墨田区議会 > 2020-11-26 >
11月26日-01号

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  1. 墨田区議会 2020-11-26
    11月26日-01号


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    最終取得日: 2021-08-11
    令和 2年 定例会議会(11月)       令和2年度定例会11月議会 墨田区議会会議録1 期日  令和2年11月26日2 場所  墨田区議会議事堂3 出席議員(31人)       1番  藤崎こうき   17番  とも宣子       2番  山下ひろみ   18番  高橋正利       3番  たきざわ正宜  19番  じんの博義       4番  坂井ひであき  20番  大瀬康介       5番  かんだすなお  21番  あべきみこ       6番  坂井ユカコ   22番  としま 剛       7番  たかはしのりこ 23番  福田はるみ       8番  中村あきひろ  24番  樋口敏郎       9番  渋田ちしゅう  25番  沖山 仁      10番  堀 よしあき  26番  田中邦友      11番  井上ノエミ   27番  木内 清      12番  あさの清美   28番  おおこし勝広      13番  佐藤 篤    29番  加納 進      14番  しもむら 緑  31番  はらつとむ      15番  加藤 拓    32番  高柳東彦      16番  はねだ福代4 欠席議員(1人)      30番  田中 哲5 出席理事者    区長        山本 亨    子ども・子育て支援部長                                酒井敏春    副区長       高野祐次    都市計画部長    渡辺茂男    教育長       加藤裕之    都市整備部長    田中正明    企画経営室長    岸川紀子    企画経営室参事   郡司剛英    総務部長      岩佐一郎    保健衛生担当部長  西塚 至    区民部長      石井秀和    保健衛生担当次長  高橋宏幸    地域力支援部長   関口芳正    危機管理担当部長  小久保 明    産業観光部長    鹿島田和宏   環境担当部長    佐久間 之    福祉保健部長    後藤隆宏    立体化推進担当部長 宮本知明    会計管理者     中山 誠    選挙管理委員会事務局長                                岩瀬 均    教育委員会事務局次長        監査委員事務局長  前田恵子              青木 剛    教育委員会事務局参事              宮本知幸6 出席事務局職員    事務局長      浜田将彰    書記        北條 豊    事務局次長     佐久間英樹   書記        鈴木康修    議事主査      松本光考     令和2年度墨田区議会定例会11月議会議事日程 第1号        令和2年11月26日午後1時 開議第1 報告第1号 令和元年度墨田区一般会計歳入歳出決算-----------+第2 報告第2号 令和元年度墨田区国民健康保険特別会計歳入歳出決算     |第3 報告第3号 令和元年度墨田区介護保険特別会計歳入歳出決算       |第4 報告第4号 令和元年度墨田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算    |                           +委員会審査報告+--+第5 議案第63号 墨田区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例第6 議案第64号 墨田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例第7 議案第65号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第8 議案第66号 会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例第9 議案第67号 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第10 議案第35号 令和2年度墨田区一般会計補正予算第11 議案第40号 墨田区手数料条例の一部を改正する条例第12 議案第41号 墨田区地区会館条例を廃止する条例第13 議案第36号 令和2年度墨田区一般会計補正予算第14 議案第37号 令和2年度墨田区国民健康保険特別会計補正予算第15 議案第38号 令和2年度墨田区介護保険特別会計補正予算第16 議案第39号 令和2年度墨田区後期高齢者医療特別会計補正予算第17 議案第42号 物品の買入れについて第18 議案第43号 すみだ福祉保健センターの指定管理者の指定について第19 議案第44号 墨田区墨田母子生活ホームの指定管理者の指定について第20 議案第45号 墨田区特別養護老人ホームはなみずきホームの指定管理者の指定について第21 議案第46号 墨田区特別養護老人ホームたちばなホームの指定管理者の指定について第22 議案第47号 墨田区特別養護老人ホームなりひらホームの指定管理者の指定について第23 議案第48号 墨田区はなみずき高齢者在宅サービスセンターの指定管理者の指定について第24 議案第49号 墨田区なりひら高齢者在宅サービスセンターの指定管理者の指定について第25 議案第50号 墨田区うめわか高齢者在宅サービスセンターの指定管理者の指定について第26 議案第51号 梅若ゆうゆう館の指定管理者の指定について第27 議案第52号 墨田区東駒形コミュニティ会館の指定管理者の指定について第28 議案第53号 墨田区梅若橋コミュニティ会館の指定管理者の指定について第29 議案第54号 地域集会所の指定管理者の指定について第30 議案第55号 墨田区横川さくら保育園及び墨田区横川さくら保育園分園の指定管理者の指定について第31 議案第56号 墨田児童会館の指定管理者の指定について第32 議案第57号 立花児童館の指定管理者の指定について第33 議案第58号 文花児童館の指定管理者の指定について第34 議案第59号 外手児童館の指定管理者の指定について第35 議案第60号 八広はなみずき児童館の指定管理者の指定について第36 議案第61号 さくら橋コミュニティセンターの指定管理者の指定について第37 議案第62号 両国子育てひろばの指定管理者の指定について     午後1時開議 ○議長(樋口敏郎) ただいまから令和2年度墨田区議会定例会11月議会を開会いたします。 これより本日の会議を開きます。----------------------------------- ○議長(樋口敏郎) まず、会議録署名員を定めます。 本件は、会議規則第123条の規定に基づき、議長からご指名申し上げます。       2番    山下ひろみ議員      19番    じんの博義議員のお二人にお願いいたします。----------------------------------- ○議長(樋口敏郎) 次に、今定例議会の議会期間についてお諮りいたします。 議会期間は、本日から12月10日までの15日間といたしたいと思います。 これにご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(樋口敏郎) ご異議ないものと認めます。 よって、議会期間は15日間と決定いたしました。----------------------------------- ○議長(樋口敏郎) 事務局次長から諸般の報告をいたします。   〔事務局次長報告〕-----------------------------------                         2墨総総第1165号                         令和2年11月19日 墨田区議会議長 樋口敏郎様                          墨田区長 山本 亨             議案の送付について 令和2年度墨田区議会定例会11月議会に提出するため、下記議案を送付します。                        〔巻末諸報告の部参照〕-----------------------------------                         2墨総総第1182号                         令和2年11月25日 墨田区議会議長 樋口敏郎様                          墨田区長 山本 亨             議案の送付について 令和2年度墨田区議会定例会11月議会に提出するため、下記議案を送付します。                        〔巻末諸報告の部参照〕-----------------------------------                         2墨総職第1284号                         令和2年10月1日 墨田区議会議長 樋口敏郎様                          墨田区長 山本 亨     墨田区教育委員会委員の任命について(通知) このことについて、下記のとおり任命しましたのでお知らせします。                        〔巻末諸報告の部参照〕-----------------------------------                         令和2年10月23日 墨田区議会議長 樋口敏郎様                   特別区人事委員会委員長 中山弘子 特別区人事委員会は、地方公務員法第8条及び第14条の規定に基づき、一般職の職員の給与について別紙第1のとおり報告するとともに、別紙第2のとおり勧告します。                        〔巻末諸報告の部参照〕-----------------------------------                         2墨監第338号                         令和2年10月22日 墨田区議会議長 樋口敏郎様                      墨田区監査委員 長谷川昌伸                      同       寺田政弘                      同       井尾仁志                      同       大越勝広     令和2年10月例月出納検査の結果について このことについて、地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、下記のとおり報告します。                        〔巻末諸報告の部参照〕-----------------------------------                         2墨監第373号                         令和2年11月20日 墨田区議会議長 樋口敏郎様                      墨田区監査委員 長谷川昌伸                      同       寺田政弘                      同       井尾仁志                      同       大越勝広     令和2年11月例月出納検査の結果について このことについて、地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、下記のとおり報告します。                        〔巻末諸報告の部参照〕----------------------------------- ○議長(樋口敏郎) 諸般の報告を終わります。----------------------------------- ○議長(樋口敏郎) 次に、去る10月1日付けで本区教育委員会委員に就任されました阿部博道委員をご紹介申し上げます。 阿部博道委員からごあいさつがあります。   〔教育委員会委員 阿部博道登壇〕 ◎教育委員会委員(阿部博道) ただいまご紹介をいただきました阿部博道と申します。貴重なお時間を拝借いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。 去る9月30日の区議会本会議におきまして、委員再任のご同意をいただき、10月1日付けで、山本区長から教育委員会委員の辞令を拝受いたしました。これまで2期8年にわたり、本区の教育行政の一端を担うという重責を与えられました。しかし、どれほどの重責を果たすことができたか、思うところ多々ございます。 今回、更に5年間、引き続き重責を担うようにお声をかけていただきましたことは、私にとりまして甚だ光栄でございますとともに、身が引き締まる思いを新たにしているところでございます。 さて、本区は教育施策大綱に基づきまして、知・徳・体のバランスの取れた教育、すなわち、子どもたちの生きる力を育むことを目指しているところでございます。 まず、知・徳・体の知につきましては、学校、先生の地道な取組、児童・生徒の頑張り、そして保護者や地域の協力の下、着実に成果を上げていることは、いろいろなデータからも読み取ることができると思います。 また、徳の分野につきましては、正式に道徳が授業に取り入れられ、墨田区の子どもたちが地域の文化や歴史、郷土のいろいろに誇りを持って、そして豊かな人間性を磨きつつあると思います。 また、体の分野につきましても、運動や、それから体力向上についても、少しずつ成果を上げているものと認識しております。 ところが、今年前半から新型コロナウイルス感染症の蔓延という事態が発生いたしました。当初は手探りの状態が続きましたものの、ようやく日常を少しずつ取り戻しつつあるところだと思いますが、まだ決して予断を許さない状態でございます。 何かと授業あるいは行事などで我慢を強いられている子どもたちが、それでも元気で明るく学校に通っている状況を見るにつけましても、一日も早い収束を願うとともに、何とか子どもたちの不安や心配を少しでも解消するような努力をしていかなければならないと考えてございます。 例えば、先日の総合教育会議で取り上げられました国のGIGAスクール構想につきましても、その実施に伴い、本区ではご案内のように、来年1月には1人1台のタブレットが配布されるとともに、通信環境の整備も整いつつあるところでございます。 そして、これまで本区では、ICT授業を推進してまいりました。