江東区議会 2013-11-26
2013-11-26 平成25年第4回定例会(第12号) 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午後1時01分開議
◯議長(星野博議員) ただいまから、平成25年第4回区議会定例会を開会いたします。
これより、本日の会議を開きます。
まず、本日の
会議録署名員を指名いたします。14番
若林しげる議員、37番
堀川幸志議員の両議員にお願いをいたします。
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◎ 会 期
2 ◯議長(星野博議員) お諮りいたします。
この定例会の会期は、本日から12月13日までの18日間といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
3 ◯議長(星野博議員) 御異議がないものと認めまして、会期は18日間と決定いたしました。
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◎ 区 長 招 集 挨 拶
4 ◯議長(星野博議員) 区長から発言の申し出がありますので、これを許可いたします。
山崎孝明区長。
(
山崎孝明区長登壇)
5 ◯区長(山崎孝明) 本日、平成25年11月26日をもちまして、第4回区議会定例会を招集いたしました。
今定例会に提案いたします案件は、契約案、条例案合わせて15件でございます。
まず、条例案について申し上げます。
今回提出いたしました案件は7件で、このうち江東区
保育費用徴収条例の一部を改正する条例は、応能負担の格差是正を図り保育料を改定するため、条例の一部を改正するものであります。
次に、契約案について申し上げます。
今回提出いたしました案件は8件で、いずれも平成25年度
公共工事設計労務単価の運用に係る特例措置を実施するため、契約の金額を変更するものであります。
よろしく御審議の上、御可決くださいますようお願いいたします。
さて、早いもので平成25年も残り1カ月余りとなりました。本年も区民福祉を向上させるため、行財政改革の推進に努めるとともに、区政を取り巻く状況の変化に応じて、区政の各分野における施策の進展に取り組んでまいりました。
とりわけ、本区の最重要課題である
保育待機児童の解消については、あらゆる手段により、スピード感を持って積極的に取り組んだ結果、区長就任以来6年間で約3,400名の定員増と59園の整備を実現することができました。
しかしながら、社会経済情勢の変化による共働き世帯の増加や大
規模マンション建設に伴う乳幼児人口の増加などを要因として、保育需要はその後も急激にふえ続けており、本年4月現在の待機児童数は約400名となっております。
本年6月には、東雲地区に民設民営の認可保育所が開園するなど、来年4月までに認可・認証保育所合わせて13園を整備いたします。また、全国で初となる、地域の実情に対応した送り迎えを行う(仮称)
江東湾岸サテライト保育事業を実施いたします。
これらの整備により、平成26年4月までに、約1,200名余の定員増を図ります。待機児童ゼロを目指し、全庁一丸となって取り組んでまいります。
次に、高齢者・障害者支援についてであります。
現在、第三
大島小学校跡地で区内14カ所目となる
特別養護老人ホームを、来年1月の竣工、4月の開設に向け、整備を進めております。この施設には、区内3カ所目となる
都市型軽費老人ホームを併設し、低所得高齢者の住まい対策を図るとともに、区内初の
介護専用型ケアハウスを併設いたします。また、区内15カ所目の
特別養護老人ホームの整備を塩浜一丁目において着手し、23区の中でもトップクラスの整備率を維持してまいります。引き続き、住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、介護基盤の整備などを着実に進めてまいります。
次に、教育関連では、
こうとう学びスタンダードを区内の全小中学校でスタートいたしました。これは江東区の全てのこどもたちに身につけさせたい内容をまとめた指導目標であり、今年度は「学び方」、「体力」、「算数」の3つのスタンダードに取り組んでおります。
また、教育環境の整備としては、臨海部を中心とする児童・生徒数の増加に的確に対応するため、現在、
豊洲西小学校や(仮称)第二有明小中学校の新設に向け、準備を進めております。
また、江東きっずクラブにつきましては、今定例会にも議案を提出しておりますが、全小学校に開設する計画の着実な推進を図り、こどもたちが放課後や土曜日等に安心して過ごせる居場所、生活の場の拡充に努めてまいります。
次に、環境分野では、江東区
CIGビジョンをもとに、公共緑化に加えて、区民や事業者の皆さんとともに質の高い緑化を加速させることにより、緑の中の都市「シティー・イン・ザ・グリーン」の実現を目指して、緑化の推進に取り組んでおります。
また、水彩都市・江東の特徴である内部河川を活用した
マイクロ水力発電の導入に向け、現在、調査を行っているところであります。
マイクロ水力発電は、職員提案を事業化するもので、23区では初の取り組みであります。設置が実現すれば、本区の新たな環境の
シンボル施設として、大きな期待が寄せられるものとなります。
ほかにも、温暖化対策として、区民や事業者をモニターとして募り、江東区
エコポイント制度を試験的に実施しております。これは、
CO2削減行動の取り組みに応じてポイントを付与し、
区内共通商品券と交換するという制度で、モニターの活動期間は、本年10月から1年間となります。
以上、今年度のこれまでの主な取り組みを述べてまいりましたが、本区の重要課題であります豊洲新市場の整備につきましては、本年1月に新
市場整備スケジュールの1年延期が発表され、竣工は平成27年度の予定となりました。
今回の延期は、
土壌汚染対策を確実に行うためのもので、やむを得ないものと考えておりますが、引き続き、本区との十分な協議は当然のこと、確実な
土壌汚染対策の履行を東京都に求めてまいります。
また、新市場の開設に伴い、総合的な交通対策の実施、新市場と一体となった魅力あふれる新たな観光名所となるにぎわいの場の整備、さらに、
豊洲グリーン・
エコアイランド構想に定める
環境まちづくりへの最大限の配慮なども都に求めてまいります。
次に、
中央防波堤埋立地の帰属につきましては、改めて申し上げるまでもなく、この埋立地は長年にわたる区民の犠牲の上に造成された土地であることは明白であり、本区に帰属することは当然であります。
東京オリンピック・
パラリンピックでは、本埋立地で馬術など4競技が実施される予定となっており、円滑な競技会場の整備や運営のためには、地元自治体との協議、調整が必要となります。このため、東京都に対して、帰属問題の解決に向け、特段の努力を図るよう強く要望してまいります。
また、
防災都市江東の実現につきましても、本年度は防災施設の整備を新たに主要事業に位置づけ、塩浜一丁目に
ターミナル機能を持つ(仮称)中央防災倉庫の整備に着手したほか、
防災無線子局の増設を図るなど、
防災関連施設の整備を積極的に推進しております。
次に、出張所、文化センター、図書館などの機能を備え、区南部地域の公共・文化施設の拠点となる(仮称)
シビックセンターの整備につきましては、平成27年度のオープンに向けて、今回広く区民の皆さんに名称の募集をいたしました。区民が集い、憩うにふさわしい施設となるよう、現在、整備を進めているところであります。
そのほか区政の課題は山積しておりますが、チーム江東が一丸となって対応するとともに、長期計画を着実に進め、「意欲」と「スピード」と「思いやり」を持って住民福祉のさらなる向上に全力で取り組んでまいります。
また、
東京オリンピック・
パラリンピックにつきましては、全37の競技会場のうち、本区では17競技会場が配置されます。これは、江東区の存在を、日本はもとより、世界に知ってもらう絶好の機会であり、区を訪れる選手や観客の皆さんには、「下町の人情でおもてなし」をもって、区を挙げてお迎えしたいと考えております。
オリンピック・
パラリンピックの開催は、まちづくり、観光、産業振興など、区政全般に大きなインパクトを与えるものであり、本区がさらに発展を遂げるチャンスとなります。これから2020年までの7年間、チーム江東で一丸となって、全力を挙げて取り組んでまいります。
議員各位の一層の御理解と変わらぬ御支援のほどをよろしくお願い申し上げる次第でございます。
以上、本定例会の開会に当たりまして、一言申し上げ、御挨拶とさせていただきます。
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◎ 諸 般 報 告
6 ◯議長(星野博議員) この際、事務局長から諸般の報告をいたさせます。
7 ◯事務局長(井出今朝信)
山崎孝明江東区長から25江総総第2497号により第4回区
議会定例会招集について、25江総総第2500号により第4回区
議会定例会議事説明員の出席について、それぞれ通知がありました。
また、
八島安男教育委員会委員長から25江教庶第1918号により、
山本秀雄選挙管理委員会委員長から25江選第1449号により、
伊藤貫造代表監査委員から25江監第444号により、第4回区
議会定例会議事説明員の委任について、それぞれ通知がありました。
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◎ 専 決 処 分 報 告
8 ◯議長(星野博議員) この機会に、区長からの専決処分の報告について申し上げます。
本件につきましては、区の義務に属する損害賠償額の決定及び区が当事者である和解について、地方自治法第180条第2項の規定により報告がありましたので、その写しをお手元に配付いたしましたから、これにより御了承を願います。
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◎ 監 査 結 果 報 告
9 ◯議長(星野博議員) 次に、監査委員からの報告について申し上げます。
本件につきましては、平成25年9月分の
例月現金出納検査の結果について、地方自治法第235条の2第3項の規定により、また、平成25年度第2回定期監査の結果について、同法第199条第9項の規定により、それぞれ報告がありましたので、その写しを既にお手元に送付いたしましたから、これにより御了承を願います。
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◎ 一 般 質 問
10 ◯議長(星野博議員) 日程前に、区政一般について質問いたしたい旨の発言通告書が、24番
佐藤信夫議員、15番
石川邦夫議員、32番そえや良夫議員、28番
板津道也議員、8番
鈴木綾子議員、13番
竹田将英議員、9番
見山伸路議員、11番
米沢和裕議員、10番
赤羽目民雄議員、5番
関根友子議員、20番
図師和美議員、4番
高村きよみ議員、41番
白岩忠夫議員、1番
庄野剛志議員の14名から本職宛て提出されておりますが、議事進行上の都合により、本日の一般質問は、24番
佐藤信夫議員、15番
石川邦夫議員、32番そえや良夫議員、28番
板津道也議員、8番
鈴木綾子議員の5名とし、13番
竹田将英議員ほか8名については、明11月27日午後1時から継続本会議を開会し、引き続き一般質問を行うことといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
11 ◯議長(星野博議員) 御異議がないものと認めまして、さよう決定いたします。
本日の一般質問を順次許可いたします。
24番
佐藤信夫議員。
(24番
佐藤信夫議員登壇)
12 ◯24番(
佐藤信夫議員) まず、台風27号で伊豆大島、30号ではフィリピンにおいて、甚大な被害となってしまいました。心からお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方、御家族に対してお悔やみを申し上げます。
江東区
議会自由民主党を代表し、大綱3点について、提案を含め質問させていただきます。区長並びに関係理事者からは、積極的かつ明快な御答弁を先にお願い申し上げます。
1点目は、平成26年度当初予算編成についてであります。
第3回区議会定例会にて、議長名で地方税財源の拡充に関する意見書を、衆議院・参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣宛て提出したところであります。また、9都県市の首長が、地方税による
財政格差是正に「反対」でまとめ、4都府県が総務省に対し緊急共同要請を行ったところであります。
現在、国や全国知事会における学識経験者の検討会では、地方税である法人住民税の一部国税化といった、東京都を初め特別区を含む都市部の財源を阻むかのような議論がなされております。
我が国では、7年前から人口減少に転じており、3分の2の道県、市町村に急激な人口減少が見られます。このような中、東京都は2020年
東京五輪開催まで人口がふえ続け、本区においても15年先まで、毎年平均で8,000人の人口増加が見られるとの予測であります。東京都も本区も公共施設の整備が求められるところであり、財源の確保が重要であります。現在の議論の状況と特別区長会での方向性を先に伺います。
第3回区議会定例会で審議された平成24年度の
一般会計決算では、4度の補正を行い、予算現額は1,684億8,600万円となり、平成24年度決算に基づく
健全化判断比率は、いずれも健全段階を保っており、健全財政が維持されていることは高く評価しております。
平成25年度の予算現額も3度の補正を行い、1,660億9,100万円となっております。平成22年第1回区議会定例会の質問の際、長期計画・
重点プロジェクトを推し進めるためには、基金、起債を活用し、5年間平均で1,600億円以上必要との答弁があり、遂行されてきております。
安倍政権が誕生し、1年になろうとしておりますが、3つの経済政策が実行され、緩やかではありますが、右肩上がりに転じてきているとの報告であります。しかし、給料の削減や15カ月連続での貿易赤字を考えますと、デフレ脱却からはまだまだ遠く、さらに公共料金の値上がりで、末端に転嫁されるのは来春後と考えます。
今後も、国や東京都の景気動向により歳入の面では先行き不透明であり、区行政一体となった行財政改革、経費削減が重要課題と考えます。人口増加や景気動向を視野に入れ、さらに、長期計画、
行財政改革計画の前期の最終年度を迎える平成26年度の当初予算は、2020年
東京五輪開催に向けての準備を初め、
防災都市江東の総仕上げ、保育所や
義務教育施設、さらには
高齢者施設等を考えれば、現時点ではどのようなテーマで取り組まれるのか。
また、夏のボーナスが増加していることや、東京都の各局の予算要求が1,668億円増の6兆4,308億円の計上、国の税収は2兆円増の45兆円との予測に対し、本区の予算規模はどのぐらい予測できているのかを伺います。
2点目は、
重点プロジェクトの見直しと最重要課題についてであります。
現在、本区では、南部地域における総合病院の整備を初め、ほか5つの
重点プロジェクトを計画的に推進してまいりました。来春3月には、区民待望の
昭和大学江東豊洲病院が開院されること、閣議決定している国家戦略特区の申請や2020年
東京五輪開催準備も視野に入れ、
重点プロジェクトの全体の考え方をまずお聞きいたします。
次は、平成27年4月オープンの(仮称)
シビックセンターの整備でありますが、本年度、
汚染土壌処理費用等、補正2号で3億8,560万円増額されております。特に南部地域の区民の方々が楽しみに待っておられますが、第3回区議会定例会での報告後、現在の状況と、オープン時期の変更に変わりはないのか伺います。
次に、緑化・温暖化対策でありますが、樹木の整備と急速充電器の普及が重要と考えます。昨年7月、本区
CIGビジョンが策定され、これにより緑化事業の推進はワンランクアップし、高く評価されております。また、10月22日、区は、
株式会社辰巳菱機と災害時の電源供給に関する協定を締結いたしております。そのようなことも含め、実行力のある職員提案制度で提案された
マイクロ水力発電の事業化に向けた調査は、現在どのような状況なのかを伺います。
本区は、39.99平方キロメートルの狭い面積に48万5,477人の方々が生活を営んでおります。東日本大震災後、我が国の
原子力発電所は全基ストップし、火力発電所による電力供給は90%以上であり、全世界の
原子力発電所の稼働率も著しく低くなっております。
そのような中、我が国を初め全世界でも、異常気象による甚大な被害が発生しております。現在、COP19で議論されておりますが、CO2削減を風化させないよう取り組まなければなりません。そのような中、緑の中の都市づくりは容易ではありません。緑化はもとよりCO2の吸収を考えれば、水と光をよくよく考え、光合成豊かな植栽の整備が不可欠であります。現在、東京都が推し進めている水辺の散歩道等を積極的に活用し、樹木の植樹による緑化対策に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、急速充電器の整備では、現在、東京モーターショーが開催され、展示されている電気自動車の価格は若干抑えられておりますが、走行距離を考えれば、(仮称)
シビックセンターを初めとして、区内の設置について、東京都を初め
自動車関連会社やホテル、各企業とも連携し、新潟県のように2020年までに1,000基を目標に推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、子育て・教育環境の整備でありますが、この3年間で認可保育所8園、認証保育所13園の施設を整備いたしましたが、現在、400名を超える
保育所待機児童数が公表されております。そのような中、本年度も認可保育所4園を初め、
送迎ステーション併設型認可保育所1園、おうち保育園2園の追加整備費として、補正2号で7億4,674万8,000円増額し取り組まれておりますが、さきにも述べたように、15年先までの人口増加と保育需要を考えれば、
保育所設置場所の再検討が必要となることや、二、三年先には
保育所事業費は一般会計の10分の1になることが予測されます。区長の肝いりで、平成26年度待機児童ゼロを全庁一丸となって目指しておりますが、平成26年度の目標は、経費も考え、もっと余裕を持って認可保育所を3園から5園、認証保育所を8園から10園に変更して取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、小学校においても、平成27年に
豊洲西小学校、平成30年に(仮称)第二有明小学校を新設し、平成28年に有明小学校の増築が進められており、補正2号では、(仮称)第二有明小学校と一体で、中学校を整備するための設計費として3,450万円が計上されました。また現在、統廃合された浅間竪川小学校の増築が進められているところであります。今後の増築計画を総チェックする必要があると考えますが、いかがでしょうか。
次に、高齢者・
障害者関連施設の整備についてであります。現在、
特別養護老人ホーム入所待機者は2,000人を超えているとの報告でありますが、この課題もなくなることはなく、区内に14、15カ所目の整備を推進しておりますが、今後、介護保険料も視野に入れ、民間活用も含め、どのような計画が進められているのかを伺います。
前述の
保育所事業費も含め、民生費の経費は723億円と膨大な金額となっていることから、特例ではありますが、杉並区で検討しているように地方に目を向ける必要があります。例えば土地を寄贈し、福祉事業に使っていただきたいとの申し出があったとき、いかがでしょうか。
次に、南北交通の利便性の向上についてであります。特に地下鉄8号線(豊洲-住吉間)延伸でありますが、平成12年の
運輸政策審議会答申第18号では、平成27年までに整備着手することが適当な路線として位置づけられ、平成24年には、
都市再生緊急整備地域の
地域整備方針においても、地下鉄8号線の延伸を検討する旨が記載され、本区は、国土交通省や東京都、東京メトロの参画も得て、平成23年度には東京8号線(豊洲~住吉間)
事業化研究会を設置し、拡大し取り組んでまいりました。
調査結果を確認するとともに、整備計画案を深度化し、現在、整備計画の精査や整備効果の評価、費用負担のあり方など、引き続き検討されております。
2020年
東京五輪開催決定後、国では、東京都からの要請があれば調査費を計上しやすいとお聞きしております。本区議会でも都に対し、9月5日にまちづくり・
南北交通対策特別委員会で要望書を提出し、この時期、毎年要望書を提出してまいりました。国からは本区と同様に、東京都が主体とならなければ推し進めるのは困難ではないのかとお聞きしており、同時に、
東京メトロ側からも同様の発言をお聞きしております。このようなことも含め、11月11日には、各会派幹事長、2つの
特別委員会委員長で都に対し緊急要望書を提出させていただいたところであります。区長が先頭に立って今までの内容を把握し、国、東京都、
