大田区議会 2005-12-01
平成17年 第4回 定例会-12月01日-02号
平成17年 第4回 定例会-12月01日-02号平成17年 第4回 定例会
平成17年第4回定例会 大田区議会会議録 第15号
12月1日(木曜日)
出席議員(48名)
1 番 永井敬臣 君 3 番 近藤忠夫 君 4 番 田中一吉 君
5 番 河津章夫 君 7 番 水井達興 君 8 番 小原直美 君
9 番 海老澤信吉君 10 番 松原秀典 君 11 番 高瀬三徳 君
12 番 鈴木章浩 君 13 番 安藤 充 君 14 番 岸田哲治 君
15 番 大森昭彦 君 16 番 松原茂登樹君 17 番 伊藤和弘 君
18 番 塩野目正樹君 19 番 湯本良太郎君 20 番 有川靖夫 君
21 番 田口 仁 君 22 番 溝口 誠 君 23 番 荒川善夫 君
24 番 高橋 博 君 25 番 飯田 茂 君 26 番 冨田俊一 君
27 番 清波貞子 君 28 番 古山昌子 君 29 番 渡部登志雄君
30 番 松本洋之 君 31 番 丸山かよ 君 32 番 犬伏秀一 君
33 番 山崎勝広 君 34 番 岸田 正 君 35 番 都野圭子 君
36 番 田中 健 君 37 番 荒木秀樹 君 38 番 内田秀子 君
39 番 奈須利江 君 40 番 野呂恵子 君 41 番 金子富夫 君
42 番 沼田秀弘 君 43 番 清水菊美 君 44 番 菅谷郁恵 君
45 番 金子悦子 君 46 番 和田正子 君 47 番 黒沼良光 君
48 番 藤原幸雄 君 49 番 渋谷 要 君 50 番 大竹辰治 君
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欠 番
2 番 6 番
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出席説明員
区長 西野善雄 助役 小松惠一
助役 齋藤 實 収入役 江頭博彦
区民生活部長
経営管理部長 須藤常好
危機管理担当部長兼務 高橋幾夫
産業経済部長 平野 壽
保健福祉部長 金澤 彰
保健所長
地域保健担当部長兼務 三好温子
こども育成部長 本間敏幸
交通事業本部長
まちづくり推進部長 石田隆則 交通再
開発担当部長兼務 赤阪英夫
清掃部長 山田幸次郎
大田北地域行政センター長 佐藤喜美男
大田西地域行政センター長 竹村一也
大田南地域行政センター長 秋山光明
経営管理部総務課長事務取扱
大田東地域行政センター長 堤 正廣
経営管理部参事 根本 敦
経営管理部企画財政課長 川野正博
教育長 細島德明
教育委員会事務局次長 池藤紀芳
教育委員会事務局庶務課長 平山政雄
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出席事務局職員
局 長 大久保一成
議事担当係長 大谷 隆
議事担当係長 石山雅弘
調査担当係長 北村嘉常
議事日程第2号
平成17年12月1日 午前10時開議
第1
第 117 号議案 平成17年度大田区
一般会計補正予算(第3次)
第 118 号議案 大田区廃棄物の減量及び適正処理に関する条例の一部を改正する条例
第 119 号議案 大田区浄化槽清掃業の許可及び
浄化槽保守点検業者の登録に関する条例を廃止する条例
第 124 号議案 土地の取得について
第 125 号議案 土地の取得について
第 126 号議案 土地、建物及び工作物の負担付贈与の受入れについて
第 127 号議案
大田区立男女平等推進センターの指定管理者の指定について
報告第 18 号 区の義務に属する
損害賠償額決定に係る専決処分の報告について
報告第 19 号
大田区立東蒲小学校体育館及びプール改築その他
工事請負契約の専決処分の報告について
報告第 20 号
大田区立大森第五
小学校体育館改築その他
工事請負契約の専決処分の報告について
第2
第 121 号議案 大田区
産業連携支援施設条例
第 128 号議案
大田区民プラザの指定管理者の指定について
第 129 号議案
大田区民ホールの指定管理者の指定について
第 130 号議案 大田文化の森の指定管理者の指定について
第 131 号議案 大田区休養村とうぶの指定管理者の指定について
第 132 号議案
大田区立熊谷恒子記念館の指定管理者の指定について
第 133 号議案
大田区立龍子記念館の指定管理者の指定について
第 134 号議案
大田区営アロマ地下駐車場の指定管理者の指定について
第 135 号議案 大田区産業プラザの指定管理者の指定について
第 136 号議案 大田区
創業支援施設の指定管理者の指定について
第 137 号議案 大田区賃貸工場の指定管理者の指定について
第 138 号議案 大田区
中小企業者賃貸住宅の指定管理者の指定について
第3
第 122 号議案
大田区立知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例
第 139 号議案
山王高齢者センターの指定管理者の指定について
第 140 号議案 大田区立おおもり園の指定管理者の指定について
第 141 号議案
大田区立特別養護老人ホームの指定管理者の指定について
第 142 号議案
大田区立高齢者在宅サービスセンターの指定管理者の指定について
第 143 号議案
大田区立つばさホーム前の浦の指定管理者の指定について
第 144 号議案
大田区立知的障害者援護施設の指定管理者の指定について
第 145 号議案 大田区立前の浦集会室の指定管理者の指定について
第4
第 123 号議案
大田区営住宅条例の一部を改正する条例
第 146 号議案 特別区道路線の認定について
第 147 号議案 特別区道路線の認定について
第 148 号議案
大田区立公園水泳場の指定管理者の指定について
第 149 号議案
大田区営住宅の指定管理者の指定について
第 150 号議案
大田スタジアムの指定管理者の指定について
第5
第 151 号議案
大田区立スポーツセンターの指定管理者の指定について
第6
第 120 号議案 大田区
防災業務従事者損害補償条例の一部を改正する条例
第7
議員提出第3号議案 大田区こどもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
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午前10時開議
○副議長(荒川善夫 君) 議長にかわり副議長が議長の職務を行います。
ただいまより本日の会議を開きます。
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○副議長(荒川善夫 君) これより昨日に引き続き質問を行います。
まず、3番近藤忠夫議員。
〔3番近藤忠夫君登壇〕(拍手)
◆3番(近藤忠夫 君) 産業施策について順次質問をいたしますので、明快なお答えをよろしくお願いいたします。
ここ新聞報道などによりますと、過去最高の収益を上げた株価も数年ぶりに1万4000円を超えた。きのうの新聞報道等では5年ぶりに1万5000円台を回復し、日本経済がデフレを脱却しつつあるとの見方から、海外投資家を中心に買いを加速させていると見ている。また、市場では2006年以降も景気の拡大傾向が続く。これは
野村証券金融経済研究所などの見方で、買いに対する安心感が出ている等々の景気のいい話が報じられておりますが、区内の中小企業から、確かに忙しくなったけれども、もうからないといった声がよく聞かれます。加工単価の引き下げや短納期、あるいは原材料の高騰といったことから、どうしても利益、採算がとれない。赤字になってしまう。零細であればあるほどしわ寄せはかかってくる。大田区の産業構造も少しずつ変化を来しているように見受けられます。
このような中、景気回復の牽引役である自動車、
デジタル家電業界では、さらに高度な技術を求める傾向にあり、例えばプレス加工では、自動車部品の材質に加工が非常に困難なかたい金属、いわゆる超硬材が多く用いられるようになりました。また、不可能と言われる極薄鋼板の深絞り加工や、ミクロン単位での高精度加工、新素材、難加工材などによって形成部材の小型化、軽量化を行い、耐久性、耐磨耗性にすぐれた製品の生産性の向上が日々求められているのが現実であります。このため、最新の設備を導入しなければ受注製品の加工ができない、あるいは量産化が望めないといった状況になっています。
このような大手企業からの要求はさらに高度な技術加工を求めてくることが予想され、町工場も一層の技術革新をしなければなりません。また、来年5月に施行されるヨーロッパにおける環境規制、いわゆる
RoHS指令によって、製造業は技術が高いだけでは受注できない状況になります。例えば、
RoHS指令ではクロームの使用で合金材料の製品、メッキ、なめし等の合成、加工ができなくなる。では、それにかわる金属、これは有効に果たせるか、大きな課題であります。大手からのコスト削減が要求されている状況において、材料のコストアップは中小企業の経営に重くのしかかっております。
また、一たん海外に行ってしまった仕事が帰ってくる、いわゆる日本回帰は、諸外国ではできない高度な製造技術が必要だからこそ再び日本に戻ってきたものであります。大田区の製造業の強みの源泉は、
高度部材産業集積とこれを支える基盤技術を有する中小企業群の存在であり、こうした高度部材、
基盤産業集積を形成していることが、ものづくりに不可欠な基盤技術の
ネットワーク化を通じた現場レベルの迅速かつ高度なすり合わせを可能としております。しかし、この強みも区内工場の減少によって少しずつ崩れつつあります。せっかく国内回帰によって受注がふえても、産業集積の衰退によって対応できない状況にならないかと危ぐしております。
大田区は産業のまちです。かつては9000を超えた工場数も、現在5000と減少しております。また、臨海部埋立地は、製造業の減少により流通や
廃棄物処理施設などの業者が増加しており、土地利用の変化を来しているのも事実です。こうした中、平成16年6月に用途地域が変更され、用途地域は土地利用を規制、誘導するためのルールであり、まちづくりを進める上で最も基本的で重要な制度であります。この変更は、東京都
都市計画審議会での審議を経て施行されたものであります。変更された用途地域は、大まかに住居系、商業系、工業系の三つに大別されますが、工業系はさらに準工業地域、工業地域、
工業専用地域に区分されております。このうちの
工業専用地域には住宅系は建てられませんが、準工業地域、工業地域には住宅の建設は可能であります。時代の流れとはいえ、移転、廃業等により工場の跡地にはマンションなどが建設され、工場主と建築主、あるいは
マンション入居者との間で工場の操業をめぐる紛争が生じ、深刻化しているのも事実です。
今述べましたが、詳しく申し上げますと、平成12年の調査では、6165社だった工場がわずか3年後の平成15年には5040社と1000社以上も減少しました。これは不況による倒産、廃業、あるいは後継者不足といったことに加え、近隣のトラブルから工場を閉めたり、区外へ移転したことも原因であります。
高度な技術集積こそが大田区の工業の強みであり、今後はさらに技術集積が求められている中で、住宅化が進むことによって、これ以上、工場の操業環境の悪化は、産業のまち大田区として何としても食い止めるべきだと考えます。状況を打開するため、工業系地域での住宅建設を抑制することも視野に入れた施策の展開も考えていく必要があるのではないか、また、工業系地域での住宅化は、中小企業だけでなく住民の方にも負担が強いられ、ある程度工場と住宅は分離すべきであると思います。
既に
工業専用地域はその施策のとおりでありますが、準工業地域は住工混在であり、そして共存する上で価値観を共有していかなければならないと考えますが、その点、工業育成の視点から区長のお考えをお伺いしたいと思います。
近年、工場敷地内において、有害物質による土壌汚染の増加が著しく、土壌汚染による影響の懸念や対策の確立への社会的要請が強まっています。平成14年5月、国民の安全と安心の確保を図るため、土壌汚染の状況の把握、土壌汚染による被害の防止に関する措置等の
土壌汚染対策を実施することを内容とする
土壌汚染対策法が成立しました。
東京都においては、それより一足早く、平成13年10月から環境確保条例により
有害物質取扱事業者や大規模開発を行う事業者に対して、
土壌汚染調査の実施と汚染が確認された場合の土壌処理を義務づけております。
近年、企業の工場跡地等の再開発等に伴い、重金属、
揮発性有機化合物等により土壌汚染が顕在化してきております。特に最近、汚染事例の判明件数の増加は著しく、ここ数年で新たに判明した土壌汚染の事例数は高い水準で推移しております。これらの有害物質による土壌汚染は、放置すれば人の健康に影響を及ぼすことが懸念され、汚染土壌の
完全無害化確立への社会的要請が強まっております。
そこで問題となっているのが土壌汚染の処理費用であります。現状の処理技術では、処理経費が膨大な金額に上り、場合によっては土地価格をも上回るケースがあります。
中小零細企業では、処理の問題を考えると事業転換もできず、そのまま廃業に追いやられる状況で、その結果が工場の衰退に拍車をかけていると考えられます。
そこで、汚染の除去等の措置を行う者に対し、支援制度としてどのようなものがあるか。また、大田区独自の補助制度等を考えていかなければならないと思いますが、お伺いしたいと思います。
先端的新産業分野をはじめとし、現在及び将来において我が国経済を牽引していく
重要産業分野が今後とも競争力を発揮するためには、高度部材、基盤産業の存在が必要不可欠であり、その競争力の維持、強化が重要と私も考えております。
経済産業省でも、今年の9月に「新
産業創造戦略2005」を発表し、鋳造、鍛造、プレス加工、メッキ、切削、レーザー加工、放電加工、研磨、
組み込みソフト等といった基盤技術の支援策として、川上産業、川下産業の連携強化と
技術開発支援、あるいは経営基盤強化といったものを打ち出しております。まさに、大田区のための支援策と言っても過言ではないと思います。このような国の支援策を区はどのように活用していこうと考えているのか、お伺いいたします。
次に、産学連携についてお伺いいたします。
天然資源に乏しい我が国において、大学の本来有している知のポテンシャルが、我が国の経済を活性化し、牽引役を果たしていくために、十分に活用していくべきだという観点から、私は産学連携を積極的に進める必要があると考えております。単に欧米方式をまねるのではなく、実質的に機能するための仕組みづくり、具体的には研究成果を製品化、事業化していくためのインセンティブの向上や、大学発の自由な
ベンチャー企業の立ち上げを支援できる環境を整備できることが必要であります。あわせて、これらの研究成果の事業化等を担う人材として、産学官の英知を集め、大田区全体で人材育成することが重要であります。
大学発ベンチャーの創出拡大や
経済社会ニーズに柔軟に対応した教育、研究の実施など、産学連携を加速化する上で、その主体である大学がみずからの自主性のもと、その役割の一つとして産学連携を明確に位置づけ、それぞれの創意工夫で経営や教育、研究が自由に行える環境を整備することは当然のことであります。
国立大学の
独立行政法人化は、こうした流れにさらに拍車をかけ、産業界との連携を努めていくことが必要です。大学や研究機関の持つ知の部分と企業が持つ技術が合わさることによって、より高度で新規性のある製品を生み出すことができます。
平成15年5月に開設した旧
羽田旭小学校跡の
創業支援施設においては、
産学連携企業が入居しており、大学の研究を製品化しようと頑張っています。また、この施設は
インキュベーション施設であるため、
ベンチャー企業が多数入居して数々の成果を上げていると聞いております。
そこで、来年度開設予定の旧北蒲小学校を活用しての
産学連携施設では、大学の研究室の中だけでは実現不可能であるものを企業と連携することで製品化を図ることが可能となります。さらに、各大学の研究室間の
ネットワーク構築や異分野における応用技術の創出が期待されています。全国から多くの
産学連携グループが入居することにより、その波及効果として区内企業の活性化も図られることになります。
産学連携施設は、企業と大学が連携する新産業の創出の拠点として整備し、サポーティングインダストリーとしての大田区産業の維持発展に寄与すべきと考えられます。したがって、使用料は極力低く抑え、さらに未来を担う子供たちにものづくりの楽しさや大切さを教えられる機能をあわせ持った施設にすべきと思います。区長の考えをお伺いいたします。
大田区のすぐれた工業製品と技術を国際的にアピールし、国際的な市場の開拓や技術移転に貢献することは重要と考えます。これまでも多くの企業が中国など東南アジアに進出しております。特に、中国市場はこれから大いに期待される反面、言葉や風習の違いからトラブルに遭う中小企業も多いのも事実として聞いております。また、材料の品質や調達手段、あるいは納期や支払い方法でのトラブル、また電力の供給不足等、操業環境の整備不足等、多種多様な問題が発生しており、中小企業が単独で進出するには非常に問題が多い。このため、未経験な中小企業でも安心して海外進出ができるように行政がサポートすべきではないかと考えます。
これに関連した記事が11月22日の新聞に掲載されました。その記事の一部を紹介すると、「日系の製造企業約300社が稼働するタイ国最大の
アマタ工業団地に、大田区の中小企業を受け入れるための
オオタ・テクノパークが建設されることになりました。21日に現地でくわ入れ式が行われ、国内産業の空洞化で経営困難になっている中小企業を支援したい大田区と、日本の高度経済成長を下支えした区内の中小企業の技術力を学びたいタイ側の思惑が一致いたしました。日本の特定自治体がみずからの名前で海外に産業輸出するのは初めてのケースと見られる」とのことであります。
そこで、この
オオタ・テクノパークが着手されるまでの経過と、どの程度の企業が参加し、その企業にとってのメリットについて聞かせていただきたいと思います。さらに、この
オオタ・テクノパークを今後どのように発展させていくのかについてあわせてお聞きしたいと思います。
東南アジア有数の工業国となったタイは、多くの日系製造業の集積地であり、それに伴い機械部品や工具類、基盤技術の需要が高まっていると聞いております。タイで11月17日から20日に開催されたタイ・メタレックス2005は、タイで最も好評を博している工業見本市であります。大田区ではこの見本市に毎年参加していると聞いております。
そこで、この見本市に参加するようになった経過と、大田区から出展している企業の参加状況の推移についてお聞きしたいと思います。さらに、見本市に参加した企業からどのような意見が寄せられているのかもあわせてお聞きしたいと思います。
このように、大田区の産業も海外に活路を求めています。既に中国の産業集積地には約80社から移転し、操業しているとも聞いておりますが、その成果を掌握しているのでしょうか、お聞かせください。
今後、区内産業を発展させていくには、大田区民の意識の中に潜在的に大田区が産業のまちとしての位置づけを認識しなければなりません。大田区民への潤いが産業からの税収、それが財源として根幹の一部をなしているからであります。2009年には羽田空港の第4滑走路が完成し、国際線の就航が予定されています。国際化により、埋立地や市街地の
工業専用地域の価値は格段に大きくなるものと考えます。このような状況を踏まえ、大田区として空港周辺の将来を見据えた
産業ビジョン、施策を策定すべきと考えますが、いかがでしょうか。
以上、私の質問を終わります。(拍手)
○副議長(荒川善夫 君) 理事者の答弁を求めます。
◎区長(西野善雄 君) 私からは用途指定の問題についてお答えをいたします。
用途指定については、既にご案内だと思いますが、土地利用の整合性を図る、あるいは住宅とか工業とか純化を図る、そういう目的で定められたものでございます。
ご指摘がございました準工業地域というのは、内容が何でもいいよみたいな地域になるわけでございまして、多くの中小企業の方々がそういうところにげた履き工場みたいな形で立地したというところから、成功した場合には住工分離という方向になるんですが、なかなか脱皮できない工場が残る。そこへ隣の小さな工場がどいて、そこにマンションができるというようなことになりますと、その住民の方々からいろいろ騒音だとか種々の論議で出てくる。こういう形で住工の共存ということが非常に困難な状況になる。準工業地域というものはそういう内容を持ったものでございますので、私どもとしても直ちに工業に純化するよということも指導いたしかねる分野でございます。そういうところから、大田区
工業専用地域あるいは工業地域というものをできるだけ減らさないで、我々として入手をして工業者に活用していただくというような方向性もとりながら、産業支援を現在行っているわけでございまして、そういう中で工業者の方には発展していただきたい、このように願っておりますし、また、準工地域における共存の問題等については、いろいろと大田区らしさがそこにはある、人と人とのよりよい関係も生まれてくる、こういうことでまちづくりを進めてまいりたい、このような願いを持っておるわけでございます。ご理解を賜りたいと思います。
◎
産業経済部長(平野壽 君) 産業経済に係る他の部分について私の方からお答えをさせていただきます。
まず、経産省が出しております「新
産業創造戦略2005」でございますけれども、先端的産業あるいはこれからの我が国の重要産業を支えていくためには、基盤技術を担う中小企業の力を強めていくことが重要であるという認識のもとにさまざまな方針が出されております。現在、国の方でその具体的な内容について詰めているというふうに聞いております。内容が明らかになった段階で、区の実情に合った形での支援策を考えていきたい、活用を考えていきたいというふうに考えております。
去る9月15日、私どもはPiOの中で経産省の担当職員を呼びまして、この内容の説明会を開催いたしたところでございます。多くの企業の方に参加をしていただいたというふうに認識をしております。
それから、旧北蒲小学校を活用いたします
産学連携支援施設でございますけれども、企業と大学との連携によって、新産業の創出あるいは新技術開発の支援の場としていく方向で考えております。また、子供たちにもものづくりの大切さあるいは楽しさといったものを体験してもらうような場としても考えていきたいというふうに思っております。
使用料につきましては、施設活用の目的、周辺施設とのバランス等を考慮しながら考えてまいりたいというふうに考えております。
それから、タイ国の
オオタ・テクノパークについてでございますが、これは2004年(平成16年)でございますけれども、財団の大田区産業振興協会がタイ・メタレックスという国際展示会に出展をいたしました。この際に、アマタコーポレーションを訪問したのがきっかけでございます。
オオタ・テクノパークの中には、五、六社ほどの企業が参加を検討していただいているということでございます。
区内企業にとってのメリットでございますけれども、一つには、この場所は非常に立地条件がよいということでございまして、バンコクから高速道路2本が整備されておりまして、1時間弱で工業団地に着く。あるいはタイ最大の港も西側2キロの地点にあるというふうに聞いてございます。この工業団地内には、大手企業はじめ350社が操業をしているようでございますけれども、うち7割が日系の企業であるというふうに聞いております。自動車メーカー、電気電子関連企業が多数操業しているということでございます。また、このテクノパークの内容でございますけれども、従来このタイ国というのは1000平米以上の工場という設定であったわけですが、ここの場合は1ユニットが320平米程度と区内の企業にとってはちょうどいい規模になっているのではないかなというふうに考えております。
それから、今後の発展の方向性でございますけれども、レンタル更新時――3年後になりますけれども――さらに工場の規模を拡大することが可能だと。それから、新規の企業が入居して、ここを拠点として海外展開を図るというようなことも可能ではないかなというふうに考えております。
それから、タイ・メタレックスという展示会でございますけれども、これは99年までシンガポール、マレーシアを中心に、あるいはヨーロッパ等にも出展してまいりましたけれども、2000年から中国を中心に展開してきました。2001年からASEAN地域の急速な経済発展あるいは日系企業の進出に対応するため、タイの市場に注目してタイ・メタレックスに参加をしてきております。17年は5社、16年につきましては3社1グループ、14年につきましては2社というような参加の状況でございます。
タイ国自体が非常に成長している状態でございまして、毎年参加企業の顔ぶれが新しくなってきております。昨年参加した企業は、独自に代理店を通して出展をされているというようなこともございます。今年参加をいただいた5社のうち4社が新しい顔ぶれでございました。
それから次に、中国の産業集積地に出ておられる企業の成果ということでございますけれども、さまざまな形で連絡をとり合っているわけでございますが、現地へ展開して間もない区内の企業は、上海で開催されている展示会に大田区ブランドを活用して現地への売り込み等も行っております。展示会出展の際に、現地へ展開した大田区企業の訪問も実施をしているところでございます。その他、受発注あっせん相談があった場合に、内容が合致している場合には中国に展開した区内の企業へも打診をしておりまして、ネットワークづくりにも取り組んでいるということでございます。
