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令和 1年 9月  決算特別委員会−09月27日-01号

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  1. 大田区議会 2019-09-27
    令和 1年 9月  決算特別委員会−09月27日-01号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    令和 1年 9月  決算特別委員会−09月27日-01号令和 1年 9月  決算特別委員会 令和元年9月27日                午前10時00分開会 ○高山 委員長 ただいまから、決算特別委員会を開会いたします。  第57号議案 平成30年度大田区一般会計歳入歳出決算ほか3件を一括して議題といたします。  申し合わせ事項により、総括質疑につきましては、各会派の持ち時間のうち、60分以内を原則とし、通知のあった時間を電光表示いたします。  なお、電光表示が0になりましても、各会派の款別質疑の持ち時間を消化し、質疑は継続いたしますのでご了承願います。  また、款別質疑については各会派の持ち時間を、しめくくり総括質疑については20分をそれぞれ限度として行い、残り時間を電光表示いたします。  なお、会派の呼称は略称とさせていただきます。  次に、理事者の皆様に申し上げます。質疑時間には答弁も含まれますので、簡潔な答弁をお願いいたします。答弁の際には、その都度、自己の職名をはっきりと告げた上で、答弁していただきますようお願いいたします。  それでは、総括質疑に入ります。  自民、質疑願います。 ◆海老澤 委員 自由民主党大田区民連合の海老澤圭介です。会派を代表いたしまして、総括質疑をさせていただきます。  初めに、このたびの台風15号の被害に遭われた方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。そして、千葉県に関しましては、いまだ停電や建物の損壊、倒木による復旧のめどがたっていない地域もあることに、一日も早い復興をお祈りいたします。  さて、ラグビーワールドカップが開幕し、連日熱戦が繰り広げられて盛り上がっています。すばらしい開会式の後、開幕戦でラグビー日本代表チームは、ロシアを相手に先制されるものの、見事30対10で逆転勝利をし、ボーナスポイントも獲得する幸先のよいスタートを切りました。第2戦は、明日のアイルランド戦となります。アイルランドは、世界ランキング1位の強豪国です。決勝トーナメントに行くにはプールAの5チームから上位2チームが進出できます。現在、日本代表は勝ち点で3チームと並んでおります。しかし、得失点差で3位となっておりますので、皆さんも予選リーグ突破できるように応援をしてください。  大田区も進めている、みるスポーツの応援というものは、自分が好きな競技、自分が実際にやっている、やっていた競技など、様々でしょう。その中、各競技での日本代表戦に関しては、また違ったみるスポーツの魅力があるのだと思います。そのことに加え、日本代表に大田区出身者が選ばれることや、その選手が活躍すると、より大田区民の皆様が盛り上がる要素につながると考えたときに、次世代のアスリート創出や、多種多様のスポーツで大田区を拠点として戦っているプロチームがあるなどということも大田区のスポーツを盛り上げる重要なことではないでしょうか。  我が区はスポーツ施設の多さ、ポテンシャルは言うまでもありません。大田区総合体育館、大田スタジアムスポーツ健康ゾーンのビーチバレーボールコート、フットサルコート、森ケ崎の人工芝のサッカーコートも整備されます。海や河川敷、オリパラ2020大会で使われるグランドホッケーコートなど、いろいろな地区に点在はしておりますが、これだけの施設を整備していただいていることは、スポーツを愛する者として大変感謝をしております。  今後は、調布地域にある東調布公園の50メートルプールを改修する際には、体育館で屋根をつくり、室内50メートルプールとして競技利用ができることなど、要望案は絶えません。  現在、開催中のラグビーワールドカップを皮切りに、来年に控え1年を切った東京オリンピックパラリンピック大会の成功に向けて、羽田空港という東京の玄関口を持つ大田区のスポーツ施策、レガシーの取り組みに力を入れていただきたいことは、また別の質問の機会をいただくとして、質問の通告に従い総括質疑に入ります。
     平成30年度予算は、「おおた未来プラン10年」の総仕上げの年にあたり、「暮らしてよし、訪れてよし、地域力あふれる国際都市おおた」を実現するために、「次代を担う子どもたちの育ちを、切れ目なく応援する取り組み」、「生涯を通して誰もが健やかに、安心して暮らせるまちづくり」、「地域力を活かし、にぎわいと安らぎが調和したまちづくり」、「まちの魅力を磨き、世界に輝く国際都市おおたを創出・発信する取り組み」の四つの重点課題を掲げ、一般会計の当初予算2,787億7,647万円余、前年度比で169億1,754万円、6.5%増の過去最大規模でスタートしました。その後、5次にわたる補正が行われ、補正後の一般会計予算現額は2,903億6,219万円、当初予算比で115億8,572万円の増となりました。  その他、様々、先駆的な取り組みも予算編成され、待機児童解消のための保育サービス基盤の拡充や障がい者総合サポートセンター(さぽーとぴあ)のグランドオープンで23区初の医療的ケアにも対応した短期入所や、災害時医療対策の充実として妊産婦避難所の設置や車輪つき担架の追加配備、さらには全国初となる勝海舟記念館の整備に着手し、先日9月7日にオープンさせるなど、区政を取り巻く様々な重点課題に果敢に取り組むための予算を組み、成果を上げられたことに対して、自由民主党大田区民連合は高く評価をいたします。  そこで伺います。平成30年度決算を総じて、松原区長は、どのように評価されているでしょうか。お聞かせください。 ◎松原 区長 平成30年度は、暮らしてよし、訪れてよし、地域力あふれる国際都市の実現に向け、次代を担う子どもたちの育ちを切れ目なく応援する取り組みなど、四つの重点課題を設定の上、予算編成をしたところでございます。  予算の執行にあたりましては、施策の目標の達成に向けた取り組みや、新たな課題にも速やかに対応することで、着実な行財政運営を推進してまいりました。  歳入につきましては、納税義務者の増に伴う特別区民税収入の増や、特別区交付金の増等の結果、一般財源が増となりました。あわせて、国や都支出金の確保などにも努めてきたところでございます。  歳出につきましては、待機児童解消のための保育サービス基盤の拡充や、あるいは学校施設整備、障がい者総合サポートセンターの機能拡充に向けた増築工事、よりよいまちの形成に向けた指針としての池上地区まちづくりグランドデザインの策定など、区民生活に直結する区政の重要課題に適切に対応してまいりました。  財政運営にあたりましては、創意工夫によりまして財源を捻出することで、特別区債の残高を約239億円まで圧縮するなど、後年度の健全な財政状況を確保しつつ、おおた未来プランの総仕上げの年として、着実に成果を上げた1年と自負をしております。  今後も引き続き、区政の課題に積極果敢に取り組むとともに、健全で持続可能な行財政運営を行ってまいりたいと思います。 ◆海老澤 委員 おおた未来プラン10年を仕上げ、反省点や課題の検証、新しく取り組むプランの検証として2か年のおおた重点プログラムもスタートされました。よりよい新しい基本計画の編成となるよう、よろしくお願い申し上げます。  次に、平成30年度決算は、一般会計の歳入総額2,829億円余、歳出総額は2,769億円余、歳入から歳出を差し引いた歳入歳出差引額は60億円余の黒字となりました。  また、歳入歳出差引額、60億円余から翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた実質収支額は46億円余となっています。緩やかな景気回復基調が続いたことや、区の転入者増などによる納税者数の増加を反映して、特別区民税は平成24年度から6年連続で伸びており、区の歳入の基幹財源は堅調に推移しています。  一方で、消費税率の改定や、米中貿易をはじめとした世界経済の動向など日本経済の先行きに影響を及ぼす内外のリスク要因には、注視していく必要があると考えます。  また、学校改築など公共施設の機能更新に係る経費や待機児童解消、超高齢社会へ対応するための社会保障関係経費の増大など、今後の膨大な財政需要を勘案すると決して楽観視はできるものではないでしょう。  伺います。様々なリスク要因がある中で、今後どのような財政運営をなされるのか、お聞かせください。 ◎市野 企画経営部長 予算の編成・執行管理にあたりましては、単年度の状況のみならず、中長期的な視点での対応が不可欠です。  区は、これまでも、将来の膨大な行政需要に備えて、基金を計画的に積み立てるとともに、特別区債の発行余力を蓄えることなどにより、財源が厳しい状況下におきましても、安定的な行政サービスを提供できる強固な財政基盤の確立に努めてまいりました。  令和元年度予算につきましては、納税義務者の増に伴う特別区民税収入の増や、特別区交付金の増などにより、一般財源が増となった一方で、待機児童対策などの扶助費が昨年度予算と比べて大きく増加するなどの状況での予算編成となりました。  今後も、幼児教育の無償化や、国における税源偏在是正措置の影響など、これまで以上に予断を許さない局面が続きます。  このような状況下にあっても、将来にわたり財政の健全性を確保するためには、引き続き状況の変化にも柔軟に対応し得る強固な財政基盤を築くことが求められます。  区は、今後とも人口構成や社会経済情勢の変化を的確に捉えるとともに、区民目線に立った事業の見直し・再構築や経常経費の節減、基金、特別区債の効果的な活用などによりまして、区民生活に直結する行政需要に確実に応え得る、安定的かつ継続性のある行財政運営に取り組んでまいります。 ◆海老澤 委員 これまでも、安定的かつ継続性のある行財政運営に取り組まれてこられたと思います。ここで、区財政における財政構造の弾力性、健全性について普通会計上の指標から状況をお聞きしたいと思います。  普通会計というのは、皆さんもご存じのとおり、総務省が定めた基準のもとに、全国の地方公共団体の財政状況を比較分析できるように再構成したもので、統計上・観念上の会計であります。  この中で、まず注目すべきは経常収支比率で、財政構造の弾力性を判断する指標であります。この比率は、経常一般財源に、収入総額に対して人件費、扶助費、公債費のように容易に圧縮することが困難な経常的経費に充てられた一般財源の合計額が占める割合で、一般的には70%から80%が適正な水準とされております。  この比率が高くなるほど、新たな住民ニーズに対応できる余地、余裕が少なくなり財政が硬直化していることになります。  そのような視点から、平成30年度決算における経常収支比率を見てみると83.3%で、対前年度比で0.2ポイント上昇しました。29年度が83.1%、28年度が81.1%でありましたから、最近は若干上昇傾向にあるようです。  伺います。経常収支比率の近年の上昇傾向は、どのような要因が考えられ、今後の見通しはどのようなのかお聞かせください。 ◎市野 企画経営部長 平成30年度決算における経常収支比率につきましては、歳入において、納税義務者の増加による、特別区民税が増となった一方で、歳出では、小・中学校運営費等の物件費、待機児童対策経費等の扶助費が増となった結果、前年度に対し、0.2ポイント増の83.3%となりました。  経常収支比率の近年の上昇傾向の主な要因としましては、特別区税や財政調整交付金などの基幹財源が増加傾向にある中、人件費や公債費が減少傾向である一方で、扶助費の伸びが大きい状況にあり、今後もこうした傾向が続くことが伺えます。  そのような状況下においても、区は引き続き、不断の事業見直しや経常経費の節減、基金、特別区債の効果的な活用等によって、おおた未来プランにおいて経常収支比率の目標値とした80%台を維持してまいります。 ◆海老澤 委員 次に、財政運営の健全性をはかる指標として、公債費負担比率を見てみます。公債費負担比率は、一般財源総額に対する公債費充当一般財源等の割合で、この比率が高いほど公債費に起因する財政の硬直化が進んでいると見られます。  一般的には、15%が警戒ライン、20%が危険ラインとされており、そのような視点で平成30年度決算の公債費負担比率を見てみると、対前年度比で0.6ポイント改善し1.9%となりました。29年度が2.5%、28年度が2.8%と年々逓減傾向にある状況は、区財政にとってもよい方向にあると考えますが、一方で、借金である特別区債の活用は、世代間負担の公平性を確保するための調整、年度間の財政負担の平準化を図る機能も有しています。  現役世代と将来世代間の負担のバランスなどをどのようにとっていくのか、まさに今後の財政の健全性を左右する視点ではないかと考えています。  伺います。現在、逓減傾向にある公債費負担比率の状況をどうお考えなのか、今後の公共施設の維持更新経費の増加が見込まれる中で、今後の見通しはどうなのかお答えください。 ◎市野 企画経営部長 平成30年度決算における公債費負担比率は、前年度比で0.6ポイント改善し、1.9%となっており、平成23年度の6.3%から逓減傾向にあります。  この主な要因としましては、特別区税の増などにより、公共施設整備資金積立基金を計画的に積み増したことや、特別区債の発行抑制と着実な償還によるものであり、現状において区財政の健全性は維持されております。  今後の見通しにつきましては、超高齢社会への対応や、公共施設の機能更新が集中する時期の到来など将来の行政需要に備え、特別区債の発行余力を蓄えているところです。  世代間負担の公平性を確保するための調整機能を有している区債の活用につきましては、社会資本整備の財源として有効に活用するとともに、将来にわたり着実に支払わなければならない負債であることから、公債費負担が財政の硬直化を招くことがないよう留意する必要がございます。  今後も将来世代とのバランスを十分考慮しながら、健全で持続可能な行財政運営を進めてまいります。 ◆海老澤 委員 健全運営、よろしくお願いいたします。  次に、防災危機管理についてお伺いをしたいと思います。  大災害が発生した平成から令和へと時代が移り、今度こそ災害のない平和で安心な社会をと望んだ方も多かったのではないでしょうか。  しかしながら、改元して間もない6月18日には、山形県沖を震源とする最大震度6強の地震により、山形県と新潟県を中心に人的被害と住家被害が発生、また、冒頭でもお話ししましたが、9月9日午前5時ごろに千葉県付近に上陸した台風15号については、観測開始以来、最も強い勢力で関東地方に上陸した台風となり、人的被害のほか、浸水被害や住家被害、倒木による長期停電の発生や断水など、千葉県を中心に1都7県で大きな被害が発生し、その他、道路の通行どめ、公共交通機関の運休等で住民の生活にも大きな影響が生じました。  特に、温暖化の影響で近年の風水害被害は激甚化しており、もはや、これまでの常識が通用しない時代に突入したといっても過言ではありません。  このような中、今回の台風15号の被害で、千葉県の対応は、災害対策本部の第1回会合を開いたのが、県内各地の停電や断水の深刻な被害が明らかになった翌日9月10日の午前9時15分。被害状況の把握については、市町村からの連絡待ちの姿勢に終始したことも、初動対応に課題があったのではないかとの報道がありました。  大田区の対応は、台風の接近や勢力の拡大に応じて、監視態勢から水防一次態勢、そして水防二次態勢へ移行し、合計210名による情報収集・発信、パトロール、自主避難スペースの開設、被害対応、浸水被害住宅への消毒薬の配布など、適切に対応していただいたものと聞いております。  さらに大規模な災害が発生した場合には、松原区長を本部長とする災害対策本部を設置して、区の全部局がそれぞれの役割に応じて災害対応にあたることになります。  国や東京都、防災関係機関や地域の防災市民組織等と連携し、区の総力を挙げた応急復旧活動を行うためにも、区の災害対策本部がしっかりと機能し、区内の至るところでそれぞれの主体が取り組む活動を、統制または牽引できるかが大きな課題であると考えます。  近年の地震、集中豪雨、台風などの災害頻度が激化していることによる自治体の防災対策や地域防災訓練や避難所対策、防災活動拠点訓練、自分の身はまず自分で守ることや、平時のときこそ風水害の発生に備えた自身や家族のとるべき行動について、いつ、誰が、何をするかを時系列に整理した個人の防災行動計画を早目の避難として、安全に避難行動をとることができるマイ・タイムラインの取り組みを推奨しております。  しかし、それだけで安心せず、ケース・バイ・ケースの目安であるため、自助として、備えあれば憂いなしと考えていかなければならない時期に来ていると考えます。  そこで伺います。首都直下地震の切迫性が増し、風水害被害が激甚化するなど、区の災害対策本部体制の充実、強化が必要と考えますが、区としてどのように取り組むのか、お答えください。 ◎井上 危機管理室長 震災や風水害の被害をゼロにすることは困難なことでございます。災害の被害をできるだけ最小化するための方策を平時から準備しておくことが重要と考えております。  そのために、区は様々な対策を講じております。災害時に指揮命令の役割を果たす災害対策本部組織の体制強化にも努めてまいりました。  具体的には、平成29年度から5か年計画で災害時の対応力の強化、災害時に発生が想定される課題への対処訓練とともに、災害対策各部局間の連携を進めるなど、災害対策本部の充実・強化に取り組んでおります。  また、災害対策本部をハード面からも充実するため、本庁舎5階にある、災害情報を収集するための情報処理室に加え、新たに本庁舎2階に、災害の状況分析や対策を立案する災害対策本部事務局を設置することを計画しています。また、本庁舎災害対応の電源として、現在設置している災害用自家発電機に加え、パソコン等のOA機器の活用に支障がないよう、蓄電池の導入も検討しているところです。  引き続き、災害に迅速かつ適切に対応できるよう防災・危機管理体制の強化に努めてまいります。 ◆海老澤 委員 先ほども申し上げましたが、初動対応がその後の対応に大きく影響するため、災害発生直後は正確な情報を得ることが重要です。  区の災害対策本部が、より多くの情報を収集し、その情報を精査して正しい情報を活用していくことが大切であると考えます。  伺います。情報を制する者は災害対応を制すとまで言われる災害時の情報収集伝達体制についてですが、災害時の情報収集伝達について、現行の情報通信システムでどのように取り組むのかお聞かせください。 ◎井上 危機管理室長 委員お話しのとおり、情報を制する者は災害を制すると言われており、災害時の的確な情報の活用は非常に重要です。  区の計画におきましては、災害発生から収束期に至るまで、情報の収集・伝達、分析、処理の一連の行動を区が総力を挙げて取り組むこととしております。  災害発生時においては、高所カメラで目視により区内の災害概況を把握する一方で、パソコンにより都内、近隣区の被害状況と気象・河川等の現況及び予測情報を収集します。またテレビなど、マスメディアの情報も幅広く活用します。さらに、特別出張所などから得た各地域の被災状況について、防災行政無線や災害時情報共有システムを通じて把握します。  こうして収集した情報を災害対策本部事務局において精査し、災害対応の判断材料といたします。  これらの情報は、警察・消防などの関係機関から派遣された連絡員と共有し、災害対応にあたります。  区民に対しては、防災行政無線やデジタルサイネージ、ホームページなどを通じて必要な情報を広く提供・周知するとともに、学校防災活動拠点においても提供することとしております。 ◆海老澤 委員 今回の台風15号では、停電や断線による通信障害も大きな教訓になりました。災害時に使用する情報通信システムは、このような課題も乗り越え、厳しい状況でも途切れないことが求められます。また、AIやICT技術等の飛躍的な発展のもと、その恩恵を適切に取り入れて災害対策本部の活動を真に支えるシステムを構築していただくことが重要だと考えております。  そこで伺います。今後、倒壊や倒木によって道路が分断され、長引く停電などにより、機能麻痺になってしまうことを想定しなければならないと思いますが、どのように災害時情報通信体制の充実、強化に取り組むのでしょうか。先ほどお伺いした蓄電池という話もありましたけれども、詳しく教えてください。 ◎井上 危機管理室長 区では、これまで発生した災害を教訓として、情報通信機器の導入に取り組んでまいりました。  具体的には、平成24年に、災害時に一般回線よりつながりやすいPHSイエデンワ、平成28年には、各部局が災害情報を迅速に共有するための災害時情報共有システムなどです。  現在使用しているシステムや機器の中には、更新の時期が来ているものや通信サービスが終了するものもあり、災害時情報通信体制の見直しが必要となっております。  今年度は大規模災害時にも耐え得る強靭な通信インフラ整備災害対策本部の各種活動を支える災害情報処理システムとを一体的に運用するための基本計画の作成に着手しております。  今後も、災害時の迅速な対応のため、情報通信の強化を適時適切に進めてまいります。 ◆海老澤 委員 いろいろと教訓となる災害があってはならないとは思うのですが、そういうところをしっかりと更新をしていっていただいて取り組んでいただければと思います。  次に防災に関して、基盤整備の観点から伺います。  近年、相次ぎ発生している台風等の大規模自然災害を踏まえて、切迫する巨大地震や気候変動の影響により、頻発・激甚化が懸念されている自然災害から国民の生命と財産を守るため、国は防災・減災・国土強靭化を3本柱に定め、集中的に災害対策を進めています。  区としても、毎年、広聴広報課が実施している大田区政に関する世論調査において、特に力を入れてもらいたい施策が防災対策となっております。区民の皆さんにとって、生活の基盤である防災対策の充実に大変関心があることがうかがえます。  そこで伺います。区民の生命と財産を守るため、区が取り組んでいる防災対策や危機管理について、区の考え方をお聞かせください。 ◎久保 都市基盤整備部長 近年、日本各地において地球温暖化に伴う大雨や台風による災害が発生しております。そのため、国では平成30年12月に、「防災・減災・国土強靭化のための3か年緊急対策」を閣議決定し、現在、インフラ機能を強化しております。  大田区においても、国の動向を踏まえ、洪水や土砂災害等から区民の生命や財産を守るために、ハード・ソフト一体となった都市防災の強化に取り組んでおります。  例えば、集中豪雨などの水害を未然に防ぐ防災対策として、東京都下水道局が東京都豪雨対策基本方針に基づく豪雨対策下水道緊急プランにより上池台地区において、1時間75ミリ降雨に対応できるよう新たな下水道幹線の整備を進めております。  また、大田区でも災害時の緊急輸送や避難路として活用できる都市計画道路の整備とともに、電線地中化にも取り組んでおります。  今後も、既存の都市基盤施設の維持管理・更新を図るとともに、区民の皆様が安全で安心できる地域社会の実現に向けまして、東京都等と連携し、災害に強い都市基盤施設の整備と危機管理対策の充実を図ってまいります。 ◆海老澤 委員 集中豪雨に関しては、私の住む上池台が甚大な被害に遭っておりますので、今後とも鋭意進めていただきたいと思います。  次に新空港線整備と蒲田のまちづくりについて、お伺いします。  まず、新空港線の整備について伺います。この新空港線は、昭和60年代から計画され早30年以上がたちます。しかし、いまだ実現されていません。  これは、鉄道事業では当たり前であるとは理解しております。また、鉄道を整備するには、交通政策審議会答申が大きく影響することも理解しております。  その大きく影響する答申で、新空港線は、「進めるべき」とされる都内の6路線のうち1路線に位置づけられています。これは、まさに機運が醸成された証であり、答申からは早3年がたちますが、やはりいまだ実現の兆しが見えていません。  これまで区からは、「東京都と費用負担割合などの協議を鋭意進めている」との答弁がありましたが、現在、その協議の決着時期が見えていないことは、まことに残念であります。  これまでも、理事者の方々で整備に向けて関係者と難しい協議を進めてきているのは認識しております。  先日の第3回定例会で我が会派の伊佐治議員の代表質問の中で、「区議会が一致団結して立ち上がり、新空港線の早期整備に向けた何らかのアクションが必要であると考える」との発言がありましたが、私も伊佐治議員と同じ考えであります。そして、松原区長の答弁でも、必要不可欠な事業であり悲願との答弁をいただいたことを受けて再度伺います。  東京都と協議を早期に決着させるため、大田区はどのような交渉をしていて、今後の交渉術など考えがあればお聞かせください。 ◎齋藤 新空港線・まちづくり調整準備室長 新空港線の整備につきましては、昭和60年代から検討を始めておりまして、30年来にわたる区の悲願の事業でございます。  このため、これまでも区は、整備実現に向けた検討及び関係者間の協議を継続的に行ってまいりました。現在区は、東京都と費用負担割合などの最終的な協議を鋭意行っておりますが、いまだ最終合意に至っていない状況でございます。  しかしながら、区だけでなく区議会からも東京都に対して要請など働きかけを行っていただければ、区と議会が一体となって新空港線の早期実現に向けて取り組んでいる姿勢を、対外的にもアピールすることができます。  このような活動を通じて、都区間協議を大きく前進させることができると考えてございます。 ◆海老澤 委員 力強くお答えいただきました。区からは、新空港線整備に関して、今年度内に整備主体設立に向けて鋭意取り組んでいくとの本会議で答弁がされています。  では、今年度内、整備主体設立に向けて、区及び我々区議会として残り半年間で何をしなくてはいけないのか、もっとも重要なことは何か、再度お聞かせください。 ◎齋藤 新空港線・まちづくり調整準備室長 現在、都区の費用負担割合について協議をしております。区としては、「鉄道整備は、本来、広域自治体である東京都が行うものである」との考えのもとに、協議に臨んでおります。  しかしながら、費用負担に対する考え方については、現在、都区間で一定の隔たりがございます。この隔たりを埋めるためには、双方が納得できる内容とするよう、協議、調整を進めることが必要でございます。  この協議におきまして、区は、新空港線整備を都市計画事業に位置づけるとともに、区の負担分を、都市計画交付金及び特別区財政調整交付金の対象とすることが絶対条件でありまして、そのための働きかけや調整をさらに強化することが最重要課題であると考えております。
