平成30年 第3回定例会(9月) 平成30年第3回定例会 墨田区議会会議録1 期日 平成30年9月11日2 場所 墨田区議会議事堂3 出席議員(31人) 1番 坂井ユカコ君 18番 高橋正利君 2番 村本ひろや君 19番 じんの博義君 4番 佐藤 篤君 20番 あべきみこ君 5番 しもむら 緑君 21番 田中 哲君 6番 渋田ちしゅう君 22番 はらつとむ君 7番 西村孝幸君 23番 樋口敏郎君 8番 井上ノエミ君 24番 沖山 仁君 9番 大瀬康介君 25番 田中邦友君 10番 堀 よしあき君 26番 木内 清君 11番 あさの清美君 27番 坂下 修君 12番 としま 剛君 28番 瀧澤良仁君 13番 加藤 拓君 29番 おおこし勝広君 14番 中沢えみり君 30番 加納 進君 15番 福田はるみ君 31番 千野美智子君 16番 はねだ福代君 32番 高柳東彦君 17番 とも宣子君4 欠席議員 なし5 欠員(1人) 3番6 出席理事者 区長 山本 亨君 産業観光部長 鹿島田和宏君 副区長 高野祐次君 福祉保健部長 青木 剛君 教育長 加藤裕之君 子ども・子育て支援部長 岩佐一郎君 企画経営室長 岸川紀子君 都市計画部長 渡辺茂男君 総務部長 小暮眞人君 都市整備部長 田中正明君 区民部長 石井秀和君 企画経営室参事 郡司剛英君 地域力支援部長 関口芳正君 区民部参事 高橋宏幸君 地域力支援部参事 前田恵子君 環境担当参事 島崎 進君 保健衛生担当部長 伊津野 孝君
立体化推進担当部長 大野暢久君 保健衛生担当参事 岩瀬 均君 会計管理者 中山 誠君 保健衛生担当参事 植原昭治君
教育委員会事務局次長 後藤隆宏君 危機管理担当部長 酒井敏春君
教育委員会事務局参事 宮本知幸君 環境担当部長 佐久間 之君
選挙管理委員会事務局長 小久保 明君7 出席事務局職員 事務局長 浜田将彰君 議事主査 松本光考君 事務局次長 瀬戸正徳君 書記 北條 豊君 議事主査 荒井 栄君 平成30年第3回墨田区
議会定例会議事日程 第3号 平成30年9月11日午後1時 開議第1 議案第59号 墨田区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例第2 議案第60号 墨田区手数料条例の一部を改正する条例第3 議案第61号 墨田区議会議員及び墨田区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例第4 議案第62号
墨田区営運動場条例の一部を改正する条例第5 議案第63号 墨田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例第6 議案第58号 平成30年度墨田区一般会計補正予算第7 議案第64号 小梅橋架け替えその他工事請負契約第8 議案第65号 土地等の売払いについて第9 議案第66号 物品の買入れについて第10 議員提出議案第8号 墨田区
子ども読書活動推進条例 午後1時開議
○議長(瀧澤良仁君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(瀧澤良仁君) まず、会議録署名員を定めます。 本件は、例によって、議長からご指名申し上げます。 1番 坂井ユカコ君 23番 樋口敏郎君のご両君にお願いいたします。
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○議長(瀧澤良仁君) 昨日に引き続き、一般質問を行います。 順次発言を許します。 30番・加納進君 〔30番 加納進君登壇〕(拍手)
◆30番(加納進君) 墨田区議会公明党の加納進でございます。通告してある点につき、区長に質問をさせていただきます。昨日の沖山議員の質問と一部重複をいたしますが、私なりの視点で質問いたしますので、どうかよろしくお願いをいたします。 初めに、保育の質の確保、向上対策について質問いたします。 保育の場は、子どもたちが日中の大半を過ごす生活の場であり、教育の場ですから、質が確保されていることを望むのは当然と言えます。 都内の自治体の多くが、この春、待機児童数を減少させたのに反し、墨田区は増加傾向にあります。したがって、今後も一定程度、計画的な整備が求められます。しかし、中には施設数を急拡大した事業者などもあり「保育士の確保・育成が大丈夫でしょうか」といった保護者の不安の声もあります。 そこでまず、墨田区全体の適切な配置を含めた公募における審査の仕組みについてお聞きいたします。 量的な拡大が一定程度求められると申し上げましたが、地域的な偏在も出てきました。区内のどこでもよいといった考えは、排除しているとのことですが、近隣の類似施設との連携の問題や、狭隘なスペースを活用した提案もあることから、近年は、地域の理解を得ることが困難、若しくは理解を得るまでに時間の掛かる例も出てきていると耳にしております。 保育指針の中において、保護者、地域の理解と協力は不可欠、つまり地域に開かれた子育て支援拠点の機能を求められている点も踏まえると、公募に対し、応募した事業者を、区が審査を経て選定したのであれば、地域の理解を求める作業を事業者任せにせず、区が責任を持って関与するべきであると考えます。区長のご見解をお聞きいたします。 また、公募から選定に至るまでの過程について、事前にヒアリングさせていただきましたが、法令に基づき、実に丁寧かつ慎重に進めていると理解いたしました。最近は選定しないケースもあるとのことですから、保育の質の確保を重要視する姿勢がうかがえ、評価するものです。 その上で申し上げれば、事前調整にもう少し時間をかけていただきたい。その中で、先ほど上げた地域との連携について、具体的にどのような提案があるのか、理解が得られない場合の対応についてどうするのか協議することに加え、1、厚生労働省のガイドラインに基づく自己評価、2、東京都
保育士等キャリアアップ補助金等に係る財務情報等及びモデル賃金等について、3、災害、感染症及びアレルギーの対応に関する指針、4、乳幼児突然死症候群(SIDS)
発生予防マニュアルの4点について、開園予定の園だけではなく運営している園も含めホームページで公開するよう、協議の中で求めていただきたいと思います。 これらは、子どもの安全及び保育士の待遇改善を含めた職場環境に関するもので、保育の質の最も重要な柱であり、本来自主的に公開していただきたいものです。事業者では当然作成しているものですが、一部を除き公開までは義務付けられていません。したがって、強制はできませんが、強く求めていただきたいと思います。区長のご所見をお伺いいたします。 次に、平成27年度の子ども・子育て新制度の導入に伴い、区に付与された保育園等への指導検査の権限についてお伺いいたします。 墨田区においても平成28年度から実施しています。事前のヒアリングでは、関係法令・通知等に照らし、適正に運営されているかどうかを、原則3人以上で保育園等に出向き、ほぼ1日を費やし実施し、必要な助言、指導等を行っているとのこと。事業者側も緊張して臨んでいるものと推察はいたしますが、指導検査実施要綱で定めるとされる指導検査に係る基準や、指導検査方針が公開されていません。 また、指導検査の結果、どのような指導を行い、それを受け改善されたのかどうかの結果が公開されていません。これでは、議員あるいは議会として、監視、評価するに当たり、判断の材料が提供されていないのと同じです。 また、保護者に対して、保育の質に関する情報開示量が少なく、不親切と言わざるを得ません。実効性のある指導検査の実施には、今申し上げた指導検査基準及び方針、また年間の実施計画、そして指導検査実施後の対応の公開を求めるものですが、区長のご所見をお伺いいたします。 次に、保育人材の確保について伺います。 この問題は、一義的には国や都道府県の事務と言えますが、基礎的自治体としても真剣に検討する時期に来ています。特に、東京都の保育士の求人倍率は6倍に迫る勢いとされ、危機的な状況です。 そこで、潜在保育士の復職支援及び現職者の離職防止について提案させていただきます。 第1点目は、キャリアパスの作成支援です。これは、復職した潜在保育士だけではなく全ての保育士にも当てはまることですが、短時間勤務など多様な働き方が求められる職場環境でありながら、開園時間の長い保育園では、長時間勤務が常態化する傾向があります。インターネットで「ブラック保育園」と検索すると、実に多くの記事がヒットし、保育士にとって、所得増といった待遇面だけではなく、労働時間を含めた職場環境の改善が大きな社会問題であることが分かります。ワークシェアリングの推進なども含め、雇用時間のベストマッチングを図り、潜在保育士や復職しやすい環境や、短時間勤務を望む非常勤職員が働きやすいシフトを、余裕を持って組み、特定の保育士に負担が偏ることのない環境を整える必要があります。 そして、子育て等が落ちつき、家庭との両立が可能になったらフルタイムとしての勤務も可能となるといった、正規の職員も含め、就職、復職からキャリアを積み、昇給、昇進していく道筋が見え、働く保育士のモチベーションが上がるようなキャリアパス制度の作成を、事業者任せにするのではなく自治体として支援していく必要があると考えます。キャリアパス制度の達成のためには、保育士のスキルアップのための研修も含まれますし、専門家の派遣なども考えられます。事業者のヒアリング、意見交換を通し、ニーズを把握の上、必要な支援を望むものですが、区長のご見解をお聞かせください。 保育人材の確保の二つ目の質問は、東京都保育人材・
保育所支援センターとの連携です。同センターは、保育人材の専門性の向上と質の高い人材の安定的な確保を目的として、東京都から保育人材確保事業を受託しています。潜在保育士の復職も含め、保育園等への就職を希望する方と、保育園のマッチングを図る就職相談会などを実施していますが、近年、23区の中で、同センターと連携し、区主催で保育士の就職フェアを開催する事例が出てきています。近隣では、葛飾区、江東区が実施していますが、特に江東区の力の入れようは目を見張るものがあります。区長には危機感を共有していただき、有能な保育士を確保するために、墨田区独自の保育園就職フェアの実施を求めるものですが、見解をお聞きいたします。 次に、保育の質の確保、向上を目的とした墨田区独自のガイドラインの作成についてです。 今年度、保育指針の改定に合わせ、国において「保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会」が設置され、9月3日までに5回の検討会が開催されました。同検討会の目的は、保育の質を支える環境や人材に係る取組などを広く視野に入れつつ、主として保育の内容面から具体的な方策等を検討することとし、具体的な検討事項には、保育指針の改定を踏まえ、現行の「保育所における
自己評価ガイドライン」の見直しも含まれます。現場の施設長などのヒアリングを経て論点整理が進んでいるようですが、今後、報告書がまとめられるとともに、
自己評価ガイドラインの改定が想定されます。 区議会の中においても、過去に他の会派の議員から、この問題は取り上げられてきましたが、保育の質が大きな社会問題であることを踏まえると、墨田区においても独自のガイドラインの作成が求められると考えます。国の議論を見守る必要はありますが、早期に有識者や現場の保育園関係者等による組織を立ち上げ、区独自の保育の質の確保・向上を目的としたガイドラインの作成へ向け、検討を開始するべきだと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。 保育の質に関する問題の最後は、苦情受付の窓口の問題です。 社会福祉法第82条の規定に基づき、保育園は保護者等からの苦情に適切に対応しなければなりません。今回の質問作成に当たり、区内外の多くの保育園の
福祉サービス第三者評価結果を検証しました。おおむね高い評価が多いのですが、ほとんどの保育園に共通して低い評価結果が出ている項目のあることに気が付きました。それは、利用者調査結果のうち「外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか」という項目で、「伝えられている」との回答が半数以下の園が多いことでした。相談するほどの困ったことがないということかもしれませんが、高いところでも3分の2程度で、他の項目が8割から9割、若しくはそれ以上の高い評価を得ていることを考えると、低いと言わざるを得ません。苦情は保育の質改善に資するものと言えます。墨田区として、苦情の受付窓口を一本化し、各園に対して保護者に的確に伝えるよう通知すること、及び保育園に寄せられた苦情の内容と対応について、プライバシーに配慮した上で可能な限り報告してもらい、保育行政の改善のために区が集約することを求めるものですが、区長のご所見をお伺いいたします。 次に、東京都受動喫煙防止条例を受けた禁煙支援制度の拡充について伺います。 東京2020オリンピック・
パラリンピック開催まで、いよいよ2年を切りました。近年、
オリンピック開催都市では、たばこに対する規制が、国法、州法、市条例などで整備され、IOCが掲げるたばこのない五輪を実現しています。 一方、日本のたばこ対策については、その遅れが指摘され、法整備を望む声が高まる中、本年6月、東京都は国に先立ち、東京都受動喫煙防止条例を制定。7月には国も健康増進法を改正し、罰則付きの受動喫煙対策が義務付けられました。平成28年、厚生労働省の「喫煙の健康影響に関する検討会報告書」では、受動喫煙により年間約1万5,000人が亡くなっていると言われています。今、重要なことは、法や条例の全面施行に向け環境を整備するとともに、能動的喫煙者の禁煙支援にも力を入れていかなければならないと考えます。こうした観点から、禁煙支援制度の拡充について、何点か区長にご提案いたします。 1点目は、禁煙支援の広報活動についてです。 「平成30年2月 がんに関する区民意識調査結果報告書」によれば、習慣的に吸っている喫煙者の中で、近いうちに禁煙しようと思っている人の割合は15.8%、いつかは禁煙しようと思っている人の割合は49.1%で、禁煙の意思がある人は、合わせて64.9%となっています。 喫煙者にとって、受動喫煙防止条例の制定が禁煙のきっかけとなるような広報活動を展開し、区としても禁煙を後押しできる効果的な取組をしていくべき好機であると思います。既成の枠にとらわれず、斬新的、効果的な広報の展開を求めます。区長のご見解を伺います。 2点目は、
禁煙医療費補助事業の新設についてです。 たばこの中には、約70種類もの発がん物質があり、中でもニコチン、タール、一酸化炭素の三大有害物質が含まれています。禁煙の難しさは、ニコチンが引き起こす依存症作用に起因し、ニコチン依存症から脱するには、禁煙外来や禁煙支援薬局での治療や投薬が有効とされています。 練馬区では本年6月から、対象者を全区民に拡大し、
禁煙医療費補助事業をスタートさせました。定員は3年間で100名、禁煙医療費に掛かる医療費の自己負担分の2分の1、上限を1万円としています。 先日、練馬区の取組を調査したところ、昨年まで行っていた妊婦と1歳未満の子どものいる家庭への禁煙支援事業を、今回の条例制定と法改正の意義から、全区民に対象を拡大したとのこと。6月からの登録申込みは、既に100名を超え、150名が登録されていますが、先に行っている自治体に確認したところ、補助金の申請まで至らない方が約半数いるといった状況にあることから、定員を超えてもまだ登録申込みを受け付けているとのお話でした。 こうした医療費補助事業は、制度の違いはありますが、荒川区や中央区、北区、豊島区等でも実施されています。是非ともこの機会に、本区においても医療費補助事業を新設すべきと考えます。区長のご所見を伺います。 3点目は、禁煙支援薬局と禁煙外来一覧のマップ化についてです。 練馬区では、禁煙支援事業のリーフレットに禁煙支援マップを掲載し、区内の禁煙外来と禁煙支援薬局を紹介しています。墨田区でも、禁煙外来と禁煙支援薬局の一覧が、個々にホームページに掲載されていますが、マップ化することで情報収集がより分かりやすくなり、選択の幅が広がってくると考えます。こうした取組について、区長の見解を求めます。 この質問の最後は、
禁煙支援メンタルサポートについてです。 墨田区では平成24年より、禁煙を支援するために、
インターネット禁煙マラソンの登録をスタートさせています。一日に何度もたばこを吸いたくなる気持ちとの闘い。禁煙を行うということは、長時間のマラソン競技と同じように、途中でくじけそうになったり、諦めてしまいそうになったりする、こうした禁煙者の思いを、メールでサポートしていくのが
インターネット禁煙マラソンです。今回、ネーミング等を再考し、メンタルサポートに最大限に活用できるよう取り組むべきと考えます。区長のご見解を求めます。 また、前述のように禁煙は大変難しく、本人の動機や意志はもちろんのこと、身近な家族等の温かい支援も大変重要です。豊島区では、喫煙の害とともに「禁煙してからわかる、うれしい変化」として、自分の体が健康になっていくことが分かるような、ポジティブ情報を提供しています。禁煙の効果が実感できることで頑張れる。家族の励ましにもプラスになる情報となることでしょう。区長の見解を求めます。 さらに、単身者や家族がそばにいない方、ひとり親家庭などにとっては、かかりつけ薬局の活用が大変有効です。地域のかかりつけ薬局が禁煙支援薬局になることで、最適なアドバイスや日常的な励ましの言葉での継続支援も可能になります。こうした意味から、区内の禁煙支援薬局の育成にも力を入れるべきと考えます。区として、禁煙支援のメンタルサポートについて、あらゆる面で、禁煙に挑戦する人をサポートできる体制整備を要望いたします。区長のご所見を求めます。 次に、商店街等の支援について伺います。 初めに、個店等の
キャッシュレス化の推進について伺います。 平成27年度に経済産業省が公表した資料によると、電子マネーとクレジットカードなどによる
キャッシュレス決済比率は、日本は18%、韓国は89%、中国は60%、米国は45%で、日本は国際的にキャッシュレス化が遅れている実態が明らかになりました。
キャッシュレス化は、顧客にとっては、1、現金を持ち歩かなくてもよい、2、持合わせが少なくても買い物ができる、3、支払いのための小銭を探す手間がなくなる、4、クレジットカードやデビットカードのポイントをためられるなどのメリットがあり、また、店舗側では、1、金銭や在庫の管理が楽になる、2、客層が広がる、3、海外旅行者に強いお店になることができる、4、会計をスムーズにできるなどのメリットがありますが、店舗側では導入費用の負担、
加盟店決済手数料等の負担などの課題があり、なかなか進まない現状がありました。 しかし、現在では事業者も、3年間決済手数料無料等のキャンペーンなどを展開し、個店への参入を促進しています。また、金融機関でも決済端末を無償で貸し出す予定との報道もありました。今後、個店でもインバウンド需要を取り込むために、クレジットカード、QRコード決済などの
キャッシュレス化の推進は必要だと思います。 福岡市では先月より、キャッシュレスの取組を誘引し、市民や観光客など利用者の利便性向上と事業者の効率化を図り、地域経済の活性化につなげる目的で、市内にある19件の屋台と
キャッシュレス決済の実施事業者で、屋台の
キャッシュレス実証実験を開始しました。導入費用等の支出については、店舗と事業者間との話合いで、市としては負担がないそうです。墨田区も、まずセミナーの実施、区報での情報発信、インバウンド講座での啓発を実施するとともに、必要に応じ福岡市のような実証実験を行うなど、積極的に個店等の
