• 団地共益費繰越金(/)
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  1. 大田区議会 2017-09-21
    平成29年 第3回 定例会−09月21日-02号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    平成29年 第3回 定例会−09月21日-02号平成29年 第3回 定例会 平成29年第3回定例会 大田区議会会議録 第11号 9月21日(木曜日)  出席議員(48名)   1 番 田中一吉       2 番 松原秀典       3 番 高瀬三徳   4 番 安藤 充       5 番 岸田哲治       6 番 大森昭彦   7 番 松原茂登樹      8 番 伊藤和弘       9 番 塩野目正樹   10 番 押見隆太       11 番 鈴木隆之       12 番 伊佐治 剛   13 番 深川幹祐       14 番 長野元祐       15 番 渡司 幸   16 番 高山雄一       17 番 松本洋之       18 番 岡元由美   19 番 勝亦 聡       20 番 広川恵美子      21 番 秋成 靖   22 番 玉川英俊       23 番 田村英樹       24 番 大橋武司   25 番 小峰由枝       26 番 椿 真一       27 番 田島和雄   28 番 末安広明       29 番 大竹辰治       30 番 清水菊美   31 番 藤原幸雄       33 番 菅谷郁恵       34 番 黒沼良光   35 番 金子悦子       36 番 福井亮二       37 番 荒尾大介   38 番 山崎勝広       39 番 黒川 仁       41 番 松原 元   42 番 岡 高志       43 番 荻野 稔       44 番 三沢清太郎   45 番 犬伏秀一       46 番 野呂恵子       47 番 奈須利江   48 番 湯本良太郎      49 番 北澤潤子       50 番 馬橋靖世
                   ――――――――――――――――――――  欠  番   32 番  40 番                ――――――――――――――――――――  出席説明員   区長            松原忠義    副区長           川野正博   副区長           清水耕次    企画経営部長        市野由香里   未来創造研究室長      須藤常好    総務部長          玉川一二   危機管理室長        井上隆義    地域力推進部長       鴨志田 隆   観光・国際都市部長     近藤倫生    スポーツ・文化担当部長   町田達彦   区民部長          木田早苗    産業経済部長        川上立雄   福祉部長          中原賢一    福祉支援担当部長      西山正人   障がい者総合サポートセンター所長                 青木 毅    健康政策部長        杉坂克彦   保健所長          渡邉洋子    こども家庭部長       後藤 清   まちづくり推進部長     黒澤 明    都市開発担当部長      飯嶋清市   空港まちづくり本部長    白鳥信也    都市基盤整備部長      齋藤浩一   環境清掃部長        畑元 忠    会計管理者         青木重樹   企画経営部企画課長     山田良司    企画経営部財政課長     谷口 祐   総務部総務課長       今井健太郎   教育長           津村正純   教育総務部長        水井 靖    教育総務部教育総務課長   森岡 剛   代表監査委員        中井恭子    監査事務局長        小貫 勝                ――――――――――――――――――――  出席事務局職員   局長       佐藤惠美子        次長       菅野俊明   議事担当係長   三上浩史         議事担当係長   小見山千賀子 議事日程第2号  平成29年9月21日  午前10時開議  第1   第65号議案 平成29年度大田区一般会計補正予算(第2次)   第66号議案 平成29年度大田区後期高齢者医療特別会計補正予算(第1次)   第67号議案 平成29年度大田区介護保険特別会計補正予算(第1次)   第68号議案 大田区手数料条例の一部を改正する条例   報告第22号 平成28年度決算に基づく健全化判断比率の状況について   報告第23号 訴訟上の和解に係る専決処分の報告について   報告第24号 訴え提起前の和解に係る専決処分の報告について   報告第25号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について  第2   第69号議案 大田区立平和島ユースセンター条例を廃止する条例  第3   第70号議案 地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例  第4   第61号議案 平成28年度大田区一般会計歳入歳出決算   第62号議案 平成28年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算   第63号議案 平成28年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算   第64号議案 平成28年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算  第5   議員提出第5号議案 大田区おとしより介護応援手当条例  第6   議員提出第6号議案 大田区就学援助支給条例  第7   北京市朝陽区・大連市親善訪問調査に伴う議員の派遣について   親善訪問調査に伴う議員の派遣について  第8   29第38号 新空港線(蒲蒲線)の建設について区民に説明会を開くことを求める陳情  第9   29第36号 横田空域の一部返還等の状況変化がある場合区民に事前にお知らせ頂きたいと願う陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜                     午前10時開議 ○岡元 副議長 議長にかわり、副議長が議長の職務を行います。  ただいまから本日の会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岡元 副議長 昨日に引き続き質問を行います。  まず、45番犬伏秀一議員。                  〔45番犬伏秀一議員登壇〕(拍手) ◆45番(犬伏秀一 議員) たちあがれ・維新・無印の会、犬伏秀一でございます。会派を代表して控え目に代表演説もとい代表質問をさせていただきたいと思います。  質問に入る前に一言苦言を呈しておきます。代表質問とは、会派の意見につき首長がその思いを述べる、言うなれば二元代表制における双方の思いの発露の場であるべきであります。しかしながら、昨日からのやりとりをうかがい、さらには質問調整をお役人とするにつけ、お役人の代弁を区長がされているようにしか思えないのであります。昨日の公明党、広川議員へのご答弁で松原区長は一瞬だけ原稿から目を離し、ご自身の思いを述べられました。あの一瞬、議場は華やぎました。下を向いている人々も区長に注目しました。区長がお約束になった任期も最終コーナーです。どうか、次回からは区長みずからの思いをご自身の言葉で答弁していただきたい。お願いしておきます。  さて、先週末には、またまた北朝鮮が北海道を通過してミサイルを襟裳岬の沖に撃ち込みました。国際社会が北朝鮮の反省を促す意味で、再度強力な制裁措置を決定したことをあざ笑うような発射は、もはや正常な国家とは認められない、まさにテロ集団であります。この議場には40名の大田区議会日朝友好促進議員連盟加盟の議員がいらっしゃいます。議連をつくって彼らに友好を求めたとしても、勘違いしたたった1人の独裁者により、全ては無になってしまいました。もはや、我々は北朝鮮と対話するなどの道を見出すことは困難であります。  現在、不動産業、金融機関などは反社会的勢力、いわゆるやくざや暴力団に関係している法人、個人との契約を禁じています。暴力団の比ではない国際的反社会的勢力たる北朝鮮とは、大田区が率先して一切の関係を絶つことが肝要であります。なぜならば、国に限らず、都道府県から基礎自治体に至るまで住民に対する最も重要な使命はたった一つ、国民の生命、財産を守ることであるからであります。その国民、住民の命を危機におとしめる国家と関係を持つあらゆる団体、個人との関係を今すぐ遮断すべきであります。日本にいる在日北朝鮮人には罪はないと、お花畑のような方々もいらっしゃいます。果たしてそうでしょうか。ほとんどの北朝鮮国籍の方々が加盟している在日本朝鮮人総連合、いわゆる朝鮮総連は、北朝鮮本国の指示により活動していることは公安調査庁により明らかにされています。また、各地の朝鮮学校が総連の拠点になることも明白であります。さらには、各拠点には、地下工作員の組織である通称学習組があり、何食わぬ顔をして地方議員や役人との接触を本国より指示されているのであります。その意味では、大田区の学習組の工作は見事に成功していると言えるでしょう。  そこで、皆様にお願いです。北朝鮮に対し区長や議長の抗議文など何の効果もありません。日本のまともな基礎自治体として、さらには多くの国民に大田区は北寄りだと思われないためにも、次のことを実行しましょう。簡単なことです。一つ、朝鮮総連、朝鮮学校、関連団体の会合には区長、区職員、区議は参加しない、二つ、朝鮮学校及び保護者への区補助金は凍結、三つ、大田区議会日朝友好促進議員連の解散または無期限の活動停止、四つ、北朝鮮籍住民の新規生活保護申請不受理、五つ、北朝鮮籍住民の税、国保の滞納処分の厳正化、六つ、区内にある北朝鮮籍経営者の飲食店、パチンコ店の店名を公開し区民の立ち入り自粛要請。  また、情けないのは国政野党の諸君です。この非常事態に当たって、もりだ、かけだとまるでそば屋のような議論をしているいとまはありません。憲法改正を含め、早急に国家国民を守る真剣な議論をすべきです。そして、このように日本は国を挙げて怒っていることを在日北朝鮮国籍の方々に理解していただき、「もうたまらない!金さん、やめてくれ」との声を本国に伝えていただこうではありませんか。無理を承知で冒頭に皆様にお願い申し上げます。そして、北朝鮮に民主的な政府が誕生して、北朝鮮の方々に自由と食料が保証されたとき、こぞって我々は支援をしようではありませんか。  それでは、質問に移ります。大田区は平和都市宣言を行っておりますが、この宣言をする意味は何でありましょうか、お伺いいたします。  憲法9条があるから日本は平和だと論ずる人々が少なからずおりますし、「早朝からJアラートで起こされて迷惑だ」などとのたまうコメンテーターにはあいた口がふさがりません。無論、見識ある松原区長におかれましては、憲法9条があり、平和都市宣言をしているからには、ミサイルから大田区民の生命、財産を守れるなどとは到底考えていらっしゃらないと思います。憲法9条があろうが、平和都市宣言をしようが、イスラム国や北朝鮮のようなテロリストには全く関係ないのであります。辻元清美さんが学生時代につくったピースボート。飲食店によくポスターが貼ってあります。海上自衛隊のインド洋派遣に反対していました。ところが、インド洋を通過する際、海賊に襲われそうになると、反対していた海上自衛隊に護衛を依頼するという恥知らずであります。国際社会はお花畑ではないのであります。  さて、先週金曜日には、大田区を含まない広範な地域でJアラートが発信されました。多くの平和ぼけしていた人々に注意喚起した功績には、北朝鮮に心から感謝しなければなりません。このようにたび重なる北朝鮮の暴挙により、Jアラートの存在が注目を集めています。ところが、先月29日、今月15日のJアラートでは、多くの大田区民が「どうしていいのかわからない」、「どこに逃げればいいのか」と述べています。また、Jアラートが発信された東北、北海道の学校現場では、基準がないため苦慮したと聞いています。  国は、本年5月29日総務省消防庁宛て避難施設の指定の促進及び周知についてとの文書を内閣参事官名で出し、消防庁は同日に都道府県宛て同じ内容の文書を出しています。そして東京都は、同様の要請を都内区市町村に行っているのです。結局のところ、国も都道府県も弾道ミサイルについての対処は基礎自治体任せという極めてお粗末な状態であります。  このような国や都の責任のなすり合いの中、責任を押しつけられた格好の大田区は北朝鮮のミサイルを含め、Jアラートへどのような対策をとっているのか、区民の生命を守るご決意を含めお伺いいたします。さらに、避難すべき場所はどこで、区民にどう周知するのか、お示しください。  北の脅威が身近なソウルでは、毎月15日に民防衛の日として、交通機関も止めて避難訓練を実施していますし、わかりやすい避難所標識も堅固な建物に貼られています。先日面談した内閣府の担当者は、避難場所のシンボルマークを特に考えていないと言っています。区民が瞬時にミサイル用の避難場所であるとわかりやすいシンボルマークを作成すべきだと思いますが、いかがでしょうか。国に先駆けて大田区が率先して作成することが、区民の支持を得られることは明らかであります。  次に、安全・安心の目を区内に向けてみますと、商店街の周辺や幹線道路、駅周辺などにホームレスの人々やその残置物が見受けられます。せっかく整備された京急立体交差事業周辺にも、ごみか生活品かわからない品物が置かれています。さらには、夜の区内繁華街には、客引きとともに、外国人女性が日本人に声をかけています。きれいな都市として人気のシンガポールでは、ホームレスの姿を見ることはありませんし、彼らの残置物もありません。シンガポールをきれいなまちにするため徹底した管理が実施されています。チューインガムに至っては国内の販売だけでなく、海外からの持ち込みも禁止するという徹底ぶりです。ホームレスと思われる人々は、公営住宅に強制的に移動させられます。その結果、東南アジア一の治安維持を誇り、世界中から金融機関が集まり、GDPは日本を大きく引き離し世界第7位まで上り詰めました。国際都市大田区、東京のゲートウェイたる大田区も見習おうではありませんか。いささか強権であっても、ホームレスの人々の生活改善のためにも、生活支援施設への入所を促進するケースワーカーの専門部隊や、ホームレスの残置物の撤去を担当するチームの創設を提案いたしますが、いかがかでしょうか。  また、道路上、公園、河川などに残置されている彼らの所有物については、即刻撤去できる条例整備も求められます。弱者の名のもと、公共財産を占有する違法行為をやめさせるべきだと考えますが、いかがでしょうか。  住みたくないまちナンバーワン蒲田を返上するためにも、できない理由のオンパレードのお役人をそんなんではだめだと諭す区長の強いリーダーシップが求められています。  次の質問に移ります。  大田区は補助金の適正化方針を平成28年3月に定めました。しかしながら、今のところ具体的な成果は地域力推進活動負担金において、補助目的や対象が重複していた二つの補助金を統合した程度であります。「補助金適正化方針」の中で、「補助事業の終期設定にあたり、補助の期間は5年を限度とすることを基本とし、事業の目的を達成した段階でその補助事業は廃止する」としています。せっかくつくられた方針でありますので、これを徹底すべきと考えますが、いかがかでしょうか。看板のつけかえのように見えるようなことは厳に慎むべきであります。区内各種団体、町会・自治会への補助金見直しには、相当の決断が求められますが、昨年どおりの予算措置ではなく、税の使い道として適正かどうかの厳正な判断が求められます。  また、「行政評価につきましては、現行の評価に加え、定量的な評価がはかれる仕組みを構築してまいります」との議会答弁がありました。さらに、過去には事務事業評価シートも作成したこともあります。  そこで、補助事業について、国では既に実施済みの事業別行政レビューシートを作成して公表してはいかがかでしょうか。各事業課での見直しのきっかけになるものと思われます。  大田区では区立幼稚園を全廃して以来、私立幼稚園が幼児教育を一手に引き受け、区も相応の補助金を支給しています。しかしながら、私立幼稚園は大田区の最大の課題たる待機児対策に効果を果たしているかといえば、必ずしもそうではないと感じるのであります。せっかくある私立幼稚園のインフラ、マンパワーを活かして保育の必要のある子どもを預かることは有意義であり、幼保連携型認定こども園への移行を各園に要請すべきと考えますが、いかがかでありましょうか。いたずらに民間認可保育園を増やすことは、少子化が進む将来の園の存立を危惧してしまうのであります。  さて、これから年末、年始になりますと、区内各種事業者団体が開く新年会、忘年会に区長、区の所管管理職及び区議会議員が招待されるのが恒例であります。特に、区から補助金を受けている団体の中には、お土産つきで1万円を超えるフルコースの内容で、区職員や議員から3000円程度しか会費を徴収しない団体もあるのはご存じのとおりであります。各団体の感謝の念であることは理解できますが、時節柄、襟を正すべき公務員と公選職である我々に対する利益供与を疑われないよう、各団体には配慮をお願いすべきと考えております。  我が国の医療は42兆円を超え、当区の国民健康保険の給付も右肩上がりで続いております。このままでは給付水準の維持すら危うい状態であります。この医療のうち高齢者への負担が高いのは当然といえば当然でありますが、高齢者の医療給付を削減することには大きな抵抗があるでしょう。そこで、高齢者の疾病とかかわりの深い歯周病予防を徹底することを提言いたします。私自身、アロマスクエアの飲食店で飲み過ぎて転倒し、階段に前歯が激突し、前歯を2本をインプラントにしたという、つらい寂しい経験から歯が体に、いやいかに人生に影響するかを痛感いたしました。  現在、区では30歳、35歳、40歳、45歳、50歳、55歳、そして、高齢者では60歳、66歳、68歳、70歳、72歳、74歳、76歳に歯科健康診査を実施しています。また、後期高齢者については国の補助事業を使い、東京都後期高齢者医療広域連合が各区市町村に歯科健康診査の実施を求めていますが、大田区は検討中とのことで、来年度以降実施時期すら確定していません。疾病リスクの高い高齢者の歯科健康診査は他の疾病予防に大きな効果があり、医科医療が低くなることは香川県などの調査で明らかであります。後期高齢者の歯科健康診査の導入と、さらに一歩進んで、歯科診査に合わせて歯周病予防のための歯垢除去を公費負担の対象にすべきと思いますが、いかがでありましょうか。あわせて、義務教育から虫歯予防の教育と同等に歯周病予防教育を実施すべきであると考えます。  私は、余計な延命治療は要らないとの趣旨の日本尊厳死協会の会員になっております。厚生労働省によれば、人が一生に払った健康保険料は末期の3か月で全て使い果たすとまで言われております。家族の心情を思うと延命治療も理解できるのでありますが、医療を増加させるだけでなく、家族の負担も増える終末期の延命をやめる尊厳死の普及も大切だと思われますが、いかがでありましょうか。  次に、区役所の効率化について質問いたします。  私は、平成15年度以来、区役所コールセンターの設置を提案してまいりました。昨年度から、やっと事業課からコールセンターの予算要望が執行部に出されましたが、予算化は見送られてしまいました。横浜市、相模原市など先行自治体では市民からも好評であり、相模原市では一次対応完結率が90%にも上る成果を上げています。区役所の各職場を訪問しますと、実に様々な区民要望、問い合わせに職員の方々が翻弄されている姿を見ることができます。  区民サービスの向上と職員の執務効率を高めるためにもコールセンターを導入すべきだと考えますが、いかがでありましょうか。  さて、先ほども述べましたが、先週末に北朝鮮がまたミサイルを発射し、さらにはまた発射する兆候があると言われております。驚くべきことに北朝鮮国民がこの発射を見て歓喜している映像も流されています。また、過去の発射では在日北朝鮮の児童・生徒は「日本人のびっくりする顔を見てうれしかった」などと述べ、平壌に招待されたと報じられています。まさに偏向教育、マインドコントロールの成果であります。我が国では、敗戦後GHQによるWGIP、ウォー・ギルト・インフォメーションやプレスコードにより、日本は悪い国だ、軍隊は悪、9条があれば平和と刷り込まれる教育を受けてまいりました。世界240か国の国の中で、自国は悪い国だった、軍隊は悪だ、国に殉じた人を尊敬しないなどという教育をしている国は日本ただ一つであります。大田区もせっかく育鵬社の歴史、公民教科書を採択しておきながら、反対勢力の圧力に屈し、最も反日色の強い東京書籍の教科書を採択してしまったのは残念至極であります。過日、ある会合で菅内閣官房長官に育鵬社の教科書が継続採択されなかったことを報告すると、本当かと絶句されていらっしゃいました。  このような情けない国民になった原因の一つに、GHQのマインドコントロールから抜け切れない教員の存在があります。まず、教育委員会みずからが現在の日本は異常な国だ、世界的に見ておかしいと認識することから始めなければなりません。何がおかしいか、国のために殉じた方々に対する感謝の念が希薄、国は護るべきものとの意識が希薄、一国平和主義というお花畑的発想、国の安全保障に国民が無関心、国旗、国歌に対する尊敬の念が欠落、大田区の公教育においては、普通の国が普通に教育している今申し上げたことが欠落していると感じています。いや、大田区だけでなく日本全体に欠けていることであります。  今申し上げたことが世界水準では当たり前、普通であるとの私の発言を右翼だと思う方がいるとすれば、残念ながら連合国のWGIP、ウォー・ギルト・インフォメーションのウイルスが体内に宿っているのであります。この国は精神的に崩壊しつつあります。多文化共生、国際化とのかけ声の前に、自国に誇りを持つ教育をすべきであります。失った日本国に対する誇りを取り戻す教育を再興すべきと考えますが、ご決意をお伺いいたします。  朝鮮学校保護者への補助金支給についてもご再考を促します。東京地方裁判所は、先の広島地方裁判所判決同様に朝鮮学校への朝鮮総連の関与を認め、「適切な学校運営が行われていると確証できないとした判断は不合理とは言えない」と国側勝訴の極めて真っ当な判決を下しました。神奈川県では、朝鮮学校保護者に支給されている補助金を朝鮮総連が巻き上げていた事実も明らかになりました。この際、大田区も補助金を停止すべきが当然と思いますが、なぜ国の廃止要請にもかかわらず、相変わらず支給するのか理解できないのであります。様々な行政課題が山積みされる中、基礎自治体の最も重要な課題は住民の命を守ること、そして、次なる課題は次世代を担う子どもたちに充分な教育の機会を提供することであります。オリンピックに向けて景気も上昇し、世の中がまた踊り始めてしまいました。そんな中、せめて大田区だけはいっときのお祭り騒ぎに翻弄されることなく、松原区長の強い強いリーダーシップのもと、新たに選任されたすばらしく優秀な両副区長とともに、地味であっても基礎自治体がすべき本来の使命を見失わず粛々と進まれるよう強く強く要望し、私の代表質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 犬伏議員の代表質問に順次お答えをしてまいりたいと思います。  平和都市宣言の意義についてのご質問ですが、大田区は昭和59年8月15日に世界の恒久平和と人類の永遠の繁栄を願って平和都市宣言をいたしました。平和都市宣言の理念に基づき様々な平和関連事業に取り組んでまいりました。特に、毎年8月は「平和強調の月」と位置づけ、本庁舎で「平和・原爆のパネル展」を行うほか、8月15日には、大田区平和都市宣言記念事業「花火の祭典」を区民の皆様とともに平和の尊さについて考える機会として開催しております。先の大戦を実体験した世代の方々が徐々に少なくなってくる中、このような事業を通じて平和の大切さを次の世代に語り継ぐとともに、平和な世界を築いていくことが我々に課せられた責務であり、そのような意義を宣言に込めております。
     次に、弾道ミサイル発射情報が伝達された場合の区の対応についてのご質問ですが、弾道ミサイルの発射及び通過情報が区に伝達された場合、非常配備態勢をとり、職員が本庁舎へ参集し対応をいたします。参集後、ミサイルの経路や落下物等による区内への被害の確認など情報収集を行います。さらに、情勢が悪化した場合には、国や都の指示のもと、警察、消防、自衛隊などと連携して区民の避難誘導、救援に当たります。また、このような事態に対し、これまで区が実施している命を守る3動作、シェイクアウト訓練や地域の防災訓練などは、初動期において大いに役立ちます。現在、東京都が国民保護計画に基づく訓練を特別区と連携して実施することを検討しております。今後も国、東京都の動向を注視しつつ、区が実施している震災時の避難誘導訓練なども活用し、想定される事態にしっかりと対処するよう取り組んでまいります。  次に、弾道ミサイル攻撃を含む国民保護計画における避難施設関係についてのご質問ですが、現在区内91か所の区立小中学校などが国民保護計画における避難施設として都から指定されております。区民への周知につきましては、ホームページや区報などを活用し、Jアラートからの情報を受けての避難行動などと同様に、避難施設についてもお知らせしてまいります。なお、シンボルマークのご提案についてでございますが、国や都において統一することが効果的と考えております。今後、国や都の動向を注視してまいります。  次に、路上生活者、いわゆるホームレスに関するご質問でございますが、路上生活をされている方及びそのおそれのある方への支援は、一時的な保護及び就労による自立支援など、路上生活からの早期の社会復帰が基本となります。区は、路上生活者の起居する場所を巡回し、相談面接を通じて路上生活者対策事業等の紹介、利用あっせんなど、自立と社会生活への復帰に向けた働きかけを都区共同事業として実施しております。さらに、路上生活者の残置物につきましては、都市基盤整備部、福祉部、警察等のチームでの支援の中で対応しております。これらの取り組みなどにより、公園や路上などで生活する方は平成11年度のピーク時以降、年々減少する状況となっております。引き続き関係機関との連携のもと、路上生活からの早期の社会復帰に向けた支援に取り組んでまいります。  次に、公有財産を占有する行為をやめさせるべきとのご質問ですが、道路管理は管理者が厳正に運用すべきである一方、道路上に置かれた個人の所有物につきましては、財産としてその取り扱いに慎重を期す必要があります。大田区が管理する道路、公園では、占有物がある場合は、道路法及び大田区立公園条例でそれぞれ警告の上、一定期間を置いた後、適正な占用物件の撤去を行っております。また、河川については、管理者である国や東京都に占有物件の撤去、取り締まりを行うよう適宜依頼しており、これについて今後より一層徹底してまいります。  次に、補助金に関する質問でございますが、補助金は区民や団体の地域力を活かした公益性のある事業の促進、発展のため交付するものであり、区の施策実現のため重要な役割を担うと同時に、適正な運用が不可欠であります。区は、平成28年3月に策定した「大田区補助金適性化方針」の中で、補助事業の終期については5年を限度とすることを基本とし、事業の目的を達成した段階でその補助事業は廃止することとしており、具体的な終期の設定に当たりましては、個々の事業ごとに適切に判断をしているところでございます。なお、個々の補助事業については、当初設定した終期にかかわらず、毎年度の行政評価や予算査定等を通じて当該補助事業の必要性はもとより、補助率、補助単価等の妥当性を改めて検証し、必要な見直しを進めております。引き続き、適正かつ効果的な補助金制度の運用に向けて、全庁を挙げて取り組んでまいります。  次に、行政評価に関するご質問でございますが、現在、区では、「大田区行政評価に関する基本方針」に基づき、「おおた未来プラン10年(後期)」における施策単位での評価を行っております。評価におきましては、議員お話しのとおり、関連指標による定量的な分析等を含めた検証を行い、「めざす姿」の実現に向け、行政資源の効率的かつ効果的な配分に活用しております。施策評価の客観性及び透明性を高めるため、外部評価の導入とあわせて、評価シートのあり方及び公表について引き続き検討してまいります。  次に、後期高齢者の歯科健康診査の導入と歯科健診にあわせ「歯垢除去」を公費負担の対象とすることを求める質問でございますが、歯周病は日常からの予防対策が最も重要であり、口腔内の自己チェックを習慣づけ、正しい歯磨きや規則正しい食生活により、歯周病の原因となる歯垢(プラーク)がつかないようにすることが大切でございます。区は、歯周病予防教室や講演会を開催し、正しいセルフケアの方法や予防に関する知識の啓発を行うとともに、予防教室来所者のうち希望者に歯周病健康相談を実施しております。また、歯周病が全身に様々な影響を及ぼすことを図解したリーフレットを成人歯科健診のお知らせに同封し、受診の動機づけとなるよう勧奨しております。今後も引き続き、歯科医師会と協働し、歯周病予防の普及啓発に努めてまいります。なお、ご質問の後期高齢者を対象とした歯科健康診査事業については、既存事業との整理や歯科医師会との調整等、多くの課題を整理する時間が必要であると考えております。  次に、尊厳死の普及に関するご質問でございますが、誰もが自分の望む最期の迎え方ができる環境を整えることが大切であります。平成28年度の大田区高齢者等実態調査によると、40歳から64歳の回答者の約42%の方が、自宅や老人ホームで最期を迎えたいと回答し、理由は住み慣れた場所であることが第1位となっております。しかし、平成27年度東京都の人口動態統計では、主な死亡場所の72%は病院となっており乖離が見られます。誰もが望むとおりの最期を迎えられるよう在宅療養を推進し、ご本人の意思など、日ごろから家族や関係者と話し合うことが大切であると考えます。  次に、コールセンターの導入に関するご質問でございますが、広聴業務において「区民の声」を幅広く把握し、効果的に区政運営に活かしていくことは最も重要なことと考えております。コールセンターの導入や運用に当たっては、費用対効果のほか、専門化、複雑化している問い合わせにどこまでワンストップで対応できるのかといった課題があるため、慎重に判断すべきであると考えております。今後も、お問い合わせやご意見・ご要望等の「区民の声」をしっかりと受け止め、丁寧な回答や効率的な区政運営への反映にどのようにつなげていくか、引き続き研究を重ねてまいります。私からは以上でございます。 ◎津村 教育長 私からは、教育に関する2点のご質問にお答えいたします。  まず初めに、私立幼稚園の幼保連携型認定こども園への移行についてのご質問でございますが、幼保連携型認定こども園は、幼児期の学校教育を行いながら、保育の場を増やすことで待機児童の解消に資するものと考えております。しかしながら、認定こども園の実施に当たりましては、乳児室やほふく室、調理室の設置が必要となり、私立幼稚園が移行するには、増築や敷地の確保等の大きな課題がございます。そこで、区では、現状の施設で実施可能な「長時間預かり保育事業」を昨年度から開始し、私立幼稚園において保育園並みの長時間預かりを行う取り組みを進めております。引き続き、長時間預かり保育事業の実施園の拡大に努力するとともに、幼保連携型認定こども園につきましても、情報提供と移行に向けた相談に対応してまいります。  次に、自国に対する誇りを持つ教育についてのご質問でございますが、教育基本法におきましては、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国や郷土を愛する」ことを教育目標の一つとして定めておりまして、したがいまして、全ての検定済み教科書において「国や郷土を愛する態度」について学習する項目が設けられており、大田区教育委員会におきましても、国や郷土を愛する態度を育てる教育を着実に行っているところでございます。平成25年度に内閣府が実施をいたしました「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」において、日本の若者は、「自国のために役立つと思うようなことをしたい」と答えた割合が54.5%で7か国中1位となっており、「国や郷土を愛する態度」において諸外国に劣るところはないものと考えております。今後も教育基本法の精神にのっとり、学習指導要領を踏まえて、「国や郷土を愛する態度」を育む教育を推進し、次代を担う児童・生徒の健全な育成に努めてまいります。私からは以上でございます。 ○岡元 副議長 次に、27番田島和雄議員。                  〔27番田島和雄議員登壇〕(拍手) ◆27番(田島和雄 議員) 大田区議会公明党の田島和雄でございます。理事者の皆様におかれましては、前向きで明解なる答弁をお願い申し上げます。  まず初めに、区民が親しみの持てる大田区を目指して質問をいたします。  大田区には多くの道路が走っております。「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る」と高村光太郎がうたったような古来からの人の往来によってつくられたものや、後に都市計画の中で整備されたものなど、道路は様々な経緯によってつくられました。道路が整備されると人や物の往来が盛んになるとともに、文化の交流も盛んになります。そうした道路の名前は公の機関が命名したものもあれば、地域の方々が親しみを込めて自然発生的に名づけられた呼び名もあります。そうした呼び名は地域における大事な文化の一つであるとも言えます。この呼び名を地域だけでなく、しっかりと地図などにとどめておく必要があるのではないでしょうか。自治体によっては選定委員会を設け、審査を経た上で愛称などを定め、ホームページ上に掲載したり、プレートを作成して現地に掲げているところもあります。  そこでお伺いいたします。区道を区民にさらに親しみを持っていただくために、区道の愛称や呼び名を掲載した地図を作成してはいかがでしょうか。  道路の呼び名は自然発生的に生まれるものであるため、同じ道であっても複数の名前で呼んでいる場合もあるかと思います。その場合はそのままに、町会・自治会、商店会などを通して地元から名前を募集してみてはいかがでしょうか。そうして募集した愛称や呼び名を記した地図を作成するとともに、名所を刻んだプレートを作成して該当する道路に掲げれば、地域の内外の方に認識され、より親しみが持てるのではないでしょうか。本区の見解をお知らせください。  続いて、公園についてもお伺いいたします。  本区に所在する500を超える公園は、訪れる方の憩いの場所、子どもたちの遊び場所などとして多くの方に親しまれております。私も近所の公園で鉄棒の逆上がりの練習を子どもにさせたり、暑い夏に公園のせせらぎで涼んだりと、公園にまつわる思い出はたくさんあります。そうした身近な公園をより親しみの持てるものにするために、呼び名や愛称を表示することを提案いたします。例えば、私の家の近くに本羽田第三公園という名称の公園がありますが、地域の方にこの名称を言ってもどこの公園か誰もわかりません。しかし、冒険公園と言えば、「ああ、あの公園ね」とすぐに理解してもらえます。これは恐らく、正式名称は文字数が多くて言いにくく、親しみの持てる名前でもないため、後になって公園の特徴から呼び名がついたものと思われます。冒険公園のほかにも、パンダ公園、おにぎり公園、三角公園、船公園と愛称や呼び名がつけられている公園が私の家の近くにたくさんあります。こうした公園の愛称や呼び名を例えば学校などを通じて調査や募集をかけ、公園の現地に掲げるとともに、区のホームページにおいても掲載されている公園一覧の正式名称の後ろに括弧書きで記載してはいかがでしょうか。区の見解をお知らせください。  また、本区のホームページでは、公園を名前、地域、地図で探せるようになってはいても、公園の特徴で探せるようにはなっておりません。これでは残念ながらどんな公園があるのかわかりません。これまで多くの公園が所管の尽力により、様々な植栽や遊具などの設備を備えるようになりました。そのため本区には特徴的な公園がたくさんあります。例えば、タイヤでできた怪獣がある西六郷公園、通称タイヤ公園がその最たるものですが、それ以外にも桜が見事に咲き誇る公園、滝や水の流れがある公園、遊具や健康遊具がある公園、バタフライガーデンがある公園、ボール遊びができる公園、幼児向けの公園、災害用トイレやかまどベンチがある公園などなど、思いついたものでも多くの特徴があり、それぞれで公園を検索できたらより親しんでいただけるのではないでしょうか。特に、災害用トイレとかまどベンチは防災地図にも記載がなく、万一に備えて早急に対応していただきたいと要望いたします。  公園の特徴によって検索できるようにすることについて、区の所見をお知らせください。  また、本区の公園には健康遊具が多く設置されております。本区においては、元気高齢者対策として、健康遊具を利用したいきいき公園体操を区内5か所の公園で実施しています。その講習を受けた方は使い方を知っておりますが、受けていない方は使い方がよくわかりません。また、いきいき公園体操で使用するもの以外にも、様々なタイプの健康遊具が設置されておりますが、どうやって使うのか戸惑うものも多く、そのため使われずに放置されているものが少なくありません。そうした健康遊具の使い方を現場の遊具の近くにイラストや写真で掲示するとともに、ホームページにおいては動画で紹介してはいかがでしょうか。本区の見解をお伺いいたします。  ちなみに、我が会派の玉川議員が健康遊具の様々な活用法を編み出しておりますので、取材していただきたいことを申し添えておきます。  次に、妊婦の禁煙についてお伺いいたします。  これまでたばこの煙の中の化学物質は3000種類程度とされておりましたが、最新の研究では7000種類以上に上ることが明らかとなり、そうした化学物質が体に及ぼすたばこの害に関するエビデンスは、世界中の各種調査研究によって数多く積み重なっております。そうした調査研究によって、たばこの害は妊婦本人のみならず、おなかにいる赤ちゃんにも及ぶことが明らかとなっております。妊娠中に母親が喫煙していると胎児が奇形したり、発育が不全となったり、早産や最悪の場合死産することもあります。また、生まれた後もぜんそくや肥満の子が多いなどの影響があることがわかりました。どこにも行けない胎児は、母親が喫煙する影響から逃れることができません。全て親の責任と言えます。  国は健康増進法に基づいて推進している21世紀における第二次国民健康づくり運動、いわゆる健康日本21(第二次)において、妊娠中の喫煙をなくすとして目標を喫煙率0%としておりますが、本区においても、平成26年度からの5か年計画であるおおた健康プラン(第二次)で妊婦の喫煙率の数値目標を0%に置いております。  伺います。妊婦の喫煙を防ぐ取り組みを本区ではどのように進めているのかお知らせください。  本区において、妊婦の禁煙を促す取り組みは種々行われていることかと思いますが、さらに拡充、強化するべきではないかと考えます。私がそう思い至ったのはあるデータを見たからです。それは、環境省が実施しているエコチル調査です。エコチル調査は、10万組の子どもたちとその両親が参加し、胎児から13歳になるまで健康状態を定期的に調べる大規模かつ長期的な調査で、子どもの成長発達に影響を与える環境要因を解明しようとするものです。その調査でどれぐらいの妊婦が喫煙しているか調べたところ、全体の5%、25歳未満の若い妊婦では、実に9%も喫煙していることがわかりました。妊娠に気づいてたばこをやめた方が全体で13%、25歳未満では26%と、妊娠をきっかけとして禁煙した妊婦が多いのは確かです。しかし、国の目標とは裏腹に、喫煙している妊婦も確かにいるということがわかりました。これは生活の変化、ホルモンバランスの変化などのストレスを抱える妊婦が、ついたばこに手が出てしまう、つまり、子どもを守る母性本能だけでは喫煙欲求をとめることができない、わかってはいるけれどもやめられないという依存症がたばこにはあるということを示しております。  禁煙したいと願う妊婦の禁煙を成功させるための新たな取り組みを本区においても取り入れていただきたく、いくつかの提案をさせていただきます。