新宿区議会 > 2010-09-17 >
09月17日-11号

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  1. 新宿区議会 2010-09-17
    09月17日-11号


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    平成22年  9月 定例会(第3回)     平成22年第3回定例会会議録(第2日)第11号平成22年9月17日(金曜日)出席議員(37名)   1番   有馬としろう     2番   中村しんいち   3番   野もとあきとし    4番   吉住はるお   5番   平間しのぶ      6番   おのけん一郎   7番   川村のりあき     8番   あざみ民栄   9番   鈴木ゆきえ     10番   赤羽つや子  11番   ひやま真一     12番   佐原たけし  14番   おぐら利彦     15番   のづたけし  16番   なす雅之      17番   すえき 亮  18番   志田雄一郎     19番   阿部早苗  20番   近藤なつ子     21番   小松政子  22番   くまがい澄子    23番   深沢としさだ  24番   下村治生      25番   宮坂俊文  26番   桑原公平      27番   根本二郎  28番   えのき秀隆     29番   小野きみ子  30番   久保合介      31番   沢田あゆみ  32番   雨宮武彦      33番   小畑通夫  34番   とよしま正雄    35番   かわの達男  36番   山田敏行      37番   田中のりひで  38番   松ヶ谷まさお---------------------------------------欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者の職氏名  区長      中山弘子    副区長     永木秀人                  総合政策部長                  (新宿自治  区長室長    寺田好孝            猿橋敏雄                  創造研究所                  担当部長)  総務部長    野口則行    地域文化部長  酒井敏男  福祉部長            子ども家庭  (社会福祉   小栁俊彦            伊藤陽子  協議会担当部長)        部長                  みどり土木  健康部長    八十恒人            野崎清次                  部長  環境清掃部長  伊藤憲夫    都市計画部長  鹿島一雄                  企画政策課長                  (新宿自治  会計管理者   河原眞二            針谷弘志                  創造研究所                  担当課長)  財政課長    木城正雄    総務課長    木全和人  教育委員会           教育委員会          石崎洋子            蒔田正夫  教育長             事務局次長  選挙管理  委員会     今野 隆    常勤監査委員  布施一郎  事務局長  監査事務局長  濱田幸二---------------------------------------職務のため出席した議会事務局職員  局長      名取伸明    次長      米山 亨  議事係長    武藤 弘    議事主査    佐藤勇治  議事主査    岸川 裕    議事主査    井口浩子  議事係主査   濵野智子    書記      落合幸子  書記      岡嵜俊也---------------------------------------  速記士     坂本佳世---------------------------------------9月17日   議事日程 日程第1 代表質問 日程第2 一般質問 日程第3 第73号議案 平成22年度新宿区一般会計補正予算(第4号)---+                           [委員会審査報告]--+ 日程第4 同意第1号 新宿区教育委員会委員任命の同意について 日程第5 諮問第1号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について 日程第6 諮問第2号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について 日程第7 諮問第3号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について 日程第8 認定第1号 平成21年度新宿区一般会計歳入歳出決算 日程第9 認定第2号 平成21年度新宿区国民健康保険特別会計歳入歳出決算 日程第10 認定第3号 平成21年度新宿区介護保険特別会計歳入歳出決算 日程第11 認定第4号 平成21年度新宿区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算 日程第12 認定第5号 平成21年度新宿区老人保健特別会計歳入歳出決算 日程第13 第78号議案 災害に際し応急措置の業務等に従事した者の損害補償に関する条例の一部を改正する条例 日程第14 第79号議案 新宿区自治基本条例 日程第15 第80号議案 新宿区選挙管理委員会の委員等の報酬及び費用弁償に関する条例 日程第16 第81号議案 新宿区立新宿文化センター条例の一部を改正する条例 日程第17 第82号議案 新宿区子育て支援施設の設置及び管理に関する条例 日程第18 第83号議案 新宿区学童クラブ条例の一部を改正する条例 日程第19 第84号議案 新宿区立公衆便所設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例 日程第20 第74号議案 平成22年度新宿区一般会計補正予算(第5号) 日程第21 第75号議案 平成22年度新宿区介護保険特別会計補正予算(第2号) 日程第22 第76号議案 平成22年度新宿区後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号) 日程第23 第77号議案 平成22年度新宿区老人保健特別会計補正予算(第1号) 日程第24 議員提出議案第22号 新宿区居住環境改善資金助成条例--------------------------------------- △開議 午後2時00分 ○議長(深沢としさだ) ただいまから、本日の会議を開きます。 会議録署名議員は、  15番 のづたけし議員  36番 山田敏行議員 を指名します。--------------------------------------- ○議長(深沢としさだ) 本日の会議時間は、議事進行の都合により、あらかじめ延長します。--------------------------------------- ○議長(深沢としさだ) 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。 ◎議会事務局次長(米山亨) 監査委員から、 1、定期監査(前期)の結果について 2、平成22年度行政監査の結果について---------------------------------------                           22新監査第428号                           平成22年9月14日 新宿区議会議長  深沢としさだ様                        新宿区監査委員  繁田勝男                           同     布施一郎                           同     山岸美佐子                           同     くまがい澄子          定期監査(前期)の結果について 地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第9項の規定により、平成22年度定期監査(前期)の結果に関する報告を決定したので、次のとおり提出する。     