墨田区議会 > 2010-09-10 >
09月10日-02号

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  1. 墨田区議会 2010-09-10
    09月10日-02号


    取得元: 墨田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-11
    平成22年 第3回定例会(9月)          平成22年第3回定例会 墨田区議会会議録1 期日  平成22年9月10日2 場所  墨田区議会議事堂3 出席議員(29人)       3番  あそうあきこ君    18番  加納 進君       4番  福田はるみ君     19番  千野美智子君       5番  山本 亨君      20番  田中 哲君       6番  樋口敏郎君      21番  江木義昭君       7番  とも宣子君      22番  高柳東彦君       8番  高橋正利君      23番  木内 清君       9番  甚野博義君      24番  坂下 修君      10番  青木いさむ君     26番  中村光雄君      11番  あべきみこ君     27番  西原文隆君      12番  はらつとむ君     28番  瀧澤良仁君      13番  林 恒雄君      29番  広田充男君      14番  沖山 仁君      30番  片倉 洋君      15番  田中邦友君      31番  鈴木順子君      16番  出羽邦夫君      32番  西 恭三郎君      17番  大越勝広君4 欠席議員      なし5 欠員(3人)       1番       2番      25番6 出席理事者  区長         山崎 昇君   区民活動推進部長   横山信雄君  副区長        田中 進君   産業観光部長     栗田 陽君  教育長        久保孝之君   福祉保健部長     細川保夫君  企画経営室長     坂本康治君   都市計画部長     河上俊郎君  総務部長       藤田 彰君   都市整備部長     渡邊正雄君  区民部長       中武繁明君   危機管理担当部長   沖田 茂君  環境担当部長     井上俊策君   都市整備部参事    河合克美君  新タワー調整担当部長 宍倉義人君   会計管理者      大滝信一君  子育て支援担当部長  鈴木陽子君   教育委員会事務局次長 小暮眞人君  保健衛生担当部長   稲垣智一君   監査委員事務局長   吉倉信広君7 出席事務局職員  事務局長       有田武雄君   議事調査主査     岐部靖文君  事務局次長      小倉孝弘君   議事調査主査     大島俊也君  議事調査主査     柳田敏也君       平成22年第3回墨田区議会定例会議事日程 第2号          平成22年9月10日午後1時 開議第1 議案第59号 災害に際し応急措置の業務に従事した者等に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例第2 議案第60号 墨田区協治(ガバナンス)推進条例第3 議案第58号 平成22年度墨田区一般会計補正予算第4 議案第61号 北十間川護岸整備工事(その2)請負契約第5 議案第62号 北十間川浄化施設等整備工事請負契約第6 議案第63号 墨田区立保養所の指定管理者の指定について第7 議案第64号 墨田区小規模企業特別融資資金に係る債権の放棄について第8 議案第65号 墨田区営住宅建物明渡等請求に係る訴えの提起について     午後1時2分開議 ○議長(木内清君) これより本日の会議を開きます。--------------------------------------- ○議長(木内清君) まず、会議録署名員を定めます。 本件は、例によって、議長からご指名申し上げます。      13番    林 恒雄君      30番    片倉 洋君のご両君にお願いいたします。--------------------------------------- ○議長(木内清君) 昨日に引き続き、一般質問を行います。 順次発言を許します。 3番・あそうあきこ君   〔3番 あそうあきこ君登壇〕 ◆3番(あそうあきこ君) 墨田区議会自由民主党会派のあそうあきこです。 では、通告に従って、山崎区長、久保教育長に数点にわたり質問いたします。明快なご答弁をよろしくお願いいたします。 第1点目として、「すみだの食育」について、墨田区のまちづくりへの提案も含めて質問したいと思います。 墨田区は、人口25万人を突破し、東京スカイツリーにより全国、世界から注目され、活気あふれる特色のあるまちづくりを力強く進める必要性があります。 その昔、江戸は、山紫水明の都と呼ばれ、今風に言えば、自然と文明との調和がなされていた循環型社会、リサイクル社会の原型でした。現代の墨田区のまちづくりにも、この「調和」がキーワードとなってくると考えます。 さて、テーマ「世代をこえて 笑顔でつながる たのしい食育!」のもと、区民と民間主導で行われた今年の食育フェスティバルは、20代から80代までの多くの区民の方々が参加して大盛況でした。今年は新たに20代の若者たちが積極的に「やっちゃ場」という企画を立ち上げ、食育の視点から農産物や区内の食品事業者など生産者の思いを墨田区の地域につなげていくことをねらいとして、消費者の立場である区民の心に、新たな角度を変えた食に対する思いを自然と芽生えさせていくことにつながっていきました。 また、若者たちは、浅草や東京スカイツリーの観光客等にもチラシを熱心に配り続け、積極的に墨田区の取組をPRしてくれました。そのけなげな姿にも感銘を受け、行政として見習わなければならない点、忘れかけていたものを思い出させてくれました。 私は、委員会や一般質問を通じ、さまざまな区のイベントを盛り上げていくためにも、区民サービス充実の観点からも、セクションを超えた連携プレーでイベントを行っていくことの大切さを訴え続けてまいりました。今年も食育フェスティバルにおいて、区民の方々の食育に関する積極的な取組の様子を知ることができ、このような成果から食育の推進体制を整える必要性が急務であることが分かりました。 まず、今年の食育フェスティバルが昨年と比べて変化した点、改善点、フェスティバルのアンケート結果も踏まえた、来年度に向けての抱負とその後の取組の広がりについて、区としてどう考えているのかを伺いたいと思います。 また、教育委員会としては、小・中学校での食育についてどのように臨んでいくのか、その体制と方向性について教育長に伺いたいと思います。 次に、今年の予算において、食育の関連団体による協働のネットワーク、「すみだ食育goodネット」が設立され、私も福祉保健委員会の区内視察において、文花にあるシルバー人材センター内に新しくできた「すみだ食育goodネット」の事務局を視察し、区民の方々の自主性のもと、着実に広がりを見せつつあることを実感し、地域に根差した食育活動を推進していくことを目的とするこの活動に対し、区としてコーディネーター的役割が必要です。区民が目指す食育を通じたまちづくりにおいて、「すみだ食育goodネット」が今後、円滑に運営していくためにも、まだまだ区としてフォローできる面がたくさんあります。 そこで、今後の「すみだ食育goodネット」の事業予定についてですが、区は今まで事務所や財政等ハード面の支援を具体化してきましたが、今後の運営におけるソフト面の支援についてはどう考えているのか、今後、どう支援していく方向性で考えているのかをお聞きしたい。 東京23区の中で、墨田区のような民の食育の組織を持つところはありません。墨田区が先進区であり、健康づくり協力店を民に持っていったことも初の試みです。このように、民主体の活動展開について区としての体制強化を引き続き要望し、区としての「すみだの食育」への課題についてどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。 また、墨田区食育推進計画及びチャレンジプラン「墨田区食育推進行動計画」の最終年が23年度であり、この計画改定についてはどのような体制のもとで行う予定なのかも伺いたいと思います。 食育は多様性を秘め、あらゆる分野に通じ、子どもから高齢者まで食は生きる上で欠かせないものです。民主導で静かに着実に進歩し続けている「すみだの食育」を全国、そして世界へ発信していくことこそ、今後の墨田区のまちづくりの課題の一つとなっていくと考えています。 そこで、発信拠点としての「すみだの食育館」を提案したいと思います。このことは、食育推進リーダーを中心とする多くの区民の要望でもあります。 例として、福井県小浜市には、「食」を地域振興の核に置く「食のまちづくり条例」を制定し、この条例に基づく食育の拠点施設である市営の「御食国若狭おばま食文化館」があり、地場産業、観光産業の振興、食品産業の育成、健康への貢献、環境保全、食を作る体験学習を通じた児童教育といったように、広範囲分野にわたり「食のまちづくり」を推進しています。生涯を通じ、市民や事業者、観光客が主体的に食のまちづくりに参画し、互いに理解し合い、協働してまちづくりを進めていて、「すみだの食育」にも生かせる点が多々あり、大変参考になりました。 東京スカイツリー観光に日本全国から、諸外国からもたくさんの人たちが訪れるようになり、墨田区の名はさらに広がりを見せます。その機会を有効に生かしたまちづくりの仕掛けの土台の基礎を、しっかりとした方向性のもとで固めていくことが最も重要なものであると考えます。 東京都墨田区のPRとともに日本食、日本の伝統文化などを発信していくコンシェルジュの役割を果たす場を設けることは、初めて訪れた来訪者にも区民にもやさしいまちとなり、区民が世界へ誇れるまち、ずっと住み続けたいまちへとなっていくはずです。食育の活動は、健康づくり、食環境づくり、さらには観光にもつながっていくものであるということを実感し、墨田区のまちづくりに一役買うものであると、間違いないと、私は活動をしていく中で確信し、推進していくことの必要性を強く感じました。 区は、やさしいまち宣言により、「人と地域と環境にやさしいまち」を着実に推進してきました。この人と地域と環境に共通するのが「食」であり、今年4月に策定されたチャレンジプランにある「すみだらしい食育文化が育ちまちづくり」、それへの取組が新たな墨田区の特色となると私は考えています。今後の日本の発展にもつなげていく方向性を是非この墨田区から打ち出していっていただきたい。食育を通じたすみだのまちづくりについて、区長の展望と見解を伺いたいと思います。 第2点目として、「子育て支援と児童虐待問題」について質問いたします。 私が一般質問、常任委員会、予算委員会などで質問してきた「おむつ替えと授乳場所を記した赤ちゃんマップ」を作成していただきました。これから外出先での不安を解消するとともに、観光まちづくりの面においても活用していただきたいと思います。 今までさまざまな形で墨田区として子育て支援をしてきていると思いますが、子育てに関する調査で判明した改善点、子育てに関するホームページ携帯電話サイトの進捗状況について伺いたいと思います。 また、在宅での子育て支援において、育児不安の解消のために「いっしょに保育」を進め、公立保育園の「子育て安心ステーション事業」において、「かかりつけ保育園」を登録し、不安があったら気軽に相談に乗る、在宅の子育てへの門戸を広げていくということですが、その進捗状況、今後の子育てに対する区長の展望と見解を決意も含めて伺いたいと思います。 私は、今年の予算委員会においても児童虐待問題について取り上げました。その後も、連日、ニュースにおいて、日本各地において、大変悲しい状態の子どもの話が後を絶ちません。2004年に児童虐待防止法が成立し、改正された後も、全国の児童相談所においての相談件数が増え続け、2008年に全国の児童相談所が対応した児童虐待件数は4万2,664件、過去最多を記録しました。2009年に全国の警察が摘発した児童虐待の事件も335件です。2009年4月に施行された改正児童福祉法によって、保健師や助産師が乳児のいる全家庭を訪問し、問題があれば養育家庭に対する訪問を市町村に義務付け、墨田区内の養育支援家庭の訪問事業は今年4月から開始されています。親とのスキンシップの大切さを啓蒙することの大切さ、親と子の安定した愛着関係を育むことができる支援が求められてきます。 墨田区においても、新生児訪問100%実施を目指し、乳幼児虐待の早期発見に努め、きめ細やかな産後サービスの充実、育児に対する悩みに対し耳を傾けることが最重要課題です。現段階において、墨田区で育児をする親、育っていく子どもたちのすべてが健康で文化的な生活を営むために、行政としてサポートするべき点、改善すべき点について、区の見解をお聞きしたいと思います。 虐待は子どもの人権侵害であり、その人権を守ることは周囲の義務であることを再認識し、複数の機関が情報を開示し、連携していくことは、被害者の最たるプライバシー保護につながっていきます。墨田区における要保護児童対策地域協議会の現在の体制はどうなっているのか。進捗状況、今後さらに強化していく方向性でいるのかを伺いたいと思います。 日本社会において、弱者保護の文化構築が求められていることの必要性を切に感じています。注意深く乳幼児の心の問題を早期発見、親子関係の調整をすることは、その後に引き起こされる可能性がある精神的病気の予防、自殺予防にもつながっていきます。虐待の世代間連鎖が指摘されていますが、虐待された経験を持つ者が虐待をする親となる割合は3割、残りの7割は悲しい連鎖を断ち切ることができます。 社会福祉学博士臨床ソーシャルワーカーヘネシー・澄子氏は、「ゼロ歳から5歳までに母と子の愛着関係が持てない場合に引き起こされる反応性愛着障害が、現代社会が抱える問題である不登校や引きこもり、青少年の非行にもつながっている」と指摘されています。不登校の生徒、非行少年の背後には虐待が潜む可能性があり、決して見逃してはならないことです。墨田区においても、スクールカウンセラーの全小・中学校配置により、子どもたちの心のケアに効果が出てきた面があり、今後も専門家との連携は欠かせないものであることが分かります。 そこで、受診するには勇気が要る小児精神科の医師を学校に配置することも必要ではないかと考えますが、その点についてはいかがでしょうか。医師も含めた子どもにかかわる人たちのネットワークづくり、地域の援助網の促進はすべての子どもたちが生きやすい方向性をサポートしていくことにつながります。思春期虐待の発見の仕組みづくりが重要であり、区としてどう考えているのかを伺いたいと思います。 今後の日本社会の課題は、絶えず襲い掛かる恐怖と戦い、自己を肯定し愛することができる社会人を育成していくことです。学校教育の中でも生き延びる力、人とかかわれる力を育成していくことが大きなテーマとなってきます。だからこそ、墨田区としても子どもの将来を考えた継続的な支援体制の整備が急務であり、真剣に考えていただきたいと思いますが、区の見解をお聞きしたいと思います。 最後の質問として、私が議員となり本会議場にて初質問したときより訴え続けている「人と動物との共生社会の実現に向けて」、提案も含め、質問をお伺いいたします。 2012年度改正の動物愛護法に向けて、環境省による検討会議等が続けられています。動物虐待を犯罪として認識し、アニマルポリスが監視し、犯罪を未然に防げる社会になっていくことが求められています。毎年、都道府県、政令市など108の自治体を対象に殺処分の調査をしているNPO法人「地球生物会議」によると、2008年度に殺処分された犬、猫は全国で約28万6,000匹、全国自治体が捕獲、飼い主から引き取った犬の8割に当たる約11万匹が毎年殺処分されています。 今、「殺処分ゼロ」を目指す熊本市動物愛護センターの取組が注目を集めています。犬や猫などが持ち込まれたときに、熱心に飼い主を説得する試み、首輪をつけた迷い犬は、映像付きで市のホームページに掲載、迷子札の徹底をチラシなどで伝える啓蒙活動などが殺処分減少につながり、この取組には行政だけでなく、獣医師会、ボランティア団体ペットショップなど取扱い業者らが熊本市動物愛護推進協議会を結成し、精力的に活動を展開しています。この取組が全国に広がっていくことが私の目標でもあり、動物保護に携わる方、活動にご賛同いただいている区民の願いでもあります。 東京スカイツリーとともに注目を集める墨田区だからこそ、小さな命を守り育てることを発信していくことができると考えます。 まず、殺処分される動物をなくすこと、飼い主の飼育に対する意識改革は必要不可欠です。墨田区としても殺処分ゼロ推進活動を積極的に展開していくことを要望しますが、区の考えを伺いたいと思います。 また、秋田県動物管理センターでは、「命の教室」を積極的に取り入れています。2006年に秋田県内で衝撃的な児童殺害事件が続いたときに、動物の命を絶っている事実を子どもたちに知らせることにより、捨てられる犬、猫の命を減らし、子どもたちに大人として命のメッセージを伝えることの大切さを痛感したことによります。 そこで、墨田区の学校でも「命の教室」を開催し、子どもたちに動物とふれ合う機会を作り、区民へのPR活動の充実を求め、人と動物が幸せに暮らすためにはどうしたらよいか考える機会を設けていただきたいと思いますが、区の見解を伺いたいと思います。 まだ記憶に新しいところではございますが、インターネットで子猫虐待の残虐な様子が公開された事件がありました。そのことを知った多くの人々が立ち上がり、日本において猫殺害で新聞やニュースで実名報道され、犯人逮捕へとつながり、2002年10月21日の裁判で懲役6カ月、執行猶予3年の有罪判決が出た事件です。その後に起きた宇都宮動物虐待事件、川崎の猫連続虐殺事件などの判決にも多大な影響を与えました。 