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令和 2年第3回定例会(第2日 9月 8日)

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  1. 目黒区議会 2020-09-08
    令和 2年第3回定例会(第2日 9月 8日)


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    令和 2年第3回定例会(第2日 9月 8日)               目黒区議会会議録  第5号  〇 第 2 日 1 日時 令和2年9月8日 午後1時 2 場所 目黒区議会議場 3 出席議員(34名)   1番 かいでん 和 弘    2番  青 木 英 太    3番 川 端 しんじ   4番 白 川   愛     5番  岸   大 介    6番 橋 本 しょうへい   7番 金 井 ひろし     9番  芋 川 ゆうき   10番 吉 野 正 人  11番 いいじま 和 代   12番  佐 藤 ゆたか   13番 小 林 かなこ  14番 西 村 ち ほ    15番  梅 田 まさみ   16番 西 崎 つばさ  17番 斉 藤 優 子    18番  松 嶋 祐一郎   19番 川 原 のぶあき  20番 山 宮 きよたか   21番  鈴 木 まさし   22番 河 野 陽 子  23番 たぞえ 麻 友    24番  鴨志田 リ エ   25番 岩 崎 ふみひろ  26番 石 川 恭 子    27番  関   けんいち  28番 武 藤 まさひろ  29番 おのせ 康 裕    30番  宮 澤 宏 行   31番 松 田 哲 也
     33番 佐 藤   昇    34番  田 島 けんじ   35番 いその 弘 三  36番 そうだ 次 郎 4 出席説明員   区  長        青 木 英 二  副区長        鈴 木   勝   企画経営部長      荒 牧 広 志  区有施設プロジェクト部長                                   村 田 正 夫   総務部長        本 橋 信 也  危機管理室長     谷 合 祐 之   区民生活部長       橋 和 人  産業経済部長     橋 本 知 明   文化・スポーツ部長   竹 内 聡 子  健康福祉部長     上 田 広 美   健康推進部長(保健所長)         子育て支援部長    長 崎                  石 原 美千代   都市整備部長      中 澤 英 作  環境清掃部長     清 水 俊 哉   (街づくり推進部長)   会計管理者       落 合   勝  教育長        関 根 義 孝   教育次長        秋 丸 俊 彦  選挙管理委員会事務局長板 垣   司   代表監査委員      伊 藤 和 彦  監査事務局長     大 野 容 一   参事(総務課長)    酒 井 圭 子 5 区議会事務局   局長          中 野 愉 界  次長         山野井   司   議事・調査係長     門 藤 浩 一  議事・調査係長    藤 田 尚 子   議事・調査係長     青 野   仁  議事・調査係長    伴   真 星   議事・調査係長     明 石 智 紀  議事・調査主査    志 澤 直 子  第3回目黒区議会定例会議事日程 第2号                        令和2年9月8日 午後1時開議 日程第1 一般質問    〇午後1時開議 ○そうだ次郎議長  これより本日の会議を開きます。   ◎会議録署名議員の指名 ○そうだ次郎議長  まず、会議録署名議員を定めます。   10番  吉 野 正 人 議員   26番  石 川 恭 子 議員 にお願いいたします。  これより日程に入ります。  日程第1、一般質問を行います。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ◎一般質問 ○そうだ次郎議長  昨日に引き続き、順次これを許します。  3番川端しんじ議員。  〔川端しんじ議員登壇〕 ○3番(川端しんじ議員)  こんにちは。川端しんじでございます。所属政党はNHKから国民を守る党、会派は無会派でございます。  一般質問の前に、先月、同じ無会派の須藤甚一郎議員が逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表します。  私は、須藤甚一郎議員のおかげで、ここ本会議場におります。と言いますのは、かつて須藤議員は、NHKの不正経理問題を週刊誌などに内部告発した立花孝志に政治家を志すことを勧めていただきました。そして、そのきっかけにより、立花孝志は1人でNHKから国民を守る党を結党しました。その後すぐに、須藤議員には党で講演までしていただき、そして党勢拡大を温かく見守っていただいたという、とても大きな恩がございます。そういう経緯の下、私が区議会議員選挙の後、党所属議員として本目黒区議会の議場で今まさに登壇しているということでございます。  私は、その不思議な縁に感謝し、恩を少しでも返せるよう、私も闘志満々で区政問題に立ち向かう須藤議員の在りし日の面影を追いながら、精いっぱい取り組んでまいります。心より御冥福をお祈りいたします。  それでは、質問通告に基づき、目黒区議会議員の一員として、区政一般について質問に入らさせていただきます。  私は、過去にここ本会議上で、本区においての放送法の解釈やNHK放送受信契約状況NHK訪問員の実態、あるいは個人情報の取扱いの法令遵守、本人通知制度の提起、DV等支援措置の取扱い、公債権・私債権の徴収及びその処分などの問題を質問し、指摘させていただきました。  本日は、行財政運営において一般会計を大きく占める約450億円もの特別区税、そのうち特別区民税の税務についてお聞きいたします。  本定例会では、令和2年度補正予算審議及び令和元年度決算審議が行われる予定であります。この個人住民税は、地方公共団体行政サービスを支える貴重な財源であり、その確保は極めて重要であることは言うまでもありません。その点を踏まえ、特別区民税の課税徴収において2問質問させていただきます。  1問目でございます。  目黒区税務課における課税徴収及び収納業務において、個人住民税特別徴収は、国の経済・財政再生アクション・プログラムにのっとり、地方税における徴収対策の推進として、東京都は9都県市による特別徴収推進の連携を掲げました。平成29年度に、オール東京として、62区市町村が法令の適正運用や納税者の利便性向上などの観点から、普通徴収から特別徴収への推進に取り組んでいることと存じます。  これは、所得税の源泉徴収義務のある全ての事業者の方を個人住民税特別徴収義務者として指定するものと理解しておりますが、本区において、この推進における現時点までの実績や推進した啓発活動等、さらには課題や弊害がありましたらお示しください。  2問目でございます。  個人住民税の納付には特別徴収と普通徴収がございますが、特別徴収は給与所得において、地方税法第41条、第321条の4及び目黒区特別区税条例第34条にのっとり、目黒区が特別徴収義務者を指定し、所得税の源泉徴収と同様に、事業者は納付する義務が生じます。  給与所得は、原則、本人の申出いかんによらず、複数の事業者から給与を得ている場合においては、主たる給与と従たる給与を合算した税額を特別徴収義務者と定めた主たる給与を支払う事業者から納税されると理解しております。しかし、本区の税務の運用は、主たる給与のみの税額を特別徴収し、従たる給与の税額は普通徴収と定めている実態があると聞いております。  ここで質問いたします。  この大原則と異なる運用をされている法的根拠をお伺いいたします。  以上でございます。壇上からの質問を終わります。(拍手)  〔青木英二区長登壇〕 ○青木英二区長  川端議員の住民税・特別区民税における税務について、御質問に順次お答えさせていただきます。  まず第1問、特別徴収の推進に関する実績や啓発活動等及び課題や弊害についてでございますが、特別徴収の推進に関する実績や啓発活動等といたしましては、平成29年度の課税から特別徴収の推進を実施するに当たり、オール東京の取組に沿って、当区においてもその前年である平成28年度から啓発活動などを開始したところでございます。  主な取組といたしましては、まず平成28年9月30日付で、平成28年度課税において当区に提出された給与支払報告書の徴収種別が普通徴収のみであった事業者に対し、平成29年度から特別徴収を推進していく旨をお知らせする指定予告通知をお送りいたしました。  また、平成28年度課税において、給与支払報告書の提出があった全事業所に対し、例年11月に発送している翌年度の給与支払報告に使用する総括表を送付する機会を捉え、特別徴収の推進に関する都内共通チラシを同封し、啓発を行ったところでございます。  また、特別徴収の推進をオール東京として開始した平成29年度の課税においては、特別徴収の税額通知を発送する際、先ほどの特別徴収推進に関する都内共通チラシを同封し、加えて、オール東京として作成した事業所向け特別徴収の事務手引を当区の公式ホームページに掲載いたしました。  さらに、各事業所の税務に関する担当の方々が少しでも事務を円滑に行える環境を整えることで特別徴収が推進されるよう、都内他自治体と歩調を合わせて、特別徴収事務に使用する各種様式類の共通化などの取組を行ったところでございます。  こうした取組を行った結果、特別徴収を行う事業者にお送りした当初通知の発送件数は、平成28年度の当初課税のときに比べ、平成29年度は約9%増となっており、その後も、毎年2%前後増加している状況にございます。  次に、特別徴収の推進に関する課題や弊害についてでございますが、給与所得は、特別徴収が法令の原則であることは従前から変わりはございませんが、特別徴収の推進を行うに当たり、様々な課題があることも事実でございます。  まず、事業所における事務処理の負担の課題でございます。所得税については、給与支払いの時点で、支払額に応じた税額を源泉徴収する制度が広く認知されており、また、税額計算については、市販の会計ソフトを用いて行うことが可能でございますが、住民税の場合は、前年の所得に応じて翌年度に課税する方式であるため、税額は従業員が居住する課税自治体から、それぞれに送られてくる通知をもって知ることとなります。これらを反映させて給与計算を毎月行うこととなるため、所得税に比べて事務が煩雑となってございます。  また、給与天引きする上で、就職や退職が発生するたびに届出が必要となるため、こうした就職や退職が頻繁に発生する事業形態の事業所に当たっては、手続の負担が生じてまいります。  さらに、比較的小規模の事業所は専任の経理担当者がいない場合が多々ございますが、こうした事務負担に難色を示す事業所も少なからず存在しております。  こうしたことから、事業者が給与天引きする特別徴収よりも、従業員が各自で納付する普通徴収を希望する事業所が存在することも実情でございます。  次に、従業員をはじめとする区民の皆様の個人情報への意識でございます。  個人情報への意識が高まる中で、複数の会社から給与を受け取っている方が、他の会社からの給与について知られたくないという申出も少なからずございます。当区の特別徴収の課税通知は、給与所得額などは圧着式であるため、勤務先の会社の経理担当者などが内容について見ることができない仕組みとなってございますが、税額から推測されてしまうことを恐れる方々もいらっしゃいます。  また、複数の会社にお勤めになっている方の場合、主たる給与よりも従たる給与のほうが多い場合など、どちらの会社で区として特別徴収するかという判断が困難なケースもございます。  同様に、医師などは、複数の病院からの給与支払いがある場合も多く、判断が困難な場合もございます。  区民お一人お一人の生活様式や価値観が多様化するとともに、給与支払いの在り方も事業所ごとに多様化し、それに伴い、税の課税事務や徴収事務の在り方も的確に対応していくことが求められている中、給与からの特別徴収の事務処理も、画一的に行うことが難しくなっている状況でございます。  次に第2問、主たる給与に係る税額のみを特別徴収し、従たる給与に係る税額を普通徴収とする本区の運用の法的根拠についてでございますが、御指摘のとおり、地方税法の第321条の3に規定されている内容を大まかに申し上げると、給与所得に係る個人の市町村民税の徴収について、当該納税義務者に対して課する個人の市町村民税のうち、給与所得に係る住民税は、特別徴収の方法によって徴収するとなってございます。  また、当該給与所得者に給与所得以外の所得がある場合、確定申告書に給与所得以外の所得に係る所得割額を普通徴収の方法によって徴収されたい旨の記載がある場合を除き、当該給与所得以外の所得に係る所得割額を特別徴収の方法によって、給与所得に係る住民税に加算して、特別徴収の方法によって徴収することができるとなってございます。  このように、法令上は、給与所得に係る住民税は、給与から特別徴収することとなっており、本区の課税事務処理におきましても、複数の給与所得がある方については、この法令にのっとり、全ての給与所得を合算して特別徴収することを基本としております。  一方で、複数の給与所得があり、かつ不動産収入などのその他の所得がある方もおいでになります。その場合は、確定申告に際し、その他の所得について「自分で納付する」を選択していない場合は、主たる給与所得に係る住民税に、従たる給与所得とその他の所得に係る住民税を合算し、特別徴収してございます。  しかしながら、不動産所得などのその他の所得がある方の場合でも、一部に運用として取り扱っているものがございます。例えば、給与所得が複数あり、かつ、その他の所得がある方で、確定申告書に「自分で納付する」と選択している場合は、主たる給与所得に係る住民税は特別徴収とし、従たる給与所得に係る住民税はその他の所得と合わせ、普通徴収としてございます。  また、給与所得が複数あり、不動産収入などその他の所得がない方で、確定申告書に「自分で納付する」を選択している場合には、主たる給与所得は特別徴収とし、従たる給与所得は普通徴収としてございます。  この取扱いが、御質疑にある運用でございますが、区民お一人お一人の生活様式や価値観が多様化するとともに、給与支給の在り方も事務所ごとに多様化する中で、区民や事業所からは、現状の社会環境などの変化に対し、住民税における課税事務や徴収事務の在り方も的確に対応していくよう求められております。  しかしながら、税に係る法令は、毎年、目まぐるしく改正されるものの、経済政策的な側面から見直しされるものが主であり、社会環境の変化に合わせた税の賦課事務や徴収事務などの具体の在り方に係る部分については、なかなか改正がなされていないのが実情でございます。  区民税は、区民お一人お一人に様々な区政サービスを展開する上で、財源として最も重要な柱の一つであり、区民税を納めてくださる納税義務者などの御理解と御協力がなければ成り立たない性格のものでございます。その点を踏まえるならば、区民や事業所の様々な事情についても区として理解を示しつつ、可能な限り寄り添うことも必要であると考えております。  かつてのように、個人の収入源となる勤務先が1社のみであるとか1事業のみである会社環境ではなく、収入源が投資や不動産など、その他の収入をお持ちの方も多くおいでになります。また、給与収入ですら、複数の会社に勤務されている、いわゆるダブルワークも珍しくない社会環境でございます。  例としてお示しいたしました課税実態につきましては、確かに地方税法では、給与所得は特別徴収の方法によることを原則としておりますが、区民などの生活実態や要望及び住民税の特性などをしっかり踏まえた結果として、許される範囲の運用であると考えてございます。また、それをかいま見るものとして、他の自治体においても、同様の課題と実情の下で、当区のような運用を行っていることを把握しているところでございます。  いずれにいたしましても、今後とも、特別徴収の推進を図ってきた理由や経緯なども十分踏まえつつ、区民や事業所にとって、どのような課税事務や徴収事務の在り方が適切なのか、調査研究してまいりたいと存じます。  以上、お答えとさせていただきます。 ○3番(川端しんじ議員)  地方税法の法改正ですね、住民税の特別徴収制度の誕生は昭和30年ですよ、たしか。65年経過しながらも、いまだ全国的に事業者も納税義務者も、そして本区ら自治体も、選択できるものとして、誤った解釈のまま本日に至ってるのが現状でございます。  そもそも、国民の3大義務と言われてます、憲法第30条にですね、納税の義務、これ皆さんは御存じかと思いますけれども、ほかの義務として教育の義務と勤労の義務がありますが、その義務とは反対に、権利の規定が同条には存在します。  第26条の「すべて国民は、教育を受ける権利を有する」や、第27条「すべて国民は、勤労の権利を有し」ともしっかりあります。ただし、日本国憲法において、第30条納税の義務においては、権利は一切触れていないんですね。ですから、権利の記載がないんです。