    ◆海老澤 委員 早期実現や費用負担割合は最重要課題でありますので、強気に進めてください。  新空港線に関して、蒲田のまちづくりとあわせてお伺いしたいと思います。  新空港線の整備は、以前、蒲田と京急蒲田をつなぐ単なる鉄道整備の話でありましたが、しかし、ここ1、2年はまちづくりとセットという考え方が鮮明になってきており、考え方が大きく変わってきているのではないのでしょうか。  我が会派としても、蒲田の発展、ひいては大田区の発展のため、新空港線は必要不可欠であるし、区の中心である蒲田のまちのさらなる活性化は、区民の悲願でもあります。  その区民の悲願である蒲田のまちづくりを考えるために、どのように取り組んでいくかの考えをお聞かせください。 ◎齋藤 新空港線・まちづくり調整準備室長 蒲田のまちは、戦災復興で形成されておりまして、現在、50年以上が経過してございます。  また、駅舎や駅ビルに関しましては、耐震補強は実施されているものの、建て替え時期が迫っております。  一方、蒲田駅周辺は、道路幅員も十分でないため、機能更新が難しいことも事実であります。  その蒲田のまちの大規模な機能更新をするには、きっかけが必要でございまして、そのきっかけとなるのが新空港線の整備であると考えております。  新空港線を起爆剤として、民間活力を活用しながら、地域の活性化につながる蒲田のまちづくりを進めてまいります。 ◆海老澤 委員 新空港線と蒲田のまちづくり、ぜひ同時に進むといいと思いますので、力強い運営をよろしくお願いいたします。  次にグリーンプランおおたについて伺いたいと思います。  先日の一般質問において、我が会派の松原秀典議員が、せせらぎ公園で現在進められている整備に関しての質問をして、区の見解を聞いたところですが、私からは、樹木など、みどりについてお聞きしたいと思います。  区では、みどりのまちづくり全般について、将来のあるべき姿を実現するための方策として示した計画が大田区緑の基本計画「グリーンプランおおた」となります。みどり豊かで快適な都市を形成していくために、緑地の適正な保全や都市計画・緑地の整備、緑化の推進など、様々な施策に取り組み、これまで一定の成果を上げてきたと評価しています。  緑化と聞くと、今ある樹木を守り、育て、大きくしていくことや、植樹や壁面緑化など新たに増やしていくことが連想されます。しかし、みどりを増やしていくことは大切なことですけれども、果たしてそれだけでよいのでしょうか。  先日の台風15号でも、倒木があり道を塞いでしまうなどの被害が発生しています。では、このような状況を鑑みると、適切な樹木のせん定により安全性を確保することと同時に、みどりに親しむ環境づくりに取り組むなど、未来にどのようなみどりを引き継いでいくのか、そういった視点が重要だと考えます。区の考え方をお聞かせください。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 みどりには、環境保全、レクリエーション、防災、景観形成と様々な役割がございまして、これらの機能を最大限に発揮できるみどりのまちづくりを推進していかなければなりません。  みどりを通した人と人とのつながりが、みどりのまちづくりを進めていく上での、大きな力となると考えてございます。  そのためには、既存の樹木を守り、育てることが大変重要である一方、樹木の適切な維持管理のためには、せん定、伐採、更新も必要となります。これからは、みどりの量だけでなくて、景観に配慮した環境づくりにも取り組み、誰もが親しめる良質なみどりをつくるとともに、これを育て、未来に引き継いでまいります。 ◆海老澤 委員 やはり、維持管理というのは、大変重要なのです。私も地域で桜のプロムナードとして桜のみちを整備していただいておりますが、春の桜の時期になると花が咲かない桜の木を何度か区のほうに報告して、倒木の危険があるので、伐採や植えかえなどをしていただいております。すごい数がある区内の樹木やみどりの維持管理はとても大変なことですが、今後ともよろしくお願いします。  では、次に公園整備についてお伺いします。  公園にみどりを増やすことと同時に、新たな施設ニーズや多様な区民要望に応えることも必要であり、公園全体で機能の向上や魅力アップへの取り組みも欠かせません。公園整備とみどりの保存、この相反することについて、区の考え方をお聞かせください。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 これまで、みどりのまちづくりでは、公園、緑地の整備や緑化推進などに重点的に取り組んでまいりました。  公園整備の検討にあたりましては、現在の「グリーンプランおおた」にも記載しているとおり、高齢化社会の進行など、社会情勢の変化への対応や、さらなる公園の魅力アップに努めることが重要でございまして、これが施設や憩いの場の置き込みなど、多様な区民要望の実現にもつながると考えてございます。  このためには、維持更新のほか、やむを得ず必要最小限で樹木の移植や伐採を行う場合もございます。  引き続き、区民ニーズに対応した公園整備とみどりの両立を目指し、公園全体の機能向上とみどりの施策をバランスよく推進しながら、公園の魅力向上に取り組んでまいります。 ◆海老澤 委員 先ほどの環境保全やみどりの維持管理、更新に合わせニーズ調査、魅力アップになるような公園の施設整備になるようによろしくお願いいたします。  大田区のような都市部におけるみどりを取り巻く環境は年々変化し、さらには多様な区民要望もある中において、区が様々な指標や施策により、みどりのまちづくりに取り組んでいくことは、大変重要であります。  そのため、計画的に「グリーンプランおおた」を改定していくことが必要と考えます。  そこで伺います。「グリーンプランおおた」のこれまでの成果と今後の課題は何でしょうか。あわせて今後改定する予定はあるのでしょうか。改定にあたって、どのような考え方で進めていくかなどをお聞かせください。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 「グリーンプランおおた」では、緑被率を一つの指標としてみどりの量の変化を見てまいりましたが、宅地化などによりまして緑被率が徐々に低下しております。  そこで、日常生活においてみどりに親しむ観点から、まちのなかでのみどりの見え方に注目し、新たに緑視率、視は視聴率の視という字を書きますけれども、緑視率という指標によるみどりの見え方についての検討を始めたところでございます。  こうした中、「グリーンプランおおた」の改定は、令和3年度を目標にしてございまして、改定にあたりましては、これまでの取り組みであるみどりの量の確保を継続する一方で、みどりの質にも注目して、維持管理やみどりに親しむことにも重点を置き、改定に向けた検討に取り組んでまいります。 ◆海老澤 委員 宅地化による緑被率は、確かに低下が進んでいると思いますので、みどりを増やす場所や内容が変化していることはわかりました。  今後のおおた重点プログラムの中に、呑川緑道の整備が計画されています。自身の質問でも述べましたけれども、呑川緑道としてみどりを増やすことは、確かに効果的で景観や環境に関してもよい部分もあります。しかし、地域事情や特性、安全性などをしっかりと検証しなければ、そこに潜む危険を見落とすことになりますので、呑川沿いの道路幅員や道路の利用状況により区民が交通事故のリスクにさらされる箇所もあることなどを忘れずに、今後もグリーンプランおおたを更新しながらすてきな大田区にしてください。  次に、羽田イノベーションシティについて伺います。  羽田空港跡地第1ゾーン(第1期事業)の効果を区内に広げるために、昨年度、海外ベンチャー企業と区内企業の連携創出の可能性を探ったりIoTを活用した事業の成果として、区内企業が合同会社を立ち上げるなどを聞いています。  今後は、こうした取り組みの成果を具体化していくことが重要になり、区が跡地で主体的に進める区施策活用スペースに期待するところも大きく、これまでも所管委員会での報告によると、企業誘致ゾーンのほか、多くの事業者が交流できるような交流空間ゾーンの置き込みを予定していると聞いています。区内企業にとっては、入居するよりも、こうした交流空間のほうが活用の可能性が高いと思われ、どのように運営するかなどが気になります。  そこで伺います。羽田イノベーションシティの区施策活用スペースについては、その活用に向けた検討や、開設後を見据えた実証実験などを行ってきたと聞いています。開設まで1年を切って、どのような機能の置き込み、どのような運営にしていくか、その方針をお伺いします。 ◎飯嶋 産業経済部長 区の取り組みにつきましては、区施策活用スペースの名称のとおり、区が展開する施策のために、国内外から企業を誘致するとともに、区内企業と国内外の研究機関、大学やベンチャー企業など、多くの関係者とも交流できる機能を置き込むことで、区内産業の活性化に寄与することを目的に必要なゾーニングを行っております。  ゾーニングしたこれらのスペースについては、区内企業の状況に精通した大田区産業振興協会がコーディネートを行うことで、有機的な連携を生み出す重要な役割を担えるものと考えております。  その上で、新たなプロジェクトを続々と創出するためには、ゾーニングしたスペースでの取り組みに区内企業にも積極的に関与していただくことが重要であると考えております。  このため、区施策活用スペースの運営体制は、区と産業振興協会が中心となり、そこに区内事業者も主体的に参画できるような仕組みとなるよう検討をしております。 ◆海老澤 委員 区内の産業振興に資するスペースにするためには、交流空間ゾーンが有効であるように思われますが、これまでの検討を踏まえて、このゾーンはどのように活用するかなど、お考えがあればお聞かせください。 ◎飯嶋 産業経済部長 交流空間ゾーンは、高度なものづくり企業の集積地であるという優位性を理解した上で、活用を希望する人々が国内外から集まるゾーンにしたいと考えております。  このゾーンを多様なプレイヤーと区内企業が出会う空間とすることで、産業が誕生する契機とし、特に産業に必要な技術的な部分を区内産業が担えるような仕組みづくりが重要です。  区内産業のさらなる活性化に資するスペースとするため、先ほども答弁させていただきましたが、区と産業振興協会だけではなく、区内事業者の主体的な参画の促進が重要であると認識しております。 ◆海老澤 委員 これまでの区施策活用スペースの活用を見据えた取り組みの中で、特に手応えがあって、これはいいなというものがありましたでしょうか。それをどのように生かすかをお聞かせください。 ◎飯嶋 産業経済部長 手応えを感じている取り組みといたしましては、東南アジアのベンチャー企業が抱える技術的な課題を区内中小企業の技術力によって解決し、開発につなげるという実証実験を実施しております。  昨年度、今年度と実施をし、区内中小企業に対して技術的な支援を求める申し込みが数多くあり、大田区に対する期待が海外でも大変高いことが認識できました。  今後、海外ベンチャー企業からの実績を増やすことができれば、大田区の技術を求める相談が世界各地から集まるようになり、大田ブランドの存在感をより一層高めることができると考えております。  今後は、世界中のベンチャー企業や研究開発機関と区内中小企業を結びつけ、共同研究開発等の事案を増やすことで、区内産業のさらなる振興を図ってまいります。 ◆海老澤 委員 大田区の羽田空港は東京の玄関口であり、大田区をアピールにするには大事なところでございますので、ぜひ検討、検証を続けていいものをつくっていただきたいと思います。  次に、大田区の屋外喫煙マナー条例について、少しお伺いしたいと思います。  国の健康増進法や東京都受動喫煙防止条例に関し、このたびの各施設、第1種、第2種の施設内外の禁煙などに加え、大田区の屋外喫煙マナー条例と、各地域の中小飲食店の方々に混乱を招くのではないかなという感じがしております。  例えば、飲食店の施設内に喫煙専用室をつくらなければ喫煙することができない店舗、喫煙専用室をつくらなくても喫煙ができる店舗など、条件によりどちらになるのかが複雑です。  そこで伺います。このことに関して健康づくり課は、本年8月23日に受動喫煙防止対策、施設管理者向け標識掲示パンフレットやハンドブックの配布を開始しました。9月1日からは施設管理者は2020年4月の受動喫煙防止条例の全面施行まで施設利用者へ標識により周知、2020年4月には各規定に沿った店舗、施設にしなければならないとなっています。  大田区として現在までにどのような周知、広報を徹底しているか、このパンフレットやハンドブックの取扱いや受動喫煙防止対策に対しての問い合わせ、相談、区民の声はどのようなものがあったか伺います。 ◎今井 健康政策部長 区は、受動喫煙防止対策に関する法令の内容につきまして、今年6月1日号のおおた区報の一面と区のホームページにおいて、わかりやすく周知啓発をいたしました。また、7月1目の法令一部施行に伴い、受動喫煙防止対策相談窓口とコールセンターを開設しております。  さらに、区内飲食店の多くが集まる食品衛生講習会や大田区商店街連合会の定例会など、4月から8月までの間に計11回にわたり説明を行い、周知に努めてまいりました。  これまで区民や事業者から約140件の問い合わせ、相談をいただいております。その内容は、受動喫煙防止対策に関する法令の仕組みをはじめ、飲食店の店頭表示の方法に関する質問が多く寄せられております。最近では、喫煙専用室等の設置に関する質問も増えております。今後も、食品衛生一斉監視や食品衛生講習会等の飲食店の方々が多く集まる会合などの場を活用し、周知徹底をしてまいります。 ◆海老澤 委員 東京都の受動喫煙防止条例に合わせて大田区の屋外喫煙マナー条例に関し、共存環境の整備として施設事業者へのパンフレットの当初配布でしたけれども、最初に、その中にありますシガーバー(スナック)というジャンルがあって、その店舗が貼ることになるステッカー番号は10番となっておりますけれども、これがパンフレット配布のときには未配布、入っておりませんでした。このことについて、パンフレット内には、分類がシガーバー(スナック)という分類があるのに、それに当てはまったところが貼るステッカーが入っていない、これを除いて配布したことはどういうことだったか、お聞かせください。 ◎今井 健康政策部長 東京都受動喫煙防止条例の一部施行により、この9月1日から飲食店に対して、店内で喫煙ができるか、できないかの店頭表示が義務づけられました。  区は、区内飲食店約6,500店に対して、店頭表示用のステッカーを配布しました。  委員お話しのシガーバーは、たばこ小売販売業の許可を受けて対面販売をしていることや、喫煙を主目的としていること、通常主食と認められる食事を主として提供していないことなどの要件を満たす必要があり、区内に数店しかありません。  シガーバー用のステッカーは、通常の飲食店には貼る必要がないため、また9月1日の条例一部施行ではなく、来年4月の全面施行の対象であるため、誤解のないように除いて送付しました。  シガーバーの要件を満たす飲食店に対しては、別途該当するステッカーを送付する予定です。またシガーバーへの切りかえを検討している飲食店につきましては、窓口等において要件等を丁寧に説明し、必要な場合には該当するステッカーを配付いたします。  今後も区は、飲食店をはじめとした区民の皆様が、受動喫煙防止に関する法令に適切に対応できるよう、わかりやすい周知広報を徹底してまいります。 ◆海老澤 委員 今お話があったように、該当がなかったというところが大きな要因だと思うのですけれども、今お話があったように店舗を変えていく、たばこを吸えるような施設にしていきたいと思っている店主の方もいらっしゃると思いますので、そこは連絡があれば渡しますということではなくて、そういう方たちもいることを考えて、そういう送付をしていただければと思います。  来年の4月には東京都の受動喫煙防止条例が始まり、飲食店内の喫煙専用室をつくることにはサイズ規定がないのですけれども、補助金を受ける喫煙専用室をつくるサイズ規定は6平米以上と聞いております。6平米というものに関して、普通のお店、大きなお店であれば6平米など大したことはないと思うかもしれませんけれども、小さなスペースで営業している方たちに補助金を受けなければできない台所事情で、このサイズを喫煙専用室にとられると、逆に主営業ができなくってしまうということもあると思います。  そういうことを考えていく上で、たばこの販売により得た税収というのは、40億円を超えているわけですから、こうした財源をまち中に喫煙所を整備することや、各中小飲食店の支援拡大につながることなど、制度周知、活用をすると。受動喫煙防止対策や大田区の屋外喫煙マナー条例を進めていくならば、我々喫煙者、我々と言ってしまいましたけれども、私はたばこを吸いますけれども、喫煙者はマナーを守ることは当然です。だけれども、吸う方の権利として、共存ということも視野において検討していただきたいことを要望して、次の質疑に移ります。  大田区の情報配信について伺います。  大田区の未来プラン10年(後期)で大田区が進めてきた情報化推進に関する方針案である区民サービスの向上の観点からお伺いします。  今、東京モノレールの羽田空港国際線ビル駅の上りホームのところにエドプレスジャパンというインターネットテレビ放送局があることをご存じでしょうか。ぜひ、皆さんの自身のパソコンやスマホでエドプレスジャパンと検索していただきたいのですけれども、一度見てください。この放送局は、2014年に設立された合同会社で、訪日外国人向けコンテンツとして、日本の文化や観光案内、情報、様々なコンテンツを配信、見ることのできるメディア配信サイト放送局です。東京モノレール羽田空港国際線ビル駅ホーム内にブースを構えて、いろいろなプログラムを配信しております。ユーチューブにも動画配信をしております。  以前、私も質問いたしましたけれども、ICT化によるネットの多様化に向けて、大田区のホームページ、フェイスブック、ツイッターなどに加え、デジタル情報配信ツールとしてネット放送局を立ち上げ、また違った電波を使ってFM放送局などの検討はできないものでしょうかという質問をさせていただきました。今述べたようなデジタルツールに合わせて、おおた区報や掲示板、郵送による書面などがありますが、今後は確実にペーパーレス化やICT化が進んでまいります。  以前にも自身の議会質問でケーブルテレビによるシティーニュースおおたの件についてお伺いしました。ご当地番組である情報やニュースなどをシティーニュースおおただけではなく、ネット放送局やFM放送局にも配信していければ、より多くの区民が大田区の情報に触れることができるのではないでしょうかと訴えました。  現在、ホームページにはシティプロモーションサイトであるユニークおおたの2本立てとなっておりますので、情報配信を始めたことに関しては可能性は感じております。  このシティプロモーションに、ネット放送局を考えて、狙いとしてはシティーニュースおおたのように旧大田ケーブルネットワーク、現ジェイコムおおた、イッツコムケーブルテレビでの配信に合わせ大田区が独自で製作し、大田区のホームページ上にリンクさせるなどして大田区が細かい情報やニュースなどを動画配信し、各地域自治会のイベントや催しの告知や報告など、ケーブルテレビの番組枠を毎回買うというコストを考えれば、ネットサーバーに容量アップする経費をかければ、後はランニングコストで番組制作や企画にかかる経費だけで済むのではないかということも訴えてまいりました。  そして、日本工学院の映像メディア関係のことを学んでいる学生と連携することなども提案をしてまいりました。これは、学生にとってはいろいろと現場の仕事を学生のときから経験できる。そして、大田区は学生が協力してくれることによって、コストを削減しながら制作ができるウイン・ウインの関係なのではないでしょうか。  ケーブルテレビが1本化できるといいなということも言ってまいりましたけれども、私がこういう質問をさせていただいたのは、一番最初は2012年にやりました。また、羽田空港に今回できたネット放送局というのは2014年ですから、提案していたのに、他社に区内で先に越されたという悔しい思いです。  そんなことはさておきまして、伺います。現在のエドプレスジャパンの取り組みをこれからの大田区として考える情報配信のモデルケースとしてはいかがでしょうか。お答えください。 ◎市野 企画経営部長 インターネットでの動画配信は、ここ数年でかなり安価で簡単にコンテンツを作成して配信できるようになり、ニーズに合わせて、見せたいときに見せたいものを提供することができることも魅力です。  区では、動画投稿サイト、ユーチューブを活用し、シティーニュースおおたを通じて、大田区のイベントやお勧めスポットなどを配信し、また、多言語に対応した動画など、広く情報発信を行ってございます。さらに大田の魅力を発信していくには、エドプレスジャパンなどのインターネット通信網を活用した取り組みを進めていくことも重要と考えます。  今後、ネットテレビ放送局のメリットを分析するとともに、おおたの魅力の一元化、情報配信力の強化などを効果的につなげられるよう、調査研究してまいります。 ◆海老澤 委員 私も、以前また工学院の連携とか、そういうことを聞いたことがあるのですけれども、今まで工学院といろいろと連携を大田区はしてきたと思うのですけれども、今伺っていたメディア系の取り組みとかでの連携はありますでしょうか。お伺いします。 ◎市野 企画経営部長 片柳学園とは、最近も様々な形で連携をしてございます。例えば、ブランドメッセージ・ロゴマーク製作に学生の皆様のご協力をいただいたり、区が共催で参画しましたシティプロモーションイベントを開催するなどの取り組みがございました。  また、小学校3年生の社会科副読本に沿う内容のDVD「わたしたちの大田区〜くらしと工場〜」を学生の皆さんに撮影していただき、ナレーションの制作にもご協力いただいてございます。  今後は、学生の若い感性で大田の魅力を動画で表現していただき、ホームページ内で配信するなどの取り組みもシティプロモーション施策を展開する上で有効な手法の一つと考えてございます。今後も、情報発信に関する連携を強化しながら、おおたの魅力の発信につなげてまいります。 ◆海老澤 委員 それでは、最後にケーブルテレビに関して、ちょっとお伺いします。  大田区は、ご存じのとおり、調布地域はイッツコムのケーブルテレビ、それ以外の大森、蒲田、羽田、糀谷地区では、旧大田ケーブル、現ジェイコム大田、それが吸収合併をされて、ジェイコム東京となりました。大田区は、大田ケーブル時代に1,000万円を3回ずつ、3,000万円の出資をして株主となっております。こういった部分を含めて、今後大田区のケーブルテレビを1本化していくなどの強い働きかけをケーブルテレビ会社にすることは可能でしょうか。そういったことができるか、お伺いします。 ◎市野 企画経営部長 ジェイコム大田は、本年4月に経営強化や、より質の高いサービスの提供を目的に、同グループのジェイコム東京と合併をいたしました。ケーブルテレビ事業の運営は、当該企業の経営判断に基づきなされるものであり、合併や資本提携などもその一環にあるものと考えます。  こうした状況を踏まえますと、区としましては、合併など企業経営の根幹に関わることについて働きかけをすることは難しいものと考えます。一方、行政情報の提供などにおいては、ケーブルテレビ事業者と機会を捉えて意見交換をすることは重要なことと認識をしてございます。  引き続き、情報の適切な提供とともに、そのあり方について、事業者と意見交換を重ねてまいります。 ◆海老澤 委員 ぜひ、いろいろそういう働きかけもいろいろしていただきながら、今後の大田区を考えていただきたいと思います。  大田区のシティプロモーションであるユニークおおたの実現をぜひしていただいて、ユニークな大田区にしていただきたいということを強く要望して、総括質疑を終了させていただきます。 ○高山 委員長 次に、公明、質疑願います。 ◆田村 委員 大田区議会公明党の田村英樹です。令和元年決算特別委員会における総括質疑を行わせていただきます。  平成30年度の一般会計当初予算は2,787億7,647万円余、前年度比169億1,754万円、6.5%増と過去最大の予算規模となりました。その後、5次にわたる補正予算が行われ、補正後の一般会計予算現額は2,903億6,219万円、当初予算に比べて115億8,572万円の増となりました。  一方で、不用額については、平成29年度の147億6,252万円に対し、平成30年度は119億654万円と減額となったものの、5次にわたる補正予算額と同程度となっていることは、その背景も含めて検証していかなくてはならないと思います。  また、自主財源と依存財源の関係では、平成30年度は前年度と比較して良好であったように読み取れますが、新たな歳入の確保の取り組みも検討を進めていただきたいと思います。
     さて、監査委員の総括意見では、「平成30年度はおおた未来プラン10年の総仕上げの年にあたり、基本構想における将来像の実現に向けて、これまでの成果の検証と分析をするとともに、今後の区政の方向性を見定めてさらに区民福祉の向上を図っていくことが求められている。そのためには、国庫支出金、都支出金などの各種補助金制度を活用して、引き続き財源確保に努めるとともに、収納率向上と未収対策の強化などに組織的かつ継続的に取り組む必要がある」としています。確実な財源の確保が求められる中で、特に財政運営の自主性や強固たる財政基盤を築くためには特別区民税等の収納対策強化の取り組みなど、自主財源の増加が大変重要であると考えますが、区の見解をお伺いいたします。 ◎市野 企画経営部長 今後の超高齢社会に伴う社会保障関係経費の増や、公共施設の改築経費など、様々な区政課題に対応するためには着実な財源確保が必要です。財政運営の自主性、安定性のためには、特に自主財源の確保は重要な課題であり、区は、これまでも区税等の収納率向上に積極的に取り組んできたほか、ホームページのバナー広告等による広告収入事業の拡大や、寄附金募集におけるクレジット決済の導入といった様々な手法を活用し、財源の確保に努めてまいりました。  今後も引き続き、収納対策のさらなる強化や、新たな歳入確保の取り組みにつきまして検討を進めつつ、国や都の補助金確保等に努め、健全で持続可能な財政運営を進めてまいります。 ◆田村 委員 次に、収納対策の強化の取り組みに加えて、適正な債権管理の取り組みについてお聞きいたします。  収入未済額、不納欠損額の過去5年間の推移は減少傾向にあるものの、その額の縮減は歳入確保と負担の公平性の視点から重要な課題であり、今後も継続して取り組む必要があると考えます。  そこで、債権管理について、これまでどのような取り組みを行ってきたか、債権管理の適正化に向けた区の見解をお伺いいたします。 ◎市野 企画経営部長 区は、債権につきまして、適切かつ効率的に徴収等を行い、徴収努力を尽くしても、なお回収不能な債権については、不納欠損処分を行うこととしてございます。  これまでの取り組みの具体例として、特別区民税の現年課税分について、納付勧奨の実施、分納管理の徹底、不履行者への早期催告、財産調査、差し押さえなどの早期未納対策により、収納強化を図ってございます。  保育料では、毎月発生する現年度の未納分は、翌月に督促し、その後の滞納分を催告することや、電話による納付勧奨、在籍園との連携による納付勧奨など、早期の対応を行っているところです。  同様に、住宅使用料、特別会計国民健康保険料等の担当部局におきましても、収納効果を高める取り組みを展開してございます。  また、滞納繰越分につきましても納付交渉を粘り強く行い、納付を促すとともに、財産調査の早期実施、面談による直接納付勧奨など、多角的に取り組むことが重要であると考えてございます。  財源の確保、区民負担の公平性といった視点から収入未済額、不納欠損額を縮減させることは重要な課題であり、今後も引き続き収納強化に取り組んでまいります。 ◆田村 委員 さらに、監査委員の意見では、「財政規律の視点から効率的・効果的な予算編成と執行に努め、区債や基金の適正な活用により、将来にわたり状況の変化にも柔軟に対応し得る強固な財政基盤を築くことが期待される」とされています。  公共施設の機能更新に係る経費、社会保障関係費の増大など、今後の膨大な財政需要が見込まれる中、私たちも特に借金と貯金のバランスを注視しているところであります。  平成29年度末の積立基金残高は1,359億5,695万円、特別区債現在高は265億3,108万円、実質的な蓄えである財政基金は約650億円でしたが、平成30年度末の基金残高は1,232億1,236万円、区債残高は239億2,017万円、実質的な蓄えは約660億円となっており、前年度比で約10億円蓄えることができています。  このような状況について、区はどのように評価をし、今後の見込みをどのように考えているかお伺いいたします。 ◎市野 企画経営部長 財政基金は、景気状況等に起因する歳入状況の変化による財源不足や、臨時的な財政支出に備えるためなど、使途に限定のない基金であり、安定した行財政運営に資するため、適切な基金残高を維持することが必要と考えてございます。  一方で、特別区債は、着実に償還を進めているため残高は毎年減少しており、平成30年度末の残高は約239億円となってございます。  特別区債の発行につきましては、将来的な財政需要増のリスクに備え、発行余力を蓄えているところでございます。  今後は、経済状況の先行きの不透明性、公共施設などの維持更新に要する経費、社会保障関係経費の増大が見込まれる中、区民サービスの向上と財政の健全化を両立させるよう、積立基金と区債発行のバランスに留意しながら、安定的で持続可能な行財政運営を行ってまいります。 ◆田村 委員 増加する社会保障関連経費や公共施設整備計画におけるインフラ整備など、ますます歳出の増加傾向が想定される中、今後の人口構造の変化、社会情勢、国や都の動向など長期的視点を持って、引き続き良好な財政運営に取り組んでいただきたいと要望し、次の質問に移ります。  平成30年度の主要施策の成果を検証するべく、おおた未来プラン10年で掲げた幾つかの個別事業をひもときながら、その進捗状況を整理、確認していきたいと思います。  まず、地域防災の取り組みについて、幾つかの質問をさせていただきます。  平成30年7月に実施された大田区政に関する世論調査の中で、「あなたの家庭で、大地震に備えてふだんから行っていること」とする備蓄に関する問いに対し、家具の転倒防止、食料や水の準備に次いで、災害用簡易トイレの準備が22.6%と上位にあることに注目してみます。  まず、お聞きします。大田区商店街連合会が取扱っている防災用品あっせん販売にも3種類の簡易トイレが紹介されていますが、現在区が行っている区民への防災意識啓発事業において、簡易トイレの必要性をどのように発信しているか、またその反応はいかがなものでしょうか。 ◎井上 危機管理室長 災害発生直後から必要となる簡易トイレなどを、ふだんから家庭で備蓄しておき、避難生活をする際に活用できると、心身の健康や住環境の衛生を保つ一助となります。  過去の大規模災害時には、便器の破損や断水で物理的にトイレが使用できない事例や、避難所等で仮設トイレの設置状況により、プライバシーが保たれにくいといった声がありました。また、排せつ物の処理の対応が十分でないため感染症の発生が報告をされています。  区では、簡易トイレや携帯トイレを家庭で備蓄することは、排せつを我慢することによる健康被害を防ぐことや要配慮者の生活環境を良好に保てることを、防災フェアや防災パンフレットなど様々な機会を通じて啓発しております。  区民の皆さんの反応についてですが、備蓄が手軽にできて、住みなれた自宅で使用でき、しかも使用方法は簡単であるので、トイレの心配を解消できるとの意見を伺っております。 ◆田村 委員 災害発災後、食料品や飲料は備蓄がない状態でも数時間は我慢できるかもしれませんが、尿意、便意は我慢することができない生理現象であります。日本トイレ研究所の統計によると、地震発災後の6時間でトイレの必要性を訴えた率は、熊本地震では72.9%、東日本大震災では66.7%、阪神・淡路大震災では94.3%の方々が少なからず尿意、便意を訴えたそうです。  さて一般的に、水洗トイレに必要な水量は、1970年代後半から販売された水洗トイレは13リットルが主流でしたが、その後に普及した節水型になって6から8リットル、現在の最新型に至っては3.8リットルの水量が必要と言われています。  