これはダイエットにも通じますが、禁煙は1人にさせない、1回きりで終わらせないことが重要であると思います。例えば、いつから禁煙を実行するか宣言する禁煙宣言書に署名するというのも1回きりで終わらせない方法の一つです。保健師による妊婦の面談の際、喫煙していることが判明した場合、たばこの害について説明し、禁煙について納得をした上で、禁煙をいつから実行するのか禁煙実行日を宣言し、宣言書に署名してもらうのです。さらに、その宣言書をふだんから見えるところ、例えばマグネット式にして冷蔵庫などに貼ってもらい、禁煙の決心をいつも見えるようにすることも重要です。私ごとですが、私の家族はダイエット宣言を冷蔵庫に貼り出し、紆余曲折がありましたが、9キロのダイエットに成功しました。決心を自分の中だけにおさめない、しっかりと見える化することが禁煙にとっても成功への第一歩と考えます。  また、1回きりにしない、1人きりにさせない方策の一つとして、電話によるフォローアップも有効です。禁煙宣言した妊婦に対して、後日改めて電話をし、禁煙をしたか、禁煙をしていれば継続できているか確認して、必要なカウンセリングを電話で行うものです。そして、そのフォローアップを複数回行えば、禁煙を継続できていれば引き続き、もし禁煙していなかったり、再喫煙した場合でも禁煙にチャレンジ、再チャレンジするように背中を押すことができます。また、継続してフォローする方策として、民間が行う禁煙マラソンがあります。禁煙マラソンは、禁煙をマラソンと捉え、長期間取り組む禁煙の途中でくじけそうになっても、禁煙の専門医や禁煙に成功した先輩たちが電子メールで禁煙を応援してくれるシステムです。  これまで述べてまいりました「禁煙宣言書の配布」、「電話によるフォローアップ」、「禁煙マラソンへの参加」など、妊婦の禁煙を促す新たな取り組みについて本区の見解を伺います。  さらに言えば、妊婦だけにとどまらず、パートナーや同居者が妊婦と同じように禁煙することも非常に重要です。先ほどのエコチル調査によれば、妊娠中、パートナーの47%が喫煙しているとの結果が出ておりました。妊婦は禁煙しているのにパートナーや同居者が喫煙していては、妊婦の禁煙が挫折する可能性があることと、妊婦が受動喫煙してしまうことからも、パートナーや同居者の禁煙を促していく取り組みもさらに拡充していくことが必要ではないでしょうか。また、出産後の母親が禁煙を続けられずに再喫煙する問題もあります。  そこで、医療の面からの支援として、禁煙外来治療があります。禁煙外来治療については、受診した人の8割が禁煙に成功したとのデータもあり、効果が検証されております。本区においても、チラシなどで禁煙外来治療についてお知らせしているとのことですが、ここはもう一歩踏み込んで、禁煙外来を受診し、治療を受ける費用に対して助成する制度を創設することを提案いたします。禁煙外来治療助成制度は、平成18年に荒川区がスタートしたのを皮切りに、東京23区の一部をはじめ全国の自治体にも広がってまいりました。助成制度が一部の自治体にとどまることなく、多くの自治体に広がってきたということは、一定の効果が認められていることにほかなりません。国や都が禁煙や受動喫煙防止に本腰を入れてきた今、本区においても禁煙外来治療助成制度を導入するべきときが来ています。  また、先ほどの禁煙宣言書ですが、これを妊婦だけにとどめるのではなく、パートナーや同居者にも署名してもらうなど、妊娠をよい機会と捉えて家族を巻き込んだ新たな取り組みをしてはいかがかと考えます。妊婦、パートナー、同居者、そして、出産後も見据えた禁煙の取り組みをどのように進めていくのか、本区の見解を伺います。  一方、喫煙のほかにも妊婦がアルコールを摂取する問題もあります。胎児はアルコールの代謝ができないため、妊娠中のアルコール摂取の害として、中枢神経機能障害などの胎児性アルコール症候群や小児期の精神保健の問題を引き起こすことなどが指摘されております。先のエコチル調査でも3%の妊婦が飲酒しているとの結果が出ております。妊婦の飲酒をやめさせる取り組みの強化についても本区の見解を伺います。  次に、きのうの松原区長のご挨拶の中でも触れられておりましたがん検診について伺います。  がんはご承知のとおり、30年以上にわたって日本人の死因の第1位となっております。男性は3人に2人、女性は2人に1人ががんになると言われております。年間101万人が新たにがんと診断され、37万人が命を落としております。しかしながら、診断技術や治療方法が飛躍的に発展を遂げ、がん治癒率に相当する5年生存率は全体で約70%、早期がんに限れば95%に達しております。かつて、がんは不治の病と言われておりましたが、そうとも言えなくなってきました。がん対策として、いかに早くがんを見つけ、治療に結びつけるかが重要であると言えます。そうしたことから、がんの早期発見のため、国は平成19年に策定したがん対策推進基本計画において、がん検診受診率を5年以内に50%以上とすることを個別目標として取り組みましたが、現在もその目標は達成できていないとされております。本区においても、おおた健康プラン(第二次)において、がんの予防、がん対策の大目標の一つに、がん検診受診率の向上を図りますと掲げております。  そこで伺います。主要5大がんと言われる肺がん、大腸がん、胃がん、乳がん、子宮頸がんの本区におけるがん検診の受診率をお知らせください。  同じことをしていれば、同じ受診率のままです。これまでの取り組みをさらに強化発展させるとともに、新たな取り組みについても要望を含めて提案をさせていただきます。  本年、平成29年7月に日経新聞が読者アンケートを実施しました。「がん検診を受けたほうがいいと思いますか」との設問に、85%以上が「受けたほうがいいと思う」と答えました。さらに、「がん検診を受ける際に、最も改善してほしい点は何ですか」との設問には、「複数部位の検診が一度にできるようにしてほしい」が40%近くで最も多く、以下、「費用負担を軽くしてほしい」が24%、「検診の有効性を明確にしてほしい」が23%と続きました。この結果からも、医師会との調整が必要になるかと思いますが、複数部位の検診を一度にできるような方策を検討する必要があると思います。  また、検診の有効性を明確に伝えるために、リーフレットの改善を提案いたします。本区ががん検診対象者に郵送するがん検診案内リーフレットは、A4、三つ折りほどのサイズの冊子です。そこには、50ページにわたって、がん検診ごとの自己負担額、検診内容、検診期間、対象者、受診方法、実施医療機関名簿などがかなり詳細に記載されております。多くの情報を小さい冊子にまとめていることに苦労されたことがしのばれますが、しかし、重要なのは、それが受け手である区民にどう受け止められているかです。正直、私にとっては文字数が多く、読む気がなかなかおきませんでした。的を絞り、区民の心に響くリーフレットを作成することが必要ではないでしょうか。事実、お隣の世田谷区では、リーフレットの情報を整理し、目的に沿ったデザインに変更した結果、11%以上も受診率が向上しました。  また、国立がん研究センターの中にある社会と健康研究センターでは、ソーシャルマーケティングを活用した受診勧奨資材を紹介しております。例えば「最後に胃がん検診を受けたのは何年前ですか」や「1年に5分ください」などのキャッチコピーを掲げ、年代別に訴求する内容となっております。そうしたものも参考に、ぜひリーフレットの改善をしていただきたいと要望いたします。  一方、受診を待つのではなく、こちらから促す自治体もあります。例えば、山形県酒田市では基本健診を受診する全ての人に大腸がん検査キットを送付しました。その結果、それまでの受診希望者にのみ送付した方法と比べ、受診者が2倍も増えました。  そして、新たな取り組みとして注目されているのが、今年度からスタートした八王子市のソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)を活用した大腸がん検診受診率向上事業です。通常の民間委託は、活動にかかった経費をもとに対価を支払うものですが、SIBは民間資金を活用した成果連動型の業務委託です。つまり、成果に応じて委託料が変動する業務委託です。成果目標を可視化し、成果重視の質の高い柔軟なサービスを提供できることがメリットとされております。八王子市の事業は、大腸がん検診と精密検査の受診率を向上させ、大腸がん早期発見者数の増加を目的とするもので定量的であり、成果が見えやすい事業と言えます。大腸がん検診未受診者1万2000人を対象に医療関連情報を分析し、従来の受診勧奨はがきが3パターンのみであったものを、数十パターンものはがきを作成して送付する計画です。これまでの画一的なものと異なり、個人個人に合わせたオーダーメイドの勧奨と言え、受診率向上が期待されております。  これまで縷々申し上げてまいりました複数部位の受診、リーフレットの改善、検査キットの送付、そして、SIBの活用など、がん検診受診率向上に向けた取り組みについて、本区の所見を伺います。  以上、区民と来訪者ともに、さらに親しみを持っていただける大田区、そして、区民の健康を増進し、寿命を単に延ばすだけでなく、クオリティ・オブ・ライフ、生活の質を高め、将来にわたって一人ひとりがいきいきと輝く大田区となることを念願し、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎渡邉 保健所長 妊婦の喫煙を防ぐ取り組みに関するご質問ですが、区は、おおた健康プラン(第二次)で妊婦の喫煙率ゼロ%の達成を目標に掲げ、様々な施策を行っております。まず、妊娠期の喫煙及び受動喫煙の害について正しい知識を周知していくことが重要であることから、妊娠届出時に妊婦全員に配布している冊子「母子健康手帳副読本」と「母と子の保健バッグガイド」の中で、喫煙の健康被害への注意を促すとともに、妊娠中や授乳中に同居する家族を含めて禁煙を勧奨しております。また、妊産婦等への情報配信事業「きずなメール」でも、たばこの害及び禁煙勧奨に関する情報を繰り返し配信しております。さらに、喫煙している妊婦やパートナーに対しての禁煙指導として、出産・育児支援事業かるがもの一環で実施しております妊婦全員への面接の際に、妊婦本人及びパートナーが喫煙しているかを確認しております。喫煙していることが判明した場合は、保健師が区で独自に作成したパンフレットを活用し、禁煙指導や禁煙外来等の情報提供を行っております。その後の乳幼児健診の場でも、乳幼児の保護者の喫煙状態を都度確認し、喫煙している場合は禁煙指導を行っております。  次に、妊婦の禁煙を促す新たな取り組みについてのご質問ですが、現在、禁煙指導については妊婦面接をはじめ、すこやか赤ちゃん訪問、乳幼児健診など、保健師等の専門職が妊産婦や家族と面接するあらゆる機会を捉えて、継続的に禁煙の働きかけを行っております。ご提案の「禁煙宣言書の配布」、「電話によるフォローアップ」につきましては、何が効果的であるか、禁煙対策全体の中で検討してまいります。次に、「禁煙マラソン」につきましては、現在、区の公式ホームページで「禁煙マラソン」のプログラムを提供している団体のホームページへのリンクを貼っております。今後は、妊婦面接等の機会に禁煙マラソンについてのご案内を窓口でしてまいります。  次に、妊婦、パートナー、同居者、出産後も見据えた禁煙の取り組みに関するご質問ですが、禁煙に関しては、禁煙に取り組む喫煙者の周りの方が非喫煙者であることは、喫煙者本人が禁煙を継続する上で有効です。妊婦自身は禁煙補助薬を利用して禁煙に取り組むことができないため、妊婦へは日ごろの生活の中で禁煙の工夫をしていただくよう指導しております。また、出産後にも再喫煙しないよう支援することに加え、そのパートナーや同居者の禁煙を支援する上で「禁煙外来治療助成」も含め、禁煙の動機づけとしてどの程度有効かなど、他自治体の実施状況を参考に適切に対応してまいります。  次に、妊婦の飲酒をやめさせる方法の強化に関するご質問ですが、妊娠中の飲酒については、少ない量でも胎児に影響を及ぼす可能性があることから、妊娠中に禁酒することは極めて重要です。このため、妊婦面接の際、妊婦本人が飲酒しているかの確認をし、妊婦が飲酒していることが判明した場合は、妊娠中の飲酒の胎児への影響とともに、速やかな禁酒の重要性を説明しております。なお、平成28年度に妊娠届出書の提出のあった妊婦6460名のうち、妊婦本人が飲酒していると申告された方は50名、0.7%でした。また、飲酒の有無にかかわらず、妊娠中の飲酒の問題について正しい知識を啓発することが必要と考え、「母子健康手帳副読本」のほか「きずなメール」にも、妊娠中及び授乳中の飲酒がもたらす健康問題についての記事を随時掲示しております。今後も引き続き、妊婦に対してあらゆる機会を捉え禁酒を働きかけてまいります。  続きまして、がん検診についてのご質問ですが、まず、主要5がん検診の受診率は、把握可能な直近の平成27年度におきましては、肺がん検診11.0%、大腸がん検診15.8%、胃がん検診6.8%、乳がん検診16.5%及び子宮頸がん検診19.6%となっております。  次に、がん検診の受診率向上の取り組みに関する質問ですが、日本人死因の第1位であるがんによる死亡を減らすために、がん検診の受診率の向上を図ることは重要な課題でございます。区のがん検診は、医療機関の通常診療と並行して行われることから、医療機関が同時受診に対応するには制約がありますが、可能な限り同時受診に対応していただくよう医師会等に協力をお願いしております。また、子宮頸がん検診と乳がん検診の同時受診が可能な集団検診は好評であり、年々実施日数を増やし、今年度は32日実施する予定であるほか、インターネットでも予約ができるよう利便性の向上を図りました。今後も、議員お話しのご提案も参考に、対象者が一歩踏み出すような心に響く効果的なリーフレットへの改善など、がん検診の受診率の向上に向けて引き続き取り組んでまいります。私からは以上です。 ◎齋藤 都市基盤整備部長 私からは、道路、公園等に関する四つのご質問にお答えをいたします。  まず、道路の愛称を刻んだプレート等を道路に掲げられないかとのご質問でございます。道路の愛称表示は、現在区は行っておりませんが、例えば大森駅東口や蒲田駅東口などでは、まちのイメージを盛り上げ、親しみのあるまちづくりを進めるため、まちづくり協議会、商店街など地域の方々が主体となって、まちづくりの一環として、地元で呼ばれている愛称を商店街装飾灯などに掲示している事例がございます。昔から使われている道路の通称名につきましては、区の事業に関連する地図を作成する際に記載するよう関係部局に周知するとともに、道路での表示方法につきましては、今後のサイン計画の中で研究してまいります。  次に、公園の愛称、呼び名についてのご質問でございますが、大田区では、かねてより新しく公園を整備した場合は、公園の名称を地元自治会・町会の推薦により決定をしております。公園の愛称は、公園の利用方法や特徴を捉えて個々に使われているものでございますので、対象となった公園の愛称を一つに選定することは、現状においては難しい課題でございます。ただし、公園名称のうち、「丁目」や「第2」、「第3」といった番号表示になっている場合は、愛称をつけることも有効であると考えております。そのため、今後、地元での情報収集を行うなど、公園の愛称表示について検討してまいります。  次に、特徴的な公園に関する周知方法についてのご質問でございますが、まず、災害用トイレとかまどベンチは、現在、区の公園において施設を整備するときに合わせ、地域の要望により設置を進めてございます。災害用の施設が設置されている公園につきましては、より多くの方に知っていただけるよう、検索方法を検討して区のホームページに掲載してまいります。さらに、桜や滝、水の流れなど特徴のある公園に関しましても、利用目的で検索できるよう検討してまいります。  最後に、健康遊具の使い方の紹介についてのご質問でございますが、健康遊具とは、身近な公園で健康の維持、体力の向上の目的で設置されているものでございます。健康遊具が設置されている公園には、使用方法について既に一部掲示を行っているところでございます。今後も引き続き、健康遊具の使用方法について、わかりやすいパネルなどの掲示を遊具の近くに設置し、地域の皆様がより使用しやすくなるよう努めてまいります。また、区のホームページにおいても、わかりやすい使用方法の紹介を検討してまいります。私からは以上でございます。 ○岡元 副議長 次に、17番松本洋之議員。                  〔17番松本洋之議員登壇〕(拍手) ◆17番(松本洋之 議員) 区議会公明党の松本洋之でございます。質問通告に従い順次質問をしてまいります。理事者の皆様には明確な答弁をよろしくお願いをいたします。  区民の安全・安心を守る取り組みについて何点か質問をいたします。  初めに、学校防災活動拠点整備事業について伺います。  大田区総合防災力強化検討委員会からの提言を受けて、平成24年度から学校防災活動拠点整備事業として、現在91か所ある小中学校などの避難所を学校防災活動拠点と新たに位置づけて、これまでの避難所機能を拡充するとともに、新たに情報拠点と地域活動拠点の機能をあわせ持つ地域の防災活動拠点化を進めてまいりました。そして、この5年間にわたり事業を展開して、昨年度、整備が完了したわけでございますが、どのような状況であったのか、総括的にお知らせください。  この避難所機能拡充については、阪神・淡路大震災でわかった地域活動の重要性や東日本大震災におけるスムーズな情報収集伝達の重要性など、過去の震災からの教訓をもとに考えられたわけでありますが、各地域の特性を踏まえると、そう簡単に事は運ばないと認識しておりますが、本区としてはどのように考えていらっしゃるのか、また、今後の課題をどう捉えていらっしゃるのかお知らせください。  また、区では、職員の勤務時間外である休日や夜間等に災害が発生した場合の特別出張所及び避難所における初動態勢の確立を目的に、他部署からの応援職員を地域拠点配置職員として配置しております。今年度7月に、特別出張所及び避難所の安全確認、開設手順、情報伝達等に関する職員訓練を実施されましたが、その実施結果及び課題についてお知らせください。  防災危機管理課が避難所開設キットの配備を行い、学校防災活動拠点ガイドブックやマニュアルをつくり、各学校へ配布し、これが学校防災活動拠点の概要並びに活動マニュアルでございます。ガイドブックにある取り組み事例等を参考に活動を進めてくださいと、このように地域に任せっきりでは、各学校でばらつきが生じてもおかしくない状況であると考えます。こういったことを踏まえて、災害対応力のさらなる向上を目指すとともに、地域と学校の関係が日ごろから良好であったところは、そうでないところに比べて避難所運営も円滑にできた、こういったことを教訓として、地域と学校、また、防災危機管理課以外の職員が一緒に訓練に取り組んでいける体制を本区として、いま一度考えていただきたいと考えますが所見を伺います。これらの様々な取り組みを通し、防災力の向上を目指し、ハード面の整備のみならず、より実効性のある防災対策を要望いたします。  本年5月22日、イギリス・マンチェスターにおいて、人気歌手アリアナ・グランデのコンサート会場で自爆テロが起こり、少なくとも22人が死亡。また、8月17日、スペイン・バルセロナで観光客が多く訪れることで有名なランブラス通りで、1台のバンが店の立ち並ぶ歩道をジグザグに走り抜け、人々を次々とはね、110人以上が死傷するなど、18か国以上の国籍の方が被害を受けました。このように最近の傾向として、多数の人が集まる場所、いわゆるソフトターゲットがテロの標的となっております。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を控え、羽田空港を抱える大田区としては、テロ対策など治安維持に努め、小さな子どもたちから高齢者までが日々、安全・安心に過ごせる環境づくりが重要と考えます。また、大田区は地域の活性化を推進するため、いわゆる特区民泊を実施していることもあり、今後とも多くの外国人が訪れることが見込まれております。このように、大田区が大きな変化を迎えようとしている中、危機管理のより一層の強化が必要と考えますが、本区としてのどのような所見をお持ちかお伺いをいたします。  先述のアリアナ・グランデが8月に千葉市にある幕張メッセでコンサートを開いた際、催事は主催者による自主警備が原則とされている中、極めて異例と思われる千葉県警による警戒体制も敷かれました。こういったことからも、テロ対策の検討や広報啓発を効果的に進めるには、区だけではなく、警察や地域、事業者など関係団体と協力していくことが不可欠であると認識しております。今後、区として危機管理体制の強化のために、警察や関係団体と連携して取り組みを進めていく考えはあるのか伺います。  真の国際都市となるためには、外国の方々が気軽に訪れて、安全で快適な時間を過ごせるまち、それこそがおもてなしの心あふれる真の国際都市であろうと思います。ぜひとも、「国際都市おおた」にふさわしい対応をお願いいたします。  介護施設に関連していくつか質問をいたします。  初めに、認知症グループホームの利用者負担の軽減について質問をいたします。  2025年には認知症を患う人の数が700万人を超えるとの推計値が発表されています。これは、65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に罹患する計算となります。認知症高齢者の数は、2012年の時点で全国に約462万人と推計されており、約10年で1.5倍にも増える見通しであります。こうした中、住み慣れた地域で、家庭的な雰囲気の中で暮らすことのできる認知症グループホームは、これから重要な役割を担うことになります。ただ、認知症グループホームの最大の課題は、特別養護老人ホームに比べて利用料が高いということでございます。その理由は、特別養護老人ホームの場合はホテルコストが介護保険の対象になるのに対し、認知症グループホームの家賃は介護保険の対象にならないからであります。したがって、国民年金で生活をする低所得の方は、認知症グループホームに仮に空きがあったとしても、経済的な理由で入所を断念せざるを得ないという状況にあります。こうした状況を踏まえ、東京都は国の基金を活用した補助に加え、都独自の整備補助を行い、利用者の家賃負担の軽減を図ってまいりました。また、市区町村に対し、介護保険制度の地域支援事業に位置づけられている低所得者への家賃助成の実施について、担当課長会議等を通じて働きかけているようですが、本区はどのように受け止められているでしょうか。  現在、大田区は介護保険事業計画第6期の中で事業を展開されており、今後、第7期実施に向けて検討されているかと思いますが、認知症グループホームの利用者負担の軽減について、介護保険事業計画第7期に盛り込むべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、共生型福祉拠点とも呼ばれる富山型デイサービスについて質問をいたします。  私も1度視察にお邪魔させていただきましたが、赤ちゃんからお年寄りまで、さらには、障害の有無にかかわらず、誰もが一緒に住み慣れた地域でデイサービスを受けられる施設でございます。また、利用者の交流だけでなく、地域に開かれた活動の拠点として、地域住民との交流や健康づくり、情報交換等を行っている事例もございます。利用者の側から見ると、例えば認知症高齢者の方が子どもたちの世話をすることで認知症の改善につながり、子どもたちは高齢者とおつき合いをすることにより情緒が安定するなど相乗効果が見受けられます。また、事業者から見ると、高齢者、障がい者、複数の施設を設置する必要がなく、ケア対象が拡大することで利用者の確保が容易になるなどメリットがあります。同時に、感染症などに対する安全の確保策、補助金の問題など、デメリットも多くあります。このように富山型デイサービスの課題としては、事業者が高齢者や障がい者、子どもなど、それぞれの特性を踏まえた適切な支援や安全の確保等ができることが前提になります。また、法内施設にする場合は、対象者ごとに専用のスペースを設ける必要があることや補助金の申請時期に違いがあるなどの課題があります。  しかしながら、高齢者や障がい者、子どもを支援する施設が交流を図ることで相互理解を深めていくことは重要であると認識しております。また、福祉施設が地域に開かれた施設となり、ボランティアやサロン等の地域の支え合い活動が活発になることは、地域包括ケアシステムを推進する上でも重要であります。施設面で考えれば、現在大田区が進めている公共施設の複合化において、こうした施設を置き込むことができないでしょうか。今までの本議会でも話題になっておりますけれども、どのようにすれば課題を乗り越えられるのか、可能なのか。その理念を活かした対象別ではない様々な交流ができる体制を、この複合化の中で、運用のありようで見出すことができるのではないかと考えますが、区の考え方をお伺いいたします。  次に、マイナポータルについて伺います。  マイナポータルとは、マイナンバー制度に対応した個人向けポータルサイトで、政府が中心となって運営する別名、情報提供等記録開示システムのことでございます。国民一人ひとりが自宅のパソコンなどからアクセスし、行政機関などが保有する自分の特定個人情報や、その情報をやりとりした記録、自分宛てに届く行政機関からの通知を閲覧できるものでございます。このほか、自治体間の情報が参照できることについて、今年1月の運用開始が予定されておりましたが、国の機関同士の情報連携やスマートフォンなどでも利用できるシステムの開発などに時間を費やしたために遅れが生じており、今年7月とされておりましたけれども、区での状況はいかがでしょうか。  国は、マイナンバー制度等を活用した子育て行政サービスの変革として、妊娠、出産、育児等に係る子育て世代の負担軽減を図るため、特にオンライン化のニーズが高い児童手当、保育サービス、母子保健、ひとり親支援の四つの申請、手続きについて、今年7月以降、速やかにワンストップサービスを実現するよう市区町村に求めています。なお、対象手続きは、今後随時拡大される計画と聞いております。区民がマイナポータルを通じて利用できるサービスは、一つ、子育て関連の施策メニューから必要なサービスを検索できること、二つ、役所に出向くことなく、いつでもどこでもオンラインで申請、手続きが行えること、三つ、区からの児童手当の審査結果通知や予防接種のお知らせなどを受け取れ、確認・提出忘れを防ぐことができること。このようにこの子育てワンストップサービスは、検索機能、オンライン申請機能、プッシュ型の通知機能からなり、子どもの予防接種についてお知らせが届いたり、保育園への入所申請がオンラインでできたりと、具体的なサービスが期待されています。  今後、子育てワンストップサービスの導入に当たり、サービス検索機能やお知らせ通知、電子申請機能など、様々な検討が必要であると考えますが、このことについてどのように検討を進めていくのか見解をお示しください。  マイナポータルの主な機能として構想されてきた行政機関が持っている自己の情報を表示するサービス、マイナンバーなどの自己の特定個人情報の提供等記録を表示するサービス、行政機関からのお知らせなどを表示するプッシュ型サービス、子育て支援、引っ越しや死亡等のライフイベントに係るワンストップサービス、業者の送達サービスを活用した官民の証明書等を受け取ることができるサービス、電子決済サービスなどを順次サービス開始としています。マイナポータルの本格運用は今年の10月とされていますので、その時点で行政側だけで対応できるものはできるだけサービス開始できるようにする、そして、その後、民間事業者も巻き込んで引っ越し時の住所変更の手続きをワンストップでできるようなサービスなどを順次提供していくように構想されているようです。先日の報道では、災害時のり災証明書の発行など、被災者支援に関する手続きにも活用する方針が示されました。  区民部の今年度の目標に、年度内に7万2000枚のマイナンバーカードを交付する目標を達成するとありますが、マイナンバーカードが普及しないと、せっかくのサービスも利用されないままとなってしまいます。国としても、国民にアピールできるサービスを充実することで、マイナンバーカードの普及を図る意図があると考えます。今後、マイナンバーカードの発行枚数が伸びていくのかどうか、マイナポータルの取り組みいかんにかかってくると思いますが、本区として、もっと区民に対しのアピールが必要であると、このように思いますが区の見解を伺います。  一方、総務省は、航空会社のマイレージや地域貢献活動に参加した住民に自治体が発行するポイントなどを集約し、マイナンバーカードを使って買い物や公共施設への利用を可能にする実証事業を始めるとの報道を目にしました。9月にも運用開始の予定で、消費喚起による地域経済の活性化やマイナンバーカードの普及につなげる狙いがあるとのことです。群馬県前橋市は早くから総務省による実証事業への参加を表明。今年秋の開始に向け事業を進めてきました。同市が検討している仕組みは、民間企業が発行するポイントとボランティア活動に取り組んだ市民に与えられる市独自の地域活動ポイントをマイナンバーカードで集約、たまったポイントはJR前橋駅構内にある物産展で買い物に使ったり、美術館のアーツ前橋や前橋文学館の入館料の支払いに利用してもらう。これら各施設には、マイナンバーカード裏面のICチップを読み取れる機器を設ける予定とのことです。  また、全国各地のふるさと納税の返礼品を閲覧できるサイトを運営する民間企業とも連携、たまったポイントを使って、オンライン上で前橋市の特産品が購入できる仕組みも検討しています。さらに、市内10の商店街、百貨店でつくる前橋中心商店街協同組合が発行する商品券の購入にも使えるようにする方針であるそうです。同協同組合は加盟店の売り上げアップにつながる取り組みになると期待、前橋市としても地域経済の活性化につながるチャンスと捉え、前橋でポイントを使ってもらうため、市独自でプレミアム分も検討しているとのことです。  総務省が実証事業に取り組む背景の一つに、クレジット、携帯電話、航空の各社が発行するポイントやマイレージが十分に活用されていない現状があるとのことで、具体的には、これらの業界で毎年約4000億円相当のポイントやマイレージが発行されているけれども、少なくとも約3割、推計1200億円相当が使われていない実態があるとのことで、こうした中、今回の実証事業では、JCBや全日空、日本航空、NTTドコモなど、10数社が協力の意向を表明していて、今後、協力企業は約2億5000万人の会員に対し、実証事業への参加を促す予定とのことであります。  現在、実証事業には前橋市のほか、宮崎県都城市や大分県豊後高田市、熊本県小国町などが参加を表明しています。いずれも、ポイントを使ってオンラインショップから地元産品を購入する仕組みを検討中とのことであります。総務省としては、事業参加に必要なシステム改修の自治体側の負担を軽減するため、クラウド上にポイントを管理するシステムを構築、9月中に自治体に提供する予定であるそうでございます。同省では、今年度予算において、今回の実証事業を含むマイナンバーカード活用に向けた予算を計上、国はマイナンバーカードの活用によって、消費喚起による地域経済の活性化に向けた方針を打ち出していることから、今まで以上にマイナンバーカードの普及を促進する必要があると思いますが、本区の所見を伺います。以上で質問を終わります。(拍手) ○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、マイナンバー制度、マイナポータルに関します4問のご質問にお答えをさせていただきます。  マイナンバー制度に対する区の取り組みに関するご質問でございますが、マイナンバー制度の目的は、公平公正な社会の実現、国民の利便性の向上、行政の効率化にあります。自治体間の情報連携によりまして、区の審査などに必要な所得などの情報を他の自治体に照会、または提供することが可能となり、申請や届け出の際に添付書類を省略できるなど、区民サービスの向上や行政手続きの効率化を図ることができます。区におきましては、マイナンバーを利用するシステムの改修や自治体間の情報連携を確実に行うためのシステムテストなどを早くから準備し、国の指定期日である本年7月18日には自治体間の情報連携の試行運用を開始いたしました。また、同時に自治体間での情報連携を行った記録や税情報など、行政機関等が保有する情報につきまして、区民の皆様自身がパソコン上で確認できるマイナポータルも稼働してございます。今後も、年金事務など情報連携の範囲の拡大が見込まれてございます。引き続き、安全かつ確実な情報連携が可能となるように準備を進め、区民の皆様の利便性向上に努めてまいります。  次に、子育てワンストップサービスの検討状況に関するご質問でございますが、区では、効率的かつ円滑な制度導入を図るための全庁的な検討体制を整備し、マイナンバー制度に関する個別の課題について検討を重ねてまいりました。子育てワンストップサービスにつきましても、マイナンバーの利活用の一環として検討を進め、本年7月18日からは、国が示している児童手当、保育、ひとり親支援、母子保健の4事務におきまして、サービス概要を検索できる機能をマイナポータル上で利用できる状態となってございます。今後は、自宅にいながら簡単にオンラインで申請できる手続きの拡充や、区の手続きに関するご案内を受け取れるお知らせ通知機能の活用などの検討を進め、子育て世代の皆様にも安心してご利用いただけるよう、できるだけ早い実現に向けて取り組んでまいります。  続きまして、マイナポータルに関する区民へのアピールに関するご質問でございますが、区といたしましてもマイナポータルの機能を充実させ、区民の皆様にお知らせしていくことが重要であると認識をしてございます。今後は、子育てワンストップサービスの拡充を進めていくほか、国が導入を計画している子育て分野以外の手続きにつきましても検討を進め、様々な用途で利用できるマイナポータルの実現に向けて取り組んでまいります。また、マイナポータルの概要や機能につきましても、区報やホームページなどで区民の皆様にお知らせし、マイナンバーカードの普及促進につなげてまいります。  最後に、マイナンバーカードの普及と消費喚起による地域経済の活性化に向けた取り組みに関するご質問でございます。本年9月から総務省が主体となって、航空会社のマイレージや自治体が発行するポイントを集約し、マイナンバーカードで買い物や公共施設への利用などを可能にする実証事業が開始される予定でございます。区といたしましては、引き続き情報収集に努め、マイナンバーカードのさらなる活用策を検討してまいります。マイナンバーカードの普及に関する取り組みにつきましては、昨年度、制度をご紹介するパンフレットを全戸配布し、マイナンバーカードの申請方法などにつきまして周知をさせていただきました。また、本年7月からは、区職員が特別出張所に出向き、マイナンバーカードのお申し込みなどの補助をさせていただいているところでございます。今後も、マイナンバーカードの仕組み、安全性、利活用について広報を行うとともに、区民の皆様にとってカードを取得しやすい体制を整備し、普及促進に取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎井上 危機管理室長 私からは、防災危機管理に関する六つの質問に順次お答えさせていただきます。  初めに、学校防災活動整備事業についての総括についてのご質問でございます。平成24年度から28年度までの5か年で全91か所の拠点化が完了いたしました。この間の取り組みといたしまして、標準マニュアルに基づき、それぞれの学校防災活動拠点ごとに異なっていた組織体制を標準化いたしました。災害に強い組織へと再構築をいたしました。また、拠点ごとの施設の状況や地域の特性に合わせた運営マニュアルを整備し、より活動の実効性を高めてまいりました。さらには、発電機や照明機材の追加導入、救出救助機材、東京都水道局から貸与された給水用スタンドパイプ、「避難所開設キット」の配備など、備蓄資機材の充実をしてまいりました。この間、各拠点において定期的に拠点運営の会議を開催し、様々な課題を地域の方々と区職員が協議してまいりました。今年度、拠点としての形は一定程度整ったものと認識しております。  次に、避難所機能拡充と今後の課題についてのご質問でございます。学校防災活動拠点事業は、これまでの学校避難所機能に加え、地域情報の収集伝達機能と救出救助、地域の見守りなど、地域活動の拠点となる機能を拡充することを目的としております。ご質問のとおり、各地域によって様々な課題があると認識しております。その解決には、学校や区職員が行うこと、地域の方々に行っていただくこと、そして、避難した人たちが行うことを整理し、お互いに理解して取り組んでいくことが重要であると考えます。今後も引き続き、地域の方々と協議させていただき、各拠点のレベルの標準化や質の向上に取り組んでまいります。また、今後の課題として、1点目、活動拠点において地域の被害情報などを収集し、地域の支援を迅速かつ的確に行う仕組みづくりです。2点目は、救出救助、消火活動等を迅速に実施できるようにすることです。そのために、学校防災活動拠点標準マニュアルの充実、また、配備した資機材の取り扱い説明書の作成、資機材を使いやすいように備蓄倉庫の整理整頓等を実施してまいります。  次に、今年7月に実施した大田区職員防災訓練についてのご質問でございます。今回の訓練は、特別出張所及び地域拠点配置職員など合計628名が参加し、災害発生時の特別出張所及び避難所の初動開設、また、情報伝達訓練を実施しました。訓練の成果といたしましては、今年度作成しました地域拠点配置職員マニュアルを検証できたこと、新たに導入しました「災害時情報共有システム」の有用性を確認することができたことが挙げられます。今後の課題として、災害時に地域の防災拠点となる特別出張所へ正確な情報を迅速に集めるために、地域拠点配置職員の情報収集伝達のスキルの向上、また、特別出張所の情報収集・分析の体制の強化、そして災害時情報共有システムに携わる全ての職員の操作の習熟などが挙げられます。引き続き、災害時において、区民の命と財産を守るために日常業務や訓練を通じ、課題の解決に取り組んでまいります。
