平成30年 第4回定例会(11月) 平成30年第4回定例会 墨田区議会会議録1 期日 平成30年11月27日2 場所 墨田区議会議事堂3 出席議員(31人) 1番 坂井ユカコ君 18番 高橋正利君 2番 村本ひろや君 19番 じんの博義君 4番 佐藤 篤君 20番 あべきみこ君 5番 しもむら 緑君 21番 田中 哲君 6番 渋田ちしゅう君 22番 はらつとむ君 7番 西村孝幸君 23番 樋口敏郎君 8番 井上ノエミ君 24番 沖山 仁君 9番 大瀬康介君 25番 田中邦友君 10番 堀 よしあき君 26番 木内 清君 11番 あさの清美君 27番 坂下 修君 12番 としま 剛君 28番 瀧澤良仁君 13番 加藤 拓君 29番 おおこし勝広君 14番 中沢えみり君 30番 加納 進君 15番 福田はるみ君 31番 千野美智子君 16番 はねだ福代君 32番 高柳東彦君 17番 とも宣子君4 欠席議員 なし5 欠員(1人) 3番6 出席理事者 区長 山本 亨君 産業観光部長 鹿島田和宏君 副区長 高野祐次君 福祉保健部長 青木 剛君 教育長 加藤裕之君 子ども・
子育て支援部長 岩佐一郎君 企画経営室長 岸川紀子君 都市計画部長 渡辺茂男君 総務部長 小暮眞人君 都市整備部長 田中正明君 区民部長 石井秀和君
企画経営室参事 郡司剛英君
地域力支援部長 関口芳正君 区民部参事 高橋宏幸君
地域力支援部参事 前田恵子君 環境担当参事 島崎 進君
保健衛生担当部長 伊津野 孝君
立体化推進担当部長 大野暢久君
保健衛生担当参事 岩瀬 均君 会計管理者 中山 誠君
保健衛生担当参事 植原昭治君
教育委員会事務局次長 後藤隆宏君
危機管理担当部長 酒井敏春君
教育委員会事務局参事 宮本知幸君 環境担当部長 佐久間 之君
選挙管理委員会事務局長 小久保 明君7
出席事務局職員 事務局長 浜田将彰君 議事主査 松本光考君 事務局次長 瀬戸正徳君 書記 北條 豊君 議事主査 荒井 栄君 平成30年第4回墨田区
議会定例会議事日程 第1号 平成30年11月27日午後1時 開議第1 報告第1号 平成29年度墨田区
一般会計歳入歳出決算----------+第2 報告第2号 平成29年度墨田区
国民健康保険特別会計歳入歳出決算 |第3 報告第3号 平成29年度墨田区
介護保険特別会計歳入歳出決算 |第4 報告第4号 平成29年度墨田区
後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算 | +
委員会審査報告+--+第5 議案第73号 職員の
自己啓発等休業に関する条例第6 議案第74号 墨田区
地域プラザ条例の一部を改正する条例第7 議案第75号 墨田区
児童育成手当条例の一部を改正する条例第8 議案第76号 墨田区
ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例第9 議案第77号
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第10 議案第78号 墨田区
心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例第11 議案第79号 墨田区福祉作業所条例の一部を改正する条例第12 議案第69号 平成30年度墨田区
一般会計補正予算第13 議案第70号 平成30年度墨田区
国民健康保険特別会計補正予算第14 議案第71号 平成30年度墨田区
介護保険特別会計補正予算第15 議案第72号 平成30年度墨田区
後期高齢者医療特別会計補正予算第16 議案第80号
八広地域プラザの指定管理者の指定について第17 議案第81号 すみだ生涯学習センターの指定管理者の指定について第18 議案第82号 両国屋内プールの指定管理者の指定について第19 議案第83号
スポーツプラザ梅若の指定管理者の指定について第20 議案第84号 すみだ
スポーツ健康センターの指定管理者の指定について第21 議案第85号 墨田区総合運動場の指定管理者の指定について第22 議案第86号 中川児童館の指定管理者の指定について第23 議案第87号 墨田区水神保育園の指定管理者の指定について第24 議案第88号 すみだ産業会館の指定管理者の指定について 午後1時開議
○議長(瀧澤良仁君) ただいまから平成30年第4回墨田区議会定例会を開会いたします。 これより本日の会議を開きます。
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○議長(瀧澤良仁君) まず、会議録署名員を定めます。 本件は、会議規則第123条の規定に基づき、議長からご指名申し上げます。 2番 村本ひろや君 25番 田中邦友君のご両君にお願いいたします。
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○議長(瀧澤良仁君) 次に、会期についてお諮りいたします。 今次定例会の会期は、本日から12月11日までの15日間といたしたいと思います。 これにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瀧澤良仁君) ご異議ないものと認めます。 よって、会期は15日間と決定いたしました。
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○議長(瀧澤良仁君) 事務局次長をして諸般の報告をさせます。 〔
事務局次長報告〕----------------------------------- 30墨総総第1116号 平成30年11月20日 墨田区議会議長 瀧澤良仁様 墨田区長 山本 亨 平成30年第4回墨田区議会定例会の招集について(通知) 平成30年11月20日付け墨田区告示第423号をもって標記定例会を招集したので通知します。 (別紙) 墨田区告示第423号 平成30年第4回墨田区議会定例会を次により招集する。 平成30年11月20日 墨田区長 山本 亨 1 期日 平成30年11月27日 2 場所 墨田区議会議事堂 〔巻末諸報告の
部参照〕----------------------------------- 30墨総総第1117号 平成30年11月20日 墨田区議会議長 瀧澤良仁様 墨田区長 山本 亨 議案の送付について 平成30年第4回墨田区議会定例会に提出するため、下記議案を送付します。 〔巻末諸報告の
部参照〕----------------------------------- 30墨総職第1153号 平成30年10月1日 墨田区議会議長 瀧澤良仁様 墨田区長 山本 亨 墨田区
教育委員会教育長及び委員の就退任について(通知) このことについて、下記のとおり就退任しましたのでお知らせします。 〔巻末諸報告の
部参照〕----------------------------------- 平成30年10月10日 墨田区議会議長 瀧澤良仁様 特別区
人事委員会委員長 中山弘子 特別区人事委員会は、地方公務員法第8条、第14条及び第26条の規定に基づき、一般職の職員の給与等について別紙第1のとおり報告し、意見を申し出るとともに、別紙第2のとおり勧告する。 〔巻末諸報告の
部参照〕----------------------------------- 30墨監第230号 平成30年10月22日 墨田区議会議長 瀧澤良仁様 墨田区監査委員 長谷川昌伸 同 福島優子 同 寺田政弘 同 田中邦友 平成30年10月例月出納検査の結果について このことについて、地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、下記のとおり報告します。 〔巻末諸報告の
部参照〕----------------------------------- 30墨監第259号 平成30年11月22日 墨田区議会議長 瀧澤良仁様 墨田区監査委員 長谷川昌伸 同 福島優子 同 寺田政弘 同 田中邦友 平成30年11月例月出納検査の結果について このことについて、地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、下記のとおり報告します。 〔巻末諸報告の
部参照〕-----------------------------------
○議長(瀧澤良仁君) 諸般の報告を終わります。
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○議長(瀧澤良仁君) 次に、去る10月1日付けで本区
教育委員会教育長に就任されました加藤裕之君をご紹介申し上げます。 加藤裕之君から所信表明のため発言の申し出がありますので、これを許します。 〔教育長 加藤裕之君登壇〕
◎教育長(加藤裕之君) ただいまご紹介をいただきました教育長の加藤裕之です。貴重なお時間をいただきまして、再任のごあいさつと所信を述べさせていただきます。 このたび、9月28日に開催された区議会本会議において、皆様のご同意をいただき、10月1日付けにて山本区長から教育長の辞令をいただきました。改めて、職責の重さを身に感じているところです。 この3年間は、教育長として山本区政の基本方針である「すみだの“夢”
実現プロジェクト」に取り組み、特に教育分野から「暮らし続けたいまち」の実現に、子どもたちに知・徳・体のバランスのとれた教育を行うことに取り組んできました。 具体的には、区基本計画や
教育施策大綱の策定に携わり、併せて
区教育振興基本計画である「すみだ教育指針」の策定をはじめ、「学力向上新3か年計画」の策定、「
