平成27年 第2回定例会(6月) 平成27年第2回定例会 墨田区
議会会議録1 期日 平成27年6月19日2 場所 墨田区
議会議事堂3 出席議員(32人) 1番 坂井ユカコ君 17番 高橋正利君 2番 村本ひろや君 18番 じんの博義君 3番
松本ひさし君 19番 お
おこし勝広君 4番 佐藤 篤君 20番 あべきみこ君 5番 しもむら 緑君 21番 西村孝幸君 6番 はねだ福代君 22番 はらつとむ君 7番 渋田ちしゅう君 23番 樋口敏郎君 8番 井上ノエミ君 24番 沖山 仁君 9番 大瀬康介君 25番 田中邦友君 10番 堀 よしあき君 26番 木内 清君 11番 あさの清美君 27番 坂下 修君 12番 としま 剛君 28番 瀧澤良仁君 13番 加藤 拓君 29番 加納 進君 14番 中沢えみり君 30番 千野美智子君 15番 福田はるみ君 31番 田中 哲君 16番 とも宣子君 32番 高柳東彦君4 欠席議員 なし5
出席理事者 区長 山本 亨君
都市計画部長 直井 亨君 副区長 高野祐次君
都市整備部長 渡辺茂男君 教育長 横山信雄君
企画経営室参事 岩瀬 均君
企画経営室長 関口芳正君
総務部参事 吉田 章君 総務部長 鈴木陽子君
危機管理担当部長 酒井敏春君 区民部長 大滝信一君
区民活動推進部参事 鹿島田和宏君
区民活動推進部長 小久保 明君
環境担当部長 中山 誠君
産業観光部長 小暮眞人君 子ども・
子育て支援担当部長 石井秀和君
福祉保健部長 青木 剛君
保健衛生担当部長 北村淳子君
保健衛生担当部長 岸川紀子君
教育委員会事務局参事 岩佐一郎君
立体化推進担当部長 大野暢久君
教育委員会事務局参事 高橋宏幸君
会計管理者 佐久間 之君
監査委員事務局長 島崎 進君
教育委員会事務局次長 後藤隆宏君6
出席事務局職員 事務局長 浜田将彰君
議事調査主査 熊倉正己君
事務局次長 渡邊久尚君
議事調査主査 荒井 栄君
議事調査主査 岐部靖文君 平成27年第2回墨田区
議会定例会議事日程 第2号 平成27年6月19日午後1時 開議第1
議員提出議案第4号 東京都
後期高齢者医療広域連合議会議員の選挙における候補者の推薦について第2 議案第39号 墨田区附属機関の設置に関する条例の一部を改正する条例第3 議案第40号
墨田区立学校の学校医、
学校歯科医及び
学校薬剤師の
公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例第4 議案第41号
墨田区民住宅条例の一部を改正する条例第5 議案第42号 墨田区
介護保険条例の一部を改正する条例第6 議案第38号 平成27年度墨田区
一般会計補正予算第7 議案第43号
庁舎リフレッシュ計画に基づく
熱源設備改修工事(その3)請負契約第8 議案第44号
両国公会堂解体工事請負契約第9 議案第45号 物品の買入れについて第10 議案第46号 物品の買入れについて 午後1時開議
○議長(樋口敏郎君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(樋口敏郎君) まず、
会議録署名員を定めます。 本件は、例によって、議長からご指名申し上げます。 3番
松本ひさし君 19番 お
おこし勝広君のご両君にお願いいたします。
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○議長(樋口敏郎君) これより一般質問に入ります。 通告がありますので、順次発言を許します。 27番・坂下修君 〔27番 坂下修君登壇〕(拍手)
◆27番(坂下修君) 墨田区
議会自由民主党の坂下修です。会派を代表して、山本区長及び
横山教育長に質問いたします。 山本区長におかれましては、去る4月26日執行された
墨田区長選挙にて、6万1,296票、得票率にして70%を超える方々の支持を得ての当選、誠におめでとうございます。選挙戦中、区民の皆様からいただいた多くの激励もさることながら、区政にいただいた厳しい声にしっかりと耳を傾け、執行に当たっていただきたいと切に願います。 私たちは、
自由民主党墨田総支部と交わされた政策協定に基づき、山本区政を支えながらも、二元代表制における議事機関の一員として厳しく監視しながら、独自の観点から新たな政策提言を行ってまいる決意でございます。 質問の第1に、区長の所信表明に関する見解について総括的に述べておきます。 選挙後初めてとなる山本区長の所信表明は、多くの区民の皆様が期待したものと推察されます。随所に区長の思いの詰まった政策が見えたものの、山崎前区長の政策をそのまま受け継いだという意味で、新鮮味に欠け、抽象的で、また総花的、政策の優先順位や
論理的関連性の分かりにくいものでありました。区長は与えられた4年の任期でまず何を達成したいのか、有限な時間の中で、私たちはもっと山本区長の思いを、順序立てて明確に聞きたかったと残念に思っています。区長の答弁を求めます。 また、区長が述べた「行政が輝くまち」というのは、いささか違和感を覚えました。行政とは、民間の力を最大限発揮するために汗をかき、知恵を絞り、政策を立案するシンクタンクであり、アクターはあくまで区民、したがって、「住民が輝くまち」こそ区長の目指すべき本分なのではないでしょうか。区長の見解を求めます。 さらに、特別区の
制度的基盤を鑑みるに、東京都政との連携は極めて重要です。今回の所信表明の中で、都議会での舛添都知事の所信表明を引用した部分はありませんでした。積極的な都有地を活用した成熟社会、超
高齢化社会への対応、普段の生活で使っている食料品などを少し多目に備えておく「日常備蓄」という新たな考え方の提唱、
観光ビジネスの戦略的展開など、本区の政策に関わる新たな提案もなされています。区長は、これら都知事の見解をどのように考え、必要に応じてどう連携していくのか、答弁を求めます。 今後、新しい基本計画を策定するに当たり、今回、私たちはこの質問の中で、
山本カラーとは何なのか、また、それをどのような具体的な政策に落とし込んでいくのか、さらに、その背景となる方法論はどうするのか、以上3点に整理し、以下、山本区政の目指すべき具体像を問うていきたいと思います。 質問の第2に、新しい基本計画の策定に当たり具体的に質問いたします。 新しい基本計画は、言うまでもなく、長期的な視野を見据えた上で、まさに選挙戦で支持を得た区長の公約である「すみだの夢実現構想」を具現化していく作業となります。その前提として区長に問いますが、
山本カラー、すなわち山本区長が目指すべき区政の姿を一つ象徴的に挙げるとすればそれは何で、その目標は墨田区にとってなぜ目指すべきだと考えるのでしょうか。 次に、
地方版総合戦略について伺います。
地方版総合戦略の策定は、まち・ひと・しごと創成法に基づき、市町村の努力義務とされています。この戦略の策定について、基本計画の策定と並行して作業すべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、この戦略は基本計画の一部を構成するものだと考えますが、両計画の整理はどう考えていますか。 さらに、区長は、所信表明で
地方版総合戦略の核となる目標について「暮らしたいまち、働きたいまち、訪れたいまちとして選択されるような施策」と述べられていますが、具体的にお答えください。 また、内閣府が公表した手引きでは、策定段階や
効果検証段階での議会での十分な審議を求めていますが、議会との関与の方法についてもお答えください。 さらに、広報戦略及び区民の皆様との対話について伺います。 区長は、「スピード感のある、区民に開かれた区政の推進」を掲げ、「区政情報に関する発信者と受信者のミスマッチの解消を行い、区民の皆様との対話の場を設ける」と表明されました。山本区長の言明は、まさに本区における民主主義を進化させ投票率の向上や政治参加につながると、大いに期待をしています。区長に伺いますが、区民の皆様との対話とは、具体的にどういったものを想定しているのでしょうか。
ICTツールを活用した双方向性の対話、区長主催の誰しもが参加し発言することのできる
区政報告会の実施、これと関連した
コミュニティ懇談会のあり方、民意を吸収し反映しフィードバックする
PDCAサイクルの構想の各点について見解を求めます。 ここからは、
区長選公約の具体的反映について順次伺います。 まず第1に、「暮らしたいまち」についてです。 区長は、所信表明で、冒頭に「小さなお子さんを自転車の前後に乗せて買い物に出かけるような若い世代」という表現で言及され、
待機児童対策や知・徳・体のバランスのとれた教育、子どもの貧困対策など、
子育て環境の整備に幾度も言及されるなど、教育・
子育て政策に特に力を入れたいという思いが伝わってきました。しかし、新制度への対応を行うことのみが言及され、墨田区らしい教育・
子育て政策の全体像は示されませんでした。区長の考える教育・
子育て政策の理念の一端をまずご披瀝願います。 次に、
元気高齢者支援と介護予防について伺います。 区長は、医療・
介護保険制度の改革への対応に言及されました。まさに、2025年に向けた
地域包括ケアシステムの対応が念頭にあるのだと思います。元気な高齢者をつくることは、人間の生きがいを支えるだけでなく、まちの活気を維持し、医療財政への負担軽減を通じて持続可能な都市経営を支える基盤となる重要な政策であります。私たちは、そのような意味で、特に来年度から実施される介護予防・
日常生活支援総合事業に予算を集中的に投資し、将来を見据えた
介護予防策の先進都市になる必要があると考えます。例えば、高齢者の行動範囲に気軽に憩えるカフェをつくり、理学療法士など専門職による
運動療法支援を行ったり、介護予防に成果を上げた事業所に
医療財政負担軽減に貢献した成果としてのインセンティブを与えたりするなどの方策も検討されてはいかがでしょうか。区長の見解を求めます。 続いて、新しい保健所について伺います。 新しい保健所の建設は、どのような内容で建設しようと考えているのでしょうか。先に述べた
地域包括ケアシステムの中で新しい保健所をその中核施設と位置付けて、一体的に整備する必要があると考えます。これまでの健康診査や予防接種などにとどまらず、医療及び介護職の連携拠点を整備する必要もあるでしょう。区長は、新しい保健所に、何を目標として、どのような機能を持たせ、どのような面積規模で行うと考えているのか、伺います。 また、これまでの取組の中で都施設や大
規模民有地を含め開発が行われておりますが、このような状況をどのように検討してきたのか。なぜ、保健所の適地ではないと判断してきたのか。財政規模を考えながら、施設の適地は区の中央部、
交通結節地が理想ではありますが、都・区・民有地を含め今後どのように進めていくのか、答弁を求めます。 次に、
陸上競技場の整備について伺います。 区長は、所信表明の中で、旧
鐘淵中学校跡地に300メートルトラックの
陸上競技場を整備する方向と表明されました。詳細は
所管委員会で議論を行っていきますが、整備の前提として、整備に掛かる費用の総額と区負担分の内訳及び毎年の維持費、
インフィールドの活用方法を含め年間の稼働予想と収入予想、小中学校がどのように使うことができるのかの具体的内容、隣接する都有地をはじめ堤野球場や墨田五丁目運動広場の活用策についてどのように内部検討をして活用しないという判断に至ったのかについて、区長及び教育長にお伺いをします。 大規模施設の建設及び大規模修繕に当たっては、こうした財政への
負担見通しを議決前にしっかりと議会に示すことを私たちは今後とも求めてまいります。 続いて、大学誘致について伺います。 大学誘致は、数度にわたって断念と再検討を繰り返し、そのたびに地域住民の皆様や
学校関係者の皆様に期待と不安の念を抱かせていることは、誠に申し訳なく残念でなりません。区長が改めて表明した大学誘致の方針にのっとり、これまでの取組の反省を踏まえ、高度制限の撤廃や隣接地を活用した敷地面積の拡大を含む大学の選択肢を広げる基盤整備を行うこと、
選定プロセスをできる限り明らかにし、議会の監視機能を働かせられるような情報提供の体制を整えること、時限を決めてプロジェクトに取り組むことを求めますが、それぞれについて見解を求めます。 第2に、「働きたいまち」について伺います。
区長選公約の柱の一つであるにもかかわらず、所信表明の中で、「働きたいまち実現」についての全体的な展望には触れられていませんでした。墨田区は30%を超える高い
区内就業率であり、
産業振興施策の充実は区民生活の向上に直結する重要課題と言えます。山本区長の目指す「働きたいまち」とはどのようなものなのかをお聞かせください。 また、国が推す地方再生にのっとり、ワークライフバランスを実現し、女性の社会進出を進めるとともに、若者が区内企業で活躍できるような施策を推進していくと述べられました。具体的な施策の内容について伺います。 さらに、平成25年度に
区内製造事業者を対象とした
産業活力再生基礎調査では、回答した製造業者の約4分の1が、「後継者がなく廃業を検討している」という残念な結果が出ました。区内産業の一番の基盤である「
ものづくり」を推進していくためには、こちらの課題解決は急務であります。現在、
地域内事業承継の支援を行っていますが、昨年度の実績と、そこから見えてきた問題点を加味した上で今後の方向性を伺います。 加えて、新・
産業振興マスタープランに基づく施策を推進する必要性も改めて訴えます。商店街、
ものづくり、
まちづくり、雇用や人材育成、3M運動等を連携させて、産業と観光の融和を図り、新区長のもと新しいすみだの産業振興を確立されるよう望みます。区長の所見をお伺いします。 第3に、「訪れたいまち」について伺います。 まず、東京五輪についてです。
東京スカイツリー開業から、先月、3年が経過しました。円安の影響もあり、
外国人観光客の増加は見られるものの、周辺地域の
経済波及効果については、いまだ目に見える実感には至っていません。また、墨田区はかねてより
国際観光都市を目指していますが、施策の展開や区の現状を見ても、課題は山積しております。2020年の東京五輪を好機と捉え、さまざまな観光施策の検証を行い、改善、創意工夫に加え、国内外への
プロモーション強化、観光協会との役割分担などを実行し、新たな
観光振興プランのもと、
国際観光都市すみだの実現に向けての取組を強く求めます。墨田区全体の
地域活性化に向け大変重要な今期、山本区長の手腕が問われます。改めて、区長の東京五輪に向けての意気込みと、観光地としての墨田区のビジョンをお伺いします。 また、墨田区の魅力発信と東京五輪を更に盛り上げるため、住民の
ボランティア参加ほか、聖火リレーへの候補地としても積極的に東京都へ働きかけるべきだと提案しますが、区長の所見をお伺いします。 次に、すみだ
北斎美術館について伺います。 今年の4月に行われた
区議会議員選挙・区長選挙において、区民の皆様から最も多く関心を集めていたのがすみだ
北斎美術館の建設についてであります。すみだ
北斎美術館の完成を待ち望む声が聞かれる一方で、今の時代に逆行するような多額の税金を投入してまですみだ
北斎美術館という箱物が本当に必要かといった厳しい意見が聞かれたことも事実であります。全町会長・
自治会長会議や
コミュニティ懇談会といった特定の場だけではなく、広く区民の皆さんに理解を得られるよう、全庁一丸となって引き続き取り組むことを強く求めます。 なお、建設費、