発災の時間帯にもよりますが、例えば自宅での被災で断水が発生した場合を想定すると、1人当たりの必要水量、また家族分の必要水量を確保するための取り組みについて、区はどのように啓発を行っていますでしょうか。 ◎井上 危機管理室長 大規模災害時の断水や上下水道の停止に伴う復旧には、一定の期間がかかることが想定されます。家庭内における飲料水や調理用水の備蓄については、1人1日3リットル、最低でも3日分、できれば1週間分の備えが必要であることを啓発しております。  飲料用の水を含めた家庭内の備蓄方法については、消費と補充を循環していくローリングストック法が効果的であり、推奨しております。  生活用水については被災状況や家族構成などを踏まえた量を確保することが重要です。  生活用水の備蓄については、家庭での取り組みとして、風呂水の汲み置き、マンションや事業所などでは受水槽を活用することを勧めております。  また、非常時の生活用水等への活用を目的としている区の雨水貯留槽設置助成制度を紹介しております。 ◆田村 委員 では、学校避難所ではどうでしょうか。大田区地域防災計画における時系列シミュレーションでは、ライフライン被害として上水道管の被害等による断水率を67.9%、下水道・管きょの被害を30.3%と想定しています。その状況の中、災害発災後3時間から6時間で、災対教育総務部が各小・中学校の被害状況調査や避難所の開設、運営支援を行うとされています。  そこで、学校避難所や避難所となる各公共施設においてトイレが使用可能かどうかの点検マニュアルの有無、またそれに基づいた訓練状況をお知らせください。 ◎井上 危機管理室長 学校など、区の公共施設にあるトイレは災害発生時には、建物内の配管や下水道管、下水処理施設に被害が及ぶことが想定されるため、これらの設備の点検が終了するまでは使用することはできません。  このため、まず、2階以上の水洗トイレの使用を全面禁止し、1階や屋外トイレに簡易トイレを設置します。下水道の使用が可能なことを確認でき次第、下水道直結式仮設トイレを設置することとしております。  避難所の開設にあたる職員用マニュアルには、トイレに関する点検や使用上の事項について定めております。  平成29年7月の職員防災訓練におきましては、区内91か所の避難所で、マニュアルのチェックリストを用いた安全点検や災害時におけるトイレの設置訓練を実施し、習熟に努めております。 ◆田村 委員 大田区地域防災計画では、各学校避難所の避難者想定人数が示されており、小学校全体で8万6,300人、中学校全体では5万1,300人で、合計で最大13万7,600人の避難者受け入れを想定しています。これに対し、各学校避難所に整備されている仮設トイレの基本的な台数は、4,000回対応の洋式トイレが1台と、7,000回対応の和式トイレが2台、そして下水道直結式仮設トイレが2台となっています。また、今年度予算では、自動ラップ式トイレを学校避難場へ2台セットで導入するなど、学校避難所におけるトイレ環境に対する備えが充足されてきたように感じます。  そこで、学校避難所の受け入れ想定人数に対し、これまで整備を進めてきた備蓄トイレの状況、さらにガイドラインで示されている基準などから鑑みて、区の整備状況についてお伺いいたします。 ◎井上 危機管理室長 今まで、学校防災備蓄倉庫には、洋式トイレ1台と和式トイレ2台、下水道直結式仮設トイレ2台、簡易便器17台を備蓄してきました。今年度、新たに自動ラップ式トイレ2台を配備し合計24台となります。  平成28年4月に内閣府が提示している、避難所におけるトイレの確保・管理ガイドラインによりますと、トイレの設置台数は、災害発生当初は、避難者約50人当たり1台を目安としております。学校避難所1か所あたり、約1,500人分の食糧備蓄を行っており、これをもとにすると、一つの避難所に30台のトイレが必要となります。学校避難所などでは、壊れていないトイレの便座を使用することとしておりますので、ガイドラインの目安をおおむね満たしているものと考えております。 ◆田村 委員 徳島県では平成29年3月、徳島県災害時快適トイレ計画を策定し、大規模自然災害に備え、携帯型、簡易型トイレの備蓄を県民に促すほか、県と市町村に司令塔を設置し、避難時におけるトイレの確保や衛生管理を図る体制を示しました。  そこでは具体的な数として、県民に対し携帯、簡易トイレの備蓄を1週間分、自治会、地域組織、企業などにもそれぞれ備蓄の協力を行っています。  そこで本区においても、トイレ環境の行動計画の検討や携帯トイレの備蓄、また防災週間、防災訓練等でノベルティー配布を行いながらの啓発活動も検討していただきたいと考えますが、区の見解をお伺いします。 ◎井上 危機管理室長 携帯や簡易トイレなど、様々なトイレの備蓄をしていくことは、災害時に衛生面や区民の健康面から重要なことです。  区では、総合防災訓練などの機会を活用し、携帯トイレなどの普及啓発ブースを設け、実際に手にとってもらい、家庭で備蓄するように働きかけております。委員お話しの携帯トイレの普及啓発のための訓練参加者への配布につきましては、今後研究してまいります。 ◆田村 委員 ぜひ、今後区民の皆様がかばんの中には我が携帯トイレみたいな雰囲気をつくっていきたいなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。  防災に関連してもう1点、確認をさせていただきます。  昨年の7月、西日本一帯に大きな被害をもたらした豪雨災害では、多くの方が長期の避難生活を余儀なくされました。災害時における避難所の生活環境の整備が求められている中、政府も取り組み指針や避難所運営ガイドにより、その推進を図っているところと認識しています。  災害の発生直後の避難所では、備蓄の毛布などを床に敷いてしのぐとしても、3日から4日目ころからはマットやカーペット、1週間くらいには簡易ベッドや畳を敷き、間仕切りによって最低限のプライバシーの確保が期待されております。被災者の避難生活の質の向上を目指すことは、避難所の運営のための支援を行う区の責務と考えます。  このような課題に対する有用な対策になり得るものとして、「5日で5,000枚の約束」というプロジェクトがあります。これは、災害時に全国の畳店が協力し合って、被災地の避難所に新しい畳を無料で届けるというプロジェクトです。全国の畳店がみずから手を挙げて、届ける枚数を約束し、災害が発生すると加盟している約500店の畳店が畳を作成し、これを集めて迅速に届ける仕組みとなっています。  これまでの主な実績として、熊本地震の際には熊本県内に約6,000枚、昨年の豪雨災害では岡山県内に約700枚を提供したと聞いています。  現在、都内でも渋谷区や台東区などでこのプロジェクトと協定を締結しているようですけれども、本区においてもこのようなプロジェクトを活用して、畳をできるだけ早く被災者に届けられるようにしていくべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。 ◎井上 危機管理室長 避難所では、体育館などのかたい床の上で生活を余儀なくされるため、避難生活が長期化すればするほど健康への影響が心配され、その後の生活再建を大きく阻害する要因となりかねません。こうしたことから、区は樹脂マットやカーペットを備蓄するとともに、簡易間仕切りシステムの優先供給協定を締結するなど、避難所の生活環境の整備に取り組んでまいりました。  委員お話しの「5日で5,000枚の約束」は、全国の畳店の有志によるプロジェクトと聞いております。実際に畳を被災地に提供した実績があり、多くの自治体が既に協定を結んでいると聞いております。  また、昨年7月、豪雨災害の被災地である倉敷市真備地区の避難所におきましても、畳による避難所の生活環境改善の効果を確認しております。今後、避難所における畳の活用につきまして、検討してまいります。 ◆田村 委員 よろしくお願いいたします。  防災関連の最後に、通電火災対策の一つとして効果のある感震ブレーカーについて、質問をさせていただきます。  このたびの台風15号の被害では、広域的な停電が続いた千葉県内で電気が復旧した後に、損傷した電気機器やコードからの漏電が原因と見られる建物火災、いわゆる通電火災が相次いで発生しました。また、9月16日には雨の影響で漏電のリスクが高まったことから、地元消防などが広く注意を呼びかけたと報道されました。  通電火災を防ぐには、停電中に避難や買い物などで自宅を離れる際、まずはブレーカーを落とし、家電製品のコンセントを抜くなど、電源を切る必要があります。  今年5月の連合審査会では、かねてから私たち区議会公明党の重点要望でありました感震ブレーカー助成に関する質問に対し区は、「通電火災を防ぐためには感震ブレーカーの設置や啓発が重要であること」、その上で「災害時要配慮者の支援の一つとして感震ブレーカーの取付助成制度を今後検討していく」旨のご答弁をいただきました。  そこで改めて、現時点での感震ブレーカーの助成制度の創設に向けた進捗状況についてお伺いいたします。 ◎井上 危機管理室長 現在、感震ブレーカー支給取付事業開始に向けて、鋭意準備を進めております。この事業は、一定の所得基準を満たさない高齢者や障がい者、介護が必要な方がいる世帯に対し、感震ブレーカーの支給取付を行うものでございます。当事業の申請をされる方につきましては、避難行動要支援者名簿の登録につなげ、支援の充実を図るべく準備を進めているところです。  なお、感震ブレーカー支給取付事業の開始につきましては、今年中、年内の実施を予定しております。 ◆田村 委員 これまで、私も議会の中で感震ブレーカーの有効性を強く訴えてまいりましたし、また様々な防災訓練であったり、多くの区民の目に触れるようにしっかり展示していただいて、手に触れていただけるような取り組みを区にも要求してまいりました。  また、昨今では、防災用品のあっせん販売の機器のリストに、今2機種入れていただいておりますけれども、こういった啓発もさせていただきました。本当に、日々、地域防災の拡大に努めていただいている区に対して、心から感謝申し上げます。  次に、区内中小企業支援や産業創出の取り組みについて質問をさせていただきます。  羽田イノベーションシティの開発も本格的に進捗している中、今後の大田区の工業、産業振興にどのような効果をもたらしていくのか、高い関心を示す声が多く寄せられています。  先日、区議会定例会の開会にあたり、松原区長のご挨拶の中にあった「羽田空港跡地第1ゾーンの第1期整備事業につきましては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会前のまち開きに向け、順調に整備が進んでおります。引き続き、産業創造・発信拠点の形成を目指し、公民連携のもとで取り組みを進めてまいります」との言葉に、区内産業が持つ高いポテンシャルをさらに引き出し、着実に広げていく施策の展開を期待するところであります。  一方で、区内産業の今、そしてこれからの展望についてまだまだ不透明感が否めない中、相談対応や新たな取引先とのマッチングのほか、事業承継の問題や設備投資等々の課題解消のためにも、一つ一つの企業に寄り添う、いわゆる伴走型の支援の充実を望むところでございます。  平成30年度決算では、産業経済費の予算現額40億5,433万円余に対し、支出済額37億3,482万円余、不用額2億7,513万円余、執行率92.12%となっております。産業経済部と公益財団法人大田区産業振興協会を中心とした様々な団体とのネットワークで多くの産業振興事業を推進しておりますが、区内中小企業の状況、不用額の背景などについて区の見解をお伺いいたします。 ◎飯嶋 産業経済部長 ものづくり産業分野における区内企業の状況につきましては、様々な業態の企業が存在する中でも、減少基調にある受注への対応、人手不足、事業承継などは共通の課題であると認識をしております。  一方で、本区がものづくり中小企業にとって優位性ある操業環境を有していると認識された結果、継続・新規ともに旺盛な立地意欲が企業間に存在しており、こうした需要への対応も求められるところございます。  また商業分野におきましては、売上の停滞・減少、利幅の縮小、人件費の増加・人手不足などが、中小事業者及び個人事業主の共通課題となっております。  一方で、鉄道事業者と商店街との異業種連携が盛んに行われるようになるなど、新たな商業振興の動きも出てきているところでございます。  なお、不用額発生の要因といたしましては、ものづくり分野においては、製品・技術開発支援事業など、産業振興協会及び助成先企業の創意工夫などにより効率的な執行に努めたこと。商業分野では、天候悪化等によるイベント中止などもあり、執行率が低い事業が存在したこと等が上げられます。  区は平成30年度予算を執行する中で、取引の拡大につながる機会の創出、ものづくり人材育成のための推進、企業誘致、留置活動や立地向け補助金の助成などに取り組んできたところでございます。  さらに都内最大の商店街数を数え、大田区商店街連合会をはじめとした商業団体や多くの商店街の様々な活動に対し、区は下支えをする役割を担っていると考えております。  以上のことを念頭に、引き続き中小事業者の発展のため、効果的な事業執行に努めてまいります。 ◆田村 委員 羽田イノベーションシティ開発を契機に、国際的なビジネス展開の起点をつくるための事業として、海外人材連携構築事業が実施されました。  所管委員会での事業報告では、「産業交流施設を核として、将来的に活躍し得る人材を発掘し、区内企業と海外企業、そして大田区と海外政府・自治体との連携を推進するために、海外の政府・自治体職員や技術者、また、訪日留学生などをターゲットにいたしまして、今後の大田区の産業経済活性化の観点から、大田区の商い力、商店街の集積、そして高度な技術力、また魅力ある文化などに触れる機会を提供いたしまして、大田区への評価を高める産業交流のプログラムを実施したいと考えている」とありました。  人と人、国と国との交流から見えてくる貴重な体験を集約し、次世代の大田区産業振興につなげていく取り組みは非常に有効的であると思います。  そこで伺います。昨年度に4回実施されてきた本事業における主な成果について、お知らせ願います。 ◎飯嶋 産業経済部長 この事業は、委員お話しのとおり、海外からの留学生を主な対象として実施をしており、昨年度実施した4回の事業では、28か国、128名の外国人留学生等が参加をいたしました。参加者の皆さんには、大田区のものづくり技術の体験や、生活感あふれる商店街での区民の方々との交流などを通じて、大田区の産業面の魅力を感じていただいたところでございます。  また、プログラム参加者には、大田区の製造業や商店街での現場体験を、各自のSNSを活用して、母国の友人や政府関係者等に向けて発信していただき、区単独では難しい多様性に満ちた人脈を生かした情報発信を世界各地に行うこともできました。  さらに、過去の参加者に対しましては、区が行う産業振興関連のイベント等への参加を呼びかけ、実際に参加していただくなど、事業終了後も関係性を保っており、人と人のつながりを通じて大田区のファン層が着実に広がっていることも成果であると認識をしております。 ◆田村 委員 ただいまご答弁のあったとおり、プログラムに参加された留学生たちが、日本の文化や産業の一端を情報としてSNSで発信していくことで、より多くの国、人、企業につながっていくことは非常に有効的であると考えますが、今後の課題、展開について、区の見解をお伺いいたします。 ◎飯嶋 産業経済部長 今後の課題とそれを踏まえた展開については、二つの視点からの取り組みが必要と捉えております。  一つは、地域でより具体的な成果を上げることです。そのためには、商業面では各商店街や個店におけるインバウンド客への対応力向上につながるノウハウを蓄積することが重要であり、ものづくりの面では実際に取引案件の創出や人材の確保などにつなげていくことを目指してまいります。  もう一つは情報発信の強化であり、大田区から世界に向けて発信される情報の量と質の両方を高めることです。そのためには、参加者に対して参加後も継続して関心が高い、タイムリーな情報を随時伝えて、それらを広めてもらえるよう工夫することが必要です。その上で、質的にも、海外にいる参加者の人脈に大田区の産業の魅力がわかりやすく伝わるようなコンテンツの工夫が必要であり、数多く発信されて広まった情報を把握、分析することで、より効果的な発信方法等を追求してまいります。 ◆田村 委員 次に、戦略的産業クラスター形成パイロット事業について伺います。  本事業は、将来持続可能な成長が見込まれる次世代産業で、大田区のものづくり産業と親和性の高い分野を絞り込み、段階的に産業クラスターを形成することで、区内産業の技術力・対応力の向上を図るとし、主に三つの分野での産業クラスター形成を推進するとあります。  平成30年度は六つの企業、グループが採択され、5,982万円余が支出されました。この事業申請における審査方針で重視している点として連携体制、市場性、地域貢献性が上げられておりますが、この点を価値的に磨いていくために、ただ単年度の事業支援でしめくくるのではなく、そのプロジェクトが継続して計画を推進していけるよう、引き続き区や産業振興協会によるフォローアップも必要ではないかと考えます。  そこで伺います。本事業の平成30年度の支援内容と成果、また、見えてきた課題などについて区の見解をお伺いいたします。
    ◎飯嶋 産業経済部長 本事業は、羽田イノベーションシティの開発で展開されるロボティクス、次世代モビリティ、ライフサイエンス・ヘルスケアを主な分野として、区内産業の技術力・対応力の向上を図ることで、今後より成長が見込まれる産業分野での区内産業力強化を目指しております。  事業実施の際は、テーマごとに大田区産業振興協会職員及びコーディネーターが、適宜、相談対応や各種支援メニューの提供を行いました。  30年度の成果としまして、小型自立走行移動体の開発や眼科手術機器及びシミュレーターの開発など、採択した6テーマにおいて、区内企業が大企業や大学等の研究機関とともに、研究開発型コンソーシアムを形成する端緒を開くことができたと判断をしております。  見えてきた課題といたしましては、産業創出のためには一定の期間が必要であり、開発段階に合わせた継続的な支援が必須であることがわかりました。また、空港跡地で展開される分野以外に、環境やエネルギーなど、社会課題となっている分野も視野に入れるべきとの認識に至っております。  産業クラスターを形成、定着させるためには、総合的な環境整備が重要であり、言いかえれば、産業クラスター政策は産業のまちづくり政策を推進することであるとも言えます。  今後は、抽出されたこれらの課題の解決に向け、事業検証を踏まえた事業見直しを行い、大田区にふさわしい産業クラスターの形成に努め、課題解決型の産業創出を促進する体制を構築してまいります。 ◆田村 委員 産業の分野も、また、これまでの区内ものづくり産業の分野も、その事業なり経営を安定させていくには、取引の拡大、受発注の活性化が大変重要と考えます。  先日、加工業を営む区内企業を訪問し、ものづくり産業界での課題やこれからの産業振興のあり方について様々なご意見を伺ってまいりました。  企業主いわく、これまでの受発注形態は、大手親企業からの直接発注が主であったが、この大手企業も海外展開となった近年では、現在大田区が促進している受発注拡大・マッチング事業の取り組みは大変重要であるが、受発注それぞれの企業の特性を把握していかないとその価値が見出せないのではとのことでした。  確かに、その企業が掲げる企業理念や社内環境、生産性等様々な状況を把握した上で、より効果的、有効的にマッチングを仕掛けていかなくてはならないと思いますし、先ほどお示しいただいた海外人材連携構築事業、産業クラスター形成なども継続が難しくなるのではないかと思います。  そこで、産業経済部の部局重要事務事業に位置づけられている取引拡大の支援事業を推進するため、区内ものづくり企業の状況をつぶさに把握し、価値的にマッチングを仕掛けるディレクター的なセクションが必要と考えるところであります。  先般、羽田イノベーションシティにおける区施策活用スペース、(仮称)羽田研究開発ラボへの入居希望者の募集が開始されました。製品開発・受発注ネットワークの拠点として大きく期待されるこの機能と、これまで区内のものづくり企業支援の中枢を担ってきた産業プラザPiOとがしっかり連携することで、受発注マッチングを仕掛けるディレクター的な取り組みがさらに充実したものになると考えますが、区の見解をお伺いいたします。 ◎飯嶋 産業経済部長 羽田イノベーションシティの区施策活用スペースには、区内産業が有する高度な技術を求める企業を誘致する区画や、多様な研究開発に取り組む方が利用できる交流空間の区画などを設置する予定です。  区では、跡地に多様な情報や人が集まるという機能を十分に生かして、集まる情報を適切に区内企業に提供するとともに、人と人を結びつけ、区内企業の取引機会の拡大を図ることを目指しております。  これらを実現するためには、委員お話しのとおり、区内企業の状況をつぶさに把握するとともに、最適なマッチングを可能とする機能強化を図ることが何よりも重要でございます。  現在、大田区産業プラザでは、区内ものづくり企業を中心にビジネス拡大の支援、企業と大学、研究機関との連携推進など、区内産業の活性化を目指した支援を展開しておりますが、こうしたいわゆるソフト支援の推進力となっているのが大田区産業振興協会でございます。  そのため、羽田イノベーションシティでの情報や人を的確に産業プラザにつなげ、より価値の高い、効果的なマッチングを実現するべく、産業振興協会が区施策活用スペースの運用に参画することが重要でございます。  これにより、跡地の情報と区内企業の情報を一元的に把握できる仕組みをつくるとともに、人と人を結びつける機能も発揮してまいります。 ◆田村 委員 羽田空港の有する国内外へのゲートウェイ機能を最大限に活用し、区内ものづくり企業の持続可能な成長を促進するために、産業社会基盤の構築を期待し、次の質問に移ります。  次に、住民の暮らしを守る取り組みについて幾つか質問をさせていただきます。  昨年9月30日の台風24号の影響で、大田区内においても倒木など約100件の被害が報告されました。翌朝、地域内を確認していたところ、解体工事中の工場が、外壁が崩れ落ち、パイプ足場で組まれた養生は隣接する住宅にもたれかかるように倒壊している状況でありました。  近隣の通報で、直ちに警察により規制線が張られ、とりあえずの安全確保はできたものの、この崩れ落ちた外壁は石綿含有材であることから、周辺住民の間で大きな問題となりました。解体業者の企業主は日本人で、台風の後片づけに来た以降はほとんど解体現場には来られず、その後は外国人による作業が続けられていました。  建物解体において発注者の責務として、石綿等事前周知実施報告書の提出が求められていますが、残念ながら現場周辺にお住まいの方に伺ったところ、解体の手順、飛散防止の措置などの説明はもちろん、そもそも石綿含有材の解体工事であることの説明は一切なく、数件に告知の紙がポスティングされたのみとのことでした。  建物解体工事の際には、建設リサイクル法並びに大田区建築物の解体工事計画の事前周知と紛争予防に関する要綱に基づき各種の届出書が提出されますが、区では年間、レベル1からレベル3についてどのぐらいの申請を受け、その申請に対しどのような管理をしているのか、また石綿等事前周知実施報告書に記載の説明の履行について、どのように確認をしているのか、お示し願います。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 解体工事に関する建設リサイクル法の届け出は、年間約1,200件ございまして、大田区解体要綱の届け出につきましては、年間約200件ございます。  石綿の有無につきましては、建設リサイクル法の届け出時に、大田区解体要綱で定める特定粉じん(石綿等)事前調査記録書の提出により確認してございます。この事前調査記録書による作業レベル1、2に該当する「石綿の吹きつけ材や保温材が使用されている建物の解体工事」につきましては、年間約30件ございます。  また、作業レベル3に該当いたします「石綿を含む成形板が使用されている建物の解体工事」につきましては、年間約400件ございまして、全て台帳管理を行っております。  建物の階数が3階以上または地下階があるもの、また床面積の合計が500平米以上の規模の解体工事の場合には、石綿の有無にかかわらず大田区解体要綱に基づきまして事前周知報告書の提出を求め、解体工事についての近隣住民への周知状況を確認してございます。  また、石綿等事前周知実施報告書については、作業レベル1、2に該当する解体工事の場合には、建物の規模にかかわらず提出を求めてございます。  報告書に記載された解体現場周辺住民への説明状況については、説明範囲、配布資料及び説明内容につきまして、報告書提出時に確認してございます。 ◆田村 委員 今ご紹介した解体現場では、その後もパイプ足場と養生シートでの仮囲いのまま作業が続き、廃材をダンプに積み込む際には多くのガラが道路や個人宅の敷地に落ち、住民の不安も大きくなっていました。区のホームページには、解体現場へ立入検査の実施について記載があります。そのまま読み上げます。「届出書・報告書が提出された解体等工事については、飛散防止計画等の内容を審査するとともに、法律で定める作業基準等及び条例で定める遵守事項等の実施状況を確認するため、法律第26条第1項、条例第152条第1項及び要領第8条第1項の規定に基づき工事現場に立入検査を実施します。なお、必要に応じて複数回数の立入検査を実施することがあります。立入検査時には、区担当及び施工者双方が要領で規定する作業基準確認書に記載の事項について確認をします」とあります。  そこで伺います。立入検査についての記載のとおり各解体現場において、区の担当者と施工者が調査及び確認の作業を行うことになっておりますが、その実施状況についてお示し願います。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 建物に使用されている吹きつけ石綿、保温材等の作業レベル1、2の解体現場につきましては、大気汚染防止法、環境確保条例及び大田区特定粉じん排出等作業事務取扱要領に基づき、立入検査を実施しまして、石綿の除去作業等についての指導及び現場監視を行っております。  また、作業レベル3の解体現場につきましては、監察業務による現場巡回で標識の設置などを確認するとともに、必要に応じまして施工業者に作業手順などの指導を行っております。 ◆田村 委員 本年6月23日の一般紙に、アスベスト全件報告義務との見出しで、環境省が2021年春の施行を目指し法改正の検討に入るとの記事が掲載されました。  改正による新たな仕組みでは、解体・改修する建物は全て事前に調査を行い、アスベストの有無を自治体に報告し、報告を受けた自治体は、解体・改修現場に立入検査を実施し、アスベストの飛散防止などの適切な対策がとられているかどうかを確認するなどの措置が検討されるとのこと。  国の機関で検討が始まったばかりですが、実務量と人員のバランスから、区職員だけでは対応できない状況も想定し、区内業者への委託や助成制度など広く検討を進めていく必要があると思います。  地域住民の暮らしを守るため、国の動向を捉え、的確な対応を区に求めますが、見解をお伺いいたします。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 大気汚染防止法は、建物の解体や改修工事の際に、事前調査を行い、建物に吹きつけるなどした石綿がある場合は、自治体に届け出を行うことになっております。  現在、国が検討している新たな仕組みでは、報告主であります施工業者や発注者に事前調査の報告義務の徹底を求めていることや、自治体のチェック体制の構築の必要性などが検討されてございます。  その一方で、中小の建設業者には調査の手間や金銭負担、こういったものが重くのしかかり、事前調査の報告に及び腰になるといった可能性があるなどの懸念があるのではないかといった指摘もございます。  区は、作業レベル1及び2の工事案件については、全件検査を既に実施しているところでございまして、本年度よりその他の解体工事案件につきましても、必要に応じて現場確認や窓口での指導を特に強化しているところでございます。  区は、引き続き国や関係機関の動向を注視いたしまして、解体工事等に関する課題を整理いたします。また、関係部局との情報共有及び連携を図りながら、窓口や現場指導をより強化することで、解体工事等における石綿被害防止に向けた取り組みを進め、地域住民の安全・安心な暮らしを守る対応に努めてまいります。 ◆田村 委員 今のご答弁の最後のお言葉にもありましたけれども、ぜひとも地域住民の安全・安心な暮らしを守る対応の充実を要望させていただきます。  次に、区内の公共交通について伺います。  本年9月5日、京急本線の神奈川新町駅に隣接する神奈川新町1号踏切で列車とトラックの衝突事故が発生し、これにより改めて鉄道環境の安全性を問う声が大きくなってきました。  そこで、区内鉄道事業者の駅のホームドア設置について幾つかお伺いいたします。  大田区は東京都と協調して補助を行い、1日の利用者数が10万人以上の駅であるJR大森駅と蒲田駅についてホームドア設置工事を推進してきており、去る9月23日にJR大森駅において、いよいよ運用開始となりました。引き続きJR蒲田駅につきましても、本年11月の運用予定と伺っています。  また、交通臨海部活性化特別委員会でも報告がありましたが、8月9日から京急蒲田駅3番線及び6番線でホームドアの運用が開始されたとのことで、ターミナル駅の安全対策が着々と進んでいることを実感しています。  