東京メトロ側に再三建設に向けて働きかけをしていただいております。少なくとも平成27年度の建設着工へと進んでいるのでしょうか。実際のところの現況はいかがでしょうか。
次に、
中央防波堤埋立地の帰属問題でありますが、2020年
東京五輪開催決定後、馬術、ボート・カヌー、自転車競技が開催されることもあり、マスコミを初めヒートアップしてまいりました。実際のところ、我が会派でも、正式に明快な方向性は定まっておりませんが、本区議会としては、埋め立ての歴史や清掃工場、リサイクルの歴史等を考えれば、主張を続けることは当然と考えます。しかし、現在、人は住めず、環境関連施設や企業が点在すること、今後の管理運営を考えれば、落としどころも視野に入れ、東京都、大田区と丁寧に意見交換し、早期に解決していかなくてはならないと考えます。現在の状況をお聞かせいただきたいと思います。
3点目は、2020年
東京五輪開催準備についてであります。
ことしを振り返りますと、富士山世界文化遺産登録、2020年
東京五輪開催決定、スポーツ祭東京2013の成功、24日には、本区最大のスポーツイベントであります江東シーサイドマラソン大会が、すばらしい天候の中、4,000人を超えるランナーを迎え、事故、けがなく開催されたことは、大変喜ばしく思いますし、運営関係者に心から感謝を申し上げます。
私は、江東区議会2020オリンピック招致議員連盟を提案し、行政、議会、区民一体となって取り組んでまいりましたので、五輪開催決定を大変うれしく感じております。
また、当日は後援会主催のチャリティーゴルフ大会の日でありましたので、文化センターから即座にゴルフ場へ向かわせていただきました。着いた瞬間、後援者とは、「オリンピック開催決定おめでとう」が挨拶がわりとなってしまいました。ゴルフが終了し、携帯電話を開くと、区民の皆様からのおめでとうのメッセージ。東京に戻り、反省会中にも、福島県川俣町長を初め福島県の友人、知人からも、同様の電話が入りました。復興中、大変な生活をされている方々にも意識していただき、大変うれしく感じております。
次の日の朝、猿江恩賜公園では、95歳の方に、「信夫さん、オリンピック開催決定おめでとう。私は102歳まで生きることを決めました」と言われ、大変うれしく思いました。
区では、暫定ではありますが担当部課長を配置し、また、第3回区議会定例会の平成25年度予算審査特別委員会にて、2020年
東京五輪開催に向け、補正予算はいつ提出されるのかとの質疑に対し、早速最終日に提出、可決されたことを大変評価しております。
しかし、来年4月の人事異動を考えれば、7年先でもありますから、係長クラスを長いスパンで配置する必要が求められると考えますが、いかがでしょうか。
本来、いち早く東京都で丁寧に企画や予算書提出が求められるところでありますが、本区独自に今から進めなくてはならないことがあります。1つは、庁舎前にカウントダウンの標識を掲げ、区民の皆様方の意識を再確認すべきと提案いたしますが、いかがでしょうか。それにはいつがベターなのでしょうか。区制70周年に合わせるのか、1,000日、あるいは777日前なのかを伺います。
次に、日本語教育を初め、外国語、英語教育の徹底も必要と考えます。
日本語教育については、第3回区議会定例会で同僚議員からも指摘がありました。尊敬語、丁寧語、さらには乱れている接続詞など、カリキュラムにとらわれることなく再教育し、英語等を直訳できるよう指導していかなくてはなりません。
清水英雄氏のありがとう文化の詩集には、「ありがとうは文化の華 しっかり咲かせてありがとう 文化の花束リボンを結び 多くの人にプレゼント 心の花束 文化の華が 広がり世界も満ちてゆく 文化よ文化 ありがとう」と歌われており、広げていきたいと考えております。
最近、一部のニュースキャスターや公務員の日本語が乱れており、逆に外国人のほうが美しい日本語を話されているように聞こえるのは、私だけではないと思います。また、プレ大会を含め、大勢の外国人の方々が訪れることを考えれば、平成26年度から3年間の中学生のカナダ・サレー市へのホームステイは、即戦力も視野に入れ、定員を倍にし、スポーツをテーマにカリキュラムを設定し、専門用語を学ぶ機会とすべきと考えますが、いかがでしょうか。すなわち若い時から外国人と接し、言葉は無論、文化や歴史、慣習を習得していただきたいと考えます。
同時に、カナダともさらなる交流を視野に入れ、キャンプ地の誘致に名乗りを上げるべきと考えますが、いかがでしょうか。
既に長崎県佐世保市を初め、誘致に名乗りを上げている自治体も見受けられます。ロンドン五輪では204の国と地域が参加されておりますので、特別区長会で、東京都は無論のこと、日本全体の活性化のためにも、他府県へ整理、分散させることを提案していただきたいと考えます。
今後、長いスパンで本区の観光、名物・名産に結びつけなくてはなりません。平成27年度に整備される予定の豊洲新市場の臨海副都心、富岡や亀戸周辺の歴史ある名所の数々、またアサリ飯の徹底普及や本区のさらなるPRのためにも第2の名物を、区民はもとより、防災協定を結んでいる栃木県大田原市、埼玉県秩父市、静岡県沼津市や、区民まつりの際、ふるさとまつりバザールに参加されている自治体の特産物も活用し、共同で開発、発掘を考えるべきと提案いたします。
また、同時に、地方のまちおこしを視野に入れ、人気絶好調のくまモン、人気急上昇のふなっしーなど、全国のゆるキャラを総動員して、本区木場公園でB-1グランプリの開催を誘致すべきと提案し、質問を終わります。
御清聴を感謝いたします。(拍手)
(
山崎孝明区長登壇)
13 ◯区長(山崎孝明)
佐藤信夫議員の御質問にお答えします。
平成26年度当初予算編成についてであります。
まず、法人住民税の一部国税化への議論についてであります。現在の状況についてですが、先月、総務省の検討会は、法人住民税の一部を国税化して地方交付税の原資とする提案を取りまとめました。これにより、地方自治体間の財政力格差を是正するとしていますが、実質的には東京の財源を狙い撃ちにしたものと捉えております。
言うまでもなく、法人住民税は地方自治体の自主財源であり、これを安易に国税化することは、地方税制の基本原則に反し、地方分権の進展に逆行するものであり、決して容認できるものではありません。東京都も先日、神奈川県、愛知県、大阪府とともに、国に対し緊急共同要請行動を行いましたが、今後、与党の税制調査会での議論の行方に大きな危機感を抱いております。
そこで、特別区長会での方向性についてでありますが、特別区長会一体で取り組むことはもちろん、東京都、市町村を含めたオール東京でこの問題に対応することとし、特別区長会、市長会、町村会連名で政府へ要請書を提出いたしました。
また、特別区長会として「税源偏在是正議論についての特別区の主張」を公表し、さらに11月18日には、私が特別区長会を代表し、財務省、総務省に対し、今回の提案は到底承服できるものではない旨、要請を行ったところであります。
また、本日、特別区長会として全国の市町村長宛てに、「地方法人課税見直しに関する提起」という文書を、約1,700の市町村に発送いたしました。そのようにいろいろ行動しているわけですが、こうした地方法人課税の見直しは、地方分権に逆行し、また、本区財政に与える影響も大きいことから、今後も引き続き関係機関への働きかけを行うとともに、動向を注視してまいります。
しかしながら、与党の税制調査会なども年内に行われることになっています。どうしても国会の場合には、東京都選出と地方選出の国会議員の数を比べますと圧倒的に地方選出の議員が多い。地方の自治体が相当疲弊していることも事実でありますけれども、なかなかこれを東京だけで騒いでもひっくり返るという可能性は非常に低い状況でありまして、大変な危機感を抱いております。
前の地方法人課税の特別税についても、暫定期間と言われながら暫定がまだまだ続いているということで、この辺の事業税と住民税の2つをもろにかぶるということは大変なことですから、暫定措置を解除するなり住民税を食いとめるなり、どちらかの方法をしっかりと主張し、理解してもらわなければいけないと考えておりますので、これからこの年内、そして来春にかけて大変な時期が来るというふうに思っております。
次に、平成26年度当初予算のテーマについてでありますが、平成26年度は長期計画における前期計画の最終年度であることから、これまでの事業実績を踏まえ、長期計画の実現に向けた取り組みを全庁一丸となって着実に推進する必要があります。
そこで、平成26年度予算は、「長期計画前期と
防災都市江東の総仕上げ」、「行財政改革の着実な実施等による財政規律の堅持」、「財源確保策への取り組み」の3点を基本方針として、編成作業に今、取り組んでいるところであります。
これまで重点的に取り組んできた防災対策はもとより、保育所や
義務教育施設の整備、さらにはオリンピック・
パラリンピック東京開催など、本区を取り巻く課題は山積しておりますが、こうした課題に対応し、次世代も安心して住み続けられる江東区を実現するため、的確な予算編成を行ってまいります。
なお、予算規模の見通しについてでありますが、平成26年度も、引き続き人口増による行政需要の増加、景気の改善等により税収増が見込まれることから、現段階では、一般会計の当初予算は1,700億円を超える規模と見込んでいるところであります。
次に、
重点プロジェクトの見直しと最重要課題についてであります。
まず、
重点プロジェクト全体の考え方についてですが、
重点プロジェクトは、長期計画の中において特に重点的に取り組むべき事業と位置づけておりますので、事業の重要性を十分吟味した上で選択してまいります。
一方、
東京オリンピック・
パラリンピックの2020年開催決定を踏まえて、この準備に係る諸事業や大会開催後を見据えたまちづくりなどについて、後期計画の中で検討を行っていくことから、オリンピック・
パラリンピック関連事業を主要事業に位置づけることも、十分考慮する必要があると考えております。
具体的な検討は来年度になりますが、区を取り巻く環境変化を十分踏まえ、オリンピック・
パラリンピックも視野に入れつつ、適切な事業を位置づけてまいります。
なお、国家戦略特区については、現在、国において検討が進められている段階であり、今後、具体化する中で、主要事業として必要かどうか慎重に見きわめてまいります。
次に、(仮称)
シビックセンター整備の現状とオープン時期についての御質問であります。
(仮称)
シビックセンターは、本年2月に着工し、当初は平成27年1月末竣工、4月オープンの予定で進めておりましたが、残土処分に伴う土質検定の結果、一部基準値を超過する鉛及び水銀が検出されたため、土壌処理に期間を要することから、第3回区議会定例会において、竣工時期を2カ月延伸し、平成27年3月末とする契約変更の議決をいただいたところであります。
こうした事情から、オープン時期についても変更せざるを得ない状況でありますが、南部地域の拠点となる重要な施設であることから、平成27年4月以降、できるだけ早期に開設できるように検討を進めているところであります。
次に、緑化・温暖化対策の推進についてですが、
マイクロ水力発電施設の設置調査は、おおむね終了しておりまして、年度末を目途に報告書を取りまとめてまいります。
なお、昨年策定した
CIGビジョンの一層の展開のほか、今年度、東京都が新たに創設した江戸のみどり復活事業補助金の活用など、東京都との連携を図っております。
また、急速充電器の整備では、(仮称)
シビックセンターへの設置を予定しておりますが、国は、2020年までに全国で5,000基の整備を計画しており、これを受け東京都は、平成26年2月までに23区内に約150カ所を整備するとしております。今後、国や東京都と連携を図り、充電インフラの整備に努めてまいります。
当然オリンピック・
パラリンピックがあるわけですから、そのときまでに、急速充電器にしても、あるいは緑化にしても、これから東京都に対して区として相当な要請をすべき大きなポイントだと思っております。今後取りまとめて東京都にいろいろ要望していきますけれども、そうした中にも、急速充電器のことについても触れていかなければいけないと思います。
次に、子育て・教育環境の整備についてですが、保育所の施設整備については、今年度、待機児童ゼロを目標に緊急対策を行い、創意工夫を凝らしながら計画を上回る施設整備に取り組んでまいりました。平成26年度につきましては、人口の増加や保育需要率の推移に基づき、適切な施設の確保に努めてまいります。
次に、小学校増築の見直しについてですが、近年児童数は、臨海部だけではなく亀戸地区や白河地区、東陽地区など、全区的に増加している状況であります。そのため、今後建設予定の集合住宅の情報や、中長期にわたる人口推計も見据え、児童数を推計し、教室改修や増築、新校建設などに取り組んでいるところであります。
今後とも、児童の良好な学習環境を確保するため、機を逸することなく、計画的な施設整備を進めてまいります。
次に、高齢者・
障害者関連施設の整備ですが、まず、
特別養護老人ホームは、入所待機者は今後も増加が見込まれることから、さらなる整備も必要になってくるものと考えております。
一方で、整備用地の確保は都市部にとって大きな課題でありまして、今後も区有地や国有地の活用に加え、民有地も含めたさまざまな手法を検討していく必要があると考えております。
また、施設の整備は介護給付費の増加にもつながりますので、介護保険料への影響も考慮しつつ、次期介護保険事業計画は、整備用地の確保の確実性を見定め、策定してまいります。
特別養護老人ホームの地方での整備については、入所者の意向が前提ではありますが、待機者解消の一つの選択肢であることは事実です。今後、国の動向や地方での整備状況なども踏まえ、あわせて本区の待機状況なども勘案して、整備の必要性について検討していきたいと思いますが、地方につくられた場合、その場合の介護保険の問題もありますし、果たして遠いところに皆さんが行ってくれるのかという問題もありますし、これはなかなか難しいと思います。しかしながら、土地については、地方は安くていい環境のところがたくさんあるわけですから、やはり区はそうしたことも考えると同時に、その地方の自治体ともよく協議しないといけません。迎え入れることについても、地方も慎重な部分もあろうと思いますが、中には一部そういう要請も地方都市から来ていまして、うちの市のほうでつくりませんかという要望もあります。そうしたことを少ししっかり検討していきたいと考えております。
次に、南北交通の利便性向上についてですが、地下鉄8号線(豊洲-住吉間)の延伸については、オリンピック・
パラリンピック開催地が東京に決定して以降、私自身、猪瀬東京都知事には数度にわたり、また副知事、そして国土交通副大臣、国土交通省の鉄道局長等を訪れて、整備の必要性や有効性を訴えてきました。早期事業着手を目指して、精力的に要望してきたところであります。
加えて、今月11日には、区議会による東京都に対する緊急要望活動が行われたところであり、現在、これらの要望に対する各機関の動向を注視しているところであります。
国の調査費が正式に計上されれば本路線の事業化への大きな後押しになると考えられますが、事業着手に向けては、東京都の動向が極めて重要と認識しております。
東京都は本路線の整備について、最大限の努力を傾注するとしておりますが、これまで以上の主体的かつ積極的な取り組みを強く求めるとともに、区としても、早期事業化に向け最大限努力してまいります。
次に、
中央防波堤埋立地帰属問題における現在の状況ですが、ごみ問題による江東区民の犠牲の上に造成されてきた
中央防波堤埋立地は、当然江東区に帰属すべきであり、これまで東京都や帰属を主張する大田区との協議を続けてまいりましたが、解決には至っていない状況です。
区といたしましては、2020年の
東京オリンピック・
パラリンピック開催が決定し、
中央防波堤埋立地にも競技会場が予定されていることから、
東京オリンピック・
パラリンピック開催までには帰属を確定させなければいけないと考えております。大田区との交渉を重ね、関係機関に強く働きかけることなどにより、一刻も早くこの問題が解決できるよう、全力で取り組んでまいります。
7年後のオリンピック・
パラリンピックに間に合わせるとなると、その直前では果たしてどうなのか。競技会場の建設が始まるときには、もう既に決まっていなければならないのではないかと考えてはおりますが、これは議会の皆さんともよく協議をしながら対応を図っていきたいと考えております。
なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。
(寺内博英政策経営部長登壇)
14 ◯政策経営部長(寺内博英) 次に、2020年
東京五輪開催準備についての御質問にお答えします。
まず、開催担当職員の配置についてですが、現時点ではオリンピック・
パラリンピックに係る事務量が不明なため、専任職員の配置は考えておりませんが、今後、事務量の見通しが立った時点で、御提案の係長クラスも含め、専任で担当する職員配置も考えてまいります。
次に、カウントダウンの標識設置についてですが、大会開催初日までの日数を日ごとに減じていく、いわゆるカウントダウンタイマーにつきましては、区民の大会機運醸成のための有効な取り組みであると認識しております。
設置時期については、さまざまな考え方がありますが、今後、他都市の事例等を参考にしながら、効果的な設置時期について検討してまいります。
次に、中学生のサレー市ホームステイとテーマについてです。
中学生のカナダ短期留学派遣人数につきましては、現地ホームステイ先の受け入れ体制や、海外での安全確保などを十分に踏まえて検討する必要があると考えております。
また、テーマにつきましては、生徒の主体性を生かしつつ、スポーツや文化など、7年後の日本や江東区の姿を思い描き、その内容を検討してまいります。
今後も、正しい日本語の指導とともに、児童・生徒が意欲的に外国語を学び、外国の方と接する機会が持てるよう、国内の関係団体や留学生との交流など、積極的な取り組みを進めてまいります。
次に、キャンプ地の誘致についてであります。
まず、本区の考え方についてですが、他国の選手団がキャンプを行うことは、地域の活性化や友好機運の醸成など、多くの面でメリットがありますが、区内では夢の島競技場などが大会施設に転用されるため、区民利用も制限せざるを得ない状況が予測されます。このような中で、カナダを含め、他国のキャンプ地に名乗りを上げるのは困難であると考えております。
次に、キャンプ地の他府県への分散化提案についてですが、オリンピック・
パラリンピック東京開催が決まった直後から、多くの自治体がキャンプ地に名乗りを上げており、他国の国内キャンプ地はおのずと日本全国に分散するものと考えております。
次に、名物の開発、発掘についてですが、先般、日本人の伝統的な食文化として、和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、観光客の食への関心は今後さらに高まっていくものと思われます。
現在、江東区観光協会では、「深川めし」未来創造プロジェクト事業を進めており、歴史ある地域資源である深川めしの観光ブランド化について、地域や事業者とともに取り組んでおります。
一方、青森県むつ市が亀戸のレトロ商店街との友好関係を築き、ホタテなどの食材を商店街やホテルに提供し活用した事例もあり、地産地消が困難な本区にとって、地方との名物開発の連携には、さまざまな可能性があるものと認識しております。今後、観光客ニーズや採算性を踏まえ、こうした可能性に取り組んでまいります。
次に、B-1グランプリなどの開催誘致についてですが、そうしたイベントは、地方の活性化や地域のにぎわい創出につながるものであり、開催趣旨や諸条件が合致するものについては、今後検討してまいります。
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15 ◯議長(星野博議員) 15番
石川邦夫議員。
(15番
石川邦夫議員登壇)
16 ◯15番(
石川邦夫議員) それでは、江東区議会公明党議員を代表しまして、本日は、大綱4点にわたり質問いたします。
質問の前に、伊豆大島、フィリピンで多大な被害を受けました大勢の方へのお見舞いと、一日も早い復興への祈願が届きますように、質問に移ります。
まず、1点目は、防災の取り組みの中の防災訓練のあり方について伺います。
本年、地域防災力向上プロジェクトの取り組みとして、災害協力隊の指定避難所の再編が行われ、今までの小学校とともに中学校も拠点避難所に加えることとなりました。2年8カ月前の東日本大震災のときには、「近くの中学校に避難できないのか」との声もあり、今回、中学校への拠点避難所の広がりは、いざというときに区民に安心を与えるものであります。
その中で、日ごろの防災訓練は重要になってきます。本区は、拠点避難所を中心に総合防災訓練を年4校で毎年行ってきました。我が会派も、総合防災訓練の実施校の拡大などを訴えてまいりましたが、今まで培ってきた地域が再編されることで、新たなまとまりは地域として不安があると感じます。そうした中で、今後は各拠点避難所単位での防災訓練がますます重要になってくると思いますが、本区の見解はいかがでしょうか、伺います。
