目黒区議会 2020-05-13
令和 2年第1回臨時会(第1日 5月13日)
令和 2年第1回臨時会(第1日 5月13日)
目黒区
議会会議録 第2号
〇 第 1 日
1 日時 令和2年5月13日 午後1時
2 場所 目黒区
議会議場
3
出席議員(34名)
1番 かいでん 和 弘 2番 青 木 英 太 3番 川 端 しんじ
4番 白 川 愛 5番 岸 大 介 6番 橋 本
しょうへい
7番 金 井 ひろし 9番 芋 川 ゆうき 10番 吉 野 正 人
11番 いいじま 和 代 12番 佐 藤 ゆたか 13番 小 林 かなこ
14番 西 村 ち ほ 15番 梅 田 まさみ 16番 西 崎 つばさ
17番 斉 藤 優 子 18番 松 嶋 祐一郎 19番 川 原 のぶあき
20番 山 宮 きよたか 21番 鈴 木 まさし 22番 河 野 陽 子
23番 たぞえ 麻 友 24番 鴨志田 リ エ 25番 岩 崎 ふみひろ
26番 石 川 恭 子 27番 関 けんいち 28番 武 藤 まさひろ
29番 おのせ 康 裕 30番 宮 澤 宏 行 31番 松 田 哲 也
事業者からは、外出自粛でお客が減り、ついに配達がなくなった。本当に5月が正念場になるというクリーニング業者。今の支援の枠組みでは、とても売上げ減少を補い切れないという飲食業者。デイサービスの利用者が2割も減った。であるにもかかわらず、
感染防止策は自前でやらなければならず、負担が増えるという
介護事業者など、なりわいの危機的な状況があります。
学校や保育園の休校、休園などで、親子共々
ストレスがたまり、保護者の収入も落ち込み始めるなど、生活維持も厳しくなっています。
こうした国民、区民が苦境に陥っている中でも、暮らしと営業、生活への保障や医療体制の充実に向けた対策が諸外国と比べても非常に弱いことが、余計に不安をかき立てています。
新型コロナウイルス感染拡大に対処する国の2020年度
補正予算は、国民世論の力で1人一律10万円の現金給付を行うことが実現されましたが、感染爆発、
医療崩壊を阻止する点でも、暮らしと、なりわいを守り抜く点でも、国の予算措置は全く不十分です。
全国的に強い要求になっている
PCR検査の思い切った拡大のための
センター設置の予算措置が行われず、
医療崩壊を阻止し、医療の提供
体制強化に向けた予算措置も極めて不十分です。暮らしと営業補償の持続化給付金も制限があり、コロナに苦しむ全ての中小業者、小規模事業者を救済できるものではありません。
東京都の
補正予算も、医療体制の強化や休業補償なども不十分で、東京都
感染拡大防止協力金も、影響を受ける全ての事業者に行き渡るものではありません。こうした国や都の
補正予算の不十分さは、目黒区の
補正予算の
国庫補助金や
都支出金の内容にも現れています。
また、区の今回の
補正予算も、新型コロナ
ウイルス感染防止策や営業・生活への支援を強めてほしいという区民の強い要求から見て、まだ不十分さは否めません。
PCR検査センターの設置予算については、杉並区や新宿区などと比べても規模が違います。とても検査を広げてほしいという区民の声に応える規模でありません。
保健所の体制も十分ではなく、結果的に区立特別養護老人ホーム内での感染において迅速な対応を取ることができず、感染者が広がってしまった状況です。
練馬区では、ひとり親世帯への給付金を独自に支給したり、世田谷区、文京区、三鷹市などでは、児童・生徒への給食費支援を行うなど、こうした施策に取り組んでいます。
とりわけ、独り親家庭では、保護者に対する休業補償について、約2割しか受け取れていないという現状があり、収入が減ったりなくなったりする世帯を合わせると54%にも上ります。区もこういう状況のときこそ思い切った区民支援策を行うべきです。
一方、この
補正予算案では、国の
特別定額給付金の給付事業費が予算全体の大半を占めています。私たちにも、給付は一体いつになるのか。会社から解雇を言い渡され、会社の寮も出ていかなければならない。生活費も底をつく。当座の資金として給付金を早く欲しいとの訴えが寄せられています。一刻も早く区民に給付金を届けることが必要であり、区に最大限の努力を求めます。
