○議長(田中邦友) ただいま、5番・
坂井ユカコ議員から、本案に関しましては、
委員会付託を省略して、原案どおり決定いたしたいとの動議が提出され、所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。 よって、本動議を直ちに議題といたします。 お諮りいたします。 ただいまの動議のとおり、決定することにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(田中邦友) ご異議ないものと認めます。 よって、本案は、ただいまの動議のとおり決定いたしました。
-----------------------------------
○議長(田中邦友) ただいま議決されました
会議規則公布のため、暫時休憩いたします。 午後1時9分
休憩----------------------------------- 午後1時30分再開
○議長(田中邦友) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。 これより、一般質問に入ります。 通告がありますので、順次発言願います。 14番、しも
むら緑議員
◆14番(しもむら緑) 議長、14番
○議長(田中邦友) 14番、しも
むら緑議員 〔14番 しも
むら緑登壇〕(拍手)
◆14番(しもむら緑) 墨田区
議会自由民主党のしもむら緑でございます。質問に入る前に、この度、九州北部の大雨被害及び台風15号によりお亡くなりになられた皆様に、ご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に、心からお見舞い申し上げます。 さて、本年5月1日に墨田区
議会基本条例が施行され、墨田区議会は、区民により開かれた議会の活性化へ向けての新たな一歩を踏み出しました。
議会改革特別委員会の中で、より具体的な
ルールづくりの協議が進められ、この9月議会から運用が正式にスタートするに至りました。本会議質問におきましても、これまでの一括質問に加えて分割質問が選択できるようになりました。 今回、私は、自民党を代表して、分割質問で、通告してあるとおり、山本区長及び
加藤教育長に順次質問いたします。明確で前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。 まず初めに、来年度の予算編成に向けて関連する質問を大きく3点に分けて伺います。 1点目は、先月、東京都総務局から令和元
年度都区財政調整の区別当初算定結果が公表された件について伺います。
法人住民税増などで23区の
普通交付金額は初めて1兆円の大台を突破し、前年度比6.2%増の1兆22億6,640万円という過去最高額を更新することになりました。墨田区においても、25億5,014万円の増となっています。長期的な視点で見ると、投資局面であると考えられますが、今回の結果について本区はどのように捉え、今後の課題を認識していらっしゃるのか。併せて、来年度以降の予算編成の対応についても伺います。 2点目は、今後行われる
都区財政調整協議会について伺います。 令和2年度に先行して
児童相談所の開設が予定されている世田谷区、荒川区及び江戸川区の経費の取扱いが大きな焦点の一つとなっています。実施する区側などから、これまで都区間の
財政調整財源配分の変更や準備経費を
特別交付金で十全に算定することなどが提案されていますが、合意には至っていません。これまでの協議の中では「財政措置の見通しが立たないようでは、
児童相談所の開設準備及び運営に支障を来しかねない」といった指摘もなされています。 先月末、鹿児島県でまた
児童相談所とうまく連携が図れず、4歳の幼い命が失われました。命を守る重要な機関となり、運営のあり方を根本的に見直さなければならない転換期に差し掛かっています。墨田区はどのように考え、
児童相談所設置に向けて動いていかれるおつもりか伺います。 この質問の最後の3点目は、
予算編成過程の公表強化について伺います。 目黒区が、平成25年度の予算編成から、重点事業や新規事業などを中心に、一覧表や各事業の個票を
区ホームページなどで公表していましたが、次いで、このほど港区が
予算編成過程の公表強化の方針を打ち出しました。新規と拡充事業についての要求額と
予算案計上額の「状況一覧」、各事業の「個票」の二つが新たに加わる見込みです。個票には、経費や財源の内訳ほか、事業効果や目標、現状の課題、
区民ニーズを記載することで、より区民に区政参画を促すことが狙いとされています。 公表に当たり、事務負担も考慮しなければなりませんが、区民目線で分かりやすい
予算編成過程の公開に努めることは、より開かれた区政、そして
区民満足度を高めるために大変重要です。墨田区としても、他区に倣い、今後さらに工夫して区民への見える化等の充実を図っていくべきと考えますが、区長の所見を伺います。
◎区長(山本亨) 議長
○議長(田中邦友) 山本区長 〔区長
山本亨登壇〕
◎区長(山本亨) ただいまの自由民主党しもむら議員の来年度の予算編成に関するご質問に順次お答えします。 まず、今年度の
都区財政調整の算定結果についてですが、本区の当初算定額は約404億8,800万円で、昨年度と比較して約25億5,000万円の増となりました。今年度は、良好な企業業績を背景に交付金の増となりましたが、今後は、通商問題や海外経済の不確実性などによって景気の変動も想定されることや、
法人住民税の一部国税化の影響などから、来年度以降の歳入環境は不透明な状況です。 このような状況を踏まえ、今後の予算編成においては、増大する行政需要に適切に対応するとともに、より一層の
行財政改革を推進し、効率的・効果的な区政運営を行っていくことで、強固な財政基盤を中長期的に構築していきます。 次に、
児童相談所の開設に係る経費の取扱い等についての
都区財政調整協議の状況です。 令和2年度に先行3区が
児童相談所を開設することから、特別区としては、
児童相談所関連経費を
都区財政調整の
基準財政需要額に算定するよう主張していますが、都は、
財政調整算定の根拠となる「特別区がひとしくその行うべき事務」であるかについて、慎重に検討する姿勢を崩していません。 本区においても、
児童虐待防止は重要な課題であり、
児童相談体制の強化に向けた積極的な取組を進めています。今年度から都と協定を締結して、
子育て支援総合センター館長が定期的に
江東児童相談所の会議に参加するほか、近隣自治体へも職員を派遣して、連携強化と人材育成を図っているところです。
児童相談所の設置については、区長会として、財源の確保に向け、国や都に対し、現在も強く要望をしており、本区においては、引き続き課題整理を進め、
児童相談行政の強化を図りながら、設置に向けた準備を進めていきます。 次に、
予算編成過程の公表内容の充実についてです。 本区では、平成28年度予算から
予算要求ベースで5,000万円以上の主な事業の要求額と査定額を公表し、さらに平成30年度予算からは査定内容も加えるなど、内容の充実を図ってきました。また、今年度は、区財政の収支見通しも記載した財政白書を作成します。さらに、
事務事業評価シートも、予算額や執行率、根拠法令、経過、財源などの詳細情報も加えて公表する予定です。今後も工夫を重ね、
予算編成過程を区民の皆さんに分かりやすくお知らせができるよう、取り組んでいきます。
◆14番(しもむら緑) 議長
○議長(田中邦友) しも
むら緑議員 〔14番 しも
むら緑登壇〕
◆14番(しもむら緑) 次に、前期墨田区基本計画の主要な
公共施設等の整備について3点伺います。 1点目は、本年12月に開設が予定されている墨田区
総合運動場について伺います。 先般、墨田区議会有志で完成間近の
総合運動場を視察させていただきました。大変立派な設備で、期待が膨らみました。是非、一人でも多くの皆様に利用していただきたいと思いますが、現在、小・中学校や体育団体、町会等の
区内関係者の利用についての意向はどの程度把握しているのか伺います。 さらに、
稼働率向上に向けて区外の高校・大学等の意向調査や収支向上に向けた商業利用についての調査の現状を伺います。 また、気になった点を指摘させていただくと、観覧場の約400席に屋根が付いておらず、夏場の炎天下の中ではとても座れる状態ではありませんでした。これでは、利用者からの苦情や稼働率に支障を来しかねないといったことが懸念されます。対策を講じていただくよう、強く要望いたします。 2点目は、
新保健センター整備事業について伺います。 地域の連携を深め、
保健医療体制を確立すると前期墨田区基本計画では示されていますが、医師会や
歯科医師会等の連携や意見は反映されているのでしょうか。変更ができない状態になってから意見を伺うというのでは遅過ぎます。区民の健康増進や感染症などの健康危機に対応しなければならない重要な施設です。しっかりとヒアリングを徹底していただき、実行いただくよう強く求めます。 また、
教育センターや
ステップ学級など施設内の複合化に関する構想が明確になっておりません。何でも一緒にすればよいというものでは当然なく、専門家の意見も聴取しながら、しっかりとしたビジョンを議会に示していただくよう、こちらも強く望みます。区長の所見を伺います。 3点目は、
重度障害者グループホーム支援事業について伺います。 本区は、平成30年に
重度肢体不自由児者通所施設「すみだ
晴山苑クルン、キララ」を、平成31年に
障害者通所施設、
就労継続支援B型の「喜楽里すみだ工房」を開設するなど、積極的に
障害福祉施策の推進を図ってきたことは、高く評価をしています。
重度障害者グループホーム支援事業についても、確実に前進させることを期待し、区長の見解をお聞きいたします。 来年度、前期墨田区基本計画の最終年を迎えます。
重度障害者グループホームの
前期計画期間内での実現は可能なのか、今後どのように進めていかれるおつもりか伺います。
◎区長(山本亨) 議長
○議長(田中邦友) 山本区長 〔区長
山本亨登壇〕
◎区長(山本亨) ただいまの前期墨田区基本計画の主要な
公共施設等の整備に関するご質問に順次お答えいたします。 まず、
総合運動場についてです。
区内関係団体の利用意向として、学校からは、運動会や部活動、駅伝大会の練習等での利用、体育協会からは、
区民体育大会・
区民体育祭をはじめ、合宿も含めた
少年サッカー大会等での利用、町会や消防署からは、
防災訓練等で利用したいとの申出を受けています。また、ラグビーの練習場や
陸上競技教室の
イベント会場としての利用の相談もあります。
稼働率向上に向けた取組としては、区内企業を訪問し、商業的な利用も含めて
総合運動場の活用について働きかけを行ったところです。区外の高校や大学等への働きかけについては、今後、
指定管理者と連携をしながら進めていくとともに、引き続き広く周知・PRを図っていきます。 なお、夏場の熱中症対策は重要な課題であると認識していますので、芝生席等にテントを設置することや、スタンドにはミスト冷風機等の備品による対応を検討していきます。 次に、
新保健センター整備事業についてです。 まず、医師会や
歯科医師会等との連携です。 平成29年度に策定した、墨田区新保健センター等複合施設整備基本計画では、新施設に休日応急診療所、ひかり歯科相談室、薬剤管理センターを設置することとしています。これまで、三師会と連携して検討を行ってきており、要求水準書にご意見等を反映させていただきました。 今後、施設の運用についても、さらに検討すべき課題があることから、三師会と十分に意見交換を行いながら、区民の健康づくりの拠点としての体制を確立していきます。 次に、施設内の複合化に関する構想についてです。 新保健施設のコンセプトとしては、「生涯健康都市を実現するために、人と人、情報、安全をつなぐ・つながる」としているほか、機能連携イメージとして、「保健所を核として、子育て支援・福祉・教育が連携した、各機能の有機的な連携」を図ることとしています。また、整備基本計画の策定過程において、区民・有識者懇談会や関係者へのインタビューを実施するなど、意見の集約に努めてきました。 この計画のもと、設計・施工一括発注を行うための要求水準書をまとめ、今年度、事業者選定に向けたプロポーザルを行い、優先交渉権者の選定を終えたところです。引き続き、区議会や専門家、三師会をはじめ、関係者の意見等を聴きながら、基本設計を進めていきます。 次に、
