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令和 5年第4回定例会(第2日11月22日)

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  1. 目黒区議会 2023-11-22
    令和 5年第4回定例会(第2日11月22日)


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    令和 5年第4回定例会(第2日11月22日)               目黒区議会会議録  第5号  〇 第 2 日 1 日時 令和5年11月22日 午後1時 2 場所 目黒区議会議場 3 出席議員(36名)    1番 後 藤 さちこ    2番  細 貝   悠    3番 木 村 あきひろ    4番 高 島 なおこ    5番  増 茂 しのぶ    6番 こいで まあり    7番 たぞえ 麻 友    8番  上 田 みのり    9番 山 本 ひろこ   10番 金 井 ひろし   11番  岸   大 介   12番 小 林 かなこ   13番 白 川   愛   14番  青 木 英 太   15番 山 村 ま い   16番 坂 元 悠 紀   17番  斉 藤 優 子   18番 芋 川 ゆうき   19番 西 村 ち ほ   20番  鈴 木 まさし   21番 は ま よう子   22番 かいでん 和 弘  23番  竹 村 ゆうい   24番 吉 野 正 人   25番 岩 崎 ふみひろ  26番  松 嶋 祐一郎   27番 河 野 陽 子   28番 おのせ 康 裕   29番  佐 藤 ゆたか   30番 川 原 のぶあき
      31番 上 田 あ や   32番  松 田 哲 也   33番 佐 藤   昇   34番 田 島 けんじ   35番  武 藤 まさひろ  36番 関   けんいち 4 出席説明員   区 長         青 木 英 二    副区長      荒 牧 広 志   企画経営部長      髙 橋 和 人    情報政策推進部長 斎 藤 秀 一   総務部長        竹 内 聡 子    危機管理部長   橋 本 知 明   区民生活部長      上 田 広 美    産業経済部長   酒 井 圭 子   文化・スポーツ部長   勝 島 壮 介    健康福祉部長   橋 本 隆 志                          (福祉事務所長)   健康推進部長      石 原 美千代    子育て支援部長  田 中 健 二   (保健所長)   都市整備部長      清 水 俊 哉    環境清掃部長   堀 内 雅 浩   (街づくり推進部長)   会計管理者       大 野 容 一    教育長      関 根 義 孝   教育次長        樫 本 達 司    選挙管理委員会事務局長                                   落 合   勝   代表監査委員      秋 丸 俊 彦    監査事務局長   谷 合 祐 之   総務課長        千 葉 富美子 5 区議会事務局   局長          中 野 愉 界    次長       関 田 まいこ   議事・調査係長     藤 田 尚 子    議事・調査係長  中 野 陽 子   議事・調査係長     林   淳 子    議事・調査係長  小 川 友 理   議事・調査係長     明 石 智 紀    議事・調査係長  佐 藤 康 典  第4回目黒区議会定例会議事日程 第2号                         令和5年11月22日 午後1時開議 日程第1 一般質問    〇午後1時開議 ○おのせ康裕議長  これより本日の会議を開きます。   ◎会議録署名議員の指名 ○おのせ康裕議長  まず、会議録署名議員を定めます。    4番  高 島 なおこ 議員   31番  上 田 あ や 議員 よろしくお願いいたします。  これより日程に入ります。  日程第1、一般質問を行います。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ◎一般質問 ○おのせ康裕議長  昨日に引き続き、順次これを許します。  6番こいでまあり議員。  〔こいでまあり議員登壇〕 ○おのせ康裕議長  こいでまあり議員の一般質問に際しては、書画カメラにより補助資料を表示することを許可いたしましたので、御了承願います。事務局をして、補助資料と同一内容の資料の配付をさせますので、お待ちください。  それでは、こいでまあり議員、質問を始めてください。 ○6番(こいでまあり議員)  無会派、れいわ新選組、こいでまありです。  区民センター再開発と成年後見制度、2つのテーマについて質問いたします。  テーマ1、区民センター建て替え、目黒区美術館取壊しについて。  本年10月、印象派の画家モネの「睡蓮」で有名な香川県直島の地中美術館、民家と現代アートの融合である家プロジェクトなどを生活福祉委員会にて行政視察しました。  地中美術館は、直島の景観や住民の生活環境を壊さないよう、ほぼ地中に造られています。建築家、安藤忠雄氏の設計による美術館で、総合教育企業であり、上場企業であるベネッセの創業者一族が運営する財団法人が運営しています。港にあります、この人気の赤いカボチャ。このオブジェは、草間彌生さんの作品です。福武財団が自治体に寄附して、毎年かかる維持費は自治体と財団で折半して、作品の価値を保っています。  島民の人口約3,000人に対して、年間50万人、3年に1度開催される瀬戸内国際芸術祭、略して瀬戸芸の開催年には1.5倍の75万人の観光客が直島を訪れているそうです。世界で最も著名な旅行ガイドブックロンリープラネットでは、東京、京都に続いて、日本で行くべき場所の第3位に直島がランキングされています。  もちろん、ベネッセと財団を一体とみなして、一企業に依存し過ぎであるという批判もあります。しかし、方向性としては、区民センターの再開発の参考例とすることもできるのではと私は考えます。  質問1、直島の地中美術館のように、区民センター一帯の目黒川の景観や、既にある住民コミュニティに配慮した再開発、GDPはドイツにも抜かれて世界第4位となったが、まだまだ日本はG7の一員であり、先進国です。その首都東京の中心部の一角に位置する目黒区らしい、洗練された再開発を実現できないでしょうか。  具体的には、再開発に当たり、取壊しが想定されています目黒区美術館、できるだけそのまま活用する方向性を模索できないか、伺います。  質問2、開発に当たっては、財源の効率的活用を目的とし、官民連携、PFI手法を用いる計画となっております。  しかし、コスト削減のための安易な民営化、区民の資産の民間への切り売りは反対です。一方で、官だけでは発想できない世界レベルの再開発手法が学べるのならば、民間の知恵を借りるという方法もあるでしょう。  その場合、ゼネコンや不動産大手企業だけでなく、美術分野などに尽力する、目黒区にゆかりのある民間の公益財団法人など、多様なプレーヤーとの連携も含めて考えていただけないでしょうか。できるだけ先進的な手法を検討していただけないか、伺います。  テーマ2、目黒区における成年後見制度の運用について。  成年後見制度の運用については、令和3年2月19日、他の会派から、不正横領事件にも言及する質問がありました。さきの決算特別委員会では、また別の会派から、社会福祉協議会、社協のガバナンスに関する質問もありました。  さて、成年後見制度は2000年に導入された制度で、御高齢や障害により認知機能が低下し、契約締結などに支障がある方々の財産管理に活用する制度です。  ポイントを御説明しますと、認知症などになる前に、本人の意思で信頼できる人に依頼する任意後見と、任意後見ができないほどに認知機能が低下した人の代理人を、家庭裁判所、家裁が決める法定後見があります。  任意後見は、認知機能が低下したときに家裁に申し出て開始となります。一方、法定後見は、認知能力の低さにより、後見、保佐、補助と3つの段階があり、地方自治体の首長の申立てにより開始することができます。  テレビ、雑誌などで、この制度の運用に問題があるという報道も多数目にします。そして、残念なことに、目黒区の事例に関しても雑誌記事になっています。  今回、足元10年間の様々な件数を区にヒアリングしました。頂いたデータ、報道に基づき、下記質問いたします。  質問1、直近5年は、特に親族がいる方についても、8割~9割について区長申立てが行われています。民法では、本人や家族による開始申立てが原則で、区による申立ては、そのような家族がいても、できない場合の補完的な権限と言われています。区が民事に介入する理由は何か伺います。  質問2、包括、社協、区の担当課等による本人による後見等開始申立ての支援件数について。  ア、介護でいう要介護度のように、後見制度には3つの程度があり、一番重い後見は、民法上、判断能力がいつも、何に対してもない、分からない状態です。そうであるならば、後見を使うことの意味も分からず、支援しても手続ができないはずです。しかし、過去5年間で、区は6名の方自身による後見開始の手続を支援しています。これはどういうことか伺います。  イ、保佐や補助は、ある程度の能力がある状態とされます。そうであるならば、自分で代理人を選ぶ任意後見を勧めるのが通常です。国の方針、令和4年3月25日に閣議決定しました第二期成年後見制度利用促進基本計画の49ページでも、任意後見の推進が優先して取り組む事項の筆頭項目となっています。  しかし、区は、任意後見でなく、家庭裁判所が代理人を選ぶ保佐や補助の支援を過去5年間で28件もしています。なぜ、本人が自分で決める任意後見ではなく、裁判所があてがう、いうなれば特殊な保佐や補助に区民を導いたのか伺います。  質問3、雑誌記事「東洋経済」2023年4月8日特集「狙われる高齢者」になった目黒区の事例に関して、社協があっせんした90歳の区民Aさん、記事上では仮名、サイトウハルさんとなっています。  このAさんの後見人を引き受けた弁護士のKさん、立ち退きの裁判で不法行為があったとして、弁護士会で、何と、今、懲戒調査にかけられているということです。「支援を求めてお金が消えた。」以降に事件の詳細が書いてあります。  私も、このAさんに直接お会いしてお話を聞きました。80年以上住んでいた家を売られてしまったそうです。不動産事業者に立ち退きを求められ、困り果て、社協の権利擁護センターに相談したところ、ある弁護士を特定的に紹介された。その後、たった数か月の間に、その弁護士を通じ、立ち退きを余儀なくされ、その弁護士が顧問を務める区内の不動産事業者を通じ、築50年40平米の物件を3,150万円で買わされて引っ越し、さらに、亡くなったら目黒区に財産を寄附するという遺言を書かされて、認知症になったら、その弁護士に後見人を頼む契約までさせられました。  9月の決算特別委員会で、この寄附については、私から質問しました。そして、結果的に1,000万円近い損失が出たということです。  大正生まれのおばあちゃん、80年以上目黒区にずっと住んでいました。学校の先生として働いていたそうです。キャリアウーマンです。御結婚はされませんでした。家は自分の物だったんですけれども、土地を借りていたんです。一生懸命働いて、親から譲り受けた木造の立派な家を直しながら住んでいたそうです。何とか住み続けたかったのに、売られてしまいました。  不適切な弁護士を紹介し、区民に損害を与えたことについて、区としてはどのような対応を取ったのでしょうか。この弁護士を紹介者のリストから外しているか伺います。  壇上からは以上になります。(拍手)  〔青木英二区長登壇〕 ○青木英二区長  こいで議員の2点にわたる御質問に順次お答えを申し上げます。  まず、第1点目、区民センター建て替え、目黒区美術館取壊しについての第1問、再開発に当たり、取壊しが想定されている目黒区美術館をできるだけそのまま活用する方向性を模索できないかについてでございますが、本年6月に公表した新たな区民センターの基本計画(素案)では、施設全体で多様な区民活動に応え続けられるよう、「未来とつながる 人とつながる 新たな自分とつながる」という新たな区民センターの未来像を掲げ、その実現に向けて、各機能における事業や空間、運営の方向性とともに、周辺地域と連携した次世代に向けたまちづくりの方向性、事業実施のための事業スキーム等をお示ししたところでございます。  このような中で、目黒区美術館は、これまで特色あるコレクションや教育普及を重視したワークショップなど、全国的に高い評価を得ていることを踏まえ、今後、新たな区民センターの各機能との融合等を図ることで、将来に向けたミライ型美術館の実現を目指しているところでございます。  あわせて、公園や目黒川などの良好な周辺環境を生かすことで、多くの方が気軽に美術館を訪れ、芸術文化に触れる機会の充実を図ることで、芸術文化の香りを新たな区民センターの敷地全体に広げることができると考えております。  さらに、現行施設の機械や電気設備の老朽化や、収蔵品等の適切な保全管理等も踏まえ、基本計画(素案)では、美術館を含めた一体的な建て替えが望ましいことをお示しをしております。  現在、基本計画(素案)で行ったパブリックコメント、私も参加した有識者とのシンポジウムでの意見、事業者サウンディングなど、様々いただいている意見等を整理し、基本計画の取りまとめを進めているところでございますが、美術館については、そのまま活用してほしいという意見もある一方で、今回の再整備を通じて、既存美術館が解体されたとしても、目黒区の芸術文化の醸成につながればよいという意見もいただいております。  今後、こうした意見を踏まえながら基本計画を策定し、区有施設のモデルケースとなる美術館を含めた新たな区民センターの整備について取組を進めてまいります。  次に、第2問、美術分野に尽力する目黒区にゆかりのある財団法人等との連携も含めた多様な手法の検討についてでございますが、新たな区民センターに整備する美術館機能は、これまでの美術館の活動を踏まえ、区民の重要な芸術文化拠点の一つとして、美術館が発信してきた芸術文化の香りを新たな区民センターの敷地に広げるという役割を念頭に、誰もが芸術文化に親しみ、楽しめる美術館を目指すこととしております。  これらの実現に当たっては、現在、開館から35年にわたる美術館の指定管理業務を担っている目黒区芸術文化振興財団のノウハウ、経験の蓄積を生かし、適切な施設維持管理や、美術作品の保管とともに、質の高い企画展の開催や、美術館ボランティアを生かした各種ワークショップの開催等が可能となると考えております。  これまでも、目黒区芸術文化振興財団の地域に根差した施設の活動は高い評価を得ており、今後も継続的に区民に芸術文化を提供し続け、よりよい芸術文化に触れる機会の創出等が期待できると考えております。これらを踏まえ、新たな区民センターにおける美術館機能の指定管理業務は、目黒区芸術文化振興財団を想定しているところでございます。  議員お尋ねの美術分野などに尽力する目黒区にゆかりのある財団法人等との連携でございますが、さきに申し上げたように、美術館機能の運営は目黒区芸術文化振興財団を想定しているところですが、新たな区民センターの各機能を運営する民間事業者グループ全体との連携によって、施設全体を活用した展示や機能間の融合によるワークショップ、広報活動など、柔軟で時代に応じた運営を展開することを求めていくこととしており、これまで以上に美術館の機能向上が図られると考えております。  次に、第2点目、目黒区における成年後見制度の運用についての第1問、親族がいるにもかかわらず、区による申立てをする、区が民事に介入する理由についてでございますが、成年後見制度は、認知症、知的障害や精神障害等により、判断能力が十分ではない方について、自己決定権を尊重しながら、本人の権利や財産を保護し、地域で安心して暮らし続けられるように支援するための制度でございます。  区では、社会福祉協議会権利擁護センター「めぐろ」を成年後見制度推進機関としており、センターにおいて、制度の利用に関する相談や後見人候補者の紹介、後見人等へのサポート、市民後見人の養成のほか、日常生活自立支援事業などを行っております。  成年後見制度には、法定後見と任意後見の2種類がございまして、法定後見につきましては、既に判断能力が不十分な方を法律的に支援をし、自己決定を尊重しつつ、権利や財産を守ることを目的とした制度でございます。後見人には、必要な支援の内容により、親族のほか、弁護士などの専門職が家庭裁判所によって選任をされます。  市町村長による後見開始の申立ては、老人福祉法、知的障害者福祉法、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律において、高齢者、障害者等の福祉を図るために、特に必要があるときは、することができるとされております。最近では、身寄りのないひとり暮らしの高齢者や、親族に頼れない人等への支援として、市町村長申立ての必要性が高まっており、本区におきましても適切な実施に取り組んでいるところでございます。  市町村長申立てに至る手続では、成年後見制度の利用が必要との結論に至った場合において、本人に2親等以内の親族がいないか、またはこれらの親族があっても音信不通の状態にある場合であって、審判の請求を行うとする親族も不明であるなどの事情を明らかにするため、親族調査を行うこととされております。
     お尋ねの、親族がいるにもかかわらず、区による申立てをする場合についてでございますが、親族がいても、申立て手続を行わないとの意思表示をされたり、関係の拒否や回答がないなど、申し立てる親族がいない場合にのみ、区長申立ての手続を進めることとなります。  議員の御指摘につきましては、家庭裁判所へ区長申立てとなった方のうち、親族がいても申立ての意思がない等の方が8割以上、その他が全く親族がない方となっておりまして、判断能力が不十分な方が申し立てる親族がいなくても、区長が本人の保護を図るために、審判の請求を行うものでございます。  次に、第2問、包括、社協、区の担当課等による本人による後見開始申立ての支援件数についてのア、後見類型の方の本人申立ての支援についてでございますが、法定後見制度には、本人の判断能力に合わせて、後見、保佐、補助の3つの類型がございます。  後見は、本人の判断能力が欠けているのが通常の状態の場合の類型とされております。御本人に申立ての意向があれば、民法によって、後見類型であっても、申立てが可能でございます。  判断能力が十分でない方が制度を利用するに当たりましては、申立て書類の準備や戸籍抄本、住民票、診断書の作成など、手続が煩雑であるため、支援が必要になる場合がございます。社会福祉協議会権利擁護センターや各地域包括支援センター等が行う成年後見の申立てに関する支援については、成年後見制度を利用するための手続、必要な書類、成年後見人等になる方の確保など、御本人への後見等の開始の手続の流れや、申立てに必要な情報提供、相談対応、専門的な相談機関につなぐ、包括支援センターが日頃から関わりがあり相談支援を継続しているなど、様々な場合がございまして、御本人の権利や財産を守るために行うものでございます。  御本人が支援を受けて家庭裁判所へ申立てをした後、家庭裁判所が本人の判断能力について、調査や、必要な場合には医師による鑑定を行い、家庭裁判所の審判が後見類型となる場合など、結果として本人が申立てた事案でも、後見類型となる事例がございます。  次に、イ、ある程度の能力がある状態の方に、任意後見でなく、法定後見の保佐や補助の開始申立ての支援をした理由についてでございますが、法定後見制度には、本人の判断能力に合わせて、3つの類型がございまして、先ほど申し上げた後見のほかに、本人の判断能力が著しく不十分な保佐と、本人の判断能力が不十分な場合の補助がございます。  議員御指摘の任意後見制度は、本人による十分な判断能力があるうちに、将来の判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ御本人自らが選んだ代理人に、公正証書によって結んだ任意後見契約に従って、本人を援助してもらうことを決めておく制度でございます。本人の判断能力が低下した場合には、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して、初めてこの契約の効力が発生することとなります。  任意後見制度は、判断能力が低下する前に、自らの意思で誰を後見人にするのか、また何を依頼するのか、2つを決められるというメリットがございます。一方で、取消し権がないこと、つまり御本人が行った契約を取り消すことができないことがデメリットと言われており、取消し権が必要な場合には、法定後見に移行する必要がございます。  お尋ねの法定後見の保佐や補助の開始申立ての支援をした理由につきましては、御本人の状態によっては、短期の記憶に障害がある程度との診断が出ていても、金銭管理が困難になるなど、既に任意後見契約を結ぶことが困難な状況がある場合などに、本人や関係者と相談、了承の上で、法定後見の申立ての手続を支援することがございます。  