また、
医療機関等へのマスク、防護服、医療機器の提供や、介護サービス事業者などへのマスク、防護服などの衛生用品費用への助成、災害時要配慮者へのマスクの配布、出産・子育てへの支援、認証保育園などへの支援など、至急対応しなければならない予算が盛り込まれていることから、
補正予算に賛成します。
緊急事態宣言の延長で、今後、引き続き区民の命、健康、営業や生活に一層の影響が出ることが予測されます。
日本共産党目黒区議団は、
補正予算編成を第2弾、3弾と続け、
PCR検査センター体制の大幅な拡充、保健所体制の拡充、マスク、防護服や医療機器などを医療機関、福祉、子育て施設に大幅に支給を拡大することなど、
感染拡大防止策を大きく進める予算措置を求めます。
区民の営業と生活を支えるための区独自策、例えば
個人事業主や中小業者への家賃補助を行うなど、支援を強化すべきです。
また、学校の休校、保育園などの休園措置が長引く下で、児童・生徒の成長を阻害させることなく、学力支援や食育の保障、虐待防止策の強化など、必要な手だてを強化させることを望みます。
そして今、
新型コロナウイルス感染対策に関わり、戸籍住民課や産業経済課、福祉の窓口に区民が殺到しています。来庁した区民に対応する総合的な案内窓口をつくることも求めます。
区立特別養護老人ホームでは、感染が広がり、死者も出てしまいました。区は、施設内の陽性者への対応や検査の進め方などについて、東京都の保健所と相談し対応したとしていますが、大田区の特養ホームでは、迅速な対応を取り、職員、入所者全員に一気に検査を進めたということから見て、区がもっと都と連携して対応し、施設内の全ての入所者、職員の命を守るという強い意思があれば、迅速な検査を行うことができたのではないか、疑念が残ります。
今回の特養ホームでの
感染拡大の件は、国や都、区を含めた全体的な保健所体制が今回のような感染症防止対策を進める上で、全く不十分であることが根底にあります。特に区立施設で感染者が出た場合、保健所など公的機関の十分な役割の発揮なくして、感染を防止することはできません。ぜひ区として、国や東京都に対し、早急に保健所体制を拡充するように強く要請することを求めます。
以上で討論を終わります。(拍手)
○
宮澤宏行議長 岩崎ふみひろ議員の討論を終わります。
次に、1番かいでん和弘議員。
〔かいでん和弘議員登壇〕
○1番(かいでん和弘議員) 私は、新風めぐろを代表し、令和2年度目黒区
一般会計補正予算(第1号)に賛成する立場から討論を行います。
初めに、
新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々へ深く哀悼の意を表しますとともに、現在もなお闘病中の方々の一日も早い御快癒をお祈り申し上げます。
また、
感染症対策の第一線で昼夜を問わず御尽力いただいている
医療従事者の皆様をはじめ、
区民生活に不可欠の業務に携わっている全ての皆様とその御家族の方に心より敬意を表し、感謝を申し上げます。
そして、区民の皆様におかれましても、外出の自粛、営業の自粛、区のサービスの休止など、多大な御負担をおかけしているところではございますが、
感染拡大の防止に御協力をいただきまして本当にありがとうございます。併せて感謝申し上げます。
今回の
補正予算ですが、歳出の95%を占める1人10万円の
特別定額給付金をはじめとして、マスクや防護服、消毒液、パルスオキシメーターなどの衛生用品の購入、
中小企業への
緊急融資、妊婦の方への支援策や
PCR検査センターの運営費など、区民の皆様の命と生活を守るために必須かつ緊急の施策が盛り込まれている点、我々としても評価いたしております。
これらの多くは、区議会からの要望や、新風めぐろとしての会派要望の中でも従前より求めていたことですから、ここからは一日も早く執行していただくよう、改めて要望いたします。
一方で、今回の