そして、地域防災力向上に向けては、日ごろからの区、学校、地域の連携が重要です。発災初動期においては、日中や夜間の場合など、さまざまな状況に臨機応変に対応できるよう、顔の見える関係の構築が望まれます。
毎年行う総合防災訓練における学校避難所運営本部模擬会議では、避難所開設後のそれぞれの役割を、施設長である本部長が中心となり割り振りをし、模擬会議ながらもすばらしいシナリオで進行しておりました。実際にいざ災害が起きたときにはちゅうちょなく進行されることが望まれますので、単発での会議に終わらず、他区でも開催している避難所運営協議会のように、地域の実情に合わせて定期的に開催し、連携強化していくことが重要であると思いますが、本区の考えと今後の取り組みについて伺います。
次に、避難所を開設、運営するに当たり、昨年第2回区議会定例会で、我が会派からも質問させていただいた避難所開設や運営訓練、そしてHUGの活用も必要になってくると考えます。地域での大きな訓練とともに、備蓄物資の確認や夜間の施設入室方法、施設の災害時利用について確認する避難所開設訓練を、区職員と教職員を中心に地域の方も一緒に行い、いつでも対応できるように訓練することも重要です。
また、静岡県で開発された避難所運営ゲーム、HUGを活用して災害時のシミュレーションを行うことで、いろいろな状況下での判断力が養われていくと思います。
さらに多くの方に関心を持っていただくためにも、標準的な事項をまとめた避難所開設・運営マニュアルの作成や公開もイメージを持つことができ、有効と考えます。本区の避難所開設、運営への取り組み、HUGの活用についての見解を伺います。
また、地域の訓練とともに、防災意識の向上に向けては、多くの方が広く参加できるシェイクアウトの訓練も必要と考えます。平成24年度に質問をしましたが、そのときの答弁では、効果的であるが、事前登録やノウハウを取得する必要があり、実施の可能性について研究していくとありました。通常の、地域の防災訓練に参加できない方も、事前学習をする中で防災啓発につながっていきます。多くの方に、災害時の身の安全を確保し防災意識を持っていただくために、必要な視点であります。23区では、千代田区に続き杉並区も実施しました。この訓練は、場所を問わず、時間をかけず、さらには実態に応じて実施ができる訓練です。本区での開催への検討状況はいかがでしょうか、伺います。
次に、災害時要援護者避難支援について伺います。
本年6月に災害対策基本法が改正され、災害時要援護者の名簿の作成が義務づけられました。本区においても、本年の3月に、江東区災害時要援護者避難支援プランが作成されましたが、現在修正を行っております。その中で、どのように名簿を活用するのかが重要と考えます。今後、個別計画をつくっていくに当たり、日ごろの防災訓練などで実際に要援護者の避難支援を工夫して行い、検証していくと思いますが、防災訓練を通したよりリアルな災害時の要援護者への避難支援に本区はどのように取り組むのか、伺います。
次に、水素自動車導入を防災に関連して伺います。
水素自動車の導入に関しては、平成19年第3回区議会定例会で質問をしましたが、そのときの答弁では、安全性の確保の観点から導入は検討とありました。水素の燃料電池車は、2015年に販売が予定されており、水素の活用が具体的なものとなりました。特筆すべきは、この水素自動車は、埼玉県庁に導入されており、設置されているソーラー水素ステーションが、有事の際の非常用発電に使われる予定であります。本区の有明にある日本で第1号の液体水素ステーションを初め、水素ステーションは、全国で現在17カ所あります。今後、100カ所を目指した取り組みに転換されており、防災の観点から、有事の際の非常用発電に使うための燃料電池車の導入も、安全性が確保できる状況ですので、本区も具体的に検討すべきと考えますが、本区の見解を伺います。
2点目は、子ども・子育て支援新制度について伺います。
子ども・子育て関連3法が昨年可決成立し、子ども・子育て支援新制度は、早ければ平成27年度からの本格実施を目指して準備がスタートしております。
国においては、検討部会が開かれ、基本指針や基準等はおおむね平成25年度中に関係省令・告示を公布する必要がありますが、現在の状況はいかがでしょうか、伺います。
また、新制度への移行に当たりましては、こども未来部や教育委員会等、多くの部局との連携が必要で、かなり膨大な準備が必要になると考えます。その中でのシステム改修では、施設や事業者に対する給付や確認、保育の必要性の認定等が円滑に行われるよう、情報の公開や給付請求の審査等を電子化して実施する制度管理システムを検討しているようであります。
このシステムができた場合、平成26年度後半から事業者確認業務や支給認定業務が開始されていきます。現行のシステムを作動させながら新しいシステムを導入するのは、職員の方の大きな負担になります。このシステム導入に対して、本区はどのように考え取り組んでいくのか、見解を伺います。
また、厚生労働省からも、多くの施行準備事務を実施する必要があるため、人員の補充等を行い、しかるべき体制を整えることが必要とあり、昨年の第4回区議会定例会で質問した際、本区の答弁でも関係部署での人員体制を検討すると伺いました。人員も含めた受け入れ体制への現在の検討状況を伺います。
次に、子ども・子育て支援の事業計画でありますが、消費税導入の時期にもよりますけれども、最短スケジュールでは、平成26年度の前半に策定していかなければならないと認識しております。この事業計画策定に向けて本区は、江東区こども・子育て会議を設置しました。同会議は、地域の子育てニーズを計画に反映していくことを初め、自治体におけるこども及び子育て家庭の実情を踏まえて実施されることを担保していく重要な役割を果たすことが期待されております。
特に重要なのは、利用定員を定める際や子育て支援事業計画を策定するときはもちろんのこと、変更する際も、調査、審議するとされております。今後の園運営に多大な影響を及ぼす審議内容でありますので、この会議の審議状況はいかがでしょうか、お伺いいたします。
そして、この子ども・子育て支援事業計画策定の今後の状況もあわせて伺います。
次に、次世代育成推進会議についてです。
この次世代育成推進会議は、子ども・子育て会議よりもこどもの対象範囲が広がる中で、子ども・子育て会議とは別に行われております。次世代育成推進会議の役割はどのようになっているのでしょうか、伺います。
また、次世代育成支援対策推進法は時限立法ですが、延長との要望もあると聞いており、そうなると会議は今後も継続して行われていきます。次世代育成推進会議の内容は、子ども・子育て会議と重複する部分も多いと認識しております。この2つの会議の整合性について伺います。
子ども・子育て支援新制度は、現段階では検討中のものが数多くあり、国の基準が出てからとの認識でありますが、基準が出てからでは速いスピードで行っていかなければなりません。地域の実情に応じたこども・子育て支援でありますので、江東区のこどもたちや子育て家庭への支援という観点から、どんな状況であってもこの新制度がスムーズにスタートしていくことを望みますが、本区の見解を最後に伺います。
3点目は、学校教育について伺います。
まずは、江東きっずクラブについてです。
この江東きっずクラブは、平成22年度より、学校施設などを活用し、放課後だけではなく、夏休みや冬休みなどにも児童が安全で安心して伸び伸びと過ごせる居場所と生活の場を提供し、遊びや学習、スポーツ等を通して、学年の違う積極的な交流を図り、児童の創造性、自主性、協調性を育んでいくことを目的としてスタートしました。スタート時の大変な状況を乗り越え、現在4年が過ぎようとしておりますが、本区の評価と課題はどのように考えているのか、まず伺います。
また、運営形態は民間委託が13校となっております。公営と比べることは難しいと思いますが、民間委託の課題、公営での課題、またよかったところはいかがでしょうか。あわせてお伺いいたします。
現在、私も小学生のこどもがおりますが、学校を選択するのに、この江東きっずクラブに取り組んでいるのかが、大きな一つの決め手になっております。保育所の待機児童がふえている状況を鑑みますと、共働きの家庭がふえていく中で、放課後対策としてのこの江東きっずクラブ事業を行っている学校と行っていない学校との差が大きな問題になってしまうと危惧をしております。来年度の実施校は5校で、小学校44校中26校が実施となります。
平成17年から取り組み始めたげんきっずは、A登録のみでありますが、その学校を含めますと、放課後教室を行っていない学校は残り12校となります。
本区は、平成31年度に全校実施を目指しております。学校側からすると、平成31年度まではあと5年もあると思いがちですが、残り12校と知れば学校側も積極的になると思います。教室が足りないなどのハード面からソフト面までさまざまな学校の状況があると思いますが、各学校とのやりとりを今までよりもさらに丁寧に、教育委員会から赴き、課題などの調整をしながら、本年から遅くとも3年後ぐらいでの全校実施を目指していくべきと考えますが、本区の認識をお伺いいたします。
次に、発達障害等の児童への対応について伺います。
発達障害等がある児童の保護者からの相談を幾つかいただいてきました。教育委員会や学校ともやりとりをしました。早期の解決には至りませんが、少しずつ改善の方向になりました。発達障害等の診断はされないまでも、発達に課題があったり、集団での活動が苦手だったりする児童は、今後、増加が予想されております。現在は、スクールカウンセラーを配置しておりますが、時間的な制約があり、継続的な相談が困難ともなっております。
そうした中で、クラス担任の先生の苦労は大変なものがあり、特に初めてクラスを受け持つ若い先生であればなおさらです。クラス担任に任せるだけではなく、スクールカウンセラーのよりよい活用も含め、学校全体で取り組みをしていければ非常によい方向へ向かうと思います。現在の学校現場は、保護者等の教育ニーズも意識も変化しつつあり、よりきめ細かい対応が大事と考えます。区教育委員会としての認識と対応はどのように考え、取り組んでいくのか、伺います。
次に、学力向上への人的支援について伺います。
昨年の第4回区議会定例会でも質問をしましたが、本区は、少人数学習講師、学力強化講師等の配置により、個々に応じた指導の充実ができてきたのではないでしょうか。特に少人数学習講師は、低学年における実質30人以下学級の実現で、基礎学力の確実な定着に一定の成果を上げていると伺っております。しかし、児童数が1人足りないだけで講師がつく学校とつかない学校ができてしまったり、配置の決定が入学式を迎えないとわからず、講師を確保できなかったりと、学校にとっては人的な配置で苦労を伴います。
本区では、
こうとう学びスタンダードを学びの品質保証とし、全てのこどもたちに確かに身につけさせると言っております。今年度でその
こうとう学びスタンダードは全て作成され、来年度から本格的な取り組みが始まります。分け隔てなくこどもたちの基礎学力や体力向上を目指していく中で、学校側に人的配置の苦労を負わせず、学習等に専念させていくための本区の努力は、教師力向上になり、こどもたちの成長に大きくつながっていくと考えます。これまでの少人数学習講師等の人的支援を、今こそさらに充実させるべきと考えますが、小1支援員の活用も含めて、区教育委員会の考えを伺います。
4点目は、地域で支える高齢者の福祉施策について伺います。
本区の65歳以上の人口は、ことし10月現在で9万9,335人、高齢化率は20.5%、10万人を超えるのは時間の問題で、さらに増加していくことは確実であります。このような中で厚生労働省では、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、高齢者の皆様が、可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域の包括的な支援サービス提供体制である地域包括ケアシステムの構築を推進しております。
厚生労働省のアンケートでは、自宅で介護を受けたい比率は、本人の希望では74%、家族の希望では80%となっており、その中でも本人の希望で一番多いのは、家族に迷惑をかけずに在宅で暮らし続けたいということであります。高齢者の希望である、在宅で暮らし続けていくために、地域で支えることを目指したこの地域包括ケアシステムは、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じてつくり上げていくものと認識しております。まず、この地域包括ケアシステムの推進について、これまでどのように本区として取り組んできたのか、さらに、本区はどのような地域特性を生かし、取り組んでいくのか、今後の見通しも含め、お伺いいたします。
次に、地域での支え合い活動について伺います。
介護の相談はたくさんいただいております。老老介護の相談では、80歳を超えた御夫婦でともに要介護3、御主人が倒れ病院で寝たきりになり、自宅での介護は難しいが、本人は自宅に帰りたいとの相談や、単身でおひとり暮らしの80歳の方が、介護を受けたいとの介護手続の相談等、困っているというよりは先々への不安が大きいといった相談であります。
この地域包括ケアシステムでは、自助・共助・公助にプラスをして互助があります。共助は介護保険のサービスで、互助は共助と共通点もありますが、ボランティアや住民組織活動であります。この互助の取り組みは、区民の方の不安解消へ大きくつながると考えます。本区としては、この互助の取り組みとして、平成20年度から高齢者地域見守り支援事業をいち早く立ち上げ、5年間取り組んできました。その評価を伺います。
また、公助や共助の大幅な拡充が期待できない状況の中で、互助の果たす役割が大きくなっております。本区として、互助の取り組みに対しての認識と互助への新たな展開はどのように考えているのでしょうか、伺います。
また、認知症の対策はいかがでしょうか。認知症の高齢者は現在、全国で280万人おられますが、2025年度には470万人に上ると推計されております。その認知症の方を支える家族の苦労は大変なものがあり、認知症を理解することが非常に大事と考えます。
厚生労働省が推進している認知症ケアパスは、状態に応じた適切なサービス提供の流れをつくる取り組みで、平成27年度以降の介護保険事業に反映していくとあります。本区での認知症ケアパスの取り組み状況や、どのように介護保険事業へ反映していくのかをお伺いいたします。
さらに、厚生労働省の人的支援では、地域で認知症を支えていく取り組みとして、認知症地域支援推進員や認知症サポーターをふやしていく計画となっておりますが、本区の取り組みはいかがでしょうか、伺います。
次に、来年4月に開設する、本区で14番目となる
特別養護老人ホームについて伺います。
亀戸に開設されました13番目の
特別養護老人ホームの開設から4年が過ぎ、入所待機者が2,000人を超える状況の中で、ベッド数100床の新たな
特別養護老人ホームの開設は、江東区民にとりまして大きな喜びとなっております。クリニックも併設とのことで、医療面で利用者にとって大変有効利用できるものと考えております。
この地は、第三
大島小学校跡地であり、大島地域の方の本施設への期待は大きく膨らんでおります。
特別養護老人ホーム入所の申し込みでは、ぜひこの新しい
特別養護老人ホームにとの相談もありました。
そこで伺いますが、この
特別養護老人ホームは、地域との連携が非常に大事な中で、利用者だけではなく、どのように地域とかかわっていくのか、伺います。
また、今後、福祉施設を整備していくに当たり、地域とのかかわりをどのように考えていくのか、伺います。
私の質問は以上です。区民の方の喜びがあふれるような本区の発展につながることを期待しまして終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
(
山崎孝明区長登壇)
17 ◯区長(山崎孝明)
石川邦夫議員の御質問にお答えします。
最初に、防災の取り組みについての御質問にお答えします。
まず、防災訓練のあり方についてのお尋ねのうち、各拠点避難所単位での防災訓練の開催についてであります。
御指摘のとおり、地域防災力を真に高めていくためには、避難所単位での複数の災害協力隊による合同訓練が重要であると思います。これまで主に単独の災害協力隊により実施されてきました自主防災訓練のあり方について、今後は、避難所ごとの合同訓練開催への展開を図るべく方策を検討してまいります。
次に、避難所運営会議の定期的な開催についてであります。
区では、避難所運営を体験していただくため、学校を会場とする地域訓練で避難所運営本部模擬会議を実施しております。訓練参加者には、避難所運営本部模擬会議の重要性と継続的な実施を呼びかけており、徐々にではありますが、自主的に実施している地域も報告されております。今後も、各地域での自主的な取り組みの拡大を目指し、積極的に啓発してまいります。
次に、避難所の開設や運営についてであります。
区では教育委員会と連携し、本年度中に各小中学校で避難所運営協力本部連絡会を開催し、実際に避難所を開設、運営する関係者による検討を開始する予定であります。
その中で、昨年度改定しました避難所管理運営マニュアルや学校防災マニュアルをもとに、避難所の開設、運営や応急対応について整理し、参加者全員で検討事項を確認し合うことで、避難所での対応力を高めていく考えであります。
また、御提案のありました、多くの方に避難所生活をイメージさせ、事前準備等の促進を図るための啓発物については、今後、作成について検討してまいります。
次に、避難所運営ゲーム、HUGについてですが、このゲームは、訓練の一環として避難所での対応力向上が期待できる内容となっておりますので、将来的には避難所運営協力本部連絡会の中で、その実施について検討していただく方向で進めていきたいと考えております。
次に、シェイクアウト訓練についてであります。
訓練実施の検討状況でありますが、区職員を、日本シェイクアウト提唱会議が主催する説明会に参加させたところであります。訓練実施の可能性については、引き続き研究してまいります。
次に、災害時要援護者避難支援についてのお尋ねですが、防災訓練を通したより実践的な避難支援については、現在、準備を進めております個別避難支援プランの中での個別計画作成とあわせ、避難行動要支援者の訓練参加について、積極的に啓発してまいります。
次に、水素活用の燃料電池車導入についてでありますが、水素エネルギーは水からも製造が可能で、燃焼時に有害物質を出さない、環境面で極めてすぐれた無尽蔵の資源です。国は、成長戦略の一環として、平成27年での燃料電池車の実用化を掲げ、水素ステーションの規制緩和や100カ所の整備を計画しております。
本区としましても、防災面での活用を含む燃料電池車の導入について、国や他自治体の動向を注視してまいります。
次に、子ども・子育て支援新制度についての御質問にお答えいたします。
子ども・子育て支援新制度の実施まで残す期間はあと1年半となりました。この制度は、こどもの最善の利益が実現される社会を目指すという考えを基本に、こどもの視点に立ち、こどもの健やかな育ちと子育てを支えるために創設されるもので、社会全体で取り組むべき重要課題であります。
そこで、国の取り組み状況についてですが、まず、前提となる消費税についての方向性が示されたほか、国の子ども・子育て会議や検討部会が開催され、基本方針や基準の策定に着手してきているところであります。積み残した大きな論点の整理は進んでおり、会議の経過も含め進捗状況は、地方自治体への説明会やホームページ等で公表されているところであります。課題が山積する中、平成27年度からの本格施行に向け、精力的に進められてきているものと認識しております。
次に、制度管理システムについてです。このシステム構築の成果が、新制度へ移行するための大きな役割を担っているものと考えておりますが、国が示すスケジュールに比べ、ややおくれが生じているところであります。今後、国から各基準が立て続けに示されることが予想されることから、システム構築を初めとした制度設計につきましては、区としてできる限り速やかに対応できる体制で臨んでまいりたいと考えております。
次に、人員を含めた本区の移行準備体制についてですが、平成26年度は、こども未来部内の組織改正を行うなど、新制度に対応できる体制整備を実施する予定でおります。
次に、本区のこども・子育て会議の審議状況と今後の予定についてですが、国の状況も踏まえつつ、これまでに2回開催し、主に子ども・子育て支援事業計画の基礎資料についての議論をいただいているところであります。
本区の子ども・子育て支援事業計画は、本年度中に区民ニーズの調査結果を取りまとめ、所管委員会に報告するとともに、平成27年3月までに確定し、東京都へ提出することとなっております。
次に、次世代育成支援対策地域協議会についてですが、今年度からは、こども・子育て会議の中にこの協議会を置き、検討を進めることといたしました。したがって、平成26年度までの計画である現在の江東こども未来プランは、この会議において評価と検証を行っております。