このノウハウやスキルを十分活用し、そしてデジタル教材なども活用しながら、さらにご家庭でのタブレットの活用など、ソフトや運用面をどんどん展開していく必要があると考えております。そして、教育行政としましても、あるべき将来の方向性を見定めながら、このコロナ禍を何とか乗り切りたいと思っている次第です。 それと同時に、引き続いてやはりいじめや不登校の問題の解消、あるいは、恐らく今後問題が起きてくると思います子どもの貧困問題などにつきましても、全てのすみだの子どもたちの教育を受ける権利が守られるように、そして、子どもたちが郷土に誇りを持ち、また他人を思いやる優しい子どもに育ってほしいということを念願しておりますので、私ども大人がひるむことなく前進をしなければならないと責任を痛感している次第です。 もとより、私はひどく浅学の身でございますが、教育委員会の皆様と協力し、あるいは学校、地域とも協力しながら、いろいろな教育課題に取り組んでまいりたいと思っております。 結びに、区議会の皆様からこれまでいただきましたご厚情に感謝申し上げるとともに、どうか引き続き倍旧のご支援、お力添えをお願い申し上げて、再任のごあいさつとしたいと思います。どうもありがとうございました。 ○議長(樋口敏郎) 以上で、教育委員会委員のご紹介を終わります。----------------------------------- ○議長(樋口敏郎) これより一般質問に入ります。 通告がありますので、順次発言願います。 6番、坂井ユカコ議員 ◆6番(坂井ユカコ) 議長、6番 ○議長(樋口敏郎) 6番、坂井ユカコ議員   〔6番 坂井ユカコ登壇〕(拍手) ◆6番(坂井ユカコ) 墨田区議会自由民主党の坂井ユカコです。会派を代表して、大要6点を区長、教育長に分割方式で質問をいたします。是非前向きな答弁をお願いいたします。 大要1点目は、令和3年度の予算編成についてです。 これまでの景気拡大傾向により、令和元年度決算では、当初予算を大きく超える特別区交付金の増加と、給与所得者の所得増加や納税義務者の流入などによる区民税の増加等により、全体的な歳入増がありました。そのため、実質収支が大幅な黒字となったほか、経常収支比率は更に減少し、財政調整基金も大きく積み増すことができました。 決算だけを見ると、今後の区政運営を安定的に行っていくための財政基盤が整い始めたという非常に喜ばしい数字が並んでいます。しかし、今年度以降については、新型コロナウイルス感染症の影響で大幅な歳入減が見込まれ、非常に厳しい財政運営となることが必至です。 リーマン・ショックの影響を大きく受けた平成21年度は、大幅な特別区交付金の減少がありましたが、今回のコロナ禍の影響はそれを超えると言われています。今年度及び来年度の特別区交付金への影響は全体的にどの程度になると予測しているのか、区長に伺います。 また、東京都では、財政調整交付金の財源である市町村民税法人分、固定資産税等の徴収猶予を行っていますが、特別区交付金にどのように影響があるのか、動向を把握しているのか伺います。 さらに、本区の今年度の予算執行については、昨年度決算の繰越金等を活用すれば財源不足にならずに行えるのかも伺います。 来年度予算編成は、大幅な歳入減を考慮して編成作業を行っていると認識しています。また、9月議会では、財政規模を縮小すると区長は答弁しています。経常的経費のマイナス5%シーリング、新規事業を原則認めないなどが示された副区長の「令和3年度予算の見積りについて」の依命通達を踏まえた見積りと、終期を迎えた事業により、どの程度の予算規模を想定しているのか伺います。 加えて、主に削減する事業の分野と、具体的な行財政改革の取組についても伺います。 墨田区基本計画の中間改定が1年延期となり、来年度に新たな4年間の計画を策定することになりました。過去の歳入減の例を踏まえると、新型コロナウイルス感染症の影響は最低でも3年は続くことを想定する必要があると考えています。 計画当初とは歳入環境が大幅に厳しくなっている状況で、コロナ禍がいつまで続くか不明ではありますが、改めて財政推計をつくり直し、現行計画から事業を取捨選択する必要があります。起債の償還が財政を圧迫しないよう、公共施設整備を考慮することや、中途で財源不足に陥らないために計画的に基金を取り崩すことなどを検討しつつ、当面の3年間、基本計画期間の4年間を念頭に、財政運営の考え方を示すことを求めます。区長の所見を伺います。 本区の事業には、東京都の補助事業が数多くあります。都は、新型コロナウイルス感染症への対応のため、大きく基金を取り崩したほか、財政状況が大幅に悪化をしています。来年度予算編成では、経常経費のマイナス10%シーリングなど、非常に厳しい方針を示しています。これを受けて、補助事業の打切り等があると、23区一様に、区政運営に大きな影響を受けてしまいます。 現在、特別区長会で東京都に対して要望活動を行っていると聞いていますが、より強い姿勢で交渉することを望みます。区長のご所見を伺います。 ◎区長(山本亨) 議長 ○議長(樋口敏郎) 山本区長   〔区長 山本亨登壇〕 ◎区長(山本亨) ただいまの自由民主党、坂井議員の令和3年度予算編成に関するご質問にお答えします。 まず、新型コロナウイルス感染症による今年度及び来年度の特別区交付金への影響についてです。 今年度の特別区交付金は、8月の当初算定では予算対比で約3億8,700万円の減額となっていますが、今後、法人住民税等の収入状況によっては再調整が行われることになります。 また、来年度の見通しについては、感染症が経済に与える影響が不透明であるため、現時点では詳細には申し上げることができませんが、リーマン・ショック時の状況を踏まえ、再調整の動向も見極めながら、来年度の予算額を計上していきます。 次に、法人住民税等の徴収猶予による特別区交付金への影響についてです。 この徴収猶予に伴う区別の影響額については、算出が困難ですが、今年度、地方債の規定が新設され、特別区において徴収猶予特例債の発行が可能となりましたので、大幅に減収した場合は、都と協議していきます。 なお、今年度の予算執行においては、緊急の感染症対策に係る補正予算には主に財政調整基金を活用し、その他の事業費の不足等に対しては繰越金を充てるなど、適切な財政運営に努めていきます。 また、来年度の予算規模については、今後数年間、厳しい財政状況が継続することを想定し、予算編成に当たり、経常的経費について5%のマイナスシーリングを行うとともに、これまで以上の創意工夫による歳出額の圧縮などを指示しました。 感染症対策などの喫緊の行政需要や、福祉関係経費の伸びなどにも適切に対応した上で、可能な限り予算規模を圧縮し、今後の歳入減に備えていきたいと考えています。 事務事業の見直しについては、特定の分野に限定せず、聖域なき見直しを徹底して行い、一つ一つの事業を精査することで、一層の行財政改革を推進していきます。 次に、当面の3年間、後期基本計画期間の4年間を念頭に置いた財政運営の考え方についてです。 今後、特別区交付金の大幅な減収や、特別区民税の収入動向が不透明なことが想定されます。こうした状況を踏まえ、来年度財政推計を行った上で、主要な公共施設等整備事業の進め方や、特別区債や財政調整基金等の活用の考え方などの当面の財政運営について、後期基本計画の中でお示しします。 次に、補助事業の打切りなどがないよう都へ要望することについてです。 これまでも、特別区長会として都の施策及び予算に関する要望を提出し、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業の継続実施などを要望していますので、今後も都に対して要望していきます。 また、都の補助事業が終了したことにより財調算定に影響を受ける事項については、令和3年度に向けての財調協議の中で、改めて区側の要望を伝えていきます。 ◆6番(坂井ユカコ) 議長 ○議長(樋口敏郎) 坂井ユカコ議員   〔6番 坂井ユカコ登壇〕 ◆6番(坂井ユカコ) 大要2点目は、民間活力・英知の活用についてです。 まず、隅田公園における民間活力の導入について伺います。 今、公園は、維持管理だけではない、まちづくりの視点が求められております。隅田公園が大規模改修で生まれ変わり、ご存じのとおり、本区の新名所として人々の憩いの場となっています。社会実験や感染症対策に配慮したイベント等も開催され、魅力ある公園を核とした新たなにぎわいを実感するとともに、公園利用者が快適に過ごせる空間づくりは、地域全体、ひいては本区の価値を向上させることを再認識いたしました。 隅田公園については、これまでにも区から議会へ報告があり、それを踏まえて議論がなされていますが、現時点での検討状況を伺うとともに、改めて隅田公園における指定管理者制度導入等の民間活力の導入について、区長のご認識を伺います。 また、本区の公共空間に対する考えを示す上で、大変重要な隅田公園の第2期整備工事の展開は、全国からも注目されております。更なる公園と地域の価値向上へ向け、パークPFIの導入などによる官民協働による場づくりを検討しているのかも伺います。 続いて、千葉大学、情報経営イノベーション専門職大学について伺います。 過日、議会で両大学の視察を行いました。情報経営イノベーション専門職大学は、将来有望な1期生の方々の様子や一般開放された学食を拝見し、学びによる地域活性化のイメージが膨らみました。 改修中の千葉大学は、旧すみだ中小企業センターの堅牢な躯体の下、大野勘三郎氏の欄間やアトリエとなる広大な吹き抜けなど、もともとの構造を生かし学習目的達成のために改修された、すばらしい再生建築と言えます。地境のないキャンパスは、敷地全体が文教コミュニティとして発展する可能性を十分に感じることができました。 新たな命が吹き込まれたこの再生建築を長く使っていくことは、地域の財産であり、本区のレガシーであり、未来への投資となるでしょう。建築を学ぶ学生を迎え入れるにふさわしい、千葉大学を迎え入れるにふさわしい改修となるように、完成まで徹底して取り組むべきと考えます。区長のご所見を伺います。 来年4月に始動する千葉大学は、全10学部と多岐にわたる知の集積があり、情報経営イノベーション専門職大学は、在学中に起業する学生が多数出現する見込みとなっています。区長は、大学の英知恩恵を十二分に享受するために、これからどのような方向性を持って連携し、本区の課題解決と発展に資するものにしていこうと考えているのか伺います。 最後に、キャンパスコモンについて質問します。 9月議会企画総務委員会で、情報経営イノベーション専門職大学と千葉大学の間にある敷地は、地域と大学の交流を生み、誰でも利用ができる空間、キャンパスコモンとして、区があずま百樹園と一体的に整備すると報告がなされました。一般質問でたきざわ議員からも、切り口を変え質問いたしますが、まずは、区長が両大学と地域全体にとってのキャンパスコモン活用を、どんなイメージで考えているのか、地域の意向を反映させながら、文教地区としての知の集積に資する活用をどのように考えているのか伺います。
    ◎区長(山本亨) 議長 ○議長(樋口敏郎) 山本区長   〔区長 山本亨登壇〕 ◎区長(山本亨) ただいまの民間活力・英知の活用に関するご質問にお答えします。 まず、隅田公園における指定管理者制度の導入については、平成30年第4回定例会での報告後、土地所有者である財務省等と協議を重ねており、業務内容やスケジュール等を取りまとめ、2月議会で報告する予定です。 次に、隅田公園の第2期整備における官民協働の場づくりについてです。 今年度、測量や樹木調査などを実施し、第2期整備の基本的な考え方をまとめ、その結果を踏まえ、来年度以降の設計業務の中で、パークPFI等の官民協働による場づくりの実現に向けて検討していきます。 次に、千葉大学、情報経営イノベーション専門職大学についてです。 現在、改修工事を行っている旧すみだ中小企業センターについては、新型コロナウイルス感染症の影響等により工期に遅れが生じており、また、コロナ禍における新しい日常に対応したキャンパスとなるよう大学と協議し、内装工作物や備品整備全般についての対応を整理しており、必要な手続について、今定例議会において提案を予定しています。 この新しいキャンパスが、本区の知の拠点として、また地域に開かれた施設として区民の皆さんにも活用されるよう、引き続き取り組んでいきます。 次に、今後の連携の方向性については、現在両大学が持つ強みをメニュー化し、空き家対策や健康施策など、区の課題解決に向けた様々な事業連携や共同研究の可能性を検討しているところです。また、これらの取組を具体的に推進するため、三者で協定の締結を予定しています。 加えて、大学と地域、企業などが連携し、まちづくりなどの取組を進めるアーバンデザインセンターすみだの開設準備を進め、大学のあるまちづくりを積極的に推進していきます。 次に、キャンパスコモンの活用イメージについては、両大学による社会実験や学園祭、研究発表の場のほか、地域に開かれた交流の場として、防災訓練や夏まつり等、キャンパスエリアならではの多種多様な活動ができる場となるよう、大学、地域と協議しながら整備を進めていきます。 ◆6番(坂井ユカコ) 議長 ○議長(樋口敏郎) 坂井ユカコ議員   〔6番 坂井ユカコ登壇〕 ◆6番(坂井ユカコ) 大要3点目は、ウィズコロナ時代の教育施策・災害対策についてです。 まず、学校の学力向上施策について伺います。 今年、区立の小・中学校では、3月から5月まで臨時休業を余儀なくされましたが、各学校では事前の計画どおりに、学習の振り返り期間の学習内容に沿ってプリント教材による振り返りを行い、学習の定着を図られたと伺いました。 3か月に及ぶ学校の休業は、児童・生徒たちに少なからぬ影響があったと推察します。各学校では、今後更にICT等の活用を充実させ、学習の保障と学力の向上を目指されるのだと思います。 子どもを取り巻く環境は、今後も目まぐるしく移り変わり、子どもたちはその中でしっかりと学び、生活し、成長していかなければなりません。教育長としては、今後どのような子どもの姿を目指して学力を伸ばしていこうと考えるのかお尋ねします。 次に、GIGAスクール構想と学力向上について伺います。 文部科学省のGIGAスクール構想を受けて、本区でも区立小・中学校の児童・生徒に1人1台学習用タブレット端末が配布され、使用が開始されます。このタブレットを活用することで、一人ひとりの興味・関心や学習理解の状況に応じて、個別に最適な学習を継続的に実施できることを期待しております。 そこで、今後タブレット端末を利用して児童・生徒の学力向上をどのように進められるのか、具体的な考え方を伺います。 あわせて、タブレットは児童・生徒が学習のみに使えるようしっかりとカスタマイズを行うべきですが、対策も伺います。 次に、学校給食における和牛の提供について伺います。 今般、国の補正予算で、学校給食における和牛の肉の提供の事業が動き出しています。