キャッシュレス化の推進を図るべきだと思いますが、区長のご所見を伺います。 また、
クレジットカードリーダー、QRコード決済などの導入費用、
キャッシュレス導入に必要な
インターネット回線導入費用などを、現在あるすみだの
商店魅力アップ支援事業の補助金の対象メニューに広げ、民間事業者の
決済手数料無料等キャンペーンとの相乗効果を図るなど、推進すべきだと思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。 次に、商店街のLED街灯の補修について伺います。 東京都では地球温暖化対策として、CO2の削減を進めるために、商店街街灯のLED化に対して、平成18年度から補助制度がスタートしました。また、墨田区としては平成23年度から、東京都に上乗せする補助制度がスタートしました。墨田区の商店街での導入実績は、平成22年度2件、23年度は9件、25年度は1件、27年度は1件、28年度は1件で、導入基数は、少ない商店街で15基、多い商店街では77基です。 先日、商店街関係者からお聞きしたところ、LED街灯は「耐用年数は約10年と聞いていたが、現実には5年程度で寿命が来てしまう例も多数見受けられる」とのことでした。現在の補助制度は、修理費や交換経費は対象外で、また、交付を受けた後10年間は再交付できないことになっています。これでは、省エネ効果により、10年程度かけ更新費用の財源を捻出する予定が狂い、一時的に多額の費用が発生し、今後の商店街の運営に影響が出る可能性もあります。 平成22年度に導入したLED街灯は、そろそろ10年になり、耐用年数を迎えることになります。1基の修理交換費用等を約2万円から3万円で計算し試算すると、先ほどのLED灯の導入の多い商店街では、約150万円から230万円、少ない商店街でも約30万円から45万円掛かる計算になります。寿命が短いケースもあることから、区内の商店街のLED街灯の故障状況などを把握するとともに、東京都に対しては、区商店街連合会と連携し、LED街灯の補修、交換等に対する負担軽減のための支援制度を要望するとともに、他方では、墨田区においても独自の助成制度を検討するべきだと思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ご清聴大変にありがとうございました。(拍手) 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの公明党、加納議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、保育の質の確保・向上についてです。 まず、区全体の適切な配置を含めた公募審査の仕組みについてですが、保育所の整備においては、保護者や地域の理解を得ることが不可欠です。地域への説明は、開設後の円滑な運営につながることから、事業者が主体となって調整するのが望ましいと考えますが、これまでも状況に応じて区が調整を行ってきたケースはあります。今後も、事業者の対応状況を十分に把握しながら、適切な関与をしていきます。 次に、新規開設園の応募事業者や既存開設園に対して、厚生労働省のガイドラインに基づく自己評価などの四つの項目の公開を強く求めるべきとのご指摘についてです。 新規開設園の公募に当たっては、区では提案書類のチェックやヒアリング等による内容の確認を行っているほか、必要に応じて事業内容の事前調整や指導も行っています。今後は、より丁寧に事前の調整に努めていきます。 これに加え、既存開設園も対象とし、公開を求めた場合には、その内容のチェック等に、事務負担の大幅な増加も見込まれ、また、事業者のノウハウとして、公開に適さない情報も含まれる場合があるなど、現時点において一律での実施は難しい状況にあります。 しかし、ご指摘の四つの項目については、子どもを預ける際の保護者の安心感にもつながることから、可能な限りホームページ等で公開するよう求めていきます。 次に、指導検査の強化についてです。 保育施設への指導検査は、保育の質を確保し事故を未然に防ぐために非常に重要な業務であり、検査基準、実施方針、年間計画や実施結果、さらには指導検査実施後の対応について公開することは、指導検査の実効性を高めるためにも大変意義があると考えています。 今後は、区民目線に立った適切な情報の公開に向けて、事業者と協議するなど、具体的な検討を進めていきます。 次に、キャリアパス制度の作成支援についてです。 現在、公定価格における処遇改善等加算を受ける際には、キャリアパス要件が定められており、運営事業者は、給料表や昇給、昇格基準などのキャリアパス制度を設け、職員に周知することとなっています。 なお、処遇改善等加算については、区内保育施設において、ほぼ全ての施設に適用されていることから、制度は構築済みの状態にあると認識しています。 また、区としても、制度の支援として公立保育園研修への参加呼びかけを行い、スキルアップの支援を行うほか、都が実施するキャリアアップ研修とも連携を図っています。 今後、新規開設園等、制度の導入に当たっては、聞き取りなどを十分に行い施設側のニーズを的確に把握した上で、必要な助言や指導等を行うなど更なる充実を図っていきます。 次に、区独自の保育園就職フェアの実施についてです。 現在、東京都保育人材・
保育所支援センターが区と連携し、都内を6地域に分け、開催区を選定した上で、その区が含まれる各地域の保育士等を対象に、就職相談会等を各地域で実施しています。 本区は江東地域に含まれ、平成25年度に曳舟文化センターを会場に、開催区として選定された実績がありますが、会場の規模の課題等から、それ以降は他区の会場で実施されています。 また、区単独で保育園就職フェアを実施することについては、実態として、保育士は園ごとではなく法人等に採用されることが多く、人事異動等を含めて区をまたいだ採用が期待されること、区単独開催では集客が見込みづらく、スケールメリットを生かせないことなどの理由から、現在のところ開催は考えていません。 東京都保育人材・
保育所支援センターとの連携を更に強化し、広域での就職フェア等への参加や、私立保育園等に対する既存の就職フェア出展費用補助等について継続していく中で、保育人材確保の支援を行っていきますので、ご理解をお願いします。 次に、区独自の保育の質の確保・向上を目的としたガイドラインの作成についてです。 保育の質の確保・向上のために、運営事業者には、児童福祉法や子ども・子育て支援法等の関係法規、保育士の配置や施設等の国や都の基準、国等から示された個別のガイドラインや通知等、保育所
保育指針等及びこれらに基づいた都や区の指導検査基準や方針等、全てを確実に遵守することが求められています。 こうした法令に基づく指導検査基準や方針等を事業者に示し、自己確認を徹底してもらうなど、指導検査の強化や、経験豊富な保育士によるアドバイスなど、運営支援を更に強化していくことで、保育の質の確保・向上を図っています。 こうしたことから、区としての独自のガイドラインの作成については現段階で考えていませんが、保護者にどのような基準で保育が行われているのか等、分かりやすくお知らせする方法について検討していきます。また、国の「保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会」の進捗等を注視する必要もあることから、区の保育士を中心にプロジェクトチームを立ち上げ、保育の質に関する検討を行っていきます。 次に、区における苦情受付窓口についてです。 現在、日常の保育に関する軽微な苦情や相談、要望については、各園が主体となって対応しているところです。これは、保育園の円滑な運営に当たって、まず第一義的に、園自らが苦情、要望等を受け止め速やかに対処することが求められており、この段階で完結するケースが多くを占めています。 さらに、園には苦情を言いづらい、相談しづらいという人のための受け皿として、園ごとに第三者委員を置くことが望ましいことが国からも示されており、当該委員に苦情等を申し出るケースも若干ありますが、現状ではこうした場合は区に直接苦情や相談、要望を申し出ることが多いのが実情です。 区に苦情等が寄せられた場合は、園に情報提供や事実確認を行い、必要に応じて指導等を行って改善を求めています。また、その情報を集約し整理した上で、重要と思われるものについては、その他の園に対してもフィードバックし、保育行政の更なる向上に努めているところです。 このように、苦情の内容によって、園、第三者委員、区のそれぞれの窓口として相談を担うことが迅速で適切な対応にもつながることから、当面この体制で行いたいと考えます。 今後も、園以外にも、第三者委員や区が苦情等の窓口であるということを、各保育園等を通じて保護者等に改めて周知を図るとともに、重要な苦情等の内容や対応については区に報告を求めることを、各保育園等に対して改めて周知し、区で集約のもと、保育の質の向上に努めます。 次に、都の受動喫煙防止条例を受けた禁煙支援制度の拡充についてです。 まず、禁煙支援の広報活動についてです。 本区では、これまでも継続的にたばこの害や受動喫煙の啓発をしていますが、東京2020オリンピック・
パラリンピック開催を一つの契機として、さまざまなイベントや媒体を活用し、禁煙につながるインパクトのある広報に積極的に取り組みます。 次に、禁煙医療費補助の新設についてです。 区民の健康づくり推進の観点から、たばこ対策は重要です。これまでも、禁煙を希望する方への支援として、禁煙外来の紹介や支援薬局との連携による取組を行ってきました。ご提案の禁煙希望者への医療費補助事業については、禁煙希望者の支援と受動喫煙防止の観点から、他区の事例を参考にしながら検討します。 次に、禁煙支援薬局と禁煙外来のマップ化についてです。 すみだ健康マップには、禁煙支援薬局や禁煙外来についてリストが掲載されていますが、より分かりやすくするために、これとは別に、禁煙に特化したマップも効果的なツールとなるものと考えますので、検討します。 次に、
禁煙支援メンタルサポートについてです。 禁煙を進めるには、精神的な支援も必要な場合があります。ご指摘の
インターネット禁煙マラソンは民間ボランティア団体主催の取組ですので、ネーミングには関与できませんが、禁煙を進める方へのサポートになると考えられるため、周知を含めて、より利用しやすい方法を検討します。 また、家族の励ましについて、禁煙を支える家族の成功事例をPRパンフレットに掲載することなどで、家族の協力を後押しします。 ご提案の単身者等については、かかりつけ薬局が、禁煙支援の役割を担えるよう育成するとともに、あらゆる面で禁煙に挑戦する人のサポート体制を充実させることが必要と考えますので、薬剤師会などとも相談をしていきます。 次に、商店街等の支援についてです。 まず、個店等のキャッシュレス化についてです。 国の試算では、2020年に訪日インバウンド旅行者が4,000万人となった場合、キャッシュレス化が進まないままでは、約1.2兆円の機会損失が生じると予測しています。区としても、個店等のキャッシュレス化を推進していきたいと考えています。 現在、日本における
キャッシュレス化の決済手段は、事業者によってさまざまな取組が行われていますが、過渡期にあるものと考えています。 区では
商店魅力アップ支援事業を展開しており、ご質問の
キャッシュレス導入経費についてもご利用いただけます。広域的な
キャッシュレス化の促進を図っていくためには、福岡市の実証実験のように、個店自らの営業判断で、最適なキャッシュレスの決済手段が選択できるよう促す取組を実施する必要があると考えます。 現在、商店街連合会と、
キャッシュレス決済比率向上策を研究しており、民間事業者のキャンペーンの活用や、セミナーの実施等も含め、インバウンド対策の一環として、効果的な
キャッシュレス化の支援策を検討していきます。 最後に、商店街のLED街灯の補修についてです。 東京都の補助事業を活用して設置された商店街街路灯は、LED灯が消耗品として扱われるため、交換や修理の経費は補助対象になっておらず、商店街の大きな負担になっていると認識しています。 現在、東京都商店街振興組合連合会が、LED街灯の維持補修費負担軽減の支援について、各区の商店街連合会の意見を取りまとめ、東京都へ要望しているところであり、区としても商店街連合会と連携して働きかけていきます。 また、区の助成制度については、都の対応を踏まえた上で、区として支援ができるかどうか、商店街への補助金全体の効果的な実施の中で検討していきます。 以上で、公明党、加納議員のご質問に対する答弁を終わります。
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○議長(瀧澤良仁君) 8番・井上ノエミ君 〔8番 井上ノエミ君登壇〕
◆8番(井上ノエミ君) 新しいすみだの井上ノエミです。山本区長と加藤教育長、よろしくお願いします。 6月の定例会においては、山本区長に、墨田区の行財政改革についてお伺いしました。 現在、墨田区においては、事業の見直しや経費の削減について真剣に取り組んでいると理解します。しかし、墨田区では、多くの事業を外郭団体や指定管理者に委託しています。幾ら墨田区本体で経費を節約しても、事業を現場で実施している団体が事業を効率的に実施しなければ、行財政改革の目的を達成することはできないと思います。 例えば、墨田区文化振興財団には、財団運営補助金として年間6,500万円を補助しています。また、社会福祉事業団にも、運営補助費として年間1億1,500万円出しています。 墨田まちづくり公社には、運営費を1億1,700万円補助しています。これらの外郭団体には、これ以外にも多額の事業費を出しています。したがって、私は、これらの団体でも行財政改革を徹底的に行うべきと思います。福祉の現場で働いている人を減らすことは難しいですが、それ以外の分野で効率化を図ることが必要と思います。 そこで、山本区長にお伺いしますが、外郭団体の行財政改革、つまり組織の改革や経費の削減、事業実施の効率化などについて、区長はどのように考えているのか、またどのように取り組むお考えなのかお伺いします。 また、墨田区で実施したように、コンサルタントを使って組織や事業を見直す必要があると思いますが、区長のご見解をお伺いします。 また、指定管理団体についても、真剣に経費の削減に取り組んでもらう必要があると思いますが、区長のご見解をお伺いします。 次に、墨田区役所における公文書管理についてお伺いします。 国会ではここ数年、公文書の廃棄が大きな問題となっています。そこで、墨田区では、どうなっているのでしょうか。平成16年に、墨田区は文書管理規程を定めています。それによれば、公文書の保存年限が決められています。内容によって、1年、3年、5年、10年となっています。私は、この規定は古過ぎると思います。コンピューターや電子データの進歩が、当時とは違い大変便利になっていて、文書はPDFなどで簡単に保存できます。また、場所をとりません。したがって、文書は簡単に電子データとして永久に保存することは可能です。特に、現在は情報公開条例もありますし、行政の透明化が、区民からも強く要求される時代です。都合の悪い書類を廃棄することは、決して許されるべきではありません。私は、基本的に全ての公文書は電子データとして永久保存するべきと思います。 また、熊本県や札幌市では、文書を廃棄する場合には、第三者機関を設置して、文書をチェックしています。また、公文書管理の条例を制定している自治体もあります。山本区長に、墨田区における公文書の廃棄の実態と、今後の公文書管理の方針について、ご見解をお伺いします。 次に、公園の整備についてお伺いします。 今年の2月の定例会でも、横網町公園のトイレの整備についてお伺いしました。横網町公園は、東京都慰霊堂もあり、最近では外国人の観光客も多く訪れています。両国地域では、刀剣博物館もできましたし、安田庭園の整備も進んで、大変魅力的な観光スポットになりました。 前回お伺いしましたときには、墨田区が設置したトイレが2カ所あるので、東京都と協議するとのご答弁でした。洋式トイレが必要ですので、是非、ここは優先的に整備していただきたいと思いますが、その後の東京都との協議の経過についてお伺いします。 次に、公園におけるイベント開催のための施設整備について伺います。 先日、錦糸公園に行きましたら、墨田区が設置した携帯電話の充電ができるソーラースタンドがありました。これは、イベントのときや災害のときなどに大変役に立ちますので、すばらしいアイデアだと思います。もっと数多く設置してもらいたいと思いますが、企業などにスポンサーになってもらえば予算が節約できます。是非企業に働きかけていただきたいと思いますが、区長のご見解をお伺いします。 また、錦糸公園などの大きな公園では、イベントが多く行われています。イベントの主催者からは、水道が少ないので、大変不便との意見があります。また、ホースなどの備品をしまう管理小屋もあったら便利という意見もあります。是非、このような声を反映して、公園を整備していただきたいと思います。山本区長のご見解をお伺いします。 次に、障害者の雇用に関連してお伺いします。 最近、中央省庁での障害者雇用の水増しが大きな問題になっています。障害者雇用促進法が制定されて、中央省庁が率先して障害者の雇用義務を果たすべきであるのに、ほとんどの省庁で水増しされていたというのは大変驚きます。今年度から法定雇用率が上がり、自治体は2.5%になりました。墨田区でも水増しがあったようですが、現在の障害者雇用率について教えてください。また、どのような障害の方がどのような職種についているのか教えてください。 次に、区内の障害者施設で実施中の新商品開発支援事業についてお伺いします。 これは、「すみのわ」と呼ばれていますが、施設で障害者の方々に、デザイナーや地元企業と連携して、さまざまな製品をつくってもらう事業です。製品は、カレンダー、アクセサリーなど、さまざまあります。材料は、地元の企業から廃材を提供してもらい、コストを下げる工夫をしています。この事業は障害者の方にとっては、とてもよい就労の機会だと思います。また、パラリンピックもありますので、製品を民間企業のノベルティとして使用してもらうなど、販売でも期待できると思います。 ただ、製品をつくるときに、品質を保つためには十分な指導が必要です。専門家がつくり方を教えて、あとは施設の職員の方が指導して製作するのでは、品質のよい製品をつくるのはなかなか大変なようです。製造工程においても、職人や専門家の指導を密接に受けられるような体制が必要と思います。このあたりを改善して、よりよい事業にしていただきたいと思いますが、山本区長のご見解を伺います。 次に、加藤教育長に4点お伺いします。 今年の夏は、大変な猛暑でした。政府も、全国の小・中学校にエアコンを整備する方針のようです。幸い、墨田区では全ての教室にエアコンがありますので、大変よかったと思います。ただ、エアコンは電気代も相当掛かりますし、きちんとメンテナンスをしないとカビが発生して病気の原因にもなると言われています。 エアコンの電気代に関しては、最近よく言われていますが、エアコンをずっとオンにしておいたほうが電気代を節約できます。我が家も、マンションですが、エアコンは一日中つけています。逆に、切ったり入れたりすると電気代が掛かります。学校では何台もエアコンを使用していますから、室温をなるべく一定にして、エアコンを入れておいたほうが電気代を節約できると思います。