31番 広 吉 敦 子 32番 須 藤 甚一郎 33番 飯 田 倫 子
34番 橋 本 欣 一 35番 いその 弘 三 36番 今 井 れい子
4 出席説明員
区 長 青 木 英 二 副区長 鈴 木 勝
企画経営部長 濱 出 直 良 総務部長 伊 藤 和 彦
危機管理室長 中 﨑 正
区民生活部長 伊 東 桂 美
産業経済部長 村 田 正 夫 文化・
スポーツ部長 上 田 広 美
健康福祉部長 森 廣 武
健康推進部長(保健所長)
深 澤 啓 治
子育て支援部長 佐々木 孝
都市整備部長 幡 野 豊
街づくり推進部長 中 澤 英 作
環境清掃部長 荒 牧 広 志
会計管理者 世 良 充 弘 教育長 尾 﨑 富 雄
教育次長 関 根 義 孝
選挙管理委員会事務局長
堀 切 百合子
代表監査委員 横 田 俊 文
監査事務局長 足 立 武 士
参事(総務課長) 竹 内 聡 子
5
区議会事務局
局長 髙 橋 和 人 次長 細 野 博 司
議事・調査係長 松 本 博 議事・調査係長 松 江 良 三
議事・調査係長 中 野 善 靖 議事・調査係長 門 藤 浩 一
議事・調査係長 三 枝 孝 議事・調査係長 井 戸 晶 子
第1回目黒区
議会定例会議事日程 第4号
平成28年2月24日 午後1時開議
日程第1 一般質問
〇午後1時開議
○田島けんじ議長 これより本日の会議を開きます。
◎
会議録署名議員の指名
○田島けんじ議長 まず、
会議録署名議員を定めます。
5番 小 林 かなこ 議員
32番 須 藤 甚一郎 議員
にお願いいたします。
これより日程に入ります。
日程第1、一般質問を行います。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎一般質問
○田島けんじ議長 昨日に引き続き、順次これを許します。
8番
鴨志田リエ議員。
〔
鴨志田リエ議員登壇〕
○8番(
鴨志田リエ議員) 私、
鴨志田リエは大きく2点、5項目について一般質問をいたします。
目黒区は、このところ上から下の行政だとの声を耳にします。青木区長の本意とは違う方向だと存じますが、例えとして、平成15年の
駒場野公園拡張部分整備の初説明会を挙げさせていただきます。
目黒区は、
総務省情報通信研修所跡地を公園用地として取得し、前区長が決定した整備案が説明されましたが、参加者からは一部の団体の意向しか反映されず、一方的な上意下達の行政と反対の意見が多数を占め、かなり混乱し収拾がつきませんでした。その後も反対意見が多く、計画を見直す陳情が2件出されるなど、住民との合意を図る過程に問題があったことから、行政も議会も動きました。その後、関係団体、地元を含む検討組織が立ち上がり、住民参加の公園整備がされました。しかし、信頼関係を回復し合意形成を図るために時間と、当初予算より4,000から5,000万円だったと記憶しておりますが、多額の経費を費やしました。
この
駒場野拡張公園計画を教訓に、
国家公務員宿舎跡地の
東山公園拡張部分については、住民や近隣の学校、生徒が参加する検討会を設置し、丁寧に進め、平成22年に開園し、今では緑が育ち子どもらの声が響き、大人と高齢者も憩える公園となりました。
私は、住民参加のまちづくりを政策の柱として進めていますが、最近目黒区の基本方針の一つ、区民と行政の協働によるまちづくりの推進と、丁寧に進める姿勢がおざなりになっているのではと疑問を持ちました。
そこで大きな1点目、
発達障害者支援拠点整備について。
都内でも有数のマンモス校である
東山小学校の改築は、地元の方々やPTA、
学校関係者の意見を尊重しながら進めてまいりました。目黒区が財政難で工事が延期となりましたが、丁寧な説明を積み重ね現在に至っています。
そこで1点目、目黒区の住区の中で最も古い東山住区センターは、老朽化により10年ほど前から改修・改築を望む声がありました。そして、
東山小学校も老朽化により改築を進めなければならない状況にあり、私は地元議員として
母校東山小学校に住区センターを合築する案を提案し、関係者の合意形成を図りつつ進めてまいりました。東山住区センター、そして住区に併設している
老人いこいの家を移設・合築する計画は、地元と
学校関係者が地域共同体として進めてきた経緯があります。そこに突然、東山住区
センター改築に伴う
地元説明会を1月15日に開催する案内が
地元関係者へ配布されました。突然の変更案に、地元の方々、PTAは当然のことながら困惑をいたしました。
東山小学校改築と東山住区
センター合築を10年前から進めてきた私、またほかの議員も同様だったと思われますが、
説明会開催と
発達障害者支援拠点整備に関する情報提供がなかったことから、地元の方々からの質問に答えることができず、これは議会そして行政に対する不信を抱かせる結果となりました。
私が調べた経緯をたどりますと、東山住区
センター改築予定スペースに
発達障害者支援拠点を整備する案は、昨年末の12月24日の
政策決定会議で決定されました。この決定後に、一部の関係者には変更する旨の連絡はあったが、意見を聴取するというよりもお達しであったと聞き及んでいます。
翌平成28年1月5日付で、東山住区
センター改築に伴う
地元説明会開催の案内が
地元関係団体へ配布されました。そして、東山住区
センター改築予定スペースに
発達障害者支援拠点を整備する情報提供が、去る1月13日の文教・
子ども委員会へ、
生活福祉委員会へは報告事項として議会報告がなされました。
しかし、1月5日付で
説明会通知を作成しながら、委員会2日後の説明会の日時の記載は議会側にはなく、
生活福祉委員会では
説明会開催日の質疑はなかったようですが、議会からの指摘がなければ、決定事項は
委員会報告をしなくても済まされるというような事態です。今回の一連の手続は、議会軽視、
民主的プロセスの軽視と言えるのではないでしょうか。目黒区基本計画には、計画策定などの政策立案に当たっては区議会の了解のもとに、区の案が変更可能な段階で区民の意見・要望を聞く仕組みを充実しますとありますが、今回の変更には区の理念が十分に生かされなかったことで、区長の認識をお伺いいたします。
次に2点目、1月15日の
地元説明会に私も参加いたしました。印象的だった質疑に、「5年前からみんなで進めてきた住区と
老人いこいの家の設計案に対し、今回の急な変更は決定なのか」。行政側の答弁は「そうです」でした。そして、
発達障害者支援拠点へのより具体的な説明を求める声が多数上がりました。その後、PTAから私に問い合わせがありました。2月3日にPTAに通知があり、2月27日に
東山小学校で説明会が開催されるが、変更は突然過ぎるのではないか、ほかの場所の選択肢はないのかといった内容でした。
障害者差別解消法が本年4月より施行されるに当たり、地元とPTAに対しさらに丁寧に説明を行い、理解を深めることが肝要と考えます。今後どう対応されるかお伺いをいたします。
次に3点目、障害のある児童・生徒に対しては、通常の学級、
特別支援教室、
特別支援学級といった多様な学びの場において一人一人の
教育的ニーズに合った特別な支援を行う目黒区の姿勢については、一定の評価を得ております。
東山小学校に合築となります住区センター内の支援拠点は、発達障害を持つ児童から成人が対象で、
東山小学校の児童も利用し、また
区教育委員会の範疇外の高校生以上も利用となりますが、障害福祉と教育の連携をどのように図っていくかは今後の大きな課題と考えますが、見解をお伺いいたします。
大きな2点目、目黒区の寄附制度と
ふるさと納税について。
頑張っている自治体を応援する趣旨で始まった
ふるさと納税は、寄附のお礼に地域の特産品をプレゼントする自治体が多いことから、納税者に大人気となりました。我が町に寄附してほしいと自治体同士の競争が加熱している面もありますが、自治体は政策目的の明確化や特産品に工夫を凝らし、寄附者は多彩なメニューから
ふるさと納税自治体を選ぶことができます。
最近では過度な特産品や本末転倒な自治体が問題視され、また
ふるさと納税により本来入る税収が大きく減り、危機感を募らせる自治体は少なくありません。本区では、
ふるさと納税により税収が減る側で、その額は1億円、今後は三、四億円の減収となる見込みです。寄附は返礼品で競うのではなく、政策や地域愛に訴えることが本来だと考えます。
そこで1点目、知人が目黒区へ寄附されたいとの意向を受けて、私は本区の寄附に関する調査をいたしました。残念ながら、寄附を募る創意工夫が欠け、また、
ふるさと納税による減収に手をこまねいている現状を打破する必要性を行政側は感じているのかと疑問を持ちました。また、減収への危機感も欠けています。
ふるさと目黒の桜のある風景を後世に伝えるとの趣旨で目黒のサクラ基金を創設し、地域愛や美しい目黒区の未来に温かいお気持ちが集まり、また区長が先頭に立って宣伝をされ、一定の成果を上げています。
しかし、ほかの寄附を見ると、政策と寄附の使途に明確さが欠けています。政策目的で寄附を募る工夫が必要ではないでしょうか。少子化が進む中で、本区は毎年出生数がふえ、子育てのまち目黒でもあります。例えとして、目黒区
子育て応援基金を創設し、
ひとり親家庭の子どもの学習支援や
保育士資格取得支援、地域の
子育て団体やNPOへの支援に活用する等、
寄附メニューをふやす提案をいたしますが、見解をお伺いいたします。
次に2点目、昨年目黒区の納税者から、他自治体に
ふるさと納税をしたいんだがどのように手続をするのかと、何件もの問い合わせを受けました。話題の
ふるさと納税サイトや各自治体の
寄附サイトは大変充実し、どの自治体に寄附しようかと迷うほど魅力的な構成となっています。一方、目黒区の
ホームページから寄附のページを開きますと、まず文字が並び、文字が小さくわかりにくく、じっくりと読む方はごく少数でしょう。寄附意欲をそぐ目黒区のサイトに対し、話題の
ふるさと納税サイトのアピール度は千倍と感じました。本区の
寄附サイトの充実が必要と考えますが、見解をお伺いします。
以上、壇上からの質疑を終わります。(拍手)
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 鴨志田議員の2点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。
まず、第1点目の
発達障害者支援拠点整備についての第1問、
東山小学校改築に伴い東山住区
センター改築予定スペースに
発達障害者支援拠点を整備することについての手続についてでございますが、施設整備に当たりましては関係団体、住区住民会議及び周辺住民の方々に対しては区議会の了解のもとに必要な情報を十分に提供し、説明するとともに、意見・要望を伺い、計画的に的確に反映することが重要であると認識してございます。
東山住区
センター改築につきましては、老朽化に伴い平成21年度に基本設計を行い、
東山小学校に合築することとしてございます。その後、住区会議室及び
老人いこいの家の利用環境の変化に対応するとともに、また新たな行政課題への取り組みを進めるため、平成27年12月の
政策決定会議において、住区センターの面積を縮減しつつ、
発達障害者支援拠点を整備することとしたものでございます。
この決定を受けて、1月13日の所管の委員会への報告と
関係委員会への情報提供を通じて議会への説明をしたところでございます。なお、
所管委員会の開催日前に
説明会開催の通知を発出した点につきましては、地元・
関係者団体への説明を迅速に行う必要があることから早期に行ったものであり、ぜひ御理解をお願いしたいと存じます。
次に第2問、今後の対応についてですが、御指摘のとおり、
東山小学校の地域のみならず本区における発達障害に対する地域の理解はまだまだ十分でないところがございます。
こうした状況を踏まえ、昨年3月に改定した目黒区
障害者計画に発達障害への理解促進と支援に向けた取り組みを新規事業として掲げ、今年度から
発達障害啓発事業を開始したところでございます。啓発事業の実施に当たりまして、発達障害の当事者団体や相談支援などの
各種専門機関、
関係行政機関の参加を得た
実行委員会を設置し、事業内容の検討を進める中、
発達障害者に特化した相談窓口の設置の必要性や、
療育的かかわりの持てる居場所の提供、家族支援としての交流の場の提供、講演会や学習会の開催によるさらなる障害理解の促進と啓発、当事者や家族、区民への情報発信など、今後取り組みを強化していかなければならない課題が明らかになってきました。
今回新たに整備する
発達障害支援拠点につきましては、区として取り組むべき課題への対応を図るため、相談支援や啓発事業、当事者の居場所の提供や家族の交流の場の提供など、大きく4つの活動を設定しています。本年4月から施行される
障害者差別解消法は、障害を理由とする差別の解消を促進し、もって全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目的とするものでございます。区といたしましても、
発達障害者が一生を通じて自分らしく暮らしていくことができる地域社会の構築に向けて、今後も着実に取り組みを進めてまいりたいと存じます。そのためにも、発達障害及びその支援拠点について丁寧に説明し、地域の方々に理解を得られるよう努力をしてまいります。
次に第3問、障害福祉と教育の連携についてでございますが、そもそも
発達障害児への支援につきましては、早期発見と早期療育が大変重要でございます。あわせて、就学前から就学後、青年期、成人期と、本人の
ライフステージに応じた切れ目のない継続した支援が求められています。
本区におきましては、平成26年8月に開設した
児童発達支援センターにおいて、幼児を対象とした療育に加え、施設が持つ専門機能を生かしながら、18歳までの発達に支援が必要な児童とその家族を対象に、
成長発達段階に応じた切れ目のないきめ細やかな相談支援を行っているところです。幼稚園や保育園、
児童発達支援事業所、小・中学校、めぐろ
学校サポートセンター、
区教育委員会などとの連携や
学童保育クラブ、
放課後等デイサービス事業所など、児童が通う地域の施設と連携するとともに、援助や助言を行いながら関係機関の
ネットワークを構築し、
児童発達支援センターとして求められる機能の強化を通じて、
障害児支援の充実に取り組んでいるところでございます。
今回新たに整備する
発達障害支援拠点につきましては、
発達障害支援に特化した拠点として児童から成人までを対象に
相談支援等の事業を行うものでございますが、対象となる児童・生徒が区の小・中学校に就学している間は
児童発達支援センターと重なる部分もありますので、お互いに連携を深め、
区教育委員会との
ネットワークを活用しながら、一人一人の状況に応じて適切に支援を引き継いでまいります。その後の高校、大学などの進学先とも連携を図り、
ライフステージに応じた切れ目のない支援のための縦の連携と、障害福祉と教育など関係機関との円滑な協力体制を構築するための横の連携を推進していくことにより、
発達障害者と家族への重層的な支援体制の構築に取り組んでまいりたいと存じます。
次に第2点目、目黒区の寄附制度と
ふるさと納税についての第1問、目黒区
子育て応援基金を創設し活用するなど
寄附メニューをふやす提案についてですが、
ふるさと納税制度につきましては、平成20年度に、生まれ育った自治体や応援したい自治体へ寄附ができる仕組みとして創設されたものでございます。寄附をしやすくする仕組みとして、寄附額に応じて一定額の税額控除が受けられること、自治体により違いはありますが、寄附に対する返礼品が話題を呼んでおります。その後も、平成27年度税制改正により
ふるさと納税ワンストップ特例制度が創設され、寄附金控除の手続の簡素化が図られるとともに、特例控除額の上限が1割から2割に拡充されております。
本区におきましても、寄附文化の醸成という点で寄附をしやすい環境の整備は図っておりまして、平成26年3月にサクラ基金を創設したところでございます。
ふるさと納税をふやして税外収入を高めるということは大切なことですので、本区としましては、議員御指摘のとおり、まずは
ふるさと納税の本来の趣旨である、目黒区を好きになっていただいて、区の施策に賛同し本区を応援して寄附をしていただけるよう施策の充実を図っていくことが大切と考えております。そのためにも、さらに基金を創設し
寄附メニューの充実を図っていくことは大切な視点と考えます。
議員がお示しの子育て応援につきましては、
ひとり親家庭への学習支援や保育士の
キャリアアップ、地域の
子育て団体への支援など、いずれも必要な施策であって、このような施策への支援を寄附という形でいただけるようになることは励みになることと思います。しかしながら、基金を創設するには一定程度の基本財産が必要となり、またはある程度の収入が継続的・安定的に認められることなど、
財政的裏づけを確保することが求められています。したがいまして、基金を創設することは将来の課題として調査研究してまいりたいと思いますが、寄附をしやすい環境を整備するため、寄附の選択肢をふやす形での寄附のメニューの充実は検討してまいりたいと考えております。
次に第2問、
寄附サイトの充実についてですが、
ふるさと納税の本来の趣旨である、目黒区を好きになっていただいて区の施策に賛同し本区を応援して寄附をしていただけるよう施策の充実を図っていくためにも、広く区の施策について周知を図っていくことが必要と考えます。そのための一つのツールとして、区の
ホームページは有効な情報発信の手段となり得るものです。実際に