都では、調整に時間を要し、事業の進捗を心配していましたが、一方で、事業実現に向け、樋口議長による特別区議会議長会への働きかけや、加藤教育長が各区の教育委員会に働きかけられたことなどにより、このたび事業の実現に大きな道筋がついたと伺いました。 そこでお尋ねします。これまでに、都から事業実施の通知はあったのでしょうか。実施の時期はいつ頃になる予定でしょうか。 今回は、樋口議長が農林水産省の話を紹介されたことが事業実施の発端となり、非常に有意義な給食提供につながったと評価しています。今後も、国の補正予算が組まれる際には、各省庁の事業の関連情報には十分注視してほしいと考えますが、教育長の見解をお尋ねします。 続いて、水害対策について伺います。 大規模な台風等による水害が日本各地に被害を及ぼしている昨今、東京においても、昨年の台風15号、19号は記憶に新しいと思います。水害では、特に入院患者や介護施設入居者、自宅で介護を受けられている方、障害をお持ちの方など、自ら避難することができない方々の逃げ遅れによる痛ましい被害が発生しています。 これらを受けて、水防法及び土砂災害防止法が改定され、浸水想定区域等の要配慮者利用施設の所有者又は管理者に、避難確保計画の作成と避難訓練の実施が義務づけられました。避難確保計画とは、水害や土砂災害が発生したときに、施設の利用者やスタッフが円滑かつ迅速に避難ができるように必要な事項を定めた計画になりますが、仄聞するところによれば、避難確保計画を作成している施設はまだまだ少ないとのことです。 そこで、区長に伺います。本区に所在する要配慮者利用施設での避難確保計画の作成状況について、区は把握されているのか。また、未作成の施設に対して、どのような支援、指導をされているのでしょうか。 あわせて、我が会派から再三求めている広域避難が可能な場合の避難先の確保は、避難確保計画と同様に、要介護者にとって重要な課題であります。広域避難を推奨する中で、避難場所の確保に関する区長の考え方を再度伺います。 ◎区長(山本亨) 議長 ○議長(樋口敏郎) 山本区長   〔区長 山本亨登壇〕 ◎区長(山本亨) ただいまの水害対策に関するご質問にお答えします。 まず、要配慮者利用施設での水害時避難確保計画の作成状況についてですが、墨田区地域防災計画(令和元年度修正)では、要配慮者が利用する施設として114施設を定めており、そのうち102施設は作成済みであることを確認しています。 また、今年度の計画の修正に当たり、新たに300余りの施設を定めていきます。これまで未作成の施設や新たな施設に対しては、計画の作成手順や水害情報の提供等、支援や指導を行っていきます。 次に、広域避難場所の確保についてです。 荒川氾濫等による大規模水害時の避難先については、内閣府・都が中心となって進めている首都圏広域避難検討会や江東5区との連携等により、避難場所の確保に向けた協議を進めていますが、併せて、区独自での広域避難場所の確保や、区民があらかじめ自主的に広域避難先を決めておく必要性の啓発についても、引き続き取り組んでいきます。 ◎教育長(加藤裕之) 議長 ○議長(樋口敏郎) 加藤教育長   〔教育長 加藤裕之登壇〕 ◎教育長(加藤裕之) ただいまの自由民主党、坂井議員のご質問にお答えします。 まず、今後どのような子どもの姿を目指して学力を伸ばしていこうと考えているかについてです。 議員ご指摘のように、子どもたちを取り巻く状況は、今回のコロナ禍を原因とする学校活動の変更においても、卒業式をはじめとする式典、運動会・学芸会などの行事、修学旅行などの校外学習の実施に大きな影響を与え、また、新たな出来事が次々と発生しており、行き先が見えにくくなっています。 こうした予測困難な社会において、子どもたちに学力をしっかり身につけさせ、変化に主体的に関わり対応する力や、正解のない課題に対し他者と協力して解決していく力を身につけた児童・生徒の育成を目指していきます。 次に、GIGAスクール構想と学力向上について、今後タブレット端末を利用した児童・生徒の学力向上策についてです。 タブレット端末は、児童・生徒の学力の定着及び向上を図るために、大変有効な学習ツールです。通常授業においては、児童・生徒の興味や理解を高め、知識を定着するための動画の視聴、また、グループ学習での授業支援アプリのカードを利用した深く学ぶための話合いや、プレゼンテーションによる発表などで活用します。さらに、宿題、予習、自習による家庭学習の充実などにも効果的に活用して、学力の向上を図ります。 また、授業参加が難しい生徒に対し、授業の様子を別室でオンライン参加できるよう、一部の中学校で試行を始めましたが、今後は不登校児童・生徒にも拡充していきたいと考えています。 このほかに、日本語指導を必要とする児童・生徒の学習支援での活用、再度の学校の臨時休業の際には、オンライン授業にも活用したいと考えています。 次に、児童・生徒のタブレットのカスタマイズについてです。 児童・生徒に配布するタブレット端末は、学習目的に使用するものではないゲームやSNSなどのアプリを自由にダウンロードできない設定としているほか、学習目的以外のインターネットの閲覧もできないよう制限しており、学習のために使用する端末となっています。 次に、学校給食における和牛の肉の提供事業についてです。 まず、事業の進捗ですが、本年11月16日、都教育委員会から本事業を実施する旨の通知がありました。この事業では、令和3年1月及び2月の2か月間で3回まで提供することができます。食育の視点も入れ、子どもたちから喜ばれ笑顔になる、和牛を使用した給食を提供したいと考えております。 次に、各省庁の事業関連情報の収集についてです。 各省庁の情報は、都教育委員会を通じて提供されますが、提供される情報を待つだけではなく、様々なルートから情報を収集し、各省庁の関係情報に注視していきたいと思います。 以上で、自由民主党、坂井議員のご質問に対する答弁を終わります。 ◆6番(坂井ユカコ) 議長 ○議長(樋口敏郎) 坂井ユカコ議員   〔6番 坂井ユカコ登壇〕 ◆6番(坂井ユカコ) 大要4点目は、デジタルガバメント政策の推進についてです。 まず、行政手続のデジタル化について伺います。 令和元年12月に、デジタル行政推進法が施行され、地方自治体についても行政手続のオンライン実施が努力義務とされました。コロナ禍で山積する対応に追われながら、日夜精力的に手続のデジタル化に取り組む職員の皆様のご尽力に感謝申し上げながら、質問をいたします。 まず、本区における窓口デジタル化について伺います。 今年7月、1階窓口の混雑状況がスマートフォンやパソコンから確認ができるようになり、大変便利になりました。続いて、来年早々、税額の計算と申告書作成が、また今年度中には、申請書作成システムが導入される予定です。導入されるシステムは、窓口の住民票系の申請だけでなく、児童手当等の子育て系も同時に申請が可能になると伺いました。区民の利便性向上に大変よいことだと思います。 デジタル行政推進法が行政デジタル化の基本原則を示す中、これまで区民部が牽引してきたデジタル化は、全庁展開が基本となるはずです。本区全体としてどのような広がりを考えているのか、窓口サービスのデジタル化について、区長に伺います。 あわせて、キャッシュレス化の推進についても伺います。 この11月から、スマートフォンを利用した税・保険料のキャッシュレス決済がスタートしました。電子マネーを利用した公金の収納については、これまで我が会派も、従前の税や保険料にとどまらず、範囲を拡大すべきと求めてまいりました。現在の具体的な検討状況や、今後の見込みの中で報告できる点を伺います。 この際、自治体の情報セキュリティ対策の見直しについても伺います。 新型コロナウイルス感染症の影響により、区職員の皆様には分散登庁、在宅勤務を余儀なくされる期間が発生しました。在宅でできる業務は極めて限定され、不便であったと仄聞をしております。これには、情報セキュリティ対策として、住民記録システム系、庁内情報システム系とインターネット系の三つのネットワークを分離する、いわゆる三層の対策が背景にあります。 まず、この期間、業務効率にどのような影響が出ていたのか伺います。 5月発表の総務省、自治体情報セキュリティ対策の見直しのポイントでは、自治体の効率性、利便性の向上とセキュリティの確保を両立する観点から、三層対策の見直しのほか、自治体の内部環境からパブリッククラウドへの接続等を可能とする要件等を含めた、地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの改定を行うこととしています。 テレワーク、在宅勤務のような柔軟な働き方に合わせて、また、今般のような予測不能の事態にも行政運営を停滞させないためにも、本区として、国が最低限満たすべき事項を遵守しながら、情報セキュリティ対策の見直しを検討していくべきと考えますが、区長のご所見と今後の取組を伺います。 令和7年には、住基システムの統一、自治体業務システム標準化という待ったなしの課題も待ち受けています。最後に、このたび質問した幾つかの課題について、墨田区行政情報化推進計画にどのように盛り込んでいくのか、具体的な検討はどのように進んでいるのか伺います。 ◎区長(山本亨) 議長 ○議長(樋口敏郎) 山本区長   〔区長 山本亨登壇〕 ◎区長(山本亨) ただいまのデジタルガバメント政策の推進に関するご質問にお答えします。 まず、窓口サービスのデジタル化についてです。 書面や対面での業務を徹底的に見直し、デジタル技術を活用することは、業務効率の向上とともに、新型コロナウイルス感染症対策としても有効な手段であると考えます。 そこで、具体的な取組として、区役所1階窓口で密集・密接対策として、混雑状況等をインターネットでリアルタイムに確認できるサイトを既に開設したほか、手書きで記入する申請書類をウェブで事前に作成し、来庁時の滞在時間の短縮等を図るシステムの導入を準備しています。 あわせて、税務課では、住民税の申告をされる方がインターネットで税額計算、申告書作成を行い、郵送による申告ができるサービスを、年明けの住民税申告時期の運用開始に向けて準備を進めています。 国はデジタルガバメントを推進していることから、本区においても区役所全体の手続を見直し、区民目線に立った利便性の向上の観点から、オンライン化をはじめとした行政手続のデジタル化に取り組んでいきます。 次に、キャッシュレス決済の拡大についての、現在の具体的な検討状況と今後についてです。 ご指摘のとおり、本年11月からは、住民税や国保料等の納付において、スマートフォンを活用したキャッシュレス決済を開始しました。来年1月からは、国保料等の納付においても、区税と同様にクレジットカード払いの導入準備を進めています。 あわせて、窓口課と税務課における各種証明書交付等に係る手数料の支払いに、電子マネーを活用した決済を試行導入する予定です。 今後も、現在導入を進めているキャッシュレス決済の利用状況等を踏まえ、他の公金収納についても検討していきます。 次に、分散登庁時の業務効率への影響と情報セキュリティ対策の見直しについてです。 本区の分散登庁の実施に当たっては、各職場の業務内容に応じ、感染予防のための業務の縮小や非常時優先業務の選定等を行った上で、出勤人数を定め、ローテーション勤務を実施したことから、この間の業務効率に大きな影響はなかったものと認識しています。 しかし、ご指摘の、セキュリティ対策として自宅から庁内のネットワークに接続ができないため、自宅でできる業務が限定されるという課題もありました。これは、本区に限らず、全国の自治体共通の課題であるため、国は自治体の情報セキュリティのガイドラインを改定するなど、対策を講じることとしています。 個人情報の保護は重要であるため、国の動きを注視し、行政の効率性、利便性とのバランスを取りながら、情報セキュリティ対策の見直しを行います。 次に、来年度改定する行政情報化推進計画の検討状況についてです。 感染症対策をきっかけに、非接触型の行政サービスの拡充やデジタル化、オンライン化の取組が求められている中、区役所業務の見直しを図ることは喫緊の課題です。行政情報化推進計画では、ICTとデータを活用した安全・安心で利便性の高いサービスの提供と、効率的な行政運営を基本方針として、行政サービスのデジタル化や情報セキュリティの確保などを計画に盛り込むこととしています。 ◆6番(坂井ユカコ) 議長 ○議長(樋口敏郎) 坂井ユカコ議員   〔6番 坂井ユカコ登壇〕 ◆6番(坂井ユカコ) 大要5点目は、地域力向上と芸術振興についてです。 まず、町会・自治会支援について伺います。 先の決算特別委員会において、墨田区町会・自治会会館建設等補助金に関する我が会派の沖山議員、藤崎議員の質問に対して、法人化されているいないにかかわらず、全町会・自治会を補助対象とするとの答弁がありました。このことを、地縁団体の財産を守る観点から評価いたします。 地縁団体の認可制度を推進する過程であっても、町会会館の老朽化は同時に進んでまいります。今後、申請が増加することが予想されますが、区としてどのような対応を考えているのか伺います。 デジタル化について、町会・自治会支援の視点からも伺います。 行政、学校とデジタル化が着々と進む中、同じように、地域にもデジタル化が求められます。人々が集まる拠点としての機能が向上し、住民の自主と連携による地域コミュニティ活動の推進に資するデジタル化の環境整備に、区として支援を考えていることがあればお答えください。 続いて、北斎を通じた交流について伺います。 我がすみだ北斎美術館とクラクフ日本美術技術博物館マンガ館との友好協定から、1年を迎えました。先日、講演が開催され、周年記念展示「クラクフ ドラゴンとドラゴン」も始まり、北斎を通じた本区との交流は順調です。まずは、参加された山本区長から、感想と、ポーランド及びクラクフ・マンガ館との友好について、今後の展望やお考えを伺います。 本区では、北斎生誕260年記念事業として、9月に北斎ゆかりの地を巡るリモート旅、先月10日に、技術を駆使したリアルとリモートの同時進行で、記念シンポジウムが開催されました。私も画面越しに、参加者相互の即時性あるコメントを拝見しながら、コロナ禍にあっても、アートを通じて日常の属性を超えて交流できることに、改めて葛飾北斎という絵師の求心力に感心した次第です。 そこで、区長に伺います。今回の記念事業実施によってどのような効果があったのか、今後の取組にどのように生かしていこうと考えているのか、ご所見を伺います。 先般、フランスでは、北斎の未公開作品103点が発見され、収蔵した大英博物館がウェブサイトで作品を公開し始めたことが、世界で大きな話題となっています。フランスもポーランドも小布施も、本区と北斎でつながっています。区長には、強い意気込みで、北斎イヤーに当たるこの機を逃すことなく、ワールドワイドな取組を期待しております。区長は今後、北斎プロモーションをどのように展開されようとしているのか伺います。 ◎区長(山本亨) 議長 ○議長(樋口敏郎) 山本区長   〔区長 山本亨登壇〕 ◎区長(山本亨) ただいまの地域力向上と芸術振興に関するご質問にお答えします。 まず、町会・自治会支援についてです。 第1に、町会・自治会会館建設等補助金は、町会・自治会の法人化の有無に関係なく補助対象としており、令和2年度から補助金額を一部拡充しています。今後の申請予定を把握するため、全町会・自治会に確認しており、これに対応していきたいと考えています。 第2に、地域のデジタル化については、現在、町会のホームページ開設経費などを補助しているわがまち通信局助成金の見直しを進めており、まずは町会会館などのWi-Fi環境を整備する経費も対象とする補助制度へ拡充していきます。 この制度の活用によって、町会会館の機能向上が図られ、これまで以上に地域の高齢者や子育て世帯など多世代が交流・活動できるよう支援していきたいと考えます。 次に、北斎を通じた交流についてです。 先日、すみだ北斎美術館で開かれたポーランド日本美術技術博物館、通称マンガ館との友好協力協定調印1周年の式典に出席し、記念講演を拝聴してきました。 マンガ館は、日本の美術品収集家フェリクス・マンガ・ヤシェンスキ氏の収集品が所蔵されていて、特に北斎漫画を愛していたことから愛称がマンガ館となったことや、設計は世界的に著名な建築家、磯崎新氏によるものであることなどを伺い、日本との関わり、すみだ北斎美術館との親和性の高さを改めて認識しました。 本区としても、外務省や駐日ポーランド大使館、ポーランド広報文化センター等を通じて、すみだ北斎美術館を日本とポーランドの文化の交流拠点にしていきたいと考えています。 次に、北斎生誕260年記念事業については、コロナ禍での開催となりましたので、リモートやオンライン等を駆使し、新しい日常に即した事業としました。記念シンポジウムは、80名程度に来場者を制限し、オンラインで生配信しました。これまでに8,000名を超える方が視聴し、多くの方から好評を得ています。このような手法を用いて、工夫を凝らしながら、本区と北斎との関わりを強く全国にアピールしていきたいと考えています。 今後も、北斎生誕の地である本区としては、今回の未公開作品の発見などを好機と捉え、小布施の北斎館や大英博物館と連携し、国内外に向けたシンポジウムを開催するなど、情報発信を強化していきたいと考えています。 ◆6番(坂井ユカコ) 議長 ○議長(樋口敏郎) 坂井ユカコ議員   〔6番 坂井ユカコ登壇〕 ◆6番(坂井ユカコ) 最後に、産業振興施策について4点伺います。 1点目は、錦糸土木事務所跡地の活用についてです。 11月4日の報道発表によると、株式会社アストロスケールホールディングスが新施設の主な入居者となるとのことで、区内昼間人口の増加、優良企業の区外転出防止を訴えてきた私たちとしては、大いに歓迎をしています。 新施設のほかのテナントについても、関連する分野の事業者やものづくりに関する企業の入居を促し、アストロスケールを中心として、錦糸町地区に新たな産業集積が行われることを期待するところです。区としてどのような働きかけを行っていくのか、まず伺います。 また、現在策定中の新しい産業観光マスタープランにおいても、この地域の位置付けを明らかにすることを求めます。 2点目は、産業支援施策としての区内未利用地・施設の活用についてです。 錦糸土木事務所跡地以外にも、区内には未利用地、未利用施設が点在しています。私たちは、積極的に産業振興の観点からも検討し、効果的に活用するべきであると考えています。現在、東墨田会館の活用が示されていますが、その進捗状況を伺います。 また、旧すみだ清掃事務所亀沢待機所については、両国駅に近く、産業観光での活用に最適な未利用施設と言えます。墨田区内で起業した事業者の規模拡大に伴うオフィス需要等への対応など、産業面での課題解決のために活用することを提案しますが、区長の見解を伺います。 3点目は、新型コロナウイルス感染症の影響下での今後の区内事業者の支援についてです。 先の見えないコロナ禍の中で、多くの区内事業者の皆様は、事業継続のために日々努力をされています。その中でも、新たな業態や別分野の製品開発等による事業転換で活路を見いだしている事業者のご苦労はいかばかりかと思います。 すみだビジネスサポートセンターの機能強化や、金融機関等との連携強化を行うことはもちろん、区はこれら前向きな事業者の取組をしっかりと支援していくべきです。区としてどのような支援ができるのか、検討中のことを伺います。 また、区内事業者の人材の確保と定着を図るために、就業環境の整備に対する支援を行うべきと考えますが、区長のご所見を伺います。 4点目は、キャッシュレスポイント還元事業についてです。 10月に実施したキャッシュレスポイント還元事業については、結果としては、3億円の予算に対して2億円余りのポイント付与にとどまりましたが、新しい生活様式を見据えた取組として、区内事業者に一定の効果があったものと私たちは評価をしております。今回の事業について、経済的な効果と実施に当たっての課題をどのように検証しているのか、まず区長に伺います。 また、決算特別委員会では、余剰となった予算を有効活用するため、年度内の実施を検討するとの意向が示されましたが、具体的な時期と規模、予定している10月実施からの改善点について伺います。加えて、財源については国の補正予算等を活用するのか伺います。 現在、事業者が負担する手数料が無料や低価格なものが多いキャッシュレス決済ですが、今後は手数料が発生する可能性もあり、売上げが大きくない事業者にとっては大きな負担となることが予想されます。新しい生活様式として普及させても、手数料の発生でキャッシュレス決済をやめてしまう事業者が出てしまう可能性があり、これではキャッシュレス決済を推進している本区にとって、政策的に後退することが懸念されます。継続的にキャッシュレス決済を推進できる施策が必要と考えますが、区長のご所見を伺います。 以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ◎区長(山本亨) 議長 ○議長(樋口敏郎) 山本区長   〔区長 山本亨登壇〕 ◎区長(山本亨) ただいまの産業振興施策に関するご質問にお答えします。 まず、錦糸土木事務所跡地の活用についてです。 プロポーザルの結果選定された、ヒューリック株式会社のコアテナントとして参画する予定のアストロスケール社は、スペースデブリ、宇宙ごみを除去する人工衛星を開発しており、持続可能な開発目標、SDGsの課題に真正面から取り組んでいる、世界でも注目される企業です。 今回の結果を受け、SDGsの様々な課題に取り組む関連事業者の集積を誘発し、区内事業者とのネットワークを築くこと、子どもたちに夢と希望を与える事業を展開すること、世界から訪れる事業者をターゲットに、MICEを積極的に進めていくことなど、産業振興を通じたまちづくりの視点で取り組んでいきます。 こうした取組を通して、現在策定中の産業観光マスタープランの中で、区内のものづくりと連携した新たな産業集積が形成される高いポテンシャルを持つ地域として、東京の東の拠点である錦糸町地区を位置付けていきます。 次に、産業支援のための区内未利用地・施設の活用についてです。 今回の錦糸土木事務所跡地活用と同様、多くの事業者が集積している東墨田地区においても、ベンチャー企業等と区内企業が連携して、製品の開発、製造、実証実験を進めていきます。事業を進めていくために、プロポーザルを行い、株式会社浜野製作所を選定しました。様々なプロジェクトの立ち上げを予定していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により遅延が生じています。 今後、東墨田会館を改修した上で、社会課題に対応するものづくりの実証実験等に取り組んでいくとともに、周辺の未利用公有地活用、皮革産業など地場産業支援のための方策を検討していきます。 次に、旧すみだ清掃事務所亀沢待機所の活用についてです。 当該施設については、都営地下鉄両国駅に近接し、幹線道路に面しているなど、立地条件が良好であることから、事業活動をはじめとした様々な用途に適していると認識しています。今後、未利用地並びに施設の有効活用を図る観点から、ご提案の産業支援施策での活用を含め、地域の活性化や区が抱える課題などを考慮した上で、効果的な活用の方向性について検討していきます。 次に、新型コロナウイルス感染症の影響下での今後の区内事業者支援についてです。 感染拡大が第3波を迎えている中で、前向きに取り組み、活路を求めている事業者の経営を持続させていくためには、資金繰り支援から業態転換や新しい事業分野への取組に対する支援が必要であると考えています。そのためには、すみだビジネスサポートセンターの機能強化や金融機関等との連携を強めていくとともに、新しい補助制度の創設を検討していきます。 また、コロナ禍において、雇用調整助成金の取得に必要な就労環境やデジタル化の取組など、人材確保や定着のための対策が必要と認識しています。そこで、優れた人材を確保し、事業の持続・発展につなげていくために、就業環境整備を目的とした支援について検討を進めていきます。 次に、キャッシュレスポイント還元事業についてです。 まず、経済的な効果と実施に当たっての課題の検証についてです。 事業期間中において、対象店舗におけるキャッシュレス決済の取引総額は約8億2,000万円で、これが直接的な経済効果であると考えています。また、今月には約2億円分のポイントが還元されるため、区内で消費された場合に最大で10億円前後の経済効果があると推計され、消費喚起策としては大きな効果があったと認識しています。 次に、課題についてです。 事業開始当初は周知が行き届かず、効果が現れるのに時間を要したこと、ITリテラシーが十分でない方の参加が得られなかったこと、また、事業の趣旨が十分理解されず、キャッシュレス決済が使えない店舗があったことなどが課題であったと認識しています。 今回の事業効果と課題を踏まえ、キャッシュレス決済の普及と消費喚起を促すためには、再度、年度内にキャッシュレスポイント還元事業を実施する必要があると考えています。実施については、国の補正予算等を可能な限り活用し、商店街連合会と連携して、消費が落ち込むとされる来年2月を想定しています。 なお、具体的な事業内容等は、所管の常任委員会で改めて報告し、所要の予算についても提案させていただく予定です。 最後に、継続的にキャッシュレス決済を普及させていくための仕組みづくりについてです。 来年8月以降、現在無料となっているQRコード決済の手数料が順次有料化されると仄聞しています。有料化により、キャッシュレス決済を終了する店舗が発生することも懸念されますが、キャッシュレス社会が進展する中で、国や都の動向を見極めながら、効果的な対応策を検討していきます。 以上で、自由民主党、坂井議員のご質問に対する答弁を終わります。----------------------------------- ○議長(樋口敏郎) 議事の都合により、暫時休憩いたします。     午後2時14分休憩-----------------------------------     午後2時30分再開 ○議長(樋口敏郎) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を続けます。 18番、高橋正利議員 ◆18番(高橋正利) 議長、18番 ○議長(樋口敏郎) 18番、高橋正利議員   〔18番 高橋正利登壇〕(拍手) ◆18番(高橋正利) 墨田区議会公明党の高橋正利です。 大綱4点の代表質問をさせていただきます。明快な答弁を区長、教育長に求めます。 初めに、コロナ禍における高齢者の見守り対策の強化について伺います。 11月に入り新型コロナウイルス感染症の陽性者が少しずつ増加しており、第3波の懸念が高まる中で、特に高齢者における見守りの強化は、喫緊の課題になっています。背景には、高齢者への訪問が新型コロナウイルス感染症への感染リスクを高める不安があるのではないかと推測されます。すみだ高齢者見守りネットワーク事業を見ても、多くの企業、団体に参加していただきネットワークが構築されていますが、他区と比較するとまだまだ少ない現状があります。 国を挙げデジタル化を推進する体制が整いつつある中で、先頃、各高齢者支援総合センターと区庁舎の担当部局が、専用のパソコンでリモート会議や情報交換ができるようになりました。しかし、現場に出ている職員などは、今までどおりの実施方法で見守りをしていくしかない状況になっています。今や可能な方に対しては、ICTを活用した見守り体制を講じていくべきであると考えます。当然、オンライン相談を視野に入れていると思いますが、必要に応じ情報経営イノベーション専門職大学などに協力をいただきながら調査研究を行い、見守りにおけるデジタルツールの活用を図るべきです。区長のご所見を伺います。 次に、具体的な提案をさせていただきます。先ほども述べましたが、墨田区は、すみだ高齢者見守りネットワーク事業に参加している事業所などにステッカーを配布していますが、あまり目にしたことがありません。新型コロナウイルス感染症が拡大していく中、スーパーなどの小売業や配送業者など、営業を継続していた事業者も数多かったことから、これらの民間事業者と協力体制をさらに構築し、見守りネットワークに加わっていただくなど、体制を強化する必要があるのではないでしょうか。そして、このステッカーがまち中に増えることは地域のつながり強化にもなると考えます。せっかく作成した高齢者見守りステッカーをもっと利活用すべきとともに、認知症サポーター養成講座も受けてもらうべきだと考えますが、区長のご所見を伺います。 2点目は、先ほどオンラインによる見守りについて提案しましたが、より簡単な手法の提案です。江戸川区のあるNPO法人の代表が、自らの弟さんの孤立死をきっかけに、独居高齢者や高齢者のみ世帯に対しLINEを利用した無料の安否確認サービスを行っています。個人情報の秘匿厳守や親族などの協力も必要ですが、週に3回ほど希望の日時に連携を取り、返信がなければ親族や後見人又は自治体の担当者に連絡をして様子を見てもらうという事業だそうです。様々な条件はあるものの、高齢者の見守りツールとして研究していただき、希望者には情報提供することにより、ゼロ予算で高齢者の見守りが推進できると思いますが、区長のご所見を伺います。 この質問の最後は、徘徊高齢者家族介護者安心事業の強化について伺います。 平成19年に発生した認知症高齢者鉄道事故の裁判では、1審で請求額720万円の全額を、2審では半額の賠償を命じましたが、平成28年の最高裁判所で損害賠償義務を全て否定した判決が出ましたが、看護や介護の実態を総合的に判断すべきだという初判断を示し、賠償責任も認める余地を残した判決となりました。当時、大きな話題となり、神奈川県大和市などが認知症の人が払う保険料を公費負担する制度を導入するきっかけとなりました。 