• 鳩山由紀夫(/)
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  1. 台東区議会 2011-12-02
    平成23年第4回定例会-12月02日-02号


    取得元: 台東区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-13
    平成23年第4回定例会-12月02日-02号平成23年第4回定例会 平成23年第4回定例会 東京都台東区議会会議録(第13号) ●12月2日(金)                     (以下敬称略) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席議員(32名)      1番  鈴 木   純          2番  望 月 元 美      3番  東   久仁子          4番  本 目 さ よ      5番  君 塚 裕 史          6番  松 尾 伸 子      7番  寺 田   晃          8番  小 髙   明      9番  阿 部 光 利         10番  早 川 太 郎     11番  石 川 義 弘         12番  髙 森 喜美子     13番  石 塚   猛         14番  水 島 道 徳     15番  河 野 純之佐         16番  小 坂 義 久     17番  冨 永 龍 司         18番  秋 間   洋     19番  鈴 木 一 郎         20番  和 泉 浩 司     21番  太 田 雅 久         22番  青 柳 雅 之     23番  木 下 悦 希         24番  小 菅 千保子     25番  堀 越 秀 生         26番  橋 詰 高 志
        27番  寺 井 康 芳         28番  伊 藤 萬太郎     29番  木 村   肇         30番  清 水 恒一郎     31番  田 中 伸 宏         32番  茂 木 孝 孔 欠席議員 な し 欠  員 な し ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席説明員  区長         吉 住   弘    副区長        生 沼 正 篤  教育長        野田沢 忠 治    企画財政部長     矢 下   薫  総務部長       和 田 人 志    危機管理室長     中 沢 陽 一  区民部長       五所尾 武 司    文化産業観光部長   田 邉 英 一  福祉部長       齊 藤   充    健康部長       荒 川 聡一郎  環境清掃部長     池 田 吉 輝    都市づくり部長    川 合 紀 子  教育委員会      須 賀   裕    企画課長       石 野 壽 一  事務局次長  財政課長       岡 田 和 平    区長・広報室長    秋 山 欣 也  総務課長       髙 栁 正 治 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 区議会事務局  事務局長       西 島 久 雄    事務局次長      木 村 隆 明  議事調査係長     行 田 俊 男    議事調査係主査    吉 本 由 紀  書記         志 摩 映巳子    書記         中 村 壽 秀  書記         松 浦 和 子    書記         浅 見   晃  書記         鈴 木   陽 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 議事日程 日程第 1 第66号議案 東京都台東区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 日程第 2 第67号議案 東京都台東区幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 日程第 3 一般質問 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――           午後 1時02分 開議 ○議長(青柳雅之 さん) ただいまから本日の会議を開きます。  あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員については、会議規則第128条の規定により、     19番 鈴 木 一 郎 さん     20番 和 泉 浩 司 さん をご指名いたします。  ───────────────────────────────────────── ○議長(青柳雅之 さん) 事務局長に諸般の報告をさせます。  なお、報告については、既に書類をもって送付しておりますので、内容等の朗読は省略いたします。           (西島事務局長報告)  ───────────────────────────────────────── △日程第1及び △第2、第66号議案、東京都台東区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外1件 ○議長(青柳雅之 さん) これより日程に入ります。  日程第1及び第2、第66号議案、東京都台東区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外1件を一括して議題といたします。  本案について、提案理由の説明を求めます。  副区長。           (副区長生沼正篤さん登壇) ◎副区長(生沼正篤 さん) ただいま上程されました、第66号議案及び第67号議案の2議案につきまして、一括して提案理由のご説明を申し上げます。  これらはいずれも本年10月28日に特別区人事委員会から提出された特別区職員の給与に関する報告及び勧告に基づき、職員の給与の改定を行うものでございます。  以上、2議案につきまして、よろしくご審議の上、いずれも可決賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(青柳雅之 さん) 以上で、提案理由の説明は終了いたしました。  ただいま上程されました議案につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見聴取が必要であります。議長において既に手続をとりました結果、回答がありましたので、事務局長に報告させます。           (西島事務局長報告)                                   23特人委給第308号                                   平成23年11月30日  台東区議会議長  青 柳 雅 之  様                      特別区人事委員会委員長  西 野 善 雄      「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)  平成23年11月29日付23台議第375号で意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。                    記  第66号議案 東京都台東区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例  第67号議案 東京都台東区幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例  ───────────────────────────────────────── ○議長(青柳雅之 さん) おはかりいたします。  日程第1、第66号議案については企画総務委員会に、日程第2、第67号議案については区民文教委員会にそれぞれ付託いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。           〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(青柳雅之 さん) ご異議ないと認めます。よって、日程第1、第66号議案については企画総務委員会に、日程第2、第67号議案については区民文教委員会にそれぞれ付託することに決定いたしました。  ───────────────────────────────────────── △日程第3 ○議長(青柳雅之 さん) 日程第3、一般質問を行います。  一般質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。  12番髙森喜美子さん。           (12番髙森喜美子さん登壇)(拍手) ◆12番(髙森喜美子 さん) 自由民主党・無所属の会の髙森喜美子でございます。  お許しをいただきまして、通告の順に従い、一般質問を行います。時間がありませんので、早速、質問に入らせていただきます。  初めに、施設の保全計画について伺います。  台東区の区有施設は、仮設的なものを除き、226棟あり、昭和59年以前に建てられた建物は104棟で、全体の46%に当たります。あと3年で築30年以上となる建物です。当然、補修や維持管理に大変費用のかかる時期を迎え、さまざまな問題もないとはいえない状況になってまいります。  この中には、リバーサイドスポーツセンターや柏葉中学校のように、大規模修繕により生まれ変わった建物もありますし、本庁舎や朝倉彫塑館、千束保育園など、改修中のものもあります。そのほか、多くは施設補修要請により、故障や不具合のある部分の改修を行って使っている状況です。  建物の耐用年数は、鉄骨・鉄筋コンクリートづくり及び鉄筋コンクリートづくりでは60年とされています。ほとんどの建物は、この範囲ですので、あと30年は使い続けられると考えられます。  しかし、時代の変化や使い方、老朽化など、一定の大規模改修が必要な建物も多くあります。  平成18年に、区有施設保全計画中間のまとめをつくりました。計画期間は、平成19年から平成33年までの15年間とし、必要に応じて5年ごとに見直すとしています。  しかし、その後、施設の保全計画は示されていません。時がたてば経年劣化はさらに進みます。公共施設を安全で快適に、しかもできるだけ長く使い続けることができるように、維持・保全を図ることは、当然の責任であります。一度に多くの大規模改修は、財政負担も大きくなり、不可能ですから、計画的に進める必要があるわけです。  中間のまとめでは、計画の目的として、少しでも長く活用すること、財政への悪影響を平準化することとされています。  平成20年に、台東区耐震促進計画が公表されました。建物の耐震改修に関する法律により、区有建物の耐震化100%の目標を、平成27年までに達成することとしました。まずは、耐震の改修、そこは計画的に進めることになったわけです。  しかし、全体計画は19年から5年目の今日まで示されずにいます。財政が厳しいから計画してもできない。ならば、とりあえず耐震改修だけを。これでいいのでしょうか。結局は、問題を先送りし、将来の負担に回ってしまう懸念を持ちます。思考停止状態では済まされません。例えば、維持・改修費など、年間の経費を数年分前倒しして、一定の大規模改修をしようと考えることもできるのではないでしょうか。施設の必要性や優先度を見きわめて、区有施設の保全計画を、所期の目的どおり策定すべきと考えます。財政負担の大きい事業だからこそ、計画性が問われるのです。区長のご見解をお示しください。  次に、地域防災計画について伺います。  ことし3月11日の東日本大震災は、地震による建物の倒壊、液状化、その後襲った巨大津波に流される二重の被害であり、東京電力福島第一原子力発電所の事故は、放射能という次元の違う被害を加えました。産業の再生と将来を見据えた都市計画を示し、住民が希望の持てる地域の復興を早急に進めなければなりません。政府に求めるものは、断固たる決意と推進する力強さです。  しかしながら、今日まで首相の交代はありましたが、将来のビジョンが見えず、気迫さえ感じられないのはどうしたことでしょうか。関東大震災当時の政府の対応は、3日後にはバラックといわれる仮設住宅を建て始め、2カ月後には8万6,000人を超える人を収容したと言われています。また、発災4週間後に、後藤新平は復興計画を提案していたのです。危機感の違いなのでしょうか。  翻って、東日本大震災の大きな教訓から、台東区は何を学ばなければならないのでしょうか。大きな揺れは、区民の住まいにも、外壁の落下や亀裂の被害を及ぼしました。高層住宅の揺れ、帰宅困難者なども実感させられました。計画の想定を越える地震の大きさや津波の脅威は、全国の地域防災計画の基本を揺るがしました。  区議会におきましても、第2回定例会、第3回定例会で、各会派より防災に関する質問が行われ、問題点の指摘がなされました。区長の答弁も、積極的であり、頑張っているのはわかります。しかし、中身がよくわかりません。  その理由は、地域防災計画の中で検討するという答弁で締めくくられているからではないでしょうか。  地域防災計画の重要性は十分に理解いたしますが、計画ができれば、それですべて終了というわけにはいきません。組織が計画どおりに動くためには、各部において、学校や幼稚園、保育園、高齢者や障害者の施設、図書館など各施設の防災対策の点検や、環境の課題の確認も大切です。現場がスムーズに、混乱なく対処できるような取り組みも必要です。  台東区事業継続計画では、職員行動マニュアルの改訂を23年度に行うとされています。各部においては、現場の状況を踏まえた行動マニュアルとするために、どのような工夫をしているのか、これまでとどう違うのかお聞かせください。  住民、地域の防災についても、地域に合った防災意識の形成と、具体的な取り組みが欠かせません。現状を把握し、防災への共通認識を持つことは、いざというときのために必要です。例えば、地域の危険箇所の確認、避難路の確認、高齢者・障害者など災害弱者の把握、地域消火器の認識と活用、井戸の確認と日常の活用、防災備品の確認など、具体的な認識です。個人では、家具の転倒防止、ガラス・食器の飛散防止、消火器の設置、非常持ち出しの確保、万が一の家族の連絡などです。実に基本的なことですが、地域の現状を把握し、防災について認識を深めるため、各町会住民に防災に対するアンケート調査をすべきと考えます。アンケートの結果をもとに、みずから準備すべきこと、行政に頼みたいこと、町会として備えることなどの整理ができます。個人も町会も、そして台東区も、共通の認識に立ち、効果的な防災対策を進められるような調査をしていただきたいのです。お考えをお示しください。  住民1人1人が、いざというときにどう行動すればいいのか、自分の身を守る基本的なパターンを身につけることが大切です。危険をイメージできることで、命を守れた例が、今回の震災でも幾つも報道されています。本区でも、近所で火災が起きたらあそこの消火器で消火しようとか、通報はどうしようとか、具体的に想定をしながら話し合い、問題点を把握して、それを町会の防災行動マニュアルにまとめてはどうでしょうか。住民の意識啓発と備品の確認、訓練に役立ちます。町会防災行動マニュアルをつくれるように、区は支援すべきと考えますが、区長のご見解をお示しください。  既に、町会の中には、東日本大震災を契機に、地域防災について考え、行動を始めているところもあります。町会により、取り組みには差があります。区民との密接な連携なしに、地域防災計画は実効性のあるものになりません。  台東区は狭いといっても地域特性があります。木造密集地域の谷中・根岸、昼と夜の人口差の多い上野・御徒町、中小企業と住宅の混在する南部地域、観光客の多い浅草地域、住宅の多い北部地域、特性に合った防災意識の定着が必要です。  これまでも、自主防災組織が町会を中心に組織されてきました。防災資機材や備品も要請に応じて支援していますが、その活用状況は自主防災組織任せのところがあり、実際の効果について検証されていません。いざというときに活用できるように、地域特性を考慮に入れて、資機材のあり方をもう一度検証し、標準的な準備のあり方も示していただきたいのです。区長のご見解をお聞かせください。
     防災資機材や備品を防災訓練で活用し、効果を上げている町会もあると聞いていますので、よい例を参考に、区内に広がることを期待しております。  また、避難所ごと避難所運営委員会の取り組みも、毎年実施しているところと形骸化しているところのばらつきがあるように思います。町会ごとの連携が必要であり、避難所の防災備品の点検やいざというときの情報伝達、役割分担、避難、炊き出し、配布、マナーなど、さまざまな課題を話し合う必要があります。現状を踏まえ、今後どのように避難所運営委員会の活動を支援するのか、お考えをお示しください。  企業の責任と地域の連携について伺います。  地域の企業、事業所の防災対策の現状は把握していますか。従業員のための食料や飲料水の備蓄、消火器の有無、事業所内の書棚転倒防止、机の移動防止など対策の有無、町会との連携体制など、働く場の防災も重要な要因です。  消防法に定められている大きな企業ばかりではありません。実態が問題です。企業にも防災準備の必要性と地元町会との連携を促す必要があると考えます。企業へのアプローチは、どのように進めますか。帰宅困難者を出さないために、交通機関がストップした場合は、会社での待機や宿泊も視野に入れ、事前に準備することが従業員の安全につながります。企業の防災準備状況と課題について、区長のご見解をお示しください。  次に、交通安全と自転車対策について伺います。  交通安全は、社会生活の中でも、だれもが願う課題の一つです。統計では、平成22年中の交通事故の死亡者は4,863人で、10年連続で減少傾向にあります。安全意識の向上や道路の整備、安全設備の充実、取り締まりの強化などの成果と言えましょう。  しかし、死亡者は諸外国と比較しても高齢者の占める割合が極めて高いのです。高齢化は急速に進むことを考えると、高齢者が安心して外出し、また移動したりできるような交通社会の形成が望まれます。全体の交通事故死者に占める歩行者の割合も3割を超え、欧米諸国と比較して、これも高い割合となっています。  警察庁は歩道での安全を確保するため、自転車総合対策をまとめ、公表しました。自転車のルールを徹底しようというものです。東日本大震災以降、都市部では自転車で通勤する人もふえています。中には、時速四、五十キロのスピードで走るスポーツタイプの自転車で、車道と歩道を縫うように走る危険な人も見かけます。また、ピストと呼ばれる競技用自転車が人気で、ブレーキを外した危険な自転車も走っています。こうした危険な自転車を取り締まることは重要です。これからは、道路交通法に定められているように、自転車は、原則、車道を通行することを徹底的に指導するとしています。もちろん、これまで同様、13歳未満の子ども、70歳以上の高齢者、体の不自由な方の歩道通行は、例外として認められます。道路標識で指定された歩道も通行できます。私は、子どもを前や後ろに乗せて移動せざるを得ない子育て中の女性の自転車は、例外に入れていただきたいと思います。区長から、ぜひ申し入れていただきたいとお願いをいたします。  自転車のルールの厳格化と同時に、通行帯の整備も進め、自転車の走る場所は、車道の端に色で区分けする。歩道と歩道を結ぶ自転車通行帯はなくすなど、道路の様子も変わるところが出てくるようです。来年24年1月より実施の予定とのことですが、区は、今回の自転車総合対策についてどのような説明を受けているのか、警察とどのような連携と役割分担をするのか、区民への周知はどうするのかお示しください。  