幼保小中一貫教育推進計画」の改定などを行い、計画内容の実施を行ってまいりました。この間、皆様のご理解とご協力をいただいたことに感謝申し上げます。これら施策の中には、学力向上、体力向上など一定の成果が出てきたものもありますが、まだ課題があると認識をしております。 これからの3年間ですが、墨田の子どもたちが社会的自立を果たし、社会で活躍し、地域に貢献できる人材となるよう育成していくことが重要であるという観点をもって、引き続き知・徳・体のバランスのとれた教育を、次の4点を重点として行っていきたいと考えております。 まず一つ目は、子どもたちの自信を育む教育の推進です。3年前にも同様の話をさせていただきましたが、子どもたちが夢や希望を持ってさまざま努力することにより、それを実現することができるということを体験させていくことが大切であり、すべての基礎になるものと考えております。幼稚園、学校や地域、家庭においてさまざまな体験活動を行っていくことなどにより、自己肯定感を育み、学力、体力を向上させ、創造性を養うことで子どもたちの自己実現の基礎をつくっていきたいと思います。さらに、学力向上については、確かな学力の習得が将来の選択肢を広げることに寄与するものであり、今後とも特に力を入れて取り組んでまいります。その際、貧困の連鎖にある子どもたちが自立して、負の連鎖を脱していけるよう、特に気を配っていくことが必要であると思っております。 二つ目としては、グローバル化に対応した教育の推進です。目まぐるしい国際化の進展により、外国語への対応はもちろん、幅広い視野を持って他者と協働的に活動ができる人材の育成が必要です。まずは、新学習指導要領へ向け、小学校英語や道徳の教科化の着実な対応を図っていきます。また、開催が近付いてきたオリンピック・パラリンピックを題材にした教育活動を充実させていくとともに、地域の伝統文化や郷土の偉人の学習を行うことで、将来子どもたちが多文化共生社会の担い手となるよう育成していきます。 三つ目としては、いじめ・不登校対策の効果的な推進です。いじめは社会的問題となっており、重要な人権課題との認識を持って、その対策に取り組んでいきます。また、不登校の児童・生徒が増えてきており、特に重要な教育課題として区として「不
登校対策基本方針」を策定しましたので、その取組を強化してまいります。 四つ目は、
教育委員会運営や事務局経営・学校経営の活性化です。さまざまな教育課題に迅速に対応するために、教育委員会での充実した会議の実現を図り、事務局については課題解決を目指した組織経営に努めていきます。また、校長を中心とした地域と一体となった組織的な学校経営の更なる推進を図るとともに、教員の指導力を向上させて、子どもたちの「主体的・対話的な深い学び」の実現に努力してまいります。 今後とも子どもたちが、夢や希望を持って実現できるよう、全力で取り組んでいく考えです。 以上で、簡単ではございますが、教育長再任のごあいさつと所信を述べさせていただきました。今後とも、墨田区の教育施策の推進に尽力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(瀧澤良仁君) 以上をもって、教育長の発言は終わりました。 次に、去る10月1日付けで本区
教育委員会委員に就任されました白石祐一君をご紹介申し上げます。 白石祐一君からごあいさつがあります。 〔
教育委員会委員 白石祐一君登壇〕
◎
教育委員会委員(白石祐一君) 皆様こんにちは。ただいまご紹介いただきました白石祐一でございます。本日は、皆様の貴重なお時間をおかりして、一言ごあいさつ申し上げます。 私は、去る9月28日に開催されました墨田区議会本会議において、墨田区
教育委員会委員任命のご同意をいただき、10月1日付けで山本区長より教育委員の辞令をいただきました。委員就任から約2カ月が経過いたしましたが、委員会定例会、小学校の周年行事、学校公開や運動会など、さまざまな行事に出席をさせていただいております。 私は、小・中学校のPTA会長時代、自校の子どもたちのことを一番に考え、活動してまいりましたが、これからは保護者枠の教育委員として、墨田の子どもたちのことを一番に考え活動していくことで、とても重責を感じているところです。 8月30日に開催された総合教育会議、こちらを傍聴させていただいた際、防災、防犯、そしていじめや不登校などについて議論されていました。いつ起こるか分からない災害や事故、いつ起こるか分からないいじめや不登校など、墨田区全体がそのリスクに真剣に取り組んでいることに感銘いたしました。 当たり前のことですが、墨田の子どもたちの安心・安全、そして子どもたちの未来のために努力し、私自身に与えられた職責を果たしてまいりたいと考えております。区議会の皆様にもより一層のご協力、ご支援を賜りますようお願い申し上げまして、私の就任のあいさつとさせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。
○議長(瀧澤良仁君) 以上で、
教育委員会委員のご紹介を終わります。
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○議長(瀧澤良仁君) これより一般質問に入ります。 通告がありますので、順次発言を許します。 23番・樋口敏郎君 〔23番 樋口敏郎君登壇〕(拍手)
◆23番(樋口敏郎君) 墨田区
議会自由民主党の樋口敏郎です。会派を代表いたしまして、区長及び教育長に質問いたします。 第1に、山本区長の来期への意向について伺います。 山本区長は、平成27年4月の区長選挙において、「すみだの“夢”実現構想」として7つのプログラムを公約として掲げて当選されました。その構想は、「暮らし続けたいまち」「働きたいまち」「訪れたいまち」の3つの
プロジェクト事業と、「
シティプロモーション戦略」によって構成された「“夢”
実現プロジェクト」として、平成28年6月に策定された「墨田区基本計画」において事業化されています。以来、その推進を柱として区政運営に当たってこられました。 区長選挙で掲げた公約の達成状況について、ご自身の総括的な評価、また、今後着実に基本計画を進めていく上での課題認識、公約における各事業の成果については、会派の坂下議員からの一般質問で伺いますので、この代表質問ではただ一点、来年4月に行われる区長選挙に立候補され、2期目を目指すご意思があるのか、お尋ねします。 第2に、財政状況の認識について伺います。 「平成31年度における区政運営の基本指針」及び「平成31年度予算の見積もりについて(依命通達)」において、本区の財政状況について「本区の財政状況は、ここ数年の人口増や雇用・所得環境の改善等により特別区民税の増収が図られ、区債残高の減少と基金残高の増加もあり、健全化の兆しがみられている。しかし、歳出面では
子育て支援施策の充実や高齢化の進展による扶助費の増加等が引き続き見込まれ、歳入面では国による法人住民税の更なる一部国税化、
地方消費税清算基準の見直しなどにより特別区は更なる減収を強いられる可能性があり、今後の区の歳入環境に深刻な影響が及ぶことが懸念されている」と分析しています。 さらに、平成31年の10月に予定されている消費税の増税に伴い、幼児教育の無償化が実施された際には、事務負担に加えて一定の財政負担が発生する懸念もあります。来年度の予算編成に当たり、国の税制改正等による影響はどの程度把握しているのか、まず伺います。 平成29年度は、当初予算では財政調整基金、
公共施設整備基金等、約28億円の基金取崩しを見込んで予算編成が行われましたが、歳入増や契約差金等の不用額及び繰越金の発生により、決算では約4億円の基金積み増しとなりました。一方で、近年同様、民生費は約30億円の歳出増となっています。平成30年度予算でも同様に、民生費は約30億円の歳出増、約35億円の基金繰入金を計上しています。 「平成31年度予算の見積もりについて(依命通達)」では、政策経費、標準経費双方について、行財政改革の取組を求めているものの、基本的には平成30年度並みを要求していると読めます。基本計画の着実な達成のためと理解はしますが、ここ数年は景気回復基調と歳入増等により、結果的に順調な財政運営が可能であったとの印象を我々は持っています。このような予算編成を続けていくと、景気の足踏みや国の税制改正等の外的要因により歳入減になった場合、危機的な財政状況に陥ってしまうことを危惧しています。 必要な処置は取りつつも、民生費の歳出を抑制していくとともに、行財政改革の更なる推進が必要と考えますが、区長の所見を伺います。また、平成31年度予算編成に当たって、この観点から取り組む内容があればお伝えください。加えて、今年度の財政運営の見通しの状況も併せて伺います。 第3に、健康寿命の延伸、介護予防の取組について伺います。 先日、区内の医療関連団体による墨田区地域医療に関する意見交換会が行われ、各団体による地域包括ケアの取組が発表されました。その中では、健康寿命の延伸の重要性や、疾病の重症化予防、介護予防が大いに話題となりました。
地域包括ケアシステムで提供する、住まい・医療・介護・予防・生活支援のうち、予防の役割の重要性がより高まっていると認識しました。これは、区長の言う「暮らし続けたいまち」の実現にも通じるものと考えます。 将来にわたって民生費の伸びを抑制していくためには、健康寿命の延伸、介護予防の取組に力を入れる必要があると我々も考えています。各種健康診査やがん検診の受診勧奨の強化による疾病の予防や早期発見、重症化予防、歯科健診による口腔がんの早期発見や口腔ケアによる嚥下機能の維持、口内環境に起因する疾病の予防、薬剤師による適正な服薬指導や残薬管理、有資格者による介護予防指導、要介護度を進行させないための生活支援や介護サービスによる日常生活の質の維持、区による「
健康寿命UPアップ大作戦!」等の施策の展開は、いずれも広義の「予防」につながっています。 今後の墨田区の地域医療・介護において、「予防」という観点で各団体や各所管で行っている事業を関連付けて考えてはいかがでしょうか。来年度以降、各団体同士の連携や情報共有への支援も含めて、特に力を入れていただきたいと考えます。区長の言う「地域力」を生かした墨田区ならではの実効性の高い仕組みづくりも可能かもしれません。区長の所見を伺います。 第4に、区長が続投を表明することを前提に、次期の課題について順次伺います。 1点目として、
公共施設等マネジメントについて伺います。 平成25年5月に公表された「公共施設白書」から始まった本区の
公共施設等マネジメントの取組は、第1次実行計画を経て、平成32年度までの第2次実行計画が行われています。実際に施設の廃止を行った第1次計画とは異なり、維持管理業務の適正化、
指定管理者制度の導入といった施設管理面での取組や、それぞれの施設の方向性の検討といった内容のため、目に見えにくい計画ではありますが、中間点を過ぎ、結果を求められる時期に来ています。 その中でも、順次実施するとしている「用途廃止が決定した施設については、速やかに除却等を行うことで、維持管理費の削減を図る」について、第1次計画で廃止した施設については除却しました。しかし、それ以前から使用されていない旧学校施設については、跡地利用が決まったもの以外は行われていません。全く使用していなくても、維持管理に1