     次に、活動拠点の訓練に関するご質問です。学校防災活動拠点は、地域と区、学校がそれぞれの役割を果たしつつ、一体となって災害に備え活動していくことが重要です。災害が発生した場合、通常業務中は特別出張所職員や学校職員、夜間休日は近隣に居住する地域拠点配置職員が避難所の開設運営に当たることとなっております。学校防災活動拠点事業として実施する訓練には、防災危機管理課以外の学校、特別出張所の職員をはじめ、地域拠点配置職員など、関係する職員が一緒に参加することは顔の見える関係づくり、あるいは課題の共有化を図るという点で非常に重要であると考えております。引き続き、関係する区職員が学校防災活動拠点の訓練に参加できる環境をつくり、より実効性の高い防災対策に取り組んでまいります。  次に、危機管理体制への考えでございますが、近年、大規模集客施設、いわゆるソフトターゲットを標的としたテロ行為が世界各地で発生し、多くの死傷者を出す事態となっております。大田区は羽田空港が所在する自治体であり、オリンピック・パラリンピックの開催を間近に控え、国内外からのたくさんの方が来訪することが予想されています。来訪される方々が大田区を十分に楽しんでいただくためには、今まで以上に区内の治安へ目を向けていかなければならないと考えております。国内外から来訪する方々や区民の皆さんの安全・安心を守るため、引き続き防犯カメラの設置や巡回パトロールなどを充実するとともに、警察、消防、空港など関係機関と連携した危機管理体制を構築することが重要であると認識しております。  最後に、テロ対策などへの危機管理体制への強化のため、警察や関係団体との連携についてでございます。区は、オリンピック・パラリンピックの開催に伴うテロ対策のため、平成28年度、警察、消防、自衛隊や民間事業者などで構成する大田区国民保護協議会を2回開催いたしました。テロ等に対する危機意識を共有し、その対策について協議いたしました。また、「テロを許さない街づくり」の実現のため、各警察署単位で構成されます「地域版パートナーシップ」と連携し、テロ事案を想定した訓練や区民の皆さんの理解と協力を深めるためのキャンペーンなどを実施しております。さらには、航空機事故などに対応するため、国土交通省が主催する航空機事故対処総合訓練へも参加しております。テロ行為など、多様化する危機管理事態に対応するためには、これまで以上に警察、消防など様々な関係機関と一体となった行動が不可欠であると考えております。引き続き、警察、消防をはじめ、様々な関係団体と連携を強化し、「暮らしてよし、訪れてよし、地域力あふれる 国際都市おおた」の実現に向け、危機管理体制を強化してまいります。私からは以上でございます。 ◎中原 福祉部長 私からは、介護施設に関連しました二つの質問にお答えいたします。  まず、認知症高齢者グループホームの利用者負担軽減についてのご質問でございます。認知症高齢者グループホームは、家庭的な環境の中で介護や日常生活上の世話を行い、認知症高齢者を地域で支える重要なサービスの一つであるというふうに考えております。これまで区は、議員お話しのとおり、東京都の整備補助を活用し、認知症高齢者グループホームを整備する事業者に対して、低所得者に配慮した家賃設定にするように働きかけるなど、利用者の負担軽減を図ってまいりました。今年7月、東京都は、国に対して認知症高齢者グループホームの家賃等助成を補足給付の対象とするよう要望しているところでございます。第7期介護保険事業計画における認知症高齢者グループホームの家賃助成の導入につきましては、国の制度改正の動向等も注視しながら、介護保険事業の総費用を見込む中で、地域支援事業の上限枠内での実施可能性や保険料への影響等を精査するなど、具体的に検討してまいります。  次に、公共施設の複合化の運用に関するご質問でございます。地域のニーズに応じた施設機能の複合化は、今後の施設マネジメントの重要な方策の一つです。現在我が国では、高齢者、障がい者、子どもといった世代や分野を超えて「丸ごと」つながる地域共生社会の実現に向けた取り組みを進めようとしております。議員お話しの富山型デイサービスは、年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが身近な地域でともにサービスを利用できる新しい形の福祉サービスの実践例の一つと認識しております。区における多世代交流の事例といたしましては、特別養護老人ホーム蒲田と蒲田児童館との複合施設では、竹とんぼやすごろくなどの昔遊びや創作活動等を通じ、高齢者と子どもの交流を促進する取り組みを展開しております。また、志茂田福祉センターでは、志茂田中学校との複合施設として、新たに自主生産品のパンの販売等を通じて、障がい者と子どもの交流を深めたいと考えております。現在、大田区公共施設等総合管理計画に基づき整備計画を進めている(仮称)羽田一丁目複合施設などにおいて、地域包括支援センターと高齢者利用施設を高齢者の拠点として整備する計画がございますが、その運営に当たっては、多世代交流を視野に検討してまいります。今後とも、乳幼児から高齢者まで、様々な世代が利用しやすく、幅広い交流ができるよう、複合施設における効果的な運営の実践を積み上げてまいります。以上でございます。 ○岡元 副議長 次に、44番三沢清太郎議員。                  〔44番三沢清太郎議員登壇〕(拍手) ◆44番(三沢清太郎 議員) たちあがれ・維新・無印の会の三沢清太郎でございます。質問通告に従いまして、私からは、三つのテーマについて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  1点目は、川崎臨海部の騒音問題についてでございます。  昨今、多くの自治体でシティプロモーション戦略が練られております。その目的は自治体により様々ではありますが、対外的な認知度向上やイメージ向上であったり、地元への愛着や誇りの醸成であったりが主な目的になっているようです。大田区におきましても、地域、文化、産業、グルメ、暮らし、サービスなどの資源を一体的にプロモーションしようとしており、大田区大好き人間な一人として今後の展開に大いに期待をしているところでございます。さて、多摩川を挟みまして、お隣、川崎市におきましても多種多様なシティプロモーションが展開されておりますが、その中の一つに音楽のまちづくりというものがございます。ミューザ川崎シンフォニーホールをはじめとした豊かな音楽資源を活用し、市民、行政、事業者等が協働して音楽のまちづくりを進めていらっしゃいます。私も、かわさきアジアンフェスタ、アジア交流音楽祭やラゾーナ川崎で時々行われるイベントを楽しんでいる者として、川崎市の音楽を通じたまちづくりには高い関心を持っており、大田区でも好事例は積極的に取り入れるべきと考えております。一方で、改善すべき取り組みがあった場合には自治体間でしっかりと話し合い、イベントをよりよいものにしていっていただきたいとも考えております。  そこで、今回取り上げたいのが、9月9日に川崎市東扇島で行われた屋外ライブイベントについてです。この屋外ライブイベントは、川崎市東扇島で2011年から始まり、今年で7周年を迎えるオールナイトのイベントです。大田区民の中にも毎年楽しみにしている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、イベント開催時に鳴り響く重低音に、羽田をはじめとした多摩川近辺大田区民は頭を悩ませてきているのが現状でございます。特に今回は例年よりも多くの苦情が聞こえたこと、羽田、森ヶ崎、糀谷はおろか内陸に入った南馬込にまで重低音被害の報告があったことから、あえてこの場において確認、質問をさせていただく次第です。  まず第一に、本イベント開催に当たり川崎市から事前通知のようなものはありましたでしょうか。本イベントは個人所有のウーハー車が重低音をまき散らす問題とは異なり、川崎市が後援についている行政お墨つきのイベントです。以前から重低音騒音問題は顕在しているのですから、所管部署同士で情報共有や改善に向けた取り組みなどを話し合ってきているものと推察をしているのですが、環境清掃部や総務部など、いかがでしたでしょうか。もし、事前に情報共有があった場合、どうして今回、大田区民が多大な被害をこうむる結果を招いてしまったのでしょうか。思い当たる点はございますでしょうか。事前に情報共有がなかったのであれば、なぜ重低音問題への配慮を大田区は川崎市に要請しなかったのでしょうか。問題認識がなかったからでしょうか、お答えください。  次に、今回の被害を受けて、大田区として今後はどのような対策を考えているのかお聞かせください。  国内の大きな屋外ライブイベントといえばフジロックやフォークジャンボリーが有名ですが、どちらも人里離れたところでの開催です。フジロックは1998年に豊洲で開催したときもありましたが、翌年からは新潟県苗場で実施をしております。もし、川崎市が今後も本イベントの継続を考えていらっしゃるのであれば、川崎市民だけでなく、大田区民への配慮も切にお願いしたいところです。例えば、深夜時間帯の自粛または音量抑制、開催時期を夏から冬に変えるなどが考えられるかと思います。開催時期の変更は風向きを考えてのことです。気象庁の気象データを確認すると、イベントが行われた9月9日深夜から明け方にかけての時間帯は主に南からの風が吹いていたようです。夏場に南風が吹くのは自然現象ですからどうすることもできません。一方、冬場であれば北風が多くなりますので、騒音は東京湾に流れやすくなります。これはあくまでも一案にすぎません。現時点で何よりも大切なのは、川崎市と大田区でしっかりと話し合うことだと思っております。理事者の見解をお聞かせください。  川崎市の夏の風物詩の一つとして定着してきた本イベントが、これからもますます発展していくことを望む一人として、川崎市、大田区間で建設的な対話が生まれることを期待いたしまして、次の質問に移らさせていただきます。  2点目は、マダニ、ヒアリ等の対策についてです。  今年の夏は大井ふ頭にヒアリが見つかり騒ぎとなりました。その後、東京都が生息調査を実施したと聞いておりますが、大田区における生息状況はいかがでしょうか。本区で実施中の対策とあわせてお答えください。  次に、マダニについてお聞きいたします。  マダニの被害は森林や草むら、やぶなどに行くと遭うものであり、都心部に住んでいる限り関係ない話だと思っておりましたが、昨今は都心部でもマダニにかまれ、マダニが媒介するウイルス感染症(SFTS)にかかり、重症の場合は死亡するケースが報告をされております。都心部で被害が増えている理由は、緑地が増えてきたこと、マダニを媒介する野生動物が都心部にも出現するようになったことが挙げられます。大田区に目を転じますと、本区は多摩川沿いや臨海部を中心に多くの緑を有しておりますし、タヌキやハクビシンは区内各所で出没しております。飼い主のいない猫もたくさんいます。  そこで質問いたします。本区において、人またはペットに対して、マダニにかまれたことによるSFTS被害の報告は上がってきておりますでしょうか。また、何かしらの対策を検討されておりますでしょうか。  春から秋にかけてマダニの被害が多く報告されております。被害を最小限にとどめるためにも、例えば厚生労働省が作成したダニへの注意喚起チラシを各自治会・町会、幼稚園、保育園、小学校に配布をしたり、空き家に住みついたハクビシンを駆除したりの対応をお願いいたします。  最後に、区立小中学校への着衣泳推進についてお聞きをいたします。  日本の小中学校9年間はプールの授業が学習指導要領において必須となっております。大田区も例外なくプールの授業がありますが、日本の溺死者数はほかの国と比べて多い特徴があり、イギリスと比べると10万人当たりの溺死者数が5倍以上というデータもございます。この原因の一つに、学校での水泳指導の違いがあると言われています。イギリスでは、自分の命を守るための着衣泳は小学校を卒業するまでにほとんどの児童に受講経験があり、検定もあるそうです。一方、日本では、法的拘束力がある学習指導要領には着衣泳に関する記述はなく、指導要領解説には、着衣のまま水に落ちた場合の対応の仕方については、各学校の実態に応じて取り扱うことができると書いてありますが、この記述は5、6年の部分にしか見られず、1年生から4年生に関しては、着衣泳についての記述は全くないのが現状のようです。  私は、せっかく各校にプールがあるのですから、子どもの命を守るため、着衣泳を小中学校で最低でも一度は実体験するべきだと考えるのですが、理事者の見解はいかがでしょうか。大田区での着衣泳の実施状況とあわせてお答えください。  話が少し飛びますが、大田区友好都市の一つである東松島市の生徒が日本工学院で東日本大震災について講演されたとき、着衣泳の授業が私の命を救ってくれたという話をされまして、その話が今も私の頭の中から離れないでいます。着衣で水に落ちたらどういう状況になるのか、身をもって体験しておくことは本当に大切なことだと思います。もしかしたら、泳げるようになることよりも重要なことかもしれません。命を守る観点から、大田区立小中学校に着衣泳を推進していただくことをお願いし、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○岡元 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎渡邉 保健所長 私からは、マダニ等の対策についての質問にお答えいたします。  区内におけるSFTS、重症熱性血小板減少症候群の発生状況及び野生動物等のマダニ対策に関する質問でございますが、SFTSにつきましては現在まで、人及びペットが発症したとの報告はありません。また、東京都が平成28年から実施しております「東京都内におけるマダニの生息状況等実態調査」によりますと、直近の報告である昨年度におきましては、都内ではSFTSウイルスを保有するマダニは確認されておりません。これまで区は、区役所内において厚生労働省が作成したポスターを掲出するとともに、パンフレットを配布することによって、マダニから身を守るよう区民の皆様へ注意喚起を図ってまいりました。なお、多摩川沿いの飼い主のいない猫に関しましては、地域のボランティア等と連携し、地域猫対策を推進してまいります。また、ハクビシン等の野生動物につきましては、区民からの依頼がありました場合には、業者に捕獲を委託しております。引き続き、国や東京都と連携し、区民の安全・安心の確保に向け的確な対応を展開してまいります。私からは以上です。 ◎畑元 環境清掃部長 私からは、環境に関する三つのご質問にお答えさせていただきます。  まず、川崎市東扇島で行われたイベントについての事前通知についてのご質問ですが、今回の川崎市東扇島のイベントに関連するものとしては、過去に東扇島東公園周辺に集まってスピーカーを搭載した車から大音量を流すことに関して、区民からご意見をいただいております。これに関して、区ではその都度、川崎市へ状況を伝え改善を要請しております。しかしながら、今回のイベントに関しましては、イベント主催者または川崎市から区への事前通告などはございませんでした。区では、区民の方から情報提供を1件いただいたことを受け、川崎市の担当部局にイベントに関する周知等の状況などについて問い合わせを行うとともに、区内への影響に関する情報を伝える等、関係機関との情報の共有を行っております。  次に、川崎市におけるイベント等に対する区の見解についてのご質問ですが、騒音に関しましては、区では通常、区民の良好な生活環境を確保するため、「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」等関係法令に基づき即時に対応しているところでございます。今回の騒音については、基本的に当該自治体である川崎市が関係条例等に基づき基準等を超えているものがあった場合は、適正かつ速やかに是正されるべきものと考えております。なお、今後の区民の生活環境に影響があると判断された場合は、川崎市を通じて主催者に対して申し入れを行ってまいります。  最後に、ヒアリの生息に関するご質問ですが、品川区の東京港大井ふ頭で発見されたヒアリにつきましては全て駆除され、東京都の調査においても、現在まで大井ふ頭の外での確認情報はありません。現在、区においては、区報や区ホームページを通じて注意を呼びかけるとともに、区民から相談されるヒアリの疑いのあるアリの確認を行うことにより、区民の安全・安心の確保に努めております。また、国と東京都では引き続き、大井ふ頭に接している区内周辺地域において調査を行っていく予定であり、区では今後も、国、東京都と連携し、ヒアリの水際対策の徹底を図ってまいります。私からは以上でございます。 ◎水井 教育総務部長 私からは、着衣での水泳についてのご質問にお答えいたします。  水難事故に際して、児童・生徒がみずからの身を守るために、着衣のまま水に落ちた場合の対処の仕方について指導を行うことは大きな意義があると考えております。議員のお話にあった小学校中学年以下について、学習指導要領解説に着衣のまま水に落ちた場合の対処の仕方について記載がないのは、小学校中学年までは、まず水泳の基礎となる「水遊び」や「浮く・泳ぐ運動」を学ばせ、その後、高学年で「水泳」を学ぶときに各学校の実態に応じて取り扱うこととしているためと捉えております。区立小中学校では、水難事故の発生が多い小学校の段階で、安全指導の一環として着衣のまま水に落ちた場合の指導を行い、中学校では様々な泳ぎ方の習得や水泳の事故防止に関する心得についての指導に重点を置いております。このようなことから、区立小学校においてはほぼ全ての学校で着衣のまま水に落ちた場合の指導を実施しており、中学校では2割弱の学校で実施している状況でございます。今後とも、子どもたちが水難事故に適切に対処できるよう、着衣のまま水に落ちた場合の対処の仕方については、小学校、中学校を通じた段階的な水泳指導の中で適切に指導してまいりたいと存じます。 ○岡元 副議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。                      午前11時57分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後1時開議 ○大森 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続けます。9番塩野目正樹議員。                  〔9番塩野目正樹議員登壇〕(拍手) ◆9番(塩野目正樹 議員) 大田区の工業振興について質問します。  東京オリンピック・パラリンピックまであと2年と少し、今、大田区にこそ大きなチャンスが広がり、まさに道が拓けてきたと感じるところであります。一方、我が国経済の見通しが不透明とする論調もあります。それでも、そして、だからこそ大田区の大いなる発展のため、未来を見据えた取り組みに力強く着手するべきであると考えます。大田区の発展は経済の発展、大田区の経済発展は区民の幸せであります。大田区経済発展の中心となるのはものづくり企業をはじめとする工業であります。よって、産業経済部及び産業振興協会の取り組みにより、大田区の経済を活性化させることは極めて重要なことであります。  そこでまず、大田区ものづくりのチャレンジについて質問します。大田区は、「大田区ものづくり産業イノベーション創造緊急推進指針2020」を策定し、2020年に向けた新たなチャレンジを始めることを位置づけました。その具体的な取り組みが平成29年度第2回定例会で補正予算が成立した競技用車椅子の開発であります。先日、地域産業委員会が車椅子開発のコア企業である松永製作所を訪問したと聞きました。大変すばらしい企業で今後に期待できるとのことであります。車椅子開発の先に広がるヘルスケア産業の市場規模は大きく、非常に魅力的で区内企業が参入することができれば、大きな経済効果があるものと考えます。  そこでお伺いします。大田区による競技用車椅子開発の進捗状況と、その先の将来展望をお聞かせください。  大田区のチャレンジとともに、民間主導でのチャレンジも既に始まっています。特に、大田ものづくりのブランド力を世界に発信しようと発足した一般社団法人大田医療産業機構は、医工連携に果敢に挑戦する大田区産業の高い志の結集であると考えるところであります。  私も、平成28年第4回定例会の自民党代表質問において、以下のように質問させていただきました。「大田区は産業のまちであります。よって、ものづくり産業をはじめとする中小企業を力強く支援しなければならないと考えます。もちろん、羽田空港の機能強化、空港跡地の開発により、大田区全体の経済は活性化されるものであります。また、それだけにはとどまらず、一つひとつの製品の市場規模は小さいものの、種類が多いという利点を持つ医療産業に活路を見出そうとする力強い動きがありました。いわゆる医工連携であります。医療産業は高齢化の進展や新興国の拡大を受け、市場の着実な拡大が予想され、平成26年に市場規模は2.8兆円と過去最大になりました。医工連携の推進により、裾野が広い、不景気に強い産業構造をつくることができるものと考えますし、私も何度も提言、質問させていただいてきているところでもあります。実際、これまで大田区は製造販売業の許可を取得した企業が集積する文京区との連携など、医工連携にかかわる取り組みを進めてきました。しかしながら、いまだ医療機器の製品開発にまでは至っていません。それは、医療産業にほかの産業にはない特殊な事情があるからであります。例えば、人工血管といった高度管理医療機器を製造販売する場合、総括製造販売責任者、安全管理責任者、品質保証責任者の3役が必要であるだけではなく、その製品が安全であることを実際の治療の現場で臨床治験という形で証明しなければなりません。また、この臨床治験は入院、検査、手術等、全て薬事申請した企業側の負担となります。そして、治験の期間は数年かかってしまうことが一般的であります。治験だけで3年間で3億円とも言われており、多くの時間と費用を要することになり、治験後に薬事申請の許可がおりるという保証もありません。そこには大きなリスクが伴うのであります。そこで、製販の資格がある企業を育て、基金の設立等により、治験を乗り切る資金援助を行うための支援策をつくり、支えていくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか」と質問させていただいたわけであります。  実際に今春、大田医療産業機構が発足し、期待は高まるところであります。また、この取り組みに対し、大田区も高く評価するとともに、公益性、公共性を踏まえた支援について検討するというお話でした。例えば大田区の全面的な協力により、大田区産業プラザPiOに事務所を構え、大田区出向の事務局長が医工連携を推進していくようなイメージを膨らませてしまいます。今後とも力強い支援が望まれます。  そこでお伺いします。大田医療産業機構への支援に関する大田区の検討状況についてご報告ください。  チャレンジを支える地域による「ものづくりのまち」づくりについて質問します。  大田区内の産業が新たなチャレンジに向けた高いモチベーションを持ち続けるためには、地域のものづくり企業が連携し、一体となって課題解決に向き合うことが重要であります。下町ボブスレーの取り組みは、ものづくり企業の連携が高いモチベーションと新たなチャレンジを生み出す取り組みの好例です。ですから、内外にもっともっと強く発信して、みんなで応援させていただきたいと思うところであります。また、矢口・下丸子地域を中心に開催されるおおたオープンファクトリーは地域の産業団体が主体となり、操業環境を維持していくことを目的の一つに、「ものづくりのまち」づくりを展開し、注目を集めております。産業のまち大田区の未来を見据えるならば、地域のものづくりをアピールするとともに、地域とものづくり企業の共存を図る「ものづくりのまち」づくりを展開していくことは大変重要であると考えるところであります。  そんな中、ちょうど先日、地域の工業団体の方々から「京急線大森町駅から梅屋敷駅の間の高架下についてどのような空間活用が可能か、京急電鉄さんから相談を受けている」という話を伺いました。京急電鉄としては、沿線の魅力向上を図ることで鉄道の利用者を増やすとともに、駅の乗降客数の増加を図りたいという狙いがあると思います。そこで、大田区はものづくりのまちというイメージを活用し、内外にPRして、地域への来訪者を獲得していく方法を京急電鉄が地元工業団体、大田区と連携して検討に着手したということでありました。この話を聞いたとき、画期的な非常に可能性ある大いに喜ばしい取り組みである、ぜひとも応援させていただきたいと感じました。大田区のものづくり企業は、住工混在の市街地の中や臨海部の鉄道沿線から離れた場所に集積しており、区外の方にとって高い技術力を持つ製造の現場を具体的に目にすることはなかなか難しい状況があります。  一方、地元の工業団体にとっては、そうした製造現場を知ってもらい、イメージアップを図ることで、大田区のものづくりに対するブランド力を底上げしていきたいところであります。京急線高架下という来訪者にとって利便性の高い、そして、実は少し足を延ばせば区内製造業の現場にも近い場所は、区外から来訪される方々が大田のものづくりに出会う絶好のロケーションであります。さらに、普段はあまりものづくりについて意識していない区民の方々にも、改めて高架下の空間に大田のものづくりがPRされることで、新たな気づきにつながる場となり得るのではないでしょうか。身近なものづくり企業について住民が見直すきっかけとなれば、ものづくり企業の操業環境の維持・発展にもつながる可能性があると考えます。  また、各駅からつながる商店街、大田区総合体育館をはじめとする公共施設、大森ふるさとの浜辺公園を中心とする臨海部などとの回遊性が生まれれば、地域の活性化にもつながっていくものと考えます。駅という点が沿線という線になり、さらに地域という面に広がっていく、まさに理想的なまちづくりのストーリーが描けると考えるところであります。  ただし、こうした取り組みには、しっかりした運営体制を構築することが重要課題となってきます。京急電鉄、地元工業団体、大田区がしっかりと連携するとともに、ものづくりのすばらしさを伝えるアーティストやクリエーター、プロモーションを得意とする民間企業など、様々なプレーヤーの参加を促し、ネットワークを広げていくことで、持続的に情報発信し続けられる運営体制の構築が必要であると考えます。  そこでお伺いします。京急高架下を活用した地域による「ものづくりのまち」づくりについて、大田区の見解をお聞かせください。  「ものづくりのまち」づくりは、これまで三島連絡協議会、京浜島まちづくりビジョン検討会など、臨海部でも進んでいるところであります。特に、私は今までも臨海部の開発、魅力的な水辺、海辺のまちづくりへの取り組みをまさにライフワークとして、一貫して積極的に提言してまいりました。こうした取り組みと「ものづくりのまち」づくりの取り組みは、一体的に推進していくべきであると強く考えるところであります。  大切な大切な工業と大森ふるさとの浜辺公園や大森東水辺スポーツ広場が、まさに同じところに存在するということに着目しなければならないということであります。そうです。大森ふるさとの浜辺公園の対岸にあるのは昭和島の工場群なのであります。臨海部新スポーツ健康ゾーンは昭和島、京浜島、城南島等の工業群と同じところに同時に存在し、重なり合うものなのであります。しかしながら、もはやこの状況、この風景は相反するものではないと私は思いをはせます。両者が互いに調和し、支え合いながら発展することがきっとできると思うからであります。  ちょうど、今春4月1日、大森ふるさとの浜辺公園にレストハウス、船着場、都内初の常設ビーチバレー場を擁する大森東水辺スポーツ広場が整備され、オープンの運びとなりました。そして、きたる9月30日、10月1日には、「しながわ・おおた水辺の観光フェスタ」が開催されます。このフェスタは、大田区と品川区の水辺に設けたいくつもの会場から水辺の魅力を発信するために、城南地区水辺活用推進議員連盟の地道な努力により、しながわ・おおた水辺の観光フェスタ実行委員会主催、大田区、品川区等の後援により大々的に開催されるものであります。大田区の会場は、大森ふるさとの浜辺公園と天空橋であります。舟運事業も行います。大森ふるさとの浜辺公園では、ふる浜ビーチフェスとして、ビーチバレー教室、ヨガ教室、ドローン体験、キッズ体験プログラム、バスケットボールチャレンジ、アート作品展示、音楽祭、キッチンカー、警視庁騎馬隊、地元みこしの渡御、エレクトリカルボートパレードを行います。そして、グランドフィナーレとして、10月1日夜7時より花火大会を行います。天空橋では羽田天空フェスとして、稲荷橋屋台、稲荷橋舞台、屋形船レストラン、ふるはま花火船、多言語のおもてなしを行います。天空橋における2日間のうち、9月30日は大田区「空の日」イベントと同日開催になっています。ちなみに、品川区では天王洲キャナルフェス2017秋を行い、9月30日夜、花火大会を行います。  また、環境教育の一環として、大森ふるさとの浜辺公園において地元の小学校、大森第一小学校、大森第四小学校、大森東小学校、中富小学校の子どもたち全員にこちらで用意した風車キットをつくってもらい、大森ふるさとの浜辺公園に並べることとしました。以下、各校の校長先生には以下のようにお願いしました。「環境教育プログラム「風の道」を知ろう。風の道とは、郊外から都市部へ風を誘導する風の通り道をつくり、都市部の気温の上昇を抑えようという都市計画の考え方や手法のことで、都市中心部の気温が郊外に比べて高くなるヒートアイランド現象の緩和に特に効果があるものであります。大田区では、1『呑川、内川等に沿って木を植え、緑の回廊をめぐらせます』、2『東京湾の風を導きます』、3『光合成等の作用で、風が爽やかなまま吹き抜けます』ということになります。ヒートアイランド現象の緩和により地球温暖化対策となり、まちづくりの観点から見れば、持続的な経済発展となるものでもあります。風の道にとって重要な東京湾の風を導きますという観点からすれば、海辺の散策路整備や貴船水門・呑川水門廃止に伴う防潮堤整備や大森ふるさとの浜辺公園を中心とする『新スポーツ健康ゾーン』の整備は『風の道のまちづくり』であり、地域及び区民の幸せにとって極めて重要な事業であります。このたび9月30日、10月1日に大森ふるさとの浜辺公園で『ふる浜ビーチフェス(しながわ・おおた水辺の観光フェスタ)』という水辺を活用したイベントを行います。つきましては、地元の小学生に風車をつくってもらい、ふるさとの浜辺公園に並べて風の流れを見えるようにし、みんなで風の道を実感できるようにしたいと思います。そこで、1 こちらで提供させていただいた風車キットを各自つくっていただきます。2 その際、羽に名前、環境に関するメッセージを書いてもらいます。3 つくった風車をふるさとの浜辺公園の所定の場所にみんなで備えつけに来ていただきます。以上、よろしくお願いいたします」風車で環境がよくなるわけではありませんが、子どもたちが何かを感じてくれれば幸いであります。  このようなイベントをきっかけに、毎週末、特に調べなくても、期待を持って大森ふるさとの浜辺公園等、大田区の水辺に足を運べばビーチバレーの大会をはじめ、何かやっていると多くの人に思っていただきたいと思います。もって水辺空間をより魅力的に活性化してまいりたいと思います。話を戻します。  今までも何度も提言させていただいてまいりましたが、魅力的な水辺空間として整備された大森ふるさとの浜辺公園が、その対岸の昭和島をはじめとする島々のものづくり企業との一体的なまちづくりを実現することになれば、臨海部まちづくりのリーディングプロジェクトとして大きな輝きを放つものになると考えます。まさに、先ほど申し上げた京急高架下を活用した「ものづくりのまち」づくりを含めて、面としての発展がどんどん進んでいくという期待がそれこそ大きく膨らんでいくものであります。  そもそも、昭和島は羽田鉄鋼団地による自主的な管理が徹底されております。その取り組みは公共的な空間にまで及び、高度な自主性は高く評価されるべきものであります。臨海部における「ものづくりのまち」づくり推進には欠かせない存在なのであります。今後、「空港臨海部グランドビジョン2030」を踏まえ、国や都までを巻き込んだプロジェクトを構想し、京浜島に続き昭和島、さらには城南島の地元工業会の積極的な参加をいただきながら、水辺を含めた臨海部の魅力向上と工場等の更新、再配置を進めるまちづくりを推進していくべきものと考えます。  そこでお伺いします。臨海部における「ものづくりのまち」づくりについて、大田区の見解をお聞かせください。  最後に、ものづくりのまちを維持・発展させる産業立地政策について質問します。  ものづくりのまちは、製造業をはじめとするものづくり企業の集積を基本としています。しかし、大田区における製造業の事業所数は減少の一途をたどっており、近い将来、ものづくりのまちとしての地位を失うのではないかという、ものづくりの集積に対する悲観的な見方もあります。私は、リーマンショックやグローバル化など様々な要因がある中で、製造業の減少トレンドが続いていると捉える一方、こうした荒波を乗り越えた強い企業の集積が新たに形成されていると前向きに考えています。経済産業省は、今年、地域未来投資促進法により、地域の特性を活かした成長性の高い新たな分野に挑戦する取り組みを地域未来投資として位置づけ、「地域経済における稼ぐ力の好循環が実現されるよう、政策資源を集中投入していきます」と示しました。地域の中核企業はますます重要な存在となっていくものであります。大田区は、こうした動向を注視しながら、産業立地政策を検討する必要があります。  そこでお伺いします。ものづくり企業の状況変化や国等の政策動向を踏まえた大田区の産業立地政策の考え方についてお聞かせください。  大田区における産業立地政策の柱として、工場アパートをはじめとする産業支援施設の整備、運営が挙げられます。しかし、産業支援施設については、工場アパートの使用年限の問題や施設の老朽化への対応など、問題が生じつつあります。本年の第2回定例会で我が党の代表質問に対し、松原区長は「産業支援施設のあり方について、見直しを検討する時期に来ている」と答弁されました。工場アパートを例にとると、区設区営として、本羽田二丁目工場アパート、本羽田二丁目第2工場アパート「テクノWING」、大森南四丁目工場アパート「テクノFRONT森ケ崎」があります。また、民設民営として、最新の東糀谷六丁目工場アパート「テクノCORE」があり、区の借り上げ期間満了後は民設民営となると聞いています。こうした流れを見ても、今後の産業支援施設の整備、運営については、より民間活力との連携を進めていくことが有効ではないかと考えるところであります。  そこでお伺いします。工場アパート等産業支援施設について、今後の整備や運営のあり方について大田区の考えをお聞かせください。  以上、大田区の工業振興について質問させていただきましたが、ものづくり企業をはじめとする大田区の工業が大いに事業発展し、もって大田区の経済が発展することにより区民が幸せになることを願いまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川上 産業経済部長 私からは、大田区の工業振興について順次お答えいたします。  最初に、区による競技用車椅子開発の進捗状況と将来展望に関するご質問でございます。まず、競技用車椅子の開発の進捗についてでございますが、本事業は大田区産業振興協会に委託し、区内企業、車椅子メーカー等による産業クラスターを形成して製品開発を行うとしております。区内企業に産業クラスターへの参加を公募した結果、10社が開発に取り組むこととなりました。また、競技用車椅子を手がける株式会社松永製作所が同協会と契約し、製品開発を牽引しているところでございます。今後の予定といたしましては、10月から11月ごろを目途に試作品を作成し、その後、実証テストを行い、改良を重ねた上で、今年度末の完成を目指す予定でございます。  次に、競技用車椅子の開発を踏まえた将来展望についてでございます。パラリンピック等の競技大会での使用はもちろん、競技用車椅子の持つ軽さや耐久性、動きやすさといった機能性の高さは、日常的な車椅子利用でも有用であり、その開発技術や素材、構造上のメリットを一般の車椅子開発にも活かすことができると考えております。また、経済産業省では、高齢社会を背景として健康寿命を延ばすことにつながる新たな産業、次世代ヘルスケア産業の創出にも力を入れているところでございます。こうした状況を踏まえ、区といたしましては、今回の競技用車椅子の製品開発を通じて得られる技術力や設計力を一般の車椅子だけではなく、広く福祉介護用機器の製品開発につなげ、大田のものづくり力を国内外に向けて発信してまいります。  次に、「大田医療産業機構」への支援に関するご質問でございますが、区といたしましては、当機構の高いマインドと新分野への果敢なチャレンジに敬意を表するとともに、大田のものづくりのブランド力を高め、世界に発信する取り組みを後押ししていきたいと考えております。医療機器等の開発支援につきましては、先行した取り組みがございます。東京都は昨年、都の医工連携に関する機関を集約して、「東京都医工連携イノベーションセンター」を開設し、臨床機関や製販企業、ものづくり企業、研究機関の連携による医療機器等の開発支援を強化いたしました。一方、当機関は利益を追求しない一般社団法人であると同時に、医療機器等の薬事申請ができる組織を目指しております。医療機器等の製造、販売に当たっては、有資格者を雇用し、法に基づく製造販売の許可を得るなどの対応が必要です。医療機器を開発し、製品を市場に出しながら組織を継続的に運営していくためには、当機構の事業計画をより深く検討することが重要になります。区では、当機関への支援の検討に当たり、先行した取り組みがある開発支援だけでなく、当機構の継続的な事業展開の対象となる医療機器等の市場に関する調査を行っているところでございます。ただし、新しい医療機器等の市場への浸透には、一定の時間を要します。大田区のものづくり企業が得意とする創意工夫による機器の改良等により、スピーディーに市場への参入可能な分野を把握する必要がございます。今後は、より市場規模が大きい医療機器等を含むヘルスケア産業全般の市場まで調査の範囲を拡大し、引き続き公共性、公益性にも十分配慮しつつ、当機構への支援の方法について検討してまいります。  次に、京急高架下を利用した「ものづくりのまち」づくりについてのご質問でございます。地域とものづくり企業の共存を図り、ものづくりのまちをPRしていくことは、多くの波及効果を生む重要な取り組みでございます。ものづくり企業のイメージアップやものづくりのブランド力の底上げ、住工混在地域での操業環境確保のほか、先行事例である「おおたオープンファクトリー」では、町工場を見学した若者が就職を決めるなど、ものづくりの担い手確保につながっております。本取り組みの場合、若手のクリエーターやアーティスト、観光客の往来により、新たなまちのにぎわい創出の可能性も秘めています。一方、議員お話しのとおり、本取り組みに係る持続的な運営体制の構築は最も重要な課題でございます。区は、京急電鉄が地元と連携のもと、本取り組みの具体化が進むよう、運営体制の構築及び構築された組織等への支援の可能性について検討してまいります。さらに、東京2020オリンピック・パラリンピックに向け、区内全域を俯瞰し、「おおたオープンファクトリー」などの既存の取り組みと連携したまちづくりを展開することで、ものづくりのまちとしてのブランド力の向上を図ってまいります。  次に、臨海部における「ものづくりのまち」づくりに関するご質問でございます。臨海部は水辺空間や工業専用地域等における工場集積など、「ものづくりのまち」づくりにおいて重要な資源が位置するエリアでございます。「空港臨海部グランドビジョン2030」では、羽田空港再拡張・国際化を契機に、人、歴史、空間をつなぎ、魅力と活力あふれる都市環境を形成していくため、六つの将来像を位置づけました。区はその実現のためプロジェクトに取り組んでいるところでございます。ポテンシャルの高い羽田空港跡地のまちづくりや中央防波堤埋立地の将来の土地利用は、大田区はもとより、国や都にとっても注目すべき重要なプロジェクトであると考えております。一方、島部を中心とする工場等は、建物更新時期が近づいているものも多く、また、事業の拡大により分工場が増加し、作業の分散化により効率の低下が課題となっていることから、工場等の更新、再配置のニーズが高まっております。区としましては、議員お話しのとおり、「空港臨海部グランドビジョン2030」及び「おおた都市づくりビジョン」を踏まえながら、臨海部のポテンシャルの高まりを加味した広域的かつ長期的な構想を国や都に提案しながら、臨海部の魅力向上と工場等の更新、再配置を進めるまちづくりを推進し、ものづくり産業のさらなる活性化を目指してまいります。  次に、ものづくり企業の状況変化や国等の政策動向を踏まえた産業立地政策の考え方に関するご質問でございます。これまで区は、金属機械加工など基盤技術を持つ小規模な製造業が、高い技術力や企業間の連携で多様なニーズに対応するという「強み」を基礎とした産業立地政策を展開してきました。平成26年度に実施した「ものづくり産業等実態調査」では、「仲間まわし」の核となるコネクターハブ企業の重要性が明らかになり、支援策を検討してきたところでございます。国は今年度、「地域未来投資促進法」を制定し、地域経済を牽引する中核企業を全国から2000社程度抽出、公表して、集中的に支援を行うこととしております。また、「新事業が次々と生み出されるような環境を整備することにより、競争優位な産業が核となって、広域的な産業集積が進む状態」を「産業クラスター」と呼び形成を促進しております。区では、こうした動向を踏まえ、今後の産業立地政策においてコネクターハブ企業など、地域の中核となる企業を中心とした「産業クラスター」の形成による産業集積の維持・強化について、さらに力を入れていく必要があると考えております。  最後に、産業支援施設の今後の整備や運営のあり方に関するご質問でございます。工場アパートをはじめ、創業支援施設、産学連携支援施設、新産業創造支援施設等、企業の入居を受け入れる産業支援施設は、近年ほぼ満室状態が続いております。大田区の産業集積に大きな役割を果たしているものと考えております。工場アパートでは、入居企業の募集に際し、1室に多数の応募があり、ますますニーズが高まっている状況です。また、工場アパートを不動産事業として検討するため、民間企業から区への問い合わせも来ており、民間による工場アパート事業の実現性が高まっていると考えております。区では、今後も工場アパートによる産業集積の維持・強化を図るため、民間による工場アパートの新たな整備に対する有効な支援策について、今後の助成制度の見直しなどを通じ検討しております。また、既存の工場アパートについても、民間活力の活用も含め、今後運営手法について公益性、公平性に十分留意し検討してまいります。私からは以上でございます。 ○大森 議長 次に、10番押見隆太議員。                  〔10番押見隆太議員登壇〕(拍手) ◆10番(押見隆太 議員) 自民党の押見隆太です。理事者の皆様方にはたがを外した答弁をお願いいたします。  まず初めに、VR、バーチャンリアリティーについてお聞きします。  バーチャルリアリティーではありません。