ふるさと納税の制度が創設されてからは、各地方自治体の寄附に係る
ホームページが充実されてきておりますのは、議員御指摘のとおりでございます。
本区におきましても、寄附のしやすい環境整備の重要性は認識しておりまして、昨年から区の寄附に係る
ホームページのリニューアルを検討してまいりました。その結果、この12月28日より、
ふるさと納税制度を前面に出した
ホームページへと改めているところでございます。そして、現在の状況は一通過点でありまして、先ほどにも御説明させていただきましたとおり、寄附をしたい方が寄附先を選択できるように、寄附の選択肢をふやす
寄附メニューの充実を検討していくとともに、より魅力ある
ホームページを目指して充実するよう、調査研究を進めてまいりたいと存じます。
以上、お答えとさせていただきます。
○8番(
鴨志田リエ議員) それでは、1点目についてお伺いいたします。
駒場野拡張公園に関しては、前区長から区長が引き継いで、あのときの経緯もよく御存じだと思います。この二の舞がこの住区センターの変更だったのかと……
(「もうちょっとマイクを……」と呼ぶ者あり)
○8番(
鴨志田リエ議員) 失礼しました。
駒場野拡張公園整備について、私まず例を挙げさせていただきました。これは前区長から区長が引き継いで収拾したという経緯を区長は御存じだと思いますので、今回の住区センターの変更に関しては、本当に突然過ぎるという声を多数からいただいております。
今、答弁の中に、緊急のことだから
地元関係者にまずは配ったというお話だったんですけども、地域の力を生かし地域とともに生きる、この中にはやっぱり地元議員も含まれているわけですから、余りにもこういった議会、議員を軽視してるということと、反対の声も上がっているわけですから、今後やっぱり政策を進めてくからにはいろんなことを踏まえて、しっかり説明責任を果たしていくこと、これをお願いしたいのですが、どのようにお考えかお伺いいたします。
2点目、3点目は結構です。
ふるさと納税について。本当に目黒区はいろんな財政対策の中で削りながら、もう1億円、そして今度は3億円、4億円の減収になるという中で、余りにも危機感がないなということで、この間リニューアルされたということなんですけども、どんな寄附だったらいいのかというのは、どんな寄附だったら目黒の人たちが政策に感動してくれるかということを、これ職員のほうからアイデアを募ってはいかがでしょうか。
以上、2点です。
○
青木英二区長 1点目の地元議員への丁寧な説明と今後の対応でございますけれども、まず地元議員の定義でございます。私どもは、議員の皆さんを前にして恐縮ですが、例えば私も28歳で初めて
区議会議員に当選させていただいたとき、若気の至りだと思いますが、目黒区中が全部俺の地元だと思って自転車を乗り回しておりました。地元議員というのは、それぞれ議員さんの概念があろうかと思います。例えば、私が隣のまちに行っても、地元の青木ですと常に言っておりましたので、これはそれぞれ違うので。私
ども執行機関としての定義でいえば、地元の議員というのは何を指して地元の議員というか、明確に、多分議会とまた御相談も必要かと思いますけれども、私どもとして地元の議員という。例えば、学校なんかは卒業式に学区域の方を地元の議員さんというふうにお呼びしておりますけれども、何をもって地元議員と言うかについて、これはちょっといろいろ、また議会のほうから地元議員はこうだという定義をお示しいただければ、例えばそういった地元の議員の皆さんには地元の議員ということでお話ししますが、今きょうをもって私ども、地元の議員というのはこういう概念ですということは、ちょっと今ここで急に出ませんので、地元の議員というのは何かちょっと調査研究をし、また議会からもこういうものを地元議員としろということがあれば、きちんと地元議員として、行政として御連絡しますけども。
きょう現在、それぞれ議員さんが俺は地元だというのがよくあろうかと思いますし、私も経験上そうですが、行政としてこれが地元だという、地元議員というカテゴリーが今ありませんので、ちょっと調査研究をさせていただきたいというふうに思います。私が出た学校だから地元というのも、よく思いとしてわかりますが、遠くの学校からこっちの地域に移るというケースもあるので、何をもって言うかちょっと研究をさせていただきたいと思います。
それから、2点目については、これももっともなことでありますので、私どもこれからも1月15日に御説明をさせていただいて、いろいろの御意見もいただきました。また、今月27日に地元に説明をさせていただきますので、これは私どもとして丁寧な説明をしっかりと、これからもさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
○田島けんじ議長
鴨志田リエ議員の一般質問を終わります。
次に、32番須藤甚一郎議員。
〔須藤甚一郎議員登壇〕
○32番(須藤甚一郎議員) 一人無所属の、勝手に闘う無所属を自称しております須藤でございます。
通告書見たら、もっと短く書いたつもりが、でれでれでれと、年寄りというのはそういうものですから、5ページ半にわたってますが話は本当に簡単。
JR跡地ね。売らねえ、売るぞ、どうすんだとか言ってながら、結局売った。あれは青木英二個人のものではないわけですね。区有地であるわけで、それは抽象的な目黒区というそういう団体ではなく、区民一人一人のものとも言えるわけですね。それは高く売ると、地方自治法では一般競争入札というのが原則。それは一番高いところへ売るわけですから。ところが、それを非常に安く売っちゃった。目黒区の区有地の部分だけで言えば約20億も安く売っちゃったと。似たようなのがね、今から13年前、前の区長さんのときにありました。旧区役所の本庁舎と公会堂をセットにしてね。ほかのもいろいろ売ったんですが、あれを111億1,000万で買うというところがありました。黒い墨塗るところをね、間抜けだから塗ってないで僕に開示請求で出してきた。野村不動産でした。ところがそこには売らないで、14件の相見積もりの中でちょうど真ん中にあった三菱商事の開発部というところがあったのね、あれは不動産を扱って、そこに売ってしまった。差額が39億1,000万。平成15年3月の、ちょうどこういう定例会のときに議決をしたわけです。その後に僕は監査請求、そして住民訴訟を起こしました。それは随意契約の条件に合わない。それと、あとは金がないからここに移転する、ここに来る。その資金捻出のためにやっていながら39億1,000万、それは電卓じゃなくて指で勘定したってわかりますが、そこへ売っちゃったと。そんなのおかしいだろうと言ってるうちに、藥師寺区長はみずから首をつって命を絶たれたと。一日、二日、須藤が殺したと。俺が別に首に縄やったわけじゃないんで、要するに住民訴訟が原因だというんであれば、自分が非を認めたことになると。新聞社なんか電話してきたらそういうふうに言ってましたが、そうじゃなく、ほかのことで。というのは、こっちへ移った、そしてここの清掃業務であるとか受け付けとか一括して業者に発注するというのが、当時の国立第二病院の事務長の汚職からぼんぼんぼんぼん広がって、こっちへ飛び火してきたと。任意で調べられてるときに亡くなられて、もうすぐ翌日か翌々日だよね、長い間契約課長やってたKさん、名字だけ言いますと加藤さんというのが逮捕された。収賄罪で有罪で立件されたけど、1回目でね。その辺に今座ってる、先輩が大変立派な職員だったなんて言って、立派なのが収賄罪やるかってのよ。そんなこともあって、非常に今回のもね、安く売っちゃって平然としてるってのが、とっても共通点があります。
それで本題に入りますが。それから、今回の定例会で代表質問、それからあとは一般質問ね。もう後半に入ってますが。区長はね、もうこの間の所信表明のときに何だかおしまいのとこで、これからも住みやすいまち、住みたいまち、チャレンジしますなんて言って、今度自民党の代表質問で、あっ、出馬表明と受けとめますなんて言ってね、俺は出馬表明なんて受けとめない。そんなことで、当人はまた当選しちゃったみたいなんじゃないの。何かそんな態度で。この間質問されてんのに、こっちが公約実現できないって、あんただって公約できなかっただろうなんて言ってさ、ああいう激論ならおもしろいよ、かえってやろうじゃないの。そんなことでやって、当選したんであればガチンコ勝負で区長選やりますか。
(「よろしくお願いします」と呼ぶ者あり)
○32番(須藤甚一郎議員) よろしくじゃないよ。そんなさ、お笑いじゃないんだから。
それから、何だよ、さっきも出てたけど切れ目のない、切れ目のないって、あれは安倍総理が言い出して、誰かがそういうあれを書いたんでしょう。きのうなんか1つの答弁で切れ目のないというのが切れ目なく出てきてたのよ。3回で完了してて。その前にもあった。だめだよそんなの、パクリだろう。パクリはエンブレムだけじゃないんだよ。こんなものやって恥ずかしくて聞いてられないよ、そんな。切れ目のない、切れ目のない、食パンで切ってないパンとかさ、フランスパン切って売ってくれるとこもあるよ。焼きたてのはすごいいいんだよ。まあ、そんなのともかく、切れ目のないとか中身のないこと言われると困る。
はい、質問に入りましょう。
大きな質問1、目黒区は区有地、旧国鉄宿舎跡地、通称JR跡地を売却したが、あまたの疑問点を契約した青木区長にただす。地方自治法上は契約者って言うんだからね。青木区長が契約しなきゃ成立しないんだから。前の区長もそう、安く売ったの。それで、私が決めたんじゃねえとかね、何だ審査委員会が一番で出してきたからとか、そんな泣き言は通じません。これは青木英二個人の責任において、こういう20億近くも安いところへ売ってしまったということで。
それで、これは小さい質問に入って、27年6月の事業者の予定発表のときに提案価格を議会に明かした。説明したのは、事業予定者の東京音大を核とするそこの団体、東京音大グループのそこだけであった。それで、区長は現在まで他の公募提案に参加した3事業者の提案価格を議会及び区民に報告してない。僕は開示請求を3回もやって、3回目にね、価格、メーンは価格だと。じゃないと幾らで売ったか、売った先しかないんだから。高いか安いかわかんない、比較できない。それで、あとは提案書なんかはごく簡単でいいと、概要がわかるように。だから、ほとんどそれにのってこない業者が2ついた。いたんですけど、紙っぺらに金額とあれは書いてありましたけど、そんなことで。
ちょっと補足の説明しておけば、上目黒一丁目地区プロジェクトというんで、ここにも書いてあります。それから、僕は自分のブログでも公開してますから後で見てください。これ読んでったら、それでもう、じきにあと8分だから。
それでね、審査委員会、審査委員会なんてもっともらしく言ってるけれども、ここに審査委員会の構成は次のとおりとするというのがあるんですけど、委員長、倉田直道、肩書なし。何者かわからない。それから委員、大野木孝之って読むのかな。それから、それ以下垣内さんという人、河野さんという人、中井さんという人、根上さんという人。これなんか聞いたな、何だっけ、あれ。区有施設のあれんときか、まあいいや。それから、次は前田さん。何者か一切書いてないの。何が何だかわからない。それで、何か見識を有するとかなんて言われたって、どこの何者だかわかんないのを、名無しのごんべえってのはあるけど、名有りのごんべえじゃないよね、ごんべえって言うんじゃないんだから。名前だけあってさ、何者のどういう人がいて、その人に審査を任すというからには、それなりの見識等そういうのがあると思われるんですが、これじゃ何もわからない。ここが一番にランキングして出してきたからって言われたってさ、わけがわからないさ、ね。こんなさ、ここすらおかしいでしょ。おかしなとこばっかり。
それでね、その後4つ提案してきた、価格と跡地の利用について。TSUNAGU FORESTと。何かつなぐつなぐといっぱい出てくるんだよ、切れ目じゃねえけど。2番目、人・街・緑・つなぐPJ。PJってのはプロジェクトでしょ、これ。それから、あとはまたつなぐだよ。3番もつなぐプロジェクト、これは音楽の杜。それで事業決定者は音楽の杜、先ほど言いました。次点がグループ名つなぐプロジェクト。エヌ・ティ・ティって片仮名で書いてあるけどね、土地開発株式会社。それとあと、スタジオ建築計画、共立、これはセットで。だから、今国立競技場の跡地のあれもそうだよね。前は外国人のイギリスで活躍してるあの人のはデザイナー名だけで出してきてたわけだけど、その後は今東大の教授の隈さん、隈研吾さんだね、通称隈ちゃん。あの人と建設会社と組ませて出してきてるわけだから。そうすると価格であれ、あと施工に関することとか保証できると、そういうことなんでしょう。
そういうことで、小さな質問の2番目。目黒区が購入してから21年目、JR跡地は目黒区及び目黒区民の貴重な財産である。その売却なのであるから、公募提案に参加した4事業者全ての提案価格を議会、区民に公表するのは当然だと、当たり前ですよね。公表しない理由は何か。
その次、3番目、最高提案価格の61億と。これはあくまで目黒区有地の部分だけですからね。合わせると、これは最高価格は113億になるんですが、61億7,000万円余で売却できたのに、なぜ青木区長は19億6,000万円余も安く、42億1,000万円で売却したのかと。保育施設が足んないと。あそこでJR跡地なんかもってこいだという、あれを共産党と無所属、そのほかにもいましたけど、そう提案しても全然乗ってこねえと。売るんだ売るんだって言って。だって売るったって金が要るから売るんだって、そんな安いとこ売ったり。そういうことで、大損害が発生したのだと。またとないいい機会であったのに大損害が発生したと。
次は、これ開示請求何度もやったってさっきも言いましたが、僕は、6月に売却先の発表だけあったという。そしたらすぐやったら、まだ契約してないと。確かに契約してないからね。契約してねえったって、そこを選んだんだから別にどうってことないんだけど。
それから、あとは事業者の了解が得られないとか言ってんだけど、最終的には金額については4者出してきたんだから、どういうことか知りませんけど。
それから、あと都が絡んでるんで、何でも都がそういうふうにしたからとかね、審査員の名前が何でないんだって言ったら、肩書ないのかって言ったら、都がやってます、だって、しょっちゅうあれじゃない、ね。基礎自治体、基礎的の的はもう取れたんだというようなこと言ってて、これじゃあれじゃないか、東京都に占領されてるみたい、植民地みたいなもんじゃん。全部向こうの顔色うかがって、ね、そんなことで。
それからあとは金額は簡単に、通告書では細かく書いてありますが、合計金額でいえば売却先は都と区の合計金額は77億円余、都が42億円余、2番目の次点が、これが一番高い札を入れたとこです、見積もりでね。札とは言わないか、見積書だからね。113億円余り。これは目黒区有地の部分で61億円余。その次が86億円余。人・街・緑・つなぐプロジェクト。それから、目黒区分が46億円余。またこれ、TSUNAGU FORESTが90億ね、都・区で。そして区有地部分が48億というんで、質問の4。
区有地の最高提案価格が61億7,000万円余であり、売却価格42億1,000万円との差が19億6,000万円余で、審査基準によれば売却を選ぶ審査委員会では自動的に審査は加点方式。あれは出てますよ、だけど幾ら見たってわかんない、あんなもの。比例配点方式に当てはめただけであり、提案価格とJR跡地利用の内容を比較考量した形跡が全然ないですね。
政策決定会議のあれ見てもね、あそこでも何かちゃんと明かしてないんだね。あれじゃ決定なんかできないじゃん。あれでよく決定しちゃったよ、そんなのね。僕は、ことしの今年度の直近まで全部、何枚だっけ、六十何枚だよね。六、七十枚全部見ました。だけど、あそこでちゃんと懸命に審査したっていう形跡も何にもない。
それから5番、公募提案方式は随意契約であり、地方公共団体の不動産の売却は一般競争入札が原則で、地方自治法の施行令。この間「せこうれい、せこうれい」って言ってたけど、漢字は「しこうれい」と読むんだからね、あれは。167条の2の例外として随意契約は認めてるけれども、その2号、性質または目的が競争入札に適しないものをするときや、7号、時価に比して、比べてですね、著しく有利な価格で契約できる見込みがあるときなどに限定してるという。だけれども、本件のJR跡地売却はこれに該当しないから違法というべきである。
その次の質問は大きな2番で、これはうんとかいつまんでいきますと、これは監査委員の定期監査ってのがあります、年に1回ね。総ざらいでやるやつ。あれで前回の反対討論のときに僕はこれ述べましたけれども、これをまた詳しく見れば見るほど本当に問題いっぱい。それで、これは職員には賠償責任というのが地方自治法の243条の2項で決められてるわけね。どういうことかというと、故意または重大な過失により法令の規定に違反したり怠ったことにより普通地方公共団体に損害を与えたときは損害を賠償しなければならないというんだけれども、それがこの定期監査の結果に該当するようなものがなくてもあるのね。それで、そういうこと。それから、地方自治法に該当する場合も含まれているというのが、これが質問の1番。場合により、財務的に大損害になることを職員全員に周知させ、徹底させるつもりはあるのか。