     その理由としましても、民主主義にのっとり、国民から選ばれた者により国会において、租税法律主義の原則に従って、国民が税金を決めると、そして行政の暴走を止めるという役割もあるとされております。  一方、欧米諸国にある納税者権利憲章にあるように、「適切に納税する権利がある」「納税自体が権利である」と、そういう考えや意識が重要と言われておりまして、社会保障や行政サービス社会インフラなどを平等に享受できる権利であると私は考えているわけでございます。  ここで言いたいのは、決して私は税に対して強制徴収信者ではありません。これからも、収納未済や不納欠損、公債権や私債権に興味を持ち調査してまいりますけれども、その理由は税の公平性を一番に考えているからでございます。区民に対しても事業者に対しても同様です。税の利用の公平性、税の負担の公平性など、行財政運営そのものと思えるわけでございます。  答弁いただきました2問は関連しておりますので、あわせて質問させていただきますけれども、今御答弁あったとおり、残念ながら、特別徴収の推進の効果はあれど都内でも統一運用がまだされていないと。オール東京特別徴収推進を契機に、地方税法をきっちり遵守して運用をしている自治体もあれば、本区のように、過去からの慣習に縛られ変更できない区が多く存在しております。  税務に携わった新旧の所管の職員の皆様も、ここにも多分相当数いらっしゃると思いますけれども、地方税法の特別徴収の原則に反すると承知しながら、もどかしい思いをされてたんじゃないかなと思います。事実、いまだ過去から改革すらできない多くの自治体は、納税義務者が税務署へ、答弁にもございましたが、確定申告書の第二表、住民税に関する事項、ここの「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」、このチェックで、給与所得も含んだ申請であると拡大解釈をしたり、その文面を主たる給与以外の、これは区長答弁も今ありましたけれども、読み替えているもの、ほかには、地方税法の趣旨に反すると理解はしているが、区民の申出の意思を最優先していると、いろいろな言い訳と慣習をお聞きしております。  最悪のケースでは、本区税務課の管理職員から、副業を勤務先にばれたくないでしょうなどと勝手な運用をしておきながら、納税義務者である区民の代弁のような発言がやはりございました。  確かに、従たる給与所得を勤務先に知られたくない、普通徴収にしてくれと懇願する納税義務者もいるのは事実でしょう。しかし、過去からの経験として、区民の要望をクレーム的に処理し、それを理由に委縮してしまって、制度の理解の求めを一切行っていないのではないでしょうか。  さきの課長の発言自体、区民や、税の公平性に向き合う職務を軽視していると言われかねない。これは区の信用の失墜につながる可能性があると心配しているわけでございます。  きちんとうがった見方をすれば、目黒区職員のうち区内在住の常勤職員、約430名ですが、誰かの副業を隠蔽したり、それをやゆしてる、そう思われても仕方がないと、その可能性があると、そう感じてしまうわけでございます。  一方、これは成功事例でございますが、慣習にとらわれない自治体でございますが、特別徴収推進と同時に、法を遵守すべく公平に特別徴収に切り替えた税務課職員はこう言っておりました。「確定申告書の第二表チェック欄は、見ることもなく完全に無視しています。一切関知しません。給与所得者は、収入を合算し特別徴収するのは当然に行います。」とのことでした。  正義を貫き運用を見事に変更できた自治体は、北区、荒川区、江戸川区、武蔵野市、立川市、三鷹市、調布市、その他、確認できた区や市だけでも20もの自治体があることが判明しております。  当時のことをお聞きしましたけれども、「平成29年の特別徴収推進のタイミングしかなかった。」「その年度を過ぎると、開始の合理的な説明ができない。」そして、変更による弊害も聞きましたけれども、「不安をよそに、拍子抜けするくらい問題もなく、うまくいきました。」との答えです。併徴していた区民、希望の申告のあった一部の区民には、事前に制度理解を促す文書を送付されていた点など、大変工夫されておりました。私が話した他の成功した自治体の税務職員の皆様は、堂々とし、自信に満ちあふれ、凛とした職場の雰囲気が感じられました。  このように、運用の統一がなされていない東京都の実態において、東京都主税局徴収部個人都民税対策課へ意見しましたところ、課税実務担当者会議でさらに情報共有されるべきものだと、そういう見解が示されました。  本区のように、過去から当たり前として運用していることが、国の指針や法の解釈から逸脱して、また、それを認知しながらも現状を維持されるようであれば、これは職員のコンプライアンスの意識はやはり低下していまいますし、組織全体のガバナンスが損なわれてしまうと。意識改革が起こらない後進自治体に陥ってしまう可能性がある、そう思うわけでございます。  再び任期4年がスタートした区長でございますので、新規行革計画の策定において、この点、税務の運用の見直しが早急にあると私は考えております。  ちょっと時間もないですが、そもそもこの……  (「答弁の時間も考えてね。」と呼ぶ者あり) ○3番(川端しんじ議員)  結構です。  これ、国がそもそも指針した理由でもあるんですけれども、特別徴収すべきはずの税がですね、普通徴収とする方法の場合、徴収率が下がって滞納率が上がってしまうという可能性を私は危惧しております。総務省も特別徴収推進を掲げた理由はそこでございまして、全国的にも本区でも、圧倒的に徴収率がやっぱり悪いんですね、普通徴収は。ですから、特別区民税ですね、本区においても、収納未済並びに不納欠損は12億円にも及ぶ点を私は問題視しているわけでございます。  この徴収方法もですね、地域性による、もしくは区民の所得階層によって随分違いがあるんじゃないかと指摘する職員も相当数いらっしゃいます。  基礎自治体である本区は、やはり区民への公共サービスのために税の公平性を図り、安定した税収を確保しながら整合性の取れる運用をすべきなんです。区政全体に言えることですけれども、今までの運用にミスがあれば、やっぱり謝ってですね、これは改善計画を公に示すべきだと。これはもう一心不乱に……  (「あと1分、2分切れてます。よろしくお願いします。」と呼ぶ者あり) ○そうだ次郎議長  質問、どうぞ。 ○3番(川端しんじ議員)  不規則発言はやめてください。今、私が発言中です。  じゃ、最後の分だけ言いましょう。  区長として5期目、任期合計20年、そろそろ悪い慣習を断ち切る、決断できる政治家に生まれ変わっていただきたいと思うわけでございます。これは、この運用自体が実際遅れているわけなんですね。悪いレガシーの象徴だと。本区にはとても優秀な職員の皆さんがおりますので、これは所管主導で改革する起案をされるのか、もしくは区長主導で、これは要望も含めてですけれども、そこだけ最後にお伺いいたします。  以上でございます。 ○青木英二区長  議員、申し訳ないです、私も十分答弁の時間をいただくように次回からお願い、もう1分しかございませんので、大変恐縮、途中で切れますけれども、お許しをいただきたいと思います。  まず、私どもは決してクレームということで行っているわけでございませんで、やはり区民の皆様の立場に立つということでいえば、これは、私どもは確かに賦課徴収する立場ですけれども、同時に、例えば会社の方でいえば、それは徴収をする義務の方、それから実際に納税していただく立場の方、そういった立場の方々のことも、やはり寄り添ってやっていくということは非常に重要です。  それが認められるのは、やっぱりこれはマスト、ねばならないという法律の文章解釈ではありませんので、一定のそこは運用ができると思います。  23区でも、圧倒的に目黒区と同じ運用をしている区があるというふうに私は認識してございます。  以上です。 ○そうだ次郎議長  川端しんじ議員の一般質問を終わります。  次に、4番白川愛議員。  〔白川愛議員登壇〕 ○そうだ次郎議長  白川愛議員の一般質問に際しては、書画カメラにより補助資料を表示することを許可いたしましたので、御了承願います。  事務局をして補足資料と同一内容の資料を配付させていただきますので、お待ちください。  それでは、白川議員、質問を始めてください。 ○4番(白川愛議員)  まず、6期もの長きにわたり区民目線で目黒区政に切り込み、情報提供され、行財政、議会改革の先鞭をつけられた須藤甚一郎区議の御逝去を悼み、心より哀悼の意を表します。  先達の歩まれた険しい道を私も引き継いで進んでいくことをお誓い申し上げ、今般、一般質問に臨みます。  さて、私の独自調査により、目黒区税務課による、DV、ドメスティック・バイオレンス等支援措置対象者に対しての個人情報漏えいが明らかになりました。この個人情報が漏えいしたことが漏えい被害者に発覚したのは、令和元年9月末のことです。  DV等被害者の個人情報を、加害者である元夫に対して居住地などの情報提供を拒む支援措置を取っているにもかかわらず、令和元年9月における現住所を記載した書面を、目黒区税務課の担当者が、あろうことかDV等加害者である元夫に送付していたものです。  この事案の発生には、非開示情報とほか自治体から提供された情報を元夫に開示したこと、記載された住所が令和元年1月1日でなければならないのに9月の現住所を記載したことなど、明らかに目黒区税務課の失敗である複数の問題がありました。  まず、経緯から確認も含めて御説明いたします。  なお、時間が短いため、答弁ではできる限り重なる事実認識で時間を消費しないように御答弁いただくことを要望いたします。  DV等被害者である元妻は、令和元年に、目黒区在住であったDV等加害者である元夫と離婚しました。こういったDVなどの加害者の例に漏れず、精神的に問題を抱えている元夫からは、離婚後も付きまといなどの懸念が強かったことから、小学校在学中の子どもたち、そして自らの身の安全を確保する目的で、元妻は転居した居住地である自治体と相談の上、住民基本台帳事務における支援措置、すなわち加害者から被害者を保護する目的で住民基本台帳閲覧制限を申請して、実施されました。  また、家庭裁判所を通じて名前も改名しました。改名には、元夫のDVなどの被害から逃れるためも理由として認定されています。このような多くの時間と労力を費やした結果を、目黒区の対応ミスで一瞬にして全てを破綻させたのです。  令和元年9月、元夫に対して目黒区税務課が元妻及び子どもたちの現住所を付記した書面を送付したのです。これにより、元夫は元妻、そして子どもたちの所在地を把握し、同月、元妻の自宅に突如訪問してきました。元妻は警察に通報し、警察が元夫の対応をしている隙を見て、子どもたちを連れ、その場から運よく逃げることができました。  警察の指導の下、帰宅させられた元夫は、この目黒区からの書面を元妻の元に置き去っていきました。  警察の指導の下、元夫に発覚した自宅に戻ることが危険と判断され、自宅にはその後一切立ち寄ることができないまま、元妻と子どもらはホテル住まいを余儀なくされました。その後も、元夫に知られた自宅に戻ることができず、転居、転校することを余儀なくされたのです。  この一連の事件を引き起こしてしまったのは、本来であれば守られるべき立場の被害者の個人情報を、加害者である元夫に対して目黒区が現住所を記載した書面を送付してしまったことが原因であることは、経緯を聞いた誰であれ御理解いただけるでしょう。冒頭申し上げましたとおり、不開示の支援措置を受けている不開示情報を目黒区が開示したのです。その情報も、行政が行うべき通常の作業である令和元年1月1日の住所ではなく、その後転居した絶対に隠されるべき現住所を記載する念の入りようです。ミスを犯すにも程があるというものです。  支援措置がかかっている事案では、そもそも加害者、本件でいえば元夫に対する情報提供は通常以上に慎重であるべきです。そして、これは何と目黒区5歳女児虐待死事件、すなわちDV虐待死の事件があった目黒区で起きた事案なのです。  支援措置の制度目的に反した行為であると同時に、最も慎重になるべき自治体がその反省もなく情報を漏えいしたことには、目黒区行政機関を統括する区長が一体どのような指導をしてきたのか、また、その反省を生かそうと本当に努力をしてきたのかに強い疑問を抱かざるを得ないものです。  個人情報の漏えいが時として重大な結果を招くということは、2012年に起きた逗子ストーカー殺人事件でも広く知られているところです。この事案では、加害者の男性から依頼をされた探偵業者が女性の夫を装って市の納税課に電話をし住所を聞き出し、加害者男性は女性の自宅に押しかけて、女性を刺殺した後、自らも命を絶ちました。このような事件が実際に起きています。  この事件でも、女性は男性から逃れるために、住民票の閲覧制限を市に申請して認められていました。この事件では、職員は制限の有無を確認しないまま情報を伝えており、被害女性の住所を加害者側に教えたのは地方公務員法上の守秘義務違反に当たると横浜地裁に認定され、逗子市に対して賠償金の支払いが命じられ、当該職員も1か月の停職処分、再発防止策としてシステムの見直し、そして職員研修が実施されるに至りました。  今回の目黒区による個人情報の漏えい問題では、元妻や子どもらに身の危険を与えかねない状況をつくり出してしまったその責任は大変重いものです。転居先を隠し、名前も変えるほどの状況を鑑みれば、どれほどの危険と恐怖をDV被害者である元妻が感じていたのかは誰もが容易に推測できるでしょう。  何よりも、精神疾患を患う元夫の感情を逆なでしないよう、可能な限り細心の注意を払い、考えられる限りの全ての対処をしてようやく手に入れた安息を、目黒区が一瞬にして奪い去ったのです。当時、どうにか安心で安全な生活環境を得た元妻と子どもたち、その努力を目黒区の怠慢な対応が奪い去ったのです。その責任を理解しているなら、まず問題を公表し、今後それ以上の問題が起こらないように防止するための細心の注意をすべきですが、目黒区の対応からはそれらが見えてきません。  今回挙げている情報漏えい被害者の事例では、子どもたちは転校を余儀なくされ、それまで築いてきた学校での関係性と努力が全て水泡に帰しています。保護者である元妻に与えた金銭的被害や精神的被害に加え、幼い子どもたちに対して与えた被害の大きさについて、その問題の大きさについて理解していれば、通常の行政機関であれば、即座に漏えい事案として公表し、迅速な問題解決を図り、再発防止策を提示するのが当然ではないでしょうか。  この情報漏えい被害者の事例では、再度の転居、転校をしたとはいえ、一度元夫に住所が発覚したことで、また不安の中に追い落とされ、幼い子どもたちを抱えた状態で生活を立て直そうとする元妻、そしてそれを見ている子どもたち、こういった目黒区行政の不注意がもとになった情報漏えいの被害者であるこの母子に目黒区は一体どのような対応ができるかを真剣に考えて対応していたとは、私が調査した内容からは一切感じ取れません。  区長は、平成27年第1回定例会でも、個人情報の漏えいなどによる区民への被害を未然に防ぐことが何よりも重要であると考えておりますとの御答弁をされていますが、目黒区に在住していない情報漏えい被害者には正しく対処しないのでしょうか。  目黒区が現在も情報漏えいの事実を公表していないこの情報漏えい事案では、被害者の元妻はストレス性の突発性難聴に苦しめられ、精神的にも不安定な状況の中で、必死に働きながら幼い子どもたちを育てているようです。  個人情報の保護は、民間企業にも厳しく求められております。もちろん、行政機関が職務上それ以上の責務を負っていることは言うまでもありません。各自治体で様々なあしき前例があります。そこには常に司法からの警鐘を受けています。そういった同様の事案が生じないために、日頃から制度の周知、細心の注意を払わず職務を遂行していた本区の責任は重大であり、区長の責任が問われるゆゆしき問題です。  この重大な情報漏えい事案は、令和元年9月に目黒区で把握し、10月には当該元妻居住地である自治体とも情報を共有しております。にもかかわらず、目黒区議会に詳細な報告はありませんでした。これを議会軽視と言わずして何と呼ぶのでしょうか。  例えば、直近に起こった同様の事案として、市外在住のDV等支援措置対象者を含む個人情報が誤った事務手続により加害者側に漏えいしてしまった三鷹市では、事態を把握した11日後の6月29日にはプレス発表をしています。これを目黒区の関係各位は当然ながら御存じであると思います。  こういった非常に重い情報漏えいについては、プレス発表も含めて明確な問題の発生を公表することが自治体としての目黒区の責務なのは、昨今の社会状況から鑑みても当然のことであると考えます。  三鷹市の担当者の方にお話を伺ったところ、まずは被害者御本人の意向が最大限尊重される形で、第2、第3の被害者を出さないためにも、また、他の自治体に警鐘を鳴らす意味でも、早急な事実の公表を行うことに対して、市長以下全ての理事者が同じ考えであったとお聞きしました。  公開することのマイナスよりも公開しないことのマイナスのほうがはるかに大きいこの時代で、今日に至るまで、目黒区ではこの重大な情報漏えい事案が一切公表されておりません。そしてまた、この件では、当然のことながら最大限その意向が考慮されるべき情報漏えいの被害者の方の意向が確認されてないということからも、被害者の方へのぞんざいな本区の対応が浮き上がってきます。第2、第3の被害者を出さないという意識が感じられません。  改めて、なぜ同様の事案である目黒区の情報漏えいは、ほぼ1年が経過する現在まで公表されないままなのでしょうか。これは、私には目黒区長による意図的な隠蔽であると感じられます。本来なら行われるべき公表がされなかったのは、この情報漏えいが発生した令和元年9月の約半年後、本年、令和2年4月に行われた目黒区長選への悪影響を懸念した現職区長による情報隠蔽工作と感じられるのです。もしも、この状況を客観的に知ったほかの方がいたとしたら、多くの場合は私と同様の疑念を抱くことでしょう。  DV等被害者の情報を加害者に漏らした情報漏えい事案が、先般、児童虐待死のあった目黒区で起きたということは、どう考えても行政機関として最低最悪レベルの失敗です。それを公表しないこと自体、とても不自然です。  私は、この情報漏えい事案に対しての行政支出が、議会報告をしなければならない200万円以上の支出ではないという、区長の専決処分の金額を逆手に取って区議会への報告も省略したものだと考えております。しかし、それとは別次元な問題として、情報公開の原則から、公共機関は自分自身に不利益な情報ほど明確に開示する必要があることを、目黒区長は理解しているのでしょうか。  行政機関が失敗を繰り返さないために、常に失敗に関しては積極的に公表するのが当然です。他の自治体においては、さきに挙げた三鷹市のように、即座に公表しています。再度申し上げますが、なぜ同様の事案である目黒区の情報漏えいは、ほぼ1年が過ぎる現在まで隠蔽されたままなのでしょうか。  情報漏えいの中でも、こういったセンシティブな事案ほど、明確かつ早急に公表して問題の解決を急ぐことが求められます。その賠償に必要な金額などという話は、まず事件の発生を公表した後に起きるものです。今回、目黒区は、問題が発生したことそのものを隠しています。つまり、公的には発生していない問題のために公金を使っている状況です。これは順序としておかしいのです。  その中で、当事者と交渉を続け、可能な限りそれ相応の対応はすると目黒区の担当者が説明したと聞き及んでいますが、しかし、それにもかかわらず、目黒区の対応が今に至るまで不十分であること、問題に対しての真摯な姿勢がないこと、議会報告すら省略し、専決処分内での賠償金で何とかしようとしたがために、いまだに和解にも至っておりません。これは一般的な行政の対応として不自然極まりありません。  さて、繰り返します。なぜ議会報告を正式にしないでいるのかと考えれば、やはり本年4月に行われた区長選挙で野党擁立候補に攻撃されることを恐れた青木英二目黒区長の政治的な都合ではないかと考えられるのです。言い換えるならば、目黒区税務課並びに目黒区行政は、公的な理由ではなく、目黒区長の再選に向けた選挙を有利にしたいという極めて私的な理由のために、公金で被害者に補償したという構図が浮かび上がります。  これが事実かどうか、私は判断いたしません。しかし、そのような極めて悪質と判断し得る構造ができていることを、目黒区の職員一同、またこの事実を知っていた方々はちゃんと理解しておくべきです。これは、目黒区行政の区民からの信頼を裏切る行為とも言えるのです。言うなれば、これは議会でいえば、政務活動費を私的利用しているのと同様の事案です。  かつて目黒区では、目黒ショックと言われた政務活動費、当時は政務調査費と言われましたが、その私的流用に対して大きく報道された事実があります。その事件では、目黒区では公明党は全議員が辞職しました。その翌年以降にも、女性との私的な遊興費に政務活動費を使った疑いで調査を受けた議員がおり、その方は今も目黒区議会に在籍しております。  この事例でも、組織としての当該会派は、疑われた公金支出は返還させた上で、当時の幹事団が調査結果を書面で提出しています。こういった公表と改善の姿勢を出してすら、議会としての信用の失墜は避け切れなかったことは容易に想像できます。  こういった公金の私的流用が絶対に行われてはならない事案であることは、ここにいる誰もが理解している話です。それを、現職の目黒区長のために目黒区行政が、または職員の一部が加担して行ったのだとしたら、それは目黒区の歴史上最悪とも言える不祥事になります。  実際、外的状況を見て現時点までの目黒区が取ってきた一連の行動を考えた場合、最悪の不祥事に見える状況であることを自覚した上で、以下について区長の真摯な答弁を求めます。  