〔以下は省略〕---------------------------------------                           22新監査第440号                           平成22年9月14日 新宿区議会議長  深沢としさだ様                        新宿区監査委員  繁田勝男                           同     布施一郎                           同     山岸美佐子                           同     くまがい澄子          平成22年度行政監査の結果について 地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第9項の規定により、平成22年度行政監査の結果に関する報告を決定したので、次のとおり提出する。 なお、山岸美佐子監査委員は、「法律相談及び交通事故相談」に係る事項については関与していない。     〔以下は省略〕--------------------------------------- ○議長(深沢としさだ) 請願及び陳情の付託について申し上げます。 受理した請願及び陳情は、お手元に配付しました請願、陳情付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託しましたので報告します。     〔巻末諸報告の部参照〕--------------------------------------- ○議長(深沢としさだ) これから本日の日程に入ります。 日程第1、代表質問を行います。 質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、24番下村治生議員。     〔24番 下村治生議員登壇、拍手〕 ◆24番(下村治生) 自民党区議団の下村治生です。 会派を代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。どうぞ誠意ある御答弁をお願いいたします。 ことしの夏は猛暑とともに幕をあけました。既に7月の猛暑がその前兆でした。その後9月8日までに、日中35度を超える猛暑日は都内で13日となり、25度以上の熱帯夜も55日を数え、まさに記録的な猛暑となっています。 熱中症のために救急で運ばれた方は、都内で、7月が1,676人、8月が2,164人で、それぞれ前年の5倍から8倍となっています。この暑さと過労のために救急隊員の熱中症対策も検討されたと聞いています。 この猛暑の中、国民をびっくりさせたのが、7月末の足立区の111歳の高齢者が、自宅で家族と同居していたにもかかわらず、30年以上前に亡くなっており白骨化した遺体で見つかったこと、そして家族が亡くなった方の年金を受給していたことです。毎年、民生委員や区の職員が確認しに訪れていたようですが、家族から存命で留守だと言われ、本人との確認ができなかったようです。その後、不明100歳以上の高齢者が次々と見つかったのは周知のとおりです。新宿区では、適正な執行のもと、このような事例はなかったと伺っており、胸を張って区民に報告をしております。 この問題は3つのことを国民に印象づけました。 1つは日本の家族の崩壊です。家族といえども、二、三十年も前に家を出て失踪状態のままというケースが多く見られます。 2つ目は、個人情報保護の名のもとに、個人確認を最後まで行えない現在のシステムです。 そして3つ目は、縦割り行政の不備です。各部門の連携がとれていれば、この問題はこれほど大きくならなかったのではと考えられます。 さて、民主党代表選挙が終了し、菅氏の再選が決定しました。鳩山前首相は、昨年の所信表明でいのちというキーワードを掲げ登場しましたが、普天間基地の問題で沖縄県民に不信感を植え、日本の外交上重要な日米同盟関係の信頼を損ないました。菅首相は、参議院選挙序盤で消費税問題を正面から取り上げながら、終盤では議論を後退させました。そして、何より両政権とも発足時から、総合的経済政策、いわゆるマクロ経済政策の欠如が指摘されています。新成長戦略を策定したものの、円高対策や日本の成長戦略、デフレ対策を具体的に示すことなく、代表選でも菅首相は、雇用、雇用と言い続けてきました。そして今、政治の根幹を揺るがしているものは1つには政治と金の問題です。この問題で辞任した方がわずか3カ月で代表選に立候補しました。 2つ目はマニフェスト選挙に対する国民の信頼です。 昨年の夏の総選挙で民主党は、財源問題を指摘されていたにもかかわらず、捻出できるの一点張りで数々の個別施策を打ち出しました。しかし、政権内でも財源問題で既に見直しを表明しています。説明責任を果たせばマニフェストは変更してもよいなどとマスコミも同調しています。これでは、どんなことをマニフェストに書いてもよい、後で説明し、修正すればよいというふうに聞こえます。まさにマニフェスト選挙の根幹を覆すような事態に、これからの諸政策の実行、政治への国民の信頼がどうなるのか憂慮にたえません。 それでは、質問に入らせていただきます。 初めに、区長マニフェストの子育てと高齢者支援について質問いたします。 区長は、平成18年の区長選挙でのマニフェストで、5つの視点と12の基本政策、そして50の施策を提示されています。ここでは、その中の、子ども・高齢者・障害者いきいきコミュニティタウン新宿の視点について、特に子育てと高齢者支援に関して質問いたします。 この視点では2つの基本政策が提示されています。 その1つ目の基本政策は、子育てしやすいまち、子育てコミュニティタウン新宿を目指して、子育て・教育政策を総合的に推進しますであります。そして、この基本政策には9つの施策が掲げられています。その施策は、保育園入園待機児の解消であり、幼稚園と保育園の連携一元化であり、学童クラブの充実であり、子育てと仕事の両立しやすい職場等々であります。 また、2つ目の基本政策は「高齢者・障害者・誰もがいきいきと暮らせる「いきいきコミュニティタウン新宿」を目指して、高齢者・障害者施策などを推進します。」であります。そして、8つの施策が掲げられています。その施策は、区民の健康づくりであり、介護予防であり、シニア層の地域社会参加支援であり、高齢者の困り事相談の開始等々であります。 これらの施策の実現には、平成19年度から積極的に予算化されて、その実現に取り組まれてきております。平成19年度からの当初予算の新規事業だけを見ましても、子育て支援では平成19年度6事業、平成20年度4事業、平成21年度5事業、平成22年度10事業が予算化されています。また、高齢者支援では、平成19年度10事業、平成20年度3事業、平成21年度6事業、平成22年度1事業が予算化されています。 これら新規事業以外でも拡大充実した事業も数多く予算化されておりますし、これらの予算化された事業以外にもいろいろな取り組みが当然なされてきていることと思います。確かに、事業の実績等の数値を見ましても、その実績はあらわれています。 子育て支援では、私立保育園、家庭福祉員、保育室、認証保育所等で利用者が大きくふえておりますし、子ども医療費助成についても平成19年度から、それまでの就学前の児童が対象であった助成対象を中学生まで拡大したことから、助成件数も大きく増加しています。ただ、保育の実施人員の推移を各年度の4月現在で見てみますと、要保育児数に対する保育園での受け入れ数は、平成18年度では要保育児数3,176人に対し受け入れ数が3,144人、入所率99%、待機児は32人であったのが年々ふえて、平成22年度では要保育児数3,487人に対して受け入れ数が3,404人で、入所率97.6%、待機児が83人となっております。 これは、受け入れ数が260人ふえているにもかかわらず、要保育児数がそれを上回る311人ふえて、その結果、平成18年度より待機児が51人ふえて83人となったものであります。これは、乳幼児の絶対数の増加に加えて、経済状況や社会状況の変化で保育需要が急速にふえた結果であり、この事情からすると、この51人だけの増加にとどめられたことはむしろ評価に値することかとも思います。 一方、高齢者支援の状況は、特別養護老人ホームの受け入れ数や認知症グループホームの実績、配食サービス、ふれあい訪問、情報紙の訪問配布等の多くの事業でその実績の充実ぶりが見られます。ただ、高齢者クラブの活動が若干縮小ぎみなのが気になるところではあります。 いずれにいたしましても、これらの取り組みや実績から見ると、区長がマニフェストに掲げられた施策は着実に実績を上げてきており、高く評価できる結果だと思われます。 そこで、質問いたします。 