だからね、措置状況というのだけ書いてきちゃって、それで今度翌年にそれ以降やってるか、やってないかって、1年たたなきゃわからないんだよ、それは。それから、それが職員の末端まで行ってんのかと。お前こんなね、本当は2者以上のとらなきゃなんないのに何でとんないんだと。だって、1つの間違いが全部18課にわたってあったとかさ、そんなの頻発なんだもん。
それから、ここにもあるけど、インフルエンザの接種記録票のでね、枚数間違えて発注しちゃって、あと追加したら単価の7倍になっちゃったっていうんだ。そんなことやるか。自分でお店やなんか惣菜屋さんやってたって間違えたって。これはさ、税金で、俺の金じゃねえから知ったこっちゃねえみたいな話でこんなことになってんじゃないの。こういうときはね、ちゃんと金額出して、責任者は誰かということをしなきゃおかしいよ、これはね。
それは答えなくても質問の大きな2。指摘事項の多くは余計な出費につながると、今のようにね。それから、これは例として、自分で町工場のおやじさんであったり、あるいは惣菜屋のおばちゃんであったりさ。こんなときはあれじゃん、あり得ないじゃん。だから、こういうのはどういうことで幾ら損害になったかって、はっきり出すべきだと。
その次には、これは
監査事務局長に、僕は質問状を出す前に、情報収集って変だけど話した。そしたらね、措置状況のところで出してくる、あるいは指摘事項を受けた所管課長が、こういうことをやりますと改善策をほかの課に通知したりしてるんだってね、義務づけられてないから。ないからじゃない、ないけれど。だけどあれは義務づけてやったほうがいいよ。じゃないと、本当にやってんだかやってないんだかさ。言いわけめいたのが多いの。こんな言いわけで通しちゃさ、これは改善されないよってのがいっぱいありますから。僕、開示請求でお金出して取ってきたから利用してください。僕がお見せします。もったいないから、一人で持ってんの。
監査委員の指摘事項に対して、指摘された所管課は措置状況を提出すると。しかし、措置が実行されてるか否かは、無駄になるというので、こういうのは中でチェックすべきところがなきゃだめでしょ、そんなもの。
以上で、11分あれば聡明な青木区長ですからうまくはしょって、切れ目があったって構いませんから、11分でお願いします。(拍手)
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 須藤議員の2点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。
まず、第1点目、旧国鉄宿舎跡地、通称JR跡地の売却についての第1問。
平成27年6月、事業予定者発表時に提案価格を議会に報告したのは東京音大グループだけで、なぜ現在まで他の3事業者の提案価格を議会及び区民に報告しないのか、及び第2問、公募提案に参加した4事業者全ての提案価格を議会・区民に公表しない理由は何かの2問につきましては相互に関連しておりますので、まとめてお答えさせていただきます。
JR宿舎跡地の取り組みである上目黒一丁目地区プロジェクトにつきましては、民間活力の活用による東京都との共同開発として、まちづくりの誘導目標等を取りまとめ、平成26年10月に事業実施方針を策定、公表し、平成27年1月に事業者募集要項を公表、配布、3月に提案事業者等受け付け、6月には審査基準に基づき学識経験者等で構成する審査委員会の意見を踏まえ、事業予定者として東京音楽大学を代表者とする音楽の杜グループを決定し公表いたしました。その後、9月下旬には、まちづくりの誘導目標の実現に向け、提案内容の実効性や担保性等の確認等が得られたことから、三者間での基本協定の締結後、まちづくり計画書を都・区で承認し、土地の売買契約を締結したところでございます。
御質問の提案価格につきましては、平成27年6月の事業予定者の公表時点で事業予定者の価格を含めた提案の概要を公表しておりますが、これは今後基本協定の締結に向け協議する相手であり、透明性の観点から事業者募集要項に明記の上、公表したものでございます。他の3グループの価格を含めた提案の内容につきましては、事業予定者の決定から土地売買契約締結までの間は、都・区が契約の相手方を特定する審査期間中であること、及び提案事業者の技術・ノウハウなどの法人情報が含まれていることから、公表をしないものでございます。また、土地売買契約締結後の提案価格につきましても、提案事業者の技術・ノウハウなどの法人情報が含まれていることから、これまでと同様の取り扱いとしております。
次に第3問、保育施設拡充等の財源確保にまたとない機会であったのに、大損害発生ではないかについてでございますが、国土交通省では、公有地売却等の方式選択や判断などについて、平成20年3月に、土地利用の転換の機会を捉えた都市再生推進手法に関する検討調査報告書をまとめております。同報告書では、公有地の売却は一般競争入札によりできるだけ高い価格で売り払い、成果を還元していくことが原則であるが、まちづくりの観点での活用や、政策的目的で公民連携による公共の福祉に資する利用が必要な土地については、条件をつけた売り払いや土地利用計画を審査して買受者を選定する方式を採用することにより、総合的な観点で最も公共の福祉に資する売却等を行う必要があるとしております。
そこで、都・区では、この国の考え方や都の実施事例を踏まえ、当該プロジェクトにおいてまちづくりの誘導目標の実現に向けて、周辺環境と調和した優良な民間開発による土地利用を誘導するため民間提案を公募し、総合的に審査する公募型プロポーザル方式を選択いたしました。具体的には、計画内容と最低売却額以上の価格の両面でバランスの最もすぐれた提案を選定することとし、事業実施方針や事業者募集要項、審査基準等を定め、取り組みを進めるとともに、適時適切に議会に報告し、都・区の
ホームページやニュースレター等により区民等に周知してまいりました。
御指摘の価格差ですが、公表している審査基準に基づき公正性・公平性の観点で審査委員会により審査され、その意見を踏まえて都・区で事業予定者を決定しております。なお、売却収入は将来の区有施設更新などの課題への対応も含めて、広く区民福祉の向上に資するものと考えております。
次に第4問、審査基準に当てはめただけであり、提案価格とJR跡地利用の内容を比較考量したとは言えないのではないかについてでございますが、審査基準では、施設の計画、技術面での評価が40点、土地売買価格の評価35点と、提案価格の根拠など財務的な評価5点を合わせて提案価格等の評価を40点とし、バランスのとれた配点としております。都・区では、この審査基準に基づき、審査委員会の意見を踏まえ、音楽の杜グループの提案が最も計画内容と価格のバランスのとれた提案であると判断し、事業予定者として決定し、その後所定の手続を経た上で土地の売買契約を締結したものでございます。
次に第5問、JR跡地売却は地方自治法施行令の随意契約に該当せず、違法ではないかについてでございますが、当該プロジェクトでは、公募型プロポーザル方式により土地買受価格を含め、まちづくりの考え方を実現させる総合的にふさわしい提案を公平・公正に審査して事業者を特定しております。こうした取り組みにより随意契約を締結することは、地方自治法第234条第2項の規定に基づき、随意契約によることができる場合を定めた、同法施行令第167条の2第1項、2号、その他の契約で、その性質または目的が競争入札に適しないものに該当すると認識しており、都の見解も同様でございます。
次に第2点目、平成27年度各部定期監査の結果に関する報告及び結果を受けて講じた措置についての第1問、単に事務執行の間違いや怠惰だけでなく、場合により財務的に大損害になることを職員全員に周知徹底させることについてでございますが、監査委員から定期監査の結果が提出されますと、その写しを各部局長宛てに送付しているところでございます。さらに、指摘事項等のありました部局には、是正・改善等、必要な措置を講じさせるとともに、その措置状況について報告を求めております。
御指摘のとおり、このたびの監査においても事務処理ルールを正確に理解せずに誤った処理を行うなど、適正性を欠く事例が見受けられました。このような基本的な事務処理等の不備は、重大な事故を誘発する遠因と……
○田島けんじ議長 区長、時間になりました。
須藤甚一郎議員の一般質問を終わります。
次に、6番竹村ゆうい議員。
〔竹村ゆうい議員登壇〕
○6番(竹村ゆうい議員) 私、竹村ゆういは、無会派議員3名の一般質問リレー最終走者として、目黒区議会最年少議員として精いっぱい、目いっぱいの情熱を注ぎ、通告書に基づき一般質問をさせていただきます。
区民の皆様から頂戴しました、任期が始まってから300日が経過しました。まずは、青木区長、そして区の理事者の皆様、先輩議員、同期議員の皆様、地域の皆様、全ての皆様からあまたの鋭い御意見や温かい御指導を賜りましたことを、心より感謝いたします。
先日の青木区長の所信表明及び代表質問の答弁において、本年4月の目黒区長選挙への正式な出馬表明がなされました。昨年11月の第4回定例会での一般質問において、区長選、区議選の同日選挙実現について区長のお考えを伺った私としては、同日選挙は実現できないという区長の発言を非常に残念に感じるとともに、実現の可能性を否定してほしくはなかったという思いがあります。しかし、諦めてはおりません。誰よりも住みたいまち、住み続けたいまち目黒をつくっていきたい青木区長ですから、区民の声をむげにすることはないだろうと信じております。
それでは、一般質問の本題へと入ってまいりたいと思います。
まずは、区民の声を形にするための質問から。
1点目です。フロアマネジャーの設置についてお伺いいたします。
区役所に来庁される区民の皆様、特に転入されてきた方や高齢者の方などは、どの窓口に行けばいいのかわからなかったり、申請書への記入に戸惑う方も少なくありません。仕事やスケジュールの都合をつけて来庁されている区民の皆様に、余りストレスを感じずにより円滑に手続をしていただくために、窓口案内や申請書の記入補助などのお手伝いをするフロアマネジャーの設置を検討していただけないか伺います。
現在、大量返送されているマイナンバー通知カードの臨時受け取り窓口を設置したり、それに伴う臨時スタッフを配置するといった対応が、目黒区だけでなく23区全体で求められている状況にあります。このような状況は期間限定的なものではありますが、庁舎へ来られるほとんどの方が仕事の休みをとったり、どうにか都合をつけての来庁であり、役所の窓口手続はわかりやすくスムーズであることが望ましいと考えられます。
例えば転出転入の多い春ごろには、手続のために訪れる来庁者で窓口は大変に混雑しています。その際、窓口前のフロアで来庁された区民の皆様にお声かけをしたり、目的の窓口をわかりやすく御案内したり、申請書の記入の仕方がわからない方への補助をするといった窓口案内係、いわゆるフロアマネジャーがいたとすれば、区民の皆様が感じる窓口サービスの印象はぐっと変わってくるのではないでしょうか。このフロアマネジャーのイメージは、銀行さんの発券機前にいらっしゃる案内係さんのそれです。なれない場所でなれない手続をするのに不安を感じていらっしゃる方々をサポートする役割、それがフロアマネジャーです。現在は窓口前での専属の案内係を設置していない目黒区ですから、さらなる窓口サービスの向上を図るためにフロアマネジャーの設置をしてはいかがでしょうか。
まず、23区のフロアマネジャーの設置状況を御説明いたします。
現在、フロアマネジャーを設置しているのは19区です。設置していないのは目黒区を含めて4区です。そのうち1区は、1年前まで設置していましたが、現在は一時的に廃止しているとのことです。23区中19区、圧倒的にフロアマネジャーを設置している区が多いことがわかります。
続いて設置場所ですが、やはり戸籍住民課の前が一番多く、フロア全体にフロアマネジャーを配置している区もあります。戸籍住民課での幾つかの業務とまとめて業務委託をしている区と、総合窓口の職員と一緒に委託していたり、フロアマネジャー業務単独で委託している区もあります。設置時間帯は、窓口が込み始める時間帯だけ配置する区もありますが、ほとんどが常時設置をしています。配置人数は、その区の庁舎のつくりによっても変わってくるものですが、三、四人の配置をしているところも多く、2フロア合計で10名以上配置している区もあります。
来庁者から見て、フロアの案内係さんだとすぐわかるように、首から名札を下げたり、制服を着たり、腕章をつけたり、カラージャンパーを着るなど視覚的な工夫をされている区も多くありました。総合庁舎以外の各地域センターにも、毎日多くの区民の皆様がいらっしゃっていますが、やはり総合庁舎への来庁者が圧倒的に多いはずです。庁舎へいらっしゃる区民の皆様は、若い方だけでなく御高齢の方やお足元が不安な方も多くいらっしゃいます。全ての区民の皆様への手厚いサービスを行うのは難しいと思いますし、どうしても窓口が混雑して待ち時間が生じてしまうのはいたし方ないことです。
目黒区の現状としては、専属のフロアマネジャーの設置はせずとも、各職員の方がその都度必要に応じて、お困りの来庁者への個別対応を行っているとも伺っております。そうした姿勢はすばらしいものですし、対応された区民の皆様が受ける印象もよいものに違いありませんが、フロア専属のスタッフを配置することで、さらに多くの来庁者の方々への配慮ができ、窓口の回転もスムーズになるだろうと感じています。より円滑に手続をしていただくため、区民の皆様がストレスを感じないようにするための窓口案内や、申請書の記入補助等のお手伝いをするフロアマネジャーの設置を検討していただけないか伺うとともに、目黒区における窓口業務の現状についてもお伺いします。
2点目です。前回の平成27年第4回定例会での一般質問において、別居・離婚後の親子の面会交流・養育費の取り決めに対する公的支援・相談体制の整備について伺いました。
前定例会の直後の12月1日より、戸籍住民課における新たな取り組みが始まりました。離婚届を受け取りに来た方への養育費・面会交流という参考パンフレットの配布です。総合庁舎1階の記載台のポケットや、婚姻届、離婚届を受け取るカウンターの上に置かれており、離婚届が必要な方には漏れなく手渡されることになっています。
ここに現物がございますが、決して押しつけがましいものではなく、別居・離婚によって一番悪影響を受けるのは子どもですよ、子どもには両親から愛情を与えられる権利があるんですよ、2人の大切なお子さんのこれからのことを最優先に考えましょうと提案する参考パンフレットです。
配布が始まった12月1日に私自身が戸籍住民課の窓口を訪れまして、発券機のボタンを押し順番を待ち、受付の方に離婚届出書が欲しいとお伝えしました。もちろん本当に離婚届を使う予定はないのですが、小さな子どもがいるという設定で離婚手続の説明を受けてまいりました。説明の後半のほうでは、失礼ですが未成年のお子様はいらっしゃいますかと尋ねられます。ここで「はい、います」と答えると、配布が始まったばかりの養育費・面会交流のこのパンフレットが手渡されました。離婚届の項目には、面会交流と養育費の分担それぞれに「取り決めをしている」「まだ決めていない」というチェック欄があります。その面会交流と養育費の取り組めチェック欄への記入はあくまでも提出者の任意でありますので、記入がなくても離婚届は受理されてしまいます。だからこそ、面会交流と養育費に関する知識を深めるための取り組み、重要性を伝えることは、別居・離婚家庭における子どもたちの将来にとって絶対に必要であると、私は強く感じています。
今回、目黒区が戸籍住民課での参考パンフレット配布を始めたことは、大変喜ばしいことであり、大きな初めの一歩であると感じています。区の皆様、本当にありがとうございます。
初めの一歩を踏み出したからには、今度はその行き先が大切になってきます。面会交流、そして養育費の取り決めに対する知識・認識が余りなかった親御さん、その重要性を改めて実感した親御さんが次に求めるものは、子どものための面会交流、そして養育費に関する相談です。前回の一般質問でもお伝えしましたが、日本では毎年23万組の夫婦が離婚しています。その6割に未成年の子どもが、4割に乳幼児がいます。毎年23万人の未成年の子どもたちが親の離婚を経験していくんです。離婚家庭、
ひとり親家庭で育った子どもが抱える問題やさまざまな弊害を知れば、子どもの将来を守っていくために親として何をすべきか、相談したいと考える親御さんは少なくないと思います。そうした希望を持った親御さんに、戸籍住民課からどこへつないでいくのか、つないだ先ではどのような相談支援がされていくのか。今後の目黒区における支援体制の整備が待たれるところです。
そこで伺います。12月1日から窓口で参考パンフレットの配布が始まったことにより、窓口対応するスタッフへどのような指導を行っているのか。実際に離婚届を受け取りに来られた方の反応はどういったものなのかお伺いするとともに、目黒区として別居・離婚後の親子の面会交流、養育費の取り決めに対する支援体制・相談体制の充実に向けた今後の取り組みについてお伺いいたします。
以上、壇上からの質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 竹村議員の2点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。