相談窓口では、御本人が任意後見契約を結べる程度の能力があるかどうかを考慮しつつ、費用も含めて情報提供や説明をし、相談支援をしておりますが、御本人や関係者から御相談いただき専門相談等につないだり、相談を続けている中で、既に本人に十分な判断能力があるとは言えず、自ら代理人を選んだり、公正証書の作成により任意後見契約を結ぶことが困難であると思料される場合には、法定後見の本人申立て支援をすることとなります。  次に、第3問、社会福祉協議会があっせんした弁護士が、弁護士会で懲戒調査にかけられていることについて、区としての対応と、紹介者リストから外しているのかについてでございますが、お尋ねの事案につきましては、雑誌記事の内容は承知しておりますが、詳細までは把握しておりません。御質問によれば、現在、弁護士会で懲戒調査にかけられているということでございますので、調査中で結論が出ていない段階では、その取扱いについて、お答えは差し控えさせていただきます。  以上、お答えとさせていただきます。 ○6番(こいでまあり議員)  テーマ1、再質問は結構です。  新しいものを建てる、古いものを壊して新しいものを建てる、単純な再開発だけでないプロジェクト、区民の大切な資産の民間への切り売りではない官民連携を期待します。  テーマ2について区長にお伺いしたい。  この目黒区の基本構想、この表紙に書いてあります「さくら咲き 心地よいまち ずっと めぐろ」。都立大学に住んでらっしゃる90歳のAさんのような事件が起きて、本当にずっと住み続けたいまちになっているんでしょうか。  今、人事評価、職員、理事者とも、法令遵守、コンプライアンス項目は含まれてないそうです。それは、地方自治体で働く者として当たり前だからだということです。民間企業でしたら、当たり前になっています。区民目線、お客様目線での法令遵守、コンプライアンス、これを人事評価に入れていただけないでしょうか。 ○青木英二区長  再質、どの部分が再質だかよく分かりませんが、1、2、3、4。いいんですか。議長、続けてよろしいでしょうか。 ○おのせ康裕議長  はい。 ○青木英二区長  ちょっとよく、どの部分が再質として、今、私に御質問されているか、よく分かりません。後で議事録をよく拝見して、検討してみたいと思います。  以上でございます。 ○6番(こいでまあり議員)  ずっと住み続けたいまちを目指して頑張ってください。よろしくお願いします。  以上です。  (「頑張ります。」と呼ぶ者あり) ○おのせ康裕議長  区長、指名されてからお答えするようにお願いいたします。  以上で、こいでまあり議員の一般質問を終わります。  次に、13番白川愛議員。  〔白川愛議員登壇〕 ○13番(白川愛議員)  私からは、DX推進で区民生活を豊かにする道筋を明確にするために、以下4点伺います。  1、情報漏えい対策、業務整理の最適化は進んでいるか。  業務の改善や効率化により創出したリソースを区民サービスの向上に再分配していくためには、職員でなければできない業務に注力できる仕組みの構築が欠かせません。そのためには、業務の整理をする必要があります。まずは、人間がしている業務、ICTのほうが効率的な業務と整理していくことがDX推進につながります。  人間がしている業務は、外注できる業務、非正規でもできる業務、正規公務員でないとできない業務などに分類されます。ICT化は、このそれぞれについて個別に検討する必要があるものですが、操作権限をどこまで誰に与えるか、これが整理できていないシステムは、セキュリティが担保されず、情報漏えいの原因になります。  今回の効率化で最も重要なのは、業務上のセキュリティ意識です。業務整理をしていく中で情報の安全性を確保するためには、この立場では触れられない情報、この立場では触れなければならない情報などを明確に切り分ける必要があります。  そこで、伺います。  各事務事業の中で、職員でなければ扱えない事務、職員以外でも扱える事務を、区長部局で一元化した共通意識として、既に区別はなされているのでしょうか。  2、ワンストップサービスへの対応は進んでいるのか。  皆様に誤解のないように申し上げます。DXの目的とデジタル化の目的は異なります。行政の人がやっている事務をできる限り効率化するため、ICT化を促進するという業務の効率化に主眼を置いていたところから1段進めて、プロセスの変革とともに、新たな価値を生み出していく活動がデジタルトランスフォーメーションです。  情報資源や経営資源をつなげることによって生み出されるネットワーク価値も、新たな価値の一つです。経営幹部、事業部門、情報システム部門などの関係者が一体となり、データやデジタル技術を使って、どのような価値を創出したいのか。そのための現状と課題、取るべきアクションについて共通認識を持ち、実行につなげていくためには、事務事業評価が有効だと考えられます。  目黒区では、過去に何度も事務事業評価を行ってまいりましたが、その中で、各事業の全体を見渡して、その事業が必要か、不必要かなどを考えてきたはずです。各事業自体が必要かどうかといえば、本当に不必要な事業を行政機関が実施するわけはないので、どれもこれも必要だろうという話になります。  しかし、見るべき視点はそこではありません。各事業が必要かどうかではなく、各事業の中で何が必要なのかという視点に変更する必要があります。この整理で各事業の中の共通部分を洗い出して、共通部分は1か所で処理する。こういった事務事業整理は、様々な自治体でワンストップサービスを取り入れるときにやってきています。しかし、目黒区は、この整理が十分にできていません。  行政が抱える複雑多岐な各事業を整理する上で、まず必要なのが、各事業で別々に行っている事務の共有化です。マイナンバーカードが国の政策として推奨されるのは、こういった、共有されていたら事務が効率化できる情報の一次情報にアクセスできるからです。  例えば、行政機関の申請書に毎回毎回住所を記入する必要がどこまであるのでしょうか。申請時に、収入証明や納税証明をあえて住民が用意して出す必要はどういったときにあるのでしょうか。それらの最も根幹の情報を握っている自治体が、なぜ申請者にそれらを書かせる必要があるのか。  申請時の無駄な作業を減らすことで、行政におけるチェック人員も減らせるなどの効率化が可能になるのです。ワンストップサービスを取り入れた自治体の多くは、こういう部分で事務の効率化を進めています。そういう自治体ほど、DX推進は容易であることでしょう。ここができていないと、DX推進は旗を振っただけで、各部署の現場が混乱します。日常業務の上に新しい業務を増やす、屋上屋を架すことにならないように、各事業の要点を整理する必要があるのです。  このような理由から、ワンストップサービスが可能なレベルで、行政の事務事業の分類、共有できる業務、共通化できる作業については、どこまで整理ができているのかをお伺いいたします。  3、適切なスクラップ準備のために事務事業評価を活用すべきではないか。  本区では、スクラップ・アンド・ビルドをビルド・アンド・スクラップと呼んでいますが、まずスクラップする必要がある範囲を個々に削り取っていくことができると、さらに楽になるはずです。共有範囲を考えないで済むものが増えます。  各事業自体の事務事業評価は、既に何度も行われており、そのたびに整理し切れずに残ってきたものがたくさんあります。その中で必要を見定めて、共通した事務は一元化するという、前段の質問で維持したものに加え、実際に何が最も必要だから、どこまで見直すのかという事業見直し方針を立てねばなりません。  政策の達成度、必要性、緊急性、こういったものを全て巻き込んだ中でなければ、事業のスクラップは困難です。そのためのツールとしてのアウトカム測定では、活動指標と成果指標は切り分け、見える化する必要があります。地方自治体の事務事業は、地方自治体が認識した課題を解決するために定めた政策や、その政策を実現するための方策として定めた施策を具体的に実行するための手段です。  全国的にも、23区内においても、自治体が行う行政活動の基礎的単位となる事務事業を対象に、実績や成果などを客観的な基準を用いて評価する事務事業評価を毎年実施し、公表に取り組んでいる自治体は数多く存在します。  本区では、平成23年度に定めた財政健全化に向けたアクションプログラムに基づき、緊急財政対策に係る事務事業見直しに取り組んだのを最後に、平成27年度以降は、実施計画の改定作業の中で別途判断するとしてきました。そのため、事業の必要性や効率性を客観的な視点で判断し、改めて事業の在り方をゼロベースで判断するようなことはなされてきませんでした。  そのような中で、本区は、令和3年に定めた基本構想にあるまちの将来像「さくら咲き 心地よいまち ずっと めぐろ」を実現するために、令和4年に目黒区基本計画並びに実施計画、財政計画、目黒区DXビジョンを策定しました。  本来であれば、基本計画や実施計画を策定する中で包含され、事業の検証や見直しがされてきたはずの事業自体のスクラップですが、残念ながら、着実に事業スクラップが進んでいるとは言い難い状況です。できるかどうかは別として、多くのことを盛り込み過ぎて、ごちゃ混ぜになっているのが今の目黒区の現状です。  今こそ、まずスクラップのための明確な指針を立てていく必要があります。スクラップといっても、永遠に手をつけないという意味ではありません。10年の中に詰め込んでいる内容が多過ぎるのです。現在の10年で完了する必要はなく、10年の中には、一部を終えていれば足りる事業もあります。また、一部には、業務の共通化・共有化で対応可能なものもあります。  基本計画の策定方針や、実施した事務事業が、総合計画の体系において、どのような位置づけで、事務事業によって、どのような成果を得ることができたのかを測定することで、事業スクラップを実行するための客観証拠を得ることができると考えますが、本区が示している客観指標は、私の目から見て、活動指標であり、成果指標の設定が曖昧になっています。まず、そもそも限られた人員の中で実施するという前提を忘れているのではないでしょうか。  日常業務の中で整理していくには、業務量を減らす取組が最も重要だと気づいていないようにすら感じられます。ワクチン接種やマイナンバーの普及、システム標準化など、国からの求めに応じて進めなくてはならない新規事業なども含め、ここ数年、職員1人当たりの業務量は雪だるま式に増え続けています。新規事業に着手するのもよいですが、まず最初に、業務の棚卸しを行う必要があるのではないでしょうか。既存事業に関係する事務事業に費やしている人件費や減価償却費を含む総コストを把握し、成果との費用対効果を検証し、評価を行うことが求められていると考えます。  そこで、こういった明確な指針を定めた事務事業評価を早急に実施し、できる限りスムーズにDX推進が可能になるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。  4、区民生活を豊かにするためのDX推進に向けて。  DX推進は、あくまで区民生活を豊かにするためにあります。業務の改善や効率化により創出したリソースを区民サービスの向上に再分配していく。そのため、職員でなければできない業務に注力できる仕組みを構築する。区民に負担をかけてきた様々な申請をできる限り効率化する。効率化したことで職員の業務を減らす。しかし、セキュリティの担保は必ずしていかなければならない。  まとめて片づけることなど、できません。巨大な行政事務という倉庫を棚卸ししないと、片づかない状態なのです。何十年もためてきた事務事業を大掃除しなければならないのです。まさに、倉庫の整理と同じです。いついつまでに整理するというだけなら、無計画でもできます。実施するには、順序としてやらねばならないことがあります。倉庫の大事なものは何かを見極めること、最終的にどういう配置にするかの見通し、置き直すものを置く場所の確保、が必要です。  同じように、今回のDX推進においても、1、危機管理、情報漏えい対策、セキュリティ意識教育、2、業務整理、ワンストップサービス可能な業務共有、3、余力創出、実行するマンパワーを生かす業務軽減、この3つが求められているのです。  DXビジョンはDX推進の設計図ですが、今回のDXビジョンの進め方があまりにも曖昧です。現在は一部の部署で実施している、デジタル技術を活用したBPRを全庁的に実施するに当たっては、前段までの質問を考慮せずに実現は難しいと考えます。大きな事務事業は言うに及ばず、ささいな日常業務から、必要性の検証も含めた抜本的な見直しを行う必要があるのです。  前段で述べた客観指標は、事業の必要性、達成度、執行方法の妥当性を検討し、今後の事業の取組方針を決定するための根拠として用いなければなりません。そのためには、主観的、恣意的ではないと、誰が見ても明確にできる状態が必要です。本区では、これらの指標となる事務事業評価に代わる定性的、定量的な調査が事前の準備として必要だと考えます。  そこで、伺います。  BPRの実施やICTによるツールを積極的に活用するなど、業務の全体最適化を図るためには、他部署に協力を求めるべき瞬間が往々にして起こります。他部署を巻き込み、リソースを確保し、その後のマネジメントを円滑に、推進力を高めていくためには、取組そのものや、旗振り役に対する評価や信頼感、周囲の人々に受け入れられる土壌をつくることが重要になってきます。  BPRの実施に当たり、業務自体の必要性の検証も含めた抜本的な見直しを行っていくとしていますが、クイック・ウィン創出のために割いたリソースが無駄になってしまわぬようにするために、本区が複数の部署で行っている類似、重複する業務をどのようにして、いつまでに検証し、整理する方針なのか伺います。  政策を実施したところでアウトプットとなり、実際に住民や事業者の行動が変わることでアウトカムが見られるという関係性になっていることから、成果指標が必要となってきていますが、本区では、エビデンスに基づくPDCAサイクルのために、どのようなKPI、キー・パフォーマンス・インディケーターを設定して、アウトカムの測定を行っているのでしょうか。  よりよい区民生活を築き上げるために、前述3点を踏まえた、区民に向けた目線での期限設定を明確にお答えいただきたい。  以上となります。よろしくお願いいたします。(拍手)  〔青木英二区長登壇〕 ○青木英二区長  白川議員の第1点目、DX推進で区民生活を豊かにする道筋を明確にせよという御質問について、順次お答えいたします。  まず、第1問、情報漏えい対策、業務整理の最適化は進んでいるかということについてのお尋ねでございます。  議員御指摘の業務上のセキュリティ意識でございますが、区の職員は全員、高いセキュリティ意識が求められております。公務員は、個人情報も含め、秘匿性の高い情報を扱うことから、1年に1回以上、定期的に情報セキュリティに関する研修の受講や職員一人一人による自己点検を実施するとともに、関係各課を対象とした訓練や監査を毎年度実施しております。  職員でなければ扱えない事務と、職員以外でも扱える事務の区別についてですが、幾つか例を挙げますと、区の重要な施策に関する決定に関わる事務については、職員でなければ扱えない事務でございます。また、住民の権利義務に深く関わる事務や、利害関係が激しく公の立場から公平に審査・判断することが求められる事務についても同様と考えております。こうした事務を除く補助的な事務については、職員以外でも取り扱える事務になるというのが基本的な認識でございます。  こうした認識を踏まえて、基本計画の区政運営方針3において、以下の3つのポイントを記載しております。  簡単に申し上げますと、1つ目として、公民連携を推進するとともに、区が直接担うべき事務を精査し、区民サービスの向上と行財政資源の最適配分を進めていく。  2つ目に、常勤職員を含めた全ての職員の役割を明確化した上で、外部人材、会計年度任用職員等の多様な職員が持つ専門性により補完し合うなど、効果的・効率的な事業執行のために最適な組織執行体制を構築していく。  3つ目に、単純、反復的な事務作業等については、デジタル技術や外部委託などの効率的な事務執行を積極的に活用し、職員が担うべき事務に適正に人員を配置していくということを掲げております。  こうした考え方に基づいて、現在も取組を進めておりますが、今後とも、職員でなければ扱えない事務を整理し、職員はそこに注力するという体制を構築しながら、区政運営を進めてまいります。  次に、第2問、ワンストップサービスへの対応は進んでいるかというお尋ねについてでございます。  令和4年度の新しい時代に向けた区政再構築検討会議において、新しい窓口機能のあるべき姿と執行体制ということで、職員から提案がありました。提案の内容としては、オンライン手続を拡充し、来庁不要な窓口にするとともに、オンライン化できない手続については、「書かない、待たない、迷わない窓口」とし、オンライン化の促進やBPRの推進を行い、手続に係る時間の短縮や職員負担を軽減することを目指すものです。  この提案を受けて、現在、全庁的な検討組織を立ち上げ、検討を進めているところでございます。この検討の中で、議員から御指摘があった業務の整理を進めていければと考えております。  具体的には、現在行われている様々な業務の流れを作業ごとに細分化することで見える化し、複数の業務に共通する作業があるかどうかなどを確認できる状態としていきます。その上で、複数業務に共通する作業が存在する場合、作業を共通化することができるかどうかについて検討を行ってまいりたいと考えております。  区の様々な業務において、例えば、給付事務では、給付の対象、条件、時期、審査内容、財源などが複雑で、事務に用いるシステムや業務フローが一つ一つ異なる状況にあります。また、根拠法令の改正が頻繁に行われるなどの理由により、業務フローの変更やシステム変更が生じやすく、喫緊の対応に追われ、根本的な業務分析の優先順位が下がってしまう傾向にあります。これが業務改善の検討の支障となっているという面がありますので、システム標準化により、業務フローの変更が発生することなどを契機に、業務分析や整理を進めていきたいと考えております。  一方、印刷業務や支出業務の集約化については、全体の業務効率化の手段の一つとして、従前から行っております。  加えて、福祉総合課やおくやみコーナーの設置などにより、行政手続の一元的な案内に努め、行政サービスのワンストップ化に取り組んでまいりました。ただ、区の業務は多岐にわたるため、ワンストップ化を進めること自体を目的としていますと、窓口での業務内容が複雑になり過ぎて、かえって時間がかかるという側面もございます。そうした点を踏まえ、あくまでも区民の利便性向上につながるという視点を持って進めてまいりたいと考えております。  次に、第3問、適切なスクラップのための事務事業評価などを活用せよというお尋ねについてでございますが、区においては、これまで事務事業評価を実施してまいりました。例えば、平成23年度に定めた財政健全化に向けたアクションプログラムに基づき、緊急財政対策に係る事務事業見直しに取り組み、多くの事務事業について見直しを行いましたが、区民の生命、健康、財産への影響を考慮すると、厳しい財政状況であっても、継続しなければならない事業も存在したところでございます。  業務の継続と廃止については、これまで以上に区民の方々に対して明確に説明を行っていく必要があることから、国においては、客観的な根拠に基づく政策立案(EBPM)を進めていく必要があるという考えが示されております。これについては、政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化した上で、合理的な根拠(エビデンス)に基づくものとすることでございます。  こうした国の考え方も踏まえ、現行の基本計画においては、各政策、施策に、その取組の効果を示す指標と達成目標を設けることで、エビデンスに基づく政策を推進し、区民生活のより一層の向上を図っていくこととしております。特に、施策ごとに設けている成果指標については、議員の御指摘のとおり、施策・事業により発生する効果、成果を表す指標であるアウトカム指標をなるべく用いるように努めており、これに基づいて、当初の目的の達成度合いを可視化できるように作成しております。  なお、指標の設定に当たっては、全ての事業に共通の指標を適用していくのではなく、事業の実施目的と事業効果を明確にした上で、適切な指標を選択する必要があると考えております。区としては、限りある行財政資源の中で、複雑、多様化する行政課題に対応しなければなりませんので、こうした指標を活用することにより、政策目標の達成に資する施策を適切に選択することで、効果的・効率的に区民サービスの向上を行ってまいりたいと思います。  本年9月に作成した令和6年度行財政運営基本方針におきまして、持続可能な行財政運営に向けて、行政評価と事務事業見直しを進めることとしております。客観的な根拠に基づく政策立案に加えて、今後はさらにその視点を政策評価にも活用し、事務事業の見直しにつなげたいと考えており、具体的な仕組みについて検討を進めてまいります。  次に、第4問、区民生活を豊かにするDX推進に向けて期限を明確にせよについてでございます。  議員御指摘の3点のポイントについては、これまでの答弁の中で少し触れさせていただきましたが、改めて区の考え方についてお答えを申し上げたいと思います。  区においては、区民の方々に、区がDXの取組について何を目指すのか、また、どのように取り組んでいくのかということについて、基本的な考え方をお示しするため、令和4年4月にDXビジョンを策定いたしました。このDXビジョンにおいては、区の主な取組を具体的に記載するとともに、目標設定が可能なものについては、時期についても記載をしております。例を挙げますと、令和4年度中に、目黒区の状況を数字、グラフ、地理情報システムなどで見える化するといったことがございます。  一方で、DXの取組は、区の政策、施策を進めていくための手段の一つであり、デジタル技術を使うこと自体が目的ではありません。DXの推進は着実に進めてまいりますが、目標を持って行う各施策に対して、期限を定めて取り組むことが重要と考えております。  区の目標は、最終的に区民サービスの向上でございますので、そのために具体的にどのような政策、施策に取り組んでいくのかということを区民の方々にお示しをすることが最も重要であると考えております。そのために、区としては、20年後のまちの将来像としての基本構想、政策に関する10年間の基本計画、5か年の実施計画から成る長期計画の下、分野ごとの各種補助計画を定め、区政を総合的、計画的に推進しております。それぞれの計画の中で実施する施策、事業において、DX推進の考え方を取り入れつつ、計画期間内での目標達成を目指してまいります。  以上、お答えとさせていただきます。 ○13番(白川愛議員)  では、再質問させていただきます。  本区が定めたDXビジョンでは、クイック・ウィンとトライアル・アンド・エラーで効果的、効率的に、この取組を進めるとしているのですが、効率的に、効果的にDX推進をしていくには、仮説検証を永続的に繰り返すということが前提になると思いますが、そのためには、リソースも、外部ベンダーのコストも当然発生すると思います。  事業ごとのコスト評価について、今後、目黒区でも発生主義会計の考えに基づき、日々仕訳を行っていくと伺っておりますが、成果と費用対効果を検証するためには、実際に支出した直接事業費だけでなく、その事業に要した人件費や退職金、退職給与引当金繰入金とか、減価償却費などのコストも総合的に評価導入して、正確なコスト把握を行うという必要があると思うんですけど、その点に関して区の見解を伺いたいと思います。導入する意向があるのかどうかという部分ですね。それを伺っておきたいと思います。よろしくお願いします。