質問の第1は、区長は、この子育て及び高齢者支援に関して、この4年間での実績をどのように考えておられるのでしょうか。また、これらの中において特に効果的であったと思われる事業はどのような事業であったのか、具体的な事業を上げ、その理由等を御説明ください。 質問の第2は、さきにも申し上げましたが、子育て支援では待機児童が、100人までには至っていませんが、生じております。これについてはマニフェストでは、待機児童の解消と明示されています。これからしても、今後もこの解消に向けて取り組むべきと思いますが、そのお考えをお聞きします。 質問の第3は、区長は3期目に向けて出馬の意向を表明されています。その3期目については、この子育て及び高齢者支援についてはどのように取り組むおつもりか、そのお考えをお聞きします。 ◎区長(中山弘子) 下村議員の御質問にお答えします。 区長マニフェストの子育てと高齢者支援についてのお尋ねです。 初めに、子育て及び高齢者支援に関して、この4年間の実績の評価と特に効果的であったと思われる事業についてのお尋ねです。 まず、子育て支援についてです。 私は、区政の最重要課題の一つとして待機児童の解消を挙げ、マニフェストの1番目に位置づけました。そして、計画事業と緊急対策の両面から待機児童解消対策を進めてきました。計画事業としては、私立保育園の建設等による認可保育園の定員拡大や認証保育所の増設、子ども園の開設を、緊急対策としては、認可保育園定員弾力的受け入れ信濃町保育園分園の設置や区立保育ルーム2園の設置を行いました。 この結果、東京都がプレス発表している「保育所の状況等について」で、就学前児童に対する保育サービス定員の割合が、平成22年は23区平均が約32%のところ、新宿区は約41%とトップクラスになっています。また、平成18年4月より、国に先んじて児童手当の上乗せ支援として中学生を対象とした新宿区独自の児童手当の実施や、平成19年10月から、子ども医療費助成の対象年齢を義務教育終了の15歳までに拡大するなど、経済的支援策の拡充を図り、子育て世代の経済的負担感の緩和を図りました。 子どもの居場所づくりでは、4カ所の学校内学童クラブの新規開設や既存学童クラブの拡充を行うなど、平成19年度から平成22年度までに260人の定員拡大を図りました。また、平成19年6月から学校施設を活用した放課後子どもひろば事業を開始し、現在24カ所で実施しており、平成23年度には全小学校で実施していきます。 子ども家庭支援センターについては、平成21年度に1カ所から3カ所にふやし、より身近な場所で児童虐待への対応や子育ての悩みなどを相談できる体制としました。 平成20年に実施した次世代育成支援に関する調査では、新宿区を子育てしやすいまちと思う方の割合が5年前の調査と比べ大きく増加し、前期計画の目標値を上回りました。私は、このことを今までの取り組みに対する区民からの評価と受けとめ、大変うれしく思っています。 次に、高齢者支援についてです。 高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、この4年間、介護予防事業の拡充や認知症高齢者の支援対策、孤独死防止対策に取り組んできました。介護予防事業については、平成19年度の88教室、1,168人を対象とした事業から、平成22年度には、121教室、1,436人を対象とした事業に拡充し、高齢者が地域で自立した生活を送るための支援を行っています。 また、認知症高齢者の支援対策としては、認知症になっても安心して暮らせるまちを目指し、平成20年度から認知症サポーター養成講座を実施しており、平成21年度末には2,194人の認知症サポーターが誕生しました。さらに、平成21年度からは、認知症高齢者御本人と介護者の両者を支援するために認知症介護者リフレッシュ等支援事業を開始し、平成22年8月末で467人の認知症高齢者が登録をしております。 孤独死防止対策では、平成19年6月から情報紙訪問配布事業を開始しました。約4,600世帯に対し、月2回、情報紙ぬくもりだよりを配布して安否確認を行っています。平成21年12月末時点で配布員の方からの通報は532件に上り、孤独死の防止に一定の役割を果たしてきたものと考えます。 また、自宅での生活が困難になった高齢者を支援するために、平成20年6月に百人町四丁目に特別養護老人ホームけやき園を、本年5月には東戸山中学校跡地に、小規模特別養護老人ホーム認知症グループホーム、小規模多機能型居宅介護を併設する複合施設を民設民営で整備しました。さらに、来年の2月には牛込消防署跡地特別養護老人ホーム認知症グループホームが開設される予定です。その結果、この4年間で、区内の特別養護老人ホームの定員は270人から480人へ、認知症グループホームの定員は75人から114人へと大幅にふやすことができました。 この中で特に効果的な事業としては、孤独死防止対策として実施した情報紙ぬくもりだよりの訪問配布事業が上げられます。この事業は、開始から4年目を迎え、地域の民生委員や高齢者総合相談センター等と連携しながら、ひとり暮らし高齢者の安全安心を見守るネットワークとして確実に定着しています。また、本年4月から、区内9カ所にある高齢者総合相談センターの職員を倍増し、認知症担当や医療連携担当を置いたほか、地域ネットワークの構築を業務のかなめに位置づけました。このように、高齢者支援についても区長マニフェストで目指した成果は確実に達成され、また今後の高齢者支援策を展開するに当たっての体制づくりも一段と進めることができたと考えております。 次に、今後も待機児童の解消に向けて取り組むべきとのお尋ねです。 区では、これまでも認可保育園の定員拡大と認証保育所の増設による受け入れ枠拡大を中心に対策を推進してきました。平成15年度から平成19年度までには502人の受け入れ枠拡大を行いました。また、平成20年度から平成22年度末までには、今年度開設予定の認証保育所の総定員約180人を加え、約600人の受け入れ枠拡大を予定しています。 しかし、御指摘のとおり待機児童は毎年増加傾向にあり、さらなる対策が必要と考えています。今後、平成23年度にかけて、四谷保育園の改修による70人増、東五軒町保育園分園舎の建設による83人増、エイビイシイ保育園分園舎建設による20人増、(仮称)大京町保育園の建設による80人増等の定員拡大を行います。さらに、平成24年度には(仮称)国立国際医療研究センター内保育園、平成25年度には(仮称)高田馬場四丁目保育園の開設の準備を進めております。新宿区全体の待機児童解消対策については、地域ごとの待機児童の発生状況、保育園の設置状況を踏まえ、今後とも積極的に取り組んでまいります。 次に、3期目における子育て及び高齢者支援の取り組みについてのお尋ねです。 初めに、子育て支援についてですが、子どもは新宿区の未来を支える大切な宝です。子どもの育ち、子育てを社会全体で支え、子どもを安心して産み育てられる環境づくりを引き続き区政の主要課題にしたいと思います。そのためには、待機児童の解消を初めとして児童虐待への対応、子どもの居場所づくりなどに引き続き取り組んでまいります。また、さまざまな子育て支援関連団体との協働を進めたり、子育て支援に興味のある人たちが気軽に子育て活動に参加できるきっかけづくりを行うなど、多様な社会資源を活用し、互いに支え合える地域づくりを進め、子育てしやすいまちの実現を目指してまいります。 次に、高齢者支援についてです。 2015年には、いわゆる団塊の世代がすべて65歳以上となる本格的な高齢社会を迎えます。高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けるためには、介護サービスと医療との連携の強化、見守りや配食などの多様な生活支援サービスが、継続的、包括的に提供される地域包括ケア体制の確立が必須です。さらに、地域での支え合いの仕組みづくりにおいては、高齢者自身にも支え手になってもらうことが大切と考えています。 今後も引き続き、子どもから高齢者まで、すべての人がさまざまな生活場面の中でふれあいや交流を深め、安心して暮らせるまちづくりを進めていきたいと考えております。 ◆24番(下村治生) 第2の質問は観光振興とまちづくりについてです。 私は平成20年第4回定例会でも同様の質問をさせていただきました。前回とほぼ同様な調査が本年2月に東京都で行われ、平成21年東京都観光客数等実態調査として発表されました。 調査によれば、平成21年の訪問外国人数は約476万人で、10.8%の減少となっており、景気低迷、円高傾向の継続、新型インフルエンザ等、外的要因を受け、調査開始以来、初の減少となりました。