台東区議会 2010-10-15
平成22年 決算特別委員会−10月15日-01号
平成22年
決算特別委員会−10月15日-01号平成22年
決算特別委員会
決算特別委員会会議録
(総括質問)
1 開会年月日 平成22年10月15日(金)
2 開会場所 議会第1会議室
3 出 席 者 委員長 木 下 悦 希 副委員長 和 泉 浩 司
(17人) 委員 石 川 義 弘 委員 成 澤 敬
委員 堀 越 秀 生 委員 太 田 雅 久
委員 水 島 道 徳 委員 河 野 純之佐
委員 池 田 清 江 委員 橋 詰 高 志
委員 高 柳 良 夫 委員 実 川 利 隆
委員 清 水 恒一郎 委員 杉 山 全 良
委員 茂 木 孝 孔 委員 木 村 肇
議長 鈴 木 茂
4 欠 席 者
(0人)
5 委員外議員
(0人)
6 出席理事者 区長 吉 住 弘
副区長 神 子 雅 行
教育長 野田沢 忠 治
企画財政部長 新 井 幸 久
企画課長 石 野 壽 一
財政課長 蛛@正 治
総務部長 岩 ア 政 行
区長・広報室長 内 田 健 一
総務課長 神 部 忠 夫
人事課長 加 藤 克 典
経理課長 川 崎 裕 明
危機管理室長 須 賀 裕
世界遺産登録推進室長 (総務部長 兼務)
世界遺産登録推進担当課長 梶 靖 彦
区民部長 柳 寛 次
区民部参事 太 田 清 明
区民課長 (区民部参事 事務取扱)
文化産業観光部長 生 沼 正 篤
にぎわい担当部長 齊 藤 充
福祉部長 五所尾 武 司
健康部長 荒 川 聡一郎
健康部参事(台東保健所長) 中 村 清 純
健康課長 本 間 千 晴
環境清掃部長 西 島 久 雄
都市づくり部長 高 木 満 夫
まちづくり推進担当部長 川 合 紀 子
土木担当部長 田 邉 英 一
会計管理室長 池 田 吉 輝
会計課長 中 野 信 夫
教育委員会事務局次長 和 田 人 志
教育委員会事務局生涯
学習推進担当部長 大 江 勉
監査事務局長 笹 田 繁
福祉部参事(
社会福祉事業団・事務局長) 近 藤 幸 彦
7 議会事務局 事務局長 矢 下 薫
事務局次長 木 村 隆 明
議事調査係長 行 田 俊 男
議会担当係長 曲 山 裕 通
議事調査係主査 吉 本 由 紀
書記 中 村 壽 秀
書記 田 中 美世子
書記 松 浦 和 子
書記 浅 見 晃
午前10時00分開会
○委員長(木下悦希) ただいまから
決算特別委員会を開会いたします。
――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○委員長 初めに、区長からあいさつがあります。
◎吉住弘 区長 おはようございます。
本日は、各委員の総括質問にお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○委員長 次に、傍聴についておはかりいたします。
本日提出される傍聴願いについては、許可いたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長 ご異議ありませんので、そのように決定いたしました。
――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○委員長 本日は、総括質問を行います。
質問者と質問事項につきましては、お手元にお配りいたしました一覧表のとおり通告されておりますので、通告順に従い、ご指名いたします。
質問、応答にあたりましては、一覧表に記載された大きな項目ごとに順次質問し、応答されるようお願い申し上げます。
なお、本日は多数の委員の質問が予定されておりますので、質問者におかれましては、総括質問の性格を踏まえ、単なる質疑や各会計における質問の繰り返しにならないよう、また、重複を避け、趣旨をわかりやすく簡明にされるよう、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
次に、質問時間については、会派ごとの持ち時間制ということでお願いしております。本日の会派の持ち時間は、台東区
議会自由民主党70分、台東区
議会区民クラブ70分、台東区議会公明党48分、
日本共産党台東区議会議員団37分、いぶきの会15分となっております。持ち時間には答弁時間を含みません。また、質問席及び答弁席を設けましたので、よろしくお願いいたします。
それでは、質問に入ります。
台東区
議会自由民主党、
太田雅久委員。
自由民主党の発言時間を表示いたしましたので、ご確認ください。
それでは、質問をどうぞ。
◆太田雅久 委員 おはようございます。
21年度
決算特別委員会、記録的な長時間にわたっての審議で、私は非常に中身のある審議だったと思います。理事者におかれましては、誠意ある答弁をいただきまして、本当にありがとうございました。
きょうは総括質問ということであります。私は大変項目が多くございまして、早速質問に入らせていただきます。
まず初めに、観光施策についての中の
アクションプランの運用についてお尋ねいたします。
台東区にとって観光は行政の目玉と言ってもいいくらい行政運営において大きなウエートを占めております。国も、観光を重要な施策として位置づけており、観光立国実現のために将来的には3,000万人の
訪日外国人旅行者を呼び込もうと観光庁を中心に各省横断的に
観光立国推進本部を立ち上げ、積極的に取り組んでいるところであります。
東京都はといいますと、平成19年に
観光産業振興プランを策定し、5年後には
外国人旅行者を年間700万人、
経済波及効果を10.7兆円、雇用対策として66万人の目標を掲げまして、行政、民間企業、都民が一丸となって観光施策に積極的に取り組んでいこうというふうなプランを掲げております。
我が台東区はといいますと、20年、21年度に
マーケティング調査を行い、それをベースにもろもろの検討委員会を開催しまして、8年ぶり、ことし21年度に台東区新
観光ビジョンを策定いたしました。内容は5つの大きなプロジェクトの中に86の小項目の
アクションプランを提示しております。インフラ整備のようなハードな部分、また人のかかわるマンパワーのようなソフトの部分と大別されますが、ハード整備については時間のかかることでありますが、ソフトの部分はすぐにでも活用できると思いますので、速やかに実行していただきたいと思っております。
また、関連するような事業に関しては共同で行うこともできると思っております。そういった時間や内容の無駄のないように推進していただきたいと考えています。そのような優先順位、あるいは現場では集中と選択というふうに言っているようでございますが、その
アクションプランを運用、展開していくにはどのようにしていくのか、区長にお聞きしたいと思います。
次に、
マーケティング調査についてお尋ねいたします。
新
観光ビジョンを策定するに当たりまして、観光客の
マーケティング調査は重要な要素として取り入れられました。今後も施策を進める上では大切なベースとなるこの
マーケティング調査ではありますが、予算ベースを見ますと、20年度、21年度、22年度とだんだん縮小傾向になっているようでございます。この辺はしっかりと拡充をしていっていただきたいと思っております。今後考えられるその
マーケティング調査の内容は、例えば大きなイベント等の
経済波及効果あるいは上野の山文化ゾーンに来られた方などの調査、そんなもろもろのことがあると思います。そういったその時代、その時々に合った
マーケティング調査を継続的にやるべきだと思っておりますが、区長のご見解をお聞かせください。
次に、観光専門職についてお尋ねいたします。
台東区の観光施策を推進するために、観光の専門的な知識を持っている人がいないと、もはや今はだめだと思っております。現在、
観光地域プロデューサーが任期つきで在籍しておられますが、
プロデューサーの継続も含め、その後の布石として観光の専門職を随時採用すべきだと思いますが、区長のご見解をお聞きいたします。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 太田委員のご質問にお答えさせていただきます。
まず、
アクションプランについてでございます。
本年3月に策定いたしました新
観光ビジョンの
アクションプランとして、86の事業を位置づけておりますが、多くの事業につきましては、既に着手し、鋭意推進しているところでございます。
今後は計画を着実に進めるため、観光団体や産業・商業団体等の関係団体の参加による「台東区新
観光ビジョン戦略会議」を設置し、施策の進行管理を行い、計画全体を効果的に推進してまいります。特に喫緊の課題につきましては、課題別の専門部会を設け、積極的かつ横断的に取り組んでまいります。
次に、
マーケティング調査についてでございます。
委員ご指摘のとおり、観光客の動向やニーズ、イベントの経済効果を把握することは、観光施策を効果的に推進する上でも大変重要であると認識いたしております。今後も定期的に
マーケティング調査を実施すべく、必要な調査経費を計上してまいりたいと考えております。
また、観光客の上野の山からの回遊に関する調査につきましては、今年度の
マーケティング調査で実施しているところでございますので、結果がまとまり次第、報告いたします
次に、観光専門職についてでございます。
区ではこれまでも
観光地域プロデューサーを採用し、その高い専門性やこれまでの区にはない発想を生かして、
マーケティング調査を初め、誘客効果の高い
シティセールスや
観光プロモーションを実施してまいりました。
また、それらの事業を通して観光にかかわる職員の意識の向上も図ってまいりました。今後は、専門研修の充実など職員の資質の向上に努めるとともに、専門的人材の育成の仕組みづくりや専門職員の採用など、幅広く検討を進めてまいります。
○委員長 太田委員。
◆太田雅久 委員 ありがとうございます。
新
観光ビジョン、既にもう取り組んでいるということでございますので、怠りないよう、地元も非常に期待をしているところでありますので、よろしくお願いしたいと思います。
また、
マーケティング調査ですが、5年前のデータを使って施策を進めていくようであれば、もう完全に取り残されてしまうと思います。ダーウィンの進化論ではありませんが、やはり旬なデータで施策を推進していこうというその考えをひとつ忘れないでお願いしたいと思います。
また、専門職でありますが、専門官をお呼びすることもそうでしょうが、台東区の中に観光施策を希望して入区した職員もいるというような話も聞いております。そういった人をぜひポストにつけて、
地域プロデューサーに鍛えていただくとか、我々ではわからない観光の専門職としてしっかり育てていただきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、
子ども家庭支援センターの機能強化についてお尋ねいたします。
私も一般質問させていただきましたが、
児童相談センターに実際に私も電話してみましたところ、基本的に土日が休みだというお話を伺いました。それで、そのカバーをどうするかということで台東区は
子ども家庭支援センターで相談を受けているわけでございますが、運営はといいますと、月曜日から金曜日まで9時から5時までやっているということです。土曜日は人数を縮小してやはり9時から5時までということ、日曜日は基本的にお休みということでありまして、この時間外に関しては
母子生活支援施設さくら荘に電話が転送されるということになっておりますが、果たしてこれで十分な対応ができているかといいますと、満足いく状況ではないと私は考えています。そういった
子ども家庭支援センターのこういった機能強化は必須の条件であると思っております。トータル的な人員の配置、そういうマンパワーも含めて機能強化を図っていただきたいと思いますが、区長のご見解をお聞かせください。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えいたします。
委員ご指摘のとおり、児童虐待は時間や曜日に関係なく起こるため、平日だけでなく夜間や休日の時間帯における相談体制の整備が必要であると認識いたしております。本区では、23区で唯一24時間受付けを行う
虐待相談電話を設置いたしております。電話番号は専用となっており、夜間や休日でも虐待に関する相談や通報が可能なシステムとなっております。平成21年度の夜間・休日の虐待相談は5件でございますが、児童虐待の相談は増加する傾向にございます。今後は、さらなる
相談機能強化のために、
日本堤子ども家庭支援センターが中心となり、
児童相談センター等の関係機関と迅速な情報共有を行うなど、連携を深めてまいります。
また、この虐待相談の窓口につきましては、広報等を通じて広く区民の皆様に周知を図ってまいります。
○委員長 太田委員。
◆太田雅久 委員 虐待は家庭で起こるわけです。その家庭にいる土日の時間に相談窓口が非常におろそかになるということは、これはちょっと私は考えられない。ですから、そういったニーズもよく調査をしていただいて、しっかりとカバーをしていっていただきたいと思っております。
次に、区有財産の活用についてお尋ねいたします。
委員会の中でその資料の中で、未活用の普通財産が4件あるという提示がありました。そのほか従来の利用目的を終了し、一たん用途廃止となり、なおかつ行政財産として利活用されている施設の中に、本来の活用としてその目的を果たしているとは思えない物件も見受けられます。中には行政財産として使用するには狭い土地などは売却していると伺っておりますが、これらをいま一度精査して、もっと高い需要にこたえられるように有効に活用していただきたいと思っておりますが、区長のご見解をお伺いいたします。
また、そういう施設を区民に貸し付けるシステムをつくっていただきたいと思っております。店舗の改修、自宅の改築、火災時の一時集合場所など、また定期借地権で利用することもできると思います。貸し付けの募集には規定があると思いますが、システム化して区民ニーズにぜひ対応していただきたいと思いますが、区長のお考えをお示しください。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えさせていただきます。
まず、区有財産の活用につきましては、平成20年度に策定いたしました
区有財産活用ガイドラインに沿って、学校跡地などは、本格活用が決定するまでの間、仮校舎として貸し付けるなど、暫定活用を図ってまいりました。
また、公衆便所跡地や旧資材置場など、面積が狭く、活用が見込めない物件は売却等を行ってまいりました。今後も、新たな行政需要を的確にとらえ、さらなる有効活用を図ってまいります。
次に、区民等への貸付などにつきましては、委員ご提案のとおり、
区有財産活用の上で有効な手段であると考えております。しかしながら、区有財産の貸付につきましては、公募が原則となっております。公募時に応募者なければ、随意契約で貸し付けることも可能でございますので、公募条件などを考慮しながら、可能な限り要望に対応できるよう努めてまいります。
○委員長 太田委員。
◆太田雅久 委員
決算特別委員会の中でもお話しさせていただきましたが、民間ではちょっと考えられない固定資産税等の税金が
ランニングコストとしてかかるわけですので、そのようなことも、民間のニーズもしっかりとらえるようにこれからも推進していただきたいと思っています。
次に、入札についてお尋ねいたします。
台東区が実施する
指名競争入札で、約50%が区内事業者が落札しているとお聞きをしております。しかし、その事業者の中には、指名業者として落札したものの、業務をこなすだけの人員や設備が整っておらず、そのまま下請に回してしまうような事実があるように聞き及んでいます。このような営業実態のない企業が指名業者として名を連ねないように、区としても万全な態勢をとっていただきたいと考えています。現在も調査を実施しているということでありますが、さらに綿密な実態調査を行っていただきたいと思いますが、区長のご見解をお聞かせください。
その入札の価格に関しては標準価格を設定していますが、原則として最低価格の事業者を採用しています。設計業務や高度な技術、専門的な知識を要するものは、価格競争だけでは目的は達成できないということで、幾つかの業者から提案を求め、すぐれた業者を採用する
プロポーザル方式を実施しています。今まで
余りプロポーザル方式の必要性を感じていなかった施設の管理や運営管理のような単純な業務でも、仕様書に書いてあることだけで価格競争してしまいますと、思わぬ事故、トラブルに遭遇してしまったりしてしまいます。これは人員削減や質の低下であります。簡単な業務だけれども、業者から話を聞くのは必要なことであると思っております。ぜひそんなときにも
プロポーザル方式を導入して、さらに拡大していっていただきたいと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
まず、事業者の実態の確認についてでございます。
区では、これまでも
指名競争入札の実施に当たっては、原則として区内事業者を優先的に指名してまいりました。このため、区内事業者の新規登録があれば、逐次実態調査を実施し、営業実態の確認に努めてきたところでございます。委員ご指摘のとおり、
区内事業者優先指名の考え方を徹底し、受注機会の拡大につなげていくためには、区内事業者の営業実態を把握していることが必要でございます。今後も、調査の対象や実施回数の拡大などにより、さらに営業実態の把握に努めてまいります。
次に、
プロポーザル方式の拡大についてでございます。
委員ご指摘のとおり、区が発注する契約の中には、計画策定や調査委託などの高度な技術や専門的な知識を必要とする契約や施設管理業務など一定の人員を必要とするものなどがございます。これらの契約につきましても、競争入札により契約の相手方を決定するのが原則でございますが、区では、これまでも計画の策定や
システム開発等の一部契約において、
プロポーザル方式など競争入札以外の方法で事業者を決定してまいりました。今後は、委員のご提案も踏まえ、
プロポーザル方式による事業者の決定が契約内容のより適正な履行につながる案件について適宜実施してまいります。
○委員長 太田委員。
◆太田雅久 委員 区内業者が潤って、その結果、区民に還元できることが一番理想的でありますので、ひとつよろしくお願いいたします。
また、
プロポーザル方式に関しては、平成18年7月に埼玉県ふじみ野市というところの市営プールで、落札した業者がプール管理をしていましたが、カバーが外れた給水口のところに女児が吸い込まれて死亡したという痛ましい事故がありました。あれもまさに価格競争だけで起きた痛ましい事例だと思っております。そういうことがないように、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
次に、児童・生徒の体力向上についてお尋ねいたします。
先日、21年度全国の体力テストの結果が発表されました。東京都は、小学校の女子は全国で35位、男子は38位、中学校の女子は43位、中学校の男子に至っては46位ということであります。ちなみに、中学校の男子の47位は平城遷都1300年で沸いている奈良県ということでございまして、大変不名誉な記録が出てしまいました。
台東区は、23区中、それではどうだということで調べましたが、データは公表されていませんが、いろんなデータを見るにつけ、予想されるのは20位以下であろうということであります。大変ゆゆしい問題であります。この結果を見て、東京都も危機感を持って対応しており、子供の
体力向上推進本部を設置しまして、「一校一取組」、「一学級一実践」の推進をしているということであります。区内の小学校でも、ラジオ体操を取り入れて、教師を中心に生徒にしっかり教えているという事例もあります。こんなのは「一校一取組」ということに推奨されるんではないかと思っておりますが、全国学力調査でもトップを占めている秋田、福井が体力でも常にトップを維持しておりまして、この学力、体力の相関関係についてはいろいろと論じてきましたが、一定の関係があると秋田県教育委員会は公表しております。
その前に、体力は、知性を磨き知力を働かせる原点でもあり、生きるための気力を生む源でもあります。相撲の世界では心技体という言葉がありますが、その以前に人として体力、知力、気力が充実していくことが生きていく上で極めて重要な要素であると思っています。体力の向上は今後不可欠でございます。
また、見方を変えますと、体力、運動能力の低下は、肥満傾向の子どもを増加させ、高血圧や高脂血症、将来、生活習慣病につながるようなおそれもあります。体力、運動能力は昭和60年ごろから低下傾向が続いています。反対に、成人病予備群が年々増加傾向にあるということであります。
健康面から見ても、この体力向上は不可欠であります。これらをかんがみて、今後、台東区として具体的に体力向上のためにどのように施策を進めていくのか、教育長にお聞かせいただきたいと思います。
また、この体力向上を進める上で必須条件の一つは体育を専科としてきた教員の採用であります。現在、本区の小学校では体育専科の教諭が少ないと感じています。中学校は体育教師がおられますが、思春期を迎えた子どもたちに上手に接して、運動の指導をすることができる教員が必要になってきます。運動する環境を整え、授業や放課後でも確実に指導ができる教員の配置も必要だろうと思いますが、教育長の見解をお聞かせください。
○委員長 教育長。
◎野田沢忠治 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。
現在、東京都では、全小学校に体育を専門とした教員を配置する制度とはなっておりませんので、直ちに配置は難しいわけでございますが、台東区では教員による研究会が中心となって実践的な研究を進めており、各校の指導法の改善に力を発揮しております。
また、教育委員会といたしましても、体育を専門に学んだ教員による授業研究や指導法の普及などを実施いたしております。あわせて、ミニマム・スタンダードとして作成をいたしました「見つめ直そう子供の体力」のリーフレットを全教員に配布し、指導の充実を図っているところでございます。
さらに今年度より、各学校が「一校一取組」を明確にし、確かな実践を行うよう指導もいたしております。台東区の子どもたちの体力向上は大変重要な課題でございますので、今後も教員の体育の専門性と指導力を高め、一層の体力向上を図ってまいります。
○委員長 太田委員。
◆太田雅久 委員 この体力というのは人間形成をする上では一番ベースになるところだと私は思っておりますので、ぜひ期待をしております。よろしくお願いします。
また、これは規範意識の向上にもつながると思いますので、あわせてよろしくお願いしたいと思います。
次に、校務事務の改善についてお尋ねいたします。
平成21年度に教員1人1人に1台、校務用のパソコンが支給されました。システムの導入に関しては、モデル校はスムーズに受け入れられたようですが、他の学校はまだまだ不十分であります。どこまで便利に改善されるのか理解していない教員が多くいるように見受けられます。ぜひ徹底した説明、またフォローをすべきであると思っておりますが、教育長のお考えをお示しください。
先日、システムのサーバーが早朝にストップしたことがありました。メンテナンスのヘルプデスクに電話したところ、総合電話のため留守番電話で全くらちが明かず、復旧したのが午前10時過ぎ、中学校では試験前だということでかなりパニックになったということでありますが、土日も含めメンテナンスも24時間万全な態勢でフォローしていただきたいと思いますが、教育長のお考えをお示しください。
この校務事務改善の最たるものは、副校長の事務処理であると思います。この処理の多さが学校経営に支障を来すことのないよう、副校長の事務処理の軽減を求めますが、教育長のご見解をお示しください。
○委員長 教育長。
◎野田沢忠治 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。
まず、パソコンの本格使用についてでございます。
平成23年4月から「校務事務改善支援システム」が全校で稼働をいたします。これに先立ち、教育委員会といたしましては、この夏季休業中に中学校教員を対象とした研修を実施し、来る冬季休業中には小学校教員対象の研修も開催する予定でございます。システムの活用につきましては、一層の習熟を図るための研修や相談窓口の設置、駆けつけサポートのサービスなど、システムを円滑に活用できる環境整備に努め、所期の目的が十分達成できるよう努めてまいります。
システムの障害につきましては、24時間の監視を行い、エラーの発生時には自動的にシステム保守担当員へ通知する仕組みを取り入れております。
過日のシステムエラーにつきましては、現在原因を調査中でございますが、徹底した分析のもとに障害の未然防止と万が一の発生時にもシステム支援担当員と教育委員会が連携し、早期解決を図れるよう対策と維持運用に努めてまいります。
次に、教育現場の事務軽減についてでございます。
委員ご指摘の副校長の事務軽減につきましては、校務事務支援システムの稼働により軽減を図ってまいりますが、さらに副校長会などとも意見交換をしながら、効果的な対策を検討しているところでございます。
また、東京都も学校事務職員の職務の見直しを行いましたので、本区といたしましても副校長の取り扱う事務を精査し、一層の軽減に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
○委員長 太田委員。
◆太田雅久 委員 せっかく導入したパソコンですから、フルに活用していただきたいと、本来の目的を達成していただきたいと思っております。また、教員は土日にもかかわらず学校に来ておりますので、そういったときもしっかりメンテナンスのサポートも充実してもらうようにお願いをしたいと思います。
また、副校長の事務軽減ですが、単純な――例えばリーフレットを私も配っているところなどを見たんですが、ああいうことは事務職員ができればやっていくような方向もぜひ考えていただきたいと思っております。
続きまして、最後にスポーツ支援についてお尋ねいたします。
この21年度はオリンピック誘致で盛り上がった年でありました。ちょうど1年前、10月2日にリオデジャネイロに決定して、非常に残念な思いをしましたが、台東区からオリンピック選手を出したいというのは区民みんなの願いだと思っております。北京オリンピックで佐藤真海さんがパラリンピックで活躍した場面などを見まして、そういう大きい舞台を目指すジュニアの育成は今後欠かせないと考えています。
先日は全国大会で優勝したチームのあるメンバーを表彰したということもありましたが、顕著な成績をおさめた選手には、規定を設けてぜひ表彰をしてあげてはいかがでしょうか。現役の小学生はもちろんですが、卒業してそれぞれの分野で活躍している選手はたくさんいると思います。ぜひその栄誉をたたえ、本人のモチベーションもそうですが、台東区のスポーツ振興につなげていってはいかがかと考えておりますが、教育長のお考えをお聞かせください。
また、平成25年には東京国体が開催されます。ここに絞って、ぜひそれを目指すジュニア選手たちの強化組織などをつくっていただきまして、しっかりと支援をしていただきたいと思っておりますが、あわせて教育長のご見解をお聞かせください。
○委員長 教育長。
◎野田沢忠治 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。
まず、表彰規程の設置についてでございます。
現在、青少年のスポーツ表彰に関係する制度といたしましては、台東区文化・スポーツ奨励賞や区立幼稚園・小学校・中学校に在籍する子どもたちが全国大会などで優秀な成績をおさめた場合の表彰、「青少年をほめる運動」などがございます。しかしながら、これらの制度は文化分野も含んだものであり、委員ご提案のスポーツに特化した表彰制度ではございません。
スポーツ選手の表彰は、選手に誇りを持たせ、競技意欲を向上させるとともに、区民がスポーツへの関心を高めるよい機会となりますので、既存の表彰制度との整合を図りながら検討してまいります。
次に、東京国体に向けたジュニア層選手に対する支援についてでございます。
平成25年に第68回国民体育大会が東京で開催され、リバーサイドスポーツセンターでは、フェンシング競技が開催される予定となっております。東京国体開催時に区民から選手を輩出することは、区のスポーツ振興や競技力向上に大いに役立つものと考えております。教育委員会といたしましても、学校や体育協会など地域のスポーツ関係団体とも連携をしながら、将来の国体選手となり得る有望な子どもたちを発掘するとともに、東京都や区内の関係機関とも連携した支援のあり方について検討してまいりたいと思います。
○委員長 太田委員。
◆太田雅久 委員 ありがとうございました。
スポーツの支援というのは、先ほど言いましたが、子どもたちの体力向上の興味を持たせていっていただければ、体力向上にもつながると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
いろいろご答弁いただいてありがとうございました。
私はこの21年度決算を認定させていただきますと申し上げ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長
太田雅久委員の質問を終わります。
台東区
議会自由民主党、石川義弘委員、質問をどうぞ。
◆石川義弘 委員 自由民主党の石川義弘でございます。
平成21年度決算に認定の立場から、観光立区について1項目2点、社会保障制度について2項目の質問をさせていただきます。
平成16年10月に策定された台東区基本構想では、下町文化の継承と発展、多様で快適なまちづくり、信頼と支え合いの地域社会を基本理念の3本柱とし、台東区の将来を展望し政策が進められてきています。
下町文化の継承と発展では、生活文化・芸術などを生かし、さらに発展させ、新たなにぎわいを創出し、まちを活性化することを目的としています。基本理念からも、国による観光事業の推進は、我が国にとって大きなチャンスと考えられるのではないでしょうか。観光客の誘致、獲得をめぐる国際的な都市間競争も激化すると考えられること、観光産業は世界的な成長産業としての重要性が高まっており、我が国も、地域経済の活性化、雇用機会の増大を図るため、平成18年に観光立国推進基本法を制定し、観光立国に向けた取り組みを全国的に展開しています。国における観光立国の取り組みにより、
訪日外国人旅行者数の増加、東京スカイツリーの建設、国立西洋美術館の世界遺産登録、パンダの誘致等、ほかのどの地域よりも本区を取り巻く環境がよりよく大きく変化しています。
このような変化の中、ことし3月に策定された新
観光ビジョンでは「本物に会えるまち」を観光目標としています。上野、根岸、谷中は戦災を免れ、下町文化のにおいのする歴史的建造物が多数見られます。また、浅草には江戸指物、扇子職人など江戸時代より続く伝統技能を受け継ぐ職人、そして芸妓、とび職の木やりうた、相撲甚句など江戸庶民の楽しんだ伝統芸能などが連綿と続いています。
このように、ハード、ソフトともに多くの観光資源を有しているのです。これらを活用して、都市間競争に勝てるよう、観光PRを推進することが重要と考えます。地方都市では台東区に来て催事などを行うことは大変有利な広報活動だと考えているようです。台東区にある「本物」を紹介することで、本区が有効活用されるだけでなく、国内外の姉妹・友好都市を十分に有効活用し、本区へのさらなる誘客を図る必要があると考えます。区長のご所見をお伺いいたします。
次に、水辺の整備ついてお伺いいたします。
東京スカイツリーも、488メートルとなり、10月14日には江戸紫と隅田川をあらわす水色の2色の試験点灯が行われました。当日は、吾妻橋、駒形橋のたもとに警察班が出動するほど大変なにぎわいで、観光客はタワーの撮影を行っていました。もちろん平日でも多くの観光客が橋のたもとで撮影を行っています。また、吾妻橋のたもとの船宿の移転で川が見えるようになり、石のベンチに腰をかけ、ゆったりとしている観光客の姿も見ることができるようになってきました。水辺が新たな観光区域となってきています。
吾妻橋と駒形橋のたもとを結ぶ堤防の内側にある管理用道路をかさ上げし、遊歩道として整備することにより、水辺に新たなビューポイントが出現し、回遊性が高まり、浅草の観光の問題点であった短い滞在時間にも大きな影響を与えることを考えます。その上、遊歩道を人が歩くことにより、堤防下の親水テラスが死角にならず、安心して歩けるようにもなります。河川管理用道路は東京都の管理区域ですが、四季を通して多くの区民、観光客が訪れる隅田川の魅力を高めるためにも、観光資源としての河川管理用道路の整備のあり方について、都とともに検討していくべきと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 石川委員のご質問にお答えさせていただきます。
まず、都市交流・国際交流と観光立区についてでございます。
区では、これまで姉妹・友好都市の夏祭りなどの機会をとらえ、台東区伝統工芸振興会による実演や展示、大道芸などを披露するとともに、観光パンフレットを配布するなど本区の魅力をPRしております。その結果、姉妹・友好都市から多くの方々が文化施設やイベントに訪れるなど、相互交流を促進してまいりました。
本区の魅力ある観光資源をより一層PRし、誘客を促進するため、今後はこれらの姉妹・友好都市との連携をさらに強化し、伝統芸能や芸術など、区が有する「本物」の観光資源を活用してまいります。
また、国内外に向けた
シティセールスなどのさまざまな機会においても、本区が持つ観光資源を最大限に活用し、観光立区の実現を目指して事業を推進してまいります。
次に、水辺の整備についてでございます。
浅草地域まちづくり総合ビジョンでは、水辺の活性化を大きな柱としており、浅草地域をさらに魅力ある観光拠点とするため、隅田川の水辺空間の整備に積極的に取り組んでいるところでございます。東京都は、今年度、吾妻橋、駒形橋間の親水テラスの整備に着手をいたします。ご指摘の吾妻橋、駒形橋間の河川管理用通路は、都が管理し、河川の維持管理や水防活動を行うための施設でございます。また、この通路を遊歩道にした場合には、住宅への影響などが考えられます。
管理用通路をかさ上げし、遊歩道とすることにつきましては、親水テラス整備とあわせ、都が総合的に検討しております。ご提案の趣旨につきましては、観光の活性化に資するよう、都と協議してまいりたいと考えております。
○委員長 石川委員。
