目黒区議会 2009-02-26
平成21年第1回定例会(第1日 2月26日)
平成21年第1回定例会(第1日 2月26日)
目黒区議会会議録 第1号
〇 第 1 日
1 日時 平成21年2月26日 午後1時
2 場所 目黒区議会議場
3 出席議員(36名)
1番 武 藤 まさひろ 2番 石 橋 ひとし 3番 おのせ 康 裕
4番 佐 藤 昇 5番 赤 城 ゆたか 6番 そうだ 次 郎
7番 香 野 あかね 8番 富士見 大 郎 9番 工 藤 はる代
10番 関 けんいち 11番 田 島 けんじ 12番 市 沢 芳 範
13番 飯 田 倫 子 14番 栗 山 よしじ 15番 松 田 哲 也
16番 戸 沢 二 郎 17番 須 藤 甚一郎 18番 坂 本 史 子
19番 星 見 てい子 20番 雨 宮 正 弘 21番 橋 本 欣 一
22番 伊 藤 よしあき 23番 つちや 克 彦 24番 鴨志田 リ エ
25番 増 田 宜 男 26番 梅 原 たつろう 27番 岩 崎 ふみひろ
28番 石 川 恭 子 29番 いその 弘 三 30番 今 井 れい子
31番 木 村 洋 子 32番 青 木 早 苗 33番 森 美 彦
34番 沢 井 正 代 35番 二ノ宮 啓 吉 36番 宮 沢 信 男
4 出席説明員
区 長 青 木 英 二 副区長 鈴 木 勝
企画経営部長 横 田 俊 文 総務部長 伊 藤 良 一
危機管理室長 石 綿 晃
区民生活部長 加 藤 芳 照
産業経済部長 青 葉 隆
健康福祉部長 一 宮 瑞 夫
健康推進部長
(保健所長) 伊 藤 史 子
子育て支援部長 尾 﨑 富 雄
都市整備部長 川 島 輝 幸
環境清掃部長 渋 谷 幸 男
(
街づくり推進部長)
会計管理者 荒 井 英 雄 教育長 大 塩 晃 雄
教育次長 小笠原 行 伸
選挙管理委員会事務局長
本 多 浩 一
代表監査委員 大 竹 勲
監査事務局長 清 野 久 利
総務課長 三 澤 茂 実
5
区議会事務局
局 長 浅 沼 裕 行 次 長 大 崎 茂
議事・調査係長 南 沢 新 二 議事・調査係長 田 渕 明 美
議事・調査係長 坂 爪 孝 行 議事・調査係長 小 林 孝 雄
議事・調査係長 松 本 博 主 事 亀 田 裕 美
第1回目黒区
議会定例会議事日程 第1号
平成21年2月26日 午後1時開議
日程第1 会期の決定
日程第2 代表質問
〇午後1時開会
○
雨宮正弘議長 ただいまから平成21年第1回目黒区議会定例会を開会いたします。
これより本日の会議を開きます。
◎
会議録署名議員の指名
○
雨宮正弘議長 まず、
会議録署名議員を定めます。
本件は、会議規則第117条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。
11番 田 島 けんじ 議員
24番 鴨志田 リ エ 議員
にお願いいたします。
◎諸般の報告
○
雨宮正弘議長 次に、諸般の報告を申し上げます。
監査委員から、平成20年10月分、11月分及び12月分の例月出納検査の結果、また平成20年度
庁外施設定期監査の結果、並びに平成20年度
区立小・中学校等定期監査の結果について報告がありました。
次に、教育委員会から、平成20年度目黒区教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価(平成19年度分)報告書の提出がありました。
以上の報告につきましては、いずれも文書を配付いたしました。
次に、特別区議会議長会の概要につきましては、文書をもって報告いたしました。
以上で報告を終わります。
これより日程に入ります。
日程第1、会期の決定を議題といたします。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎会期の決定
○
雨宮正弘議長 お諮りいたします。
今期定例会の会期は、本日2月26日から3月30日までの33日間といたしたいと思います。
これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
雨宮正弘議長 御異議なしと認めます。
よって、会期は33日間と決定いたしました。
次に、区長から、所信表明のため発言の申し出がありましたので、これを許します。青木区長。
◎
区長所信表明
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 平成21年度第1回区議会定例会の開催に当たり、区政を取り巻く諸情勢と平成21年度の区政運営の基本的な考え方について所信を述べ、区民の皆様と議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。昨年、この同じ議場におきまして、私は「まちづくりは、きょうの場に立ちながらも、あすへ向かい未来をつくる行為である」と申し上げ、再度、区長の職責を担う決意を表明いたしました。そして、4月の区長選挙を経て、引き続き区政のかじ取りを担わせていただくこととなりました。信頼と改革の区政実現を掲げて区長に就任して以来、区政の信頼回復に向けた透明性向上の取り組みを初め、地域の安全・安心の確保、
少子高齢社会への対応、環境問題への対応を区政の重要課題に据えて全力で取り組んでまいりました。私は、目黒区の足元を見つめ、地域が持つ特色や、これまで培ってきた地域の個性を生かしながら目黒区の魅力を一層高めていくことが、まちづくりの重要な課題であると受けとめているところでございます。これらの取り組みが具体的な形となって区民の皆様にお示しできましたのも、議会の皆様の御理解、御協力の賜物であり、円滑に区政が推進できましたことに改めて御礼を申し上げたいと存じます。
それではまず、区政を取り巻く状況の認識について申し上げます。
第1に、経済基調が大きく変動していることでございます。今、世界は、未曾有の金融・経済危機に直面しております。我が国は、平成14年2月以降、戦後最長とも言われた景気回復を続けてまいりました。しかしながら、米国のサブプライム住宅ローン問題に端を発した金融資本市場の変動や原油・原材料価格の高騰により市民生活や企業活動が圧迫され、さらには昨年9月中旬に米国の大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズの経営破綻が報じられた後、世界同時不況ともいうべき危機的な状況に陥りました。今後、我が国の経済は、世界的な景気後退を受け外需に加え国内需要も停滞し、景気の下降局面が長期化し深刻化するおそれが高まっております。特に雇用情勢は急速に悪化しつつあるとともに、社会のさまざまな面で格差問題が広がっております。
こうした状況を踏まえ、政府は、当面は景気対策を優先することとし、21年度予算及び20年度補正予算において総額75兆円に上る生活対策等の景気対策を実施するといたしております。東京都におきましても、「
東京緊急対策Ⅱ」と称し、総額で2,100億円余の緊急対策を打ち出したところでございます。区内企業に目を向けますと、最近の景況調査では、製造業など、すべての業種で業況が大幅に悪化しております。本区といたしましても、住民に最も身近な地方政府として区民の生活不安を払拭すべく、昨年の12月25日に私を本部長とする
緊急経済対策本部を設置いたしました。あわせて、20年度からの実施も含め、21年度予算を中心に、中小企業等への支援策、生活者に対する支援策、
区内業者向け支援策の三つを柱とし、雇用拡大も含めた区の当面の
緊急経済対策を
暮らしサポート21として計画化するとともに、年明け以降の景気の落ち込みを踏まえ、さらに対策を充実強化するために、第2弾の
緊急経済対策「
暮らしサポート21・Ⅱ」を追加実施いたします。両計画をあわせますと、31項目37事業に約11億円の予算を重点配分していくことといたしたところでございます。
第2に、地方自治のあり方に関する動向であります。平成19年から始まった第二期
地方分権改革の検討におきましては、地方が主役の国づくりとの認識のもと、自治行政権・自治財政権・自治立法権を十分に備えた完全自治体の確立を掲げ、分権型社会の実現に向け基礎自治体の自治権拡充が新たなステージに向かっていることが示されました。
地方分権改革推進委員会の第1次勧告では、生活者の視点に立つ地方政府の確立を目指し、基礎自治体への権限移譲を推進すべき事務として、64の法律、359の事務権限などが示されたところです。さらに、第29次
地方制度調査会においても、大都市制度のあり方が審議項目となっており、今後、道州制導入の検討状況など、国と地方のあり方を見直す動きに対しては一層注視していく必要があると考えております。また、平成19年1月に特別区と東京都の間で都区の
あり方検討委員会が設置されて以来、都区間の事務配分などが議論されてまいりました。現在は、主に444に上る事務を都と区でどのように担っていくべきかを中心に都区双方が協議を進めている段階ですが、検討課題も多く、都区間の意見の相違も簡単には埋まらないというのが現状です。私といたしましては、基礎自治体が担うべき事務事業は基本的に特別区へ移管し、同時に、それに伴う財源等が確保される必要があると考えております。今後とも、この基本姿勢で23区が力を合わせて、よりよい解決を目指し取り組んでまいる所存でございます。
第3に、区政運営の基礎となる人口構造の変化です。最近10年間の
住民基本台帳に基づく目黒区の人口は、平成10年10月1日の人口を100とする指数で見ますと、平成20年では106となっております。14歳以下の年少人口は106、15歳以上64歳以下の
生産年齢人口は103、65歳以上の高齢人口は121であり、世帯数も114となっております。家族類型では、単身世帯及び核家族世帯が増加している傾向がうかがえます。また目黒区は、都心に近く良好な住環境を維持していることなどから人口は漸増しているものの、本区の人口推計では近い将来人口が減少に転じるものと予想しております。一方、出生数の増加や共稼ぎ世帯の増加などにより
保育所入所待機児数が急増しており、仕事と介護・育児とを両立できる環境づくりが緊急の課題となっております。人口構造は、目黒区が効果的な施策を展開していくためには重要な指標であり、人口構造の分析には今後とも細心の注意を払っていかなければなりません。
次に、区政運営に当たっての基本的な考えについて申し上げます。私は、地方自治体の第一義的な役割は地方自治の本旨に基づき住民福祉の向上を図ること、すなわち、すべての住民が豊かで幸福な生活を享受できるようにしていくことであると考えております。このような認識のもと、以下の点を基本姿勢とし、区議会並びに区民の御理解と御協力を得ながら区政運営を進めてまいります。
第1に、開かれた区政を推進してまいります。変化の激しい時代にあって、区民の目線に立って区民生活の実態や地域の実情を的確に把握し、区民要望を政策に反映し実現していくことこそが区民の信頼を一層確かなものにいたします。区民への情報提供と説明責任を果たし、区政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、区民の区政への参画を促進して開かれた区政運営を進めてまいります。
第2に、平和と基本的人権の尊重をすべての施策の根底に据えた区政を行ってまいります。
平和都市宣言を行った自治体として、世界の恒久平和を希求し、海外都市との交流や区民による教育、文化、芸術、スポーツなど幅広い草の根交流を通して平和の実現に貢献します。また、お互いに人権を尊重し合い、子どもから高齢者まで、すべての人の人権が守られる社会、障害者や外国人とともに生きる社会、男女平等・共同参画の社会をつくります。
第3に、新たな行財政改革の推進に取り組んでまいります。高度化・多様化する区民要望に的確に対応していくためには、限りある人材と財源を効果的かつ効率的に配分していく必要があり、施策の優先性や重要性を考慮しながら新たな行革計画に基づき事務事業の執行方法や職員数を見直すなど、最少の経費で最大の効果を生み出す行政運営を推進してまいります。
第4に、協働の視点によるまちづくりを推進してまいります。地域社会の問題解決のためには、区のみならず、多様な主体が役割を担いながら連携・協力し地域力を高めていくことが重要であり、より区民ニーズに合った公共サービスの提供が可能となります。政策形成などへの区民の意見を生かす仕組みを有効に機能させ、施策の執行に際しては、民間の活用も含め協働の視点を持ちながら、まちづくりを進めてまいります。
次に、平成21年度の重要課題に対する基本的な取り組みについて申し上げます。平成21年度は、景気が後退する中で、いかに区民の暮らしを守り、
区内中小企業の活力を維持し、雇用の拡大を図るかが緊急の課題となります。そこで、平成21年度予算は、区民の暮らしを支え、あすにつなげる予算と位置づけて編成いたしました。特に厳しい経済・雇用情勢に対し、いかに迅速かつ的確に対応できるかが問われております。昨年暮れに公表いたしました
緊急経済対策「
暮らしサポート21」及び追加実施策である「
暮らしサポート21・Ⅱ」では、21年度の区政が抱えるさまざまな課題に対応した経済・雇用対策を織り込んでいますが、ここで一括してお示しし、私の所信を述べさせていただきたいと存じます。今回の不況は、急激な円高の進行や株価の大幅な下落によって実体経済にも大きな影響を及ぼしております。実際、区民生活や中小企業等の経営へのしわ寄せとなり、中小企業の資金繰りの悪化、雇用情勢の悪化、低所得者の家計圧迫などの厳しい状況が見受けられます。景気対策は、一義的には国の役割でありますが、区民生活への影響を見据えますと、区としてもできる限りの対応を行っていくことが必要でございます。そこで、
融資あっせん制度を中心とした中小企業等への支援策に12項目18事業で約6億円、低
所得者支援策を中心とした生活者に対する支援策に15項目15事業で約3億円、公共工事の発注を中心とした
区内業者向け支援策に4項目4事業で約2億円を柱とした、全体で31項目37事業に約11億円の予算を振り向けることといたしました。また雇用情勢を踏まえ、人員数にして60人強に当たります雇用の拡大にも配慮したところです。
これらの主な内容でございますが、まず中小企業等への支援策としましては、本年1月から
小口零細企業資金融資の本人の利子負担をゼロにいたしました。また、2月からは相談窓口体制を強化し、雇用の拡大も図ることといたしました。さらに21年度は、前年度から実施しております
中小企業融資あっせん制度の拡大を継続するほか、新たに
経営安定資金特別融資の本人の利子負担をゼロとし、申込期間を現行の期間限定から通年での受付といたしました。
小口零細企業資金融資の信用保証料も90%補助し、元金支払いの据置期間を現行の6カ月から1年に延長することといたしました。このほか、
公衆浴場事業者など
区内各種団体に対する
負担軽減措置の拡大を新たに実施していくこととしております。次に、生活者に対する支援策としましては、雇用の拡充を図るために、
区立特別養護老人ホームの契約職員の正規職員化、庁内における障害者の雇用、
学童保育クラブ利用児童の受け入れ枠の拡大、公園事務所での作業やごみ収集作業に従事する臨時職員の雇用拡大などを行うことといたしました。また、低所得者への支援策等を継続・充実していくとともに、新たに
認証保育所利用者の負担軽減を図るため、低所得世帯を対象とした保育料の助成などを行うことといたしました。次に、
区内業者向け支援策といたしましては、
公共工事発注の充実を図るため、毎年計画的に実施している各施設及び道路の
計画修繕工事の前倒しや拡大を行うことといたしました。
これら
緊急経済対策に盛り込んだ施策も含めまして、平成21年度は四つの重点課題を掲げ、「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」の実現に向け必要な施策を重点的に推進してまいります。
その第1は、地域の安全・安心の確保であります。私はこれを、どこにいても安全・安心を実感できるまちづくりとして具体化してまいりたいと考えております。自然災害や犯罪など、私たちの生活は常に生命、財産を脅かすさまざまな危険にさらされています。地域全体が安全に安心して暮らせる環境を構築することが、まちづくりの原点でなければなりません。昨年6月には岩手・
宮城内陸地震が発生し、大きな被害が生じました。
首都直下型地震の発生も切迫性をもって予想され不安感が高まっております。阪神・淡路大震災の教訓から、災害で被害をゼロにするのは不可能であり、災害が起こった際に人命を守り被害を軽減するための減災の取り組みが重要であることが明らかになりました。そこで、新たに保育園等でも気象庁が提供する
緊急地震速報を入手し、子どもたちの迅速な避難が行えるような設備の充実に取り組むことといたしました。また、備蓄品の整備などの取り組みに加え、情報入手や自力避難が困難な災害時要援護者に対する支援体制を早急に整備するとともに、
ひとり暮らし高齢者世帯などに対する
住宅用火災警報器の設置促進として21年度も対象者への1台無償設置に取り組んでまいります。さらに、これまで進めてきたAEDの設置を住区センターや児童館、
学童保育クラブにも拡充してまいります。このほか、災害に強い地域づくりも極めて重要な課題の一つです。昨年11月、防災めぐろ
区民フォーラムから、自分の身は自分で守るなどの自助、共助、公助が連携した目黒区におけるこれからの災害対策の方向性などについて提言をいただきました。地域の防災力を高め災害に強いまちづくりを進めるため、この第1回定例会に提言を踏まえた災害対策の基本条例を御提案するとともに、老朽化した家屋が密集している地域に対する整備事業や民間建築物の耐震化等を推進いたします。また近年、地球温暖化や
ヒートアイランド現象なども遠因と考えられる集中豪雨が多発する中、本区には目黒川など過去にも甚大な被害をもたらした中小河川がございますので、都市型水害から区民の生命・財産を守るため、豪雨に対する総合的な治水対策の方針策定に取り組みます。地域を基盤とした日常的な備えの重要性は防犯においても同じであります。特に子どもに対する犯罪の未然防止は、地域ぐるみで取り組まなければ取り返しのつかない事態を招きかねません。私は、次代を担う子どもたちの安全と保護者の方々の安心のため、下校時に
生活安全パトロールの巡回をふやすことといたしました。さらに、私立幼稚園への不審者の侵入を防止するため、防犯カメラなどの設置に助成することといたしました。こうしたさまざまな施策を通じて地域の防犯力を高め、犯罪の起きにくい安全なまちを目指すため、地域の
防災ボランティアや関係機関との連携のもと、防犯体制の充実や防犯意識の高揚に取り組んでまいります。このほか、国際的な輸送・交通網が発達する今日、
新型インフルエンザの発生が懸念されております。
インフルエンザは、過去にも10年から40年周期で大流行し、人類に甚大な被害と社会的影響をもたらしてきました。そこで、不幸にして
新型インフルエンザが発生した場合を想定して、感染の拡大とパニックを防止するため、区民に対策の基本的な知識や発生時の対応等を周知し、被害の未然防止に努めてまいりたいと存じます。
第2は、暮らしの
セーフティーネットの充実でございます。仕事と子育ての両立への支援、育児不安への対応、高齢化への急速な進展、障害者の生活を支えるサービス、そして生活上のさまざまな格差などに対し、区民に最も身近な政府として、従来の制度や枠組みにとらわれない発想により区民の暮らしを支える多様な
セーフティーネットを充実してまいります。
その一つは、次代を担う子どもの育ち・遊び・学びの支援であります。目黒区の出生数は平成5年に1,500人台まで減少しましたが、その後は増加しており、平成19年には1,900人台にまで回復しております。出生数の低下には一定の歯どめがかかったところですが、
合計特殊出生率は近年漸増傾向にあるものの、平成19年には0.75となり、東京の区部において最も低い数値となりました。この背景として、女性の単身世帯が占める割合が高い中、子育てに伴う経済的な負担感や子育てをするゆとりが持てない
労働環境整備のおくれも要因として指摘されます。このため、子育ての心理的、社会的、経済的な側面から不安や負担を取り除き、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりを進めなければなりません。そこで私は、保育所の整備や定員数の拡大、認証保育所の誘致など、子どもを育てやすい環境づくりを支援してまいりたいと存じます。さらに、こうした課題への対応を計画的に進めていくため、目黒区
次世代育成支援行動計画、めぐろ
子どもスマイルプランⅠの後期計画への改定に合わせて、子どもの権利尊重や子育ち支援の視点を加え、平成17年12月に定めた目黒区子ども条例に基づく計画として、新たに
子ども総合計画を策定することといたしました。この計画策定を通じて、子ども条例に示された、子どもがみずからの意思で健やかに成長していく「子育ち」を支えるまちづくりを地域全体で総合的に進めるため、行政・保護者・区民・施設などの役割と取り組みを明確にし、子どもが生き生きと元気に過ごせるまちを中長期的な視点で実現してまいりたいと考えております。あわせて、子育て支援の一環として、
緊急経済対策でも申し上げましたが、
学童保育クラブ利用児童数の
受け入れ枠拡大を図ることといたしました。これにより、児童の安全な居場所の確保と保護者の就労促進にも資するものと考えております。また、低所得世帯への
認証保育所保育料を助成し、負担の軽減を図ることとしております。さらに、新学習指導要領の本格実施に対応して、時代の変化に対応できる人間性豊かな子どもの育成を目指し、体験活動の拡大として新たに
自然宿泊体験教室の先行実施や、(仮称)「
興津ネイチャースクール」の設置の準備を進めるとともに、
興津健康学園の廃止に合わせ、健康学園の実践成果を生かし、一人一人の健康増進と疾病の予防、さらには健康課題の改善に向けた健康教育を推進いたします。また、学校施設の充実を図るため、小学校の校庭の人工芝への改修などを進めてまいります。
暮らしの
セーフティーネットの充実の二つ目は、健やかに生きがいを持って暮らせる
長寿安心社会の形成であります。目黒区の高齢者人口は、平成20年10月現在4万7,051人であり、高齢化率18.6%、要介護認定者は同年3月末で8,066人、
認定者出現率は17.0%となっております。高齢者人口は今後も増加の一途をたどるものと考えられ、
ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯が増加するほか、75歳以上の高齢者も増加していくことが予想されます。また、昨年、国が発表した
市区町村別平均寿命で、目黒区は都内において、女性が87歳でトップ、男性は80.9歳で5番目となっております。これから高齢者人口へ移行する、いわゆる団塊の世代の方々は、区の人口のおおむね4%強を占めていることもあわせ、こうした状況を見つめてまいりますと、年齢とともに高まる疾病や要介護状態を予防し、いつまでも健康で、かつ生きがいを持って自立した生活を送るためには、多様なライフスタイルを持つ個々の高齢者のニーズに即したサービスを重層的に組み合わせていくことが求められていると強く感じております。さらに、核家族化の進行や地域社会の連帯意識の希薄化により、高齢者等を支えてきた家族や地域が持っている支え合いの機能が低下していることも懸念されます。私は、地域における新たな支え合いの仕組みづくりがぜひとも必要なのではないかと考えておりまして、21年度には、地域で安心して生活していくための高齢者見守り事業や高齢者見守りネットワークの整備に力を入れてまいります。また、介護を要する高齢者の地域での生活を支える介護サービス基盤の整備に対しても、整備主体となる事業者への支援を行ってまいります。そのほか、中高年の方々が地域活動や健康づくり活動などに参加するためのきっかけづくりを支援していく予定でございます。いずれにいたしましても、高齢者が充実した老後をできるだけ長く過ごせるよう健康づくり・生きがいづくりなどの環境整備に努め、生き生きと活躍する高齢者の活動支援に取り組んでまいります。
暮らしの
セーフティーネットの充実の三つ目は、暮らしに信頼と安心を築くための支援であります。真に豊かさを実感できる区民生活は、暮らしやすい社会環境の構築が基礎にあってこそ成り立つものです。中小企業の事業者に対する各種の相談体制を充実するとともに、振り込め詐欺など高齢者が被害に遭う事件が多発していることから、こうした消費生活上のトラブルを防止するための相談体制の充実強化を図ってまいります。また、生活習慣病の予防を図る観点から、区民の主体的な健康づくりを応援するため、区内に多くある坂道を活用した散歩コースを新たに設定いたします。さらに、
緊急経済対策の一環として、総合庁舎内で知的障害または精神障害を持つ人を臨時職員として採用し、障害者の就労支援事業を促進するとともに、雇用の拡大につなげるほか、低所得の介護保険利用者に対する区独自の負担軽減や障害者通所施設における利用者の
食費補助や利用者負担の軽減を継続することといたしました。
暮らしの
セーフティーネットが機能していくためには、区民の要望や相談に十分対応できる組織体制も必要です。現行の地域包括支援センターと保健福祉サービス事務所を統合して設置する新たな地域包括支援センターでは、高齢者を初めとした幅広い保健福祉の総合相談に対応していくとともに、介護保険認定申請の受け付けや保健福祉サービスの受け付け等を実施してまいりたいと考えております。
第3は、地球と地域にやさしい環境づくりでございます。大量生産、大量消費、大量廃棄を前提とした仕組みは、利便性や快適性など生活にさまざまな恩恵をもたらす一方で、地球環境へ大きな負荷を与えています。事業者や区民一人一人が身近な生活の場から環境問題を考え行動することが地球温暖化防止等に寄与するとともに、未来にわたり豊かさを実感できる生活環境をつくり上げることにもつながることを認識する必要があります。
まず取り組まねばならないのは、低炭素社会と資源循環型社会の構築であります。環境問題は、昨年開催された北海道洞爺湖サミットでも、世界が解決していかなければならない最も大きなテーマの一つに掲げられました。最新の科学的知見が示すように、地球温暖化が確実に進行しており、それがもたらす人間活動や生態系への影響が身近にも感じられるようになりました。今こそ私たちには、地球温暖化をもたらす主な原因となっている二酸化炭素を大量に排出する経済活動や生活様式と決別し、低炭素社会と資源循環型社会の実現に直ちに取り組む責任があると言わねばなりません。みずからの生活様式や経済活動の見直しに踏み出すことは容易なことではありませんが、これを、1人の100歩よりも大勢の区民・事業者が一歩を踏み出せるよう、区民等が参加するさまざまな啓発活動などを通じて浸透させていく必要があります。さらに、住宅用の新エネルギー機器の導入支援や昨年10月から区内全域で開始した廃プラスチックの資源回収の定着化など、具体的な環境対策にも取り組んでまいります。環境問題への対応は、温室効果ガスの抑制にとどまるものではありません。区民等にライフスタイルの変化を求めるだけでなく、目黒区の良好な住環境を維持しつつ、まちづくりを通じて培われた、人々のまちを大切にする思いを未来に引き継ぐのも大切な環境対策です。快適な環境の保全と創造を目指した、めぐろ住環境プロジェクトをさらに進めるとともに、放置自転車の撤去やたばこのポイ捨て禁止、みどりの保全と創出などにより、まちの美化や人々に優しい街並みの形成に努め、目黒川の浄化対策にも取り組んでまいります。また、これまで区立小中学校で進めてまいりました校舎の壁面緑化を21年度は新たに5校拡大し、全体で15校といたします。五つの区立保育園におきましても初めて壁面緑化を実施いたします。壁面緑化は、
ヒートアイランド現象を緩和させる効果や、緑の断熱材により建物の室温を下げる効果を持っておりますが、将来の環境の担い手である子どもたちが、緑の豊かさを感じることにより、生命の大切さや自然とのかかわりを学ぶ機会をつくることにも意味があると考えます。