歳出予算の大半は、各種給付金のように、国や都の方針で全国全ての自治体が一律で行っている事業や、衛生用品の購入のように、どこの区市町村でも通常実施するような、言わば最低限欠かせないという水準の施策でしかなく、多くの区民の方から寄せられている支援を求める声、決断を求める声に応えた目黒区なりのメッセージや思いは本
補正予算からは感じられません。
区長も当然、御認識のとおり、本
補正予算はあくまで第1弾、感染症の影響は長期にわたることが見込まれていますから、今後も追加の予算措置を行うことが必須であります。当然、その際には、財政基盤の健全性は確保しなければいけませんが、一方で、今こそがまさに目黒区政始まって以来の非常時に当たるわけですから、こういうときのために積み立ててきた
財政調整基金のさらなる繰入れも含め、今後も目黒区独自の支援策を大胆に打ち出していただくよう要望いたします。
例えば、我々の会派より申し上げてきた保健所職員等への特例の防疫等業務手当の支給や、失業、内定取消しを受けた区民の方の緊急雇用、ほかにも、認可・認証落ちで認可外保育園へ通う御家庭への自粛分の保育料減免や、長引く学校休業に対応した子どもや保護者へのメンタルケアの充実など、挙げれば切りがありませんが、積み残された施策は数多くあります。これら追加の対策については早急に検討を行うよう要望いたします。
また、真に必要な分野に集中的に予算を投入するためには、さらなる財源の確保も必要です。
今後、国や都からの補助金に対しては、情報収集及び活用を積極的に行っていただきたく思いますし、ほかにも区長や我々議員の報酬の見直しや、残念ながら延期となってしまった東京2020オリンピック・パラリンピック関連予算など、執行が困難となった事業の
減額補正など、当初予算で計上した事業の大胆な整理も早急に着手することを求めます。
そして、このような非常時にはスピードが第一です。
今回の1人10万円の
特別定額給付金に関しても、近隣区では軒並み5月1日または2日に
オンライン申請を開始したのに対し、本区では本日から開始と、遅れを取ったばかりか、当初は申請がいつから始まるかの情報さえなかったために、区民の皆様からの御不安、御不満の声が数多く寄せられました。
もちろん申請開始が遅れてしまったのには様々な事情があるのだろうとは思いますし、今も職員の皆さんは懸命に準備をされていることと思います。けれども、区民の方にとっては結果が全てです。今は目黒区の対応が迅速かどうか、このことが誇張抜きに区民の方の生死を分けます。
今回の給付金のように、今後、元手の全てが国や都からの補助金だったり、事業実施に当たって区の裁量の余地が少なかったり、そして何よりも一刻を争う緊急性が高かったりといった事業に対しては、専決処分など、区長には
臨機応変に判断を行っていただき、区民の皆様に一日も早く支援の手を差し伸べていただくようお願い申し上げます。
一方で、予算をかけずともできることも様々あります。
例えば広報、目黒区のツイッターや最近開設したLINEによる
情報発信は、緊急時とは思えないほど緩慢です。図書館についても、他自治体では、閉館中でも工夫を凝らして、市民が本に触れる機会をつくっているところは幾つもあります。
こういった事柄については、区長並びに教育長の号令いかんで幾らでも改善ができる部分ですから、ぜひ、この期間は何もしないという引き籠もる姿勢ではなく、制限がある中でどんな工夫ができるかと、常に前向きに考えていただくよう要望いたします。
また、今は、ふだん以上に一つの論点に対して賛成、反対の対立が激しくなっています。そんな中で区として一つの答えを定めないといけない。これは非常に厳しいことだろうとは思います。
けれども、その決断によって、賛成派、反対派、どちらか一方の区民の方に御負担を強いることになる以上は、区役所の内部で決断に至る根拠を論理的に考える姿勢が不可欠です。
例えば公園の遊具について、先日、今月末まで封鎖を延長するという方針が出されました。隣接区の大半が遊具の封鎖を行っていない中、この本区の判断は、東京都の方針に自主的に従ったものかと存じます。