バーチャンリアリティーであります。このバーチャンリアリティーは、実際VRを活用して南あわじ市で行われている施策でございまして、簡単に説明するとお1人様で食事をされている方、つまりは孤食の方が対象でありまして、都会暮らしに疲れ果てている方がVRゴーグルをつけることによって、バーチャルの世界へ突入します。まず、昼食の場合は古民家にちゃぶ台があり、そこにおばあちゃんが出てきて、おにぎりをつくったから食べなさい、この何々は栄養があるから食べなさいとか、ちょっとうざいことを言いながら昼食をいただきます。軒先ではおじいちゃんが1人将棋を指しているというような仮想空間が。また、夕食では親戚や近所の方々が集まってどんちゃん騒ぎをするという世界が実演されています。これはバーチャルの世界で、南あわじ市の食をPRすることによりシティプロモーションを行い、共感していただいた方にふるさと納税を推奨するという施策であります。ぜひ皆さん、おもしろいので、このバーチャンリアリティーを見てみてください。でも、大田区民の方々はくれぐれも大田区の税収が減ってしまって、区民サービスに影響をきたしますので、そのままふるさと納税しないようにしてくださいませ。  そのほかにも、バーチャルリアリティーを活用する自治体はかなり増えてきております。ただ、ほとんどが観光部門でのVRの活用でございまして、あまり新鮮味はないかなと感じました。そのほかにも障がい者施策などにもVRは活用できると思います。  そこで新しい切り口で質問をいたします。大田区でもバーチャルリアリティーを活用した施策をやってみてはおもしろいと思いますが、いかがでしょうか。  例えば、タイヤ公園のゴジラが動き出し、第二形態に進化しながら大田区の施設を時には思いきり破壊し、時にはモスラやキングギドラから大田区を守り、場合によっては戦いの傷を癒すように銭湯につかるといった映像で、それをVRで体験するといったコンテンツを用意し、シティプロモーションにつなげるといった、これはVRではなくてユーチューブの動画だけでもかなりおもしろいとは思うんですけれども、またまたかわいい女の子とVRデートしながら大田区を回っていき、羽田空港など名物スポットを回りながら、昼は蒲田で羽根つきギョーザを食べて、夜は繁華街のいかした立ち飲み屋で彼女を酔わせ、その後は・・・・と、今はやりの彼女とデートなう大田区VRバージョンもおもしろいと思います。もちろん、彼氏とデートなうバージョンや裏面で蒲田や大森の名物スナックのママとデートなうバージョンなどの発想もおもしろいかなと、理事者の見解をお聞かせください。  多少激しいことを言いましたので、現在の大田区行政とのギャップがあり過ぎることは承知しておりますが、シティプロモーションだけではなく、様々な場面でいろんな新機軸を活用していくことがこれからの時代重要だと思います。そういった意味では、インフルエンサーの活用も非常に効果的なプロモーションができると言われています。大田区では、昨年度、タイの有名ブロガーをタイ向けのインバウンド観光客向けのPRに活用しました。ユーチューバーやブロガーのように、SNS上で情報発信力のあるインフルエンサーを区のシティセールスや事業のキャンペーンの手法として、様々なプロモーションの場面で活用してはいかがでしょうか。  今お話ししたバーチャルリアリティーをはじめ、21世紀になって開発が進んでいるドローン、AI、自動車の自動走行システム等、現在花盛りであります。これから日本という産業国がこれらの技術で生き残っていく上で、これらに代表される世の中を一変させる先進技術で世界を相手に勝利をつかまなければなりません。勝つって非常に難しいことでございまして、例えば電気自動車と燃料電池車ですが、メカニカルの部分や数値では、ほぼ燃料電池車が上回っております。しかし、今年になって、アメリカや中国の動向によって世界の大勢はほぼ電気自動車へシフトしていくことが決まり、経済界では燃料電池車の敗北がほぼ決まったと言われております。昔のVHSとベータの争いは皆様覚えていると思います。ソニーのベータのほうが画像がきれいと言われながら、ナショナルはじめ、大手各社がVHSへシフトしたため、圧倒的なVHSの勝利となりました。現代でも、当時の国内だけの競争と違い、ワールドスタンダードな戦いでありますが、トヨタの水素自動車MIRAIに代表される燃料電池車が、テスラに代表されるアメリカと、これから大いなる発展を遂げる中国の電気自動車軍に敗北し、トヨタ一推しの水素自動車は携帯電話と同じように、日本国内だけの需要で成り立たせなければならなくなり、行き詰まってしまった通称ガラケー、ガラパゴス携帯と同じ運命をたどって、ガラケーをもじってガラカーになると言われております。このように、世界での戦いは非常に厳しいものとなっておりますが、先ほど述べましたように、それでも生き残っていかなければなりません。ワールドスタンダードの確立、時代の変革や加速するイノベーション等、大田区の工業界には非常に厳しい波になっているのは皆様共通の認識であると思います。既存の製造業だけでなく、ベンチャーやファブレス企業などの育成が求められます。  そこで質問します。VRやドローン、AIや自動走行システムのような新機軸の部品に大田区製の部品が組み込まれているのでしょうか。今までと同じではなく、こういった先進技術の製品に部品が採用されるよう、事業者だけでなく、区としても積極的にプロモーションを行っていかなければいけないと考えますが、大田区の対応はいかがでしょうか。  また、大田区行政では、ここ数年、今お話ししたように、大田区工業界にイノベーションを創出させる取り組みを進めてきたと思いますが、このイノベーションのまだ途中経過だと思いますが、どのような成果が出てきているのか教えてください。  いろいろ難しい言葉が並んだと思っている方が多いかもしれませんが、次に、プレミアムフライデーの活用についてです。皆様ご存じのとおり、国と経済界が推し進めている施策ですが、これから民間や自治体がプレミアムフライデーに協力することによって、様々な相乗効果が生まれてきます。大田区体育館をホームとするプロバスケットのアースフレンズ東京Zの試合は、通常土日に行われておりますが、例えばその公式戦をプレミアムフライデーの日にナイターで開催してもらうのはいかがでしょうか。アースフレンズだけでなく、Vリーグの試合でもおもしろいと思いますので、要望をさせていただきます。  続いて、せせらぎ公園について質問します。  せせらぎ公園は、公園用地が拡充されることに伴って、昨年度、基本計画・基本設計の予算が計上され、田園調布小学校出身の隈研吾設計事務所がせせらぎ公園の改修計画の設計を担うこととなりました。私は、せせらぎ公園オープン前、多摩川ラケットクラブ跡地検討会の委員でございまして、まだ20代であったのですが、さんざん生意気言わせていただいた若い甘酸っぱい記憶がございます。今お話ししたように、オリンピックスタジアムや品川新駅を設計している隈研吾さんの設計文化施設と大田区初の図書の貸し出しに特化した図書館カウンターの設置、調布地区体育施設の設置など、先日の地元説明会では、2回開催したにもかかわらず、本当に多くの方が関心を持たれているのが実感でき、通常、地元説明会では怒号が飛び交うこともあるのですが、最後には拍手が起こるという非常によい説明会でありました。  今、都市公園では、指定管理者制度の実績がパークマネジメントや都市マネジメントの分野で非常に喝采を浴びております。東京都の駒沢公園や豊島区の南池袋公園など、指定管理者制度によって運営されている公園は、今までの公園とは一線を画し、俗に言うサードプレイスとしてのポジションを確立しております。言葉で言っても伝わらないかもしれませんが、今までの公園とは全く別物でありまして、多摩川園遊園地のように、まさに若い家族も憩える場所となっております。  そこで質問します。これから新しく生まれ変わりますせせらぎ公園において、大田区で初めて公園全体の指定管理者制度を導入してみてはいかがでしょうか。見解をお聞かせください。指定管理者制度の導入の際は、施工段階から指定管理者のアイデアを取り入れ、公共の管理力や安全性と民間のアイデアや集客能力とあわせ、すばらしい公園になることを要望いたします。  今回のせせらぎ公園改修の後には、隣接する富士見会館の大規模改修が行われ、ちょうど1年前の私の自民党代表質問によって、改修後、田園調布特別出張所が移転されると発表になりました。せせらぎ公園と富士見会館が同時期に改修されるタイミングにおいて、どうしても区にわがままな要望をさせていただきたいと思います。今まで田園調布一丁目や雪谷大塚の住民は多摩川園の駅を利用した際、国分寺崖線がずっと通っているため、帰りに富士見坂という心臓破りの坂を上って帰らなければならず、結果的にあまり多摩川駅を利用できず、徒歩やバスで田園調布駅を利用しておりました。せせらぎ公園オープン後は、公園の中に2本、上へ抜ける道をつくってくださいましたが、正直、お年寄りにとってはどのルートも駅から国分寺崖線の上の田園調布一丁目や雪谷大塚に抜けるのは非常に厳しい道のりです。  そこで質問します。せせらぎ公園の地上部分から国分寺崖線、富士見坂を上るには大変な急坂です。ぜひ、坂下地上部分から富士見会館上のところへ抜けていけるエレベーター、エスカレーターの設置が重要だと思います。前向きな区のご意見をお聞かせください。費用面の問題があるのであれば、田園調布の住民への寄付を募ったり、クラウドファンディングを活用してみるのもよいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、公園つながりで、ふるさとの浜辺公園についても質問させていただきます。
     この3月、ふるはまというか、正確に言うとふるはまの隣の大森東水辺スポーツ広場では、都内で初めての常設ビーチバレー場がオープンしました。海辺に面したビーチバレー場で、周辺にはヤシの木が埋まり、大変雰囲気のあるビーチバレー場に仕上がりました。5月には、大変すばらしい天候のもとトーナメント大会が行われ、私も見に行かせていただいたのですが、初めて見た大会はプレーの迫力はもちろんのこと、大音響で流れるDJの音響によって、来ているファンの方たちは大変盛り上がっておりました。オープンしたばかりの施設なので、何点か気になることもありましたのでお聞きします。大変すばらしい5月晴れで、気温も5月としては大変高く、その日差しは、客席で見ていたのですが、5月の時点でとても耐えられるような暑さではありませんでした。どうにか観戦終了までしのぎましたが、正直干物になるかと思ったぐらいでした。松原区長も会場にお越しになられて、あのすさまじい日差しを経験されたとのことなので、お気持ちはご理解いただけると思います。  そこでお聞きしますが、都内唯一の常設ビーチバレー場として、これから大きな大会などを誘致していくことと思います。暑さ対策として観客席に屋根をつけるのが適切だと考えますが、いかがでしょうか。  もう1点、華やかにDJサウンドが大音量で流されていて、大変会場は盛り上がっておりました。一方で、近隣の方でうるさいと感じてしまったら、あのDJサウンドはかなりうるさいのかなと感じました。区としては、今後の対策をどのように考えているのか教えてください。  このふるさとの浜辺公園一帯も、将来的には民間の力を活用し、さらによい公園になる可能性を秘めた施設です。公園の指定管理者制度を活用することを望みます。  次に、毎回のように質問をさせていただいております、安心して子どもを産み育てられる大田区に向けての質問をさせていただきます。  安心して子どもを産み育てられる大田区へ向けて何が必要か、私が常にお話ししておりますのが、分娩施設の増設、保育園の待機児童解消と質の維持、また、学童保育の充実などでございまして、学童保育の充実に関しては、児童館の民営化や放課後ひろばの充実などによって、区民ニーズを満たしてきていると考えます。放課後ひろばの全校実施に向けて全力を尽くしていただくようにお願いをいたします。  いずれも毎回のように質問しておりますが、進捗が満足できない分娩施設の課題から質問をさせていただきます。  大田区では、平成26年度末で廃止される予定であった産科医療助成事業が継続され、平成30年度末まで延期されました。私も強く要望させていただいて存続した事業ですが、残念ながら、思わしい結果が出ていないのも現実であり、分娩施設の数で言いますと、調布地区は荏原病院の1か所のまま、蒲田地区に至っては、長年分娩施設がない状況が続いております。違った視点で見ると、前までは妊娠6週目と言っていたんですけれども、妊娠5週目で既に予約ができない施設が数多く存在します。これは相当異常なことでありまして、大田区役所全体としても、この問題に取り組むべきでございます。  そこでお聞きしますが、大田区の分娩施設が増えていく予定があるのか教えてください。これは私個人の考えではありますが、産科医療助成事業の1床200万円の助成では、産科を再開させる場合はそれなりに有効ですが、新規で産科を開設する場合には明らかに金額が少な過ぎますので、新規の産科開設の際には、大田区で開業しやすいような資金面でのさらなるサポートをしていくことが重要と考えますので、よろしくお願いいたします。  次に、保育園の保育士不足解消の問題点について質問させていただきます。  きのうの広川恵美子さんの代表質問におきましても言及されておりましたが、先日行かせていただいたこども文教委員会の行政視察で訪問した大阪市の待機児童対策は驚きの連続でして、後藤こども家庭部長も随行していただきましたので、よい部分は大田区でも参考にしていただきたいと思います。大田区では、昨年第3回定例会の代表質問において質問させていただき、早速、今年度入園の選考の際に採用していただいた保育園入園選考時における保育士のお子さんにおける入園選考点数の2点加点につきましてですが、来年度入園申し込みが間近に迫っている時期でもありますが、区当局として、この制度の検証と展望をどのようにお考えなのかお聞かせください。  もう1点、保育園開設の際、よく議会でも問題視される保育園の園庭問題についてお聞きします。  いろいろな議員から園庭がないのがおかしいとか、代替園庭の公園ではかわいそうなどと様々な意見が述べられてきております。大田区では、待機児解消のために量的拡充を優先しております。今年度も第2回定例会の補正予算により、新規保育園の拡充定員が700名から1100名に増強され、平成26年度待機児解消緊急加速化プランの際の1049名を超える、大田区史上最も待機児解消へ向けて全力を尽くしている年度であります。そういった中、やはり新設される保育園に園庭はついておりません。民間事業者による保育園開設が進んでおりますが、私の記憶では、きちんとした園庭と呼べる園庭を完備した保育園は皆無なのかなと思います。いかんせん空き地の少ない大田区で保育園を開設する際、ぎりぎりの土地のサイズになってしまうことはいたし方ないことではあります。ただ、やはり園庭のある保育園と園庭のない保育園とでは、誰がどう見ても園庭のある保育園のほうがよいに決まっております。この時期の子どもは、体を動かして心身を発達させるという重要な側面もあります。一方の幼稚園では園庭完備のもと、しっかりと園児たちに体を動かす環境と教育を行っています。園庭部分を見ましても、保育園より幼稚園のほうがよいのが一目瞭然ですし、三つ子の魂百までと言われる中で、民間保育園児にもできたら園庭のある保育園を開設するのが理想です。  難しい質問なのですが、毎回とか、1年に一つとかは言いません。他区の民間保育園でも、様々な努力をして園庭つきの保育園を開設しております。大田区でもチャンスがあれば、できたら3年に一つぐらいは園庭つきの保育園を整備し、近隣の園庭のない民間園と共有して使えるような取り組みを常に念頭に置いていっていただけるとありがたいのですが、いかがでしょうか。  次に、これもライフワークとなりつつありますが、医療的ケアが必要な子どもの保育園入園や小学校入学に関してですが、今年の予算特別委員会にて、こども家庭部や教育委員会に対して、しっかりとこの保育園入園、小中学校入学に対して対応するように呼びかけさせていただきました。これから増えてくることが予想され、社会問題となりつつある医療的ケア児の保育園入園や小中学校入学に対して、この半年間、大田区としてどのような取り組みが行われているのかお聞かせください。以上で質問を終わります。関心を持って聞いていただきありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からはバーチャルリアリティー、インフルエンサーの活用についての2問のご質問にお答えをさせていただきます。  まず、バーチャルリアリティー、VRの区政への活用についてのご質問でございますが、このバーチャルリアリティーは近年技術の進歩が目覚ましく、様々な場面で活用されるようになってまいりました。民間サービスでの活用はもちろんのこと、自治体や観光地においてもこうした技術を取り入れる事例が出てきており、北海道美唄市における多言語VRアプリや沖縄県における非日常を味わえるVR動画など、広くVRが活用されてございます。区におきましても、VRを用いた蒲田駅周辺の再開発後のまちづくりのイメージ画像を蒲田東口地区まちづくり協議会での説明などに活用した事例がございます。区といたしましては、今後、地域ブランド構築やシティプロモーションへの取り組みを進める中で、VR等先端技術のさらなる活用について検討してまいります。  続きまして、SNS上で情報発信力のある人物のプロモーションの場面での活用についてのご質問でございますが、議員お話しのとおり、昨年度、観光課の情報発信事業としてタイの有名ブロガーを招聘し、インバウンド観光客向けのPRを行いました。ブロガーの方には、観光情報センターでの茶道体験や商店街のグルメ体験として、雑色商店街を歩いていただき、日本文化体験としてブログに掲載をしていただきました。100万人を超える方が掲載サイトを閲覧され、区の魅力発信としての成果は十分にあったものと認識をしてございます。SNS上で情報発信力のある人物を活用して区の魅力を発信することは、広く多くの方に区の魅力を知っていただける有効な手法であると考えてございます。今後、シティプロモーションへの取り組みを含め、SNS上で情報発信力のある人物の活用などについて研究してまいります。私からは以上でございます。 ◎川上 産業経済部長 私からは、VR及びイノベーションについての質問についてお答えいたします。  先進技術への部品採用に向けた区のプロモーションに関するご質問でございますが、議員お話しのVRやドローン、AIや自動走行システムといった先進技術は、主にコアとなる技術を持つ大企業やベンチャー企業が中心となり、開発が進められております。しかし、その周辺や関連の部品、技術等に対しましては、区内中小企業が参入し、高い実績を上げております。先進技術開発等のニーズに対し、区内企業の参入を加速していくために、大田区産業振興協会では、「おおた研究・開発フェア」などのマッチングイベント等を開催し、区内企業の技術力や技術分野をプロモーションするとともに、研究機関や企業との連携、商談の機会を設けております。今年度からは、次世代の製品開発等を行う大企業の高度な技術ニーズを分析し、区内企業の技術とマッチングするニーズプル型マッチングイベントを実施し、継続的な商談にもつながっています。今後も区は、大田区産業振興協会とともに、区内企業の高い技術が生きる質の高い商談の機会を創出してまいります。  次に、区のイノベーション創出の取り組みと成果に関するご質問でございますが、多様な人材を集め、交流を活発にすることで様々なアイデアを発掘し、新しいビジネスを創造していく場として、区は産業プラザにイノベーション想像サロン「biz BEACH CoWorking」を設置しました。利用者同士が交流する場の提供だけでなく、創業や新製品・新技術開発にチャレンジする人や企業を対象としたセミナーやワークショップ、交流会等のイベントを開催することで、イノベーションの創出を促進しています。イノベーション創造サロンでの交流が製品開発につながった事例といたしましては、在宅介護サービス、食品機械の製造、印刷の一見関連が薄い企業3社が共同して車椅子の開発を行ったものでございます。また、区内企業が自社で活用されていない技術を紹介し、製品開発のアイデアを募集したところ、やはり業種の異なる「優工場」認定企業からアイデアが提案され、製品開発につながったといういわゆる「オープンイノベーション」も生まれています。区といたしましては、こうした区内企業によるイノベーションを生み出す動きをさらに加速するよう、引き続き取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎杉坂 健康政策部長 私からは、区内の分娩施設に関するご質問にお答えをさせていただきます。議員お話しのとおり、区内には分娩施設が少なく、特に蒲田地区には分娩施設がないという現状でございます。誰もが安心して住み続けられる大田区を目指すためには、区内で産み育てられる環境をつくることが大変重要でございます。区は、分娩施設の整備補助である大田区周産期医療緊急対策事業を平成30年度まで期間を延長するなど、施設整備に対する支援を行っております。引き続き、この事業について情報提供に努めるとともに、今後も病院や診療所が改築や改修を計画するタイミングに合わせてアプローチを行いまして、分娩診療の開始を働きかけてまいります。また、周産期医療にかかわる医師と区とが定期的に集まって課題を検討する大田区周産期医療検討委員会をはじめ、あらゆる機会を捉えて情報収集や情報提供を行い、区内の分娩施設増加を目指し、区民が安心して産み育てられる環境整備に努めてまいります。以上でございます。 ◎後藤 こども家庭部長 私からは、保育に関する3点のご質問に順次お答えさせていただきます。  初めに、保育士加算制度の検証と展望についてでありますが、保育士加算は、保育士の継続就労及び潜在保育士の活用を目的として、今年度の入園申し込みから導入したものであります。父または母が区内の認可保育園等に勤務または勤務が内定している保育士に対して、入園指数に2点を加点するもので、初年度は61人の方に適用され、そのうち約90%の55人の方が内定いたしました。今回の導入効果といたしましては、仮に保育士加算の2点がなかったとの仮定で試算したところ、内定者の約75%の41人がボーダーライン上、あるいは保留になる分析結果となりました。このようなことから、保育士加算は保育士確保に一定の効果があったものと認識しており、来年度においても継続して実施してまいります。  次に、園庭確保についてのご質問ですが、区では、認可保育園の新規開設に当たっては、可能な限り園庭を備えた施設整備を想定しておりますが、現状では運営コストの観点もありますが、それ以上に園庭を備えた保育園整備に必要な物件が見込めず、結果として園庭確保が大変厳しい状況にあります。なお、東京都の認可基準では、保育園近辺の場所を代替園庭として指定できることとなっており、近隣にある公園など、通行経路の安全性が確保された使い勝手のよい場所を指定しているところであります。また、18の区立拠点園や園庭のある私立保育園が他の保育園へ園庭を貸すことができる園庭開放事業も積極的に推進しております。今後も国有地や都有地に関する情報に加え、特別出張所などと連携し、民有地の情報収集にも努め、子どもたちの健やかな成長に寄与する保育環境の整備に向けて取り組んでまいります。  最後に、医療的ケア児に対する受け入れの取り組みでありますが、昨年6月の児童福祉法の一部改正で、地方公共団体は人工呼吸器を装着している障がい児、その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある、いわゆる医療的ケア児の支援に関して、保健、医療、障害福祉、保育、教育が一層の連携推進に努めることとされております。区におきましても、福祉部、健康政策部、こども家庭部、教育総務部の課長級による会議体を設置し、情報共有と庁内連携を図っております。また、こども家庭部では、係長級以上の職員による医療的ケア児のPTを立ち上げ、事務職と専門職が分野ごとに情報収集と事例研究を行うとともに、近隣実施自治体への視察を通じて諸課題を整理し、認可保育園における受け入れ体制の構築に向けた取り組みをしております。私からは以上であります。 ◎齋藤 都市基盤整備部長 私からは、田園調布せせらぎ公園とビーチバレー場に関する三つのご質問についてお答えをさせていただきます。  まず、田園調布せせらぎ公園における公園全体の指定管理者制度の導入についてのご質問でございますが、田園調布せせらぎ公園では、都市計画公園としての公園整備事業と並行いたしまして、(仮称)田園調布せせらぎ公園文化施設の整備計画を進めておりまして、現在の公園休憩所及び田園調布富士見会館の機能、さらにはゆったりと読書ができるなどの機能を付加した公園内の文化・体育施設を配置する予定でございます。現状、田園調布せせらぎ公園は、業務委託により運営しているところでございますが、新たな施設をより魅力的で使いやすい公園施設としていくためには、隣接する田園調布富士見会館を含めて管理運営方法の見直しが必要でございます。区としましては、田園調布せせらぎ公園での新たな施設整備の機会を捉えまして、近年、各自治体でも取り組んでおりますパークマネジメントの視点によります指定管理者制度など、民間活力導入による公園の維持管理、運営体制の一元化を目指した調査研究を進めてまいります。  続きまして、田園調布せせらぎ公園から田園調布富士見会館へのエレベーター、エスカレーターの設置についてのご質問でございます。両施設の間には、約10メートル程度の高低差がございまして、これを結ぶ区道であります「富士見坂」は勾配がきついため、多くの利用者にご不便をおかけしております。現在計画を進めております公園拡張整備や富士見会館の施設改修の検討を進める中では、このご不便を解消するために、既設の富士見会館のエレベーターを活用いたしました移動円滑化ルートの整備を予定しております。今後は、具体的な公園整備の調査設計を進める中で、富士見会館から多摩川駅周辺までの移動円滑化も視野に入れ、施設整備に努めてまいります。  最後に、大森東水辺スポーツ広場のビーチバレー場の観覧席への屋根の設置とDJサウンドについてのご質問でございます。ビーチバレー場は、今春の開設以来、自治体が設置する施設としましては都内で初めての施設ということもございまして、特に土日休日には多くの利用者でにぎわっているところでございます。利用者の声といたしましては、観覧席やその周辺への日よけの設置を望む声も届いてございます。しかし、現在の大森東水辺スポーツ広場は、東京都下水道局から土地をお借りしておりまして、暫定的な施設として区民の皆様にご利用いただいております。このため、現状では建築物や広範囲の屋根等の大規模な施設整備は困難な状況にございます。ただし、将来的には、区が土地を取得し、都市計画公園として本格整備する予定でございまして、その際には、観覧席への屋根の設置について検討してまいります。また、イベント開催時の音の対策でございますが、主催者には、近隣住民への広報や、実施する際のスピーカーの設置場所や音量など住宅地に配慮するよう、今後指導してまいります。私からは以上でございます。 ◎水井 教育総務部長 私からは、医療的ケアが必要な子どもの区立小中学校の通常の学級への受け入れに関するご質問にお答えいたします。  区立小中学校では、導尿などの処置を児童・生徒がみずから行うことができ、その様子を教員が見守ることで安全を確保できる場合に、通常の学級での受け入れを行っている例が既にございます。医療的ケアについては、高度な医療技術を必要とする場合から、見守りだけでよい場合まで、個々の状況により対応方法が大きく異なります。そこで、大田区教育委員会といたしましては、来年度入学予定の医療的ケアが必要な児童・生徒の把握に努めるとともに、通常の学級への入学を希望される場合には、個々の障がいの状況や必要なケアの内容等の情報を収集し、通常の学級での受け入れに必要な条件について検討している段階でございます。知的な障がいがない場合など、通常の学級がその児童・生徒にとって適切であると考えられる場合には、入念な準備を行って可能な限り通常の学級への受け入れを推進してまいりたいと考えております。 ○大森 議長 次に、14番長野元祐議員。                  〔14番長野元祐議員登壇〕(拍手) ◆14番(長野元祐 議員) 自由民主党大田区民連合の長野元祐です。  2020年東京オリンピック・パラリンピックに際するボランティアの確保、育成について、そしてせせらぎ公園総合文化施設に係る公園の整備について、桜坂の整備について、商店街の書店の振興、子どもの図書購入促進について質問をいたします。  開催までいよいよ3年を切った東京オリンピック・パラリンピック競技会ですが、その開催期間においては、過去に開催された競技会同様、多数のボランティアスタッフが運営をサポートし、また交流促進や観光面などでも活躍することになると思います。  大規模なイベント、特にオリンピックの会場となる競技施設、それに付随するインフラ整備等は、一般にレガシーと呼ばれ、将来にわたって都市機能の中で重要な役割を担っていくもの、または既存の老朽化した設備や会場などを大会を契機に更新していくものとして、新しい都市像を築いていくことも、アスリートの健闘と同じく、開催する都市の人々にとって大きな価値を生み出すものとして期待されています。  そういった物理的なレガシーがある一方で、市民がその大会運営を通じて得る経験、スキル向上などの内面的な成長も次世代へのレガシーであると言えます。1964年の東京オリンピックが高度経済成長を迎え、一般の市民が海外に目を向けて飛躍していく大きな時代の幕開けとなったように、グローバル化された今日であっても、多くの外国人、特にふだん見知ることのないような多様な国・地域からの来訪者と過ごす経験は刺激的で、人生においても運命的なものになることと思います。ぜひ、一人でも多くの区民に大会運営や来日外国人との交流、区内観光や商業の活性化など、積極的なかかわりを期待し、将来の大田区をより開かれた、躍動感のあるものにしていってほしいと思います。  2012年のロンドン大会では、直接運営にかかわる大会ボランティアとして、24万人の応募の中から選ばれた約7万人、観光案内や交流促進などの都市ボランティアとして約8000人が、プロフェッショナルとしての誇りを持って活動に参加しました。2016年リオ大会では、約5万人の大会ボランティアと1700人のシティホストが開催に協力をいたしました。これらのボランティアネットワークは大会終了後にも引き継がれ、大多数の方が大会後も継続的にボランティア活動に参加しているとのことです。  2020年東京大会では、大会ボランティアと都市ボランティアを合わせて、約9万人以上の活躍を想定しています。大会ボランティアは組織委員会が、都内における都市ボランティアは東京都が募集、研修、運営を行います。都と組織委員会は、ボランティアの運営に当たって、各自治体が組織するボランティアとの連携も視野に入れています。大田区においても、オリンピック・パラリンピック大会への機運醸成と区民参加のため、独自にボランティアを募ることとなりますが、この大田区が募集するボランティアについて伺います。  私の地元でも、「2020年大会においてボランティアとしてお手伝いしたいのだが、どうすればよいのか」との声が聞かれるようになってまいりました。外国から来られて大田区に在住しておられる方であったり、またはホームステイ経験や海外生活、仕事上で大変語学能力にたけているような方々からも強い関心が寄せられているように感じます。そういった方々は、ボランティアの中でも中核的、リーダー的な役割を担う資質・能力がありますので、ただの一ボランティアというよりも、ボランティアリーダーとして責任ある役割を期待できるものであります。  また、大田区に在住されている方であれば、地元の観光資源等にも詳しく、地理に親しいメリットがありますので、そういったボランティアリーダーとして活躍できる参加意欲が高い方には、ぜひ東京都ではなく大田区のボランティア運営にも協力をしていただけることが理想です。  東京都、組織委員会は来年夏ごろにボランティアの募集を開始する予定でありますが、大田区としては、地元に関する知識があり、語学にも堪能な区内在住の人材を先んじて確保することが望ましいと考えます。都や組織委員会による募集より早く大田区のボランティア募集を開始できるのが理想ではありますが、準備等の時間を考慮すると難しいと思いますので、少なくても、東京都、組織委員会に遅れることなく、求める人材の資質、業務の内容、規模などの概要を区民に周知しておくことが重要と思います。区の募集時期、業務内容、求める資質等についてどのようにお考えか、お聞かせください。  あわせて、ボランティアの質の確保、向上のためには、語学面のみならず業務内容、接遇などの対応力、マナー、作法などの教育が必要ですが、ボランティアの管理、教育などはどのような体制で行うのか、研修・教育プログラムの策定、実施は外部に委託するのか、行政で行うのか、大会後の活用も見据えて方向性をお示しください。  東京都、組織委員会は、「ボランティアとして活動する上で、それぞれの役割の重要性を認識し、必要な知識を習得するとともに、一体感の醸成を図るために研修を実施する」、「オリンピック・パラリンピックに関する知識など、大会ボランティア、都市ボランティアに共通して必要な研修は、都と組織委員会が連携し実施していく」としており、我が区としても、これらの研修内容を参考にしつつ、大田区独自の特色ある取り組みをつくり上げていくことを期待いたします。  次に、田園調布せせらぎ公園への総合文化施設及び体育施設の設置に伴う公園の造形について質問と要望をいたします。  先日の地域住民に対する説明会では、2回とも満員となるほど大勢の方が出席し、公園に対する地域の関心の高さが伺えたところであります。公共施設が少なく、高低差の激しい地形である田園調布におきましては、待望の駅直結の文化・体育施設の開設であり、地域では歓迎の声が非常に多く聞かれております。暗くなってから公園付近を歩くと、都心ではなかなか体験できないほどの虫の音が聞こえてきます。東急多摩川線多摩川駅の目前というすばらしい立地で、あのように自然豊かで季節の風情ある公園ですので、にぎわいのある施設とともに、六郷用水の湧水を活かした公園づくりをお願いしたいと思います。  新設される文化施設、体育施設は、現代設計の大家であります隈研吾氏がデザインされるということで、和の雰囲気を活かし木材を多用した建物になると想像されます。基本コンセプトの中では読書スペースの快適性にも力を入れており、テラスなどの屋外でも風や緑の香りを楽しみながら本を読むことができるようになるとのことです。この本を外で読むというのは、洗足池図書館で一部限定的に許されてはいるものの、コンセプトとして盛り込むのは区の施設では初めての試みであり、今までの公共の読書文化に新しい1ページを開く、すばらしいものであると思います。風が頬をなでる感覚、緑の香り、コーヒーや紅茶をたしなみながら読書を五感で堪能する、こういった空間はこの上のない贅沢であり、まさに総合文化施設の名に値するものであります。  快適な読書を五感で楽しむ環境が整う中で、少し工夫が必要になるのが音に関する部分です。公園であるわけですから、老若男女が集うにぎわいの側面と、せっかくのコンセプトである自然を活かした文化的空間という二つの視点から質問したいと思います。  せせらぎ公園の名が冠するように、公園一帯は豊富な湧水が湧き出ており、敷地内の清流は六郷用水へと流れていきます。文化施設の基本計画タイトルに「森の縁側」という言葉が使われており、整備方針にも「豊富な湧き水を活かした計画とする」とあります。ぜひ、日本庭園の縁側や大自然の中のウッドテラスでくつろぐような快適で心地よい環境を実現するためにも、この湧水の流れに高低差や落差をつくり、清流のせせらぎを耳でも楽しむことのできるような造形をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。  続いて、にぎわいの側面ですが、昨今においては子どもたちが気兼ねなくボール遊びをする空間は極めて貴重なものとなっています。ボール遊びスペースが失われていった結果、幼児や高学年児童、中学生など、体力や遊び方の異なる子どもたちが混在することとなり、非常に危険な状態となっています。現在、せせらぎ公園では、多摩川線線路沿いのエリアの広場と東門のある住宅地側、公園の中で言えば海抜の高い山側のほうの多目的広場が子どもの遊び場となっております。今回の整備により線路沿いのエリアは総合文化施設が設置される予定となっておりますので、望ましいのは、この文化施設周辺のエリアは低年齢児の遊び場のスペースとして、上の多目的広場は高学年の遊び場、大人の運動エリアはスポーツゾーン側として区別し、すみ分けをすることだと思います。  子どもが自由で安全にボール遊びができる空間も都市部では貴重であることも踏まえ、屋外読書スペースの設置が予定されている文化施設周囲の環境との調和を考慮し、上の多目的広場の使い勝手の見直しなど、子どもの安全な遊び場確保を求めますが、いかがでしょうか。お答えを願います。  次に、桜坂の整備について質問いたします。各種媒体でも大田の名所として取り上げられ、数少ない全国的知名度を誇る桜坂でありますが、現時点においては観光名所としての整備がなされているとは言いがたい現状であります。過去の質問でも取り上げてまいりましたが、改めて、この桜坂の景観維持と観光面からの整備についてお聞きいたします。  まず、桜樹木の更新についてです。桜坂に最初の桜が植樹されたのは1930年に遡り、今日までも樹木の入れ替えが行われてきました。しかし、現在の桜樹木も老齢化が進んでいるものが多数あり、継続的な更新が必要と考えます。区としまして、桜坂の桜樹木の更新についての見通しをお聞かせください。  ご存じのとおり、桜坂は、2000年に発売され、累計200万枚以上を売り上げた福山雅治さんのヒット曲により全国的に有名になりました。発売から17年たった今でも、桜の時期になると多くのファンが遠方からもかの地を訪れ、朱塗りの桜橋で思い思いに写真撮影を楽しんでいます。桜坂は環状八号線方面から沼部駅方面へ下る形の切通しの形状になっており、歩車道となっている切通し壁面両側に桜が植えられています。切通しの側道部分は住宅地における生活道路として機能しており、沼部駅側は、やや急ではありますが、歩行者や居住者の車両などが通行しています。桜橋は、この側道部分から切通しである桜坂をまたぐ形でかけられています。  この桜橋から、または桜橋をおさめる形で来訪者は写真を撮るのですが、どのように工夫をしても電柱と黒々とした架線が写り込んでしまいます。この電線の地中化は来訪者にとっても地元にとっても悲願でありまして、これが実現されればさらなる桜の名所として、また福山ファンの聖地として注目度が飛躍的に上がるのではないかと思います。私も「福山雅治に似ている」と言われたことが一度ありますので、非常に親近感を持つ者として、この桜坂の電線地中化は何としても実現したいところであります。  先ほどご説明したとおり、桜坂は切通しの形状となっておりますので、歩行者は下の坂の部分の歩道と上の側道部分の歩道を通行することができます。坂部分の歩道はガードレールなどの安全対策もなされておらず、路上駐車等でふさがれていることも多々見受けられます。この歩道部分を上の側道部分に統合することで撤去し、そのスペースを利用して電線地中化の地上機器を設置することを求めますが、いかがでしょうか。将来的な見通しも含め検討を願いますが、所見をお聞かせください。  福山雅治さんの「桜坂」が発売されてから17年もたちますが、今でも訪れるファンはあとを絶ちません。東京観光の一環として立ち寄る方も多く、このような楽曲やアニメなどの映像作品ゆかりの地をめぐることをファンの間では「聖地巡礼」と呼びます。まさしく桜坂は福山雅治ファンの聖地であるわけですが、残念ながら当地にそれを示すものは何もありません。芸能事務所などの権利者との連携が必要となりますが、全国的な知名度を持つ桜坂の現状については非常に寂しいものであると言えます。桜の時期限定でも構いませんので、福山雅治さんと一緒に写真が撮れるパネルや、歌のモチーフとなったことを示す掲示物やモニュメントを設置できないものかと思います。  新たにシティプロモーションに力を入れ始めた我が区として、観光地としての桜坂の現状についての見解と整備の必要性について、認識をお聞かせください。また、シティプロモーションの観点から、芸能事務所とのタイアップや連携について、どのような手段がとり得るか、お聞かせください。  なお、2000年に発売された「桜坂」のプロモーションビデオには桜坂は一切出てきません。