重度障害者グループホーム支援事業についてです。 区では、基本計画で2カ所の
重度障害者グループホームの整備を計画しています。重度知的障害者グループホームについては、運営事業者の選定を経て、令和3年3月の開設に向けて着々と準備を進めています。重度身体障害者グループホームについては、医療的ケアを念頭に、必要なスペースの確保など、条件を整理した上で候補地を検討しているところです。 また、利用者が安心して暮らせるよう、肢体不自由児者父母の会の皆さんと情報交換を行いながら検討を進めています。 これらを踏まえ、グループホームの開設については、基本計画に基づき、早期の開設に向け関係者一人ひとりの声を丁寧に聴き取り、継続して整備を支援していきます。
◆14番(しもむら緑) 議長、再質問
○議長(田中邦友) しも
むら緑議員 〔14番 しも
むら緑登壇〕
◆14番(しもむら緑)
総合運動場の部分について再質問をいたします。 観覧場の約400席に屋根が付いておらず、対策を講じるべきであるとお伝えいたしました。ミストでは、そもそも席には座れません。屋根の設置は、技術的に検討できるか、できないかということで質問をさせていただいております。その点について再質問いたします。よろしくお願いいたします。
◎区長(山本亨) 議長
○議長(田中邦友) 山本区長 〔区長
山本亨登壇〕
◎区長(山本亨) ただいまのしもむら議員の再質問にお答えいたします。 屋根の設置につきましては、現在、
総合運動場が整備がされてきている中で、構造上、今から屋根を付けるということはなかなか難しいと考えており、まずは、先ほど申し上げたような、備品等についての暑さ対策を講じた上で、今後、また対応していきたいと考えているところです。
◆14番(しもむら緑) 議長
○議長(田中邦友) しも
むら緑議員 〔14番 しも
むら緑登壇〕
◆14番(しもむら緑) 次に、危機管理体制構築について伺います。 1点目は、平成29年の第2回定例会一般質問でも行った墨田区国民保護計画に関連して、改めて問います。 本日、北朝鮮が飛翔体2発を発射したとの報道が入ってきましたが、今年10回目となります。防衛省の調べにより、過去3年の推移を見ると、今年を除く平成28年以降の弾道ミサイル等の発射回数は34回、そのうち3回が日本の上空を通過しているという異常事態が発生しています。恒久平和を希求する我が国において、このような行為は断じて許されるものではありません。昨今の情勢を踏まえ、今一度具体的な対応について検討する必要があるのではないでしょうか。現在、J-ALERT全国一斉情報伝達訓練が定期的に行われておりますが、区民の皆さんへ適切な方法で周知がなされ、実施されているようには見受けられません。改善策を含め、どのように対策を講じるつもりか伺います。 弾道ミサイル落下時前の行動については、地下施設への避難の指示がなされていますが、公共施設ほか、避難可能な民間施設を洗い出し、非常事態が起きた際には昼夜問わず協力していただけるよう、協定を結んでおく必要がある旨の指摘をしましたが、現状を伺います。 併せて、平成20年以来一度も見直しが行われていない避難実施要領についても、どのようにその後精査されたか伺います。 2点目は、震災対策について伺います。 東京都では、今後30年以内にマグニチュード7クラスの首都直下地震が70%の確率で発生することが予想されています。人的・物的・経済面などを含め、あらゆる甚大な被害が想定されており、万全の備えが急がれるところであります。現状として、東京都の地震に関する地域危険度測定調査を受け、区内の一部事業者はBCPの観点から、区外に移転するという事例も報告されています。ものづくりのまちとして栄えてきた本区では、さまざまな課題がありますが、震災後に再び区内で事業を開始できるかも大きなポイントです。災害後も事業が継続できるよう、物理的な事業環境や事業者の視点からの復興計画等のビジョンを明確にし、区民への安心提供と、それらを分かりやすく開示していただくことを望みます。区長の所見を伺います。 また、平成16年から改訂が行われていない「墨田区災害復興マニュアル」においても、10年以上が経過していることから、改訂を望みます。 3点目は、水害対策について伺います。 河川に挟まれた本区においては、都市型水害と広域型の大規模水害の両面から対策を考えていかなくてはなりません。どちらも、毎年国内において甚大な被害がもたらされています。 先般、足立区が、気象庁ОBや大学教授らでつくるNPO法人環境防災総合政策研究機構から、全国で初めて気象防災情報を直接提供してもらう仕組みをスタートさせました。更には、水害リスクを分かりやすく公開する動画の配信や、国土交通省が作成したCG映像を活用しての水害時の身の守り方、洪水ハザードマップについての理解、備えについて区民に促す仕組みを構築しました。このことについて、同様の課題を持つ本区はどのように捉えているのか伺います。 水害対策は、災害別の避難行動の周知を行っていくことが大変重要になります。区民一人ひとりが危機意識を持ち、防災力を高めていくことが必須です。 都市型水害については、主に垂直避難が求められます。品川区では、東京都と連携して浸水対策事業が行われています。北区では、雨水を地中に浸透させるため、個人が所有する住宅を対象に雨水浸透施設設置工事費用の一部助成や止水板助成の制度を行っています。止水板助成は、工場の浸水防止にも一役買っています。墨田区としては、そういった対策は行われていませんが、このような取組も必要ではないでしょうか。区長に伺います。 また、水害時における一時避難施設の利用に関する協定締結件数の増加に努め、マンション管理組合等に投げ掛けが進められています。この進捗状況を伺います。 加えて、災害対策の観点から、北部地域において、地域的なまちづくりの動向も見つつ、防災対策の観点から容積率の緩和も検討できるのではないかと考えますが、区長の今後のソフト面、ハード面からの都市型水害対策の所見を伺います。 広域型の大規模水害については、必ず広域避難を行わなければなりません。自治体としても、避難の確保に向け、他自治体との協定を締結していく必要があります。現在の進捗状況を伺います。 大規模水害時には庁舎の機能が喪失するおそれがあるため、江東5区以外での代替機能施設も求められると考えます。年度内の改訂が進められている行政のBCP水害編に向けても進捗状況を伺います。 この質問の最後の4点目は、避難行動要支援者名簿の運用について伺います。 東日本大震災では、多くの高齢者、障害者の方々が犠牲となりました。その教訓を踏まえ、平成25年に災害対策基本法が改正され、市町村による避難行動支援者名簿の作成、名簿情報の避難支援等関係者への提供等の規定が設けられ、平成26年4月に施行されました。しかしながら、依然として運用方法には課題が残り、災害時に支援を必要とする方々が多数犠牲となるケースが後を絶ちません。昨年、西日本豪雨で被害のあった広島県安芸高田市は、名簿を作成はしていたものの、民生委員や自主防災組織に渡せておらず、豪雨後、掲載に同意した人の名簿の提供を始めました。個人情報の管理については、しっかりと取り決めをしなくてはなりませんが、公助には限界があり、自助、共助の力が必要不可欠です。 これらの教訓を生かし、現在進められている要配慮者避難支援プラン見直しの中で、住民防災組織の強化と避難行動要支援者名簿が生きるような取扱いの検討を進めていただきたいと思います。区長の所見を伺います。
◎区長(山本亨) 議長
○議長(田中邦友) 山本区長 〔区長
山本亨登壇〕
◎区長(山本亨) ただいまの危機管理体制の構築に関するご質問に順次お答えします。 最初は、墨田区国民保護計画に関してです。 まず、J-ALERT全国一斉情報伝達訓練が適切な周知の上実施されているかについてですが、区報をはじめ、安全安心メール、ホームページ、区公式ツイッターなどの媒体の活用、各町会・自治会長、区立の小・中学校、幼稚園、保育園への通知等により周知しています。今後は、ホームページ等の記載内容を改善するほか、メールやSNSの発信の時期等を工夫することにより、さらに区民の方へ情報を分かりやすくお伝えできるように努めていきます。 次に、非常事態が起きた際に備えての民間施設との協定についてです。 平成29年第2回定例会でのご指摘に対し、「大規模集客施設との自然災害時における協定締結の際に併せて協力依頼を検討する」と答弁しましたが、その後、大規模集客施設自体が新たに建設されていないため、協定についても締結していない状況です。しかし、ご案内のように、非常時の避難先としての民間施設との協定は重要なため、引き続き取組を進めていきます。 次に、避難実施要領については、オリンピック・パラリンピック対策を念頭に置き、令和2年3月までに改定を行う予定です。 次に、震災対策についてです。 まず、区内事業者の視点からの復興計画等のビジョンの明確化等についてです。災害後の事業継続への支援としては、東京都中小企業振興公社や東京商工会議所により、さまざまなBCP策定支援策が進められており、すみだビジネスサポートセンターでも、積極的に案内をしています。大規模災害後における事業者の事業継続は大変重要であると認識しています。現在、地域防災計画で復興の基本理念等を定めていますが、迅速に事業者の事業継続を含めた復興計画を策定できるよう、区民、事業者等と連携を密にし、事業環境の確保に向けた支援のあり方を検討していきます。 なお、墨田区災害復興マニュアルの改訂については、現在、都において、「東京都震災復興マニュアル」の改訂作業が進められており、その内容等を踏まえ、本区のマニュアル改訂に向けて検討します。 次に、水害対策についてです。 まず、足立区の取組に関する捉え方です。気象防災情報については、気象庁や民間気象事業者から、区に特化した情報を直接収集する仕組みを活用しており、今後も水害対策に資する、確度の高い情報収集に努めます。また、意識啓発や周知については、地域防災活動拠点会議や防災講話、各種イベント等の場で進めていくとともに、他自治体の事例も参考としながら、SNSなどのさまざまなツールを活用した情報発信を強化していきます。 なお、今月29日に実施する総合防災訓練において、VRやARを活用した水害啓発ブースを設置する予定です。 次に、都市型水害対策についてです。 まず、ご提案の止水板助成は、「大規模な水害時における一時避難施設の利用に関する協定」を締結した集合住宅に対する資器材交付のメニューで対応していますので、この制度の周知に努めていきます。 なお、これまでの協定締結件数は13件ですが、今後も庁内関係部署が連携して、マンション管理組合等への更なる周知に努めていきます。 次に、垂直避難への効果を期待した容積率の緩和についてです。 容積率は、都市計画で用途地域ごとに区域のさまざまな特性を考慮して定められたものであり、水害対策の視点のみでの緩和は難しいですが、地域のまちづくりの動向により、地区計画のような都市開発諸制度の活用を図ることができれば、緩和も可能であると考えます。都市型水害対策の重要性は十分認識していますので、今後もソフト・ハード両面での施策を推進していきます。 次に、大規模水害に係る広域避難についてです。 まず、荒川氾濫等による大規模水害時については、首都圏における大規模水害広域避難検討会において、避難場所確保に向けたシミュレーション等を進めています。また、既に本区は、複数の自治体と被災者収容施設の提供等に係る防災相互援助協定を締結していますが、友好都市等との更なる連携も視野に入れながら、広域避難の実効性向上に向けた検討を進めます。 次に、BCP改訂作業の進捗状況ですが、風水害への対応も含めて、今年度内の改訂に向けて、課題抽出等の作業を進めており、この中で、本庁舎が使用できなくなった場合の代替機能も検討します。 次に、避難行動要支援者名簿の運用についてです。 現在、要配慮者支援の実効性向上や、住民防災組織等による共助の更なる支援を図るため、「要配慮者避難支援プラン」の見直しに着手しています。このプランの見直しに併せて、個人情報保護の観点に留意しながら、名簿の効果的な運用についても検討し、実効性の高い制度の構築を図ります。
