で江東5区がとり得る対策をまとめた江東5区大規模水害ハザードマップ及び江東5区大規模水害広域避難計画を策定いたしました。  今後、日本近海の海水温上昇に伴い、毎年、大型台風の日本列島上陸が増加することが予想されます。想定外の大型台風等から区民の命を守るためには、平時からの隣接自治体との情報交換、情報共有、大型台風上陸前からのタイムラインの共有化、大きな被害が出たときの相互支援体制など、近隣自治体との広域連携が不可欠であるとは思いますが、本区としてのこれまでの実績と今後の連携について、区のお考えをお聞かせください。  次に、産業政策について2点お聞きいたします。  私は今般、東南アジア視察団の一員としてベトナムとタイを訪問し、両国の産業分野における明確な戦略の違いを学ぶことができました。また、今回の視点を通じて人材不足解消や技術移転の観点からベトナムとのさらなる協業の可能性も感じることができました。しかし、そこには解決しなくてはならない大きな問題が横たわっているように感じております。それは、監理団体による不正の横行です。主な不正として、ベトナムの外国人技能実習生の来日をめぐり、現地の送り出し機関から不正な手数料や接待を受ける監理団体、技能実習生が失踪したときに賠償金を支払わせる契約をベトナムの送り出し機関と結ぶ監理団体、一旦送り出し機関に支払った講習の費用を後から返金させる取り決めを行っている監理団体の存在が報告されております。技能実習制度に詳しい神戸大学大学院国際協力研究科の斉藤准教授は、「今の制度で現場の問題を把握するのは不可能だ。民間ではなく、国が受け入れ業務を積極的に担い、実習生のその後の生活支援に力を入れるべきだ」と指摘しております。  この指摘を受けて大田区内を見回してみますと、本区には区内産業に精通し、タイにあるオオタテクノパーク設立に寄与し、ベトナムのバリアブンタウテクノロジー技術高等学校と六郷工科高校の姉妹校提携の締結に尽力し、諸外国との産官学連携に詳しい公益財団法人大田区産業振興協会がございます。私は、大田区産業振興協会の外郭団体が監理団体の機能を担うことができれば、送り出し国、実習生、区内産業にとって最適解になり得ると考えております。  日ごろから身を切る改革や天下り先の削減を訴えている政党に属している私が、外郭団体を増やすことを提議することに矛盾を感じる方もいらっしゃるかと思います。しかし、外郭団体が存在意義を発揮する分野もあると思っております。例えば、人事異動の多い公務員にはなりたくないが、専門を活かして世のためになる仕事に長くかかわりたいという方々がいらっしゃいます。給与は民間ほど高くはないものの、社会的地位は高くて、安定した雇用環境を好むという方々もいらっしゃいます。そして、大田区や発展途上国の発展に貢献したい、外国渡航を含めて海外にかかわる仕事をしたいという方々もいらっしゃるはずです。そのような方々が監理団体業務を担えば、技能実習制度の本来趣旨に基づいた運営をしていただけるものと期待をしております。  今回視察したベトナムのエスハイという企業の人材教育事業や技能研修生派遣事業は、とてもすばらしいものでした。エスハイは、単に日本で働きたい人を募集するのではなく、日本で働く前に1年間の教育機会を望む生徒を募集するというところが、他のマッチングするだけの送り出し機関とはアプローチが異なりました。実際にいくつかの授業を拝見しましたが、1こま1こまの授業中、一人ひとりの学生が日本で何を学びたいのか、ベトナムに持ち帰って何をしたいのか、強い目的意識を持って全力で取り組んでいる姿がとても印象的でした。
     このように、海外では両国の発展を心の底から願って日本の技能実習制度を最大限に活用しようと取り組んでいるところがあるのですから、私たち日本人も外国人労働者が安心して働くことのできる環境を整えていくために、大田区で検討すべき政策について監理団体を含めて区長の見解をお聞かせ願います。  続いて、羽田空港を拠点とした巡回バスについてお聞きいたします。  羽田空港は2020年3月29日から昼間の時間帯の国際線発着枠が拡大され、1日当たり50便の増便が行われます。増便によって、もとからの強みである国内線の大きなネットワークを活かし、国内線と国際線のハブ機能が大幅に強化されます。それに伴い、これまでよりも多くの空港利用者が前泊や後泊や乗り継ぎ客として大田区に滞在することが予想されます。また、2020年7月には、臨海副都心エリアに東京国際クルーズターミナルの開業が予定されております。このターミナル自体は江東区に属していますが、羽田空港から約25分という地理関係から、フライ・アンド・クルーズのニーズの需要が生まれます。羽田空港アクセス線の開業を待たずとも、これらの需要に応えるために臨海部交通網の再整備が急務となります。  そこで、注目したいのが自動運転バスの実証実験です。今年10月16日、産業技術総合研究所は中型自動運転バスによる実証評価に係るバス運行事業者の選定結果を発表し、五つの事業者を選定しました。また、大阪シティバスと大阪メトロは、今年11月19日、大阪・梅田で自動運転バスの一般向け試乗会を12月17日から18日にかけて開くことを発表しました。なじみの薄い自動運転バスの乗り心地などを体感してもらい、認知度を高める狙いで、大阪メトロは2020年度に湾岸部の4路線で実用化を目指していると報じられました。  かように国内各地で実証実験や試乗会が進められておりますが、日本の技術の粋を結集した自動運転技術を世界の人に一番最初にお披露目しやすい場所が日本の空の玄関口である羽田空港ではないでしょうか。ターミナル間の移動バスや短期滞在者向け観光バス、前泊、後泊利用者向けホテル送迎バスなど、工夫をすれば臨海部地域の走行だけに限定することができるため、渋滞や事故のリスクを減らすことができます。そして徐々に運行範囲を広げていき、民間商業施設や大森駅、蒲田駅などと隣接して循環させることができれば、来日外国人にとっては大田区内観光の足となり、大田区民にとっては羽田空港への移動手段となり、民間商業施設にとっては実証実験の助成金を活用することで初期コストを抑えつつ、インバウンド需要を取り込むことが期待できます。  私は先日、台北発のLCCに乗り、朝の4時ごろに羽田空港に到着したのですが、電車やバスはまだ動いておらず、空港内施設もほとんどが閉じられている状況でした。もし自動運転バスがあれば、早朝でも人手を気にせず運行できますし、大田市場に行くことができれば、競りが活況を呈しているときに見学することができるようになり、大田区内観光の目玉になる可能性だって秘められております。  ほかの自治体の動きを見ているだけではなく、大田区としても自動運転の実証実験に積極的に手を挙げるべきだと考えますが、羽田での現在の実証実験の状況と空港臨海部グランドビジョン2030で考える臨海部移動手段をお示しいただきますとともに、この自動運転巡回バスについて区長のお考えをお聞かせください。  次に、外国籍児の不就学問題について取り上げたいと思います。  最近、日本各地でギャングと言ってもおかしくない不良外国人のグループが増えてきているのをご存じでしょうか。ここ大田区では、不良ネパール人グループ、ロイヤル蒲田ボーイズが起こした暴行事件が記憶に新しいところですが、このほかにも都内には蒲田ボーイズ、東京ブラザーズという不良ネパール人グループが知られておりますし、葛西発祥の中国残留孤児2世、3世や中国人から成る怒羅権も有名です。工業団地のある群馬県や愛知県などにも、ブラジル人やフィリピン人の不良グループが存在します。しかし、そんな彼らもほとんどがもとから不良だったわけではもちろんなく、そういった問題に至る背景には、学校に行きたくても行けない不就学問題があると言われております。  令和元年9月27日に文部科学省が発表した報道資料によると、日本国内に学齢相当の外国人の子どもの数は12万4049人、そのうち不就学の可能性があると考えられる外国人の子どもの数は1万9654人いるとされており、約15.8%の外国籍児が学校に行っていないことが公表されました。これに学校に不登校ぎみの子どもや、学校に行っても日本語が全くわからず授業についていけない子どもたちも含めると、日本の教育システムが相当数の外国籍児に適合していない事実が浮かび上がってきます。  私は、これまで何度か本問題を取り上げてきました。その中には、IT技術の進歩により解決しつつある問題もあります。例えば保育園や学校からのお便りをmicsの職員が訳すとともに、データベース化することで外国人保護者向け文書を整備できないかと提案させていただいたことがありました。しかし、これは翻訳アプリのカメラ入力を使えば、おおよその内容を理解できるくらいに翻訳性能が上がったため、今日では優先すべき問題ではなくなりつつあります。  一方で、子どもへの日本語指導はどうでしょうか。現在、大田区では小中学校入学前に基礎的な日本語を教える教室が蒲田や大森を中心に複数ございます。しかし、幼少期の子どもたちと比べると、小学校高学年や中学生になって来日した外国籍児の日本語習熟が遅く、小中学校に入学しても日本語での授業についていけないケースが散見されます。  そこで検討いただきたいのが、国語の時間を別授業にして巡回の先生が初級者向け日本語指導に充てることができないかというものです。教育委員会としては、学習指導要領に基づいて授業を行っているため、例外的なことに取り組むことは難しいかもしれません。しかし、日本語の授業についていけない外国籍児にカリキュラムがどんどん進んだ国語の授業を受けさせて何の意味があるのでしょうか。日本人でないから特別な配慮は必要ないというのであれば、あまりにも外国籍児の子どもが学ぶ権利をおろそかにし過ぎではないでしょうか。  令和元年4月の入管法改正で、外国人労働者が日本社会で仕事をする機会が増えましたし、その一部は家族の帯同も許されているため、今後、日本語を話せない外国籍児がさらに増えることは想像にかたくありません。日本に居住する多くの外国人は真面目に学習、就労しています。今では2世や永住権を持っている外国人も増えてきています。しかし、彼らのうち、ごく一部が日本の生活についていけずにドロップアウトし、不良同士が徒党を組むことは蒲田ロイヤルボーイズや怒羅権のケースなどで学んでいます。それらを取り締まることも大切ですが、不良化を未然に防ぐほうがもっともっと大切なはずです。子どもは宝であり希望です。大田区でともに暮らすのに、日本国籍も外国籍も関係ありません。どうか一人でも多くの外国籍児が大田区で学べば自分の夢に向かってチャレンジすることができるのだと実感してもらえる、そんな教育環境を整えていただければと思います。  ここまでつらつらと思いを述べさせていただきましたが、本区の取り組み状況と今後の方針、そして私からの要望に対して答弁をお願いいたします。  最後に、大田区における人工知能(AI)戦略についてお聞きいたします。  AIは、近年、加速度的に発展し続けており、世界の至るところでその応用が進み、広範な産業領域や社会インフラなどに大きな影響を与えています。一方、我が国は、アメリカや中国を筆頭とする諸外国と比べ、現時点において必ずしも十分な競争力を有する状態にあるとは言えません。  2019年3月、政府は「人間中心のAI社会原則」を取りまとめました。これは、AIの発展に伴って、我が国が目指すべき社会の姿、多国間の枠組み、国や地方の行政府が目指すべき方向を示すものであり、その基本理念として「人間の尊厳が尊重される社会(Dignity)」、「多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会(Diversity & Inclusion)」、「持続性ある社会(Sustainability)」の3点を定めています。そのうえで、2019年6月、大阪で開催されたG20において、政府は世界に向けて日本のAI戦略を発信しました。その中の教育面では、年間100万人の全ての高校生、文理を問わない全ての大学・高専生年間50万人、年間100万人の社会人などに対してAIリテラシー教育を行う大規模な戦略などが発表されました。  先日、早稲田大学の取り組みを聞く機会がありました。早稲田大学では、1・2年時は全学部横断的にセミナー等でデータサイエンス教育プログラムを提供し、統計リテラシーやデータ科学入門を基盤教育科目として位置づけて提供、3・4年時はデータサイエンス研究に対する解析相談、コンサルティングを学び、学際的な共同研究プロジェクトや企業等から提供された研究用データの管理とオープン利用の展開を志向していました。専門性とデータサイエンスの融合による知の活用は、実社会の課題解決に不可欠なものとなっていくことでしょう。そのために、まずは様々な社会課題と理科、数学の関係を早い段階からしっかりと理解し、理科、数学の力で解決する思考の経験が肝要となります。その実現のためにも、児童・生徒一人ひとりのために情報教育環境と教育を支援する校務支援システムを含め、学校のICTインフラの早急な整備が求められます。  そこで、質問いたします。大田区でも2020年から小学校でプログラミング教育がスタートしますし、プログラミング教育推進校として北糀谷小学校、矢口西小学校、おなづか小学校が指定され、2年間の実践研究を行っている最中かと思います。また、小黒教育長は、先日の所信表明の際に、少子高齢化、グローバル化、高度情報化など社会環境が大きく変化し、AIやビッグデータなどの技術革新で新たな価値やサービスが創出される社会が到来していることを踏まえ、また、価値観や生活のあり方が多様化するとともに、孤立、格差、虐待など解決しなければならない問題が山積している予測困難と思われる未来社会を豊かなものとするために教育の果たす役割は大きく、人間ならではの感性や創造性を発揮し、未来社会を築く力を育てることが重要だと話されました。AIやビッグデータの利活用について、これまでの取り組みと成果をお示しください。  また、大田区には、AIやビッグデータに先進的に取り組んでいる東京工業大学と東京工科大学がございます。例えば東京工業大学にはスーパーコンピューターTSUBAMEで培った豊富なリソースと経験値があります。こういったものをほんの少しでも大田区の小中学校の教育に役立てることができれば、この世界に興味を持つ子どもが増え、将来才能が花開く可能性もあると思うのですが、連携について見解をお聞かせください。以上で質問を終わります。(拍手) ○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 三沢議員の代表質問に順次お答えをさせていただきます。  まず、近隣の広域連携についてのご質問でございますが、このたびの台風19号では、多摩川上流域に降った大雨の影響を受け、下流域の水位が上昇を続け、大田区の丸子橋上流付近にある田園調布(上)の観測地点では10.81メートルという過去最高の水位となり、多摩川下流域の自治体は極めて危険な状況となりました。台風の上陸が予想された準備段階から川崎市と情報を交換し、避難指示を発令する際に、大田区、川崎市の住民の不安を少なくするため発令のタイミングを合わせるなど、連携して対応をいたしました。また、多摩川流域の自治体で構成する「大規模氾濫減災協議会」や品川区や世田谷区など城南5区では相互の協力体制を構築しており、平時から連絡会を定期的に開催をしております。今回の台風の被害を踏まえ、多摩川の治水対策について、川崎市、世田谷区とソフト・ハードの両面から検討を行っており、共同して国への働きかけを予定しております。引き続き、近隣自治体との連携関係を強化してまいります。  次に、外国人人材の労働環境整備のため、監理団体も含めた整備のあり方を区で検討すべきとのご質問でございますが、技能実習制度における監理団体は、外国人実習生の受け入れに際して、現地送り出し機関とも連携しながら、実習生や受け入れ先企業に対し、様々な支援を実施する役割を担っている非営利団体でございます。監理団体は、取り扱うことのできる事業によって、一般管理事業と特定管理事業の二つの区分がございますが、両者合わせて令和元年11月8日現在で全国に2754団体が存在しており、区内では6団体が活動をしております。大田区産業振興協会を想定した新たな監理団体の設立は、監理団体に求められる要件や役割等を勘案いたしますと、整備をしていくことは現状では困難でございます。一方で、外国人人材の受け入れは、今後の区内産業発展にとって重要な要素の一つであります。区といたしましては、今後、先ほどお示しした区内の監理団体の取り組みなどの調査を行うとともに、連携体制の構築も含め関係団体と協議することで、外国人人材が働きやすい環境整備に努めてまいります。  次に、羽田空港を含む臨海部エリアでの交通アクセスについてのご質問ですが、当該エリアは「おおた都市づくりビジョン」において、空港臨海部のポテンシャルを活かす交通ネットワークの整備を重点課題に掲げており、大変重要であります。また、昨年3月に策定した「大田区交通政策基本計画」において、大森・平和島地区から埋立島部、羽田空港間のアクセス交通の充実を基本的な施策として位置づけております。この計画の中では、「自動運転車」や「ライドシェア」、いわゆる「乗用車の相乗り」等の将来の交通に関する動向を踏まえた多様な移動サービスの提供について検討していくとしており、今後は、新たな技術の動向が重要になってまいります。このような状況の中、現在、「空港臨海部グランドビジョン2030」の改定を進めており、内陸部から臨海部へのアクセス改善、多様な交通手段による利便性、周遊性の向上という視点も取り入れて、新たな将来像を定めてまいります。現在、羽田空港跡地では、内閣府が中心となって安全で快適な自動運転社会の実現に向けた実証実験が進められており、区も協力しているところです。引き続き、こうした実証実験などの先進的な取り組みを注視するとともに、関係機関と連携し、臨海部のアクセス向上に取り組んでまいります。  次に、AIやビッグデータに関する区内の大学等との連携についてのご質問ですが、今日、人工知能(AI)は飛躍的かつ加速度的に進歩しており、その技術を活用する産業領域は広がりを続けていて、このような動きを捉え、行政におきましても、取り組みを進めることは必要でございます。全国的に超高齢社会を迎え、生産年齢人口比率が減少する中、本区においても持続可能な行政運営を展開していくためには、AIの活用は不可欠でございます。一方、AIの台頭によって、人工知能が人間にかわって文明の進歩を牽引し始める時期が2040年代にも到来すると言われております。人間とAIがともに共存していくためには、人間がAIをどう活用していくかが重要な課題となります。本年4月に、政府はAI戦略における人材育成への取り組みを発表しました。その中で、情報活用能力については、初等・中等教育や高等教育にとどまらず、社会人に対しても長期的に取り組む必要性に加えて、産業との連携や地域課題の解決などにつなげるための応用教育なども示しております。さらに、より高度な分野への対応として、先鋭的な人材を発掘し育成するエキスパート教育についても触れております。  本区は、AI研究などに取り組む東京工業大学などと連携関係にございます。今後は時機を捉えてAIやビッグデータの活用について大学や研究機関等との意見交換や実証実験なども行いながら、引き続き国や関係機関の動向を注視し、AI時代における区政のあり方について、様々な角度から検討を進めてまいりたいと思います。私からは以上でございます。 ◎小黒 教育長 外国籍児童・生徒の教育の現状と今後の取り組みについてのご質問でございます。  増え続けております外国籍の児童・生徒が、日本の社会に適応し、安定的に成長するために教育は欠かせないものであり、生活に必要な日本語の習得をはじめ、学力や自尊心を高めることが重要でございます。教育委員会では、区立学校に在籍する日本語の理解が十分ではない児童・生徒に対して、平成30年度から指導時間の上限を60時間から80時間に拡大して日本語特別指導を実施し、日本語の習得と学校生活への適応を図っております。また、日本語特別指導の修了後、さらに日本語指導が必要となる児童・生徒につきましては、蒲田小学校と蒲田中学校において日本語学級での通級指導を行っております。一方、区立学校に在籍していない外国籍の児童・生徒につきましては、区立学校への就学義務がないことから、その実態の把握が難しく、就学機会の確保、各種支援情報の提供など多くの課題がございます。今後、さらに外国籍の児童・生徒が充実した学校生活が過ごせるよう、区立学校に在籍していない外国籍の児童・生徒に対しましても関係部局と連携を深め、就学の実態調査や多言語での就学案内の作成などを通して、さらなる就学機会の促進と学習環境の充実に努めてまいります。  次に、AIやビッグデータなど情報の高度化に伴う情報活用能力の育成についてのご質問でございます。  教育委員会では、おおた教育ビジョンのプラン1に「未来」を掲げ、多様な情報を活かし、高度情報化社会を生きる子どもを育てることに取り組んでおります。小学校におけるプログラミング教育では、単にプログラム言語やプログラミングの技能を覚えるだけではなく、発達段階に即してプログラミング的思考を育むことや、コンピューターの働きをよりよい社会づくりに活かそうとする態度を涵養することを重視しております。これらの狙いに即しまして、フローチャートなどを使って考える学習や、タブレットなどICT機器に親しみながらプログラミング的な思考を身につける学習の充実を図ってまいります。  プログラミング教育の推進校である北糀谷小学校、矢口西小学校、おなづか小学校においては、企業などと連携し、指導内容、方法について研究を進めてまいりました。これらの推進校におきましては、子どもたちがタブレット端末を使用して、地図にある場所をタップすると、その場所の写真や説明が出てくるプログラムをつくり上げる学習や、AIを内蔵したロボットをプログラミングして動かしていく学習など、先進的な実践が行われております。その結果、研究校におきましては、大田区学習効果測定の各教科においても向上が見られたという成果が報告されております。 ○岡元 副議長 次に、23番大橋武司議員。                  〔23番大橋武司議員登壇〕(拍手) ◆23番(大橋武司 議員) おはようございます。大田区議会公明党の大橋武司です。  まず、防災・減災についてお伺いをいたします。  9月、10月に発生した台風15号と19号が猛威を振るい、広範囲にわたって甚大な被害をもたらしました。改めてお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。どんどん気候が寒くなる中、現在も復旧作業に当たっておられる被災者の皆様の一日も早く安心した生活を取り戻せるよう、祈らない日はない毎日であります。  このたびの台風による豪雨災害は、東日本大震災や西日本豪雨に続く広域災害と言えます。大田区においても災害対策本部を設置し、区民の命を守るため、職員の皆様の不眠不休のご尽力に心から感謝と敬意を表します。  そうした中、今回の台風は経験のない規模の台風のこともあり、避難所の開設問題、区民への情報発信のあり方、避難指示を伝える地域や、わかりやすい防災情報など多くの課題や問題が発生いたしました。そして何より、台風は突然発生する地震とは違い、いつごろ、どのぐらいの勢力で接近するのか事前にわかる中、様々、区民の皆様に混乱と不安を与える対応だったことは事実であります。  そこでお伺いをいたします。このたびの災害で浮き彫りになった課題について、本区として徹底的な検証を行い、問題点を繰り返さない防災・減災への取り組みについて議論を行われていると思いますが、そのことについて区の状況をお答え願います。  今後、今回以上の大型の台風や気象に関する災害、地震など、どのような自然災害が発生するかわかりません。私はちょうど4年前の第4回定例会の代表質問において、いかなる自然災害が発生しても区民の皆様の命を守る防災・減災に直結するハード・ソフトともに取り組む国土強靱化への取り組みを、当時まだ全国でも数か所、東京ではある一つの区が策定の状況のときに、大田区において取り上げて取り組むことを強く提案、要望させていただきました。  大田区民の皆様の安全・安心に向けて、今後、経験したことのない災害を想定しての今までの概念を超えた防災・減災の基本計画を抜本的に見直しを行い、現実に即した明確な動きができるハード・ソフト両面にわたっての総合的な計画を推進し、災害に強い大田区へ、区民の命と安全が守られる大田区への構築が必要と考えますが、区の見解をお答え願います。  提案ですが、避難所の運営等は、現在、短期を想定しての計画と思いますが、阪神・淡路大震災、東日本大震災を見ても、避難された方の多くが長期になっております。本区においても、避難所、また避難に関しての長期を想定しての計画も必要と考えます。また、災害時、区の職員のみでは対応や動きに限界がございます。現在、本区のわがまち防災計画では、自主防災組織の強化として、お住まいの地域の防災リーダーに、防災市民組織の役員をはじめ、青少対、PTA、子ども会、保護司や民生委員など地域でご活躍されている方、福祉や建設など専門的な特技を活かして活動できる方を期待すると明記されております。  そうした中、災害時は、この方々も被災者になる可能性もあるため、より多くの方が地域の自助、共助の防災知識や技術を身につけ、発災時、あらゆる方々と連携していくことが重要になります。そのためにも、改めて区の取り組みとして、プロの講師による区民の防災リーダーの育成に力を注いでいくべきではないでしょうか。群馬県渋川市では130名を超える防災リーダーが誕生し、神奈川県茅ヶ崎市では現在2300名の防災リーダーが誕生しております。ご検討を願います。  また、現在、本区では命を守る取り組みとして、主に通学路等のブロック塀や万年塀の改修に向けて積極的に取り組みをされておりますが、助成金を受けられる対象の箇所でもなかなか改修が進まず、助成対象でない箇所はお金がかかるため、なおさら進まない状況であり、このたびの台風でも、ブロック塀や万年塀が倒壊した箇所が何か所も発生いたしました。そうした危険なブロック塀や万年塀はどんどん劣化し、今後、地震や台風が来た場合、区民の命にかかわる危険度は増していきます。区民の方々からお声をお聞きすると、家と家の間や道路沿いなど多くの箇所で危険なブロック塀や万年塀があり、近隣の方やお隣の方が塀の所有者に改修を呼びかけたくても、所有者にとっては出費につながるため快く思わず、今まで築いてきた隣近所のよい関係も崩れてしまう可能性があり、生活をする環境がとても苦しい状況になることが予想されるため、お声をかけられないと切実なお声をいただきます。以前にもブロック塀の改修について区報に取り上げていただきましたが、1回、2回の呼びかけで改善できる状況ではありません。  提案ですが、長期になっても区報の1面に大きく取り上げ、通学路だけではなく区内全域の危険なブロック塀や万年塀の改修や除却への呼びかけ、安全への意識啓発、注意喚起の取り組みの継続を要望いたしますが、区の見解をお答え願います。  次に、私の地元、大森西地域にある内川について、このたびの台風を通し、今後の安全対策のための提案、要望をさせていただきます。  呑川や多摩川は、区民の皆様が大雨などからの浸水被害を事前に察知するための情報として水防監視カメラを設置しましたとのことで、監視カメラが設置され、河川の水位がリアルタイムに、家にいても確認できますが、内川は水門付近に監視カメラが設置されているとのことですが、公開されていなく、地元では、昔、内川は氾濫していたこともあり、多くの住民はとても不安でありました。内川にある監視カメラの公開と、1か所ではなく数か所の監視カメラ設置は必要であると思います。  このたびの台風時、ハザードマップの風水害編では、内川沿いにある開桜小学校、大森第八中学校、こらぼ大森は、内川の中小河川の氾濫の際、緊急避難所として明記されており、さらに水害時、台風、大雨、集中豪雨時も全て緊急避難所となっているにもかかわらず、開設されませんでした。このこと自体も大きな問題ですが、台風の中、私はなぜ開設しないか、区にお聞きすると、内川の氾濫があるかもしれないので開設を見合わせているとのことであり、何のための避難所指定なのかと思うとともに、であるならば、なおさら内川の水位状況をリアルタイムに区民が確認できることが必要であります。現在、住民は危険でも内川を見に行かなければ確認できない状況であり、中には、このたびの台風で内川沿いにお住まいの方の家から撮影してくださった写真をSNSで投稿してくださり、状況を確認するなどの動きも行われました。  内川は東京都の管轄かと思いますが、都と交渉、もしくは区独自でも区民や地域住民の方々がリアルタイムに、夜間でも内川の水位状況が確認できるよう監視カメラを公開、数か所の設置、リアルタイムにホームページで確認できるようしていただくことを要望いたしますが、区の見解をお答え願います。  次に、成年後見制度についてお伺いをいたします。  成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などによって物事を判断する能力が十分でない人のかわりに財産や権利を守るための重要な制度です。本区においても、成年後見制度等の支援が必要と推定される認知症高齢者は増加傾向にあり、見守りまたは支援が必要な認知症高齢者は、平成28年度時点で1万6824人、障害分野においても、愛の手帳所持者数と精神障害者保健福祉手帳所持者数も増加傾向にあります。そうした中、東京家庭裁判所が発表した本区の成年後見制度の利用状況は、平成30年度6月時点でまだ1176人との状況であり、今後ますます後見制度利用への必要性は高まっていきます。  大田区では、成年後見制度推進機関である社会福祉協議会と専門的な知見を有する専門職である弁護士、司法書士、社会福祉士と成年後見制度利用促進に関する意見交換を実施、検討を重ね、今年の3月、大田区成年後見制度利用促進基本計画が策定されました。内容を拝見しますと、区民に寄り添った支援への取り組みの方向性の計画が立てられており、高く評価をいたします。その中に、自治体の取り組みとして重要となる区民、事業者等の方々には、地域での日常の見守りや気づきから相談窓口につなぐ役割を担っていただき、医療・福祉関係者の方々には、制度が必要な方の意見、専門的、継続的な支援の役割を担っていただき、弁護士、司法書士、社会福祉士等の専門職による方々には、相談、助言、成年後見人等としての支援を行う役割を担っていただくという地域連携ネットワークの構築が重要になり、地域連携ネットワークの中核として、コーディネート、家庭裁判所との連携及び関係構築をしていく中核機関の設置も重要となります。  そこで提案ですが、法において努力義務とされている成年後見制度の利用促進について、後見制度が必要な方に適切に支援が届き、利用ができるよう成年後見人制度の利用を促進するための条例を定め、審議会を設置し、協議を行い、先ほど申し上げました地域連携ネットワークの構築、中核機関の設置を行い、努力義務から区の責務として基本計画に沿って着実に実行し、後見制度が必要な区民が利用できるよう進めることを求めますが、区の見解をお答え願います。  最後に、自転車マナーについて質問をいたします。  自転車のマナー違反に関しては、今まで我が会派の松本議員、秋成議員、玉川議員、田村議員、田島議員、その他多くの議員からも、区民の安全・安心に向けて何度も取り上げております。自転車は身近な乗り物であり、私も毎日乗っておりますが、子どもから大人まで大変便利で、環境にも健康にもよい乗り物です。  しかし、自転車にかかわる事故も多く、マナーが悪く危険を感じる乗り方をされている方は毎日のように見かけます。自転車は、道路交通法では軽車両に位置づけられており、車の仲間です。自転車が車両として考えるべきだとなったのも、自転車の事故が多くあらわれてきたからとのことであります。実際、警視庁発表の昨年平成30年度中の自転車関連事故の件数は全国で8万5641件、そのうち東京都内では3万2590件、全国的に見て、自転車関連の死亡・重傷事故の相手当事者は77%が自動車となっており、自転車と自転車の事故のうち、最も多い事故は出会い頭の衝突であります。このような事故では、安全確認、一時停止違反が多くの原因であります。大田区ホームページにも事故事例が掲載されておりますが、神戸市で男子小学生が夜間、坂道を時速20キロから30キロという高速度で走行中、歩行者の女性と衝突。女性は頭蓋骨骨折の損傷を負い、意識が戻らない状態となり、母親に対して賠償額9520万円を支払うよう神戸地裁は命じました。また、都内でも、成人男性が昼間、信号を無視して高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断中の女性と衝突し、女性は頭蓋骨内損傷等で11日後に死亡するという事故が発生しました。  そこでお伺いいたします。現在、本区における自転車事故状況をお答え願います。  事故は、ほんの一瞬の油断で起きます。多くの区民の皆様からいただくお声に、自転車マナーがあまりにも悪く、危険を感じるとのお声をたくさんいただきます。私も同感であります。例えば信号無視、自転車に乗りながらイヤホンを両耳につけ、さらに片手でスマホを見ながら夜間でもどんどん自転車をこいでいたり、電話で話しながらの走行、そして無灯火走行。自転車は先ほども申し上げました軽車両ですので、車道と歩道の区別があるところは、原則車道の左側通行です。しかし、歩道を通行する環境の場所もあります。その場合は歩行者が優先であり、車道寄りの部分をすぐにとまれる速度の徐行であり、歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止です。しかし現実、自転車が優先のような走行をし、よけも譲りもせず、歩行者が悪いような走行をし、中にはものすごいスピードで歩道を走行する自転車もあります。  昨年、警視庁は全国で161万件の指導警告票を交付し、約1万8000件の交通違反を検挙されたと発表しておりますが、私は、信号無視をする自転車運転者、スマホを見ながら走行する運転者、イヤホンを両耳で聞いて走行している危険行為運転者が、警察の目の前を通っても見て見ぬふりをする警察しか見たことがありません。ぜひ大田区より警視庁に自転車危険運転者の取り締まり強化を強く要望をお願いいたします。  そして、何より一番大切なのは、自転車に乗る方自身のマナー意識です。現在、本区では、小中学生の生徒への自転車教室、スケアード・ストレイトなど取り組んでいただいておりますが、子どもたちだけではなく、広く区民の皆様へ自転車の安全運転、マナーの意識向上に向け、読む文字が多く、一見複雑に感じるチラシではなく、大きく絵を活用し、見やすくわかりやすい表現で、人気のある大田区のPRキャラクター「はねぴょん」を今も掲載されておりますが、ところどころに掲載するなどした、子どもから大人までどなたでもわかりやすいチラシを作成し、自転車が多くとまる大型スーパーや保育園、幼稚園の保護者、公共施設や自転車を利用する方が多く来られる箇所など配布のご協力をいただき、自転車の安全運転への意識向上にもっと工夫した取り組みをしていかなくてはいけないのではないでしょうか。お答え願います。  安全第一を目指して、被害者も加害者も生まないための取り組みを進めていただくことを期待いたします。以上、全て大田区民の皆様の安全・安心に向けての取り組みを期待し、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎井上 危機管理室長 私からは、防災関係の二つの質問にお答えします。  初めに、台風19号の課題に対する取り組みの状況のご質問ですが、今回の台風は、猛烈な勢力を保ち関東地方に上陸する予報であったため、上陸を想定し、災害対策本部を設置し対応いたしました。災害対策本部では、多摩川や中小河川の氾濫による浸水被害や高潮の被害などを想定した避難対象地域の確認や避難場所の開設準備など、災対各部において台風の接近に備えました。多摩川の水位上昇に合わせ、避難情報を順次発令したところ、多くの避難者が避難場所に集中し、避難場所の運営などに課題を生じました。現在、区では災害の事前対応、応急活動期、事後対応の振り返りを実施し、課題について検討しております。  次に、災害時の体制に対するご質問ですが、区では、国や都の示される地震や風水害に対する被害想定をもとに、災害予防や災害応急対策、災害復旧・復興対策について、地域防災計画により定めております。近年の激甚化する災害に対して適切に対応するため、他の災害から得られた教訓や対策などについて、随時、変更や改正を実施しております。国土強靱化計画につきましては、従来の未来プランで国土強靱化に関する施策を推進しておりました。今後、新基本計画策定時には、国土強靱化地域計画を包含させて関係部局と連携して取り組んでまいります。自然災害からの被害軽減を図るために、ソフト面、ハード面から推進することで大きな効果が得られるものと考えております。引き続き、区民の安全・安心を守るために全庁一丸となって取り組んでまいります。 ◎今岡 福祉部長 私からは、成年後見制度利用促進にかかわるご質問にお答えいたします。  区は、本年3月に大田区地域福祉計画と一体で大田区成年後見制度利用促進基本計画を策定し、区における権利擁護の進むべき方向性をお示ししております。本計画の取り組み状況の点検、評価につきましては、大田区地域福祉計画推進会議等を活用することで、国が努力義務として設置を求めている審議会の機能を持たせております。また、区民及び事業者、専門職並びに行政によるネットワークを構築する「中核機関」につきましては、専門職の方々との意見交換等により、その役割と取り組み内容を整理し、令和2年度の設置に向け、準備を進めております。条例制定を含めた規定整備については引き続き研究してまいりますが、計画全体の進行管理を行う審議会と個別支援における地域連携ネットワークを取りまとめる中核機関につきまして評価、検討を重ね、制度の利用促進に努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎青木 都市開発担当部長 区報によるブロック塀等の改修への意識啓発に関するご質問ですが、区は、大阪北部地震以降、いち早く通学路を含む道路に面するブロック塀等の改修助成制度を開始しました。また、制度周知と意識啓発を目的に、平成30年7月20日号の区報1面にブロック塀等の安全点検の記事を掲載させていただきました。危険なブロック塀等への継続的な意識啓発は重要であると考えております。今後も、区報や区のホームページなど様々な媒体を使って危険なブロック塀や万年塀等の継続的な安全への意識啓発に努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎久保 都市基盤整備部長 私からは、三つのご質問に対しお答えさせていただきます。  まず、内川の監視カメラに関するご質問ですが、水防活動時には、区が水位を確認し、水門閉鎖等の判断をしております。今後、監視カメラの公開や新たなカメラの設置につきまして、河川管理者である東京都と協議してまいります。  次に、本区における自転車事故に関するご質問ですが、区内の自転車事故件数は、この10年で約半減し、大きく減少してきましたが、平成29年から増加傾向に転じ、平成30年には600件と全交通事故件数に占める自転車事故関与率は41.5%となっております。なお、今年1月から10月までは498件、関与率は45.4%の発生状況でございます。  次に、自転車の安全運転の意識向上に関する工夫した取り組みについてのご質問ですが、区では、これまで自転車走行の遵守や自転車盗難防止などの啓発に親しみやすく、手にとりやすい「はねぴょん」などのキャラクターを掲載したチラシやポスターを作成、配布し、区民の交通安全等の普及に努めてまいりました。引き続き、幅広い年齢層に応じた一目で理解しやすい、イラストや図表も用いたポスターやチラシの作成に努めてまいります。また、集客のある店舗や公共施設などでの啓発につきましても、配布や掲示方法を工夫しまして、関係者に対して協力を要請してまいります。私からは以上でございます。 ○岡元 副議長 次に、20番秋成 靖議員。                  〔20番秋成 靖議員登壇〕(拍手) ◆20番(秋成靖 議員) 大田区議会公明党の秋成 靖です。  初めに、このたびの台風15号、19号で被災をされた皆様へ衷心よりお見舞いを申し上げます。本日は、台風の被害に当たり、温暖化対策の側面から質問をさせていただきます。  先日、清々しい晴天のもと、OTAふれあいフェスタの会場に足を運びました。緑のエリアでは、クイズやパネル展示を通しながら、環境対策の訴えがありました。環境クイズの記念品、エコバッグなどもとても魅力的で、子どもたちが積極的に参加をし、職員から記念品をいただく様子を拝見しました。  今回のOTAふれあいフェスタでは、台風15号、19号の被災後の開催となりましたが、地球温暖化と気候変動について、区民の皆さんへどのように訴えられたのでしょうか。展示内容や来場者の反応など、その成果についてお示しをください。  本年9月23日、国連の気候行動サミットがアントニオ・グテーレス事務総長の呼びかけで、言葉ではなく行動について議論するために開かれました。スウェーデンの16歳の環境保護活動家グレタ・トゥーンベリさんは、このサミットの中で演説をし、気候変動問題についての行動を起こしてこなかったことに対し、約60か国の首脳や閣僚を前に、あなた方は私の夢や私の子ども時代を空っぽな言葉で奪ったと厳しい口調で語りました。強く印象に残る場面でした。アメリカのトランプ大統領がパリ協定離脱を国連に通告し、世界の環境に対する不安感が生じる中ではありますが、彼女の魂から訴える姿が各国へ報道されたことにより、多くの国々における環境対策への意識が高まったことは大きな意味があると思います。  気象庁は、台風15号の上陸する前夜、9月8日午後9時過ぎに、台風の強さのカテゴリーを強い台風から非常に強い台風へ上げました。台風の最大風速の統計が残る昭和52年以降、関東に接近し上陸した台風は125あり、このうち最大風速44メートル以上の非常に強い勢力に発達した台風は今回が4例目でした。