動物虐待と人間虐待は関連性があり、家庭内や地域社会における暴力、犯罪を反映したものであるという指摘があります。米国動物保護協会では、それらを社会へ呼びかけ、虐待と犯罪予防に役立てる「ファーストストライクキャンペーン」を展開し、日本においてもシンポジウムが開催され、その活動は広がりを見せています。 そこで、墨田区においても地域社会への周知を求めるとともに、学校内における暴力禁止プログラムを作成、動物保護教育プログラムを作成して実行し、活動を推進していくべきと考えますが、区の見解をお聞きしたいと思います。 次に、飼い主のいない猫について伺います。 東京都は、平成19年度から28年度にかけ、東京都動物愛護管理推進計画を策定。テーマ「家族の一員から地域の一員へ」、飼い主のいない猫との共生支援事業に取り組み、「飼い主のいない猫との共生を目指す街ガイドブック」を作成、区市町村主導による不妊・去勢手術事業を促進し、東京都動物の愛護及び管理に関する条例では、「動物の終生飼育」を定めています。 しかしながら、現状では、都内において交通事故などで負傷した猫が年間約600匹保護収容、そして子猫のもらい手がない、家の前に捨てられた猫が年間約6,000匹が都に引き取られ、猫たちの約9割は生後数日の子猫であり、譲渡の対象にすることが困難な状況にあり、ほとんどの猫たちが致死処分となっています。飼い主の無責任な飼育態度、野良猫に対する無責任なえさやり、猫のふん尿問題においての苦情を地域の中において多々耳にしております。 しかし、いま一度考えていただきたいことは、野良猫は自然発生したものではなく、捨て猫、不妊・去勢手術をせずに外に出して飼われている猫が繁殖したものです。だからこそ、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術の推進、そして飼い主のモラル向上が必要なのです。 今年、東京都千代田区が約10年前から始めた「飼い主のいない猫の去勢不妊手術費助成事業」が成果を上げ、事業開始の年は殺処分数72件が、昨年度はほぼゼロになり、一代限りの地域猫として周辺住民が世話をし、不幸な猫を減らし、地域社会の環境を整え、ボランティアが巡回することにより地域の防犯につながっていくことが実証されました。都心にある千代田区において成果を上げたこの活動は、墨田区でも有効なはずです。 現在、墨田区内のえさやり場数は287カ所。向島地区202、本所地区85カ所です。区にきちんと活動を申請して手術を行い、猫を減らすための活動をしている人たちがたくさんいます。この墨田区における活動を推進していってほしいと思います。墨田区における子猫引取り数は、事業開始の平成18年度は95件が、平成20年は53件。事業開始から4年たち、今年は予算増額もされ、着実に区内の猫が減ってきていることが実証されています。 墨田区役所において、東京都動物愛護推進員による「猫なんでも相談コーナー」が開催される予定であり、飼い主のいない猫活動啓発パンフレットペット防災啓発パンフレットを作成していただきました。ここから墨田区として啓蒙活動に積極的に取り組む姿勢を知ることができました。是非今後の活動に役立てていただきたい。引き続き、命ある動物を飼うことに伴う責任を徹底して伝えることに全力を注ぎ、ボランティアへの支援を積極的に行い、区民へ活動の周知の強化を要望しますが、区の見解を伺いたい。 また、動物救護の観点から、区内にある指定避難所に向けての動物救護ガイドラインの作成、総合防災訓練の中での動物救護所の設置訓練を行うことなど、避難所単位での動物救護の体制づくりの推進に努め、平常時より防災に対する体制強化、啓蒙活動推進を要望してきましたが、その進捗状況と今後の区としての見解を伺いたいと思います。 区民、ボランティア、獣医師、トリマー、事業者との連携を視野に入れた区民主体の活動を展開していきたいと考えております。今後、グループ活動支援ネットワーク強化のために区の支援が必要となってくると思いますが、区の見解をお聞きしたいと思います。 次に、セラピードッグについて提案いたします。 アメリカにおいて、動物介在療法は、人間の医療現場においても有効な補助療法として注目され、約60年の歴史があります。セラピードッグは、高齢者施設、障害者施設で活躍しています。 ブルース歌手の大木トオル氏は、ライフワークとして、捨てられた犬をセラピードッグとして育成し、高齢者施設や学校訪問活動を続け、東京都中央区のふれあい事業においても地域社会に貢献しています。国内初のセラピードッグとして活躍した名犬チロリも、生ごみの中に産んだ5頭の子犬とともに捨てられていました。大木さんは、「犬たちは無償の愛情を私たちに提供してくれる貴重な存在であり、痛みを知っている犬だからこそ、同じように苦しんでいる人々の心がいされていくのだ」と述べられています。 セラピードッグの効果は、痴呆症の進行の緩和、血圧の安定、高齢者に笑顔が戻り、車いすから立ち上がり、一緒に歩いてみたいという気持ちになっていく。また、動物は、精神面に悩みを抱える人、不登校の子どもの心に安らぎを与え、生きる力を授けてくれます。現在、区民の方がセラピードッグの教室に飼い犬とともに受講され、今後の活躍が期待されるところです。 そこで提案ですが、墨田区の学校にもセラピードッグ訪問の機会を設けてみてはいかがでしょうか。墨田区としても、セラピードッグの普及、PR活動に対し、積極的にかかわっていくべきと考えますが、区のお考えを伺いたいと思います。 暴力行為を行ってしまった子どもたちは、「感情がうまくコントロールできない」「コミュニケーション能力が足りない」という問題が指摘されています。ヒューマン・アニマル・ボンド(人と動物とのきずな)の理念に基づき、コンパニオン・アニマル・パートナーシップ、(人と動物とのふれあい活動)を始めた獣医師の柴内裕子氏は、動物医療を通じ、社会貢献する活動として、動物とのきずなを育む「ふれあい授業」を展開しています。特に、団地から通う子どもの多い小学校からの依頼が多いということから、現代の子どもたちが自然や動物に接する機会が持てない、さまざまなことを体感することが少なくなったことを示唆しています。この活動は、子どもたちに「自尊心を育み、達成感、勇気と忍耐を授け、命について考えるきっかけを与える」という効果をもたらします。 今後、日本においてボランティアの養成、教育者の研修、養成機関の充実が求められてきます。区としてさまざまな情報を区民へ広報等で発信し、区民のボランティア活動に対する支援を積極的に行っていただきたいと思いますが、区の見解を伺いたいと思います。 人が生きていく中では、いろいろな変化があり、その度にとまどい、悩みながらも歩んでいかなければなりません。動物たちは人間よりも急速な速さで老化し、死を迎えます。彼らはふれ合いを通じ、私たちが忘れかけている大切なものをそっと教えてくれます。いつから私たちは他者の痛みを想像することができなくなったのか。弱者を守り、慈しみ、ともに助け合い生きることができなくなってしまったのでしょうか。まず、現実の窮状から目をそむけることなく、冷静な目で知ることから始めることが大切であり、自らが行動し、意識を変えていかなければ事態は何も変わりません。子どもたちが他者を傷つけ、自分自身をも愛せない精神の荒廃を生み出す前に、私たちは全力で取り組んでいかなければなりません。 墨田区として、動物虐待の先に引き起こされる可能性が高い犯罪や人間社会のゆがみに対し、真剣に向き合うことが強く求められているのではないでしょうか。区長の見解をお聞きしたいと思います。 私たち一人一人がさまざまな問題と真剣に向き合い、言葉に出せない者たちの願いを届けていくことに尽力していくことは、弱者保護文化の構築が日本再生のかぎを握っていることを明確に示唆しています。これからも声に出せない人々の願いを届けていくことの重要性、手探りの中でも不安を打ち破り前進し続けていくことの大切さを痛感しています。 私は、人と動物との共生についての研究を深め、活動の推進になお一層取り組み、不幸な捨て犬や捨て猫を増やさない「殺処分ゼロ」を目指し活動を続けていきたいと思います。 ご清聴いただきありがとうございました。(拍手)   〔区長 山崎昇君登壇〕 ◎区長(山崎昇君) ただいまのあそう議員さんの私に対するご質問に順次お答えをいたします。 最初に、食育とまちづくりについてのお尋ねが何点かございました。 まず、今年6月に実施いたしました「食育フェスティバル2010」についてでございます。 昨年のフェスティバルと大きく変わった点でございますが、昨年までは食を消費する立場での参加が中心であったのに対して、今年度は食の生産者の立場からの出展も数多くあり、消費者と生産者の間の交流が多く見られたことではないかと存じます。また、今年は大学生など若者の参加も数多く見られ、世代を超えた食に関する交流が広まったことも大きな成果であったと思います。 参加者のアンケートを見ましても、参加のきっかけがより多様になり、参加者の関心の対象も自らの食に関するものから食育の取組全般に広がる等、すみだの食育活動が定着してきたことを実感させるものとなっておりまして、今後のフェスティバルの展開につきましても大きな期待をしているところでございます。 次に、4月に設立いたしました「すみだ食育goodネット」についてのお尋ねでございます。 この団体は、食育行動計画において、食育推進の中核となる団体として位置付けられた区民を主体とした自主的な食育活動団体であることから、区としては、あくまでもその自主性を尊重しながら、財政面や運営ノウハウなどの提供等において一定の支援をしてまいりたいと考えております。 次に、今後の課題と食育推進計画及び食育行動計画の一体的な改正に関するお尋ねもございました。 計画につきましては、平成23年度中に新たな食育推進計画として改定いたしますが、改定に当たっては、食育推進会議等を通じて区民や関係者の皆様のご意見を十分に取り入れてまいりたいと考えております。 また、今後の課題につきましては、現計画の達成状況等を踏まえて、計画改定の中でお示しをしてまいりたいと考えております。 食育に関する最後のご質問は、食育を通じたすみだのまちづくりについてでございます。 食育は、あらゆる人や分野につながる多様性がございますので、今後、その力を地域の活性化に結び付けていくという取組は、あそう議員さんのご指摘のとおり、非常に重要であると考えております。 幸い、すみだには全国に誇れるような民主体による食育のネットワークと人材がございますので、このような特色ある食育活動を、是非すみだの進めるやさしいまちづくりにも生かしてまいりたいと考えております。そうした中で、ご提案にありました食育の発信拠点としての「すみだの食育館」等も含め、今後どのような施策が求められるのか、区民や関係者のご意見も参考に検討させていただきたいと考えております。 次に、子育て支援と児童虐待についてのご質問がございました。 最初に、子育て支援のための「墨田区次世代育成支援行動計画策定のための調査」を踏まえた区の施策展開の改善点についてでございます。 本調査は、昨年3月に報告書をまとめておりますが、この調査結果からは、本区がさまざまな子育て支援サービスを実施しているものの、サービスの種類によっては児童の保護者に十分には認知・利用されているとは言えない状況が見受けられました。したがいまして、本年度から実施する次世代育成支援後期行動計画では、「子育て家庭の視点に立った情報の発信」を新たな計画事業に位置付けることといたしました。その一環として、いきいき子育てガイドブックは、目次の見やすさや検索機能等を充実した内容に改訂し、本年8月に児童のご家庭に配布したほか、母子手帳交付時にもお渡しをしております。 また、区ホームページの改善や携帯電話サイトの創設等につきましては、次世代育成支援行動計画推進委員会において、どういった情報提供が効果的であるかについて、現在、議論をしていただいているところでございます。 今後は、こうした議論や検討などを踏まえて、区としての方向付けをしてまいりたいと考えております。 次に、子育て安心ステーション事業の進捗状況と今後の子育て支援についての展望についてのお尋ねがございました。 子育て安心ステーション事業につきましては、孤立しがちな在宅での保護者に対し、子育てに係る負担軽減を図ることを目的に、身近な公立保育園が子育て家庭をサポートする事業として、本年4月から開始したところでございますが、まだスタートしたばかりで、事業実績は乏しい状況ですので、引き続き事業の周知に努めてまいりたいと考えております。 また、今後の子育て支援の展望についてでございますが、核家族化や地域での人とのつながりの希薄化などから、現在、子どもたちを取り巻く生活環境は大きく変化をしており、保護者についても子育ての不安や悩みを抱える方が増加しております。 こうした中で、子育て相談の強化、子育て家庭の交流促進、さらには子育てに関する情報提供など、子育てひろばや保育園等を子育ての拠点としつつ、地域の方々や関係機関とも連携しながら、地域全体で子育て家庭を支援していくことが強く求められていると、そのように考えております。 次に、児童虐待についてのお尋ねでございますが、まず、虐待の予防については、保護者の育児負担を軽減し、孤立化を防ぐために、次世代育成支援後期行動計画におきまして掲げたさまざまな子育て支援策を総合的に推進することで、行政として子育て家庭のサポートを行っていきたいと考えております。 しかし、今後は、行政だけでなく、地域や企業も含め、社会全体で子育てを応援する仕組みづくりに力を入れていきたいと考えております。 一方、虐待の早期発見と発生した場合の対策につきましては、ご質問にございました要保護児童対策地域協議会を中心に、関係機関や地域が緊密な連携をしながら対応しているところでございます。 要保護児童対策地域協議会の現在の体制でございますが、協議会は各機関の代表者から成る「代表者会議」、実務者で構成する「実務者会議」、及び相談・通告のあった各事例について具体的な援助方法等の検討を行う「個別ケース検討会議」の三層の会議体において、それぞれの情報の交換や支援の内容に関する協議を行う仕組みとなっております。 代表者会議については、これまで毎年1回の開催を、今年度からは年2回開催することとし、より連携の強化を図ったところでございます。また、実務者会議につきましても、福祉、保健、医療、教育、警察などの関係機関のほか、今年度からは保護司の代表にも加わっていただき、さまざまな分野からの支援を行っていくことといたしました。 今後とも、要保護児童対策地域協議会ネットワーク化を強化し、児童虐待の防止と対応に適切に取り組んでいきたいと考えております。 次に、人と動物との共生についてのお尋ねでございます。 まず、「殺処分ゼロ」の取組でございますが、東京都動物愛護相談センターによりますと、区内の平成20年度、犬の殺処分件数はゼロ件、猫の殺処分件数は負傷による死亡件数も含めて64件となっており、近年減少の傾向にあります。 区といたしましては、昨年度以降、犬と猫の適正飼養に関するパンフレットを刷新し、狂犬病予防の集合注射の場で配布する等、動物愛護と適正管理について啓発を強化しているところであり、今後も積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 また、動物愛護週間にちなんで9月17日から開催する動物の写真展で、パンフレットの配布や動物愛護相談を行うほか、すみだまつり等でも動物の命の大切さについて考える機会を設けてまいりたいと考えております。 次に、飼い主のいない猫活動を行うボランティアの方に対する支援でございますが、先ほどお話ししました動物の写真展に併せて、活動報告の場を提供する等の支援に努めているところでございます。 今後も、動物愛護に向けた民間主体の活動支援について、ボランティアの方々との連携を深め、関係者との機運の醸成に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、動物救護についてでございます。 平成21年度に策定いたしました「墨田区避難所運営マニュアル骨子」において、ペットの同行避難、避難所での人と動物の分離の方針を示したところでございますが、具体的には今後、各避難所ごとにルールづくりをしていただくこととなっております。また、負傷動物の救護につきましては、現在、獣医師会との協定に基づき、具体的な細目づくりを進めているところでございまして、協議が調い次第、総合防災訓練の中で動物救護所の設置訓練も行ってまいりたいと存じます。 次に、セラピードッグについてのご提案についてでございます。 セラピードッグによる癒しや治療補助について、その効果が報告されているところでございますが、その普及・PR活動やボランティア支援のあり方につきましては、今後も情報収集に努めまして研究してまいりたいと存じます。 なお、広く区民に対しては、動物愛護の観点から、セラピー動物のストレス軽減や動物由来感染症の予防の観点から、動物との適正なふれ合い方について適宜啓発をしてまいります。 最後に、動物の虐待の先に引き起こされる犯罪や人間社会のゆがみに対して真剣に向き合うべきとのご指摘でございました。動物との共生を目指した取組を通じて、区民が豊かな心で暮らせるまちづくりを是非目指してまいりたいと存じます。 私からは以上でございます。   〔教育長 久保孝之君登壇〕 ◎教育長(久保孝之君) 自由民主党、あそう議員さんの私に対するご質問に順次お答えをいたします。 初めに、小・中学校における食育の取組についてお尋ねがございました。 現在、各学校では、教職員の中から校長が指名しました食育リーダーを中心として、食に関する指導の全体計画を作成し、「標語の作成」「弁当づくり実習」「栄養士の講話」「栽培活動」などに取り組み、食育の推進を図っております。 また、今年度より栄養教諭が二葉小学校に配置されました。栄養教諭には、区内の学校の食に関する指導の充実等の役割が課せられております。