第1に、これまでの一連の経緯について目黒区で把握していることを、発生時から今日に至るまで、時系列で御説明をお願いいたします。いつ発生し、どのような対応をし、幾ら支払いが完了していて、残りは幾らか判断しているのか。端的に時系列でお示しください。  第2に、現在まで一貫してこの情報漏えい事件について記者発表等を実施されておりませんが、今後、対外的にどのように対応していくおつもりなのか、方針をお伺いいたします。  また、一般論として、被害者御本人の御意向を確認するのかしないのか、明確に御答弁ください。  第3に、個人情報をあるまじき不注意により漏えいさせた当該職員は当然、懲戒処分に値すると思料いたしますが、現在の対応状況及び服務監察につき御報告ください。  なお、本区では職員の懲戒処分の指針についても区民に対して公表していないことから、今回お伺いいたします。  第4に、令和元年9月に発生して、いつからどのような形でシステム及び職員研修などの再発防止策を講じ、どのように実施しているのか、具体的に御説明ください。  そして最後に、目黒区という行政によって、情報漏えいの被害者家族の人生が大きくねじ曲げられました。今後、どのようにして目黒区のトップである青木英二区長は、被害者に対して責任を取るおつもりなのか、御答弁をお願いいたします。公的に一切の公表もせず、謝罪もせずに今に至っている、それはとても不自然なことだと自覚した上で御答弁ください。  この事案は、発生から既に1年が経過しようとしております。一体いつまでにこの問題を解決するおつもりなのか、区長は被害者に対して直接的にどういった形で謝罪の意を表するのか、具体的な対応方針と時期を明確にお示しください。  以上、壇上からの質問になります。(拍手)  〔青木英二区長登壇〕 ○青木英二区長  白川議員のDV等被害支援措置対象者に係る情報の漏えいについての御質問に順次お答えさせていただきますが、まずお答えを差し上げる前に、本件に関しましては、多くの不手際等もあり、被害を受けられた方々に大変大きな御迷惑と御負担をおかけし、区長として心からおわびを申し上げるものでございます。  議長、第1問に入るんですが、私どもが事前にいただいた質問通告と、私の認識だと大分御質問の内容が違っていたというふうに私は判断をしますので、私どもがいただいた認識で答弁をさせていただき、いただいた内容が、非開示情報として目黒区の問合せに答えたDV等被害支援措置を実施している他の自治体に令和2年になって説明した資料を超える事実の有無について伺うという内容でございますので、これについてお答えをさせていただくということでよろしいでしょうか。 ○そうだ次郎議長  はい。 ○青木英二区長  それでは、そのようにさせていただきたいというふうに思います。  では、その内容に沿って答弁いたします。  では、御質問の第1問、DV等被害支援措置対象者に関わる情報の漏えいの経緯などについてでございますが、本区では確定申告書に記載された被扶養者等について、被扶養者とするためには所得要件等があることから、住民税の賦課に必要な所得状況等について調査を行ってございます。その確認作業における一つの方法として、確定申告を行った方に対して、税務システムにより作成された文書をもって照会を行っているところでございます。  本区では、こうした扶養者の調査に際し、三つのシステムを活用して事務処理を行ってございます。まず、税務システムで住民税の算定や各種調査に係る帳票の出力などを行います。次に、住民基本台帳ネットワークシステムでマイナンバーを用いた調査対象者の住民登録自治体を把握してございます。さらに、情報提供ネットワークシステムで対象者の住民登録自治体での所得状況等を把握してございます。  そこで、本件の概要でございます。  確定申告を行った方の住民税の賦課に際し、税務署に提出された確定申告書を基にして賦課事務を行います。本件については、当該申告書に被扶養者として3名の記載がございましたが、この3名のいずれも本区に住民登録をした記録がない方でございました。  また、その3名の方のうち1名の方については、マイナンバーの誤記載があったことから、マイナンバーを基に住民基本台帳ネットワークシステムにより住所を調査することができませんでした。  3名の方はいずれも本区に住民登録がないため、当該年度の課税状況の把握ができなかったこと、3名の方のうち1名の方についてはマイナンバーの誤記載があったことから、その方の住所を調査することができなかったこと、この2点により、3名の方のうち1名の方の住所を把握するため、扶養者である確定申告を行った方宛てに文書をもって照会を行う中で発生したものでございます。
     次に、詳細でございますが、本件の被扶養者の調査におきましては、先ほど説明いたしましたとおり、住所を把握できた方とできなかった方がございました。マイナンバーが正しく記載された被扶養者の方につきましては、住民基本台帳ネットワークシステムにより住民登録自治体を把握した上で、情報提供ネットワークシステムにより所得状況等を把握することができました。  一方で、マイナンバーが正しく記載されていなかった被扶養者の方につきましては、住民基本台帳ネットワークシステムによる住民登録自治体の把握ができなかったことから、税務システムにより出力された調査票を用いて、確定申告を行った方宛てに文書により照会することとなりました。その際、当該調査票は、調査結果を的確に得るため、補完的情報としてマイナンバーが正しく記載されていた被扶養者の方の氏名と把握できた住所が記載される仕様となってございました。  本件におきましては、情報提供ネットワークシステムにより住民登録自治体宛て照会を行った際、行政間の情報のやり取りを開示しないことを意味する不開示扱いで、所得等の情報提供がありました。しかしながら、この不開示扱いが本区の情報提供ネットワークシステム内でとどまり、税務システムへの機械的連携や住民基本台帳ネットワークシステムと、情報提供ネットワークシステムから得た異なる情報をひもづけする処理手順が整備されていない状況の中で、本件のような特段の配慮を要する事案を確実に把握することができる仕組みとなっておりませんでした。  これが本件の経緯でございます。  お尋ねの、本件に係り他自治体から問合せに関してお答えをした情報でございますが、ただいま、るる説明申し上げた内容を基本にお答えをしているものと御承知をいただければと思います。  次に第2問、今後の対外的な対応の方針及びプレス発表についてでございますが、個人情報の漏えいなど、区が関与する事故が発生したときのプレス発表は、組織として説明責任を果たす必要がある場合などに正確な事実関係を公表するとともに、区の姿勢や対応を迅速に広く知らしめることで、被害の拡大を防ぎ、住民等の不安解消を図ることを目的に実施するものでございます。  例えば、物損事故などの対応につきましては、対象の方々への御連絡やおわびとともに、再発防止策などについて検討または施策を講じた上、個々の事案の内容や件数及び影響範囲などを勘案し、必要に応じて当該事実をプレス発表するものと考えてございます。  また、個人情報の漏えいにおいて区民に大きな影響がある事案につきましては、速やかに公表しているところでございます。  一方で、議員お尋ねのようなDV等被害支援措置対象者である方の個人情報の漏えいが発生した場合は、プレス発表において他の事案とは異なる対応が求められ、とりわけ被害を受けられた方の人身の保護など、身の安全を第一にすることを考えて判断する必要があるものと考えてございます。  その点で、本事案に関しましては、DV等被害支援措置対象者であるということで、個人名などを伏せてプレス発表したとしても、本区が発表することにより、加害者とされる方は、当該事案が自らの事案であることを容易に察知できることから、加害者とされる方への思わぬ刺激となることが懸念をされ、被害者の方に何らかの危険性が及ぶ可能性を否定できないことなどから、事案が一定の解決に至るまでは慎重に対応すると判断したものでございます。  今後、本件において一定の終結がされた段階で、他自治体の同様の事案に対する対応の在り方などを考慮しつつ、改めてプレス発表を含め、対外的な対応等につきまして判断をしてまいりたいと存じます。  次に第3問、本件に係る職員のその後の処遇及び対応状況についてでございますが、本件については、先ほど申し上げましたとおり、本区といたしましては、情報提供ネットワークシステムにより住民登録自治体宛て照会を行った際、行政間の情報のやり取りを開示しないことを意味する不開示扱いで所得等の情報提供がありましたが、この不開示扱いが本区の情報ネットワークシステム内でとどまり、税務システムへの機械的連携や住民基本台帳ネットワークシステムと情報提供ネットワークシステムから得た異なる情報をひもづけする情報処理手順が整備されていない状況の中で発生したものでございます。  DV等被害支援措置は、居場所を秘匿する措置であるため、本区内に居住するDV等被害支援措置につきましては、本区としてシステムを通して全庁的に情報を共有し、システム上での制御をかけるとともに、事務処理の中で注意喚起する仕組みが構築されております。  しかしながら、本件の場合は本区に居住実績がない被扶養者であることから、情報提供ネットワークシステムで住民登録自治体宛てに所得状況を照会した結果、当該被扶養者が不開示扱いとして回答があったとしても、直ちにDV等被害者であることを把握することは、現状のシステム環境では難しい状況にございました。  本件のように、本区に居住実績のない方につきましては、管理や運用の仕組みが確立されているわけではないため、DV等被害者である事実を把握した時点で、でき得るシステム上の工夫を施しつつ、細心の注意を払いながら事務処理を行っている状況でございます。  したがいまして、まずはシステム間の機械的連携や複数のシステムから得られた異なる情報をひもづけする処理手順が整備されていない状況に、本件発生の原因があるものと考えているところでございます。  現在、被害を受けられた方と協議の過程にあり、本件について一定の終結がなされた段階以降に、その結果や過去の事例を踏まえつつ、改めて職員への対応の是非等について整理をしてまいりたいと考えているところでございます。  次に第4問、本件発生後の再発防止についてでございますが、まず本件の直接的な要因となった被扶養者調査に関する再発防止についてでございます。  被扶養者調査は、確定申告書に記載された被扶養者について、その記載内容と本区が所有する情報ではその者を特定できない場合に、申告者宛てに被扶養者の氏名や住所などを文書により照会するものでございます。  本区では、この被扶養者調査の照会文書を税務システムに出力しておりますが、的確に調査結果を得るための補完的情報として、当該申告者の被扶養者のうち税務システム上で特定されている被扶養者については、当該照会文書にあらかじめ氏名や住所などが印字されるようなシステム上の仕様となっておりました。  このことにより、被扶養者が複数いる場合、実際の調査対象となる扶養者の被扶養者がそのうちの1名だとしても、税務システム上で特定できるその他の被扶養者の氏名や住所が印字され、さらに、これを改めて確認する手順についても明確になっていなかったことで生じたものでございます。  この点の早急な再発防止策として、今回の事故が判明したその日以降は、この被扶養者調査の実施を中止し、さらにその3日後には、被扶養者の氏名や住所などを出力しない対応にシステム改修を行いました。  あわせて、本件と同様な事象が他に存在しなかったのか、既に被扶養者調査を実施した分について検討を行い、同様な事象はなかったことを確認したところでございます。  次に、今回の事故の要因のもう一つである複数のシステム間での情報の確認作業と事務処理方法を検証し、事務処理全体の手順との整備を速やかに図りました。特に、平成29年11月から本格運用が開始された、全国的な行政間での情報のやり取りの仕組みである情報提供ネットワークシステムについては、課税業務で本格的に運用が開始されたのが平成30年度であることや、情報提供ネットワークシステムで知り得た情報が本区の税務システムに自動的に取り込まれる設定になっていないことから、本発生の確認後、事務処理手続の整備を行いました。  また、住民基本台帳ネットワークシステムにより検索した住民登録地などの情報を税務システムに入力する事務処理については、確認項目を明確化するため、確認表の作成や入力後の確認作業の強化を図ったところでございます。  一方で、被扶養者調査以外の調査など、区民向けに発送する文書について同様の事案が発生する可能性を検証し、再発の可能性が少しでもあるものについては、システム面や運用面での対応を図っております。  こうした再発防止策を講ずるとともに、より慎重な個人情報の取扱いが職員一人一人に徹底することを目指して、全ての税務課職員を対象に、係単位でミーティング形式による研修を行っております。  今後も再発防止に向けて、システム的に制御できる方法を模索しつつ、継続的な事務処理の見直しを図ってまいる所存でございます。  次に第5問、本件の解決に向け目標となる時期や内容及び区長としての対応などについてでございますが、本区といたしましては、これまで、被害を受けられた方がお住まいの自治体から本区に対し、本件発生の第一報が寄せられた直後、速やかに被害を受けられた方にお会いをし、率直におわび申し上げるとともに、現に居住されている自治体との情報交換などを経て得られた御意見などを踏まえつつ、移転先、居住が確保されるまでの間、一時的に御家族が身を寄せる施設の確保や、当面の生活費のお支払い及び転居先物件の紹介並びに転居費用等の支出など、必要とされる一連の事項についてでき得る限りの対応をしてまいりました。その結果、現在は転居が完了されているところでございます。  このように、本件について、終結とするべく様々な対応をしてまいりましたが、最終的な賠償の在り方について、先ほどお答え申し上げたとおり、現在も被害を受けられた方との協議の過程にあるものでございます。  本区といたしましては、被害を受けられた方の状況に鑑み、速やかに終結に向かいたいと考えているところでございますが、賠償につきましてはその額に応じて議会の議決を要する場合があるなど、一定の客観性を求められるものと考えてございます。  したがいまして、御質問にある今後の目標となる見通し等につきましては、本区として必要以上に時間を費やす考えは毛頭なく、速やかな終結を望んでいるところでございますが、ただいま申し上げた補償に関して客観性を確保する中で、被害を受けられた方との協議を丁寧に進めるほかない状況でございます。  次に、対応の内容でございますが、これも被害を受けられた方との協議の結果によるものでございますので、その結果に応じて、必要とされる手続を丁寧に取ってまいりたいと考えてございます。  最後に、区長としての被害を受けられた方への直接の謝罪についてでございますが、本件に係り被害を受けられた方に大変な御迷惑と御負担をおかけしたことを心からおわびを申し上げます。そこで、おわびの方法につきましては、本件が一定の終結を見た段階で改めて考えてまいりたいと存じます。  以上、お答えとさせていただきます。 ○4番(白川愛議員)  すみません、それでは再質問させていただきます。  先ほどから、システムの改修というところで再発防止策、いろいろおっしゃっておりましたけれども、これ、結局ですね、今回発生した事件はシステムだけの問題ではないんですよね。  情報漏えい事件の発端となったのが税務上の照会書ですけど、DV加害者に送付された照会書、先ほどもおっしゃってましたけれども、DVの加害者の実子の1人のマイナンバーを誤記したことによる、誤記がもともとの起因なんですけども、情報が不足してるんだったらば、端的に情報が不足してる実子についてだけの住所の再調査を求める照会状を交付することで、その目的は達成できたはずです。  この部分は、先ほどおっしゃってたシステム上の印字が、これが今後はされないように税務課のほうでなるということで、ここは今後同じようなことは起こらないであろうと思うんですけども、わざわざ職員の方が手書きでも書いておられますから、名前等を、お子さんの、そこも人為的ミスも重なっちゃってますんで、これはシステムではどうにもできない部分なんですけど、こういったところですね、再発防止策をもう少し徹底的に検証していかないと、これでもう同じことが起こらないとは言い切れないかなというふうに、先ほどの区長のお答えを聞いてて、ちょっと心配になる部分が多々ありました。  そこも、わざわざ住所を目黒区が代理で調査してこの情報を表記して、住所を、補完的情報って先ほどからおっしゃってましたけども、これはそもそも誰のために付記したんでしょうか。そこをまず伺いたいです。  それと、申請者の方が家族の住所を知らないというんであれば、それはそれなりの理由があるんではないでしょうか。これは一番、システムどうこうじゃないんですけど、8月27日の時点で、情報提供ネットワークシステム、これを使って他の自治体に照会を行ってますよね。この1週間後の9月3日には、不開示というふうにして情報提供があったんですよ。にもかかわらず、なぜだか9月26日に、住民基本台帳ネットワークで把握した非開示情報の住所まで記載して送ってるんですね。何でこんなことをしてしまったのかということ。  さらに、目黒区の税務課が送付した照会書には、子と母それぞれ生年月日も記載されてましたけれども、これ、幼い子どもと保護者の住所が違っているという時点で、何か事情があるのではないか、さらに不開示ですからね、という予測が全く働かなかったのかどうか。  これら目黒区が取った対応のどれもが、個人情報の目的外使用をしていることから発生したとも考えられますが、この点に関していかがお考えでしょうか。  このような重大な事件が、全く公表もされずに、議会への報告もないまま、1年が過ぎようとしています。これほどまでに隠蔽体質が蔓延した背景には、やはり改選期にあった青木区長が不祥事事案を隠蔽しようと保身に走ったことが理由ではないかと。目黒区議会並びに目黒区民に明確に証明できる、公表しなかった理由をお答えください。  以上になります。よろしくお願いいたします。 ○青木英二区長  それでは、なぜ補完的な情報を出したかということ等についてですが、これは税務システムで、例えばこの場合でいうと、被扶養者の方の存在等を確認するということが必要でありましたので、当然そのときは印字されているお二人、この3人も含めて、調査を依頼された相手、ここでは加害者とされるという方ですが、当時は当然それが分かっていなかったわけで、来た文書がより的確にその方に分かるようにということで印字がされていたということでございます。  私どもは今、様々な印字がされていた、そもそもこういった形で被扶養者調査を行ったことについて、こういった問題が起きましたので、すぐ中止をし、印字が打たれるそういった取組も今回すぐに、3日後に行うということもやめたところでございます。  いずれにしても、私ども、今回のこういった問題が生じたことを含めて、やはり職員等を含めて行って、組織的に十分な整備がされていないことが大きな原因で、二度とこういったことがあってはならないことでありますので、一定の再発防止策を行い、その後、それぞれ研修を行って、職員に内容について周知徹底をさせていただいたということでございます。  それから、2点目の議会への御報告がないということでございますけれども、大きく3点あろうかなというふうに思います。  