    青木英二区長  今、おっしゃった総合的な評価というのは極めて重要ですから、今後の検討課題というふうに認識を私はしております。  以上でございます。 ○13番(白川愛議員)  分かりました。  このDXの取組を全庁的に浸透させるというためには、そもそも、先ほども言いましたけど、業務量を減らして効果が上がっていない事業をスクラップしていかないと、1部署だけでアジャイル方式でやっていっても、結局、パッチワークみたいになるだけで、組織全体に事業の目的もコスト意識も浸透していかないと思うんですけども、職員の、やりたい、できるかも、やらなきゃというモチベーションを引き出すためにも、職員のワーク・エンゲージメント向上のためにも、成果とプロセス評価をより明確にマネジメントサイクルに反映させる必要性を感じますが、区長、どうお考えでしょうか。 ○青木英二区長  事務事業の評価については、先ほども申し上げましたEBPM、特に、証拠に基づいて評価していくということですから、それはもうアウトカム指標などをしっかりと踏まえながら、何をどう、今回評価をしていくのかということはEBPMでしっかりやっていく。そういったことを来年度の行財政運営基本方針でも明確にしておりますので、そのような取組で評価をしていきたいというふうに思っております。  以上です。 ○おのせ康裕議長  白川愛議員の一般質問を終わります。  議事の都合により、暫時休憩いたします。    〇午後2時休憩    〇午後2時10分開議 ○おのせ康裕議長  休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、5番増茂しのぶ議員。  〔増茂しのぶ議員登壇〕 ○5番(増茂しのぶ議員)  私、増茂しのぶは、目黒・生活者ネットワークの区議会議員として、目黒区における介護保険事業について一般質問いたします。  介護保険制度が成立して23年がたち、それまで家庭の中に閉ざされ、主に女性が担っていた介護を社会化し、介護職を仕事として定着してきたことについては、一定程度評価されます。しかし、介護の社会化を目指してスタートしたはずの介護保険は、制度改正を重ね、今では介護保険料の値上げ、ケアプランの有料化、介護利用料負担割合の増加などが検討され、再び家族介護へと押し戻されようとしています。  介護保険制度は、地方分権の試金石と言われたように、各保険者としての区市町村が自らの自治体の給付と負担の関係を住民合意の上でつくり上げる制度のはずでしたが、今日では、まず国の抑制策が先行するため、財務省や厚生労働省の縮減方針に追随した介護保険事業計画の策定が主となっています。  令和2年9月に厚生労働省は、都道府県担当者会議において、在宅医療・介護連携推進事業についてを発出し、医療と介護の両方を必要とする状態の高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、地域における医療・介護などの関係機関が連携して、包括的かつ継続的な在宅医療・介護を提供することが重要とされました。  目黒区の高齢化率は、2023年度で約19%、20年後には25%になると予測され、今後、介護サービスを受ける高齢者が増えることとなります。国は、2040年には訪問介護事業所を約5,000増やし、訪問介護員を3万2,000人確保する必要があるとしています。  現状では、経営難で小規模事業所が閉鎖に追い込まれ、介護士の高齢化や離職が進み、慢性的な介護士の不足が続いています。特に、介護士の給与は全産業労働平均よりも低く抑えられ、やりがいが感じられない状況は問題です。第9期介護保険事業計画の策定を前に、区は、保険者として、高齢者の尊厳を守り、介護職の定着を視野に、施策を充実させるべきと考えます。  そこで、区の考えを伺います。  1、第8期介護保険事業計画についての評価と、それを第9期介護保険事業計画にどう生かしていくかを伺います。  2、介護保険制度は、身体介護が中心となり、体が元気な認知症の方は制度から外れてしまうことが多く、見守りが必要な認知症高齢者の実態はつかみにくいのが実情です。地域とのつながりもなく、孤立している方の把握や、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯の認知症の実態把握のための全数調査をすべきと考えますが、いかがでしょうか。  3、認知症は病気であることから、医療で対応すべき部分と生活支援する部分とがあります。そして、在宅で介護をするなら、認知症に対する医療の受皿が地域になくては立ち行かないと考えます。また、認知症と診断された場合は、地域の見守りが必要となります。介護保険外でできることとして、民生委員をはじめ、地域包括支援センターや医療機関との見守りネットワークを築くこと、また、認知症と診断されたときには初回訪問をするべきと考えますが、区の考えを伺います。  4、家族介護者の負担が増えていることや、ヤングケアラーなど、介護者の状況も多様化しているため、緊急ショートステイを充実させるべきと考えますが、区の取組と今後の考えを伺います。  5、介護士は、日々、懸命に介護に従事していますが、報酬が低く、仕事としてやりがいを持ちにくい状況にあります。介護報酬は加算でなく、基本報酬を上げるよう国に求め、人材確保ができるよう進めるべきです。人材がなければ、どんなによい制度でも機能しません。人材確保についての区の取組を伺います。  6、警察との連携について伺います。区内の交番で、警察官が認知症の方に人格を否定するような言葉を投げかけていることがあったと伺いました。認知症高齢者が保護されたときに、警察官が人権を保障した適切な対応ができるよう研修をするべきと考えますが、いかがでしょうか。  以上6点。壇上からの質問は以上になります。よろしくお願いいたします。(拍手)  〔青木英二区長登壇〕 ○青木英二区長  増茂議員の6点にわたる御質問に、順次お答え申し上げます。  まず、第1点目、第8期介護保険事業計画についての評価と、それを第9期介護保険事業計画にどう生かしていくかについてでございますが、介護保険は3年を1期とする事業計画に基づき、運営を行っていく制度となっております。令和3年度から今年度までを期間とする第8期目黒区介護保険事業計画におきましては、住み慣れた地域で、自分らしく暮らし続けるという基本理念の下、自立支援や介護予防、介護サービス基盤の整備等を行ってきたところでございます。  第8期計画期間中は、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るった時期とも重なっておりましたので、当初の想定よりも、サービス利用が若干手控えられる傾向もありました。一方で、第8期計画期間中には、東京大学高齢社会総合研究機構との連携の下、めぐろフレイル予防プロジェクトを開始しまして、行政主導ではない、区民の方が自らの手で介護予防、フレイル予防の輪を広げていくための土台をつくってきております。地域活動として実施されている成果も出てきております。  第9期計画期間中の令和7年には、いわゆる団塊の世代が75歳以上となり、今後、介護保険の社会的重要性は、より一層高まることが推察されます。現在、作成中の第9期目黒区介護保険事業計画につきましては、介護予防、フレイル予防の観点を踏まえた計画として、高齢者の健康維持とともに、介護保険制度の財政的な健全性を担保できる内容にしていきたいと考えております。  次に、第2点目、認知症高齢者の実態把握として、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯の状況を全数調査すべきについてでございますが、厚生労働省の推計によると、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、高齢者の約5人に1人が認知症になると見込まれており、認知症は誰もがなり得るもので、多くの人にとって身近なものとなっています。認知機能の低下が進むにつれて、食事、掃除、洗濯などの家事、支払いや買物などの金銭管理ができなくなるなど、日常生活にも支障を来すようになります。  御指摘の認知症高齢者の実態把握につきましては、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯を対象とした全数調査では、実施期間が固定される上、アンケート調査や訪問調査を行ったとしても、回答数や把握できる範囲には限りがございます。特に、高齢者においては、持病の悪化や体調の急変により、心身の機能低下、日常生活の自立や社会参加の減少に伴い、認知機能の状況が大きく変化することも少なくありません。  こうしたことから、地域包括支援センターによるアウトリーチ支援、行政とのつなぎ役を果たしている民生委員による安否確認や声かけ、地域の見守りネットワークによる把握等、様々な活動を通じて、認知症高齢者の実態を日頃から把握していくことが効果的であると認識しているところでございます。  次に、第3点目、民生委員、地域包括支援センター、医療機関等の見守りネットワークの構築と認知症診断後の訪問についてでございますが、住まい、医療、介護、予防、生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムにおきましては、見守りは生活支援の一つとして高齢者を支える重要な取組と位置づけられております。  区における見守り事業につきましては、地域住民や民間事業者等が日頃の生活や業務の中で気がかりなことを専門の相談機関につなげる緩やかな見守りがございます。協力する団体、機関、事業者で構成している見守りネットワークの登録数は、平成22年に開始して以来、470を超え、また、平成26年から開始した見守りサポーター養成講座の修了者は延べ700人を超えており、こうした取組を通じて、見守り体制の充実を図ってきたところでございます。  また、定期的な安否確認や声かけが必要な方に対しては、民生委員による戸別訪問や、地域のボランティアによる高齢者見守り訪問などの担当による見守りを行っております。さらに、地域包括支援センターや行政が困難な課題を抱える高齢者等に対して行う専門的な見守りがございます。地域包括支援センターでは、認知症の診断を受けた場合には、保健福祉の総合相談をはじめ、介護サービスや福祉サービスの利用申請など、多岐にわたり対応しているところでございます。  認知症の診断を受けた全ての方に対する訪問は、一人一人の生活状況や御希望が異なることから、一律に行うものではございませんが、地域包括ケアシステムの理念を踏まえ、適時適切に医療、介護の連携を図りながら、認知症高齢者が安心して在宅生活を継続できるよう、多様な見守り活動に取り組んでまいります。  次に、第4点目、緊急ショートステイの充実についてでございますが、議員御指摘のように、高齢者人口の増加とともに、介護を必要とする高齢者の方も増えていく中で、ヤングケアラーを含め、在宅で介護する御家族などへの支援は喫緊の課題となっております。  本区におきましては、介護者の方の急病、冠婚葬祭、介護疲れなどにより、在宅の要介護高齢者の方が一時的に介護を受けることが困難になった場合で、かつ一般のショートステイが取れない場合に、利用可能な緊急ショートステイを実施しております。これまでは、特別養護老人ホーム東山に1床、民間の介護付有料老人ホームに1床、緊急ショートステイのベッドを確保しておりましたが、民間の1床は昨年度末で終了し、今年度からは新たに特別養護老人ホーム東が丘に1床を設け、区立施設におきまして合計2床で事業を運営しているところでございます。  特別養護老人ホーム東山の実績では、新型コロナウイルス感染症が拡大する前までは9割程度の稼働率でしたが、直近3か年では毎年7割程度の稼働率となっており、一定の余裕がある状況です。また、緊急ショートステイのほかにも、緊急に保護する必要がある方などの受入れに柔軟に対応するため、区立特別養護老人ホームの空きベッドが生じている場合には、確保している2床にかかわらず、空きベッドを積極的に活用して受入れを行っているところでございます。  緊急ショートステイのベッド数を増やすことにつきましては、その分、現行の特別養護老人ホーム及び一般のショートステイのベッド数の減少につながるとともに、区内における特別養護老人ホーム待機者数や稼働率などの状況から、現時点では考えておりません。  次に、第5点目、介護報酬を加算でなく基本報酬として上げるよう国に求めることなどについてでございますが、議員御指摘のとおり、介護職員の方々が、社会に欠くことのできない社会保険制度となった介護保険を日々最前線の現場で献身的に支えてくださっていることは、区としても十分に認識しているところでございます。  その一方で、厚生労働省は、令和4年度における介護職員の平均月収が全産業と比較して7万円ほど低いことを指摘しており、介護職員の待遇改善は喫緊の課題となっているものと考えております。  こうした状況を踏まえ、現在、厚生労働省では、令和6年度の報酬改定に合わせ、介護サービスの公定価格である介護報酬のプラス改定を視野に、検討を行っているとの報道がされております。現在の議論では、金額として月額6,000円程度の賃上げを想定した調整が行われていると聞いておりますので、こうした国の動きを区としても注視してまいります。  少子高齢化の進展により働き手の減少が進む中で、介護人材の確保は、本区だけでなく、全国的な課題となっているところでございます。区といたしましては、従前より、めぐろ福祉しごと相談会の実施や、事業者に対する介護職員用の宿舎借上げ補助、初任者・実務者研修受講費補助等を実施しており、また、令和4年度、5年度は、介護事業者向けに介護サービス事業者原材料価格等高騰対策給付金の支給も実施をし、事業所運営を支援しております。  介護の現場で働いている方々がやりがいや充実感、満足感を有しながら職務に取り組むことができるよう、また、介護事業者における人材の確保・定着・育成が進むよう、今後も様々な対策を積み上げていきたいと考えております。  次に、第6点目、認知症高齢者への対応に関する警察との連携や研修についてでございますが、認知症高齢者が外出したまま自宅に戻れなくなり、行方不明になってしまう状況は、年々増加をしており、警察庁が公表している令和4年の行方不明者に占める認知症または認知症の疑いのある方の割合は全体で22%とされております。年代別では、70代の方は約65%、80歳以上では約78%に達しています。認知症関連の行方不明者数は、この10年間で1.8倍も増加をし、令和4年の統計では、全国で1万8,709人とされております。  区では、こうした状況を踏まえ、認知症サポーター養成講座の修了者や見守り協力事業者、地域包括支援センター職員を中心として、認知症などにより外出先から帰宅できない行方不明高齢者を想定して、地域包括支援センターや警察への連絡・通報を目的とした高齢者見守り訓練を行っているところでございます。訓練の実施に当たりましては、認知症の主な症状や、認知症の方に対応するための講義を行っており、例えば、驚かせない、急がせない、自尊心を傷つけないなど、具体的な対応のポイントを理解し、声かけや対応に生かしています。  この訓練には目黒、碑文谷両警察署の警察官も参加しており、こうした認知症に関する正しい知識と認知症の方への理解について、他の参加者と一緒に講義を受けております。  区といたしましては、今後とも、認知症の方が尊厳を保ちながら、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現に向けて、各種の施策に取り組んでまいります。  以上、お答えとさせていただきます。 ○5番(増茂しのぶ議員)  ありがとうございました。  2番の認知症の世帯の実態把握の全数調査なんですけれども、全数調査というのが実態把握にそぐわない、アンケートなどの調査がそぐわないということは理解いたしました。ただ、町会や民生委員とつながっていない、本当に孤立している方がいらっしゃいますので、そういった方の把握、あとサポートのほうを引き続きお願いいたします。こちらに対しては、御答弁は結構です。  そして、緊急ショートステイに関しまして、空きがない場合、柔軟に受入れを対応しているということで安心いたしました。こちらも御答弁は結構です。  そして、5番目なんですけれども、介護士の賃金引上げについて、こちらは先ほど御答弁にありましたように、国が6,000円相当の賃上げが可能となる事業を考えているとのことです。こういった施策があるのは大変喜ばしいこととは思いますが、介護事業者が書類の作成業務、介護保険に係る様々な加算などの介護報酬として請求する際に、多くの書類提出が求められていることから、書類の作成が日々の業務を圧迫する要因の一つになっています。そういったことから、区民の方が介護保険を利用したいと思っても、サービスの提供者である介護事業者が疲弊している。必要十分な介護サービスが受けられないのではないかと考えます。  そこで質問なんですけれども、区は、介護保険制度における保険者である以上、区内でサービスを提供する事業者側にも適切なサポートを行うことが求められると考えます。先ほどの御答弁にもありましたように、賃上げするという事業、こういった新たな事業に伴う書類の作成業務を区としてサポートしていくべきと考えますが、区の見解を伺います。 ○青木英二区長  今、お話しのように、来年の2月に6,000円ほどの介護職員の皆さんの賃上げがあるというふうに承知をしてございます。2つのステップがあるというふうに聞いています。1つは、来年の2月から当面の間、補助金ということ。それから、それ以後は介護報酬の中で、いわゆる本丸というか、本筋というか、改定で行われるというふうに聞いています。  議員お話しのとおり、書類作成で深夜、徹夜になってしまって、肝腎な介護サービスができないなどというのは、これは全くあってはならないことですし、それは本末転倒だというふうに私も思っています。  私どもは、介護事業者の皆さんから、様々な御要望、御質疑、御依頼等々、介護保険課が中心に受けております。私どもは今日まで、手前みそですけれども、やはり介護事業者の皆さんに寄り添って行ってきているし、また、行わなければいけないというふうに認識してございます。  今回の補助金については、これは当面の間ということで、今、所管に聞くと、暮れに、社会保障審議会で大体いつ頃ということが明確になるというふうに聞いています。補助金については、窓口が、私ども東京でいえば東京都と介護事業者で、直接私どもが関わることではありませんが、逆に、今まで介護保険課に聞いていたことを東京都に聞かなきゃいけないということは、事業者にとってはハードルが高いと思いますので、本来、東京都への対応の書類作成になりますけれども、これは積極的に、私どもは介護事業者からお話があれば、しっかり介護保険課が今まで以上に寄り添ってやっていくということは大事なことだと私は認識してございますし、議場に所管部長もおりますので、改めてしっかりやるように、私からこの場で指示っておかしいんですが、私と部長が認識を共通して、しっかりと当たっていきたいというふうに思っております。  以上です。 ○おのせ康裕議長  増茂しのぶ議員の一般質問を終わります。  次に、11番岸大介議員。  〔岸大介議員登壇〕 ○11番(岸大介議員)  私、岸大介は、自由民主党目黒区議団・区民の会の一員といたしまして、大きく2つの分野にわたって、区政のこれまでの認識、現状、この先の在り方について伺いたいと思います。  