今、取り上げた駅以外についても、今年度はホームドア設置工事が進捗していると伺っておりますが、現在、大田区内駅におけるホームドアの整備状況について詳しくお示し願います。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 委員お話しのとおり、大森駅に続き蒲田駅も今年11月ごろに運用開始となる予定でございまして、利用者数が10万人以上である両駅においてホームドアが運用されることとなります。  京急蒲田駅につきましては、空港線ホームの1番線、4番線及び本線ホームの3番線、6番線が運用開始しておりまして、残る2番線、5番線については今年度中に固定柵の設置を予定しているところでございます。  また、東急線についても、大井町線大岡山駅が4月13日から運用開始しているほか、北千束駅、東横線多摩川駅が今年度下期に完成予定とのことでございます。  この予定で進みますと、今年度末で区内43駅のうち、ホームドア及びセンサー付ホーム柵の整備駅は32駅になります。  区は、これまでも駅ホームにおける安全確保の重要性を認識してございます。平成29年度に策定した大田区交通政策基本計画の検討にあたりましては、鉄道事業者と議論を重ね、駅のバリアフリー化の充実として、区内駅のさらなるホームドア設置促進を本計画に位置づけております。その後も鉄道事業者と情報共有を密に行っておりまして、その成果として、ここに来てホームドアの整備が進んできていると認識しております。 ◆田村 委員 これまで大田区議会公明党として、例えば視覚障がいをお持ちの方がホーム上から転落するなどのリスクを抑止するためにも、その対策に有効なホームドア設置を進めるよう強く要望してきており、その整備が今年に入って大きく前進したことに対し、区の所管担当をはじめ、鉄道事業者の関係各位に深く感謝いたします。  しかし一方で、区内でもホームドアやセンサー付ホーム柵が未設置の駅がまだ幾つかあります。  そこで、未設置の駅について、現段階における整備計画や方向性について、状況をお示し願います。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 都営浅草線の馬込駅、西馬込駅につきましては、東京都交通局の経営計画2019におきまして「ホーム事故ゼロを目指して、都営地下鉄全線にホームドアを整備」と掲げておりまして、2023年度までに整備完了することが計画されております。  京急線につきましては、平和島駅をはじめ9駅が未設置となっております。区は京急電鉄に対して、これまでも駅の安全性向上の観点から全ての駅にホームドアを設置するよう働きかけておりますが、現段階におきましてはホームドアが設置されているのは3駅にとどまってございます。 ◆田村 委員 整備計画が未定の駅につきましても、より一層の取り組みが必要であると考えます。京浜急行線のホームドア設置についても、我が党の大橋武司議員が常に言及しており、直近では今年の3月の予算特別委員会の質疑において、平和島駅やその他の駅への設置を要望しました。  こうした中、7月19日の都政新報で、東京都が駅のバリアフリー化に対する補助拡大を検討しているとの記事が掲載されたことから、今後の計画の具体化が望まれるところとなりました。  そこで、区内のホームドア未設置の駅に対して、今後大田区としてどのようにアプローチをしていくのか、区の見解をお伺いいたします。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 残された駅につきましても、例えば快特や特急といった優等列車の通過駅は危険なことなど、京急電鉄と区のほうで実際に現場確認により認識を共有化してございます。  こうした点を踏まえ、引き続きホームの安全対策について、京急電鉄とともに追求してまいります。  一方、東京都におきましては、鉄道駅バリアフリーに関する優先整備の考え方について検討しております。  その中で、これまでは利用者が10万人以上の駅をホームドア等の整備の補助対象としておりましたが、利用者が10万人未満の駅に対しても東京都が優先整備の考え方を示し、補助対象を拡大、充実して整備の促進を図る方向で検討を進めてございます。  東京都と協調補助を行っている区としましても、その動向を注視し、区内駅の安全対策に対する取り組みを支援してまいります。 ◆田村 委員 ここまで、より安全な建物解体と公共交通の整備について、様々確認をさせていただきました。  次に、区立小・中学校におけるICT教育の推進に伴う環境整備の進捗状況など、2点質問をさせていただきます。  政府が掲げる教育分野での成長戦略と人材教育の重要性について、第3期教育振興基本計画では、確かな学力のためのICT活用や、次期学習指導要綱によるプログラミング教育の推進が明示されており、これからの教育分野での幅広い情報化、デジタル化に伴う環境整備が求められてきます。  その一つとして、平成29年からの3か年で、総務省スマートスクール・プラットフォーム実証事業及び文部科学省、次世代学校支援モデル構築事業を連携させた実証、検証が行われており、先日、この指定地域となった愛媛県西条市のICT環境の導入事例についてお話を伺いました。  西条市は、ICTを活用したスマートシティー西条構想を計画。その中の教育分野では学び方改革、働き方改革を柱に掲げ、個別計画では6分野、1、電子黒板とデジタル教科書類、2、学習者と教師用タブレットPC、3、校務支援とテレワークシステム、4、バーチャルクラスルーム、5、英語学習AIロボット、6、優秀なICT支援員をご紹介していただきました。高セキュリティーのクラウド環境を構築することで、教職員間での参考資料の共有、情報交換、各授業でのタブレット端末の有効活用が図られるなど、どの計画も教職員の校務負担の軽減につながっていると伺いました。  そこで伺います。大田区教育委員会では、学校運営における様々な目的を達成するために各種システムが導入されています。このシステムのクラウド化によって、本区の校務用システム、教科用システムの両環境に共有ファイルサーバー機能を持たせることで、教員同士のネットワークによる研修や参考資料の共有等が可能となり大変効果的であると考えますが、いかがでしょうか。またこの環境を構築する場合、どのような課題が挙げられるか、区の見解をお伺いいたします。 ◎後藤 教育総務部長 現在、区立小・中学校には、児童・生徒の個人情報や成績データなどを管理する校務支援システム、通称シーフォースを導入しております。このほか、電子黒板や授業支援ソフトを活用する際の教科用システム、就学支援機能を持つ学事システムなどを導入しております。教員間で一部参考資料の情報共有ができるよう環境を整えているところでございます。  委員お話しの西条市におけるクラウド化した共有ファイルサーバー機能の活用は、教科用資料の共有化による授業準備の効率化や授業改善、わかりやすい授業の実践などのほか、テレワークによるワークライフバランスの実現を目指しており、教育の質の向上や教員の働き方改革などに大きな効果が期待できるものと考えております。  なお、西条市に比べ学校数で約2.5倍、児童・生徒数で約5倍を抱える大田区への導入にあたりましては、費用対効果の検証のほか、個人情報の管理などセキュリティー面の安全性や、システム運営の効率性、安定性に加え、2,000名を超える教員がシステムを有効的に活用できる技術的支援体制の構築など様々な課題が考えられます。  引き続き、西条市など先進自治体の取り組みを研究するとともに、区の現状に最適で、効果的なICT環境の整備を進め、教育の質の向上や教員の働き方改革に取り組んでまいります。 ◆田村 委員 文部科学省は平成30年7月12日付で、第3期教育振興基本計画を踏まえた学習指導要領実施に向けての学校のICT環境整備の推進についてを公布しました。これには、2020年度から実施される学習指導要領において、情報活用能力を学習の基盤となる資質、能力と位置づけるとともに、各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図るという国の整備方針が明記され、今後の学習活動においてより積極的にICTを活用することを求めています。  そこで、この学習指導要領の実施を見据え、本区におけるICT環境整備について一つお聞きいたします。  2018年度以降の学校におけるICT環境の整備方針で示されている、1、学習者用コンピュータを3クラスに1クラス分程度の整備、2、指導者用コンピュータを授業を担任する教師1人1台、3、大型提示装置・実物投影機を100%整備とするなど、2022年度までの整備目標に対し、本区におけるこれまでの整備状況、並びに課題認識について、区の見解をお伺いいたします。 ◎後藤 教育総務部長 現在の区立小・中学校におけるICT環境の整備状況でありますが、大型提示装置いわゆる電子黒板につきましては、普通教室では100%、特別教室についてもおおむね100%の整備状況となっております。  また、指導者用コンピュータである教員用タブレット端末は、授業を担任する教員1人に1台の整備状況となっております。  一方、学習用コンピュータである児童・生徒用タブレット端末につきましては、現時点では小・中学校の児童・生徒あたり5.5人に1台程度となっており、文部科学省の3人に1台程度という整備方針の状況には至っておりません。  なお、今年度の全国学力・学習状況調査の結果によりますと、小学校におけるICT機器を「授業でほぼ毎日活用している」と答えた数値は、全国平均が37.1%、東京都平均が46.7%に対し、大田区では88.3%と倍以上授業に活用されている状況となっております。  今後の課題といたしましては、まずは未達成となっている児童・生徒用のタブレット端末については、3人に1台の配備が必要であると考えております。  今後も、ICT機器の活用による成果を見きわめつつ、教育環境のさらなる充実に努めてまいります。 ◆田村 委員 おおた教育ビジョンのテーマである、「豊かな人間性をはぐくみ、未来を創る力を育てる」に込められた教育委員会の思いを共有し、未来に羽ばたく子どもたちの成長をしっかりと支援していきたいと考えます。  以上で、総括質疑を終了いたします。 ○高山 委員長 会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。                午後 0時02分休憩                午後 1時00分再開 ○高山 委員長 ただいまから、決算特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、総括質疑を行います。  それでは、共産、質疑願います。 ◆黒沼 委員 日本共産党大田区議団の黒沼良光です。会派を代表して、総括質疑を行います。  決算書の主要施策の成果の冒頭に、未来プラン10年(後期)の成果を確実なものにするために、実施計画を策定して決算額を示したものとしています。その大もとの未来プラン10年(後期)で、大田区の将来人口を人口減としていることです。「少子高齢化が確実に予想される中」と少子化・人口減少論を無批判に受け入れて、克服の課題としませんでした。2018年度決算で、待機児解消の見通しが立たない、保育料や給食費を値上げして平気という決算になったのは、そのことを裏づけています。  提案します。少子化克服対策を持つべきです。少子化克服対策として最も大事なのは、出生率の水準の改善です。大田区は改善が見られません。施策が足りないからだと思います。政府が将来人口減としている根拠は、厚生労働省所属の国立社会保障・人口問題研究所、いわゆる社人研の発表している将来推計データですが、人口投影方式をとっています。人口投影とは、現在の日本が克服の努力を何もしないで、そのまま進行した場合というものです。ひどいものです。  原因は二つあります。一つは社会保障の削減、保育・教育等の負担増なのです。待機児解消は、区立保育園増設ならできるのに、民間任せにしたために達成していません。もう一つ、労働条件の悪化です。財界の目先の利潤追求を放任し、労働者派遣法の制定、低賃金、長時間労働など待機児解消と逆行する政策で、30年間に生涯未婚率を急上昇させてしまいました。出産退職も3人に1人です。欧米では、あり得ないことです。  伺います。現状改善なしの投影法を採用するのではなく、出生率の向上に向けて、ただいま申し上げました二つを克服の課題として取り組むことです。そうすると、人口減を当然視せずに済みます。お答えください。
    ◎市野 企画経営部長 現在進めております基本計画の策定にあたりましても、社会的背景を踏まえて、将来人口の推計や財政見通しをしっかりと捉える必要があるものと認識をしてございます。  そのような観点から、少子高齢化や人口減少という課題を克服するにあたり、出生率の向上に取り組むことは非常に重要なことだと考えてございます。  区は、「大田区まち・ひと・しごと創生総合戦略」におきまして、「結婚・出産・子育て・教育などの希望を叶え、未来を担う若い世代の活力あふれるまち」を目指して、合計特殊出生率の向上に取り組んでいるところでございます。  また、おおた未来プラン10年におきましても、大田区基本構想に掲げる基本目標の一つ、「生涯を健やかに安心していきいきと暮らせるまち」の達成に向けて、子育て環境の整備や、多様な子育て支援のための施策などを展開してございます。  個人の価値観やライフスタイルが変化する中、区民が理想とする出生数をかなえることができるよう、引き続き、安心して子どもを産み育てられるまちづくりに取り組んでまいります。 ◆黒沼 委員 大変美辞麗句な答弁をいただきました。言葉は美しくきれいなのですが、中身は正反対なのです。政府は逆行をしているとおりと申し上げました。大田区は残念なことに、政府の言いなりです。ですから、どんなに美しい言葉で答弁しても、やっていることは逆行なのです。  一言つけ加えておきます。この少子高齢化の原因となった社会保障の削減、労働条件の悪化が、生涯未婚率の急上昇、少子化を招いてきたことを正面から改めて見据えて、施策を強めていただきたいことを申し添えておきます。  実は、この二つの原因を克服しなければならないと、「少子化社会対策白書」に記載しているのに、政府も逆のことをやっています。前述の政府の「少子化社会対策白書」第3章、子育てしやすい社会の実現に向けての「1、初めに」の最初に、「少子化の問題は、若者の経済的な不安定さや長時間労働、仕事と子育ての両立の難しさ、子育て中の孤立感や負担感、教育費負担の重さなど様々な要因が複雑に絡み合って生じている」と記しています。これは正しいと思います。  政府は、「少子化社会対策白書」では、二つの少子化の原因を指摘しながら、投影法という方式で少子化を肯定し、将来人口減として、行政の責任を放棄することは許されません。大田区は地方自治体です。ですから、自治の精神で、国の言いなりになる必要はありません。  お聞きします。白書をお読みでしょうか、お答えください。 ◎市野 企画経営部長 「少子化社会対策白書」は、少子化社会対策基本法に基づき、少子化の状況及び少子化に対するために講じた施策の概況に関する報告として、国会に提出しているものでございます。  少子化対策基本法は、少子化社会に講じられる施策の基本理念を明らかにするとともに、国及び地方公共団体の責務、少子化に対処するために講ずべき施策の基本となる事項などを定めたものでございます。したがいまして、その年次報告として提出される「少子化社会対策白書」の内容は把握をしてございます。  引き続き、少子化社会対策基本法に掲げる地方公共団体の責務を果たすために、少子化に対処するための施策に関しまして、国と協力しながら地域の実情に応じた施策を策定し、実施してまいります。 ◆黒沼 委員 答弁をいただきました。読んでいらっしゃるようです。読んでいらっしゃるのに、なぜ逆のことをやるのでしょうか。人口減としなければいいではないですか。この、なぜ少子化なのかというのを政府がやっているわけですから、これに見合った対策をやれば、長寿命社会はいいことですけど、少子化は克服です。そうしたら人口減にならずに済むではないですか。大田区の未来プランも、人口減を当然視しています。今の答弁は、やっていることと逆なのです。政治家というのは、行政もそうですが、やっていることと言うことが一致しなければなりません。一致してください、要望しておきます。  改めて、具体的に提案します。少子化克服のための課題の一つには、社会保障の充実です。待機児解消達成とともに、保育料を2人目から無料に、小・中学校の給食費無料、子育て世代に大変喜ばれている子ども医療費無料化の18歳まで延長など、子育て・教育負担の軽減です。  二つ目は、8時間働いたら普通の生活ができる労働条件の改善です。男性並みの賃金で女性の賃金差別の解消など、ジェンダー平等の取り組み、あるいは家庭と仕事の両立などダイバーシティの実現です。そうすれば、少子化克服は進みます。  以上、政府の「少子化社会対策白書」からも求められる少子化対策を、大田区に改めて要望しておきます。  次に、決算の受益者負担と負担の公平についてお聞きします。民間は、社会保障の立場ではありません。利益を上げることを目的とします。サービスの向上も利益のためです。赤字ならば民間は撤退します。大田区は地方自治体です。地方自治法に基づき、区民生活を守ります。自治体は、そのために地方自治法第223条に基づき、地方税を徴収します。その地方税はどのように使われるかというと、憲法で自治法に基づき、住民を守るために地方税の所得再分配機能を発揮して、政治は行われます。地方税の所得再分配が十分に発揮されないと、全体の奉仕者という大切な役割が発揮されず、一部に税金が偏ります。そうなると、負担能力がない人は、サービスから排除されることが起こってきます。  お聞きします。地方自治の社会保障の財源は、所得再分配機能を根底に考えるべきです。お答えください。 ◎市野 企画経営部長 社会保障の機能につきましては、国は三つの機能を示してございます。一つ目は、生活のリスクに対応し、国民生活の安定を実現する生活安定・向上機能。二つ目は、社会全体で低所得者の生活を支える所得再分配機能。三つ目が、経済変動の国民生活への影響を緩和し、経済を安定させる経済安定機能でございます。  このうち所得再分配機能につきましては、所得税や相続税の累進構造などを通じて、歳出における社会保障給付等と相まって、所得や資産の再分配を果たし、個人や世帯の間で移転させることにより、貧富の格差を縮小させ、低所得者の生活の安定を図るものとされており、これは税の役割の一つでもございます。  現在、我が国では急速な高齢化が進んでおり、社会保障の給付と負担が、経済の伸びを上回って増大することが見込まれてございます。将来にわたって経済・財政と均衡のとれた社会保障制度を安定的に持続させるためには、制度改革を進めていく必要があると国は示してございます。  区といたしましては、こうした社会保障制度や税の役割の考え方を踏まえ、財政規律の堅持、行政資源の配分の効率化なども考えて、区政の推進に今後も取り組んでまいります。 ◆黒沼 委員 おおむね正しく理解しているはずなのに、なぜやることが違うのでしょうか。受益者負担というのは、生命保険方式が典型ですが、よい保険を使いたければ、ふさわしい保険料をかけなければなりません。受益者負担というのは、これと同じなのです。今、区が答弁した内容と正反対なのです。  これとは異なり、税金で行う社会保障の分野は、市場原理とは違ったルールで行うべきです。そうでないと、負担能力がない人はサービスから排除されることが起こってきます。  ですから、地方自治法第223条で地方税を賦課徴収できる、第225条で使用料を徴収できるとしています。区の言う受益者負担は、租税によるサービスと税外負担によるサービスを履き違えています。受益者負担といっても、普遍的に住民が必要とするサービスと普遍的サービスを明らかに超えるサービスがありますが、税外徴収は普遍的サービスを明らかに超えるサービスのみ利用料、使用料をとることはできるというのが、法の趣旨です。普遍的に受けられる公共サービスは税内負担、つまり区民税でサービスすべきであって、税外負担で利用料、使用料をとることは、原則不当です。  この立場から、今回、議会に出ている、森ケ崎公園のサッカー場の高過ぎる料金に建設費などを含むことは、基本、税で行わなければならないことを、受益者負担という名目で税外負担にするなど、不当そのものなのです。  お聞きします。受益者負担は税外負担、不当の原則をゆがめることで、普遍的サービスを明らかに超える場合にしか受益者負担を対応してはならないのに、普遍的サービスまで受益者負担として、区民に負担を強いるのが大田区だと思います。地方自治法第223条、第225条からも不当です。そうしないためには、税金の所得再分配機能が生かされることが必要です。  今、最初に答弁して、ちゃんと1、2、3の2に、区もご存じなわけですから、ぜひこの点に立ち返って、行っていただきたい。お答えください。 ◎市野 企画経営部長 地方公共団体は、住民福祉の増進を図ることを基本として、最少の経費で最大の効果を上げながら、地域における行政を自主的かつ総合的に実施するよう、地方自治法で定めているところでございます。  区におきましても、効果的で効率的な事務執行を常に意識しながら、防災、福祉、子育て、健康づくり、産業振興、教育など、区民生活の一層の向上に向けて、様々な施策を実施しており、その財源は基本的には税などで賄っているところでございます。  こうした中、受益者負担につきましては、地方自治法におきまして、必要な費用に充てるため、特に利益を受ける者から、その受益の限度において分担金を徴収することができる旨、規定されてございます。  区といたしましては、受益者負担の原則は、負担の公平性の観点から、また財政の適切な運営からも重要なものと考えてございます。  そのため、サービスの内容、サービスを利用される方とされない方との公平性の観点、さらにはサービスを受けられる方の所得に応じて負担割合を調整する場合もあるなど、様々な角度から検討を重ねた上で決定をしてございます。  区は、今後も社会経済状況を踏まえながら、受益者負担の適正化に向けて、適切に対応してまいります。 ◆黒沼 委員 ただいまの答弁からいたしますと、第223条の地方税を取ることができるという答弁はできなくなってしまいますよ。  一つ検討をしていただきたいのですが、この普遍的サービスを明らかにするということは、第223条なのです。これを明らかに超える場合の、おっしゃった、特に利益を受ける者と、みずから答弁していただきましたが、これが明らかに普遍的サービスを超える場合に受益者負担として利用料をとることができるということになっているのです。それをごちゃまぜにしているのです。普遍的なものまで第225条になってしまっているわけです。ぜひもっと検討をしていただき、地方自治法第223条、第225条の普遍性と不当性、ちゃんと分けて区民のために仕事をしていただきたい、要望したいと思います。  次に、2018年度決算で、主に羽田空港跡地購入についてお聞きします。  区長は、我が会派の代表質問の、「土地購入費と賃借料を合わせると赤字になる」との質問に、「区が活用する4,000平米に企業を誘致し賃借料を徴収することから、歳出増になることは想定していない」という答弁でした。  しかし、大田区が160億円で国から購入した5.9ヘクタールは、本来、大田区民の憩いの場であるはずなのに、鹿島建設株式会社中心のグループ、羽田未来株式会社に50年間、平米600円という格安で賃貸し、総延床面積12万5,400平米の施設の建設を契約しましたが、いつの間にか延床面積13万1,000平米に拡張をされています。5,600平米も増やして契約変更をしたのです。それは契約の第3条3項の特別条項を使う、こそくな手段です。鹿島が無人自動車走行のための附属施設が必要となったということのようです。  大田区の未来をかけるという、うたい込みで鹿島から借りた床面積4,000平米よりも、はるかに広い敷地です。これは、どうしても愛媛県の加計学園とうり二つの国家戦略特区のやり方です。まさに、大田区の加計学園版というべきものではありませんか。  お聞きします。なぜこのような便宜を図ったのでしょうか、お答えください。 ◎白鳥 空港まちづくり本部長 平成30年5月9日に締結した、羽田空港跡地第1ゾーン整備事業(第一期事業)の事業契約書の第3条第3項では、目的を達成するため、区の事前の承諾を得た上で、募集要項等の範囲内において事業内容を変更することができると規定しております。総延床面積の増加は事業契約に基づく承諾の結果であり、便宜を図ったものではありません。  事業者の提案に対しては、事業者選定委員会から「一部の事業においては、やや具体性に欠けており、今後、事業計画の実現性をより高める必要がある。また、開業時点での土地活用策について、もう少し工夫が必要である」との指摘がなされました。  こうした指摘を踏まえ、先端モビリティセンターを令和2年に新たに開設するなど、羽田イノベーションシティにおける先端技術を広く発信する工夫などについて、事業者から改善提案があり、区が承諾したことにより、総延床面積が増加しております。 ◆黒沼 委員 ただいま答弁をいただいたように、国家戦略特区というのは、もともとグローバル企業を含めて活動をしやすくするための戦略です。今の答弁は、そのことを見事に証明したではありませんか。要求するものは全て受け入れる、こうなっているように感じます。  大田区が鹿島グループから借りる4,000平米は、平米6,000円と10倍もの高い賃料を払うのが理解できません。大田区は、9月に羽田空港跡地第1ゾーンの区施設活用スペース、「仮称羽田研究開発ラボ」入居予定者募集要項を発表しました。これには募集ユニットとして、1階に動力50アンペア、7ユニット、2階に100アンペア、10ユニット、1階、2階合わせて17ユニットしかありません。この事業は、国内外企業の呼び込み型です。果たして、区内企業とどれぐらいマッチングできるのでしょうか疑問です。しかも2018年度主要施策の成果には、6か国に募集を行い、3案件を試作開発に向けたマッチングを行ったとあります。海外との取引でこれだけ苦労をしているわけですから、今後、区長が出島と位置づけている跡地に、海外からの企業を誘致するのは至難のわざと考えます。  伺います。たった17ユニットぐらいで、アンペアも普通の家庭同様です。17ユニットで区内全企業に、どれだけの受発注を増大させることができるのでしょうか、お聞きします。  具体的には、たった17ユニットで最先端医療、ベンチャー企業、外国人財として、区内中小企業を支えるマンパワーの確保とのことですが、とても区内中小企業を救う施策とは考えられません。お答えください。 ◎飯嶋 産業経済部長 大田区には、高度な基盤技術、技能を有する中小企業が集積しておりまして、これまでも国内を中心とした高度先端産業を支えてきたところでございます。  先端産業分野につきましては、産業構造の変化や技術の進歩等によりまして、時代に合わせて変化をいたしますが、区内企業が有する技術は、どの分野とも親和性の高い基盤技術であるため、これからの先端産業分野からも十分に必要とされることが見込まれるところでございます。  こうした強みを生かしまして、今後も区内産業が維持、発展をしていくためには、成長が期待される先端産業分野に参入する企業等と区内産業との接点を増やしていくことが必要であると認識をしているところでございます。  このため、区施策活用スペースにおきましては、羽田空港至近の立地のよさを生かしまして、より高度な先端産業分野での研究開発に取り組む企業を誘致する予定でございます。  近年は、ベンチャー企業も高度な先端産業分野の研究開発に取り組んでおりまして、成果を上げているケースもございます。これらのベンチャー企業への働きかけも重要であると思っております。  これらの誘致に加えまして、研究開発に取り組む企業に対しまして、適切な区内企業を速やかに紹介できる体制を整えることで、付加価値の高い案件が区内企業に発注される仕組みづくりに取り組んでまいります。  なお、区施策活用スペースには、入居者向けの区画のほかにも、外部の事業者との区内企業が交流するための空間や、支援サービスを提供する窓口なども設ける予定であるため、これらを総合的に勘案して、入居募集を17区画としており、適切であると判断をしております。 ◆黒沼 委員 ただいま長い答弁をいただきましたが、今の答弁から伺えることは、5年前の大田区の全数調査をしっかり教訓として学ばなかったという失敗を語っているものなのです。失敗。今も全数調査をしておりますが、では大田区はどうなっているか。  大田区の産業について伺います。地方自治は、区内で富を生み出すことです。区民が税金を納めやすいように、区民が豊かになることによって、区民税も増える仕組みが大切です。大田区産業の決定的要素は、区内再投資力です。この量的形成が大事です。  グローバル企業は、区内再投資力になりません。なぜならグローバル企業は、利益を全て本社に持っていってしまうからです。区内には投資力はないからです。その点、中小企業は、区内投資力の中心です。区内にある中小企業、小規模企業、NPO、そして自治体が毎年地域に再投資を繰り返すことで、区内に仕事と所得が生まれ、区民の生活が維持、拡大されます。その再投資規模、個性的な産業、企業、地域景観づくりをいかに高めるかが区政に問われます。  このことを通して、区民一人ひとりの生活の営みや大田区の税収源が保証され、こうした地域経済の自立性の向上が、区財政力の強化につながると考えます。  伺います。大田区産業の決定的要素は、区内再投資力の量的形成と地域経済の自立性です。しかし、空港跡地開発のようなグローバル企業型の区政政策では、区内再投資力にはなりません。