維持管理費に充てる寄付金については、開館までに5億円を集めることを約束としています。平成27年度は1億5,000万円を集めるということを目標に掲げられていますが、今日までどのような取組をされ、幾ら集まったのか、お伺いいたします。また、5億円が達成された後も、管理運営に多額の費用が掛かることから、継続して寄付金を募るよう望みますが、現段階での考え方を伺います。 さらに、
管理運営費は1億円以内に抑えることも、平成26年度
予算特別委員会における付帯決議に明記され、議決されております。くしくも、この付帯決議を読み上げたのは当時区議会議員であった山本区長です。付帯決議との関連を含め、
管理運営費について区長の認識を伺います。 また、すみだ
北斎美術館運営に係る
指定管理者の選定が今年度予定されております。
管理運営費に大きな影響を及ぼす重要なものであることから、
江戸東京博物館の
指定管理者の応募要件を参考にしながら、美術館や博物館を管理運営してきた実績を重視するべきです。区長の考えを伺います。 すみだ
北斎美術館は、建設自体が目的ではなく、区民生活につながるものでなければなりません。地域経済を含めた区全体への波及効果や、
両国観光まちづくりグランドデザインを含めた両国から錦糸町までのエリアの
まちづくりの計画のしっかりとしたビジョンと責任を持って、平成28年の開館には多くの方に訪れていただけるよう準備を進めることを強く求めます。区長の決意を伺います。 また、今年度予算に計上されているすみだ
北斎美術館周辺整備の具体的な内容についても、今後の
まちづくりの方向性と併せてお伺いをします。 次に、
まち歩き観光について伺います。 区は、先に挙げたすみだ
北斎美術館、
両国公会堂跡地に建設が予定されている刀剣博物館をはじめ、
江戸東京博物館、たばこと塩の博物館、郵政博物館、小さな博物館などを活用し、美術館、博物館のネットワークを形成することで、
まち歩き観光の充実を図るとしています。しかし、そのための観光地としての最低限の基盤整備が整っているとは言えない状況です。区長の現状についての認識を伺います。 さらに、
まち歩き観光の目玉となるべき両国地域の
観光まちづくりグランドデザインの具体案はまだ示されておりません。今後の取組とスケジュールを伺います。併せて、両国国技館が東京五輪の会場となっており、関連付けて
まち歩き観光に結び付ける取組も求めます。 続いて、新基本計画の施策の実現に向けての具体的な手法について伺います。 まず、墨田区の財政規律の維持について伺います。
納税義務者の増加など、歳入環境の改善要素はあるものの、墨田区の財政状況は23区中、最低水準にあり、今後も厳しい財政運営を余儀なくされることが予想されます。新基本計画の施策実現のためには、財政基盤の改善と歳入の確保の努力を続け、財政規律を維持することが必要です。そのためには、明確な根拠に基づいた各財政指標の目標値を設定し、更なる
行財政改革の取組を進めていかなければなりません。特に、基金残高については、これまでは200億円になったり、100億円になったり、基本的な根拠に乏しい目標値しか示されず、実現への取組も明示されていません。目的別に必要額を明らかにした上で、それぞれの基金の積立て金額を設定すべきです。区長の所見をお伺いいたします。 また、
公債費比率、区債残高、
実質収支比率などの指標についても、一般的には望ましい目標値ではなく、財政状況を好転させるためにはどのような水準が望ましいのかを精査した上で墨田区としての目標値を明示することを求めますが、いかがでしょうか。 さらに、山本区長は、
行財政改革について、さらなる
行財政改革に取り組む必要がある、更にメスを入れる余地があると発言されました。画一的な人員削減や予算編成時の
マイナスシーリングではなく、より深く各事業に踏み込んだ改革を進めていく方針と理解をしました。これまで区議会において墨田区の
財政健全化の取組に対し具体性に乏しい等の指摘をしてきた新区長には、我々区
議会自民党としても大いに期待するところでありますが、今後の具体的な取組を伺います。 次に、人口推計及び
公共施設整備について伺います。 5月14日に基本計画の目標人口である26万人に到達しました。半蔵門線の延伸による交通利便性の向上や、
東京スカイツリー効果による墨田区の知名度上昇やイメージアップなど、複数の要素が考えられます。区内の現状を考えると、今後も人口増の傾向の中、単身者や
子育て世代の流入が続くと思われます。一方で、定住した
子育て世代の
行政ニーズは子どもの成長に合わせて変化しており、区内の高齢者数も年々増加しています。墨田区では、保育園の待機児ゼロをいまだに達成できていない状況や、一部の小学校で教室が不足しかねない状況、多数の
特別養護老人ホームの待機者がいることなど、流入人口や
高齢者人口の予測を上回って急増する
行政ニーズに対して的確な対応ができてきたとは言えず、むしろ場当たり的な対応が続いている印象です。区長のこれまでの施策に対する認識をお伺いいたします。 これからは、より正確な人口推計を立て、
行政ニーズを予測し、各世代に見合った施策展開を行っていくことが、将来にわたって「選択される自治体」となるためには不可欠です。区長は、人口推計についてどのように考えているのか、具体的な取組はあるのかをお伺いいたします。 また、変化していく
行政ニーズに対応するためには、正確な人口推計に基づき、公共施設のあり方を考えていかなければなりません。現在、墨田区では、第1次
公共施設マネジメント実行計画を進めていますが、新基本計画において、より
マネジメントの名にふさわしい取組を強く求めます。施設総量を圧縮しつつも、既存施設の
複合施設化や使用方法の工夫によって対応するべきです。さらには、既存施設の建替えによる機能統合を行い長期的な
維持管理費を圧縮することや、立地に恵まれていない公有地については積極的に売却することも検討すべきです。
公共施設マネジメントの取組について、区長の見解を伺います。 加えて、公共施設の多くを占める学校施設についてお伺いいたします。 小中学校は、区内各地に分散しており、地域の中心といえる施設です。空き教室や放課後の使用していない時間を集会所や体育施設などに開放していくことで、地域の
行政ニーズに応えることが可能となります。現在は、各学校の判断で施設の使用を行っていますが、このたびの
教育委員会制度改革を機に、学校施設の開放を推進していく道を探るべきと考えますが、区長及び教育長の所見をお伺いいたします。 次に、基本計画の施策体系と組織改編についてお伺いをいたします。 現在の基本計画が策定されてから10年が経過し、この間の社会情勢の変化やさまざまな制度改革のため、施策体系が実態と合わない部分があります。さらには、観光施策について、文化の面との連携がうまくとれていなかったり、幼児教育の分野において、
教育委員会と子ども・
子育て支援担当と部署が分かれていたりするなど、施策の推進に当たって組織の編成上の課題が散見されます。新基本計画については、施策体系の整理を行い、それぞれの目標を明確に設定した上で、実現のために新たな組織編成を行う必要があります。現在の組織の課題と組織の見直しについての状況をお伺いいたします。 最後に、職員意識の改革について伺います。 山本区長は、所信表明において、民間感覚と区民目線を強調されるとともに、職員の皆さんに、できない理由から入るのではなく、できるためにはどうするのかという視点を求めた旨の発言をされました。この意識が全庁舎に浸透し、区民を向いた施策推進につながることに期待をしております。これまでも、職員の皆様は熱心かつ確実に仕事をされていましたが、新たな取組に対しては積極性に欠ける印象でした。民間出身の新区長には、前向きな取組の上での小さな失敗をマイナス評価せず、新しい提案や事務効率向上のアイデアを大きく評価し、職員の皆さんが委縮することなく、前向きに仕事を進められる雰囲気をつくっていくことを求めます。山本区長の求める職員像と職員意識改革のための取組をお伺いいたします。 すみだの夢実現に向けて、山本区長に大いにご期待申し上げ、私の質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの自由民主党、坂下議員のご質問に順次お答えをいたします。 まず、墨田区長就任に当たり激励のお言葉をいただき、誠にありがとうございます。私は、区議会出身の区長として、議員時代に蓄積した経験を活かし、全身全霊で区政のかじ取りを担ってまいります。議会と行政は車の両輪ですので、区議会の皆さんにおかれましては、すみだの夢実現に向けてご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。 最初のご質問は、私の所信表明についてです。 まず、総括的な感想として、前区長の政策をそのまま受け継ぎ、新鮮味に欠けたとのご指摘です。 私は、これまで行政出身の首長のもと連綿として築かれてきた墨田区政に一石を投じ、初めての民間出身の区長として着任したわけですが、行政の継続性が求められる重要政策は、引き続き取り組まなければなりません。所信表明で申し上げましたように、すみだの夢を実現させていくための「ひとづくり・
まちづくり」を基軸に、新基本計画の中で、私として特に優先順位の高い政策については必ずリーディングプロジェクトとして具体的に掲げてまいります。特に、4年の任期で必ず達成したい政策は、東京オリンピック・パラリンピック開催までに、本区の文化・観光政策をまとめ上げ、多数の観光客が訪れる真の国際文化観光都市の実現と考えております。 次に、私の掲げた「行政が輝くまち」に関する質問です。 私は、効率的で持続可能な地域間競争に勝ち抜けるような、いわゆる地域経営力に優れた選ばれる自治体を指して、「行政が輝くまち」と表現しております。したがいまして、職員は汗をかき、知恵を絞る裏方であり、目指すは主人公である「住民が輝くまち」と考えております。 次に、第2回都議会定例会における舛添都知事の所信表明を受けての私の見解と、東京都との連携についてのご指摘がございました。 今回の舛添都知事の所信表明では、成熟社会のあるべき都市像や東京オリンピック・パラリンピック大会開催までと、その先にある社会のあり方、さらには東京の成長を支える基礎の構築について述べていらっしゃいました。いずれも都政全般に関する政策面についてではございましたが、特に少子
高齢化社会や人口減少社会、安全・安心の確保、
観光ビジネスの戦略的展開など、本区の政策と活用、連携すべき部分も多数ございました。そこで、舛添都知事の所信表明をしっかり分析し、本区の地域特性を踏まえて、活用できる部分については積極的に関係部局と調整に入り、新基本計画や平成28年度予算編成に反映できるよう進めてまいります。 次に、新基本計画策定についてです。 まず、私、いわゆる「
山本カラー」についてのお尋ねです。新基本計画の策定においては、私が区長選挙で掲げましたマニフェストである「すみだの夢実現構想」を具体化し、その道筋をつけることが極めて重要です。特にこの構想の中で「
山本カラー」と位置付けるものは、正直全てです。六つの構想が実現されて初めて、7番目の地域間競争を勝ち抜くことができるものと考えております。 それでは、その目標が墨田区にとって、どうして今なのか、なぜ目指すべきなのかについてですが、魅力的な策もなく、他の自治体と同様のことをしていたのであれば、たとえ東京の中にあっても少子高齢化が一層進み、人口が大幅に減少することとなります。したがいまして、今あるすみだの可能性を引き出し、地方創成などの流れに乗って、すみだらしさをもっと積極的に打ち出して、本区が地域間競争に勝ち抜く施策に邁進してまいります。 次に、
地方版総合戦略についでです。 まず、総合戦略の策定につきましては、議員ご指摘のとおり、その前提となる墨田区人口ビジョンはもちろん、内容の柱となる雇用、人口流入、
子育て環境、安全な暮らし等の施策については、おおむね基本計画に包含されることになります。したがって、双方は並行して策定作業をするとともに、総合戦略につきましては基本計画のリーディングプロジェクトの一部として位置付けたいと考えております。 総合戦略の核となる目標でございますが、私が所信表明で述べました「暮らしたいまち、働きたいまち、訪れたいまち」として選択されることに尽きると存じます。それには、先ほどの雇用、人口流入、
子育て環境、安全な暮らしが施策の柱になるものと考えておりますので、この施策の実現に向けて明確な目標値を定め、今年度から5年間で緊急に取り組む具体的な事業に着手をしてまいります。なお、策定段階や
効果検証段階での議会の関与につきましては、当然のことながら各段階において資料をお示しし、十分な議論を尽くしていきたいと考えております。 次に、区民の皆さんとの対話とは具体的にどのようなものを想定しているかのご質問がありました。 1点目の
ICTツールを活用した双方向性の対話についてですが、これらは若い世代に普及しており、有効なツールであることから、本年10月からはホームページをリニューアルし、これとリンクさせたフェイスブックを開始します。 2点目の
区政報告会については、速やかに実施に向けての方法や時期等の検討を進めてまいります。また、従来の
コミュニティ懇談会については区からの情報提供に主眼が置かれておりましたが、今年度からは、できる限り双方向のコミュニケーションが可能となるようにしてまいります。 3点目は、民意を吸収・反映しフィードバックする
PDCAサイクルの構想についてのご質問です。民意は、個々の区民から直接寄せられるものと、区民を代表する区議会からいただくものがあります。区民の皆さんからいただいたご意見は、区政に反映できるものは反映させてまいります。また、区議会の皆さんとは、これまで以上に対話を通してご意見をいただき、それを区政に反映するとともに、常に改善を図り、事業執行に取り組んでまいります。 次に、
区長選公約の具体的反映に関し、幾つかのご質問がございました。 最初に、総合的な教育・
子育て政策についてです。 墨田区次世代育成支援行動計画、墨田区子ども・子育て支援事業計画では、基本理念として「子どもの利益の優先」を掲げております。私は、その理念のもと、全ての子どもたちが夢や希望を持ちながら社会を生き、幸せな人生を築くことのできる施策を進めてまいります。併せて、個人が幸せになるためには、子どもの利益が優先された地域社会をつくっていく必要があると考えています。 また、私は、所信表明で、知・徳・体のバランスのとれた教育と申し上げました。これからの未来を担う子どもたちのために、一人ひとりが互いのよさを認め合い、尊重し合い、自己実現を図れるようにすることが重要です。さらに、教育を通して、よりよい社会を築いていくことができる力を育成していきたいと考えております。 次に、
元気高齢者支援と介護予防についてです。 平成28年度から介護予防・