また、次世代育成支援対策推進法の延長につきましては、国では関係省庁で検討を行うとし、今後方針が示されますが、本区では、法改正の動向等を見据えた上で検討してまいります。
せんだって私は、森まさこ少子化対策担当大臣に直接お目にかかってきまして、待機児童対策についての意見を述べてまいりました。今後も必要に応じて制度の趣旨を実現するよう、働きかけを行うことも考えております。新制度のスタートに当たっては、本区のこどもたちにとって、その成長を確実に保障するため、区として円滑な移行と着実な実施に向けた準備を進めてまいります。
なお、その他の御質問につきましては、教育長並びに所管部長から答弁いたさせます。
(岩佐哲男教育長登壇)
18 ◯教育長(岩佐哲男) 次に、学校教育についての御質問にお答えいたします。
初めに、江東きっずクラブについての評価と課題についてであります。
事業開始から4年を経た評価といたしましては、来年度の実施校が26校と、当初計画を上回る見込みであり、長期計画に基づいた着実な事業展開が図れているものと認識いたしております。
また、今後の課題についてですが、民営化による実施校では、公営と遜色ない高い評価を受けているほか、英語などを取り入れたイベントの実施など、特色ある事業運営を行っております。今後は、より良好な事業者の選定や、公営・民営ともに効率的な事業執行と職員の資質向上を目指してまいります。
さらに、御指摘のとおり、開設予定校において、必要スペースの確保が難しい学校があるところですが、これらについては、学校施設の収容対策等に合わせて対応してまいります。
また、全校実施の時期についてでありますが、保護者や地域の熱い要望に応えるためにも、できるだけ早期に全校実施を達成できるよう、教育委員会と学校が連携、協力し、積極的に取り組んでまいります。
次に、発達障害等の児童への対応についてです。
現在、学習支援員を全小学校に1名ずつ配置するとともに、状況に応じた追加配置を小中学校に対して行い、発達障害等のある児童・生徒への支援を行っております。
しかしながら、御指摘のような教員の経験や指導力の差から対応に苦慮しているケースがあることも認識しており、各学校においては、管理職と特別支援教育コーディネーターを中心に、校内委員会を開催し、組織的に対応することについても指導しております。
今後は、さらにスクールカウンセラーや学習支援員の充実と有効活用に努めるとともに、校園長会や研修会等において、担任のみに負担が集中しないような組織的な対応、保護者との信頼関係に基づいた連携が円滑に図れるよう、積極的に情報提供するとともに、各学校との連携の強化に力を尽くしてまいります。
次に、学力向上に向けた人的支援についてです。
少人数学習講師や学力強化講師の配置は、全国学力・学習状況調査の結果において、小中学校ともに長期計画の目標値に1年早く到達するなど、一定の成果があったものと認識いたしておりますが、御指摘のように、児童数による配置・未配置や配置学年の限定、さらには配置の決定時期など、改善を要する点も明らかになってきたところであります。
今後は、来年度から完全実施となる
こうとう学びスタンダードを確実に身につけさせるためにも、児童・生徒の実態に基づいた学校ごとの学力向上策の具現化に向けた効率的な活用ができるよう、講師の配置方法を工夫する等、さらなる改善・充実に努めてまいります。
また、小1支援員につきましても、学び方スタンダードの定着に向けて具体的な活用方法を提示するなど、有効に活用できるよう努めてまいります。
(谷口昭生福祉部長登壇)
19 ◯福祉部長(谷口昭生) 次に、高齢者の福祉施策についての御質問にお答えします。
介護が必要になっても在宅で暮らし続けたいという意向は、本区の平成22年度の高齢者生活実態調査でも6割以上となっており、これを可能にする地域社会の実現が大きな課題と認識しております。
地域包括ケアシステム推進の取り組みですが、平成18年度からの地域包括支援センターの設置や、地域密着型サービスの定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの実施、地域ケア会議の開催などを行ってまいりました。
国では、次期介護保険事業計画を地域包括ケア計画と位置づける動きもありますので、区としても、2025年に向け、医療との連携や住まいの確保、高齢者を支えるボランティアなど、下町の人情に厚い地域特性、地域力を生かした仕組みづくりに取り組んでまいります。
次に、地域での支え合い活動についてであります。
高齢者地域見守り支援事業は、同じ地域に住む人が、無理なく得られる情報を生かし、地域の実情に合わせながら、孤立化や孤独死の解決に向けて取り組む互助事業であります。その目的は確実に地域に浸透し、支え合いの精神が醸成されてきていると評価しております。
また、区としても、互助の果たす役割は今後一層大きくなるものと認識しております。その新たな展開として、今年度、コンビニエンスストアや新聞販売店などの民間事業者を窓口として、高齢者の異変に気づいたときに、長寿サポートセンター等に連絡する事業を開始する予定であります。
次に、認知症対策についてであります。
まず、認知症ケアパスの取り組み状況ですが、これまで認知症のエリアミーティングや、早期発見・早期診断推進事業等に取り組んでまいりました。今後は、これらの成果を生かし、認知症高齢者やその家族が、いつ、どこで、どのような医療や介護サービスを受ければよいか、その体制づくりについて検討してまいります。
介護保険事業への反映については、まず、認知症ケアパスの前提となる高齢者の状態像や社会資源の状況把握に努め、その上で次期介護保険事業計画策定の中で検討を進めてまいります。
認知症地域支援推進員については、各長寿サポートセンターに2名の配置を目指します。認知症サポーターについては、これまでの一般区民を対象とした養成講座のほか、今年度は、福祉部職員の8割以上をサポーターとして養成しており、今後も増員に向け取り組んでまいります。
次に、第14
特別養護老人ホームと地域とのかかわりについてであります。
第14
特別養護老人ホームは、介護施設のほか、地域の方々に医療面での安心を提供するクリニックや地域交流、健康増進スペースなどを併設しております。
地域交流スペースとして、地域の方が気軽に利用できるふれあいラウンジやキッズコーナーなど、高齢者と子育て世帯などの多世代が交流できる場を確保します。健康増進スペースには、本区初の歩行浴プールを備え、区の介護予防事業のほか、運営法人が地域の高齢者を対象にした事業を考えております。
今後の福祉施設の整備に当たりましては、計画段階から、地域との交流が図れる施設づくりを検討してまいります。
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20 ◯議長(星野博議員) 32番そえや良夫議員。
(32番そえや良夫議員登壇)
21 ◯32番(そえや良夫議員) 日本共産党区議団を代表し、大綱4点について質問します。
第1は、特定秘密保護法案についてです。
政府が今国会に提出した特定秘密保護法案は、首相など行政機関の長が、安全保障に著しい支障を来すおそれがあると判断したものを特定秘密と定め、国民がその秘密を漏らしたり、秘密にアクセスしたと判断されれば、最高10年の懲役などに処するものです。しかし、国民には何が秘密か全く知らされません。しかも、秘密の範囲は政府の判断一つで幾らでも広げられる仕組みです。そのため国民は、何が秘密かわからないまま突然逮捕され、罰せられることになりかねません。
例えば国民が、原発や米軍基地の被害実態、TPPによる農業や食品の安全への影響などを調べようとすることも処罰の対象となります。国民が必要な情報にアクセスできる権利、知る権利を奪うものです。認識を伺います。
次に、言論、表現、報道の自由との関係についてです。
特定秘密保護法案では、特定秘密を持つ人に情報を求めることも処罰の対象です。たとえ情報を得ることができなくても、唆しや扇動の罪で処罰されます。
法案には、取材について、法令違反や著しく不当な方法でなければ処罰しないとありますが、得ようとする情報が特定秘密に指定されていれば犯罪であり、取材の自由を奪う本質は変わりません。結局、言論、表現、報道の自由も奪われます。認識を伺います。
次に、基本的人権についてです。
法案にはプライバシー侵害となる身辺調査を行うことが明記されました。公務員だけでなく、政府と取り引きをする民間企業の従業員、その家族や同居人、さらには配偶者の家族も調査対象です。しかも秘密のうちに犯罪歴や飲酒の節度、経済状況など、個人情報が警察などにより洗いざらい調べ上げられます。憲法違反の重大な人権侵害です。認識を伺います。
最後は、特定秘密保護法案に対する態度についてです。
外交上、防衛上どうしても秘密にしなければならないことは、現在ある法律で十分対応できます。安倍政権が狙うのは、国や政権にとって都合の悪いものは全て国民の目から隠し、国が情報を統制し、世論を誘導して、政府や時の権力者の意のままに政治も国民も動かして、海外でアメリカと一体に軍事行動をする国へ日本をつくりかえることです。
特定秘密保護法案は憲法を破壊し、戦争への道を突き進むためのものとして反対する声と運動が、法曹界、学者・研究者、マスメディア、出版人、テレビキャスター、市民・労働団体、女性などに燎原の火のように広がっています。特定秘密保護法案は廃案にするしかありません。見解を求めます。
第2は、来年度予算編成についてです。
政府の2014年度一般会計概算要求総額は99兆円を超え、過去最高となりました。その特徴は、270兆円もの内部留保を持つ大企業に、消費税増税に伴う景気腰折れ対策として、法人実効税率の引き下げや不要不急の大型プロジェクト、軍事費の大幅増など大盤振る舞いをし、さらに、復興特別法人税も今年度限りとしました。
一方、庶民には消費税の大増税、受け取る年金を大幅削減の上、社会保障は改革プログラム法で解体。雇用でも、雇用調整助成金を半減した上、労働者派遣法の改悪や首切り自由化など、労働法制の大改悪を進めようとしています。区民の暮らしにも地域経済にも大きな打撃となります。認識を伺います。
次に、本区の来年度予算編成についてです。
区長も認めるように、長引く不況などで区民の暮らしは本当に大変です。国の悪政から住民の暮らしを守る防波堤として、自治体の役割を発揮することが求められています。しかし、区はこの間、行財政改革や効率化の名目で、正規職員の削減と民間委託の拡大、施設使用料や事業系ごみ・粗大ごみの収集手数料、放置自転車撤去手数料の値上げ、がん検診の有料化など、区民負担増の一方でため込みをふやし続けてきました。
来年度予算編成に当たっては、決算時で830億円を超える基金を活用し、住民福祉の向上という自治体本来の立場で進めるよう求めるものです。
まず、職員確保についてです。
人口増加と国や都からの事務移管で仕事量がふえ続けています。機械的な人員削減をやめ、必要な職員はきちんとふやすべきです。
福祉事務所のケースワーカーは、法定の担当件数80件の2倍近い140件を受け持つ職員もいるなど、深刻な不足となっており、27人の人員増が求められ、また、区民課からも、窓口業務を含む14名の人員増が求められています。区民サービスに直結する問題です。現場の求めに沿って職員確保を行うべきです。伺います。
次は、民間委託についてです。
来年度、千田児童館・福祉会館の運営を株式会社に委託することに対し、利用する児童の保護者や高齢者から、「従業員がころころかわるのは困る」など、不安と反対の声が上がりました。委託先の労働者は、低い賃金で過重な労働や責任が求められるため、定着率が悪く、区民サービスの低下を招きかねません。
また、保育士の処遇の悪さが保育士不足を招き、待機児童解消の障害になるとして大きな社会問題になっています。必要な職員を確保し、民間委託は中止すべきです。
また、こどもたちの給食調理業務や学校用務業務など、区民の命や健康に直接かかわる部門、災害時に区民を守るのに必要な学校の夜間警備などは直営に戻すべきです。伺います。
次に、区の仕事にかかわる労働者の処遇の問題です。
区は委託先の労働者の処遇について、民民のことなどとしてまるで関与してきませんでした。その結果、多くの委託先で労働者は契約社員やパート中心になり、直営と同じ仕事をしながら賃金は半分以下。住民福祉の向上を図るべき自治体がこんな働かせ方でよいと考えているのですか。伺います。
公契約条例を制定し、区の仕事にかかわる全ての労働者の適正な労働条件の確保に取り組むべきです。あわせて伺います。
区は、職員全体の4分の1を占める非常勤、臨時などの非正規職員の賃金を4年以上も引き上げず、官製ワーキングプアと言われる状態を放置しています。速やかに改善すべきです。伺います。
次に、保健・医療に係る区民負担についてです。
国民健康保険料は、賦課方式の変更などによりこの2年間で大幅な値上げとなりました。保険料滞納世帯が4割にも上る異常な事態が何年も続くなど、保険料負担はとうに限界を超えています。賦課方式を住民税方式に戻すとともに、高過ぎる保険料の引き下げを図るべきです。
来年はまた、後期高齢者医療保険料の見直しも行われます。年金が減り続けるもとでの保険料の引き上げに、「暮らしていけない」など、不安が広がっています。後期高齢者医療保険料の値上げは中止すべきです。
国は、がん検診の受診率向上を目的に、大腸がん検診などに50%の国庫補助を始めました。本区が今年度から有料にした、胃がんなど4種のがん検診の無料化を復活すべきです。あわせて伺います。
子育て支援では、待機児童解消と良質な保育の確保のために、都有地、国有地なども活用した区の責任による認可保育所の増設、小1支援員の通年配置と幼稚園への支援員配置、出産一時金の引き上げなど、拡充を求めます。
高齢者支援策では、民間からの借り上げも活用したシルバーピアの増設、インフルエンザの予防接種は65歳以上を無料とすること、さらに、重度介護手当制度創設や
特別養護老人ホームの増設など、充実を求めます。
中小・小規模事業者支援策では、予算全体のわずか1.1%という本区の中小企業予算を抜本的に引き上げ、仕事起こしや中小・小規模事業者同士の情報交換などのための環境づくり、江東区中小企業新製品・新技術開発補助金の引き上げ、商店街振興など支援を強化すべきです。伺います。
第3は、介護保険についてです。
11月14日に厚生労働省が示した介護保険制度の見直し方針は、要支援者に対する訪問介護、通所介護の保険外し、
特別養護老人ホームへの入所制限と利用料軽減措置の大幅縮小、一定所得以上の人の利用料を2倍に値上げするというものです。保険料は年金天引きなど、有無を言わさず取り立てながら、介護が必要と認定されても保険給付を大幅に縮小する見直し方針に、介護保険制度を壊すものと厳しい批判の声が広がっています。
区は、見直し後の要支援者に対する訪問介護、通所介護について、介護保険のサービス事業者も活用しながら、基本的に同等のサービスが提供できるよう体制を整えると答えています。しかし、事業所はこの考えには無理があると言います。訪問介護は、専門職としてのヘルパーが、仕事として定期的に訪問し、生活援助を行いながら、さまざまな不安を抱える高齢者の生活全体を支えており、さらに、守秘義務があるので、医療との連携を図ることができるもので、とても弁当業者やボランティアでできる仕事ではないと言います。
また、保険から外されて報酬単価がボランティア並みに下げられたら、ヘルパーにも敬遠され、事業所の存続自体も危ぶまれると言います。
デイサービスについても、現行サービスの大半を取り上げ、機能訓練や入浴だけに制限すれば、少なくない事業者の存続は困難になると言います。区が活用するという事業所もヘルパーもいなくなるのではありませんか。認識を伺います。
要支援者に対する給付削減は、結局、利用者や自治体に重い負担増を強いるものです。そのため、自治体の長からも中止を求める声が広がっています。政府に対し、要支援者に対する訪問介護、通所介護の保険外しをやめるよう求めるべきです。伺います。
次に、
特別養護老人ホームへの入所制限についてです。
厚生労働省は、当初
特別養護老人ホームへの入所は、要介護3以上の人に制限するとしていました。しかし、認知症高齢者の家族などから厳しい批判を受け、要介護1、2でもやむを得ない事情があれば認めると見直しました。しかし、あくまでもこれは特例とし、要介護3以上という原則はそのままです。
特別養護老人ホーム入所者の約1割は要介護1の人であり、軽度者の入所はセーフティーネットの役割を果たしています。重度者に制限する見直しは撤回を求めるべきです。伺います。
次は、利用料の問題です。
厚生労働省は、現行1割の利用料を、所得が一定以上ある人は2倍の2割に値上げすると言います。保険からの支払いを減らすのが目的で、年金収入が280万円以上の人などが対象とされています。都市部の高い家賃や生活費、おむつ代など、多額の保険外費用もあり、1割負担でも大変という実態を顧みないものです。利用料値上げをやめるよう求めるべきです。伺います。
特別養護老人ホームなどの施設利用者の入所費用を軽減する補足給付は、本人が住民税非課税の人が対象で、本区でも約8割の人が受けています。見直し案のように配偶者の所得の有無も判断基準にされれば、年金収入が153万円の配偶者に年間240万円近い費用負担が求められ、入所できなくなります。所得の少ない人を
特別養護老人ホームから排除する補足給付の基準見直しを中止するよう求めるべきです。伺います。
次は、制度の抜本改革についてです。
介護保険制度のたび重なる改悪は、介護の必要な高齢者がふえているにもかかわらず、もともと低い国の負担割合を据え置いてきたことが原因です。国の制度として保険料、利用料の減免制度をつくるとともに、生活援助などの給付制限やサービス取り上げ、
特別養護老人ホームの入所制限、利用料の大幅引き上げをやめさせ、高齢者の安心を支える社会保障制度とするために、国庫負担割合を抜本的に引き上げるよう求めるべきです。伺います。
第4は、オリンピックとまちづくりについてです。
御承知のように、2020年オリンピック・
パラリンピックの東京開催が決まりました。我が党は、IOCの決定を尊重し、オリンピック精神あふれる大会、また、都民、区民の暮らしや環境との調和のとれた無理のない大会となるように努力するものです。
2020年
東京オリンピック・
パラリンピックは、既存施設をできるだけ活用したコンパクトな大会を目指すとしてきました。ところが、国立競技場は、観客席を現在の5万5,000席から8万席へ、4割ふやすために建て直し、延べ床面積は現在の5.6倍、建設費は当初計画を大きく上回る1,850億円としています。ロンドンでは、オリンピック・
パラリンピック後も見据え、増設分の観客席は仮設とし、経費を安く抑えました。東京でも将来の活用を見据え、現在の施設を最大限活用し、無駄のない効率的な施設整備とすべきです。伺います。
次に、競技施設建設と環境についてです。
カヌー(スラローム)競技予定地の葛西臨海公園は、野鳥の楽園と呼ばれ、東京都が絶滅危惧種としている植物や昆虫、鳥類など、26種の生息が確認されています。自然保護団体は、施設建設により生物の生息環境が破壊され、取り返しのつかない環境悪化が起きるとして見直しを求めています。
区内の夢の島公園や有明テニスの森公園でも、大会終了後に木を植え直したとしても、緑が大幅に減少すると指摘されています。競技施設建設が自然環境を壊すことがないよう、場所の変更も含め、計画の見直しを求めるべきです。伺います。
次に、区民スポーツとの関係についてです。
馬術競技予定地の夢の島競技場は、区内小中学生の陸上競技の決勝大会などで年間約31万人が利用しています。野球場は8面、少年野球場は4面で、13万8,000人が利用しています。これだけの施設が本大会の2年前から使えなくなってしまいます。区内の都有地なども活用し、区民スポーツが制限されないよう、代替施設の確保を求めるべきです。伺います。
次に、オリンピックに便乗した動きについてです。
オリンピック・
パラリンピック東京開催に便乗し、戦略特区推進を打ち上げ、建物の容積率など、さまざまな規制を緩和し、大型開発推進のてこにしようとの動きがあります。本区ではこれまで、規制緩和による乱開発で保育所や小学校の不足など、大変な負担を強いられてきました。オリンピック・
パラリンピックに便乗した規制緩和と大型開発をやめるよう求めるべきです。伺います。
中でもカジノ解禁の突破口にしようというのは問題です。区は前定例会で、カジノは観光資源として有力、経済波及効果や雇用創出効果などを挙げ、臨海副都心地区への誘致に期待を表明しました。
しかし、賭博はギャンブル依存症や返済能力を超える借金、仕事も手につかないなど、大きな社会的損失をもたらします。特にカジノは、青少年への悪影響、犯罪の誘発、組織犯罪集団の介入など、さらに大きな悪影響が指摘されています。こうした問題は法律や治安面の対策などでは解決できないと思いますが、区長の見解を伺います。
また、カジノの合法化を中止するよう求めるべきです。伺います。
区は、オリンピック・