区内再投資力の量的形成には、地域内投資力の圧倒的な担い手は中小企業と考えますので、報告義務条項の入った中小企業振興条例を確立すべきと考えますが、お答えください。 ◎飯嶋 産業経済部長 区内再投資力の量的形成についてのお話をいただきましたが、これは区内で操業する中小企業等への支援を通じまして、区内産業の維持・発展を促し、企業の経済活動並びに区内経済循環の活性化を図る取り組みのことと理解をいたします。  区は、これまで区内産業の維持・発展のため、区内産業の強みである高度な基盤技術を持つ区内企業と、先端産業分野で研究開発に取り組む企業とのマッチングを図ってきたところでございます。マッチング先は大手企業のみにとどまらず、ベンチャー企業やグローバルに活動する企業など様々な業態がございますが、付加価値の高い案件が区内企業に発注され、区内経済循環につながるよう取り組みを進めてきたところでございます。  また、区は、平成7年に大田区産業のまちづくり条例を制定しております。同条例では、企業規模にかかわらず、製造業、建設業、小売業、サービス業など、区内の産業経済活動にかかわる全ての産業者が、区民及び区と一体となって産業のまちづくりを推進することを目指しております。  区といたしましては、施策、制度の両面からの産業支援に取り組んでおり、引き続き、区内経済循環の活性化を図ってまいります。このような取り組みは、区内再投資力にもつながるものと考えているところでございます。したがいまして、現状では、新たな条例を制定する考えはございません。 ◆黒沼 委員 では、そのような施策が、果たして大田区で再投資を生んでいるでしょうか。  次に移ります。区民税が増えていますけれども、その原因は人口増が原因と区は言っています。実は、大田区人口推計によれば、平成15年と平成20年を比べますと、45歳から59歳、また19歳までが増えています。子育て世代が増えて、区民税が増えていると見てとれます。これは15歳までの医療費無料の成果があるためではないでしょうか。  しかし、20歳から25歳までは減っています。これは結婚しない世代が、大田区での働く場所が減っていることも加えて、大田区に住む意味を感じないからではないでしょうか。実際、東京都の統計報告書で分析すると、商業、産業の従業員人口で6年前の2012年と18年で比較した場合、産業は4人以上しか調査しなくなりましたので、産業が2万5,314人、商業が3万1,971人で、合計は5万7,285人、2018年は産業が1万9,752人、商業が2万6,023人、合計は4万5,775人で、1万1,510人も減っています。3人以下は含まれていませんので、中小企業の景況に記されている東京リサーチの大田区の倒産件数は、平成29年10月から30年3月まで749件、平均して月125件の倒産です。帝国データバンクは、年1回の休廃業・解散は約3倍としていますので、大田区は350件余にのぼることが見てとれます。  このことは区民税増収が人口増であっても、新たな区内での富を生み出しての区民税増ではないことがうかがえます。区内では働けなくて、大田区には住みながらも、区外に働きにいっているのではないかとうかがえます。  伺います。大田区の産業政策は十分行っているとの答弁をいつも伺い、今日も伺いましたが、それでは、なぜ先ほど申し上げた、人口動態で見られる20歳から25歳の人口が増えないような大田区の状況が起こるのでしょうか。産業人口で減っているのでしょうか。青年に未来ある政策で、大田区で働けるようにすべきです。お答えください。 ◎飯嶋 産業経済部長 これまでも、区と産業振興協会は、区内産業を取り巻く環境変化に的確に対応しながら、ものづくり産業の維持・発展やにぎわい創出に向けた商店街支援など、多種多様な産業政策を立案・実施をしてまいりました。  なお、区民が区外に働きにいっているとのお話でございますが、平成27年に実施をいたしました国勢調査によりますと、大田区民が大田区内で働いている、いわゆる常住就業者の割合は47.5%ございます。これは23区全体の平均値であります42.9%を大きく上回っております。  今後、羽田空港を中心としたまちづくりが展開をいたしますと、区内に居住し、空港施設や、その近隣の施設に就業する常住就業者の割合はさらに増加することが見込まれるところでございます。 ◆黒沼 委員 私は、このパーセントを聞いているのではなく、減っているのはなぜかと聞いたのです。その減っている理由に、区内の製造業、産業、工業、商業、全てが衰えている、衰退していることにあるのではないかということと、若者の状態が十分でなくて、政府のデータにもよるのですが、結婚や賃金でその状況が大田区に住むということがなくなってきている。このことによると、女性の男性に求める結婚相手の収入が約600万円なのだそうです。大田区の状況でいくと、400万円から450万円なのです。結婚できないではないですか、これでいくと。600万円にしていく努力が必要なのです。そういう答弁がなかったのです。それが今の青年の未来だと思います。  提案をさせていただきます。この分野でも、人口減を防ぐための重要な若者の収入を、今も言いましたけれども、政府の「少子化社会対策白書」を読んでいると答弁がありましたのでご存じかもしれませんが、女性の求める結婚相手の収入が600万円に近づくための給与改善が必要です。そして区内で働けば、昼食も区内でとれます。8時間労働で帰宅できれば、夕方、商店街で買い物もできます。区外で働くと、帰ってきたときは、もう午後6時、7時を過ぎていて、コンビニでしか買えなくなります。商店街では買えません。そういう意味でも、区内で働くことが増えれば、区内再投資力と地域経済振興に貢献できると考えます。  また、公契約条例の制定が実現すれば、賃金が上がり、取引原価底上げを図ることができます。産業分野と生活、福祉、景観、環境などとのリンケージを図れば、我が党の提案する医療、農業、自然再生エネルギーに進むことができます。部品加工からオリジナル製品という分野に進むことが可能になります。  羽田空港跡地にかける人員と予算に匹敵する財源をつぎ込めば、飛躍的な発展は可能だと考えます。財政力指数から見ても、1.0以上で経常収支比率も100%以下ということであるならば、相当区民のためにできることを示しています。今からでも遅くありませんので、進めるべきです。これは要望しておきます。  次に、区民から遠のく施設複合化ではなく、高齢者にも安全で、歩いて通い、利用できる近くに施設のあるまちづくりについて伺います。  つまり、近い、便利、安全という分室方式、分館方式こそ、まちづくりであることを提案します。複合化は遠い、狭い、危ないの3要素が重なります。大田区の公共施設統廃合計画は、政府が公共施設の大規模な統廃合を進めようと全国の自治体に迫った、「公共施設等総合管理計画」に基づいて行われています。これも地方創生の名のもとに進める施設集約化で、10%の削減を求め、民間に利益を供与することも求めています。  また、大型になるので、区内企業が受注できず、地域循環型経済になりません。今後40年間で6,071億円、1年当たり約135億円の支出が必要としていますが、このことによる産業連関図の経済波及効果が5倍ほど出ると言われています。大手企業ならば、本社に利益が集中してしまい、区内には回りません。逆に区内企業に発注すれば、住宅や保育園、福祉施設など、区内約38種類の企業にお金が回り、社員も給与が払われ、その結果、区民税として区に納税されるという好循環を目指すべきです。  複合化で大規模になれば、京急蒲田駅西口再開発で経験したように、建設時も保留床というマンション販売時も大手企業に持っていかれ、区内にお金が回りませんでした。つまり、区民が豊かになるという視点の区財政の活用をすべきです。そのために複合化は再検討を求めます。お答えください。 ◎市野 企画経営部長 区の将来人口推計では、2030年以降、生産年齢人口比率は減少し、老年人口比率が高まり、超高齢社会が一層進展するものと予測をしてございます。  このような状況下におきましても、区は、高齢者をはじめ全ての区民に対する福祉の増進、地域経済の活性化、魅力ある地域づくりなどに着実に取り組んでいく必要がございます。  区民サービスを一層向上し、持続可能な行政運営を推進するためには、限りある行政資源を、適切かつ効果的・効率的に投入するとともに、区政運営の要である地域力をさらに高め、連携・協働によるまちづくりを進めていくことが重要と考えてございます。  都市部におきまして地域コミュニティの希薄化が進む中でも、多様な人々が集い、交流し、活動する場をつくることは、地域力を生かしたまちづくりを進める上で、大変意義のある取り組みであると考えてございます。  このような観点から、公共施設適正配置方針では、効果的・効率的な施設マネジメントによる区民サービスの維持・向上の実現に向けて、機能を重視した施設の集約及び有効活用、複合化・多機能化による相乗効果を生かした地域コミュニティの活動拠点づくりを取り組みの方向として掲げているところでございます。  今後も引き続き、充実した施設サービスの提供、利用者の利便性の向上、効率的な施設マネジメントなどを図りながら、公共施設の適正配置と機能更新を推進してまいります。 ◆黒沼 委員 残念ながら、今の答弁では、高齢化社会にはどのようなまちづくりが必要かを聞くことができませんでした。多分ないのだと思います。これは政府の言う、日本全体で人口が減る、そのためにもう施設はいらない、よって削減することだという考えに基づいて、減ってもいない大田区で、40年間これから大丈夫な大田区でむちゃくちゃなことをやるわけで、矛盾が出るのです。40年後でもいいのです、もし減るとしても。ただ、克服すれば減らないのです。  よって、このような複合化ではなくて、高齢化社会にふさわしく、しかも人口減を防ぐための施策に全力を挙げて、再投資力の出る元気な大田区をつくり上げて、いつまでも住み続けられて、若者も定住し、結婚し、子どもを産み、育てられて、ゆっくりと年をとっていかれる、楽しくてすばらしい大田区、これを語ってもらいたかったのですけれども。  この複合化というのは、施設は高齢化社会に絶対に近くになければいけないのです。この前、議員研修会を開きました。恐らく、全員参加していただいたと思うのです。あのときの講師の方は、近い、このためのまちづくりだというのです。安全で自転車も使わなくてもいい、安心・安全、理事者の方も、あのとき聞いた方は何人いらっしゃいますかね。みんな聞きましたよね。では、そのことで聞かれたと思います。  ぜひ、せっかく聞いたのですから、そのことを研究して、高齢化社会とは何なのか、何が特徴なのか、どんなまちづくりをしなければいけないのか、果たして複合化でいいのかということを、分館、分室方式も提案させていただきましたが、歩いて活用できる施設が、やはり必要なのです。そのことを申し上げておきたいと思います。  最後に、同和問題を質問をいたします。同和施策を廃止し、一般事業にすべきについて伺います。  自民党の友ぎ団体、自由同和会というのがあります。そこの中央本部事務局長は、「今や同和地区にいる関係者はたった4割、今の20代の若者が結婚する場合、8割以上が部落以外の、いわゆる一般の方と結婚し、その7割までが結婚に際して全く反対がなかった」とし、「このぐらい同和問題は解決に近づいており、よく部落解放同盟が、同和地区は忌避されているというが、事実は違う」と言っているのです。自民党の友ぎ団体なのです。  全国地域人権運動総連合の新井直樹事務局長も、1993年の政府調査時点ですら、同和地区全世帯のうち、夫婦とも同和地区関係者でないが59.5%で、もはや部落が部落でなくなっている状態になっていて、格差の解消が進み、部落民としての帰属意識の希薄化などを伴って、今日では既に消滅及び過去の歴史的概念になっており、事態として現実把握しがたくなってきていて、国民の多くが日常生活で部落問題に直面することはほとんどなくなり、喜ばしいことです。  それは、一時あれほど差別を持ち込んできた部落解放同盟が、荒れ狂った糾弾とか部落問題は怖いという意識がなくなってきていることではないでしょうか。もはや特別対策をとらなくても、部落差別は許されないという社会の通念になっていると考えます。大田区がいつまでも部落解放同盟という1団体に偏って、特別対策を、特別扱いを持続させていることは、逆に差別意識を残す役割を果たしていると言えます。  行政は、本来全区民に受益が及ぶように講じられるべきです。日本共産党は、国民融合論の立場で、積極的に部落差別解消に取り組み、とりわけこの問題の解決の逆流となっている、部落解放同盟による特権・利権あさりや暴力的な確認・糾弾を許さない戦いに力を尽くしてまいりました。  同和関連相談は、憲法に基づいて一般施策として扱うことです。今年度の相談件数も、10年前より40件ほど減ってはいますが、ほぼ変わりありません。特に教育など、ときとともに減って当然と思いますが、10年前と変わらない30件台で、実に不思議です。職員に対しても、啓発冊子に280万円の費用をかける必要があるでしょうか。  また、同和相談事業で週3日、午前中だけで年約200万円、これは逆に、温存を言われても仕方がありません。職員は新人研修、人権教育研修、食肉市場見学、人権教育同和先進地区視察など220万円余など、数々の事業に参加させられています。その講師の多くは、部落解放同盟品川支部長などです。自民党の友ぎ団体、自由同和会もあり、真の水平社の歴史を受け継ぐとされる全国地域人権総連合もあるのに、暴力・糾弾の歴史を持つ部落解放同盟との協定という特別扱いも、不可解なつながりです。  今年3月に発表された、「大田区人権に関する意識調査」の部落差別についてでは、「被差別部落について知っている」が、平成18年の56.9%から49.5%に減っています。身内の結婚相手が被差別部落出身とわかった場合の対応は、「結婚に賛成する」が平成18年度の41.5%から43.7%で増えています。そして、「行政が積極的に事業や教育・啓発に施策を講じ、差別をなくすよう取り組む必要がある」が、たった28.7%しかありません。  こうしたことから、部落問題を特別視し、殊さら多額の委託費を払い、取り組む必要はもはやありません。取り組むなと言うのではありません、一般差別事項としてくださいと言っているだけです。お答えください。
    ◎玉川 総務部長 同和問題は、今なお解消されない、根深い差別意識に基づくものでございます。インターネットを介して個人や集団を誹謗中傷したり、差別を助長したりするような書き込みなどの行為によりまして、傷つき、不安を抱えながら生活している方もいらっしゃる現状でございます。  平成28年には「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行されまして、部落差別は存在するとされ、地方自治体の責務としまして、その自治体の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとされてございます。  区といたしましても、部落差別の解消に向けまして、相談体制の充実、教育及び啓発事業の推進に努めております。こうした事業が部落差別の解消の一助になっているものと考えておりまして、引き続き実施してまいります。 ◆黒沼 委員 ただいま答弁にありました法律は、議員立法なのです。議員立法で何の保障もないものなのです。そこに何ですがるのですか。もっと勇気を持ってください。区民のために、そして差別をなくすという決意が必要です。  一つ伺います。差別をなくす決意はございますか。 ◎玉川 総務部長 私どもは、そのつもりで同和対策事業に取り組んでおります。 ◆黒沼 委員 いつもこの部落問題に限って、いつも答弁は同じなのです。どれぐらい解決した、どうすればいいではありません。そうすると、永遠につながるのです。この部落差別問題は、私が述べたように、自民党の友ぎ団体である方々からも、もういらないのだと言っているわけです。大田区に部落はないのです。年代とともに、結婚意識も差別意識も、ほとんど問題にならないと言っているのです。  ところが、大田区はあるあると言い張るわけです。あるあると言い張るのです。ほぼ落書きもなくなってきました、大田区でも。その落書きも、たった1人が毎年書いていたというのがわかったわけです。それをすごく恐ろしいことに、大田区は大げさに言うわけです。なぜ部落が、部落解放同盟が恐ろしいのですか。こういう不正は許さないという勇気が必要なのです。ぜひそのことを訴えて、総括質疑を終わりたいと思います。 ○高山 委員長 次に、令和、質疑願います。 ◆犬伏 委員 令和大田区議団の犬伏秀一でございます。  まずは、台風の影響でいまだに避難生活をされている多くの皆様の早期の生活再建を、心よりお祈りを申し上げます。災害が発生しますと、まずは自衛隊が活躍をいたします。台風・地震は自衛隊、豚コレラ・鳥インフルエンザは自衛隊、行方不明者も自衛隊、困っている国民がいれば、笑顔を取り戻すのが自衛隊であります。  ところが、この自衛隊に対して、自衛隊のつくったカレーはいりません、厳しい訓練を終わって、駐屯地に帰ってくる隊員に対して、迷彩服でまちを歩くな、そして私の優秀な母校に対して、人殺しの学校だなんて、ふざけたことを言う人々がいるということは、全く残念至極と言わなければなりません。  しかしながら、一昨日のツイッターの画像を見て感動いたしました。千葉県の認定こども園の子どもたちが、災害派遣から撤収する自衛隊の車両に対して、「自衛隊さん、ありがとう」と一生懸命割れんばかりの歓声で送っているのです。さらには、3歳のお子さんが、撤収する迷彩服の自衛官に対して、直立不動で挙手の敬礼をして見送っている姿、自衛官はそれに真面目に応えていました。こういう姿、ぜひ自衛隊に反対する人々に見ていただきたい。自衛官が身を挺して国民の笑顔を取り戻す、その唯一の報酬は、こういった笑顔であります。ありがとうという言葉であります。そういう意味では、ぜひ大田区も、今後とも区民の笑顔のために、自衛隊と連携を深めていただきたい、一言申し上げて、質問に入りたいと思います。  さて、自衛隊もそうですけど、いかなる組織であっても、人がこうやって集うと、どうしても何とか派という派閥ができてしまうのは、これはやむを得ないことではないかなと思います。政党においても派閥がよくできる、それは見聞きすることであります。まさか、この大田区、4,200名の職員がいらっしゃいますけれど、派閥などというものはないのだろうなと思っておりますが、先日、東京都から天下りでおこしになった副区長のときには、何となく副区長のちょめちょめさん派なんていうことが耳に聞こえてまいりました。どうか、多くの優秀な理事者の皆さんが、何とか派、何とか派と分かれないように、一つになって区民のために働いていただいているとは思いますけれど、さらにお願いをするために、幾つか質問をしたいと思います。  財政を筆頭副区長が今お持ちになってらっしゃいます。人事を次席の副区長がお持ちになってらっしゃいますけど、これを分掌しているのはどういうことでしょうか。 ◎玉川 総務部長 ただいまのご質問は、副区長の事務分掌について、どのような考え方でということだと思います。  副区長の職務につきましては、地方自治法第167条に基づきまして、地方公共団体の長を補佐し、その命を受けまして、政策及び企画をつかさどるものとされております。現在、区には2名の副区長が任命されておりますけれども、その担任事務につきましては、それぞれの経験等を踏まえまして、区長が総合的に判断し、決定しているところでございます。 ◆犬伏 委員 やはり人というのは、どうしても人事であるとか、それから予算を持っている、そういう方の権限に寄り添ってしまうといいますか、そういう習性を少なからず持っているのではないかな。特に優秀な方で上位のポジションを狙う方は、より一層そういうことがあるのではないかなと想定されるわけでありますが、この区政の事務方のトップたる両副区長に、そんなことはないと思うのですけど、仲よしこよしですから。いらぬ溝ができたり、余計な心配をしないように、筆頭副区長に財務も人事も権限を一元化して、次席の副区長がそれをサポートするという権限の一元化ということも検討されたらどうかなと、私は余計なお世話で考えているわけでありますが、いかがでございましょうか。 ◎玉川 総務部長 先ほど答弁したとおり、2名の副区長がございますけれども、おのおのそれまでの経験等を踏まえまして、区長が決定して決めているということでございますので、この考え方は今後も同じでございます。 ◆犬伏 委員 一時期、よその役所から来た方が副区長のときには、大変危惧をしていたのですが、今は大変両副区長が手を取り合って区長を支えていらっしゃる姿を見ておりますので、どうぞ大田区のトップリーダーたる区長には、さらに風通しのよい企業風土を区役所の中につくっていただくようお願いをしておきます。  本当はもっと聞きたかったのだけど、控えているのです。  さて、残念ながら、この区役所の中に4,000名を超える職員がいますと、いろいろな考えの方がおり、中には、脱法行為等を行った事例が過去にもありました。つい最近も、大田区の副参事が痴漢をして、みずから降格の上勤務をしていたり、様々な脱法行為が見受けられる。それはどんな組織でも、悪い人はいるのです。ただ、そういう悪さをできなくするのが大切なことであります。  今回、私が見つけてきた、悪さと言えるかどうかなのだけれど、ある管理職、今勤務しています。ここにはいらっしゃらないね。雑誌というか書物に、自治を支える仕事に限りない魅力を感じているという文章を書かれて、4ページぐらい書かれている。大田区の管理職であることも書いてある。  これに何て書いてあるか。女性は職員、管理職を問わず、子ども、福祉、国際交流、庶務などに関連したポスト、いわゆるピンクポストに配置される傾向があります。裏を返せば、既存の男性社会のルールで動く生々しい争いや利害関係の厳しい政治的なポストからは、女性は遠ざけられます。結局、重要な意思決定をする立場に立つことはできないのです。結果として、女性に不利であり、女性という一くくりで、機会を与えられないことがまだあるということに敏感である必要がありますと。この女性管理職は、堂々とこうやって述べられているのです。  私はびっくりしました。ピンクちょめちょめとか、いろいろありますよね、蒲田にも。そういうのは聞いたことがある。ピンクポストというのは聞いたことがなくて、今この場所にも部長がお二人いらっしゃいますけど、企画経営部長がピンクポストだというのは、あまり聞いたことがないのです。この男女共同参画を前面に出して、女性の登用を積極的に進めている大田区の女性管理職の文章とはちょっと思えないので、これはちょっと正しておかなくてはいけない。  私は、この女性管理職を糾弾するつもりはありません。ただ、管理職の一人として、こういう考え方を大田区の名前を出して公表してほしくはない、こう思うのであります。  そこで伺います。大田区の女性配置はピンクポストですか。 ◎玉川 総務部長 私どもは、職員の配置につきましては、区が定めております職員配置方針及び人事異動基準等に基づきまして実施しているところでございます。職員の性別にかかわらず、職務適正や経験、実績等を見きわめまして、加えて人材育成にも配慮しながら配置しております。今後も円滑な区政運営に資するよう、適切な配置管理に努めてまいります。 ◆犬伏 委員 そうですね。大田区においては、適正な配置でありますから、ピンクポストということはないと、今、総務部長がお答えいただいたわけでありますけれど。この女性管理職、様々な媒体で発信をして、書籍も発行しています。さらには、中央大学のシラバスを拝見しますと、幾つかのこまを持つ非常勤講師をされています。この中央大学の非常勤講師であるとか、出版をされている、印税が入ってくると思いますが、これは大田区が認めている副業でしょうか。 ◎玉川 総務部長 職員の兼業に関するご質問と存じますけれども、区職員は、地方公務員法第38条におきまして、営利企業等への従事が制限をされております。大学の非常勤講師として従事する場合は、兼業の許可を要することになりますが、職務遂行への影響の有無など、兼業規定に定めております要件に従いまして、許可の可否を判断しております。 ◆犬伏 委員 きっと優秀な方だから、大学でも非常勤講師に招いてくださるのでしょうけれど、そこで誤解のないような発言をしていただきたいと思うところであります。  さて、インターネットでこの職員の方を検索しますと、「ジェンダー平等政策を求めます」との団体の呼びかけ人に名前を連ねています。そこの中心には、あの東京大学の上野千鶴子先生の名前があります。上野千鶴子先生というのは、異常なジェンダーフリー政策で有名でありますけれど、この団体の政策の中には、原発廃止や戦争をするなということと並んで、日本軍(慰安婦)、河野談話、村山談話を引き継ぐ、被害者に国家、政府として謝罪と補償を行うという朝日新聞が捏造した従軍慰安婦、いわゆる従軍慰安婦の事実誤認の左翼思想も満杯でありました。  果たして、大田区の管理職が、こういう政治的な団体の呼びかけ人に名前を連ねている。253名の呼びかけ人がいるのですけれど、その中には、よく名を知られた左側の皆さんがいっぱい並んでいるのですけれど、こういう大田区の管理職が、括弧書きして大学非常勤講師と書いてありますけれど、このような極めて政治色の濃い団体に加わることは問題ないのでしょうか。 ◎玉川 総務部長 職員の政治的行為に関するご質問と存じます。区職員は、地方公務員法第36条におきまして、政治的行為が制限されております。ここでは勧誘運動、署名運動、寄附金募集など、職員に禁止されている行為が規定されております。  ご質問にある団体の呼びかけ人、賛同人として加わることにつきましては、同法に定める政治的行為の制限違反には該当しません。服務規律に関しましては、今後も管理職員を含みます職員全体の信用に影響を与えることのないように指導をしてまいります。 ◆犬伏 委員 就職雑誌がやっている、隣の芝生は青い調査というのがありまして、隣の芝生というのは隣の職場です。どんな職場に自分の同級生がいたらいいなと思うか。1番が国家公務員なのです。2番が地方公務員、3番がトヨタ自動車なのです。いいなと、地方公務員でいいなと思われているわけです。そして、そのいいなと思われている管理職の方が、一生懸命頑張っている女性職員に対して、あなたたちどうせピンクポストにしかならないのよという、頑張っている職員を潰すようなこういうことを書く。確かに、職務規律にはひっかからないかもしれないけれど、やはり頑張っている人たち、大田区職員の4,200人、それから非常勤の職員の方たちは、ほぼ大多数が一生懸命真面目にやっているのです。そのモチベーションを潰すような管理職であってはいけないと思います。  どうか、これからも頑張っている職員を登用し、頑張っている職員を応援し、そういう区の人事配置であっていただきたい、このように強く要望して、まろやかな質問に移りたいと思います。  私は、選挙戦を通じて、蒲蒲線、新空港線なんかいらない、15万枚もビラを配ってしまったのです。挙げた手が、ちょっとおろしにくくなってしまったのですけど。  ところが、最近、この大田区の管理職のお話、特にまちづくりの皆さんのお話を聞いていると、新空港線はメインディッシュと思われるかもしれないけれど、メインディッシュはまちづくりなのだと。だからメインディッシュではない新空港線のほうに、あまり反対しないでほしいというお話を聞きまして、いろいろご説明を受けました。  確かに、蒲田の駅周辺は大きく変わりつつありますけど、残念ながら、まだ京浜東北線に乗って、東京のあたりから下ってきます。やはり申しわけないけど、大森、蒲田に来ると、ちょっとまちが、私の大好きなまち並みに変わってきて、川崎に行くと、ちょっと品がよ過ぎて、私が行きにくい雰囲気になるというのがあって、蒲田を何とかしなければいけないなと。蒲田は謄本などとってみますと、あそこは戦災復興で区画整理をやっているのです。これはまちづくりを進める上で、その戦災復興で何か区画整理した割にはごちゃごちゃしているあのまちを、線が通るのだよ、だからまちを変えようよという起爆剤にすると考えてみたら、まあいいのではないかという。 ○高山 委員長 静粛に願います。 ◆犬伏 委員 このまちづくりと一緒にやるというのは、まさかだましではないでしょうね。その辺はどうなのですか。 ◎齋藤 新空港線・まちづくり調整準備室長 まちづくりとセットにするというのは、本当でございます。鉄道整備とまちづくりは一体的に行うことで、相乗効果が発揮されるものと考えてございます。  大田区の中心拠点である蒲田のまちは、委員ご指摘のとおり、戦災復興によって形成されておりまして、現在、機能更新の時期を迎え、待ったなしの状況でございます。まちづくりを行うにはきっかけが必要でございまして、その絶好の機会が、この新空港線の整備と考えております。  新空港線の整備を、委員のおっしゃるように起爆剤といたしまして、蒲田など沿線のまちづくりをあわせて行ってまいりたいと考えております。 ◆犬伏 委員 見識ある部長のお言葉ですから、それを信じて、メインディッシュはまちづくりなのだよ、空港線新空港線はオードブルなのだよということの理解でいいのかなと。  議会では、選挙前の私を含めて、JRアクセス線ができる、線ができると、羽田空港へ向かう路線が3路線になり、これに新空港線ができてしまうと4路線になるではないかと。これでは空港に向かうアクセスが飽和状態になってしまって、採算がとれず、いらないのではないかという意見が結構ありました。  しかしながら、昨今の動きを見る限り、JRアクセス線と新空港線は、ちょっとその性質が違うのかなと感じているのです。それはJRアクセス線は、空港に入ってしまうのです。京浜急行のエアポート快特が、一時、京急蒲田にとまらなかったのと一緒で、新宿から池袋から早く行ったところで、大田区を素通りしてしまって、空港に入ってしまうのでは、何もならないわけであります。  