一つは、委員会報告でございますから、当然、傍聴等もできることでもありますし、後日委員会報告も、これは開示がされるということになります。そういったことを前提に、まず一つは、当然、イニシャルを使おうが、いろんなやり方をしようが、一つはやはり私どもが慎重にしなければいけないこととして、DVの被害を受けられた方のプライバシーというのは、まず第一義的にしっかりと守っていくということが最も大事ということでございます。  それから、三つじゃなく、四つ挙げさせていただきます。  一つは、まずそういったプライバシーに十分配慮していくということでございます。  それから、感情を逆なでるというふうに先ほど登壇されてお話をされておりました。全くそのとおりで、この加害者とされる人物が目黒区民でございますので、やっぱり感情を、議員のお言葉で言えば、感情を逆なでるということ、刺激を与えて再び大きな被害になってはならないという判断もございました。  それから三つ目、やっぱり三つですね、ごめんなさい。三つ目として、やはり大きな課題としては、今協議中でございますので、私ども、まだ未成熟な情報でございますので、基本的にやはり未成熟な情報というものは慎重に取り扱う必要がございますので、こういったことを含めて、議会への報告はされていないということでございます。  4点目と言おうとしたのは、それをまとめて申し上げて、私どもは協議が終結をすれば、これは遅滞なく委員会のほうにはきちんと御報告をするというふうに、プロセスを踏んで現在進めているということでございます。  以上でございます。 ○4番(白川愛議員)  すみません、再々質問に入ります。  先ほど区長の御答弁の中から、あったんですけれども、これは協議中なのでというところは分かるんですけれども、これは訴訟案件とかになっているわけでもなく、その協議の中で、当然、先ほども私も一般質問でお伺いしましたけども、被害に遭われた方、結果的に目黒区が被害者にしてしまった方ですよね、に対してどのような形で対応してほしい、公表に向けてもそうですけれども、区長のアカウンタビリティー、説明責任の部分に対して、どういうふうにしてもらいたいのかという御意向を1度でも伺ったことがあるのかどうか。  それとあと、謝罪に関してですけども、翌日にすぐに把握して、当該自治体に伺って、直接被害に遭われた方に謝罪されたということですけども、それ区長は行かれてないですよね。区長がという、私も再度聞いているのは、直接御本人に対して何らかの形で謝罪する御意思があるのかというところですね。そこを確認させていただきたいと思います。  これは本当に非常に重い案件だと私は思っています。人一人の命が関わったことから、区長の区民と議会に対する説明責任の所見と、二度と同じ過ちを繰り返さない覚悟について所見を伺いたいと思います。  私も、二度と同じ過ちを起こさせないためにも、今後も区政を徹底監視する覚悟をいたしますということを区民にお約束申し上げ、これで再質問を終わらせていただきます。どうぞ。 ○青木英二区長  まずは、区長としての説明責任ということでございます。  まずは、これは一番大事なのは、区民の代表である議会の皆さん方に説明をするということが最も大事なことで、それをもって説明責任ということになろうかと思います。その段階で、当然委員会報告を行って御質疑もいただくという、これは区民の代表である議会の皆様から御質疑もいただくということの中で、説明責任を明確にしていくということでございます。  繰り返しになりますが、今の段階では、今日現在、あした現在、これは区民生活委員会が所管事項でございますけれども……  (「生活福祉」と呼ぶ者あり) ○青木英二区長  生活福祉委員会が所管事項でありますけれども、今申し上げたように、今の段階では、同じ繰り返しで申し訳ありませんが、やはりプライバシーの問題、それから議員もお話があった感情の問題、それから協議が今まだ未成熟ですので、情報の内容が未成熟なのは、やはり委員会に報告を私どもはしないということが私どもの基本的な立ち位置でございますので、そういったことがきちんとなされれば、私は保身など全くしてございません。それは、私が言っても議員と考え方が違うので、ここで幾ら私が言っても致し方ありませんが、そういう意味で、保身のために委員会報告をしていないなどというのは全くございません。手続がまだ済んでいないので報告をしていないというふうにぜひ御理解をいただければというふうに思っているところでございますので、委員会はそういったプロセスを踏んでしてまいりますので、したがって、それが隠蔽というふうには、保身というふうには、私は全く自分自身は考えていないということでございます。  それから、謝罪についてでございますが、所管課長がすぐにおわびに上がり、すぐにお話合いということになりました。私もつぶさに状況を伺っておりますので、それはおわびを区長として、重大な事案となっていますから、おわびをするということは当然のことだと思います。  今、協議がされている段階でございますので、やはり目黒区長として、区の最高責任者として、区としてそれはおわびをするということになりますので、やはり今協議がされている中で一定の、私が謝罪を協議の最中にするということは、やはりここは慎重にやるという必要があろうかというふうに思います。  どのように謝罪をするか、こういった協議の内容も含め、適宜適切な対応を取っていきたいというふうに思っているところでございます。  以上でございます。 ○そうだ次郎議長  白川愛議員の一般質問を終わります。  次に、30番宮澤宏行議員。  〔宮澤宏行議員登壇〕 ○30番(宮澤宏行議員)  自由民主党目黒区議団の宮澤宏行でございます。  まず初めに、中国武漢で発生した新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ウイルスに罹患されてしまい、お亡くなりになられてしまった方々にお悔やみを申し上げますとともに、今現在、感染してしまっている皆様におかれましても、1日も早い回復へと向かわれますようお見舞いを申し上げます。  このコロナ禍は、区民生活に多大な苦痛を与えています。区長も私たち議員も、そして理事者も職員も、自粛で廃業に至ったり、解雇されたり、給料が大幅に減ってしまった区民の苦しみを本当に我が事のように感じていかなければならないと思っております。そして、与えられた権限を行使して、その災いをせめてプラスに活用していかなければ、区民の負託に応えたことにはならないと私は思います。  その上で、区民の生命と財産を守り、地域経済を再興していくためにも、ウィズコロナ時代の区政の在り方には、改善という今までのやり方を踏襲しつつよくする手法から、改革という今までのやり方を変える手法へ、そして変革という今までとやること自体を変えていく目黒区政を目指して邁進したい、いや、邁進しなければならないとする私の政治姿勢にぜひとも青木区長にも御賛同いただきたく、以下、大別3問の質問をさせていただきたいと思います。  第1は、公務員の人材戦略についてです。  区政再構築検討会議が区長の主導で設けられたことにつきましては、率直に評価をいたします。各部局に在籍する次代の担い手となる中堅・若手職員が区政の重要課題に直接関与する仕組みは、これまでの目黒区ではほとんど見られなかった手法です。これまで慣れ親しんだ政策立案の仕組みや慣習から成る予算編成を変革させようとして第一歩を踏み出そうとする点には、大いに期待を寄せるところです。  こうした仕組みの変革は、既にリーマン・ショック、東日本大震災などを経験した平成の時代から必要性が繰り返し議論されてきましたが、現実には至りませんでした。ここに来て、COVID−19が指定感染症に指定され、日本社会全体が大きな変化を要請されたことで、一気に変革へのムーブメントを後押ししたと言えるでしょう。  これからも、未知の感染症の世界的な流行があり得るかもしれません。今までの経験値よりも巨大な台風や広範囲の地震といった自然災害が起こるかもしれません。そのとき、政治も行政も「想定外でした」と言って逃げることは、もはやできないのです。これからは、前例がないことが日常になるのです。こういう新しい時代にしっかりと対処できる区政運営を考えていかなければ、区民の命も暮らしも守れない時代になったのです。この認識を、区長も理事者もぜひとも持っていただきたいと思います。  当然、必要とされる行政サービスと、その提供の仕方も変化します。それに見合う職員に求められる技量や職員を育成し、評価する仕組みも、つまりはキャリアデザイン制度にも相応の変革が求められます。  これまでの教育、育成の仕組みは、短期ジョブローテーションによるゼネラリスト養成が根幹であったと言えます。幅広い知見を持った、つまり総合的に優れた人材は、優れた区政運営には不可欠でした。しかし、そこには欠陥もありました。それは、職員の中に専門性のある人材が十分に育成や蓄積されてこなかったことです。そのため、何か新しいことを行おうとする場合、職員の中で実務経験の裏づけを持った実行部隊を自律的につくりにくい状態に陥り、その結果が指定管理者制度に始まる外部委託という外注の乱発です。  確かに、民間活力の活用は大義でありましたし、外部人材の登用は必要です。本来的には、民間資金やノウハウを活用して事業を行うことで効率性、生産性を上げ、行政の改革を実現するための施策だったと私は思っております。しかし、現行の外部人材や組織は、将来的に目黒区が必要としている具体的な事業や実務をよく理解しているのか、勘どころをつかんで業務に当たっているのかなど、疑問が湧いてくることがなきにしもあらずです。これらは、外部委託の弊害とも言えるのではないでしょうか。  本来は、内部にこそ改革の情熱はあるはずです。なければならない。それを引き出すのがリーダーとしての区長の力量であり、そういった熱量を持ち、技量を持った人材の自前での育成施策、実力ある若手職員の思い切った登用、高い専門性を持ったスペシャリスト職員の育成、減点よりも加点の評価制度を導入するなど、今こそ公務員の人材戦略について大きく見直さなくてはならないと考えますが、区長の見解を伺います。  第2問は、デジタルトランスフォーメーション、通称DXについてです。  以前からも、情報をデジタル化することで、これまでの紙媒体ではできなかった処理方法や活用方法を生み出し、新しい価値を創り出したり、リアルな空間を共有しながら業務を行うのではなく、デジタル情報技術を活用したバーチャル空間の共有で業務を行うという空間の制約を飛び越えた新しい働き方が、一部の情報処理産業では行われてまいりました。  COVID−19の流行で、人と接しながら仕事を行うという形が取りにくくなったことが追い風となり、様々な業界を飛び越えて、一般企業でのテレワークや教育業界のオンライン授業、そして医療業界でのオンライン診療にとどまらず、経済界ではデジタル技術の活用を念頭に入れたビジネスモデルの変革で、生き残りをかけている状態でございます。  さらには、国ではスーパーシティ構想を掲げ、デジタル庁の創設も検討する方向性を示し、行政の世界でも一気に意識せざるを得ない要となってきています。この動きは、従来のやり方を根本から変えてしまう力を持っております。それは、単に紙に書かれていたものをパソコンから入力して電子情報に転換していく、というデジタル化というものとは違います。  一つ分かりやすい例を出します。デジタルカメラとスマートフォンです。  デジタルカメラは、写真機として、記録媒体を印画紙からデジタルデータ記録媒体に変えたものです。これは単なるデジタル化です。しかし、スマートフォンにある写真機能は違います。スマートフォンは、写真機ではなく、デジタルデータ化された写真という情報をどう使うかに応じてアプリケーションソフトを作動させる端末装置です。もともと通話のための電話通信機能もあり、SNSなどの相互間データ共有コミュニケーション機能もある。写真機そのものではありません。つまり、写真はデータの一形態にすぎず、スマホは根本的にはデジタルデータの塊です。それが、あるときは写真という形を取り、あるときは個人識別標識となります。  デジタル化ではなく、デジタルトランスフォーメーション、技術の先端はデジカメではなくスマホです。それは、スマホがトランスフォーメーションの産物だからです。  昭和50年代を思い浮かべますと、電話を使わない人がいなかったように、現代はスマートフォンを使っていない人はいないと言ってもいい時代です。このように、情報の取扱いにトランスフォーメーションが起こっているのに、今の目黒区政はどうでしょうか。依然として黒電話の昭和50年代を踏襲したままではないでしょうか。紙をパソコンに置き換えるというデジタル化にとどまっているのではないでしょうか。  区民にとっても、区役所がデジタル化にとどまっていては、よくなったな、ありがたいなと実感できることは逆に少なくなる可能性もあるのです。むしろ、何でも検索すればいい、窓口も機械的な対応ばかりで相談が相談にもならない、解決ではなく決まりとしての手続を伝えられるだけ、こんなデジタル化の目黒区にしてはいけないのです。  平成のイノベーションは、アナログをデジタル化すること、そしてデジタルのためのデジタル化だったという面があると思います。これが人を疲弊させました。なぜなら、私たち人間はアナログな存在だからです。令和の目黒区は、その反省を踏まえ、人のためのデジタル、より人間らしい生活を実現するために、社会におけるデジタル技術の活用を進めていく。それがデジタルトランスフォーメーションであり、これこそが本当の働き方改革であり、新しい日常だと私は考えます。  デジカメでできること、スマホでできることを比べてみてください。目黒区政は印画紙からデジタルカメラになったぞと、デジタル化で満足をするのか、スマートフォンを目指すのか。こういった問題提起を真正面から受け止め、目黒区政において今こそ意識改革を行い、真に区民が必要とする行政サービスの精査や創出、そして提供を新しい時代に対応して迅速かつ的確に行っていくために、デジタルトランスフォーメーションを区長にも掲げていただき、変革の目黒区政の大黒柱に据えて取り組むことが重要だと考えます。  目黒区のDX取組の基本方針とその実行に当たって、区長の決意を伺います。  最後は、5期目の青木区政についてです。  この激動の時代に5期目となる青木区長は、区政にどう取り組もうとしてるのか。区長は、任期を満了すれば20年です。長きがゆえに尊からず。先人が言うように、どれほど優れた人であっても、自ら厳しく戒めなければ、流れはよどみ、慢心と高慢から逃れることは、凡夫にはできないということでございます。  区長は、区民の直接選挙で選ばれます。区民の信託に応える重い責任があります。それは、庁内の調整とお決まりの区民会合への顔出しや、区の広告塔として区民への御挨拶にとどまっていては、果たすことはできません。区長の主な仕事は、政策の方向性を考えて示し、自らの責任において決断し、その結果に責任を取ることです。
     例えば、区長が何か新しいことにチャレンジされようと検討し、リーダーシップを発揮し、まさにデジタルトランスフォーメーション、デジカメ型でなくスマホ型区政を実現したいと考えていても、前例踏襲で事足りるとして、課題発生時の解決策を導くよりも言い訳づくりに精力を注ぐ、そんな幹部職員がいたとしたならば、決して実現することはできません。  さらに、もっと大きな問題も潜んでおります。それは、時代状況に敏感に反応し、危機感を抱き、変革への意識を持つ優秀な幹部職員や若手人材のあしたへの希望ややる気を奪い、最後には潰してしまうという、不慣れなことや新しいことを嫌う組織の空気です。この空気感こそが、28万目黒区民の共有財産である区の職員という人材を破壊する最大の敵となり得るのです。  黙っていても、目黒区役所に優秀な人材が集まるなどという保証はありません。企業だけでなく、公共団体も人材獲得競争の中にあります。この区だったら、あの区長だったらやりがいのある仕事ができる、挑戦する仕事をやらせてもらえる、そうなって初めて有為の人材が集まります。だからこそ、区長には真のトップマネジメントが求められますし、リーダーシップが発揮できるよう、目黒区役所を熱き志を共有できる幹部集団が区長を補佐する仕組みへと変革させる責任があるのです。  活力あふれる青木区長も5期目に入りました。つまり、トップとしてやってこられた16年の蓄積があるということです。それは、逆の言い方をしますと、今現在の目黒区総合行政において何かしらの問題があるとしたならば、極論かもしれませんが、青木区長に責任があるということです。  これを言いますと、いや、ふるさと納税がとか、国の不合理な税制改正がとか、都の制度が、そして長い目黒区政の歴史が云々という反論もあるでしょう。もちろん、それらにも一理あり、その点は甘んじてお受けしましょう。しかしながら、5期目となればそんな言い訳はできないのです。たとえ正当な理由があっても、言い訳をしてはいけないのです。おのれの責任と自覚として、区政の停滞、機能不全、区政にたまったうみやかすの是正、改善、ニューノーマルにおける新しい区民サービスの提供から約1,200に及ぶ事務事業の再編に至るまで、自らの責任として真正面から取り組んでいただきたいと思います。  大変厳しく生意気なことを多々申し上げてきて、御無礼を御容赦いただきたいとは存じますが、これらを実現していくためには、今回の区政再構築の取組をよりステップアップさせ、経営層から若手職員に至るまで縦割りでない様々な横串で、反対意見や批判的な意見もしっかり聞くという機会を通じ、政策形成のプロセスを能動的にどんどん加速させる。それにより政策そのものがますます鍛えられ、抜本的な刷新が可能になり、新しい社会情勢が必要とする行政課題に対して、柔軟かつ機動的な空気感を持つ組織に成長させることができれば、目黒区役所を名実ともに変革させることができるのではないかと、このように私、宮澤は熱く思っていませんが、最後に区長の情熱を伺って、壇上からの質問を終わりたいと思います。(拍手)  〔青木英二区長登壇〕 ○青木英二区長  宮澤議員の3点にわたる御質疑に、議員を超える熱き思いで順次答弁をさせていただきます。  まず第1点目、公務員の人材戦略についてでございますが、今後の社会変容、新たな時代に向けて目黒区政も大きな変革の時代を迎えている今、区政運営において最も重要な要素の一つである職員の人材戦略においても、時代に即して変えていく必要があると認識しております。  今回の区政再構築検討に当たり、現場の職務に精通している次代、次々代の職員による政策提案の仕組みは、まさにその一つとして、私も大いに期待をいたしているところでございます。職場の最前線で働いている中堅、若手の職員が政策立案に直接関与することで、個々の職員の育成、意識の醸成につながるとともに、組織力の向上、職場の活性化にも寄与するものと考えております。  また、議員御指摘のスペシャリスト職員の養成でございますが、団塊の世代が退職し、今後の組織において専門知識等の継承が難しくなりつつある状況の中では、一定程度職務に精通した職員の確保は課題として捉えておりまして、目黒区行革計画において検討を進めている、新たな中長期の定数管理の考え方の中で、ゼネラリスト型の人材育成と並行してスペシャリスト型の人材育成の可能性について検証を行っているところでございます。  行政系人事制度の見直しや会計年度任用職員制度が開始されるなど、特別区における人事制度がここで大きく変わってきております。