この栄養教諭の活動の一環として、今年は小学校2年生を対象に、1日の食事のとり方についての指導を行い、その成果を6月に開催した食育フェスティバルにおいて報告したところでございます。 今後も、栄養教諭を中心に、各学校の栄養士や食育リーダーと連携しながら、食育への取組を推進してまいります。 次に、小児精神科の医師の学校配置についてご意見がございました。 思春期の問題は、その背景に虐待が潜む可能性があり、早期発見と専門家による適切な対応が重要であると私も考えております。しかしながら、各学校に小児精神科医を配置するとなりますと、逆に、精神科医との接触が見られやすくなるなどデリケートな側面もあり、難しいのではないかと考えております。 そこで、思春期虐待発見の仕組みづくりでございます。 思春期虐待に限らず、児童虐待全般にわたって発見する機会の多い場の一つは学校でございます。そのため、すべての学校で校内研修を実施し、疑わしい場合も含め、子育て支援総合センター、あるいは児童相談所に通告するよう指導しているところでございます。 また、現在、教育委員会としましては、学校の要請に応じまして、スクールソーシャルワーカーを派遣しております。このソーシャルワーカーは、学校や家庭に訪問し、問題を抱える児童・生徒やその環境に働きかけ、関係機関とのネットワーク構築や連携、調整を行っているものでございます。 次に、子どもの将来を考えた継続的な支援体制の整備についてお答えをいたします。 児童相談所等により一時保護された子どもにつきましては、学習面も含め、学校と一時保護所が連携して対応することとなりますが、学校におきましては、サポートチーム等を活用し、支援する体制が整備されております。具体的には、定期的なケース会議等を持つ、そして、それを全校的な体制で支援をしていくという形で結び付けているところでございます。 今後とも、各学校が一人一人の子どもを大切にした対応を行っていくよう、私ども教育委員会としても支援してまいりたいと存じます。 次に、人と動物との共生についてのご質問にお答えをいたします。 初めに、「命の教室」の開催についてのご意見がございました。 私は、命の大切さについては、頭でのみ理解するだけではなく、具体的に命を大切にする態度を形成することが重要であると考えております。このような教育活動は、道徳教育等で実施ということになりますが、ご指摘のありました動物管理センターで飼い主から見捨てられ致死処分される犬たちを最後まで見守ってきた職員の話を聞くことができれば、大変効果的だと考えております。 次に、学校内における暴力禁止プログラム及び動物保護教育プログラムについてのお尋ねがございました。 議員ご指摘のとおり、動物虐待と人間に対する虐待の関連性に着目した「ファーストストライクキャンペーン」の取組は、大変意義あるものと考えております。また、暴力禁止及び動物保護教育プログラムにつきましては、これまで学校で実施しております各種の健全育成に関する取組の一環として活用できるのではないかと考えております。 さらに、セラピードッグについてのご意見もございました。 これまたご指摘のとおり、子どもたちが実際に動物とふれ合うことで、命の尊さや温かさを実感し、かつ心の安らぎを得ることは大変意義のあることでございます。同様の視点から、現在、小学校、幼稚園等におきましては、ウサギなどの小動物の飼育を実施をしているところでもございます。 いずれにいたしましても、人間、動物に限らずすべての生命に対する畏敬の念を育む指導を、学校教育全体で推し進めていくことは重要でございますので、ご意見をいただいた「命の教室」をはじめとした幾つかの実践例、効果及び配慮事項について検討し、学校に情報提供させていただきたいと考えております。 以上で、私へのご質問のご答弁とさせていただきます。--------------------------------------- ○議長(木内清君) 21番・江木義昭君   〔21番 江木義昭君登壇〕 ◆21番(江木義昭君) 無所属の江木でございます。 勝海舟が指揮する咸臨丸が太平洋を越えて、日本人の手によって初めてアメリカ大陸にたどり着いたというこの壮挙から、今年はちょうど150年に当たります。折しも今、NHKの大河ドラマで龍馬伝というのをやっていまして、幕末ブームということなのですが、その割にはこの咸臨丸の壮挙が世上、余り喧伝されていない。これは極めてやはり残念だというふうに思いまして、なんとか勝海舟の生地であるこの墨田区でもっともっと大きくアピールしていくことが必要なのではないかという趣旨で、ご質問させていただきたいというふうに思います。 じゃあ、何で9月になってからそんなことを言うのだというおしかりを受けそうなのですが、実は恥ずかしながら、かく言う私自身が最近になって新聞か雑誌の記事で初めて気がついたような次第でございまして、ネットで調べますと、香川県丸亀市なんかは村上水軍の流れをくむ塩飽諸島の水夫の皆さんがこの咸臨丸の水夫として行ったということで、市としていろいろイベント等々をやっているようですけれども、是非墨田区でも今年残り少ないのですけれども、何かをやったほうがいいのではないかというふうに思います。 咸臨丸は、総トン数620トン、全長49メートル弱、全幅約9メートルということで、素人の私たちにはちょっとぴんとこないのですけれども、ちなみに芦ノ湖に浮かんでいる遊覧船が排水量315トンで、全長約38メートル、全幅約10メートルということで、あの遊覧船を一回り大きくしたぐらいの船で太平洋を乗り切っていったという極めて勇気ある壮挙だったわけですけれども、私はこの咸臨丸の渡航というのは、単に冒険的な勇気ある行為ということだけではなく、もっともっと歴史的に大きな意味があるだろうというふうに思っております。 ちなみに、子母澤寛という人が「勝海舟」という小説を書いておりまして、是非ご一読されることをお薦めしたいのですが、この咸臨丸の37日に及ぶ難航が実に感動的に書かれているのですけれども、その中で十分には解説されていないのですが、やはりこの咸臨丸の渡航のある意味大きな意義というのは、やはりこの時代の歴史的な時代背景を見ていかなければならないだろうというふうに思っております。 ご承知のように、日本はずっと徳川幕府の時代、鎖国をしておりまして、お隣の清朝中国と、あと唯一新興国のオランダとだけ通商しておりまして、それ以外の外国とはおつき合いはしませんという政策をとっていたのですが、1853年、例のアメリカのペリー提督が4隻の軍艦を率いて浦賀沖に来るという中で、あの有名な「太平の眠りを覚ます上喜撰、たった四杯で夜も眠れず」という狂歌が生み出されたように、日本史ではこのペリー来航をもって幕末の始まりというふうにしているわけですけれども、ヨーロッパ諸国、アメリカも含めて、18世紀の後半から産業革命が始まって、生産力が飛躍的に増大します。そんな中で、欧米列強は世界中に資源、そして市場を求めて領土獲得競争と言うべき、いわゆる帝国主義の時代に突入していきます。 アフリカ大陸は、14世紀の奴隷貿易以来の流れの中で、既にほとんどが欧米列強によって植民地化されておりました。アフリカの地図をご覧になるとお気付きになると思うのですが、アフリカの地図の国境線というのは本当に直線、定規で線を引いたような国境になってます。これは、いわゆる川であるとかあるいは山脈、湖といったような自然地理的な条件、あるいは民族の分布、部族間の勢力関係、そうしたものに一切お構いなく、当時の植民地宗主国の力関係だけで決められた国境です。1885年のベルリン会議条約で決められたものなのですけれども、ある意味、それが今日まで続くアフリカの部族紛争、民族紛争というものの遠因だと言っても過言ではないと思うのですが、そんな形でアフリカはもうほぼ欧米列強の植民地になっておりましたし、アメリカについては、1492年にコロンブスがアメリカに到達して、南米大陸については、主にスペイン、ポルトガル、スペイン人のコルテスとピサロというのがインカ帝国を滅ぼしていくわけですけれども、植民地にしていく。北米大陸については、イギリス、フランス、イタリアといったところが旺盛な植民活動を行っていきます。 アメリカ合衆国は、1776年に独立を果たして成立するわけですけれども、アメリカの国旗、いわゆるスターズアンドストライプスというのは、赤白13本のしまと青地に白抜きの50個の星でできております。この13本のしまというのはアメリカ建国当時の州の数を表しておりますし、50個の星というのは現在の州の数を表しております。アメリカ建国当時の国旗の星の数は13個でした。それが最終的に1960年のハワイ州の編入をもって50個になるわけですけれども、1776年から1960年まで約200年弱の間、言ってみればアメリカ大陸の中で植民地活動を行ってきた。ネイティブアメリカン、いわゆるアメリカインディアンという西部劇に出てくる人たちを、その居住地から追い出して植民地を拡大していくというのがアメリカ建国の歴史です。 カリフォルニア州、今メキシコからの不法移民の流入で悩んでいるということだそうですけれども、カリフォルニアというのは、もともとはメキシコの領土だったのですね。そこにアメリカ人が勝手に入っていって、農地を作ったり牧場を作ったりして、メキシコ政府としては当然出ていってくださいと言うわけですけれども、出ていかない。実力で排除しようとすると、アメリカ合衆国陸軍が自国民を守るということで、戦争をしかけて、結局、勝って、カリフォルニアはアメリカの領土になってしまったという、ある意味で、人のうちに上がり込んでそこのうちの人が出ていってくださいと言っても、言うことをきかないで、実力で排除されそうになったから、仲間を呼んできて無理やりそこに居座ってしまうみたいなのが、ある意味でアメリカの建国の歴史です。 オーストラリア大陸については、1788年にイギリスが領有を宣言しておりました。 インドについては、17世紀の初頭、イギリスが商館を開き、そして18世紀にはほぼ完全に植民地化されてきております。 そんな形で世界のいわゆる七大大陸のうち、ヨーロッパ大陸と南極大陸を除く南北アメリカ大陸、オーストラリア大陸、北アジア大陸という形でどんどんどんどん植民地拡大の波が押し寄せてくる。 清朝中国については、1840年に阿片戦争というのが起こります。これは本当にえげつない戦争でして、当時、イギリスではお茶を飲む習慣が広がっていて、中国から大量にお茶を輸入していたのです。そうすると、イギリスの一方的な輸入超過になってしまう。中国に何か輸出してツーペイにしたいと思うのですけれども、なかなか売れるものがない。そこで、アヘンを持ち込むわけです。清朝中国としては、アヘンを禁止して、売買、輸入を禁止するわけですけれども、その禁止するのがけしからんと言って戦争をしかけて、1842年、南京条約という形で2,400万ドルの賠償金と香港島の割譲をさせる。上海とか、あるいは廈門とか、五つの港を開かせて、上海の租借地というような形で、ほとんど半分植民地化されていくというような事態になっております。 そんな事態の中で、1853年、嘉永6年、ペリーが日本に来たわけです。 ですから、こういう流れの中ですので、はっきり言って礼儀正しくおとなしく開港を求めてきたわけではなく、極めて恫喝的、あるいは暴力的な外交姿勢でもって開港を求めるというような事態であったわけです。 当時の日本国政府である幕府も、実はそういう世界の状況というのはある程度知っておりましたし、戦々恐々といいますか、実に困ったなというところであったのですけれども、例の井伊大老が英断というか何というか、とにかく安政条約を結んで開港するという歴史の流れになってきます。 そんな中で、咸臨丸の発見というのは、安政条約の批准の使節がアメリカ海軍のポーハタン号でアメリカに派遣される、それの随行艦として日本人の手によって初めて太平洋横断という壮挙がされたわけですけれども、これはやはり先ほども言いましたように、単に冒険的な勇気ある航行というだけではなしに、私が思うのは、それが曲がりなりにも幕府の決定によって、当時の日本国政府であった幕府の組織的な派遣として行われたというところに大きな意義があっただろうというふうに思っております。 ご承知のように、アジアの中で唯一日本がいち早く近代化を果たし、20世紀初頭には、いわゆる当時の列強に伍していくだけの実力を蓄積していった。そういう歴史のある意味で奇跡とも言えるような過程を解き明かす一つのヒントとして、この咸臨丸の派遣というのがあったのではないのかなというふうに思っております。 私たち、ご承知のように、この庁舎の横、隅田川のほとりに勝海舟の銅像を建てて、郷土のある意味で生み出した偉人として顕彰しているわけですけれども、具体的なやはり勝海舟の実績の中の特筆すべき一つの事柄として、この咸臨丸の派遣というものを、私たちはもっともっと世間に広く紹介し、その意義を訴えていかなければならないのではないのかなというふうに思っています。 大体2時ごろまでの予定でおりましたので、以上で、私の質問を終わらせていただきます。どうもご清聴ありがとうございました。(拍手)   〔区長 山崎昇君登壇〕 ◎区長(山崎昇君) ただいまの江木議員さんからの「咸臨丸派米150年に際して、区として業績を顕彰する事業を行うべきではないか」とのお尋ねにお答えをさせていただきます。 ご質問に対し、適切なご答弁となるかどうか分かりませんが、私なりにお答えを申し上げますので、是非ご理解を賜りますようお願いを申し上げます。 咸臨丸は、江戸幕府所有の3本のマストを持った木造蒸気船で、日本の軍艦として初めて太平洋横断という快挙を成し遂げた著名な船でございます。庁舎1階の展示コーナーにも、平成15年に当時の「勝海舟の銅像を建てる会」から寄贈を受けた実物の50分の1の模型がございまして、うるおい広場にある勝海舟の銅像とともに、その偉業と当時の様子を広く区内外の皆様にご覧いただいているところでございます。 咸臨丸は、今お話にもございましたように、1860年、鎖国の時代にあって、日米修好通商条約批准のためのアメリカの艦船ポーハタン号の随行艦として渡米したものでございます。船には、勝海舟をはじめ、通訳のジョン万次郎や福沢諭吉ら、幕末から明治への歴史を語る上で欠かせない人物が乗船し、多くの苦難を乗り越え、37日後にサンフランシスコに到着したと聞いております。 言うまでもなく、勝海舟は、江戸無血開城の逸話で知られるように、すみだが誇る郷土の英雄であり、区内の子どもたちが小さいころから学べるよう、区立小学校の5年生の副読本で紹介しているほか、墨田区のお知らせなどでも折に触れて紹介してきたところでございます。その偉業を顕彰するため、勝海舟の銅像を建立する会の皆様のご厚意により、庁舎うるおい広場に勝海舟像が建立された経緯がございます。 そして、「観光都市すみだ」の大切な観光資源として、区内外から訪れる方々に広場の銅像などをPRし、テレビや雑誌などに対しても積極的に情報提供をしているところでございます。 さらに、勝海舟顕彰会の皆さんが毎年、海の日を中心に講演会等を開催されておりまして、本年も去る7月25日にリバーサイドホールで「海舟と龍馬」をテーマに、多くの方々のご参加のもと実施されております。 そして、ただいま江木議員さんから、今年はこの勝海舟を艦長として咸臨丸が渡米してから150年の節目の年に当たることを記念し、区内外の皆さんにこれを広くPRしてはどうかというご提案をいただきました。 今年も残り少ないところでございますので、これから大きなイベントを実施するには時間もないこともあり、ただいまのご提案の趣旨を踏まえまして、区といたしましては、この偉業を顕彰するために、10月に開催予定のすみだまつりの会場におきまして、今年が葛飾北斎生誕250年でもございますので、それと咸臨丸150年をパネル等で紹介する展示コーナーを設けて周知を図ってまいりたいと思います。 すみだまつり終了後は、庁舎1階の「勝海舟コーナー」にこれらのパネルを展示いたしまして、海舟の遂げた業績をPRしてまいりたいと考えております。 また、区のお知らせ、ケーブルテレビなどの区政情報のチャンネルを通しまして、勝海舟の人となりや咸臨丸にまつわる史実などについてもPRしてまいりたい、そのように考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いをいたします。--------------------------------------- ○議長(木内清君) 19番・千野美智子君   〔19番 千野美智子君登壇〕 ◆19番(千野美智子君) 公明党の千野美智子でございます。通告してありますおおむね2点について、山崎区長、久保教育にお伺いいたします。日ごろから住民の皆様から伺っている諸問題の中から質問させていただきます。どうぞ分かりやすくご答弁をお願いいたします。 まず、文化振興施策について伺います。 東京スカイツリーの建設に伴い、墨田区を訪れる来訪者の方々も増え、それに伴い、区内外の文化団体の活動も活発になってきたように感じられます。 過日、8月の21日、22日は、すみだ・ストリート・ジャズ・フェスティバルが盛大に区内の各所で繰り広げられ、区全体が音楽のるつぼになったように感じられました。2日間で2万人が集ったとも関係者から聞いております。地域にも3年前から下町音楽祭等も定着し始めています。また、すみだに拠点を置く劇団は、7月の「アベニュー」でも紹介され20にも上っております。最近になって、活動拠点をすみだに移された劇団もおられます。 タワーを訪れる観光客は、タワーの大きさやその建築の巧みさに驚嘆されるばかりではなく、すみだの下町文化にも触れて、心が温まる、元気が出る、そんなときを過ごしていただきたいと願わずにはいられません。すみだは、江戸文化の発祥の地とも言われ、歌舞伎、文学、浮世絵、落語など文化・芸術の主要舞台として度々登場しています。タワーを訪れる多くの来訪者に対して、下町文化を楽しんでいただく仕組みづくりは行政の責務だと考えます。そこで、何点か、文化振興施策についてお尋ねいたします。 まず初めに、活動拠点についてです。 文化芸術の芸能部門については、活動拠点・発表の場は大きな課題です。