日常生活支援総合事業に順次取り組んでまいりますが、具体的には、高齢者が地域で気軽に交流しながら健康づくりに取り組める「通いの場」の創設支援や新たに理学療法士や作業療法士の意見等を取り入れた予防プランづくりに取り組んでまいります。 次に、介護予防に成果を上げた事業所に対するインセンティブについてですが、介護フェアの機会を利用して、区内事業者の先駆的な取組や優秀な事例を顕彰するとともに、区民に広く周知を行うことで、事業所の意欲向上につなげてまいりたいと思います。 次に、新保健所についてのご質問です。 新保健所は、少子高齢化が進む中で、妊産婦、障害者、高齢者等、多様な区民が健康で生き生きと暮らし、生き生きと輝き暮らし続けることができるよう、区民の健康づくりを強く推進する中核的なセンターを目標とすべきと考えます。その上で、多発する感染症などに迅速に対応できる健康危機管理拠点、災害時の医療拠点等としての機能が重要と考えております。この観点を踏まえ、面積については延べ8,000平方メートル程度必要かと考えております。 次に、新保健所の適地を確保するための大
規模民有地の売却・賃貸情報の入手については、これまでも公有地の拡大の推進に関する法律に基づく本区への届出等により逐次情報は入っており、かつて折衝した事例もございます。 この新保健所整備につきましては、私のマニフェストの中で、区民の皆さんの健康を守るという使命から、最優先に進めるべきものとしております。私は、老朽化している本所・向島両保健センターを統合し、適正な規模の施設を整備することが最善の選択と考えています。そこで、区中央部の都有地について、東京都財務局に強く要望を上げておりますので、早期の整備に向け準備してまいります。 次に、
陸上競技場の整備についてです。 300メートル陸上トラックの整備について、4点のご質問がございました。私からは、1点目と2点目のご質問についてお答えいたします。 まず、1点目の整備に係る費用の総額についてですが、現時点でお示しできる設計前の概算としては、セミナーハウスの建設工事、
陸上競技場の本体工事等を合わせまして18億円程度と試算をしております。 次に、区負担分の内訳ですが、活用可能な補助金等といたしましては、東京都のスポーツ施設等整備費補助金や国の学校施設環境改善交付金、又は日本スポーツ振興センターのスポーツ振興くじ助成金等を考えており、総額約1億6,000万円を見込んでおります。なお、建設工事費から補助金等を差し引いた区負担分の75%程度を起債により調達することが可能と見込んでおります。 次に、維持管理経費についてですが、類似施設の指定管理料をもとに試算しますと、修繕費や光熱水費等を除き年間約6,000万円程度と推測をしておりますが、今後、具体的な業務計画を検討する中で詳細を詰めてまいります。 次に、2点目の
インフィールドの活用方法を含めた年間の稼働予測と収入予測についてです。
インフィールドを活用して実施できる主な競技は少年サッカーとフットサル等で、人気のあるフットサルについては平日夜間を中心に利用が進むものと考えております。また、セミナーハウスの合宿などでも
陸上競技場を併せてご利用いただけるのではないかと思います。具体的な稼働予測や収入予測につきましては、今年度後半をかけて稼働率等の向上策も含めて検討してまいります。 次に、大学誘致についてです。 1点目は、高度制限や隣接地の活用についてです。 誘致予定地は、22メートルの高さ制限、さらには1.8ヘクタールという限られた面積であり、総合大学が都心展開するには少し狭い面積であることは事実でございます。その中で、区といたしましても、高さの緩和等について、周辺地域の
まちづくりに合わせ、さまざまな都市開発諸制度の活用を図ってまいります。また、大学側の要望があれば、隣接地の活用についても、既存施設の機能見直しや再配置等を視野に入れて検討してまいりたいと考えております。 2点目は、議会の監視機能及び情報提供の体制についてです。 当然のことながら、大学誘致について、一定の進捗があった段階で区議会や区民の皆さんに報告をしてまいります。ただ、交渉事ですので、大学が墨田区と交渉していこうという意思決定が行われた後に公表をさせていただきたいと思います。その後は、
選定プロセスやさまざまな条件等について、逐次区議会に情報提供を行い、ご審議いただきたいと考えております。 3点目は、時限を限ったプロジェクトへの取組です。 私は、これまで継続して交渉を続けている大学に執着することなく、さまざまな選択肢も視野に入れ、時限を区切り、今年度内には一定の結論を出したいと考えております。 次に、「働きたいまちに」ついてのご質問に、順次お答えをいたします。 まず、働きたいまちについてのお尋ねですが、私が目指す働きたいまちとは、働きやすく働きがいのある職場環境を持つ魅力的な中小企業が集積し、交通環境や都市施設が整い、利便性が高く、活気とにぎわいのあるまちと考えております。 次に、女性の社会進出と若者が活躍できる施策に関する具体的な内容についてです。 子育てや介護施策の更なる充実を図る一方で、企業向けのセミナーや男性の子育てや女性の再就職を目的とした講義等、ワークライフバランスの推進と女性の社会進出を支える意識醸成について行ってまいります。また、若者が区内企業で活躍できる施策については、現在、若年者の就職サポート事業を実施しておりますが、今年度は、更に東京都城東職業能力開発センターと連携をしながら、
ものづくり産業を支える若者の就労につながる取組も計画しております。 次に、
地域内事業承継事業の実績、課題、今後の方向性についてのお尋ねですが、まず、平成26年度の実績は、譲渡希望及び譲り受け希望を合わせ、本事業に対し45社から申込みがあり、このうち1件のマッチングにとどまりました。これは、将来的に廃業を考えている事業者を対象としたことによるミスマッチが生じた結果と思われます。そこで、今年度からは、後継者を探していたり育成している事業者や他社との業務提携を模索している事業者などに対象を広げたところ、現時点まで約20社からお申込みをいただいているところです。 次に、新しいすみだの産業振興についてですが、
産業振興マスタープランでは、商業、工業、観光の縦割りの発想を改め、それらを融合させた産業振興を行います。また、「何かを始めるなら、すみだへ」というキーワードで、地域の魅力に多くの人が引き付けられる姿や、すみだに住み、働く人々が地域に誇りを持ち、生き生きと暮らしている姿がうたわれております。私は、このプランを具体化するために、ご指摘のように地域資源や政策を総動員し、多くの方々が働きたいまちを実感できるよう、最大限努力をしてまいります。 次に、東京五輪についてです。 東京オリンピック・パラリンピックの開催決定は、ボクシング競技の会場となる国技館や集客力の高い東京スカイツリーのある本区にとりまして、
国際観光都市の実現に向けた更なる一歩を踏み出す絶好の機会です。そこで、本区では、開催決定を契機に、1年前倒しして墨田区
観光振興プランを改定しました。観光地としてのビジョンにつきましては、
観光振興プランの基本目標である「東京スカイツリーを活かし、暮らしてよく、訪れてよい
国際観光都市すみだをつくる」を掲げております。特に重点的に推進する施策は
外国人観光客への対応で、海外における観光プロモーション等のインバウンド施策を更に充実していくことが必要です。 具体的には、墨田区を訪れた
外国人観光客に対して、Wi-Fi等の公衆無線環境の整備や多言語に対応した案内板、表示板の設置等のハード面の整備と、江戸文化を感じる大相撲や博物館等、墨田区の特色を活かした外国人向けの体験型観光コースの提供や外国語対応ガイドの人材育成等のソフトの面と、両面の施策展開を図ってまいります。 次に、区民の
ボランティア参加と聖火リレーの候補地として積極的に都に働きかけるべきとのご提案がございました。 まず、区民の
ボランティア参加につきましては、おもてなしの心で訪れた方々を迎える子どもから高齢の方まで参加できる取組を展開するほか、
外国人観光客とも簡単なコミュニケーションが可能なおもてなし語学ボランティアの育成を東京都とも連携して推進してまいります。 また、聖火リレーにつきましては、適切なタイミングで関係機関へ積極的に働きかけてまいります。 次に、すみだ
北斎美術館についてのご質問です。 まず、すみだ
北斎美術館については、これまでの経緯から、広く区民の皆さんの理解を得られるよう、全庁一丸となって引き続き取り組むようご指摘をいただきました。そこで、私は、速やかに全部局に指示を出し、墨田区が世界に誇れる文化資産である北斎を基軸にした施策を全庁一丸となって展開します。 次に、寄付金についてです。 昨年度は、約2億1,800万円の寄付を募ることができました。今年度は、ふるさと納税の税制改正に合わせ、4月1日からインターネットによるクラウドファンディングを導入し、6月中旬時点で、全国430人を超える方々から約2,100万円の寄付をいただいております。今後、海外に向けた取組や区内外の事業者の掘り起こしなどにより、今年度の目標額をクリアしてまいります。 また、維持管理運営経費につきましては、平成26年度予算に係る付帯決議の重みを私としてもしっかりと受け止め、原則1億円で運営できる努力をしなければならないものと認識しております。そのためには、経費削減の努力のほか、美術館運営を多くの方に支えていただくためのさまざまな取組が必要です。さらに、美術館が地域の活性化に結び付くよう発展的に運営していくためには、適時、多くの観覧者が見込める大規模な企画展も必要であると考えております。その際には、北斎基金の活用についても、議会の皆さんと協議をしながら進めさせていただきます。 次に、
指定管理者の応募資格条件についてです。 事業者の選定に当たっては、美術館を最適に運営できる事業者を選定することが絶対条件です。そのためには、東京都の事例等も参考にしながら、本定例会の
所管委員会にもその考え方をご報告させていただき、7月には募集手続を予定しております。 最後に、開館に向けての私の決意です。 私は、世界的にも認められ、欧米の多くの芸術家に影響を与えた浮世絵師・北斎のレガシーを、我がまちすみだの誇りとして次世代に引き継いでいきたいと考えております。すみだ
北斎美術館を拠点として、北斎やすみだのまちの魅力を国内外に発信できる事業を展開し、子どもたちの教育や
まちづくりを通して、我がまちの
北斎美術館へと育ててまいりたいと考えております。さらに、この美術館を両国周辺のまちを大きく発展させる起爆剤としてまいります。 また、今年度予算には、北斎通り及び緑町公園周辺の道路景観整備に係る経費を計上しております。北斎通りについては、歩道舗装の改修と街路灯の塗装を予定しており、昨年8月から行っておりますエリア懇談会において、地域の方のご意見を伺いながら舗装のコンセプトなどについて検討し、設計に反映させていただくこととしております。
北斎美術館周辺のにぎわいの創出のためには、地域の方々の取組とハード整備の連携が不可欠ですので、今後もワークショップ等を重ねながら、地域の皆様と一緒に取り組んでいきたいと考えております。 次に、
まち歩き観光についてのご質問ですが、まず基盤整備の現状認識については、本年度、観光振興の観点から、
江戸東京博物館をはじめ、既存の博物館、資料館に加え、今後予定されているすみだ
北斎美術館を含めた施設のネットワーク化に向けた連絡会議を立ち上げる予定です。現在、区内回遊の促進のための循環バス、案内板等の設置やまち歩きイベント等も開催しておりますが、引き続き充実を図り、例えば博物館めぐり等の新たなコースの開発なども進めてまいります。 次に、
両国観光まちづくりグランドデザインの今後の取組とスケジュールについてのご質問です。 まず、四つのエリアごとに懇談会を開催し、観光
まちづくりに関わる意見を伺っておりますので、今後、
まち歩き観光、歩道環境等、ハード、ソフト両面で、各種観光施策に反映させていきたいと考えております。また、スケジュールとしましては、ハード面では、すみだ
北斎美術館開館までに周辺の道路景観整備、東京オリンピック・パラリンピック開催までに両国駅周辺道路の景観整備等を実施する予定です。 最後に、東京オリンピック・パラリンピックの競技会場である国技館と関連付けた
まち歩き観光の取組についてのご指摘をいただきましたが、現在行っている国技館を活用した見学ツアーや相撲ガイドツアー等に加え、地域の方や企業、団体等と連携した更なる取組を図ってまいります。 次に、財政規律の維持についてです。 初めに、各基金の積立て目標額につきましては、基金残高の増額に務めてまいりました。当面は、平成27年度末の財政調整基金と
公共施設整備基金を合わせた残高100億円の達成を目指してまいります。併せて、新基本計画の財政計画を取りまとめる中で、各基金の必要額を精査した上で、それぞれの積立て目標と基金総額の目標を定めてまいります。 次に、本区として望ましい財政指標の目標値についてです。
公債費比率や経常収支比率は、改善の兆しを見せておりますが、23区の平均と比べた場合、各指標について更に改善する必要があるものと考えております。そこで、
行財政改革による経費の削減や事務事業の見直し、さらには計画、予算、執行のそれぞれの段階において、財政の体質改善を図ってまいります。今年度検討する次期
行財政改革実施計画において、本区に望ましい目標値を定め、お示ししてまいります。
行財政改革の具体的な取組ですが、私の感覚と新しい目で、これまで以上に鋭いメスを入れ、各施策を進めるに当たって、いつまでに何をするのかを明確にする工程表の作成や、行政評価、公会計制度を駆使した事務事業の徹底的な見直しなどで、スピード感とコスト意識を持った、より効果的な効率的な行政運営を行ってまいります。 次に、人口推計及び
公共施設整備についてです。 まず、流入人口や
高齢者人口の予測を上回って急増する
行政ニーズへの対応に対する私の認識です。 これまでの基本計画の人口推計は、区内全域をコーホート分析により行っておりましたが、想定以上に人口が増加し、既に目標人口の26万人に達しております。計画策定時は、その目標人口に沿った
行政ニーズに対応する施策や施設整備を計画しておりましたが、待機児童解消策の例のように、前倒し整備する事態に一部陥ってしまったことは否めません。そこで、新基本計画の策定では、より詳細な町別の分析を行い、詳細な人口流入の姿、さらには本区における出生率の目標値なども組み入れ、本区の
まちづくりを見据えた真に適切な人口等、数パターンをお示しして、議会の皆さんとも議論させていただきます。 次に、
公共施設マネジメントについてです。 第1次
公共施設マネジメント実行計画では、施設利用者の安全性の観点から、緊急対応が必要な施設の統廃合等に取り組んでおりますが、今後は更に一歩踏み込む必要があります。そこで、今年度策定する公共施設等総合管理計画では、公共施設だけではなく、インフラ系施設を含めた全ての公共施設等を対象とし、長期的、経営的視点で
マネジメントしていくための基本的な考え方をお示ししてまいります。さらに、公共施設等総合管理計画の実行計画として、平成28年度から第2次
公共施設マネジメント実行計画も策定してまいります。引き続き、保有総量の圧縮、施設の複合化・集約化などのほか、活用しないことが決まった公有地についてはインターネット公売なども活用するなど、さまざまな
マネジメントの取組を進めてまいります。加えて、学校施設については、ご指摘の2点を踏まえ、総合教育会議等を通じて協議をしてまいりたいと思います。 次に、基本計画の施策体系と組織改編についてです。 現基本計画の策定からこの10年間にはさまざまな社会情勢の変化や制度改革があり、施策体系が実態に合っていない面があることも事実です。ご指摘の観光施策と文化との連携、幼児に関わる子育てと教育のあり方をはじめ、介護と医療の連携など、新たな