こういったことで、全体で20社程度の訪問調査を行っておりますけれども、業績は好調に推移していると。ただ、企業の具体的な中身については、必ずしも詳細を把握できるという状況にはございません。それから、昨年の上海での展示会に出展した企業の中で、上海市内に分工場を置きまして、技術者を派遣し、日系企業からの受注を開拓するなど、順調に事業展開を進められているということもお聞きをしているところでございます。
最後になりますけれども、羽田の第4滑走路、あるいはそれに伴います国際線の就航によりまして、空港周辺の環境あるいは産業構造も大きな影響を受けるという認識をしているところでございます。大田区は、ご案内のように機械金属加工の集積地でもございます。特に埋立地におきましては、公害型企業が多く集まり、大田のものづくりあるいは日本のものづくりを支えているわけでございます。こうした時代の動きあるいは社会状況の変化を見据えた上で、区内産業の発展をどのように図っていくか、研究をしてまいりたいというふうに考えております。
私からは以上でございます。
◎
まちづくり推進部長(石田隆則 君) 私の方から土壌汚染の補助等についてお答えさせていただきます。
土壌汚染の除去等の措置に関する支援措置といたしましては、大田区の公害防止資金融資、これが限度額1000万円まで、東京都の特定取組支援融資、これが限度額1億円までとなっております。また、国民生活金融公庫から限度額7200万円まで、中小企業金融公庫から限度額7億2000万円までという融資が受けられます。このように融資制度が充実してきておりますので、これらを活用していただければありがたいと考えております。
また、最近では土壌を入れ替えず、より低コストで施工できる工法も発表されております。環境保全課においても
土壌汚染対策の相談も行っておりますので、ぜひご利用いただければと思います。
○副議長(荒川善夫 君) 次に、42番沼田秀弘議員。
〔42番沼田秀弘君登壇〕(拍手)
◆42番(沼田秀弘 君) まず、子供の生活習慣について質問をさせていただきます。
子供の基本的な生活習慣が乱れ、学習や体力にも影響しているため、文部科学省は来年度から学校やPTA、自治会と連携し、早寝・早起き・朝ごはんの規則正しい生活リズムを身につけるよう呼びかける運動を始めます。早朝マラソンや夜の盛り場巡回などを地域ぐるみで行うモデル事業を全国235か所で展開し、学習塾に夜遅い授業の自粛を要請することも検討するとしております。事業名称は「子どもの生活リズム向上プロジェクト」とし、来年度予算の概算要求に必要経費2億5000万円を盛り込みました。昔の子供に比べ、今の子供たちは生活習慣が夜型に偏っており、そのことが体力の向上に悪影響を与えたり、学力の低下の原因になっているとも言われております。
そこで、まず伺います。大田区の子供たちの生活習慣はどのような傾向にあり、どのような点が問題であると考えておりますか、お伺いいたします。
文部科学省によると、午後10時以降に就寝する割合は、6歳以下では1990年度は31%でしたが、2000年度は50%に上昇しました。また、朝食を食べない子供の割合も95年は小学生では13%、中学生では19%でしたが、2000年度には小学生16%、中学生20%と増加傾向にあります。また、2003年度、小学校5年生から中学校3年生を対象にした教育課程実施状況調査では、すべての教科、学年できちんと朝食をとっている児童生徒ほど得点が高い傾向にあります。
どのような食事が健康によいかと考える時代に、朝食をとらない子供たちが小学生で16%、中学生で20%という高い数字であることは改善していく必要があります。家を出る直前まで寝ていて食事をとる時間がないのであれば、やはり夜型の生活習慣を変えて、早寝、早起きの習慣に戻さなければなりません。また、食事から生活のリズムをつくることも大切で、正しい時間に三食の食事をとることで、正しい生活習慣を身につけることも重要であります。子供たちの学習や体力を向上させるためにも、成長期の食生活の重要性をもっと学校や親子間で考えていけるような取り組みをさらに進めていかなければならないと思いますが、今後の取り組みをお伺いいたします。
次に、子供の生活習慣については、子供たちを取り巻く家庭の環境の変化が大きく影響しております。現在の子供たちは、小さいころからゲームやテレビに夜遅くまで夢中になったり、中学生になると携帯電話のメールやパソコンでのインターネットを夜遅くまで利用している子も多くいるようです。このように、家庭内のIT化などが子供たちの生活習慣に大きな影響を与えていると思いますが、今後、IT技術の進歩はさらに加速して、子供たちへの指導方法などその対応はさらに難しくなっていくと思いますが、どのような取り組みを行っていく考えか、お伺いいたします。
次に、塾などの習い事と生活習慣の関係についてお伺いいたします。
文部科学省も学習塾に対しては、小学生を対象とする授業が夜遅くならないよう要請することを検討するとしていて、同様の要請を1970年から1980年代の受験戦争が過熱していた時代に行っております。
学力の低下が問題になっている現在、親や子が塾に通って学力をアップしたいと思うのは自然であり理解できます。その一方、小学生が遅い帰宅になれば、学習面だけではなく子供の安全面でも心配されます。家庭でも塾との連絡を密にするなど、子供の帰宅が余り遅くならないようにすることも大切だと思いますが、まず、区内の小学生は塾などによる帰宅がどのぐらいの時間帯になっているのか、把握していればお伺いいたします。また、子供たちが学校や家庭の外で安心して学習できるよう地域や学校や家庭でどのような取り組みを行っていく必要があると考えますか、お伺いいたします。
次に、ちょっと生活習慣ということではないかもしれないんですけれども、最近、夏を中心に外国産のクワガタやカブトムシを飼う小中学生がふえております。1999年輸入が解禁され、スーパーやデパートなどでも夏の時期、外国産のクワガタやカブトムシが売られているのに気づいた方も多いと思います。このような外国産の生き物については、逃げたり捨てられたりすることが多く発生していて、外来生物による生態系への影響が懸念されております。外来魚のピラニアが琵琶湖で捕獲されたり、ブラックバスがいろいろな場所で増殖している話などは、水辺と多く接している大田区にとっても気になることであります。
外国産のクワガタは現在、特定外来生物までには指定されていないものの、要注意という扱いであります。子供のころから生き物をかわいがる気持ちを持つことはよいことでありますが、子供たちには生態系を守る教育を積極的に行う必要があると思いますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
次に、羽田空港の問題についてお伺いいたします。
区としても、ゴーアラウンドについては、ゴーアラウンドは危険回避のためにやむを得ぬものであることは承知しているが、A滑走路北側への着陸復行は市街地上空を飛行することとなるため、その騒音の影響は甚大なものになると国土交通省にも要望書等などで何度か改善を求めていると思いますが、ゴーアラウンドの回数は平成13年には44回であったものが、平成16年には2倍強の91回とふえております。騒音による影響のほかにも、ゴーアラウンドで危険回避する回数がふえることは、それだけ羽田上空で航空機が危険な状態に遭遇しているとも言えるわけであります。羽田空港周辺の安全にかかわる問題でもあります。航空機の間隔不十分や滑走路離脱おくれ、パイロットや機材等に起因するもの、その他の理由で全体の40%を占める人的要因とも言えるものについては、今後も引き続き改善を求めていっていただきたいと思います。
また、自然的要因はやむを得ないとされてきましたが、その中で平成13年には一度もなかったバードストライクによるゴーアラウンドの回数が大きく増加しております。バードストライクによるゴーアラウンドは自然的要因とされていますが、平成13年度にはゼロであった回数が急増した原因の究明や、改善方法などの研究を積極的に進め、自然的要因からもゴーアラウンドの回数改善に取り組んでいくことが重要だと思います。
人的要因を中心に改善を進め、ゴーアラウンドの回数を減らしながら自然的要因の研究もさらに進め、両方合わせてゴーアラウンドの回数を減らしていくことを考えた取り組みが必要だと思いますが、今後、国土交通省への要望の仕方などを含めたお考えを聞かせていただきたいと思います。
以上で質問を終わらせていただきます。(拍手)
○副議長(荒川善夫 君) 理事者の答弁を求めます。
◎
まちづくり推進部長(石田隆則 君) ゴーアラウンドのご質問をいただきました。ご指摘のとおり、羽田空港のA滑走路のゴーアラウンド、これは自然的要因も人的要因もともにふえている傾向にあります。バードストライクや地震など自然的な要因によるゴーアラウンドの改善、これはなかなか難しいところがありますけれども、ただいまご指摘の部分も含めまして、このゴーアラウンドの人的要因を中心に、改善を本年1月に要望しておりましたが、ご提案の趣旨も踏まえまして、今後の改善方の要求の仕方を検討してまいりたいと考えます。
◎
教育委員会事務局次長(池藤紀芳 君) 6点にわたり質問をいただきました。順次お答えを申し上げます。
まず、大田区の子供たちの生活習慣はどのような傾向にあり、どのような点が問題であると考えていますかとのお尋ねでございます。
平成16年12月に行いました健康教育を推進する小学校6校の調査結果によりますと、就寝時刻は学年が上がるにつれて遅くなり、6年生では約36%が11時以降に就寝をしております。また、朝起きたとき「少し眠かった」、「なかなか起きられない」と答えた6年生は83%に上っております。また、平成16年度、全区の小学5年生、中学2年生を対象とした調査によりますと、朝食を「食べないことが多い」、「ほとんど食べない」と答えた子供は小学5年生で5.5%、中学2年生で12.7%おりました。これらの調査からは、大田区の子供たちの生活習慣が夜型になったり、また、子供たちが朝食をとらなかったりする傾向が見られ、心身の健全な発育を図るための基本的な生活習慣の確立という点では問題があると考えております。
次でございます。成長期の食生活の重要性をもっと学校や親子間で考えていけるような取り組みをさらに進めていかなければならないと思うが、今後の取り組みについてお伺いしますとのことでございます。
食生活につきましては、本来、家庭生活の中でしっかりと営まれることがまず重要であると認識しております。学校では、現在、家庭科や保健学習などの教科や学級指導で子供たちに食生活の重要性について指導をしております。学校によっては、総合的な学習の時間を活用し、保護者と一緒に調理実習をするなど、食生活の重要性を親子間で話し合えるように工夫して取り組んでいる学校もございます。また、各学校では家庭に対し、学校だよりや保健だより、保護者会等を活用し食生活の重要性について知らせるとともに、生活習慣を振り返るチェックカード等を活用して家庭と協力して食生活の改善に努めております。
教育委員会としても、各家庭に配布した「おおたの教育」に食についての特集を組み、啓発を図っているところでございます。今後もこうした活動を継続してまいりたいと考えております。
次に、家庭内のIT化などが子供たちの生活習慣に大きな影響を与えている。今後、IT技術の進歩はさらに加速して子供たちへの指導方法などその対策はさらに難しくなっていくと思う、どのように取り組んでいくかとの質問でございます。
議員ご指摘のとおり、IT化の進展が子供たちの生活全般に悪い影響を与える面があることは大きな課題としてとらえております。今後は、急速に進歩いたしますITの活用については、その有効性や危険性、活用の方法や倫理などについて各学校の授業の中で十分指導していかなければならないと考えております。
現在、ハイテク犯罪につきましては、児童生徒の発達段階に応じて防犯教室やコンピューター学習において具体的な例を挙げて指導しておりますけれども、今後もハイテク犯罪の防止に向けて、校長会をはじめ生活指導主任会等においてその対策についての指導をすることはもとより、健全育成指導資料においてもハイテク犯罪防止に関する項目を取り入れ、指導の徹底をさらに図ってまいります。また、家庭内でのITの適切な指導について、保護者とともに考えていきたいと思っております。
次に、区内の小学生の塾などによる帰宅はどのくらいの時間の範囲であるのか、把握していればお伺いしたいとのお尋ねでございます。
先ほど申し上げました区内6小学校の生活実態調査によりますと、けいこごと、習い事がある日の帰宅時間につきまして、9時以降に帰宅する子供の割合は、3年生は1%、4年生は2%、5年生13%、6年生23%となって、高学年になるほど遅くなる傾向にございます。また、6年生に限りますと、6時前の帰宅が9%、6時から7時が35%、7時から8時が24%、8時から9時が9%、9時以降が23%となっております。
次の質問でございます。学校や家庭の外でも安心して学習できるよう地域や学校や家庭でどのような取り組みを行っていく必要があると考えますか、お伺いいたしますとのお尋ねでございます。
学校や家庭の外での子供の安全確保につきましては、学校や地域、家庭が連携を図ることにより、地域全体で安全や防犯活動に対する地域の目を広げることにより、犯罪の抑止効果を期待しているところでございます。学校や教育委員会では、安全や防犯に対する取り組みを計画的に実施しておりますけれども、家庭における指導につきましては、家庭教育のあり方が多様化している実態も踏まえた上で、学校や教育委員会からも啓発をすることが必要であると考えているところでございます。
教育委員会では、学校に対しまして児童生徒の登下校中の指導、防犯マップの作成、学区域の要注意箇所の把握、こどもSOSの家協力員等の連携強化、積極的な声かけパトロールなどの実施に対する指導、それ以外にも18年度から導入を予定しておりますこども緊急連絡システムを活用し、子供たちの安全確保の向上に努めてまいります。
最後の質問でございます。多くの外来生物による生態系への悪影響が懸念されていますが、子供たちにはこれまで以上に生態系を守る教育を行っていく必要があると思いますが、今後どのように取り組んでいかれるのかとのお尋ねでございます。
子供たちは、自然や生態系を守ることを学習指導要領に基づき小学校の生活科や小中学校の理科の中で学習しております。特に、中学校の理科では、自然環境は自然界のつり合いの上に成り立っていることを理解し、自然環境を保全することの重要性を認識することとあり、生態系の保持について、それまでの小学校における生活科や理科の学習をもとに具体的に学んでいるところであります。また、生態系や自然を守る意識は、幼児から生き物や自然に触れ、豊かな自然体験の中ではぐくまれるものであります。したがいまして、大田区では今後も子供たちが自然に対する理解を深め、自然を大切にする心が育つよう理科教育を推進するとともに、体験活動プログラムを策定し、子供たちの自然体験活動の充実を今後図ってまいります。
以上でございます。
○副議長(荒川善夫 君) 次に、34番岸田 正議員。
〔34番岸田 正君登壇〕(拍手)
◆34番(岸田正 君) 民主・自由・未来の岸田 正でございます。
最初に、11月7日から17日まで海外視察に行ってきたことを報告させていただきます。海外視察報告は後日、報告会において各参加者から報告書の提出とともに詳細に報告されますが、その前に私の感想をこの場をおかりして一言述べさせていただきたいと思います。
今回の視察を終えて、今まで国内視察を含めて何度か視察に参加してきましたが、今回の視察が今までの中で私には一番得るところがありました。今回はドイツ、モナコ、フランスの各国を視察してきました。モナコを例にとって申し上げますと、モナコという国は、皆様方ご存じのとおりモナコグランプリで有名な国です。しかし、グランプリを行っている道路はごく普通の道路です。日本でいえば熱海の海岸道路を使用してレースを行っているイメージです。道路法の問題があろうかと思いますが、物理的には日本でもレースを開催しようと思えば可能なごく一般の道路を使用しています。モナコは国も小さい、これといった資源もない国です。しかし、企画し情報発信して、世界的な会議を誘致しさまざまなイベントを行うことにより、モナコに世界からさまざまな人々が訪れ国は豊かです。視察団の中には、今度生まれてきたらモナコに生まれたいと言った方もいるほどです。
今回の視察では、モナコ観光協会の責任者の方々からのレクチャーと意見交換をする機会を得ました。その中で学んだことは、仕掛けと情報発信、そしてコミュニケーションが大切であるということです。一緒に行った添乗員の方が話していたことですが、「モナコ観光協会の方と名刺交換をすると、私みたいな一添乗員にも常に情報を発信してくる」と言っていました。今回の視察先で、うまくいっているところで共通しているのは仕掛けと情報発信、そしてコミュニケーションであると強く感じました。
さて、仕掛けと情報発信、そしてコミュニケーションの観点からお聞きします。大田区を活性化させるためには、区内商店会が元気になることが重要な要素の一つであることはだれも異論のないことだと思います。大田区商店街連合会の調べによると、大田区内の加入商店の数は、平成15年の8337店から平成17年の7858店と2年間で479店減少しています。また、商店街連合会に加入していない商店会も44商店会になっているそうです。商店街が真にその機能を果たし商業振興を図るためには、商店街において小売業を営む業者が加入することによって相互に協力し合うことが必要であり、今後、地元業者のみならずチェーン店や大型店の商店街加入促進に取り組んでいくと商店街連合会で言っていますが、大田区としてはこの点、どのようにお考えでしょうか。
次に、現場の声として、これらの目的を持って加入促進を行っているが、成果は余り上がっていないのが実情であります。一方、商店会でイベントを行った場合は、各商店は等しく恩恵を受けますし、商店会で設置した街路灯の恩恵も等しく受けています。東京都内の他区の状況を見ますと、23区中の16区が商店会への加入促進のための条例や要綱をつくっております。
第3回定例会においても、他の会派からも既に提案されていますが、区は商店会加入促進のための条例改正に向けて検討すべきであると思いますが、いかがでしょうか。もちろん、各商店が商店会に加入するか否かは自由です。また、地域の商店会がどのような団体に加入するかは各商店の自由意思です。しかし、最初に申し上げたように、区内商業活性化のために大田区として何か仕掛ける、そのうちの一つとして条例案の検討も必要ではないでしょうか。一方、商店会や連合会も努力が必要です。各商店が商店会に加入し、商店会も連合会に加入することにより、目に見えた加入メリットをつくり出す必要があります。
次に、イベント費の補助についてお聞きします。
商店会を活性化するためにはイベントは欠かせません。現在のイベント費補助については、新・元気を出せ商店街事業と商店街活性化推進事業があるとお聞きしました。比較的利用しやすい商店街活性化推進事業についてお聞きします。
補助上限が240万円までで、区の補助率が3分の1ということですが、補助事業の仕組みと補助率がなぜ3分の1なのでしょうか。上限も検討すべきであると考えますし、補助率を3分の1から3分の2にしてほしいという要望がありますが、どのようにお考えでしょうか、お答えください。
次に、区内の道路・通路の整備事業についてお聞きします。
大田区内の道路・通路には、国道、都道、区道、そして私道があります。2005年「大田区の数字」によると、平成17年4月1日現在、国道、都道、区道、合わせて総数82万9691メーターとなり、内訳は国道2万1199メーター、都道4万1635メーター、区道76万6857メーターで、合計82万9691メーターになります。そして、これらの整備状況は、剛質舗装、簡易舗装を含めて舗装率は99.99%だと言われております。
そこで、大田区内の私道状況についてお聞きしますが、区内にはどの程度の私道があるか把握されておればお聞きしたいと思います。また、舗装率はどの程度でしょうか。
昭和55年当時の特別区土木関係状況調査によると、大田区内における道路の総延長から見る限り、区道、私道の占める割合が高く、区民生活に密着した道路として活用している様子がうかがえると報告されています。さて、生活に密着した私道ですが、俗に狭あい道路と言われる建築基準法に基づく42条2項道路、位置指定道路と言われる42条1項5号道路や、建築基準法では道路とみなされない私道があります。
そこで、大田区の私道整備助成制度を見てみますと、大田区が発行した「快適なロードづくり~私道を整備しましょう~」という冊子があります。この中で私道助成の対象になる私道の要件が書かれています。これらからわかることは、建築基準法に基づく狭あい道路や位置指定道路は当然助成の対象になります。助成制度は現在9割補助になっています。これで十分とは思えませんが、いろいろな経過や条件の中で現在の9割補助制度になっていると認識しておきます。
ここで言いたいのは、建築基準法では道路とみなされない私道整備のことです。最初に、助成制度でいう私道とはどのようなものを言うのでしょうか。道路法、建築基準法にいう道路か、それとも個人の所有している道すべてを含むのでしょうか、お尋ねします。
次に、ここからが本題ですが、幅員1.5メーター未満の私道整備についてであります。私道整備助成については、舗装整備以外に排水設備助成や防犯灯設置助成制度がありますが、いずれも私道の幅員が1.5メーター以上であることが要件とされています。幅員1.5メーター未満の私道は助成の対象外です。幅員1.5メーター未満の私道は、区民生活に密着した私道として、特に生活のための通路として利用されているのではないでしょうか。今、少子高齢化の時代だと言われている中で、高齢化は今後ますます深まっていきます。都市づくりはバリアフリー化が促進されています。そのような状況の中で、生活道路として利用している通路の整備助成をすべきであると考えますが、区の考えをお聞かせください。
以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(荒川善夫 君) 理事者の答弁を求めます。
◎
産業経済部長(平野壽 君) まず、チェーン店、大型店の商店街加入の問題でございますが、商店街連合会、さまざまな加入促進の動きをされようとしております。この取り組みを区としては見守っていきたいというふうに思っております。また一方で、区商連あるいは加入促進委員会なるものが立ち上げられておりますけれども、ここと連絡をとりながら、大田区としてどのような場面で協力ができるのかということについては研究をしてまいりたいというふうに思っております。
それから、加入促進のための条例改正でございますけれども、第3回定例会でも答弁申し上げましたとおり、加入そのものを努力義務規定化するのはいかがなものかなという基本的な考え方を持っております。ただ、ご指摘がありましたように、商店街が行われますさまざまな活動あるいは装飾灯の恩恵を受けられていることに対する応分の負担といったものについては、当然協力をしていただく必要はあるだろう。そういった観点での条例改正については今後検討をしてまいりたいというふうに考えております。
それから、イベント補助の関係でございますけれども、東京都の新・元気を出せ商店街事業につきましては年2回、区の商店街活性化推進事業については1回――これは上限額は120万円でございますけれども――受けられるというつくりになってございます。
区の商店街活性化事業はなぜ3分の1かということでございますけれども、これは東京都の新・元気を出せ商店街事業は東京都の補助率が3分の1入っております関係で、区の方の補助率を3分の1にしている。そのことの延長線上で3分の1にしているということでございます。各商店街それぞれ制度を有効に組み合わせた上で活用していただいているというふうに理解をしております。現在のところ、商店街活性化推進事業の補助率を引き上げることは考えておりません。
以上でございます。
◎
まちづくり推進部長(石田隆則 君) 私の方からは私道の関係のお話をさせていただきます。
区内に私道はどのぐらいあるんだろうかというお問い合わせでございました。区内にある私道は、先ほど述べられました建築基準法42条2項道路、これが約155キロメートル、位置指定道路、これが110キロメートルということで、合わせますと265キロメートル、これを把握しておりますが、建築基準法に規定していないいわゆる通路というところになりますと、詳細については把握しかねております。したがいまして、舗装率ということになりますと、調査しておりませんので、把握していないという形になります。
それから、私道助成について通路の助成をというお話がございました。大田区の私道整備助成条例では、私道といたしまして、敷地が私有地で常時一般交通の用に供されている道路をいうというふうに定義をさせていただいております。この条文の考え方から、道路法や建築基準法に規定する道路に限定はしておりませんが、建築基準法に規定する道路にならない通路につきましては、常時一般交通の用に供されていると言えるものはなかなか少ないのかなと考えております。また、通路に面した敷地には、建築基準法上、建物を建築することができないというようなこともございますので、通路について整備する、それに対して助成をするということについて、公益性があるのかどうか、今、制度の運用について見直し検討をしているところでございます。したがいまして、幅員1.5メートル未満の通路については、同様の理由で公益性の見地から助成することは現在考えておりません。