◆石川義弘 委員 次に、基本理念のもう一つである信頼と支え合いの地域社会、それを実現させるための社会保障制度について、2点の質問をさせていただきます。
1つ目は
社会福祉事業団の運営についてです。
区民の高齢化率の上昇に伴い、本区の介護需要はますます増大しています。その一方で、激しい財政状況からも、審議の中、明らかになっています。区民が住みなれた地域で生き生きと暮らし続けられるよう、介護の基本整備をなお一層効率的に進められることが求められております。こうした状況のもとで台東区
社会福祉事業団は、区の特別養護老人ホームなどの指定管理者として介護需要の大きな部分を担っており、その経営効率化は急務であります。派遣職員を削減する等の経営努力を行っているとのことですが、いまだに介護保険収入だけでは経営できず、多額の指定管理料を区が事業団に支払っているのも事実であり、今後も一層の努力が求められているところです。
しかし、直接に利用者に接する職員の削減などの安易な効率化は、介護の質の低下につながり、区の目指す福祉や事業団の担う役割に反するのも事実であると考えます。そこで、事業団の運営効率化についての提案を行いたいと思います。
医療の分野では、電子カルテの導入によるデータベース化と、それを診療報酬事務と連動させることなどにより、医療従事者のデータの共有化と患者への負担軽減による効率化や、事務など間接部門の経費削減に大きく役立てているところであります。
また、平成24年を目標として、オンライン化、カード化も進んでいます。現在、事業団では、システムが目的別に分かれ、統合的な運用ができないと聞いております。近い将来、介護保険制度もIT化が求められ、医療と同様、データの共有化、事務等の効率化が求められるでしょう。さらに進めば、医療と介護のデータの共有化が求められるようになると考えます。
現在そこまで進んでいませんが、マンパワーが求められる介護保険制度ほど、統合的なシステムを導入し、データを共有し、介護の質を低下させず、運営の効率化を目指すべきではないかと考えます。区長のご所見をお聞かせください。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えさせていただきます。
台東区
社会福祉事業団については、本区の地域福祉の推進において重要な役割を担っていると評価いたしております。事業団が今後とも区民の皆様のために重要な役割を担い続けることができるよう、区と事業団で運営の効率化に向けて努力してまいりました。
さらに、事業団では、平成20年度より「経営改革プログラム」を策定し、本部組織の再編など独自の取り組みを進めているところでございます。これまでの事業団では報酬の請求や介護記録などの目的ごとに随時システム化を進めてまいりました。ご提案の利用者情報の共有化につきましては、サービス水準を下げることなく効率化を図れるものとなりますので、事業団に検討を指示してまいります。
○委員長 石川委員。
◆石川義弘 委員 次に、生活保護制度の自立促進についてお伺いいたします。
長引く不況や一昨年秋のリーマン・ショック以降の景気の急速な後退などにより、全国的に生活保護受給者が増加しております。高齢者や中小企業の多い本区においては、その傾向は顕著であり、平成19年度5,950世帯6,362人であった生活保護者は、本年8月には7,262世帯7,818人と急増しました。人口1,000人当たりの保護人員数をあらわす保護率は44.6パーミルに達しており、22人中1人は生活保護受給者という状況にあります。これは、23区中第1位、全国的にも大阪に次ぐ高さのところであります。
この生活保護受給者の急増は地方自治体の財政を大きく圧迫しております。本区の21年度一般会計決算において、生活保護費の占める割合、扶助費の占める割合はいずれも2割を超えていることが明らかになりました。この比率は恐らく全国トップではないかと思われます。
そもそも生活保護は、憲法第25条の理念に基づき、国の責任において実施すべきものであり、特別区議会議長会と特別区長会は、こうした状況の中で国に対し、生活保護制度の充実・改善についての要望書を提出しているところであります。私は、社会保障の根幹をなす生活保護制度については、今後とも、議会・行政が一体となってその抜本的改革を国に働きかけていく必要があると考えています。
さて、さまざまな事情により生活保護の受給に至った方に対して、経済的な給付によって最低生活を保障していくことは当然のことでありますが、自立に向けて希望を持って生活していかれるよう支援していくことも生活保護制度のもう一つの柱として大変重要であります。
区は、就労支援員を配置して、就職活動をサポートするなど生活保護受給者の自立支援に取り組んでいますが、今後、より一層の力を入れていくべきものと考えます。
そこで、現在の問題をどうとらえているのか、また今後どのように事業を展開していくのか、区長のご所見をお伺いいたします。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えをさせていただきます。
委員ご指摘のとおり、「自立の助長」は最低生活の保障とともに生活保護制度の柱であり、大変重要でございます。現在重点的に取り組んでおります就労支援により、21年度は支援対象者432名のうち100名の方が就労に結びついておりますが、生活保護受給者が急増する中、支援の質の向上と相談時間の確保が課題であると認識いたしております。就労意欲を持ち続けながら求職活動を継続できるよう、支援員の資質のさらなる向上に努めるとともに、ケースワーカーとの連携強化を図ってまいります。あわせて、支援員の増員など、支援体制の充実についても検討してまいります。
一方、自立には就労による「経済的自立」だけではなく、みずから健康管理などを行う「日常生活における自立」や地域社会の一員として充実した生活を送る「社会生活における自立」といった側面もございます。これらを組み合わせながら1人1人に合った支援をきめ細かく行っていくことが重要であり、今後とも国や東京都の補助事業を幅広く活用しながら支援内容の充実を図ってまいります。
○委員長 石川委員。
◆石川義弘 委員 多くの施策が進められていますが、今回は観光事業と社会保障制度に着目させていただきました。
観光事業は台東区を中心としてさまざまな大きな変化が見られます。また、社会保障制度は、国が大きく変わり、大きな変化があらわれています。政策は、戦略的に、そして世の中の変化のスピードに負けることなく、スピード感を持って進めていただければと思っています。21年度決算を認定し、質問を終わらせていただきます。
○委員長 石川義弘委員の質問を終わります。
実川利隆委員、どうぞ。
◆実川利隆 委員 私は、21年度の決算を認定の立場で大綱3点についてお尋ねいたします。
まず、総合防災力の向上についてであります。
最初は防災力の検証であります。
阪神・淡路大震災から私たちは間もなく16年目を今迎えようとしております。本年、内閣府の発表によりますと、この間、公共施設の耐震化や住民の協力態勢づくりが進んだ一方において、消防団員の減少や防災意識が低下しているという課題が今大きくクローズアップされております。本区においても、官民一体となって取り組み、区民の防災意識の向上や備蓄の充実などさまざまな災害対策事業を実施してまいり、その努力を私なりに評価いたしております。
これを、国内に目を転じれば、最近の中越地震や能登半島地震に代表されるように、国民の地震に対する警戒心も少なからず高まっていることも事実でありましょう。消防庁の調査によりますと、震災当時の地域の防災組織の結成率は48%であったのに対し、昨年、2009年は74%と大幅に上昇しており、区内の結成率においては90%以上と他区の比では全くありませんが、このことはとりもなおさず区民の防災意識の高揚を裏づけることにほかならないと思います。住民意識や行動といった自助、地域で助け合う共助、行政の施策の公助という3つの側面から、本区の防災力の現状に関する区長のご認識をまずお尋ねいたします。
次に、2点目といたしまして、都市型水害の認識と対策であります。
本年4月に政府の中央防災会議の専門調査会が超大型台風による首都圏の大規模水害について報告書を公表いたしました。地球温暖化に伴う海面上昇による高潮でこうむる人的被害を初めて試算いたしております。この中で、豪雨で河川の堤防が決壊した場合、高潮とは別に利根川流域で6,300人、荒川流域では3,500人の死者が出るおそれがあるとはっきりとうたっております。また、荒川の決壊では、最悪の場合、首都圏において約120万世帯が停電し、携帯電話の約90万台以上が不通になるなど、ライフラインが甚大な被害をこうむり、復旧には数カ月以上かかり、東京電力を初めとする事業者は、主に津波や高潮を想定しており、河川の大規模決壊は考えていないというそら恐ろしい報告書でありますが、以上申し上げたことについて、区長の認識、考え方をご披瀝いただきたいと思います。
また、最近のゲリラ豪雨による被害状況を見ると、浸水対策のさらなる強化が求められます。また、大規模地下街対策ということで、本年、上野駅並びに地下鉄路線を含めた部分が新たに加わり、その対策が急務と考えられます。いずれにしても、浸水被害の軽減に対して、今後、都区間の十分な連携が必要であり、また都が実施している下水道事業の進展がとりわけ重要であると私は考えます。大都市特有のこの東京が抱える現象とも言える都市型水害について、区長のご見解をお伺いいたします。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 実川委員のご質問にお答えさせていただきます。
まず、防災力の検証についてでございます。
本区はこれまでも防災力向上を図るための方策を積極的に展開してまいりました。
自助といたしましては、食糧3日分程度の備蓄や災害時に必要となる日用品の準備などについて、さまざまな機会を通して区民に周知するとともに支援しております。
共助といたしましては、避難所単位の防災訓練や町会独自で行う防災訓練が年々増加しており、本年11月には谷中地域において隣接する文京区との合同防災訓練が計画されているところでございます。このように、災害に対する意識や備えも充実してきているものと認識いたしておりますが、さらなる向上を図る必要があると考えております。
公助といたしましては、今後とも自助及び共助の意識啓発や支援に一層力を入れるとともに、都市防災不燃化促進や(仮称)谷中防災・コミュニティ施設の整備等の施策を推進してまいります。
次に、都市側水害の認識と対策についてでございます。
本区では平成20年度に荒川が決壊したことを想定した「洪水ハザードマップ」を作成したところでございますが、今後はさらに、情報収集や情報発信など、洪水時の避難誘導に向けた対策を充実してまいります。
また、浸水被害の軽減や避難などについて「利根川・荒川・多摩川洪水予報連絡会」などの情報をもとに関係機関と連携してまいります。
また、ゲリラ豪雨などにつきましては、現時点での予測は困難な状況でございます。本区では、浸水対策のため、透水性舗装や排水性の高いグレーチング雨水ますを設置してまいりました。さらに、東京都の下水道整備の充実によって、以前より被害は減少しているところでございますが、委員ご指摘のとおり、浸水の危険性が高い地下街などの対策についても重要であると認識いたしております。
先日の都議会におきまして、上野駅周辺を含む地区の貯水施設整備計画の報告がございましたので、引き続き情報収集に努めるとともに、「特別区下水道事業促進連絡会」などを通じ、都に対して浸水被害を減らすべく整備促進の要望を行ってまいります。
○委員長 実川委員。
◆実川利隆 委員 ただいまの問題は私にとっても永遠のテーマであり、時間との戦いでありますので、ひとつよろしくご認識をいただくようお願い申し上げます。
2点目は安全・安心の施策であります。
台東区ではここ数年犯罪発生件数は減少しているものの、犯罪は、多様化、巧妙化しており、犯罪自体、後を絶たない状態が今続いております。そんな中で刑法犯の認知件数が昨年まで4年連続都内でワースト1であった足立区が今大変注目を浴びております。日暮里・舎人ライナーの開業により、交通利便性は格段に向上し、その結果、区民の生活満足度が大きく膨らんだのをはじめ、民間投資も好調で、人口がこの3年間で2万人弱増加しております。
また、東京藝術大学を初めとする4つの4年制大学は短期間にここに進出するなど、近年、区の都市機能面からの評価が内外で非常に高まってきております。このようなときに足立区は、本年4月、警視庁と区内4警察署が連携を深めながら、「治安再生アクションプログラム」を策定し、犯罪のない美しく住みよい足立区の実現に向けて取り組んでいます。
そこで、区長にお尋ねいたします。
犯罪対策は、区はもとよりでありますが、警視庁、台東区内4警察署、地域住民、民間ボランティア等による総合的な取り組みが不可欠であります。今後、全区レベルで社会のあらゆる立場の人々に犯罪抑止のための取り組みに参画してもらうために、防犯ボランティアを広く公募するような制度を導入してみてはいかがでしょうか。
例えば防犯ボランティアは、1つ、参加時にポイントを与え、それに応じて公共施設を優先的に利用できる仕組みを検討する。2つ、企業には減免処置も視野に入れる。3つ、若者対策として大学生が参加した場合は、その大学に活動を単位に認めてもらうように区のほうから要請する等であります。
次に、治安対策を効果的に推進するために、犯罪発生情報等をもとに「犯罪心理学」などの専門家の意見も十分に取り入れることもこれからは必要ではないでしょうか。区長のご見解をお示しいただきたいと思います。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
まず、公募によるボランティアの導入についてでございます。
私も多くの区民の皆様が防犯ボランティアに参加することは大変重要であると認識いたしております。本区では、既に区内の新聞配達員や郵便配達員等と連携した「たいとう安全・安心パトロール協力隊」や町会やPTAなどによる「学校安全ボランティア」、上野・鴬谷の夜間パトロール隊、さらには各警察署の防犯ボランティアなどの人材を擁しているところでございます。公募によるボランティアにつきましては、足立区の状況を参照しつつ今後研究してまいります。
次に、治安向上のための「犯罪心理学」等の専門家についてでございます。
犯罪は、多様化、巧妙化しており、犯罪心理学などの専門家の意見を取り入れることは私も治安の向上のために有意義であると考えております。本区が主催する生活安全対策委員会におきまして、今後、犯罪心理学等の専門家のご意見を伺うことを検討してまいります。
○委員長 実川委員。
◆実川利隆 委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
最後に、文化の視点から教育長にお尋ねをいたします。
改めて言うまでもないことでありますが、本区は江戸以来の歴史と伝統のもとに個性豊かな文化をはぐくんでまいりました。歴史と文化、歴史と伝統を生かした芸術と芸能のまち、そして言うまでもなく江戸の気風を今に残す下町、まさに多彩な文化の光り輝くまち、それが私たちの台東区でありましょう。このすばらしい文化があるからこそ、私たちは台東区に大いなる誇りと愛着を感じるのであります。本年4月に「台東区歴史・文化テキスト」が発行されました。本区の歴史、伝統、文化をわかりやすく紹介する内容は大変すばらしいものであります。発行に当たり、ご尽力をいただいた寛永寺の浦井正明先生を初め、多くの関係者の皆様に、まず私は心から感謝を申し上げたいと思います。
しかし、私は1つ残念なことがあります。それは発行部数が大変少ないことであります。このすばらしい歴史・文化テキストをもっと多くの皆様に読んでいただきたいということであります。仄聞するところでは、区長ふれあい懇談会の場において、1町会に1冊では配布部数が余りにも少ないとの発言があったとのことであります。
そこで、提案をさせていただきます。
本テキストを増刷して、区内はもちろんでありますが、広く全国に有料販売したらいかがでしょうか。事務的にも大変なことは私も十分承知いたしておりますが、このテキストにそれだけの価値があると私は強く思っております。台東区の文化の魅力を全国に発信する絶好の機会ではないでしょうか。いかがお考えでしょうか。
また、このテキストにおいても記述していますが、台東区で活躍した文学者については、浅草雷門に生まれた久保田万太郎を筆頭に、森鴎外、幸田露伴、高村光太郎、そして池波正太郎と続くのでありますが、数多くの文学者がきら星のごとく台東区で活躍をいたしております。中央図書館の郷土・資料調査室で紹介していることは私も承知いたしておりますが、まだ不十分ではないかと思っています。
ここに1冊の本があります。題名は「下谷・浅草文学案内−台東区ゆかりの文人たち」であります。文字どおり台東区ゆかりの文人たちを紹介する本を平成6年に本区教育委員会から発行したものであります。大変よくできた内容となっており、しかもすべて図書館の職員の手づくりとのことであります。このことを聞き、私は大変すばらしいことだと思いました。本の貸し出し業務だけではなく、こうしたことが図書館行政に携わる者にとっての本懐と言えるのではないでしょうか。平成6年の発行から既に16年が経過しました。
そこで、提案をいたします。
「下谷・浅草文学案内」を職員みずからが改訂・発行し、本区の文学の魅力を全国に発信していただきたいと考えますが、教育長のご見解をお示しいただきたいと思います。
○委員長 教育長。
◎野田沢忠治 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。
台東区歴史・文化テキストの活用についてでございます。
テキストの資料提供者には、教材として使用する条件で図版掲載の承諾をいただいておりますので、現行のテキストでは有料販売できない状況にございます。今回発行いたしましたテキストの有効な活用を図るとともに、今後、委員ご提案の一般の方への有料販売も視野に含めた改訂作業を進め、台東区の文化や歴史の魅力を広く全国に発信してまいりたいと考えます。
次に、「下谷・浅草文学案内−台東区ゆかりの文人たち」の改訂についてでございます。
委員ご指摘のとおり、台東区は、区ゆかりの文学者が大勢おり、また多くの文学作品の舞台となっております。この「文学案内」はそれらを知ることのできる有用な資料でございます。発行後、年数が経過しておりますので、改訂の方法も含めまして検討してまいります。
○委員長 実川委員。
◆実川利隆 委員 先ほど申し上げましたように、文学は観光につながり、観光はもちろん産業でございますので、ひとつそのところご理解いただき、よろしくお願いいたします。
これをもって私の質問を終了させていただきます。
○委員長 実川利隆委員の質問を終わります。
高柳良夫委員、どうぞ。
◆高柳良夫 委員 自由民主党の高柳良夫でございます。
大分時間が押しているようですので、早口でしゃべらせていただきますので、お許しをいただきたいと思います。
私は、本決算を認定する立場で、5項にわたり質問をいたします。
まず、教育につき教育長にお尋ねいたします。
5点ございますので、1は、長年にわたり懸案となっている教職員の人事権並びに給与などの人事権負担権限の移譲は、区の教育施策を根本的に改善、自立するためには欠くべからざる課題であります。この実現により、すぐれた教職員の採用が促進され、結果、児童・生徒の学力、体力の向上にも大きく寄与すると同時に、帰属意識の向上等にもはかり知れないメリットがあると考えますが、その点についての現状と今後の可能性について。
2番目は、このたびの
決算特別委員会でも多くの質問がございましたが、再度確認いたします。
国は来年度から8年間で40人学級を35人から30人に引き下げる計画を発表しました。差し当たって、来年度の小1、小2を30人にしたいとの考えを実現可能と見るべきか。また、その可能性について、またその場合、当然、教員数が必要となりますが、都はその手当てまでしてくれるのかということ、そして本区では教室が不足するのではないかということを心配しております。
3番目は、昨年4月に教育委員会は、組織や組織名を変更し、児童保育課が新しく教育委員会へ、また指導室が指導課に、学校改革担当が教育改革担当に、そしてきょういく館から教育支援館になったわけですが、これらの変更で何がどう変わったのか。その点、効果があったのか、あったらお答えをいただきたいと思います。
4番目は、児童教育の一層の充実のために現在「幼児教育共通カリキュラム」を策定中と聞いておりますので、改めて確認いたしますが、新しく策定するということは、現在の教育課程や保育計画に課題があるからと考えられます。とすれば、何が課題となろうとしているのかということ、その策定作業がどこまで進められているかという点、そして新カリキュラムがこれからの保育計画と大きく変えていこうとする特徴があれば、答えられる範囲内でお答えください。
5番目は、本区では、石浜橋場こども園に続いて、昨年、初めての保育所型の公設民営のことぶきこども園が開園しました。ちょうど1年たちましたので、この1年間の実績をどう評価しているのか。成果があれば、どんな点があったのか。また問題がなかったかという課題もあれば、これもお答えいただきたいと思います。
以上です。
○委員長 教育長。
◎野田沢忠治 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。
まず、教職員の人事権等の移譲についてでございます。
現在、特別区では、国や東京都に対し、人事権などを移譲するよう要望いたしているところでございます。仮に人事権などが移譲されることになれば、特別区同士の話し合いで長期的視野で計画的に教員を配置・育成し、帰属意識を養うことができることなど、課題を解決でき、ひいては学力の向上など教育の一層の充実につながるものと考えております。
東京都は、去る9月、都内の区市町村の教育長の代表と意見交換や課題整理を行う目的で「人事権に係る連絡会の設置」を提案してまいりました。特別区教育長会としても、この連絡会を初め、さまざまな機会をとらえ、教員の人事権などの移譲に向けて今後とも鋭意努力を重ねてまいります。
次に、少人数学級編制についてでございます。
国は来年度から学級編制基準を見直す計画を発表いたしましたが、その内容や詳細につきましては、予算を伴うことでもあり、現時点では未定でございます。台東区といたしましては、今後も国の動向を注視するとともに、東京都とも情報交換をしながら、実施に備え対応してまいります。
国の計画では、委員ご指摘のように、来年度は、小学校1、2学年に35人学級編制を適用することになっております。必要となる教員が確実に配置されるのかどうかなど、現時点では未定でございますが、教室の対応につきましては万全を期してまいります。
次に、教育委員会の組織改正の成果についてでございます。
21年度の組織改正は、就学前の幼児に対して一貫した幼児教育・保育を行うことや、教育改革に対応して施策を総合的に推進することを目的としたものでございます。
まず、公私立の幼稚園、保育園、そしてこども園のすべてを教育委員会が所管することになったことに伴い、現在、台東区独自の幼児教育共通カリキュラムの策定を進めているところでございます。
また、幼・保の教職員による共同研修の実施により、相互理解を図ったほか、保育所等整備計画の策定による待機児童の解消などにつきましても、教育委員会の各課が連携して取り組んでいるところでございます。
次に、施策の総合的な推進につきましては、指導課の機能の充実に加え、教育支援館では、若手教員への研修訪問や日本語指導の充実など、学校支援に一層力を入れてまいりました。さらに、幼児のきこえとことばの相談を開始するなど、幅広い教育相談体制の整備も組織改正の成果であると考えております。
次に、幼児教育共通カリキュラムについてでございます。
現在いわゆる小1プロブレムと呼ばれる状況が問題になるなど、「自制心や規範意識」、「コミュニケーション能力」を育てることの重要性が指摘されており、こうした課題に対応するために「幼児教育共通カリキュラム」の策定を進めているところでございます。
このカリキュラムの特徴は、小学校入学までに求められる生活習慣や集団行動などの到達目標を具体的に示し、その達成に向けた段階的な指導方法をまとめるところにあります。そして、小学校1年生の1学期までの指導計画を作成し、幼児の教育を円滑に小学校教育に接続させる方法を示す計画となっております。
現在、外部の専門家や保護者代表などによる委員会により検討を進めており、平成23年度から活用してまいります。また、私立の幼稚園・保育園にも趣旨を十分に説明して、協力を得られるよう努力してまいります。
最後に、こども園についてでございます。
ことぶきこども園は、開園以来1年が経過をいたしました。成果といたしましては、今年度入園の3歳児の募集において、定員を大幅に上回る応募があったことや、21年度末に行った保護者向けアンケートの結果で、3歳以上の幼児が学校教育法に基づく教育が受けられること、体操教室などの自主事業を行っていること、給食があることなどが上位の意見として挙げられていることから、区民ニーズにも合致し一定の評価をいただいていると考えております。
次に、課題または留意点といたしましては、公の施設として指定管理者が運営を行っておりますので、基本方針に基づいた教育・保育に係る具体的な指導・助言を行っていく中で、民間としての創意工夫や独自性を損なうことのないようにすることなどの配慮が大事であると考えております。
○委員長 高柳委員。
◆高柳良夫 委員 ありがとうございました。
次代の世代を担う子どもたちのために教育委員会が頑張っていただいていることがわかりまして安心しました。
次は、就学助成費について質問をいたします。
全国で経済的に困窮する小・中学生を持つ家庭を援助する就学援助費は、年々増加し続けていますが、同時に児童・生徒数もふえ、昨年より約5万人多い148万8,113人に上ると発表されています。これは過去最多であり、7年度の調査開始時の約76万人よりこの15年間で2倍近くにふえたことになります。今後もさらにふえ続けていくものと懸念されていますが、現在、公立学校の全児童・生徒数に占める就学援助対象者の割合は、全国平均で15%、都道府県別で、大阪が27%、山口が24%、東京が23%、以下、北海道、高知と続いていますが、ちなみに台東区だけを見ますと、トップの大阪の27%に迫る数値となり、この5年間で9ポイントも上昇しており、このまま続けば、財政面だけでなく、それ以外にも大きな影響が出てくることは明らかであります。特に本区は、生活保護費が一般会計に占める率が全国でもトップであることなどを考えますと、区民の負担がますます重くなると非常に懸念されるところであります。
そこで、就学援助費の増加についてお伺いします。
財政面だけに限っての影響なのでしょうか。また、そのほかにないのでしょうか。
それから、2番目がその原因がどこにあるのかということ。
そして、3番目が今後の対策をどうとるのか。以上、3点についてお答えください。
○委員長 教育長。
◎野田沢忠治 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。
まず、就学援助費の増加の影響についてでございます。
就学援助の受給者が増加している現状は、経済的に困窮する家庭がふえ、子どもたちの学習環境を不安定にし、ひいては子どもたちの学力向上にも少なからず影響を及ぼしかねない状況であると懸念をいたしております。
次に、就学援助費の増加の原因についてでございます。
本区におきましても、長引く不況によって各家庭の経済状況が悪化するとともに、格差が拡大し、これまで支給対象とならなかった所得層から対象となる所得層へと移行する方が年々多くなっていることが、就学援助費を増加させる最大の原因であると考えております。
次に、今後の対応についてでございます。
子どもたちが安心して学ぶことのできる環境を確保するため、今後とも、必要な方に必要な就学援助をすることで、子どもたちの学習環境の維持改善を図るとともに、すべての児童・生徒が義務教育の基礎的基本的な知識を身につけ、能力を養うことができるよう教育の機会の充実に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○委員長 高柳委員。
◆高柳良夫 委員 それでは、次の質問に移ります。
お待たせしましたが、区長にお願いしたいと思います。
今後の高齢者対策について質問いたします。
現在、日本人の平均寿命はさらに伸びており、長寿の方がふえていることは現実であります。人間だれもが健康で長寿を願い、それを全うできればそれにこしたことはありません。特に本区は高齢化が全国でも急速に進んでいる区であり、長年にわたり本区で生活し、活躍された高齢者の方々が天寿を全うするまでサポートするのが区の使命であります。そして、その方々が台東区に住んでいて本当によかったと思えるような環境を整備することは、行政や地域の義務でもあると思います。
特別養護老人ホームや老人保健施設の充実もしかりですが、元気で生活しておられる高齢者への施策も重要であります。老人クラブの寿作品展示会やゲートボール大会、芸能、カラオケ、旅行会など区がいろいろと助成していることは十分承知しておりますが、それだけで十分だと考えていたら間違いだと思います。
つまり、高齢者の中には、いろいろな事情で行事等にも参加できない、健康を損ねても希望する施設には入れない。やむを得ず家に引きこもってしまう例がたくさんあります。特に引きこもりがちの方は、精神的にも肉体的にも気弱になり、寝たきりへの引き金になることが多いと言われます。
本
決算特別委員会でも、台東区では寝たきり高齢者等が使用するおむつの費用だけでも年間1億円を支出しており、そのほかの医療費を含めれば寝たきり高齢者に膨大な額を負担していることがわかります。むろんすべてが区の負担ではありません。しかし、これからの医療費を考えると、少しでも負担を軽減しなければならないことは明白であります。そのためには、区が、高齢者のひきこもり、寝たきりの防止にもっと力を入れるべきだと思います。むろん、現在の老人会等への高齢者行事をお手伝いすることも非常に大切なことですが、それはそれとして、別の観点からもっと高齢者に生きがいを感じていただけるような考慮をすべきだと思います。
今でも高齢者グループが特別養護老人ホームなどの施設や民間の施設にお見舞いや軽度の作業活動を行っている姿を拝見し大変敬服しました。大変ですねとお声をかけたら、つらくも重荷でもないんですよと、とても楽しいですと言われ、それが今自分の生きているあかしであり生きがいですからとおっしゃる言葉に改めて感動した次第であります。行政は別の視点からも高齢者対策を考える必要があるのではないでしょうか。
そこで、かつて活用をたびたび提案したことのある南部の旧浅草橋出張所は現在も20年近くほとんど休眠状態であります。この際、ぜひ改修できるものなら、近隣に居住される高齢者の集会所に提供することで、まずひきこもり対策のきっかけにしてはいかがでしょうか。施設は老人クラブや地元ボランティア有志の方にお手伝いをお願いしたり、昼間だけでもだれでもが自由に利用できる場所として開放すれば、ひとり暮らしの方やお年寄りのおられる家庭も外出することができ大変便利になると思います。
これをきっかけに、民間からも場所を提供したいという声も出てくるのではないかと思います。寝たきりを減らすことによる、医療費削減の思いは国家100年の計でもあります。区はこの案での費用対効果が抜群であることを証明するチャンスでもあります。そこで、高齢者の寝たきり防止対策として、場所を確保すること、老人クラブと民間の協力を仰ぐことができるのかどうか、可能であればお答えをいただきたいと思います。
以上です。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 高柳委員のご質問にお答えをさせていただきます。
委員ご指摘のとおり、高齢者が地域で元気に暮らすうえでひきこもり防止は大変重要であると考えております。
本区では、高齢者の閉じこもり予防のため、「いきいき自主活動支援」や「いきいきハロー教室」「ふれあい介護予防教室」などの事業を実施いたしております。
また、地域で自主的に活動する老人クラブにも、友愛活動や仲間づくりを積極的に行うよう勧めているところでございます。
身近なところに気軽に高齢者の集える場所という委員の思いは、高齢者の居場所づくりという点で、私も大切なことであると考えております。高齢者の集える場所については、運営方法などさまざまな課題がございますが、区有施設の活用を含め、今後検討してまいりたいと考えております。
○委員長 高柳委員。
◆高柳良夫 委員 ありがとうございます。
いろいろ難しい点もあると思いますが、私も、来年、後期高齢者の仲間に入りますし、区長もおっつけ追いかけてこられるご年齢になると思いますので、ますますふえていく高齢者のためにもぜひ、区全体で考えていくべきだと思います。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○委員長 高柳良夫委員の質問を終わります。
台東区
議会自由民主党、和泉浩司副委員長の質問をどうぞ。
◆和泉浩司 副委員長 こんにちは。自民党アンカーの和泉浩司でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
委員会審議の際、議会の委員をできる限り尊重しているつもりではございましたが、がさつな下町生まれの下町育ち、時には失念をしてしまう場面もあり、理事者の皆さんにご不快な思いを抱かせてしまいました点、特に副区長までご発言いただくことに至っては恐縮以外の何物でもありません。この場をかりておわびを申し上げたいと思います。
しかし、新聞のコラムにもありましたが、我が党の総裁のように真意にこだわるばかりか、わかりにくい質問もいかがかと思いますので、本日も単純明快に伺いたいと思います。
まず、第1は、何と申しましても区政運営の基本となる財政の目標についてであります。
財政については、予算額、決算額、基金や起債の残高、さらに経常収支比率を初めとする各種財政指標など、実にさまざまな種類の数字があります。一体どの数値がどんな意味を持っているのか、なかなか理解をすることは難しいものであると今回の
決算特別委員会の審議を通じ改めて実感をいたしました。