でも、例えば屋外での
感染リスクが高いか低いかといったデータや、公園遊具の主なユーザーである子どもの罹患率、重症化率、ウイルス排出量の低さなど、今は数々のデータが
厚生労働省や専門家会議、感染症学会等から発表されているわけです。そういった科学的なエビデンスについては、果たして区役所内部で議論されていたでしょうか。
区が従うべきは、上から下される通知や事務連絡だけではありません。区の決断によって区民の方に負担をお願いするわけですから、ぜひ、都の判断に上へ倣えではなく、データに基づく客観的な判断で、文字どおりの地方自治を実践していただくよう強く要望いたします。
私たち新風めぐろは、これからも区民の皆様と相互のコミュニケーションを絶やさず、必要な政策を積極的に提言することを通して、全力でこの難局に立ち向かっていくことをお約束し、討論を終わります。(拍手)
○
宮澤宏行議長 かいでん和弘議員の討論を終わります。
ここで新型コロナ
ウイルス感染防止の観点から議場内の換気を行うために、暫時休憩をいたします。
〇午後7時21分休憩
〇午後7時30分開議
○
宮澤宏行議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
それでは、3番川端しんじ議員。
〔川端しんじ議員登壇〕
○3番(川端しんじ議員) NHKから国民を守る党、川端しんじでございます。
議案第21号、令和2年度目黒区
一般会計補正予算(第1号)について、賛成の立場で討論いたします。
本
補正予算の趣旨であります、中国湖北省武漢にて原因不明肺炎が発生した新型コロナウイルスとの闘いには、社会の総力を挙げる必要があります。
区は、
区民生活に身近な基礎自治体として、国や都と一体となり、引き続きスピード感を持って、区民の皆様の命と健康を守るために、区長を先頭に、職員の皆様は引き続き全力を尽くしていただきたいと考えております。
本
補正予算では、具体的に
中小企業経営安定特別対策として、
新型コロナウイルス対策緊急融資の利子補給や、
中小企業振興における経営支援、または教育費においては目黒区学校サポート
センター運営のeラーニングの小学校への拡充の学習支援、教育用コンピューターの
オンライン学習環境整備など、これらは
緊急事態宣言措置のみの対症療法によらず、中長期的な資産や支援となる事業であることは評価されます。
感染拡大の終息の時期はいまだ不透明ではありますが、このコロナ危機を乗り越えるために、目黒区議会議員の一員として、追加のさらなる力添えを心からお願い申し上げて、令和2年度目黒区
一般会計補正予算に賛成の討論とさせていただきます。(拍手)
○
宮澤宏行議長 川端しんじ議員の討論を終わります。
次に、5番岸大介議員。
〔岸大介議員登壇〕
○5番(岸大介議員) 私、岸大介は、無会派議員の一人といたしまして、令和2年度目黒区
一般会計補正予算(第1号)の議案に対して、賛成の立場で討論を行います。
初めに、
新型コロナウイルス感染症に罹患された皆様にお見舞いを申し上げるとともに、お亡くなりになられた方々とその御家族、関係者の皆様には、心よりお悔やみを申し上げます。
また、感染症拡大防止や、あらゆる分野にまたがる深刻な影響から、区民の命や暮らしを守るため、日夜問わず奮闘いただいております医療、介護、保育、教育、小売業、流通業などを支えられている皆さん、公務、あるいは公務に近い業種に携わる皆さんに深く感謝と敬意、そして連帯の意を表したいと思います。
新型コロナ
ウイルス感染が拡大し、様々な影響が出ている下、国の
補正予算が去る4月30日に成立いたしました。それに伴い、ようやく区でも対策予算が現在審議されています。
多くの区民が、政府の
緊急事態宣言で自粛要請に応えている中で、補償や支援は国を挙げて取り組むべきではありますが、自治体としても独自の施策が求められ、既に実施され始めた自治体もございます。
そうした中、本
補正予算(第1号)では、特定定額給付金10万円の予算などが組み込まれ、総額300億円を超える大型な