施設当たり年間数百万円を支出し続けています。このような支出は、区民の理解が得られない点、起債して除却しても支払利子のほうが有利な点を挙げ、早期に除却するよう再三指摘してきましたが、この場で改めて区長の見解を伺います。 また、平成29年3月にクアハウス天井の損傷により休館し、その後廃止された「すみだ健康ハウス」は、平成28年度中にあり方検討を行っていた施設です。想定外の事情により、これまで同様の使用ができなくなったとはいえ、早期に方向性を出すべき施設に変わりはありません。今後の用途については、補助金の関係で制限があると聞いていますが、施設の一部が利用できない状態でも一定の規模を有しているため、近隣の類似施設同士の統合や複合施設化も可能ではないかと考えます。現在の検討状況と、結論を示す時期を伺います。 さらに、平成31年度末で用途指定期間が終了する清掃関連施設については、今回の計画では事業所の集約化や多用途への機能転換が検討されていましたが、決算特別委員会では具体的な回答はありませんでした。有効利用すべき土地建物であるとの認識のもと、現在の所管にとらわれず、区長が先頭に立って早急に方針を示していただきたい。平成32年度初頭には新たな目的で活用されることを強く望みます。区長の所見を伺います。 この際、
公共施設等マネジメントとは異なりますが、類似の事例として、都道465号線の拡幅に関する曳舟小学校プールの対応についても指摘しておきます。 拡幅に応じるに当たって、関係機関との合意に時間が掛かったという点については理解します。しかし、当該プールについては当初から計画道路上に位置しており、拡幅事業が始まれば時期のずれはあっても移設等の措置が必要になることは明確であり、その方法について区として準備し、対案を用意しておくのが当然です。保護者や地域の方々の不安や疑問を解消するためにも、早急に対応を用意するべきだと考えますが、区長の見解を伺います。 また、曳舟文化センターについては、今回の計画で平成32年度の有償貸付期間終了後のあり方等の検討を行ってきた施設です。過去の答弁では、「墨田まちづくり公社」のあり方を検討する中で、貸付期間終了後の取扱いを決定するとのことでしたが、施設の方向性は早期に定めておくべきではないでしょうか。施設自体の老朽化が進んでいるため、貸付期間終了後に
指定管理者制度を導入するならば、大規模修繕を行う必要があります。修繕による長期の休館が発生すると、大ホールは多くの区民や団体が例年の行事で利用しているため影響が大きく、利用者への周知や調整の時間を要します。また、大規模な施設であるため、修繕費用の財源についても考慮しなければなりません。これらの点について、区長の見解を伺います。 2点目として、大規模修繕が必要な施設として、すみだトリフォニーホールについて伺います。 山本区長が委員長を務めた平成26年決算特別委員会において、すみだトリフォニーホールの大規模修繕費用については、オリンピックの開催年から3カ年で総額約20億円から30億円を見込んでおり、平成30年度くらいに具体的な数字を示したいとの答弁がありました。現時点での費用の見込みと財源についての検討状況を伺います。 すみだトリフォニーホールについては、「音楽都市すみだ」の象徴的な施設であり、これまで一定の役割を果たしてきたことは承知しています。しかし、例年予算・決算特別委員会のたびに指摘されているように、多額の維持管理費が毎年必要である上に、一定期間ごとに大規模修繕の費用を負担し続けることは、財政運営上非常に大きな課題となっていることも事実です。民間への移譲や、最低でも収入増のための利用方針の転換等、最大限の区費負担の軽減策を真剣に検討する時期ではないでしょうか。政治家出身である山本区長だからこその政治的な決断を期待していますが、区長の見解を伺います。 3点目として、墨田区の観光の拠点である「産業観光プラザ すみだ まち処」の方向性について伺います。 すみだまち処は、東京スカイツリーの開業に合わせて平成24年5月に開業して以来、区内観光及び区内生産品の販売の拠点としての役割を担っています。開業当初は利用者数も多く、一定の売上げもありましたが、来街者が平準化するにつれて、不利な立地などの諸条件により、期待している効果が得られているとは言えません。区は約1億6,000万円で墨田区観光協会に委託していますが、約6,000万円という多額の賃料、公益費の支出がある上に売上げが増えない現状は、観光協会にも厳しいものです。ホームページの工夫や各種催しなど観光協会の改善の努力を超えて、スカイツリー出入り口と飲食店への動線から離れている立地の悪さが要因となっていると考えられます。今後は、開業当時の水準まで来街者が増えることは考えにくいため、この状況は続いていくと予想しますが、区長の認識を伺います。 当初のテナントの賃貸借契約期間は平成34年5月末までと承知していますが、すみだまち処の機能は同じ場所で続けていくのか、観光協会の意向も含めて、契約の延長についての考え方を区長に伺います。 開設に当たって多額の費用を支出したとはいえ、引き続き期待した効果が得られないことが予想されるのであれば、将来の観光協会の自立や区内生産品の売上げ増、観光まちづくりのために決断することも見識だと思いますが、いかがでしょうか。 4点目として、大学のあるまちづくりについて伺います。 旧西吾嬬小学校、旧曳舟中学校の大学誘致用地では、「i専門職大学」の校舎の建設が始まり、旧すみだ中小企業センターの改修の設計も進んでいると聞いています。特に「i専門職大学」は区内外でさまざまなイベントや情報発信を行っており、開学まで1年半と目の前に迫っていることが感じられます。また、千葉大学についても、校舎の概要が明らかになれば区民に実感として認識されるのではないでしょうか。現時点での区長の感想を伺います。 区による文花地区のまちづくりについては、都営住宅の建替えと大規模事業者の建替え計画も含めて、本年6月に「文花地区まちづくり方針」として示されています。「大学のあるまちづくり」の姿としてのイメージはある程度共有されていると考えますが、そのほかについては未知数な部分が多いと現状では認識しています。 開学が近付き、各校の学部・学科、学生数、学生の属性等、具体的な事項が明らかになってきた現在、墨田区に「大学のあるまち」がどのような影響を及ぼすのか、その波及効果について区民に示す時期だと考えます。学生・教員による消費等の直接的な経済効果、大学の運営に関しての区内事業者の活用策、区内産業との連携体制、小・中学校との交流、学生の地域活動への協力等、区として調査しているもの、大学側と協議しているもの、今後検討するものについてお知らせ願います。 大学が開学してからは、「大学のあるまち墨田区」をどのように作っていくかが重要です。大学のあるまちづくりに向けての区長の決意を伺います。 第5に、先ほど再任に当たっての所信表明を行った加藤教育長に、今任期の教育施策について伺います。 加藤教育長は、第3回定例会での答弁や、先ほどの所信表明でも学力向上を重点施策と捉え、今後とも力を入れて取り組んでいくと述べられています。これまでの教育長のもとでの取組により、墨田区の児童・生徒の学力は向上傾向にあることを我々は高く評価しています。確かな学力は将来の選択肢の幅を広げるものであり、子どもたちが夢や希望を抱いて義務教育を終えることができるよう、今任期でも取組を進めていただきたいと考えています。 しかし、いまだに「墨田区学習状況調査」における学力低位層であるD・E層の割合や、社会科・理科については課題が見られることも事実です。今任期でのこれらの課題解決に向けて、拡充する事業や新たに行おうとしている取組について、具体的にお知らせ願います。特に、我々は放課後学習や家庭学習等、授業時間外での基礎的な学力、学習習慣の定着の取組が学力に課題のある児童・生徒には非常に効果的であると認識しています。この点について、より進化した取組を求めますが、教育長の見解を伺います。 また、第3回定例会で、会派として議案提出者に名を連ねた「墨田区子ども読書活動推進条例」が提出されました。授業での活用や子どもの学習支援、子どもの居場所等、学校図書館が果たす役割は多岐にわたる上に重要なものであると考えているため、本条例が可決され、施行された際には是非とも蔵書数の増加や開館時間の延長等、充実に努めていただきたいと要望します。来年度には「第4次墨田区子ども読書活動推進計画」の検討が行われます。学校図書館の拡充について盛り込んでいただきたいと思いますが、教育長の答弁を求めます。 以上で、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの自由民主党、樋口議員のご質問に順次お答えします。 まず、私の来期への意向についてです。 私は、平成27年4月に区長に就任し、大きな可能性を持つこのまちを「夢と希望が叶う、どこよりも素敵で魅力的なまちにしたい」という強い決意を持ち、「暮らし続けたい、働き続けたい、訪れたいまち」の実現に向けて、誠心誠意全力で取り組んできました。 この間、議会の皆様には温かいご支援とご協力をいただくとともに、日々出会う区民、団体、事業者の皆さんとも信頼関係を築きながら、さまざまな施策を着実に推進することができました。改めて、心から感謝を申し上げます。 今後の区政を展望すると、東京2020オリンピック・パラリンピックの成功とレガシーを生かしたまちづくり・ひとづくり、少子高齢社会を迎える中での施策の展開、防災対策等をはじめ、多くの課題が存在し、それら一つ一つに道筋をつけ、スピード感を持って解決していく必要があります。 私は、これからも区議会の意見に耳を傾け、区民の皆さんの声を真摯に伺い、ご理解、ご協力をいただきながら、引き続き区政運営の任を担わせていただきたいと考えていますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、来年度の予算編成に当たり、国の税制改正等による影響をどの程度把握しているかについてです。 幼児教育の無償化の実施に伴う財政負担については、特別区長会では約316億円の影響があると試算しており、これに消費税率の引上げによる増収の一方、法人住民税の国税化による減収が見込まれ、全体でマイナス約240億円の影響があるものとしています。これを本区の影響額に換算すると約10億円になり、この金額が歳入に影響があることを踏まえ、来年度の予算編成に取り組んでいきます。 また、国の税制改正等により危機的な財政状況に陥ってしまうことに対応するべく、民生費の歳出抑制や更なる行財政改革についての私の所見です。 