第4に、地域特性を生かした目黒らしさのある取り組みでございます。目黒区は、都内屈指の良好な住環境と文教地区を有し、目黒川の桜並木や洗練された街並みを初めとする都市ならではの環境がございます。地域の特性や個性を地域資源としてさまざまに活用し、地域のきずな、人間的・空間的なゆとりの創出など、数値ではあらわせない側面からの、まちの価値を高める取り組みを進めてまいりたいと考えております。その一つは、区内にあるさまざまな資源を生かした魅力ある地域づくりでございます。これまで目黒区観光ビジョンに基づき進めてまいりました「街あるき観光」を通じた活力と魅力あるまちづくりを一層推進していくため、目黒区らしい民間活力を生かした(仮称)「観光まちづくり協会」を設立支援するほか、目黒ブランドの研究・開発に取り組むとともに、産業振興ビジョンを改定し、今後の地域の魅力ある発展が地域経済の活性化に資するよう必要な対策を進めてまいりたいと考えております。また、駒場公園が東京都指定有形文化財に指定されたことから、必要な保存計画を立ててまいります。取り組みの二つ目は、目黒らしさを感じ、住む人だれもが誇りを持てる地域づくりであります。区とかかわりのある芸術家の公演や区民の芸術文化活動参加への機会の提供など、区民・団体や区内の芸術文化施設とが連携したアートウイークの開催や区内大学との連携による学習講座を開催いたします。さらに、区民や区内企業経営者などを対象とした仕事と生活の調和を進めるワーク・ライフ・バランス周知のためのシンポジウムの開催を計画しております。
以上の四つの重要課題のほか、社会福祉、産業経済、都市整備、環境清掃、教育・文化などの分野にあっても、区民生活に必要な行政需要を的確に把握し、積極的に取り組むべき課題について効果的な事業執行により対応していくこととし、予算案に反映させたところでございます。
平成21年度予算案につきましては、前年度に引き続き一般財源ベースによる予算管理のもと、総額管理による計画的な編成を徹底して行いました。しかし、歳入の根幹となる特別区民税は前年度当初に比べ11億円余、都区財政調整制度による特別区交付金も50億円余の減収が予想される一方で、
緊急経済対策など重要課題への迅速な取り組みも求められております。近年になく厳しい財政状況のもとでの編成となり、4年ぶりに施設整備基金を取り崩して財源を確保することとなりました。一般会計の予算規模は912億円余でございまして、前年度当初と比べ55億円余、率にして5.7%の減となるものでございます。また、特別会計でございますが、国民健康保険特別会計は255億円余、老人保健医療特別会計は5,000万円余、後期高齢者医療特別会計は47億円余、介護保険特別会計は138億円余、用地特別会計は2億円余となり、一般会計と五つの特別会計との合計予算額は1,356億円余で、前年度に比べ7.4%の減となっております。
以上、平成21年度の区政運営に臨む私の所信を申し述べました。昨年秋から始まった急速な経済・雇用情勢の悪化は、私たちの社会がグローバルな経済活動と密接にかかわっていることを改めて示すものとなりました。市場経済のシステムが資源を効果的に配分し、企業や個人の意欲を引き出す点ですぐれたシステムであるとはいえ、市場への規制に不備があれば、その被害は一人一人の生活や企業活動に多大な影響を与えることを改めて痛感させられました。このような局面に際し、山積する課題を乗り越え、将来の展望を切り開いて区民生活を向上させることこそが区政のかじ取り役を担う私の使命であります。
こうした中、平成21年度の最も重要な取り組みの一つが基本計画の改定と新たな実施計画の策定であります。私は、平成22年度からの10年間を見通し、これから目黒を担う未来の世代に、このまちを引き継いでいくための羅針盤を示す責任があると考えております。自分たちのまちの未来をどうしたいかを主体的に決め、「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」の実現に向けて力強く歩まなければなりません。目黒らしさのある地域社会の形成と区民福祉の向上に全力で邁進する決意でございますので、議員各位の一層の御理解と御協力を重ねてお願い申し上げ、私の所信といたします。
○
雨宮正弘議長 次に、日程第2、代表質問を行います。
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◎代表質問
○
雨宮正弘議長 各会派の代表から質問の通告がありましたので、順次これを許します。
36番宮沢信男議員。
〔宮沢信男議員登壇〕
○36番(宮沢信男議員) 私は、自由民主党目黒区議団を代表いたしまして、区長の所信表明に対して9点ほどの質問をさせていただきます。
日本の経済は、アメリカのサブプライムローン問題を発端として、100年に一度と言われる金融資本市場の危機として世界的な景気後退が見られる中で、輸出関連の外需の大きな後退とともに国内需要も停滞し、景気の下落局面が長期化し深刻化するおそれが高まっております。特に雇用情勢が急速に悪化しつつあります。また、企業の資金繰りや営業活動が非常に厳しい状況となっております。雇用の不安などから区民生活に対してもさまざまな影響が生じております。国は、緊急総合対策として生活対策、生活防衛緊急対策などに取り組むと発表しております。区長も所信表明において、地方自治体の第一義的な役割は地方自治体の本旨に基づき住民福祉の向上を図ること、すなわちすべての住民が豊かで幸福な生活を享受できるようにしていくことであると述べられております。さて、区においては、昨年末に
緊急経済対策として
暮らしサポート21、さらに第2弾の追加策として
暮らしサポート21・Ⅱを策定し公表されたところでございます。そこで、これらを含め所信表明において示された状況認識、重要課題などを中心に、区政運営に当たっての区長の基本姿勢と基本政策、並びにその具体化についてお尋ねいたします。
まず1問目、予算編成の基本認識について。区長は20年度から2期目に入り、最初の予算を編成されたところでございます。そこでまず、これまでの成果についてどのように考えておられますか。2問目、区長は21年度予算に区民の暮らしを支え、あすにつなげる予算と位置づけて編成したとされておりますが、これはどのような認識によるものなのかお伺いいたします。また、その具体策としては主にどのような施策がありますかお伺いいたします。
大きな2点目、
緊急経済対策について。区長は、昨年末に緊急対策として、先ほど述べました
暮らしサポート21及び
暮らしサポート21・Ⅱを策定し公表したところです。経済雇用状況が悪化している中で、時宜にかなった機敏な対策として評価するものでございます。今後も経済雇用状況を深刻化する懸念がありますが、
暮らしサポート21・Ⅱに引き続き、第3弾の
緊急経済対策が必要ではないでしょうか。具体策を検討しておられますかお伺いいたします。例えば、プレミアムつき共通商品券の発行など、また定額給付金の給付と関連してプレミアムつき商品券の思い切った発行により、区民の消費の喚起とともに商店街の活性化を支援すべきではないかと考えますが、いかがでしょうかお伺いいたします。
次に、他の自治体では、せっかくの雇用対策が、失業などの希望とのミスマッチで必ずしも実際の雇用に結びついていない状況も報道されております。そこで、区における雇用拡大を着実に進めるためにどのような対策を考えておられますか、お伺いいたします。
次に、中小企業資金融資についてであります。先ほども述べられました、金利負担をゼロ%とし元金支払いの据置期間を延長するなど支援策を強化するとされているのは評価するものですが、さらに一歩進め、新たな金利への借りかえ制度の創設など、一層の対策が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
3点目、基本計画、実施計画改定についてお伺いいたします。目黒区では、本年度に基本計画及び実施計画の改定を行うとされておりますが、今後さらに厳しい財政状況が予測される中で、10年後の目黒区のあるべき姿を想定しつつ、山積する諸課題に果敢に、大胆な物事に取り組み、豊かで幸せな区民生活の実現のために目黒らしい総合計画にしていく必要があると考えますが、区長いかがですか、見解をお伺いたします。
4点目、新行革計画について。新行革計画では3年間の成果指標として、議員数とあわせ財政指標としての経常収支比率、公債費比率、積立基金を掲げております。21年度予算案では施設整備基金を21億円余り取り崩し、教育環境整備などの必要経費に充てておられるのは理解できますが、厳しい財政状況の中でこそ経済変動や施設更新などの将来需要に備えた財政基盤の確立が必要なのではないでしょうか。区長の今後の財政運営の見通しと決意についてお伺いいたします。
5点目、地域の安心・安全の確保についてであります。中央防災会議では、マグニチュード7程度の
首都直下型地震の今後30年以内の発生確率を70%、50年以内の発生確率を90%と推定しております。大地震発生の切迫性が指摘され住民の不安感も高まっており、その対策として、まず昨年10月末に公表された中央防災会議の直下型地震避難対策専門調査会の試算では、震災時の公共トイレの確保は切実な問題となります。そこで、本区での状況と今後の整備計画を促進すべきと考えますが、区長のお考えはいかがでしょうか。
また、きょうも議会運営委員会で改めて災害対策の条例が提案されるようでございますが、私がその前に質問通告をしてありますので、改めてここでお伺いをしたいというふうに思います。大震災の際には大量の帰宅困難者の発生が予測されております。本区でも約5万人の帰宅困難者が生じると予測されておりますが、多数の帰宅困難者が一斉に駅に向かうことになれば大混乱が避けられず、また避難所での受け入れも非常に困難になるのではないでしょうか。そこで、企業などに対してもみずから備蓄品や災害用トイレの整備、事業所などの一時的な宿泊場所の確保など、自主的な防災対策の強化が求められます。そのためには区内全体に呼びかけ、帰宅困難者対策を含め事業所防災ネットワークを早急に組織化し、相互の情報交換や連携協力などについて協議し、訓練も含め、対策を講じていくべきではないでしょうか、お伺いいたします。
次に、耐震強化の対応が必要な都内の建物の多くについて、所有者の資金不足などの理由から、木造の耐震診断や、さらに木造住宅の耐震工事が進んでいない実態が報告されております。本区での取り組み状況と、さらなる対策がないかお伺いいたします。
6点目、少子化対策についてであります。本年1月の厚生労働省の発表では、平成15年から19年の5カ年の全国の市区町村別
合計特殊出生率において、先ほど区長が申し上げられましたけれども、目黒区は0.74となり、過去最低の渋谷区の0.65を下回ることとなったわけでございます。そこでお伺いいたします。
その背景、要因をどのように分析されておりますか。また、今後の傾向についての予測とともに、どのような問題が生じると考えておられますか。
次に、出生数は平成5年の1,570人を底として、それ以降は徐々に増加傾向にあり、平成19年には1,919人に回復しております。今後の推移をどのように見ておられますか。また、出生数が増加しているにもかかわらず、出生率が低下していることとの関係をどう考えておりますかお伺いいたします。
次に、出生率が全国的に低い状況にかんがみ、安心して子どもを産み、健やかな子育てができる総合的な対策が一層必要になっていると思いますが、どのような対策を考えておられますかお伺いいたします。
7点目、地域特性を生かした目黒らしさの取り組みについてであります。25日の、めぐろ区報には、目黒の景観計画の素案が報告されました。私は、また観点を変えまして、本区では、「街あるき観光」を通じての活力を魅力あるまちづくりの一環として、(仮称)観光まちづくり協会の設立支援を掲げております。今後の見通しと民間を主体とした体制づくりのあり方についてお伺いいたします。
8点目、定額給付金給付事業についてであります。定額給付金事業の目的については、国においては、景気後退下での住民の不安に対処するため定額給付金を給付することにより住民への生活支援の経済対策に資するものとされておりますが、定額給付金給付事業に対する区長の評価とともに、今後の準備を含めた取り組みについてお伺いいたします。
最後に、本区の幼稚園政策についてお伺いいたします。区は、区立幼稚園を廃園により適正配置するという考え方から、幼保一元化、認定こども園化へ方向を転換し、一部の園で預かり保育を充実するなど準備を進めているが、近年の区の子育て環境は大きく変化しております。幼児人口が微増傾向にもかかわらず、区立幼稚園の在園児数が再び減少し始めているということでございます。保育所では待機児童が急増するなど、幼稚園や保育園の需要割合も変化していると思います。こうした状況の変化に対応して、改めて幼児教育や区立幼稚園の今後のあり方について再考すべき時期が来ていると考えますが、次に申し上げたいと思いますが、区立幼稚園を認定こども園へ移行するとして、実施計画に2園を計上しているが、認定こども園の実態内容を吟味して、果たして目黒区において膨大な予算を使い続けるこども園が必要な施設なのかをいま一度見直し、長い間の私立幼稚園の実績を踏まえ、私立幼稚園の経営安定基盤の確立、区との役割分担など、区と私立幼稚園との連携協力関係の強化により、区としての幼児教育振興へ向かって本格的に取り組むべきと考えますが、どうでしょうかお伺いいたします。
次に私は、今後さらに区立幼稚園の在園児数は減少傾向が予想されると思いますが、区立幼稚園の5園体制の中で2園を認定こども園へ移行することとしておりますが、保育園化なども含め、需要に合わせて統廃合や適正配置をし、前に戻り3園体制を再度進めるべきと思いますが、教育長のお考えをお伺いいたします。
私の質問に関連質問といたしまして、我が自民党区議団の議員から予算特別委員会で、ぜひこの件についても質問をさせていただきたいことを申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。明解な御答弁をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 宮沢議員の9点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。なお、第9点目につきましては、教育委員会所管事項でありますので教育長からお答えいたします。
まず第1点目、区長の基本姿勢と基本政策、並びにその具体化についてでございますが、今日我が国は二つの大きな課題に直面しております。一つには、人口減少社会の中で
生産年齢人口の減少が生産の衰退をもたらし、国の活力が失われ、富の縮小も招くのではないかとの危惧がございます。二つ目には、今日の未曾有の金融・経済危機でございます。この極めて厳しい難しい局面にあって、すべての住民が豊かで幸福な生活を享受できるよう住民福祉の向上を図ること、これが私の目指すまちづくりの方向であります。そこで、都心の業務地区にも近く、住宅地として発展してきた本区の成り立ちを踏まえ、まちづくりの方向を「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」の実現を目指すことといたしました。具体化に当たっては、目黒区の魅力を高める、地域の価値を高める施策として、地域の安全・安心の確保など四つの重点課題を掲げたところでございます。また、区政運営に当たっては、透明性の向上、平和と人権の尊重、効率的な行政運営や協働の視点を施策展開への取り組み姿勢としながら、多くの区民が住み心地のよい、住んでいてよかったと心から実感できるまちづくりを進めてまいりたいと存じます。
次に第2点、
緊急経済対策、第1問、プレミアム商品券についてでございますが、本区では、平成10年度から平成19年度まで10年間にわたり長期景気低迷に対する経済対策として、区民の消費意欲を喚起し商店街の活性化に資するため、目黒区商店街連合会が発行する区内共通商品券のプレミアム販売を実施してまいりました。その後、区商連においては、交通系ICカードのパスモ(スイカ)を活用する新・販売促進システムを開発し、平成20年3月から導入しております。このため、区内共通商品券のプレミアム販売に対する支援は平成19年度をもって終了したところです。しかしながら、100年に一度の危機と言われている、米国のサブプライムローンに端を発する世界規模の金融・経済危機は、区内の各商店街にも大きな影響を与えていることから、目黒区商店街連合会より区内共通商品券のプレミアム販売への支援を求める要望をいただいております。本区は、
緊急経済対策として
暮らしサポート21及び
暮らしサポート21・Ⅱを策定したところですが、さらなる
緊急経済対策として、区内共通商品券のプレミアム販売への支援を含めて検討してまいりたいと存じます。
次に第2点目第2問、区における雇用対策についてお答えします。昨年9月の米国発の金融危機に端を発する我が国の経済情勢の悪化を受け、都においても完全失業率の上昇、有効求人倍率の低下が続くなど、雇用の悪化が懸念されています。本区を含むハローワーク渋谷管内においても、平成20年11月の離職票提出件数は1,594件で、対前年度比で14.7%増となっています。そこで、現下の厳しい雇用情勢への臨時応急の措置として、昨年12月に都における緊急雇用創出区市町村補助金事業が、そして去る2月6日には、国における、ふるさと雇用再生特別交付金事業及び緊急雇用創出事業の概要が示されたところです。区といたしましては、国と都との役割分担を踏まえつつ、区民及び区内事業所の雇用情勢の悪化に対応するため、これら緊急雇用の創出を図る補助金を積極的に活用すべきであると考えています。そこで、都の補助金につきましては、昨年末に発表した本区の
緊急経済対策「
暮らしサポート21」において、特別養護老人ホーム正規職員化などによる雇用創出に充てたところです。また国の補助金につきましては、23年度までを補助対象期間として、目黒区における概算の経費として1億3,000万円余が示されておりますので、今後、補助制度を活用して効果的な事業を行ってまいりたいと考えております。以上のほかに、本区の特色である総合庁舎内に設置している地域就労相談窓口のワークサポートめぐろにおきまして、ハローワーク渋谷と連携・協力を図るとともに、キャリア相談コーナーでのきめ細かい就労相談の充実に努めながら雇用の確実な拡大を図ってまいりたいと考えております。
次に第3問、中小企業資金融資についての、さらに一歩進めた新たな金利への借りかえ制度を創設することについてでございますが、昨年9月、米国の大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズの経営破綻が報じられた後、世界は未曾有の金融経済危機に直面し、
区内中小企業においても経営環境はこれまで以上に厳しさを増してきております。こうした事態に対応するため、本区では
緊急経済対策として
暮らしサポート21を策定し、本年1月26日から
小口零細企業資金融資の経営支援適用者につきましては本人負担利率を当初3年間無利子としたところでございます。さらに追加経済対策として
暮らしサポート21・Ⅱを実施することとし、この中で
経営安定資金特別融資について、本年4月から本人負担利率を当初3年間無利子とし、あわせて
小口零細企業資金融資について据え置き期間を現行6カ月から1年間に延長するとともに、経営支援適用者については信用保証料について9割の補助を行うとしたところです。現下の経済状況にかんがみ、議員御指摘のように、さらなる対策として、これまでの利率で既に融資を受けられている事業者につきましても、今回の当初3年間無利子とした新たな制度へ借りかえることができないか、鋭意検討してまいりたいと存じます。
次に第3点目、基本計画、実施計画についてでございますが、二つの計画の改定は今後のまちづくりの羅針盤となるものであり、本区の平成21年度の取り組みの中でも極めて重要なものでございます。計画の策定に当たりましては、区を取り巻く時代状況の変化を見据えて、目黒区のあるべき姿を描くことが大切であると認識しております。このため、本年度は計画改定の前に施策の進捗確認など現行基本計画の点検を行うとともに、人口を初めとする区政に関係する各種データの推移を整理分析した上で基本計画の改定作業を進めているところでございます。こうした取り組みにより、平成21年度に改定する基本計画では10年後の目黒のあるべき姿をできるだけわかりやすく示すとともに、地域特性を生かしつつ目黒の価値をより一層高めることを目指して、施策の基本的な方向について総合的・体系的な観点で策定していきたいと考えております。また、その実現に向けた事業を実施計画に掲げ、具体的に取り組んでまいりたいと存じます。
次に第4点目、新行革計画にかかわる今後の財政運営の見通しと決意についてでございますが、御承知のとおり、昨年9月の米国大手投資銀行の破綻以降、世界的な景気の悪化が続く中、日本経済にも大きな影響を及ぼしております。区の財政状況では21年度予算案において、区の歳入の60%以上を占める特別区税や特別区交付金等で大きな落ち込みを見込んでおります。これらの歳入は景気の変動を受けやすいということで、今後、特別区民税の収入状況や調整3税、特に市町村民税法人分の動向によっては、22年度以降さらに厳しい状況になることが予想されます。また、将来需要を見ましても、老朽化した区有施設の改修費や定年退職者の増加による退職金の増加も見込まれております。社会状況の変化や極めて厳しい財政状況の中で、新行革計画においては今後3年間の行動計画の中に成果指標としての財政指標を掲げ、将来に向けて安定した財政基盤を確立していくこととしてございます。今後とも徹底した歳出の削減や積立金の有効活用を図り、将来負担を見越した財政運営を行ってまいる所存でございます。
次に第5点目、地域の安全・安心の確保についての第1問、震災時の公共トイレの確保についてでございますが、阪神・淡路大震災の例からも、災害時のトイレ対策については、避難場所等における衛生的な生活環境を確保する上での大きな課題となっております。また中央防災会議から、震災時において自宅に帰る人々で幹線道路等が混雑し、場合によっては17時間もトイレ不足の状況が続くという試算が発表され、この点においても早急にトイレ対策を講じるよう求められているところです。区では、貯留タイプの仮設トイレ等を備蓄するとともに、第1次避難場所である小中学校等には、地震の揺れに強く、し尿の処理に、より衛生的な下水道管直結型トイレを各所5基の整備を計画的に進めております。また、防災機能を重視した公園整備に順次取り組んでおり、災害用トイレと貯水槽の設置を計画的に進めております。あわせて下水道局と協議し、可能な場所には道路設置型トイレの整備を進めているところです。いずれにいたしましても、災害時の生活にはトイレ問題が最も重要な課題の一つでございますので、第1次避難場所での下水道管直結型トイレの整備計画の前倒しや道路設置型トイレの拡充整備を進めてまいります。
次に第2問、帰宅困難者対策としての事業所防災ネットワークの構築についてでございますが、大震災時には公共交通機関がストップし、通勤や通学、買い物客などが帰宅できなくなり、ターミナル駅や繁華街等の集客地では多くの滞留者で混乱することとされています。目黒区では約6万人余りの帰宅困難者が発生すると想定されておりますが、都心からの通過者を加えればさらに多くなります。多くの帰宅困難者が一斉に移動を始めると、幹線道路等に人があふれて大混乱となり、応急対策の面からも大きな問題が発生するものと認識をいたしております。地域防災計画では、できるだけ早期に安全に帰宅できるよう対策を講じることとしておりますが、防災めぐろ
区民フォーラムの提言骨子には、家族等の安否が確認できれば、事業所の方々には一時地域にとどまり応急対策活動に貢献するなど、地域防災ネットワークの構築の早期具体化が掲げられました。そのため、今回区議会に提案した目黒区災害対策基本条例の中でも、帰宅困難者対策について考え方を明確化することといたしました。帰宅困難者対策は、本区だけでは解決しない広域的な重要課題でございますが、今後は東京都、23区、周辺自治体と連携し、身の安全と家族の安否確認ができれば、無理に帰宅せずに地域に貢献する活動を行うよう、効果的な具体策を検討してまいります。区内におきましては、21年度には各地区での防災対策研究会を立ち上げるなど、事業者と地域住民を中心とした地域防災ネットワークの構築に取り組んでまいりたいと存じます。
次に第3問、耐震化が進んでいない状況を踏まえて、さらなる取り組みが必要とのお尋ねでございますが、平成18年度以降の実績として、木造住宅は耐震診断を約400棟行い、そのうち約2割が耐震改修を行っております。しかし、分譲マンションについては耐震診断実施済みが1棟でございますが、耐震改修まで至っておりません。平成20年度に分譲マンション耐震診断助成の上限額を200万円に引き上げし、現在2棟が耐震診断を実施中という状況にございます。分譲マンションの耐震化が進まない理由としては、議員御指摘のとおり、耐震診断・耐震改修に多額の費用を要することなどから区分所有者間の合意形成が難しいことが大きな理由となってございます。今後の取り組みとしては、地域に入って説明会の実施やマンション管理組合に対して直接的な啓発を行うなどを考えております。また、助成制度の見直しとして分譲マンションの耐震改修助成の上限の大幅な引き上げを予定してございます。課題が山積した状況の中で、安全で安心なまちづくりという視点に立って、限られた財源を有効活用し、効果的に耐震化が進むように取り組んでまいります。
次に第6点目、少子化対策についての第1問、
合計特殊出生率の今後の予想と問題点についてでございますが、目黒区の
合計特殊出生率につきましては、平成14年度0.68を底にして徐々に上向いている状況にあり、平成19年は0.75でございました。この
合計特殊出生率は、当然子どもの出生数が増加することと比例して上昇するものでございます。おおよその算定ですが、本区の場合につきましては、約20人の子どもが生まれることで
合計特殊出生率も0.01上昇いたします。ただし、この
合計特殊出生率というものが、既婚、未婚の別なく15歳から49歳までのすべての女性を対象としますところから、未婚の女性が多くいる地域におきましては、分母が大きくなりますので出生率の数値も低くなるところでございます。本区では、子どもの出生数は増加の傾向にあるところでございます。しかしながら、一方で晩産化の傾向も出てきておりますこと、また女性の未婚率も他区と比べて高いことから現在のような数値にとどまっているものと考えられ、今後もこのような状況が続くものと考えております。いずれにいたしましても、子どもの数が少なくなりますと、まちの活力の低下を招くこととなることから、目黒区で子どもを産み育てていく方のためにも、安心して子どもを産み、子育てができる環境づくりの充実をより進めていくことが肝要であると存じます。
次に第2問、出生数の増加と
合計特殊出生率の低下との関係についてでございますが、議員御指摘のとおり、目黒区の子どもの出生数は平成5年の1,570人を底にして、毎年増加の傾向にあり、平成19年には1,919人まで増加しているところで、平成20年は2,000人近くなると見ております。一方、平成5年の
合計特殊出生率は0.79でございまして、平成19年の0.75までの15年間の平均値としましては0.75というものでございます。なぜこのようになるかといいますと、この
合計特殊出生率というものが、各年齢別の出生率の合計であるため、若い世代が子どもを多く産むと数値が高くなるようになっております。また、既婚、未婚の別なく15歳から49歳までのすべての女性を対象としますことから、未婚の女性が多くいる地域におきましては分母が大きくなりますので出生率の数値も低くなるところでございます。本区の場合は、女性の未婚率は20歳代で84%、30歳でも43%になります。これは全国平均では、20歳で74%、30歳で27%に比べるとかなり高い数値となります。その結果として、
合計特殊出生率は低い傾向にあるものでございます。
次に第3問、安心して子どもを産み、健やかなる子育てができる環境づくりについての考え方でございますが、私は、社会構成の基本単位である家族にとりまして、安心して子どもを産み、子育てができるまちとしていくためには、すべての子育て家庭や、すべての子どもの育ちへの支援、子育てと仕事の両立を支援する環境を備えながら、まちづくりを進めてまいる必要があると考えております。そのためには、保護者や地域、事業者、行政がそれぞれの役割と取り組みを明確にするとともに、連携・協力してすべての子どもが心身ともに健やかに成長し、自立していくことができるまちづくりを実現していくことが必要です。そこで、保育所の整備や定員の拡大、認証保育所の誘致などのほか、理由を問わずにお子さんをお預かりする一時保育、育児に関する相談や親子の交流の場としての子育てふれあいひろばの充実や、産後の不安定な時期に育児や家事援助を支援するヘルパーの派遣など、さまざまな保育サービスの充実を図り、保護者の方が安心して子どもを産み育てやすいまちの実現を目指してまいりたいと考えております。さらに、こうした課題への対応を計画的に進めていくため、目黒区