まずは、大きな1点目として、区内の小・中学校周りの通学路の交通規制に関して伺います。  令和元年のことでありました。スクールゾーンの通行規制の時間帯を7時45分から8時45分へと、現行の午前5時間授業制に通う学校の通学の時間に合わせて変更した学校エリアがございました。本区ほか、各警察署と組織間の規制をまたいでの改変でありましたから、通学の時間帯と交通規制の時間帯がずれていることを認識しつつも、なかなかに骨を折った事象であったと記憶しております。本来であれば、区民一般の方からは当たり前のことだとお叱りを受けるやもしれませんけれども、関係当局間で調整をし、規制を現状に合わせて行った。そういう意味では、理想の形で達成できたものと認識しております。  この労力という点で、当時言われていたのは、軌道修正の途上、なかなか組織立った正しい道筋があるわけではないとのことでありまして、以来4年という月日がたっておりますから、まず1問目は、教育委員会として、その後の評価、検証、整理をどのようになさったのか伺いたいと思います。  また、当時、まだ調査が終わっていないエリアについては、実態把握に努めるとのことでありましたので、新たに動きのあった箇所における現状も伺っておきたいと思います。  基本的に、道路標識や通行規制というのは所管が警察ですから、本区が直接的に規制するだの、緩和するだのといった決定をするのは難しいのは承知しております。とはいえ、本区内の事象でございますから、これからも警察とは対等に、そして、うまく情報共有ほか、協働していただきたいことであります。  2問目は、区として、通学路の交通安全の対策として、目黒警察、碑文谷警察との連携に関しては、どれほどに密な関係構築をなされ、また、通学の安全を担保なされているのか伺いたいと思います。  次に、大きな2点目の1問目でありますが、学校施設の使用見直しということでは、様々な論点が存在し、令和4年10月決定の貸室のあり方見直しの基本的な考え方の下、整理されていくものと伺っております。  令和7年度開始に向けて、施設利用のルールの変更、設定を計画するに当たっての具体的検討状況、課題整理の進捗を、まずは伺います。  また、学校開放、学校利用に関しては、現在、2種類の利用申請が併用されているものと承知しております。公表されている資料などを見ると、目的外使用と学校開放運営委員会という用語が出てきておりますが、その違いといいますか、使い分け、解釈の仕方が分かりづらい、あるいは地域別の諸事情も含んでいると承知するところです。一般区民にしてみれば、新制度に移行することに対しては、まだ見えないがゆえに不安であるとの声も聞き及んでおります。  2問目としては、利用申請に関して、新制度に移行するに当たっての検討状況を伺っておきたいと思います。  3問目は、令和5年度改定の公の施設使用料の見直し方針(案)では、適切な受益者負担の下、システム導入などで業務の効率化を促進するとのことでありますが、受益者負担の意図する根本的なところを伺っておきたいと思います。  壇上からは以上であります。(拍手)  〔青木英二区長登壇〕 ○青木英二区長  岸議員の2点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。  なお、第1点目の第1問につきましては、教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えをいたします。  まず、第1点目、通学路の交通安全確保と通行規制の取組についての第2問、スクールゾーンをはじめとする通学路の交通安全対策について、目黒・碑文谷警察署との連携に関して、どのような関係を構築し、通学の安全を担保しているかについてでございますが、区では、令和3年5月に改定した第10次目黒区交通安全計画において、子どもを対象とした交通安全対策を重点事項に掲げ、安全で快適な道路環境の整備に取り組んでいるところでございます。  具体的には、通学路の交通安全環境整備として、平成26年10月に策定した目黒区通学路交通安全プログラムに基づき、教育委員会、道路管理者、警察署、学校関係者等が連携して安全点検を行う推進体制を構築し、児童・生徒が安全に通行できる環境の確保に努めております。  道路環境の整備では、通学路における路面標示、歩行者と自転車のストップマーク、路側帯内のカラー舗装等の整備メニューについて、効果的な対策となるよう、警察署と協議を行いながら進めています。  こうした取組のほか、通園・通学路、未就学児が日常的に集団で移動する経路の安全性を高めるため、令和3年7月に通園・通学路等の交通安全対策検討会を設置し、警察署を含めた関係機関が必要な交通安全対策について協議・検討して、安全対策に取り組んでいます。令和4年度は、検討会での検討内容を踏まえ、保育園の多い学芸大学駅周辺及び祐天寺駅周辺地区において、キッズゾーンの路面標示を設置して、車両の運転者に対して注意喚起を行い、保育所等が行う園外活動の安全の確保に努めています。  いずれにいたしましても、スクールゾーンをはじめとする通学路の交通安全対策につきましては、交通管理者である目黒・碑文谷警察署と連携をしながら、継続的に取り組んでいくことが通学の安全の確保につながるものと考えておりますので、引き続き、区民が安全で快適に通行できる道路環境の整備に取り組んでまいりたいと存じます。  次に、第2点目、学校施設の使用見直しの方向性についての第1問、令和7年度開始に向けて、施設利用ルールの変更・設定を計画するに当たり、具体的検討状況、課題整理の進捗についてでございますが、学校施設の使用は、目黒区立学校施設使用条例の定めるところにより、教育上支障がないと認められる範囲で、社会教育、その他の公共の目的のために学校施設の使用を教育委員会が承認するものとしております。  学校施設使用料については、これまで学校団体開放などの社会教育活動について無料としておりましたが、学校施設の更新に伴う周辺施設との複合化により、今後、地域に開かれた空間となっていくこと、さらに、学校施設更新の財政負担に対しても留意していく必要があることなどから、適切な受益者負担を導入することとし、公の施設使用料の見直し方針に掲げたとおり、令和7年度から見直しを行う方向で、現在、検討を進めております。  学校施設の使用に関する見直しの方向性につきましては、令和5年7月に区政再構築等調査特別委員会でお示しをしたところですが、学童保育待機児対策として、校内学童クラブの整備、放課後の子どもたちの居場所としてのランランひろばの拡充などの課題に対応するため、これまでどおりの学校の団体利用は見直す方向で検討しております。  こうした区民団体が平等かつ公平に学校施設を使用できるための新たな規定整備を進めるに当たり、現在、関係所管において、学校職員、地域組織である学校開放運営委員会、利用団体などの御意見を伺いながら、具体的な検討を進めているところでございます。  次に、第2問、複雑な利用申請に関して、新制度に移行するに当たっての検討状況でございますが、学校施設を使用する場合の方法は、現在、直接学校に提出する目的外使用と学校開放運営委員会が利用受付をする団体開放の2つの申請の方法がございます。  目的外使用申請の例として、地域のコミュニティ利用や近隣保育園の運動会といった事業が挙げられますが、その一方で、スポーツ活動団体の御利用も多く含まれており、それらの申請に係る対応事務が学校職員の負担となっております。そのため、今後、令和7年度からの学校施設使用に当たっては、目的外使用による定期的なスポーツ利用を団体開放に移行することで、学校における事務負担を軽減してまいりたいと考えております。  また、利用者自らがスマートフォンやパソコンなどで利用申請の申込みを簡単に行える方法についても、その導入に向けた検討を進めてまいります。こうした利用申請のICT化が利用者の負担になるのではとの危惧を抱かれるかもしれませんが、スマートフォンやパソコンの操作についての講習を実施するなど、利用者に対するフォローも行ってまいりたいと考えております。  次に、第3問、公の施設使用料の見直し方針では、適切な受益者負担の下、システム導入等での業務の効率化を促進するとあるが、その意図するところについてでございますが、現在、学校施設の目的外使用における使用料の徴収については、区役所窓口での現金による収納のみの運用となっております。  令和7年度の見直し後は、原則として、利用者に対する受益者負担を求めていくこととなるに当たっては、利用者の利便性の向上と、区と学校の事務処理の効率化を同時に実現してまいりたいと考えております。具体的には、集会施設や体育施設と同様に、施設予約システムを活用し、施設予約管理と収納管理を一元的に行えるようにすることや、オンラインクレジットカード決済の利用により、スマートフォン等での収納ができるよう、システムの改修を検討してまいります。  なお、システムを御利用になれない環境の利用者に向け、従来の手書き用紙を用いた使用申請書の御利用も可能となるよう検討を指示しております。
     以上、お答えとさせていただきます。  〔関根義孝教育長登壇〕 ○関根義孝教育長  岸議員の第1点目、通学路の交通安全確保と通行規制の取組についての第1問、スクールゾーン規制時間帯変更後の評価・検証・整理とスクールゾーン規制時間帯の実態把握の現状につきましては、教育委員会所管事項でございますので、私からお答え申し上げます。  スクールゾーンを含む通学路の安全確保につきましては、平成26年度以降、継続して危険箇所点検を実施しており、各小学校が把握した危険箇所については、警察署や道路管理者などの関係機関とも連携しながら対応しております。これまでに、スクールゾーン規制時間帯を変更した事例といたしましては、平成30年4月に、40分授業午前5時間制を導入した小学校において、児童の登校時間が早まったことから、学校、保護者、地域と教育委員会が連携して規制時間帯の変更に取り組んだ結果、令和2年12月に東京都公安委員会により変更がなされるに至ったという事例がございます。  この取組と並行して、教育委員会では、全小学校のスクールゾーン規制時間帯と児童の登校時間帯とを再確認の上、最新の通学路情報を盛り込んだ地図を作成し、学校、教育委員会及び目黒、碑文谷両警察署との間で共有するなど、情報の整理と関係機関とのさらなる連携の強化を図っているところでございます。  あわせて、各小学校において、スクールゾーン規制時間帯の変更の必要が生じた場合に備え、警察署への変更手続の流れや書類作成例をマニュアル化して各校に示すとともに、実際の規制時間帯の変更には長い期間を要するため、令和3年度からは、希望する小学校に、当面の安全確保のための人員を配置することとしており、現在、小学校1校に配置されております。  一方で、スクールゾーンに関する課題といたしましては、区民へのさらなる周知や、規制時間帯における交通安全バリケードの設置をはじめとする進入車両への対策について、関係機関との一層の連携強化が必要と捉えております。  教育委員会といたしましては、登下校時の子どもたちを守るため、引き続き、保護者や地域の理解と協力を得ながら、関係機関との連携を深め、スクールゾーンを含む通学路の安全確保に努めてまいります。  以上、お答えとさせていただきます。 ○11番(岸大介議員)  それでは、順次再質問させていただきます。  まず、大きな1点目のほう、区内の通学路の通学時間帯における安全・安心の確保ということでありますが、これには、学校、PTA、近隣住民、そして関係所管が一体となって協力し、時間と労力をかけて守られるものと考えます。  例えば、通行規制に使う水色の「うま」、バリケードの貸出しは、行政サービスの一つではありますが、バリケード一つをとっても、日々の出し入れのオペレーションという観点から考えれば、ただ貸し出せばよいというわけではありません。言うまでもなく、決まった時間に誰かが設置したら、また規制時間が過ぎたら誰かが撤去しなければならない。月曜日から金曜日まで毎日のことであります。  このことに関しては、地域の住民の労力に依存し、協力を仰がなければ成立するものではない。行政からお願いすることは難しいとしても、自発的な有志ボランティアを獲得するためには、何かしら労力を割かなければ、期待できるものではありません。このこと、教育委員会側から認識と、仕掛けや工夫ということがあれば、お考えを伺いたいと思います。  本区からすれば、もう一つ、プロパーの治安維持の仕掛けであるのが、うちのせがれも大好きなんですけれども、青パトであります。行っていることは、区内の巡回サービスということでありまして、活動そのものはシルバーさんなどへの委託ですから、違反などを見つけても、いわゆる切符を切るなどの取締りができるわけではありません。言ってみれば、青いパトロール灯でもっての防犯、違反抑止効果への期待と、監視としての目の役割であります。また、黄色い旗を持って道路で通行の補助を行ってくださるのは、近隣のボランティアさんであったり、町会活動の一つであったりするわけです。  先般、地域から御相談をいただいたこととしては、通行規制がかかっている時間帯に入り込む車両が間々見受けられるということでありました。例えば、それがよその地域から来た一見さんの業者やタクシーが間違って入り込んでしまう一過性のものであれば、一声、「注意してくださいね」で済むことであるのですが、そもそも、これらに関しては、一方通行などの本来の通行規制に加えて、時間帯通行規制が重なると袋小路になってしまう箇所が発生してしまう。つまり、結果としては、ちょっと標示が不親切なケースもある。本来であれば、「この先スクールゾーン、時間帯規制あり」などと、袋小路に入ってしまう手前に表記を示さなければ適切ではない。ここだけで見ると、いまだに整理が終わっていないのかななどと、そういう印象を受けるわけです。  悪質なのは、時間帯規制破りの常習や、開き直ってしまって、一方通行を逆走するケースも見受けられることです。さらにひどいケースでは、バリケードを設置しているにもかかわらず、車から降りてきて、バリケードをどけて、車両を乗り入れてしまう。幹線道路への抜け道ですから、ふだんどおり、いつもどおりに利用したい気持ちは分かりますが、そんな過激なドライバーもいるということであります。  時間帯通行規制破りは、れっきとした交通違反であります。私自身も現場を見たことがありますけれども、違反者に対して、お声がけしようと思ったら、猛スピードで走り去ってしまった。また、「地元民です」などと言って、見たことのない自称地元民のドライバーが、悪びれる様子もなく方便を使う方も、中にはいた。反対に、ボランティアで立ってくださっている若い御父兄の方の義侠心が行き過ぎてしまって、規制を破るドライバーとカメラで動画を録画し合いっこしながらの口論、けんか沙汰になったこともあったと承知しております。  校長先生が、時折、朝の通学時間帯に校門前に立ってくださっている学校もあります。ですが、白いワイシャツ姿の50歳代の男性ですと、あまり目立つものでもありません。まずは、点滅灯をたいた車や、見るからに防犯法規関係者と分かる、目立つ装いの方がいらっしゃるだけで随分違いますから、区としては、青パトを巡回させるだけではなく、特にスクールゾーン規制時間帯に進入する車、車両が多い箇所、事故やトラブルになりかねない危ういホットスポットに、曜日によっては、一定の時間、駐停車などをして、そんな運用をフレキシブルに、あるいは恒常的に期待することはできないものでしょうか、伺います。  また、ルールを常習的に逸脱する車両に対して、本区からでき得る対策について、お考えを伺えればと思います。  次に、学校施設使用の見直しの方向性ということで、お話を伺っているところであります。  学校施設には、グラウンド、体育館、プールはもとより、図書館、図工室、音楽室、家庭科室などが常設されており、その施設面で比べれば、例えば近隣の児童館や住区センターなどと比べても、はるかに充実している。災害時には、指定解除がない限り、地域避難所に指定されていることを鑑みても、施設としてはすぐれている証左であります。また、これは、どこの地方に行っても同様であります。  そこで、御参照いただきたいのは、スポーツ基本法第13条では、公立学校の設置者は、その設置する学校の教育に支障のない限り、当該学校のスポーツ施設を一般のスポーツのための利用に供するよう努めなければならないとあります。  また、学校教育法第137条では、学校教育上支障のない限り、学校には、社会教育に関する施設を附置し、又は学校の施設を社会教育その他公共のために、利用させることができる。  社会教育法第44条では、公立学校の管理機関は、学校教育上支障がないと認める限り、その管理する学校の施設を社会教育のために利用に供するように努めなければならないとあります。  条文は文科省の関係法令群から引用しましたから、現場にどのように落とし込まれているか分かりかねるのですが、区有施設たる学校という意味合いからすれば、スポーツ振興や教育の観点だけで議論される性質のものではないのかなと思うわけです。  これまで、学校施設に関しては、ある意味、手出しをしてはいけない、どこか踏み込みにくいように私は感じておりました。ですが、施設の面で充実した建物をもっと地域コミュニティのために使えるような方向に考え方を発展させられないだろうか。もし学校施設そのものが地域住民や高齢者さえも使うことのできる学習やスポーツ、文化的交流の場となり得るのであれば、学校そのものが地域社会を大きく変える可能性を含む仕掛けになるのではないかと思うわけです。  区の資産でもある学校施設という箱を使って、子どもが使ってない、教育活動が稼働してない時間、今現在は無人状態のスペースを何かしら活用するという試み、資産稼働率を上げるという視点は、今後ますます必要な視点になってくると私は思います。  質問のほうでありますけれども、各地域の実情を配慮しながらも、学校施設そのものが区の公共財産として利用の可能性を広げていくことができないものか伺います。  また、区有施設の見直しの観点から、学校改築時には、周辺施設との複合化を図る方針で取り組んでいると思いますから、改めて伺いますが、学校施設の建て替えということが既に始まりつつある中で、なおさら、地域の中核施設として学校施設を効果的に活用することが肝要と思いますが、いかがでしょうか。  学校が教育の場である以上、様々な課題があるとは思いますが、既成概念にとらわれない、可能性の場を提供することだって、潜在的に検討するべき事柄であると私は思いますが、いかがでしょうか。これは最後に伺います。  先ほど、誤解を生じたかもしれませんけれども、青パトは、シルバーも含めて、委託でありました。訂正いたします。 ○おのせ康裕議長  よろしいですか。 ○11番(岸大介議員)  すみません。以上です。 ○青木英二区長  それでは、青パトの恒常的な見守り、フレキシブルという、全くそのとおりだと思います。  全くそのとおりですが、幾つかやっぱり隘路があって、今、私どもは2台でやっています。7時~8時半じゃないと、常駐してても意味がない。お子さんたちが学校に行ってないとき、やっててもしようがない。今、2台は同じ時間帯ぐるぐると巡回をしています。今、非常にいいことで、もしやるとすると、今、3日に1回ぐらいしか、2台の青パトですから、行けない。そうすると、フレキシブルということでいくと、1台をそこに常駐するとすると、1台だけで回るということになると、相当、3日に1回が6日に1回ぐらいになっていく。  いや、区長、そんなこと言わないで、もっと経費を入れろと。今、大体5,000万円ぐらいです。これを10台、今の2台から例えば増やしていけば、どんどん経費をかけていけばいいというのは言えることです。ですから、どんどん経費を入れて台数を増やせと。20台、30台入れていけというと、議論は全くそのとおりですが、全体のコストも含めて議論すると、なかなか今のスキームでいくと、相当台数を増やさないと、常駐して、なおかつ3日なりのインターバルで青パトを回すのは難しいかなという感じは率直にしています。  子どもの安全・安心はお金に代えられないわけですので、今、ここで少し議論、検討はさせていただきたいと思います。今の状況でいくと、試算すると、そういった状況を踏まえながら検討するという状況はあるかなと思いますので、今日、宿題としてお預かりをしたいというふうに思います。  それから、学校については、これはもう全く議員おっしゃるとおりで、学校というのは地域のコミュニティの中核だと思います。だからこそ、目黒の住区住民会議の範囲というのは、学校の学区域、校区と合わせて設定がされているということを見ても、学校は地域のコミュニティだということは、もう言うをまたないというふうに思います。  そういうこともあって、私ども、今回、例えば向原小学校も住区の会議室であったり、老人いこいの家であったり、児童館・学童クラブ等と併設をしていく。それは、やっぱり地域のコミュニティの延長線上にあるという議論だと認識を私はしています。  もう一つ、一方、今、幾つか法令を読み上げられておりましたけれども、全て議員の発言から出ていたのは、学校教育に支障を来さない範囲というのは、全ての法律に入っています。  まさに、そこもまた大事で、やはり学校施設ですから、お子さんたちがそこで安心して安全に日々学習をするという、それは教育に支障のないということだと思いますので、そういった視点もしっかり踏まえながら、学校というのは地域のコミュニティの中核だということを、念頭におきながら、私どもはこれから向原小学校を皮切りに、24校の更新に当たっていきたいというふうに思います。  