ぜひ、発売20周年に当たる2020年に向けて、坂の観光整備と電線地中化を進めていただき、ご本人による桜坂ライブでオリンピック・パラリンピック直前の大田区を盛り上げ、発信してほしいと思います。  今年3月、河村健夫元官房長官を代表発起人として「全国の書店経営者を支える議員連盟」が設立されました。現在、全国の書店の店舗数は減少の一途をたどっております。平成11年の約2万3000店から平成27年で4割減の1万3500店、大田区においても平成19年の441店舗から平成26年時点で268店舗、実に173店舗、こちらも4割減となっています。  平成26年5月の統計では、書店が一店もない市町村は全国に332、全自治体の2割近くに上るとのことです。出版物自体が減っていることに加え、ネット販売や電子書籍が普及するなど、書店を取り巻く環境は年々厳しいものとなっております。現在の商店街にあるような個人経営の書店では、美容院や歯科クリニックなどに雑誌を卸したり、個人経営書店で組織された大田ブックチェーンを通じて図書館、学校などの公共施設に納入することが主となりつつあり、個人の顧客に対する小売の比率も低下傾向にあります。書店側も従来の図書カードを廃止し、新たに図書カードNEXTに切り替えるなど、アピールに努めています。  しかしながら、通勤中、通学中に本を読むことの多い社会人や学生は、その途中のターミナル駅などにある大型店舗で購入するか、アマゾンなどの通販サイトで目当ての本を注文するというスタイルがほとんどであると思います。古書店は別として、書籍はその文化的保護を目的とした再販制度により定価販売が原則ですが、ネット通販ではポイント還元などで実質的な割引も行われているのが現状です。  このように、生活パターンとして定着している、その利便性に慣れてしまっている層を商店街の書店に向かわせるのは現実的に非常に難しいものがあると思われます。しかしながら、書店はまちの風景としても、文化水準の維持や教育的観点からも、時代の流れというだけでなくしてよいものではありません。私の幼少のころを思い出しても、商店街は多くの刺激のある学びの場であり、冒険の場でもありました。親に連れられてではなく、自分のお小遣いで自分のものを買いに行くというのは、地元の駄菓子屋やおもちゃ屋、文房具店、そして書店でありました。  昨今では、置く場所をとるからとの理由などで、本を購入するのではなく図書館で借りるスタイルが増えているとの話も聞きます。区内の図書館における過去10年間の図書貸出数推移を見ても、平成19年度の388万冊から年々増加し続け、昨年度は561万冊と、10年間で172万冊も増えているということも、このことを裏づけています。また、低年齢児用の本は汚してしまうことが多いため、借りるのでなく購入するという話も一昔前となりつつあり、現在ではそれすら大人用のタブレット端末やスマートフォンでの動画視聴やゲームに取ってかわられつつあるのが現状です。  幼い時期から自分の本を持つということは、とても大切なことであると思います。本を単なる情報と見るのではなく、みずからの糧となる財産として所有するという感性を育むことも人格形成の上で大切になります。今回の質間に当たり、改めていくつかの書店をのぞいてみましたが、思いのほか児童書が充実しているところが多いことが印象的でした。社会人になるとどうしても大型の書店に慣れてしまい、つい個人経営の書店に対しては、品ぞろえが少ないとの印象や固定観念が強くなりがちですが、しっかりと地元で必要とされているニーズには応えられているということに認識を新たにするところでございました。まちの本屋さんは子どもと非常に親和性が高く、また重要な存在であると考えますので、今回は大人ではなく子どもに地元の本屋さんに行ってもらい、自分の本を持ってもらうという観点からお聞きいたします。  従来、学校における読書教育は本を読むことに主眼が置かれ、本を持つということには目が向けられておりませんでした。学校としても、様々な家庭環境があることに配慮しなければならないため、何かを買いましょうと指導することは難しいと思いますので、教育委員会としては、PTAなどの任意団体の活動の中で、周年行事や入学式、卒業式、2分の1成人式などの各種行事で配付する記念品の一案、一選択肢として、新しくなった図書カードNEXTの活用を紹介、サジェスチョンをしてみるなどの働きかけを行ってほしいと考えます。QUOカード同様、図書カードNEXTも表面のデザインを任意のものにすることができますので、学校や行事に合わせたデザインにするとともに、「地域の本屋さんに行ってみよう」などの印字やメッセージカードを挿入するなどの工夫を加え、大型店舗ではなく地元の書店に足を向けてもらえるように促していただきたいと思います。  これらはあくまで一案でありますが、子どもたちに商店街の書店に親しみを持ってもらい、本の購入を促進するための施策についての見解、図書館、図書室の貸し出しだけではなく、本を所有する喜びや習慣をどう定着させていくか、お考えをお聞かせください。  私が学生時代から利用していた紀伊國屋書店新宿南口店も閉店し、革新的な空間を提供するTSUTAYA書店が登場するなど、大手の書店チェーンでも生き残りのために必死の取り組みを始めています。小さいときに本に触れず、タブレットなどで育った子どもたちは、成長しても紙の本への親しみや愛着が生まれなくなるのではないかという危惧があります。知的・文化的活動の一環としての読書習慣を幼少時に経験することができないということは、後のスマホ依存の一因となり、新聞などもネットの記事で代替できるという価値観を持つことにつながります。書店を取り巻く環境は厳しくなる一方ですが、読書文化の維持発展は文化・教育水準の維持発展と同義でありますので、大田区としても、ぜひ小さいころから自分の本を持つことの大切さを広め、書店振興にも一層のご尽力をお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、桜坂における整備の必要性と今後のプロモーション手法についてのご質問にお答えをさせていただきます。  桜坂は、桜の時期には多くの皆様が花を愛でに訪れる桜の名所となってございます。また、桜坂は、楽曲「桜坂」のモデル地として広く皆様に知られているところでございます。区といたしましても、桜坂を楽曲の知名度とともにプロモーションしていくことは、区の認知度向上や区内の回遊性を高めていく上で大変有用であると考えてございます。今後、桜坂の地域資源としての整備も含め、地域ブランド構築やシティプロモーションの要素として検討していくとともに、桜坂のプロモーション手法におきましても、議員お話しの芸能事務所など民間事業者との連携の可能性について探ってまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。 ◎町田 スポーツ・文化担当部長 私からは、オリンピック・パラリンピックに関するボランティアについての二つのご質問にお答えを申し上げます。  ボランティアの募集に関するご質問ですが、区では、2020年のオリンピック・パラリンピック大会時やブラジル国の事前キャンプなどで、最良のおもてなしができるよう、区独自に空港や駅周辺での案内やスポーツ大会での支援など、観光、スポーツ、国際交流の各分野でのボランティア募集を検討しております。また、2020年大会の1年前に実施が見込まれてございますブラジル国の選手によるテストイベントの機会にも、実際にボランティア活動してもらいたいと考えております。そのためには、来年早々に区のボランティアについての広報活動を行い、ボランティア活動への機運醸成を図り、その後、来年秋ごろにボランティアの募集を行う予定でございます。ボランティアには、大田区に来訪される国内外の皆様に対するおもてなしの気持ちや、オリンピック・パラリンピック、あるいはスポーツに興味のある方に応募いただきたいと思ってございます。あわせまして、ボランティアの経験のある方や、区内の情報や語学力といった知識・能力をお持ちの方にも区で活躍していただきたいと思っております。  次に、ボランティアへの教育に関するご質問でございますが、区の観光情報などの研修には、区内各地でボランティアを行っている区民団体と連携をして取り組みたいと、まず思っております。また、議員お話しのような作法、マナーや接遇、語学などは、そのような専門分野の人材育成を得意としている教育機関に、また、ボランティア全体の企画、運営、管理などについては、大きなスポーツ大会などでボランティアの管理、支援のノウハウや実績のある事業者の活用を検討しております。ボランティア活動に携わっていただく方には、観光や文化の面で多様な団体との連携など、大会後もご活躍いただけるよう検討してまいります。そのように継続していくことが、今後の国際都市おおたの取り組みにもつながっていくものと考えてございます。私からは以上でございます。 ◎齋藤 都市基盤整備部長 私からは、田園調布せせらぎ公園と桜坂に関します四つのご質問について順次お答えをさせていただきます。  まず、田園調布せせらぎ公園の水のせせらぎの音が楽しめる造形についてのご質問でございます。田園調布せせらぎ公園の湧水と崖線の緑が織りなす自然の情景は、田園調布せせらぎ公園の宝物であるとともに、区民の貴重な財産でございます。これまでの公園整備に当たりましても、湧水地や崖線の緑の保全を最重要課題と位置づけまして、既存の流れや池、滝なども活かした公園づくりを進めてまいりました。新たな文化施設の計画の検討を進める中でも、崖線沿いの遊歩道を湧水や流れを活かした「はけの道」として位置づけてございます。この崖線沿いに流れる「水みち」である「はけの道」では、せせらぎの音が楽しめるように、流れの勾配に変化を持たせたり、堰を設けるなど、水に動きのある造形の工夫を凝らしまして、かつてのいわゆる谷戸の情景を少しでも後世に伝えてまいります。  次に、田園調布せせらぎ公園での子どもがボール遊びができる場所の確保に関するご質問でございますが、田園調布せせらぎ公園は、これまでの整備に当たりまして、多くの区民の意見を時間をかけて伺いながら現在の利用形態となってきてございます。特定の施設をつくり込むことなく、水と緑に囲まれた自然の中で子どもたちが伸び伸びと遊べるとともに、高齢者から子どもまで憩い、集え、自然と触れ合える場として、既存の施設を活かしながら整備に取り組んでまいりました。今回の文化施設の整備計画では、公園拡張整備に向けた用地確保にも努めてございます。今後は、地域住民や公園利用者の声をさらに伺いながら、田園調布せせらぎ公園全体計画の見直しを進めていく中で、子どもたちが安心して元気にボール遊びなどができる場所の確保についても検討をしてまいります。  次に、桜坂の桜樹木の更新についてのご質問についてでございます。区では、平成22年度に自治会並びに町会の方々とともに「桜坂の桜を考える会」を開催いたしました。区内でも有数の桜の景勝地でもある桜坂の桜をいかに後世に残していくか、「桜坂の桜を考える会」の方々とともに検討を行いまして、樹木医からのアドバイスも受け、意見集約を行ってまいりました。そのご意見やご要望を受け、「桜坂の街路樹整備計画」を策定してございます。これに基づきまして、街路樹整備として平成23年度から着手をいたしまして、平成27年度までに8本の伐採と5本の植樹を行いまして、当初予定した計画を完了いたしました。今後も、桜の経過観察を継続的に行うとともに、さらに新たな維持更新計画策定に向けまして取り組むことを検討してまいります。  最後でございますが、桜坂の坂部分の歩道を撤去し、スペースを確保して電柱地中化を実現できないかというご質問についてでございます。電線を地中化し電柱をなくす無電柱化につきましては、良好な都市景観を創出するだけではなく、安全で快適な歩行者空間の確保や都市防災機能の強化などの効果がありまして、区としても推進すべきと認識しております。このようにメリットの多い無電柱化でございますが、これを行うためには、電柱に載っている変圧器などの地上機器を歩道上に設置することが必要になります。このため区では、2.5メートル以上の幅の歩道を確保できる箇所におきまして、順次無電柱化を進めている状況でございます。  一方、議員お話しの桜坂は、切通しのような地形となってございまして、幅8メートル程度の道路を車、自転車、歩行者が通行している状況でございます。ここに地上機器設置に必要な2.5メートル幅の歩道を確保することが困難であることから、現状での無電柱化は難しいと考えております。このため区としましては、設備のコンパクト化などの技術革新に関する動向を注視いたしまして、新技術の有効活用を図りますとともに、周辺の状況に応じた地上機器設置のための工夫なども検討しながら無電柱化を推進してまいります。ヒット曲の歌詞にもなりました桜坂は、大田区のすばらしい観光資源の一つと考えてございます。技術的な課題などの解決にめどが立ち、地形的な課題も克服できれば、景観向上に寄与する路線として無電柱化の優先順位が高いというふうに考えてございます。私からは以上でございます。 ◎水井 教育総務部長 私からは、子どもたちが地域の書店に親しみを持ち、本の購入を促進するための施策についてのご質問にお答えいたします。  子どもたちが学校の図書室や区立図書館等から本を借りて読むだけではなく、本を購入して手元に置いて読むことは、本への愛着を深めるとともに、繰り返し同じ本を読むことで内容を深く理解することに役立ちます。また、多くの本に触れられる書店が地域の中に数多く存在し、気軽に訪れて実際に本を手にとって選ぶことができる環境は、子どもたちの本への興味や関心を育て、読書に親しむ機会を広げます。このように、子どもたちの目を地域の書店に向けさせることは、読書生活にさらに豊かさを加えるものになると考えております。  子どもたちに地域の書店に関心を持たせる取り組みとしては、書店の団体が作成した読書啓発ポスターを校内に掲出することや、小学校については生活科の町探検の学習の中で地域の書店を訪問させることが考えられます。また、中学校においては、書店に職場体験の受け入れ先になっていただくことで、地域の書店への興味や関心を育て、購買行動へと結びつけていくことが考えられます。区立図書館においては、読書に関するイベントを実施していますが、地域の書店の方にこのイベントの講師になっていただき、子どもたちにお勧めの本の紹介や、書店経営の苦労や体験を話していただくことで、地域の書店のよさに気づかせることなどが考えられます。教育委員会におきましても、学校や区立図書館におけるこれらの取り組みにより地域の書店を応援することで、子どもたちの中に本を所有する喜びや本への愛着を育んでまいりたいと存じます。 ○大森 議長 次に、47番奈須利江議員。                  〔47番奈須利江議員登壇〕(拍手) ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  今から10年前、2007年の11月、東京労災病院から大田区に、環境被害が疑われる胸膜プラーク5名、中皮腫1名、石綿胸水及びその疑いの方2名が、昭和63年まで操業していた大森南の旧宮寺石綿の周辺に出ているという情報提供がありました。  アスベストは耐火性、防音性などの特徴を持ち、安価であることから広く建材として使用されてきました。1ミクロン以下の極めて小さな繊維で、吸い込むと中皮腫や肺がんになるおそれがあります。長い期間、高濃度のアスベストを吸い込めば健康被害のリスクが高まるのは確かですが、どれだけの量を吸ったらいつ発症するかといった点については明らかになっておらず、吸い込んでもすぐに発症しないため、因果関係を証明するのも簡単ではありません。報告された2007年と言えば、その2年前の2005年に兵庫県尼崎市のアスベスト工場クボタ周辺の環境被害が明らかになって間もない時期でもあり、多くの区民がこの報告を不安な気持ちで聞いたと思います。労働災害だったアスベストが環境被害の問題でもあることが広く知られるようになった時期だったのです。  こうした社会的背景や区民の不安に応える形で、2008年2月から3月にかけて、大田区は、周辺の大気中のアスベスト濃度の調査とともに近隣住民の問診と胸部エックス線の健康調査を行い、「大田区におけるアスベスト健康調査報告書」としてまとめています。受診者916名のうち、大森東四・五丁目、大森南一から五丁目に住んでいて、昭和63年以前にも居住歴のある住民862人が調査対象となりました。  調査報告書は、「京浜工業地帯の一角をなしてきたことを考えると、原因企業は特定できないものの、一般環境を経由した石綿ばく露の可能性は否定できない」とした上で、アスベスト被害者を出している尼崎市27.5%、鳥栖市5.4%、泉南市地域23.9%のアスベストを吸った痕跡である胸膜プラークありの数字と比較し、大田区の胸膜プラークありが1.5%だったという数字から、「他の地域に比べアスベスト関連疾患リスクが高いとは言えない」と言っています。  しかし、受診者が多く、居住年数に差があることや、CT検査を全員に実施していないことから、「他の地域とは単純に比較できない上、この地域に胸膜プラーク所見ありの方が9人いたことは重要な事実である」と人数に注目し、「今後も注視していかなければならない」と考察しています。その上で、「区外転出者が少なからずいるため、区単独で対応することは困難だ」とも指摘しています。平成21年から現在まで大田区がフォローアップ検診を行ってきたのも、当時の検診に基づく報告書の結果を重要視してきたからです。  そこで伺います。大田区は、このアスベストフォローアップ検診についてどのように評価し、課題をどのように捉えていますか。  東京労災病院の呼吸器内科部長で、アスベスト疾患センター長を兼務されている戸島洋一先生は、2013年までのフォローアップ検診結果から、「大田区石綿工場にかかる近隣ばく露と職業性ばく露の関与についての調査研究」という論文で、工場から約500メートルに居住する環境ばく露での発症の可能性がある良性石綿胸水の方がいたことから、十分な調査が必要。また、環境再生保全機構の2006年から2010年までのばく露状況調査報告書の中で、中皮腫として認定を受けたもののうち、近隣ばく露、環境ばく露が疑われる中皮腫発症者が、環境被害の発生しているアスベスト工場のある尼崎市で155人、泉南地域で15人、横浜市鶴見区で10人、奈良県王寺町・斑鳩町で10人、北九州門司区で10人に対し、大田区の旧石綿工場周辺で9名で、中皮腫の潜伏期間の長さを考慮すると、「今後も注意が必要である」と考察しています。その上で、「石綿工場周辺住民は、石綿関連疾患を発症するおそれがあるので、今後も検診などで経過を見ていく必要がある」と結論づけています。  一方、環境再生保全機構の石綿健康被害救済制度の平成18年から27年度の報告書を見ると、アスベスト救済法の認定を受けた方及び当該指定疾病が原因で死亡した方の都道府県別の累計最長居住歴者は、兵庫県が最も多く、次いで大阪府ですが、3番目が東京都です。  そこで伺います。東京都の中で大田区が最長居住歴の方がどのぐらいの人数いるのか、また、東京都内の中でどれぐらいなのか把握していますか。  大田区は、東京都の中で人口が一番多い世田谷区よりも、2番目の練馬区よりもアスベストの環境被害の疑われる中皮腫などの認定数が格段に高いのです。私は、環境省が行っている石綿救済法の附帯決議に基づく石綿ばく露者の健康管理に係る試行調査をすべきと考えていますが、この試行調査を行っている自治体は東京都に一つもありません。大田区のフォローアップ検診実施状況を見ると、受診者は、最初の調査の翌年2009年に91人、2010年に52人と少なくなっていますが、それでも近年は大体30人が受診しており、フォローアップ検診が区民の健康不安に応える大切な役割を果たしていることがわかります。  一方、検診結果で気になるのが、胸膜プラークの所見があった受診者が、2013年の15人を底に2016年には18人に増えていることや、にもかかわらず新たな受診者がゼロの年もあるなど、検診が広がっていないことです。アスベストの製造・使用は現在全面的に禁止されていますが、過去につくられ使われてきた特に建材のアスベストが、改修や解体で飛散するリスクが高まっていて、環境被害者は操業する工場周辺だけでなく、区内全域に広がっていく可能性があります。
     「石綿健康被害救済制度における平成18〜25年度被認定者に関するばく露状況調査報告書」の大田区に最長居住歴のあるものを町名別に分類した資料を見ると、確かに大森南、大森東、大森西、大森中あたりにかけて認定された方たちが多く住んでいたことがわかるのですが、意外と多かったのが中央です。大田区の調査対象となったアスベスト工場旧宮寺石綿のあった大森南が10名、大森東全体で5名ですが、中央全域で7名です。アスベストによる中皮腫や肺がんなどの方が区内全域に広がっている可能性があるということです。  試行調査は今後の被害者の早期発見、被害実態の全体像の把握などに役立てられます。調査は平成27年度から31年度の5年間ということになっていますが、対象自治体での(仮称)石綿検診の実施を見据えたものです。都内でも最長居住歴の認定者が最も多い大田区が試行調査に移行することにより、区民負担は1000円から無料になり、低線量CTによる検査と建物アスベスト被害者等を含む新規受診者の拡大を図ることは、アスベストによる健康被害や健康不安を持つ区民のために重要で、大きな意義を持ちます。  2008年の大田区の調査報告書が「区外転出者が少なからずいるため、区単独で対応することは困難だ」と指摘していたとおり、こうした国の試行調査に移行することは、さらに他の対象地域の調査結果との比較対象や分析を共有し、石綿関連疾患の早期発見、早期治療に向けた行政の対策を進めるためにも必要不可欠なものです。試行調査の根拠法であるアスベスト救済法を成立させた当時の環境大臣、小池百合子氏が現在東京都知事になっていることを考えれば、この試行調査は東京都として当然手を挙げるべき調査です。  そこで伺います。宮寺の周辺住民を対象に始まったアスベスト検診ですが、環境省の石綿ばく露者の健康管理に係る試行調査を実施するなど、都内で最も環境被害の疑われる中皮腫などの認定者が多い大田区として、アスベスト検診・調査を広げていくためにどのように取り組んでいきますか。  アスベストの使用は禁止になりましたが、過去に使用されたアスベストはまだ私たちの身の回りに存在しています。1970年から90年代は年間約30万トンのアスベストが輸入され、年間20万トン程度のアスベストが建築物に使用され、現在これらが解体により排出されています。平成28年に大田区に届けられた解体件数は1249件、うちアスベスト含有建材が使用されていると届けられたのは3分の1にも満たない372件でした。飛散防止策をとらずにアスベスト建材が解体され、建設リサイクル法によりリサイクル砂利として出回れば、アスベストは大気中を拡散し続けることになります。  近年は東日本大震災などの建物の倒壊で飛散したアスベストの被害も問題になってきています。試行調査をすることは、認定者が都内で最も多い自治体として、まさに大田区保健行政が取り組むべき課題と考えます。アスベストは産出国で有害性が明らかになっていたにもかかわらず、それを国民に知らせず、使い続けた国の責任を指摘する声もあります。目に見えないリスクだからこそ、気づいた行政には被害を拡大させない責任があります。  そうした意味では、羽田空港の飛行ルート変更に伴う都心上空低空飛行の安全確保において、羽田空港立地自治体大田区が果たすべき役割もまた大きいものがあります。9月7日、8日、成田空港に着陸した全日空の同じ航空機の同じ脱出用シューターを収納する胴体パネルが落下していたことがわかりました。原因は脱出用シューターを膨らませる高圧ガスが漏れていたからで、過去にガス漏れによるパネルの脱落は起きたことがないそうです。  羽田空港の飛行ルート変更について、国は安全策を重要視していて、特に部品や氷などの落下物の問題については、点検する、ヒーターをつけるなどと言ってきました。予測し得るリスクは対処することで一定割合改善ができますが、それでも不安は払拭されず、新飛行ルート廃止の声はやみません。しかし、今回のような予測し得ない事象は、国も航空会社も対処することができません。国の安全策は、こうしたこれまで起きたことのない、予測し得ない事象の安全確保はしていないことが明らかになったわけです。  現在、離着陸に東京湾を最大限に活用する「海から入って海へ出る」、「モノレールより陸側は飛行しない」、「密集市街地は一定程度の高さを確保して飛ぶ」といった安全策がとられているのも、こうした予測し得ない万が一に備えたリスク回避と言えますが、これを手放そうとしているわけです。  そこで伺います。航空会社の整備方法など、安全確保策が明らかになるまで飛行ルート変更は国に留保させるべきではないでしょうか。このまま大田区長は新飛行ルート案を認めますか。  岩波書店の「世界」今月10月号の記事に、2005年のD滑走路の環境アセス準備書に大田区が「内陸部飛行ルートについて予測をし評価を行うべき」、「深夜早朝の飛行について早期に説明すべき」と書かれていたが、当時、区はその内容を区民に知られることを嫌い、非公開扱いにしていたという記述があります。仮にこれが事実なら、大田区はリスクを区民から遠ざけるのではなく、広く公開し真摯に取り組むべきです。  そこで伺います。今回の事故を踏まえ、区民の命や安全を守るため、国の新飛行ルート案について、単に国に安全策を要請するだけでなく、大田区長として何をしますか、お答えください。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎渡邉 保健所長 私からは、アスベストによる健康被害等に関するご質問に順次お答えいたします。  アスベストフォローアップ検診の評価と課題についてですが、平成19年度に以前アスベスト関連工場があった場所の周辺住民の方を対象として健康調査を実施いたしました。平成21年度から毎年度、この健康調査の対象者に加え、職歴などからアスベストによる健康不安を抱える区民を対象として区独自に検診を行っております。平成28年度までの8年間で339名の方へ検診を行い、このうち19年度の健康調査対象者は305人です。継続した検診機会の提供により、区民の健康不安の解消につながっていると考えます。一方、健康調査実施後、新たに検診を受診した方は34名にとどまっていることから、アスベストによる健康被害や検診等の区の取り組みについて、広く周知をしていく必要があると考えております。  次に、独立行政法人環境再生保全機構の調査報告書における環境ばく露等による健康被害者の中で、大田区が最長居住歴である方の人数についてでございますが、平成18年度から27年度までの累計で22名いらっしゃいました。また、東京都全体では183名で、大田区が一番多くなっております。  次に、アスベスト検診・調査を広げていくための取り組みについてでございますが、アスベストによる健康被害に関する正しい知識や早期発見の重要性について、区民へより普及啓発を進めることが大切であると考えております。現在、アスベストによる健康被害の状況や、区内全域の区民を対象にした区独自の検診、国のアスベスト被害救済制度などについて、ホームページにより周知しているところです。今後も、区報の活用やホームページのさらなる充実などにより、広く区民全体への普及啓発に取り組んでまいります。私からは以上です。 ◎白鳥 空港まちづくり本部長 私からは、機能強化に関する2点のご質問に答えさせていただきます。  飛行ルート変更についてのご質問ですが、空港及び航空機の安全確保は現状においても大変重要な課題であり、国や関係国際機関等による適切な仕組みづくりと、運航や整備の現場における点検作業等の着実な実施が必要不可欠なものと理解しております。今回の機能強化提案について、国は平成28年7月に「環境影響等に配慮した方策」を公表し、安全確保策も示しておりますが、区といたしましては、安全確保策は現状においても重要であることから、その具体化と早急な対応を求めております。なお、既にご説明申し上げたところでございますが、航空機の飛行ルート変更に関しては、今回の国の提案である飛行経路の設定や国際線の増便等は国家としての航空政策であり、しかるべき手順を踏みながら国の責任において判断していくものと理解しております。  次に、新飛行ルート案について、区は何をするかとのご質問でございますが、当区は羽田空港所在自治体として、空港及び航空機の安全確保は大変重要な課題であると考えております。そのため区では、平成28年6月に国土交通大臣宛てに羽田空港の機能強化に関する要望書を提出し、とりわけ航空機の安全対策については、落下物を防止する具体的な実効策を検討するよう要請いたしました。このような当区の要望も踏まえ、平成28年7月に国は「環境影響等に配慮した方策」を策定し、航空機の安全対策として、外国航空機を含め航空機の安全な運航を確保するため、安全監督等に引き続き万全を尽くすとともに、新飛行経路の運用に際しては、羽田空港に乗り入れる航空会社に対して、安全対策の徹底を要請するなどとしております。区は、国が示したこのような方策に対して、平成29年5月、本年5月に再度国土交通大臣宛ての要望書を提出し、安全対策、特に落下物については、対策の具体化と早急な対応を求めてきたところであります。  なお、成田空港における全日空機のただいまのご質問にもありました部品脱落について、国土交通省に確認したところ、8日に大連から到着した全日空機の左主翼上の非常口の脱出スライド収納箇所のファイバーグラス製パネルが脱落していたことが点検時に判明したもので、同一の航空機が前日にも同じ箇所のパネルを脱落させており、全日空が原因を究明中とのことですが、全日空は、同一のパネルを使用している15機について、パネルとめ具の詳細点検を毎日実施することとしており、国はこのことを引き続き確認し、必要な指導を行うとともに、同一の部品を使用している日本航空に対しても同様の対応を行うよう指示しております。この分野に関する区の知見を高めるとともに、改めて申し上げますが、空港及び航空機の安全確保は大変重要な課題でありますので、引き続き国に対して総合的な対策の実施を強く要請してまいります。私からは以上でございます。 ○大森 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後3時8分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後3時30分開議 ○大森 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、会議時間を延長しておきます。  質問を続けます。37番荒尾大介議員。                  〔37番荒尾大介議員登壇〕(拍手) ◆37番(荒尾大介 議員) 日本共産党大田区議団の荒尾大介です。  まず、大田区の介護保険事業について質問します。  厚生労働省が国会に提出した「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」が、今年、自民党、公明党などの賛成多数で成立しました。この法律は、いわゆる医療介護総合確保法の成立を受けて、高齢者を医療から介護、介護から新総合事業、最終的には介護からの卒業を強いるものであり、そのプロセスの中で公助を減らし、自助、互助を地域や高齢者に押しつけ、公的責任を曖昧にし、安上がりで済ませようとするものです。政府は、2015年の介護保険制度の改悪による影響を検証すると言っていたにもかかわらず、それをしないで、さらなる制度改悪を進めようとしています。  年間収入が単身者で340万円以上、夫婦世帯で460万円以上の人たちが対象のサービス利用料3割負担の導入、自治体に対しては自立支援、重度化防止で成果を上げた区市町村に財政的な優遇を与える仕組みの強化、要介護度を改善させた事業者に対しての成功報酬の導入、自立支援に成果の上がらない事業者への報酬減額、新たな共生型サービスという障害福祉サービスと介護保険サービスの一体化、65歳を過ぎた障害福祉サービス利用者の介護保険優先原則による自己負担、利用制限の増加、サービス打ち切り・縮小など、個人の尊厳や権利を踏みにじり、老後の安心を奪い去る中身となっています。  政府は、毎年高齢化に伴う社会保障の自然増分を約5000億円に抑制するという方針を打ち出し、来年度から高額療養(医療)自己負担上限額の引き上げや、40歳から64歳の第2号被保険者、現役世代の介護保険料の総報酬割の導入などを実施します。介護サービス利用料が1割から2割負担になり、負担が増えたことから、デイサービスの回数を週2回から1日に減らさざるを得なくなった方や、肢体不自由の障がい者の方が、65歳になった途端に介護保険優先原則のため、要介護認定をした結果、要支援1と判定され、使えるサービスがなくなったなど、社会保障の負担増やサービス抑制に不満の声が沸き起こっています。  人は年齢を重ねることで心身が衰えていきます。それによって要介護状態になった場合に、人としての尊厳を保持しつつ、有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう支援することを目的としているのが介護保険制度です。しかし、今、政府が進めているのは、自立支援という名の介護保険からの追い出しです。大田区が準備をしている介護予防応援評価事業は、自立・改善に向けて介護予防に取り組んだ利用者及び事業所を評価・応援すると言っていますが、これによって自治体は財政的優遇を得るために要介護認定率の引き下げをより推進し、事業所は成功報酬を得るために、介護状態の改善が見込める利用者を優先的に選別するような事態が起こることが予想されます。そうなってしまうと、本来介護サービスが必要となる利用者に適切なサービスが行き渡らなくなり、重度化を招き、財政の悪化は免れません。これでは何のための介護保険なのか、保険あって介護なしの状態がさらに悪化し、名ばかりの介護保険制度になってしまいます。  保険者たる大田区は、国の悪政から住民の健康と福祉を守る防波堤としての役割を果たし、国に対して、介護を社会的に支えるという当初の制度理念に立ち返った介護保険の抜本改革をするよう強く求めるべきです。お答えください。  次に、介護労働者の実態に即した改善策について質問します。介護の現場で働く人材の確保について、各事業所が大変な苦労をしているという声は以前から聞かれていますが、その実態は非常に深刻なものです。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2016年の介護職員の平均賃金は月22万8300円で、前年との比較で4800円増えていますが、それでも全産業平均の33万3700円と比べると約10万円も下回っているという低水準が続いています。低賃金の上、長時間労働が常態化している過酷な労働環境のため、離職率も16.8%と、こちらも他の職種と比べ高い割合となっています。担い手が不足すれば必要なサービスが受けられないなど、サービス受給権を侵害することにもつながります。昨年開所した大森西の特養ホームが、職員を確保できずに開設を一月遅らせるという事案が発生したのも、もとをたどれば介護職員の低賃金と、それに見合わない過酷な労働環境などが影響していることは明らかです。このような事態が、今も区内に1000名を超える特養待機者の方々がいることから、利用者である区民にとっても悪影響を与えたことは残念でなりません。  政府は、介護職員の賃金引き上げのために2009年度から介護職員処遇改善交付金を創設、2012年度からは利用者負担を導入した処遇改善加算に改められましたが、これによって2009年度から2015年度までの計4回の報酬改定で合計月額4万3000円の賃上げ効果があったと説明していますが、国会で我が党の議員の質問に対し、国が実際には手当や一時金を除いた基本給の増額は2950円で、この4回の改定の合計で約1万3000円増えただけになっていることを認めています。このような状態では処遇改善がなされていると言えないのではないでしょうか。  私は、昨年の第2回定例会の一般質問でも介護職員の処遇改善を求めてきました。区は処遇改善加算で対応しているからと考えているようですが、実態がこのようでは制度そのものがあってないものと等しいのではないでしょうか。東京都も処遇改善のため、ようやく昨年2016年度から、介護人材確保定着と事業所の地域災害福祉拠点としての機能を推進する目的で、東京都介護職員宿舎借り上げ支援制度をスタートさせましたが、認知症グループホームなどの地域密着型サービス、公立や新総合事業の事業所は対象外、助成規模が全都でたった424戸、福祉避難所に指定された1施設につき対象がわずか4戸、宿舎の場所が事業所の半径10キロ圏内、期間4年間など制限が多く、活用しにくいものとなっています。実態に即した制度の充実が必要です。  東京都介護職員宿舎借り上げ支援制度を活用しやすくするよう東京都に求めるとともに、保育士応援手当と同様の区独自の介護職員応援手当を創設することを強く求めます。お答えください。  次に、第7期介護保険事業計画における新総合事業について質問します。大田区は、来年度からスタートする新しい「おおた高齢者施策推進プラン」第7期介護保険事業計画の策定作業をしているところですが、先にも述べたように、要介護認定の引き下げ、サービスの切り捨てなど、国が進める施策に合わせて新総合事業の具体化を進めてきました。今年、新総合事業の新たな事業構成が報告されました。訪問型はA、ともに行う生活援助サービス、B、大田区絆サービス、C、訪問型機能訓練サービスの3種類、通所型はA、機能訓練特化型サービス、生活機能向上型サービスの2種類が新たに実施されています。これは介護保険事業の予防給付の訪問・通所サービスに代わるものとしてスタートし、経過措置として保険サービスと同等のみなし事業は今年度で終了、来年度からは全て新事業に移行することになります。  これらの新事業の大きな問題点は、保険から自治体の事業となり、保険サービス基準を緩和して行うサービスとして実施されることです。訪問型Aの役割が「自立した生活に戻す支援」と位置づけられ、サービスの担い手はヘルパーなどの専門職以外のヘルパー資格のない人でもできることも可能であることから、費用を抑えた安上がりサービスが増えることで保険サービスからの後退を招き、本来の自治体が負う義務も曖昧になり、介護予防どころか、逆に介護度悪化を招くものとなります。  新総合事業は地域支援事業として、内容、基準は自治体の裁量に委ねられていますが、岡山県倉敷市では、2016年度から新総合事業をスタートさせ、訪問・通所とも、みなしと同等のサービス内容、報酬単価、人員基準で実施をしています。自治体の努力でサービスを維持することは十分に可能です。大田区としても、サービスの総量を維持する必要があるとの認識であるならば、みなしサービスを継続することこそ進むべき道です。大田区がやることで、高齢者だけでなく事業所を支えることにもなります。国の基準にただ沿うだけではなく、高齢者福祉を守り発展させるためにも、今こそ自治体の役割を発揮すべきです。  第7期事業計画を実施するに当たり、訪問・通所サービスとも、みなし事業と同等のサービスを設け、高齢者の方が安心してサービスを受けられるよう区の責任を発揮すべきです。お答えください。  次に、小中学校の教職員の長時間労働問題について質問します。  我が党は、教員は労働者であるとともに、教育の専門家であり、崇高な職務の担い手であると考えています。文部科学省は今年4月28日に2016年度の教員勤務実態調査結果の速報値を公表し、国が示す過労死ラインに達する月80時間以上の残業をした教員は、中学校で57.7%、小学校で33.5%に上ることが明らかになりました。1週間の平均勤務時間は、小学校57時間25分、中学校は63時間18分と異常な長時間労働が放置されている状態です。校長を含めた全ての職種で10年前と比較して勤務時間が四、五時間増えており、その原因としては事務作業やトラブル対応の増加、中学校では土日の部活動にかかわる時間の増加が挙げられています。  先日、区内の小学校に勤務している教員の方からお話を聞く機会がありました。ほとんどの小学校では、朝8時15分勤務開始、16時45分勤務終了。管理職からは出勤時間が厳しく管理されている一方、勤務終了時間については、16時45分を過ぎても会議が長引いたり、職員作業が入るなど全く管理されていない放置された状態で、管理職からも退勤を促されることもありません。残業代も出ません。  この学校のほとんどの先生は7時半から8時に出勤、退勤は19時半から21時半と、1日12時間以上連日勤務をしており、給食の時間は子どもたちと一緒に教室で食べ、昼休み、中休みも宿題のチェックや子どもたちと一緒に遊ぶなど、休憩はほとんどありません。下校後は教室の片づけ、会議、プリントの採点、事務作業などの業務があり、「7時間45分の正規の勤務時間で終わらせられる業務量ではない」と切実に訴えられました。  