平成21年第1回定例会(第1日 2月26日)
目黒区議会会議録 第1号
〇 第 1 日
1 日時 平成21年2月26日 午後1時
2 場所 目黒区議会議場
3 出席議員(36名)
1番 武 藤 まさひろ 2番 石 橋 ひとし 3番 おのせ 康 裕
4番 佐 藤 昇 5番 赤 城 ゆたか 6番 そうだ 次 郎
7番 香 野 あかね 8番 富士見 大 郎 9番 工 藤 はる代
10番 関 けんいち 11番 田 島 けんじ 12番 市 沢 芳 範
13番 飯 田 倫 子 14番 栗 山 よしじ 15番 松 田 哲 也
16番 戸 沢 二 郎 17番 須 藤 甚一郎 18番 坂 本 史 子
19番 星 見 てい子 20番 雨 宮 正 弘 21番 橋 本 欣 一
22番 伊 藤 よしあき 23番 つちや 克 彦 24番 鴨志田 リ エ
25番 増 田 宜 男 26番 梅 原 たつろう 27番 岩 崎 ふみひろ
28番 石 川 恭 子 29番 いその 弘 三 30番 今 井 れい子
31番 木 村 洋 子 32番 青 木 早 苗 33番 森 美 彦
34番 沢 井 正 代 35番 二ノ宮 啓 吉 36番 宮 沢 信 男
4 出席説明員
区 長 青 木 英 二 副区長 鈴 木 勝
企画経営部長 横 田 俊 文 総務部長 伊 藤 良 一
危機管理室長 石 綿 晃 区民生活部長 加 藤 芳 照
産業経済部長 青 葉 隆 健康福祉部長 一 宮 瑞 夫
健康推進部長
(保健所長) 伊 藤 史 子 子育て支援部長 尾 﨑 富 雄
都市整備部長 川 島 輝 幸 環境清掃部長 渋 谷 幸 男
(街づくり推進部長)
会計管理者 荒 井 英 雄 教育長 大 塩 晃 雄
教育次長 小笠原 行 伸
選挙管理委員会事務局長
本 多 浩 一
代表監査委員 大 竹 勲 監査事務局長 清 野 久 利
総務課長 三 澤 茂 実
5 区議会事務局
局 長 浅 沼 裕 行 次 長 大 崎 茂
議事・調査係長 南 沢 新 二 議事・調査係長 田 渕 明 美
議事・調査係長 坂 爪 孝 行 議事・調査係長 小 林 孝 雄
議事・調査係長 松 本 博 主 事 亀 田 裕 美
第1回目黒区
議会定例会議事日程 第1号
平成21年2月26日 午後1時開議
日程第1 会期の決定
日程第2 代表質問
〇午後1時開会
○雨宮正弘議長 ただいまから平成21年第1回目黒区議会定例会を開会いたします。
これより本日の会議を開きます。
◎会議録署名議員の指名
○雨宮正弘議長 まず、会議録署名議員を定めます。
本件は、会議規則第117条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。
11番 田 島 けんじ 議員
24番 鴨志田 リ エ 議員
にお願いいたします。
◎諸般の報告
○雨宮正弘議長 次に、諸般の報告を申し上げます。
監査委員から、平成20年10月分、11月分及び12月分の例月出納検査の結果、また平成20年度庁外施設定期監査の結果、並びに平成20年度
区立小・中学校等定期監査の結果について報告がありました。
次に、教育委員会から、平成20年度目黒区教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価(平成19年度分)報告書の提出がありました。
以上の報告につきましては、いずれも文書を配付いたしました。
次に、特別区議会議長会の概要につきましては、文書をもって報告いたしました。
以上で報告を終わります。
これより日程に入ります。
日程第1、会期の決定を議題といたします。
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◎会期の決定
○雨宮正弘議長 お諮りいたします。
今期定例会の会期は、本日2月26日から3月30日までの33日間といたしたいと思います。
これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○雨宮正弘議長 御異議なしと認めます。
よって、会期は33日間と決定いたしました。
次に、区長から、所信表明のため発言の申し出がありましたので、これを許します。青木区長。
◎区長所信表明
〔青木英二区長登壇〕
○青木英二区長 平成21年度第1回区議会定例会の開催に当たり、区政を取り巻く諸情勢と平成21年度の区政運営の基本的な考え方について所信を述べ、区民の皆様と議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。昨年、この同じ議場におきまして、私は「まちづくりは、きょうの場に立ちながらも、あすへ向かい未来をつくる行為である」と申し上げ、再度、区長の職責を担う決意を表明いたしました。そして、4月の区長選挙を経て、引き続き区政のかじ取りを担わせていただくこととなりました。信頼と改革の区政実現を掲げて区長に就任して以来、区政の信頼回復に向けた透明性向上の取り組みを初め、地域の安全・安心の確保、少子高齢社会への対応、環境問題への対応を区政の重要課題に据えて全力で取り組んでまいりました。私は、目黒区の足元を見つめ、地域が持つ特色や、これまで培ってきた地域の個性を生かしながら目黒区の魅力を一層高めていくことが、まちづくりの重要な課題であると受けとめているところでございます。これらの取り組みが具体的な形となって区民の皆様にお示しできましたのも、議会の皆様の御理解、御協力の賜物であり、円滑に区政が推進できましたことに改めて御礼を申し上げたいと存じます。
それではまず、区政を取り巻く状況の認識について申し上げます。
第1に、経済基調が大きく変動していることでございます。今、世界は、未曾有の金融・経済危機に直面しております。我が国は、平成14年2月以降、戦後最長とも言われた景気回復を続けてまいりました。しかしながら、米国のサブプライム住宅ローン問題に端を発した金融資本市場の変動や原油・原材料価格の高騰により市民生活や企業活動が圧迫され、さらには昨年9月中旬に米国の大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズの経営破綻が報じられた後、世界同時不況ともいうべき危機的な状況に陥りました。今後、我が国の経済は、世界的な景気後退を受け外需に加え国内需要も停滞し、景気の下降局面が長期化し深刻化するおそれが高まっております。特に雇用情勢は急速に悪化しつつあるとともに、社会のさまざまな面で格差問題が広がっております。
こうした状況を踏まえ、政府は、当面は景気対策を優先することとし、21年度予算及び20年度補正予算において総額75兆円に上る生活対策等の景気対策を実施するといたしております。東京都におきましても、「東京緊急対策Ⅱ」と称し、総額で2,100億円余の緊急対策を打ち出したところでございます。区内企業に目を向けますと、最近の景況調査では、製造業など、すべての業種で業況が大幅に悪化しております。本区といたしましても、住民に最も身近な地方政府として区民の生活不安を払拭すべく、昨年の12月25日に私を本部長とする
緊急経済対策本部を設置いたしました。あわせて、20年度からの実施も含め、21年度予算を中心に、中小企業等への支援策、生活者に対する支援策、
区内業者向け支援策の三つを柱とし、雇用拡大も含めた区の当面の緊急経済対策を暮らしサポート21として計画化するとともに、年明け以降の景気の落ち込みを踏まえ、さらに対策を充実強化するために、第2弾の緊急経済対策「暮らしサポート21・Ⅱ」を追加実施いたします。両計画をあわせますと、31項目37事業に約11億円の予算を重点配分していくことといたしたところでございます。
第2に、地方自治のあり方に関する動向であります。平成19年から始まった第二期地方分権改革の検討におきましては、地方が主役の国づくりとの認識のもと、自治行政権・自治財政権・自治立法権を十分に備えた完全自治体の確立を掲げ、分権型社会の実現に向け基礎自治体の自治権拡充が新たなステージに向かっていることが示されました。
地方分権改革推進委員会の第1次勧告では、生活者の視点に立つ地方政府の確立を目指し、基礎自治体への権限移譲を推進すべき事務として、64の法律、359の事務権限などが示されたところです。さらに、第29次地方制度調査会においても、大都市制度のあり方が審議項目となっており、今後、道州制導入の検討状況など、国と地方のあり方を見直す動きに対しては一層注視していく必要があると考えております。また、平成19年1月に特別区と東京都の間で都区の
あり方検討委員会が設置されて以来、都区間の事務配分などが議論されてまいりました。現在は、主に444に上る事務を都と区でどのように担っていくべきかを中心に都区双方が協議を進めている段階ですが、検討課題も多く、都区間の意見の相違も簡単には埋まらないというのが現状です。私といたしましては、基礎自治体が担うべき事務事業は基本的に特別区へ移管し、同時に、それに伴う財源等が確保される必要があると考えております。今後とも、この基本姿勢で23区が力を合わせて、よりよい解決を目指し取り組んでまいる所存でございます。
第3に、区政運営の基礎となる人口構造の変化です。最近10年間の住民基本台帳に基づく目黒区の人口は、平成10年10月1日の人口を100とする指数で見ますと、平成20年では106となっております。14歳以下の年少人口は106、15歳以上64歳以下の生産年齢人口は103、65歳以上の高齢人口は121であり、世帯数も114となっております。家族類型では、単身世帯及び核家族世帯が増加している傾向がうかがえます。また目黒区は、都心に近く良好な住環境を維持していることなどから人口は漸増しているものの、本区の人口推計では近い将来人口が減少に転じるものと予想しております。一方、出生数の増加や共稼ぎ世帯の増加などにより
保育所入所待機児数が急増しており、仕事と介護・育児とを両立できる環境づくりが緊急の課題となっております。人口構造は、目黒区が効果的な施策を展開していくためには重要な指標であり、人口構造の分析には今後とも細心の注意を払っていかなければなりません。
次に、区政運営に当たっての基本的な考えについて申し上げます。私は、地方自治体の第一義的な役割は地方自治の本旨に基づき住民福祉の向上を図ること、すなわち、すべての住民が豊かで幸福な生活を享受できるようにしていくことであると考えております。このような認識のもと、以下の点を基本姿勢とし、区議会並びに区民の御理解と御協力を得ながら区政運営を進めてまいります。
第1に、開かれた区政を推進してまいります。変化の激しい時代にあって、区民の目線に立って区民生活の実態や地域の実情を的確に把握し、区民要望を政策に反映し実現していくことこそが区民の信頼を一層確かなものにいたします。区民への情報提供と説明責任を果たし、区政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、区民の区政への参画を促進して開かれた区政運営を進めてまいります。
第2に、平和と基本的人権の尊重をすべての施策の根底に据えた区政を行ってまいります。平和都市宣言を行った自治体として、世界の恒久平和を希求し、海外都市との交流や区民による教育、文化、芸術、スポーツなど幅広い草の根交流を通して平和の実現に貢献します。また、お互いに人権を尊重し合い、子どもから高齢者まで、すべての人の人権が守られる社会、障害者や外国人とともに生きる社会、男女平等・共同参画の社会をつくります。
第3に、新たな行財政改革の推進に取り組んでまいります。高度化・多様化する区民要望に的確に対応していくためには、限りある人材と財源を効果的かつ効率的に配分していく必要があり、施策の優先性や重要性を考慮しながら新たな行革計画に基づき事務事業の執行方法や職員数を見直すなど、最少の経費で最大の効果を生み出す行政運営を推進してまいります。
第4に、協働の視点によるまちづくりを推進してまいります。地域社会の問題解決のためには、区のみならず、多様な主体が役割を担いながら連携・協力し地域力を高めていくことが重要であり、より区民ニーズに合った公共サービスの提供が可能となります。政策形成などへの区民の意見を生かす仕組みを有効に機能させ、施策の執行に際しては、民間の活用も含め協働の視点を持ちながら、まちづくりを進めてまいります。
次に、平成21年度の重要課題に対する基本的な取り組みについて申し上げます。平成21年度は、景気が後退する中で、いかに区民の暮らしを守り、区内中小企業の活力を維持し、雇用の拡大を図るかが緊急の課題となります。そこで、平成21年度予算は、区民の暮らしを支え、あすにつなげる予算と位置づけて編成いたしました。特に厳しい経済・雇用情勢に対し、いかに迅速かつ的確に対応できるかが問われております。昨年暮れに公表いたしました緊急経済対策「暮らしサポート21」及び追加実施策である「暮らしサポート21・Ⅱ」では、21年度の区政が抱えるさまざまな課題に対応した経済・雇用対策を織り込んでいますが、ここで一括してお示しし、私の所信を述べさせていただきたいと存じます。今回の不況は、急激な円高の進行や株価の大幅な下落によって実体経済にも大きな影響を及ぼしております。実際、区民生活や中小企業等の経営へのしわ寄せとなり、中小企業の資金繰りの悪化、雇用情勢の悪化、低所得者の家計圧迫などの厳しい状況が見受けられます。景気対策は、一義的には国の役割でありますが、区民生活への影響を見据えますと、区としてもできる限りの対応を行っていくことが必要でございます。そこで、
融資あっせん制度を中心とした中小企業等への支援策に12項目18事業で約6億円、低所得者支援策を中心とした生活者に対する支援策に15項目15事業で約3億円、公共工事の発注を中心とした