自転車交通ルールの教育について伺います。  警視庁が自転車に関する法令や規則についてアンケートしたところ、車道通行の原則と歩道通行の例外について、46%が知っているか、知っているが守らない、余り守らないと回答し、歩道通行できる条件については38%が知らなかったと答えるなど、規則の周知が進んでいない実態が明らかになりました。自転車のみならず、歩行者、自動車、それぞれの立場になる可能性は、お互いにあるのです。安全のために、だれもがルールの再認識と相手を配慮する気持ちの余裕を持ちたいものです。  交通安全対策として、台東区でも安全教室を開き、小学生に自転車の安全な乗り方と交通ルールを教えています。子どもと一緒に親にも参加してもらい、ともに自転車の交通ルールを知ってもらう必要も出てきました。中学校、高等学校でも安全教室を実施している自治体もありますし、実技とルールの簡単なテストに合格すると、自転車免許証を出している自治体もあります。自転車のルールの認識を広め、安全な交通社会実現のために、さまざまな取り組みを参考にしながら、本区独自の自転車免許証について考えてはいかがでしょうか。ご見解を伺います。  次に、自転車専用道路の整備について伺います。  現在、浅草通りのシンボルロード化に合わせて、自転車専用道路も整備されています。この場合は、歩道の一部を自転車の通行区分として整備されているので安心感があります。車道の端に色分けして自転車の通行帯をつくる場合と、安全の点で全く異なると思います。自転車の通行環境については、自転車台数の増加にもかかわらず、後回しにされてきた経緯があります。交通量が多く、道幅の限られている中で、今後はどのような基準で自転車道路や自転車の通行区分帯を整備していくのか、ご説明ください。  整備計画は、国道、都道、区道、それぞれどのように進めるのかお示しください。  最後に、庁舎の自転車置き場の適正利用と整備について伺います。  現在、庁舎改修工事のため、来庁者の自転車置き場として、旧下谷小学校の敷地に仮置き場が設けられました。これまでの庁舎の自転車置き場はいっぱいでなかなかとめられないという経験のある方も多いと思います。余りにも管理不行き届きで、庁舎に用のない人でも、そこにとめて1日じゅう置きっ放しがまかり通っていました。来庁者が利用しやすいように、さまざまな管理の方法を検討し、目的にかなうよう整備すべきと考えます。庁舎の改修を契機に、自転車置き場の整備について、区長のご見解をお示しください。  以上で、私の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(青柳雅之 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 髙森議員のご質問にお答えをさせていただきます。  ご質問の第1は、区有施設の保全計画についてでございます。  区有施設につきましては、常に安全で安心して利用できるよう、適切な維持・保全を図っているところでございます。  特に、耐震化が必要な施設につきましては、区有建築物耐震化整備プログラムを策定し、積極的に整備を進めているところでございますが、議員ご指摘のとおり、既存の施設の中には、老朽化が進んでいるものもあり、今後、その更新や維持管理等に要する経費の増大が見込まれております。  私は、施設を良質な資産として次世代に適切に引き継ぐことが重要であると認識いたしております。  そこで、今後の施設整備につきましては、財政負担の平準化を初め、長寿命化、適正な施設数、効率的な利活用といった経営的視点が必要と考えております。  こうしたファシリティ・マネジメントの考え方につきましては、行政経営推進プランに基づき、来年度はその基本方針を策定したいと考えております。その後、中長期的な展望に立った保全計画の策定にかかる検討も進め、公共施設の効率的かつ計画的な維持・保全を図ってまいります。  ご質問の第2は、地域防災計画についてでございます。  まず、職員行動マニュアル事業継続計画の改訂についてでございます。  今回の東日本大震災の対応におきましては、指示命令系統や情報連絡に混乱が生じるなどの課題がございました。  職員行動マニュアルの改訂に当たり、震災対応の教訓や訓練を踏まえた見直しに加え、被災地へ派遣した職員が経験した避難所運営などに関する意見を反映させるなど、工夫を行ってまいります。  さらに、職員が迅速、的確に対応できるよう行動フローの策定や個別の活動マニュアルの追加整備をしてまいります。  また、事業継続計画につきましては、地域防災計画の修正との整合性も図りながら、非常参集時の職員配備や資機材の有効活用など、より効果的となるよう見直しを行ってまいります。  次に、防災に関するアンケートについてでございます。  区民の方々の防災に対する意識や対策を調査することは重要なことと認識いたしております。本年実施した区民意識調査では、防災に関する設問をふやしたところでございます。  また、町会への防災に関する意識調査につきましては、今月中に実施すべく準備を進めているところでございます。  調査結果から、個人の備え、地域の備え、区への要望などを整理して、地域防災計画の修正や、地域の防災マニュアルづくりに反映させてまいりたいと考えております。  次に、町会防災マニュアルについてでございます。  町会防災マニュアルは、その策定を通して、自分の家庭や地域の安全の確保、身近にある防災上の危険箇所など、危険を具体的にイメージできることから、災害時には大いに役立つこととなります。区民による自助・共助の取り組みを一層促進するために、マニュアルの例示や専門的なアドバイスなど、より積極的に策定の支援をしてまいります。  次に、自主防災組織の資機材についてでございます。  自主防災組織では、区からの助成金を活用して資機材等を購入しております。  区では、毎年末に実施している調査により、各組織の資機材配置状況を把握しておりますので、今後は、標準的な資機材配置例を示すとともに、適切なアドバイスを加えるなどにより、自主防災組織の資機材が地域特性に即した効果的なものとなるよう提案してまいります。  次に、避難所運営委員会についてでございます。  これまでは、避難所単位訓練を契機に、自主的な避難所運営の体制づくりを促してまいりましたが、東日本大震災を受け、現在、避難所ごとに防災協力員の役割などについて確認作業を進めているところでございます。  今後は、避難所となる学校等の施設の管理者と協力して、避難所ごとに運営に関する協議の場を設けるとともに、マニュアルづくりの支援を行うなど、区として避難所対策を積極的に推進してまいります。  次に、区内の企業や事業所の防災対策についてでございます。  大規模災害発生時には、地域における地元企業の果たす役割は極めて重要であり、企業では、地域貢献の観点も含めた防災対策を立てていく必要があります。  しかしながら、小規模な企業等について、個々の防災対策を把握・指導していくことは難しいと考えております。  このことから、企業がとるべき防災対策については、現在、検討を進めている災害対策に関する基本条例の中に盛り込むとともに、さらに、それらの対策が効果的に進められるよう、さまざまな方策についても検討してまいります。  ご質問の第3は、交通安全と自転車対策についてでございます。  まず、警察庁の自転車総合対策についてでございます。  警察庁では、近年の自転車事故の割合の高さや、利用者のルール・マナー違反がふえていることから、この10月に通行環境の確立、ルール周知と安全教育の推進、指導取り締まりの強化などの自転車総合対策を打ち出したところでございます。  警視庁ではこの対策を受け、車道への自転車通行場所の明示や、歩道走行の例外を除き、車道を走るよう促すなどの対策を実施するとしております。  また、役割分担につきましては、取り締まりは警察署が行い、通行環境の整備やルールの周知などは、区と警察が協力して進めてまいります。  さらに、周知につきましては、交通安全教室、区の広報などにより行ってまいります。  次に、自転車の交通ルールの教育についてでございます。  現在、本区では、区内各警察署と協力し、小・中学生や老人クラブへの交通安全教室を実施するなど、交通ルールの遵守・マナーの向上、また、その周知に努めているところでございます。警察庁の自転車総合対策を契機に、交通安全への意識が向上するよう、一層の啓発に努めてまいります。  また、自転車運転免許証につきましては、安全運転、交通ルールの遵守に有効な手段でございますので、他の自治体の先例を参考に研究してまいります。  次に、庁舎自転車置き場についてでございます。  庁舎の自転車置き場につきましては、これまでも定期的に警備員が整理を行うほか、大きなイベントの際には整理の人員をふやして対応するなど、来庁者が利用しやすいよう対策を行ってまいりました。  しかし、通勤者等、来庁者以外の利用もあり、スペースに比べ、駐輪台数が多くなることから、来庁者にご不便をおかけしている状況でございます。  このたびの本庁舎改修工事では、来庁者がより利用しやすいよう、駐輪場を整備することが改修内容に含まれております。これを機に、さまざまな対策を検討し、適正な整備や管理を行ってまいります。 ○議長(青柳雅之 さん) 28番伊藤萬太郎さん。           (28番伊藤萬太郎さん登壇)(拍手) ◆28番(伊藤萬太郎 さん) 台東区議会区民クラブを代表して、一般質問をさせていただきます。  日本の1人当たりの国民総生産(GDP)ランキングは、2000年には世界第3位であったのが、2008年には23位、2009年には17位と低迷を続けております。また、国際経営開発研究所(IMD)の調査で国際競争力の順位は2000年には第1位に位置していたのが、2008年には何と27位に転落をしています。中国やインド、韓国、シンガポールなどの急成長を続ける国々に対抗するためには、国際経済力を高めていく必要があります。そんな経済低下を食いとめるためには、国内での産業の活性化と構造改革を急激に進行していかなければなりません。大企業の世界戦略のみならず、日本産業の根幹をなす中小企業の足腰を強化し、世界随一と言われるものづくりを初めとする巧みな技と誇れる品質の高さ、メンテナンスの優秀さを世界にセールスしていくことであります。日本の企業の45万5,000軒のうち、99.6%を占める中小企業の存在は大きい。そして、共通する大きな課題は、人口減少と少子高齢化とあわせ、特に生産者人口の減少問題は深刻です。また、団塊世代の一斉退職により、さらに拍車をかけられております。これからは、高齢者と女性の労働力供給が急務と考えられずにはおりません。  台東区では、無料商工相談や専門家を派遣する経営支援事業、また中小企業人づくり支援、経営革新支援、経営力強化支援、創業支援の各事業を展開し、産学公関係では企業に判断を任せた受け身型の事業を行っていると、私は考えております。  企業は、百社百様で、もっと経営的に高所な必然性を持った指導者のもとに、無駄のない資金投入により、会社が経営改革して、目を見張るような実績を上げることができたらと、常に思っております。  そこで、台東区が独自でプロの経営インストラクターを養成し、区内の中小企業に経営指導ができれば、足腰の強い中小企業が活性化していくものと、私は考えております。  先日、産業建設委員会行政視察で、滋賀県の野洲市を訪問いたしました。野洲市は企業誘致を主な産業戦略として進めてまいりましたが、国際的な景気悪化から、基幹としていた大手企業が他県に移転したのを契機に、企業誘致から新たな戦略として、既存の中小企業の経営改善支援へとかじを切りました。そこで立命館大学イノベーション・マネジメント共同研究の産官学連携のチームに参加をいたしました。そこには、東京大学、同志社大学などの大学と、トヨタ自動車、小松製作所などの企業や日韓IT協会などが参加しておりました。そこで、野洲市は藤本隆宏教授の率いる東京大学ものづくり経営研究センターと協同連携し、事業展開することになりました。その中の東大ものづくりインストラクター養成スクールは、平成16年に経済産業省の産学連携製造中核人材育成事業としてスタートいたしました。  その概要は、「大企業を中心とした優秀な定年退職者の高度な知識と技術を生かして、中小企業や他産業の改善指導ができる人材に育て上げる。50歳代を中心とする製造現場管理経験者を対象に応募する。終了者は70名(1期生から6期生)として、プログラムは3カ月で、教えるプロに再教育(講義と実習)をする。開催頻度は毎年1回、秋に毎週金曜日・土曜日に開催。その目的は、その固有技術をベースとする経験やノウハウを汎用管理知識体系へと再解釈・構築し、他企業・他産業に適用するインストラクターの養成を目指す」とあります。そこで、2年間、野洲市はその東大ものづくりインストラクター養成スクールに、当時企業誘致推進室長の吉野弘一さんを受講生として派遣いたしました。そして、短期間にインストラクターとしてみっちり研さんを経て、早速野洲市に同様のインストラクター養成所を立ち上げる準備に取りかかりました。  そして、昨年、その吉野さんを所長に、駅前に野洲市ものづくり経営交流センターを設立いたしました。さらには、平成22年の経済産業省ものづくり指導者養成支援事業に応募し、全国8団体の中に採択をされて、300万円の助成金も受けました。  そして、22年9月25日から11月19日に延べ15日間、毎週金曜日と土曜日の連続2日間、1講座当たり90分を基本とした受講を受けて、その第1回修了生たちは23年、本年の4月より、既に東大ものづくりインストラクター養成スクールの協力もいただきながら、数社の経営改善事業に着手し、多くの実績を残しているところであります。  台東区には、中小企業の経営改善事業は重要な課題と考えます。台東区ものづくりはまさに天下一、優秀な技術・技能は世界一と言われています。しかし、対外戦略やイノベーションマネジメントが不足していると考えます。  まずは産学公官の連携に、もう一歩進化した事業に展開を図る必要性を痛感します。経済産業省の事業に呼応して、大学のものづくり経営研究所等と連携を持ち、ものづくり経営インストラクター養成事業に着手をしたらいかがでしょうか。また、団塊の世代を中心とした定年退職者などの活用は、生きがい対策と、何といっても介護予防という観点でも有効かと思います。  退職者は、自分が必要とされれば、たとえ手弁当でも頑張ってくれると考えます。また、台東区内にこれだけの高齢者が大量に存在しています。埋もれたすばらしい人材は、相当数冬眠中と考えます。これからは、税金を支払う生産年齢として、女性や高齢者の就業が求められ、社会福祉費に歯どめをかける一挙両得の対策としても効果が期待できます。そして、いずれは台東区独自のインストラクター養成所も立ち上げたらと考えます。「創造力あふれる産業文化都市 たいとう」を目指し、このたび区長が策定をする産業振興プランの目玉の一つに掲げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。ご見解をお聞かせください。  次に、防災対策についてお尋ねをいたします。  このたびの東日本大震災を契機に、被災地はもちろん、台東区でも前代未聞の震度5の恐怖体験をもとに、防災意識が大きく転換してきております。  これは自分の命がかかっていることですから、防護本能として当然のことと考えます。特に、公助に頼る前の、自助と共助の重みを肌で実感したものと考えます。  そして、発災する前の準備の大切さを痛感し、公共や各種団体など独自の協定締結作業が活発に始まっております。例えば、姉妹友好都市との災害時相互協定はほとんど締結され、また、区商店街連合会と区内各所の消防署と警察署との防災協定、自動車整備団体と区との車両障害物等除去協定などといった形です。  しかし、大切なのは民間同士の協定の必要性だと考えております。身近でいえば、町会と町内にある公共施設や高層ビルとの災害時における連携です。特に、休日や夜間に、寝たきりのお年寄りや障害者、妊婦、子どもなどの社会的弱者の避難場所として、町会の責任者が出入り口のかぎを、責任を持って保管するなど、民間レベルの協定を指します。そこで、町会、国や東京都、区などの公共施設、各種団体など相互の安心と安全を確保するために、区で直ちに基準や指針をつくり、区内全域にくまなくネットワーク化を目指すべく、(仮称)災害協定推進条例を早急につくるべきと考えますが、区長のご見解をお尋ねいたします。  次に、このたびの震災でクローズアップされました、地域に放置されている空き家の問題であります。所有者が不明で、住所不定者が勝手に入り込んだり、地震のときにいつ崩れるかわからず、火災も発生したら燃料状態の危険な廃墟家屋の問題であります。このたびの震災時にも崩れて道路にはみ出し、ロープを張り青テントで覆われ、放置されていた家屋を数棟見かけました。区内でも相当数の空き家が地権者の権利が優先されるなど、行政も手がつけられない状態であったと思われます。まずは、空き家を放置することを禁止したり、権利者の許可がなくても行政執行ができるように、多くの自治体に空き家対策条例の制定をする動きが見られます。既に所沢市や足立区は制定いたしました。区内の空き家の危険性についての認識と空き家対策条例の制定について、ご見解をお聞かせください。  次に、ふろ難民対策についてお伺いいたします。  まず、公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律第1条に、「この法律は、公衆浴場が住民の日常生活において欠くことのできない施設であるとともに、住民の健康の増進等に関し重要な役割を担っているにもかかわらず、著しく減少しつつある状況にかんがみ、公衆浴場についての特別措置を講ずるように努めることにより、住民のその利用の機会の確保を図り、もって公衆衛生の向上及び増進並びに住民の福祉の向上に寄与することを目的とする」とうたってあります。すなわち、自治体が公衆浴場難民への対策を講じるべきだということであります。  大衆浴場は健康保持と、また情報交換の場として効果もあり、大きな時代的役割がありました。台東区も下町人情の発信地として親しまれてきましたが、今では区内全部で34軒となってしまいました。自家ぶろの普及やマスメディアの発達に伴い、利用客が激減し、特に区内南部地区での廃業が相次いでいます。私の近隣では、東上野一丁目から三丁目、台東一丁目から四丁目まではゼロ軒です。例えば、竹町地区は、昭和60年代からこの二十数年で竹の湯、松の湯、大黒湯、直近には小島一丁目の姫の湯がありましたが壊滅状態であります。この地域は、いまだに焼け残った木造密集地区が多く、自家ぶろのない家屋が多く存在しています。特に、高齢者がふろに入るには、一番近くの三筋湯まで歩いて15分かかります。行きはめぐりんかタクシーで行って、返りは歩かざるを得ません。特に冬場は風邪をひく心配もあり、ふろに入る回数が減り、健康を損なう人たちが多い状態です。  台東区の全地区を見渡せば、決してこの地域の問題だけではないと思います。たかが少数区民の意見かもしれません。しかし、放置していい問題でもありません。以下は、一地方自治体の対策として提示した例ですが、①自治体が直接浴場をつくる。既存の浴場を改修する。②既存の浴場に対して送迎を行う。送迎ルートの問題。③民間施設への協力依頼。浴場業者への協力。浴場業者以外の業者への協力。運送業者への協力のお願いとあります。台東区においては、どんな対策が考えられるでしょうか。まず数年前に廃業してふろがまと設備はそのまま残っている場所での開業の可能性もご検討いただきたいと思います。また、公共施設の一部を改修して入浴施設を設置することはいかがでしょうか。後は、送迎の問題ですが、週2回から3回の巡回ルートを決めて、タクシーか送迎バスを買い上げる。または、めぐりんか福祉関係のバスをあいている時間に活用して送迎するなどの案が考えられます。以上、ぜひご検討ください。ご見解をお尋ねいたします。  次に、いまや台東区では一番注目度の高い「徒蔵」についてお尋ねをいたします。  