◆14番(しもむら緑) 議長
○議長(田中邦友) しも
むら緑議員 〔14番 しも
むら緑登壇〕
◆14番(しもむら緑) 次に、大規模なデモへの対策について伺います。 直近では減少傾向にあるようですが、近年、特定の国籍や人種、民族などへの憎しみをあおる差別的な表現を行うデモ、いわゆるヘイトスピーチのデモや、それに反対するデモが東京都内で頻発しています。公益財団法人人権教育啓発推進センターによる、ヘイトスピーチに関する実態調査報告書によれば、都区内では参加者が100人を超えるデモが過半であり、一定の規模で行われているようです。 また、SNS上に多数投稿されている動画を見ると、これらのデモは、往々にして大きな音量で行われたり、一般的には受け入れがたい過激な表現を使用したりしています。このようなデモが頻発することは、近隣の住民や商店にとっては生活環境に著しく悪影響を及ぼしていると言わざるを得ず、頻繁にデモが行われている自治体には、交通規制や音量などに対して数多くの苦情が寄せられてきました。 この状況を受けて、昨年、新宿区では、区立公園の使用に関する基準を見直し、デモの出発地とできる公園を4カ所から1カ所に減らす措置を講じました。また、渋谷区では、デモの解散地として使用できる公園を1カ所に限定し、参加者を300人以内としています。その他、江東区など、公園の管理上支障のある場合は許可できない旨をホームページに記載している自治体も多数あります。デモでの使用を一切排除したり、事前に内容を審査したりして可否を判断するなど表現の自由を侵害するわけではなく、区民の静ひつな生活環境の確保や、他の公園利用者への配慮といった観点から対応を進めている区が増加しています。 そのような中、近日中に錦糸公園を出発地としてヘイトスピーチのデモや、それに反対するデモが行われる予定があると仄聞しております。本区においては、過去に例がなく、デモでの使用についての対応がされていないために選定されたものと推測されます。今後、区立公園などを出発地や解散地とした大規模なデモ等が恒常的に行われ、騒音といった苦情が近隣住民から多く寄せられるような場合は、墨田区としても対策が必要となってくるであろうと考えます。区長の所見を伺います。 また、その場合、
墨田区立公園条例で定める、管理上必要な場合として対応できるのかも伺います。
◎区長(山本亨) 議長
○議長(田中邦友) 山本区長 〔区長
山本亨登壇〕
◎区長(山本亨) ただいまの大規模なデモへの対策についてお答えします。 区では、公園内での占用については、管理上の支障の有無等を確認した上で、その可否を判断しています。ご指摘のデモについては、団体から、公園を一時的な集合場所として利用する旨の連絡がありました。これは、公園での集会には該当しないため、公園占用の許可の対象ではありませんが、団体には、公園条例等の規定を遵守するよう指導しています。 今後、大規模なデモ等が恒常的に行われ、騒音等により近隣住民から苦情が多く寄せられた場合には、団体等に対して個別の対応を行うほか、公園の適正な利用について注意喚起を改めて行うなどの対策を図っていきます。
墨田区立公園条例の管理上の行為の制限の適用については、憲法に定める表現の自由や国民の自由と権利を不当に侵害しないという観点から、具体的な案件ごとに、公園管理者として総合的に判断します。
◆14番(しもむら緑) 議長
○議長(田中邦友) しも
むら緑議員 〔14番 しも
むら緑登壇〕
◆14番(しもむら緑) 次に、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催に関連した質問を4点伺います。 1点目は、今月から開幕するラグビーワールドカップ2019の墨田区におけるパブリックビューイングについて伺います。 スカイツリータウンスカイアリーナにて、20日から22日まで開催され、子どもから大人まで楽しめるイベントとうたわれていますが、具体的にどのような内容に決定したのでしょうか。「4年に一度じゃない、一生に一度だ」というキャッチフレーズのもと、アジア初の日本ラグビーワールドカップを大いに盛り上げ、是非1年を切った東京2020大会へつなげていっていただくよう、要望します。 2点目は、墨田区でのボクシング競技実施が決定したことについて伺います。 紆余曲折を経て、このほど正式に両国国技館でのボクシング競技実施が決定しました。そのことにより、練習会場となる墨田区総合体育館が、令和2年7月1日から8月17日まで、一部使用できなくなりますが、区民の皆様への周知や代替施設への誘導、区の影響などは現状どのようになっているか、お聞かせください。 また、競技開催が決定したことを受けて、ボクシングの関東大会等も墨田区総合体育館で開催される予定があると仄聞しております。経済的な相乗効果についてもお伺いします。 3点目は、東京2020大会時の熱中症対策等について伺います。 大会当日は、今から酷暑が予想されています。墨田区では、両国国技館から両国駅までの間、ラストマイルの考え方にのっとり、これから東京都などと話し合いが進められていくとのことですが、なるべく早く運営方針を出していただき、区の意向も吸い上げられるような対策に努めていただくよう望みます。現段階で、医療従事者との連携、ミストシャワーやAEDの設置など、区としての何か考えはお持ちか、伺います。 また、そのほかにも、感染症対策やテロ対策といった安全面にも万全を期していただくようお願いします。 4点目は、区立小学校で行われている東京2020大会の一環の「世界ともだちプロジェクト」について、教育長に伺います。 各学校で割り当てられたオリンピック出場国の調べる学習を現在行っていますが、進捗状況と、それが長野オリンピックの際の一校一国運動のように、大会後どのようにレガシーとなることを期待されているのか、狙いを伺います。 また、それぞれの国について児童が学ぶ際、是非墨田区との共通点を洗い出し、同時に郷土も学ぶ学習に結び付けていっていただくことを要望します。教育長の所見を伺います。
◎区長(山本亨) 議長
○議長(田中邦友) 山本区長 〔区長
山本亨登壇〕
◎区長(山本亨) ただいまの東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会関連について、順次お答えします。 まず、ラグビーワールドカップ2019のパブリックビューイングの具体的な内容です。 今月20日の夜は、開会式や日本対ロシア戦を中継するほか、MCによる基本のルールや見どころを分かりやすく解説するトークショーを実施します。21、22日は、3試合ずつ競技中継を行うとともに、墨田区ラグビーフットボール協会の協力のもと、ラグビー体験会を開催します。また、東京スカイツリーもライトアップする予定で調整を行っているところです。さらに、パブリックビューイングのエリア外では、東京2020大会のPRブースも出展する予定です。この取組を通して、ラグビーワールドカップを盛り上げ、翌年に開催される東京2020大会の気運醸成につなげていきたいと考えています。 次に、ボクシング競技の実施が決定したことについてです。 初めに、総合体育館が練習会場になることについてですが、9月1日号の区のお知らせに掲載したほか、館内掲示やホームページ等で広く周知を図っています。また、公式試合で利用している団体等には、個別に情報提供し、調整を図っています。代替施設については、必要に応じて、他のスポーツ施設を案内していく予定です。区への影響としては、貸出期間中は、利用料金収入が減少し、その補償を行うなどがありますが、総合体育館はPFI事業であることから、興行収入分については、東京都又は組織委員会が負担する方向で協議を進めているところです。 次に、ボクシングの大会については、日本ボクシング連盟が、本年12月26日に総合体育館で全日本大学ボクシング王座決定戦をはじめ、小学生から大学生まで、多くの選手が出場する大会を開催する予定です。 また、来年6月上旬に、関東高等学校ボクシング大会を開催したい旨の打診を受けています。選手や学校関係者など多くの関係者が来場することとなり、近隣の飲食店や宿泊施設などの利用が見込まれることから、経済的な効果も期待しているところです。今後も、日本ボクシング連盟に働きかけ、区内でできる限り多くの大会を開催していただき、ボクシングの機運を高めるだけではなく、地域の活性化にもつなげていきたいと考えています。 次に、大会開催時の熱中症対策等についてです。 競技会場の国技館と両国駅の間のエリア、いわゆるラストマイルには、暑さ対策のほか、医療対応などさまざまな課題があり、都が主体となって各自治体と調整を図りながら取り組むこととしています。今後、大会を安全に運営するため、庁内関係部署が連携を図り、ミストシャワーやAEDの設置など必要な取組について、都に意見を述べていきます。感染症や治安、災害対策なども都と連携して検討を進めていきます。 また、区は、11月に墨田区医師会と協力して、区独自ボランティアや一般区民向けに感染症予防や応急救護に関する実践的な研修会を開催する予定です。 以上で、自由民主党、しもむら議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。
◎教育長(加藤裕之) 議長
○議長(田中邦友)
加藤教育長 〔教育長 加藤裕之登壇〕
◎教育長(加藤裕之) 自由民主党、しもむら議員のご質問に順次お答えします。 世界ともだちプロジェクトについてです。 まず、進捗状況については、これまでに、総合的な学習の時間における調べ学習やその発表、大使館員や留学生による講演会、給食における各国の料理の紹介、大使館主催の絵画コンテストへの参加など、各校で工夫した取組が行われております。 次に、大会後のレガシーの期待については、この取組を通して、児童・生徒に他国の文化等に対する興味関心が高まり、進んで他国の人々と交流を図ろうとする意識や、国際化社会での必要な国際感覚の醸成に結び付くと考えております。 最後に、郷土を学ぶ学習との結び付きについてですが、他国の文化や風土等について学習する際には、我が国との違いを知るとともに、共通点を見出すことも重要な視点であり、郷土の特徴やよさなどについて目を向ける機会になると考えます。これらの学習を計画的に結び付けることで、各学校の取組がより充実するようにしていきます。
◆14番(しもむら緑) 議長
○議長(田中邦友) しも
むら緑議員 〔14番 しも
むら緑登壇〕