また、区の世代別職員構成において、50代の職員数に比べて、今後、中核をなすべき40代の職員が非常に少ないなど、区が抱える課題も踏まえると、組織全体の底上げが急務となっており、将来を見据えた人材戦略の再構築を図っていく必要があると考えております。  今後の人材戦略を見据えるに当たり考慮すべき視点として、組織全体の底上げを図るために、若手人材の積極的な育成に取り組むことが重要と考えております。そのための手法として、外部の専門人材を活用した人材育成、例えばICTや児童虐待、災害対策や将来のまちづくりなど、様々な分野において活用に向けた検討をしてまいりたいと考えてございます。  また、現在、区政運営を担う経営層、組織マネジメントを担う人材が不足している状況にあることから、他自治体や大学など、様々な業務における人材交流等を通じて個人のキャリアアップを図るとともに、組織の活性化に向けた検討を進めてまいりたいと存じます。  いずれにいたしましても、区政運営を円滑に、そして継続的に行っていくためには、組織の新陳代謝と時代に即した人材戦略は重要と考えておりますので、活力ある組織を創造する人材の確保に努めてまいりたいと存じます。  次に第2点、デジタルトランスフォーメーションによる目黒区の取組についてでございますが、DX、いわゆるデジタルトランスフォーメーションは、平成16年にスウェーデン、ウメオ大学の____________教授が提唱した概念でございまして、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させるという考えであり、デジタルによる変革を意味するとされております。  経済産業省が平成30年12月にまとめたDX推進ガイドラインでは、「企業がデータとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化、風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されていることから、区として例えるなら、「個人データとデジタル技術を有効活用し、区民が求めるデジタルサービスへの転換を図り、業務プロセスの効率化を目指すことで、組織風土の変革を促す」という趣旨で捉えているところでございます。  区におけるDXの取組では、昨年度、RPAを活用した保育業務の支出処理やAIチャットボットによるホームページ検索機能の改善に向けた実証実験を行い、一定の成果が出ております。今年度においても同様の実証実験を行っていくほか、AIを活用した保育園の入所判定の実証実験にも着手していく予定でございます。  区といたしましては、行政事務のデジタル化に取り組むことで行政事務そのものの抜本的な変革機運を高め、職員自ら業務効率の改善、労働生産性の向上を進めていくことは重要課題として捉えており、その結果として区民サービスの向上が図られると認識しております。現在、区政再構築検討プロジェクトチームの中で、どのような業務に対して効果が見込めるかを検討し、変革に向けた取組を進めているところでございます。  また、令和3年度の行財政運営基本方針においても、行政サービスのデジタル化を視野に入れた取組を加速させ、新しい時代の行政サービスの在り方の検討に着手しております。その手法として、ICTを活用した内部業務の効率化、モバイル端末の導入によるフリーアドレス化の検討、ペーパーレス化に向けた検討を進めるために必要な組織執行体制を確保してまいります。  今後、社会が大きく変わろうとしている中で、デジタルトランスフォーメーションによる区政の再構築は必要不可欠と認識しているところでございます。これまでの、紙を中心とした行政手続の在り方を聖域化せず、デジタル化による効率化を進め、行政サービスの抜本的な改善を実行していくには、組織全体の意識改革が必要な要素となります。前例踏襲に陥らず、新しい発想で、新たな日常を見据えた行政事務の改革に向けて積極的に取り組んでまいります。  次に第3点目、5期目の青木区長は激変の時代にどう立ち向かおうとしているかについてでございますが、現在の区政運営におけます組織執行体制につきましては、目黒区の行財政運営の方針及び基本施策を審議決定する場として、政策決定会議が平成16年8月から、目黒区における行財政改革を積極的かつ総合的に推進するため、行財政改革推進本部が平成9年4月から設置がされております。  また、トップマネジメントを直接補佐するための会議体として、当初、政策調整会議と経営委員会の二つに分かれていたものを再編強化し、平成21年4月から政策経営委員会に一本化して現在に至っております。  このほか、政策運営において、その時々の状況に応じて様々な会議体を設け、迅速かつ柔軟な区政運営に努めております。私が区長に就任してから、トップマネジメントを支える組織執行体制に関しましては、これまで十分機能的に運営されてきたと評価しているところでございます。  本年度、改定を予定しております目黒区基本構想、来年度の目黒区基本計画及び実施計画の改定を見据えて、将来にわたり効果的、効率的な区政運営が図られるような組織執行体制について、見直しに向けた検討を進めていく予定でございます。  組織全体の見直しと並行して、トップマネジメントの在り方についても今後検討を進めていかなければと考えているところでございます。  複雑・多様化する社会の中で、様々な区民ニーズを的確に捉え、区政運営に生かしていくためには、これまで以上に精緻な分析と様々な視点での議論を踏まえながら、政策そのものの質をレベルアップしていく必要がございます。  また、物事が目まぐるしく変わっていく現代社会においては、行政においてもこれまで以上にスピード感が求められております。社会が大きく変わろうとしている中で、これまでの区政運営のよきところを生かしながら、新しい時代に向けてまさに変革の時代を迎えていると強く意識しているところでございます。  将来に向けての活力ある区政運営に向けて、私は区長として、区政に対する信頼をより高めていけるようなトップマネジメントを実現していくと同時に、職員一人一人が組織の中で輝いている組織経営を目指してまいりたいと存じます。  以上、お答えとさせていただきます。 ○30番(宮澤宏行議員)  それでは、残り2分を切りました。  5期目を迎えた青木区長、いろいろ御答弁いただきましたけども、ぜひともデジタル化とデジタルトランスフォーメーション、ここの目的をちょっと履き違えないでいただきたいと思います。  デジタル化という手段ではなくて、区民のためにデジタル技術を活用するというデジタルトランスフォーメーションの目的をぜひとも御理解いただいた上で、目黒区民にとって新しい生活様式に適した利便性の高まるサービスが提供できる区役所に変革する、そういった情熱が青木区長にはあるか、1分でお答えください。よろしくお願いします。 ○青木英二区長  全力で頑張っていきたいと思います。 ○そうだ次郎議長  宮澤宏行議員の一般質問を終わります。  議事の都合により、暫時休憩をいたします。    〇午後2時57分休憩    〇午後3時15分開議 ○そうだ次郎議長  休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、27番関けんいち議員。  〔関けんいち議員登壇〕 ○27番(関けんいち議員)  私は、公明党目黒区議団の一員として、質問通告に基づき、大きく3点にわたる質問を順次行います。明快なる御答弁をよろしくお願いいたします。  質問に入る前に、議員の先輩でありました故須藤甚一郎議員の逝去の報に接し、長年にわたる議会活動に敬意を表し、心から御冥福をお祈り申し上げます。  また、九州地方を中心に発生した大型の台風10号でお亡くなりになられた方々に対しまして、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災に見舞われた多くの皆様方にお見舞いを申し上げます。九州地方はおよそ2か月前にも令和2年7月豪雨災害を受けたばかりで、大勢の死傷者が出るなど、度重なる被災を受けました。コロナ禍にあって、避難も大変であったことが想定されます。1日も早い復旧、復興をお祈り申し上げます。  それでは、質問に入ります。  まず、大きな質問の1点目、高齢者の住まいの確保について伺います。  ひとり暮らしの高齢者の方が立ち退き等により転居を余儀なくされた場合、都営住宅や区営住宅あるいは高齢者福祉住宅への入居がなかなか難しく、民間の賃貸物件も断られるケースも多いと聞きます。  賃貸オーナーの立場からすると、家賃の滞納や日頃の健康管理、亡くなられた後の家財道具の処分や身元引取りの対応等に懸念を持ち、滞れば家賃収入の損失、孤独死ともなれば事故物件で扱われるなど、今後の入居への影響が高いことから、若くて健康な方の入居を優先させる傾向があると考えます。  一方、高齢者からすれば、転居先の確保はおおむね厳しく、都営住宅など、遠方で倍率が低く入居がしやすくても、これまでの知人はいなくなり、住み慣れない土地の勝手も分からず、今さら遠くには越せない事情も出てきます。  こうした実情を考慮し、目黒区に住み続けられる対応の整備を図る必要があり、以下、質問いたします。  1、今年度より、高齢者等居住あんしん補助(少額短期保険等の費用助成)を行っていますが、利用の際にひとりぐらし等高齢者登録を義務づけて、日頃の健康状態を余念なく把握する体制をセットで行うべきと考えますが、所見を伺います。  2、入居する際の連帯保証人に保証会社をつける場合、緊急連絡先を求めてくるケースが多く、その高齢者に身寄りがいないためネックになっています。行政書士会等にお願いし、緊急連絡先を代行してもらうよう取り計らうことができないか、所見を伺います。  続きまして、大きな質問の2点目、子育て支援の在り方について伺います。  今年4月に、目黒区としては、念願の待機児童ゼロを達成しました。リーマン・ショック以降、女性の社会進出による保育に欠ける家庭への支援として、保育需要が一気に高まりました。一方、近年は働き方改革として、これまでの長時間労働環境を是正し、多様で柔軟な働き方を選択できるようにして職場の意識改革を進め、非効率な業務プロセスを改善するなど、労働生産性を高める方針が厚生労働省より示されました。  そして、期せずして、新型コロナウイルス感染症の影響は日常の生活様式を一変させることとなり、ウィズコロナの下では、3密回避のための在宅テレワークを採用する企業が一気に増加しました。この動きは、アフターコロナに移行した際も、テレワークでの生産性寄与度によっては職場環境が大幅に見直され、各家庭でのライフスタイルも柔軟に変化してくるであろうと予測します。  そこで、今後の保育の在り方について、以下、質問いたします。  1、各家庭の今後の保育事情(保育所利用の必要性、自分で保育することの是非、3密の回避による保育所利用の懸念等)について、保育所利用者にアンケート調査を実施すべきと考えますが、所見を伺います。  2、アフターコロナの望ましい子育て支援の在り方について、指針を示すことを目的とした専門家会議を実施すべきと考えますが、所見を伺います。  最後に、大きな質問の3点目、障害者や御家族の新型コロナウイルス感染防止対策について伺います。  障害のある方が感染した場合、周りにいる方に症状をうまく伝えることができず、またマスクもきちんとできない方も多いと思われ、周囲の支援職員や施設にいる他の障害者あるいは家族等が感染するおそれがあり、家族としては不安を抱えているとお聞きします。  そこで、感染防止に関する対策について、以下、質問いたします。  1、障害のある方を抱える家族に対し、コロナ禍における不安解消をするための相談体制について所見を伺います。  2、家族が感染した場合に、障害者を安心して預ける施設について所見を伺います。  以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)  〔青木英二区長登壇〕 ○青木英二区長  関議員の3点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。  まず第1点目、高齢者の住まいの確保についての第1問、高齢者等居住あんしん補助を利用する際のひとりぐらし等高齢者登録の義務づけについてでございますが、高齢者等居住あんしん補助とは、高齢者の方が民間賃貸住宅の入居契約時に死亡時の遺品整理や原状回復などの補償が含まれる少額短期保険に加入した場合、その保険料を補助する制度として、今年度から新たに開始した居住支援制度でございます。  この制度は、近年、高齢者の孤独死等への不安から、民間賃貸住宅への高齢者の入居が困難な状況にあるため、民間賃貸住宅のオーナーや管理会社の不安を軽減する施策として、死亡時の補償を含む保険加入についての保険料の助成を行い、高齢者の転居支援を行うものでございます。その申込みに当たっては、区の窓口においでいただき、その際、ひとりぐらし等高齢者登録の有無を確認し、登録されていない場合には登録申請の必要性を説明し、登録の御案内をしております。さらに、さわやかコールなど安否確認のサービスについては積極的に利用していただくよう働きかけております。  こうした高齢者の安否確認などのサービスを受けていることで、民間賃貸住宅のオーナーや管理会社の方が安心して物件を提供していただけるものと考えております。  さらに、高齢者のための住宅などの支援施策については、東京都宅地建物取引業協会目黒支部と連携しながら、不動産事業者への周知を行っているところでございます。新型コロナウイルス感染症拡大により、同支部ではウェブ会議なども実施していると聞いておりますので、今後は区もウェブ会議へ参加するなど、情報提供の強化につなげてまいります。  いずれにいたしましても、高齢の方の居住確保につきましては重要な課題と認識しておりますので、高齢者の方々が住み慣れた区内に住み続けられるよう、今後も取組を進めてまいります。  次に第2問、入居時の連帯保証の緊急連絡先の代行についてでございますが、本区ではこれまで、賃貸住宅の確保が困難な高齢者の方への居住支援策といたしまして、民間賃貸住宅の情報提供を行っております。この情報提供をさせていただく対象者の方が、民間賃貸住宅の契約を行う際に身元保証人がいらっしゃらない場合は、区が協定を結んでおります保証会社による家賃等債務保証を利用することができます。この家賃等債務保証を利用する際、緊急連絡先がない場合は、保証会社の指定する緊急連絡先センターを利用することができます。また、この家賃等債務保証を利用される方で、所得制限内であれば、その保証料の助成も行っております。  今年度からは、高齢者の方の住宅確保の強化を図るため、民間賃貸住宅の契約時に、債務保証料について1万5,000円を限度として助成しておりましたが、新規契約時に加え初回更新時についても助成することとし、さらに、助成費用につきましても2万円を限度として保証料の助成を行うよう、高齢者の方々へのさらなるサービス向上を図ったものでございます。  議員お尋ねの緊急連絡先の代行につきましては、保証会社との協定により、家賃等債務保証に緊急連絡先センターを活用することができます。  今後は、区民の方や家主の方などへの情報提供が重要であるため、行政書士会等の関係団体との協力体制につきましては、関係団体と協議の上、どのような連携が図れるか、検討してまいります。  次に第2点目、子育て支援の在り方についての第1問、各家庭の今後の保育事情について、保育所利用者にアンケート調査を実施すべきと考えるが所見を伺う。についてでございますが、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響により、在宅、テレワーク採用企業が増加をし、各家庭のライフスタイルも変化すると認識しているところです。  新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い緊急事態宣言が出されたことから、区におきましても保育園を休園いたしました。在宅で働きながら保育となる家庭も多く、子育てに行き詰まる保護者も発生すると予測されることから、保育園から定期的に電話で御家庭の様子を聞き取るなどの対応を行ってまいりました。また、保護者からの相談に応じ、子育てに行き詰まった状況が確認された場合には、必要に応じて特別保育として、お子さんを保育園でお預かりをすることもございました。  その一方で、家庭で子どもと長時間過ごすことで子育てに対する新たな発見があったとの喜びの声や、休園期間中も園便りを発行し、子育て支援に関する情報の発信を続けたことへの感謝の声もお寄せいただいております。  新型コロナウイルス感染症の影響による社会の変化は、保護者の働き方など様々な場面で進行している状況でございます。そのことが保育園の在り方にどのように影響するかは不明な点が多く、保育へのニーズは各家庭の状況によっても異なることから、現時点で保育所利用者のアンケートによって把握することは難しいと認識しております。  今後とも、保育園の在園児の保護者だけでなく、入園相談に訪れる保護者の声や子育てに関する相談に丁寧に対応することで、各家庭の保育事情を把握するとともに、ライフスタイルの変化への対応を図ってまいりたいと存じます。  次に第2問、アフターコロナに移行した際の望ましい子育て支援の在り方について、指針を示すことを目的とした専門家会議を実施すべきと考えるが所見を伺う。についてでございますが、新型コロナウイルスの感染症の拡大に伴い、多くの企業がテレワークを推奨し、在宅での勤務が増えている状況にあると考えております。これまで、区では多くの待機児童が発生していたこともあり、居宅外での就労を居宅内での就労より、入園申込みの基本指数で優遇する取扱いを行ってまいりました。  今後は、新型コロナウイルス感染症の影響により、在宅での就労が増えていくと推測され、また待機児ゼロが達成できたことなどから、居宅外の就労を在宅より優遇する必要性が薄れつつあると認識しております。そこで、来年度の選考からは、居宅外の就労と居宅内の就労について、その基本指数を同一にする取扱いをしていく予定でございます。このような対応は、ウィズコロナだけでなく、アフターコロナを見据えた対応の一例と考えております。また、新型コロナウイルスの感染症の影響が保育需要にどのような影響を与えるかについても注視していく必要があると認識しております。  区では、目黒区子ども条例に基づく諮問機関として目黒区子ども施策推進会議を設け、専門的な御意見を伺っております。また、庁内においても、政策決定会議の下部組織として子ども・青少年担当者会議を設けているところです。今後は、こうした会議体において、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた子育て支援の在り方について議論をしてまいりたいと考えております。  次に第3点目、障害者や御家族の新型コロナウイルス感染症対策についての第1問、障害のある方を抱える家族に対し、コロナ禍における不安解消をするための相談体制についてでございますが、新型コロナウイルス感染症が疑われる場合には、保健所の新型コロナ受診相談窓口での相談をお受けいたします。午後5時以降や土曜、日曜、祝日には、東京都、特別区等による受診相談窓口で対応しております。  障害のある方を抱える家族の皆様におかれましては、このコロナ禍におきまして、ふだん以上に不安定な日々を過ごされていると存じます。区では日頃から、障害のある方、御家族、支援者等に対しまして様々な相談や支援を行うとともに、関係機関との連携を図っております。  