台東区は、江戸時代から続く、宝飾品、アクセサリー、革小物、靴、財布、帽子、ベルトなどの生産が盛んなものづくりの中心地です。近隣には、材料・資材問屋、製造工場、職人などが集まっております。こんな台東区の南部地域、御徒町、東上野、台東、小島、鳥越、三筋、蔵前、浅草橋、柳橋地域を称して、ここ最近「徒蔵」と呼んでいます。ファッションものづくりの町として、いまや上野・浅草に次ぐ第3の産業観光地域として、全国に脚光を浴びていることは南部地域の発展を目指してきた者として大きな喜びとしています。  もとはと言えば、旧小島小学校跡地を台東デザイナーズビレッジとして開校し、若いデザイナーを育成したことが原点と考えます。そこを起点として、この徒蔵地域に若いクリエーター、職人さんが次々と集まるようになりました。さらに台東デザイナーズビレッジの鈴木村長を中心に、台東モノづくりのマチづくり実行委員会を立ち上げて、さまざまなイベントを企画しております。御徒町駅高架下の2K540 AKI-OKA ARTISANにもつなげて一体化し、マスコミの露出度も高く、この9月16日にはテレビで大きく取り上げられました。  JR御徒町駅、TX・大江戸線新御徒町駅、蔵前駅のアクセスを基本に、大きく発展の可能性をはらんでおります。そんな今を時めく「徒蔵」が、さらに大きく飛躍できるようにバックアップ体制をつくるべきと考えますがいかがでしょうか。さらに、JR浅草橋駅高架下と旧福井中学校跡地施設を絡めて、もう一方の「徒蔵」の拠点として位置づけ、活性化対策を考えるべきと考えますが、いかがでしょうか。  そしてもう1つは、中央に位置する新御徒町駅のアクセスの問題であります。つくばエクスプレスと都営大江戸線の改札口は、別々の改札口で、約200メートル歩かないと、それぞれの改札口には到達できません。両方の改札を通って、地下で乗りかえ口はつながっていて、どうして地上から改札口は相互通行ができないのでしょうか。どういう理由があるのかわかりませんが、大江戸線が平成12年、つくばエクスプレスが平成17年に開業以来、地域の不思議な問題の一つです。相互改札が可能になり、利便性が高まれば、町の印象もよくなり、地上のにぎわいにもつながって、「徒蔵」のイメージアップにもつながることは間違いありません。早急な対策を講じていただきますことを、強く要望いたします。  次に、生活保護の不正受給者の予防と受給後のチェック体制についてお尋ねをいたします。  本当に困っている受給者を助ける最後のとりでと言われている、この神聖な制度を悪用して、貴重な税金を搾取する行為は言語道断です。当区において、その状況と同時に、相談の時点において真実を見きわめる仕組みと予防体制はどうなっているか。また、受給後の生活調査や監視体制はどうなっているかをお答えください。  最後に、社会的なマナーに欠ける対応についてであります。  まずは、歩行喫煙や自転車による片手喫煙の取り締まりについてであります。歩きたばこと自転車たばこに対して、区内全警察官に取り締まりの対象項目に入れてもらえるように申し入れをすべきと提案いたします。また、関係団体の方などに注意権限を持たせ、腕章などをしてパトロールができるシステムをつくることはいかがでしょうか。また、携帯電話で話しながら自転車を運転する行為は、マナー違反というより、直接事故に結びつく危険な行為です。都では、規制で自転車運転等の使用を禁止、取り締まりを行っていますが、いまだに携帯電話で話しながら運転している人が多く見られます。都と連携し、取り締まりを徹底すべきかと思います。  最後に、受動喫煙防止条例についてお尋ねをいたします。  厚生労働省が、昨年、平成22年2月、受動喫煙防止のため、公共施設の原則全面禁煙を求める通知を、全国の自治体に出しました。対象は、官公庁や飲食店、ホテル、学校、病院、デパートなどにおける禁煙者の健康被害を守るためのものです。早速、その4月には神奈川県が公共施設での受動喫煙を防止する条例を施行しています。また、東京都も受動喫煙防止ガイドラインを策定し、ことしの10月にも改正を行っています。
     台東区庁舎では、議会も含めてほぼ分煙状態になっております。台東区が基礎自治体として、全国一番乗りで受動喫煙防止条例を制定することを提案いたします。  観光自治体として、喫煙者も禁煙者もまずクリーンなイメージが先行して話題になり、観光客が倍増することは間違いないと確信をいたします。区長のご見解をお伺いいたしたいと思います。  さて、昨日、12月1日に、国会において超党派の2020年、オリンピック・パラリンピック日本招致議員連盟の設立総会が開かれ、鳩山由紀夫元総理が就任をいたしました。そして、私たち台東区議会としても、日本招致に向けての決議に積極的に進んでいます。ぜひ、今度こそ、できれば東京に、世界の祭典、オリンピック・パラリンピックを、東京開催実現に向けて、全力で取り組んでまいりたいと思います。  本年、平成23年、2011年は、3.11東日本大震災という忘れることのできない歴史的な史実を期する年になりました。千年に一度というマグニチュード9は、未曾有の大被害をこうむり、世界のリーダーである日本に注目が注がれ、その国際的な困惑感と期待感もあわせ、世界各国から物心ともに大きな援助が寄せられました。私たち日本国民は、この大地震を体験した中で、国が一丸となって復旧復興に取り組んでおります。そこで教訓として感じるのは、やはり他人任せではだめ、政治行政に多くを頼ることよりは、まず地域の人々が手に手をとって、しっかりと自助・共助の社会をつくり上げ、継続していくことだと考えさせられました。それはまさにことしの流行語にもなりました「絆」ではないでしょうか。糸の半分、2人で持って、愛を信じて生きていくことだと思います。地球人類社会の中でいえば、私たち基礎的自治体は、いわば細胞のようなものです。台東区は、まさにしっかりとした細胞として、自覚・自立していかなければなりません。区民1人1人がまず幸せになるために、家族、地域社会と支える行政が、台東区を明るい夢とロマンのあふれる自治体として、日本全国に、世界に模範を示すことができたらと考えます。世界の自治体がみんなでそのような強い思いを持てば、必ず人類の幸せ、世界平和が構築できるものと思います。辰年の平成24年、くる年は復興に向けて、また防災に向けて、未来の台東区に向けて、3月に完成する台東音頭を歌って踊って、さらに私たち区民、行政、議会が愛ときずなをもって団結し、昇竜してまいりましょう。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(青柳雅之 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 伊藤議員のご質問にお答えをさせていただきます。  ご質問の第1は、中小企業の活性化対策についてでございます。  まず、大学と連携した経営インストラクターの養成についてでございます。  産学官の連携につきましては、区では、これまで、法政大学や東京藝術大学とコンサルティング事業などを実施してまいりました。  今後も、機会をとらえ、中小企業の経営革新につながるような取り組みができる大学と積極的に協議してまいりたいと存じます。  経営インストラクターの養成につきましては、現在策定中の産業振興プランの中で、区内中小企業に対して、出張相談や情報提供等を行う専門コーディネーターの配置を考えております。この専門コーディネーターは、区内中小企業の現場で経営改善の指導を行うことを想定しており、ご提案の経営インストラクターの役割を担う人材として養成を図ってまいります。  次に、定年退職者等の活用についてでございます。  私も、豊富な経験や多様なネットワークを持つシニア人材の活用は、生きがいや健康保持につながるのみならず、中小企業の振興にも寄与できるものと考えております。  これまでも、区では融資・相談事業で企業退職者の採用を行い、相談事業の充実とシニア世代の能力の活用を図ってまいりました。専門コーディネーターの採用につきましても、定年退職者などの活用を検討してまいります。  次に、議員ご提案の経営インストラクター養成所の設置につきましては、新たな課題として、今後、調査・研究してまいります。  ご質問の第2は、災害対策についてでございます。  まず、災害協定推進条例についてでございます。  災害に備えて、地域内のさまざまな構成員が相互の協力体制として、平常時から協定を結んでおくことは、地域コミュニティの醸成、自助・共助体制の強化、さらには地域の安全・安心にも結びつくものでございます。  議員ご提案の協定締結の基準や指針の作成、境地の推進につきましては、現在検討中の災害対策に関する基本条例の中で検討してまいります。  次に、空き家対策についてでございます。  議員ご指摘のとおり、昨今、他の自治体におきまして、空き家に関する条例を制定する動きがございます。  建物は、本来、その所有者が適切に維持管理を行わなければなりませんが、空き家につきましては、経済的な理由や相続の問題などにより、適正な管理がなされず、老朽危険家屋に至る事例が多く見られます。  このような家屋が長年放置されますと、地域の環境衛生や防犯、防災上問題があり、近隣の皆様に不安を与えるものと認識いたしております。  そのため、今年度、新たに老朽危険家屋等の除却費用の助成を実施し、所有者への指導を強化しているところでございます。  また、空き家の適正管理の強化につきましても、条例制定を視野に入れ、効果的な仕組みづくりを検討してまいります。  ご質問の第3は、公衆浴場対策についてでございます。  まず、公衆浴場の再開についてでございます。  公衆浴場は、区民の皆様の触れ合いの場であり、日常生活における保健衛生や健康増進を図る場として重要な施設であります。  しかしながら、近年は経営環境の悪化や施設の老朽化などから廃業が続き、地域によっては、自宅から遠い浴場に通わざるを得ない状況が生じていることは、私も認識いたしております。  区ではこれまでも、高齢者入浴券の配布や浴場の設備改善助成、公衆浴場を健康増進型に改築する場合の助成などを実施し、廃業に至らないよう支援してまいりました。  一度廃業となった公衆浴場を再開するためには、運営事業者や施設の復旧にかかる経費など、さまざまな課題が想定されるところであり、今後研究してまいります。  次に、公共施設の改修についてでございます。  現在は、高齢者の憩いの場にもなるよう、入谷と三筋の老人福祉館に入浴施設を設置しております。その他の公共施設を改修して入浴施設を設置することは、本来の施設機能に影響を与えることから、難しいと考えております。  しかしながら、高齢者にとって、長い距離を歩いて公衆浴場へ通うのは大変なことでございます。公衆浴場への送迎につきましては、自家ぶろを持たない高齢者が浴場を利用しやすくなるよう、めぐりんの活用を含め、区としてどのような支援ができるのか検討してまいります。  ご質問の第4は、徒蔵地区のバックアップ体制についてでございます。  議員ご指摘のとおり、御徒町から蔵前そして浅草橋に至る本区の南部地域は、近年、「徒蔵」と呼ばれ、ものづくりのまちとして多数のメディアに取り上げられるなど、大いに注目を集めているところでございます。  本区では、これまで台東デザイナーズビレッジを中心とする若手クリエーターに対し、支援を行ってまいりましたが、その大きな成果の一つであると考えております。  先般、台東デザイナーズビレッジを初め、地元の職人やメーカー・問屋など、ものづくりに携わる企業と佐竹商店街が連携し、ものづくりの魅力を発信する地域イベント「モノマチ」が開催され、雨にもかかわらず、多くの来街者でにぎわいました。  私も、当日は現地を訪れ、その熱気を肌で感じ、改めて徒蔵地区の盛り上がりを実感したところでございます。  私は、「モノマチ」のように本区がものづくりのまちであることを区内外にPRし、まちの魅力を高めるイベントに対し、新たな助成制度である(仮称)ものづくりのまちPR事業助成を立ち上げ、さらなる支援を行ってまいります。  次に、旧福井中学校跡地の施設についてでございます。  区といたしましては、徒蔵地区におけるさまざまな取り組みについて、同施設に整備される産業観光情報コーナーや多目的ホールを、情報の発信やイベントの実施などに活用できるよう積極的に支援してまいります。  さらに、同施設の事業者及びテナントに対し、こうした地域の活動に関する理解と協力を求め、地域活性化の拠点の一つとして、徒蔵地区のさらなる発展につなげてまいります。  また、JR浅草橋駅のガード下につきましては、御徒町・秋葉原駅間と同様に、若いデザイナーやクリエーターが活用しやすい環境づくりを、今後もJRに働きかけてまいります。  次に、新御徒町駅改札口の改善についてでございます。  議員ご指摘のとおり、相互改札の実現は、利便性の向上によって徒蔵のイメージアップにつながるものであり、また、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というバリアフリーの考え方にも通じるものと認識いたしております。  現在行っている、台東区バリアフリー基本構想の改定作業において、各事業者と協議する中で、ご指摘の内容につきまして、双方の鉄道事業者に申し入れてまいります。  ご質問の第5は、生活保護費についてでございます。  本区における就労や年金収入の未申告等による保護費の不正受給は昨年度25件発生し、過去3年間では、ほぼ横ばいの状況となっております。  不正受給は、単に違法行為であるにとどまらず、生活保護行政に対する区民の皆様の信頼を揺るがす行為であり、決して許してはならないと考えております。  対策といたしましては、相談の段階で、資産や収入を裏づける資料の提出を求めるとともに、保護の要否判定に当たりましては、生活保護法に基づき、金融機関への資産調査などを行っております。  保護開始後におきましても、課税調査などにより、就労や年金の収入を確認しており、また、家庭訪問時には、特に生活環境の変化に注視した面接を行っております。  今後とも、各種調査をきめ細かく行うとともに、不正受給に対しては、毅然と対応し、適正な制度の運営に、より一層努めてまいります。  ご質問の第6は、喫煙及び携帯電話についてでございます。  社会的なマナーに欠ける行為への対応は、事故を予防し、安全・安心のまちを実現するだけでなく、国際観光都市としても重要であると考えております。  まず、歩きたばこと自転車運転中の喫煙についてでございます。  区は、これまでも、歩きたばこと自転車運転中の喫煙につきまして、台東区マナー指導員が、駅周辺において毎日指導を行うとともに、月1回キャンペーンを実施しているところでございます。  今後も、大江戸清掃隊による喫煙マナーアップキャンペーンの実施等、地域の力を活用するとともに、ご提案の警察署などとの連携も密にし、喫煙マナーの向上に、さらに努めてまいります。  次に、自転車運転中の携帯電話についてでございます。  近年、携帯電話を使用しながら運転するなど、ルールやマナーを守らない人が多く見られ、事故の割合も高くなっております。  携帯電話を使用しながらの自転車の運転は、罰則規定もあり、各警察署において取り締まりを行っているところでございます。  本区におきましても、自転車の交通ルールを遵守し、マナーの向上に努めるよう、交通安全教室等を通じて周知をしているところでございます。  今後とも、東京都、区内各警察署などと連携し、自転車のルール遵守、マナーの向上に努めてまいります。  次に、受動喫煙防止条例についてでございます。  公共の場での受動喫煙による健康被害を防止することは、重要であると認識いたしております。  現在、講演会等により受動喫煙防止のための普及活動を行っておりますが、今後、神奈川県の受動喫煙防止条例やその他の取り組み等を参考にして、効果的な受動喫煙防止対策を推進してまいります。 ○議長(青柳雅之 さん) 6番松尾伸子さん。           (6番松尾伸子さん登壇)(拍手) ◆6番(松尾伸子 さん) 区議会公明党の松尾伸子でございます。平成23年度第4回定例会に当たり、会派を代表いたしまして初めての一般質問をさせていただきます。区長、教育長におかれましては、明快なご答弁を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。  まず、本年は日本全体が未曾有の大災害に見舞われ、各地の復興支援は今も続いております。それに伴い揺れ動いた1年でありました。経済変動による所得格差の拡大、社会保障の問題、また地域や家庭における人間関係の希薄化など、早急な対策を講じなければならない問題が山積しております。  かつて、周恩来総理の夫人、鄧穎超女史が友に送った励ましの言葉に、「私たちは困難のときこそ断じて前を見て、希望を見つめ、光を見出だしていかなければなりません」とあります。どこまでも区民の皆様のお声をいただき、寄り添いながら、皆様が笑顔で希望を持って、この台東区で暮らし続けていただけるよう、日々全力で精進していくことをお誓い申し上げ、質問に入らせていただきます。  初めに、入谷駅周辺のバリアフリー化について、2点お伺いいたします。  吉住区長からは、今定例会の所信表明で、バリアフリー基本構想について「高齢者や障害者の方々を初めとしたすべての人々が、安全で快適に暮らせ、来街者も快適に過ごすことのできるまちづくりに取り組んでまいります」と、積極的なバリアフリー化に取り組まれる決意をお伺いいたしました。大変心強く思っているところでございます。入谷駅を中心とする当該地域のバリアフリー化については、かねてより、地域の多くの方々から強い要望が寄せられておりますので、この際、お伺いするものでございます。  第1に、ふだんより、上野方面ホームをご利用なさる高齢者や車いすなどお使いの皆様は、大変ご不便な思いをなされております。  つきましては、バリアフリーの観点から、早急な対策が望まれますが、区長のご決意をお伺いいたします。  第2に、昭和通りと言問通りとの交差点付近は、人の流れも、駐輪も多く、安全性が懸念されておりますので、この点についても総合的な対策が必要と考えますが、いかがでしょうか。区長のご所見をお伺いいたします。  次に、観光の基盤整備についてお伺いいたします。  本区は、平成22年に策定された新観光ビジョンのもと、区の多面的な魅力の向上とにぎわいの創出を目指し、利便性と快適性を兼ね備えた観光の基盤づくりなどに取り組まれております。平成22年度には年間約4,083万人の観光客を迎え、そのうち、約413万人は外国人旅行者であると伺っております。  明年の東京スカイツリー開業に合わせ、これまで以上に魅力あふれる地域を目指していくことが重要であると考えます。  さて、どんなにすばらしい観光地でも、トイレが不快だとすべてが台なしになってしまいます。観光地としての満足度の向上を図り、リピーターをふやす上で、トイレの改善は大変重要な課題だと考えます。  本区においては、既にさわやかトイレ整備として公衆トイレの環境整備に取り組まれていることは十分承知しております。しかしながら、台東区の観光に感動を与え、観光客をさらに呼び込むために、観光という視点を一層鮮明に、台東区らしさ、観光地らしさを形状的にも機能面にも表現した魅力あふれる観光トイレの整備の必要性を実感しております。伊東市では、数寄屋づくりから洋風建築まで個性豊かな観光トイレを配置し、それぞれユニークなネーミングをして、観光トイレめぐりとして紹介しています。ほかにも、港区大門や埼玉県荒川村など、このような取り組みをしている自治体があります。汚いと忌み嫌われるトイレから、区民の皆様が、我が区の誇りと思えるような、台東区ならではの、町の景観にも配慮し、来街者がほっとするひとときを過ごせる観光トイレに進化させる必要があると考えます。区長のご所見をお伺いいたします。  次に、飼い主のいない猫対策についてお伺いいたします。  飼い主のいない猫、いわゆる野良猫の対策として、昨今、ボランティアの方々が中心となって、えさやりのルールを守り、ふんの清掃等も行うなど、地域で管理しながら、これ以上ふえないように自己負担で不妊・去勢を施し、寿命を全うするまで面倒を見ていくという、地域猫の活動が各地に広がっています。  