下町であるすみだには、トリフォニーホールが音楽文化を普及する拠点として建てられました。実際、トリフォニーホールの稼動率は98%で、文字どおりフル回転でその使命を果たしていると言えます。 また、ホールを拠点としている新日本フィルハーモニーのご尽力により、小・中学校をはじめ、まちの各所でふれあいコンサートも行われています。 一方、劇団等の関係者からは、練習会場や発表の会場が思うようにとれないというお声があります。すみだに拠点を置く劇団関係者にお話を伺うと、他区の公共施設を練習会場にしたり、発表の場も曳舟文化センターでは大き過ぎたり、学習センター・マスターホールでは220人定員で手ごろですが、観客席の使い勝手が悪く、楽屋もない状態で大変苦労されているとのことです。 音楽部門に関しては、先に申し上げましたように、トリフォニーホールという拠点があり、音楽都市すみだの牽引力として、その役割を大きく示してきたと思います。一方、江戸下町庶民文化の演劇等の分野では、発表の場や下町文化の拠点とも言える200人規模の劇場が必要ではないかという声が上がっています。 先日、山崎区長のもとにも、この200人規模のホールや40人から50人規模の小ホール建設の要望が届けられました。 また、9月1日には、愛川欣也さんが東京新聞主催のスカイツリー関連のフォーラムで、すみだに下町文化のホールが必要だというお話をされたと伺っています。その内容は、東京新聞9月28日に掲載される予定だそうです。 区内外からホール建設の声が上がっていると言えます。以前、区長も、平成19年3月、公明党加納議員の「芸術家が集うまちづくり」の質問の際、こう答えておられます。「下町創生拠点という形でいろいろな文化芸術、芸能も発表していく必要がある。エンターテインメントの方を集めるには、場づくりが大変重要であって、住むところ、あるいは練習するところ、発表するところと、そういう場をきちっと提供していくことが、そういう方々が集うまちになると思うので、今回、新タワーの構想では、下町の芸能文化芸術プラザみたいなものを是非作りたいと思っている」と。今、区内で育っている芸術の力が区内外の人々に適切に届けられる発表の場を待っています。下町創生拠点という形を一刻も早く整えていただきたいと思います。区長のお考えを伺います。 2点目に、子どもたちへの優れた芸術・文化に触れる機会の創出について伺います。 子どもたち一人一人の感性は、小・中学生の鋭敏な時期に優れた芸術に触れることにより、その感性はより一層磨かれていきます。すべての学校で1年に1度は、学校教育の中で優れた楽団による音楽会や演劇、舞台芸術、美術、絵画の鑑賞などに触れられる機会をもっと設けるべきではないかと提案いたします。 確かに一部の子どもたちは、トリフォニーホールや日生劇場等に行っていますが、極めて少ないのが現状です。参加している学校と参加していない学校とがあります。また、外部講師派遣事業でも、三味線等の文化芸術部門の講師派遣がありますが、これらも極めて少ない現状です。また、学校によっては芸術関係になかなか触れていない状況もあります。 学校で行かなければ、恐らく生涯経験することがないような子どもたちもいると思います。身近な学校で、区内の団体による文化芸術に親しく触れていく機会をもっと作るべきではないでしょうか。 民話として語り継がれている梅若丸は、木母寺が舞台になっており、能にも用いられた有名な伝説ですが、こうした身近なところが舞台になっている民話など、子どもたちに郷土への愛着とともに豊かな感性が育っていくと考えます。 また、ある劇団は、学校への演劇指導を申し出ています。これは、現代の子どもたちは、自分で自分を表現することがうまくできず、コミュニケーションが苦手になっているというのです。自分の気持ちを他人に伝えるための表現指導も含め、演劇に触れる機会を申し出ています。 教育委員会では、学校支援ネットワークで申し出ている芸術関係者は掌握しているものの、各学校の自主性に任され、実現は非常に難しいところです。演劇鑑賞教室や芸術鑑賞は、学校によって差があるのではなく、区内の子どもたちが平等に漏れなく芸術に触れていく環境を作っていただきたいと念願いたします。学校公開等の機会を利用していただければ、保護者も地域の方もご一緒に豊かな時間を過ごすことができます。教育委員会主導で、将来ある子どもたちへ、文化芸術がより身近なものになるよう環境を整えるべきではないでしょうか。 3点目には、文化芸術振興条例の制定についてお伺いいたします。 国においては、2001年の12月に、文化芸術の憲法ともいうべき文化芸術基本法が制定され、その前文には、「文化芸術は心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものである」と高らかに宣言されています。 北海道の苫小牧市は、いち早く全国の先駆けとして、文化の香り高く潤いのある市民生活形成のために市民文化芸術振興条例を2002年に制定いたしました。その後、全国の自治体が次々に条例を制定いたしました。 墨田区も文化振興施策を総合的に計画的に推進すべきです。文化の潤いのある心豊かな、また活力ある生活を区内外に創出するために、文化振興条例の制定に踏み切るべきではないでしょうか。 平成15年2月に私たち公明党として、国の基本法制定を受け、条例を墨田区でも制定すべきとの質問をいたしました。その際、区長は、「音楽都市すみだを区民の理念として掲げ、文化芸術活動を奨励、振興していく点で、ご提案の方法は大変有意義なものと考えておりますが、まず、財団をはじめ、各分野でそれぞれの事業の進展を図り、成果を積み上げた後、機が熟せば是非検討させていただきたい」とお答えになっています。 今、国の基本法制定より間もなく10年がたち、区内外の文化活動の機運も高まっている中で、区民の芸術文化活動の促進をはじめ、芸術文化の担い手の育成、文化芸術に接する機会の充実等、明確にすべきではないでしょうか。その中で、行政の責務、区民や文化芸術の提供者等々の役割等、明確にすべきです。今こそ墨田区に文化芸術振興条例を制定すべきと考えます。区長が言われたその機が熟してきたのではないでしょうか。区長のご所見をお伺いいたします。 次に、老朽住宅対策についてお伺いいたします。 大正12年、今から87年前の9月1日、マグニチュード7.9の関東大震災で東京、千葉、茨城、静岡まで甚大な被害をこうむりました。死者14万2,800人、負傷者10万3,700人という多くの方々が犠牲になりました。先日の両国の東京都慰霊堂での秋季慰霊大法要の際、山崎区長はごあいさつの中で、「燃えない、壊れないまちづくり」への決意の言葉を述べておられました。私も参列させていただいた者の一人して、その言葉に共感するとともに、行政の役割の重みを感じております。 墨田区は、住宅密集地域はもちろん、区内各所に老朽家屋が数多くあり、区長がおっしゃった「燃えない、壊れないまちづくり」が我が区の最重要課題の一つだと思います。 東京都では、東京湾北部地震という想定で、マグニチュード7.3の地震があった際に、倒壊するであろう家屋数を平成18年に調査いたしました。その結果、区内総数5万4,268棟のうち1万2,337棟が倒壊すると発表しています。23%の倒壊率です。23区で最も高い倒壊率です。また、この倒壊する家屋の9割以上が木造と報告されております。 そこで、極めて古い家屋に対しては、一歩進んだ取組が必要かと考えます。実際、住宅密集地域を歩くと、かなりの老朽家屋が目にとまります。屋根がはがれ始めて崩壊寸前の家屋もあります。このような老朽家屋は、核家族化と高齢化、また、区外へ出た子どもが帰ってこないなどの理由で、今後も増加傾向にあるのではないかと思います。 老朽家屋の建替えは特に我が区では借地の場合も多く、経済的余裕がないとさらに難しくなってまいります。こうした老朽家屋は、住み続けるには非常に危険であったり、空き家として長年放置されたものは、地域でさまざまな問題を引き起こしたりしています。家屋の一部が飛んできて危ない状況であったり、猫やネズミのふん尿のにおい、また放火のおそれがあったりもします。 区は、こうした老朽家屋を何とかしてほしいという近隣の住民の相談窓口として安全支援課が対応しています。平成17年10月に開設しており、本年8月までに43件の通報がありました。そのうち22件は、更地になったり建て替えたりと改善され、地域にも安全と安心が広がりました。21件については、ビニールシートをかけるなどして安全を確保し、引き続き解体、撤去等への説得を継続している状態であると聞いています。そこでお伺いいたします。 まず、区内に倒壊のおそれがある危険な家屋がどこにあるのか、実態掌握が必要です。東京都が調査した区内の倒壊のおそれがある危険な家屋についての情報も共有し、墨田区としても一定の基準に基づいて実態を掌握する必要があると考えます。また、その結果、住民からの通報がなくとも、区の一定の基準を超える危険家屋に対しては、住民の安全のため、積極的に相談、支援の体制づくりを進めるべきではないでしょうか。区長のご所見をお伺いいたします。 2点目には、現在、安全支援課が対応している未回答の21件などについても、一歩踏み込んだ対応が必要ではないかということです。 建築基準法第10条には、保安上危険な建築物等に対する措置として、「著しく保安上危険であり、また著しく衛生上有害であると認める建築物に対しては、除去等を含めた改善指導を行うことができる」とあります。我が区として、所有者の背中を後押しできるような制度の創設ができないでしょうか。 明年、国で老朽家屋に対して解体撤去などの費用に対する助成制度が予算化する見通しであると聞いております。国土交通省で新たに創設された「社会資本整備総合交付金事業」が明年、密集地域の老朽家屋に対して一律30万円の解体撤去費用の助成をするというのです。これは区の制度があることを前提にしておりますので、墨田区としてもこの制度を活用し、区として上乗せをした制度を考え、老朽家屋が解体撤去されやすい環境を作るべきではないでしょうか。区長のお考えをお伺いいたします。 3点目は、寄贈の申出があった場合です。 区は、更地の寄贈については一定の条件が整えさえすれば可能であると聞いております。仮に空き家や廃屋について寄贈の申出があった場合、区が譲り受けて公費で解体撤去し、緊急車両も通れないような細い路地が多い地域での防災用具の置き場や公園、ベンチパークなど公共的な用途に利用ができないのでしょうか。 長崎市では、2006年から昨年度までの4年間で、約1億円の予算で危険な空き家の解体に取り組んでいます。条件としては、土地・建物を市に寄贈することだそうですが、それでも208件もの申込みがあり、市は既に28棟を解体したとのことであります。解体後の土地は、貴重な公共のスペースとなり、公共的な用途に有効活用されていると聞いております。 我が区でも非常に少ないケースであるとは思いますが、こういった制度を創設してはどうかと思います。区長のご所見をお伺いいたします。安心して暮らせるまちづくりの中で、老朽家屋の問題は避けて通れない問題です。どうか前向きなご答弁をお願いいたします。 以上で私の質問は終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長 山崎昇君登壇〕 ◎区長(山崎昇君) ただいまの公明党、千野議員さんからのご質問に順次お答えをいたします。 最初のご質問は、文化芸術、芸能の活動拠点、発表の場の整備についてでございます。 区では、基本計画に基づいて、区民の自発的な文化芸術、芸能活動をより一層振興するため、活動の場の提供や区民活動に対する支援を行っております。 ご指摘のとおり、近年、両国や錦糸町駅周辺においてジャズフェスティバルが開催されているほか、劇団による演劇活動も活発に行われており、本区における新たな文化芸術、芸能活動が根付きつつあると認識をしております。 このような状況において、先日、区民の方々から演劇や伝統芸能の練習と発表の場となるホールの建設についての要望書をいただきました。私といたしましても、音楽や演劇など文化芸術、芸能の拠点が区内に多数整備されることで、東京スカイツリーを訪れる観光客が区内を回遊して江戸下町庶民文化に親しんでいただくことができれば、地域の活性化にもつながり、大変意義のあることと認識をいたしております。 一方、公共施設の整備の面では、これまで文化芸術、芸能活動にも利用できる多目的なコミュニティセンター等の区民施設を、地域バランスにも考慮いたしまして計画的に配置してきており、現在、地域プラザの整備も進めているところでございます。他方、民間の施設として大横川親水公園沿いにスタジオが開設されておりまして、多面的な文化芸術活動に利用されていると伺っております。 そこで、私といたしましては、文化芸術、芸能活動を支援する施設としての公共施設は、既存の施設を中心にご利用いただき、一方で、区民の皆さんの自発的な活動の場は、先ほど申し上げましたスタジオや、先のストリートジャズフェスティバルのように、まちなかの空き店舗、倉庫などを活用した手づくりの取組が有効ではないかと考えます。 したがいまして、既存の区施設の活用や民間施設の転用促進、さらには活動団体への情報提供や運営支援といったソフトの面における対応を含めて、文化芸術の振興策について幅広く検討させていただきたい、そのように考えております。 次に、文化芸術振興条例の制定についてでございます。 ご指摘のとおり、区民の文化活動の促進、芸術文化の担い手の育成、文化芸術に接する機会の拡充等につきましては、文化芸術の振興に向けて大変重要な課題であると認識をしており、今後とも積極的に取り組んでまいる考え方でございます。 文化芸術振興条例は、これらの施策を推進する際に、その基本となる考え方や方向性等について区内外に表明するものであると考えており、その制定前にさまざまな活動の実績を積み上げていく必要もあると、そのようにも考えているところでございます。 したがいまして、この条例の制定の前に、例えば方針、あるいは指針、あるいはプランといったものを具体的な対応を定めまして、その上で振興条例に結び付けていけたらと、そのように考えているところでございます。 本区では、既に昭和63年3月にそういった意味では「すみだ音楽都市構想」を策定いたしまして、すみだトリフォニーホールを核とした音楽都市づくりを進めておりますが、この構想でも音楽の分野にとどまらず、本区が幅広い文化芸術創造のエネルギーに満ちたまちとして発展していくことを目指しているところでございます。文化芸術振興に係る基本的な考え方を定め、これに基づき総合的に施策を推進することは大変重要であると考えますが、幅広い文化活動に対し、どのような内容、形式のものがよりふさわしいのか、引き続き検討させていただきたい、そのように存じます。 次に、老朽住宅対策についてでございます。 まず最初に、倒壊のおそれがある危険な家屋の実態把握をとの提案でございますが、倒壊のおそれがあるという判断は、専門家でも難しく、詳細な建物調査が必要となります。特に、家屋は個人の私有財産であることからも、所有者の方の判断が最優先されるべきものであり、所有者の意思を無視し、区で一方的に個人所有の家屋を危険な建物と判断することについては難しい側面もあろうかと存じます。 しかしながら、空き家となって長期間放置され、所有者が判明しない家屋につきましては、隣接されている居住者の方々に不安感を与えるものであるとも言えます。したがいまして、これまでも空き家対策として対応してまいりましたが、これまで以上に相談支援体制を充実させまして、区民の皆様方の不安解消に努めてまいりたいと考えております。 次に、老朽家屋の一歩踏み込んだ対応として、撤去等の支援制度の創設についてのお尋ねがございました。 建築基準法の保安上危険な建築物等に対する指導は、危険性の著しい状態を解消するために行う法律に基づく改善指導であるため、その内容は必要最小限度とされ、老朽家屋の撤去につなげることはなかなか難しいと考えております。 また、国土交通省の来年度の概算要求の中で、耐震化促進制度の拡充として、密集市街地内の住宅等の除却について一定額の補助を行うことが示されております。今回の補助対象区域は密集市街地に限定されておりますが、老朽家屋の建替え更新等には有効な制度であるというふうに考えておりますので、是非活用できるように検討させていただきたい、そのように思っております。 次に、空き家や廃屋について寄贈の申出があった場合、区が譲り受けて公費で解体撤去し、跡地を公共的な用途に利用できないかとのご提案がございました。 本区では、密集市街地における老朽住宅の対応といたしまして、京島地区、北部中央地区、鐘ケ淵地区の3地区で住宅市街地総合整備事業を行っておりまして、その事業計画に定めた道路の優先整備路線や公園整備についての用地買収や家屋補償等を行って整備を行っているところでございます。 一方、密集市街地以外も含め寄贈を受けて跡地整備を行うという事業については、さまざまな角度から検討が必要ではないかと考えております。例えば、寄贈の申出があった場合、どのような物件でも受け入れるのではなく、公共用に資することなどの一定の条件設定が必要と考えます。また、解体撤去費用の負担のあり方や、既存の整備計画との整合性、近隣の合意形成等の多くの課題もありますので、既存の補助制度や、ただいまご紹介にありました長崎市など他自治体の事例も参考にさせていただきまして、今後、検討してまいりたいと思いますので、ご理解のほどお願いを申し上げます。   〔教育長 久保孝之君登壇〕 ◎教育長(久保孝之君) 公明党、千野議員さんの私へのご質問にお答えをいたします。 ご質問は、子どもへの優れた芸術・文化に触れる機会の創出でございました。 子どもたちが本物の文化芸術にじかに触れ、創造活動に参加することは、子ども自身がその体験から多くの感動を得ることができ、感受性豊かな人間の育成を図る上で大変重要であると認識しております。 教育委員会といたしましては、区の連合行事として毎年、音楽会、学芸会、オーケストラ鑑賞教室、展覧会等を開催し、さまざまな作品に触れ、理解を深める機会を講じております。