パラリンピック開催に係るまちづくり基本構想策定を、民間事業者に委託することとしました。大会の円滑な実施に向けた支援や、大会後の将来を見据えたまちづくりの計画を検討するためと言いますが、そのあり方や策定方法まで求めています。大型開発に道を開く区民不在の丸投げではありませんか。どのような町をつくっていくかは、本来区民とともに区が直接責任を持って進めるべきものです。見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
(
山崎孝明区長登壇)
22 ◯区長(山崎孝明) そえや良夫議員の御質問にお答えします。
来年度の予算編成についてであります。
まず、国の予算編成方針についてでありますが、本年8月、国は「平成26年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」をまとめ、その中で、平成26年度予算は、中期財政計画に沿って、平成25年度予算に続き、民需主導の経済成長と財政健全化目標の双方の達成を目指し、めり張りのついた予算とし、そのため施策の優先順位を洗い直し、無駄を徹底して排除しつつ、予算の中身を大胆に重点化するとしております。
国の政策が、区民の生活や地域経済に影響があることは当然認識しておりますが、少子高齢化が進行している我が国では、責任ある社会保障制度の構築は不可欠であります。このため、消費税の増税等は、社会保障制度の持続可能性や財政健全化の観点からも必要であり、また無駄な歳出の見直しは、当然国において議論がなされるべきと考えております。
次に、区の予算編成方針についてであります。
まず、人口増等に見合った職員の確保については、区民サービスの向上に必要な職員体制は確保していると認識しており、今後も
行財政改革計画に基づき、定員の適正化に努めてまいります。
また、民間委託の中止、学校の調理、用務、警備を直営に戻すべきとの御質問でありますが、効率的・効果的な区政運営を行うためには、民間活力の活用は不可欠であり、今後とも積極的に活用してまいります。
次に、委託先の労働者の処遇については、業者と労働者との間で適正に契約が行われていると認識しております。
また、公契約条例制定についてのお尋ねでありますが、これまでも何度も御答弁申し上げているとおり、賃金等の労働条件に関する基準は法律で定めると規定されていることから、国の法整備が優先すべきであり、現時点では条例を制定する考えはありません。
次に、国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の引き下げについては、今後の国民健康保険制度等を維持していくためには、保険料の引き下げは困難であると考えております。
さらに、がん検診無料化の復活、小1支援員の通年配置、高齢者支援、中小企業支援など、多岐にわたるお尋ねでありますが、本区は、生活保護を初め増大する民生費への対応や、区民生活に密接な施策や長期計画の推進、
防災都市江東の実現など、区民福祉を増進する自治体本来の役割を発揮してまいりました。
平成26年度予算におきましても、
行財政改革計画に基づき、受益者負担の適正化や民間委託の推進、職員定数の適正化など、簡素で効率的な行財政運営を行い、さらなる区民サービスの向上を目指すという自治体の本旨を基本に予算編成を進めてまいります。
次に、介護保険についてです。
まず、要支援者に対する介護サービスについてであります。
国は、要支援者へのサービスのうち、区市町村の地域支援事業に移行するのは訪問介護と通所介護に限定し、その他のサービスは予防給付に残すことといたしました。その提供体制として、ボランティア、NPO等とともに、介護事業者も活用するとしております。
移行に当たっては、要支援者一人一人のケアプランを見直し、介護事業者からの専門的なサービスが必要な部分、ボランティアやNPOでも支えられる部分を見きわめる必要があります。
また、ボランティア等に任せきりではなく、ケアマネジャーがきめ細かくかかわって生活を支えられるよう、平成27年度からの次期介護保険事業計画の中で、事業者の実情も踏まえ、体制を整えたいと考えております。現在、福祉部内でこの見直しに向けて検討会を設置しており、今後、介護事業者にも御意見を伺い、協力を求めてまいります。
また、特別区長会としても、利用者と自治体に過大な負担がかからないよう、国に対する要望書を提出すべく、意見の取りまとめを行っているところであります。
次に、
特別養護老人ホームの入所基準についてであります。
国の当初案では、入所基準を要介護3以上に限定しておりましたが、認知症や虐待等でやむを得ない場合は、要介護1、2でも特例として認める方向になったことは、入所実態に配慮した是正であると認識しております。
現在本区では、入所の必要度合いを考慮して入所判定を行っており、要介護1、2の方が入所されるのは、この特例に該当する場合がほとんどであります。国の見直し案は、実質的には本区の入所基準と大きくは変わらないものと考えており、見直しの撤回を求める考えはありません。
次に、利用料負担についてであります。
国は自己負担を2割とする一定以上の所得のある利用者について、在宅サービス利用者の上位15%程度と見込んでおります。制度持続のためには給付費増加のスピードを抑える必要があり、それには一定程度の応能負担をお願いすることもやむを得ないものと考えております。
また、施設利用での食費、居住費を軽減する補足給付については、在宅で生活する方との公平性、また資産や配偶者の負担能力を勘案することにより、保険料負担者間の公平性を図る観点からの見直しですので、国に撤回を求める考えはありません。
次に、制度の抜本的な見直しについてでありますが、今回の改正は、介護保険制度を持続可能とするための大きな見直しであり、区としても、今後の国の動向を注視してまいります。国も、今回の見直しの中で、低所得者の保険料軽減のために、法定の負担とは別枠で国費を投入するなど一定の配慮をしており、現段階で国庫負担の引き上げを求める考えはありません。
調整交付金5%分の全額交付については、特別区長会などを通じ、引き続き求めてまいります。
なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。
(海老澤孝史総務部長登壇)
23 ◯総務部長(海老澤孝史) 次に、特定秘密保護法案についての御質問にお答えいたします。
まず、知る権利についてであります。
この法案は、防衛、外交、外国の利益を図る目的で行われる安全脅威活動の防止、テロ活動防止の4分野の情報のうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しく支障を与えるおそれのあるものを、「特定秘密」として指定します。あわせて、特定秘密を取り扱う職員等の適性評価の実施、特定秘密の漏えい等に対する罰則等を内容とするものであり、現在、国会で審議が続いております。
法案においては、国民の基本的人権を不当に侵害してはならず、国民の知る権利の保障に資する報道、取材の自由に十分に配慮しなければならないと規定されております。
言うまでもなく、国民の知る権利は憲法上最も重要な人権の一つであり、法案の目的である国と国民の安全保障との両立が必要であると考えており、国会において有益な議論が展開されることを期待するものであります。
次に、言論、表現、報道の自由についてであります。
これらの権利は、公権力との関係で、国民の自由な意思決定と活動とを保障するものであります。しかしながら、言論、表現、報道の自由は一定の制約を受ける場合もあり、この法案が目的としている法益と競合する場合、どのように調整するのか、今後の政府及び国会の動向を見守ってまいります。
次に、基本的人権についてであります。
適性評価に関するプライバシーの問題については、適性評価の実施範囲等を、法律の目的を実現するための必要最小限のものに限定するなどの配慮が必要と考えておりますが、今後の国会における議論を注視してまいります。
次に、特定秘密保護法案に対する態度についてであります。
安全保障に関する情報漏えいの脅威が高まっており、また、外国との情報共有は、情報が各国において守られることを前提としていることから、安全保障に関する機密の漏えいを防ぐ枠組みとして、この法案が議論されています。
一方で、この法案にはさまざまな課題があるというマスコミの報道等は承知しております。したがって、この議論がますます活発に行われ、国民の理解と納得が得られることが最も重要であると考えております。いずれにいたしましても、法案の成否については、政府及び国会の動向を見守ってまいります。
(並木雅登都市整備部長登壇)
24 ◯都市整備部長(並木雅登) 私からは、オリンピックとまちづくりについての御質問にお答えします。
まず、競技施設のあり方についてですが、東京都は、2020年のオリンピック・
パラリンピックでは、若洲オリンピックマリーナや葛西臨海公園など、11カ所で恒久施設建設を行うこととしており、立候補ファイルによると、建設経費は1,500億円余と見積もられております。
現時点での見積経費はあくまでも構想段階の概算であり、実際の建設経費は、来年度以降に行われる施設の基本設計等によって精査されるものと思われますが、当然のことながら無駄のない施設であるべきと考えております。
次に、競技施設建設と環境についてですが、東京都は、2020年オリンピック・
パラリンピック東京大会で使用する東京都及び組織委員会で整備する施設に関して、環境、社会、経済の側面から、2020年
東京オリンピック・
パラリンピック環境アセスメント指針を定めております。これに基づき、第三者による評価委員会の確認のもとで、オリンピック・
パラリンピック環境アセスメントを実施しております。
また、今後、施設整備段階での詳細な環境アセスメントを予定していることから、競技施設の変更及び計画等の見直しを東京都へ求める考えはありません。
次に、区民スポーツとの関係についてですが、都の計画では、夢の島競技場は、隣接する夢の島野球場を含めて馬術の競技会場となる予定です。このため、これらの施設は、大会前のテストイベントに先立つ会場整備工事から、大会後の復旧工事が完了するまでの期間中、区民が使用できないことが見込まれます。現在、全体的な工事計画等が不明であることから、区といたしましては、都に対して速やかな情報提供と都有地の活用等による代替施設の確保を求めてまいります。
次に、オリンピックに便乗した動きについて、規制緩和をやめるべきとの御質問であります。
本区としては、
東京オリンピック・
パラリンピック開催を機に、江東湾岸エリアのまちづくりをより一層加速させたいという思いがあり、特区制度等の規制緩和は積極的に活用すべきと考えております。
次に、カジノについてですが、地域経済の活性化に大きく貢献することが期待できるため、治安面や青少年に対する影響などに対する万全の対策や法的な問題など、さまざまな課題を踏まえた上で検討されるべきと考えており、合法化の中止を求める考えはありません。
次に、オリンピック・
パラリンピックまちづくり基本構想の策定についてですが、全庁的にまちづくりにおける必要な施策を検討する会議体を庁内に設置する予定です。
区民不在の丸投げとの御指摘ですが、委託の趣旨は、民間の情報収集能力を発揮して、幅広い専門的な見地から、社会経済や都市環境への影響とその分析、さらには海外でのまちづくりの事例など、より多くの判断材料を会議体に提供することです。最終的には、区民の意見も踏まえ、江東区の明るい未来につなげられる提案としてまとめてまいります。
────────────────────○────────────────────
25 ◯議長(星野博議員) お諮りいたします。
議事進行上の都合により、暫時休憩いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
26 ◯議長(星野博議員) 御異議がないものと認めまして、暫時休憩いたします。
午後3時06分休憩
────────────────────○────────────────────
午後3時27分開議
27 ◯議長(星野博議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、本日の会議時間を延長いたしておきます。
────────────────────○────────────────────
28 ◯議長(星野博議員) 一般質問を続けます。
28番
板津道也議員。
(28番
板津道也議員登壇)
29 ◯28番(
板津道也議員) 質問の機会をいただきましたので、会派を代表して、大綱3点について伺います。区長並びに関係理事者の明快かつ誠実な答弁を求めます。
大綱の1番目は、今後の財政運営と長期計画(後期)について伺います。
まず、いわゆる東京富裕論に基づいた、地方税である法人住民税の一部国税化の問題についてであります。
ここでの法人税とは、法人への地方税である都道府県税の地方法人事業税と、都道府県と市町村が折半する法人住民税の法人2税についてであります。
2011年度の税収は、法人事業税が2.1兆円、法人住民税が2.5兆円ありました。地方間の税収格差の是正のためにある地方交付税は、国税の所得税、法人税、消費税などの一定割合を自治体に配分する仕組みになっており、法人2税は、2008年度から地方税の法人事業税の約4割を国税化し、税収の少ない地方に再配分するように改革いたしましたが、さらに、2014年春の消費税増税に伴い、格差が拡大します。現在の消費税は、5%のうち1%が地方分で、8%に税率が引き上げられると地方分は1.7%になりますが、地方交付税の交付を受ける自治体は、消費税増により税収がふえるのに伴い、地方交付税が削られることになり、財政が豊かで地方交付税を受けていない不交付団体は、消費税収がふえる分、税収が純増になると言い、税率10%の時点では、東京都の税収は約4,000億円ふえると財務省は試算しています。
そこで、総務省は、地方税制の抜本改革を検討するため、昨年、総務省地方財政審議会に地方法人課税のあり方等に関する検討会を設置いたしました。検討会は、去る10月30日に提言をまとめ、格差拡大の是正措置として、法人住民税の見直しを打ち出しております。
具体的には、法人税割の一部を国税化し、地方交付税に繰り入れて地方に再配分する案を示しております。しかしながら、猪瀬直樹東京都知事は、11月1日の会見で、人口1人当たりの一般財源は、東京都が全国37位にとどまるとして、「東京に財源が集中しているという事実は当たらない。税の配分を(国が)勝手に決めるのは地方分権と逆行した話。不合理な見直しが強行されれば、福祉改革や災害対策、オリンピック・
パラリンピックの準備にも支障が出かねない」と反論しております。
一部国税化候補の法人住民税は、都道府県だけではなく市町村税にもまたがるため、市町村からは疑問や反発の声が出ております。全国市長会の財政委員長である神谷学愛知県安城市長は、「関係自治体の納得が得られるものにしてほしい」と、また、指定都市市長会会長、矢田立郎兵庫県神戸市長は、「市町村の基幹税目であり、到底容認できない」との声を上げております。
今後、与党の税制調査会で議論がされる予定になっておりますが、23区特別区にとって、法人住民税は財政調整交付金の原資になっていることから、都区に与える影響は極めて大きく、また、高齢者対策、少子化対策や老朽化した都市インフラの更新など、大都市特有の将来の財政需要は肥大する一方であります。
そもそも地方分権を政府与党も推進してきたはずであります。国や地方の自治体より東京の行政サービスは過剰ということが一部報道などで指摘されておりますが、地域ニーズに沿った行政サービスは、地方の自治体でも行われており、全国一律の行政サービスというのであれば、地方分権とは何なのか疑問に思わざるを得ません。
また、中小零細企業に対する消費税増税に伴うさまざまな支援策も今後考えなくてはなりません。
そこで伺います。法人住民税の国税化に向けた動きに対する、これまでの都区の活動状況はどうなっているのか。また、国税化された場合の本区への影響はどの程度なのか。消費税増税分の影響とあわせて伺います。
次に、今後の財政運営の課題について伺います。
オリンピック・
パラリンピックの東京開催が決定したことに伴い、既に湾岸バブルが起こっていると言われ、景気回復の兆しがあらわれつつあると言われています。
昨年のこの時期の東京証券取引所における平均株価は8,000円程度でありましたが、現在、1万6,000円台も目の前になっております。しかしながら、本区は、人口増に伴うハード・ソフトにわたる行政需要の増大が考えられ、過去には人口増イコール税収増にならない事実もありました。また、先ほどの法人住民税の国税化の動きなど、歳入環境は極めて不透明な状況にあります。現在取り組んでいる平成26年度予算編成についても、先行き不透明な歳入・歳出環境を踏まえて、今後どのような財政運営を考えているのか、まず伺います。
また、オリンピック・
パラリンピック東京開催に伴う需要が見込まれますが、このようなときこそ積極的に基金などへの積み立てを行い、将来に備えるべきと考えますが、見解を伺います。
次に、長期計画(後期)の策定について伺います。
まず、このような財政基盤を持っている本区においては、後期計画における主要事業の財政フレームをどのように考えるのかが重要であり、計画期間内に必要な事業か、そうではないのか、選別が必要だと考えます。区の見解を伺います。
また、現在、アウトソーシング基本方針に沿って行われている外部委託に関しても、後期計画の中でより一層推進すべきと考えますが、伺います。
また、これまでの事業の見直しとともに、これまでの考えにとらわれない大胆な転換が必要であり、めり張りをつけた長期計画(後期)の策定をしていただきたいと考えますが、区の見解を伺って次の質問に入ります。
大綱の2番目は、子育て、特に保育問題について伺います。
山崎区長は、就任後、強いリーダーシップのもと、数多くの認可・認証保育所、その他の保育施設を整備されてきましたが、今なお本区にとって最も重要な課題の一つである、保育所待機児童の解消について伺います。
女性の社会進出や本区における臨海部などでの開発における人口増によって、依然として待機児童数は減らず、来年の4月の時点でも、待機児童ゼロは厳しい状況にあると私は思います。今後も待機児童の解消に向け、全庁を挙げての取り組みが必要であります。
本年10月には、消費税率5%が8%になる増税が、来年4月から実施されることが決まりました。増税分は社会保障に充てられるとされ、保育所などの子育て事業の充実に約3,000億円を投入するとされております。国においては、現在、子ども・子育て会議でさまざまな議論が行われ、新制度のもとでの新たな保育施策の構築に向かって準備が進んでいます。
新制度で、本区を含む首都圏の保育施設が充実し、こどもたちの環境がよりよくなって、保育所待機児童が解消されることが望まれます。しかしながら、以前の質問の中でも御紹介いたしましたが、民間が2011年度に首都圏で行った保育所における預け先別の母親たちの満足度の調査では、「とても満足している」、「まあ満足している」と答えた人は、認可保育所で95.4%、認可外保育所、これには東京都の認証保育所も含まれますが、91.4%でありました。本区が積極的に整備を行い、待機児童対策に大きな効果があった、東京都独自の施策である認証保育所の認可施設への移行については、いまだ不透明な部分が多いと伺っております。
そこでまず伺います。新制度の中では、認可外保育施設の認可施設への移行を積極的に進めることになっていますが、現在の区の対応状況はどうなっているのか、伺います。
次に、多様な保育サービスについて伺います。
全国初の試みとなる江東湾岸サテライト保育の計画を前倒しして、来年の4月に開園するなど、保護者の意見をうまく取り入れながら、待機児童解消効果の高い施策の展開を緊急対策として取りまとめ、スピーディーに実行していることは、高く評価しております。また、江東湾岸サテライト保育のシステムが、今後の保育所のあり方の新たな考えになることを期待しております。
現在の本区の状況では、待機児童解消が最優先だとは考えますが、保護者がより利用しやすいサービスの提供が必要であります。現在の保育制度は、保護者が平日、日中に常勤で働く世帯を想定していますが、近年増加傾向にあるフレックスタイムや休日の出勤、不規則勤務や派遣労働などにも、今後対応していかなければならないのではないかと思います。
保護者が、自分たちのライフスタイルに適したサービスを選べるような状況を、今後つくっていかなければならないと考えております。近い将来、より多種多様な保育サービスが必要になってくると予想されます。保育士の確保などその他の問題もありますが、さまざまな保育サービスを効果的に提供することが、基礎自治体である本区の責務だと考えますが、区の見解を伺います。
次に、子ども・子育て支援法が本格実施される平成27年4月以降の保育需要と整備計画について伺います。
新法の特徴の一つに、保育施設の入所要件を、「保育に欠ける」から「保育を必要とする」と大きく緩和している点がありますが、この緩和での保育需要の増減をどのように予想しているのか、まず伺います。