○副議長(荒川善夫 君) 次に、46番和田正子議員。
〔46番和田正子君登壇〕(拍手)
◆46番(和田正子 君) 私は、利用しやすい介護保険のための改善と学校図書館の司書について質問します。
小泉内閣は、高齢化の進行によって介護、医療、年金など社会保障の給付が増大し、そのために国が使うお金や、財界、大企業の負担する保険料がふえてはたまらないと自立自助を強調し、相次いで社会保障制度の改悪を行っています。介護保険でも高齢者のサービス利用を切り下げ、国民負担をふやすという大改悪を行いました。これには自民、公明、民主が賛成しました。
具体的には、10月から特別養護老人ホームなど介護施設の居住費、食費は介護保険の対象外となり、原則として全額が利用者負担となりました。施設利用者には、年間で約3000億円、1人当たり約39万円というかつてない負担増となりました。また、新予防給付の導入などによる介護度の低い方へのサービス切り捨てです。要介護状態が軽度の高齢者は、筋肉トレーニングや口腔ケア、栄養指導など状態の改善可能性を高めるためのサービス利用が中心となるなどの制約を受けることになります。介護サービスを提供する特別養護老人ホームなどの施設は、介護報酬が下がり大幅な収入減になります。そのために職員の削減や賃金引き下げ、不安定雇用者をふやすという状況を生み、介護サービスの後退、介護度の高い人は敬遠されるという利用者への影響も起きてきます。
さらに、高齢者の保健福祉事業を地域支援事業として介護保険に取り込みます。公費で行ってきた保健福祉事業を介護保険財政に移すことにより、国庫負担の割合を削減し、国の責任を後退させることをねらっています。まさに、介護の社会化という当初の理念を投げ捨て、自立自助の考え方を徹底した制度へと介護保険を変えていく大改悪です。
全国では、入所者が負担が重過ぎて支払いきれずにやむなく退所した、余りの負担増に特養ホームの利用申し込みを取り消したという事態が起きているようです。大田区でも、ショートステイはいつも1週間利用しているが、今度は5日でいいですと利用を減らす人や、父親が特養ホームに入所している。今まで利用料は月6万円だったのが13万円になったという事例が出ています。
日本共産党大田区議団が区長に申し入れを行いましたように、負担増から区民が必要な介護サービスを利用できなくならないためにも、区が独自に軽減制度を設ける必要があります。千代田区、荒川区などがデイサービスの食費や施設利用者の食費、居住費の負担増分の何割かを補助しています。大田区独自の居住費、食費の負担増になる分への補助を求めます。お答えください。
新予防給付を実施するには、地域包括支援センターを設置しなければなりません。先日発表された第3期大田区介護保険事業計画の中間のまとめによりますと、区内20か所の在宅介護支援センターを地域包括支援センターに移行するとなっています。
地域包括支援センターの役割は、1.介護予防事業や新予防給付のケアプラン作成などの介護予防マネジメント、2.介護保険外のサービスを含む、高齢者や家族に対する総合的な相談、支援活動、3.高齢者に対する虐待の防止、早期発見などの権利擁護事業、4.支援困難ケースへの対応など地域のケアマネジャーへの支援という四つの事業を一体的に実施する中核拠点であることです。
地域の中で高齢者の生活を支える体制を再構築していく必要が出てきたということですし、行政が主体となることが求められています。また、新予防給付の介護予防効果もまだはっきりわかっていません。十分に検証する必要があります。そのためにも、区が独自にモデル事業を行い、地域全体の予防効果を検証することが大切です。新予防給付は、原則として来年4月からの施行になりますが、地域包括支援センターの準備が間に合わない自治体などでは、施行時期を2年の範囲でおくらせることができます。役割を十分に発揮できるように、見切り発車せず、準備を十分に検討し行うべきです。そのためにも、拙速に施行することなく猶予期間の活用も検討すべきです。お答えください。
中間のまとめで、第1号被保険者保険料は、現行の基準額、月額3200円から3900円と約22%の値上げが見込まれています。増税、年金給付水準の削減などが続いている中で、多くの高齢者の負担は限界です。介護を必要としたとき、安心してサービスを利用できる保障がないのに保険料は値上げの一途だと区民の怒り、納得できないという声が方々から寄せられています。
そもそも、介護保険料が高い最大の理由は、介護保険制度が始まったときに、それまでは介護にかかる費用のうち50%を負担していた国が25%まで負担割合を引き下げたことにあります。日本共産党は、さまざまな介護保険の矛盾を解決するためにも、国庫負担の割合を計画的に50%まで引き上げる、もとに戻すことを要求してきました。特に、介護保険への国の負担は給付費の25%となっていますが、このうち5%は後期高齢者の比率が多い自治体などに重点的に配分される調整交付金です。
全国市長会、全国町村会でも、この調整交付金は25%の外枠にして、すべての自治体に最低でも25%が交付されるよう繰り返し要望しています。国の負担を5%引き上げれば、約3000億円の財源が確保され、4月からの1号保険料の値上げを中止することができます。また、区はこれまで介護給付費準備基金について、3年目に不足すると困るからといって取り崩すことをしませんでしたが、第2期末の今年度末には残高が21億円余の見込みです。1期末からも3億円ふえています。国庫負担割合の引き上げを国に求めながら、区独自には保険料段階の細分化や介護給付費準備基金の活用、一般会計からの繰り入れなどあらゆる手だてを尽くして来年4月からの保険料値上げはやめるべきです。お答えください。
なお、大田区は、23区内で低所得者のための保険料、利用料の減免制度を実施していない2区のうちの一つであることも申し上げておきます。
また、給付を抑えるためにも介護予防、健康づくりにサービス切り捨てではなく取り組み、介護を必要とする高齢者が在宅で安心して暮らせる条件整備を進め、介護保険とは別建ての事業としてすべての高齢者を対象に行うべきです。そのためにも、これまで多くの区民が利用していた健康体操を復活させ、さらに発展、充実させることを提案します。お答えください。
関連して、介護保険と同じように利用者に大幅な負担増をもたらす障害者自立支援法が自民、公明の賛成で成立し、来年4月から施行されます。これまでの障害者支援費制度では、利用者の負担は所得に応じた応能負担になっていたのを、自立支援法はこれを介護保険と同じようにかかった費用の原則1割を負担する応益負担に変更するものです。障害が重い人ほど負担が重くなります。障害者が働いたり、日常活動を行う通所授産施設や作業所での負担は、これまでは通所者の95%が低所得のために無料ですが、1割負担になると課税世帯で月2万9200円の利用料を払わなければなりません。作業所の工賃は平均で月7300円です。工賃より高い利用料を取られる、これでは障害者の自立を支援することにはなりません。
日本共産党大田区議団がこの間行ってきました障害者の皆さんや家族の皆さんとの懇談会でも、負担が大きくなれば作業所にも通えなくなる。家にこもるようになり本当に困る。暮らしていけない、何とかしてほしいと本当に切実な声が寄せられました。ある通所施設からも、今通っている中で5人ぐらいは通えなくなりそうだと聞いています。国の制度ではありますが、障害を持つ区民の生活を支えるために区として負担の軽減制度を実施すべきです。お答えください。
次に、学校図書館の専任司書について質問します。
今、私たちを取り巻く環境はテレビの普及に始まり、パソコン、携帯電話など多くの情報をどこからでも自由に検索し、瞬時に手に入れるとともに、それを他人に伝えることもいとも簡単に行える時代になっています。今後さらに普及、発展することが予測されます。しかし、このことによって、児童から青少年までの幅広い年代における読書の量がより一層低下することが予想され、このままの傾向が進むと、表現力や創造力を身につけ、豊かな感性を育てるという人間形成の一面において大切な部分の発達が心配されています。
2003年5月の全国学校図書協議会調査で、1か月間に1冊も本を読まなかった小学生は9.0%、中学生は32.0%、高校生は59%となっています。また、昨年、経済協力開発機構が実施した国際学習到達度調査における日本の子供たちの読解力が大幅に後退しているとの結果が発表されました。原因は単純なものではないでしょうが、読書の必要性が見直されていることは事実です。大人に対しての世論調査でも、1か月間に全く読書をしない人が38%で、子供たちの成長を支える大人たちの読書量も決して十分でないことも大きな課題となっています。
子供の読書活動を推進するためには、学校図書館や地域の図書館等の充実を図るとともに、学校、家庭、地域が一体となって取り組むことが求められています。国は、2001年に子どもの読書活動の推進に関する法律を制定し、子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画を策定、東京都も東京都子ども読書活動推進計画を策定しました。大田区は、このような国や東京都の取り組みに合わせて、大田区子ども読書活動推進計画をつくりました。また、学校図書館法が改正され、12学級以上のすべての小中高等学校に司書教諭の配置が義務づけられました。
学校図書館は子供たちにとって最も身近で密接な読書活動の場所です。また、指導の工夫次第で読書活動の持つ意義や目的に対する反応が最も理解できるという点や、今後の成長に合わせた読書活動の基礎をつくるという意味においても重要な役割を担っています。そういう中で、司書教諭の役割は学校図書館の管理運営、読書計画、図書館資料の選択、教材としての活用の工夫など多岐にわたっています。そして子供たちが本と出会う機会を提供することです。
しかし、区内の小中学校では、司書教諭が配置されても実際には学級担任を兼務しているため、司書教諭としての役割を十分発揮できないのが現状ではないでしょうか。図書館を使えるのは、小学校では授業で利用するほかには週2回、火曜日と金曜日の20分休みと放課後という学校や、週1回授業で図書館を利用したときに貸し出しも行うという学校もあります。中学校では昼休みだけという学校が多いようです。放課後もあけてほしいという生徒の要望にもなかなかこたえられないと言います。児童の図書委員の活動や地域のボランティアによる読み聞かせなどの取り組みもありますが、子供たちの読書活動推進には児童生徒がもっと学校図書館を利用できる時間をふやす必要があります。
私は先日、狛江市を訪問し、市内の小中学校に専任司書を配置している取り組みを視察してまいりました。狛江市は、学校図書館法が改正される以前の1998年から学校司書の市独自の配置を開始して、2000年には市内の小中学校全校に配置しています。臨時職員ですが、司書または司書教諭の免許を持っている方で、勤務は週4日、1日4時間です。
司書導入後の状況としては、貸し出し冊数も含め、児童生徒の関心の高さ及び利用しようとする熱意の高まりが見られ、本が確実に身近な存在になっている、図書館の活用も拡大していると評価しています。また、今後の課題としては、読書の推進、学校図書館の常時開館を目指していく中で、学校司書の役割はますます増加している。学校図書館に人の配置があることが学校図書館の利用拡大の大きな役割を果たしている現状があり、司書教諭の勤務軽減もない中で、今後、司書教諭の役割の見直しと学校司書の勤務延長が大きな検討課題となっているとしています。世田谷区も全校に年間100日の専任司書を配置しています。図書館が常時開館されていて、そこに人がいることが図書館の活用の拡大につながるという共通した感想でした。
区は今年度学校図書整備事業として、小学校に1億6000万円、中学校に9000万円予算化しました。整備された図書がより活用されるためにも、大田区の小中学校の図書館に専任の司書配置を求めます。お答えください。
また、国は学校図書館法に限りませんが、法律をつくり、地方自治体に実施を義務づけますが、法の目的を成し遂げるためには財源の保障がなければなりません。司書教諭の授業時数の軽減や司書教諭の専任配置を国や東京都に要望すべきです。お答えください。
以上で質問を終わります。(拍手)
○副議長(荒川善夫 君) 理事者の答弁を求めます。
◎
保健福祉部長(金澤彰 君) 私の方からは介護保険制度等に関しましてお答えさせていただきます。
まず、居住費、食費について区独自の補助をしたらということでございますけれども、介護保険制度は国の制度としてつくられたものでございますので、国が責任を持って対策を進めていくべきものと考えております。今回の制度改正におきましても、低所得者対策も実施されており、現時点で区独自の居住費、食費の補助制度を設ける考えはございません。
制度の実施時期に関して、施行時期を延ばすことを検討したらということでございますけれども、当区におきましては、来年4月から現在の地域型在宅介護支援センターを地域包括支援センターに移行させる考え方でございます。現行の地域型在宅介護支援センターの受託法人等に意向調査等を行い、説明会等も行ってまいりました。そういう中で進めさせていただきたいと思っております。
次に、保険料につきまして、保険料段階の細分化、基金の活用、一般会計の繰り入れなどによって値上げをやめるべきだということでございますけれども、高齢者人口の増加に加えまして、介護サービスの受給率も年々高くなっており、保険給付費が増大しているところでございます。介護保険制度は国の制度として財政負担の割合やサービスの内容、仕組みが決まっているものでございます。一般会計からの繰り入れにつきましても制約がございます。介護保険料として負担していただく分を一般会計で肩がわりするということはいかがなものでございましょうか。保険料のアップを極力抑制したいと考えておりますが、現行のサービス水準を維持し、介護予防などの新たなサービスを取り入れていくためには、適切な保険料の算定が必要であると考えております。
健康体操を復活させたらということでございますが、介護給付費の抑制等のため、平成18年4月から要支援1、2に該当する方の要介護状態の軽減、悪化防止を図る新予防給付が創設され、通所介護や通所リハビリの介護予防指定事業者の選択的サービスの中で、運動器の機能向上のためのプログラムが提供されます。また、要支援、要介護になるおそれのある虚弱高齢者を対象とした生活機能の向上に効果的な介護予防事業や一般高齢者向けの普及啓発事業など、新たに地域支援事業として来年度から段階的に整備し実施してまいります。そのような状況でございますので、区民スポーツ教室の中で実施していた健康体操を復活させることは考えておりません。
最後に、障害者自立支援法のもとで区としての負担軽減制度を実施すべきというご意見でございますが、障害者自立支援法における定率負担の考え方は、障害のある方も社会の構成員として対等に利用者負担をすることで、社会の構成員としての制度を支える一員となっていただくということ、また、税負担者である国民の理解を得やすいものにするために導入されたものとのことでございます。障害者自立支援法では、障害者が低所得者である場合、定率負担については、所得の低い方についての上限額を設けるなどとなっております。このほか、制度の詳細はまだ明らかになっておりませんが、所得の低い方について費用の負担に係る配慮がなされているものと思います。区としては、今後出される障害者自立支援法の政省令を待って対応を考えてまいりたいと思っております。
◎
教育委員会事務局次長(池藤紀芳 君) 私からは2点の質問にお答えをいたします。
まず、整備された図書が十分活用されるためにも大田区の小中学校の図書館に専任の司書を配置すべきと考えるが、いかがだとお尋ねでございます。
現在、小中学校には司書教諭の資格所有者が多数おり、司書教諭を中心とした学校の読書活動が推進されております。また、保護者や地域ボランティアの方々が協力し、学校図書館の蔵書の整理、読み聞かせ活動、本の貸し出しなどを行っている学校もふえております。こうした活動は、家庭とともに進める読書活動の契機となっているものでございます。今後も地域ボランティアの協力による学校図書館の運営を一層広めてまいりたいと思っております。したがいまして、学校図書館に専任の司書を置くことは考えておりません。
次の質問でございます。司書教諭の授業時数の軽減や司書教諭の専任配置を国や東京都に要望すべきですとのご質問でございます。
司書教諭が配置されている中学校におきましては、週2時間の軽減措置が講じられております。司書教諭を中心として学校の読書活動を推進しているところでございまして、専任司書の配置を国や都に要望することは考えておりません。
以上でございます。
○副議長(荒川善夫 君) 次に、17番伊藤和弘議員。
〔17番伊藤和弘君登壇〕(拍手)
◆17番(伊藤和弘 君) 伊藤和弘でございます。本日は子供、特に中学生、またもっと小さな小学校に上がる前の子供たちの生活習慣、また子育て支援についてお伺いをいたします。
私自身も小さい子供がおりますけれども、自分がこういうことができるからということではなくて、自分のことは棚に上げまして、理想の大田区の子育てというものをお話しさせていただきたいというふうに思っております。
最近、中学生や、もしかしたら小学生のような子供まで携帯電話をかけているところを見かけます。もちろん、大変に便利なものではあります。しかし、いろいろな事件や犯罪にも不可欠の道具として使われています。例えば、振り込め詐欺などは携帯電話がなければ成り立たないものだと言われています。
我々大人にとっては、自分の責任で使うわけですから自分で考えればいいことです。しかし、子供の場合はどうでしょうか。非常時の連絡用にと積極的に持たせる親もいると聞きますが、その家ではそんなにいつも非常時なのでしょうか。かえって、親の目に触れないところで連絡を自由にし合えるということが、結果として子供たちの夜間の外出、また徘回といった問題行動につながっているのではないかと心配をしております。友達と連絡をとるのは自分の家の電話を使えばいいわけです。まだ未成熟な子供に対して何でも自由な行動を認めるということは、優しさではなくて親や保護者としての責任の放棄ではないかとさえ思っております。
保護者の中には深く考えずに、みんなが持っているからうちの子だけ持っていないというのは一緒に遊んでもらえなくなる、いじめに遭う、そういった理由から持たせている場合もあるそうです。親ももっとしっかりと考えて、ただ周りの声に流されるのではなく、自分の責任で子供のことを考えていかなければいけないと思います。子供たちには、不自由なこともあるんだということを教えることも教育です。学校としては、授業中だけのことではなくて、生活の中で携帯電話をどのようにとらえて指導をしていますか。また、このことは家庭や保護者として考えていかなければいけない部分もあると思いますが、保護者の人たちにもそういった啓発をしていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。現在の区の考え方を質問いたします。
続いて、子育ての支援についてお聞きします。
現在、大田区では待機児の解消というテーマで、子育ての支援として保育園などの預かり施設の充実を目指しているようですが、保育園の数をふやしたり質を高める、そう言うとだれもが賛成するように思えます。しかし、そのことが本当に大田区や日本の国にとっていい子供たちを育てることになるのでしょうか。本来、子供というものは親がすべての責任を持って育てていくものだと思います。しかし、中には事情があってどうしても支援が必要な場合もあります。例えば、経済的に両親とも働かなければならない場合もあるでしょう。現在の保育園の入園者の家庭の所得水準というのはどのくらいですか。
また、経済的なこと以外にもそういった同じようなことがあるかもしれません。そういうやむを得ないところにはしっかりとした必要な手だてを行政として打っていかなければならないことは言うまでもありませんが、しかし、子育て以上に大切なことが一体あるんでしょうか。行政として余り必要以上に手を出し過ぎると、一部の親にとっては子育ての放棄につながらないかと心配をしております。
私自身、時々保育園の運動会など何度か現場を見させていただくことがあります。現在のそういった保育園、大変にすばらしい環境で、保育士の人たちも非常に高いレベルで仕事をしているなというふうな感じを受けました。家よりも環境のいいところで、そして親よりも専門家が面倒を見てくれるのなら、これは預けたくなる親がふえてしまっても当たり前です。きのうの区長のごあいさつの中にもありましたが、施設をつくるほど希望者がふえるというのもある意味当然なわけです。しかし、そんなことが進んでいくと、子供は親ではなく役所が育てるもののようになってしまいかねません。子供にとっては親よりも保母さんのことを母親と感じてしまうかもしれません。
幸いなことに、これから保育園もすべて民間の方にお願いして、それぞれの方たちが自分たちの考えを自分たちの責任で実現していくようになっていきます。また、幼保一元化で幼稚園との役割も改めて考える時期に来ていると思います。今後、保育園や幼稚園を経営していく方たちに、将来の望ましい家庭のあり方ということもぜひ考えていただきたいと思います。
大田区として、子供の将来のために本来やってもらいたい施策もほかにもたくさんあると思います。例えば、地域の中で子供たち自身が周りの友達と一緒に安全に遊び回れるような広場をつくるだとか、まちの人たちと日常的に接していられるスペースを用意するなど、幾つもできることがあると思いますが、現在、区の子育て支援のメニューとして、子供を預かる以外にどのような考え方からどのようなものを用意していますか。
また、少子化の問題も同じようなところに根本があるような気がします。子供の育て方が画一的になってきて、それ以外の育て方をすると不安になってしまうわけです。例えば、子供は個室を持つべきだとか、毎年夏休みと冬休みには必ずどこかへ旅行するだとか、年に2回はディズニーランドへ行くとか、子供をかわいがっている親ならばそういうことが当たり前だというような、そういった感覚を持っている人が多いのではないでしょうか。こういうことはきっとテレビやマスコミの悪影響だと思っておりますが、一つの部屋でも大家族でけんかをしながら、そしてお互いに頼りながら一緒に生活をしていくことは、決して格好よくはないかもしれませんけれども、日本人にとっては最も合っていて、そして落ちつけるスタイルなのではないかという、そういう風潮が一般的になれば子供の数がふえていくのではないかと思っています。せめて、子供を産むか産まないかをお金の計算で決めるようなことはない世の中になってほしいと思っております。
子育てについては以上でございます。
続きまして、区道のわきに街路樹や植え込みがあって、まちの景色をつくっておりますが、この植え込みなどの維持管理はどのようになっていますか。なるべくならば、それぞれの場所の近隣の住民の方にお任せをして面倒を見てもらったらどうでしょうか。
また、道路の緑化の話ですが、道路の緑化も環境のために、また景観上も非常に有効であります。しかし、自動車の通るところはなかなか難しいかもしれませんが、路面電車の線路敷ならば可能であります。実際にヨーロッパのストラスブールやミュンヘンなどでは、既に緑化され美しいまちづくりに役立っているということであります。
以上、ぜひ検討していただけますようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(荒川善夫 君) 理事者の答弁を求めます。
◎
こども育成部長(本間敏幸 君) 私の方からは保育園、子育て支援の関係についてお答えいたします。
まず、保育園利用者の階層はというご質問でございましたが、ご案内のように26階層に分かれておりまして、一番多い階層は住民税非課税世帯のB階層と、あとDの4階層からDの8階層、これは所得でいきますと、Dの4階層が380万円、Dの8階層が500万円ということになっております。
それから、保育園の充実が本当に子育て支援か、行き過ぎは子育て放棄になるのではないかというご質問でございますが、子育ての時期にいろんな理由から働く保護者がふえているということは事実だと思います。私ども区としましては、待機児の保護者の就労状況などの分析、それから本当に必要な保育サービスは何か、これは保護者の視点だけではなく子供の視点、それから社会状況などを視野に置いて、十分検討した上で待機児の解消、保育内容の充実に努めてまいりたいと考えております。今後とも、仕事と子育ての両立支援につきましては、そういった視点から進めてまいりたいというふうに考えております。
また、保育園の入園審査でございますが、これは公平、公正に行っているわけでございますけれども、実態の把握とか入園後の保護者の就労状況の変化などの把握にも努めてまいりたいと考えております。