専門家によれば、通常、台風は日本に近づくと勢力が弱まるけれども、この台風15号は日本に上陸する直前に最も強い勢力になったとのことです。その要因については、海水の温度が指摘をされています。台風は温かい海面から供給される水蒸気をエネルギー源として発達するため、海面水温が熱帯よりも低い日本に近づくと、海からの水蒸気の供給量が減少し、勢力が弱まるとのことです。しかし、今回の台風15号が進んできたコースの海水温は29度前後と、平年に比べ2度ほど高くなっておりました。台風19号も同じような状況であったと報道がされております。  本年9月25日、195か国が参加する気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が承認した評価報告書では、温暖化が海と氷に及ぼす影響は、氷床の縮小や海面の上昇、多くの氷河の消失などにより、都市部を直撃し甚大な被害をもたらす大きな暴風雨が毎年のように発生すると警鐘を鳴らしています。温室効果ガスを積極的に減らしたとしても、2050年までには、沿岸部の都市部や島部の多くが、これまで100年に一度とされてきた規模の災害に毎年見舞われてくると予測がされております。  そこでお伺いします。このIPCCが承認した評価報告書を受け、私たち大田区では、今後どのような方向性で環境改善に対する取り組みを進めていくのでしょうか。所見をお聞かせください。  今回の台風被害をきっかけに、2015年に国連で採択され、2016年から始まった地球規模の課題解決に向けた国際社会の持続可能な開発目標(SDGs)が改めて脚光を浴びる形となったと感じます。海への環境被害を及ぼしているストロー、レジ袋、ペットボトルなど、私たちの身近にあるプラスチック製品も世界的に劇的な変換を求められています。  温暖化の問題は、まさに地球規模の問題です。2015年に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の中で、13番目のゴールとして「気候変動に具体的な対策を」と掲げています。SDGsには誰一人取り残さない世界をつくるという根底があります。地球温暖化対策を推進するために区が取り組むべきことは何か、また、区民レベルで取り組めることは何か、お示しいただけたらと思います。  また、区内の中小企業に対して、SDGsへの参画と実践を促していくことも重要な課題であると考えます。大企業に対してのSDGs認知度調査では、2015年は20%にとどまりましたが、2018年には60%と飛躍的な伸びが見られたのに対しまして、関東経済産業局の中小企業調査では、84%がSDGsを聞いたことがない、8%の方が聞いたことはあるが内容は知らないといった結果でした。また、同局のアンケート調査によると、何らかのSDGsのアクションを行っている、あるいは検討しているという中小企業は2%にすぎないという状況でした。  地球温暖化対策を推進していくためには、区内の中小企業等の参画が重要であると感じます。区内の中小企業の皆さんに対してどのような普及啓発や地球温暖化対策への参画を求めていく予定でしょうか、所見をお聞かせください。  続きまして、平成30年3月の予算特別委員会で、私は雑紙の分別の推進をお願いしました。しかし、いまだ可燃ごみの中に含まれる紙資源の多さ、資源回収の日に出される雑紙の少なさを痛切に感じています。大津市では、雑紙の分別を推進するとともに、市民にSDGsの理解を深められるよう、SDGs雑がみ分別袋を2万5000枚作成し、平成30年11月から無料で配布しました。なくなり次第終了との事業ではありましたが、市内の215の店舗の協力を得て実施し、雑紙の分別について広く啓発ができたとのことです。  今年のように台風が大型化し、私たち大田区でも大きな被害を受けた今こそ、私たちでできることが何かを考える必要があり、雑紙の分別を大きく推進させることがCO2削減となり、環境への負担を減らすことになると思います。改めてお伺いします。私たち大田区でも何か一歩踏み込んだ雑紙対策の啓発が必要と考えますが、いかがでしょうか。所見をお聞かせください。  第3回定例会において、私は視覚障害と肢体障害を中心に、障がい者に関連する交通環境の整備、施設の安全利用、防災課題などについて質問させていただきました。今回は、聞こえないことと行政の情報保障に関連して質問をさせていただきます。  今回の台風19号では、区民の皆さんが、いかにして災害情報を得て避難行動へと移していくか、また情報を得られるか、得られないかによっては、時にして、それは生死を二分するとも感じました。中途失聴を含めた聴覚に障がいがある皆さんは、大田区のホームページが見られないという事態の中、直近の状況でどこの避難所であれば受け入れてもらえるのか情報を収集するために行政機関への問い合わせをすることもできない。自治会・町会の中には独自で拡声器を使いながらの広報をされていたところもあったと伺いますが、その声も聞くことができない。障がい者総合サポートセンターでは手話通訳者の対応がありましたが、身近で避難ができる水害時避難場所や自主避難スペースには通訳は設置がされていませんでした。全く情報を得ることができない状態のまま、膨大な雨量により多摩川が越水するようなことがあれば、東日本大震災で聞こえる人の2倍以上の聴覚障がい者の皆さんが津波の犠牲になってしまったという過去の災害と同じような確率で被害に遭われていたのではないかと想像するところです。  災害が迫りくるときに、大田区として音声で情報を得ることが難しい障がいのある方や病気を抱える方に対して、メール、チャット、ファクスなどを使用し、文字でのやりとりをしながら、相互に通信ができる手段が必要だと考えます。他自治体の先進的な取り組みを参照いただきながら、命を守る対策の研究・準備を進めていただきたいと要望します。  大田区は、他区と比較したときにも、障がい者総合サポートセンターでの手話通訳者派遣のシステムの導入や、行政各部局が開催する催しへの手話通訳者設置など、とても先進的な施策を展開されていることを高く評価をいたします。  先日、大田区聴覚障害者協会は創立45周年を迎え、松原区長、塩野目議長、そして行政の理事者、区議会の先輩方とともに、式典へ参加をさせていただきました。出席をされた皆様からお話を伺う中で、日本語の教育を受けることが困難だった時代を経て、コミュニケーションがとれないといったマイナスの部分を手話通訳や要約筆記などの情報保障を通して、そのマイナスをゼロにすることを求めているのですということを教えていただきました。これからも手話が言語として広く浸透していくことや、求められる情報を行政が提供することで、聞こえない方が普通に生活ができる環境が広がっていくことは非常に重要なことであると感じます。  手話言語条例に始まる、手話言語を含む情報・コミュニケーションに関する条例が成立した自治体は、本年11月11日現在で、道府県、区市町村合わせて286自治体に及んでいます。都内では、昨年までに、千代田区、江戸川区、荒川区、豊島区に続き、本年は足立区、墨田区、葛飾区、板橋区、そして港区が10月に条例を施行しました。  そのような中にあって、今年の台風19号の被災で改めて感じたことは、聴覚に障害があり、手話を言語としている方や、障害やご病気などから音声による意思疎通をとることが困難な方がおられたということです。行政が発信する情報の取得が非常に困難であることから、区役所の各部局で聞こえない方への情報保障について改めて考えていくときになったのではないでしょうか。区全体として命を守る施策を検討している今のこのときこそ、手話言語をはじめとする情報・コミュニケーションに関する条例の制定を具体的に検討していくときになっていると感じます。区の所見をお聞かせください。  続いて、デフリンピックについてお伺いします。  来年の東京オリンピック・パラリンピック大会の開催まで1年を切り、大会に向けての機運がいよいよ高まってきましたが、聴覚障がい者の皆さんは、パラリンピックではなく、聞こえない、デフという言葉とオリンピックをかけ合わせてデフリンピックという国際的なスポーツ大会を独自に開催してきました。1924年にフランスで初めて開催されたデフリンピックは、1948年から始まったパラリンピックよりも歴史が長いそうです。  我が国における障害者スポーツの認知度調査では、パラリンピックが98%に対し、デフリンピックは11%と依然として広く知られていない状況です。直近のデフリンピックは2年前の7月にトルコのサムスンで夏季大会が開催されました。大田区からは日本代表として4名の選手が出場、スタッフなどの選手団として2名の方が同行されました。大会前と大会後の表敬訪問の際には、松原区長が選手の皆さんを激励される場面もありました。デフリンピック冬季大会については、来年12月にイタリアで開催されます。今回、大田区からの代表選手はいませんでしたが、世界で使われている国際手話を日本の手話へ変える通訳の方が大田区にお住まいとのことで、選手団に同行されるとのことです。
     オリンピック パラリンピック観光推進特別委員会でも繰り返し要望してきましたが、まだ認知度の低いデフリンピックについて、区民の皆さんへの周知啓発をお願いしたいところであります。区の所見をお聞かせください。  以上、気候変動と環境施策について、聞こえないことと行政の情報保障について、また、デフリンピックについてお伺いしました。明快なご答弁をよろしくお願いします。質問は以上です。(拍手) ○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎町田 スポーツ・文化担当部長 私からは、デフリンピックの周知啓発についてのご質問にお答えをいたします。  区は、区民のスポーツへの興味や関心を高め、スポーツを通じ健康増進を図るために、スポーツに関する情報について、区報、ホームページに加え、大田区健康応援マガジン「SPOOTA!」を年4回各5000部発行し、「するスポーツ」「みるスポーツ」の周知啓発に努めております。議員お話しのデフリンピックは、聴覚障がい者の国際スポーツ大会で、4年に一度、夏季・冬季の世界大会が開催されており、オリンピックと競技内容は同様で、スタートや審判の音声合図をランプ点滅で行う等の工夫がされてございます。平成29年度にトルコ共和国で開催された「第23回夏季デフリンピック競技大会サムスン2017」の日本代表として、大田区在住のサッカー選手3名、ビーチバレー選手1名が出場され、区は、ホームページで周知し、応援をいたしました。また、本年12月にイタリアで開催される冬季競技大会については、一般社団法人全日本ろうあ連盟のご協力のもと、11月末発行の「SPOOTA!」に関連記事を掲載し、区民に周知してございます。区は、引き続き、デフリンピックをはじめとする障がい者の国際スポーツ大会や大会に出場する区ゆかり選手について、ユニバーサルスポーツの観点から、区民に紹介するとともに応援し、スポーツを通じた共生社会を目指してまいります。以上でございます。 ◎今岡 福祉部長 私からは、障がいのある方の意思疎通に関するご質問にお答えいたします。  障がいのある方が、手話通訳等により円滑に情報を取得し、意思疎通できる環境を整備することは、コミュニケーション及び社会参加の拡大のうえで重要な課題です。障害者基本法には、共生社会の実現に向けて、全て障がい者は、可能な限り、意思疎通のための手段について選択の機会が確保されること等が規定されております。区は、今年度から意思疎通支援事業の手話通訳者等の派遣回数の上限をなくすなど、聴覚に障がいのある方がより円滑にサービスを利用できるよう取り組みを進めております。こうした中、今回の台風19号の際、区が準備した避難場所には聴覚に障がいのある方も避難され、その対応の中で、改めて災害時における情報提供の難しさとコミュニケーションの大切さを実感いたしました。今後、障がいのある方が、手話等その特性に応じた方法で情報を取得し、意思疎通を行える環境を整え、日常生活及び社会生活を安心して営める地域社会を目指すための条例の制定について検討を進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎落合 環境清掃部長 私からは、温暖化対策、清掃に関する五つのご質問にお答えいたします。  初めに、OTAふれあいフェスタでの啓発の成果に関するご質問ですが、環境清掃部では、例年、大田区地球温暖化対策地域協議会と協働で「環境クイズ」を実施しております。来場者の方々に5問のクイズに挑戦していただくことで、楽しみながら環境保全に関する意識を高めていただくことを目的としております。今年は、2300人にご参加いただきました。参加者の方々は、例えば「地球温暖化が進むと2100年の東京の夏の気温は何度になる?」という質問に対し頭を悩ませたり、「43.3度」という解答に驚いたりしながらクイズに挑まれておりました。多くの区民の方々に、地球温暖化と気候変動の問題を身近に感じていただく機会を提供することで関心を深めていただくことができたと考えております。今後も、各種セミナーやイベント等の機会を捉え、しっかりと区民の皆様への普及啓発に取り組んでまいります。  次に、区の今後の地球温暖化対策の取り組みの方向性に関するご質問ですが、地球温暖化対策をはじめとする様々な環境問題を解決するためには、区が多くの区民、事業者の皆様と協働・連携して取り組みを進めていくことが必要でございます。そのため、平成29年3月に大田区環境基本計画の中間見直しを行った際に、見直しの視点の一つとして、「環境マインドの拡大」を掲げました。現在、こうした視点に基づき、地球温暖化防止講演会やエコフェスタワンダーランドなどのイベントの開催等で普及啓発活動を推進しております。また、昨年度、「大田区地球温暖化対策地域協議会」のあり方について再検討いたしました。地球温暖化対策に取り組む多くの方々に参加いただき、情報を共有しながら、活動の輪を大田区全体に広げていくという方向性を確認いたしました。現在、区民、団体、事業者、区が一体となって地球温暖化対策を実行するための新たな仕組みづくりを進めているところでございます。  次に、地球温暖化対策を推進するために、区が取り組むべきこと、また区民レベルで取り組めることについてのご質問ですが、区は、地球温暖化の現状と将来への影響に関する情報提供を区民の皆様にしっかりと行い、区民一人ひとりの取り組みで未来が変わるということを伝えていかなくてはならないと考えております。区民レベルでの取り組みにつきましては、区が作成した「はねぴょんの省エネハンドブック」で具体的に区民の皆様に、テレビの照度の調整や冷蔵庫、電気便座の季節ごとの設定温度の使い分けなど、省エネ行動の実践を呼びかけております。また、冷蔵庫やエアコンなどの家電の買いかえの際には、省エネ性能の高い製品に買いかえていただくように周知しております。区といたしましては、こうした省エネ行動を自分事として実践していただくことが大切であると考えております。  次に、区内中小企業の地球温暖化対策への参画に関するご質問ですが、地球温暖化対策の取り組みは、これからの企業経営に必要な柱の一つになっていくと考えられます。区では、これまでも事業者を対象とした「省エネ対策セミナー」を開催し、中小の事業者の皆様に地球温暖化対策の推進を呼びかけてまいりました。また、SDGsでは、17番目のゴールとして「パートナーシップで目標を達成しよう」を掲げておりますが、先ほど答弁いたしました、現在、準備を進めている区民、団体、事業者、区が一丸となって地球温暖化対策を実行する新たな仕組みの中でも、中小企業の皆様を含め幅広く事業者への参画を呼びかけていく予定でございます。  最後に、古紙雑紙の資源化啓発についてのご質問ですが、紙類の資源化は、ごみの減量を推進していくうえで重要なポイントであると認識しております。現在、区では、包装紙やティッシュペーパー、お菓子の紙箱等、いわゆる雑紙の資源回収につきまして、区ホームページ、スマートフォンアプリケーション、「清掃だより」などで周知を図っておりますが、回収量は伸びていない現状にあります。そこで、今年度は、雑紙に特化した広報として、区設掲示板でのポスター掲出等を行い、改めて雑紙の資源化に関する周知を図ったところでございます。今後も、さらなる雑紙の資源化を推進していくため、環境学習や出前講座を通じて、区民の皆様へ直接説明させていただくとともに、広報紙において雑紙の特集を組むなど、一人でも多くの方に分別、リサイクルをしていただけるよう効果的な広報活動に努め、ごみの減量を図ってまいります。 ○岡元 副議長 次に、27番末安広明議員。                  〔27番末安広明議員登壇〕(拍手) ◆27番(末安広明 議員) 大田区議会公明党の末安広明です。台風19号関連の課題について、地元地域の内容を中心に質問させていただきます。  本区にも甚大な被害を及ぼした台風19号でありますが、その被害のほとんどは田園調布の一部地域に集中をいたしました。被災された皆様には、改めて心よりお見舞いを申し上げます。  地域の皆様からは、なぜこの地域だけがこれほどまでに大きな被害を受けてしまったのか、来年もまた同様の被害が起きてしまうのではないか、そうした悲痛の声を頂戴しております。まずは本区として明確な原因を検証し、その改善策を講じていくことが何よりも重要となります。また、今回の浸水被害は世田谷区との区境で起きており、世田谷区の玉堤地域にも大きな被害が発生しております。多摩川周辺の水門や河川の管理については、それぞれ管理者が分かれており、複雑となっております。よって今後の対策の検討に当たりましては、防災計画のあり方や情報連携、発災時の役割分担など、国や都、世田谷区などと本区とがどのように密な連携を図っていくかも問われております。  そこで伺いますが、本区として、この地域に集中して被害が広がった原因をどのように分析しているのか。また、今後の対策について、国や都、世田谷区などとどう連携を図っていくつもりなのか、お答えください。  次に、情報発信のあり方について伺います。  今回、多摩川の水位が危険領域に進むにつれて、都度、様々な手段で避難情報の発信が行われました。しかしながら、今回被害を受けた当該地域において、ここまでの被害に至る危険性を、地域に対し何らかの手法で発信できていたでしょうか。そのほかにも、避難場所のキャパシティーがいっぱいになったことで、別の避難場所への移動を余儀なくされた方が多数おられ、そうした情報発信についても課題となりました。これらは一例でありますが、本区全体で見た情報発信のあり方を拡充させていくとともに、地域単位での情報をつかみ、その発信をタイムリーに行っていく体制の整備が必要であると考えます。  そこで伺いますが、地域単位での情報収集及びその発信について、本区のご見解をお示しください。  今回、甚大な被害のあった当該地域であるからこそ、今後どこよりも安全な地域にしていくための支援を区として主導していただきたいと思います。ハード面の対策を行っていくことも当然重要ですが、短期的にはソフト面の対策の拡充が大切になると考えます。例えば、マイ・タイムラインの普及促進をこの地域で徹底してみることや、区のハザードマップ以外にも地域単位での避難行動マップを作成してみることなど、ぜひ特化した取り組みをご検討いただきたいと思います。また、この地域一帯は風致地区にもなっており、建物の面積に厳しい制限がかかっております。よって、地下室や半地下の車庫を設置する例も多くあります。こうした物件で、今回、より大きな被害が見られました。地域の建築制限などについても、今後、議論を深めていくことは重要と考えます。  そこで提案となりますが、当該地域において、区と地域が一体となって今後の防災まちづくりについて議論をしたり、学ぶための場を設け、ソフト面の対策がどこよりも行き届いたモデル的な地域を構築していく、そうした対応を本区には主導してもらいたいと要望しますが、いかがでしょうか。  次に、避難場所の確保について伺います。  当該地域には、避難場所として活用できる公共施設はなく、最寄りの避難場所となっている田園調布小学校までは距離的にも大変遠く、加えて、どのルートからも急な坂を越さなければたどり着けない状況もあり、高齢者などには大きな負担となっております。何とか地域の近くに命を守るスペースを確保してもらいたいとの要望を頂戴しております。一つの提案でありますが、世田谷区に位置する私立の田園調布雙葉学園は、本区との区境にあります。学校は世田谷区ですが、体育館や講堂などの施設は本区内に位置しております。ぜひとも防災協定の締結を進めていただきたいと要望します。  そこで伺いますが、地域によっては公共施設以外の施設についてもいま一度対象を広げ、避難場所の拡充を図ることを検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、本区職員の災害対応強化について伺います。  今回、災害対応に当たり、約1000名の職員が動員されたと伺っております。各避難所をはじめ、様々な場所で懸命に対応に当たられている姿を私も目にいたしました。本当に感謝を申し上げます。  本区には、約4000名の職員がおられます。通常は全く違う職種の方も、いざという災害時には、それぞれの現場で中心者として行動することが求められます。よって、職員全体の防災知識や応対のレベルを高めていくことは区民の安心に大きく直結するものと言えます。それとともに、防災課の要職につかれる方には、専門的な知識に加え、想定外の事態に的確に対応する判断力などが求められ、そうした防災のスペシャリスト的な人材の育成も重要と考えます。  そこで伺いますが、職員全体の防災レベルの向上を図っていくことについて、また防災のスペシャリスト的な人材を育成していくことについて、ぜひとも積極的に進めていただきたいと要望しますが、ご見解はいかがでしょうか。  今回の災害を通し、本当に多くの課題が浮き彫りになりました。行政としても、各部局での課題整理が行われ、その取りまとめを行っていることは承知しておりますし、本定例会でも各議員から様々な提案がなされると思います。大事なことは、それらの中から、今このタイミングで本区として何をやっていくのかを決めることだと思います。来年の出水期までに区は何をやってくれるのか、中長期的にどんな対策を打っていくのか、そこに区民は注目しております。ぜひ本区には今後の方針を明確に打ち出してもらい、一つでも多くの施策を実行し、安心を広げてもらいたいと思います。  そこで伺いますが、本区として風水害への対策を緊急プランとして取りまとめ、区民に示していくことを提案しますが、ご見解はいかがでしょうか。  以上、台風19号関連の課題について伺わせていただきました。被災された皆様が一日も早く安心を取り戻せるよう、引き続き全力で支援に当たっていただくことをお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎玉川 総務部長 私からは、職員全体の防災レベルの向上に関するご質問にお答えいたします。  多くの区民の生命、財産を守るためには、全ての職員が担当業務だけではなく避難所の運営や被災者への支援など幅広い業務に習熟し、主体的に行動することが必要でございます。さらに防災危機管理課をはじめ災害対策本部を構成する職には、危機的事態に直面した際に、迅速、的確な判断ができる人材が不可欠でございます。来年の出水期に向けまして職員が的確に行動できるよう、訓練、研修カリキュラムを充実させ、実施してまいります。また、災害対策本部のより実践的な訓練の実施や防災スペシャリスト養成研修への派遣などにも取り組み、防災意識の高い職員の育成と、より実効性のある防災組織体制の構築に努めてまいります。 ◎井上 危機管理室長 私からは、四つの質問にお答えいたします。  初めに、地域単位での情報収集とその発信についてですが、区が地域の災害の状況を的確に把握し、情報を発信することで区民は安全に避難行動をとることができます。地域防災計画では、地域情報について特別出張所から災害対策本部に報告され、地域に必要な情報は学校防災活動拠点を通じて発信すると定めております。さらに、各地域における防災情報や避難所の避難者の受け入れ状況など様々な災害情報を収集し発信することは、地域住民が的確に次の行動をとるための有効な判断材料になると考えております。今後は、区全体の情報に加え、地域単位の情報発信のあり方について十分検討してまいります。  次に、被災した地区をモデル地区としてソフト面の対策をとのご質問ですが、現在、被災された方々の生活再建に全力で取り組んでいるところでございます。今回の浸水被害につきまして、マイ・タイムラインの普及促進を含め避難行動などのソフト面の対策については、区としても重要な課題であると認識しております。そのためには、地域と区が連携して、地域の災害リスクを踏まえた避難行動力の向上や、被害を最小限に抑えていくための防災対策に取り組んでいきたいと考えております。また、この取り組みで得られた結果を区全体に反映することにより、浸水被害対策の充実につながるものと考えております。  三つ目は、公共施設以外の施設を含めた避難場所の拡充についての質問ですが、大規模災害時には、より多くの避難場所を開設することは不可欠です。そのためには、公共施設を最大限に活用するのみならず、私立学校や民間事業者にも協力をいただかなければなりません。区では、これまで私立学校や民間事業者など54施設と施設提供に関する協力協定を締結してまいりました。引き続き、ご協力いただける公共施設以外の避難場所の拡充を検討してまいります。  最後ですが、風水害についてのご質問ですが、区では、台風19号の対応について全庁的な振り返りを行っており、現在、課題の整理をして、対策を検討しているところです。また、区民並びに区議会の皆様からも様々なご意見をいただき、今回明らかになった課題の解決と風水害対策の充実・強化を望む強い思いも受け止めております。緊急で取り組むべきものや中長期的な課題について整理し、具体的な対策を区民の皆様にお示ししたうえで、早急に取り組んでまいります。 ◎久保 都市基盤整備部長 私からは、田園調布の一部地域に被害が広がった原因と今後の対策における関係機関との連携に関するご質問にお答えさせていただきます。  被害が広がった原因につきましては、世田谷区にある等々力排水樋管のゲートがあいており、住宅地に多摩川の水が流れ込んだことが要因の一つと考えております。また、世田谷区を流れる谷沢川も溢水するなど、複合的な要因も考えられるため、今後は専門家などによる詳細な検証を進めてまいります。  国や東京都、世田谷区などとの連携につきましては、多摩川を管理する国に対して、流域の自治体である川崎市、世田谷区と連携し、治水対策の強化を要望してまいります。また、上沼部排水樋管のゲート閉鎖時などにおける住民への情報発信につきましては、施設管理者である東京都下水道局と協議し、適切に対応してまいります。私からは以上でございます。 ○岡元 副議長 次に、31番佐藤 伸議員。                  〔31番佐藤 伸議員登壇〕(拍手) ◆31番(佐藤伸 議員) 質問通告に従って質問をします。  今年も台風15号、19号をはじめ、8月の九州北部豪雨、2月に北海道胆振地方、6月に山形県沖、1月に熊本県熊本地方で震度6の地震が発生するなど自然災害が多発しました。日本は災害大国と言われています。日本周辺には太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北アメリカプレートがひしめき合うことから、世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約20%が日本周辺で発生します。今わかっているだけでも約2000の活断層が存在し、世界中の活火山の7%が狭い国土に分布しています。プレートの圧力の強まりによって内陸直下型地震が全国のどこでも発生することや、火山の噴火が予想されます。加えて、気候変動のもとで、従来の経験をはるかに超えるような豪雨、強風、高潮などを伴う巨大台風などが多発し、それが地震災害と複合することも予想されます。これらの自然災害は発生そのものを防止することはできませんが、被害を最小限に食いとめるために、災害発生前の事前対策と発生時の緊急対応が重要になっています。災害後も命や健康が損なわれないよう、対策の強化が求められます。  まず、避難想定に見合った避難所の整備についてです。  大田区地域防災計画では、東京都防災会議が2012年に公表した「首都直下地震等による東京の被害想定」の東京湾北部を震源とする東京湾北部地震、マグニチュード7.3を想定地震として計画がつくられています。想定では、冬の夕方18時の発生により、想定震度は区内で震度6弱が5.5%、震度6強が93.1%、震度7が1.4%の地域で起きるとしています。揺れや液状化や地震火災によって、区内での避難者36万4824人を想定しています。そのほかにも、16万6426人が徒歩帰宅困難者となることが想定されています。そのほかにも、ペットを連れての同行避難と避難所でのペット受け入れ体制の整備や、要支援者が避難する福祉避難所の整備など災害避難所の整備には課題がまだまだあります。  区内で最大36万4824人となる避難者に対応した避難所の整備が緊急に求められます。現在、学校を中心とする91か所の避難所の受け入れ人数は目安で約14万5000人としており、想定される避難者数の半分にも満たないなど、抜本的な計画の拡充が求められます。都立学校や私立高校などの避難場所としての活用を東京都や国とも連携を強めると同時に、民間とも災害協定を結ぶなどして想定避難者に十分対応した避難所を計画的に整備するよう求めます。お答えください。  次に、避難所の環境改善の問題です。  避難者数に見合った避難所を整備しても、避難所の環境改善を進めなければ、せっかく災害を生き延びても避難所生活で肉体的、精神的疲労などで命を落とす災害関連死から区民の命を守ることはできません。避難所の環境改善には、スフィア基準に基づいた整備、備蓄品の見直し拡充が必要ではないでしょうか。  スフィア基準は、国際人道法や人権法、難民法の規定に含まれる尊厳のある生活への権利、人道援助を受ける権利、保護と安全への権利を実現するために、人道援助を行うNGOグループと国際赤十字・赤新月運動によって1997年に開始されたスフィア・プロジェクトが定めた命を守るための最低限の基準です。そこには権利保護の原則のほか、給水、衛生、衛生促進に関する最低基準、食料の確保と栄養に関する最低基準、シェルター、居留地などに関する最低基準、保健活動に関する最低基準などが盛り込まれています。また、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のアセスメント項目・基準も避難所の環境改善の指針になるものです。例えば、アメリカCDCの基準では、水道、お湯が使える、1人当たり3.3平方メートル以上のスペースが確保されている、電気が使える、室内が寒くない、避難所で食事をつくる、配膳する、食事が冷たくない、十分な簡易ベッドなどがある、子どもの遊び場があるなど、55項目を掲げています。  大田区での災害避難所の環境整備を進めるのに、このスフィア基準やアメリカ疾病予防管理センターのアセスメント項目を目標、指針に据えた災害避難所の環境改善を行うよう求めます。お答えください。  現在、災害が起きると、大田区も含め各地の災害避難所では、多数の人が雑魚寝状態での生活を余儀なくされたり、自動車での車中泊で過ごす人がいるなど劣悪な状態です。それは、大田区の避難所の避難者受け入れスペースは東京都の避難所管理運営の指針に従い、3.3平方メートル当たり2名とするなど、3.5平方メートル当たり1名の避難所スペースが必要と訴えるスフィア基準や3.3平方メートル当たり1名のスペースの確保を掲げるアメリカのCDCの水準の半分しかないなど劣悪な避難環境が温床となっています。  長時間同じ姿勢でいたり、動かないといわゆるエコノミークラス症候群、専門的には静脈血栓塞栓症を発症するおそれがあります。血栓が血管を流れて心臓や肺動脈に流れ閉塞し、死に至ることがあります。避難所での雑魚寝は、血栓症を引き起こすだけでなく、床の冷えが直接体に伝わる、床から舞い上がるほこりや細菌を吸い込む、高齢者や体力が落ちている人にとって起居が困難となる、プライバシーが保てないなど様々な弊害をもたらすことから、雑魚寝や車中泊は絶対にやめるべきです。  内閣府は今年4月に災害関連死を定義し、自治体に通知しています。それによると、当該災害による負傷の悪化または避難生活などにおける身体的負担による疾病による死亡や身体的負担による疾病を苦に精神的に追い込まれて自殺した場合などを災害関連死としています。東日本大震災では、死者、行方不明者は1万8434人ですが、災害関連死は3723人です。2016年に発生した熊本地震では、地震による直接死は55人ですが、災害関連死は218人にも上っています。  医師や専門家でつくる避難所・避難生活学会は、避難所の環境改善にトイレ、キッチン、ベッドの略であるTKBの改善を提言しています。避難所生活が原因の災害関連死が相次いだことを受けて、TKBの改善が必要と感じたといいます。提言では、快適で十分な数のトイレ、温かい食事、簡易ベッドの提供が必要だとしています。裏を返せば、今の避難所では、不便で不潔なトイレ、冷たい食事、床での雑魚寝が課題になっています。  不便で不潔なトイレ、床での雑魚寝の改善が必要です。避難者数20人に1個以上の割合でのトイレの確保をするよう求めます。その際、子ども用のトイレと洋式トイレを一定数含め確保するよう、備蓄品の拡充を求めます。避難所での雑魚寝状態解消のために、雑魚寝よりも暖かく、血栓症の予防などにもなる段ボールベッドの導入を提案します。また、避難者のプライバシー保護のために間仕切り、テントなどもあわせて整備計画をつくり、進めるよう求めます。お答えください。  避難所での食事改善の問題は重要な課題です。災害発生から早い時期に温かい食事がとれる環境整備、備蓄食糧の改善、東京都や国との連携強化を求めます。お答えください。  次に、子どもの貧困対策強化について質問をします。  子どもの貧困対策推進法に基づき政府が決定する対策大綱の見直し議論が進んでいます。今年8月、内閣府の有識者会議が、新たな大綱に盛り込む施策のあり方を示す文書をまとめました。通常国会では、子どもの貧困対策推進法の改正も行われました。家庭の経済的困難が子どもの現在と未来を閉ざしている現状を打開することは、待ったなしの課題です。5年ぶりに改定される新大綱を実効性のある中身にすることをはじめ、政府が子どもの貧困解消に向けて真剣に取り組むことが必要となっています。  子どもの貧困対策推進法施行から5年がたつ中で、子どもの貧困率は13.9%で、7人に1人が貧困にある深刻な実態が続いています。子どもだけでもきちんと食事をさせたいが、それができない。病気になっても受診を我慢する。憲法25条が保障する健康で文化的な最低限度の生活ができない世帯が少なくない現実を、これ以上放置することはできません。  重大なのは、安倍政権のもとで生活保護の削減と制度の改悪を次々と強行し、生活困窮世帯に追い打ちをかけていることです。昨年10月から行われている生活保護費の段階的削減で、生活扶助基準の引き下げだけでなく、ひとり親世帯を対象にした母子加算の減額も行っています。さらに10月の消費税率10%への引き上げは、もう削る出費がないと悲痛な声を上げる困窮世帯に過酷な仕打ちとなっています。消費税増税と引きかえに実施した教育無償化も、貧困世帯の実態や願いともかみ合っていません。今こそ住民の命を守り、福祉の増進を図る自治体としての大田区の役割の発揮が急務です。  子どもの貧困対策を推進するために、現状の福祉部子ども生活応援担当課から格上げをし、東京都足立区のように専任の部課長をはじめとする職員の体制を確立し、強化するよう求めます。お答えください。  大田区が2016年に行った子どもの生活実態調査では、子どもが経済的に厳しい状況に置かれていることを消費や外出・体験などの機会が限られている家庭として、生活困難層と定義しました。調査では、子どもの生活習慣の乱れを反映すると考えられる朝食の欠食状況については、子どもの健康状況にも影響を及ぼす要因の一つであると考えられるなどとして、子どもの朝ご飯の摂取状況の調査をしましたが、「平日に朝ご飯をいつも食べる」と答えたのは、非生活困難層で94%だったのに対して、困窮層では84%でした。つまり、困窮層にある家庭の子ども、16%の割合の子どもが平日に朝食を毎日とれない状況にあることがこの調査から示されています。  アメリカでは、高等学校以下の学校が参加できる学校給食制度などを活用して、昼食だけでなく朝食の提供が8万7000校以上で実施されています。また、イギリスでも学校の中での朝食サービスを行う朝食クラブが小学校46%、中学校62%で実施されています。国内においても、広島県では、昨年、2018年度から朝ごはん推進モデル事業を始めました。県内の全ての子どもたちが朝食を食べることができる環境を整備し、子どもの能力と可能性を高める基礎となる生活習慣を身につけてもらうため、モデル事業に取り組み、事業に要する経費や運営方法、成果などを検証するとして、小学校などで無料の朝食を提供する取り組みです。担任教諭へのヒアリング調査などでは、明らかに子どもたちによい変化が見え始めているとして、朝食を提供する日は遅刻が減少傾向、朝食を食べた日は授業に集中して積極的な姿勢が見える、朝食提供日は元気があると感じるなどの声が出されています。  大田区でも、子どもの貧困対策にもなり、子どもたちが授業に集中するなど学校での積極的な姿勢に変化させる効果もある学校での朝食提供を始めるよう提案します。その際、形式は学校給食方式やNPO団体の協力を得るなど様々な方式が考えられます。朝食は、生活習慣の定着のために欠かせない大事なものです。ぜひ検討し、早急に始めるよう求めます。お答えください。  おおた子どもの生活応援プランでは、「経験・学力」、「生活・健康」、「居場所・包摂」の三つの柱を立て、学力の保障や進学支援、子どもの居場所づくりなどの施策を展開しています。生活・健康の柱では、1、子どもの健康や生活を支える支援の推進、2、保護者の生活・子育ての支援、3、貧困の連鎖を断ち切るための就労支援の三つの施策分野に分け、具体的な支援施策を行っています。この中で、ひとり親家庭に対する生活・子育て支援や就労支援の施策の推進が言われていますが、まだまだ不十分です。ひとり親家庭への支援の強化を大きく打ち出すことを求めます。また、同時に3人以上の子どもがいる多子世帯への支援の強化、特に経済的支援強化を計画の一つの柱として位置づけることをプランの更新の時期なども捉えて行うよう求めます。お答えください。  以上で質問を終わります。(拍手) ○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、子どもの貧困対策を推進するための体制強化に関するご質問にお答えをさせていただきます。  子どもの貧困対策につきましては、行政機関だけでなく、地域で活動する多様な分野の関係者が横断的に連携・協力することが必要と認識をしてございます。こうした認識のもと、区におきましても、福祉部に子ども生活応援担当課長を設置し、子どもの貧困対策に関する施策の調整及び推進等を分掌させてございます。そのうえで、おおた子どもの生活応援プランに掲げる施策の展開に必要な職員数につきましても、適時適切に定数措置を実施してきているところでございます。こうした執行体制の充実のもと、引き続き、福祉部をはじめとした関係部局が緊密な連携を図りつつ、それぞれの専門分野における知見や強みを活かして、おおた子どもの生活応援プランに掲げる施策の展開を強力に推進してまいります。私からは以上でございます。 ◎井上 危機管理室長 私からは、避難所に関する四つの質問にお答えいたします。  初めに、避難所の整備に関するご質問ですが、区は、震災時に学校防災活動拠点となる区立の小中学校91か所をはじめ、補完避難所など2次避難所などを含めると約18万5000人の避難者を受け入れる計画となっております。これまでも区は補完避難所として、都立高校、私立学校、民間施設等と協定締結を進めており、少しでも多くの避難者の受け入れに努めております。しかしながら、近年はマンションなどの耐火・耐震構造の住宅が増えており、震災後も自宅での生活を継続することができるご家庭も多くあると想定しております。震災後、自宅に住み続けるために、ローリングストックなどによる備蓄や家具転倒防止器具などの普及啓発に努めております。引き続き、協定による避難所の確保や家庭内備蓄の充実の啓発などに取り組んでまいります。  次に、避難所の環境に関するご質問ですが、スフィア基準は避難所の環境などについて定められた基準とされ、内閣府の「避難所運営ガイドライン」において、参考にすべき国際基準とされています。また、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、健康に関する情報を提供する連邦政府機関であり、食事、トイレなどの指標をもとに避難所の環境を調査する避難所環境アセスメントを作成しております。いずれも、避難した人の生活の質を保つことを目的として作成されております。区では、これまでも自動ラップ式トイレやプライバシーを保つための間仕切りの導入など避難所の環境改善に取り組んでおります。今後も、区内の小中学校などの公共施設をはじめ、高齢者や障がいのある方が安心して避難できるよう、避難所の環境改善に努めてまいります。  次に、避難所の生活環境についてのご質問ですが、トイレの備蓄は、避難者の健康にも大きな影響を与えるため、その拡充に努めているところです。避難所に備蓄しているトイレと学校の壊れていないトイレの便座を活用することにより、全体で30台以上になると想定しております。備蓄数の目安となる避難者が1500人であることを考慮すると、平成28年4月に内閣府が提示している「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」における避難者約50人当たり1台は、おおむね満たしております。