台東区でも、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費用の助成を実施しており、最近では、町会として取り組む地域もあります。野良猫の苦情も減少するなど成果が上がっていると伺いました。現在、不妊・去勢手術費助成の受け付けには、毎回受け付け枠以上の申請があり、要望に応じ切れない現状です。  そこで、個人の申し出の不妊・去勢手術費助成とは別に、町会など地域として取り組む場合には、さきの個人枠とは別に予算枠を組んで対応を図ってはどうかと考えます。  ついては、改めて、区の助成事業の目的を伺い、確認させていただくとともに、今後、この事業の見込み、町会等地域の取り組みに対する助成枠の新設について、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、発達障害児の支援についてお伺いいたします。  本年8月の国会で「改正障害者基本法」が成立、施行されました。  これは、国連障害者権利条約の批准に向けた国内法整備の一環として進められましたが、障害者の定義に発達障害者が明記され、これにより、発達障害に対する理解と施策の普及啓発が進み、支援サービスが受けやすくなるものと思っています。また、障害のない児童・生徒とともに学べるよう、地域で学べる環境の整備などや、障害児が社会的に自立するための訓練などを行う療育の促進が定められています。  発達に障害が見られる子どもは年々増加傾向にあります。ある地域では、1歳半健診を受けた子どもの20%が要観察と判断され、その半数は精神面の発達の問題が心配されています。5人に1人が育児上の心配があるとのことです。吉田友子女史著作の「その子らしさを生かす子育て」の中で、女史は語っています。「私たちは、レッテルを貼るために評価するのではありません。成果が上がりにくいことの原因が、子供の努力不足にあるのではなく能力的な不得手にあると気づく。努力が成果に結びつきやすい方法を考える。他の子供がしていない努力をしているという事実を一緒に味わい手に入れた成果の大きさを一緒に喜ぶ。それが子供を丸ごと受け止めるということです。それにはまず能力障害が能力障害と正確に認識されることが大前提です」と。また、スウェーデンのヨーテボリ大学児童精神科のギルバーグ教授らは、地域の6歳児589人にスクリーニングを行い、ピックアップされた子どもたちを診察したところ、63人の子どもに何らかの神経発達や精神発達の問題が確認されました。しかし、スクリーニングにパスした子どもを一部診察してみると、パスしたグループにも神経発達や精神発達の問題の子どもがいることがわかりました。そのことから、子どもたちをスクリーニングし、支援することの重要性を強調しています。また、保護者が子どもの特性についての情報を持つことは、10歳から11歳になったときの適応を向上させる傾向があったという調査結果も述べています。日本の研究でも、現行の乳幼児健診では継続支援の対象になっていないような非常に軽い程度の発達障害は、思春期・青年期に学校不適応やひきこもりを起こす要因となり得ることが指摘されているとのことです。我が子の発達について心配を感じたときに、相談すべきかどうか、個性の範囲のことなのか。だれとも共有できない悩みを抱えて苦しんでいる保護者の方々が、実は大勢いらっしゃいます。  これらのことから、保護者に寄り添う形で考えることが大切で、早期発見、早期療育及び継続的な支援が大変重要であると思います。そこで、次の4点について、区長にご所見をお伺いいたします。  まず第1に、発達障害児の早期発見・早期療育のために、乳幼児健診の際、発達障害の兆候を発見できるように、今まで以上に工夫を凝らした問診票の導入などの取り組みが必要であると考えます。本区においては、現在、1歳6カ月健診、3歳児健診が行われていますが、その中で、発達健診で発達のおくれが見られるケースはどのくらいの割合になり、その場合、どのように対応されているのかをお伺いいたします。  第2に、就学前にも発見する機会を設けて、早期療育に入るために、4歳6カ月児の発達相談の体制を整えるべきであると考えますが、お考えをお伺いいたします。4歳6カ月の時点で療育が必要と判断された場合、就学までに約1年6カ月あります。この期間に早期療育を受けたお子さんは入学してからも、その子の育ちを学校もPTAも理解をし、受け入れていくことで小1プロブレムもかなり回避することができるものと考えます。  第3に、現在、療育に通っている5歳児のお母さんから、「台東区では、小学校1年生までは松が谷福祉会館で療育支援を行っていただいていますが、その後がとても不安です」とのご相談を受けました。福岡県飯塚市内の療育施設を運営するNPO法人ピーサスの高橋理事長は、言語中枢が最も発達する10歳までの療育の有用性を訴える一方、一部の発達障害者が就職先での理解を得られずに退職していく状況に言及し、「成長の経過を一貫して見守る支援策が必要である」と語っています。公立だけではなく、民間力も活用し、専門性の高い療育支援へ拡大していく必要があると考えます。そこで、療育支援をその後の学齢期においても継続して受けられるように、せめて中学3年生まで拡大すべきであると考えます。ご所見をお伺いいたします。  第4には、平成21年度から就学支援シートを作成していただいていますが、この活用方法について、発達障害のあるお子さんの継続的な支援のために、さらに発展した形が求められると考えます。世田谷区では4歳6カ月児発達相談の実施とスマイルブックというお子さんの基本情報・支援情報をまとめるものを作成し、発達相談の折に配布したり、保護者がホームページからダウンロードして、自由に活用できるようになっており、支援機関等への情報提供や成長の記録として役立てているとのことです。そして、個別支援計画書を作成し、必要に応じて個別支援会議を開催し、発達障害のあるお子さんの生涯にわたる継続的な支援を、学校と支援機関、そして一番の支援者である保護者とで、ともに情報の受け渡しと共有化を図ることに取り組んでいるとのことでした。また、松江市においてのサポートファイルだんだんも同様に、保護者がファイリングし保管する形のものです。  本区におきましても、支援情報等の記録ファイルを作成し、保護者が保管して、中学3年生まで継続して引き継ぎ、管理・支援していくことが必要であると考えます。区長のご所見をお伺いいたします。  次に、家庭的保育による共同保育についてお伺いいたします。
     昨今の景気低迷により、失業者が増加し、所得格差も拡大し、人の生き方や家族のあり方が大きく変化していく中で、子育て支援に関しても、一層の深化が必要であると言われています。「男性は仕事、女性は家庭」という社会通念は、もはや崩壊しております。労働人口が減少傾向の中、ライフワークバランスの点からも、子育て中のお母さん、お父さんが安心して働くことのできるよう環境整備や保育サービスの質の向上を図ることが緊急の課題となっております。  本区の11月現在の待機児童は47人ではありますが、今後ふえ続けていく可能性が予測できます。待機児童の中でも、ゼロ歳から2歳児が全体の98%を占めています。そのため、本区では、保育ママ制度を導入し、現在、7人の保育ママさんに献身的に19人のお子さんの保育に当たっていただいております。  国においては、家庭的保育事業の利用児童数を、2014年度に1万9,000人までふやす目標値を掲げています。現在の保育ママ制度は、1人の保育者が3人まで保育でき、補助者をつけると5人まで預かることができます。しかし、2人で5人の子どもを保育するということは、保育者の負担は軽くはありません。先日も、ある区の認可外保育施設で、うつ伏せ寝による痛ましい事故がありました。今後、このような事故を防止していくためには細心の注意を払っていかなければなりません。  また、さらに安全性を高めるために、担当所管は連携を密に図っていただくよう、強く要望いたします。  そこで、自前の施設で一定の資格と経験のある家庭的保育者による共同保育を実施することができるNPO法人や社会福祉法人などの民間事業者を誘致し、区として支援すべきであると考えます。複数の保育者が相互に協力しながら保育に当たることができ、保育の質と安全性をより高められます。保護者にとっても安心感が増し、利用率のアップにつながると考えます。また、家庭的な環境に適した子どもにとって新たな選択肢を提供することにもなります。このようなゼロ歳から2歳までの乳幼児に特化した家庭福祉員による共同保育について、教育長のご所見をお伺いいたします。  最後に、学校給食における放射性物質の検査の実施についてお伺いいたします。  福島第一原子力発電所の事故により、放射性物質が放出され、その汚染が生活を脅かしています。まず守らなければならないのは、放射線の影響を受けやすい子どもたちです。  放射性物質は、ある一定の時期が来ると別の元素に変化するとのことです。その変化のときに放射線を出しますが、何らかの形で内部被曝していると、このとき体内で染色体が傷ついたり、活性酸素が発生したりして、周りの組織を傷つけます。そのために放射線を浴びると、がんを発症したり生殖機能に影響を及ぼすことがあるのですが、成長中で細胞分裂が活発であればあるほど、その影響は大きくなり、放射性物質を体に取り込んでしまうリスクが、大人より4倍から10倍も多くなります。  だからこそ、汚染されていない水や食べ物を選ぶということは、大前提ですが重要なことになります。  人間の体内で、そのときカリウムとカルシウムが必要量満たされた状態であれば、放射性セシウムや放射性ストロンチウムが入ってきても排出されます。しかし、体内のカリウムとカルシウムが不足していると腸から吸収してしまい、たまりやすい臓器に放射性物質がとどまり、放射線を出し続けます。  そこで、学校給食の食材の放射性物質検査の実施に取り組むことが緊急の課題だと考えます。教育長のお考えをお聞かせください。  以上をもちまして、一般質問を終わらせていただきます。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(青柳雅之 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 松尾議員のご質問にお答えさせていただきます。  ご質問の第1は、入谷駅周辺のバリアフリー化についてでございます。  まず、入谷駅上野方面行きホームのエレベーター設置につきましては、これまで東京メトロと区、さらに国も交えて協議を行ってまいりましたが、このたび、東京メトロにより、区の自転車駐車場の改築と一体的にエレベーターが設置される運びとなりました。  私は、この機をとらえ、入谷駅のバリアフリー化に向けて力を注いでいく所存でございます。  次に、入谷交差点付近の整備についてでございます。  昭和通り及び言問い通りの交差点は、これまでの台東区バリアフリー基本構想に引き続き、バリアフリー化を進める経路として指定する方針であり、今後、道路管理者が、視覚障害者誘導用ブロックの設置や段差解消等の整備を進めるなど、安全性の確保に、より一層配慮してまいります。  入谷駅を利用される多くの方々に、利便性や安全性を実感していただけるよう、関係機関と協力し、入谷駅周辺のバリアフリー化の推進に努めてまいります。  ご質問の第2は、観光の基盤整備についてでございます。  現在、国際観光都市である本区では、おもてなしの心をもって来街者の利便性と快適性を兼ね備えた観光の基盤づくりの一つとして、快適、清潔、安全に利用できるトイレの整備を進めております。  今後、議員ご提案の観光トイレの必要性につきましては、本区の地域特性を踏まえ、さまざまな視点から研究してまいります。  ご質問の第3は、飼い主のいない猫の対策についてでございます。  まず、事業の目的と今後の見込みについてでございます。  本事業は、不妊去勢手術費の助成やボランティアの育成などにより、地域猫活動の支援を行い、飼い主のいない猫の繁殖の抑制を図るものでございます。  これにより、地域環境の悪化や猫をめぐるトラブルの発生を防止し、動物愛護の普及を図ることを目的としており、現時点で一定の効果が上がっているものと認識いたしております。  今後も、本事業を継続することによって、さらに地域猫活動が広がり、人と動物が共生できる地域環境の実現につながるものと考えております。  次に、町会等の地域の取り組みに対する助成についてでございます。  地域単位での取り組みにより、地域猫への理解が深まるとともに、効果的に猫の繁殖が抑えられることが期待できます。  議員ご提案の助成枠につきましては、地域単位の取り組みを推進する上で有効な手段でございますので、検討してまいります。  ご質問の第4は、発達障害児の支援についてでございます。  まず、乳幼児健診におきましては、これまでも質問票等により発達の状態を確認し、必要に応じて専門の心理相談等をご案内しております。心理相談の利用状況は、受診者のおよそ2割で、その一部の方につきまして、継続的な発達相談等で経過観察を行っております。発達障害の早期発見のための問診票等の工夫につきましては、国などの研究の動向も踏まえ、引き続き努力してまいります。  次に、4歳6カ月児の発達健診についてでございます。現在、保健所では、就学前における発達障害の早期発見と早期療育につながるよう、乳幼児を対象とした専門医等による発達相談を毎月実施しているところでございます。  4歳6カ月児の発達健診につきましては、先行自治体での実施状況や効果について、引き続き研究してまいります。  次に、療育支援の期間についてでございます。  現在、松が谷福祉会館のこども療育室では、小学1年生までを対象に療育支援を実施しており、その後は18歳まで相談支援を実施しているところでございます。  また、小・中学校におきましては、通常の学級に在籍する発達障害等の児童・生徒が、情緒障害等通級指導学級に通い、1人1人の教育的ニーズに応じて専門的な指導を行っているところでございます。  議員のご提案につきましては、学齢期において、社会性やコミュニケーション能力などの一層の向上を図るための療育内容につきまして、引き続き、教育委員会とともに慎重に検討してまいります。  次に、発達障害のある児童の支援情報の継続的な管理についてでございます。  こども療育室では、個別支援計画のまとめを定期的に保護者にお渡しし、学校、幼稚園、保育園などの関係機関との支援情報の共有に努めているところでございます。  議員ご提案の支援情報の継続的な情報共有につきましては、発達障害のある子どもたちの成長過程や療育内容についての情報を、保護者及び関係者の間で大切に引き継いでいける仕組みや方法につきまして、検討してまいります。  その他のご質問については、教育長がお答えいたします。 ○議長(青柳雅之 さん) 教育長。           (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 松尾議員の家庭的保育の共同保育についてのご質問にお答えをさせていただきます。  昨年9月に策定いたしました台東区保育所等整備計画にも、多様な保育ニーズへの対応と待機児童解消の一環として、複数の家庭福祉員による共同実施型家庭保育の検討を掲げているところでございます。  共同実施型家庭保育は、待機児童の多いゼロ歳児から2歳児の受け入れや、家庭福祉員の相互支援により負担が軽減されるなどのメリットがございますので、現在、先進的取り組みの情報収集などをしながら、具体的な研究を進めているところでございます。  今後、議員ご提案の民間事業者の活用を含め、来年度にも共同実施型家庭保育が実施できるよう鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  次に、学校給食における放射性物質の検査についてのご質問にお答えをさせていただきます。  学校給食の放射性物質につきましては、現在、生産地における出荷前検査及び納入業者における検査が実施されておりますので、各学校では食材の納品の際に産地を確認することで、安全な給食の提供に努めているところでございます。  また、各学校におきましては、その給食についての産地の情報を表示して、保護者の皆様にお知らせしております。  しかしながら、米などへの放射線の影響につきまして、各地で日々新たな報道もなされてまいりました。  東京都においても都内流通食品のモニタリング検査を開始し、福島県では米の検査の範囲を拡大するなど、検査体制を拡充する動きも見受けられます。  教育委員会といたしましては、子どもの安全・安心の確保とともに、保護者の不安を取り除く意味においても、一層の対策が求められていると考えております。  給食食材の検査につきましても、現在、実施に向けて準備を進めているところでございますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(青柳雅之 さん) それでは、ここで15分間休憩いたします。           午後 2時38分 休憩  ─────────────────────────────────────────           午後 2時54分 開議 ○議長(青柳雅之 さん) 休憩前に引き続き会議を開きます。  18番秋間洋さん。           (18番秋間 洋さん登壇)(拍手) ◆18番(秋間洋 さん) 日本共産党の秋間洋です。5つの問題で質問をいたします。  まず、TPP(環太平洋連携協定)に対する吉住区長の姿勢であります。  区長はこの間、TPPに対し区民には賛否両論、ピンチ、チャンスどちらの意見もあると、様子見してきました。しかし、TPPは区民生活、中小企業と雇用、社会保障と健康すべてに影響を与える広範な内容であることが、日々明らかになってきました。政府が参加に踏み出した今日、区民の福祉・健康の保持を第一の任務とする自治体の長として、区長がこれまでのように傍観者を決め込むことは責任ある姿勢とは言えません。  そもそも区長はTPPの台東区への影響を、どう考えているのでしょうか。  まず一番先に直撃される区内最大の製造業、出荷額で220億円、1,000人の雇用を支える革靴製造業であります。  TPPは例外ない関税撤廃ですから、革靴へのTQ(関税割当)制度はなくなります。  ところが、区長は業界にはTPPをチャンスととらえる声もあると答弁をしてきました。これは大問題です。  チャンスととらえているのは、中国や東南アジアなどで現地生産や委託、買いつけを行い、日本に逆輸入をしている一握りの企業です。浅草の地域経済や雇用を直接温めている圧倒的多数のメーカーが、TQ(関税割当)制度が撤廃されれば壊滅的打撃を受けることは、ガット、WTOの中で輸入自由化が進み、この20年で出荷額・事業所・雇用者数すべてで4割台まで落ち込んだ浅草の革靴の歴史を見れば、火を見るより明らかではありませんか。  最近では、関税特恵国・ミャンマー・カンボジア・バングラディシュなどから関税ゼロの靴が湯水のようになだれ込み、EPA(経済連携協定)締結で関税枠が漸次撤廃に向かっているベトナムの輸入靴が毎年ふえ、浅草靴を圧迫しています。  TPP参加に熱心な経済産業省でさえ、今年度の関税率・関税制度改善要望で、革靴がTQ制対象外の運動靴のようになると、15年後には国内生産量が8割も減り2割へ、事業所数が6割減の4割へと激減すると試算し、TQ制維持を要望しているではありませんか。  区長、革靴製造への影響を、どう試算していますか。答弁を求めます。  製造業だけではありません。皮革履物産業は卸売業で1,200億円・2,300人、小売業でも140億円・五百数十人の販売額と雇用を支えています。さらに材料初めとする関連産業はすそ野が広く、甚大な影響が出ます。  皮革履物とその関連産業への影響についても、答弁を求めます。  地域経済への負の影響も試算すべきであります。