それから、子供を預かる以外にどのような子育て支援をしているかということでございますが、例えばこども育成部、保育園では緊急一時保育、体験保育、例えばこの体験保育は400円を払いますと子供がお昼を食べることができまして、一人っ子のお母さんがよく利用されています。嫌いなニンジンを食べた姿を教室の外から見て涙を流すお母さんもおりますので、そういった利用者がふえております。それから、園庭開放、育児相談、年末保育など、在宅で子育てをされている方は、就学前の人口は3万6000人でございますが、約半分、1万8000人が在宅で子育てをされている方でございますので、こういった方に対しても保育園で施策を充実している。それから、児童館では、もうこれはすっかり定着いたしました乳幼児親子の触れ合いの場、ファミリールーム事業、それから子ども家庭支援センターでは、専門の相談員による育児総合相談、それから育児の助け合いということでファミリーサポート事業を実施しております。このほか医療費の助成制度とか、地域行政センター、保健所、教育委員会などでもさまざまな子育て支援を行っております。
以上でございます。
◎
まちづくり推進部長(石田隆則 君) 私の方からは街路樹の維持管理ということでお話がございました。
区道の街路樹や植え込みにつきましては、現在、直営及び委託業者が維持管理に当たっております。なお、大森、蒲田の駅前広場の花壇等につきましては、NPO法人に維持管理業務を委託しております。
道路の街路樹等の維持管理を近隣の方にお任せしたらどうだろうかというお話がございました。近隣の方々にお願いすることにつきましては、危険が伴う作業もございますので、現在は考えておりません。今後、区民の方々等の意向も踏まえながら、調査検討をしてまいりたいと考えております。
◎
教育委員会事務局次長(池藤紀芳 君) お答え申し上げます。
中学生が携帯電話を使っているところを見かける。非常用の連絡方法としては有効な場合があるかもしれないが、夜間外出や待ち合わせなど子供の生活にとって悪影響の方が多いのではないか。学校としてどのようにとらえ、どのような指導をしているのかとのお尋ねでございます。
確かに子供たちが携帯電話を多く使用することにより、直接的な対人関係の不足による社会性の形成の阻害等の悪影響が懸念されるところでございます。また、子供たちの生活全体に占める携帯電話の利用にかかわる時間の増大は、読書量の不足をもたらし、子供たちに豊かな感性をはぐくむことへの阻害についても心配されております。
現在、学校では犯罪抑止を中心とした携帯電話の使い方につきまして、学級活動や総合的な学習の時間に情報教育の一環として生徒に指導をしております。また、保護者にも参加していただくセーフティ教室におきまして、携帯電話やインターネットなどのハイテク犯罪を具体的に取り上げ指導しております。区内小学校の1校では、情報モラル教育に関する指導内容、方法の開発を進めているところでございます。今後とも、さまざまな場面を通して生徒、保護者への啓発を進めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○副議長(荒川善夫 君) 次に、18番塩野目正樹議員。
〔18番塩野目正樹君登壇〕(拍手)
◆18番(塩野目正樹 君) 2012年の羽田空港国際化に向けて、私たち大田区議会は空港アクセスを整備すべく、いわゆる蒲蒲線の実現という大きな目標を持って努力しているところであります。それまでは既存の交通網を有効利用するのはもちろんのことですが、空港アクセスの役割も担う京浜急行が大田区民の足としても親しまれているのに比べて、年間約4700万人もの利用客を誇る東京モノレールの存在は、大田区民にとって非常に影が薄いような気がいたします。
京浜急行が1998年に羽田空港に乗り入れるまで、東京モノレールはまさに花形として羽田空港アクセスを一手に握り、ピークの1997年には約6500万人もの利用客がありました。お隣の神奈川県が神奈川口構想を打ち出し、蒲蒲線の実現がいまだ具体化しない中、少しの工夫で大きな利便性や効果を生み出す可能性を求めて、その大半が大田区を駆け抜ける東京モノレールをもう少し生かすようにするのが自然な発想ではないかと考えます。
例えば、大森南地域には、労災病院、森ケ崎水処理センターのところに地域住民の利便性や活性化をにらんで東京モノレールの駅をつくってほしいという根強い声があります。品川区の天王洲アイルはモノレールの駅とともに発展した部分もあるかと思われます。
私は、東京モノレールを単なる都心部からの空港アクセスとしてではなく、天王洲アイルのようにまちの活性化や臨海部の再開発の中でとらえ、駅を核とした開発の可能性を探ることもできるのではないかと思いますが、大田区はどのようにお考えでしょうか。何かアイデアはあるのでしょうか、お伺いいたします。
また、大田区は今まで東京モノレール側や天王洲アイル及び大井競馬場を擁する品川区と延伸や駅を増設するなどの東京モノレールの可能性について協議してきたのでしょうか。あるいは、将来は東京オリンピックの可能性もある中、これから何かプランを練ってみるつもりはあるのでしょうか、お伺いいたします。
私の家から歩いて10分のところに東京モノレール昭和島駅があります。自転車ならほんの二、三分です。しかも無料で駐輪でき、まだ余裕もあります。待ち時間もほとんどありません。つまり、大森東出張所管内に住む人はおおむね30分以内で羽田空港にも浜松町にも行くことができるのです。これはとても便利なことだと思います。
東京モノレールの駅は、港区の浜松町、品川区の天王洲アイル、大井競馬場を除いて、流通センター、昭和島、整備場、天空橋、新整備場、空港第1ビル、空港第2ビルとほとんどが大田区であり、特に天空橋と昭和島はほかの駅と異なり普通の住宅街にかなり近いところにあります。ところが、昭和島駅を1日に乗り降りする人は、平均して4181人となっており、近年やや増加してはいるものの、天空橋駅の1万1763人、大井競馬場の9689人、天王洲アイル駅の2万8655人などと比べるまでもなく、一般的に言って極めて少ない乗降客であると思われます。また、昭和島駅は乗降客のほとんどが、朝、羽田鉄鋼団地等の職場に通う人と思われ、地域住民が生活の足として利用するケースはさらに少ないと思われます。
確かに海沿いを走っているという物理的条件に加え、そもそも昭和島駅が地域住民のためにつくられた駅ではないという歴史的経緯もあり、いささかやむを得ないという部分もあります。しかし、昭和島駅への道が日が暮れると余りにも暗く、寂しく、危険な雰囲気であるということも乗降客が少ない要因となっているのではないでしょうか。これでは、行きはよくても帰りが怖くて、お年寄りや女性は利用をちゅうちょせざるを得ないと思います。また、少ないながらも昭和島駅を利用している人も実際にはいるわけであり、つい先日も私が夜、昭和島駅を降りたところ、同じように帰宅の途につく若い女性を見かけて思わず心配になったものです。
大森東五丁目28番から避難橋を通り、大田区昭和島運動場とこどもの広場に挟まれる道を通り抜け、高速1号羽田線の下をくぐり抜け、昭和島駅西口に至るわずか5分の道のりであります。利用者が少ないから暗く寂しいままなのか、暗く寂しいから利用者が少ないのか、いずれにしても実際に地域住民が東京モノレールを利用して羽田空港はともかく都心へ行くという話も余り聞いたことがありません。
そこで、この昭和島駅への道沿いにせめて街路灯を増設していただけないでしょうか。区民のため何とか明るくしていただきたいのです。さらに、できれば道路埋め込み式のライトを設置するとか、冬には大きなクリスマスツリーを置いてみるとか、コンビニエンスストアができるようにするとか、何かもうひと工夫していただけないでしょうか。大田区にお伺いいたします。
また、こどもの広場では、文字どおり子供たちが元気に遊べるように安全性を確保しなければならないが、このままでは、冬、小学校高学年の子供たちが学校が終わってから来るころには既に日が傾きかけているので心配です。何か事件が起こってからでは遅いのであり、この点やはり早急に対策が必要と思われますが、大田区はいかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
また、高速1号羽田線の下、通路ですが、ここは東京都の三つの街路灯がともっているにもかかわらず、なお暗く、台風や大雨の後は水はけが悪く通路が水浸しになってしまうそうですが、このことを大田区は把握しているのでしょうか。そして、対応するつもりなのでしょうか、お伺いいたします。
私は、先日のセーラム市親善訪問の際、自分でスーツケースをがらがら引いて昭和島駅から東京モノレールを経由して成田空港まで向かいました。避難橋にはスロープがあり、昭和島駅の階段も少な目でスムーズなのです。もちろん、ふだんどこかへ出かけるのもほとんど昭和島駅を利用しています。一方、多くの地域住民は、バスや自転車でJRや京浜急行の駅まで行って各交通を利用しているのだと思います。自転車でJRや京浜急行の駅まで行っている人が東京モノレールを利用するならば、幾らかでも駐輪場不足の緩和にもつながるかもしれません。
なお、私が数えたところ、自転車で昭和島駅まで来て、通勤で東京モノレールを利用している人は約200人と思われます。昭和島駅付近が明るくなることによって、多くの区民が便利で早い交通を安全に安心して利用できることを望みます。
昭和島駅付近を明るくするということは、大森東、大森南地域の活性化にも大きく寄与するものと私は信じています。そして、それはあわせて海岸線の整備も進めていただきたいということであります。区民が気持ちよく昭和島や武蔵野の路やふるさとの浜辺を行き交うことができるようになればいいと思うのです。
しかし、現状は余りいい具合ではありません。まず、大森一中のところからの緑道公園、すなわち武蔵野の路ですが、これが呑川水門で寸断されてしまっています。ここを何とか人が行き交うように工夫できないでしょうか。大田区のお考えをお伺いいたします。
次に、大森東五丁目側からふるさとの浜辺に行く場合、貴船水門のわきの東京ガスグラウンド沿いを通っていくことになるが、そこがまたとても暗いのです。この付近はもう少し明るくなるのでしょうか。大田区のお考えをお伺いいたします。
今のままでは、ふるさとの浜辺を望むせっかくの海岸線もコンクリートで覆われ、道は寸断し何とも殺風景です。海岸線をボードウオークにするとか、パームツリーを植えてみるとかの工夫を凝らして明るくなればと思います。そして、区民が心安らぎ、安全に安心して行き交うことができる場所となるよう望みます。(拍手)
○副議長(荒川善夫 君) 理事者の答弁を求めます。
◎
まちづくり推進部長(石田隆則 君) 東京モノレールのお話で開発等のお話がございました。
臨海部において、現在、再開発など具体的な動きはまだ出てきておりません。今後、臨海部において再開発等具体的な動きがあった場合には、区としても臨海部の再生を進めるという観点から適切に関与してまいりたいと考えております。
それから、武蔵野の路の通路のお話をさせていただきます。呑川の水門は高潮対策ということで設置しておりまして、水門が開閉して船の出入りなどの機能を阻害しないように配慮する必要があるということでございまして、人が行き交えるように具体化するためには、そういうところでなかなか難しいところがあります。しかし、水と緑のネットワークの形成を図るということで武蔵野の路の水際線における連続性を確保したいということで、さらにどういう工夫をしたらいいのか、もう少し検討させていただきたいと思います。
◎
交通事業本部長(赤阪英夫 君) 私の方からは東京モノレールの延伸、それから駅の増設などの可能性についての協議についてお答えいたします。
東京モノレール、それから品川区とこういう協議をしたかということでございますけれども、今まで余り積極的にやったことはないというふうに理解しております。現在、東京モノレールとは駅のバリアフリー対応、それから羽田空港の国際化に伴う国際線ターミナルビル駅の新設の件で話し合いをしております。東京モノレールの延伸、それから駅の新設につきましては、事業性を考えると難しいというふうに思いますけれども、可能性について研究してまいりたいというふうに思っております。
◎
大田北地域行政センター長(佐藤喜美男 君) 私からは、昭和島の街路灯についてご質問いただきましたので、お答えをさせていただきます。
特に、大森東五丁目28番から避難橋を渡って昭和島駅に至る道、そして、特にまた高速1号羽田線の下の現状についてもご指摘いただきました。昭和島運動場とこどもの広場との間の通路については、現在、東京都港湾局が設置した街路灯が3灯ございます。先ほど暗いというお話がございました。このエリアは大田区が管理しておりますが、都港湾局の所有地でございますので、先ほどご指摘いただきました安全対策の視点から、都と協議をしながら大田区としても対応してまいりたいというふうに考えております。
それから、運動場から先の高速1号線の下をくぐり抜け昭和島駅に至る道につきましては、これは東京都が直接管理をしてございます。高速1号線下の通路の照明あるいは水はけの改善等のご要望につきましては、東京都に伝えてまいりまして、対応をお願いしてまいりたいなというふうに思っております。
次に、こどもの広場の冬季の安全確保というご質問でございます。昭和島グラウンドとこどもの広場につきましては、大田区が東京都から借りて管理をしてございます。こどもの広場につきましては、必要があれば増灯等の安全対策を行ってまいりますが、周りには人家がない、周辺環境を考えますと、冬季の夕方には安全上、子供を早く帰宅させるなどの指導も必要かなというふうに考えてございます。
最後に、貴船水門のわきの通路を通ってふるさとの浜辺へ行く場合の今後の明るさはどうなんだというお話でございました。今は、ふるさとの浜辺公園が一日でも早く完成でき、区民の皆様方にご利用いただきたいという思いで工事をやっております。この東京ガスグラウンドとふるさとの浜辺公園の間の通路でございますが、この公園整備の造成の観念で整備を検討しているところでございます。
私から以上でございます。
○副議長(荒川善夫 君) 会議が長くなりましたので、しばらく休憩いたします。
午後0時2分休憩
────────────────────
午後1時開議
○議長(水井達興 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
質問を続けます。20番有川靖夫議員。
〔20番有川靖夫君登壇〕(拍手)
◆20番(有川靖夫 君) 検証・第二次馬込文士村整備事業、公明党、有川靖夫。
平成12年の第1回定例会における我が党の代表質問で、私は、馬込文士村の第二次整備計画の必要性を強く訴え、幾つかの提案をさせていただきました。その結果、私は、区議会における馬込文士村に関する論議の歴史において大きな成果を二つ上げることができたのではないかと思っております。
一つ目は、私が行政の責務として第二次馬込文士村の整備という事業名を使って質問させていただいたのでありますが、大変ありがたいことに区長の口からも第二次馬込文士村の整備については云々との答弁がありました。それまでは第二次馬込文士村整備という言葉は行政側でも議会側でも使われていなかったのであります。しかし、議会側から私がネーミングをして発信したところ、これに西野区長がこだまするように同じ事業名を使って答えてくださいました。その瞬間からこの事業名は物の見事に区の施策の事業として認定されたわけであります。私と区長の共通した認識に立ったこのやりとりがあったればこそ、第二次馬込文士村整備事業はいずれ行われることが確定したわけであります。
あれから丸5年の歳月がたちました。果たしてこの間、第二次馬込文士村の整備は何か行われたのでありましょうか。残念ながら、私の見るところ、何一つ行われてはいないと言っても過言ではないと思うのであります。行政のトップが第二次馬込文士村整備の必要性をこの区議会の本会議場で表明された。しかし、それから丸5年間、何ら進展は見られなかった。この原因と責任は一体どこのだれにあるのでありましょうか。私は、ずばり言って、区長が表明されたことを具体化すべき立場にある担当理事者が区長答弁を真剣に受けとめて取り組んでこなかったところに一番の原因と責任があると思うのであります。この質問に責任ある答弁をしてくださる理事者がおられるならば、私はその方にお聞きしたいのでありますが、馬込文士村の整備については、区民・国際交流、まちづくり、教育等の複数の所管部局にまたがりますから、部長、課長では責任ある答弁は難しいでしょう。となりますと、平成12年第1回定例会で私の質問に答え、また、私の同僚だった故飯島議員が平成13年第3回定例会での同趣旨の質問をしたときにお答えをいただいた西野区長に、馬込文士村整備の意義とみずからの取り組みを振り返ってご答弁いただくのが適切なものと考えますので、よろしくお願いいたします。
二つ目の成果は、第二次馬込文士村の整備で最も大事な点はどこにあるのかということについて、区長が初めて一歩踏み込んだ答弁をしてくれたことであります。そのことによって、それまで見えなかったことが見えるようになり、もやもやしていたことが取り除かれることになったのであります。大事な問題でありますので確認しておきたいと思います。要約すると次のようになります。
散策コースは何とかできたが、途中における拠点の整備に力を入れること、すなわち当時の作家の活動をしのばせる面影がないので、それをどうつくるかが課題になる。そのためには馬込文士村を総合的に展示し、訪れた人々にご理解をいただき、鑑賞していただく拠点が必要であると。まさしく多くの文学愛好者たちが久しく、しかも強く実現することを待ち望んできたものこそ、区長が明言された馬込文士村を総合的に展示する拠点なのであります。私は、それを(仮称)馬込文士村記念館だと思っております。
さらに、そのとき区長は、その総合的な展示をする拠点の場所についてまで言及されました。すなわち、現在の区立郷土博物館には海のもの、すなわち国の重要文化財に指定された海苔に関するものが展示されているが、これらは山の方にあるよりは大森ふるさと浜辺事業で整備される海浜公園の展示室に移した方がいいと思っている。そして、文士村の中心に位置してロケーションのいい郷土博物館に馬込文士村の拠点化を図りたい旨の画期的な展望を初めて示されたのであります。
当時、私はこの区長答弁を聞いたとき、いよいよ近い将来に郷土博物館に馬込文士村記念館が設置されるのだなと大きな喜びを感じましたが、その後じっくり考えてみますと、そうした区長の考え方、将来の構想には疑問がわいてきたのであります。すなわち、区長が考えている文士村の総合的に展示する拠点と私どもが熱願している文士村記念館とは果たして一致するのかどうか。私は、一致すべきとの立場で以下質問を進めます。
本区の郷土博物館は、かつて大森貝塚を発見したエドワード・モース博士がご縁で、1984年にセーラム市のピーボディ・エセックス博物館と姉妹館の提携を行いました。以後、両館は対等の立場で交流を深めてまいりました。ところが、ダン・モンロー館長が指揮するピーボディ博物館は、人口わずか4万2000人の都市にある博物館ですが、展示品の数は240万点、8人の学芸員と200人を超える職員を擁し、インドのコレクションでは世界一、中国貿易に関するものは幾ら買ってもいいよというスポンサーがついており、研究用の図書館もあります。2003年には1億ドルを費やし拡張工事が行われ、世界一の博物館を目指し着々と拡大、発展を続けております。姉妹都市交流で同館を見学した大田区民の大半の方々は、本区の博物館との余りにも大きな差があることに愕然とし、声を失ってしまい、異口同音に「大田の博物館をもっと大きなものにしないと、これからどんどん格差が広がり、つり合いが保てなくなるよね」と心配しております。
片や本区の郷土博物館は、規模が小さいため展示し切れない各種の貴重な資料が旧大森保健所をはじめ旧馬込特別出張所、馬込区民センター、馬込第三小学校、下丸子図書館、大森東小学校などに分散されて活用されないまま保管されているという状態で、まことに残念至極と言わざるを得ません。
一方、馬込文士村記念館について考えてみますと、全国各地の地方自治体にある文学館、記念館を見れば明らかなように、たった1人の文士のものでさえ本区の郷土博物館ほどの規模のものはたくさんあります。馬込文士村には80人ほどの文士がいたわけですから、全国各地から来ていただいた方々に、やっぱりここまで見に来てよかったとご満足いただけるような整備をしなければならないでしょう。そのためには展示場だけではなく、ビデオ室、IT室、会議室、談話室、喫茶室、販売コーナーなども必要となってくるのではないでしょうか。そうなりますと、どう考えましても最低限、今ある郷土博物館のすべてのスペースは馬込文士村関係のもので占有されてもおかしくはないということになるのではないでしょうか。
以上の二つのことから、現在の郷土博物館に拡大、発展が望まれる博物館と充実した広いスペースが必要不可欠な馬込文士村記念館を同居させるというのは無理があるのではないでしょうか。物事には無理が通れば道理引っ込むとの真理があります。5年前、区長は私に、海のものは海側に、山のものは山側にとそれぞれ専門化して特化させたいと、一見これで落着と思えるような答弁をされましたが、今、私は、区長と同じ論法でこの問題を考えるとき、博物館と文士村記念館はそれぞれ専門館として特化させるべきと申し上げなければならないのですが、いかがでしょうか、お答えください。狭いところへちょこちょこっと両者を同居させ、お茶を濁すようなことはしてほしくないのであります。60万区民を擁する大田区の区長がやるべきことではないと思うからであります。
5年前、区長はさらに、あちら立てればこちら立たず、こちら立てればあちら立たずとはしたくない。それでは目的を持ってきた方に申しわけないとの趣旨の発言もされております。この考え方に私は大賛成であります。そのとおりであります。しかし、あの狭い郷土博物館に博物館機能と文学館機能を無理やり置き込むならば一体どうなるでしょうか。もしそんなことをしたら、あちら立てればこちら立たず、こちら立てればあちら立たずどころか、あちらもこちらもそれぞれのよさを発揮できずにお粗末なものになってしまうことは火を見るよりも明らかなのではないでしょうか。それでは多くの区民の支持は得られないと思うのであります。
では、一体どうすればよいのでしょうか。これから申し上げることは一つの案としてお聞きいただきたいと思います。ずばり結論を申し上げます。現在の郷土博物館は全館を馬込文士村記念館に変更する。郷土博物館については、将来、少子化が原因で廃校になる学校のグラウンドを含めた広い用地に現在の数倍も大きく立派なものの建設を目指す。それが実現するまでは4地域行政センターに1か所の展示場を開設し、地域密着型の分散化方式をとる。そして、そこにはそれぞれの地域にふさわしい郷土玩具、生活道具、民俗資料、出土品、考古学資料など今眠っているものも数多く展示して、子供たちの身近な学習と区民の郷土愛の醸成に役立つよう工夫する。展示場の場所については、学校の空き教室や廃園となる区立幼稚園などを活用する。博物館の本部事務所は当面、現在のままとする。以上が私の個人的な考えであります。
先代の天野区長の思い入れのある郷土博物館がこのように変貌することは、後継の西野区長としては内心じくじたるものがあると思いますが、時代の流れと区民のニーズにこたえるためには決断と実行が必要であります。天野さんはきっと、有川議員の言うように決断していいよと了解してくれるものと確信するものであります。この点について区長のご所見をお聞かせください。
本年9月14日の夕方、近所のお年寄りから電話がかかってまいりました。内容は読売新聞の夕刊に馬込文士村の記事が出ていますとのお知らせでした。早速新聞を開いたところ、ありました、ありました。見出しは「作家の卵ひしめいた地 馬込文士村」とあって、大きなカラー写真はJR大森駅西口前の天祖神社下にある尾崎士郎、宇野千代夫妻、川端康成ら馬込文士村の住人だった43人の顔のレリーフでした。この写真記事の終わりの部分を読んで、私は大きな感動を覚えました。いわく「ガイドの卵が解説する文士の卵たちのやんちゃぶりはほほ笑ましかった」と。
これでおわかりのように、郷土博物館で馬込文士村のボランティアガイド養成講座を受けた研修生が何とプロの新聞記者に文士村散策コースを案内し説明されたのであります。何とすばらしいことではないでしょうか。今回の私の第二次馬込文士村整備事業に関する追跡質問のきっかけは、まさにこの記事にありました。私が理想と掲げてきた歴史と文化・ロマンの薫るまちづくり、すなわち馬込文士村の整備は、下からの住民の盛り上がりが大切なのであります。行政と区民との協働があってこそ、よりよい文士村が築かれていくと思うからであります。読売新聞のガイド役を務められた方は62歳の男性でした。去る10月をもって2年間にわたる合計20回の講習を終えて卒業された方であります。いよいよ馬込文士村ボランティアガイドの1期生16人がまちに出て活動を開始いたしました。そして、現場の第一線で闘う人の声はやはり鋭く、貴重な意見を出してこられるものです。その中の主な声を紹介いたしますので、区の理事者の方々にはしっかりと聞いていただきたいと思います。
一つ、たくさんある公園を活用して文士の代表的な句碑、歌碑を計画的に配置して、文学碑のあるまちづくりを目指してほしい。
二つ、室生犀星の旧宅付近の公園にある杏の木とその解説板を設置するなど、文士ゆかりの木や花をたくさん植えてほしい。
三つ、かつての馬込の風景画や写真パネル、文士の旧宅の写真を散策コース内に配置してイメージネットワークが図れるようにしてほしい。
四つ、もっとわかりやすい散策地図をつくって、各商店街の協力を得、積極的な活用を図る。