私の両親も2人暮らしですが、母親が初期の認知症を発症しており、少し目を離した隙に家の近くで頭から血を流していることがありました。老老介護の実態をかいま見た気がしました。また、私の知人も先日、朝目を覚ますと認知症である父親の姿がなく、警察や高齢者支援総合センターに連絡を入れましたが、約半日にわたり行方不明の状態になり、生きた心地がしないとの話を聞きました。ほんの一瞬の隙が大事故を起こす可能性があると認識を新たにしました。 こうした中、コロナ禍と認知症の実態調査の結果から、基本的日常生活活動や不安、抑鬱や徘回の状態が悪化した方が約4割もあったとの報告もありました。徘回高齢者に対し葛飾区は登録制のシールを添付し、その登録者の方が鉄道事故などを発生させ、ご家族が損害賠償責任を負うことになった場合に補償される、おでかけあんしん事業に認知症保険を都内で初めて導入しました。調査したところ、認知症高齢者の増加に伴い徘回高齢者の増加も想定されたので、平成31年度から開始したそうです。 墨田区との違いは、平成30年度まで実施していた24時間コールセンターを活用しているところです。利用者は約600人、登録者の約6割が80代、2割が70代だそうです。令和2年度の予算額は、東京都高齢社会対策区市町村包括補助事業補助金を活用し、おでかけあんしん保険料込みで約385万円とのことです。 我が会派は、以前から様々な地域の徘回高齢者対策について要望をさせていただきました。検討はされていると思いますが、すみだ認知症ほっとダイヤル事業も廃止をしていることから、一から事業を起こすのではなく、現在利用している事業に認知症保険をプラスしてはいかがでしょうか。具体的には、GPSを利用した徘徊高齢者家族介護者安心事業については、一定の条件を付して認知症保険を導入し、区が保険料を補填することにより、万が一のことがあってもより安心して家族の方が介護をしてもらえるようになるとともに、PRも含め、より利用しやすい事業に展開することにより利用者増加も期待できると思います。「暮らし続けたいまちすみだ」を標榜するのであれば、早急に検討する事業だと思いますが、区長のご所見を伺います。 次に、子ども宅食の導入についてお伺いします。 総務省の労働力調査によると、就業者数は前年同月と比べて75万人減少、5か月連続の減少となっており、経済的に厳しい状況が続いています。こうした社会状況の中で、今年6月から7月に国立成育医療研究センターが行った調査によると、ゼロ歳から2歳児の親の約7%、3歳から5歳児の親の約12%がコロナ禍の前に比べて子どもに対してたたく、感情的にどなるなどの子どもとの好ましくない関わりがとても増えたと答えているように、新型コロナウイルス感染症による子育て家庭の生活環境の悪化などにより、外出自粛や休校、休園などの措置が解除された後も、女性や子どもの自殺、ストレス、鬱などの数字が悪化しています。 親の鬱や精神障害、ストレスや不安、失業などによる経済不安は、いずれも虐待に至るおそれのある要因とされており、早急な対策が必要です。本区においても憂慮すべきことだと考えますが、区長のご所見を伺います。 ところがこうした支援には大きな課題が横たわります。どんなに困っていても周囲に貧困であることを知られたくない、自治体の窓口に行くことに抵抗があるなどの様々な理由で、必要な相談や支援などの各種サービスを受けていない方が多くいるという事実です。一般社団法人こども宅食応援団が今年5月に子ども宅食利用者に行ったアンケートによると、自治体の窓口で相談したことがない人が80.4%、地域の就労支援を利用したことがない人が92.3%に上り、生活に困っているにもかかわらず、ほとんどの人が行政などの各種支援サービスを利用していないという結果が出ました。 とはいえ、困難を抱えるご家庭に支援を届けることができなければ、ますます状況が悪化し、虐待リスクも高まります。そこで、民間の力も活用して、自然な形で家庭との関わりを持ち、リスクを発見した場合には、必要な支援につなげていくことが大事だと考えますが、これまで地域での食支援や世代を超えたコミュニティづくりの活動としてその役割を果たしていた子ども食堂は、約半分の再開しかめどが立っていないとの調査結果が出ています。本区における子ども食堂の現状について伺います。 国においても、令和2年度2次補正予算で支援対象児童等見守り強化事業として31億円の予算を確保し、民間団体が子どもの自宅を訪問し、食品の配送などを通じて子どもの見守り体制を強化するための支援を行うとされています。対象世帯も自治体が柔軟に決めることができ、全額国庫負担で、1民間団体当たり約830万円を活用できるとして、社会福祉協議会や自治体と連携実績のあるNPOなどが担い手となり、多くの自治体で手が挙がっていると仄聞しています。 さらに、厚生労働省は9月24日付けで、都道府県宛てに市町村に対する本事業の周知、活用に向けた働きかけを依頼した上で、自治体における事業導入に係る事務負担を軽減するために、既に導入している自治体の要綱を事務連絡で示しているとも伺っています。また、交付申請は随時受け付けており、一律の締切りはなく、遡及しての補助も可能と伺いました。この事業について把握をされていましたか、区長に伺います。 23区において、既にアウトリーチ型の食支援と見守り事業を行っている先進自治体として、文京区と江戸川区があります。児童扶養手当受給世帯などに定期的に食品を届ける文京区子ども宅食では、長引く新型コロナウイルス感染症の影響に鑑み、対象世帯を拡大し、家計が急変したひとり親家庭への支援も始まりました。また、江戸川区で始まった子どもへの食の支援おうち食堂は、家庭に有償ボランティアが訪問し、食材の準備から調理、片づけまで無料で行っている食事支援サービスの一つで、子どもの栄養面だけでなく、親の病気や貧困、虐待などの見えにくい問題を発見し、孤立しがちだった子どもたちが人とつながる役割を担っているそうです。 本区においても新型コロナウイルス感染症の感染拡大が懸念される中で、従来の居場所型の事業実施が困難であり、見守りが必要なご家庭に食品を持って自宅を訪問する、3密を避けて予約制などで食品や食事を手渡しするアウトリーチ型の事業を導入し、ウィズコロナ時代に適した親子の孤立、貧困対策、虐待防止に対応すべきと考えます。最近、こうした子ども宅食を先進的に担っていたNPO団体と連携して事業を行っている企業が墨田区にあることも伺いました。本区においても支援対象児童等見守り強化事業を活用し、墨田版子ども宅食を導入すべきと考えますが、区長のご所見を伺います。 次に、母子健康手帳の電子化について伺います。 母子健康手帳は、昭和17年の妊産婦手帳からスタートし、昭和40年に母子保健法に基づく母子健康手帳となり、約10年ごとに社会情勢や保健・医療・福祉制度の変化に応じ改正されてきました。今や母子健康手帳は世界に広がり、世界最高水準である我が国の母子保健を支える根幹の制度となっております。 しかし、最近では、高齢出産や周産期医療の進歩などにより、低出生体重児も増加、さらに児童虐待や子育ての孤立化など、子育てに関する深刻な問題も増加しています。こうした時代に子育ての孤立化を防ぎ、より有効な母子保健政策を展開するためにも、時代に合った母子健康手帳の活用は極めて効果的であります。 平成23年、厚生労働省が行った今後の母子健康手帳や母子保健施策の在り方について検討報告書では、電子化された母子健康手帳は、大震災などで紙の手帳を紛失した場合や母子保健政策を検討する上で、そのデータ活用は重要であると報告され、昨今では数多くの自治体で紙ベースの母子健康手帳のほかに電子母子手帳の導入が進んでいます。 墨田区では、母子健康手帳を父親にも配慮し親子健康手帳と改名、また乳幼児の便の色を見て体調を判断できる便カラーカードも導入、さらに我が党が提案した低体重児に配慮したリトルベビーハンドブックもこの9月から配布が始まり、低体重児がいる世帯から喜びの声が広がっており、大変評価しております。 しかし、墨田区では、電子母子健康手帳について導入していません。電子母子健康手帳は、紙ベースの母子健康手帳と違い、身長や体重を入力するだけで自動的に発育曲線をグラフ化してくれます。動画や写真の記録も保存でき、父親と母親がスマホで情報を共有することもできます。データ形式の統一化などが現在検討されており、実施されれば自治体としてもより効果的な母子保健政策を展開する上で、かけがえのない母子保健データを入手することができます。 電子母子健康手帳を実施している自治体では、子育てアプリのサービスの一つとしてパッケージ化されたアプリを導入しています。墨田区では、平成26年度に子育てアプリがスタートし、行政から発信する子育て情報や外部サイトである予防接種ナビ、きずなメールが付加され、平成29年に実施した利用者アンケート調査では、妊娠から出産、育児に至るまでその時々の場面に応じ、530通を超えるメールでお母さんを励まし、寄り添うきずなメールは大変好評と聞いています。 しかし、墨田区の子育てアプリの年間ランニングコストを見ると、子育てアプリ本体で約40万円、きずなメールで約100万円、予防接種ナビで約100万円となっており、子育てアプリ全体でのランニングコストは年間約240万円となっています。一方、荒川区や江戸川区などで導入している電子母子手帳付き子育てアプリは、きずなメール以外の機能は墨田区と同じように付加されており、年間ランニングコストは65万円でした。しかも、導入コストについて荒川区に聞いたところ、無料とのことでした。 そこで提案です。国が行政のデジタル化を強く推進する中、電子母子健康手帳を是非とも導入すべきと考えます。電子母子健康手帳は子育てアプリの機能として導入している自治体が多く、同じ形式で導入するならば、墨田区の子育てアプリにおいて、きずなメールは区民から喜ばれているサービスなので今後とも継続するとして、荒川区で実施しているアプリを導入すれば年間ランニングコストは165万円となり、電子母子健康手帳を今より75万円ほど歳出削減ができた上で実現することができます。 墨田区の子育てアプリは、昨年の2月にシステム更改したばかりであり、電子母子手帳のデータ形式の統一化の課題もあることから、来年度から直ちに実施せよとは申しませんが、しっかり検証すべきと考えます。保健衛生担当と子ども・子育て支援部で所管はまたがりますが、是非とも検討すべきと考えます。区長のご所見を伺います。 また、港区では荒川区とは違うアプリですが、保健センターで実施する乳幼児健診のスケジュールの自動調整機能も付加されています。現在、墨田区では、3歳児までの乳幼児健診につきましては、集団健診を主としており、該当世帯に集団健診日を通知し、その日に都合が悪い世帯は、電話等でその後の健診日を調整することとなっています。こうしたことがアプリを活用して自動調整できるようになれば、保護者だけでなく職員の負担も削減でき、手間が省け、働き方改革にもつながります。母子健康手帳と併せて是非とも検討してはいかがでしょうか、区長の所見を求めます。 10月9日に公明党の要望を受けた菅総理は、電子母子健康手帳を推進する自治体について支援を検討すると表明していることから、行政のデジタル化や出産一時金の増額修正と併せ、スピード感ある改定になると思います。また、墨田区の母子を中心に、区民の予防接種や健診履歴などを管理する健康情報システムの将来の改正に併せ、ある一定の方針を出し、より効率的、効果的な健診体制や母子保健政策の展開を検討、推進すべきであると思いますが、区長のご所見を伺います。 次に、学校連絡デジタル化の推進について伺います。 政府は、デジタル時代に向け、書面主義、押印原則等に関する官民の規制及び制度並びに慣行の見直しを進めています。その一環として、文部科学省は本年10月20日、全国の各教育委員会などに対して、「学校と保護者の連絡手段のデジタル化の推進及び押印の見直しについて」の通知を出し、各学校や地域における実情を踏まえつつ、可能なところから押印の省略及び学校と保護者間における連絡手段のデジタル化に向けた取組を進めるよう求めました。 現在、墨田区は、保護者への連絡手段として学校情報連絡メールを使用していますが、1、保護者宛てのメール送信後に既読の確認ができないため、新型コロナウイルス感染症関連や災害情報などの緊急連絡は、情報が届いたかどうか必要な確認は電話で改めて連絡するなど、二重に手間が掛かっている。2、保護者から返信メールをしようとしても返信機能がない。3、学校のお便りなど、保護者が直接確認する必要がある書類などを添付しようとしてもその機能がないなどの課題があります。 こうした中、横浜市では2019年3月、小学校から高校までの市立6校において、学校と家庭をつなぐ情報共有システムを試験的に導入しました。24時間欠席連絡受付などにより連絡、情報共有の効率化、ペーパーレスの推進とともに、保護者と教職員双方の負担軽減を目指すとしています。 例えば24時間欠席連絡受付では、保護者は専用ダイヤルに電話し、音声ガイダンスに沿って欠席や遅刻情報を入力。学校では自動集計された欠席連絡を確認でき、システム上で欠席情報や生徒の保護者への連絡が送信できます。また、学校情報のデジタル配信と送信では、学校からの各種お便りやアンケートなどが保護者のパソコンやスマートフォンに届く仕組みです。保護者は、パソコンやスマートフォンからアンケートの回答や申込みができ、アンケート結果は自動集計され、未回答者へのリマインド機能も備えているとのことです。 そこで、今後、具体的な対応が求められている点について伺います。 1点目は、メールの書類添付等について伺います。 本年12月をめどに小・中学校の児童・生徒全員にタブレットを配布し、来年1月より運用されることから、この双方向通信が可能なタブレットを利用し、お便りなどの資料添付、あるいは既読確認などの対応を目的に試験的に導入を図るべきだと思います。 2点目は、判こレスについて伺います。 デジタル化の推進とともに、学校欠席等連絡票、行事の参加申込書など、押印の省略、判こレスが可能になると考えられる資料などについて調査し、すぐに対応ができるよう体制を整える必要があると思います。 3点目は、多言語対応翻訳機能について伺います。 学校からのお便りの記載事項について、滞在歴の短い外国人の保護者に、例えば「集団登校」、「筆箱」など日常で使われない語句、あるいは、何日に何をするのか、何を持っていけばよいのかなどの「文章」について、理解していただくことが難しいケースが多いと教育現場から伺っています。こうした課題に岐阜県関市などでは、多言語対応翻訳機能を導入して対応しています。このような事例を研究し、翻訳機能の導入の検討を図る必要があると思います。 4点目は、保護者へのアンケートの実施について伺います。 今後の学校からの連絡手段のデジタル化に伴い、保護者の意見を反映するためにアンケートなどのデジタル化も進める必要があります。URLを記載したメールの送付やQRコードを印刷して伝え、アンケートフォームに記入していただくことで、保護者の負担軽減や集計作業など、業務の効率化が進むことから導入すべきと考えます。 