まず、第1点目、窓口案内や申請書の記入補助等のお手伝いをするフロアマネジャーの設置についてでございますが、総合庁舎には各所管に、申請や相談にいらっしゃる方を初め、会議や講演会に出席するためにいらっしゃる方、茶室や和室で活動される団体の方々など、日々多くの皆様が来庁しているところでございます。以前の調査では、1日に約3,200名の方が来庁しているという結果が出ております。総合庁舎にお越しになる方の中には、定期的に同じ部署等にいらっしゃる方もございますが、初めて区役所にいらした、あるいは初めてその窓口にいらしたという方が大半を占めていると存じます。
そこで、区民等来庁者の皆様が目的の場所に迷わずに到着し、用件を済ませることができるよう、総合庁舎の各出入り口に案内所を設置し、案内を担当するスタッフを配置しているところでございます。具体的には、開庁日の午前8時30分から午後5時15分まで、1階西口及び東口、2階駐車場口、3階南口の各出入り口に加え、高齢者や障害をお持ちの方の来庁が多い2階Bエレベーター前の計5カ所に6名を配置しております。このスタッフが担当部署の案内や講演会等の会場の案内などを行うとともに、お困りのお客様には積極的に声をおかけするなどの対応もしているところでございます。各案内所の昨年度の1日平均取り扱い件数は西口が最も多く300件程度となっており、全体で800件余です。大変多くの皆様に御利用いただいているところでございます。
お尋ねのフロアマネジャーでございますが、ただいま御説明申し上げたとおり、現在は訪問先の案内について行っておりますが、申請書の記入を補助するなどそれぞれの所管の仕事内容にかかわることについては、案内の業務としてはございません。しかしながら、来庁される区民の皆様がより円滑に手続を行えるようにすることは、窓口サービスの観点からも大変重要なことと認識しており、本区におきましては、それぞれの窓口の記載台等に、わかりやすく申請書の記入例を備えるなどの対応を図っているところでございます。
また、これまで、例えば転出入の届け出などで窓口が混雑する時期や、新たな制度の導入などで窓口にいらっしゃる方が多くなるような場合は、出入り口の案内とは別に各所管で職員を配置してお客様の案内・整理などを行っており、出入り口の案内担当と各所管とで連携を図りながら対応してまいりました。こうした取り組みを引き続き進める中で、フロアマネジャーの設置につきましては、窓口サービスのさらなる向上を目指す手法の一つとして検討すべき事項と思われますが、設置箇所や所要経費、来庁者への補助内容など課題も多いことから、今後の調査研究事項とさせていただきたいと存じます。
次に第2点目、別居・離婚後の親子の面会交流・養育費の取り決めに対する目黒区の支援体制についてでございますが、親の離婚は子どもにとって精神的に大きな不安となるものであり、その後の生活に大きな影響を及ぼすことになります。親が離婚したとしても、自分には両親がいて、どちらの親にも愛されていると感じることは、子どもの成長にとって必要なことであると存じます。また、離婚による限界があるとしても、両親が子どもの成長を願い見守ることは、良好な親子関係を維持するために必要なことと考えております。こうした親の離婚後も離れて暮らす親と子の間で適正な面会交流が行われることや、養育費について取り決めることは、子どもの健やかな成長を願う立場からも大事なことだと認識しております。
目黒区子ども条例におきましても、子どもは保護者に愛情を持って育まれ、成長していく権利が尊重されていなければならないと定めているところです。平成24年4月1日から民法766条が改正され、父母が離婚するときには、面会交流や養育費の分担など、子どもの監護に必要な事項についても父母の協議で定めることとされました。これを受け、国もパンフレット等を作成し、本区においても厚生労働省の委託事業を受けている公益社団法人家庭問題情報センターが作成した、養育費・面会交流、離れて暮らす親と子の絆のために、と題するパンフレットの関係課での配布を開始しております。特に戸籍住民課では、離婚届の用紙を配付する際にパンフレットを一緒にお渡ししております。具体的な届け出の機会を捉えての配付は、親子の面会交流や養育費について確認する意味でまたとないタイミングであると考えています。
窓口対応をする職員に対しては、親の離婚に際しての子どもの人権の保護という民法改正の趣旨を踏まえた上で、養育費の分担や面会交流など子どもの監護に必要な事項について父母の協議で定めるとされていることを、わかりやすく丁寧に御説明するよう指導し、職員もこれに努めております。また、児童の権利に関する条約で定める親子不分離の原則などについても理解を深めるよう指導しています。
実際に離婚届の用紙を受け取りに来た場合の対応ですが、職員が面会交流や養育費の対象となる未成年のお子さんがいるかどうかを具体的にお尋ねした上で、パンフレットをお渡ししています。パンフレットをお渡しするときの反応ですが、詳しい内容についてのお尋ねや目立った反応はほとんどない状況です。また、離婚届の提出時にもパンフレットを受け取ったかどうかを再度確認しています。既に受け取っていますとのお答えが大半ですが、お渡し漏れがないよう、機会を捉えて重ねて確認するようにしています。離婚届に面会交流や養育費の分担についての記入がない場合には、民法改正の趣旨とともに離婚届の受理要件ではないことも伝えた上で、記入していただくようお願いをしています。
最後に、目黒区における支援体制の充実に向けた今後の取り組みについてですが、本区におきましては、区民の方などから御相談があった場合には、子どもの権利擁護委員である弁護士による相談や、各種法律相談において御相談に応じています。今後は、現在配布しているパンフレットに加えて、例えば離婚に関する法律問題を相談できるこれらの窓口を初め、離婚後の生活などに関するさまざまな相談窓口を案内する文書を一緒に配布するなど、養育費の分担や面会交流の取り決めに対する支援について、他の自治体の取り組みも参考にしながら検討してまいりたいと存じます。
以上、お答えとさせていただきます。
○6番(竹村ゆうい議員) 御答弁ありがとうございます。再質問させていただきます。
まず1点目から。1日に3,200名もの区民の方々が来庁しているとお聞きしまして、なおさらに目黒区におけるフロアマネジャーの活躍の場が広がっていると感じたところでございます。窓口サービスのさらなる向上を目指すというお言葉もありましたが、区民の皆様にとって窓口における職員の応対は、そのまま目黒区のイメージとなっていくと言っても過言ではありません。
フロアマネジャーの役割や効果は、区側にとっては何よりも窓口業務のスムーズな流れをつくること。来庁者にとっては、自分は放置されていない、順番は進んでいっているなと思える安心感を得られることです。庁舎内には案内板やエリアマップもございますが、高齢者の方は目で見るより耳で情報をとるほうが一般的です。初めて来庁される方、そもそも手続自体になれていない方、ほかにもさまざまなことでお困りの方には、やはり職員側からのお声かけが重要と考えます。業務委託をされている他区にいろいろお聞きしましたところ、以前は職員が、例えば課長や係長、もしくは再任用職員が交代でフロアに出て案内係をしていたという話もありました。それでは業務が追いつかなくなるので、専属の窓口案内係、フロアマネジャーを設置するようになったと伺いました。
フロアマネジャー配置の大きなメリットは、窓口の職員が業務に集中できること、窓口案内や記入補助といった前さばきをすることによって、窓口業務全体が円滑に進められること、そして何より来庁者の応対に特化できるので、きめ細やかなサービスを提供できることです。もしフロアマネジャーの導入の検討を進めてくださるのであれば、例えば戸籍住民課として業務委託している中にフロアマネジャーを設置する手法と、または総合窓口の業務委託の中にフロアマネジャーを含める手法と、そのほかにもさまざまな形があるかと思いますが、いずれにせよ少しでも経費を抑えるという観点からすれば、現在委託している業務に含めるのがよいかと思っております。
区民の方から、世田谷区や品川区も窓口の案内係がいるのに、目黒区は置かないの、高齢者に絶対必要だよという声もお寄せいただいております。やはり庁舎にお越しになる方は、時間を有効に使いたい、無駄に待たされたくないという気持ちがあります。来庁者への応対に特化したスタッフを配置することで区民の皆様からの不満は減少し、フロアマネジャーの応対が、そのまま目黒区のイメージをよくすることへもつながっていくものと考えます。フロアマネジャーの設置には、どのような形態で導入するかとか、経費はどれくらいかかるかとか、さまざまな課題をクリアしていかなくちゃならないかと思いますが、窓口サービスのさらなる向上だけでなく、ぜひ目黒区のイメージアップという観点を押して検討を進めていただきたいと思いますので、もう一度短く、イメージアップという点だけ御意見を伺いたいと思います。
2点目も再質問させていただきます。
私が離婚届をもらいに行った12月1日の時点では、窓口で対応してくださった職員の方から、もう少し細かい御案内ができればいいんですが、まだパンフレットを読み込めていないのでという声がありました。これは、職員の方だけが勉強不足ということでは決してなく、日本全体において、別居・離婚家庭の子どもの権利を守らなくてはならないという認識が弱いことをあらわしていると言えます。
離婚家庭、
ひとり親家庭で育った子どもが受ける悪影響ははかり知れません。父親または母親から、もう片方の親を非難する言葉を聞かされます。子どもにとっては父親も母親も唯一の存在なのに、それを否定されることによって自分の存在も否定されていると思うようになります。心ない言葉が近所や学校でも飛び交い、いじめの原因になったり不登校にもつながっていきます。そんな子どもの思いは、父親に会いたい、母親に会いたい、ただただ会いたい、それだけです。
悪影響は子どもだけでなく、子どもに会えない親にもあります。子どもに会えない、会わせてもらえない。子どもの成長した顔や声や背格好もわからない。どこに住んでいるのか、どこの学校に通っているのかもわからない。子どもに会えず苦しい思いを抱えて命を断つ親も少なくありません。
個人的な話をさせてください。私には父がいます。妹がいます。ですが、21年前の親の離婚で母親がいません。そして、20年間母親には会えていません。このような話は、決してレアケースではありません。先ほどもお話ししましたが、毎年23万組の夫婦が離婚しています。3組に1組の割合です。毎年23万人の未成年の子どもたちが親の離婚を経験していくんです。アメリカでは隔週2泊3日の面会交流が一般的ですが、日本では月1回会えるかどうかという状況です。調停で面会交流が合意された場合でも、44%が面会交流ができていないというデータもあります。親に会いたいという子どもの思いより、あの人に会わせたくないという監護親の意思が優先されている現状は、子どもの心理的虐待にもつながってまいります。
20年の時が経過し、私は母親を探し始めました。戸籍をたどり、たどり着いた場所を訪ねて情報を集め、ついに昨年11月末に20年ぶりに母親に会うことができました。その瞬間の母親と妹の涙を、生涯忘れることはないでしょう。個人的なことなので多くは申し上げませんが、私は父親を責めるつもりも、母親を責めるつもりもありません。これは日本の社会全体の問題なのです。
前定例会の一般質問で、先進自治体である明石市の取り組みを御紹介させていただきました。厚生労働省が平成27年3月に発表した、離婚前の子どもの養育に関する取り決めを促すための効果的な取り組みに関する調査研究報告書の中で、明石市こども養育支援
ネットワークが高く評価されています。さらに、昨年12月21日には、全ての子どもの安心と希望の実現に向け、政府全体として関係省庁が連携して効果的に
ひとり親家庭、多子世帯等の自立支援策及び児童虐待防止対策を講じるため、全ての子どもの安心と希望の実現プロジェクトが決定されました。つい昨日、2月23日に同プロジェクトの愛称、ロードマップ等が発表されたところですが、このプロジェクトはさまざまな状況にある親、子どもが相談しやすく、さまざまな支援に確実につなげていくことで、相談に行けば支援につながるという共通イメージをつくり上げ、各関係機関が連携して取り組み、
ひとり親家庭等の支援に政府を挙げて取り組んでいくものです。
このプロジェクトの中には、養育費の確保支援という項目があり、地方自治体での弁護士による養育費相談を平成31年度までに全ての都道府県、政令市、中核市で実施すること。離婚届出書の交付時に養育費の合意書、ひな形も同時に交付することが掲げられ、さらに、離婚届出書のチェック欄、「取り決めをしている」の割合を70%にするという具体的な目標も明示されています。
前置きが長くなってしまいましたが、日本社会の実情と厚生労働省と政府の動きを受けて、目黒区としてどの程度の意気込みと具体的な目標を持って取り組まれるかをお伺いしたい。せっかく窓口で参考パンフレットの配布という初めの一歩を踏み出したわけですから、他自治体に先んじるくらいに前のめりで専門相談窓口を開設したり、養育費取り決め支援を拡充していくのか。それとも、他自治体の動きを横目で見ながらじりじりと進めていきたいのか、区長の率直な心情を伺えたらと思います。よろしくお願いします。
○
青木英二区長 まず1点目の、フロアマネジャーについてですけれども、私のところにも区民の声を通じて、例えば届け出に来たんだけども書き方がわからないと。にもかかわらず、職員が誰にもヘルプに来ないというのが散見されるということは事実でございます。そういったことで、今お話があったように目黒区役所はだめだなという意識を、区役所には何度も来られないことかと思います。人によっては一度だけというケースだって決して多くはなかろうかというふうに思います。そういった中で、今のようなことを区民の皆さんが印象として持たれるということは、今お話があったように目黒区の大きなイメージアップの逆で、イメージダウンということになるというふうに思います。
いずれにしても、区民の皆さん、区民だけでなく区外の皆さんも含めて、私ども目黒区のイメージアップだけではなくて実際に職員の能率も上げていく。また、実際に区民の皆さん、区外の皆さんが気持ちよく来庁できる。こういったことは否定されることではございません。今申し上げたように、じゃ、どういったところに配置をするのか。それから、所要経費はどうなのか。今議員からもまさにお話がありましたけども、どういう形態なのか。委託するのか、今やっている総合庁舎の管理の新たな委託を仕様書として起こしていくのか。戸籍住民課の委託を拡大するのか、また別に新たに違う考えを持つのか。この辺の整理もまだ全くできていませんので、こういったことも含めて、今私ども種々御質問もいただきましたので、目黒区のイメージアップということにどういった形でフロアマネジャーが資するのか、改めてしっかりと検討していきたいというふうに思います。
それから、2点目についてですけれども、一つは私ども、今、国のほうでも新たに養育費に関する法的な知識、こういったことを非常に簡便にわかりやすいパンフレットをつくっているというふうに聞いておりますし、それから、今離婚でのお子さんに対する取り決めを合意書にするひな形、そういったものも作成をし、そういったものを自治体が置くような検討もされているようでありますから、私どもはそういった状況を見て、もしそういう方向であればこれはできるだけ早く、目黒区としても対応するということは約束をしたいというふうに思います。
目黒区の今後の取り組みですけれども、例えばお見えになられた方が、今議員御指摘のようにさまざまな課題を抱えておりますので、コンパクトにあわせてドキュメント、何かパンフレットがお渡しできるか考えてみたいと思います。
○田島けんじ議長 竹村ゆうい議員の一般質問を終わります。
次に、13番西村ちほ議員。
〔西村ちほ議員登壇〕
○13番(西村ちほ議員) 私は、自由民主党目黒区議団の一員として、質問通告に基づき区政一般に関して、大きく3問質問をいたします。
第1点目、子育てをしている世代への周囲の支えについて、3問お伺いいたします。
第1問、病後児保育について伺います。
本区では、病気の回復期にある子どもを預かる病後児保育事業を実施しており、3軒の病後児保育施設があります。東山一丁目に1軒、定員4名、祐天寺二丁目に1軒、定員4名、柿ノ木坂一丁目に1軒、定員4名。この区内に3軒、トータルで最大12名という受け入れ数は、家庭外での保育を必要とする未就学児童に対して十分なものでしょうか。病後児保育施設は、子どもの体調という不確定要素によって利用数に大きなばらつきがあることが考えられ、どの程度の配備が適正か。もしものときの受け皿という性質上、平均値や稼働率からそのまま導き出せるものではありません。ですが、行政の役割として、区民の負担を軽減し、体調が万全ではない子どもを安心して預けることができる保育環境をしっかり整えていくべきだと考えます。
目黒区には区立小学校が22校あります。単純計算ですが、病後児を受け入れ可能な保育施設は、小学校7校分の学区域当たりに1軒しかありません。頼れる身内が近くにいない共働き家庭などの増加とともに、保育所等の利用者も増加してきており、通常の保育施設では対応できない保育へのニーズも高まってきています。施設の利用登録者数、利用実績の実情を踏まえて、区民のニーズに対する施設配置のバランスについての所見を伺います。また、病後児保育の環境を安定的に確保するための開設支援や運営補助について伺います。
次に、1点目の第2問、病児保育について伺います。