我が党区議団は、ここ数年、靴づくりで生活できなくなり、生活保護を受けざるを得ない職人さんが年々ふえていることを実感しています。靴で暮らせなくなる人の生活保護費がどれくらいふえ、浅草北部地域を中心とする商店街の売り上げがどれだけ減ると試算していますか。それぞれ答弁を求めます。  区長、地方議会では、慎重・反対決議が44道県、1,500を超す市町村で上げられています。先日の全国町村議会議長会に続き、一昨日全国町村長全国大会も、地方分権が成り立たぬと、TPPに反対の決議を満場一致で採択しました。区長は、TPPに参加すべきでないと態度表明をはっきり行うべきではありませんか。お答えください。  日本共産党は、震災復興を妨げ、食料自給を破壊し、食の安全と医療を危機に陥れ、雇用と内需を縮小して日本と地域の経済を壊滅させるTPP参加に断固反対であります。政府が参加を断念するまで全力を挙げる決意です。  2つ目の質問は、ものづくりの技術の活用と継承についてです。  グローバル化のあらしの中でも生き抜ける台東区の地域経済をつくっていくにはどうしたらいいのでしょうか。  策定中の産業振興プランは素案の骨子が前議会に示されましたが、TPPなどのグローバル化や市場原理主義の流れを前提とし、それに負けない意欲ある中小企業に対し重点的な支援を行うという内容でした。私は、そのような姿勢では中小企業と地域経済は守れない。区民生活を中心とする持続可能な地域経済をつくることをプランの柱に据えるべきだと主張しました。  重要なのは、ものづくりを中心とした産業振興策を土台に据えることであります。ものづくりで成り立ってきた地域が、その技術を失えば未来は閉ざされてしまいます。一たん途切れた技術を、再び取り戻すことは極めて困難であります。  台東区には、大いに可能性があります。東京という最大の消費立地、ものづくりの技術の蓄積、それを支える素材や材料のサプライチェーン、この3つがそろうのは、全国でも台東区しかありません。  先日、デザイナーズビレッジを初めとしたモノマチというイベントが、悪天候にもかかわらず大盛況でありました。関係者の努力に改めて敬意を表します。  デザイナーズビレッジや浅草ものづくり工房、地域にアトリエショップを開業するクリエーターの進出が、台東区の経済に活気をもたらしています。  この背景には、営々と積み上げられた台東区のものづくり技術があることを、絶対に忘れてはなりません。若いクリエーターが口をそろえる台東区の魅力は、そこにあります。  しかし、浅草靴を支える職人は70代が主力です。このままでは技術が継承されず、生産地としての機能がなくなってしまいます。一方、靴づくりを志す若者が専門学校や地域の工房にどんどん入ってきています。  これをどうつなぐか、これが大きな課題で、区は浅草ものづくり工房を立ち上げ支援を始めました。さらに成果を上げるには、やはり、革靴業界を支えてきたメーカーの力を発揮してもらうことではないでしょうか。  技術を若者に継承しようというメーカーには、国の雇用支援制度の活用とあわせ、区も上乗せし、応援する。次代の靴づくりの若い力を育てるため、工房をつくるなどの事業を応援する、新たな具体策を講じてはいかがでしょうか。区長の所見を伺います。  また、靴職人のOBの力を活用し、浅草靴の質の高さとすばらしさを消費者にアピールすることです。  日本人の靴への消費成熟度は高いと指摘されています。お気に入りの靴を修理して、長い間履き続けたいというニーズの高まりで、靴修理専門の工場を建てるメーカーも出てきました。靴磨きとメンテナンスの店が繁盛しています。  区長。区内の履物小売店の協力や、商店街空き店舗を使い、靴修理、靴磨き・メンテナンスなどの店を支援してはいかがでしょうか。消費者に直接、浅草靴をアピールするとともに、消費者ニーズをつかみ、生産現場にフィードバックする力になります。区長の見解をお聞かせください。  質問の3つ目は、放射線から子どもを守る対策についてであります。  先日、「原発ゼロをめざす谷中の会」が、みずから行った21カ所の線量測定結果をもって区に要請を行いました。高い数値が出た箇所の再測定、除染対策の方針化などを求めましたが、区からまともな答えが返ってこず、「区には放射線から区民を守る方針はないのか」と怒りをあらわにしていました。  各地で区民が自主的に行った調査では、年間1ミリシーベルト、1時間当たり0.23マイクロシーベルト超の高い線量を計測した箇所が数多く出ています。区が先ごろ行った小・中学校・幼稚園・保育園などの雨どい下での測定は、7カ所で基準値を上回り、10月18日、浅草小のウサギ小屋の雨どい下の測定では0.88マイクロシーベルトと大変高い線量が計測されました。  問題なのは区の姿勢であります。この夏に行った150カ所の巡回測定をやめ、1キロメッシュ16カ所に減らしました。浅草小での高線量の放射線物質の処理も厳正ではありません。いまだに除染を清掃と呼び、あいまいにしていることは象徴的であります。
     このような対応は、区長、あなた自身が台東区の放射線量は区民の健康に影響が出ない水準だと、勝手に判断しているからではありませんか。そうであるなら、科学的な根拠を示すべきであります。子どもの命にかかわる問題です。明確にお答えください。  放射線防護学の国際的な到達点は、100ミリシーベルト以下の被曝領域は、人についての直接的証拠は不十分であり未確定である。がんや遺伝子的影響は、低線量でも起こり得る。確率的影響にしきい値なし、という立場であります。広島・長崎の原爆被爆者の命が導いた、この科学的到達点をしっかり学ぶべきであります。  ところが、財界初め原発利益共同体が、性懲りもなく現在の放射能の汚染について非科学的な見解を振りまき、安全神話を復活させ、原発の再稼働、再整備を進めようとしています。  我が党は、放射線問題で悲観論・楽観論どちらとも無縁であります。科学的立場での対策を、あくまでも求めます。  区長が、根拠のない大丈夫論をこれ以上続けるのであれば、原発の安全神話にどっぷりつかって、大惨事を招いた二の舞を繰り返すことに加担をすることになると厳しく指摘しておきます。  区長。区民の不安を取り除き、子どもを放射線から守りたいという願いにこたえるには、1つ、測定箇所を大幅にふやし、全面情報公開する。2つ、除染のルールを決め、0.23マイクロシーベルト超の高い数値が出たスポットは、すぐに除染を行う。3つ、給食食材の放射線測定を学校や保育所の現場で行えるよう測定器を整備する。この3つに取り組むしかないではありませんか。答弁を求めます。  4つ目は、公益企業の区政への貢献についてです。  防災・まちづくりなど、台東区政を進めるには、東京電力、NTT、JRなどの公益大企業にふさわしい役割を果たしてもらわなければなりません。  普通の民間企業でも、社会的責任が大きな課題となっております。それでは、存立そのものが社会貢献にあるこれらの公益企業が、その使命にふさわしい責任を果たしていると言えるでしょうか。  東京電力の原発事故への対応は、国民・住民の命よりも利益を上に置く電力会社の横暴を白日のもとにさらしました。真実を隠ぺいして被曝の被害を広げた上に、被害者への損害賠償を電気料金に上乗せする仕組みをつくったのであります。絶対に許すことはできません。  台東区政はどうでしょうか。  JRは上野駅構内という有利な立地条件で大規模な商業施設をつくり、客を囲い込み、地域商店街に打撃を与えました。上野駅が管理している東西連絡橋や入谷口上りエスカレーターの建設費は全額区の負担であります。日暮里・上野間にある跨線橋の改修がどうなっているかいまだに報告もありません。  さらに、日暮里駅の第2期改修工事のおくれによって、避難通路になっている区道は役に立たない。自転車駐輪場も分断されたまま。谷中口のエスカレーター建設も一向に進んでいません。  22年度決算審議では、電柱地中化工事への東京電力とNTTの負担金は、推計ですが、かっぱ橋本通りで総事業費10億円のうち1,500万円、馬道通りでは5億円のうち750万円と、わずか1.5%程度の負担であります。  NTTは、災害時にも通話が通じる第一種公衆電話の設置の箇所を、台東区にいまだに知らせていないではありませんか。  社会貢献より利益を優先する、このような公益企業の姿勢は目に余ります。区長、区は限りある財源の中で、最大の効果をもたらす事業施策を進めようとしているのではないですか。それなのに、パートナーであるべき公益企業がこれでいいのでしょうか。  公益企業への要望は数限りありませんが、当面、以下4つを区長として関係企業に求めていただきたい。  第1に、道路占用料であります。  我が党は公益企業の道路占用料が幾重にもわたる減免制度が講じられているため、区の歳入が抑えられていることを、繰り返し指摘してきました。区は4年前に電柱巻きつけ看板広告の政策減免をなくし、一昨年は基準額を見直し、この部分だけで区の収入は年間1億円ふえました。  しかし、いまだに幾つかの減免措置が講じられています。さきの決算審議では、東京電力が電柱巻きつけ広告でいまだに荒稼ぎしている実態が明らかになりました。  引き続き、道路占用料への減免を見直し、ふさわしい料金を払うよう、区として対応すべきではありませんか。  第2は、バリアフリーへの鉄道事業者の責任です。  区長は所信表明で、バリアフリー基本構想の改定を表明しました。6地区の事業成果を踏まえ、さらなる推進を一体的に図る計画にするとのことです。この点はいいことですが、まず区はこの間、鉄道事業者の責任をどう求め、それに各社がどう対応してきたのか、区民に明らかにすべきであります。  その上で、まずJRに対し、バリアフリーから唯一取り残されたJR浅草橋駅のエレベーター設置を求めるべきではありませんか。  第3は、災害時にもつながりやすい公衆電話の整備・増設です。  3.11は、発災時の通信手段の困難を改めて痛感させました。NTTは赤字になることを理由に、公衆電話をどんどん減らしています。区道上の公衆電話が、この10年で227カ所から105カ所へと半分以下になっています。  しかし、通信事業者は過疎地や災害時の通信網整備のため、1電話番号当たり8円を電話料金に上乗せし、基金にして年間180億円をNTTに交付しています。NTTは10兆円を超す内部留保があり、株式の3割は国が保有しています。赤字だからと減らすことそのものが不当であります。  区長。区の公共機関、わけても、発災時、子どもの安否確認のため、私立も含む学校・幼稚園、保育所、子どもクラブに、災害緊急時に優先的につながる電話をNTTに整備させるべきであります。  第4は、放射線測定と除染の費用負担です。  台東区は放射線測定を6月から実施しています。区の対応は極めて不十分だと先ほど指摘しましたが、それでも、測定を業者に委託した費用、測定器の購入費用、さらには少ない人員体制の中で職員を測定に当たらせたことなど、かなりの負担が生じています。  区長。6月から今後発生する測定・除染の費用を、東京電力に賠償させるつもりはありませんか。  以上、4点、答弁を求めます。  最後は飼い主のいない猫をなくす、地域猫活動についてです。  区が3年前、不妊・去勢手術費用への助成制度を開始し、地域猫活動を支援するようになり、えさやりやふん尿などでの苦情が大きく減っています。  私は、この間、地域猫活動に取り組む区民の献身的な活動に触れる中で、区が講じる施策が区民と協働で進むと、ここまで成果が得られるのかと驚いています。  企画総務委員会が先日視察した福岡市共同事業提案制度でも、地域猫守り隊という地域猫活動が取り上げられています。地域で猫と共生する取り組みを通し、地域の融和と活性化を図り、次世代を生きる子どもたちの心のふるさとづくりを目指すというのが事業目的であります。  先日、地域猫活動を進める方たちと台東区の懇談に同席しました。台東区の活動者も、子どもたちに命の大切さ、動物愛護を伝えるために頑張っていると話していました。  区長。台東区の地域猫活動を、環境衛生はもとより、地域コミュニティの強化、そして教育活動まで含めて、位置づけを深め、高めるべきであります。また、部署間の連携を密にして取り組むべきですが、どうですか。それぞれ答弁ください。  台東区ではことし、西浅草の7つの町会が、あげて地域猫活動に取り組み始めています。  問題は、区の不妊・去勢手術の補助の予算が区民との協働にふさわしい規模になっていないことです。昨年は補助に殺到し、年度初めで当初予算がなくなってしまいました。  地域猫の活動者からは、限りある財源の中で効果を上げるには、町会初め地域ぐるみで取り組む枠と、個人枠を別につくり進めることだという意見が上がっています。猫はテリトリーの中で生きるという習性があり、野良猫の寿命は四、五年と飼い猫の半分にも満たないと言います。町会ぐるみで取り組むような場合は、野良猫の頭数を明らかにし、集中的に不妊・去勢を進める措置を講じたらどうでしょうか。目に見える成果が上がります。そうすれば、ほかの地域にもどんどん広がっていきます。  区長。現状をつかみ、計画を立て、それにふさわしく不妊・去勢手術費用の補助の予算をふやしていくべきであります。ご答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(青柳雅之 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 秋間議員のご質問にお答えさせていただきます。  ご質問の第1は、TPP(環太平洋連携協定)についてでございます。  まず、TPPに参加した場合の影響についてでございます。  我が国のTPP参加問題をめぐる議論の激しさが増す中、野田首相は交渉参加に向けて関係国と協議に入ると正式に表明いたしました。  TPPに参加した場合の日本経済に与える影響につきましては、内閣府、農林水産省、経済産業省が、それぞれ異なる前提条件で試算しているため、その結果も一様ではございません。また、TPP参加後の関税の取り扱いによっては、その対応が大きく異なることとなります。  このように、不確定要素が多い中で、的確に試算することは困難でございます。  TPPへの参加につきましては、区内産業界においても、その影響をはかりかね、静観している状況でございます。  産業界との連絡を密にしながら、さまざまな観点から情報を収集し、その動向を注視していくことが現時点では適切であると考えております。  ご質問の第2は、ものづくりの技術の活用と継承についてでございます。  私は、ものづくりの技術を若い人材へ継承することは、区内産業の活性化のために重要な課題であると認識いたしております。  本区では、浅草ものづくり工房の運営や人づくり支援助成に加え、若手クリエーターの販路開拓や物づくりのベテランと若手の交流・連携促進の場として、モノステージを定期的に開催いたしております。  技術を若者に継承していくための新たな具体策につきましては、現在策定中の産業振興プランの中で検討を行っているところでございます。  次に、靴のメンテナンスなどを行う店への支援についてでございます。  本区では、ものづくりの現場を公開して、製品の理解や親しみを高めるための店舗改修費の一部を助成するアトリエ化支援事業などを行っております。  今後とも、これらの事業を活用して、本区の靴の質の高さを発信できるよう支援してまいります。  ご質問の第3は、放射線から区民の皆様や子どもたちを守る対策についてでございます。  区内の放射線測定値につきましては、国や都が発表する数値などを参考に、専門家の意見に基づき、健康に影響を及ぼすものではないと判断いたしております。  さらに、子どもが利用する施設につきましては、排水口や雨どい下など、周辺より高い数値が測定された場合は、専門家のアドバイスに基づき、速やかに低減のための措置等を行っており、これらの箇所は再測定により数値が下がっていることを確認いたしております。  今後も、専門家と十分連携をとりながら、区民の安全・安心のため、迅速・適切に対処してまいります。  次に、測定箇所の増設と結果の公表についてでございます。  9月から、毎月定期的に測定する箇所につきましては、幼稚園、小学校、中学校や保育園などの教育施設や公園等を含む21カ所としておりますが、近隣区の小学校の雨どい下で高線量の箇所が発見された際には、本区の教育施設を対象に雨どいを調査するなど、状況に応じて緊急測定を実施いたしております。  今後も、子どもの安全を確保し、保護者の不安を解消するため、定期的な測定のほか、状況に応じたきめ細かな測定に取り組んでまいります。  測定の結果につきましては、ホームページで公開するとともに、「環境案内人 エコガイド」に掲載し、区民の皆様への周知を図っております。  次に、除染につきましては、市町村単位における除染についての環境省方針によると、除染実施計画を定めることとなる区域の要件として、毎時0.23マイクロシーベルトを基準としておりますので、これまでの定点測定結果が毎時0.09から0.13マイクロシーベルトで推移している本区は、面的な除染を必要とする地域に該当しておりません。  一方で、局所的に放射線量が高い場所につきましては、文部科学省の放射線測定に関するガイドラインによると、地表1メートルの高さの空間線量率が周辺より毎時1マイクロシーベルト以上高い場所について、除染等の対応をするということとなっております。  区といたしましては、国の基準を踏まえつつも、できる限りの放射線量の低減を目指し、これまでも主に子どもが利用する施設について、排水口等局所的に周辺より放射線量が高い場所については、専門家のアドバイスに基づき、低減のための措置を行ってまいりました。  今後も、区民の安全・安心のために、必要な対策に取り組んでまいります。  ご質問の第4は、公益企業についてでございます。  まず、道路占用料についてでございます。  道路占用料は、固定資産税の評価額見直しに合わせ、3年ごとに改定しており、次回の改定は平成25年度でございます。  道路占用料及びその減免につきましては、現在、特別区の協議の場において検討しており、その結果を踏まえ、定めてまいります。  次に、JR浅草橋駅のエレベーター設置についてでございます。  これまで、設置実現に向けて、区はもとより議会及び区民の皆様方による要請活動を行っているところでございます。  現在、区では、台東区バリアフリー基本構想の改定作業を進めており、バリアフリー化に向けた鉄道事業者等が取り組むべき各事業を取りまとめているところでございます。  この中で、JR浅草橋駅のエレベーター設置につきましては、JRとの協議を経て、これまで一括して長期的課題としていたものから、調査・協議・設計・工事を短期、中期、長期と段階的に分けて設定し直し、計画的な進捗管理を行えるよう変更を行ってまいります。  引き続き、早期実現に向けて、積極的に要請し、協議を進めてまいります。  次に、災害時の通信手段についてでございます。  災害用特設公衆電話は、避難所に指定され、周知されていることを前提に配置されることとなっておりますので、区民の避難所、帰宅困難者の一時待機場所以外に設置することは難しい状況でございます。  災害時における学校等での安否確認につきましては、災害用伝言ダイヤルや災害用ブロードバンド伝言板、メール配信などを活用するとともに、災害時優先電話の整備などについて検討してまいります。  次に、放射線測定と除染の費用負担を東京電力に求めることについてでございます。  放射性物質汚染対処特別措置法によりますと、環境汚染への対処の基本的な方向として、関係原子力事業者や国の責任に言及しつつも、現時点では、費用負担の対象とする事業等が定まっていない状況でございます。  今後も、国や関係事業者の動向を注視するとともに、各区と連携しながら適切に対処してまいります。  ご質問の第5は、地域猫活動についてでございます。  まず、活動の位置づけと部署間の連携についてでございます。  平成20年度に不妊・去勢手術費助成事業を開始して以来、ボランティアの数は増加し、町会や商店街など、地域ぐるみで地域猫活動に取り組まれている例もございます。こうした活動を通じて、コミュニティの強化や動物愛護精神の醸成にもつながるものと認識いたしております。  今後も関係所管で連携をとりながら、引き続き事業を進めてまいります。  次に、不妊・去勢手術費助成についてでございます。  本助成につきましては、年間を通じ助成できるよう、年6回の受け付け日を設定しているところでございますが、希望者が多く、すべての方のご要望には添えない状況にございます。  今後は、町会等の地域単位での取り組みに対する助成枠を検討するなど、より効果的な事業実施に努めてまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(青柳雅之 さん) 教育長。           (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 秋間議員の給食食材の放射性物質測定器の設置に関するご質問については、私からお答えをさせていただきます。  放射性物質を正確に測定するためには、一定の性能の機器や検査体制の整備等が必要となりますので、現時点ではすべての学校等への配備は考えておりません。  しかしながら、松尾議員のご質問にもお答えさせていただきましたとおり、各地で放射線に関する日々新たな報道もあり、より安心・安全への対策が必要であると考えておりますので、現在、給食食材の検査の実施に向けて準備を進めているところでございます。