私からは以上です。 ○関根義孝教育長  では、私のほうは、スクールゾーンの入り口付近に置かれる交通安全バリケードに係るお尋ねです。  議員のお話にもありましたけれども、私どもは通称「うま」などと呼んでいる物なんですけれども、これは区の都市整備部から各小学校が借り受けて活用しているものです。そして、このバリケードの設置ですとか、片づけ、保管、さらに周辺の見守り活動は、保護者や地域の方々に本当に多大なる御理解と御協力をいただいて、子どもたちの安全・安心を守っていただいています。このことについては、改めてこの場で感謝を申し上げたいと思います。  ただ、そのような中で、地域の方の高齢化であったりとか、保護者の方々が多忙であったりとかで、小学校によっては、現状の形に今後も頼り続けていくというのは難しい状況にあるという認識は持っております。そして、このことは目黒区に限らず、全国的な課題でございまして、国、文部科学省でも、学校を核とした地域力強化プランというものを打ち出しておりまして、その中で、例えば防犯の知識を備えたスクールガード・リーダーですとか、交通安全ボランティアたるスクールガードの育成支援、活動支援といった取組が示されております。  教育委員会といたしましては、このような国の仕組みも活用しながら、この課題解決を図っていく、そのような時期に目黒区も来ているものと、そのような認識でおりますので、今後、具体の検討を進めていきたいと思います。  以上です。 ○おのせ康裕議長  岸大介議員の一般質問を終わります。  議事の都合により、暫時休憩いたします。    〇午後3時14分休憩    〇午後3時25分開議 ○おのせ康裕議長  休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、23番竹村ゆうい議員。  〔竹村ゆうい議員登壇〕 ○23番(竹村ゆうい議員)  私、竹村ゆういは、めぐろの未来をつくる会の一員として質問いたします。  子どもの権利の大切さを伝える取組について。  来年2024年は、日本が子どもの権利条約に批准してから30年という節目の年です。  子どもの権利条約とは、子どもの最善の利益を考慮して、子どもの権利があらゆる場面で実現されることを求めた条約です。子どもは保護の対象ではなく、権利の主体として認められています。大人が勝手に子どもにいいことを決めつけそれを押しつけることはできません。大人は、子どもとの発達段階に応じたコミュニケーションを通じて、子どもの最善の利益を実現していかなくてはなりません。また、権利条約では、子どもに意見表明権を保障しています。これは、子どもが自分に関係する全ての事柄について、自分の意見を表明し、その意見が十分に聞かれる権利を認めたものです。大人は、子どもの意見を聞く機会を設けなければなりません。  権利条約43条によって設置された独立機関、国連子どもの権利委員会があり、この委員会の審査のために、締約国は5年ごとに、子どもの権利実現義務の進捗状況を国連に報告することが求められています。  2019年2月、国連子どもの権利委員会は、日本が子どもの権利条約を守れていないことを指摘し、条約実現に向けた幾つかの課題を勧告しています。差別の禁止、子どもの意見の尊重、体罰、家庭環境を奪われた子ども、性と生殖に関する健康及び精神保健、少年司法については、緊急に対応すべき課題として指摘されています。離婚後の親子関係を規制する法律を改正し、子どもの最善の利益となる場合に、子どもの共同親権を認めることとの勧告もされています。  日本に対するこれらの国連子どもの権利委員会からの勧告がされる前段として、2018年に日本の子どもたちによる国連でのスピーチがありました。その子どもたちの1人から許可をいただいたので、スピーチの内容を一部御紹介いたします。  私の両親は、私が5歳のときに離婚しました。そのとき母親は、家族で暮らしていた私の家から母親の実家に私を連れ去りました。私はすぐに自分の生まれた家に、父の元に戻れるものだと思っていましたが、いつまでたっても私は家に帰れませんでした。父に会えない私は、父が生きているのか心配になるとともに、私は家に二度と帰れないのではないかと不安になりました。そして私は夜驚症にかかり、円形脱毛症となり、ボーっとすることが多くなりました。これは、今普通に考えると、誘拐ではないでしょうか。私は母親に誘拐されたのです。  裁判所は、何ら親権喪失事由のない父より親権を剥奪し、私を誘拐した母親に親権を与えました。さらに裁判所は、私が父に会う機会を制限しました。私と会うために面会交流を申し立てた父に対して、母親の認める範囲内でしか面会交流ができないような条件を認めたのです。こうして私は、父に自由に会えない、不安な年月を送ることになるのです。  父は私には何も悪いことをしていない。私には父との交流を制限されなければならない理由は何もない。そして日々、私に寂しい思いをさせ続けた母親を疎ましく感じ始め、父との生活に思いをはせるようになりました。  10歳になって行動力を身につけた私は、父の元に帰る決意をしました。その準備を整えた私は、11歳の誕生日を迎え、母親の元から逃げ出し、父の元に帰宅しました。私の生活に一気に色彩が蘇りました。しかし、親権がないという父の身分を理由に、私は様々な差別を受け、権利を制限されることになりました。私が父と住み始めると、父は裁判所に親権者変更の申立てをしました。次いで母親は、私を引き渡すよう申立てをしました。すると裁判所は、父の親権者変更を後回しにして、母親の引渡しの審判を先に進めたのです。その審判で父は、私が自由に自己の意見を表明する機会を設定することを訴えました。しかし、裁判所が私の意見を表明する機会を認めることはありませんでした。  結局、父の申し立てた親権者変更は審理されることのないまま、私の意見を表明する機会もなく、母親の引渡し請求が容認されました。父が私を連れ去ったわけでもないのに、父に私を引き渡せなんておかしいと思いました。私が自ら父との暮らしを求め、自分の家に戻ってきたのです。それなのに、私の意見を表明する機会も持たずに私を引き渡せとは、これでは私はまるで親の所有物扱いです。  それでも私は、母親の元へなんか戻りませんでした。父も、嫌がる私を無理に母親に引き渡すことはしませんでした。  すると今度は、母親の弁護士から、私を強制的に連行するとの文書が届きました。またしても私の意思は無視です。そのときの恐怖はすさまじいものでした。今度、母親に連れ戻されたら、私は二度と今の幸せな生活ができなくなることは明らかでしたから。  私が父の元に帰宅すると、父はまず、私が学校に通う手続をしました。しかし、父に親権がないことを理由に、それは認められませんでした。だからしばらくの間は、父が仕事を休み、私の勉強を見ました。その後、学校で授業を受けることは認められましたが、入学は認められないままでした。体験入学として扱われました。そのため、みんながもらう教科書はもらえませんでした。私は先生から教科書を借りて授業を受けることになりました。授業を受け、テストも受けましたが、成績表はもらえませんでした。体験入学だから、ほかの子と同じにしないとのことでした。教科書ももらえない、成績表ももらえないでは不公平だと言うと、親権のある母親の元に行けば学校にも入れるし、成績表も教科書ももらえる。教科書や成績表が欲しければ、母親の元に戻ればいいと行政は答えました。  私にとっては、親権のない父と暮らすことを選んだ罰として、ほかの子どもと同じように学校に入学する権利も、教科書をもらう権利も、成績表をもらう権利も剥奪すると言われたに等しいものです。また、親権者の母親が拒んでいるとの理由で、住民登録もしてもらえません。子どもがいる家庭に支給される手当ももらえません。誰もが私がここにいることを知っているのに。  こんな状況が父に親権が認められまでの1年以上続きました。この間、私自身は何も変わっていないのに、父親が親権者になった途端に全てが変わりました。学校にも入学でき、教科書も支給され、成績表ももらえました。住民登録もされ、手当ももらえるようになった。私は、親権がないという父親の身分によって、このような差別をされるとは夢にも思いませんでした。ふだん接する周りの人たちは誰もが、父親が親権者か否かに関係なく、私を平等に扱ってくれました。しかし、司法と行政、そして母親は、私の1人の人間としての権利をことごとく侵害し、差別しました。私の生活に影響を与える重大な事項に対して、何一つ私に意見の表明の機会を与えず、問答無用で物事を決めていったのです。親の身分にかかわらず、子どもの権利がしっかりと守られる社会となることを熱望します。  以上、スピーチを抜粋したものをお伝えいたしました。この事例は、意見表明権が守られず、家族から分離されない権利が侵害され、さらには育つ権利、教育を受ける権利すら侵害されてしまった子どもが、自らの境遇と思いを自らの言葉で表明したことで国連勧告を引き出し、日本という国を動かすきっかけの一因となった事実を我々は重く受け止めなければならないと思っています。  子どもの権利条約には4つの一般原則があります。2条の差別の禁止、子どもたちはあらゆる差別から守らなければなりません。3条の子どもの最善の利益、子どもたちは国や社会、大人から、子どもにとって何が一番いいことなのか考えてもらう権利があります。6条の生命・生存・発達の権利、全ての子どもたちの命は守られるべきであり、心と体の成長に必要な教育や医療を受ける権利があります。12条の聞かれる権利(意見表明権)、子どもたちは自分に関係する全ての事柄について、自分の意見を表明し、その意見が十分に聞かれる権利を持っています。全ての子どもたちは、大人と同じように権利を持っています。子どもの権利を守ることは、大人の責任と義務です。  日本が1994年に権利条約に批准して以降、2001年に川崎市で初めて川崎市子どもの権利に関する条例が施行され、2005年には目黒区子ども条例が施行されています。条例や啓発チラシ等の中では、子どもの権利を尊重することの重要性は説かれていますが、守るべき大人と守られるべき子どもの双方が子どもの権利への認識がないこと、弱いことによって子どもの権利が侵害されるという事案が日本各地で起こってしまっています。子ども条例をうたっている目黒区だからこそ、子どもの権利を守っていく立場の大人に対して、そして権利の主体である子どもに対しても、子どもの権利の大切さを伝える取組、子どもの権利を守るためにどういったことが必要なのかを認識させるための取組をさらに進めていくべきと考えます。  また、権利条約42条には、締約国の責務として、条約の原則及び規定を成人及び児童のいずれにも広く知らせる、条約の広報の責務が語られています。締約国の条約広報の責務という観点からも、以下2点質問します。  1点目、大人向け子どもの権利勉強会や講座等の開催について伺います。  2点目、子ども向け子どもの権利学習プログラムの区立小・中学校での実施について伺います。  続きまして、建て替えにより取り壊される区立学校の校舎の思い出づくり支援について。  目黒区学校施設更新計画の中で、2021年から2030年までの10年間を第1期として、毎年1校ずつ着手する形で、順次9校の建て替えが進められる予定となっています。今年度は向原小学校での建て替えが始まっており、既にプールの解体工事が完了。  その向原小学校の建て替えの始まりに際し、同校卒業生のダンスアーティストの企画により、旧校舎の思い出を残すダンスムービーが撮影されています。  建て替え工事は長期にわたるため、通い慣れた校舎で卒業式を迎えられない子どもたちも少なくありません。その校舎建て替えという貴重な機会を、在校生や卒業生が地域の方々と関わりながら、一緒に楽しい思い出づくりをしていくイベントに昇華すべきと考えます。  向原小学校のダンスムービーの企画のように、学校関係者、卒業生、町会、住区住民会議、地域住民といった学校にゆかりのある方々が主体となり、校舎の思い出を残す取組が進められるのが最も望ましいと思いますが、そこに、目黒区にある様々な資源を旧校舎の思い出づくりメニューとして提案、マッチングできるような支援策を創出するように求めたい。  建て替えにより取り壊される区立学校の校舎の思い出づくり支援について、見解を伺います。  以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)  〔青木英二区長登壇〕 ○青木英二区長  竹村議員の2点にわたる質問に順次お答え申し上げます。  第1点目の第2問及び第2点目は、教育委員会所管事項ですので、教育長からお答えを申し上げます。  第1点目、子どもの権利の大切さを伝える取組についての第1問、大人向け子どもの権利勉強会や講座等の開催についてでございますが、子どもの権利を尊重することは、区の基本構想にも掲げているとおり、政策運営における根底をなすべき姿勢と捉えております。  区は平成17年12月に、全国では5番目、特別区においては世田谷区に次いで2番目に、目黒区子ども条例を制定し、非常に早い段階から子どもの人権を第一に考え、子育ち子育てのための施策を推進してまいりました。目黒区子ども条例では、子どもの権利を尊重することが未来を担う子どもの生きる力を育み、子どもと大人が共につくる豊かな地域社会の形成につながるという考えの下、子どもの権利に関する条約における4つの柱、生きる権利、守られる権利、参加する権利、育つ権利に沿って、子どもの権利を規定しています。  また、第4条では、大人の役割として、子どもの権利を尊重し、子どもが自ら学んで成長していけるよう、区や保護者などに対して支援していくよう求めています。さらに第16条では、子どもの権利侵害について、子どもやその関係者からの相談や救済の申立てを適切かつ迅速に処理するために、目黒区子どもの権利擁護委員の設置が定められています。  条例に基づき区は、「めぐろ はあと ねっと」を開設し、権利擁護委員や相談員が子ども本人や保護者の方々などから様々なお話を伺いながら、日々、解決に向けた支援の取組を行っております。区は、子どもにとっての最善の利益は何かを考え、まちづくりを進めているところですが、一方で、大人が子どもの人権を尊重しない、また、子どもの面前での夫婦げんかや子ども自身への暴力行為による児童虐待事件の発生など、子どもに対する人権侵害が起きているということも事実でございます。  目黒区では毎年11月、国の児童虐待防止月間に合わせて、目黒区子ども条例の周知啓発に向けた取組を実施しております。総合庁舎でのパネル展示、啓発カレンダーの配布等を通して、子どもの人権を尊重することの大切さについて周知啓発に努めているところでございます。  また、児童虐待防止の観点から、区民の方を対象とした講演会等も実施しており、11月10日に、子どもの気持ちに寄り添う子育てというテーマで行われた講演会では、60名近くの方が講師の話に対して熱心に耳を傾けていたということも聞いております。  そのほか、離婚を検討されている方々を対象に、子どものメンタルケア、離婚後の養育費や面会交流など、子どもの権利・生活を守ることを目的とした講座を開催するなど、子どもの権利の大切さを踏まえた事業を進めているところでございます。  いずれにいたしましても、子どもの権利が尊重され、子どもたちが安心して健やかな成長につながる地域社会の実現こそが心地よいまちの実現につながるものと考えております。これからも、子どもの人権を尊重することの大切さについて、大人だけでなく、当事者である子どもたちも含めて、周知啓発に努めてまいりたいと存じます。  以上、お答えとさせていただきます。  〔関根義孝教育長登壇〕
    ○関根義孝教育長  竹村議員の第1点目の第2問及び第2点目につきましては、教育委員会所管事項でございますので、私から順次お答え申し上げます。  まず、第1点目、子どもの権利の大切さを伝える取組についての第2問、子ども向け子どもの権利学習プログラムの区立小・中学校での実施についてでございますが、子どもは、一人一人がかけがえのない存在であり、個人として尊重され、自らの意思で生き生きと成長していくことが大切にされなければならないものであると認識しております。  子どもの権利条約を踏まえて、平成17年12月に施行した目黒区子ども条例にも示されておりますように、権利の主体である子どもたちが自身の権利について学ぶ機会をつくることは重要であり、各学校では、発達段階に応じた指導を行っております。  具体的な取組といたしましては、道徳科では、生活する上で必要な約束や決まり事や法の意義を理解し、それらを守る中で自他の権利を尊重し、互いに義務を果たすことの大切さを取り上げて、よりよく生きるための基盤となる態度を養っております。また社会科では、基本的人権や子どもの権利条約、目黒区子ども条例制定の背景等に触れることを通して、子どもを含めた誰もが生まれながらにして持つ基本的な権利についての理解を深めているところでございます。  また、教科等の学習場面以外では、例えば、毎年度実施している中学校区ごとのいじめ問題を考えるめぐろ子ども会議や、各校の校則について見直す取組においては、子どもたちが主体的に関わり、自らの考えを述べることができるよう運営上の配慮をするなど、子どもたちが権利について具体的に考え、学ぶことができる教育活動を推進しております。  こういった取組をより効果的なものとするためには、子どもと関わる大人たちも、子どもたちの権利に関する理念を共有していることが重要であることから、教育委員会では、青少年委員会地域育成者フォーラムなどの場を捉えて、目黒区子ども条例に係る講演やパネルディスカッションを実施するなど、子どもの権利についての普及啓発活動を行っております。  さらに、区立学校・園に勤務する教職員を対象とした、様々な教育課題に係る研修の中でも目黒区子ども条例を取り上げることにより、子どもの権利を常に念頭に置きながら、児童・生徒への支援や指導を行うことができるよう取り組んでおります。  教育委員会といたしましては、これまでも、子どもの権利に係る様々な取組を重層的に実施してきたところでございますが、改めて、子どもの視点に立って策定された現行の学習指導要領や生徒指導提要に基づき教育活動を進めていくとともに、各校においては、道徳授業地区公開講座などを通して、児童・生徒、教員、保護者、地域の方々が共に子どもの権利の大切さを学ぶことができる機会を設け、幅広い層への理解啓発につなげてまいります。  次に、第2点目、建て替えにより取り壊される区立学校の校舎の思い出づくり支援についてでございますが、教育委員会では、令和3年3月に目黒区学校施設更新計画を策定し、老朽化した学校施設の計画的な更新に取り組んでいるところでございます。  学校施設更新の1校目である向原小学校では、本年7月から工事に着手し、現在、プールの解体作業が完了しております。12月からは仮設校舎の建設が始まり、来年の夏以降から旧校舎の解体、新校舎の建設へと続いてまいります。  また、来年度から鷹番小学校の建て替えにも着手していく予定であり、地域と一体となった取組となるよう、現在準備を進めているところでございます。  さらに、令和7年度には第七中学校、第九中学校の統合新校、及び第八中学校、第十一中学校の統合新校をそれぞれ開校する予定としており、これに合わせて、現在の第九中学校と第十一中学校の校舎を建て替えてまいります。  学校の校舎は、それぞれの児童・生徒の学校生活を様々な場面で守り、支えてまいりました。そこで過ごした思い出は、在校生はもとより、多くの卒業生の心に深く刻まれ、その後の人生の糧となっていることと存じます。そのような思い出に包まれた校舎も、いつかは老朽化が進み、建て替えの時期が参ります。校舎が取り壊される前に、思い出として何らかの形に残したいという気持ちを抱くことは自然なことであり、その気持ちは大切にしなければならないものと考えております。  本年、向原小学校では、1人の卒業生によって、ダンスムービーの作成が企画されました。作成に当たっては、在校生の中から希望者を集い、校内の様々な場所を舞台としてダンスを繰り広げ、それを映像作品として残すという試みです。校舎で過ごす生き生きとした子どもたちの姿を象徴するダンス映像とともに、皆が過ごした校舎の姿が永遠のものとして伝えられていくに違いありません。  この向原小学校における思い出づくりの取組を様々な形で他の学校へと広げていくことは、教育委員会としても望ましいことと捉えており、これに在校生や卒業生、地域が手を携えて取り組むことは、地域に根差した学校づくりを体現するものとして価値のあることと認識しております。  他の自治体においては、取り壊す校舎の壁や床に自由に絵やメッセージを描き、それを写真に残すといったイベントや、卒業生や地域の方々が小学校時代の記憶をたどりながら校舎を巡る見学会が行われたという事例があり、いずれも、役目を終えた校舎への感謝の思いと、新しい校舎への期待を共有する機会になったと聞いております。  教育委員会といたしましては、今後、具体的な取組に当たって、児童・生徒や教職員に過度な負担がかからないよう、十分に配慮する必要がございますが、子どもたちや地域の間に、学校に託す未来への思いがさらに醸成されるよう、これらの思い出づくりの取組に対して支援していくことは、十分に意味のあることと考えております。  以上、お答えとさせていただきます。 ○23番(竹村ゆうい議員)  御答弁ありがとうございます。  まず、建て替えになる校舎の思い出づくり支援のほうです。  