補正予算が計上されました。まずは速やかに区民の手に渡るよう、格別の御配慮を求めたいと思います。
感染者数の推移に目を向けてみますと、日を追うごとに新規の感染者は少なくなってきており、明日以降で
緊急事態宣言の解除の方向で調整に入っている自治体もあるとの報道がなされております。
完全なる終息にはまだまだ時間を要する一方で、この前代未聞のウイルスからコミュニティーを守るということは、私ども基礎自治体に携わる人間の責務であるということは言うまでもございません。
他方で、行き過ぎた善意や自意識過剰な防衛本能に反映された問題行為が、
コロナ禍の今、社会を分断しております。誹謗中傷や営業妨害、感染症に罹患するリスクによる様々な差別など、一方的な正義がコミュニティーの分断を助長している側面が、ここ目黒においても残念ながら存在しているのです。
全体主義につながりかねない集団心理のしわ寄せが、この成熟した社会で許されるものではない。人権侵害に対しては断固として反対し、警鐘を鳴らしておきたいと思います。
以下、さらなる対策の拡充が行われるよう、提案させていただきます。
1つ、
新型コロナウイルス感染症対策特別定額給付金については、速やかに支給ができるよう、事務手続を進めること。既ににわかに散見されるようになってきた
給付金詐欺に対する自己防衛を周知、啓発なされますこと。
2つ、区独自でこの後の
感染症対策地方創生臨時交付金を活用した給付金などを検討すること。同じく休業要請などに協力した事業者への区独自の支援を検討すること。
3つ、相談窓口の分かりやすい体制を構築されること。経済対策及び各種支援制度の周知と手続の簡略化を図ること。そのための最善の努力をなされますこと。
4つ目に、特に情報弱者と思われる方々や区のサービスを直接必要とされている高齢者、児童・生徒のいる家庭、保護者に対して、適切で十分な情報の提供やあっせんを行われますこと。
以上、区民の声に耳を傾けて、支援策の数々は早急に実施することを求め、手続や業務を受託する各種施設へは職員を派遣するなど、区のサービス強化にも努められることを求め、私、岸大介の賛成討論といたします。
以上です。(拍手)
○
宮澤宏行議長 岸大介議員の討論を終わります。
次に、4番白川愛議員。
〔白川愛議員登壇〕
○4番(白川愛議員) 自由を守る会、白川愛は、議案第21号、令和2年度目黒区
一般会計補正予算(第1号)に賛成の立場から討論いたします。
今年1月から徐々に広がり、ついには日本初の
緊急事態宣言が発せられるまでになった
新型コロナウイルス対策は、必要であることは疑いありません。ただ、残念なことに、今回の
補正予算で提示されているのは、現時点まで積極的に検討を進めてきた国と東京都の施策ばかりです。
今回の
補正予算は、国や都が定めた方針を全て取り込み、目黒区として実施するための手順を定める予算と言っても過言ではありません。特に定額給付金については、速やかな実施が必要なものであることから、この
補正予算に反対する理由は1つとしてありません。
繰り返しますが、残念なことに、今回の
補正予算は、国と東京都による発想のものしか含まれていません。住民に最も近い基礎自治体である目黒区としては、この幾つもの制度の中で抜け落ちてしまった部分に対して、充実させる必要があります。
今般、目黒区では、高齢者施設におけるクラスター感染と言っても差し支えない被害が出ています。こういったものにしっかり対処していくことこそが、区民に求められている、区長が標榜する「安心・安全」でしょう。
再選を果たした区長であれば、その選挙で約束した区民の安心と安全を守るために、より積極的な施策を現在も寝る間も惜しんで検討していることでしょう。ですが、その準備は、現時点のこの
補正予算からは全くうかがえるものがありません。そこに熱意が感じられないことが残念でなりません。
こういった危機に関しては、各所管も、国や東京都から降ってきた、通常とは違うイレギュラーな制度に翻弄されていることがひしひしと伝わってきます。現場の大変さは、一議員として見ている私でも、本当に感じられます。その努力によって、今回の