特に当初予算書、補正予算書、そして決算書を見比べてみると、一般的には貯金と言える基金はそれぞれの場面でどのような役割を果たしているのか、非常に不思議に思えてまいりました。
具体的に申し上げますと、平成21年度一般会計当初予算額は歳入歳出とも880億円で、基金取り崩し額は約29億円となっております。私の記憶では、当初予算で特別区交付金が前年対比26億円減となるため、財源不足を埋めるため、やむなく基金を取り崩したとの説明を受けたかと思います。その後、平成21年度は、計数整理を含め4回の補正を行った結果、特別区交付金はさらに18億円落ち込む一方で、予算規模は最終的に928億円と当初予算に比べ40億円の増となりました。しかし、なぜか基金の取り崩しは約11億円に減少したのであります。
そして、最終的に決算では、歳入961億円に対して、歳出は916億円、純剰余金は約42億円で、結局、財源不足を埋めるための基金の取り崩しはゼロになっております。
日本経済が大変厳しい中、また各自治体が財政難で苦しむ中、台東区は非常によい結果を残したものだと感心しながら、再度決算書をよく見てみると、実は28億円を上回る一般的には借金と言える特別区債を発行しておりました。当初予定していた貯金基金の取り崩しをやめることができたのは、補正予算で、同規模の借金、起債をした結果であるとすると、果たして本区の財政状況は本当によかったのか、よくわからなくなってまいります。当初予算、補正予算、そして決算という財政の仕組みの中で基金はどのような役割を果たしているのでしょうか。それぞれの段階で何らかの必要があり、計上、増額、減額をしていると思っておりますが、区長のご所見をお伺いいたします。
この
決算特別委員会は、言わずもがななことでありますが、来年度以降の予算へとつなげていくことが大変重要であります。そこで、将来に向けての質問をいたします。
今後の予算編成に重要な役割を果たす中期財政フレームの策定についてお尋ねをいたします。
区は、このフレームを新たな行政計画にあわせて作成するものであると同時に、平成23年度から25年度までの今後3年間の予算編成の枠組みとするとの考えをお持ちのようであります。財政フレームは、これまでも長期総合計画や行政計画の策定にあわせて作成されてまいりましたが、このような重要な位置づけを与えられるのは今回初めてのことではないでしょうか。
そこで、まず区は、今後3年間の歳入と歳出をどのような基準で、どのような手法を用いて見込んでいくのか、基本的な考え方をお尋ねいたします。
私は、この7年余りの議会活動を通じて、どのような手法を用いても国内外の経済情勢が極めて流動的な中で、今後3年間の経済動向を的確に把握することは至難のわざであると感じております。特に歳入については、経済動向にどうしても大きく左右されてしまいます。果たして特別区民税やたばこ税、そして特別区交付金を正確に見込むことはできるのでしょうか。重要な位置づけを与えられた財政フレームを不確かな推計により決め打ちするのは、ある意味、区民の期待を裏切る結果にもつながります。
私は、この際、歳入歳出とも経済動向に大きく左右されることを前提に、景気が順調に回復した場合、景気低迷が続いた場合、さらに、景気がさらに下降した場合など、複数の推計結果を公表していくべきであると考えますが、いかがでしょうか。
また、新たな「行政経営推進プラン」において、基金と起債の活用枠の目標値を31億円と定めるのであれば、同時に基金の残高目標もより明確に示すべきではないでしょうか。単に平成22年度予算と同額以内に基金活用と起債発行を抑えるものではないという説明を受け、積算根拠を示されましたが、後づけの取ってつけたような根拠ではなかなか理解できるものではありません。
それよりは、中期財政フレームの作成に当たっては、毎年度の基金及び起債残高を公表するとともに、基金の確保目標額を明確にすべきではないでしょうか、所見をお伺いいたします。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 和泉副委員長のご質問にお答えいたします。
まず、基金についてでございます。
基金の活用には、中・長期的な年度間の財源調整と年度内における財源調整を行う役割がございます。具体的には、これまでも、大幅な税収増があった場合などに積み立てを行い、経済事情の著しい変動等に対応するため、年度間の財源調整を行っております。
また、年度内においては、当初予算における財源の不足を補うために、基金を取り崩しております。その後、繰越金や税収見込み、減収対策に伴う特別区債の発行などが明らかになった段階で、補正予算などにより、基金の取り崩し、取りやめなどを行っております。
今後とも、基金につきましては、将来の財政需要を見据え、中・長期的な視点から有効に活用してまいります。
次に、中期財政フレームについてでございます。
本年3月に策定した長期総合計画後期計画における財政収支推計の作成に当たっては、平成22年度予算を基準に、過去の実績や今後の動向等から各種財源と事業経費を算出し、経済見通しの想定に応じて複数の推計を作成いたしました。最終的に今後も厳しい財政状況が続くことを前提とした推計を採用し公表したところでございます。
新たな行政計画の中期財政フレームについては、平成23年度予算を基準に、長期総合計画後期計画での推計方法と同様の考え方により、複数の推計を作成してまいります。作成した推計につきましてはすべて公表いたします。
次に、基金や起債の残高の公表につきましては、中期財政フレームに基づき残高見込み額を推計し公表してまいります。
また、基金につきましては、いかなる経済状況にあっても区民の皆様の生活を守り、中・長期的な視点に立った安定的な財政運営を堅持するため、200億円程度の確保が必要であると考えております。
○委員長 和泉副委員長。
◆和泉浩司 副委員長 ありがとうございます。
ご答弁はもっともだとは思うんですが、このケーブルテレビを見て、区民の皆さんが今のご答弁でなかなか理解がしにくいのかな、よりわかりやすくお示しいただく方法を検討していただきたいなと思って、次の質問に入ります。
平成23年度予算編成について何点かお尋ねをいたします。
平成21年度決算では一般会計だけでも40億円を超える剰余金が発生をいたしております。なぜこのような剰余金が発生したかについては、さまざまな原因が考えられますが、今回の審議を通じ、明らかになった課題もありました。委託等により人員が削減されることが容易に推測されるのに、多額の人件費を要求して数千万単位の執行残を残してしまう。さまざまな事業を計画していても、詰めの甘さからなのか、最後まで遂行することができないなど、首をかしぐ事例が明らかになりました。今後このようなことが起こらないように強く要望いたしておきます。
要因の一つとしては今指摘した事由でしょうが、ただこの大きな黒字額を見ると、果たして本当に区の財政はどこまで厳しいのか、素直な疑問も生じてまいります。私は、健全財政を標榜し、機会あるたびに財政状況について伺ってまいりましたが、そのたびごとに区の財政当局は相変わらず財政状況は厳しいとお題目のように繰り返してきたではありませんか。
本当に財政状況が厳しいのであれば、平成23年度予算において基金と起債の活用額をご自分でたがをはめたあの31億円以内に抑制するためには、区長にも相当な覚悟が必要なはずであります。しかし、残念ながら先月全庁に配布された予算編成の依命通達を見ると、例年と余り変わらぬ文字が並んでいるようにも見受けられます。
そこで、お尋ねをいたしますが、区長は、予算編成方針会議などで、どのような言葉で覚悟を語ったのか、改めて平成23年度予算編成における区長の基本的な考え方をお聞かせください。
次に、予算編成の手法についてお聞きいたします。
新たな行政経営推進プランでは、引き続き効果的な施策や事業の構築を可能とする予算編成を行っていくとしております。しかし、取り組み内容を見ると「予算査定の段階で、事業の必要性や実効性について、全庁的な視点から議論・検証を行い、事務事業の選択と財源の集中に取り組んでいく」とあるのみであります。これは、過去数年、新規・重点施策事業優先方式という予算編成手法の中で既に実施してきたことではないのでしょうか。残念ながらこの行政経営推進プランからは、前例踏襲の予算編成を行っていくとも読み取れてしまいますが、平成23年度予算編成では何か新たな取り組みを行うのでしょうか。
このたび国では、特別枠に配分する予算項目の優先順位をつける政策コンテストについて、評価会議を新たに設けたそうですが、単に新たな会議体を設けたというのではなく、どのようにして、使い古された言葉で甚だお恥ずかしい限りですが、選択と集中を進めていくのか、具体的な手法についてお示しください。
この質問は毎年繰り返しさせていただいておりますが、変化が見えてこないと感じるのは私だけなのでしょうか。ことしはどのような言葉を使われるのか、楽しみにして次の質問に入ります。
決算書を見ると、21年度決算の執行率は95.9%となり、前年度に比べ約3ポイント上昇しているようであります。しかし、毎年度、最終補正において、執行率の低い事業については減額補正などによる計数整理を行っております。これではその年度全体の執行率はある程度恣意的に操作することが可能だということではないでしょうか。本来の執行率とは当初予算に対して事業執行がどうであったのかということが問題であり、反省も含め、それを踏まえた予算編成に欠かすことのできない大事なものなのではないでしょうか。
事業を企画して予算を考え、予算を要求する、それをさまざまな査定を経て、議会に提案をする。予算特別委員会の審議を通過し、初めて日の目を見ることができるのが言うまでもなく当初予算であります。たくさんの人の手を経て、チェックを受けて生まれてきたものであります。
理事者は、これまで執行率が低い理由は、人員配置の変更や、契約に当たり仕様の見直し、執行方法の工夫などにより経費削減に努めたことによる結果であると答弁されてきました。しかし、図らずも今回の審議の中でそのような理由でないものの存在が明らかになりました。執行段階で事業方法の見直しに努力するだけではなく、予算編成の段階からしっかりと人員配置や事業の執行方法を検討し、精度の高い予算を要求すべきではないでしょうか。それをしっかりとした査定を行い、当初予算を組むことにより、最終補正で計数整理を行うまでもなく、執行率の高く充実した事業執行が行われるはずであります。
むろん流動的なこの時代、予算策定時には予想されない行政需要が生じることは十二分に理解をいたしております。その際には、でき得る限り迅速に果敢に補正予算を組み対応するべきであることもあわせて申し上げておきます。
より予算要求の精度を上げる、さらに査定の精度を上げる、そして精度の高い予算にしていくことに対して、ご同意を当然いただけるものと信じておりますが、改めて区長の考えをお伺いいたします。
今回の審議の中で私の質問の際、流用・移用の一つが明らかになりましたが、もちろんのこと、初めから決算書には示されておりません。かつて補正予算の審議の中で、私の質問に際し「流用・移用は予算執行上の予算の手法としてあるものでございます」との課長答弁もありましたが、所管の管理経費等をかき集めて移用しておきながら、多額の執行残を出してしまうなどは、幾ら手法の一つとしてもいかがなものなのでしょうか。
さらに、「流用につきまして、科目ごとの内容について、補正予算としてこの中に表示するということは、する必要はないのかなと考えております」との課長答弁もありました。流用は区長の専権事項であり、予算執行において必要な場合があることは十分理解をしております。しかし、予算書に記載するか否かはともかく、流用・移用が頻繁に行われ、かつその内容が示されないままでは、予算執行の透明性は確保されないのではないかと考えます。区長の見解をお伺いいたします。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えさせていただきます。
まず、平成23年度予算編成についてでございます。
本区の財政状況は、平成22年度の特別区交付金が前年度実績額を約22億円下回ることが見込まれるなど、依然として厳しい状況が続いております。
一方、いまだ先行き不透明な社会情勢の中、区民生活を支える基礎的自治体の役割はますます重要となっております。私は、区民生活にかかわる課題に的確に対応し、区民の皆様が将来に希望の持てる平成23年度予算をつくり上げていきたいと考えております。
その考えを全職員へ周知徹底するため、予算編成方針会議の場において、全部長に対して、厳しい財政状況のもとでの予算編成となるが、知恵を出し合い、創意工夫を凝らして全力で取り組むよう指示しております。また、依命通達において、既定事業は原則として平成22年度予算の範囲内とし、最大限の経費削減に努めるよう指示いたしました。
次に、平成23年度予算編成における新たな取り組みについてでございます。
私は、これまで厳しい財政状況や行政需要の多様化などの状況を踏まえ、行政評価や予算編成などを通じて、事業の見直しや重点化に取り組んでまいりました。平成22年度の行政評価においては、施策内事業の重点化と事業分類を実施いたしました。その成果を平成23年度予算編成に活用するとともに、予算査定の段階で事業の必要性や実効性について全庁的な視点から議論・検証を行い、事務事業の選択と財源の集中に取り組んでまいります。
次に、予算の精度についてでございます。
委員ご指摘のとおり、予算の精度を上げることは、執行率の向上や充実した事業執行を行うために、私も大変重要であると認識いたしております。
予算編成に当たっては、事業の必要性や効果、事業規模、経費など詳細に検証・精査し、予算原案を作成するように指示しております。
また、予算査定におきましては、過去の実績との比較や各種データの正確な把握、区民ニーズや他区における実施状況など、情報収集と資料検証を徹底し、でき得る限り客観的な判断のもと、予算要求の精査を行うよう努めているところでございます。これらのことをさらに徹底し、予算の精度を高めてまいります。
次に、予算の流用につきましては、法律改正や経済変動、特に区民の皆様の生活に影響を及ぼす緊急を要する事項など、迅速な対応が必要な場合に、適正な手続を経て必要最小限の範囲で行っております。その結果につきましては、現在、決算書の備考欄に流用元と流用先の「目」の名称と金額を表記してお示ししているところでございます。
さらに、流用した事業内容については、「台東区財政の現況」などに掲載するなど、一層の透明性が確保されるよう努力してまいります。
○委員長 和泉副委員長。
◆和泉浩司 副委員長 ありがとうございます。
そうやってご表示ですか、ご提示をいただいているということは理解するんですが、余りにもわかりにくい部分がありました。また、この審議の中でも所管の課長もなかなか理解していないところもあります。そういう部分も含めて、必要な部分には流用・移用も必要だと思います。ただ、その辺はしっかりと精査をして進めていただきたいなと思っております。
事務事業評価など、さまざまな評価があります。それをしっかり生かして予算に取り組んでいただきたい。私の前に質問いたしました4名の自民党議員のさまざまな提案も、もととなるのは財源であります。そのために私は、財政、財源というのはこの私のテーマとしてずっと取り組んでいきたいと考えております。
単純に今回、副委員長という立場をやらせていただき、決算書、当初予算書、補正予算書、そして決算書、主要施策の成果説明書、その辺を見比べていて短時間でも数字の何でだろう、そういう単純な疑問がわいてきました。その辺は十分ご注意いただいて、しっかりとしたわかりやすい決算書をまたつくっていただく、予算執行していただく、そういうことを要望しておきます。
3点目、区長は、就任以来「18万区民」を標榜され、「子育て施策の充実」を初めとして、さまざまな施策展開をされてこられました。その結果、現在16万8,129人と目標値に近づいてきたことは大変評価しているところであります。人口増に向けては、住みやすさ、子育てしやすさなど総合的に判断され、本区を選んでいただけたものとして大変喜ばしい限りでありますが、本来ならばその中心は住宅施策であらねばならないものと考えます。
今回の審議の中で、戦略的な住宅施策を進めてこられたとのことですが、どのような思い、考えのもと取り組まれてこられたのか、その戦略的なものをご披瀝ください。
その数ある住宅施策の中に「マイホーム取得支援」という制度があり、新たに住宅を取得した場合、50万円の支援が受けられるというものであります。しかし、その制度の対象年齢が45歳となっており、長い間賃貸で苦労され、ようやくマイホームを取得された46歳以上の方は対象外になってしまいます。さまざまな状況の中、ある一定の年齢要件を設定することに対しては容認せざるを得ないとは考えますが、区民の皆さんの間に不公平感があることも現実であります。今後、借り上げ期間満了を迎える区民住宅を初めとする数々の住宅施策の中で、不公平感是正のためにも、年齢要件の緩和や、さらに言えば施策の改廃も含めより戦略的に検討されるべきものと考えますが、いかがでしょうか。区長の見解をお伺いいたします。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えさせていただきます。
私は、にぎわいのあるまちづくりのためには、人口構成にも配慮する必要があると考えております。そのため、若年ファミリー層への居住支援などを通じて、活気あるまちづくりを進めてまいりました。今後も、「にぎわい、いきいき、18万都市」を目指して、全力を挙げて施策の展開に取り組んでまいります。
次に、委員ご指摘の「マイホーム取得支援制度」の年齢要件につきましては、バランスのとれた人口構成に誘導していくため設定させていただいたものでございます。制度の見直しにつきましては、今後、借り上げ期間の満了を迎える区民住宅や特定優良賃貸住宅の方向性の検討も含め、本区の住宅施策全般に対する課題や効果を検証していく中で総合的に検討してまいります。
○委員長 和泉副委員長。
◆和泉浩司 副委員長 区長の戦略がよく理解できましたので、次の質問に入らせていただきます。
私が、かつて石浜小学校に通っているころ、町会の役員さんや婦人部の皆さんにお世話になって、潮干狩り、海水浴、キャンプなどに連れていっていただきました。たくさんの経験や思い出をいただきました。子どもの心にも、まちの皆さんにお世話になっていると感じたものでありました。恩返しというわけではございませんが、20代のころより町会役員として、青年部長、青少年部長、総務部長、副会長と町会活動に携わってまいりました。そのまま現在はさらにお世話になっているわけですが、私の議会活動における行動指針の柱として、町会の先達、先輩方の教えが生きているものと感じております。
審議を通じ、行政の皆さんも町会の重要性を述べておられました。また、教育現場においても、さまざまな会合機会をとらえ、まちとのかかわり、町会との連携をとの言葉をよく耳にいたします。
区長も、町会活動の必要性については十二分に理解され、この年度も1億円以上の予算を投じ、助成を続けてこられました。そのことは大変評価するところであります。しかし、補助金という形だけでよいのでしょうか。補助金という形式が上から下へ、そんな思いをするのは私だけでしょうか。
言うまでもなく、町会活動の原資は町会費であります。しかし、近年、マンション建設が相次ぐなど、町会加入が思うようにいかない状況があり、また役員も減少化傾向にあります。町会加入、町会費の徴収は「お互いさま」「おかげさま」「お世話になります」「おつき合い」など本区区民の持つ誇れる特質、資質であると考えます。
そこで、伺いますが、教育機関や区民事務所など区有施設が所在する町会における施設の町会加入についていかがお考えでしょうか。
かつて同様な質疑があったと仄聞をいたしましたが、この台東区にあっても我がまちに対する意識が薄れてきたのではないかと危惧される今、重要と考え質問をさせていただきました。日ごろの区長の町会に対する思いをしんしゃくすればご理解いただけると考えますが、御答弁をいただきたいと思います。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
私は、町会の皆様は区政を推進する上で大切なパートナーであり、「元気なまち・暮らしやすいまち・台東区」の実現のためには、町会活動の活性化を図ることが大変重要であると考えております。
区の施設は、これまでも、町会に加入するか否かにかかわらず、最大限、町会の皆様と連携、協力しながら地域の活性化に努めてきたところでございます。区の施設と町会との協力の仕方には、さまざまな方法がございます。このため、区の施設が事業所として町会に加入することが適切か、加入する施設の範囲や補助金との関係などの視点から今後検討してまいりたいと存じます。
○委員長 和泉副委員長。
◆和泉浩司 副委員長 そのぐらいのご答弁かなとは思いますが、ぜひ区長もリーダーシップを発揮していただいて、いろいろな細かいさまざまな課題がある中で取り組んでいかなくてはならないということは十分理解をしております。司馬遼太郎の「坂の上の雲」に出てくる秋山真之ではありませんが、双眼鏡をじっと見て、その先の細かいところを見るのではなく、自分は全体を見てリーダーシップを発揮していくと、そういうくだりもあります。そのような区長だと私は信じておりますので、どうぞそのままお続けをいただきたいと思います。
また、区長には、私の質問は、厳しい、きついとやゆされているようでありまして、私の耳にもよく入ってまいります。与党なのに、自民党なのに、なぜ、どうしてと言われるんですが、それは、我が党の公認推薦候補者として応援をさせていただき、区民の皆さんの負託を受けた区長を、しっかりとお支えをしていかなければならない、そしてその責任もある、そんな思いで懸命に区民生活向上のために努力されている職員の皆さんの姿も感銘をいたしますが、多少そうでない職員の皆さんの一挙手一投足が私は気になるのであります。そんな言い方で恐縮ですが、どうぞ職員の皆さんは区長をしっかりお支えいただき、区民生活向上に向けてご努力されるようにお願いをしたいと思います。
当然、区長をお支えする立場として認定をさせていただき、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長 和泉浩司副委員長の質問を終わります。
昼食時となりましたので、ここで休憩いたしたいと思います。
午後は1時に再開いたしますので、よろしくお願いいたします。
午前11時58分休憩
午後 1時03分再開
○委員長 ただいまから
決算特別委員会を再開いたします。
――
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○委員長 いぶきの会、堀越秀生委員。
いぶきの会の発言時間を表示いたしましたので、ご確認ください。
それでは、質問をどうぞ。
◆堀越秀生 委員 それでは、よろしくお願いします。
政治の世界は何かと熱い話が多くて、私も習性としてついつい熱く語って多々ご迷惑をかけますので、余り熱過ぎるようでしたらとめていただくように……。
政治の世界はなかなか相手のことを褒めないのがいいのかどうか、そういう習性があって、国会とかの審議を聞いていても自民党は検察のことをなかなか責めない、小沢一郎のこともおかしいなと思っても言わない、こういうことがあって、社民党の弁護士の福島さんなんかは大したものだなと思うんですが、台東区政においても、私は、正直、区長と8年前にいろいろ政策を交わしてから多々いろいろ見させていただいて、吉住区政は確かにいいことをたくさんやっているなと。
たまたまこの間うちの大学生になる長男が稲荷町のファストフード店でアルバイトをしていまして、長女の高校生が三ノ輪のやはり同じファストフード店でバイトをしていて、一回親として見に行こうかなと思って、一番下の2年生の子どもを連れていきました。女房には、今、人気のマツコ・デラックスではないですけれども、堀越デラックスみたいになってしまうからやめなさいと言われたんですけれども、2店、ファストフード店をはしごしまして、そのときにたまたま横に座った人が、上野小学校のお母さんでしたけれども、本当に区長の医療費の無料化、これは本当にありがたいということを言っていました。
それから、三ノ輪のほうでは、駅のバリアフリーですか、障害のある方がいすに座って上がれる、あれも本当に非常に感謝しているという話をたまたま聞きました。
そういう中で、区長のいろいろなそういう貢献、政治に対する貢献は重々承知した上で、またさらにちょっときょうは3点ほどお願いというか、お聞きしたいことがあります。
各事業の要望については、それぞれの委員から出ていらっしゃいますので、私は余り重ならないようにちょっと仕組みの問題で3点ほど聞きたいと思うんですが、まず1点目は、委員会での審議のときも言いましたけれども、区長と我々が属しています台東区議会の議長が海外渡航する。この平成21年度の事業の中でも国際交流と称して行かれています。
それで、私が議員になってこの12年間、議長は、全部で11回か12回か、かわりましたけれども、毎回この任期の最後のほうに議長と区長が、約10日間いろいろ海外を視察する、渡航すると、これは委員会でも別に定期的にやっているわけではないんだとか、きちんと交流の目的があるんだというお話ではありましたが、どうしても私みたいにひねくれた性格でありますと、いや、何かあるのではないかと思ってしまう。
そのそもそもの根拠というのは、これはまず質問する前にあえて念押しで言っておきますけれども、私は海外渡航とか海外交流というのは悪いとは思わないです。自分も、サラリーマン時代、学生時代、アメリカや香港で生活した経験がありますから、海外でいろいろそういうものを見聞きするということは、非常に自分の見聞を深める意味で、ましてや区長のように公を代表する人は政策面でも何でもいろいろな面で反映して非常にいいことだと思うんですね。だから、そういうことを別に責めているわけじゃないし、またきょうの話は、今、議長の話が出ましたけれども、自民党さん初め歴代議長をやっていらっしゃる方々を個人的に責めて、こんな無駄遣いしているじゃないかということを言うつもりはないです。
何が言いたいかいうと、この予算ですよ、このお金、往復ビジネスクラスで行かれて、約10日間欧州、あるいは……例えば、うちの姉妹都市であるデンマークのグラズサックセ市を中心とした欧州、それからやはり姉妹都市であるオーストラリアのマンリーを中心としたオセアニア、こういった方面へ行かれて、1人当たり100万円以上の予算を使うということになったときに、これはお金がどこから出ているかと委員会審議でお聞きしたら、議長のお金も行政が区長部局のお金で出しているというお話でした。私は、これはその事業のいい悪いは別として、立法の長である我々の議長と行政の長である区長、これがやはりそれぞれ公務と称して行っているわけだから、そのお金というのは、それぞれの管轄、議長で言えば議会費、区長で言えば区長部局のお金で出して、お互い何か接待があったのではないかとか、何か気を使ってそういう事業をやったのではないかと思われないようにするというのは非常に重要なところだと思うんです。だから、ちょっとこの点についてぜひ区長にお聞きしたい。
それで、お願いしたいことは、来年度以降もこういう事業をやはり議長と海外渡航をするということはお考えのようなことをおっしゃっていたので、来年度の予算からは、はっきりこの予算編成の時点で予算措置、これをはっきり仕分けしていただきたいと思うんですが、区長、その辺のお考えはいかがでしょうか。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 堀越委員のご質問にお答えさせていただきます。
海外への出張につきましては、その都度、事業の目的を勘案して実施いたしております。
また、出張する人員や期間等につきましても、その必要性を判断し決定いたしているところでございます。
平成21年度におきましては、世界遺産登録推進と国際交流推進事業の目的から、区議会議長に同行を要請し実施いたしました。
歳出予算につきましては、事業別に計上することを基本的な考え方としております。この考え方から、海外出張の旅費につきましても、議会活動に伴うものは議会費に、区の事業に伴うものは該当の費目に計上することとなりますので、ご理解をいただきたいと思っております。
○委員長 堀越委員。
◆堀越秀生 委員 今そういう区長のご答弁があったんですけれども、委員会審議のときも現議長から、きちんとした公務としているし、視察報告書も出ている。私も何度も読ませていただきました。本当はこの視察報告書自体も、区議会だよりに載せるなり、きちんとした公務で行っているわけですから、こういう交流を行ってきましたと区民に知らせるべきものだと思うんですよ。
その点についても、例えば幹事長会とか議事録の残らない非公開なところでそういう話があったりすると、私らの立場からすると、何か隠しているのかなと思うわけです。今もその議会費のほうでやってくれる――事業ごとでなかなか立てられないというお話ですけれども、議長がはっきり公言しているとおり公務なわけですから、これは一議員の要望というよりも、我々議員と、それから行政側とのはっきりとした役割の違い、それを明確にするためにぜひやってもらいたい。今のお話ですと、なかなかそこまで至らないようなお話でしたので、これはきょうでやめようと思ったんですけれども、私は、来年度、予算特別委員会の委員でもありますし、もう一回予算特別委員会でやって、はっきりそこは分けてもらわないと、やはりそれは誤解を招くというのが私の思いであります。
それで、次は、2問目は監査制度についてお聞きしたいと思います。
委員会の審議で私も質問させていただきましたけれども、我々の
決算特別委員会、予算特別委員会で台東区の事業を総括する、これは非常に重要なことで、また通常の常任委員会、特別委員会でも我々はいろいろお話しさせていただいて、要望なり、あるいは意見を言わせていただいていますけれども、この
決算特別委員会の中で、やはりこれだけ――あそこにもありますけれども、予算書ってこんなに分厚いものですよね。外郭団体も含めると、その何百、1,000以上もある事業について、そういうものについて我々がすべてを理解してというのはなかなか短期間では難しい。
そうすると、やはり行政監査、監査委員が我々の代表として小菅委員も監査委員3人の中の一人に入っていますけれども、こういった方々が定期監査でやっている内容をより深く知るということが、ある意味、
決算特別委員会、予算特別委員会の我々の助けにもなるわけです。
ところが、この間、行政の事務局のほうにもご協力いただいて、監査制度の見直しの方向性について、平成22年7月の資料ですけれども、こういうのをいただいたり、あといろいろネットとかで調べて国の第29次地方制度調査会答申、これは平成21年、去年の6月のものですけれども、こういったものの中で語られている監査制度のあり方とか今後の仕組みについていろいろ見てみても、いろいろ外部監査だとか監査業務の効率性、専門性というところで、そういうことはすごく深く語られているわけです。例えば、外部監査を入れる、しかもそこに税理士や弁護士の先生を入れて専門性を持たせる、こういうことは話されているけれども、ではそれをやったことをより深く区民、国民あるいは議員に公開していこうというところがなかなか語られていないんです。
これは、先ほども言ったように、やはり我々が決算をやるときに非常に不透明な部分で、当然、委員の方も行政の各部課の人も、定期監査なり監査のときにはいろいろ一生懸命資料を集めて、それなりに一生懸命やっていらっしゃることはわかるわけです。でも、それが公に担保されていないという中になると、一体我々は、何を見てその監査が行われてきたのか、一体どこが台東区の予算執行の中で問題なり、監査委員の先生方はどこに興味を持ったのかとか、そういうこともわからないまま
決算特別委員会に臨む、これは単なる時間の無駄だけではなくて、本当にもったいないなと思うのです。そこで、ちゃんと我々にもそういうものが公表されていれば、ここでこういうふうに監査委員の先生がきちんと調べているわけだから、何も委員会で長い時間をとって、同じことを質問する必要がないなとか、そういうことにもなるわけです。
私は、今お話ししたとおり、監査制度、なかなかほかの自治体を見ても積極的にやっているところはないですよ。というのは、会社でもそうでしょうけれども、オーナー会社なんかもそうかもしれませんが、自分の会社を監査する、こうなるとどうしてもなかなか口うるさいことを言う人を嫌だなと思うのがトップの考えでもあるし、だけれども吉住区長は、本当にいろいろ寛大で、我々野党の本当に子育ての要望を何でもいろいろ聞いていただいて、政策に反映していただいたり、そういう寛大なところは本当にあると思うので、今私が言ったように、ほかの自治体にぜひ先駆けて、台東区としては、そういう公開性、そういったようなところもこの監査制度について考えていただきたいなと思うんです。
ただ、公開していただけますかという質問では余りにも区長も、やはり今この時点でというお話だと思うので、今私がいろいろ意見を言わせていただきましたけれども、区長がお考えになる今の監査制度の問題点や課題などについて、区長はどのような認識をお持ちになっているのかな、その辺のところをぜひここでお披露目していただけばありがたいですけれども、いかがでしょうか。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えさせていただきます。
監査委員におかれましては、これまでも行政の適法性及び妥当性を保障するという権限と責任を果たしていただいていると認識いたしております。
また、監査制度につきましては、これまでも一般行政事務を対象とした監査の実施や外部監査の導入など機能の充実・強化が図られ、一定の成果があったものと考えております。しかしながら、委員のご質問にもありましたように、監査制度につきましては、国において複数の案をもとに制度のあり方を含めた検討が進められております。つきましては、その動向を注視するとともに、新しい制度が示された場合は、監査制度にかかわる条例整備など速やかに対応してまいります。
また、予算措置につきましても、必要性を踏まえ、積極的に取り組んでまいります。
○委員長 堀越委員。
◆堀越秀生 委員 区長、今のその前向きなご答弁、ぜひよろしくお願いします。