避難所生活が長期化することによる負担を軽減し、健康被害を防ぐため、段ボールベッド、間仕切り、畳などを避難所に活用する計画です。区では、これらの生活環境改善のための備品は、発災後に必要な数量を協定先に要請することとしており、簡易間仕切りシステムの優先供給協定や畳の無償提供を受ける協定を締結しております。引き続き、避難所の備蓄品の拡充と避難者の生活環境改善に努めてまいります。  最後に、避難所における食事の提供についてのご質問ですが、慣れない避難所生活において、温かい食事をとることにより、避難者のストレスや不安感を軽減できます。小中学校等での避難所では、食糧品の備蓄は避難者の3日分の食糧を備蓄しております。発災直後は、手間をかけずに食べることのできるクラッカーやレトルト食品を提供します。2日目以降につきましては、備蓄している食糧のほか、東京都からの食糧が供給されます。また、災害時に優先供給協定先の大田区食品衛生協会や大田区商店街連合会などから食料品を提供していただく計画となっております。東京都や国と連携し、避難者に少しでも早い時期に温かい食事を提供できる体制づくりに引き続き取り組んでまいります。 ◎張間 福祉支援担当部長 私からは、子どもの貧困対策に関する二つのご質問にお答えいたします。  初めに、子どもの貧困対策として実施する朝食提供に関するご質問ですが、「おおた子どもの生活応援プラン」の施策を検討する際、朝食欠食が子どもの健康状態や学習理解に影響を与えるという調査・分析から、区といたしましても課題であると捉えております。子どもが朝食を毎日きちんと家庭でとることは、心と体の健康面からも大切なことであり、生活習慣の基盤となる大事なことであると考えております。区は、「おおた子どもの生活応援プラン」において「生活・健康」を柱の一つに掲げ、食育の推進をはじめとする事業を複数の部局で進めております。これからも区は教育委員会などと連携をいたしまして、朝食をとることをはじめとする基本的な生活習慣の大切さを、子どもだけではなく保護者に対しましてもしっかりと伝えていき、働きかけてまいります。  次に、ひとり親家庭、多子世帯への支援の強化に関するご質問ですが、「おおた子どもの生活応援プラン」では、ひとり親家庭に対する施策を経済的支援、就労支援、孤立防止のための支援に体系化し、各部局において施策を展開しております。経済的支援につきましては、多子世帯に限らず、所得などの要件に応じて必要な支援を適切に実施しております。中でも、区は、高校生等を対象とする奨学金について、国や東京都の制度の充実に伴い、これらを補っていきます形で制度の変更を検討しております。引き続き、関係部局と連携をいたしまして、全ての子どもの未来を応援する取り組みを進めて、そのために本プランの進行管理を行いますおおた子どもの生活応援プラン推進会議なども活用いたしまして、時代の変化に合わせた支援のあり方について議論を一層深めてまいりたいと存じます。私からは以上です。 ○岡元 副議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。                      午後0時休憩                ――――――――――――――――――――                      午後1時開議 ○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続けます。5番大森昭彦議員。                  〔5番大森昭彦議員登壇〕(拍手) ◆5番(大森昭彦 議員) 大田区議会本年最後の本会議におきまして一般質問をします。大田区民連合の大森昭彦でございます。区長をはじめ理事者の皆様におかれましては、丁寧なご答弁をいただきますようお願いいたします。  質問に入る前に、まず、近年にない本州上陸台風で直撃を受け、被災されました皆様に心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興がなされますよう、心からお祈り申し上げたいと思います。  それでは、質問に入ります。  古い蒲田のまちなみを子どものころから見て育ってきた一人といたしまして、今日まで区議会の場において大田区の中心核である蒲田のまちづくりをいろいろな場面にて議論させていただきました。大田区での蒲田は言うまでもなく中心拠点としての位置づけであり、周辺の都市にも負けないさらなる活性化を目指して、将来を見据えた持続可能なまちづくりが必要であることを話し合い、大事なことと考えております。  今年の第3回区議会定例会で松原区長から、「鉄道とまちづくりは一体的に進める必要があり、蒲田のまちづくりを考えるうえで、新空港線は大きな契機になることから、新空港線の早期整備実現に向けて、先頭に立って進める」との力強い答弁がありました。そのことを受け、区議会でも、蒲田のまちづくりを行うには新空港線が必要不可欠であることから、本年第3回区議会定例会で蒲田駅周辺のまちづくり等に関する意見書を議決し、去る11月14日は、塩野目議長、岡元副議長をはじめとして、各会派の幹事長や幹部が東京都を訪れ、筆頭副知事である長谷川副知事に、19日には石川都議会議長に意見書を手渡し、大田区議会の思いを伝えてきたとの報告を聞きました。長谷川副知事からは、「都として、しっかりと新空港線及び蒲田のまちづくりを進めていく」、石川都議会議長からは、「都議会も知事と力を合わせて対応していく」という発言があったと聞いているところであります。  そこで、まずお伺いしますが、このように区議会としても援護射撃をしているので、ぜひとも今年度内に新空港線整備に向けて合意形成を整え、整備主体設立をしていただきたいと考えますが、区として今後どう進めるかをお伺いいたします。  蒲田駅周辺のまちづくり等に関する意見書の内容のとおり、新空港線を契機とする蒲田まちづくりを進めるうえで、航空法の高さ制限という大きなハンデがある中、どのような制度を活用し、どのような費用負担とするか等、広域自治体である東京都の協力は必要不可欠であります。今後は区、区議会、東京都がお互いさらに連携して蒲田のまちづくりに取り組む必要がありますが、その下地は整いつつあると考えています。  そこで伺います。蒲田の中長期のまちづくりについては、過去の答弁で、鉄道事業者などの関係機関と駅前広場や東西自由通路など周辺基盤施設の一体的な検討を進めると答えていますが、具体的な進捗状況について、どのようになっているのか、お答えください。  具体的な検討を行う際は、蒲田駅周辺の基盤施設が、事業者目線ではなく、区民目線で利便性が高く、使いやすい施設にならなければならないと考えます。蒲田のまちにおいて、もろもろ地域発展のためにかかわっておられる地域の方たちにとっても、区の考えや動向には多くの目線が集まっているところであります。近年、まちづくりの研究会などを繰り返し開催し、勉強されていることなど、地元の議員としての私や大田区に期待する意見、要望などを聞かされてきているところでもあります。  そういった中で、蒲田駅周辺は、これまでまちの機能更新もなかなか進まず、新空港線整備による羽田空港へのアクセス強化や駅周辺の回遊性の向上及びにぎわいの創出など課題も多いと考えているところで、中長期のまちづくりを進めるうえで、区として何を大きな課題として捉えているのか、どのようにそれを進めようと考えているのか、お答えください。
     蒲田のまちは、いまだに古いまちなみが存在していますが、戦災復興の土地区画整理事業により形成された土地、地型、建物が残っておりまして、蒲田駅周辺の駅舎、駅ビルをはじめ、老朽化した建物も多いのであります。東口では駅前で再開発が進むなど、まち全体が機能更新に向けて動き出そうとしていることは、地元の議員としても大きな期待を寄せているところであります。その際は、ただ単に、横浜や品川などの都市を目指すのではなく、独自性を持った蒲田ならではのまちづくりを目指すべきであると考えているところであります。そういった意味において蒲田のよさを活かしたまちづくりを進める必要があると考えますが、蒲田のよさについてはどのように考えているのか、お答えください。  いずれにしても、羽田空港を控え、多くの邦人来訪者や外国人の方たちがこのまちを訪れ、また住み続ける転入者も増えていることを考えても、これからの蒲田のまちをどうしていくのか、大事な局面を迎えていると考えるのが当たり前ではないかと思っております。熱意が伝わる答弁をお願いしておきます。  続いて、今後のインバウンド施策についてをテーマに質問いたします。  2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会が迫る中、大田区の観光施策の中でもインバウンド事業による訪日外国人の区内への誘致は、区内経済、地域の活性化の面においても非常に重要となってきています。本年10月の訪日外国人の数は、前年比5.5%減となり249万7000人、14万人減ったというデータが政府の観光局により示されました。1か月間の合計数字であります。全体としては増えてきているのですが、前年と比べると、10月と8月分もマイナス2.2%の減となったというデータがあるのですが、大きな原因は、韓国からの渡航者が65.5%、19万7300人、前年比減で大きく影響を与えたようです。国家間でのトラブルに影響するものであると考えますが、他の国においては顕著に訪日人数が伸びているということであります。今後、大田区を訪れていただく訪日外国人客数は着実に伸びていくものと期待しているものであります。そのことは、来春の羽田空港を利用する航空機の離発着回数が増枠、拡充される予定で、アジア圏からの訪日外国人数は韓国を除き増えていて、特に中国からの来日者数は1月から10月までのトータル数が813万3000人だそうで、増えてきて、13.5%の10か月間での増ということであります。  昨年の4月、大連からの訪問団が、二、三十人でしたが大田区を訪れられまして、我々区議会の有志との交流会が行われました。そのときの中日友好協会会長が、次の訪問の本年7月になりますが、青少年300人弱を含む訪問団を結成して、約400人にも及ぶ親善訪問団を連れて大田区に来ていただきました。大連市中日友好協会于建軍会長は、元大連市長であり、元大連人代主任として要職にあった方であります。この10月28日より30日までの2泊3日、我々区議会大連市親善訪問団を大歓迎してくださり、大変な親日ぶりを見せていただき、とても感謝いたしたところでありました。  こうした交流実績の環境の中にあり、本区のインバウンド政策が多くの来訪者の心に響くものをもって足を運んでいただくことは、とても大切な取り組みであると考えます。多くの訪日外国人の中で顔が見られる欧米関連については、一番訪日の多いアメリカ人であっても、アジア人と比べると比べ物にならないほどの少数の顔ぶれになってしまいます。今後予定されている羽田空港の飛行経路拡大、同発着枠の増加による大幅な増便が図られることは、報道や政府の広報でも周知されてきていることでありますが、観光施策としてプロモーションへの取り組みがインバウンドの大田区来訪に影響すると考えます。  国内の大手航空会社2社は、羽田からの欧米路線の拡充をすると運航計画を公表しております。昨日の我が会派の深川議員の代表質問の中でも、大連周水子国際空港へ向けての直行便が羽田間で実現する運びとなったことを披露し、大連市との交流のあり方について問いかけを区長にいたしました。区長のご答弁では、発着枠の拡大によりさらなる日本のゲートウェイとして羽田は大きな位置づけになる。今月13日に本区を訪れた遼寧省常務委員・大連市人代書記、譚作鈞氏からは、産業地域の開発に取り組んでいる中、大田区からの工場の誘致をお願いしたいとの話があった。また、羽田・大連間で定期便が就航することで時間の短縮が図れるので、これからの連携のあり方を検討したいという答弁がありました。  本区の羽田空港で増便が図られることで、さらなる国際化を迎えることとなります。区外へのプロモーションについては、フェイスブックやユーチューブでの発信にとどまっているようですが、観光国際都市として取り組みのありようが期待されます。区の考えをどう取り組むことになるのか伺います。その際、中心的な取り組み先としての国はどう捉えているのかお答えください。  区民が区の友好都市を知り、そして訪問するには、相手を知る必要があります。そのような広報的な取り組みを積極的に行っていただくよう、これからの区政にお願いしておきます。  また、先ほど話しました7月の400人の訪問団では、多くの青少年が団員として本区を訪れ、区内の小学生との交流に取り組んでくれました。私も蒲田中学校での交流会の場面に顔を出し、様子を見てみました。とても和やかな雰囲気の中で交流会が進み、青少年交流の意義の深さを実感した場面でありました。もともと本区と中国北京市朝陽区との間で20年以上にわたり続いてきた友好都市の関係では、青少年の交流事業が中心であったと思いますが、朝陽区とのおつき合いも含め、羽田空港の活用において大連市、北京市朝陽区、それぞれとの取り組みは拡充されることは大変期待されると考えます。区として、青少年の交流はもとより、文化芸術の交流、ものづくりの交流、観光産業の交流など、大田区民に対しての情報発信が足りていないと考えております。今後は、いろいろな情報を双方に発信してもらい、交流事業の促進を図り、区としてのインバウンドの問題と相互理解の充実を目指し、施策を展開してもらいたいと考えますが、どう受け止めていただくのか、お考えをお聞かせください。  団体で本区を訪問されるグループは、必ずしも鉄道移動だけではないと考えます。一つの例ですが、浅草の浅草寺には一年中多くの来訪者が、邦人、外国人を含めてお見えになっています。団体の方たちでは観光バスを利用され、訪れているところも目にします。そのバスはほとんどの場合、浅草寺脇の台東区民会館の1階のバス専用駐車場を利用していて、客の乗降にも活用しているのは昔からの光景であります。我が家の前には大田区総合体育館の駐車スペースがありますが、団体、イベントによっては、お客さんをおろした後、すぐに車を移動して駐車せず、またお客さんを迎えに来るといった光景を見ます。要は、過去、鉄道や航空機など公共交通の利便性は議論に出てきていましたが、バスをとめ置くところ、その関連については全く話されていません。今後の問題として、区内でバス駐車場について駐車できるスペースを持たれている企業さんとの協定も含め、バスの扱いについて今後検討していくよう強く要望しておきます。  次に、羽田空港跡地第1ゾーン南側エリアの今後について伺います。  昨年の質問でも触れさせてもらっていますが、時間の経過が見られますので、その後の進捗も含め質問します。  羽田空港跡地第1ゾーンのまちづくりは、これまで区を中心として区民、区議会、関係行政機関と協議、検討しながら進めてきたところであります。来年夏には2020東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、長年にわたって進めてきた羽田空港跡地第1ゾーンのまち開きも行われると聞いております。難しい工事環境の中で、建築、工程、期限を予定どおりに完成に向け、無事故で着々と工事が進んでいることに、工事関係者の皆さんに対し、感謝申し上げたいと思います。  この間、大田区では、平成22年、羽田空港跡地まちづくり推進計画、平成27年、羽田空港跡地第1ゾーン整備方針等を策定し、まちづくりの方向を定めてきました。そして民間事業者の持つ資金力、事業ノウハウ、企業間ネットワークを活用する公民連携事業を推進し、事業者である羽田みらい開発株式会社とともに新産業創造・発信拠点形成を旗印として羽田イノベーションシティ実現に向けた多くの取り組みを行っていると聞いています。それらは大変に注目を集めるものと確信しています。  自動運転のテストコースを設け研究開発に取り組むデンソー、先端医療研究センターを運営する東邦大学、イベントホール運営のZeppホールネットワークの参加が我々議会においても報告されましたが、これに加え、大規模会議やコンベンションホール運営に実績のあるコングレや、地方創生に資する飲食事業を展開するインフォマートが入居すること、また地域の銀行である城南信用金庫やさわやか信用金庫が跡地で行う産業ビジネスの支援に取り組むことなども公表され、着実に進捗していることがうかがえ、大変完成に期待しているところです。  一方、新産業創造・発信拠点形成の重点プロジェクトの一つとして、多目的広場を活用した憩い・にぎわいの空間の創出を掲げており、これらは都市計画公園や多摩川沿いの水辺空間を活用することが想定されますが、現段階では具体的な計画は示されていないとされています。しかしながら、過去のパースなどを使い、都市計画公園でのありようを、羽田の地域の方たちに気遣いするような内容を盛り込みつつ、区民の憩いの場としてのエリアの特性、環境をフルに活用してのあり方について職員各位と話し、意見を聞かされた記憶があります。  そこで伺いますが、まず、羽田空港跡地第1ゾーン南側に配置された都市計画公園や多摩川の水辺等、また、第2ゾーンのソラムナード羽田緑地とのつながりなど、羽田地域の歴史を踏まえながら、区民の皆様の憩いやくつろぎ、地域交流の活性化など、区民の期待に応える土地活用の検討が必要と思いますが、それらについてのお考えをお聞かせください。  次に、新産業創造・発信拠点形成に向けた計画段階においては、パブリックコメントを実施し、多様な区民からのご意見を伺う手法をとっておりました。この第1ゾーン南側の土地活用の検討においても、パブリックコメントを実施し、多様なご意見を伺いながら進めるべきと思いますが、区の考えをお聞かせください。  いつでも子どもや子育て世代が集い、喜ばれ、笑い声が絶えないエリアになっていただきたいことを願いまして、質問を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎木田 観光・国際都市部長 私からは、観光プロモーション及び中国との交流促進についてお答えをいたします。  まず、今後の観光プロモーション施策に関するご質問ですが、区は、これまで大田区公式観光サイトでの国別観光プロモーション動画の発信やフェイスブックなどのSNS媒体を用いた広報活動のほか、台湾やタイには品川区など近隣自治体と連携し現地での旅行博に参加するなど、様々なプロモーション活動を実施し、インバウンドの誘致に努めてまいりました。東京2020大会を目前とする現在、アジアからの訪日客は増加の傾向にあり、この機会を捉え、中国を中心とするアジアを対象として、各国のインフルエンサーによる観光やグルメ等のコンテンツの発信強化を検討してまいります。また、2020年3月には羽田空港国際線が増便され、新たにつながる都市も増えていくことが見込まれることから、今後もその変化を捉えつつ、効果的なプロモーション施策を展開してまいります。  続きまして、北京市朝陽区、大連市との今後の交流事業、施策についてのご質問ですが、朝陽区との交流の歴史は昭和51年にまでさかのぼり、平成10年の友好都市協定の締結から20年を超える交流が続いております。また、大連市とは友好協力関係都市締結10年の節目を迎えております。現在、両都市ともに交流事業の中心は青少年の友好訪問団の相互派遣であり、特に交流歴史の長い朝陽区とは、これまでに派遣と受け入れを合わせて18回を数えるまでの実績を重ねてまいりました。また、大連市からは、毎年、市政府関係者、また青少年が大田区を訪れ、打ち解けた交流が進んでおります。  一方、中国の目覚ましい経済成長に伴って生じる新たな都市問題の顕在化とともに求められる交流がここ数年、多様化してきていることも肌で感じております。そこで、今後は、青少年交流を基本としつつ、関係各部とも連携し、日中両国の発展や人材育成等につながる新たな交流を模索してまいりたいと考えております。さらに、朝陽区、大連市それぞれの歴史、文化など魅力的な情報の発信を充実させることで相互の理解を深め、それらがインバウンドにもつながるよう、観光分野とも連携して、心を込めて進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎齋藤 新空港線・まちづくり調整準備室長 私からは、新空港線及び蒲田のまちづくりに関する四つのご質問についてお答えをいたします。  まず、新空港線についてのご質問でございますが、今回、区議会が意見書を議決され、東京都知事及び東京都議会議長宛ての意見書を持参され、筆頭副知事及び都議会議長に、新空港線整備に向け、直接要請をしていただいたことに感謝を申し上げます。  事業の検討熟度につきましては、東京都も6路線の中で新空港線が一番高いという認識であると、私どもは感じてございます。区からは、東京都に対して本年度内の関係者合意ができるよう強く要請をしているため、東京都もその考えに沿って、都区の費用負担割合について鋭意協議を進めており、現在、最終局面を迎えていると認識してございます。今年度も残りわずかになってきておりますが、年度内の関係者合意に向けて都区間協議をさらに加速させ、着実に進めてまいります。  次に、蒲田の中長期のまちづくり検討に関する進捗についてのご質問でございます。  蒲田はこれまで蒲田駅周辺地区グランドデザインに基づきまして、着実にまちづくりを進めてまいりました。現在、策定から約10年が経過した蒲田駅周辺地区グランドデザインの改定作業を、令和3年度に向けて地域の皆様のご意見を受け止めながら進めてございます。その中で、駅舎・駅ビル、駅前広場、東西自由通路、駅前再開発、新空港線などを一体的に捉えた蒲田駅周辺の魅力ある持続可能な中長期のまちの将来像を検討しております。区では、蒲田駅周辺地区グランドデザインの改定に合わせて連携をしながら、その将来像の実現に向けて、東京都や鉄道事業者などの関係者が参加する具体的な検討を行う会議を来年度以降開催できるように現在協議をしているところでございます。  次に、蒲田駅周辺の課題についてのご質問でございます。  課題といたしましては、新空港線の整備はもちろんのこと、蒲田駅を挟んで東西の分断や駅前広場の歩行者空間の確保などがございます。特に、まちの東西が蒲田駅と線路で分断されておりまして、それぞれにぎわいはあるものの、東西の交流が十分でないことが大きな課題というふうに捉えております。災害時の利用も含め、いつでも通行可能な東西自由通路を整備いたしまして、蒲田駅周辺は歩行者優先という考え方のもと、さらに回遊性を向上させまして、東西地域の一体感を高めていくことが蒲田地域全体の活性化につながるものであります。そのため、来年度以降、東西自由通路について、区として、鉄道事業者とともに詳細な基礎調査を行えるように協議をしておりまして、その実現に向けて精力的に取り組んでまいります。  最後に、蒲田のよさを活かしたまちづくりについてのご質問でございますが、蒲田駅周辺地区グランドデザイン改定の中で議論してまいりますが、大田区はものづくりや商業が活発なまちでございまして、特に蒲田は多摩川沿いや臨海部などにものづくり産業が集積するところの中の大きな位置づけがございます。また、蒲田は東京オリンピック・パラリンピックを控えまして、ますます重要性の高まる羽田空港や新産業創造・発信拠点である羽田空港跡地第1ゾーンなどにも近接する交通の要所でございます。このような地域資源や交通特性を十分考慮したうえで、蒲田はどのような役割や機能を担っていくのか、広域的な視点も踏まえまして、蒲田のよさを活かしたまちづくりについて、今後、関係事業者と鋭意検討してまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。 ◎白鳥 空港まちづくり本部長 私からは、2問のご質問にお答えさせていただきます。  羽田空港跡地第1ゾーンの都市計画公園や多摩川沿いの土地活用の計画に関するご質問ですが、区では現在、羽田空港跡地第1ゾーンの2020年のまち開きに向けて、羽田みらい開発株式会社との公民連携事業による羽田イノベーションシティの整備や、UR都市機構との連携によりまちを支える道路、交通広場等の都市基盤整備を進めているところでございます。第1ゾーン都市計画公園等の土地活用につきましては、羽田空港跡地まちづくり推進計画、羽田空港跡地第1ゾーン整備方針を踏まえ、様々な検討を進めているところです。この土地活用については、空港至近、多摩川河口部の自然や景観という特色あるロケーションを活かし、水辺の活用を促進する「羽田空港跡地かわまちづくり計画」や「都市再生整備計画」を活用した都市計画公園と多摩川水際線の連携、羽田地域の一時避難場所として活用できるオープンスペース確保を図るなど、区民の皆様のご期待に応えられるよう検討を進めてまいります。  最後に、土地活用検討における意見聴取へのご質問ですが、羽田空港跡地まちづくりを進めるうえで、大田区のみならず、国や東京都とも連携し、これまでに4回のパブリックコメントを実施し、他の手法も含め多くの皆様からご意見をいただき、跡地まちづくり推進計画や第1ゾーン整備方針などを策定してきたところです。区としましても、都市計画公園等の土地活用に関して、区民の皆様からのご意見、ご要望をしっかりと伺えるよう、パブリックコメントをはじめとした様々な意見聴取方法の検討を進めてまいります。また、ソラムナード羽田緑地における様々な主体と連携した社会実験等、水辺の活用を促す取り組みを進めることで、羽田空港跡地まちづくりの認知を図るとともに、この場所を訪れた多様な方々からいただいたご意見等を今後の土地活用検討にしっかりと活かされるよう取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、12番長野元祐議員。                  〔12番長野元祐議員登壇〕(拍手) ◆12番(長野元祐 議員) 自由民主党大田区民連合の長野元祐です。台風19号による田園調布地区の被害について、田園調布せせらぎ公園の整備について、勝海舟記念館について質問をいたします。  先般の台風19号被害における対応、対策については、深川議員の代表質問をはじめ多くの議員の皆様から質問が寄せられたところでございますが、区内において集中し、広範な被害が発生した田園調布地区を地元として活動しておりますので、今回は、当該地区での被害と対策に絞ってお伺いをいたします。  私の所属する田園調布消防団第二分団は、沼部駅付近の京浜河川事務所基礎部分からの漏水に対応していたため、被害発生時点では現地への応援には動員されませんでしたが、東京消防庁、警視庁、陸上自衛隊第1師団の方々、また田園調布消防団の各分団から応援に入られた団員の皆さん、水が引いた後の対処も含め、文字どおり賢明な対応をされた区職員の皆様に心より感謝の気持ちを改めて表したいと思います。  田園調布の地域に限らず、区内において様々な形で台風による被害を受けた皆様におかれましても、お見舞いを申し上げますとともに、私ども大田区議会も行政と一致協力をし、一日も早い被害回復に努める所存を改めて表するところでございます。  当日は、台風が東京を通過した後にも、上流の降雨の影響で下流域である大田区付近の多摩川水位が上昇し続け、各所で際どい状況が発生をしておりましたが、田園調布四丁目・五丁目地区での浸水発生とほぼ同時刻、沼部駅先の河川敷土手に面した国土交通省京浜河川事務所建物の基底部分から泥を含んだ水が噴出し、夜が明けて多摩川水位が低下してくるまでの間、多摩川の増水した雨水が堤防の下を抜けて出水が続きました。一時は河川事務所前の道路が冠水する状況であり、活動中の消防団員からの通報により急行した消防署、消防団、警察による応急処置で土のうを設置、出水を下水に誘導し排水したことで表面上は大事には至らないように見えました。しかし、国土交通省職員が現場の状況を撮影し、専門家の判断を仰いだところ、決壊が発生する可能性があるとのことで、直ちに全員現場から退避を指示されるなど、緊迫した状況となりました。深夜零時に迫る時刻であり、混乱を招くおそれがあるということで、防災無線での避難情報などは発せられませんでしたが、警察職員が現場に面する住宅のチャイムを鳴らし、避難の必要性を説明するなど、対応に追われました。  本件に関し、区としてはどのように状況を把握していますでしょうか。また、当該出水に関し、今後の国土交通省の対策はどのようになっているか把握をしていますでしょうか。お聞かせください。  24日、日曜日に大田区による住民説明会も行われましたが、田園調布四丁目・五丁目地区の浸水被害について、現在、調査により判明している浸水経路をたどると、東京都下水道局が管理し世田谷区が閉鎖操作の責任を負う等々力排水樋管の閉鎖操作が遅れたために閉鎖できず、そこから増水した多摩川雨水が住宅街に逆流し、あふれ出したということが確定的となっています。  27日付け朝日新聞朝刊によると、世田谷区土木部長は、浸水被害は複合的な要因で起きたと考えていると発言しておりますが、災害被害が複合的な要因で起きていることなどは当たり前のことであり、何ら具体的な責任の所在を示すものでもなく、二子玉川での浸水により混乱が生じた点を考慮するにしても、実際に広範な被害が発生した田園調布地域の皆様のお気持ちを察すると、他人事のようなこの説明には強い怒りを覚えます。  本来、等々力排水樋管は水位T.P.7.95メートルを超えた場合には閉鎖をするという規定になっており、T.P.7.58メートルで閉鎖する約770メートル下流の上沼部排水樋管は、18時に大田区都市基盤整備部の職員が規定どおり閉鎖をしております。当日の対応について、世田谷区側においても、閉鎖基準水位に達した時点であれば閉鎖作業が行えたことは、大田区側の上沼部排水樋管の閉鎖に成功していることからも推定できます。現在、等々力排水樋管を閉鎖できなかった理由について、世田谷区の見解は、周辺道路の冠水により接近ができず、現場での停電と増水により対応が困難であった。到着したとしても風雨による危険があり、閉鎖作業は不可能であったということでございますが、今回の一般質問に当たり、世田谷区の担当部局に書面で質問をお送りし、本日午前中に回答を得ました内容により、当日の様子が新たに判明をいたしました。なお、経緯説明の中で、樋門と樋管という表現が混在いたしますが、どちらも水門と同様のものと解釈していただきたいと思います。  大田区側の水門操作は各水門に職員が張りつき、常時状況を確認し対応する態勢をとっておりましたが、世田谷区側は、この日、自動操作である新玉川排水樋管のほかに、宇奈根排水樋門に3名、玉川排水樋管に3名から4名の職員が常駐操作させ、下野毛、谷川、等々力の三つの排水樋門については2名から3名の職員から成る1グループで巡回・操作を行っておりました。この巡回グループによって、19時6分ごろ、最初に下野毛樋門の閉鎖操作を行い、次に20時ごろ、谷川樋門の閉鎖操作を行いました。その後、20時30分ころに逆流を起こした等々力排水樋門付近に到着しましたが、既に逆流が始まっており、周辺道路が冠水していたため、樋門にはたどり着くことができませんでした。  職員も1人の人間であり、危険を考慮してやむなく断念したというのが世田谷区側の主張であり、それ自体には異論はありませんが、午前中にいただいた世田谷区土木計画課からの回答によりますと、大田区側が上沼部樋管の閉鎖を行ったほぼ同時刻、18時前後に世田谷区の巡回・操作グループは等々力排水樋門を現地確認をしていたことが新たにわかりました。当日18時の時点では、まだ風雨の影響は少なく、作業が可能であったにもかかわらず、このときに閉鎖判断を行わず、操作を後回しにしたことで道路が冠水し、結果的に接近不能という事態につながったと考えられます。もちろん現場での閉鎖操作に当たった職員の方々は最善を尽くしていただいたと思いますが、閉鎖操作を大田区と同様、18時から着手をしていれば、もしくは大田区と同様、巡回ではなく配置によって対応をしていたとすれば、違う結果になった可能性があります。  最大の問題は、この18時前後に等々力排水樋管の状況確認をしていた事実を今まで大田区も参加している5者協議でも隠していたことでありまして、世田谷区側の原因調査への姿勢に疑念を持たざるを得ません。また、先ほど三沢議員への答弁の中で、世田谷区を含む周辺自治体との情報共有、連携について述べられておりましたが、世田谷区側が20時30分に閉鎖を断念した際の連絡はなく、田園調布地区の救援に当たった皆さんは、上流の水門が開放されたままという危険な状況を知らないまま活動に従事していたことになります。本件については、大田区としても世田谷区に厳重に抗議し、真相究明に努めていただくようお願いをいたします。  浸水被害発生原因について、世田谷区の水門操作の不備があった可能性が高まり、区民から水門操作を担当していた世田谷区、もしくは管理者である東京都の責任を問う声が今後上がることが予想されますが、その場合の大田区の対応はどのようになりますでしょうか、お答えください。  現在、東京都下水道局が上沼部雨水幹線の事業を進めております。当事業は対象流域約57ヘクタールにおける時間50ミリの降雨に対応することを目的としており、この幹線の整備により、今回浸水被害が発生した田園調布四丁目から五丁目地区の雨水排水能力を向上させて、浸水被害の軽減を図るものと説明を受けております。今回の台風19号のように多摩川の水位が上昇した場合、逆流防止のため水門を閉鎖する必要があり、排水することができなくなります。今後の豪雨災害等で多摩川の水位に影響されず排水が行えるようにするには、丸子川へくみ上げポンプ施設を設置するか、河口部まで排水管を延伸しなくてはなりません。河口部に排水管を延伸するとした場合、圧送するための動力確保や排水管の設置位置など様々な課題が考えられ、現実的ではありません。  仮定の話になりますが、丸子川へくみ上げポンプを設置した場合、丸子川から多摩川へ排水するようになり、多摩川水位上昇による河川敷に接近して行う作業の危険を回避し、内陸側で排水作業が行えるようになるため、今回のような浸水被害の軽減ができると考えます。多摩川への直接排水は水位上昇による当事者の危険で継続できなくなるという今回の経験から、上沼部雨水幹線の整備に伴い、東京都下水道局にくみ上げポンプの設置を検討するよう要請、協議を行っていただくことを求めますが、いかがでしょうか。  続いて、田園調布せせらぎ公園についてお伺いいたします。  田園調布小学校、東調布第一小学校の避難場所が早々に収容能力を超えてしまったことを考えると、現在整備中のせせらぎ公園文化施設、体育施設にも災害時の対応能力の向上が求められます。特に体育館は防災拠点としての役割が当初より考慮されているということですが、わずか1センチでも浸水をすれば、防災拠点としての機能の大半を喪失してしまうおそれがあることからも、水災時の安全性を高めるためのかさ上げや、電気設備の浸水対策はもちろん、今までの災害による教訓を活かした先進的なコンセプトを設計に反映してほしいと思います。  昨日の深川議員、田島議員のご質問の中にもありましたが、昨今の避難所運営ではペットの取り扱いが課題となります。ペットとともに暮らしている方にとっては家族と同然の存在であり、同伴避難ができない場合には避難場所に来ても引き返してしまう事例や、そもそも避難を行わないケースが散見されます。また、後ほどドッグランの件でも触れますが、犬や猫を家族同然に思う方がいる一方で、近くに寄ることをあまり好まない区民の方も存在いたします。田園調布地区は、居住環境を反映して大型犬や多頭飼育も多く、逆説的な言い方になりますが、共存のためには隔離が必要であり、専用スペースが必要となります。  せせらぎ公園体育施設の建設においては、ふだんは汎用スペースとして使用しつつ、災害時にはバースやケージ置き場として転用ができるような空間を確保していただくよう検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  共存性の向上については、災害時だけではなく、ふだんにおいても確保されなければなりません。文化施設建設工事が始まる前までは、一部エリアを早朝の時間帯、自治的にドッグランとして使用する慣習がありました。現状でも事実上慣習的なドッグランがあったということを考えると、公園の再編後も同様のスペースを確保する必要があります。これについては、愛犬家の方々からだけではなく、飼わない人からも設置を求める声が少なからずあります。  現在、臨海部での都立公園2か所ではドッグランが設けられておりますが、調布地区の愛犬家が日常的に利用することはできません。田園調布という土地柄も含め、新しい大規模公園のあり方を考える中で、ペットも含めた地域利用者の調和を目指し、ぜひとも常設、もしくは時間帯を限定したものでも構いませんので、内陸部でのドッグランの設置をお願いしたいと考えますが、いかがでしょうか。お答え願います。  最後に、勝海舟記念館について伺います。  勝海舟記念館の来館者も1万5000名を超え、順調に推移をしておりますが、次の大きな節目になるのは洗足池に大勢の方が集まる桜の季節になると思います。この機会を通じて、特に勝海舟記念館を意識せずに洗足池に訪れた花見客にも記念館をアピールし、知名度向上につなげていただきたいと思います。例えば、記念撮影パネルを洗足池と桜をバックに写せる場所に設置したり、現在は特に命名されたイベントではない桜の時期を勝海舟記念桜祭りなどと銘打つなど、大きな予算を投じることなくPRを行う手法はたくさんあると思います。ぜひ洗足池の桜の時期に合わせたPRをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。  決算特別委員会では、より満足度の高い記念館とするために、いくつかの初期改善点の指摘と要望をさせていただきましたが、既に改善に取り組んでいただきました項目もあり、迅速な対応に感謝をいたします。  その中でも多くの来館者が見込める桜の季節までにさらなる努力をしていただきたいのは、ミュージアムショップの充実でありまして、いくつかの商品が加えられたとは聞いておりますが、コレクター心をくすぐるアイテムや、勝海舟を信奉するファンの求めるような品ぞろえにはほど遠いのが現状です。特に、わざわざ区外から来られるファンの心理としては、ミュージアムショップが充実していれば、ある程度の出費は惜しまないものと推察されますので、ぜひとも大田区のPRのしどころと考え、力を入れていただきたいと思います。  昔はお土産というとキーホルダーとハンカチが定番でしたが、昨今はあまり流行ではなく、最近は歴史上の人物に関する記念館などで多いのはポスターや手拭いなどのようです。洗足池の桜と勝海舟など季節感のあるデザインや海舟の書のレプリカを模したデザインなどを取り入れて、海舟ファンの購入意欲をかき立てる上質なデザインのもの、繰り返しますが、上質なデザインのものを作成していただきたいと思います。また、点数が少ないようであれば、馬込の文士や川瀬巴水などの手拭いやポスターなども合わせて販売してもよいと思います。オリジナル作成にこだわらず、横浜の勝サブレも置かせていただけると思います。前回、決算特別委員会でお伺いした改善点の進捗状況とあわせて、ミュージアムショップの充実について答弁をお願いいたします。  以上、ご答弁のほどよろしくお願いいたします。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎小泉 地域力推進部長 私からは、田園調布せせらぎ公園の災害時のペット対応に関するご質問にお答えをいたします。  本施設は、地域からの長年の強い要望であった地域の方々が身近な場所でスポーツや健康づくりに親しめる新たなにぎわいの場とするとともに、地域の防災機能への寄与も期待をされております。こうした地域の声や、このたび発生した台風19号に伴う被害の状況を踏まえ、田園調布せせらぎ公園内における防災機能の充実は課題でございます。田園調布せせらぎ公園内の整備については、「災害時の補完避難場所や防災倉庫、屋外避難が可能なスペース等、地域の防災の拠点としての機能を設けること」を基本方針に掲げ、地域防災の拠点として「安全な避難空間の確保と物資備蓄の充実」をコンセプトの一つとしております。避難場所では、動物にアレルギーをお持ちの方や動物が苦手な方への配慮が必要であり、議員お話しのペットの受け入れのご提案につきましては、せせらぎ公園やその周辺施設を含めて、今後、施設のあり方の中で検討をしてまいります。以上でございます。 ◎町田 スポーツ・文化担当部長 私からは、勝海舟記念館に関するいくつかのご質問にお答えをいたします。  まず、勝海舟記念館の知名度の向上のためのPRについてのご質問ですが、洗足池には、毎年、桜の咲くころに多くの方々が花見に訪れることから、その方々に向けて記念館の知名度向上を図るとともに、お立ち寄りいただけるように誘導することは、集客の面からも有効であると考えてございます。そのために、洗足池駅周辺や洗足池公園で記念館を周知するとともに、集客につながるアイデアを出し、PRに努めてまいります。また、江戸無血開城や、そのための会談が春であったことから、春には企画展の展示がえを行い、それに合わせて記念館の2階で勝海舟に関する講演会も計画してまいりたいと思っております。さらに、勝海舟にゆかりのある港区、墨田区とも連携したイベントを春の時期に検討し、集客につなげてまいります。  次に、決算特別委員会において勝海舟記念館の改善点のご提案をいただいた、その後の進捗でございますけれども、まず第1に、記念館を訪れたときに第一印象、インパクトを感じてもらうための仕掛けを施してはとのご提案がございました。記念館に入ってすぐ目に入る場所に、インパクトのあるウォールアートを導入いたします。第2に、等身大パネルについて、記念撮影の際、工夫してとのご提案をいただきましたが、記念撮影用のスポットとして額縁タイプのものも用意し、等身大パネルとともにご利用をいただいてございます。第3に、増築棟にも展示スペースを設けてはとのご意見については、勝海舟と大田区のつながりをよりよく知っていただくため、区とゆかりのパネルを展示いたしました。第4に、お墓への案内を充実してはとのご提案には、大森六中の角に、新たに道案内の標識を設置したほか、記念館内にもお墓への案内図を掲示いたしました。