行政ニーズが生じており、既存の行政組織での対応が大変困難な状況になっております。新基本計画の策定では、このような新たな視点や課題に対応した施策体系を再構築し、これに合わせた組織に改編をしてまいります。 次に、私の求める職員像と職員意識改革の取組についてです。 私は、職員に対して、区民ニーズを的確に把握した新たな政策を提案し、前例にとらわれることなく、区民の立場に立って自ら行動すること、さらには、スピード感やコスト意識を持ち、失敗を恐れずにチャレンジしていく、行政のプロとしての姿勢を求めてまいります。また、職員の意識改革の取組としましては、現在、本区から震災の被災地や児童相談所などに職員を派遣し、これらの職員は本区とは異なる仕事の進め方や考え方を学んでいるところです。今後は、その範囲を広げて人事交流を拡大し、区政に生かす人材育成を進めてまいります。 さらに、私からの一方的なトップダウン型のリーダーシップだけではなく、職員のやる気を高めるため、自発的なボトムアップも奨励し、職員からの提案などを取り入れてまいります。まずは、新基本計画の策定について、庁内公募により集まった若手の職員によるワーキンググループを組織し、柔軟な発想で、さまざまな方策を議論させてみたいと考えております。 このような取組を通じて、職員の能力を最大限発揮できる墨田区役所へと組織風土を変革させてまいります。 以上で、自民党、坂下議員からの私へのご質問に対する答弁を終わらせていただきます。 〔教育長 横山信雄君登壇〕
◎教育長(横山信雄君) ただいまの自由民主党、坂下議員さんからのご質問に、順次お答えをいたします。
陸上競技場の整備の前提の一つとして、小中学校がこの
陸上競技場をどのように使うことができるのか、具体的な内容についてご質問がございました。 現時点で想定しているもので、まず区立中学校の連合陸上競技大会がございます。現在は区外の競技場で実施しておりますが、今回計画をしている
陸上競技場では、1,400人程度が収容可能な観覧席を整備する予定となっております。これは、区立中学校全10校の1学年分の生徒を全て収容することが可能となります。同様に、他区の施設で開催している中学校の運動会も、この
陸上競技場で開催することになると考えております。 また、セミナーハウスを活用した合宿など、小中学校の課外活動にも使用することが可能であると考えております。 このほかにも、さまざまな用途での利用が考えられますが、その他、具体的な活用策については、稼働予測等と併せて、今後検討してまいりたいと考えております。 次に、隣接する都有地をはじめ、堤野球場や墨田五丁目運動広場について、どのような検討を行って活用しないという結論に至ったのかという質問についてお答えいたします。 まず、旧
鐘淵中学校跡地に隣接する都有地につきましては、昨年の第4回定例会の
所管委員会においてご報告をさせていただきましたが、東京都との協議の中で、400メートルトラックを整備した場合、白鬚東地区防災拠点の防災機能に重大な支障を生じさせてしまうため、都有地の活用は困難という見解を示されたところでございます。 また、都有地も活用した300メートルトラックについては、整備は可能であるとの見解をいただいておりますが、この場合、都立公園内の施設という位置付けとなり、区民等に限定される利用は困難となってしまうこと、併せて土地使用料年間約1億円を支払う必要があることから、隣接する都有地の活用については断念をさせていただいた経緯がございます。 また、堤野球場や墨田五丁目運動広場の活用については、当該用地は鐘ケ淵地域の都市整備用地としての活用が予定されており、
陸上競技場のような他の恒久的な施設の整備用地としての利用は困難であると考えているところでございますので、ご理解をいただきたいと思います。 次に、学校施設について、地域への開放を推進していく道をとるべきとのご質問をいただきました。 区立学校は、学校施設使用条例に基づき、学校運営に支障のない範囲で貸出しを行っております。学校は、地域にとっても重要な交流の場であることはご指摘のとおりであり、
教育委員会としては、こうした趣旨を踏まえ、地域利用のニーズに可能な限り対応するべく、各学校を指導しております。例えば屋内運動場や格技室については、学校行事での使用に影響のない範囲で多くの方々にご利用いただいておりますが、一方、校舎内にある普通教室や特別教室については、教材や児童・生徒の作品等を保管しており、紛失や毀損等管理上の問題があり、教育活動への支障も懸念されることから、一般への貸出しは難しいのが現状です。 なお、放課後子ども総合プランへの対応という観点からは、児童・生徒の放課後対策として、学童クラブとの連携による特別教室等の活用について今後検討する必要があるほか、その他の利活用の可能性についても、
教育委員会として総合教育会議等を通じて区長部局と今後協議してまいりたいと考えております。 以上で、坂下議員さんからのご質問の答弁を終了させていただきます。
○議長(樋口敏郎君) 6番・はねだ福代君 〔6番 はねだ福代君登壇〕(拍手)
◆6番(はねだ福代君) 墨田区議会公明党のはねだ福代でございます。山本新区長を迎えての初めての定例議会で、公明党を代表して質問させていただきます。選挙期間中、多くの声をいただきました。その皆様の思いを胸に質問させていただきます。明朗かつ前向きなご答弁をお願いいたします。 それでは、質問に入らせていただきます。 まず、先日の山本新区長の所信表明を受けまして、特に気になる4点についてお伺いいたします。 1点目に、区政運営に関する基本姿勢の中で、このたびの投票率の低さが区民の区政に対する関心の薄さの表れであるという危機的状況を鑑み、戦略的広報の実現を打ち出されました。これまで、我が会派が提案をしてきた民間スキルを有した広報専門員の設置については、その英断を評価いたしますが、単に外部に向けた華々しい観光PR的な広報にとどまるのではなく、区民の目線に立ってと言われるとおり、まずは全ての区民にきちんと効果的に情報を届けていくという一番大事な視点からの改革に着手していただきたいと思います。ホームページや区報の刷新も視野に入れて、新たなコミュニケーションを切り開く広報をどのように実現されるのか、お伺いいたします。 2点目に、区政運営の基本的な取組方針の中で、防災対策を区の最重要課題と言われました。その一つ、進まない不燃化率の向上など、クリアすべき事象を明確にすることが必要ではないでしょうか。その上で、実現を図るための方策など、具体的にはどのように取り組まれるのか、お伺いしたいと思います。 3点目に、前区長から引き継いだ二つのプロジェクトとして、大学誘致と
陸上競技場の整備だけをなぜ取り上げられたのでしょうか。今回、一定の方向を示されたということで、粛々と進めていただきたいと思いますが、プロジェクトとして挙げていただくのであれば、私としては区民生活の中で使用頻度も高く、強く必要性を指摘されてきた保健センターの整備をいち早く取り上げ、進めていただきたいと思いました。それぞれ、全て大切な事業ではありますが、私たち公明党としては、これまで以上に区民ニーズに的確に対応していく視点を持って優先順位を考えていただくようお願いしたいと思います。区長のご所見をお伺いいたします。 4点目に、福祉・教育施策の向上についてですが、具体的な施策大綱の中で、特に
子育て環境の徹底整備を掲げられていますが、最大の課題は何といっても待機児童の解消です。保育の量的整備と質の充実と言われましたが、区民に分かりやすい言葉で、いつまでにどのように整備されるのか、明確な数値を打ち出していただきたいと考えます。よかった、安心した、期待できる、そう言っていただける区長の力強い決意を踏まえたご所見を伺います。 特に、区長は「次世代育成支援行動計画、子ども・子育て支援事業計画に基づき」と言われましたが、これらの国や都の制度を踏襲する形での計画は、実施する現場においてはさまざまなひずみも出てきています。こうした現場の区民の声を拾い上げて伝えていくのは私たち議員の役割ですが、その声をしっかり受け止めて、法だけではカバーできないすき間を埋めていく、かゆいところに手が届く施策を実現していくことが、区民に身近な基礎自治体である区行政、なかんずく区長の使命ではないでしょうか。今後とも、民間感覚と区民目線を生かした区政の展開、このすばらしい基本姿勢が貫かれた取組、政策実現の先頭に立ってリーダーシップを発揮され、スピード感あふれる区政の推進に邁進されますようご期待申し上げ、次の質問に移ります。 次に、がん検診率向上への取組について伺います。 現在、日本では3人に1人ががんで命を落とす時代と言われ、がんの患者数と死亡数は、過去30年で激増しました。高齢化のためだけではなく、40代から60代の働き盛りの罹患者も多く、ライフスタイルなどの変化がその一因だと言われていますが、我が国にとっても大きな問題です。国は、がん対策基本法で、がん検診の受診率を平成28年までに50%にすることを目指し、がん死亡率を20%に減少する方針を掲げてまいりましたが、その見通しは厳しく、本年6月1日には、がん対策加速化プランと銘打って、その取組を強化する方針を明らかにしました。 墨田区においても、がんによる死亡率の高さは、改善すべき大きな問題と言えます。本区のがんによる75歳未満年齢の調整死亡率は、23区で男性は7位、女性は1位です。他区に比べて、がんで亡くなる人が多いということが言えます。中でも、大腸がんによる死亡率は男性が1位、女性も2位です。さらに、子宮頸がんによる死亡も2位、乳がんも6位という非常に厳しい現実です。死亡率を下げるためには、生活習慣の改善とともに、がん検診による早期発見・早期治療の両輪で健康寿命を延ばすことが求められます。なぜなら、がんは重症化した場合、医療費の負担も大きく、家族全体の生活設計まで影響を及ぼしかねません。 そこで、がん検診の受診を促すことが重要になってきますが、墨田区のがん検診の受診率は、23区において、胃がん検診は11位、大腸がんは15位、肺がんは19位、子宮頸がんは20位、乳がんは17位と、23区の中で下位に位置しています。これまで以上に早期の発見、早期の治療の意味をしっかり伝え、受けやすい検診体制や治療への誘導が重要になってきます。私がいただいた地域のお声には、区のがん検診にはどんな検診があるか、どこでやっているのか、自分は何を受けるべきなのか分かりにくいといったものがありました。墨田区がん対策基本方針の中でも、がん検診についてのアンケート調査をもとに、分かりやすい検診への改善と個別の受診勧奨に力点を置くことが明らかにされています。 そこで、区長にお伺いいたします。 まず、受診しやすい環境づくりのために、分かりやすい紙媒体への改善やホームページの充実とともに、個別勧奨すべきと考えます。そこで、40歳から74歳までの国民健康保険加入者の特定健診の受診票と併せて、区内の全てのがん検診の一覧表と受診票を同時送付できないかということです。例えば、群馬県の高崎市では、がん検診はもちろんのこと、肝炎ウイルス検診やピロリ菌検診まで、市内で受けられる全ての検診に対応する健康づくり受診券を19歳以上の市民に配布しています。併せて、年度初めの4月に配布する健康のしおりという小冊子には、その年度で検診可能な医療機関が全て明示されています。さらに、集団検診の時間が年間スケジュールで記載されているので、市民は自分の都合に合わせて受診日程を組むことができ、検診を受けようとする意識の向上につながっています。現在、我が区でも大腸がん検診の案内が同封されることにより、検診率が上がっていると聞いていますが、40歳からの個別受診を促し、また分かりやすい検診一覧を配布すべきと考えます。 第2点目に、がん検診の申込み方法の単純化についてです。 検診の相談から申込みまで丁寧に対応するところを、区民に分かりやすくすることが必要だと思います。例えば(仮称)検診予約・相談センターという電話窓口を設けるなど、がん検診を受けたいと思ったときに、手元に資料がなくてもホームページや電話でその検診方法を知ることができ、申込みができる便利な方法を用意すべきだと思います。 第3点目に、胃がん検診の改善についての提案です。 胃がん検診を受ける場合は、医療機関等に配置してある申込みはがきや官製はがきに必要事項を記入し、区に申し込まなければなりません。その後、区から受診のための用紙が送られてきて、医療機関への受診予約に入ります。胃がん検診は、検診医療機関の受入れ件数に上限があるために、こうした煩雑な手続が必要となっていますが、前期5月から7月までの先着2,500人、後期12月から2月末までの先着1,800人はすぐに埋まってしまうので、毎回、申込みはがきが使用されずに終了となってしまっているとの話を医療機関の関係者から伺いました。受診希望者が多いようですので、可能であれば受診受入れ医療機関の件数を拡大することが必要ですし、電話での申込みを可能にすべきと考えます。 また、集団検診は、福祉保健センターにおける検診車による受診があります。この検診は、医療機関に比べ、まだ余裕があると聞いています。官製はがきで必要事項を記入して区に申し込み、後日、受診票とともに検診日時が連絡される仕組みです。日時を変えることは可能のようですが、受診したいときに受診できる仕組みになっておらず、不便さを感じる区民もおられるようです。受診者の希望に合うように、受診可能な日時を増やし、希望日を選べるようにすべきだと考えます。 4点目には、要精密検査の受診率向上についてです。 最初の検診を受けた結果により、問題がある場合、精密検査を受ける必要があります。墨田区の精密検査の受診率は、23区の平均に近づいているとはいえ、他区に比べて少ないと伺っております。より多くの人が精密検査を受診しやすいように、区は最大限の工夫をすべきと考えます。要精密検査のお知らせを受け取ったときに、次に受けるべき再検査につながるような医療機関を明示したり、個別に相談ができる(仮称)検診予約・相談センターへの案内を通して、具体的に次のステップへと進めるようにすべきと考えます。また、初めに検診を受けた医師から直接精密検査の勧奨をしていただけるよう、医師会への協力体制を要望していただきたいと思います。さらに、区として精密検査の対象者には、プライバシーに配慮しながら、専門医から個別に電話による受診勧奨を行ってはどうかと提案いたします。 がん検診に関わる以上4点について、区長のご所見を伺います。 次に、
地域包括ケアシステムの実現についてお伺いいたします。 改めて申し上げるまでもありませんが、昨年、医療介護総合確保推進法が成立し、医療・
介護保険制度が新たなステージを迎えております。とりわけ、介護保険の保険者である区における
地域包括ケアシステムは、自治体ごとの特性に応じ、地域の主体性、自主性を発揮した取組が求められています。そこで、第5期計画までの成果と課題を踏まえた上で、