それで、この監査と同じように、お金の流れについて本当に重要なところで、最後3点目質問しますが、我々台東区議会、この小さな自治体でも、年間、一般会計以外、特別会計を含めれば1,000億円前後の税金を皆さんから預かって運用するという、そういう責任があるわけで、やはりこの公金の使い方、使われ方というものをきちんと調べていくというのは本当に我々の一番重要な仕事だと思うんですが、今の監査制度にさらに加えて、例えば台東区、この自治体からいろいろな団体に補助金を出されています。例えば台東区内の商業団体あるいは医師会、歯科医師会あるいは観光連盟、そして町会、それからさらには文化的な活動をされているいろいろな団体とか、いろいろあるわけですけれども、ちょっと総論的なことを聞きますけれども、こういった団体にお金が配分された後、ある程度その事業については事業報告書なりなんなり上げていただいたりしているわけですけれども、普通の場合、団体に入ると、そこにいわゆる台東区の、自治体で言えば一般会計、全体の予算としてそこに組み込まれて、そのお金がいかように使われたのか、あるいは使われないで残されているのか、こういうことがなかなかわからない。やはりこれは、もとは税金ですから、ここをきっちり我々は理解していく必要があるのではないかと思うんです。
こういう補助金を交付している団体に対して区の調査権限といいますか、そういう調べる権限、これは、例えば運営とか事業内容への調査と指導など、そういうものに区として干渉ができるのか。あるいは、その団体に対して会計報告の提出義務とか、こういったものを求めていくことができるのかどうか。
それから、公のお金、その団体の公金の使用の詳細を調査することができるのか。
さらに言えば、もしその団体の中で事故や事件が発生した場合、ある区内の団体でも裁判ざたになるような話がありましたけれども、ああいう補助金団体でそういう事例が起きた場合、その補助金を戻すなり、あるいはきちんと調査していろいろ運営に対して行政として指導していくなり、そういうことがどこまで台東区としてあるのか、この辺のところを、ちょっと総論的なところですが、区長、お答えいただければと思うんですが、よろしくお願いします。
今、全体的な総論の話がありましたけれども、一応今ちょっと勘違いがあったのは、@、Aとあったんで、1つずつ分けてやるのかなと思ったら一緒にやれということなので。
特にこの補助金団体――補助金団体としてくくっていいのかわからないですけれども、台東区には永寿総合病院、ここについても、年間、億のお金が今でも支払われていて、いわゆる産科あるいは小児科等についていろいろな助成を台東区で出しています。この中で、もちろん中核病院運営協議会とか、いろいろそういうところで区の要望も聞いてもらっているわけですけれども、この委員会でも、約1時間以上ですか、この問題を各委員が質問していましたけれども、特にこの病院医療、台東病院はきちんと会計が特別会計としてあるので、私らは調査もどこまで及ぶのかと大体想像がつくんですけれども、この永寿総合病院については、こういった今@というか、先ほどの補助金団体全般に対しての質問にあったような内容で、どこまで調査権限が及んでいくのか、こういうところを区長、ちょっとわかるところでいいんで教えていただけますか。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
まず、補助金を交付する団体への区の調査権限についてでございます。
現在、各団体への補助金の交付に当たりましては、「補助金等交付規則」に基づき、各所管課において要綱を定め対応しているところでございます。こうした補助金の交付をはじめ、予算の適正な執行に関する区の調査権限につきましては地方自治法に規定がございます。したがいまして、委員ご指摘の団体の運営や事業内容、会計報告、補助金の使途の内訳につきましては、予算執行に関する範囲において調査することが可能であり、各補助金の交付申請や実績報告の提出時など、必要に応じて調査を行っているところでございます。
また、団体と第三者の間において発生した事故や事件についても同様でございます。
さらに、不正な手段による補助金の受領や目的外の使用等が明らかになった場合には、規則に基づき区は交付決定を取り消すことができ、当該団体には補助金を返還する義務が生じるものでございます。
なお、訴訟に発展した場合、係争中においては基本的に裁判所の判断に従い対応することになると考えております。
次に、永寿総合病院への対応についてでございます。
永寿総合病院は、一般的な補助金交付団体とは異なり、病院設置に当たりましては、本区の地域医療の中核を担う病院としての基本協定を結び、そこで定められた医療機能を担っていただいております。
この機能を確保するため、運営協議会を設け、毎年、評価・検証を実施し、提言を行っております。提言に対しましては、永寿総合病院も真摯に受けとめ、改善を図っていただいているところでございます。
次に、永寿総合病院に対する今後の補助金についてでございます。
現在、基本協定の見直しを行うため、これまでの活動状況の評価と将来のあり方の検討を始めたところでございます。今年度末には結論を出す予定としております。補助金につきましても、この検討の中で方向性を示してまいります。
○委員長 堀越委員。
◆堀越秀生 委員 今、区長から答弁いただいたように、補助金のところ、非常に重要なので、我々議会の――委員会でも話しましたけれども、いわゆる地方自治法の100条による調査権限というのにはある程度限りがあるというような判例もあって、非常に心もとないところがあるので、行政のそういう補助金団体に対する調査権限、ぜひしっかりやっていただきたい。
もうすぐ新東京タワーもできます。この間近所の小学生の子たちとみんなで見に行きましたけれども、先ほども和泉委員から話がありましたけれども、台東区に住んでいることに今の台東区の子どもたちは本当に誇りに感じていると、そういう本当に楽しいことがこれからいっぱい起きるのではないかと期待と夢に胸を膨らませているところであります。
区長、本当今までの任期お疲れさまでしたと同時に、これからもまたさらに何か台東区のために新しい事業をつくっていただいて頑張っていただきたいということで、質問を終わります。
○委員長 堀越秀生委員の質問を終わります。
台東区
議会区民クラブ、成澤敬委員。
区民クラブの発言時間を表示いたしましたので、ご確認ください。よろしいですか。
それでは、質問をどうぞ。
◆成澤敬 委員 区民クラブの成澤敬でございます。
我が会派の一番手として総括質問をさせていただきます。
我が会派は4名の質問者がおります。認定につきましては、4人の質問に対して区長のご答弁を伺った上で、最後の木村委員にお願いしたいと思います。
早速質問に入らせていただきます。
区長は、先日の一般質問におきまして、木下委員長の財政運営についての質問に対し、歳入と歳出の均衡を図り予算編成を行うことは財政の健全性を維持するための基本原則であると認識している、そのため新たな財源確保に取り組むとお答えになりました。新たな財源を確保することの重要性も、また厳しい財政状況下でそれを捻出し確保することが大変難しいことであろうことは、ここにいるすべての皆さんの共通認識でありましょう。
私は委員会審議の中でも収入未済の増加について質問いたしました。当然、歳入となるべき収入、安定した収入を確保するという観点から、徴収事務について2点を伺います。
平成21年度決算において、課税総額が減少しているにもかかわらず、滞納者・滞納額は増加しております。また、特別区税、国民健康保険料、介護保険料の3債権に後期高齢者医療保険料が加わり、4債権となり、各種調査件数も前年度の8,928件から2万829件に倍以上ふえたことは、委員会の審議でも指摘をいたしました。
管理システムが向上し、口座振替、コンビニ収納などで納入義務者の利便性も高め、早期納付の強化等、担当所管が努力を続けてきた上にも、このような数字が出てきてしまうのであります。増加している滞納者の中には、確信犯的で悪質な事例も、また払う意思はあっても、生活を優先させてしまったがために滞納してしまったという方もいることでしょう。
滞納者に対しては、厳格な対応と同時に、きめ細やかで柔軟な対応が必要とされているのであります。残念ながらこのような傾向が強まると思われる今、取り扱いが大変繊細なこの滞納という問題に対し、区長がどのようなお考えを持ってどのように対処していくのかをお聞かせください。
また、滞納件数は前年度から約3割も増加しております。税制改正後、納税義務者も増加し、これらの増加に伴い、当然のことながら、徴収事務、職員個々の負担は増加されることが予想されることですが、そのような状況の中で、効率を上げて、収入率を上げるために、どのような対応をおとりになるかもあわせてお聞かせください。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 成澤委員のご質問にお答えさせていただきます。
まず、滞納者への対応についてでございます。
委員ご指摘のとおり、本区における特別区民税の課税金額が伸び悩む中、景気の低迷等により滞納者数や滞納金額は増加いたしております。このような中、滞納者に対しましては、督促状、電話や文書による催告等により、自主的な納付がされない場合には、幅広く財産調査を行い、差し押さえ等により徴収を行っております。
なお、病気・失業など特段の理由がある場合には、相談の上、分割納付等の徴収緩和措置をとっております。今後とも、納税に関しましては、公平性の確保を徹底してまいります。
次に、滞納件数の増加への対応についてでございます。
まず、現年課税分の徴収に重点を置き、滞納に対し早期の取り組みを行っております。さらには、債権等の財産調査を強化し、滞納者との接触の機会をふやすとともに、都の合同研修等により職員のスキルアップを図り、滞納整理を強化してまいります。
○委員長 成澤委員。
◆成澤敬 委員 どうか職員の皆様におかれましては、経済情勢が好転するまでの間、毅然たる中にも台東区らしい人間味のある徴収事務をお願いいたしたいと思います。
次に、社会福祉費から要援護者への支援について伺います。
都内でのひとり暮らしの高齢者が50万人を超え、当然その中には認知症やさまざまな疾病による要支援者が増加しております。昨年約470万人だった全国の要介護認定者数も、厚生労働省の推計では、2035年、今から25年後には750万人になると言われております。そのような方たちの受け皿となる施設サービスなどの需要が高まる一方で、建設コストが1床当たり1,000万円だとか、また東京都では土地代込みで2,000万円もかかる場所もあると言われております特別養護老人ホームが今後次々と建設され、待機者がなくなる日が来るとは到底思えません。
今後は民間事業者も参入しやすい地域密着型サービス施設の整備がより重要となってくるのだと思います。小規模多機能型居宅介護拠点、既存のマンションや住宅を使用したユニットケア型の小規模特別養護老人ホームやグループホームなどは、特に土地の狭い我が台東区においては主力になっていくものでありましょう。
公助単独での限界が見えているのならば、本人やご家族であるところの自助、自治組織や地域・職域に該当する共助の部分に制度の適切な運用をしていくことこそが、行政の新たな役割であり、今後の方向性ではないでしょうか。
本区の整備状況を見ると、残念ながら高齢者保健福祉計画どおりに進んでいないように見受けられるのであります。事務事業評価でも必要性と有効性が高いとしている事業であるにもかかわらず、余り運用されていないのならば大変もったいないことです。ただ、施設として未整備のものが多いのならば、今後どのように整備の推進を図っていくのか、区長の所見を伺います。
もう1点は家族への支援についてです。
要援護者本人への支援についてはもとより、要介護者や障害者の方などを介護している家族への支援や慰労をすることこそが、現在本当に必要とされております。皆さん大変疲弊しておられます。現在実施している家族へのサービスのさらなる周知やサービス内容の充実をもっともっと図っていくべきであると私は考えますが、区長はどのようにお考えでしょうか、ご所見を伺わせてください。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えさせていただきます。
まず、地域密着型サービス施設についてでございます。
ひとり暮らし高齢者や認知症高齢者が増加する中、だれもが住みなれた地域で生き生きと安心して暮らし続けることができるよう、地域密着型サービスを充実させることは大変重要なことでございます。
これまで私は、民間事業者が進める認知症高齢者グループホームの整備に対し支援をする一方、認知症対応型デイサービスのように、民間事業者の参入が進まないサービスについては、区立施設で対応し、現在までに8つの事業所で地域密着型サービスを提供いたしております。
また、来年4月に開設される「特別養護老人ホーム千束」を初め、現在整備中の事業所を加えると、平成23年度末までには13事業所となり、高齢者保健福祉計画の計画事業量が達成される見込みでございます。今後とも、民間事業者の取り組みへの支援を含め、地域密着型サービスの充実に努めてまいります。
次に、ご家族の方への支援についてでございます。
私は、要介護高齢者や障害者を抱えるご家族の負担の大きさとそのご苦労については十分に承知いたしております。本区では、これまで寝たきり高齢者を在宅で介護しているご家族に対する慰労品の支給や重度の脳性麻痺の方のご家族に対する介護料の支給、また緊急ショートステイの利用案内など、介護者の肉体的・精神的疲労を軽減する事業を実施してまいりました。今後ともご家族からの相談にはきめ細やかに対応し、広報活動の中でも制度の周知徹底に努めてまいります。
そして、だれもが生き生きと暮らせる社会を目指し、現在、策定準備を進めている高齢者保健福祉計画・障害福祉計画の中で、介護者の負担軽減策の充実を図ってまいります。
○委員長 成澤委員。
◆成澤敬 委員 ただいまの区長のご答弁、1点目のご答弁ですが、現段階では仕方のないことなのかもしれないですが、私にとっては非常に物足りないように思えるんです。
私、今年の第1回定例会の一般質問で、孤独死について質問させていただきました。その中で、引き取り手がなく、自治体によって、火葬、埋葬される無縁死が年間3万2,000人いるというふうにご報告申し上げました。また、家族にかわって死亡した後の手続きを行うNPOに頼る家族がいない方が殺到する現実がある。また、生涯未婚者の増加、2030年、20年後には女性の4人に1人が生涯独身を通す。また、男性の3人に1人が生涯独身を通すという統計が出ております。そして、合計特殊出生率、女性が生涯に何人のお子さんを産むかという、これが1975年から2人を切っておりまして、昨年度は1.37人、今の2つの数字を合わせますと、私は非常に恐ろしい数字だなというふうに感じています。
実際に私は、孤独死、無縁死の方たちというのは、高度経済成長下で地方から東京に出ていらして、お仕事をやって、日雇い労働をしたりとかいうことで、故郷とのきずながなくなってしまった、そういう方たちだと思っていたんですが、実はこの数字を見ますと、現在、我々台東区、私の身の回りにも、当然20年後、30年後には多くの方たちが高齢で単身者になってしまいかねない、そのような数字なんです。
生涯独身を通して、現在兄弟が1人で、高齢のご両親を介護なさっていて、そのご両親が亡くなられた後には兄弟もいない。血縁との縁も薄くなってしまい、そういう方たちが実際に私の友人にも出始めている、そんな気もいたします。
とにかく私は、先ほど公助、共助、自助と申し上げましたが、今、対岸の火事ではなく足元に火がついている状態ではないか、来るべき日に備えて我々は今行政と民間業者と地域と、また団体と、そしてご家族と手を組んで将来に備えなければならない、そのような時期が来ているというふうに思っております。
最後の質問になります。
最後は事務事業評価について伺います。
物事の改善、成長にとって、まず自分の行動を振り返り検証するということは、それが個人であれ組織であれ、第一優先とも言うべき行いであります。検証するというプロセスの中で、外部の評価やみずからの問題が見えてきて改善に取り組んでいける、そんなわけです。
本区においての事務事業評価もまさに1年間を次年度につなげるためのものなのですが、書式や表記などに工夫や改善などは見られますが、形式的な評価に終始する部門が見受けられるようであります。
また、事務事業評価シートを作成することが目的となっているような事業評価ととられても仕方のないところもあると思います。全庁的なシステムとして、より効果を上げるためには、1年間に実施してきた事業の成果、目標の数値化、達成率、重点化すべき点は具体的になど、まさに選択と集中をもって事務事業評価シートに反映させて活用すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
また、区民の皆様から見て、よりわかりやすい評価となるよう事務事業評価自体の充実を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか、区長のご所見を伺います。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えさせていただきます。
事務事業評価は、区が持つ資源を最適かつ有効に活用し、必要なサービスを効果的、効率的に提供していくための手法として大きな役割を果たすとともに、評価シートの作成を通じて職員の意識改革にも寄与しているものと考えております。
委員ご指摘の点につきましては、事業成果を適切に検証し、評価の精度を高めていくことが大切であると考えております。
今後、職員研修等を活用し、事業を所管する個々の職員の意識のさらなる向上を図ってまいります。
また、本区が行っている事務事業につきまして、その意義や目的、必要性、方向性などをわかりやすくお伝えすることは、区民の皆様の説明責任を果たす上で非常に重要であると考えております。本区では、これまでも、区民の皆様にとってわかりやすい評価とするため、成果指標の設定や事務事業コストの記載など、事務事業評価の改善を図ってきたところでございます。新しい行政経営推進プランの中でもお示ししたとおり、今回の評価結果を踏まえ、来年度は行政評価の見直しを実施いたします。この見直しの中で、区民の皆様にとってより一層わかりやすい評価となるよう努めてまいります。
○委員長 成澤委員。
◆成澤敬 委員 私、事務事業評価に関しての質問をするということで、過去、先輩の議員の諸氏が恐らくこの問題に関しては質問なさっているだろうと議事録を検索しましたところ、まさに4年前の平成18年度、この
決算特別委員会であちらにいらっしゃいます和泉副委員長が、今私が申し上げたようなことをとっくに質問なさっていたんですね。区長の答弁も今のようなご答弁であった。副委員長が、4年前といいますと1期目の最後の年、また4年後に、私、1期目の最後の年の
決算特別委員会の総括質問で同じような内容の質問がされるということは、これは無理からぬ――大変だと思うんですよ、2カ月かそこらで1年分の総括をして、それをコンパクトにまとめなければならない。これは本当に大変だとは思うんですが、やはり4年を置いて同じような思いを抱いた議員がいるということで、ぜひこれからもますます充実させるよう努力をしていただきたいと申し上げまして、私の総括質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長 成澤敬委員の質問を終わります。
台東区
議会区民クラブ、水島道徳委員、質問をどうぞ。
◆水島道徳 委員 台東区
議会区民クラブ、水島道徳でございます。
本日は、大きく3項目、計7つの質問をしていきたいと思います。
まず初めに質問させていただくのは、達成していく事業についてでございます。
今年度の決算の執行率を見ると、福祉分野や教育分野を初め、執行率の低いものが見られるところであります。特に、その年度に行政目的を達成すべきものが予算化されていることについては、その目的を達成し、区民サービスの向上をするためには、確保した予算を着実に執行すべきと考えますが、まず短くなんですが、区長にお伺いをいたします。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 水島委員のご質問にお答えさせていただきます。
予算編成においては、各種計画との関連や過去の実施状況等を踏まえ、最小の経費で最大の効果が図れるよう、各事業に適切な予算配分を行ってきたところでございます。
しかしながら、予算の執行段階において競争入札により契約差金が生じたものや、制度改正、事情の変更等により執行実績が低くなったもの、執行方法の工夫により削減できたもの、予算編成時点での見込みに比べ、対象者からの申請等が少なかったことなどの理由により、予算額と決算額に大きな乖離が生じているものがございます。
予算執行に当たりましては、今後とも、事業の進捗状況を適切に把握するなど、限られた予算を有効に活用し、事業目的を十分に発揮できるよう取り組んでまいります。
○委員長 水島委員。
◆水島道徳 委員 厳しい予算の中で予算を決めてきたわけで、特に積み残し、その年にやらないと、来年度、次2つやるとか、そういうことができないような事業については、必ずできる限り進めていかなければならないのではないかなというふうに思っています。
次に、国際交流の促進について区長に2点お伺いします。
初めに、21年度、区長は、マンリー市を訪れて、姉妹都市に対しての友好的なきずなを深めてきたところでございます。海外の姉妹都市との交流は、その国の距離や言語などの違いはもちろん、行政のシステムや議会の制度の違いなどもあります。その中で昭和57年以来今日までつなぎ育ててきたと考えます。
その中にあって、オーストラリアは、日本人にとっても人気のある国で、時差もなく、季節が真逆で自然にあふれる国でもあります。まして、マンリー市は、フェリーで首都であるシドニーに渡れる距離で、住居としても大変人気があるそうです。姉妹都市を締結したソーバン市長はお亡くなりになりましたが、新しい市長となりましたマンリー市には、台東区の観光の切り口からいっても、ホームステイなどの受け入れなどのことでおつき合いをすることがいいのではないかと考えます。
そこで、お伺いいたします。
若い世代に人気があるオーストラリア、台東区民が訪れる機会をつくり、広く姉妹都市の交流活用をすべきと考えますが、区長の考えをお聞かせください。
また、もう1点は、今後の姉妹都市についてお聞きをさせていただきます。
韓国の龍山区は以前交流があり、平成20年の第1回定例会一般質問でも寺井議員が韓国ソウル市の龍山区との友好・姉妹都市締結についての質問をしてまいりました。私の知るところによると、韓国ソウル市も都市の統合などの問題があり、龍山区がなくなってしまう、そんなようなことのために交流が今中断をしていると言われております。
しかし、最近になりまして、この龍山区も区庁舎を新築し、この都市が残ることが決まったと聞いております。近くて近い国ソウル龍山区との交流再開に当たり、交流を進めるべきと考えますが、区長のご所見をお聞かせいただきたいと思います。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えさせていただきます。
まず、海外姉妹都市マンリー市との交流についてでございます。
委員ご指摘のとおり、区民が海外の異文化に触れることは貴重な経験になるものと認識いたしております。現在、国際理解重点教育として毎年8月にグラズサックセ市に中学生を派遣し、その中でホームステイなどを通じ、異文化体験をしているところでございます。
マンリー市との市民交流につきましては、今後、マンリー市の意向を確認しながら、ホームステイへの協力など、さらに交流が活発になるよう支援していきたいと考えております。
次に、韓国との交流についてでございます。
韓国のソウル市龍山区とは、昭和63年に本区区議会議員の皆様が訪問し、以後、両区の議員の方々が相互に訪問し合い、情報交換等を行い、交流を深めているとお聞きしております。
今後、龍山市との交流につきましては、市民交流の広がりや相互の機運の盛り上がりなど、民間主体の交流の推移を見守りながら判断してまいります。
○委員長 水島委員。
◆水島道徳 委員 まず最初に、マンリー市のほうですが、やはりこういう若者や、また家族でホームステイをしたり、外国の文化に触れられるということは非常にすばらしいことだと思います。
また、台東区から来たというと、やはり姉妹都市ということで、大変マンリー市も喜ぶと思いますし、また行かれた方が、台東区の観光大使ではないですけれども、そこで台東区の宣伝をしてもらう。また、そこでマンリー市で台東区のことを見聞きして台東区に来てもらう、そういう切り口も続けていかなければいけないのではないかなというふうに思います。
また、韓国の龍山区のほうについてなんですが、区長も我々と一緒に龍山区のほうに訪韓をしたときに、やはり今、韓国というのは教育の面ではかなり進んだ国であって、我々もPTAの皆さんと懇談をさせていただいて、韓国の教育についてもお話をさせていただいたところでもあります。そういう面からも、韓流ブームということもあって、韓国に行こう、行きたいという目的の方もたくさんいらっしゃいますので、そういう部分でおつき合いをしながら、こちらも、観光の切り口、そして教育の切り口でもおつき合いをしていけばいいなというふうに思います。よろしくお願いします。
質問に入らせていただきます。
次に、3つ目の学校運営について、学校運営の1つ目を質問させていただきます。
特色ある学校について、台東区は特色ある学校づくりを推進してまいりました。歴史と伝統、そして地域の力、人的環境、また学校の話し合いができる環境など、学校のトップの校長がかわっても、長期間変わることない特色ある教育活動を積極的に推進することなどが盛り込まれております。
また、国際理解教育を中心とする学校や、体育、自然体験を特色とする学校など、外部講師の派遣等、人的な措置も視野に入れながらの特色づくりを、支援を行うと言ってまいりました。
このことは最初の、当初の部分ではなかなか成果が出ず、委員会や本会議等でも、各議員のほうからも、どのように進んでいたのかと質問がされてきたところであります。しかし、今私がこのことを振り返ってみると、歴史と伝統、もう100年も超える小学校もありますし、また地域の力や、また人的な環境も多くそろってきたのではないかと思います。
また、国際理解を中心とする学校としてみれば、桜橋中学校を中心とする中学校でグラズサックセ市のほうに行っているところでもあります。そういう意味では、今回、昨年度も台東育英小学校の金管バンドが全国大会に出て、また引き続き富士小学校も全国大会に出ると、そういう意味では、金管音楽活動というのも各学校特色を出しながらやってきましたけれども、かなりほかの各校でもレベルが上がってきた結果ではないかというふうに思います。
そういう意味では、今の特色あるという部分がかなり達成をされてきて、そして均一になりつつあるんではないかというふうに思います。そういう面では、各学校が特色を出しづらい状況にあるとも考えます。今後、教育長は、各校の取り組みについて、より一層支援をしていかなければならないと思いますが、どのような支援をするかお聞きいたします。
次に、ヘルスプロモーションスクールについて質問をさせていただきます。
今年度決算にある小児生活習慣病の予防健診などのように、子どもたちの小・中の高学年で肥満の傾向があるようで、西洋型の食生活習慣になりつつあるとも言われております。ヘルスプロモーションスクールとは、健康増進、健康教育及び学校管理に健康の視点を導入することによって、健康教育や保健サービスの計画に当たって、家庭や地域が連携をしながら、学校の経営をすることであります。
このような健康的に生活する視点を土台とした学校経営は、児童・生徒が安定した学校生活を送り、学力、体力等でより一層励めると考えます。学校保健委員会に保護者で参加をしたときに、ある統計を聞かせていただきました。その統計というのは、土日、子どもたちが目いっぱい遊んだり夜遅くまで活動をしていると、月曜日、火曜日、水曜日ぐらいまで子どもたちがなかなか元気を取り戻さず、勉強のほうにも少し影響があるんではないか、そのような事例でございました。このようなことは、もしかすると学力の低下にも影響があるとも言えるのではないでしょうか。
そこで、この健康教育を校内でどのように実践し、そして保護者や地域に対してどのように周知をしていくのか、教育長にお聞きします。
次は、ICT教育について質問をします。
この決算で小学校・中学校費でデジタルテレビや校内LAN、教職員・生徒用のパソコンの整備が行われてまいりました。このことは、21年度の予算で質問したICT教育ができる基礎ができたものと私は考えます。
文部科学省では、平成17年から19年までの3年間、地上デジタルテレビ放送の教育用活用の推進事業を実施し、デジタルテレビの効果的活用に関する実施研究を行っているところであります。これらの事業を通じて、デジタルテレビの高画質・高音質など映像による児童・生徒の興味、関心の向上、パソコンやデジタルカメラ等の連携による知識、理解の定着などであります。
今後、教育現場にもアナログからデジタルへ大きく転換がされると考えます。これらの機器が、物があっても指導の方法が大いに必要となってくると考えます。教育実践に生かしていくために、どのようにこのような機器を使って子どもたち、また先生たちが教えていくのか、どのように行っていくのか、教育長にお伺いをします。
最後の質問は、4番目は新軽井沢学園の考え方についてお聞きします。
軽井沢学園が廃止をされてから、小・中学校の移動教室やクラブ活動などが霧ヶ峰学園で行われているところであります。軽井沢学園がなくなっても、それぞれが教育課題の違うことをしているとはいえ、今も集中して小・中学校が霧ヶ峰を使うことは余りよいこととも思えません。特に夏に集中し、お盆を過ぎると天候も悪くなるということもあり、その順番の争いもあると聞いております。
体育館などの施設も整備がよくできていて、そういう面ではいい施設だとは思いますが、しかしながらそこに集中することは余りよろしくないと考えます。
そこで、新軽井沢学園の構想については、莫大な予算が必要でありますけれども、今、凍結している先の見えない計画の中で、見直しや今の少子化の時代を考えると、大学の研修寮や、軽井沢には多くあるこの施設と連携しながら活用できればよいと考えますが、教育長のご所見をお聞かせください。
○委員長 教育長。
◎野田沢忠治 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。
まず、特色ある学校についてのご質問についてでございます。
ALTによる英語活動、農業体験、さらには金管バンドの全国大会連続出場など、これまでも各学校におきましては、さまざまな特色ある活動を進めております。
また、国際理解重点教育では、グラズサックセ市との交流も、派遣するだけではなく、同市の生徒たちを受け入れるということにまで深まってまいりました。こういった特色は、魅力ある教育活動事業を通じて発揮されているものも多くあり、今年度すべての校長・園長から聞き取りをして、この事業の総括を行いました。
今後はその総括をもとに、委員ご指摘の点も踏まえながら、一層各学校の特色となるよう、めり張りのある内容にしていくよう努めてまいります。
次に、健康教育の実践についてでございます。
学力や体力の向上の土台となる健康的な生活を送ることは大変重要でございます。
本区では、昨年度、食育の推進指定区として子どもを指導できる栄養教諭が新たに配置され、区の栄養士部会において研究を進めるとともに、食育に関するリーフレットを全教員に配布し、日常の指導に生かしているところでございます。
さらに、小児生活習慣病予防や、自分の健康を自分で管理できる態度をはぐくむことも重要でありますので、各学校において、児童・生徒への指導や保護者会などにおいて、啓発などをさらに進めるよう指導・助言をしてまいります。
次に、ICT教育についてでございます。
デジタルテレビを活用した指導など、ICTを活用した教育では、各教科などにおいて視覚教材を有効に活用することが可能でございます。
そこで、今年度は、実践開発校として小・中3校で50インチデジタルテレビと実物投影機・電子黒板など周辺機器を活用した指導法の研究を進めております。既に子どもたちの集中力や意欲を増すという効果があらわれているところでありますが、今年度末には、研究した指導法などとともに、成果についての事業発表などを実施し、教職員のICT活用の能力向上に努めてまいりたいと考えております。
最後に、新軽井沢学園の考え方についてでございます。
新軽井沢学園構想につきましては、現在の財政状況や多様化する区民ニーズを考慮いたしますと、現時点ではその構想を進めることは難しい状況にあります。当該用地の活用方法とともに、軽井沢町近隣の民間宿泊施設などについても調査をいたしましたが、移動教室などの実施にふさわしい施設はなかなか見当たらない状況でございます。
このような中で、小学校長会からは、引き続き霧ヶ峰学園で移動教室などを実施することを要望されております。今後、民間宿泊施設などの調査を継続するとともに、新軽井沢学園構想に係る関係機関とも引き続き協議を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
○委員長 水島委員。
◆水島道徳 委員 まず最初に、特色ある学校づくりのほうですけれども、歴史と伝統、地域の力と並べた質問を先ほど1つしたのは、実は私が特色ある学校づくりを一番最初に隈部教育長に言ったときに、これをやりますと言ったことを一応並べて、私もちょっと検証してみました。
そういう面での実証が、私はそこまで――今教育長からも答弁がありましたけれども、その域まで来たのかなというふうに思います。そういう面では、これ以上に新しいことをまた一歩、一段階上がることを進めていく、特色を出していくことによって、学校自体もそれに引っ張られてついてくるし、子どもたちもついてくるのではないかと思いますので、ぜひともよりその推進を進めていただきたいと思います。
次に、健康教育、ヘルスプロモーションスクールの部分ですが、やはり夜遅くまで子どもと一緒に食事をしたり、保護者のほうもそういう部分では、個人的なプライバシーの問題でもあるけれども、学校にどういう影響があるかということはなかなか理解ができないところだと思います。そういう部分では、学校保健のほうも通じながら、医療と連携しながら、その点を深く理解できるような方向に進めていっていただきたいなというふうにお願いをいたします。