第1問で取り上げました病後児と呼ばれる状態になる前には、病気回復前、病気にかかっている最中である病児の期間があります。目黒区では、病後児保育事業が実施されている一方、回復に至る前の病気の最中の子どもを受け入れることができる病児保育について担保していません。病気の急性期における乳幼児の受け入れについて、区のスタンスでは、院長の判断により医院の独自事業としてお預かりすることができるとしています。病後児保育を利用できるようになる前に、必ず存在する病児の期間に係るサポートがすっぽりと抜けている状態です。
働いている親でも、せめて子どもが病気のときには当たり前に仕事を休んで付き添うことができる社会が理想ではありますが、現実的には、たびたび仕事を休むことで上司や同僚から迷惑がられたり、休みや早退が多くなるのではないかとの懸念から、幼い子を持つ親であることが理由で採用につながりにくかったりということが起こります。他区の状況を調べましたが、施設等の病児保育事業を行っているのは東京23区中16区で、約7割に上ります。また、別の1区では、自宅に派遣された保育士などが保育を行う居宅派遣型の病児・病後児保育の実施を検討しているところです。
23区中残り6区のうち5区は、ベビーシッター利用への補助を実施中、または28年度より実施することになっており、まだどの方法でも進展していないのが唯一目黒区です。ベビーシッター利用の補助や、地域内での支え合い活動であるファミリー・サポートという事業展開なども考えられますが、病気の急性期という特別な事情のもと、医療対応や設備など安心して任せられる環境を整えることが必要です。今のままで子どもの病気で仕事を休むことがふえると、低評価を受ける、大事な仕事は任されないといったことが起こり得ます。
母子家庭の貧困が社会問題となっていますが、生活を支えるために必死で働いているシングルマザーにとって、保育環境に途切れがあることにより生じる不利益は、収入の低下、解雇のリスクなど死活問題になりかねません。もはや病児保育は行政の必須事業と言えるのではないかと思いますが、病児保育事業の課題と施設設置についての見解を伺います。
次に、1点目の第3問、祖父母を対象とした育児講座、ガイドブックに関して伺います。
共働きの夫婦や
ひとり親家庭など、さまざまな事情により祖父母が育児を担う機会がふえています。また、継続的ではなくても、里帰り出産や日々の交流など、祖父母が孫と接する機会は多いものです。祖父母の孫育ては、祖父母にとっては頼られることが生きがいとなったり、孫にとっては親以外とかかわることで心の成長につながったりします。もちろん、子育て中の世代にとっても、孫をかわいがり育児に協力をしてくれる祖父母の存在は大きな支えとなります。
本来、育児の大先輩である祖父母のアドバイスや手助けは大変ありがたいものですが、主流となる育児方法が昔と今とで変わってきていることから、親子の世代間でトラブルになることがふえています。子育て世代が、自分たちが行っている育児を親世代から否定されたり、これはやめてほしいといった要望などを義理の御両親には言いにくかったりといったことがあるようです。親世代も子世代も同じように健やかな孫の成長を望んでいながら、時代によって変わっていく育児の常識を共有できないことが家族間の不幸な不和につながります。また、祖父母自身が久々に接する赤ちゃんの扱いに精神的な不安を抱くこともあります。
このような問題を解決するため、祖父母を対象とした育児講座を開いたり、孫育てのガイドブックを発行したりする先行自治体も出てきています。対象を祖父母世代に特化することで、単なる育児方法にとどまらず、世代間の意識の違いについて理解できるように工夫されているため、大変人気が高いそうです。インターネットなどで出回る情報ではなく、自治体という身近で信頼ある機関による講座やガイドブックということが、世代間をつなぐツールとして重要なポイントであると思いますが、このような取り組みについていかがお考えでしょうか。
次に第2点、女性の健康の包括的支援について伺います。
女性は、一生のうち女性ホルモンの分泌量が大きく変動し、それによって女性特有の病気や精神面での不調などが年齢とともにあらわれてきます。その健康を支えるには、人生の各段階での健康支援と、心身、社会的な変化を視野に入れた健康意識を醸成していくことが大切です。女性特有の健康課題を包括的に支援し、心身の発達段階から健康づくりの動機づけを行っていく必要があると考えます。
第1問、過度なダイエットが後の不妊や骨粗鬆症につながる場合などもあり、若い段階から自身の将来も視野に入れた健康に関心を持つことが必要です。特に、体と心が大きく変化、成長する時期に、みずからの身体特性について適切に知る機会を提供し、予防的対処ができる環境を整えることが大切だと考えますが、学校現場で思春期前に行われる、みずからを大切にすることへの教育的な取り組みについて伺います。
第2問、女性の生涯にわたる健康についてですが、女性の健康リスクは人生の中でさまざまです。初潮を迎える時期は低年齢化している一方で、平成25年の初産の平均年齢は30.4歳にまで上昇しており、若年層からの月経困難症や子宮内膜症の増加、重症化が指摘されています。子宮頸がん、乳がん検診の受診率の低さや、要精密検査となった人の精密検査受診率の向上も課題の一つです。産後鬱など、医療的なサポートとともに社会的なサポートが大切な場合もあります。
更年期には、体の不調に加えて夫の定年、子どもの自立、親の介護など、自分以外の家族の変化による負担が重なることもあります。また、女性の平均寿命と健康寿命の差は12年以上あり、健康でない状態が長期にわたることがあります。女性の健康を考える上で、
ライフステージごとに適切な対策を講じ、包括的な支援を行うことが必要と考えますが、見解を伺います。
最後に第3点目、公道を使用したマラソンの概要とボランティアについて伺います。
このマラソンについて、仮称である「めぐろ10キロメートルマラソン」と発言をさせていただきます。我が会派でも、数年前から要望しておりました区内の公道を使用しためぐろ10キロメートルマラソンが、ついに本年11月27日に開催されます。このマラソンの実施については、目黒区に親しみを持つ方、マラソンやスポーツが好きな方など、区内外の多くの方々からぜひ参加したいという声や、区民枠はあるのといったお問い合わせをいただいており、皆様の興味と期待が高まっていることを感じます。マラソンを通してスポーツ、そして目黒区の魅力を再発見し、ランナーを初めかかわる人たちやコース近隣地域が、一体感を感じられるイベントとなることを期待しています。
そこで第1問、マラソンの詳細について。
めぐろ10キロメートルマラソンが成功し、区民に親しまれるものになるかどうかは、東京オリンピック・パラリンピックに向けた盛り上がりや目黒区の印象にも影響するものと思います。本区で初めての試みであり、主催者、参加者ともになれておらず、大会詳細の早目の決定と準備、周知が必要ではないかと思いますが、まだ正式名称も決まっておらず、進捗もわかりづらい状況です。ミニマラソンなどのサブイベントも実施予定とされていましたが、区民の協力を得て大会を成功に導くためには、
実行委員会等で決定した事項などは早目に明らかにし、大会へ向けた流れを進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に第2問、大会ボランティアについて伺います。
公道でのマラソン大会の開催には、多数のボランティアの協力が不可欠です。例えば、東京マラソンでは約3万人の市民ランナーを約1万人のボランティアが支えており、給水などランナーのサポート業務や沿道の見物客の案内・誘導などに携わっています。東京マラソンは年々認知度も上がり、10年目となることしのランナーの倍率は11.3倍と、狭き門となっています。ボランティアの人気も高まっており、2014年には、先着順で募集される1万人のボランティアが募集1日で定員に達し、締め切られました。そのように人気の高い東京マラソンも、初回2007年のボランティア募集では定員に達し締め切るまでに86日間かかったといいます。
マラソン大会でのボランティアは、走ることは苦手だけれどスポーツにかかわりたいという方や、お祭り気分を味わいたい方にとって待望の経験です。一方で、その活動は大会運営が左右されるほど重要なものでもあります。ぜひ区を挙げてのスポーツイベントとして、多くの方に楽しみながらかかわっていただくことを目指していただきたいと思いますが、人数や質の確保といった課題を前にしためぐろ10キロメートルマラソンのボランティアの募集方法、種類、事前の研修について伺います。
次に第3問、ボランティア文化の定着について伺います。
国民の62.3%がボランティアに関心を持ちながら、経験者は28.6%にとどまるという内閣府の調査があります。震災ボランティアの報道などにより、その重要さは浸透してきている一方で、時間がないことや経費負担などが参加への障壁になっているといいます。負担になるほどの時間やお金をかけなくてもできる社会貢献があることや、誰もができる小さな行動が広がって大きな助けとなることなど、ポジティブなイメージの発信が必要になってまいります。
都では、東京オリンピック・パラリンピックを契機としたボランティア文化の定着に向けて指針の策定を進めています。ボランティアの裾野拡大及び着実な育成、町会・自治会等地域活動の活性化、NPO・大学・企業との連携など、共助社会の実現へ大きく踏み出すチャンスの時期です。めぐろ10キロメートルマラソンも、ボランティアを身近なものにするよい機会と考えますが、本区におけるボランティア活動の状況と区民の地域協力やボランティアへの意識向上・定着への取り組みについて所見を伺います。
以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 西村ちほ議員の3点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。なお、第2点目の第1問につきましては教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えいたします。
まず、第1点目、子育てへのサポートについての第1問、病後児保育の利用者登録数と利用実績及び区の支援についてでございますが、病後児保育施設と申しますのは、保育園等に通っている子どもが病気の回復期にあって、集団保育が困難な時期に一時的にお預かりする専用の施設でございます。
現在、区からの補助または委託を受けて運営している病後児保育施設は、北部地区、中央地区、西部地区にそれぞれ1カ所ずつ、計3カ所ございます。区といたしましては、5地区1カ所ずつの整備を目指して取り組んでまいりましたが、平成22年12月に3カ所目を設けて以来、なかなか整備が進んでいない状況にございます。
そこで、平成27年3月に改定した目黒区子ども総合計画におきましては、改めて区内5地区に1カ所ずつ病後児保育施設の整備を掲げまして、平成28年度当初予算に、1カ所増設のための整備費及び運営費補助の経費を計上させていただいているところでございます。
病後児保育施設3カ所の利用登録者数と利用実績でございますが、3施設の合計で申し上げますと、平成26年度は利用登録者が726人、利用者は延べ1,197人となっております。1日12人の定員で、平均の利用率は41%でございます。同じく、平成25年度は利用登録者数が762人、延べ利用者は1,285人、平均利用率は44%。平成24年度は利用登録者667人、延べの利用者数は1,386人、平均利用率は48%となっております。
また、区からの支援につきましては、運営基本額と利用実績による加算額との合計で補助または委託をしておりまして、3施設の平均で申し上げますと1施設当たり補助額は年間1,100万円ほどとなっております。今後とも、子ども総合計画に沿って病後児保育施設の整備に努めてまいりたいと存じます。
次に第2問、区内に病児保育施設がないことへの区の見解と、設置への課題についてでございますが、議員御指摘のとおり、区の事業として病児保育施設は未整備の状況となっております。病児保育施設と申しますのは、保育園等に通っている子どもが病気の回復期に至らない場合で、かつ当面の病状の急変が認められない場合に、その子どもを一時的に預かる医療機関等に付設される専用の施設でございます。区といたしましては、当面5地区展開ができていない病後児保育施設について、優先して整備を進めてまいりたいと存じますが、子どもが急な発熱等で保育園には預けられないが、仕事も休めないとの声をいただいており、病児保育施設の整備も課題と認識しております。
病児保育施設を整備していく上での課題につきましては、病後児保育施設も同様でございますが、医療機関の協力が不可欠でございます。特に病児保育施設につきましては、病気の急性期にある子どもを預かる施設であるため、感染防止等を講じた隔離の機能のある部屋を設けることや、病気の急変に備えて医師がすぐに対応できる体制を整えることの条件が整っていなければなりません。国の子ども・子育て支援新制度におきましては、多様な保育サービスの充実が目標として掲げられており、病児保育の充実もこのうちの一つとなっております。区といたしましても、目黒区子ども総合計画におきまして、多様な保育の充実の項目の中で検討事項として病児保育を掲げ、実施に向けた取り組みを進めることとしているところでございます。
区といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、当面は病後児保育施設の未整備地区への整備を目指しておりますが、条件が整えば病児も預かることができるような施設整備も視野に入れ、安全・安心な子育て環境の整備に取り組んでまいります。
次に第3問、祖父母を対象とした育児講座や孫育てガイドブックの活用についてでございますが、現代においては共働き世帯が増加傾向にあり、子育てに当たって子育ての先輩としてアドバイスをしてくれるだけではなく、時には保育園の送迎なども手伝ってくれることなどから、祖父母を頼りにしている親世代が少なくないと言われています。
ひとり親家庭にとっても、祖父母の存在は大きな支えになると考えられます。また、孫育てに関心があり、かかわりを望んでいる祖父母世代も多くいるとの情報もあったところでございます。しかし、祖父母世代が子育てをした時代とは育児の環境も方法も変わったため、孫がかわいいと思う反面、育児の仕方や育児方針でぶつかり合うこともあり、世代間のジェネレーションギャップを抱えるケースもあると言われております。
このような状況を考えますと、祖父母世代が現在の子育て事情や親世代が持つ育児の考え方を知るとともに、祖父母世代の豊富な知識や経験などが、自分自身の孫や地域の子どもたちの健やかな成長に役立つことを実感することができるよう、そのきっかけを提供することは大変有意義なことであると考えております。
本区におきましては、家庭における子育て力の向上を目的として、身近なテーマを取り上げて子育て講座を開催したり、子育て支援情報誌「めぐろ子育てホッ!とブック」を発行するなどしてまいりました。また、保護者の子育て不安の解消や子どもたちの健やかな成長に資することを目的に、区立児童館や保育園において子育てふれあいひろば事業を実施してまいりました。しかしながら、祖父母の孫育てという観点では、十分な取り組みができていない状況がございます。
他の自治体においては、例えば横浜市では「地域と家族の孫まご応援ブック」と称する小冊子を作成して配布したり、孫育て講座を開催したりしていることは承知してるところでございます。本区といたしましても、今後御質疑の趣旨を踏まえ、孫育ての視点を加えた育児・子育ての支援について、関係所管連携のもとで情報収集し、検討してまいりたいと考えております。
次に第2点目、女性の健康の包括的支援についての2問、女性の健康を考える上で
ライフステージごとに適切な対策を講じて、包括的に支援を行うことができるかについてお答えいたします。
女性の健康については、主に女性ホルモンの分泌の変動や妊娠・出産による変化などによる要因により、心身の状態が人生の各段階に応じて大きく変化するという特性に着目した取り組みを行うことが重要であると言われています。また、女性の就業者数の増加、婚姻をめぐる変化、平均寿命の延伸等に伴う女性の健康に関する問題の変化に応じた対策が求められています。
これらの課題を踏まえ、長期的・継続的かつ総合的な視点に立ち、女性の健康増進を生涯にわたり支援していくことをうたった、女性の健康の包括的支援に関する法律案が国会に提出されていることは承知しております。目黒区におきましては、女性の
ライフステージに合わせ、母子保健や健康増進に係かかわる各種施策を実施しております。女性は、妊娠期に心身ともに大きな変化が生じることから、妊婦健康診査や保健指導及び健康教育を実施するとともに、妊娠届け出時のアンケート調査の実施、ハローベビークラス、妊産婦・新生児訪問、フレッシュママの集い、母親の会を行うなど、心のケアを含めた妊娠・出産後の女性への各種施策を行っております。
また、成人期の女性の健康上懸念される疾病である子宮頸がんと乳がんの女性特有がんについては、個別に検診通知を送付するなどきめ細かな対応を図っております。特に乳がんについては、近年、働き盛りの30代後半から50代にかけて罹患者が増加する傾向にあることを受け、本区では受診機会をふやすため国のクーポン券事業に上乗せする形で、45歳以上は2年に1回、受診券を個別に送るなど、乳がん検診の充実を図っております。