また、各学校でも楽団や劇団を招聘し、音楽会や演劇教室等を実施しているほか、総合的な学習の時間を利用して、地域の方々の協力も得て、昔遊び、水墨画、竹とんぼづくりなどの伝統文化に直接触れる活動や、染物、羽子板などの学習も行われております。 こうした本区の状況は、都内各区市町村の推進状況と比較いたしましても、標準的なものであると認識しておりますが、ご指摘のとおり、なお、可能な限り充実を図ってまいりたいと存じます。 私どもといたしましては、今後、学校支援ネットワークの活動項目の拡充や、次年度以降実施の方向で検討しております土曜日の授業を活用すること等によりまして、各学校における地域の伝統やすぐれた文化芸術に触れる取組が拡大するよう支援してまいります。そうした中で、ご指摘の演劇指導などの活動も含め、さまざまな芸術文化体験が充実するよう期待しているところでございます。 私からのご答弁は以上でございます。 ◆19番(千野美智子君) 議長、再質問。 ○副議長(樋口敏郎君) 19番・千野美智子君   〔19番 千野美智子君登壇〕 ◆19番(千野美智子君) 再質問をさせていただきます、公明党の千野でございます。 区長の今のご答弁を伺いまして、結論的には地域プラザや今までの公共施設を用いて演劇等の芸能部門の方々は頑張っていただきたいと、そういうお話かと思います。 また、パークスタジオ等々民間の方々の頑張る力を信頼されているという、そういう側面もあるかとは思いますが、私としては、公共施設が余りにも今まで多目的過ぎて中途半端であったという、そういう区民の方からのお声を伝えたつもりでございます。ですから、トリフォニーホールとその使いが非常に音楽関係に特化されて、すばらしい拠点として、そして今日の墨田区の音楽のこうした文化が育ってきたと、こういうお話をさせていただいたわけです。ですから、何としてもトリフォニーホールと同じような形の芸能部門の推進拠点ができればという、こういうことをお願いしたいと思います。今までの公共施設が中途半端であったという、そういう点をちょっと考慮した上でもう一度お答えをいただきたいというのが1点。 それから、もう一つは、私の質問の中で、平成19年の3月に区長がお答えになられた「下町創生拠点という形でプラザみたいなものを是非つくりたい」と、こうおっしゃっておられます。このお言葉は、今のご答弁の中で覆されてはいないと私は思っているものですから、いつかはこの創生拠点という形で、何らかの形でこれから公共的な力の支援があるというふうに期待したいと思いますが、その点のご答弁、2点、お願いいたします。   〔区長 山崎昇君登壇〕 ◎区長(山崎昇君) 私からのご答弁の中で、二つについて、再質問をいただきました。 1点目は、文化芸術活動を展開する施設の整備についてでございます。 私どもの区では、特に演劇等々の活動の場として曳舟文化センターをそういった考え方に基づいて設置をしたところでございます。したがいまして、曳舟文化センターは、どちらかというとそういう意味での利用が多いわけでございます。 今お話のように、もっと小規模の演劇だとか芸能だとか、そういうものに使える場所ということかというふうに思います。そうしますと、私としては、区内に点在したほうがそういった施設についてはいいのではないかと、そのように考えております。それがタワーに来た人たちの回遊性を高めることにつながると、そのようにも感じます。 したがって、そういった意味では、現在ある公共施設をご利用いただく、あるいは民間主導のそういった手づくりの施設がいいのではないかというふうに申し上げたところでございます。是非ご理解をいただきたいと、そのように思います。 二つ目の下町文化の創生拠点としてのプラザという考え方でございますが、それはどちらかと言いますと、東京スカイツリーの街区内に下町文化創生としての一つのプラザをつくりたいと、こういうことで申し上げてきたわけでございます。それが今現在考えておりますのが、観光プラザにつながっているわけでございまして、これからこの観光プラザ、660平方メートルになりますけれども、その利用をどのようにするかということについてのプランを今検討中でございます。その中で、例えば物販とかそういうものだけではなくて、簡単な落語だとか、あるいは踊りだとか、そういったことができるようなスペースがもしできるとすれば、そういうところも是非活用させていただい、そのように考えておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。--------------------------------------- ○副議長(樋口敏郎君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。     午後2時38分休憩---------------------------------------     午後3時再開 ○副議長(樋口敏郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を続けます。
    ○副議長(樋口敏郎君) 10番・青木いさむ君   〔10番 青木いさむ君登壇〕 ◆10番(青木いさむ君) 民主党の青木いさむです。 私が区民の皆様と接する中、あるいは町工場の経営者として考えること、私生活では保育園に通う孫が近くで生活を送っており、同居と同様な環境にありますので、子育て中の保護者の不安や要望を感じ取ることができます。さらには、高齢の母とともに暮らしておりますので、高齢者並びに介護に当たる家族の抱える悩みも実感として感じ取ることができる立場におります。 また、地域でひとり暮らしをする高齢者からの相談を受ける機会も多々ございます。昨日も、企業と高齢者に対します質問もありましたが、私はこのような生活環境を通し、区民生活の向上のために早急に取り組む必要がある事項につきまして、区長並びに教育長にご質問いたしますので、心あるご答弁をお願いいたします。 初めに、区の情報発信につきましてお伺いいたします。 東京スカイツリーの建設は、予定より早く進められているようです。世界から注目を集め、全国に発信するタワーのある墨田区です。これまで各世帯に届けてきた墨田区のお知らせは、いろいろと論議されてきました。いろいろな情報源であります区のお知らせを活字だけで終わらせるのではなく、耳に届けることも一考ではないでしょうか。 私は、工場で仕事をするときには、ほとんどラジオをかけています。また、そのような工場や商店はたくさんあります。ラジオからも情報発信を考えてみる必要もあるのではないでしょうか。 私の調べに間違いがなければ、地域放送局は全国で合計256局あります。23区内では江戸川区、江東区や葛飾区など6局あり、地域の情報を流し、地元に親しまれていると聞きます。新規にミニFM局を開業することは難しいと思いますが、せっかくタワーが建設され、注目を浴びている墨田区です。本区の情報やイベントの情報も近隣のFM局と連携し、ラジオから発信してはいかがでしょうか。有事の際には、テレビや携帯電話での情報収集は難しいと伺っており、ラジオFMでの情報発信が重要となります。タワー情報も含めた地域情報や行政情報に加え、防災情報を流すことについて、区長のご所見をお伺いいたします。 また、通勤などで電車に乗るため駅のホームに立つ方に対し、駅などに電光掲示板を設置し、テロップで観光・産業情報や区のお知らせなどを流すことも一考ではないでしょうか。区長はこの提案をどのようにお感じでしょうか。 また、耳に届けることですが、防犯に力を注いでまいりました私には、どうしても犯罪者を寄せつけないまちづくり、犯罪者をつくらないまちづくりに目が向きます。防犯パトロールカーからの呼びかけは、私の予想どおり、苦情がほとんど出ていないとのことです。この反響に対し、区長のお気持ちをお伺いいたします。 公園などに設置されたスピーカーと違い、移動するため、その地域でしか情報が届きません。ですから、防犯パトロールカーからの区民に対する呼びかけをもっと積極的に行うべきと感じております。いろいろな情報発信を行うことから、区民の区政に対する意識向上につながるのではないかと考えます。 また、犯罪者は姿を見られるのを嫌うということです。防犯パトロールカーからの声が聞こえる周辺では、さらに防犯効果が出るのではないでしょうか。是非防犯パトロールカーのさらなる有効利用を考えていただきますよう要望するとともに、ご所見をお伺いいたします。 次に、零細企業の支援と経営対策につきましてお伺いいたします。 工場の経営者として感じていることですが、長引く不況は全く先が見えません。たまに送られてくるファックスはダイレクトメールだけです。何とかならないものかと不安です。 さて、墨田区では「ものづくりのまち」としてさまざまな施策を行い、各分野での商工業に手を差し伸べ、応援を続けております。区内独自の生産開発にも力を注いでいます。例えば、区内での電気自動車開発を応援しているという話も耳にしております。また、東京スカイツリー関係商品におきましては、区内の生産で区内での販売を目的とするものには、商標使用の特例をつけるなどの努力に対しましては、高く評価いたします。大企業や中小企業は、政府が力を入れ応援しています。本当に困っているのは零細企業です。区としてするべきことは、部品づくりの工場に注目をして手を差し伸べるべきと強く感じております。 特に、区北部に位置する小さな規模の工場で求めているものは、従来の機械を使った従来の部品づくりだという声が多くあります。また、そのような声を上げている方々は、年金受給者や年金受給者になるかならないかの年代の方が多く、新規事業開発には設備投資がなく、新規取引先の開拓は、仕事量が少ない今、ほとんど望めないという現状です。このような声を耳にされたことはおありでしょうか。 融資制度に対しての質問をいたします。 昨年、緊急経済対策として経営安定資金の信用保証料の補助を実施しました。経営安定資金の新規申込みや一本化申込みがあり、企業にとりましてはそれだけ頼りにしたい利便性の高い制度です。にわかに起こってしまった円高の影響は今後、各分野での生産工場に大きな影響が出てくると予測されます。大企業は、海外生産を考えているようです。輸出に影響が出て生産が止まると、町工場はさらに経営困難になります。墨田区内企業で今後、予測できる影響はどの程度あるのでしょうか。 現在、区で行っております商工融資の運転資金は1,500万円の限度額で、返済期間は5年、区の利子補助1%、本人負担利率1.2%ですが、平成22年2月15日より、東京都は大幅に業種を広げて実施しています。経営支援融資は、国の景気対応緊急保証制度に対応した融資で、最優遇金利を適用するとともに、一般保証枠とは別枠で最大2億8,000万円までの保証協会による100%保証の融資が受けられます。 運転資金の返済期間は、据置期間2年を含み10年以内です。融資利率は返済期間により変わり、3年以内では1.5%以内から7年以上は2%以内と4段階に分かれております。この制度を利用するには、区市町村で認定を受けることになっております。従業員数が製造業者では20人以下、卸売業・小売業・サービス業は5人以下の小規模企業者には都が独自に信用保証料の2分の1を補助するとのことです。 墨田区でもこの制度を利用し、現行の1,500万円の限度額を1,000万円程度に下げ、区の利子補助の総額はそのままに抑え、融資期間10年という制度変更が必要と考えます。なぜならば、融資期間が長ければ長いほど金利は膨らみますが、毎月の経費は抑えることができます。例えば、10年に設定すれば、単純計算で毎月の返済金額は約半分になります。どの業界でも仕事量が少ない今、返済能力の点で売上が極端に減少し、貸しても返せないでしょうということで貸し渋りが出ています。融資期間10年を作れば、貸し渋りが少なくなります。特例を作り、東京都の経営支援融資と区の補助が一体となり、10年の融資期間があれば必要融資金額の貸付融資が受けやすくなります。また、年齢に応じた融資期間の設定も若い経営者には必要です。 昨年の第2回定例会で、私は融資期間延長の必要性を訴えさせていただきましたところ、「現在の6年から10年に延長した場合、利用者の毎月の返済額は低減をいたしますが、利子負担も含めますと最終累計の返済額が増えること。これに併せまして、区の利子補助の総額も多額となります。したがいまして、現行制度そのままで期間のみ延長することは、将来負担を含めて慎重に検討する必要があると考えております」というご答弁をいただきましたが、先に申し上げましたように、区の利子補助の総額はそのままにして、期間が延びることにより増えた金利負担は、あくまでも借入者側に負担していただく。借入者は、毎月の経費が安くなり助かるということです。経営者を助ける制度にご理解いただきたく、実行していただきますよう求めます。 東京都は、小規模企業の経営支援にやっと着手したと感じております。それだけに、戦後の日本を支えてきた町工場を今手助けしなければならないと区長に感じ取っていただけませんでしょうか。零細企業者は、国や都からの借入れよりも区への申請のほうが身近に感じられ、安心して申込みができるという感覚を持っています。是非区からの支援に着手をお願いいたします。 さらに、工場にとりまして利便性が大きいすみだ中小企業センターについてお伺いいたします。 中小企業センターの事業の中に、取引相談があります。事業の一環として、仕事のあっ旋や紹介にも力を入れており、私の工場にも時々仕事の打診があります。その多くは図面がなく口頭での説明で、実際に発注者と話をすると、打診時と若干内容が違うことがあります。昨年暮れにも、ステンレスの箱の話があると連絡を受け、発注者宅にお伺いしましたところ、材料はステンレスでしたが、要求されたものは違っておりました。専門的な知識を持った方か実際に仕事に従事した方が窓口にいれば、このような食い違いがなくなるのではないかと思います。また、その必要性を感じておりますので、是非とも各分野での仕事を理解された方の配置をお願いしたいところであります。区長としてのお考えをお伺いいたします。 中小企業センターでは、機械の開放利用も時間単位で低料金で行っており、私が工場を立ち上げた当時、フライスや旋盤などをお借りし、大変助かりました。ほとんどの方は、今現在どんな機械があるかを知らずに、利用が余りないように感じます。試作程度の数ならば外注の世話にならず、自分で機械をお借りしたいという方もおります。利便性の高い施設ですので、多くの方に案内をすることが必要ではないかと感じます。分かりやすいパンフレットを作り、零細企業の工場に配布していただけませんでしょうか。 次いで、高齢者訪問制度につきまして、何点かお伺いいたします。 高齢者世帯には利便性の高い補助制度があります。ですが、その便利な制度を知らずに見逃していることも数多くあるようです。また、介護保険の認定を受けていなければ対象にならないものもあります。 先日、81歳のひとり暮らしの男性が転んで腰を痛め食事の支度ができないので、ホームヘルパーさんを頼みたいとの連絡をいただきました。いろいろな話をしているうちに、介護認定を受けていないことが分かり、早急にかかりつけの病院で申請診断をお願いするよう伝えました。幸か不幸か、腰のけがが原因でその方は半月ほど入院してしまい、8月3日に退院したと伺っております。要介護2という認定が届いたのは8月末でした。認定がおりないため、ケアマネージャーや受けられる制度などが決まらず、3週間以上ベッドに横になったままということでした。退院が決まったときに、高齢者支援担当が行っています配達のお弁当を勧めましたが、この制度も知らなかったようです。ご子息は横浜で生活しているため、毎日、様子を見に行かれず、この暑い時期、おふろにも満足に入ることができなかったそうです。 いろいろな補助制度がありますが、各世帯の家庭環境により必要とされることは個々に違いがあります。現行は、各制度を利用する利用者の申請が必要です。区から案内を出す「お知らせ制度」に切り換えますと、知らなかったということが少なくなるのではないでしょうか。特に、高齢者は、「区のお知らせ」などを見ても、時間の経過とともに記憶が薄れます。パソコンをいじる高齢者はごくわずかな人数と感じます。インターネットの案内を見ることができない方が多くおります。 また、区内にも二世代で暮らす家庭が相当数あると思います。日中は高齢者のみで留守番をする家庭は何世帯あるのでしょうか。そのような家庭にも同様なケアが必要ではないでしょうか。「日中、一人で留守番するのは寂しい」と語る高齢者の声を耳にします。たまにでもだれかに来てほしいようです。以前は町会役員が年に数回、町会費の集金に歩いておりました。最近では、振込みや年金払いという方式で訪問回数が減少した地域が多くあります。 隣近所の交流が薄くなったと言われている昨今、友愛訪問員制度や、昨年に続き今年の5月にも開設されました「高齢者みまもり相談室」というものもありますが、新規に訪問者制度を作り、定期的に各世帯に様子を見に行くシステムを構築することも一考ではないでしょうか。 高齢者のお話をお聞きしますと、「今の時代、どんな人が来るか分からないから怖い。だから、かぎを閉めている」とおっしゃる方がおります。実際には、だれかに訪ねてほしい、来てほしいという方が多くおります。心配事や相談事があったときに、定期的に訪問する方がいれば、安心して生活が送れるのではないでしょうか。また、そういう制度を待っている方は多くおります。早急に訪問者制度の確立を求めます。ただし、訪問者には予算も考えなければいけないと感じます。区長のお考えをお聞かせください。 最後に、就学前教育につきましてお伺いいたします。 本年3月23日に庁舎の131会議室で行われました、就学前教育についての講演会とシンポジウムに出席し感じたことと、幼小中一貫教育に関連しての質問をさせていただきます。 この講演会で伺ったことですが、朝、幼稚園、保育園に送っていく際、あいさつができない子どもと保護者がいるということです。