◆14番(しもむら緑) 最後に、教育施策について伺います。 1点目は、新JIS規格の机への対応について伺います。 平成11年に学校机の号数区分の見直しが行われ、天板面積が大きい新JIS規格と呼ばれる規格に更新されました。教科書やノートなども、国際規格であるA判に移り変わっていったこともあり、全国的にも新JIS規格の机が広がりを見せる中、墨田区では1校も導入に至っていません。平成26年に学習机選定委員会が開催されましたが、大きな机は、旧設計の教室に収容できなくなるとの評価で、採用には至りませんでした。しかしながら、新設校は旧設計ではありません。物を大切にするということは大事ですが、新設のタイミング等に併せて、今後新JIS規格へ移行も可能であると考えます。教育長に所見を伺います。 2点目は、外国人児童・生徒等の対応について伺います。 文部科学省の調べによると、公立学校に在籍する日本語指導が必要な外国人児童・生徒等は10年間で1.7倍に増加しています。日本の義務教育においては、外国籍の子どもの保護者にその子どもを就学させる義務はありませんが、公立の義務教育諸学校へ就学を希望する場合には、日本人児童・生徒と同様に、教科書の無償配布及び就学援助を含め、教育を受ける機会が保障されています。 また、近年では、日本国籍を有しながら、日本語が話せない子どもたちへの対策も課題となっています。墨田区においても、年々増加傾向にあります。これらの児童・生徒が、日本における生活の基礎を身に付け、その能力を伸ばすとともに、共生社会を実現させていくために、学校において日本語指導も含めたきめ細やかな指導を行うなど、適切な教育の機会が確保されることが必要です。 例えば、豊橋市では、日本語指導ほか、バイリンガル相談員を配置し、母語による生活支援を行っています。港区では、日本語学級のほか、英語能力を有する外国籍の児童に対する国際学級を開設しています。墨田区でも、日本語指導が行われていますが、増え続ける外国人児童・生徒等の対応について今後どのような展望を持たれているか、教育長に伺います。 以上で代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
◎教育長(加藤裕之) 議長
○議長(田中邦友)
加藤教育長 〔教育長 加藤裕之登壇〕
◎教育長(加藤裕之) ただいまの教育施策に関するご質問に順次お答えします。 まず、新JIS規格の机の対応についてです。 現在、区立学校で使用する机より、天板面積が縦横5センチメートルずつ大きい新JIS規格の机の導入により、児童・生徒の学習環境の改善につながると考えます。そこで、新JIS規格の机の配置ができる教室面積を持つ学校において、現在の机が十分に使える間は、引き続きこれを使っていきますが、更新時期を捉えて、新JIS規格の机に計画的に切り換えていくことを、関係部局と連携しながら検討していきます。 最後に、増え続ける外国人児童・生徒等の対応の展望についてです。 現在、日本語指導が必要な児童・生徒に対し、すみだ国際学習センターでの通級指導のほか、小学校2校、中学校1校への教員の加配、小学校1校での日本語教室の設置等により、日本語の理解や活用に向けた指導を行っています。また、必要に応じ、授業への通訳を派遣しています。さらに、通常学級においても、児童一人ひとりの習得に応じた指導をしています。 今後の展望ですが、増え続ける外国人児童・生徒に対して、適切な教育機会を提供していけるよう、日本語指導や多言語の通訳を行う人材の確保、個別指導や学級での集団指導の指導力向上に向けた、教員研修の充実などを行っていきます。そして、全ての児童・生徒が互いの文化を認め合い、コミュニケーションを深めていく異文化理解や多文化共生の考えに基づく教育を進めていきます。 以上で、自由民主党、しもむら議員のご質問に対する答弁を終わります。
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○議長(田中邦友) 19番、じんの博義議員
◆19番(じんの博義) 議長、19番
○議長(田中邦友) 19番、じんの博義議員 〔19番 じんの博義登壇〕(拍手)
◆19番(じんの博義) 墨田区議会公明党のじんのでございます。会派を代表して、通告してあります大綱4点について、山本区長、
加藤教育長に質問いたします。 質問に入る前に、今回の九州北部大雨被害に遭われた方々に、心よりお悔やみ及びお見舞いを申し上げます。 それでは、初めに、スポーツ振興の推進について伺います。 まもなく、ラグビーワールドカップが今月より開催されます。明年の東京2020オリンピック・パラリンピックへ向け、一層の気運醸成が期待されます。また、建設を進めてきた
総合運動場も、本年12月にはオープンすることから、地域全体で健康増進や地域活性化などの活用を期待する声も寄せられています。そこで、オリンピック・パラリンピック後のレガシーを見据えた、この1年間の取組は大変重要であることから、今後のスポーツ振興に向けた区の取組について質問します。 第1に、スポーツ推進に関する条例等の整備について伺います。 墨田区の基本計画には、今後の課題については、「区の住民意識調査によると、30代から40代の子育て・働き盛り世代のスポーツ実施率が低くなっている」、また、施策の達成をはかる指標に、「週に1回以上運動・スポーツをしている成人国民の割合」の現状値は38.6%、平成32年度の中間目標値は45%、平成37年度の最終目標値は50%等、その施策の達成のための区が取り組むことに「各種スポーツ事業の実施や、スポーツ施設の整備等を通じて、誰もが気軽にスポーツに親しめるしくみづくりや環境の整備を行います。」とあります。 このように区として現状と課題を把握しているわけですから、条例として、基本理念、目的、区の責務、事業者や区民の役割などを大きな方針として制定する、あるいはスポーツ基本法に努力義務として規定されているスポーツに関する振興計画を策定するべきであると考えます。 熊谷市のスポーツ推進計画では、取り組むべき重要事項を5章に分け、現状と課題をまとめ、取り組んでおります。児童・生徒の中学生の部活動の取組では、「平成28年度からは、熊谷市運動部活動支援員活用事業を導入し、指導の充実を図った結果、ラグビー、陸上競技、柔道など全国大会、関東大会に出場している部も数多くあり、世界を舞台に活躍するアスリートも輩出している」と計画の推進と成果の見える化が図られております。 こうした先進事例を参考に、条例、推進計画等を策定し、スポーツ振興のエンジンとするべきだと思いますが、区長のご所見を伺います。 第2に、将来に向けてのスポーツに対しての気運醸成を高めるための取組について伺います。 現在、墨田区において、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、墨田区出身の、ゆかりのあるアスリート、また、将来有望な学生等を掌握しているところであるとの報告を伺いました。昨年11月には、言問小学校において、パラ・パワーリフティング日本記録保持者の三浦浩さんが講演を行ったとも伺いました。参加した児童たちは、熱心に耳を傾けていたとのこと。このような触れ合いは、スポーツ振興の推進、気運を高めていくために必要であり、大事な取組であると思います。 墨田区には、今紹介した三浦浩さんなどオリパラでの代表選手、また世界的に有名な元野球選手の名誉区民の王貞治さん、墨田中学校出身の現役プロゴルファーの葭葉ルミさんなど、全国的、国際的に活躍されている方がおります。このようなアスリートの方々を掌握して、
区民体育大会、スポーツ教室、障害者スポーツ、レクリエーション大会、また、学校のクラブ活動など、必要なときに協力してもらえる体制をつくっておくべきだと思います。この体制をつくることで、アスリートと身近に触れ合う機会をつくるときのツールとして活用できると思います。スポーツに対しての気運醸成を高めていく施策として必要であると思いますが、区長のご所見を伺います。 第3に、スポーツ振興に関する助成制度について伺います。 墨田区では、スポーツの普及振興、競技力の向上を図るため、スポーツ振興に寄与した者及び団体に対する表彰状交付基準要綱があります。優秀な成績を収めた者、功績があった者など結果をもって、表彰状の授与と併せて金品も授与できることになっております。また、中学校、高等学校の部活において、全国規模の大会等に出場する団体又は個人に対して、補助金を交付する制度もあります。成績結果に限らず、また、将来有望な学生に限らず、積極的に取り組んできた区民、団体に対して具体的に表彰できる、あるいは支援できる制度に拡充し、スポーツの振興を図るべきだと思います。 宇部市では、スポーツ振興を図るため、全国大会等出場資格を得た者及び団体等を対象に、助成金を交付する「全国大会等出場助成金制度」があります。墨田区も、この制度を参考に、要綱の見直し等を考えるべきだと思いますが、区長のご所見を伺います。
◎区長(山本亨) 議長
○議長(田中邦友) 山本区長 〔区長
山本亨登壇〕
◎区長(山本亨) ただいまの公明党、じんの議員のスポーツ振興の推進に関するご質問に順次お答えします。 まず、スポーツ推進に関する条例等の整備についてです。 区では、墨田区基本計画において、スポーツに関する大綱を定め、墨田区地域力育成・支援計画において具体的な施策の展開を図っているところです。今後、東京2020大会に向けた気運醸成やレガシーの構築などを見据え、スポーツ振興の更なる推進を図っていく必要があると考えていますので、ご紹介の事例を参考にしながら、条例制定の必要性や効果的な施策の推進方法について検討していきます。 次に、スポーツの気運を醸成していくための取組についてです。 昨年末、区内の小中高等学校のほか、体育協会加盟団体などに、「東京2020大会に出場する可能性がある選手について」の調査を実施し、将来有望な学生等の情報収集を行ったところです。 教育委員会では、各幼稚園、小・中学校で、オリンピアンやパラリンピアンを講師として招き、子どもたちと直接触れ合う体験などを通して、スポーツへの関心を高める活動を行っており、これらの講師選定の際には、地域にゆかりのある選手を招くことも考慮しているとの報告を受けています。また、現在、区内にあるプロ野球ОB会などにもご協力いただき、区民との交流や野球の指導を行えないか等について検討しているところです。今後も、本区にゆかりがあり、国際的に活躍したアスリートをはじめ、さまざまな競技団体やスポーツ選手と直接区民が触れ合えるよう、その機会や場づくりを検討していきます。 次に、スポーツ振興に関する助成制度についてです。 現在、都では、東京2020大会等の国際大会への出場が期待される選手を「東京アスリート認定選手」として、強化費等の支援を行っています。こうした制度の動向を注視しながら、ご紹介の先進事例なども参考にし、要綱改正の必要性も含め、今後の支援制度のあり方について検討していきます。
◆19番(じんの博義) 議長
○議長(田中邦友) じんの博義議員 〔19番 じんの博義登壇〕