    ○議長(青柳雅之 さん) 17番冨永龍司さん。           (17番冨永龍司さん登壇)(拍手) ◆17番(冨永龍司 さん) ことし最後の第4回定例会に当たり、会派、無所属クラブを代表して一般質問させていただきます、冨永龍司と申します。  新人として2回目の一般質問の機会を与えてくださった会派の皆さんに感謝しております。  さて、この4月に台東区議会議員に初当選してから7カ月、私は、当選時に区民の皆様と約束したとおり、しがらみのない立場で区議会に臨み、区民の声なき声(サイレントマジョリティー)に意識を集中し、区民目線で台東区政にかかわってまいりました。  今後もぶれることなく、私を選挙で選んでいただいた区民の皆様の台東区への熱い思いを、真摯に行政に向けて強く述べていく所存でございます。  先日、大阪では維新の会である松井氏と橋下氏の2人が選挙に勝って、新しい大阪府知事と大阪市長に選ばれました。  ご存じのとおり、維新の会の政策は、大阪での無駄な二重行政をなくし、効率的な行政運営基盤を再構築するところにあります。  また、維新の会は、私の選挙の際に推薦・応援をいただいた地域政党、減税日本とも連携し、中央政界の心ある人々と新しい21世紀の地方分権を考える集団でもあります。  今後は私も初心を忘れることなく、選挙時の仲間である減税日本のメンバーや維新の会のメンバーと連携しながら、我々が住む東京23区が抱える東京都との事務及び財源の問題、いわゆる都区制度における主要5課題の政策的課題などについて地方分権の観点から強く問題提起してまいりたいと考えております。  もちろん、私は既存の行政機構のすべてが悪いとは考えておりませんが、いずれにしても、今後の台東区においては、既存の行政組織のよいところを踏襲しつつも、都や国との関係の中で、常に行政提案に賛成するだけではない、強い政治家としての意思が必要だと痛感しております。  確かに、日本における文化の中で、日ごろの人間関係もあるのに厳しいことを行政に主張するのは難しい面もあるでしょう。  しかしながら、我々はさまざまな区民の思いを受けて選挙で選ばれ、行政に意見を言うことを期待された職業政治家なのですから、その点は強い意識を持って区政に臨まなければならないと思うのであります。  生意気なことを多々申し上げましたが、以上述べた政治信念を胸に、質問に入らせていただきます。  まず1つ目の質問は、改修予定の雷門地区センター、区民館の活用についてです。  この雷門地区センターは、立地のよさからか、会議室などの稼働率が70%を超えておりますが、建築から35年が過ぎており、耐震の問題や利便性向上の意味から、改修が決まっております。  このことは、平成19年に雷門地区町会連合会から耐震改修とエレベーター設置の要望が出されておりますし、利便性向上のためやバリアフリーの観点からも、だれでもトイレや授乳室などの要望もあると聞いております。  現在でも会議室などの利用者は多いですが、昔は雷門出張所として、より多くの方が利用されていたのを覚えております。私としても、青少年地区育成委員として、このセンターを利用するごとに、このような立地にあるのにもったいないと感じており、よりよい活用法はないものかと考えてまいりました。  そのような中、東京スカイツリーが来年5月22日に、いよいよ開業いたします。1日におおよそ2万人の方が展望台に上られるとのことですが、その下にできるスカイツリータウンには、より多くの来場者が見込まれております。  そして、その多くの方が台東区に、特に浅草地区にいらっしゃることと思います。地元で商いをしている者としても、昨今の不況の中、千載一遇のチャンスであり、来街者の方には、来てよかった、またぜひ来たいと思っていただきたいと、切に願っております。  その増加する来街者のために、私自身としてはいろいろな思いはありますが、現在、浅草文化観光センターの改築も行われております。  しかし、この雷門地区センターは、まさに浅草の中心にあり、その立地を生かして、今後増加する来街者の利便性向上のためにも、さきに述べた、だれでもトイレや授乳室など施設の一部の利用が望まれます。  そして、今でも観光ガイドなどを配布しておりますが、現在、インターネットや携帯電話などで入手することができるクーポンなどは、高齢者の方には入手が難しいと思われますので、多くの来街者に、台東区に、そして浅草に来てよかったと思っていただけるよう、雷門地区センターで観光情報やお得なクーポンの入手ができるなど、立地の特性を考え、他の地区センターとは違う特性を持たせてはどうかと思っております。  それでは、以上申し上げたことをもとに、区長に2点質問させていただきます。  まず今回の改修に当たっては、さきに述べましたように、地元町会からの要望があってのことと思うのですが、本年度の基本計画において地域の要望はどのように設計に生かされているのでしょうか。また、高齢者、身体の不自由な方々、小さなお子さん連れの方々に対する配慮はどのようになされているのでしょうか。区長にお伺いいたします。  次に、雷門地区センターは、その立地に恵まれた場所から、来年開業する東京スカイツリーの影響もあって、来街者が増加することが見込まれておりますが、情報の発信や来街者の利便となるクーポンの発券等を行うことができないでしょうか。  区長の所見をお伺いいたします。  それでは、大きな項目の2つ目の質問に入らせていただきます。  それは、商店街振興事業についてです。  現在、台東区には約110の商店街があります。23区で一番面積の小さい我が区は、まさに商店街の町と言っても過言ではありません。その多くの商店街は、来街者や地元の方に愛され、きょうまで来ました。  しかし、時代の移り変わりや、景気の低迷・後継者不足などにより、現在では、多くの空き店舗が見られるようになってまいりました。  私自身も商人の子どもとして育ってまいりましたが、40年ほど前に、和菓子屋からそば屋に業態の変更をしました。私が経営に携わるようになってから、その当時、母が代々やってきたものを自分の代で変えることの苦悩を教えてくれました。業態を変えるだけでも大変苦労し悩むのですから、のれんをおろすということは、どれだけつらいことなのか、はかり知れません。  現在、区内の多くの商店街には、廃業による空き店舗が多く見られます。空き店舗の増加を抑えることで、商店街の活気や魅力が失われ、さらなる空き店舗がふえる要因となります。私はこのような現状を打破し、商店街に活気を取り戻すためにも、空き店舗の対策は重要課題だと考えております。  現在、台東区では、空き店舗対策を実施し、平成22年度には、鳥越おかず横丁に出店があったと伺っておりますが、その対策は、まだまだ不十分であると感じております。  台東区はさまざまな顔を持っております。その地域地域ではぐくまれてきた商店街の特性を生かし、活力ある商店街を再生するためには、きめ細やかな対策やスピード感のある対策が必要なのではないでしょうか。  また、商店街では集客を図るため、独自のイベントを開催しております。  イベントの開催は、単なる集客を図るだけではなく、しにせ店舗と新たに出店してきた方々とのコミュニケーションを生み出し、連帯感をつくり出す大切な機会となっております。イベントの効果として、数年ぶりに新規出店があった商店街もあり、空き店舗対策の一環ともなっております。  商店街としては、イベント事業に区から支援をいただいていることは、大変感謝しておりますが、空き店舗の多い商店街では、会員数の激減、商店街運営費の減少などで、イベントを開催したくても開催できない商店街もあります。また、イベントを開催するに当たり、区からの補助金が交付されますが、補助金が実際交付されるのは、事業終了後1カ月から2カ月ぐらいかかってしまい、会員数の少ない商店街においては資金力がなく、商店街を維持するだけでも大変な現状である中、一時的に補助金部分を立てかえ、負担することは大変重荷です。  一方では、区内にあるアーケードや街路灯の多くが老朽化しており、事故に備えた保険にも入れない事例もあります。万が一、震災や大雪などにより、アーケードの一部が倒壊や落下などを起こし、負傷者や最悪の場合死者が出たときなど、その賠償金は商店街の負担となります。  事故は起こってはならないと切に願っておりますが、実際に渋谷の旧センター街、現在のバスケットボールストリートにて、平成9年6月20日に台風7号が関東に上陸し、強風のためにアーケード看板が倒壊し、数人が下敷きとなり、1人が死亡するという事故が起こっております。これは商店街の存続にかかわるばかりではなく、区民や来街者にとっても、安全・安心の観点からも大変重要なことであります。  まだまだ商店街対策として課題はありますが、区長に2点質問させていただきます。  商店街では、消費の低迷や後継者不足などにより空き店舗が増加し、商店街の活力を失わせる原因ともなっている中、区では空き店舗対策を講じていますが、その実績と効果について区長の所見をお聞かせください。  次に、商店街では活性化を図るために、イベント事業やハード整備事業などを実施していますが、事業の実績と区からの補助金交付にタイムラグがあり、商店街の負担が重くなっております。そこで、商店街に対し、補助金交付で柔軟な対応をしていくべきだと考えますが、区長の所見をお聞かせください。  それでは、大きな項目の3つ目に入らせていただきます。  それは、JR浅草橋駅のバリアフリー化についてです。  この問題は、今までも多くの議員の方々が質問されたと思いますが、今回、区長の所信表明にて、区内のバリアフリー化基本構想について触れられておりましたので、改めて質問させていただきます。  JR浅草橋駅は、1日の乗降客が平均約5万3,000人あり、JRと都営浅草線の乗りかえのできる台東区の主要駅となっております。  このように、多くの利用者があり、そして何より地元からの強い要望が常日ごろから出ております。  過去にも、JR浅草橋駅西口近くにあった旧福井中学校の跡地に、エレベーター塔を建て、駅までアーチをかける構想もあったようですが、駅の強度の問題等もあり、実現ができませんでした。  今まで区とJRとの協議の中では、構造上エレベーターの設置は困難であるとし、階段昇降機を設置するにとどまっておりますが、区としてはエレベーターの設置は長期的課題として可能性の検討を進めるとともに、関係者との協議を行うとありますが、今回の区長の所信表明により変化があるものと感じております。  ところで、JRのホームページを読みますと、高齢化社会を迎え、また、身体の不自由なお客様の社会参加も進む中で、すべてのお客様に安心してご利用いただける快適な鉄道づくりは、当社のサービスに欠かせない要因となっております、さらに高いレベルで鉄道の快適性や利便性を実現するため、さまざまな取り組みを進めています、とし、具体的には、2010年までにバリアフリー新法対象駅の乗降客数5,000人以上のすべてのホームにエレベーター、多機能トイレ、スロープなどバリアフリー対応設備を積極的に行ってまいります、と書いてあります。乗降客数5,000人以上ということで、浅草橋駅もこの対象に入っていると思われます。  そして、その一例として、JRお茶の水駅はJR浅草橋駅と同様に、階段昇降機しかありませんでしたが、千代田区等と連携して、線路上空に人工地盤を設置し、エレベーターとエスカレーターを整備するという、今までには考えられなかった方法でバリアフリー化をすることが進められております。  さまざまな技術は、日々進歩しておりますので、台東区としても技術的に無理とすることはなく、積極的に協議を続けていくべきと思われます。  そして、それに伴い、利用者のさらなる利便性向上として、JR浅草橋駅構内に多機能トイレや券売機の車いす対応も必要と感じております。  以上申し上げたことをもとに、区長に2点質問させていただきます。  JR浅草橋駅のエレベーター設置については、駅の構造上困難な状況であると議会に報告されていますが、その後、この問題やバリアフリー計画について、区及びJRの事業計画・事業目標等の現状はどうなっているのでしょうか、区長にお聞きします。  そして、JR浅草橋駅構内のトイレの多機能化や、券売機の車いす対応についても課題となっていますが、その後の取り組み状況はどうなっているのでしょうか、区長にお聞きします。  それでは、最後に大きな項目の4つ目の質問に入らせていただきます。  それは、国際感覚をはぐくむ小学校の英語活動についてです。  今年度より、五・六年生に英語活動が必修化されました。これは、音声を中心に英語になれ親しませる活動を通じて、言語や文化について体験的に理解を深めるとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成し、コミュニケーション能力の素地を養うということを目標に始められたものです。  全国的な評価は、今年度始まったばかりですので出ていないと思いますが、子どもたちのコミュニケーション能力の低下が問題視されている中、そして、今後さらなるグローバル化の流れには必要なものだと思っております。  さらに、日本の企業の中にも、社内公用語を英語にしているところも出てきております。  その一方で、大学生の留学の減少が取りざたされております。ピーク時には8万2,945人いましたが、2008年には6万6,833人となり、20%も減少しております。特に、米国への留学の減少が著しく、ピーク時の半分となっております。  そんな中、国際観光都市を提唱している台東区には、年間190万人の外国人が訪れていると推計されております。  その台東区で育つ子どもたちには、将来、台東区を担う者として、外国からの来街者への対応や、世界へと大きく羽ばたくためにも、早いうちから英語に触れられることが大切だと思います。  台東区での英語活動は、国際理解クラブとして、五、六年生を対象とし、昭和61年に始まり、平成15年より本格的に活動を行ってまいりました。学校によってはPTAの協力を得て、全学年への英語活動を行っている学校もありました。  このように、早い時期より積極的に英語活動を取り入れてきた台東区ではありますが、今後、さらなるグローバル化の流れの中、日本人としての誇りを持ち、日本の、特に台東区の歴史と文化を正しく理解し、世界に広めていってもらいたいと願っております。  そのためには、台東区独自の教科書が必要だと思われますし、今年度、全学校に配備されましたICTを利用したカリキュラムの作成が重要だと思っております。  そんな中、現在、中学生の海外派遣を姉妹都市であるデンマークのグラズサックセ市に行っており、すばらしい成果を上げていると認識しております。  やはり、現地に赴き体験することは、かけがえのないものです。  このすばらしい事業に、多くの中学生が参加を望んでいることは、申し込みの倍率が約5倍あることからもうかがえます。  中学生で実績と成果を上げたものをもとに、ぜひ、小学生にも実施していただきたいと思っております。  子育てするなら台東区と提唱しているのですから、将来、この台東区を担う子どもたちに、夢を与えてあげてください。  以上、申し上げたことをもとに、教育長に3点お伺いいたします。  区では、小学校の英語活動を早い時期から取り入れてきました。その成果と課題について、教育長に伺います。  そして、小学校の英語活動を進めるに当たり、カリキュラムや教科書などの台東区独自の取り組みについて、教育長に伺います。  さらに、小学生への英語活動の啓蒙並びに国際観光都市である台東区の小学生のために、国際感覚をはぐくむ視点で台東区が後援する小学生の海外体験事業を実施すべきと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。  以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(青柳雅之 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 冨永議員のご質問にお答えさせていただきます。  ご質問の第1は、雷門地区センター、区民館についてでございます。  雷門地区センターの改修につきましては、平成19年に雷門地区町会連合会より施設の老朽化対策・耐震化エレベーター設置などのご要望をいただいております。  改修の基本設計に当たりましては、これらのご要望を反映して空調・給排水・電気設備などの更新や、エレベーターの新設、耐震壁による補強を行う予定でございます。  また、議員ご指摘の、高齢者や体の不自由な方のためのバリアフリー対応や、だれでもトイレの設置、さらに小さいお子さま連れの方のための授乳室の設置を行う予定でございます。  次に、観光客に対する情報発信等についてでございます。  雷門地区センターは、浅草仲見世通りのわきにあり、観光客が多く訪れる施設でもございます。  これまでも、観光客に対して観光マップや案内パンフレットなどの配布、区政情報の提供など、可能な限り対応してきたところでございます。  議員ご提案のクーポンの配布等、来街者へのサービス向上につきましては、今後、調査・検討してまいりたいと存じます。  ご質問の第2は、商店街振興事業についてでございます。  まず空き店舗対策の実績と効果についてでございます。  実績といたしましては、佐竹商店街が空き店舗を借り上げ、スーパーマーケットを誘致した際、改修費や家賃の支援等を行ってまいりました。そのスーパーマーケットは、現在も営業活動を行っているところでございます。また、鳥越本通り商盛会が空き店舗を借り上げ、事業者を誘致し、アトリエ店舗を開設した事業に対しても同様の支援を行っております。さらに、商店街が実施したイベントを区が支援し、多くの人出が見られたことにより、商店街の空き店舗へ新たな事業者が出店するという事例もございました。  現在、策定中の産業振興プランにおいても、空き店舗の利活用が課題となっております。  区といたしましては、商店街の活力向上に向けて、新たに(仮称)商店街空き店舗活用支援事業を実施いたしたいと考えております。  次に、商店街振興事業における補助金の交付につきましては、規則及び要綱に基づき、区に対する申請、事業着手、実績報告、交付といった一連の流れで行っております。  しかしながら、事業の円滑な遂行のために必要があると認められる経費につきましては、契約書等を確認した後、補助金を概算で交付する場合もございます。  その場合におきましては、事業完了後、実績報告書や精算の手続を行っております。  今後とも、各商店街の実情や事業内容等を見きわめ、適正に補助金を執行してまいります。  ご質問の第3は、JR浅草橋駅のバリアフリー化についてでございます。