次世代育成支援行動計画、めぐろ
子どもスマイルプランⅠの後期計画への改定に合わせ、子どもの権利の尊重や子どもの主体的な育ちの支援の視点を加えた新たな計画として、平成17年12月に定めた目黒区子ども条例に基づく計画として、来年度、目黒区
子ども総合計画を策定いたします。この中で、改めてすべての子育て家庭への支援のあり方について区の考え方を示していく所存でございます。
次に第7点、(仮称)観光まちづくり協会の設立支援についてでございますが、本区では、平成17年3月に策定された目黒区観光ビジョンに基づき、区民、事業者、区等の連携協力のもと、観光資源を生かしながら人々の交流を促進し、目黒区の地域特性を生かした、にぎわいと活力あふれるまちを実現する観光まちづくりを推進しているところであります。今回設立予定の観光まちづくり協会は、目黒の歴史、産業、文化にかかわるあらゆる資源を活用し、目黒の住民が主体的に活動し、まちの価値を高め、区民が住み続けたいという愛着を感じるまちの構築を目的とするとともに、地域経済の活性化にも寄与する民間活力を生かした団体であります。その内容につきましては、現在、目黒区観光まちづくり推進協議会において検討中でありますが、私が協会の活動に期待するものは、およそ次の3点ございます。まず1点目は、区民同士及び来街者との交流であります。我がまちを再発見し、区民の誇りに思う見どころを区内外に紹介し、来街者と地元の人々との触れ合いにより区民がみずからの知識や経験を生かして活躍できる場や機会をふやし、生きがいづくりにもつなげるものであります。第2に人材育成であります。我がまち目黒の魅力を語り、案内できる人材を育成し、観光まちづくりの担い手を育てていくことです。第3に情報の収集及び発信であります。目黒区の個性や特徴、魅力あふれるまちの地域資源を発掘収集し、積極的に情報発信し、区のイメージアップに貢献してほしいと考えています。これら活動のため、場の提供、事業費等の経費の一部など協会設立準備を支援する考えであります。
次に第8点目、定額給付金給付事業の今後の準備と取り組みについてでございますが、本区におきましては、昨年12月22日付で区民生活部に定額給付金担当課長及び定額給付金担当係長を新設し、事前の情報収集や課題の整理などを行ってまいりました。1月27日の国の補正予算成立及び翌日の国の事務費補助金交付要網の施行を受け、本区として実施に向けた当面の方針を2月5日に決定し、必要な準備を進めることといたしました。本事業につきましては、国からの10分の10の補助金を財源とし、区が実施主体となって行う事業でありますことから、給付開始に当たりましては、関連法案の設立、区の実施要綱の策定、区の補正予算の成立が実施の条件と考えております。いずれにいたしましても、短期間で相当な事務処理を行う必要があることから、業務委託を初め、正確かつ的確な事業実施ができるよう準備を進め、5月中旬のできるだけ早期の給付開始を目指してまいります。
以上、お答えとさせていただきます。
〔大塩晃雄教育長登壇〕
○大塩晃雄教育長 宮沢議員の第9点目、本区の幼稚園政策につきましては、私からお答えいたします。
まず第1問、区立幼稚園の認定こども園への移行についてでございますが、平成19年3月に定めた区立幼稚園2園を認定こども園へ移行する方針に基づき、現在、みどりがおか幼稚園では、昨年4月より預かり保育の長時間化や新たに子育て支援事業を始め、一定の成果を上げながら段階的に準備を進めております。げっこうはら幼稚園では、区立幼稚園の園児数の減少傾向や低年齢児童の保育所待機児童数の増加など、区の子育て環境の変化などを踏まえ、実施計画で定めたスケジュールによる施設整備を見送っているところでございます。認定こども園制度の普及には足踏みが見られますが、少子化の進行や保護者の働き方が多様化する中で、働きながら幼稚園教育を受けたいという保護者のニーズにこたえる選択肢として、認定こども園は中長期的に有効な制度であると認識しております。しかしながら、区立幼稚園の認定こども園への移行に関しましては、区立幼稚園そのものに対する需要に減少傾向があらわれ始めたことや、認定こども園へ移行しない3園も含めて、今後は区立幼稚園の方向性を改めて検討する必要があると考えてございますので、その中で効果的・効率的な幼児教育振興策、子育て支援策となるよう、あわせて計画の見直しを図りたいと考えております。
次に第2問、区立幼稚園の統廃合や適正配置についてでございますが、区立幼稚園につきましては、平成11年に区立幼稚園のあり方に関する検討委員会から、5園を3園とすることが望ましいと答申をいただきました。その後、教育委員会では1園を廃園することといたしましたが、園児数の回復傾向や幼保一元化施設検討の動向を踏まえて、平成19年3月に5園体制の中で認定こども園化を目指すことといたしました。委員御指摘のとおり、区立幼稚園への需要に再び変化があらわれ始めておるところでございます。園児数は、平成10年より平成19年までを見ますと、5園全体で350人前後で推移してまいりましたが、平成20年5月時点では300人を割り込みました。さらに、現在、本年4月の入園申し込みを受け付けてございますが、2年続けて同様の傾向が見られますので、園児数は最低であった13年前の状況に戻りつつあります。また、保育所の待機児童数が急増し、保育所と幼稚園の需要割合も変化しております。教育委員会といたしましては、21年4月の入園に向けて定員見直しを行ったところでございますが、こうした子育て環境の変化を受けまして、区立幼稚園の方向性について、認定こども園化なども含めて適正配置を再検討する時期が来ているのではないかと考えております。なお、教育基本法や学校教育法の改正、幼稚園教育要領や保育所保育指針の改定により幼児教育の重要性が再認識されておりますので、今後の幼児教育振興のあり方も視野に入れながら、改めて区立幼稚園の役割を整理していきたいと存じます。
以上、私からのお答えとさせていただきます。
○36番(宮沢信男議員) 私の質問も大変長くなったため答弁も大変長かったわけですが、再質の時間も余りないので2点ほど改めてお伺いをしたいというふうに思います。
安心・安全のまちづくりといいますか、生活をしていくために、先ほども述べましたけれども、いつ起きるかわからない大震災という、この直下型震災に対応できる、やっぱり安心・安全の暮らし方について、区長が、先ほども答弁にありましたけれども、まだまだ安心して住める状態ではないという住宅の耐震構造になっているということであります。そういうことからですね、私は、やはり耐震診断を行った家屋については、少しでも助成できる体制づくりをしていただきたい。こういうことが区民の大きな望みでございます。また、耐震診断をしようとしても、した後の工事に結びつかないということであれば遠慮をしてしまうという区民の皆さん方もおられるわけでありますので、そういう観点から、今後の耐震診断に伴う耐震工事をどのように今後考えていかれるか、あるいは少しでも工事を進められるような対策、安心して住み続けていかれる住宅を保っていけるような、そういうような施策をどのように考えておられるか、いま一度お願いをしたいというふうに思います。
それから、今、最後に教育長の方から、検討するに値しているんだということでありまして、私たちも今、区立の幼稚園の現状を見ますと、大変園児の数が、落ちている、下がっているということでありますので、そういうことから私立幼稚園への、やっぱり協力体制が私は必要になっていくんだろうというふうに思うので、改めて公立の幼稚園を1園ないし2園廃止してでも、そういう体制をつくり上げていく必要があるんだろうというふうに私は思っています。今、教育長の答弁でも、考える時期が来ているというような答弁をいただいたわけでありますけれども、再度ですね、そういう傾向、4歳、5歳児は20年度では65%も減少しているという傾向でありますので、場合によってはこれが半減して、さらに減少するのではなかろうかということでありますので、時間も余りありませんので、一言だけお願いしたいと思います。
○
青木英二区長 今、議員御指摘のとおり、なかなか耐震の改修が進みません。特に分譲マンションが、ずっとゼロが続いているということを私も深刻に受けとめております。まずは、先ほども申し上げましたが、今まで150万であったものを1,500万ほど予算化をさせていただいております。もし予算を通していただくならば、どういう状況で1,500万になるか、また状況を見ていきたいと思います。それから、あわせて私どもは、今、分譲マンション実態調査をしてまいりました。それを分析をして、その中ではいろんな、例えば建てかえの積立金のことですとか、こういった耐震診断のこと、さまざま調査をしておりますので、それを受けて今後の施策に、対応していきたいというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
○大塩晃雄教育長 幼稚園の見直しでございますけれども、先ほどの答弁と若干重複するところがあるわけでございますけれども、やはり現在、区立幼稚園5園ございますけれども、そのうち2園を認定こども園化して、3園は区立幼稚園という、そういう考え方を教育委員会として決定をし、その認定こども園化のスケジュール等につきましても実施計画に盛り込んだのが19年3月でございます。ただ、その後の状況が、先ほど答弁の中で申し上げましたように、昨年3月、それからことしの現在2月の状況を見ても、区立幼稚園に対する需要というのが急激に落ちてきている状況がございますので、それから19年3月の時点とその後の状況というのは相当様変わりしている、そういう基本的な認識もございますので、基本的にはそういう状況も踏まえながら、また片一方では保育園の待機児というのが相当急激にふえてきているということで、先ほどの答弁と重なる部分がございますけども、そういう状況を踏まえながら、教育委員会といたしましては今後できるだけ早い時期に見直し、これは作業としては早速かかっていきたい、できるだけ早い時期にその方向性については示していきたいなと、そのように考えておるところでございます。
○
雨宮正弘議長 宮沢議員の代表質問を終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
〇午後2時49分休憩
〇午後3時05分開議
○
雨宮正弘議長 休憩前に引き続き議事を再開いたします。
代表質問を続けます。
23番つちや克彦議員。
〔つちや克彦議員登壇〕
○23番(つちや克彦議員) 私は民主・区民会議の代表として質問いたします。区長2期目の姿勢として、明快かつ積極的な答弁を期待します。
この数年、そして特にこの半年、経済動向の変化は区民生活に多大な影響を与えております。数年を振り返りますと、国際的にはアフガニスタンでのテロ撲滅に向けた戦争、イラクへの存在しなかった大量破壊兵器を理由にした米国主体の戦争、アフリカでの内線、イスラエル周辺の紛争、いろいろと安定していたとは言えない状況であったにもかかわらず、日本国内は比較的平穏でした。自公政権による構造改革は経済に対して一過性のカンフル剤となり、企業収益は向上していました。昨年頭までは数年で平均株価も倍増し、企業収益も増し、株主への還元は多く行われ、雇用の拡大も進んでおりました。しかし、それらはあくまでカンフル剤にすぎませんでした。数日前に平均株価はバブル崩壊後最悪の値をつけました。景気がいいと言われていたときにも働く者に働いただけ還元されるような状態ではなかった。そのために足りない部分は投資で稼ぐ風潮が広まっておりました。個人投資家による株式投資、低金利のための投資的な預金が普通になっていたこと、そのような中で株価がこのように下がった。もともと受けとめる体力がない国民が被害を直接受ける形になってしまった。その結果、国民生活が危機に瀕しているのは皆様御存じのとおりです。構造改革の大号令のもとで進められた障害者自立支援法、後期高齢者医療制度など明確な国民福祉の削減、医療予算は毎年2,200億円ずつ削減されてきました。さらに、この10年で59兆円もの国内道路整備予算を準備する姿勢を強行したなど、一人一人の国民よりも企業収益を優先する、我が会派から見れば明らかにバランスを欠いた政策が押し進められてきました。
おととし2007年に米国でサブプライムローンの破綻が起きております。国内では年金という国家と国民との約束、老後の安心の基本となるものの不備が判明いたしました。社会保険庁での非常にずさんな管理が発覚したのは、民主党を中心とする野党が参議院において過半数を獲得した結果であろうと、ふたをされていたものが出てきたものであると考えております。そこで判明した消えた年金の問題、遅々として解決が進んでおりません。
昨年2008年には年頭から原油高が進行し、ガソリン代は一時倍以上の値をつける状況となりました。少しずつ不景気の足音が聞こえる中でのリーマン・ブラザーズの破綻という米国発の金融恐慌、これらに対応して目黒区でも
暮らしサポート21を定めるなど、幾つかの対策を進めてきたと理解しております。しかしながら、国政での混乱は現在も続いております。自公政権は支持率10%前後、不支持率70%を超えるような状況にもかかわらず政権にしがみつき、日本という国家自体を沈没させつつあります。この金融の緊急事態にもかかわらず、G7において財務・金融担当大臣は当事者意識に欠けた行動を起こして閣僚を辞任いたしました。もはや国に任せておいて区民生活の安全・安心を整備することが困難なのは明白であります。地方分権が進む現在、基礎自治体である目黒区は大きな責務として、日常の区民生活の安心・安全を確保するために全力を尽くさなければなりません。
緊急経済対策だけではなく、日常の区民生活の安心を整備するために、あらゆる手段を講じなければならない。そのためには、行政が主導する従来の形態から、区民、事業者とも協力して協働による解決を考えていくほかありません。互いに担うべき責務を自覚して協力し合い、最善の方策を探していかねばなりません。住みたいまち、住み続けたいまち目黒を提唱する区長は、いかにして住み続けられるまち、住みやすいまち目黒をつくるのかという側面を明解にしていただきたく思い、以下7項目の質問をいたします。
住みやすいまち目黒を目指して。住みやすいまちを目指すには、どのような人が住みにくいのか、これを見定める必要があります。コミュニティーというソフトウエアとまちづくりというハードウェア整備のために、現実を見据え、問題を解決する真摯な姿勢を持つこと、それこそが未来をつくることにつながると考えております。
(1)家族が住みやすいまちを目指す。
将来どのような目黒区にするかを考えるには、将来的なまちづくりを予測するには、家族世帯、中堅ファミリー世帯が住みやすいように考えるのが早道です。生活実感をいち早くつかむのは、まさに子育てをしている年代です。そして中堅ファミリー世帯の多いまち、子どもの元気があふれるまちほど活気にあふれているのは、だれしも想像できることでしょう。しかし、残念ながら目黒区は家族世帯が住みやすいとは言えません。居住費、生活費の高さも一因ではありますが、共働きの家庭が住みにくい、そんな現状があります。出生率が低いにもかかわらず、年々待機児童が増加しております。先日、委員会報告された認可保育園への希望集計表を見ても、第1希望者のうち500名近くは希望が通らず認可外保育所に流れているという実態がございます。これは潜在的待機児童と言っても過言ではありません。社会環境の変化からくる女性就業率の増加も一因です。この経済状況下では共働きをしなければ生活に困るような家庭も増加しております。今後も女性の就業人口はふえていくことが目に見えております。平成20年度の要保育率を算出いたしますと29.8%ほどになりますが、女性の就業率は大体35%以上という状況に現在なっております。ただ、先進諸国を比べますと40%を超えるようになるであろうことは、ほぼわかっていることであります。そのような中で、この認可外保育所、とりわけ認証保育所や保育ママ制度の活用を進めていかなければならない。これも待機児童解消に向けた方策には有効であります。ただ保育料の格差が余りにあるために、うまく動いていないという側面があります。また、先日発表された保育制度改革案では、指定保育所という公費補助制度についても国の方で言及がありました。人口減少が明確な現在では、労働人口を確保するためには女性の就業が必要になるのは明白であり、そのために保育制度の抜本的改善が必要なのは国も理解しているということです。このような状況で保育施策のすべてを目黒区だけで担うことは、ほぼ不可能です。これからは、他区でも実施しているように、積極的な建設誘導などで老朽化マンションの建てかえに保育所併設を進めるなど、保育サービスの拡充・改善を民間といかに協力していくか、抜本的に進めていくことを考えなければならないのではないかと考えますが、区長のお考えはいかがでしょうか。
(2)弱者が安心できるまちを目指す。
高齢者や障がい者が安心して生活するためには、日常の生活をいかに安全に過ごせるかが大切です。日常的に少しずつでも安心して散歩できる、外出できるような環境があるならば、健康増進が見込めるのはだれしもわかることです。核家族化が進み、都市部特有の近所でも知り合いが少ない状況が生み出されたのは、高齢者が出かけて参加しやすい場所が周知し切れてないことに加え、気軽に外出できる環境が整備されていないことが理由であろうと考えております。家からどこかに出かけるには、常に自分の家の前から道路を歩くわけです。目黒区は東京都の中心に向かう途上にあります。車両の抜け道として非常に利用されやすい。そんな目黒区の街路では、歩行者の安全がしっかり確保されているとは言い切れません。スクールゾーンを初めとして、歩行者の安全を確保するには特定時間帯の一部道路の歩行者優先を明確化する方法もあります。しかし、それだけでは足りません。例えば抜け道に利用されやすい生活道路と、そこに交わる狭隘道路との交差点などにおいて、日常的に危険な状況が起きております。付近住民の協力で幸運にも未然に防げているというような実態がございます。車が速度を出しにくくするような道路整備もかつては一部で行っておりましたが、その後の広がりも見えず、依然として危険な道路は危険なままで改善が進んでおりません。そういう場所を幾つも把握しております。これらについては昨年の代表質問や、または予算・決算特別委員会などでも指摘しておりますけれども、区長は常に交通管理者である警察の意向を重視する答弁を重ねてこられました。円滑な交通網を整備するという交通管理者の姿勢と、区民の日常生活の安心を守るという姿勢は、どちらかだけを最優先にしては両立できないのは当たり前のことです。目黒区が区民生活の安心・安全を提唱するのであれば、ある程度の譲歩を交通管理者に積極的に求めていかねばならないことは自明だと思われます。安心できる道路という公共空間を確保することは、区民の健康増進にもつながり、なおかつコミュニティー自体の活性化にもつながります。歩行者という血液が道路という血管を縦横に動き回れる環境をつくることこそ、本来の健全なまちづくりでしょう。そのためにも、他区のように地域の面的な交通網を整備する方針を明確に打ち出し、安心して出かけられるまちをつくる。それによって日常生活から健康づくりが進んでいくような施策を考えるべきではないのでしょうか。区長のお考えを伺います。
(3)いつでも安全なまちをつくる。
災害に強いまちづくりには、狭隘道路の整備は欠かすことはできません。被災時に狭隘道路がふさがれて閉じ込められる危険を初めとして、多くの危険があります。今後30年に7割の可能性で直下型地震が来ると言われる東京都では、急務の一つであることも明白です。もちろん、目黒区として押し進めております耐震改修の推進なども有益です。しかしながら耐震改修は、自分自身が所有している建物に関しては有益ではございますが、借家において賃貸しているような方においてはどうであろうかと考えると、すべてをカバーしているものではないと考えます。個人的には耐震改修とかシェルター助成よりも寝具などでの安全対策なども必要なのではないかなと考えますが、こういう屋内の問題は別途考えることといたしまして、今回は公共空間での道路の安全に絞らせていただきます。
目黒区の狭隘道路対策は、住民の好意での対策を進めております。ただ、この好意による狭隘道路対策は、さまざまな個別の問題も引き起こしています。例えば私自身が把握している範囲では、新築の住宅で完成し、確認しているときには道路であったんだけれども、確認が来た直後に壁がつくられて道路がふさがってしまった事例とか、または増築の際に私道の一部にはみ出して建設してしまうような事例を見ております。確かに個人の土地ですから強く制約できるものではない、それはわかります。しかし、こういう違反にはならなくとも公共意識に欠けた方は必ずいます。そういう問題を一部の区民が指摘したことに対して、何か土地占有の民法規定を持ち出して指導できないということを目黒区が言ったというような話を聞き及んでおります。ただ、その後、国の方にその方が働きかけたら、国から正しく指導するようにと命じられたというような話も聞いております。道路という公共空間というのは、やはり自治体が、行政機関が整備していかねばならないという、そのことの証左ではないかと考えます。何もかも人の好意とかそういう性善説で解決できるわけではありません。問題を見つけたならば、狭隘道路対策においてはきめ細かく実際の現場を確認するとともに、常に明確な指針をもって改善指導するなどの姿勢が必要になるのです。目黒区より路線価の高い隣接する他区においては、狭隘道路整備のために新たな条例を整備する動きもあります。狭隘道路対策に協力した方へのインセンティブなどで誘導するなどの施策も盛り込まれていると聞き及びます。災害に強い安心なまちづくりを提唱している区長として、この狭隘道路整備が遅々として進まないのは御存じのはずです。今後どのようにして狭隘道路対策を進めていくのか、安心なまちづくりを進めていくのか、お考えを伺います。
(4)地理情報システム(GIS)活用で区民サービス向上を目指す。
行政機関がむだなく必要な施策を投入するためには、地理情報システム(GIS)を積極的に活用することが役立ちます。人間の頭は基本的に視覚によって考えるところが大きく、地理情報上で把握するとわかりやすいのは、だれしも想像できるところでしょう。平成20年に地理空間情報活用推進基本計画が閣議決定されました。この計画では、地理情報システムと衛生測位の活用を通じて、だれもが、いつでも、どこでも必要な地理空間情報を使えること、また高度な分析に基づいて的確な情報を入手し行動できる地理空間情報高度活用社会の実現を目指しています。その中に、産学官連携を強化してこれらの活用を推進することも明記されております。地理空間情報を実際に行政が活用した事例としては、いろいろございますが、阪神大震災時に兵庫県西宮市の職員が開発した被災者対策支援システムがあります。これは、ことし1月17日、阪神大震災の日に総務省から全自治体に配付されました。中越地震においては、その市の職員が直接持ち込んで被災者支援に活用したとも言っておりました。これは被災時に限定されておりますが、行政のGIS活用事例としては非常に秀逸なものです。個々の区民状況を把握する、行政として必要な情報を集積する、それらを組み合わせて本当に必要な新たな施策展開を進める。そういう業務効率化のために重要な方策ですが、区長としては地理空間情報の有効活用についてどのように考えているかを伺います。
(5)活動したい区民のエネルギーを生かす。
昨今、元気な高齢者がふえ、健康寿命が延びている中、引退した区民は人材の宝庫です。団塊の世代の大量退職で浮いたエネルギーを生かしていくことが地域社会の活性化につながるのは、これまでも言い続けてきたとおりです。そして障がい者についても同様です。障がいにも程度がございますが、個々の技能を生かしたくても生かしていない障がいを持つ方々もいます。企業が雇用を進めるにも、この不景気の中で雇用が進むわけがありません。障がいを持っているからと特別扱いするのではなくという考え方から、やはりともに活動できる社会環境をつくる、そんなノーマライゼーションが必要とされています。多種多様な方々が多種多様の能力を持って集うことで、さらに広い何かを得られる環境ができる、それこそが活性化したコミュニティーの特徴です。あらゆる区民が積極的に活躍できる環境を育てる、だれもが自分なりの活動する場所を手に入れられる、そういう手助けをするために人材データバンクのようなものを用意して、区全体の協働を発展させる必要があるのではないでしょうか。行政機関がほかのあらゆる立場の者に先んじているのは、集積できる個人情報の量と質です。人材マッチングを中心とした橋渡しを行えるのは、まさに行政機関なんです。目黒区の行政は、施策の実現に常に多くの人材を必要としております。一時的なボランティア的活動も含め、多くの形での活動で必要としています。人材管理の一元化は必ず役に立ちます。それらを統合的に運用するために、現在、目黒区社会福祉協議会が行っているボランティア・区民活動支援センターやワークサポートめぐろなどを連携させる、活動したい人と活動を求める行政も含めた団体とが、互いに有益となるような施策を考え、区民の活動が活性化するような方策を進めるべきと思いますが、区長のお考えはいかがでしょうか。
(6)コミュニティースクールなどの活用。
学校教育現場で地域から講師を招くなどの施策が進められています。これを一歩進めて、課外活動、放課後・土日活動への人材活用をさらに進めることで、学校を核とした地域コミュニティーを育成できるのではないでしょうか。区民が生活する中で行政に深くかかわらざるを得ないのは、まさに学校活動のような子どもを中心としたものです。子どもが通う学校を中心として、より密接かつ効果的な地域活性化を行う、それこそが今後の目黒区に必要なものではないでしょうか。そして、地域全体で子どもを育てる風土が育成されていくのであれば、子どもの安心・安全はおのずと守られるようになり、さらに子どもたちが地域への愛着心を強く持つようにもなる。まさに住み続けたいまち目黒を目指す区長には必要な施策なのですが、こういう点で有益なコミュニティースクールについて、教育所管としてはどのように推進していくのか、その展望を伺います。
(7)都区関係への目黒区の姿勢。
地方自治法改正により目黒区が基礎自治体と規定されたのは、もう10年近く昔のことです。そして平成12年から続く都区協議が始まりました。東京都と目黒区の事務事業配分・税配分については、平成18年に決着をつける予定だったにもかかわらず、結局、石原都政のもとで平行線をたどってまいりました。先日、大阪府の橋本知事が、地方は国の奴隷であるとまで言いましたが、私が個人的に見るところでは、そういう都道府県もまた市区町村に対して同様の下部組織意識が抜けていないと感じられます。東京都は、この最近の話し合いの中では、東京都は一方的に50万人規模の自治体を想定しての事務事業配分であるとまで主張したことなど、そのいい例です。本質的に地域の再編、市区町村統合はそれぞれの市区町村が自発的に必要かどうかを検討して行うものであり、都道府県が市区町村に命じるたぐいのものではありません。時代おくれにも東京都はいまだに目黒区を初めとする特別区を下部団体とみなしている気配が濃厚なのは、直接話し合っている区長こそ理解しておられるのではないでしょうか。道州制を初めとした国の議論もおさまる様子はなく、地方政府たる目黒区としては、同列の地方政府にすぎない東京都、あるいは中央政府たる国に対して、東京都の中での目黒区をどのような区としていくかという姿勢を強くあらわしていかねばならない状況であると考えます。地方分権を進めていくには、トップが明確なビジョンを示し、進行を指し示す作業工程が必要になります。もちろん臨機応変に行動する必要もありますが、骨格をつくり、全体の大きな柱を提唱することでリーダーシップを示していく。安心・安全なまちづくりからさらに一歩推し進め、住みやすいまち目黒をつくり上げる。そのために区長が指し示す羅針盤となる実施計画の中で、都区関係をどのように落とし込んでいくつもりなのか、区長としての姿勢をお伺いいたします。