校名が挙がった鷹番小学校、私の母校であり、私の息子も入学を控えているところなんですが、答弁の中で、皆が過ごした校舎の姿が永遠のものとして伝えられていくに違いないですとか、子どもたちや地域の間に学校に託す未来への思いが醸成されるよう、思い出づくりの取組の支援は十分意味のあることであるといったものがあったかと思います。そこに教育委員会、そして教育長の姿勢が、単に子どもたちへの教育充実だけにとどまらず、地域の教育力の充実まで見据えたものである、大変重要な答弁をいただいたなと受け止めております。ありがとうございます。今後ますます学校と地域の連携協働を加速させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  再質問、1点目のみです。日本の子どもたちの声を受け止めて、国連子どもの権利委員会は日本に対して、緊急に対応すべき課題の1つとして、子どもの意見の尊重を求めています。先ほどもお伝えしておりますが。子どもが意見を聞かれる権利を実現するための環境づくりをしなさいというふうに勧告しているわけですが、子どもたち自身が子どもの権利について知らないだけでなく、大人でさえも子どもの権利に関して認識が弱過ぎるがゆえに、子どもの権利、そして子どもの意見の尊重が考慮されていない風土が根強くあるのが日本なのかなというふうに個人的には思っています。  国内でもいち早く目黒区子ども条例をつくった目黒区として、学校や家庭、医療や介護の場面、地域コミュニティにおいてなど、子どもに関わるあらゆる問題に全ての子どもが自分の意思をしっかりと表現できるように、さらなる意識啓発をしていただきたいと思っております。  私が描いている理想イメージとしては、子どもの権利について学校でも学びました、地域のイベントなどで子どもの権利について何かやっていた、またお父さんお母さんから子どもの権利について話をされたとか、子どもの権利について逆に親が子どもから尋ねられたとか、駅や町なかで子どもの権利のポスターが貼ってあったといった具合に、子どもの権利に触れる機会が幾つも幾つもあるのが望ましいと考えています。様々な場所での常時啓発という点では選挙啓発というものがあるかと思いますが、明るい選挙推進として区内の各種イベント、お祭りなどに啓発ブースが出ているかと思います。区内学校向けに出前授業もやっているかと思います。それと一緒に子どもの権利の啓発をするとか、それらと同等のことを実施して、子どもの権利の周知啓発を図ってもいいのではないか、そんなイメージを膨らませているところです。  質問としましては、子どもも大人も、子どもの権利について考える機会が増え、理解を深められるような環境を目黒区の中でたくさん創出していただきたいと考えますが、再度お伺いします。 ○青木英二区長  2つあろうかと思います。  まず、お子さんが自らの発言を、言える社会、環境、目黒区ということがあろうかと思います。もう一方は、そういったお子さんたちの発言に耳を傾けていく環境、社会、目黒区ということが大事だというふうに思います。  そういう点では、子ども条例をいち早くつくった目黒区として、そういったことを1歩2歩、しっかりやっていくということが大事な課題です。そういったことを進めていく啓発については、今、るる議員から御提案がありました。いろんな機会を通じて、しっかりと私どもとして取り組んでいく必要があり、先ほど読み上げられたお子さんが最後のお子さんになるように、目黒区として努力をしていくということかなというふうに今率直に感じているところでございます。  以上です。 ○おのせ康裕議長  竹村ゆうい議員の一般質問を終わります。  次に、36番関けんいち議員。  〔関けんいち議員登壇〕 ○36番(関けんいち議員)  私は、公明党目黒区議団の一員として、質問通告に基づき、大きく2点にわたる質問を順次行います。明快なる御答弁をよろしくお願いいたします。  それでは、大きな質問の第1点目、デジタルディバイド対策について伺います。  私たちの生活の中で、国内でスマートフォンの世帯保有率が、総務省の調べでは、2019年より80%を超え、直近の2022年は90.1%になっています。所有されている方は多いと感じますが、使いこなしているのかといえば、御高齢になるにつれ、そうでもないとの返事をよく耳にします。  人口減少社会や生産年齢人口の減少を迎えるに当たり、将来を見据えた生産性向上や業務効率化、手続の簡素化、人手不足の解消等で、DXに取り組むことは大事だと思います。ただし、それに伴うデジタルディバイドへの対策については、常に気に留めていただきたいと考えます。  例えば、デジタル商品券の購入がデジタルだけと聞いただけで、申請の仕方が分からないから購入しないなど、初めから投げ出している人が私の周囲には多くいるのを散見します。こうした状況を踏まえ、丁寧にデジタルの苦手感を払拭する対策が必要だと考え、以下質問いたします。  1、区民に対するデジタルによる申請書等の作成を考えるに当たり、初めに竹の子クラブ(旧老人クラブ)の方から扱いに対する正直な声を聞いてから簡素化する要素を検討し、再度、竹の子クラブに確認しながら仕上げていけば、最適なものができると考えますが、所見を伺います。  2、分からない人に優しく教え、見守りもしてくれるデジタル推進員を各地区サービス事務所に1名駐在させ、デジタルで分からないことがあった場合、出向いて行き、すぐにやり方を教えてあげたり、電話連絡においても、時間調整の上、教えに行く体制が組めれば、DXの取扱いが次第に地域に定着してくるのではないかと考えますが、所見を伺います。  続きまして、大きな質問の第2点目、住宅確保要配慮者への入居の促進について伺います。  民間賃貸住宅の入居につきましては、住宅課で民間賃貸住宅の情報提供事業を行っておりますが、令和4年度に紹介ができたのは16件、うち契約に結びついたのは2件で、成約率は12.5%になっています。コロナ前の平成24年度~28年度の通算5年間にわたる情報提供件数は156件、そのうちの31件が契約を結ばれ、成約率が19.8%と、直近の令和4年度よりも成果を出していました。  一方、福祉総合課で受け付ける住まいの相談件数は134件にも上り、入居先を増やさないままだと困った状況が続きます。  目黒区は、区営住宅595戸、高齢者福祉住宅232戸で、空きが生じても、年間の入居可能戸数に限りがあります。ある不動産会社のホームページを閲覧すると、民間賃貸物件の目黒区内件数が4万4,253室、これは11月8日時点ですが、ありました。その中から協力してくれる賃貸人を見つけることのほうが目黒区として取り組むべき最善策だと考えます。  東京都が行う、東京ささエール住宅の取組で、家賃補助等をインセンティブに掲げ、入居にお困りの賃貸人に対しアプローチしていくことが困難を突破する鍵になるのではないかと率直に考えております。  かつての予算総括質疑の場で私から、居住支援に関して福祉部局と住宅部局が協力して対応に努めるよう求める質問をした際、当時の都市整備部長からは、車の両輪で、どちらかのタイヤが1個止まってしまうと、ぐるっと回って元へ戻ってしまうので、バランスよく前に進んでいきたいとの答弁をいただいており、不動産関係団体との関係が深い住宅部局の考えを伺いたく、以下質問いたします。  1、入居にお困りの方が区内で増えてきています。不動産関係団体と協力関係にある住宅課の強みを発揮して、不動産関係団体との協力を取りつけ、民間賃貸人に対し居住支援制度の説明をするなど働きかけを推進することについて取り組むべきではないかと考えていますが、所見を伺います。  2、品川区では、住宅確保要配慮者入居促進事業が令和3年11月末から事業が開始されました。この事業は、住宅確保要配慮者に民間賃貸住宅のあっせんを行い、入居に至った場合には、賃貸人と不動産事業者に対して6万円ずつ支給される内容です。事業当初から令和4年6月末の7か月間の進捗が、登録不動産事業者数61社、あっせんが108名、契約に結びついたのが54件と、実に50%の成約率と聞いております。  こうした状況を踏まえて、住宅課のほうで不動産関係団体と連携し、入居にお困りの方への対策として、賃貸人に対しアプローチを図るべきと考えますが、所見を伺います。  以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)  〔青木英二区長登壇〕 ○青木英二区長  関議員の2点にわたる御質問に順次お答えを申し上げます。  まず、第1点目、デジタルディバイド対策についての第1問、デジタルによる申請書等の作成に当たり、竹の子クラブの方の声を聞いて進めれば最適なものができると考えるが、所見を伺うについてでございますが、議員御指摘のとおり、今後、区政全般にわたってDXを進めていくことは重要である一方、デジタルディバイド対策に常に留意をし、取組を進めていくことも非常に重要であると考えております。  目黒区DXビジョンにおいても、目指す姿の一つに、誰一人取り残されない、みんなが暮らしやすい目黒区になることを掲げ、デジタルディバイド対策に関する具体的な施策を進めています。  こうした観点から、御質問にございますとおり、竹の子クラブの方から行政手続のデジタル化に当たっての声をお聞きするというのは、有効な選択肢の一つになり得るものと考えております。ただし、どういう場面でどのように声をお聞きするかということについては慎重な検討が必要であると考えております。  行政手続のデジタル化のプロセスには、システムを導入する場面、導入したシステムを運用する場面、運用しながらよりよいものに見直していく場面など、様々な場面がございます。例えばシステムを導入する場面において、利用者の声を聞きながら取組を進めていくこととした場合、かつてはゼロからシステムをつくり上げていく手法が主流でしたが、現在は、パッケージと呼ばれる、一般的に多くの方が利用しやすいと考えられる製品を事業者が作り、それを購入するという手法が主流となっております。こうしたデジタル化をめぐる環境の変化もあり、導入を行う場面で利用者の声を聞きながら独自のシステムをつくり上げていくことは容易ではありません。  御質問の趣旨は、デジタル化の操作が高齢者にとって分かりやすく、簡単に利用できるようになることがDXを進めていく重要な要素になるとのことであると理解しております。DXの取組に当たっては、高齢の方などのデジタルに対する苦手感を払拭する取組に力を入れていくことが不可欠であるとの認識を持ち、必要に応じて利用者の声を伺い、寄り添いながら様々な手法を検討し、進めてまいります。  次に、第2問、デジタル推進員を駐在させることによりDXが地域に定着してくると考えるが、所見を伺うについてでございますが、区ではこれまで、デジタルディバイド対策として、スマートフォン教室や相談会、スマートフォンを活用した体験型のイベントなどに取り組んでまいりました。こうした取組には、定員を超える多くの方の応募をいただいており、デジタルディバイド対策に対する区民ニーズの高さを実感しております。  本年11月8日の日本経済新聞夕刊では、本区の行った高齢者向けのスマートフォン相談会が記事となり、相談者が途切れることなく訪れたとの様子が紹介されました。また10月10日には、イッツコムのニュース番組で本区の行った、60歳以上を対象としたスマートフォンを使ったウオーキング講座の様子が放映されるなど、様々なメディアで本区のデジタルディバイド対策の取組を紹介いただいております。  御質問のデジタル推進員は、高齢者などが気軽にデジタルに関する質問ができるような施策を行うことが重要であるとの御指摘であると理解しております。この点、まさに御指摘のとおりであり、スマートフォンの教室、相談会、イベントなどのように、あらかじめ日時が決められた中で実施される事業に参加するだけでなく、聞きたいときに気軽に聞くことができるという施策を希望される方がいらっしゃることは認識しております。  区の対応といたしましては、今年度から、日々高齢者と接している方や高齢者にスマートフォンの使い方を教える意欲のある方を対象とした、スマートフォン相談員の育成講座を開始しております。まだ開始したばかりの取組でございますので、様々な課題の洗い出しなどを行いながら、内容をブラッシュアップしつつ、取組を進めてまいります。  なお、デジタル推進員を各地区サービス事務所に駐在させるという手法については、選択肢の一つではありますが、人選や経費の面で検討するべき点もございますことから、具体的な手法については引き続き研究してまいります。  次に、第2点目、住宅確保要配慮者への入居の促進についての第1問、不動産関係団体との協力を取りつけ、民間賃貸人に対して居住支援制度の説明をするなど、働きかけを推進することに取り組むべきについてでございますが、区では、区内に居住している高齢者世帯や障害者世帯など、住宅の確保に配慮が必要な方、いわゆる住宅確保要配慮者の方々に対して、平成3年4月から民間賃貸住宅の情報提供事業を行っているところでございます。  この情報提供事業は、公益社団法人東京都宅地建物取引業協会第5ブロック目黒区支部との協定により、区内の民間賃貸住宅への転居を希望する住宅確保要配慮者の方に対して、不動産事業者から物件情報を提供し、円滑な転居を促すとともに、居住の安定を図ることを目的としているものでございます。  さらに、同目黒区支部と区では定期的に連絡協議会を開催しており、民間賃貸住宅の状況や賃貸人の実情、課題などの共有、また区の居住支援事業の取組についての意見交換を行いながら、相互の協力連携を密にする取組を行っているところです。また、この連絡協議会において、区から、国や東京都による最新の住宅施策や、区が実施している居住支援事業の説明を行い、少しでも民間賃貸住宅の賃貸人に住宅の提供をしていただけるよう、事業への理解と協力を依頼しております。  議員お尋ねの、不動産関係団体との協力を取りつけ、民間賃貸住宅の家主の方への居住支援制度の説明や働きかけにつきましては、この連絡協議会において定期的に行っているものでございます。また連絡協議会以外にも、職員自らが直接、不動産店舗に出向き、居住支援事業の説明を行うなど、細やかな対応を行っているところでございます。  いずれにいたしましても、入居にお困りの住宅確保要配慮者の方々への賃貸住宅の情報提供につきましては、今後も引き続き、不動産関係団体との連携を深め、賃貸人への働きかけを行い、民間賃貸住宅への入居促進に努めてまいりたいと存じます。  次に第2問、不動産関係団体と連携をし、入居にお困りの方への対策として、賃貸人に対してアプローチを図るべきではないかについてでございますが、さきの御質問でもお答えしたとおり、区では平成3年4月から、高齢者世帯や障害者世帯などの住宅確保要配慮者の方々に対して、東京都宅地建物取引業協会第5ブロック目黒区支部の協力を得て、賃貸住宅の情報提供事業を行っているところです。  不動産事業者との連携として、議員から御紹介のありました品川区での住宅確保要配慮者入居促進事業は、当初、自ら住宅を探すことが困難な高齢者、ひとり親世帯、障害者及び低額所得者を対象として、その方々の相談を受け付ける所管において、それぞれ区内の不動産団体に情報提供を依頼し、紹介を行っていました。しかしながら、情報提供数が少なかったことから、各所管で住まいのことも含めた相談を受け付け、聞き取った住宅の希望条件等を不動産事業者と連携している住宅所管課に集約し、目黒区の民間賃貸住宅の情報提供事業と同様に、一元的に不動産事業者に情報提供することとし、あわせて、契約に至った場合には、賃貸人と仲介した不動産事業者に対して協力金を支払うという改正を令和3年11月に行ったと伺っております。  区では、先ほど申し上げたとおり、住宅課において平成3年度から、不動産事業者との連携事業として、賃貸住宅の情報提供事業を実施しており、毎年度40件程度の相談を受け付けております。また、令和4年度からは、住宅課のほか福祉部局においても、住宅の相談を含めた総合的な相談窓口として住まいの相談を実施し、住宅課と連携も図っているところでございます。  議員お尋ねの、不動産関係団体と連携し、入居にお困りの方への対策として、賃貸人に対してアプローチを図ることにつきましては、他区における不動産事業者との連携事業が最近開始されたものであり、この事業により入居された方が継続して居住しているかなど、事業の継続性などを調査研究する必要があると考えております。区といたしましては、民間賃貸住宅の情報提供事業は区内への転居を一時的なものではなく、居住の安定と継続が図られる施策であることが重要であると考えておりますので、近隣自治体の事例などを調査研究するとともに、不動産関係団体と意見交換を行いながら、今後も、賃貸人に御理解と協力を深めていただけるよう努めてまいりたいと存じます。  以上、お答えとさせていただきます。 ○36番(関けんいち議員)  ありがとうございます。  それでは、デジタルディバイド対策から再質問します。  先ほど、システムの導入時期について、パッケージが最近主流だということで、そうしたことが難しいということであれば、運用の面で工夫していかなければいけないかなというふうに思いました。  以前、LINEを使ったコロナワクチン予約方法について、めぐろ区報の臨時号で特集記事を制作し配布したところ、区民の方から非常に分かりやすいと好評でした。そこで、今後のオンライン化を進めるに当たっても、このとおりにやればできるという、分かりやすい説明をこういった区報を用いて行っていただきたいと考えますが、所見を伺います。  また、特に高齢者の方は、オンライン手続のやり方が手続の種類によって異なると混乱してしまう。そういったことがあるので、できれば、目黒区のオンライン手続のやり方は全て同じにできないか、共通化ができるとよいと考えるんですけれども、その辺についての所見を伺いたいと思います。  次に、住宅確保要配慮者への入居の促進についてです。  住宅確保要配慮者にとっては、なかなか住まい先が決まらないでいる。私の実感では、ずっとそういった決まらないでいる方が非常に多いので、今までの取組だけではどうしても難しいというふうに思うので、今回こうした質問をさせていただいているんですけれども、不動産関係団体の方は、家賃の高い目黒区で住宅にお困りの方が入居可能な住宅を確保することは重要であると言われております。前向きな姿勢もすごく感じているんです。住宅に困窮する区民にとっては、眠れないほどの日常を毎日過ごしています。決まらないままだと本当にかわいそうで、泣いてお願いされたことも現実にあります。そういったことから、しっかりと考えていかないといけない案件なんじゃないかなと思ってるんです。  また、家賃が安い目黒区以外の入居先を例えば紹介されたとしても、余生を見知らぬ土地で過ごさないといけない。そういったことで、それが果たして良いことなのかっていうふうに現実に考えてしまいます。誰も知り合いもいないし、また、本当に土地も分からないし、そういったところで、ひきこもりみたいな形になってしまう。そういった人生が本当によかった人生なのかなっていうふうに感じてしまうんです。そういったところをしっかりとやっていくことがこの事業として必要なことなんじゃないかなっていうふうに強く思うんです。区内の入居先を確保できるところから進めていくべきだというふうに、それで私はずっと考えて訴えてるんですけれども。  まずはやれることをいろいろとやってみて、始めてみて、そうしていかなければ、このまんまずっとこういう状態続けていると何も生まれないっていうふうに思っていますけれども、住宅施策としての考えを再度伺いたいと思います。  以上です。 ○青木英二区長  それでは、デジタルの関係で2つ、それから住宅確保について1点、お答えを申し上げたいと思います。  1つは、LINEが非常にうまくいき、臨時の区報、特に今私ども、区報は全ての世帯に配布をしていますので、そういう点では、さらに啓発ということでは、役割がより効果的にできると思います。引き続き、一番大事なこと、デジタルに対して分かりやすい説明が最も大事で、それが超えられれば、デジタルディバイド、相当減しますから、それをどう啓発していくか、どうお知らせしていくかっていうことで言うと、今、区報など1つ大きな方法だというふうに思っておりますので、私どもこれから、もうDXは後に戻ることはありませんので、どんどんどんどんDXが進んでいくということの社会に今置かれていますので、デジタルディバイドになる可能性はさらに、割合としては決して少なくないわけですので、どういった形でデジタルディバイドをなくしていくのか、そういった中でどういう啓発をしていくか、引き続きしっかりと、広報も含めて検討していきたいと思います。  それからオンライン。1つで全部できれば、私もすごく、聞いてて、いいなというふうに思いました。ただ、1,000を超える手続があるというふうに聞いていますので、それが1つに束ねられるかというと、これテクニカルな問題で、なかなか難しいんではないかと思いますが、ただ、できるだけまとめていくってこと、すごく大事ですので、これから全てが一本化できることは難しいかもしれませんが、できるだけ一本化できるという視点で私どもはデジタルディバイド対策、DX対策をぜひ進めていきたいというふうに思っております。  それから、住宅確保要配慮者の皆さんへの取組についてです。なかなか妙案がなくて、議員からも常に、御心配をおかけをし、御指摘もいただいています。