次に、ICT教育ですけれども、徐々にこういう機器がそろって、できる環境が本当に整ってきたなというふうに思います。ただ、やはり本当に進めていかないと、物があって、それこそデジタルカメラ一つで、もうきっと体育の授業などは簡単にできるだろうと思います。そういう部分、今回の
決算特別委員会でも、先生方の時間が大変厳しい、または事務処理が大変だとか、さまざまいろいろな課題もありますけれども、その中で、時代が変わっていくという中では、このようなことは確実に進めていかなければ、やはり他区やほかの部分に負けてしまうと考えますので、厳しいと思いますが、校長先生のリーダーシップもかんがみてやっていただきたいなと思います。
最後に、新軽井沢学園ですが、昔、我々の時代は、小学校では軽井沢、中学校では霧ヶ峰と、やはりこういう多種多様な場所があって、その土地柄の中でいろいろな勉強もさせてもらったところでございます。
ただ、もし本当に新軽井沢学園の構想がだめであるのだったら、やはり今の霧ヶ峰の状況を見ても――この間は立派なエレベーターもつきましたけれども、残念ながら2階までしか行かないとか、そういうバリアフリーの部分も未解決な部分がありますので、どちらにしてもそういうふうに環境をよくするという部分では、どうせなら、霧ヶ峰学園一つにしようとか、そういうことも含めてお考えをしていただきたいなというふうに思います。
私の質問は以上であります。
認定につきましては、一番最後の木村委員にお任せをいたしたいと思いますので、ご答弁ありがとうございました。
(委員長退席、副委員長着席)
○副委員長(和泉浩司) 水島道徳委員の質問を終わります。
台東区
議会区民クラブ、河野純之佐委員、質問をどうぞ。
◆河野純之佐 委員 区民クラブの河野純之佐でございます。
総括質問を始める前に、世界的に注目されておりましたチリの落盤事故で、33人の皆様が無事に救出されまして、本当に私もうれしく思っております。あの過酷な中で33人の皆さんがリーダーと言うべき指導的な立場の方のもとに、その忍耐力、そして団結力、そういうものがあったからこそ、ああいうようなすばらしい結果になったと思います。皆様に対して、本当に敬意と、そして大きな祝福をさせていただきながら、総括質問に入らせていただきます。
きょうは5点質問させていただくわけですが、まず初めにパートナーシップの推進ということで質問をさせていただきます。
今回の
決算特別委員会の審議で私も随分感じましたが、今の台東区の区民の皆さんからの区民ニーズ、そういうものが非常に多様化していますし複雑化しております。そんな中で、行政のやるべき仕事の守備範囲というんですか、そういうものが非常に拡大されている現在で、区民の皆様のやはりそういう課題へ効果的に対応していかなくてはいけないという中で、現実に今の台東区の行政の皆さん、本当にすばらしい能力、知識があるんですが、人数的な問題だとか、そういうことで今の台東区だけでなくても、行政の力ではなかなかカバーし切れない部分もあります。
そんな中で、区民の皆様の力、あとはNPOの団体の皆さんの力、そういうような新しいパートナーシップというものを台東区においてもつくっていかなくてはいけないのではないかというふうに思っております。
そのため、これからの行政においては、区民の力、そしてNPOの皆さんとの情報共有、そういうものをしっかり持ちながら、協働事業を進めていただき、区政の参画、区政の参画をもっともっと積極的に促進させていくような仕組みづくりが必要ではないかというふうに私は思っております。
台東区においては、幸いなことに町会の組織、あとコミュニティの組織、こういうものが本当にしっかり構築できておりますけれども、新しい各種団体とかNPO、そういう皆さんがある部分において専門的にやられているわけなので、そういう力をやはりお借りしながらやっていかなくてはいけないのではないかというふうに思っています。
そういう面においても、そういうパートナーシップの関係にある皆さんへの適切な支援、そういうものが必要ではないかというふうに思っております。
今、台東区においても、子育て、環境、福祉、そういう部分においてパートナーシップの関係にある団体が一生懸命活躍しておりますので、ぜひともこれから、今、新しい公共というような言い方もされておりますけれども、そういう力が必要ではないかと思っております。
そこで、パートナーシップのもとで事業の継続性をやはり担保していくために、私はさらなる関係強化を図らなくてはいけないのではないかと思いまして、今後どのような強化をするのか、まずはお伺いいたしたいと思います。
それと、
決算特別委員会の中で観光課の方から発言がありまして、今後も観光課としては観光印刷物を拡大してつくっていきたいというようなお話がありました。まさしく今、台東区は、観光立区ということで、積極的に観光行政に力を入れているのは十分理解をしております。ただ、ちょっと私、そこで気づいたというか考えたのは、やはり観光客の皆さんが大勢来ていただくのはもう大歓迎ですね。でも、観光客の皆さんが、印刷物もしくは地図、そういうものに求めているのは、台東区にある見る・食べる・買う、そういうような情報がしっかり入ったものが求められているのではないかという中で、行政がつくるそういう地図とか印刷物には、台東区のここに行ったらこういうおいしいものが食べられますよ、買えますよとか、そういう民間の情報なんていうのはなかなか載せることができませんよね。ですから、これは一つの例ですが、台東区にはやはり立派な観光連盟さんがあります。ですから、観光連盟さんなんかの民間の力をおかりして、パートナーシップを活用すべきではないかというふうに思っております。
先ほども言いましたけれども、本当に観光課の皆さん、そして今、観光行政にしっかり取り組んでいることは十分理解できますけれども、観光分野において、行政と民間との役割分担の明確化について区長の所見をいただきたい。観光施策を最重点と考えている吉住区長の所見をお伺いいたします。
○副委員長 区長。
◎吉住弘 区長 河野委員のご質問にお答えさせていただきます。
まず、パートナーシップの強化についてでございます。
区政の課題が多様化・拡大する中で、地域の課題にきめ細やかに取り組んでいくためには、NPOやボランティア、企業等のさまざまな団体と協働していくことが重要でございます。本区のNPO等の実態調査によると、6割以上の団体が、今後、行政との協働を希望しており、パートナーシップの強化が求められております。
このため、区の協働体制の整備を図るとともに、社会福祉協議会と連携しながら、市民活動シンポジウムやボランティア・フェスティバルなどを開催し、地域活動団体との交流に努めております。
さらに、今後は、行政と地域の間に立ち、さまざまな団体へ支援を行う中間支援組織の開設の準備に向けて取り組み、パートナーシップの強化に努めるとともに、区民提案による協働事業を実施するため、引き続き区民提案型協働事業制度を検討してまいります。
次に、観光分野における観光連盟等との役割分担についてでございます。
現在、区では、区全域を対象とした台東区総合観光ガイドブックや、目的別の台東ぶらり散歩シリーズ等、外国語版を含め37種類の観光パンフレットを作成しております。
一方、観光連盟は、それぞれが主催するイベントのパンフレットを作成し、その中で協賛している個店等の情報を掲載しております。このように観光パンフレットとイベントパンフレットに分けて作成することで、基本的な役割分担を行っております。
しかしながら、委員ご指摘のとおり、パンフレットへの観光客の期待は高く、幅広い情報を求めていらっしゃいます。今後は、より一層、観光連盟等と連携を図りながら、掲載内容や方法について協議を進め、よりよい観光パンフレットの作成に努めてまいります。
○副委員長 河野委員。
◆河野純之佐 委員 ご答弁ありがとうございます。
パートナーシップのほうにおいては、やはり自主的な活発な動きというんですか、活動を行政のほうがうまく吸い上げていただいて、それで軌道に乗せていただくというような取り組みをぜひしていただきたいというふうに思っております。
もう一点のほうの観光に関するものについては、私は、決してパンフレットのことだけを言っているわけではなくて、あれは一つの例ということでとらえていただきたいというふうに思っておりますし、もう長年パンフレットをつくる、あとはいろいろと事業に取り組む、そんな中で観光課の皆さんもやはり定期的に人事異動されてしまいますので、そういう部分においても、ある程度、観光連盟さんなんかと、うまく仕事の割り振りというんですか、そういうものもすることもこれからの課題ではないかというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
2点目は、先ほどもどなたかが――堀越委員ですね。テーマにしました補助金についてお伺いいたします。
このテーマは本当に大変質問しづらいテーマですよね。でも、やはり大変これは重要なことだというふうに私は思っておりますので、勇気を奮って区長の考えをお伺いしたいと思います。
私も、平成15年、
決算特別委員会の総括質問でも同じような質問をさせていただきました。そのときは、補助金の適正化という視点で、事業助成の基準がなかったのでぜひつくるべきだというような提案をさせていただきましたところ、区長の答弁は、事業助成の基準は対象事業が非常に多いので難しい問題だが、事業の成果を検討する中で考える、というのが答弁なんです。なかなか理解ができなかったんですが、いわゆる補助金については、この原資は何といっても区民の皆さんの税金ですよね。受け取る団体、そして展開する事業について、公益性の判断は客観性を持っていなくてはいけないし、妥当性が求められていると私は思います。
今まで各会派の議員の仲間が質問をしておりますが、やはり公益性の考え方とか補助率のあり方、あと統一された補助制度、そういうものが台東区においてはまだ確立ができていないということで恐らく皆さんは質問されたと思います。そこで、補助金が公益上必要であるかどうかの判断を今までどのように行ってきたのか、まずお伺いいたします。
そして、今回新しい行政経営推進プランにしっかりとこの補助金のあり方について示されております。今回、補助金を総点検して交付に関する指針をつくることを明確にしておりますが、この見直し、適正化について区長の大変重大な決断を聞かせていただきたいと思います。
○副委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
まず、補助金見直しの取り組み状況についてでございます。
区では、これまで補助金の公益性の判断及び効果の検証を行政評価や予算編成の過程の中で個々の事業ごとに実施してまいりました。例えば事務事業評価において、補助事業開始時の公益性が引き続き存在しているかを判断するとともに、指標の推移から効果の測定を行ってきたところでございます。このような検証の中から、公益性の薄れたものや、効果が上がっていない補助金については、事業の廃止統合を含めた見直しを行ってまいりました。
次に、補助金の適正な執行の推進についてでございます。
財政健全推進計画による見直しから10年が経過し、この間、新たな公益に対応するため、新規の補助事業を創設しております。こうした状況を踏まえ、補助金の見直しについては、従前からの取り組みに加えて総点検を行い、その結果を活用して外部の専門家を交えたあり方の検討を実施し、交付に係る指針を策定してまいります。私は、これらの取り組みを着実に推進することで、補助金のより適正な執行を徹底し、さらなる透明性の向上を図っていく決意でございます。
○副委員長 河野委員。
◆河野純之佐 委員 以前の答弁よりかなり積極的な姿勢で今回取り組んでいただけるというようなニュアンスで私は受けとめさせていただきます。前回は横並びの15%カットというような形で財政健全推進計画のときにされましたけれども、見直しは本当に厳しい環境の中だと思いますけれども、ぜひ英断を持ってやっていただきたいと思います。
3点目の質問は、バランスのとれた事業についてということで、毎年9月の交通安全週間を迎えるに当たって、交通安全区民のつどいが浅草公会堂で行われます。これは、台東区各地域の大勢の区民の皆さんに集まっていただいて、交通安全の啓発を徹底する事業であります。
私も行ったこともありますし、事業の目的・趣旨は本当に理解をしていますし、これは大変すばらしい事業だと思っておりました。
ただ、今回の委員会審議の中で、特定の地域の区民の皆様にだけ、特定に提供しているサービスがあるということを聞きました。台東区で、こういう事業のように多くの区民の皆様に一定の場所に集まっていただくような事業はいっぱいあります。ただ、一部の区民の皆様にだけサービスを提供するようなケースは極めてまれではないかというふうに私は思っております。そういう面において、やはり事業として見たらすばらしい事業ですが、一部バランスが欠けているのではないかというところで非常に残念でございます。
20年以上前は台東区も、交通不便地域、そういうものもありましたが、今は、区長の努力によって、区内にはめぐりんが走り回っております。そういう面において、区民の利便性を向上させるようなめぐりんをぜひ活用していただいて、今回このような特別かかる費用というのは本当に微々たる金額かもしれませんけれども、常にスクラップ・アンド・ビルド、こういうような視点で考えていただいて、財政の圧迫にならないようにしていただきたいということで、今後バランスのとれた事業にするために、区長はどのように改めるのかお聞かせください。
○副委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
安全で快適な台東区を実現するため、本区は、交通安全区宣言を行い、地域や区内の警察署、町会・交通安全協会と連携を図り、交通事故防止の輪を広げ、交通安全意識の高揚と交通事故の防止に努めております。交通安全区民のつどいもその一環として実施しているものでございます。
バスの運行につきましては、昨今の社会状況や他の事業とのバランスをかんがみ、今後、交通安全協会や町会・各警察署などの関係団体と協議・調整を進めてまいりたいと思っております。
○副委員長 河野委員。
◆河野純之佐 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
4点目の質問は、東京スカイツリーの効果と住宅についてというテーマでございます。
私は、東京スカイツリーの建設というのは、台東区内のより広範囲の地域を活性化させる、また台東区の多くの施策にこれをうまく波及させる、そういう大きい視点でこれをとらえていただきたいんです。そういう視点で、今景気の低迷など明るい話題がない中で、区民の大きな夢や希望、そういうものを与えていただけるすばらしい事業だというふうに評価をしております。
この東京スカイツリーの建設に際しては、東京全体の都市構造も変えるほどインパクトがあります。台東区・墨田区を中心とした東京の東部地域が今本当に注目されておりますし、開発するべき地域だということで、民間事業者も大いに高い評価を上げております。
今、台東区においては、観光施策を中心にということで、観光客の対策を優先して行っておりますけれども、皆さんご存じのように、隅田川の水辺の空間があるということで、台東区側からタワーがよく見えるんですよね、遮るものがなくて。ということで、住宅、先ほども和泉副委員長が言っていましたけれども、私はやはりこのときこそ住宅の環境において台東区は大きな優位性を持っていると思うんです。
この好機に、観光客に来ていただくというような施策だけではなくて、台東区民として将来もずっと住んでいただけるというような定住対策を絡めた住宅施策を充実させるべきではないかと私は思っております。
この絶好期に広い視点で施策の充実を図っていただきたいということで、住宅施策の充実をどのように進めていくのかお伺いいたします。
そしてまた、今、東京都では、タワーの建設に伴って隅田川ルネサンス構想を掲げております。水辺周辺の取り組みを強化しておりまして、墨田区とタワーを活用した施策がメジロ押しに出てきております。
そこで、今、隅田川沿いの住宅は、残念ながら隅田川に背を向けた建築や、そういうものが多いんですけれども、ぜひこれからは、隅田川に顔を向けたというんですか、隅田川に向いた建築、そしてまちづくりをしていくべきではないかというふうに思いますが、区長の積極的なご判断をお聞かせください。
(副委員長退席、委員長着席)
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えさせていただきます。
まず、東京スカイツリーの完成に合わせた住宅施策についてでございます。
委員ご指摘のとおり、スカイツリーの効果は、産業や観光のみならず、まちづくりや定住促進にもつながっていくものと大いに期待いたしております。
本区では、バランスのとれた人口構成に誘導していくため、ファミリー世帯の定住支援を行うほか、高齢者に配慮した住宅の供給、そして良好な住環境の整備のためのマンションの適正管理支援や、住まいの共同化と安心建てかえ支援などの住宅施策に取り組んでおります。
今後の住宅施策につきましては、スカイツリー効果による民間住宅の供給状況などを確認しながら、借り上げ期間の満了を迎える区民住宅などの方向性の検討や、都営住宅の区移管などに対する課題や効果を検証していく中で総合的に検討してまいります。
次に、隅田川に顔を向けた建物、まちづくりについてでございます。
都は、東京都景観計画において、隅田川流域を景観軸と定め、川沿いに建つ一定規模以上の建物の顔を川側に向けるように誘導を図っております。本区も現在、景観行政団体となる手続を進めており、今後、都の考えを引き継いだ台東区景観計画を策定し、建物の顔を隅田川側に向けるように誘導を進めてまいります。
○委員長 河野委員。
◆河野純之佐 委員 先ほども言いましたけれども、やはりスカイツリーの建設において、台東区の大きな魅力と優位性というものをうまく施策に反映していただきたいというふうにお願いいたします。
最後の質問は、土曜授業と土曜スクールについてでございます。
この質問については、ことしの2月、代表質問でも行わせていただきましたので簡単にさせていただきます。
その後、4月から新年度が始まりまして、各学校の土曜の状況を調べました。そうしたら、今、土曜授業と土曜スクールを並行して行っているわけなんですが、土曜スクールの実施校が、小学校8校、そして中学校3校となって、減少傾向になっていることがわかりました。
また、
決算特別委員会の中で、土曜スクールを教えていただいている方の中に、本当に地域の皆さんの人材で支えられているということがわかり、その人材を確保するのがなかなか難しいというような発言もありまして、土曜スクールの継続性の困難さを私は認識した次第であります。
さらに、
決算特別委員会で今後の方向性についても答弁がありまして、土曜授業と土曜スクールの一本化については、今後の動向を注視していきたいというような発言がありました。ただ、私は、土曜授業の必要性というのは、前々から台東区議会全会派が一致して考えておりまして、東京都にも意見書も出しました。
そんな中で、ゆとり教育の方針を転換して新学習指導要領が始まる来年の4月、あと半年、まだ半年時間がありますので、ぜひ保護者、そして子どもたちのアンケートなどもとっていただいて、地域のアンケートもとっていただいて、ぜひ土曜授業、土曜スクール、それを一本化して、来年の4月にはスタートさせていただきたいというふうに思っております。
既に葛飾区では、来年の4月から小学校・中学校の全校で土曜授業を始めると教育委員会が決定を出しました。やはり各学校の基準がばらばらでありますと、学校間の格差にもなるのではないか。また、子どもとかその保護者が、この学校は回数が少ない、だからこちらに行こうかとか、学校の選択にも戸惑いになるのではないかというふうに思いますので、事業の基準については、教育委員会の主導、教育長が主体性を持ってぜひ実施していただきたいと、そういう強い決意を期待しながら、質問を終わらせていただきたいと思います。
○委員長 教育長。
◎野田沢忠治 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。
土曜授業につきましては、学校週5日制のもと、子どもたちが必ずしも土曜日を有効に生かしていないことが明らかになったことから、台東区が他の自治体に先駆けて開始したものでございます。
その実施に当たりましては、東京都教育委員会と協議の上、学校公開を原則とし、保護者等の理解を得るとの確認のもとに、平成20年度からは中学校、21年度からは小学校においても開始いたしました。
本年1月に東京都は、都内の全区市町村に対して、学校公開に関する考え方についての通知を出しましたけれども、その内容も同趣旨でございます。本区では、こういった方針、考え方のもとで、各学校が児童・生徒の実態を踏まえて、保護者・地域などの意向を勘案して具体的な実施回数を決定しているところでございますので、ぜひご理解をいただきたいと思います。
○委員長 河野委員。
◆河野純之佐 委員 どうもありがとうございました。
○委員長 河野純之佐委員の質問を終わります。
台東区
議会区民クラブ、木村肇委員、質問をどうぞ。
◆木村肇 委員 4点にわたって質問をしたいと思います。
まず1点は、この決算審議を振り返ってみて、いろいろ感じることがあります。
多分、区長も、三選の意思表明をされた立場から、今の体制をどういうふうに持っていったらいいだろうか、この
決算特別委員会を通して感じているのではないか、そう思います。
まず1つは、平成中村座の問題であります。
決算特別委員会では、政策会議はこの年24回、調整会議は12回開かれた、しかし、この問題については俎上には載ってこなかったと、こういう答弁がありました。平成中村座の問題は、あのビッグネームですから、それはそれでいいのですけれども、そうではなくて、台東区にとって、長期に土地を、公園を貸し出すというのは歴史的な中では初めてです。そういう長期にわたってやる場合に、区民から訴訟があった場合に耐えられるか。あるいは、ここを使っていた不特定の団体の人たちに対して、きちっとした代案を示しながら説得をしていくとか、そういうようなことをきっちりとやる中で前へ進めていくべきだと私は思います。
ただ、平成中村座みたいな、ああいう超大物の俳優さんがいるところは、なかなかこちらの思うようにいかないけれども、発表の時期は難しいところもありますけれども、それは議会に対しては議長さんにきちっと言って、いざとなったときにこういうことになりますからと、あいさつしておけばいいのではないんですか。産業建設委員会の委員長さんには具体化されたときにこうなりましたよと言って、産業建設委員会にかければいいのではないですか。何でこういうことができないんだろうか、こう思うのであります。
例の浅草文化観光センターの件についても思います。
浅草の観光とまちづくりは浅草寺抜きには考えられないんです。浅草寺が基本です。台東区と浅草寺は基本です。私は、この3月に浅草寺さんが納得しないというので、陳情が出ました。これは驚きました。検討委員会等々には、浅草寺さんたちに結構きちっと関係のある団体の長も入っている。だから、その人たちが騒がない限り、浅草寺はオーケーであるとずっと思っていたところ、そうではなくて3月になったら陳情が出たわけであります。これは驚きました。
改めて調べてみたところ、高さの問題も言っておりました。しかし、最大の問題は、この浅草文化観光センター、新たなランドマークというふうに書いてある。新たなランドマーク、世界に通じる雷門があって、それに対抗するような新たなランドマーク、こういう書き方は、きちっと分析すれば間違いだということははっきりわかると思う。もしも調整会議や政策会議の中で議論があって、その程度の話も出なかったら、何をしているのか、こう思うわけであります。そういう点では、この新たなランドマーク、ずっとそれに載っていますよ。やはり世界に通じるランドマークは雷門です。それに対する補完が浅草文化観光センターではないでしょうか。こういうこともやはり問題点として感じます。
それから、この
決算特別委員会の中で不用額の話が出ました。不用額の問題で、流用とか流用でないとか大変厳しい話もありました。私も、当選した当時は、予算単年度主義、そういう立場から、予算と決算、この差額、すなわち予算そのものが間違っていたのではないか、予算をとった政策が間違っていたのではないかとか、そういうところをよくやったものですよ。しかし、あまり生産的ではなかったので4年やってやめました。
しかし、皆さん、考えてもらいたい。当時は、副収入役がほとんどぴしっと答えていましたよ。収入役室と予算課と調整しながら、この不用額程度の話はばんばん手が挙がってやっていましたよ。だから、今回のようなことはなかった。これも収入役、すなわち3役制度が2役制度になった一つの弊害かなと思いながらも、なくなったんですから、なくなったことをだれがカバーするんですか。こういうこともきちっと議論をしていく必要があるのではないか。
もう一つは、例のマイホーム取得支援制度の話です。
あれは、私は本当に思うんですよ。一時、台東区は人口14万人になりそうだ、そこに行くのではないかという中で、新婚さん、寄っていらっしゃい、月5万円家賃補助しますよ、だからここに住んで子どもをつくってください、これを5年間やりますよとやったものですよ。当時の一流紙の一面トップにばんと載った。台東区というのはおもしろい自治体だねと評判になったものですよ。それをやっていたけれども、それを平成2年から始めた。5年間やって、結果、その平成6年、7年、8年、一定の数字が出て総括しました。その中ではっきりしてきたことは、5年間たって――もらった人が定着するんですが、定着率が46.何%。これは年数がたっていけばたっていくほど30%台になるのではないか。下手すると20%台になるのではないか。これはあまり続けていると税金の無駄になるというところから、定着率の高い制度として展開したのがマイホーム取得支援制度です。新婚さん、寄っていらっしゃいなんて、初婚だと70代の人が結婚しても新婚さんと言うんですよ。そういうところは対象になりませんと言っていました。
今回のことだって、きちっとしたそういう経過を何で説明してあげないんですか。その当時のことをわかっていた部長さんたち、何をやっているんですか。知らなかった課長さん、知らんよ。だけど、この文書には全部書いてありますよ。ああいうときに部長の役割を果たしてもらいたかった、こう思うんです。
そんなことを見ていますと、今、区長は今度三選の決意を言ったけれども、今あなたを支えている体制は、今4点の指摘をしましたけれども、すき間風が吹き、たがが緩んで、がたがきている、そういう体制になっているのではないか。私はあなたと同級生です。政治活動も同期のスタートです。そういう点では、あなたのことは、私は個人的には好きだし、人間的にもいいと思っていますよ。しかし、今の言った4点、相当がたがきていますよ。まちの中では、あなたの身内の中でも、断固戦うんだと言って騒いでいる人もいます。私の身内の中にも、予定どおりだぞと騒いでいる人もいます。そういう中で、三選をねらうなら、この程度のことはきちっとやるべきではないかと思います。区長の決算審議の所見をお願いします。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 今、木村委員から、今度の決算審議を振り返って、いろいろな思いを語られていたわけでございます。
私も、今回の
決算特別委員会委員の皆様方による審議を通して、区政運営につきましてさまざまな課題の指摘や貴重なご意見をいただいたことを真摯に受けとめているところでございます。今回の
決算特別委員会の審議はもちろんのこと、過去に繰り返し質疑のあった事項につきましても引き続き検討し、施策の実現に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
今後は、本委員会の審議を踏まえ、課題解決に向けた取り組みを進め、できる限り来年度予算に反映していきたいと思っております。
○委員長 木村委員。
◆木村肇 委員 感想ですから、その程度でいいのではないですか。
次に、特別区共有財源について、これを拡充してもらいたいという立場で質問します。
決算審議の中で都市計画税について話をしたときにこういうやじがあった。それは都政の問題、都議会の問題と言ったんです。その方は詳しく理解しているから言った表現かはわかりません。黙っている人は何にもわからなかったのか。これもわかりません。そういうことだと思うんです。
私は、本来、普通地方公共団体ならば、要するに普通の自治体ならば、今、調整3税と言われている市町村民税法人分だとか、こういうのがありますが――法人住民税か、あるいは都市計画税、事業所税とか、あるいは特別土地保有税とか、これは基礎的自治体の基本の税金ですよ。こんなもの東京都のものではないです。たまたま東京都に持っていかれているのは、23区は、過去、内部団体として位置づけられていたから、やむを得ずこういうことになっていた。そういう点では、いいですか、調整3税、2兆円ですよ。そして、都市計画税は2,000億円、事業所税は1,000億円、この事業所税は特に都心5区で1,000億円です。膨大な金です。たばこ税を何とかしろ、宣伝して何とかしろという話より、自治体は、区は、ここにきちっと向かっていく必要があると思うんです。
皆さんも知っているように、調整3税というのは2兆円ほどありますけれども、スタートは何か。東京都は75%、区は25%、これがスタートだった。区長公選制のときに57対43、43%が区です。そして、基礎的自治体になり、三位一体改革の路線の中で今日の55対45になった、こういう経過があるわけですね。しかし、2,000億円のうち台東区に来ているのはたったの270億円ですよ。2兆円の55%ですから1兆1,000億円、この中で台東区に来ているのは普通交付金が240億円、特別区交付金が40億円、その程度です。普通は、23区で割れば、500億円は来るんですよ。そういう点では、これからも闘ってもらいたい。自分たちの税金ですよ。こんな55対45で納得はできません。東京都を追い込むためには、こちらが75%、東京都が25%、ここまで断固闘おうではありませんか。これは理事者と議会が腕を組んでやる仕事だと思います。
次に、都市計画税2,000億円。台東区民が払っているのは年間40億円ですよ。この都市計画税で、東京都のほうは7項目原則が――もう読みませんけれども――7項目原則でやっているんです。たった108億円ぐらい。残りは何に使っているかわからない。これもおかしいではないですか。第1号は桜橋でしょう。あと、上野駅のペデストリアンデッキ、そこには来ておりますけれども、年間40億円を区民が払っているんですから、少なくとも財政調整交付金のようにきちっと確保していかなければいけない、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
都市計画税や事業所税は、いずれも本来は市町村税でございますが、特別区の区域では地方税法により都税として課税されております。
都市計画税は、都市基盤の整備に充てるための目的税であり、特別区に交付される都市計画交付金の財源となっております。しかし、交付対象事業が限定されているなど、特別区が行うすべての都市計画事業に対して十分な財源措置がなされているとは言えません。そのため、毎年、特別区長会を通して、運用の改善や交付金総額の増額を23区一体となって東京都に要望しているところでございます。
また、事業所税は、都市環境の整備・改善に関する事業に要する費用に充てるための目的税として、都の行う市町村事務の財源になっているところでございます。
現在、都区のあり方検討委員会におきまして、都区の事務配分の見直しが協議されており、その決定後、税財源のあり方について協議されることとなっております。その際には、これらの税について十分な財源確保できるよう、他区と協同して都と協議してまいります。
○委員長 木村委員。
◆木村肇 委員 次に、東京スカイツリー元年を迎えるに当たって、浅草北部への取り組みについてお伺いします。
タワー元年は、浅草への観光客3,000万人、こういうふうに予想されるのではないか、こういう時代に入っております。タワー元年をお祝いするように、浅草観光連盟のほうでは、奥山とか平成中村座あるいは三社みこしの700年祭とか光の道イベントとか、こういうものをやって盛り上げようとしております。
そういう盛り上げをやるに当たって、今まで区のほうは、ややもすると言問橋から吾妻橋、この狭い区間でいろいろなことを考えてやろうとしておりますけれども、もっと広げるべきだ。そういう点では、桜橋、場合によっては白鬚橋と。タワーのビューポイントとしても最高の場所ですからね。幸いにも平成中村座が長期間にわたってその山谷堀のところに来るわけですから、そのエネルギーを活用してやっていくべきだ。
例えば、隅田川さくらまつりなんかにこの俳優さんに来てもらって盛り上げてもらうとか、浅草北部のおいしいものとか、いろんなものがありますから、そういうところへ案内してもらうとか、あるいは東京藝術大学とのアートの問題でも、あんな吾妻橋の間ではなくて桜橋まで広げてやるとか、桜橋までの拡大を絶対やっていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えさせていただきます。
まず、区北部への観光振興と観光客の誘導についてでございます。
私も、東京スカイツリーの完成は、本区の観光振興において好機ととらえております。そのため、これまでさまざまな取り組みを進めてまいりました。今後とも、スカイツリーからの誘客を促進するため、ビュースポットの活用や隅田公園の再整備を進めることなど、より一層、区北部への取り組みに力を入れてまいります。
次に、観光客を回遊させる具体的な取り組みについてでございます。
区北部の観光資源やスカイツリーのビュースポットの紹介とPR、観光マップや観光案内板整備などの施策を積極的に行ってまいります。
また、地域の方々が中心となって実施する大浅草観光祭につきましては、浅草北部へも誘客が図られるよう地域を拡大して開催するとお聞きしております。区といたしましても、積極的に支援してまいります。
さらに、藝大・台東・墨田観光アートプロジェクトにおいては、言問橋よりも上流にアート作品を設置することなどを協議してまいります。
平成中村座につきましては、開催に当たり、まず地域の方々に十分なご理解をいただくとともに、観光や地域振興の取り組みについて主催者側と協議してまいります。今後も、区北部の新たな魅力の紹介とPRにより、観光振興や観光客の誘導と回遊を図ってまいります。