また、区が委託した相談員による身体障害、知的障害、発達障害に関する相談や、本年度より、地域包括支援センターにおきまして、障害のある方や御家族への対応を一層充実したところでございます。  さらに、平成30年3月から、区内の障害者グループホーム沙羅の家清水におきまして地域生活支援拠点事業を開始し、24時間365日、身近な相談や緊急の受入れ対応を実施しております。  目黒区障害者虐待防止センターでは、障害のある方への虐待に関する相談や家族の養護者への支援を行っているところでございます。  一方、区内にある19の相談支援事業所におきましても、障害のある方や御家族からの相談に応じ、必要な情報提供を行っております。  いずれにいたしましても、障害のある方の御家族の不安を解消するために、区をはじめとした各相談機関がそれぞれの役割を担いながら、緊密な連携を図り、必要な支援を今後とも行ってまいります。  次に、第2問、御家族が新型コロナウイルスに感染した場合に、障害者を安心して預ける施設についてでございますが、御家族が新型コロナウイルスに感染した場合には、御家族の濃厚接触者として、障害のある方の症状の有無にかかわらず、PCR検査の実施を保健所が調整いたします。PCR検査の結果、障害のある方が新型コロナウイルス感染症と診断された場合には、保健所が東京都と協議の上、医療機関への入院等について調整してまいります。PCR検査の結果が陰性となった際には、日頃からの支援の状況を踏まえ、在宅生活を続けていくことが困難な場合には、区立障害福祉施設の短期入所の活用を調整してまいります。  区立障害福祉施設の短期入所におきましては、障害のある方が自立に必要な生活体験を希望される場合に、支援を行いながら宿泊するための体験利用や、御家族の緊急性のある事情により一時的に支援が必要となる場合のための緊急利用を提供しているところでございます。特に緊急利用につきましては、これまでも御家族の医療機関への入院等の事情により活用してきたところでございます。  障害のある方につきましては、年齢は子どもから高齢者まで、障害の種別も身体障害、知的障害、精神障害と様々となっております。また、障害のある方の生活状況におきましても、単身で生活している方、御家族と御一緒に生活している方、グループホームや入所施設で生活している方々等、お一人お一人の状況が異なっているところでございます。  区といたしましては、御家族の入院が長期に及ぶ等の様々な状況を勘案しながら、障害のある方の状況を踏まえた支援を行ってまいります。  以上、お答えとさせていただきます。 ○27番(関けんいち議員)  御答弁ありがとうございました。再質問をそれぞれさせていただきます。  まず、高齢者の住まいの確保等なんですけれども、少額短期保険等の制度が充実してることは分かりました。  ただ、私が受けてる感覚では、結構相談いただいてるんですけれども、高齢者の立ち退きに伴う転居はすごく難航してるんですね。なかなか決まらないので、この制度を基に、賃貸オーナー側に対して懸念事項が取り払われてることについての不動産事業者への周知はもちろんですけれども、賃貸オーナーに対しての理解を浸透させる取組をお願いしたいんですけれども、その点についての所見を伺います。
     また、室内に、ひとりぐらし等高齢者登録のサービスの一つであります生活リズムセンサー、先ほどさわやかコールってあったんですけれども、生活リズムセンサーの取付けができれば、日常の安否確認がさらに充実できると思います。賃貸オーナー側の不安感もこれでさらに低減できると考えますけれども、その点についての所見を伺います。  次に、子育て支援の在り方についてです。  今までは保育の受皿を拡大する方向でずっと進めてきたんですけれども、これからは子育ての質を向上していく必要があるんじゃないかというふうに考えてます。子どもは親の愛情が注がれた環境の中で育つのが自然だというふうに思っておりまして、礼儀やマナー、また作法、しつけ等を家庭で学び、そこに行政がサポートする姿が基本ではないかというふうに考えています。これからの子育て支援の在り方について、区としての考え方について再度お聞かせください。  最後に、障害者や御家族の新型コロナウイルス感染防止対策です。  先ほど、家族の方が感染した場合ということなんですけれども、今度は障害のある方が、例えば陽性患者でありながら無症状の場合、家庭で過ごすのが大変だと考えられるため療養先となる施設を確保しておきたいんですけれども、その辺についての所見を伺います。  以上3点、お願いいたします。 ○青木英二区長  順次、お答え申し上げたいと思います。  まず、高齢者の住まいの点の1点目の家主さんや地主さんへの対応ですけど、おっしゃるとおり、幾ら不動産業の方が理解をしても、最終的にお貸しするのは、議員御指摘のように、大家さんであったり家主さんですけど、この方々に一定の理解がないとこれは進まないということは、全くそのとおりです。  今、私どもも宅建の皆さん、ずっと、コロナもあって、ここに来て、ウェブ会議などでも参加しています。ただ、今おっしゃったように、大家さんたちの、そういったオーナーの皆さんとの接触は、今のところしてございませんので、そういったオーナーの皆さんのグループにお邪魔するなりして、説明ができる、そういった機会をしっかりとこれから検討して、最終的にオーナーさんたちの理解を得るような、御指摘の努力をしていきたいというふうに思います。  それから、リズムセンサーについて、今、高齢者の方々が賃貸物件を探されて、役所にも御相談にお見えになりますので、その際には、必ず所管のほうではこういったリズムセンサーの活用なども御紹介もしておりますし、状況によっては所管のほうにもお連れするということも聞いております。こういった機会を逃さずに、自らの生活をきちんと守れる、事故、病気等があったときにすぐに発信ができる、こういったリズムセンサーなどに、高齢者の住まいを探される過程の中で併せて対応できるように、引き続き対応をしっかりと丁寧に親切にしてまいりたいというふうに思います。  それから、コロナ禍、ウィズコロナ、アフターコロナの中での子育ての質の問題ということです。  議会の御理解もいただいて、今年の4月に待機児ゼロとなりましたけれども、今後も一定の待機児対策として保育所の整備と、それから質というのは、御指摘のように非常に大事だというふうに思っております。あわせて、今後のウィズコロナ、アフターコロナの中での保育園の、保育行政、区民の皆さんをサポートということですけれども、今、私どもは、のびのび目黒っ子という中で、私ども目黒区の保育、健康で豊かな人間性をしっかり育む保育を大きな課題として進めているところです。  そういった中で、じゃ、保育園は何をすべきかということですけども、保育園だけで保育ができるわけではありませんで、やはり保護者の方と、個々のお子さんが、今申し上げた健康で豊かな人間性を育むことができるように連携して、きちんと情報共有をしていくということが極めて大事なことだと、それがまた質の向上につながっていくと思います。  もう一つ、やはりコロナ禍の中にあって在宅等が増えていって、お子さんと一緒にいる機会があります。そういった中で、やはり御自分、今、なおかつ核家族ですから、自分の子育てにいろいろと悩んだり、また孤立感があるということは、これ、アフターコロナのときも全く変わらないし、逆に言うとそれは増えていくことになるかもしれません。そういった不安、孤立感をやはり解消する。一方、こんなに子どもを育てていくということは楽しいことなんだという、そういった支援、そういったことを行うのが、それは園に通っているお子さんのみならず、あまねくお子さんにとって、区が対応していく大事なサポートだと思います。それが、保育園としての保育の支援の拠点であり、行政サービスとしてしっかりやっていく課題だというふうに思っております。  それから、最後に障害者の皆さんのPCR検査の結果についてですけども、これも7月に目黒区の障害者団体懇話会の皆さんの要望の中で、御家族が陽性になった場合、当事者が陽性になった場合、双方が陽性になった場合、様々なパターンで非常に御心配をされておりました。  そういった中で、例えば無症状であっても、お子さんが基礎疾患をお持ちならば、よりハイリスクになる可能性がありますから、私ども保健所と東京都と協議をして入院を対応していくということが適切だと思います。  それから、基礎疾患がない場合には、これもやはり東京都と私ども目黒区とが調整をして、ホテルなどの形の療養型の場所を提供して、対応して、重篤化にならないような対応が必要だというふうに認識してございますので、そういった形で障害者の方々のPCR、陽性になった場合の対応を今進めているところでございます。  以上でございます。 ○27番(関けんいち議員)  最後に1点だけです。  高齢者の住まいの確保等についてなんですけれども、本当にこれからアパートの老朽化が激しくて、こうしたよい制度があればどんどん知らせていく必要があるんだと思うんですけれども、老朽化が激しくて、次の住まいに悩む高齢者の方もどんどんますます増えてくるんじゃないかというふうに思っています。  そうした意味で、区で、全てとはいかないまでも応援できるところは応援してサポートしていただけないと、高齢者の方は困ってしまって、本当ににっちもさっちもいかない状態で私どもは相談を受けていますので、そういったことが今後どんどん増えてくると困ってしまいます。  そうした思いに立って、区長の率直な思い、そういったことを踏まえて、今後の方向性について、再度考え方をお聞かせいただけたらと思います。  以上です。 ○青木英二区長  高齢者の方が住み慣れた地域の中でやはり安心して住んでいただくということは、私どもにとっても極めて重要な、議員御指摘のように、命題です。私どもも、今申し上げた、少しでも入所しやすいように少額短期保険等の助成などもスタートいたしました。引き続き、セーフティネットということをしっかりと張っていくということが大事でございますので、特にコロナ禍にあっていろんな課題がありますので、しっかりとセーフティネットを張りながら、高齢者の方々が目黒に住み続けたいよという思いがあれば、それが具現化できる、実現ができるようにしっかりと対応していきたいというふうに思っております。また、御協力もよろしくお願いしたいなと思います。  以上でございます。 ○そうだ次郎議長  関けんいち議員の一般質問を終わります。  この際、お諮りいたします。  本日の会議時間は、議事の都合により延長したいと思います。これに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○そうだ次郎議長  御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。  次に、16番西崎つばさ議員。  〔西崎つばさ議員登壇〕 ○16番(西崎つばさ議員)  それでは、フォーラム目黒の一員として一般質問をさせていただきます。  今回はずばり、区政全般にわたって行動科学の知見を活用すべきだという提案ですが、これでは30秒で終わってしまうので、少し周辺の状況を述べてまいります。  行動科学とは、人間の行動を科学的に分析しようというものであり、行動経済学が有名ですが、心理学、社会学、生物学などにも関わる幅広い領域を扱っています。これが、現実社会においては行動インサイト、言わば人々の行動を誘発するための隠されたスイッチを探り、押すための仕掛けといった意味合いで応用されています。  この分野は、シカゴ大学の__________教授が2017年に、ナッジの理論でノーベル経済学賞を受賞したことから、特に注目されるようになりました。ナッジとは、肘でつつくという意味の英語で、ここでは対象者の行動を促す手法を指しています。男性用トイレの便器に小バエのマークをつけたことで、清掃費用が8割も減少したことは非常に有名です。  行動インサイトの概念は、近年、民間のマーケティングで活用されていることはもとより、昨年及び一昨年の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針にも明記されるなど、公共政策においても用いられつつあります。RCT、ランダム化比較試験と組み合わせることで、私が昨年に質問したEBPM、エビデンスに基づく政策立案へとつなげていく手法や、行動インサイトとAIやIoTを組み合わせ、よりパーソナライズした行動変容を促進するBI−Techの検討など、様々な角度から活用が提唱されています。  国内の動きを見てみると、産学政官民が連携し、環境省が事務局となって構成している日本版ナッジ・ユニットを先頭に、政府では内閣府や経済産業省、自治体では横浜市、尼崎市、つくば市などに組織が設置されているほか、施策レベルでも神奈川県や八王子市、鎌倉市などの取組事例が報告されています。  では、実際に人々の行動をデザインしていくためには、どういった手法があるのでしょうか。ここでは、幾つかの類型に分けて具体的な例を挙げてまいります。  まずは、人は我々が思っている以上に行動しないという点に着目をした戦略です。  真っ先に挙げられるのが、デフォルトの調整、つまり初期設定を見直す手法です。  突然ですが、この議場で運転免許証や保険証の裏面にある臓器提供の意思表示に丸をつけている方は、どれほどいらっしゃるでしょうか。  2017年の内閣府の調査によると、何らかの方法で意思表示をしている割合は12.7%にとどまっています。一方で、同じ調査において、臓器提供したいという回答は41.9%に上っており、先ほどの割合とは30ポイント近い大きな差があることが分かります。倫理的な問題は置いておくとしても、このデフォルトを逆にした場合、つまり臓器提供したくない場合に丸をつける方式に変えた場合、状況は大きく変わるでしょう。  これは、昨年、会派の先輩議員もがん検診について言及されていたオプトアウトという手法ですが、自治体の施策において様々な検討の余地があります。  例えば、避難行動要支援者名簿です。本区においても、法令に基づき2種類の名簿を作成しており、避難支援者などへの提供に同意した登録者名簿の人数は、本年2月の区長答弁では8,992名、対象者名簿の58.4%とされており、引き続き登載率を高めていく意向が示されています。  一方、本区のオプトイン方式に対し、全国を見渡すと、津市、我孫子市、明石市など、提供に不同意の場合に申し出るオプトアウト方式を採用している自治体もあります。例えば、本区と人口がほぼ同等の津市では、本年度の対象者2万474名のうち、登録者は1万9,622名、登載率は95.8%と、全く次元の異なる数字となっています。  また、男性職員の育児休業について、千葉市では育休取得をデフォルトとして、取らない場合に理由を付して申請するというオプトアウト方式に切り替えたところ、2018年度には取得率が65.7%、市長部局では93%という驚異的な結果が出ています。  これらは、事例ごとに背景はやや異なるものの、同じ取組の初期設定を変更するだけで大きな効果が得られることを明確に示しています。  さて、予想以上に行動しない人を動かすための指標として次に挙げられるのが、コストの低減です。  ここで言うコストとは、金銭面だけではなく、肉体的、時間的、頭脳的、精神的なコストと広く捉えられます。  行動経済学におけるジャムの法則、24種類よりも6種類から選ばせたほうが購入率が高くなるという話は有名ですが、これは多数から選ぶための頭脳的コストが影響しています。また、2016年に電力の小売自由化がスタートした際、事前の調査では95%もの消費者が電力会社を変更する可能性があると回答していたにもかかわらず、新電力のシェアは自由化直後で5%、昨年12月でも16%にとどまっており、金銭的メリットがその他のコストやリスクを超えられていないことがうかがえます。  自治体の施策で考えると、例えば区が幾ら区民にメリットのあるよい事業をPRしたくとも、広報に情報を盛り込み過ぎると、それを受け取る区民側の頭脳的コストは増大し、行動回避につながり得るため、メッセージの単純化を心がけることは大事な視点と言えます。  また、アメリカの事例では、貧困層に向けた奨学金制度の書類作成が負担となり申請に至らないケースがあることから、自動的に申請書を作成するソフトなどを用いて支援したところ、進学率が8%も向上したという実験結果も示されています。  本区は、さきの特別定額給付金の際、円滑な事務処理のため、郵送申請書類にほとんどの情報をあらかじめ記入して、区民に送付しました。今回は10万円という大きなインセンティブがあったために検証は困難ですが、簡略な手続には申請行動を促す効果があったかもしれません。  さて、次に、人は得を取るよりも損失を回避するという特徴に焦点を当てた戦略もあります。  八王子市では、大腸がん検診の検査キットを送付した方への受診勧奨を2パターンに分け、一方は、「今年受診すれば来年度もキットを届けます」というポジティブなメッセージとし、もう一方は、「今年受診しないと来年度はキットを届けられません」というネガティブなメッセージにしたところ、後者の受診率のほうが7ポイントも高くなりました。得る喜びよりも失う痛みのほうを大きく感じる心理が影響した結果です。  行政による通知などは四角四面になりがちですが、案内のテーストを変えるだけで住民の行動を効果的に促すことができた事例と言えます。  さらに、社会的規範を認識させる。要は、ほかの人は皆やっていると伝える戦略があります。  イギリスの事例では、税金の督促状に、「同じ市内の10人中9人は期限内に支払っています」というメッセージを添えたところ、収納率が約5%アップしたという結果が報告されています。これは、横並びを意識しがちな日本においては、より効果があるかもしれません。  最後に、時節柄、新型コロナウイルス感染症にまつわる取組も御紹介します。  現在、全国どこにでも手指消毒のためのアルコールが設置をされていますが、これらを利用するかは、個人の意識によって差があります。そこで、京都府宇治市では、庁舎入り口のアルコールボトルに向けて矢印のテープを床に貼ったところ、利用者が約10%増加しました。さらに、石けんによる手洗いを促すため、トイレに、隣の人は石けんで手を洗っていますかと、一工夫した掲示を行っています。こちらの効果はまだ検証されていませんが、同様の取組を行ったイギリスの高速道路のサービスエリアでは、メッセージによって石けんの利用率が4ポイントから7ポイント上昇したと言われています。  以上、取り留めもなく事例を申し上げてまいりましたが、つまり、人は投票に行こうと言われても選挙に行かないし、自宅を耐震化しようと言われ、かつ金銭的メリットを提示されてもなお動かないのです。健康のために歩こうと言われるよりも、公園にいるモンスターを捕まえるためのほうが外出するし、省エネしようと言われるよりもネクタイを外そうと促されるほうが、エアコンを28度設定にするのです。こうした視点に基づき、施策や広報を考えていくべきではないかと思うのです。  もちろん、課題もあります。一つは、単純にこうした行動科学に基づく手法の認知不足や活用のための人材育成という課題です。これについては継続的に取り組むほかないように思われます。  もう一つ大きいのが倫理的な問題です。  ____教授は、賢い意思決定や向社会的行動を難しくする、言わば悪いナッジをスラッジと呼び、排除すべきとしています。また、行動インサイトの活用は、人々の生活に介入し、その行動様式に影響を及ぼし得ることから、日本版ナッジ・ユニットの下には倫理委員会が設置され、ガイドラインの検討などが行われています。例えば、冒頭に申し上げた臓器提供のオプトアウトが社会的合意を得られるのかは、相当慎重に判断しなければならないでしょう。