ご指摘のとおり、民生費は10年前の平成20年度決算額と平成29年度決算額を比較すると、約200億円増となっています。民生費は、区民が一定水準の生活と安定した社会生活を保障するのに必要な経費でありますが、現在、作成準備を進めている財政白書の中で、現状分析と将来負担の推計をお示しした上で、抑制方法について区議会の皆さんとご相談していきたいと考えています。 来年度の予算編成に当たっては、民生費を含め後年度負担や区民サービスのバランスを考慮するとともに、業務改善推進プロジェクトなどの行財政改革を着実に推進し、歳出の抑制を図っていきます。 今年度の財政運営の見通しについては、人口増や雇用・所得環境の改善等により特別区税の増収が見込まれるものの、ふるさと納税による減収や国による不合理な税制改正等が区の歳入環境に大きな影響を与えることも予測されることから、事業の適切な執行管理に努め、収支バランスの適正化を図っていきます。 次に、健康寿命の延伸と介護予防の取組についてです。 安心して暮らし続けられるまちをつくるためには、地域包括ケアの考え方が重要であり、保健医療においては、地域医療に関わる各団体の連携や情報共有、介護予防の分野では健康寿命を意識した関連部署間の事業連携を進めることが必要です。 現在も区では、健康寿命の延伸を目指し、フレイル予防や糖尿病重度化予防などの分野で多職種による連携を行っています。またこの間、墨田区医師会をはじめ関係団体のご協力により「在宅医療・介護連携推進協議会」を設置し、医療と介護の情報を共有するツールの作成と、活用のための研修の実施などを行ってきました。さらに、高齢者の在宅生活を支える区民向けのハンドブックを作成し、ご活用いただいているところです。 来年2月に開設予定の福祉総合型高齢者支援総合センターでは、「地域ケア会議」を開催し、さまざまな地域、団体、事業者が認知症高齢者や独居高齢者の見守りに向けた取組を検討することとしています。今後も、医療・介護などの多職種連携や地域の関係団体の更なる連携及び情報共有に向けた支援を進めていきます。また、医療と介護サービス、生活支援などのネットワークの構築を更に進め、すみだならではの地域力を生かし、区民をはじめ地域のさまざまな分野の方々が主体的に参加できる地域包括ケアの取組を行っていきます。 次に、公共施設マネジメントの取組についてです。 まず、旧学校施設の早期除却についてです。 「公共施設マネジメント実行計画」では、用途廃止が決定した施設について、速やかに次の用途を検討し、除却等を行うことで維持管理費の削減を図ることとしています。 旧学校施設の除却については、まず、旧隅田小学校では、優先整備路線の拡幅等に合わせてまちづくり用地として活用を検討することとしています。また、旧木下川小学校については、校舎の除却は終了し、残置部分の活用を検討しています。旧向島中学校については、維持管理費の課題もありますが、体育館等を利用している団体も多くあり、今後、可能な限り早期に除却できるよう検討していきます。 次に、旧すみだ健康ハウスの今後のあり方の検討状況と、結論を示す時期についてです。 すみだ健康ハウスは、平成28年度の「第2次公共施設マネジメント実行計画」に基づいて、施設のあり方を検討してきました。昨年度末の施設廃止に伴い、地域還元を目的とした活用について検討を行っているところです。施設活用については、近隣施設の複合化等を含め、次回定例会において方向性をお示ししたいと考えています。 次に、清掃関連施設の活用についてです。 当該施設については、清掃業務における一定の利用があることから、清掃事業の効率的な運用を図るとともに、統合や他用途への機能転換を含めた検討を行っています。平成31年度末の用途指定期間終了に向けて、区が抱える課題や社会情勢等を考慮した上で、清掃事業にとらわれず、効果的な活用の方向性を早急に決定し、しかるべき時期に報告させていただきます。 次に、都道465号線拡幅に伴う曳舟小学校プール棟の対応についてです。 この道路拡幅事業については、曳舟小学校敷地東側にあるプール及び工作物等が拡幅対象部分に掛かっており、これまで事業主体である東京都が区と用地買収の協議を進めてきました。この用地については、国の借地部分もあり、三者契約が必要であるため調整に時間を要してきました。現在、一定の進捗が見られていますので、早期の契約締結を目指していきます。また、道路拡幅に伴うプール棟の再整備が必要となることから、進捗状況等について今定例会に報告を予定しています。再整備を進めていくに当たっては、保護者や地域の方々の不安や疑問を払拭できるよう、努力していきます。 次に、曳舟文化センターについてです。 はじめに、施設の方向性と大規模修繕についてです。 曳舟文化センターは、墨田まちづくり公社のあり方と併せ、区民に身近な施設として新たな管理運営方法を含め、今後の方向性を検討しているところです。必要な修繕については、貸付期間終了後速やかに行う予定です。 次に、長期休館中の利用者への周知や調整についてです。 曳舟文化センターでは、現在修繕工事による休館について、優先予約の抽選の際に口頭により周知しています。今後、工事の内容及び期間を決定した後、詳細を周知するとともに、近隣の代替施設を案内するなど、利用者への配慮に努めていきます。 次に、修繕費用の財源についてです。 現在、区では公共施設の長期修繕計画に基づいて予防保全を行っており、財政負担の平準化を図っているところです。曳舟文化センターについても、大幅な財政負担が生じないよう、修繕の方向性を区議会にお示ししながら取り組んでいきたいと考えております。 次に、すみだトリフォニーホールの大規模修繕と今後の予定についてです。 大規模修繕に掛かる費用の見込みについては、平成26年決算特別委員会において、20億円から30億円程度とお示ししました。この間、法令等の改正を受けた他の自治体の事例等もあり、改めて大規模修繕の箇所を精査しているところですが、当初お示しした額を超える可能性もあります。また、工事の開始時期についても当初の予定時期での実施が困難となっています。 今後、工事の効率的な実施と経費の圧縮のため、コンストラクション・マネジメントの手法の導入も含めて検討した上で、財政推計に基づき、経費の見込みと工事時期について改めてお示ししたいと考えております。 すみだトリフォニーホールは、その音響と設備において高い評価を得ており、音楽ホールとしての認知度も上がってきています。また、成人の集いや区内小・中学校の連合音楽会の会場ともなっているなど、若い世代の方々にとって、我がまちの誇れる文化施設となっています。しかしながら、ご指摘いただいたように維持管理費の圧縮は課題ですので、来年度予定されている指定管理の更新手続の際には、公演演目の見直しや観光部門とも連携した取組など、指定管理料を圧縮する方策を検討していきます。また、修繕費や維持管理費の財源については、ネーミングライツの導入のほか、クラウドファンディングなど、新たな財源確保の手法を検討します。 これからも、さまざまな工夫を凝らし改善を図りながら、すみだの文化芸術拠点として、区が管理運営を行っていきたいと考えています。 次に、「産業観光プラザ すみだ まち処」の方向性についてです。 まず、すみだまち処の利用者数の状況についてです。 平成29年度のすみだまち処の利用者数は、東京スカイツリー開業時から比較すると4割程度まで減少しており、ランニングコストの面からも厳しい状況にあると認識しています。 利用者数の減少は、ソラマチへの来街者数と相関関係にあるものと考えられます。今後、東京スカイツリー開業時の水準にまで来街者が増えるかどうか予測はつきませんが、東京2020オリンピック・パラリンピックを控え、新たな利用者を取り組む準備をしていかなければならないと考えています。 次に、契約の延長についてです。 まち処は、観光案内と区内産品を展示即売する拠点です。その設置目的に照らした場合、開設から7年を迎え、観光客の動態が変化している現在、その立地や機能のあり方を検討し、東武タウンソラマチと交渉した上で、契約を延長していくかどうかの判断をしていくことが必要であると考えています。そのために、関係団体等で構成されている「まち処運営委員会」では、同施設に必要な機能や今後のあり方について検討を始めています。 来年度は、運営を委託している墨田区観光協会と協議の上、施設内の一部をレイアウト変更し、地域からの観光情報の収集、交換、発信、観光客と地域との交流を促進する拠点としての機能をリニューアルし、次の展開に向けてのトライアルを行いたいと考えております。 契約更新時期を機に、観光協会の運営体制の再構築、区内産品販売の拠点及び観光案内所のあり方について検討した上で、今後、すみだまち処の機能をどのように存続させていくかの決断をします。 次に、大学のあるまちづくりについてです。 まず、私の現時点での感想です。本区の大学誘致は着実に前進しており、8月に開催した「大学のあるまちづくり」説明会や、今月、東京商工会議所墨田支部の主催で行われた「i専門職大学」に関するシンポジウムに出席し、区民や区内事業者の皆さんの関心の高さを強く実感したところです。今後も千葉大学、電子学園と協力して、各大学の取組状況をお知らせするとともに、大学と区民や事業者の方々のさまざまな連携が進むよう取り組んでいきます。 次に、大学のあるまちづくりの波及効果等についてですが、千葉大学「デザイン・建築スクール」、「i専門職大学」の予定する学生数等をもとに、2つの大学が区内に進出することによる経済波及効果を調査しており、本年度中に取りまとめます。また、これまでの大学との協議の中で、区内事業所における学生のインターンシップ先の確保や学生の区内居住の促進策、小・中学校におけるプログラミング教育の支援、留学生による外国人観光客向けの通訳ボランティア活動など、さまざまな連携策が出ていますので、更に協議・検討を進めていきます。なお、大学の運営に関しての区内事業者の活用については、既に大学に申し入れを行っております。 次に、大学のあるまちづくりに向けての決意ですが、「i専門職大学」が開学予定の2020年4月、更にはその翌年の千葉大学「デザイン・建築スクール」の開設を見据えて、大学・事業者・区民の皆さんとともに、大学を誘致してよかったと思っていただけるまちづくりに取り組んでいきます。 以上で自由民主党、樋口議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。 〔教育長 加藤裕之君登壇〕