私どもも、例えばできるだけ賃貸、お貸しをしていただく大家さん、オーナーの方に貸してもいいわねという状況をつくってという努力もさせていただいて、新たに短期間で借りてる方が何らかの理由でお部屋を出た後の掃除とかについてお金がかかった場合、それは補償ができる、そういった保険もスタートして、助成をしています。それから、手前みそですけども、高齢者の方、ファミリー世帯の家賃助成、大体1億5,000万円ぐらい一般財源使わせていただいていて、多分23区でそんなに多くないというふうに思っています。  ただ、それをもって改善してるということとは程遠い状況にあります。一番、地域の中で、賃貸をされる方の思い、インセンティブをよく知っているのは不動産関係事業者の皆さんです。私ども、定期的に意見交換もさせていただいております。私も冒頭必ず出席をさせていただいて、今目黒区が議員御指摘のような状況に置かれていということを、るるお話をさせていただいて、改善方のお願いを今しているところです。私ども目黒区としてどういった対応をしていくのか、近隣自治体の状況も改めてしっかりと把握をしていきたいというふうに思います。  それからまた、今度は宅建の目黒区支部が城南支部としてブロック化をしましたので、ほかの宅建の皆様はどういうことをされてるかってのは目黒の宅建事業者の皆さんも情報を受けやすいと思うので、会に出たら、いや区長さん、品川、大田はこんなことやってたよというのを今まで以上に聞かせていただく機会が多くなりますので、ぜひまた意見交換の中で、他区の状況も含めて、1人でも2人でも、ぜひ安心して目黒の地で生活ができるように、引き続き住宅確保要配慮者の皆さんへの対応は全庁挙げて進めていきたいというふうに思っております。  以上でございます。 ○36番(関けんいち議員)  最後に質問させていただきたいのが、11月8日の都市環境委員会で、不燃化特区のエリアをまた拡大していくんですね、目黒本町四丁目と原町二丁目の一部地域がまた拡大をしていくということで。拡大していくと、不燃化ですから、今まで木賃の安いアパートのところに住まれてた方がまた退去を求められるようなことが起こるかなっていうふうな、拡大していく2年間の期間です。そうしたことからも、しっかりと対応していかないといけないし、もう期間も本当迫ってるので、もうやれることから試していただきたいんです。やって、ちょっと考えて、そういうふうなことが悠長にやってるような感じもしちゃってるんです。2年間かけてずっとずっとこういった状態がずっと続いていますから、何かこう試してもらいたいんです。試して、やってみて、それでどうかっていうことで判断してやっていく必要あると思うんですけど、最後いかがでしょうか。 ○青木英二区長  街の安全ってのは大事ですから、そういう状況になっていくことは決して悪いことでありませんが、今御指摘のように、新しい街になれば、そこに住んでる方は出てくださいっていうことになることは起きるということで、御心配そのとおりです。きちんと結果が出るようにどうしたらいいのか、引き続き努力していきたいと思います。 ○おのせ康裕議長  時間です。関けんいち議員の一般質問を終わります。  議事の都合により暫時休憩いたします。    〇午後4時25分休憩    〇午後4時35分開議 ○おのせ康裕議長  休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  本日の会議時間は、議事の都合により延長したいと思います。これに御異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○おのせ康裕議長  御異議なしと認めます。  よって、本日の会議時間は延長することに決定いたしました。  次に、20番鈴木まさし議員。  〔鈴木まさし議員登壇〕 ○20番(鈴木まさし議員)  私は、自由民主党目黒区議団・区民の会の一員として、質問通告に基づき、区政一般に対する質問を行います。  第1点目、0次予防による健康増進について。  我が国は、人口動向に起因した国難として、2025年問題、2030年問題、2054年問題の3つがあります。  2054年問題とは、75歳以上の人口が2,449万人、総人口の4人に1人が75歳以上になる超高齢社会を迎える中で、生産年齢人口が減少し続けることから生じる様々な社会問題のことです。その入り口とも言うべき課題が、2年後に迫った2025年問題です。  2025年問題とは、団塊の世代が75歳以上に達し、後期高齢者が総人口の17.8%になると推計され、医療と介護関連費が急激に増加していくことで生じる様々な社会問題のことです。  2022年度の我が国の社会保障給付費のうち、医療と介護の占める割合は53.9兆円で、41.1%を占めており、生産年齢人口が減少していく中で、持続可能な財政運営の実現においては、医療と介護費を抑制していく予防医学が重要になります。  一般的に、予防医学は3段階に分けられており、1次予防が、生活習慣を整えて、病気の発生を予防すること、2次予防が、病気を早期発見、早期治療することで重症化を予防すること、3次予防が、病気から社会復帰できる機能を回復させることです。従来の疾病予防は2次予防と3次予防が中心でしたが、現在は、健康寿命を伸ばすための1次予防が最も重要とされており、2025年問題を間近に控えて、新たに0次予防の考え方も注目されています。  そこで1問伺います。  1次予防は、生活習慣を整えて、病気の発生を予防することですが、個人単位の取組には限界があり、健康的な行動や生活習慣が自然にできるよう、地域や社会を整備する0次予防が重要と考えます。  0次予防の基本は、歩くこと、人と話すこと、自然を感じることです。コロナ禍による外出自粛やコミュニティ活動の減少のため、現在は1次予防の再構築に取り組んでいますが、2025年問題をはじめとした超高齢社会の様々な課題解決に向けて、0次予防に取り組んではいかがでしょうか。  第2点目、これからの空き家対策についてです。  私が平成27年4月に目黒区議会議員選挙で初当選し、初めての定例会の一般質問で臨んだのが空き家対策でした。当時、地元の町会に空き家に関する相談が寄せられており、同年5月には空家対策特別措置法が全面施行された直後でもあったため、まずは、目黒区の空き家の実態を把握する調査を要望し、平成28年度に空き家等実態調査が実施されました。  調査結果は、調査対象の4万415棟のうち、空き家と判定された建物が僅か1.6%に当たる664棟でした。翌年には、空き家と判定された664棟の動向調査を実施し、活発な不動産流通による活用や除却等により、193棟が解消されていました。  このように、目黒区の空き家の実態は、全国の中でも少ない地域であり、新たな空き家が発生しても、高い不動産流通により解消される地域であると認識されました。  そこで2問伺います。  1問目、新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、約3年間にわたり不動産流通の動きが低下したため、都市部でも新たな空き家の増加が懸念されています。令和5年度は、コロナ禍以降初めての国による住宅・土地統計調査が実施されます。この結果を踏まえながら、目黒区の空き家の現況を調査してはいかがでしょうか。  2問目、空き家の少ない目黒区では、新たな空き家を発生させないことが重要になります。空き家の推移と人口動態は密接に関係しています。  我が国の人口動態は、平成20年の1億2,808万人をピークに減少傾向となり、これに伴い、住宅需要も減少しています。また、高齢化社会になり、ひとり暮らしの高齢者世帯、いわゆる潜在的空き家も増えています。昨今では、建物に特化した終活、お家のエンディングノートに着目し、啓発する自治体も見受けられます。  お家のエンディングノートは、お住まいの家をどのように引き継いでいくのか、事前に意思を記しておくため、新たな空き家の発生防止に有効なツールです。  目黒区でも、新たな空き家を出さない対策の一つとして啓発してはいかがでしょうか。  第3点目、落書き防止条例の制定について。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、全国的にまちの落書きが増えました。その背景には、コロナ禍で人々のストレスが強まったことや、外出自粛、テレワーク等、人の監視の目が減ったこと等が挙げられますが、新型コロナが感染法上の5類に引下げとなり、人々の活動が活発になっても落書きが減る傾向にはありません。  落書き問題は、犯罪学上の割れ窓理論で考えることが多く、管理が行き届かず、秩序が悪い場所では犯罪が起きやすいという理論です。  9月30日には、警視庁目黒警察署と地元の高校生が合同で、中目黒駅周辺の落書き消去活動に取り組み、小さな秩序違反の放置が凶悪犯罪の発生につながると、割れ窓理論に基づく活動を行いました。  目黒区では、落書き対策として、区民への落書き消去剤の貸与や、落書き消去活動団体の用具購入経費補助等に取り組んでいますが、現実はそんなに甘いものではなく、消しては書かれ、消しては書かれを繰り返し、落書きを消す側は膨大な時間と労力を費やすばかりです。  そこで1問伺います。目黒区の落書き対策を現行の落書き消去活動から転換し、落書きは建造物損壊容疑等の犯罪に当たるという観点から、落書きされないまちを目指した落書き防止条例の制定を検討してはいかがでしょうか。  第4点目、目黒区独自の公立小・中学校の魅力創出について。  東京都教育委員会が公表した令和4年度公立学校統計調査によると、令和4年3月に目黒区内の公立小学校を卒業した児童のうち、区内公立中学校への進学率は54.5%で、23区中では6番目に低い進学率となりました。令和5年3月に区内の公立小学校を卒業した児童の区内公立中学校進学率においても53.6%と、進学率の低下が続いています。  また、文部科学省が公表した令和4年度の学校基本調査によると、私立小学校の児童数の割合は全国平均で1.3%に対し、東京都は4.12%と、全国で最も高い割合になっています。私立小学校に進学する幼児は、小中高一貫教育校が大多数を占めており、地元の公立中学校に進学することはありません。  本区の公立小・中学校への進学率向上は、長年の課題となっています。ここで留意しなければならないのは、区内の公立小・中学校に進学しない要因を的確に分析することです。目黒区の公立小・中学校は魅力的ではあるが、児童の個性や将来設計に合った学校への進学を優先しているためなのか、または公立小・中学校に魅力がないことが要因となっているのか、的確に調査と分析をすることが課題解決につながります。私立や区外の小・中学校に進学した児童・生徒は、地域への関わりや帰属意識が低くなることも課題であり、公立小・中学校の魅力づくりを進めることで進学率を向上させることが必要です。  そこで3問伺います。  1問目、小・中学校に共通してアントレプレナーシップ教育を導入し、目黒区独自の小・中学校の魅力を創出してはいかがでしょうか。  アントレプレナーシップ教育とは、起業家精神と起業家的資質を有する人材を育成する教育です。政府が昨年11月に発表したスタートアップ育成5か年計画にも、起業家精神の育成教育が盛り込まれており、予測困難な時代を乗り越えていく人材になるためには、初等教育や中等教育からの導入が効果的としています。先行事例では、板橋区教育委員会が公民連携で本格的に導入し、高い評価を得ています。  目黒区でも、公立小・中学校の魅力づくりの一環で、社会で活躍する人材育成教育として導入を検討してはいかがでしょうか。  2問目、小学校の午前5時間制を目黒区独自の魅力創出に生かしてはいかがでしょうか。  平成14年度に中目黒小学校で初めて導入した40分授業午前5時間制は、令和元年度から区立小学校15校が文部科学省の研究開発学校に指定され、本年度を最終年度とし、教育課程の開発に取り組んでいます。  40分授業午前5時間制は、1日の学校生活を学びの午前、活動の午後と位置づけて、従来の45分授業を40分に縮減することで生み出した新たな時間を、午後の時間帯に独自の教育プログラムとして活用するものです。  令和8年度をめどに、全ての区内公立小学校で40分授業午前5時間制が導入されることになり、目黒区独自の小学校の魅力として推進してはいかがでしょうか。  3問目、部活動の地域移行を中学校の魅力づくりに生かしてはいかがでしょうか。  文部科学省は令和2年9月に、令和5年度から公立中学校の休日の部活動を段階的に地域移行する方向性を示し、スポーツ庁と文化庁は令和4年12月に、令和5年度からの3年間を、可能な限り早期に進める改革推進期間としました。現状の部活動は、教員の働き方改革の推進で、新たな部活動の設置が困難な状況にありますが、部活動の設置状況で進学する中学校を選択する児童もいます。  部活動の地域移行を、需要の高い部活動を新設することで、部活動の選択肢が豊富な中学校の魅力づくりに生かしてはいかがでしょうか。  以上、私の壇上での質問を終わらせていただきます。(拍手)  〔青木英二区長登壇〕 ○青木英二区長  鈴木議員の4点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。  なお、第4点目につきましては、教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えをいたします。  まず、第1点目、0次予防による健康増進についてでございますが、本区におきましては、国が定める健康日本21(第2次)を踏まえ、平成28年に改定した健康めぐろ21において、健康寿命の延伸を基本理念として掲げ、健康づくりに係る施策を体系的に展開しているところでございます。  健康寿命の延伸には、区民一人一人の行動が重要である一方、健康への関心の薄い層への働きかけが課題であり、地域の環境を整えることで自然と健康づくりが可能となる、いわゆる0次予防の考え方は、有用な視点であると認識しております。  現行の国の健康日本21におきましては、生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病の発症を予防する1次予防に重点を置いた対策を推進することとされており、社会環境の整備についても挙げられております。また、令和6年度から新たに開始される健康日本21(第3次)におきましては、社会環境の質の向上も健康寿命の延伸等の重要な要素と明記されており、従前にも増して環境づくりへの視点が重視されているものと受け止めております。  区では、健康めぐろ21において、健康を支える環境整備として、心身の健康をつくるみどりの整備等を施策として掲げるとともに、スポーツ、レクリエーション活動の機会の創出や施設の整備、孤独や孤立を防止するための居場所づくりや社会参加への支援など、幅広い行政分野において、各施策に沿った取組を実施しているところでございまして、これらの取組は、広く区民の健康を支える環境整備にもつながっているものと捉えております。  現行の健康めぐろ21の計画期間は令和7年度までとなっており、今後、改定に向けた検討を行っていく必要がございますが、区といたしましては、区民の主体的な健康づくりを促す取組の充実に加え、健康に過ごすことのできる環境づくり、いわゆる0次予防の取組の充実への視点も用いながら、区民の健康増進と健康寿命の延伸に向けて、一層の検討を行ってまいります。  次に、第2点目、新たな空き家を発生させない対策についての第1問、令和5年度の国による住宅・土地統計調査を踏まえ、本区の空き家の状況を調査してはいかがかについてでございますが、まず本区の空き家の状況につきましては、平成28年度に空き家等の実態調査を実施しており、区内約5万5,000棟のうち、空き家の可能性が高い物件は664棟でございました。翌年度には、空き家の可能性が高いとした664棟を対象に、管理の状況等の動向調査を行いました。その結果、約3分の1に当たる193棟で除却や利用などが確認され、空き家の状態が解消されていました。残りの471棟については、一部で樹木等の繁茂があるものの、そのまま放置すると倒壊するなど、著しく保安上危険となるおそれがある特定空き家等に該当するような建物はありませんでした。  また、国が5年ごとに実施しております住宅・土地統計調査では、本区の老朽空き家棟数は、平成25年の490棟から、平成30年には140棟に減少しております。これらのことから、本区の空き家については不動産価値や流動性が高いことから、老朽空き家の件数は少なく、増えていないものと捉えているところでございます。  一方で、全国における居住目的のない空き家につきましては、平成30年に349万戸となっており、この20年で約1.9倍に増加しております。国では、居住目的のない空き家は今後も増加すると見込まれることから、令和5年6月に空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律を公布し、空き家の活用拡大、管理の確保、特定空き家の除却等の対応を強化したところでございます。この中で、そのまま放置すれば特定空き家になるおそれのある管理不全空き家を新たに規定し、指導及び勧告の規定が設けられたところです。  議員御指摘のとおり、今年度は5年ごとの住宅・土地統計調査が行われており、今回の調査は、空き家対策の重要性が年々高まっていることを踏まえ、引き続き、空き家の所有状況などを把握するとともに、高齢者の住まい方をより的確に把握することを主な狙いとして実施されております。  本区の空家等対策計画では、基本方針の一つに空き家等の予防と適正管理を掲げており、特定空き家になる前に、所有者等による管理の段階での対策を強化する必要があることから、今般の国による法改正や、現在行われている住宅・土地統計調査を踏まえ、再度の実態調査について検討してまいります。  次に、第2問、お家のエンディングノートを新たに空き家を出さない対策の一つとして啓発してはいかがかについてでございますが、いわゆるエンディングノートは、自分が亡くなったときや意思疎通ができなくなったときに備えて、家族に向けて必要な情報を書き残しておくものとして広く知られているものです。これを御自宅の終活に当てはめたお家のエンディングノートを神奈川県や大阪市、東京都のワンストップ相談窓口の事業者などが作成しており、区でも、東京都のワンストップ相談窓口の事業者から情報提供を受けているところでございます。  将来、大切な御自宅が空き家となって放置され、周囲に迷惑をかけることのないように、御自宅をどのようにしたいのかを書き残しておくことで、相続等を円滑に進めることができるようになり、ひいては空き家を発生させない対策の一つになると考えております。また、建物や土地の相続については、それらの権利関係の整理や登記手続など、専門の方の支援を必要とする場合における相談先や手続の流れなども併せて紹介しているノートもございます。  区では、空き家になる前の対策が大変重要であり、空き家になる背景には様々な御事情があることから、相談者に寄り添い、一緒に考えながらお問合せなどに対応しているところでございます。さらに、東京都のワンストップ相談窓口と連携を図り、セミナーの開催等により普及啓発に取り組んでいるところです。  本区の65歳以上の高齢者単身世帯は増加傾向にあり、平成18年度の約1万5,000世帯から、平成29年度には約1万9,000世帯と4,000世帯余り増えており、今後も高齢化の進展により増加するものと想定しており、今後、空き家を発生させない対策の一層の強化が必要であると考えております。  議員御提案のお家のエンディングノートの活用につきましては、御自身で事前に御自宅の終活に向けて、手順に沿って整理することができるツールで、ひいては空き家を出さない対策の有効な手段となることから、今後の活用方針を検討してまいりたいと存じます。  次に、第3点目、落書き防止条例の制定についてでございますが、落書きの被害は全国的に後を絶たず、区内においても、電信柱やガードレール、町会・自治会掲示板等の公共の場所だけでなく、民家の壁面や自動販売機など、所構わずまちの美観を損ねております。  そもそも落書き行為は、場所や程度によっては、建造物損壊や器物損壊の疑いで逮捕される可能性もあり、単なるいたずらでは済みません。さらに、犯罪学上の割れ窓理論で言われるように、落書きの放置によって新たな落書きを招き、犯罪の温床にもなります。  区は、平成15年に制定したポイ捨てなどのないまちをみんなでつくる条例、いわゆるポイ捨て防止条例によって、「何人も公共の場所及び公共の場所に存する建物、その他の工作物に落書きをしてはならない」と規定しております。区ではこれまで、自分たちのまちは自分たちできれいにするというポイ捨て防止条例の趣旨の下、区、区民、ボランティア、事業者等が協働してまちの環境美化に取り組むことを基本に、地域での落書き消去活動などへの支援や経費の補助を行いながら、落書き防止に取り組んでまいりました。その一つとして、本年9月に目黒警察署との共催により、落書き防止キャンペーン「NO GRAFFITI MEGURO」を行ったところでございます。  区は、新たな落書きを防ぐためには、落書きをされたらすぐに消して放置しないこと、地域の意識が高いと示すことが重要であると考えております。しかしながら、議員がおっしゃるとおり、落書き消去活動は膨大な時間と労力を費やすため、なかなか進みません。また、落書きは深夜等で、人目のない時間帯に行われることが多く、落書きをした者の特定は容易ではありません。そのため、消去活動しなくてもよいまちづくりのためには、新たな取組や地域への支援の拡充が必要であると認識しております。  