以上7点、壇上からの質問とさせていただきます。(拍手)
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 つちや議員の、住みやすいまち目黒を目指してについての御質問に順次お答え申し上げます。
なお、第6問目につきましては教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えいたします。
まず第1問、家族が住みやすいまちを目指すについてでございますが、私は住みたいまち、住み続けたいまち目黒の実現のため、四つの重要課題の一つとして、暮らしのセーフティネットの充実を掲げ、多様なセーフティネットの中では次代を担う子どもの育ち・遊び・学びの支援を進めてまいりたいと考えております。私は、社会構成の基本単位である家族にとりまして、住みたい・住み続けたいまちとしていくためには、すべての子育て家庭やすべての子どもの育ちへの支援、子育てと仕事との両立を支援する環境を整えながらまちづくりを進めてまいる必要があると存じております。そのためには、保護者や地域、事業者、関係機関等との役割と取り組みを明確にするとともに、連携・協力を図りながら、すべての子どもが心身ともに健やかに成長し、次代を担う子どもたちが自立していくことができるまちづくりを中長期的視点で実現してまいりたいと考えております。
御指摘のように保育所の待機児童数は、家族が住みやすいまちを目指す一つの指標であると認識をしております。現在、保育所の入所希望者はとても多くなっており、平成20年4月1日現在の待機児童数は前年の倍以上の106名となり、平成21年4月の認可保育所の入所希望者も前年比124名増加しております。都心の就労の場に隣接する目黒区では、女性の自発的な社会進出とともに、現下の経済情勢などから、保育所にお子さんを預けて働きたいという保護者の御要望は年々高まりつつあります。待機児童対策といたしましては、現在、平成22年4月の中目黒駅前保育園の開設に向けて準備を行うとともに、今年度は緊急対策として補正予算を組み、新たに認証保育所2カ所の開設に向けて所要の手続を進めているところでございます。今後の認可保育所の入所希望児童数の動向につきましては、就学前児童数の推移や子どもを持つ女性の就業率、景気動向など不確定要素が多く、想定することは難しい面がございますが、今後も増加傾向が続くものと思っております。したがって、保育施設の整備が急務でございますので、お尋ねにありました積極的建設誘導によるマンション建てかえ時における保育所の併設や企業内保育所の誘導など、民間と協力しながら待機児童を解消していく方法を模索していくとともに、待機児童の数や地域などを勘案しながら、保育所の整備や定員の拡大、認証保育所の誘致や家庭福祉員の拡大などを図り、子どもを安心して産み育てることができるまちの実現を目指してまいります。
次に問2問、弱者が安心できるまちづくりを目指すについてでございますが、平成8年の目黒区人権に関する意識調査によれば、約96%の人が、高齢者も他の人々ととともに地域の中で暮らしていける社会が望ましいと考えています。しかし、車優先に進められてきた道路整備などにより、身近な居住地域への通過車両の流入や歩道と車道の段差など、安心して気軽に外出しにくい状況となっています。そこで、区の将来都市像として、都市計画マスタープランでは子どもから高齢者まで、障害を持つ人もだれもが安全で安心して快適に暮らすことができるまちを目指し、歩行者の優先を基本とした、歩いて暮らせるまちづくりを推進することとしています。こうしたまちを実現するため、平成15年より幹線道路に囲まれた居住地域への通過交通の進入を抑え、地域内の居住者の安全を守るため、八雲地区においてコミュニティーゾーンの整備事業を進め、車のスピード抑制対策や歩行者通行帯のカラー化などの整備を行っております。今後、学芸大学駅周辺地区においても交通規制等を考慮した歩行者優先ゾーンの形成に向けて取り組むこととしています。さらに、平成16年には目黒区交通バリアフリー推進基本構想を策定し、駅から主要な公共施設などを結ぶ経路について、バリアフリーネットワーク化を進めているところでございます。現在、中目黒や都立大学駅など五つの駅及び駅周辺でのバリアフリーネットワーク化の整備を進めており、今後、学芸大学駅周辺での整備を初め、その他の駅周辺地域におきましても順次バリアフリー化に向けた整備計画の策定に取り組んでまいります。今後も住みなれた地域でいつまでも安心して健康に暮らすことができるまちとするために、面的な整備を目指してまいりたいと考えております。
しかし、コミュニティーゾーンの整備やバリアフリー化などを推進していくためには、地域内に住む人々の理解と協力が必要となります。また、通過車両の流入を防ぐため、幹線道路網の整備や通過交通の流入抑制など、総合的に整備する必要もあります。そのため整備に当たっては、地区内の住民の理解と協力を得られる地域や利用者が多い路線などを優先的に進めるなど、効率的に、また効果的に進めてまいりたいと考えております。
次に第3問、安全なまちをつくるために狭隘道路の整備を促進する観点から道路整備状況をきめ細かくチェックするとともに、狭隘道路対策に協力した方々へのインセンティブで誘導するなどの施策を考えていくことについてでございますが、本区では従来より狭隘道路拡幅整備事業を条例に基づき実施しております。条例では狭隘道路の拡幅整備を推進する区の支援策として、後退整備する部分を区に編入する場合だけでなく、私道についても整備を区に委託する場合には道路の舗装や排水溝の移設などの工事を全額区の負担で行っております。また、拡幅整備する部分に存在する門、塀や擁壁などの撤去に要する費用や樹木の移植工事、新たに必要となる擁壁の整備費用、建築を伴わない場合のガスや水道などのメーターの移設に要する費用などを助成しております。さらに道路が交差する部分に隅切りを設ける場合には、奨励金も交付しております。このほか後退部分を区道に編入する場合に必要となる分筆につきましても、測量を区が実施することにより狭隘道路の拡幅整備に協力いただいた方の負担ができるだけ少なくなるように努めてまいります。加えて、道路が拡幅整備された後につきましても、関係する権利者の方々の負担が少なくなるよう、権利者の依頼に基づき拡幅整備した部分の道路につきましては固定資産税等の非課税申告を区が代行することも行っております。以上のような狭隘道路の拡幅整備に関する主旨と指導策、支援策につきましては、主に建築計画される際の建築主との事前協議やパンフレット等により区民の皆様にお知らせをしているところでございますが、区民の皆様に十分御理解をいただいているかという点からは、まだまだ不十分であると言わざるを得ないと考えております。したがいまして、今後さらに普及啓発に努めるとともに、あわせて、より使いやすい支援策となるよう、改善の余地などについても検討してまいりたいと考えております。また、狭隘道路の拡幅整備完了時には検査を行うとともに、関係権利者による自主的な整備につきましてもて適宜現場確認を行うよう努めておりますが、御指摘のありました道路であった場所に塀や壁がつくられるような事態につきましては、適時適切な指導を行うことが必要と考えております。限られた行政資源を活用し、効果的なチェック体制をつくるため、関係所管の連携のあり方などについても引き続き検討してまいりたいと考えております。
次に第4問、地理情報システム活用で区民サービス向上を目指すについて、でございますが、地理情報システム(GIS)は、地理情報をコンピューターを用いて重ね合わせ、情報の分析や解析を行ったり、情報を視覚的に表示させるシステムであり、阪神・淡路大震災がきっかけとして我が国でもGIS活用の取り組みが本格化してきております。本区におきましても、都市整備や環境清掃部門などでGISを活用し、事務事業の効率化や区民サービスの向上に役立てております。一方、平成20年度に策定された地理空間情報活用推進基本計画では、だれもがいつでも必要な地理情報を使ったり、高度な分析に基づく情報を入手し行動できる社会の実現を目指し、重点施策として地理空間情報の提供や流通の促進、活用推進に関する産学官の連携強化などを掲げています。また、総務省より提供されている災害者支援システムは、西宮の災害業務支援システムの中核をなすもので、GISを組み合わせて活用することで災害時の被災者支援や震災復興業務が効率的かつ効果的に行われるものとなっております。このようなシステムの活用が被災時の適切な対応や速やかな復旧、復興に大きな効果が発揮できることを改めて認識した次第です。区では区民生活に関する事務事業などを推進するため、さまざまな情報を所有しています。これらの情報を地理情報と組み合わせシステム化することにより、必要な情報を視覚的に、しかも瞬時に地域的な特性を把握することができるため、さまざまな行政施策を検討する際や震災などの緊急対応に有効に活用できるものと考えております。一方、こうしたシステムを構築するには、個々の情報の電子化や形式の異なる地図情報を整合させたり、個人情報の保護、費用対効果など、検討すべき課題も多くあります。区といたしましては今後、新たな施策の展開や災害時の活用、事務事業の効率化や高度化のためにはどのような情報を地理情報と組み合わせることがふさわしいのか、また区民にどのような新たなサービスを提供すべきかなどについて、国や東京都の動向や他区の導入事例、最新技術の動向などの情報を得ながら、GISの統合などを含め検討を進めてまいりたいと存じます。
次に第5問、活動したい区民のエネルギーを生かす仕組みについてでございますが、定年退職者の増加などとともに、地域に活動の場を得て、自分の知識や技能、経験を生かし、地域社会に貢献したいと考えている区民の方も増加してくるものと考えられます。一方、地域においても、まちづくり活動などを担い、地域を支える区民を求めております。しかしながら、活動の情報が得にくかったり、参加のきっかけがつかめないなどの理由から、現実に活動に参加しにくい状況も見受けられます。活動したい区民と、それを望む地域を結びつける仕組みをつくり、ボランティア活動や地域活動の効果的なコーディネートを行うことは、大変重要なことと考えております。
現在、区では地域のサークル活動等の紹介や生涯学習情報の提供、地域活動に関するイベント、講座、講演会、活動交流会の開催など、防犯、福祉、環境、教育など、さまざまな分野で区民の皆さんが活動する場や機会を設け、地域の課題解決に向けた取り組みを進めているところです。
一方、御指摘のように、こうした活動を始めたり継続的に実施していくには、キーパーソンとなる人材を得ることが重要です。そこで区では来年度の新規事業の一つとして、中高年の方々などを対象とした(仮称)地域デビュー講座や活動体験セミナーの開催など、地域活動参加のきっかけとなる講座等を開設し、人材の発掘・育成を行っていく予定です。また、昨年6月には区民活動を支援する全区的な拠点として社会福祉協議会が中目黒スクエア内にめぐろボランティア・区民活動センターを設置し、福祉のボランティアから区民活動の範囲を広げて、活動の紹介や相談、人材育成のための研修や活動グループの支援などを行っているところです。今後は、まちづくりの各分野でより効果的な人材の育成・活用の仕組みづくりに努めてまいります。あわせまして、全区的なボランティア・区民活動のコーディネーターとして多様な人材の育成・活用などを目指すめぐろボランティア・区民活動センターがその役割を十分果たせるよう、同センターの運営を支援いたしますとともに、情報提供や人材育成など、連携・協力し、区民の皆さんが地域社会で生き生きと活動できる環境づくりに努めてまいります。
次に第7問、都区関係への目黒区の姿勢についてでございますが、現在、都区の
あり方検討委員会で都区の事務配分、区域のあり方、税財政制度につきまして検討が行われております。先日、議会にも御報告いたしましたが、残念ながら基本的方向を取りまとめるに至らず、21年度も引き続き検討していくこととなっております。特に区域のあり方につきましては都と区の考え方がかみ合わず、当面、都区のあり方検討とは別に、将来の都制度や東京の自治のあり方について学識経験者を交えた都と区市町村共同の調査研究の場を設け、改めて議論することになっております。その中で道州制や都制度を含めて、都の自治のあり方、基礎自治体のあるべき姿についてしっかりと議論していくことが必要であると考えております。区といたしましても身近な地域で実施することが望ましい事業については、財源等の裏づけを持った権限移譲が必要であることをあらゆる場を通じて主張していくとともに、22年度から実施予定の基本計画の中に、住民福祉の向上を目的とするためには基礎自治体としての自治財政権を確立することが不可欠である旨盛り込んでいく予定でございます。
以上、私からのお答えとさせていただきます。
〔大塩晃雄教育長登壇〕
○大塩晃雄教育長 つちや議員の第6問、コミュニティースクールなどの活用につきましては、私からお答えいたします。
教育委員会では、めぐろ学校教育プランに掲げた信頼される学校づくりをさらに推進するために、新たに学校運営協議会制度を導入し、モデル校として鷹番小学校、田道小学校の2校をいわゆるコミュニティースクールに指定いたしました。昨年4月よりモデル校での活動が始まっておりますが、両校とも定期的に学校運営協議会が開催され、学校の教育活動に対して保護者や地域の方々から直接アドバイスや意見をいただいております。鷹番小学校では教員との交流会を通して、繁忙と言われる勤務の実態を把握しながら学校の教育活動を支援する仕組みについて協議が進められています。田道小学校では、学校と学校運営協議会が合同で保護者、地域へ広く呼びかけ、先日、フォーラム田道小学校2009を開催し、学校評価の結果をもとに子どもたちや学校の現状や課題について議論を深めたところでございます。学校運営協議会制度導入には、学校長の経営支援、開かれた学校運営の推進、特色ある学校づくりというねらいございますが、学校運営協議会が学校と保護者、地域の橋渡し役となることや、学校の教育活動への地域人材の活用や、学校と地域の連携活動が進むことも期待しているところでございます。モデル校におきましては、徐々にではありますが、地域で子どもを育てるという意識に広がりが出始めておりますので、学校運営協議会の活動が定着、発展していけるよう教育委員会としても引き続き運営への支援に努めるとともに、学校運営協議会制度やモデル校の活動を広く周知していく考えでございます。
放課後などにおける地域人材の活用につきましては、現在、小学校の6校区においてPTAや住区住民会議の有志の方々などによる子ども教室を実施し、来年度はさらに実施校区の拡大を考えております。また、小学校10校において地域の方々にも協力をいただきながらランドセルひろばを実施し、来年度は全小学校へ拡大する予定でございます。なお、鷹番小学校区では、学校運営協議会が子ども教室の来年度の実施に向けPTAの準備を支援するなど、学校と地域や保護者をつなぐ役割も果たしているところでございます。
教育委員会では、教育への区民参加と地域ぐるみの教育の振興を教育基本方針としてございますので、学校運営協議会制度や放課後フリークラブなどの拡充を通じ、学校を一つの核として地域社会全体で子どもをはぐくむ機運をさらに高めてまいりたいと考えております。
以上、私からのお答えとさせていただきます。
○23番(つちや克彦議員) 御答弁いろいろと、以前いただいたのよりも随分前向きになったものもあるなというのを感じたところでございますが。
それではですね、じゃ、順次いきますけれども、まず中堅ファミリー世帯が住みやすいまちをというような意味合いで申し上げましたのは、目黒区の、今この所信表明でも出ておりますけれども、こういう状況で進んでおります。現在このようになってきております。きてるから、それに対して対症療法的に施策を打っていきますというような形ではなく、今後どういう人口動態を目黒区として導いていこうという意思を持ってまちをつくっていくべきではないかということも含めて、これは申し上げているところなのですが。要するに、ここは確かに交通の便もよく、非常に働いているひとり暮らしの方々とかが住みやすい場所であるというのは確かでありますけれども、だからといって事業者が、そういうニーズが多いからということでワンルームマンションばかりができるような状況になってしまいますと、目黒区自体そんなにいい区にならないじゃないかと。それは、そうならないようにするためにはどうしたらいいかというところから私、この質問のところに出てまいりますので、できればもうちょっと踏み込んでいただきたいなというところはあるのですが、さっきの、そうですね、どの地域でどういう状況であるかということを明確にするという意味ではもう、さきにも挙げたGISなどを活用するのは非常に役には立つんですけれども、その点にも問題になったのは個人情報の関係の問題、または情報の2次利用の問題、この辺のことに関して目黒区としては非常に一つ一つ整理していかなければならないんです、どうあっても。ただ、その件についてとかは考えないで、何というか施策だけで考えていかれるとちょっと困るなと。区の全体的なビジョンとしてのものをただいまお尋ねしているところでございますので、できればそういう方向性の答えがいただきたいんですが、できますでしょうかね。
それと次ですね、先ほど弱者が安心できるまちを目指すということで言った中でも、私は歩行者を優先しろということで言っておりまして、前回、前回からというか、ずっと言っておりまして、それ自体は非常に前向きの御答弁をいただいたことに感謝しております。実際、目黒区の観光行政というものを進めていく中でも、歩いて楽しいまちということを言っているのだから、結果としてはそこは全部つながってくるのであろうと思いますので、ぜひとも推進していただきたいと思うのですが、コミュニティー道路とかそういうようなもの、バリアフリーのどうこうというのも実はそんなに今進んでないじゃないかというのが私の実感としてございます。何年前にはあったけれども、何かなくなっているみたいな、ことしはやってないね、去年もやってないみたいなことも起きております。少しずつでも進めるというのならば、そういうものも本当に少しずつでも進めていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
あとですね、狭隘道路の対策の問題ですが、今、確かにいろいろなことをやっておられるのはわかるんですが、相続関係というものが起きます。区民は亡くなったり、または売ってしまったりと、その前の住民との間ではしっかりと権利関係とか、こういう補助をしてこういうふうに広げたんだということがあったとしても、その後、土地を売ってしまったら、その事業者は買った土地の面積で考えるということがよくございます。そういう部分についてですね、しっかり周知していかなければならないし、1回整備したにもかかわらず狭くなってしまうということだって、これはあるんです。そういうことを考えていただきたいのですが、その辺に関しての制限などは考えておられるんでしょうか。制限というか、その申し送りみたいなものですね、ということができるような状況は考えておられるのでしょうか。
以上で結構です。
○
青木英二区長 それでは1点目の私どもの人口構成について、ちょっと今、質問が私、的確に受けとめられなかったので、もしあれでしたらまた再質で聞いていただいてもいいし、予特でも結構でございますが、私ども目指します人口構造からいくと、これはやはりバランスを保つ、例えば高齢者だけの方がいらっしゃる目黒区であってもいけませんし、これはファミリー世帯だけのまちでもあってもいけませんし、バランスよく、いわゆる私どもとしてはまちをつくっていく、これは大きな課題だというふうに思っているところでございます。そういう点では私どもとして、確かに出生率は宮沢議員にもお答えしたように減ってはございますが、お子さんの数自身はふえているということは、これは一般的にいえばファミリー世帯が少なくともふえているという一つの証左だと思います。ただその結果として待機児がふえているということは私どもは率直に認めなければいけないというふうに私は認識をいたしております。
それからGSIの問題ですが、これはやっぱり……。
(「GIS」と呼ぶ者あり)
○
青木英二区長 ジオグラフィック・インフォメーション・システムについて申し上げますと、最も私はやっぱり重要な課題、幾つかありますが、私ども行政からいくと、やっぱり個人情報が明確になってくるわけでございますから、これは確かに便利になります。例えばいろんな方の情報がこのジオグラフィック・インフォメーション・システムに出てくるわけですから、そこはやっぱり私どもは個人情報は個人情報として、例えばこのジオグラフィック・インフォメーション・システムの上に例えば障害者の方の情報が出てくる問題、いろんな形がありますから、ここは私どもは、非常に便利でございます。便利でありますが、やっぱりその一方、そういったこともですね、私どもとしては十分に考えていかなければいけないんではないかなというふうに思います。
私ども、3点目につきましては、これは前向きになったと言いますが、私は前から同じことをずっと繰り返していますから、特段前向きになったわけじゃなくて、今までと同じことを言っているだけにすぎませんので、私は今までスタンスは全く同じでございます。私どもは例えば都市計画マスタープランの中でも、これは申し上げていますように、歩行者を優先するということはもう前々から言ってございまして、急に私が歩行者優先だときょう言ってるわけじゃございません。都市計画マスタープランの中でも、きちんと位置づけはしてございます。例えばどんなことをやっているんだということでいえば、これから先という言い方で言えば、私どもはこれから、まだ最終的に具体的にはなっていませんが、例えばこの自由が丘の、これから駅前広場の整備なんかを行っていきます。一つは、あそこなどはバリアフリー化を進めていく。それから、これから都立大学の駅周辺も考えております。これもバリアフリー化も進めていきますし、もうちょっと具体的で早くできていくんであれば都立大学駅周辺も私どもはバリアフリー化ということで、これは順次私どもが持っている計画に沿って、それほどおくれてはいないような気がいたしますが、今進めているところでございます。
それから所有権が移ったときはどうなんだ、ということですが、これはもともと例えば42条2項道路の話ですから、これは例えば私が第三者に売ろうが、私が子どもに相続しようが、それは関係ない話で、常に42条2項道路というのは存在すれば、それは相続があってもなくても、これは続く話でございます。例えば特に第三者に移った場合、これは例えば、すべてとは言いませんが、例えば不動産業の方が仲介すれば、これはもう重要物件の説明の中に42条2項道路が必ず入ってますから、ですから権利が移っちゃったからそれは何かわからなくなっちゃったということはですね、法的な整備の上からいくとあり得ないんですね。ただそれが、おれは知らないよとかこうだよとか、いろんな話はありますけども、第三者に移ったときに42条2項道路の話が消えてなくなるということは、あってはならないことですし、物件説明の中でも、私も宅建の資格持っておりますが、必ずそれ入ってますので、第三者に移ったときにそれが消滅してなくなってしまうというのはありません。それは、もしないというのは、どちらかの方がうそをついていると、そういうことではないかと思います。
○23番(つちや克彦議員) 考えが変わってないということならそれはいいのですが、私はちょっと非常に面的な整備に関してということを言ったときには随分と否定的なことを何度かいただいてたなということを覚えているだけでございますので、その辺は結構でございます。ただバリアフリーどうこうのことに関しては、確かに計画もありますし、進めるということの方針は見ております。もちろん、何年もずっと。ただ、その割には進んでないなと感じるので、ぜひちゃんとやっていっていただきたいということを要請している次第なんですが、その辺いかがでしょうかと。
あとは、42条2項道路ということでの狭隘道路の整備という意味合いでは確かにそうなのかもしれませんが、実際に守られていない場合というのが実はあるんですけれども、そういう際に区に持ち込んでも、なぜか、いや何十年前からこうなってたからだめとかいうこともあったということもありまして、しっかりとですね、そういうものを整備していく際に区の側もですね、おかしいなと思ったことに関してはちゃんと調べて調査していただきたいということも含めて、しっかり指導していただきたいと思うのですが、その辺、大丈夫ですかということで確認して終わりにさせていただきます。
○
青木英二区長 御指摘のとおり、これからも引き続きバリアフリーの整備には努力をしてまいりたいというふうに思います。
私ども、あと42条2項道路については、これはしっかり今、議員からも御指摘がありましたので、当然、
都市整備部長もここに同席していますから、聞いておりますので対応していくと思います。ただ私どもの立場からいくと、今までそれは100%しっかりやってたと、胸は張れる状況かどうか私ども、にわかにわかりませんが、私どもの行政の立場からいくと例えば42条2項道路上に、これは建物が突出して出ている場合などは、これは私も何回かそういうケースは実際に関係したこともありますが、相当目黒区は、私が言うのも手前みそですが、相当厳しくはやっているんではないかなというふうに私は自負はしておりますが、そういう点もあろうかという点もあれば、さらに厳しくやっていきたいと思います。
○
雨宮正弘議長 つちや克彦議員の代表質問を終わります。
次に、33番森美彦議員。
〔森美彦議員登壇〕
○33番(森美彦議員) 私は日本共産党目黒区議団を代表して、区長の所信表明に対して質問いたします。
第1は、貧困と格差を拡大させてきた「構造改革」路線について、区長の基本的認識をお尋ねいたします。
今、日本経済と国民生活は空前の危機的事態に見舞われています。昨年10月から12月期のGDPは年率換算で12.7%という、34年ぶりの大幅マイナスとなりました。株価もバブル後最安値に下落しております。10年連続して3万人を超す世界有数の自殺者、年収200万円にも達しない1,000万人を超えるワーキングプア、今後、万単位で増加が懸念されるホームレス、3月末にかけて製造業だけでも40万人と言われる失業者、ますます深刻化する倒産。今、目の前で噴き出している問題は、アメリカ発の金融危機という問題だけではなく、「構造改革」路線の結果として起こっているものであります。
ここまで危機的な事態をつくり出してきた要因は三つ挙げられます。一つは、人間らしい労働のルールを破壊してしまったことです。労働法制の規制緩和によって非正規労働者を急増させたことが、派遣切り、期間工切りのような高速首切りを可能にする社会をつくってしまいました。それは雇用悪化と景気悪化の悪循環をつくり出し、日本の経済と社会の前途を危うくし、結局は財界・大企業の前途をも危うくする事態をつくり出しているのであります。
二つは極端な外需頼み、特にアメリカに依存ずる脆弱な経済をつくってしまったことです。大企業の国際競争力を強化せよ、強い企業が多くなればなるほど日本経済は強くなる、これが構造改革の名で行われたことでした。その結果、一握りの輸出大企業は空前の大もうけを上げましたが、勤労者の賃金は引き下げられ、非正規雇用への置きかえが進み、庶民増税と社会保障切り捨てが追い打ちをかけました。内需を犠牲にして外需だけで稼ぐ、このゆがんだ路線を続けた結果、日本経済も個々の大企業も強くなるどころか外的ショックに極めて脆弱な体質となってしまいました。その脆弱さが景気の墜落につながりました。内需主導への転換がこれほど求められているときはありません。
三つ目は、証券市場を外資頼みの投機的市場にしてしまったことであります。金融規制緩和路線によって、東京証券取引所の株式の売買の6割から7割はアメリカを中心とする外国人投資家によるものとなり、そのほぼ半数はヘッジファンドと言われています。金融危機が起こるとヘッジファンドは手持ちの株を投げ売りし、株の大暴落を引き起こしました。日本経済と国民生活に甚大な打撃を与えています。このように新自由主義の経済政策を極端にまで進め、外需頼み、外資頼みという経済市場構造をつくってしまったことによるゆがみともろさが景気悪化を前例のない急速なものとし、国民生活と日本経済に未曾有の困難をもたらしているのであります。