地域包括ケアシステム実現へ向け、国が掲げている五つの柱、すなわち、1、医療・介護の連携、2、認知症施策、3、地域ケア会議、4、居住に係る施策との連携、5、介護予防・生活支援に関し、それぞれ区が中心となり充実強化を図ることを求めるものですが、時間の制約もあり、ここでは認知症施策と生活支援及び介護予防についてお伺いいたします。 初めに、認知症高齢者施策についてお伺いいたします。 墨田区高齢者福祉総合計画、第6期介護保険事業計画によると、平成37年度認知症高齢者数は8,044人、13.5%まで増加するものと見込まれており、墨田区では認知症カフェ、認知症ケアパス普及に加え、6月より認知症電話相談も始まりました。また、地域包括ケアを推進していくために、平成28年度から高齢者支援総合センターに配置される認知症地域支援推進員、さらに翌29年度からは認知症初期集中支援チームも動き出します。区内でも徐々に認知症高齢者を支えるさまざまなグループも活動しており、認知症になっても安心して生活できる地域づくりが進められています。こうした中で、認知症サポーターの育成と体制づくりを着実に進めていくことが重要だと感じています。墨田区の昨年度認知症サポーター養成講座受講者数は1,710人、累計は5,365人となっております。私も認知症のサポーターになりましたが、一度サポーターになった方に対して、養成講座を受講後、あまり活躍の場がありません。地域の力として大いに活躍していただくべきと思います。 そこで、第1に、みまもり相談室ごとの(仮称)認知症サポーターの会の立ち上げをご提案いたします。サポーターの会が立ち上がることにより、サポーター同士の意見交換やサポーターからの発信、口コミによる養成講座の受講者を増やしていくことも期待されます。地域におけるサポーターの横のつながりができれば、地域の見守り体制が強化されていくと思います。 第2に、サポーター一人ひとりの質を高めていくために、さまざまな最新情報を研修し、スキルアップにつなげていくべきだと思います。今、注目されているタクティールケアなどの研修を取り入れてはいかがでしょうか。タクティールケアは、スウェーデンで開発された、手を使って手や背中を柔らかに包み込むように触れる相補代替療法で、認知症の人の行動心理症状を緩和させるために、ストレスや不安を和らげるのに有効だと言われております。触れることで意思の疎通にもつながるというこの療法をサポーターに覚えていただき、身近なところで実際に使っていただくこともできます。 第3に、具体的なサポーターの役割が拡大できる仕組みづくりです。 サポーターの中には、緩やかな見守りを希望している方だけではなく、積極的に地域の役に立ちたいという方もいます。地域の中で役立ちたいと考えているサポーターのための仕組みをつくるべきと考えます。先日、八広地域プラザでのオレンジカフェを視察させていただきました。今後は、小さな単位の認知症の方々の居場所づくりにも発展させていくと伺っております。サポーターがオレンジカフェでボランティアとして活動した経験をもとに、サポーター自身が担い手になって交流できる居場所をつくっていくことも可能となります。その際、そのサポーターの力が最大限に発揮できるよう、区として、高齢者総合支援センターやみまもり相談室がしっかりとした支援体制を整えるべきと考えます。区長のご所見を伺います。 次に、介護予防・
日常生活支援総合事業についてお伺いいたします。 一昨年以降、国の検討の内容が断片的に公表されると、とりわけ総合事業について、要支援者への予防給付を段階的に地域支援事業へ移行するといった表現が注目されることとなり、要支援者や介護事業者の不安や誤解を招いてまいりました。これについては、不安解消へ向けた担当部局の丁寧な説明で無用な混乱は避けられるものと考えるものですが、平成28年度から実施する予定の総合事業に関しては、まだまだ課題が多いものと認識します。最大の変化は、全国一律の基準のもと実施してきた給付から総合事業、つまり要支援者の多様なニーズに対応するため、墨田区の地域性、自主性を踏まえた上で、区として基準、単価を設定し、サービスを提供する体制になったことと言えるでしょう。 まず、従来の訪問型サービス、通所型サービスについてですが、国は従来の訪問介護、通所介護に加え、基準を緩和したサービスや住民主体のサービスなど、幾つかの類型を例として提示しております。既に区としては、来年度から住民主体による訪問型サービスを提供するために、社会福祉協議会やシルバー人材センターの活用を検討していると明言しております。 ここで大事なことは、1、要支援者が、サービスが低下した、あるいは負担が重くなったといった不満が出ることがあってはならない、2、従来の訪問介護、通所介護の基準及び単価を区で独自に設定するに当たって、区外の事業者を利用している要支援者も多いことから、周辺区との格差に十分配慮すること、にあると思います。この2点につき、区長の見解をお伺いいたします。 また、新制度においては、従来、高齢者福祉として実施している事業や一般高齢者も対象にした事業、あるいは町会や老人クラブなどで実施している事業も、地域支援事業として総合事業の中に組み入れることができます。高齢者等のニーズに応じ、多様なサービスが提供されることで、住み慣れた地域で住み続けることのできる体制づくりを前進させることができるものと考えますが、今年度1年間でサービスの内容、単価、サービスの提供主体などを決め、来年度から実施するといったことでは、性急の感を否めません。段階的に移行、若しくはできるサービスから提供を開始し実施していく中で、必要なサービスの追加や課題の抽出、運用の見直しなど、適宜適切な対応を進めることが重要であると考えます。つまり、2025年を視野に入れつつ、今年度からの第6期計画3年間を一つのスパンと捉え、
地域包括ケアシステムの実現を図ることが肝要です。 併せて、従来の生活支援・介護予防の担い手の中心である介護事業者に加えて、その他の企業、NPO、社会福祉法人や協同組合、町会、老人クラブなど、担い手の資源を掘り起こすことと資源マップの作成を通じ整理していくこと、あるいは新たな人材の発掘、育成について、区が実施するか民間事業者に委託するかといったことも含め、一定の期間を掛け十分な検討が必要であると考えます。区長のご所見をお伺いいたします。 次に、かかりつけ薬局の推進について伺います。 現在、75歳以上の在宅高齢者だけでも、潜在的な薬の飲み忘れ等による年間薬剤費が約500億円発生しており、厚労省ではさまざまな対策を打ち出しています。その一つがかかりつけ薬局の推進です。かかりつけと言えば病院を思い出す人が多いと思いますが、かかりつけ薬局とは、複数の病院を受診する患者の服薬情報を一元的に管理することで、患者側に沿った薬の重複や飲み残しをなくしていく指導を行う薬局のことであり、現在、中央社会保険医療協議会で増やすための議論が行われています。なぜ、今、かかりつけ薬局が大事かというと、医療費の削減効果とともに、患者への過剰投薬を見付け、服薬指導を行うことにより、健康維持を図ることができるからです。 しかしながら、先日、ある報道で、国内には調剤薬局が約5万7,000店あり、コンビニエンスストアの数より約1割多い、多くは医療機関の近くに店を構え、約7割が一つの医療機関の処方箋に依存する経営状態となっており、薬局は医師の処方どおりに薬を出すだけで、どこも同じだと感じる患者は少なくないとの記事を見ました。この記事が示すとおり、墨田区に目を向けると、本年3月に発表された健康に関する区民アンケート調査の結果報告書を見ても、かかりつけ医を持つ人は墨田区平均で約6割の人がいるが、かかりつけ薬局となると5割を切る現状があります。 一方、あるテレビ番組で福岡市薬剤師会の取組が紹介され、残薬調整としての節約バッグ運動が進んでおり、飲み残しの薬をバッグに入れて持参すると、余分な薬を減らすことができ、2012年はトライアル期間の3カ月で約70万円、2013年2月1日から2014年1月31日までは本格実施をして薬剤費約350万円、約20%の削減ができたとの調査結果が出ていました。 今後は、墨田区においてもかかりつけ薬局を推進していくことが必要だと考えますが、かかりつけ薬局を持つとどのようなメリットがあるのか、今まで周知したことがあるのでしょうか。 先日も、ある薬局で聞き取り調査をしていたところ、患者さんが入ってきて、「そこのドラッグストアでこの薬を買ったんだけれども、医者からもらった薬との飲み合わせは大丈夫かな」との質問を受け、薬剤師さんが親切に答えていました。その薬剤師さんは、「いつものことです。このように、誰でも気軽に質問や疑問に答えられる薬局を目指しています」とのことでした。さらに、高齢者の残薬調整及び在宅訪問指導が大切だとの話がありました。在宅訪問には、医師の指示書が必要ですが、先日も通院翌日の患者さんを訪問したところ、ろれつが少しおかしい状態を発見、脳梗塞の兆候を見付けて事なきを得たとの話がありました。その方は、自転車での移動範囲くらいであれば、薬局に出向けない高齢者への在宅訪問をすることにより、様子を知ることもできるし、残薬調整も可能だと言っていました。 区内の薬局が全てこのような取組をしていると思いたいのですが、医療費の適正を図るためにも、平成17年度に東京都から事務移譲された墨田区として、この9年間、薬局に関する事務と指導が適切に行われていたのか、特に東京都のかかりつけ薬局指針に沿った運営がなされていたのか、指導に対する結果を検証すべき時期になったと思いますが、区長のご所見を伺います。 次に、特に若い人がかかりつけ薬局を持たない傾向があるとの健康区民アンケート結果がありましたが、厚労省では、スマホに薬局で受け取った薬の名称や飲み方などを記録する電子版お薬手帳の仕様を、全国どこの薬局でも利用できるよう、標準仕様を検討しているようです。墨田区も早目に情報収集をして、薬剤師会との協力で普及促進を図るべきと思いますが、区長のご所見を伺います。 次に、厚労省の医療費改革案の一つとして、平成32年度までに後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品の普及率を80%以上にする目標が出されました。調剤報酬の見直しも提言され、普及促進をした薬局の収入増とともに、全体の医療費の削減を目指しています。この点について、墨田区としてはどのように取り組まれますか。まず、区内の国保加入者には、現在、後期高齢者にお渡ししているジェネリック医薬品希望シールを発行し、保険証に貼付していただきたいと思います。さらに、あと5年で8割の普及率を目指すには、全世代の方に後発医薬品の広報をしていくべきだと思いますが、区長のご所見を伺います。 最後に、厚労省は、かかりつけ薬局の増加により、24時間対応や訪問指導、残薬確認や後発薬の促進など、処方薬の一元管理体制が進み、医療費削減とともに国民の健康増進が図れるとの発表がありました。墨田区薬剤師会のホームページにも各薬局の対応が載っていますが、ほとんど知られていません。そこで、墨田区として、更なる健康人口を増やしていくためにも、区民に対し新しい発想でかかりつけ薬局の大切さを広報していくべきだと思いますが、今後どのように取り組んでいくつもりなのか、区長のご所見を伺います。 私の質問の最後に、鐘ヶ淵駅踏切立体化についてお伺いいたします。 本年3月、鐘ヶ淵地区
まちづくり懇談会の町会長の方々とともに、東京都に対して立体化を求める書面を提出し、鐘ヶ淵駅踏切立体化の早期実現を要請いたしました。この署名は、
まちづくり懇談会の全町会長連名で行い、短時間にもかかわらず、地元住民8,655名の賛同をいただくことができ、鐘ヶ淵駅前の踏切解消は地元を挙げて強く望んでいることが分かります。東京都はこの鐘ヶ淵立体化事業については国の連続立体交差事業を使い事業化を考えていると聞いていますが、国の連続立体交差事業の要件には、1、幹線道路が2本以上の交差、2、交差する両端の幹線道路の中心間距離が350メートル以上、3、3カ所以上において立体交差させること、4、2カ所以上の踏切道が除却することでした。しかし、その後の規制緩和により、鐘ヶ淵踏切のように、ボトルネック踏切といわれるピーク時に1時間に40分以上が遮断されている踏切の場合は、幹線道路も2本から1本に、踏切要件も当該踏切1カ所に変更になりました。これにより、幹線道路が1本しかない鐘ヶ淵駅踏切は、立体化実現に向け大きく前進することとなりました。 連続立体交差化事業の役割分担も明確に示され、事業主体の東京都は全体の事業の総括、墨田区は周辺の
まちづくり、駅前広場の整備、道路整備、鉄道事業者は用地の買収と鉄道高架化の設計建設、駅舎設置等となりました。現在、東京都との事前協議で、最後の要件である鉄道と道路を3カ所以上立体交差させるために、墨田四丁目と五丁目を通る交差道路9号線、二丁目から三丁目に通じる交差道路10号線を区が地域の優先整備路線として整備することが確認されました。すなわち、この踏切立体化を強力に進めるには、地元の行政として2本の道路整備を行い、3カ所以上において立体交差させることが重要だと思いますが、区は、この優先整備路線9号線、10号線の整備の必要性について、いまだに地元住民にも説明していません。立体化の早期実現を目指すのであれば、いち早く道路整備に取り掛かるべきと思いますが、区はどのように進めていくおつもりなのかお伺いいたします。 また、地元では、鐘ヶ淵地区
まちづくり懇談会とは別に(仮称)鐘ヶ淵踏切立体化促進協議会を立ち上げ、更なる機運の高まりと合わせて道路整備に着手した事実を東京都に示すことが都を動かすことにつながると考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。 この踏切の周辺は高齢者率の高い地域で、鐘ヶ淵の踏切の危険性は日に日に増しています。踏切が開くのと同時に、たくさんの自動車、自転車、歩行者が一斉に踏切内に集中して移動する中で、シルバーカーのタイヤが線路の溝に挟まって立ち往生する高齢者、また前後から押し寄せる人の波で転ぶ高齢者もよく見掛けます。立体化が完成するまでの間は、誰もが安全に行き来できる踏切にしなくてはなりません。既に都道120号線の2期工事区間が事業決定されていますが、できれば鐘ヶ淵の踏切の前後を先行して拡幅することで、踏切の幅員が広がり、自動車、自転車、歩行者が分離して渡れるように進めるべきと考えます。現在、都道120号線の2期工事区間はどの程度進捗しているのでしょうか。何としても事故が起きる前に早急に東京都にこの件も強く申し入れすべきと思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。 以上で、質問を終わらせていただきます。ご清聴、誠にありがとうございました。 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの公明党、はねだ議員のご質問に順次お答えいたします。 まず、新たなコミュニケーションを開く広報の実現についての質問がございました。 ご指摘のとおり、全ての区民の皆さんに効果的に情報を届けることが重要です。そこで、広報専門員を設置し、その見識を活用しながら、斬新なアイデアで区報やホームページ等の既存の情報媒体の刷新を行います。また、フェイスブック等の媒体も活用し、さまざまな年代の方に、生活に密着した情報やすみだの魅力を効果的に発信し、スピーディーかつ双方向性のある戦略的広報を実施していきます。 次に、防災対策についてのご質問がございました。 最重要課題である防災対策としての不燃化率向上に向けては、市街地大火を防げる不燃化率70%を目標に掲げて取り組んでおります。平成25年度から不燃化10年プロジェクトを導入し、昨年12月末には鐘ヶ淵周辺地区における区域の拡大や、この4月には押上二丁目地区が追加指定されました。これまでの不燃化促進事業に加えた具体的な方策としては、年明けより防火性能を高める防火・耐震化改修を拡充し、さらに7月からは不燃化10年プロジェクトの中で、一定の防火性能が期待できる準耐火木造建築物への助成制度を拡大してまいります。 また、延焼遮断帯の形成を促進するため都市計画の変更も検討するなど、今後も不燃化率の更なる向上に努め、燃えない、壊れない