さらに、近年は平均寿命が延伸する中で、加齢とともに身体の変調が生じ、寝たきりや要介護状態になる高齢者がふえております。とりわけ女性においては、骨粗鬆症による骨折を契機として、身体機能の低下から寝たきりになるなど、健康寿命の延伸を阻む要因となっております。
現在区では、健康づくりの総合計画である健康めぐろ21の改定を進めており、その中で高齢期の自立した生活を維持するため、ロコモティブシンドローム対策や低栄養防止などの施策を推進することとしています。区といたしましては、今後とも女性の健康支援は区政の重要な課題であるとの認識のもと、それぞれの分野でしっかりと取り組んでいくとともに、関係所管が緊密に連携し、女性健康施策を推進してまいる所存です。
次に第3点目、めぐろマラソンの概要とボランティアについての第1問、
実行委員会等で決定した大会の詳細についてでございますが、
実行委員会につきましては、昨年9月に設立総会を行い、その後について具体的な検討組織である運営会議及び各専門部会において検討が進められております。運営会議及び各専門部会は、これまでにそれぞれ2回開催されており、会の運営に関する基本的事項を確認いただき、具体的な検討が進められているところでございます。
こうした中、これまでに決定した大会の詳細につきましては、これまで御案内したとおり、大会の実施日とコース、参加者数について
実行委員会で正式に決定されたところでございます。現在、運営会議では区民優先枠及び申し込み受け付け方法、参加費、大会コンセプトなど検討しているところでございます。また、各専門部会では、警備計画、ボランティアの配置等を検討しているところでございます。
今月末に
実行委員会が開催される予定でございます。決定した事項につきましては速やかに報告をし、大会運営への御協力をお願いしてまいります。
大会日である11月27日まで、あと9カ月と迫ってまいりました。これからはスピードを上げて精力的に取り組んでまいりますので、大会成功に向けて一層の御支援をいただきたいと存じます。
次に第2問、マラソン大会におけるボランティアの種類、募集方法及び事前の研修についてでございますが、ボランティアの活用につきましては、運営会議のもとに設置されております専門部会であるボランティア部会において検討が進められているところでございます。ボランティアの種類につきましては、大きく分けまして大会本部の補助やボランティアの受け付けなどの大会運営に関すること、コース及び沿道の整理やバス対策、給水所などの大会実施における安全管理に関すること、総合案内窓口や荷物預かり、記録証の発行などの参加されるランナーへのサービスに関すること、そしてコース沿道や会場内のごみ対策として環境美化に関すること、さらに、周知や応援演出など機運醸成に関することの5種類になるかと存じます。
こうした内容のボランティアの必要数などについて、現在ボランティア部会において検討されているところでございますが、最も多くの人数が必要なものといたしまして、コース及び沿道の整理というものがございます。おおむね400人を超える人数が必要になると想定してございますが、こちらの部分についてはマラソン大会における専門的な知識や経験などが必要となることから、目黒体育協会やスポーツ推進委員の方々を中心にお願いする予定でございます。
また、その他の部分におきましては、ボランティア部会のメンバーである住区住民会議や清掃協力会、青年会議所などの皆さんに御協力をいただき、場合によっては公募による参加を募ってまいりたいと考えております。
事前の研修につきましては、大会を安全に実施していくためには重要なものでございます。まずは、活動内容ごとのリーダー研修を行い、その後に一般ボランティアの研修が必要であると考えてございます。今後、ボランティアの活動内容はさらに検討を加え、安全な大会運営に向けて研修等の充実に努めてまいります。
次に第3問、本区におけるボランティアの活動状況と、区民の地域協力やボランティア活動への意識向上・定着の取り組みについてでございますが、本区におけるボランティア活動につきましては、多種多様な部分で区民の皆さんが参加されております。例えば、防犯・防災関連といたしまして、地域の安全パトロールで152団体、災害時の語学ボランティアで66人、公園での活動や管理、道路沿道などの植栽管理などで113団体が活動されております。その中で、区民の皆様の身近な生活におけるボランティア活動の取り組み・支援については、社会福祉法人目黒区社会福祉協議会に担っていただいています。社会福祉協議会に登録されているボランティアグループは、現在保健・医療・福祉の分野で27団体、まちづくり・地域安全・災害救援の分野で10団体、環境保全分野で8団体、国際協力・文化振興の分野で11団体、子どもの健全育成・社会教育の分野で16団体、学術・芸術・スポーツの分野で15団体の計87団体でございます。
このようなさまざまな活動グループにおいて、ボランティアとしての登録数につきましては、平成26年度で1,792人となってございます。また、ボランティア活動中における事故に対応するためのボランティア保険の加入数、これはボランティア活動をされた方の累計数となりますが、4,840人の方が活動されたという状況でございます。このほか、ボランティア活動に関するお問い合わせをいただいた件数は1,256件となっており、大変多くの方々がボランティア活動への意識をお持ちになっております。
このような皆様のボランティア活動への意識向上や定着への取り組みといたしまして、社会福祉協議会では年1回の地域福祉のつどいの開催や、ボランティア・地域活動情報誌の発行などによる普及啓発活動を行ったほか、研修会や講習会、交流会など、平成26年度には10回開催しており、延べ参加者数は224人となってございます。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおいては、国内外の観光客への対応として、都市ボランティアが1万人以上、競技運営などの対応として大会ボランティアを約8万人と想定されております。オリンピック・パラリンピックは国際的な一大イベントであり、ボランティアとして参加することは区民にとって大変貴重な経験であり、そうした経験は、参加された本人だけでなく、周りの方々や次の世代にもつないでいただくことができるものでございます。こうしたことから、本区といたしましても、これまで以上に社会福祉協議会との連携を図りながらボランティアの育成に努めてまいります。
以上、お答えとさせていただきます。
○田島けんじ議長 教育所管の答弁の前ですが、議事の都合により暫時休憩いたします。
〇午後3時11分休憩
〇午後3時25分開議
○田島けんじ議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
西村ちほ議員に対する教育長の答弁からお願いいたします。
〔尾﨑富雄教育長登壇〕
○尾﨑富雄教育長 西村議員の第2点目、女性の健康の包括的支援についての第1問、学校現場で思春期前に行われる、みずからを大切にすることへの教育的な取り組みにつきましては、教育委員会所管事項でございますので、私からお答えいたします。
議員御指摘のとおり、女性には人生の各段階での心身の変化があり、思春期においてはホルモンバランスが不安定になり、心身ともにさまざまな不調を生じることがあると認識しております。このような発達段階を踏まえ、生涯にわたる心身の健康の保持・増進を図るためには、学校において適切な健康教育を推進し、自分の体の変化や個人による発育の違いなどについて、自分のこととして実感し、自分を大切にする気持ちを育てることが重要でございます。
特に小学校第1学年から第6学年までを児童期と言っており、思春期前の人格形成の基礎を培う大切な時期でもあります。学校における健康教育は、教育活動全体を通して行われるものであり、小学校における保健学習は学習指導要領に基づき、第3学年から第6学年まで行われております。その中で第4学年では、体の発育・発達は年齢に伴って変化することや、思春期になると体に変化が起こり、異性への関心も芽生えることを学習し、また第5学年では、心と体は相互に影響し合うこと、さらに、不安や悩みの対処にはいろいろな方法があることなどについて学習します。この保健学習を基盤とし、心と体の変化は大人の体に近づく現象であることなどを正しく理解し、みずからを大切にする態度を育てるようにしております。
教育委員会といたしましては、児童期において発達段階による心身の変化などを適切に学ぶことは、将来に向けて重要であると認識しており、今後も学校において組織的・体系的な健康教育を推進できるよう、指導・助言に努めてまいる所存でございます。
以上、お答えとさせていただきます。
○13番(西村ちほ議員) 答弁につきまして、再質問をいたします。
1点目の病児・病後児保育について、当面、病児保育施設よりも計画をしている5地区において展開ができていない病後児保育施設について優先して整備を進めたいというお答えでした。
子どもが病気にかかったとき、あしたの保育どうしよう、これが病児保育です。来週あたり症状は落ちついても、まだ保育所には預けられないかなと、これが病後児保育です。場合によりますが、通常、きょう、あすの急な予定変更ほど困るものです。しかも、子どもの体調は、より悪くケアが必要な状態です。病児に対応可能な施設の整備こそ優先すべきではないでしょうか。条件が整えばと言っている場合ではなく、積極的に病児保育事業に取り組むべきだと考えます。
28年度予算に病後児保育施設の増設の予算が計上されていますが、むしろ病児保育への対応を主な目的とした整備を検討すべきと思いますが、再度、いかがでしょうか。
2つ目、病後児保育施設に預けられるのは、通常の保育サービスを利用している子どもですので、就学前の児童に限られています。ですが、小学校に上がったからといって、すぐに、体調が悪い中、一人で留守番ができるようになるとも思えません。せめて小学校低学年ぐらいまでは病児・病後児保育の対象とするなど、条件の緩和についてはいかがお考えでしょうか。
3つ目、社会状況に照らして、病児・病後児保育の施設は必要だと思っておりますが、実際のところ、利用状況に対して費用の負担は大きいです。余裕がある時間の、人材や場所の利用など、より効率的な施設活用についての所見を伺います。
2点目の第1問、思春期前の児童期において行われる教育的な取り組みについては理解しましたが、思春期においては身体的には生殖にかかわる機能が成熟し、精神的には自己形成の時期であります。特に女子は男子よりも成長が早く、女性特有の心身の変化等に配慮した指導が必要であり、家庭との連携も重要です。その年代に適した指導や対処になれている学校教育と、その子の背景や個性に合わせたスピードで、細やかな観察と対応ができる家庭教育と双方のアプローチで守り育てていく必要があると思います。成人した女性が将来に希望を持ち、生涯を通じて健康な生活を送るためには、この大切な時期に正しい健康知識等を習得することは極めて重要だと考えますが、教育長の見解を伺います。
以上です。
○
青木英二区長 それでは、病児・病後児保育について、3点にわたる御質問でございます。
まず、病児・病後児保育ですが、病児保育を優先にしたらどうだろうかという御意見ですが、いずれにしても、病後児にしても病児にしても、これは私どもの例えば保育園でできないわけで、全てこれはやっぱり一定医療機関の協力が不可欠ということでございますので、今、私ども医師会と、こういった課題について少し意見交換ということを会長にもお願いして、近々1回目、ちょっとお話を所管のほうでしますので、改めて全体像、私ども病児・病後児保育のあり方を少し、もう一度しっかりと検討してみたいというふうに思います。
それから、そういった中で、ベビーシッターについて、これは多分、施設とベビーシッターと関連してくることになりますので、全体のワンパッケージの中で、この問題を少し考えていきたいというふうに思います。
それが3点目、先に言ってしまいました。
それから2点目、小学校低学年までの緩和でございますが、今、とにかく就学前の子どもを何とかしろという御意見が圧倒的に多いので、そういった中で低学年、いずれはそこまでしっかりとやっていかなきゃいけないですが、まず、私どもとして、この就学前のお子さんの施設が決定的に足らない状態ですから、まずここからしっかりやっていきたいというふうに思っているところであります。
○尾﨑富雄教育長 それでは、女性の学齢期における健康教育と家庭教育との連携についてのお尋ねでございますけれども、議員御指摘のとおり、女子のほうが男子よりも一般的には早く成長し、おおむね10歳から12歳ごろにかけて女性ホルモン等の作用もございまして、次の段階の成長期へ移行していくものと存じております。
学校教育におきましては、そういった女性の固有の課題等について十分に把握した上で、適切な学校教育を進めていく必要があるというふうに存じております。そういった中で、これは学校教育だけでなし得るものとは私どもも思ってございません。議員御指摘のとおり、各御家庭との連携ということが非常に重要になってまいります。このため、私どもといたしましては、児童期から思春期の学齢期にかけまして、議員のお尋ねにありましたとおり、成人した女性が将来にわたって希望を持ち、生涯を通じて健康な生活を送ることができるように、PTAですとか保護者の皆さんを初め、学校保健委員会など、さまざまな機会がございますので、そういう機会を通じまして、女性の健康推進の視点を十分に念頭に置きながら、健康教育の推進に心がけてまいりたいというふうに存じております。
以上でございます。
○13番(西村ちほ議員) 済みません、先ほど病児・病後児保育について効率的な施設活用ということをちょっと伺ったんですけれども、利用状況が42%、平均でということがありましたけれども、あいているというか、利用に波があるという中で、施設の運営にもやはりかかわってくる、なかなか経営に対して埋まらないから補助も必要になってくると思うんですけれども、そういったときのあいている時間の人材とか場所などを、何かほかに活用するといったことに関して何か御見解を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○
青木英二区長 あいてるからといって、また突然何かあるというケースが十分考えられますので、今、確かに50%を切っておりますけれども、じゃ、そこの時点でまた違う活用をするということになれば、また緊急でもし預ける場合というのは、またそれは困ってしまいますので、あいてるときについては少し検討してみたいと思います。
○田島けんじ議長 西村ちほ議員の一般質問を終わります。
次に、3番川原のぶあき議員。
〔川原のぶあき議員登壇〕
○3番(川原のぶあき議員) 私は、公明党目黒区議団の一員として、大きく2点質問させていただきます。簡潔な御答弁をよろしくお願いいたします。
第1点目、危機管理体制の強化について。
我が国は世界有数の災害大国と言われ、地震、台風、風水害などの自然災害が毎年のように発生しています。中でも、台風や風水害は地球温暖化の影響からか多発し、各地に甚大な被害を与えています。昨年9月、台風18号の影響で記録的な豪雨により鬼怒川の堤防が決壊し、茨城県常総市を初め、関東・東北地方に大きな被害をもたらしました。なぜ被害が拡大したのか。
人と防災未来センター所長の川田惠昭関西大学教授は、我が国の災害対策は伝統的に災害先行型の後追い対策となっているからだと指摘し、今こそ対策先行型に変えていくべきであると主張しています。また、災害を減らし、同時に復旧までの時間を短縮することにより、社会に及ぼす影響を減らすことができる、レジリエンス、訳しますと縮減を高めていくことが重要であるとし、会派でたびたび取り上げているタイムラインの計画策定など、事前準備に始まり、時間の経過に伴い、適切な対策や目標をあらかじめ明確に定めておく必要があると指摘しています。
さて、近年では自然災害に限らず、危機は複雑化、多様化しており、ことしに入り、北朝鮮が核実験や事実上、長距離弾道ミサイルと思われるミサイル発射実験などの蛮行を繰り返しています。また、テロやサイバー攻撃は簡単に国境を越え、世界各国・地域に広がり、多くの罪なき人々が犠牲となっています。
こうした危機から国民を守るため、国は昨年、平和安全法制を整備いたしました。しかし、日本の平和国家としての歩みは、いささかも変わるものではありません。にもかかわらず、さきの代表質問でも、日本共産党の議員が戦争法などとレッテル張りの議論を繰り返し、国民の不安をあおり続けています。私は、本来、いかにして国民を守るかといった熟議をすべき国会議員を擁する公党として、非常に無責任であると断言しておきます。
いかなる危機からも区民の生命・財産を守るため、万全の備えが必要と考え、以下質問いたします。
(1)関東・東北豪雨災害において、常総市では鬼怒川決壊後に避難指示が出されるなど、一部地域で大きな被害が発生し、自治体の危機管理対応の未熟さを露呈する結果となりました。そこで、本区の危機管理部門の職員については、災害規模や時間の経過を見きわめながら、区長に適切な判断や対応を助言できる危機管理の専門家を養成していく必要があると考えますが、区の見解を伺います。
(2)昨年、フランス・パリにおいて同時多発テロが発生しました。我が国も、いつテロの標的とされてもおかしくはありません。本年5月には伊勢志摩サミットが開催され、今後も2019年ラグビーワールドカップや2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催など、国際イベントが続きます。区民をテロの脅威から守るため、以下質問いたします。