こうした構造改革に対して、青木区長は2007年3月議会で、構造改革そのものの必要性や大きな方向性は間違っていないと答弁し、昨年9月議会でも年金、医療、介護などの社会保障構造改革について、将来にわたり持続可能な社会とするために避けて通れないものであると積極的な支持を表明してきました。また、みずからも区政の場にあって、非課税
ひとり暮らし高齢者への福祉電話代助成の廃止や就学援助の対象縮小など、追い打ちをかけるような福祉の削減を行うとともに、区立の特養ホームや保育園に指定管理者制度を導入するなど、民営化路線を突き進んできました。
さて、今、こうした構造改革路線に対し、これまで推進の立場に立ってきた著名な経済学者の間からも、貧困率の急激な上昇は日本社会にさまざまなゆがみをもたらしたと述べるなど、構造改革そのものが間違いだったという反省が広がっています。「構造改革」路線に対し、区長は所信表明では一言も触れていませんが、今日の状況の中でどのように考えているのか、改めてお尋ねします。
第2は、区民の暮らしと
緊急経済対策についてです。
不況のあらしは地域経済を直撃しています。区内の零細な町工場では、1月に入ってぱたっと仕事が来なくなったと言います。自動車関連部品の製造業は売り上げが5割から7割も減っています。建設業では1月は5日しか仕事が来なかった、従業員は気がかりだが、もう廃業するしかないと嘆いていました。資金繰りは12月から落ち込み、1月以降さらに厳しいと言います。この先行きの見えない状態がいつまで続くのか、不安が広がっています。こうした営業や雇用の厳しさを反映して、区民生活の実態はさらに深刻化するばかりです。生活保護世帯は12月、23区全体で38%増加したと報道されました。目黒区での生活保護などの相談件数は3割以上増加し、来庁するホームレスの人たちは昨年、毎月600人台前半で推移していましたが、1月はとうとう714人という最高を記録しました。払いたくても高くて払えない国保料は低所得世帯で滞納は3割に上り、とりわけ25から30歳の若い層では35%にも上っています。介護保険料、住民税、保育料などの滞納も、低所得者世帯ほどふえています。急増する貧困層に加え、職と住まいを失った人の雇用の確保、生活、住宅、医療などの支援は待ったなしの課題です。こうした中で区長は、みずからを本部長とする
緊急経済対策本部を設置し、対策を打ち出しましたが、その中身は切実な要求に十分にこたえたものにはなっていません。とりわけ雇用対策及び暮らし支援策は大変不十分です。区民の実態をしっかり把握し、必要に応じてさらに拡充するために、以下2点お尋ねします。
その1は、国や都の緊急対策も十分活用し、一層の
緊急経済対策を推進することについてです。
区は、
緊急経済対策の生活者に対する支援策のうち、低所得者への支援策は三つだけで、そのうち二つはこれまでの継続です。新規は認証保育所の保育料助成の拡大だけです。
暮らしサポート21の第2弾でも路上生活者等にかかわる宿泊施設の確保2室と、臨時職員の雇用7人程度にとどまっています。目黒区では部長以上の対策本部会議で当初は決定したにしても、今後はどうしたら区民生活を守れるのか、区民とじかに接している最前線の職員の意見を本部に集中する体制を築く必要があります。品川区では1月、臨時議会を開催し、緊急対策を補正予算で通し、1月から本格的な景気対策を打ち出しました。足立区では100億円規模、板橋区では200億円規模での
緊急経済対策を構えていますが、2年から3年を見通した経済対策を打ち出しています。雇用対策でも他区の工夫が大いに参考になります。雇用の創出とあわせて将来の介護人材の確保を図る点は、特に学ぶべきものがあります。品川区では新年度、1,000人以上の雇用創出事業を打ち出しましたが、6カ月以上雇用する介護サービス事業者に1人当たり100万円を助成し、加えてホームヘルパー2級の資格を取得させるための費用として1人当たり10万円を補助します。世田谷区でも介護等の資格取得費用を助成します。国のトライアル雇用制度は、企業が3カ月間試行採用する間に研修を受けながら働く制度で、試行採用した企業に国から月4万円の補助が出ます。都は50万人の雇用創出を目指し、ヘルパー2級取得の受講料10万円を全額助成し、資格を取った人を正規採用した企業や介護施設に1人60万円の助成金を支給します。こうした国や都の制度も十分活用し、雇用だけでなく、暮らしや営業を含む一層の
緊急経済対策を実施すべきと考えますがどうか、お尋ねいたします。
その2は、負担増抑制の対応についてです。
今、区民が行政に強く求めている暮らしの支援策は、経済的な負担をこれ以上押しつけないでほしい、軽減してほしいということであります。この間、税制改革の影響で所得が減っているのに、非課税から課税になった区民は4,300人とされています。こうした区民の負担は、国保料を初め雪だるま式にふえ、貧しい家計を圧迫し続けてきました。一定の経過措置がありましたが、次々に終了時を迎えています。都営住宅に居住し、厚生年金月15万円余りの高齢者が、経過措置のすべてが終了すると年32万円もの負担増になることが明らかになっています。この物価高と不況下で家計が大変厳しいときに、経過措置終了に伴う負担増が次々に押し寄せるのではたまりません。国保料、学童保育保育料、区営住宅家賃など、負担増に対する経過措置がとられてきたものについては、
緊急経済対策第3弾などとして改めて負担増抑制の対応をすべきではありませんか。また、行革計画素案の中にあった保育料や住区センターを初めとする施設使用料など各種料金の引き上げはやめるべきと、今後一切やめるべきと考えますがどうか、お尋ねいたします。
第3は、福祉で目黒のまちおこしを、についてです。
緊急経済対策として今直ちに暮らしを守るために打つべき手を打つとともに、構造改革のもとで疲れ切っている地域経済や地域福祉に新たな息吹を吹き込み、住み続けられるまち目黒をどのようにつくっていくかは大変重要な課題です。日々の暮らしの中で介護、医療、福祉の充実は暮らしの安心を築くだけでなく、関連の雇用を創出し、さらには景気対策としても極めて効果的です。ソフト、ハード両面にわたる社会保障関連の経済波及効果は、再開発など都市計画関連の経済波及効果よりも格段に上回っていることは、奈良女子大、中山徹准教授の試算などでも明らかにされているところです。例えば認知症高齢者グループホームの整備は利用者と家族の安心はもとより、区内建設業者の仕事確保、グループホーム職員の雇用など総合的な経済効果を創出します。今なかなか整備が進まない小規模多機能型居宅介護施設を行政の手で整備すれば、同様の効果が得られます。区立保育園など児童福祉施設の増設も同じように、内需の拡大と地域経済の循環をつくり出します。また、福祉のまちづくりをとってみても、歩道の段差解消だけでなく、お店の中にも高齢者、障害者が安心して買い物や食事ができるようにするなど、バリアフリー商店街をつくり上げれば、福祉と商店街振興が一体となった施策として同様の経済波及効果が生まれることは明らかであります。こうした介護や福祉関連を中心とした財政出動こそ、これからの新しい経済発展と内需拡大にとって最も効果のある財政の使い方です。また、このような福祉を中心とした地域経済循環こそ、将来の着実な税収にもつながるものであります。住宅地を大きく抱える目黒らしい地域特性を生かした福祉で目黒のまちおこしを推進する考えはないか青木区長にお尋ねして、壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 森議員の3点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。
まず第1点目、「構造改革」路線について、でございますが、国が進めてきた構造改革は、バブル経済崩壊後の経済再生が急務の課題となっている中で、これまで有効に機能してきた社会システムが金融市場のグローバル化などの環境変化や急速に進んだ少子高齢化などに対応できず、いわば制度疲労や機能不全に陥ったことに対し、従来のシステムを時代に合ったものに改革し、社会の持続的な発展を図っていくことと理解しております。構造改革は、過去の仕組みにとらわれることで生じた非効率的な制度の改革に重点が置かれ、不良債権処理、民営化、規制緩和、社会保障制度改革、医療制度改革、税財政制度改革など、経済・財政、行政、社会にわたる幅広い分野で、さまざまな改革が進められてきたところであります。平成13年6月に策定された「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」、いわゆる骨太の方針に基づき進められてきた構造改革の結果、我が国は平成14年2月以降、戦後最長とも言われた景気回復がもたらされたところとなったわけでございます。しかしながら産業、金融、労働など、幅広い分野で規制緩和等の改革が行われた結果、その副作用として過度の自由競争や成果主義の浸透による所得格差の拡大、雇用の流動化による雇用契約期間の短い非正規労働者の増加、食品や耐震設計にかかわる偽装など生命・財産にかかわる事件なども生ずることとなり、市場原理による無秩序な自由競争や規制緩和がもたらす負の部分が指摘されるようになってまいりました。とりわけ大きな問題と考えられるのは、格差の拡大であると存じます。特に情報通信技術を駆使した産業や金融商品などの市場が拡大した結果、高い利益を享受できた人々がいる一方で、厳しい価格競争の結果、ワーキング・プアと呼ばれるような、働けども十分な収入を得られないといった人々など、社会に二極化の現象があらわれていることは否定できない事実でございます。さらに昨年9月、アメリカの大手金融機関の破綻を一つのきっかけに、世界を巻き込んだ金融経済危機が生じました。内閣府はこの2月に、昨年10月から12月期のGDPを発表いたしましたが、年率換算で12%を超すマイナスとなり、成長率のマイナス幅は第一次オイルショック後の昭和49年1月から3月期以来の大幅なものとなりました。急速に景気の後退が進んでおりますが、この原因の一つにはグローバル化の進んだ金融システムが激しい競争環境にさらされる中で、市場における十分な監視が行き届かなかったといった指摘もなされております。金融は経済活性化の血となるものであり、企業破綻にとどまらず、失業の増大や社会不安の助長にまで及び、景気の回復と経済の再生には相当の時間を要するという見方が支配的です。
さて、我が国を取り巻くこうした状況も踏まえて、構造改革をどう評価するかということでありますが、私は構造改革がその初期において目指した理念かということでありますが、私は構造改革がその初期において目指した理念であります、将来にわたって活力を維持できるより豊かで住みよい社会の構築に向けた制度や枠組みの改革が、そもそも誤っていたとの考えは持っておりません。財政赤字の放置や将来の世代に負担が先送りされるような事態は回避しなければならないと考えるからであります。しかし一方で、市場原理に任せるだけで必要なコントロールを欠いたシステムは、結果的に不平等などの問題を生じさせることとなります。今日の状況は非効率的な制度などに対する改革を進めていくとともに、すべての人々が豊かで幸福な生活が送れるように、さまざまな改革の中においても十分に機能するセーフティネットの仕組みを構築することが不可欠であることを示しているものと受けとめております。区といたしましては21年度の予算案で生活の安心を支えるセーフティネットの充実や、暮らしをしっかりとサポートする対策を盛り込んでおりますが、今後とも区民生活の実態を注意深く見守り、必要とあれば、さらなる経済対策等にも取り組んでまいりたいと存じます。
次に第2点目、区民の暮らしと
緊急経済対策についての国や都の制度を活用した
緊急経済対策についてでございますが、御承知のとおり、国などには事業者などを対象にした雇用促進制度がございます。議員、御指摘のトライアル雇用制度は、常用雇用を義務づけるものではありませんが、ハローワークが紹介する対象労働者を原則3カ月、試行的に雇うことにより、その後の常用雇用へのきっかけづくりを図るものです。現時点でのハローワーク渋谷管内の20年度実績は412件となっています。このほかにも若年者等正規雇用化特別奨励金、派遣労働者雇用安定化特別奨励金、就職安定資金融資事業など、さまざまなメニューが創設されているところです。区といたしましては、総合庁舎内にハローワークのブランチである地域就労相談窓口、ワークサポートめぐろが設置されている利点を十分に生かして、制度の周知を図り、まためぐろプログレスなどを通じて事業主に対してこれらさまざまな制度の活用促進を図るとともに、緊急融資制度などの活用について広く周知するなど、雇用のみならず、区内産業などの経営安定に対する支援を行ってまいる所存でございます。
次に第2問、負担増抑制の対応についてでございますが、国民健康保険料につきましては、確かに税制改正への対応として、平成18年、19年度には老年者控除の廃止や公的年金控除廃止にかかわる経過措置が、また平成19年、20年度には住民税フラット化にかかわる経過措置が実施されました。しかし、これらの経過措置は、法令の枠組みや特別区の統一保険料方式による保険料設定の枠組みの中で行われたものであり、必要に応じ、それらの枠組みの中で検討し整理されるべきものと考えております。また、
学童保育クラブの保育料につきましては受益が特定されるサービスであり、適正な受益者負担を求めていくことが望ましいことから有料化を行い、4年間にわたって激変緩和措置を段階的に行っているところです。保育料はおやつ代を含み月額6,000円のところを、20年度は経過措置のため5,000円としており、20年度をもって経過措置が終了することについても条例で定めているところです。保険料や保育料など、いずれも低所得者や複数児童などへの負担軽減や減額、免除の規定を設けていることから、現時点ではこれらの経過措置をさらに延長することは考えておりませんが、既にある低所得の方などへの減免の仕組みについては引き続き周知を図っていくとともに、今回の
緊急経済対策などの施策の迅速かつ適切な対応により、区民の不安を取り除いてまいります。
このほか、区営住宅使用料につきましては、平成19年12月の公営住宅法施行令改正により、21年度から5年間の経過措置を設けながら見直しを行うこととなっております。しかし、現在お住まいの多くの世帯につきましては制度改正による引き上げはなく、また引き上げとなる世帯につきましても引き上げを1年間延期し、21年度は制度改正による使用料の引き上げは世帯収入の増加などによるものなどを除き実施しないこととする予定です。なお、施設使用料につきましては、平成10年以降、見直しを行っていないことから、指定管理者制度導入の影響など、近年の施設維持管理費の変化や物価水準の動向等を踏まえながら見直しについて具体化してまいります。
また、認可保育所の保育料につきましては、保育所における負担の公平性、保育所運営費に占める利用者負担の確保を図るため、保育料を見直すこととするもので、いずれも平成21年度から3年間の計画である行革計画素案の中に改定について取り上げたところです。受益と負担の公平性の観点から、常に適正な使用料水準の維持に努めることは行政の責務であり、本来あるべき適正な使用料水準を明らかにしていく必要がございます。しかしながら、状況によって区民の皆様に負担を求める重要な事項であることから、改定時期につきましては、今後の経済状況等を踏まえ、総合的に判断してまいりたいと存じます。
次に第3点目、福祉で目黒のまちおこしを推進する考えはないかについてでございますが、地方分権の時代を迎えて各自治体でさまざまな考え方を持ってまちづくりが進められております。まちづくりは、その地域に住む人々が主体となって自分たちの望ましい地域社会をつくっていく行為でありますが、福祉によるまちおこしにせよ、再開発事業などによるまちづくりにせよ、安心・安全の確保、生活環境や交通の改善、地域経済の活性化などを目的としてハード、ソフト両面から取り組まれているものであります。都市計画事業などのハード面を中心としたまちづくりは、公共事業として土地や整備費に社会資本が投入されることにより関連産業の設備投資や雇用の拡大につながりますので、景気浮揚策としての面も期待されるものであります。こうした公共事業が経済に与える効果については1990年代後半に国内総生産GDPに対し6%程度で推移しておりましたが、現在は3%程度に下がるとともに、かつてのような経済効果が最近は薄れているのではないかという見方があります。
一方で、保健福祉施策を中心として特色あるまちづくりを行っているところもあります。古くは岩手県の旧沢内村が乳児医療費を全国に先駆けて無料化し、乳児の死亡率を激減させたことは有名です。広島県の旧御調町は町立病院を核とした保健と福祉の連携による在宅福祉を展開し、長野県の佐久総合病院を中心とした地域医療の取り組みも全国の範となっています。こうした保健や福祉に重点を置いたまちづくりは、自治体だけでなく一定の地域や病院、施設においてもその取り組みが見られます。
保健福祉施策の動向が地域社会や区民生活に与える影響は大きなものがあります。平成18年度の国の社会保障給付費は総額で89兆1,000億円余であり、そのうち年金は47兆3,000億円余、医療は28兆1,000億円余、福祉その他は13兆6,000億円強となっています。以前は多くの福祉サービスが行政により直接提供されていました。介護保険制度の導入により、民間の事業者やNPOなど多様なサービス提供主体が参入してきました。そのため、こうした福祉・介護のサービスの分野にどれだけの人が就労しているかを見ますと、約259万人を超え、雇用の大きな受け皿に成長しています。特に高齢者の入所施設や通所施設、グループホームなどのサービスは人的対応が中心となりますので、雇用効果は高いものとなっています。最近では公共事業と医療・福祉施策の経済効果が比較されるようになり、経済効果でいえばほぼ同じであっても、雇用効果では後者の方が5割ほど高いとの見方も一部で示されております。福祉のまちづくりは区民の福祉を向上させるとともに、安全・安心の確保、経済波及効果、雇用確保などにも寄与し、まちづくりの一つの望ましい形であることに違いはありません。しかしながら、その推進のためには多くの課題があり、困難が伴うことも事実です。福祉基盤の整備には、都市部特有の地価の高さが大きなハードルとなっています。在宅福祉を中心として施策を進めるにしても、施設整備は欠かせません。本区においても土地の確保が難しく、認知症高齢者のグループホーム、小規模多機能型施設などの整備がなかなか進まない実態があります。また、今後さらに高齢者がふえていくことが予想される中で、福祉施策や施設のさらなる充実は利用者の負担増が不可避になるということであります。高齢者を対象とした主なサービスは介護保険で運用されておりますが、サービス拡大は介護保険を支える40歳以上の区民の皆さんの負担につながります。このことは他の高齢福祉サービスや障害福祉サービスについても同じであります。バリアフリーのまちづくりの取り組みにつきましても、公共施設を初め、さまざまな機会をとらえて進めておりますが、まだまだおくれています。商店街などの民間を含めた取り組みは、超高齢化社会の中で、その必要性が高まっており、区民や事業者の意識啓発を初め、実現に向けた取り組みを推進していくことが必要です。
私は、まちづくりは地域の人々が自分たちのまちの将来をどうしたいかを主体的に決め、その実現に向けて不断の努力をすることであると考えます。理想のまちづくりは人それぞれによって異なるものでありますが、安全・安心が守られ、潤いや安らぎを感じることのできるまちづくりが基本にならなければなりません。災害対策や交通渋滞解消のためには、再開発事業や街路整備事業によるまちづくりが有効な場合があります。地球温暖化防止のために取り組むまちづくりも重要になっています。子どもや高齢者、障害者が安心して暮らせる福祉のまちづくりも、ますます重要です。子どもから高齢者まで、だれにとっても住みやすいと感じられる地域社会の形成は、さまざまな施策がバランスよく実施され、まち総体として安全性や利便性を高めるためのまちづくりによってなし得るものであります。こうした観点に立って福祉のまちづくりにも一層の努力をしてまいります。
以上お答えとさせていただきます。
○
雨宮正弘議長 この際、お諮りいたします。
本日の会議時間は議事の都合により延長したいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
雨宮正弘議長 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間は延長することに決定いたしました。
森議員の質問を続けます。
○33番(森美彦議員) それでは順次、再質問をさせていただきます。
まず1点目の貧困と格差を拡大させてきた「構造改革」路線に対する区長の基本認識ですけれども、今の答弁では、区長はこれまでの立場を変えていないということです。将来にわたり持続可能な社会とするために避けて通れないと言われますけれども、持続できない、これからますます持続できなくなっていくのは国民の生活、区民の生活であります。まずその点を押さえておきたいと思います。新自由主義の経済政策を極端に進めて、外需頼み、外資頼みという経済市場構造をつくって、ゆがみともろさが景気悪化を前例のない急速なものにしていると。国民生活と日本経済を未曾有の困難にもたらしているということは既に述べたとおりですけれども、この外需頼みの対極にあるのが貧困と格差、内需の冷え込みです。対極であり、一つのものの、一体となったものの現象です。その一つがですね、人間らしい雇用・労働のルールを破壊してきたということであります。自治体との関係でどうあらわれているかといえば、雇用の問題では市場に任せるのが一番いいということで、指定管理者制度を導入して民営化を進めてきました。その結果は契約社員や派遣職員など非正規雇用が区立の特養ホーム等々でふえまして、低賃金労働のために極めて雇用が不安定になっているということであります。一例を挙げれば特養で1年間に70人も離職する事態を招いたということであります。そこで、けさの、失礼、もとい。
(「これを質問というのは明確に言ってくださいね」と呼ぶ者あり)
○33番(森美彦議員) はい、明確に言います。
そこで、昨日の読売新聞にこういう記事が載っておりました。ワーキングプアでは結婚どころではない、家庭も持てないと、こういう記事がありました。構造改革のもとで幸福を追求する権利さえ侵されているということであります。非正規雇用の4分の3は年収200万円未満のワーキングプアです。この10年間で正規労働者が400万人も減り、そのかわりに非正規労働者が600万人も増加しています。派遣などの非正規労働者を急増させたのは、まさに労働法制の規制緩和です。人件費は安ければ安いほどいいと、民間でできるものは民間に移すのが一番いいと、こういう空気もあったわけですけれども、こうした構造改革は避けて通れないという、そういう基本的な考え方を区長が、青木区長自身が持っていたからこそ指定管理者制度の導入による民営化に邁進してきたのではないかと思うんですね。構造改革路線にちょっと待ってよと、おかしいぞという疑問があったら指定管理者制度の導入に慎重になるはずではないかというふうに思うんですね。今からでも区民の立場に立って、これらを再検討すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。これが1点目の質問です。
それから2点目はですね、国民生活と日本経済の空前の困難のもう一つの要因は、社会保障の連続改悪という問題であります。毎年2,200億円の削減をやめようという声が、立場の違いを超えて広がっております。区長も御存じだと思いますけれども、構造改革に対して、これを主張してきた経済学者や政権党内部から反省や転換を求める声が広がっております。中谷巌氏もその1人ですけれども、構造改革規制緩和推進の旗振り役だった人です。週刊誌にも出ておりますので御存じかもしれませんけれども、この中谷氏は自著『資本主義はなぜ自壊したのか』の中で、一時、日本を風靡した「改革なくして成長なし」というスローガンに触れまして、貧困率の急激な上昇は日本社会にさまざまなゆがみをもたらしたと言い、かつては筆者も改革の一翼を担った経歴を持つ、その意味で本書は自戒の念を込めて書かれた懺悔の書でもあると書いております。こうした中で区長はですね。
(「それは認めるかということ、社会福祉」と呼ぶ者あり)
○33番(森美彦議員) そうです。毎年2,200億円の削減が深刻な状況をつくり出していると。お産も安心してできない状態とか、うば捨て山と言われる後期医療など、医療難民、介護難民を大量につくり出してきたのも構造改革です。
そこでお尋ねしますけれども、区長はいまだに介護も医療も国の制度枠の中でやっていくんだというところに固執しております。ですから区独自の上乗せには消極的になっていると思いますけれども、構造改革を吹っ切っていないから区政の場でそういう姿勢があらわれているのではないですか。その点をお答えください。
大きな1点目は以上2問です。
それから続きまして大きな2点目ですけれども、区長はみずからを本部長とする
緊急経済対策を設置して対策を打ち出しました。年末の本部を設置した時点よりも、区民生活の危機的な状況は格段に進行しているわけであります。派遣村の報道をきっかけに、暮らしや雇用、営業の実態も浮かび上がっております。必要に応じて追加の
緊急経済対策を打ち出すことが課題になっているわけですけれども、先ほど来の答弁の中では打ち出すという立場を表明されていました。
そこでお聞きしたいんですけれども、けさの朝日新聞にですね、国が追加の経済対策を打ち出すという記事が載っております。追加の対策の内容については、空港、高速道路、鉄道の整備といった従来型公共事業のほか、安易な財政出動との批判をかわすため、環境、福祉関連分野にも重点を置くとしております。思惑はともかくも、福祉分野にも重点を置くとしております。先ほど述べましたとおり、これまで出されていたもので自治体として活用する対策も多々あるわけであります。そこでこれからですね、国の補助金を積極的に獲得して、活用して効果的な対策を行うと言っておりますけれども、どのようにやっていくかということをお聞きしたいと思います。
それから2点目は、やはりけさの朝日新聞によりますと、国は追加の経済対策について、経済人や学者らによる有識者会議を立ち上げることを決めた、野党に参加を呼びかけるかどうかも検討するというようなことが書いてありましたけれども、国がこういう体制で検討していくのはやむを得ないかと思いますけれども、目黒区としてどうしたら区民生活を守っていけるのかと、この検討については、やはり重要なところだと思います。私は区民とじかに接している最前線の職員の意見を本部に十二分に集中していくと、こういう体制を築く必要があるんではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。そして、その内容ですけれども、既に他会派への答弁の中でも、プレミアム付商品券に関する支援策を検討するとか、それから
暮らしサポート21で打ち出したゼロ金利等ですね、その水準で借りかえ一本化を検討していくとか、具体策が出ておりました。こういうことは非常に重要なんですが、それを具体的に体系的に進めていくためにも、やはり全庁的に現場の職員の意見をしっかり聞いていくということが必要だと思うんですが、その点はいかがでしょうか。これが1点目です。
それから補正予算ですが、9月を待たずに早い時期に打ち出していく必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
それからですね、雇用の問題では、介護などの職場で余りに低賃金で人が定着しないという問題がありますから、また働いてる人たちがもっともっと技術を高めたいという要求もあります。ですから受講料、生活費も支援していくと、都や国の制度あるわけですから、そういったものを活用していくと。直接雇用だけではなくて……。
(「ヘルパーの話か」と呼ぶ者あり)
○33番(森美彦議員) ヘルパーもそうです。ヘルパーだけではなくて、他の職種についても検討していただきたいし、直接雇用だけじゃなくて、そういったものを検討しながら民間の雇用も、品川では1,000名ですけども、規模も広げていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