◎教育長(加藤裕之君) 自由民主党、樋口議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、今任期の教育施策についてです。 まず、学力向上については、墨田区の児童・生徒の学力は上昇傾向にあると考えていますが、学力低位層であるD・E層の割合が多いことや、社会科、理科の習得については課題が見られます。D・E層に属する児童・生徒が学力中位層であるC層以上に引き上がっていないのは、授業中には理解していても、時間が経つと忘れてしまい、定着が十分でなかったことが主な要因であると考えます。また、社会科や理科については、授業の最後に学習した内容をまとめているものの、練習問題を解くなどして理解しているかを確認することが十分ではないと考えます。 これらの課題解決として、学習した内容の定着については、児童・生徒が繰返し問題を解くことを学校全体で組織的に行っていくことが重要です。各学校が定着のための復習用教材である「ふりかえりシート」の活用を徹底して行うよう指導していきます。 また、社会や理科については、課題のある内容に関する「指導のポイント」の分量を拡充するとともに、新たに各学校に対して学習した内容をアウトプットさせて、理解しているかを確認し、定着につなげる取組の浸透を図っていきます。 さらに、児童・生徒の学習に対する意欲を高めていきたいと考えています。今後は、児童・生徒に向けて「夢や希望を持つことの大切さ」「学ぶことの大切さ」などをメッセージとして発信していくとともに、学校において意欲を高める指導をしていきます。 次に、授業時間外での取組についてです。 授業の内容が十分理解できない児童・生徒に対して、さまざまな形で授業の補完をしていくことは非常に重要であると考えております。その一つの方策としての放課後学習については、これまでも全ての小・中学校において実施していますが、特に早い学年段階から積み残しがないよう、小学校低学年を対象とした放課後学習を充実していきます。 また、教育委員会が放課後学習の実践例を収集・分析し、各学校に対して効果的な進め方を示し、放課後学習の充実に取り組んでいきます。同時に、小学校低学年段階からの学習習慣の確立が非常に重要です。児童・生徒が自発的に宿題に取り組めるようにすること、更に児童・生徒が自分で課題を見つけて家庭学習を行うことができるように、低学年の段階から自ら進んで学習に取り組む姿勢を育んでいきます。また、児童・生徒が努力したことや、できたことを褒めることの重要性を教員や家庭に対して周知していきます。 これまで行ってきた取組を改善し、基礎的・基本的な知識・技能等を確実に定着させるとともに、学力中位層以上であるC層以上の児童・生徒が更に学力を伸ばしていけるよう、発展的な問題に取り組ませるなどの取組を行っていきます。墨田区の子どもたちが学習する意欲を高め、確かな学力を身に付け、将来進路選択の幅が広がり、夢や希望の実現につなげることができるよう、取組を一層進めてまいります。 最後に、学校図書館の充実についてです。 学校図書館においては、児童・生徒の授業での活用や調べ学習での活用、居場所機能等の役割があると考えます。子ども読書活動推進条例案が区議会で審議されておりますが、その趣旨を踏まえて学校図書館の蔵書数や開館時間等の充実について推進していく所存です。来年度、「第4次子ども読書活動推進計画」の策定を行う予定ですので、その中で学校の読書活動支援をはじめ、学校図書館の機能充実について、項目を入れ込んでいきたいと考えております。 以上で、自由民主党、樋口議員のご質問に対する答弁を終わります。
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○議長(瀧澤良仁君) 16番・はねだ福代君 〔16番 はねだ福代君登壇〕(拍手)
◆16番(はねだ福代君) 墨田区議会公明党のはねだ福代でございます。会派を代表し、通告してある大綱5点につき、山本区長、加藤教育長に質問いたします。前向きなご答弁をお願いします。 質問の第1に、行政計画の新規策定及び改定について伺います。 地方公共団体が実施する事業の目標や計画を示した行政計画は、2000年の地方分権一括法施行以降、それまで主に都市計画や総合計画等において策定されていたものが、福祉や教育環境などさまざまな分野において行政計画を策定するようになり、その数は近年増える一方となっています。 増え続ける行政計画は、職員稼働にも大きく影響を及ぼします。11月14日から開催された全国市議会議長会フォーラムにおいてもこの問題が指摘され、パネラーとして登壇した自治総合研究所の今井主任研究員は、「自治総研」の本年7月号に「計画による国と自治体間の関係の変化について」と題し、国が求める行政計画の策定・改定がいかに自治体職員の負担となっているかについて論じています。 事例紹介されている新潟県聖籠町では、職員94人で行政計画の策定業務について、1年間で1,800人日の稼働が費やされているとのこと。さらに、2016年に国で新規制定した法律のうち、自治体に計画策定や責務を負わせた新規法律件数は13本、さらに法改正となった619本の中にも、新たに区市町村に計画策定や責務を規定したものもある可能性を示されています。自治体では、法の新設や改正に限らず、既存の行政計画の改定作業もあることから、その業務稼働は大変大きなものになると推察します。 そこで、何点か伺います。 現在、墨田区では幾つの行政計画があるのでしょうか。また、過去5年間の中で平均すると年間幾つの新規の行政計画を策定しているのでしょうか。併せて、過去5年間の行政計画の平均改定件数もお示しください。更に、行政計画の中にはその策定が1、補助金などの交付要件になっているもの、2、責務となっているもの、3、できる規定や努力規定になっているもの、4、計画策定を完全内製化しているもの、アウトソーシングを一部活用しているものについてお示しください。 また、現在業務改善プロジェクトが実施されており、書類作成業務や窓口業務等、この稼働状況を把握し、改善に向けた取組がスタートしますが、この行政計画策定業務について、所管ごとにどれだけ職員稼働が掛かっているのか、掌握していればお示しください。その上で、こうした数値をもとに区長は行政計画策定及び改定業務の見直しについて、どのような見解を持たれているのか、今後も増え続ける行政計画の策定業務と、それに対応する職員稼働の認識を含め、見解を求めます。 本来、国と地方公共団体の関係が対等であるならば、行政計画の策定はその自治体の判断に委ねられるのが筋ですが、高齢者福祉総合計画・介護保険計画に代表されるように、補助金の交付要件になっていることから無視することができない現状もあります。そこで、こうした課題を踏まえ、少しでも改善する上で幾つか提案をさせていただきます。 まずは、区の行政計画全体の把握を適切に行うべきです。具体的には、計画ごとに根拠法や改定時期、補助金の有無、東京都の計画との関係、策定が責務なのか、努力義務やできる規定なのかを示した策定区分、さらには他の行政計画との関連性などを整理する必要があると思います。その上で費やされる職員稼働、策定に関するフルコストも加え、総合的に見直す判断材料を整えるべきと考えますが、区長の所見をお伺いいたします。 また、できる規定や努力義務になっている計画について、本当に基礎的自治体として今後も行政計画として改定を図っていくのか、その必要性について今一度検証すべきと考えます。例えば、数値目標は区として掲げるとしても、その方針や実施方法については東京都の行政計画に準拠するとし、区としての計画を策定しないようにする、さらには関連する行政計画を統合するなど、計画の数を減らす対策をとるべきと考えますが、区長の所見を求めます。 次に、アウトソーシングについて伺います。 我が会派はアウトソーシングについて、議会の中で何度か指摘させていただきました。それは、計画策定業務が事業全体を把握できるなど、職員のスキル向上にとって極めて有効であると判断しているからです。しかし、増え続ける行政計画に職員稼働の多くが費やされる現状を改善するためにも、アウトソーシングについては大いに活用すべきとも考えます。 専門性が高く、情報量などが豊富な外部の知見を策定チームに入れることは、職員の人材育成やより充実した計画を策定する観点からも意味があると思います。ただし、区民の関心も高く、生活に極めて身近な計画については、外部の知見からアドバイスをいただいても、区民の意見聴取や課題分析、方針や柱となる重要政策の検討等はできる限り内製化を目指すべきと考えます。こうした点も含め、より積極的なアウトソーシングの活用について、区長に見解を求めます。 この問題の最後に、行政計画の改定方法についても見直すべきと提案をさせていただきます。 行政計画の多くが、その連続性が求められていることから、計画の最終年度に現計画の検証及び次期計画の策定作業を行っている場合が多いと思います。計画の連続性が責務となっているものを除き、計画改定の方法について、自治体に裁量権があるなら見直すべきです。 例えば、教育委員会の学力向上新3カ年プランのように、計画期間終了後、1年をかけてじっくり検証、次期計画を策定し、その翌年から新たな計画が始まる、こうしたプロセスにしたほうが職員の稼働にも少しゆとりができ、より手ごたえのある計画が策定できると思います。計画改定におけるプロセスの見直しについて、区長の所見を求めます。 次に、ひきこもり支援について質問いたします。 はじめに、義務教育終了後の切れ目ない支援についてです。義務教育終了までにはさまざまな支援体制が整っています。いじめ、不登校対策や適応指導教室などの復学へ向けた受け皿、スクールソーシャルワーカーなどの訪問による支援など、教育支援、育成支援ともに一定の環境は整っていますが、中学を卒業した途端に居場所がない、どこに行けばよいか分からないといった生きづらさを感じている若者の行き場がなくなってしまいます。行政側からのアプローチも、自ら求めなければ得られなくなります。この問題に真摯に取り組もうと、板橋区は1年ほど前から「中学校卒業時における進路未決定者への支援事業」などの新規事業を検討していますが、なかなか形にならないとのことでした。 このように、難しい取組ではありますが、墨田区としても果敢に挑戦していただきたいと思います。具体的には、すみだ生涯学習センターにおける臨床心理士の方を中心に行っている教育相談の活用が考えられます。