現在、学校ではどのようなエアコンの使い方をしているのか、加藤教育長にお伺いします。 また、エアコンはフィルターを定期的に掃除しないと、効果がなくなりますし電気代も掛かります。フィルターの掃除は簡単ですので、職員でもすぐできます。夏の前と終わりに必ず掃除して、電気代を節約するようにしていただきたいと思います。 また、エアコンのクリーニングは、最低2年に1回は必要です。これをやらないとカビが発生する可能性もあり、子どもたちの健康に影響が出ます。エアコンのクリーニングは、学校が業者に頼むより、教育委員会として一括して業者と契約したほうが安くできると思いますが、現在、学校でのエアコンの維持管理はどのようにやっているのかお伺いします。 次に、今年のような猛暑における野外活動についてお伺いします。 今年の夏には、愛知県の小学校で、1年生の児童が野外活動の後に熱中症で死亡する事件がありました。そのために多くの保護者は、自分の子どもが学校で死んでしまうのではないかと心配したようです。墨田区では、このような事故が決して起こらないようにしていただきたいと思います。 そこで加藤教育長にお伺いしますが、墨田区では、気温が35度以上の場合に、学校での野外活動や体育を禁止していたと思います。私は、35度では少し高過ぎると思います。また、小学校低学年と中学校では子どもの体力も違いますので、もう少しきめの細かい指示が必要になると思いますが、今年の夏はどのような指示をしていたのかお伺いします。 とにかく事故が起きてからでは遅いですから、「子どもたちに無理をさせない」を原則に、子どもたちの生命と健康を守っていただきたいと思いますが、加藤教育長のご見解をお伺いします。 次に、子どもたちのランドセルやかばんが重過ぎる問題についてお伺いします。 文部科学省が学校に教科書を置いたりして、軽くするように通達を出すということですが、この件について、加藤教育長にお伺いします。 ランドセルが重過ぎるという苦情は、全国的に多くあります。墨田区は大丈夫だと思いますが、加藤教育長は、墨田区の実態についてどのように考えているのかお伺いします。また、重過ぎるという現状でしたら、どのように対処するのか、併せてお伺いします。 次に、学校における給食費の徴収についてお伺いします。 学校における給食費は、私費会計ということで、ほとんどの自治体では学校で徴収されています。しかし文科省はこのたび、教員の負担削減ということで、地方自治体が直接徴収する方針を決めたようです。これについて墨田区としてどのような対応をするのか、加藤教育長のご見解をお伺いします。 また、私は将来的に墨田区では給食費を無料にするべきと思います。予算的には、数億円は掛かると思います。しかし、私は価値のある経費だと思います。これについては、答弁は要りません。 次に、今年6月の大阪の地震では、高槻市の小学校のブロック塀が倒れて、児童が亡くなるという悲惨な事故がありました。その後、墨田区でも通学路の調査があり、危険なブロック塀が見つかったと思います。私は、平成28年の決算特別委員会で、ブロック塀の危険性について指摘しました。また、今年の産業都市委員会でも、実態調査が必要との意見がありました。墨田区でもいろいろ検討されていると思いますが、地震はいつ起こるか分からない状況です。現時点でのこの問題についての墨田区の対応について、山本区長にお伺いします。 私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの新しいすみだ、井上議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、外郭団体の組織改革についてです。 外郭団体は、地方公共団体から独立した、公共性、公益性が高い事業を行っている団体であり、その経営が著しく悪化した場合には地方公共団体の財政に深刻な影響を及ぼすことが懸念されることから、国の指針において、徹底した効率化、経営健全化等についての取組を進めることが求められています。そのために、コンサルタントなどの民間機関を活用した見直しも一つの方法とは思いますが、まずは外郭団体自らが経費の削減や組織改革など効率的な事業運営に積極的に取り組むことが必要だと考えます。 一方、区としても毎年、事業報告、決算報告を受け、経営状況を把握するとともに、補助金等を通じて、人員や経費面での効率化を進めながら、必要に応じて、そのあり方や役割等を見直し、組織のスリム化や自立化に向けた改善を促していく必要があると考えています。 また、指定管理を受託している団体については、住民サービスの向上と経費の削減を図るという指定管理者制度の趣旨を遵守することは当然ですが、区としても定期的なモニタリングを通して効率的な管理運営を促進し、経費の削減に努めていきます。 次に、区役所における公文書管理についてです。 公文書の適正な管理は、文書の作成、整理、保存及び廃棄の各段階において統一的なルールに基づいて行われるべきものであり、区のコンプライアンスを確保する上でも重要な役割を担っています。 本区では、公文書の性質、重要性、歴史的意義等を考慮して、設定した保存年限に基づき、廃棄するとともに、効率的かつ体系的な文書管理の観点から、可能なものから電子化も進めています。 公文書には、電子化になじまないものがあることや、個人情報等も記載されることから、全てを永久保存することはできませんが、公文書の廃棄等については国において問題となっていますので、本区においても、国等における制度の見直しや、ご指摘のあった自治体の事例等も参考にして、本区に適した公文書管理のあり方について検討を行っていくことが必要であると考えています。 次に、公園整備についてです。 まず、横網町公園のトイレ整備についてです。 東京都は、都管理のトイレ1カ所を、東京2020オリンピック・パラリンピックまでに改築する予定と聞いています。 区管理のトイレについても、引き続き都と調整を図りながら、同大会までを目途に、統合や洋式化を検討していきます。 次に、錦糸公園に設置したソーラースタンドについてです。 今回設置したソーラースタンドは、太陽光発電の啓発を目的に、東京都の全額補助により区内3カ所の公園に設置し、動作状況の確認や保守管理を行っているところです。 ご提案のソーラースタンドの増設については、その必要性や設置場所、スポンサー企業への働きかけを含め、現在の運用状況を十分に検証した上で検討していきます。 次に、イベントを考慮した公園整備についてです。 現在、公園の新設や再整備の際には、ワークショップ等を開催し、地域の声を取り入れながら、公園利用者の利便性を考慮した公園づくりを進めています。 イベントが開催しやすいということも公園でのにぎわいづくりの要素の一つと考えられますので、今後、公園の新設や再整備を行う際には、イベントを考慮した施設整備について検討していきます。 次に、障害者の雇用対策についてです。 第1日目の本会議においてもご答弁申し上げましたが、一連の報道を受け、障害者雇用率の考え方について改めて国に確認をさせたところ、既に報告した数値について一部、国のガイドラインに適合しない職員を算入していました。平成30年度の障害のある職員数を59人として報告したうち13人が適合外となり、雇用率も2.54%から1.98%となる見込みです。本区の認識不足によりこのような事態を招いたことについては、区長として誠に遺憾に思っており、おわび申し上げます。 障害のある職員の職種についてですが、障害者の採用は、特別区人事委員会での統一での採用試験により、一般事務として採用しています。このほか、採用後に障害を負うことになった職員の職種はさまざまです。また、何らかの障害の種類によって職種や勤務場所を変えているわけではなく、障害のあるなしにかかわらず、その職員の適性に応じて配置を行っているところです。 次に、障害者施設における新商品開発支援事業についてです。 この事業は平成26年度に開始したもので、利用者工賃への還元に一定の成果を上げています。民間等の福祉作業所の職員の方々は、商品開発や販売の専門家ではありません。そこで、区内のクリエーターから助言などを受けて、商品パッケージの改良や商品開発などを進めています。また、クリエーターは、商品の製造工程においても必要な助言を行っています。こうして福祉作業所を利用する方々に、自らの社会参加を実感していただいています。 「すみのわ」のノベルティグッズについては、今年度、新たに商品パンフレットを作成し、先日、その展示会を行ったところです。ご指摘のとおり、東京2020オリンピック・パラリンピックを目前にして、今後の販売促進につなげていきます。 次に、ブロック塀についてです。 区では、大阪北部地震での痛ましい事故を受け、緊急に公共施設のブロック塀等の安全点検を実施し、区のホームページにおいても、ブロック塀の所有者、管理者に向け、ブロック塀の点検チェックポイントを紹介し、安全点検についての注意喚起を行っていきます。 さらに、児童の安全確保の観点から、区内小学校全25校の通学路に面する民間のブロック塀等の状況について目視による悉皆調査を行い、現在、現地調査を終え、その内容を分析しているところです。今後、調査結果を取りまとめ、ブロック塀等の所有者への対応とともに、児童の安全確保に向けた対策等を講じていきます。また、継続的に実施されているPTAや道路管理者等による通学路パトロールにおいても、引き続き危険箇所の把握に努めていきます。 以上で、新しいすみだ、井上議員の私への質問に対する答弁を終わります。 〔教育長 加藤裕之君登壇〕
◎教育長(加藤裕之君) 新しいすみだ、井上議員のご質問に順次お答えします。 まず、各学校の空調設備の使い方についてです。 空調設備の使用については、学校環境衛生基準に基づき28度以下に保ち、児童・生徒の健康の保持増進や学習能率の向上を図ることを目的に、各学校が運用しております。本区の学校の教室の空調設備は、そのほとんどがガス空調機で占めておりますが、電気の使用量全般については、電力量を監視する装置を設置しており、今後も節電及び電気料の節減に努めていきます。 次に、空調設備の維持管理についてです。 フィルターの清掃については、教育委員会事務局が一括して外部業者に委託しております。時期については、年2回、夏季と冬季の空調設備を使用する前に実施しております。 また、空調設備の機器についても、通年で保守委託をしており、安全かつ効率的に使用できるように維持管理を行っております。 次に、今年の夏における各学校への指示についてです。 本区では、日本スポーツ協会による「熱中症予防運動指針」に基づいて、各園・学校においては、熱中症に十分配慮した指導をしているところです。 熱中症は、幼児、児童、生徒の健康や生命に甚大な影響を与えることからも、体育や野外活動に限らず教育活動全般において、35度以下でも、天候、気温、活動内容、場所等の状況により、無理に活動せず自粛するなどの適切な判断をすることを指導しております。 また、体育館等には、気温だけではなく湿度や周辺環境なども考慮した、暑さ指数であるWBGTをはかる温度計を設置するとともに、指標を掲示し、活動前には計測や高温注意報の発令状況等を確認し、熱中症による事故防止の徹底を図るよう指示しております。 熱中症事故に限らず、幼児、児童、生徒の健康や生命を守ることは、教育の大原則だと考えております。引き続き、幼児、児童、生徒の安全確保に努めていきます。 次に、子どもたちのランドセルやかばんが重くなっていることについてです。 実態についてですが、現行の学習指導要領では、前回の要領よりも学習内容が増え、言語活動の充実や分かりやすさ、学びやすさを追求した教科書の工夫により、ページ数が増加し教科書自体の重さが以前に比べて重くなっているため、ランドセルやかばんが重くなっている実態があると考えております。 各学校では、学校に置いてよい教科書や資料集、また、各教科等で使用する道具等を定め、学校置きにしていることや、長期休業前後の持ち物について、時期をずらして、持参あるいは持ち帰りを行うなど、児童にとって過度の負担とならないように対応を行っております。 今後、文部科学省通知「児童生徒の携行品に係る配慮について」に示された工夫例等を参考にするとともに、校長会と協議を行ってまいります。 最後に、学校における給食費の徴収についてです。 本年度、文部科学省により徴収方法のガイドラインが示される予定ですので、国の動向を注視してまいります。 以上で、新しいすみだ、井上議員のご質問に対する答弁を終わります。
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○議長(瀧澤良仁君) 21番・田中哲君 〔21番 田中哲君登壇〕
◆21番(田中哲君) すみだの絆の田中哲です。 山本区長並びに加藤教育長に質問いたします。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 さて、今年の夏は大変な異常気象が続きました。6月の大阪北部地震、7月の東日本豪雨、さらに台風21号、北海道胆振東部地震の被害など、被災された地域の皆様には、心からのお見舞いを申し上げます。さらに、今年の連日にわたる暑さは、人の生死に関わる災害とも言うべき酷暑ではなかったかと思われるほどであります。 報道によりますと、7月の1カ月間だけでも、熱中症の疑いによる全国の死者数が124人に上り、2008年の集計開始以来、1カ月当たりで最多となったと言われておりますし、救急搬送の件数も5万2,819人で、過去最多を記録したと言われております。 これほどの被害はまさに災害であり、生命が危険にさらされている現状が浮き彫りになっています。実際、岐阜市のY&M藤掛第一病院では、エアコンの故障により80代の男女5人の入院患者が熱中症で死亡した疑いがあるとして、業務上過失致死容疑を視野に、5人が死亡した経緯や死因を調べています。 地震や台風に対する備えを行政が中心となって行うのは、至極当然であります。特に、治水に対しては、為政者が行う最大の義務であると私は考えています。かつては墨田区でも、ちょうど今ごろの台風の時期になると浸水や冠水が起こり、大きな騒動になったことを覚えております。今では死語に近くなった感のあるゼロメートル地帯で、川に囲まれた私たちのまちでありますが、この間の治水に対する行政の努力には敬意を表すものであります。 しかし、もちろん油断は禁物であり、今回のような西日本大豪雨や荒川の決壊に関しては、今後も十分な配慮を求めます。特に、災害に対する大きな課題では、どの段階で、どのように住民に周知し、どのように避難させるかという細かな対応が必要かと思います。 西日本豪雨によって亡くなられた方の約7割が60歳以上で、自力避難が困難であったり、自治体の情報が十分に伝わらなかったりして逃げ遅れた可能性があると言われておりますので、より災害弱者に対する十分な配慮が必要になると考えておりますが、まず治水対策に対する区長のご所見を伺いたく思います。 また、ここ数年、災害の形態が今までとは少し変わってきているように思っております。ゲリラ豪雨や竜巻など、地域限定の災害も多く見られるようになってきています。特に「暑さ」というのが、今や災害ではないかと考えています。先に述べたように、今年は灼熱地獄とも言えるような猛暑でありました。当然、気候のことですから、毎年この暑さが続くとは思えませんが、2020年には、東京オリンピック・パラリンピックも行われます。オリンピックでは、7月24日が開会式、8月9日が閉会式、パラリンピックの会期は、8月25日から9月6日までとなります。ちょうどお盆を挟んで、東京が一番暑い時期の開催となります。東京都でも暑さに対する対策を考え、社会実験を始め、進めているようですが、墨田区ではどういった暑さ対策を行うのか、今年、区内ではどれぐらいの熱中症患者が出たのか、重症の方や亡くなられた方がどれぐらいおられたのかも含めて、教えていただきたく思います。 さらに、墨田区はどういった熱中症の対応策をとっていくつもりなのかを、つぶさにお聞きしたく思います。特に、対応力の弱い高齢者や子ども、障害者には特段の配慮が必要と考えますが、ご所見を伺います。 気温は、高さ1.5メートルの開けた平らな土地で、かつ近くに木々や建物などのほかに障害物のない場所で行うことと定められているようですから、実際の体感気温は、優に人間の体温を超えるだろうと思っております。 さて、墨田区には、路地尊、天水尊という雨水利用の誇るべき地域ブランドがあります。私の子どものころは、夏の午後、バケツを持って家の周りに水をまき、打ち水をさせられたものです。江東区の深川神明や富岡八幡の祭礼においては、水かけまつりと言われるように、多くの水をかけて暑さ対策をしています。更に言えば、墨田区の基本構想は「~水と歴史のハーモニー~ 人が輝く いきいき すみだ」なのですから、墨田区が誇る雨水利用をもう一度ブラッシュアップして、まず打ち水から暑さ対策を始めるのも一つの方法ではないかと考えています。 実際、納涼の夕べなどでは行っているようですが、区民運動として、すみだらしさの一つとして、地域を盛り上げるためにも、墨田区を挙げて組織的にやってみたらどうかと考えますが、区長のご所見を賜りたく思います。何よりも、一番のメリットなのは、大きな財政負担を伴わないでできることであります。 さて、次は、財政的見地からお聞きをいたします。 荒川区では、本年度新規予算として、学校体育館における空調設備の設置として、災害時に避難所で生活される方々の健康対策や児童生徒の熱中症対策などのため、全ての小・中学校体育館に空調設備を設置することを決めました。本年度は、モデル校での空調効果等の検証を実施し、その検証結果を踏まえ、全校導入を進めると聞いております。同様に、杉並区でも、10月の定例会で、体育館のエアコン設置をするための補正予算を計上するようでありますが、墨田区ではどう考えておられるのかお聞かせいただきたく思います。 山本区長の公約の第一は、子育て環境の徹底整備であります。さらに、暑さの厳しい時期の災害対策として、避難所となる体育館の冷暖房化は必然と考えます。確かに墨田区では、普通教室、特別教室の冷暖房化は100%であり評価するものですが、体育館の冷暖房化は早急に検討して、来年度予算に計上すべきと思いますが、来年度予算に計上するつもりがあるのか、区長のご所見をお聞かせください。 荒川区と墨田区の小・中学校の数はほぼ同じ規模でありますから、荒川区が始めた以上、遅かれ早かれ追随するべきとの区民の声が上がると考えています。事実、今年の7月30日に、区民のご意見、ご要望に、こんな投稿が寄せられています。原文のままご紹介をいたします。 「連日猛暑日になっており、熱中症が心配です。しかし、公立小学校の体育館にはエアコンが付いていないところが多く心配です。是非、公立小学校の体育館にエアコンを設置してください」。 これに対して教育委員会庶務課は、「墨田区立小・中学校では、普通教室から冷暖房化を進め、現在、特別教室(理科室、音楽室など)を含めて、全ての教室に空調機(エアコン)の設置を終えています。体育館の冷暖房化については、設備コストや電源容量等から、どのような暑さ対策がとれるかを検討しているところです。また、学校での熱中症対策については、区教育委員会から各学校に対して、熱中症の予防及び熱中症事故等の防止に係る注意喚起を行い、気温が35度を超えた場合は原則運動を禁止するなど、事故防止の徹底を図っています。