それからですね、低所得者に対する負担軽減制度についてなんですけれども、一定の答弁が出てきたと思うんですけども、やはり非課税から課税になった区民への配慮についてはですね、当時70以上の事業に影響が出ると。非課税であったがゆえに軽減されていたというところが、もう全部だめになっちゃったというところがあります。そういう点などを全体的に軽減してですね、そして今の減免制度も本当に生きて機能しているのかどうかも検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
最後については1点だけ質問します。大きな3番目、1点だけ質問しますけれども、それはですね、評価は旧沢内村が出てきたり旧御調町が出てきたり佐久総合病院が出てきたということで御存じだと思うんですけれども、積極的にそれが推進できないのは、やっぱり迷いがあるからだと思うんですね。こういう福祉を中心とした経済循環をつくり出していく財政支出が本当にこれからの未来をつくっていくんだと、正面からその点を据えて取り組んでいっていただきたいと。こういうときにこそ民間頼みじゃなくて区長のリーダーシップが必要だというふうに思うんですが、その点いかがでしょうか。
以上です。
○
青木英二区長 申しわけないけど8問あったら8分ですから、質疑ですから私の立場も考えて聞いてくださいよ。
○
雨宮正弘議長 区長、ちょっと待ってください。時間になったら私の方でとめますから、そこで打ち切ってください。
○
青木英二区長 それでは構造改革についての点でお話を申し上げたいと思いますが、例えば指定管理者について申し上げると、また後の質問の方もいらっしゃる、例えば目黒保育園でございます。これまさに指定管理者ですが、これはまだ1年たっていませんから評価していませんが、例えば来年度のゼロ歳児の募集では、私どもの区内の区立保育園の中ではトップでございました。ということは、これは少なくとも区民の皆さんが、この目黒保育園の指定管理者を否定はしていないんじゃないかなと私は思います。森さんはだめだとおっしゃってるけど、否定しない区民の方もたくさんいる、一つですよ、全部とは言いませんが、一つの私は証左ではないかなというふうに思います。それから私、構造改革の問題で、社会保障の問題のお話がありました。私は、これは再々申し上げているように、この構造改革の中の一つに、この社会保障が出てきているんですが、いろんな理由の中の一つに、やっぱり簡単なことでいえば負担とですね、それから需給のバランスが高齢化社会の中に入ってきて崩れてきているということが私どもを直面しているんです。例えば、ここにですね、皆さん方の市議年金があるんですよ。これは2012年に破綻と書いてあるんです、去年の読売新聞に。例えばこれは合併がどんどんどんどん進んで支える議員さんが少なくなって、逆にOBの議員さんがふえたから、これは破綻をするんです。年金の、市議年金はこれは皆さんのことですから私が口を挟む話ではありませんが、社会保障全体が今そういうところに来てるんじゃないですか。支える方がどんどんどんどん減って、そして需給を受ける方はこれから団塊の世代になれば、さらに加速度的にふえていったときに今のままでいいのかどうかというのが、私は構造改革で問われる、それは小泉さんの構造改革か、だれの構造改革か別にしても、区長である私はそれは非常に深刻な問題だというふうに受けとめているということでございます。
それから、あとですね、もう一つ、派遣の問題でございます。これはもう一度ちょっと私よくお話ししておきたいんですが、品川区が1,000人、1,000人と言ってますけれども、あれは延べ人数でございます。私もチェックしましたけども、私どもは60人ほどのですね、雇用になりますけれども、そのうちの二十何人は正規職員化ですから、品川区さんのこと、余計なことで申し上げると、名前が出たから私も言わせてもらうと、品川区さんの計算と同じ計算を私どもの計算をすると、私どもも数千人単位になります。これだけちょっとまずお話をしておきたいと思います。ですから決して私どもの雇用の対応がですね、品川区さんと比べて大いに劣ってるなどということはございません。それで私どもとしては、じゃ今後の課題ですが、2月の上旬に国の方から二つの仕組み、交付金事業の通知が来ております。これは常用を主とするということでございますので、これは言うまでもなく私ども自治体では常用ができませんので違う対応をとるということですから、今すぐは難しいですが、23年度までにこの交付がありますから、23年度までにはそれを使って品川区に負けないような新たな雇用を私はつくっていきたいというふうに思っているところでございます。
それから職員の声を聞けという、これは私どもですね、組織論として、例えば2,000人いる職員の声を全部聞くなんてことはできないんですよ。そのために係長がいて課長がいて部長がいて、それは部長の仕事ですよ。課長の仕事なんですよ。その課の人間が何を考えて、どういう状況かを情報を収集して、課長がそれをまとめて部長に話して、部長が経済対策本部で私に話すというのが組織論なんですよ。どこに2,000人も集まる部屋があるんですか。100人が集まる部屋なんかないじゃないですか。だから組織論でいえば、それが対策本部ということでございますから、森議員に御心配を言われないまでも、そういった形で私どもはきちんと組織の中で、いろいろな方々の職員の意見は聞かせていただいているところでございます。
それから補正対応でございますが、これは適宜適切なときにやるということでございますから、いつやるかとかやらないとかどうだということはここでは言えません。適時適切なときに補正が必要ならば皆さん方にお願いをするということでございます。
それからもう一つ、ヘルパーさん含めて、これもさっき言った1,000人の雇用しながらつくってるじゃないかと、あの1,000人は品川区が外につくる、民間に1,000人をつくってもらうと、そういうことじゃありませんから、品川が民間で1,000人の雇用をつくると、そういうことじゃありません。私どもは例えばヘルパーさんの例も出ておりました。お仲間の岩崎さんもヘルパーのことを、あしたか、聞くようでございますが、これは私ども大事なことは、例えばですね、そのヘルパー2級、一つの例で申し上げれば、ヘルパー2級の資格を持って今この中に17万人も18万人もいらっしゃるわけですね。そうすると、そういった方々に、これはやらないよりもやった方がいいですよ、それは。だけども、果たしてそれが効果的なことになるのかどうかということはあると思いますよ。例えば私どもはそういう点でいえば、例えばここにもありますけれども、そういった形でやるなら私どもはこの今やっているヘルパー2級養成研修費の一部補助ということで、既に、これから受ける人じゃなくて、もう既に目黒区内で一生懸命働いてる方に補助した方が、もらったその人はですよ、目黒で受けてですね、大田区や品川区に行っちゃう可能性だってあるんですよ。それは広い意味でいえばその人の雇用ができるからいいけども、目黒区税を投入して大田区で働かれたら、区長としては立場ないんですよ。だけども目黒で働いている方にきちんとそういった形で私は対応させていただくということの方が、私はいいんじゃないかなというのは、あした言おうかと思ったんですが、今出ましたから申し上げますけども、私はそのように思っているところでございます。
それから最後の問題でございますが、ちょっとどういう意味だか、よく質問がわからなかったといっては申しわけないんですが、また予特で聞いたり、時間があれば再質で聞いていただきたいんですが、私が答弁で申し上げたかったのは、福祉でまちをおこすという、これはとてもいいことです。私、それは否定してないんです。だけれども、例えば目黒でいえば14.7平方キロメートルの中で、福祉ももちろん大事です。例えば産業経済も大切です。いろんな、私ども目黒区というのは総合行政ですから、いろんなことをこの目黒区の中でやっていくわけですから、私はこの福祉のまちおこしというのは、ワン・オブ・ゼムなんですよ。それだけで完結できないんです。目黒区じゅうが全部、福祉の施設になって、目黒としていいのかどうかということがあります。ですから私は、小さいお子さんから高齢者の方々が生活する目黒の中で、バランスよくさまざまな施策を展開していくというのが区長の大事な役割でございますから、その中に今言ったように、福祉のまちおこしという考えでやることもあるでしょうし、例えば今までの住環境を整備するために再開発を行っていく地域だって、実際に木密でやっているところだってあるわけです。それぞれがそれぞれの地域で展開をしていくということでございます。
○
雨宮正弘議長 森議員の代表質問を終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
〇午後5時05分休憩
〇午後5時22分開議
○
雨宮正弘議長 休憩前に引き続き、議事を再開いたします。
次に18番、坂本史子議員。代表質問を続けます。どうぞ。
〔坂本史子議員登壇〕
○18番(坂本史子議員) それでは私からは、無所属・目黒独歩の会からの代表質問ということになります。区長の所信表明及び区長の政策について伺っていきたいと思います。
2月16日の報道等によると、2008年10月から12月期の実質GDPが年率換算で12.7%減と、米国やユーロ圏に比べてもはるかに激しい落ち込みを記録したということで大変な事態になっておりますが、日本経済の構造における景気落ち込みを見通せず、昨年までは政府・自民党は目先の景気後退でおたおたすることはないなどと調子外れなことを言っていたのであり、責任は重大です。構造的な景気対策が必要であるにもかかわらず、的外れな2兆円の定額給付金のばらまき、この定額給付金は3年後の消費税増税とセットとなっており、景気対策ではないことは明らかです。しかも小泉構造改革における増税では、これまで13兆円の負担増になっており、2兆円1回の給付では焼け石に水だと言われます。自治体に給付事務を丸投げし、世論調査では7割以上が定額給付金を評価しないと回答していますし、公金を使った選挙買収だ、2兆円を雇用対策や医療・福祉に充てられないのかとの声はふつふつとわき上がっております。このような時代の中に、区長はどのような区政におけるかじ取りを行うのでしょうか。
それでは質問に入ってまいります。
(1)派遣切りを初めとする雇用不安に対し、昨年10月以降の解雇など条件の厳しさや、同様の施策を打ち出した自治体では、軒並み応募者が低迷しています。できるだけ長期の仕事をしたい、1カ月後の給料を待てないなどとの切実な声が寄せられて条件が合わないといった状態です。実態を知らず、困った人の目線で施策をつくっていないためにミスマッチが起きています。区報や広報紙には速報性がなくて、ホームページの案内は携帯からは見にくく、情報が浸透していないのも確かです。失職者の対象をパートや正社員にも広げるなど、自治体がこれまで柔軟に対応できるかが問われていますが、国及び東京都の補助金を最大限活用し、目黒区としてこの国の雇用対策の失政の結果とも言える人々の状況を救済するための政策を打つべきですが、いかがですか。
(2)目黒区の非常勤職員の平均給与は16万7,000円ですが、同じ仕事をしていても賃金格差が公然と放置されています。自治労の集計によると、自治体臨時非常勤職員は推定で60万人、23区、政令市では全体の23.6%を占めているということになっています。自治体みずからが「ワーキング・プア」をつくっていると指摘する人もいますが、早急に待遇改善を図るべきですが、いかがですか。
(3)東京都の景況調査によると、12月の都内中小企業の業況指数は、バブル崩壊後の1998年9月以来の低水準となりました。
そこで、ア、区内企業の景況に対しては下請け企業への単価切り下げ、中小企業分野への参入の配慮、経営悪化防止や倒産防止に区として有効な政策をとるとともに、都は既に経営者団体への要請を行ったようですが、大手企業団体等に必要な要請を行うことについて伺います。
イ、地域経済活性化と地域の消費喚起のため、例えば、中央地区であればその地域の地域特性にかなったきめ細かな措置を講ずることについて伺います。
(4)です。これからの目黒区の指定管理者制度の導入の方針に対し、区民からさまざまな形で見直し要求が上がっています。また既に導入された施設でも、やりにくさや士気の低下など問題が放置されたままです。区は、区民、職員の問題提起をそのままにせず、真摯に問題解決に当たるべきです。少なくとも福祉は自治体の責任でやり、一部業務委託を含めた工夫をしながら、全体の指定管理制度のみに偏った方針は撤回すべきです。特に保育については指定管理者制度ではやらないと決意し、方針転換するべきです。
ところで2009年4月の認可保育所入所申込状況によれば、入所可能数528名に対し、申込者数が1,003名で圧倒的に保育需要にこたえられていません。将来推計も含め、特に需要が逼迫している地域を考慮しつつ、新たな区立新保育所を建設するべきですが、いかがでしょうか。
(5)です。新センターについて、保健福祉サービス事務所から新センターということですが、所信表明の中で区長は、幅広い保健福祉の総合相談に対応していくとともに、介護保険申請の受付や保健福祉サービスの受付等をセンターが担うとしていますが、これまでのサービス内容から明らかに後退しています。正しくは統合して縮小し、民営化した後、多くのサービスを本庁に引き揚げるというべきなのです。
北部地区は株式会社やさしい手が受託する想定となっていますが、競争入札も行わず随意契約するのは公平な競争に反します。福祉事業団や社会福祉協議会でなく、どうしても福祉を民間事業者に投げたいというのなら、少なくとも公平に事業者を選ぶべきです。3年間の実績があるからといって、それは四つの委託事業にすぎなかったわけで、今回の事業委託に他の事業者を参入させない理由にはなりません。実績は福祉事業団がぬきんでており、他の居宅介護支援事業者は一線です。改めて区直営・事業団等・民間事業者でその優位性をはかるべきですが、いかがでしょうか。
続きまして、就学援助を受ける小中学生は約140万人で、この10年間で倍増をしました。進行する経済危機と社会の不安定化の中、その解決しない不安や不満の解消の矛先を、インターネット上でのいじめや誹謗中傷・差別の横行、重大事件へと向かわせている側面があると思います。基本的人権を抜きにした、家族・地域・民族・国家や社会規範・道徳性が声高に強調されてもいます。
2007年度実施の内閣府「人権擁護に関する世論調査」では、人権侵害が増加したと感じている人は約42%に及び、前回調査より増加しています。「人権教育・啓発推進法」制定以降のさまざまな取り組みにもかかわらず、改善どころか悪化する傾向さえあります。「中学の裏サイト監視」のような事後的な問題解決のみではなく、人権規範に基づく自己肯定感の創出や、経済的事由等で未来をあきらめざるを得ない子どもたちをつくらないための子ども政策を進めていっていただきたいと思います。悪質な昨今の書き込みなどを見ても、今こそ「子どもの権利条約」本体に立ち返り実践する必要があります。目黒区では「子どもの権利条約」に基づく条例を制定しましたが、今回、
子ども総合計画を作成委託し、プロポーザル選定するということですが、問題です。条約や条例で決まった計画を区みずから責任を持って策定するのは当たり前であり、そうするべきですが、質問は以下の点です。
(1)むしろ教育委員会、学校当局、校長、教員、PTA役員会等関係団体など、学校に携わる大人の側こそが「子どもの権利条約」を理解し、学習実践を行うべきですが、伺います。
(2)「教育基本法の改正及び関係法令の改正など踏まえ」『目黒区教育委員会教育目標及び基本方針』を改訂したということですが、基本方針のもとのすべての『項目』を削除をしましたが、なぜ区民意見や関係団体意見を聴取しなかったのか伺います。
続いて道路事業についてです。税金を、これまで道路特定財源などという形で「湯水」のように道路建設に使うことについて、国会においても社会的にも大問題になってきました。現に中央環状品川線は本来、首都高株式会社が有料道路代金で建設するはずが、さまざまな形で東京都は上記会社等へ出資し続けています。伺います。
(1)補助26号線について、土地買収については20%、2008年3月に終わっているはずの土地測量についても20%プラスアルファの進捗率ということです。道路計画自体に反対の方、また景気後退で、平均の営業実績では営業保障で生活再建ができない方、宅地の一部買収で生活ができなくなる方、住宅街を貫通することの環境悪化等、生活が壊される危険がある道路計画について、区として関係住民の実態把握を行う気があるかどうか伺います。
(2)中央環状品川線に原因する排ガスが換気塔から放出され、直近の住民ばかりでなく目黒区民は窒素酸化物やCO2、超微粒子や浮遊粒子状物質の排出に脅かされます。現下の社会経済状況の中で、道路事業は「一たん決まったらとまらない、とめられない」であってはなりません。伺います。
ア、国直轄事業等においては「最新の将来交通需要推計を基礎に厳格に反映」した事業評価を行うことが政府閣議で決定されています。目黒区では、全体事業費125億円、中央町一丁目二丁目地区だけで125億円の26号線、全体事業費4,000億円の品川線についての東京都の事業評価について区として把握し、時代に合った事業計画に見直しを求めるべきですが、いかがですか。
イ、将来人口の減少・自動車保有台数の減少・GDPなどの経済要因・地球温暖化防止・税の有効活用の観点で目黒区独自で事業評価を行い、2路線の見直しを関係機関に求めるべきですが、いかがですか。
ウ、この3年間の目黒区環境報告でも、幹線道路の夜間騒音についてはほとんどの路線で環境基準を満たしておらず、また多くは窒素酸化物排出について改善していません。自動車公害によるぜんそくなどの疾患に区民が苦しむことのないよう、さらに改善を行っていくべきですが、いかがでしょうか。
最後に大きい4点目です。中目黒二丁目の防衛省敷地内に自衛隊幹部学校を増設する形での新センターと、防衛研究所関連2施設を改築する総額約31.9億円をかけた計画が進行中と聞きます。議会運営委員会提出資料等によれば新センターは7階建て32メートルの建物で高さ制限を超えるため、建築審査会の議を経て計画通知が東京都に提出される建築計画です。しかし、これまでの新聞報道等では、2007年の中央即応集団の創設と御殿場の実戦部隊を構築し、都市ゲリラ戦などを含む物騒な事業内容を持つ計画ではないかとの懸念もぬぐえません。また、防衛研究所関連施設は「建築看板」によれば、研究センターと研究棟の二つ。こちらは議会に情報提供すらないので、炭疽菌等のBC級兵器を扱うのではないかと防衛省に聞いたところ、化学薬剤は使うとの、答えにもならない答えでありました。「情報提供」は周辺町会長と数棟の住民に限られ、周辺住民にもほとんど知らされていない状態で、住宅街の真ん中で「有事」を想定するような施設計画が知らないうちに進んでしまったら住民はたまったものではありません。国の防衛施設だからといって、すべてに優先して建築ができ、自治体に満足な説明もせず高いお金をかけてつくっていいわけではありません。これら防衛省施設がいみじくも区民の安全を脅かすような施設であってはならないことを区は確認するために、防衛省等国から積極的に区長が情報収集を行うべきでありますし、またその権利があると思いますが、いかがでしょうか。
以上、大きく4点にわたって代表質問をいたしました。壇上からの発言を終えます。よろしく御答弁のほどお願いいたします。(拍手)
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 坂本議員の4点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。なお、第2点目につきましては教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えいたします。
まず第1点目の第1問、国及び都の補助金を活用した雇用対策についてお答えいたします。議員御指摘のように派遣労働者の雇用問題を初め、完全失業率の上昇など雇用の悪化が懸念されています。そこで現下の厳しい雇用情勢への緊急措置として、昨年12月に都における緊急雇用創出区市町村補助金事業が、そして去る2月初めには国におけるふるさと雇用再生特別交付金事業及び緊急雇用創出事業の概要が示されたところです。区といたしましてはこれら補助金を積極的に活用すべきだと考え、昨年末に発表した本区の
緊急経済対策暮らしサポート21において、特別養護老人ホーム正規職員化その他の雇用創出に充てたところです。また、国の補助金につきましては、23年度までを補助対象期間として目黒区における概算の経費として1億3,000万円余が示されておりますので、今後、補助制度を活用して効果的な事業を行ってまいりたいと考えております。このほか、総合庁舎内に設置している地域就労相談窓口、ワークサポートめぐろの中に設置しているキャリア相談コーナーにおきましても、キャリアカウンセラー資格を有する専門相談員が幅広い年齢層を対象にきめ細かい就労相談を実施しているところです。今後ともハローワーク渋谷や東京しごとセンターなどの関係機関と連携協力を図りながら、求職者のニーズに合った就労相談についても充実を図ってまいりたいと考えます。
次に第2問、非常勤職員の待遇改善についてでございますが、御指摘のとおり現在800人を超える専務的非常勤職員を任用し、常勤職員とともに区民サービスを推進する重要な役割を担っていただいております。専務的非常勤職員の活用に当たりましては、区民サービスの拡充や事業運営の合理化、専門知識の活用など、より効果的、効率的な事業の執行を目的に拡大を図ってまいりましたが、待遇改善についても所要の整備に努めてきたところでございます。現在、専務的非常勤職員の報酬につきましては、採用後4年程度の職員に適用する給料月額に、常勤職員との勤務時間比例で算出した金額を基本額としておりますが、新年度は非常勤職員の勤務時間短縮を反映し、3%程度の増額改定を予定しております。今後とも社会経済環境の変化を踏まえながら、必要な見直しを検討してまいりたいと存じます。
次に第3問のア、中小企業の倒産防止等について、でございますが、例えば中小企業庁においては、下請代金支払遅延等防止法により、親事業者の不公正な取引を規制して下請事業者の利益の保護を図るとともに、下請駆け込み寺を設置して、中小企業から相談に応じています。また中小企業基盤整備機構においては、取引先企業が倒産し、売掛金、債権等の回収が困難となった場合に共済金の貸付金を行う中小企業倒産防止共済制度を実施しており、東京都ではこの共済掛金の一部補助金制度を創設しましたので、こうした制度の活用について
区内中小企業に周知してまいりたいと存じます。区といたしましては、受発注情報の提供や販路拡大支援など、さまざまな中小企業に対する支援を行っておりますが、今回の
緊急経済対策「
暮らしサポート21」において、中小企業の資金繰りに対応するため、
融資あっせん制度の充実を図ったところでございます。いずれにいたしましても、倒産を防ぐためには早期に適切な手だてを講じることが深刻な事態を回避する有効な手だてであると考えていますので、こうしたさまざまな中小企業の支援制度について、区報、ホームページ、商工だよりや商工相談所における経営相談の際など、機会あるたびに周知の徹底を図るとともに、関係機関とも連携を図りながら対応してまいりたいと存じます。
次に第3問目のイ、地域特性にかなったきめ細かな措置についてでございますが、百年に一度の危機と言われている米国のサブプライムローンに端を発する世界規模の金融危機は、区内の各商店街にも大きな影響を与えていることは承知しております。このため区は
緊急経済対策として、
暮らしサポート21及び
暮らしサポート21・Ⅱを策定したところです。議員御指摘のとおり、地域特性に合った商店街の販売促進活動が地域の消費喚起に寄与し、商店街の活性化につながるものであると存じます。このため区では、各個店の必要に応じて店舗アドバイザーを派遣したり、区内の商店街がその地域に合った消費意欲を喚起し、販売促進に寄与する方策の研究または実行する際にはその活動を支援しております。今後とも地域の商店街と連携し、地域特性に合った商店街の販売促進活動を支援してまいりたいと存じます。
次に第4問、指定管理者制度導入の方向転換と新たな区立保育所の建設についてでございますが、保育施設は指定管理者制度導入により経費の効率的な活用を図り、その財源を保育定員の拡充や多様な保育ニーズへの対応など、子育て施策の充実に振り向けていくことを主たる目的としたものでございます。
平成20年4月から指定管理者制度を導入した目黒保育園では、これまで事故の発生や保護者からの苦情もなく、順調な運営がされているところでございます。さらに昨年9月から開設した一時保育の平均利用率は8割を超え、子育てひろば事業の利用者もふえつつあります。加えて平成21年4月の入所希望状況では、入所枠の20名に対しまして、第1次希望者の申し込み状況は89名と、目黒保育園の入所希望は極めて高い状況でございます。このような状況を踏まえ、中目黒駅前保育園及び第二ひもんや保育園につきましては計画どおり指定管理者制度の導入を図ってまいります。
また、新たな区立保育所の建設についての御要望でございますが、今後の入所希望者の動向につきましては、就学前児童数の推移や子を持つ女性の就業率、景気動向など不確定要素が多く、想定することは難しい状況がございますが、今後も増加傾向が続くものと思っております。このため、保育所の整備や定員の拡大は重要な課題であると認識しておりますので、平成21年度に策定いたします実施計画や
子ども総合計画の中で、十分に検討してまいりたいと考えております。
次に第5問、新たな地域包括支援センターについてでございますが、平成21年4月に開設する新センターでは、従来の業務に加え、保健福祉サービス事務所が扱っていた受付業務を行うとともに、すべての区民を対象とした保健福祉の総合相談支援業務を実施してまいります。区民の多様な相談への第一次的な対応や複合的な問題を抱える対象者へのトータルな対応により、地域における相談支援体制の一層の充実が図られるものと考えており、これまでのサービス内容が後退することではございません。新センターの運営については民間法人に委託してまいりますが、法人の選定に当たっては、競争入札は価格のみによる決定方式であり、新センター業務を的確に履行できる事業者の選定にはふさわしくないため、平成18年度の地域包括支援センターの開設時と同様に随意契約を行うことといたしました。
また、新センターを円滑にスタートさせ、区民に適切なサービスを安定的に提供していくためには、これまで地域包括支援センターの運営に携わってきた各法人に継続して委託することが望ましいと判断したものでございます。選定に際しては公平・中立性の確保に留意し、学識経験者を含めた評価委員会を設けて各法人について適切な評価を行い、その評価結果を地域包括支援センターの運営協議会に諮り、承認をいただいております。区といたしましては選定した民間法人の専門的能力を生かしながら新センターを統括・支援し、地域包括ケアシステムの構築を目指してまいります。
すみません。申しわけない。次に第3点目、道路事業についての第1問、補助26号線に関する関係住民の実態調査について、でございますが、都市計画道路事業の施行に当たりましては、事業認可以前の各段階で説明会を行い、事業の意義などについて地域の皆様の御理解を得つつ進めるものでございます。補助26号線の整備についても、このような説明を東京都が事業者として行った後、平成19年9月6日に事業認可を受け、地権者など用地取得に関係する権利者との交渉を都が事業の責任主体となり行っているところでございます。用地取得に係る補償については損失補償基準に基づいて、用地をお譲りいただくための折衝に当たりますが、実際の折衝では個々に対象の方の実情をお聞きし、その方の抱える課題に対して解決できる手法を模索しながら進めていくものでございます。その上で、都においても、対象の方の生活再建を助成し、かつ自主的な移転を促進するために損失補償基準とは別に設けている移転資金の貸し付け等の制度を御紹介しているものと考えています。このように東京都が行う道路事業により直接影響を受ける住民の実態調査は、事業者である東京都が責任を持って行うものであり、区が対応するものはないと認識をいたしております。区といたしましては、改めて関係住民の方と実態把握はいたしませんが、補償の考え方など疑問等が寄せられれば、区として都に対してできるだけ働きかけをしていきたいと考えております。