五つ、観光資源となるものを大いにPRし、魅力あるまちをつくっていくことを仕事の中で常に意識するという区職員の意識改革を期待している。
六つ、ボランティアガイドは馬込文士村だけではなく、大田のものづくりのまちや旧六郷用水など拡大すべきだ。また、ガイドには交通費ぐらいは出してほしい。
七つ、区のホームページは文士村の四季折々の新しい情報を音声と動画を使って発信してほしい等々。
この現場からの貴重な意見・要望に対し今後どうされますか。簡潔な答弁をお願いいたします。
このように、5年前と今日とでは馬込文士村のよりよい整備を望む声の高まりは比較にならないほど大きくなってきております。インターネットで馬込文士村を検索すると数え切れないほどの情報があふれております。中には、行ってみてもっと工夫してほしいことがあると意見を寄せてくださるありがたい人もいらっしゃいました。また、ボランティアガイドの報道は新聞ばかりではありません。NHKやMXテレビでも紹介されました。また、馬込文士村継承会というNPO法人も地元にできました。この団体は、大田文化の森の運営委員会と連携し、毎回すぐれた企画が行われるため会員も急増し、会合には数百人の区民が毎回喜々として参加しております。まさに機は熟しているのであります。こうした住民の草の根の運動が盛り上がってくることを私は今日までじっと待ってまいりました。
5年前の質問で、私は、第二次馬込文士村整備事業を一日も早く立ち上げていただきたいと熱望いたしました。これに対して区長は、ちょうど今、大田区長期基本計画として2015年までのおおたプラン2015をどうするかの論議をしている最中なので、その中に入ることを期待しているとの答弁をされました。しかし、ふたをあけてみたら区長の期待とは裏腹に残念ながら入っておりませんでした。私も区の冷たい態度に大変失望いたしました。東京の、否、日本のステータスシンボルになり得る、この輝くばかりの文士村の仕上げを2015年以降に先延ばしするお気持ちですか。文士村のことはもうこれっきり、これっきりですか。
区民の大半が見向きもしなかった時代に、大田の将来のためにと先見の明を持って文化をはぐくむまちづくりを大田区政運営の三本柱の一つに据え、見事なまでに文士村の散策コースをつくり上げた、あのときのロマンに満ちた情熱は一体どこにいってしまったのでありましょうか。区長、今からでも遅くはありません。西野区長のこれまでのご功績は、特に福祉の分野で、また産業振興の分野で、大田区は日本一だと言わしめるものがありました。このことは多くの区民が認めております。だからこそ、過去5回の区長選挙では、対立候補を退け大勝してこられたではないですか。残るはあと一つ、文化をはぐくみ、文化が息づく、文化の風薫るまちづくりの分野において、区長はみずからが種をまき育ててこられた馬込文士村の総仕上げが大きな課題ではないかと思うのでありますが、区長のご決意をお伺いしたいと思います。
第一次整備のときのように、企画部門、土木部門、教育、産業等の部門、必要な各部門の最優秀職員を集めてください。本気になって取り組んでくれる職員はたくさんいると思います。区民の中にも優秀な方はおられます。第二次馬込文士村整備事業計画の作成と議会提出までのはっきりしたスケジュールの明快な答弁を強く求めて、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(水井達興 君) 理事者の答弁を求めます。
◎区長(西野善雄 君) 馬込文士村構想についての情熱あふれるご質問をちょうだいいたしました。私もその情熱を失ったわけではございません。ただ、時間というものがどうしても必要である。海のものを海へ返すと言って、ふるさとの浜辺をつくり出して、これにもかなりの時間がかかっております。まだ完成いたしておりません。そこへ移す条件を整えなければ移れないわけでございますから、そういう条件整備を現在進めている。まだ最終的に浜辺ができるまでには2年ぐらいの年月を要すると思います。
この5年間を振り返って、何もしていないのではないかとおっしゃいますが、とんでもございません。尾崎士郎さんのお屋敷、あるいは川端龍子画伯の居住地、すべて購入あるいは寄附その他をちょうだいいたしております。そのように着々と根っこを大地に生やしているつもりでございますので、ご安心願いたいと思います。これは必ずや私がいなくなっても芽を吹かせ、花を咲かせ、実をならせる、そういうものになり得ると私は確信いたしております。
そのほかにも各種の資料の収集、これについては篤志家の方が郷土博物館の資料として必要ならば使ってくれというお金を今3000万円寄附をいただいて基金の中に入れてございます。そういう中から文士の作品とか、あるいは書籍、そういうものを徐々に集めて博物館には保存をさせていただいております。内容的にも、形はできたけれども、中身がないというのではどうにもなりませんから、中身を伴うように着々と博物館職員の皆さんにも力を尽くしていただいております。そういうものが姿形を変えてあらわれるとき、これはタイミングだと私は思います。要するに、海へ返していくというのが第一前提であったわけでございますから、それが完成する。その後、今の場所をどのようにするか。当然そういうプログラムを私なりに考えながら、そのときに、ピーボディ・エセックス博物館の事例を引かれましたけれども、あれもただ単に集まってきたわけではございません。収集する意図と整理をする多くの人たちの力で現在のものができ上がったわけでございます。収蔵庫の中へ入ってみると、まだまだ整理されていない品物がいっぱいございます。今年、私どもの学芸員1人が特に日本人形の収集の部分について整理をするために、今、派遣をいたしております。そういうように私たちは常に展示が可能になるような状態に整備をしていく。それは影の力として続けているつもりでございます。どうぞそういう点も見逃さずにごらんいただきながら、将来の夢をともに語り合いたいと、このように考えております。
いずれにしても、海苔資料館につきましては、ふるさとの浜辺の方に移します。そうすると、当然、今の収蔵庫などもあいてまいる部分がございます。それから、各所に分散して入れてあるではないか。確かにそのとおりです。それから、地域の子供たちのためには、多くの学校で郷土資料、そういうものを展示する教室を空き教室を活用しながらつくっている学校が非常に多くなっております。そういうことで地域の方々が学校へ行けば、ああ、こういう生活、こういう道具が昔は使われていたんだなというものに接することができるような状態に学校でも子供たちに開放されてつくられております。
私もつい先日、自分の卒業した入新井第一小学校130周年同窓会、私は本当は卒業していないんですが、学童疎開のためにちょうど半年間、籍が抜けているんです。でも、おまえは特別会員として処遇するから同窓会員だというので呼ばれまして行ったときに、昔の写真からずっと一教室に飾ってあって、私の通信簿は出ていませんでしたけれども、ある特定な方の戦前の通信簿が張り出してあって、わら半紙に謄写版で刷った、そういう通信簿が飾ってある。ああ、こういうのは常時飾っておくと腐食してだめになっちゃうよ、もうちょっと飾り方とか保存の方法を考えておいた方がいいんじゃないの、校長先生とそんな雑談をしたりしてきましたが、いずれにしても、学校も郷土資料を展示できるようなスペースを確保して、地域における歴史を学ぶという学習の参考にされております。そういうものを今地域行政センターにつくれとおっしゃいましたけれども、学校をもっと活用して私どもは既に取り組んでいる。また、地域の方々からも、古くなってごみに出してしまうんだと。そういうときに、拾ってくるとまずいですけれども、ご寄附をちょうだいするような手続で充実したら、よりよい収蔵庫が逆に地域地域に散在する、こういうことになる。何か必要があれば、それを集めて展示をすればいいわけですから、郷土博物館としての機能はそういうところも補完的に整備していけばよろしいと、このように考えております。
そこで、最後は、馬込文士村記念館に衣替えをしたらということでございますが、確かに私がつくった博物館ではございませんので、思いはじくじたるものがございますけれども、海へ返す、山へ戻すという大前提に立ったときには、先輩も、うん、おまえ、よくやったなと言ってくださるだろうと、そのように考えております。例の政府の1億円事業、あれで取り上げたのが実は馬込文士村の問題でございます。もう今から20年近く前の話でございます。それを取り上げて、あそこにレリーフをつくったり、あるいは道案内をつくったり、冊子をつくったりというようなことをやって、その前段には、まだ先賢の方がおいでになりまして、大沢先生とか、いろんな方がおいでになりまして、そして馬込文士村についての蓄積をしていてくれた。私は、ただそれを表面にあらわして行政として取り上げたということだけでございます。本当に多くのボランティアの皆さん方が馬込というものを愛し、そして、そういう人々の活躍というものをしのぶよすがとして文士村の記念館が欲しいな、こういうお気持ちだと私は考えております。文学碑をつくるとか、あるいは好きだった花を植えるとか、写真を飾れとか、いろいろご提案がございましたけれども、これらについては、どういう方法がいいのか、これからの課題として十二分に研究はさせていただきたいと思います。
また、大田文化の森についても、あえてあそこに馬込でもないのにレリーフを全部張り込んでやってあります。あれは運営委員会の皆さんがぜひやろうよということで、あのレリーフを持ち込んできた。それと、ご案内の山王会館、あそこの1階もそういう形で活用させていただいて、散策の休み場所としてご活用いただいている。ですから、散在させながら、拠点としての博物館のあり方、それから散在する資料、あるいはお休みどころ、そういうものをつなげていきたい、こういう気持ちで着々と、有川議員の目から見ると、何だ、何もやっていないのではないかとごらんになるかもしれないけれども、私としては着々と一歩一歩確かな足取りをたどっている。その足取りを支えてくれているのは、今ボランティアの方々が馬込文士村の案内をしているよと。私も十分承知いたしております。講座もやりました。いろんなことを心がけてくださっております。そういうありがたいお気持ちをつなげながら将来に残してまいりたい、こういう気持ちは変わっておりません。これだけの財産を蓄積してあれば、私がたとえやめたとしても、50年後、100年後までもこのこと自体は残っていく。ピーボディ博物館の300年の歴史に匹敵するようなものにはなり得るであろう、このような感傷に浸るときもございます。
しかし、ピーボディ博物館は公立ではございません。財団法人でございます。みんなボランティアの気持ちで支えられております。モンロー館長さんは全米博物館館長会の会長です。非常に実力のある方です。金融面でも非常に人脈があって資金力を蓄えることができる。私もおかげで、日本で寄附すると怒られますが、アメリカだったので十二分に寄附をさせていただいております。私の名前も博物館の中に載っかっております。そういうことで、これからも日米の交流のためにもピーボディ博物館の発展する精神、そういうものを私どももエネルギーとして頑張ってまいりたい、このように思っております。どうもありがとうございました。
◎
教育委員会事務局次長(池藤紀芳 君) 私からは文士村ボランティアガイドの活動の中での現場の意見に対して今後どうされるつもりかとのご質問に対してご回答申し上げます。
いろいろ寄せられた多くのご意見・ご要望につきましては、いろいろな部局にかかわる部分もございますけれども、今後検討してまいりたいと思っております。これからも区民の要望を生かした博物館活動を継続してまいりたいと思っております。
以上でございます。
○議長(水井達興 君) 次に、32番犬伏秀一議員。
〔32番犬伏秀一君登壇〕(拍手)
◆32番(犬伏秀一 君) 民主・自由・未来の犬伏秀一でございます。
今週月曜日に拉致
疑惑究明の先鋒でもある我が師、西村真悟代議士が弁護士法違反容疑で逮捕されるという残念な事件がありました。さぞかし金正日が喜んでいるかと思うと、まことに残念至極であります。
さて、この国には、日本が嫌いで、この国を何とかつぶしてやろうというやからがうようよとうごめいております。彼らは、時にはジェンダー問題を隠れみのにし、時には平和運動に名をかり、何も知らぬ区民、国民の間にじわりじわりと入り込んでいくのです。そこで、今回は、大田区がいつでも敵国に占領されるようにする無防備地域宣言運動についてお伺いいたします。
これはジュネーブ条約追加第一議定書の無防備地域の宣言を自治体にさせ、紛争の巻き添えにならないようにしようという趣旨の運動であります。最近の報道や運動のホームページなどによれば、お隣品川区において組織的に署名運動が行われており、その火種は我が大田区にも飛び火しているようであります。既に確認されているだけで21区市町において運動が展開されており、大阪市、大阪府枚方市、兵庫県西宮市では署名が法定数に達し、条例が議会に提出され、否決をされました。
ジュネーブ条約追加第一議定書第59条には、無防備地区の条件として、1.すべての戦闘員並びに移動兵器及び移動軍用設備が撤去されていること。2.固定した軍用の施設または営造物が敵対目的に使用されていないこと。3.当局または住民により敵対行為が行われていないこと。4.軍事行動を支援する活動が行われていないことと規定されています。いずれも国に所管する事項であり、地方自治体が宣言する権限がないことは明らかであります。
さらには、赤十字コメンタール(解釈集)2283には、宣言すべきは政府であると記載されていることからも、この運動は法的根拠を持たない反日左翼に煽動されたプロ市民の平和遊びであることは明白であります。また、この宣言が仮に行われたとしても、それは反撃しないので無血占領して結構、無条件降伏しますという宣言であることは、彼らの運動では明らかにされていないのであります。
有事において国民、区民の生命、財産を守ることは、国及び地方自治体の最大の命題でもあり、その意味からも国防は最大の福祉とも言えるでしょう。そのことを放棄し、無血入城、占領を可能とする本運動は、やはり日本を嫌いな方々の煽動であろうと思うのであります。
既に東京都においては、国民保護法に基づく国民保護協議会条例及び国民対策本部条例が本年3月に施行され、国民保護計画の制定が進められており、来年には大田区も同様の条例及び計画を策定しなければなりません。そこで、今後、大田区において無防備地域宣言の署名数が法定数を獲得した場合に備えて、この宣言やこの運動につきどのようにお考えになっているか、お伺いをいたします。
次に、公文書開示についてお伺いをいたします。
昨今、住民意識の高揚とアカウンタビリティー(説明責任)の要請により、全国的に公文書の開示が増加傾向にあるとのことであります。私も教職員の出勤簿など多くの開示請求をいたしましたが、その経験からも、本区において開示の判断基準に明確なものがなく、開示に際して、その都度所管課と総務課が協議して開示、非開示を決定している印象を受けるのです。同様な案件でも、その担当者や管理職の異動により開示されたり非開示だったりの事例を聞くこともあります。
ここに1枚の非開示決定通知書がありますと言おうと思ったら置いてきてしまいましたが、平成16年12月24日付けであります。そこで、この区民は、非開示になったことを受け、翌2月9日、区情報公開・個人情報保護審査会に異議を申し出たのです。それからおくれること2か月後の4月から6月の間、3回審査会が所管課職員出席のもと開催されました。そして、6月の段階で所管課は部分開示を決定、それからさらにおくれること4か月後の10月19日にやっとこ部分開示決定通知をこの区民あてに送付しております。情報公開条例第13条2で規定されている実施機関、すなわち区長の決定または裁決は本日に至るまでされていないのです。なぜ突然非開示から部分開示にしたのか、そのりん議過程を知るためには、また部分開示にしたりん議にかかわる文書の開示請求という途方もなくくだらない作業をしなければならないのです。審査会を形骸化させ自己保身に走った当該課の行為も問題ですが、大田区は全庁的に開示は認めたくないという思いがあるのではないでしょうか。個人情報保護法が施行されて以来、何でもかんでも個人情報として、さわらぬ何とかになっていては困るのです。
区役所が所持している情報は、プライバシーに関する事項以外はすべて区民と共有すべきものであるはずです。情報開示の判断基準、また審査会を形骸化した行為、また請求から実に10か月を経なければ開示できなかった区役所の体質についていかがお考えか、お伺いをいたします。
先般、疑惑のデパートと比ゆされた国会議員が再選をされましたが、私は初当選以来、区立学校は規則破りのデパートであると訴えてまいりました。実態のない自宅研修、違法な早帰り、自家用車通勤、給食の皿1枚削減問題、職場助成費8000円の現金支給問題など組織的な問題に始まり、破廉恥教員、ピンはね教員、泥酔泥棒教員など、たまげるばかりです。真剣に子供たちの教育に取り組んでいるまともな教員には迷惑千万の行為でもあります。
区立のある小学校では、教員として不適格であると保護者も学校管理職も認めておりながら、休職扱いを3年近くも続けている教員がおります。この間、この教員には通常の給与の80%が税金から払い続けられております。いかに公務員の身分が守られているとはいえ、常識を疑う愚行であります。本来、休職とは、病気療養や研修、海外派遣など復帰を想定したものであるはずです。大田区において1年以上の長期にわたり休職している教員の数と、平成16年度にこれら教員に支払われた給与の総額をお示しいただき、今後の対応をお教えください。
また、教員の授業態度につきお伺いいたします。
先日、区立中学1年生の保護者から相談を受けました。英語の教員が教科書を使わずドリルばかりやらせる。その内容も、現在形あり、過去形ありの、1年生ではさっぱりとんちんかんなので、教科書どおり進めてほしいとこの教員に申し出たところ、逆ギレされたというのです。早速教育委員会に報告したところ、学校長、指導主事が授業参観をされたのです。その当日の授業の模様を当該生徒から聴取したところ、突然、全然違う授業になっておかしかったとのことでした。
「バトルロワイヤル」を授業中に見せた教員、「極道」ののぼりを教室に掲げた教員、性器の長さや初体験の相手を問う教員など、大田区には変わった教員がいらっしゃいます。行政職であれば区民に影響のない部署に隠してしまえば実害は給与だけで済みますが、教員の場合は、その生徒、児童の一生の人格形成や進路に大きな影響を与えてしまいます。このような問題教員に限らず、全教員の授業を常に教育委員会、学校長など管理職並びに地域の人々が監査する制度を創設する必要があります。このような問題教員に対する措置と授業監査制度導入につきお伺いいたします。
私は先月、超党派の議員で予防介護で全国的にも有名になった埼玉県和光市の長寿あんしん課を視察してまいりました。熱血あふれる担当主査の言葉は胸に響きました。彼いわく、今までの介護行政、いや、行政組織そのものが制度やそれに基づく権限による指導、つまりヘッドシップによって行われていた。これからはそのような権限や制度に頼らない共感や協働によるリーダーシップが行政にも求められていると。
どうか、来るべく2006年、平成18年度の大田区がヘッドシップに頼ることなく、各級職員がそれぞれの立場で区民と共感しながら行政としてのリーダーシップを発揮されることを強く要望して、質問を終わります。(拍手)
○議長(水井達興 君) 理事者の答弁を求めます。
◎
経営管理部長(須藤常好 君) 私からは公文書開示についてご答弁を申し上げます。
まず、開示の判断基準についてでございますけれども、もちろん条例、規則により定められておりますほか、その詳細な解説書も作成してございまして、全庁的に統一した運用を行っております。
2番目に、審査会が形骸化しているのではないかという点についてでございますけれども、ご指摘の文書は福祉関係のいわゆる相談処理票のことと思います。この文書は、高齢者の個々具体的な家庭内の介護の状況、病名、あるいは悩み事、また生活実態等が事細かに記載されたものでございまして、いわばプライバシーの固まりそのものと言うべき文書でございます。当初、担当課では、こうしたことからプライバシー保護の観点から非公開ということにしたわけでございますけれども、異議申し立てを受け、審査会では、可能な限り公開すべきものという見地から、相談票の中でも部分的には開示してもプライバシーを侵すおそれが少ないものもあるのではないかという考え方が示されたために、担当課では部分開示に変更したものでございます。こうした経緯から、審査会が形骸化しているという認識には立ってございません。
最後に、何か月も時間がかかり過ぎるという点でございますけれども、今回の文書の場合、280ページにも上る一件一件プライバシーに触れる部分を消すというために時間がかかったのは事実でございます。しかし、余りにも時間がかかり過ぎているという点につきましては、今後このようなことがないよう全庁的に速やかな開示に努めてまいります。
◎
区民生活部長(高橋幾夫 君) 私からはいわゆる無防備地区宣言にかかわるご質問についてお答えを申し上げます。
ご指摘のように、ジュネーブ条約の第一追加議定書の第59条にいわゆる無防備地区に関する規定があることは私どもも承知をいたしております。この内容は、先ほどご指摘がありましたように、一定の要件を満たした場合に紛争当事者の相手方からの攻撃を受けないといった内容のものでございますけれども、一つには、いわゆる国民保護法制に関する事務につきましては法定受託事務でございますので、法で国の方針に基づく地方公共団体の協力義務を定めているということでございます。したがいまして、これを大田区として拒否をするということは現在の法体系の中ではできないことになっているものでございます。
また、いわゆる無防備地区の宣言でございますけれども、その条件を満たすための――先ほどご指摘があった軍隊を区域外に行かせるとか――そういった幾つかの条件を満たす権能は、地方公共団体でございます大田区にはございません。したがいまして、宣言を行うことはできませんし、また、そのための条例を制定することもできないものと、このように考えているところでございます。
以上でございます。
◎
教育委員会事務局次長(池藤紀芳 君) 私からは2点お答え申し上げます。
まず1点目でございます。1年以上の長期にわたり休職している教員の数並びに平成16年度にその教員に支払われた給与の総額及び今後の対応についてお尋ねでございます。
現在、1年以上休職している教員の人数は9名となっております。これらの教員はいずれも平成16年度内に休職した期間がございます。このうち2名は海外日本人学校派遣の関係による休職者で、給与は支給されておりません。残りの7名は病気のための休職者で、支払われた給与等の年間総額は4259万9918円となっております。なお、休職期間の給与につきましては、2年未満の場合は通常の80%が支払われ、休職期間が2年以上3年未満の場合には給与は支払われません。3年に達すると分限免職ということになります。
今後の対応についてでございますけれども、休職者の認定や休職期間の延長等の取り扱いにつきましては、法令等に基づき適切に対処してまいります。
2点目でございます。教員の場合は、その生徒、児童の一生や人格形成や進路に大きな影響を与えます。このような問題教員に限らず、全教員の授業を常に教育委員会、学校長など管理職、地域の人々が監査する制度を創設する必要があります。このような問題教員に対する措置と授業監査制度の導入についてのご質問でございます。
教員の服務につきましては、毎回の校長会で資料を配付し、指導の徹底を学校長に指導するなど、服務の厳正を徹底しているところでございます。教員の授業につきましては、人事考課制度に基づき、校長、副校長が年間を通じて授業観察し、指導力の不足につきましては必要な指導を行っているところでございます。なおかつ改善されない指導力不足の教員につきましては、東京都の規定によりまして、程度に応じて短期または長期の指導力不足教員研修を受けております。また、教育委員会では、指導主事が校長の要請、保護者の苦情を受け授業観察を行い、学校長とともに指導を行っております。今後は授業を地域、保護者に公開するとともに、地域、保護者による授業評価を取り入れた教育評価制度を確立し、教員の指導力向上に取り組んでまいります。したがって、教員の授業監査制度の創設については導入する考えはございません。
以上でございます。
○議長(水井達興 君) 次に、19番湯本良太郎議員。
〔19番湯本良太郎君登壇〕(拍手)
◆19番(湯本良太郎 君) 本日より師走と呼ばれる月になり、時間の経過の早さと、区長のあいさつにもありましたが、年の節目の月であります。本年の総決算、また、やり残していることを年内中にやり切る覚悟で、私もより一層大田区発展に寄与ができるよう臨んでまいる所存でございます。本日の答弁次第で新年を気持ちよく迎えられるかどうか決まりますので、どうかご答弁よろしくお願いを申し上げます。
それでは、質問に入らせていただきます。
昨今、食を取り巻く環境についての問題が多々国民レベルでも議論を呼んでおります。メディアにおいても食にかかわる報道が多く目につくのは私だけではないと思います。その例を挙げると、食料品の虚偽記載、また狂牛病、鳥インフルエンザ、遺伝子組み換え食品、健康食品ブーム、食料自給率の問題、中国、またインドの人口の増大と世界の砂漠化による食料危機、ニューヨークにおいては、市長が市民に肥満に対して注意を促し、肥満対策を市が行うといった事柄も伝えられております。国や地域によって食を取り巻く環境は千差万別であります。