墨田区でまとめた就学前プログラムのかかわりの欄にも、就学前に育てたいことで「あいさつ」とあり、ねらいでは、「状況に応じたあいさつができる」、また、家庭に働きかけることでは、「保護者も進んであいさつができるように促す」とあります。具体的にどのような形で促すのでしょうか。 家庭に働きかけることの項目は幾つかあります。家庭の日の取組が浸透し、身についていれば、ほとんどクリアされるのではないでしょうか。やさしいまちづくりは重要ですが、基本となっている家庭の日を具体的に推進することが大切だと感じます。区としまして、独立した取組として推進することを求めます。 また、教育現場では、「テレビを消して家族団らんのひと時を過ごそう」や「家族のきずなを深めよう」「家の周りを掃除しよう」などの家庭の日の取組事例を学校だよりや学年だよりを通し、家庭に浸透するよう求めます。また、その必要性を強く感じます。教育長はどのようにお感じでしょうか。 幼稚園では、小学校入学前に園児と学校との交流があると伺いました。また、私の家の近所の区立幼稚園と区立保育園では、地域的に近くにあるという理由で交流があると伺っています。幼稚園同士の交流、保育園同士の交流はあるようですが、私立を含めた幼稚園と保育園の交流も必要だと思います。私立と区立幼稚園では担当部署が違っており、保育園もまた違った部署で担当し、現行では三つの部署に分かれております。総括する部署の必要があるのではないでしょうか。 すべての園児は、卒園後、小学校に通います。園児が抵抗なく学校に通えるように整備することを求めます。そのためには、幼保の園児同士の交流と4歳児ころからの学校訪問も必要ではないでしょうか。子育て担当で総括することはできませんでしょうか。 最後になりますが、以前、子どもが保育園に入れなくて困っているお母さんからの相談では、飲食店を営んでいる実家の手伝いをしているそうです。昼間の片付けが終わるのはその日により違い、2時半から3時半ごろまでかかるそうです。幼稚園では2時までが保育時間のため、保育園でなければならないということです。 今年の3月5日の予算特別委員会でも一、二時間の延長保育を要望されているという発言がありました。このことに対し、学務課長は、「延長保育の要望についてはゼロではないが、そういう声が大きいとは今のところ聞いていない」という回答でした。 また、昨年の予算特別委員会でも、「幼稚園は基本的に2時までの保育だが、4時ぐらいまで延長保育をしていただきたいという声もある。そういったことは可能性としてあるのか」との問いに、「公立幼稚園については民間幼稚園の補完という位置付けで運用しているので、あくまでもその範囲で今後とも運用していきたい」と回答。さらに、「区立幼稚園につきましては、民間サポートという位置付けであるので、現行のサービスの内容でいきたい」という回答でした。 区立幼稚園で一、二時間の延長保育を行うことにより、先に紹介をしたような飲食店関係の幼児は保育園に預ける必要がなくなり、保育園に若干の空きができます。幼稚園に延長保育をお願いすることにより、保育園待機児童の解消にもつながると考えます。前向きに検討する必要があるのではないでしょうか。幼稚園で延長保育を行うことに対しましての教育長のお考えをお示しください。 ご清聴ありがとうございました。   〔区長 山崎昇君登壇〕 ◎区長(山崎昇君) ただいまの民主党、青木議員さんからのご質問に順次お答えをいたします。 最初のご質問は、区の情報発信の充実についてでございます。 ご指摘のとおり、最近は新聞の購読率の低下など活字離れも指摘されておりまして、区民の皆様の区政情報の収集方法も、ホームページや携帯電話などの電子媒体による情報取得が増加している現状にございます。区といたしましても、このような情報メディアの多様化に対応しているほか、耳による情報として、近隣のFMえどがわと連携し、区のイベント情報等を提供しているところでございます。 FMラジオは、大地震などの有事の際の被災情報はもとより、東京スカイツリー関連の地域情報などの日常的な情報を伝えるためにも有効な手段であると認識をしております。 今後も近隣のFMラジオ局との連携を図りながら、区内外への情報発信を積極的に行ってまいりたいと存じます。 次に、駅などの電光掲示板の設置についてご提案がございましたが、設置主体や維持管理、情報の更新等も含め、設置が可能かどうか、鉄道会社とも調整してみたいと存じます。 ご質問の第2は、零細企業の支援と経営対策等についてでございます。 まず、区内企業の実態についてでございます。 先月も区内の各種組合の代表者の方にお集まりをいただきまして懇談会を開催し、私も出席をいたしまして、厳しい経営環境を直接お伺いをいたしました。 また、昨年度実施いたしました墨田区製造業・卸売業実態調査分析報告書によりますと、製造業の景況について、経営状況、今後の見通しに関し、8割以上の事業所が「非常に悪い」「悪い」と答えておられます。景気低迷のもと非常に厳しい経営環境にあるものと認識をしておりまして、緊急対策としての制度融資等のほか、個々の企業ニーズに応じた支援措置が必要であると考えております。 また、円高の影響についてでございますが、円高は外需への依存度が高い我が国におきましては、海外への生産拠点の移転や取引先のさらなるコストダウン要請などにつながると懸念されております。したがって、区内の多くの部品・素材を生産する下請業者にとりましては、経営が圧迫されていくことが強く危惧されているところであります。 次に、国の景気対応緊急保証制度に対応した制度についてでございますが、一昨年来の厳しい不況の中で、区としても国の施策の展開と相まって、できる限りの対策を講じるため緊急経済対策を実施しているところでございます。具体的には、国のこの制度に連動する形で経営安定資金の信用保証料を全額補助するという形で現在、実施しておりまして、一昨年10月末から本年8月末までの経営安定資金の申請状況は、累積で3,798件、申込み金額では約261億円となっております。 次に、東京都の経営支援融資と区の補助を一体化する制度についてのご提案がございました。区の制度と東京都の制度を一体化させることは、既にそれぞれの制度で完結した補助とあっ旋利率を設定している等から、大変困難ではないかと考えております。 また、年齢に応じた融資期間の設定についてのお尋ねがございました。 昨年の第2回定例会でもご答弁申し上げましたとおり、現在の融資制度では緊急資金の使途や融資限度額、あるいは返済能力との関係から返済期間を設定するという考え方が基本でございます。このため、年齢を優先要件に返済期間を設定するというのも困難ではないかと考えます。 最後に、融資期間の延長についてお尋ねがございました。 仮に返済期間を延ばせば毎月の返済金額は少なくなりますが、その一方で、返済額全体を考えますと、利子負担の増大により返済総額は拡大することになります。したがいまして、融資期間の延長につきましては、利用者のニーズ、施策効果、財政負担はもちろんのこと、金融機関、信用保証協会との調整なども必要となりますので、全体的な制度設計の中でさらに検討させていただきたいと考えております。 なお、融資期間を延ばすことの実質的な機能としては、現行でも既存融資と追加融資を一本化して申し込む制度や、返済期間にかかわる条件変更の制度もございますので、窓口ではこうした制度等を丁寧に説明し、利用者のニーズに可能な限り応えられるよう努めてまいりたいと存じます。 続きまして、すみだ中小企業センターの事業に関するお尋ねもございました。 ご質問にありました取引相談事業につきましては、企業の受発注のあっ旋などを行うものでございまして、専門の相談員が対応しているところでございます。 ご指摘にありました事例につきましては、どのような状況で生じたか、現在調査をさせておりますが、相談員の一層の資質向上に取り組むとともに、今後とも受発注機会の拡大を目指して取り組んでまいりたいと考えております。 次に、工作機器の開放利用に関してのお尋ねでございます。 先にご紹介した墨田区製造業・卸売業実態調査分析報告によりますと、区内製造業全体でのすみだ中小企業センターの認知率は8割、一方、利用率は2割となっております。このため、各企業に配布しておりますパンフレットの充実など、今後ともPRを図り、より多くの区内企業の方に利用していただけるように努めてまいりたいと存じます。 次に、高齢者訪問制度についてお尋ねがございました。 まず、日中、高齢者のみで留守番をしている家庭の世帯数についてのお尋ねでございますが、区内で高齢者以外の家族と同居している高齢者世帯数は約1万4,000世帯でございます。こうした世帯におられる高齢者も含め、話し相手や相談相手を求めている高齢者が多数いらっしゃる現実があることは十分認識をしているところでございます。 区では、こうした高齢者の見守り活動の一環といたしまして、お話がありましたように、友愛訪問活動のほか、民生委員に委嘱しております高齢者相談員による相談活動などを通じ、定期的な訪問活動を実施しているところでございます。こうした訪問活動を通じまして、必要な場合には、各種福祉サービスにつなげる仕組みを地域包括支援センターや高齢者みまもり相談室を中心に構築をしているところでございます。 現在、対象となる高齢者を把握するように努めている状況でございますので、こうした訪問活動については、これからも積極的に推進してまいりたいと考えております。 私からの答弁は以上でございます。 大変失礼いたしました。答弁書を1枚、飛ばしてしまいました。 改めましてご答弁を申し上げます。 防犯パトロールカーで「すみだ家庭の日」のPRをしてはとの青木議員さんから先般いただきましたご提案につきまして、試行的に実施をしてまいりました。極めて順調に運営をさせていただいているところでございます。 さらに、本年6月からは、「すみだ環境の日」のPRも防犯パトロールカーで行っておりまして、これらの状況を検証しながら、ただいまのご提案の件について、その方向性について検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。   〔教育長 久保孝之君登壇〕 ◎教育長(久保孝之君) 民主党、青木議員さんからの就学前教育に対する私へのご質問に順次お答えをいたします。 初めに、あいさつができない子どもや保護者の問題についてのお尋ねでした。 私も、本区の児童・生徒が時と場に応じたあいさつや、礼儀正しい立ち居振舞いが自然にできる大人に育ってほしいと常々願っております。こうした態度形成やよりよい生活習慣の確立のためには、議員ご指摘のとおり、家庭教育や社会経験、さらには幼児期からの系統的な指導の積み重ねが大切でございます。 現在、本区の学校の中には、保護者や地域関係者と一体となってあいさつ運動を行っているところがございます。また、幼児・児童・生徒の生活習慣の確立のために、園だよりや学校だより等を利用し、家庭や保護者に対して意識啓発を行っている幼稚園や学校も多くございます。 今後も各幼稚園・学校に対して、こうした取組の成果を周知して広めてまいりたいと考えているところでございます。 次に、幼稚園と保育園の連携についてのご意見がございました。 子どもたちが滑らかに小学校に入学するためには、私立を含めた幼稚園、保育園、小学校がそれぞれの立場から意見交換を行い、交流を深めることはとても意義あることと存じます。現在、子育て支援担当と教育委員会が中心となって、就学前教育推進プロジェクトの取組を進めておりますが、こうした取組を通じて、幼稚園、保育園、そして小学校の緊密な連携を図っているところでございます。 議員ご指摘のございました区全体としてのより効果的な組織のあり方につきましては、こども園等の構想も含めました今後の国の動向等も注視しながら、引き続き区長部局と協議が必要だと感じているところでございます。 最後に、幼稚園の延長保育にかかわるお尋ねでございます。 これまでのアンケート調査等によりまして、区立幼稚園での一、二時間の延長保育についてのニーズは一定数あるものと認識しております。しかし、こうした要望は、あくまでも区立幼稚園児の保護者が事情があるときに預かり保育があると便利というものでございます。したがいまして、保育園の待機児解消とはやや意味合いの異なるものと考えております。 また、私どもでは、区立幼稚園につきましては、あくまでも私立幼稚園を補完する役割を担っているものと認識をいたしております。こうした立場から、延長保育を区立幼稚園のみが独断で実施するのは妥当ではなく、実施する場合には、私立幼稚園側と十分な調整を行うべきものと考えております。 したがいまして、にわかにこうしたご要望にお応えすることは、現状で困難であると考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 私からのご答弁は以上でございます。--------------------------------------- ○副議長(樋口敏郎君) 12番・はらつとむ君   〔12番 はらつとむ君登壇〕 ◆12番(はらつとむ君) 日本共産党のはらつとむです。私は、高齢者の見守り対策、自転車事故を減らすための取組、非核・平和施策の拡充について山崎区長に質問をします。 初めに、高齢者の所在不明問題と実態把握について伺います。 100歳を超えた高齢者が、実は数十年も前から行方不明になっていた、こんな事態が全国各地で起きています。都内でも足立区で111歳と言われた男性が白骨遺体で見つかり、杉並区でも113歳と言われた女性が実は数十年も前から行方不明になっていました。墨田区でも100歳以上の高齢者の方々は74人おられ、所在が確認されたと聞いています。 この問題で、事情はさまざまですが、共通して浮き彫りになっているのは、家族を含め、社会から断ち切られた高齢者の孤立という深刻な社会状況です。この背景には、急速な高齢化とひとり暮らしの増加だけでなく、都市化によるコミュニティの崩壊、さらには病気や貧困など複雑で多岐にわたる原因が考えられます。 高齢者の福祉について重要な法律である老人福祉法には、市町村は「老人の福祉に関し、必要な情報の把握に努める」と実態把握の責任を明記しています。以前は各自治体で敬老祝い金を高齢者宅に訪問して渡していましたが、廃止された途端、訪問することも少なくなったと言われています。墨田区でも敬老祝い金の廃止や安否確認を兼ねたヤクルトの配達を止めるなど、高齢者の実態把握の面で後退につながっていると考えられます。 我が党は、高齢者の実態をつかみ、孤独死の防止など安否確認のネットワークを作ることは極めて重要な施策であると指摘し、その対策を繰り返し求めてきました。私は今日の行方不明の問題を高齢者・家族の社会的孤立状況が深刻化しているとの視点に立って見直せば、必要な対策も見えてくると思います。高齢者の実態把握と安否確認など、行政による見守りと支援体制強化が急がれます。地域でも高齢者に声をかけ支え合う取組が始まり出していますが、これらへの行政の支援も必要です。区長は、高齢者の所在不明問題の背景や原因をどのようにとらえられているのか、また、どのような対策を講じようとされておられるのかお伺いをいたします。 次に、地域包括支援センターの体制強化とみまもり相談室の整備などについてです。 地域包括支援センターは、主任ケアマネジャー、社会福祉士、保健師などの四、五人の職員が置かれ、高齢者の介護・福祉・保健・医療を総合的に支援し、さらに高齢者の見守りや虐待防止などにも積極的な役割を果たすことが求められています。 しかし、実態は、介護認定作業などで手いっぱいの状況であり、高齢者の暮らしを総合的に支援する十分な活動ができていません。地域包括支援センターと連携した見守り活動の強化と地域でのネットワークづくりを進めることが急がれます。地域包括支援センターを本来の役割にふさわしく人員配置や予算措置など体制を抜本的に強化することを強く求めて、区長の見解を伺います。 区では、一昨年5月より文花にて、高齢者みまもり相談室を開設、今年からは緑地域にも開設して、地域のひとり暮らしの高齢者の見守り活動に取り組んできました。このみまもり相談室は、困っている高齢者を助けるために、職員やボランティアの方が出向いて掘り起こしをし、地域での見守りのネットワークづくりに特化した業務を行っています。 みまもり相談室は、地域包括支援センターの補完的な役割を担っています。そのために現在2カ所ですが、都の補助金の要綱では地域包括支援センターと同じ数だけ補助が出ることになっています。私は、最低でも地域包括支援センターに準じた8カ所を早急に整備すべきと考えますが、区としてはどのような予定でいるのか、区長の見解をお伺いします。 また、このような人的見守りと併せて、緊急通報システムの普及も重要です。高齢者緊急通報システムは、65歳以上の方が利用でき、住民税非課税の方は利用料が無料です。利用者に急病などで緊急事態が起きたとき、胸のペンダントを押すことで受診センターが対応、24時間、365日健康相談を受けることができ、救急車も手配します。 また、センサーも現在、区では500人ほどが利用されていると聞きますが、ひとり暮らし高齢者のわずか3%です。何がネックになっていると分析をされているのか、利用料の軽減や申請書類の簡素化など、改善を図るべきと考えます。 また、見守りセンターとして普及を進めていますが、相談室設置から1年半がたち、今までの成果はどのぐらいだったのでしょうか。目標を持って広めていくことが必要だと考えます。今後の普及目標と今までの成果について、区長の見解をお聞きします。 次に、シルバー人材センターの活用など具体的な対策についてです。 高齢者の見守りについては、各自治体がさまざまな施策に踏み出しています。千代田区は、100歳以上の所在確認に続き、90歳以上の高齢者のうち介護保険や医療保険の給付がない方に対し、区の職員が出向いて安否確認をするとしています。 区としても、まず住民票に基づきすべての高齢者の所在確認・安否確認を早急に実施すべきです。区長の見解を伺います。 