区内業者向け支援策に4項目4事業で約2億円を柱とした、全体で31項目37事業に約11億円の予算を振り向けることといたしました。また雇用情勢を踏まえ、人員数にして60人強に当たります雇用の拡大にも配慮したところです。
これらの主な内容でございますが、まず中小企業等への支援策としましては、本年1月から
小口零細企業資金融資の本人の利子負担をゼロにいたしました。また、2月からは相談窓口体制を強化し、雇用の拡大も図ることといたしました。さらに21年度は、前年度から実施しております
中小企業融資あっせん制度の拡大を継続するほか、新たに
経営安定資金特別融資の本人の利子負担をゼロとし、申込期間を現行の期間限定から通年での受付といたしました。
小口零細企業資金融資の信用保証料も90%補助し、元金支払いの据置期間を現行の6カ月から1年に延長することといたしました。このほか、公衆浴場事業者など区内各種団体に対する負担軽減措置の拡大を新たに実施していくこととしております。次に、生活者に対する支援策としましては、雇用の拡充を図るために、
区立特別養護老人ホームの契約職員の正規職員化、庁内における障害者の雇用、
学童保育クラブ利用児童の受け入れ枠の拡大、公園事務所での作業やごみ収集作業に従事する臨時職員の雇用拡大などを行うことといたしました。また、低所得者への支援策等を継続・充実していくとともに、新たに
認証保育所利用者の負担軽減を図るため、低所得世帯を対象とした保育料の助成などを行うことといたしました。次に、
区内業者向け支援策といたしましては、公共工事発注の充実を図るため、毎年計画的に実施している各施設及び道路の計画修繕工事の前倒しや拡大を行うことといたしました。
これら緊急経済対策に盛り込んだ施策も含めまして、平成21年度は四つの重点課題を掲げ、「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」の実現に向け必要な施策を重点的に推進してまいります。
その第1は、地域の安全・安心の確保であります。私はこれを、どこにいても安全・安心を実感できるまちづくりとして具体化してまいりたいと考えております。自然災害や犯罪など、私たちの生活は常に生命、財産を脅かすさまざまな危険にさらされています。地域全体が安全に安心して暮らせる環境を構築することが、まちづくりの原点でなければなりません。昨年6月には岩手・宮城内陸地震が発生し、大きな被害が生じました。首都直下型地震の発生も切迫性をもって予想され不安感が高まっております。阪神・淡路大震災の教訓から、災害で被害をゼロにするのは不可能であり、災害が起こった際に人命を守り被害を軽減するための減災の取り組みが重要であることが明らかになりました。そこで、新たに保育園等でも気象庁が提供する緊急地震速報を入手し、子どもたちの迅速な避難が行えるような設備の充実に取り組むことといたしました。また、備蓄品の整備などの取り組みに加え、情報入手や自力避難が困難な災害時要援護者に対する支援体制を早急に整備するとともに、
ひとり暮らし高齢者世帯などに対する住宅用火災警報器の設置促進として21年度も対象者への1台無償設置に取り組んでまいります。さらに、これまで進めてきたAEDの設置を住区センターや児童館、学童保育クラブにも拡充してまいります。このほか、災害に強い地域づくりも極めて重要な課題の一つです。昨年11月、防災めぐろ区民フォーラムから、自分の身は自分で守るなどの自助、共助、公助が連携した目黒区におけるこれからの災害対策の方向性などについて提言をいただきました。地域の防災力を高め災害に強いまちづくりを進めるため、この第1回定例会に提言を踏まえた災害対策の基本条例を御提案するとともに、老朽化した家屋が密集している地域に対する整備事業や民間建築物の耐震化等を推進いたします。また近年、地球温暖化や
ヒートアイランド現象なども遠因と考えられる集中豪雨が多発する中、本区には目黒川など過去にも甚大な被害をもたらした中小河川がございますので、都市型水害から区民の生命・財産を守るため、豪雨に対する総合的な治水対策の方針策定に取り組みます。地域を基盤とした日常的な備えの重要性は防犯においても同じであります。特に子どもに対する犯罪の未然防止は、地域ぐるみで取り組まなければ取り返しのつかない事態を招きかねません。私は、次代を担う子どもたちの安全と保護者の方々の安心のため、下校時に
生活安全パトロールの巡回をふやすことといたしました。さらに、私立幼稚園への不審者の侵入を防止するため、防犯カメラなどの設置に助成することといたしました。こうしたさまざまな施策を通じて地域の防犯力を高め、犯罪の起きにくい安全なまちを目指すため、地域の防災ボランティアや関係機関との連携のもと、防犯体制の充実や防犯意識の高揚に取り組んでまいります。このほか、国際的な輸送・交通網が発達する今日、
新型インフルエンザの発生が懸念されております。インフルエンザは、過去にも10年から40年周期で大流行し、人類に甚大な被害と社会的影響をもたらしてきました。そこで、不幸にして
新型インフルエンザが発生した場合を想定して、感染の拡大とパニックを防止するため、区民に対策の基本的な知識や発生時の対応等を周知し、被害の未然防止に努めてまいりたいと存じます。
第2は、暮らしの
セーフティーネットの充実でございます。仕事と子育ての両立への支援、育児不安への対応、高齢化への急速な進展、障害者の生活を支えるサービス、そして生活上のさまざまな格差などに対し、区民に最も身近な政府として、従来の制度や枠組みにとらわれない発想により区民の暮らしを支える多様な
セーフティーネットを充実してまいります。
その一つは、次代を担う子どもの育ち・遊び・学びの支援であります。目黒区の出生数は平成5年に1,500人台まで減少しましたが、その後は増加しており、平成19年には1,900人台にまで回復しております。出生数の低下には一定の歯どめがかかったところですが、合計特殊出生率は近年漸増傾向にあるものの、平成19年には0.75となり、東京の区部において最も低い数値となりました。この背景として、女性の単身世帯が占める割合が高い中、子育てに伴う経済的な負担感や子育てをするゆとりが持てない労働環境整備のおくれも要因として指摘されます。このため、子育ての心理的、社会的、経済的な側面から不安や負担を取り除き、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりを進めなければなりません。そこで私は、保育所の整備や定員数の拡大、認証保育所の誘致など、子どもを育てやすい環境づくりを支援してまいりたいと存じます。さらに、こうした課題への対応を計画的に進めていくため、目黒区
次世代育成支援行動計画、めぐろ
子どもスマイルプランⅠの後期計画への改定に合わせて、子どもの権利尊重や子育ち支援の視点を加え、平成17年12月に定めた目黒区子ども条例に基づく計画として、新たに子ども総合計画を策定することといたしました。この計画策定を通じて、子ども条例に示された、子どもがみずからの意思で健やかに成長していく「子育ち」を支えるまちづくりを地域全体で総合的に進めるため、行政・保護者・区民・施設などの役割と取り組みを明確にし、子どもが生き生きと元気に過ごせるまちを中長期的な視点で実現してまいりたいと考えております。あわせて、子育て支援の一環として、緊急経済対策でも申し上げましたが、
学童保育クラブ利用児童数の受け入れ枠拡大を図ることといたしました。これにより、児童の安全な居場所の確保と保護者の就労促進にも資するものと考えております。また、低所得世帯への
認証保育所保育料を助成し、負担の軽減を図ることとしております。さらに、新学習指導要領の本格実施に対応して、時代の変化に対応できる人間性豊かな子どもの育成を目指し、体験活動の拡大として新たに自然宿泊体験教室の先行実施や、(仮称)「
興津ネイチャースクール」の設置の準備を進めるとともに、興津健康学園の廃止に合わせ、健康学園の実践成果を生かし、一人一人の健康増進と疾病の予防、さらには健康課題の改善に向けた健康教育を推進いたします。また、学校施設の充実を図るため、小学校の校庭の人工芝への改修などを進めてまいります。
暮らしの
セーフティーネットの充実の二つ目は、健やかに生きがいを持って暮らせる長寿安心社会の形成であります。目黒区の高齢者人口は、平成20年10月現在4万7,051人であり、高齢化率18.6%、要介護認定者は同年3月末で8,066人、認定者出現率は17.0%となっております。高齢者人口は今後も増加の一途をたどるものと考えられ、
ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯が増加するほか、75歳以上の高齢者も増加していくことが予想されます。また、昨年、国が発表した
市区町村別平均寿命で、目黒区は都内において、女性が87歳でトップ、男性は80.9歳で5番目となっております。これから高齢者人口へ移行する、いわゆる団塊の世代の方々は、区の人口のおおむね4%強を占めていることもあわせ、こうした状況を見つめてまいりますと、年齢とともに高まる疾病や要介護状態を予防し、いつまでも健康で、かつ生きがいを持って自立した生活を送るためには、多様なライフスタイルを持つ個々の高齢者のニーズに即したサービスを重層的に組み合わせていくことが求められていると強く感じております。さらに、核家族化の進行や地域社会の連帯意識の希薄化により、高齢者等を支えてきた家族や地域が持っている支え合いの機能が低下していることも懸念されます。私は、地域における新たな支え合いの仕組みづくりがぜひとも必要なのではないかと考えておりまして、21年度には、地域で安心して生活していくための高齢者見守り事業や高齢者見守りネットワークの整備に力を入れてまいります。また、介護を要する高齢者の地域での生活を支える介護サービス基盤の整備に対しても、整備主体となる事業者への支援を行ってまいります。そのほか、中高年の方々が地域活動や健康づくり活動などに参加するためのきっかけづくりを支援していく予定でございます。いずれにいたしましても、高齢者が充実した老後をできるだけ長く過ごせるよう健康づくり・生きがいづくりなどの環境整備に努め、生き生きと活躍する高齢者の活動支援に取り組んでまいります。
暮らしの
セーフティーネットの充実の三つ目は、暮らしに信頼と安心を築くための支援であります。真に豊かさを実感できる区民生活は、暮らしやすい社会環境の構築が基礎にあってこそ成り立つものです。中小企業の事業者に対する各種の相談体制を充実するとともに、振り込め詐欺など高齢者が被害に遭う事件が多発していることから、こうした消費生活上のトラブルを防止するための相談体制の充実強化を図ってまいります。また、生活習慣病の予防を図る観点から、区民の主体的な健康づくりを応援するため、区内に多くある坂道を活用した散歩コースを新たに設定いたします。さらに、緊急経済対策の一環として、総合庁舎内で知的障害または精神障害を持つ人を臨時職員として採用し、障害者の就労支援事業を促進するとともに、雇用の拡大につなげるほか、低所得の介護保険利用者に対する区独自の負担軽減や障害者通所施設における利用者の
食費補助や利用者負担の軽減を継続することといたしました。
暮らしの
セーフティーネットが機能していくためには、区民の要望や相談に十分対応できる組織体制も必要です。現行の地域包括支援センターと保健福祉サービス事務所を統合して設置する新たな地域包括支援センターでは、高齢者を初めとした幅広い保健福祉の総合相談に対応していくとともに、介護保険認定申請の受け付けや保健福祉サービスの受け付け等を実施してまいりたいと考えております。
第3は、地球と地域にやさしい環境づくりでございます。大量生産、大量消費、大量廃棄を前提とした仕組みは、利便性や快適性など生活にさまざまな恩恵をもたらす一方で、地球環境へ大きな負荷を与えています。事業者や区民一人一人が身近な生活の場から環境問題を考え行動することが地球温暖化防止等に寄与するとともに、未来にわたり豊かさを実感できる生活環境をつくり上げることにもつながることを認識する必要があります。
まず取り組まねばならないのは、低炭素社会と資源循環型社会の構築であります。環境問題は、昨年開催された北海道洞爺湖サミットでも、世界が解決していかなければならない最も大きなテーマの一つに掲げられました。最新の科学的知見が示すように、地球温暖化が確実に進行しており、それがもたらす人間活動や生態系への影響が身近にも感じられるようになりました。今こそ私たちには、地球温暖化をもたらす主な原因となっている二酸化炭素を大量に排出する経済活動や生活様式と決別し、低炭素社会と資源循環型社会の実現に直ちに取り組む責任があると言わねばなりません。みずからの生活様式や経済活動の見直しに踏み出すことは容易なことではありませんが、これを、1人の100歩よりも大勢の区民・事業者が一歩を踏み出せるよう、区民等が参加するさまざまな啓発活動などを通じて浸透させていく必要があります。さらに、住宅用の新エネルギー機器の導入支援や昨年10月から区内全域で開始した廃プラスチックの資源回収の定着化など、具体的な環境対策にも取り組んでまいります。環境問題への対応は、温室効果ガスの抑制にとどまるものではありません。区民等にライフスタイルの変化を求めるだけでなく、目黒区の良好な住環境を維持しつつ、まちづくりを通じて培われた、人々のまちを大切にする思いを未来に引き継ぐのも大切な環境対策です。快適な環境の保全と創造を目指した、めぐろ住環境プロジェクトをさらに進めるとともに、放置自転車の撤去やたばこのポイ捨て禁止、みどりの保全と創出などにより、まちの美化や人々に優しい街並みの形成に努め、目黒川の浄化対策にも取り組んでまいります。また、これまで区立小中学校で進めてまいりました校舎の壁面緑化を21年度は新たに5校拡大し、全体で15校といたします。五つの区立保育園におきましても初めて壁面緑化を実施いたします。壁面緑化は、