対象がおおむね18歳までであること、解決が困難なケースなどの情報があること、これらを関係する部署が共有し、更に18歳以降の支援にもつなげることが望ましいと考えます。 私のつたない調査活動で得た知見では、年齢を重ねるごとに精神保健分野での支援が欠かせない方が増えることから、保健所との連携が求められます。そこで、新保健センターができるまでの間に、教育相談と保健センターの連携あるいは統合も視野に入れ、対象年齢を18歳で区切らずに、中学卒業後おおむね39歳までの若者を対象にした居場所づくりと相談等の支援の場を設置してはどうかと考えますが、区長のご所見をお伺いします。 次に、幅広い世代と個人の状況に応じた多様な支援のあり方についてです。 精神疾患の発症年齢が思春期から20代半ばにピークを迎えることを考えると、義務教育終了後から20代、30代を含め、間断のない支援体制と支援の中身の重層化が必要です。ただいま区長に見解を求めた新保健センターにおける相談対応や支援の場は、心の病なども含め最も厳しい状況に置かれた方を対象にした事業と言えます。便宜上第1段階と呼びますが、精神的な問題も含まれる困難事例に対しては、自殺対策も含まれることから保健センターが担当することが適切と考えます。 一方で、既に自立や就労に対する意欲がある段階又は既に求職活動をスタートしている段階になると、これは第3段階と名付けますが、経営支援課やハローワーク、東京都しごとセンターなどの連携が想定されます。 他方、最も支援が求められるのは、将来の就労可能性が期待できるものの意欲がない、買い物等で外出するものの、用がなければ家にずっといるといった第1段階、第3段階のどちらにも属さない中間層である第2段階のひきこもりと言えます。更に細かく分類すれば、相談等に訪れる層と相談にも来ない、カウンセリング等も受けないといった層に分けられます。この多様な方が含まれる第2段階の方々のひきこもりが長期化すると生活が困窮し、精神的にも追い詰められ、第1段階になってしまうこともあるでしょうし、昨今社会問題化している中高年のひきこもりとなり、一層自立が遠のいてしまいます。また、支援が行き届き、第3段階から自立へのステップを歩む方も出てくると考えられます。 そこで、この第2段階の方への多様な支援が重要です。 まず、受け皿づくりです。このままではいけない、何とかしたいと思っている方が関心を持つような、居場所などの資源をリストアップして、マップにしてみてはいかがでしょうか。これに関しては、文京区の「ひきこもり支援地域資源MAP」が参考になると思います。区の施設だけではなく、東京都の機関、民間が運営するコミュニティカフェなどや大学などの相談機関まで掲載され、ふらっと立ち寄れる施設、メール相談など気軽に受けることのできる相談機関から、重い相談まで対応する機関などがすべて網羅されており、私にとっても参考になりました。同じ区役所内でも部署が変わっただけでどのような事業を行っているか分からないといった縦割りの弊害が指摘されるひきこもり支援にとって、どのような地域資源があるのかを一枚のマップで把握できる意義は大きいと思います。こうしたひきこもりの資源マップの作成を望むものですが、区長のご所見をお伺いいたします。 この質問の最後は、新たな居場所づくりとアウトリーチ、訪問支援から自立へとつなげる、年齢ではなく内容における切れ目のない支援についてです。 第2段階の方は、一人ひとりに応じた支援のあり方があると言ってよいほど多様な対応が求められます。第1段階に近い方にとっては、来ることを待つ対策では支援が必要な若者にアプローチできていないとの反省からアウトリーチの取組が求められますし、第3段階に近い方には居場所づくりの必要性が指摘されています。第1段階と第3段階とをつなぐ切れ目のない支援を行う役割を持つ第2段階の方への対応に当たっては、民間のNPO等の経験と実績を生かすべきであると考えます。 国をはじめ、多くの自治体が民間のNPO等と協働してひきこもり対策に取り組み始めていることから、民間を活用したアウトリーチを含めたひきこもり支援事業を実施するべきと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。 次に、住宅確保要配慮者に対する入居支援についてお伺いいたします。 平成29年4月住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給に関する法律の一部を改正する法律が公布され、1、住宅確保要配慮者向けの賃貸住宅の登録制度、2、登録住宅の改修・入居への経済的支援、3、住宅確保要配慮者のマッチング・入居支援の新たな枠組みが示されました。 登録住宅の国の目標は2020年までに17万5,000戸、実に年間5万戸相当であり、東京都も住宅確保要配慮者の供給促進計画を策定、2025年まで3万戸の登録を目指しています。この法律は平成29年10月に施行されましたが、登録住宅は本年11月現在で国4,962戸、東京都270戸と目標にはほど遠い状態に陥っています。東京都の促進計画は本年3月策定されたもので、墨田区もこの計画にのっとって促進していくわけですが、遅々として進まない状況を何としても改善していかなければなりません。 そこで、登録住宅が進まない理由はどこにあるのか、制度構築の課題解決のために、以下の点について、区長にお伺いいたします。 まず第1点目は、制度の理解・普及が進んでいないということです。この制度は、入居を拒まない住宅として登録すれば、家賃低廉化や家賃債務保証料の低廉化に関わる費用が国や地方公共団体から補助されます。また、登録住宅の改善に対する支援措置としてバリアフリー工事、耐震改修工事、用途変更工事等の改修費補助もありますが、そもそも家主がこの制度自体を知らないので、物件も出てきません。また、登録住宅や利用可能物件が少ないため、情報が伝わらず借りる側も宅建業者から紹介されないという負のスパイラルになっています。公営住宅の応募倍率が高止まりの中、建物取り壊しによる退去、仕事をリタイヤした後の転居、夫に先立たれて収入面から今の住居に住み続けられない、障害を理由に入居を断られるなど、住宅問題は一時の猶予もない状況です。 そこで、民間賃貸住宅を登録していただくため、制度の理解・普及を進めるには、1、不動産事業者向けセミナー、2、家主向けセミナー、3、アウトリーチ活動等積極的な広報活動を展開すべきと考えます。法律が整備された以上、区としてもあらゆる方法で事業の周知を広め、制度を構築するのが区の責務ではないでしょうか。区長の見解をお伺いいたします。 課題の2点目は、住宅施策の支援が高齢者に偏っているということです。本区では、高齢者個室借上げ住宅事業、高齢者住宅あっせん事業等があり、この他墨田区民間木造賃貸住宅改修支援事業も60歳以上の高齢者が対象となっています。 世田谷区では、本年10月よりひとり親世帯向け家賃低廉化補助モデル事業を実施。18歳未満の子どもを養育するひとり親世帯が区内の民間賃貸住宅に転居する場合に、入居者の家賃負担額が月額4万円減額になる制度を開始しました。オーナーや不動産事業者に対して、平成30年度25戸の募集をしています。ひとり親世帯の増加とともに、貧困率に見る住宅施策の重要性は貧困の連鎖を断ち切るためにも大変重要と考えます。是非、墨田区としても目標数を設定し、ひとり親世帯向けの取組を実施すべきと考えます。区長の所見をお伺いいたします。 第3点目は、居住支援協議会がいまだ機能していないため、今後の課題が見えてこないということです。墨田区としても早期に支援の協議体を設立し、支援団体のプラットフォームを構築すべきです。 昨年3月策定された「墨田区住宅マスタープラン」の中の重点的な取組に掲げられている「すみだすまいあんしんネットワーク」の構築は、先の法律による居住支援団体と同等の協議体と認識しています。現在でも、高齢者支援総合センターや社会福祉協議会、子育て支援総合センターなど、行政だけでも多くの所管が関わっていますが、住宅確保要配慮者に対する安心・安全で効率的な支援に向け、それぞれの分野での課題や現場からの提案に共通理解を深めるためにも、住宅部門と福祉部門の連携が最重要であると考えます。 福岡市の「住まいサポートふくおか」では、見守りや緊急時対応、専門相談、生活支援サービス、権利擁護、死後事務委任、家財処分、医療・介護・保険サービス等のコーディネートなどのプラットフォームが構築されています。墨田区としても、区長が先頭に立って課題解決のために住宅部門と福祉部門の庁内連携会議を精力的に行い、生活支援や個別支援に民間やNPO、また居住支援団体の活用なども視野に入れ、法律が生きる施策の展開を望みます。区長の所見をお伺いいたします。 住宅確保要配慮者入居支援の最後の課題としては、家主さんの安心を担保する制度、部屋を貸すことに積極的になれる取組について挙げさせていただきます。 本年8月、都議会公明党は小池都知事宛てに住宅確保要配慮者に関する家賃助成などの制度改善の申し入れを行い、要望書を提出。関係者の意見交換、不安や負担の軽減等を強く申し入れ、本年10月15日から登録料が無料になる等、改善も見られました。家主の皆さんに安心して住宅を提供していただくためには、インセンティブ付与や入居者が亡くなった場合の不安、残された荷物はどうするのか、部屋の片づけは、家賃はどうなるのかなど、さまざまな不安要素を取り除くことが大変重要です。 そこで、「大家さん向け住宅確保要配慮者受入れハンドブック」の活用とともに、大家さんにとってのインセンティブ付与や危険リスクを排除する施策を導入すべきと考えます。山本区長のご所見をお伺いいたします。 次に、墨田区における妊娠・出産包括支援体制の再編について質問いたします。先の決算特別委員会での質疑を受けて、改めて何点か確認の意味を込めてお伺いいたします。 「ゆりかご・すみだ」事業を実施することで、大きな効果を発揮していると評価しています。育児パッケージという都の補助金には期限がありますが、妊娠期から個人とつながる相談体制は今後もしっかり継続すべきと考えます。一方、妊娠の届出について、出張所での受理は専門職がいないため書類だけの提出だけにとどまってしまうと伺っています。 会派で視察した京都府宇治市のように、必ず面談をしてから親子手帳を手渡すような仕組みづくりを提案いたしますが、区長のご所見を伺います。 