◆19番(じんの博義) 続いて、改正旅館業法及び住宅宿泊事業法施行から1年余り経過した現在の課題と今後の展望について、区長に伺います。 5~6年ほど前から、無許可営業の違法民泊が墨田区内でも増え始め、宿泊者のごみ出しや騒音などの生活ルール違反や衛生管理、防火対策などの不備など、周辺住民の不安・不信は苦情という形で多数寄せられていました。昨年6月の法整備以降、1年余りが経過したことで、課題解決に関し一定の成果はあったと認識しておりますが、いまだ区民から不安の声も寄せられます。そこで、区民及び宿泊者の双方の見地に立ち、ニーズに応えることができているかといった視点から区長に質問します。 まず、無許可営業・違法民泊の問題です。 衛生管理や消防法令に適合しているかも確認できない違法民泊への対応は最重要課題です。警察との連携が重要であるとして、昨年、新宿区が区内4警察署と覚書を交わしましたが、墨田区においても、違法物件に関する情報共有や取締りに加え、住民の不安解消のため、合法なホテル、旅館や簡易宿所、民泊の騒音等の生活環境を脅かすなどの案件に関する情報を共有するといった覚書を本所、向島両警察署と交わすべきと考えますが、区長のご所見を伺います。 次に、現在も増え続ける宿泊施設等に対する対応についてです。 旅館業法の改正により、最低客室数の基準が廃止、また玄関帳場等の基準緩和などにより、小規模な旅館、ホテル、簡易宿所が今後も増えることが予想されます。改正旅館業法の施行に伴い、自治体は旅館業法施行条例を改正したのですが、例えば千代田区は、営業従事者常駐義務を盛り込むとともに、旅館業における玄関、フロント、客室の一体性の確保を許可基準に盛り込みました。これにより、マンションの一室での許可や同じビルの異なる階での許可は不可能となりました。台東区においても、営業時間内の従事者常駐義務を条例で課しています。 これに対し、墨田区は、旅館業法改正の趣旨を踏まえ、宿泊者の本人確認や出入りの状況など、対面と同様の映像で確認できることや、緊急時に連絡を受けてから10分程度で駆けつけることのできる場所に管理事務所等を設置すれば、玄関帳場に代わる設備があるとして、旅館業が営むことができるよう条例を改正しました。結果として、小規模な旅館、ホテルや簡易宿所が増えていると承知しておりますが、規制緩和により玄関帳場のない、あるいは営業時間内に職員が常駐していない旅館業許可施設数は現在までに幾つ開設しているのか、伺います。 また、宿泊者の安全、利便性向上のためだけでなく、周辺住民の不安解消のために、10分ルールやICTを活用した映像による確認や鍵の受け渡しが墨田区旅館業許可の手引きのとおり、適切に実施されているかどうかをどう担保しているのでしょうか。申請時だけではなく、常に適正に管理されているかどうかの確認方法も含め、説明を願います。 千代田区・台東区などのように、地域の実情を踏まえ、法律の範囲内で独自ルールを策定し、自治体としての意思を明確にすることも今後検討する必要があるのではないかと思います。今後の推移を見守る必要はありますが、必要に応じ、条例の見直しも視野に検討するよう望むものですが、区長のご見解を伺います。 次に、区民からの苦情に対する対応についてです。 事前のヒアリングでは、苦情の類型は、ごみ出し、騒音、たばこのポイ捨てなど、マナーに関するものが圧倒的に多く、その他治安面の不安などセキュリティに関するものに分けられるとのこと。昨年6月以降、宿泊施設等が増えている中にあって、四半期ごとにまとめている苦情の数は横ばいとのことで、割合は下がっていることが分かりますが、特定の施設で多数の苦情が集中すること、また、マナー上の問題については、管理・運営事業者に宿泊客への徹底を求めることで改善が図られることなどを伺い、1年余り経過したことで、区としても対応に慣れてきたと感じています。しかし、そもそも住民の平穏な生活環境を守ることは区の最優先事項であり、こうした苦情は1件もあってはならないものです。 そこで、1、夜間の騒音などの苦情対応や犯罪のおそれ、暴力団の関与などを防ぐために、先ほども述べたとおり、警察との連携を進めること。 2、民泊仲介業者も増えてきていることから、Airbnb(エアビーアンドビー)その他の民泊仲介業者とマナーの啓発や地域情報発信のため連携を図ること。 3、千代田区では、民泊新法施行に合わせ、保健所内に民泊指導課を新設しました。課の新設までは求めませんが、生活衛生課内に宿泊施設等監視指導係といった専管組織をつくり、区民の不安を解消するため、苦情のワンストップ受付、法令に基づく審査基準のチェック強化を図ること。 以上、3点につき、区長のご見解を伺います。 この質問の最後は、区の政策の目的、意思を明確にすべきということです。 各種の規制緩和は、急増する訪日外国人の受け皿づくりが最大の目的ですが、そのほかにインバウンドによる経済効果及び観光客の多様なニーズに応える環境整備、具体的には文化体験などを通じ地域の人々と観光客との交流などを促進することとされています。 千代田区や台東区などは、既に多くのホテル等が存在し、観光客増による経済効果より区民の安全・安心を優先しました。区の意思を明確にしたわけです。他方、墨田区は、法の趣旨に沿った取組をするという判断をしたのですから、後者であり、経済効果や観光客と区民との交流を進めるという意思をはっきりさせるべきと考えます。したがって、会派として、これまで「地域丸ごと宿泊施設」といった考え方のもと、地域経済の活性化や各種行事に参加し、交流を促進するよう求めてきたわけです。 今年度、観光協会に委託し、多文化共生の名目で地域との交流を図る事業がスタートしましたが、目を見張る成果が見えてきません。一部成果があることは否定しませんが、私の要求水準には到底達しておりません。例えば、一つの宿泊施設ができれば、そこには飲食、入浴、買い物など利用者の消費活動のほか、リネン類のクリーニング、客室のベッドメーク、清掃、ごみ出し等の日常管理における多様なサービスが発生します。これらの宿泊サービスを構成する諸要素を地域の事業者に担っていただくといったことも考えられます。 また、足立区のあるホテルでは、商店街のすし屋さんと協力し、すしを握るワークショップ、お茶屋では日本茶ワークショップなどの文化体験プロジェクトを実施し、好評を得ています。私たちには日常当たり前に見える何気ない商店街の光景が、外国人観光客には貴重な文化体験となっているのです。こうした事例も参考にするとともに、祭礼や餅つきなどの行事、相撲部屋などの活用など地域と観光客との交流も、より一層進めるべきです。 このようなビジネス拡大と地域との交流などを見える化するため、宿泊施設等の所管課である先ほど提案した専管組織、産業観光部の各課、観光協会、区商店街連合会、必要に応じ地域、事業者の代表などからなる協議の場を早急に設置すべきと考えます。区長のご所見を伺います。
◎区長(山本亨) 議長
○議長(田中邦友) 山本区長 〔区長
山本亨登壇〕
◎区長(山本亨) ただいまの改正旅館業法及び住宅宿泊事業法施行から1年余り経過した現在の課題と今後の展望に関するご質問に順次お答えします。 まず、無許可営業と違法民泊対策としての警察との連携についてです。 現在、警察とは、民泊や旅館業の施設の状況等を、個人情報に配慮した上で、密接に情報共有しています。また、法違反や住民不安の解消への対応についても、警察と協力や相談をしながら、適切に改善を図っており、覚書の取り交わしについては、現在のところ考えていませんが、悪質な案件に対しては、今後、法に基づく処分を視野に入れて対応を強化していきます。 次に、増え続ける宿泊施設等に対する対応についてです。 まず、ご質問の施設の許可件数は、本年8月31日現在37件です。また、これらの施設に対しては、営業開始後も、監視指導の際に宿泊者の本人確認や出入りの様子が映る設備などの機能や運用について点検し、適正に運営されていることを実地で確認しています。 次に、本区の旅館業法施行条例の見直しについてです。 区では、旅館業法にのっとった監視指導によって、規制緩和後に発生しているさまざまな課題におおむね対応できていると認識しています。まずは、法施行後の課題点を検証し、現行の条例の中で指導を強化していきます。 次に、区民からの苦情への対応ですが、先ほどもご答弁したように、日常的かつ密接に警察との連携を図り、宿泊施設周辺の平穏な生活環境を守るよう、指導していきます。また、宿泊者のマナー啓発については、近隣への配慮を求める、いわゆる「ハウスルール」の徹底を宿泊事業者や管理業者に対し指導していきます。 ご提案の地域情報の発信については、仲介業者の協力も得ながら、宿泊事業者や観光協会との連携を広げていきます。宿泊施設に関する苦情の受付や不安解消のための監視指導は、住宅宿泊事業法と旅館業法に加え、環境衛生上の技術的な知識も必要ですので、これまで同様、環境衛生監視指導の経験をフルに生かした現行の組織で対応していきたいと考えます。 次に、増え続ける宿泊施設等による経済効果と地域との交流促進についてです。 国際文化観光都市とは、観光を通じ、多文化共生の考え方のもと、お互いを受容し、尊重し合えるまちづくりを進め、産業と観光を融合した事業展開により、地域経済やまちの活性化につなげていくことです。 現在、観光協会と連携し、多文化共生の取組を進めており、観光
DMOの取組と併せて宿泊事業者との情報交換会を実施しています。これまで、30を超える宿泊事業者が参加し、商店街連合会や商工会議所墨田支部、区職員も参加しており、来月末には、観光協会の主催により、区内の宿泊事業者との具体的な取組について、情報交換会を開催する予定です。今後も、こうした取組を継続しながら、地域と観光客の相互理解と文化交流の促進に結び付く観光施策を推進していきます。
◆19番(じんの博義) 議長
○議長(田中邦友) じんの博義議員 〔19番 じんの博義登壇〕
◆19番(じんの博義) 続いて、子育てひろばと学童クラブの今後の計画について伺います。 山本区政1期目の実績として、保育園の整備・待機児童対策が大きく整備されたことは大変評価しております。しかし、在宅世帯の子育て支援としての中心拠点である子育てひろばは、公設置の両国と文花の2カ所のみとなっています。区内南部と北部の就学前児童の地域子育て支援・中核拠点という位置付けだと思いますが、生活圏での配置が進んでおりません。一時預かりや子育て世代の交流、さらには地域の情報共有などを考えると、生活圏に対する子育てひろばの拡充が必要だと考えます。 また、学童クラブについては、全小学校区域の配置が完了しましたが、計画数値を大幅に超える待機児童が発生しており、今後も保育需要の増大と比例するように、学童クラブに対するニーズも増えることが予想されることから、量的な整備はさらに必要だと思います。一方、区の財政状況を考えますと、子育てひろばや学童クラブの施設の整備を、今後も公共が中心に担うというのは、おのずと限界が出てきます。こうした状況を踏まえ、何点か伺います。 第1に、民間子育てひろば及び学童クラブの設置又はそのための補助制度の規定整備の推進についてであります。 児童福祉法の改正により、地域子育て支援拠点は、第二種社会福祉事業と位置付けられており、都道府県への届出制となっています。墨田区では、現在、この地域子育て支援事業として位置付けられているのは、児童館、そして公設置の子育てひろばであります。しかし、乳幼児の就学前児童を抱える子育て世帯や妊産婦等の皆さんは、児童館より子育てひろばに対するニーズが大変強いことも事実であります。江戸川区や練馬区では、公設置の子育てひろばだけでなく、広くその区民の生活圏に一定の要件をクリアした民間の子育てひろばの整備を推進しており、実施主体はNPOや社会福祉法人が担っております。墨田区でも、以前、民間子育てひろばがありましたが廃業し、それ以降、子育てひろばを担える事業を実施しているNPOは存在するものの、区としては、東京都に届出をしていないため、運営法人の自主事業として運営されている状況が続いております。 こうした地域資源を子育て世帯から求められている子育てひろばとして、広く活用するための制度を構築すべきです。仄聞するところでは、家庭センター跡地に整備される施設では、民間子育てひろばを実施すると伺っております。現在、区には民間子育てひろば設置に関する条例や要綱について、明確な定めはなく、規定整備にも課題があります。今後、子育てひろばについても拡充を検討するなら、公設置ではなく民間子育てひろばの活用を大きく推進すべきと考えますが、区長のご所見を伺います。 また、併せてそうした事業者を支援するための補助制度についても、実施自治体を参考に再構築すべきと考えます。墨田区では、民間子育てひろば事業を行う事業者に対して、「親子ほっとプラザ事業補助要綱」がありますが、補助金の交付要件等さまざまな課題があると思います。練馬区等では、補助金に加算要件を加えるなど工夫があります。こうした自治体の補助制度を参考に、補助金が最大限に効率的・効果的に活用されるよう、墨田区の民間子育てひろばに対する補助制度を見直すべきと考えますが、区長のご所見を伺います。 また、現在の