一部報道によると、今まで認可保育所に申し込みができなかった、短時間の、自宅で仕事をされている方やパートタイム勤務の方の申し込みが予想され、一定の保育需要増が見込まれると言われております。この保育需要増によって、本区の保育施設の整備計画に大きな影響があると考えますが、来年度からの短中期の整備計画を現在どのように考えているのか、見解を伺います。
また、現在の計画では、来年度も認証保育所の募集がありますが、計画の変更はないのか、あわせて伺って次の質問に入ります。
大綱の3番目は、教育環境の向上について伺います。
国家戦略においては、教育の情報化の必要性が述べられており、教育現場においてICTを効果的に活用して、教員の指導力向上を図りながら、児童・生徒の学力向上につなげていくことが重要であると示しています。
近年のこどもたちは、小さいころからパソコンなどに触れる機会も多く、本区の児童・生徒においても同様だと考えています。本区においては、全小中学校にコンピューター教室を設け、電子黒板や校務用LANを設置、運用して、情報通信技術を活用した学校教育を推進しておりますが、学習指導要領の改訂により、情報教育や教科指導における教育現場のより一層のICT活用などの情報化が求められており、現在本区では、電子黒板の老朽化、校内LANの未整備など、ICT機器を十分に活用できる環境が整っているとは言えない状況にあります。
特に平成19年度に導入された本区の電子黒板は7年が経過し、老朽化が進んでいると聞いております。教育分野で最先端を行く欧米の学校で導入されているインタラクティブホワイトボードと呼ばれるものは、インタラクティブ、つまり「双方向の」という名の示すとおり、プロジェクターなどを利用して、ホワイトボード上にコンピューター画面を投影できるだけでなく、タッチパネルと同様にボード上での操作、つまり附属ペンなどを使用し、黒板同様に書き込みなどをコンピューター上で入力でき、一人一人がそれぞれのコンピューターに向かうのではなく、共有して学ぶことができるものであります。
現在、さまざまな形態のものが開発されていますが、最新のタイプでは、以前のプロジェクターのように手が投影されることもなく、教員の使い勝手や授業の効率化は無論のこと、教員がうまく運用することができれば学力向上につながると考えます。
そこで伺います。今後、国の施策や先進自治体の実証事例などを踏まえながら、機器の見直しなど、本区のICT環境の整備について中長期的な整備計画を定める必要があると考えますが、区教育委員会の見解を伺います。
次に、ICT環境を教育課程に今後どう活用していくのかについて伺います。
国語や英語などの語学系はもちろんのこと、算数、理科などの理数教育、図工や技術などのものづくり教育にも有効と考えられています。
近年は理数系離れが報道されていますが、日本以外の先進国でも共通して見られる現象であり、科学技術が発達した時代に生まれ育った現代の若者は、科学技術の成果に基づいて生産されたものを好んで利用、消費するが、科学技術への興味、関心はなく、科学技術の成果の生産者になろうとしない。これが理数系離れを生むメカニズムであるとされております。
また、京都大学名誉教授の西村和雄先生は、「日本は科学技術立国を標榜しているのに、かくにも若者の理工系離れは深刻である。1970年代までは高校生の物理の履修率は90%を超えていたが、今では10%台しか物理を履修していないという数字もある。技術者の不足と技術力の低下は、日本の産業と経済の競争力を奪いつつある。日本の科学技術の発展を考えるとき、ノーベル賞受賞者の数をふやすことも重要なことだが、理数教科のカリキュラムを充実させ、将来優秀な科学者になる学生をつくり出す基盤がなければ元も子もない」と言われております。
国の政策でも、理科実験準備等支援事業などが行われておりますが、義務教育課程において何かしら児童・生徒にものづくりや科学の楽しさを伝える必要があると考えます。そこで、まず今後のICTを用いた理数教育についてどのような見解をお持ちなのか、伺います。
最後に、残念ながらソーラーカーチャレンジ計画は昨年で終了しましたが、中小企業の多い本区を含む下町エリアには優秀な職人たちがおり、小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル製作に、本区大島の町工場の職人たちの技術があったことは、記憶に新しいところであります。
そこで伺います。近年、3Dプリンター革命と言われ、3Dプリンターがさまざまな分野で注目され、数万円から数十万円の製品が発売され、価格の低下により、国内外で個人や家庭でも3Dプリンターが使用され始めています。
今までパソコン上の画面でしか見ることができなかったものが、模型とはいえ実際に手にとることができるため、完成したときのイメージが非常にしやすく、また、1平方センチメートル当たり20円と、安価で試作できるため、教育分野での利用も注目されています。ぜひとも本区でも先駆的に取り入れ、研究するべきと考えますが、区教育委員会の見解を伺います。
また、将来的には、3Dプリンターを使って中学生のカーレースを各校対抗で開催してはいかがでしょうか。生徒たちには、エンジンとなる同型のモーターとタイヤ、シャフトなどを供給して、その他のボディーなどの部品を3Dプリンターでつくって、プラモデルカーとして組み上げてレースをするのです。生徒たちがどのようなボディーにするかなど、デザインの要素はもちろんですが、物理の基礎的な知識を学ばなければ車を速くすることはできません。
そして、児童・生徒が流体力学や自動車工学を学びたいと思い、将来F1のデザイナーやエンジニアを夢見てくれれば、その学習効果ははかり知れません。ぜひともものづくりの町江東を維持するためにも、3Dプリンターの早期導入を提案して、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
(
山崎孝明区長登壇)
30 ◯区長(山崎孝明)
板津道也議員の御質問にお答えします。
今後の財政運営と長期計画(後期)についてであります。
まず、法人住民税の国税化についてでありますが、本来、法人住民税は、法人の地域での活動、またそこで働く人々の生活を支えるためのさまざまな行政施策の財源として負担を求めているものであります。こうした法人住民税を地方自治体間の調整財源とすることは、地方財政制度の根幹をゆがめ、地方分権の推進にも逆行したものであり、到底納得できるものではありません。
もちろん大都市圏以外の地方自治体の財政状況が極めて厳しいことは十分理解しておりますが、そもそも地方自治に必要な税財源が十分に確保されていないことが問題の本質であり、国が責任を持って地方の財源確保を構ずべきであります。
そこで、都区の活動状況でありますが、東京都、特別区に市町村を加えたオール東京として、この問題に対処していくこととし、都は大都市を有する府県と共同で、国に対し緊急要請行動を行い、特別区長会は市長会、町村会連名で要請書を提出いたしました。さらに、特別区長会として「税源偏在是正議論についての特別区の主張」を公表するとともに、財務省、総務省に対し、要請活動を行ったところです。今後も、関係機関へのさらなる働きかけを進めてまいります。
なお、法人住民税の国税化に伴う本区への影響は、特別区交付金で72億円の減と試算しております。また、消費税が8%となった場合、歳入・歳出差し引きで27億円の増と見込んでおり、さきの特別区交付金の影響を含めると、区全体で約45億円の減収と試算しております。
次に、今後の財政運営の課題についてでありますが、景気は緩やかに回復しつつあるなど、歳入の根幹となる特別区民税や特別区交付金の収入見込みに好転の兆しがあるものの、先ほど触れた法人住民税の一部国税化の動きや消費税増税の影響が不透明な状況であります。
一方、子育て支援施策のための扶助費の増加や、人口増加に伴う
義務教育施設を初めとした公共施設の整備など、増加する行政需要に対応していく必要があり、区の財政運営は今後とも厳しいかじ取りを迫られるものと考えております。
こうした現状を踏まえ、財政規律を堅持しつつ、不断の見直しと財源の重点配分など、限られた財源の中で的確に住民ニーズに応える財政運営が不可欠であると認識しております。
次に、
東京オリンピック・
パラリンピックの開催に向けた基金への積極的な積み立てですが、オリンピック・
パラリンピックの開催は本区発展の大きな契機となるものの、江東区長期計画の展開2013の財政計画では、基金と起債の差が平成26年度末では94億円まで減少する見込みとなっております。世界に注目される都市としてふさわしいまちづくりのため、施策全体のバランスを踏まえ、基金と起債を効果的に活用しつつ、御提案の積極的な基金への積み立てを含め、将来を見据えた財政基盤の構築に努めてまいります。
次に、長期計画についてですが、後期計画期間中においても、引き続き人口の増加傾向が見込まれており、さきにも申し上げましたように、今後の財政運営は依然として予断を許さない状況が予想されます。
しかしながら、学校施設の整備など、真に必要な行政需要には的確に対応する必要があり、後期計画策定に際しては、さらに厳しい施策の選択を行い、安易な財政フレームの膨張は避ける必要があると考えます。
そのため、アウトソーシング基本方針に沿って導入してきた外部委託のさらなる推進などにより、無駄のない効率的な行財政運営を行うとともに、多様化・高度化する行政需要に柔軟かつ迅速に対応できる組織体制の確立に努めてまいります。
また、区単独事業などを改めて見直し、オリンピック・
パラリンピック開催に伴う新たな行政需要への対応や児童人口急増に伴う関連施設の整備、高齢社会への対応に的確に対応するなど、めり張りをつけた後期計画の策定を行ってまいります。
次に、保育対策についての御質問にお答えします。
まず、子ども・子育て支援法の本格実施による認可外保育施設から認可施設への移行に関する区の対応についての御質問ですが、今年度当初の区内認可外保育施設は、認証保育所の58カ所を初め、おうち保育など計78施設、定員2,200人を超える状況となっております。
認可外保育施設での保育は、区内保育施設の全定員約1万人のうち、2割強を占めており、本区の保育行政において欠くことのできない施設となっております。
とりわけ平成27年4月にスタートする新制度では、これまでの「保育に欠ける」から、「保育を必要とする」へと定義が大きく変更されることから、国の子ども・子育て会議の中で、認可外保育施設から認可施設への移行など、新たな保育制度を創設するための制度設計を進めてきております。
そこで、本区の対応ですが、これまでも認可、認可外を問わず、江東区の全てのこどもたちのための保育施設を展開してまいりましたが、今年度は、新制度の方向性をにらみ、認証保育所の施設長会を立ち上げるなど、保育の質の向上に力を注いでまいりました。
また、この施設長会をベースに、各施設に対して国の動向などの情報提供を行ってまいりました。特に認証保育所は、国の新しい保育施設の枠組みに入っていないことから、不安を抱えている状況にありました。
現在、区内の全認可外保育施設への意向調査を行っているところでありますが、今のところ70施設からの回答を得ており、認可保育所への移行希望施設が45施設、認証保育所のまま運営したい施設が3施設、未定及び未回答が22施設という状況になっております。
なお、認証保育所の新制度における位置づけにつきましては、私が9月20日に森少子化対策担当大臣に直接お会いし、新制度内に組み込むよう申し入れを行ってきているところであります。
次に、多様な保育サービスについてですが、新制度におきましては、社会経済情勢の変化に対応し、多様な保育サービスを総合的に提供していくことを一つの狙いとしております。
本区におきましては、多様な保育施設を計画的に整備してまいりましたが、地域特性や費用対効果などの観点から、来年の4月には、全国初となる江東湾岸サテライト保育を開設する予定であります。今後とも新制度における保護者ニーズをしっかりと捉え、多様な保育サービスを効果的に提供するとともに、実質的な待機児童ゼロを目指した施策展開に取り組んでまいります。
次に、平成27年4月以降の保育需要と整備計画についてですが、新制度により保育のあり方が大きく変わる中、保育需要を具体的に予測することは大変困難な状況にありますが、保育の概念が広がることにより、その需要は高くなると予想しております。
「保育に欠ける」から「保育を必要とする」というように変わりますと、今後、全ての親が預けたいということになるおそれもあるわけです。そうなりますと、せめて3歳までは自身で、家庭で育てたいとなったときに、それこそ今、育児休業が3年間もしっかりとれる企業というのはないわけですから、この変更によって特に大都市では大変なことになるおそれもあるわけです。私自身は相当心配していますけれども、もう少し様子を見ていかないと何とも言えないと思うのですが、そうなったときは、今まで私はこの6年間、それこそ相当数の保育所をつくり、定員枠も広げてきましたけれども、その倍以上やらないと足りなくなる。全国で保育所待機児童というのが、今の数の数倍になるおそれもあるわけです。そうした意味で、財政需要も相当膨らんでくる。非常に恐怖を私は感じています。
そうした社会でありますから、今後のことはよほどしっかりと早めに推測をしながら準備を整えていかなければいけないと思っているところです。
現在、実施中の江東区こども・子育て支援ニーズ調査の結果や、新制度による保育サービスの種類を踏まえるとともに、今後のマンション建設による人口増加などを反映した保育需要の予測に努めていきます。
次に、来年度以降の短中期的な整備計画についてですが、新制度の枠組みに位置づけられている、認可保育所やおうち保育を積極的に整備する方針は既に御案内のとおりでありますが、認証保育所の整備計画については、来年度新たな事業者の募集を一旦中止します。新制度による保育施設の枠組みを見きわめながら施設整備を進めていく予定でおります。
区といたしましては、あくまでも新制度をにらんで、こどもたちや保護者の視点に立ち、保育の質をさらに向上させながら、多様な保育施設の整備計画を進めていく考えであります。
なお、その他の御質問につきましては、教育長から答弁いたさせます。
(岩佐哲男教育長登壇)
31 ◯教育長(岩佐哲男) 次に、教育環境の向上についての御質問にお答えします。
まず、学校のICT環境の整備についてであります。
国は、経済・社会、生活・文化のあらゆる場面において情報化が急速に進展する中で、こどもたちの確かな学力を育むには、情報教育、教科指導における情報通信技術の活用、校務の情報化の3点から成る教育の情報化が極めて重要であるとし、新学習指導要領においても、各教科の指導場面での情報通信技術の活用が明記されたところであります。
本区におきましても、全小中学校へのコンピューター教室の設置を初めとして、平成19年度には、他区に先駆けて電子黒板を導入し、平成21年度には、教員1人1台の校務用パソコンを整備するなど、ICT環境を着実に整えてまいりました。
御指摘のとおり、今後も国のフューチャースクール実証実験や先進自治体の事例を踏まえながら、情報化を一層推進していく必要がありますが、特に導入後7年を経過する電子黒板に関しましては、インタラクティブホワイトボードとしての機能は備えているものの、経年劣化による故障や誤作動の件数が増加しており、機器の更新が急務であると認識しております。
新たな電子黒板の機種選定に当たりましては、操作性はもちろんのこと、何より授業の質の向上に資する観点から、配置台数の見直し等もあわせて検討を行ってまいります。
また、授業用のコンピューター機器の整備、利活用のみならず、校務の情報化推進や情報セキュリティー強化等も含めた学校全体のICT化のあり方について、関係各課と学校代表とで構成する組織により、中長期的な視点に立った計画の策定に取り組んでいく考えであります。
次に、ICTを活用した理数教育についてであります。
御指摘のとおり、我が国は、科学技術立国としての国際競争力を高めていくことが求められている一方で、若者の理数系離れは深刻であり、学校教育における理数教育の充実が今後、ますます重要な課題となっております。
本区におきましては、東京都理数フロンティア校の指定を小中学校がそれぞれ1校ずつ受けており、理数教育の先進的な研究を進めております。これらの学校は、教材や指導法の開発、理数教育地区公開講座の開催、教員対象の理科研修会の開催などの役割を担っており、今後、これらの実践を区内に広めつつ、理数教育の質的向上を図ってまいります。
また、毎年、中学生が自然科学に関する研究成果を互いに発表し合う理科研究発表会を開催しており、各中学校の生徒は、実験や観察で得られたデータをコンピューターによって解析したり、デジタル映像を画像処理したりするなど、ICT機器の利点を十分に活用した取り組みが進められております。
このような実践の成果として、今年度、大島西中学校が第57回日本学生科学賞東京都大会最優秀賞を受賞するなど、科学技術立国日本の将来を託すことのできる人材の育成につながっているものと認識しております。今後も、ICT機器の効果的な活用を図り、理数教育の充実に努めてまいります。
次に、3Dプリンターを使ったものづくり教育についてであります。
3Dプリンターは、出力した模型を実際に手にとり、さわることが可能であるという特性から、こどもたちの学習意欲の向上や理解の深化に一定の効果が期待でき、また、これに関連して、地域の町工場や職人の仕事について学習することも有意義なことであると考えます。
今後、本区としては、児童・生徒用タブレット端末や校内LAN環境など、全国的に整備が進んでいる機器等を中心に、学校のICT環境を充実していく考えでありますが、情報技術分野の進展は著しく、お尋ねの3Dプリンターを初めとして、常に新しい製品や技術が登場しているところであります。したがいまして、先駆的なコンピューター機器や技術の導入につきましては、最新の情報収集や事例研究に取り組み、教科指導における具体的な活用方法や学力向上への寄与度、さらには運用コスト等について、総合的に勘案しながら検討を進めてまいります。
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32 ◯議長(星野博議員) 8番
鈴木綾子議員。
(8番
鈴木綾子議員登壇)
33 ◯8番(
鈴木綾子議員) 区議会民主党の鈴木綾子です。質問の機会をいただきましたので、会派を代表して、大綱3点の質問を行います。区長及び関係理事者の明快な答弁を期待いたします。
大綱1点目は、オリンピック・
パラリンピックに対応した長期計画の対応についてです。
東京が2020年オリンピック・
パラリンピックの開催都市に決定して2カ月余りが経過しました。江東区は、37競技会場中17競技会場が設置される地元区として、国内や海外からのゲストをおもてなしし、円滑な実施に向けた支援及び協力の方法や、大会後の将来を見据えた魅力あるまちづくりの計画を、後期の長期計画の中に位置づけるとともに、しっかりとマネジメントをしていくことが重要になります。
そこで、4点伺います。
1点目は、後期長期計画策定に当たっての考え方についてです。
平成26年度は、江東区長期計画の前期計画の最終年度でもあり、かつ重要課題の一つでもある
防災都市江東の実現の総仕上げの年でもあります。さらに、2020年の
東京オリンピック・
パラリンピックの開催を見据えて、国や東京都からの施策を待つだけではなく、理想的な本区の将来像を見据えて、区民ニーズに合った施策を先取りしていくことが重要です。
オリンピック・
パラリンピックの開催決定や社会情勢の変化なども踏まえ、本区における後期長期計画の策定について、基本的な考えを伺います。
次に、オリンピック・
パラリンピック後を見据えた長期的な公共施設のマネジメントについて伺います。
本区は、都市化の進行や豊洲地区などの湾岸エリアを中心とした人口増により、学校や保育所、公共施設の増改築や新設需要が増大するなど、全国的には珍しい傾向が続いています。さらに、オリンピック・
パラリンピックの東京開催決定により、さらなる人口増や町の発展も見込まれ、今後も施設需要増は続く見込みです。
しかし、東京都が11月1日に行った人口推計によりますと、オリンピック・
パラリンピック終了後の2020年から区部の人口が減少に転じ、高齢化の進行が加速すると予測しており、福祉施設の需要増による財政支出増などの要因で、施設の維持・更新が困難となるなど、箱物が負の資産となって次世代に負担を残すことが今後危惧されます。
平成17年度に公表した江東区施設白書によると、本区の公共インフラは、平成39年度を頂点として平成30年度から更新のピークに入り、平成42年度までの25年間で総額2,300億円余の費用が必要との試算結果が出ておりますが、ピーク時には既に施設維持に十分な予算をかけることが困難であると想定されます。
このため、施設の長寿命化に加え、今の段階から将来を見据えた施設の統廃合や用途の転用ができるような施設整備を視野に入れ、公共施設をマネジメントする必要があると考えます。
本区では、オリンピック・
パラリンピック後の人口減少社会を見据えた長期的な公共施設のマネジメントについて、どのような指針を持っているのか、見解を伺います。
次に、公共施設白書を活用したマネジメントについて伺います。