とはいえ、こうした倫理的配慮の必要性は領域ごとに大きく異なるため、まずは取り組みやすい分野から進めていくことが肝要であると考えられます。  折しも、本区は長期計画の改定や区政再構築検討会議など、これまでの区政を転換させる節目に立っており、今後こうした概念を取り入れていくには絶好の機会であると言えます。  一方で、職員の皆様が行動科学の知見に基づく手法に今まで全く触れてこなかったかというと、そういうわけではなく、従来の事業においても、区民の参加や行動を促すため様々な工夫を凝らしてきたものと理解しています。重要なのは、そうした経験則や暗黙知で行われてきた行動を誘発するためのノウハウが、まさに今、科学的かつ体系的に整理され始めたということであり、本区の築き上げてきた伝統的政策手法の英知と補完し合うことで施策の実効性を引き上げられるのではないかということです。  それでは、質問をいたします。  ナッジなど行動科学の知見に基づく政策立案や広報を取り入れることにより、本区が行う各事業の費用対効果を高めていくべきと考えますが、見解を伺います。  御答弁のほどよろしくお願いいたします。(拍手)  〔青木英二区長登壇〕 ○青木英二区長  西崎議員の、ナッジなどの行動科学の知見を政策立案や広報に取り入れることにより、各種事業の費用対効果を高めていくことについての御質問にお答えを申し上げます。  地方自治法第2条第14項において、「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」と定めており、区が行う各種の施策や事業において費用対効果を高めていくことは重要な視点でございます。特に、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響により、日本経済はリーマン・ショック後を超える戦後最大のマイナス成長となっており、今後、区の歳入にマイナスの影響が生じてくることは確実な状況となっております。  こうした厳しい財政状況の中では、区が行う各種の施策や事業についても不断の見直しを行い、その必要性や効果を再確認するとともに、従来の手法にとらわれない新たな発想により、効率的かつ効果的な運営手法を検討していく必要がございます。  御紹介いただいたナッジについてでございますが、ナッジとは、直訳すると、肘で軽くつくや、そっと後押しをするという意味とされておりまして、行動科学や行動経済学の分野においては、人々が強制によってではなく、自発的に好ましい行動を選択するよう促す仕掛けや手法を示す用語として用いられております。その物や現象のよしあしに対する客観的な絶対評価よりも、物事をどう感じるかという主観的な比較評価により人間の選択が左右されるという心理傾向を利用したものだと言われております。  ナッジを説明するときによく使われる分かりやすい事例として、オランダ、アムステルダムの空港のトイレの事例がございます。男子トイレの床の清掃費を削減するため、小便器の内側に1匹のハエの絵を描いたというもので、その結果、床の汚れが減り、清掃費の大幅な削減に成功したという例です。これは、人は的があると、そこに狙いを定めるという行動心理の分析に基づくもので、こうした人の行動や心理を分析し、自発的によりよい行動や選択が取れるように促す手法がナッジというものでございます。  従来、行政が政策目標を達成するために、人々の行動や選択を誘導する手法として、法規制や補助金などの経済的インセンティブの付与、普及啓発活動などによって促す手法が取られてまいりました。しかし、これらの手法はあくまで間接的に人々の行動や選択に働きかけるものであり、個人の自発的な行動変容を促すには十分でないものでございます。  こうした観点から、公共の利益を個人の利益よりも優先する人々の自発的な行動や選択を生み出すための仕組みとして、人の行動心理に働きかける手法であるナッジに期待が寄せられているところでございまして、補助金の交付や普及啓発などの従来の手法に加えて、こうしたナッジという新たな手法にも併せて取り組むことにより、施策の費用対効果を高めていくことができるものと考えられます。  このナッジですが、今から約10年前の2008年に、アメリカ、シカゴ大学の__________教授とハーバード大学の___________教授により提唱された理論でございまして、民間では小売業等の分野で消費者心理を活用したマーケティング戦略の一つとして、以前より活用しております。その後、2017年に____教授が行動経済学の分野においてノーベル経済学賞を受賞したことも後押しして、公共政策の分野において注目が高まってきたものと思います。近年では、欧米諸国において、公共政策の手法の一つとしてナッジが注目されており、アメリカやイギリスなどでは、政府がナッジ・ユニットと呼ばれる研究検討チームを立ち上げ、ナッジを実践し、社会的課題の解決に効果を上げているということでございます。  我が国においても、これまでクールビズやクールチョイスといった人々のライフスタイルや行動変容を促すことを目的とした取組を行ってきた環境省が事務局となっており、平成29年4月に日本版ナッジ・ユニットを発足させております。この日本版ナッジ・ユニットでは、行動科学を活用した取組に関する方法論や課題、対応方策等を共有するとともに、幅広い分野における課題の解決に向けた行動科学の活用について検討を進めることを目的として、関係省庁や地方公共団体、有識者、ナッジに取り組む民間事業者などが参加する連絡会議を設置し、オールジャパンの取組として、政策への活用に向けた分野横断的な検討を行っているところでございます。  一方、自治体での取組事例では、ナッジの研究検討機関として、横浜市行動デザインチームの事例がございます。  このチームは、平成31年2月に横浜市の職員有志を中心として設立されたもので、国の省庁や大学、民間企業なども連携しながら、ナッジの研究や実践、また市内外への研修の実施などを通じて、社会にとって真に効果的な行政サービスの提供を目指しているところでございます。  また、実践の事例では、八王子のがん検診の受診率向上の検証事例がございます。  八王子市では、大腸がん検診の受診率向上のため、対象者に検査キットを無償で送付しておりましたが、受診率は7割程度にとどまっていたそうです。そこで、未受診者に個別の勧奨通知を送付する際に、自分が行動を起こさないことによって、これまで自分が受けていた行政サービスが受けられなくなってしまう損失を回避したいという意識に働きかけることが有効であるという分析に基づいて、未受診者のうち半数には、今年度大腸がん検診を受診すれば、来年度も検査キットを送るという利得に着目した案内を送付し、もう半数には、来年度大腸がんの検診を受診しないと、来年度は検査キットを送ることができないという損失に着目した案内を送付したところ、損失に着目した案内を送付したほうが、7%以上、受診率が向上したという検証結果が公表されております。  人の行動心理や特性には様々なものがあるようですが、代表的なものとして、今御紹介した利得より損失を回避したいという心理のほか、周囲との同調性や規範を意識するという心理がございます。人は、自分の周囲の人や自分と同じ状況にある人の行動などを比較して、道徳心などから影響を受けてしまうことがあります。  海外の事例になりますが、税金の滞納者に対して、あなたが住んでいる地域のほとんどの人が期限内に納税を済ませているという事実を通知するようにしたところ、従来に比べて納税率が上昇したということです。  こうした様々な取組事例を踏まえますと、ナッジは社会課題の解決に向けた効果的な対応策として期待されますが、一方で個人の行動や選択に対して無意識のうちに先入観を与え、選択の自由を阻害するという危険性も持ち合わせております。ナッジは、自分自身にとってよりよい選択を自発的にできるように、自らの行動や習慣を見詰めるきっかけや気づきを与えるような働きかけだと言われておりますので、こうした働きかけが人の行動や選択を恣意的に誘導したり、半強制的に選択を迫ったりするものにならないよう注意が必要です。  もう一つ、広報という視点について申し上げますと、広報は区民に必要な情報を正確に伝えることが大切ですが、1歩進んで、区民の注意を引き、気づいてもらうように、文字や色、デザインを工夫したり、写真などの画像を使用したりすることとともに、人の行動心理や特性に着目した効果的なメッセージとなるよう心がけることにより、その効果は高まるものと考えられます。  いずれにいたしましても、ナッジのような人の行動心理や特性の分野に基づく働きかけの手法は、行政の施策や事業を効率的に進めていく手法の一つとして非常に有効であり、今後の調査研究が必要な課題であると考えますが、ナッジによって全ての課題が解決するというものではありません。こうした新たな取組を進めていく上では、職員がいち早くこうした知識を得て、研究検討し、具体的な施策に反映させることができるよう、環境の整備が重要でございます。現在、新しい時代に向けた区政再構築検討会議を立ち上げ、若手職員の参加による検討を進めておりますが、こうした取組などを通じて、新しい取組に果敢に挑戦することができる職員の人材育成を進めて、より効率的かつ効果的な事務事業ができるよう、体制を整えてまいりたいと存じます。  以上、お答えとさせていただきます。 ○16番(西崎つばさ議員)  今の御答弁の中で、いわゆるナッジをはじめとした行動インサイト、行動科学の知見の有用性というのは御認識をされているんだろうなというふうに受け止めさせていただきました。  そもそも、倫理的な課題というのは、やはり考慮すべきというのはあるんですけれども、役所が区民の方の利益になるような行動を促すというものであれば、これは考え方としては特に否定すべきものではないように思いますし、今御答弁でおっしゃっていた体制であるとか調査研究というものをぜひ進めていっていただきたいと思います。  一方で、やっぱりぜひ実践に向けて進んでいただきたいなという思いがあります。これはやはり企画部門で調査研究しているだけではなかなか動いていかないわけですし、性質上、ある一定のレベルまで知見を蓄えたから、じゃあスタートしようという、そういう類いのものでもないと思います。  この質問は幹部職員の皆様もお聞きになっていると思いますけれども、ぜひ各所管の日常的な事務事業を執行する際にも、こうした視点を取り入れていっていただきたいと思うんです。先ほど御答弁でおっしゃってたように、何でもかんでも、これで、じゃあうまくいく、解決するというわけではありませんけれども、ぜひ今までの事務事業執行の中で回してきたPDCAサイクルに一つの要素として、こうした行動インサイトという概念を加えていっていただきたいという思いがございます。  じゃあ、何するのといったときに、先ほど申し上げたように、これまでも様々な工夫というものを職員の方はやられてきたと思います。そうしたものを、今、体系的に整理をされてきたということでありますから、これまでの経験則等々を積み重ねたものを、そうした施策に行動デザインという考え方で浸透させていっていただきたいということです。  ということで、質問としては、実践について調査研究等を進めながらも、同時に実践をしながら試行錯誤を進めていくようにぜひお願いしたいと思いますが、これについてお考えを伺います。 ○青木英二区長  ナッジ含めて新たな取組、ちょっと一般的な話になってしまいますけども、非常に大事なことって、まず私どもがきちんとアンテナを張って、そういった新たな取組をきちんと学び、そしてそれを調査研究、今言った、PDCAのサイクル、マネジメントサイクルをしっかりと……、プラン、ドゥ、チェック、アクションにしっかりと組み入れながら、私ども政策立案に充てていくということが大事なことだと思います。そのときに、一番大事な実践、実際に取り組んでいくというレベルに、しっかりと私ども落とし込んでいかなければ絵に描いた餅になってしまいますので、そのときに一番大事なのは、これは、それを実際に担う職員ということになろうかと思います。  そういう点では、私どもまさに今これから区政再構築検討会議の中で、一つの大きな目的は人材の育成をしっかりと果たしていくということですので、私どもとしては、今御指摘のあったナッジ含めて、様々な新たな取組についてこういった対応ができるように、視点に立って、職員の人材育成をし、その結果として、今申し上げたようなテーマでもある政策立案に、しっかりとナッジ等を活用していきたいというふうに思っているところでございます。  以上です。 ○そうだ次郎議長  西崎つばさ議員の一般質問を終わります。
     次に、22番河野陽子議員。  〔河野陽子議員登壇〕 ○22番(河野陽子議員)  私は、自由民主党目黒区議団の一員として、区政一般に関しまして、質問通告に沿って、区長に2問、教育長に2問、計4問の質問をさせていただきます。  第1問、大規模災害時における各種行政手続に係る東京都行政書士会目黒支部との防災協定締結について伺います。  首都直下型地震は、今後30年の間に70%の確率で起きると言われています。東京湾北部地震発生時、目黒区では、死者332名、負傷者3,195名、倒壊建物を含む火災による消失棟数は1万1,232棟と想定されています。大規模災害時、被災者の不安を取り除き、生活再建に向けた支援を基礎自治体が行っていくためには、非常事態であっても優先的に実施すべき業務を的確に行えるよう、平時より業務継続計画の策定等による業務継続性の確保と、以前、一般質問でも申し上げましたが、受援計画策定等、受援体制の確保をしておくことが極めて重要です。中でも、発災後、行政サイドのマンパワー不足が想定される中、被災者の生活再建に向け、罹災証明をはじめとする関係機関への行政手続や相談業務において、専門の知識を持つ行政書士の支援を受けることで、より迅速に支援を進めることが可能になると考えます。  平成23年の東日本大震災や平成28年の熊本地震の際には、地域の行政書士会が被災住民の行政手続を支援し、多くの事案で実績を上げたことを受け、現在、全国的に地域の行政書士会との大規模災害時における協力、支援を目的とした協定締結が進められています。既に東京都内において、今月に調印予定の1区を含め、10区12市が提携関係を構築しております。協定内容は各自治体の実情に合わせた内容で、災害時に罹災証明申請書類に関する相談・手続、仮設住宅の申請、自動車登録申請書類、相続関係書類、許認可申請書類、権利業務、事実証明関係に関する相談等々、自治体と相互に協力して実施するといったものになっています。  目黒区においても、発災後の被災者の支援を大幅に強化する体制を整える必要性から、大規模災害時における各種行政手続への協力、支援を目的とし、東京都行政書士会目黒支部との提携関係を構築する協定締結に向け、積極的に協議を進めていくべきと考えますが、区のお考えを伺います。  第2問、児童相談所設置への今後の区の進め方について伺います。  目黒区では2017年5月に、副区長を委員長とする児童相談所開設準備検討委員会が設置され、全庁的な協議の場がつくられると同時に、児童相談所設置調整課も稼働。現在、児童相談所設置市事務をはじめ、児童相談所設置に向けた検討が進められている状況であると認識しています。  一方、区では、児童相談所設置を見据えつつ、人材確保・育成や、子ども家庭支援センターの充実、要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協の体制強化と活用に注力、あるいは出産・子育て応援事業として、ゆりかご・めぐろや産後ケア事業の推進を図り、母子保健、子育て支援の壁を取り払いつつ、子育て支援に関する包括的な体制づくりを進める中で、網の目を細かくする取組を進め、児童虐待のない目黒に向け、尽力してきているところです。  しかし、社会全体で児童虐待数が相変わらず増加傾向の中、今後も区における児童相談所設置に向け、前向きに進めていくべきと考えます。  特別区においては、既に御承知のとおり、本年4月より世田谷区、江戸川区で、7月より荒川区で一時保護所を含む児童相談所が始動する一方、新宿区、文京区、品川区、豊島区、北区が開設延期を決めました。  そういった状況の中、練馬区では23区で唯一、児童相談所設置には否定的な立場を取り、子ども家庭支援センターの拡充に取り組むとともに、本年7月より、児童虐待への対応を中心に行う拠点を、都の児童相談所と共同で練馬区の子ども家庭支援センター内に開設。こういった既存の仕組みを強化し、虐待事案への迅速な対応を目指す手法は極めて有効な手段であると考えます。この練馬区の取組は、児童相談所設置には否定的な立場での動きではありますが、目黒区において、児童相談所設置に向け、一歩動きを前進させるという視点で、都の児童相談所の拠点を区の子ども家庭支援センター内に設けるという手法について前向きに検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。  第3問、エドテックを活用したソサエティ5.0に向けた人材育成について伺います。  ソサエティ5.0社会を目指す我が国において、AI、IoT、ロボット、ビッグデータ等による第4次産業革命が急速に進んでいます。社会が変われば当然、働き方も変わり、求められる能力も変わってくることが予想されます。これからの子どもたちは、このソサエティ5.0の実現を目指す社会、あるいはソサエティ5.0という新たな社会の中で生きていかなければなりません。  文部科学省が2018年6月に出した報告書、「ソサエティ5.0に向けた人材育成〜社会が変わる、学びが変わる」では、子どもたちがAIやロボットと共存していく社会の中で、人間の強みを発揮し、AIやロボット等を使いこなしていくために必要な力として、1、文章や情報を正確に読み解き対話する力、2、科学的に思考・吟味し、活用する力、3、価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探究心が共通して求められるとし、このような力を育むためにも、学校がこれまでの一斉一律の授業のみならず、個人の進度や能力等に応じた学びの場になること、同一学年集団の学習に加えて、異年齢・異学年集団での協働学習が拡大していくことなど、学びの在り方の変革を打ち出しています。  ソサエティ5.0社会に向けた教育を実践するためには、1人1台端末環境整備等、ICT環境整備を目指すGIGAスクール構想は、未来の教室を実現するためのゴールではなくスタートラインであって、今後は整備されたICT環境の中、来年度から始まる新指導要領の着実な実施とエドテック、エドテックとはエデュケーションとテクノロジーを合わせた造語で、デジタル技術を活用した様々な教育技法のことですが、エドテックの活用が求められています。  エドテックは、個人の学習状況等のスタディーログを学びのポートフォリオとして電子化、蓄積し、指導と評価の一体化を加速するとともに、児童・生徒らが自ら活用できるようにするもので、公正に個別最適化された学びを実現するために必要なものです。  今後、ソサエティ5.0社会を目黒の子どもたちが生きていくためのエドテックを活用した教育、人材育成、未来の教室の在り方についてどのように考えているのか、見解を伺います。  最後に、4問目として、命の教育としての性教育に対する考え方について伺います。  