その意味でお尋ねをしますが、JRアクセス線が開通すると、大田区のまちづくりに貢献して、何か区の発展につながるのか。そして、あわせて、ではそれと競争にはならないと思うのですけど、新空港線がもし開通した場合、JRアクセス線と対立して、向こうも大田区のまちづくりに貢献する、新空港線もまちづくりに貢献する、その辺はどうなのでしょうか。 ◎齋藤 新空港線・まちづくり調整準備室長 羽田空港アクセス線は、都心から羽田空港へ直接乗り入れるために、区内に中間駅は設置しないと伺っております。  すなわち、羽田空港の次は新橋までとまりません。したがいまして、このような計画である現段階におきましては、羽田空港アクセス線が、区の活性化には直接には寄与しない路線と考えております。  一方、新空港線は、多摩川線を地下化いたしまして、蒲田駅及び京急蒲田駅を介して、羽田空港へ接続する路線でございます。これによりまして、区内移動が便利になるだけではなくて、区外からの来訪者のアクセスの利便性も向上するため、まちの活性化、これに大いに寄与するものでございます。あわせて、沿線のまちづくりができますため、区の発展に与える影響は非常に大きなものとなります。  それで一つの例ですが、去る9月9日、関東地方を直撃いたしました台風15号、この影響で、首都圏の交通機関はJR、私鉄ともに通勤時間帯に計画運休が実施されまして、利用者に大きな打撃を与えました。そういった状況の中、地下鉄や東急多摩川線等の一部の路線においてのみ、早期に運行を再開いたしておりました。  このような状況を目の当たりにいたしますと、新空港線が整備されれば、区がこれまで主張してきたように、災害時における代替ルートの機能を発揮することができると確信したところでございます。  このように新空港線は、移動利便性の向上、まちづくり、防災等様々な観点で、区の発展に大きく寄与するものでございます。 ◆犬伏 委員 区の発展に大きく寄与するものでございますという言葉を信じて、ちょっとその話に乗ってみようかなと。  まず、やはり私が大田区で初めて住んだまちは糀谷なのですけれど、糀谷から蒲田に来るこの区間、京急蒲田から蒲田までたかだか800メートルでありますけれど、この横のラインがないというのは、非常にあのかいわいの方たち、例えばうちの女房なんかも雑色にいますけれど、川崎に行ってしまうのです、経済圏が。それが蒲田に来られるような、蒲田に魅力あるまちづくりになれば、蒲田の商店街も活性化するだろうしということではないかなと思います。くれぐれもまちづくりがメインで、新空港線はおまけみたいなものですから。ただ、起爆剤ということは、確かに間違いはないということであります。  それともう一つ、本来こういう広域鉄道、埼玉の人が乗ってきたりする鉄道を、基礎自治体である大田区がやる。私は交通、病院、観光、この三つは基礎自治体がやるべきではないと思っているので、本当は鉄道もやるべきではないと思っているのですけど、まちづくりの起爆剤であるということであれば、区がやってもいいのだけど、金を大田区が持つというのは、これは気に入らないわけです。そもそも大阪都構想なんて間抜けなことを言っているおじさんがいますけれど、東京都が持っていっている固定資産税とか調整3税はそもそも23区のものなのですから、これを調整3税、財政調整交付金で持ってくるというのは、またこれ話が違うのだけど、とにかく広域自治体である東京都に金を出させなければだめです。ぜひ負けてはいけない。江東区の問題もあるけれど、いろいろ。それはちょっと今日は言わないけど、東京都に負けないで、都と粘り強く、この負担について、応分の負担、あなたのところは広域自治体でしょうということで、強く強くあの緑のおば様に訴えてほしいのです。  それともう一つ、やはり鉄道だけつくるというと、部長の言ったことはうそになってしまうから、都市計画決定をしなければだめです。まちづくりと一緒にやるということは、この辺はどうですか。 ◎齋藤 新空港線・まちづくり調整準備室長 蒲田のまちづくりをするという上で、当然新空港線をきっかけにしますけども、それに際しましては、新空港線整備を都市計画事業に位置づけることによって東京都全体の発展、あと大田区、蒲田全体の発展に寄与するようにということで、東京都と交渉しております。 ◆犬伏 委員 ぜひ新空港線ができたときには、松原区長も、部長も、私も、この世にはいるだろうけれど、この庁舎内にはいないと思いますけど。この未来の大田区民のために、ああ、あのときいろいろ、けんけんがくがくやったけれど、例えば本庁舎だって、1票差でここに移ってきたら、今になったら、みんなよかったなと言っているわけですから。ああ、あのとき松原区長が英断してよかったな、齋藤部長が頑張ってくれてよかったな、犬伏が議会で質問してよかったな、こう言われるすばらしい線とまちづくりを達成できますよう、心よりお願いし、望んで、私の品性あふれる質問を終わりたいと思います。 ○高山 委員長 ただいまの犬伏委員の発言の一部に不適切な発言が含まれていたと思われます。ついては、後刻、記録を調査の上、必要に応じ措置いたします。  会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。                午後 2時11分休憩                午後 2時40分再開 ○高山 委員長 ただいまから、決算特別委員会を再開いたします。  第57号議案 平成30年度大田区一般会計歳入歳出決算の審査を行います。  質疑は、さきに決定いたしました申し合わせ事項に基づき、会派ごとに通知に従い、歳入については一括で、歳出については各款単位で行い、各会派の残り時間を電光表示いたします。  また、質疑は、各款単位で、適宜、会派間で交代しながら進めてまいりますので、ご協力をお願いいたします。  理事者の皆様に申し上げます。質疑時間には答弁も含まれますので、簡潔・明瞭な答弁をお願いいたします。  また、答弁の際には、その都度、自己の職名をはっきり告げていただきますよう、お願いいたします。  それでは、歳入の審査に入ります。歳入には、質疑の通知がありませんので、歳入の審査を終結いたします。  次に、歳出の審査に入ります。  まず、第1款議会費の審査を行います。  この款には、質疑の通知がありませんので、第1款議会費の審査を終結いたします。  次に、第2款総務費の審査を行います。  この款には、自民、公明、共産、令和、立憲、つらぬく、無所属、区民から通知がありますので、順次これを許します。  それでは、自民、質疑願います。 ◆田中 委員 自由民主党大田区民連合の田中一吉でございます。  事項別明細書80ページ、総務管理費、企画経営費に関連してお伺いをいたします。質問通告に従い、基本計画の策定について順次質問をいたします。理事者の皆様には、明快なご答弁をよろしくお願いを申し上げます。  さて、夏の猛暑も和らいできたものの、令和元年の夏も日本全国で台風や豪雨による甚大な被害が発生いたしました。8月末には、前線に伴う記録的な豪雨が九州北部地方を襲い、先日の台風15号は大田区でも倒木の被害が発生し、千葉県では大規模な停電を発生させ、今も多くの世帯が生活に支障を来すほどの甚大な被害を及ぼしました。  これらの被害を受けて、9月20日、政府はそれら大きな被害があった災害について、激甚災害に指定する見込みであると公表したところであります。  こういった気候変動による夏の猛暑はもちろんのこと、人口減少・少子高齢化の進展、女性の就業率等が向上する一方で、働き方の多様性等もあり、非正規労働者は増加し、携帯電話やスマートフォンの普及により仕事や生活様式は大きく変化しています。  また、日本経済は緩やかに回復し、個人消費の回復や雇用情勢も改善してきてはいるものの、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響などにも注視する必要があります。  このような中、地方自治体が的確に行政運営を行うためには人口構成の変化や行政を取り巻く社会情勢の変化、経済情勢の動向、多様化する行政需要をしっかりと把握して、計画的な行政運営を行うことが求められています。  平成20年10月に大田区議会の議決を経て、大田区基本構想の将来像、「地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市おおた」を掲げて、早いもので10年が経過をいたしました。私も、この策定に委員として携わりましたが、学識経験者を含めた総勢20名の委員と区議会議長、副議長の2名の顧問で大田区基本構想審議会が結成され、大いに議論をし、区民アンケート調査や区民と審議会委員との意見交換会で伺ったご意見を反映して、区民と区政の共通の目標、区政運営の指針として基本構想を策定いたしました。  この基本構想を実現するための具体的な施策を体系的にまとめた基本計画が、おおた未来プラン10年であります。令和元年度は、新たな時代の幕あけであり、折しも構想の計画期間の折り返しの年でもあります。  そこで、お伺いをいたします。区の将来像の実現に向けて、おおた未来プラン10年に掲げたそれぞれの施策の達成状況をどのように評価しているのか、お伺いをいたします。 ◎鈴木 企画調整担当課長 おおた未来プラン10年(後期)の策定にあたりましては、事業の進捗状況の把握による評価と指標による評価という二つの手法により、目標の達成状況を把握し、評価、公表することとし、進めてまいりました。  その上で、おおた未来プラン10年(後期)の成果をより確実なものとし、かつ、新たな行政需要にも的確に対応するために、重点的に取り組む事業を財政の裏づけとともに具体化し、集約したものとして、平成29年3月に大田区実施計画を策定し、各種施策を推進してまいりました。  これまでの達成状況については、おおた未来プラン10年(後期)に掲げる全36施策、175の事業及び区を取り巻く社会経済状況の変化に対応するために、実施計画に新たに追加した8事業も加えて、現在、区内部で進捗状況や指標の達成状況、目指す姿に対する成果と課題などを含め、総合的に検証をしているところでございます。  今後は、区内部での総括を踏まえて外部有識者等による外部評価を加えて、しっかりとおおた未来プラン10年(後期)の振り返りを行い、新たな基本計画へ引き継いでまいります。 ◆田中 委員 区の将来像を実現するためには、まずしっかりとした検証を行い、新しい基本計画につなげていただくことをお願いいたします。  さて、現在は、おおた重点プログラムを7月に策定し、地域力と国際都市を念頭に、「安心して子どもを産み育てられるまち」や、「災害に強く犯罪のない安心・安全なまち」、「いつまでも元気なスポーツ・健康・福祉のまち」など、時機を捉えた重点的な六つの分野や、喫緊の諸課題にも切れ目なく対応をしていただいていると思います。行政の継続性を担保するためにも、後退することなく推進されることを期待いたしております。  そこで、お伺いをいたします。基本計画策定に向けて、いよいよ外部の有識者も交えた基本計画策定懇談会が11月8日に開催されるとのことでありますが、今後どのように策定していく予定なのか、お伺いをいたします。 ◎鈴木 企画調整担当課長 新しい基本計画の策定は、外部の有識者等を加えた基本計画策定懇談会と内部の検討組織である庁内検討委員会、そして区民の方々から寄せられるご意見やご要望を含めて策定していく予定です。  大田区基本構想に掲げた区の将来像の実現に向けて、三つの基本目標「生涯を健やかに安心していきいきと暮らせるまち」、「まちの魅力と産業が世界に向けて輝く都市(まち)」、「地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち」と九つの個別目標を念頭に置いて、全ての区民の皆様がいつまでも住み続けたいと思えるまちを目指してまいります。  自然災害への備えの強化、安心して産み育てられる環境の構築など、人生100年時代に、「誰もがいきいきと暮らせる安全・安心なまち」、自治会・町会・事業者など様々な主体の参画・連携のもと地方創生にも取り組む、「未来へ歩み続ける、ともにつくる共創のまち」、将来にわたって輝き続ける、「持続可能なまち」などの視点により、時代の幕あけにふさわしく、2040年を見据えた実効性のある計画として、区民の方々とともに策定してまいります。 ◆田中 委員 ぜひ遅れることなく、よく議論をしていただいて、進めていただきたいと思います。  さて、計画の策定にあたっては、先ほど申し述べましたとおり、その前提として社会的な背景や人口推計をしっかりと捉えることが重要であると思います。長年の重要課題であった羽田空港跡地整備のまちづくりや、新空港線整備の早期実現に向けた取り組みなど、大規模なプロジェクトの進展が待たれております。また、来年度には、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控えております。
     一方で、区財政状況は、平成に入ってから大きな経済不況を経験しましたが、基金の計画的な積み増しや特別区債の発行抑制等、着実な償還を進めるなど、財政の健全性を維持しております。  一方で、地方交付税の不交付団体である特別区の特有の不安定な歳入構造に加えて、消費税率改定に伴う景気動向や国が進める不合理な税制改正に伴う財政への影響も想定され、予断を許さない状況と言えます。  このような背景を踏まえて、今後、策定する計画をしっかりと推進していくためには、特に財政見通しをしっかりと捉えて、基本計画を策定していくことが必要であると考えます。  そこで、財政見通しを踏まえた実効性のある基本計画をどのように策定する予定なのか、お聞かせいただきたいと存じます。 ◎鈴木 企画調整担当課長 新しい基本計画をより実効性のある計画として策定するためには、将来にわたって財政の健全性を確保し、状況の変化に柔軟に対応し得る強固な財政基盤を築くことが不可欠であり、将来を見据えて歳入・歳出の見通しを的確に把握する必要があると考えてございます。  歳入においては、今後の景気変動や人口推計を踏まえて、特別区税や地方譲与税等、特別区交付金などを見通し、税制改正などの影響を念頭に置きながら財源を見込んでまいります。  歳出においては、人件費や扶助費などの義務的経費と、機能の更新を迎えている公共施設や学校施設などの更新に伴う投資的経費に加えて、その他の経費として国民健康保険事業や後期高齢者医療、介護保険への繰出金などについて、社会的背景を踏まえながらきちんと把握し、見通してまいります。 ◆田中 委員 財政見通しをしっかりと捉えて、実効性のある基本計画を策定していただきますようにお願い申し上げます。  さて、財政見通しを踏まえた計画策定を行うことが重要であると同時に、区民意見を大いに反映した計画策定を行うことが非常に重要であると思います。  大田区では、地域力と国際都市を掲げて将来像の実現を目指しているところでありますが、暮らしやすいまちの実現は、区民一人ひとりの力が必要であり、この力こそが地域力の源であり、その力を結びつけていくことが地域力をさらに高めることにつながります。区民一人ひとり、それぞれの力を、基本計画に反映していくことこそが、将来像の実現への近道であり、必要であると考えます。これまでの計画策定の経験を生かして、さらに1歩、2歩進めた手法を取り入れて、区民目線の基本計画としてまとめてほしいと思います。  区のホームページを拝見いたしましたが、住民基本台帳から無作為で抽出された8,000名の中から180名の方々を抽出し、ワークショップが開催されるとのことであります。どのような方々がお集まりになり、どのようなテーマで開催されるのか、非常に興味深いところでありますが、区民の中には、これまで区政に関心をお持ちであっても、なかなか意見を言える機会に参加できなかった方、そもそもあまり関心のなかった方々などがいらっしゃると思います。新しい基本計画の策定を契機に、ワークショップを通して気軽に意見を言える機会が設けられたことは、非常に意義のあることだと思います。  そこで、お伺いをいたします。ワークショップをはじめとして、区民一人ひとりの意見を新しい基本計画にどのように反映していく予定なのか、お聞かせいただければありがたいと存じます。 ◎鈴木 企画調整担当課長 生活様式が多様化する中、区民一人ひとりのご意見やご要望も、より複雑化、多様化してきているところでございます。基本構想に掲げる区の将来像を実現するためには、少しでも多く、より幅広い世代の方々の声に耳を傾け、その声を新しい基本計画に反映させていくことが必要であると考えてございます。  ワークショップでございますが、曜日や時間帯を分けて設定させていただいたこともございまして、定員180名の募集に対して、400名を超える参加希望をいただきました。15歳から90歳代の方、小さなお子様をお持ちの主婦の方や外国人の方など、多種多様な方々にご参加いただく予定でございます。  また、国際都市おおたフェスティバルin「空の日」や、OTAふれあいフェスタなどのイベント会場にも職員が出席して、ご意見を伺わせていただきます。  さらに、福祉をはじめとした各種分野においても個別にヒアリングを行うなど、これまでも実施してきた区民説明会やパブリックコメントに加えて、新たな手法を取り入れながら区民の意見を基本計画に反映してまいります。 ◆田中 委員 非常に様々な区民参画機会を設けて、新しい基本計画を策定していくという方向を確認させていただきました。区の将来像を達成するための羅針盤というべき重要な計画です。ぜひ、一人でも多くの区民の意見を反映し、区の将来像実現に向けた実効性のある計画としていただくことを期待して、質問を終わります。 ◆岸田 委員 私は、防災対策についてお伺いしたいと思います。  昨日の新聞を読んでいましたら、台風15号、60年前に来た伊勢湾台風も台風15号ということで、当時は5,000人以上の方が亡くなったということで、今いろいろな対策がとられて、被害も大分少なくなってはきましたけども、まさにこのように、今回千葉県であのような大きな、今日まだ停電のところがあるということを言っていましたが、市民生活に大変大きな災害になったということで、まだまだやるべきことがいっぱいあるのではないかなと、そんな感じで質問をさせていただきます。  当時、当時と言うか今月ですけども、区も水防指揮本部等を設置いたしまして、前日の日曜日に。職員が176名、そして委託業者が34名、夜通しで警戒、そして緊急対応にあたっていただきまして、まことにありがとうございました。  鉄道会社が混乱を予想しまして、前日の夜までに、9日の月曜日の計画運休を行いました。ところが、9日の月曜日、朝8時に運転再開ということだったのですけども、実際には山手線が午前10時15分ごろ、そして京浜東北線が午前11時ごろに再開ということになったようでございます。  8時に再開するということで、多くの方々が、その時間に行けば乗れるのだろうということで、各駅相当混んだということですけども、蒲田の駅も相当な混雑で、西からこちらのほうに、役所のほうに来るのに、本当にかき分けかき分けというか、大変な状況の中を、皆さん相当長い時間、電車に乗るのに待っておいででした。区の職員の方も、出勤するのに相当ご苦労をされたことだと思います。  その中で、会社によっては、当日午後、月曜日は午後から来ていいとか、お休みしてもいいよという対応をとった会社もあると思います。区の対応はどのような対応をされたのか、そしてこのような混乱がある場合には、今後どのようにしていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎須川 人事課長 9月9日のような状況下での職員の出勤の取扱いでございますが、職員の勤務時間は一律に定められており、臨時的に短縮できる制度がなく、職員は定められた時刻までに出勤しなければなりません。  しかし、このたびのような場合には、遅れての出勤となった職員は、本人の責によらない事由として事故欠勤として扱い、年次有給休暇を使うこともなく、また給与の減額もされない制度が設けられておりまして、この規定を適用したところでございます。  今後も、同様の事態が発生した場合には、この規定を適用することとなりますが、このたびの経験を生かし、起こり得る事態を想定し、事前に業務体制を確認する中で、職員の出勤時の安全や負担軽減にも配慮をしてまいります。 ◆岸田 委員 やはり混乱している中で、わざわざその時間に合わせて出ていただけるということで、まさにけがとかいろいろなことが心配されますので、もう少し柔軟に考えてもいいのかなと私は思いますので、検討をしていただきたいと思います。  今回の台風、最大瞬間風速が46.5メートルということで、最高の風速を記録したということを語っておりました。区内各所で倒木、そして物的被害があったということなのですけども、幸い人的被害がないという報告を受けております。ただ、区内でも停電をしたところもあったということもお伺いしておりますし、公園内の木が倒れて、たまたま電柱を3本倒しているところを目撃したのですけども、その電柱は街路灯ということで、多分その近所には停電はなかったのだろうということがありました。  そして、またこの対応も早くしていただいて、午前8時前にはもう業者の方が来て、その倒木を撤去していただいたり、また電柱もかえていただいたりして、その日の昼前には通行もできるようになったということをお伺いしております。  また、木が倒れて電線にひっかかって、火災が起きたという報告も受けておりますし、近所の環7の内回りでは、やはり木が倒れて、環7が一時通行止めになったという話も聞いております。  その中で、この環7の木も、公園の木も、植えられたのが、もう前回のオリンピックの前ということで、もう両方とも50年以上たっている木でございます。  このような樹木が倒れて、いろいろなところに被害を出さないように、この樹木の管理をしっかりしていただきたいと思いますし、これはある程度大きくなったら切ってしまっても、もうしようがないのかなという感じがいたします。  区のほうは一生懸命、先ほどの話にもありますけど、木を大切にしよう、みどりを大切にしようということで守っているようなことがありますけども、このような災害が起きたときに、ほかの方々に迷惑をかけないように、木の伐採をしっかりしていただきたいと思いますけども、どのようにお考えなのか。また、切って撤去をしていただきたいと思いますけど、どのような考えなのか、お伺いいたします。 ◎保下 都市基盤管理課長 区は、平成30年度より3か年計画で、道路障害物除去路線を対象に、毎年約1,000本、合計約3,000本の街路樹の街路樹保全基礎調査を実施しております。  また、樹木のせん定を行うなど、樹木の管理を丁寧に行っているという状況でございます。また、調査結果におきましては、倒木のおそれがある危険な街路樹につきましては、地元自治会・町会などに周知・連絡の上で樹木の植えかえを行っております。 ◆岸田 委員 やはり、こういった危ない木は撤去していただいて、なるべく被害が出ないように、よろしくお願い申し上げます。  また、今回の台風は大変風が強いということで、千葉県が相当被害を、まだ大変生活に困っておられる方がいっぱいいるということですけども、大田区の館山さざなみ学校も被害を受けたという報告も受けております。その中で大田区のほうは、早速、館山市のほうにも支援物資を送ったということもお伺いしております。今後、大田区、千葉県、そして館山市とか、そういうところにどのような支援をしていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎中澤 総務課長 区が館山市に設置しております館山さざなみ学校が、日ごろから地域の方々にお世話になってきたことを受けまして、9月13日に館山市に直接要望をお聞きし、要請のありましたブルーシートなどを、その日のうちにお届けいたしました。  また、9月15日に総務省が被災地と支援自治体を指定する対口支援として、東京都が君津市を支援することになり、今週の24日から区の職員を派遣し、支援業務にあたっているところでございます。  今後につきましても、館山市、君津市をはじめ、支援要請がありました際には、これまで同様、東京都、特別区長会と連携を図りながら積極的に被災地支援を行ってまいります。 ◆岸田 委員 いろいろすぐに対応をしていただいたり、積極的に支援していただき、ありがとうございます。後からちょこちょこやるよりは、本当に早目にやっていただくほうが皆さんも喜ぶと思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。  今回の台風は、本当に千葉県では広範囲で停電したということなのですけども、この大田区がどのような状況になるか、なかなか、これは台風ですので、自然災害ですのでわかりませんけども、このような大規模な停電とか、また断水による備えは、大田区はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。 ◎甲斐 防災計画担当課長 災害時には、電気や水道などのライフラインが長期間にわたり停止し、被災者の生活に大きな影響を与えることが想定されております。生活に欠かせない電力確保のため、まず、各ご家庭において、懐中電灯、防災ラジオ、電池の備蓄を啓発しております。さらに、避難所には、発電機、照明設備、LEDライト、ソーラー蓄電池や充電器などを備蓄しております。また、断水への備えとしましては、1人当たり1日3リットルの飲料水を確保するため、ご家庭において、3日分以上備蓄していただくよう啓発しております。  さらに、学校の受水槽や区内8か所に設置されている給水所等において、応急給水活動を実施する計画となっております。生活用水は、各家庭のお風呂の汲み置き、学校のプール、災害時登録井戸などを活用することとしております。 ◆岸田 委員 しっかり対応をしていただきたいと思いますし、また区民の方にも、ぜひこの対応をしていただくようなPRももっともっとしていただきたいと思います。  また、この停電のときに発電機があるといいなとか思っておりますけど、なかなか備えるのも難しいと思いますし、けれども、今、一時的に対応できる蓄電池を推奨しているということを聞いております。国とか都が補助金も出しているようなことも聞いておりますので、大田区としても補助金を出すようなことも考えてもいいのではないかと思いますけども、蓄電池に対する補助金の考えはどのように考えておいでなのか、お伺いいたします。 ◎甲斐 防災計画担当課長 国や東京都による家庭用蓄電池に対する補助事業は、日中に太陽光発電による余剰電力を蓄え、夜間に利用するといった、省エネルギー・温暖化対策などを目的として、これまで実施されていると聞いております。  国は、今年度から、災害で停電が長期化することによるリスクに対応するため、太陽光発電装置を既にお持ちの方が対象とはなりますが、災害時に活用することを要件として、家庭用蓄電池への補助事業を始めたとのことです。  家庭用蓄電池は非常に高価であり、耐用年数も限られています。家屋に設置するにあたり、浸水・強風対策や耐震なども十分に考慮する必要があり、災害時の厳しい環境下での使用には、なお課題があると考えております。  今後、国や東京都の動向、災害時の使用により適した蓄電池の技術開発の状況などを注視してまいります。 ◆岸田 委員 一時的ではありますけど、やはり混乱を少しでも低減できる一つの方法かなと思いますので、ぜひともやっていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。  また今回、総雨量がそんなには多くならなかったということで、よかったなということなのですけども、浸水の被害も大田区内で結構あったとお伺いをしておりますけども、どの程度なのかを教えていただきたいと思います。 ◎保下 都市基盤管理課長 今回の台風15号での浸水被害ですが、9月20日現在で浸水被害は12件でございます。地区別では、大森地区4件、蒲田地区6件、六郷地区1件、羽田地区1件となってございます。 ◆岸田 委員 たまたま今回は浸水しなかったのですが、前回浸水した方が、たまたま夜中に起きて、やはり自分の家がまた浸水するのではないかなということで、結構恐怖を感じたということなのですけども、前回と今回との間の取り組みはどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。 ◎保下 都市基盤管理課長 過去、台風などで道路から水が民地に流入した場所など、地形的な補修工事が必要な場所におきましては、雨水ますの設置や改修工事などを行っております。  また、台風シーズンに入る前には、区報などで区民の皆様への防災啓発を行い、自助・共助の大切さも伝えております。  今回の台風15号で浸水被害を受けられた住宅の約6割は、半地下構造の住宅でございます。そのため、居住者の方々には、自助の行動といたしまして、家屋浸水のおそれに対する土のうの備えなどを事前にお願いしてございます。 ◆岸田 委員 半地下というお話なのですけども、家を建てるときに、区のほうはどのような指導を、浸水するのではないかなというおそれがあるようなところに対して、どのような指導をしているのか、お伺いしたいと思います。 ◎石原 建築審査課長 区では、毎年出水時期前に、建築物の地下室などをつくるときには注意しましょうという内容で、区報を通じ区民の皆様にお知らせしております。これは、昨今の建築物の居室や駐車場などの地下空間利用の増加に伴い、浸水被害の危険性が高まっていることによります。地下階を設けることは、建築基準法などによる高さ制限がある中で、土地を有効に活用するという点ではメリットがありますが、道路冠水時等に地下室などへの浸水のおそれがあります。その点について、区民の皆様が十分理解した上で建築計画を行っていただきますよう、引き続き注意喚起をしてまいります。 ◆岸田 委員 やはり自分が自宅を建て、いろいろと制限の中で建てている中で、やはりもうちょっときちんと説明をして、大丈夫だろうというのではなく、後で、またほかの、言い方は悪いけれど、みんなに迷惑がかかるようなことのないように、しっかりとお知らせをしていただきたいと思いますし、常にお知らせをしていっていただきたいと思います。  その中で、多少浸水を防ぐ方法の中で土のうが、今結構使用されております。この土のうは、区のほうが要請があると持っていっているということをお伺いしていますけども、その後、終わった後に回収まではしてないということなのですけども、できれば回収していただきたいなとは思うのです。土のうの置き場所、区の置き場所というのですか、区が置いてある場所は、たまたま私の地域には1か所しかない。結構広い場所に1か所しかないけど、そこまで取りにいく、緊急の場合に取りにいくのは、なかなかちょっと大変だなということなのですけども、その土のうの置き場所は、もうちょっと広げたりなどできないものかな。どこに置いてあるのか、そして、また終わった後の回収もしていただければと思うのですけども、どのようにお考えなのかをお伺いしたいと思います。 ◎保下 都市基盤管理課長 土のう置き場の設置箇所につきましては、18特別出張所管内に、現在計23か所設置してございます。主に公園の敷地内を中心に設置しているという状況でございます。  また、土のうの置き場の増設につきましては、近年の浸水実績と土のうの利用実績などを踏まえ、配備を行っているという状況でございます。  また、土のうの回収を行っていない理由につきましては、近年頻発しております集中豪雨等の予知できない災害に対しまして、自助の行動及び再利用のための保管をお願いしているという状況でございます。  保管時に、また経年劣化による土のうの袋の破損などが見られた場合には、新しい土のう袋の配布など、丁寧な対応を行っております。 ◆岸田 委員 できれば古くなった、中は一応土のうというから土なのだろうと思うのですけども、土のうをやたらごみとして捨てられてしまうと、ごみは焼却処分になりますし、まさかないとは思うのですけども、下水に流してしまう、そのようなことがないように、できれば回収をしていただければいいなと思っております。  それから、今、側溝を一生懸命直していただいたり、掃除をしていただいたりしているのですけれども、やはり水の流れがちょっと滞ると、浸水するというか冠水すると思いますけども、その側溝の掃除とかどのような管理をしているのか、お伺いしたいと思います。 ◎保下 都市基盤管理課長 区は、大森、調布、蒲田、糀谷・羽田の4地区に管内を分け、道路の維持管理を行っております。各管内にて道路維持作業業務として、その委託業者が日常の巡回パトロール時に定期的に雨水ますの清掃を行っております。  また、傾斜地の多い大森地区、調布地区につきましては、出水期前に日常実施している道路維持管理業務とは別に、側溝や雨水ますの清掃作業を発注し、浸水対策をさらに強化しております。 ◆岸田 委員 一生懸命やっていただいているのはわかるのですけども、例えば今回の雨とか、風とかのときに、ごみというか枯れ葉とか木の枝とか木の葉が落ちて、それが一気にそういう側溝に流れて、入り口を塞いでしまうという、そんなことがありますので、ああいう状況の中で一般の人に掃除をしろというのは、なかなか、これは難しい問題になってきます。  その中で、やはり街路樹のせん定が結構重要になってくるのかな。やはり、そういう側溝を塞がないような体制、降った雨水がすぐにそのまま下水に流れていくような、そういう施設でもぜひつくっていただきたいなと思います。なかなか、みどりを大切にというのと、その災害のバランスが、多分相当大変なことにはなるのだろうとは思いますけども、うまく調整をしながらやっていただきたいと思います。  今回、皆さんが言っている地球温暖化により、さらに大きな台風なり、短時間に降る雨の量も増えてくるということがあります。本当に60年前の伊勢湾台風、大きな被害をもたらしましたけども、今回このように本当に対応がよくなり、少しずつでも、被害の少ない状況にはなっておりますけども、この先どのようになるかわかりません。本当に被害を少なくする努力を、これからもしていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 ○高山 委員長 次に、公明、質疑願います。 ◆松本 委員 区議会公明党、松本洋之でございます。私のほうからは、まず、歳入歳出決算概要説明書152ページ、おおたの観光魅力発信事業の、この中のMICE誘致事業に関連して質問をいたします。  参考資料であります主要施策の成果によりますと、昨年はMICEの誘致による区経済の活性化に向けまして、産学公民一体によるMICE推進を図るため、有識者、観光・産業関係者から成る大田区MICE推進会議を設置し、大田区らしいMICE推進に向けた取り組みの方向性について3回の会議を開催され、検討が行われたとあります。  また、大田区MICE推進庁内検討会議を開催し、大田区MICE推進会議における、この協議内容の共有及び意見交換を2回実施されております。そして、多岐にわたる関係者が緊密に連携し、MICEの取り組みを発展的に推進することができるよう、地域力を生かした自主自立的な運営の実現に向けた検討を行うこととしたとあります。  まず、この推進会議における協議内容で主だったこと、庁内で共有されている事項というものをお知らせください。 ◎吉川 観光課長 大田区MICE推進会議においては、区内でMICEを確立するために必要な体制及び展開する取り組みについて協議してございます。  昨年は、協議内容を取りまとめ、平成30年度策定の「大田区観光振興プラン2019−2023」の一つの柱となる、MICE施策の項目の内容に反映させることができました。  また、MICEが開催される可能性のある施設を所管する関係部局等で構成する庁内検討会議におきましては、推進会議での協議事項等の内容を共有したほか、今後の区有施設を活用したMICEの実施に向け、施設稼働状況の確認、施設貸出申し込みに係る課題等について、実務面からの検討を実施いたしました。 ◆松本 委員 次に、昨年、MICE誘致組織等に対しまして、大田区MICE開催支援助成基準を設置し、大田区版MICEモデル事業として、1団体に対して支援を実施したとありますけれども、内容をお知らせください。また、今後の取り組みについてお知らせください。 ◎吉川 観光課長 6月8日から6月9日に産業プラザPiO等で開催されました、全国の総合型スポーツクラブ関係者が一堂に会する、全国スポーツクラブ会議2019inTOKYOを、大田区初のMICE事業として認定し、助成金43万円を交付決定いたしました。  助成金は、区内の施設を利用した会議、かつ会場設営や飲食等について区内業者を利用することを条件に、会場設営、講師謝礼等の経費について、イベントの参加人数、区内宿泊者数、区内でのエクスカーション開催の有無に応じて助成金を交付いたしました。  今回の支援内容の効果検証を進め、助成金に限らず会場の紹介など、区内においてMICE開催が図られるよう取り組んでまいります。 ◆松本 委員 その6月に行われたそのイベントというのは、どちらで行われたのですか。 ◎吉川 観光課長 今回のこの会議につきましては、アプリコ及び産業プラザPiOで開催をいただきました。 ◆松本 委員 ユニークベニューの活用支援とアフターコンベンションについて、お伺いをいたします。  昨年の第2回定例会で、我が会派の小峰議員が取り上げた内容でありますけれども、ユニークベニューとは、会議やイベント、レセプション等をホテルなどのコンベンション施設を用いるのではなく、歴史的建造物、美術館、文化施設などを利用し、参加者に特別な時間とサプライズを提供できる会場を指すわけであります。  本区内には羽田空港、池上本門寺、大田区総合体育館、大田スタジアム、勝海舟記念館、大森海苔のふるさと館、龍子記念館、山王草堂記念館、それぞれ多数存在しております。東京オリンピックを見据え、これらの場所をユニークベニューとして活用を推進することで、MICE開催地としての魅力や、おもてなしの心を世界に発信する絶好のチャンスになります。これらのユニークベニューの活用を、官公庁や東京都及び公益財団法人東京観光財団が積極的に推進をしております。  本年5月18日から、東京都及び公益財団法人東京観光財団は、ユニークベニューの利用を希望するMICE主催者等に対して、総合的な支援を行う窓口を開設いたしました。主催者等からの問い合わせや施設の紹介、イベントプランの提案から開催に至るまでの各種調整などワンストップで支援し、ユニークベニューの一層の活用推進を図ることで、東京へのMICEのさらなる誘致を進めていくことが目的でございます。  大田区内のこの地域資源、地域資産と連携、あるいは活用する施策ですので、本区としてもユニークベニューの活用を積極的に支援していくべきだと考えますが、国や東京都が進める本施策に対する区の姿勢、考え方についてお聞かせください。 ◎吉川 観光課長 平成27年5月に東京都が策定いたしました東京都MICE誘致戦略では、東京都はMICE誘致・開催支援の東京都全体の司令塔となり、支援体制の整備及び先進的なモデル事業等を実施し、民間事業者や地域の取り組みを誘導するとしてございます。  ユニークベニューを活用したMICEの推進は、施設の有効活用の観点並びに、大田区ならではの特別感や地域特性を演出し、地域振興及び地域経済への波及を見込むことができると認識してございます。  区は都の総合支援窓口と連携いたしまして、東京都の先進的取り組みを参考にし、区の保有するコンテンツの紹介・提供、磨き上げを図り地域へのMICE誘致促進を図ってまいります。 ◆松本 委員 実際は、ホテルなどのコンベンション施設を利用したほうが、安価で手間がかからないという現実的な壁を乗り越えるだけのメリットや、付加価値をユニークベニューを利用することで、どう感じてもらうかということがポイントだと思いますけれども、より多くの事例やこの機会をつくっていただくことで、その推進が進んでいくことだと思います。  東京都は、ユニークベニューを活用するための開催経費助成を含めた各種支援制度も整備をしております。現在、ラグビーワールドカップ2019日本大会が開催されており、9月20日の開幕戦から11月2日の決勝戦まで7週間で48か国の代表チームが日本に滞在する予定で、また、大会期間中に即位の礼も行われることから、出場国も含めた各国元首や首脳も多数来日する予定でございます。  経済波及効果としては1,917億円、訪日外国人客は40万人を見込み、平均14日間滞在し、1人当たり1日2万円を支出するという推計があります。その後に控える東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会、また、政府のインバウンド政策を推進しているこの現状の中で、大田区内の地域資源、地域資産であるユニークベニューをフル活用して、区内での消費購買行動に直結する機会と場をつくり出すことは、攻めの観光政策だと考えております。  そこで、大田区が所有・管理する場所もユニークベニューとして活用できると思いますけれども、区有施設のユニークベニューとしての活用の可能性についてお伺いをいたします。  また、大田区内に所在する国や東京都、また民間が管理するユニークベニューの紹介や活用事例を本区がアピールすることで、さらなる活用につながると考えますが、所見をお伺いいたします。 ◎吉川 観光課長 東京都がユニークベニューを活用したMICE開催を支援する中で、区内の歴史・文化施設、公園、国・都・民間の施設を活用していくことも必要であると考えてございます。
     東京都と一体となり観光施策を推進している東京観光財団が発信している、東京ユニークベニューにおいて、区内では池上本門寺ほか、民間施設も幾つか掲載されてございます。  MICE先進自治体の事例では、道路を会場としたオーケストラの演奏会や、博覧会等のイベントの実施、清掃工場の屋上空間を利用した講演会や懇親会、個人庭園を使用した花の展示会が報告されてございます。  区におきましても、大田区ならではのユニークベニュー実施の可能性について検討をしてまいります。  引き続き、大田区らしい地域特性を踏まえたユニークベニューをMICE主催者等に紹介いたしまして、MICEの取り組みを進めてまいります。 ◆松本 委員 この施策は、今まで民間で単独で使わなかった場所が、この民間のイベント、MICE事業で使えるようになるという規制緩和であります。いかに地元にそのイベントが開催できるような、そしていろいろなチャレンジングなイベントを区が東京都と一緒にコーディネートしていくことが重要ですので、ぜひ事業推進に向けて検討していただければと思います。  最後に、アフターコンベンションについては、本区は現在どのような戦略を立て、取り組みをされているのか、お知らせください。 ◎吉川 観光課長 MICEにおきましては、本体の会議とともに、会議日程の合間または終了後に行われる行事や周辺地域のショッピングや娯楽を楽しむアフターコンベンションも重要な要素となってございます。  大田区は、都内有数の飲食店数、多様な文化活動、ものづくりのまちとしての知名度がありまして、それらを生かしたアフターコンベンション実施をプロモーションするため、専用窓口の設置、催し物等のメニュー化及び各団体等との連携体制の構築が必要と考えてございます。引き続き検討を進めてまいります。 ◆松本 委員 次に、国内に多くの観光地を有する我が国にとって、今や観光業は主要産業となっております。また、政府は東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年までに、年間の外国人観光客を4,000万人まで増やすことを目標とし、観光立国の実現を目指しているわけであります。  こうした中にあって、今年9月9日未明には台風15号の上陸で大きな被害が発生し、羽田空港や成田空港が一時閉鎖され、新幹線や在来線も計画運休となり、首都圏の足は大きくストップをいたしました。  また千葉県内のホテルでは、ブラックアウトによる停電等で観光客に大きな影響が出たわけでございます。とりわけ外国人観光客にとっては、多言語での災害・交通・避難情報が十分でないなど、災害時の対応に大きな課題を残しました。  災害の多い我が国におきましては、観光の危機管理は重要で、本区における外国人を含む観光客に対する防災や、災害時の支援体制などを確認していきたいと思います。  まず、地域防災計画に、観光旅行者に対する避難場所・避難経路などの計画が定められているかどうか、お伺いをいたします。 ◎吉川 観光課長 地域防災計画におきましては、観光旅行者に対する避難場所としての明記はされてございません。昨年9月6日、北海道胆振東部地震におきましても、大規模停電、いわゆるブラックアウトにより、多くの外国人を含む観光旅行者が、ホテル等の宿泊施設から公的な避難場所に避難した状況が報道されてございます。  大田区基本構想におきましては、区民とは、大田区にかかわる全ての人を言うとされてございます。区民の皆様と同様、一時的に区内滞在する観光旅行者または通過途上の観光旅行者につきましても、安全が確保された場所への誘導及び受け入れの必要があると認識してございます。  また、観光旅行者が、速やかに帰郷・帰国できるよう国、都、関係団体と連携し、情報収集・提供に努めてまいります。 ◆松本 委員 また、地域防災計画に、外国人観光客へ情報伝達に関する事項が整備されているかどうか、お伺いをいたします。 ◎吉川 観光課長 地域防災計画におきましては、日本語によるコミュニケーションが困難な外国人に対する災害時の支援につきまして、平常時からの多言語による防災地図等を配布し、必要な情報に努めることとされてございます。 ◆松本 委員 災害時の多言語化について、多言語標識・通訳ボランティアの整備、災害関連情報の多言語メール配信システムの整備などの取り組みについての所見をお伺いいたします。 ◎白根 国際都市・多文化共生推進課長 区は、多文化共生推進センター内におきまして、国際都市おおた協会及び災害時外国人支援ボランティア等と連携し、災害時に公共機関等から発信される必要な情報や、外国人等からの相談や問い合わせなどを多言語に通訳または翻訳し、外国人区民や訪日外国人に提供する仕組みづくりに、昨年度から着手しております。  また、標識の多言語化につきましては、現在、様々な言語圏からの観光客が日本を訪れており、それらに漏れなく対応することは困難ではございますが、ピクトグラムの活用なども含め、方策を考えてまいります。  最後に、区民安全・安心メールの多言語サービスとしましては、気象・地震・津波の各情報を、英語、中国語、韓国語、そしてタガログ語の4か国語で、平成30年11月より配信しております。 ◆松本 委員 最後に、外国人観光客に対する避難所の運営や領事館等を含む関係機関や関係団体との連携について、どのように考えるか所見をお伺いいたします。 ◎白根 国際都市・多文化共生推進課長 先ほども、観光課長からお答えしましたが、現在、外国人観光客の避難所指定はございませんが、災害発生後、一定期間安全を確保するため、区は日本人か外国人かであるかを問わず、区民か旅行者の区別なく、公共施設等を開放し、被災者の受け入れを行います。  外国人旅行者の安否確認につきましては、東京都産業労働局及び東京都外国人災害時情報センターを経由しまして、旅行者の当該大使館に連絡を行う体制を確保しております。あわせて、観光関連事業者等とは、外国人旅行者の案内・誘導・情報提供について連携を行っております。 ◆松本 委員 以上で、終了いたします。 ◆勝亦 委員 大田区議会公明党の勝亦聡でございます。  歳入歳出決算概要説明書の150ページ、2款総務費、2項地域振興費、5目特別出張所費に関連して、北蒲広場についてお聞きをいたします。  大田区立北蒲小学校は、約15年前に廃校し、現在は北蒲広場や、産学連携施設として多くの区民に活用されております。北蒲広場は、運動場、スポーツ室、集会室、多目的室として、区内の団体や個人の方のサークル活動や集会等に多く利用されております。  また、産学連携施設は、区内の中小企業の活性化などを目指し、平成18年に校舎改修後に設置をされました。地元地域では廃校後10年を目途に、その後の活用方法が決まると認識しております。  そこで質問させていただきます。北蒲小学校は廃校後、現在約15年が経過をいたしました。今後の北蒲小学校の活用方法等、また方向性でも構いませんので、お知らせいただければと思います。 ◎河原田 施設整備課長 委員お話しのとおり、現在、北蒲広場につきましては、産学連携施設のほか、運動場やスポーツ室など、地域の皆様に開放を行っているところでございます。  今後の活用方法につきましては、大田区公共施設等総合管理計画に基づきまして、人口構成や社会情勢の変化に合わせて、行政需要や地域の皆様の要望等を踏まえながら、引き続き検討を進めてまいります。 ◆勝亦 委員 検討も大事だと思うのですけれども、結論も大事ですので、よろしくお願いいたします。  私はこれまで、この北蒲広場について様々な形で管理主体である蒲田東特別出張所に相談をし、解決をしてまいりました。例えば、これから秋の長雨シーズンになりますが、過去には大雨により運動場の砂が隣接区道まで流れ出してしまうことがありました。  泥水となって流れ出した雨水は、雨がやみ、晴れて風が吹くと、砂ぼこりとなって、近隣の住宅に多大な迷惑をかけている状況でありました。雨水の流出を防ぐため、土のうを積んでいただいたり、また、その土のうも古く機能が発揮しなくなると、コンクリート製の側溝をつくっていただきました。今もその素早い対応を高く評価しております。  また、晴れの日が続き運動場の砂が乾くと、風によって砂嵐状態にもなっておりましたが、当時の蒲田東特別出張所長が、財政当局と予算折衝していただき、運動場に埋め込んであった、壊れて修理不能の散水機を廃止し、大型の散水機を設置していただきました。  そのほかにも、体育館であるスポーツ室の壊れていた照明をLEDに変えていただいたり、破れたままの暗幕を更新していただいたり、あちらこちらについてもその対応を高く評価しております。  この北蒲広場が地域に愛される施設として、間違っても迷惑施設と地域から思われることがないよう、今後も様々提案をしていきたいと私は考えております。  質問いたします。北蒲広場は非常に人気が高く、運動場やスポーツ室、多目的室などは申し込みが殺到していると伺っておりますが、その利用率等を教えていただけますでしょうか。 ◎水野 蒲田東特別出張所長 北蒲広場の平成30年度の利用率につきましては、運動場については41%、スポーツ室は86%、多目的室は80%となっております。 ◆勝亦 委員 私は、この北蒲広場のすぐそばに住んでおりますので、運動場が様々なスポーツなどで利用されていることをよく見かけております。野球やサッカー、ゲートボール、そして市民消火隊の訓練など。ちなみに私も市民消火隊の一員ですので、毎月1回消火隊の訓練で使用させていただいております。  また、スポーツ室である体育館や、踊りなどに利用できる多目的室なども、頻繁に利用されていると、認識をしております。  多くの方にぜひ利用していただきたいとの思いがありますが、その上でお聞きをいたします。この運動場の利用規程などありましたら、教えていただけますでしょうか。 ◎水野 蒲田東特別出張所長 運動場の主な用途はテニス、少年野球、ソフトボールなどでございます。  利用者の皆様には、どなたでも気持ちよくご利用いただけますように、運動場の使用後のブラシがけ、近隣への配慮のための音量の調整など使用上の注意を記載したご案内を配布しております。  今後も利用者の方には、他の利用者の方や近隣住民の方へのご配慮をしていただきながら、ご利用いただくよう周知してまいります。 ◆勝亦 委員 この北蒲広場は、ご存じのように住宅街にあります。北蒲広場を区道が取り囲んでおりますが、その区道を隔てた向かい側は、すぐ住宅となっております。  先日、ご近所の方より相談をいただきました。北蒲広場運動場を利用している野球チームのボールが、自宅の屋根に飛んできたそうであります。幸いなことに、特に大事故には、つながらなかったとお聞きをいたしました。  そこでお聞きいたします。野球やサッカーなど、球技ができる場所が減少している中、こういったスポーツがこの運動場でできなくなってしまうのは、かわいそうな気がいたします。そういった意味でも、区が現地調査を行い、区で何らかの対策ができればと考えますが、区の見解をお示しください。 ◎水野 蒲田東特別出張所長 近隣住民の方からのご意見や委託事業者から報告があった場合は、現地調査を行い、適切に対応してまいります。あわせて、利用者の方に安全にご利用いただけるように運動場の凹凸を解消する工事を予定しております。  今後も区民の皆様が安心して安全にご利用いただけるように、適切に管理運営してまいります。 ◆勝亦 委員 ぜひ、地域で愛される施設になっていただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○高山 委員長 次に、共産、質疑願います。 ◆杉山 委員 日本共産党大田区議団の杉山公一です。日本共産党大田区議団を代表しまして、感震ブレーカーについて質問させていただきます。  (「代表ではないよ、個人です」と呼ぶ者あり) ◆杉山 委員 すみません。杉山公一として、感震ブレーカーについて質問させていただきます。  我が会派は、長年、感震ブレーカーについて公費で助成を進めるよう求めてきました。平成26年3月の予算特別委員会では、当時の和田議員が感震ブレーカー設置を要望してきました。  阪神・淡路大震災時に、大規模な延焼火災が発生し、その教訓から通電火災を防止するには、感震ブレーカーの有効性を訴え、感震ブレーカー等の100%配備の検討を求め、家具転倒防止器具のように高齢者、障がい者などの世帯に無料で設置することを求めてきました。  その当時の区の答弁では、国の動向も踏まえて研究しておりますとなっていました。その後、区では、「区民に独自の取り組みをして防災のあっせん事業に各種製品を取り入れ、各ご家庭の実情に合った感震ブレーカーをお選びいただいております。今後も引き続き、感震ブレーカーの普及啓発の推進に努めてまいります。なお、電力会社では、電力復旧手順の見直しを行っています。各ご家庭を戸別訪問し、家庭内の設備が安全であることを確認の上、通電を行うなどの安全性を重視した取り組みにより、熊本地震では、復電火災がゼロであったと報告されています」との答弁が、これまでなされてきました。  今年に入り、区は災害時要援護者の支援の一つとして、感震ブレーカーの取りつけを今後検討しています。この前向きな姿勢が見られ、午前中の答弁の中で年内に支給する準備を進めると述べられました。長年にわたる我が会派の要望が実現するときが来て、感謝します。  千葉県では、台風15号による被害で大規模な停電や断水が起こりました。長期間にわたって難儀な生活をされています。いまだに停電のままの状態のところも残されていますが、復旧に手間取り長い間、停電した家庭にやっと電気が復旧して明るい生活、通常の生活に戻れたと思ったら、通電火災に遭われた方もおられます。  千葉県では、通電火災と疑われるものがこれまで9件発生し、そのうちの3件が全焼となっています。台風の影響ということで、震災とは異なりますが、通電火災の恐ろしさは対岸の火事ではありません。  千葉県では、戸建ての周りは森林もあり、隣家への延焼は食いとめられたところもありますが、大田区で起これば住宅密集地域であり、延焼は免れないのではないでしょうか。  こうしたことから、感震ブレーカーを早急に各家庭に設置されることが必要です。23区での感震ブレーカー設置について、助成しているところが13区、本区と同様のあっせん・啓発が10区です。  全国でも、感震ブレーカーの設置補助は進んできています。特に、木造住宅密集地域では、通電火災による延焼を防ぐためにも、各家庭全てに設置しないと意味がありません。各家庭につけるためには、公助が必要ではないでしょうか。  先ほども、進めるとの答弁がありましたが、どのような助成をお考えでしょうか、お聞かせください。 ◎長沼 防災危機管理課長 本事業は、感震ブレーカーの支給及び取りつけを行い、大地震発生時に想定される通電火災を防止することにより、被害の軽減を図り、もって区民の生命及び財産を守ることを目的とするものであり、さらに、災害時における要配慮者支援体制の強化を目指すものでございます。  希望者から申請書の提出を受け、受給要件を満たす方には決定通知を送付するとともに、区が委託する事業者がお宅を訪問して感震ブレーカーを取りつけます。  台風15号の被害で生じた通電火災は、家屋の破損とともに家庭内の電気配線が傷んで、その後、通電された際にショートして火災になったものではないかとの報道もございました。  この事業の実施により、通電火災全般への関心が高まることも事業効果の一つとして考えるところでございます。 ◆杉山 委員 今、答弁がありましたように、お住まいになられている方々の状況に合わせて、高齢者や要介護者、障がいを持っている方、非課税の方々などについては、申請をされて、OKになれば取りつけてくださるということですが、一般家庭にもこの感震ブレーカーが必要ではないかと思います。全ての家庭につけることで、防止をすることができるのではないでしょうか。ですから、一般の方々についても何らかの助成、こういうことをすることを求めます。  既存の住宅なのか、新築なのか、またリフォームなのか、そういうところにも助成ができるように検討していただけないでしょうか。お聞かせください。 ◎長沼 防災危機管理課長 午前中も答弁いたしましたとおり、本区の感震ブレーカー支給取りつけ事業は、一定の所得基準以下の高齢者や障がい者、介護が必要な方がいる世帯を対象とするものでございます。  また、対象区域に関しまして、他区におきましては、不燃化特区に指定されている区域内の木造住宅に限るなど、適用範囲は様々な状況でございます。  通電火災を防止することで、被害の軽減を図るとともに、区民の生命及び財産を守り、さらに災害時要配慮者の支援体制を強化するという、本区の事業目的に沿った適用範囲を設定していく必要がございます。  以上の考えをもとに、事業の詳細につきましては、現在、まさに最終調整を行っているところでございます。 ◆杉山 委員 感震ブレーカーについては、いろいろな種類があります。内蔵型、簡易タイプ、高性能タイプ、分電タイプ、コンセントタイプなどの様々なものがあります。  金額もピンからキリで、助成の金額については、また規模についてはどのように考えているか、お聞かせください。 ◎長沼 防災危機管理課長 助成の金額につきましても、他区におきましては全額助成や設置費用の3分の2助成など、様々な状況でございます。  一定の所得基準以下の方を対象といたします、本区の感震ブレーカー支給取りつけ事業につきましては、この事業目的に沿いまして、対象者の負担のない設定にする必要があります。  繰り返しになりますが、この考えに基づきまして調整を行ってまいります。 ◆杉山 委員 区民が住みやすい防災のまちづくりを進めるという点では、全世帯に設置すること、また、全ての事業所にも設置することが防災の役に立つのではないでしょうか。そのためにも、公費の助成を大いに進めていただくことを申しまして、私の質問とさせていただきます。 ○高山 委員長 次に、令和、質疑願います。 ◆三沢 委員 令和大田区議団の三沢清太郎です。  先日、猛威を振るった台風15号は、大田区内各所で甚大な傷跡を残しましたが、先ほど岸田委員からも話がありましたとおり、館山市にある大田区立館山さざなみ学校も大きな被害を受けました。  校舎2階部分の屋根に備えつけられていたドーム状の明りとりが吹き飛び、宿舎の窓ガラスが割れて飛散をしました。児童や職員に大きなけがを負った者がいなかったことは不幸中の幸いでした。  台風が過ぎ去った9月16日、私は館山さざなみ学校に視察に行ったのですが、校舎の明りとり部分からは雨が降り注ぎ、一部天井が崩落し、とても授業をできる環境ではありませんでした。  副校長先生いわく、在校生24名はマイクロバスを使って大田区の各家庭にお戻ししたとのことでした。そのときは、館山自動車道が通行どめだったため、1本しかない一般道ではガソリンスタンド待ち渋滞が各所で起こっており、帰宅にとても時間がかかったそうです。  そして、ここでも問題になっていたのは、改修工事をしたくても人手がないという現実でした。館山市内業者は、無数にある被災家屋対応、大田区内業者はオリパラ対応等で人手がなく、授業再開は早くとも10月下旬以降になるそうです。それまでの間、児童たちは大田区内、地元小学校に通われるそうですが、あつれきが生じないか心配をしております。一日も早く授業再開できるよう、校舎復旧をできるだけ優先いただくことを希望いたしまして質問に移ります。  本区の広報及びシティプロモーションについて質問をさせていただきます。  地方活性化を進める上で、各自治体は様々な戦略を検討・実施しています。地元の特産品をテレビなどのマスメディアでアピールをしたり、地元のマスコットとしてゆるキャラをつくったりして、地元地域を宣伝していることはよく知られているところです。大田区も地元ケーブルテレビを通じて大田区のお土産100選をアピールしたり、はねぴょんを生み出し、活動の場をどんどんと広げております。  シティプロモーションとは、このような自治体ごとの営業活動を総称して呼ぶ言葉ですが、近年、地域の魅力を探し出し、地域イメージとして確立させることが地方活性化の秘訣になっています。  大田区もあと数年もすると、人口流入数と流出数の差、社会増が頭打ちとなり、人口減少時代に突入します。今後も人口が多く、かつ活気のある大田区を実現するためには、地域自体をもっと魅力的なものにしなくてはいけません。  そして、大田区の魅力を多くの方に知ってもらうためには、自治体みずからの営業が欠かせません。本区は広聴広報課がシティプロモーションを担当しており、この間、様々な取り組みを通じて大田区の魅力を発信してきました。  その中の一つにホームページがございます。大田区の現在のホームページは、一番上にサイト内検索を設け、その下に行政情報をまとめたホームページへのリンクと、シティプロモーションサイト「ユニークおおた」へのリンクが配置された、とてもシンプルなつくりとなっております。  以前のホームページは、お知らせや新着情報などがトップページにずらりと羅列され、知りたい情報を探すのに苦労しましたので、親しみやすいつくりとなったことを高く評価いたします。  そこで質問いたします。大田区のホームページ運営費として、平成30年度決算では1,382万976円が計上されておりますが、その内訳を教えてください。 ◎高野 広聴広報課長 ホームページの運営費については、コンテンツ作成に係るソフトウェア保守経費などが499万4,136円、サーバーのリース料などが209万880円、自動翻訳システムの維持経費、90万7,200円、電子証明書やツイッター管理ツールなどの費用、51万5,160円、広聴広報課に常駐しているシステムエンジニアの委託経費が531万3,600円となってございます。 ◆三沢 委員 ユニークおおたは、区内外の方々に区の魅力を発信するツールとして重要な役割を果たしていくものと思われます。特に英語バージョンは、インバウンドの観光需要のみならず、羽田空港乗り継ぎ客が数時間本区内に滞在する際にも利活用できる可能性を秘めております。今後、ユニークおおたの認知度をどのように上げていくのか、そして乗り継ぎ客のための情報提供をどのように提供していく予定があるのかを教えてください。