その中で、我が国においても食を取り巻く環境に大きな動きがありました。平成17年6月10日、第62回の国会において、提案理由が近年における国民の食生活をめぐる環境の変化に伴い、国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむための食育を推進することが緊要な課題となっていることにかんがみ、食育に関し基本理念を定め、及び国・地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、食育に関する施策の基本となる事柄を定める必要があるとの理由により、自由民主党、公明党、共産党などの賛成多数で食育基本法が成立をし、同年7月15日に施行をされました。
この法律は、食への理解を深めるための体験活動や伝統的な食文化への配慮などを盛り込む一方、国民の責務として、生涯にわたり健全な食生活の実現に努め、食育の推進に寄与するよう努めると定めています。反対をされました民主党は、食は個々人の選択と自由に任せるべきで、国家が介入すべき性質のものではないという理由により反対をされておりました。私は、個人的にはこの意見に賛成をする部分が強くあります。しかしながら、ここまで法律を定めないとならない現状もあり、また、そのような世相が反映されたのがこの食育基本法なのかなと感じております。
しかしながら、新たに法律として制定をされ、施行をされた今、大田区としてどのように食育を展開していくのか、大田区として食育をどのようにとらえているのか伺います。
特に子供たちへの環境の一環として、食育基本法の背景にある食を大切にする心の欠如をどのような形で教育現場において改善できるよう実践していくのか、進めるのか、いささか疑問が残るところでございます。実際の現場としてこれをどのように展開していくのか、あわせて伺います。
また、子供に食を提供するのは主に親であり、親の観念が非常に重要になってくると思います。その点もあわせて大田区としてどのように改善を進めていくおつもりなのか、お伺いをいたします。
私は、食育を教育現場で形式的に行うのではなくて、リアルな教育を展開するために、まず子供たちの食べることへの考えを教職員の皆さん、または親、地域、そして私たちも把握をする必要があるのではないかと考えております。そこで、本日は一つ提案をさせていただきたいと思います。子供たちの深層心理を知るためにも、美術の時間に子供たちに「食べる」をテーマに作品、これは絵画でも版画でもオブジェでも何でもいいと思います。その学年ごとの指導要綱があると思いますが、食べるということをテーマに作品をつくらせてはどうかと思います。これをどのようにとらえて、また提案をさせていただきますので、大田区としてどう考えるのか、お伺いをいたします。
さらに、先日、OTAフェスタにも来ていただいた秋田県の美郷町には、恐らく私たちの大田区とは違って食物をはぐくんでいる現場というのが多数あるのだと思います。その食物の成長過程を知る子供たちのつくった作品、それと食物の成長過程を知らない私たち大田区の子供たちのつくった作品、これを両方展示をしてみるなどの試みをしてはどうかと思います。当然、そのためには友好都市美郷町との共同作業が必要となりますが、せっかく友好都市を結んだわけでありますから、この関係を生かしてできる共同の作業といいますか、今までに行ったことのない新しい試みというものにぜひ挑戦をしていただきたいと思います。このような動きについて大田区としてどう考えるのか、お伺いをいたします。
いずれにしても、子供が親の言うことを聞かない。また、先日はニートの話も出ていましたが、人間が生命活動を維持するためには物を食べなければならない。その食べ物を自分でとれないときに、親から食べ物を与えられて成長ができたこと、それとほかの生き物を殺して、その生命を食べることにより自分が存続できていること、食を大切にする心、感謝をする心をこの食育を通して教育現場において実践ができるよう工夫をしていただくよう強く要望をさせていただきます。
続いて、今度は歩道橋についての質問をさせていただきます。
先日、大森駅の駅前の歩道橋が撤去をされるということで予算がつきました。環7と東邦医大通りの交差点、これは名称を沢田交差点といいますが、ここに現在、歩道橋がかかっております。この歩道橋は、現在、利用が余り見られないが、この歩道橋の橋脚というんですか、それが歩道に大きくせり込んで立っており、歩行者の通行の妨げになっております。健脚な方でも通行しづらい箇所になっており、障害者だとか、また高齢者の皆さん、車いす等を利用されている方々からすると、通行をする場合、なお一層困難になると思います。また、交通量の多い交差点でもあります。この交差点の橋脚により、環7を池上方面から沢田通りへ左折をしようとすると、非常に見通しが悪くなっております。さらに、震災時に歩道橋が倒壊するのではという不安の声をいただいております。また、歩道橋により夜になると暗い。そのためかわからないけれども、歩道橋の下に不法投棄が多く見られる等々、余りよい効果が得られていないように思われます。この歩道橋をこの際撤去するように関係機関に働きかけてはどうかと思いますが、お考えをお聞かせください。
続いて、ふるさとの浜辺について質問をさせていただきます。
A工区とB工区、この二つの工区に分けて現在ふるさとの浜辺は建設を進められております。このA工区とB工区のつなぎ目に当たる場所に、現在、コンクリート張りになっている――ところどころ雑草が生えているんですけれども――三角地帯がございます。ここは東京都の下水処理施設が地下にあるとのことです。上物については、現在、空き地同然となっておりますが、この場を、上物については大田区が活用できるように東京都に働きかけてはどうか、そのように考えておりますが、大田区としてのお考えを伺わせていただきたいと思います。
なぜそのようなことを要望するかといいますと、ちょうどA工区とB工区のつなぎ目に当たりまして、これは公園にとっても非常に重要なポイントとなると思います。ここが上物が何も活用されずに、ただ野ざらしになって、コンクリート張りになって、ところどころ雑草が生えているという状況は、せっかく今、莫大な予算をかけてつくろうとしている大田区の売りともなろうとする公園にとって望ましい形態ではないと思います。ぜひこの場を活用できるように強く東京都に要望、働きかけをしていただきたいと私は思います。
また、東京都がその場を大田区が活用することに了承してくれるのであれば、この土地は、先ほど有川議員からも提案、ご意見がありましたけれども、海のものを海へ返すという、この発想の海のものの拠点となるような場として活用したらどうかと考えます。お考えをお伺いしたいと思います。
大田区には、下が下水処理施設で、上を大田区が借り上げ、公園として活用をしているという似たようなケースが現在でも見受けられます。ぜひこの場もそのような方法で東京都と積極的な交渉を進めていただければと思います。
先ほどの食育基本法のところにちょっとひっかかる問題で、さかのぼってしまうんですけれども、食育基本法第24条には、このように書かれております。「国及び地方公共団体は、伝統的な行事や作法と結びついた食文化、地域の特色ある食文化等我が国の伝統のある優れた食文化の継承を推進するため、これらに関する啓発及び知識の普及その他の必要な施策を講ずるものとする」と記されております。今、公園が建設されているふるさとの浜辺、ここはいっとき海苔で大変潤ったまちでありますし、大森の海苔というのは日本全国でその名をとどろかせたほど有名な場所でありました。この地にて、海苔を食することのできる場、つまり伝統的な行事や作法と結びついた食文化、地域の特色ある食文化、我が国の伝統あるすぐれた食文化の継承を推進するための場として活用ができるよう、この食育基本法の観点からもご検討いただけたらと思いますが、お考えをお伺いいたします。
以上で私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(水井達興 君) 理事者の答弁を求めます。
◎
大田北地域行政センター長(佐藤喜美男 君) 沢田交差点にかかっております大森北六丁目歩道橋、この撤去のお話がございました。湯本議員の方から現状について話がございました。こうした認識は私どもも同様に持ってございます。したがいまして、今後は地域の方々や警察等関係機関のご意見も伺いながら、撤去の方向で進めてまいりたいというふうに考えてございます。
次に、ふるさとの浜辺公園に隣接しております東京都下水道局の用地、これの活用についてご提案がございました。現在、地元では通称三角島と呼ばれていた地でございますけれども、これは都市計画決定された都市施設である下水道施設が存在し、馬込、大森の下水道計画の拠点として位置づけられている現状においては、東京都に公園用地として働きかけることは現時点では難しいものと判断してございます。ただし、公園開設後に周辺整備等で必要が生じた場合、都の計画に支障がない範囲で、一時的・暫定的な利用に限り東京都との協議の余地はあるものと考えてございます。先ほどご提案がございましたので、東京都との交渉を絶やさず、その辺のところを探ってまいりたいと思っております。
それから、食育に関しましてのふるさと浜辺の活用でございます。大田区の伝統産業でもありました海苔につきまして、ふるさとの浜辺公園、先ほど区長からもお話がございましたけれども、これを単にレクリエーションの場、あるいは散策の場だけではなくて、子供たちの学習の場、あるいは文化を伝える場としても活用できるような方策は当然あってしかるべきかなというふうに思っております。したがいまして、今後詰めてまいりますこの公園の管理運営の方法の中で検討してまいりたいなと思っております。
以上です。
◎
教育委員会事務局次長(池藤紀芳 君) まず、食育についての大田の考えというご質問でございます。
食をめぐっては、子供たちの食生活における栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、過度の痩身志向などに加えて、食に関する安全上の問題、食材の海外への依存等の問題、食に関する情報のはんらんなどさまざまな問題が生じており、子供たちが食について学ぶ必要性がますます強くなっております。教育委員会といたしましては、子供たちを取り巻くこのような食に関する状況からも、学校教育の中で食育について着実に推進していかなければならないと考えております。食育の指導を通じて食に関する知識と食を選択する能力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進してまいりたいと考えております。
次に、食育を実際どのように教育現場で実践していくのかとのお尋ねでございます。
学校における具体的な食に関する指導につきましては、学級担任を中心とした給食の時間、学級活動での指導、家庭科、技術・家庭科、体育科、保健体育科などでの教科指導や総合学習の時間等で行っております。また、学校栄養職員と学級担任や教科担任とのチームティーチングによる食に関する指導を積極的に推進していけるよう学校を指導しているところでございます。
あと家庭に対してでございます。先ほど答弁いたしましたけれども、家庭に対しましては、学校だよりや保健だより、保護者会等を活用し、食生活の重要性についてお知らせをしているところでございます。
最後に、友好都市美郷町との食をテーマにした作品の交換ということでございます。食育教育の一つの方策であるとは考えております。今後研究してまいりたいと思います。
以上でございます。
○議長(水井達興 君) 次に、50番大竹辰治議員。
〔50番大竹辰治君登壇〕(拍手)
◆50番(大竹辰治 君) 私は、公立図書館の指定管理者制度について、公営住宅の整備について質問いたします。
まず、公立図書館の指定管理者制度についてです。
大田区の指定管理者制度の導入は、大田区立図書館の管理運営方法の見直しにより、地域図書館14館が平成19年から、大田図書館は一部業務を教育委員会で実施し平成20年から、休館中の入新井図書館は平成21年から開設と同時に導入され、平成21年度から全16館で終了する予定となっています。
2003年6月の地方自治法第244条の改正で、公の施設への管理運営に指定管理者制度が導入されました。指定管理者制度は、もともと財界からの構想で、官から民へのかけ声のもと、国、地方自治体の業務・施設を民間に開放してビジネスチャンスをふやすという基本戦略に基づくものです。官から民への弊害がくっきりあらわれたのが耐震偽造のマンション問題です。7年前に建築基準法の改正で民間任せの建築確認にしたことが問題の背景にあり、本来、国や自治体が責任を持っていた住民の命と財産を守る保障が民間に丸投げとなってしまったからです。
日本共産党大田区議団は、この間、公の施設への指定管理者制度の導入については、一件一件について住民サービスなど総合的に検討して賛否を明らかにしてきました。賛成の立場をとった中には、個別法が優先して社会福祉法人しか指定管理者になれない場合がありました。しかし、各省庁は、一部を除き個別法を改正しなくとも解釈・運用で対応できると回答しています。そのことは図書館についても言えます。文部科学省は当初、図書館、公民館、博物館は個別法の縛りがあるため、民間への包括的管理委託はできないとしていたものを、法の解釈・運用を周知することで可能・対応予定と回答しています。
今年の4月現在の全国の状況は、公立図書館に指定管理者制度を導入した自治体もありますが、検討の結果、指定管理者制度をとらない北海道、鳥取県、埼玉県鶴ヶ島市、静岡県富士宮市、大阪府豊中市、岡山県倉敷市など少なくない自治体もあります。その中の倉敷市は、その理由を公の施設管理運営方針(素案)の中で、「図書館はすべての市民の読書要求にこたえ、豊かな読者環境を創造し、心の安らぎを提供していく生涯学習の拠点施設。読書活動を通じて子供の豊かな感性や情操をはぐくむ子育て支援という重要な施策を担っている。市が直営管理運営することが最良の選択」と述べています。
また、富士宮市の市教育委員会が7月、1.図書館は最も公共性、教育性の高い施設であり、日本においては民間経営の実例やノウハウの蓄積がほとんどない、2.図書館協議会ではなじまないとの結論があったこと、3.利用者のアンケート結果、4.市内の図書館関係企業に打診するも指定管理者になろうとする動きがなかったとして、現行どおり直営でいくと判断したのです。
区は国の言いなりで指定管理者制度の導入ではなく、これらの自治体に学ぶべきです。そして、この機会に図書館行政を前進させるべきです。
現在の区立図書館サービスの管理運営の実態について、十分満足すべき実情になっているでしょうか。その改善を図るためには計画の立案が欠かせません。計画の立案、目標の設定、評価点検には住民の参画が欠かせません。このような取り組みを欠いたまま指定管理者制度などについて検討することは、制度導入のみを目的にすることにつながりかねません。区の改善計画や目標はあるのでしょうか。住民参画で進めようとするならば、せめて富士宮市で行ったように直営か指定管理者のどちらを選択するか、区民にアンケート調査を行ってもいいのではないでしょうか。お聞きします。
社団法人日本図書館協会は、公立図書館への指定管理者制度の適用について、公立図書館の目的達成に有効とは言えず、基本的になじまないと考えると結論づけています。その根拠として、第1に、みずから管理するよりも指定管理者制度を適用した方が図書館の設置目的を効果的に達成することを客観的に示す必要がある。開館日や開館時間を拡大することや司書配置率の向上などをその理由に挙げている例があるが、それは直営でも可能なことであり、合理的な根拠とは言えない。第2に、これまで公立図書館の管理を地方公社等に管理委託してきたところは、直営に戻すことを選択肢とすべきこと。これまでの経験と実績が将来の発展に生かせるノウハウの蓄積になっているかの再検討が必要。第3に、住民等がNPO法人を設立して、その団体を指定管理者にして図書館の管理を代行しようとするケースも見られるが、その場合は公立図書館としての事業の安定した継続性についての見通しを確認することが重要であるなど、現在の状況に照らした具体的な視点を挙げています。
さらに加えて、民間事業者を指定管理者にすることについて言及し、以下の3点を述べています。1.図書館の連携協力の整備が不可欠であるが、競争関係に立つ民間企業間でこのことを達成することは難しい、2.都道府県立図書館の市町村支援、市町村の図書館による学校へのサービス、地域とのつながりによる活動などを民間企業が行うことは疑問である、3.公立図書館事業はいわゆる事業収益が見込めない公共サービスであり、営利を目的とする団体が管理を行うことにはおのずと無理がある。以上の点から民間企業者を指定管理者にすることは避けるべきであると主張しています。
各図書館の連携協力、地域での活動、営利を目的とする事業者ではおのずと無理、これらの点について、民間事業者を指定管理者とお考えでしょうが、どのような検討、判断を行ったのか、お聞きします。
また、公の施設はそれぞれ機能、役割が異なっており、サービスの内容に応じた専門性があります。公の施設に指定管理者制度の導入が可能となったとしても、そのすべてに適用されるものではありません。地方自治法は、公の施設の管理は直営を原則としており、例外として指定管理者制度を適用する場合は、それぞれの公の施設の設置目的達成に限っています。
図書館の設置目的は、住民の資料、情報の要求にこたえることが基礎としてあります。これが達成されなければならないわけですが、指定管理者制度を導入するに当たって、図書館の設置目的に照らしてどのように検討されたのか、お聞きします。
また、以上述べてきた点からも図書館の設置目的からも指定管理者制度の導入は再検討し、直営で行うべきです。
次に、公営住宅の整備について質問します。
区民からの相談で今でも多い相談が住宅の問題です。「区営住宅や都営住宅を10数回申し込んだが当たらない」、「高齢者の住み替え家賃助成制度が来年度でなくなるので家賃が払っていけない。転居しなければならないが、転居する費用がない」、「税金がどんどん上がって安い住宅に入らなければ暮らしていけない」など、どの声もみんな区民の切実な声です。
今年5月の都営住宅の空き家募集は一般住宅の平均で37.1倍、ちなみに最高は1408.5倍、都営住宅8月募集では区内の単身者向け住宅(浴室つき)で平均116倍、区営住宅10月では平均73倍となっています。公営住宅法は、第1条で「国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする」と述べ、高齢者の居住の安定確保に関する法律では、「国及び地方公共団体の責務」として、第2条で「国及び地方公共団体は、高齢者の居住の安定の確保を図るため、必要な施策を講ずるよう努めなければならない」と述べています。
しかし、区営住宅の供給では、住宅マスタープランの到達点は、さきの定例会でも指摘しましたが、住宅マスタープランは10年間の計画で、平成22年まで120戸で、今年は目標の平成22年までのちょうど半分の折り返し点になるわけですが、今年まで1軒も建てられていませんので、0戸と大きな隔たりがあります。さきの決算特別委員会でこの点を指摘しましたところ、
経営管理部長や住宅課長から、あと5年あるので目標に向かって努力していきたいとの趣旨の答弁もありましたが、あえて質問させていただきます。
まず、区営住宅についてです。
住宅マスタープランでは、民間住宅市場では世帯規模に見合った広さの住宅を確保することが困難な所得階層の世帯に対し、区営住宅の供給を行いますと述べています。しかし、その具体化として3か年実施計画に置き込んでいくわけですが、平成13年度から15年度の実施計画には供給戸数として借り上げ(一般)30戸と目標を設定していましたが、平成16年度から18年度の実施計画には目標が設定されていません。これでは最初から供給をあきらめていたとしか言いようがありません。今からでも遅くありません。既に来年度の予算の編成に入っているわけですから、来年度までの目標を決め、予算化をすべきです。お答えください。
次に、高齢者住宅についてです。
住宅マスタープランでも、急速な高齢者の増加に対応しつつ、適切な民間賃貸住宅をみずから確保できない高齢者世帯に高齢者住宅を供給します。また、高齢者の居住の安定確保に関する法律が公布されました。この法律の趣旨に沿って、高齢者が安心して生活できる住宅の確保に国や都と連携して施策を展開しますと述べています。
高齢者住宅の平成22年度までの供給目標は380戸です。今年の折り返し点での実績は、さきの決算特別委員会でも指摘したとおりですが、84戸で目標まであと296戸です。来年度は平成16年度から18年度までの3か年実施計画の最後の年度です。今実施計画の到達は47戸ですので、目標である97戸の実現を求めます。また、残り5年間で毎年60戸の供給が必要ですので、次期実施計画で目標に見合う180戸の計画を掲げることを求めます。お答えください。
以上で質問を終わります。(拍手)
○議長(水井達興 君) 理事者の答弁を求めます。
◎
まちづくり推進部長(石田隆則 君) 平成13年度から15年度の実施計画には供給戸数として30戸であったが、16年度から18年度の実施計画には目標が定められていない。来年度の予算編成に入っているので、来年度の目標を予算化すべきですというお話でございました。
来年度の区営住宅につきましては、中央四丁目アパートの代替となります大森西四丁目とか山王三丁目の建て替え計画がございますので、この計画におきまして敷地の有効利用等を図りながら供給戸数の確保に努めていこうということを考えております。
また、残り5年で60戸の供給が必要となる。それから今年度の供給戸数が47戸で、目標がまだできていないのではないかというお話がございました。
来年度は、今年度未達成部分が10戸ということになっておりまして、3か年実施計画では、この10戸を来年度の達成目標としていました戸数に加えて、この未達成分も含めまして目標を50戸と置いて、目標達成をしていきたいということで予算化をお願いする計画でおります。
また、次の実施計画のお話もございましたけれども、次期の実施計画においては、住宅マスタープランの目標を達成するため、どういう具体的な数字を入れていくか、募集の実情も見ながら数値の具体化を図っていきたいというふうに考えております。
◎
教育委員会事務局次長(池藤紀芳 君) 3点の質問をいただきました。順次お答え申し上げます。
まず、第1点目でございます。現在の区立図書館サービスの管理運営について、区の改善計画や目標はあるのでしょうか。計画の立案、目標の設定、評価点検には住民の参画が欠かせませんが、住民参画で進めようとするならば、せめて直営か指定管理者のどちらを選択するのか、区民アンケートを行ってもいいのではないでしょうかとの質問でございます。
図書館のサービスにつきましては、利用者へのアンケート調査及び利用者からの要望をもとに、常に改善を図っているところでございます。また、図書館の目標につきましては、現在、教育施策全体の見直しの中で検討しているところでございます。指定管理者制度の導入につきましては、利用者により満足いただける図書館サービスを提供し、あわせて効率的な図書館運営を行うため、区として政策決定をしたことでありまして、直営か指定管理者、どちらかを選択するという区民アンケート調査につきましては考えておりません。
2番目でございます。各図書館の連携協力、地域での活動、営利を目的とする事業者ではおのずと無理、これらの点について、民間事業者を指定管理者とお考えでしょうが、どのような検討、判断を行ったのかお聞きしますとの質問でございます。
指定管理者につきましては、条例に定める要件を満たす法人や団体を選定していくことになります。したがいまして、議員ご指摘の各図書館との連携協力、地域での活動につきましても、それらを遂行する能力のある団体、法人を選定することになりますので、特に問題はないと考えております。
なお、営利を目的とする事業者では無理とのご発言がございましたが、現在すべての地域館で一部業務委託を行ってございまして、NPO法人から株式会社まで多様な主体が図書館業務にかかわっております。利用者アンケートを見ても大変高い評価をいただいているところでございます。指定管理者と業務委託の違いはございますけれども、民間事業者では無理ということは思っておりません。
最後の質問でございます。図書館の設置目的は、住民の資料、情報の要求にこたえることが基礎としてあります。これが達成されなければならないわけですが、指定管理者制度を導入するに当たって、図書館の設置目的に照らしてどのように検討されたのかお聞きします。図書館の設置目的に照らせば指定管理者制度については撤回すべきですとの質問でございます。
指定管理者制度の導入の目的でございますが、多様化する住民ニーズに効果的に対応するために、民間のノウハウを活用しつつサービスの向上を図るとともに、コストの節減を図るところにございます。この視点から検討しまして指定管理者の導入を決めたものでございます。
また、図書館の設置目的の話が出ましたが、導入に当たっては、すべての図書館業務を指定管理者に任せるということは考えてございません。図書館運営にかかわる総合調整につきましては、当然行政が行うものでございます。したがいまして、図書館としての目的は現在同様、指定管理者制度を取り入れても十分に果たしてまいります。指定管理者制度導入の撤回につきましては考えておりません。