今後も児童・生徒の安全管理などを徹底してまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします」と答えていますが、もし実際にエアコンを付けるとするならば、1校当たりどれぐらいのイニシャルコストとランニングコストが掛かるのかお聞きしたいと思います。 また、冷暖房化以外にどんな対策を講じるつもりなのかを伺うとともに、来年度の公立学校の体育館の冷暖房化予算の措置を強く要望いたします。 さて、加藤教育長に伺います。 昨今、働き方改革で、教職員のハードワークが問題になっていますが、どこの民間会社でも、土日の休業は当然の時代であります。家庭でも、女性の社会進出が当然なわけでありますから、土曜日を完全に休みとして、むしろ夏休みの期間を短くして学校で授業を行ったほうが、子どもたちの授業時間も増えるし、ダブルインカムで働く家庭にとっても、安心して子育て環境が整備できるのではないかと思うのですが、いかがお考えでしょうか。もちろん、その際には、体育館の完全冷暖房化をはじめ、学習環境の整備が最低条件と考えています。 また、外気温が35度になると校庭で遊ぶこともできません。水温が30度を超えると、プールも入ることができないようですが、校庭の打ち水や芝生化や緑化などの対策で、しっかりとした環境整備を行うべきだと考えますが、併せてご答弁を賜りたく思います。 さて、次は、なくならない振り込め詐欺についてです。 最近、まちで警察の振り込め詐欺の啓発パトロールカーをよく見かけます。ここのところ手口が巧妙化して、還付金詐欺や法務省管轄支局をかたった詐欺、さらには7月豪雨をかたった振り込め詐欺など多発していると聞いていますが、墨田区ではどれぐらいの被害があり、どのような対策を行っているのかを伺います。また、警察との連携はどう行われているのかお聞かせいただきたく思います。 墨田区では、自動通話録音機の貸出しを行っているようですが、どれぐらいの数が出ているのでしょうか。需要に対して十分な供給がされているのか、さらには、補助金などによるあっせん対策を考えているのか伺います。 墨田区が、住み続けたいまちを目指すのであれば、こういった犯罪はあってはならないと思います。是非十分な対策を求めたいと思います。 ところで、今年の隅田川花火大会のことでありますが、おもてなし役である3人のすみだ親善大使が、障害者の製作したイヤリングを自らが付けた上で、SNSで発信してくれていました。どなたのアイデアなのでしょうか。背景の大きな花火に、浴衣姿の親善大使、そこに手作りのイヤリング、インスタグラムをお使いになる区長もご覧になったことと思いますが、まさにインスタ映えするすばらしいSNSだったと思っています。まさに、観光、障害者対策、地域力が一体になった「人 つながる 墨田区」の具現化にふさわしい事例だと思い「あっぱれ」と高く評価いたしますが、山本区長はどう思われたのか、ご感想をお聞かせいただきたく思います。また、次回の親善大使にも、こういった情報発信の役割を、是非大きく期待したいと考えています。 一方、区庁舎の2階の観光案内所ですが、方向性が感じられません。一体、あそこでは区は何をしたいのでしょうか。観光案内所の機能をメインにするなら、もっと観光として、すみだブランドや特産品あるいはイベント情報などを提供するべきです。休憩所や喫茶室を目的として使うなら、付加価値を付けて、ゆっくりできる環境を整えるべきです。あまりに中途半端であり「喝」と言わざるを得ません。私は今年度の予算案に反対いたしましたが、大きな理由の一つはここの使い方であります。区庁舎1階のピロティーで、障害者の皆さんがパンの販売をしているのに、2階で同じようなパンを売ることに納得がいかなかったからです。2階の観光案内所で販売するのが、すみだブランド商品に限定するというのであれば、障害者対策として、商品をブランド化する指導を行政がするべきです。また、ブランド認証されれば、障害者の皆さんにも大きな勇気になると思います。 しかし、実際には必ずしもブランド商品だけを販売しているわけではなく、以前のような喫茶店の延長でしかないと思っています。ならば、区民の皆さんにもっと喜んでいただけるような、有効な使い方を模索するべきではないかと考えておりますが、山本区長のご所見を求めます。 9月7日に「すみのわ」のノベルティ商品開発の発表会がありました。区庁舎2階の観光案内所の一角に、こうしたことを常設することはできないものでしょうか。もちろん「すみのわ」の商品が販売に耐え得るすばらしい商品として認められる努力は当然のことであると思います。 また、スカイツリーの開業当時、中学生のアイデアで開発したトイレットペーパーも、最近では見ることがありません。売れなければ、経済原理として淘汰されるのが当然なのかもしれませんが、鳴り物入りで開発したのですから、しっかりと継続すべきではないでしょうか。単に観光というだけではなく、ほかの施策にもつながる、それこそ「人 つながる 墨田区」を目指した観光案内所にしていただきたいと思っていますが、山本区長のご所見を求めます。 さて、少し季節外れの事案ですが、年末には墨田区では、どこの町会でも歳末警戒が行われています。暮れの忙しい時期、まちの人たちは、自分たちのまちのことだと、熱心に夜警に参加されています。また、消防団や警察からは町会にごあいさつ回りがあるようですが、残念ながら区役所からは何のあいさつもないという話を聞くことがあります。今年の予算で町会に対する調査費が計上され、アンケート調査が行われていますが、まず現場に行って空気感を感じてくるほうが、よほど効果的ではないかと私は考えています。 せっかくコミュニティラインがあり、担当の課長が各町会に張り付いているのですから、年末パトロールに参加されたらいかがと思いますが、区長のご所見を伺いたく思います。 私の地元の町会では、ライン担当課長が、町会の総会や新年会に参加をしてくれています。ただそれだけのことですが、大変ありがたいと、町会長をはじめ役員の皆さんは喜んでおりますし、こうしたことの積重ねが「人 つながる 墨田区」を具現化するのではないかと考えていますが、再度、山本区長のご所見を賜りたく思います。 最後の質問は、区の考える都市間交流のあり方と進め方についてであります。 私は昨年、北京市石景山区を、交流団の一員として、山本区長とともに訪問させていただきました。大変に貴重な経験であり、異文化との交流のすばらしさを改めて体験させていただきました。 現在、お隣の台東区とは姉妹区、国内友好都市には、長野県小布施町、山形県鶴岡市、さらには栃木県鹿沼市、海外友好都市には、北京市石景山区、ソウル市西大門区でありますが、そろそろ懸案のパリ市第7区と正式に海外友好都市協定を結ぶ時期に来ているのではないかと考えておりますが、いかがお考えでしょうか。 私の記憶では、2009年ごろから、写真パネルによる交流やフランス映画の上映のほか、パリ同時多発テロの際には、「墨田区からパリに祈りを」という追悼写真展も行ったと記憶をしております。今年でちょうど10年、大変にいい区切りを迎えていると考えています。また、2020年を前に、国際観光都市推進に大きなエポックメーキングになるのではないかと考えています。 また、昨年12月、墨田区は埼玉県飯能市と災害時における相互援助に関する協定を結びました。飯能市は、硬質な地盤により、地震に対するリスクが低い土地に位置し、首都圏中央連絡自動車道からのアクセスがよく、隅田川の源流である入間川に近く、物資等を円滑に運ぶことができると言われております。墨田区にとっては、災害時、水利による物資の確保ができることは、大変ありがたいものだと評価をしたいと考えていますが、今後はどういった交流事業を進めていくお考えがあるのか、お聞かせいただきたく思います。 また、将来、飯能市とは、国内友好都市として推進する計画をお持ちなのかお聞かせいただきたく思います。 そこで一つ提案があります。 毎年10月に行われるすみだまつり・こどもまつりの開会式で、こうした友好都市をご紹介するコーナーをつくることはできないでしょうか。すみだまつり・こどもまつりの開会式には、私たち議員もご招待いただき、ご紹介をしていただいておりますが、鹿沼市などは、毎年、市の三役クラスの幹部職員が見えておられるようですが、顔見せ程度のご紹介しかありません。もう少し時間をとって、ご紹介の機会をつくれば、相手側都市の宣伝にもなりますし、墨田区らしいおもてなしにもなります。是非ご検討いただき、できれば、今年のすみだまつり・こどもまつりから、実施されますことを要望いたしますが、区長のご所見を伺って質疑を終了したいと思います。 ご清聴、誠にありがとうございました。 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの地域連合「すみだの絆」、田中議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、区の治水対策についてです。 ここ数年、大規模な水害が多発しており、本区としても、ハード面、ソフト面について万全の対策を引き続き講じていく必要性を認識しています。 昨年度、本区も含めた荒川沿川7区が国に対し、洪水氾濫等に係る河川整備に関し要望活動を行いました。この結果、荒川上流部に新たに二つの調整池が設置されることとなりました。ハード面に関する治水対策は、一義的には、国や東京都が行うため、今後も国や都への要望や調整を継続します。 また、大規模水害に対する区からの早期の情報発信として、先月22日に公表した江東5区大規模水害広域避難計画において、荒川氾濫72時間前から、江東5区で広域避難についての共同検討を開始し、氾濫48時間前から段階的に避難を区民に呼びかけることとしました。 ソフト面に関しては、災害から命を守るため、地域力を生かした自助・共助意識の啓発が重要であると認識しています。特に、要配慮者への対応は、計画の中で、医療・福祉機関と連携し、避難行動を想定した安全確保を検討することとしています。さらに、6月に全戸配布した墨田区水害ハザードマップ等の情報を、さまざまな機会を捉えて周知していくことで、水害に対して区民意識の向上に努めていきます。 次に、暑さ対策と熱中症についてです。 まず、東京2020オリンピック・パラリンピックでの暑さ対策についてですが、本大会は猛暑の中での開催が想定されますので、現実的な対応として、暑さ対策を大会組織委員会や東京都に求めていきます。 次に、区内における熱中症患者の発生数についてですが、東京消防庁に確認したところ、搬送数は6月から8月にかけて150人で、昨年同時期の2.2倍となっています。重症者、死亡者について、区内の数値は把握していませんが、総務省の報道資料、平成30年7月の熱中症による救急搬送状況によると、搬送された医療機関での初診時における傷病程度は、軽症が64.1%、中等症が32.8%、重症が2.6%、死亡が0.2%でした。 次に、熱中症対策についてですが、区では、区のお知らせやホームページで注意喚起したほか、気象庁が高温注意報を発表した日には、区内各施設へ連絡し、利用者等に注意を呼びかけています。 各施設での対応の一例として、高齢者の方には、公共施設15カ所に猛暑避難所として涼み処を設置したほか、75歳以上のひとり暮らしの方や高齢者のみの世帯に、熱中症予防啓発チラシを個別に送付して、水分を適切にとることや体を冷やすことなど、予防のポイントを伝えました。また、障害者の方には、各施設や事業者を通じて、利用者に熱中症予防に関する啓発を行いました。 さらに、公立保育園では、各園に注意喚起をするとともに、緊急対策用の経口補水液等の購入や、外遊び、散歩の自粛などを行ったほか、環境省の発表する暑さ指数が「運動は原則中止」のレベルになった場合には、プールを中止しました。 今後も、暑さに合わせ、全庁で適切に対応していきます。 次に、暑さ対策としての打ち水についてです。 ご指摘のとおり、本区では先進的な取組として、雨水を利用した打ち水を実施しています。今年度は、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、旧安田庭園で開催した納涼の夕べに合わせ、おもてなしとして行いました。 今後とも、打ち水については、公共施設での実施や、町会・自治会にも呼びかけも行うとともに、本区を訪れる方々に地域の取組として紹介できるよう、区として支援していきます。 次に、公立学校の体育館の空調設備の設置の予算措置についてです。 体育館の空調設備の設置は、自由民主党の中沢議員のご質問にもお答えしましたが、児童・生徒の健康への配慮や、教育環境向上の効果が期待でき、また、災害時の避難所の設備の一つとして重要と考えます。しかし、整備に当たっては多額の経費を要することから、一定の条件整理が必要と考えています。現在、都が各自治体の設置や検討状況の調査を行っていますので、それらを踏まえ、教育委員会とも協議し検討していきます。 また、空調設備以外の対策については、緊急的な体育館の暑さ対策として、各体育館に気化式冷風機と大型送風機を一定の割合で配置します。 次に、体育館に空調設備を設置した場合の1校当たりのコストについてです。 あくまでも概算で、体育館の規模にもよりますが、イニシャルコストでおおむね約2,500万円から3,000万円、ランニングコストで、ガス空調設備にした場合、年間160万円から200万円と見込んでいます。 次に、振り込め詐欺についてです。 まず、振り込め詐欺等の特殊詐欺における区内の被害認知件数についてです。 昨年1年間で69件、被害額は約1億5,000万円となっていますが、今年は8月末現在で既に60件、被害額は約1億2,000万円であることから、被害は増加傾向にあります。区内の刑法犯認知件数が減少する中で、特殊詐欺被害は深刻な事態となっており、被害者の約9割が65歳以上の高齢者です。 次に、対策及び警察との連携についてです。 現在、区の関係課と本所・向島両警察署を構成員とした「特殊詐欺撲滅対策会議」を開催し、相互の情報共有を図りながら、各種対策等を進めています。具体的には、区報やホームページ等による啓発や、高齢者を対象とした自動通話録音機の無償貸与等を行ってきていますが、今年度からは、新たに警察官OBの区職員や警察官による出前講話や防災行政無線による注意喚起放送等も開始しています。 次に、自動通話録音機の貸与数等についてです。平成27年度から貸与を開始して、合計で約600台となっており、現在おおむね順調に貸与ができている状況です。 次に、補助金などによるあっせん対策についてです。自動通話録音機は、東京都が無償貸与を条件に区への補助が行われていますので、現時点であっせん制度は考えていませんが、引き続き都の動向を注視していきます。 次に、すみだ親善大使の情報発信についてです。 ご紹介の事例は、「すみのわ」から提供されたイヤリングと髪飾りを、観光課、障害者福祉課、文化芸術振興課が連携し、すみだ親善大使に身に付けていただき、SNSで情報発信をしていただいたものです。私も拝見させていただきましたが、すてきな取組になったと感想を持ったところです。 今後も、すみだ親善大使の皆さんには、今回の事例のようにSNS等を活用した情報発信も行い、すみだのイメージアップに努めていただけるよう伝えていきます。 次に、観光案内所についてです。 庁舎2階の吾妻橋観光案内所は、うるおい広場を中心とした水辺のにぎわいの創出、来街者への墨田区の観光情報提供を主な目的として設置しています。この場所は舟運の発着点として、浅草や隅田川にも隣接し、北十間川・隅田公園から、東京スカイツリーへ、さらには両国、向島へ多くの観光客が墨田区内を回遊し、まち歩きを促す表玄関となっています。 次に、有効な使い方と他の施策にもつながる観光案内所を目指すことについてです。 ここでは、墨田区を訪れたお客様に、盆踊りや神社のお祭り、銭湯など、地域で起こっていることや、すみだの日常を観光資源として情報発信する観光案内所を目指していかなければならないと考えます。また、ご紹介の事例も含め、すみだの特色を生かすことができるように、施策を横断的につなげ、情報発信していく必要があるものと認識しています。 一方で、販売に関しては、限られたスペースの中で、墨田区観光協会の自主事業の部分もあるため、収支相応のバランスを考えていく必要もあります。地域団体との連携については、今後ともご意見を伺いながら、可能な部分について進めていきます。 区では、観光を通して、地域の日常を掘り起こしながら、地域の課題解決を進めています。観光施策は裾野の広い領域であり、さまざまな施策分野との連携が不可欠です。これから観光DMOを本格的に展開していくためには、墨田区観光協会をより強固な体制にしていくことも必要です。 観光振興プランの改定も控えている中で、墨田区にとって、あるべき観光施策のビジョンを表現できるような観光案内所を目指していきます。 次に、まちとの関わりについてです。 町会・自治会の皆さんには、地域の安全・安心のため、毎年、年末警戒パトロールを熱心に実施していただいており、区長としてすみだの地域力をとても心強く感じています。 この年末警戒パトロールに、コミュニティライン担当課長が参加してはどうかとのご提案ですが、私も、職員が地域に出向き、地域の皆さんとのつながりを深めていくことは、区民とともに魅力的なまちづくりを進めていく上で、とても大切なことであると認識しています。 これまでも、多くの職員が地域の防災訓練や清掃活動をはじめとする各種行事に参加していますが、年末警戒パトロールについても、町会・自治会からの要請があれば、可能な限り参加してもらいたいと考えています。 次に、都市間交流のあり方と進め方についてです。 まず、パリ市第7区についてですが、平成20年から交流が始まり、互いの区を紹介する展示を行うなど、関係を深めてきました。今年は、日仏友好160周年を記念して、パリ市で、ジャポニスム2018が開催されます。その連動企画として、パリ市第7区役所内の展示ホールで、9月18日から28日の間、すみだと北斎に関するパネル展が実施されることとなっています。 パリ市第7区は行政区の一つであるため、包括的な友好都市協定を締結することは、制度上できません。しかしながら、葛飾北斎生誕の地である墨田区が、北斎を切り口に文化面での交流を海外で展開することは、すみだ北斎美術館への誘客にもつながります。また、2024年のパリ五輪も見据えた本区のシティプロモーションとして大変有意義なことから、文化協定締結の可能性も含め、パリ市第7区と協議していきます。 次に、飯能市との交流事業の考え方、国内友好都市の計画の有無についてです。 国内都市との交流については、自治体間に何らかのえにしや共通点があり、住民主体で行われている交流を、行政が支援していく形で推進しています。さらに、友好都市協定締結は、継続的かつ長期にわたる交流の実績が必要と考えていますので、飯能市との協定についても、現時点においては民間交流を支援し、気運の醸成を図りたいと思います。その上で、友好都市協定については、機が熟し、相互の理解が得られた段階で検討します。 最後に、すみだまつり・こどもまつりにおいて、友好都市の紹介をしてはどうかという提案です。 以前から実行委員会においても要望をいただいていましたので、ステージでのアナウンスやパネル展示など、ご提案の趣旨も踏まえ、今年度から可能な範囲で紹介をしていく予定です。 以上で、地域連合「すみだの絆」、田中議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。 〔教育長 加藤裕之君登壇〕