子育てひろば条例については、公設置のひろば設置条例となっていることから、公設置の子育てひろばを中核子育てひろばと位置付け、民間子育てひろばと連携するなど、その役割を明確に位置付けるよう条例を改正すべきと考えますが、区長のご所見を伺います。 一方、学童クラブについても、現在、民間の学童クラブが五つ設置されておりますが、更なる設置についても前向きに検討すべきと考えます。先ほど質問した民間子育てひろばについて、午前中は子育てひろばとして、午後は学童クラブとして事業を実施していただくことも場合によっては可能だと思います。民間学童クラブの拡充についても、区長のご所見を伺います。 学童クラブに関する最後の質問として、長期休暇中と高学年における学童クラブの開設について、改めて質問します。 このテーマについては、平成29年の第3回定例会でも質問させていただきました。その際、区長は、高学年の学童クラブについて「低学年でも待機児童がいることから、当面は現行どおりとし、今後の検討課題」と答弁されました。 また、長期休暇期間中の学童クラブについては、「子どもの居場所対策として重要であり、先進自治体を参考にしながら、実施の可能性を検討したい」と答弁されております。現在のところ、この二つについて前向きな報告はありません。先日発表された子ども・子育て支援ニーズ調査によると、平日の学童クラブの利用について、対象学年は、低学年までが31.3%に対し、高学年までが56.6%となっております。 また、夏休みなどの長期休暇中の学童クラブの利用については、一定程度の強い要望もあることが明らかとなりました。特に、低学年における長期休暇期間中の学童クラブについては、その必要性について区長も認識しており、整備を急ぐ必要があると考えます。次期子ども・子育て支援計画の中において位置付けるべきであると思いますが、改めて区長の答弁を求めます。 先日、地域子ども文教委員会で視察した宇都宮市では、子育てひろばや学童クラブが教育委員会事務として所管されていることから、学校の空き施設などを活用し、午前中は子育てひろばとして、午後は学童クラブとして地域のボランティアの方が運営しており、待機児童はゼロとのことでした。サービス品質にばらつきが出てきたことから、今後はNPOや社会福祉法人がその担い手となり、子育てひろばや学童クラブを実施すると聞いております。学校の空き施設などを活用し、限りある公共資源をどう垂直的に活用し、教育以外のさまざまな行政課題をどう解決していくのか。ここ数年、議会超党派で提議させていただいている大きな行政テーマです。こうした点についても、区長及び教育長の考え方、認識を改めて伺います。
◎区長(山本亨) 議長
○議長(田中邦友) 山本区長 〔区長
山本亨登壇〕
◎区長(山本亨) ただいまの子育てひろばと学童クラブの今後の計画に関するご質問に順次お答えします。 まず、民間子育てひろばの設置の推進と補助制度の規定整備についてです。 法定の地域子育て支援拠点は、実施事業や設備、職員配置等の基準があるため、本区としては、両国・文花の両ひろばや児童館、家庭センター跡地のような、公募により選定した事業者の施設を位置付けているところです。一方で、民間が自主的に運営している子育てひろばについては、法定の事業とは異なる、地域のつながりを生かした親子の交流の場としての機能を期待しています。ご指摘のとおり、民間子育てひろばを活用した地域の子育て支援の推進は重要であると考えますが、こうした多様な運営形態に対し、一定の基準を設けて支援を継続的に行うためには、財源を含めた制度設計が必要なことから、他自治体の補助制度の例なども参考にしながら、検討していきます。 次に、
子育てひろば条例を改正すべきとのご意見に対する私の所見についてです。 現在の墨田区
子育てひろば条例では、施設の設置のほかに、子育て支援の関係機関とのネットワークの構築等を含むひろば事業に係る規定も定めています。私としては、まずは本区の子育てひろばや児童館等を含めた地域の子育て支援体制のあり方について、それぞれの役割を整理した上で、ご指摘のあった民設子育てひろばの位置付けや連携等についても、その中で検討していきます。 次に、民間学童クラブの拡充についてです。 今年4月時点の学童クラブ待機児童数が想定を上回っている一方で、更なる公設による定員拡充には、財政負担のほか、場所の確保が困難という課題もあります。そのことからも、民間学童クラブの役割は大変重要であると認識しており、ご指摘のような、柔軟な運営も期待できますので、民間学童クラブの活用についても、次期の次世代育成支援行動計画の中で、考え方を示していきます。 次に、長期休暇中と高学年の児童に対する学童クラブの整備についてです。 夏休みなどの長期休暇中に限定した低学年の学童クラブの整備については、パート就労の保護者など一定のニーズがあることは把握していますが、期間を限定した児童指導員の確保や、スペース、運営方法等の課題もあるため、次期計画を策定する中で、引き続き検討を進めます。 なお、高学年の学童クラブ整備については、待機児童の解消を最優先しなければならないことのほか、自立心が育つ成長過程も踏まえて、学童クラブの対象を原則小学校3年生までとしています。児童の居場所確保の観点から、対策について検討していきます。 次に、学校施設の活用についてです。 学校施設は、限られた公共資源の一つであり、教育以外への有効活用は課題であると認識しています。こうした中、昨年度公表された国の「新・放課後子ども総合プラン」でも、全ての児童の安全・安心な居場所確保のための学校施設の活用が掲げられており、私としては、まずはこれに向けて教育委員会との連携を一層強化しながら、有効活用に努めていきます。
◎教育長(加藤裕之) 議長
○議長(田中邦友)
加藤教育長 〔教育長 加藤裕之登壇〕
◎教育長(加藤裕之) ただいまの、公明党、じんの議員のご質問にお答えします。 学校の空き施設などの活用についてです。 現在、学校施設を活用した放課後の学童クラブは、今年度から2施設を新設し、小学校15校に17施設を設置しております。児童数の増加に伴い、普通教室の需要が増えていることや、平成30年度から全小学校に特別支援教室を設置していることから、空き教室がない状況ですが、区長部局と連携しながら、ご提案のように、時間帯によって使用方法を工夫するなど、今後とも施設の有効活用についてさまざまな方策を検討していきます。 以上で、公明党、じんの議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。
◆19番(じんの博義) 議長
○議長(田中邦友) じんの博義議員 〔19番 じんの博義登壇〕
◆19番(じんの博義) 最後に、カード型障害者手帳の導入について伺います。 現在、障害がある方に交付される障害者手帳は、紙の手帳が基本で、公共交通機関を利用するなど、サービスを受けるため日常生活で使用する機会が多く、持ち運びの不便さや汚れなどがかねてからの課題でした。厚生労働省によると、2018年3月時点で、身体障害者手帳は約511万人、精神障害者保健福祉手帳は約99万人に交付されておりますが、運転免許証やクレジットカードなどと同じサイズで、手軽に持ち運べるように以前からカード化を求める声が出ており、我が党にもこうした要望が寄せられております。 区内に住むあるご婦人は、内部障害によるハンディキャップを抱えていますが、普段はそれと目立たない服装を選び、生活をされております。ところが、海外の空港でその障害についてうまく伝えることができず、男性職員に身体検査を受ける状況になってしまい、せっかくの旅行が精神的な苦痛で台無しになってしまったと、つらい胸の内を伺いました。 こうした状況が、本年大きく動きました。厚生労働省は、2月の社会保障審議会障害者部会で、障害者手帳のカード化を認める省令の改正案を示し、4月1日に施行されたのです。ただし、従来の障害者手帳が廃止されたわけではありません。カード型の導入は、自治体の判断に委ねられております。23区では、導入を判断するのは東京都であり、その動向を待たねば実施できませんが、この省令改正を受け、カード型障害者手帳を希望する方々に対し、一日も早い交付が実現できるよう、本区としても準備を進めるべきと考えます。そこで、カード型障害者手帳に関する区長の見解を求めます。 本年6月の東京都議会本会議の中で、公明党けいの都議会議員の発言に対し、都は、障害者団体を通じて利用者の意見を聞き、カード形式での障害者手帳の発行について検討を進める旨の答弁をしたと伺いました。そこで、区長に伺います。 第1に、これまでカード型障害者手帳導入について、東京都から何らかの情報提供はあったのでしょうか。東京都の今後の動向を注視するとともに、情報を共有すべく努めてほしいと要望いたしますが、区長のご所見を伺います。 第2に、本区において、手帳を交付されている方は何人いらっしゃるのでしょうか。この度の省令改正を受けて、利用者の方のご意見を伺い、導入を推進していただくよう東京都へ申し入れをすべきと思いますが、区長のご所見を伺います。 第3に、障害者の方は、公共交通機関などで割引を受ける場合には、窓口で障害者手帳の提示が必要です。腕や指先が不自由な方にとって、かばんから取り出し、手帳を開いて必要な部分を提示する作業は大変な負担であると思います。関西地方の交通事業者で構成する、スルッとKANSAIでは、加盟事業者の鉄道やバスで利用可能な障害者用のICカードを発行しております。これは、事前にチャージをしておけば、一般の交通系ICカードと同様に、改札機にかざすだけで障害者割引が適用され、通過することができるものです。将来的には、ICカード化やマイナンバーカードとの連携も視野に入れることで、飛躍的に利便性の高い環境整備につながります。先を見据え、東京都の検討結果を待つまでもなく、導入に当たっての課題を明確にするとともに、その課題克服に向けて着実に検討、準備を始めるべきと考えますが、区長のご所見を伺います。 以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
◎区長(山本亨) 議長
○議長(田中邦友) 山本区長 〔区長
山本亨登壇〕
◎区長(山本亨) ただいまのカード型障害者手帳の導入に関するご質問に順次お答えします。 まず、カード型手帳の導入については、発行する東京都の判断となりますが、現在検討中であると聞いています。利用者の利便性につながるカード型手帳の導入については、有益であると考えており、都や他の自治体の動向についても注視し、情報収集をしているところです。 次に、墨田区において、障害者手帳の交付を受けている方は、平成31年3月末現在、身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳、合わせて延べ1万2,121人です。 手帳のカード化については、今後、墨田区障害者施策推進協議会や墨田区障害者団体連合会に導入についてのご意見を伺っていきます。その上で、都への申し入れについて判断していきます。 次に、交通機関の利用に関して、関西でのICカードの発行の例をご紹介いただきましたが、都においても、都営交通の無料乗車券情報をICカードに搭載し、障害者が利用できるシステムを導入しています。今後、さらに、利用者の立場に立った利便性の向上は必要ですので、区としても、情報収集と課題整理をしながら、都と連携し検討を進めるとともに、区民の方への情報発信に努めていきます。 以上で、公明党、じんの議員のご質問に対する答弁を終わります。
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○議長(田中邦友) 議事の都合により、暫時休憩いたします。 午後3時19分
休憩----------------------------------- 午後3時40分再開
○議長(田中邦友) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を続けます。 31番、はらつとむ議員
◆31番(はらつとむ) 議長、31番
○議長(田中邦友) 31番、はらつとむ議員 〔31番 はらつとむ登壇〕(拍手)