ヒートアイランド現象を緩和させる効果や、緑の断熱材により建物の室温を下げる効果を持っておりますが、将来の環境の担い手である子どもたちが、緑の豊かさを感じることにより、生命の大切さや自然とのかかわりを学ぶ機会をつくることにも意味があると考えます。
第4に、地域特性を生かした目黒らしさのある取り組みでございます。目黒区は、都内屈指の良好な住環境と文教地区を有し、目黒川の桜並木や洗練された街並みを初めとする都市ならではの環境がございます。地域の特性や個性を地域資源としてさまざまに活用し、地域のきずな、人間的・空間的なゆとりの創出など、数値ではあらわせない側面からの、まちの価値を高める取り組みを進めてまいりたいと考えております。その一つは、区内にあるさまざまな資源を生かした魅力ある地域づくりでございます。これまで目黒区観光ビジョンに基づき進めてまいりました「街あるき観光」を通じた活力と魅力あるまちづくりを一層推進していくため、目黒区らしい民間活力を生かした(仮称)「観光まちづくり協会」を設立支援するほか、目黒ブランドの研究・開発に取り組むとともに、産業振興ビジョンを改定し、今後の地域の魅力ある発展が地域経済の活性化に資するよう必要な対策を進めてまいりたいと考えております。また、駒場公園が東京都指定有形文化財に指定されたことから、必要な保存計画を立ててまいります。取り組みの二つ目は、目黒らしさを感じ、住む人だれもが誇りを持てる地域づくりであります。区とかかわりのある芸術家の公演や区民の芸術文化活動参加への機会の提供など、区民・団体や区内の芸術文化施設とが連携したアートウイークの開催や区内大学との連携による学習講座を開催いたします。さらに、区民や区内企業経営者などを対象とした仕事と生活の調和を進めるワーク・ライフ・バランス周知のためのシンポジウムの開催を計画しております。
以上の四つの重要課題のほか、社会福祉、産業経済、都市整備、環境清掃、教育・文化などの分野にあっても、区民生活に必要な行政需要を的確に把握し、積極的に取り組むべき課題について効果的な事業執行により対応していくこととし、予算案に反映させたところでございます。
平成21年度予算案につきましては、前年度に引き続き一般財源ベースによる予算管理のもと、総額管理による計画的な編成を徹底して行いました。しかし、歳入の根幹となる特別区民税は前年度当初に比べ11億円余、都区財政調整制度による特別区交付金も50億円余の減収が予想される一方で、緊急経済対策など重要課題への迅速な取り組みも求められております。近年になく厳しい財政状況のもとでの編成となり、4年ぶりに施設整備基金を取り崩して財源を確保することとなりました。一般会計の予算規模は912億円余でございまして、前年度当初と比べ55億円余、率にして5.7%の減となるものでございます。また、特別会計でございますが、国民健康保険特別会計は255億円余、老人保健医療特別会計は5,000万円余、後期高齢者医療特別会計は47億円余、介護保険特別会計は138億円余、用地特別会計は2億円余となり、一般会計と五つの特別会計との合計予算額は1,356億円余で、前年度に比べ7.4%の減となっております。
以上、平成21年度の区政運営に臨む私の所信を申し述べました。昨年秋から始まった急速な経済・雇用情勢の悪化は、私たちの社会がグローバルな経済活動と密接にかかわっていることを改めて示すものとなりました。市場経済のシステムが資源を効果的に配分し、企業や個人の意欲を引き出す点ですぐれたシステムであるとはいえ、市場への規制に不備があれば、その被害は一人一人の生活や企業活動に多大な影響を与えることを改めて痛感させられました。このような局面に際し、山積する課題を乗り越え、将来の展望を切り開いて区民生活を向上させることこそが区政のかじ取り役を担う私の使命であります。
こうした中、平成21年度の最も重要な取り組みの一つが基本計画の改定と新たな実施計画の策定であります。私は、平成22年度からの10年間を見通し、これから目黒を担う未来の世代に、このまちを引き継いでいくための羅針盤を示す責任があると考えております。自分たちのまちの未来をどうしたいかを主体的に決め、「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」の実現に向けて力強く歩まなければなりません。目黒らしさのある地域社会の形成と区民福祉の向上に全力で邁進する決意でございますので、議員各位の一層の御理解と御協力を重ねてお願い申し上げ、私の所信といたします。
○雨宮正弘議長 次に、日程第2、代表質問を行います。
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◎代表質問
○雨宮正弘議長 各会派の代表から質問の通告がありましたので、順次これを許します。
36番宮沢信男議員。
〔宮沢信男議員登壇〕
○36番(宮沢信男議員) 私は、自由民主党目黒区議団を代表いたしまして、区長の所信表明に対して9点ほどの質問をさせていただきます。
日本の経済は、アメリカのサブプライムローン問題を発端として、100年に一度と言われる金融資本市場の危機として世界的な景気後退が見られる中で、輸出関連の外需の大きな後退とともに国内需要も停滞し、景気の下落局面が長期化し深刻化するおそれが高まっております。特に雇用情勢が急速に悪化しつつあります。また、企業の資金繰りや営業活動が非常に厳しい状況となっております。雇用の不安などから区民生活に対してもさまざまな影響が生じております。国は、緊急総合対策として生活対策、生活防衛緊急対策などに取り組むと発表しております。区長も所信表明において、地方自治体の第一義的な役割は地方自治体の本旨に基づき住民福祉の向上を図ること、すなわちすべての住民が豊かで幸福な生活を享受できるようにしていくことであると述べられております。さて、区においては、昨年末に緊急経済対策として暮らしサポート21、さらに第2弾の追加策として暮らしサポート21・Ⅱを策定し公表されたところでございます。そこで、これらを含め所信表明において示された状況認識、重要課題などを中心に、区政運営に当たっての区長の基本姿勢と基本政策、並びにその具体化についてお尋ねいたします。
まず1問目、予算編成の基本認識について。区長は20年度から2期目に入り、最初の予算を編成されたところでございます。そこでまず、これまでの成果についてどのように考えておられますか。2問目、区長は21年度予算に区民の暮らしを支え、あすにつなげる予算と位置づけて編成したとされておりますが、これはどのような認識によるものなのかお伺いいたします。また、その具体策としては主にどのような施策がありますかお伺いいたします。
大きな2点目、緊急経済対策について。区長は、昨年末に緊急対策として、先ほど述べました暮らしサポート21及び暮らしサポート21・Ⅱを策定し公表したところです。経済雇用状況が悪化している中で、時宜にかなった機敏な対策として評価するものでございます。今後も経済雇用状況を深刻化する懸念がありますが、暮らしサポート21・Ⅱに引き続き、第3弾の緊急経済対策が必要ではないでしょうか。具体策を検討しておられますかお伺いいたします。例えば、プレミアムつき共通商品券の発行など、また定額給付金の給付と関連してプレミアムつき商品券の思い切った発行により、区民の消費の喚起とともに商店街の活性化を支援すべきではないかと考えますが、いかがでしょうかお伺いいたします。
次に、他の自治体では、せっかくの雇用対策が、失業などの希望とのミスマッチで必ずしも実際の雇用に結びついていない状況も報道されております。そこで、区における雇用拡大を着実に進めるためにどのような対策を考えておられますか、お伺いいたします。
次に、中小企業資金融資についてであります。先ほども述べられました、金利負担をゼロ%とし元金支払いの据置期間を延長するなど支援策を強化するとされているのは評価するものですが、さらに一歩進め、新たな金利への借りかえ制度の創設など、一層の対策が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
3点目、基本計画、実施計画改定についてお伺いいたします。目黒区では、本年度に基本計画及び実施計画の改定を行うとされておりますが、今後さらに厳しい財政状況が予測される中で、10年後の目黒区のあるべき姿を想定しつつ、山積する諸課題に果敢に、大胆な物事に取り組み、豊かで幸せな区民生活の実現のために目黒らしい総合計画にしていく必要があると考えますが、区長いかがですか、見解をお伺いたします。
4点目、新行革計画について。新行革計画では3年間の成果指標として、議員数とあわせ財政指標としての経常収支比率、公債費比率、積立基金を掲げております。21年度予算案では施設整備基金を21億円余り取り崩し、教育環境整備などの必要経費に充てておられるのは理解できますが、厳しい財政状況の中でこそ経済変動や施設更新などの将来需要に備えた財政基盤の確立が必要なのではないでしょうか。区長の今後の財政運営の見通しと決意についてお伺いいたします。
5点目、地域の安心・安全の確保についてであります。中央防災会議では、マグニチュード7程度の首都直下型地震の今後30年以内の発生確率を70%、50年以内の発生確率を90%と推定しております。大地震発生の切迫性が指摘され住民の不安感も高まっており、その対策として、まず昨年10月末に公表された中央防災会議の直下型地震避難対策専門調査会の試算では、震災時の公共トイレの確保は切実な問題となります。そこで、本区での状況と今後の整備計画を促進すべきと考えますが、区長のお考えはいかがでしょうか。
また、きょうも議会運営委員会で改めて災害対策の条例が提案されるようでございますが、私がその前に質問通告をしてありますので、改めてここでお伺いをしたいというふうに思います。大震災の際には大量の帰宅困難者の発生が予測されております。本区でも約5万人の帰宅困難者が生じると予測されておりますが、多数の帰宅困難者が一斉に駅に向かうことになれば大混乱が避けられず、また避難所での受け入れも非常に困難になるのではないでしょうか。そこで、企業などに対してもみずから備蓄品や災害用トイレの整備、事業所などの一時的な宿泊場所の確保など、自主的な防災対策の強化が求められます。そのためには区内全体に呼びかけ、帰宅困難者対策を含め事業所防災ネットワークを早急に組織化し、相互の情報交換や連携協力などについて協議し、訓練も含め、対策を講じていくべきではないでしょうか、お伺いいたします。
次に、耐震強化の対応が必要な都内の建物の多くについて、所有者の資金不足などの理由から、木造の耐震診断や、さらに木造住宅の耐震工事が進んでいない実態が報告されております。本区での取り組み状況と、さらなる対策がないかお伺いいたします。
6点目、少子化対策についてであります。本年1月の厚生労働省の発表では、平成15年から19年の5カ年の全国の市区町村別合計特殊出生率において、先ほど区長が申し上げられましたけれども、目黒区は0.74となり、過去最低の渋谷区の0.65を下回ることとなったわけでございます。そこでお伺いいたします。
その背景、要因をどのように分析されておりますか。また、今後の傾向についての予測とともに、どのような問題が生じると考えておられますか。
次に、出生数は平成5年の1,570人を底として、それ以降は徐々に増加傾向にあり、平成19年には1,919人に回復しております。今後の推移をどのように見ておられますか。また、出生数が増加しているにもかかわらず、出生率が低下していることとの関係をどう考えておりますかお伺いいたします。
次に、出生率が全国的に低い状況にかんがみ、安心して子どもを産み、健やかな子育てができる総合的な対策が一層必要になっていると思いますが、どのような対策を考えておられますかお伺いいたします。
7点目、地域特性を生かした目黒らしさの取り組みについてであります。25日の、めぐろ区報には、目黒の景観計画の素案が報告されました。私は、また観点を変えまして、本区では、「街あるき観光」を通じての活力を魅力あるまちづくりの一環として、(仮称)観光まちづくり協会の設立支援を掲げております。今後の見通しと民間を主体とした体制づくりのあり方についてお伺いいたします。
8点目、定額給付金給付事業についてであります。定額給付金事業の目的については、国においては、景気後退下での住民の不安に対処するため定額給付金を給付することにより住民への生活支援の経済対策に資するものとされておりますが、定額給付金給付事業に対する区長の評価とともに、今後の準備を含めた取り組みについてお伺いいたします。
最後に、本区の幼稚園政策についてお伺いいたします。区は、区立幼稚園を廃園により適正配置するという考え方から、幼保一元化、認定こども園化へ方向を転換し、一部の園で預かり保育を充実するなど準備を進めているが、近年の区の子育て環境は大きく変化しております。幼児人口が微増傾向にもかかわらず、区立幼稚園の在園児数が再び減少し始めているということでございます。保育所では待機児童が急増するなど、幼稚園や保育園の需要割合も変化していると思います。こうした状況の変化に対応して、改めて幼児教育や区立幼稚園の今後のあり方について再考すべき時期が来ていると考えますが、次に申し上げたいと思いますが、区立幼稚園を認定こども園へ移行するとして、実施計画に2園を計上しているが、認定こども園の実態内容を吟味して、果たして目黒区において膨大な予算を使い続けるこども園が必要な施設なのかをいま一度見直し、長い間の私立幼稚園の実績を踏まえ、私立幼稚園の経営安定基盤の確立、区との役割分担など、区と私立幼稚園との連携協力関係の強化により、区としての幼児教育振興へ向かって本格的に取り組むべきと考えますが、どうでしょうかお伺いいたします。