以上でございます。
○議長(水井達興 君) 会議が長くなりましたので、おおむね15分程度休憩いたします。
午後2時34分休憩
────────────────────
午後3時開議
○議長(水井達興 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
質問を続けます。21番田口 仁議員。
〔21番田口 仁君登壇〕(拍手)
◆21番(田口仁 君) 公明党はヒューマニズムの政党であります。この日本の国を、この東京を、この大田区をヒューマニズム、人間主義に満ちあふれた社会にせっかくだからしたいと思っています。ヒューマニズムの社会をつくることを念頭にして、質問通告に従って質問いたします。区長並びに関係理事者のご答弁をよろしくお願い申し上げます。
広島県で小学校1年生の女の子が悲しい事故に遭われました。心からご冥福をお祈り申し上げます。大田区は学校現場と相談して、子供の安全対策のために、不安解消のために、何らかの方途をとってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
最近のニューズの報道によりまして、マンション等の安全を疑われている問題を耳にしています。あってはならないことであります。区民の皆様方の不安を解消するために、区における窓口をつくってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
さて、21世紀は地域友好を拡大し、充実していく時代と思っています。およそ私たちの生活は、一歩外に出かけるときには必ず、また絶対にお隣様のお宅の前を通ります。そして、お隣様のお隣様のお宅の前をも通っています。お隣様に「おはよう」と声をかけます。これが1日の始まりであります。
私は小さいとき、家の玄関の周りを清掃させられました。そのときに親から教えられたことは、自分の家の周りを清掃することは当たり前で、お隣さんが清掃する部分も少し欲張って清掃した方がよいと教えられました。親に教えられたお隣さんを大切にする、そのことが最近よくわかるようになりました。蒲田東口の商店街の方々も、ご自分のお店の前、そしてお隣さんのお店の間口に少し入って清掃している姿を最近よく拝見します。偉いなと思うと同時に、うれしくなってきます。
また、私たちの習慣として、電車に乗ったときも座っていても、後から来た方が隣に座るときには、だれからも教えられることもなく、お互いさまという譲り合いの心から少し腰を上げます。これは隣人愛です。私たちは狭いところも分かち合うという優しい心を持っています。「私どもの深層心理には隣人愛があふれていて、その愛をだれかに分かち与えたいといつも思っている」と私の友人は言っていました。そして、「人間は本来的には、未知の初対面の人には優しく振る舞いたいと念願している」とも言っていました。隣人に優しく笑顔で接す。これが21世紀を迎えている今日、私たち人間に最も求められていることではないでしょうか。
私は「人間共和」という言葉が好きです。人間共和の社会は笑顔であふれています。人間共和の社会では、戦争、貧困、病、差別がありません。したがって、人間共和の社会をつくることに反対する人はいないと思っています。時代は高齢社会、少子社会、ひとり家族の社会が進んでいきます。これらの社会は、ややもすると個人の埋没を招きかねません。でありますから、意識して積極的に、たとえ作為的であったとしても、まちの中で人とすれ違うときには、話し合わないにしても、目は心の窓ですから、目の輝き、目での会釈だけはプレゼントしていきたいと思っています。
私はここで、人間共和の社会をつくるのであれば、私たち一人ひとりの行動目標が必要だと思っています。目標が明確でないと行動の焦点が定まりません。私は平成7年1月の神戸の地震の被災地を拝見しました。そこにありましたのは隣人愛であり、一つのお握りを半分ずつ分け合うという姿でありました。あってはならないことだとは思っていますが、被災に見舞われたときは、この地域の様子はどうか、何人が住んでいるのかが基本になります。でありますから、私の隣人はだれ、そのお隣さんはだれと、お互いに向こう三軒両隣を今から顔なじみになって、あいさつぐらいはしていきたいと思っています。
ところで、テレビ番組、NHKの「難問解決!ご近所の底力」は地域友好の拡大、充実であり、人間共和の社会そのものだと思っています。地域友好、人間共和の社会へのスタートラインは何でありましょうか。それはあいさつから始まるであります。私は提案いたします。私たちの社会はすべて組織で成り立っています。人間が2人集まれば立派な組織です。その組織の長が組織の仲間に進んであいさつをする。いわゆるこの世で自分が周りの人々から尊敬されるべきであると思っている、その人がその人の周りにいる方々に進んであいさつをしようということであります。郷土愛もあいさつから始まるとの信念を持っています。
さて、私は少年時代から夢多き人間でありました。そして、五次元の空間とは一体何であるかが私の夢の命題でありました。私たちは知っています。ゼロ次元は点であらわします。一次元は線で、二次元は面で、三次元は体積、空間です。四次元は空間に時間がかかわります。ここまではアインシュタインの世界です。五次元の世界とは何でしょうか。心が作用する空間だと思っています。ですから、愛こそが時空を乗り越えて存在するものなのです。心が作用する空間こそが人間社会なのであります。
私は親から、先生から、心こそ大切なれという考え方をたたき込まれてきました。それは、すべての行動の原点には心の作用があるからです。今、21世紀を迎えた今日、私どもは「心こそ大切なれ」を合い言葉に、一人ひとりが心を豊かにして、周りの人々に温かいまなざしを投げかけて明るい励ましを繰り返していく、そんな時代が来ていると考えています。
大田区は地域友好を発信する拠点、人間共和の社会を目指している地域、郷土愛にあふれている笑顔、このように大田区を位置づけたいと思いますが、区長のご見解をお伺いいたします。特に、あいさつをしていこうに対する区長のご所見をお伺いいたします。
我が国におきまして、日常の生活を維持するために、また将来への希望を実現するために借入金をする人がいます。ここで、日常生活においてよく見られるのは住宅ローンで住宅を購入することです。この住宅ローンは借入金ではありますが、国が持ち家政策を推進していることもあり、また、私どもが家を構える場合、借家でありますと家賃の支払いという義務があります。私は借入金ではないと思っています。厳密に言えば借入金ではありますが、いわゆる飲み食い遊びでの借入金とは全く意味が異なっていると思っています。
また、子供への教育費でありますが、我が国の長い歴史は、学業を希望する者に奨学金制度の中から貸与してきました。奨学金を利用して勉学に励む者に対して、「借金までして勉強している。早く働けばいいのに」と言う人はいません。このように私どもの考えは、住宅に対して、あるいは教育に対して特別な考え方を持ってきました。
私の父は北海道帝国大学を卒業しました。このことによって私立大学の月謝の高さ、不当さを子供である私に押しつけてきました。私どもの時代の国立大学は、入学金が5000円、月謝が1000円でありましたから、合計5万3000円で国立大学は卒業できることになります。ちなみに、公立大学の月謝は月800円でありました。しかし、この話は20世紀の40年前の昔の話であります。
さて、私が知り得ているファミリー世帯では、子供さんが二、三人のご家庭がふえています。私がその友人の家庭の様子を伺いますと、一番上のお兄ちゃんは大学に行くと言っている。2番目のお姉ちゃんは、私だってお兄ちゃんと同じように大学に行くと言っています。この言葉を聞いて、お父さんもお母さんも、女の子だって大学に行く時代と言って、にこにこにこにこ笑って、お姉ちゃんの言うことに大賛成です。3番目の僕は、お父さん、お母さんから、お兄ちゃんやお姉ちゃんのように勉強しなさいと言われ続けてきたので、だから当然大学に行きます。こういう語らいはどこのご家庭にもあることでしょう。
お父さんは働き盛りの40代後半、お母さんもパートで家計を助けている。しかしです。お父さんが普通のサラリーマンであれば、特別な財産がない限り、また特別に収入のある人でない限り、3人の子供の大学入学時の支払い金の調達はなかなかできないでしょう。大学入学時の支払い金は、入学金、寄附、前期の授業料、そしてその他で約100万円はかかります。これは私だけが言っているのではなく、だれもが知っていることであり、経験した人もいれば、これから経験する人もいます。
ここが問題なのであります。子供は完全に少なくなっています。その少なくなった彼らに私たち大人は次の世代の日本を託す以外にないのであります。ですから、私たち大人に課せられた責任は、その少なくなった子供たちにお願いして、頭も強く、体も強く、心も強い子供に育ってもらうしかないのであります。子供にお願いする。否という人もいるでしょう。それではだれにお願いします。ご自身で果たしてできますか。
子供には無限の可能性があると言われています。その可能性を可能ならしめ、成就という果実を与えてくれるのは教育だけであると私は思っています。子供が学校に行きたい。しかし、親にお金がない。子供が学校に行くことを断念する。こんな悲しいことはありません。私は、大田区民の子供さんたちはみんな優秀な子ばかりと思っています。だから、彼らが大学に行こうとなれば、大学入学時の一時支払い金を用立ててあげる、貸し付けてあげる、これは子育て支援策の究極だと思っています。さらに、大田区の有能な人材への融資だとも思っています。
私の友人は、子供へ教育を授けることは企業に資本を投入する、融資するのと同じと考えています。この注入された資本、融資は何倍にもなって戻ってきます。戻ってくるというよりも、自分が資金調達に参加した企業の製品が世のため人のためになっている。こんなうれしいことはありません。これも一つの考え方です。
大田区は、先日の決算特別委員会での私の質問に対して検討したい旨の答弁をいただきましたが、ぜひ前向きの検討をよろしくお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
今、時節柄、この年末年始、来年の4月から大学に行かれる子供さんの親御さんの心中を思いやりますと、偉大なる大田区の力でこの親御さんの心配を解決していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
さて、私がこのように申し上げますと、大田区はすぐ応急小口資金を言い出します。応急小口資金には所得制限があります。特に強調したいのは、大学入学一時金の支払いは福祉ではありません。年収700万円、800万円もある人の問題でもあります。
私は区長にお伺いいたします。私の友人の子供への教育は企業への投資と似ているとの考え方へのご見解をお伺いします。
私は、ここで提案いたします。私は時々、応急小口資金の返済状況を耳にするのでありますが、大田区は21世紀、新たな時代を迎えたわけでもありますので、早い時期に応急小口資金の20世紀の負の遺産を清算されるべきだと考えていますが、区長のご見解をお伺いいたします。
なお、この原稿の中で、大学入学時と申し上げてきましたが、私立高校、私立中学も同じ考え方に立っていることをつけ加えておきます。
私は、バリアフリーになりつつある社会での体験談を発表いたします。私は過日、東海道線の熱海駅始発に乗ってシートに座って寝入ってしまいました。ふと気がつきますと電車の中は既に込み合っていて、私の前には同じ年ぐらいの女性がこぎれいに着飾って立っていました。私は川崎で下車する予定でしたので、おぼろげながら横浜までじっとしていました。ところが、横浜で大勢のお客様が下車しましたときに、私は、私の前に立っている女性がつえを持っている方と発見したのであります。私は顔が真っ赤になるほど恥ずかしくなり、勇気を振り絞って立ち上がり、「次の駅でおりますから」と彼女に聞こえるように言って席を譲って立ったのであります。
また、川崎で下車したとき、熱海から乗っていた女性が下車しました。彼女はつえを持たずに伝い歩きをしていました。そして、プラットホームにある上りのエスカレーターを探していました。私は、「あそこにエスカレーターがありますよ」と案内して、彼女の後ろからエスカレーターに乗ってまいりました。
バリアフリー法の実施により、JR、私鉄が積極的にエスカレーター、エレベーターを建造され、利用され、今まで電車に乗って外出することを敬遠、遠慮されていた方が鉄道を利用するようになりました。私は、これからは身の回りの方に気を配ろうという心構えが大切だと思いますが、区長の私の考え方に対する見解をお伺いいたします。
さて、私たちのまちは駅を中心に発展してきました。JRは私たちの日常生活の生命線であると言っても言い過ぎではありません。現に11月7日、山手線の架線が垂れたということで5時間もの間電車はとまり、夕刊のトップニュースになりました。都内23区にはJRの駅を一つも持っていない区もあります。そういう区はJRの終電もないわけでございます。大田区の蒲田駅は電車区があります。JRの終電を持っている数少ない駅であります。
蒲田駅はこれからますますにぎわいを増してきます。私は、大田区は蒲田駅をもっと大切にするべきだと思います。行政が黙っていてはまちの発展はありません。蒲田駅再開発のプランを立てるべきだと思いますが、区長のご見解をお伺いいたします。くどいようでありますが、大田区はもっと蒲田駅を大切にするべきであると思っております。
土三2-35-1、これは一体何でありましょうか。この土三2-35-1は、蒲田本町一丁目の公団の側道を歩いていきますと新宿小学校がありますが、その角にあります交差点灯の標識番号であります。環8からNTTの角を曲がって、公団の14階建ての建物を右手に見て、私はこの道を20年以上にもわたって毎日のように歩いています。
先日、この道を歩いていましたときに、新宿小学校の角に来て、余りにも道路が明るく照らされているのに、はっと我に返りました。私は立ちどまって周辺の街路灯を確認いたしました。この十字路の角に水銀灯がありました。明るく光っていました。また、環8の方向に向かって20メートルほど先のNTT側に水銀灯がありました。そして、先ほど申し上げました交差点灯、土三2-35-1がまさに交差点のそこにありまして、夜道を明るく照らしてくださっていました。
さて、これから時節柄、まちの中も冬場を迎えてまいります。家路に急いでいる夜道を大田区は明るくしてくれている。この明るさは私たちに安心を与えてくださっています。私は、ここで大田区の多年にわたる水銀灯を設置して夜道を明るくしようとの対策に心から敬意を表し、感謝するものであります。私は、安心・安全のまちづくりは夜道を明るくすることから始まると思っています。
そこでお伺いいたしますが、蒲田四丁目の仲蒲田公園の角の交差点にも土三2-33-2の標識番号での交差点灯がありますが、この交差点灯とは一体何でありましょうか。また、交差点灯と街路灯にはどのような区別があるのでしょうか、お伺いいたします。
また、大田区内の何千とある交差点には、交差点のそのところに街路灯がないために交差点を暗くしているところもあります。ぜひ、安全・安心のまちづくりのために交差点灯を交差点に設置して、明るい交差点にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。ちなみに、先ほどの公団の十字路には四つの角がありますが、その二つの角に、一つは交差点灯が、一つは水銀灯があることを参考にしていただければと思います。
さて、私の家では、暮れになりますと一斉にすべての蛍光灯を新しいものに変えます。私は、最近の科学技術の発展によって、同じワット数でも明るい電球が開発されていると思っています。そこで提案でありますが、同じワット数でもより明るい電球を電球を取り替えるときにお願いできればと思っていますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
大田区にはたくさんの私道があります。大田区と町会の皆様方のお力添えをいただいて、明るいまちをつくってくださっていることに感謝しております。しかし、私は私道の防犯灯につきまして詳しく存じ上げていません。だれが設置して、その設置の費用はだれが負担しているのか、また、電気代はだれが負担しているのか存じ上げません。ぜひ、私道の防犯灯の設置目的、設置者、設置基準、また設置の費用、ランニングコストである電気代がどのようになっているか、お教えくださればありがたいと思います。
また、一区民がこの私道のここに防犯灯が欲しいと思ったときに、どこに設置をお願いしたらいいのか、その窓口を教えてくださいませ。
私は常日ごろから、戦争のない社会、貧困のない社会、病気がない社会、差別のない社会を一個人の人間として念じています。私たちは現役世代である間、病気になれば社会保険などの給付で医療費の大半以上は賄われています。また、何よりも現役という体自体の若さによって復元力があります。そして、いずれは社会保険の被保険者ではなくなります。実はこのときが問題なのであります。年をとってきた時点に問題があります。一人ひとりにとりましては復元力は少なくなっているでしょう。また、医療保険も国民健康保険になりますから、社会保険のときと様子が変わってきます。現役時代は半世紀以上というとてつもなく長い時間、体というメカニズムを酷使し続けてきたのであります。当然のこととして、機械には整備が必要です。でも、整備しようと気がついたときには復元力がさらに減少しています。人間の体における金属疲労。
私たちは現役時代の義務として、自分の体のウイークポイント、弱点を知っておく必要があると思います。自分の体の弱点を知る。これが健康診断であります。時々、健康診断を受けに行く時間がないということを耳にします。大田区はぜひ、自分の体のウイークポイント、弱点を復元力のある現役時代に知るようにPRしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
また、この現役時代に体のウイークポイント、弱点を知って対応していくことが国保財政の悪化を防ぐことにもなります。区長の見解をお伺いいたします。
アスベストの問題であります。どこの施設にアスベストが使われていたか調べることも大切でありますが、区民の健康が最も大切であります。大田区の区民の皆様方のアスベスト健康被害者救済対策をお伺いいたします。
また、今年の冬は鳥インフルエンザが流行するようです。大田区の鳥インフルエンザ、また、これからのインフルエンザ流行に対する対策をお伺いいたしまして、私の質問といたします。(拍手)
○議長(水井達興 君) 理事者の答弁を求めます。
◎区長(西野善雄 君) 私からは、ただいまのご質問の一本の筋が流れている、その筋の部分についてお答えをさせていただきたいと思います。
ご主張は地域愛、ヒューマニズムにあふれた、笑顔のある地域社会をつくりたい、こういうご主張でございまして、特にあいさつを交わし合えるような近隣関係をつくりたい。その見解を問うということかと思いますが、大田区は長期基本計画をつくり、その目標として安心・輝き・潤いという言葉を並べ、目標とさせていただいております。それは、ともに大田区に住み、そして働き、未来を開いていこう、そういう実現を目標にした計画でございます。当然のこととして、人間性あふれる近隣に住む者としての支え合いの社会づくり、そういうものが底流に流れていなければこのような社会はでき上がらない、そのように思います。現在、悲しい事件が頻発をいたしておりますが、他者を振り返ることができないような余裕のない忙しい社会になり過ぎているのではないかと、このように感じます。自分主義といいますか、自分だけがとか、そういうことが社会にあふれるというのは非常に寂しいことで、気がついたときに席を譲れる、そういうことが当たり前に行われる社会でありたい、このように感じます。私も電車ではできるだけ立っているようにしております。座れと言って若者が立ち上がったときに座らないと失礼に当たるかもしれませんが、できるだけ立つようにしております。そうかと思うと、若者はつえを持った人を目の前にしても立とうとしない、そういう姿も見ております。非常に残念でございます。いずれにしても、思いやりのある、他者への配慮のある、そういう社会づくりのためにこれからもあらゆる面で区政展開をさせていただきたい、このように願っております。
その余の問題については、それぞれ部長がご親切にお答えをすることと思います。
◎
区民生活部長(高橋幾夫 君) 私からは広島県におきます悲惨なと申しますか、人間の想像力を超えたような事件に関連して、子供の安全対策についてのお尋ねがございましたので、お答え申し上げますが、既にご紹介しておりますけれども、大田区といたしましては、早急に学校あるいは保育園、児童館等とのネットワークをつくっていく中で、こども緊急連絡システムというものを構築いたしまして、来年4月以降、希望するすべての保護者の方々に対しまして、子供の安全情報を保護者の方の携帯電話にメールで配信するというサービスと申しましょうか、事業を展開する予定でおります。それによりまして、より正確な、かつ迅速な情報をお伝えしていくことができるのではないかというふうに思っておりますし、同時に、これも常日ごろお願いをしていることでございますけれども、地域の方々が子供たちを見守る目というものを持っていただきまして、そのことによって子供を守っていくというお気持ちになってご協力をいただければ大変ありがたいというふうに思っております。
以上でございます。
◎
保健福祉部長(金澤彰 君) 私の方からは入学時の一時金の貸し付け等についてお答えさせていただきます。
先日のご質問を受けて、貸付事業全体の中でどのような制度がこれからの時代に必要なのか、制度の趣旨等を踏まえまして、そのあり方も含めて対応していきたいと考えております。
子供の教育と企業の投資との関係でございますけれども、子供への教育というのと企業への投資というものは似ているところが当然ございます。将来の成長に期待するという面では似ているということだろうと思います。子供の教育も企業への投資も成長していく過程が大変楽しみであり、また、努力することの重要性も似ているのではないかと思いますが、企業は利潤を得るために成長を図るということが目的ですけれども、子供の教育の場合には見返りを求めないということで、ある意味で無償の愛ということが言えるのではないかというふうに思っております。
次に、応急小口資金の負の遺産についてでございますが、回収可能な貸付金につきましては、現地調査や訪問により回収し、減免事項に該当するようなものにつきましては、所定の手続を踏んで債権の整理に努めているところでございます。その他の回収不可能な貸付金につきましては、現在その処理方法について検討しているところでございます。
◎保健所長(三好温子 君) まず最初に、区民の方がご自分の体のウイークポイントを知ることができるようなPRということについてご答弁させていただきます。
病気にならないための生活習慣の早期改善と定期的な健康診断の受診につきましては、本区が平成16年に策定しました「健康大田21」においても区民の健康づくりの基本と位置づけております。区では、生活習慣病基本健康診査などの各種健康診査、健康づくり教室、健康相談や栄養相談を実施して、区民の方がご自分の体のウイークポイントを知り、生活習慣を改善していただくための支援をしているところでございます。ご指摘のように、こうしたことが将来的には医療費の抑制につながるものと考えております。
次に、区民の方のアスベスト健康被害者救済対策についてお答えさせていただきます。
まず、区のアスベスト対策といたしましては、区民のアスベスト健康被害への不安に対する適切な情報の提供と相談への対応が必要と考えまして、保健所や地域行政センター地域健康課において相談窓口を設置して、現在相談に当たっているところでございます。相談の内容によっては、東京労災病院や労働基準監督署等の専門機関を案内させていただいております。現在、国全体の課題ということで、労災補償の対象外でありました家族や周辺住民を対象としたアスベスト新法が国において検討されております。大田区といたしましては、今後の国や東京都の動向に留意して適切に対処してまいりたいと考えております。
最後に、インフルエンザについてご答弁させていただきます。
今、インフルエンザと申しますと、実は3タイプ想定されております。これから流行が可能性として最も強い従来型のインフルエンザ、それから現在、東南アジアの鳥に流行している鳥インフルエンザ、それからまだこの地球上には出現はしておりませんけれども、鳥タイプが人タイプに変化するであろうと予測されている新型の3通りございます。新型について、まだ出現はしていないという状況でございます。
ご指摘の鳥インフルエンザでございますが、現在は東南アジアの鳥に限局しておりますので、現在、日本で日常生活において特別な予防というのは必要はございません。ただ、鳥インフルエンザ流行地域への渡航に関するご相談、帰国後の健康相談について、保健所、地域行政センター地域健康課でお受けしております。また、情報につきましては、区のホームページに掲載しているところでございます。