「墨田区の福祉・保健」平成30年度版で示された実績を比較すると、出産前の面談で何らかのリスクを感じて支援プランにつなげた方は6%から7%に対し、産後うつスクリーニングで高得点を示す方は11%から12%と、妊娠期からの支援者以上に産後に新たなリスクを抱える方が増えているという数字から、出産直後の母体に重きを置く支援が急務であると考えます。 現状の産後の訪問では赤ちゃんが主眼となり、育児への助言やアドバイスが中心となりますが、その言葉どおりにいかない現実を前に、一人で悩みを抱え込んでしまい、産後うつに陥るお母さんを救済するためにも、母子とものショートステイやデイケアを核とした新たな産後ケアを実施すべきと考えます。特に、傾向として30代からの比較的高齢で初産となる方は、体への負担に加えて実家に頼ることができないばかりか、介護者であるケースもあり、更に仕事との両立のため、復帰後の保育園入園までの不安など、複合的な悩みを誰にも打ち明けられないで抱え込んでしまうケースも多いと聞いています。こうした事業は、受け皿となる施設の確保と財源が必要となります。そこで、周産期ネットワークを形成されている区内の助産師さんへの意向調査を実施すること、また区の医療資源は限られていることから、近隣他区の施設との連携を模索することも大事であると考えますが、区長のご所見を伺います。 財源の問題や体制整備という長期の準備期間を要することは理解しておりますが、自己負担があってもショートステイやデイケアという仕組みや施設があるという情報を積極的に提供することで救われるご家族もあると思います。ご所見を伺います。 また、女性の喫煙率が高い本区では、妊娠・出産で禁煙したのに子育てが始まると同時に喫煙者に戻ってしまうとも仄聞しております。そこで、乳幼児のお母さん向けに禁煙支援を実施してはいかがでしょうか。こうした喫煙につながる精神的なストレスを軽減できるような寄り添い型、傾聴による心のケアという視点も大事だと考えます。 次に、妊娠の届出を出したものの、出産に至らなかった方への対応について伺います。かけがえのない命を宿して、喜びと希望の中にいた妊婦さんにとって、流産や死産による悲しみや苦しみは計り知れないものがあります。過日、NHKの番組でこうした方々を経験者につなげ、交流を図る中で精神的なケアを実施している静岡県のNPO法人の取組が紹介されていました。 流産経験者の中には、反復流産による不育症の可能性も考えられます。適切に治療を行えば出産につながる場合もあり、治療専門の医療機関への紹介も含め、こうした方へのケアについても取り組むべきと考えますが、区長のご所見を伺います。 いずれにしても、できる事業を各所管が単独で積み上げていくような目先の事業であってはならないと思います。未来への希望となる母子の命を守るための妊娠・出産の包括支援をいかに再編すべきか、明確なビジョンと効果を発揮していくための総合的な戦略を持ち、関係機関が連携したきめ細やかな支援体制の構築に向けて、「人にやさしいまちすみだ」ならではの区長としてのご所見と取組へのご決意を伺います。 最後に、メディアリテラシー教育について教育長に質問いたします。 昨今、未確認の不審者情報など、SNSを通じて得た情報についてさまざまなご相談が寄せられています。先日も、区内の高校生が見知らぬ人からイベントチケットの販売案内がSNSを通じ届いたことについての相談を伺いました。ご両親は、何もなかったからよかったものの、大変心配されておりました。 こうしたことは、墨田区内だけではなく全国でも発生していると思います。一方、大阪府では来年度から公立小・中学校の児童・生徒に携帯・スマートフォン等の持ち込みを認めるとの報道もありますが、インターネット社会におけるメディアリテラシー教育の取組強化について、教育長はどのように認識されているのか、まずお伺いいたします。 東京都教育委員会では、情報モラル教育の一環として2015年より「SNS東京ルール」を策定、昨年度からは補助教材「東京ノート」を改訂し、「怖がらせる」情報モラル教育から「考えさせる」ことに重心を置いた転換が図られるよう授業などでの活用を図っているそうです。 昨年度、東京都教育庁が発表した「児童・生徒のインターネット利用状況調査」報告書によると、通信機器では80%以上の児童・生徒が中学校の段階でスマートフォンを利用しており、90%以上の児童・生徒が小学校の段階でインターネットを利用している実態があります。インターネット利用時のルールやマナーは小学校の場合は学校で教えてもらったのが約34%で、家庭から教えてもらったのは65%と、学校教育現場での啓発教育が低い実態が表れています。各家庭でのルールも異なり、認識のずれも生じることから、学校と家庭が協力をして取り組む課題であると思います。インターネット社会が大きく普及し、使用年齢が低年齢化する中で、学校では先生と児童・生徒が、家庭の中では保護者と子ども双方が学習・確認し合える教育体制が大事になります。 そこで先日、総務部及び教育委員会主催で開催した人権セミナーにおける下村健一さんの基調講演を参考に、小・中学校におけるメディアリテラシー教育セミナーの実施を検討してはいかがでしょうか。講演では「今や貴方も発信者」と題して、メディアリテラシーに対する疑問を語られておりました。具体的には、情報をしっかり受けとるための四つの視点として、1、結論を即断するな、2、意見・印象をうのみにするな、3、一つの見方に偏るな、4、スポットライトの中だけ見るなと言われ、子どもたちが聞いても大変分かりやすく、的を射た内容でした。残念だったのは、600人弱が入れるホールに150人弱しかおらず、年代的にも中高年者が多かったように感じました。今後は、総務部と教育委員会が連携をとって、より多くの児童・生徒が参加できるように推進を図るべきと思いますが、教育長のご所見をお伺いいたします。 さらに、教育現場の参考として、NHKEテレで小学校高学年から中学生向けの「メディアタイムズ」という番組が大変参考になりますので、ご紹介させていただきます。番組ホームページを見ると教員向けのコンテンツもあり、アクティブ・ラーニングに即した構成や動画クリップなど、授業で使いやすい教材もたくさん載っています。これらの教材も利用して、分かりやすい授業ができるように取り組むことにより、メディアリテラシー教育の啓発に活用していただきたいと思いますが、教育長のご所見を伺います。 質問の第2は、保護者へのメディアリテラシー教育についてです。現在、教育委員会や消費者教育の中で実施をしているとは思いますが、先ほど述べた「メディアタイムズ」という番組が参考になります。内容としては、どのようにして視聴者に受け入れやすい番組をつくっているか、作り手の立場から見て個人的にSNSを使う人に対してもどのように考えて発信・受信をするのが正しいのか、大人と中学生の立場からメディアにどのように向き合っていけばよいのかを教えています。「みんなで考えてみよう」との問いかけを用いて、家庭内でも議論を深められる内容になっている番組構成も特徴です。是非、参考資料としてPTAに対するセミナー等に活用するなど、各学校に周知をしていただきたいと思いますが、教育長のご所見を伺います。 最後の質問は、メディアリテラシー教育についての相談体制強化についてです。来年度からの消費者教育の推進が図られると思いますが、その中でインターネット関連の問題について連携を図り、さまざまな事例について相談ができるよう取り組むとともに、2020年開学する「i専門職大学」との連携を図ることにより、専門的な問題解決の方策をともに考え、総合的な学習の時間等に取り入れ、児童・生徒や保護者に対してきめ細やかな相談体制がとれるよう、各所管部局と連携をとっていただきたいと思いますが、教育長のご所見を伺います。 以上で、質問を終わらせていただきます。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの公明党、はねだ議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、行政計画の新規策定及び改定についてです。 行政計画は、社会環境や住民ニーズが複雑・多様化している今日において、行政施策の効率性、整合性を確保することを目的に策定されています。その策定範囲は広く、地域住民の生活に影響を及ぼすものから、行政の内部計画的な性格を持つものまで、多種多様です。 本区における行政計画に関しても同様であり、すべてを合わせると非常に多くの数になり、その総数や5年間平均の新規計画数等は把握できていませんが、本区における過去5年間の策定及び改定数については、外部に公表しているだけでも58件あります。そのうち、補助金の交付要件になっているものは10件、法的に責務となっているものは30件、努力規定等任意のものは28件となっています。また、計画策定の方法として、完全内製化しているものは34件、委託等のアウトソーシングを活用しているものは24件となっています。それぞれ計画に合わせ、適切な区民サービスが提供されているか検証し、見直しも行っているところです。 次に、行政計画の策定業務について、所管ごとにどのくらいの職員が関わっているかについてです。 一昨年から昨年にかけて行った業務量調査において、当該期間中に計画策定作業を行っていた所管に掛かる業務時間は把握していますが、計画策定自体に着目した調査ではなかったため、これに掛かる総業務時間や職員数までは把握できていません。 こうした状況を受けた私の見解についてですが、行政計画の持つ性格はご指摘のとおりさまざまであり、それぞれの計画について根拠規定や他の計画との関連性及び策定に掛かる業務負担やコストなどについて検証を行う必要もあるのではないかと考えます。その上で、改めて総合的に見直しをしていくことも必要と考えています。できる規定や努力義務になっている計画については、これまでもその必要性については予算編成等を通じて精査しているところですが、計画の対象領域の重なりが大きいものについては、統合の可能性を検討していきます。 次に、アウトソーシングの活用についてです。 行政計画の策定には多くの時間等を要しますが、その過程に着目すると、区民参加の場となっていることや、職員の政策形成能力の向上につながるといった面も持ち合わせています。これまでも行政内部の内製のみならず、コンサルティング事業者等外部の知見を活用する事例は多くありますので、今後とも策定する計画の性格に応じて効果的・効率的な手法で取り組んでいきます。 次に、行政計画の改定方法についてです。 区民参加・協働の進展とともに、自治体の各種計画は定めることのみを目的とするのではなく、その策定過程や検証と参画方法の検討等、公共の計画としてのプロセスも重要となってきています。