次に私は、今後さらに区立幼稚園の在園児数は減少傾向が予想されると思いますが、区立幼稚園の5園体制の中で2園を認定こども園へ移行することとしておりますが、保育園化なども含め、需要に合わせて統廃合や適正配置をし、前に戻り3園体制を再度進めるべきと思いますが、教育長のお考えをお伺いいたします。
私の質問に関連質問といたしまして、我が自民党区議団の議員から予算特別委員会で、ぜひこの件についても質問をさせていただきたいことを申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。明解な御答弁をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
〔青木英二区長登壇〕
○青木英二区長 宮沢議員の9点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。なお、第9点目につきましては、教育委員会所管事項でありますので教育長からお答えいたします。
まず第1点目、区長の基本姿勢と基本政策、並びにその具体化についてでございますが、今日我が国は二つの大きな課題に直面しております。一つには、人口減少社会の中で生産年齢人口の減少が生産の衰退をもたらし、国の活力が失われ、富の縮小も招くのではないかとの危惧がございます。二つ目には、今日の未曾有の金融・経済危機でございます。この極めて厳しい難しい局面にあって、すべての住民が豊かで幸福な生活を享受できるよう住民福祉の向上を図ること、これが私の目指すまちづくりの方向であります。そこで、都心の業務地区にも近く、住宅地として発展してきた本区の成り立ちを踏まえ、まちづくりの方向を「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」の実現を目指すことといたしました。具体化に当たっては、目黒区の魅力を高める、地域の価値を高める施策として、地域の安全・安心の確保など四つの重点課題を掲げたところでございます。また、区政運営に当たっては、透明性の向上、平和と人権の尊重、効率的な行政運営や協働の視点を施策展開への取り組み姿勢としながら、多くの区民が住み心地のよい、住んでいてよかったと心から実感できるまちづくりを進めてまいりたいと存じます。
次に第2点、緊急経済対策、第1問、プレミアム商品券についてでございますが、本区では、平成10年度から平成19年度まで10年間にわたり長期景気低迷に対する経済対策として、区民の消費意欲を喚起し商店街の活性化に資するため、目黒区商店街連合会が発行する区内共通商品券のプレミアム販売を実施してまいりました。その後、区商連においては、交通系ICカードのパスモ(スイカ)を活用する新・販売促進システムを開発し、平成20年3月から導入しております。このため、区内共通商品券のプレミアム販売に対する支援は平成19年度をもって終了したところです。しかしながら、100年に一度の危機と言われている、米国のサブプライムローンに端を発する世界規模の金融・経済危機は、区内の各商店街にも大きな影響を与えていることから、目黒区商店街連合会より区内共通商品券のプレミアム販売への支援を求める要望をいただいております。本区は、緊急経済対策として暮らしサポート21及び暮らしサポート21・Ⅱを策定したところですが、さらなる緊急経済対策として、区内共通商品券のプレミアム販売への支援を含めて検討してまいりたいと存じます。
次に第2点目第2問、区における雇用対策についてお答えします。昨年9月の米国発の金融危機に端を発する我が国の経済情勢の悪化を受け、都においても完全失業率の上昇、有効求人倍率の低下が続くなど、雇用の悪化が懸念されています。本区を含むハローワーク渋谷管内においても、平成20年11月の離職票提出件数は1,594件で、対前年度比で14.7%増となっています。そこで、現下の厳しい雇用情勢への臨時応急の措置として、昨年12月に都における緊急雇用創出区市町村補助金事業が、そして去る2月6日には、国における、ふるさと雇用再生特別交付金事業及び緊急雇用創出事業の概要が示されたところです。区といたしましては、国と都との役割分担を踏まえつつ、区民及び区内事業所の雇用情勢の悪化に対応するため、これら緊急雇用の創出を図る補助金を積極的に活用すべきであると考えています。そこで、都の補助金につきましては、昨年末に発表した本区の緊急経済対策「暮らしサポート21」において、特別養護老人ホーム正規職員化などによる雇用創出に充てたところです。また国の補助金につきましては、23年度までを補助対象期間として、目黒区における概算の経費として1億3,000万円余が示されておりますので、今後、補助制度を活用して効果的な事業を行ってまいりたいと考えております。以上のほかに、本区の特色である総合庁舎内に設置している地域就労相談窓口のワークサポートめぐろにおきまして、ハローワーク渋谷と連携・協力を図るとともに、キャリア相談コーナーでのきめ細かい就労相談の充実に努めながら雇用の確実な拡大を図ってまいりたいと考えております。
次に第3問、中小企業資金融資についての、さらに一歩進めた新たな金利への借りかえ制度を創設することについてでございますが、昨年9月、米国の大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズの経営破綻が報じられた後、世界は未曾有の金融経済危機に直面し、区内中小企業においても経営環境はこれまで以上に厳しさを増してきております。こうした事態に対応するため、本区では緊急経済対策として暮らしサポート21を策定し、本年1月26日から
小口零細企業資金融資の経営支援適用者につきましては本人負担利率を当初3年間無利子としたところでございます。さらに追加経済対策として暮らしサポート21・Ⅱを実施することとし、この中で
経営安定資金特別融資について、本年4月から本人負担利率を当初3年間無利子とし、あわせて
小口零細企業資金融資について据え置き期間を現行6カ月から1年間に延長するとともに、経営支援適用者については信用保証料について9割の補助を行うとしたところです。現下の経済状況にかんがみ、議員御指摘のように、さらなる対策として、これまでの利率で既に融資を受けられている事業者につきましても、今回の当初3年間無利子とした新たな制度へ借りかえることができないか、鋭意検討してまいりたいと存じます。
次に第3点目、基本計画、実施計画についてでございますが、二つの計画の改定は今後のまちづくりの羅針盤となるものであり、本区の平成21年度の取り組みの中でも極めて重要なものでございます。計画の策定に当たりましては、区を取り巻く時代状況の変化を見据えて、目黒区のあるべき姿を描くことが大切であると認識しております。このため、本年度は計画改定の前に施策の進捗確認など現行基本計画の点検を行うとともに、人口を初めとする区政に関係する各種データの推移を整理分析した上で基本計画の改定作業を進めているところでございます。こうした取り組みにより、平成21年度に改定する基本計画では10年後の目黒のあるべき姿をできるだけわかりやすく示すとともに、地域特性を生かしつつ目黒の価値をより一層高めることを目指して、施策の基本的な方向について総合的・体系的な観点で策定していきたいと考えております。また、その実現に向けた事業を実施計画に掲げ、具体的に取り組んでまいりたいと存じます。
次に第4点目、新行革計画にかかわる今後の財政運営の見通しと決意についてでございますが、御承知のとおり、昨年9月の米国大手投資銀行の破綻以降、世界的な景気の悪化が続く中、日本経済にも大きな影響を及ぼしております。区の財政状況では21年度予算案において、区の歳入の60%以上を占める特別区税や特別区交付金等で大きな落ち込みを見込んでおります。これらの歳入は景気の変動を受けやすいということで、今後、特別区民税の収入状況や調整3税、特に市町村民税法人分の動向によっては、22年度以降さらに厳しい状況になることが予想されます。また、将来需要を見ましても、老朽化した区有施設の改修費や定年退職者の増加による退職金の増加も見込まれております。社会状況の変化や極めて厳しい財政状況の中で、新行革計画においては今後3年間の行動計画の中に成果指標としての財政指標を掲げ、将来に向けて安定した財政基盤を確立していくこととしてございます。今後とも徹底した歳出の削減や積立金の有効活用を図り、将来負担を見越した財政運営を行ってまいる所存でございます。
次に第5点目、地域の安全・安心の確保についての第1問、震災時の公共トイレの確保についてでございますが、阪神・淡路大震災の例からも、災害時のトイレ対策については、避難場所等における衛生的な生活環境を確保する上での大きな課題となっております。また中央防災会議から、震災時において自宅に帰る人々で幹線道路等が混雑し、場合によっては17時間もトイレ不足の状況が続くという試算が発表され、この点においても早急にトイレ対策を講じるよう求められているところです。区では、貯留タイプの仮設トイレ等を備蓄するとともに、第1次避難場所である小中学校等には、地震の揺れに強く、し尿の処理に、より衛生的な下水道管直結型トイレを各所5基の整備を計画的に進めております。また、防災機能を重視した公園整備に順次取り組んでおり、災害用トイレと貯水槽の設置を計画的に進めております。あわせて下水道局と協議し、可能な場所には道路設置型トイレの整備を進めているところです。いずれにいたしましても、災害時の生活にはトイレ問題が最も重要な課題の一つでございますので、第1次避難場所での下水道管直結型トイレの整備計画の前倒しや道路設置型トイレの拡充整備を進めてまいります。
次に第2問、帰宅困難者対策としての事業所防災ネットワークの構築についてでございますが、大震災時には公共交通機関がストップし、通勤や通学、買い物客などが帰宅できなくなり、ターミナル駅や繁華街等の集客地では多くの滞留者で混乱することとされています。目黒区では約6万人余りの帰宅困難者が発生すると想定されておりますが、都心からの通過者を加えればさらに多くなります。多くの帰宅困難者が一斉に移動を始めると、幹線道路等に人があふれて大混乱となり、応急対策の面からも大きな問題が発生するものと認識をいたしております。地域防災計画では、できるだけ早期に安全に帰宅できるよう対策を講じることとしておりますが、防災めぐろ区民フォーラムの提言骨子には、家族等の安否が確認できれば、事業所の方々には一時地域にとどまり応急対策活動に貢献するなど、地域防災ネットワークの構築の早期具体化が掲げられました。そのため、今回区議会に提案した目黒区災害対策基本条例の中でも、帰宅困難者対策について考え方を明確化することといたしました。帰宅困難者対策は、本区だけでは解決しない広域的な重要課題でございますが、今後は東京都、23区、周辺自治体と連携し、身の安全と家族の安否確認ができれば、無理に帰宅せずに地域に貢献する活動を行うよう、効果的な具体策を検討してまいります。区内におきましては、21年度には各地区での防災対策研究会を立ち上げるなど、事業者と地域住民を中心とした地域防災ネットワークの構築に取り組んでまいりたいと存じます。
次に第3問、耐震化が進んでいない状況を踏まえて、さらなる取り組みが必要とのお尋ねでございますが、平成18年度以降の実績として、木造住宅は耐震診断を約400棟行い、そのうち約2割が耐震改修を行っております。しかし、分譲マンションについては耐震診断実施済みが1棟でございますが、耐震改修まで至っておりません。平成20年度に分譲マンション耐震診断助成の上限額を200万円に引き上げし、現在2棟が耐震診断を実施中という状況にございます。分譲マンションの耐震化が進まない理由としては、議員御指摘のとおり、耐震診断・耐震改修に多額の費用を要することなどから区分所有者間の合意形成が難しいことが大きな理由となってございます。今後の取り組みとしては、地域に入って説明会の実施やマンション管理組合に対して直接的な啓発を行うなどを考えております。また、助成制度の見直しとして分譲マンションの耐震改修助成の上限の大幅な引き上げを予定してございます。課題が山積した状況の中で、安全で安心なまちづくりという視点に立って、限られた財源を有効活用し、効果的に耐震化が進むように取り組んでまいります。
次に第6点目、少子化対策についての第1問、合計特殊出生率の今後の予想と問題点についてでございますが、目黒区の合計特殊出生率につきましては、平成14年度0.68を底にして徐々に上向いている状況にあり、平成19年は0.75でございました。この合計特殊出生率は、当然子どもの出生数が増加することと比例して上昇するものでございます。おおよその算定ですが、本区の場合につきましては、約20人の子どもが生まれることで合計特殊出生率も0.01上昇いたします。ただし、この合計特殊出生率というものが、既婚、未婚の別なく15歳から49歳までのすべての女性を対象としますところから、未婚の女性が多くいる地域におきましては、分母が大きくなりますので出生率の数値も低くなるところでございます。本区では、子どもの出生数は増加の傾向にあるところでございます。しかしながら、一方で晩産化の傾向も出てきておりますこと、また女性の未婚率も他区と比べて高いことから現在のような数値にとどまっているものと考えられ、今後もこのような状況が続くものと考えております。いずれにいたしましても、子どもの数が少なくなりますと、まちの活力の低下を招くこととなることから、目黒区で子どもを産み育てていく方のためにも、安心して子どもを産み、子育てができる環境づくりの充実をより進めていくことが肝要であると存じます。