以上、4点について述べましたが、横浜市、関市などの事例を参考に早急に計画を立て、推進すべきであると考えますが、教育長の見解を求めます。 最後に、緊急を有する情報等の連絡体制について伺います。 現在、学校情報連絡メールの送信対象は、全小・中学校、区立幼稚園の保護者になっています。また、私立幼稚園、保育園等の保護者は、独自の連絡網を持っています。近年の風水害、あるいは新型コロナウイルス感染症の感染情報など、緊急を有する情報などは共有することが大事であると思います。関係部署と連携を取り、連絡体制を考えておくことが必要であると思います。区長のご所見を伺います。 以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ◎区長(山本亨) 議長 ○議長(樋口敏郎) 山本区長   〔区長 山本亨登壇〕 ◎区長(山本亨) ただいまの公明党、高橋議員のご質問にお答えします。 第1に、コロナ禍における高齢者見守り対策の強化についてです。 初めに、ICTを活用した高齢者の見守りについてです。 新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、新しい日常における高齢者の見守りについてもICTを活用するなど、対策を講じていかなければならないと考えています。そこで、より効果的に進めていくためには、先進的な知見を持つ大学等の協力も得ながら、高齢者にICTの便利さ等を啓発し、スマホ等の普及に合わせデジタルツールを身近に感じてもらうことによって、見守り活動にも活用していきたいと考えています。 次に、すみだ高齢者見守りネットワーク事業協力機関と認知症サポーター養成講座受講者の拡充についてです。 すみだ高齢者見守りネットワークには、現在25の事業所が参加しています。ご提案のコロナ禍においても業務を継続していたスーパーや配送業者等の事業者とのネットワークを広げることは、見守り体制の強化につながると考えますので、協力機関のステッカー掲示と併せて、今後もその取組を進めていきます。 また、認知症サポーター養成講座については、事業所への受講を働きかけていきます。 次に、LINEを利用した無料安否確認ツールの活用についてです。 コロナ禍において、介護予防教室を経て自主活動を行っているグループの中には、LINEを利用し連絡や情報の交換をしている例もあります。そうした活用例や高齢者の見守りツールを研究し、ICTの利便性等を啓発していく中で、LINE等を利用した無料安否確認ツールについても検討していきます。 次に、徘回高齢者への認知症保険の導入についてです。 現在、GPSを利用した徘徊高齢者家族介護者安心事業を実施していますが、認知症になっても住み慣れた地域で安心して住み続けられ、認知症の方を支える家族が安心して介護できる社会をつくっていくことは重要と考えます。認知症保険については、他の自治体の実施状況や比較、効果の分析等も行い、検討していきます。 第2に、子ども宅食の導入についてです。 ご指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症による子育て家庭の生活環境の悪化によって、親が抱える様々な不安感が増幅し、弱い立場にある子どもが虐待に遭うといったことは決してあってはならない事態であると認識しています。対策を講じていく中で、支援につながらない方や支援を望まない方なども含め、配慮が必要な家庭に対して地域での見守りを強化し、こうした事態を招かないよう努めていきます。 区内で、地域での食支援やコミュニティづくりの場としての役割を果たす子ども食堂については、社会福祉協議会がネットワーク化した団体は七つありますが、現下のコロナ禍において3密対策などにより、活動の制約を受けながら4団体が運営している状況です。 次に、支援対象児童等見守り強化事業についてですが、コロナ禍で子どもの見守り機会が減少し、児童虐待のリスクが高まっていることから、要保護児童対策地域協議会(要対協)が中核となり、民間団体を含めた見守りの強化を目的とした事業であると認識しています。 次に、墨田版子ども宅食についてですが、このアウトリーチ型の事業は、個別に支援が届くという意味では効果的な取組と考えます。一方で、支援を必要とする家庭の中には、訪問されることを望まない家庭や対応に配慮を要する家庭などもあることから、要対協の事務局である子育て支援総合センターでは、地域の見守り機関と連携しながら、福祉・保健等の専門職が慎重に個別対応を行っています。そのため、まずは現在活動している団体へ補助事業を周知し、意見を伺うとともに、支援を必要とする子育て家庭に支援が届き、子どもの権利が守られるよう、要対協のネットワークと地域の見守り強化を進めていきます。 子ども宅食の導入については、先進自治体や区内企業、民間団体の取組などを把握し、財源となる国の事業の活用を含め、課題を整理し、研究していきます。 第3に、母子健康手帳の電子化についてです。 まず、電子母子手帳の導入についてです。 手帳の交付は、母子保健法第16条で義務づけられていますが、それを補完する形で、スマートフォンやタブレット端末で利用できる複数のアプリが配信されています。これらのアプリは、基本的に無料で利用できますが、23区中6区で区が保守費用等を負担し、情報発信手段の一つとして活用していると聞いています。 本区においては、子育てに関するアプリを配信していますので、産前産後のサービスに係る情報を積極的に提供する方法について、国が進めるデジタルガバメントの施策を注視しながら、保健衛生部門と子育て部門が連携して、今後、検討していきます。 次に、乳幼児健診のスケジュール調整におけるアプリの活用についてです。 新しい保健施設の整備方針においても、「つなぐ・つながる」をコンセプトに掲げ、最新のICT設備を利用していくこととしています。ご指摘のアプリの活用も含めて、施設開設に向けたシステム導入の中で、利便性の高いサービスの実現に向けて検討していきます。 次に、区の健康情報システムの更改に合わせた施策の展開についてです。 社会のデジタル化の進展に合わせ、国や他自治体の動向を注視しつつ、健康情報システムの更改時期等を踏まえ、行政情報化推進計画の中で、子育て支援策におけるデジタル化の考え方を示していきます。 第4に、学校連絡デジタル化の推進として、学校等における緊急を有する情報等の連絡体制についてです。 緊急時の情報発信については、保護者の皆さんに迅速かつ正確に情報を提供し、共有していくことが重要であると認識しています。そのため、マニュアル等に基づき、遅滞なく関係各部署が連携し、保護者への連絡体制を構築しています。今後も、水害を想定した災害対策本部運営など各種対応訓練を通じて、正確な情報を共有し、発信する体制を強化していきます。 以上で、公明党、高橋議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。 ◎教育長(加藤裕之) 議長 ○議長(樋口敏郎) 加藤教育長   〔教育長 加藤裕之登壇〕 ◎教育長(加藤裕之) ただいまの公明党、高橋議員のご質問にお答えします。 学校連絡のデジタル化の推進についてです。 まず、メールの書類添付等における児童・生徒に配布されるタブレットの活用についてです。 デジタル化の推進により、学校から児童・生徒に配布するタブレットに直接保護者へメール配信することは、印刷・配布の事務を削減でき、紙資源も節約できます。少数ですが学校情報連絡メールに登録していない家庭や、インターネット環境がない家庭に対しても大変有効と考えます。 タブレット端末は、学校や家庭の準備が整い次第持ち帰りを実施しますので、学校でお便りをタブレットに配信し、家庭で保護者が確認できるような仕組みや、既読が分かる仕組みなどについて検討していきます。 次に、判こレスについてです。 今後、学校情報連絡メールシステムの見直しに当たり、保護者と双方向でやり取りできる仕組みを検討していきます。その中で欠席連絡など、保護者から頂いている押印書類について、押印の要否等を検証し、押印が省略できるものについてデジタル化を進めていくため、学校と協力して推進体制を構築していきます。 次に、多言語対応翻訳機能についてです。 議員ご指摘のとおり、学校では日常生活で使われない用語が多く用いられており、学校情報連絡メールなどを滞在歴の短い外国人の保護者がインターネットの翻訳機能を使った場合、学校が意図したとおりの内容に変換されないケースもあります。そこで、学校からのお知らせ等については、できるだけ分かりやすい日本語で発信するよう心がけていくとともに、学校情報連絡メールのシステム改修において、翻訳機能についても検討していきます。 最後に、保護者へのアンケートの実施についてです。 現在でも学校で使用しているクラウドサービスを活用することで、保護者へのアンケートを電子化することが可能な状態であり、新型コロナウイルスによる学校休業時に、家庭でのインターネット環境調査や健康観察に活用した事例もあります。今後も、各学校に対して使い方を周知するなど、アンケート機能の有効活用を図っていきます。 学校連絡のデジタル化については、計画を立てていますが、多岐にわたるため、可能なところから取り組んでいきます。 以上で、公明党、高橋議員のご質問に対する答弁を終わります。----------------------------------- ○議長(樋口敏郎) 議事の都合により、暫時休憩いたします。     午後3時8分休憩-----------------------------------     午後3時25分再開 ○議長(樋口敏郎) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を続けます。 12番、あさの清美議員 ◆12番(あさの清美) 議長、12番 ○議長(樋口敏郎) 12番、あさの清美議員   〔12番 あさの清美登壇〕(拍手) ◆12番(あさの清美) 私は、日本共産党墨田区議団を代表して、山本区長に質問します。 質問の第1は、新型コロナウイルス感染症対策についてです。 東京都をはじめ、全国各地で新規感染者数が過去最高を更新しています。厚生労働省の専門家組織アドバイザリーボードは、感染拡大のスピードが増しており、放置すれば、さらに急速な感染拡大に至る可能性があると分析しています。 初めに、このような感染再拡大の現状について区長はどのように認識しているのか、見解をお伺いします。 我が党は12日、「感染拡大の『第3波』到来を直視し、『検査・保護・追跡』の抜本的強化を」と題する提言を発表しました。この緊急提言は、第1に、大規模・地域集中的検査と社会的検査を政府の大方針に据え、推進すること。第2に、感染追跡を専門に行うトレーサーを確保し、保健所の体制を抜本的に強化すること。第3に、医療崩壊を絶対に起こさせないために、医療機関への減収補填、宿泊療養施設を確保することです。我が党は、この提言の実現に向け、国会で政府に対応を強く求めていきますが、区としても、感染の爆発的拡大を抑え込むために力を尽くすことが求められます。 まず、大規模・地域集中的なPCR検査の実施についてです。 今月10日の政府の新型コロナウイルス感染症対策本部会議に提出された資料では、新宿区歌舞伎町においては、大規模・地域集中的なPCR検査を実施したことにより、陽性者数が減少したことが統計的分析で明らかになったと、その効果を認めています。それならば、大規模・地域集中的なPCR検査を政府の大方針に据えて推進すべきです。区としても、錦糸町のような繁華街など、感染者がつかみにくい地域での集中検査、また感染者が拡大しつつあるところへの面的検査を実施すべきです。区長の見解をお伺いします。 次に、社会的検査の拡充についてです。 区では、介護施設や障害者施設の利用者や職員約3,000人に、月に一度のPCR検査を行うこととなりました。世田谷区では、特養ホームで無症状の職員60人を検査したところ、10人の感染者が見つかり、保護することで、利用者への感染を防いでいます。このような検査は社会的検査と呼ばれますが、ホームヘルパーや保育園、学校などは対象になっていません。区では今後、6,000円の自己負担で検査できるようにしたいとのことですが、全額公費負担とすべきです。社会的検査をさらに拡充することを求めて、区長の見解をお伺いします。 次に、年末年始の相談体制などの強化についてです。 今年の年末年始には、PCR検査や診察などの相談が多くあると思われます。区としてしっかりとした相談体制をつくり、区民に周知することが求められます。 また、休日応急診療所は例年、インフルエンザや風邪の方で大変混み合いますが、今年は発熱者とそうでない方とを分け、十分なスペースを確保する必要があります。 さらに、第二次医療の救急病院は当直医が担当しますが、今年は体制の強化が望まれます。区内の二次医療病院の発熱外来を継続、充実してもらえるよう、今から要請すべきと考えます。 また、区内事業所などで新型コロナウイルス感染症の陽性者が発生した場合は、区はすぐにクラスター班を派遣し、対応していますが、年末年始にも仕事をしている事業所等で新型コロナウイルス感染症が発生した場合の対応も求められます。これらの課題についてどのように取り組まれるのか、区長の見解をお伺いします。 次に、医療機関の体制強化と支援についてです。 台東区では、集団感染が起きた永寿総合病院に区として8,000万円の支援を行ったと聞いています。また、永寿総合病院を応援する会が結成され、短期間で5,000万円が集まり、約800人の職員に1人5万円が支給されたとのことです。こうした支援は、未知のウイルスと戦い、時に風評被害にさらされながら頑張っている現場の皆さんへの励ましにもなります。 国に対し減収補填を行うよう求めるとともに、区としても医療機関の実態把握に努め、適宜、必要な支援を行うことが必要です。具体的には、職員に対し直接奨励金を支給すること、マスクや消毒用アルコール、医療用ガウンなど、感染防御に係る資材の提供などです。このような医療機関と医療従事者への支援について、区長の見解をお伺いします。 次に、宿泊療養施設の確保についてです。 重症者をはじめ、感染者の急増に備えるとともに、無症状の方などを保護する宿泊療養施設の確保も急務となっています。感染者が大幅に増えた場合の受入先は確保できているのかどうか、区長の説明を求めます。 新型コロナウイルス感染者の入院では、都立・公社病院が約7割の病床を担っており、墨田区でもこの間、墨東病院が重症者の唯一の受入先となっています。ところが都は、早ければ来年の第1回都議会定例会に、都立病院・公社病院の地方独立行政法人化の定款に関わる議案を提出すると言われています。独法化の目的はコスト削減であり、全国各地の独法化された病院では、経営の効率化や採算性が強調され、公的医療の後退や患者負担増が起きています。 都立病院は、感染症や災害など法律で定められている医療、難病や障害者など社会的に求められている医療など、民間では採算の確保が難しい医療を担っています。