私は、こうした点も踏まえて計画の対象・内容に適した改定の時期と検証方法及び期間を検討していきます。 次に、ひきこもり支援についてです。 義務教育終了後の切れ目ない支援ですが、保健センターで実施している「思春期相談」は、おおむね未成年者を対象としていますが、状況により20代から30代の若者等の居場所づくりや相談にも対応しています。また、地区担当保健師による思春期等の個別支援活動では、教育相談と連携を図りながら対応しているケースもあり、今後、この体制を更に強化していきます。 次に、年齢や個々の状況に応じた多様な支援のあり方についてです。 本区では、全ての子ども・若者が健やかに成長し、円滑に社会生活を営むことができる社会の形成を目指し「墨田区子ども・若者計画」の策定を準備しています。その中で、子ども・若者に関するさまざまな相談窓口を一覧にする予定です。 また、東京都では、ひきこもり、不登校、ニートなど社会的自立に困難を有する若者の支援に係る関係機関の情報を総合的に集約し、容易に検索することができる仕組みとして、「若者支援等の社会資源情報に関するポータルサイト」を新たに立ち上げるとしています。これらを活用・検証しながら、地域資源を記載したマップなどの情報発信について検討していきます。 次に、新たな居場所づくりとアウトリーチを含めたひきこもり支援についてです。 自殺対策において、若者の生きる支援として検討している居場所支援は、心の悩みや生きづらさを感じている若者が安心して過ごせる場の提供であり、ストレスの対処方法やソーシャルスキルを身に付け、自立へのステップを歩む効果的な支援と考えています。その支援体制づくりについては、専門のNPO法人の活用も含めて、今後検討していきます。また、精神障害が疑われる医療未受診者や、ひきこもりの方へのアウトリーチ支援については、既に国が推進している「精神障害にも対応した
地域包括ケアシステムの構築」においても重点事業としているので、国の動向も踏まえ、アウトリーチの効果的な方策について検討していきます。 次に、住宅確保要配慮者に対する入居支援についてです。 ご案内のとおり、昨年10月、「改正住宅セーフティネット法」が施行されましたが、現在、国制度において賃貸住宅の登録が進んでいない状況にある中、課題の解決に向けた取組について4点のご質問がありました。 まず、制度の理解・普及が進んでいないことについてです。 ご指摘のとおり、現在、国や都においてさまざまな形で不動産関連団体や家主等に対しての情報提供を行っていますが、十分でないため、制度があっても供給にはつながっていない可能性があります。区としても、これらの団体等へ積極的に情報提供をし、物件の登録の協力を要請していきます。また、都内の居住支援法人と連携したセミナーの開催についても、実現に向けて調整していきます。これらの取組と合わせて、住宅部門と福祉部門とが連携したアウトリーチ活動など、積極的な広報活動に取り組み、制度の理解・普及に努めていきます。 次に、住宅施策の支援が高齢者に偏っていることについてです。 ご案内のとおり、「ひとり親世帯向け家賃低廉化補助モデル事業」は、国制度をベースに入居者と家主のマッチングを行うというものです。現在、区が構築を進めている墨田区版の住宅セーフティネット制度である「すみだすまい安心ネットワーク」については、今定例会でご報告する予定ですが、高齢者世帯に加え、ひとり親世帯を含む子育て世帯や障害者世帯も対象としていますので、制度の周知を徹底し、住宅確保要配慮者にとって利用しやすい制度となるようにしていきます。なお、目標数については、「高齢者等住宅あっせん事業」の実績などを参考に、事業開始を予定する来年度はひとり親世帯を含めて全体で30件程度の成約を目指しています。 次に、居住支援協議会がいまだ機能していないため、今後の課題が見えてこないことについてです。 区では、「すみだすまい安心ネットワーク」を構築する中で、居住支援協議会のあり方について検討することとしていますが、宅地建物取引業協会や全日本不動産協会とは既に一定の協力関係が構築できています。まずは、これらの他団体に加え、居住支援法人など必要な機関に参加していただき、定期的な情報交換や意見交換の場を設けていきます。 次に、家主が安心して部屋を貸すことができる取組についてです。 国制度において、住宅の登録が進んでいない現状に鑑み、ご指摘いただいた安心して住宅を提供していただくためのインセンティブの付与等は重要であると考えています。そこで、本ネットワークでは賃貸借契約成立時の家主に対する謝礼金や入居者が死亡した際の家財処分等に対応した保険料の一部を補助する仕組みを創設する方向で検討を進めていきます。なお、「大家さん向け住宅確保要配慮者受入れハンドブック」については、国や関係団体とも連携しながら活用を図っていきます。 次に、妊娠・出産支援体制の再編についてです。 まず、「ゆりかごすみだ事業」の今後についてです。東京都の育児パッケージ補助終了の期限を見据え、支援を要する妊婦のために、親子健康手帳交付の際の専門職面接は引き続き100%を目指す必要があります。ご提案のとおり、妊娠届の際、専門職による面接を実施する体制は重要ですので、検討していきます。 次に、新たな産後ケアについてですが、これまでは産褥期の方の移動の負担等を考慮し、区内の医療機関に絞って検討をしてきましたが、ショートステイやアウトリーチ等、さまざまな手法があることから、効果的な方法と必要な対象を見極めながら、実現に向けて準備を進めていきます。その上で、支援が必要な方が安心して利用できるよう、地区担当保健師から情報提供を行っていきます。 また、乳幼児の母親へ向けた禁煙支援ですが、ゆりかご面接の際、喫煙の有無をお聞きし、喫煙している場合は胎児への影響を説明して禁煙方法を指導しているほか、乳幼児健診においても同様の対応をしています。このたび、健康増進法の改正及び東京都受動喫煙防止条例の施行を踏まえ、東京都では禁煙外来等の自己負担分の助成事業を開始しましたので、本区での実施を検討します。 出産に至らなかった方へのケアについては、これまで十分でなかった部分もありましたが、ゆりかご面接を開始したことにより、妊娠期から切れ目のない支援が可能となりましたので、今後きめ細やかな支援に努めます。 「暮らし続けたいまち」を目指す私としては、区民が安心して子どもを産み、子育てできるまちづくりの実現に向け、これまで以上に施策の推進に努めます。 以上で、公明党、はねだ議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。 〔教育長 加藤裕之君登壇〕
◎教育長(加藤裕之君) 公明党、はねだ議員のメディアリテラシー教育についてのご質問に順次お答えします。 まず、インターネット社会におけるメディアリテラシー教育の取組強化についてですが、現在、低年齢の段階からパソコンやスマートフォン、タブレット端末などの情報機器を使用する機会が増えています。ネット上にあふれる情報の正確性を判断したり、適切に活用する情報能力や情報モラルに関わる教育等の必要性が高まっています。 新学習指導要領の総則には、教科等横断的な視点に立った学習の基礎となる資質能力として、言語能力や問題発見・課題解決能力と並んで情報モラルを含む情報活用能力が挙げられるなど、メディアリテラシー教育を充実していくことは重要な課題であると認識しております。本区においても、平成28年2月に中学校生徒会サミットを実施し、生徒同士が主体的に話し合い、「墨田区立中学校インターネット・SNS使用ルール宣言」を行いました。また、授業での「SNS東京ノート」の活用や、「SNS東京ルール」を受けた「SNS学校ルール」、各家庭の「SNS家庭ルール」の策定などを行っております。 今後も、知識を取得し、児童・生徒が主体的に考えていけるようにするとともに、保護者の協力を受けながら取組の強化を図っていきます。 次に、メディアリテラシー教育のセミナーについてです。 私も、下村健一さんの講演を聞きましたが、来場者を中学生に見立てて、分かりやすい言葉でお話をされ、多くの児童・生徒に聞かせたい内容であると思いました。児童・生徒が直接このような講演を聞くことは、メディアリテラシーについての理解を進める上で貴重な機会になると考えます。今後、同様の機会があれば関係部署と連携し、より多くの児童・生徒の参加について検討していきます。ご紹介いただいた番組についてですが、メディアリテラシー教育の充実のためには、使いやすい教材や教員の指導力向上も重要となりますので、学校に紹介してまいります。 次に、保護者へのメディアリテラシー教育についてです。 現在、民間企業の方を講師に招いた出前授業や、いじめ防止授業地域公開講座、セーフティ教室等を公開し、児童・生徒だけではなく、保護者や地域の方々の参加を促し、児童・生徒と共に学び、考え、話し合う機会を設定しています。また、各教科や特別活動、総合的な学習の時間においてさまざまなメディアからの情報をもとに考え、話し合い、課題を解決する授業を行い、日ごろからメディアリテラシー教育に関心を持って生活していけるようにしています。その中で、東京都教育委員会が作成したDVDやテレビ番組、映像資料等を活用してきました。ご紹介のあったテレビ番組を活用することも、議論を深めていく上で効果があると考えますので、各学校やPTAに周知してまいります。 最後に、メディアリテラシー教育についての相談体制強化です。 自立した消費者として、豊かな消費生活を営むための消費者教育は重要であり、消費者トラブルを回避するため、インターネットやオンライン上のトラブル事例を取り上げ、解決のための消費者センターなどの相談窓口を生徒に理解させています。また、相談先として東京都青少年・治安対策本部が開設している「こたエール」などの各相談機関を長期休業日前など、定期的に児童・生徒に周知しています。さらに、メディアリテラシー教育の充実を図るため、専門機関や関係部署との連携は重要です。区内に新設される「i専門職大学」と具体的にどのような連携が図られるのか、協議していきます。 また、インターネット関連でのトラブルに関する相談窓口は、その内容により消費生活センターなどさまざまですので、その周知について区長部局と連携をとっていきたいと考えています。 以上で、公明党、はねだ議員のご質問に対する答弁を終わります。
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