次に第2問、出生数の増加と合計特殊出生率の低下との関係についてでございますが、議員御指摘のとおり、目黒区の子どもの出生数は平成5年の1,570人を底にして、毎年増加の傾向にあり、平成19年には1,919人まで増加しているところで、平成20年は2,000人近くなると見ております。一方、平成5年の合計特殊出生率は0.79でございまして、平成19年の0.75までの15年間の平均値としましては0.75というものでございます。なぜこのようになるかといいますと、この合計特殊出生率というものが、各年齢別の出生率の合計であるため、若い世代が子どもを多く産むと数値が高くなるようになっております。また、既婚、未婚の別なく15歳から49歳までのすべての女性を対象としますことから、未婚の女性が多くいる地域におきましては分母が大きくなりますので出生率の数値も低くなるところでございます。本区の場合は、女性の未婚率は20歳代で84%、30歳でも43%になります。これは全国平均では、20歳で74%、30歳で27%に比べるとかなり高い数値となります。その結果として、合計特殊出生率は低い傾向にあるものでございます。
次に第3問、安心して子どもを産み、健やかなる子育てができる環境づくりについての考え方でございますが、私は、社会構成の基本単位である家族にとりまして、安心して子どもを産み、子育てができるまちとしていくためには、すべての子育て家庭や、すべての子どもの育ちへの支援、子育てと仕事の両立を支援する環境を備えながら、まちづくりを進めてまいる必要があると考えております。そのためには、保護者や地域、事業者、行政がそれぞれの役割と取り組みを明確にするとともに、連携・協力してすべての子どもが心身ともに健やかに成長し、自立していくことができるまちづくりを実現していくことが必要です。そこで、保育所の整備や定員の拡大、認証保育所の誘致などのほか、理由を問わずにお子さんをお預かりする一時保育、育児に関する相談や親子の交流の場としての子育てふれあいひろばの充実や、産後の不安定な時期に育児や家事援助を支援するヘルパーの派遣など、さまざまな保育サービスの充実を図り、保護者の方が安心して子どもを産み育てやすいまちの実現を目指してまいりたいと考えております。さらに、こうした課題への対応を計画的に進めていくため、目黒区
次世代育成支援行動計画、めぐろ
子どもスマイルプランⅠの後期計画への改定に合わせ、子どもの権利の尊重や子どもの主体的な育ちの支援の視点を加えた新たな計画として、平成17年12月に定めた目黒区子ども条例に基づく計画として、来年度、目黒区子ども総合計画を策定いたします。この中で、改めてすべての子育て家庭への支援のあり方について区の考え方を示していく所存でございます。
次に第7点、(仮称)観光まちづくり協会の設立支援についてでございますが、本区では、平成17年3月に策定された目黒区観光ビジョンに基づき、区民、事業者、区等の連携協力のもと、観光資源を生かしながら人々の交流を促進し、目黒区の地域特性を生かした、にぎわいと活力あふれるまちを実現する観光まちづくりを推進しているところであります。今回設立予定の観光まちづくり協会は、目黒の歴史、産業、文化にかかわるあらゆる資源を活用し、目黒の住民が主体的に活動し、まちの価値を高め、区民が住み続けたいという愛着を感じるまちの構築を目的とするとともに、地域経済の活性化にも寄与する民間活力を生かした団体であります。その内容につきましては、現在、目黒区観光まちづくり推進協議会において検討中でありますが、私が協会の活動に期待するものは、およそ次の3点ございます。まず1点目は、区民同士及び来街者との交流であります。我がまちを再発見し、区民の誇りに思う見どころを区内外に紹介し、来街者と地元の人々との触れ合いにより区民がみずからの知識や経験を生かして活躍できる場や機会をふやし、生きがいづくりにもつなげるものであります。第2に人材育成であります。我がまち目黒の魅力を語り、案内できる人材を育成し、観光まちづくりの担い手を育てていくことです。第3に情報の収集及び発信であります。目黒区の個性や特徴、魅力あふれるまちの地域資源を発掘収集し、積極的に情報発信し、区のイメージアップに貢献してほしいと考えています。これら活動のため、場の提供、事業費等の経費の一部など協会設立準備を支援する考えであります。
次に第8点目、定額給付金給付事業の今後の準備と取り組みについてでございますが、本区におきましては、昨年12月22日付で区民生活部に定額給付金担当課長及び定額給付金担当係長を新設し、事前の情報収集や課題の整理などを行ってまいりました。1月27日の国の補正予算成立及び翌日の国の事務費補助金交付要網の施行を受け、本区として実施に向けた当面の方針を2月5日に決定し、必要な準備を進めることといたしました。本事業につきましては、国からの10分の10の補助金を財源とし、区が実施主体となって行う事業でありますことから、給付開始に当たりましては、関連法案の設立、区の実施要綱の策定、区の補正予算の成立が実施の条件と考えております。いずれにいたしましても、短期間で相当な事務処理を行う必要があることから、業務委託を初め、正確かつ的確な事業実施ができるよう準備を進め、5月中旬のできるだけ早期の給付開始を目指してまいります。
以上、お答えとさせていただきます。
〔大塩晃雄教育長登壇〕
○大塩晃雄教育長 宮沢議員の第9点目、本区の幼稚園政策につきましては、私からお答えいたします。
まず第1問、区立幼稚園の認定こども園への移行についてでございますが、平成19年3月に定めた区立幼稚園2園を認定こども園へ移行する方針に基づき、現在、みどりがおか幼稚園では、昨年4月より預かり保育の長時間化や新たに子育て支援事業を始め、一定の成果を上げながら段階的に準備を進めております。げっこうはら幼稚園では、区立幼稚園の園児数の減少傾向や低年齢児童の保育所待機児童数の増加など、区の子育て環境の変化などを踏まえ、実施計画で定めたスケジュールによる施設整備を見送っているところでございます。認定こども園制度の普及には足踏みが見られますが、少子化の進行や保護者の働き方が多様化する中で、働きながら幼稚園教育を受けたいという保護者のニーズにこたえる選択肢として、認定こども園は中長期的に有効な制度であると認識しております。しかしながら、区立幼稚園の認定こども園への移行に関しましては、区立幼稚園そのものに対する需要に減少傾向があらわれ始めたことや、認定こども園へ移行しない3園も含めて、今後は区立幼稚園の方向性を改めて検討する必要があると考えてございますので、その中で効果的・効率的な幼児教育振興策、子育て支援策となるよう、あわせて計画の見直しを図りたいと考えております。
次に第2問、区立幼稚園の統廃合や適正配置についてでございますが、区立幼稚園につきましては、平成11年に区立幼稚園のあり方に関する検討委員会から、5園を3園とすることが望ましいと答申をいただきました。その後、教育委員会では1園を廃園することといたしましたが、園児数の回復傾向や幼保一元化施設検討の動向を踏まえて、平成19年3月に5園体制の中で認定こども園化を目指すことといたしました。委員御指摘のとおり、区立幼稚園への需要に再び変化があらわれ始めておるところでございます。園児数は、平成10年より平成19年までを見ますと、5園全体で350人前後で推移してまいりましたが、平成20年5月時点では300人を割り込みました。さらに、現在、本年4月の入園申し込みを受け付けてございますが、2年続けて同様の傾向が見られますので、園児数は最低であった13年前の状況に戻りつつあります。また、保育所の待機児童数が急増し、保育所と幼稚園の需要割合も変化しております。教育委員会といたしましては、21年4月の入園に向けて定員見直しを行ったところでございますが、こうした子育て環境の変化を受けまして、区立幼稚園の方向性について、認定こども園化なども含めて適正配置を再検討する時期が来ているのではないかと考えております。なお、教育基本法や学校教育法の改正、幼稚園教育要領や保育所保育指針の改定により幼児教育の重要性が再認識されておりますので、今後の幼児教育振興のあり方も視野に入れながら、改めて区立幼稚園の役割を整理していきたいと存じます。
以上、私からのお答えとさせていただきます。
○36番(宮沢信男議員) 私の質問も大変長くなったため答弁も大変長かったわけですが、再質の時間も余りないので2点ほど改めてお伺いをしたいというふうに思います。
安心・安全のまちづくりといいますか、生活をしていくために、先ほども述べましたけれども、いつ起きるかわからない大震災という、この直下型震災に対応できる、やっぱり安心・安全の暮らし方について、区長が、先ほども答弁にありましたけれども、まだまだ安心して住める状態ではないという住宅の耐震構造になっているということであります。そういうことからですね、私は、やはり耐震診断を行った家屋については、少しでも助成できる体制づくりをしていただきたい。こういうことが区民の大きな望みでございます。また、耐震診断をしようとしても、した後の工事に結びつかないということであれば遠慮をしてしまうという区民の皆さん方もおられるわけでありますので、そういう観点から、今後の耐震診断に伴う耐震工事をどのように今後考えていかれるか、あるいは少しでも工事を進められるような対策、安心して住み続けていかれる住宅を保っていけるような、そういうような施策をどのように考えておられるか、いま一度お願いをしたいというふうに思います。
それから、今、最後に教育長の方から、検討するに値しているんだということでありまして、私たちも今、区立の幼稚園の現状を見ますと、大変園児の数が、落ちている、下がっているということでありますので、そういうことから私立幼稚園への、やっぱり協力体制が私は必要になっていくんだろうというふうに思うので、改めて公立の幼稚園を1園ないし2園廃止してでも、そういう体制をつくり上げていく必要があるんだろうというふうに私は思っています。今、教育長の答弁でも、考える時期が来ているというような答弁をいただいたわけでありますけれども、再度ですね、そういう傾向、4歳、5歳児は20年度では65%も減少しているという傾向でありますので、場合によってはこれが半減して、さらに減少するのではなかろうかということでありますので、時間も余りありませんので、一言だけお願いしたいと思います。
○青木英二区長 今、議員御指摘のとおり、なかなか耐震の改修が進みません。特に分譲マンションが、ずっとゼロが続いているということを私も深刻に受けとめております。まずは、先ほども申し上げましたが、今まで150万であったものを1,500万ほど予算化をさせていただいております。もし予算を通していただくならば、どういう状況で1,500万になるか、また状況を見ていきたいと思います。それから、あわせて私どもは、今、分譲マンション実態調査をしてまいりました。それを分析をして、その中ではいろんな、例えば建てかえの積立金のことですとか、こういった耐震診断のこと、さまざま調査をしておりますので、それを受けて今後の施策に、対応していきたいというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
○大塩晃雄教育長 幼稚園の見直しでございますけれども、先ほどの答弁と若干重複するところがあるわけでございますけれども、やはり現在、区立幼稚園5園ございますけれども、そのうち2園を認定こども園化して、3園は区立幼稚園という、そういう考え方を教育委員会として決定をし、その認定こども園化のスケジュール等につきましても実施計画に盛り込んだのが19年3月でございます。ただ、その後の状況が、先ほど答弁の中で申し上げましたように、昨年3月、それからことしの現在2月の状況を見ても、区立幼稚園に対する需要というのが急激に落ちてきている状況がございますので、それから19年3月の時点とその後の状況というのは相当様変わりしている、そういう基本的な認識もございますので、基本的にはそういう状況も踏まえながら、また片一方では保育園の待機児というのが相当急激にふえてきているということで、先ほどの答弁と重なる部分がございますけども、そういう状況を踏まえながら、教育委員会といたしましては今後できるだけ早い時期に見直し、これは作業としては早速かかっていきたい、できるだけ早い時期にその方向性については示していきたいなと、そのように考えておるところでございます。
○雨宮正弘議長 宮沢議員の代表質問を終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
〇午後2時49分休憩
〇午後3時05分開議
○雨宮正弘議長 休憩前に引き続き議事を再開いたします。
代表質問を続けます。
23番つちや克彦議員。
〔つちや克彦議員登壇〕
○23番(つちや克彦議員) 私は民主・区民会議の代表として質問いたします。区長2期目の姿勢として、明快かつ積極的な答弁を期待します。