独法化では、このような不採算部門が縮小されていく危険があります。 この間、我が党の質問に対して区長は、独法化の目的は、地域における良質な医療サービスの確保を図ることなどと都の説明をうのみにした答弁に終始していますが、コロナ危機を教訓にして、独法化の問題点をきちんと検討すべきです。その上で、墨東病院の地元の区長として、独法化に対する態度を明らかにして都に働きかけるべきと考えますが、見解を問うものです。 次に、子どもや障害児の対応についてです。 保護者が新型コロナウイルス感染症に感染し入院した場合、子どもたちの居場所が課題になります。現状では、江東児童相談所で預かることとなっていますが、受入れ可能な人数は何人でしょうか。また、重度の障害児や医療的ケアが必要な場合、預かり先をどうするのか、十分な対応が取れていないと聞きます。 そこで、江東児童相談所での障害児への対応はどのようなサポート体制となっているのか、区も関与して適切な体制を取る必要があります。重度でケアが必要な子どもの場合には、医療機関と契約し、居場所を確保することも求められますが、区長の見解を伺います。 次に、外国人無保険者への対策についてです。 区内では、10月下旬に外国人6人の感染が判明しましたが、仙台市の自動車整備専門学校で100人規模の外国人留学生が感染するなど、全国的に問題化しています。外国人は集団で生活されている人も多く、ネパールやインドなど国のお祭りでは大勢の人が集まり、クラスターが発生するリスクが高いと考えられます。また、せきや熱などの症状があっても健康保険に入っていないため、診察や検査をためらう事例があったとのことです。 無保険の外国人の場合でも、新型コロナウイルス感染者の治療費は公費負担になると思います。外国人の方が安心して検査と治療を受けることができるように、区の支援が求められます。また、多言語での相談案内は、区でもホームページでお知らせしていますが、区内施設等へのポスターの掲示など、さらに周知を強めるべきと考えますが、区長の見解をお伺いします。 次に、暮らしと営業を守る施策についてです。 これから年末にかけて、さらに失業や倒産が増えると考えられており、暮らしと営業を守る施策の拡充が急務となっています。東京都は、年末年始の一時的な住宅確保のための予算を提案しましたが、このような施策を迅速に活用して、区として周知していくことが求められます。また、国の雇用調整助成金や持続化給付金、休業支援金などの期間延長や給付内容の拡充、手続の更なる簡素化などを強く働きかけるべきと考えます。 区としても、区民や中小業者の切実な実情をリアルにつかみながら、区独自の暮らしと営業を守る対策を抜本的に拡充することを求めます。緊急の生活保護の相談なども実施すべきと考えますが、区長の明確な見解を伺います。 ◎区長(山本亨) 議長 ○議長(樋口敏郎) 山本区長   〔区長 山本亨登壇〕 ◎区長(山本亨) ただいまの日本共産党、あさの議員の新型コロナウイルス感染症対策に関するご質問にお答えします。 まず、感染再拡大の現状に対する認識についてです。 都は今月19日、都内の感染状況について最も高い段階に引き上げました。私も、極めて警戒を要する状況にあると認識しており、改めて庁内に対策を指示するとともに、区民と事業者に対し感染防止対策を呼びかけ、区内の医療機関に対し診療体制の確保をお願いしたところです。 次に、大規模・地域集中的なPCR検査の実施についてです。 過去の事例を踏まえ、夜のまちへの対策を強化することが今後の感染拡大防止に有効と認識しています。区では8月、関係団体と錦糸町エリア新型コロナ対策連絡会を設置して、事業者や従業員が必要に応じPCR検査を受けられる体制を構築しています。その上で、このエリアで感染が急増した場合には、店舗ごとの集団検査や地域を特定した集中的な検査を検討しています。 次に、社会的検査の拡充についてです。 区では、保健所が学校欠席者・感染症情報システムを活用し、毎日、学校及び保育園の在籍者の健康状態を確認し、クラスターの予兆を探知し、早期に集団検査を行う体制を構築しており、今後ともその取組を進めていきます。 次に、年末年始の相談体制等の確立についてです。 現在、区民からの相談は、主にかかりつけ医や近隣の医療機関、東京都発熱相談センター、墨田区発熱・コロナ相談センターで受け付けていますが、年末年始も都や区内医療機関と連携して取り組み、分かりやすく周知していきます。検査についても、区内各医療機関と連携し、区民の方が必要な検査を受けられる体制を調整しているところです。 休日応急診療所については、墨田区医師会と協力して発熱患者が他の患者と接触しないように動線を分けて外来を設置しました。二次救急病院での年末年始における発熱者の受入れについても既に依頼しています。また、保健所の感染症担当業務は継続し、この間に事業所で新型コロナウイルス感染症の患者が発生した場合にも、必要な調査等を行って対応していきます。 次に、医療機関の体制整備に向けた支援策についてです。 現在、墨田区医師会に対し、会員が所属する医療機関数に応じた支援金を給付しています。この支援金は、地域医療の基盤体制を維持することを目的としており、幅広い活用が可能であることから、区としては医療機関や医療従事者への間接的な支援につながっているものと考えます。そのほか、マスクや防護服、アルコール消毒液等についても、医師会等を通じて医療機関等に提供してきたところです。医療従事者の方へ直接、奨励金等を支給することは考えていませんが、今後も医師会等と情報共有を密にし、必要な支援をしていきます。 次に、宿泊療養施設の確保についてです。 療養施設の確保は、現在、都で行っており、3,000室が確保されています。今後も区民の療養先に不足が生じないよう、都へ働きかけていきます。 次に、都立病院の地方独立行政法人化への対応についてです。 都立病院の独立行政法人化については、墨東病院院長が「独立行政法人化のメリットを生かし、多様な人材を柔軟に増やすことで、適時適切に医療を提供できる体制を確保できる、新型コロナウイルスが流行する今だからこそ必要」と広報誌で都民に説明しています。平成30年3月末時点で、法人化された都道府県立の42病院においても医師を増員するなど、医療を充実させた事例も多く、反対する考えはありません。 次に、保護者が新型コロナウイルス感染症に感染し入院した際に、子どもの養育をする方がいない場合の対応については、江東児童相談所が一時保護所や医療機関において、一時保護委託を行うことになっています。これは、児童相談所が広域的に受入先を調整するもので、各区の定員枠の設定はありませんが、子どもの状態に応じ、重度の障害児、医療的ケアが必要な場合についても、区と江東児童相談所の連携により、適切に対応します。 次に、外国人無保険者への対策についてです。 ご指摘のとおり、外国人で無保険の方が新型コロナウイルス感染症で入院される場合や、検査についても全額公費負担の対象となります。しかしながら、ご指摘の事例も把握していますので、外国人の方に対する「やさしい日本語」を活用した周知の強化や、東京都外国人新型コロナ生活相談センター(TOCOS)についても周知していきます。 次に、暮らしと営業を守る対策についてです。 感染症の長期化により、区民生活などへの深刻な影響が顕在化することを懸念しています。都の年末年始の一時的な住宅確保のための補正予算については、現段階で詳細を把握していませんが、確認次第、積極的な活用を図っていくとともに、相談に応じて適宜お知らせしていきます。また、国の施策については、区長会などを通して働きかけていき、区独自の産業支援策や生活保護の相談拡充などについても検討していきます。 ◆12番(あさの清美) 議長、12番 ○議長(樋口敏郎) 12番、あさの清美議員   〔12番 あさの清美登壇〕 ◆12番(あさの清美) 質問の第2は、来年度予算編成の基本方針についてです。 まず、経済の動向に対する区長の認識について伺います。 内閣府が発表した7月から9月期の国内総生産GDP、速報値は、物価変動を差し引いた実質で前期比5%増と1年ぶりにプラスになったものの、GDPの実額508兆円は、コロナ禍前の水準を下回るだけでなく、消費税を10%に増税した後の水準よりさらに悪化しています。 今年4月から6月期は、新型コロナウイルス感染症の感染の急拡大などにより、実質GDPは前期比8.2%減、年率換算で28.8%減と戦後最悪の落ち込みとなりました。7月から9月期のGDPが年率換算で21.4%と大幅な伸びになったのはその反動ですが、大幅に下落した分の回復ができていないことは深刻です。暮らしと営業を支え、経済を立て直すための政策に本格的に転換することが急務となっています。 安倍前政権の経済政策、アベノミクスは貧困と格差を拡大し、2014年4月の8%と昨年10月の10%への消費税の増税が消費不況を引き起こしました。消費税の増税で弱った経済に新型コロナウイルス感染症が追い打ちをかけました。消費税を安倍政権が増税する前の5%に緊急に戻し、経営が厳しい中小企業については、2019年度と20年度の納税を免除することが必要です。 大企業は内部留保を増やし、資産1,000億円以上の超富裕層は、コロナ禍の下でも資産を昨年の14兆円から今年は20兆円に6兆円も増やしています。こうした大企業と富裕層に応分の負担を求めて消費税減税を実現することは、税の公平という点からも当然です。 欧州諸国では、コロナ禍の下で消費税に当たる大型間接税を減税しています。日本でも、消費税の減税を含めた思い切った対策に踏み切ることが求められます。このような日本経済の動向と経済政策の転換について区長はどう認識されているのか、見解をお伺いします。 次に、区の予算編成の基本的な考え方についてです。 コロナ危機の下で、社会のゆがみと脆弱さが浮き彫りになっています。この間、自己責任の名で福祉・医療・介護などの制度改悪や負担増が行われ、雇用破壊と非正規雇用の急増などにより、格差と貧困が広がりました。さらに、小さな政府の名で、官から民へと行き過ぎた規制緩和や行政改革、大企業優遇の政策が進められてきました。このような新自由主義的な政策からの転換を図り、国民一人ひとりの暮らしや営業、雇用や住まい、命を何よりも大切にしていくこと、自己責任論から抜け出して、お互いに支え合う社会を築いていくことが求められています。区としても、このような視点から区政運営の基本姿勢を見直すことが必要です。 第1に、命と健康を守るケアに手厚い区政への転換です。 今、医療、介護、障害福祉、保育など、ケア労働の重要性が見直されています。ところが区は、このような施設を直接運営するのではなく、財政の効率化優先で指定管理者制度、民営化を推進してきました。また、国の医療や介護の制度改悪を容認するとともに、国保料や介護保険料を値上げしてきました。このような姿勢を見直し、命と健康を守るケアに手厚い区政へ転換を図るべきです。 第2に、国際観光都市を目指すとして、観光拠点づくりなど再開発事業を優先する財政運営を見直し、中小企業振興基本条例に基づく内発型・地域循環型の産業振興へと再転換を図っていくことです。 第3に、行財政改革と公共施設マネジメントを抜本的に見直すことです。 この間の行財政改革では、保健所の重要な仕事である検査業務の民間委託などが進められてきました。そのために、新型コロナウイルス感染症の感染防止策にも支障が出ているのではないでしょうか。また、公共施設マネジメントにより、中小企業センターや地域集会所などが廃止されるとともに、必要な施設が整備されていません。しかし、政府と専門家会議が提起した新たな生活様式の下では、ゆとりのある、身近に利用できる公共施設の整備が必要になります。区施設の面積を15%削減するという公共施設を抑制する計画は見直すべきです。 以上、3点について区長の見解を問うものです。 次に、歳入を確保して区民の暮らしと営業をしっかりと支える予算とすることについてです。 来年度予算の見積りについて、副区長の依命通達では、極めて厳しい財政状況が今後数年間、継続することも想定されるとして、人件費などの義務的経費を除き、今年度予算比で5%のマイナスシーリングにすることを求めています。 再開発事業など不要不急の事業の見直しや先送りは当然ですが、一律5%の予算削減は、区民サービスの低下を招きかねません。また、区財政が厳しいということは、区民の暮らしや営業も厳しいということであり、暮らしを守る施策の拡充が必要です。そこで、歳入確保に全力を尽くすことが区の最大の責務となるのではないでしょうか。 特別区長会は先日、不合理な税制改正等に対する特別区の主張を公表しました。この主張では、法人住民税の一部国税化に対し、地方の財源を吸い上げるのではなく、国の責任で地方交付税の引上げで調整すること、ふるさと納税制度は抜本的に見直すこと、新型コロナウイルス感染症対策に要する財源措置の拡充などを求めています。これをただ単に主張するだけではなく、住民を巻き込んだ大きな運動にして実現を迫っていくことが必要です。区長会としてどのように実現させていこうとしているのか、区長の説明を求めます。 また、国が特別区の財源を吸い上げる口実にしているのが1兆円にも及ぶ積立基金の存在です。本区の基金は桁違いに少ない額でしたが、ここ数年で急増させています。区長会は、特別区の財政は景気の影響を受けやすく、財政需要も多くあるなどと反論してきましたが、そうであるならば現局面はもっと基金を積極的に活用すべきです。 さらに、都区財政調整の協議の場において調整率の引上げを要求すること、区としても減収補填債が発行できるように強く求めていくこと、ふるさと納税による収入を北斎美術館の特定財源であるかのように扱うのではなく、一般財源として活用すること、国際ファッションセンターへの貸付金の残金14億6,700万円の返還を求めることなど、できる限りの手立てを講じるべきと考えますが、区長の見解を問うものです。 この質問の最後に、菅新政権に対する区長の政治姿勢についてお伺いします。 第1に、日本学術会議の会員の任命拒否問題です。 朝日新聞の11月7日の社説では、国会論戦について「首相はなぜ、会員候補105人のうち、6人の任命を拒んだのか。腑に落ちる説明は最後まで聞けなかった。むしろ、言葉を重ねるごとに、矛盾や新たな疑問が生じた。本当の狙いを隠したまま、後づけで理由を積み上げているためではないか」と指摘。さらに「首相は今回、推薦前の調整が働かなかったとも言い出した。学術会議の独立性に対する介入の意図を認めたも同然の看過できない発言だ」として、「こんな説明を幾ら繰り返されても、説得力はない」「まずは、首相が潔く過ちを認め、6人の任命を認めるところから再出発するしかない」と論じています。 この問題は、日本学術会議法に違反し、憲法23条の学問の自由を脅かすものであること。戦前、科学者が戦争に動員されていった歴史を繰り返してはならないこと。表現・言論の侵害にもつながる全国民に関わる重大問題となっています。区長はどのように認識されているのか、見解を問うものです。 