まちづくりの実現を目指してまいります。 次に、二つのプロジェクトと保健センター整備についてです。 二つのプロジェクトとして、大学誘致と
陸上競技場の整備だけを取り上げた理由ですが、両者とも既に整備予定地が決定している中で、
まちづくりの観点から、一刻も早く方向性を決断し早期に着手すべきものと考え、私はこの二つをプロジェクトとさせていただきました。 一方で、保健センターの整備につきましては、先ほどの自民党、坂下議員にもご答弁しましたように、保健センター整備は最優先に進めるべきものと考えており、本所・向島両保健センターを統合し、適正な規模の施設を整備するため、区中央部の都有地について、東京都財務局に強く要望し、早期の整備に向け準備をしてまいります。 次に、福祉・教育施策の向上、特に
子育て環境の徹底整備、明確な数値についてのご質問がございました。 現在の数値目標は、本年3月に策定した墨田区次世代育成支援行動計画、墨田区子ども・子育て支援事業計画で、平成31年度までの教育・保育の確保内容を定めております。計画では、新たな施設整備として、認定こども園3園で378人、認可保育園9園で999人、小規模保育所4園で76人、合計1,453人の保育定員の拡大を図ることとしております。さらに、認証保育所からの認可保育所への移行による定員増加を図ることとしています。平成28年4月までの整備予定として、認可保育所と小規模保育所で定員合計175人の拡大を計画しておりましたが、待機児童数の状況を鑑み、認可保育園で定員合計160人を拡大するほか、小規模保育所の公募を拡充することにより、200人を超える定員拡大を目指してまいります。本年4月の待機児童数は、前年4月の157人より81人減少して76人となっておりますが、今後とも待機児童解消に向けて、計画の前倒しや、更なる保育定員の拡大策などを推進してまいります。 次に、国や都の制度を踏襲する形での計画は、実施する現場との間にひずみが生じるというご指摘がありました。 今年度は、子ども・子育て会議において、各専門分野の委員や公募委員の皆さんのご協力をいただきながら、計画内容の評価、検証を行ってまいります。私としても、ご指摘のように現場の区民の声を受け止めていくことが何よりも重要であると認識しております。そこで、子育ての当事者の意見をより反映するため、今年度から公募委員の人数を5人から7人に増員することとしました。また、平成28年度には再度ニーズ調査を実施し、その結果を踏まえ、5年間の事業計画の中間年である平成29年度に計画の見直しを行う予定としております。これにより、一層実態に即した計画になるものと考えております。 次に、がん検診についてのご質問です。 本区では、平成26年3月に改定した墨田区がん対策基本方針に基づき、受診率向上のための取組を進め、胃がん検診受診率は、23年度は3.2%でしたが、平成26年度は6.7%となり、23区中17位から11位と改善しました。しかし、ご指摘のとおり、がんによる死亡率はいまだ高い状態のため、更なる取組の強化が不可欠です。 1点目は、受診しやすいがん検診についてのご質問です。 平成24年度から、各がん検診の対象者、検査内容、実施時期、実施場所、申込み方法等の明記した分かりやすいパンフレットを、特定健診受診票発送時に同封しております。受診票の同時送付については、関係医療機関との受入れ件数や時期等の調整が必要です。今後は、関係機関と協議しながら、受診しやすい体制づくりを進めてまいります。 2点目は、がん検診申込み方法の単純化についてです。 現在は、がん検診の種類によって申込方法が異なっており、区民に分かりにくいとのご指摘もいただいております。ご提案いただいた対応策も含め、分かりやすい申込方法を今年度検討してまいります。 3点目は、胃がん検診の改善についてです。 胃がん検診については、医療機関受診分と検診車分を合わせて、約6,500人が受けられる体制を整えております。しかし、医療機関への申込み分については、時期によってはご希望どおり受入れできない場合もありますので、関係機関と協議の上、改善を図るよう努力します。 また、検診車による実施については、検診車を希望された方が受診しやすい方策を、検診機関や実施会場と調整をしてまいります。 4点目は、要精密検査の受診率向上についてです。 がんの死亡率減少につなげるためには、検診を受けるだけではなく、精密検査が必要と判定された場合に、きちんと精密検査まで受けて、がんであるかどうかを確定診断し、治療につなげる必要があります。しかし、症状がない、がんが見つかるのが怖い、精密検査の内容や場所が分からないなどといった理由で、精密検査を受けない方が多いという状況です。 そこで、今年度からは、精密検査が必要と判定された方に、精密検査の重要性、内容、受診可能な医療機関を明記した案内文をお配りすることといたしました。また、医師会の協力も得て、精密検査の受診の有無を窓口となった医療機関が把握し、医師から受診勧奨を呼び掛けております。加えて、26年度からは、医療機関で把握しきれなかった方について、区から案内や調査票送付による受診勧奨を行っています。 ご提案いただいた専門医による受診勧奨についても、既に導入している自治体において非常に効果があると聞いており、それらの例を参考に受診率の向上に向けて検討します。 また、4月に諮問機関としてがん対策推進会議を設置しましたので、関係機関と強力に連携をしながら、更なるがんの死亡率の減少に向けて取組を進め、結果についてホームページ等で区民に積極的に公表します。 次に、
地域包括ケアシステムの実現につきまして、大きく2点のお尋ねがございました。 初めに、認知症高齢者対策に関するご質問につきまして、順次お答えします。 みまもり相談室ごとの(仮称)認知症サポーターの会の立ち上げのご提案についてです。認知症高齢者に対する正しい理解と知識を普及啓発し、地域の中で生き生きと暮らせるよう支えていくことを目指し、本区では、現在、区内8カ所の高齢者みまもり相談室において、認知症対策を行うオレンジサポート事務局を設置し、認知症サポーターの活動支援に取り組んでおります。サポーター個人の活動のほか、数人程度が集まり自主的なグループ活動も行われております。今後はこの発展型として、墨田区高齢者福祉総合計画・第6期介護保険事業計画を推進していく中で、みまもり相談室ごとに認知症サポーターの会が立ち上げられるよう支援をしてまいります。 次に、認知症サポーターの質を高めるためのスキルアップ研修への取組についてです。 実践活動を行うためには、個々のサポーターの質の向上が不可欠であるため、タクティールケアなどのケア手法も含めた最新情報を取り入れ、スキルアップを図ってまいります。 次に、認知症サポーターの役割拡大の仕組みづくりについてです。 本区では、講座修了後の活動の場として、高齢者支援総合センターやみまもり相談室における「見守り協力員」や、認知症の方や家族などの集いの場であるオレンジカフェで「運営支援サポーター」に関する情報提供を行っております。今後は、より積極的なPRを行い、認知症サポーターを地域資源のボランティアとして着実に定着させてまいります。 次に、2点目の特定介護予防・
日常生活支援総合事業についてのご質問に順次お答えします。 初めに、総合事業に関して、要支援者が懸念されるサービス低下や負担増といった不安への対応についてですが、まず、平成28年度実施に向けて、介護事業者へのヒアリングやアンケート調査を実施するなど、鋭意準備を進めます。また、従来の介護給付が総合事業に移行することにより、サービスの低下や要支援者の負担が重くならないよう、現行の訪問介護、通所介護に相当するサービスを引き続き提供してまいります。利用者負担等につきましても、現行の予防給付による利用者負担割合に準じたものとしていく予定です。 次に、介護の基準及び単価の設定に係る周辺区との格差対策についてです。 区内の介護事業者には、近隣区の要支援者に対しサービスを提供する事業所も多いと推察されることから、近隣区における総合事業移行時の利用者負担等を調査し、同時に人員、設備等の基準を勘案しながら、極力格差が生じないようにしてまいります。 次に、総合事業への取組についてです。 本区では、まず、できるサービスから総合事業に移行し、国が示している多様なサービスについては、区民や介護事業者の意向を聞きながら、一定の期間を掛け順次事業化を検討します。 次に、総合事業の新たな担い手の発掘と資源マップの作成についてです。 今年度から、高齢者福祉課に多様なサービスの調整を担う「生活支援コーディネーター」を新設し、官民一体となって総合事業を支援します。さらに、介護予防サポーターや認知症サポーター養成講座等、さまざまな活動を通じてサービスの担い手の育成を進めてまいります。 併せて、地域資源マップの作成につきましては、今年度8カ所の高齢者支援総合センターごとに策定し、これを活用し地域のネットワークづくりを進めてまいります。 次に、かかりつけ薬局の推進についてのご質問です。 区民がかかりつけ薬局を持つメリットは、薬の服用記録等を行うことにより、重複使用による副作用を防止したり、服薬指導や相談等、きめ細かな対応が可能となることです。本区でも健康づくり総合計画にかかりつけ薬局の推進を明記し、薬剤師会とも協力しながら推進を図っているところです。これまで、すみだ健康マップにかかりつけ薬局のメリットを掲載し区民周知を図ってまいりましたが、さらにホームページへの掲載やチラシ作成など、周知を強化してまいります。高齢者の服薬については、薬剤師がご自宅を訪問し、残薬の確認等を行い、服薬指導する訪問薬剤師の推進をしていることから、区民に分かりやすい周知を図って強化してまいります。 次に、薬局に関する事務及び指導ですが、現在、本区においては、薬局開設の許可をはじめ、各種届出の受理等、薬局に関する事務を処理するとともに、指導や検査を行っております。今後とも、東京都のかかりつけ薬局指針及び国の薬局業務運営ガイドラインの内容に沿って、適切に指導してまいります。 また、これまでの指導状況について検証するとともに、かかりつけ薬局指針に定められている信頼、身近、優しさの三つのキーワードをより一層意識しながら指導してまいります。 次に、電子版お薬手帳の普及啓発についてのご質問です。 厚生労働省は、従来のノート式の手帳は持参するのを忘れたり紛失したりする利用者が多いため、手帳の電子化を進めておりますので、今後はその動向を見ながら区民に情報周知を進めてまいります。 ジェネリック医薬品の普及に関しましては、平成25年度から国民健康保険の満40歳以上の被保険者で一定の医療費削減効果が見込まれる方に対してジェネリック医薬品利用差額通知を送付しており、今年度からは対象者を満20歳以上の被保険者に拡大し、更なる医療費削減を目指すこととしております。 また、ご提案のありました保険証に貼付するジェネリック医薬品希望シールにつきましては、一目でジェネリック医薬品を希望していることが分かるため、非常に有効であると考えます。そこで、本区におきましても、本年11月に全被保険者に向けて発行する国保だよりにシールを同封しご利用いただくことにより、ジェネリック医薬品の使用をより一層広めてまいります。 最後に、今後のかかりつけ薬局における広報についてです。 今年度の取組として、在宅療養を行う高齢者に向けて、在宅療養を支える医師、歯科医師、薬剤師、看護師、ケアマネージャー、病院の医療ソーシャルワーカーなどの関係者と一緒に、区民に分かりやすい相談窓口を明記した「墨田区在宅療養ハンドブック」を作成する予定です。その中で、かかりつけ薬局を持つことの重要性などの記載を充実し、区民に積極的にPRをしてまいります。 次に、鐘ヶ淵踏切立体化についてのご質問がございました。 ご指摘のとおり、本年3月に鐘ヶ淵地区
まちづくり懇談会の各町会長さんの連名により、鐘ヶ淵踏切早期立体化推進の署名を東京都にご提出いただきました。 初めに、優先整備路線9号線、10号線整備に関して、今後の進め方についてのご質問でございます。 区としましては、まず旧隅田小学校と現在の隅田小学校に接する9号線について先行して進めてまいりたいと考え、この夏に地元に対し事業説明会を開催する考えです。また、具体的な道路位置につきましては、10号線も含め、地域のご理解を得ながら決定してまいります。 次に、(仮称)鐘ヶ淵踏切立体化促進協議会を立ち上げ地元機運を盛り上げることが、道路整備の着手と合わせ東京都が動きやすくなるとのご指摘をいただきました。これにつまして、現在の鐘ヶ淵地区
まちづくり懇談会は地元全町会の参加となっていないことから、今後は地域に働きかけ、できるだけ早い段階で全町会参加型の会にしたいと考えています。 併せて、ご提案いただいた(仮称)鐘ヶ淵踏切立体化促進協議会というような、より立体化の実現を見据えた会を立ち上げられるよう、地域に働きかけてまいります。 ご質問の最後に、2期工事区間の進捗確認と、踏切付近の先行拡幅を進めるべきとのご意見をいただきました。 東京都は現在物件調査による各権利者への補償額提示を始めたところであり、拡幅までには少なくても数年掛かると考えます。この間、ご指摘いただきました踏切の危険な状態が続くことが予想されますので、区としましても、この改善に向けて、東京都に対し更なる事業のスピードアップを求め、併せて鉄道事業者に対しても早期の安全対策を強く働きかけてまいります。 以上で、公明党、はねだ議員の質問に対する答弁を終わります。
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○議長(樋口敏郎君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。 午後3時5分休憩
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○議長(樋口敏郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を続けます。 32番・高柳東彦君 〔32番 高柳東彦君登壇〕(拍手)
◆32番(高柳東彦君) 私は、日本共産党区議団を代表して山本区長に質問をいたします。 質問の第1は、区政の役割と基本的な区政運営の方針についてです。 区長は、所信表明演説で、区政運営の基本的な取組方針の第1に、山崎前区政の継承・発展を掲げられました。そして、すみだ
北斎美術館については、「北斎通りの改修など周辺整備にも着手しながら、平成28年度中の開館を目指し確実に進めてまいりたい」、また「企業・団体等からの寄付金の確保に引き続き全力で取り組む」と表明しました。 我が党は4月の
区議会議員選挙で、公約の第1に、
北斎美術館より、暮らし応援の区政への転換を掲げました。これには、「区民の暮らしが大変なときに、