この数年、そして特にこの半年、経済動向の変化は区民生活に多大な影響を与えております。数年を振り返りますと、国際的にはアフガニスタンでのテロ撲滅に向けた戦争、イラクへの存在しなかった大量破壊兵器を理由にした米国主体の戦争、アフリカでの内線、イスラエル周辺の紛争、いろいろと安定していたとは言えない状況であったにもかかわらず、日本国内は比較的平穏でした。自公政権による構造改革は経済に対して一過性のカンフル剤となり、企業収益は向上していました。昨年頭までは数年で平均株価も倍増し、企業収益も増し、株主への還元は多く行われ、雇用の拡大も進んでおりました。しかし、それらはあくまでカンフル剤にすぎませんでした。数日前に平均株価はバブル崩壊後最悪の値をつけました。景気がいいと言われていたときにも働く者に働いただけ還元されるような状態ではなかった。そのために足りない部分は投資で稼ぐ風潮が広まっておりました。個人投資家による株式投資、低金利のための投資的な預金が普通になっていたこと、そのような中で株価がこのように下がった。もともと受けとめる体力がない国民が被害を直接受ける形になってしまった。その結果、国民生活が危機に瀕しているのは皆様御存じのとおりです。構造改革の大号令のもとで進められた障害者自立支援法、後期高齢者医療制度など明確な国民福祉の削減、医療予算は毎年2,200億円ずつ削減されてきました。さらに、この10年で59兆円もの国内道路整備予算を準備する姿勢を強行したなど、一人一人の国民よりも企業収益を優先する、我が会派から見れば明らかにバランスを欠いた政策が押し進められてきました。
おととし2007年に米国でサブプライムローンの破綻が起きております。国内では年金という国家と国民との約束、老後の安心の基本となるものの不備が判明いたしました。社会保険庁での非常にずさんな管理が発覚したのは、民主党を中心とする野党が参議院において過半数を獲得した結果であろうと、ふたをされていたものが出てきたものであると考えております。そこで判明した消えた年金の問題、遅々として解決が進んでおりません。
昨年2008年には年頭から原油高が進行し、ガソリン代は一時倍以上の値をつける状況となりました。少しずつ不景気の足音が聞こえる中でのリーマン・ブラザーズの破綻という米国発の金融恐慌、これらに対応して目黒区でも暮らしサポート21を定めるなど、幾つかの対策を進めてきたと理解しております。しかしながら、国政での混乱は現在も続いております。自公政権は支持率10%前後、不支持率70%を超えるような状況にもかかわらず政権にしがみつき、日本という国家自体を沈没させつつあります。この金融の緊急事態にもかかわらず、G7において財務・金融担当大臣は当事者意識に欠けた行動を起こして閣僚を辞任いたしました。もはや国に任せておいて区民生活の安全・安心を整備することが困難なのは明白であります。地方分権が進む現在、基礎自治体である目黒区は大きな責務として、日常の区民生活の安心・安全を確保するために全力を尽くさなければなりません。緊急経済対策だけではなく、日常の区民生活の安心を整備するために、あらゆる手段を講じなければならない。そのためには、行政が主導する従来の形態から、区民、事業者とも協力して協働による解決を考えていくほかありません。互いに担うべき責務を自覚して協力し合い、最善の方策を探していかねばなりません。住みたいまち、住み続けたいまち目黒を提唱する区長は、いかにして住み続けられるまち、住みやすいまち目黒をつくるのかという側面を明解にしていただきたく思い、以下7項目の質問をいたします。
住みやすいまち目黒を目指して。住みやすいまちを目指すには、どのような人が住みにくいのか、これを見定める必要があります。コミュニティーというソフトウエアとまちづくりというハードウェア整備のために、現実を見据え、問題を解決する真摯な姿勢を持つこと、それこそが未来をつくることにつながると考えております。
(1)家族が住みやすいまちを目指す。
将来どのような目黒区にするかを考えるには、将来的なまちづくりを予測するには、家族世帯、中堅ファミリー世帯が住みやすいように考えるのが早道です。生活実感をいち早くつかむのは、まさに子育てをしている年代です。そして中堅ファミリー世帯の多いまち、子どもの元気があふれるまちほど活気にあふれているのは、だれしも想像できることでしょう。しかし、残念ながら目黒区は家族世帯が住みやすいとは言えません。居住費、生活費の高さも一因ではありますが、共働きの家庭が住みにくい、そんな現状があります。出生率が低いにもかかわらず、年々待機児童が増加しております。先日、委員会報告された認可保育園への希望集計表を見ても、第1希望者のうち500名近くは希望が通らず認可外保育所に流れているという実態がございます。これは潜在的待機児童と言っても過言ではありません。社会環境の変化からくる女性就業率の増加も一因です。この経済状況下では共働きをしなければ生活に困るような家庭も増加しております。今後も女性の就業人口はふえていくことが目に見えております。平成20年度の要保育率を算出いたしますと29.8%ほどになりますが、女性の就業率は大体35%以上という状況に現在なっております。ただ、先進諸国を比べますと40%を超えるようになるであろうことは、ほぼわかっていることであります。そのような中で、この認可外保育所、とりわけ認証保育所や保育ママ制度の活用を進めていかなければならない。これも待機児童解消に向けた方策には有効であります。ただ保育料の格差が余りにあるために、うまく動いていないという側面があります。また、先日発表された保育制度改革案では、指定保育所という公費補助制度についても国の方で言及がありました。人口減少が明確な現在では、労働人口を確保するためには女性の就業が必要になるのは明白であり、そのために保育制度の抜本的改善が必要なのは国も理解しているということです。このような状況で保育施策のすべてを目黒区だけで担うことは、ほぼ不可能です。これからは、他区でも実施しているように、積極的な建設誘導などで老朽化マンションの建てかえに保育所併設を進めるなど、保育サービスの拡充・改善を民間といかに協力していくか、抜本的に進めていくことを考えなければならないのではないかと考えますが、区長のお考えはいかがでしょうか。
(2)弱者が安心できるまちを目指す。
高齢者や障がい者が安心して生活するためには、日常の生活をいかに安全に過ごせるかが大切です。日常的に少しずつでも安心して散歩できる、外出できるような環境があるならば、健康増進が見込めるのはだれしもわかることです。核家族化が進み、都市部特有の近所でも知り合いが少ない状況が生み出されたのは、高齢者が出かけて参加しやすい場所が周知し切れてないことに加え、気軽に外出できる環境が整備されていないことが理由であろうと考えております。家からどこかに出かけるには、常に自分の家の前から道路を歩くわけです。目黒区は東京都の中心に向かう途上にあります。車両の抜け道として非常に利用されやすい。そんな目黒区の街路では、歩行者の安全がしっかり確保されているとは言い切れません。スクールゾーンを初めとして、歩行者の安全を確保するには特定時間帯の一部道路の歩行者優先を明確化する方法もあります。しかし、それだけでは足りません。例えば抜け道に利用されやすい生活道路と、そこに交わる狭隘道路との交差点などにおいて、日常的に危険な状況が起きております。付近住民の協力で幸運にも未然に防げているというような実態がございます。車が速度を出しにくくするような道路整備もかつては一部で行っておりましたが、その後の広がりも見えず、依然として危険な道路は危険なままで改善が進んでおりません。そういう場所を幾つも把握しております。これらについては昨年の代表質問や、または予算・決算特別委員会などでも指摘しておりますけれども、区長は常に交通管理者である警察の意向を重視する答弁を重ねてこられました。円滑な交通網を整備するという交通管理者の姿勢と、区民の日常生活の安心を守るという姿勢は、どちらかだけを最優先にしては両立できないのは当たり前のことです。目黒区が区民生活の安心・安全を提唱するのであれば、ある程度の譲歩を交通管理者に積極的に求めていかねばならないことは自明だと思われます。安心できる道路という公共空間を確保することは、区民の健康増進にもつながり、なおかつコミュニティー自体の活性化にもつながります。歩行者という血液が道路という血管を縦横に動き回れる環境をつくることこそ、本来の健全なまちづくりでしょう。そのためにも、他区のように地域の面的な交通網を整備する方針を明確に打ち出し、安心して出かけられるまちをつくる。それによって日常生活から健康づくりが進んでいくような施策を考えるべきではないのでしょうか。区長のお考えを伺います。
(3)いつでも安全なまちをつくる。
災害に強いまちづくりには、狭隘道路の整備は欠かすことはできません。被災時に狭隘道路がふさがれて閉じ込められる危険を初めとして、多くの危険があります。今後30年に7割の可能性で直下型地震が来ると言われる東京都では、急務の一つであることも明白です。もちろん、目黒区として押し進めております耐震改修の推進なども有益です。しかしながら耐震改修は、自分自身が所有している建物に関しては有益ではございますが、借家において賃貸しているような方においてはどうであろうかと考えると、すべてをカバーしているものではないと考えます。個人的には耐震改修とかシェルター助成よりも寝具などでの安全対策なども必要なのではないかなと考えますが、こういう屋内の問題は別途考えることといたしまして、今回は公共空間での道路の安全に絞らせていただきます。
目黒区の狭隘道路対策は、住民の好意での対策を進めております。ただ、この好意による狭隘道路対策は、さまざまな個別の問題も引き起こしています。例えば私自身が把握している範囲では、新築の住宅で完成し、確認しているときには道路であったんだけれども、確認が来た直後に壁がつくられて道路がふさがってしまった事例とか、または増築の際に私道の一部にはみ出して建設してしまうような事例を見ております。確かに個人の土地ですから強く制約できるものではない、それはわかります。しかし、こういう違反にはならなくとも公共意識に欠けた方は必ずいます。そういう問題を一部の区民が指摘したことに対して、何か土地占有の民法規定を持ち出して指導できないということを目黒区が言ったというような話を聞き及んでおります。ただ、その後、国の方にその方が働きかけたら、国から正しく指導するようにと命じられたというような話も聞いております。道路という公共空間というのは、やはり自治体が、行政機関が整備していかねばならないという、そのことの証左ではないかと考えます。何もかも人の好意とかそういう性善説で解決できるわけではありません。問題を見つけたならば、狭隘道路対策においてはきめ細かく実際の現場を確認するとともに、常に明確な指針をもって改善指導するなどの姿勢が必要になるのです。目黒区より路線価の高い隣接する他区においては、狭隘道路整備のために新たな条例を整備する動きもあります。狭隘道路対策に協力した方へのインセンティブなどで誘導するなどの施策も盛り込まれていると聞き及びます。災害に強い安心なまちづくりを提唱している区長として、この狭隘道路整備が遅々として進まないのは御存じのはずです。今後どのようにして狭隘道路対策を進めていくのか、安心なまちづくりを進めていくのか、お考えを伺います。
(4)地理情報システム(GIS)活用で区民サービス向上を目指す。
行政機関がむだなく必要な施策を投入するためには、地理情報システム(GIS)を積極的に活用することが役立ちます。人間の頭は基本的に視覚によって考えるところが大きく、地理情報上で把握するとわかりやすいのは、だれしも想像できるところでしょう。平成20年に地理空間情報活用推進基本計画が閣議決定されました。この計画では、地理情報システムと衛生測位の活用を通じて、だれもが、いつでも、どこでも必要な地理空間情報を使えること、また高度な分析に基づいて的確な情報を入手し行動できる地理空間情報高度活用社会の実現を目指しています。その中に、産学官連携を強化してこれらの活用を推進することも明記されております。地理空間情報を実際に行政が活用した事例としては、いろいろございますが、阪神大震災時に兵庫県西宮市の職員が開発した被災者対策支援システムがあります。これは、ことし1月17日、阪神大震災の日に総務省から全自治体に配付されました。中越地震においては、その市の職員が直接持ち込んで被災者支援に活用したとも言っておりました。これは被災時に限定されておりますが、行政のGIS活用事例としては非常に秀逸なものです。個々の区民状況を把握する、行政として必要な情報を集積する、それらを組み合わせて本当に必要な新たな施策展開を進める。そういう業務効率化のために重要な方策ですが、区長としては地理空間情報の有効活用についてどのように考えているかを伺います。
(5)活動したい区民のエネルギーを生かす。
昨今、元気な高齢者がふえ、健康寿命が延びている中、引退した区民は人材の宝庫です。団塊の世代の大量退職で浮いたエネルギーを生かしていくことが地域社会の活性化につながるのは、これまでも言い続けてきたとおりです。そして障がい者についても同様です。障がいにも程度がございますが、個々の技能を生かしたくても生かしていない障がいを持つ方々もいます。企業が雇用を進めるにも、この不景気の中で雇用が進むわけがありません。障がいを持っているからと特別扱いするのではなくという考え方から、やはりともに活動できる社会環境をつくる、そんなノーマライゼーションが必要とされています。多種多様な方々が多種多様の能力を持って集うことで、さらに広い何かを得られる環境ができる、それこそが活性化したコミュニティーの特徴です。あらゆる区民が積極的に活躍できる環境を育てる、だれもが自分なりの活動する場所を手に入れられる、そういう手助けをするために人材データバンクのようなものを用意して、区全体の協働を発展させる必要があるのではないでしょうか。行政機関がほかのあらゆる立場の者に先んじているのは、集積できる個人情報の量と質です。人材マッチングを中心とした橋渡しを行えるのは、まさに行政機関なんです。目黒区の行政は、施策の実現に常に多くの人材を必要としております。一時的なボランティア的活動も含め、多くの形での活動で必要としています。人材管理の一元化は必ず役に立ちます。それらを統合的に運用するために、現在、目黒区社会福祉協議会が行っているボランティア・区民活動支援センターやワークサポートめぐろなどを連携させる、活動したい人と活動を求める行政も含めた団体とが、互いに有益となるような施策を考え、区民の活動が活性化するような方策を進めるべきと思いますが、区長のお考えはいかがでしょうか。