その中で、外国人旅行者の行動特性調査も行われました。調査によると、最も満足したまちは前回とほぼ同じで、新宿区は断然トップの18.6%です。第2位の銀座の7.6%、第3位の浅草と渋谷区の7%を大きく引き離しています。旅行の目的は、買い物で45%、散策が42%、さらに飲食と風景が34%となっています。前回より飲食の比率が高くなっています。また、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアの欧米系は散策が第1位、一方、アジア系は買い物が一番となっています。 情報の入手先では、インターネットが54%で、前回第1位のガイドブックに並びました。さらに、第3位は変わらず知人で31%となっています。移動手段としては、地下鉄が最も多く63%、電車が57%です。これら公共交通機関への傾向はより強くなりました。周辺で訪れた場所では、公園が54%で最も多く、次いで飲食店47%、さらに百貨店が40%となっており、順位は変わりません。これらの数字は、さきの欧米系とアジア系に分けられ、それぞれの観光に対するニーズが異なっていることがわかります。すなわち、欧米系は、個人、少人数で、アジア系は団体でという図式が当てはまります。 さて、このところ日本経済の低迷が続いていますが、そうした中、明るい話題は、ことしに入っての中国人など、アジア系観光客の急増です。特に、中国人観光客は、7月の今回のビザ緩和で年収6万元以上のいわゆる中間層に広がり、発給対象が1,600万人、これまでの富裕層のみから約10倍にその対象がふえたと見られています。また、空のアクセスも追い風です。この10月からは、羽田の国際線発着枠、上海行きなどが増便されます。9月11日の日経新聞夕刊によれば、この2カ月間で中国人観光客は、前年同月比1.8倍、10万6,000人となることがわかりました。現在の円高状況を考えれば、まさに中国人観光客の伸びは予想どおりと言えます。 日経グローカル紙の8月号に、中国人観光客への各自治体の取り組み記事が掲載されています。この記事によると、中国人600人へのインターネットによるアンケート調査を実施し、その傾向を分析する一方、日本の各自治体の観光客誘致策を調査しています。まず、中国人観光客の傾向ですが、訪ねたいところの第1位は北海道で断然トップの70%です。第2位は東京で48%、第3位は富士山で42%、東京ディズニーランドは20%となっています。一方、各自治体は45都道府県で中国人に対する集客作戦を実施しています。30道府県が中国人観光客に絞った取り組みがあります。長野県、鳥取県は中国人に絞り込んだ施策を広域で取り組んでいます。青森県、埼玉県など11都県では、外国人観光客全体の取り組みの中で実施しています。具体的内容としては、知事みずからが中国へ出向き観光案内などを行ういわゆるトップセールス、静岡県ではドラマのロケ地として誘致、その他ホームページの多言語化、中国でのキャンペーン実施、医療観光ツアーの企画、中国人タレントによる観光大使の発令など、それぞれ工夫を凝らした施策を展開しています。 一方、中国人の各自治体や関連業者への要望の主なものを上げると、以下のような項目が上がっています。1、観光案内板の中国語表示、2、中国語を話せる案内人の配置、3、銀聯カード取扱店の拡大、4、列車やバスでの中国語音声案内、5、ホームページやパンフレットの中国語化とその充実などです。 そこで、区長に質問いたします。 質問の第1は、第一次実行計画における計画事業、新宿の魅力の発信の具体化に当たって工夫されてきている点についてです。 先ほども申し上げましたが、私は平成20年第4回定例会で観光振興に関して幾つか質問をいたしましたが、その際、区長からは、来街者がより利用しやすい視点からのモデルコースの設定や観光マップへの所要時間の記載、地域のエキスパートにまちを案内してもらうシステムづくり、ターミナル駅である新宿駅の特性を活かした鉄道事業者との連携等について御答弁いただきました。この間の観光施策の取り組み状況については、平成22年度の新宿区内部評価報告書から、事業の指標や主な取り組み内容として示されている観光マップの利用者数、新宿まち歩きガイド運営協議会の運営、ホテルや鉄道駅との協力による歩きたくなるまち新宿観光案内所の設置等から確認できる部分はありますけれども、具体化に当たって工夫されてきた点についてまずお聞かせください。 質問の第2は新宿シティプロモーション推進協議会についてです。 第一次実行計画では(仮称)新宿文化観光ビューローの設置について計画事業としており、平成22年3月には(仮称)新宿文化観光ビューロー設立準備委員会報告書が取りまとめられました。そこでは、(仮称)新宿文化観光ビューローの設置については、今後、新宿シティプロモーション推進協議会として立ち上げていくことが考え方としてまとめられており、9月9日には新宿シティプロモーション推進協議会が正式に立ち上がったと聞いています。新宿のまちの魅力をつくり出し、それを国内外に発信し、人、物、情報が活発に行き交う、にぎわいと活力に満ちあふれたまちとして持続的に新宿のまちが発展していくためにも、このシティプロモーション推進協議会には大いに期待したいと思います。 そこで、お尋ねします。 このシティプロモーション推進協議会は何をねらいとして今後具体的にどのような活動を行っていくのでしょうか。 質問の第3は、外国人観光客を誘致する優しいおもてなしの心による取り組みについてです。昨年7月には、区内の各ホテル等の協力も得て、歩きたくなるまち新宿観光案内所がスタートし、外国から新宿のまちを訪れるお客様に観光情報の発信を行っていると伺っています。また、実行計画では、現在36カ所の観光案内所をさらに50カ所まで拡大していくことにもなっています。定期的に観光案内所との連絡協議会も開催し、意見交換も行ってきているようですが、初めての観光は団体で、そして2度目に訪れるときには具体的な目的を持って個人でという観光の一般的な傾向を考えれば、こうした観光案内所やまちと一体となって個人リピーターへの優しいおもてなしの心をどう演出するかが大切です。さきの中国人の観光施策への要望にもあったように、例えば言葉の壁を少しでも取り除くことや多言語案内板の設置、多言語による表示や放送による案内、メニューの多言語化を進めること、外国人観光客を誘致する優しいおもてなしの心による取り組みをさらに進めることが大切であると考えますが、いかがでしょうか。 ◎区長(中山弘子) まず、第一次実行計画における計画事業、新宿の魅力の発信の具体化に当たって工夫してきた点に関するお尋ねについてです。 私は、新宿の持つ多様な魅力を発信し、国の内外の多くの人々に新宿のまちを訪れていただくためには、利用者の視点から情報提供を行うとともに、ホテル、鉄道事業者、NPO団体等、観光にかかわる多くの主体と力を合わせて新宿の魅力を発信するための工夫を重ねていくことが大切だと考えています。 そのため、平成20年度に作成した観光イラストマップでは、区内10カ所のモデルコースの所要時間を記載するとともに、平成21年度からは、新宿駅周辺、四谷、牛込など、区内を5つのエリアで紹介する観光マップについて、日本語、英語、ハングル、中国語の4言語化を進めてきています。また、地域のエキスパートにまちを案内してもらう仕組みとして、NPO法人粋なまちづくり倶楽部や江戸東京ガイドの会などの協力を得て、新宿まち歩きガイド運営協議会を立ち上げ、多くのお客様に新宿の魅力を紹介していただくとともに、ガイドボランティアの育成や新たなガイドコースの開発も進めてきているところです。 さらには、鉄道事業者との連携を進め、西武鉄道沿線の観光スポットを紹介する情報誌探索さんぽの作成に協力し、各駅に情報誌を置いていただいたほか、JRや東京メトロの駅を起点とした駅からハイキングの実施等、さまざまな連携事業にも取り組んできています。今後もこうした工夫を重ねて、新宿の魅力を発信してまいります。 次に、新宿シティプロモーション推進協議会に関するお尋ねについてです。 新宿シティプロモーション推進協議会は、新宿のまちの持つ文化や歴史、観光等、多彩な地域資源を掘り起こし、積極的に情報発信を行うとともに、新宿のまちの新たな魅力を創造し、多くの人をこのまちに引きつけ、「ひと、まち、文化の交流が創るふれあいのあるまち」を実現することを目的として、新宿区観光協会、新都心新宿PR委員会、新宿未来創造財団、新宿区の四者で設立した協議会です。 こうした設立の目的を実現するため、協議会では、新宿のまちを劇場に見立てた街角や空間のプロデュース、ロケ地のコーディネートに重点を置いたロケーションバンクの実施など、11項目の活動を行うことを会則に掲げております。