この教員の方は、子育て中ということもあり、遅くまで学校に残れないため、自宅に仕事を持ち帰って2時間ほど残業しているということです。連日の長時間勤務で週末になると疲労が蓄積し、朝起きられなくなることもあるそうですが、子どもたちのことを考えると、授業や学級運営に悪影響を及ぼすわけにはいかないとの思いから、無理を押して日々の仕事をこなしています。  これは、ほんの一部の特殊なケースではなく、多くの教員の皆さんが抱えている深刻な実態として捉えなければいけません。この状態が放置されれば、多くの先生方が心身を病み、子どもたちにも悪影響を及ぼしかねません。教員個人の崇高な志と教育者としての使命感だけでは乗り越えられないほど、現場で働く教員の皆さんは疲れ切っています。  公立の小中学校の教職員に対しては、法令で特別な場合を除き時間外勤務が禁じられ、時間外手当を支給しないことが定められています。特別な場合とは、1 校外実習その他生徒の実習に関する業務、2 修学旅行その他生徒の実習に関する業務、3 職員会議に関する業務、4 非常災害の場合、児童または生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務ですが、実態は煩雑な日々の業務で時間外労働をせざるを得ない状況となっています。  教員には、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」によって、教職調整額という手当を支給する代わりに残業代は支給しないと定められ、労働基準法の対象外であることから、残業、休日出勤への割り増し賃金、多忙化への加配を含む是正措置など法整備が求められています。教員の長時間労働は、児童・生徒の健やかな成長を育む観点からも早急に手を打たなければいけません。教員と児童・生徒の尊厳がしっかりと守られる学校環境を構築することが急務です。  新宿区では教育委員会が独自に教員の勤務実態調査を実施するなどの取り組みを進めています。大田区も独自に区内小中学校の教職員の勤務実態調査を実施し、実態把握に努めることを求めます。  現在、小学校給食徴収は学校が行う業務となっており、ほとんどの場合、教員が担当しています。この業務は、給食徴収のために保護者の帰宅を待っての電話かけや自宅訪問をするなど、本来の業務ではないために過重なストレスを抱えることになっています。  文部科学省は、学校が実施をしている給食の徴収業務を各自治体が実施する方針を決めるなどの取り組みを進めています。大田区としても実態調査を踏まえて、教員負担軽減対策を講じるべきです。お答えください。  その際、滞納世帯への丁寧な対応をすることを求めます。また、憲法26条に「義務教育は無償とする」と明記されているように、学校給食の無償化について検討することを求めまして、次の質問に移ります。  学校施設の複合化について質問します。  2014年に政府が自治体に対し「公共施設等総合管理計画」の策定を押しつけ、人口減少を踏まえた公共施設の最適な配置の具体化を求めました。この計画に基づき、延べ床面積の減少を伴う施設の集約化、複合化を行った場合、財源として活用できる地方債をつくって施設の統廃合を誘導しています。大田区でも国に言われるがまま「大田区公共施設適正配置方針」を策定し、これに基づいて公共施設の合築・複合化を進め、延べ床面積の1割削減を目標としています。しかも、空いた土地は財源確保のため売却することも方針としています。  区が保有する公共施設のうち、築40年以上を経過した施設が全体の約5割を占め、そのうち学校施設が約8割を占めている状況の中、建て替えや長寿命化とあわせて、各種の施設との複合化を積極的に検討するとしていますが、そもそも大田区は人口減少どころか増加しており、他の地方自治体と状況が異なることから、この方針をとること自体に無理があります。学校施設は本来、児童・生徒たちのための教育と活動の場であり、それに特化した施設であるべきです。適正配置方針では「良好な教育環境を確保する」と明記されていますが、そうであるならば、他施設との合築を進める以前に、30人学級など少人数学級実現などを優先すべきです。  入新井第一小学校の複合施設計画では、地上7階、地下1階と建物自体規模が大きく、そこに特別出張所の一部機能と地域包括支援センター、男女平等推進センター、高齢者利用施設、適応指導教室「つばさ」などのほか、計11の機能を集約させるものとなっており、赤松小学校では特別出張所、地域包括支援センター、高齢者利用施設、東調布第三小学校では保育施設、高齢者利用施設が置き込まれます。また、東調布第三小学校では工期が約7年、赤松小学校では約5年から最長8年と長く、小学校6年間を仮設校舎だけで過ごすことになる児童もいることからも、良好な教育環境を保障する上でも複合化をするべきではありません。また、工期が長期化するのは複合化による建物の大規模化によるということも指摘しなければいけません。各施設を集約させた後の跡地利用についても何も示されていないことも重大な問題です。区民の財産でもある公共施設の跡地については、地域住民の要求・要望に応えられる活用の仕方などを計画に盛り込み検討すべきです。  今年度から新たに田園調布小学校と東調布中学校の改築についての検討が進められますが、教育環境を悪化させる学校施設の改築は複合化で進めるべきではありません。今後の学校施設改築は学校単独で実施することを求めます。お答えください。  以上で質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、学校施設の改築についてのご質問にお答えをさせていただきます。  これまでも学校改築におきましては、児童・生徒の教育環境の維持向上を最優先に整備を進めてまいりました。公共施設は全体的に老朽化が進み、施設の更新が大きな課題の一つとなってございます。築40年以上経過している施設は全体の約半数であり、さらにその約8割を区内小中学校が占めてございます。このような状況の中で、学校施設の改築におきましては、子どもから高齢者まで地域の様々な年代の方が集い、子ども・子育てを支援する機能、地域力を向上させる機能、区民活動を支援する機能など、複合化、多機能化も一つの手法として地域コミュニティの活動拠点づくりを進めているところでございます。区といたしましては、今後も「大田区公共施設等総合管理計画」の考え方に基づきまして、児童・生徒の良好な教育環境の確保を最優先としつつ、余裕のある容積などを有効活用し、地域の状況や特性を十分に踏まえた施設整備を行ってまいります。私からは以上でございます。 ◎中原 福祉部長 私からは、介護制度に関する三つの質問にお答えいたします。  まず、介護保険制度の改正についてのご質問ですが、今回の介護保険法の改正趣旨は、高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止、地域共生社会の実現を図り、サービスを必要とされる方に必要なサービスが提供されるようにするというものでございます。国は、この改正法などをもとに、第7期介護保険計画策定のための基本指針を示しており、現在、区は、これに基づき次期計画の策定作業を進めております。その中で、高齢者がいつまでも自分らしく自立した生活を送ることができるよう、介護予防や生活支援サービスを適切に提供していくための取り組みや、介護度が中重度の方や認知症の方などへの支援のための介護サービス基盤の整備を進める方策などを検討しているところです。第7期計画では、こうした内容も含め、高齢者ができる限り住み慣れた地域で安心して生活できるよう、区の地域包括ケアシステムの深化・推進を図ってまいります。そのため、区としては、現時点において国に対して要望する考えはございません。  次に、介護職員の人材確保と処遇改善についてのご質問ですが、介護職員の人材確保は全国的な問題であり、区としても課題として受け止めております。国(厚生労働省)は、介護職員の処遇改善について、職場内のキャリアパス制度や職場環境の整備を要件として、月額1万2000円から3万7000円相当の介護職員処遇改善加算を算定できるものとしており、区としましても、その制度の趣旨に基づき推進していくべきものと考えております。  そうした中で、介護職員の賃金改善を目的に実施している介護職員処遇改善加算の算定状況について、平成29年8月4日に公表された「平成28年度の介護労働実態調査結果」では、全国で対象事業所のうち86.7%が算定をしているという結果が出ております。一方、大田区が指定する地域密着型サービス事業所の今年度の処遇改善加算の算定状況は93.0%となっています。しかしながら、処遇改善加算を算定している事業所全てが最も加算率の高い加算区分を取得しているという状況ではありませんので、引き続き制度の啓発など事業所を支援してまいります。  なお、介護保険制度に関する国等への申し入れにつきましては、これまでも特別区区長会などを通じ実施をしてきたところです。また、宿舎借り上げの助成制度の実施につきましては、今後の国や東京都の動向を慎重に注視し、適切に対応してまいります。  次に、介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる新総合事業についてのご質問ですが、介護保険法施行規則附則第31条により、介護予防訪問介護・通所介護の指定事業者を総合事業の指定事業者とみなす有効期間は、平成30年3月までと明確に規定されております。これを受けて区は、新たな基準の訪問型・通所型サービスについて、実際にサービス提供を行っている関係者団体等と十分な協議を重ね、平成30年4月以降についても適切なサービスを提供できるよう準備を進めております。また、区は、高齢者の総合相談窓口である地域包括支援センターにおいて、ご本人の状況に応じたケアマネジメントに基づくサービス利用を進め、新たな総合事業により高齢者の自立を支援してまいります。私からは以上でございます。 ◎水井 教育総務部長 私からは、教員の勤務についての2点にわたるご質問にお答えいたします。  まず、区独自の教員の勤務実態調査の実施についてのご質問にお答えいたします。長時間労働は、健康の確保だけではなく、仕事と家庭生活との両立を困難にし、少子化の原因や女性のキャリア形成と男性の家庭参加を阻む原因ともなっているとされており、教員についてもワークライフバランスを改善する働き方改革を推進することは、教員自身の家庭生活を充実させるとともに、ゆとりを持って児童・生徒と向き合っていくために大変重要なことであると考えております。  教育委員会では、早くから教員の業務負担の増加に着目し、ICTを活用した学校運営システムの導入による業務の効率化を進めるとともに、教員の業務を補助する非常勤職員を配置するなど、様々な対策を講じてその軽減に努めてまいりました。教員の勤務実態につきましては、ご指摘のような形での実態調査を実施しておりませんが、校長や副校長からのヒアリングなどを通じて、現在においても長時間勤務となっている状況を把握しており、引き続き教員の勤務時間の軽減に向けて取り組んでいく必要があると考えております。  次に、給食の徴収業務について、教員の負担軽減策を講じるべきとのご質問でございますが、現在、給食は私費会計に位置づけられ、学校の教職員が校務の一つとして分担して徴収に当たっております。教員が徴収業務に携わることで99%を超える徴収率を維持することができているほか、徴収を通じて児童・生徒の家庭環境の実情や変化を把握することができ、家庭の抱える課題への対応に役立っているところでございます。教員の長時間勤務の軽減には、教員自身が業務に係る時間を意識した仕事の進め方を工夫することや、部活動指導への支援、ICTを活用した校務の効率化による業務改善など様々な取り組みが考えられ、これらを多角的に実施していくことが重要でございます。  大田区教育委員会では、これまでにも校務を効率化し、教員の事務作業の負担を軽減することを可能とする学校運営システムの導入のほか、習熟度別学習指導講師、放課後補習特別講師、学校特別支援員、生活指導支援員等の教員の業務補助や部活動指導に当たる非常勤職員の配置等を行ってきたところであり、今後も国や都の動向を見据えながら適切に対応してまいります。私からは以上でございます。 ○大森 議長 荒尾議員、再質問ですか。では、演壇にて再質問を許可します。                    〔37番荒尾大介議員登壇〕 ◆37番(荒尾大介 議員) 教員のところですけれども、まず区が教育委員会として教員の長時間労働ということについて問題意識を持つことがまず大事だと思うんですよ。1日12時間ですよ。給食の時間とか、そういうのも休憩時間にはないんです。ずっとその間、子どもたちと一緒に過ごして、それで中休みとか授業が終わった後もずっとやっているわけなんです。そこをやっぱり区として、先生方がどれだけ大変な思いをしているのかというのをちゃんと調べる必要があるんです。ぜひやってください。ぜひ実態調査を実施してください。よろしくお願いします。どうですか、お答えください。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎水井 教育総務部長 教員の実態調査につきましては、先ほどお答えしたとおりでございますが、重ねて繰り返し申し上げますと、やはり教員の方々への実態調査が負担になることから、定期的に開催しております校長、副校長のヒアリングの中で聞き取りを行うということで、業務を増やさない形での実態把握に努めているということでございますので、そのような形で実態把握を行い、また、長時間勤務についての対応について適切に対処してまいりたいというふうに考えております。私からは以上でございます。 ○大森 議長 次に、38番山崎勝広議員。                  〔38番山崎勝広議員登壇〕(拍手) ◆38番(山崎勝広 議員) まず初めに、日ごろ区民からのご相談の多い保育所の問題と高齢者の住まいに関連して伺ってまいります。他の議員の皆さんと質問が重なる部分もございますが、多少角度を変えて質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  待機児童解消を区政の最優先の課題に掲げる大田区、昨年度も717人の保育サービス定員の拡充を図りましたが、残念ながら、本年4月の待機児童数は、育児休業取得者を含め572人と、昨年度に比べ343人の増加という結果となりました。区は、この結果を踏まえ、実施計画に示した各年度700名、今年からの3年間で計2100名とした定員拡充計画を前倒しするような形で、今年度中に1100名程度の整備を図ることとしました。柔軟で迅速な対応に待機児童解消に向けた区の本気度が伝わってまいります。  ただ、ここで心配となるのは、園庭の問題もありますが、何といっても保育士不足の問題であります。都内の保育士の有効求人倍率は昨年11月のデータで5.68倍、これでもすごい数字でありますが、大田区の周辺区を管轄するハローワークの中では20倍から40倍、都心区を管轄する飯田橋のハローワーク内では一昨年66倍を超える倍率になったとの報道も目にしました。新規開設をしたけれども、保育士が採用できなくて開園が遅れたり、欠員補充ができなくて子どもの受け入れ定員を減らさなくてはならなくなったといった話は今や珍しくありません。  本区では、保育士不足の背景にある処遇上の課題に対して、国や補助額が4万4000円となった東京都による給与改善策に加え、今年度から区独自の保育士応援手当も支給しております。また、宿舎借り上げ支援事業についても、対象年限を撤廃するなど、区内で勤務する保育士に対しての支援策を拡充してまいりました。しかし、自治体間での保育士の争奪戦はますますヒートアップしております。保育士に対しまして学生時代の奨学金の返済を支援する制度を導入している自治体も増えてまいりました。区内で使える商品券を配付する区もあらわれました。  伺います。昨年度は本区においても必要な保育士確保が開園直前までずれ込んだと聞いておりますが、来年度1100名の保育サービス定員の拡充を行う中にあっては、新たに何名の保育士を確保する必要があるのか、お聞かせください。激化する自治体間、事業者間の保育士の争奪戦の中にあって、必要な保育士を確保するために、新たな対策など、お考えなのかも伺いたいと思います。  施設の新設に伴う保育士の求人だけでなく、現役保育士の離職も相変わらず少なくなく、保育士不足に拍車をかけております。その原因、一番は給与面だと言われておりますが、決してそれだけではありません。保育現場での残業など勤務時間の長さ、人間関係の難しさ、保護者対応の大変さなど、賃金以外の問題もまた保育士にとって大きな問題になっていると言われております。  現場の保育士からは、例えば保護者への対応について、「現場からの相談を受け付ける専門の機関が欲しい」、「今の保護者の考え方に対応できるマニュアルなどが欲しい」といった声が聞こえてまいります。このような声を受け止め、保育士をサポートする施策を区としても充実させていけば、離職者を減らすことにつながり、そのことがまた評判となれば、保育士が勤め先として大田区を選択することにもつながるのではないかと思っております。  そこで伺います。大田区では、地域の拠点園となる18か所の区立保育園が各保育所に定期的に訪問し、相談・支援を行うほか、交流事業、公開保育研修、地域保育施設会議を実施しているとのことであります。また、冊子「こころを育てる大田の保育〜保育士の配慮〜」は、保育士の心得や配慮すべきことをまとめ、大田区の保育のスタンダードとして活用されていると聞きます。保育園の間の連携推進に向けたこれらの事業でありますが、同時に、保育士の抱える問題をサポートしてあげられる事業にもなるのではないかと期待をいたします。保育士サポートの視点から見た区の施策についてお聞かせいただきたいと思います。  ところで、保育士の待遇改善が進む中で、幼稚園教諭の担い手もまた不足してきているとのお話を幼稚園関係者から伺いました。大学や短大のカリキュラムでは、幼稚園教諭と保育士の両方の資格を取得できる場合が多いのですが、保育士の待遇改善が進む中で、進路として保育士を選択する学生が増えている。今や、宿舎借り上げ支援事業などを加味すれば、待遇面では逆転現象が起きているとのお話でありました。これについては区としても実態把握に努めていただきたいと思います。  伺ってまいります。さて、政府が6月に打ち出した待機児童解消の新プランでは、2歳児の幼稚園での受け入れ促進が掲げられております。早速、幼稚園で2歳児を預かる仕組みを、来年4月の開始を目指し文部科学省や内閣府などが整備をする。施設整備費用は国が補助する見込みとの報道も目にしました。  伺います。国は、大田区内を含め、認定こども園への移行が思うように進んでいかない中、今も幼稚園に通う3歳児に近く比較的対応しやすい2歳児だけでも受け入れる幼稚園が増えれば、待機児童削減につながるだけでなく、幼稚園にとっても園児獲得のメリットがあるとの考えのようでありますが、大田区としては、2歳児の幼稚園での受け入れ促進を今どのように捉えていらっしゃいますでしょうか、お聞かせください。  次に、地域包括ケア体制の五つの要素、その一つである住まいについて伺ってまいります。  平成25年の住宅・土地統計調査によりますと、区内における65歳以上の世帯員のいる世帯の中で、持ち家は約65%、借家は約35%となっておりますが、今も昔も身寄りがなく生活に困窮した高齢者が新たにアパートに入るのは簡単なことではありません。家主側から見れば、家賃の支払いに対する不安に加え、孤独死の問題や緊急時に連絡のとれる人がいないことは大きな不安材料であります。低所得層に対する住宅のセーフティネットには公営住宅があるわけでありますが、ただ、応募倍率は区内で40倍から50倍にもなる大変狭き門であり、かといって新たに区営・都営住宅を建設することも簡単なことではありません。  このような中で、来月25日にいわゆる改正住宅セーフティネット法が施行されます。本区では現在、住宅に困窮する高齢者、障がい者世帯、ひとり親世帯、生活保護受給者世帯及び外国籍世帯に対し、協力不動産店の紹介、物件情報の提供、保証人を確保できない高齢者の家賃保証等を行う高齢者等住宅確保支援事業を区内不動産協力団体との連携で実施しております。また、今年度からは、この高齢者等住宅確保支援事業において、入居に至らなかった高齢者世帯に対して、物件探しや入居後の見守り等の支援を行う大田区生活支援付すまい確保事業が始まりました。大田区生活支援付すまい確保事業は、事業が始まってからまだ5か月あまりであります。取り組みの状況、その成果についてお聞かせを願いたいと思っております。  一方、28年度、高齢者住宅確保支援事業における宅建協会への物件照会は40件、家賃保証制度加入助成と火災保険料の助成は各7件でありました。この実績に対して、まちづくり推進部は、事業を精査した上で、事業の見直し、充実を図っていくとしておりますが、この事業、所管する建築調整課と区民の窓口にもなっている福祉部との連携、さらに不動産協力団体との連携が不足をしていると感じております。そこに加えて、生活支援付すまい確保事業が社会福祉法人有隣協会に委託され始まりました。この委託事業者も含めて、住宅困窮者の民間賃貸住宅への円滑な入居を図るために、それぞれの連携の強化が求められております。  さて、昨日、自民党、伊佐治議員、公明党、広川議員の代表質問に対し、区長から、大田区においても、みずからの居住支援協議会の設置に具体的に取り組んでいくとのご答弁がありました。地方公共団体、不動産関係団体、居住支援団体等から成る居住支援協議会は、まさに地方公共団体の住宅部局と福祉部局、宅建業者や家主などの不動産関係団体との強力な連携によって機能します。いわゆる改正住宅セーフティネット法では、要配慮者の対象を低所得者とするだけでなく、被災者、高齢者、障がい者、子どもを育てる家庭まで広げるとともに、民間賃貸住宅への円滑な入居を図るため、新たに要配慮者専用の賃貸住宅登録制度が設けられることとなりました。この制度では、家賃補助による要配慮者への直接支援だけでなく、家主側にも家賃保証や改修費用の補助が受けられることになります。  そこで大きく期待をされているのが、要配慮者、民間賃貸住宅賃貸人の双方に対し、住宅提供等の支援を実施する居住支援協議会です。都内では、東京都のほか、既に7区4市がみずからの居住支援協議会を立ち上げておりますが、居住支援協議会の取り組みが地域の住宅事情に応じた要配慮者への住宅確保の大きな一助になっていると聞きます。
     伺います。大田区においてもみずからの協議会を急ぎ立ち上げていただきたいところでありますが、居住支援協議会について、区が期待する役割、設立までの手順、構成団体間の連携など、課題と思われることについてお聞かせください。  「大田区高齢者の住まいの確保に関する基本方針」では、高齢者が可能な限り自宅に住み続けられる仕組みの構築に向けて、住宅困窮者のための新たな自宅の確保支援のほかにも、住まいの観点からの生活支援サービスの体制整備、住み続けるための設備面での支援、24時間医療サービス・介護サービスを受けられる仕組みの充実が掲げられております。  健康福祉委員会の視察でお邪魔した富山県では、平成15年から、富山県社会福祉協議会が中心となり、富山県の助成のもとに、高齢者、障がい者、健康や生活に不安のある方、介護や子育てに悩んでいる方、母子家庭等地域で支援が必要な方に対し、地域住民などで構成するケアネットチームが様々な個別支援を提供するケアネット活動が始まり、県内全域で広がりを見せております。おおよそ小学校区単位で、地域の人々みずからが3名から5名のチームをつくり、見守りや声かけ、話し相手、ごみ出し、除雪、買い物代行などの生活支援サービスを提供するほか、困難な事例に対しては、各市町村社協に配置されたケアネット活動コーディネーターが、医療、保健、福祉など生活を支援する専門職や機関と調整し、連携して支援を行っております。  伺います。要介護状態となっても自宅でひとり暮らしが可能となるために、区内でも民間事業者等により様々な生活支援サービスが提供されていますが、費用面の負担は小さくありません。本区においても、少ない費用負担で利用できる掃除、洗濯、ごみ出し等の家事援助や、これらにあわせた見守り及び緊急時対応等の生活支援の仕組みづくりが求められております。富山県のこのケアネット活動なども参考にして、新たな仕組みづくりを進めていただきたいと思いますが、所見をお聞かせください。  続きまして、羽田空港跡地につきまして、会派の人数が減りまして委員会に所属する委員がいなくなりましたので、この場で質問させていただきます。  羽田空港跡地第1ゾーン整備事業については、本年5月19日付けで鹿島建設株式会社を代表企業とする応募グループに事業予定者が決定をし、8月には大田区と事業予定者双方による基本協定が締結をされました。羽田空港跡地の有効活用については、羽田空港移転問題協議会で長年にわたり協議を重ね、平成20年3月に空港跡地利用基本計画が、平成22年10月に羽田空港跡地まちづくり推進計画が策定をされました。そこからもまた10年を経て、来年度に工事着手、平成32年にまち開きの運びとなりました。  事業予定者のグループは、ゼネコン最大手の鹿島建設ほか、自動運転車ではトヨタなど、医療・健康分野は国立国際医療研究センターや富士フイルムなどが連携し、まさに国家的な官民連携のプロジェクトの様相でありますが、この事業の目的は、大田区の産業をはじめ、大田区の将来にわたる発展につなげることであります。  そこで伺ってまいります。羽田空港周辺をめぐる動きとして、羽田空港跡地第1ゾーンが都市再生緊急整備地域に指定されたと聞いております。これは、これまでの川崎殿町・大師河原地域の指定区域に羽田空港跡地地区などが追加されたもので、羽田空港跡地地区と川崎殿町地区において、国内外に豊富な航空ネットワークを有する羽田空港を中心とした連携を強化し、新産業創造・発信機能を支える成長戦略拠点を形成するとされております。  伺います。どのような地域が指定を受けることができ、大田区としてどのようなメリットがあるのかお聞かせください。  以上で質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎中原 福祉部長 私からは、2点の質問にお答えします。  まず、生活支援付すまい確保事業についてのご質問ですが、この事業は、高齢者等住宅確保支援事業で入居に至らなかった高齢者世帯に対して、物件探しの支援、入居後の安否確認、家主からの相談対応の支援等を行う事業として今年度から開始いたしました。区は、不動産協力団体、関係機関等と連携して、委託事業者とともに高齢者世帯に寄り添いながら取り組んでおります。成果といたしましては、これまでに10世帯の方から申し込みがあり、相談継続中ですが、そのうち2世帯の方が入居契約に向けて準備を進めているところでございます。入居後につきましても、高齢者世帯の安否確認とともに、家主の方からの相談等に応じながら、関係機関と連携して引き続き支援してまいります。  次に、生活支援についてのご質問ですが、区は、現在、高齢者の安心した生活を支える事業として、高齢者緊急通報システム、見守りキーホルダー、ひとり暮らし高齢者支援事業等を展開しております。また、シルバー人材センターでは、家事を手伝う「家事援助サービス」や、65歳以上世帯を対象とする「ちょこっとサービス」を提供しています。さらに、区の総合事業の取り組みの中では、フレイル・要支援状態の方に対して、地域のボランティアを派遣して自立した生活を支援する「大田区絆サービス」の仕組みづくりも推進しております。高齢化が進み、特にひとり暮らしの高齢者が増加する中、多様な生活支援の必要性が高まっています。高齢者が安心して暮らし続けられるよう、大田区の地域力を活用した生活支援の仕組みづくりを進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎後藤 こども家庭部長 私からは、保育士に関する二つの質問にお答えいたします。  初めに、保育士確保についてのご質問でありますが、今年度計画している1100名の保育サービス定員を拡充するためには、年齢ごとの配置基準や11時間保育を考慮いたしますと、約200名の保育士が新たに必要となります。区では、これらの保育人材の確保に向け、ハローワークや私立保育園連合会との共催で「大田区私立保育園就職フェア」を開催いたします。3回目となる今回は内容を強化し、これまでの就職相談会に加え、就職・復職支援研修会及び私立保育園見学会を新たに実施し、潜在保育士の掘り起こしにも力を入れてまいります。このほか、保育士加算や保育士応援手当、支給対象を拡充した宿舎借り上げ補助などの施策とあわせて、確実な保育士確保につなげてまいります。  次に、保育士に対する支援についてのご質問ですが、保育士の労働環境を左右する人員配置や給与の支給状況、執務環境等につきましては、区が実施する指導検査や報告書類で確認し、必要に応じて法人への助言・指導、または是正を求めてまいります。このほか、個々の保育士が戸惑うことの多い障がい児対応や、地域や保護者との接し方については、保育サービス課に配属されている園長経験職員と臨床心理士による巡回指導において、個々のケースに対応した具体的な助言を行っております。また、今後、区が主催する研修において、私立園の保育士受講枠を拡充するほか、保護者とのコミュニケーション力を高める研修プログラムを計画する予定です。今後も、区が培ってきた経験・知識とノウハウを活かした支援に努め、大田区全体の保育の質の向上と、一人ひとりの保育士が安心して働ける環境整備に取り組んでまいります。私からは以上です。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 私からは、居住支援協議会に関するご質問にお答えさせていただきます。  居住支援協議会につきましては、住まいにかかわる様々な関係者が連携して取り組みを進めていくことにより、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への入居が促進されることが期待されます。設立に向けては、福祉部をはじめとする関係部局と十分に検討を行った上で、関係団体の皆さんとともに設立準備会を立ち上げ、住宅確保要配慮者支援の方向性を確認しながら協議会の設立を図ってまいります。  居住支援協議会が取り組むべき課題といたしましては、住宅確保要配慮者の入居を困難にしている要因をしっかり分析し、効果的な支援策を探ることがまず重要でございます。議員もお話しのとおり、賃貸住宅の所有者が住宅を貸し渋る要因といたしまして、高齢者の孤独死、家賃滞納、外国人のマナーなど様々な懸念がございますが、これら住宅所有者の不安を解消するための施策を関係者間の協力・連携により的確に実施することにより、入居可能な賃貸住宅の供給を増やすことが求められております。住宅確保要配慮者支援の社会的重要性を関係者間でしっかり共有しながら、関係者それぞれの力が発揮される体制を目指しながら居住支援協議会の設立に取り組んでまいります。以上でございます。 ◎白鳥 空港まちづくり本部長 羽田空港跡地の都市再生緊急整備地域の指定についてのご質問ですが、都市再生緊急整備地域は、都市再生特別措置法の政令により定められ、都市開発事業などにより緊急かつ重点的に市街地整備を推進し、都市再生の拠点となるべき地域として国により指定されたものでございます。緊急整備地域の中でも跡地第1ゾーンについては、都市の国際競争力強化の観点から特に重要な地域として、特定緊急整備地域に指定されたものでございます。指定された地域では、様々な特例措置を受けることが可能となります。区としましては、地域内の公共共益施設の整備等において、国際競争拠点都市整備事業など国の財政支援を活用しながら整備を進めているところでございます。また、今後は税制支援や金融支援など様々な支援制度により民間投資を呼び込み、官民連携による成長戦略拠点の形成を推進してまいります。私からは以上でございます。 ◎水井 教育総務部長 私からは、私立幼稚園における2歳児の受け入れに関するご質問にお答えいたします。  報道によりますと、2歳児の受け入れは、4月1日現在で2歳の幼児が幼稚園に入園するまでの間、幼稚園接続保育として預かり保育を実施する制度でございます。この制度が実施されれば、満3歳を待たずして年度当初から2歳児を預けることが可能となることから、一定程度働く世帯のニーズに応え、待機児童対策に資するものと考えております。一方で、2歳児の受け入れに当たりましては、給食提供の有無や必要となる施設基準、あるいは幼稚園に対する補助金の額など、現時点では不明であることがございます。いずれにいたしましても、制度実施に向けた国や都の動向を注視しながら、幼稚園における2歳児の受け入れ促進について適切に対応してまいります。 ○大森 議長 次に、41番松原 元議員。                  〔41番松原 元議員登壇〕(拍手) ◆41番(松原元 議員) 大田区議会民進党の松原 元でございます。  質問通告に従い、集中豪雨災害の対策についてと、ふるさと住民票について改めてお伺いをいたします。  まず、昨日の松原区長のご挨拶でも触れられておりましたが、8月19日に発生した集中豪雨災害の被害に関しまして申し述べさせていただきます。本集中豪雨においては、人的被害はなかったものの、大田区全体に多数の物的または浸水による被害をもたらしました。その中でも特に浸水被害が多く発生したのが、雪谷特別出張所管内の補助44号線沿線の近隣家屋、商店であります。この日は私も地元の消防団員として出動命令があり、実際に現場に赴き、この目で被害を目の当たりにしてまいりました。家屋、商店の浸水被害もさることながら、ほかにも歩道の被害、言うならばブロックが各所でがたがたにゆがみ、歩行に適さなくなるなどや、上池台三丁目公園から流失したと考えられる砂や土が滞留し、悪臭を放つなど、この地域に苦痛をもたらすものでございました。以前私が働いておりましたスーパーもこの浸水被害に遭い、大変切なく感じた次第でございます。  ただ、この土砂に関しましては、同日中に区の散水車をご手配いただいたことにより解決をし、また、破損した道路も迅速に補修工事の手配をいただき、数日内に通常どおり歩行できるようにしていただけましたことは大変ありがたいことであります。その後の被害確認、衛生指導、消毒などの対応も含め、区の担当部局の皆様には感謝を申し上げる次第であります。  今回この地域の被害を取り上げましたのは、何もここが私の地元であるからという理由ではございません。まさしくこの地域は、去る平成25年7月23日の豪雨の際にも多数の浸水被害を経験しているからでございます。現在、東京都下水道局が「豪雨対策下水道緊急プラン」を策定し、対策を進めておりますが、その効果を待たずして再度の被害が出たことに、近隣住民からは少なからず残念である旨のお声が聞かれております。  つきましてはお伺いをいたします。現在、都下水道局が進めている当該地域下水道管の拡張工事第1期の完成がなされれば、今回と同規模の豪雨時に浸水被害は防ぐことができるのでしょうか。  また、当該計画は、予定どおりに進捗をしたとしても、その効果が発揮されるまでにはまだ3年ほどの期間がかかります。この間、住民などの自助努力に任せるのは行政の役割としていささか不十分ではないかと思います。例えば、今回のような短時間の集中豪雨では、通常の土のう積みなどでは対応することが困難です。吸水土のうや、その他の浸水災害対策備品を今後も浸水被害が想定される地域の希望者に対して用意、配付することは検討できないものでしょうか。  また、今回、浸水時に車両が道路を通行することにより波が起こり、家屋、商店への被害が拡大をいたしました。「道路冠水時通行不可」などの道路標識の設置を行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。  当該地域と同様、また、それ以上に浸水被害が多発していた近隣の馬込地区においては、馬込幹線の整備が進むことにより劇的に状況が好転していったとの話を伺っております。大田区といたしましては、都下水道局に対しまして、雪谷地区におきましても計画の遅延がなきよう要望いただくとともに、その効果があらわれるまでの期間も可能な対策をおとりいただきたく存じます。  次に、2年前に提案をさせていただきました、ふるさと住民票についてお伺いをいたします。  本来であれば、ご記憶にない方も多数いらっしゃると思いますので、内容を述べたいと思っていたのですが、少々時間がございませんので、内容に関しては割愛をさせていただきますが、この2年間で徐々に本制度の採用自治体は増えてきております。直近では滋賀県愛荘町での導入が決まりました。この愛荘町の特徴は、2万人超の人口に対し、6000人あまりの通勤通学者がおり、昼間人口の変動が大きいという点でございます。彼らとの結びつきの強化、つまり複線的な関係の構築が自治体にとって急務であったからと理解ができます。  前回、本件の提案をいたしました際、昼間人口を絡め、その取り込みの必要性について述べさせていただきました。昨今、住民と地域との関係は大変曖昧になってきていると私は感じております。大田区は、南は多摩川、東は京浜運河に挟まれておりますが、どのようにでも区民は他の自治体へ往来ができます。私の事務所は品川区から徒歩数分という境界線手前の立地にあり、その雰囲気は常日ごろより肌身に感じております。大田区の掲げる共生社会は大田区民だけではなく、むしろ縁やゆかりのある方々を積極的に取り込んでいく必要があるものであると私は考えております。  ふるさと住民票は、地方創生でも議論とされている二重住民票の問題とも関連しており、大変繊細な仕組みではございますが、例えば大田区は、大田区の公式PRキャラクター「はねぴょん」に対して住民票を発行するといったことも、しようと思えばできないわけではないと考えております。ぜひお進めいただきたい制度でございます。  ついてはお伺いをいたします。前回の質問時にふるさと住民票に対し質問した際、「地域の活性化や地域交流推進の一つの手段として研究する」とのご答弁をいただいておりました。これまでの本区における取り組みをご答弁願います。  以上で質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、ふるさと住民票に関するご質問にお答えをいたします。  区は、大田区まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、地域産業の活性化や未来を担う若い世代への支援などに関する取り組みを鋭意進めているところでございます。また、人口流入が続く東京圏の自治体として、友好都市をはじめとする他自治体との積極的な交流や、特別区全国連携プロジェクトなどを契機とした連携強化を図っているところでございます。ふるさと住民票につきましては、今後も導入自治体の動向などを捉えながら、その有効性等について研究を続けるとともに、未来プランや総合戦略のもと、引き続き地方創生に寄与する取り組みを着実に推進してまいります。私からは以上でございます。 ◎井上 危機管理室長 私からは、浸水被害物品についての質問にお答えします。  集中豪雨による家屋の浸水被害の防止については、平常時からの備えが重要です。短時間での浸水時には、身近にあるものを利用する簡易水のう、止水板などで被害の軽減に効果が十分あります。様々な浸水防止対策につきましては、「わが家の防犯チェックBOOK」に掲載してございます。また、吸水土のうなどにつきましては、防災用品として年間を通じあっせんしております。区といたしましては、被害を最小限にとどめるため、区民の皆様一人ひとりがこうした事前の備えをすることが重要であり、引き続き啓発に努めてまいります。 ◎齋藤 都市基盤整備部長 お時間がないので簡潔にお答えします。  東京都下水道局による下水道管拡張工事についてのご質問でございますが、下水道局では、浸水被害軽減を目指して、平成25年12月に「豪雨対策下水道緊急プラン」を策定いたしまして、8月19日の集中豪雨により浸水被害が発生いたしました大田区上池台地区につきましては、1時間75ミリ降雨に対応する施設整備を推進する地区として位置づけ、平成32年度からの一部供用開始を目指して鋭意整備を進めております。このため、本工事の進捗により、今回と同規模の豪雨時には、浸水被害は軽減されることになると考えてございます。  続きまして、「道路冠水通行不可」の道路標識の設置についてのご質問でございますが、この適用につきましては、アンダーパスの場合は通行に支障が出る浸水の深さがある程度想定できますが、通常の道路の場合は浸水の深さが一定でないため、機械的に通行止めすることにより、かえって混乱を招くことも想定されます。したがいまして、今回、補助44号線の対応は、警察と連携して交通誘導等を実施したわけでございますが、それと同様に、今後も警察署と連携し、ケース・バイ・ケースで交通規制や誘導を実施してまいりたいというふうに考えてございます。