本区では、平成18年3月に、公共施設の現状や将来の改修・改築予測、ライフサイクルコスト等をまとめた江東区施設白書を発行しておりますが、その後更新されておらず、白書発行後に急速な都市開発の進行により人口が急増した豊洲地区などで増設した施設等に関する内容はカバーされておりません。
近年、施設白書を、住民に対して、公共施設のあり方を考える共通のプラットフォームとして継続的に活用する自治体がふえており、23区内では中央区、葛飾区、杉並区、中野区などが、白書を数回にわたり改訂し、活用しています。
8月に視察を行いましたさいたま市では、これからの100年を見据えた公共施設の再編成を住民とともに考えていくため、公共施設全てを対象に、「ハコモノ三原則」、「インフラ三原則」を定めた公共施設マネジメント計画を策定するとともに、公共施設マネジメント白書を毎年度更新。市民に対しても意識の共有や協働の推進を図り、ワークショップの開催や公共施設のあり方をともに考えていく仕組みづくりを実現しています。
本区では、平成26年度を目途に、区有施設の詳細情報を整理、データ化し、改修計画の円滑な策定を行うため、公共施設情報管理システムの構築を予定しています。
庁内での活用だけではなく、これを機会に、保有施設情報の区民への公開や施設白書を毎年改訂することで、区民に対して見える化を図り、オリンピック・
パラリンピック後を見据えた公共施設のあり方をともに考えていく仕組みづくりもあわせて行うべきではないでしょうか。
施設白書の活用や公共施設の情報の一元化と見える化により、住民と対話ができる仕組みをつくっておくことは、オリンピック・
パラリンピック開催までの人口増加による施設需要増への対応、その後の人口減少により、施設集約の必要性が生じたときの両面で役に立ちます。このことについて、本区の見解と今後の方針を伺います。
次に、無料公衆無線LAN環境の整備について伺います。
オリンピック・
パラリンピック開催時、海外から多くのゲストを受け入れるとき、必要となるのが公衆無線LAN環境の整備です。
観光庁が平成23年10月に行った「外国人旅行者の日本の受入環境に対する不便・不満」の調査によると、「外国人旅行者が旅行中最も困ったこと」の第1位として、「無料公衆無線LAN環境の未整備」が挙げられています。
無料公衆無線LANについては、外国人観光客から非常に高いニーズがありますが、日本国内で海外からの観光客を多く受け入れている京都市、福岡市などでは、外国人観光客受け入れのためのインバウンド戦略として公衆無線LAN環境が整備され、市街地や公共施設、バス停や地下鉄などを中心に、誰でも無料で利用できる仕組みが整っています。
豊洲・有明地区などが指定地域となっているアジアヘッドクォーター特区においても、区域内ビジョンとして「観光案内窓口や宿泊施設の無線LAN機器の設置によるインターネット接続環境の整備」が明記されており、外国人観光客の満足度向上のために、江東区内どこでも無料で無線LANがつながる環境を提供することはとても重要です。
観光だけではなく災害時の活用など、防災力の強化にもつながる無料公衆無線LAN環境の整備について、本区でも積極的に進めるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
大綱2点目は、シティープロモーションについて伺います。
東京オリンピック・
パラリンピック開催に伴い、本区は17競技会場を有する開催地の中心として、世界各地から注目を集める存在となります。住民向けの要素が強かった従来の広報戦略から、江東区の魅力を全国・全世界に発信していくシティープロモーションの視点を持ち、町のブランド化を行うことが必要と考え、5点の質問を行います。
1点目は、シティープロモーションの重要性と広報戦略基本方針の策定についてです。
自治体が魅力を内外に発信し、ブランド化を推進するため、積極的なシティープロモーションを行うことが最近注目されています。専門組織を設置したり、明確な戦略方針を定めて取り組む自治体もふえています。
最近の事例としては、平成17年のつくばエクスプレス開業に先立ち、全国に先駆けてマーケティング課を設置し、共働き子育て世代の30代をターゲットとして、銀座や表参道、六本木など、都内の駅を使った積極的な住民誘致キャンペーンを行い、若い世代の人口流入を成功させた千葉県流山市などがあります。
23区においても練馬区が、従来の区報やホームページ、SNSの活用に加え、地域の魅力を発掘、創出して、区内外に発信するシティープロモーションを推進し、区のイメージアップを図るため、ことしの9月に広報戦略基本方針を策定しました。
練馬区の広報戦略基本方針では、「練馬の魅力の発信強化」、「区内外に響く情報発信の多様化」、「広報機能と体制の強化」の3つを柱とした広報戦略目標を示し、必要な取り組みを計画的に展開していくことが定められています。
ことしの第1回区議会定例会において、私は全庁的な視野を持った広報事業の展開について提案を行いましたが、
東京オリンピック・
パラリンピック開催決定を機に、さらにその重要性は高まっていると考えます。
これまでの本区の広報活動は、主に区民に対する情報発信に軸足を置き、全体にかかわるものは広報広聴課、その他は各所管部門が行うという二本立てで行われています。
江東区の魅力を国内のみならず、全世界に発信していくためには、全庁的に統一した広報戦略方針を定め、庁内各部門が連携したプロジェクト型の広報活動を行うことが重要になります。
本区において、現在、シティープロモーションの実施について明確な指針は示されているのか、また、7年後のオリンピック・
パラリンピック開催を視野に入れ、どのような戦略を持ってシティープロモーションを行うのかについて伺います。
次に、外部人材の登用と職員の広報マインドの醸成について伺います。
従来の区民に対する情報発信中心の広報活動から、シティープロモーションの視点を持った戦略的広報にシフトしていく場合には、柔軟な発想力、発信力、センスともに必要になり、高い専門性が求められます。
ことしの第1回区議会定例会においても質問いたしましたが、オリンピック・
パラリンピック開催決定を機に、全庁的に戦略的なシティーセールス型の広報活動を行うためには、外部人材の登用がさらに重要になってくると考えられます。
また、職員についても、広報マインドやスキルを高めるために、広告代理店や広報会社への派遣などの人事交流を行い、外部の視点を養うことや、広報に携わる各部門職員に対する研修を強化することが必要です。
本区において、これら外部人材の登用や職員の広告代理店への人事交流などを含めた職員の広報力強化に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、ソーシャルメディアの活用について伺います。
本区では、ソーシャルメディアを活用した情報発信については、防災課が平成24年度からツイッターの活用を行っております。区の各事業や施設ごとにツイッターによる情報発信を行う取り組みも今年度から見られるようになり、地域振興課による江東区民まつり、スポーツ振興課によるスポーツ関連情報など、各部門がツイッターによる情報発信を行う動きが広がっています。
各事業ごとにツイッターアカウントを持ち、情報発信に努めることは大切ですが、防災情報以外の各アカウントは、ともにフォロワーが100名前後と少なく、ツイッターのメリットである情報発信力、拡散力が十分に生かせていないのが課題です。
そこで、江東区の広報部門で1つツイッターアカウントをつくり、区報・江東区ホームページなどの情報や、観光情報、防災情報を筆頭とした江東区の部門別・施設別の情報を発信、拡散できる仕組みをつくり、シティープロモーションにも活用することを提案します。
また、一般区民の利用が多いフェイスブックについても、公式アカウントを開設し、情報発信力を強化するべきと考えますが、本区の見解を伺います。
次に、キャラクターの活用について伺います。
全国の自治体でキャラクター、いわゆる「ゆるキャラ」を活用した地域活性化やプロモーションが活発化しています。
本区においては、事業別に10種類13体のキャラクターがおり、観光キャラクターのコトミちゃんは、観光事業を中心に区内でさまざまなイベントに参加。2012年、13年のゆるキャラグランプリに出場し、今週日曜日に発表されたことしの順位は、ご当地部門で昨年の399位から順位を上げて380位になるなど、活躍の場を広げています。
そこで、3点伺います。
本区の各事業別のキャラクターとその役割について、広報部門などが集約し、戦略的な活用を行っているのでしょうか。
次に、コトミちゃんの現在の活用状況と、本区のキャラクターを知名度が高いコトミちゃんに一本化し、観光事業だけではなく、江東区全体のPR活動を行うべきではないでしょうか。
その上で、熊本県のくまモンのように、コトミちゃんの利用許諾方針を定め、江東区のPRにつながる商品販売やシティープロモーションに積極的に活用できるよう、戦略的に取り組んでいくべきと考えますが、区の見解を伺います。
次に、ご当地ナンバーの導入について伺います。
先日、平成26年度からの自動車のご当地ナンバーの導入が決定している世田谷区、杉並区に視察に行ってきました。世田谷区では、世田谷ブランドを全国に発信することを目指し、活用方法を検討中であり、杉並区でも、区のキャラクターであるなみすけとご当地ナンバーを連動させた活用等を考えるなど、ご当地ナンバーの導入をシティープロモーションにも役立てる方針です。
2020年の
東京オリンピック・
パラリンピックで多くの競技が開催される本区にとっては、さまざまな機会を通じて江東区をアピールする必要があり、シティーセールスの面でも、ご当地ナンバーの導入の効果は高いと考えますが、本区の見解を伺います。
また、ご当地ナンバーの導入に当たっては、山崎区長が定例記者会見で、「東京湾岸」での申請を視野に入れている旨の発言がありましたが、地域名や導入に向けた区民要望の把握など、今後の方向性について伺います。
その上で、世田谷区、杉並区の場合は単独で申請を行いましたが、申請について本区ではどのように考えているのか、伺います。
大綱の3点目は、魅力的な公共空間の創出について伺います。
1点目は、オープンカフェ等公共空間を活用したにぎわいの創出についてです。
これまで国内における公園緑地や水辺空間等の公共空間においては、土地利用に制約があり、活用が難しい状況でしたが、規制緩和によりオープンカフェ等の設置やマルシェの開催などを進める自治体がふえています。
広島市や大阪市はその先進事例ですが、直近では平成25年9月から開始された横浜みなとみらい地区のオープンカフェ「ソトカフェみなとみらい」の実施、茨城県つくば市のオープンカフェなど公共空間を活用した実証実験など、河川や公園空間の活用が広がっています。
公開空地の有効活用については、23区でも東急百貨店日本橋店跡地を再開発したコレド日本橋の裏側の公開空地をウッドデッキ化し、家具や無線LAN環境を整備することで、都市のリビングルームとして生まれ変わらせた事例や、大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり懇談会が、公開空地ネットワーク型まちづくりルールを定め、公開空地を活用した魅力的な都市空間づくりを、エリアマネジメントにより行っている事例があります。
豊洲新市場を機に開発される東電堀の水域を活用したオープンカフェの推進については、これまでの本会議、予算・決算審査特別委員会で繰り返し質問を行ったことを受け、検討が進んでいることについては、評価いたします。
豊洲地区や有明地区等の開発などにより生み出される公開空地の有効活用や、区内全域の公園緑地や横十間川親水公園、竪川河川敷公園の水辺などの公共空間を活用したオープンカフェの設置などにより、住む人にとっても訪れる人にとっても魅力的で心地よい公共空間を創出することに対し、区は積極的に取り組むべきだと考えます。区の見解、姿勢をお示しください。
次に、公園施設における防災対応バーベキュー場の整備について伺います。
平成23年のレジャー白書によると、国内のバーベキュー人口は3,230万人を超え、バーベキューは、老若男女を問わず大勢の人たちが一緒になって楽しめる人気レジャーの一つとなっています。
従来からレジャーの枠にとどまらず、食育や地産地消支援の側面から注目されてきたバーベキューですが、特に東日本大震災以降は、家族や地域とのきずなを深めるコミュニティづくりや防災活動のツールとしても期待されています。
ことしの3月24日に江東区の後援のもと、有明の東京臨海広域防災公園で行われた防災イベントで、火の起こし方や準備、ごみの分別や後片づけなどを網羅した、災害時にも役立ち自然環境にも優しいスマートバーベキュー講座を、豊洲や有明を中心としたマンション住民の方々とともに体験し、災害時や通常時の両面でバーベキューが有効であることを実感しました。
防災バーベキューの推進や豊洲のカフェハウスなどのバーベキュー施設の監修を行っており、全国規模でスマートバーベキューを学ぶバーベキュー検定を開催し、3,000人以上の会員を持つ日本バーベキュー協会の下城民夫会長によりますと、オーストラリアでは、公園や公共エリアのいたるところに無料で使える電気式のバーベキューグリルがあり、市民が日ごろから気軽にバーベキューを利用できる環境が整っているとのことでした。
最近では、ソーラーパネルを使った電気式グリルも開発されており、電気式グリルを公園に設置することで、通常時の利用に加え、震災時などのいざというときには防災公園としても公園を活用できることになります。
本区では、豊洲、有明、新木場、夢の島、若洲、木場公園などを初めとして、区内各地に区立、都立、民間などが運営するバーベキューができる場所がたくさんあり、区内外からの利用者でにぎわっています。
区立公園などの公共空間で、災害時に対応したグリルを備えた環境に優しいバーベキュー施設を整備することは、公園機能の付加価値向上や観光や地域コミュニティの活性化、オリンピック・
パラリンピック開催時には、世界の観光客との国際交流が図れるほか、防災都市・環境先進都市江東としても非常に意義のあるものです。本区でも導入してみてはいかがでしょうか、伺います。
以上で私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
(
山崎孝明区長登壇)
34 ◯区長(山崎孝明)
鈴木綾子議員の御質問にお答えします。
オリンピック・
パラリンピックに対応した後期長期計画の対応についてであります。
まず、後期計画策定に当たっての基本的な考え方についてですが、後期計画策定に当たり、本区にとって最大の状況変化は、言うまでもなく2020年の
東京オリンピック・
パラリンピックの開催決定であります。
後期計画では、オリンピック・
パラリンピック開催準備への具体的な取り組みや、大会後のまちづくりに対する方向性を示していくことが必要と考えております。
また、現計画の大きな課題である児童人口急増に伴う関連施設の整備や高齢社会への対応などにも、引き続き積極的な対応が必要であります。
一方、本区の財政環境を取り巻く諸情勢は、依然として予断を許さない状況が予想されることから、計画的に事業を進めていくため、新たな
行財政改革計画など、行政の効率化に資する計画もあわせて策定してまいります。
次に、オリンピック・
パラリンピック後を見据えた長期的な公共施設のマネジメントについてですが、本区においては、高度成長期に建設された多くの公共施設が、今後、一斉に更新時期を迎えます。このため、トータルコストの軽減を目的に、まずは計画的な予防保全型の維持管理への転換として、既に国や都で導入している資産の総合的な管理運営、いわゆるアセットマネジメントを一部で展開しております。
また、区有施設の詳細情報を整理、データ化し、改修計画の円滑な策定を行うための公共施設情報管理システムの構築を、平成26年度を目途に進めております。
一方、長期計画策定時の人口推計では、区の人口は平成41年まで増加傾向にあり、また、オリンピック・
パラリンピック開催に伴う影響を勘案すると、新たな施設整備等の行政需要がさらに増加することが見込まれ、この対応も今後の大きな課題であります。
このため、現時点では施設の統廃合等の人口減少社会への対応までは視野に入れておりませんが、将来的には国の政策や社会状況を見ながら、長期的な公共施設のマネジメントについて検討していく必要があると考えております。
次に、公共施設白書を活用したマネジメントについてですが、本区では、平成17年度に、公共施設の現状や主な公共施設のライフサイクルコスト等をまとめた江東区施設白書を公表いたしました。その後、更新はしておりませんが、毎年度、公共施設の現状等を網羅的に記載した江東区データブックを発行し、保有施設等の詳細な情報を公開してまいりました。
今後は、公共施設のマネジメントの観点からも、また、区民へのさらなる情報開示と施設整備等のあり方の検討材料となるように、公共施設情報管理システム等も活用して、施設白書に相当する保有施設情報の取りまとめを検討したいと考えております。
次に、無料公衆無線LAN環境の整備についての御質問にお答えします。
御質問にありましたように、観光庁の調査では、外国人旅行者にとって、インターネットの接続環境が日本観光の上で最大の不満要素となっております。この結果を受け、国は、観光案内所や空港、駅、コンベンション施設等での整備拡大を進め、また都は、観光案内窓口に設置するとともに、都内宿泊施設への設置支援を展開しております。
本区では、現在、観光案内所である深川東京モダン館で無料公衆無線LANの設置を予定しておりますが、本サービスは、情報発信力の強化、災害時の活用、そして海外からの旅行客を初めとする来訪者の利便性向上に資するものであると認識しております。
今後、オリンピック・
パラリンピック開催決定を受けた国や都の整備動向を踏まえつつ、他自治体での運用状況を検証するなど、本区としての整備のあり方について検討してまいります。
今、東京モーターショーが行われている東京ビッグサイトも、Wi-Fiが使えない部分があり、この間、社長のほうに、あれだけ大きな施設で使えないのはおかしいということを申し入れて、今、東京ビッグサイトも既に準備に入ったそうであります。
こうしたものについては、やはり先ほどの御質問にもありましたように、これから都にいろいろオリンピック・
パラリンピックに向けての要請をしていきますが、その中で無料公衆無線LANについても、区があちこちにつくるというわけにもいかないし、都並びに国に対しても、一緒に全体としてこれをやらなければ、外国人が来たときに不便で仕方がないわけですから、これはオリンピック・
パラリンピックまでには徹底して江東区、あるいは中央区も含めて、湾岸エリア全てにそういうものを設置すべきだと考えておりまして、都に対する要望の一つに加えたいと思いました。
次に、シティープロモーションについての御質問にお答えします。
まず、シティープロモーションの重要性と広報戦略基本方針の策定についてであります。
本区は、今後も人口増加が見込まれ、高い定住意向を保っており、人口減少や町の基幹産業の衰退などの課題を持つ自治体とは事情が異なりますが、区の魅力を内外に発信し、イメージアップを図っていくことは必要であります。現在は、シティープロモーションの観点からの明確な指針はありませんが、これまでも水彩都市・江東のイメージ定着のため、全庁的に取り組んできたところです。
さらに、
東京オリンピック・
パラリンピック開催が決まったことから、水と緑に加え、スポーツも江東区のイメージアップの大きな要素になると考えております。今後、7年後の開催を見据えて、さらなる広報活動の充実を検討してまいります。
次に、外部人材の登用と職員の広報マインドの醸成についてであります。
現在、広報担当職員の専門性の確保につきましては、特別区職員研修所で実施されている専門研修に加え、日本広報協会の研修やセミナー等に職員を積極的に参加させ、得た知識の共有化を図るとともに、ケーブルテレビ、FMラジオ、印刷会社との意見交換や各区との情報交換を実施するなど、広報力の強化を図っております。
御提案の広報力の強化策ですが、広報活動の推進には、外部の専門家の意見も有効であると考えますので、外部との人事交流も含め、今後の展開の中で検討してまいります。
次に、ソーシャルメディアの活用についてであります。
ツイッターやフェイスブック等のソーシャルメディアは、基本的には個人のコミュニケーションづくりに活用されるツールと考えておりますが、その速報性と伝播性という特徴には、行政としても活用できる余地があると認識しており、防災関連ツイッターのほか、スポーツ大会やイベントの、当日の開催状況の連絡を主たる目的に、スポーツ振興課と地域振興課でツイッターを発信しております。
したがいまして、ツイッターやフェイスブックについては、現在のところ公式アカウントをとる考えはありませんが、現在発信している情報は、いずれも速報性を必要としていることから、区ホームページにその内容を同時に表示する方法の検討を始めたところであります。
次に、キャラクターの活用についての御質問にお答えします。