その第一弾として、協議会の設立にあわせて、地域ポータルサイトである新宿ノート内に文化や観光に関する情報発信サイトしんじゅくナビを立ち上げ、さまざまな新宿の魅力の情報発信を始めたところです。構成団体である新宿区観光協会、新都心新宿PR委員会、新宿未来創造財団とも十分に連携を図り、にぎわいと活力にあふれたまち新宿の実現に向けて、順次事業を拡大してまいります。 次に、外国人観光客を誘致する優しいおもてなしの心による取り組みをさらに進めるべきとのお尋ねについてです。 外国人観光客に対しては、区内18カ所のホテルの協力を得て、各ホテルに歩きたくなるまち新宿観光案内所として案内業務を行っていただくとともに、区として作成した4言語の観光マップを配布していただき、平成21年度には3万4,000人の方々に、英語、中国語、ハングルの観光マップを御利用いただいたところです。また、こうした区による観光情報の発信のほか、新宿のまち全体では、新宿区観光協会や歌舞伎町タウンマネージメントのホームページ等を通して、多言語によるイベント情報やグルメ情報等の発信も行ってきています。 御指摘のとおり、多くの外国人観光客にリピーターとして繰り返し新宿のまちを訪れていただくためには、優しいおもてなしの心によるまちぐるみの取り組みをさらに進めていくことが大切であると考えます。 そのため、これまで観光案内所へのヒアリングを通して得られた食事や文化観光資源、百貨店等、外国人観光客のニーズの高い情報については、観光マップの改訂や、区や新宿未来創造財団等のホームページに順次反映していくとともに、多言語による表示や案内板の設置、メニューの多言語化等については、新宿シティプロモーション推進協議会の枠組みを通して、協議会を構成する各団体や新宿区商店会連合会、東京商工会議所新宿支部等に投げかけてまいります。 ◆24番(下村治生) 第3に、災害時要援護者・障害者と災害について質問いたします。 これまで防災対策では、効果・効率の観点から大きなくくりでの都民、区民が対象であり、要援護者という分類の高齢者や障害者はその対策からは分けられてきました。なぜなら、高齢者、障害者は、個別性が強く、画一的な一律の対応が難しいからです。平成7年の阪神・淡路大震災での避難所や仮設住宅での要援護者の生活や経験でいろいろな課題が浮かび上がってきました。さらに、平成16年10月に発生した新潟県中越地震やその後の台風被害への対応を踏まえて、災害時の要援護者対策のより具体的な対応が必要になってきました。 国は、平成16年度に集中豪雨における情報伝達及び高齢者等の避難支援に関する検討会、続けて平成17年度には防災基本計画を改定するとともに、災害時要援護者の避難対策に関する検討会を立ち上げ、これらの対策に乗り出しました。災害事例を踏まえ、平成17年度に取りまとめた災害時要援護者の避難支援ガイドラインを平成18年3月に改定し、高齢者、障害者の災害時の避難支援のポイントが発表されました。ポイントの内容は以下のとおりです。 第1に情報伝達体制の整備です。具体的には、インターネット、伝言ダイヤル、携帯メールなど多様な通信手段の確保です。第2に、災害時の要援護者情報をいかに収集、共有化するかです。関係機関共有方式の積極的な活用を推奨しています。区や消防など防災機関、自主防災組織や民生委員など民間との情報共有を求めています。第3に避難支援計画の具体化です。ここでは、人と人とのつながりを深めるなど、計画を通じた地域の防災まちづくりの重要性を指摘しています。第4に避難所における支援です。避難所の要支援者窓口の設置や福祉避難所の設置、活用の推進を求めています。第5に関係機関の連携や福祉サービスの継続性が求められています。この間、特に問題となったのは個人情報の共有と情報保護についてですが、いろいろと試行錯誤を続けながら進展してきたところです。 要援護者情報の共有には次の3つの方式があります。第1は関係行政機関の情報共有による方式、第2は、手挙げ方式で、要援護者名簿への登録を希望した方の情報を収集する方式、第3は関係行政機関が要援護者本人に働きかけ必要な情報を収集する同意方式の3つです。ガイドラインの改定前は3つの方式を組み合わせてきましたが、改定後はより個人情報の積極的な活用が求められています。平成17年4月の個人情報保護法の施行以来、個人情報の保護に関する誤解のために以下のような課題が見えてきました。 第1に本人同意の絶対性、第2にトラブルを避けるため情報提供への消極的な対応などです。本来、個人情報保護には有効で適切な利用も含まれており、利用禁止法ではなく、保護による利益と利用による利益のバランスをいかにとるかという問題です。 今回の質問では、要援護者のうち特に障害者に絞って、以下、議論したいと思います。 障害者団体自身による災害への取り組みも、一歩一歩ではありますが、着実に進んでいます。本年の3月、新宿区の戸山サンライズでは「障害者と災害」と題してシンポジウムなどが行われました。これは、平成15年より障害者放送協議会が中心となって進めてきたもので、障害者への情報伝達に関する要望やシンポジウムがその始まりで、計6回を数えています。これらの中で、障害者はみずから防災マニュアルを作成しながら、自分たちの災害時での自助、共助、公助の可能性やあり方を考えています。 作成された防災マニュアルでは、1、視覚障害、2、聴覚障害、3、肢体不自由、4、内部障害・難病、5、知的障害・発達障害、6、精神障害といった主な障害別に、災害時に困ること、本人の備え、周囲の備え、発災後の対応、避難行動、避難生活などが述べられています。さらに、さまざまな課題も取り上げられています。列記すると以下のようになります。 1点目は災害情報の障害者への伝達の保障、2点目は放送を利用した簡単で幅広い情報保障、3点目は携帯電話メールの利用、4点目は要援護者情報の共有化と管理、5点目は障害者からの情報発信の必要性、6点目は地域とのつながりの重要性などです。 また、平成20年8月には、新宿区若松地区を調査対象とした社団法人東京社会福祉士会、災害時要援護時避難支援に関する調査も行われました。これは、民生委員の協力を得て、地域の中で要援護者がどのような状況に置かれているのか実態を把握し、災害時の迅速かつ適切な対応に備えるための第一歩として行われたものです。 調査内容を一部紹介いたしますと、対象となった若松地区での災害時要援護者のうち、単身の方が38%、声をかけてくれる方がいるが63%、その中で近隣にいるが40%でした。1人で避難所まで行けないと答えた方が70%、主に車いすや歩行困難、目が不自由などの理由を上げています。今後の避難支援プランの作成に大変参考になるものです。 そこで、区長に質問いたします。 質問の第1は、以上のような国の要援護者対策の動きに対して、新宿区における災害時の障害者対策についてお聞きします。例えば家具の転倒防止器具の取りつけや防災訓練への参加などです。 質問の第2は、災害時要援護者避難支援ガイドラインでも指摘されているように、障害者など要援護者の情報の積極的な共有化が重要と考えますが、いかがでしょうか、区長のお考えをお聞かせください。 質問の第3は、障害者の災害時の課題を検討する際、縦割りになっている場合が多く見られます。災害対策部門と福祉部門が連携して取り組むことが重要であり、そのような協議の場を設置しているとお伺いしていますが、その取り組みについてお聞かせください。 質問の第4は、障害者団体との連携やボランティアと行政をつなぐ社会福祉協議会の役割についてです。これらがますます大切になってくると思いますが、いかがでしょうか、区長のお考えをお聞かせください。 ◎区長(中山弘子) 災害時の障害者対策についてのお尋ねです。 災害時の障害者対策の具体的な取り組みとしては、災害時に救援等を希望する方を対象に災害時要援護者名簿を作成し、要援護者情報の把握に努めるとともに、名簿登録者への家具転倒防止器具等の無料配付や取りつけを行っています。 また、要援護者本人や介護者、社会福祉施設、防災区民組織等を対象に災害時要援護者防災行動マニュアルを作成し、大地震に対する日ごろの備えや障害者別の対応、避難誘導の方法などの普及啓発に努めています。さらに、区の障害者施設では、防災訓練に加え、通所者名簿をもとに緊急時の連絡体制を整えるとともに、障害者福祉センターやあゆみの家、新宿養護学校、福祉作業所等を災害時要援護者のための避難所として指定し、災害用トイレ、ベッドを初め、災害用物資の備蓄を順次行うなど、災害時の支援体制の整備を行っています。 次に、災害時要援護者情報の積極的な共有化についてのお尋ねです。 