◎教育長(加藤裕之君) 地域連合「すみだの絆」、田中議員のご質問に順次お答えします。 まず、土曜授業に替えて、夏季休業日を短縮することについてです。 区立学校の土曜授業については、授業時間の増加だけではなく、学校教育に保護者や地域の方の参加を促進し、児童・生徒が多くの大人と触れ合う中で、思いやりの心を育む効果などを期待して、毎月第1、第3土曜日を標準として、継続的に実施しております。 土曜日を完全な休みとして、夏休み期間中に授業を行う場合、平日の授業実施となり、保護者、地域の方の参画を得て同等の効果を期待することは難しくなります。このため、現段階では夏休み期間の短縮は考えておりませんが、今後、小学校の標準授業時数の増加などが予定されていることから、授業時数の確保や子育てにおける安心感への配慮等も含め、よりよい方策を検討していきます。 次に、体育館の空調設備の設置をはじめ、学習環境の整備です。 体育館の空調設備の設置については、先ほど区長からお答えしたとおり、区長部局と協議し、検討していきます。また、ご指摘の校庭の打ち水や芝生化や屋上緑化など、さまざまな方策に取り組み、環境整備に努めていきます。 以上で、地域連合「すみだの絆」、田中議員のご質問に対する答弁を終わります。
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○議長(瀧澤良仁君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。 午後2時57分休憩
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○議長(瀧澤良仁君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を続けます。 11番・あさの清美君 〔11番 あさの清美君登壇〕(拍手)
◆11番(あさの清美君) 日本共産党のあさの清美です。 私は、高齢者施策の充実、防災対策の強化、国民健康保険料の負担軽減について、山本区長に質問をいたします。 質問の第1は、高齢者施策の充実についてです。 今月の17日は敬老の日です。多年にわたり社会に尽くしてきた高齢者を敬愛し、長寿を祝う日とされています。この敬老の日が国民の祝日になったのは1966年ですが、もともとの始まりは、1947年に兵庫県の野間谷村、現在の多可町の敬老会の取組であったと言われています。戦後の激動期に、お年寄りに敬意を表するとともに、その知識や人生経験を伝授する場として村主催の催し物を行い、それが全国に広がっていったそうです。一自治体の取組が全国に広がり、国を動かして国民の祝日にまでなったことは教訓的でもあります。 一方で、現在の高齢者の現実は、長生きを心から喜べる社会とは言えない状況にもあります。年金だけでは生活できず、高齢者になっても無理をして働かなければ生活できない人も少なくありません。医療や介護の負担増で、必要な治療や介護のサービスなどを我慢する人たちも生まれています。 墨田区の65歳以上の人口は、9月1日現在で6万1,021人、全人口の22.4%を占めています。私は、一人ひとりの高齢者が大切にされ、心から安心して暮らすことができる墨田区にしていくことが強く求められていると思います。 まず、区長は墨田区の高齢者の方々の生活実態をどのように認識され、高齢者施策にどのように取り組んでいかれるのか、見解をお伺いします。 我が党が6月から7月にかけて実施した区民アンケートでは、墨田区政に力を入れてほしいことのトップが介護保険料・利用料の引下げ、3番目が特別養護老人ホームの増設でした。 これらの問題について私は、第2回定例会の代表質問でも取り上げました。 第1に、大幅に値上げした介護保険料を緊急に引き下げるとともに、減免制度を拡充すること。 第2に、実態に見合っていないと苦情の多い要介護認定の改善。 第3に、介護保険事業計画を見直して、特養ホームの増設を図ることです。 介護保険制度の改善に向け、区長が積極的に取り組むことを改めて求めて見解を問うものです。 次に、安心・安全のネットワークづくりについてです。 本区のひとり暮らしの65歳以上の高齢者は約2万2,000人になり、高齢者人口の36%を占めています。ひとり暮らしの高齢者が増加する中で、痛ましい孤独死は後を絶たず、虐待被害や貧困、孤立などの困難を抱えている高齢者も増えています。行政が責任を持って地域住民と協力し合い、高齢者を地域で支える安心のネットワークをつくることがますます重要になっています。 このような視点から、区としても虐待防止策として、虐待防止研修や男性介護教室、見守り対策として、見守り協力員制度や配食サービス、緊急通報システムなどに取り組んでいますが、現状をどう評価されているのか、どのような取組を強める必要があると考えているのか、答弁を求めます。 また、安心・安全のネットワークづくりの一環としても、高齢者が積極的に外出し、住民同士で会食や交流ができる場や機会など、高齢者の居場所づくりも重要です。区では通いの場づくりを進めていますが、いつごろまでに区内に何カ所整備するのか、きちんと目標と計画を持って進めてほしいと考えます。区長の見解をお伺いします。 次に、認知症対策についてです。 富山県小矢部市の認知症対策について、昨年11月に会派で視察をさせていただきました。小矢部市では、2009年3月に市長が「認知症になっても安心して暮らせるまちづくり推進」宣言を行い、さまざまな施策を展開しています。施策のメニューを見ると、墨田区でも実施している事業が多く見られますが、決定的な違いは、市の姿勢と事業の規模です。 例えば、認知症対策の土台づくりとしての理解者や支援者を増やしていく認知症サポーターの養成です。昨年10月までに、出前講座を地域、職場、学校、市役所などで260回行い、9,719人のサポーターを養成しています。小矢部市の人口は約3万人ですから、市民の32%に達しています。本区での認知症サポーターの養成は、昨年度から取組を加速させ1万6,874人となっていますが、人口比では6.2%です。小矢部市では、市民への啓発普及にも力を入れ、毎年、定期的に認知症を知る集いを開催し、少ないときで350人、多いときで550人が参加しています。 もう一つ印象に残ったのが、徘回者の見守りネットワークの構築です。地域包括支援センターを中心に、関係機関や事務所、地域の代表も加わった「認知症見守りネットワーク運営会議」を立ち上げるとともに、地域ごとに住民が参加して、徘回者の捜索、声かけ、保護を体験する徘回見守り模擬訓練を実施。見守りに協力してくれる事業所をあらかじめ登録していただき、徘回者が生じたときに協力を依頼する見守り協力事業には、約230の事業所が登録されています。 区としても、このような先進的な取組も参考にして、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを進めてほしいと考えますが、区長の見解をお伺いします。 次に、防犯目的での高齢者名簿の警察提供問題についてです。 新宿区が10月から、区内の警察署に対し、65歳以上の住所や生まれた年を記載した名簿を提供し、警察官が高齢者宅を戸別訪問してにせ電話詐欺などの注意喚起をすることに対し、区内外から疑問や反対の声が出され大きな問題になっています。そのため新宿区では、対象者約6万7,000人にチラシと名簿の提供を希望しない場合の回答書を郵送し、希望しない人は除外した名簿を作成して警察署に提供するとされています。 これに対し第二東京弁護士会は、高齢者名簿の提供を直ちに中止することを求める会長声明を出し、区報やチラシのポスティングなどの代替手段があると指摘。人権擁護団体「自由人権協会」も、プライバシー権を侵害し違憲との反対声明を出し「戸別訪問により特殊詐欺を効果的に防止できるとは、何ら客観的に明らかにされていない」としています。 このような中で、墨田区が2年も前から約6万人分の名簿を警察に提供してきたことが明らかになりました。区は、個人情報保護条例第16条の第5号に基づき、あらかじめ運営審議会の意見を聞き、了承を得たのだから問題はないと説明しています。しかし、個人情報の外部提供の制限を定めた第16条全体を読めば、特に必要がある場合とは、緊急にやむを得ない場合やほかに有効な方法がない場合など、もっと限定的なのではないでしょうか。 さらに区は、名簿の提供が公になると新たな詐欺を助長するおそれがあるので、本人に通知しなかったとしています。しかし、区の条例でも、個人情報の外部提供や目的外利用については、基本的に本人の同意を得ることを求めています。本人の同意もとらず名簿を提供したことも、公表しなかった区の対応は大問題です。しかも区は、生まれた月まで情報提供しています。プライバシー保護に対する区の見識が厳しく問われます。このような警察署への名簿の提供は取りやめるべきと考えますが、区長の見解を問うものです。 質問の第2は、防災対策の強化についてです。 初めに、集中豪雨・洪水対策について伺います。 7月の西日本豪雨災害をはじめ、最近では毎年のように集中豪雨による洪水などの甚大な被害が起きています。これらの水害は想定外でなく、ハザードマップにより予期されていたことと、ある研究者が語っていました。事実、倉敷市のハザードマップには、真備町の大部分で5メートルもの浸水が起こることが示されていたそうです。3年前に茨城県常総市で起きた鬼怒川の氾濫もハザードマップで予期されていたそうです。 墨田区を含む江東5区は先日、広域ハザードマップを策定し公表しましたが、最大で人口の9割に当たる約250万人が住むエリアが浸水し、マンションの高層階に避難しても2週間以上も水が引かずに取り残されるとして、区域外への避難を呼びかけています。 これまで、荒川が氾濫するような集中豪雨などは、千年に一度あるかないかで、かなり低い確率であると言われてきましたが、最近の地球温暖化にもよる異常気象を考えると、このハザードマップに基づく真剣な対策を早急に講じることが求められます。区としてどのように取り組まれるのか、区長の答弁を求めます。 また、集中豪雨などは、事前にかなり正確に予測できるようになってきたもとで、避難するタイミングなど、対策を時系列で示すタイムラインが有効であると言われています。江東5区の広域避難計画もこのタイムラインの考えに沿って策定されたと聞いていますが、問題はその内容について区民に周知して理解してもらうことです。さらに、避難勧告など情報の確実な伝達方法、具体的な避難場所の確保や避難方法などを確立していくことも必要です。区長の積極的な取組を求めて、見解をお伺いします。 次に、ブロック塀の安全対策についてです。 6月の大阪北部地震では、安全であるべき学校のブロック塀は倒壊し、児童が死亡した事件は人災とも言えるもので、このような痛ましい事故は二度と起こしてはいけないと思います。 本区では、小・中学校などの安全点検と対策をとられたとのことですが、区内全域において危険なブロック塀を調査し、実態を把握すること。その上で安全対策を講じることが求められます。 荒川区では以前から、危険なブロック塀の撤去費用の3分の2を助成しています。江戸川区は、8月からブロック塀の撤去、撤去に伴う生け垣やフェンスの設置費用の助成制度を拡充しました。文京区でも10月からブロック塀の撤去費用と新たな塀の設置費用の助成を拡充するとしています。 区としてもこのような助成制度を立ち上げて、ブロック塀の安全対策を推進すべきと考えますが、区長の見解をお伺いします。 次に、災害弱者の支援策についてです。 災害時に自分で避難できない高齢者や障害者の方々の支援策について、区は「災害時要援護者総合支援プラン」を策定し、住民防災組織をはじめ、地域の方々の協力を得て避難するとしています。この総合支援プランでは、要配慮者に対する個別支援プランをつくることになっていますが、これがほとんど進んでいません。さらに、支援が必要な人の名簿が住民防災組織の方々などには情報提供されていないなど、具体的なサポート体制も構築されていないのが実態です。このような状況では、実際に災害が発生したときにどうなってしまうのか、大変心配です。今年の予算特別委員会でも指摘しましたが、避難場所の確保と併せ、避難方法と支援策について一人ひとりの実態に合った対策を早急に講じるよう改めて要求します。 併せて、防災ワークブックやパンフレットに災害弱者を支援する制度の詳細や申請方法などを掲載し、周知を図ることが求められます。区長の見解をお伺いします。 次に、避難所の整備についてです。 私は、2016年第2回定例会でも、熊本地震の教訓を踏まえて、この問題について質問しました。 第1に、区の防災計画では、避難所生活を9万4,211人としているのに、小学校、中学校など、指定避難所の収容人数は6万2,916人となっており、避難所が3万1,295人も足りないこと。第2に、避難所の居室スペースが1人当たり畳1畳ほどの広さで、プライバシーも確保されず、長期に及ぶ避難生活には耐えられないこと。第3に、区が策定した避難所運営マニュアルを活用した実際の訓練なども行い、問題点や改善点などを洗い出して、安心できる避難所の整備を進めること。第4に、本区の福祉避難所の指定は、わずか18カ所と少なく、震災時には深刻な事態が予想されること。第5に、避難所に入れない人たちのために、テント村を開設するための用具や用地を確保して防災計画に位置付けることです。 これらの提案に対して、このときの区長の答弁は「体制の確保に努めていきます」など具体性に欠けるものでしたが、改めて現時点での検討状況について明確な説明を求めます。 質問の第3は、国民健康保険料の負担軽減についてです。 国保料は、今年度も平均で3,547円値上げされ、1人当たり年12万1,988円の負担となっています。高過ぎる保険料のもとで、現在4人に1人が保険料未納の状況です。「なぜ保険料が高くなったのか」「保険料を軽減する方法はないのか」など、区に対する国保料についての苦情や問い合わせの件数が、今年度は6月14日から25日までで1,827件に上っています。 先日寄せられた相談では、国保料を7万円滞納したということで、区から差押え予告の通知が来たとのことです。その方は、前の仕事が続けられなくなって辞めざるを得なくなり、今は派遣労働者として何とか生活しています。保険料を払ったら食費などが賄えなくなるといった切実な状況です。 区長は、このような区民の声をどのように受け止めているのでしょうか。毎年、値上げされる国保料の負担が区民生活に及ぼしている影響についてどう認識されているのか、見解をお伺いします。 次に、国保料を引き下げるための取組についてです。 墨田区議会では、国保料の負担軽減に向けて、昨年12月に東京都、本年6月に国に対して意見書を提出しました。これらの意見書では、区内の国保加入者のうち、旧ただし書き所得200万円以下の方が8割弱を占めており、均等割額の2割、5割、7割の法定減免を受けている人が全体の約45%に上っていること。高齢者が多く、加入者1人当たりの医療費が高い一方で、低所得者が多いために保険料の負担能力が低いと指摘。こうした状況を踏まえて、意見書では、保険料の負担軽減を図るための都独自の財政措置、低所得者に対する保険料の軽減策、財政基盤強化のための国保負担割合の引上げなどを求めています。 区としても、このような国保料の負担軽減策の実現に向け、都や国に対して強く働きかけていただきたいと考えます。区長の見解をお伺いします。 次に、多子世帯の均等割の減免と区独自の負担軽減策についてです。 国保料は、家族の人数に応じて、墨田区の場合1人3万9,000円の均等割が課せられるため、家族の人数が多いほど高い保険料になってしまいます。特に子どもが複数いる多子世帯の国保料負担は深刻です。家族の人数に応じて保険料が増える均等割の仕組みは、他の健康保険にはないものです。 このような中で、子育て施策と結んで、子どもの均等割分を減免する自治体が広がっています。現在、住民の強い要望に応えて、旭川市や仙台市、ふじみ野市や横浜市、東京の清瀬市などでそうした措置に踏み切っています。全国知事会なども政府に対して、子どもの均等割への減免を要望しています。また、先ほど触れた都や国に対する本区議会の意見書でも、多子世帯における保険料の軽減措置を求めています。 そこで、23区の統一保険料を決める協議の場でも、多子世帯の均等割の減免を行うよう強く働きかけるべきです。また、統一保険料の中で実現しなかったときには、区独自の負担軽減策として取り組むべきと考えます。区長の見解をお伺いします。 また、国保料を少しでも引き下げるために実施している各自治体の一般会計からの法定外繰入れについて、国は段階的になくしていくとの方針ですが、その圧力が更に強まることが予想されます。また、今年度の保険料を決める東京都と区との協議の中でも、法定外繰入れを6年間でなくしていくことが示されています。この一般会計からの繰入れをなくしてしまえば、今年の保険料で計算すると1人当たり3万円もの負担増になってしまいます。今でも重い負担となっている国保料をこれ以上引き上げることは断じて容認できません。 国や都の財政負担を最後まで追及するとともに、一般会計からの繰入れも必要な規模で継続すべきです。区長の明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手) 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの日本共産党、あさの議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、高齢者の生活実態への認識と施策についてです。 高齢者の生活実態については、単身・高齢者のみ世帯が6割を超え、増加傾向にあること、また、アンケート調査からも地域とのつながりを持ちにくいと感じている高齢者が多い状況にあり、就労や生活全般に不安を抱えている方もいらっしゃると認識しています。 そのような実態も踏まえ、本年3月に策定した「墨田区高齢者福祉総合計画・第7期介護保険事業計画」に基づいて、高齢者が生きがいを持って住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、各種施策に取り組んでいきます。 次に、介護保険制度の改善についてです。 介護保険料の引下げについてですが、このたびの改定は、この間の介護給付費の伸びなどを理由として、先の第1回定例会で、墨田区介護保険条例について、区議会の承認をいただいたものです。今後も、介護保険制度の安定的、持続的な運営を行うための改定であり、保険料を引き下げることはできませんので、ご理解をお願いします。 また、保険料の減免については、介護保険条例の規定により、比較的低所得の段階の方に、引き続き、国・都・区による減免のほか、区独自の減免を実施していますので、拡充は考えていません。 次に、要介護認定の改善についてです。 要介護認定においては、区の担当職員等が所定の項目を本人に確認しながら調査し、その結果や医師の意見書も参考に、介護認定審査会において、保健・医療・福祉の学識経験者が委員となって適正に認定しており、全国一律の仕組みとなっています。今後も、認定の制度を維持・向上していくために、調査員への研修や委員の模擬審査会の開催等を行っていきます。 次に、特別養護老人ホームの増設についてです。 この間の計画的な施設整備により、着実に待機者数の減少に取り組んできました。施設の整備及び運営は介護保険料に影響を与えること等も考慮して、今後とも介護保険事業計画に基づき整備していきます。 次に、安心・安全ネットワークづくりについてです。 区では虐待防止策として、研修や男性介護者教室、弁護士を交えた事例検討会などを行っているほか、虐待が疑われる通報を受けた場合には、直ちに対応しているところです。