補正予算でやっと国と東京都から用意された制度にどこまで対応しているかが明確になり、その実施の道筋もついたところです。
だからこそ、ここで終わりにしてはなりません。現状に加えて、必要不可欠なもの、区民が本当に求める施策を積み上げていくことこそが、基礎自治体としての目黒区の責務です。
実のところ、これからが目黒区行政の底力を見せる本番だと言っても間違いないと思います。各所管がより一層、区民のためを考えた施策を打ち出していかなければならない。それを区長が
リーダーシップを取って推進していかねばならないのです。
来月には、令和2年の第2回定例会が開催されます。その際には、今回のものを踏まえた必要な施策を含めた新たな
補正予算が組まれることであろうと期待しております。間に合わないなら、今回のように、定例会にこだわらず実施を進めていくことこそが求められています。区民の生活をいかに助けていくかが求められているのです。今こそ共助、公助が求められているのです。
私、白川愛は、自由を守る会の一員として、目黒区議会の一員の責務として、今回の
補正予算では不足していると考える施策を緊急に提出させていただきます。
再選を果たされた区長には、このような国や東京都からの委任事務にとどまらない積極的な施策を実現していただきたく、そのために、第2、第3の目黒区ならではの、区民から見ても、また議会から見ても、さすがと言われるような、新たな
補正予算を組んでいただきたい。そうした新たな緊急施策や制度の充実をフットワーク軽く実現してくださると期待し、今回の令和2年度
補正予算第1号に賛成いたします。(拍手)
○
宮澤宏行議長 白川愛議員の討論を終わります。
次に、23番たぞえ麻友議員。
〔たぞえ麻友議員登壇〕
○23番(たぞえ麻友議員) 私、たぞえ麻友は、議案第21号、令和2年度目黒区
一般会計補正予算(第1号)に賛成の立場から討論します。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、区民の行政への関心が高まり、時には区民の方から強い非難の声が寄せられることもあります。日々業務に当たられている行政の皆様の御対応に感謝申し上げます。
私も
SNS等で
情報発信をしていますが、区内外から様々な要望や御意見を受けます。今、何を正解としていいのか不明瞭な中、模索しながら、それでも少しでも安心してほしいという思いから発信を続けています。
区長におかれましては、ベテラン区長として
感染防止と暮らしのどちらも守るための手腕に大きな期待が寄せられています。区民の期待に応えていただくことと同時に、私からも4点要望します。
1点目は、スピードを上げて施策を打ってほしいということです。
このたびの
補正予算審議、300億円余のうち283億円は
特別定額給付金ですが、申請開始の時期について、目黒区は遅いという御意見が区民から寄せられました。この
特別定額給付金の国の示した給付までの流れの中では、様々な不手際も耳に入ってきているところであり、様々苦慮されていることとは思いますが、予算については専決処分でよかったと思っています。今後も、この
非常事態においてはスピード感を持って支援策を打ち、実施していただきたいです。
2点目は、教育についてです。
感染拡大防止に配慮いただきながら、週1回、担任の先生から、課題や諸連絡を受け取る連絡日が始まりました。いただいた時間割を基に、私も家で四苦八苦しております。
お願いとしては、
オンラインでホームルームを実施することです。直接先生やクラスメートと会うことが一番ですが、難しい今、生活リズムを整える意味でも、毎朝顔を合わせてのホームルームを
オンライン上で実施していただけないでしょうか。
3点目は、
情報発信についてです。
このたびLINEで新型コロナ対策
コールセンターも開設いただき、また臨時の区報も何度も発行していただいております。区報は新聞折り込み、また個別配送や駅のスタンドに置くなど、多くの区民の手に届くよう御尽力いただいていることは承知しております。