(6)コミュニティースクールなどの活用。
学校教育現場で地域から講師を招くなどの施策が進められています。これを一歩進めて、課外活動、放課後・土日活動への人材活用をさらに進めることで、学校を核とした地域コミュニティーを育成できるのではないでしょうか。区民が生活する中で行政に深くかかわらざるを得ないのは、まさに学校活動のような子どもを中心としたものです。子どもが通う学校を中心として、より密接かつ効果的な地域活性化を行う、それこそが今後の目黒区に必要なものではないでしょうか。そして、地域全体で子どもを育てる風土が育成されていくのであれば、子どもの安心・安全はおのずと守られるようになり、さらに子どもたちが地域への愛着心を強く持つようにもなる。まさに住み続けたいまち目黒を目指す区長には必要な施策なのですが、こういう点で有益なコミュニティースクールについて、教育所管としてはどのように推進していくのか、その展望を伺います。
(7)都区関係への目黒区の姿勢。
地方自治法改正により目黒区が基礎自治体と規定されたのは、もう10年近く昔のことです。そして平成12年から続く都区協議が始まりました。東京都と目黒区の事務事業配分・税配分については、平成18年に決着をつける予定だったにもかかわらず、結局、石原都政のもとで平行線をたどってまいりました。先日、大阪府の橋本知事が、地方は国の奴隷であるとまで言いましたが、私が個人的に見るところでは、そういう都道府県もまた市区町村に対して同様の下部組織意識が抜けていないと感じられます。東京都は、この最近の話し合いの中では、東京都は一方的に50万人規模の自治体を想定しての事務事業配分であるとまで主張したことなど、そのいい例です。本質的に地域の再編、市区町村統合はそれぞれの市区町村が自発的に必要かどうかを検討して行うものであり、都道府県が市区町村に命じるたぐいのものではありません。時代おくれにも東京都はいまだに目黒区を初めとする特別区を下部団体とみなしている気配が濃厚なのは、直接話し合っている区長こそ理解しておられるのではないでしょうか。道州制を初めとした国の議論もおさまる様子はなく、地方政府たる目黒区としては、同列の地方政府にすぎない東京都、あるいは中央政府たる国に対して、東京都の中での目黒区をどのような区としていくかという姿勢を強くあらわしていかねばならない状況であると考えます。地方分権を進めていくには、トップが明確なビジョンを示し、進行を指し示す作業工程が必要になります。もちろん臨機応変に行動する必要もありますが、骨格をつくり、全体の大きな柱を提唱することでリーダーシップを示していく。安心・安全なまちづくりからさらに一歩推し進め、住みやすいまち目黒をつくり上げる。そのために区長が指し示す羅針盤となる実施計画の中で、都区関係をどのように落とし込んでいくつもりなのか、区長としての姿勢をお伺いいたします。
以上7点、壇上からの質問とさせていただきます。(拍手)
〔青木英二区長登壇〕
○青木英二区長 つちや議員の、住みやすいまち目黒を目指してについての御質問に順次お答え申し上げます。
なお、第6問目につきましては教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えいたします。
まず第1問、家族が住みやすいまちを目指すについてでございますが、私は住みたいまち、住み続けたいまち目黒の実現のため、四つの重要課題の一つとして、暮らしのセーフティネットの充実を掲げ、多様なセーフティネットの中では次代を担う子どもの育ち・遊び・学びの支援を進めてまいりたいと考えております。私は、社会構成の基本単位である家族にとりまして、住みたい・住み続けたいまちとしていくためには、すべての子育て家庭やすべての子どもの育ちへの支援、子育てと仕事との両立を支援する環境を整えながらまちづくりを進めてまいる必要があると存じております。そのためには、保護者や地域、事業者、関係機関等との役割と取り組みを明確にするとともに、連携・協力を図りながら、すべての子どもが心身ともに健やかに成長し、次代を担う子どもたちが自立していくことができるまちづくりを中長期的視点で実現してまいりたいと考えております。
御指摘のように保育所の待機児童数は、家族が住みやすいまちを目指す一つの指標であると認識をしております。現在、保育所の入所希望者はとても多くなっており、平成20年4月1日現在の待機児童数は前年の倍以上の106名となり、平成21年4月の認可保育所の入所希望者も前年比124名増加しております。都心の就労の場に隣接する目黒区では、女性の自発的な社会進出とともに、現下の経済情勢などから、保育所にお子さんを預けて働きたいという保護者の御要望は年々高まりつつあります。待機児童対策といたしましては、現在、平成22年4月の中目黒駅前保育園の開設に向けて準備を行うとともに、今年度は緊急対策として補正予算を組み、新たに認証保育所2カ所の開設に向けて所要の手続を進めているところでございます。今後の認可保育所の入所希望児童数の動向につきましては、就学前児童数の推移や子どもを持つ女性の就業率、景気動向など不確定要素が多く、想定することは難しい面がございますが、今後も増加傾向が続くものと思っております。したがって、保育施設の整備が急務でございますので、お尋ねにありました積極的建設誘導によるマンション建てかえ時における保育所の併設や企業内保育所の誘導など、民間と協力しながら待機児童を解消していく方法を模索していくとともに、待機児童の数や地域などを勘案しながら、保育所の整備や定員の拡大、認証保育所の誘致や家庭福祉員の拡大などを図り、子どもを安心して産み育てることができるまちの実現を目指してまいります。
次に問2問、弱者が安心できるまちづくりを目指すについてでございますが、平成8年の目黒区人権に関する意識調査によれば、約96%の人が、高齢者も他の人々ととともに地域の中で暮らしていける社会が望ましいと考えています。しかし、車優先に進められてきた道路整備などにより、身近な居住地域への通過車両の流入や歩道と車道の段差など、安心して気軽に外出しにくい状況となっています。そこで、区の将来都市像として、都市計画マスタープランでは子どもから高齢者まで、障害を持つ人もだれもが安全で安心して快適に暮らすことができるまちを目指し、歩行者の優先を基本とした、歩いて暮らせるまちづくりを推進することとしています。こうしたまちを実現するため、平成15年より幹線道路に囲まれた居住地域への通過交通の進入を抑え、地域内の居住者の安全を守るため、八雲地区においてコミュニティーゾーンの整備事業を進め、車のスピード抑制対策や歩行者通行帯のカラー化などの整備を行っております。今後、学芸大学駅周辺地区においても交通規制等を考慮した歩行者優先ゾーンの形成に向けて取り組むこととしています。さらに、平成16年には目黒区交通バリアフリー推進基本構想を策定し、駅から主要な公共施設などを結ぶ経路について、バリアフリーネットワーク化を進めているところでございます。現在、中目黒や都立大学駅など五つの駅及び駅周辺でのバリアフリーネットワーク化の整備を進めており、今後、学芸大学駅周辺での整備を初め、その他の駅周辺地域におきましても順次バリアフリー化に向けた整備計画の策定に取り組んでまいります。今後も住みなれた地域でいつまでも安心して健康に暮らすことができるまちとするために、面的な整備を目指してまいりたいと考えております。
しかし、コミュニティーゾーンの整備やバリアフリー化などを推進していくためには、地域内に住む人々の理解と協力が必要となります。また、通過車両の流入を防ぐため、幹線道路網の整備や通過交通の流入抑制など、総合的に整備する必要もあります。そのため整備に当たっては、地区内の住民の理解と協力を得られる地域や利用者が多い路線などを優先的に進めるなど、効率的に、また効果的に進めてまいりたいと考えております。
次に第3問、安全なまちをつくるために狭隘道路の整備を促進する観点から道路整備状況をきめ細かくチェックするとともに、狭隘道路対策に協力した方々へのインセンティブで誘導するなどの施策を考えていくことについてでございますが、本区では従来より狭隘道路拡幅整備事業を条例に基づき実施しております。条例では狭隘道路の拡幅整備を推進する区の支援策として、後退整備する部分を区に編入する場合だけでなく、私道についても整備を区に委託する場合には道路の舗装や排水溝の移設などの工事を全額区の負担で行っております。また、拡幅整備する部分に存在する門、塀や擁壁などの撤去に要する費用や樹木の移植工事、新たに必要となる擁壁の整備費用、建築を伴わない場合のガスや水道などのメーターの移設に要する費用などを助成しております。さらに道路が交差する部分に隅切りを設ける場合には、奨励金も交付しております。このほか後退部分を区道に編入する場合に必要となる分筆につきましても、測量を区が実施することにより狭隘道路の拡幅整備に協力いただいた方の負担ができるだけ少なくなるように努めてまいります。加えて、道路が拡幅整備された後につきましても、関係する権利者の方々の負担が少なくなるよう、権利者の依頼に基づき拡幅整備した部分の道路につきましては固定資産税等の非課税申告を区が代行することも行っております。以上のような狭隘道路の拡幅整備に関する主旨と指導策、支援策につきましては、主に建築計画される際の建築主との事前協議やパンフレット等により区民の皆様にお知らせをしているところでございますが、区民の皆様に十分御理解をいただいているかという点からは、まだまだ不十分であると言わざるを得ないと考えております。したがいまして、今後さらに普及啓発に努めるとともに、あわせて、より使いやすい支援策となるよう、改善の余地などについても検討してまいりたいと考えております。また、狭隘道路の拡幅整備完了時には検査を行うとともに、関係権利者による自主的な整備につきましてもて適宜現場確認を行うよう努めておりますが、御指摘のありました道路であった場所に塀や壁がつくられるような事態につきましては、適時適切な指導を行うことが必要と考えております。限られた行政資源を活用し、効果的なチェック体制をつくるため、関係所管の連携のあり方などについても引き続き検討してまいりたいと考えております。
次に第4問、地理情報システム活用で区民サービス向上を目指すについて、でございますが、地理情報システム(GIS)は、地理情報をコンピューターを用いて重ね合わせ、情報の分析や解析を行ったり、情報を視覚的に表示させるシステムであり、阪神・淡路大震災がきっかけとして我が国でもGIS活用の取り組みが本格化してきております。本区におきましても、都市整備や環境清掃部門などでGISを活用し、事務事業の効率化や区民サービスの向上に役立てております。一方、平成20年度に策定された地理空間情報活用推進基本計画では、だれもがいつでも必要な地理情報を使ったり、高度な分析に基づく情報を入手し行動できる社会の実現を目指し、重点施策として地理空間情報の提供や流通の促進、活用推進に関する産学官の連携強化などを掲げています。また、総務省より提供されている災害者支援システムは、西宮の災害業務支援システムの中核をなすもので、GISを組み合わせて活用することで災害時の被災者支援や震災復興業務が効率的かつ効果的に行われるものとなっております。このようなシステムの活用が被災時の適切な対応や速やかな復旧、復興に大きな効果が発揮できることを改めて認識した次第です。区では区民生活に関する事務事業などを推進するため、さまざまな情報を所有しています。これらの情報を地理情報と組み合わせシステム化することにより、必要な情報を視覚的に、しかも瞬時に地域的な特性を把握することができるため、さまざまな行政施策を検討する際や震災などの緊急対応に有効に活用できるものと考えております。一方、こうしたシステムを構築するには、個々の情報の電子化や形式の異なる地図情報を整合させたり、個人情報の保護、費用対効果など、検討すべき課題も多くあります。区といたしましては今後、新たな施策の展開や災害時の活用、事務事業の効率化や高度化のためにはどのような情報を地理情報と組み合わせることがふさわしいのか、また区民にどのような新たなサービスを提供すべきかなどについて、国や東京都の動向や他区の導入事例、最新技術の動向などの情報を得ながら、GISの統合などを含め検討を進めてまいりたいと存じます。
次に第5問、活動したい区民のエネルギーを生かす仕組みについてでございますが、定年退職者の増加などとともに、地域に活動の場を得て、自分の知識や技能、経験を生かし、地域社会に貢献したいと考えている区民の方も増加してくるものと考えられます。一方、地域においても、まちづくり活動などを担い、地域を支える区民を求めております。しかしながら、活動の情報が得にくかったり、参加のきっかけがつかめないなどの理由から、現実に活動に参加しにくい状況も見受けられます。活動したい区民と、それを望む地域を結びつける仕組みをつくり、ボランティア活動や地域活動の効果的なコーディネートを行うことは、大変重要なことと考えております。