◆31番(はらつとむ) 日本共産党のはらつとむです。私は、会派を代表して山本区長に質問をいたします。 質問の第1は、国政上の争点に対する区長の政治姿勢についてです。 10月からの消費税増税に対して、「8%でも大変なのに、10%なんてとんでもない」など、さらに反対の声が広がっています。区内のあるフレッシュジュース店のお話では、消費税が増税され、価格に転嫁すると10円以上の値上げとなり、お客さんが来なくなると不安で、値上げに踏み切れないといいます。 親子3代にわたり経営をされてきた老舗のおそば屋さんは、軽減税率に困惑していました。出前で食べたら8%、お店で食べれば10%と税率が変わるため、出前が多くなるのではと心配されています。仮にそうなれば、短いお昼休みに対応するために、出前のための人を雇うことになります。家族経営で頑張っていて、新たな人件費も払えるかといえば、難しいとのことです。 軽減税率はかなり複雑で、今でも基準や計算の仕方がよく分からないとの声を聞きます。対応するレジ自体も品薄となっています。ポイント還元も、参加を申請したお店は対象の4分の1にとどまっています。 国内消費は低迷したままです。7月の商業動態調査を見ると、卸売・小売を合わせた商業販売は、8カ月連続で前年同月比を下回っています。直近の1年平均の家計消費は、前回の消費税増税前となる2013年平均を年20万円も下回っています。 経済協力機構(OECD)の調査では、日本の賃金を時間当たりで見ると、過去21年間で8%も減少しています。主要国で唯一のマイナスです。さらに、米中貿易摩擦は、日本経済にも悪影響を与えています。4月から6月期の法人企業統計では、製造業の経常利益はマイナス27.9%、設備投資はマイナス6.9%となっています。このような状況で、消費税増税を強行すれば、国民生活にも、日本経済にも取り返しのつかない悪影響と混乱をもたらすことは明らかです。 区長は、消費税10%増税が区民の暮らしと日本経済に与える影響について、どのように認識しているのか、見解を伺います。 我が党は、このまま増税してよいのか、国会で審議することを強く求めるとともに、ほかの野党と共同して増税中止法案を提出する準備を進めています。6月議会の高柳区議の質問に対して、区長は、「消費税引上げによる増収分は、社会保障や財政健全化に資する。私としては、消費税率引上げの中止を国に要請するつもりはない」と答弁しましたが、そのような姿勢では、区民の暮らしは守れません。区民生活にも、日本経済にも、そして区財政にも多大な影響を与える消費税増税には、今からでもきっぱりと反対を表明し、国に対して声を上げるべきと考えますが、区長の見解を問うものです。 次に、年金制度の改善についてです。 厚生労働省は8月27日、年金財政についての財政検証を発表しました。財政検証は、年金制度の健全性を点検するために、5年に一度行われています。財政検証によると、マクロ経済スライドのもとで、将来の年金が大幅に削減・抑制される実態が明らかになっています。特に打撃が大きいのは、基礎年金である国民年金で、20年後には、年金水準が現在よりも約3割減らされます。 6月議会の高柳区議の質問に対して、区長は「給付と負担のバランスを維持することは、持続可能で安心できる年金制度を支える上で重要」などと、マクロ経済スライドを評価するような答弁でした。しかし、今回の財政検証でも、現状の仕組みのままでは、国民年金で月7万円から5万数千円へ、大幅に削減されることになります。自営業が多く、国民年金受給者の多い本区にとって、極めて深刻な問題です。区長は、今回の財政検証についてどのように受け止めているのか、まず見解をお伺いします。 区が、2016年度に行った「墨田区介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」では、65歳以上の高齢者の生活状況について調査しています。その中で、経済的な暮らし向きについて聞いていますが、「大変苦しい」が9.7%、「やや苦しい」が24.4%で、34.1%の方が「苦しい」と答えています。本人の収入の状況では、「年金」が断然トップで80.4%、3番目が「預貯金の切り崩し」で25.4%です。このことから、ほとんどの高齢者が年金に頼って生活しており、その年金が少ないために暮らしが苦しいという方が3割以上に上っている実態が見えてきます。区長は、このような高齢者の生活実態と年金制度との関係をどのように認識されているのか、見解を問うものです。 墨田区のほとんどの高齢者が、少ない年金をやりくりして生活を支えていること、その年金がさらに削られていくことが明らかになっていること、さらに、その年金から天引きされる介護保険料などは値上げされていること、その実態を直視すれば、マクロ経済スライドの廃止など、年金制度の改善が必要不可欠ではないでしょうか。今月4日付けの東京新聞では、民間調査会社のアンケートで、「年金だけでは生活困難」と、50代男性正社員の半数が答えたと報道されています。 減らない年金、生活できる年金の実現へ、年金制度の改善を国に強く働きかけるよう、改めて要求し、区長の答弁を求めます。 次に、羽田空港新飛行ルートの運用開始問題についてです。 国土交通省は、先月、外国人観光客の受入れ拡大と国際競争力強化を理由に、都心上空を低空飛行する新たな飛行ルートを決定しました。来年3月29日より運航を開始するとしています。国土交通省は、来年の東京五輪の円滑な開催のためには、新ルートの運用開始による国際便増便など、羽田空港の機能強化が必要不可欠としています。この新ルートの運用により、年間約6万回だった国際線発着枠が約9.9万回に拡大するとしています。 ところが、これまで、羽田空港では、東京湾上空を飛行していましたが、新ルートでは、新宿や品川、渋谷をはじめ、各区の上空を通過することになります。都心上空を飛行する新ルートは、騒音、落下物、大気汚染、資産価値の低下、墜落事故等が起こった場合の甚大な被害など、区民の生活と安全、経済活動に重大な影響を与えます。 この間、新ルート直下の品川、渋谷両区議会からは、新ルートの撤回、見直しを求める意見書・決議が全会一致で上げられるなど、関係自治体や住民から不安や懸念の声が出されています。こうした不安が払拭されないまま、スケジュール先にありきで新ルートの運用開始を決めたことは重大です。 また、都は、事前に関係区市に意見を求めていますが、都の集約では、墨田区を含む全ての関係区市が「意見なし」となっています。区長は、このような羽田空港新飛行ルート問題をどう受け止め、どのように対応されてきたのか、説明を求めます。特に、東京都が墨田区からも意見なしと集約していることについて、明確な説明を求めます。 この都心上空を低空飛行する新ルートが運用されれば、時間帯によっては、山手線のラッシュ時より多い1分20秒に1機が爆音を響かせて飛行します。新ルートは、品川上空では330メートルの低空飛行となり、超高層ビルのすぐ近くを飛ぶことになり、資産価値の低下も懸念されます。墨田区においても、北風のときは荒川上空が飛行ルートとされ、約1,500メートル上空を飛行します。2017年、大阪市では、飛行機の1メートル四方のパネルが落下して、自動車に衝突するという事故が起きました。報道では、飛行ルートと落下物は3キロ離れていたといいます。 つまり、都心上空や荒川上空で落下物があった場合、墨田区のほとんどの地域が危険にさらされます。国土交通省によれば、平成17年11月から平成18年5月までの204日間で219件、航空機から部品が落下しているといいます。この数には、氷などの落下物は含まれていません。落下物対策について、国は、航空機のチェック強化で対応できるといいますが、チェックできるのは1日3機程度で、同様の検査はこれまでも行われていますが、落下物はゼロにはなりません。機体に付く氷の塊などは防ぐことができないと言われています。区長は、騒音、落下物、航空機事故の危険性、資産価値の低下など、都心上空を低空飛行する問題についてどのように認識されているのか、見解を伺います。 これまで、国も都も、地元自治体や住民の理解を得ることが、新飛行経路の前提条件だと明言していました。その約束を投げ捨てて方針決定したことは断じて認められません。このような羽田空港新飛行ルートの運用開始決定は、撤回するよう、国や都に求めるべきと考えますが、区長の見解を伺います。
◎区長(山本亨) 議長
○議長(田中邦友) 山本区長 〔区長
山本亨登壇〕
◎区長(山本亨) ただいまの、日本共産党、はら議員の国政上の争点に対する私の政治姿勢についてのご質問に順次お答えします。 まず、10月からの消費税率の引上げによる増収分は、少子化対策や社会保障に対する安定的な財源の確保と財政健全化に資するものであり、幼児教育無償化や介護保険料の負担軽減など、社会保障の充実等に充てられる予定です。 また、経済の回復基調に影響を及ぼさないように、臨時・特別の措置として、キャッシュレス化に伴うポイント還元も予定されており、区においても、プレミアム付商品券の発行の準備を進めていますので、こうした施策の効果も表れてくるものと考えます。 これらのことから、私としては、6月議会でご答弁させていただいたとおり、消費税率引上げの中止等について国に要請する考えはありませんが、中小零細企業や低所得者層への十分な配慮等について、必要に応じ、区長会等を通じて要望していきたいと考えています。 次に、年金制度の改善についてです。 まず、財政検証への私の見解ですが、少子高齢化が進展する中で、給付と負担のバランスを図りつつ、将来にわたって持続可能な年金制度を維持していくためには、年金の給付水準や財政状況の推移を基に、一定の期間を定めた検証が必要であると認識しています。 次に、高齢者の生活実態と年金制度の関係についてです。 高齢者の生活実態は、単身・高齢者のみ世帯が6割を超える中で、健康面や経済面など、生活全般に不安を抱えている方もいらっしゃると認識しています。その中で、国民年金制度は、高齢者の基本的な生活を支える不可欠なものと考えています。マクロ経済スライドの廃止など、年金制度の改善を国へ強く働きかけることについては、この制度を維持していくことが高齢者の生活にとって重要であり、今回の財政検証等を基に、人口や経済の動向等を踏まえた年金制度設計がなされていくため、引き続き国等の動向を注視していきます。 次に、羽田空港新飛行ルートの運用開始についてです。 まず、新飛行ルートに関する意見については、本区は、国に対して、安全性や騒音対策について実効性ある対策と、地域住民の更なる理解を得るための説明会の開催を要望しました。これに対して、国からは、落下物防止対策基準の義務付けなど、対策の着実な履行により落下物ゼロを目指すとともに、実施状況の公表やマスメディアを活用した広報、パネルの展示、説明の機会の設定など、さまざまな手法を用いて丁寧な情報提供に努める旨の回答を得ています。 次に、都心上空を低空飛行する点の認識ですが、ご指摘のとおり、騒音対策や落下物などの安全対策は重要であり、その徹底は区民の理解を得る上で必要であると考えています。 次に、運用開始決定の撤回を求めることについては、東京2020オリンピック・パラリンピックの円滑な開催などの面から、羽田空港の機能強化は必要なことと認識していますので、その考えはありません。
◆31番(はらつとむ) 議長
○議長(田中邦友) はらつとむ議員 〔31番 はらつとむ登壇〕