災害時要援護者名簿につきましては、現在、1,565名の名簿登録者本人の同意の上、災害時に地域本部となる特別出張所など、区の災害時要援護者対策関係各課に配付し、情報の共有化を行っています。また、救出救護活動など地域での協力、支援体制づくりのために、区内4警察署や3消防署、防災区民組織、民生委員へも名簿を配付しています。このほか、区内3消防署に対しては、区との協定に基づき、火災発生時等の迅速な救出救護のため、ひとり暮らしの身体障害者や要介護者、75歳以上でひとり暮らしの方など2万3,039名の要援護者情報を提供し、積極的な情報の共有化を図っております。 次に、障害者の災害時の課題の検討に向けた災害対策部門と福祉部門との連携についてのお尋ねです。 現在、防災対策の特定課題の検討を行うために、課長級で構成する9つの災害対策専門部会を設置しています。その中の1つとして、区長室、福祉部、子ども家庭部、健康部による災害時要援護者対策部会があります。この部会では、平成21年度には、災害時要援護者の支援体制整備に関して、災害時要援護者名簿の共有化や管理方法、情報伝達体制の整備、避難支援計画等の具体化の課題を整理しました。 今後は、これらの課題の解決に向けての検討を行い、障害者を初めとする災害時要援護者の支援体制の強化に取り組んでまいります。 次に、障害者団体との連携及び社会福祉協議会の役割に対する考え方についてのお尋ねです。 現在、障害者団体との連携の一環として、区は、新宿区登録手話通訳連絡会及び新宿区手話サークルと、災害時における聴覚障害者に対する業務に関する協定を締結しています。この協定に基づき、これらの団体は、災害時に区の要請にこたえ、聴覚障害者の避難所への誘導及び避難所生活を送るための必要な情報の提供を行うこととなっています。また、防災訓練への参加など、日ごろから災害に備えた連携も図っています。今後は、他の障害者団体等とも連携し、円滑な情報伝達や避難誘導を初めとする支援体制づくりを行ってまいります。 また、阪神・淡路大震災での事例からも明らかなように、災害時の救援活動にはボランティアが欠かせない存在であり、ボランティア活動を支援する社会福祉協議会の役割も重要であると認識しています。 このため、区は、社会福祉協議会との間で災害時におけるボランティア支援に関する協定を締結し、災害時におけるボランティアの受け入れや支援体制の整備を行っています。具体的には、区が開設する総合ボランティアセンターに社会福祉協議会がコーディネーターを派遣し、ボランティアの受け入れや紹介等の調整を行うこととしています。今後も、社会福祉協議会との連携を図り、被災地域でのボランティア活動が効果的に行えるよう努めてまいります。 ◆24番(下村治生) 第4の最後の質問に移りたいと思います。 ネット社会と子どもの携帯電話について教育委員会に質問いたします。 1990年代後半よりICT技術の進歩は急速に進んでいます。同時に、子どもへのICT教育も進展しています。ICT教育の推進については、本年第1回定例会で同僚のおぐら議員が質問いたしましたが、こうした急速な進歩がもたらした光の部分と影の部分は、これらの技術をどう利用していくのか、相反する評価を得ています。すなわち、小・中学生の生活、健全育成に大きな影響を与えており、これらは、従来の積極的な利用教育の推進にとどまらず、利用の際のルールの徹底化を家庭とともに行わなければいけない状況となっています。 特に携帯電話は単なる通信手段から情報端末へと、さらに次世代型のインターネットに直接アクセスできるスマートフォンが普及を始めています。子どもの携帯電話利用に関する調査については、東京都など幾つかの調査が行われていますが、平成20年9月にはベネッセ教育研究開発センターによる研究も行われ、平成21年4月には報告書も作成されています。報告書の題名は「子供のICT利用実態調査報告書」で「小中高生の携帯電話やパソコン利用の意識実態を探る」という副題がついています。小学校4年生から高校2年生まで、全国1万267名の有効回答を得て行われました。 少し長いですが、内容を紹介いたしますと、1、携帯電話の所有率は、小学生で31%、中学生で48%、高校生で92%で、中学から高校へ上がるところで数字が急に上がっています。また、小学6年生、中学生では女子のほうが15%から20%も所有率が高いことがわかります。 2、利用頻度では、小学生でメールをほとんど使わないは59%であるのに対し、中学生でメールをほとんど使わないは12%となり、中学生になるとメールの利用が大きく増加することがわかります。家族に電話をかける割合は、小学生で38%、中学生で41%と余り変わりません。携帯電話で何をしているのか、利用する機能を見てみると、カメラで写真を撮るが最も多く、小学生、中学生、高校生ともに80%から85%となっています。最近注目のゲームでは、中高生とも男子の割合が高いことがわかります。インターネットで調べ物をする割合は、小学生で15%、中学生で38%、高校生で65%となり、インターネットに携帯でアクセスしている割合が、学年が上がるごとに急速に上がっていることがわかります。 利用にかかわる意識としては、携帯電話を使うのが楽しいが、中学生、高校生ともトップですが、一方で、知らない人とやりとりをするのが怖いと回答した中学生が72%、高校生で74%となっています。携帯電話で気にしていることは、知らない人からの電話に出ない、禁止場所で電源を切る、携帯電話を使い過ぎない、夜遅い時間はメールを送らないなど、中学生、高校生ともに傾向は変わりません。 7として、親とのかかわりについて、使い方のルールを決めて守っているが、小学生の55%であるのに対し、中学生では34%、高校生では18%となっています。 8、親はどのような使い方をしているのか知っていますかという質問に、よく知っていると思うは、小学生で58%であるのに対し、中学生では31%、高校生では15%となり、ルールを守る割合とパラレルな傾向になっています。 9、ブログや掲示板、プロフの利用については、読むと答えた割合は、小学生で15%、中学生で44%、高校生で78%、さらに友達のブログや掲示板に書き込みをすると答えた割合は、小学生で4%、中学生で24%、高校生で58%となっています。さらに、知らない人のブログや掲示板に書き込みをすると答えたのは、小学生で3%、中学生で15%、高校生で23%となっています。自分のブログや掲示板をつくる割合は、小学生で3%、中学生で16%、高校生で46%となっています。大分引用が長くなりましたが、以上が調査の内容の一部です。 こうした中、子どもと携帯に関する地域の関心も高まっています。 大久保地域センターでは、先日、ネット社会と子どもたちの携帯電話に関する懇談会が企画され、内容が地域センターの広報紙さわやかおおくぼに掲載されました。さまざまな事例や対応が紹介され、何が家庭として重要かという活発な議論も行われました。そこでは親子のコミュニケーションや地域でのこうした啓発活動の大切さが改めて認識されたところです。 そこで、教育委員会に質問いたします。 質問の第1は、教育委員会として、このような携帯電話の状況、光の部分の推進と影の部分の規制、子どもへの影響をどのように考えていますか、お聞きいたします。 質問の第2は、フィルタリング機能をつけて子どもに渡したり使用時間を制限したりと、携帯のルールを定めることが重要です。正しい携帯電話の子どもへの与え方、利用の仕方、さらに日々進歩を続ける技術的、社会的側面を常に保護者や子どもに提供することが重要です。さらに、問題化した事例を子どもや保護者に発信し続けることが重要です。これらを子どもや保護者にどのように指導していくのかお聞きいたします。子ども向け、保護者向けのビデオなども作成されています。 質問の第3は、保護者や子どもへの意識啓発を行うためには、教員が携帯電話等の情報モラルを指導する力をレベルアップすることが重要です。教育委員会ではどのように教員の指導力の向上を図っているのでしょうか。また、そのためには情報教育に関するモデル校を指定して積極的に推進することが必要ではないかと思いますが、教育委員会のお考えをお聞きします。 質問の第4は、携帯の問題は、単なる危険な情報へのアクセス制限だけでなく、仮想空間と現実との子どもの居場所の問題でもあります。携帯など仮想空間の中で過ごす時間よりも、現実の中でどれだけコミュニケーションをとれるのか、子どもにとって最も大切なことは現実の場で体験することであり、いわゆる体験学習や団体活動などの推進、子どもたちがいる場所をさまざま用意し、携帯に依存しない人間関係、とりわけ親や友人とのコミュニケーション能力を高めることです。