現在、区では地域のサークル活動等の紹介や生涯学習情報の提供、地域活動に関するイベント、講座、講演会、活動交流会の開催など、防犯、福祉、環境、教育など、さまざまな分野で区民の皆さんが活動する場や機会を設け、地域の課題解決に向けた取り組みを進めているところです。
一方、御指摘のように、こうした活動を始めたり継続的に実施していくには、キーパーソンとなる人材を得ることが重要です。そこで区では来年度の新規事業の一つとして、中高年の方々などを対象とした(仮称)地域デビュー講座や活動体験セミナーの開催など、地域活動参加のきっかけとなる講座等を開設し、人材の発掘・育成を行っていく予定です。また、昨年6月には区民活動を支援する全区的な拠点として社会福祉協議会が中目黒スクエア内にめぐろボランティア・区民活動センターを設置し、福祉のボランティアから区民活動の範囲を広げて、活動の紹介や相談、人材育成のための研修や活動グループの支援などを行っているところです。今後は、まちづくりの各分野でより効果的な人材の育成・活用の仕組みづくりに努めてまいります。あわせまして、全区的なボランティア・区民活動のコーディネーターとして多様な人材の育成・活用などを目指すめぐろボランティア・区民活動センターがその役割を十分果たせるよう、同センターの運営を支援いたしますとともに、情報提供や人材育成など、連携・協力し、区民の皆さんが地域社会で生き生きと活動できる環境づくりに努めてまいります。
次に第7問、都区関係への目黒区の姿勢についてでございますが、現在、都区の
あり方検討委員会で都区の事務配分、区域のあり方、税財政制度につきまして検討が行われております。先日、議会にも御報告いたしましたが、残念ながら基本的方向を取りまとめるに至らず、21年度も引き続き検討していくこととなっております。特に区域のあり方につきましては都と区の考え方がかみ合わず、当面、都区のあり方検討とは別に、将来の都制度や東京の自治のあり方について学識経験者を交えた都と区市町村共同の調査研究の場を設け、改めて議論することになっております。その中で道州制や都制度を含めて、都の自治のあり方、基礎自治体のあるべき姿についてしっかりと議論していくことが必要であると考えております。区といたしましても身近な地域で実施することが望ましい事業については、財源等の裏づけを持った権限移譲が必要であることをあらゆる場を通じて主張していくとともに、22年度から実施予定の基本計画の中に、住民福祉の向上を目的とするためには基礎自治体としての自治財政権を確立することが不可欠である旨盛り込んでいく予定でございます。
以上、私からのお答えとさせていただきます。
〔大塩晃雄教育長登壇〕
○大塩晃雄教育長 つちや議員の第6問、コミュニティースクールなどの活用につきましては、私からお答えいたします。
教育委員会では、めぐろ学校教育プランに掲げた信頼される学校づくりをさらに推進するために、新たに学校運営協議会制度を導入し、モデル校として鷹番小学校、田道小学校の2校をいわゆるコミュニティースクールに指定いたしました。昨年4月よりモデル校での活動が始まっておりますが、両校とも定期的に学校運営協議会が開催され、学校の教育活動に対して保護者や地域の方々から直接アドバイスや意見をいただいております。鷹番小学校では教員との交流会を通して、繁忙と言われる勤務の実態を把握しながら学校の教育活動を支援する仕組みについて協議が進められています。田道小学校では、学校と学校運営協議会が合同で保護者、地域へ広く呼びかけ、先日、フォーラム田道小学校2009を開催し、学校評価の結果をもとに子どもたちや学校の現状や課題について議論を深めたところでございます。学校運営協議会制度導入には、学校長の経営支援、開かれた学校運営の推進、特色ある学校づくりというねらいございますが、学校運営協議会が学校と保護者、地域の橋渡し役となることや、学校の教育活動への地域人材の活用や、学校と地域の連携活動が進むことも期待しているところでございます。モデル校におきましては、徐々にではありますが、地域で子どもを育てるという意識に広がりが出始めておりますので、学校運営協議会の活動が定着、発展していけるよう教育委員会としても引き続き運営への支援に努めるとともに、学校運営協議会制度やモデル校の活動を広く周知していく考えでございます。
放課後などにおける地域人材の活用につきましては、現在、小学校の6校区においてPTAや住区住民会議の有志の方々などによる子ども教室を実施し、来年度はさらに実施校区の拡大を考えております。また、小学校10校において地域の方々にも協力をいただきながらランドセルひろばを実施し、来年度は全小学校へ拡大する予定でございます。なお、鷹番小学校区では、学校運営協議会が子ども教室の来年度の実施に向けPTAの準備を支援するなど、学校と地域や保護者をつなぐ役割も果たしているところでございます。
教育委員会では、教育への区民参加と地域ぐるみの教育の振興を教育基本方針としてございますので、学校運営協議会制度や放課後フリークラブなどの拡充を通じ、学校を一つの核として地域社会全体で子どもをはぐくむ機運をさらに高めてまいりたいと考えております。
次に第5点目、「地域特性を生かした目黒らしさのある取り組み」の第1問、観光まちづくり協会の設置による地域経済の活性化に関する所見でありますが、平成17年3月に策定された目黒区観光ビジョンに基づき、本区では街あるきを主体とした「観光まちづくり」を推進してまいりました。観光まちづくりは、区民、事業者、区等の連携・協力のもと、観光資源を活かしながら人々の心を豊かにし、まちの活力を高めていくことであり、その効果としましては、第1に街あるきに伴う買い物、食事などの消費活動により、小売業、飲食業、サービス業など、地域経済への波及効果が見込まれることであります。
第2に、区民が我がまちを再発見する過程において、まちへの愛着心を高め、安全・安心で美しいまちづくり促進の気運の醸成や、街あるきの環境整備に伴う居住環境の向上、定住化促進効果も期待されます。
第3に、区民と来訪者との地域の資源を活用した交流によるコミュニティー活動の活性化が期待されるとともに、区民のまちに対する誇りを高め、まちのイメージアップにもつながります。
第4にさまざまな交流事業において、区民がみずからの知識や経験を生かして活躍できる場や機会がふえることにより生きがいづくりにもつながり、これらの効果の相乗的な作用により区民が生き生きと生活し、活力ある魅力あふれるまちが形成されることであります。
以上述べたような観光まちづくりを効果的に進めるには、区民、事業者、地域団体及び行政の既存の活動を有機的に結びつけ、継続性と機動性をあわせ持った推進体制を構築する必要があり、そのためには民間活力を生かした観光まちづくり協会を設立するのが望ましいと考えております。新たな協会については、現在、目黒区観光まちづくり推進協議会において検討中ですが、目黒区のあらゆる資源を活用して住民が主体的に活動し、人々の交流を促進し、住む人にも訪れる人にも魅力が感じられる地域特性を生かしたにぎわいと活力があふれる文化の香り高いまちを実現する担い手として期待するものであります。
次に第2問、イベント時における各駅の乗降客数に見合った対策などについてでございますが、乗降客数を関係所管について調査したところ、例えば中目黒駅では1日約10万6,000人とのことでした。しかし、この数字は月ごとの合計数から1日平均を算出しており、桜まつりなどイベント時に特化した乗降客数のデータは、現時点では入手することはできませんでした。このような観光入り込み客数の把握は重要と考えますので、今後、関係機関と連携して把握するよう努めたいと考えております。
また、桜まつりなどイベントにかかわる行政の各機能の合議体に関するお尋ねにつきましては、昨年は道路や公園や清掃など、関係所管の打ち合わせを持ちました。また日の出橋から上流の目黒川沿いの交通規制について、地元の方々、目黒警察署、道路管理者が一緒に話をする中で、地域の理解、警察の支援も得て、一部歩行者優先にすることができた道路もあったと聞いております。ことしも昨年と同様に連携の打ち合わせを持ちながら、よりよいお祭りができるよう支援してまいりたいと存じます。
次に第3問、周遊バス運行はできないかとのお尋ねでございますが、広く目黒区におけるコミュニティーバスの可能性につきましては、平成18年度に区内部の検討組織で検討され、平成19年3月に報告がなされております。この報告によれば、区民意識調査や事業の採算性の検討、事業者の意向などから、現段階では区においてコミュニティーバスの運行は難しいとの結論が出ているところであります。また、お尋ねの後段のイベント開催時などの時期を限定した観光客のまち歩きの補助的手段としてのバス運行につきましては、区民まつり実行委員会において、祭りの当日のシャトルバスの運行を事業者に委託しているとの事例もあり、必要性や課題、代替策の検討も含め、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。
以上お答えとさせていただきます。
訂正をさせていただきたいと思います。5点目の第2問、本来ならば18万6,000人、18万6,000人と申し上げるところを、10万6,000人、10万6,000人と申し上げたようです。訂正させていただきたいと思います。
○2番(石橋ひとし議員) 1点だけ再確認で終わりたいと思います。
特に「地球と地域にやさしい環境づくり」ということで、地球温暖化の問題でございますけれども、我が国は、太陽光発電は2度にわたる関係者によりますと衝撃を受けたといわれております。1度目は2004年の設置量でドイツに抜かれ、翌年の2005年の累積導入量では、世界最大の太陽光発電国の座を奪われたわけであります。我が党のグリーン産業革命の提言によりますと、全治3年と言われる厳しい経済情勢の現在、この3年間は新しい成長への力を蓄えるスタートにしなければならない、未来への投資で景気回復につながる需要と雇用の創出を図りたいと訴えております。ことしを化石燃料社会から太陽光発電元年として、例えば政府目標を前倒しで、全小学校、中学校への太陽光発電パネル設置などを通じて、導入量を今後5年間で現在の5倍、2020年までに20倍、また電気自動車やプラグイン・ハイブリッド車、家庭の電源で充電可能な車ですけども、そういう次世代自動車の普及を急ぎ、5年後に新車販売のうちの100万台、20年には新車の販売の70%をそういうハイブリッド車にするという目標を掲げております。提言では、このほかさまざまな省エネ住宅、ビルの建設の促進、都市の緑化の促進、省エネ家庭の導入などを促すエコポイント制度、エネルギー・エコ金融など提案しております。そこで終わりに、世界が注目し、日本自身が太陽光発電先進国を目指すという国の本気度、これをどう区長自身受けとめられて、さらにこだわり続けた区の環境問題に対する決意を伺って終わりたいと思います。
○青木英二区長 太陽光発電の場合も先ほど申し上げました、幾つか課題があるというふうに思います。一つは、やはりコストの問題ということがあるかなというふうに思います。ただ大きな考えとしては、まさに先ほどのオバマ大統領も、このグリーンエネルギーということで相当の額を、税を導入するということが、この間の景気対策の中にも入って、72兆円の中に入ってましたので、それは方向性としてはそういうことだというふうに思います。私どもは決して後退することなく進めていきますが、例えば今言ったコストの問題、それから明るさというか照度の問題、やっぱり既存の今、私ども先ほどから申し上げているように、例えば新しく新築、改築をした碑小学校とか中央中学校には導入はしております。それは私どもが重要性を感じているからでございます。それはエネルギーのクリーン化だけではなくて、やはり次代を担う子どもたちが学ぶ場でもありますから大事だと思います。ただ既存の学校になってくると、これはなかなか難しい、やっぱり学校の安全性もありますので、例えばあいているところがあって、そこに置いて、特に小学校だったら児童がそこでけがをするなどということがあってもいけませんし、まあ私、太陽光そんな専門的じゃありませんが、例えば屋上に置く場合、ほとんどの小学校は現在、屋上も遊びの場になってますので、なかなかそのスペースがありません。それからどうしても既存の学校ですと、そんなに重いものではないかと思いますが、やはり耐震の問題、そういったことは積算してつくっているわけでもありませんので、乗せたからといってつぶれてしまうわけではありませんが、そういった問題もやっぱりクリアをしていかなければいけないんだというふうに思います。私も先ほど申し上げたように、庁内では副区長をトップにする組織もつくってありますし、それはISO14001の、私は発展的解消というふうに位置づけておりますが、また地域推進協議会も立ち上げを、そのまま組織は残っていただいて、私どもの計画の進行管理もこれからしていただくわけですので、今、オバマ大統領の1,000分の1の足元にも及びませんが、頑張っていきたいなというふうに思います。
以上です。
○雨宮正弘議長 石橋議員の質問を終わります。
以上で代表質問を終わります。
次の本会議は、明27日午後1時から開きます。
以上で本日の日程は終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
〇午後7時19分 散会...