北斎美術館の建設などとんでもない。絶対にやめさせてほしい」「そんなお金があるなら、税金や国保料を引き下げてほしい」「北斎館よりほかにやることがたくさんあるはずだ」「家の窓から
北斎美術館の建設現場が見えるけれども、本当に腹が立つ。今からでも高齢者のための施設などに変えられないのか」など、大きな反響が寄せられました。着工したとはいえ、
北斎美術館にはいまだに多くの区民が反対していること、区民の合意が得られていないことは明らかです。 区長は、所信表明の冒頭で、選挙を通じて「多くの区民の皆さんとじかに接し、区政に対する大きな期待やさまざまな意見、思いを伺うことができました」と述べられましたが、
北斎美術館建設に対する区民の意見、思いをどのように受け止めているのか、見解をお伺いします。
北斎美術館は、設計の複雑さや工事費の高騰により、当初計画より建設費がどんどん膨らみ、38億4,175万円に上っています。しかも、これでも足りないと、今議会に工事契約額を更に3,550万円上乗せする補正予算案が提案されています。
北斎美術館は、この建設費だけでなく、北斎の絵などの購入費に大きな予算が必要です。建設後の
管理運営費や修繕費などを含めると、優に150億円を超える財政負担となります。 しかも、これまでに掛かった経費より建設後に掛かる経費のほうが大きくなるのが特徴であり、寄付で穴埋めできる金額ではありません。これらは区財政にとって大きな負担となり、他の区民施策を圧迫することになるのは明らかです。 このような区財政への影響をどのように認識されているのか、明確な答弁を求めます。 我が党は、先日、
北斎美術館の建設現場を改めて調査してきましたが、基礎工事が終わり、1階の床部分のコンクリート打ちが行われていました。今の時点であれば、まだ施設建設の見直しや他の施設への転用の可能性がないわけではないと考えます。
北斎美術館の建設を一時凍結し、施設計画の抜本的な見直しや他の区民施設への転用などについて再検討することを強く求めて、区長の見解を問うものです。 次に、国民健康保険料の引下げなど暮らしを守る対策についてです。 山本区長は、所信表明で、「最も身近な基礎自治体としての区は、区民生活を守り支えることが最大の責務だと認識している」と強調されました。今、区政との関係で区民生活を苦しめているのは、高過ぎる国保料や介護保険料の問題です。区民生活を守り支えるためには、この問題を避けて通ることはできません。 区は、6月12日に国保料の納入通知書を発送しましたが、その直後から区民の抗議や苦情の声が殺到しています。墨田区の国保加入者は、所得200万円以下の世帯が9割を占めています。ところが、区は、今年もまた所得の低い人たちに重い負担となる均等割額を引き上げ、1人当たり平均で3,442円も値上げしました。 このような過酷な負担増を押し付ける一方で、区は徴収を強化し、差し押さえ件数は、2010年度の36件から13年度には345件と、9.6倍に急増しています。国保料値上げの最大の原因となっている、減らされてきた国庫負担金の割合をもとに戻させることは当然ですが、区として一般財源の投入を増やしてでも国保料を引き下げるべきです。 介護保険料については、基金の取り崩しなどで保険料は据え置きとなりました。値上げをしなかったことは評価できますが、問題は現行の保険料でも高過ぎることです。この間、年金は削減され、値上げされてきた介護保険料が天引きされるため手取り額が減ってきており、これでは生活していけないという声が広がっています。重い負担となっている介護保険料を引き下げるための手だてを講じるべきです。 また、後期高齢者医療保険料については、低所得者に対する軽減措置の廃止が打ち出されています。この特例措置がなくなると、所得の低い人たちの保険料が一気に2倍にはね上がります。このような制度改悪には強く反対するとともに、区としても保険料の負担軽減策を検討し実施すべきです。 さらに区は、保育の新システムの導入に合わせて保育料を約20%引き上げることを決め、来年度から実施しようとしています。子育て支援で最も要望が強いのは、経済的負担の軽減です。子育て支援を強めるための新システムだと言いながら、それに逆行するような保育料の値上げは認められません。値上げ案を撤回するよう、強く要求するものです。 また、切実な高齢者や若者の家賃助成などの検討も必要です。これらの保険料や保育料の負担軽減をはじめ、暮らしを守る対策に積極的に取り組むことを強く求めて、区長の見解を問うものです。 次に、
行財政改革についてです。 我が党は、本来の
行財政改革とは、区民の目線から見て行政の無駄を削り、区民サービスの向上を図ることだと考えています。こういう視点から見ると、一番区財政を圧迫し、不要で不急な事業は、すみだ
北斎美術館の建設など箱物作りや大型開発事業です。ところが、区がこの間進めてきた
行財政改革は、区民のために実施してきた事業の見直しや廃止を行うとともに、直営で実施してこそ公的責任が果たせ区民サービスの向上につながる施設や事業の民営化や民間委託です。このような行革で経費の削減を図る一方で、箱物作りや大型開発には莫大な財政をつぎ込んできました。このような逆立ちした
行財政改革は改めるべきではないでしょうか。 この間、官から民へ、小さな政府論などがもてはやされてきましたが、そもそも公共サービスとは、社会福祉、教育、労働者保護など社会権を中心とする人権を保障するために生まれてきたものです。自治体の責任による質の高い公共サービスは、経済力の格差を緩和して住民の実質的な意味での平等を保障することになります。官から民へ、小さな政府論は、行政を縮小し、公務員を削減することによって、実は社会権の保障そのものを後退、低下させるもので、行政として社会的弱者に奉仕する機能を低下させることになります。公共サービスの質を高めるには、住民の安全を保障するための専門的で科学的な基準が守られること、住民の意思が反映され、議会がサービス向上に関与できること、長期間にわたり安定的に行われることなどが必要です。 ところが、民間企業は、本質的には儲けを上げるために活動しているのであり、公共性がゆがめられていくことは避けられません。問題になっている足立区の戸籍事務の民間委託では、法務省が3月末事務連絡を出し、戸籍事務のうち多くの業務は民間に任せてはならないものだと指摘せざるを得ませんでした。さらに、今大問題となっている年金情報の流出も、社会保険庁を廃止して日本年金機構に移行させ、非正規や外部委託によって中核的な業務が遂行されてきたことが土壌となっています。 区長は、所信表明の随所で民間感覚を強調し、
行財政改革についてもこれまで以上に民間感覚を取り入れて全力で取り組むと述べていますが、民間感覚とは具体的にどういうことを指しているのか。公務と民間の違いをどのように認識されているのか。そして、本区のこの間の
行財政改革をどう評価して、今後どのように取り組もうとしているのか、明確な答弁を求めます。 次に、都区財政調整制度と財源対策についてです。 区長は、所信表明で、今後の大きな課題として都区制度改革への取組を挙げられましたが、都区財政調整制度などの財政問題については触れられませんでした。都区財調の調整率、固定資産税や法人住民税など調整3税の配分割合が現行の区55%、都45%になったのは、三位一体の改革があった2007年ですが、その後、この調整率の変更については検討がされていません。 その中で、財調の財源である法人住民税などに大きな変動があった場合、それに合わせて基準財政需要額を増やしたり、減らしたりしています。臨時的圧縮又は臨時的算定などと呼ばれていますが、その影響は2012年度で約2,000億円のマイナス、調整率に置き換えれば12%分の圧縮になります。このような臨時的算定などという手法は、もともと財調制度にはないものです。本来、基準財政需要額や基準財政収入額の大きな変動があった場合には、都と区の調整率の見直しが検討課題になってしかるべきです。 言うまでもなく、都区財政調整交付金は、本区にとって歳入の4割近くを占める大変重要な財源です。この間、保育や子育て、介護や生活保護など、福祉関係の予算は大幅に伸びており、今後も区民サービスの充実や公共施設の改修費などで多額の経費が必要になってきます。 我が党は、区側の調整率の引上げをはじめ、都区財政調整制度の改善が急務だと考えますが、区長はどのように取り組まれるのか、見解をお伺いします。 また、都区財調の財源である法人住民税の一部を国税として国が吸い上げている問題も重大です。この影響額は、本区でも今年度の当初算定で12億円の減収、来年度からは平準化されて24億円の減収となります。 特別区長会は、昨年9月、反論をまとめ、「法人住民税の国税化は地方税の原則をゆがめます、地域間の税収格差の是正は地方交付税で行われるべきです」などと述べています。これ自体は正論だと考えますが、問題は、区民や他の自治体にどう理解を広げて運動にしていくのかです。この点では、2000年の都区制度改革の後、それまで活発に行ってきた自治権拡充運動を事実上放棄してきたことも問題であり、今後再構築していくことが求められます。 また、東京都と特別区の富裕論に対しては、「特別区は膨大な行政需要を抱えています、特別区は
行財政改革を率先して進めています」などと述べるだけで、最大の問題である23区全体で1兆円を超える莫大な積立基金をどうするのかに触れていません。これまでの住民福祉を切り縮めて基金に積み立ててきた行財政運営を見直して、住民福祉の増進に積極的に取り組む姿勢が求められています。 さらに、本来は区市町村の税金である都市計画税が、総額の1割程度しか23区に交付されていない問題も是正が求められます。昨年度の実績を見ると、都の収入額が2,206億円、これに対して23区への交付額は195億円、本区には4億3,300万円しか交付されていません。この問題では、都の言いなりで配分額が決められている現状をどう打開するのか、この対策にも全力を尽くすべきです。 我が党は、都と区が対等の立場で協議できる機関の設置などが必要だと考えます。これらの課題について、区長はどのように取り組まれるのか、見解をお伺いします。 質問の第2は、子どもの貧困問題への対応についてです。 今日、子どもの6人に1人が貧困状態と言われ、2013年には子どもの貧困対策法が全会一致で成立しました。スクールソーシャルワーカーの増員など、ある程度の対策は具体化したものの、児童扶養手当の拡充や給付型奨学金の導入は見送られるなど、十分な対応が図られているとは言えません。 我が党は、子どもの貧困対策には地方自治体が最も関心を持つべきだと主張し、区の総力を挙げて取り組むことを繰り返し求めてきました。その出発点になるのが、区内の子どもたちの実態をリアルにつかむことです。子育て支援総合センターで一定の調査が行われることになったことは評価できますが、子どもたちに関わる学校や保育園、幼稚園なども含め、全庁的に実態把握に取り組むことが必要です。 今年の
予算特別委員会では、川崎市で起きた中学生の殺害事件を受けて、このような痛ましい事件を二度と繰り返さないためにどうしたらよいのか、大きな議論になりました。特に1月から不登校になっていた生徒に対して、もっと積極的で適切な対応をしてあげられなかったのか、行政や大人社会の対応に問題が投げ掛けられました。 墨田区でも、不登校の児童・生徒は毎年200人近くおり、区
教育委員会はさまざまな対策を図っていると言われてきましたが、2013年度も小学校で44人、中学校では167人が不登校になっています。
予算特別委員会での我が党の質問に対し、
教育委員会は、不登校の原因の第1は無気力や意欲の喪失と答弁しましたが、貧困との関係については答えることができませんでした。山崎前区長は、「貧困対策が区として後手に回っていたと率直に感じている。貧困問題を全庁的、体系的に考えるところに来ているというのが実感だ」と述べられました。 山本区長も、「福祉、教育など複数の組織が一体となって取り組む」と表明されましたが、一刻も早く着手することが求められます。 区内の子どもたちの実態調査を全庁を挙げて早急に行い、その調査結果に基づき、総合的な対策を練り上げて実施すること、また、すぐにできることは直ちに実施することを改めて要求し、区長の見解をお伺いします。 質問の第3は、防災対策の強化についてです。 我が党は、大地震などへの対策について、さまざまな角度から提案を行ってきました。中でも特に重視して何度も取り上げてきた問題が、建物の耐震化や不燃化、家具の転倒防止の促進、初期消火体制の整備と火災の防止策です。 山本区長は所信表明で「防災対策を区の最重要課題としてこれまで以上に力を入れる」と述べられました。そこで、具体的な取組について質問します。 中央防災会議の首都直下地震対策検討ワーキンググループが1年半前に、首都直下地震の被害想定と対策について最終報告を発表しました。その中で防災対策の効果として、住宅の耐震化率を全都的に100%へ引き上げることができたら、建物の倒壊による死亡者数を約9,500人、86%も減らせると指摘。また、電気関係の出火の防止及び初期消火の成功率の向上が図られた場合には、火災による死亡者も約1万5,200人、95%も減らせるとしています。 これを踏まえて、内閣は昨年3月、首都直下地震緊急対策推進基本計画を閣議決定し、住宅等の耐震化を5年後までに95%に、感震ブレーカー等の設置率を10年後までに25%に引き上げる目標を設定しました。 ところが、区の地域防災計画を見ると、この国の計画に基づいた対策が記載されていません。住宅の耐震化率は、今年度中に約85%に引き上げるとしていますが、その先の対策は掲げてありません。また、不燃化率についても、区南部で約81.8%、区北部では約57.1%にとどまっています。 我が党は、耐震改修助成制度について、地域や対象者の限定をなくし、助成額を引き上げて手続を一層簡素化するなど、区民の意欲を引き出すようなものに充実することを提案してきました。また、不燃化助成の対象地域を北部全域に広げることも求めてきました。区としても、この間一定の改善が図られてきましたが、今後どのように取り組まれるのか、区長の見解をお伺いします。 初期消火体制の強化では、昨年までに全町会、自治会にスタンドパイプが配備されたことは評価できます。消火活動が困難な地域をカバーするには、移動式の消防ポンプと消防水利をセットできめ細かく配備することが効果的だと言われています。 墨田区では、防火水槽などの消防水利は670カ所整備されており、ほぼ全域をカバーしています。これらの消防水利を活用してそれぞれの地域に合った消火方法を住民参加で検討し、日ごろから消火訓練などを行っておくことが求められます。 また、我が党は、火災の拡大防止対策として、震災時の停電からの復旧に伴う電気に起因する火災を防ぐため、感震ブレーカーなどの普及に向け啓発を強めるとともに、設置費用などの助成制度を創設すべきだと提案してきました。区の地域防災計画では、感震機能付き分電盤やコンセントの設置を推奨しているとありますが、具体的な取組は消防庁任せとなっています。これらの対策に積極的に取り組むことを求めます。 また、学校跡地への大学誘致についてはきっぱりと中止し、緑あふれる防災広場の整備など、防災