     例えば大田区は、羽田空港からのアクセスのよさを最大限に生かし、空港から3時間以内で体験できる「羽田・大田エンジョイプログラム」冊子を作成し、大田区観光情報センターにも配備をしております。こういった情報も、ユニークおおたに記載されていれば一層有意義なサイトになると思うのですが、区の見解をお聞かせください。 ◎高野 広聴広報課長 今年5月に大田区シティプロモーション戦略を策定し、区の魅力を戦略的かつ効果的に発信していくための方向性を示しました。その中で、大田区の持つ多様な魅力に気づいていない区民だけでなく、羽田空港を利用する国内外からの来訪者をメインターゲットとしております。  地域資源の掘り起こし、磨き上げ、組み合わせ等を行い、多彩な大田の魅力を専用ホームページでしっかり発信していくことはもちろん、様々なメディアやSNSを活用しての情報発信を積極的に行うことで認知度向上につなげてまいります。  また、情報を発信する際にはブランドメッセージを関連づけて区のイメージを区内外に定着させてまいります。  委員お話しのとおり、観光課をはじめとした関係部局との連携により、各種地域資源を組み合わせた楽しみ方の提案やモデルコース等の普及など、地域資源のネットワークを推進し、魅力向上、さらに回遊性の強化につなげていくことが重要と考えております。 ◆三沢 委員 少し話は変わりまして、現在のシンプルなホームページ、先ほども言いましたが、私はとても気に入っているのですが、緊急情報欄がございません。災害発生時、避難所や緊急医療救護所、ブルーシートや土のう置き場、携帯充電スポットを即座に知るために、自治体のホームページは頼りになる存在です。ほかの自治体ホームページには、緊急情報欄を常に表示させているケースも見受けられますが、大田区のホームページでは平時は見当たりません。私は、災害が頻発化する今日において、緊急情報欄は常にホームページ上に設けていてもよいと思っているのですが、区の見解をお聞かせください。 ◎高野 広聴広報課長 ホームページ上では、いざというときのために、日ごろから必要な災害に対応した行動などを確認していただくため、風水害対策や家屋の浸水防止、ハザードマップなどの情報を掲載し、区民の皆様に情報提供しております。  また、災害発生時においては、一時避難スペースなどの情報もツイッターやホームページで周知し、災害への対応に必要な情報を可能な限り迅速に掲載しております。  災害などの緊急情報は、区民にいち早く入手していただきたい情報であるため、ホームページ内で見やすく、目に触れやすい場所に掲載することを常日ごろ、心がけながらホームページを作成してございます。  引き続き、区民の皆様の生命や安全にかかわる災害などの緊急情報の掲載場所や掲載方法については、トップページのデザインも含め、よりわかりやすく情報提供できるよう工夫してまいります。 ◆三沢 委員 ぜひ、よろしくお願いいたします。  今の時代の風潮を読みながら、市民の関心度の高い情報を積極的に伝えていくとともに、大田区の個性をさらにわかりやすく伝えることのできる、そんなホームページとなりますことを期待いたします。  続いて、SNSの活用についてお聞きをいたします。現在、本区では、様々なSNS媒体を通じてシティプロモーションに励んでいただいておりますが、現在の活動媒体と取り組み状況について、教えてください。 ◎高野 広聴広報課長 現在の活動媒体として、大田区公式ツイッター、はねぴょん公式ツイッターがあり、それぞれ投稿数は8,074回、7,921回、フォロワー数は1万7,922人、3,267人となってございます。このほか、シティプロモーション用のツイッター、フェイスブック、インスタグラムもございます。投稿数は合わせて約600回、フォロワー数は合わせて約700人でございます。  公式ツイッターは1日1ツイート以上を目標としており、現在は平均4.6ツイートし、フォロワー数も増えてございます。  区内イベントやお勧めスポット情報、シティプロモーションサイト記事の紹介、大田区に関する豆知識などを投稿して、区の魅力を発信してございます。  また、投稿の際には、閲覧者に対して「#uniqueota」をつけて区内情報を投稿するよう呼びかけ、区民の方にも一緒に区の魅力を発信していただいております。 ◆三沢 委員 複数の活動媒体に、複数のアカウントやグループを持ち活動していることがわかりました。  平成30年度主要施策の成果には、海外の旅行会社・メディアなどに対する情報発信の項目に、羽田空港周辺地域連携事業で海外メディア関係者・インフルエンサー4名、タイ・台湾の方々を招請し、大田区内のスポットを紹介し、タイ・台湾のSNSに合計15回掲載されたとあります。  インフルエンサーを通じて、大田区のよさを広めてもらう取り組みそのものは、大変すばらしいものだと感じております。しかし、その成果が15回SNSに掲載されました、で終わらせてしまうのはいかがなものでしょうか。  インフルエンサーがSNSに掲載したことで、コメントやリツイートが少なからずあったと思います。その中には実際に大田区に足を運び、経験したことをさらに裾野を広げてSNS発信してくださっている方もいらっしゃることかと思います。  また、一口にインフルエンサーといっても、様々な形態がございます。ブログ上で、日記やコンテンツを配信し、多くのページビューを獲得するブロガー、動画共有サービス、ユーチューブで圧倒的人気を博しているユーチューバー、写真共有サービスのインスタグラムで大勢のフォロワーがいるインスタグラマーなどが挙げられます。また、最近ではユーチューバーのように企画中心ではなく、日常中心にふだんの生活を撮影・投稿するブイロガーも増えてきております。  もう少し具体的に、どれだけのお金をかけて、どういったインフルエンサーに協力をいただき、どのような成果があったのかを教えてください。 ◎吉川 観光課長 本事業につきましては、大田区、品川区、川崎市が連携し、羽田空港周辺地域の認知度向上、誘客を目的に実施いたしました。タイ海外旅行博への出展及びタイ・台湾のメディア等の招請を合わせた費用は125万円でございます。  実施にあたりましては、訪日旅行に興味を持ち、誘客ターゲットの視点で好意的な情報発信を確実に実施できる者を条件として招請者を選定してございます。  タイからは、訪日タイ人は必ず目を通すといっても過言ではないくらいフェイスブックで高い集客力と、エンゲージメント率を持っている人気のインフルエンサー及び日本に興味を持つタイ人を対象にフェイスブックやブログで食べ物、ショッピングなど、様々な日本文化を紹介するメディアの2名を招請してございます。  また、台湾からは、ファンページで記事への反響も高く、フェイスブックやブログなど、複数のSNS媒体を用いる旅行関連の総合ニュースメディア、及び東京と台北の文化の違いをおもしろくフェイスブックに投稿して人気のインフルエンサーの2名を招請してございます。  大田区内は、蒲田周辺を中心に視察していただいた上で、記事掲載を行いました。掲載後は、フォロワーから「ここにいきましょう」「いいロケーションにホテルがあります」「1日過ごせるプランが立てられるので興味深い」といった反応が見られてございます。  また、視察後の各メディア・インフルエンサーとの振り返りミーティングにおきまして、各コンテンツに対する評価や、今後の発信の方向性について、直接アドバイスをもらうことができまして、インバウンド誘致施策を進めていくにあたり、大きな成果があったと考えてございます。 ◆三沢 委員 インフルエンサーを、外部に求めることは現時点では仕方のないことかもしれません。しかし、今後は内部からもインフルエンサーを育てていくことも、とても大切なことだと考えております。  昨今、企業ではインフルエンサー採用枠を設け、発信力の高い個人の方々を自社スタッフとして直接雇用することで、より企業に関する多様な情報が生の声としてリアルに消費者に届けられ、企業ブランドに対する理解と認知が深まることを期待しています。  ある企業では、SNSのフォロワー数が1万人以上の方を限定し、投稿内容も含めて確認した上で、履歴書や面接だけではわからないインフルエンサーとしてのSNS発信力やセンスを持った方を、優先的に最終面接へと案内しています。  本区が本気でシティプロモーションに力を入れていくのであれば、このインフルエンサー採用枠を取り入れるのも一考と考えておりますが、理事者の見解をお聞かせください。 ◎高野 広聴広報課長 シティプロモーション戦略の中で、職員一人ひとりが区の魅力を発信するインフルエンサーであるというマインドを持って職務にあたり、一丸となって取り組みを進めてございます。  委員お話しのような採用枠を取り入れることについては、シティプロモーションの観点からも、SNSでの情報発信や拡散を積極的に行うインフルエンサーの存在力や影響力を活用でき、メリットはあると思います。  しかしながら、インフルエンサーという特殊性から、具体的な業務内容等を精査する必要がございます。観光課や人事課をはじめ関係部局とも情報交換しながら、どのような任用方法が適切かを整理、研究してまいります。 ◆三沢 委員 インフルエンサーによって、投稿内容やフォロワーの属性が異なるため、リーチすべきターゲットや届けたい情報を明らかにした上で、活用すべきインフルエンサーをしっかり選ぶ必要があるかと思います。  ホームページやSNSを用いたシティプロモーションは、雲をつかむような側面があり、効果もすぐにあらわれるとは限らず、PDCAを回していくことは難しい面があるかもしれません。  今後とも検証を重ね、適宜、軌道修正を図りながら、すばらしいシティプロモーションが展開されますことを期待いたしまして質問を終わります。 ◆須藤 委員 令和大田区議団、須藤英児。  令和元年度第2回定例会にて暴風、暴雨、洪水、高潮、地震、津波などによる大規模災害から、いち早くもとの生活に戻れるように、まず、区報などで生活再建に役立つ五つの制度の周知・広報をすることを強く要望いたしました。  令和元年9月9日に関東に上陸した台風15号、千葉県、神奈川県、そして東京都にも大きな被害を出しました。台風により、家屋への浸水などが起こると生活の先行きが不安になります。被災者の早い生活再建に役立つ五つの制度があります。  り災証明書、被災者生活再建支援制度、災害弔慰金・見舞金制度、被災ローン減免制度、住宅の応急修理制度の五つです。  り災証明書とは、災害による家屋の被害程度を証明するものです。被災者生活再建支援金の申請、税金の減免、公共料金の減免など、各種の申請、義援金の受領などにも必要です。生活再建の最初の一歩となる証明書です。  被災者生活再建支援制度とは、住宅に著しい被害を受けた場合に、世帯に支給される行政給付金です。  災害弔慰金・見舞金制度とは、災害による遺族に対して支払われる災害弔慰金と、災害により精神・身体に障がいを受けた場合に支払われる災害障害見舞金があります。災害弔慰金は、500万円または250万円、災害障害見舞金は、最大で250万円であります。  被災ローン減免制度とは、大規模災害により住宅ローンなどを借りている個人や事業性ローンを借りている個人事業主が債務の支払いで再起が困難な場合に、債権者と債務者の合意に基づく債務整理を行うことができる制度です。  住宅の応急修理制度とは、住宅が半壊、大規模半壊で仮設住宅を利用しない場合、被災した自宅の屋根、居室、台所、トイレなど、日常生活に必要な最小限の部分は市区町村が業者に委託し、修繕を行わせることができる制度です。  特に、り災証明書の発行は、被災者が被災後の生活債権のために最初の一歩となる非常に重要な証明書です。  そこでお伺いいたします。今回の台風15号による、大田区のり災証明書の発行の状況をお聞かせください。 ◎近藤 地域力推進課長 今回の台風15号では、9月25日現在、18特別出張所にて、104件のり災証明書を発行しております。  発行内容ですが、屋根の一部損壊が61件と全体の半数以上を占めており、そのほかとして外壁、扉等の一部損壊が18件となっております。 ◆須藤 委員 り災証明書の発行が104件とのことですが、この中で見舞金の支給の対象となった件数、金額をお教えください。 ◎近藤 地域力推進課長 見舞金の支給となった件数は、合計で29件で、金額は39万円でございます。  特別出張所では、り災証明書の発行及び見舞金支給に関する事務を滞りなく実施し、災害に遭われた方々の一刻も早い復旧を願っております。 ◆須藤 委員 今後、より強大な台風や地震により、大田区内に甚大な被害が発生し、多くの方が被災した場合でも、区として迅速にり災証明書を発行できる体制づくりが必要であり、引き続き区職員の皆様、頑張っていただきたいと思います。  令和元年台風15号被害、9月24日から10月2日まで、大田区職員が千葉県君津市に派遣され、り災証明書発行業務にあたったとのことを伺っております。  また、台風15号発災後、東日本大震災、東松島市復旧支援ボランティアバスに参加した人たち、そして多くの大田区民が千葉県や神奈川県、東京都大島などに支援活動に入っていると伺っています。  多くの区職員、区民が各種の災害を我が事として捉え、生活再建制度の備え、建物の備え、水や食料、トイレなど、必要物品の備え、行動の備えなど、平時からあらゆる災害に対しての備えがしっかりできていれば、大規模災害に直面してもいち早く復旧・復興できる大田区になると思います。  区の職員の皆様、これからもよろしくお願いいたします。 ○高山 委員長 次に、立憲、質疑願います。 ◆庄嶋 委員 立憲民主党大田区議団の庄嶋孝広です。本日のラストバッターになるかと思います。  今年は、3月におおた未来プラン10年が終わったタイミングですので、平成30年度決算にとどまらない範囲にも質疑が及ぶかと思います。  大田区では現在、指定管理者制度を導入している施設が140件。そのうち二つで特定非営利活動法人、つまり、NPO法人が指定管理者となっています。施設ごとに特徴が異なるため、どんな事業者が指定管理にむいているかは様々だと思いますが、区民協働の考え方のもと、区民がつくるNPO法人が指定管理してきた二つの施設を取り上げ、大田区基本構想に掲げる地域力の意味を考えたいと思います。  まず、一つ目の施設は、大森北にある男女平等推進センター、エセナおおた、決算概要説明書の115ページです。  エセナおおたは、昭和52年開館の大田区立婦人会館を前身とする、おおた女性センターから平成12年にリニューアルオープンした施設で、区直営時代を経て、15年前の平成16年より指定管理者制度が導入されています。  区直営時代の区民自主運営委員会の有志により、法人化プロジェクトチームが立ち上がり、指定管理者である特定非営利活動法人男女共同参画おおたが設立され、現在に至っています。  ちょうど昨日の総務財政委員会で、平成30年度指定管理者のモニタリング結果の報告がありましたが、年間10万人超の利用者があり、室場の利用率は72%とありました。よく利用されている施設であると言えます。所管課の総合所見欄にも、「男女共同参画の推進に対し、知識と実績を有する法人であるということもあり、施設の設置目的に沿った事業展開及び施設運営が効果的に実施されていた」とあります。  そこで伺います。利用者数や室場利用率を高水準に維持できているのは、現在の指定管理者の、どのような工夫によるものだと評価していますか。 ◎塩沢 人権・男女平等推進課長 男女平等推進センターでは、指定管理者制度を導入し、主な業務として、大田区男女平等推進プランに基づく各種講座等の事業の実施及びうぐいすネットによる貸館業務を行っております。  各種講座の事業におきましては、指定管理者との協議のもと、タイトル、題名について事業の内容をわかりやすく、かつ、親しみやすいものになるよう工夫しております。  貸館業務におきましては、うぐいすネットの仕組み等について丁寧な説明を心がけるとともに、希望する室場が予約できなかった利用者に対し、使用目的に沿った使い方ができる他の室場を案内するなど、利用者のニーズに応えつつ、さらなる利用率の向上を図っております。  また、毎年度実施しておりますモニタリングにおきましても、指定管理者が自主的に職員に対する研修等を実施し、接遇等の管理運営に関する業務の質の向上に努めていることなどを確認しております。 ◆庄嶋 委員 私自身もエセナおおたに伺いますと、1階の入り口を入ったところで、受付の方が非常に丁寧に挨拶をしてくださるなど、接遇のよさを感じます。  今のお話で、貸館業務への評価が多く述べられた点が印象的でした。もっとも、エセナおおたの特徴は、何といっても講座事業にあると思います。先ほどの答弁でも若干触れられましたけれども、男女共同参画というかたいテーマ、これを正面切って取り上げるのでなくて、例えば平成30年度の講座には、こんなタイトルの講座がありました。「私をもっと好きになる8つのきらめきレッスン」「パパの手でつくる赤ちゃんのハッピータイム」「50代から始めるオトナ女子のプチ起業のススメ」などです。やわらかいタイトルで参加のハードルを下げながら、結果として受講者が男女共同参画の一歩を進める内容になっています。  また、「男の生き方塾」という講座を受講したシニア男性たちが、ボランティアとしてセンター事業にかかわっていらっしゃいます。私も、議員になる以前、子育て中のパパママ向け講座ですとか、女性リーダー育成講座などで、何度か講師をさせていただきましたが、ボランティアの皆さんに講座のお手伝いをしていただいたこともあります。現在、160名くらいのボランティアがいらっしゃるとのことです。  そこで伺います。決算概要説明書に指定管理料は約5,400万円とありますが、そのうち講座事業など、男女共同参画を推進する目的館としての機能を果たすために使われている部分はどのようになっていますでしょうか。 ◎塩沢 人権・男女平等推進課長 大田区男女共同参画推進プランに基づく各種講座を実施するための費用としまして、指定管理料の中に事業費とそれを担う人件費として約3,000万円を計上しております。  事業費につきましては、そのうち約345万円で、講座等を実施する際の講師謝礼及びチラシやポスターといった講座等の周知・参加者の募集等に係る経費となっております。 ◆庄嶋 委員 事業費が345万円ということですが、それがちょっと十分な金額かどうかは精査が必要なところなのですが、講座やイベントを行うための事業費がついているというのは、目的館として大事な点だと思います。  男女共同参画に熱意を持つ区民がNPOをつくり、専門性を培うことで魅力的な講座事業を展開するとともに、ボランティアスタッフが活躍するコミュニティを育てる。そのような区民協働の視点を持った運営が、エセナおおたの特徴です。そのあたりをしっかり評価していただきたいと思います。  次に、二つ目の施設ですけれども、大森西にある区民活動支援施設こらぼ大森、決算概要説明書149ページになります。  こらぼ大森は、平成14年4月に大森第六小学校が大森第二小学校と統合し、新しく開桜小学校となったことに伴い、旧大森第六小学校の跡地活用として、今から15年前の平成16年4月にオープンした複合施設です。当時私は、大田区区民活動との連携・協働に係る基本方針を話し合う、通称「おおたパートナーシップ会議」の委員として、こらぼ大森の機能にかかわる提言も行いましたので、個人的にも思い入れがあります。  つい先日の9月20日、21日に行われた、第4回となる、大森西地区公共施設整備計画に関する住民説明会に出席しましたが、大森西地区の公共施設再編により、(仮称)大森西二丁目複合施設へと変わっていく中で、こらぼ大森が果たしてきた役割を総括したいと思った次第です。  先日の住民説明会でも、今やっている活動は続けられるのかという趣旨の質問が多く出ていたのが印象的でした。  そこで伺いますが、こらぼ大森には、グラウンド、体育館、多目的室、いろいろルームといった区民利用施設がありますが、現在の利用率はどうなっていますでしょうか。 ◎須田 大森西特別出張所長 こらぼ大森の区民利用施設の平成30年度利用率は、グラウンド78%、体育館88.5%、多目的室34.6%、いろいろルーム40.8%でございます。 ◆庄嶋 委員 体育館とグラウンドについては、非常に高い利用率だと思います。7月に、大森西と大森北のシニアクラブの皆さんと懇談する機会があったのですが、私から参加者の皆さんに、そのとき、地域の好きな場所はどこですかと伺いました。そうしたところ、こらぼ大森を挙げる方々が大変大勢いらっしゃいました。踊りとか、体操などで仲間と交流することを楽しみにされているということが、よく伝わってまいりました。高齢者の皆さんにとって、こらぼ大森が生きがいや健康づくりの場になっているのだと感じた次第です。  ところで、こらぼ大森の正式名称は、区民活動支援施設ですが、住民が管理運営にかかわり、それ自体が区民協働の実践の場となってきたことが大きな特徴と言えます。平成18年4月より管理を受託し、平成21年4月より指定管理者となってきた特定非営利活動法人大森コラボレーションは、地元町会、地域活動関係者、NPO関係者などが集まってできたNPO法人です。スタッフやボランティアとして住民がかかわってきた施設でもあります。  そこで伺いますが、住民みずからが運営に携わってきたからこそのメリットもある施設だと考えますが、これまでの施設運営をどう評価しますか。 ◎須田 大森西特別出張所長 こらぼ大森の施設運営については、委員お話しのとおり、地域住民の参画のもとで運営を行い、連携・協働の場とすることを基本的な考え方としております。  この経過ですが、旧大森第六小学校の閉校後、地域住民を中心に構成された施設活用協議会の施設活用についての提言の中で、基本的な考え方を区にお示しいただきました。施設活用協議会は、その後、運営協議会へと発展的に改組し、平成18年にはNPO法人大森コラボレーションを設立、平成21年度から指定管理者として、こらぼ大森の管理運営を担っていただいております。  地域住民の参画による施設運営は、地域の実情を熟知し、今、地域に求められている課題にきめ細かく対応できることや、地域の人的ネットワークを活用し、多くのボランティア活動を施設運営に生かすことなどのメリットがございます。  代表的な例として、今年で16回目を迎え、大森西地区の恒例となっている、こらぼ大森夏祭りは、企画、運営の段階から地域の皆様がボランティアとして参画し、子どもから大人まで幅広い世代が交流して楽しめるイベントであり、地域が支えている施設ならではの特徴の一つと捉えております。  一方、課題としては、区民活動団体等からの相談や活動支援に直接対応する専門的な知識・経験を持つ人材を継続的に確保・育成していくことや、財政面での自律性を継続的に確保していくことなどがございます。  これまでのこらぼ大森の施設運営につきましては、このように総括しており、今後の展開に生かしてまいります。 ◆庄嶋 委員 ぜひ、そのような総括を今後にも生かしていただければと思います。  先ほど、先週行われた住民説明会の話をしましたが、配付された今後のスケジュール予定によると、令和3年度にプール・体育館の取り壊し、令和4から5年度に第1期建設工事、令和6年度に校舎棟の取り壊し、令和7年から第2期建設工事となっています。参加者の皆さんからも、この期間の利用の継続について、質問が出ていました。  現在の指定管理期間は令和元年度で終了しますが、さらに令和2年度の1年間に限って指定管理期間を継続することで調整していると聞いています。  ともあれ、その先の令和3年度以降、新たな複合施設として本格的に運営されるまで時間があきますので、住民運営で培ってきた、こらぼ大森のコミュニティのよさが失われることが心配です。
     そこで伺いますが、そういったコミュニティの観点も踏まえ、今後の運営については、どう考えていますでしょうか。 ◎須田 大森西特別出張所長 現在、区は(仮称)大森西二丁目複合施設の整備を進めております。そのコンセプトの一つである地域のにぎわい創出は、多世代が集う地域活性化の拠点となることを目指すものであり、こらぼ大森のこれまでの施設運営の考え方と軌を一にするものと考えております。  こらぼ大森の指定管理者であるNPO法人大森コラボレーションは、法人の設立理念である「共に協力し支えあう顔の見える関係づくり」をもとに、当該施設が地域づくりの拠点となるよう、日々尽力をいただいております。  指定管理期間終了後の施設運営については、NPO法人大森コラボレーションも含め、これまで培ってきた地域との信頼関係に基づく連携・協働の仕組みを継承しつつ、新たなニーズへの柔軟な対応など区民サービスのさらなる向上に向け、様々な角度から検討をしてまいります。 ◆庄嶋 委員 ぜひ、新しい施設でもコミュニティを育てる視点を持っていただきたいと思います。  以上、区民がつくるNPO法人が指定管理する施設についての質疑から、大田区基本構想に掲げる地域力の意味を考えてみました。  地域力を実現する手段としては、もともとは自治会・町会、NPOをはじめとする区民活動団体との区民協働が中心であったと考えますが、最近は企業との連携を意味する公民連携にシフトしてきているように思います。  平成31年1月に定めた大田区公民連携基本指針の中でも、地域力のイメージ図を示し、公民連携基本指針は、区と民間企業等との連携を、より明確化するものとの説明書きまで入っています。  区民協働と公民連携は、必ずしも対立するものではありませんが、地域のコミュニティを育てるような施設については、区民を施設利用するだけのお客様とするのでなく、区民の持つ熱意や専門性が生かされる運営が必要であると考えます。  大田区の公共施設の再編が進む現在、いま一度、施設運営のあり方を考える必要性を提起して、私の質疑を終わらせていただきます。 ○高山 委員長 本日は、この程度をもって、決算特別委員会を閉会いたします。                午後 4時33分閉会...