さらに、ホームページの整備につきましては、広聴広報課と連携して、ホームページの充実に向けて具体的な検討に入っているところでございます。そのほか、展示室のプレートやタッチパネル、咸臨丸の模型など、技術的な検証を要するものについては、引き続き検討してまいります。  次に、ミュージアムショップのグッズ充実についてのご質問でございます。  新たに咸臨丸で太平洋を横断したときの航路図をモチーフとしたハンカチの販売を始めたほか、12月から開館時に作成したポスターの評判がよいため、限定で発売をいたします。また、年度内の販売を目指し、勝海舟にまつわる文具や区内中小企業と連携した商品開発を検討しております。ミュージアムショップでは、勝海舟記念館へご来館いただいた方に記念となるようなお土産として、また、後日、そのグッズを見たときに、改めて勝海舟記念館を回想するような商品展開を目指してまいりたいと思っております。他館での人気商品や販売状況、議員のご意見も参考に、来館するお客様に喜んでいただけるようなグッズ開発に努めてまいります。以上でございます。 ◎久保 都市基盤整備部長 私からは、四つのご質問に対しお答えさせていただきます。  まず、沼部駅先の堤防の漏水に関する質問ですが、区は、当日、国土交通省と連携し、土のう積みの作業を行い、浸水対策に努めたところでございます。今後の対応につきましては、国土交通省において堤防漏水箇所の災害認定申請をしております。災害認定を受けた後、早急に調査、工事を進めていく予定となっているところでございます。  次に、世田谷区の水門操作に関するご質問ですが、区としましては、これまで2回、各施設管理者である国土交通省、東京都、世田谷区の関係機関と原因究明を含む浸水被害等の対策会議を開催し、当日の活動について検証をしてまいりました。その会議の中で、世田谷区からは、当日、停電、強風、道路冠水等の影響により樋管ゲートを閉めることができなかったと報告を受けております。引き続き、浸水の原因につきましては、当日の対応の内容の確認、再確認など国土交通省、東京都、世田谷区と連携し、検証をさらに深めてまいります。  次に、くみ上げポンプの設置に関するご質問ですが、今回浸水した地域は、丸子川の流域には入っておりません。河川計画上、流域内の雨水は、その流域内で処理することとなっております。区としましては、東京都下水道局に対し、樋門開閉の自動化や多摩川水位が上昇しても排水を継続できるよう、ゲートポンプの排水能力向上を強く要望してまいります。  最後に、田園調布せせらぎ公園におけるドッグランに関する質問ですが、議員お話しのとおり、区内では、都立の海上公園2か所に既にドッグランが設けられているところでございます。いずれも20ヘクタールを超える大規模な公園で、ドッグランの面積もそれぞれ1200平方メートル、2800平方メートルを確保しているほか、周囲に住宅等がないエリアでございます。ドッグランを設けるには、衛生面、鳴き声などの騒音面、公園利用者のトラブルなどの課題があります。さらに相当な面積が必要であるとの認識から、区では、臨海部での設置に重点を置き、研究をしておりました。議員ご指摘の田園調布せせらぎ公園において、利用者の方々が周囲と調整しながら自主的にドッグラン的に利用してきたという経緯を含めまして、同公園の整備に向けたワークショップの中で検討を行ってまいります。今後は、臨海部での研究にとどまらず、住宅地にある公園への設置も含めて研究・検討を進めてまいります。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、9番湯本良太郎議員。                  〔9番湯本良太郎議員登壇〕(拍手) ◆9番(湯本良太郎 議員) 自由民主党大田区民連合の湯本良太郎でございます。平成から令和に元号が変わり、令和元年も残すところ、あと一月あまりとなりました。平成31年、そして令和元年は、私たち日本人にとって大きな節目の年となり、多くの方が我が国の今日までの歩みに目を向け、改めて振り返る年となりました。  令和元年で日本は建国2679年目を迎え、5月に126代目の天皇陛下として今上天皇がご即位をされました。世界で最も長い歴史を持つ国が日本であります。2679年の時を紡いできた歴史には、これからの未来を創造するうえで多くの知恵が蓄積をされております。今日までのいきさつを大切にし、これから先の未来を和をもってつくる、これこそが2679年の歴史を持つ日本人のアイデンティティーであると私は考えております。  いよいよ来年には世界規模の祭典であるオリンピックが東京で開催をされます。マラソンやテコンドーのように若干混乱している部分も見受けられますが、私たちがこれから迎える未来への期待や希望、そして心に安らかさを生み出す大田区政実現に向けて質問をさせていただきます。  初めに、羽田空港の新飛行ルートについて質問をいたします。  いよいよ来年、令和2年3月末から羽田空港機能強化に伴う新飛行ルートでの運用が始まります。国は、この新飛行ルート案について、大田区を含む影響が考えられる自治体と住民に対し、新飛行ルートの効果や影響について説明を行ってきました。羽田空港の機能強化は、言いかえれば東京の都市機能の強化であり、日本の、都市としては東京の、国際競争力強化へとつながる点を考慮すると、羽田空港機能強化は今後の大田区にとっても重要な施策であると考えます。しかしながら、空港近隣で生活をする者の視点から見ると、航空機騒音をはじめとした環境負荷に対して不安視をする声があるのも事実であります。この羽田空港機能強化に伴う新飛行ルート案は、あくまでこの程度の影響が想定をされるという予測の説明であり、実際の影響については、新飛行ルートでの運用が始まらなければわからないというのが実情です。  令和2年の1月末から実機飛行確認が行われるとの説明を国交省から受けましたが、この実機飛行が行われた際に、予測と実際の状況について比較と検証を行っていかなければならないと考えます。観念的にうるさいといった話ではなく、騒音による環境負荷が重くなると想定される地域では、騒音測定器により環境負荷を数値化し、想定を大幅に超えるようなケースが発生をした際には、このプランを立てた国の責任において、説明を行ってきたプランに近づけるように対応していただく必要性を感じます。  大田区として、令和2年の1月末から実機飛行確認、そして3月末から新飛行ルートでの運用を控える状況下、どのような姿勢や対応を考えているのかお伺いをいたします。  続いて、水害対策について質問をさせていただきます。  今年は100年に一度とも言われる台風15号、19号の被害が大田区に発生し、改めて自然災害の脅威に対する備えの重要性を痛感した年でありました。今回の教訓を活かし、課題の抽出を行い、来年の台風が東京方面へ襲来をする季節までには一定の備えや避難行動の指針を作成、そして、周知をする必要性を感じているところであります。  10月、11月には地域において防災訓練が活発に行われ、私も防災訓練に参加をし、その際に多くの区民の方々から台風への備えと避難行動について、現状に対し不安を覚える点についてのご意見を伺いました。多かったご意見は、避難勧告が携帯メールに届くが、どこに避難してよいかわからない。防災訓練や避難所と指定され、日ごろから防災活動拠点として活動を行っている場所へ逃げたが、誰もいなかったというものでありました。震災対応の訓練に基づき避難行動を想定、または実際に避難行動をとった方がとても多く、水害に対する脅威が降りかかった際に、どのような危機回避の行動をとればよいか判断がつかなかった方がとても多かったことが印象的でありました。  区民の生命、財産を守る大田区として、震災発生時の避難行動のように水害に対する避難行動の指針や危険度の判断をする水害発生時のハザードマップの活用方法、携帯やネットを活用した避難行動のとり方などをまとめ、区民の皆様に周知をしていく必要性を強く感じるところであります。来年の台風到来の季節までという短いスパンの中で、大田区としてどのような対策を進めていく予定か、お伺いをいたします。  水害発生時は垂直避難がとても重要であることから、大森西にある大森沢田西町会では、大森西特別養護老人ホームと連携をとり、水害の危険が迫った際には、可能な範囲で町会の方を受け入れるといった試みを開始しようとしております。避難所のキャパへの心配や高齢者が暴風雨の中、避難をする困難さを考え、より身近に避難のできる場所を確保できないかという考えから、このような試行錯誤が始まったようであります。  地域への啓発が、その地域地域の自発的な工夫へとつながっていくよい例であると考えます。19号の被害からの復旧で大変であるとは思いますが、あわせてこの先の対応を進めていかなければなりません。来年のしかるべき時期までに、現体制でどの程度のことまでならできるのか、この歩どまり感をしっかりと持って、現実的かつ具体的な対応を進めていただくことを要望させていただきます。  次に、図書館行政についてお伺いをいたします。  大田区の図書館の実務的に中心な役割を果たしてきた大田図書館が、施設の老朽化に伴い施設の建て替え時期を迎えております。改めて今後の図書館は、大田区という地域や社会に対してどういう存在であるべきか、この点について考えさせられる映画「ニューヨーク公共図書館エクス・リブリス」を鑑賞し、図書館は図書の貯蔵庫や図書の貸し出しを最終目的にしないという視点を持ち、ニューヨーク公共図書館は図書という知識やデータを人の生きる力に変え、文化の集積地をつくる発信拠点として機能させるという意識のもとにアクションをとり続けている、このことに私は非常に感銘を受けました。  図書の電子化が進む昨今では、図書の貯蔵や貸し出しは電子化することで、保管スペースの縮小や借りたい本は待たずに借りることができる、さらに言うならば、図書館に行かなくても図書が読めるといった環境もつくり出すことが可能で、利便性の向上や飛躍的にコストパフォーマンスを上げる可能性もあり、実際に電子図書館を設置し、電子書籍貸し出しサービスを実施している自治体が増えてきております。  私は、大田の図書館を電子化すべきということを議論したいわけではありませんが、時流にはフィットしていかなければならないと考えております。何が言いたいかというと、従来どおりの図書館の焼き直しをするかのような建て替えでは、社会の中でその必要性が薄れていくというような事態が起こりかねず、そのことは人の共感を得られないという状況をつくり出してしまったとすれば、大田区の図書行政は停滞をしてしまう可能性があります。  「ニューヨーク公共図書館エクス・リブリス」によると、図書館は社会的に弱い立場に置かれている市民を支援するために様々な企画を立て、図書館のサービスとして提供しております。社会的に弱い立場とは、職につけない方、移民というマイノリティーの立場の方、パソコンを使えないIT弱者、本を読めない視力に障がいを持つ方など、図書館が持つ情報と人的ネットワークにより弱者を支援しておりました。また、市長が掲げた政策から、図書館としてその政策にのっとり何ができるのかを考え実行をしておりました。例えば、市長が小学校卒業後の教育にコミットをするなら、それに対して図書館が何ができるかを議論し、そして行動する。市長がIT弱者にWi−Fiスポットを提供するなら、図書館はIT弱者に何を提供すべきか議論し、行動する。日本の図書館のイメージとはかなり違った役割の果たし方をしているようであります。この例と照らし合わせ、私たちの住む大田区において図書館は何ができるのか考えさせられた映画でありました。  職を探している方が、その職業につきたいと考えたときに、ある職業を目指したいと考えたときに、その職につくためにはどのようなスキルが必要なのか、このようなことを書物で調べるだけではなく、実際、そのスキルを学ぶための場所まで紹介をする、こういったことも図書館で行うことが可能であります。共働きをしている夫婦で、旦那が料理をつくらなければ家庭が回らないが、料理をしたことがない旦那、まさに私でありますが、そのような者が図書館に行ったときに、料理のつくり方を本を使って学ぶ、さらにそこから、どこでなら、こういう料理が全くできない人でも料理が学べる環境がありますよという情報提供をし、実際にその方の課題解決が実現となるようなところまで図書館がエスコートをしていく、こういった動きをすることも、今の大田の地域では十分に可能であると考えます。  図書館は、社会の中の一つの機能であるとするならば、ほかの社会機能を構成する機関とリンクをしなければ、社会の中でその役割を発揮することはできないと考えます。今後の図書館は大田区という地域や社会に対してどういう存在であるべきか、この点を踏まえ、今後の大田区の図書行政のあり方について、大田区のお考えをお伺いいたします。
     続いて、大田区の産業政策の方向性についてお伺いをいたします。  先日、海外視察にてベトナムとタイを公式訪問させていただき、海外から見た日本、大田区の製造業の評価について客観的に学ぶことが多くありました。日本とベトナム、タイの社会背景を両面から捉えると、日本経済の発展は海外との結びつきなしには考えづらいということを改めて痛感したところであります。日本の人口減少は消費マーケットを縮小させていますから、日本の内需は、今後、規模の縮小が想定されております。また、生産年齢人口も減っていきますから、人材の確保が困難になってきます。経済活動の継続、発展を考えると、この課題をいかにクリアできるかという視点を持つことが求められます。  一方、東南アジアで今何が起こっているかというと、物の製造拠点の誘致に各国がしのぎを削っており、いかに海外投資を自国に集めるかという課題をクリアすべく、国を挙げて環境整備に努めている状況があります。タイにアマタ社とオオタテクノパークが設立をされて13年が経過をしました。タイに進出した大田区の企業を訪問し、話を伺ってまいりました。  電力、水道、ガスなどのライフラインの整備と、物流のための交通インフラの整備を行い、生産活動が行える環境整備を整えたら、次は海外投資により製造拠点を築く。そして雇用や消費、自国の人材育成を図るために技術と語学教育を行うという一連の流れをタイの経済成長の過程で見てきたという話を伺いました。そして、まさにそのタイで行われていたことと同じことを、タイを模したように、ベトナムを含む東南アジアの各国が見せております。この世界の動きに対して、日本、大田区の製造業はどのようにフィットすればウィンウィンの関係が構築できるのか、この点を視察の中で、訪問先のしかるべき立場の方々と活発に議論ができたことが非常に有意義でありました。その議論の中で印象的な会話は、高い技術力や質の高いサービスの提供ができる日本は、これから成長しようとしている国に対して活躍するフィールドがあり、その一つが海外進出、そして、もう1点が海外人材の受け入れであるという点であります。技能実習制度は、まさに、ここに焦点を当てた制度であります。  先ほども触れましたが、日本の生産年齢人口は減少トレンドであります。可能であるならば、日本の若者に製造業に対して魅力を持っていただき、大田の企業で活躍をしてほしいと願うところでありますが、製造業に限らず、日本人の人材確保に困難さを感じているという経営者の声を最近特に耳にいたします。設備投資により人材不足を補うのも一つの手段ではありますし、日本人人材の雇用支援も重要であると考えます。  しかし、その一方で、日本とベトナム、タイをはじめとしたアジア各国の社会背景や世界的な経済活動の潮流を両面から捉えると、海外人材の雇用や技能実習生の受け入れ支援を行っていくことは、これからの大田区の産業を発展させていくうえで極めて重要な役割となってくると考えられます。技能実習生は最長で5年という期限があり、受け入れ企業とのマッチングに困難さがあるという課題もありますから、課題解決のための研究が必要であるという点もございますが、区内製造業における海外人材の必要性をどう捉え、今後の大田区の産業政策にどのように位置づけようと考えているのか、大田区の考えをお伺いいたします。  また、東南アジアの中でも先日訪問をしたベトナムは、その潜在能力から世界の企業や投資家からの注目も高く、親日的な国であります。ベトナムのバリアブンタウ省商工局との意見交換の際に、日本の技術力、特に裾野産業の空洞化が国家的な課題であるベトナムとしては、裾野産業の集積のまちである大田区の製造業と連携をとることに高い魅力を感じているという発言が出るほど、大田区とベトナムは親和性が高いと考えられます。今後の大田区の製造業の活躍の場として、ベトナムに対してどのような評価をし、今後の関係構築についてどう考えるのか、お伺いをいたします。  続いて、私道助成事業についてお伺いをいたします。  長崎県長崎市にて私道管理の負担や利用者の範囲をめぐり、住民同士の争いが起こり、私道出入り口にバリケードを設置する事態が発生をしました。私道は地域生活の移動空間として、また、防災や治安上の観点からも地域住民にとって重要なインフラであります。大田区は私道助成として、各所有者の合意のもと、最初の私道整備に必要な工事金額のおおむね9割を区が助成しております。しかし、最初に私道整備を行ってから約40年以上が経過をし、道路の劣化が激しい私道などは既に助成を受けて整備をした私道に対しては、工事費の5割の助成しか区から受けられません。道路の工事整備費用は、一般的に10メートルで100万円と言われております。私道の所有者が高齢化をし、年金収入のみの方などは、沿道の皆さんの同意を得られたとしても多額な自己負担ができず、道路の再整備につながりにくい現状があります。  大田区として、安全で快適な生活環境を整備する観点から、私道助成事業について区の助成割合を見直すなど、区民が私道の整備に取り組みやすい条例への改正についてご見解をお伺いいたします。以上、質問通告に基づき質問をさせていただきました。  これから5年、10年スパンで私たちのまちを考えたときに、今、大田区がやっていることがこれからの未来にどうつながっていくのか、この視点を持ちながら、今日の大田区がどのような判断をとるべきか、この点についてのご答弁をいただきますことを期待しまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎井上 危機管理室長 水害対策の見直しについてのご質問ですが、今年度、ハザードマップの改訂に合わせて、浸水の影響の及ばない小中学校を水害時緊急避難場所として指定いたしました。このことをマイ・タイムライン講習会などで周知してまいりました。今回の台風では、震災時と水害時の避難場所の違いがわからなかったため、近くの指定されていない小中学校等へ行ってしまった人たちが多くいらっしゃいました。震災時と水害時の避難行動の違いを十分に周知する必要を感じているところでございます。今後、速やかに避難場所における要配慮者や高齢者、一般の方の受け入れの方法など見直しを図ります。震災時と水害時の避難行動の違いなどについてマイ・タイムライン講習会や区報などで、高齢者をはじめ広く区民にわかりやすいよう周知してまいります。 ◎飯嶋 産業経済部長 私からは、産業政策に関するご質問2点についてお答えをさせていただきます。  まず、区内製造業における海外人材の必要性と産業政策的な位置づけについてのご質問でございますが、昨今、区内製造業を含む産業界におきましては慢性的な人手不足が生じており、この人手不足は様々な場面において企業活動に深刻な停滞をもたらしかねず、解決すべき重要な課題と捉えております。海外人材を活用していくことは、こうした課題の解決にもつながる有効な方策の一つであり、産業政策においても重要な位置づけとなっていくことが想定されております。区内製造業の実態については、現在実施中の「ものづくり産業等実態調査」において、人材確保に関する設問を設けるとともに、ヒアリングも行っており、その把握に努めております。区といたしましては、これらの調査結果等を踏まえ、現在策定中の(仮称)大田区産業振興構想において、海外人材も含めた人材確保のあり方を検討していくなど、今後の政策への反映に鋭意取り組んでまいります。  続きまして、ベトナムに対する区の評価と今後の関係構築についてのご質問でございます。  ベトナムは、近年、東南アジアの中でも目覚ましい成長を見せている国の一つであり、特に製造業分野での躍進は著しく、東南アジア諸国の中で製造業の一大拠点であることは承知をしております。現在、ベトナムの人口は増え続けており、2019年4月現在で世界第15位、ASEAN域内では第3位の9620万人となっております。このうち約1000万人がこの10年間に増加をしており、総人口に占める生産年齢人口の割合が多く、平均年齢も若い、世界的に見ても経済成長が期待される国であり、既に区内製造業の中には、ベトナムとの具体的な取引などを行う企業もございます。また、東南アジア諸国全般を見ましても、タイやベトナムをはじめとして、関係構築を図ることで、区内製造業の発展につながる可能性がある国が多数存在をしております。区内企業が海外進出する際には、現地の社会経済状況や商習慣、各種届出手続きなど事前情報を収集しておくことが強く求められております。  区といたしましては、今後も大田区産業振興協会と連携をしながら、各国の状況をつぶさに分析し、情報提供を行うとともに、区内産業の将来的な発展を見据え、ベトナムを含む海外との関係構築について、現在実施をしております「ものづくり産業等実態調査」の結果等も踏まえ検討をしてまいります。私からは以上でございます。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 私からは、私道助成事業についてのご質問にお答えをいたします。  「大田区私道整備助成条例」は、区内の私道を整備するものに対して助成金の交付を行いまして、もって区民の生活環境の向上に資することなどを目的としてございます。本条例は昭和55年3月に制定をいたしまして、令和元年11月末現在、約40年間にて2447件の申請がございまして、総舗装面積約27万3000平方メートル、総助成金額約33億4000万円で私道整備を行ってございます。現在の私道は、条例制定時に整備したものが約40年間経過をしておりまして、道路の劣化が認められ、私道の再整備に向けた区民の皆様方の期待も大きくなっていると感じているところでございます。そのため、こうした状況を考慮いたしまして、今後は私道整備助成における周辺区の状況などを調査いたしまして、条例上の助成割合などについて前向きに検討してまいりたいと考えてございます。  若干の補足をいたしますが、いずれにしましても、道路につきましては、公道であります国道、都道、区道は、それぞれの道路管理者が責任を持って管理をしておりまして、私道は当然その所有者の管理となってございます。これが大前提なのですが、区といたしましては、区内全体の生活環境の整備はもとより、防災上のこと、それから公衆衛生の向上も重要な課題であると考えてございまして、全ての道路が良好な状態であることが望ましいというふうに考えてございます。したがいまして、私道助成整備というのは、そのための手段として大変に意義ある事業というふうに考えてございますので、今後も、その利用促進に努めてまいりたいと考えてございますし、今回、条例改正のご提案もいただきましたので、それを受け止め、庁内でも検討をし、しかるべき答えを出していきたいというふうに考えてございます。私からは以上でございます。 ◎白鳥 空港まちづくり本部長 新飛行経路における実機飛行による確認及び運用開始に向けた区の対応についてのご質問ですが、国は、いわゆる試験飛行については「実機飛行による確認」としてございますが、令和2年1月30日から3月11日の期間内に北風運用時、南風運用時、それぞれ7日間程度実施される予定です。この実機飛行による確認に際しましては、区は国に対して区民への騒音影響が把握できるよう、確実な騒音測定が可能な体制の構築と、測定した騒音値の公表などとともに、運用開始後も、引き続き、それらの対応をしっかり図るよう求めてまいります。また、区としても騒音値について注視するとともに、騒音測定結果を踏まえ、必要に応じた対策を講じるよう国に要請してまいります。  来年3月29日からの新飛行経路運用開始に向けましては、これまで大田区が要望してきたことに対し、国が実施するとした「騒音軽減方策」や「落下物を含む安全対策」などについて、国の責任において確実に取り組むことや、その検証や評価を含めたさらなる対策の強化、徹底につきましても強く求めてまいります。なお、滑走路運用等において大田区に関連する部分を変更しようとする場合の大田区と国の協議につきましても、しっかりと進め、これまでの歴史的経緯を踏まえ、空港対策における区民の安全・安心を確保してまいります。私からは以上でございます。 ◎後藤 教育総務部長 私からは、今後の区立図書館のあり方についてのご質問にお答えいたします。  教育委員会では、平成30年4月に「大田区立図書館の今後のあり方について」を策定し、その中で、図書館に求められる機能といたしまして、図書資料の収集、整理、保存による地域の情報拠点機能、地域や区民の課題解決を支援する機能、誰もが身近な地域で生涯学習に取り組むことができ、人と人とが出会い、地域力を育む機能がうたわれております。  議員お話しのとおり、区立図書館は昭和50年代に建設されたものが多く、老朽化に伴う施設の更新時期を迎えます。今後の図書館の改築に当たりましては、ICTの活用などによる図書館の利便性の向上や、地域の特色を生かした整備、身近な生涯学習の場として、誰もが利用したくなる魅力を備えた区民の知の活動拠点としての機能の充実に向けた整備に努めてまいります。具体的には、来年度移転予定の池上図書館では、ICタグ化による自動貸し出し機等の設置や、駅ビルに設置することから夜9時までの開館時間の延長などを予定しており、利用者サービスの向上を図ってまいります。また、「歴史ある門前町の未来が始まる知の拠点」をテーマに、池上地域の特性を活かした情報コーナーを設け、特色のある地域資料の展示を行ってまいります。さらに、様々なテーマで実施する読書会や地域交流・グループ学習などで利用できる多目的室を設ける予定でございます。この多目的室で実施した事業を関係部局や関係団体と連携し、生涯学習につなげ、区民のライフワークとなるよう取り組んでまいります。今後も、それぞれの地域の特性に応じた情報拠点として地域の課題解決を支援し、生涯学習の場として地域力を育む魅力ある図書館づくりを進めてまいります。  なお、先生がごらんになった「ニューヨーク公共図書館エクス・リブリス」、上映館が少ない、限られているというふうに聞いております。非常に今後の図書館づくりに、今後とも参考にさせていただきたいと思います。以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、46番奈須利江議員。                  〔46番奈須利江議員登壇〕(拍手) ◆46番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  主権者である国民・区民が望んでいることが提案され、議会で決めて行政が執行するかと思って議員になりましたが、誰が提案したのか、誰が希望しているのか、議員である私からも見えない議案や予算が少なくありません。  大田区は、今Luz大森が建っている土地と、かつて入新井図書館と入新井出張所があった土地を、大森地域庁舎もあわせて移転させるからと言って交換しました。ところが、土地交換した後に、にぎわいを理由に大森地域庁舎の移転をやめて、民間投資家の投資の対象にさせ、雑居ビルにしてしまいました。地域住民とワークショップまでして積み上げた計画が、ある日突然変わってしまいました。誰が望んでそうなったのでしょう。小中学校の複合化の問題が明らかになってきましたが、当時の複合化こそ意味のある複合化だったと思います。  羽田空港跡地も、それまで大田区で積み上げてきた計画が一旦とまったと思ったら、和泉洋人内閣総理大臣補佐官が座長の羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会ができて、大田区で積み上げた計画は消えてしまい、国主導の国策になりました。国策なら大田区が165億円も払うことはないのに、区民の莫大な税金が国に吸い上げられた形です。  羽田空港の沖合移転は、区民の声に後押しされる形で大田区議会が決議し、大田区も一緒になって区民の安全と環境を守るために国を動かし、海から入って海へ出る飛行ルートが実現しました。ところが、来年の3月から予定されている羽田空港飛行ルート変更による都心低空飛行は、2007年から2009年までの間に、航空、鉄道、運輸ほかの企業と学識などを交え、運輸政策研究所が取りまとめたもので、航空ほか企業の思惑で始動したことがわかります。大田区は、飛行経路の設定や国際線の増便などは国家としての航空政策であり、しかるべき手順を踏みながら国の責任において判断していくものと理解にかわっています。  最近では、サウンディング型市場調査、公民連携などという耳慣れない言葉も使われるようになりました。サウンディングは、事業発案段階や事業化段階において、事業内容や事業スキーム等に関して、民間事業者との直接の対話により、民間事業者の意見や新たな提案の把握などを行うことだそうです。  田園調布せせらぎ公園の開発について、大田区は、今年2月にサウンディング型市場調査を実施して事業者から聞いた意見をもとに、3月に庁内で公園の活用や運営方法についての検討を行っています。今年の2月に大田区が行った(仮称)文化施設の住民説明会で、多くの住民が大量樹木伐採を伴う公園の開発について異議を唱えています。しかし、その直後に行われた庁内検討会の議事録に住民意見に応えようという議論はなく、あったのは地元住民への説明の時期だけでした。住民へは説明すればよいという大田区の姿勢があらわれています。しかも、公園は区民の財産であるにもかかわらず、そこで収益活動して利益を上げようとする事業者は、リスクとして地元住民や関係団体の反対等による事業継続リスクを挙げています。反対する住民をリスクとする事業者と大田区が歩調を合わせるのがサウンディング調査なのだと衝撃を受けました。  その後、5月に行われた説明会で、富士見会館下の駐車場も体育館建設も、まだ決まっていませんと住民に説明していましたが、3月の庁内検討会議では、体育館も駐車場も建設を前提に事業者と話し合われているばかりでなく、どうやって企業がより収益を上げられるのか、参入しやすくなるかが議論の中心になっていて、2月に集まった多くの区民の声は反映されず、本当に住民は蚊帳の外で軽視されていると感じます。全体の奉仕者であるはずの大田区が、住民に寄り添うのではなく、みんなの公共財産、公園で利益を上げてもらおうと投資家に寄り添っているのです。  最近、大田区は、公民連携で大資本との包括連携協定を進めています。一つ一つの事業ごとに事業者と委託や協定を締結するのではなく、事業者が行政情報を共有し、政策立案にかかわる意思決定の仕組みに組み込まれる、これが包括連携協定の本質ではないかと思います。Luz大森でも、羽田空港飛行ルート変更でも、跡地でも、せせらぎ公園でも、大田区は、区民の声は聞かないけれど、国に従い、企業とはいつでも会い、要望を聞き、情報を共有して同じテーブルで、区民の財産や税金でどうやったら事業がうまくいくか、事業利益をどう確保してあげられるか一緒に考えてあげている、これが今の大田区です。  そこで伺います。サウンディング調査、公民連携、包括連携協定など、企業と行政の連携が目立ちます。国や東京都からおりてきたものにそのまま従っているものも目立ちます。大田区行政は、主権者である区民の声ではなく、憲法や地方自治法の規定にもない企業や団体の発意で始まる仕組みばかりが担保されています。区民の発意や意見はどのように尊重されますか。  しかも、大田区は、区民の声を聞かないだけでなく、十分に情報を提供せず、説明責任も果たしていません。決まってから提供される情報も少なくありません。羽田空港飛行ルートを3月末から変更すると、増便が決まったかのような報道になっていましたが、国土交通大臣は、あのとき「手続きを進めていく」と発言しています。先日、国土交通省は、航空法に基づく飛行ルート周辺の建築物の高さの制限のためのパブリックコメントを行いましたが、これも手続きの一つです。  大田区の下丸子から田園調布にかけての多摩川沿いは、航空法に基づく高さ制限がかけられていません。内陸飛行しかしなかったから、KAMATで9000フィート確保しているからといった理由があったかもしれませんが、今回のA・C滑走路の南向き着陸で、広範囲にわたって高さ制限が新たにかけられることや、新ルートになれば大田区上空へのゴーアラウンドの可能性もありますから、高さ制限をかけるべきだったのではないかと思っています。少なくとも議会に報告し、議論の俎上にのせるべきでした。  現在、それに加え、有視界飛行が禁止されている特別官制区指定のパブリックコメントも行われています。この安全飛行のために計器飛行する特別官制区に大田区の一部、高さ200から1200メートルの部分も入ります。新飛行ルートで大田区は真上を飛ばないから影響がないのではなく、影響のある区域だということです。2月から試験飛行という名の実機での飛行が始まりますが、これも委員会報告はありません。  せせらぎ公園内の駐車場の整備は、8月の説明会の時点では、「まだ決まっていない。検討中」と言っていましたが、先日、住民に対して「配置については、ご意見・ご要望を踏まえながら検討してまいります」と決めたように住民に回答しています。体育施設、防災備蓄倉庫についても、大田区は、8月開催経過説明会その他の住民説明会等において、「まだ決まっていない。検討中」等の回答をしていましたが、住民の要望書に、体育施設について「地域からの長年の要望等を踏まえ整備することとしました」と回答しています。公園における公民連携基礎調査の議事録を読むと、駐車場も体育館も、今年3月の時点で整備を前提に、事業者がいかに利益を上げられるかという視点で打ち合わせをしています。  特に、住民は富士見会館下の国分寺崖線の駐車場を整備せず緑を守りたいと願っていますが、「駐車場などは収益性が高く、駐車場事業だけで2億円程度の売り上げがあるため、民間に任せることにより、例えばニーズに応じて駐車場を増やすなどすることで」という発言から、事業者の利益を考えて駐車場をつくろうとしているのではないかという背景も見えてきます。  せせらぎ公園の飲食店は区長の要望で設置することになったことが情報公開請求してわかりましたが、住民からは、飲食店を設置したことで子どものボール遊びのスペースを奪われたと批判の声が上がっています。この飲食店ですが、「事業者はある程度グレードを持たせることを希望しているので、業務委託は難しい」と言っています。区長の要望で飲食店を入れたら、委託ではなく指定管理者でなければ受けないと事業者から言われているようなものです。公園における公民連携基礎調査が、大田区が事業を行うための調査というより、事業者が大田区の公園を使ってどう確実に利益を上げるか、値踏み交渉するための調査の色合いが強いことがわかります。  こうやって企業とは内部で体育館と駐車場建設を前提に具体的な事業化を検討しながら、2000通を超える署名を提出した住民には「まだ決まっていない」と言い続け、突然10月末になって大田区は「地域からの長年の要望等を踏まえ整備することとしました」と答えているのです。  しかも、内部で整備を前提に準備していながら、来年度になったらコンサル主導でワークショップをすると言い始めています。公園内の施設整備を区に要望したと言っている田園調布の元町会役員が、「住民に知らせないこうした進め方はよくないと思う」と言っておられました。一部の水面下の声と事業者の声だけで区民意見など聞かずに決めた後に、ワークショップを行い、住民意見を聞いたことにするのでしょうか。  そこで伺います。大田区は、8月の説明会まで駐車場も体育館整備も決まっていないと説明しています。大田区は、いつ、誰が、誰の意見をもとに、この公園の駐車場や体育館整備を決めたのですか。地域住民との合意形成もなく行われる、こうした不透明な意思決定のあり方について、大田区はどのように考えていますか。  例えば公園管理についての議事録には、こんなことも書かれています。維持管理運営を一元化することで、これまでの関連事業者に加え、大企業などが新たに参入することが見込まれるが、区内業者等への配慮をどう考えるか。公園の維持管理運営を分離発注してきた意図は、区長はじめ上層部が各業務3000万円程度で地元企業へ発注することにより、地元での雇用創出を意図したもの。一元化すれば契約額が1から2億円と大きくなり、地元企業は受注が難しくなる。果たして、これらの対象となっている地元企業の皆さんは、大田区が大企業の意見を聞きながら、こんなことを考えているのをご存じでしょうか。  地域力を生かした大田区まちづくり条例第12条には、協議会の認定の要件を全て満たさなければならないとして、「活動対象地区及び当該活動対象地区を含むまちづくり拠点地域内の全ての自治会等、商店会、居住者、事業者及び土地所有者等に自発的参加の機会を保障していること。」と区民の参加を保障しています。ところが、まちづくり協議会に地域の方たちが入ろうと要請してきましたが、入り方も明らかになっていなくて、いまだに入会を確認できていません。第1回の協議会のとき、大田区も参加していたので私も指摘しましたが、一向に改善されません。しかも、個人の入会を想定せず、町会員は町会として入っているから入会手続きしなくてよいと説明しています。  そこで伺います。広く区民の参加の機会を与えないまちづくり協議会を大田区は認めていいのでしょうか。まちづくり条例違反にはなりませんか。  まちづくり協議会は、住民の土地や建物という財産権に係るまちづくりのルールを変える提案ができます。地域力を生かした大田区まちづくり条例は、任意の地縁団体である町会・自治会に認定の拒否権を与えています。2016年3月に条例改正案が上がったとき、弁護士や上智大学の教授にも相談し、全国でもまれな条例であり、拒否権を与える部分についての修正案を共産、緑、ネットで出し、否決された経緯があります。ところが、このまちづくり協議会は、会員がその町会・自治会でもない連合町会ただ一つだけで、各町会も会員になっていません。しかも、大田区も同席していた総会で議決したときと大田区にまちづくり協議会を申請したときでは、まちづくりの区域も役員も異なっています。たった一人の会員だから、総会も開かずに総会での決議事項を変更したのでしょうか。  このまちづくり協議会の設立総会で、地域の町会員から、まちづくりの動きについて全く知らなかったという声が上がりました。各町会長が会員に伝えるかどうかは各町会に任せているのだそうです。住民が知らない間にできて認定され、協議会の会員になりたくてもなれない。これで民主的なまちづくりができるでしょうか。  そこで伺います。企業や一部の人や行政の発意で始まり、区民には情報も十分に提供せず、説明責任を果たさず、広く自由な区民の参加の機会も与えられず、説明しても合意形成は行わず、どこで、どのような理由で決めたのかも明らかにせずに行われる大田区の意思決定や税金の使い方でいいと思いますか。これも区長の裁量権なのでしょうか。  このやり方では、行政が大企業や大資本に実質支配(コントロール)され、主権が区民から企業に奪われることになりませんか。このようなやり方は、区政の私物化、行政の独裁であり、民主主義とは言えないことを強く警告し、質問を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、公民連携などに関する二つのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、区政における区民の発意や意見に関するご質問でございますが、大田区基本構想におきまして、これからの大田区を支え未来につなげていく源は区民一人ひとりの力であり、この力を地域力として発揮し、区との連携を進めることで誰もが暮らしやすいまちをつくることとしてございます。その上で、平成31年1月に公民連携基本指針を策定し、地域の様々な主体による連携・協働を一層推進することで地域力のさらなる強化を目指してございます。区の公民連携の取り組みは、区がこれまで培ってきた連携・協働の仕組みに加え、民間企業等が保有する知識や資源を活かすことで相乗効果を生み出し、質の高い行政サービスの提供、地域課題の解決、地域の活性化の実現により、区民がきめ細かなサービスを享受できることを目指すものでございます。  また、行政運営の根幹となる基本計画をはじめとした各種個別計画の策定や審議会の開催に当たりましては、区民が会議体に委員として参画することにより、区民の声を直接、計画や施策に反映してございます。その上で、広く区民の声を聴取するため、パブリックコメントや区民説明会なども開催してございます。  さらに、区政に対する区民意見の聴取として、区政に関する世論調査を行っているほか、各種計画に掲げる施策の検証や、より効果的な施策立案に向けた区民意識の把握を目的に、区の施策検証等に向けた大田区区民意識調査も実施してございます。引き続き、広く区民のご意見をいただきながら、区民の皆様とともに区政を推進してまいります。  続きまして、主権の所在についてのご質問でございますが、国民主権は憲法の三大原則の一つであり、住民の意思を行政運営に的確に反映させることが重要であると認識をしてございます。区は、平成20年10月に議決された大田区基本構想において、効率的で活力ある区政を実現し、地域との連携・協働を進めることを個別目標として掲げてございます。その中で、区民に最も身近な基礎自治体として、区民に対する区政情報の効率的な発信を行うとともに、多くの区民が参画しやすい活力ある区政を展開することを目指してございます。区が進める公民連携の取り組みは、大田区基本構想に掲げる目標も踏まえ、公平性、透明性にも十分留意しながら実施しているところです。今後も、住民福祉の向上に向けて、透明性が高く、区民の多様な意見を活かす区政運営に努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎小泉 地域力推進部長 私からは、田園調布せせらぎ公園に整備する施設に関するご質問にお答えをいたします。  