近年、こうした対応の結果、権利擁護業務は一定の成果を上げていると認識しており、引き続き、関係者への周知を図るとともに、虐待への早期対応に努めます。 高齢者の見守り対策は、ご指摘の事業以外にも多くの事業を行っており、ネットワークが広がっています。今後も高齢者みまもり相談室が核となって、他の機関と連携していきます。 次に、高齢者の居場所づくりについてです。 国は、高齢者が介護予防活動を行う通いの場を、高齢者人口の約1割が通えることを目安に設置を求めています。これによると、本区では、高齢者6万人の1割が通える場として、1カ所当たり20人が参加した場合、目標値300に対し現在320あり、今後も継続して高齢者の皆さんの活動を支援していきます。 次に、認知症対策ですが、認知症サポーターの養成について小矢部市の実績のご案内がありました。 同市と本区とを取り巻く環境には多くの差異がありますが、現在、本区の認知症サポーター数は1万7,000人あまりで、人口比は6.6%、特別区では上位4番目の構成比です。今後もサポーターの増員に向けて制度を周知するとともに、サポーター活動の充実を図ります。 次に、徘回者の見守りネットワークの構築ですが、区では、小矢部市が行う登録事業所による見守り協力事業という形態ではなく、各地域の高齢者みまもり相談室が中心となり、民生委員・児童委員、町会、区民等と連携して、日ごろから見守り活動を行っています。また、高齢者見守り活動に係る報告会や関連する講座を実施しています。引き続き、さまざまな自治体が行う先進的な取組も参考にしつつ、要介護者の方が安心して地域で暮らし続けられるまちづくりを進めていきます。 次に、高齢者名簿の警察署への提供についてです。 区内の刑法犯認知件数が減少する中で、特殊詐欺被害は深刻な事態となっており、被害者の約9割が65歳以上の高齢者です。 こうした中、高齢者を詐欺被害等から守るための対策を効果的かつ継続的に行うため、本所・向島両警察署からの依頼に基づき、平成28年10月から、65歳以上の区民の名簿を提供しています。 警察官が高齢者宅を訪問して、対面しながら注意を促すことは、効果的な対策と考えています。この個人情報の外部提供については、墨田区個人情報保護条例の規定に基づき、墨田区情報公開制度及び個人情報保護制度運営審議会に諮問し行っています。その際、名簿の外部提供を周知すると、警察の名をかたる新たな詐欺を助長するおそれがあるという点も含めて、審議会で議論の上、その答申を経て名簿を提供したもので、本人通知をしなかったことが本条例の規定に反しているとは考えていません。 現在、両警察署においては、名簿を厳格な管理のもと、警察官が高齢者宅を訪問し、その対応は適正に行われていますので、提供している名簿については返却を求めることは考えていません。 次に、防災対策の強化についてです。 まず、江東5区大規模水害ハザードマップに基づく対応についてです。 このハザードマップに併せて公表した「江東5区大規模水害広域避難計画」では、荒川氾濫等の大規模水害から命を守るために、自主的広域避難を推奨しているところです。また、本計画の公表に先立ち、墨田区水害ハザードマップを全戸配布し、水害の危険性や自らとるべき行動をお示ししました。今後、広域避難計画や広域避難勧告等の段階的な情報発信の仕組み、自主的広域避難の考え方などについて、ホームページや地域防災活動拠点会議、区のイベント等、さまざまな機会を捉えて周知していきます。 次に、広域避難勧告等の情報の伝達方法についてですが、防災行政無線、ホームページ、SNS、すみだ安全・安心メール等、区のさまざまなツールを活用し、タイムラインの周知も含め、迅速に情報発信していきます。 また、具体的な広域避難場所の確保及び広域避難方法についてですが、内閣府及び東京都が設置した、首都圏における大規模水害広域避難検討会に江東5区も参画し、広域的な検討を進めていきます。 次に、ブロック塀の安全対策についてです。 本年6月の大阪北部地震での痛ましい事故を受け、区では、公共施設や通学路に面する民間のブロック塀等の緊急安全点検を行うとともに、区のホームページにおいて、区内のブロック塀所有者・管理者に向け、ブロック塀の点検チェックポイントを紹介し、安全点検の実施及び適切な維持管理の必要性について周知を行いました。また、ブロック塀改修の補助制度として、緑のへい助成制度や細街路整備事業の補助制度を紹介し、建替えの促進を図ってきたところです。 新たな助成制度の創設についてですが、危険なブロック塀の中には、建築基準法に適合していないものが相当数あると思われること、本来は所有者や管理者が常に適切な状態に維持管理する責務があることなど、現時点で区が助成するには課題があると考えます。このため、今後の国等の動向を注視していきます。 次に、災害弱者の支援策についてです。 まず、災害弱者の避難対策についてですが、区では発災前の備えや発災時の避難行動等の各段階において、特に配慮を要する方を支援するために「墨田区要配慮者避難支援プラン」を策定しています。本プランに基づく自助・共助・公助の個別の支援体制構築に当たっては、警察署、消防署、消防団、民生委員、住民防災組織等、地域の連携が不可欠ですので、課題を改めて精査し、適切に対応していきます。また、区では「災害弱者と家族のための防災マニュアル」をリニューアルしますので、その中で区の支援体制の更なる周知を図ります。 次に、避難所の整備についてです。 区内40カ所の指定避難所のほか、万が一不足する場合に備えて、その他の公共施設等の活用、民間施設等との協定締結、受援・応援体制の検討等、被害想定に示される避難者の収容に万全の体制確保を図ります。 避難所の居室スペースについてですが、東京都の地域防災計画及び避難所管理運営の指針に基準が示されており、本区もその基準を適用し避難収容人数を算定していますので、適正なものと考えています。 避難所運営マニュアルの活用については、地域防災活動拠点における本マニュアルに基づく訓練の実施が広がりつつあります。訓練から抽出した問題点や改善点をマニュアルの内容にも反映させ、区民が安心できる避難所整備を進めていきます。 福祉避難所については、現在19カ所となっています。一義的に専門的な介護体制が求められる福祉避難所の性格上、施設数を大幅に増加させることは困難ですが、他の自治体との連携も視野に入れながら、引き続き施設の拡充や受入体制の強化に努めていきます。 テント村については、現行の地域防災計画で定めている避難体制の推進を基本として考えているため、現段階において地域防災計画に位置付けることは考えていません。 次に、国民健康保険についてです。 まず、平成30年度の国民健康保険料改定の影響についてです。 本区では、均等割保険料の法定軽減措置を講じるなど、低所得世帯にも配慮した上で、国民健康保険料の改定を行っています。その一方、ご質問にあったとおり、生活状況の厳しい方がいらっしゃることも十分認識していますが、区に対して一切連絡がなく保険料の納付がない場合や、納付相談に応じない場合等に、やむを得ない措置として差押えを行っています。生活状況に応じて分納していただくなど丁寧に納付相談をしていますので、今後も区民の生活に十分配慮していきます。 また、区民の方一人ひとりの生活状況は異なり、国民健康保険料改定の影響は、一概にはお答えできませんが、それぞれの状況に合わせて適切な対応をしていきますので、持続可能な制度運営を行っていくため、ご理解ください。 次に、国と都への国民健康保険料の負担軽減のための働きかけについてです。 国民健康保険制度の安定的な運営は、最重要課題の一つとして捉えており、23区で力を合わせて、国・都に働きかけていくことが大切であると考え、特別区長会として要望活動を行ったところです。 具体的には、国に対し、保険者への更なる財政支援と被保険者の保険料負担軽減策の拡充について要望し、東京都に対しても、国保制度改革における激変緩和措置及び財政支援、低所得者等に対する保険料軽減策についての更なる実施を求めています。 次に、多子世帯の均等割の減免と区独自の負担軽減策についてです。 子育て世帯の経済的負担の軽減については、全国的な課題であり国において対応すべきものであることから、区独自の対策をとることは考えていません。特別区長会として、国・都に対して、多子世帯を支援するための均等割保険料の軽減措置等を要望しているところです。 最後に、国民健康保険料を軽減するための一般会計からの法定外繰入れについてです。 今後、少子高齢化の進展により、医療費の上昇が見込まれる中、法定外繰入れの段階的な解消・縮減は、安定的な制度運営のための必要な取組であると認識しており、都・区の共通認識のもと、その方針を定めたところです。引き続き特別区長会としても議論を重ねていくことになりますが、国民健康保険料の収納率向上と併せ、法定外繰入れの段階的な解消を目指していきますので、ご理解をお願いします。 以上で、日本共産党、あさの議員のご質問に対する答弁を終わります。
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○議長(瀧澤良仁君) 26番・木内清君 〔26番 木内清君登壇〕(拍手)
◆26番(木内清君) これから、自由民主党最後の一般質問をいたします。 1964年10月、東京オリンピック、10歳の私は、聖火に見立てた棒を持ち、聖火ランナーの補助員として伴走いたしました。大勢の観衆の中、大声援を受けて野沢商店街を走ったことを今でも鮮明に覚えています。 思えば、我がまちに聖火が来るということで、老若男女問わず地域団結し、一つにまとまりました。今回、墨田区民にとってオリンピックが初めての方、2度目の方、それぞれどのような思い出を心に刻むことができるのでしょうか。現状では心配もあります。 それでは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組について3点伺います。 第1は、両国国技館で開催予定のボクシング競技についてであります。 現在、「あしたのジョー」による機運醸成という区役所にも掲げられている工事現場用PRシートの活用、区内公共施設へののぼり設置等による周知や、「すみだのジョー」ラインセンス申請による新商品開発の受付を進めており、区民間に墨田区はボクシングということが認知されてきたと少し感じられます。 その一方で、7月以来、日本ボクシング連盟の問題により、日本選手が東京五輪に出場できなくなる可能性が報じられるなど、好ましくない厳しい報道がされています。それ以前に、今年の2月にIOC会長がボクシング競技を東京五輪から除外することに言及し、5月3日及び7月19日のIOC理事会においてもボクシング除外が継続審議になっていることが報じられ、国技館での開催自体が不透明なものとなっています。これらを踏まえて、現在の状況、今後の動向について把握していることがあればお知らせ願います。 第2に、聖火リレーについてであります。 7月12日の報道発表で、聖火リレーが2020年3月26日に福島を出発し、東京都には7月10日から24日の15日間が割り当てられることが明らかになりました。今後、各都道府県でランナーやルートの選定、各日のセレブレーションの内容について検討されるものと聞いています。東京都は、62の自治体全てを1ルートで通ることは決まっていますが、ランナーの募集時期や人数、各自治体での時間配分等、検討状況や見通しについて区長に伺います。 第3は、墨田区オリンピック・パラリンピック地域協議会についてであります。 墨田区でボクシング競技が行われることについては、区民に一定の周知がなされてきたと認識しておりますが、機運醸成という面では、大会まであと2年を切った現時点でも十分とは言えず、区民の盛り上がりはいま一つという印象ですが、そのことについて区長の感想をまず伺います。 昨年9月に、区制施行70周年記念式典と同日に、オリンピック・パラリンピックの機運醸成のための地域協議会が設立され、実質的な会合が今年に入ってから行われています。六つの部会で最大4回の会議が行われ、会議録が墨田区のホームページに公表されていますが、打ち水のイベントは行ったものの、未来枠会議でこれまで行われてきたランニングイベントの検討が終了するなど、具体的な取組についてなかなか見えてきません。地域協議会の各部会の中で、今後行っていく具体的な取組や実効性の期待できる検討事項があればお知らせ願います。 大会が大いに盛り上がり、偉大なレガシーを残すことを我々も期待しております。区長の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への熱意を伺います。 次に、区民による介護予防の取組への支援について伺います。 私の郷里は、長野県佐久市です。 地域の人々は、年齢を重ねてもぴんぴんしている健康長寿を目指し、ただ長生きするだけでなく、亡くなる直前まで元気に活動することを望んでいます。他の自治体と比べると1人当たりの老人医療費が極めて少ない事実と、自分たちの健康は自分たちで守るという健康への積極性が培われた地域医療の先進地域であり、農業従事者など働く高齢者が多いこと、青壮年者の死亡率が低い、特に肝臓がん率が低いことや、標高が高い土地柄も挙げられます。また、重要視すべきことは、公民館活動が活発で、生涯学習に力を入れることで、元気で長生きな高齢者に大いに貢献しております。 このようなことを参考に墨田区を思いますと、75歳以上の人口は、平成12年1月1日、1万5,695人、平成30年1月1日、3万385人、介護会計総額は、平成12年度、83億8,200万円、平成30年度、212億6,700万円、保険給付費は、平成12年度、61億403万9,000円、平成30年度、192億3,984万5,000円となっております。 墨田区の高齢者人口は、今後も続く見通しとなっており、それに伴う社会保障費の増大をいかに抑えていくかが大きな課題となっています。その解決の大きな方針として、介護予防の取組の拡充が必要であると我々は考えています。地域包括ケアシステムの充実や介護保険施設等整備の推進等、要介護になってしまった際の受け皿づくりも重要ですが、何よりも介護を必要としない方を増やせるよう努めていくことが重要と認識しているからです。この考え方について区長の見解を伺います。 現在、墨田区では介護予防事業として、有資格者による「元気生き生き体操教室」「高齢者パワートレーニング教室」等や介護予防サポーターによる「げんき応援教室」等の講座が行われています。げんき応援教室については、講座終了後、自主グループへの移行支援が行われていますが、他の講座については1回のみしか受講できず、経験者向けの講座等も用意されていません。受講後、区の事業と離れて指導を続けてほしいと希望しても、場所や日程の確保、費用面等で実施が難しいと聞いております。 また、区内では、墨田区の事業以外にも、区民の自主的な取組として、リズム体操や健康体操、ストレッチ教室等が行われています。これらの活用については、非常に安価な月謝で先生が指導しているものが多く、町会会館や地域集会所、学校の空き教室等、利用料金が低廉な施設で行われています。近年の区民の介護予防意識の高まりにより参加者が増加している教室では、現在の教室では手狭となり、地域プラザやみどりコミュニティセンター等の公共施設の利用を検討しても利用料が高く、変えられないという例があるようです。 一方で、本所地域プラザでは、健康体操教室等、地域での自主的な介護予防の取組を稼働率の低い曜日や時間帯で、指定管理者の自主事業として複数行っています。この場合は、参加者は安価な参加費で利用でき、指導者は施設利用料を気にすることがなく、施設ももともとあいている部屋が活用できるというモデルケースになっております。 この例を参考に、他の指定管理者が管理している公共施設においても、稼働率の低い部屋や時間帯において、公益性が高く効果的であると認められる区民による介護予防の取組について、指定管理者の自主事業として実施する価値はあるのではないでしょうか。自主事業であれば、一定の金額の参加費も集めることができるため、元気生き生き体操教室や高齢者パワートレーニング教室の経験者向け教室も指導者との協議が調えば実施することができます。是非とも自主的な活動を行っている方々や、区の普及啓発事業の指導者の方々と各公共施設の指定管理者との連携を進め、介護予防の取組への支援を行っていただきたい。区長の見解を伺います。 次に、危機管理担当への元幹部自衛官の採用について伺います。 平成30年7月豪雨、北海道胆振東部地震等、昨今の災害現場での自衛隊の活躍を報道で目にすると、非常に頼もしく感じます。その指揮をとる幹部自衛官は、部隊運用に関わる指揮・統制の実施、各種計画の策定、隊員の教育訓練、関係機関との連携調整等、部隊の指揮官及び幕僚としての豊富な経験を有しております。また、一般的に地震、台風等の多様な災害派遣を経験しており、職務上、常に即応体制に対する物心両面での準備に習熟しているほか、さまざまな環境に耐えられる体力を持っています。これらのことから、東京都庁のほか、23区では7区が元幹部自衛官を危機管理・防災関連の部署に多くは管理職として採用しています。東京都や品川区では順次採用を増やしており、その有効性がうかがわれます。 自治体に採用される元幹部自衛官は、全員が防災士又は総合危機管理士の資格を有しています。自衛隊の職務上得た能力と併せて、平常時には、防災・危機管理体制の見直し等の基盤確立のために働いてもらうことが期待できるほか、災害発生時には、初動の混乱時にも関係機関との調整、連携がスムーズに行われることや、避難勧告、自衛隊への災害派遣要請等の区長の判断の補佐、自衛隊等関係機関の運用についての助言等、区長のアドバイザーとしての役割も期待できます。 このたびの北海道胆振東部地震の自衛隊、消防、警察が素早く連携し対応に当たることができているのは、北海道内の多くの自治体で採用されている元幹部自衛官の働きによる部分が大きいのではないかと推察しています。 近い将来、首都直下地震の発生が危惧されるほか、各地で予測を超える豪雨災害が発生するなど、現在はこれまで以上の危機管理や防災体制の強化が求められています。墨田区としても、元幹部自衛官を採用し、常時危機管理体制の充実強化に努めることを検討するべきであります。区長の見解を伺います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの自由民主党、木内議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、ボクシング競技実施に関する現在の状況及び今後の動向についてです。 ご指摘のとおり、現段階ではボクシング競技の実施は正式に決定していない状況です。これは報道の範囲になりますが、IOC、国際オリンピック委員会が国際ボクシング協会の組織統治に問題があるとし、本年4月末までに改善に関する報告書を再提出させ、5月及び7月の理事会で審議しました。IOCは、改善案に一定の評価を示しましたが、まだ十分ではないとし、継続審議となっています。 今後の動向ですが、11月末から12月初めに開かれるIOC理事会において、ボクシング競技の実施の可否も含めて審議される予定となっていますので、引き続き大会組織委員会や東京都と連携を密にして情報収集に努めます。 次に、オリンピック聖火リレーについてです。 聖火リレーについては、ルートの選定やランナーの募集に関することのほか、聖火リレーの到着を祝うセレブレーション会場などを検討するため「東京都聖火リレー実行委員会」が設置され、本年7月に第1回目の会議が開かれました。 