次に第2問のア、26号線・品川線についての東京都の事業評価についてでございますが、都市計画道路は都市の骨格として必要な基盤施設として計画されたものでございます。現在、東京都の都市計画道路は放射方向と環状方向の幹線道路を中心に整備され、その6割が完成し、都市の骨格的な道路ネットワークを形成しつつあり、交通処理機能のみならず都市の防災上の向上への寄与など、着実に成果は上がっていると考えているところでございます。しかしながら、放射方向の道路整備に比べ環状方向の道路整備がおくれていることから交通渋滞などの解消が遅れており、環状方向の補助26号線や中央環状品川線の整備が求められているものと考えています。
東京都では昭和56年以降、おおむね10年間で優先的に整備すべき路線を選定し、区部における都市計画道路の事業化計画を策定し、現在、平成15年度に取りまとめた第三次事業化計画に基づき整備を進めているところでございます。この第三次事業化計画策定に際し、都と23区は東京を取り巻く社会経済状況を踏まえ、整備方針を策定したものです。この中で、自動車交通の混雑緩和への貢献や、都市間物流機能の向上、延焼遮断帯の形成、安全な避難道路の確保、災害時の防災性の向上、地球温暖化の抑制などの項目について評価し、優先して整備すべき路線を選定したものです。補助26号線の事業化に当たっては、このように都と23区が協議して事業化すべき路線を選定したことから、現在見直しを求めるという考えはございません。
また中央環状品川線につきましては、都心部の慢性的な渋滞や沿道環境の悪化を解消するために内閣府に設置された都市再生本部が整備を位置づけたプロジェクトでございました。都としても解決すべき重要な課題として行っている事業と認識しているところでございます。このため区としては見直しを求める性格の事業ではないと考えているところでございます。
次にイ、目黒区独自の事業評価による2路線の見直しについてでございますが、平成15年度に策定した第3次事業化計画の検討に当たりましても、人口減少と高齢化への対応や環境との調和への対応、低迷する経済状況への対応、都市防災への対応など東京を取り巻く社会経済情勢の変化も含め、対応し検討しているものでございます。目黒区としても区内の都市計画道路のうち、目黒通りなど放射方向の道路の整備はほぼ完成しているものの、環状方向の道路整備が十分とは言えません。このため抜け道として生活道路に流入する車が見受けられます。特に補助26号線周辺は歩道のない狭い道路が続く、通り抜け車両による危険性が指摘され、解決のためには補助26号線の整備が不可欠と考えています。また交通渋滞に伴う自動車等の低速走行は、エネルギーの過剰消費や大気汚染物質の増加など環境への影響等をもたらす要因となっており、道路整備により地球環境への負荷の軽減や温暖化防止に寄与するものと認識しております。このほか、延焼遮断帯の形成や電線地中化、街路樹の整備による景観の向上、歩道の整備・拡幅によるバリアフリー化などの効果も期待されるところでございます。このようなことから補助26号線及び中央環状品川線の事業効果につきましては十分にあるものと認識をしており、区独自で事業評価を行うことは考えてございません。
次に第2問のウ、自動車公害について、でございますが、夜間騒音につきましては御指摘のとおり、ほとんどの測定地点で環境基準を超過しているのが現状でございます。一方、昼間の騒音につきましては夜間に比較して環境基準が緩やかになることもあり、基準に適合している測定地点が比較的多くなります。排出ガス測定局におきましては、測定数値は徐々に改善しつつあるものの、都内でも常に上位に位置づけられているという状況でございます。これらの自動車公害の改善について、でございますが、都道や国道のため、基礎自治体である目黒区において取り得る施策は残念ながら極めて限られており、広域自治体である東京都における条例、あるいは国の法律による規制にゆだねざるを得ない性質のものでございます。区といたしましては法律や条例による道路公害に対する規制のPR、あるいは区が実施しております騒音や窒素酸化物の測定数値を注視し、特に著しい悪化が見られるような場合におきましては関係諸機関と協議するなどして、自動車公害の改善に向けた取り組みに努めてまいりたいと考えております。
次に第4点目、防衛省が中目黒二丁目の同省敷地内に建設予定している施設についてでございますが、同施設につきましては昨年10月に防衛省から区に対して概要の説明があり、その内容は議会運営委員会にも御報告したところでございます。また、同省から地元への対応として近隣5町会の会長に説明をした上で、回覧板等で建設計画を周知した旨の報告を受けております。区として把握しておりますのは以上でございまして、御指摘のございました点は聞き及んでおりません。懸念されるようなことがあるとすれば、防衛省の責任においてその払拭に努めていただくべきものと考えます。本件の事業主体はあくまでも防衛省であり、同省の敷地内において法令等に適合した施設であれば区として建設にかかわる手続以外で直接に関与することはできませんし、強制的に情報提供を求めることも困難でございます。仮に区が間に入ったといたしましても、当事者ではございませんのでその伝達に終始することとなり、真偽を確認するすべもございません。また時間も要することになり、対応に限界がございます。疑問等に的確にお答えできるのは当事者である防衛省でございますので、同省に直接対応していただくのが適切と考えます。したがいまして、本件に関しましては区民の皆様から寄せられた要望等を防衛省にしっかりとお伝えするとともに、区といたしましても区民の皆様の要望等の趣旨を十分御理解いただき、必要な措置を講じていただくよう要望いたしたところでございます。
以上、お答えとさせていただきます。大変失礼しました。
〔大塩晃雄教育長登壇〕
○大塩晃雄教育長 坂本議員の第2点目につきましては、私からお答え申し上げます。
まず第1問目、学校にかかわる大人の側こそが子どもの権利条約を理解し、学習実践を行うべきであるということについてお答えいたします。学校では中学校3年生の公民的分野で、子どもの権利条約を学習しています。また、子どもの権利条約の理念に基づき、平成17年に施行された目黒区子ども条例を活用し、全教育活動で人権尊重教育を進める折に子どもの権利条約について学習をしております。指導する側の学校にかかわる大人である教員については、目黒区人権尊重教育推進委員会が作成した人権感覚チェックシートを用いて、一人一人が自己点検し、人権感覚を高めるよう努めているところでございます。チェック項目には目黒区子ども条例の趣旨を生かし、子どもの権利に配慮した教育実践をしているかどうか問うものがございます。教育委員会といたしましては、目黒区教育委員会基本方針の第1番目に人権を尊重する教育の推進を掲げておりますので、今後とも教員を初め、目黒の教育推進にかかわる関係者が子どもの権利条約や目黒区子ども条例の理解を深め、人権感覚を磨き、教育の実践に努めてまいります。
次に第2問、目黒区教育委員会教育目標及び基本方針の改定についてでございますが、平成13年に策定した教育目標及び14年に策定した基本方針については、この間、特段の見直しを行わないまま推移してまいりました。平成18年12月、教育基本法の改正を初め、学校教育法や学習指導要領の改定など大きな改正が行われてきたことから、改めて見直しをすることといたしました。教育目標及び基本方針は、教育基本法及び学校教育法の目標、そして本区の基本構想及び基本計画を踏まえて、教育委員会の考え方を明確にするために策定してまいりました。改定に当たり、教育目標は教育基本法に合わせ、伝統文化を加えるという形で改正しましたが、基本方針は若干の文言を修正したのみで、その下に位置づけてきました施策ごとの方向性は削除いたしました。その理由といたしましては、施策の推進に当たり、中期計画として学校教育プランや芸術文化振興プランなどに計画的に定めた施策、そして毎年、単年度ごとに定めております教育行政運営方針に基づく実施策などで教育行政を進めてきましたことから、改めて施策の方向を掲げないことといたしたものであります。教育目標、基本方針については、さきに述べたような経緯を踏まえており、めぐろ学校教育プラン、芸術文化振興プラン、生涯学習実施推進計画及び特別支援教育推進計画などで既に区民意見を求めてきましたことから、教育目標改定に当たっては教育委員会において決定をしてきたところでございます。
以上、私からのお答えとさせていただきます。
○18番(坂本史子議員) (発言中10字削除)最初の方の出だしはね、区長、ちょっと聞いていたのですけれども、後の方はちょっとね、全然よくなくなりましたね。私の質問を何だと思っているんだという感じでいらいらして聞いていましたけど、例えばね、道路計画については、私、今までの事業のことをとうとうと述べられても、私そんな勉強していないわけじゃないですよ。なぜ聞いたかというと、今さら、この去年の11月21日に新たな将来交通需要推計というのが出て、政府閣議決定されているでしょう、国会でもやっていましたよ、それを。だから、その将来推計が変わって、例えばかなりのところで需要が低くなっているということで道路事業自身を見直さなくちゃいけないというようなこともあったもので、それで新たな需要推計に対してどういう考えを持っているんだということで、4点ばかり聞いたわけですけれども、これはやめますよ。今やっても仕方がないので。聞きたいのは、最初の方で保育所入所ということで区長も認識をお持ちで、次回の計画の中で保育所需要に対して、新たな施設建設の部分も含めて考えていくということなんですが、例えば今回の介護保険事業計画の中で特別養護老人ホームを1棟80人定員のものを建てるという事業計画になりましたね。これ3年後ですけれども、3年という歳月というのはもう既に土地の目当てをつけるというような、土地の大きさからいってそういう事業だというふうに思うんですね。例えばですよ、今回の第二ひもんや保育園については、住宅との合築だということ、それから中央区には保育所と特別養護老人ホームの合築の施設がある等々の事例を考えると、単独でつくれるのか、それとも合築がいいのか。今、保育所建設については全く補助金がない状態ですから、合築にしたところで別の補助金を使うということで補助金自身はそこに出るわけではないんですが、ただ土地の問題とかそういう逼迫を考えれば、例えばそういう考え方もあろうかと思うんですね。それは、特別養護老人ホームの建設とそれから保育所事業については地域特性がありますから、じゃ西部はどうするんだと、西部につくれるのかという話になるとまたちょっと違うと思うんですが、そういったところも合築というようなことも考えながら、やはりそれは3年とか、そういうスタンスでなければ、今の保育需要に追いつかないと思うんですね。ですから、そういうことも考えつつ、ちょっとぜひ考え方を聞かせていただきたいというふうに思います。
それから新センターなんですが、事業の委託の関係を見ると、今回400万の新たにこれ消費税がかかるんですね。もちろんこれまで区直営でやってきたわけですから、税金が新たにかかるということはありませんが、2億8,500万の五つの事業費のうち、そうした400万に近い消費税がかかるというようなことも含めて、私は非常に今回の新センター構想については矛盾に満ちているというふうに言わざるを得ないんですね。やはりまだまだ区民、御存じないですよ。四つの保健福祉センターがなくなって民間委託されるということについて、まだまだ御存じないですよ。そうした中で、総合相談業務、支援業務についてはこの事業委託の内容を見ても、ほとんどここでできないんではないかというような事態も私は想定されると思います。五つの保健福祉サービス事務所については、福祉の谷間を縫うようにして、はうようにしてやってきたということで、これはね、区長ぜひ、本当に区長が明言している所信表明にも言っているように、そうした谷間を縫ってきた保健福祉サービス事務所のサービスが絶対低下することのないように、それはもうぜひ区長の口から保障するという言葉をお聞かせいただきたいというふうに思います。
あと、中目黒の防衛省の増築の関係ですけれども、区長の権限が及ばないところというのは私は違うと思うんですね。これは朝霞の駐屯地に中央即応集団という形のものが新しくつくられたのが2007年です。そこの部隊の展開として御殿場と、それから今回目黒に持ってくるということが、もう既に2007年の予算の中に入っています。これは中央即応集団というのはテロとかそういうものに対応するということで、この駐屯地の中に陸自のイラク派遣部隊のサマーワ宿営地の一部を模した施設をつくって、そういう訓練もやったということで、大変、今のいわゆる日本全体の米国の再編の中の渦中にある施設だということがあるんですね。あそこの中目黒の施設は非常に重要な防衛省の施設になるということは明らかなんです。もう一つの防衛研究所の2施設については隊員の防御服をつくるということで、防御服ですから弾丸が飛んできたときの防御もあるし、生物化学兵器があるときの防御でもあるということを考えれば、生物化学兵器系のBC級の開発をそこでやるのかどうなのかということについては、これは非常に不安を覚えるところだと思うんですね。何が問題かというと、地方自治法にもあるように・・・・・・・・・・、区長はやはり住民の安全を第一に考えてなくてはならないわけですよ。今、ほとんどあそこで何が行われていようとしているのか、何が来ようとしているのかというのが知らされていない。目黒区民は知っていないということの中で、区長は第一義的に住民の安全・安心を確保するために情報収集をするということは必要なことなんですね。あそこは中目黒公園を一帯として広域避難場所になっています。そういう広域避難場所になっているということは地域住民がそこに安全に安心して避難できる場所であるということを確保されていなくてはならないわけなんですね。ですから、そういう観点から、いま一度、もちろん住民の要望に沿って区長が動いていただけるということですから、それはそれで結構なんですが、さらに区として積極的に区民の安全を守るという点で本当にそういう危険性がないのかどうなのか、どういうことなのかということについて積極的に情報収集するということで考えていただきたいというふうに思います。
○
青木英二区長 1点目の今後の認可保育園の整備でございますが、これから
子ども総合計画も策定してまいりますし、その裏づけとなる実施計画等もあるわけでございまして、いろいろな方法があるかと思いますので、ここでこの方法をとりますとか、この方法はとりませんとかいうことは軽々にお話はできないというふうに私は思っております。特に今、議員も御指摘のように、質問書にも書いてあるように、不足している地域にぜひということになると、さらにその選択が難しくなってきて、それが仮に合築にしても、合築する相手がその地域に、相手というか施設がそこにきちんとあるかどうかという問題もありますから、課題として私ども、どういうふうにこの待機児の解消に努めていくか、これから検討していく、いろんな対応の仕方があるだろうというふうに思っておりますので、にわかにここでこの方法でやります、この方法でやりませんということは今の段階ではまだお話ができないというふうに思っております。
それから地域包括支援センターの役割でございますが、これはよって立つ考え方によって違いも出てくるかと思いますが、これはもう今、坂本議員も御指摘のようにしっかりとやっていけということの激励というふうに私も受けとめますが、それは全くそのとおりでございます。意見がそこは合っております。私は当然これは一つはやはりこの民間の事業者に委託をして、例えば社会福祉士の方、やはりいろいろなネットワークを持っているでしょうから、そもそも相談というのはここで解決ができるわけじゃなくて、私のイメージとしては、これはやっぱり交通整理だと思うんですね。いろんな相談を受けてそれを次につなげる、いろんなネットワークを事業者として持っているということを期待しておりますから、そういった面での活躍、このセンターが担うべきだというふうに思っております。あわせて、私どもは新たに課を設けました。その中でこの活動を一生懸命支援をしていく、この両方が車の両輪となって総合的な地域における総合的福祉の相談窓口になるように、御指摘もいただいている点も含めまして努力をこれからもしていきたいと思いますが、引き続き叱咤激励をお願いを申し上げたいというふうに思います。
それから3点目でございますが、これは私ども一つは、これまず二つ問題があります。私も質問書をいただいて、新聞報道によると物騒なものができるというふうに書いてありましたので、私どももすべての新聞に目を通せるわけじゃないので、いろんな新聞報道があるんだと思うんで、もしできたら事前に何月何日の何新聞か、次のまだ時間があれば、こういう新聞に厳しくこういうふうに書いてあったというのを教えていただけると情報が共有ができますので、私どもが見た新聞の範囲は、昨年の7月6日の日経新聞にこのことが出ておりました。まだ目黒に来るということは出ていませんでしたが、ただ私どもが受けている情報と同じように、こういったセンターですよ、教育機能がありますよ、研究機能がありますよという程度しか書いてませんから、そこを読んだら物騒なものが来るというようなことはその新聞には書いてありませんでした。それから、過日の東京新聞、ドタキャンをされたという記事が出ておりました。この記事を読んでもドタキャンしたということは、ドタキャンしたかどうかはわかりませんが、そういった内容のことは書いてありましたが、今、坂本議員が新聞報道に書かれている物騒なものだというのもその新聞にも書いてありませんでした。いつどこの新聞かを次の質問でお聞かせをいただければ多分、私と情報が共有できますので、状況によっては逆に言うと私からその新聞社に問い合わせてどういう情報かも聞くということはできるかなと思いますから、あと3分残っていますから、ぜひ聞いて私にお示しをいただければというふうに思います。これだけではちょっとわからないので、申しわけありません。
それからもう一つ、私も皆さん方とお会いをいたしました。坂本議員もその中にいらっしゃいました。バイオロジカル、それからケミカル、兵器、BC級兵器、非常に不安があるということをおっしゃっている方々もいらっしゃいました。いらっしゃいましたので、私はうちの部長、課長を防衛省に行かせて、住民の皆さんはこういう不安がある、はっきりと私もバイオケミカル、バイオロジカル、ケミカル、兵器だと言われても私もはっきりとわかりません。説明受けてもわからない。私が聞いたのをうまく坂本議員にも説明ができません。ですから当然、事業主体である防衛省が地元にこういう不安があるんだからちゃんと説明をして、その不安を払拭をしてくださいということを、これは自治体の長として責任を持って公文書で防衛省に行ってきたと、そういう経緯でございます。防衛省の方がこれからの対応されるということですから、よく防衛省から今のBC級の問題も、坂本議員は出席されるかどうかわかりませんが、出られたらよく聞かれて、もし問題があればどうぞ追及していただきたい。
以上でございます。
○18番(坂本史子議員) 区長は目黒区民のやはり不安やそうした何が来るんだろうというものに対して、やはり説明する、区長は区長として説明する責任があると。もちろん施設をつくる側はもちろんそれがあるということなんですけれども、区長がそれをやってくださいと言っているんです。目黒区民も周辺住民も知りません。それは、区長もそのこと自身を御存じだと思うんですね。だから、区長自身が聞いて、それで区民の不安を払拭するようにしていただきたいと思います。見ればですね、防衛省の予算というのは全部出ています。概略といえば概略ですけれども、この中に個人用防護装備というようなものであるとか、今回建設予定のセンターも出ています。それは中身は何なのかというのはわからないんです。それをどういうものですかということを区長みずからが聞いて、区民に知らせるということをしていただければ、私はいいというふうに思います。
あと一つ、ちょっと……。じゃ、それで。
○
青木英二区長 同じことを繰り返しますが、今言った問題がある施設だという新聞報道がされていると言っていますから、何月何日の何という新聞にBC級の兵器があるぞという、それをお示しいただければ、それは私どもとして情報の共有ができるんではないかと。まず、だからそれをお願いしたい、書いてないんでよくわかりませんから、まずそれが一つあります。
それからもう一つは、何か今も言ったように、例えばBC兵器が、僕は防衛庁の浜田大臣に会って、BCがこうで、こうで、こうでって聞いても、残念ながら、残念ながらですよ、副区長が行ったって、私が行ったって、総務部長が行ったって、だれが行ってもわからないんですよ。だからさっきの道路建築と同じように、事業主体がきちんとこうで、こうで、と説明をしなければ、また言われて、そうですね、じゃ私が、またよくわからない人間がまた防衛省に行ったり区民の皆さんに行ったりと、そういうことじゃないんですか。事業者主体が責任を持ってやるということを強く要求してきました。
以上です。
○
雨宮正弘議長 坂本議員の代表質問を終わります。
次に、2番石橋ひとし議員。
〔石橋ひとし議員登壇〕
○2番(石橋ひとし議員) 公明党区議団を代表し、所信表明に関する5点、16項目にわたる質問をさせていただきます。
大きな1点目、区政を取り巻く状況認識と決意について伺いたいと思います。
その前に、初めに去る1月20日、変革を掲げたバラク・オバマ氏が第44代アメリカ合衆国大統領に就任いたしました。大いなる時代の変革のうねりを感ずるわけでございます。
アメリカは建国233年、第16代大統領リンカーンが奴隷解放を成し遂げて約150年、ローザ・パークス女史の、白人へのバス席を譲ることを拒否して逮捕されたことからバス・ボイコット運動が始まり、キング牧師のワシントン大行進で、「私には夢がある。私の子どもが肌の色でなく、内面の人格によって評価される時代が来ることを」と述べてから約50年が過ぎました。南アメリカのアパルトヘイトで、終身刑を宣告されたマンデラ大統領が就任して約15年がたちました。さきのオバマ大統領就任式に参加していた10歳の少女が、肌の色ではなく、何をしたか、やってきたかで評価してほしいと語っておりました。古い仏典に、「竹に節あり、一つの節割れぬれば、ほかの節も割れる。」また、「囲碁に四丁あり、一つの石死ぬるれば、ほかの石皆死ぬるなり。」さらに、「1人を手本として一切衆生平等」という言葉がございます。また1人、オバマという歴史の手本となる人物があらわれました。未来をつくるアメリカの青年が中心となって、未来の指導者を選びました。偏見の壁を破った歴史的な事柄を創出したと思います。ハードからソフトへ、経済競争から地域や人道への貢献競争へと、時代精神の海流の底は動いているように思えるのでございます。昨年7月、オバマさんは選挙期間中ベルリンでのスピーチで、今こそ核兵器のない世界の平和への行動を始めるべきときであると述べました。これを受けて9月にはプーチン首相が、わずか2、3年前に聞かされたならば、私はそれが可能だとは思わなかっただろう、しかし今や人類が核兵器から開放される可能性は十分にあると思うと語ったのであります。昨年来の経済危機、金融市場の混乱は、経済至上主義の破綻であり、人間の際限なき欲望への警鐘と言う学者もおります。新たなる価値を模索するチャンスなのかもしれません。20世紀最大のイギリスの歴史学者トインビー博士は、歴史は挑戦と応戦の繰り返しである。世界の指導的役割を果たしてきた西欧は、近い将来、東アジアに変わっていくであろうと予測しております。歴史の挑戦を、人間の英知と知恵の応戦で勝ち抜くことを信じたいものであります。オバマ大統領は就任演説の中で、世界は変わった。ゆえに我々もともに変わらなければならない。今、我々に求められているのは、新しい責任の時代に入ることであると呼びかけました。そして人類の普遍的価値とも言える環境問題と核兵器廃絶を掲げて、アメリカ国民と世界に行動の共有、責任の共有、そして平和の共有を訴えました。大きく変わりゆく歴史のど真ん中にいるような感じを覚えるわけでございます。
そこで(1)オバマ大統領就任をどう評価されているのか、青木区長の所見を伺いたい。
(2)歴史のど真ん中に生きる、難しい区政のかじ取り役船長としての改めての決意を伺いたい。
大きい2点目、所信表明の四つの重要課題に対する基本的な取り組みについて伺います。
ことしに入って明らかになった経済指標は、予想を上回る悪化を示しております。企業の生産活動を示す鉱工業生産指数は過去最大の下落率であります。失業率、消費支出も悪化、日本経済は輸出の大幅減、そして生産縮小、さらに雇用悪化、それが個人消費の冷え込み、そしてさらに生産縮小という負の連鎖に陥り始めていると指摘されております。目黒区でも青木区長を緊急対策本部長として、
暮らしサポート21、
暮らしサポート21・Ⅱと称する
緊急経済対策31項目、37事業に11億円実施されたことは評価されるところでございます。国レベルでは第1次、第2次補正、09年度予算案、税制改正等で、事業規模75兆円の切れ目なき総合経済対策が盛り込まれました。これから定額給付金を含む第2次補正予算の成立に伴い、関連法案は未成立でございますが、早晩決着がつくのではないかと思います。定額給付金は減税の一種であり、定額であることは低所得者層への所得再配分となります。経済後退が進行する中、家計への緊急支援と、住民に幅広く給付することで、地域経済の浮揚策として実施されるものであります。今やこの政策は世界の潮流であり、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、フランス、オランダ、台湾、韓国など、給付つき減税は世界に広がっております。最大の経済対策であり、非課税所得者にも給付されるもので、支給に関する問い合わせもふえていると伺っております。評論家の田原総一郎氏も、実は国民は期待して待っているとも述べています。目黒区も臨時本会議を開き、補正3号を手当てされるかと思いますが、その予算規模は38億円を超えております。これだけの金額が目黒区に交付されるわけであります。目黒区
緊急経済対策の3倍を超える金額であります。これ以上の経済対策はないのではないでしょうか。公明党目黒区議団としても、定額給付金に合わせて、このチャンスを目黒区商店街連合会や産業経済課は、地域の産業活性化に生かし、元気で活力あふれる目黒区にしてほしいと願い、プレミアム付き商品券の発行など要望書を提出したところでございます。他の市区町村でも130を超える市区町村がプレミアム付き商品券を考えていると報道されております。東京都でも24日の本会議で、議員の質問に対して、プレミアム付き商品券の発行経費について、都の、新・元気を出せ!商店街事業で補助するように主張し、佐藤広産業労働局長は同事業を活用して支援すると答弁しております。1月27日に、第2次補正予算成立に伴い、事務経費の予算執行と申請受付までの準備作業は行うことができます。福島県の南会津町は、全国で初めて定額給付金の申請書類の発送を開始しております。安心・安全を標榜する青木区政はさすがだなと言われる努力と、迅速なる対応をお願いしたいと思います。
そこで(1)、定額給付金課を含む全庁的な取り組みで、どの市区町村よりも早い実施をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
(2)本区でも、地域振興のためにプレミアムをつけた商品券の発行をと望みますが、いかがでございましょうか。
(3)に、例えば1世帯1回5万円までとか、商品券購入引換券は各世帯に郵送する申請書類に同封するなど、工夫を凝らされたらいかがでございましょうか。
大きな3点目、次に、「暮らしのセーフティネットの充実」について伺います。
目黒区は待機児童が今なお100名を超えております。待機児童ゼロ作戦と言われて歳月が過ぎております。
子ども総合計画の策定が所信表明の中で述べられておりますが、さらに目黒区の人口構造の変化に伴う高齢者ニーズへの要請や介護も述べられておりますが、高齢社会、特に団塊の世代の再雇用が定着し、地域参入、参加がおくれております。参入、参加し始めると待ったなし、一気ではないでしょうか。今から団塊の世代の地域参加に関し、高齢者が充実した老後、健康づくり、生きがいづくりの環境整備が大事なのではないでしょうか。2007年から問題は今なお解決しておりませんし、続いておりますし、続きます。高齢者総合計画とも言うべきメニューとプログラムの作成をすべきだと考えます。そのことが介護保険や健康保険利用の軽減につながるはずだと思うのであります。