○委員長 木村委員。
◆木村肇 委員 最後4点目ですが、凌雲橋におけるエレベーター設置の早期実現をということですが、今議会の産業建設委員会で陳情も採択をし、同時に設置可能性調査の報告もございました。可能性十分であるという報告もなされております。
そういう点で、今台東区内でバリアフリー化されていないのが、区長の地元の日比谷線の入谷駅、それから稲荷町駅ですか、銀座線の稲荷町駅、それからJRの浅草橋駅、そして鴬谷駅、そうなっております。入谷駅もほぼめどがついてオープンをいたしますが、今度は鴬谷駅です。そういう点で、こういう結論が出ているんですから、早急にきちっと対応すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
凌雲橋を含む区道につきましては、台東区交通バリアフリー基本構想に基づき、歩道橋の安全対策や路上のタクシー駐車の解消などを進めてまいりました。さらに、平成20年第3回定例会におきまして凌雲橋へのエレベーター設置についての陳情が提出され、これまでに議会及び陳情者のご意見をいただきながら、構造等の検討を行ってまいりました。今般、産業建設委員会でご報告いたしましたように、凌雲橋へのエレベーターの設置は技術的に可能であるという調査結果が得られました。私は、できるだけ早い時期にエレベーターを設置し、地域の皆様にご利用いただけるよう、着工に向けて積極的に進めてまいります。
○委員長 木村委員。
◆木村肇 委員 4人の質問に対して適切なる回答をいただきましたので、認定をしていきたいと思います。
以上です。
○委員長 ここで休憩いたしたいと思います。
3時20分に再開いたしますので、よろしくお願いいたします。
午後 3時04分休憩
午後 3時22分開議
(委員長退席、副委員長着席)
○副委員長 ただいまから、
決算特別委員会を再開いたします。
日本共産党台東区議会議員団、橋詰高志委員。
共産党の発言時間を表示いたしましたので、ご確認ください。
よろしいですか。それでは、質問をどうぞ。
◆橋詰高志 委員
日本共産党台東区議団の橋詰高志です。
平成21年度決算について、私からは4点にわたり質問をいたします。
まず、聴こえのバリアフリーに関する問題です。
磁気ループというマイクを通した話を補聴器でクリアに聞こえるシステムがあります。8年前に生涯学習センターのミレニアムホールに設置されましたが、1回も使われませんでした。この指摘を区民から受けて、台東区は素早い対応をしました。
今議会の所信表明で、区長は、10月1日からすべての集会室で磁気ループを使えるようにすると述べ、9月29日の保健福祉委員会では議員と傍聴者が体験、10月3日に下谷地域で開かれた敬老のつどいにも携帯用磁気ループ装置が区によって手配され、用意された10台の受信機は引っ張りだこ、よく聞こえると大評判でした。
難聴の生徒が学ぶ区立柏葉中学校では、校長先生の話の要約がパソコンに入力され、無線LANを介してゲーム機のプレイステーションに表示される文字情報を読み取るという、全国でも最先端の取り組みが行われています。
また、循環バスめぐりんの車内放送で磁気ループが使用できないかの実験も行われたと聞いています。いずれの事例も、全国のほかの自治体で取り組まれてはおりません。台東区の聴こえのバリアフリーの最先端の歩みをさらに検討を進め、拡充していこうではありませんか。区長の所信をお伺いいたします。
高齢難聴者、軽度・中度の難聴者対策についてお尋ねいたします。
大変効果のあるミレニアムホールの磁気ループシステムが忘れ去られていたのは、この分野への区の対策がなかったことが考えられます。高齢難聴は、80歳を過ぎると半数以上の方が直面すると言われるほどです。家族とのコミュニケーションが希薄となり、聴こえを気にして社会参加をみずから退く事例を私は幾つも聞いております。お年寄りが元気に長寿社会を楽しめるために、聴こえ問題は大変重要です。
聴力測定や耳の相談が重要となります。保健所での耳の日相談も年1回ではなく、聴力検査の相談会に拡充すべきです。また、区民が行う健康診断の項目にも加えて、まちの耳鼻科で受けられるようにすべきと考えます。区長の答弁を求めます。
○副委員長 区長。
◎吉住弘 区長 橋詰委員のご質問にお答えさせていただきます。
聴覚障害者に対する取り組みにつきましては、これまでも補聴器やファクス等の給付、コミュニケーションの支援として手話通訳者や要約筆記者の派遣など、さまざまな施策を実施してまいりました。また、今定例会の所信表明で申し上げましたとおり、磁気ループの積極的な普及促進にも努めているところでございます。
今後とも、区民の皆様が住みなれた地域でいきいきと暮らし続けることができるよう、福祉のまちづくりに関する施策を拡充してまいります。
次に、高齢者の難聴対策についてでございます。
高齢者の聴こえの問題につきましては、耳の日にちなんで保健所において耳の健康相談を実施しているところでございます。また、区民が受診しやすい総合健康診査等において、問診などにより日常の聴力の異常が疑われる場合には、耳鼻科医につなげるなどの対応をいたしております。
今後は、耳の健康相談の実施方法の改善を図るとともに、医師会と連携して、聴力検査が必要な場合の対応等について充実を図ってまいります。
○副委員長 橋詰委員。
◆橋詰高志 委員 聴力検査についての拡充は、ぜひまちの耳鼻科医さんでやれるような改善をお願いしたいと思います。
それから、磁気ループの使用の拡充推進については、ここの区役所の10階でやっております賀詞交歓会ですとか、それから町会の表彰などでも大いに使えるシステムですので、この辺にも大いに拡充をしていただきたいというふうに思います。
次は、台東病院についてです。
国による医療の改悪や毎年2,200億円もの医療費削減や診療報酬のマイナス改定などが大きく作用して、全国的に病院経営が困難にさらされる中で、開設1年が経過をいたしました。赤字でのスタートが前提でしたが、指定管理料は病院と老人保健施設合わせて4億6,894万円、運転資金の貸し付けで2億5,000万円、繰入金は2,700万円を補正予算で増額しております。貸付金の返済は年度内とされております。開設1年ですが、初年度の収支状況をどう認識されているのか伺います。
次に、問題とされてまいりました個室使用料については、我が党は、区立病院でもあり、設定すべきではないと主張してまいりました。医療上の必要がありながら個室しか空いていない場合はいただかないとの区長答弁を大変重く受けとめてまいりました。そうした事例については、十分調査していないということでしたけれども、個室料についての初年度の状況、どのように認識をされておりますか、ご答弁をお願いします。
それから、特定健診は、開設当初、受け入れ枠が1日5件、あれだけの規模の病院なのにもっと広げてほしい、こういう要望は当初からずっとございました。我が党区議団も受け入れ枠の拡大を求めてまいりましたけれども、その後どのように改善、拡充がされているのか、お答えを願います。
次に、診療体制について、5点お伺いをいたします。
万が一の場合の夜間の救急の際に、台東病院がかかりつけ医になっている患者なのに受け付けない、こういう事態もございます。当直医がいても、夜間救急が受けられない、この事態をどうお考えでしょうか。直ちに医師体制の改善を行うべきだと考えます。
また、小児科医についても総合医が診るということでしたけれども、専門家からは、総合医が行う小児診療には限界がある、そういう指摘もされております。週何日かでも専門医の配置を行うべきではないでしょうか、お答えをください。
さらに、内科や整形外科を受診した際に、精神疾患があった場合は入院できないのが現状です。高齢者の精神疾患がふえていると言われているだけに、これもパートででも精神科の先生の確保が必要だというふうに考えます。ご答弁をお願いいたします。
それから、昨年はインフルエンザが流行いたしましたけれども、台東病院では残念ながら感染症患者は入院できないとされております。感染症対応の病室がないからです。インフルエンザにとどまらず、今後の感染症への対応もしっかり行える区立病院としての体制をつくるべきであります。答弁を求めます。
以上述べました課題は、かなりの予算を伴うものであることは十分承知です。地域で安心してかかれる病院として広く利用していただくためにも、しっかりと財政支援もして運営すべきです。かつての旧都立台東病院の再開が都によってほごにされたもとで、これまでの病床確保のために台東区が一大決心をして開設しただけに、東京都の責任を改めて明確にすべきと考えます。
また、国に対しても、医療費への国庫負担の引き上げなど要望すべきと考えます。
以上、区長の答弁をお願いいたします。
○副委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
まず、初年度の収支状況についてでございます。
台東病院の平成21年度の収支状況等につきましては、台東病院等運営協議会において分析・評価することとなっております。その結果につきましては、第4回定例会でご報告する予定でございます。
次に、個室料の決算状況についてでございます。
昨年度の個室料は当初見込みの75%程度となりましたが、現在ではほかのベッドと変わらない利用率となっており、ほぼ予定どおりの収益となると見込んでおります。
次に、健診枠の拡大についてでございます。
昨年度の健診開始時は1日5人までしか受け入れができませんでしたが、現在は1日20人程度を受け入れる体制を整備し、利用者の要望にこたえております。
次に、夜間救急等についてでございます。
台東病院の医療機能については、限られた病床数を最大限に活用することを念頭に、平成16年に策定いたしました新台東病院等整備基本計画において定めております。夜間救急については初期救急対応とすること、小児診療については、小児初期救急を総合診療科の医師が行うものの、小児科は診療科目としては掲げないこと、精神科や感染症科についても同様に、診療科目としては掲げないことといたしております。当面はこの計画に沿って運営していきたいと考えております。
次に、病院運営に対する補助金についてでございます。
平成21年度には、東京都から在宅医療拠点病院モデル事業として台東病院が指定され、在宅療養する方の緊急一時入院の受け入れや、在宅医療を担うさまざまな職種の連携推進に対する補助金を受けることとなりました。今後もさまざまな補助金の獲得に向けて努力してまいります。
○副委員長 橋詰委員。
◆橋詰高志 委員 診療体制の拡充については、地域の診療所等と連携をという中で、またその台東病院に対するいろんな要望なども出てきている問題等ですので、ぜひこれは拡充をしていただきたいと思いますし、先ほどの個室の問題についても、年間で約1億円近くの個室料収益ということで見込んでいるわけですから、そういう点では入院患者の負担というのは相当大きいウエートがあるわけですから、この辺についても東京都に対する運営費の補助を獲得できるように、引き続き要望等を強めていっていただきたいというふうに思います。
3点目は、雇用対策についての質問です。
深刻な雇用情勢を受けて、政府は補正予算で新卒者就活応援プログラムなどを実施しようとしております。これらは必要ですが、自民党政権時から続くメニューと変わらず、抜本的な雇用拡大にはなりません。
一方で、法人税の引き下げにやっきですが、内部留保に回るだけで、設備投資や雇用の拡大、賃上げなど内需の拡大にはつながらず、財政を圧迫することは従来の経過から明白です。
雇用危機打開のポイントは、国家財政の数倍にも膨れ上がった大企業の内部留保金を社会的に還元させることです。非正規雇用労働者切り捨てをやめさせる労働者派遣法の抜本改正、正社員のサービス残業や過労死ラインを超える長時間労働の規制強化、中小企業への下請代金の買いたたきなどを正せば、数百万人の雇用が生み出せます。国の雇用対策の転換を求めますが、地方自治体も、もはや雇用対策は国の仕事と言えない事態になっております。
そこで、3点、区長に質問をいたします。
昨年末から始まった住宅手当や総合支援資金貸付制度などの新たなセーフティネットについてです。
この制度は一定の成果を上げています。3月から住所不定だった30代の青年が、6月から住宅手当を受けて区内に居住できて、4カ月後の今月から区内の小さな事業所で正社員になれたというふうに目を輝かせておりました等々ございます。
しかし、残念ながら、相談窓口に来て、手当支給までに至らなかったのが27%、自立が見込める仕事につながった人は手当が受けられた人の中でも17%程度で、課題も数多くあります。手当の受給対象拡大をし、つなぎ資金や当面の資金貸し付けをもっと受けやすくすることなど、生活と就職活動状況を見ながら、具体的に支援策を講じていくこと、そのためにも相談員のさらなる増員、このことを大変痛感しております。区長、住宅と仕事を失った人をもっと多く救済するために、現在の制度をどう改善すべきと考えていますか、そのことを国に申し入れるつもりはありませんか、答弁を求めます。
2つ目は、生活保護受給者の就労支援についてです。
新たなセーフティネットで救済されない人は生活保護になります。働ける年齢層の生活保護受給者が急増していますが、区は就労支援事業を委託で行っておりますけれども、本決算年度で就労相談を行った432人のうち、就労して生活保護から抜け出したのは4人、100人に1人です。何らかの仕事につけた人は100人いましたが、常用雇用は9人、2%にすぎません。
委員会で我が党は、就労相談員のずさんな対応や求人情報の薄さなどについて、問題点の指摘をいたしました。これに対して、支援員を増員して1人1人にきめ細かな対策を講じられるようにするとの答弁がありましたが、これは大変重要です。
しかし、福祉事務所のケースワーカーが就労支援を委託事業者の相談員に丸投げをしてしまう傾向があります。人員体制が薄い中で大変なことは理解できますが、増員を求めますが、ケースワーカーというのはその人の生活と健康全体に責任があります。就労自立までの方針を本人の意思を引き出しながら、決めてサポートしていくのはあくまで福祉事務所の職員です。委託事業者の相談員はあくまでも補助的な役割です。区長、働く意思と能力を持つ生活保護受給者がふさわしい就労と社会活動に参加できるようにするために、さらに一歩進めた対策を講じる考えはございませんか、ご答弁ください。
3つ目は、国の緊急雇用対策事業の活用についてです。
台東区が、国の事業方針に基づいて今年度行っている事業では、落ち葉清掃作業やホームページのリニューアル、図書館のICタグの導入など、数カ月で終わるもの、また長くて契約1年更新の書道博物館などの収蔵品の管理、小・中学校の図書室の整理などの仕事です。しかも、すべて民間事業者に委託する契約ですから、実際に失業者の人件費に回るのは総事業費のうちの緊急雇用創出事業で53.2%という実態です。これでは実効ある雇用対策と言えないというふうに思います。緊急雇用対策は、あくまでも国の施策であり、制限もあります。
しかし、台東区の政策的な意図が反映できないわけではありません。私は、区が直接雇い入れることや、区民福祉の向上や産業政策、中小企業との連携で活用することが重要だと考えます。中小企業を通じて雇用を地域から徐々に温めていく、もっと中長期的で明るい展望を持った対策にすべきと考えます。
例えば、住宅手当や稼働年齢層の生活保護受給者を区が直接雇用して、中小企業が担う区民生活の各分野の仕事を中小企業に派遣するなどして、将来のマンパワー、技術者として成長させる、そういう方向です。
磁気ループや補聴器など聴こえのバリアフリーなど福祉分野での技術、営業を担える人材を育成するとか、また平成24年度から始まる第5期事業年度を担うマンパワーとして、介護関連事業所等に派遣をするなどの提案でございます。区長、緊急雇用対策の活用を中長期的な視野に立って、中小企業対策とリンクした内容に創意工夫して変えるつもりはございませんか、お考えをお聞かせください。
○副委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
住宅手当緊急特別措置事業につきましては、昨年の事業開始時からの手当受給者数が8月末までで116人となっております。そのうち22人が常用雇用されております。
こうしたことから、本事業は一定の効果を上げているものと認識いたしております。しかしながら、窓口がハローワークのほか自治体や社会福祉協議会に分かれていること、住宅手当の給付は家賃分のみであり、敷金、礼金分が含まれていないことなど、当初から幾つかの課題があり、従前より東京都を通じ、国に対してこれらの課題の改善を要望してまいりました。
また、特別区長会としても失業者に対する就労・生活支援対策の充実を国へ要望しております。今後とも、都などと連携し、利用者の立場に立った制度となるよう対応してまいります。
次に、生活保護受給者の就労支援についてでございます。
現在、担当ケースワーカーが就労を指導するとともに、区が委託している就労支援員が就職に必要な書類の書き方や面接の受け方などの指導を行っております。先ほど石川委員のご質問にお答えいたしましたとおり、よりきめ細やかな支援に向け、就労支援体制と支援内容の充実を図ってまいります。
次に、緊急雇用創出事業の活用についてでございます。
本区は、いまだ深刻な状況が続く地域経済に対応するため、国の緊急雇用創出事業も活用しながら雇用・中小企業支援対策に取り組んでおります。
中小企業対策と連携した内容にすべきとのご意見でございますが、緊急雇用創出事業は失業者に対する一時的な雇用・就業機会の創出を目的としたものであり、その主旨にのっとり来年度も実施してまいります。
一方、国や都では、就業に向けてスキルを身につけたい求職者に対して、さまざまな職業訓練制度を実施し、より安定した就業に向けたサポートを行っております。
区といたしましても、雇用・就業相談の中で1人1人の適性や状況に合わせて就職活動をきめ細やかに支援するとともに、ハローワークと連携した就職面接会や就職セミナー等を実施いたしております。今後も、国や都の経済・雇用対策との連携を図りつつ、本区として必要な雇用・中小企業支援対策に引き続き取り組んでまいります。
○副委員長 橋詰委員。
◆橋詰高志 委員 それでは、最後に平和予算について質問をいたします。
ことしの原水爆禁止世界大会には、国連の潘基文事務総長が参加をし、広島市主催の平和式典には、ルース駐日アメリカ大使もオバマ大統領の意を受けて出席をいたしました。核兵器廃絶の声はかつてなく広がってきましたが、被爆地での平和教育などの取り組みとともに、台東区も含む各自治体での核兵器廃絶の粘り強い取り組みが背景にあります。
原水爆禁止運動が広がったきっかけは、1954年3月1日のビキニ環礁でのアメリカの水爆実験でしたが、一端を担ったのが台東区の魚屋さんの組合でした。マグロが放射能汚染されて廃棄するという事態に、「魚屋殺すにゃ刃物は要らん、ビキニ水爆あればいい」などとうたわれたことでした。
住民登録が残ったままの事態は、孤立する高齢者がふえていることを示しましたが、関連して報じられている抹消されていない戸籍人口が、江東区、墨田区、台東区でそれぞれ3,000人を大きく超えている事例は、東京大空襲で一家全員が犠牲となったことが一因とも報じられております。ある町会が建立いたしました大空襲犠牲者の慰霊のお地蔵さんには、生まれたばかりの赤ちゃんから祖父母まで一家全滅した全員の名前が刻まれています。しかし、一夜にして10万人の市民が焼け殺された東京大空襲の悲惨な実態は必ずしも明らかになっておりません。
私は2つの事例を挙げましたが、粘り強い平和への取り組みが戦争を阻止し、核兵器禁止の機運を広げていくことは確実です。これまで区は、慰霊碑の建立や毎年8,000人が参加する東京大空襲資料展の共催、また平和史跡マップの発行、そしてことし初めて平和に関するパネル展開催などに取り組んできました。今後は、他区が行っているように、平和予算として位置づけて取り組みを強めるべきと考えますが、区長の所信をお尋ねいたします。
○副委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えいたします。
本区は、平成7年に世界の恒久平和に向けて努力することを誓い、台東区が平和都市であることを宣言いたしました。これまで区では、平和への取り組みとして、空襲体験者による講演などを行った平和のつどいの開催や、戦災や平和に関連した史跡を紹介する平和史跡マップの作成を行ってまいりました。
また、今年度は新たに庁舎において平和に関するパネル展を開催するなど、平和を啓発する活動を行ってまいりました。
私は、平和を大切にする意識をはぐくみ、戦争のない社会を次世代に引き継いでいくことが、私たちに課せられた責務であると考えております。二度とこのような悲しみが繰り返されぬよう、今後とも平和への取り組みの充実を図ってまいります。
○副委員長 橋詰委員。
◆橋詰高志 委員 それでは、以上で私の質問を終了いたします。
○副委員長 よろしいですか。
橋詰高志委員の質問を終わります。
日本共産党台東区議会議員団、茂木孝孔委員、質問をどうぞ。
◆茂木孝孔 委員 よろしくお願いをいたします。
今決算審議は、特に総括と戦略がキーワードとなりました。要は、総括も戦略もどういう視点で行うかが重要であります。その際、区民の暮らしの実態を直視して、苦しみに心を寄せることが区政に責任を負う者の務めであることを認識することが大切であります。
そこで、吉住区長の政治姿勢、区政運営についてを中心に私は質問をいたします。
まず、区民生活の現状認識についてであります。
この質問を一般質問でも行いましたし、私は繰り返しこのことを質問しています。それは、区政は区民のためにあるからであり、この認識こそ区政運営の出発点にしなければいけないからであります。区長も、委員会審議に出席し、区民の生活実態の深刻さを改めて感じ取ったのではないでしょうか。決算年度の特徴の一つとして、区民の生活の大変さがリアルに示されたわけであります。そして、来年はもっと悪化するだろうと予想されています。吉住区長、こうした事態をどう認識しているのか、まずお尋ねをいたします。
深刻に受けとめている、多分こう答弁をするでしょう。本当にそう思っているのでしょうか。先ほど徴収事務について質問がありましたので、私は具体的に質問をしたいと思います。
この年度、失業、廃業、火災、病気、死亡などで前年度より著しく所得が減少した場合に行われる減免制度を適用したのは、吉住区長、何件あったとお思いですか。区民税では生活保護に移行した人を除くとわずか2件でありました。国民健康保険料や保育料はわずか1件という異常なものでした。
区の仕事は徴収だけが仕事ではありません。区民の苦しみに心を寄せて、親切丁寧に相談に乗り、減額免除制度を適切に適用するなどの対応は欠かせないことであります。吉住区長は、この現実をどう認識され、今後どう対応していくおつもりか、答弁を求めます。
区民生活及び地方財政を圧迫している真の原因についてもお尋ねをいたします。
区民生活をこれだけ深刻にしてきたのは一体だれなのでしょうか。吉住区長だとは申しません。景気、雇用、社会保障費の削減など、国の政治に大もとがあることは疑いありません。特に自民・公明政権の小泉内閣当時の構造改革のもとで、国民も地方自治体も痛みを分かち合うと言って実施した三位一体の改革、これらによって、働く貧困層がふえ、可処分所得も減りました。そして、地方自治体財政も補助金のカットなどで大きな歳入減となったことは周知の事実でありますが、吉住区長も同様の認識をお持ちだと思いますが、いかがでしょうか。
こうした区民や区財政に大きな影響を及ぼす制度改革が行われたとき、吉住区長はどう対応してきたのでしょうか。私の見る限りでは、仕方ないと国の言いなりで批判さえしませんでした。三位一体改革のときは区長会等で意見を上げたかもしれません。しかし、後期高齢者医療制度や医療保険改悪、それから障害者自立支援法が施行されたときも、保険制度を維持するためには仕方がないんだと容認する答弁も行ってきました。そのツケが、今、区立台東病院の収支にもあらわれているではありませんか。
確かに国のやることですから、吉住区長が頑張っても防げないものだと思います。しかし、大切なことは、台東区の最高責任者として16万8,000人の区民に心を寄せて、言うべきときは言う、立ち上がるべきときは立ち上がるという姿勢、これが極めて大切なのであります。どのような対応をしましたか、お答えください。
吉住区長の区政運営を見ますと、区財政が大変だ、将来が不透明だ、こう言って行政経営推進プランを打ち出して、そして区財政の厳しさをやたら強調してまいりました。この10年間を見ますと、積立金、いわゆるため込み金は287億円から358億円へと71億円もふやしました。
一方で、事務事業の見直しを行い、10年間で600事業、37億5,000万円削減をしてきたんです。そして、後で述べますが、職員も327人削減をしてまいりました。あたかも区民サービスが行き過ぎているから大変になったんだ、職員が多過ぎるから、区財政が大変と言わんばかりの対応をしてきたのがこの間の区政運営の中心でした。吉住区長、心が痛みませんか。区民の苦しみに心を寄せ、区民が主役の区政運営に転換すべきと考えますが、いかがでしょうか、答弁をそれぞれお願いします。
○副委員長 区長。
◎吉住弘 区長 茂木委員のご質問にお答えさせていただきます。
9月の内閣府月例経済報告では「景気は、自律的回復に向けた動きも見られるが、このところ環境の厳しさは増している。」としております。
また、区内事業者の多くが売り上げの停滞などの不安を訴えておられ、区民生活や企業経営が非常に厳しい状況に置かれていることは、私も十分認識いたしております。
このような中、区民税、国民健康保険料、保育料等の納付が困難となった方につきましては、ご相談をお受けし、減免を実施しておりますが、今後も適切に行ってまいります。
私は、現在の区民生活や区財政を取り巻く厳しい状況は、世界的な金融不安による景気後退を初め、複合的な要因によりもたらされたものであると考えております。これまでも、国の制度改正等により、区民負担の増加が見込まれる場合は、国や東京都に改善要望を行ってまいりました。
また、平成18年の住民税老年者控除の廃止の際には、特に影響が大きい15の福祉サービスの利用者負担につきまして、他の自治体に先駆け、激変緩和措置を講じております。さらに、障害者自立支援法の施行の際にも、本区独自の負担軽減を実施いたしました。私は、日々寄せられる切実な声に耳を傾け、区民の皆様の思いを区政に反映できるように努めております。そのため、行政経営推進プランに基づく事務事業の見直し等を進め、健全な財政を維持することで多様化する区民ニーズに対応してまいりました。今後も、新たなプランのもと、区民の皆様の日々の暮らしを守り続けるとともに、将来を見据えた施策を効果的に展開してまいります。
○副委員長 茂木委員。
◆茂木孝孔 委員 今の答弁で、厳しい区民の情勢、これは認めました。しかし、2問目で言った減免制度、今後も実施していきますと言った。現実はないのと同じです。よくこういう答弁が書けるなというふうに思わざるを得ない。本当に減免を今後実施していく、この立場を今明確にしたわけですから、職員の皆さんは絶対にそれを頭に入れて対応してください。
それから、この財政を危機にしたのは区民ではありませんよね。職員が多いからではないですよね。やはりこれはそういう点では区長のイニシアチブをとった国への対応というのが極めて重要になっているということを指摘しておきます。今の答弁でも、もうこれは私は容認できない一つの理由としておきます。
そして、こういう状況でありますが、区民サービスを充実させるためには、財源が必要なことは言うまでもありません。区財政がどうなってもいいなどと言うつもりは決してありません。私どもは、この間、区債の借換償還や都区財政調整制度のあり方、こうした財源確保や大型公共事業などの無駄をなくすことを積極的に提起してまいりました。きょうは時間もありませんので、以下の点に絞って具体的に質問をいたします。
1点目は、公益企業体の占用料についてであります。
東京電力を初めとした占用料について、我が党は一貫して引き上げることを主張してまいりました。この間何度か見直しを行い、この10年間で約2億円引き上げてまいりました。しかし、公益企業体になって以来、いまだに激変緩和措置がとられ、一般占用より安くなっています。23区共通だからという理由を挙げていましたが、既に23区でも足並みはもうそろっていません。一般占用並みに適切な料金に引き上げるべきではありませんか、答弁を求めます。
また、JRに対しても区道の占用料や駐輪場の設置なども同様であります。区財政が大変と言うなら、こうした独占大企業から適切な料金を取ることは、受益者負担という立場からも当然ではありませんか。いかがでしょうか、それぞれお答えください。
また、この年度から観光を部に昇格させ、観光なら行け行けどんどんの大判振る舞いをしています。例えばこの年度、7,787万円を使い、2年目を迎えたしたまちコメディ映画祭は、これだけ莫大な予算をかけながら町方では冷ややかな意見も多く、不人気であります。
上野・浅草という日本でも有数の観光地を有している台東区であります。谷中などは観光に関しては区の財政はほんのわずかしか使っていないにもかかわらず、今、来街者はふえ続けています。決して金を出すだけが観光政策ではありません。こうしたことからも、この事業はもっと区民参加で知恵を出すなど見直すべきではありませんか、答弁をください。
また、私どもだけではなく、この
決算特別委員会で何人かの委員から指摘されましたが、観光行事への事業費助成8,800万円などは、実質渡しきりになっていますが、見直す必要があると考えますが、いかがでしょうか。これも、地元の方々とも大いに知恵を出し、戦略を立てるべきであります。
この分野で1つ提案をしておきたいと思います。知恵を出し、戦略を考えることに関してです。
羽田空港の新国際線ターミナルのオープンが直前になりました。深夜到発着の格安便が来るようになります。また、浅草を意識したかのような江戸風の町並みの再現が話題を呼んでいます。これを機に、浅草に、誘客、宿泊客を呼ぶために、浅草と羽田空港を結ぶシャトルバスの運行など、旅行業者やホテル業者とも連携をし、対策を立てたらいかがでしょうか、それぞれお答えください。
○副委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えさせていただきます。
まず、公益企業体の道路占用料の見直しについてでございます。
公益企業体を含めた占用料につきましては、固定資産税の評価額の見直しにあわせ、3年ごとに改定しており、今年度、占用料の単価を約1.2倍に改定したところでございます。次回の占用料改定は平成25年度を予定しており、特別区の協議の場で引き続き検討してまいります。
次に、JRの占用料等につきましては、法令等にのっとり、現在も適切に負担を求めているところでございます。
また、受益者負担の重要性についても十分に認識いたしておりますので、今後とも引き続き財源の確保に努めてまいります。
次に、映画祭についてでございます。
したまちコメディ映画祭は、本年3回目の開催となり、全国の映画ファンに対する知名度は着実に向上しております。
映画祭の開催は、マスコミ各社で取り上げられ、特にNHK総合テレビでは、ニュース報道や2つの番組で特集が組まれ、合計30分間放送されました。さらに、民放各局では延べ8番組で取り上げられたほか、新聞、雑誌、インターネット等でも前年を上回る掲載がありました。このPR効果を広告料として換算すると、2億円程度になることが想定されております。
また、各上映会場への入場者数も前年を上回るなど、着実に認知されてきております。
地域との協働につきましても、本年は、地域ボランティアの映画祭運営サポーターによる活動や個人協賛、地元店舗の協賛など、地元の皆様にご理解とご協力をいただき実施いたしております。今後も、映画祭の実施に当たりましては、最少の経費で最大の効果が得られるよう進めてまいります。
次に、観光行事への事業費助成についてでございます。
観光団体等に対する事業費助成につきましては、申請時に予算書を、また事業終了後には決算書の提出を義務づけております。提出された書類をもとに、協賛金などの収入確保の点や、団体と区の負担額などを精査し、新たな事業展開や収入確保などを団体と協議し、さまざまな視点から事業への支援を行っております。
また、補助金の公益性や成果につきましては、事務事業評価による検証も行っているところでございます。
今後は、こうした取り組みに加え、行政経営推進プランに基づき、各種補助金の総点検を行い、外部の専門家を交えた検討を実施し、補助金の交付に係る指針を作成してまいります。
次に、浅草・羽田間のシャトルバス運行についてでございます。
羽田空港の国際化は、本区への外国人観光客受け入れにとって追い風であり、積極的に活用を図るべきと考えております。新しい空の玄関口となる羽田空港と外国人が訪れたい街の代表である浅草とを結ぶシャトルバスの運行は、まさに機をとらえたものと考えております。
現在、浅草ホテル・旅館組合では、成田空港及び羽田空港と浅草を結ぶリムジンバスの運行誘致を目指し、需要客数などの基礎調査を行っております。本区は、今後、基礎調査に必要なデータや情報の提供に協力してまいります。
○副委員長 茂木委員。
◆茂木孝孔 委員 今、道路占用料と観光施策について具体的に質問をいたしましたが、税金の最大の無駄遣いである上野中央通り地下駐車場・地下通路についてはどう考えているのでしょうか。だれがこれで得をしたのでしょうか。大手ゼネコンのためになったことは間違いありません。建設費に300億円近い税金が投入されました。1年半が経過しました。今定例会に数字だけのまとめが示されましたが、採算も今後の見通しも大変な状況が明らかになりましたが、これを見て吉住区長はどのように感じられたでしょうか。
これまでの答弁では、商店街の活性化や違法駐車の解消などを繰り返してきました。さすがに本決算審議では、商店街との連携とあまり意味がわからない答弁がありました。担当者には気の毒であります。それが精いっぱいの答弁だったのでしょう。これまで建設については、事務事業評価で最大級の評価をしてきましたが、今年度の事務事業評価では評価方法が変わったとはいえ、必要性、効率性、有効性もいずれも評価3であります。吉住区長、これまでのような地元の活性化、違法駐車対策などという答弁はもうもはや通用しなくなりました。1年経過した現段階での区長の見解をお答えください。