また、足立区では、区内の新聞販売店53店の協力を得て、新聞がたまっていたら地域包括支援センターなどに通報するシステムを構築しています。墨田区でも区内の販売店に協力をお願いし、連絡を取り合うシステムを構築すべきと考えます。シルバー人材センターでは、新聞を購読していないひとり暮らしの高齢者に対し、訪問の上、区報を届けることを提案しています。高齢者の47%が新聞を購読していないという調査もあります。高齢者の安否確認の上でも、効果的な取組になると思います。区として早急に具体化を図られるよう要望し、区長の見解をお伺いします。 この問題の最後に、高齢者の熱中症対策について伺います。 連日のように続く異常な暑さに、熱中症で病院に運ばれて亡くなったりするニュースが後を絶ちません。東京都監察医務院のデータで言えば、梅雨明けした7月17日から9月6日までに熱中症による死亡者は、墨田区では2人、23区では136人に上っています。 猛暑の背景には、大都市のヒートアイランド現象や地球温暖化の影響があり、今年限りの問題ではありません。これらの環境対策に積極的に取り組むとともに、熱中症対策に対する本格的な対策が求められています。小まめな水分補給やクーラーの活用など、熱中症の対策を広めていく必要があります。高齢者の中には、体を心配してクーラーを使わず、結果として具合が悪くなる方もいます。区内の実態をどうつかんでいるのか伺います。 また、生活保護世帯にはクーラー設置に補助がありません。「クーラーを使いたいが、電気代が払えないから使わない」といった声もあります。生活保護世帯に対するクーラー設置の補助や電気代など夏季加算を国に求めるともに、区独自にも助成を創設すべきです。併せて所得の低い方々への支援策も実施されるよう求めます。区長の見解をお伺いします。 質問の第2は、自転車事故を減らすための取組の強化についてです。 昨年の交通事故死者数は4,914人と前年より減り、過去最悪だった1970年の1万6,765人に比べて7割近い減少となりました。ところが、全体の事故は減っているのに、自転車対歩行者の事故はこの10年間で約3.7倍に増えています。墨田区においても、自転車にかかわる事故は毎年500件近く発生しています。これらの自転車の事故をなくす対策が緊急に求められています。 道路交通法では、自転車は車両に位置付けられ、車道を走ることとなっています。しかし、車道が狭く危険な場合には歩道の通行を認めており、墨田区内は一部地域を除いて歩道を走ってもよいことになっています。このために、歩道での接触事故が増えています。歩道では歩行者が優先であり、自転車には歩行者を保護する責任があります。ところが、猛スピードで駆け抜けていく自転車や、大きな声で歩行者によけさせるなどの場面をよく見かけます。 我が党が行った区民アンケートにも、自転車のマナーに関しての意見が多数寄せられています。一例を挙げると、「つえをついて歩いていると、もっと端に寄って歩けとどなる。やっと歩いている高齢者を何と思っているのか」などの声です。 また、先日、区内の落語家の方から、携帯電話のマナーに関する要望書が出され、区長もご承知と思いますが、携帯電話をかけながらの自転車運転は危険なのでやめてほしいとの声が寄せられました。 自転車を走行中に携帯電話で話すことは禁じられていますが、まだまだ守られていません。道路交通法や自転車の正しい乗り方などの啓発を強めることが求められています。特に、自転車のマナーは若い世代からの啓発が必要だと言われており、小・中学生などへの啓発をさらに進めるべきだと考えます。また、事故が起こらないような施設面、ハード面での安全対策も必要です。区として対策を強化することを要望し、区長の見解をお伺いします。 次に、保険制度の抜本的拡充と被害者の補償制度の確立等についてです。 自転車事故は、近年、高額の賠償を求められるケースが相次いでおり、被害者への補償を行う上でも自転車保険の加入促進も必要性が増しています。8月22日付の毎日新聞には、「賠償5,000万円実刑、失職、加害者重い賠償」という記事が掲載されました。自転車は手軽さの裏に危険をはらんだ乗り物です。 そこでお聞きしますが、墨田区において、ここ10年の自転車対歩行者の事故のうち、100万円以上の補償金が支払われたケースはどのくらいあったでしょうか。また、事故を起こした自転車の保険の加入状況はどうだったでしょうか、答弁を求めます。 区では、低い掛け金で最高1,000万円までの対人賠償が補償された交通傷害保険の加入を受け付けています。この保険の加入率は約10%で、区のお知らせで加入を促したり、町会に取りまとめをお願いしていますが、近年は減少傾向にあります。 また、自転車保険には民間が行う保険もありますが、これらの保険に区民がどのくらい加入をしているのか、実態を把握されているか、お聞きします。 自転車事故による賠償責任は、今後さらに重くなっていくことが予想され、自転車保険の加入促進が重要です。区内自転車販売店に自転車保険の案内を置いてもらう取組を行ってもらっている町会をさらに増やしていくなどが考えられますが、区長の見解をお伺いします。 また、自動車の強制加入保険のような制度創設を求める声や、国の制度として被害者への補償制度などを作るべきだという意見もあります。被害に遭われた方々が加害者に補償能力がないために泣き寝入りするという事態は打開する必要があります。区としても検討され、国や関係機関に意見を上げるべきと思いますが、区長の見解をお伺いいたします。 次に、自転車レーンの問題です。 自転車と歩行者を分ける自転車レーンは、歩行者の安全を守ることだけでなく、高齢者の安全を守るためにも重要な施策です。区は今まで、「区道に関しては実施できるところは検討する。国道や都道は関係機関に要請する」と答弁してきました。自転車レーンの促進に向け、国や都に繰り返し強く働きかけるべきだと考えますが、その後の状況について説明を求めます。 次に、子どもの安全を守る上でのヘルメットの普及についてです。 道路交通法では、「児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは乗車用ヘルメットをかぶせるよう努めなければなりません」とあります。現在は努力義務となっていますが、子どもの安全を守るためにさらなる普及が求められています。値段は3,000円から5,000円と幅がありますが、区としても購入のための補助金を創設するなどして普及を図るべきだと考えます。区長の見解をお聞きします。 同様に、幼児を守る点でも3人乗りの自転車の普及が求められています。値段が高いために普及が進んでいないと聞きますが、実態をどのように把握されているのか。文京区など他区では助成をしているところもあります。区でも助成制度を検討されるよう求め、区長の見解をお尋ねします。 質問の第3は、墨田区における非核・平和施策の推進についてです。 私は、8月4日から6日まで広島市で行われた原水爆禁止世界大会広島に参加してきました。大会の分科会で、高齢の被爆者の方が「長く核廃絶の運動を行ってきたが、NPTで、核廃絶で一致できたのは大きな一歩。核のない世界が見えてきた」と話されていました。長らく運動されてこられた被爆者のお話には説得力がありました。 また、広島平和記念館を訪ねました。実際に展示されている遺品や被爆し逃げ惑う親子を模したレプリカ、犠牲となった方々の生前の写真などを見ると、急に現実感がわいてきました。多くの被爆者が語られているように、当たり前の日常が突然破壊されてしまったのです。このような悲劇が二度と起きないように、被爆の実態を学び、伝えていくことが大切だと実感しました。 6日の平和記念式典では、広島市の秋葉市長が政府に対し、核の傘から離脱することを求めるとともに、2020年までに核兵器の廃絶を目指すことを宣言しました。この広島市が呼びかけた平和市長会議には、9月1日現在、国内外4,144の都市が加盟をし、東京23区では既に12区が加盟をしています。平和市長会議は、2020年までの核兵器廃絶を目指し、「2020ビジョン」を展開しています。秋葉市長は、2020年が大切な理由として、「一人でも多くの被爆者とともに核兵器の廃絶される日を迎えたいからであり、また私たちの世代が核兵器を廃絶しなければ、次の世代への最低限の責任さえ果たしたことにはならないからです」と述べています。 こうした平和市長会議に区長は加盟を検討すると表明されましたが、現在まで加盟していません。東京大空襲で甚大な被害に遭った墨田区としても、平和市長会議に加盟をし、平和への取組や核兵器廃絶への取組を進めることが必要だと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。 次に、東京スカイツリーに関連した平和施策の推進についてです。 スカイツリーのたもとの北十間川は、東京大空襲の際、隅田川と同様に多くの方が川に飛び込み犠牲になりました。北十間川は、スカイツリー開業時には護岸整備も完了し、当時の面影は見る影もなくなるほどきれいな護岸となります。しかし、65年前、区内でもおよそ7万人もの犠牲者が出た東京大空襲の悲劇は決して忘れてはいけないことです。 そこで、護岸整備に合わせ、東京大空襲で犠牲になった方々への慰霊碑や被害を示したパネルなど、何らかの後世に引き継ぐ記念碑が必要だと考えます。新タワーには、国内外から多くの観光客が訪れます。そこで、墨田区から平和の思いを発信することは非常に重要であると考えますが、区長の見解をお聞かせください。 次に、東京都慰霊堂に併設されている震災復興記念館の整備についてです。 震災復興記念館は、1931年に開館し、関東大震災の遺品や当時の状況を伝える絵画、写真などを展示しています。東京大空襲の遺品や被害状況の資料を展示しています。月曜日の休館日以外、無料で入館できます。 先日、東京大空襲を経験された方から、震災復興記念館について、「あれだけの資料があるのに、ただ飾っているだけではもったいない」との意見が出されました。展示物を見やすくするなどの努力と併せて、建物全体の老朽化や床のきしみや全体的な暗さもあり、改善の必要性を感じています。東京都の建物ではありますが、区としても区民の意見を取り入れ、内部を整備し、さらに利用しやすい施設とするよう都に働きかけるべきと考えます。区長の答弁を求めまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔区長 山崎昇君登壇〕 ◎区長(山崎昇君) それでは、ただいまのはら議員さんのご質問に順次お答えをいたします。 最初に、高齢者の所在不明問題について、何点かご指摘がございました。 背景や原因については、家族関係や地域のきずなが希薄化したことによる高齢者の安否確認が十分でないことと併せ、家族による死亡届や住民異動の未届けにより、住民登録や外国人登録と実態が異なる状況になっているということが挙げられます。 その対策といたしまして、民生委員による高齢者の実態把握活動や、喜寿、米寿の敬老祝金の手渡しでの贈呈による見守りや、高齢者みまもり相談室による地域における町会・自治会、老人会などの見守り活動の支援に取り組んでいるところでございます。 また、現在、見守り活動をより充実させるために、宅配業者等との協力関係ができないかどうか話合いを行っているところでございます。 住民基本台帳による実態調査につきましては、従来から転入・転居者への調査や、関係者・関係各課からの情報に基づく調査を行っているところでございます。今回の事態を受けまして、窓口課と関係各課との連携によりまして一層強化し、具体的には各種行政サービスの提供のない、そういった一定の高齢者につきまして実態調査を行いまして、最終的には居住の確認をした上で住民票等の削除をするというような対応もしてまいりたい、そのように思っております。 次に、地域包括支援センターの体制強化と高齢者みまもり相談室の整備についてお尋ねがありました。 設置場所の確保等解決すべき課題もありますが、できるだけ早い時期に地域包括支援センターの設置区域ごとに配置するよう計画を進めてまいりたいと存じます。 高齢者みまもり相談室の成果でございますが、昨年度の年間相談件数は約400件で、見守り対象者は約30人になります。そのうち、ほとんどを介護保険等の福祉サービスにつなげたところでございます。孤立死を防止したケースも数件あったと、そのように聞いております。 次に、緊急通報システムの普及についてでございます。 現在、消防庁直結型から民間型に移行する作業を行っております。民間型につきましては、従来、住民税非課税世帯は自己負担金300円であったものを、今年度から無料といたしまして、利用料の軽減を図ったところでございます。その結果、新規の申請数が例年の2倍程度増加しているという状況にございます。今後は、申請書類の簡素化等の改善を図りながら、一層の普及を図ってまいりたいと存じます。 次に、シルバー人材センターから高齢者の安否確認を含めた区報の宅配についてのご提案をいただきました。 このシルバー人材センターの活用のご提案につきましては、高齢者の見守りに関して有効であると、そのように思いますが、人材の確保、配布の確実性や財政的な側面を含め、さらに検討させていただきたい、そのように存じます。 高齢者のご質問の最後に、熱中症対策についてお尋ねがございました。 地域包括支援センターや高齢者みまもり相談室には、近隣の方から高齢者が熱中症になっているのではないかという、そういった不安の相談も寄せられております。その際、相談員が高齢者宅を訪問いたしまして、熱中症予防の指導をするとともに、近隣の方に見守りをお願いいたしまして、相談員から定期的に連絡を入れるなどの対応をとっているところでございます。 次に、生活保護受給者等へのクーラーの設置に対する質問でございます。 生活保護世帯への助成につきましては、夏季加算についてのご指摘もございましたが、現在、生活保護制度では、冬場の暖房費に相当する冬季加算というものがございますが、夏の電気代等を賄う夏季加算は制度としてございません。 したがいまして、今後、国の動向等を見極めてまいりたいと考えます。 さらに、低所得者へのクーラーの設置についてでございますが、区独自で助成すべきではないかとのご指摘でございますけれども、非課税世帯だけでも区内に5万世帯を超えるという状況にございますので、実施は極めて困難ではないか、そのように思っております。 次に、自転車事故を減らすための取組強化についてのご質問に順次お答えをいたします。 最初に、事故を減らす自転車の乗車マナーについてでございます。 近年、自転車の交通事故が増加傾向にありますが、本区においても平成21年度の総事故件数は983件のうち自転車事故件数は421件と、自転車が関連する交通事故は全事故の4割強の割合を占めております。また、自転車の歩道における無謀、無秩序な運転などルールを守らない利用実態も目立っております。 そのため区では、関係機関との連携によりまして、車道及び歩道における自転車の正しい通行方法に関する広報啓発活動や、小・中学生に対する自転車安全教室等の実施による交通ルール・マナーの向上、自転車安全利用キャンペーン等を通じた「自転車安全利用5原則」などのルールの周知を行っているところでございます。引き続きこの活動を充実するとともに、道路環境の整備などに努めまして、事故の減少に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、保険制度の抜本的拡充と被害者の補償制度確立等についてでございます。 区には、自転車事故での損害賠償に備える保険といたしまして、区民交通傷害保険に自転車賠償プランを組み込んだ保険がございます。また、この自転車賠償責任プランを組み込んだ保険の加入率は約6%となっております。これ以外にも民間で入っておられる方もいらっしゃると思いますが、そういった実態については把握をいたしておりません。 さらに、賠償額が100万円以上の件数についてでございますが、残念ながら、これについても区として把握をいたしておりませんので、ご理解をお願いいたします。 なお、東京都の交通安全実施計画において、自転車の定期的な点検・整備を促進して、自転車の安全な利用と自転車事故防止に寄与するとともに、万が一事故に遭った場合の被害者救済に資するために設けられたTSマークという制度を広めていく動きがございます。そこで、これからの自転車安全利用キャンペーンの中で、この制度や区民交通傷害保険への加入促進について、引き続き周知、普及を図ってまいりたいと考えます。 次に、自転車レーンの確立についてでございます。 本区では、東京都が浅草通りにおいて、歩行者と自転車の通行部分を視覚的に分離をいたしまして、自転車走行空間を整備しております。また、他の自治体でも社会実験としてカラー舗装による自転車レーンを設置しているところがあり、区としてもこれらの状況を把握しまして、本区でも適用できないかどうか検討させておりますが、現状としては、商店等の荷さばき等があるため、自転車と交錯するおそれがあり、専用レーンを設けることはなかなか難しい状況でございます。 しかしながら、国道や都道、あるいは区道の広幅員な路線において可能かどうか、引き続き検討させていただい、そのように考えております。 次に、子どものヘルメットの普及・促進についてでございます。 平成20年6月に施行されました道路交通法によりまして、「児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは乗車用ヘルメットを着用させるよう努めること」とされております。 区としては、第一義的には親の責務として子どもの安全を確保してもらうのが大切なことと考えておりますので、引き続き乗車用ヘルメットの着用規定について、広報や安全教室、キャンペーン等で一層の周知を図りまして、普及・啓発を行ってまいりたいと存じます。 また、幼児2人同乗用の自転車も平成21年7月の改正によりまして設置されたわけでございますが、まだ普及が進んでいない状況もありまして、実態の把握はできておりません。今後の動向を見ながら、どのような対応が必要か検討させていただきたい、そのように思います。 