この点について教育委員会のお考えをお聞きいたします。 ◎教育長(石崎洋子) ネット社会と子どもの携帯電話についての御質問にお答えします。 最初に、携帯電話等に関する教育委員会の考え方についてのお尋ねです。 携帯電話やパソコンなどの電子機器が急速に普及し、多くの人がインターネットやメールなどの機能を効果的に使うことでライフスタイルに応じた便利な生活を享受できるようになりました。とりわけ携帯電話は、子どもや保護者にとって必要なときにすぐ連絡をとれる、子どもの居場所を確認できるなどの利点から、今後も一層重要なツールとなっていくものと思われます。 その一方で、携帯電話への依存の問題やネットいじめや架空請求などのトラブルはますます深刻な状況にあり、児童・生徒に対して、携帯電話の適切な使い方、かかわり方についての指導や情報モラル教育の充実を図ることが今後ますます重要であると考えています。 次に、子どもや保護者への学校の対応についてのお尋ねです。 学校では、子どもや保護者に対しセーフティ教室や保護者会などにおいて、警察や携帯電話会社等との連携を図りながら、具体的な被害事例を取り上げたDVDを視聴するなどの機会を設定して、フィルタリング機能や携帯電話に関するルールづくりの必要性などについての意識啓発を図っています。また、今後、各学校に整備する教育ネットワークには、携帯電話機能をパソコン上で疑似体験できるソフトを導入し、携帯電話に関する情報モラル教育の一層の充実を図ってまいります。 次に、教員の情報モラルに関する指導力の向上についてのお尋ねです。 情報機器の進歩は著しく、日々新たな専門的な知識や技術が求められており、保護者や子どもへの情報提供のためには、教員の資質、能力の向上が必要です。そこで、本年度はブログや出会い系サイトなどの具体的事例を挙げながら、チェーンメールの見分け方、子どもが被害を受けたときの教員や保護者の対応等を取り上げた情報モラル教育の研修を実施いたしました。さらに、国や都などの講習会等への積極的な参加を教員に一層働きかけてまいります。モデル校の導入については、他の自治体における推進校等の成果や課題を分析し、今後研究してまいります。 次に、現実社会での居場所づくりについてのお尋ねです。 携帯電話の問題は、単に情報管理だけにとどまらず、携帯電話に依存した他者とのコミュニケーションのとり方により、実際には友達の関係を悪くしてしまったり、犯罪に巻き込まれてしまったりするなど、多くの問題を含んでいます。区では、児童・生徒に対して携帯電話の光と影の部分を正しく理解させるとともに、人と人との直接的なかかわり合いを大切にした教育を基盤とし、情報化社会をたくましく生きる児童・生徒の育成が重要であると考えています。 したがって、児童・生徒の社会性やコミュニケーション能力を高め、人間関係のあり方を体験的に学べるよう、部活動などの異年齢集団活動、職場体験などにおける地域の多様な人材から学ぶ活動、移動教室や夏季施設における自然体験や集団体験活動などの充実を図れるよう各学校に指導してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆24番(下村治生) ただいまは区長並びに教育委員会から大変御丁寧な御答弁をいただきましてありがとうございます。 私も、代表質問、2年ぶりでございますけれども、2期目としては多分最後になるんじゃないかと思っておりまして大変緊張いたしました。 決算特別委員会が行われますので、同僚議員と言いたいところなんですけれども、私も決算特別委員会の委員になる予定でございまして、引き続きこの代表質問の続きをまた何らかの形で決算委員会の中でもやらせていただきたいと思っております。そのときにまたいろいろとコメントも述べさせていただければと思います。 御静聴どうもありがとうございました。 以上で質問を終わります。(拍手) ○議長(深沢としさだ) 次に、16番なす雅之議員。     〔16番 なす雅之議員登壇、拍手〕 ◆16番(なす雅之) 花マルクラブは野党です。野党らしく区政の問題点をきちんと指摘して質問いたします。 1、区長の基本的政治姿勢についてお伺いいたします。 いわゆるタヌキの森の問題で、新宿区に対して約26億円の損害賠償請求の訴訟が起こされました。以前も代表質問で述べましたが、この問題に関しては断固戦うべきだと思いますが、いかがですか。区長も答弁では「区は、建築主に対し、損害賠償責任を負う立場にはないものと判断している旨通知したところです。今後、区民を初め、区議会関係者の皆様に説明責任を果たすとともに、多くの区民が納得できる形で解決を図っていきたいと考えております。」と述べています。現在でもその姿勢に変わりはありませんね。 それはそれとして、私は、高裁で負けるのは担当者の責任だが、最高裁で負けたなら区長の責任があると主張してきました。安全認定が違法とされましたが、安全認定した方の責任については、区としての処分はどう考えるのでしょうか。そして、区長は、当然、安全認定は違法ではないとして上告したのだと思いますが、判断を間違えた区長としての責任があると思います。前にも述べましたが、最高裁では勝訴できると区長は確信して上告を決断したのでしょうから、情勢分析、見通しを誤った最高指揮官として区長の責任は大きいと考えます。最高責任者の役割はきちんと責任をとることです。部下を戒め、指揮することは大切なことですが、自分の過ちを認め、責任をとっていくことが組織の長としてとても大切なことは言うまでもありません。そのような上司の姿勢が職員の士気向上につながるのです。最高責任者が責任をとらない組織は、職場の規律が乱れ、モラルの低下につながります。 区長は「今後こうしたことが二度と起こらないように、再発防止に向けた取り組みを進めるとともに、本件の解決に向けて適切に対応していくことで責任を果たしていきたいと考えております。」と答弁しています。一方、平成21年、福祉部の管理職であった当時の課長が、事務処理要領を制定し、障害者自立支援法に規定された障害福祉サービスを受けられる権利を制限した事案がありました。これについて、当時の課長に対し、減給1カ月、5分の1の懲戒処分が行われました。常任委員会での処分の説明では「今回、管理職である職員が事務処理要領制定の検討過程で、部下職員から指摘があったにもかかわらず、適切な指導力を発揮しないで法に規定された権利を区の内規で制限いたしましたことは、法令を遵守しなければならない公務員にとりまして、あってはならないことであり、区民並びに区政への信頼を失う結果に至ったことはまことに遺憾でございます。大変申しわけなく思っております。」としています。懲戒処分を受けた職員は「本件の解決に向けて適切に対応していくことで責任を果たしていきたいと考えております。」とは思わなかったのですか。 区長が、タヌキの森の件では適切な指導力を発揮しなかった、法令を間違えて判断したことは明らかです。職員は仕事上の責任を懲戒処分という形式で責任をとらされたが、一方で区長は「本件の解決に向けて適切に対応していくことで責任を果たしていきたいと考えております。」ということで、何らの懲戒処分がなされないことは遺憾だと思いますが、いかがですか。この違いを区民にどのように説明するお考えですか。 「自治基本条例に「地区協議会」を位置づける」と実行計画にありましたが、どうしてできなかったと考えているのですか。私は、自治基本条例で位置づけるとなると、地区協議会と町会との関係をどうするか、とても難しいと思っています。町会長の中には、町会があるのにどうして地区協議会が必要なのかという批判的な声が現実にあると聞きます。区長は、町会があるにもかかわらず、どうして地区協議会が必要と考えたのか、きちんと説明していくべきではないでしょうか。区長としては、町会の役割、期待するものと、地区協議会の役割、期待するものとを明確にして区民を説得していくことが大事ではないかと思いますが、いかがですか。 区として、町会の活性化、支援したいと考えることもよく理解できます。しかし、町会が、高齢化、一部のボス化、参加する人が固定化しているなど問題が多く、一部の区民に町会への反発があるのも事実だと思います。町会が活性化しない、役員のなり手が少ない理由の一つとしては、町会への区としての頼み事が多過ぎるので、町会役員になると忙しくて大変だからやりたくないのだと私は思っています。言いかえれば、区としての頼み事が多いので、町会の発言力、影響力を区としては無視できない。結果として町会が、圧力団体、ボス化する原因となります。町会が、圧力団体、ボス化することを防ぐためにも、町会の役割を地域の親睦団体としての役割と、地域の安全、安心の問題に絞り込んではいかがですか。