◆31番(はらつとむ) 質問の第2は、ひきこもり支援の強化についてです。 初めに、区内の実態の分析についてです。 今年3月の内閣府の調査では、40歳から64歳までのひきこもり状態にある方が全国的に61万人いると発表し、衝撃を与えました。15歳から39歳以下については、2016年に54万人と発表しており、合わせて100万人を超えます。私の周りを見ても、一度は就職したものの、会社になじめずに退職し、その後、正社員にはなかなかなれず、就職活動を諦めてしまった人など、身近に困っている人を見かけます。 現在、区では、155人の相談に当たっているとのことですが、国の調査を基にした想定では、約1,300人が支援を必要と試算されており、乖離があります。区としては、現場に出向いていく積極的なアプローチが必要です。今後、訪問活動を進めていくとしていますが、支援を必要とする人がどこにいるのかなどの実態把握をどのように行っているのか、伺います。 また、これまでの調査で分かった原因や傾向については、どのように分析しているのか、お知らせください。 次に、先進自治体を参考にした取組についてです。 前回の定例議会で、我が党の高柳区議が、相談場所の確保や、ひきこもり問題の実態把握、全庁的な対策を要求しました。区長は、子ども・若者計画を策定した際の実態調査を参考にし、「若者の居場所づくり新事業」を、今年12月より開始するとしています。この事業は、NPOとも協力し、気軽に集えるカフェや、職業体験などを通じて、就職支援も行うとしています。これまでも、国が主導してきたひきこもり事業は、なかなか成果が上げられていませんでした。原因は、対象者が集まらないためです。 解決の糸口として、秋田県藤里町の取組が注目されています。藤里町では、40代以上も支援の対象とし、社会福祉協議会が訪問します。本格的に働く前の中間就労の場を提供し、利用者は接客や調理を学んでいます。また、介護の資格を取るための講座などを行っています。これらは、障害手帳をとらなくても支援が受けられます。 大切なのは、訪問の際には、対象者をひきこもりとして扱うのではなく、あくまでも支援メニューの情報提供に努め、家から出たいと思ったときの居場所をつくることだといいます。藤里町の支援対象者は、当初113人でしたが、5年間で86人が就労して自立しています。このような自治体の取組を参考にしていくべきと考えますが、区長の見解をお伺いします。
◎区長(山本亨) 議長
○議長(田中邦友) 山本区長 〔区長
山本亨登壇〕
◎区長(山本亨) ただいまの、ひきこもり支援の強化に関するご質問にお答えします。 まず、区内の実態把握と分析についてです。 区では、30歳以上のひきこもりの方の実態は把握していませんが、19歳から29歳までについては、平成30年に実施した墨田区子ども・若者実態調査において、区民3,000人のアンケート結果から「ひきこもり群」に該当した79人を抽出し、生活実態などについて分析しています。 調査結果によると、ひきこもりの原因は、「人間関係がうまくいかない」、「職場になじめなかった」、「就職活動がうまくいかなかった」など、多岐にわたっています。ひきこもりの方の傾向は、その期間が「1年から3年未満」と、「3年から5年未満」が、それぞれ約3割と最も多くなっています。 また、相談機関の利用状況について、「関係機関に相談したいと思わない」が6割以上と最も多く、家族との関係では、「仲が良いとは思わない」の割合が高く、地域に求めるものとしては、「悩み相談に乗ってくれる場所」や「インターネットが自由に使える場所」を求める割合が高い傾向にありました。 次に、先進自治体を参考にした取組についてです。 本年12月から開始する「若者の居場所づくり支援事業」では、先進事例を参考に、本人に合った形での社会参加を可能とするため、就業支援などで実績のあるNPOに運営を委託し、認知行動療法や技能訓練を取り入れたプログラム、仕事体験などに取り組むこととしています。まずは、この取組を通して、ひきこもりの方に寄り添いながら対応していきます。
◆31番(はらつとむ) 議長
○議長(田中邦友) はらつとむ議員 〔31番 はらつとむ登壇〕
◆31番(はらつとむ) 質問の第3は、新保健センター等の建設についてです。 初めに、現在の進捗状況と財政計画について伺います。 向島保健センターは昭和43年に、本所保健センターは昭和48年に建設され、地域の精神医療や母子健診など、今日に至るまで大きな役割を果たしています。 現在、両施設の老朽化を理由に、横川の機動隊跡地約5,300平方メートルに、2020年度中に新保健施設の完成を目指して、土地の購入等が進められています。総工費は、約45億円で、土地は約3,500平方メートル分を先行して17億円で都から購入しています。延べ床面積は、高さを4階建て程度に抑え、1万平方メートルに抑えるといいます。 施設は複合施設となり、半分が保健所機能で、残りは将来の
児童相談所機能を想定した子育て支援センターを置き、教育関係の施設も集約するとしています。この間、より良い施設にするためにワークショップなどに取り組んできましたが、現時点でこの複合施設のメリット、デメリットをどう考えているのでしょうか。 また、施設の要求水準をまとめ、プロポーザルを募集したと聞いていますが、どのような要求水準を掲げているのでしょうか。さらに、
児童相談所の位置付けが施設の規模を含めて弱いと感じますが、十分に機能するものになるのでしょうか。今後、残りの都有地の購入や整備にかかる費用の見込み、財源を含めた財政計画はどうなっているのか、区長の見解を伺います。 次に、北部に保健所機能を残すことについてです。 我が党は、これまでも保健センターの統廃合をやめ、区の南北に1カ所ずつ整備するよう主張してきました。横川に、都有地が確保される見込みとなったことは、本所地域にとっては施設を新しくするチャンスでもありますが、向島保健センターが廃止されてしまったら、北部にお住まいの区民の健康診断など受診率の低下や健康確保に逆行すると言わざるを得ません。 区長は、仮に向島保健センターを廃止した場合、北部地域住民にとって、どのような影響を及ぼすと想定されているのか、見解を伺います。 保健センターは、地域の医療の核をなすものであり、母子健診や精神医療にかかわる業務なども、日々重要性が増してきています。身近な場所にあってこそ、利用率を高め、本来の目的が果たせます。これらは、統合せずに向島地域に残すべきですが、区長の見解を伺います。
◎区長(山本亨) 議長
○議長(田中邦友) 山本区長 〔区長
山本亨登壇〕
◎区長(山本亨) ただいまの新保健センター等の建設について、ご質問に順次お答えいたします。 まず、現在の進捗状況と財政計画についてです。 複合施設のメリットは、保健所機能に加え、子育て支援・福祉・教育のそれぞれの機能が有機的に連携し、区民に利用しやすいサービスが提供できることです。一方で、現在2カ所ある保健センターが1カ所になると、それに伴うアクセスについて課題もあると認識しており、アクセス手段の検討も含め、今後の設計段階において、引き続き区民の皆さんが利用しやすい施設づくりに取り組んでいきます。 次に、要求水準については、整備基本計画を踏まえ、効率的で利用しやすい施設を目指し、関係者へのヒアリング等を行った上で、設計・施工一括発注の業務内容や各施設の機能に応じた諸室の仕様等をまとめたものです。 次に、
児童相談所の機能性についてです。
児童相談所機能の規模等については、他自治体の事例や法定数の職員配置などを考慮して、十分な機能を有するように要求水準書に反映しています。 次に、費用の見込みや財政計画についてです。 建設地の南側用地の購入については、平成31年第1回定例会での報告のとおり、都下水道局の工事が完了する令和5年7月以降に、鑑定など所定の手続を経て、取得を予定しています。また、平成30年8月に埋蔵文化財の包蔵地として指定されていることから、その調査に係る経費を想定しています。 施設整備については、墨田区基本計画における主要な
公共施設等整備事業として位置付けられているところですが、現在想定している経費におさまるよう、コンストラクション・マネジメントを活用しながら、コスト管理に努めていきます。 次に、向島保健センターの機能を残すことについてです。 向島保健センターを廃止した場合、北部地域の一部の住民の方には、交通の便が悪くなることが考えられますが、さまざまな工夫により、区民の皆さんに利用しやすい施設としていきます。両保健センターを統合することで、専門職同士の情報の集約や共有化が図れ、一層の区民サービスの質の向上につながることが期待されます。 また、訪問型の産後ケア事業のように、地域に出向いて行う相談事業の比重が増しており、今後も充実させていきます。一方、集団で行う育児学級や講演会などは、北部地域の会場を借りて行い、引き続き育児支援や保健サービスの提供に努めていきます。
◆31番(はらつとむ) 議長
○議長(田中邦友) はらつとむ議員 〔31番 はらつとむ登壇〕
◆31番(はらつとむ) 質問の第4は、大学誘致に伴う諸問題についてです。 墨田区の中小企業支援策のシンボルでもあった中小企業センターの廃止について、我が党は、区の産業施策の変質と後退を示すものであると同時に、地域のコミュニティやスポーツの拠点を奪うものだとして、厳しく批判してきました。 この旧中小企業センターに区は千葉大学を誘致し、2021年にデザイン・建築スクールを開設するための準備を進めています。現在、大学向けに改築を行う設計がほぼまとまり、年内には工事契約を行うとしています。問題は、その改築費用に約29億円もかけることです。一方で、その隣に新築中の情報経営イノベーション大学の建設費は、約23億円です。設計・施工業者の話では、「我々は民間だから、コストを抑えられるところはとことん切り詰めている」とのことでした。 旧中小企業センターのほうが少し規模が大きいとはいえ、片方は新築で23億円、片方は改築で29億円では納得できません。この原因は、大学の要求に応じて設計を進めていく中で、大規模改修ではなく改築という位置付けになってしまい、高さ制限に引っかかって屋根を削らなくてはならなくなったこと、水回りの位置などを大きく変更すること、情報経営イノベーション大学に合わせて壁を撤去し、入り口を新たにつくる大規模な工事などです。 しかも、この29億円は、区の一般財源では賄えずに、区民の借金である起債と区民の貯金である基金の取崩しで捻出するとしています。さらに、莫大な建設費に見合った賃貸料を千葉大学が支払うのであれば、まだ納得できますが、区は、ほかの自治体の支援策を参考に、地域貢献なども考慮して賃貸料を決めるとしており、大幅な減額が想定されます。 先に指摘した新保健センターを中心とした、子育て支援総合センター、総合
教育センターなどの複合施設については、何としても45億円以内に建設費を抑えるとして、徹底してコストの削減を図ると表明したことと比較しても、このまま工事を強行するのは重大です。旧中小企業センターの改修費についても、設計変更を行い、徹底してコストの削減を図るとともに、その経費にふさわしい賃貸料を徴収すべきです。区長の明確な答弁を求めます。 次に、小村井駅のバリアフリー化などの整備についてです。 新たにできる二つの大学には、約1,300人の学生が通うことになります。花王石鹸も、本社機能が移転してきて、社員が1,000人増えると言われています。その最寄駅は、東武亀戸線の小村井駅ですが、改札口は明治通り側に1カ所しかありません。また、亀戸方面へは車椅子などの利用が困難な構造になっています。 以前から、大学に近い通り側にも改札口を設けること、バリアフリー化を図ることなど、改善を要望する声が地域から上がっていました。区としても、東武鉄道に働きかけていくとしてきましたが、協議状況や見通しなどはどうなっているのか、また、今後どのように対応するのか、区長の見解をお伺いします。 また、旧学校跡地の南側の半分は、まだ大学誘致の見込みが立っていません。区は、引き続き大学誘致を進めるといいますが、23区内に大学の新設は認めないとする規制がかけられているもとで、これまで以上に大学誘致が難しくなっていることは明らかです。地域からも、ずるずると誘致活動を行うのではなく、期限を明確にすべきだとの声が強くあります。 文花中学校は、今年で創立20周年を迎えました。この間、学校跡地が地域に開放されず、塀に覆われてきました。2021年4月に予定されている千葉大学デザイン・建築スクールの開設までに、新たな大学誘致が決まらなかったら、大学誘致はきっぱりと断念すべきです。そして、地域や区民の意見、要望を聞いて、新たな利用方法を検討すべきと考えます。区長の明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)