まちづくりに活用することを改めて要求し、区長の見解を問うものです。 質問の第4は、区長の政治姿勢についてです。 今、安倍政権は、社会保障や労働法制の改悪、消費税の大増税、原発再稼働、沖縄米軍新基地の押付け、海外で戦争する国づくりなど、国民の願いとかけ離れた政治を強行しています。このような安倍政権に対して区長がどのように対峙していくのかは、区民の暮らしと平和を守る上で大変重要です。 消費税の税率が5%から8%に引き上げられた昨年4月から1年間の国内総生産(GDP)は、実質で1%のマイナスになりました。これは2008年のリーマンショック以来のマイナス成長です。 安倍政権は、アベノミクスで経済が持ち直してきているように言いますが、アベノミクスで恩恵を受けているのは一部の資産家や大企業だけ、自分たちには何もいいことはないというのが区民の声ではないでしょうか。消費税の増税はきっぱりと中止して、国民の暮らし最優先の経済政策に転換することが求められています。 また、国民健康保険の財政管理を都道府県に移行することなどを柱とする医療保険制度改革法が可決されましたが、これも国保料の更なる引上げや取り立て強化につながるものです。 区長は、所信表明でこれらの問題に言及されませんでしたが、どのように対応されるのか。特に消費税の大増税や社会保障の改悪などは区民生活を直撃するものであり、中止や見直しを働きかけるなど、悪政の防波堤としての役割を果たすべきです。区長の見解を問うものです。 最後に、戦争法案に反対し、憲法を守る立場を表明することについてです。 安倍政権が今国会で成立させようとしている安全保障関連法案に対して、衆議院の憲法審査会では、与党が推薦した参考人を含め3人の憲法学者全員が、「憲法に違反する」と明言しました。国会周辺でも、全国でも、戦争法案に反対する集会やパレードが連日のように行われ、どの世論調査を見ても、法案に反対し今国会での成立に反対する声が賛成を上回っています。 このような立憲主義にも民主主義にも反する戦争法案は、国会の会期延長などせず、廃案にするしかありません。 安倍首相は、「戦争法案で自衛隊員のリスクは増えない、安全な場所で活動する」などと言っています。これに対し、元自衛隊のレンジャー隊員であった井筒高雄さんは、「自衛隊がやるのは戦闘地域にまで武器、弾薬などを米軍に運ぶ兵たん活動です。敵はその兵たんを一番に狙う。弱い部隊を攻撃するのが軍事の常識です。自衛隊は攻撃に即反撃しないと死ぬだけです」と語っています。そして、「戦争できる国にするなら、防衛予算は5兆円では全く足りない。消費税はとても10%では済まない。テロも心配です。そんな道を進みますか。それとも今の憲法9条をしっかり守り、外交で平和な環境をつくりますか」と問い掛けています。 東京大空襲で悲惨な経験をした墨田区民がどちらの道を望んでいるのかは明らかではないでしょうか。 区長が区民の代表として、戦争法案に断固として反対し、憲法を守る立場を表明して行動されることを強く要求するものです。区長の明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの共産党、高柳議員のご質問に順次お答えいたします。 初めに、すみだ
北斎美術館についてです。
北斎美術館が建設途中にあることから、区民の皆さんに美術館の展示内容や建物のイメージを現時点では詳細にお示しできていないことは承知をしております。しかしながら、北斎生誕の地という利点を生かし、
北斎美術館を拠点にした
まちづくりを進めていくことができるのは墨田区だけです。 今後、開館に向けた具体的なイメージを情報発信し、期待感を醸成するとともに、区民の理解をいただきながら北斎を通じた
まちづくりに取り組んでまいります。 次に、
北斎美術館建設に係る区財政への影響についてですが、
北斎美術館に係る経費は約34億円余であり、このうち約85%が国及び都の交付金から支出され、区の一般財源からの支出は約5億円弱の試算となっております。 また、開館後の運営経費については、可能な限り支出の圧縮に努めるとともに、多くの方々のご支援による寄付金を有効に活用させていただきたいと考えております。 最後に、
北斎美術館の凍結を再検討すべきではないかとのご指摘がございましたが、私は、
北斎美術館が世界中の皆さんから愛されるよう、全力を挙げて
北斎美術館の必要性を訴えてまいりますので、計画を見直すことは考えておりません。 次に、国民健康保険料の引下げについてのご質問です。 特別区は、統一保険料方式を採用しています。保険料率は、1人当たりの療養給付費の動向及び被保険者数などを勘案して算定しており、昨年度からは国保運営の都道府県化に向けて、高額療養費等を賦課総額へ段階的に算入しています。 保険料上昇要因としては、1人当たりの医療費が年々増加傾向にあり、制度の仕組みから保険料にその増加分の一定割合を反映せざるを得ません。私としましては、統一保険料方式は本区にとってメリットも大きく、この方式を遵守してまいりたいと考えております。 なお、低所得の方々への対応といたしましては、均等割保険料を7割・5割・2割軽減しています。また、保険料の納付が困難な方につきましては、納付相談等によりきめ細かく対応をしてまいります。 次に、介護保険料の引下げについてです。 第6期介護保険事業計画期間である平成27年度から平成29年度の介護保険料基準月額につきましては、先の第1回区議会定例会でご承認をいただき、前期と同額の5,400円に据え置かせていただきました。 また、平成27年度の保険料については、介護保険法施行令が本年4月に一部改正され、所得段階が第1段階の第1号被保険者に係る保険料を公費投入により軽減できることとなりました。これを受け、当該被保険者に係る保険料率の改定について、今定例会に議案として提出させていただいております。 今後も介護保険料の上昇を抑制するため、平成28年度から実施予定の介護予防・
日常生活支援総合事業の実施や、一般高齢者を対象とした介護予防事業などについて積極的に取り組んでまいります。 次に、後期高齢者医療保険料については、現行の均等割保険料の特例軽減措置を段階的に廃止することが国において検討されています。これは現役世代との公平性の観点から高齢者にも応分の負担を求めるという趣旨によるものですが、本区におきましては、この特例軽減措置を受けている被保険者が半数近くおりますので、特例軽減の廃止による影響は大変大きいものと受け止めております。 私としては、東京都後期高齢者広域連合に意見具申をし、国に制度維持を働きかけてまいります。 次に、保育料の値上げについてです。 墨田区では、保育料を平成18年以降改定しておらず、国の基準に対する徴収割合及び食材費の実費相当額等の適切な受益者負担の観点から、子ども・子育て会議での議論を経て、保育料を見直すことといたしました。 子ども・子育て支援新制度では、保育標準時間と保育短時間の二つの保育料を設定しております。 保育短時間の保育料については、現在の保育料を基本的に維持することとしております。保育標準時間の保育料については、経過措置として今年度は保育料額を据え置き、来年度から3年間で段階的に引き上げ、平成30年度には現在の保育料との比較で平均20%の引上げをさせていただきます。 今後も待機児童解消のための保育施設の充実と保育の質の向上を進めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。 また、高齢者や若者の家賃助成につきましては、特定の方を対象とした長期の公費負担という点で公平性に課題もあることから、困難と考えております。 次に、
行財政改革についてのご質問です。 まず、私の民間感覚についての認識は、コスト意識を持った資源の選択と集中の徹底、それにスピード感であると考えます。公務と民間の違いにつきましては、一般に民間部門は利益追求のために、公的部門においては公平性を担保しつつ、区民福祉の向上のために資源を選択、集中し、投入することであると考えております。 この間、山崎区政が進めてきた
行財政改革については、16年間にわたり積極的に取り組み、財源の確保、財政運営の安定化を図ってきたものと、一定の評価をしております。今後は、その上でスピード感とコスト意識を持って行政運営、
行財政改革に取り組んでまいります。 次に、都区財政調整と財源対策についてです。 初めに、区側の調整率の引上げなど、都区財政調整制度の改善にどのように取り組むのかとのお尋ねでございます。 現行の都区財政調整制度は、平成12年の都区制度改正によって中・長期的に安定的な制度とする中で、大規模な税制改正や都区の役割分担の変更が行われる場合は見直しを行うとされております。このため、現行の見直し事由に該当しない配分割合の変更を直ちに提案することは困難ですが、特別区の実態に見合った算定がされるよう、区長会として都との協議に臨みたいと考えています。 次に、法人住民税の一部国有化に対する取組についてです。 これは、特別区の財政にとって極めて重大な問題であることから、区長会では、特別区が首都の暮らしや企業活動を支え、日本の社会・経済の牽引役を果たしていること、超高齢化に伴う高齢者数の激増や首都直下地震への対策、社会資本の維持更新など膨大な行政需要が存在し、これらの需要に見合う財源の確保が不可欠であることなどを国に対して強く訴えているほか、各区のホームページに特別区の主張を掲載し、PRに努めております。 さらに、問題解決には、東京を含む全国各地域がともに発展、成長し、共存共栄を図ることが必要であると考え、昨年度から「特別区全国連携プロジェクト」を展開しています。 今後とも、区議会、東京都、都議会と一丸となって国に対する要請活動や区民に対するPR活動を展開してまいります。 次に、都市計画税の特別区への交付割合に係る都との協議についてです。 ご指摘のとおり、都市計画事業における都と区の実施割合に対して、都市計画税の区への配分割合が大幅に低い状況にあります。このため、区長会として毎年の都知事への要望活動や財調協議において、交付金規模の拡大を図ることを提案しています。今後も引き続き、区長会として是正に向けた取組を行ってまいります。 次に、子どもの貧困問題への対応についてです。 平成25年、子どもの貧困対策の推進に関する法律が制定されましたように、全国的に子どもの貧困問題は重要な課題となっていると認識しております。本区におきましても、子どもの貧困の把握に向けて実態調査の必要があろうかと存じますので、その方法について、他の自治体の手法等を参考にしながら調査の準備をしてまいります。 子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることがないよう、貧困状態にある子どもが健やかに育成される環境を整備するために、福祉と教育の連携を図り、総合的に推進してまいります。 次に、防災対策の強化についてのご質問です。 まず、ご質問の初めに、耐震化事業と不燃化事業の今後の取組についてのお尋ねがございました。地域や対象者の限定のない改修工事については、簡易改修助成制度をご利用いただいております。昨年10月に助成限度額を45万円から80万円に拡充しました。加えて、防火・耐震化改修促進助成制度についても、今年度から不燃化率の高い地域を除いた区北部全域に拡大したところです。引き続きこれらの制度をPRし、活用していただけるよう取り組むことにより、不燃化率等の向上を図ってまいります。 次に、初期消火体制の強化についてですが、区民防災訓練等の機会にスタンドパイプも活用した消火訓練を行うことや、消防団、消火隊及び住民防災組織の支援を行うこと等により、それぞれの地域に合った自助・共助による初期消火体制の強化に努めてまいります。 また、感震ブレーカーの設置については、本区としましても、大規模地震発生時における通電火災に対する有効な防止策の一つであるものと認識しております。 まずは、防災フェア等のさまざまな啓発の機会を捉え、通電火災の危険性、感震ブレーカーの機能の紹介、避難する際には電気ブレーカーのスイッチを切ること等の対策を周知することにより、関係機関とも連携し、通電火災の防止対策に積極的に取り組んでまいります。 なお、感震ブレーカーの設置助成については、現時点で予定しておりませんが、国の施策の方向性や他の自治体の動向のほか、感震ブレーカーの安全性や性能、電力事業者が進めるスマートメーターの活用等、通電火災防止に資する新たな技術開発の動向についても注視してまいります。 次に、旧曳舟中学校及び旧西吾嬬小学校跡地への大学誘致を中止し、防災広場の整備など防災
まちづくりに活用すべきとの提案でございます。 大学誘致は、さまざまな
地域活性化の効果が期待できます。また、災害対応という観点からも、大学が新たな防災拠点としての役目を果たすことが期待できます。そういったことから、大学誘致を中止し防災広場として整備する考えはありません。 次に、消費税増税をはじめとした私の政治姿勢についてです。 まず、アベノミクスや消費税増税、社会保障改革についてどのように認識しているかとのお尋ねです。 内閣府が発表した6月の月例経済報告では、先行きについて、雇用・所得環境の改善傾向が続く中で、原油価格の影響や各種政策の効果もあって緩やかに回復していくとの見方が示されており、アベノミクス効果は着実に表れているものと理解しております。 一方で、消費税増税や医療保険制度改革法をはじめとする制度改革は、社会保障を持続可能な制度としていくために必要なものと考えており、その取りやめを国に働きかける考えはございません。なお、区民生活に与える影響については、引き続き注視してまいりたいと存じます。 次に、安全保障関連法案に関する私の認識についてのお尋ねです。 国防は国家・主権に属する部分で、国の重要な権限であることから、安全保障関連法案の是非につきましても、一自治体の首長が認識を述べることは厳に慎むべきものと考えておりますので、今後の国の動向について、憲法解釈に関する議論も含め注視してまいります。 以上で、共産党、高柳議員の質問に対する答弁を終わります。
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◆13番(加藤拓君) この際、議事進行の動議を提出いたします。 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。 お諮り願います。
◆5番(しもむら緑君) ただいまの加藤議員の動議に賛成をいたします。
○議長(樋口敏郎君) ただいま13番・加藤拓君から、本日の会議はこれをもって散会されたいとの動議が提出され、所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。 よって、本動議を直ちに議題といたします。 お諮りいたします。 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(樋口敏郎君) ご異議ないものと認めます。 よって、本日はこれをもって散会することに決定いたしました。
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○議長(樋口敏郎君) 本会議は、22日午後1時から開会いたします。 ただいまご着席の方々には、改めて開議通知をいたしませんから、さようご承知願います。 本日は、これをもって散会いたします。 午後4時14分散会 議長 樋口敏郎 議員
松本ひさし 議員 お
おこし勝広...