区は、大田区公共施設適正配置方針、大田区公共施設等総合管理計画に基づき、田園調布地区の施設整備を進めてまいりました。公園内の施設整備につきましては、区の意思決定の上、関係常任委員会におきまして、平成28年9月に基本方針、平成29年8月に基本計画、平成29年11月に基本設計に関するご説明をした後、住民説明会を延べ9回にわたり開催し、体育施設や駐車場等の整備についてご説明をしてまいりました。議員お話しの本年8月の説明会におきましては、これまでの住民説明会で配付、説明してきた資料もご用意し、重ねてご説明をしたところでございます。  施設の方向性といたしましては、公園内に文化・スポーツ・レクリエーション施設を整備すること、コンセプトといたしまして、スポーツを通じて地域の活性化にもつながる運動施設を確保すること、災害時に物資の備蓄補完体制等を構築することの記載のある資料をもとにご説明をいたしました。また、駐車場につきましては、公園の配置に関するご意見を受け、今後、説明会やワークショップを通して検討していくことをご説明いたしました。今後も、多くのご意見やご要望を踏まえ、環境、レクリエーション、防災、景観形成の四つの機能を有する公園の魅力アップにつながるよう、田園調布せせらぎ公園と関連施設の整備を進めてまいります。以上でございます。 ◎青木 都市開発担当部長 私からは、田園調布・多摩川地区まちづくり協議会に関するご質問にお答えいたします。  協議会の会則において、地域の皆様が参加する方法等に係る規定が明示されており、参加者の拡充に努めているというふうに聞いております。協議会事務局では、引き続き住民参加につきまして継続して申し込みを受け付けるとともに、活動への理解が深まるよう情報発信に取り組んでいくということでございます。なお、協議会活動の認定及び支援に当たりましては、条例により設置された外部の有識者等で構成するまちづくり認定審査会の場におきまして、認定要件を踏まえた審査が行われており、協議会の認定につきましては、適切な手続きがなされたものと認識しております。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、47番北澤潤子議員。                  〔47番北澤潤子議員登壇〕(拍手) ◆47番(北澤潤子 議員) 大田・生活者ネットワーク、北澤潤子です。  子どもの人権擁護について質問いたします。  教師同士でのいじめがマスコミで大きく取り上げられましたが、どんな職場であっても、いじめは珍しくありません。ストレス社会で、しかも閉鎖的な組織の中、抑圧された不満の行き場が人への攻撃、あるいは内に閉じこもるなど、精神のバランスを欠いてしまう状況は散見されます。また、パワハラ、セクハラなどの大人の社会の人権侵害も大きな問題です。  子どもの状況も深刻です。2018年度の文科省の調査では、小中高校でのいじめの認知件数は54万件を超え、小中高生でみずから命を絶っている子どもは332人、小中学校の不登校の児童・生徒数は16万人を超え、高校生で5万人、中途退学者が4万8000人、暴力行為は小中高校で発生件数が7万件を超え、小学校で特に増加、警視庁が児童虐待の疑いで児相に通告した件数が8万人を超えました。通告の内容では、暴言を浴びせたり、子どもの前での夫婦間のDVなどの心理的虐待が全体の71%、身体的虐待が18%、ネグレクトが10%で、その他性的虐待もあります。全ての数値において増加、過去最高値を更新という大変深刻な状況です。大田区においても、小中学校でのいじめ認知件数は300件を優に超え、不登校も500人を上回り、虐待対応件数も1000件を数えるなど、しかも、それぞれ増加の一途です。  子どもたちがどれだけのストレスを抱え苦しんでいるか、個々の問題でもありますが、複雑に絡み合った社会全体の問題でもあります。貧困が背景にあるネグレクトによってため込まれるストレス、経済的には豊かでも、家庭における過干渉、競争主義、失敗をしてはならない、完璧主義という有形無形の圧力も含めて、子ども自身も自覚がないままにストレスをため込んでいると言えるのかもしれません。  学校だけではとても背負い切れるものではありません。スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーが導入されたことはすばらしいことですが、内部組織ではない、学校とは距離を置いた中立・独立した相談機関が必要です。大田区には福祉オンブズマン制度はありますが、声を出しにくい、大人に対して圧倒的に弱い立場の子どもの助けを求める声を聞き取り、寄り添い、その子どもの人権を擁護する仕組みはありません。  日本が批准して25年になる国際条約、子どもの権利条約ですが、締約国への監視機関、国連子どもの権利委員会からは、日本の現状、子どもへの暴力への懸念と同時に、地方レベルで設置されているオンブズパーソンに触れ、独立した子どもの人権を監視する救済機関の設置についての勧告がなされています。確かに子どもの命や尊厳が奪われている状況に一刻も早く歯止めをかけ、子どもの最善の利益は何かを考え、子どものエンパワーメントにつながる支援体制を強化することが必要です。  日本で初めて子どもの人権オンブズパーソンを設置したのは、1998年、兵庫県川西市でした。それから現在までに33の自治体が設置していますが、例えば世田谷区は、子どもの人権擁護機関「せたがやホッと子どもサポート」を区長及び教育委員会の附属機関として設置しています。体制は、子どもサポート委員が3名、弁護士、福祉と教育のそれぞれ専門家です。その他に相談員が4名、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士、幼稚園教諭、保育士の有資格者が当たり、計7名で子どもの相談に当たっています。相談員は子どもの気持ちをきちんと聞き、相談をしっかり受け止め、調査や関係組織との調整を図り、子ども自身の問題解決する力を励ましながら関係改善を図っていきます。個別救済とそこから見えてきた区全体の課題について、関係機関に対して提言を行います。対象は18歳未満ですが、18歳、19歳で高等学校に在籍している場合も含めています。また、子どもの権利侵害については大人も相談できます。  2018年度は、子どもとのやりとりが1107回、大人1186回、合計2293回、どの学年も万遍なく相談に訪れますが、最も多いのは小学校の高学年で、相談内容の多いものから、対人関係の悩み、次いでいじめ、家庭・家族の悩み、学校・教職員等の対応だそうです。年々相談件数が増え、虐待や体罰の相談も増えてきているのは、開設してから7年目の「せたホッと」の存在が子どもたちに周知され、安心して相談できる場所になっているあらわれでしょう。  公開されている活動報告には、例えばこんな事例が紹介されています。小学生からの対人関係の悩みです。新しいクラスで友達ができない、かっとなると友達に乱暴してしまう、みんなが自分を避けるため、意地悪をされているように感じてやってしまう、仲よくしてくれそうな子に話しかけようとすると、先生にとめられて話をすることもできない、自分ばかりのけ者にされて悔しいという相談です。「せたホッと」は、本当は仲よくしたいのにうまくいかない気持ちを受け止めて、委員と専門員が学校を訪問し、本人の気持ちを担任の先生に伝え、悔しい気持ちが乱暴な行動を引き出してしまっていることを確認し、友達と接触させないのではなく、うまく人とかかわれるようにサポートしてほしいとお願いしたそうです。その後、クラスの友達や先生から認めてもらう経験が増えると、自分の気持ちをコントロールすることもできるようになったと担任の先生から連絡があり、本人からも、学校が楽しくなった、いろいろ頑張ると連絡があったそうです。  深刻ないじめの相談以外にも、思春期の親子関係や自我の芽生えと同時に自信喪失など、情緒の不安定さからの悩みもありますが、それらを理解し、見守ってくれる大人の存在は重要です。大きな問題に至る前の予防にもなり、子ども自身の問題解決能力が高まることは、自己肯定感と同時に、自分も人をも大事にする人権意識が社会に広まることにも通じるのではないでしょうか。  さて、大田区においては、子ども家庭支援センターにも教育センターにも、子ども自身が相談してくることはほとんどなく、スクールカウンセラーにも子ども自身からの相談は多くないそうです。多くは保護者からの不登校の相談が多いそうです。  大田区の子どもに悩みはないのでしょうか。今年3月発行の大田区子ども・子育て支援事業計画策定に向けたアンケート調査の報告書を見ると、「いじめを受けた経験」は中学生23%、高校生34%、「悩みや心配事は誰に相談しますか」に対して、「誰にも相談しない」は中学生が11.7%、高校生は11.5%、「相談できる機関を知っていますか」の問いに、「知らない」と答えた中学生36.8%、高校生45.6%、「学校に行きたくないと思うことがある」と答えた中学生は63.6%、高校生が66.5%です。「学校に行きたくない理由」は、「友達とうまくいかない」が中学生25.5%、高校生25.9%、「先生とうまくいかない」が中学生10.8%、高校生14.7%です。こう見ると、大田区の子どもは悩みを多く持っているのに、どこに相談に行ってよいのかわからない、相談に行けていないという実態が見えてきます。  2019年度の大田区人権に関する意識調査報告書によると、ひどい人権侵害だと感じた自由記述に、子どもが学校でクラス全員からいじめにあった、クラスメイトが子どもの首にのこぎりを当て、「殺してやろうか」と言われた、海外派遣に応募するとき、教師から「どうせ落ちる」と言われた、子どもが学校でいじめにあい、本人が主張しているのに、学校側では「いじめがなかったので書類からいじめの字を消して」と強要してきた、朝鮮学校に通っている息子は、日本人の中学生に囲まれ袋だたきを受け、大きなけがをした等々、人権侵害に当たる多くの事例が記載されています。  公立の小中学校では、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの果たす役割は大変大きなものですが、中には心情的に学校に知られたくなくて、スクールカウンセラーには相談できない場合もあると聞きます。また、就学前や公立学校以外の子ども、高校生にとっては、相談できるところがありません。  以前、区内で小学6年生の子どもが2人で連れ立って飛び降り自殺をしました。教育委員会は、そのとき、学校ではいじめはなかったので、原因の追求はしませんという説明でした。問うべきは学校の責任ではなく、社会はなぜ子どもを助けることができなかったのかということです。子どもが何に苦しんでいたのか、それを聞いてあげる大人がいなかったことが悔やまれます。  例えば、厳しい学力至上主義で子どもを追い詰める家庭があるかもしれません。虐待の通報には至らないでしょうから、児童相談所が乗り込むことはありません。しかし、子どもがつぶれてしまう可能性もあるのです。今後、児童相談所を設置するにしても、一時保護所の運営に関しても、子どもの人権を守るための意見表明権の保障は大変重要なものになります。人権擁護の理念と仕組みを確立する必要があると考えます。  お聞きします。深刻さを増す権利侵害です。しかし、現状、大田区の子どもたちは困難さを抱えていても、相談に行かずに我慢をしていることが多いことが考えられます。まずは一刻も早く子どもたちのSOSを受け止める環境づくりが必要です。大田区は子どもたちのSOSをキャッチし、救済するために何をしますか。  子どもに寄り添って解決を図る機関、子どもオンブズマン制度はぜひとも必要です。子どもの人権擁護のために先進的に取り組んでいる自治体に学び、研究をしていただきたいと要望いたします。  2018年に大田区は、地域とつくる支援の輪プロジェクトの事業の一環で、こども1000人アンケートを行いました。大田区のホームページで公開されていますが、就学前から高校生までの1222人が協力していますが、はっとさせられる大変示唆に富んだ子どもたちの意見を見ることができます。例えば、大人に言いたいこと、してほしいことでは、子どもの意見をしっかり聞いてほしい、ゆっくり話を聞いてほしい、相談に乗ってほしい、学校がつまらない、意地悪されるから嫌だ、いつもいつも少しのことでたたいたり怒ったりするのを本当にやめろ、子どもの気持ちを考えて、大田区にもっと遊び場を増やしてほしい、運動する場所を増やしてほしい、ボール禁止の公園を減らしてほしい、公園のルールを改善してほしい、音楽スタジオをつくってほしい、いじめの対処をしてください、根性論はやめてほしい、相談できる場所をつくってほしい、頼りたいときに頼れる存在であってほしい、学校に行くことを強要しないでください、ストレスです、もう耐えられそうにないです、難病を持っている自分や子どもでも、ほかの友達と変わらないように高校に通えて卒業できる環境がほしいなどです。  お聞きします。子どもの権利条約には子どもの意見表明権がうたわれています。社会の一員としての子どもの意見を尊重することを義務づけています。大田区は子どもの意見を今後どのような形で聞き、どのように対応しますか。こども1000人アンケートは今後も続けるとのことですが、見えてきた区の課題にどのように取り組みますか。  アンケートに限りませんが、子どもたちの思いを誠実に受け止める大田区であってほしいと願います。以上です。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎玉川 総務部長 私からは、子どもの権利救済に関するご質問にお答えいたします。  現在、区では、子どもの権利侵害につきまして、総務部、福祉部、こども家庭部、教育委員会等、関連部局と連携し対応しております。子どもの人権擁護施策としましては、区立小学校に通う5年生の児童全員に対しまして、いじめを含め、人権問題をわかりやすくまとめました冊子「大切なこと」を配付しているほか、区内小中学生に書道、ポスター、標語等の作品募集をしております。また、人権講演会や区報特集号の発行、人権啓発パネル展の実行によりまして、区民の方々に対して人権意識の涵養に取り組んでいるところでございます。区といたしましては、引き続き、先進自治体の取り組みも参考としながら、各部連携いたしまして、より効果的に人権施策を推進してまいります。私からは以上でございます。 ◎張間 福祉支援担当部長 私からは、こども1000人アンケートをはじめとする子どもの声への対応に関するご質問にお答えいたします。  このアンケートは、区が大田区社会福祉協議会と実施している地域とつくる支援の輪プロジェクトの取り組みの一つとして昨年度から実施しています。本プロジェクトは、地域全体で子どもを見守る体制づくりが大きな柱となっており、子どもの小さな変化やSOSに気づくこと、それを適切な相談窓口やサービスにつなげることを周りの大人たちが当たり前のこととしてできる地域を目指しております。アンケートの実施は、その目指す姿に向けた第一歩であり、日ごろから子どもたちを見守り、支援してくださっている地域の団体の皆様のご協力により実現いたしました。設問も幅広い年齢層の子どもたちが自分で考えて答えられるよう工夫をしております。本プロジェクトでは、議員お話しのようなアンケートから得られた子どもたちからの様々な声をもとに、子どもと大人が対話する機会を設けたり、臨時の子ども相談室を開いたりするなど、子どもの意見を大切にして事業を実施しています。本プロジェクトの目指す姿の実現に向けて、これからも様々な取り組みを進めてまいります。 ○塩野目 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後3時6分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後3時25分開議 ○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
     この際、会議時間を延長しておきます。  質問を続けます。41番庄嶋孝広議員。                  〔41番庄嶋孝広議員登壇〕(拍手) ◆41番(庄嶋孝広 議員) 立憲民主党大田区議団の庄嶋孝広です。  まずは、10月の台風19号をはじめとする風水害で被災された大田区内外の皆様にお見舞い申し上げます。  それとともに、私の質問の前半では、台風19号における災害ボランティアについて伺います。  台風19号当日は、大田区ホームページがダウンしたこともあり、新人議員である私のもとにも、SNS等を通じて、どこの避難場所に行けばよいかといった問い合わせ、また避難場所がいっぱいになったとして増設を求める要望などがたくさん寄せられました。風水害に対する数多くの教訓を残したと思います。しかし、何といっても600件に上る浸水被害のあった田園調布四丁目・五丁目です。私も翌日に状況把握に行きましたが、床を清掃する商店街の店舗の皆さん、大切な家財道具を運び出して廃棄する住宅の皆さんの姿から、浸水被害の困難さを思うばかりでした。  大田区では、東日本大震災の際に、区と区民の協働で被災地支援ボランティア調整センターを立ち上げ、宮城県東松島市に継続的にボランティアを派遣し続けた経験があります。その目的の一つとして、被災地支援ボランティアで得た経験を大田区が被災した際に活かすということが言われてきました。現在、大田区基本計画の役割をしているおおた重点プログラムの災害ボランティアの育成・支援のページにも、「これまでの被災地支援の経験を活かし、災害発生時に区内で立ち上げる災害ボランティアセンター運営のための人材育成や、日常的な地域活動へつなげる取り組みを進めます」とあります。  その大田区災害ボランティアセンターの設置・運営訓練も、直近では今年1月に行っています。また、3月には、大田区、大田区社会福祉協議会、一般社団法人地域パートナーシップ支援センターの三者で、災害時におけるボランティア活動等に関する協定を締結しています。そうした備えをしていたところに、今回の台風19号による浸水被害が発生しました。  そこで1点目の質問です。今回の田園調布四丁目・五丁目の浸水被害に当たって、これまでの被災地支援ボランティアの経験がどのように活きたか伺います。  さて、今回、結果として災害ボランティアセンターの設置は行われませんでしたが、東日本大震災以来の被災地支援ボランティアを経験してきた方々の中には、災害ボランティアを経験する人を増やすために、災害ボランティアセンターを立ち上げるべきだったとの声もあります。また、東日本大震災から9年近くが過ぎ、大田区で災害ボランティアに携われる人材を蓄積し直すタイミングに来ているのではないかとも思われます。  災害ボランティアセンターが機能するためには、ボランティアを現場で取りまとめるリーダー的な人材、災害ボランティアセンターの地域拠点であるサテライトでスタッフができる人材、地域側の取りまとめ役として災害ボランティアセンターとのパイプ役になる人材などの育成が必要との声も聞きます。  そこで2点目の質問です。今後、大田区が地震や風水害などで被災した場合に備え、災害時に対応できる人材をどのように確保していくか伺います。  気候変動の中で、我が国でも甚大な風水害が多発しています。また、先日、当会派で元板橋区職員でもある跡見学園女子大学の鍵屋一教授の講演を聞く機会を持ちましたが、「大災害は忘れないころにやってくる」という言葉が印象的でした。平安時代に当たる西暦869年に東北太平洋岸を大津波が襲ったマグニチュード8以上の貞観地震、その9年後、878年に南関東ではマグニチュード7以上の相模・武蔵地震が起こった歴史があります。2011年の東日本大震災の9年後は2020年、来年です。私たちは今こそ気を引き締める必要があります。  大田区で大災害が発生した場合、避難場所や避難所が足りなくなるのは今回の台風19号でもわかったことです。大地震に対しては、住宅耐震化などを進めることで、可能な限り自宅で避難生活を送る在宅避難ができる状況を増やす対策が急がれます。今回は災害ボランティアについて伺ってきましたが、自助の防災力を高める必要性も提起した上で、次のテーマに移ります。  質問の後半は、大田区子ども生活応援基金についてです。  議員になる前に、おおた子どもの生活応援プランの検討委員や推進会議委員を務めた者として、第3回定例会で可決した大田区積立基金条例の一部改正によって子ども生活応援基金が創設され、既に寄附の募集も始まっていることをうれしく思います。子ども生活応援基金のチラシが発行されており、区ホームページでも見ることができます。その表面の一番下には、「皆様からの寄附がたくさん集まってきたら・・・たとえばこんなことが実現できます!」ということで、二つの使い道の例が書かれています。  その1は、「子どもの長期休暇応援プロジェクトの拡大!」です。基金の創設に先立って、今年の夏休みに区内3か所で実施された長期休暇応援プロジェクトの結果は、健康福祉委員会の会議録や資料を通じて承知しています。今年の夏休みは、生活に様々な困難を抱えている家庭の小学5・6年生を対象に実施されました。子ども食堂や学習教室には、誰でも来られるオープン型と、限定した対象だけに提供されるクローズド型があると整理されますが、そういう意味で今回はクローズド型の方法で行われたと言えます。しかし、対象を限定することにより、参加する子どもが周囲から何らかのレッテルを貼られることは避けなくてはいけませんし、また、学校支援地域本部によるサマースクールが増えてきたとはいえ、共働き家庭が多数を占める中、また、ひとり親家庭も増える中、子どもが夏休みに地域に居場所を持てる機会を提供することは大変重要であると考えます。  そこで1点目の質問です。今年の夏休みに子どもの長期休暇応援プロジェクトを実施して得られた成果と課題を伺うとともに、今後は基金を使うことでどのような点を拡大・充実していくのか伺います。  次に、チラシの表面の一番下にあるその2は、「区内で展開されている、こども食堂や学習教室への支援!」です。子どもの長期休暇応援プロジェクトに限らず、子どもの生活応援に資する地域活動を応援する趣旨であると理解しています。おおた子どもの生活応援プランに基づく取り組みとして、地域とつくる支援の輪プロジェクトも行われており、それらの地域活動を応援する仕組みが必要ではないかと考えます。  そこで2点目の質問です。この二つ目の例にある子ども食堂や学習教室をはじめとする地域活動への支援の方法について所見を伺います。  なお、最後に、子ども生活応援基金について私なりのアイデアを述べさせていただきます。地域活動を支援する類似の基金としては、大田区地域力応援基金があります。地域力応援基金は、スタートアップ助成、ステップアップ助成、チャレンジ助成・チャレンジプラス助成のメニューごとに、1次、2次にわたる審査を経て助成が決定します。また、各メニューとも助成を受けられるのは2年が上限です。地域力応援基金助成事業の場合は、新たな事業を形づくったり、事業を拡大・発展したりすることが目的となっていますが、子ども生活応援基金が対象とする活動は行動範囲が限られる子どものための活動ですので、子ども食堂にせよ、学習教室にせよ、区内各地にあることが重要になってきます。  例えば、当会派で11月に視察に行った兵庫県明石市では、市が設置者となって設立した一般財団法人あかしこども財団が、子ども食堂の開設・運営を助成金も含めてサポートし、市内28小学校区全てをカバーする42か所に子ども食堂が開設されています。小さな金額でも、継続的に活動を支える仕組みをつくることができれば、地域力応援基金との差別化も図れると考えます。  また、チラシにもあるように、近年は子どものための活動として、子ども食堂や学習教室が代表格として注目されていますが、大田区ではプレーパークや読み聞かせなど、ほかにも様々な活動が行われてきました。プレーパークは中央五丁目公園で、30年近く手弁当で続けられてきましたが、遠くに行かなくても自然遊びに近いことができる大田区の子どもたちにとって貴重な居場所です。これらの様々な活動を具体的に見えるようにPRすることが、子ども生活応援基金に多くの寄附を集めるためにも重要であると考えます。  大田区の子どもたちに寄り添う地域力を後押しする基金となるよう要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎小泉 地域力推進部長 私からは、災害ボランティアに関する二つのご質問にお答えをいたします。  まず、被災地支援により培った経験を今回の浸水被害にどう活用されたかとのご質問ですが、東日本大震災における東松島市への被災地支援ボランティアは、平成23年4月から6年間で延べ約1万3000人の区民の方が参加され、活動に従事していただきました。ここでは、災害復旧や被災者に寄り添い思いに共感する大切さを学ぶなど、貴重な体験になったものと捉えております。その後、区内の災害発生時にボランティア活動を円滑に行うため、東松島市への被災地支援ボランティア経験者と大田区社会福祉協議会、区の三者による災害時におけるボランティア活動に関する協定の締結に至りました。  こうした経過を踏まえ、今回の台風19号に伴うボランティア活動に当たりましては、降雨量や避難情報などを台風接近時から共有し、警戒解除後、速やかに現地を確認し、必要となる資材やボランティア活動の進め方の検討など、ボランティアニーズに的確に対応できる体制を三者で早期に構築いたしました。また、被災地支援ボランティア経験者が各活動グループのリーダーとなり、作業に必要な資材の選別をはじめ、作業手順や被災者への配慮など、留意事項をメンバー間で共有し、活動に従事していただきました。今回の活動は区内で初めての実施となりましたが、被災地支援を通じて得た実践経験を様々な場面で活かせたものと捉えております。  次に、ボランティアの人材確保に関するご質問ですが、災害時のボランティア活動は、被災者の生活支援の側面に加え、地域課題の解決に向けた自発的・自主的な支え合いの地域づくりに貢献する意義があり、新たな人材確保は活動の裾野を一層広げていく上で重要と考えております。今回の災害は、浸水した家財などを搬出し、被災者の生活空間をいち早く確保する迅速性が求められ、日々の支援ニーズを翌日に積み残すことがないよう、被災地支援ボランティア経験者を中心とした体制により円滑な活動に努めました。  一方、区全域の被災が想定される、例えば東京湾北部地震においては、建物約4万棟が半壊以上と見込まれ、家屋内や周辺の片づけ、災害ごみの運搬など、膨大な支援活動に見合う人員の確保が必要となります。こうした場合、区内外からボランティアの幅広い募集やニーズとの具体的なマッチングなど、災害ボランティアセンターを運営する側に十分なスキルが求められます。また、ボランティア参加者には、みずから持参すべき資材や安全を確保する行動、被災者の意思の尊重など、求められる心構えを正しく理解いただく必要もございます。  区は、こうした様々な課題を踏まえ、防災塾の開催や災害ボランティアセンターの設置・運営訓練などを通じ、災害ボランティアの育成や地域の防災への意識醸成に取り組んでまいります。こうした取り組みを通じ、PTAや小学生などの参加者を得た地域主体の独自の防災訓練に至った事例も生まれております。今後も、大田区社会福祉協議会や被災地ボランティア経験者との連携を一層強化し、ボランティア活動の正しい理解促進をはじめ、リーダーの育成やより多くの人材確保に努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎張間 福祉支援担当部長 私からは、子どもの長期休暇応援プロジェクトに関する二つのご質問にお答えいたします。  初めに、子どもの長期休暇応援プロジェクトの実施結果に関するご質問ですが、本事業は、おおた子どもの生活応援プランの理念を包括的に捉え、体現する取り組みとして、今年度から実施をしております。長期休暇中の昼食の提供、学習の支援、多様な体験機会の提供などを通じて、生活習慣の確立と学習習慣の定着のきっかけづくりに取り組みました。今年の夏休みに3か所で実施した際、子どもたちからは、「宿題が進んだ」、「友達ができた」などの感想が聞かれ、日中働いている保護者からは、夏休み中の子どもの様子がわかって安心できたとのことで、子どもと保護者にとって長い夏休みを安心して過ごす居場所の選択肢が広がったのではないかと考えております。  実施した中で、対象学年や実施箇所数を広げていくことなどが今後の課題であると認識をいたしました。本事業は、このたび創設いたしました大田区子ども生活応援基金の活用事業となりますが、地域の皆様から子どものためにといただくご厚志を形にする最もふさわしい事業であると考えております。今後も、子どものよりよい成長の機会となるよう、さらに事業の内容を拡充してまいります。  次に、基金を活用した地域活動への支援に関するご質問ですが、子どもの長期休暇応援プロジェクトの実施に当たっては、区内社会福祉法人、民間事業者、地域活動団体等から多くのご協力が得られました。このように多様な主体の参画により本事業が実施されたことで、子どもたちと地域の大人とのかかわりが生まれ、地域ぐるみで子どもを育むことの大切さを事業にかかわった一人ひとりが改めて認識できる機会となりました。今後、さらに多くの団体が連携していくことによって、団体活動の認知度の向上や、団体同士の連携による新たな活動への展開など、相乗効果が期待できるものと考えております。具体的な団体支援の方法につきましては、おおた子どもの生活応援プラン推進会議からのご意見やご提案、他の制度との整合性などを考慮しながら検討してまいります。私からは以上です。 ○塩野目 議長 次に、43番平野春望議員。                  〔43番平野春望議員登壇〕(拍手) ◆43番(平野春望 議員) 立憲民主党大田区議団の平野春望です。  大きく分けて二つ、通告に従い質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  まずは、このたびの台風19号の被害を受けられた皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。  さて、このたびの台風の区の対応については、いろいろな方から様々なご意見が届けられており、この第4回定例会でも多くの方から質問がされています。その中で避難所についてお聞きしたいと思います。区内の高齢者の方から、避難所に行きたいのだけど、腰が悪いし、ベッドがないと避難所へ行くことにちゅうちょしてしまうというお話を聞きました。現在、区では、マットや空気を入れて四、五センチの厚さになるエアマットが各避難所に100個あると聞いております。また、畳を畳業者と協定を結び、災害時には5000枚提供していただくという話も聞きました。ただ、今後、高齢者が増えていく中で、もう少し厚みがあるものや、エアベッドの数がさらに必要になるかと思います。  また、今回、他の自治体では、個人のプライバシーを守るために、茨城県水戸市飯富町の避難所では、高さ100センチと180センチのパーテーションで区切られて、授乳や着替えができるようになっていたというようなことを聞きました。また、千葉県松戸市では、同じようなパーテーションが23個ずつあると聞きました。大田区もプライベートテントが各避難所に四つずつあり、授乳や着替えなどのプライバシーを守るために使っていると聞きました。ただ、このたびは短い避難生活だったためか、使用されなかったと聞いております。  そこでお伺いします。今後、災害が増え、長期にわたる避難生活をするときには、肉体的、精神的な疲労を防ぐためにも、こういったエアマット、パーテーションやプライベートテントがますます重要になるのではないでしょうか。避難所の生活が長期化した場合、そういった備品の備蓄について、配備しているものをどのように活用する予定でしょうか、区の見解をお聞かせください。  また、避難された方、特に女性から、避難所に女性の職員がいてほしい、男性だけだと様々な場面で気を使ったり、相談しにくいなど問題があると聞いております。今回の区の避難所の職員体制はどうだったのでしょうか。追加で開設された避難所は女性の職員を配置するのが難しかったと思いますが、11日の台風前日に開所された避難所は男女の職員が配置されていたのでしょうか。  今後はぜひ避難所に必ず男女の職員が配置される体制をとっていただきたいと思いますが、区の見解をお示しください。  今回は時間の関係で質問はできませんでしたが、区内の避難行動要支援者の名簿に基づく個別支援計画の策定がなかなか進んでいないと聞いております。まずは避難行動要支援者名簿の単身世帯、独居の方から中心に、個人の避難誘導をどうするかなど、災害時の対応についてしっかりと進めていただきたいと要望いたします。  災害時には高齢者や子ども、障がい者など、災害弱者と呼ばれる人が平時より顕著に浮き彫りになります。最近では、障がい者を含むあらゆる人の命を守る、誰一人取り残さない防災として、インクルーシブ防災という概念も広がっております。区としてもぜひ意識して地域防災計画を進めていただければと思います。  このたびの台風で区内の特に大きな被害としては、田園調布四・五丁目の浸水被害が挙げられます。11月24日に行われた住民説明会に私も参加いたしました。質疑応答では、被災後、役所に電話をしたのだが、たらい回しにされた、窓口を一本化してほしい、役所の対応が遅い、同じようなことが起きないようにしっかりと対応してほしいなど、多くのご意見がありました。来年の3月までに検証して具体的な方針を定めるということでしたので、今回の台風19号の対応について、寄せられたご意見に対して一つ一つ丁寧に耳を傾け、対策を打っていただくよう要望して、次の質問に移らせていただきます。  次に、行政視察についてお聞きします。  議員になりまして、委員会で行政視察に訪れたり、この第4回定例会の前にも初めて当会派で行政視察に参りました。その中で、各自治体ごとに人口、面積、地勢、歴史や沿革、そしてまちの特徴を説明していただきます。そこで、ふと大田区を行政視察先に選んでいただいている自治体はどのようなことに興味があるのか、また、空港を持つ自治体としてどれぐらいの数の行政視察を受けているのかを調べました。  大田区の過去3年の行政視察受け入れ状況を見ると、受け入れ件数は、平成28年は36件、平成29年は28件、平成30年は26件となっており、過去3年間の平均は30件です。また、過去3年の視察項目で、それぞれの年で件数が一番多かったものは、平成28年は民泊条例(特区民泊を含む)について9件、平成29年は特区民泊について6件、平成30年は大田区総合体育館についてと子どもの生活応援プラン4件で同率の1位でした。  そして、23区の中で大田区の視察受け入れ数が多いのか少ないのか、比較するために過去3年間の23区の平均の視察受け入れ数も調べました。23区で一番多いのが荒川区で82.7件、一番少ないのが目黒区で8.3件、大田区は30件で13位でした。視察項目として件数1位は、荒川区の区立図書館であるゆいの森あらかわ71件、2位は足立区の子どもの貧困対策31件、3位は豊島区の新庁舎関係29件でした。この比較によると、大田区は23区の平均より少し下の視察受け入れ数となります。  行政視察は何のためにするのかというと、議員が他の自治体の先進的な取り組みを実施している地域を実際に訪れ、その地域の行政や経済、文化の実情、事例を直接調査して把握するためです。行政視察の受け入れが多いということは、それだけ先進的な取り組みをしているという目安になるのではないでしょうか。また、視察数が多いというのは、シティプロモーションや自治体のブランド力とも関係があると思われます。  そこでお伺いします。大田区の視察されている項目を見ると、この5年では特区民泊が最も多い視察項目ですが、大田区として他の自治体よりすぐれている、先進的な取り組みをしていると自負している事業は何でしょうか。  また、そういった取り組みのほかに、実際に大田区に住んでいる区民が使っている公共サービスで、そういった先進的な取り組みをしている事業があれば教えてください。また、自治体が視察に来るものは、明石市の離婚前後の子どもの養育支援など、当初予算は39万円、今でも500万円と、注目度は高いが低予算でできるものもあります。低予算でお金を使わず知恵を絞って大田区で行っている、ほかの自治体にはない先進的な取り組みはありますでしょうか。  今後とも、区民のために必要となる事業を堅実に進めていきたいのですが、一方で、ほかの自治体がまねをしたくなる先進的な取り組みに積極果敢にチャレンジしていただければと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、先進的な施策に関する二つのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、区の先進的な取り組みに関するご質問でございますが、社会経済情勢の変化を捉えて、区の強みを活かした施策展開を図ることは、魅力と活力あふれるまちづくりを進める上で重要なことと認識をしてございます。一例を申し上げますと、特区民泊は、訪日外国人旅行客が増加する中、安全性、衛生面に配慮しつつ、積極的に旅行客を受け入れ、地域経済の活性化や国際都市などの推進を図るため、全国に先駆けて実施をいたしました。認定件数は着実に増加し、本年10月末時点で130件を超えているというところでございます。また、羽田空港跡地第1ゾーン整備事業におきましては、公民連携事業の手法を活用し、高度なものづくり技術を有する中小企業の集積などの強みを最大限に活かし、新産業創造・発信拠点を形成してまいります。このほか、大森におきまして大田区マイナンバーカードセンターを開設してございます。区民の皆様のマイナンバーカード取得を支援する本施設は、全国初の取り組みとして国などからも視察を受けているという状況でございます。引き続き、区民ニーズや加速度的に進む時代の変化、区の多様な地域資源などを踏まえ、先進的な取り組みを展開することにより、区民の皆様や区を訪れる方々にとっても魅力のあるまちづくりを推進してまいります。  続いて、他の自治体にはない先進的な事業に関するご質問でございます。羽田空港を擁する大田区では、今後、区を訪れる方々のさらなる増加を見込み、この契機を絶好の機会と捉えて、区のシティプロモーションを推進し、地域経済の活性化に取り組んでいるところでございます。昨年度は、話題となったコンテンツ、ゴジラを活用した地域活性化型イベント「特撮のDNA」展を開催いたしました。このイベントでは、区がまちというプラットフォームを提供し、地域や企業、産業団体とのコーディネーター役を担うことで連携の仕組みをつくり出しました。区の財政負担を伴わない試みで、区の認知度、回遊性、消費の向上につなげたところでございます。今年度も、ゴジラに続き、大怪獣ガメラで「特撮のDNA」展第2弾を関係団体との連携のもとに開催する予定でございます。  また、近年の民間企業等の社会課題解決への機運の高まりを捉え、本年1月には公民連携基本指針を策定いたしました。最近の民間企業との取り組みといたしましては、昨年6月にセブン&アイ・ホールディングスと地域活性化に向けた包括連携協定を締結し、セブン−イレブン各店舗におきまして、広報紙「おおた区報」を配布していただいてございます。民間事業者との連携により、区民の皆様が区政情報を取得しやすい環境づくりを進めているところでございます。引き続き、地域課題の解決に意欲のある各種団体や学術機関などと対話を重ね、それぞれの主体が保有する知識、ノウハウ、資源を最大限に活かしながら、区民サービスのさらなる向上に努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎井上 危機管理室長 私からは、避難所に関する二つのご質問にお答えいたします。  初めに、避難所の生活環境についてのご質問ですが、区では、各避難所の備蓄倉庫に高齢者、乳幼児など要配慮者の方に活用していただくために、ジョイントマット、エアマット、プライベートテントなどを備蓄しております。ジョイントマットやエアマットなどは、避難している方々の身体的な負担を軽減するためのものでございます。また、プライベートテントは授乳や着替えなどの際に使用いたします。避難所生活が長期化した場合、健康維持やプライバシーの確保が重要となってきます。その対応として、優先供給の協定によります段ボールと布でつくられた簡易間仕切りシステムや、無償の畳の提供などにより避難所の生活環境を整備することとしています。引き続き、被災自治体等の事例を参考にしながら、避難所の環境改善に努めてまいります。  次に、女性職員の配置についてのご質問ですが、今回の水害時緊急避難場所等の開設・運営に従事した職員は約240名であり、そのうち女性職員は約30%でございました。区民と直接接する避難所の運営におきましては、特にきめ細かな配慮が重要であると認識しております。このため、区が作成した学校防災活動拠点の標準マニュアルにおきましては、地域の防災活動を牽引していただいている女性にも協力いただき、妊婦や乳幼児のための要配慮者スペースの設置、女性が相談しやすい窓口の設置、トイレへの動線に死角をなくすといった防犯面に考慮した環境をつくることなどにより、女性が安心して生活できるようにするとの方針を示しております。女性や要配慮者などの視点が反映されるよう、引き続き、マニュアルなどの改善、備蓄品の選定、訓練の工夫などに努めてまいります。 ○塩野目 議長 次に、38番松原 元議員。                  〔38番松原 元議員登壇〕(拍手) ◆38番(松原元 議員) 令和大田区議団、松原 元でございます。  まず、台風15号及び台風19号の被害をこうむった皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。  では、質問通告に従い、質問を行います。質問内容は全て台風19号被害に関することであります。既に今定例会において様々な発言が皆様からされており、ややもすれば重複した内容と聞き取れる事項もあるかもしれませんが、どうかご容赦いただきたく、お願いを申し上げます。  