実行委員会では、本年中にリレールート案やセレブレーション会場案の選定を行う予定としています。これを受けて先月、東京都から各自治体に意向確認調査があり、本区として通過してほしいスポットのほか、セレブレーション会場の候補地となることを希望する旨の回答をしました。今後、具体的な調整が始まりますので、区議会議員連盟の皆さんにもご協力いただき、本区の魅力を最大限に発信し、区民の皆さんが盛り上がるリレーとなるよう協議していきます。 なお、ランナーの募集時期や人数などを含む具体的な選考計画は2019年に策定される予定です。 次に、地域協議会についてです。 まず、区民の盛り上がりに関する私の感想です。 いよいよ大会まで2年を切りましたが、ご指摘のとおり、区民の機運醸成については課題があると感じています。引き続き、あしたのジョーを活用した取組を展開していくほか、来月開催される、すみだまつり・こどもまつりでは、PRコーナーを設置し、ゲーム感覚でボクシングを体験していただくなど、子どもから大人まで楽しめるような企画を考えているところです。 今後、区だけではなく、地域協議会や民間企業とも連携した取組を推進し、更なる区民の機運醸成を図っていきます。 次に、地域協議会の各部会の取組についてです。 まず、まちづくり・環境部会では、暑さ対策の一環として、8月4日に行われた納涼の夕べに併せ、国技館通りで打ち水を行い、当日は、参画団体のほか、両国周辺の町会の方々約50名の皆さんに参加いただきました。さらに、地域協議会会長名で、全町会・自治会に対して、夏の期間中の打ち水の実施を呼びかけました。また、スポーツ・健康部会は、来月のすみだまつり・こどもまつりで、ブラインドサッカーやボッチャの競技体験など、パラリンピックの普及啓発に関する取組を行う予定です。さらに、おもてなし・交流部会では、今後、区民向けのおもてなしに関する講座などを実施していく予定です。このほか、文化・観光・産業部会では、本区の活性化に向けて活発な議論が展開され、未来枠においても、先日、5回目の会議を開き、それぞれの部会員による今後の取組についてのプレゼンテーションが行われました。 このように、各部会が少しずつ動き出していますので、区としてもその実効性が高まるようサポートしていきたいと考えています。 次に、大会に向けた私の熱意についてです。 競技会場を抱える本区として、私は、すみだの魅力を最大限に発揮し、オールすみだで大会を成功に導けるよう、全力で取り組んでいきます。なお、子どもから大人まで、全ての人に夢や希望を与え、レガシーとして記憶に残るような大会になってほしいと考えていますので、区議会議員連盟の皆さんのお力添えもいただきながら、開催都市の一員として取り組んでいきます。 次に、区民による介護予防の取組への支援についてです。 まず、介護予防の取組の充実に関する考え方についてですが、社会保障費の増加は大きな課題であることから、高齢者福祉施策を適切に推進することは重要であると認識しています。 区ではこの間、介護保険施設等の整備や各種介護サービス事業等を展開していますが、行政の福祉施策だけでは限りがあることも事実です。また、ご紹介のあった長野県佐久市の取組も大変参考になると考えます。 ご指摘のように、地域包括ケアシステムの充実や介護保険施設の整備推進など、要介護者のための受け皿整備とともに、介護を必要としない元気な高齢者が今後も増加するような介護予防施策の充実も重要であると認識しています。 次に、自主的活動を行う方々、介護予防の普及啓発事業の指導者、各公共施設の指定管理者と連携した介護予防の取組への支援についてです。 指定管理者が運営する施設において、稼働率の低い部屋や時間帯に介護予防活動の利用が増加するような自主事業を実施できないかというご提案については、指定管理者と協議をした上で、自主事業の実施や近隣地域の中で活動している指導者の協力を求めていきます。 最後に、危機管理担当への退職幹部自衛官の採用についてです。 近年、大規模な地震や水害が数多く発生し、首都直下地震も予測されていることから、防災・危機管理に関する知識と経験を有する退職幹部自衛官を職員として採用する自治体が増えていることは承知しています。 特別区では現在、7区において任期付きの常勤職員又は非常勤職員として退職幹部自衛官が採用され、防災訓練をはじめとする防災対策や危機管理対策に従事していると聞いており、私もその必要性については認識しているところです。 一方で、実際に本区の職員として勤務するに当たっては、災害時の対応だけではなく、日常的にどのような業務に従事してもらうかが重要であり、それらを十分に精査し、幹部自衛官として培われた能力を遺憾なく発揮できる環境を整備することが必要だと考えています。 さまざまなご提案をいただきました。職員任用制度の改正も予定されていますので、外部人材をどう活用していくか、引き続き検討を進めていきます。 以上で、自由民主党、木内議員のご質問に対する答弁を終わります。
○議長(瀧澤良仁君) 以上で、一般質問は終了いたしました。
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○議長(瀧澤良仁君) これより本日の日程に入ります。 日程第1から日程第5までを一括して議題に供します。 〔事務局長朗読〕 日程第1 議案第59号 墨田区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例 日程第2 議案第60号 墨田区手数料条例の一部を改正する条例 日程第3 議案第61号 墨田区議会議員及び墨田区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例 日程第4 議案第62号
墨田区営運動場条例の一部を改正する条例 日程第5 議案第63号 墨田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
○議長(瀧澤良仁君) 本案に関し、執行機関の説明を求めます。 〔副区長 高野祐次君登壇〕
◎副区長(高野祐次君) ただいま議題に供されました議案第59号から議案第63号までの各議案につきまして、順次ご説明申し上げます。 まず、議案第59号・墨田区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。 本案は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部改正により、生活保護法による進学準備給付金の支給に関する事務について、個人番号を利用する事務等としたことを踏まえ、個人番号を利用する事務等に同法に準じて行う外国人に対する進学準備給付金の支給に関する事務であって、規則で定めるものを加えるほか、所要の規定整備をするものでございます。 改正条例の施行日は、公布の日としております。 次に、議案第60号・墨田区手数料条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。 本案は、多機能端末機による戸籍証明書等の交付の開始に伴い、区民関係手数料を新設するとともに、建築基準法の一部改正に伴い、建築・都市計画・土木関係手数料を新設するほか、所要の規定整備をするものでございます。 それでは、改正条例の主な内容についてご説明申し上げます。 まず、区民関係手数料に関する改正でございまして、コンビニエンスストア等の多機能端末機において個人番号カードを利用した戸籍証明書及び戸籍の附票の写しの交付を開始することに伴い、これらの交付に係る手数料を新設するものでございます。 次に、建築・都市計画・土木関係手数料に関する改正でございまして、主な内容は8点でございます。 第1点目は、接道義務を果たしていない敷地において、利用者が少数である建築物の建築については、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合は、接道規制を適用しないこととされることに伴い、当該認定に係る手数料を新設するものでございます。 第2点目は、国際的規模の競技会等の用に供する等の理由により、1年を超えて使用する特別の必要がある仮設興行場等について、仮設建築物の設置期間の特例が設けられることに伴い、当該仮設建築物の建築の許可に係る手数料を新設するものでございます。 第3点目は、用途規制の特例許可を受けて建築した建築物を増改築等する場合において、特定行政庁の許可を受けた場合に、公聴会による意見聴取及び建築審査会の同意が不要とされることに伴い、当該許可に係る手数料を新設するものでございます。 第4点目は、建築物の用途制限等が定められた地域における日常生活に必要な建築物で、騒音又は振動対策等の措置が講じられているものの建築について、特定行政庁の許可を受けた場合に、建築審査会の同意が不要とされることに伴い、当該許可に係る手数料を新設するものでございます。 第5点目は、特定行政庁が前面道路の境界線から後退した壁面線の指定をした場合等で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した場合に、建築物の建蔽率を緩和することができることとされることに伴い、当該許可に係る手数料を新設するものでございます。 第6点目は、既存の1の建築物について、2以上の工事に分けて用途の変更に伴う工事を行う場合の当該2以上の工事の全体計画に係る認定制度が創設されることに伴い、当該認定に係る手数料を新設するものでございます。 第7点目は、既存建築物の用途を変更して、一時的に興行場等として使用する場合において、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、1年以内の期間を定めて当該使用を許可することができることとされることに伴い、当該許可に係る手数料を新設するものでございます。 第8点目は、既存建築物の用途を変更して、一時的に特別興行場等として使用する場合において、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、使用上、必要と認める期間を定めて当該使用を許可することができることとされることに伴い、当該許可に係る手数料を新設するものでございます。 改正条例の施行日は、接道規制の適用除外に関する認定に係る手数料及び仮設建築物の設置期間の特例の適用に関する許可に係る手数料の新設等については公布の日、コンビニエンスストア等の多機能端末機による戸籍証明書等の交付に係る手数料の新設については本年12月17日、その他の手数料の新設等については、墨田区規則で定める日としております。 次に、議案第61号・墨田区議会議員及び墨田区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。 本案は、公職選挙法の一部改正により、区議会議員の選挙における選挙運動用ビラの頒布が可能となるほか、ビラの作成に係る費用について、条例で定めるところにより無料とすることができることに伴い、所要の規定整備をするものでございます。 この選挙運動用ビラの作成に係る公費負担の限度額は、候補者1人につき作成単価限度額7円51銭、作成限度枚数4,000枚を超えない範囲内でのビラ作成に要した金額とし、その最高限度額は3万40円となります。 改正条例の施行日は平成31年3月1日とし、施行日以後にその期日を告示される選挙について適用するものとしております。 次に、議案第62号・
墨田区営運動場条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。 本案は、荒川緑地フィールド・ハウスの運営方法の見直しに伴い、フィールドハウス内集会室を廃止するものでございます。 改正条例の施行日は、本年10月1日としております。 次に、議案第63号・墨田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。 本案は、区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部改正を踏まえ、学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の介護補償額を改定するものでございます。 改正条例の施行日は公布の日としておりますが、改定後の介護補償額は、本年4月1日から適用するなど、所要の経過措置を講ずることとしております。 以上で、各議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○議長(瀧澤良仁君) これより質疑に入ります。 ただいまのところ、通告はありません。 ご質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瀧澤良仁君) ご発言はないようですから、以上で質疑を終わります。 本案は、いずれもお手元に配布いたしました議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。
----------------------------------- 平成30年第3回墨田区議会定例会議案付託事項表 〔巻末議案付託事項表参照〕
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○議長(瀧澤良仁君) 日程第6を議題に供します。 〔事務局長朗読〕 日程第6 議案第58号 平成30年度墨田区一般会計補正予算
○議長(瀧澤良仁君) 本案に関し、執行機関の説明を求めます。 〔副区長 高野祐次君登壇〕
◎副区長(高野祐次君) ただいま議題に供されました議案第58号・平成30年度墨田区一般会計補正予算についてご説明申し上げます。 この説明に入ります前に、本年度の都区財政調整の区別算定が確定いたしましたので、ご報告申し上げます。 本区の算定額は、基準財政収入額が266億6,907万3,000円で、対前年度比3億597万8,000円、1.2%の増、基準財政需要額が646億731万9,000円で、対前年度比30億120万5,000円、4.9%の増となり、差し引きの普通交付金の額は、379億3,824万6,000円、対前年度比26億9,522万7,000円、7.6%の増となっております。 それでは、議案第58号・平成30年度墨田区一般会計補正予算についてご説明申し上げます。 補正額は、5,737万4,000円の増額で、補正前の額と合わせますと、予算の総額は1,193億1,237万4,000円となります。今回の補正は、早急な対応が必要な事業等を中心に、所要の事業費の補正をお願いするものでございます。 初めに、歳出でございますが、総務費で徴税費の区税の過誤納等返還金に2,300万円を追加計上しております。 次に、区民生活費では、法令の改正に伴い、個人番号カード、住民票等への旧姓並記を可能とするシステム改修を行うため、戸籍及び住民基本台帳費の個人番号カード交付経費に253万8,000円を追加計上しております。 次に、民生費では、3,070万円を追加計上しております。このうち心身障害者福祉費では、心身障害者医療費助成制度の改正に対応するため、障害者福祉情報システム運用経費に1,070万円を追加計上しております。 また、児童福祉費では、小規模保育所の新規整備等に対応するため、地域型保育事業費に2,000万円を追加計上しております。 次に、衛生費では、24時間在宅診療体制の整備を支援するため、医療費の医療連携推進経費に113万6,000円を追加計上しております。 以上、歳出を合計いたしますと、5,737万4,000円となります。 これに引き当てます財源は、国庫支出金971万5,000円、都支出金1,080万6,000円、繰越金3,685万3,000円をそれぞれ追加計上しております。 また、債務負担行為補正といたしまして、旧家庭センター跡地における私立保育所、地域子育て支援拠点及び私立学童クラブの施設整備に係る協定を事業候補者と締結するため、平成30年度から平成31年度までの期間で、私立保育所等整備助成事業に限度額3億円、私立学童クラブ整備事業に限度額2,000万円を追加計上しております。 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○議長(瀧澤良仁君) これより質疑に入ります。 ただいまのところ、通告はありません。 ご質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瀧澤良仁君) ご発言はないようですから、以上で質疑を終わります。 本案は、お手元に配布いたしました議案付託事項表のとおり、所管の常任委員会に審査を付託いたします。
----------------------------------- 平成30年第3回墨田区議会定例会議案付託事項表 〔巻末議案付託事項表参照〕
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○議長(瀧澤良仁君) 日程第7から日程第9までを一括して議題に供します。 〔事務局長朗読〕 日程第7 議案第64号 小梅橋架け替えその他工事請負契約 日程第8 議案第65号 土地等の売払いについて 日程第9 議案第66号 物品の買入れについて
○議長(瀧澤良仁君) 本案に関し、執行機関の説明を求めます。 〔副区長 高野祐次君登壇〕
◎副区長(高野祐次君) ただいま議題に供されました議案第64号から議案第66号までの各議案につきまして、順次ご説明申し上げます。 まず、議案第64号・小梅橋架け替えその他工事請負契約についてご説明申し上げます。 本案は、小梅橋架け替えその他工事をするための請負契約案件でございます。この請負契約につきましては、東武谷内田建設株式会社ほか4者による一般競争入札を行った結果、東武谷内田建設株式会社が2億9,894万4,000円で落札し、8月27日に仮契約を結んだものでございます。 なお、工期につきましては、契約締結の日の翌日から平成31年8月31日までとしております。 次に、議案第65号・土地等の売払いについてご説明申し上げます。 本案は、施設の老朽化及び区民等の利用状況に鑑み廃止した伊豆高原荘の土地等を売り払うものでございます。この売払いにつきましては、一般競争入札を行った結果、株式会社ナチュラル総研が6,166万6,888円で落札し、8月10日に仮契約を結んだものでございます。 次に、議案第66号・物品の買入れについてご説明申し上げます。 本案は、吾嬬立花中学校の新築に伴い、調理室用等の備品を買い入れるもので、総合商社ベンキョウドー株式会社ほか7者を指名し、競争入札を行った結果、総合商社ベンキョウドー株式会社が4,340万7,360円で落札し、7月18日に仮契約を結んだものでございます。 なお、納入期限につきましては、平成31年3月8日としております。 以上で各議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○議長(瀧澤良仁君) これより質疑に入ります。 ただいまのところ、通告はありません。 ご質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瀧澤良仁君) ご発言はないようですから、以上で質疑を終わります。 本案は、いずれもお手元に配布いたしました議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。