議員お尋ねの、落書きされないまちを目指した落書き防止条例の検討につきましては、どのような形で取締りや監視などによる抑止条例が制定できるのか、まずは地域からの御意見や、他自治体、関係機関等からの情報収集に努め、落書き防止に向けてより効果的な対策を打ち出せるよう、検討を始めてまいりたいと存じます。  以上、お答えとさせていただきます。  〔関根義孝教育長登壇〕 ○関根義孝教育長  鈴木議員の第4点目、目黒区独自の公立小・中学校の魅力創出について、につきましては、教育委員会所管事項でございますので、私から順次お答え申し上げます。  まず、第1問、アントレプレナーシップ教育の導入検討についてでございますが、アントレプレナーシップとは、急激な社会環境の変化を受容し、新たな価値を生み出していく精神のことであり、その精神を備えた人材創出に向け、社会の課題解決に挑戦し、他者との協働により解決策を探求するための知識、能力、態度を身につける教育がアントレプレナーシップ教育でございます。  現在、区立小・中学校においては、各学校で行っている総合的な学習の時間における探求的な学びやキャリア教育の中で、アントレプレナーシップ教育に通じる教育活動を実施しております。  まず小学校では、起業家が行っている活動と同様のサイクル、すなわち課題の設定に始まり、課題解決に向けた情報の収集、さらに、情報の整理・分析から結果のまとめと発信へと続く学習課程を組み、問題解決の基礎的な力を身につけられるよう指導しているところでございます。  また中学校では、総合的な学習の時間における問題解決型学習に加え、起業家や経営者など外部講師を招いての講演や企業・商店への訪問、職場体験学習などキャリア教育に関する学習の中で、アントレプレナーシップ教育の要素を取り入れた活動を展開しております。  これからの時代を生きる児童・生徒には、急激に変化する時代の中で、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会のつくり手となることができるよう、その資質・能力を育成することが求められております。このことから、現在進めている探求的な学びの中に、起業家精神や起業家的資質・能力の育成といった視点を取り入れて、カリキュラムを工夫していくことは重要であると捉えております。  教育委員会といたしましては、アントレプレナーシップ教育の視点を踏まえ、民間企業等と連携した学習プログラムの導入についても視野に入れながら、発達段階に合わせたカリキュラムの工夫・検討を進め、学びの質的向上を図ってまいりたいと存じます。  次に、第2問、小学校の午前5時間制を目黒区独自の魅力創出に生かすことについてでございますが、40分授業午前5時間制は、平成14年度に中目黒小学校で開始して以来、現在は、区立小学校22校中17校で導入しております。開始から22年間という歩みの中では、合わせて7年間にわたって文部科学省から研究指定を受け、創意工夫ある学校づくりを継続的に進めてまいりました。  本年度は、直近5年間の研究開発学校としての指定を受けた各校がそれぞれの成果を発表するとともに、今月2日には教育委員会主催の研究発表会を、全国から約400名の教育関係者を迎えて開催し、学校、教育委員会が一体となって、カリキュラム・マネジメントに取り組むことの重要性や40分授業午前5時間制の魅力を発信したところでございます。  本取組については、研究当初から全国的に関心が寄せられ、他自治体の視察も多く受け入れてまいりましたが、本研究発表会の参会者のお声からも、一定の評価を得ているものと捉えております。  本区の40分授業午前5時間制の核になる部分は、公立小学校で一般的に行われている45分授業を40分授業とすることにより、学校にとっても、児童にとっても、裁量のある時間が生み出されることでございます。この「時間」という学校経営資源を、体験活動を充実させる時間や探求的な学びを進める時間、他者との関わりを深める時間などに充てることにより、各学校では、学習指導要領の着実な実施に加え、令和の日本型学校教育に求められている、児童一人一人が自分の興味・関心や学習上の課題等に応じた柔軟な学びを展開することができております。このような学校や地域の特色を生かした魅力と活力のある学校経営の実現は、児童のしなやかな真の成長に資するものと捉えております。  教育委員会といたしましては、この40分授業午前5時間制を、令和8年度を目途に区立小学校22校全校で実施することとしており、この先進的な取組を本区の学校教育の魅力創出の大きな柱とし、小学校、さらには中学校の進学率の向上にもつなげるべく、今後も、就学前のお子さんの保護者を含め、広く情報発信に努めてまいりたいと存じます。  次に、第3問、部活動の地域移行を中学校の魅力づくりに生かすことについてでございますが、中学校における部活動は、関心のあるスポーツや文化芸術等に親しむことで生徒の学習意欲が向上し、多様な人と関わる中で責任感や連帯感が培われ、好ましい人間関係の構築により自己肯定感を高めることができる教育的意義の高い活動でございます。また部活動は、児童が期待する中学校生活の中で重要な位置を占めており、進学先の区立中学校を選択する際には、関心のある部活動の有無も重視していることが隣接中学校希望入学制度に関するアンケートの結果からもうかがわれるところでございます。  これらのことから、関心のある部活動が選択できる環境を整えることは、区立中学校の魅力づくりにつながるものであると認識しております。各中学校では、生徒のニーズに沿った部活動の実施に向け、合同部活動の導入や専門的技能を有する指導員を活用しながら、可能な限り対応しているところではございますが、所属教員数や活動場所及び指導員の確保等の状況により実施体制が整わずに、選択できる部活動が限られている学校もございます。  したがいまして、生徒が選択できる部活動の種目数を増やしていくためには、多様な実施主体による地域クラブ活動等への移行を含めた対応策の検討が必要であると捉えております。  部活動の地域移行については、東京都が作成した部活動等に関するガイドラインの中で、令和7年度末には、都内全ての公立中学校等で地域連携、地域移行に向けた取組が行われていることを目指すことが示されております。都の示す目標を踏まえながら、本区におきましては、区立中学校の部活動の設置状況や学校の意向を把握するとともに、地域移行が可能な種目の選定や実施方法等について、関係部署が連携して検討を進めているところでございます。  教育委員会といたしましては、単に既存の部活動を地域へ移行することにとどまらず、生徒が興味・関心に基づく多様な体験機会を得られるよう、地域クラブ活動の中に新たな種目を設定することなども含め、部活動の在り方の見直しが中学校の魅力づくりにつながるよう取り組んでまいります。  以上、お答えとさせていただきます。 ○20番(鈴木まさし議員)  それでは、再質をさせていただきます。  まず、0次予防についてということで、0次予防についても検討していただくということの御答弁をいただいております。1次予防の中に含まれる0次予防という、そういう概念になってくるかと思います。個人では、話すことであったり外出することであったり、あるいは自然を感じること。個人の取組には限界があるので、本当に自然にそういったことができるように整備していきましょうというところが0次予防になるわけですけども、この質問をしていく中での大きな概念という部分で区長に認識を伺っておきたいと思います。この0次予防に関しては。  1回目の質問の中でも話しましたけども、2025年問題を2年後に控え、いわゆる後期高齢者が17.8%になってくると。その次に、今度、2030年問題。これが今度は65歳以上の高齢者が総人口の3分の1以上になると。その次、2040年問題。今度、こちらは後期高齢者が総人口の20%以上になるという、こういう推計が次から次へと出てくると。このように次から次へと出てくる問題というのは、全てに共通するのが医療費、それから介護費、社会保障費が増大していく。生産年齢人口が減少していく。当然、だから、ここの社会保障費を抑制していかなきゃいけない中での0次予防、1次予防という、言ってみれば区政の財政運営の根幹につながっていく取組であるんだという、そういう認識を持って取り組んでいただきたいというふうに思いますので、大きな意味での認識をお持ちであるのかどうか、ここを聞いておきます。  それから、空き家です。空き家対策。  これから国の調査があって、これを踏まえて空き家の実態を、目黒区の空き家の実態をまた調査していくということです。目黒区の特徴という部分で捉えながら、今後の空き家対策っていうのをどういうふうに考えていったらいいのかっていうところでは、ポイントは3点あるかと思います。目黒区の場合ですね。  1つは、先ほど1回目の質問でも言ったとおり、新たな空き家を出さないこと、新たな空き家を発生させないこと、これは言いました。お家のエンディングノートなんかも1つの解決方法ですねというような御答弁をいただきました。  2つ目が、活用できる土地が少ないという部分なんです。目黒は、もう御存じのとおり、活用できる土地が少なくて、特に公共の福祉に寄与するような活用できる土地が少ない。そういう中で、いかに空き家が利活用できるかっていう部分が2つ目のポイントかと思います。これもなかなか難しい課題だとは思うんですけども、今後、相続登記が来年4月以降、義務化になってきて、相続していく過程で、例えば自分のところの家を有効活用したいなんていう人も出てくるかもしれない。こういったところにも期待したいなというところがあります。  3つ目、ここ再質の部分になってくるんですけども、非常に数は少ないけども目黒区の中にもある、放置されている空き家です。いわゆる適正管理されていない空き家というものが、非常に数は少ないけども、目黒区の中にもあります。私の地元の、家の近所にもあります。実は、相談を受けるのはここが一番多いんです。適正管理されてない空き家、これをどうしたらいいでしょうかという相談は実に多く、一番多い空き家の中の相談です。この放置空き家と呼ばれてるものなんですけども、2つの共通点があって、1つは、所有者はしっかりと把握できてるんです。所有者は分かっているんだけども、その所有者と連絡を取って管理をお願いするんだけども、なかなか適正に管理してもらえないと。こういう状況です。  じゃ、現地はどうなってるか、現場はどうなってるかというと、木が越境しているとか、あるいはごみ屋敷になっていて悪臭がするとか、あるいはハクビシンだとか動物がすみついてしまった。ブロック塀がひびが入っていて、一部、例えばそこが通学路になっていて危ないとか。大体こういった状況というのが共通してあるところです。  今後、この数は少なくても、適正管理されていない空き家をどういうふうに対応していくかって、ここは、1つ重要なことだと思っています。
     ちょうど令和5年6月に、空家等の特別措置法が一部改正になりました。この改正の中で、管理不全空き家、ここに対する指導・勧告の規定が新たに設けられています。この指導・勧告の規定っていう部分では、適正に管理措置を取らない場合に、その次の段階として勧告をすることができる。その勧告っていうのは、いわゆる固定資産税の住宅用地特例、いわゆる6分の1軽減されてるもの、ここを除外することができるというところにいきます。それでも適正に管理しなければ、今度は命令という形になって、50万円以下の過料と、こういうふうになってくわけです。  で、再質問しておきたいのは、要はまず、適正に管理をしない空き家の持ち主に対してこういった勧告や命令をして罰金を科してっていうことを言っているんではなくて、まず目黒区がしっかりとこういう新たな法の一部の改正に基づいて、まず目黒区としてはどういうふうに指導方針を持つかという、指導方針をまず明確に持って、そういった適正に管理しない人たちに対して勧告とか命令にいかないようにする。ここが大事です。ここにいかないようにするための指導をするということをしていただきたいというふうに考えています。この部分を質問しておきます。  それから、落書きです。  落書き条例に向けていろいろと調査していくということなんですけども、落書きが一番、やっぱり今心配なのは、すごく悪質なものが増えてきちゃてるんです。これがすごく一番気になっていて、例えば1例を挙げると町会・自治会の掲示板。町会・自治会掲示板の落書きっていうのは、今まではアクリル引き戸掲示板のガラスのほう、窓のほうに落書きされていたんですけども、最近見かけるのは、窓を開けて、もう掲示板の中に落書きされてるんですよ。もうそういうケースが増えてきていて、かなり悪質になってきている。  それからバス停。バス停も、以前はバス停のそばに置いてあるベンチに落書きされてたんですけど、最近、案内板に落書きされてるのも見るようになってきています。私の地元では郵便ポストにまで落書きされていて、一生懸命、町会が消しに行って駄目だったというケースもあるし、非常に悪質になってる。だから、やっぱりどうしてもその条例を制定していかざるを得ない状況にどんどんなってっているんですけども、やっぱりここで大事なのは、その条例を制定するだけでは駄目で、単なる紙に終わってしまっては駄目で、これが実効性のあるものじゃないと意味を持ちません。  日本全国、落書き条例はいろいろ、いろんなところ、自治体ありますけども、これがうまくいってるとことうまくいってないとこがあって、じゃ、どうやったら実効性持てるかっていうところで、例えば防犯パトロールです。防犯パトロールが落書きの警備も含めて防犯パトロールをしているとか、あるいは警察と協定を締結して、落書きが書かれたら防犯カメラを見せてもらうということをしたりとか、あと、落書きが多い場所には警告看板を設置しているケース。あと、まれなケースとして、アダプト・ア・ロード地区の設置っていうのがあって、これ何かというと、住民が直接、落書き防止に対する管理をする、特定の地区を設けるっていうやり方だったりするんですけど、いろんな手法があります。  再質として何が言いたいかっていうと、条例を実効性のあるものにしていくためには、庁内は各所管と連携をしていく必要がある。庁外であれば警察署だとかいろんな各関係団体と連携して、いろんな取組を混ぜ合わせていかないと、条例は紙切れに等しくなってしまうので、しっかりとそういった連携をして取り組んでいっていただきたいということを聞いておきます。  最後、アントレプレナーシップ教育なんですけど、ここのとこだけ聞いておきます。  なぜこの質問してるか、なぜこれが着目されているかということで、御存じのとおり、今ある社会課題というのは人材不足ですよね。どこ行っても人材不足。労働生産性が低下しています。そこへ持ってきて、予測困難な時代とよく言われますけども、感染症だったり国際情勢だったりするわけですけど、結局今それで求められている人材っていうのは、イノベーション創出を担う人材が求められています。このイノベーション創出をする人材っていうのは、ちょっと言い方を変えると、さっき1回目の質問で言った、起業家精神を養うことなんです。起業家精神を養うことというのは、今度もうちょっと具体的に何をするかっていうと、課題発見力だったり創造性、実行力を養うことです。こういったことを起業家教育っていうことになるんですけど。  グローバルアントレプレナーシップモニター調査というのが2022年に行われていて、世界のアントレプレナーシップ評価っていうのが日本は先進22か国中20位ってまだ低いんです。世界標準というのは、初等教育だとか中等教育の段階で、さっき言った課題発見とか創造力だとか実行力を養う教育をしています。もう高等に入ってくると、リアルに近い、社会に出て役立つリアルに近い教育をしているんです。ただ、日本は遅れているだけじゃなくて、今日本の置かれている課題っていうのは、教員の皆さん、もう今、現状で手いっぱいですから、なかなか新しいことを取り込んでいけないし、あるいは、そもそも学校にアントレプレナーシップ教育のノウハウも持っていません。じゃ、どうしていったらいいかっていうことで再質をしておきますけども、1つは、商工会議所が今、国に対して意見書を出しています。発達段階に応じたアントレプレナーシップ教育を推進すべきだと。これを初等教育からやるべきだという意見書を出していて、非常に協力していくという姿勢を示しています。地域にもいろんな企業がいて、商工会議所がありますから、こういうとこと連携して職場体験だとか授業をしてはいかがかっていうのが1つの質問。  もう一つ質問は、小学校の40分授業午前5時間制で、午後に生み出した時間がありますので、この時間をうまく活用して、こういったアントレプレナーシップ教育を、学校それぞれの特色のあるやり方でいいので、うまく取り込んでみてはいかがかなと思います。  以上、再質問です。 ○青木英二区長  それでは私から、3点御質問いただいてます。0次予防について、これは財政の健全化等に資するということですが、これは全くそのとおりで、今までは1次予防で、予防というのが主でしたけれども、0次予防、いわゆる環境の中で健康をしっかりと守っていくということになろうかと思います。その結果としてどういうことが言えるかっていうと、健康寿命が延びる。それは簡単に言うと、お医者さんに行く機会が減るということであれば、これ医療費、特に高齢者の場合だったら介護給付費。私ども180億円、どんどんどんどん右肩上がりですので、こういったことにブレーキがかかる、抑制ができれば、それは私どもの持続可能な財政運営に資するというのはもう全くそのとおりだというふうに思っています。そういう認識を私も当然持っております。  それから2つ目が管理不全の空き家ですが、今回、特措法の改正が行われて、最大のポイントは、管理不全の空き家という概念が生まれてきて、なおかつそれの実行主体が自治体、目黒で言えば目黒区が行うってのが最大のポイントになります。  今、国として指針がこれから12月、来月施行、スタートになりますので、それに向けて今国として、何が不全、管理不全の空き家なのか、どういった手順でそれを進めていくのかということの指針がこれから出てくるというふうに思います。そういったことを踏まえて私ども指導、それから、さっき申し上げた指導ですとか勧告・指導にいかない、それ大事ですので、それに向けてやっていく。ただ、まだ全体像がよく見えていませんので、しっかりと私ども管理し、ただ、どうしても従わない、どうしてもうまくいかない場合は当然、指導・勧告はやっていかなければいけないという認識は持っておりますから、それをセットでやるというふうにしていかないと、これはなかなか進まないというふうに思っておりますので、今後、全体像見て、この管理不全がなくなるということが、そういった空き家がなくなることにしっかりと努めていきたいというふうに思います。  それから、3点目ですけれども、私も9月30日に目黒署長さんと一緒に、「NO GRAFFITI MEGURO」に参加をいたしました。ジョージ・ケリングという犯罪学者が割れ窓理論を言っています。問題は、今議員もおっしゃったように、落書きの次は窓が割れる、窓が割れるとギャングが、犯罪が増えていくということが言われています。逆に、落書きを消す、壊れた窓を直していく、それは犯罪が減っていく。これはジュリアーニ市長さん、1994年にニューヨークの市長になったんです。それを実践したら、とにかくギャングの巣窟のニューヨークがよくなったという有名な話があります。ですから、たかが落書きじゃないんですね。これが犯罪につながっていくってのは極めて大きなポイントだというふうに思います。  そういう点では、いろんな、アダプト・ア・ロードの御提案もありましたし、警察と協定を結んで、防犯カメラの画像をしっかりと活用していく、様々な御意見をいただきました。また、どういった条例がいいのか。これ目黒区だけではなくて、警察、地域、それからこの間は若い高校生の方が出てきていただきました。若い皆さんとの連携も必要ですので、条例をつくって絵に描いた餅にならないためにはどういったことが必要なのか、しっかりとこれからも検討していきたいというふうに思います。  以上です。 ○関根義孝教育長  アントレプレナーシップ教育の推進に係る具体的な提案、2ついただきました。内容が極めて具体的なだけに、すぐにやりましょうと即答できないところは非常に心苦しいんですけれども、いずれにしても、大変意義のある選択肢を示していただけたものと捉えております。  まず商工会議所との連携ですけれども、それぞれの小・中学校では既に、地域の事業所と連携する関係づくりはできていますけれども、さらに商工会議所との連携を進めること、これも非常に意義のあるところかと思います。このことは地域と支え合う学校づくりに資するものであり、実務的な観点からも、教員に過重な負担をかけることなく、教育活動の質的向上を図れる取組だと思います。  あと、40分授業午前5時間制で生み出された時間の活用ということですけれども、これについては、生み出した時間の活用については各小学校の裁量でというところが肝となっておりますので、全校一律にというのは難しい面も逆にあるかとは思いますけれども、議会でいただいたこういう御質問は、合同校・園長会で必ず全ての校・園長に伝えることとしておりますので、こういう提案がありましたよということはしっかりと示していきたいと思います。  以上です。 ○おのせ康裕議長  鈴木まさし議員の一般質問を終わります。  以上で一般質問を終わります。  次の本会議は、11月24日午後1時から開きます。  以上で本日の日程は終了いたしました。  本日はこれをもって散会いたします。    〇午後5時32分散会...