次に、非核・平和施策の推進についてでございます。 最初に、非核・平和施策の充実と平和市長会議への参加についてお尋ねがございました。 本区では、平成元年に世界の平和と人々の福祉向上の実現に一層努力することを誓った「墨田区平和福祉都市づくり宣言」を行い、平和意識の啓発・普及に向けたさまざまな事業を実施しているところでございます。 平和市長会議についても参加すべきではないかとのご意見でございますが、現在、23区で平和市長会議に参加しているのは12区と聞いております。私といたしましては、本区は東京大空襲で最も被害の多かった地域でもあり、核兵器廃絶とともに戦争の根絶に向けた取組も極めて重要と考えております。 したがいまして、区が行っております平和福祉都市づくり宣言との連動も含めまして、平和市長会議への参加については考えてまいりたいと存じております。 次に、東京スカイツリーに関連した平和施策の推進として、北十間川の護岸整備に合わせまして、東京大空襲で亡くなられた方々への慰霊碑などの設置についてご提案がございました。 ご承知のとおり、本区には関東大震災、東京大空襲によってとうとい命をなくされた方々の慰霊のための施設として東京都慰霊堂がございます。この慰霊堂は、両国地域のまち歩きを促進する上で重要な名所の一つでございまして、また、東京スカイツリーを訪れた方々がこの慰霊堂を訪れ、平和の尊さについて実感し、平和に関する資産としても受け入れていただける施設であると考えられます。 今後とも、この慰霊堂の存在を積極的に情報発信していくことによりまして、国内外から訪れる多くの観光客に対しても恒久平和の願いを伝えていくことができるものと考えておりますので、ご理解のほどお願いをいたします。 最後に、東京都慰霊堂に併設されている震災復興記念館の整備についてのお尋ねでございます。 震災復興記念館は、関東大震災の復興資料や東京大空襲による戦災関係資料等、貴重な資料が多数展示されておりまして、区の平和施策にとっても大変重要な施設であると認識をしております。過去に都において、この復興記念館を平和記念館にするとの構想もありましたが、実現に至らなかった経緯もございます。 したがいまして、現在の復興記念館の再整備という機会をとらえ、東京都や東京都慰霊協会に対しまして、展示方法や施設の改善については要望してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(木内清君) 以上で一般質問は終了いたしました。--------------------------------------- ○議長(木内清君) これより、本日の日程に入ります。 日程第1及び日程第2を一括して議題に供します。   〔事務局朗読〕 △第1 議案第59号 災害に際し応急措置の業務に従事した者等に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例 △第2 議案第60号 墨田区協治(ガバナンス)推進条例 ○議長(木内清君) 本案に関し、執行機関の説明を求めます。   〔副区長 田中進君登壇〕 ◎副区長(田中進君) ただいま議題に供されました議案第59号及び議案第60号の2議案につきまして順次ご説明申し上げます。 まず、議案第59号・災害に際し応急措置の業務に従事した者等に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。 本案は、児童扶養手当法の一部改正により、新たに父子家庭にも児童扶養手当が支給されることに伴い、同法を引用している当該手当と年金たる損害補償の給付との調整に係る規定について、所要の規定整備をするものでございます。 改正条例の施行日は、公布の日としております。 次に、議案第60号・墨田区協治(ガバナンス)推進条例についてご説明申し上げます。 本案は、区民福祉を増進させ、だれもが安心して快適に暮らすことができる魅力や活力あふれる地域社会を実現するため、墨田区における協治(ガバナンス)によるまちづくりの基本理念及び基本原則を明らかにするとともに、区民等及び区のそれぞれの役割並びに協治(ガバナンス)によるまちづくり推進のための区政の仕組み等について定めるものでございます。 それでは、本条例の主な内容についてご説明申し上げます。 主な内容は、4点でございます。 第1点目は、協治(ガバナンス)によるまちづくりの基本理念及び基本原則についてでございます。 協治(ガバナンス)によるまちづくりは、区民等及び区がともにまちづくりを担う主体であることを基本理念として行われるものとし、この基本理念に基づき情報の共有の原則、参加の原則及び協働の原則を協治(ガバナンス)によるまちづくりの基本原則とすることとしております。 第2点目は、協治(ガバナンス)によるまちづくりを担う主体の役割についてでございます。 まず、区民等の権利及び役割についてでございます。区民等は、区政情報を知る権利、区の政策過程に参加する等の権利及び自ら主体的にまちづくりを行う権利を有するとともに、まちづくりに関する情報を共有する役割、まちづくりにおいて互いに協力する役割等を持つこととしております。 次に、事業者の役割についてでございます。事業者は、まちづくりに参加する上で、他の区民等及び区と互いに連携、協力し、地域社会との調和等の社会的責任を果たすよう努めるものとしております。 次に、コミュニティの役割・尊重についてでございます。コミュニティは、区民等の自主的な参加を通じて、互いに協力して地域の課題解決に努めるとともに、区民等及び区は、コミュニティによる自主的かつ自立的なまちづくりを尊重し、守り育てるものとしております。 続きまして、区の役割についてでございます。区は、自主的かつ自立した区政運営を行うとともに、区民等と協力しながら、積極的に協治(ガバナンス)によるまちづくりを推進することとし、区議会の権限と責務や区長等の責務等について定めております。 まず、区議会の権限と責務につきまして、区議会は、区政の重要事項に関する意思決定、政策立案、執行機関の監視等の権限を持ち、これらの権限を行使するに当たっては、区民等の意見、提案等を適切に反映し、十分に議論を行うとともに、区民等と議会活動に関する情報の共有を図り、開かれた議会運営を行うこととしております。 さらに、区議会議員は、区民等の意見等又は地域の課題を的確に把握するとともに、自らの活動に関する情報の発信を積極的に行うものとしてございます。 また、区長等は、自らの判断と責任において、公正かつ誠実に区政を運営し、及び事務を執行することとし、その上で区長は、協治(ガバナンス)によるまちづくり推進のための区政の仕組みの構築を積極的に行うとともに、区組織の横断的な連携及び区職員の育成を促進すること等により、その環境整備に努めることとしております。 最後に、区職員の責務についてでございまして、区職員は、誠実、公正かつ創意を持って職務を遂行し、区民等の信頼を得るよう努めるものとし、区民等との連携促進等に関する必要な知識の習得及び能力の向上に取り組むとともに、区民等の意見等を十分に把握し、説明責任を果たすこととしております。 第3点目は、協治(ガバナンス)によるまちづくりの推進のための区政の仕組みについてでございます。 まず、情報の共有についてでございまして、区は、区民等の知る権利を保障し、区政情報について適切な公開及び提供を行うことにより、情報の共有を推進する等のほか、墨田区情報公開条例の定めるところにより、区政情報の提供の総合的な推進を図ることとしてございます。 次に、区政への参加についてでございまして、区は、区政の各分野における施策の基本的な方針、その他基本的な計画等の策定及び変更など、区政運営の重要事案については、法令の定めによるもの等を除き、区政への参加の機会を区民等に保障するものとしてございます。 次に、協働の推進についてでございまして、区は、区民等が協働の意義及び目的を共有し、ともに活動することができるよう支援するための総合的な施策を行い、必要に応じて区民等及びコミュニティによるまちづくりを支援することとしております。 第4点目は、本条例の実効性の確保等についてでございます。 区は、本条例の普及等に努めるとともに、本条例の施行状況を検証し、その改善に努め、必要に応じ見直しを行うこととしてございます。 本条例の施行日は、平成23年4月1日としております。 以上で、各議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○議長(木内清君) これより質疑に入ります。 ただいまのところ、通告はありません。 ご質疑はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(木内清君) ご発言がないようですから、以上で質疑を終わります。 本案は、いずれもお手元に配布いたしました議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。--------------------------------------- 平成22年第3回墨田区議会定例会議案付託事項表〔巻末議案付託事項表参照〕--------------------------------------- ○議長(木内清君) 日程第3を議題に供します。   〔事務局長朗読〕 △第3 議案第58号 平成22年度墨田区一般会計補正予算 ○議長(木内清君) 本案に関し、執行機関の説明を求めます。   〔副区長 田中進君登壇〕 ◎副区長(田中進君) ただいま議題に供されました議案第58号・平成22年度墨田区一般会計補正予算についてご説明申し上げます。 この説明に入ります前に、本年度の都区財政調整の区別算定が確定いたしましたのでご報告申し上げます。 本区の算定額は、基準財政収入額が205億825万9,000円で、対前年度比22億4,782万4,000円で、9.9%の減。基準財政需用額が534億3,840万1,000円で、対前年度比55億4,902万1,000円で、9.4%の減となり、差し引きの普通交付金の額は329億3,014万2,000円、対前年度比33億119万7,000円で9.1%の減となっております。 それでは、議案第58号・平成22年度墨田区一般会計補正予算についてご説明申し上げます。 補正額は1億5,530万円の増額で、補正前の額と合わせますと予算の総額は1,043億8,940万円となります。 初めに、歳出でございますが、区民生活費では3,650万円を計上しております。このうち区民諸費では、高齢者等で地上デジタル放送への対応が困難な世帯に対する支援策の経費として500万円を追加計上しております。また、文化振興費では、すみだ北斎美術館建設に伴う実施設計等の経費として3,150万円を追加計上しております。 次に、衛生費では8,470万円を計上しております。このうち公衆衛生費では、日本脳炎及び新型インフルエンザ予防接種経費として予防接種費に7,500万円を、公害健康被害者予防接種助成費に220万円をそれぞれ追加計上しております。また、衛生管理費では、この予防接種の拡充に伴う健康情報システムの改修経費として750万円を追加計上しております。 最後に、産業観光費では3,410万円を計上しております。このうち商工費では、すみだスタンプIT化推進事業費として2,410万円を追加計上しております。また、観光費では、観光アートプロジェクト推進事業に伴うアート作品の設置工事費として1,000万円を追加計上しております。 以上、歳出を合計いたしますと1億5,530万円となります。これに引き充てます財源は、分担金及び負担金165万円のほか、国庫支出金1,260万円、都支出金630万円、繰越金1億565万円、諸収入500万円、繰入金2,410万円を追加計上しております。 また、繰越明許費として、すみだ北斎美術館建設事業につきまして、地方自治法第213条第1項の規定により480万円を翌年度に繰り越して使用することができる経費としております。 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○議長(木内清君) これより質疑に入ります。 ただいまのところ、通告はありません。 ご質疑はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(木内清君) ご発言はないようですから、以上で質疑を終わります。 本案は、お手元に配布いたしました議案付託事項表のとおり、所管の常任委員会に審査を付託いたします。--------------------------------------- 平成22年第3回墨田区議会定例会議案付託事項表〔巻末議案付託事項表参照〕--------------------------------------- ○議長(木内清君) 日程第4から日程第8までを一括して議題に供します。   〔事務局長朗読〕 △第4 議案第61号 北十間川護岸整備工事(その2)請負契約 △第5 議案第62号 北十間川浄化施設等整備工事請負契約 △第6 議案第63号 墨田区立保養所の指定管理者の指定について △第7 議案第64号 墨田区小規模企業特別融資資金に係る債権の放棄について △第8 議案第65号 墨田区営住宅建物明渡等請求に係る訴えの提起について ○議長(木内清君) 本案に関し、執行機関の説明を求めます。   〔副区長 田中進君登壇〕 ◎副区長(田中進君) ただいま議題に供されました議案第61号から議案第65号までの各議案につきまして順次ご説明申し上げます。 まず、議案第61号・北十間川護岸整備工事(その2)請負契約及び議案第62号・北十間川浄化施設等整備工事請負契約につきましてご説明申し上げます。 これら2議案は、北十間川の水辺空間を整備するための護岸整備工事及び浄化施設等整備工事に係る請負契約案件でございます。 まず、議案第61号・北十間川護岸整備工事(その2)請負契約でございますが、坂田・東武谷内田建設共同企業体ほか1建設共同企業体による一般競争入札を行った結果、坂田・東武谷内田建設共同企業体が4億4,625万円で落札し、8月16日に仮契約を結んだものでございます。 次に、議案第62号・北十間川浄化施設等整備工事請負契約でございますが、荏原実業株式会社ほか2社による一般競争入札を行った結果、荏原実業株式会社が3億2,550万円で落札し、8月3日に仮契約を結んだものでございます。 なお、工期につきましては、いずれも契約締結の日の翌日から321日間としております。 次に、議案第63号・墨田区立保養所の指定管理者の指定についてご説明申し上げます。 本案は、平成18年4月1日から指定していた墨田区立伊豆高原荘の指定管理者の指定が平成23年3月31日をもって期間満了となることに伴い、地方自治法第244条の2第3項の規定に基づき改めて指定管理者を指定するものでございます。 この指定に当たりましては、区のお知らせ等で公募したところ、2事業者の応募があり、厳正な審査の結果、株式会社馬渕商事を指定するものでございます。 指定の期間は、平成23年4月1日から平成28年3月31日までの5年間としております。 次に、議案第64号・墨田区小規模企業特別融資資金に係る債権の放棄についてご説明申し上げます。 本案は、墨田区小規模企業特別融資資金の金融機関に対する損失補償に係る譲受債権を放棄するものでございます。 この債権につきましては、主たる債務者及び連帯保証人ともに破産免責の決定を受けていることから、回収することが困難であると判断し、債権を放棄するものでございます。 次に、議案第65号・墨田区営住宅建物明渡等請求に係る訴えの提起についてご説明申し上げます。 本案は、区営住宅の不正入居者との紛争の早期解決を図るため、建物明渡等請求に係る訴えを提起するものでございます。 それでは、本件訴えの請求の要旨についてご説明申し上げます。 本区は、本年5月31日、当該入居者に対し、使用料等の滞納を理由として墨田区営住宅条例第38条第1項の規定により、対象物件の使用許可を取り消しました。しかし、当該入居者は、その後において対象物件を不正に占有しているので、同人に対し、建物の明渡し並びに使用料等の滞納分の支払及び使用許可の取消しの日の翌日から建物明渡しまでの使用料相当分の支払を請求するものでございます。 なお、本件訴訟において必要があるときは、和解及び上訴をすることができることとしてございます。 以上で、各議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○議長(木内清君) これより質疑に入ります。 ただいまのところ、通告はありません。 ご質疑はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(木内清君) ご発言がないようですから、以上で質疑を終わります。 本案は、いずれもお手元に配布いたしました議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。--------------------------------------- 平成22年第3回墨田区議会定例会議案付託事項表〔巻末議案付託事項表参照〕--------------------------------------- ○議長(木内清君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 委員会審査のため、会議は明日から休会いたします。 本会議は、来る9月30日午後1時から開会いたします。 ただいまご着席の方々には、改めて開議通知をいたしませんから、さようご承知願います。 本日は、これをもって散会いたします。     午後4時29分散会                           議長  木内 清                           副議長 樋口敏郎                           議員  林 恒雄                           議員  片倉 洋...