今回の台風19号における大田区の被害は大きく、殊に田園調布における浸水被害はまことに甚大でありました。11月24日の住民説明会の数値では、床下浸水228件、床上浸水144件、半壊237件であります。家屋の損傷、家財道具の損失、半地下はおろか平地に駐車していた大型車両も廃車となりました。これらの被災状況を鑑みるに、当該地区の生活再建は、自助だけでは困難であると考えるべきであります。特に、現地になりわいを営んでいた方々に関しましては、まさしく収入源を失ったわけであります。格別の支援があってしかるべきであると訴えさせていただきます。  まず、今後の生活再建についてお伺いをいたします。当該地域は、災害廃棄物の収集が一段落つき、家屋の修繕も進み、一見平静を取り戻しているように見えます。しかし、修繕等の見通しが立たず、冬を越すことが困難な家屋も散見されるわけであります。また、水害による家屋被害は、これから徐々に目に見えてくる、新たに理解されるものが出てくると想定されます。床上だけでなく、床下浸水に対する対処の失念や不徹底、また、汚水に満たされた断熱材の放置等々から起こるカビや異臭、家屋各所のゆがみ等のダメージは、これから出てくることが十分考えられるわけであります。  区は、自宅に住めない方々はもちろん、修繕に伴い自宅を離れなければならない方々のニーズに応えるべく、仮住居の貸与を行い、現在、プラム蒲田とシャンボール大森に6世帯17名の住人が入居したとのことであります。しかし、今後、新たに生まれる住民ニーズに対して、残る空き部屋数には不安を感じる次第であります。  では伺います。今後の新たな需要を鑑み、できるならば被災地区近隣において空き部屋等を借り上げるなどし、仮住居として充当することはできないでしょうか、ご答弁を願います。  次に、災害時の情報伝達に関して伺います。既に本件、各議員が申し述べられているとおり、区のホームページはダウンし、また防災無線が聞こえない等々、各問題が指摘をされております。区におかれましては、情報の発信力の強化、また住民が理解しやすい内容への見直しを要望するところであります。今回、残念ながら、浸水被害を予想して、該当する地域住人に対して事前に十分な周知、理解がなされなかったのではないかと考えているところであります。人命被害はなかったとはいえ、これらが徹底されていたならば、被災地における動産被害を格段に減らすことができ、生活再建が容易になったのではないかと考えているところであります。  先日、交通臨海部活性化特別委員会の視察において石川県小松市に伺い、視察を行いました。その中で情報伝達に関して、結ネットというアプリについて興味深い説明がありました。あまり詳細を申し述べる時間はございませんが、これは自治会・町内会またはマンション管理人等の住民に対して、行政サービスの発信や区民の声の収集を行ったり、また回覧板、情報連絡の機能を持ったアプリであります。この中には災害に関する情報発信、安否確認等に関する内容も含まれているとのことです。これらは大田区においても検討に値するシステムであると考えます。大田区単体ではなくとも、城南5区単位での災害対策に利用可能なアプリの導入はできないか、お伺いをいたします。  また、水害に対応したまちづくりについてお伺いをいたします。今回の台風被害で最も大きな被害を与えた要因は浸水被害でありました。現地で見聞きし、身の丈に迫るほどの浸水があった住宅を多数確認いたしました。今回、人命被害が起こらなかったことはまことに幸福なことであります。区は住民説明会において、今回の浸水被害の発災原因について、世田谷区等々力排水樋管からの流入を浸水の主たる原因とし、他の要因も説明しながら、結論は今年度中の確認を目指している旨の発言がなされました。この結果いかんによっては、今後のまちづくりに関し、再考すべきであると考える次第であります。  今回、現地の調査を通じて、住宅のかさ上げの有無によって被害のありように大きな違いがあったと理解ができました。そう私は考えております。私と同じぐらいの背丈、首のところまで来たようなブロックもございましたが、やはりかさ上げの有無によって動産の被害が大変大きく異なった、隣り合う家でも大分違ったというところを確認したところであります。また、目視による確認ではありますが、世田谷区においては、かさ上げされている住宅が多く見えたと考えているところであります。  当該地域は風致地区であり、様々な制限がなされていると理解しておりますが、大田区において、今後、新たに浸水被害が想定される地域に住宅を新築する場合等には、かさ上げ工事の助成を行い、浸水に対するまちの対抗性向上を促す必要があると考えますが、いかがでしょうか。  次に、災害ごみについてお伺いをいたします。私は昨年、当区における水害時の災害ごみ対応について憂慮から質問を行い、災害廃棄物処理計画の策定を求めました。現在、本計画は策定中と認識をしているところであります。折しも今回、台風19号による浸水被害において多数の災害廃棄物が発生をいたしました。この間、区には迅速かつ重点的に大量の災害廃棄物収集にご尽力をいただいたと理解しておりますし、人手や保険査定等の理由でまだ排出されていない災害ごみに関しても、今後、柔軟にご対応いただけると伺っております。大変ありがたいことであります。この点について、住民説明会では、多数の住民から謝意を表されたという事実は、本件に携わった関係者らの尽力によるものであります。心から感謝を申し上げます。  しかしながら、今回の災害廃棄物処理で少なからず課題が浮き彫りになったと考えます。狭あい道路における災害廃棄物の排出場所や仮置き場の確保、処理計画には複数のパターンを用意する必要があると考えます。また、明らかに今次災害と関係のない廃棄物、恐らく便乗ごみや自己処理する決まりになっている土のうなど、多数がまちじゅうに排出されたということも確認がなされました。本当に遺憾であります。これは被災地区の復旧を妨げるものであります。区におかれましては、現在策定中の災害廃棄物処理計画においては、今回得られた教訓を活かしていただきたいと願うとともに、計画策定後には、田園調布に限らず、浸水が予想される地区の住人への広報、地域の災害訓練時における項目の追加などを働きかけていただきたいと考えます。区のお考えをご答弁願います。  最後に、住民説明会の開催時期について一言申し述べさせていただきます。発災から1か月以上の期間を経て、24日に住民説明会が開催をされました。この間、被害状況を精査し、原因究明に努めてきた区の担当者らにおかれましては、大変大きなご努力をされていたと認識をしております。しかしながら、残念なことに、この間、被災地の住民からは様々な区行政の今回の災害対応に関する疑問の声が発せられ、また地域には行政に対する不信の声が蔓延をしていたと理解をしております。これらの声の中には、早い段階で事実誤認であったことも多々あったわけでありますが、ならばこそ、このたびは拙速を尊び、一日でも早期に住民説明会を行うことはできなかったのでしょうか、ご答弁を願います。  2回の住民説明会を通じて感じたことがあります。説明会に集まった住人らの思いは、今後、生活再建をなすことが果たしてできるのであろうか。生活再建をなすことができたとして、果たしてこれからもこの地に住み続けてよいのだろうかという、この2点に集約されると私は感じました。ここにお集まりの同僚議員の皆様、理事者の皆様方におかれましては、住民らの思いをご共有いただけていると信じますとともに、生活再建に向けた区行政の手厚い支援を改めて要望し、質問を終えます。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎井上 危機管理室長 私からは、防災関係二つの質問にお答えいたします。  初めに、災害情報の発信についてのご質問ですが、現在、区の災害情報伝達手段としましては、ホームページを基本とし、区民安全・安心メールやツイッターのほか、避難勧告や避難指示などの発令は緊急速報メールでも配信しております。また、防災行政無線で音声による情報発信もしており、放送が聞き取れなかった場合には、電話で放送内容を確認できる防災行政無線電話応答サービスも運用しております。  城南5地区における災害対策アプリの導入とのことですが、本区では、既に東京都防災アプリをはじめ、ヤフー防災アプリや防災タウンページに区の災害情報を提供し、広く情報を発信しております。また、他の4区につきましても、それぞれの区が防災アプリをはじめ、災害情報伝達手段を既に導入、運用しており、災害情報を入手することが可能でございます。災害時における情報伝達手段を複数準備しておくことは重要であることから、既存の防災アプリの有効活用を含め、石川県小松市の結ネットなど他自治体の例も参考にしながら、区民への災害情報を迅速かつ正確に伝達できるよう研究してまいります。  次に、住民説明会の開催時期についてのご質問です。区といたしましては、今回の浸水被害について正確な事実を把握した上で、早期に説明会を開催しようと考えました。開催時期は、被災者生活再建支援法が適用され、国や東京都の支援制度がおおむね明らかになりました直後の11月24日といたしました。説明会では、区内の被害状況や被災された方に対する各種支援制度、関係機関と取り組んできた浸水被害の調査・検証状況についてご説明をさせていただきました。区民の皆様には、11月24日の説明会の説明内容及び質疑内容、被災者支援制度の情報などを適時お知らせしてまいります。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 私からは、台風対応としての住宅関係に関する二つのご質問にお答えをいたします。  まず、被災者に提供する仮住居に関するご質問でございますが、原則として応急仮設住宅は、自宅が全壊または流出し、居住する家のない方が対象になっておりまして、今回の台風19号では、全壊または流出の方はほとんどおられませんでした。一方、東京都は、住宅の損壊または浸水などによって居住継続が困難になった世帯を対象にいたしまして、都営住宅を計100戸、緊急一時避難施設として提供いたしました。また、区も、被災地区近隣ではございませんが、プラム蒲田等を提供してございます。現在、都営住宅には大田区の被災者が4世帯、プラム蒲田に4世帯、シャンボール大森に1世帯が入居されております。このため、現時点ではこれら既存の住宅を活用していただきたいと考えてございます。  次に、かさ上げ助成に関するご質問でございます。区のハザードマップによりますと、浸水の危険のある地域は区内で広域にわたってございまして、かさ上げ助成のような部分的な対策を実施するだけでは抜本的な対策とはなり得ません。さらに、かさ上げは日照、通風や日影などの周辺の生活環境に大きく影響することから、良好な住環境を保全すべき風致地区の趣旨に反しまして、近隣住民の理解が得られがたい状況にございまして、区としては慎重に考えていく必要があると考えてございます。今後は、今回の台風19号による災害の原因や、それに伴います課題や対応策を整理した上で、自助、共助、公助などのソフトとハードの施策を組み合わせ、被災を繰り返さない安全で安心なまちづくりの推進に取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎落合 環境清掃部長 私からは、災害廃棄物の処理についてのご質問にお答えいたします。  被害を受けた地域の皆様の生活再建を一日も早く進めるためには、被災ごみの速やかな処理が大変重要となります。被災ごみは、分別した上で、清掃工場など東京二十三区清掃一部事務組合の各施設で処理いたします。そのため、地域の皆様には、可燃、不燃、粗大に分別した上で、公道沿いに排出していただくようお願いいたしました。被災ごみの中には水害とは関係のないごみや土のうなども一部含まれておりましたが、現場では緊急対応として柔軟に取り扱ってきたところです。  現在策定中の災害廃棄物処理計画においては、災害規模、地域特性等を踏まえて具体的な処理方法を定め、対応することとしております。その中で、平時からの取り組みとして、全ての区民や事業者の皆様に災害廃棄物の排出ルール等をご理解いただき、廃棄物の分別排出にご協力いただけるよう周知を図ることなどが重要であると位置づけております。計画策定後は、地域の防災訓練等を含め、様々な手段で周知・広報を進めていくとともに、研修、訓練等を通じて職員の災害対応力の向上を図ってまいります。 ○塩野目 議長 次に、36番犬伏秀一議員。                  〔36番犬伏秀一議員登壇〕(拍手) ◆36番(犬伏秀一 議員) 令和大田区議団の犬伏秀一です。  本日は、先般の台風被害でも大変活躍してくれた強力な助っ人、自衛隊と大田区の連携について、しつこくしつこくお尋ねを申し上げたいと思います。  「君たちは自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり、歓迎されたりすることなく自衛隊を終わるかもしれない。非難とか誹謗ばかりの一生かもしれない。ご苦労なことだと思う。しかし、自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡のときとか、災害派遣のときとか、国民が困窮し国家が混乱に直面しているときだけなのだ。言葉をかえれば、君たちが日陰者であるときのほうが国民や日本は幸せなのだ。どうか耐えてもらいたい。自衛隊の将来は君たちの双肩にかかっている。しっかり頼むよ」、これは吉田茂総理大臣が昭和32年、防衛大学校の第1期生の卒業式で述べた式辞であります。
     まさにこの言葉どおり、自衛隊は創立以来、長い間、日陰者でしたし、いまだに憲法違反などという間抜けな憲法学者までいる始末であります。迷彩服でまちを歩くなだの、自衛隊のつくったカレーは要らない、人殺しの学校など、あきれた言葉で自衛官を誹謗中傷する諸君がいまだにいるのは、まことに情けないことであります。  衆議院では、憲法調査会の与野党議員が欧州に憲法についての視察に行きながら、国民投票法案につき審議をせずに自由討論とは、ふざけた話であります。そのくせ、桜を見る会など、国家国民にとってどうでもいいことに野党が必死なのは、政治の怠慢、堕落とさえ言えると断じておきます。国民の9割以上が支持している自衛隊をいつまで憲法違反の神学論争に巻き込むのでしょうか。国会をワイドショー化させる野党諸君の猛省を促したいと思います。  さて、本年4月3日付けで、初めて防衛大臣から大田区長宛てに「自衛官募集等の推進について」という公文書が防衛大臣の公印付きで発せられました。ところが、この防衛大臣公印の押された文書は、自衛隊幹部自衛官から大田区地域力推進部の一担当者が受領し、現在もこの職員が保管しています。防衛大臣の公印付き公文書に対し、大田区がその文書の趣旨に対し積極的な対応をしていない現状は、防衛大臣という職に対し無礼千万であり、強く強く遺憾の意を表するものであります。  そこで伺います。基礎自治体は直接自衛隊に災害派遣を要請することはできず、都道府県知事が要請を行います。突然襲う自然災害の大混乱の中、東京都知事に自衛隊災害派遣要請を依頼していては即効性に欠け、人命にもかかわります。今回の台風においても、陸上自衛隊員が連絡要員として大田区役所5階の防災危機管理課に不眠不休で待機していました。彼らに派遣要請準備を直接要請し、都知事の要請は形式的後付けにできないでしょうか。神奈川県山北町では、神奈川県職員の無知無策により、早めに町まで来ていた自衛隊の給水車に対し、災害派遣要請を出さず、追い返すという失態まで起こしています。  そこで、発災時には自衛隊との連絡体制をさらに強化し、東京都の派遣要請前に区内で自衛隊を待機させるぐらいの即効性を持つべきと考えますが、今回の台風における自衛隊の派遣要請を振り返り、いかがでしょうか。  都道府県知事、区市町村長は、自衛隊法第97条により、自衛官の募集に関する事務の一部を行うと定められており、これを受けて自衛隊法施行令第119条、120条によって、自衛隊の広報宣伝、防衛大臣への報告または資料の提出が第1号法定受託事務に当たると規定されています。今回初めて発せられた防衛大臣の公文書、自衛隊東京地方協力本部長からの文書等、様々な依頼文書が防衛省、自衛隊から東京都、区に発布されています。これを受けて区としては対応をどのように考えているのでしょうか。くれぐれも、協力ではなく第1号法定受託事務、すなわち区が行わなければならぬ事務としてどう考えるか、お示しください。  大田区立中学校では、将来のキャリア教育の一環として生徒に職場体験を行っています。多くの職場の一つに自衛隊も入っており、区内では区立中学校2校、私立中学校1校が、昨年度、職場体験に自衛隊を採用しています。また、中学校卒業者を対象とする、私の古巣の陸上自衛隊版である高等工科学校生徒募集要項は、残念ながらどこの学校にも配置されていません。過去、区立中学校の進路指導教員が自衛隊広報官との面談を拒否した事例も聞いています。将来自衛官になりたいという私のような有為な人材の進路を狭める現状は改善すべきであります。自衛隊の職業体験の拡大と高等工科学校募集要項の区立中学校への配置につき、教育委員会の見解をお伺いします。  災害派遣、鶏や豚の殺処分、何でも自衛隊の感があります。困ったときに助けてもらう強力な助っ人、自衛隊に対して、平時から法令にのっとった事務を行うのは地方自治体たる大田区の責務であります。さらなる自衛隊との連携を要望して、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎井上 危機管理室長 自衛隊の災害派遣についてのご質問ですが、台風19号の際は、災害対策本部に本区を担当する部隊から2名の連絡員が配置され、田園調布四・五丁目一帯の浸水災害に対する速やかな派遣による救助活動がなされました。このような災害の発生時に速やかに自衛隊による支援を受けることは、区民の安全・安心を守るために重要であることを実感するとともに、その活動に感謝いたします。区が災害派遣を自衛隊に要請する場合、自衛隊法により東京都知事を通じて要請し、これを受け区に派遣されます。派遣においては、法に基づくことを原則としつつも、区の地勢などを理解してもらうために平時からの連携が必要と考え、適時情報交換をしてまいります。 ◎小泉 地域力推進部長 私からは、自衛官募集に関するご質問にお答えをいたします。  区は、本年4月に「自衛官募集等の推進について」及び「自衛官及び自衛官候補生の募集のために必要な募集対象者情報の提出について」などの依頼を、防衛大臣通知、自衛隊東京地方協力本部長通知により受けました。現在、区では、自衛官などの募集に関する広報宣伝につきましては、区報のほか、区設掲示板への年9回募集ポスターの掲示、デジタルサイネージでの周知などを行っております。また、募集対象者情報につきましては、住民基本台帳法の規定に基づく閲覧台帳による閲覧の対応としており、自衛隊法第97条及び自衛隊法施行令第120条による申請があった場合は、法に基づく対応をしてまいります。今後も、自衛隊法第97条の趣旨に基づき、区民部など関連部局と連携し、適正に募集事務を行ってまいります。以上でございます。 ◎後藤 教育総務部長 私からは、自衛隊の職場体験の拡大と募集要項の配置についてのご質問にお答えいたします。  中学校における職場体験は、おおた教育ビジョン、プラン2「学力の向上」の中で、職業や進路の選択などに必要な勤労観や職業観を身につけさせることを推進する事業として位置づけております。実施に当たりましては、教育委員会が作成する受け入れ先一覧を参考にするとともに、各学校が独自で開拓し依頼しているところでございます。なお、体験先につきましては、中学校職場体験実施要項で、原則として大田区内に所在する事業所等とすること、生徒の意思により受け入れ先を選択させると定めております。また、進路先の募集要項の配置につきましては、議員お話しの陸上自衛隊高等工科学校を含め、進路先からご依頼があれば進路指導室等に置き、生徒が自由に持ち帰ることができるようにいたします。今後も、職場体験などの進路指導を通して、生徒が自立した社会人となるための資質・能力の育成を図ってまいります。私からは以上です。 ○塩野目 議長 次に、49番荻野 稔議員。                  〔49番荻野 稔議員登壇〕(拍手) ◆49番(荻野稔 議員) 先日の台風19号について、私も消防団の一員として現場で活動しました。そうした点から気づいた点、また区民の皆様からもいただいたご意見などをもとに、本日、質問を行います。  10月12日夕方、台風19号の接近に伴い避難警報や災害情報が流れる中、大田区の公式ホームページがアクセスできなくなりました。強風などの影響で、特にマンションの多い蒲田地域や矢口地域などは防災無線も聞きづらかったとご意見もいただいております。ツイッターなどのSNSは機能したものの、情報量や主体的に必要な情報にアクセスできないため、細かい地域ごとの課題が入手しづらく、エリアメールも同様で、課題がそれぞれありました。避難所等では受け入れ人数が超過し、受け入れ不可能になったことなどの現場の情報、新たな避難所開設など追加の情報についても区民の取得が難しく、混乱を招きました。先に挙げた区民への情報伝達手段のどれかが欠けた状態でも区民に情報が伝わるようにする体制が必要です。今回は実際にホームページへのアクセスが難しくなりました。インターネットやSNSを使えない方もいます。  また、昨今、鉄道会社等の意識変化により、こんなときまで出勤させるなんてブラック企業だと話題になっていた事態が改善した一方で、別の課題も生まれました。鉄道の運行が停止され、道路混雑等、今までにない混乱も予想されるようになりました。鉄道会社の運休計画など、区は情報を把握していたが、情報伝達は広く区民には行ってはいませんでした。区民や企業に対して必要な情報は伝達すべきです。災害時、区民にとってわかりやすく必要な情報発信についての見解を伺います。  今回の災害時、インターネットなどを通じて情報を取得した若者は避難し、高齢の方は自宅での垂直避難を選択した傾向もあったように思います。避難警報が出てからの避難が高齢者や災害時要援護者ほど困難を極めた事情もあるでしょう。対策が必要です。福祉施設における自主避難スペースを三つ開設しましたが、区内の要配慮者・援護者一人ひとりをどう区は見ていくのか、どう災害時の情報を伝えていくかもとても大切な視点です。  個人、世帯の抱える課題や属性はそれぞれです。今回、私のもとにも、ペットの同行避難、妊婦、乳幼児のスペースはあるか、車での避難ができるかなど、多くの質問が寄せられました。日本語を母国語にしない方向けの災害情報発信も指摘されました。障害、病気、精神疾患対応、これらは災害が発生してから準備しても間に合いません。常日ごろからの備えとして、マイ・タイムラインを活用することの推奨も必要ですが、全ての区民に利用していただくにはまだほど遠く、避難所の情報や、どこに避難するのか、どういう経路で何が必要かといった課題について、災害時にすぐ情報発信ができるよう区の備えも必要です。大田区の見解を伺います。  台風15号で甚大な被害を受けた千葉県では、大規模な停電も起こり、病院も含め被害をこうむり、熱中症の疑いで死者も出ました。私は矢口西小学校の防災活動拠点会議のメンバーになっています。矢口西小学校は矢口地区の災害医療救護所にもなっているのですが、そこの運営マニュアルには「重傷者が搬送されてくることも考えられます。スペース確保と状況を把握し、本部に報告します」、また、「困難と思われる方は福祉避難所への移送を検討します」とあります。発災時には、すぐ搬送したり、医療関係者がすぐに避難所にそろうということはなく、傷病者も数日は避難所で過ごしていただくことも考えなければなりません。震災、風水害、雪害によってインフラが寸断される可能性もあり、特に配慮や対処が必要な方の備えは重要です。これは、電源や物資の確保という意味では医療機関も同様です。  大田区は、緊急医療救護所等開設・運営訓練ということで、提携している病院と訓練も行っておりますが、その病院の体制、また地域に点在する患者たちがどのような配慮、支援を必要としているか、把握していますでしょうか。実際に災害時に動かしてみたら非常用電源が動かなかったという事例も他自治体で起きていますが、災害発生時を見込み、提携病院の非常用電源、また非常時の備えがどれだけあるのか、発災時の医療関係者の出勤体制など、区として情報をあらゆる形で収集、把握すべきですが、見解を伺います。  台風19号の接近に伴い、今回、区内の保育園で保育士の出勤体制についてSNSで話題になりました。区内在勤の保育士さんが、金曜日の出勤時に土曜日の体制についてお知らせを受けたことに端を発したこの出来事、特に民間の保育園であれば区の直営と違うこと、遠方からも通う保育士が多いことなど課題もあったと思います。保護者が夜間でも子どもを受け取りに来れるよう保育所を開設しているよう通知があったことは、逆に保育士さんにとっては帰宅のタイミングを逃すことにもなり、施設の災害時の備えなど不安を覚えた保育士さんも多かったのではないでしょうか。  一方で、法律上は11時間開所と決まりがある中、大田区は保育を必要とする利用者のために最大限、ほかの23区に比べても保育園を開園しようと努力をされた面もあります。実際に12日お昼の時点で区内の保育園には区立で11名、私立7名の園児が預けられていました。介護関係者など、どうしてもお子さんを預けなければならなかった方だと聞いています。  大田区は金曜日の時点で、保護者には12日の状況についても通知、自宅での保育を推奨しました。結果、12日は40名近く園児を預かれる体制をとっていましたが、実際に預かったのは18名、これは大田区の周知の努力もあってのことです。  一方で、私立園はまちまちでしたが、大田区は公立の認可園を全て12日は開園したと聞いています。ハザードマップの浸水エリア内の園も開設していたことになります。たまたま土曜日、それも台風が近づくのが夜でしたからまだよかったかもしれませんが、災害時に全ての保育園をあけることは、場所によっては危険も伴います。学校、児童館などの施設も含めて、風水害時どういう対応をしていくか、今後課題になると思います。  避難所の基準については今回質問しませんが、私も矢口地区に住む人間として、多摩川に隣接することから、矢口特別出張所管内の学校施設が一つも避難所として使えなかったことに苦慮しました。  一方で、浸水エリア内での保育園は、働く保育士さんや預かったお子さんの安全を踏まえて、災害時どの段階での避難を考えていたのでしょうか、見解を伺います。  台東区では、避難所での路上生活者の方の受け入れ拒否が話題になりました。人権問題上、ゆゆしき問題です。また、公共交通機関等が早めの運休を進める中、区内に滞留する帰宅困難者も、災害時、多くなることが予想されます。ホテル、漫画喫茶などの簡易宿所、単身赴任者などの一時滞在施設などを利用している方々といった区内に住所のない避難者の点にも目を向けなければなりません。  区では、発災時、区内滞留者、路上生活者にどのような対応をしますか、お答えください。  続けて、災害時の区内施設の利用について伺います。発災時、施設を使用してのイベント開催は困難です。しかし、コストと準備に時間がかかった分、主催者側がぎりぎりまでの開催の判断を待つ事情も理解できます。特に、大田スタジアム、大田区総合体育館、区民プラザ、アプリコ、産業プラザPiOなどは判断が難しくなります。震災と異なり、事前にある程度予想される台風や大雨などの風水害の場合、主催者側からのキャンセルを待つという形になりますが、利用の取り消しという形で、「災害その他の事情により施設の利用ができなくなったとき」と、利用負担がかからない形での決まりがある施設も多いと思いますが、台風を事前に予測し、キャンセルしたが、当日の被害はそれほどでもなかったということも起きる可能性があります。この場合、災害などの事情に認定されるでしょうか。  先ほどの取り消し規定のみの施設も多いと思いますが、災害発生時、区として施設をどの段階で災害対応として、避難所など優先的に使用していくかを事前に示すことも必要です。現在は施設の管理者ごとに独自の対応をされていると思いますが、災害発生時の対応について、改めてそれぞれの施設ごとに整備が必要ではないでしょうか、見解を伺います。  続いて、新空港線蒲蒲線について伺います。  私は何度も、特に東急線、多摩川線沿線の住民の不安、利便性の悪化という点についてどう考えているのか、議会でも訴えてまいりました。一分一秒を争い、鉄道会社がダイヤ改正、乗り換えを行っている昨今、乗り換えと地上、地下の移動、接続を考えた際、空港に接続する公共交通機関としての新空港線の機能は弱いように考えています。大田区側から渋谷・池袋方面への利便性についても、地上と地下での乗り換えを考えると、言われるほどに向上するのか疑問であります。今後の少子高齢化時代を考えた際に、今、新線設置が必要であるかという点もありますが、今回は風水害に関連して質問します。  今回、風水害時のハザードマップが注目されましたが、蒲蒲線(新空港線)計画の矢口渡の先から蒲田の地下へ掘っていくエリアは多摩川氾濫時の浸水エリアにあります。多摩川が氾濫した際、蒲蒲線のトンネルは沈む可能性があるのです。浸水・冠水対策としてどのようなことが考えられるのでしょうか。  また、鉄道会社が早めの計画運休、運行停止を行っている傾向になってきた中で、新空港線も同様の対応をとると考えます。電車がとまります。その場合、大田区の言う災害時の代替ルートの利用は、目的の機能を十分に果たせないことも考えられますが、あわせて見解を伺います。以上です。答弁よろしくお願いいたします。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、災害時の情報発信のご質問にお答えをいたします。  災害発生時におきましては、防災に関する情報を的確なタイミングで区が発信し、区民がみずからの命と安全を守る最善の行動につなげることが非常に重要と認識しております。これまでも防災行政無線のデジタル化など、防災力強化の取り組みを進めてまいりましたが、台風19号の対応では、情報発信の主要なツールである区ホームページが想定を超えたアクセスの集中によりつながりにくくなるなど、課題が生じました。これらの課題改善に既に取り組んでいるところではございますが、情報提供に当たりましては、ホームページやツイッターだけでなく、防災行政無線や区民安全・安心メール、デジタルサイネージ、区と相互協力協定を結んでいるケーブルテレビなど、多様な媒体を相互補完的に活用しながら情報を迅速に発信してまいります。引き続き、災害時に区民の皆様の安全・安心を確保するため、関係機関などとの連携を密にしながら広報活動を展開し、区民にわかりやすい情報発信を行ってまいります。私からは以上でございます。 ◎玉川 総務部長 私からは、台風など風水害時の区施設の利用についてお答えいたします。  区施設は、地域活動の振興や健康増進など、区民福祉の向上に資することを目的として設置され、様々な集会やイベント等にご利用いただいております。今回の台風のように事前に予測される風水害の場合は、区民等の生命を守る重要な避難所等の役割を担う施設もございます。各施設管理者におきまして、催し等の種類、規模等を考慮に入れながら、災害による使用承認の取り消しとして取り扱うか否かを適切に判断してまいります。私からは以上でございます。 ◎井上 危機管理室長 私からは、防災関係の二つの質問にお答えいたします。  災害情報の発信と活用についてのご質問でございます。区は、台風19号に伴い、ホームページや防災行政無線、ツイッター、安全・安心メールなどの情報伝達手段を通じて、警戒レベルの発令、解除など、災害情報を発信しました。区民の皆様が適切に避難をするためには、ハザードマップなどを活用し、お住まいの地域の災害リスクなどを事前に確認し、個人ごとの避難行動計画であるマイ・タイムラインを事前に作成しておくことで、災害時の情報をみずからの適切な避難行動に結びつけることができます。区といたしましては、引き続き、災害に関する情報を的確に発信し、避難行動等に適切に対応できるよう努めてまいります。  次に、河川敷生活者などへの対応についてのご質問ですが、多摩川の水位が4.5メートルの水防団待機水位を超えますと、多摩川緑地事務所に一時滞在施設を開設し、消防、警察などと連携して避難を呼びかけることとしています。今回の台風19号におきましては、水防団待機水位を超えましたので、迅速に多摩川緑地事務所に一時滞在施設を開設し、14人の方が避難しております。その後、避難勧告の発令に伴い、避難者は六郷文化センターに職員とともに移動しました。災害時の帰宅困難者や滞留者のための一時滞在施設として、区民ホール・アプリコ、産業プラザPiOなどを開設する計画となっております。今回は計画運休の状況などを踏まえ、区民ホール・アプリコを一時滞在施設として開設し、約160名が避難をしたところでございます。私からは以上です。 ◎今井 健康政策部長 私からは、災害時医療における情報共有に関するご質問についてお答えいたします。  区は、区内28全ての病院の災害時の備えについて調査しております。5か所ある災害拠点病院のうち、4か所は国の基準に基づく非常電源用に必要な燃料を確保しております。燃料の備蓄量が不足している病院は、近隣のガソリンスタンドから優先的に供給を受けることになっております。そのほかの病院につきましては、約7割が非常用電源を確保しております。また、区は、人工透析患者など災害時に特に配慮が必要な方への医療を確保するため、行政と医療機関から成るネットワークを構築し、情報共有等を進めております。災害時における事業継続計画(BCP)は区内全ての災害拠点病院で作成しており、それ以外の病院は約半数で作成が進んでいます。区は、未作成の病院にBCPの作成を働きかけてまいります。各病院の災害時における情報連絡体制につきましては、国が配備した情報連絡システムに加え、区が病院に使用権限を付与したグループウェアやPHS電話を活用し、毎年訓練も実施するなど、万全を期すよう取り組んでまいります。私からは以上です。 ◎水井 こども家庭部長 私からは、保育園の避難についてのご質問にお答えします。  あらかじめ水害が予測されている場合には保育園は休園としますが、開園中に水害の危険が高まった場合には避難行動を定めております。本区のハザードマップでは、多摩川が氾濫した場合に水害被害が懸念される地域の大半は、最大であっても浸水の深さは3メートル未満であるとされています。区立保育園の園舎はほとんどが2階建て以上の建物で、2階部分の床の高さは3メートル以上であるため、水害発生時には園舎の2階に避難する、いわゆる垂直避難を基本に行動いたします。なお、区内には、ごく一部に最大で浸水の深さが3メートルを超えるおそれがあるとされている地域がありますが、これらの地域にある保育園や公営住宅の1階部分を園舎としている保育園等については、災害対策本部の避難の指示・勧告を基準に、周辺の天候等を加味して避難所への移動の時期を判断いたします。  台風19号の上陸の際は、避難所への避難が必要な保育園は、避難準備・高齢者等避難警報発令前の午前9時15分までに休園としたことから、避難を検討した園はありませんでした。区は、台風の際に、子どもだけで自宅で過ごすことのないよう、子どもと職員の安全が確保できると判断される場合には保育園を開園し、保育時間中の子どもの安全確保に努め、元気な姿で保護者に引き渡せるよう、万全の体制で臨んでまいります。 ◎齋藤 新空港線・まちづくり調整準備室長 私からは、新空港線に関する二つのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、新空港線の浸水対策についてのご質問でございます。台風や大雨などで浸水が予想される地区に整備されている現在の東京メトロや都営地下鉄では、駅出入り口対策としまして、歩道より高い位置に整備をいたしまして、止水板や防水扉などを講じてございます。また、トンネル対策といたしましては、トンネル断面を完全に閉鎖することができる防水ゲートの設置とともに、万が一トンネル内に浸水しても対応できるよう集水ピットを設け、強制的にポンプでトンネル外に排水する設備を設けてございます。新空港線も多摩川線を地下化することから、同様の対策を計画してございます。  次に、新空港線の代替ルートの役割についてのご質問でございます。計画運休には、駅での混乱や駅間での列車の非常停止などを防ぐとともに、住民の不要不急の外出抑止など社会の安全を確保する役割がございます。今回の台風15号及び19号において、橋梁や高架部を有しない東京メトロ及び都営地下鉄の一部の路線では、早期に運転の再開をしております。また、地下鉄はトンネル構造のため、地震等に対しても強固な施設となっております。新空港線整備計画は地下鉄と同様の整備計画であるため、災害時の代替ルートとしての役割を十分に担うものと認識してございます。いずれにいたしましても、災害時での新空港線の安全性の確保、それから代替ルートでの威力の発揮ということに関しましては、新空港線の意義が十分あるのかなというふうに考えてございます。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、44番野呂恵子議員。                  〔44番野呂恵子議員登壇〕(拍手) ◆44番(野呂恵子 議員) まず、先般の台風で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。  今回、私は、これまで取り上げてきたひきこもり支援と一時預かり事業について再度質問させていただきます。  学校嫌いの統計調査が始まった1966年から半世紀が過ぎました。1993年度、不登校中学3年生3万251人の5年後の20歳の追跡調査が文部省から提示され、その結果、不登校のきっかけとして友人関係など学校生活の問題が多く挙げられ、66%が支援の必要性を訴えていました。不登校で失ったものとして、友人や信頼等の人間関係、学力、思い出などの学校生活を挙げ、4割が「不登校を後悔している」と答えたのです。  さらに、高校進学者の38%が中退、就業者の半数がパート・アルバイトなど、文部省は卒業後の進路と社会的な支援のニーズなど、各教育委員会にスクールカウンセラーの配置や適応指導教室の充実等を求めましたが、なぜ不登校が増えるかについては言及していませんでした。  さらに、2006年度、中3の不登校生4万1043人の卒業後5年の追跡調査を実施。20歳の時点でさえ「学校環境での不快な体験が不登校のきっかけ」と答え、教育臨床心理学の小林正幸教授は、当時、既に肯定的な自己概念を得られる機会を意識して与えることの重要性を訴えていました。2016年、大田区が実施した子どもの生活実態調査でも、「自分は価値のある人間だと思わない」と38.9%が答えていたように、自己肯定感の低さは自信のなさ、その後の生きづらさにつながるのです。  また、学校5日制導入後しばらく不登校数が減ったことは、子どもにもゆとりが必要だと教えていないでしょうか。国連子どもの権利条約31条には、子どもが休み、遊ぶ権利が定められているように、つらいとき休むという選択もあるんだよと子どもたちに教えていかなければなりません。子どもの権利委員会は、1998年から幾度も日本の政府に対し、過度に競争主義的な性格の公教育制度への勧告を出し、2001年には「生徒の不登校、病気、さらには自殺すら生じていることを懸念する」と踏み込んでも、教育の本質を問う改革は進みませんでした。  小中の不登校が1993年度7万4808人から2018年度は16万4528人、高校生を合わせれば19万人を超え、児童・生徒の総体の数が減っているにもかかわらず不登校が増えている。90日以上の欠席者は、小学校で約2万人、中学校で約7万5000人と、不登校になれば回復が難しい傾向にあるため、初期の取り組みがいかに重要であり、特に不登校の約4割がひきこもりという現実が進行していることが課題です。かつて大田区教育委員会定例会で、「不登校の支援・相談体制が整備されたが、不登校が減らない。その検証が必要だ」と述べていた委員がいらっしゃいましたが、まさに今そこが問われています。  内閣府がようやく15歳から39歳までを対象にひきこもりの調査を実施した2009年度と2015年度、そして昨年度、3回目の生活状況に関する調査で、今年初めて40歳から64歳までの中高年の約61万3000人のひきこもりがいることが判明しました。8050問題が指摘されていますが、ひきこもりの第1世代は9060であり、高齢化が深刻化し、2015年度の若年層の調査54万人のひきこもりと合計すれば、実に115万3000人を超え、不登校や就職氷河期など様々な状況が複雑に絡み合い、看過できない課題です。  これまで多くの議員がひきこもりの対策を求め、議会で質問してきましたが、私も取り上げてきました。2013年、私は大田区次世代育成支援行動計画において、九つの部局と24の担当課がかかわり、150の相談事業の結果を読ませていただきました。最も多い地域健康課33事業など、全庁を挙げての相談事業結果に、職員が懸命に取り組んでいるけれども、それら区の施策の中で、行政の制度の谷間に埋もれ、十分に光が当たっていない事業があることも認識いたしました。それは里親など養育家庭と子ども支援、ニートと呼ばれる若者支援、ひきこもりの支援、子どもの貧困と向き合う事業などでした。中学生までは教育委員会や福祉部など様々な部署の施策はありますが、高校生になった時点で大田区とのかかわりが希薄で、高校生の不登校、中退、ニートやひきこもりなどの対策が不十分だと感じました。  そこで、2013年の質問では、ニートからひきこもりへの状態を改善させるための若者の相談支援の居場所、若者サポートステーション設置、そしてひきこもりの方々の支援のための全庁的なネットワークと訪問支援などのアウトリーチを求め、2014年にはハローワークと連携した若者の相談支援、居場所づくり、2016年にはひきこもり家族支援のために保健所主催の家族教室の回数を増やすことと、大田区のひきこもり実態調査を求めました。