----------------------------------- 平成30年第3回墨田区議会定例会議案付託事項表 〔巻末議案付託事項表参照〕
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○議長(瀧澤良仁君) 日程第10を議題に供します。 〔事務局長朗読〕 日程第10 議員提出議案第8号 墨田区
子ども読書活動推進条例
○議長(瀧澤良仁君) 本案に関し、提出者を代表して、15番・福田はるみ君から提案理由の説明を求めます。 〔15番 福田はるみ君登壇〕
◆15番(福田はるみ君) ただいま議題に供されました議員提出議案第8号・墨田区
子ども読書活動推進条例についてご説明申し上げます。 初めに、条例制定が求められる理由、背景についてであります。 平成13年に、子どもの読書活動の推進に関する法律が施行されて以降、墨田区は、子どもの自主的な読書活動の環境整備に取り組み、これまで3次にわたり「墨田区子ども読書活動推進計画」を策定し、成果を上げてまいりました。学校図書館における貸出冊数が着実に増えていることをはじめ、墨田区図書館を使った調べる学習コンクールを開催し、自ら課題を見付け、テーマを設定し、さまざまな情報から必要な情報を取り出しまとめていく調べ学習を通じ、主体的に学ぶ力を身に付け、児童・生徒の成長は目を見張るものがあり、全国コンクールにおいて高い評価を得ております。さらに、中学校では、書評合戦、ビブリオバトルが定着し、楽しみながら読書活動を行うなど、この10年あまりの区の取組は、全国的にも誇れるものと言ってよいと考えております。 こうした中、国においては平成26年、学校図書館法が改正され、学校司書の法的位置付けが明確にされるとともに、同法の施行に伴い設置された「これからの学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議」の報告を踏まえ、平成28年に、校長は、学校図書館長の役割も担っているとする学校図書館ガイドラインが示されました。さらに、昨年度には、小・中・特別支援学校、今年度は高等学校の学習指導要領が改定され、その総則で、学校図書館の利活用や充実が規定されました。 こうした国の一連の流れを俯瞰的に見ると、学校図書館には、主体的、対話的で深い学びを効果的に進める基盤としての役割もあるとされ、学校図書館の担当職員及び蔵書も含めた施設整備の一層の充実を求め、自治体の取組を期待していることが分かります。 一方で、去る4月20日に閣議決定されました「第4次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」において、学校段階が進むにつれ不読率が高まるとして、依然として読書習慣の形成が十分でないなどとの課題があるほか、情報通信手段の普及・多様化等、子どもの読書活動を取り巻く環境の変化も見られるといった問題が指摘されております。 それを裏付けるように平成27年に実施された経済協力開発機構、OECD「生徒の学習到達度調査」PISA・ピザの調査によれば、科学的、数学的思考力に比べ、読解力の平均得点が低下するなど、学習基盤である言語能力、情報活用能力の育成が求められるとして、読書活動の重要性が改めて取り上げられております。 このような背景を受け、私どもは、平成28年度より約2年にわたり、墨田区における子どもの読書活動の推進に当たり、基本的な理念について議論を重ね、総合的、計画的に子どもの読書環境を整備していく必要性があるとして、その根拠となる条例について検討を進め、墨田区
子ども読書活動推進条例としてまとめるに至りました。 それでは、内容について簡潔にご説明申し上げます。 本条例は、前文及び14条で構成されております。 前文では、今述べた条例の必要性や趣旨などを簡潔に示しております。そして、この条例の根拠となる子どもの読書活動の推進に関する法律を参照し、第1条では目的、第2条で定義、第3条で基本理念を定め、目的、基本理念に基づき、第4条では区が子どもの読書活動の推進に関する施策を策定し、実施する責務があることを明記しております。また、子どもの自主的な読書活動の推進には、区民の理解、協力が必要なことから、第5条で区民の役割を定めております。さらに、第6条で家庭での取組、第7条で地域での取組、第8条で学校の取組を定め、各主体の役割及び取組を明記しております。第9条では、子どもの読書活動の推進に関し、法律では努力義務とされている「墨田区子ども読書活動推進計画」の策定を義務付けております。第10条では、区は墨田区子ども読書活動推進計画の策定又は変更に当たり、有識者及び区民の意見を聴取すること、さらに、その内容及び施策の実施状況について公表することを義務付けております。第11条では、墨田区教育委員会は、学校図書館の蔵書の充実及び学校司書の配置に努めるとともに、学校司書の能力向上に努めることとしております。第12条は、区立図書館の取組について規定しております。第13条は、施行後5年を超えない期間で見直しをする規定、第14条は、条例の施行に関し、必要な事項は教育委員会が定めるという委任条項です。 施行日は、公布の日としております。 以上で本議案の説明を終わります。ご審議のほどどうぞよろしくお願いいたします。
○議長(瀧澤良仁君) これより質疑に入ります。 通告がありますので、発言を許します。 21番・田中哲君 〔21番 田中哲君登壇〕
◆21番(田中哲君) すみだの絆の田中哲です。 私は、今回提案された墨田区
子ども読書活動推進条例に対して懐疑的な点があり、提案された条例に対して幾つか質問させていただきたいと思っております。どうぞ明確なご答弁をお願い申し上げます。 また、私は、決して読書そのもののすばらしさを否定するものではありませんし、若いころにすばらしい本との出会いは、人生を生きていく指針ともなり、大いに読書に親しんでいくことに全くの異論はありません。 さて、そこで伺います。なぜ条例が必要なのでしょうか。むしろ読書推進宣言を議会主導で行って、区民運動として読書推進を行ったほうが、より区民の皆さんに分かりやすく、取り組みやすい試みではないかと思っています。本を読む最大の喜びは、自分で見付けた本で感動を覚え、それが生きる指針になったときではないかと私は考えています。 また、墨田区の教育委員会の読書推進活動は、条例説明の前文にあるとおり、子どもの自主的な読書活動の環境整備に取り組み、学校図書館における貸出冊数が着実に増え、調べる学習コンクールでも、ビブリオバトルでも、全国的に誇れるものであると思いますし、既に条例の趣旨は達成されているのではないかとさえ思います。 新たにこの条例によって区民に何を期待したいのでしょうか。不読率を下げることですか。言語能力を上げることですか。予算措置をすることですか。基礎学力を上げることですか。今回の条例のアウトカムは何なのでしょうか、お尋ねをいたします。 また、平成28年度より約2年にわたり、墨田区における子どもの読書活動の推進に当たり、基本的な理念について議論を重ね、総合的、計画的に子どもの読書環境を整備していく必要があるとして、その根拠となる条例について検討を進めてきたとありますが、私には残念ながらそういった認識はありません。現在、議会基本条例の審議が行われておりますが、同じ議員条例でありながら、これほど扱いに違いがあるのが理解できないのです。議会基本条例においては、先進地域への視察や研修を行い、数期の議会を経て成案を目指してきましたが、
子ども読書活動推進条例においては、そういった研究の場もなく、いきなり条文が私案という形で示されたと認識しております。 また、子どもの自主的な読書活動の推進には、区民の理解・協力が必要なことから、第5条で区民の役割を定めています。さらに、第6条で家庭での取組、第7条では地域での取組を決めています。しかし、区民や家庭、さらに地域の声を聞いてきたでしょうか。教育委員会との懇談は行われましたが、あくまで懇談の場であり、この条例に関する区民との議論は皆無であります。 この条例が俎上に上った際、何人かのPTA関係者、育成委員会の現場に関わる方に、議会でこういった条例案があるのだと話をしましたが、ほとんど知っている方はおりません。しかも、パブリックコメントも行わないで条例を成立させることに大きな疑問を感じていますが、ご答弁を求めます。これではガバナンス推進条例との間でそごを来たすのではないかと考えますが、ご説明を求めます。 また、逐条解説の中で、地域においては、家庭、学校、幼稚園、保育園、認定こども園、児童館、コミュニティ会館、ボランティア団体や特定非営利活動法人などの各主体・機関が協力し合い、また連携しながら、子どもの読書活動の推進に努めることとしていますが、具体的にはどんなことを想定されておられるのか、どこが主体になって進めていくのでしょうか。条文にある以上、それなりの活動や実績も求められると思いますが、いかがお考えでしょうか。 議会の命は、情報公開と議論であると考えています。今回の条例は、そこに問題があると考えています。もう少し区民を巻き込んだ広い議論が必要ではなかったのかと思いますが、ご所見を求めたいと思います。 以上であります。
○議長(瀧澤良仁君) この際、議事の都合により会議時間を延長しておきます。 30番・加納進君 〔30番 加納進君登壇〕
◆30番(加納進君) ただいまの地域連合「すみだの絆」、田中議員の質問に順次お答えいたします。 最初のご質問は、なぜ条例が必要なのかということです。既に成果が出ていて、条例の理念は達成されているので、条例を制定する必要はないのではないかという主張です。 条例制定を目指した理由の1点目は、本案は、条文をよく読んでいただければ分かりますが、具体的な事業を盛り込んでいない、理念中心の政策条例です。あるいは、考えさせる条例と言えます。したがって、議論の結果、議決、施行された場合は、執行機関、議会それぞれが条例の目的を達成するため、基本理念に基づき、施策、事業を検討することになります。具体的には、来年度予定されている墨田区子ども読書活動推進計画の改定に当たり、議論の盛り上がり、区民参加型の計画策定が期待されます。 2点目として、子どもの読書活動の推進に関する施策を総合的に進めるためには、計画的な予算措置が求められますが、残念ながら優先順位は決して高くないという実態が挙げられます。一例ですが、学校図書館図書標準を国が策定した平成5年から25年も経過しているにも関わらず、特に中学校に関しては達成率がいまだに低い現状があります。こうしたことから、課題解決のための具体的な施策・事業の実施に伴う計画的な予算措置のために条例の制定が効果的と判断いたしました。 3点目の理由は、条例として制定された段階で、その政策は区民にとり身近なものになるということです。地方自治法第74条の規定に基づき、住民には有権者の50分の1の署名をもって条例の制定・改廃を請求できる権利が付与されています。一方、議決された宣言や規則等について、法律に基づき、住民が改廃を求めることはできません。 そうした点から、現在検討している議会改革の大きなテーマが議会活動への区民参加であることを考え合わせば、改正や廃止の権限が付与される条例の制定が政策を区民に身近なものとする最善の手法と考えました。以上の理由から、条例が必要と判断したことをご理解ください。 次に、条例ではなく読書推進宣言を議会主導で行い、区民運動として読書推進を行ったほうがよいのではないかということです。 これを説明するには、条例制定による影響・効果と読書推進宣言といった宣言を議会で議決することによる影響・効果について述べる必要があります。一般論として、条例は、地方公共団体が自治権に基づき、法令の範囲内で議会の議決によって制定する法とされ、墨田区という地方公共団体としての団体意思を決定するものであり、宣言の議決は、あくまで墨田区議会としての機関意思の決定にすぎず、法的根拠があるわけではありません。したがって、区民に対する影響という点においても、具体的な計画の策定及び事業の執行に当たっての効果という点においても、条例にまさるものはありません。 次に、この条例によりどんな効果を期待するのか、条例のアウトカムは何かという点についてです。 条例のアウトカムという表現を用いるならば、本案の第1条、目的の条文に掲げたとおりです。加えて申し上げれば、先ほどの条例制定の理由で述べた3点もアウトカムと言えましょう。例示された不読率を下げることや言語能力を高めることなどは、あくまで個々の事業の実施により得られる成果であり、かつ読書活動の推進だけではなく、複合的な取組によって達成されるものと考えます。また、本案は、就学前の幼児からおおむね高校を卒業するまでの子どもを対象にしており、世代ごとの事業により得られる成果は、当然異なってくることをご理解ください。 次に、条例の検討経過についてです。現在検討中の議会基本条例と比較して議論が足りないのではないかとのご指摘です。 まず、議会基本条例についてですが、墨田区議会の運営ルールについて一つ一つ検証しながら議論を進めているので、時間の掛かるのは当然だと考えます。かつ条文も30条前後になることが想定され、ボリュームが本案とは比較になりません。また、合意を得るまでに時間を要した条文もありました。これに対し、墨田区
子ども読書活動推進条例は、議会としての政策形成の手法が確立していないときでしたが、できることから議会改革を進めたいとの考えのもと、私が平成28年5月25日の区民文教委員会の委員長に就任した際のあいさつの中で、政策提案型の委員会にしたい旨を申し上げ、具体的には委員会による条例の提案、若しくは区長への政策提言を提案させていただき、当時の委員の皆さんの賛同をいただきスタートいたしました。そして、翌6月の第2回定例会の区民文教委員会で、委員の方から北九州市子どもの読書活動推進条例が紹介され、教育委員会の意見も踏まえ検討することが合意されました。8月には、教育委員会と意見交換を実施し、教育委員会の理解も得た上で、9月14日に議論のたたき台となる素案が委員の皆さんに提示されました。この素案は、根拠となる子どもの読書活動の推進に関する法律を参照し、かつ先例である北九州市
子ども読書活動推進条例やその他の全国各地の読書条例を参考とさせていただくとともに、既に策定されている墨田区子ども読書活動推進計画と矛盾する内容がないか精査し、また必要以上の教育への政治介入と誤解されないよう条文の表現に注意を払い、まとめ上げたものであり、決して田中議員がおっしゃるような唐突に私案を提示したものではないことをご理解いただきたいと存じます。そして、平成29年の第1回定例会の区民文教委員会では、修正後の素案を提示し、公開の場で質疑を行いましたが、平成29年度以降も議論を継続することが決定されました。 昨年度は、私は委員から外れましたが、後任の委員長に引き継ぎ、議論を継続するとされました。委員による非公式の勉強会を6回、教育委員会との意見交換会を1回、委員会の場での協議を4回行いましたが、委員会として条例の提案をするかどうかの議論に終始し、条文の精査など、内容に関する議論は行われなかったと聞いております。結果として、委員全員の合意が得られないことから委員会での協議は終了することとされ、議長のもと、議会内で改めて協議することとなりました。今年度に入り、各派交渉会で今後の取扱いについて協議し、議員提案で条例制定を目指すことが合意され、以後今日まで、各会派の代表による検討会を6回開催し、条文の精査を行いました。この間、リーガルチェックを受け、区長、教育委員会からの意見も伺い、議案としてまとめ、第3回定例会で上程したものです。 以上、申し上げたこれまでの経過を理解していただければ、議論が足りないとの指摘は当たらないと存じます。 次に、パブリックコメントなどを実施し区民参加を図るべきだったのではないか、また墨田区協治(ガバナンス)推進条例、以下、ガバナンス推進条例といいます、とそごを来すのではないかということです。 おっしゃるとおり、昨年度までは、議案の上程について先行きが見えなかった関係で区民参加の機会がなかったことは事実ですが、今年度の各会派の代表による協議の場で、パブリックコメントの実施について検討いたしました。結果として、区民参加の手法として保護者の代表の方や有識者などをお招きし、参考人としてご意見を伺うことのほうが効果的ではないかということでまとまりました。正式には、委員会に付託された後に委員会で決定する必要がありますが、区民参加について各会派とも積極的に進めようという考えで一致したことは明言しておきます。 なお、ガバナンス推進条例では、具体的な区民参加の手法としてパブリックコメント手続を規定しているところです。この中で、区民等に義務を課し、又は権利を制限する内容の条例の制定・改廃に当たっては実施することとなっていますが、本案では、区民や家庭、地域に対し、理念的、抽象的な努力義務は規定していますが、義務を強制する規定はありません。したがって、ガバナンス推進条例とそごを来すことはありません。 最後に、地域との関わりについてです。具体的にどんなことを想定されておられるのか、どこが主体となって進めていくのかというご質問です。 冒頭に、本案は考えさせる条例と申し上げたとおり、条例の制定によりこのような事業を実施する、このような連携を図るといった細かいものまで規定するものではありません。具体的な施策・事業は、多くの皆様の英知を結集し、墨田区子ども読書活動推進計画に反映されることと考えます。既に活動されているボランティア団体等へのエールを送る意味もありますし、新たな団体ができることや新規事業の積極的な検討も期待されます。また、事業の実施主体は、内容により区であったり、教育委員会であったり、公共図書館であったり、民間の法人・団体あるいは区民が主体になることもあると存じます。 以上で、地域連合「すみだの絆」、田中議員のご質問に対する答弁を終わります。
○議長(瀧澤良仁君) 以上で通告による質疑は終わりました。 ほかにご質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瀧澤良仁君) ご発言はないようですから、以上で質疑を終わります。 本案は、お手元に配布いたしました議案付託事項表のとおり、所管の常任委員会に審査を付託いたします。
----------------------------------- 平成30年第3回墨田区議会定例会議案付託事項表 〔巻末議案付託事項表参照〕
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○議長(瀧澤良仁君) 次に、陳情3件の委員会付託について申し上げます。 本件は、いずれもお手元に配布いたしました陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。
----------------------------------- 平成30年第3回墨田区議会定例会陳情付託事項表 〔巻末陳情付託事項表参照〕
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○議長(瀧澤良仁君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 委員会審査のため、会議は明日から休会いたします。 本会議は、来る9月28日午後1時から開会いたします。 ただいまご着席の方々には、改めて開議通知をいたしませんから、さようご承知願います。 本日は、これをもって散会いたします。 午後5時7分散会 議長 瀧澤良仁 議員 坂井ユカコ 議員 樋口敏郎...