連日、報道に出てくる言葉、例えば虐待死、予期せぬ妊娠、0歳0か月0日の命、幼児に対するものを含めた性犯罪、児童ポルノ、DV、コロナ禍でのパパ活・ママ活、世代で連鎖する幼児虐待、SNSを通しての児童・生徒の被害、JKビジネス、日本で特有の若年層の自殺、セクハラ、性感染症等々、現代を生きる子どもたちには、我々大人が考えてる以上に危険や課題が身の回りに潜んでいます。子どもたちが、あふれる情報の中で自分の心身を大切に考え、相手の心身を大切にし、自分を守り、必要なときにSOSを周囲に発信する力を持つことは大変重要です。そういった力を持つ子どもを育てるには、幼少期からの命の教育や、小・中学校における性教育、SOS教育、あるいは人権教育を家庭や地域と連携しながら着実に進めていくことが重要と考えます。  東京都教育委員会が2018年、都内全624校の公立中学校の校長を対象に性教育について調査したところ、都内8割近くの校長が、「指導要領外の指導も必要」、「医師などの外部講師の活用が必要」とし、半数近くの校長が「指導要領外の指導も必要」と回答しています。  これを受け、より現実的な課題にも対応できるよう、都教育委員会は性教育の手引を改訂しました。保護者の理解を得られれば、指導要領外を超えた内容の授業をも実施できるとしました。必要であれば外部の力も借りながら、目黒区として、児童・生徒が性や命に関する正しい知識を身につけ、子どもたちの人生において適切な意思決定や行動選択ができるよう、命の教育としての性教育に対する区の考えを伺います。  以上、壇上からの質問とさせていただきます。(拍手)  〔青木英二区長登壇〕 ○青木英二区長  河野議員の4点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。なお、第3点目及び第4点目につきましては教育委員会所管事項でございますので、教育長からお答えをいたします。  まず第1点目、大規模災害時における各種行政手続に係る東京都行政書士会目黒支部との防災協定の締結についてでございますが、今後30年間で70%の確率で発生すると言われる首都直下型地震は、ライフラインの損傷や公共施設の損壊、職員の負傷など、被災した自治体に大きな影響を及ぼし、自治体だけではその災害対応力に限界が生じることとなります。そのため、本区におきましては、目黒区地域防災計画に基づく災害対策活動が円滑に進むように、これまで災害時の物資輸送の確保や医療救護活動、水や食料の確保など、様々な分野において民間事業者と災害時の援助協定を締結してまいりました。  一方で、災害が発生した場合、被災された区民の皆様は、生活再建のため、罹災証明の発行や災害救助法に基づく各種補助金の申請、税金の免除申請など様々な手続が必要となってまいります。行政書士の皆様は、日頃より行政書士法に基づき、官公署に提出する書類や、その他権利義務または事実証明に関する書類を作成するとともに、作成した書類を申請者に代わって手続するなど、区民の皆様と行政との橋渡しをしていただいております。こうした経験を生かし、大規模な災害が発生した場合においても必要な手続を円滑に進められるよう、申請手続などの支援または代行をしていただくことは、本区におきましても非常にメリットがあるものと考えております。  行政書士会と自治体との防災協定の締結につきましては、議員御案内のとおり、熊本県のほか、都内でも幾つかの実績があるものと承知しております。近隣区におきましても、昨年1月に東京都行政書士会の支部と協定を締結し、行政書士の皆さんが各種申請業務の支援のほか、区が行う被災者支援を目的とした行政窓口業務の補助などを行うものとしております。また、他の区では、罹災証明など官公署に提出する書類の作成及び提出の手続や、相続その他権利義務関係書類の作成などについて代行または支援を行うものとしております。  被災者の生活支援への取組は、災害における困難の中でも迅速かつ的確に行うことが重要でございます。区といたしましては、まずは区の職員が一丸となって区民生活のあらゆる側面から支援をしていかなければなりませんが、行政書士の皆さんの力をお借りして各種申請手続を円滑に行っていくことも、その後の区民の皆様の生活再建の支えになるものと認識しております。各種手続に係る防災協定を締結するに当たりましては、費用負担や相談窓口の提供場所など幾つかの課題もあると認識してございますが、他の自治体の実績を踏まえ、締結に向けて積極的に協議を進めていく所存でございます。  東京都行政書士会目黒支部におかれましては、日頃、毎月1回の総合庁舎における行政書士相談で御協力をいただいてるところでございますが、今後とも防災協定の締結を通じまして、さらなる連携を深めてまいりたいと存じます。  次に第2点目、児童相談所設置に向け、1歩動きを前進させるという視点で、都の児童相談所の拠点が区の子ども家庭支援センターに設けられるという手法について前向きに検討すべきと考えるがいかがについてでございますが、区が児童相談所を設置することにより、地域の子育て支援サービスを活用しながら、福祉・心理などの専門職員による支援を行う子ども家庭支援センターの役割と、児童福祉司・児童心理司などによる専門的な対応や一時保護所や施設入所などの対応をする児童相談所の役割、この二つの役割を一元的、総合的に実施していくことができ、リスクの高い虐待事案についても区において迅速に対応していく、子どもを守ることが最大のメリットと考えているところです。  目黒区においては、児童相談所の設置による児童虐待防止の一元的な体制整備と、新たな関係機関と連携した虐待の未然防止に向けたネットワーク構築を目指しており、今年度、児童相談所開設準備検討委員会に検討部会を設置をし、児童相談所の機能の在り方や組織体制、候補地、施設の在り方、人材育成方針の内容を含む児童相談所基本構想の策定に着手してまいりたいと考えております。  練馬区では、東京都と子ども家庭支援センターの連携を強化する目的で、東京都と練馬区のモデル事業として、令和2年7月から区の子ども家庭支援センター内に虐待対応拠点として、都の児童相談所のサテライトオフィスを設置いたしました。児童相談所職員が定期的及び必要時にサテライトオフィスで業務を行うもので、都の職員と区の子ども家庭支援センター職員がそれぞれの役割を生かし、効率的かつ迅速に対応していくことが狙いと伺っております。また、区の職員と都の職員との情報共有の強化という課題だけでなく、都の児童相談所から練馬区内への移動時間の短縮や面談する施設の共有などの効果も期待できるとのことでございます。  区立児童相談所設置に当たっては、時間を要する専門職の人材育成を着実に進めていくとともに、組織や人員体制を整える課題があり、目黒区にふさわしい組織体制や在り方を調査研究していく必要がございます。  目黒区においては、人材育成、児童相談所の建設地の確保の課題に加え、コロナ禍により、財政面や新たな生活様式に伴う課題についても検討を要する状況となっており、区立児童相談所の設置には、今後なお時間がかかることは否めません。また、今後、区が運営する児童相談所が増加していく中で、東京都の児童相談所が再編される可能性も考えられるため、設置が実現するまでの間、区の子ども家庭支援センターの役割の充実と、児童相談所との連携強化を図っていくことが重要となってまいります。  このような状況を踏まえて、都区間の効果的な連携による子ども家庭支援センターの強化、目黒区として望ましい区立児童相談所と子ども家庭支援センターの在り方の検討、人材育成に資する有益な取組の観点から、サテライトオフィスの設置も一つの手法として実現の可能性を検討してまいりたいと存じます。  以上、お答えとさせていただきます。  〔関根義孝教育長登壇〕 ○関根義孝教育長  河野議員の第3点目及び第4点目につきましては教育委員会所管事項でございますので、私から順次お答え申し上げます。  まず第3点目、エドテックを活用したソサエティ5.0に向けた人材育成についてでございますが、議員から御指摘のありました文部科学省が公表したソサエティ5.0に向けた人材育成では、ソサエティ5.0の社会において人間らしく豊かに生きていくためには、知識、技能、思考力、判断力、表現力をベースとして、言葉や文化、時間や場所を超えながらも、自己の主体性を軸にした学びに向かう一人一人の能力や人間性が求められております。  また、文章や情報を正確に読み解き対話する力、科学的に思考、吟味し、活用する力、価値を見つけ生み出す感性や好奇心・探究力といった力が必要であるとされており、特に小・中学校においては、基礎的読解力、数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力を全ての児童・生徒が習得できるよう、新学習指導要領の着実な実施が必要であると示されております。  そのため、ソサエティ5.0に向けた人材育成に当たっては、まずはその基礎となる新学習指導要領に示されているところの資質能力を育むための授業改善が重要であると考えており、本区では、目黒区授業改善の手引や、新学習指導要領を踏まえた指導資料を作成、配付するなどし、全校に学習指導要領の趣旨を踏まえた授業改善の方法について周知し、実践できるよう取組を進めているところでございます。  一方で、今後は新たな時代に向けた学びの変革が求められており、GIGAスクール構想の実現により、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びや創造性を育む学びが実現できると考えております。  また、この学びの変革には、デジタル技術を活用した教育技法であるエドテックの効果的な活用が必要となってくると捉えております。その活用により、児童・生徒は習熟度に合わせて学びを進めることができ、教員は、児童・生徒の学習の進捗を即時に把握しながら指導することができます。さらに、効率的に学習を行うことで生まれた時間を探究型の学習に充てることも可能となります。  本区におけるエドテックを活用した取組の第一歩の例としては、eラーニングシステムを全ての児童・生徒が利用できるように整備し、個別の課題に応じた学習や、教員による個々の学習状況の把握などを円滑に行えるようにしております。本システムの活用をさらに推進させることにより、個別最適化された効率的な学びの実現を目指してまいります。  今後は、電子化し蓄積された学習履歴を児童・生徒が自ら活用できるようになることや、教師が学習支援のみならず、生徒指導や学級経営等のあらゆる面で活用することを通して、教育の質をさらに向上させてまいりたいと存じます。  教育委員会といたしましては、新学習指導要領の理念を着実に実現するための指導を充実させるとともに、エドテックを活用した新たな学びの変革に向けた研究を進め、来るソサエティ5.0社会の中でたくましく生きる目黒の子どもたちの育成に取り組んでまいります。  次に第4点目、命の教育としての性教育に対する考え方についてでございますが、学校における性教育は、児童・生徒の人格の完成を目指す人間教育の一環であり、豊かな人間形成を目的に、生命の尊重、人格の尊重、人権の尊重などの根底を貫く人間尊重の精神に基づいて行われる重要な教育であると認識しております。学習指導要領におきましても、性教育の内容は、体育科・保健体育科はもとより、理科や道徳科等の各教科、総合的な学習の時間及び特別活動に関連する内容が多くあることからも、これらを相互に関連づけながら、学校の教育活動全体を通じて行うことが必要であると示されております。各学校では、性教育の全体計画と年間指導計画を作成し、児童・生徒の発達段階に合わせた性教育を行っているところでございます。  具体的な指導の内容といたしましては、小学校低学年の生活科におきましては、自分自身の生活や成長を振り返る活動を通して、これまでの自分の成長を支えてくれた人々に感謝の気持ちを持つとともに、これからの成長に向けて意欲的に生活することを狙いとした学習がございます。  小学校第5学年の理科では、人の誕生についての単元において、母親の胎内で一つの生命がどのように成長していくのかを学ぶことで、生命を尊重する態度を育んでいるところです。  また、体育科と保健体育科におきましては、小・中学校を通じて、体の発育や発達、思春期の体の変化などについて学習することにより、成長には個人差があることを知り、自分自身や相手への理解につなげることを目指しております。  さらに、道徳科におきましては、小・中学校全ての学年において、生命尊重に関する教材を通して、自他の生命を尊重することや、自分自身が生命のつながりの中にある、かけがえのない存在であることへの理解を深め、生命を尊重する心情や態度を養っているところです。  また、近年の性犯罪やDV被害等の社会問題を踏まえ、各学校におきましては、防犯教育プログラムやセーフティー教室等において、性被害に遭わないための具体的な指導を児童・生徒の発達段階に応じて実施しております。  さらに、これまで区長部局と連携して、毎年、中学校2校の第3学年の生徒を対象に、デートDV防止出張講座を実施してきたところですが、本年度は生徒指導用として、デートDVについて知るための啓発冊子を、全中学校の第3学年の生徒に対象を広げて配付することを予定しております。  教育委員会といたしましては、児童・生徒が性や命に関する正しい知識を身につけ、適切な意思決定や行動選択ができるよう、これまで行ってきた教育活動を関連づけて、性教育をより効果的に指導できるようにするとともに、性教育に関する基本的な考え方や具体例を示した指導資料を作成するなど、保護者の理解を十分に得ながら、命の教育としての性教育のさらなる充実に努めてまいります。  以上、お答えとさせていただきます。 ○22番(河野陽子議員)  答弁ありがとうございました。  東京都行政書士会目黒支部との防災協定締結については、協議を進めていくとの御答弁でございました。区民の不安解消、災害時の迅速な生活再建の実現のために、まずは締結に向けて一歩踏み出していただければと存じます。  再質問ですが、児童相談所設置についてでございます。  練馬区方式実現の可能性の検討をぜひ進めてほしいところですが、例えば今回開設した世田谷区では、保育園や発達相談窓口などの複合施設の中に児童相談所を設置している、あるいは江戸川区は子ども家庭支援センター機能を児童相談所に統合するといった、それぞれ違う手法での児童相談所の設置となっております。  先ほど区長の答弁の中に、目黒区にふさわしいであるとか、目黒区として望ましいという言葉が出てきておりましたけれども、やはりこれから、先行自治体が児童相談所を設置していく中で、そういったところの、ちょっと言い方は悪いんですけれども、いいとこ取りをしていくというやり方が一つあるんじゃないかなというふうに思うんですね。先行自治体のいいところを見ながら、目黒方式、目黒に合った目黒にふさわしい児童相談所の設置をぜひしてっていただきたいと思いますが、それについてのお考えを伺います。  それから、もう1点は、児童相談所は18歳までの子どもが対象で、本年の予算の時に我が会派から一時保護所について、例えば障害のあるお子さんを保護した場合の対応であるとか、一時保護所から自宅に戻れないケースなどもある中で、一時保護所から先の子どもたちの生活であるとか人生も、一時保護所というところは考えていかなきゃいけないわけなんですけども、やはり人口が28万規模での目黒区においていろいろ考えたときに、一時保護所を単独で持つということが正解じゃない場合もあるのではないかなというふうに私は考えるんですが、そういった場合に、現段階で、広域での連携含め、目黒区の一時保護所についてどのようにお考えになってるのかお聞かせいただければと思います。  それから、性教育ですけれども、質問させていただいた中で、命の教育であるという認識をぜひ持っていただいて、幼児期からの一貫した、やはり目黒の子どもづくりというか人づくりを意識、取り組んでいってほしいなというところなんですけれども、目黒区は本年、目黒区男女が平等に共同参画し性の多様性を尊重する社会づくり条例を制定しております。性的指向及び性自認による差別的な取扱いを受けないこと、あるいは多様な性の在り方が尊重され、誰もが自分らしい生き方を選択できる社会を目指すとしています。そういった中で、その条例の中で、男女平等共同参画の条例の現行の中で、教育の場において男女の平等な共同参画を推進するというところについて、この条例改正に当たって、教育の場において性の多様性を尊重するということが付け加えられているんですが、この条例に基づいて、いわゆるSOGIを含む多様な性の在り方について、今後、目黒の児童・生徒にどのように理解を促していくかを伺いたいと思います。  以上です。 ○青木英二区長  2点、私から児童相談所、ここから先は児相として申し上げますが、一つ、目黒区としての特色、やっぱり世田谷区さんが大体人口90万人、児童が13万人、江戸川区さんが人口約69万人余、児童が10万人、うちが3万人余、まず相当数、児童数が違うというふうに思います。  それから、私ども今一番大きな課題の一つが、約400坪の用地ということですので、やはり江戸川区さん、世田谷区さんと比べると、相当人口密度も高いので、こういった用地をどう対応していくかということは非常に大きな課題だと。最終的にもちろん一番大きな課題は、財源、どうなるのということで、御案内のとおり、今回、財調の中でも0.1%は配分率が変わりましたけど、18億円増えただけで、3区だけでも48億円ぐらいかかるということで、全く私どもの認識では問題外になっていますけれども、こういった課題、これは全国的な課題、それから今申し上げた幾つかの課題を踏まえながら、私ども対応していく必要があろうかなというふうに思います。  それから、18歳を超えた場合等々の課題ですけど、私ども、今後も、児童相談所だけじゃなくて、里親制度とか様々な手法を活用しながら、また一時保護所も全て目黒区内で完結する取組だけではなくて、状況によっては他の一時保護所にもお願いするというケースもこれから出てくることになろうかなというふうに思っております。  こういったことをしっかりと踏まえながら、先ほど申し上げました児童相談所基本構想を誤りのないように、適時適切な時期にしっかりと策定していきたいと思っているところでございます。  以上です。 ○関根義孝教育長  本年3月に条例が改正されまして、4月には区としての対応指針が策定されました。その策定指針の中に、5ページほどにわたって、児童・生徒等への対応という記述があります。実はこれは、対応指針の策定時には既に各学校で整えていた内容でございまして、それを横引きした形で載せています。ですから、教育委員会のほうはちょっと進んだ形で対応できていたのかなと思っているところです。  それで、現在、この区の対応指針の中に記述されている5ページの分を、またそれをより具体的に詳しいマニュアルをつくろうということで、今まさに策定中でございます。本年度中にはそれを策定したいと思っています。  ちなみに、内容としては、学校においても性の多様性の理解を深めるための教育啓発をしていこうということ。あと、性的マイノリティーの児童・生徒に適切な配慮、どのようなことが考えられるかとか、あと具体的な対応例とか、こういうことを盛り込んでいく予定でございます。  以上でございます。  あと、冒頭、命の教育というお言葉がありましたけども、私も、性教育という言葉よりは、生命尊重教育といったような言葉のほうがいいなと思っているところです。  以上です。 ○そうだ次郎議長  河野陽子議員の一般質問を終わります。  以上で一般質問を終わります。  次の本会議は、明9月9日午後1時から開きます。  以上で本日の日程は終了いたしました。  本日はこれをもって散会といたします。    〇午後5時01分散会...