また、二度とこうした無駄な事業を繰り返さないためにも、外部監査人から指摘された計画性のなさ、非採算性、そして将来見通しなしなどに沿って、しっかりとした総括をするべきであります。いつまでにするかも含めて答弁を求めます。
今、総括する上で参考にしていただきたいと思いますが、地下駐車場連絡会のパンフレットです。ぜひ参考にしていただきたいと思います。
では、それぞれ答弁願います。
○副委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
上野中央通り地下駐車場につきましては、路上駐車を減少させ、円滑な交通を確保し、良好な環境をつくるため、地元からの長年にわたる強い要望を受け、事業を進めてまいりました。完成後1年が経過し、平成21年度は10万台以上のご利用をいただき、来街者の利便性は向上いたしております。
また、上野地域の路上駐車の状況も改善されており、円滑な交通環境に寄与できております。今後も、上野の山文化ゾーンや地域の商店街と連携し、各種広告媒体を活用して周知活動に努めるなど、利用しやすい環境整備を進め、利用者の拡大を図ってまいります。
次に、外部監査を踏まえての総括についてでございます。
指摘内容としては、区の説明が不足していたというご意見をいただきました。このご意見に関しましては、真摯に受けとめ、事務改善に取り組み、円滑な運営に努めております。今後とも、大規模事業などを進めていく際には、想定される将来の課題も含め、適時適切に説明してまいります。
なお、総括といたしまして、本定例会の産業建設委員会において、上野中央通り地下駐車場の開業後の現況を報告させていただきました。
○副委員長 茂木委員。
◆茂木孝孔 委員 現況報告だけなんですよ。それで、300億円という膨大な――台東区は170億円弱ですが――これだけ使っている、そして今現状がこんなになっている。こういうことも含めてきちっと総括をするべきですよ。もう総括はしましたよ、まとめも出しましたよ、こんなのでは済まないですよ。財政が大変だ大変だと言っているのですから、ここにきちっとメスを入れていかなければまた同じ過ちを犯す、そういう危険性もあります。もう本当にこの点では納得いきません。
そして、総括が求められるのはこの問題だけではありません。学校跡地など大規模用地の活用についても同様であります。今後に生かすべき教訓があると思うんです。地域の活性化になるのか、疑問のまま貴重な区民の財産を大手不動産業者に丸ごと投げてしまった旧福井中学校の例、フランス人学校に賃貸し、柳通りをマロニエ通りとまで名称を変えたにもかかわらず、移転が決まっている旧柳北小学校の例。
一方、台東区のものづくりの重要性と卒業した方々が区内至るところでお店を開業し、ものづくり工房との連携も図りながら運営し、全国からも今注目を集めている旧小島小学校の台東デザイナーズビレッジのような今後の大規模用地活用に生かす教訓がある例も出てきています。
また、今後、35人学級、30人学級になったとき、教室が足りない、学校が足りないとなったとき、新たな場所への建設は大変な財政負担となります。18万区民を標榜している吉住区長でもあり、着実に人口がふえているもとで、当然のことでありますが、こうしたことも視野に入れた対策が求められています。学校跡地など行政財産である大規模用地については、一度手放したらもとに戻らないんです。拙速に民間に任せることのないよう、これまでの跡地活用についてしっかりとした総括をし、今後に生かすべきであります。答弁を求めます。
○副委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
大規模用地活用につきましては、平成14年に学校跡地の活用構想として一定の取りまとめを行い、その後、事業の緊急性などを勘案し、可能なものから順次活用を進めております。旧小島小学校では、区内地場産業との連携強化を通じたものづくりの拠点として、また旧蓬莱中学校跡地では、高齢者や障害者、児童を含めた地域における総合的な福祉の拠点として活用しており、区民福祉の向上に寄与しているものと考えております。
今後の活用につきましては、活用構想から8年が経過しており、また旧東京北部小包集中局跡地など、新たに発生した用地もございます。現在、改めて、長期総合計画はもとより、将来の行政需要への対応の視点など、さまざまな観点から検討しているところでございます。
○副委員長 茂木委員。
◆茂木孝孔 委員 区政運営に当たっては、総括や戦略に基づいて実践するには職員の役割が欠かせません。そこで、最近の区政運営について、私の感じている幾つかの点を質問いたします。
最近、さまざまな点で幹部職員全体が、言われればやるが、言われなければやらないというような風潮、そして職員間の風通しが悪くなっていると感じているのは私だけではないと思います。例えばこの年度、先ほども質問がありましたが、政策会議を24回も行っていながら、一度も議論されていないことが決算審議で明らかになり、議会への報告も全くなかった平成中村座公演の件、地元と十分なコンセンサスがとられていないことから問題化している浅草文化観光センター建設の件、こうした事態を区長はどのように認識をされているのでしょうか、まずお尋ねいたします。率直に答弁を求めます。
こうした幹部職員の姿勢というのは職員全体の士気にも影響をしてくる問題であります。ごく最近でも、国民年金の保険料免除手続のミスに続いて、国民健康保険料の徴収ミスが起きましたが、いずれも個人の問題として片づけられない問題であります。この10年間で、16%、327人も職員を減らしてきました。年休消化率も全都最低、まさに異常であります。しかも、事務事業の増大と複雑化、その上、職員の削減によってオーバーワークやコミュニケーション不足による心の病もふえています。
そこで、具体的にお尋ねいたしますが、ケースワーカーの人員、この問題は一貫して取り上げてきました。平成18年に国から指摘されていながら、ふやしたのはわずか4人だけであります。国や都から指摘されていながら、福祉事務所の事務量はふえていないと思っているのでしょうか。こうした状態の中でも職員は必死に頑張っています。この現状でまともな生活保護行政ができると思っているのでしょうか。今後ますます事務量が多くなることは間違いありませんから、この点では早急に増員すべきと考えますが、いかがでしょうか。
児童保育課についても、高まる保育ニーズや学童クラブの増設等々、事務量はふえるばかりでありますが、特に基盤整備のおくれのもとで、区民ニーズにこたえ切れていない中で、メンタルな部分が大きなウエートを占めている状態であります。この点でも早急に児童保育課の職員の増員は必要になっています。いかがでしょうか。他の職場においても同様であります。
また、財政課の職員を初め、連日、夜遅くまで仕事をしている職員の姿を見るたびに、私は体を壊さなければいいなとつくづく思っています。この超過勤務手当でありますが、労働基準法にも抵触しかねません。この問題も早急に改善すべきであります。それぞれ答弁をお願いします。
○副委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
まず、政策会議についてでございます。
今回、平成中村座の隅田公園での開催につきましては、庁内の連携不足から十分な議論がなされなかったことはまことに遺憾でございます。今後は、区政運営にかかわる重要な案件につきましては、確実に政策会議に付議するよう徹底してまいります。
次に、職員数と時間外勤務手当についてでございます。
保護課には過去3年間で13名の職員を増員しておりますが、経済状況の悪化により、被保護世帯数が引き続き増加している状況でございます。今後も、生活保護事務の増加を踏まえ、制度の適正な運営を確保する観点から、引き続き所要の人員の配置に努めてまいります。
また、保育事務につきましても、保育ニーズの高まりにこたえていくための体制を整えるとともに、他の職場におきましても、事業展開や事務量の増減を考慮しながら、適正な人員配置に努めてまいります。
また、時間外勤務手当につきましては、所属長からの勤務命令により残業した場合に支給する手当であり、各所属に対しては、年度当初に必要な経費の予算措置を行っております。
なお、年度内において、緊急時や一時的・臨時的な業務への対応に要した超過勤務につきましては、通常業務とは別に勤務の実態に合わせ手当を支給しております。
(副委員長退席、委員長着席)
○委員長 茂木委員。
◆茂木孝孔 委員 今それぞれ答弁いただきました。区民の暮らしの実態を直視して、本当に苦しみに心を寄せること、これが区長の責務でありますが、残念ながら答弁を見ますと、その立場はとられていないということで、認定できないことを申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長 茂木孝孔委員の質問を終わります。
台東区議会公明党、池田清江委員。
公明党の発言時間を表示いたしましたので、ご確認ください。
よろしいですか。
それでは、質問をどうぞ。
◆池田清江 委員 公明党の池田清江でございます。
平成21年度決算、公明党として認定の立場で質問をさせていただきます。
平成21年度決算を中心に、区の財政運営について3点にわたり質問をさせていただきます。
まず第1に、一般財源と特定財源についてお聞きします。
平成21年度の一般財源の対前年度比の伸び率はマイナス8.5%、約49億2,000万円の減で、特別区税が約9億5,000万円、特別区交付金が約38億7,000万円の減となっております。そして、現下の厳しい経済状況を見ると、とても経済がV字回復し、区財政も好転するとは思えず、しばらくは縮小傾向が続くものと懸念しております。
それで、これに連動して歳出面でこれまでの住民サービスを維持できるのか心配している次第です。いかがでしょうか。
そこで、このような傾向が続くのであれば、私は、財政の規律化を厳しく問い、区のすべての事業を見直し、シーリングの発想ではなく、事業の廃止、縮小、事業運営組織の廃止、統合等を厳しく問う必要があると考えております。その手法としては、庁外の方々にもご参加いただく事業仕分けを実施している自治体が見られますが、事業の見直しについての区長のお考えをお聞かせください。
また、特定財源は、対前年度比で15.8%、約57億3,000万円の増ですが、これは、定額給付金、子育て応援特別手当の国庫支出金約25億9,000万円、また生活保護費に対する国・都支出金が約19億3,000万円の増加を主な原因としております。
ところで、国・都支出金は10割交付の委託金もありますが、負担金、補助金は一定割合で交付されるもので、国や都の政策の変動でこれら支出金が廃止や縮小されることも考えられます。つまり、あまりに国・都支出金等の特定財源に頼った財政運営には不安がつきまとうということです。よって、国・都支出金の交付がなくても、区が単独で継続していかなければならない住民サービスとそれ以外のサービスをしっかり見きわめておく必要があるのではないかと思います。いかがでしょうか。
さらに、政府は、地域主権改革関連で、平成23年度からは施設整備関係補助金、24年度からはサービス給付関係補助金の一括交付金を実施するとしていますが、一括交付金の仕組みづくりが国の財源確保のために行われるのではなく、国の事業実施に支障のないよう配慮すべき必要があると思います。これら4点について区長はどのようなお考えなのかお聞かせください。
第2に、文化施設運営のあり方についてお伺いいたします。
指定管理者への委託料が、平成20年度と比較して、約6億6,000万円、9.9%増の約72億7,000万円となっており、ますます指定管理施設がふえております。一般的に指定管理者による管理施設として、文化施設では、図書館・郷土資料館・博物館・美術館などで指定管理しています。台東区でも、一葉記念館、下町風俗資料館、奏楽堂、朝倉彫塑館等で指定管理が行われております。
ところで、指定管理の主な内容は、建物・設備等のいわゆる施設管理と使用料・利用料を支払っていただいての時間
貸し会議室や美術品の展示等の事業実施が挙げられております。先ほど取り上げた施設でも、施設管理を除くと、事業としては、ホールや会議室の時間貸し、美術品等の展示・入館料収入の事業を行っております。また、指定管理した成果としては、施設の利用率の高まり、入館者数の増加が期待されております。
ところで、国の文教・文化施設では、国立大学や博物館等は独立行政法人として運営されております。これは、これらの施設が高等教育や研究活動を主に行う機関として、その性格に重きを置き、独立行政法人化したものと思います。
さて、台東区にも専門博物館として書道博物館があります。ここでは、博物館資料や文字・書に関する貴重な研究が行われております。単に、美術品等資料を展示し、入館料を徴収するという施設ではありません。しかしながら、決算書で見ると、指定管理者に管理委託されております。
私は、書道博物館しかり、他の文教・文化施設においても、この施設の機能や社会的使命をよくよく見きわめて、指定管理や地方独立行政法人化、または区が直接管理を継続する等、施設運営の主体を選択する必要があるのではないかと思います。
また、成果を考えるときに、入館者数のみに着目するのではなく、どのような研究活動を行い、どのように発表され、社会貢献しているかということも取り上げる必要があるのではないかと思います。あわせて、このことについてお伺いいたします。
なお、中村不折の作品が、今般、区に寄贈されたと伺っております。そうすると、書道博物館は、書や文字にかかわる我が国有数の専門博物館の性格と中村不折作品の展示施設との両面を有することから、今後どのように施設の発展を図るのか、あわせてお伺いいたしたいと思います。
第3に、自治体の信用力についてお伺いいたします。
平成20年度決算に続き、21年度も総務省方式改訂モデルにより、財務4表を作成、公表され、この取り組みに敬意を表する次第です。この財務4表は、外郭団体を含めた連結ベースの貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書を明らかにしたもので、これについて若干お伺いいたします。
さて、地方債の起債は、地方分権・規制改革を視点に許可制から協議制へ、最近は完全自由化を唱える方もおられます。また、ここのところ市場公募型の地方債がふえております。そうすると、地方債引き受け購入の安全性確保から、地方債発行体の財務上の信用力、元利返済能力が問われることになります。このような背景から、最近では、まだ少数の自治体ではありますが、地方債の格付が行われております。その信用を図る際に、普通会計決算資料では十分推しはかれないため、この財務4表を分析材料として使っているようです。
1つの導入事例を紹介いたしますと、宮崎市では世界的な格付機関であるスタンダード&プアーズに依頼し、格付を取得したそうです。また、その理由は、地方債の信用力のためでなく、財政の健全化について宮崎市民や議会に対して客観性・透明性の高い財政情報を提供するためだそうです。そのようなことで、まだ台東区発行の地方債の格付は行われていないと思いますが、台東区の財務上の信用力を区民にわかりやすく示すという観点から、格付について他の自治体の事例を研究なさってはいかがでしょうか。
次に、若干細部にわたりますが、行政コスト計算書の中の経常費用で、人にかかるコストと物にかかるコストを分けていますが、業務委託や指定管理委託等による委託料の中、民間企業会計で言えば、事務人件費や事業原価に入る人件費等の性格を有する部分が相当の額があると思うのですが、台東区の行政コスト計算書では、人にかかるものなのか、物にかかるものなのか、その経費をどのように仕分けしたのかお教えください。
また、普通会計単体計算書では、外郭団体への補助金などを移転支出的コストとして仕分けられてしまい、人にかかる経費がどの程度あるのか見えにくいものとなっています。そうすると、企業会計原則に基づく民間企業の損益計算書のように、コスト分析が容易にできません。ついては、行政コスト計算書の作成の仕方、仕分けの仕方等、さらなる改善、研究が必要なのではないかと思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 池田委員のご質問にお答えさせていただきます。
まず、区民の皆様へのサービスの維持についてでございます。
本区の財政状況は、主要な財源である特別区交付金や特別区税が大幅に減収しており、今後急速な回復は期待できない状況でございます。しかしながら、厳しい財政状況の中でも、区が区民の生活を守るという基礎的自治体としての役割を果たしていくことは私の責務でございます。今後も、財政の健全性に十分留意しつつ、引き続き区民の皆様に適切な行政サービスを提供してまいります。
次に、事業の見直しについてでございます。
私は、事務事業の見直しや重点化に当たり、事業の必要性や実施主体の妥当性、有効性等を区の内部で適正に評価し、
決算特別委員会での審議を踏まえて、翌年度の予算へ反映すべきものと考えております。
また、外部の視点を使う手法としては、平成17年度から外部評価を実施しており、事業仕分けと同様の視点で行政評価に取り組んでいるところでございます。
委員ご指摘の事業の見直しにつきましては、重要な取り組みであると私も認識しており、行政経営推進プランに基づき、来年度から実施する新たな行政評価の中で、その取り組みを強化してまいります。
次に、特定財源についてでございます。
国や都の補助金等につきましては、施策・事業の充実に必要な財源として当該補助事業等の要件を積極的に調査・検討し、財源の確実な確保に努めているところでございます。
また、委員ご指摘の区独自の行政サービスにつきましては、私の責務である区民生活を守るという立場で、一般財源を活用して実施しているところでございます。
私は、厳しい財政状況のもとでも、引き続き国や都からの財源確保に努め、区民の生活を支えることを念頭に、必要な施策については、一般財源を活用するなど、区民の皆様が将来に希望の持てる施策に取り組んでまいります。
次に、国の補助金・負担金の一括交付金化についてでございます。
政府は、一括交付金化の目的を、地方の財政運営の自由度を高めるものであるとしております。私も、委員同様、一括交付金の制度設計が、地方の意思が反映されずに、国の一方的な財源捻出の手段となるおそれがあることについて大変懸念をしているところでございます。今後とも、対象となる事業が滞りなく執行できる予算が確保されるよう、特別区長会等を通じて強く要望してまいります。
次に、文化施設における指定管理者制度の成果についてでございます。
この制度の導入により、各文化施設は、これまで以上に競い合い、協力し合いながら利用率や入館者の増加のための取り組みを進めてきたところでございます。その結果、全国的には小規模な文化施設の入館者数が減少する中、本区におきましては、入館者数は増加の傾向にございます。
次に、施設運営の主体の選択につきましては、設置の経緯や施設の特性を最大限に生かすとともに、安定的・継続的かつ柔軟な運営を実現していくことが重要であると認識いたしております。そのため、現在、芸術文化財団を指定管理者とし、施設の運営を行っているところでございます。
次に、各文化施設では、所蔵資料の有効活用を図るため、大学や博物館との共同研究を進め、その成果を発表するなど、社会貢献に努めてまいりました。こうした取り組みは施設の評価や知名度を高めることにつながり、委員ご指摘のとおり、施設運営の成果と考えております。
次に、書道博物館は、書道史研究上、重要なコレクションを有する専門博物館であるとともに、洋画家であり、書家でもあった中村不折氏の作品や、その関係資料の展示施設でもございます。今後も、それぞれの特色を生かした企画展を実施するとともに、世界的にも貴重な2万点を超える所蔵資料の調査・修復を精力的に実施し、その成果を展示に生かしてまいります。
次に、特別区債についてでございます。
地方債の銀行等引受債は、23区が統一的に処理を行うことで、特別区債の信用性を確保しているところでございます。
また、住民参加型市場公募債は、地域住民等を対象として自治体が発行する債券でございますが、各区の独自性を尊重すると同時に、23区が協調して対処するための取り扱い基準を定めております。
地方債の格付につきましては、一部の民間会社において健全化判断比率等の指標により独自に行っていると聞いております。大変貴重なご意見でございますので、今後これらの情報収集に努めてまいります。
次に、行政コスト計算書におけるコストの分類についてでございます。
本区では、総務庁方式改訂モデルにより、地方財政状況調査の決算統計をベースに、貸借対照表、行政コスト計算書等の財務4表を作成いたしております。このため、本計算書では、外部業務委託や指定管理委託料は物に係るコストに、また外郭団体に対する補助金などは移転支出的なコストに分類されております。
しかしながら、委員ご指摘の人件費の費用対効果を検証する視点は大変重要でございます。現在、総務省内に新地方公会計の推進に関する研究会が新たに設置され、現行の財務諸表の検証が始まったところでございます。こうした国の動向を踏まえつつ、今後とも効率的な行財政運営に資する計算書となるよう取り組んでまいります。
○委員長 池田委員。
◆池田清江 委員 昨日の報道によりますと、ますます円高になっている、こういった経済の状況が大変厳しい社会状況の中で、台東区の区財政も来年度予算によりよく反映されるよう、ご努力をさらにさらによろしくお願い申し上げます。
次の質問は、学力向上施策についてお伺いいたします。
本年度の全国学力・学習状況調査結果が7月30日に発表されました。今回はこれまでの3回と異なり、全員調査から全小・中学校の3割の抽出方式に改められ実施されたため、前回までの結果と単純比較はできないと思います。
さて、抽出され実施した学校はそのデータが取得できますが、希望して調査をした学校では、全国傾向と照らし合わせながら学校自身が自校の子ども1人1人の学力実態を把握し、指導方法を改善するだけでなく、個々の子どもに応じた学習改善を示すことが必要になってまいります。
調査結果によると、どこの学校でも補習や放課後学習などの取り組みが進んでいるものの、小学校6年生のときの調査で指摘された課題が、3年後の中学3年生の調査においても、依然として改善されていないことが明らかになっておりました。
根拠を挙げて理由を考え、考えを説明する記述式の問題の正答率が低いなどの課題も、これまでと同様の傾向が見受けられました。特に小学校の算数Bや中学校数学Bの各問題は深刻だと聞いております。基礎的な知識の獲得と定着については改善が見られるものの、PISA調査などが対象とする論理的思考や知識の活用といった側面になると、十分な改善は見られないとの結果が明らかになりました。
さて、本区でも、学力向上のための調査・研究を行ったり、学力向上推進ティーチャーを配置したり、また土曜授業、土曜スクールを実施するなどの取り組みがなされております。
そこで、お伺いしますが、今回の学力テストの結果と区が行っているこれらの学力向上施策の全体的な影響をどのように認識されていますか。
次に、具体的に、学力向上推進ティーチャーは、行政計画にも掲載しておりますが、全小学校・中学校で講師延べ52人の陣容で実施され、1億2,000万円の決算となっていますが、どのような具体的な成果がありましたか。
また、学力向上プラン「大学生が先生」においては、大学生がどのように児童・生徒にかかわりを持ち、児童・生徒の中に具体的にどのような影響をもたらしたのかお聞かせください。
ところで、本区は土曜スクール・土曜授業を実施しておりますが、全小・中学校が一斉に行っているわけではありません。例えば、土曜スクールは全く行わず、土曜授業のみの学校もあれば、圧倒的に土曜事業より土曜スクールを多く実施している学校もありました。また、土曜スクールと土曜授業を交互に実施している学校もありました。
日数等実施方法は、学校長の裁量で決められますからいろいろあってもいいわけですが、実施を決める際、予算の配分次第で実施を決めているのか、それとも土曜スクール・土曜授業の実施内容の有効性から選択をして、予定を立てて実施を決めるのでしょうか。各学校の現状もあわせてお聞かせください。
次に、新学習指導要領のことですが、この新学習指導要領の全面実施に向け、確かな学力の向上の実現に対して、家庭・地域との連携・協力が一層求められているとされておりますが、その具体化も踏まえて、保護者への説明はどのようになされているのかお聞かせください。
○委員長 教育長。
◎野田沢忠治 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。
まず、全国学力・学習状況調査の結果と本区の学力向上施策との関連についてでございます。
今年度の調査結果では、まだ課題はありますが、小学校、中学校とも昨年度より改善がなされております。これは、教育委員会と学校が結果を分析し、課題の共有化を図った上での授業改善や、学力向上推進ティーチャーを配置し、きめ細かな指導や補習授業などの充実が大きく寄与しているものと考えております。今後も学力向上推進ティーチャーのさらなる有効活用を図ってまいります。
また、「大学生が先生」につきましても、区内全小・中学校に派遣し、授業補助者としてティームティーチングを行い、基礎学力の定着を図っており、児童・生徒の意欲の向上が見られております。
土曜スクール及び土曜学校公開の実施も学力向上に資する効果的な取り組みでございます。予算措置につきましては、各学校で作成いたしました計画を教育委員会が精査し、予算を配分いたしております。各学校の実施状況は、土曜スクールと土曜学校公開を合わせて、各校平均で年間12回程度実施をいたしております。
次に、新学習指導要領への移行の準備についてでございます。
平成20年度に教育委員会が「新教育課程の創造−学びのまち台東区−」という資料を作成し、全教員に配布して、趣旨の徹底を図ったところでございます。各学校におきましては、この資料などをもとに保護者への周知を図っております。
また、23年度の小学校完全実施を踏まえ、教育情報紙学びタイムス「大輪」でも保護者へわかりやすく周知を図ってまいりたいと考えております。
○委員長 池田委員。
◆池田清江 委員 「子育てするなら台東区」という言葉がありますけれども、「教育するなら台東区」と、そのように言われるような学力向上あるいは学習環境へのさらなる向上を、本当に学力テストにおいても全国1位は台東区だったというような、そういう台東区の教育環境を高めていただく努力をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次の質問は、来年度に向けた教員の定数改善についてお伺いいたします。
新しい学習指導要領が、小学校は来年度から、中学校は再来年度から始まります。既にそのための準備を各学校で進められていると思いますが、教える内容や授業時間数がふえたため、そのための条件を整えなくてはなりません。
そこで、文部科学省は、来年度から定数改善計画の案を策定し、6年後には小・中学校の1学級当たり児童・生徒数を現在の40人学級から35人へと引き下げられると示されました。と同時に、教員数の数の充実も考えなくてはならないと思います。
政府の考えは、教職員定数の改善は、そもそも教育基本法が改正されるとき、教育振興基本計画の策定がセットで議論され、教職員定数も基本的な数値目標を明記することになっていたはずでしたが、財務省の抵抗にあってか実現しなかったと言われております。
しかし、政権がかわったとはいえ、その経緯は国民が注目しているもとで進んだことでもあるし、民主党自身がマニフェストで国民に約束していることでもあります。平成22年度、予算規模は95兆円にも膨らみ、各省庁から概算要求が大きく拡大していることからも、大規模なものになっていると報道されました。
民主党政権は、税収見込みの落ち込みが予想されるもとで、財務省と行政刷新会議は、各省庁からの概算要求に対して大幅に削減してくる懸念があります。
教育費も例外ではなく、かなり削減されたのではないでしょうか。教育費の概算要求では、「教職員が子ども1人1人と向き合う環境をつくるとともに、新学習指導要領の先行実施における理数教科の授業時数の増加に対応するため」として、5,500人の教員の増加を計上されたと示されております。
今、公立の学校現場では、学力向上やいじめ、不登校の問題を初め、小1プロブレム、中1ギャップなどの多くの課題を抱え、教職員は多忙な状態になっております。本区でも例外ではありません。学力調査でも明らかになったように、朝ご飯を必ずとる、起床時間や就寝時間、予習・復習などの家庭学習、持ち物前日用意、さらには家庭での親子の会話といったことが子どもの学力形成に大きな影響を与えると思います。
しかし、それができていない子どもは、遅刻、欠席、授業への集中度の低さ、キレやすいといった様子が多く見受けられていると思います。このような状況の中で、すべての子ども1人1人としっかりと向き合い、きめ細かに対応して確かな学力をはぐくむため、教職員定数を大幅に改善し、指導体制を図ることが喫緊の課題だと思いますが、いかがでしょうか。
また、来年度から本区での教職員定数の現状はどのようになっているのでしょうか、お聞かせください。
○委員長 教育長。
◎野田沢忠治 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。
教員の定数につきましては、文部科学省が標準を示し、具体的な定数につきましては、東京都が学級数に応じて定めております。その上で東京都では、指導方法工夫改善、日本語指導などのニーズに合わせた教員加配を実施しているところでございます。
本区におきましては、この加配の制度を有効に活用するとともに、区独自の講師を配置するなど、指導体制の一層の充実を図っているところでございます。
また、来年度の教員定数につきましても、国の35人学級の実施については、現時点では不確定な状況ではありますが、これまでの指導体制を踏まえ、確かな学力を身につけられるよう適切に対応してまいります。
○委員長 池田委員。
◆池田清江 委員 では、次の質問に移ります。
図書館を知の学習拠点とすることについてお伺いいたします。
今日、学校現場においては、グローバル社会の中で生きる力を身につけることを目的に、生徒が、みずから課題を見つけ行動し、解決する能力を育成することが求められています。こうした中、教育機関や図書館で導入が進んでいるのが、辞典・辞書を中心とした多元的な知識源から知りたいことにいち早く到達できる総合データベース「ジャパンナレッジ」があります。ジャパンナレッジのような辞典・辞書系総合データベースサイトとは、知識検索サイトのことで、教員の利用頻度の高い辞典・辞書を中心に、幅広い分野での高品質な書籍、雑誌などを豊富にデータ化して、各自のパソコンからも利用できるオンラインデータベースのことです。
つまり、調べたい単語を検索すると、辞書・辞典・記事・マルチメディアなどを一括で検索できるほか、だれでも使える基本検索からプロユースにこたえる詳細検索、個別検索など機能面も充実したアカデミックな調査に不可欠なレファレンスツールとして評価が高いと聞いております。その活用は、生徒のレポート作成や教員の教材作成の情報収集手段に限らず、調べ物の時間の短縮や図書館の活性化に大いに役立つものと思います。
中野区にある東京大学教育学部附属中等教育学校の司書教諭である浅香教諭は、「この学校は、そもそも参考図書類が古く、種類も少なかったので、図書館があまり使われていない状況でした。そんなとき、ジャパンナレッジのような質の高いオンラインデータベースが教育には必要になると考えました。幾ら生徒に質のよい情報を選択しなさいと言っても、どうしたら質を高められるのかがわからなかったことが課題でした。総合データベースなら、豊富な資料がデータ化されているので、辞典・辞書を新しく買いそろえる必要がなくなるのでとても有効です。」と語っておられました。
そんな辞典・辞書系総合データベースをいち早く導入しているのが墨田区立あずま図書館です、低コストで場所もとらず、迅速で調べ物ができるデータベースの導入は、これからの図書館に欠くことのできないものであると企画担当の方が話されておりました。
例えば、従前は、図書館としてより正確な情報を提供する場合、調べたい事柄をまず百科事典で基本的な情報を得るようレファレンスしていたと伺っております。しかし、時の経過とともに記載内容が古くなってしまうデメリットがある中、総合データベースは時間の密度が濃く、定期的に情報が更新されているようで、より正確な情報が得られ、大変有効なものであると述べておりました。
さて、幸いにも本区の中央図書館でも導入されており、図書館員を介してサービスを提供しているとのことです。そこで、お伺いしますが、中央図書館だけでなく、根岸図書館、石浜図書館、中央図書館浅草橋分室、その他まちかど図書館、そして可能であるならば学校の図書室にも導入してはいかがかと思いますが、ご見解をお伺いいたします。
○委員長 教育長。
◎野田沢忠治 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。
区立図書館では、これまでもさまざまな情報を収集・発信し、調べ学習の支援、レファレンスサービスの充実に努めてまいりました。
委員ご質問の総合データベースは、従来、利用者も図書館内のパソコンで使用できるようにいたしておりました。しかし、少し高度だとも言われておりますし、またインターネットなどでも多くの情報が検索できることなどもあり、利用状況が少なかったことから、現在は中央図書館において職員がレファレンスサービスに活用している状況でございます。したがいまして、他の図書館や学校図書室における総合データベースの配置につきましては、その必要性や活用の可能性について慎重に検討した上で判断をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○委員長 池田委員。
◆池田清江 委員 以上で、質問を終わらせていただきます。
○委員長 池田清江委員の質問を終わります。
台東区議会公明党、清水恒一郎委員、質問をどうぞ。
◆清水恒一郎 委員 公明党の清水恒一郎でございます。
私は、平成21年度一般会計歳入歳出の決算を認定の立場で質問をさせていただきます。
初めに、21年度決算について、区長ご自身の総括についてお伺いします。
私は、この問題に関してはずっと追いかけています。毎年、変化変化の連続であるがゆえに、区長自身のを聞きたいのであります。