現在使用しているキャラクターは、各部が事業の推進、PRのため、公募や職員の発案で創作したもので、それぞれイベントの場などで活躍し、こどもたちに親しまれております。
10種類で13体ですか、私も全部覚えてないのです。コトミちゃんとかコトットちゃん、たすけくんとかはわかるのですが、あとは余りわからないので、果たしてどうしたものかということは、私自身も何年か前に区の幹部職員にも言ったことがあるのですけれども、それぞれの担当課が一生懸命これをやってきたものですから、消してしまうのもかわいそうだと思うのです。環境学習情報館などでもたすけくんとか、げたを履いた何か、あれなども好きな子がいるのです。そういった意味では、私はみんなかわいいなと思ってはおります。ですから、一本化するということについては、非常にかわいそうな気がします。その中での代表選手として、コトミちゃんをキャラクターの中心にしてもいいかと、そのようにも考えております。
先ごろ若洲の風車のデザインも、鉄腕アトムからコトミちゃんを初めとする13の全てのキャラクターに張りかえました。そうしたこともしておりますけれども、今後もこうした活用の機会を生かしてまいりたいと思っております。
次に、コトミちゃんの活用状況ですが、コトミちゃんは本区の観光キャラクターとして、区内外のイベントなどに今年度は延べ23日出演し、本区の知名度アップに貢献しております。
キャラクターの一本化については、他のキャラクターもおのおのの場面で愛される存在に育っており、引き続き活用していきたいと考えております。
次に、キャラクターの戦略的活用についてですが、今後、観光ロゴマークやキャッチフレーズ作成とあわせ、コトミちゃん関連の商品化も含め検討し、区のブランド力向上に取り組んでまいります。
次に、ご当地ナンバーについて、まず、ご当地ナンバーの導入の効果ですが、地域の知名度の向上やイメージアップなど、多くの面で効果が期待できるものと考えております。
次に、今後の方向性についてですが、6月の記者会見において、近隣区との連携と住民の賛同が必要である旨申し上げたように、区民全体の意向が第一であり、これを契機にご当地ナンバーへの理解が深まることを期待しております。その上で、導入に向けた機運が全区的に高まった折には、広く区民ニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。
なお、申請については、登録台数では本区単独申請も可能ではありますが、近隣区の動向も注視しながら、連携の方向性を探ってまいります。
一時、記者会見の後にも新聞に載ったりしまして、区民の方々から、ご当地ナンバーはいいからやってくれという声が私のところに随分届いておりまして、そのときのネーミングなのですが、区名の「江東」というのがいいのか、「東京湾岸」がいいのか、「東京湾岸」にすればほかの湾岸区が不満に思うだろうし、そうした点では「江東湾岸」がいいのか、いろいろ皆さんの御意見を聞かなければならないと思いますけれども、やはりこれはオリンピック都市江東としても、江東という江東区のイメージアップ、シティーセールスの一部でもあろうと思いますが、そうした意味では、次回のチャンスを狙って検討していく必要があると考えているところでございます。
なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。
(作田純一土木部長登壇)
35 ◯土木部長(作田純一) 次に、魅力的な公共空間の創出についてお答えします。
まず、オープンカフェ等公共空間を活用したにぎわいの創出についてです。
河川区域の利用については、平成23年3月に規制緩和がなされ、従来より柔軟な活用の道が開かれました。地域の合意を前提に、河川管理者が都市・地域再生等利用区域に指定した場合、河川管理上の支障がないことを条件に、オープンカフェなどの施設が占用許可を受けることが可能となりました。
また、公園では、平成24年に上野恩賜公園にオープンカフェが開業するなど、公共空間でのにぎわい施設の設置が活発に行われております。
本区におきましても、ことしの3月に旧中川・川の駅ににぎわい施設を設置し、さまざまなイベントを開催するなど、水辺のにぎわいを創出しているところです。
さらに、豊洲では、運河ルネサンスの一環として、町会や企業、大学などから成る豊洲地区運河ルネサンス協議会が主催する船カフェなどのイベントも開催されているところです。
にぎわい創出のための幾つかの御提案のうち、公開空地の有効活用につきましては、「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」に基づき、地権者等が地域の特性を生かした魅力のある活動を行う民間団体として都へ登録することにより、公開空地を有効に活用することが可能となっております。
区としましては、地権者や地域の要望を踏まえた上で、こうした制度の活用を促すことで、地域でのにぎわい創出を目指したまちづくり活動を推進してまいります。
また、区内には親水公園や水際の散歩道が多数存在しており、地域の実情に合わせてさまざまな工夫をすることで、人々が集い、にぎわう空間を数多く生み出すことができると考えています。
今後、老朽化した親水公園の改修事業や河川の護岸整備が進んでまいります。また、豊洲埠頭内の公園、水際緑地の維持管理に関しましては、官民連携を図りつつ、区として着実に行っていく予定です。この中で、水彩都市・江東にふさわしいにぎわい創出策を検討していきたいと考えております。
次に、公園施設における防災対応バーベキュー場の整備についてです。
災害時にも利用できる防災対応バーベキュー場についてですが、区立公園は、既に一時集合場所に位置づけられております。このため、災害対応可能なバーベキュー場を公園内に整備することにつきましては、防災計画全体の検討の中で、地域防災計画に改めて位置づけられることが必要となってまいります。
現在、本区において、バーベキューができる施設は、区立公園では臨海地区に若洲公園、都立公園では城東地区に大島小松川公園、深川地区に木場公園、そのほか臨海地区の民間施設3カ所を含め、区内で合わせて11カ所ございます。
特に昨年は、民間事業者によって豊洲にキャンプ場と併設のバーベキュー場が、また青海には建物の屋上で気軽に楽しめるバーベキュー場が続けてオープンするなど、注目されているレジャー施設であることは、区でも認識しているところでございます。
一方で、荒川下流域では、河川敷を安全で快適に利用できるように、国と本区を含む沿川2市8区と荒川市民会議等で作成した荒川下流河川敷利用ルールの本格運用が、平成22年4月から開始されました。
その中では、自転車の走行マナーのほか、バーベキュー等の火気を使用しないことも盛り込まれました。
区としましては、住宅に近接している区立公園にバーベキュー施設を設置することは、迷惑行為や事故の発生が懸念されることから、周辺住民の理解を得ることが困難と考えております。また、管理事務所の整備やバーベキュー場としてのスペースの確保、上下水道、トイレ、駐車場などのインフラ整備も必要となってまいります。
このため、既存の公園内でのバーベキュー施設の整備は難しい状況でありますが、大規模公園の改修や臨海地域の開発などの機会を捉えて、立地条件が整ったところで、公園整備に合わせてインフラを配備し、同時に利用ルールづくりを行うなど、時流を勘案しながら検討してまいります。
36 ◯議長(星野博議員) 以上をもって、本日の一般質問を終了いたします。
────────────────────○────────────────────
37 ◯議長(星野博議員) これより本日の日程に入ります。
本日の日程全部につき、事務局長の内容朗読を省略いたします。
────────────────────○────────────────────
△ 日程第1 議案第79号 議決を得た契約の契約変更について
△ 日程第2 議案第80号 議決を得た契約の契約変更について
△ 日程第3 議案第81号 議決を得た契約の契約変更について
△ 日程第4 議案第82号 議決を得た契約の契約変更について
△ 日程第5 議案第83号 議決を得た契約の契約変更について
△ 日程第6 議案第84号 議決を得た契約の契約変更について
△ 日程第7 議案第85号 議決を得た契約の契約変更について
△ 日程第8 議案第86号 議決を得た契約の契約変更について
(委員会付託)
38 ◯議長(星野博議員) 日程第1から同第8までの8件は、ともに契約に関する議案でありますので、これを一括議題といたします。
(井出事務局長朗読)
─────────────────────────────────────
39 ◯議長(星野博議員) 本案について理事者から一括御説明を願います。佐藤哲章副区長。
(佐藤哲章副区長登壇)
40 ◯副区長(佐藤哲章) ただいま一括議題となりました議案第79号から議案第86号までの、議決を得た契約の契約変更について、御説明申し上げます。
議案第79号及び議案第80号については、平成25年第1回区議会定例会において議決を得た江東区立浅間竪川小学校屋内運動場改築及び校舎その他改修工事請負契約に係るものであり、議案第81号から議案第86号までについては、平成25年第2回区議会定例会において議決を得た、平野橋架替工事請負契約、江東区砂町文化センター改修工事請負契約及び江東区立扇橋小学校校舎その他改修工事請負契約に係るものであります。
これらはいずれも、平成25年度
公共工事設計労務単価の運用に係る特例措置を実施するため、契約金額を変更するものであります。
変更の内容は、議案第79号、江東区立浅間竪川小学校屋内運動場改築及び校舎その他改修工事請負契約に係る変更については、10億6,890万円を10億9,797万4,500円に、議案第80号、江東区立浅間竪川小学校屋内運動場改築及び校舎その他機械設備改修工事請負契約に係る変更については、1億8,060万円を1億8,971万8,200円に、それぞれ増額するものであります。
また、議案第81号、平野橋架替工事(その1)請負契約に係る変更については、3億3,369万円を3億4,299万9,600円に、議案第82号、江東区砂町文化センター改修工事請負契約に係る変更については、3億7,537万9,200円を3億8,986万8,480円に、議案第83号、江東区砂町文化センター電気設備改修工事請負契約に係る変更については、2億5,995万2,700円を2億6,525万1,180円に、議案第84号、江東区砂町文化センター空気調和設備改修工事請負契約に係る変更については、2億8,171万5,000円を2億8,588万3,800円に、議案第85号、江東区立扇橋小学校校舎その他改修工事請負契約に係る変更については、5億3,709万3,900円を5億5,217万4,000円に、議案第86号、江東区立扇橋小学校校舎その他機械設備改修工事請負契約に係る変更については、1億8,018万円を1億8,781万3,500円に、それぞれ増額するものであります。
これらの工事請負契約の変更につきましては、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により、議会の議決を必要といたしますので、本案を提出した次第であります。
以上、甚だ簡単でありますが説明といたします。
よろしく御審議の上、御可決くださいますようお願いいたします。
41 ◯議長(星野博議員) お諮りいたします。
議案第79号から同第86号までの8件は、企画総務委員会に一括審査を付託いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
42 ◯議長(星野博議員) 御異議がないものと認めまして、さよう決定いたします。
────────────────────○────────────────────
△ 日程第9 議案第87号 江東区
保育費用徴収条例の一部を改正する条例
△ 日程第10 議案第88号 江東区障害者福祉センター条例及び江東区障害者通所支援施設条例の
一部を改正する条例
△ 日程第11 議案第89号 江東区営住宅条例の一部を改正する条例
△ 日程第12 議案第90号 江東区児童館条例の一部を改正する条例
△ 日程第13 議案第91号 江東区江東きっずクラブ条例の一部を改正する条例
△ 日程第14 議案第92号 江東区立小中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補
償に関する条例の一部を改正する条例
△ 日程第15 議案第93号 水防又は応急措置の業務に従事した者の損害補償に関する条例の一部
を改正する条例
(委員会、特別委員会付託)
43 ◯議長(星野博議員) 日程第9から同第15までの7件は、ともに条例に関する議案でありますので、これを一括議題といたします。
(井出事務局長朗読)
─────────────────────────────────────
44 ◯議長(星野博議員) 本案について理事者から一括御説明を願います。佐藤哲章副区長。
(佐藤哲章副区長登壇)
45 ◯副区長(佐藤哲章) ただいま一括議題となりました議案第87号から議案第93号までについて、御説明申し上げます。
まず、議案第87号、江東区
保育費用徴収条例の一部を改正する条例について、御説明申し上げます。
本案は、応能負担の格差の是正を図るため、保育料を改定する必要があるので提出するものであります。
別表第1及び別表第2に定める保育料について、前年分所得税90万円以上課税世帯の階層に、新たに3階層を加え4階層の区分とし、階層ごとの定義における課税額を整備するものであります。
また、別表第3に定める第2子に係る保育料の減額率60%の階層区分について、保育料の階層の追加に伴い改めるものであります。
なお、附則におきまして、平成26年4月1日から施行することとしております。
次に、議案第88号、江東区障害者福祉センター条例及び江東区障害者通所支援施設条例の一部を改正する条例について、御説明申し上げます。
本案は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の一部改正に伴い、同法を引用している2条例の規定を整備するため提出するものであります。
第1条では江東区障害者福祉センター条例、第2条では江東区障害者通所支援施設条例の規定を整備するものであります。
なお、附則におきまして、平成26年4月1日から施行することとしております。
次に、議案第89号、江東区営住宅条例の一部を改正する条例について、御説明申し上げます。
本案は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の一部改正に伴い、規定を整備するため提出するもので、第6条で引用している法の題名を改正するものであります。
なお、附則におきまして、平成26年1月3日から施行することとしております。
次に、議案第90号、江東区児童館条例の一部を改正する条例について、御説明申し上げます。
本案は、集会室等の夜間利用について規定するとともに、大島児童館等の利用時間等を改めるため提出するものであります。
まず、集会室及び音楽室を午後6時から午後9時30分まで利用できる者として、未成年者のみで構成された団体を除く団体及び未成年者を除く個人と定めるものであります。
次に、別表第1に規定する大島児童館、塩浜児童館の第2及び第4日曜日を除く開館日の利用時間を、午前9時から午後6時までに改めるものであります。
また、別表第2において、児童館の休館日から敬老の日を除くとともに、新たに同表に千田児童館を加えるものであります。
なお、附則におきまして、平成26年4月1日から施行することとしております。
次に、議案第91号、江東区江東きっずクラブ条例の一部を改正する条例について、御説明申し上げます。
本案は、新たに江東きっずクラブ5カ所を設置するため提出するものであります。
別表に、新たにきっずクラブ数矢、きっずクラブ枝川、きっずクラブ三大、きっずクラブ二砂及びきっずクラブ亀高の名称及び実施場所を加えるものであります。
なお、附則におきまして、平成26年4月1日から施行することとし、あわせて江東区学童クラブ条例の一部改正を行うものであります。
次に、議案第92号及び議案第93号について、御説明申し上げます。
議案第92号、江東区立小中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例及び議案第93号、水防又は応急措置の業務に従事した者の損害補償に関する条例の一部を改正する条例については、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の一部改正に伴い、引用条文を整備するため提出するものであります。
なお、それぞれの条例の附則におきまして、平成26年4月1日から施行することとしております。
以上、甚だ簡単でありますが、説明といたします。
よろしく御審議の上、御可決くださいますようお願いいたします。
46 ◯議長(星野博議員) お諮りいたします。
議案第87号及び同第88号の2件は厚生委員会に、議案第89号は建設委員会に、議案第90号から同第92号の3件は文教委員会に、議案第93号は防災対策特別委員会に、それぞれ審査を付託いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
47 ◯議長(星野博議員) 御異議がないものと認めまして、さよう決定いたします。
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48 ◯議長(星野博議員) これより追加日程に入ります。
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△ 追加日程第1 議員提出議案第16号 江東区高齢者入院見舞金支給条例
(委員会付託)
49 ◯議長(星野博議員) 追加日程第1を議題といたします。
(井出事務局長朗読)
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50 ◯議長(星野博議員) 本案について提案者から御説明を願います。33番大嵩崎かおり議員。
(33番大嵩崎かおり議員登壇)
51 ◯33番(大嵩崎かおり議員) 議員提出議案第16号、江東区高齢者入院見舞金支給条例について、御説明いたします。
高齢者は病気にかかりやすく、医療費の負担が増大しますが、特に入院した場合には、医療費のほか給食費や差額ベッド代などの負担が重くのしかかり、医療費の負担軽減を望む声は切実です。さらに、来年からは消費税の増税や、70歳から74歳の医療費の窓口負担の2割への負担増、高額療養費や入院給食費の負担増が行われる一方、年金支給額の減額と年金課税強化も予定されるなど、暮らしが一層厳しくなることは必至の状況です。
こうした中、入院した高齢者に対し入院見舞金を支給することにより、当該高齢者の経済的負担の軽減を図り、もって福祉の増進を図ることを目的として本条例を提案するものです。
以下、本案について御説明いたします。
第1条は目的を、第2条は、受給要件として、区内に住所を有する65歳以上の高齢者が医療機関に入院した場合といたしました。
第3条は、入院日数に応じた見舞金の額を定めるもので、7日以上30日までを1万円、31日以上90日までを2万円、91日以上は3万円といたしました。
さらに、第4条では、申請及び支給の可否の決定について、第5条では、虚偽の申請、その他不正な行為があった場合の返還を規定いたしました。
なお、この条例の施行に必要な事項は規則で定めることとし、本条例の施行日は、平成26年4月1日といたしました。
以上、提案説明といたします。
よろしく御審議の上、御可決いただきますようお願いいたします。
52 ◯議長(星野博議員) お諮りいたします。
議員提出議案第16号は厚生委員会に審査を付託いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
53 ◯議長(星野博議員) 御異議がないものと認めまして、さよう決定いたします。
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◎ 請願陳情の付託及び修正
54 ◯議長(星野博議員) お手元に配付の請願陳情文書表により、各委員会に付託しました事件につきましては、それぞれ委員会をお開きの上、審査を願います。
なお、厚生委員会に付託しております陳情のうち、修正がありましたものについて、一部修正表を添付しておりますので、御了承を願います。
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55 ◯議長(星野博議員) 以上をもって、本日の日程全部を終了いたしました。
明11月27日午後1時から継続本会議を開会いたしますので、御参集を願います。
ただいま御着席の方には改めて通知いたしませんから、御承知の上、御参集を願います。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時00分散会
( 了 )
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