第2に、デジタル化の推進についてです。 菅政権が推進しているデジタル化は、安倍政権以来の経済成長戦略の延長線上にあり、各国企業、国家間の競争に勝ち残ることに主眼が置かれています。政府は、デジタル庁を創設し、デジタル化を一気呵成に進めようとしていますが、これが徹底されれば、自治体行政は国のデジタルネットワークの端末的な存在にされてしまいます。 情報システムの標準化についても、個別の自治体が住民のために築いてきた独自の行政サービスや団体自治を壊してしまうおそれがあります。また、個人の尊厳やプライバシーを侵さない仕組みやルールをはっきりさせた上で進めることが不可欠です。そのためにも、国が地方をリモートするデジタル化ではなく、地方が国をリモートすることができるように、情報主権・デジタル主権を確立することが求められます。区長は、菅政権が推進しているデジタル化についてどう認識されているのか、どのように対応されるのか、明確な答弁を求めます。 ◎区長(山本亨) 議長 ○議長(樋口敏郎) 山本区長   〔区長 山本亨登壇〕 ◎区長(山本亨) ただいまの来年度予算編成の基本方針に関するご質問にお答えします。 まず、日本経済の動向と経済政策の転換についての私の認識についてです。 10月の内閣府の月例経済報告によると、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがある」としており、また、先行きについては、「感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていく中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待される」としています。 しかしながら、感染症の長期化により、区民生活や地域経済に多大な影響が生じており、区民の暮らしも引き続き、厳しいものと認識しています。こうしたことから、区民の生活や経済活動、社会基盤を支えるための施策につなげることが必要であると考えています。 なお、消費税の引上げ分は、少子化対策や社会保障に対する安定的な財源の確保と財政健全化に資するものであるため、減税について国に働きかける考えはありません。 次に、区の予算編成の基本的な考え方についてです。 まず、命と健康を守るケアに手厚い区政への転換についてです。 本区はこれまで、指定管理者制度の導入など、民間活力の活用を図りながら、区民サービスの向上に努めるとともに、感染症の影響による国民健康保険料や介護保険料の徴収猶予なども実施してきました。また、医療、介護、障害福祉、保育など各事業者についても、国や都とともに様々な支援策により処遇改善に努めていますので、引き続き誰もが安心して暮らし続けられるまちを目指して区政運営を行っていきます。 次に、内発型・地域循環型の産業振興への再転換についてです。 区が掲げる国際文化観光都市とは、インバウンド需要だけに依拠したものではなく、ビジネス需要の取り込みや地域の日常の観光資源化による多文化共生等を柱としたものです。その上で、観光にとどまらない区内産業全体の振興のため、働き方の変化により生まれる新たな需要への対応や、社会の課題解決に取り組む事業者との連携を促進することなどにより、産業を通したまちづくりを進めていきます。 次に、行財政改革と公共施設マネジメントの見直しについてです。 これまでも効率的・効果的な行財政運営を図るため、民間委託などの導入を進めており、今後さらに厳しい財政状況が予想されることから、より一層の行財政改革の推進に取り組んでいきます。 また、区では約300の公共施設を有しており、今後の維持管理や大規模修繕等には多額の費用が掛かるため、限られた財源を有効に活用し、真に必要な公共サービスを提供し続けるために、長期的・経営的な視点を持って、引き続き公共施設マネジメントに取り組んでいきます。 次に、歳入の確保についてです。 感染症の影響による大幅な減収が予測される中、国による不合理な税制改正に対して、区長会としては、地方財源の不足や地域間の税収格差の是正は、国の責任において措置されるべきものと主張し、区民等へ周知を図っています。引き続き、特別区や都と連携を図りながら、地方税財源の充実、強化の必要性を国に対して強く申し入れていきます。 次に、財政調整基金等の活用についてですが、区財政は今後数年間、厳しい財政状況となることを想定しています。区の歳入に不足が生じた場合の対応や感染症への緊急対応、地域経済、区民生活の支援に対し、国・都の補助金とともに、財政調整基金も活用し、区の役割を果たしていきます。 また、特別区交付金における配分割合の引上げについては、大規模な税財政制度の改正や都区間の事務配分、役割分担に大幅な変更があった場合、その他必要があると認めた場合に変更を行うこととなっているため、こうした考え方を踏まえた上での都区協議になるものと認識しています。 減収補填債の発行については、区長会として「特別区の減収補填債の発行に関する要望」を提出していますので、今後も国に対して要望していきます。 ふるさと納税については、地方創生という趣旨から設けられたものであり、本区としてもその考え方に沿ってすみだ北斎美術館への寄付を頂き、運営等に役立てていきます。 国際ファッションセンターへの貸付金の残金返還については、現行の償還計画に基づき対応していきます。 次に、日本学術会議の会員の任命拒否問題についてです。 日本学術会議会員については内閣総理大臣が任命することから、その議論は国においてなされるべきものであり、一自治体の長である私の意見を述べることは控えます。 次に、デジタル化の推進に対する私の認識と今後の対応についてです。 本年7月に発表された経済財政運営と改革の基本方針において、デジタル化への集中投資とその環境整備を打ち出しています。自治体の基幹系情報システムについては、国が標準仕様を作成し、自治体がこれに準拠したシステムを導入することを義務づける予定であると仄聞しており、適切に対応を行う必要があるものと認識しています。区役所全体の手続を見直し、情報セキュリティ対策を講じながら、各種の手続がオンラインでいつでも、どこでも、便利に行えるよう、区民目線でのデジタル化を進めていきます。 ◆12番(あさの清美) 議長、12番 ○議長(樋口敏郎) 12番、あさの清美議員   〔12番 あさの清美登壇〕 ◆12番(あさの清美) 質問の第3は、具体的な区の施策についてです。 区の第7期介護保険事業計画では、介護老人福祉施設の整備は、10か所で定員922人とありますが、現状は10か所で880人分の整備で、42人分不足しています。都市型軽費老人ホームについては、8か所、定員160人となっていますが、7か所、140人分にとどまっています。第8期の介護保険事業計画では、待機者の多いこれらの施設について積極的な目標を掲げて促進すべきです。 また、これらの事業を拡充すると国が決めた介護保険の枠組みでは、介護保険料の値上げとなってしまいます。逆に保険料を引き下げようとすれば、介護サービスを抑制することになります。介護給付を充実させながら介護保険料を引き下げるには、この枠組みを改めることが必要です。国に対して制度の改善や、約2割にまで落ち込んだ国庫負担の割合を引き上げるよう強く働きかけるべきです。 また、一般会計からの繰入れについて国は自治体の判断で可能だとしており、ペナルティも科していません。次期の事業計画では、一般会計からの繰入れも行い、介護保険料を引き下げるよう強く求めて、区長の見解をお伺いします。 次に、認知症対策について伺います。 世田谷区では、10月に「認知症とともに生きる希望条例」が制定され、前文の中で「認知症になってからも、暮らしていくうえで全ての記憶を失うわけではなく、本人の意思や感情は豊かに備わっていることが明らかになってきており、尊厳と希望を持って『自分らしく生きる』ことが可能」とうたっていますが、このような考え方についての区長の認識についてお伺いします。 世田谷区の条例では、「常に本人の視点に立ち、意見を聴かなければならない」とされています。例えば、認知症患者の方が夕方になるとそわそわするなどの行動をしたとき、本人が認知症になる前は、毎日夕方になると散歩をしていたなどの情報を介護する方が知っておくことにより、本人の意思に沿った介護をすることができます。このような取組が認知症になっても本人らしく暮らすことができる手助けになるのではないでしょうか。 認知症になる前の趣味、趣向などを記録するとともに、認知症になったらどのように介護してほしいのか、あらかじめ本人の希望を聞いておくなどの方策を考える必要があると思いますが、区の見解を伺います。 2017年の国際アルツハイマー病会議は、認知症の約35%は予防可能な九つの要因により起こると考えられ、その中で難聴が最大のリスク要因であるとしています。65歳以上の2人に1人が難聴となり、生活の質の低下につながると指摘されています。認知症予防の観点からも、補聴器の利用促進に向け総合的な対策を講じるとともに、補聴器購入費の助成を拡充すべきと考えますが、区長の見解をお伺いします。 次に、観光施策の位置付け等についてです。 コロナ危機の下で改めて考えさせられたことの一つが観光です。不要不急の外出の自粛が求められたとき、観光は不要不急なものとされました。しかし、観光を含む余暇活動は不急とされる場合があるとしても、本来的には不要なものとは言えないと思います。観光を含む余暇活動は、私たちが人間的な生活を送るために不可欠なものではないでしょうか。 和歌山大学観光学部、堀田祐三子教授は、観光についてこう述べています。「観光は余暇活動の一形態であり、自らの意思に基づいて行う行動です。しかし、現実には経済活動の中の消費拡大の原動力とされます」との指摘です。 区の観光施策も観光客の誘致による区内産業の活性化が中心とされているように見受けられますが、本来の観光と観光施策の在り方についてきちんとした理念を掲げることが大切だと考えます。区長の見解をお伺いします。 また、観光客を受け入れる地域の側においても、地域の魅力を他者と共有する喜びや、もっと地域をよくしたいという思い、そしてその主体的な活動がいつの間にか稼ぐことを主な目的とする活動へゆがめられていないでしょうか。 ポストコロナの観光政策を考える場合に、何よりも観光という行為の捉え直しが大切であり、それをどれだけ多くの人と共有できるかが鍵になると考えます。そして、観光施策によって区民の暮らしそのものが豊かになっていくことが求められます。さらに、観光体験の重要な要素でもある文化・芸術活動を豊かに発展させていくことも重要です。区長は、今後の観光施策の位置付けについてどのように考えているのか、明快な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手) ◎区長(山本亨) 議長 ○議長(樋口敏郎) 山本区長   〔区長 山本亨登壇〕 ◎区長(山本亨) ただいまの具体的な区の施策に関するご質問にお答えします。 まず、第8期介護保険事業計画についてです。 特養ホームについては、現在、第8期計画に向け1か所の整備をしています。また、待機者数の見込み等を勘案し、来年度見直しを予定している区基本計画の中で、今後の整備を検討していきます。また、都市型軽費老人ホームについては、一定数の待機者もいることから、必要数を検討していきます。 介護給付費に係る国庫負担については、区長会として保険料負担の軽減に向け、国の法定負担分である25%を確実に交付し、各保険者間の所得格差に対する財政措置は、調整交付金とは別枠で対応する旨、国へ要望しています。また、介護給付費に係る区の負担については、法令の定めにより行っていますので、一般会計からの法定外繰入れを行う考えはありません。 次に、認知症対策についてです。 初めに、認知症に対する私の認識についてですが、認知症になっても住み慣れた地域で尊厳が守られ、希望を持って住み続けられる地域をつくることは、とても重要であると認識しています。こうした考え方については、現在策定を進めている次期墨田区高齢者福祉総合計画の中に取り入れていきます。 次に、あらかじめ認知症になる前に本人の希望を聞く方策についてです。 高齢者支援総合センターなどでは、相談や支援をする際に、本人の希望や生活歴などを聞き、意向に沿った支援を行っています。さらに、本人が望む医療や介護をはじめ、家族への希望について前もって関係者と話し合い、共有する人生会議の啓発を行うなど、引き続き本人の希望を聞く方策を行っていきます。 次に、補聴器の利用促進についてです。 難聴は、認知症の要因の一つとして考えられていることから、高齢者に難聴と認知症の関係について周知するとともに、補聴器購入費助成の拡充については、これまでの実績や他自治体の実施状況等を踏まえながら検討していきます。 次に、観光施策の位置付けと在り方についてです。 観光とは、訪れた先で、その地域ならではの文化、技術、風土に触れ、新たな発見を楽しむものであり、観光施策は、来街者と住民の交流を促進し、裾野の広い産業への波及効果をもたらし、地域を活性化させるものと考えています。 こうした観点から、今後の観光施策の位置付けについては、先ほど答弁したとおり、多文化共生等を柱とする国際文化観光都市を実現し、観光振興から区内産業全体の振興へとつなげていくための取組として推進していきます。 以上で、日本共産党、あさの議員のご質問に対する答弁を終わります。----------------------------------- ◆4番(坂井ひであき) 議長、4番 ○議長(樋口敏郎) 4番、坂井ひであき議員 ◆4番(坂井ひであき) この際、議事進行の動議を提出いたします。 本日の会議は、これをもって散会されることを望みます。 お諮り願います。 ◆1番(藤崎こうき) 議長、1番 ○議長(樋口敏郎) 1番、藤崎こうき議員 ◆1番(藤崎こうき) ただいまの坂井議員の動議に賛成をいたします。 ○議長(樋口敏郎) ただいま4番・坂井ひであき議員から、本日の会議はこれをもって散会されたいとの動議が提出され、所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。 よって、本動議を直ちに議題といたします。 お諮りいたします。 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(樋口敏郎) ご異議ないものと認めます。 よって、本日はこれをもって散会することに決定いたしました。----------------------------------- ○議長(樋口敏郎) 本会議は、明27日午後1時から開会いたします。 本日は、これをもって散会いたします。     午後4時17分散会                           議長  樋口敏郎                           議員  山下ひろみ                           議員  じんの博義...