そして、従来タイプのインフルエンザはこれから流行期に入るわけでございますけれども、手洗い、うがいなどの予防がやはり基本でございまして、正しい知識でしっかり予防していただくために、区報、ホームページで区民に働きかけるとともに、65歳以上の方全員に高齢者インフルエンザ予防接種について個別にご案内し、予診票を送付させていただいているところでございます。また、保健所、地域行政センター地域健康課でさまざまな相談をお受けしているところでございます。
以上でございます。
◎
まちづくり推進部長(石田隆則 君) まず、マンションの耐震偽造問題の窓口というお話がございました。マンション等の安全性にかかわる相談ということで、構造的な問題など非常に専門的な部分がございますので、現在、建築審査課に窓口を設置いたしまして、建築審査課の方で担当しておりますので、ご利用いただきたいと思います。
それから、蒲田駅のお話がございました。蒲田駅は羽田空港の玄関口ということで、また、蒲田再生の重要な拠点という位置付けでとらえております。蒲田駅の整備のあり方につきましては、これまでも種々計画をつくって鉄道事業者、駅ビル等の関係権利者に提案をしてまいりましたけれども、改めて耐震改修の機会をとらえて、バリアフリー、自由通路等の課題がございますので、この解決に向けまして関係権利者により具体的な手法、それから計画をつくって提案をし、具体化を図っていきたいというふうに考えております。
それから、交差点灯のお話がございました。交差点の照明灯、これは250から400ワットぐらいの明るさで、確かに明るい。交差点灯とはどういうものかということでしたが、これは交通安全の一環として、交通事故の多い交差点や横断歩道の照明として設置しているものでございます。
それから、交差点の照明灯と街路灯――街路灯は約80ワットぐらいの明るさでございます――明るさに違いがあるんですけれども、これの違いということで、街路灯は夜間における人の行動が視認できるように設置しているものということで、交差点灯は交通事故防止、それから横断歩道上の視認性を確保するということで違いがあるということでございます。
安全・安心のために、交差点の照明灯を明るい交差点にしたらどうか、してもらいたいというお話でした。交差点の照明灯は、これまで交通事故が多い箇所などに設置をしておりますけれども、街路灯より明るいことから、近隣より明かりが宅内に入るというような苦情もございます。現在は夜間、車のヘッドライトが当たるとキラキラッと光る舗装や発光式の交差点鋲といいますけれども、こういうものを設置しております。また、交通安全対策上、交差点の照明灯が必要な箇所につきましては設置を検討していきたいというふうに考えております。
それから、同じワット数でもっと明るい電球をというお話がございました。より明るい電球への交換につきましては、照明効果が高くなるといういいところはございますけれども、形状などの違いから灯具や安定器を交換しなければいけないという場合もあります。現在、明るい電球がいろいろ開発されておりますので、コストの面や設置場所等につきまして検討を加えながら進めていきたいというふうに考えております。
最後ですが、私道の防犯灯のお話がございました。私道において、暗い夜道を明るくすることによって犯罪の防止を図り、安全で快適な生活環境をつくるため、防犯灯設置助成制度、こういうものを設けております。設置者というお話がございました。これは地元の町会・自治会ということでございます。設置基準といたしましては、蛍光灯とすること、それから設置間隔を約20メートルとすること等の規定を設けております。設置の費用といたしましては、区で定めた標準工事費を全額助成しております。電気料金につきましては、各町会・自治会の申請によりまして、年間の電気料金から1本当たりの平均単価を算出し、その単価に防犯灯の数を乗じた年額を交付しているところでございます。防犯灯設置助成金の申請窓口ということですが、これは建築調整課地域道路整備担当ということになっております。よろしくお願いいたします。
○議長(水井達興 君) 以上で質問を終結いたします。
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○議長(水井達興 君) これより本日の日程に入ります。
日程第1を議題といたします。
〔大久保事務局長朗読〕
△日程第1
第117号議案 平成17年度大田区
一般会計補正予算(第3次)ほか9件
────────────────────
○議長(水井達興 君) 理事者の説明を求めます。
◎助役(小松惠一 君) ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第117号議案は、平成17年度大田区
一般会計補正予算案(第3次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ16億5488万3000円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ2098億6362万1000円となります。歳入で増額する主な内容は、特別区民税でございます。歳入で減額する内容は、住民税等減税補てん債でございます。歳出で増額する主な内容は、道路新設改良費、小中学校管理費などでございます。
次に、第118号議案は、大田区廃棄物の減量及び適正処理に関する条例の一部を改正する条例案で、一般廃棄物処理業の許可に関する事務の管理及び執行の開始等に伴い、必要な規定を整備するため改正するものでございます。
第119号議案は、大田区浄化槽清掃事業の許可及び
浄化槽保守点検業者の登録に関する条例を廃止する条例案で、
浄化槽保守点検業者の登録制度を廃止するため廃止するものでございます。
第124号議案は、土地の取得についてで、契約の相手方は大田区土地開発公社、取得金額は13億9241万3151円でございます。
第125号議案は、土地の取得についてで、契約の相手方は大田区土地開発公社、取得金額は16億6637万5302円でございます。
第126号議案は、土地、建物及び工作物の負担付贈与の受入れについてで、大森西四丁目アパートを20年間、自転車置き場については5年間、区営住宅として使用することを条件に東京都から贈与を受け入れるものでございます。
第127号議案は、
大田区立男女平等推進センターの指定管理者の指定についてで、平成18年4月1日から平成23年3月31日まで、特定非営利活動法人男女共同参画おおたを指定管理者に指定するものでございます。
報告第18号は、区の義務に属する
損害賠償額決定に係る専決処分の報告についてで、上池台障害者福祉会館における利用者負傷事故ほか1件について報告するものでございます。
報告第19号は、
大田区立東蒲小学校体育館及びプール改築その他
工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の2億8980万円から2億8846万6500円に変更いたしました。
報告第20号は、
大田区立大森第五
小学校体育館改築その他
工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の2億716万5000円から2億780万5500円に変更いたしました。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願いを申し上げます。
○議長(水井達興 君) 本案については質疑の通告がありませんので、報告第18号より報告第20号に至る3件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託いたします。
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○議長(水井達興 君) 日程第2を議題といたします。
〔大久保事務局長朗読〕
△日程第2
第121号議案 大田区
産業連携支援施設条例ほか11件
────────────────────
○議長(水井達興 君) 理事者の説明を求めます。
◎助役(小松惠一 君) ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第121号議案は、大田区
産業連携支援施設条例案で、大田区産業連携支援施設を設置するため制定するものでございます。
第128号議案
大田区民プラザの指定管理者の指定について、第129号議案
大田区民ホールの指定管理者の指定について及び第130号議案 大田文化の森の指定管理者の指定については、それぞれの施設について、平成18年4月1日から平成21年3月31日まで、財団法人大田区文化振興協会を指定管理者に指定するものでございます。
次に、第131号議案は、大田区休養村とうぶの指定管理者の指定についてで、平成18年4月1日から平成21年3月31日まで、株式会社信州東御市振興公社を指定管理者に指定するものでございます。
第132号議案
大田区立熊谷恒子記念館の指定管理者の指定について及び第133号議案
大田区立龍子記念館の指定管理者の指定については、それぞれの施設について、平成18年4月1日から平成21年3月31日まで、財団法人大田区文化振興協会を指定管理者に指定するものでございます。
次に、第134号議案は、
大田区営アロマ地下駐車場の指定管理者の指定についてで、平成18年4月1日から平成21年3月31日まで、パーク二四株式会社を指定管理者に指定するものでございます。
第135号議案 大田区産業プラザの指定管理者の指定について、第136号議案 大田区
創業支援施設の指定管理者の指定について、第137号議案 大田区賃貸工場の指定管理者の指定について及び第138号議案 大田区
中小企業者賃貸住宅の指定管理者の指定については、それぞれの施設について、平成18年4月1日から平成21年3月31日まで、財団法人大田区産業振興協会を指定管理者に指定するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願いを申し上げます。
○議長(水井達興 君) 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管生活産業委員会に付託いたします。
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○議長(水井達興 君) 日程第3を議題といたします。
〔大久保事務局長朗読〕
△日程第3
第122号議案
大田区立知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例ほか7件
────────────────────
○議長(水井達興 君) 理事者の説明を求めます。
◎助役(小松惠一 君) ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第122号議案は、
大田区立知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例案で、大田区立はぎなか園及び大田区立知的障害者デイサービスセンターはぎなかを新設するとともに、その管理を指定管理者に行わせるため改正するものでございます。
第139号議案は、
山王高齢者センターの指定管理者の指定についてで、平成18年4月1日から平成23年3月31日まで、社会福祉法人大田区社会福祉協議会を指定管理者に指定するものでございます。
次に、第140号議案 大田区立おおもり園の指定管理者の指定について及び第141号議案
大田区立特別養護老人ホームの指定管理者の指定については、それぞれの施設について、平成18年4月1日から平成23年3月31日まで、社会福祉法人池上長寿園を指定管理者に指定するものでございます。
第142号議案は、
大田区立高齢者在宅サービスセンターの指定管理者の指定についてで、大田区立羽田高齢者在宅サービスセンターほか10施設については、社会福祉法人池上長寿園を指定管理者に、
大田区立大森本町高齢者在宅サービスセンターについては、社会福祉法人東京蒼生会を指定管理者に、平成18年4月1日から平成23年3月31日まで、それぞれ指定するものでございます。
次に、第143号議案は、
大田区立つばさホーム前の浦の指定管理者の指定についてで、平成18年4月1日から平成23年3月31日まで、社会福祉法人大田幸陽会を指定管理者に指定するものでございます。
第144号議案は、
大田区立知的障害者援護施設の指定管理者の指定についてで、大田区立久が原福祉園、大田区立くすのき園、大田区立うめのき園及び大田区立うめのき園分場については、社会福祉法人東京都知的障害者育成会を指定管理者に、大田区立新井宿福祉園、大田区立池上福祉園及び大田区立しいのき園については、社会福祉法人大田幸陽会を指定管理者にそれぞれ指定し、指定期間については、大田区立くすのき園については、平成18年4月1日から平成21年3月31日まで、それ以外の施設につきましては、平成18年4月1日から平成23年3月31日までとするものでございます。
第145号議案は、大田区立前の浦集会室の指定管理者の指定についてで、平成18年4月1日から平成23年3月31日まで、社会福祉法人大田幸陽会を指定管理者に指定するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願いを申し上げます。
○議長(水井達興 君) 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管健康福祉委員会に付託いたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(水井達興 君) 日程第4を議題といたします。
〔大久保事務局長朗読〕
△日程第4
第123号議案
大田区営住宅条例の一部を改正する条例ほか5件
────────────────────
○議長(水井達興 君) 理事者の説明を求めます。
◎助役(小松惠一 君) ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。
第123号議案は、
大田区営住宅条例の一部を改正する条例案で、都営住宅の一部が区に移管されたことに伴い、当該住宅を区営住宅として設置し、管理するため改正するものでございます。
第146号議案は、特別区道路線の認定についてで、大田区下丸子二丁目262番8の地先から262番2の地先までの路線について、特別区道路線として認定するものでございます。
第147号議案は、特別区道路線の認定についてで、大田区西蒲田一丁目24番4の地先から27番1の地先までの路線について、特別区道路線として認定するものでございます。
次に、第148号議案は、
大田区立公園水泳場の指定管理者の指定についてで、大田区立平和島公園水泳場については、株式会社京急ビルテックを指定管理者に、大田区立東調布公園水泳場については、共同事業体ヤマハ発動機株式会社を指定管理者に、大田区立萩中公園水泳場については、共同事業体協栄ビルメンテナンス・セントラルスポーツグループを指定管理者に、平成18年4月1日から平成21年3月31日まで、それぞれ指定するものでございます。
第149号議案は、
大田区営住宅の指定管理者の指定についてで、大田区営大森東一丁目住宅ほか26施設について、平成18年4月1日から平成21年3月31日まで、東京都住宅供給公社を指定管理者に指定するものでございます。
第150号議案は、
大田スタジアムの指定管理者の指定についてで、平成18年4月1日から平成21年3月31日まで、財団法人大田区体育協会を指定管理者に指定するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願いを申し上げます。
○議長(水井達興 君) 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管都市整備委員会に付託いたします。
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○議長(水井達興 君) 日程第5を議題といたします。
〔大久保事務局長朗読〕
△日程第5
第151号議案
大田区立スポーツセンターの指定管理者の指定について
────────────────────
○議長(水井達興 君) 理事者の説明を求めます。
◎助役(小松惠一 君) ただいま上程されました第151号議案は、
大田区立スポーツセンターの指定管理者の指定についてで、大森スポーツセンター及び大田区体育館について、平成18年4月1日から平成21年3月31日まで、財団法人大田区体育協会を指定管理者に指定するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願いを申し上げます。
○議長(水井達興 君) 本案については質疑の通告がありませんので、所管こども文教委員会に付託いたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(水井達興 君) 日程第6を議題といたします。
〔大久保事務局長朗読〕
△日程第6
第120号議案 大田区
防災業務従事者損害補償条例の一部を改正する条例
────────────────────
○議長(水井達興 君) 理事者の説明を求めます。
◎助役(小松惠一 君) ただいま上程されました第120号議案は、大田区
防災業務従事者損害補償条例の一部を改正する条例案で、水防法の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。
以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○議長(水井達興 君) 本案については質疑の通告がありません。
お諮りいたします。本案については、防災・安全対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(水井達興 君) ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
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○議長(水井達興 君) 日程第7を議題といたします。
〔大久保事務局長朗読〕
△日程第7
議員提出第3号議案 大田区こどもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
────────────────────
○議長(水井達興 君) 提出者の説明を求めます。
〔48番藤原幸雄君登壇〕(拍手)
◎48番(藤原幸雄 君) ただいま上程されました議員提出第3号議案 大田区こどもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例で、現行の通院満9歳までのこどもの保護者から満15歳までのこどもの保護者に拡大し、保護者の負担を軽減し、児童の健全な育成及び保健の向上に寄与するため、条例を改正する必要があるので条例の一部を改正するものです。
よろしくご審議、ご決定くださいますようお願い申し上げます。
○議長(水井達興 君) これより質疑に入ります。
本案については、田口 仁議員より通告がありますので、これを許します。
〔21番田口 仁君登壇〕
◆21番(田口仁 君) 私は、大田区議会公明党を代表して、ただいま上程されました議員提出第3号議案 大田区こどもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例に対しまして質問をいたします。
議員提出第3号議案の提案理由でありますが、その中で助成する範囲を「現行の満9歳までのこども」とありますが、これは「満9歳に達した日以後の最初の3月31日までの間にある者」ではないでしょうか。議員提出第3号議案には誤りがあると申し上げたい。
また、同じように、提案理由の中で「満15歳までのこども」云々とありますが、これは「満15歳になるまでのこども」と理解でき、一般的には満15歳の誕生日のその日までのことであります。この満15歳の誕生日は、中学校3年生の在学中に迎えます。議員提出第3号議案は、中学校3年生の在学中にこどもの医療費の助成制度を対象外にしようとしているものであります。現行の大田区こどもの医療費の助成に関する条例では、第2条第3項に児童の定義として「満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの間にある者」としています。このように、ただいま上程されています議員提出第3号議案は、現行の大田区こどもの医療費の助成に関する条例に比べて助成の範囲を縮小するものであると言えます。いかがでしょうか、お伺いいたします。
議員提出第3号議案を提出された方々は、大田区こどもの医療費の助成に関する条例が実施されてまだ1年もたっていません。8か月です。この事実を知っているのでしょうか。議案提出者は、この大田区こどもの医療費の助成に関する条例の内容は区民が期待していた新しい施策の実施ですが、なぜか区民の意向を検証しようとの態度が見受けられません。ちなみに、インフルエンザが流行するのもこれからです。
そこでお伺いいたしますが、この大田区こどもの医療費の助成に関する条例の平年度の様子はどのようになっているのか、お伺いいたします。
以上でございます。(拍手)
○議長(水井達興 君) 提出者の答弁を求めます。
〔48番藤原幸雄君登壇〕
◎48番(藤原幸雄 君) ただいまのご質問ですけれども、最初の質問については、ご承知のように、満15歳とは学年末のことを指していますので、大田区こどもの医療費の助成に関する条例、この中で第2条の中にも書かれていますので、このことを適用しました。
また、この制度ができてから約8か月、そういう中で検証されているのかというのがありますけれども、私たちは、今、子育て支援の最大の問題は、やはり経済的な支援、このことは今年の最初の第1回定例会のこども文教委員会の中でも多くの議員から語られておりますので、そうした立場に立ってこれを提案しました。詳しくはこども文教委員会の中で大いに審議を深めたいと思います。
以上です。
○議長(水井達興 君) 田口 仁議員、演壇にて再質疑を許可します。
〔21番田口 仁君登壇〕
◆21番(田口仁 君) 今の答弁にはあいまいさがあります。日本共産党大田区議団の諸君は、区民は主人公との考え方をお持ちになっています。であるならば、議員提出第3号議案は、中学校3年生の途中でこどもの医療費の助成を対象者として除外することを意図するものであります。ぜひ、いい機会でありますので、今申し上げました件についての整合性をご説明いただければと思いますので、お願いいたします。
○議長(水井達興 君) 提出者の答弁を求めます。
〔48番藤原幸雄君登壇〕
◎48番(藤原幸雄 君) ただいまの再質問に答えます。
大田区こどもの医療費の助成に関する条例の第2条第3項に書かれておりますので、本則は変えません。
以上でございます。
○議長(水井達興 君) 以上をもって質疑を終結いたします。
本案は所管こども文教委員会に付託いたします。
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○議長(水井達興 君) 次に、陳情の付託について申し上げます。
今回受理いたしました陳情は、お手元に配付いたしました付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会及び議会運営委員会に付託いたします。
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平成17年 第4回定例会 請願・陳情付託表
平成17年12月1日付託
健康福祉委員会
17第 94 号 矢口養護学校卒業後の施設整備の充実を求める陳情
17第 95 号 矢口養護学校卒業後の通所更生施設の整備の充実を求める陳情
17第 99 号 緊急一時保護 家庭委託 制度見直しに関する陳情
都市整備委員会
17第 84 号 中央四丁目・五丁目周辺地区の住環境の維持・改善と安全の確保に関する陳情
17第 85 号 中央四丁目・五丁目周辺地区の緑豊かで良好な住環境の保全に関する陳情
17第 98 号 大森海苔資料館の建設に関する陳情
こども文教委員会
17第 86 号 煙草を区立小中学校からの追放を求める陳情
17第 90 号 保育の都加算事業を維持するよう、東京都への意見書提出を求める陳情
17第 93 号 保育室に子どもを預けている保護者の負担金補助制度に関する陳情
17第 96 号 (仮称)千束第2保育園建設に関する陳情
17第 97 号 東京都に対して「東京都保育所運営費補助事業の廃止・再構築に関する意見書」をあげていただきたい陳情
議会運営委員会
17第91号 議員海外派遣の事前広報についての陳情
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○議長(水井達興 君) 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。
お諮りいたします。明12月2日より12月8日までは委員会審査のため休会とし、来る12月9日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(水井達興 君) ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんから、そのようにご了承願います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後4時7分散会...