     まず、バリアフリーに関する計画についてでございます。  現在、区では、台東区バリアフリー基本構想の改定作業を進めており、バリアフリー化に向けた鉄道事業者等が今後取り組むべき各事業を取りまとめているところでございます。  この中で、JR浅草橋駅のエレベーター設置につきましては、JRとの協議を経て、これまで一括して長期的課題としていたものから調査・協議・設計・工事を短期、中期、長期と段階的に分けて設定し直し、計画的な進捗管理を行えるよう変更を行ってまいります。  引き続き、早期実現に向けて、積極的に要請し、協議を進めてまいります。  次に、駅構内のトイレの多機能化や券売機の車いす対応についてでございます。  これまでの基本構想におきましては、エレベーター設置と同様に長期的課題とされておりましたが、改定後の基本構想では、エレベーター設置とあわせて整備する事業として位置づけてまいります。  私も、JR浅草橋駅のバリアフリー化を求める区民の皆様の思いを強く認識いたしているところでございますので、引き続き早期実現に向けて、積極的に要請し、協議を進めてまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(青柳雅之 さん) 教育長。           (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 冨永議員の小学校の英語活動についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、小学校の英語活動の成果と課題についてでございます。  台東区では、議員ご指摘のように、外国の生活や文化になれ親しむ国際性を培うために、昭和61年度から国際理解教育を推進しております。  平成15年度には、国際理解クラブとして、全小学校に外国人指導助手を派遣し、世界各国の音楽・歌・ダンス・ゲームなどを通じて、国際理解教育を進めてまいりました。  こうした取り組みを基礎に、平成19年度からは英語を中心とした英語活動として発展をさせてきているところでございます。  成果といたしましては、あいさつなどの初歩的な会話を、どの児童も身につけることができ、外国人とのコミュニケーションに抵抗感がなくなりつつあることが上げられます。  また、英語活動に興味を持ち、自主的に英語学習に取り組むなど、積極的な姿勢が見られる児童もふえてきたという成果も見られております。  課題といたしましては、当初学校間の指導内容について若干の違いが見られましたが、モデル校による英語活動の研修や台東区版教科書の開発などにより、現在ではそれも改善されてきているところでございます。  次に、区独自の取り組みについてでございます。  今年度から本格実施となりました、小学校の新学習指導要領では、五・六年生が年間35時間の活動を行うこととなっておりますが、台東区では独自の取り組みとして、いち早く小中一貫英語教育に取り組んでまいりました。  そして、台東区の行事や風物を盛り込んだ場面を取り入れた、「みんなのえいご 台東区版」を作成いたしました。  その台東区の身近な題材をもとに児童が楽しみ親しみながら取り組めるよう工夫し、一・二年生は17時間まで、三・四年生は25時間を教育課程に位置づけた英語活動を実施しております。  また、ICT機器の活用につきましては、今年度内に小・中学校全校に配備される予定の電子黒板や実物投影機を英語活動にも有効に活用して、一層の充実を図ってまいりたいと考えております。  次に、小学校の海外体験事業についてでございます。  議員ご指摘のとおり、小学生に国際感覚をはぐくむという視点では、小学生にも海外生活を体験させることは異文化理解の側面からも、有意義なことであると考えております。  しかしながら、実施に当たりましては、安全管理や健康管理などにも一層考慮することが必要と考えておりますので、今後、他地区の取り組み方や成果なども調査をしながら、研究してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(青柳雅之 さん) 19番鈴木一郎さん。           (19番鈴木一郎さん登壇)(拍手) ◆19番(鈴木一郎 さん) 第4回定例会に当たり、みんなの党を代表して、今回は1点に絞り、区長に質問させていただきます。  早速、質問に入らせていただきます。  医療関係の仕事に携わってきた経験と区民の意見をもとに、喫煙対策についてお尋ねします。  たばこに関しては、財源としての性格と健康や環境への負荷要因としての性格との相反する2つの側面が存在しておりますが、財源としての性格に着目しますと、たばこ税による税収は、国全体で2兆円程度あり、台東区においても特別区たばこ税は、22年度決算で約30億円弱あります。これは区の主要財源でもあり、特別区税の約17%を占めております。また、たばこ販売店を初めとし、たばこ関連産業により生計を立てている区民の方々も多く存在しており、零細事業者の保護といった観点からも重要な側面を持っております。  しかし、もとはと言えば、戦時中、戦費調達のために大蔵省――現在の財務省ですが、たばこ税収を主導した経緯があり、今もなお財務省が管理しております。しかし、最近ではたばこ産業の転業も多く行われております。  私は、この経済面からも、医療費抑制という観点から述べたいと存じます。  たばこによる健康影響については、もはや論ぜずとも明らかです。今般の原発事故に伴う放射能による健康影響への区民の関心の高さを見れば、喫煙や受動喫煙による健康被害は、将来を担う子どもたちのためにも、到底見過ごせるものではありません。「平成22年広聴一年(区民の声)」という冊子を拝見しますと、この本は平成23年10月、総務部より発行されておりますが、課題別分類では7番目にたばこの喫煙が挙げられております。その広聴一年からの抜粋ですが、例えば1番、「歩きたばこは危険なので、是非禁止して欲しいです。また、公園なども禁煙にして欲しい。確かに公園は公共の場で誰でも利用できますが、やはり子どもが多く利用するところ。喫煙する場所は別に設けて欲しいです。」そんな声もあります。また2番目、「喫煙も受動喫煙も悪い病気に必ず関係しているということをもっとアピールする。新聞・雑誌・自治体広報などあらゆる手段で訴える。」、3番目、「禁止場所を増やすとともに、しっかり吸える場所を作ってほしい(マナーを守っている人がかわいそう)。歩きたばこや自転車たばこがベビーカーや子供にとって非常に危険だと喫煙者に知ってほしい。」また、4番目ですが、「飲食店などでの分煙対策は不十分だと感じる場所が多い。板一枚で区切るだけでは全く意味がないので、完全に部屋で分けるなどの措置を講じるよう法改正を望みます。」などのご意見が、区民から多数寄せられております。  厚生労働省が今年度、税制調査会で示した資料によれば、喫煙による疾病や死亡、超過医療費などの直接費用2兆円、労働力損失などの間接費用が何と2兆3,300億円で、合計約4兆3,300億円と推計され、喫煙による超過死亡者数は年間13万人以上、受動喫煙による死亡者数は約6,800人と発表されています。  私の近所の犬も、先月、愛煙家の飼い主のもとで、6歳で肺がんに冒され、亡くなりました。  そんな環境の中で、ポイ捨て行為の防止に関する条例を知っている区民がどれほどいるでしょうか。  歩きたばこのちょうどその位置に子どもたちが呼吸する口や鼻があり、また、喫煙できる飲食店では、子どもたちが親とともに同席している光景が見受けられます。副流煙を吸って、ぜんそくなどの呼吸障害になる方々も多く存在します。  国においては、22年度の税制改正でたばこの消費、特に青少年の喫煙を抑制するために、たばこ税率が引き上げられます。実際、来年度の診療報酬改定では、医療機関での屋内禁煙を行わない施設の点数が下がることも検討され、院内・敷地内に喫煙場所のあるところでは、その査定を受ける可能性があります。平成19年の医療法改正で、医療提供施設と位置づけられました薬局でもたばこを販売しているところがあります。禁煙指導している薬局という、この二律背反な不思議な現象が見受けられます。  現在、葉たばこの購入先は国産たばこ農家から海外へ大きくシフトしており、数字的には、25年前に比べ、国産農家の依存率は約三分の一にまで低下しております。  たばこの有害性が、なぜこれほどまでに問われておりますのは、食の安全性の問題ですが、製造工程中に、約4,000種類の化学薬品や発がん物質が多く含まれ、特に副流煙に含まれる有害物質は、喫煙者が吸う主流煙より多いという資料があります。先日、来日された幸福度ナンバーワンというブータンの国では、たばこは販売されておりません。  区民の健康を守るためにも、そして医療費を抑制するためにも、たばこ対策の推進は大変重要と考えられますが、本区の取り組みと、今後の区長の姿勢をお聞かせいただきたいと思います。  ことしは3月の震災・原発事故を初めとし、数々の大変な出来事に、私たちは遭遇し、またこれから厳しい冬に立ち向かって、頑張って生活する方々も多くいらっしゃいます。  私たちは幸せになるために生まれてきました。次の世代のためにも、よりよき社会が築けるように、夢と希望と愛があふれるように、身近なことから、1つずつ、頑張って活動する所存ですので、よろしくお願いします。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(青柳雅之 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇)(拍手) ◎区長(吉住弘 さん) 鈴木一郎議員のご質問にお答えさせていただきます。  公共の場での受動喫煙による健康被害を防止することは、重要であると認識いたしております。  区では、喫煙による健康への影響に関する正しい知識や、受動喫煙防止の重要性について、区民の皆様への普及・啓発を進めるとともに、禁煙を希望する方への支援を実施いたしております。  本年6月には、昨年度に引き続き、世界禁煙デーに合わせて禁煙支援のための講演会を実施いたしました。  昨年度の受講者の中には、禁煙に成功した方がおられました。  また、がん検診等の場を利用して、個別に、禁煙を希望する方への呼びかけや禁煙外来への紹介などを実施してまいりました。  今後も、区民の皆様への禁煙を支援していくとともに、公共の場での分煙の推進や、受動喫煙防止のための取り組みを進めてまいります。 ○議長(青柳雅之 さん) それでは、ここで15分間休憩します。           午後 4時08分 休憩  ─────────────────────────────────────────           午後 4時25分 開議 ○議長(青柳雅之 さん) 休憩前に引き続き会議を開きます。  1番鈴木純さん。           (1番鈴木 純さん登壇)(拍手) ◆1番(鈴木純 さん) 自由民主党・無所属の会の鈴木純でございます。初めての一般質問の機会を与えてくださった会派の皆様に感謝を申し上げます。また、東日本大震災に遭われた被災地が、1分、1秒でも早く復興されることを心よりお祈り申し上げます。  質問に入らせていただく前に、このような公の場をお借りして、4月に初当選させていただいたときから、皆様に感謝の言葉を申し上げたいと心に決めていたことがあります。生前、父、鈴木昭司が区長を初め、議員の先生方、区役所の職員の方々、そして区民の方々の胸をお借りし、大変お世話になり、おととしまで約18年間、区議会議員として働かせていただきましたこと、本当にありがとうございました。父は、まだまだ区議会議員として働かせていただきたかったと思いますが、天国にいる父にかわり、御礼申し上げます。私を応援していただいた方々、期待していただいた方々など、さまざまな思いを胸に、私は一生懸命台東区のために頑張ることをお誓いいたします。  ことしも早いもので、あと1カ月を切りました。2011年の出来事を振り返ってみますと、全国各地の児童養護施設に匿名で寄附を行うタイガーマスク運動から始まり、大相撲八百長問題、名古屋市長選、市議選、愛知県知事選のトリプル選挙、死者・行方不明者約2万人という犠牲者が出てしまった東日本大震災、ここにいる皆さんと戦い合った4月の統一地方選挙、FIFAワールドカップサッカー女子日本優勝、オリンパス損失隠し問題、オウム真理教事件の全公判が終了したこと、大阪市長選・大阪府知事選のダブル選挙など、明るいニュースや起きてほしくない出来事など、さまざまです。台東区でも、さまざまな出来事があり、今後の課題等もいろいろと山積みだと思いますが、その中で幾つかの質問をさせていただきたいと思います。  初めに、保育園の待機児童解消と偏在解消について質問させていただきます。  まず、保育園とは、保護者の方が働かれていたり、病気にかかってしまったときなど、家庭で児童を保育できない場合に預かって、保護者にかわって保育する施設であります。  待機児童とは、保育園に入園を希望していても、定員にあきがないために入園を待っている児童のことだというのも、ご存じのとおりです。  これまでの保育園への入園申し込み件数の推移やニーズ調査の結果を見ると、今後、保育園に入園を希望する子どもの人数は、増加していくと思われます。  景気の悪化で、働く保護者の方がふえる中、仕事と子育ての両立を支え、安心して子育てできる環境づくりを進めていくためには、待機児童、そして偏在を解消することが、とても重要な課題だと、私は思います。  ここ数年では、台東区は、区立保育園の定員変更や、認証保育所のぽけっとランド入谷、緊急対策としての小島保育室の開設、こども園の開設などに取り組んできました。  その結果、台東区内の待機児童の数は、平成20年度は49人、21年度は46人、昨年は48人、ことしは38人という数字が出ています。  昨年よりことしは待機児童の数が減って大変いいことだと思います。しかし、保護者の方が希望の保育園に入ることができずに、認証保育所や認可外保育室に入りながら待ち続けている児童の数は170人近くいると聞いています。これは、書類上のマジックのようなもので、38人保育園に入れない児童がいる以上に、まだまだ不満を持たれている保護者の方々がたくさんいます。これも待機児童と言えるのではないでしょうか。その170人弱の方の現状を例に挙げますと、浅草橋に住まれている方が清川にある玉姫保育園に通われていたり、お子さんが2人いて、保育園がばらけてしまっていることなどの現状がございます。  私が区議会議員にならせていただいて7カ月がたち、何件も区民の方から保育園のご相談をいただきましたが、やはり希望どおりの保育園に入れないというケースばかりでした。  台東区は、子育てするなら台東区とうたっていますが、私は正直、疑問を感じています。これは私だけでしょうか。  来年、台東区内には約700世帯入るという浅草タワーができ、上野方面にも高層マンションが3棟、今後、できます。上野、池之端には保育園がありませんので、大変心配です。もし急激な数で児童がふえた場合、区はどのような対応をしていただけるのでしょうか。私は、現状でも保育園の数は足りないと思っています。保護者の方々や子どもたちのたくさんの笑顔をつくれるように、少しでも待機児童の数を減らし、各地域人口の数に沿ったバランスのよい保育園づくりをして、偏在も解消していかなくてはならないと考えています。  教育長のご所見をお聞かせください。  次に、東京スカイツリー開業イベントについて質問させていただきます。  東京スカイツリーは、そもそも2011年7月24日に地上アナログテレビ放送が終了となり、東京都心部に建てられている超高層ビルの増加に伴い、東京タワーからの送信が電波障害を生じるようになったので、それを低減し、地上デジタル放送用の新たな電波塔が必要となったため、建設されました。  自立式電波塔として高さ634メートルは世界一とギネスブックにも認定され、総事業費は約650億円。そして、日本中、世界中からも注目されている東京スカイツリーも、いよいよ来年の5月22日に開業されます。  開業に伴って、商店街、町会など各地域でさまざまなイベントが行われると思います。  台東区の主催では、先日行われた第2回東京スカイツリー開業台東区記念事業推進委員会におきまして、11の事業が発表されました。  どれもすばらしい記念事業だとは思いますが、記念事業というわりには、少し物足りないようにも感じます。  私の提案になりますが、前回の第3回定例会の委員会で、私は、隅田川を使って何かできないか。花火なんて打ち上げたらおもしろいのではないかと発言しました。  隅田川は東京都の管轄、しかもお金もかかる、周りの警備の人手もたくさんいるというのは承知しています。もちろん、私は隅田川花火大会をやってほしいというわけではなく、小さい規模のものを考えています。  千載一遇とも言える大きなチャンスを大成功で終わりたいと強く思います。  もし花火ができないのであれば、水辺と光を使った幻想的なショーなどはどうでしょうか。  スカイツリー開業イベントは、東京都と連携して水辺を使ったイベントをぜひやるべきだと、私は思います。  区長のご所見をお聞かせください。  次に、東京スカイツリーから台東区への誘客について質問させていただきます。  東京スカイツリーへの来場者は、年間552万4,000人、東京スカイツリーに併設される商業施設などを含めた開発街区全体での来場者数を年間2,907万9,000人と試算しているそうです。  台東区でご商売をされている方は、とても期待されていると思います。私も景気回復への大きな起爆剤として期待しています。  スカイツリーには、絶景が見られる第一展望台、高さ350メートル、第二展望台は450メートルの高さから大パノラマを見ることができます。第一展望台ですら東京タワーのてっぺんを越えるその高さから見える景色は想像を絶するものがあり、展望台からは、もちろん、台東区も眺めることができます。  そこで、私は、展望台に上ったときに、どなたでもどこが台東区なのかがわかり、足を運んでもらえるように誘客方法を考えるべきだと思います。  いろいろな誘客方法があると思いますが、例えばリバーサイドスポーツセンターの壁を使ったり、言問橋や吾妻橋、桜橋などの台東区と墨田区を結ぶ橋、上野の森などを使い、誘客できる方法はたくさんあると思います。  そして、より工夫を重ねた上で、台東区に誘客できると考えています。  少しでも多くの方が台東区に足を運んでもらえるように、今後どのような誘客方法をお考えでしょうか。区長のご所見をお聞かせください。  質問の最後は、第32回オリンピック・第16回パラリンピックの東京招致について質問させていただきます。  2016年のオリンピック・パラリンピック招致については、各機関の努力もむなしく、残念な結果に終わってしまいました。我が会派の寺井議員も平成21年度、第1回定例会の代表質問におきまして、台東区としても積極的に招致活動をするべきとの質問をいたしました。