大田区は2014年に副区長をトップとする要支援家庭等対策委員会を設置し、各部署が連携して対策会議、実務者会議、ケース事例検討会議等など、管理職だけではなく緊急課題に担当者を交え取り組んできたことは評価しておりますけれども、深刻化するひきこもりについてはより具体的な検討が求められ、質問いたします。  ひきこもりの増加と高齢化などの実態を受け、例えばひきこもり支援等検討委員会の設置により大田区の実態調査、分析をするべきと考えますが、いかがでしょうか。それが次の対策の第一歩です。  私は、ひきこもりの支援の会グループコスモスで交流を続けてきました。息子さんのひきこもりを契機に、みずからカウンセラーの資格を取得し、区内はもちろん広範な地域の方々の声を聞く会で、私は、ひきこもりの支援はまず親支援だということを学びました。家族会でほっとできたとき、その親の変化を誰よりも敏感に感じるのはひきこもり当事者であり、そこから本人とつながるきっかけが生まれていきます。  今年、高齢のご夫婦からうれしい知らせをいただきました。長らくひきこもりだった息子さんが就職したというのです。医師に相談しても解決の糸口が見えず、病院を変え、やり場のない悲しみや怒りはおのずと両親に向かいました。どこに相談すればいいのか悩みながらの生活だったそうです。そこで福祉部へ相談、そして民間の支援機関が行っている就労移行支援制度を活用したのです。スタッフに励まされ、そこに通い続け、今年ついに区内ものづくり企業に就職できたと、うれしそうに語る父親。もちろん、時にはいら立つこともあるそうですが、ひきこもりの時間が長いほど回復には時間がかかることを両親はしっかりと受け止め、過ごせるようになりました。  ひきこもりが短期間であれば早期に対応でき、当事者の変化が見られるように、例えば学校で不登校支援にかかわる方々と保健所等の連携があれば、中学を卒業後も途切れることがない子どもたちの把握と対応ができます。  そこで伺います。ひきこもりの支援は担当部署だけではなく、他の機関との連携が大変重要です。ケアマネの把握、民生委員の把握、障がい者の就労移行支援の場での把握、また、生活困窮者自立支援制度の事業としてJOBOTAでの相談、就労支援等は高い評価を得ていますが、こうした様々な部局と連携を強化し、当事者家族等の支援の充実などを見越した庁内のネットワークが必要と考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお伺いします。  11月7日、「若者支援のこれまでとこれから」と題して、世田谷区の若者総合支援センター「メルクマールせたがや」の開設5周年報告会が開催されました。不登校やひきこもりなどの生きづらさを抱えた若者の自立を目的に、廃校になった中学校にメルクマールせたがやを開設し、さらに就労支援のせたがや若者サポートステーションとともに取り組んできました。施設は、対人関係や社会生活に対する自信を取り戻せるよう、臨床心理士や精神保健福祉士など、1日平均7名体制で運営され、年15回の家族会や出張セミナーも開催しています。相談支援件数は昨年度延べ3165件、当初、親からの相談が多かったのですが、昨年度は本人からの相談が増え、そのほか訪問相談件数なども年々増加しています。世田谷区では、ひきこもりで不登校経験者は73%と、その相関関係が示されていました。廃校施設にはものづくり学校も併設されているので、気兼ねなく仕事場を見学でき、大田区にも廃校した学校があるのですから、その一角に居場所があればなと思いました。  また、11月9日には、品川区が2016年に開設した「子ども若者応援フリースペース」でも3周年の報告会が開催されました。このフリースペースは、半年で登録者が170名を超え、実はその利用者の3分の1は大田区の若者や区民なのです。そのため、品川区は利用要件として通常行政が規定する在勤・在住等の文言を削除し、どこのまちに住んでいようが、支援を必要としている若者やひきこもりの方々を温かく受け入れるという全国でも初の取り組みをしていました。また、ひきこもり対策の先進自治体である秋田県藤里町での2泊3日の体験プログラムを開始し、農業体験など地域ぐるみの交流を続け、品川社協から助成があるため、本人は5000円程度の食事代だけの負担です。静岡では図書館の一角にひきこもりの方々の居場所をつくり、図書館に通うように利用できる安心感があります。  2013年、全国で初めて20歳から64歳のひきこもり調査を実施した町田市は、町田保健所方式と呼ばれるほどひきこもり支援に全力を挙げてきました。2015年にはひきこもり当事者だけの調査も行い、その声は大変貴重です。町田市にはいくつかの居場所がありますが、NPO法人ゆどうふでは、空き家を活用した若者の手による主体的な居場所づくりを進め、ひきこもりの方もDIYなど含め様々な作業をしています。  そこで伺います。ひきこもりの方、さらに家族の方も支援するため、何よりも居場所の設置が求められます。各自治体がそれぞれの特色のある居場所をつくっていますが、それぞれ独自の形態であっても、その基本には温かく受け止めてくれる人間がいます。大田区も社会的自立に向け、様々な世代の総合的支援事業に取り組むため、大田区らしい居場所づくり、区民やNPOとの協働も大切にした居場所を設置していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。福祉の大田を求め、次の質問に移ります。  10月から幼児教育・保育の無償化が様々な課題を残したまま始まりました。全国約5万5000か所の幼保施設が対象ですが、消費税を原資とすると言いつつ、全国88か所の各種学校は無償化の対象から外されました。認可外保育施設さえ無償化の対象なのに、学校教育法第1条校以外の要件を認定された各種学校は、都道府県教育委員会や各知事が認めているはずなのに対象外という事態、そのことを問われた萩生田文科大臣は、「各種学校では幼児教育の質が制度的に担保されない」と驚きの発言でした。  また、子ども・子育て支援法に基づく一時預かり事業も、保育の必要性の認定を受けた3歳から5歳までの子どもは月額3万7000円まで利用できるため、一時預かりの事業の増加が今後見込まれると思います。一方、家庭で子育てをしている場合は利用料が生じるのです。大田区は1時間900円、双子の場合、1時間1800円、2時間で3600円と負担が重く、利用しづらいという声があり、それでなくても多子世帯は悩みを解決する場が必要なのに、子育て全体を公平に支援することになりません。  例えば葛飾区は、0歳から2歳は4時間1500円、1時間当たり375円、3歳以上は4時間で1000円と1時間250円です。新宿区は時間に関係なく1日1000円、台東区は1日1500円、しかも里帰り出産も可能で、1日2000円です。大田区はなぜか23区で一番高い利用料金で、これでは子育て支援の課題と言えませんか。  そこで伺います。無償化による今後の一時預かり事業の増加を見越した対策と、在宅で子育てをしている世帯も利用しやすいよう利用料金の見直し、特に双子など多子世帯も安心して利用できる料金に改善すべきと考えます。お答えください。  不登校やひきこもりに対する偏見をなくし、社会でともに子どもや若者を育てていく、大田区に住んでいてよかったと思える政策を求め、私の質問といたします。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎西田 保健所長 私からは、ひきこもり支援についてのご質問に順次お答えいたします。  初めに、ひきこもり状態の方の実態調査についてのご質問です。複雑化した問題を抱える家庭に関係部署が連携した支援の実施を目指す大田区要支援家庭等対策委員会が設置されておりますので、その中で庁内の各相談窓口で把握しているひきこもり状態の方について情報の集約を進めております。また、区民の皆様に対する無作為抽出調査も検討しており、引き続き、区におけるひきこもり状態の方の実態やニーズの把握について取り組んでまいります。  次に、庁内のネットワークについてのご質問です。昨年度から健康政策部と福祉部の間で、より連携を強化するために定例的に意見交換会を実施しており、その中でひきこもりもテーマとして取り上げております。ひきこもり支援には医療、福祉サービス、就労、介護など多面的なかかわりが必要ですので、地域健康課、JOBOTA、地域包括支援センターなどでの取り組みを含めて、情報の共有、意見交換を行っております。一方で、2018年の全国ひきこもり家族会連合会の実態調査では、本人、家族ともに42%が支援を中断しており、その理由について、「たらい回しにされた」という回答が挙げられております。そのようなことが絶対にないよう、今後もつながる支援を目指して庁内全体のネットワーク強化を進めていきたいと思っております。  最後に、ひきこもりの方などの居場所に関してのご質問です。現在実施しているひきこもり・生きづらさ茶話処in大田は、相談の入り口支援だけでなく、本人、家族の居場所としても機能しており、参加の皆様から、「参加することが力になる」、「また参加したい」などの感想をいただいております。来年度以降の開催回数については、事業の振り返りを通して考えてまいります。また、このような居場所は参加者の年齢や目的によって工夫が必要です。令和2年度の地域力応援基金助成事業のチャレンジプラス助成のテーマとして、縁を結ぶひきこもり支援事業を提示いたしました。今後、ひきこもりの方や家族を支える担い手への支援を行うことで居場所づくりを進めてまいります。私からは以上です。 ◎水井 こども家庭部長 私からは、乳幼児の一時預かり事業に関するご質問にお答えいたします。  本年10月から、乳幼児の一時預かり事業については、3歳から5歳までの子どもと非課税世帯の0歳から2歳までの子どものうち、保育の必要性があると認定された子どもを対象として、認可外保育施設、病児保育及びファミリー・サポート・センター事業との利用料の合算額が3歳から5歳までは月額3万7000円、0歳から2歳までは月額4万2000円を限度として無償化されました。これらの利用については、3か月ごとの償還払いとしているため、今のところ申請がなく、一時預かり事業において無償化の対象となっている利用者がどれくらい含まれているかは捉えることができませんが、本年10月のキッズな2施設の一時預かり事業の利用件数は前年より減少しています。これは、制度開始当初で対象者が模様眺めをしていると捉えることもでき、引き続き動向を注視していく必要があると考えております。しかしながら、代表質問でお答えしたとおり、一時預かり事業は、核家族化や地域とのつながりの希薄化の中で、在宅で子育てをする保護者への重要な支援の一つとなっており、来年度に向けて、料金設定や同一世帯で複数の子どもを預ける際の軽減措置、受け入れ施設の拡充について検討を進めているところでございます。 ○塩野目 議長 次に、48番馬橋靖世議員。                  〔48番馬橋靖世議員登壇〕(拍手) ◆48番(馬橋靖世 議員) ラストバッター、馬橋でございます。5時も回って大変お疲れのところかとは存じますが、理事者の皆様におかれましては、ぜひ前向きなご答弁をいただければと思います。最後までおつき合いのほどよろしくお願いいたします。  それでは、本当に先ほど来、各議員からもたくさんご意見等が出ておりますが、私も今回、先日の台風19号によってもたらされた被害に対して、大田区としての防災対策、2点目が健康政策について、この二つについて伺っていきたいというふうに思っております。  冒頭、先日の台風19号により被害にあわれた皆様に、まずもって心よりお見舞いを申し上げたいと思います。  本格的な上陸が予想された早期の段階から様々な準備と対応をしてきたにもかかわらず、これほどまでに甚大な被害が出るとは、正直、自分自身も驚きと、そして当日は無力さを痛感するところでございました。しかしながら、警察、消防、自衛隊、さらには大田区職員の皆様の昼夜を徹しての献身的な活動を目の当たりにし、この日本の底力を感じたところであります。ひっきりなしに警戒情報が鳴り響き、刻一刻と状況が変化をする中、限られた情報を頼りに区民の皆様の対応に最前線で当たられた区職員の皆様におかれましては、本当にお疲れさまでございました。ありがとうございました。  さて、振り返って、私自身も田園調布消防団に所属をしている関係で、10月12日、早朝6時ごろに水防態勢の発令があり、分団本部待機ということになりました。そこから団としては翌日の10月13日の日曜日の早朝6時ごろに自宅待機指示が出るまで約24時間、団本部に待機をしながら警戒をしたり、また出動したりという形になりました。今回、これらのある意味、貴重な実体験や、その中で感じたこと、さらにはエピソードを交えて、いくつか質問と要望させていただきたいというふうに思います。  まず当日、一番最初に面食らったのは、既に列島に台風が上陸をしていた10月12日の当日、午前中に私が所属する第7分団の管内の都立荏原病院で出火報がありました。雨が降る中、我々はレインコートを着て出動していたわけですけれども、すぐさま防火被服に着替えて現場に到着をいたしましたが、結果的には誤報ということでありました。しかし、原因は地下の配電施設に水が入り込み、結果的に誤作動を起こしたということで、大雨の影響でこういった被害も出るものなのだなと改めて驚かされたところでございます。  その後は、ポンプ積載車で定期的に管内を警戒していたところ、これは一つびっくりしたエピソードなんですが、激しい雨風に打たれながら、大きなスーツケースをガラガラ引きながら、必死に私が運転している車に手を挙げて止めようとしているご婦人に出会いました。下車をしてお話を伺ったところ、これから東調布第一小学校に避難をしに行きたいんだけれど、雨風が強くて動けなくなってしまったので助けてほしいということでございました。すぐにお住まいの地域を聞いて、団本部に該当の避難場所を確認してもらったところ、この方の避難先は、本来、東調布第三小学校だということでございました。どうやら避難場所がわからず、娘さんに電話で聞いたものの、当時、大田区のホームページサーバーがダウンしており、多分ここじゃないかということで、母親であるこの方に伝えたようでありました。避難先が判明をしたので、車に乗せて東調布第三小学校に連れていこうとしたんですが、今度はご自宅に足が悪くて動けない主人を置き去りにしてきたので、どうにかならないかというお話があって、びっくりして、これはまずいと思いまして団本部に報告を入れ、ご自宅まで伺ってみて、さらに今度は逆にびっくりしました。ご高齢のご夫婦のみで、たしか2時から3時ごろだったというふうに思います。かなり早い段階で避難しようとしている様子から、私は勝手に木造の平屋タイプのご自宅を想像していたんですが、着いてみると、かなり堅牢な、コンクリートづくりの4階建てから5階建てぐらいのマンションにお住まいでございまして、そこでご主人を乗せて、結果的には無事に東調布第三小学校まで送り届けたわけですけれども、この方たちの一連の行動を見ていて様々な課題を感じることができました。  例えば、避難場所の周知不足であったりとか、ホームページの機能不全だとか、当日の情報発信能力のもろさ、これはNHK等テレビ報道などでは、大田区の多摩川周辺とかという形で、かなり大雑把な情報になっているために余計に不安感が増大をしているような様子でした。垂直避難など自助の防災知識の不足や、災害弱者の方への個別のケア、そもそも地震や火災、風水害など災害の種別によって避難行動が違うなど、挙げればまだまだありそうですが、この瞬間に感じた課題だけでもたくさんありました。  そこで、これらの課題についてまとめて質問させていただきたいと思います。  まず、高齢者や障がい者の方への情報発信というところですが、電話の自動音声機能による避難誘導のご案内サービスもあるやに伺いました。しかしながら、これは災害の後に大分時間がたってから区民の方から1点クレームをいただいたんですが、この自動音声による誘導サービスで、これは真偽のほどは私自身が台風が過ぎ去った後で受けたクレームなので確認はしておりませんけれども、その方いわく、多摩川の河川敷へ逃げてくださいというアナウンスが流れたということでした。これがもし本当だとしたら命にかかわる大切な部分だと思います。  この点について、まず一つ目、災害時に区民の方からの電話での、もしくは電話からの避難情報の発信や問い合わせについて、区ではこの間どのような対応を行ってきておりますでしょうか。また、改めて伺いますが、先のようなクレームがもしあるとしたら、こういったことが起こってしまったとしたら、改善に向け今後どのような対策を考えておりますでしょうか。  今回の台風被害を受けて、これまで地域の防災訓練などで主軸としてきた地震対策から、風水害対策などはやはり切り離して考える必要性を痛感しています。大田区の今後の危機管理体制について、もしくは体制の改善について、具体的にどのような考えを持っていますか、こちらもお知らせください。
     正直に申し上げて、私自身も東日本大震災以降、頻発する地震災害の恐ろしさに引きずられて、今回のような風水害対策は正直、意識から大きく外れていたように反省をしています。大田区、特に東京都では、短時間にとてつもない量の雨が降るゲリラ豪雨対策などは、この間、対策を進めてきておりますが、今回のような長時間かつ広範囲にわたり被害をもたらす台風対策についても、来年以降、同様の災害が発生する危険性も視野に入れながら、直ちに計画の抜本的な練り直しが必要だと痛感をしています。来年の台風シーズンまで、そう時間はありません。我々の大田区は様々な土地柄を持つバラエティーに富んだまちです。その分、災害に対する構えにも地域性が必要ではないかと感じます。  例えば、私の住む雪谷地区では、雪谷文化センターと雪谷特別出張所、さらに12日の15時以降に出張所長の決断で洗足区民センターも避難所として開設をしていただきましたが、お話しいただける方、十数人にお住まいの地域を伺ったところ、ほとんどが呑川沿いにお住まいの方たちでした。同じ雪谷地域の中でも、川沿いや崖下、崖上、狭あい道路に面したご自宅、低地や半地下の住宅など、環境は様々であります。大田区全体で言えば、木造密集地域や河川沿い、海沿いなど、さらに関係してくる災害対策は多岐にわたります。こうした意味でも、日ごろの防災訓練の多様性をさらに高める工夫と、地域の方々とのさらなる情報連携、そしてその中で災害弱者の方々の支援や地域としての対策が必要になってくると感じています。今回の台風被害を教訓とし、また、これを区民の防災意識の高まりの契機として捉え、さらなる防災対策の強化につなげていただくよう要望をいたします。  次に、健康政策について伺いたいと思います。今年5月の連合審査会において補正予算が編成をされ、その際も質問させていただきました健康ポイント事業について、これは応援の気持ちも込めて、以下3点、質問させていただきたいと思っています。  2014年に国のスマートウエルネスシティ総合特区に参加する6自治体と筑波大学、民間企業などが連携をして取り組み始めた複数自治体連携型大規模健康ポイントプロジェクトというプロジェクトが立ち上がり、これが一定の成果を上げたことを皮切りに、全国でこの健康ポイント事業が広がりを見せています。大田区としても2017年度から国保年金加入者を対象に同様の事業をスタートさせ、翌2018年度と2年間事業を行ってきています。しかしながら、当初はウェブ上でのみの展開であり、翌年はポイントカードを紙ベースのみにしたりと試行してきたものの、参加者はあまり振るわなかったというふうなご報告もいただいております。  ただ、個人的には、この部分を別に責めたいわけではなく、この2回のトライで成功しなかった事業について、今年度かなり大胆に方針転換を図り、健康政策部、区民部、観光・国際都市部の3部連携での再トライに、私自身、大いに期待しているということをお伝えしたいと思っています。  そこで、まず初めに、この12月1日から開始されるはねぴょん健康ポイント事業について、5月の連合審査会でも、私自身、様々質問と要望させていただきましたが、その時点からの変化なども含めて、事業としての経緯や変遷を改めてお知らせください。  私自身も子どものころからスポーツを続けてきましたが、大人になり、食生活の乱れや睡眠不足、飲酒や、私自身は縁がありませんが、喫煙など様々な要因で健康のバランスが崩れていくことを痛感しております。大人が健康な体を保つことは、なかなか容易なことではありません。しかし、健康であることは本当にすばらしいということは言うまでもなく、誰もが健康でありたいと願っているわけです。この願いをかなえるためには、我々は行動を起こすしかありません。まず始めなければいけません。しかし、始めてもすぐにやめてしまっては、これも成果が見込めません。健康を維持するには継続性が必要であります。  そこで伺います。健康的な生活やリズム、意識を持ってもらうために、インセンティブをつけて行動を促すわけですが、そのためには事業自体の継続性や一貫性が何より大切というふうに考えます。その点についての対策をお知らせください。具体的には、事業計画年数だったりとか、目標設定、景品の改善やシステムの改善、アンケートなどを実施するのかなど、より質の高いものをつくり上げるための工夫を伺いたいと思います。  とはいえ、今回の事業のパンフレットなどを拝見すると、既にこれまでより格段に魅力的なプロジェクトになっているように私自身は見受けられます。例えば、景品一つとっても、区内商品券のみだった過去から、今回はパンフレットに記載し切れない50種類を超えるご褒美が用意されていますし、さりげなく抽選という形で当選する部分は、まず一つから取り組んでみようかな、達成してみようかなというスタート意欲を持たせてくれています。  最後に一つ、こうしたすばらしい取り組みが始まっても、区民の方々への周知が足りず、せっかくの事業も打ち上げ花火で終わってしまうということが間々あります。今回の事業においては、初年度で利用者1万人、その後、1年ごとに1万人ずつ増加という高い、やや高過ぎるかなと思う目標設定が掲げられておりますが、目標に向けた事業の広報戦略を伺いたいと思います。  例えば、今後、産業経済部や区商連などと協力をして、おおた健康メニュー協力店という新しい取り組みですが、おおた健康メニュー協力店をどんどん増やしたり、区内に展開する会員制のスポーツジムなどと連携してポイント事業に取り入れたり、総合型地域スポーツクラブや地域のスポーツクラブなどと連携して加入者を募ったり、ポイント事業の幅を広げたりと、まだまだ展開の可能性が広がっていると感じます。利用者を飽きさせることなく、継続的に取り組んで健康になってもらい、医療費の削減や健康寿命の上昇を目指す取り組みに大いに期待をしたいと思っています。  私自身もこれを機に取り組んでみようと思っています。余計なことですが、議員の皆様も体調や健康が少し気にかかるなという方は、12月1日にアプリをダウンロードして、ともに取り組んでみてはいかがでしょうかということで質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎井上 危機管理室長 私からは、防災関係の三つの質問にお答えいたします。  最初の区民からの電話による避難情報等の問い合わせのご質問でございます。まず、災害時であっても、災害に対する困り事、こういったものに関しては、通常どこに電話をかけてもきちっとお答えできるということでございます。また、もう一つは、災害時に避難情報の問い合わせ、こちらでございますけれども、区では、震災、風水害などの災害時に防災行政無線を活用して広く発令などの避難情報を発信しております。また、放送が聞き取れなかった場合や、放送された避難情報をもう1度確認したい場合には、電話で内容を確認できる防災行政無線電話応答サービスなどを活用することが今できるようになっております。  もう1点のご質問でございます自動音声の避難情報の発信について、どういった内容を発信しているかということでございますけれども、現在、区においては、防災情報を自動音声で発信しているのは防災行政無線と同じ内容でございます。台風19号の際の放送内容は、避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告、避難指示、災害発生情報の4種類であり、その中に今議員がおっしゃった避難場所を指定するような情報はございません。今回の台風の際は、主要なツールであるホームページがつながりにくくなったという課題が生じ、今後は、防災行政無線の活用のほか、区民安全・安心メールなどにより的確な情報を発信してまいりたいと思います。  また、今回の台風の対応、経験を通じ、災害から人命を守るためには自助の取り組みも極めて重要であると感じており、区民が災害時にみずから最善の避難行動をとれるよう、平時からお住まいの地域の災害リスクなど情報提供を行ってまいりたいと考えております。また、河川の氾濫など危険が迫った際には垂直避難をするなど、みずからの命を守れる行動がとれるよう繰り返し啓発してまいります。  最後に、危機管理体制についてのご質問でございます。区ではこれまで、震災対策としての防災訓練や学校防災活動拠点の避難所の指定をしてまいりました。今回の台風におきまして、区民の皆様が震災時と風水害時の避難行動の違いが十分にわからなかったため、日ごろ防災訓練などを行っている近くの学校に避難してしまった方もいました。避難場所の開設については見直しを図りまして、震災時、水害時の避難行動の違いを理解していただくよう努めてまいります。今回の台風19号において明らかとなった課題について検討を始めておりますが、これを通じて区の危機管理体制をさらに強化してまいります。 ◎今井 健康政策部長 私からは、はねぴょん健康ポイントに関する三つの質問にお答えいたします。  まず、事業の経緯と変遷についてのご質問です。平成29年度から区民部の事業として対象を国民健康保険加入者に限定し2年間実施した結果は、広く普及するには至りませんでしたが、参加者の健康づくりに関する行動変容を確認することができました。現在、区は、健康に関係する様々な課題を抱えており、おおた健康プラン(第三次)においては、健康寿命が東京都の平均を下回ることや、若年層に運動習慣のない人が多いことなどの課題が見えてまいりました。また、東京2020大会を控え、区民がスポーツの楽しさを実感し、健康増進に向けてスポーツに親しみ、実践していただけるような取り組みが必要です。こうした経緯から、区民部、観光・国際都市部、健康政策部の3部連携事業として見直し、検討してまいりました。はねぴょん健康ポイントは、広く区民の健康づくりのきっかけと継続を支援する新しい事業としてスタートいたします。  次に、継続性ある質の高い事業とするための工夫についてのご質問です。今年度は参加者1万人、5年後には参加者5万人を目指し、継続実施を予定しています。それぞれ自分に合った行動目標を立て、その取り組みが継続できるよう様々な仕掛けを用意しています。例えば、目標とした健康づくりを実践すると、はねぴょんが励ましてくれるようになっていたり、区内のスタンプスポットにはいろいろなはねぴょんが隠れているといったゲーム要素も取り入れております。景品は健康づくりに関連する内容として随時見直しをし、企業協賛による景品充実にも取り組みます。アプリケーションの改善については、参加者からいただくご意見を大切にしてまいります。また、事業の効果測定のためのアンケートを実施するとともに、東邦大学との連携した検証についても検討しています。区民に健康づくりのきっかけと継続支援につながったと実感していただけるような事業として充実してまいります。  最後に、広報戦略についてのご質問ですが、今年度は1万人の参加者を目標にしております。そのため、広報活動においては事業開始前から取り組んでおります。10月の区報を皮切りに、11月のOTAふれあいフェスタでチラシを配布し、特設ブースにはたくさんの来場がありました。現在、18地区の地域力推進地区委員会において事業説明を行い、スポーツ関係団体や協賛企業の協力のもと、7万枚のチラシを配布しているところです。今後も、約300か所のチラシ配布先とイベント等の機会にあわせ周知してまいります。あわせて外部メディアも活用し、新たに開設した専用ホームページも活用してまいります。オープンイベントとして、12月、年明けの1月、2月には健康体感フェアを開催いたします。今後も、計画的、意欲的に広報活動を進めてまいります。私からは以上です。 ○塩野目 議長 以上で質問を終結いたします。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後5時26分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後5時45分開議 ○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 本日の日程に入ります。  日程第1を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第1  第113号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例 ほか6件(委員会審査報告)                ――――――――――――――――――――                   総務財政委員会審査報告書  本委員会に付託された議案は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。     令和元年11月28日   大田区議会議長 塩野目 正 樹  様                                総務財政委員長  松 原 秀 典                         記  ┌───────────────────────────────────────┬────────┐  │議  案  名                                │結 果     │  ├───────────────────────────────────────┼────────┤  │第113号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例        │原案可決    │  │第114号議案 大田区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改  │        │  │       正する条例                            │        │  │第115号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例      │        │  │第116号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例            │        │  │第117号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例          │        │  │第118号議案 大田区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例  │        │  │第119号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一  │        │  │       部を改正する条例                         │        │  └───────────────────────────────────────┴────────┘                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 総務財政委員長の報告を求めます。                  〔2番松原秀典議員登壇〕(拍手) ◎2番(松原秀典 議員) ただいま上程されました第113号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例ほか6件につきまして、所管総務財政委員会における審査経過並びに結果のご報告を申し上げます。  初めに、主な質疑について申し上げます。  議案提出のタイミングが当初議案ではなく、追加議案だった理由について伺いたいとの質疑に対し、職員の給与に関するものであり、勤務条件の中でも重要な案件である。特別区人事委員会勧告の後、職員労働組合との協議結果を踏まえ、区の見解を出した上での議案提出となることから、追加議案となったものであるとの答弁がありました。  民間従業員の給与調査に当たり、特別区人事委員会が調査を実施した従業員50人以上の事業所数について伺いたいとの質疑に対し、特別区人事委員会では、特別区内の1148か所の事業所に対して調査を行い、調査が完了した837事業所における給与水準をもとに勧告が行われたものであり、調査実人員は5万4651人であるとの答弁がありました。  特別区人事委員会勧告の基準とする民間従業員数が100名以上から50名以上に変更となった時期について伺いたい。また、特別職には特別区人事委員会勧告はないが、この勧告を準用することが適当と判断するのはなぜかとの質疑に対し、平成18年に国の人事院において基準についての審議がなされ、50名以上を対象とすることに変更されたものである。特別職については、特別職報酬等審議会条例の定めにより、給与等を改正する際は審議会の意見を聴取することとなっている。今回、特別区人事委員会勧告を一つの目安として、職員の改定率及び実施時期を準用することが適当であるとの審議会からの答申を踏まえたものであるとの答弁がありました。  今回の条例改正案には付則の施行日が段階的になっている議案がある。これまでにもこのようなやり方によって議案を提出したことがあるのか伺いたいとの質疑に対し、議案の施行日を段階的とする議案については、これまでの条例改正案でも行ってきたところである。法律の改正等においても同様の方式とすることもあり、一般的な扱いであると認識しているとの答弁がありました。  以上の後、討論を行いましたところ、第113号議案、第114号議案、第115号議案、第118号議案、第119号議案について、反対、賛成の態度がそれぞれ表明されました。  その際、反対の立場から、第113号議案、第115号議案、第118号議案、第119号議案の特別職に係る条例改正案については、消費税増税や国保料値上げなど、生計に苦しむ区民や中小企業の方などの区民目線から見ると理解が得られないとの意見がありました。  一方、賛成の立場から、いずれの条例改正案についても適正なものであると判断する。特別区人事委員会勧告や特別職報酬等審議会の答申を踏まえ、適切なプロセスを経て提出された条例改正案である。第113号議案をはじめ、特別職の報酬等に関する議案については、従来も職員同様の措置が行われていたことから、今回のみ適用しないという合理的理由はないとの意見がありました。  次に、第116号議案、第117号議案については、全員賛成の態度が表明されました。  その際、第116号議案については、特別区人事委員会勧告に基づき、給与は引き下げるが、特別給が引き上げられることで年間5万1000円の増となる。  第117号議案については、令和2年1月1日から3月31日に退職する職員の退職手当に関する激変緩和措置を行うための改正で、適切な対応であるとの意見が述べられました。  以上の後、採決を行いましたところ、第113号議案、第114号議案、第115号議案、第118号議案、第119号議案は、賛成者多数で原案どおり決定いたしました。  また、第116号議案及び第117号議案につきましては、全員異議なく原案どおり決定いたしました。  以上、所管総務財政委員会における審査経過並びに結果のご報告とさせていただきます。(拍手) ○塩野目 議長 討論に入ります。  本案については、黒沼良光議員、三沢清太郎議員、奈須利江議員から通告がありますので、順次これを許します。  まず、30番黒沼良光議員。                  〔30番黒沼良光議員登壇〕(拍手) ◆30番(黒沼良光 議員) 日本共産党大田区議団は、ただいま上程されました第114号議案 大田区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例、第116号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例、第117号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例に賛成し、第113号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例、第115号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例、第118号議案 大田区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例、第119号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例に反対します。  第116号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例、第117号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例については、人事委員会勧告に基づいて、給与は引き下げるが、期末手当、勤勉手当の特別給を引き上げ、結局、年間で5万1000円増、また、給与は引き下がりますが、遡及がないことで収入減にならないこと、今年度に退職になる職員は退職金は下がらない条件で支給されるという内容で、賛成します。  一言申し上げます。特別区人事委員会の業務は、地方公務員の労働基本権制限の代償措置として、官民較差を調査して職員の給与に関する報告、勧告を行うことでありますが、この間、数年連続で給与引き下げを行い、その後、引き上げてきていますが、いまだに引き下げられた分を回復していません。こうした給与の大幅引き下げなど、労働基本権の代償機関の役割を果たしていません。日本は自民党を中心に構造改革の政治が長く続き、大企業が潤えば国民も潤うと国民に説明してきました。結果的には、大企業だけは潤って、多くの国民はますます貧困になっています。公務員もまた平均所得は1997年をピークに低下し、もとに戻っていません。  私たちの生活を苦しくした構造改革を推し進めたのが財界と自公政治です。ところが、そういうことが国民に知れると困るので、国民の不満、怒りをそらすために公務員が矢面に立たされました。実は日本の公務員の人件費は、国公労連の調査によれば、GDP比比較でアメリカ、イギリス、韓国など27か国中最下位です。それでも公務員の賃金は高過ぎるとバッシングをしながら公務員の賃金を下げたから、民間労働者の賃金も下がって当たり前、さらに民間労働者の賃金も下がっているのだから、公務員の賃金が下がって当たり前という賃下げのスパイラルがつくられてきました。そのことは民間大企業の取り分が増え、ものすごくもうかってきました。こうして公務員の賃下げは財界の利益上昇に直結してきました。  さらに、公務員の高い賃金が財政赤字の原因というのは、本質を隠すための隠れみのとして公務員攻撃の材料に使われてきました。公務員の皆さんは全体の奉仕者として災害などで献身的に頑張っていますが、財界は迷惑に思っています。財界は自分たちの利益が上がればいいのであって、公務員が国民全体の利益を考えて役割を果たされるともうけられなくなるので、迷惑で仕方がないのです。そこで臨調行革や新自由主義路線などで公務員のあり方が変質し始め、国民生活を支える公務は縮小させられてきました。民間でもうかりそうな分野は民間に明け渡してくれと次々と民営化させられてきました。  公務員は自分の利益、職場の利益だけでなく、社会全体の利益を守ることを仕事にしているわけですから、それにふさわしい賃金や待遇が求められます。公務員を減らし、賃金を下げるということの本質は、国民が困るということです。代表質問でも述べましたが、今回の台風15号、19号への対応での各部局のまとめでも、職員が圧倒的に不足、絶対的に人手が足りなかったと記録されていますが、区民を守るためにも解決されるべきです。公務というのは社会の余計なコストを削減します。例えば、保健所が多くの人を病気になる前に食い止めれば医療費削減につながるなどです。コストがかかる前に手当てをしていくのが公務の大事な役割と考えます。  今回の改定は、総額で5万円余収入が増えることで賛成しますが、特別区人事委員会の勧告が民間企業の賃金と比較し勧告する性格上、民間が上がらない限り賃下げ競争になるのが必然です。公務員にふさわしい給与改定を行うことを求めます。  次に、第113号議案、第115号議案、第118号議案に反対の理由は、報酬審議会の答申によるものですが、やはり年間で平均して5万円余上がります。25日に発表された全国中小企業団体中央会の中小企業月次景況調査によると、景況DI指数は2か月ぶりに悪化しました。景況のほか、収益状況や販売価格など全てが悪化しました。とりわけ非製造業で悪化幅が大きく、消費税の影響が明らかです。消費税の増税に伴い、外食産業や給食の売り上げが減少したなどの声が寄せられています。このように、消費税増税や国保料値上げなど、生計に苦しむ区民や中小企業から見て、特別職等の報酬引き上げは区民の目線から見て理解を得られないと考え、反対します。以上です。(拍手) ○塩野目 議長 次に、37番三沢清太郎議員。                  〔37番三沢清太郎議員登壇〕(拍手) ◆37番(三沢清太郎 議員) 私、三沢清太郎は、第116号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例に反対の立場から討論をいたします。  昨年度は、人事制度変更に伴い、職員等級が8級あったところを6級に圧縮したことにより様々なつじつま合わせが行われました。例えば、昇級意欲に乏しく、責任をあまり負いたくない職員が旧3級グループの中に1割存在し、みずから望んで新1級の平職員になりながら給与は引き下げられなかったため、民間平社員よりも高過ぎる給料をもらう差額支給者が生まれてしまったのが昨年度でした。特別区人事委員会勧告では、ここにメスを入れ、全職員約2.46%引き下げるべきと勧告をしたものの、新入職員や非正規職員の給与も一律に引き下げるのはおかしいのではないかという声のもとに、全職員給与据え置きとなりました。  一方、今年度の特別区人事委員会勧告はどうでしょうか。月例給の公民較差は約2200円の減、期末手当の公民較差は0.15か月の増、この二つを合わせますと年間約2万2000円の増となっております。しかし、この算定は、先に指摘をさせていただきました昨年度旧3級から新1級を選んだ差額支給者を除いて比較をしています。もし彼らを特別扱いせず算定に含めると、本来は月例給5800円の減が必要で、年間約2万1000円の減とする必要があります。それどころか、月例給は公布の令和2年の1月から3月のみの減で、令和元年4月から12月は遡及して減じないため、今年度1年間で算定すると、さらに約2200円掛ける9か月、およそ2万円の増額となり、期末手当も算出基礎額が増えることで約9000円増額となるため、年間約5万1000円の増となります。  これでは、昨年度は一部得をする差額支給者が生まれたため、今年度はそこを考慮して差額支給者を算定から省き、残りの職員は増額してつじつま合わせをしているようにしか見えません。本来、昨年度の給与改定が可決したのであれば、今年度はシンプルに全職員を対象に算定すべきはずです。これをできないようであれば、未来永劫職員にとって都合のよい算定が続いてしまいかねません。  私は特別区人事委員会の勧告を否定するものではありませんが、目先のご都合主義は非難いたします。そして、これからもつぎはぎだらけの制度を続けるくらいなら、算定根拠そのものを納税者が納得するものに根本から見直す時期に来ているのではないでしょうか。その理由から、第113号議案、第114号議案、第115号議案、第117号議案、第118号議案、第119号議案、全ての議案にも反対をいたします。  これら議案の中には、報酬や給与が削減されるものもございます。例えば、第114号議案では大田区行政委員会の委員の報酬が削減されますし、第115号議案では大田区監査委員の給与が削減されます。しかし、これは、行政委員や監査委員は期末手当がないから削減されるものであり、算定根拠そのものが改善された結果というわけではありません。また、第113号議案で大田区長等の給料等、第119号議案で大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当が改正され、総額だと増額となることも理解に苦しみます。  大田区民の日常生活は依然として厳しい環境に置かれている中で、10月には消費税が10%に増税されました。国民健康保険料は毎年のように値上がりし、国民年金は若い世代ほど納め損となっています。こういった課題の解決のないまま、課題を解決できないでいる大田区長や私たち地方議員だけ特別扱いで収入が増えるのは、果たして大田区民の皆様のご理解、ご納得をいただけるものなのでしょうか。自分たちの収入を自分たちみずから決めることに対しても疑問を呈します。  私たちは本来、税金の使途や職員の身分について率先して厳しい立場で臨むべきだと考えます。よって、大田区民のご理解、ご納得をいただけない今回の七つの議案の条例改正には反対とさせていただきます。以上です。(拍手) ○塩野目 議長 次に、46番奈須利江議員。                  〔46番奈須利江議員登壇〕(拍手) ◆46番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第113号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例、第114号議案 大田区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例、第115号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例、第118号議案 大田区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例、第119号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例について反対、第116号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例、第117号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例について賛成の立場から討論いたします。  昨年は据え置かれたものの、その前の4年間連続で、職員、区長、副区長、教育長、行政委員会の委員、監査委員、議員などの特別職の給与や報酬は引き上げられています。今年の人事委員会の勧告は、民間に比べ、給与で2235円公務員のほうが高く、特別給ボーナスで0.15か月公務員のほうが低かったため、その差の是正が行われるための提案です。給与比較で官が低く引き下げられたため、一見すれば減ったように見える給与報酬の改定ですが、年額で職員も特別職も行政委員と監査委員を除き増えています。年額で区長は9万1220円、副区長は7万2771円、教育長は6万5711円、議長は7万9507円、副議長は6万8046円、委員長は5万6779円、副委員長は5万5267円、議員は5万3470円増えています。