本区の平成21年度一般会計決算については、歳入総額961億1,431万円、歳出総額916億1,355万円となっています。歳入においては、前年度と比較し、5億6,274万円、2.7%の増となっています。あえて言いますが、歳入の主なものは、特別区税、特別区交付金、国庫支出金、都支出金、諸収入、繰越金、地方消費税交付金、使用料及び手数料等がございます。
歳出については、前年度より23億7,796万円、2.7%の増となっています。主なものは、当然、議会費から始まり、総務費、民生費、衛生費、文化観光費、産業経済費、土木費、教育費、諸支出金、予備費等であります。区民の方はご存じであると思いますけれども、毎年の広報たいとうに掲載されている構図であります。
平成21年度の我が国の経済は、ご存じのとおり、平成20年9月のリーマン・ショック以降の世界金融危機の影響で急速な景気後退に陥りました。その後、全体的には失業率が高水準で維持し、デフレ状況が続く中、2年連続のマイナス成長となっております。そうした中で、本区の財政状況は、急激な景気悪化の影響により、主要な財源である特別区交付金や特別区税が大幅に減少になる一方で、生活保護費の増加、進展する少子高齢化への対応、区有施設の維持保全など、これは毎年同じでありますけれども、増大するさまざまな財政需要を抱えています。
今後もまたさらに厳しい状況が続くと考えられます。21年度の重点施策である区長が掲げた「にぎわいと活力のまち、いきいきとした個性のあるまち、暮らしやすいまち」の施策を進めてこられました。区長は、これらを推進するために、事務事業の見直しや経費の縮減に、また中長期的な視点に立った財政運営を行ってこられたと思います。そこで、お伺いいたします。
21年度の決算について、区長ご自身はどのように総括されているのかお伺いいたします。
また、財政指標についてお伺いいたします。
実質収支額42億2,500万円、23区で11位、実質収支比率7.6%、23区で5位、経常収支比率83.3%、23区で14位、公債費比率7.7%、23区で19位となっておりますが、区長はこの数値についてはどのように認識されているのかお聞かせください。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 清水委員のご質問にお答えさせていただきます。
まず、平成21年度の決算についてでございます。
平成21年度は「にぎわい いきいき したまち台東」の実現を確固たるものとするため、民間による清川2丁目の総合福祉施設の誘致、浅草文化観光センターや産業研修センター事業者支援施設の整備、景観まちづくりの推進、肺炎球菌ワクチン接種費の助成など、区民生活を守る施策と区の将来を見据えた施策の展開を着実に行ってまいりました。
さらに、雇用環境の充実や中小企業への支援などの台東区緊急経済対策を実施したほか、新型インフルエンザへ対応するための機動的な取り組みを行ったところでございます。
これらの施策は、世界金融危機の影響による景気後退のため、特別区税などの主要一般財源が減収となる中、健全な財政の維持とともに、効果的・効率的に執行したものでございます。今後とも行政経営推進プランに基づく行財政改革を進め、区民生活の安定と充実のために最大限の努力を重ねてまいります。
次に、財政指標についてでございます。
実質収支及び実質収支比率は、各自治体の財政収支、つまり財政上の黒字や赤字がどの程度であるかを示すものでございます。この比率は3%から5%の範囲が好ましいとされておりますが、平成21年度決算におきましては、7.6%となり、黒字幅がやや増大しております。
また、経常収支比率は各自治体の財政構造の弾力性を示すものでございます。この比率の適正水準は一般的に70%から80%と考えられておりますが、本区は83.3%となり、適正と考えられる水準をやや上回っております。
公債費比率につきましては、各自治体の借入金である地方債の返済に要する経費が一般財源においてどの程度を占めるかをあらわすものであり、この指標も財政構造の弾力性を示すものでございます。この比率は15%を超えないことが一般的に望ましいとされ、この適正な範囲内となっております。
私は、これらの財政指標から、本区の財政はおおむね健全性が維持されていると認識いたしております。今後も、引き続き計画的な財政運営を徹底するとともに、より一層の財源の確保と効率的な事業執行を図り、健全な財政の維持に努めてまいります。
○委員長 清水委員。
◆清水恒一郎 委員 今、区長の総括を聞かせていただきまして、来年度の予算に結びつけていただきたい。数字的なことを聞いたのは、おおむね毎年健全だということですけれども、変化に対応するためには抜本的に変えなければいけないときもあると思いますので、あえて聞かせていただきました。
次の質問に移ります。
次に、特別区たばこ税についてお伺いします。
これ、私、好きと嫌いではないのですが、毎年、毎回聞いているんですけれども、本当に貴重な財源ですのでお聞きしたいんですが、平成20年度は、31億9,900万円で、特別区税195億円に占める割合が16.4%でありました。平成21年度は、30億1,300万円で、特別区税185億5,051万円に占める割合から見ると16.2%と0.2%下がっていますけれども、昨年より金額では1億9,000万円減少となっています。毎年減少してきています。
そこで、第1にお伺いしますけれども、前年度より減少した理由は何だと思っていらっしゃるのかお聞かせください。また、この年度で収入確保のためにどのような努力をされてこられたのかお伺いします。
今後のたばこ税の収入増については、JTや関連機関との協議をずっと重ねてこられたと思いますけれども、これからどういう形で協議を進めながらやっていくのか、お考えをお聞かせください。
本年の10月1日からたばこが大幅に値上がりになりました。私のたばこも300円が410円になりました。過去最大の値上げであります。こんなに値上げをしたのですから、区長会等で、国に対して、区に対する税率を上げるように申し出ていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。政府が発表している総額約2兆円に上るたばこの税収は貴重な財源であります。
次に、角度は変わりますけれども、喫煙する人、しない人の環境整備についてお伺いします。
本区においては、環境課を中心に、大江戸清掃隊197団体、まちの美化里親制度31団体、喫煙マナー等向上の推進の中で、ポイ捨て歩きたばこ防止指導、路面標示シート製作・取りつけ、劣化調査等、また啓発用携帯灰皿購入等を行っています。喫煙を取り巻く環境の変化を伴い、公共施設や民間施設、職場等で分煙化が進んでいます。喫煙できる場所が非常に少なくなってまいりました。今後、区としては、喫煙者に対する環境整備、喫煙しない人の環境整備をどのように図っていかれるのか、区長のご所見をお伺いいたします。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
まず、特別区たばこ税の税収減についてでございます。
たばこ税の税収減の理由は、健康志向の高まりや受動喫煙対策の進展に伴う全国的なたばこ消費量の減少によるものでございます。
また、税収確保の取り組みにつきましては、JTやたばこ販売者協議会等の関係機関とも連携して喫煙環境の整備を図り、税収確保に努めてまいりました。さらに、自動販売機設置による税収確保策など、具体的な取り組みを関係事業者に働きかけたところでございます。
次に、関係機関との協議による収入確保についてでございます。
これまでも、たばこ販売者協議会との研修会の実施をはじめ、関係機関との協議を行ってきたところでございます。今後も、小売店における販売促進策の検討など、税収確保に向けた協議を続けてまいります。
次に、たばこ税率の配分の見直しについてでございます。
平成22年度税制改正では、国と地方の税源配分のあり方について、改革の方向性が示されております。ご提案につきましては、まず今後の税制改正の行方を注視してまいりたいと存じます。
次に、喫煙する人・しない人の環境整備についてでございます。
多くの来街者が訪れる本区の特性を踏まえ、喫煙する人としない人の双方が共存できる環境を整えていくことが重要でございます。昨年度は、新たに喫煙スポットを7カ所設置し、区内に25カ所を整備いたしております。また、約800カ所への路面標示シートの設置や、区内各所での大江戸清掃隊による喫煙マナーアップ・キャンペーン実施等の啓発活動にも取り組んでいるところでございます。今後とも、税収の確保に努めるとともに、喫煙する人としない人の共存が図れるよう、環境整備の充実にさらに取り組んでまいります。
○委員長 清水委員。
◆清水恒一郎 委員 ふえたんですね。ありがとうございます。台東区は7カ所もふえたと。区民の皆さん、聞いてください。7カ所ふえました。
私、この件でもう一度、確認だけしておきたいんですが、政府は、今回の増税目的を1つは健康増進として喫煙率を下げたい、こういうふうに考えているという報道がされてなったと、私はそういうふうに聞いています。関係者の人たちの反応はさまざまであります。私も10月1日からたばこをすぐ買いましたけれども、買いだめをしませんでしたけれども、都内でたばこ店を営む私の近所のある人は、値上げ前にはまとめ買いをしていた。だけど、それを吸った後でないと買いかえませんからさっぱり売れない。当然でしょう。
販売大手の日本たばこ産業は、たばこ販売だけでなく、路上や公共機関などで喫煙所の設置をふやし、飲食店などへの分煙方法を与言するコンサルティング業にも力を入れていく方針と、こういうふうに報道されました。
また、全く反対に、医療機関関係者の人、先生、医師は増税には好意的で、医療費の抑制につながるのではないか、こういう考え方も反対にあります。いずれにしても、そうした中で禁煙グッズ、電子たばこ、ニコチンパッチなどの禁煙補助薬等が9月で昨年より2倍売れた、こういった、税収も非常に欲しい、環境も整えなくてはいけない、そういう中でたばこ税を本当に上げていくというのは非常に難しいと思いますけれども、引き続き吸える場所もふやしながら、区長、知恵を絞っていただきたい、このことをお願い申し上げます。
次に、路上生活者対策についてお伺いをいたします。
路上生活者問題の現状については、区長はよくご存じのことと思っています。景気の悪化等で人数は全国的にふえていると思います。全国では何人ぐらいいるのでしょうか。また、平成21年度の台東区の人数は何人だったのでしょうか。この問題の解決のためには、国においては関係省庁や大都市によるホームレス問題連絡会議が発足いたしました。本区においては、平成12年11月、上野公園に23区最初の自立支援センターが設置され運営をされてきました。そして、新たに平成18年10月から平成19年5月までホームレス地域生活移行支援事業を実施してまいりました。
また、区もそれに対して対応をしてまいりました。その後、平成19年12月の区長会で了承を得て、3月中に都区協定書の改定が行われました。新しいシステムについては、現システムは今まで別々に設置してきた緊急一時保護センターと自立支援センターを統合し、両機能を持たせた新型の自立支援施設に一元化をいたしました。そしてまた、新たに第3ステップとして、借り上げ型の自立支援住宅を設置し、定期的な訪問による就業相談や生活相談の実施など、再び路上生活に戻らないよう、今まで以上にきめ細かい支援を行ってまいりました。
そこで、区長にお伺いいたします。
平成21年度の本区においての状況とその成果についてお伺いいたします。また、あわせて今後の取り組みについてお聞かせください。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 お答えさせていただきます。
本年1月に厚生労働省が実施した、ホームレスの実態に関する全国調査によりますと、全国のホームレスは1万3,124人となっております。また、同時期に東京都が実施した、平成22年冬期路上生活者概数調査によれば、本区のホームレスは331人でございました。いずれも平成21年と比べますと大幅に減少しております。
次に、平成21年度の路上生活者対策事業の状況と成果についてでございます。
緊急一時保護センター入所者数が159名、そのうち65名、約41%の方が就労により自立いたしております。
また、平成21年度より新たにハローワークとの連携を図り、希望される方については住み込み就労の紹介を実施してまいりました。さらに、委員ご指摘の都区連携による新型自立支援センターが今月スタートいたしました。本区といたしましては、この新型自立支援センターを積極的に活用し、路上生活者の自立支援を実施してまいります。
○委員長 清水委員。
◆清水恒一郎 委員 非常に難しい問題だとは私は思っております。確かに私が住んでいるのは日本堤1−14−1、日の出会商店街の裏側に住んでいまして、本当に何十人かの方がまだ夜は寝ています。朝はすぐ起きてそれぞれきれいにしていただけるんですけれども、やはりいろんなにおいとか、そういうものも若干ある。行政でできる範囲はありますけれども、都と区でいろんな形でここまで国が動き、都が動き、台東区が一番そういう環境下にあるということで、区長を先頭にいろんな施策を打っていただいてきましたけれども、まだまだこれで十分ということはありませんので、引き続いて行政の手を差し伸べていただきたい、このように要望をしておきます。
最後の質問は、浅草北部地域の環境整備についてお伺いいたします。
先ほど木村委員より区北部への取り組みの拡大について質問がありました。平成中村座、浅草文化観光センター、隅田公園を中心に浅草から向こうの白鬚橋云々ということで質問がありまして、重複する場面もあるかもしれませんけれども、よろしくお願いします。
本区では、北部地域の環境整備のため、道路の清掃や公園等の清掃、また散水栓の設置、随分やっていただきました。及び街路灯等の設置も行っていただきました。これは明るいまちづくりで北部から中心にやっていただいて、最初設置したときは寝ている人から文句がありました。明るくて眠れない、私のところに文句を言いに来た人がいましたけれども、そのぐらいきれいに見通しのよい、そういう環境づくりができました。
私はこれらの事業で以前より地域環境の改善が図られてきていると思っています。が、しかし、地域周辺の道路、また商店街では多くの路上生活者の方が横になっている姿が見受けられます。特に冬場では、ご存じのとおり、城北労働・福祉センターの周辺では、道路の上でたき火をする姿も見られます。住んでいる人たちから見れば、実感としてまだまだ快適な環境であるとは言いがたい状況であります。区として、今後、浅草北部地域の環境について、今まで進めてきていただきましたけれども、今後どのように進めていかれようとしているのか、ご所見をお伺いいたします。
また、今後の北部地域のまちづくりを考えますと、区が大変な努力をして取得をした旧東京北部小包集中局跡地、これの今後の活用は非常に期待されております。また、隣接する浅草地域等北部地域の総合的な魅力あるまちづくり、また交通網の水辺ラインの東京都の力をかりながら、交通網のそういった整備や水辺ライン等の整備も望まれています。
平成24年、いよいよ春の開業に向けて東京スカイツリーの建設工事も着々と進められています。13日ですか、若干明るかったですけれどもライトアップした。これから完璧にできてくると、すごいんだなと期待をしております。これらを考えるとき、北部の地域整備についても非常に重要な時期に来ていると、私はそのように感じております。
そこで、区長には全力で取り組んでいただきたいと思いますが、あわせてこの件に関して区長のご所見をお伺いいたします。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ご質問にお答えさせていただきます。
浅草北部地域の生活環境の整備についてでございます。
この地域においては、道路や公園の清掃を行うなど、これまでも環境整備を図ってまいりました。財団法人城北労働・福祉センターの周辺環境の向上につきましても、区としての要望を行い、現在、外壁補修や植栽整備などが行われております。
また、北部地域簡易宿所転換助成事業により、近年はビジネスマンや観光客を受け入れる簡易宿所が増加しております。この事業の実績につきましては、平成21年度までの累計が19件となっており、本年6月の福祉プラザ台東清峰会の開設とあわせて、地域環境の変化につながっているものと認識いたしております。
本年8月には、城北旅館組合と連携して、区内簡易宿所の需要調査を実施し、本事業のさらなる推進を図っております。今後とも浅草北部地域の生活環境改善に積極的に努めてまいります。
次に、浅草北部地域の整備についてでございます。
委員ご承知のとおり、本年3月には、北部地域の活性化のみならず、区全体の発展を目指し、旧東京北部小包集中局跡地を取得いたしました。来年度からは、立地条件の分析や民間事業者の意向調査を実施するなど、本格活用に向けた具体的な検討を進めてまいります。
また、東京スカイツリーが北部地域全域で見ることができるようになった今、地元では浅草北部の潜在的な魅力を生かしたまちづくりへの取り組みも始まっております。
私は、北部地域を取り巻く状況、環境の変化を的確にとらえ、この地域の方々との連携を視野に入れながら、今後も、都や関係機関で策定した山谷対策総合事業計画を着実に推進しつつ、浅草北部地域の総合的な環境整備に積極的に取り組んでまいります。
○委員長 清水委員。
◆清水恒一郎 委員 今、区長に、心強い答弁をいただきました。
浅草北部の地域の方、聞いていますね。旅館、宿所のそういった実績が21年度までで19件、そういう事業の転換も図っていただきました。大変な思いで北部のために旧東京北部小包集中局跡地も取得していただきました。スカイツリーも見える、いろんな意味で、私は前の
決算特別委員会でもいろいろ言ったのですけれども、根岸の里という言葉が台東区にあります。私は、日本堤の里と、こういうふうに思うような、そういった、あそこに福祉プラザ台東清峰会もできましたし、いろんな跡地もありますけれども、非常に閑散とした住環境のいいすばらしい地域になると、このようにしていただけるとともに期待をしながら、これからもバッジをつけている間、またつけなくなっても地域の人たちとともに頑張っていきたい、このように思っています。
ありがとうございました。
○委員長 清水恒一郎委員の質問を終わります。
台東区議会公明党、杉山全良委員、質問をどうぞ。
◆杉山全良 委員 理事者の皆さん、私が最後でございますので、これまでご苦労さまでございました。
私の質問は、時間調整も含めた上での質問になりますので、あと8分ちょっとありますけれども、お聞きをいただきたいと思います。
この
決算特別委員会の審議を通じて、さまざまな視点から各議員から質問がありました。私も、21年やってきまして、かなり突っ込んだ質問があったのではないかというふうに感慨深く聞いておりまして、中でも気が弱いものですから、なかなか質問ができなくて、今回最後に質問をさせていただきます。
区を取り巻く状況というのは、皆さんもよくご存じのとおり、国あるいは東京都、23区、それぞれがいろんな形で展開をしておりますので、区としても非常にやりやすい面とやりにくい面がたくさん出てきた。これから、今後、道州制等も含めた上で、この地方公共団体がどういう方向に進んでいくのかということが非常に注目をされてきつつ、それにどういうふうに対応していくのかというのはこれから大事なことになってくるのではないか。
そういった大きな問題から極端に小さな問題に入っていきますけれども、台東区の子どもたちがだんだん少なくなってきているというのは、先ほども出生率のことで言われておりましたけれども、平成20年で1.02、東京都が1.09、全国平均1.37、これを見るとなかなか子どもさんたちがふえていかない。そういった意味では、各区でもこの子育て支援については、かなり力を入れてそれぞれがユニークな施策を展開しているというのが現状だと思います。
この決算の21年度というのは、ちょうど平成12年から続けてきた支援の状況、支援計画というんですか、これが終わる年で、また新たにもう一つ見ると、すこやか親子21計画、これも保健計画を含めた計画が一応21年度で終わるということになっています。さらに、そこから進めて次世代育成支援地域行動計画(後期計画)、これがまた22年度から始まった、こういうことになっておりまして、そういった意味では非常に切りかえの時期であったんですね。
そういった意味からすると、本来はもうちょっと突っ込んだ質問をすればよかったのですけれども、なかなか質問ができなかったということもありまして、この場でお伺いをしたいと思いますけれども、ともかく環境が非常に変わってきたというのは、少子高齢化あるいは核家族なんていうのは当たり前のことで、今ではこれをいかに対応していくかということが問題になってきているわけでありまして、そういった中において、23区で競ってサービスをやっているというのが現状で、これは区長が頑張っていただいて、台東区でも「子育てするなら台東区」という名前で今売り出しをしているところで、台東区も意外といい施策を展開しているんですね。これは、他区に比較すると、こんなにいい面があったのではないかということがたくさんあるんですよ。ただ、区内にいると当たり前のようになってしまって、なかなかそれができないというのが現状だと思うんですね。そういった意味で、初めに区長がこれまで頑張ってこられて、23区と比較すると台東区の状況はどうなのか、これをまずお伺いしたいと思います。
それから、もう一つ、これから平成22年度、23年度と来期に向かっていくわけですけれども、区長も当然3期目を目指すということですから、目指した中で子育て施策についてのこれからの展望について、どういった形で、視点で進めていくのか、この2点を初めにお伺いをしたいと思います。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 杉山委員のご質問にお答えさせていただきます。
私は、「子育てするなら台東区」を標榜し、平成17年3月に、次代の社会を担う子どもたちが健やかに生まれ成長していく環境を整備するための次世代育成支援地域行動計画を策定いたしました。その中で、全国に先駆けた中学3年生までの医療費無料化を初め、準夜間・休日こどもクリニックを実施いたしました。また、保育所、ショートステイ等の保育サービスや認定こども園による就学前教育の充実を図ってまいりました。
さらに、
子ども家庭支援センターの整備やたいとうすくすく手形の発行など、さまざまな施策を進めてまいりました。その結果、国全体の15歳未満の児童人口が減少する中、本区の児童人口はこの5年間で656人増加しており、子育てしやすいまちとして評価されたものと考えております。
次に、今後の子育て支援施策についてでございます。
次世代育成支援地域行動計画の後期計画におきましても、「次代を担う子どもの成長と自立を支援する」「親がゆとりを持って子どもを生み育てることができる環境を整備する」「地域のさまざまな人々が参加し、一体となって子育てを応援する」の3つの視点を掲げております。その視点に立って待機児童ゼロを目指した台東区保育所等整備計画を策定したほか、3園目となる認定こども園の開設などの就学前教育の充実、児童虐待の未然防止への取り組み等、子育てのすばらしさを伝え、子どもや子育て家庭をまち全体で支えていくために、総合的に施策を進めております。今後も「子どもたちの笑顔にあふれ、にぎわいと活力のまち・たいとう」を目指して計画を着実に推進してまいります。
○委員長 杉山全良委員。
◆杉山全良 委員 区長のほうからさまざまな施策あるいは展望を聞いて、台東区民としても、また「子育てするなら台東区」の区長たらんというところを感じ取りました。
それで、区長のほうから今お話がありました、いわゆる公共とか自治体だけの子育てではなくて、社会を巻き込んだ、そういった施策を展開していきたい、それがたいとうすくすく手形ということでご紹介をいただきましたけれども、区長、よくご存じのとおり、これは平成18年の一般質問で提案をさせていただいて、それで区長が率先してやっていただくような形で、商店街の協力というのはなかなかないという状況が非常によくわかっておりますので、そういった中で区長に努力をしていただいて、事業化を進めたということはよく理解をしておりますし、そういった中にあって、産業振興課が特に中心になってやっていただいたということで、非常に喜んでおりますし、今後もぜひお願いをしたいと思っております。
そういった中で、中身の問題で、これはもう区長、よくご存じだと思いますけれども、サービスの内容なんか見ていますよね。あまり細かいことを言いませんけれども、協賛店、273店舗にふえました。いろんな店舗を見ていくと、例えばたいとうすくすく手形を持っていけば、ティッシュペーパーを1箱くれるとか、卵を2個くれるとか、いろんなサービスがあります。介護タクシー3名、区内3キロまで無料とか、あるいはヨガ、陶芸教室、初回レッスン料800円とか、こういったさまざまなユニークな展開がされているんです。
これは、基本的に見るとどうしても他区と比較をしてしまうんですよね。同じような事業を他区でも実施しています。こういった中を見ると、テレビでもこの間やっていましたけれども、この区はこういうものをやっている。例えば同じ手形みたいなことをほかの区でもやっている。どこが違うのかということになってきて、やはり同じことをやっていても、こっちのほうが進んでいるという見方が出てきて、お母さん方も、こんなことをやっているのだったらここに住みたいという話も出てきたわけです。
それで、うちの区の問題になりますけれども、同じことをやっていてもどこが違うのか。これはどの事業でもそうだと思うんですけれども、いわゆる継続して行っている事業を次年度にどういうふうに変えていかに使い勝手のいい内容にしていくかということが問題です。
実際、アンケートをとったそうです。これまでたいとうすくすく手形を1万5,000枚発行しています。アンケートをとって、これを実施する前にとったアンケートだと80.6%の人が使いたい、こういうことだったんですね。実際に発行して、その後のアンケートの結果はどうかというと、62.3%に落ちているんです。これは、期待が大き過ぎてしまって、現実問題としてこんなに格差があったのではないかという見方もありますし、なぜ使わないのかと内容を見たときに、何だと思いますか。やはりニーズに合っていなかったんですね。ほかの区はきちんとニーズに合った内容にしているから、利用率が高い。
そういった意味では、事業を一つ一つやるのは大事、しかも継続していくことは大事だけれども、それをきちっと――言うと、恐らく毎年やっていますよと言うと思うんだけれども、その内容をもうちょっと超えて、ニーズに合った内容に変えていくことが、同じ施策をやっていても全然違うのではないかというふうに思いますので、これはたまたま、たいとうすくすく手形を取り上げましたけれども、ほかの事業も全部一緒だと思うんです。事業計画を立ててやっていますけれども、同じことをただ維持ということだけで進めていただけではだめ。内容をきちっと変えないと、今後はそういったニーズに合った内容になっていかないのではないかというふうに思いますので、そのことを申し上げて、この年度の決算は認定をして終わりたいと思います。ありがとうございました。
○委員長 区長。
◎吉住弘 区長 ベルが鳴っても答弁だけは。
今、たいとうすくすく手形は子育て家庭の経済的応援と区内の商店街店舗の消費拡大を目的といたしております。
そこで、協賛店舗には独自のサービスを設定してご協力をいただいております。区といたしましては、手形利用のPRや店舗数増加に努めているところでございます。今後は、利用率を向上させるため、利用者や協賛店へのアンケートの実施、ホームページの充実などにより、子育て家庭と協賛店舗にとって利用しやすく魅力ある制度となるよう事業を推進してまいりたいと思っています。
○委員長 杉山全良委員の質問を終わります。
以上で総括質問を終了いたします。
――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○委員長 これをもって、本委員会に付託されました一般会計及び各特別会計の歳入歳出決算の審議を終了いたします。
これより採決いたします。
初めに、報告第4号 平成21年度東京都台東区一般会計歳入歳出決算について採決いたします。
本件について、報告どおり認定することに賛成の方の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
○委員長 挙手多数であります。
よって、本件は報告どおり認定することに決定いたしました。
橋詰委員。
◆橋詰高志 委員 少数意見を留保します。
○委員長 本件について、橋詰委員から少数意見の留保がありますが、これに賛成の方は挙手を願います。
(賛成者挙手)
○委員長 所定の賛成者がありますので、少数意見は留保されました。
――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○委員長 次に、報告第5号 平成21年度東京都台東区国民健康保険事業会計歳入歳出決算について採決いたします。
本件について、報告どおり認定することに賛成の方の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
○委員長 挙手多数であります。
よって、本件は報告どおり認定することに決定いたしました。
橋詰委員。
◆橋詰高志 委員 少数意見留保をお願いします。
○委員長 本件について、橋詰委員から少数意見の留保がありますが、これに賛成の方の挙手を願います。
(賛成者挙手)
○委員長 所定の賛成者がありますので、少数意見は留保されました。
――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○委員長 次に、報告第6号 平成21年度東京都台東区後期高齢者医療会計歳入歳出決算について採決いたします。
本件について、報告どおり決定することに賛成の方の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
○委員長 挙手多数であります。
よって、本件は報告どおり認定することに決定いたしました。
橋詰委員。
◆橋詰高志 委員 少数意見を留保します。
○委員長 本件について、橋詰委員から少数意見の留保がありますが、これに賛成の方の挙手を願います。
(賛成者挙手)
○委員長 所定の賛成者がありますので、少数意見は留保されました。
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○委員長 次に、報告第7号 平成21年度東京都台東区老人保険医療会計歳入歳出決算について採決いたします。
本件については、報告どおり認定することにいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長 ご異議ありませんので、報告どおり認定することに決定いたしました。
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○委員長 次に、報告第8号 平成21年度東京都台東区介護保険会計歳入歳出決算について採決いたします。
本件について、報告どおり認定することに賛成の方の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
○委員長 挙手多数であります。
よって、本件は報告どおり認定することに決定いたしました。
橋詰委員。
◆橋詰高志 委員 少数意見留保。
○委員長 本件について、橋詰委員から少数意見の留保がありますが、これに賛成の方の挙手を願います。
(賛成者挙手)
○委員長 所定の賛成者がありますので、少数意見は留保されました。
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○委員長 次に、報告第9号 平成21年度東京都台東区老人保健施設会計歳入歳出決算について採決いたします。
本件については、報告どおり認定することにいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長 ご異議ありませんので、報告どおり認定することに決定いたしました。
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○委員長 次に、報告第10号 平成21年度東京都台東区病院施設会計歳入歳出決算について採決いたします。
本件については、報告どおり認定することにいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長 ご異議ありませんので、報告どおり認定することに決定いたしました。
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○委員長 次に、報告第11号 平成21年度東京都台東区用地会計歳入歳出決算について採決いたします。
本件については、報告どおり認定することにいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長 ご異議ありませんので、報告どおり認定することに決定いたしました。
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○委員長 それでは、事務局次長に委員会審査報告書を朗読させます。
(木村議会事務局次長朗読)
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○委員長 本日の予定は以上で終了いたしました。
次回の委員会は、10月21日木曜日午前11時30分から、委員長報告の文案についてご確認願いたいと思います。
文案の作成につきましては、正副委員長にご一任いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長 ご異議ありませんので、そのように進めさせていただきます。
なお、文案についてご意見等がございましたら、あらかじめ正副委員長までお寄せください。
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○委員長 これをもちまして、
決算特別委員会を閉会いたします。
午後 5時41分閉会...