     区長は、オリンピック・パラリンピック開催の重要性に理解を示され、招致本部と連携・協力し、オリンピックムーブメント共同推進事業5事業などを実施。今後も、さまざまな工夫を凝らし、東京オリンピック・パラリンピックの実現に向けた招致活動に、東京都と連携しながら積極的に取り組んでまいります、と答弁されました。その後、区として努力されたことに対し評価するところであります。  東京都も前回の反省に立ち、第32回開催に向けて、努力されているようではありますが、台東区において、関係会議など開催されていると仄聞いたしましたが、その思いが見えてまいりません。東日本大震災は我が国に甚大な被害をもたらしましたが、オリンピック・パラリンピック東京開催により、復興に向けての象徴的な目標になるのではないでしょうか。台東区においてもスポーツ振興基本計画を策定し、生涯スポーツ社会の実現を目指している中、台東区内の青少年にも大きな夢と希望を与えるものと確信いたしております。さらに、地域社会の活性化にも大きく寄与できるものと考えます。台東区も招致に向けて、積極的に活動すべきものと考えますが、区長のお考えをお披歴ください。  以上をもちまして、私、鈴木純の一般質問を終了とさせていただきます。  ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(青柳雅之 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 鈴木純議員のご質問にお答えさせていただきます。  ご質問の第2は、東京スカイツリーについてでございます。  まず、開業イベントについてでございます。  区ではこれまで東京スカイツリーの開業に合わせ、官と民が一体となった東京スカイツリー開業台東区記念事業推進委員会を設け、本区の多彩な魅力を発信し、誘客を図るための記念事業の検討を進めてまいりました。  水辺を利用したイベントも効果的であると考えておりますので、今後予定している隅田公園での記念事業におきましては、東京都とも連携し、水辺の魅力を創出する事業を展開してまいりたいと考えております。  次に、東京スカイツリーから本区への誘客についてでございます。  区はこれまでも観光回遊バスの導入や、墨田区との合同観光マップの作成などの取り組みを進めてまいりました。  今後は、(仮称)たいとうにぎわいフェスティバルやウォークラリーなどの開業記念事業を初め、東京スカイツリー施設内での情報提供や、観光ウエブサイトによるPRなど、本区の多彩な魅力を発信することで誘客につなげてまいります。  ご質問の第3は、オリンピック・パラリンピックの招致についてでございます。  国際オリンピック委員会は、9月2日に東京を含めた6都市が立候補都市に決定したと発表いたしました。  現在、東京都におきましても、9月15日に東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会を設置し、招致の機運を高めるためにPR活動を検討しているところでございます。  東京オリンピックなどの実現は、次代を担う子どもたちを初め、多くの区民の方々に、夢や勇気を与え、明るく活力ある社会の形成に寄与するものであります。  また、国内外から多くのお客様をお招きできるという絶大な効果があるとともに、国際観光都市台東区の魅力を世界に向けて発信する絶好の機会でございます。  特別区長会では、私も賛同し、東京オリンピック等の招致に向け、11月30日に決議をいたしました。  本区といたしましても、都やオリンピック・パラリンピック招致委員会などと連携・協力し、区民の皆様とともに、東京オリンピックなどの実現に向け、積極的に招致活動を行ってまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(青柳雅之 さん) 教育長。           (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 鈴木純議員の保育園の待機児童についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、待機児童の解消についてでございます。  共働きなどの世帯がふえ、保育需要が増加するとともに、就労形態もさまざまとなってきており、求められている保育サービスも多様化してきております。  教育委員会では、昨年9月に待機児童の解消のために台東区保育所等整備計画を策定をいたしました。  その中でお示しをいたしましたように、認可保育所とともに認定こども園や認証保育所、認可外保育室、家庭福祉員など、さまざまな手法でニーズにこたえ、解消を図ることにいたしております。  今後も、議員ご指摘の点も踏まえ、保育園などの整備を進めてまいりたいと考えております。  次に、保育園の配置についてでございます。  議員ご指摘のとおり、保育園の利用者は、自宅や職場などから、できるだけ近い園に通うことを希望いたしております。  台東区保育所等整備計画に基づき、認可保育所などを設置する場合につきましては地域の保育需要を把握しながら、そういったことも踏まえて、適切な配置に努めてまいりますのでよろしくお願いをいたします。 ○議長(青柳雅之 さん) 4番本目さよさん。           (4番本目さよさん登壇)(拍手) ◆4番(本目さよ さん) 台東区議会区民クラブの本目さよでございます。議員になったばかりの第2回定例会で質問をさせていただいたにもかかわらず、改めて質問の機会をいただけることを、会派の皆様に、まずは御礼申し上げます。  早速質問させていただきます。  まずは、「子育てするなら台東区」の目的とその成果についてお伺いさせていただきます。  高齢化率が23区の中でも2番目に高い台東区において、世代間バランスを適正化することは非常に重要な課題であり、子どもを産みやすく育てやすい環境をつくることは、子どもと、その子どもを育てる世代の人口をふやすために、大変重要な施策だと考えます。吉住区政では「子育てするなら台東区」をキャッチフレーズに、ファミリー家賃支援制度や認証保育園、こどもクラブの整備等を実施し、子どもを安心して産み育てられるための環境づくりを推進してきています。その結果として、平成15年度に比べて、平成23年度には、子育て世代と考えられる30代から40代の人口構成比は、27%から32%と、5%上がっており、19歳以下の人口も500名程度増加しております。このことについては一定の評価をしたいと思います。  しかしながら、19歳以下の年代とこれからの子育て世代である20代の人口構成比は、若干ながらも減少しています。また、平成15年と最新のデータである平成21年における合計特殊出生率については、東京都が1.00から1.12とポイントを伸ばしたのに比べ、台東区では0.96から1.00にしか伸ばせておらず、さらなる子育て支援の充実が必要だと考えられます。  これらの結果を踏まえた上で、「子育てするなら台東区」を達成するために実施してきた施策の効果について、どのような評価をしているのか、また今後どのように取り組んでいくのか、区長の所見を伺います。  子育て世代が実際に子どもを産むためには父親の存在がかぎとなると言われています。核家族化が進む中で、母親が1人目の出産後、余りの孤独と子育てのつらさに、もうこれ以上子どもを育てたくないと思ってしまうという声もよく聞きます。  事実、厚生労働省が実施している21世紀成年者縦断調査では、子どもがいる夫婦は、夫の休日の家事・育児時間が長くなるほど、第2子以降の生まれる割合が高くなる傾向があると述べています。  育児や家事を行う父親をふやすことで、子どもがふえることが、この調査の結果からも読み取れます。  また、20代、30代の男性では、子どもが生まれたら、自分も子育てにかかわりたいという人がふえてきています。父親が育児に積極的に参加することにより、少子化への歯どめがかかり、児童虐待、産後うつなどの予防にもつながると言われています。  そこで、まずは父親の育児参加の促進に対する区長の考えをお伺いしたいと思います。  その上で、育児にかかわる父親をふやすための4つの提案をさせていただきます。  まず1つ目は、父子健康手帳の母子健康手帳との同時交付です。自分の体で変化を感じる母親とは違って、父親は子どもが生まれるまで、なかなか父親としての自覚が芽生えづらいと言います。平成22年度、台東区内1,200程度の出生数に対して、273冊の交付しかされていない父子健康手帳を、希望者のみに配るのではなく、全出産予定者に配布することを提案いたします。  まずは父親向けの手帳を配ることで、父親としての意識を啓発します。  2つ目は、子どもが生まれる前の土日開催の両親学級を増加させることです。  現在、両親学級は、台東区ではハローベビー学級として、平日コースと土日コースがありますが、土日の開催は定員を超えるほど人気があるようです。また、土日のほうが父親の参加率が高いというデータもあります。比較的余裕のある平日開催を減らし、土日に実施する回数をふやすことで、より父親の参加を促進し、父親としての自覚を促します。  そして3つ目は、父親が参加しやすい親子イベント及び講座のさらなる充実についてです。  まずは父親が参加できる機会をふやすことが必要です。子ども家庭支援センターで開催されている運動会などにも、非常に多くの父親が参加していると伺っています。育児に興味を持つきっかけづくりとして、さらなる講座の開催を提案します。  そして、最後の提案は、父親向け連続講座の開催と、パパネットワークづくりのサポートについてです。  父親が父親となるためには、マインド、スキル、そして父親同士のネットワークの3つを同時並行して育てていかなければなりません。  子どもとどのように遊ぶのかなどのフィジカルな面はもちろん、体罰を使わずに教育をする方法や、産後、ホルモンバランスの変化などにより、不安定になりがちな妻をどのようにサポートするべきかなど、メンタルの面からも、父親としての自覚を促す必要があります。また、母親に比べて育児ネットワークがつくりにくい父親にとって、パパ同士のネットワークをつくるには、1回の講座だけではなく、最低でも3回以上の連続講座が必要です。そして、その後のパパネットワークについて、活動場所の提供や活動方法のアドバイスなどの継続的な支援をすることで、パパネットワークが自発的に増殖し、講座参加メンバーだけではない父親をも巻き込んだ活動になっていくことが、ほかの自治体でも確認されています。  台東区でも、父親の育児参加について、社会教育の一環として積極的に進めていますが、まだ父親のみの連続講座は実施されていないと伺っています。ぜひ全庁的な形で、父親の育児参加促進について取り組んでいただきたいと思います。  この連続パパ講座については、近隣区の多くが、既に実施をしており、「子育てするなら台東区」としても、ぜひ実施をしていただきたいと思います。  以上、4つの提案についての所見をお伺いいたします。  次に、働きやすい企業をふやすための取り組みについてお伺いします。  「子育てするなら台東区」というためには、区民に対する直接の働きかけだけでは足りません。台東区内の企業についても、働きながら子育てもしやすい企業になることで、初めて「子育てするなら台東区」と言えるのではないでしょうか。平成20年度に実施した台東区次世代育成支援に対するニーズ調査においても、区の子育て支援施策として充実してほしいものの中に、残業時間の短縮や休暇の取得促進など、企業に対して職場環境の改善を働きかけてほしいという声が17%から18%ありました。このような状況を踏まえた上で、区長として、今後、子育てしながら働きやすい会社をふやすことについては、どのように考えるか、まずは考えをお聞かせください。  確かに、企業の経営者にとって、子育てしながら働きやすい企業をつくるといった取り組みは、経済状況が厳しい中で容易に実現できる課題ではありません。働きやすい企業をつくるということが、従業員の福利厚生の一環としか見られないことも、よくあります。  しかし、働きやすい企業をつくるということは、決して経営的にもマイナスなことばかりではありません。例えば、残業をせずに定時で帰れるように業務改善を行うことで、1時間当たり、1人当たりの生産性が上がり、結果として会社の利益が増加します。  つまり、働きやすい企業であるということと、利益を上げることが両立し得るということを、経営者に啓発していくことが重要です。  そこで、働きやすい企業をふやすために、台東区内の企業に対して働きやすい企業と企業としての利益、つまり従業員の生産性の向上が両立するということを伝え、その手法をアドバイスするセミナーとコンサルティングサービスを実施することを提案いたします。  さらに、働きやすい企業の認定制度を導入し、企業に対してインセンティブを働かせることで、区内の働きやすい企業をふやしていくことを提案したいと思います。例えば、足立区ではインセンティブとして従業員の保育所・特別養護老人ホーム入所の加算ポイントになる取り組みをしています。  区内に働きやすい企業をふやすためのセミナーやコンサルティングサービス、認定制度の導入、これら3つの提案に対する区長のご所見をお伺いします。  最後に、女性の視点・目線の活用についてお伺いします。東日本大震災での避難所運営などの経験に基づき、計画段階から防災計画に女性の視点を組み込むなどの重要性が指摘されております。女性の視点だけではなく、多様な世代、性別の視点が、区政運営において非常に重要だと考えられますが、現在、区で実施している審議会や会議体などに、女性の視線・目線は生かされているでしょうか。23区の中で、台東区は、審議会等での女性比率が低い現状があります。必ずしも、審議会等の女性比率だけがすべてであるとは思いませんが、女性の視点のさらなる活用について、区長のご所見をお聞かせください。  「子育てするなら台東区」を12年間の吉住区政において、名実ともに実現するために、またすべての人が働きやすく、暮らしやすい台東区をつくるために、積極的な答弁を期待いたします。  くしくも、ことし一番最後の一般質問となりました。ことし1年は、私自身にとっても会社員から議員となり、大きな節目の年となりました。新人議員ではございますが、来年も精いっぱい頑張ってまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(青柳雅之 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 本目議員のご質問にお答えさせていただきます。  ご質問の第1は、「子育てするなら台東区」の目的と成果についてでございます。  私は、あすの台東区を担う次世代の育成を目的として、中学生までの医療費無料化、保育所待機児童の解消に向けた認定こども園、認可保育所の開設、認証保育所の誘致等の取り組みを行ってまいりました。  また、子どもたちが安心して学校や地域で生活を送ることができるよう、「子どもの安全」巡回パトロールを開始するなど、さまざまな施策を実施してまいりました。  その結果、児童人口は増加しているところでございます。  私も、議員ご指摘のとおり、世代間のバランスを適正化することは、まちのにぎわいと活力を維持するために、重要であると認識いたしております。  今後とも、次世代育成支援地域行動計画に基づいて、子どもの育ちを喜び、見守るまちを目指して、子育て支援事業の充実に努めてまいります。  ご質問の第2は、父親の育児への参加についてでございます。  議員ご指摘のとおり、父親が積極的に育児にかかわることは、子育てにとって重要なことであると、私も認識いたしております。  そのため、平成21年度に策定した次世代育成支援地域行動計画にも、取り組みの方向性として、父親の育児参加の促進を項目に掲げ、各種の講座等を実施しているところでございます。今後も、行動計画の効果的な推進を図るため設置している次世代育成支援地域協議会の助言をいただきながら、一層の事業周知を図るとともに、実施内容も必要に応じて見直し、父親の育児参加を促進してまいります。  次に、父子健康手帳につきましては、父親となる方が妊娠・出産・育児について正しく理解して、積極的に育児参加することを促すために、希望者に配布しております。  今後とも、周知や配布方法を検討し、より多くの方に利用していただけるよう努めてまいります。  また、国は、母子健康手帳を改訂し、父親が自由に記入する欄を設けるなど、育児参加を促す取り組みを進めることとしております。  区といたしましても、今後、乳幼児期から父親が育児に積極的にかかわっていけるよう、母子健康手帳の活用を図ってまいります。  次に、ハローベビー学級につきましては、20年度に土日開催をふやしたところでございますが、参加を希望される方が多く、申し込みが定員を超えた場合には、次の回をご案内するなどの工夫により、希望者のほとんどに参加していただいているところでございます。  本事業は、出産後の育児支援にもつながる重要な事業であると認識いたしており、今後もより多くの方に参加していただけるよう、実施方法や体制等を検討してまいります。  次に、父親向けイベント及び講座についてでございます。  現在、子ども家庭支援センターでは、子守唄講習会やコンサートなど、父親が参加しやすいイベントや、父親の仲間づくり、育児力向上を目的とした父親向け講座を実施しております。  また、20年度からは、遊びの講座など「お父さんのための土曜講座」を年3回行っており、父親と子どもが一緒に体を動かす遊びを取り入れた講座とすることで、父親の参加は増加しております。  さらに、父親向けの連続した講座につきましても、父親と子どもの触れ合いや父親の育児参加を促進することを目的とした連続講座を含む多様な講座を、男女平等推進プラザや生涯学習センターなどで開催しており、受講者による自発的なネットワークづくりも行われていると聞いております。  私は「子育てするなら台東区」を推進していくために、父親が子育てに興味を持つきっかけづくりとなるようなイベントや、連続した講座を引き続き開催するなど、父親が積極的に参加できる機会づくりをさらに進めてまいります。  ご質問の第3は、働きやすい企業をふやすための取り組みについてでございます。  私は就労時間の短縮や育児休暇の取得促進など、職場環境の改善に努めている企業には、人材の流出防止や業績向上などの効果があると認識いたしております。  台東区男女平等推進行動計画はばたきプラン21の中で、ワーク・ライフ・バランスの推進を施策の一つとして位置づけ、普及・啓発に努めているところでございます。  次に、企業経営者に対するセミナーやコンサルティングの実施についてでございます。
     現在、区では、業界団体等が主催する研修事業について助成を行い、経営者の意識啓発を支援しております。  また、東京都では、仕事と家庭生活との両立を促進していくためのセミナーを実施しており、区は商工相談の窓口などでこれらの事業の周知と、働きやすい職場づくりに関する助言を行っております。  働きやすい職場の整備は、重要な企業戦略の一つでございます。都や商工会議所など関係機関との連携をさらに深め、セミナーへの参加促進や、経営改革を進めていくための相談体制の充実を図り、一層の普及・啓発に努めてまいります。  次に、区独自の認定制度についてでございます。  区では現在、子育てしやすい職場環境づくりを目指し、国の「一般事業主行動計画」の策定方法や、都で実施している「東京ワークライフバランス認定企業」などの事業について、区内事業所への周知・啓発を進めております。  議員ご提案の認定制度につきましては、比較的小規模事業所の多い本区においては、事業効果や推進方法等の課題がございますので、今後、研究してまいります。  ご質問の第4は、女性の視点の活用についてでございます。  多様な世代や性別の視点が区政運営において非常に重要であるという議員のご指摘につきましては、私も同様に認識いたしております。  本区では、昨年3月に台東区男女平等推進行動計画はばたきプラン21を策定し、この中で、区の政策・方針決定過程の一つである審議会等における女性委員の割合を、国の基本計画と同じ30%とし、平成26年度に達成することを目標といたしました。  さらにこれを実現するため、全庁的な取り組みとしてガイドラインを定め、審議会等の委員の構成や選任規定の見直しなどを進めております。  現時点では、平成21年の20.3%から24.2%まで増加したところでございます。  今後も毎年、女性委員の参画状況について調査を行い、着実に目標を達成できるよう努め、女性の視点のさらなる活用を推進してまいります。 ○議長(青柳雅之 さん) 以上で、一般質問は終了いたしました。  ───────────────────────────────────────── ○議長(青柳雅之 さん) これをもって本日の会議を閉じ、散会いたします。           午後 5時07分 散会                 議長    青  柳  雅  之                 議員    鈴  木  一  郎                 議員    和  泉  浩  司...