     非正規や不安定雇用、低賃金労働に悩んでいらっしゃる区民の方も多く、皆様の税金で支払われる区長や区議会議員などの特別職の給与、報酬、手当などが、給与で減ったとしても総額で引き上げられますから、賛成することはできません。私は、議員等の給料は安ければよい、数は少ないという立場には立ちません。しかし、非正規雇用の平均賃金は、正規雇用の労働者に比べ3割から4割程度低くなっていますが、人事委員会は労働者の61.5%を占める正規雇用の労働者の中でも規模の大きな事業所の給与と均衡させていますから、そもそもの根拠が民間感覚とはかけ離れています。  しかも、区長、区議会議員はじめ特別職は、様々な形で意思決定や政策立案に関与する権限を持っています。民間の雇用状況が厳しく、格差が歴然と存在し、厚生労働省も当初所得の格差はあるものの、それが社会保障で改善されていると言っていますが、保育園や特別養護老人ホームなどを十分に提供できているか、公営住宅の数や質は十分か、大田区みずからが非常勤職員、あるいは民営化、民間委託先の雇用で不安定雇用、低賃金労働をつくり出していないかなどを考えれば、まだまだ取り組むべき課題は多く、議員はじめ特別職が民間に連動し年額で引き上げるような立場にないと考えます。  行政委員会委員や監査委員については、特別給がないため、総額でも引き下げですが、民間に連動して上げたり下げたりすることには変わらず、そうした評価で報酬を決めるべきではないと考え、反対といたします。  一方の職員ですが、職員は労働者です。公務員だから、給与が高いからと、批判の対象として安ければよいといった批判を続ければ、私たちの子どもや将来の世代の雇用の不安定を招くことになります。特にこの間、民間も非正規雇用が増え、正規雇用といっても派遣社員の正規社員であったり、無期の雇用や社会保険がついていれば正規雇用と呼ぶような正規と非正規の区別がつきにくい状況になってきています。しっかりと雇用を守っていかなければならないと考えます。今年は給与総額で引き上げになっていて、雇用を守るためにも賛成いたします。  この間、官民較差の是正という考え方で、人事委員会の勧告により公務員の給与の改定が行われてきています。ところが、今年、2014年からの民間給与・特別給と職員給与・特別給を比較したところ、一貫して下がり続けていて驚きました。2014年の職員平均給与が40万3409円で42.4歳から、2019年に38万5424円で39.4歳と、給与は減って平均年齢も3歳若くなっていました。特別給は3.95か月から4.5か月に増えていました。一方、民間の給与は、2014年40万4218円から2019年38万3189円と減り、特別給は4.22か月から4.65か月と増えていました。官民較差の是正と言って民間に合わせていたら、官民双方の給与平均が減り続けているのです。平均年齢が3歳若くなっているのでという見方もできますが、減り続ける給与平均についての分析が課題だと考えます。しかも、官民の特別給の月数も減っています。  給与と特別給の支給割合で、給与を減らし、特別給を増やしている可能性はありますが、退職算定の基礎数字となる月額給与が減れば退職金が減ることになります。そもそも、官民の較差の是正のために公務員の給与改定が行われれば、民間における給与はコストであり、利益の最大化のためにコスト削減で給与を減らす民間に公務員給与が近づくことになります。官と民の給与の引き下げ合戦にしないためにも、現在の人事委員会勧告のあり方には改善が必要だと思います。  以上の理由から、職員給与と退職金の引き上げに賛成、区長、副区長、議員はじめ特別職の給与報酬等改定議案に反対といたします。(拍手) ○塩野目 議長 以上をもって討論を終結いたします。  採決に入ります。  まず、本案中、第113号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例及び第119号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例の2件を一括して起立により採決いたします。  本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○塩野目 議長 起立多数であります。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。  次に、第115号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例及び第118号議案 大田区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例の2件を一括して起立により採決いたします。  本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○塩野目 議長 起立多数であります。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。  次に、第114号議案 大田区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例を起立により採決いたします。  本案に対する委員長の報告は原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○塩野目 議長 起立多数であります。よって本案は委員長報告のとおり決定いたしました。  次に、第116号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例及び第117号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例の2件を一括して起立により採決いたします。  本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○塩野目 議長 起立多数であります。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第2を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第2  第92号議案 令和元年度大田区一般会計補正予算(第4次) ほか6件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第92号議案は、令和元年度大田区一般会計補正予算(第4次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ12億1330万円を追加し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ2914億4706万4000円となります。歳入で追加する内容は、繰入金、特別区債でございます。歳出で追加する内容は、総務費、予備費などでございます。このほか、地方債の補正として追加1件をお願いしております。  第93号議案は、大田区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例で、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律による行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の改正に伴い、特定個人情報を利用することができる事務として、子育てのための施設等利用給付の支給に関する事務を追加するため改正するものでございます。  第103号議案は、呑川高濃度酸素水浄化施設水処理装置設置その他工事請負契約についてで、契約の相手方は三機工業株式会社、契約金額は3億2901万円でございます。  報告第38号は、区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告についてで、庁有車による車両損傷事故ほか5件について報告するものでございます。  報告第39号は、仮称大田区田園調布せせらぎ公園文化施設新築工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の15億282万円から15億3832万8000円に、工期を当初の令和2年5月15日から令和2年10月16日に変更いたしました。  報告第40号は、仮称大田区多摩川清掃事務所新築工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の4億8600万円から5億16万8000円に、工期を当初の令和2年1月31日から令和2年10月7日に変更いたしました。  報告第41号は、大田区営大森西一丁目第2アパート及び大田区立おおもり園耐震補強その他工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の3億8664万円から3億9456万円に変更いたしました。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○塩野目 議長 質疑に入ります。  この際、議員の皆様に申し上げます。本会議での議員の発言につきましては、会議規則第53条で「発言はすべて簡明にするものとし、議題外にわたり、又はその範囲をこえてはならない。」と規定され、また、質疑についても「自己の意見を述べることができない」と明記されております。したがいまして、議員の皆様には、発言に当たっては、規則で定められたルールに従って行うよう、ご留意のほどお願いしておきます。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔46番奈須利江議員登壇〕 ◆46番(奈須利江 議員) 第92号議案 令和元年度大田区一般会計補正予算(第4次)について質疑いたします。  台風19号による被害に対して、平常の区民生活を取り戻すための補正予算です。近年の台風、豪雨、地震など、災害とその被害は激甚化しており、区民生活を守る自治体の役割は以前にも増して重要になっています。大田区は東京一極集中の中にあり、人口密度も高い区域ですが、今も人口の微増が続いており、開発と密集の流れはやみません。気候変動に伴い、災害はさらに大規模化するおそれも否めません。  そこで伺います。対症療法だけでない都市計画や産業構造の視点から、被害を最小化するための防災対策について、大田区として何をすべきか考えていますか、お答えください。 ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 第92号議案について、通告がありました対症療法だけではない都市計画や産業構造の視点から、被害を最小化するための防災対策について、大田区として何をすべきか考えていますかについてお答え申し上げます。  区では、これまで災害に強いまちづくりの実現のため、骨格防災軸などの都市計画道路の整備、防災上効果のあるオープンスペースの配置や、都市施設等の耐震化や不燃化など、都市構造の強化に取り組んできております。加えて、近年増加している集中豪雨や台風対策の一環としまして、道路、公園、建物などからの雨水の流出を抑制するため、貯留施設や浸透施設の整備など総合治水対策にも取り組んでいるところでございます。今後は、これらの取り組みに加え、人口構造や気候などの変動に伴い激甚化する災害への備えといたしまして、産業政策を含めた国土強靱化に関する取り組みなどを新たな基本計画に包含する形で策定してまいります。以上でございます。 ○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、報告第38号から報告第41号に至る4件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第3を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第3  第94号議案 大田区立本羽田二丁目第2工場アパート条例 ほか9件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第94号議案は、大田区立本羽田二丁目第2工場アパート条例で、大田区賃貸工場条例において定めていた大田区立本羽田二丁目第2工場アパートを、広く企業の成長促進等を図り、工場集積の維持発展及び地域産業の活性化に寄与する工場アパートとして管理するため制定するものでございます。  第95号議案は、大田区賃貸工場条例の一部を改正する条例で、大田区立本羽田二丁目工場アパートを、一時利用を可能とするテンポラリー工場として運営する方針に改めるほか、大田区立本羽田二丁目第2工場アパートをこの条例から分離し、新たな条例として制定することに伴い、規定を整備するため改正するものでございます。  第96号議案は、大田区大森南四丁目工場アパート条例の一部を改正する条例で、大田区大森南四丁目工場アパートを民営化する方針にしたことに伴い、現在の使用者が民営化まで使用期間を更新できる規定を設けるとともに、更新後の使用料を定めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第104号議案は、大田区区民活動支援施設大森の指定管理者の指定についてで、大田区区民活動支援施設大森について、令和2年4月1日から令和3年3月31日まで、特定非営利活動法人大森コラボレーションを指定管理者に指定するものでございます。  第105号議案 大田区民プラザの指定管理者の指定について、第106号議案 大田区民ホールの指定管理者の指定について、第107号議案 大田文化の森の指定管理者の指定について、第108号議案 大田区立熊谷恒子記念館の指定管理者の指定について及び第109号議案 大田区立龍子記念館の指定管理者の指定については、それぞれの施設について、令和2年4月1日から令和7年3月31日まで、公益財団法人大田区文化振興協会を指定管理者に指定するものでございます。  第110号議案は、大田区総合体育館の指定管理者の指定についてで、大田区総合体育館について、令和2年4月1日から令和7年3月31日まで、住友不動産エスフォルタ・NTTファシリティーズグループを指定管理者に指定するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○塩野目 議長 質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔46番奈須利江議員登壇〕 ◆46番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第94号議案 大田区立本羽田二丁目第2工場アパート条例、第95号議案 大田区賃貸工場条例の一部を改正する条例、第96号議案 大田区大森南四丁目工場アパート条例の一部を改正する条例について質疑いたします。  大田区が中小企業支援策として工場アパートを設置してから今日までの間に、入居できる期間や保証人のあり方、企業規模や入所できる事業者の本社の所在地など様々な規定が改正されてきました。そして今回、またこの改正により入所の期間や一時利用などの規定を変えようとしています。当初、大田区は、創業時の経営基盤が脆弱な中小企業に対し、迷惑施設とも位置づけられている工場を安い賃料で提供することで一定期間支援して、自社工場を取得する、あるいは借りるなどできるよう力をつけていただこうとして工場アパートをつくったと理解しています。  そこで伺います。結果として、この仕組みをつくり、企業の皆さんは力をつけることができましたか。また、入所できる期間延長の条例改正を繰り返してきています。それにより意図する産業支援はどう変わりましたか。一方、大田区が期間の延長を繰り返してきたことにより、入居が長期化して入所者が固定化しているようです。今後、産業支援施設としての区民の財産の使用の公平性についてどのように担保していきますか。  第104号議案 大田区区民活動支援施設大森の指定管理者の指定について質疑いたします。  この議案は、施設整備の関係で施設管理が1年間になり、この施設管理を指定管理者にするための議案です。なぜ委託にせず、指定管理者制度を採用したのでしょうか。同じ事業者でも委託にすることは可能でしょうか、お答えください。 ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 ご質問に順次お答え申し上げます。  最初に、第94号議案から第96号議案について、通告がございました3点のご質問にお答えいたします。  1点目の企業は力をつけることができたのかにつきましては、これまで産業支援施設で力をつけて、施設を退出した後でも引き続き操業を続ける企業が多数存在しております。  2点目の入居期間延長の条例改正が繰り返されているが、意図する産業支援はどう変わったかにつきましては、区が行います産業支援につきましては、その時々の経済情勢などに応じた支援を行っておりますが、入居期限の延長に伴いまして産業支援の方針に変化はございません。  3点目の入居期間の延長により入居が長期化して入居者が固定化しているようだが、区民財産の公平性についてはどのように担保していくのかにつきましては、今回の条例改正におきましては、引き続き企業の入居を認める一方で、応分の負担を求める内容としております。また、民間主導の工場アパート建設を促進することで、受け皿の増加を図ってまいります。これにより、工場アパートの入居企業の新陳代謝を促し、公平性を担保してまいります。  次に、第104号議案につきまして、通告がありました2点のご質問にお答えいたします。  1点目のなぜ委託にせず指定管理者制度を採用したのですかにつきましては、大田区区民活動支援施設大森は、平成21年度から指定管理者制度を導入し、制度の特長である包括的な施設管理や創意工夫された自主事業の実施などにより、効果的・効率的な施設運営を行ってまいりました。このため、期間が令和2年度の1年間であっても、区が示す具体的な仕様書に基づく個別業務ごとの委託ではなく、これまで同様、指定管理者制度を活用することが円滑な施設運営を期待できるものと考えております。  2点目の同じ事業者でも委託することは可能ですかにつきましては、業務委託は可能でございますが、先ほど申し上げました理由によりまして指定管理者制度を活用することが妥当と考えております。以上でございます。 ○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、いずれも所管地域産業委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第4を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第4  第97号議案 大田区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例 ほか1件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第97号議案は、大田区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例で、災害弔慰金の支給等に関する法律等の改正に伴い、災害援護資金の貸付利率及び償還方法を改定するほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第111号議案は、大田区立障害者福祉施設の指定管理者の指定についてで、大田区立大田福祉作業所ほか1施設について、令和2年4月1日から令和7年3月31日まで、社会福祉法人同愛会を指定管理者に指定するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管健康福祉委員会に付託します。
                  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第5を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第5  第98号議案 大田区住宅修築資金融資基金条例を廃止する条例 ほか2件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第98号議案は、大田区住宅修築資金融資基金条例を廃止する条例で、大田区住宅修築資金融資基金による融資あっせん制度を廃止するため条例を廃止するものでございます。  第99号議案は、大田区営住宅条例の一部を改正する条例で、区営住宅の使用者のうち、特に居住の安定を図る必要があるものの範囲を改め、公営住宅法の改正に伴い、一部の者に対する収入報告義務を免除するほか、規定を整理するため改正するものでございます。  第100号議案は、大田区民住宅条例の一部を改正する条例で、借上型区民住宅のプラムハイツ西六郷を廃止するため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○塩野目 議長 質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔46番奈須利江議員登壇〕 ◆46番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第99号議案 大田区営住宅条例の一部を改正する条例について質疑いたします。  この議案は、入所できる子どものいる世帯の子どもの年齢を未就学児から18歳以下へと拡大するための条例改正です。区営住宅に申し込める対象はこれまでより広がります。  そこで伺います。現在、未就学児のいる家庭の入所対象者は、全て希望どおり区営住宅に入居できますか。今回の改正で申し込み対象となる世帯は増え、入居申し込みの倍率が増え、区営住宅に入所しにくくなることはないでしょうか。それでも入居要件を変え、対象となる世帯を増やすことの目的や効果は何ですか。 ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 第99号議案について、通告がありました2点のご質問にお答えいたします。  1点目の区営住宅に入居できるかどうかにつきましては、抽選で入居者を決定しておりますので、全員が希望どおり入居できるわけではございません。なお、賃貸住宅への入居が困難な方々に対しましては、円滑に入居できるよう支援を充実してまいります。  2点目の入居しにくくなることにつきましては、対象者が増えると予想されますので、その分、倍率が上がると考えられます。目的と効果につきましては、対象の拡大により、少子化が進行する中、将来を担う子どもたちのために子育て世帯の支援となることでございます。以上でございます。 ○塩野目 議長 奈須議員、再質疑ですか。奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔46番奈須利江議員登壇〕 ◆46番(奈須利江 議員) ただいまの答弁の中で、入居の困難な方への支援を充実するということですが、その支援については委員会の審議の中で明らかにすることができるのでしょうか。  また、倍率が上がるけれども、それを効果とおっしゃいますが、これまでであれば入れた未就学児の方が入りにくくなることと、対象が広がることによってその方たちの可能性が広がることとは、必ずしも、プラスマイナスがございますので、効果とは言えないのではないかと思いますが、それでもあえて増やすことになる目的や効果は何かという意図でお伺いしたのですが、そのことについてお答えいただけますでしょうか。 ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 発言通告されました内容についての基本的な考え方は、先ほど川野副区長が申し上げたとおりでございますので、答弁は控えさせていただきます。 ○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、いずれも所管まちづくり環境委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第6を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第6  第101号議案 大田区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 ほか2件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第101号議案は、大田区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例で、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準の改正に伴い、連携施設の確保要件を緩和するほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第102号議案は、大田区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例で、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の改正に伴い、連携施設の確保要件を緩和するほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第112号議案は、大田区立図書館の指定管理者の指定についてで、令和2年4月1日から令和7年3月31日まで、大田区立大森南図書館ほか2施設についてはテルウェル東日本株式会社を指定管理者に、大田区立大森東図書館ほか3施設については株式会社ヴィアックスを指定管理者に、大田区立入新井図書館については株式会社ブックチェーンを指定管理者に、大田区立馬込図書館ほか4施設については株式会社図書館流通センターを指定管理者に、大田区立久が原図書館ほか1施設については共同事業体JCS/NPTグループを指定管理者に、それぞれ指定するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○塩野目 議長 質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔46番奈須利江議員登壇〕 ◆46番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第112号議案 大田区立図書館の指定管理者の指定について質疑いたします。  平成19年4月に図書館に指定管理者制度を導入してから12年が経過します。指定管理者制度に図書館はなじまないという指摘もいまだに存在しています。  そこで伺います。図書館を民営化したことで、大田区の図書館行政にどのような効果があったと評価していますか。委託ではできない指定管理者の効果は何でしょうか。直営に戻すことはできますか。直営に戻すことにはどのような課題やメリット、デメリットがありますか。 ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 第112号議案について、通告がありました3点のご質問にお答え申し上げます。  1点目の指定管理者による図書館行政にどのような効果があったと評価しているかにつきましては、図書館業務に精通した事業者による企画展示や集会行事など創意工夫を活かした取り組みや、利用者に対するレファレンス体制の向上により、高い利用者満足度をいただいている点に効果があったと評価してございます。  2点目の委託ではできない指定管理者の効果は何かにつきましては、指定管理者みずからが日々の図書館利用者の声をお聞きし、自律的判断や知見に基づいた図書館サービスを展開することができること、また、館長の責任のもと、利用者の安全・安心を確保する、より強固な体制をつくることができることなどでございます。さらに、5年間という指定管理期間の中で、計画的、継続的な事業展開が期待できるという効果もあると考えてございます。  3点目の直営に戻すことはできますか、直営に戻すことにはどのような課題やメリット、デメリットがありますかとのご質問でございますが、直営のメリットといたしましては、一般的には意思決定の速さや統一的な図書館サービスの提供が考えられます。また、デメリットといたしましては、1点目、2点目で申し上げましたとおり、図書館業務には専門的な知識と経験を要することから、現在の利用者満足度の高い図書館サービスを維持・継続していくための人材育成に時間がかかることなどが大きな課題であると考えております。したがいまして、直営に戻すことは考えておりません。以上でございます。 ○塩野目 議長 奈須議員、再質疑ですか。奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔46番奈須利江議員登壇〕 ◆46番(奈須利江 議員) 今のご答弁の中で、直営に戻す場合のデメリットとして、専門的な知識が今は満足されているけれども、そうした人材育成ができない、人材を採用することができないというお話だったと思いますが、現場の方たちを大田区が直接雇用するというようなことで直営に戻すことは可能ではないかと思いますが、そうしたことは不可能なのでしょうか。 ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎後藤 教育総務部長 発言通告された内容につきましては、基本的な考え方は先ほど川野副区長が申し上げたとおりですので、答弁は控えさせていただきます。 ○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、いずれも所管こども文教委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第7を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第7  議員提出第14号議案 大田区国民健康保険条例の一部を改正する条例                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 提出者の説明を求めます。                  〔35番杉山公一議員登壇〕(拍手) ◎35番(杉山公一 議員) 日本共産党、杉山公一です。  議員提出第14号議案 大田区国民健康保険条例の一部を改正する条例について、提出者を代表しまして提案理由の説明を行います。  この条例案は、高過ぎる国民健康保険料の原因の一つである均等割額を第1子以降免除し、子どもがいる世帯の経済的負担を軽減するために提案するものです。  よろしくご審議の上、ご決定いただくよう、よろしくお願いいたします。  以上で提案理由の説明を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管総務財政委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第8を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第8  議員提出第15号議案 大田区立勝海舟記念館条例の一部を改正する条例                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 提出者の説明を求めます。                  〔31番佐藤 伸議員登壇〕(拍手) ◎31番(佐藤伸 議員) 議員提出第15号議案 大田区立勝海舟記念館条例の一部を改正する条例について、提出者を代表して提案理由説明を行います。  大田区立勝海舟記念館に高校生以下の子どもや高齢者に広く来館していただくため条例を改正する必要があるので、この案を提出いたします。  ご審議の上、ご賛同いただきますよう、よろしくお願いをいたします。以上です。(拍手) ○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管地域産業委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第9を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第9  議員提出第16号議案 大田区立下水道関連施設公園等の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 提出者の説明を求めます。                  〔33番福井亮二議員登壇〕(拍手) ◎33番(福井亮二 議員) 議員提出第16号議案 大田区立下水道関連施設公園等の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例について、提出者を代表して説明を行います。  この条例は、サッカー場とフットサル場の利用料を引き下げる内容です。現在、このサッカー場の利用料は23区で一番高い状況となっています。利用料を引き下げ、区民が利用しやすい施設とするためにこの案を提出いたしました。  よろしくご審議の上、ご賛同いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。以上です。(拍手) ○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管まちづくり環境委員会に付託します。
                  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第10を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第10  元第87号 羽田新飛行経路について学校や保育園、幼稚園等の関係者向け説明会の開催を求める陳情 ほか7件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 お諮りいたします。本件については、いずれも羽田空港対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。  今回受理しました請願・陳情は、ただいま特別委員会に付託しました8件を除き、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会及び議会運営委員会に付託します。                ――――――――――――――――――――                令和元年第4回定例会 請願・陳情付託表                                        令和元年11月28日付託 総務財政委員会  元第 90号 災害から命を守るために、区職員を増員し災害対策の充実を求める陳情 地域産業委員会  元第 82号 馬込文士村記念館(仮称)開設のご検討への陳情  元第 85号 大森南地域に前の浦集会室に代わる公共施設を求める陳情  元第 92号 日本航空の解雇争議について2020大会組織委員会に意見具申を求める請願 まちづくり環境委員会  元第 83号 西馬込駅西口前の歩道拡幅に関する陳情  元第 84号 カラスの被害・迷惑の調査及び繁殖抑制策に関する陳情  元第 86号 公園水泳場の利用料金を矢口区民センター水泳場と同じにすることを求める陳情  元第 88号 平張児童公園の整備・改善についての陳情 こども文教委員会  元第104号 すべての子どもがすこやかにそだつ大田区をめざす為の請願 議会運営委員会  元第 94号 傍聴者が議員の顔を見て傍聴できるように、大田区議会本会議場の改装を求める陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。  お諮りいたします。明11月29日から12月5日までは委員会審査のため休会とし、来る12月6日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。  本日はこれをもって散会いたします。                     午後6時50分散会...