ア、区民に向けたテロ対策の啓発について区の見解を伺います。
イ、テロ対策訓練の実施について区の見解を伺います。
ウ、区内の空き家や空き店舗がテロ組織の巣窟とならぬよう、警察との情報共有や町会・自治会、商店街から早期通報など、官民一体となった水際対策の構築について区の見解を伺います。
続いて2点目、人が輝く社会の実現について。
安倍内閣が発足して3年、安定した政治状況のもと、我が国は着実に経済再生を果たし、企業収益は過去最高水準に達し、雇用面でも就業者数が110万人以上ふえ、完全失業率も3.3%に改善するなど、デフレ脱却まであと一歩のところまで来ています。
一方、課題も明らかとなっています。公明党はこれまで一貫して、経済の好循環を家計へ、中小企業へ行き渡せる、これが経済再生をなし遂げるための大きな鍵であると申し上げてきました。しかし、その広がりは期待ほど十分ではありません。また、子どもや高齢者の貧困問題なども抱えています。公明党は、安倍内閣が掲げる一億総活躍社会を一人一人が輝き活躍できる社会と位置づけ、全ての人が自己実現できる社会を目指していくため、以下取り組みが必要と考え、質問いたします。
(1)一人一人の活躍を支える上で欠かせないものは、雇用環境の充実です。賃金上昇の流れが地域経済に波及しているのか、若者や女性、高齢者、障害者が、それぞれの状況に応じた働き方で自身の夢の実現や生活を送ることができるのか、こうした賃金の引き上げや働き方改革を、地域の実情に合わせ、関係者が率直に話し合い、連携して対策を講ずることができる目黒版政労使会議の設置ができないか、区の見解を伺います。
(2)ことしに入り、親の虐待に起因する幼い子どもが死亡するという痛ましい事件が発生しています。こうした虐待を未然に防ぎ、安心して子育てするには、妊娠から出産、子育てまで切れ目のない支援を身近な場所で、ワンストップで行えるネウボラの日本版である子育て世代包括支援センターを、現在5つある地域包括支援センターに設置できないか、区の見解を伺います。
(3)昨年、東海道新幹線の車内での71歳男性の焼身自殺や、埼玉県深谷市に住む高齢夫妻が利根川に車で飛び込み心中死するなど、高齢者の貧困に起因する事件・事故は後を絶ちません。本区においても今後ますます高齢化が進んでいく中、高齢者となっても安心して暮らし続けていくためには、高齢者の貧困対策が必要と考え、以下質問いたします。
ア、生活困窮者自立支援法の施行に伴い、本区でも相談支援事業が開始されましたが、めぐろくらし相談窓口を利用される区民の多くが高齢者と聞いています。そうした状況を踏まえた上で、高齢者の貧困対策の現状と課題について、区の見解を伺います。
イ、高齢者の貧困化について、ストックリッチ・キャッシュプア、ストックとは、つまり自宅など資産を保有しているものの、日常生活を送るためのキャッシュ、生活費が乏しいとの指摘がされています。高齢者が、年金などの公的収入以外に、ある程度生活費を得るためには、安心して働くことができる就労環境の整備が必要と考えます。そこで、就労準備支援事業として高齢者の雇用に積極的な区内企業とのマッチング事業など、きめ細かい就労支援の実施ができないか、区の見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 川原のぶあき議員の2点にわたる御質問に、順次お答え申し上げます。
まず、第1点目、危機管理体制の強化についての第1問、災害状況を把握し、区長に適切な判断を助言できる危機管理の専門家の養成についてでございますが、昨年9月の関東・東北で発生した豪雨では、茨城、栃木、宮城の3県で8名が死亡するなど、大きな被害をもたらしました。
御指摘のとおり、地震や風水害を初めさまざまな災害が懸念される中で、危機管理部門の職員の育成は重要な課題と存じますので、区では防災課の職員に特別区が共同で開催する防災士研修講座を受講させるほか、被災地の視察研修に派遣するなど、人材育成に努めてまいりました。しかし、危機管理に関するより高度な専門知識や技術を有する専門家の養成については相当の研修期間が必要となりますので、今後、効果的な方策について調査研究してまいりたいと存じます。
一方、災害による被害を最小限にするためには、幅広い行政分野にわたる各職場が連携・協力し、日ごろの防災対策や応急対応に取り組むことが大切です。危機管理部門に限らず、全職員の災害に関する知識や応急対応に対する意識の向上を図り、災害発生時の初動体制等を強化することも重要であると認識しております。
このため、区では大規模地震に際し、まず参集する第一非常配備態勢要員や庁外施設で初動対応に従事する職員などを対象とした防災士研修講座を開催し、3年間で合計200名の防災士資格取得を進めるべく、来年度予算案にその必要経費を計上してございます。現在、毎年400人程度の規模で実施している普通救命講習については、応急対応意識の向上の点でも効果的と存じますので、引き続き継続するとともに、今後、職員の防災士資格取得を促進し、正しい知識と適切な判断力を兼ね備えた人材の育成に努め、平常時はもとより災害時においても、区長である私を補佐する役割を担う職員を確保することで、危機管理体制を一層強化してまいりたいと存じます。
次に第2問のア、区民に向けたテロ対策の啓発についてでございますが、警視庁ではテロに対する危機意識の共有や大規模なテロ発生時の連携・協力体制の整備など、テロ対策を総合的に推進するため、平成20年に東京都など
関係行政機関や民間事業者で構成するテロ対策東京パートナーシップ推進会議を発足し、合同訓練や研修、キャンペーン等を実施しております。また、各地域の特性に応じ、より実践的、より効果的に対策を推進するため、各警察署の単位でパートナーシップの取り組みを実施する方針といたしました。
区内におきましては、テロを許さないまちづくりをスローガンに掲げ、目黒・碑文谷両警察署が関係団体等に働きかけ、平成22年にそれぞれの地域でテロ対策のパートナーシップを発足しました。官公署や運輸・医療等の民間事業者、防犯協力団体など、現在約60団体が参加し、年1回の連絡会や研修会の開催、テロ対策訓練のほか、区報やチラシ、総合防災訓練など各種イベントでの広報、町会との合同パトロール、駅前キャンペーン等参加団体が相互に協力して、テロ対策の啓発に努めているところでございます。
また、区職員に対しては、昨年12月に実施した危機対応訓練の中で、警察署の警備課長からテロ対策に関する講演を行うなど、さまざまな機会を捉えて啓発を図っております。今後も、国際情勢など必要な情報を関係機関と共有するとともに、警察署等と連携・協力してテロ対策の啓発に取り組んでまいりたいと存じます。
次に第2問のイ、テロ対策訓練の実施についてでございますが、平成22年にテロを許さないまちづくりパートナーシップの発足以来、毎年警察署を中心に関係機関や区民と連携したテロ対策訓練を実施しております。昨年は区内ホテルでのテロを想定した避難誘導訓練や中目黒・自由が丘駅前でのテロ対策訓練を実施したところでございます。
また、区職員に対しては毎年実施する危機対応訓練の中で、さまざまな事態を想定して訓練内容を工夫しております。昨年12月の訓練では、テロ対策に関する講演とともに、区有施設内での多数のけが人が発生した事態を想定し、傷病者の搬送方法について実践的な訓練を実施いたしました。今後も警察署との連携によるテロ対策訓練や、テロを初め、さまざまな危機事象を想定した訓練など継続的な訓練の実施に努め、危機管理体制の強化を目指してまいりたいと存じます。
次に第2問のウ、区内の空き家などがテロ組織の巣窟とならないよう、官民一体となった水際対策の構築についてでございますが、空き家や空き店舗については、テロ対策はもとより、防犯上、防災上もさまざまな視点から注意が必要と考えております。
区においては、空き家等に関するごみの散乱や樹木等の繁茂、建物の倒壊など具体的な問題が生じた場合には、必要に応じてそれぞれの担当所管が連携して対応に努めております。また、適切に管理されている場合も、近隣から放火の心配等について御相談をいただくことがありますので、生活安全パトロール車での警戒や、警察署に定期的な巡回を依頼するなど、可能な対応を図っております。今後も空き家等に伴う環境悪化や防災上の危険に関する課題にとどまらず、犯罪行為に悪用されることがないよう、関係所管や警察署との連携・協力によって対応に努めてまいりたいと存じます。
また、不審な人の出入りなど、近隣住民でなければ気づくことが難しい兆候もございますので、今後、地域住民や事業者等の皆さんによる防犯パトロールにおいて、空き家等の状況についても注意していただくようお願いをするほか、不審を感じたら警察署や区にお知らせいただくよう区民の皆さんに幅広く啓発するなど、効果的な防止対策について警察署にも協議しながら検討してまいりたいと存じます。
次に第2点目、ひとが輝く社会の実現についての第1問、目黒版政労使会議の設置についてでございますが、政府は経済の好循環の実現に向けて、政労使の3者が意見を述べ合い、包括的な課題解決のための共通認識を得ることを目的として、経済の好循環実現に向けた政労使会議を平成25年度から開催しております。また、都道府県のレベルにおきましても、行政、労働者団体、使用者団体などの地域のリーダーが共通の認識を持ち、取り組みを進めるための協議会を開催するといった動きが見られるところでございます。
人材の確保や育成、女性の活躍促進、高齢者・障害者の雇用拡大、中小企業をめぐる課題、魅力ある雇用機会の創出、働き方の見直し、非正規労働者の正社員化・処遇改善など、経済や雇用に関する幅広い課題について、政労使が懇談や意見交換等を行うことは、地域の活性化等を進める好機になるものと考えられます。御指摘の内容は、このような会議の目黒区版の設置であると存じます。
現在、区におきましては、渋谷公共職業安定所や品川区の労働基準監督署、目黒区産業連合会や東京商工会議所目黒支部の代表者等が出席する雇用問題連絡会議を年2回の頻度で開催し、行政と使用者との意見交換を行っております。また、働く方からまとまった申し入れがあった場合には、その内容に応じて区との情報交換等も実施してるところでございます。区といたしましては、こういった取り組みの実績を踏まえながら、国や都の動向を注視しつつ、地域の雇用環境や景気動向等に関する課題の解決に向け、政労使の共通認識が深まる機会を確保することについて、今後、調査研究に取り組んでまいりたいと存じます。
次に第2問、妊娠・出産・子育てまで切れ目ない支援を行う……
(「また切れ目ないなんて言ってるよ」と発言する者あり)
○
青木英二区長 これ、私が言ってるのは質問ですよ。質問者が私に聞いてるんですから。
子育てまで切れ目ない支援を行う子育て世代包括支援センターを5つの地域包括支援センターに設置できないかについてでございますが、議員御指摘のように、幼い子どもが虐待によって死亡するという報道が相次いでおり、事件の背景にはさまざまな状況があると思いますが、まずはこうしたことが起こらないよう、できるだけ多くの機会を捉えて、子育て世代に対し必要に応じた支援を行うことが大切であると考えております。
現在、本区では、妊娠届の提出の際にアンケートを実施していただくことで、後日、保健師が状況確認をしたり、ハローベビークラスなどにおいても必要な知識の習得を図る等の支援を行っています。さらに、保健師・助産師の新生児訪問や各種健診事業、フレッシュママの集いなどの際にも、悩みなどの相談に応じるなど、さまざまな機会を捉えて子育ての状況の把握に努めております。場合によっては、関係所管等が連携し一体となって対応するなど、切れ目ない支援に努めているところでございます。
日本版ネウボラの子育て世代包括支援センターとは、ワンストップ相談窓口において、妊産婦、子育て家庭の個別ニーズを把握した上で、情報提供、相談支援を行い、必要なサービスを円滑に利用できるように、きめ細かく支援するものであると認識しております。
目黒区保健医療福祉計画では、5地区の地域包括支援センターを地域包括ケアシステムの拠点として、支援を必要とする全ての人を支援することを目指すとしておりますが、現時点では高齢者が中心となっており、子育て世代のワンストップ相談窓口機能を担うことは難しいと考えております。
今後、本区における妊娠・出産・子育てにわたる支援をどのように展開していくべきかについては、保健、子育て、高齢者など関係部門の課題を整理しつつ、十分に研究してまいりたいと存じます。
次に第3問、高齢者の貧困対策についてのア、本区における高齢者の貧困対策に係る現状と課題についてでございますが、昨年4月に生活困窮者自立支援法の施行に伴い、経済的な困窮状況にある方の相談窓口として、自立相談支援機関、めぐろくらしの相談窓口を開設しました。この相談窓口では、高齢者の方や今後高齢者となり得る50歳代の方も多く相談に見え、相談内容も収入や就職等の経済的な課題を中心に多岐にわたっており、また、本区の生活保護受給における高齢世帯も増加傾向を示しており、高齢者の経済的な困窮に対する取り組みが一層求められております。
高齢者の相談におきましては、誰にも相談できずにひとりで抱え込む方も多く、いかに早い段階で生活に困窮されている方を把握し、相談できる体制を構築していくか大きな課題であります。そのため、昨年12月に庁内の福祉・子育て・教育・税・保険等の関係所管において、支援対象者に関する情報の把握を行うための連絡会議を開催し、生活困窮者を早期に把握し、支援につなげるための庁内連携体制を構築してまいりました。また、地域においても、民生・児童委員、地域包括支援センター、社会福祉協議会等のさまざまな関係機関に対し、支援相談体制を周知し、各事業の案内を行うとともに、見守り
ネットワークの対象者に生活困窮者を拡大する等、支援対象者を早急に把握するため、連絡体制に取り組んでまいりました。今後とも、めぐろくらしの相談窓口において、高齢者を初め、経済的に困窮されている方々の生活の安定に向けた支援を推進するため、行政機関のみならず地域の関係機関と多様な連携を図りながら、早期の支援につなげるよう一層取り組んでまいります。
次に、イ、高齢者の就労支援についてでございますが、高齢者の就労においては、体力面・健康面・勤務条件・職種等のさまざまな要因に配慮しながら支援を行う必要があります。本区の自立相談支援機関では、就労支援員を配置し、就労意欲のある高齢者で一般就労が可能な方に対しては、就労相談を初め、必要に応じて相談者と一緒にハローワークへ同行する等、就労につながるためのさまざまな支援に取り組んでおります。また、なかなか就労に結びつかない相談者に対しましては、面接指導や履歴書の書き方、求人状況を踏まえた相談者に適した職種の支援、きめ細やかな支援を続け、再就職につながるように対応しております。
厚生労働省においても、高齢者を雇用している事業主に対する助成金の支給、ハローワークにおける高齢者の再就職にかかわる相談体制の支援等、高齢者の雇用対策を総合的に推進しているところです。
高齢者の経済的困窮の背景には、非婚化・少子化・核家族化による家族構成の変化、非正規雇用の増加による雇用環境の変化等、多様な要因があります。また、資産・貯蓄・収入もさまざまであり、相談者一人一人の状況に応じた支援が求められます。今後とも、本区の自立相談支援機関においては、高齢者のこうした事情に配慮しながら、生活支援と一体となった就労支援を行うとともに、就労の背景にある経済的な事情以外にも、高齢者が抱える病気や介護、家族関係等についても関係機関と連携を図りながら、福祉的な視点に立って、高齢者が地域で安定的な生活を続けていけるよう取り組んでまいります。
以上、お答えとさせていただきます。
○3番(川原のぶあき議員) では、再質問をさせていただきます。
1点目の危機管理体制の強化についての1問目なんですが、来年度から3年かけて職員の方も防災士として養成していくということで、それに対しましては、従来、私も活用提案等をしてきましたので、非常にいいというふうに評価をしたいと思いますが、防災士というのは、専ら自然災害の総論的な知識の習得がメーンになりますので、やはり危機管理部門というのは、もう少し専門性が必要ではないのかなというふうに考えます。
そこで御提案したいのですが、私自身も昨年の夏に挑戦をして取得をしたんですが、危機管理士という資格がございまして、これは明治大学の危機管理センターと日本自治体危機管理学会、また、日本危機管理士機構が共同で主催する民間の資格取得なんですけども、2級、1級とありまして、さらに自然災害と社会リスクと2つに分かれて、その両方をとって2年たたないとこの1級を受けられないという、非常に知識の積み重ねができる、蓄積ができる部分がありまして、同じように参加された方の中では、やはり多くの自治体の危機管理部門の職員の方もいらっしゃいましたので、そういったもので取り組みができないかお伺いします。
2点目ですけども、ア、の部分ですが、2のアですね。危機管理のアの部分ですけども、危機管理する上で重要な4つの識というのがございまして、意識、認識、知識、組織ということでございます。区内ではテロは発生しないだろうとお考えかもしれませんが、当然区民が旅先で、また職場でそうしたテロの危険に遭うということは否定できるものではありません。本区だけではなく東京都ともしっかり連携して、例えば、今、自然災害に対するマニュアルみたいなものはありますけども、例えばテロ対策として、身近に銃声とか爆発音が聞こえたら姿勢を低くして安全を確保するとか、レストランの窓際には座らないとか、化学剤テロが発生した場合は、ハンカチで鼻と口を覆い、なるべく上の階、また風上のほうに避難していくと、こういった知識を知っておくだけでも、やはりいざというときに役立っていくのではないかと思います。そういったものの作成を都に求めていくことはできないか、区の見解を伺います。