しかし、行動を制限している中では、駅で手にすることも難しい状況であること。そして、平常時はあまり必要と思っていなかったけれども、今必要な方がいらっしゃると思います。区報を全戸配布すること、また、町会など区内の掲示板を活用した掲示など、
新型コロナウイルス対策の施策をしっかりと周知していただきたいです。
また、ホームページが見にくいとの声もいただいております。私は区の情報を確認するとき、具体的な施策名を検索し、そして所定のページにたどり着きますが、区民の方はそうはいきません。見やすいページ階層、構成を御検討ください。
4点目は、電子申請、リモートワーク推進についてです。
かねてよりAI、
RPAについて、またその前提としてデータでの書類申請について様々質問や要望をしてきました。現在、対面での行政事務、窓口相談が制限される中、区庁舎や区が設置している施設において、対面を前提としない、業務がいかなるときもストップしないシステム構築を要望します。
最後に、今後も様々な支援策を打ち出していただけると思っており、今は財政出動が必要です。しかし、新型コロナウイルス終息後の財政も見据え、
既存事業の圧縮、選択と集中を行い、持続可能な財政運営をお願いし、私の賛成討論とします。(拍手)
○
宮澤宏行議長 たぞえ麻友議員の討論を終わります。
次に、31番松田哲也議員。
〔松田哲也議員登壇〕
○31番(松田哲也議員) 私は、日本維新の会に所属する議員として、議案第21号、令和2年度目黒区
一般会計補正予算(第1号)に賛成の立場から討論をいたします。
今回の補正のポイントは大きく2つ、たくさん、1時間でもお話ししたいことはあるんですけれども、2つだけ、コロナから命を守れるか、経済危機から命を守れるか、それぞれ絞って申し上げます。
まず、医療の危機からについて。
今日の質疑で、東京都と目黒区の陽性者の違いについて出てきました。また、一昨日は、東京都からも111人のカウントミス、こうした報道もありました。
医療崩壊を防ぐには、区民とともに乗り越えるには、正確なデータの開示が必須です。特にコロナ対応ベッドの数については、いまだブラックボックスのままです。
毎週行われている公共放送のコロナ対応病床数の調査によると、大阪府の使用率は35%。東京都内は何と126%。なぜこれが指摘されていないんでしょうか。自宅療養者の数や、あるいは宿泊施設の部屋数を加味し計算しても、異常に高い数字です。
何を申し上げたいかといいますと、このように、国や都の出口戦略、あるいは入り口戦略もなかなか示されない状況の中、このトンネルの中、目黒区は明かりになっていくんだという、そんな
補正予算を作成しなければいけない、そのことを申し上げたいと思います。
例えば、2年前から申し上げている複合災害時の対応、2年前は風水害と津波、風水害と大震災、これが起きたときにどのようなことが起こるのか質問させていただきましたけれども、2年前から申し上げている複合災害時の対策については、今日の
補正予算の審議の中で、避難所に15万枚のマスクを備蓄していると、使い捨てのサージカルマスク。これでは全く足りません。なぜならば、6万人の区民の方を想定しているからです。そもそも4万人台しか避難所も整備されていません。
であるならば、一例ではありますけれども、何度でも洗って使える、例えば水着マスクのようなものに不織布のシートを取り替えていく、そんなようなマスクを、具体的にお一人にマスクを、そしてマイボトルの消毒液も皆さんにお配りするというような対策を取ることによって、
緊急事態宣言下、先週末から鳴り響く緊急地震速報、こうした恐怖に少しでも目黒区民の方に対して安心感を与えていくということが必要ではないかと考えます。
次に、2つ目、経済危機から命を守るために目黒区がやるべきこと。
国や都の持続化給付金、あるいは雇用調整助成金、あるいは間もなく始まる家賃助成制度、さらには東京都の協力金、こういったものの金額、全く足りない金額、あるいは遅過ぎる支給については、これとは分けて、別に強く訴えているところでありますけれども、区にはこれらの各種支援制度を分かりやすく区民に伝えて、使っていただく、その責務があると考えます。