私からは以上です。 ○大森 議長 次に、46番野呂恵子議員。                  〔46番野呂恵子議員登壇〕(拍手) ◆46番(野呂恵子 議員) 最後となりました。よろしくお願いいたします。  8月、介護施設に入所していた知人が亡くなりました。夜7時ごろの嘔吐、点滴の処置は受けたものの、未明に再び嘔吐、吐血、朝6時ころ、熱38度を超え、血中酸素濃度は88%に低下しました。通常、高齢者の嘔吐は誤嚥性肺炎を併発する危険性があるため、血中酸素濃度が90%を切れば看護師や医師に連絡し、救急搬送などの処置が共通認識のはずでしたが、朝8時に医師と連絡をとり、ようやく病院に搬送されたとき、血中酸素濃度は80%に低下し、急性呼吸不全状態と診断され、亡くなったのです。せめて6時に医師に連絡、あるいは家族への連絡があれば、「一言も言葉を交わさず亡くなってしまった主人と同じような経過を今入居している方がたどることのないよう、改善をよろしくお願いします」と頭を下げられたのです。  体力の低下した高齢者の生活には様々な事故が起こることが想定されております。大田区の「介護サービス等の提供中における事故発生時の対応、事故報告」によれば、2016年度の事故受付件数は1897件、事故原因の内訳は、職員の行為によるもの536件、身体の骨折402件、打撲239件、切傷130件などでした。大田区は「介護保険事業者における事故発生時の報告取扱要領」を定め、どんなに細かな内容も報告させているため、事故件数は多いのですが、それは危機意識を育てる一面もあったはずです。アメリカのハインリッヒは、ある工場で発生した5000件の事故を分析し、その結果、重大な1件の事故の前には300件の軽微な事故があり、その背景には29件の異常があることを解明し、今ではハインリッヒの法則として、軽微な事故や異常の段階で予防策を立てれば重大事故は防げると研修に取り入れられています。  しかし、今回の事態を振り返ったとき、危機意識が共有されているか疑問であり、区内全ての事業所で再発防止に努めることが大切と考え、質問いたします。  区内には多くの介護施設がありますが、嘔吐や吐血、高熱など、入所者に何らかの異変が生じた場合、全ての施設で介護士から看護師、医師、そして家族への連絡、救急病院への搬送など、確実なケアのためのマニュアルが策定され、対処できるよう共有、教育されているでしょうか。例えば、血中酸素濃度90%を切った場合に救急搬送するなど、共通認識されているでしょうか。  現在、夜から朝までの介護士は、着替え、食事、排便支援、歯磨き支援など2名でこなし、厳しい環境の中、働いており、介護施設の人材確保が大変厳しい中、新たに施設を開設しても入所させられずにベッドが空いている施設もあります。  そこで伺います。介護職員等の確保は喫緊の課題であり、寮の確保や家賃助成など、区としてのお考えはありませんでしょうか。  介護職の処遇が改善しない中、東京都は昨年度から介護職員宿舎借り上げ支援事業を開始しました。自治体と福祉避難所の協定を結んでいる施設に勤務する介護職に対して、災害時に施設に参集できる10キロ圏内の賃貸物件に住むことを条件に、4年間、家賃8分の7などを助成する制度ですが、各施設4名と限定的です。  大田区の高齢化率が2025年には30.3%と言われ、安心の介護環境の整備が求められます。施設により事故報告にばらつきがないよう、事業者への指導はもちろんのこと、重要事例については速やかに他事業所へも通知し、注意喚起を促し、安心ケアの手順書整備など、軽微な変化を見逃せば命にかかわることを教訓とした改善を求め、次の質問に移ります。  昨年、障害者差別解消法が施行され、障害の有無によって分け隔てられることのない社会に歩み出しました。大田区では、障がい者の社会参加を進めるため、障がい者総合サポートセンターを開設し、相談事業など支援に取り組み、社会福祉協議会では、第5次大田区地域福祉活動計画で「人を結び 地域で支えあう」地域づくりへ取り組んでいます。国は地域包括ケアを推進し、高齢者は生活上の支障が生じた場合に、地域包括支援センターを中心に様々な専門家を仲立ちに幅広くサポートされますが、障がい者が住み慣れた地域で暮らすための包括的な支援はまだ遠い道のりです。  横浜市では、障害プラン策定の調査で、「高齢になったときの生活の不安など、障害があるゆえの生活のしづらさはより大きい」と分析し、親亡き後も安心して暮らし続けられる包括的な地域づくりに着手しました。横浜市独自の在宅手当を廃止し、新たに横浜市障害者後見的支援制度を創設したのです。日常生活の見守りや将来に対する不安の解消、そして権利擁護や成年後見の普及・利用の促進を目指した支援室を2010年度から昨年度まで市内18区に順次開設、支援室は運営法人として市内の社会福祉法人へ委託、推進法人として社会福祉協議会へ委託と、二つの法人が連携して運営をする大変珍しい制度設計です。その理由は、各法人の理念を押しつけず、法人色をなるべく薄め、あくまでも障がい当事者の意向を大切にした地域生活をサポートするためです。  担当職員やあんしんサポーターと呼ばれる訪問支援員は法人職員、18区いずれの支援室も同様の支援が受けられるよう、あんしんマネジャーを横浜市社会福祉協議会から1名ずつ派遣、さらに、自立支援アシスタントとして市職員が障がい者の自立に向けた金銭の課題等具体的に指導し、地域では見守りをしてくれるあんしんキーパーを登録し、きめ細かく、まさに複層的な見守りを展開しています。  現在、市内約1220名の登録、そして一番古い支援室では約120名の登録者がおります。障害者権利条約第12条では、「障害者が全ての場所において法律の前に人として認められる権利を有すること」を規定していますが、それはまさに意思決定支援をどう実現していくのかだということと受け止め、質問させていただきます。  大田区では地域福祉権利擁護事業に取り組み、毎年約40件、法人後見は20件から30件の利用です。しかし、成年後見制度は、毎月2万円程度の経費負担が厳しいという世帯のご意見もございます。今後、相談事業だけではなく、地域でひとり暮らしができるよう、将来にわたる支え合いをどうつくっていくのか。障害者総合支援法では意思決定支援を事業所の責務として規定していますが、今後、よりきめ細かな支え合いの中で、障がい者の地域生活を包括的に支える制度が求められ、大田区も取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。  自分のことを障がい当事者が自分で決められる地域生活を求め、最後の質問に移ります。  8月27日、新江東清掃工場で下請従業員が死亡するという大変痛ましい事故がありました。翌日公表した東京二十三区清掃一部事務組合の速報によれば、工事を請け負っていた株式会社タクマの下請会社、北畑開発研究所の従業員が、ごみクレーン上にてワイヤー張り替えの準備作業中に約8メートル下のコンクリート床に墜落したのです。労基署が調査中だそうですが、安全ベルトは装着していなかったのでしょうか。安全ネットはなかったのでしょうか。工事は8月15日、清掃一組とタクマの特命随意契約1090万8000円で契約、タクマを選定した理由は、工場の安定した稼働を継続させるため、工事に伴うクレーンの停止期間を最小にするとし、既存の設備との互換性を確保し、作業を迅速かつ確実に行うことのできる設備に精通した製造業者に施工させる必要があるとして、「株式会社タクマに特命する」とあり、工場操業のため工事を急いでいたことがわかります。  そこで質問いたします。清掃区移管後の死亡事故はこれで8件目、何と新江東清掃工場でタクマの下請事業者が3度も墜落事故で死亡したことは大変な事態です。ごみの共同処理という総意のもと、清掃一組を23区共同で設置した大田区は、今般の事故をどのように受け止めているでしょうか。  2013年1月の事故時、私は23区超党派の議員で清掃一組に対し、タクマの安全管理のずさんさが指摘されているため、発注者である清掃一組に死亡事故の原因究明と再発防止策の徹底、これにかかわる情報公開など4項目の改善を求める要望書を提出しました。前回の事故時、タクマは仕様書のミスを認めましたが、失った命は返ってこず、3度目の死亡事故。危険が伴う工場でのわずかな油断が命の危険と隣り合っている危険性を認識していたのでしょうか。事故の安全管理責任者であるタクマ、そして法令を遵守させ、安全操業するための発注者である清掃一組の責任は大変重いと言わざるを得ません。  通常、補修工事など下請事業者がいる場合は、法律の規定で元請のタクマが現場代理人を常駐させなければなりません。さらに、各工場では直営職員が日勤の監督員として配置されることがありますが、事故が起きた日は日曜日で配置されておらず、直営職員が不足しているのです。  清掃工場は23区のごみ量に応じた分担金で運営され、ごみ量が減り、分担金も削減してきましたが、ごみは減っても清掃工場は減っておらず、さらに清掃工場の委託など、清掃一組固有職員の削減は500名を超えています。ようやく練馬・杉並工場を委託から直営に戻したことは評価いたしますが、危険を伴う清掃工場を安全に操業できる技術を持った人材の確保が喫緊の課題です。  さらに、2010年、区長会が決定した清掃負担の公平という制度による各区の負担額の調整は課題が多く、処理量が多い新江東清掃工場の所在区である江東区が、今年度もトータルで2億3500万円を各区から受け取る調整額は改善が必要です。各区分担金は、この負担の公平額を算出した後に確定と二段構えになっており、清掃一組はそれら分担金等で運営されています。このようなごみ量に応じた分担金という考え方を検証する時期に来ているのではないでしょうか。分担金の推移、あり方についてのお考えをお聞かせください。  改めて全ての工場の安全操業のため、再発防止対策は急務です。前回、清掃一組は事故を一切公表せず、事故後に清掃一組議会始まって以来、初めての予算特別委員会を開催し、重大事故は積極的に公表すると管理者である荒川区長が答弁いたしましたが、今後、労基署の調査結果を踏まえ、事故原因の検証と報告、公表が着実に実施されるよう区としても積極的に求めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  8件の死亡事故のうち、大田区内の清掃工場等で2度の死亡事故があったことも忘れてはならず、これ以上の犠牲者を出さないよう、事故を教訓として、何より命を大切にすることを願い、私の質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎中原 福祉部長 私からは、3点の質問にお答えいたします。  まず、高齢者施設における緊急時のためのマニュアルについてのご質問ですが、特に介護保険施設では、24時間365日体制の切れ目のない介護を行う高齢者施設であることから、入所者の生命・安全を守るにはマニュアル策定は必須です。その上で重要なことは、いざ緊急事態が発生したとき、各職員がおのおのの役割に沿って行動し、各人の役割を果たすことで入所者の生命と安全を守るため、適切な対応がなされているかというところです。そのために、マニュアルに沿った行動の定期的な検証が必要です。例えば、多くの施設では、職員間で緊急対応時の行動を振り返って、その結果を踏まえてマニュアルを見直すという作業を積み重ねる中で、危機管理について職員間で共有を深めていく取り組みを実施しております。区は、緊急時の対応マニュアルの整備と適切な見直しについて、施設からの事故報告を受けた際はもちろん、大田区介護保険事業者連絡会等の機会を活用し、全事業者が危機感を持って取り組んでいけるよう、引き続き支援・指導してまいります。  次に、介護人材の確保についてのご質問です。人材確保は質の高い介護サービスの提供を推進していくためにも大きな課題となっています。現在、区としては、人材確保に関する事業として、「介護職員初任者研修受講助成事業」、ハローワーク大森とタイアップした「おおた介護のお仕事定例就職面接会」等を展開しております。この就職面接会では、昨年度、24人の方が介護事業所に就職いたしました。また、寮の確保や家賃助成などについてですが、東京都が実施する介護職員宿舎借り上げ支援事業では、既にその事業の活用を始めている、または今後の活用を検討している事業者もございます。区は、本事業の活用が促進するよう、様々な機会を捉えて周知・助言に努めてまいります。  その他の施策につきましては、東京都の実施する事業のほか、区の実情を踏まえた人材確保策を検討し、事業者に対する支援体制の構築を目指してまいります。さらに、質の高い介護サービスの提供のためには、人材の確保と同時に、その定着に向けての支援の強化も必要です。区としても、事業種ごとの懇談会の実施等を通じて現場のニーズを把握し、研修の企画や支援策を検討し、事業所と協働して人材育成事業の充実を図ってまいります。  次に、障害のある方の暮らしを地域住民とともに支える制度についてのご質問ですが、生活に不安を感じながら暮らしている障害のある方が、自分らしく安心して地域で暮らせる環境をつくることはとても大切なことです。横浜市の「後見的支援制度」は、障害のある方やご家族の漫然とした不安を解消し、将来の希望を見出すため、地域住民の力を借りて日常生活を見守る手法の一つというふうに認識しております。一方、この取り組みは、地域の方に家庭内の事情を知られることなどの抵抗感などから、登録した方の利用には濃淡があるという状況も伺っております。  区は、障がい者が地域で自分らしく安心して暮らせるまちをつくるため、ともに理解し合い、支え合う視点も重視し、「おおた障がい施策推進プラン」の策定作業を進めているところです。障がい者総合サポートセンターでは、障がい者の生活を地域で支え合うため、関係機関をつなぐネットワークの中核として連携強化に努めております。また、大田区社会福祉協議会は、住民参加のもと、訪問や安否確認、福祉サービスの情報提供、助言などを行う支援策として、地域福祉権利擁護事業のほか、ほほえみ訪問事業などを実施していますが、支え合いの仕組みづくりの強化の観点から、区と社会福祉協議会の連携のもとで、引き続き施策の拡充を検討してまいります。今後とも、障がいのある方が地域で安心して暮らすため、先進的な事例も参考にしながら、さらなる取り組みを進めてまいります。以上でございます。 ◎畑元 環境清掃部長 私からは、清掃事業にかかわる3点のご質問につきお答えさせていただきます。  まず、新江東清掃工場における死亡事故に関するご質問でございます。最初に、事故で亡くなられた方には心より哀悼の意をあらわし、お悔やみを申し上げますとともに、ご家族の皆様には心よりお見舞い申し上げます。  清掃工場を運営する東京二十三区清掃一部事務組合は、地方自治法第284条に基づき設立された特別地方公共団体であり、これまでも管理者のもと、適切に共同処理事務が進められているものと考えております。今回の新江東清掃工場の補修工事における事故につきましても、このような事故が二度と起こることがないよう、当該工事関係者間において適切な対応が図られていくものと考えております。  次に、東京二十三区清掃一部事務組合分担金の推移、あり方についてのご質問でございます。東京二十三区清掃一部事務組合の業務にかかわる財源につきましては、ごみの受け入れ手数料、売電収入などのほか、各区が分担金として負担しております。区の分担金に関しましては、東京二十三区清掃一部事務組合が策定した経営計画に基づく分担金の抑制及び平準化策によるものもございますが、区におけるごみ減量に係る施策の推進により分担金が減少しております。こうしたことを踏まえ、区は今後も循環型社会の構築に向け、発生抑制、再使用の推進をはじめとした普及啓発等、より一層のごみ減量に努めるとともに、分担金のあり方について23区で引き続き検討してまいります。  最後に、事故原因の検証と報告を区として求めるべきとのご質問ですが、今回の事故の概要につきましては、平成29年8月28日付けで東京二十三区清掃一部事務組合のホームページで公表されております。事故原因につきましては、現在調査中とのことでございますが、原因がわかり次第、公表されると聞いております。区といたしましては、引き続き東京二十三区清掃一部事務組合と円滑な連携を図ってまいります。以上でございます。 ○大森 議長 以上で質問を終結いたします。  会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後4時58分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後5時15分開議 ○大森 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 本日の日程に入ります。  日程第1を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第1  第65号議案 平成29年度大田区一般会計補正予算(第2次) ほか7件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
     第65号議案は、平成29年度大田区一般会計補正予算(第2次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ16億9969万2000円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ2647億3910万2000円となります。歳入で増額する内容は、都支出金、繰越金などでございます。減額する内容は、繰入金、特別区債でございます。歳出で増額する内容は、福祉、都市整備などでございます。減額する内容は、総務、土木でございます。このほか、債務負担行為の補正として、追加3件、廃止1件、変更1件、地方債の補正として、変更1件をお願いしております。  第66号議案は、平成29年度大田区後期高齢者医療特別会計補正予算(第1次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ873万3000円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ154億8161万1000円となります。歳入で増額する内容は、繰入金、諸収入でございます。歳出で増額する内容は、諸支出金でございます。  第67号議案は、平成29年度大田区介護保険特別会計補正予算(第1次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ21億345万1000円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ567億5975万7000円となります。歳入で増額する内容は、財産収入、繰越金でございます。歳出で増額する内容は、基金積立金、諸支出金でございます。  第68号議案は、大田区手数料条例の一部を改正する条例で、多機能端末機で戸籍の記録事項証明書を交付することに伴い、必要な手数料を定めるため改正するものでございます。  報告第22号は、平成28年度決算に基づく健全化判断比率の状況についてで、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき報告するものでございます。  報告第23号は、訴訟上の和解に係る専決処分の報告についてで、保育園園児負傷事故による損害賠償請求事件に係る訴訟上の和解についての専決処分1件について報告するものでございます。  報告第24号は、訴え提起前の和解に係る専決処分の報告についてで、使用料等の支払いを求める訴え提起前の和解に係る専決処分1件について報告するものでございます。  報告第25号は、区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告についてで、庁有車による車両損傷事故ほか1件について報告するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 質疑に入ります。  この際、議員の皆様に申し上げます。本会議での議員の発言につきましては、会議規則第53条で「発言はすべて簡明にするものとし、議題外にわたり、又はその範囲をこえてはならない。」と規定され、また、質疑についても「自己の意見を述べることができない」と明記されております。したがいまして、議員の皆様には、発言に当たっては、規則で定められたルールに従って行うよう、ご留意のほどお願いしておきます。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第65号議案 平成29年度大田区一般会計補正予算(第2次)について質疑いたします。  民営化の効果と言われてきた自由競争経済での価格の低下ですが、保育園の民営化以降、毎年公定価格が上がっているそうです。  そこで伺います。これは、他の事業を含めた全ての民営化において、自由競争経済で価格が低下するという説明が違っていたということですか。それとも、認可保育園だけ特別な事情があるのでしょうか。また、民営化による価格低下の効果について検証できていますか。検証結果は区民にどのように示していますか。  次に、債務負担行為について伺います。債務負担行為が行われるようになっていますが、近年、債務負担行為が増えているのはなぜですか。債務負担行為が安易に行われないために、大田区としてどのような姿勢で取り組んでいますか。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 第65号議案について、通告のありました2点のご質問にお答え申し上げます。  1点目の公定価格にかかわる補正予算につきましては、国が定める認可保育所などに対する人件、事業、管理などで構成される公定価格単価が本年4月に遡及して改定されたことに伴い、必要な経費を計上したもので、民営化にかかわるものではございません。  2点目の債務負担行為につきましては、債務負担行為は2か年度以上にわたる工事を行う場合等について、必要に応じて設定しているところでございます。今回の補正予算における債務負担行為の補正は、一般会計について、第1次補正予算編成後に生じた状況の変化に速やかに対応するためのものでございます。債務負担行為の設定に当たりましては、財政の健全性の確保に留意しつつ、適切に取り組んでいるところでございます。以上でございます。 ○大森 議長 奈須議員、再質疑ですか。演壇にて再質疑を許可します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 債務負担行為の件なんですけれども、2年以上の事業というご説明がありましたが、そうしますと、債務負担行為が増えているということは、長期間にわたる事業が増えているというふうに理解すればよろしいのでしょうか。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 ただいまのご質問でございますけれども、発言通告された内容についての基本的な考え方につきましては、先ほど川野副区長が申し上げたとおりでございます。私からは以上でございます。 ○大森 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、報告第22号から報告第25号に至る4件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第2を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第2  第69号議案 大田区立平和島ユースセンター条例を廃止する条例                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました議案についてご説明申し上げます。  第69号議案は、大田区立平和島ユースセンター条例を廃止する条例で、大田区立平和島ユースセンターの大規模な改修及び増築により、当分の間、施設の使用ができないため廃止するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第69号議案 大田区立平和島ユースセンター条例を廃止する条例について質疑いたします。  今回、平和島ユースセンターは、現在のユースセンターを改修するとともに、新たに25室のホテル棟を増築します。施設条例を廃止せず改築することは条例上可能ですか。なぜ今回、施設廃止条例を出すのでしょうか。平和島ユースセンター条例を廃止した後、ユースセンター棟、ホテル棟は条例においてどのように位置づけられるか明らかにされますか。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 第69号議案について、通告のありました2点のご質問にお答え申し上げます。  1点目の条例の廃止につきましては、施設の改修及び増築の期間が1年以上となり、長期にわたり区民利用に供することができないことから、条例を改正せず、廃止することが適切であると判断したものでございます。  2点目の施設の位置づけにつきましては、これまでの青少年健全育成施設としての機能に加え、スポーツ振興、国際交流等の機能を有する施設として位置づける考えでございます。以上でございます。 ○大森 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、所管地域産業委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第3を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第3  第70号議案 地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 第70号議案は、地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例で、開発事業者が命令に従わない場合の罰則を定めるほか、規定を整備するために改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管都市整備委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第4を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第4  第61号議案 平成28年度大田区一般会計歳入歳出決算 ほか3件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  お手元に提出してございます平成28年度大田区各会計歳入歳出決算参考資料に沿ってご説明申し上げます。  第61号議案は、平成28年度大田区一般会計歳入歳出決算で、予算現額は2623億631万8260円、この額は、平成28年度の最終補正後の予算額2585億900万8000円に、平成27年度の繰越額37億9731万260円を加えたものでございます。歳入総額は2583億2737万2041円、歳出総額は2512億4007万4195円、歳入歳出差引額は70億8729万7846円でございます。この差引額から、平成29年度への繰越明許繰越額であります7億4005万3200円を除きました残額が平成28年度の実質収支額となりまして、63億4724万4646円でございます。このうち、財政基金への積立金が31億7362万3000円、平成29年度への繰越財源といたしまして31億7362万1646円でございます。  次に、第62号議案は、平成28年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算で、予算現額は839億5388万7000円、歳入総額は839億7277万4005円、歳出総額は810億6114万6309円、歳入歳出差引額は29億1162万7696円でございます。  第63号議案は、平成28年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算で、予算現額は151億1597万6000円、歳入総額は152億741万5681円、歳出総額は150億6457万4554円、歳入歳出差引額は1億4284万1127円でございます。  続きまして、第64号議案は、平成28年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算で、予算現額は520億420万4000円、歳入総額は508億1943万2099円、歳出総額は487億363万2268円、歳入歳出差引額は21億1579万9831円でございます。  なお、各特別会計の歳入歳出の差引額につきましては、平成29年度へ繰り越しとさせていただきます。  以上、よろしくご審議の上、ご認定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第61号議案 平成28年度大田区一般会計歳入歳出決算から第64号議案までの全ての決算議案について質疑いたします。  平成28年度各会計決算が公表されましたが、単年度ではない長期的な視点に立った決算の評価について伺います。地方分権や民営化、民間委託が大田区財政や区民生活に与えた影響について、大田区は評価・検証していますか。また、その評価や検証は区民にどのように説明していますか。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 第61号議案から第64号議案について、通告がございましたご質問にお答え申し上げます。  いずれも平成28年度決算にかかわる議案でございますので、後ほど付託される委員会におきましてご審議を賜ればと存じます。以上でございます。 ○大森 議長 再質疑ですか。奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) この問題につきましては、質疑の趣旨については事前に理事者にはお伝えをいたしました。その中で、少なくとも、例えば財政白書であったり、シティ・マネジメントレポートなどでこの問題については分析をしているのか、評価をしているのかという今の時点での大田区の姿勢についてお伺いをしておりまして、委員会の中での審議というのはまた別の問題だと思いますので、現時点でのお答えをいただきたいと思います。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 発言通告された内容についての基本的な考え方につきましては、先ほど川野副区長が申し上げたとおりでございます。私からは以上でございます。 ○大森 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  お諮りいたします。本案については、決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  お諮りいたします。ただいま設置されました決算特別委員会の定数は45名とし、委員は、委員会条例第6条第1項の規定に基づき、お手元に配付しました決算特別委員名簿のとおり本職から指名したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  なお、本日の会議終了後、正副委員長互選のため、決算特別委員会を本議場において招集いたしますので、ご了承願います。                ――――――――――――――――――――                  決 算 特 別 委 員 名 簿
         田 中 一 吉 委員    松 原 秀 典 委員    高 瀬 三 徳 委員      安 藤   充 委員    岸 田 哲 治 委員    伊 藤 和 弘 委員      塩野目 正 樹 委員    押 見 隆 太 委員    鈴 木 隆 之 委員      伊佐治   剛 委員    深 川 幹 祐 委員    長 野 元 祐 委員      渡 司   幸 委員    高 山 雄 一 委員    松 本 洋 之 委員      岡 元 由 美 委員    勝 亦   聡 委員    広 川 恵美子 委員      秋 成   靖 委員    玉 川 英 俊 委員    田 村 英 樹 委員      小 峰 由 枝 委員    椿   真 一 委員    田 島 和 雄 委員      末 安 広 明 委員    大 竹 辰 治 委員    清 水 菊 美 委員      藤 原 幸 雄 委員    菅 谷 郁 恵 委員    黒 沼 良 光 委員      金 子 悦 子 委員    福 井 亮 二 委員    荒 尾 大 介 委員      山 崎 勝 広 委員    黒 川   仁 委員    松 原   元 委員      岡   高 志 委員    荻 野   稔 委員    三 沢 清太郎 委員      犬 伏 秀 一 委員    野 呂 恵 子 委員    奈 須 利 江 委員      湯 本 良太郎 委員    北 澤 潤 子 委員    馬 橋 靖 世 委員               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第5を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第5  議員提出第5号議案 大田区おとしより介護応援手当条例                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 提出者の説明を求めます。                  〔35番金子悦子議員登壇〕(拍手) ◎35番(金子悦子 議員) 議員提出第5号議案について、提出者を代表して提案理由の説明を行います。  大田区は地域包括ケアシステムの構築の深化・推進を図るとしていますが、それは医療、介護の大改悪が一層進んで、在宅へ、在宅へと押し出されていく方向です。高齢者、家族の負担がもっと大きくなることが予想されます。この困難を少しでも減らすために提案するものです。  この条例は、身体上または精神上の障害のため日常生活に著しい支障のある65歳以上の高齢者に、おとしより介護応援手当を月に2万円、受給資格のある高齢者が、東京都重度心身障害者手当条例に基づいて重度心身障害者手当を受けている場合には月1万円を支給するというものです。  かつて、高齢者と家族のために、介護保険開始とともに廃止された東京都の老人福祉手当がありました。また、大田区からは、老人福祉手当が出るまでの間、特別福祉手当が出ていて、介護する家族の支援になっていました。この手当には及びませんが、大田区が区独自にこの手当を支給することにより、これら高齢者及び介護している家族の精神的及び経済的負担を軽減するとともに、在宅における日常生活を支援し、もって福祉の増進を図ることを目的としています。ぜひともご賛同いただきますようお願いしまして、提案理由の説明といたします。(拍手) ○大森 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管健康福祉委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第6を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第6  議員提出第6号議案 大田区就学援助支給条例                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 提出者の説明を求めます。                  〔36番福井亮二議員登壇〕(拍手) ◎36番(福井亮二 議員) 議員提出第6号議案 大田区就学援助支給条例について、提出者を代表しまして提案説明を行います。  この条例案は、就学援助の基準を生活保護基準の1.2倍を1.3倍に拡充し、学用品購入等の援助に眼鏡などの追加を行うことにより、義務教育の円滑な実施及び教育の機会均等を実現するためです。  少子化が進む中で、理由の一つとして子育て、教育にお金がかかることが挙げられています。そして、文科省の調査でも、家庭の背景と子どもの学力には相関があると報告されています。おおた子どもの生活応援プランでは、「大田区では、すべての子どもたちの将来がその生まれ育った環境に左右されず、自分の可能性を信じて未来を切り拓く力を身につけることをめざす」とあります。しかし、経済的支援の拡充が入っていませんでした。経済的支援を強化することにより、応援プランの充実を目指します。ぜひご賛同いただきますよう、よろしくお願いします。以上です。(拍手) ○大森 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管こども文教委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第7を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第7  北京市朝陽区・大連市親善訪問調査に伴う議員の派遣について ほか1件                ――――――――――――――――――――                                          平成29年9月20日            北京市朝陽区・大連市親善訪問調査に伴う議員の派遣について  地方自治法第100条第13項及び大田区議会会議規則第132条の規定に基づき、下記のとおり議員を派遣する。                         記 大田区議会北京市朝陽区・大連市親善訪問調査 1 派遣の目的   大田区と友好都市である中華人民共和国北京市朝陽区及び友好協力関係に関する覚書を結んだ大連市との友好・親善の促進を図り、あわせて文化、民間活力を導入したまちづくり、教育の実情を調査研究し、区政に反映させる。 2 派遣場所   中華人民共和国 北京市朝陽区           大連市 3 派遣期間   平成29年11月6日(月)から11月10日(金)まで 4 派遣議員   高 瀬 三 徳 議員  大 森 昭 彦 議員  鈴 木 隆 之 議員   伊佐治   剛 議員 5 その他   本議決後、一部変更又は中止の場合の決定は、議長に一任する。                ――――――――――――――――――――                                          平成29年9月20日                 親善訪問調査に伴う議員の派遣について  地方自治法第100条第13項及び大田区議会会議規則第132条の規定に基づき、下記のとおり議員を派遣する。                         記 大田区議会親善訪問調査(区政施策調査) 1 派遣の目的   平成23年度から中学生派遣を行っているドイツ連邦共和国ブレーメン市への経由地であるミュンヘン市の安全確認及び訪問地としての適性を調査する。また、同市及びスイス連邦チューリッヒ市において、主に文化、民間活力を導入したまちづくり、教育の実情を調査研究し、区政に反映させる。 2 派遣場所   ドイツ連邦共和国 バイエルン州 ミュンヘン市   スイス連邦 チューリッヒ州 チューリッヒ市 3 派遣期間   平成29年10月23日(月)から10月28日(土)まで 4 派遣議員   伊 藤 和 弘 議員  塩野目 正 樹 議員  深 川 幹 祐 議員   渡 司   幸 議員 5 その他   本議決後、一部変更又は中止の場合の決定は、議長に一任する。                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 質疑に入ります。  本件については、黒沼良光議員、岡 高志議員、奈須利江議員、北澤潤子議員から通告がありますので、順次これを許します。  まず、34番黒沼良光議員。                  〔34番黒沼良光議員登壇〕(拍手) ◆34番(黒沼良光 議員) ただいま上程されました親善訪問調査に伴う議員の派遣について及び北京市朝陽区・大連市親善訪問調査に伴う議員の派遣についてに関して、いくつかそれぞれ質問いたします。  まず、親善訪問調査に伴う議員の派遣について伺います。  今回は、派遣メンバーは伊藤和弘議員、塩野目正樹議員、深川幹祐議員、渡司 幸議員と派遣議員の項に記されています。いずれも自由民主党大田区民連合のメンバーであります。他の会派のメンバーは一人もおりません。昨年は自民5名、公明2名、民進1名の構成でしたが、前年と比べても今回は1会派だけという異常さです。このようなメンバーでは大田区議会を代表しての派遣にはならないと考えなかったのでしょうか、お聞きします。  二つ目は、区政への成果の反映について伺います。派遣団のメンバーの渡司 幸議員は、一昨年アメリカ、昨年ヨーロッパのブレーメン市、ブタペスト市、ロンドン市などの視察に参加し、そして今回と何と2年連続ヨーロッパです。伊藤議員は、一昨年中国、昨年アメリカ、そして今回ヨーロッパです。塩野目議員は、一昨年ヨーロッパ、昨年アメリカ、そして今回再びヨーロッパです。深川議員は、一昨年ヨーロッパ、昨年アメリカ、今回再びヨーロッパです。これが今回提案されている派遣議員の実績と今回の予定です。区民の税金を使い、同じ議員が何度も派遣というやり方で、区政についてどれだけ成果を持ち帰ろうとしているのか、議決の判断材料として伺います。お聞かせください。  三つ目は、調査項目について伺います。ミュンヘン視察目的は、中学生を派遣しているミュンヘン市の安全確認及び訪問地としての適性についてですが、議会の仕事ではなく、教育委員会がやるべきことではありませんか、お聞きします。  次に、ミュンヘン市とスイス・チューリッヒ市の主に文化、民間活力を導入したまちづくり、教育を調査するというものですが、ミュンヘン市とスイス・チューリッヒの民間活力の導入は技術者や専門家中心で、日本とはまるで違うもので、視察しても大田区に反映することは困難ではありませんか、お聞きします。  四つ目に、なぜこの時期に議決が必要なのでしょうか、判断材料としてお聞きします。  次に、北京市朝陽区・大連市親善訪問調査については、今回の派遣議員の訪問経歴を見ますと以下のごとくです。大森議員は、2年前にスイス、ドイツで、昨年は中国に行っていて、今年2年連続です。鈴木議員は、2年前中国、昨年アメリカ、そして今年中国です。高瀬議員と伊佐治議員は、一昨年、昨年、そして今回と今期3年連続中国です。  一つ目に、なぜこのような議員が数人で数年も連続して参加しなければならないのでしょうか、お聞きします。  二つ目に、こうしたやり方で区政に何を持ち帰り、何を反映させようとしているのでしょうか、お聞きします。  三つ目に、なぜこの時期に議決が必要なのでしょうか、判断材料としてお聞きします。  以上、お聞きします。(拍手) ○大森 議長 本件について、答弁を求めます。                    〔12番伊佐治 剛議員登壇〕