そこで(1)、「
子ども総合計画」の中で、保育園待機児童ゼロ作戦のタイムスケジュールの目標を明確にすべきであると思いますが、いかがでございましょうか。
(2)、また現在の幼保一元化、一貫教育の流れに沿って、区立幼稚園や私立幼稚園を含む認定こども園の検討の時期に来ているのではないでしょうか。保育園待機児童の定員数拡大について今後の所見を伺いたいと思います。
(3)、「高齢者総合計画」を全庁的、横断的に考えていくプロジェクトチームが必要だと思いますが、いかがでございましょうか。
大きな4点目、次に、「地球と地域にやさしい環境づくり」について伺います。
所信表明では、まず取り組むべき課題は、低炭素社会と資源循環型社会の構築を挙げられ、今こそ私たちは二酸化炭素を大量排出する経済活動や生活様式とは決別し、低炭素社会と資源循環型社会の実現に直ちに取り組むべき責任があると言わなければなりません。みずからの生活様式や経済活動の見直しに踏み出そうと呼びかけておられます。韓国出身で、バン・ギムン国連事務総長は就任以来、長い目で見れば豊かな人々にも貧しい人々にも例外はなく、気候変動のもたらす危険をまぬがれることのできる人は、この地球上のどこにもいないと警告しております。昨年の温室効果ガス削減交渉は進展が少なかったのですが、これからアメリカの積極的な参加が期待できます。また、オバマ大統領はグリーン・ニューディール政策として、エネルギーや環境分野で重点的に投資し、雇用創出プランを打ち出しております。ここに来て一気に温室効果ガス削減競争へ、世界は低炭素化競争への時代に突入した様相を見せております。公明党は世界が危機感を共有する喫緊で最重要課題、日本の環境技術は世界トップレベルであり、その技術力で世界に貢献し発展する日本を実現する第2の産業革命、グリーン産業革命、緑の社会への構造改革と銘打ち、太陽光などに3年間で10兆円、5年間で200万人の雇用創出などの提言をまとめたところでございます。国は太陽光発電の助成制度を第1次補正予算でスタートさせ、1キロワット当たり7万円、一般家庭の標準は3キロワットですので21万円。東京都は1キロワットで10万円、一般家庭の標準3キロワットで30万円。目黒区も1キロワット当たり8万円、一般家庭の標準3キロワットで24万円、1世帯75万円程度の助成となっております。また一昨日2月24日、経済産業省と電気事業連合会が、太陽光発電の固定価格買い取り制度で合意いたしました。電力会社に通常の2倍の価格で、太陽光発電の余剰電力を10年間買い取らせる新制度であります。国の本気度が見てとれる制度であります。目黒区は一自治体というよりも、区内最大規模の事業所として他の事業所、区民に率先して範を示さなければなりません。これまで本区はISOを中心に省エネや省資源に取り組んでまいりましたが、この4月からはISOをやめて新たな取り組みを開始します。国における省エネ法や東京都条例の改正を受けて、新たな対応を求められることになったというのがその理由であります。問題は、新たな取り組みによって、温室効果ガスが実際どれだけ削減できるかであります。報道によりますと、日本全体で温室効果ガスは減るどころかふえていると言われております。今、環境問題が時代精神と世界の普遍的価値の舞台に踊り出てきております。環境問題にこだわってきた青木区政の出番でもあります。行動の共有、責任の共有というリーダーシップを発揮していただきたい。
そこで(1)区長みずからリーダーシップを発揮して、強力な推進体制を整え取り組んでいく必要があると思いますが、その決意を伺いたいと思います。
(2)太陽光発電導入の助成制度の十分なPRと、利用しやすい内容にしていただきたい。今後の見通しを伺います。
(3)区民にはライフスタイルの変革を求めながら、公共施設は効率化から脱却できないというのは矛盾であります。総合庁舎を初め、区の主な施設、学校などにも太陽光発電設備がほとんど設置されておりません。目黒区の率先垂範の行動についての所見を伺います。
(4)公用車をハイブリッドカーや電気自動車の導入など、メーカーはどんどん新車を出しております。区民がやる前に区が率先して購入し、全車入れかえメニューを区民に目に見える形で公表するなどしたらいかがでございましょうか。
(5)温室効果ガス削減のため、区施設の白熱電球を電球型蛍光灯やLEDに切りかえ、区立公園や遊歩道の照明灯を太陽光発電に順次切りかえる、考えればやることがたくさんございます。経費もかかります。要はやる気、区長の決断であります。区政の重点政策の一つに環境問題を掲げている区長として、もう一歩進んだ取り組みをすべきではないかと考えますが所見を伺います。
大きな5点目、「地域特性を生かした目黒らしさのある取り組み」について伺います。
目黒らしさの一つに、目黒川の桜は特に近年注目されております。今や東京三大桜名所の一つになった感がございます。その集客力は目を見張るものがあります。予算要望でも、目黒川を中心とした地域・商店街や観光を含む社会資本の整備に予算を投資すべしと要望したところでございますが、昨年も質問しましたので繰り返しませんが、確認をさせていだきます。
(1)観光まちづくり協会を設立し、地域経済の活性化に資する対策を進めるとありますが、その具体策と所見を伺いたいと思います。
(2)東急中目黒、代官山、JR目黒、恵比寿、池尻大橋など、周辺駅での乗降客数と、それに見合う対策とシミュレーションはでき上がっておりますでしょうか。消防、警察、商店街など関係部署の合議体は機能していますでしょうか。所見を伺います。
(3)周遊バス運行はできませんか。リトルバスが無理なら、あている定期バスの活用とか、通年が無理なら桜期間とか春秋イベントとか時期を限定した検討をしたらいかがでございましょうか。
以上5点、16項目にわたる質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〔
青木英二区長登壇〕
○
青木英二区長 石橋議員の5点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。
まず第1点目、区政を取り巻く状況認識と決意についての第1問、オバマ大統領就任の評価についてでございますが、本年1月20日、バラク・オバマ前上院議員が、第44代アメリカ合衆国大統領に就任されました。多くの人々が見守る就任式の演説において新大統領は、我々は危機の真っただ中にいるとして、これまでの戦争や経済危機などに言及しながら、アメリカの再生を強く国民に訴えていました。新大統領は就任演説の中で、まず今回の金融危機に触れ、自由を拡大する市場の力とともに注意深い監視が必要であり、繁栄がすべての人々に享受されるようにしていくことが公共の利益に通じる最も確実な道であること、世界の平和と安全を取り戻す必要があることを表明するとともに、今求められているのは責任を果たすべき新たな時代であり、希望と美徳を持って困難な仕事に全力で立ち向かうと力強く国民に呼びかけております。私は、新大統領の新たな挑戦の姿勢、希望の実現を目指し、チェンジ、すなわち現状の改革に取り組む勇気ある決意など大いに共鳴するものです。今後のアメリカ政府の政策や経済の動向には、我が国も大きな影響を受けることから、私は新大統領のすぐれた手腕に期待し、難局の打開を願うものでございます。
次に第2問、区政のかじ取り役に当たっての決意でございますが、私は昨年の所信表明において、まちづくりはきょうの立場に立ちながらも、あすへ向かい未来をつくる行為であると申し上げ、再度区長の職責を担う決意を表明いたしました。昨年後半から世界的な規模で不況が進む中で、急激な円高や株価の大幅な下落が、我が国の実体経済にも大きな影響を及ぼしております。私は区政を担う者の責務として、社会経済状況の変化に伴う区民生活の現況を直視し、区民の暮らしを守るための対策をタイミングよく打ち出すことが極めて重要であると考えております。そのため昨年暮れから年明けにかけまして、区民の暮らしを支える
緊急経済対策として、
暮らしサポート21及び
暮らしサポート21・Ⅱを策定したものでございます。これらの対策を含め、平成21年度予算につきましては、区民の暮らしを支え、あしたにつなげる予算と位置づけたところです。急速な経済・雇用情勢の悪化など、非常に厳しい局面に際し、区政の方針を明確に示すことにより区民の不安を取り除き、山積する課題に果敢に取り組み、すべての区民の暮らしをしっかりと支えていくこと。そしてきょうの暮らしをよりよいあすにつなげ、希望を持てるようにしていくことが区政のかじ取り役を担う私の使命と考え、今後とも全力で取り組んでいく決意でございます。
次に第2点目、所信表明の四つの重要課題に対する基本的な取り組みについての第1問、全庁的取り組みで、定額給付金をどの区市町村よりも早い実施をについてでございますが、本区におきましては、昨年の12月22日付で区民生活部に定額給付金担当課長を新設するなど、他区と比べても早い時期から準備に入っております。給付の開始に当たりましては、関連法案の成立、区の実施要網の制定、区の補正予算の成立が条件と考えておりますが、さきに決定いたしました区の当面の方針では、関連法案の成立時期を3月14日以降と想定し、5月中のできるだけ早期の給付開始を目指しております。国会の動向によりましては、給付開始時期も含め、スケジュール全体の見直しも視野に入れる必要があると考えております。いずれにいたしましても効率的な事務処理に努め、正確かつ円滑に事業が実施できるよう十分な検討を行いながら、できるだけ早期の給付開始を目指して必要な準備を進めてまいりたいと考えております。
次に第2問、プレミアムをつけた商品券の発行について、でございますが、議員のお尋ねの趣旨は、目黒区商店街連合会が発行する区内共通商品券のプレミアム販売を区として支援せよとのことだと存じます。本区では、平成10年度から平成19年度まで10年間にわたり、長期景気低迷に対する経済対策として、区民の消費意欲を喚起し、商店街の活性化に資するため、目黒区商店街連合会が発行する区内共通商品券のプレミアム販売を支援してまいりましたが、平成20年3月より、区商連において交通系ICカードのパスモ(スイカ)を活用する新・販売促進システムを導入したことから、区内共通商品券のプレミアム販売に対する支援は、平成19年度をもって終了したところです。都内では江東区を初め数区が共通商品券のプレミアム販売を支援すると表明しております。本区においても、100年に一度の危機とも言われている米国のサブプライムローンに端を発する世界規模の金融・経済危機が、区内各商店街に大きな影響を与えていることから、目黒区商店街連合会より区内共通商品券のプレミアム販売への支援を求める要望をちょうだいしております。本区は
緊急経済対策として、
暮らしサポート21及び
暮らしサポート21・Ⅱを策定したところですが、さらなる
緊急経済対策として、区内共通商品券のプレミアム販売への支援を含めて検討してまいりたいと存じます。
次に第3問、商品券購入引換券を申請書類に同封することについてでございますが、仮に今後、本区が目黒区商店街連合会の発行する区内共通商品券のプレミアム販売を支援することになった場合、販売主体は目黒区商店街連合会ですので、販売限度額等の詳細なルールを決めるのは目黒区商店街連合会となります。この際には、効果的な実施方法について、御質問の御趣旨を含めて目黒区商店街連合会にお伝えしていきたいと存じます。また定額給付金の申請書等を送付する区の封筒に、目黒区商店街連合会の事業である区内共通商品券プレミアム販売の購入引換券を同封することは妥当ではないと考えます。
次に第3点目、「暮らしのセーフティネットの充実」についての第1問、「
子ども総合計画」と待機児ゼロの目標についてでございますが、私は保育所の待機児童を解消していくことは、子育て支援の重要な課題の一つとして認識いたしているところでございます。このため認可保育所の改築・新築や認証保育所の誘致等によりまして、漸次定員の拡大を図ってまいりましたが、いまだ待機児童の解消には至っておりません。将来の待機児童の動向につきましては、就学前児童数の推移や子を持つ女性の就業率、景気動向など不確定要素が多く、想定することは難しい面がございますが、待機児童の解消に向けた具体的な目標値につきましては、平成21年度に策定する
子ども総合計画の中でお示ししてまいりたいと考えております。なお、今後も認可保育所のほか、認証保育所や家庭福祉員など民間にも相応の役割を担っていただき、できる限り早い段階で待機児童解消に向けた対策を講じてまいりたいと存じます。
次に第2問、幼保一環教育に沿って、区立・私立幼稚園を認定こども園とすることについてでございますが、認定こども園制度は、幼稚園と保育所の制度の枠組みを超えて、小学校就学前の子どもに対し幼児教育・保育を一体的に提供するとともに、地域の子育て支援の取り組みを充実させるために導入された制度と認識いたしております。また幼児教育の振興のみならず、保育所の待機児童対策という視点からも制度の活用について期待されているところですが、所管する省庁が文部科学省と厚生労働省の双方にまたがっており、財政支援や会計処理・申請手続等の煩雑さなどの課題から、国の目標どおりには制度が普及しておらない状況にあるものと承知しております。このため現在、国において認定こども園制度の普及を図るための財政的支援のあり方等について検討がなされているところと聞いておりますので、その動向にも注視しながら、国の財政支援等の抜本的改革が大前提となりますが、各私立幼稚園は、それぞれの建学の精神に基づく独自の教育理念により今後、調査研究をされていくことも考えられますので、その中で区としてのかかわり方につきまして検討してまいりたいと考えております。
次に第3問、「高齢者総合計画」を全庁的なプロジェクトチームで、についてでございますが、目黒区では、このたび平成21年度から25年度までの5カ年間を計画期間とする目黒区保健医療福祉計画を策定しました。この計画は、老人福祉法に定める老人福祉計画の性格をあわせ持ち、高齢者福祉を推進するための基本となる計画です。この計画は、前回計画策定後の社会状況や区民ニーズの変化を踏まえ、従来の施策やサービス内容の評価を行い、新しい課題に対応した計画内容に改定したものでございます。前回の計画策定から3年が経過し、少子高齢化は一層進み、地域で安心して健やかに住み続けたいとの区民の願いはより強いものになっています。また介護基盤の充実、退職した団塊世代の人々が地域で活躍する仕組みづくりなど、多様な区民ニーズに取り組むことが求められています。また平成19年から団塊の世代の人々が定年を迎えます。再雇用で活躍されている方もおられますが、その多くが順次職場から地域社会に戻ることとなります。就労や社会参加を希望する元気な高齢者がふえる一方、意欲ある高齢者の活力や能力が十分に活用されていない状況があります。そこで今回の計画では、団塊の世代が地域活動や健康づくりなどに参加して、生きがいづくりや仲間づくりができるよう活動に必要な情報を発信し、活動参加のきっかけづくりを支援することとしています。また、シニア人材バンク(仮称)の仕組みづくりなど、団塊の世代の豊かな知識、技術、経験を十分に生かしながら、自発的、継続的に活動するための環境整備を進めることとしています。この計画に基づきながら、施策の実施に向けて全庁で連携して取り組んでまいりたいと存じます。
次に第4点目、「地球と地域にやさしい環境づくり」の第1問、強力な推進体制の整備についてでございますが、まず区内で最大規模の事業所の一つとして、区における温室効果ガス削減のため、これまでのISO14001の取り組みのノウハウを生かし、それをさらに発展させた(仮称)目黒区地球温暖化対策推進実行計画を策定し、平成21年度から推進してまいります。そしてその推進体制として、庁内に副区長をトップとする(仮称)温暖化対策推進会議を設置して対策を進めてまいります。
一方、昨年の3月には、地域における地球温暖化防止のための総合的かつ計画的な施策を定めた目黒区地球温暖化対策地域推進計画を策定し、現在この計画に基づき取り組みを進めているところでございます。その推進体制といたしましては、区を初め区民、事業者、エネルギー事業者、官公署、学校などで構成する目黒区地球温暖化対策地域協議会を設けております。いずれにいたしましても、地球と地域にやさしい環境づくりに向けて、区長である私が先頭に立ち、リーダーシップを発揮して、これからも取り組んでまいりたいと思います。
次に第2問、太陽光発電導入の助成制度についてでございますが、国及び東京都におきましても、同様の制度を設ける予定になっております。目黒区におきましても、太陽光発電システム設置などに対する助成制度を新年度予算案に盛り込み、温室効果ガス削減対策をより一層推進していきたいと考えております。お尋ねの区民へのPRにつきましては、さまざまな媒体を利用して情報提供するよう努めてまいります。また、具体的な助成制度の内容でございますが、詳細につきましては今後できるだけ早く検討いたしますが、例えば国及び東京都の助成制度と抱き合わせで利用できるようにするなど、多くの区民が利用しやすい制度となるようにしていきたいと存じます。あわせて具体的な申請手続などにつきましても、できるだけ煩雑にならないよう検討を進めてまいります。
次に第3問、区有施設の太陽光発電の設置についてでございますが、太陽光を利用した発電は二酸化炭素を出さずクリーンなことから、地球の温暖化防止など環境負荷の低減につながるものと認識しております。ただ発電コストが高いことが普及の進まない要因となっております。そのため、区が率先して取り組むことで家庭や事業所において環境配慮の意識を高め、太陽光発電の利用の普及拡大を図ることは大切なことと考えております。最近改築いたしました碑小学校や中央中学校においては、環境学習・環境教育推進の観点や、区民の方々に自然エネルギー利用の意義について理解していただくことを目的に、太陽光発電を導入いたしました。今後とも施設規模や用途を勘案しながら、どういった施設に太陽光発電の設置が適切か十分検討し、導入に努めてまいります。
次に第4問、公用車にハイブリッドカーや電気自動車を率先して導入することについてでございますが、国は環境基本計画の中で、自動車排出ガスなど温室効果ガス対策を進めており、その一環として環境に配慮した低公害車の普及促進に取り組んでおります。区の公用車の現状については、一般事務事業用の集中管理車のほか、清掃車両など特定の事務事業に供する事業専用車や、各部に配置されている貸出車などがあり、特定用途の特殊車両または軽自動車が中心となっています。御指摘のように自動車メーカー各社においては、ハイブリッドカーや電気自動車など環境配慮型車両の開発を進め実用化が始まっているところでございますが、まだ技術的には開発途上にあり、価格や運用面など、すべての公用車への導入については現状では課題が多いと認識しています。したがいまして区といたしましては、当面実用化されている普通車への環境配慮型車両の導入を図ることとし、本年度2台の導入を図るとともに、21年度から3カ年の新行革計画の中で集中管理車を対象に買いかえ計画をお示ししてきたところでございます。技術革新は日進月歩の状況にありますので、いわゆる省エネ法や都の環境確保条例も踏まえ、今後の自動車メーカー各社の開発動向を見極めた上で、環境配慮型車両導入に向けた全体計画の検討を進めていきたいと考えています。
次に第5問、区の施設などへの電球型蛍光灯やLED、太陽光発電の導入についてでございますが、現在、庁舎の照明は一部の例外を除いて電球型蛍光灯の使用を基本といたしております。またLEDにつきましては、使用する場所により照度が不足するなどの課題もございますので、今後、価格、寿命、その他の種々の条件を考え合わせ、その切りかえに当たっても試行を行うなど、順次導入の検討を進めてまいりたいと存じます。さらに区立公園や遊歩道の照明灯を太陽光発電に切りかえることにつきましては、防犯、防災上の観点や、設置にかかわる経費なども比較検討して、導入について研究課題として取り組んでまいりたいと考えております。議員御指摘のとおり、私は環境問題を区政の重要課題の一つに位置づけております。したがいまして必要な施策につきましては、重点的に推進してまいりたいと考えております。
次に第5点目、「地域特性を生かした目黒らしさのある取り組み」の第1問、観光まちづくり協会の設置による地域経済の活性化に関する所見でありますが、平成17年3月に策定された目黒区観光ビジョンに基づき、本区では街あるきを主体とした「観光まちづくり」を推進してまいりました。観光まちづくりは、区民、事業者、区等の連携・協力のもと、観光資源を活かしながら人々の心を豊かにし、まちの活力を高めていくことであり、その効果としましては、第1に街あるきに伴う買い物、食事などの消費活動により、小売業、飲食業、サービス業など、地域経済への波及効果が見込まれることであります。
第2に、区民が我がまちを再発見する過程において、まちへの愛着心を高め、安全・安心で美しいまちづくり促進の気運の醸成や、街あるきの環境整備に伴う居住環境の向上、定住化促進効果も期待されます。
第3に、区民と来訪者との地域の資源を活用した交流によるコミュニティー活動の活性化が期待されるとともに、区民のまちに対する誇りを高め、まちのイメージアップにもつながります。
第4にさまざまな交流事業において、区民がみずからの知識や経験を生かして活躍できる場や機会がふえることにより生きがいづくりにもつながり、これらの効果の相乗的な作用により区民が生き生きと生活し、活力ある魅力あふれるまちが形成されることであります。
以上述べたような観光まちづくりを効果的に進めるには、区民、事業者、地域団体及び行政の既存の活動を有機的に結びつけ、継続性と機動性をあわせ持った推進体制を構築する必要があり、そのためには民間活力を生かした観光まちづくり協会を設立するのが望ましいと考えております。新たな協会については、現在、目黒区観光まちづくり推進協議会において検討中ですが、目黒区のあらゆる資源を活用して住民が主体的に活動し、人々の交流を促進し、住む人にも訪れる人にも魅力が感じられる地域特性を生かしたにぎわいと活力があふれる文化の香り高いまちを実現する担い手として期待するものであります。
次に第2問、イベント時における各駅の乗降客数に見合った対策などについてでございますが、乗降客数を関係所管について調査したところ、例えば中目黒駅では1日約10万6,000人とのことでした。しかし、この数字は月ごとの合計数から1日平均を算出しており、桜まつりなどイベント時に特化した乗降客数のデータは、現時点では入手することはできませんでした。このような観光入り込み客数の把握は重要と考えますので、今後、関係機関と連携して把握するよう努めたいと考えております。
また、桜まつりなどイベントにかかわる行政の各機能の合議体に関するお尋ねにつきましては、昨年は道路や公園や清掃など、関係所管の打ち合わせを持ちました。また日の出橋から上流の目黒川沿いの交通規制について、地元の方々、目黒警察署、道路管理者が一緒に話をする中で、地域の理解、警察の支援も得て、一部歩行者優先にすることができた道路もあったと聞いております。ことしも昨年と同様に連携の打ち合わせを持ちながら、よりよいお祭りができるよう支援してまいりたいと存じます。
次に第3問、周遊バス運行はできないかとのお尋ねでございますが、広く目黒区におけるコミュニティーバスの可能性につきましては、平成18年度に区内部の検討組織で検討され、平成19年3月に報告がなされております。この報告によれば、区民意識調査や事業の採算性の検討、事業者の意向などから、現段階では区においてコミュニティーバスの運行は難しいとの結論が出ているところであります。また、お尋ねの後段のイベント開催時などの時期を限定した観光客のまち歩きの補助的手段としてのバス運行につきましては、区民まつり実行委員会において、祭りの当日のシャトルバスの運行を事業者に委託しているとの事例もあり、必要性や課題、代替策の検討も含め、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。
以上お答えとさせていただきます。
訂正をさせていただきたいと思います。5点目の第2問、本来ならば18万6,000人、18万6,000人と申し上げるところを、10万6,000人、10万6,000人と申し上げたようです。訂正させていただきたいと思います。
○2番(石橋ひとし議員) 1点だけ再確認で終わりたいと思います。
特に「地球と地域にやさしい環境づくり」ということで、地球温暖化の問題でございますけれども、我が国は、太陽光発電は2度にわたる関係者によりますと衝撃を受けたといわれております。1度目は2004年の設置量でドイツに抜かれ、翌年の2005年の累積導入量では、世界最大の太陽光発電国の座を奪われたわけであります。我が党のグリーン産業革命の提言によりますと、全治3年と言われる厳しい経済情勢の現在、この3年間は新しい成長への力を蓄えるスタートにしなければならない、未来への投資で景気回復につながる需要と雇用の創出を図りたいと訴えております。ことしを化石燃料社会から太陽光発電元年として、例えば政府目標を前倒しで、全小学校、中学校への太陽光発電パネル設置などを通じて、導入量を今後5年間で現在の5倍、2020年までに20倍、また電気自動車やプラグイン・ハイブリッド車、家庭の電源で充電可能な車ですけども、そういう次世代自動車の普及を急ぎ、5年後に新車販売のうちの100万台、20年には新車の販売の70%をそういうハイブリッド車にするという目標を掲げております。提言では、このほかさまざまな省エネ住宅、ビルの建設の促進、都市の緑化の促進、省エネ家庭の導入などを促すエコポイント制度、エネルギー・エコ金融など提案しております。そこで終わりに、世界が注目し、日本自身が太陽光発電先進国を目指すという国の本気度、これをどう区長自身受けとめられて、さらにこだわり続けた区の環境問題に対する決意を伺って終わりたいと思います。
○
青木英二区長 太陽光発電の場合も先ほど申し上げました、幾つか課題があるというふうに思います。一つは、やはりコストの問題ということがあるかなというふうに思います。ただ大きな考えとしては、まさに先ほどのオバマ大統領も、このグリーンエネルギーということで相当の額を、税を導入するということが、この間の景気対策の中にも入って、72兆円の中に入ってましたので、それは方向性としてはそういうことだというふうに思います。私どもは決して後退することなく進めていきますが、例えば今言ったコストの問題、それから明るさというか照度の問題、やっぱり既存の今、私ども先ほどから申し上げているように、例えば新しく新築、改築をした碑小学校とか中央中学校には導入はしております。それは私どもが重要性を感じているからでございます。それはエネルギーのクリーン化だけではなくて、やはり次代を担う子どもたちが学ぶ場でもありますから大事だと思います。ただ既存の学校になってくると、これはなかなか難しい、やっぱり学校の安全性もありますので、例えばあいているところがあって、そこに置いて、特に小学校だったら児童がそこでけがをするなどということがあってもいけませんし、まあ私、太陽光そんな専門的じゃありませんが、例えば屋上に置く場合、ほとんどの小学校は現在、屋上も遊びの場になってますので、なかなかそのスペースがありません。それからどうしても既存の学校ですと、そんなに重いものではないかと思いますが、やはり耐震の問題、そういったことは積算してつくっているわけでもありませんので、乗せたからといってつぶれてしまうわけではありませんが、そういった問題もやっぱりクリアをしていかなければいけないんだというふうに思います。私も先ほど申し上げたように、庁内では副区長をトップにする組織もつくってありますし、それはISO14001の、私は発展的解消というふうに位置づけておりますが、また地域推進協議会も立ち上げを、そのまま組織は残っていただいて、私どもの計画の進行管理もこれからしていただくわけですので、今、オバマ大統領の1,000分の1の足元にも及びませんが、頑張っていきたいなというふうに思います。
以上です。
○
雨宮正弘議長 石橋議員の質問を終わります。
以上で代表質問を終わります。
次の本会議は、明27日午後1時から開きます。
以上で本日の日程は終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
〇午後7時19分 散会...