本日、生活福祉委員会でも他の委員からありましたけれども、例えば区の新型コロナ融資に加えて、都の感染症融資がスタートします。どちらか選んでください。都を選べば、区は給付をつけますと。こう今説明をされたって、あるいはペーパーで読んだって、なかなか分かりません。モデルケースを示しながら、図表化しながら、映像化しながら使える制度に変えていくということが大事だというふうに考えます。
難しいことを難しく言うのは、よくある普通の行政のスタイル。簡単なことを難しく伝えるのは、非常に悪い行政のスタイル。我々目黒区は難しいことを簡単に伝える、よく分かる青木区長の新型コロナ対策、こうした声が目黒区民から上がっていくようなことを求め、また、第2弾の
補正予算も求め、本案に賛成をいたします。(拍手)
○
宮澤宏行議長 松田哲也議員の討論を終わります。
以上で討論を終わります。
これより採決を行います。
議案第21号につきましては、
委員長報告のとおり決するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
宮澤宏行議長 御異議なしと認めます。
本案は、
委員長報告のとおり可決いたしました。
ここで、区長から発言の申出がありますので、これを許します。
〔青木英二
区長登壇〕
○青木英二区長 ただいまは、令和2年度一般会計の
補正予算につきまして、全議員賛成の下で可決をいただきました。まず区を代表してお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
私は、
新型コロナウイルス感染症対策をさらに強力に進める、迅速に進める、そういったことを念頭に300億円余の
補正予算案を提出させていただいたところ、今申し上げたように、本議場で可決をいただきました。改めて
宮澤宏行議長、そしてまた、川原のぶあき副議長をはじめ、議員各位に心から感謝と、そして敬意を表する次第でございます。
本区の感染者数は、160名を今超えているところでございます。亡くなられた皆様方には心から御冥福をお祈り申し上げるとともに、今なお闘病生活をされている皆さんには、一日も早い御回復をお祈りし、また
医療従事者の方をはじめ、コロナウイルスに直接対応をしていただいている全ての皆さん方に心から敬意を表する次第でございます。
さて、私は、先月19日に5度目の区民の皆さんの信託をいただいたところでございます。選挙戦では、私は区長として、また
感染症対策本部長として、議会の皆さんと一丸となって、適時適切な対応をしてきたところでございます。
また新たに「目黒丸」のかじ取り役を担わせていただくことになりました今は、28万区民の皆さんの健康、命をしっかり守るために、全職員の先頭に立って、見えないコロナウイルスとしっかりと闘っていく決意を新たにしているところでございます。
今回の
補正予算につきましては、過去最大級の70項目を超える予算編成をさせていただきました。私どもの
一般財源は71%の充当となりました。これは23区で上から6番目という目黒区としての判断をさせていただいたところでございます。
しかし、これは補正の第1号にすぎません。
企画総務委員会でも、またこの議場でも、今後の
補正予算への取組、また専決処分への取組、そしてまた予備費の活用等々、委員会、そして議場でも御意見をいただいたところでございます。こういったことをしっかりと踏まえながら、28万区民の皆さんのさらなる生命をしっかり守る、そのことをさらに心新たに進む
補正予算の活用をしっかりとさせていただくことをお誓い申し上げまして、可決をいただいたことのお礼とさせていただきます。
誠にありがとうございました。
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宮澤宏行議長 以上で、全日程を議了いたしました。
これをもって、令和2年第1回目黒区
議会臨時会を閉会いたします。
〇午後7時58分閉会...