2点目のウですね。以前、ある区民の方から私に相談をいただきました。近所の空き家からキャリーバッグを持った外国人家族が出入りしていて、心配なので何とかしてほしいとの相談でした。私も区のどこにまず相談すればいいのかちょっと迷いまして、いろいろな幾つかの所管に連携をした結果、所有者を調べていただきまして、その所有者によりますと、相続により当該アパートを取得したようで、管理は不動産会社に一任してたと。今、はやりのといいますか、その不動産会社が勝手に民泊のような事業を行ってたというのが判明して、契約解除ということで事なきを得てるんですが、そういう所有者が知らない間にそういったものに使われてるというケースもありますので、そういった部分で、しっかりと周辺区民の皆さんの力をかりるという体制強化をしっかり進めていく必要があると思いますので、その点をもう一度聞きたいと思います。
あと、大きな2点目のネウボラについてでございます。先日、庁舎で開催されておりました、めぐろ子育て交流ひろばに私も参加をさせていただきまして、多くの支援団体があるんだなと改めて知ったわけでございますが、これまでは私もネウボラを、さまざま提案をしてまいりました。国のほうも来年度の予算案、また東京都のほうも、そうした子育て世代包括支援センターを設置する自治体、またそういった対応する職員を改めて充当する場合は、この予算措置をしていこうというふうに力を入れております。15年度では150の市町村で同センターがもう設置されてるということで、16年度はそれを251市町村まで広げていこうということでやっておりますので、どうかスピード感を持って検討していただきたいと思いますが、再度お伺いします。
最後の高齢者の貧困ということでございますが、資産があると生活保護などの申請の対象には当然なりません。しかし、住宅を売るにしても、ローンの残債や相続により取得した目黒の不動産ではなくて地方にある不動産については、売却もそう簡単ではないと思います。リバースモーゲージといったような制度もありますけども、そういった部分では、やはり、こういった資産の売却等に考えずに、やはりそうした就労の環境を整えていくことが重要ではないかと思います。そういった部分で、先ほどワークサポートめぐろ等の機関を活用して進めていくことも大事でございますが、いま少し直接的に、例えば商工会議所の目黒支部でありますとか産業団体でありますとか、そういうところに協力を直接求めて、こういった高齢者の雇用環境の充実に取り組めないか伺いたいと思います。
以上です。
○
青木英二区長 それでは、5点、6点、順次お答え申し上げます。
まず、最初に防災士の資格についてですけれども、今るるお話をいただいたように、幾つか私どもにとって課題だなというのを率直に申し上げれば、やはりこれはもっともな話なんですが、危機というのはどんどん変わってきます。多分、私も自分でそこで答弁を読んでて、30年ぐらい前に私が議員をやってたときは、目黒区内のテロなんていうことはまず想像もつかなかったなということが、今もう答弁として申し上げているわけですから、危機ってどんどん変わってきます。そういうこともあるんで、この危機管理士というのは、有効期間が3年というふうに聞いています。まず期限があるということです。
もう一つは、今これも議員からお話があったように、比較的取得に時間がかかると。長いともう3年ぐらいかかるというふうにも聞いております。それから、私も明治大学でされた、ちょっと講座を見たんですが、例えば火山噴火に対する対応とか、企業不祥事に対する対応とか、そういうのもプログラムに出ておりました。それも大事ですが、今、私どもは企業不祥事ですとか、火山もまず、今私どもはすぐ求められないことだというふうに思っております。
こういったことから考えると、それは危機管理士が、非常に、今議員がとられたことは敬意を表しますけど、私どもは防災士として、まずは直接区民の皆さんに接する対応ができる職員を研修して、いずれは火山にも強い職員ができてくる必要はあるかもしれませんが、まずは200名の職員が、特に最初の参集職員として対応ができる、そういった資格を持つようにしていきたいというふうに思っているところでございます。
それから、テロ対策ですが、これも先ほどの延長線上の話ですが、本当に今日的な課題だというふうに思っております。私どもの知見では、なかなかテロ全体の十分な知見を持ってませんので、こういった冊子等については、これは警察等ともよく相談をする課題だというふうに思っています。ただ、私どもも指をくわえてるだけではなくて、例えば去年でいえば7月25日、ことしでいえば直近で3月15日に、こういったテロについての注意喚起、啓発を含めて区報に出させていただくということにもなっておりますので、それぞれ役割分担の中で、しっかりとこの問題に取り組んでいかなければいけないというふうに考えているところでございます。
それから、次の空き家対策についてですけれども、今言った問題というのは、決して少ない問題ではないというふうに私も感じてるところでございます。皆様方からも御要望いただいてた、予算要望もいただいていた空き家のアンケート調査をこれから行うことになっておりまして、私どももただ単に状況を知るだけではなくて、固定資産税の課税者のお名前も今度は取得できる法的な措置も特措法でできましたので、アンケート調査については、こういったことも含めて、どういったこともチャンスでもありますので、こういったことをしっかり聞けるようなことを取り組んでいきたいなというふうに思っているところでございます。
それから、ネウボラについてですけども、今、私どもの27万の人口で、14.7平方キロの目黒区の中で、このネウボラが必要かどうか。今、私ども確かにネウボラという言葉はありませんけども、保健所、保健センター等中心になって、ワンストップでもありませんが、対応は今しているところでございまして、これはちょっと手前みそですが、合計特殊出生率もふえてるということは、日経新聞には、目黒区は待機児対策では問題あろうかと思いますけども、新聞なんかの評価では子育てがしやすいという評価もあります。十分にそういったことではありませんが、一定お子さんもふえてるということは、全く違う方向に進んでるわけではなかろうというふうに思いますが、議員御指摘のとおり、ワンストップでどこでも対応ができるということは大事なことでございますので、これからもしっかりと対応していきたいと思います。
最後ですけれども、しっかりと関係団体、サポート、シルバー人材、それからいろんな区産連等とまたよくお話をしていきたいと思っております。
以上です。
○田島けんじ議長 川原のぶあき議員の一般質問を終わります。
ここでお諮りいたします。
本日の会議時間は、議事の都合により延長したいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田島けんじ議長 御異議なしと認めます。
よって、本日の会議時間は延長することに決定いたしました。
次に、5番小林かなこ議員。
〔小林かなこ議員登壇〕
○5番(小林かなこ議員) 私は、自由民主党目黒区議団の一員として、区政一般について質問通告に沿って大きく2点質問いたします。
まず初めに、1点目といたしまして、無電柱化についてお伺いいたします。
現在、東京都では東京オリンピック・パラリンピックに向けて主要会場が立地するセンター・コア・エリア内の都道について、2020年までに無電柱化を完了するとともに、特に重要施設が集中する千代田区、中央区、港区については区道も含めて無電柱化するなど、無電柱化の取り組みが着実に進んでいます。
私が昨年6月、無電柱化についての一般質問をした以降も、全国各地では、ますます無電柱化が推進されてきています。例えば昨年10月20日、無電柱化を推進する市区町村長の会が設立されました。この会は、防災、観光、景観等の観点から、安全で快適な魅力ある地域社会と豊かな生活の形成に資することを目的として、無電柱化の取り組みに積極的な全国の市区町村長で組織されたものです。平成28年2月10日現在、253名の市区町村長が加入しており、本区の青木区長もこの会の会員となっています。また、昨年12月16日には、京都市の先斗町通りの無電柱化事業について、トランス等の地上機器の設置に協力した住民等を招待し、京都市や電線管理者らと調印式が行われました。これは全国的にも大変珍しい取り組みです。さらに、先週2月16日、国会議員たちによる無電柱化の在り方を考える議員連盟が新たに設立され、無電柱化についてバランスよく推進していくことなどが確認されました。明日、2月25日には、自民党においてITS推進・道路調査会無電柱化小委員会が開催され、最近の取り組みや新技術についてのヒアリングが行われるなど、無電柱化を推進する動きはますます活発になってきています。
そのような中、国土交通省は昨年12月25日、無電柱化を推進する取り組みとして、緊急輸送道路における具体的な運用方法等を定めた道路法第37条の改正に伴う道路の占用の禁止又は制限に係る取扱いについてという通達を発出しました。この通達により、本年1月から、区域を指定して緊急輸送道路上における電柱による占用が禁止されました。木造住宅密集地域の狭い道路において、地震等の災害発生により電柱が倒壊した場合には、緊急車両等の通行どころか地域住民等の避難や救援・救助活動に甚大な影響を与えます。この通達の適用範囲は、緊急輸送道路上の電柱についてですが、改正道路法第37条の趣旨である道路上に設置された占用物件が地震等によって倒壊するなどにより、緊急車両等の通行や地域住民等の避難に支障を来すようなことはできる限り避けなければならないという考え方は、木造住宅密集地域のような狭い道路にも当てはまると考えます。木造住宅密集地域において、東京都が2020年度までに同地域の危険緩和を目指しており、本区でも道路の拡幅などの整備事業が実施されていることも踏まえれば、防災上の向上と災害時の安全確保の観点から、まずは同地域における無電柱化を進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
続いて2点目、目黒らしい教育のあり方について3問質問いたします。
2点目の第1問目、道徳教育についてお伺いいたします。
本区では、学校教育を取り巻く状況変化や目指す子ども像・学校像を踏まえ、5つの重点目標を設定し、それぞれの重点目標において目指すべき教育の方向を明らかにして施策を推進しています。
5つの重点目標のうち、子どもの生きる力を育む教育の推進施策として、道徳教育の充実を掲げています。道徳教育の充実について、めぐろ学校教育プランでは、学校においては道徳の時間をかなめとして、学校の教育活動全体を通じ、豊かな心の育成に努めます。体験活動を生かした道徳の授業を推進するとともに、道徳授業地区公開講座だけでなく、学校公開日の中でも道徳の授業を実施し、保護者や地域の方々の心の教育への理解や子どもたちへのかかわりを深め、道徳の時間の充実を図るとされています。
そして、目黒区独自の副読本として、小学校中学年用の「めぐろの心」、小・中学校用の「心の広場」を作成しています。道徳の副読本を作成している区市町村は、全国的に見ても大変数が少なく、ほんの一握りの状況です。また、東京都教育委員会も、東京の子どもたち一人一人が道徳的価値の自覚と自己の生き方についての考えを深めていくことができるよう、独自の道徳教育教材集を作成し、都内の公立小・中学校等の全ての児童・生徒に配付しています。文部科学省も、児童・生徒が命を大切にする心や他人を思いやる心、善悪の判断などの規範意識等の道徳性を身につけることは非常に重要であるとし、道徳用教材として「私たちの道徳」及び「心のノート」を小・中学校用にそれぞれ作成し配付しています。
このように、道徳教育の教材は、文部科学省、東京都、目黒区それぞれにあり、本区の区立小・中学校における道徳の授業では、区独自で作成した「めぐろの心」及び「心の広場」を副読本として活用しつつ、東京都教育委員会と文部科学省の教材を併用して授業を実施していると伺っています。そこで、現在、国・都・区それぞれの道徳用教材がある中で、本区の区立小・中学校における道徳教育が具体的にどのような内容で行われているかお伺いいたします。
続いて、2点目の第2問目として、道徳教育充実のためのアクティブ・ラーニングについてお伺いいたします。
平成26年11月20日、文部科学大臣から中央教育審議会に諮問した「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」において、何を教えるかという知識の質や量の改善はもちろんのこと、どのように学ぶかという学びの質や深まりを重視することが必要であり、課題の発見と解決に向けて、主体的・協働的に学ぶ学習、いわゆるアクティブ・ラーニングやそのための指導の方法等を充実させていく必要があるとされ、大学教育から始まったアクティブ・ラーニングの波は小・中学校教育にも押し寄せ、アクティブ・ラーニングは注目を集める存在になっています。
本区では、めぐろ学校教育プランの5つの重点目標のうち、子どもの生きる力を育む教育の推進施策として、自然宿泊体験教室・職場体験学習等、体験学習の充実を掲げ、自然宿泊体験教室など児童・生徒が自然の偉大さや美しさに出会い、芸術や文化に触れるなどの体験を通して自然や命を尊重する心、他人への思いやりのある心を育むとともに、豊かな社会を築く人間として育つよう、体験学習を充実するとしています。
道徳の授業は、読み物資料・教材を用いて、その資料・教材を読解し、そこから道徳的な含意を引き出す一斉教授形式で行われていることが多いようですが、本区では自然宿泊体験教室や職場体験、ボランティア活動等のアクティブ・ラーニングとの関連を密接に図って、子どもの生きる力を育む教育として推進されています。そこで、道徳教育充実のためのアクティブ・ラーニングの現状と課題についてお伺いいたします。
最後に第3問目ですが、本区ではめぐろ学校教育プランにおいて、外国語活動・外国語教育の充実を掲げ、英語教育については、小学校から中学校の連続した9年間の外国語教育モデルカリキュラムに基づく授業の実践や担任と外国語指導員であるALTが連携した効果的な指導の工夫など、英語指導の質的な充実を図っています。さらに、グローバル人材の育成を目指し、英語教育を推進している大鳥中学校のイングリッシュキャンプは、各方面から高い評価を得ており、目黒
区教育委員会は今後その成果を生かして、ふだんの授業におけるALTの活用を初め、英語教育の一層の充実を図る方針と伺っています。
私は、これまでの経験の中で、ALTのような立場として、アメリカの公立高校で日本語を教えてまいりました。帰国後は日米間における異文化交流事業や留学プログラムの仕事に10年ほど携わり、外国語教育や国際理解教育を推進している全国各地の学校からの生徒の米国派遣、そして留学を目指す中学生・高校生たちへの指導も行ってまいりました。そのときの経験から、外国語は外国の方々とコミュニケーションを図る上で大変重要なツールであることはもちろんのこと、相手の国の文化や生活習慣だけでなく、自分たちの国、つまり日本の伝統や文化についてもしっかり学ばないと、語学を学ぶだけでは本当の意味での異文化理解、国際理解にはつながらないということを痛感いたしました。
この点において東京都教育委員会は、異文化を理解し大切にしようとする心は、自国の文化理解が基盤となって育まれるとしています。また、目黒
区教育委員会も、国際社会で活躍する日本人の育成を図る上で、我が国や郷土の伝統、文化を受けとめ、そのよさを継承・発展させるための教育を充実することが重要とし、伝統と文化に関する教育の推進及び国際理解教育の推進に取り組んでいます。
これからのグローバル社会を生きる子どもたちには、今後ますます日本の伝統や文化を世界に発信することが求められてきます。そこで、子どもたちが発信者となって、外国の方々へ日本の伝統や文化を伝えることができるよう、外国語を学びながら同時に日本の伝統や文化についてもしっかり学ぶ必要があると考えますが、この点についての現在の区の取り組み状況についてお伺いいたします。
以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 小林議員の2点にわたる御質問に、順次お答え申し上げます。
なお、第2点目につきましては教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えをいたします。
まず、第1点目、木造住宅密集地域から無電柱化を進めるべきではないかについてでございますが、無電柱化を進めるには、電線を地中に埋める地中化方式と地中化方式以外で軒下配線といった整備手法があります。地中化方式の場合、電線を埋設するための地下スペースや、電気を安全に供給するため地上に変圧器を置くスペースが必要となります。また、軒下配線の場合は、電柱にかかっていた電線を建物の軒下に配線することから、建物が将来にわたり壊されないこと、建物所有者の了解が得られることなどに加え、電線管理者との合意形成が必要となってまいります。