    ◎12番(伊佐治剛 議員) 黒沼議員からの親善訪問調査に伴う議員派遣について、発言通告書により事前に通告されております質問6点のうち、私からは4点についてお答えをいたします。  まず、なぜ他会派の積極的な参加がない中で派遣を実施するのかという質問ですが、議会運営委員会という開かれた場で実施が決定された後、団員募集を行った結果で、異常とは大変心外であります。また、議会としての判断は、この後の議決の結果によるものと認識をしています。議決の結果による派遣であれば、1会派であっても議会を代表して派遣されるものという認識に変わりはございません。  次に、同じ議員が何度も派遣するやり方で区政にどれだけ成果を持ち帰ろうとしているのかという質問ですが、昨日の自民党代表質問でも発言をさせていただいたんですが、黒沼議員はお聞きになっていなかったのでしょうか。少しでも中国のことを勉強したことがある方は理解をしているかと思いますが、中国人とのコミュニケーションにおいての信頼は一度や二度で生まれるわけではありません。続けて訪問することにより政府や人民代表大会の信頼を得、民政局や社区の訪問、そして具体的な分野の連携という観点から、大連市政府等が大田区を訪問した際、介護施設の訪問やシルバー産業分野の具体的な連携へ話し合いを行っているところであります。問題を共有しているメンバーは、公務以外にも大連市を自費で訪問を行い、さらなる政府や人代との人間関係の強化に取り組んでいるところでございます。訪問の積み重ねによる結果が現在の関係性につながっていることをご理解いただきたいと思います。(発言する者あり)  何を言っても理解しないのでしょうか。  次に、今年区政に何を持ち帰り、何を反映させようとしているのかとの質問ですが、今回は教育や民間活力を導入したまちづくり等をテーマとして北京市、大連市を訪問します。いくつか行程を挙げると、中国人介護士の派遣企業を訪問し、大田区のシルバー産業における人材確保についての連携の可能性を模索してまいります。大田区における喫緊の課題であります。大連市では現在、新空港の建設が進んでおり、その空港を活用した羽田−大連の直行便の就航に向けた意見交換、また、北京ではオリンピックレガシーについて、大田区の青少年を派遣し、ホームステイ等をご協力いただいている北京市求実職業学校では、青少年派遣時のさらなる連携のあり方について意見交換を行う予定ですし、親善訪問団としては政府や人民代表大会への表敬訪問を行ってきます。  次に、なぜこの時期に派遣議決をしないといけないのかという質疑でございますが、当然のことですが、派遣日程に間に合わないからです。以上です。                    〔13番深川幹祐議員登壇〕 ◎13番(深川幹祐 議員) ご質疑いただきました2点について、私からお答えをさせていただきたいと思います。  ミュンヘンの視察目的は、中学生の派遣先であるミュンヘン市の安全確認及び訪問地の適性とあるが、教育委員会でやるべきことで、議会の仕事ではないのではないかとの質疑でございます。我々議会は、行政と一緒にやっていく部分とチェックをする部分が当然必要であります。何でもかんでも教育委員会がやっているから、それでよいというのであれば、我々議会は必要ないというふうに思います。そして、当然でありますが、学校の遠足でも教育委員会、学校の先生方は実踏といって、現地に行ってどういうふうになっているかというのを見に行くものであります。必ずしもそれは教育委員会だけで行うべきものではなくて、我々が必要があれば見に行くということであります。  また、あわせて、ミュンヘンの事件は平成28年7月22日に起こったミュンヘンでの銃撃事件があり、この直後に大田区の中学生がミュンヘン市、そしてブレーメン市に訪問する予定でありました。しかしながら、直近で起きたということからミュンヘンを回避して、フランクフルト経由でブレーメンに直接入るというコースを昨年たどりました。そして、今年度もミュンヘンの安全性の確認というのは、教育委員会、そして我々議会もしていないということから、現状で保留ということで、今年もプログラムとしてブレーメンに直接入るというルートになった次第であります。  そういった意味で、我々としては、まずこのミュンヘンでの銃撃事件が現地ドイツでどのような報道をされているかという部分を踏まえ考えた上で、この場合、日本の秋葉原で起きたようなテロ事件ではなくて、個人の事件であったというふうな報道が当然ドイツでもなされております。そういった部分も含めて、ミュンヘンの総領事館とも連携しながら現地でやりとりをしていくということがまず一つ目でございます。  次に、ミュンヘン、チューリッヒ市の文化について、民間活力の導入は技術者や専門家が中心で、日本とはまるで違うものではないかとの指摘でございますが、この部分に関しては、我々日本でも大きな課題であるというふうに思っております。先日もチューリッヒの空港について、山本理顕先生にお越しをいただき、全議員に声をかけ、勉強会を開催させていただきました。十数名の議員が出席をされたわけでございますが、出席をされた方々からも、多くの問題点があり、羽田空港の跡地の開発に含めても、やはり取り入れて勉強するべき課題があるとの発言もされたわけでございます。しっかりとそういった観点でやっていきたいというふうに思っております。  また、平成27年の地域産業委員会の高知市の視察において、こどもまちづくり活動支援事業についてを視察してまいりました。これはミニミュンヘンという、ミュンヘンでの子どもがやっているまちづくりの事業というものについて具体的に話を伺ってきたものであり、この内容についてミュンヘン市で我々は調査をしてまいりたいというふうに思っております。以上でございます。 ○大森 議長 黒沼議員、再質疑ですか。黒沼議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔34番黒沼良光議員登壇〕 ◆34番(黒沼良光 議員) 一つだけ再質疑させていただきます。  なぜこの時期かというときに、伊佐治議員も間に合わないからだと。そして、いくつかの行程表も報告していただきました。ならば、この時期に議決しなければならないのは業者との契約からだと察します。そのためには、経費も含めた日程表や行程表ができているということにはならないですか。であるならば、そのことも含めて、この議会に提案すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○大森 議長 本件について、答弁を求めます。                    〔12番伊佐治 剛議員登壇〕 ◎12番(伊佐治剛 議員) ただいま再質疑いただいた内容でございますが、基本的に議決もいただいていないのに細かい行程まで決めることはできません。ただ、項目として掲げていますので、それをどこの日に入れるかということは、今後、議決後に決定をさせていただくものでございます。 ○大森 議長 次に、42番岡 高志議員。                    〔42番岡 高志議員登壇〕 ◆42番(岡高志 議員) たちあがれ・維新・無印の会、岡でございます。  先ほどの黒沼議員の質疑とかなり重複する部分はございますけれども、発言通告書に従いまして、簡明に3点だけ質疑させていただきます。  二つの親善訪問調査に伴う議員の派遣に共通の質疑でございますけれども、今回、前年、前々年と異なり、派遣議員は自民党会派の議員のみでございます。どうしてほかの会派の議員の積極的参加のない中で派遣を実施するのか、お答えください。  二つ目です。北京市朝陽区・大連市親善訪問調査について伺いますが、派遣議員の中に3年連続で大連市訪問に参加している議員もいますが、どのように友好親善につなげているのか、ご説明をお願いいたします。  そして3点目でございますけれども、親善訪問調査について、ミュンヘン市の安全確認、これが派遣の目的の第1に挙がっています。どのように安全確認ができると思っているのか、お聞かせください。よろしくお願いいたします。 ○大森 議長 本件について、答弁を求めます。                    〔12番伊佐治 剛議員登壇〕 ◎12番(伊佐治剛 議員) 岡議員から、親善訪問調査に伴う議員の派遣について、発言通告書により事前に通告されております3点のうち、私からは2点についてお答えをいたします。  まず、なぜ他会派の積極的な参加がない中で派遣を実施するのかという質疑ですが、先ほどの黒沼議員の質疑と重複するもので割愛をさせていただきますが、この後の議決によって判断をされるものであります。  次に、3年連続で大連市訪問に参加している議員がいるが、どのような親善訪問につなげているのかという質疑ですが、これについても黒沼議員の質疑と重複するものです。昨日の自民党代表質問でも発言をさせていただいたのですが、岡議員もお聞きになっていなかったのでしょうか。中国人とのコミュニケーションにおいての信頼は一度や二度の訪問で生まれるものではありません。詳細は先ほどの黒沼議員への答弁と同じです。訪問内容については毎回報告書を提出しております。こうした質疑が出るということは報告書すら読んでいないのでしょうか。大変残念に思います。岡議員は、平成23年には北京、大連、上海、25年にはフランス、ドイツ、27年にはスイス、ドイツ、28年にはアメリカを訪問されています。様々な場所を訪問されていますが、現地で人間関係はつくれなかったのでしょうか。岡議員の全ての報告書を拝見しましたが、何か実績は残せたのでしょうか。複数回訪問する意義をしっかりと考えていただきたいと思います。以上です。                    〔13番深川幹祐議員登壇〕 ◎13番(深川幹祐 議員) ただいまの岡議員の質疑に対してお答えをさせていただきます。  大変恐縮でございますが、安全確認について、黒沼議員に答弁したとおりでございます。以上でございます。 ○大森 議長 岡議員、再質疑ですか。岡議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔42番岡 高志議員登壇〕 ◆42番(岡高志 議員) ちょっと質疑の趣旨がしっかり伝わっていなかったなと思ったので、再質疑させていただきます。  まず、北京市・大連市親善訪問調査の件でございますけれども、私が申し上げたのは、同じ議員が3年連続大連に行っているというところについて伺っていたわけであります。例えば、それってほかの人が行って、大田区議会というところと大連市、そこの関係構築をしていくんですよということもあると思うんです。だけど、同じ人間が繰り返して行くことによる蓄積、先ほど伊佐治議員は答弁されていて、まさに張本人であるということでございますので、しっかりとそのあたりを説明していただきたいと思います。もちろん、昨日の伊佐治議員の質問を聞いたけれども、そこで3年連続で訪問したことによる友好親善というところまでは明確に読み取れていなかったということで、お願いいたします。  3点目のほうのミュンヘン市の安全確認のところでございます。私は黒沼議員と若干違う趣旨でお聞きしていまして、どのように安全確認ができると思っているのかという点についてお答えいただければと思います。深川議員、よろしくお願いいたします。以上です。 ○大森 議長 本件について、答弁を求めます。                    〔12番伊佐治 剛議員登壇〕 ◎12番(伊佐治剛 議員) 岡議員の再質疑にお答えをさせていただきます。  きっと岡議員が今回大連、朝陽区に行ったらどういう反応をされるか、まさに3年連続行った環境と違いを大きく感じることと思いますので、ぜひご一緒していただければと思います。以上でございます。                    〔13番深川幹祐議員登壇〕 ◎13番(深川幹祐 議員) 安全確認についてどのように考えるかとの再質疑をいただきましたので、改めて答弁をさせていただきます。  現地の総領事館とは現在もう既にやりとりをさせていただいておりまして、おおむね問題がないということは確認をしております。しかしながら、やはり現地に行って状況を見てみないとわからないというのが現実であります。また、あわせて、多くの方々と現地で視察をさせていただきながら意見交換をさせていただく中で、ミュンヘン市の先ほど申し上げた昨年の銃撃事件を含めた反応というのがどのようになっているか、また、この議会の場で派遣の承認をいただいたならば本会議場等で報告をさせていただきたいと思っております。以上です。 ○大森 議長 次に、47番奈須利江議員。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  親善訪問調査に伴う議員の派遣について質疑いたします。  事前に全ての議員に対し親善訪問調査などの希望を募りましたが、提出された調査課題の希望についてどのように審議し、今回の調査課題を決めましたか。特に今回の訪問調査先・課題が他の希望案よりすぐれていた点、他の希望が採用されなかった問題点についてお答えください。これまで報告がなかったのは、提出された希望調査課題について検討しなかったということでしょうか。 ○大森 議長 本件について、答弁を求めます。                    〔12番伊佐治 剛議員登壇〕 ◎12番(伊佐治剛 議員) 奈須議員からの親善訪問調査に伴う議員の派遣について、発言通告書により事前に通告されております3点のうち、私からは2点についてお答えをいたします。  まず、事前に親善訪問の希望を募ったが、提出された希望についてどのように審議し、今回の調査課題を決めたかとの質疑ですが、奈須議員からの希望テーマである韓国における韓米FTA等自由貿易協定の自治体への影響、学校給食の自給率についても当然把握をしておりましたが、区政とのかかわりに加えて、効率的な調査課題をより効果的な日程で実施をするために案を作成し、最終的には議会運営委員会において、この内容で実施することを決定したものであります。  次に、これまで報告がなかったのは、提出された希望調査課題について検討しなかったのかということについての質疑ですが、既に回答したとおり、効果的な調査課題かつ効率的な行程での結果であります。以上でございます。                    〔13番深川幹祐議員登壇〕 ◎13番(深川幹祐 議員) 奈須議員よりいただきました親善訪問調査に伴う議員の派遣についてのうち、特に今回の訪問調査先・課題が他の希望案よりすぐれていた点、他の希望が採用されなかった問題点について伺うとご質疑をいただきました。奈須議員からご提案された内容が特に問題があったということではなくて、これをみんなでテーマにしていきましょうといったときに、多くの賛同が得られなかったということが結果的な問題でございます。この内容については、我々議会の中で議員で話し合って、みんなでこういうテーマでやりましょうということでございますので、ぜひとも次回等にこのような提案をしていただいて、多くの皆さんにお声がけをいただき、賛同を得て、みんなで行くような形で問題意識、課題意識を共有できればいいかなというふうに思います。ぜひともよろしくお願いいたします。以上です。 ○大森 議長 奈須議員、再質疑ですか。奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 今、ご答弁の中で私が提案した内容についても触れていただきましたので、そのこともかかわりながら、もう1度お伺いをさせていただきたいんですけれども、そうした形で検討していただき、その中で今回の選考に至ったということであれば、少なくとも各希望の課題について検討した、その過程であったり、理由といったものをこの議案送付前に公表して、各議員に対してやはりフィードバックをする必要があったのではないかと思うんですが、そこができなかったというのはどういう理由で、また今後の課題になると思うんですが、今後どうしていくおつもりかということをお伺いいたします。 ○大森 議長 本件について、答弁を求めます。                    〔12番伊佐治 剛議員登壇〕 ◎12番(伊佐治剛 議員) ただいま奈須議員から再質疑いただいた内容にお答えをいたします。  検討のフィードバックにつきましては、今後どういう形で皆さんにフィードバックをすることができるか、改めて検討させていただきたいと思いますので、今いただいた意見は改めてというところでお返しをさせていただきたいと思います。 ○大森 議長 次に、49番北澤潤子議員。                  〔49番北澤潤子議員登壇〕(拍手) ◆49番(北澤潤子 議員) 大田・生活者ネットワークの北澤潤子です。  これまでの質疑と重複するところもありますけれども、質疑させていただきます。北京市朝陽区・大連市親善訪問調査に伴う議員の派遣について、この議員派遣には調査という名目がついており、目的には「文化、民間活力を導入したまちづくり、教育の実情を調査研究し、区政に反映させる」とあります。大田区のまちづくりや教育に対してどのような問題意識があり、その上での問題解決のための必要性を示されますか。  親善訪問調査に伴う議員の派遣について質疑をいたします。「ミュンヘン市の安全確認及び訪問地としての適性を調査する」とありますが、中学生を派遣するのは教育委員会なので、安全確認や適性を確認する責任は教育委員会にあるのではないですか。以上です。 ○大森 議長 本件について、答弁を求めます。                    〔12番伊佐治 剛議員登壇〕 ◎12番(伊佐治剛 議員) 北澤議員からの親善訪問調査に伴う議員の派遣について、発言通告書により事前に通告されております2点のうち、私からは1点についてお答えをいたします。  質疑内容の問題解決のための必要性は示されるかというのが、ちょっと日本語的に私が理解できませんで、私自身が考える質疑の内容についてお答えをさせていただきたいと思います。大田区のまちづくりや教育に対してどのような問題意識があり、その上で問題解決のための必要性は示されるかとの質疑についてでありますが、既に黒沼議員の質疑の中でもお答えをさせていただいておりますが、介護人材不足に対する対策、オリンピックレガシーの活用、青少年交流のさらなる活性化、国際都市おおたとしての大連直行便の就航などの問題意識を持ち、その必要性を示しているところでございます。                    〔13番深川幹祐議員登壇〕 ◎13番(深川幹祐 議員) 北澤議員からご質疑いただいた内容についてお答えをさせていただきたいと思います。  先ほど来、繰り返しになりますが、教育委員会が行うべきであるというのは、一義的にはそうであるというふうに認識をしております。しかしながら、我々議会もあわせて、同時に状況の確認をするべきであり、そして、場合によって来年度予算等の執行について我々が議会で審議をするというふうに考えてございます。そういった観点で現地に行って状況を確認してくるということでございます。以上でございます。 ○大森 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  お諮りいたします。本件については、会議規則第38条第3項の規定に基づき、委員会への付託を省略したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  討論に入ります。  本件については、菅谷郁恵議員、荻野 稔議員、野呂恵子議員、奈須利江議員から通告がありますので、順次これを許します。  まず、33番菅谷郁恵議員。                  〔33番菅谷郁恵議員登壇〕(拍手) ◆33番(菅谷郁恵 議員) 私は、日本共産党大田区議団を代表して、ただいま上程されましたドイツ連邦共和国バイエルン州ミュンヘン市、スイス連邦チューリッヒ州チューリッヒ市、派遣期間10月23日から10月28日まで6日間、派遣議員は伊藤和弘議員、塩野目正樹議員、深川幹祐議員、渡司 幸議員。北京市朝陽区・大連市親善訪問調査、派遣期間11月6日から11月10日まで5日間、派遣議員は高瀬三徳議員、大森昭彦議員、鈴木隆之議員、伊佐治 剛議員の議員派遣について、反対する討論を行います。  党区議団は、友好都市、姉妹都市との交流を促進する立場であり、毎年、全議員が対象で行くのではなく、周年行事には議長など代表派遣を行うべきであると考えます。しかし、大田区議会で問題なのは、全員対象で、友好親善訪問調査とヨーロッパ方面など親善訪問調査(区政施策調査)への多額の予算をかける海外視察と一緒になってしまったことです。  まず、反対の第1の理由は、区民の暮らしは消費税増税や物価高、国保料、介護保険料、後期高齢者保険料などの負担増、子どもの貧困という社会問題など一向によくなっていないこと、保育料の値上げ、小中学校の給食の値上げに賛成をしておいて、区民へ負担増をさせながら、一方で区民が苦労して納めている税金を使って行くからです。なぜ区民の税金を使って行くことが胸が皆さんは痛まないのか。税金で行くことは区民に理解が得られません。  反対の第2の理由は、いずれも派遣議員計8人全員が自由民主党大田区民連合1会派だけであって、これは大田区議会の代表ではありません。ヨーロッパ方面視察では、伊藤議員は、一昨年中国、昨年アメリカ、今年で3回目です。塩野目議員は、一昨年ヨーロッパ方面、昨年アメリカ方面、今年で3回目です。深川議員は、一昨年ヨーロッパ方面、昨年アメリカ、今年で3回目です。渡司議員は、一昨年アメリカ、昨年ヨーロッパ方面、今年で3回目です。今年の中国方面視察では、大森議員は、一昨年ヨーロッパ方面、昨年中国方面、今年で3回目です。鈴木隆之議員は、一昨年中国方面、昨年アメリカ、今年で3回目です。高瀬議員、伊佐治議員は、一昨年中国方面、昨年中国方面、今年も中国方面、計3回連続してです。議員の派遣は個人と個人の結びつきではないと考えます。8人全員が18期において毎年行っていることにおかしいと思わないこと自体がおかしいです。海外派遣の予算が組まれれば当然のように計画し、行かない議員の分も使って3回も行くということは、区民は理解できません。  第3の理由は、親善訪問調査は区政に反映させなければなりません。しかし、教育環境を視察目的にしても、何度視察しても、35人学級など少人数学級の提案もありませんし、他項目で条例の提案もありません。  第4の理由は、視察の内容です。昨年12月18日、フジテレビは大田区議会のヨーロッパ方面視察の取材で、市内視察としてバッキンガム宮殿訪問を報道しました。たまたま報道があったため、大田区民も内容を知り得ることができ、「バッキンガム宮殿の騎兵隊の警備状況の視察が大田区にどのように役に立つのか」と、テレビ報道を見た区民から税金の無駄遣いと疑問の声が寄せられ、参加者はその分を返還するまでになりました。また、自民党区議会議員の中に中止して自粛しようという人がいないのも問題です。今回の派遣目的に中学生派遣を行っているブレーメン市への経由地であるミュンヘン市への安全確認とあり、これは国や教育委員会の仕事であり、区議会議員の仕事ではありません。  第5の理由は、政治と金の問題です。富山県議会、神戸市議会議員、墨田区議会自民党議員などの政務活動不正請求、都議会自民党・公明党が政務活動から多額の新年会費を出していることなどが問題になっています。税金の使い道は慎重であるべきです。  第6の理由は、10月23日から11月10日の親善訪問調査の日程が優先され、行政視察、常任委員会、特別委員会の日程がしわ寄せされ、制限されます。  第7の理由は、区民への親善訪問調査後の報告が議会年報しかなく、区民にはないことです。区民への説明責任が果たされていません。  第8の理由は、予算を示さず、行程表も示さず、本日の議案にし、採決をするといっても無理があります。これでは区民に理解を得られません。税金は区民の暮らし・営業応援に使うことであり、参加の皆さん、今からでも遅くありません、中止を求めて討論を終わります。以上です。(拍手) ○大森 議長 次に、43番荻野 稔議員。                  〔43番荻野 稔議員登壇〕(拍手) ◆43番(荻野稔 議員) たちあがれ・維新・無印の会の荻野 稔です。  会派を代表して、北京市朝陽区・大連市親善訪問調査に伴う議員の派遣について及び親善訪問調査に伴う議員の派遣についての二つの議案に反対の立場から討論を行わせていただきます。
     大田区議会の公費を使っての海外視察は昨年も民放に取り上げられ、注目を浴びてしまいました。こちらにいらっしゃる議員の皆様のもとへ区民の方々からもお問い合わせがあったのではないでしょうか。私ども無印の会は、海外視察、親善訪問のあり方、価値、そのもの全てを否定するものではありません。先日、区議会委員会室で開催されました海外親善訪問事前勉強会では、海外視察に参加しない議員の聴講も可能ということで、我が会派からも議員が参加させていただき、行ったのは私ですけれども、大変勉強になりました。百聞は一見にしかず、私も今年の初めに個人で台湾のほうに視察に行きましたが、実際に足を運び、空気を感じ、おのが目で見てこそ、わかるものもあるのでしょう。  一方で、他会派も指摘をするとおり、費用のあり方、情報公開のあり方について、メディアにあおられたとはいえ、区民の皆様から疑念を持たれている部分もあるのではないでしょうか。海外に行く以上、仕方がない面もありますが、かさんでしまう高額の経費、参加者を見ると、一部の参加者が何度も繰り返し同じ国へ参加をしているような状態も見てとれます。さらに今回は、中国とヨーロッパの2か所8名、全て同じ会派の方が参加をすることとなっています。もちろん、その理由を参加される皆様に問うのは酷でしょう。実際に我が会派を含め、全ての会派に参加の募集もございましたので、不参加となったこと、一つの会派のみになったことは、それぞれの会派の都合もあるのではないかと思います。  ポピュリズムともいいましょうか、一部の報道や勢力のつくった流れに流されるまま、物事の可否を議会が追認していくというのも、議会の機能不全へとつながるのではないでしょうか。必要があれば行くべきです。しかしながら、現在は区民に対する説明もやや不足しているように思えます。何も海外視察に限る必要はなく、国内視察ほか議会でどのような議論をしているのか、我々政治家、議会議員がどのような活動をふだん行っているのか、大田区議会全体としての活動を区民の皆様へさらに情報公開を行っていくことの検討もやっていく必要があるのではないかと考えます。  我が会派の所属議員は、現在の海外視察のあり方に疑問を唱えてきました。会派結成後の新会派としても同じ意見であります。大田区議会の海外視察のあり方につきましては、現状では賛成はできません。さらなる情報公開、ルールの明確化を要望させていただきまして、たちあがれ・維新・無印の会の反対討論とさせていただきます。(拍手) ○大森 議長 次に、46番野呂恵子議員。                  〔46番野呂恵子議員登壇〕(拍手) ◆46番(野呂恵子 議員) 大田区議会緑の党は、北京市朝陽区・大連市親善訪問調査に伴う議員の派遣について、今回賛成できないことを本当に残念に思いますけれども、反対討論させていただきます。  私は大田区で暮らす残留孤児の方々と交流を続け、彼らが置き去りにされた大地、大連へぜひ行ってほしいと常々言われてきました。その思いがあり、今年5月、大森議長をはじめとして5名の議員と、国交回復45周年の一環として大連市を私費で訪問いたしました。そのとき、中国人民対外友好協会の方々、そして大連市政府をはじめとする多くの方々と大田区議会が友好を深めてきた姿をかいま見て、これまでの議会の取り組みの成果を肌で感じました。特に今年は日中国交回復45周年、そして朝陽区と友好都市を締結し20周年と記念すべき年であり、中国、日本、ともに全国で友好親善を深め、相互の国を行き来している大変貴重な年であり、議員派遣の重要性は理解しております。  ただ、議会を代表して派遣するには一つのルールが必要ではないでしょうか。今回、残念ながら一つの会派だけとなりましたが、そのようなときに見直す、あるいは議長、そして日中議連会長の表敬訪問などという形にすることはできなかったのでしょうか。あるいはまた、日中議連の議員が私費で訪問することも友好を深める一助になるかと思います。私が区議会議員になったころ、50名の議員が4年の任期中に一度は海外親善訪問ができる予算をと計上していたことを思い出しました。しかし、そのときも中国、セーラムは隔年であり、特に任期中の4年目は中止することも多々ございました。今期は残念ながら一つの会派ということで、今後そうしたことも検討し、税金での視察であり、重く受け止め、一定の方向性を出していきたいと考えます。  続いて、ヨーロッパ親善訪問調査に伴う議員の派遣について、派遣目的に「ブレーメン市への経由地であるミュンヘン市の安全確認及び訪問地としての適性を調査する」とございました。先ほど黒沼議員の質疑に、ミュンヘンの安全確認を我々としてもしていないとご答弁しておりましたけれども、しかし、この点は、昨年の訪問後の報告書に次のように書いておりましたので、引用させていただきます。「特にドイツにおいては中学生派遣前日に発生したミュンヘンでのテロ事案など、昨今の治安課題から今後の派遣の可否についても現地の状況を踏まえ検討する、重要な視察でもありました」。昨年既にこの報告書に書いておりますように、この点は精査していたのではないでしょうか。  しかも、訪問した団員の報告書にも次のように書かれてありました。「今年は出発直前に乗り換え空港でのドイツ・ミュンヘンで銃乱射事件があり、ミュンヘンでのスケジュールが一部変更になったとのことではありましたが、単発的な事件であり、それ以降私たちが訪問している間にも特に危険を感じる出来事はありませんでした」と記載し、中学生派遣事業を充実させるべきだとのご報告でしたので、その報告を議会で聞かせていただいたことが胸に残っておりました。今年度、改めてこれが目標となっているのはどういうことなのかと私は思いました。  派遣の報告会が昨年も区民に対してなされなかったことは大変残念であり、議会として一定のルールをぜひ私たちみんなでつくり、やっていこうではありませんか。それが議会として議員を派遣する大きな意義だというふうに思います。そしてまた、まだ経費もわからないままであり、一定のルールが守られるのかどうか、そうした点を精査する必要があり、今回は反対とさせていただきます。(拍手) ○大森 議長 次に、47番奈須利江議員。                  〔47番奈須利江議員登壇〕(拍手) ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  北京市朝陽区・大連市親善訪問調査に伴う議員の派遣について、親善訪問調査に伴う議員の派遣について、反対の立場から討論いたします。  大連市親善訪問調査には昨年の7名に引き続き今年は4人、親善訪問調査は昨年の8名に続き今年は4名の議員を派遣します。私は、調査は重要で、政策立案の調査は安易に減らすべきではないと考えています。しかし、議会を使って行う調査となれば、予算には限りがあり、必要だから、重要だからと際限なく増やすことはできません。それ以上に優先すべき課題もあるからです。  しかも、これら訪問の主目的は親善です。親善目的の調査に毎年議会を使い、議員を派遣すべきでしょうか。特に、今回の北京市朝陽区・大連市親善訪問調査も親善訪問調査も、自民党1会派だけが派遣されています。議会を使い行う議員の派遣ですから、議会として共通の課題、問題に取り組むのであり、1会派だけで行う調査というのはあり得ません。だとすれば、政務活動や私費で行うべきではないでしょうか。  親善訪問調査の派遣場所、ドイツ・バイエルン州ミュンヘン市の派遣目的は、中学生派遣を行っているブレーメン市への経由地であることから、「安全確認と訪問地としての適性を調査」としていますが、行政が行っている中学生派遣の問題であれば、一義的には大田区行政として安全性を確認すべきですし、安全を確認しなければならないところに大田区が派遣しているなら、まず議会で追及すべきですが、そうした議論が議会で行われたことはあったでしょうか。あったとして、その答弁だけで不足する内容だったのでしょうか。今回の調査は、大田区議会として派遣すべきではなく、反対です。  そもそも、国が果たすべき外交という役割を基礎自治体が都市間の友好としてどう取り組むべきかという議論もあります。大田区議会として民間外交に取り組むのであれば、適正を調査するため、友好的な地域ばかりを調査訪問するというより、外交上課題がある国だけれど、都市間での友好関係を築くことで国家間の関係を改善させることに寄与できるといった姿勢で取り組むべきではないでしょうか。  グローバル化と規制緩和で人、物、金、情報の流れは自由化され、国と国との距離は物理的にも心理的にも近くなっています。ところが、グローバル化が進むほど国際社会における国家間、民族間の対立や南北問題と言われるような貧富の差が大きくなり、それが国際情勢や経済に大きな影響を及ぼし、外交問題に発展している地域もあります。民間外交とはいえ、政治に携わる議会として、都市間の親善に取り組むのであれば、こうした国際社会における背景を理解した上で何をすべきか考えるべきで、それは議会を使い海外を訪れることだけではないと思います。  今回、フェアな民主主義、奈須利江は、親善訪問調査の課題について、韓国の特区制度などについて調査を提案させていただきました。結果として提案されたのはドイツとスイスで、中学生派遣の経由地ミュンヘン市の安全確認と訪問地の適性、文化、民間活力を導入したまちづくり、教育の実情を調査するそうです。ところが、私がさせていただいた提案などが、どのような議論の上、なぜ却下されたのか、経過も理由も示されず、本日、この議案が上程されています。議会を使った調査であれば、議会として共通の課題解決のための調査を行うべきで、訪問調査の課題や場所が決まった理由も明確に説明していただきたいと思います。  基礎自治体の役割はますます大きくなっています。地方分権で社会保障の責任主体が基礎自治体に整理されたからです。ところが、地方分権は、社会保障の責任主体を基礎自治体にしたのと同時に、基礎自治体の裁量権を大きくしたので、基礎自治体の優先順位が曖昧になりました。中央集権のときは、憲法により国が国民に保障していた健康で文化的な最低限度の暮らしを国に代わり、基礎自治体である大田区が保育や介護などの事務を区民に提供することで保障していました。これが地方分権で自治事務になって、最低限度の暮らしまでが自治体の裁量の範囲に置かれてしまっています。  高度に都市化した東京での暮らしはますます困難になり、多くの区民は何をしても安心を得ることができず、どこまで働き続けなければならないのか漠然とした不安の毎日を送っています。議員の海外視察の無駄遣いといった論調の番組や記事が多くの視聴者の共感を得るのも、こうした状況下での議員への批判と捉えるべきで、このような訪問は行うべきではなく、反対といたします。(拍手) ○大森 議長 以上をもって討論を終結いたします。  本件を一括して起立により採決いたします。  本件は、先に配付しましたとおり、議員を派遣することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○大森 議長 起立多数であります。よって本件はいずれも議員を派遣することに決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第8を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第8  29第38号 新空港線(蒲蒲線)の建設について区民に説明会を開くことを求める陳情                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 お諮りいたします。本件については、交通臨海部活性化特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第9を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第9  29第36号 横田空域の一部返還等の状況変化がある場合区民に事前にお知らせ頂きたいと願う陳情                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 お諮りいたします。本件については、羽田空港対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。  今回受理しました請願・陳情は、ただいま特別委員会に付託しました2件を除き、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会に付託します。                ――――――――――――――――――――              平成29年第3回定例会 請願・陳情付託表【第1号】                                        平成29年9月21日付託 総務財政委員会  29第32号  固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続について意見書の提出に関する陳情  29第33号  固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続について意見書の提出に関する陳情  29第34号  固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続について意見書の提出に関する陳情  29第37号  国民健康保険料の均等割額の見直しを切望する陳情 地域産業委員会  29第40号  核兵器禁止条約を日本国が批准するよう意見書を提出することを求める陳情 都市整備委員会  29第41号  鶴渡公園の駐輪場の段差解消の陳情 こども文教委員会  29第39号  就学援助の新入学用品を入学前に支給するよう求める陳情  29第42号  保育所職員に対しての更なる処遇改善を求める陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。  お諮りいたします。明9月22日から9月28日までは委員会審査のため休会とし、来る9月29日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。  本日はこれをもって散会いたします。                     午後6時38分散会...