武蔵野市では、行政として町会活動には一切関与していません。町会には一切頼み事もせず、社会福祉協議会、シルバー人材センター、団体、組織などに有料で行政単独でできないことを処理しています。このような仕組みを考えることも必要なのではないでしょうか。 町会役員はやることが多くて大変という声があるので、町会役員のなり手がないのも現実です。その一方、何らかの形で社会、新宿区の役に立ちたいと考えている人が多くなっているのも事実です。うまい仕組みを検討していくことが大事と思います。地区協議会を自治基本条例で位置づけできなかったこの際、区としての町会へのかかわり方を根本的に見直すべきと私は考えていますが、いかがですか。 ◎区長(中山弘子) なす議員の御質問にお答えします。 下落合四丁目の損害賠償請求事件についてのお尋ねです。 訴状の中で示された原告の請求原因事実について、認める点、否認する点を明らかにした上で、原告の主張に対しては争っていきたいと考えています。そのためにも、平成21年12月17日の最高裁の判決後、違法となった本件建築物の是正等、事業者への対応について法律相談を行ってきた弁護士の方々と十分に協議し、本件訴訟に万全を尽くしていきたいと考えております。 次に、さきの区長答弁の姿勢に変わりはないかについてのお尋ねです。 安全認定や建築確認の申請は、法的には申請者の責任においてなされるものであり、区が指示するものではなく、また安全認定や建築確認は申請者に建築着工を義務づけるものではないとされています。したがって、これに基づく建築工事は、申請者の責任と判断にゆだねられているものであり、そのリスクは申請者が負うものとの認識は今も変わっておりません。 次に、安全認定にかかわった職員に対する処分、区長の責任についてのお尋ねです。 最高裁判所に上告した理由は、平成21年1月14日の高等裁判所の判決には、安全認定処分の違法性をその後になされた建築確認処分の取り消し事由として主張できることを認めた点など、従来の違法性の承継に関しての法令の解釈について重要な事項が含まれていたため、改めて最高裁判所の判断を求めたものです。今後の行政運営を進める上で重要かつ必要なこととして上告したもので、判断を誤ったものではありません。 次に、本件安全認定は、建築行政上の技術的かつ専門的な見地から、建築物の防火、避難上の安全性を検証し、部内における検討を経て総合的に判断され課長決定されたものです。結果として違法とされたものの、その過程において職務遂行上の義務違反があったものではなく、安全認定にかかわった職員の処分は考えていません。また、区長としての責任のとり方は、最高裁判決をしっかりと受けとめ、今後の再発防止に向けた取り組みを進めるとともに、本事件の解決に向けて適切に対応していくことだと考えています。御指摘の障害者自立支援法に規定された障害者福祉サービスを受けられる権利を制限した事件において、当該職員の義務違反に対してその責任を問うた懲戒処分とは同様に考えられるものではありません。 次に、自治基本条例に地区協議会を位置づけなかったことについてのお尋ねです。 区民の区政参画及び地域課題の解決の場として設置した地区協議会は今年度で5周年を迎えます。この間、地域住民の皆様が中心となり、さまざまな成果を上げていただきました。このことを踏まえた上で、区民、議会、行政の三者で自治基本条例の検討を行ってまいりましたが、地区協議会を条例に位置づけるには、まだ議論が必要との結論に至りました。その結果、地域の区分及び地域自治組織に関し、必要な事項については別に条例で定めることになりました。この別に定める条例については、自治基本条例の理念に基づいて検討することになりますので、町会・自治会の皆さんとの関係も含め、区民の方々と慎重に議論をしていきたいと考えております。 次に、町会・自治会と地区協議会のそれぞれの役割を明確にすべきとのお尋ねです。 町会・自治会は、地縁によって結びついた組織で、地域のお祭りのように親睦を深める活動や防災訓練、防犯、防火の夜警活動、資源回収など、地域住民を身近で支える組織です。一方、地区協議会は、町会・自治会を初め、さまざまな団体の代表者や公募の方で構成された組織で、地域課題の解決の場としての役割を担ってきました。このことについては、これまでも地域に説明し明らかにしてまいりました。 次に、武蔵野市のように町会・自治会に頼らない仕組みを考えたらどうかという御提案についてです。 武蔵野市は、昭和46年以降、新しい形のコミュニティ組織を形成し、町会・自治会の組織は点在するものの、連合会のような組織はありません。一方、新宿区では、町会・自治会が地域でのさまざまな問題に立ち向かい、地区町会連合会、新宿区町会連合会を組織し、地域を守る組織として貢献してこられました。その活動過程で、区の事業に協力をいただき、ともに新宿区の地域を守り、コミュニティを築いてきたという歴史があります。このように、町会・自治会は区のパートナーであって、決して圧力団体のような存在ではないと認識しています。 また、御指摘のように、新宿区の役に立ちたいと考えておられる方の声も多く聞いています。長い歴史を持つ町会・自治会とこのように意欲のある方々が地域をともに担っていける新しい仕組みづくりを、新しい条例を策定する中で検討していきたいと考えています。 次に、区として町会・自治会へのかかわり方を根本的に見直すべきとのお尋ねです。 今お話し申し上げたとおり、新宿区の地域には町会・自治会活動が根づいており、新宿区における区の事業には、町会・自治会の皆さんの協力が欠かせないものとなっており、よきパートナーであると考えています。したがって、この関係を見直す考えはありません。
    ◆16番(なす雅之) 福祉部の課長と全く同じように考えているわけではないんですが、管理責任の問題というのは残るのではないかなと思っています。ただ、時間の関係上、次の問題にいきます。 牛込地区の適正配置について、教育委員会にお伺いいたします。 牛込A地区の学校適正配置、つまり統廃合は、平成21年12月4日に教育委員会で議決された牛込A地区の小学校についての適正配置と適正規模を確保し、教育環境の向上を図るため、裏面の記載のとおり、津久戸小学校と江戸川小学校の適正配置を円滑に推進するため、両校の関係者等から成る統合協議会を設置し、統合の時期、その他統合に関して必要な事項について協議するとの第八次学校適正配置の基本方針によって進められるものです。これを国語的にというか、素直に読めば、統合の時期、その他統合に関して必要な事項について協議するというのですから、統合を前提として進められるものであることは言うまでもありません。しかし、従来の統合協議会と違うところは、両校PTAの合意がない段階での統合協議会がスタートすることです。ですから、統合協議会の協議の中で、そもそも統廃合すべきではなかったのではないか、私たちは統廃合に納得していないの声が出てくることは容易に予想されます。そのような声が出た場合に、それは決まったことと簡単に切り捨てずに、統合の必要性を丁寧に説明することが大事です。そこが従来の統合協議会のありようと大きく違うところです。 しかし、目的は、あくまでも適正配置を円滑に進めるため、必要な事項について協議するものであるべきです。そして、教育委員会としては、統合が必要だとの見解と立場のものです。それにもかかわらず、ある教育委員から、統合協議会は統合ありきですかという変な質問が出て、事務局が、統合ありきではありませんなんて答弁するからおかしくなったのです。答弁者の真意は、そもそも統廃合すべきではなかったのではないか、私たちは統廃合に納得していないの声が出ても、それは決まったことと簡単に切り捨てずに、統合の必要性を丁寧に説明することを言わんとして統合ありきではないという言い回しをしたと私は思っています。しかし、存続させたいという保護者の気持ちに配慮した善意の答弁だったのです。私に言わせれば、統合ありきではないかどうかというような枝葉末節なことにとらわれると問題はどんどん複雑化します。 統合等検討協議会の設置要綱を見ますと、目的が「統合の必要性の有無、時期等について協議し、議決することを目的とする」となっています。しかも、議決には「統合の必要性については、総意による合意形成を図る」。その他の事項については「特に必要と認めた場合は、出席委員の3分の2で決することができる」とあります。これを素直に読めば、統合の必要性については多数決で決められないことになります。 そもそも、学校の統廃合に関しては教育政策に基づいて行われるものであり、統廃合するかどうかの方針は区長ないし教育委員会が決定すべきものであり、その案のもとに区民を説得していくべきで、仮に区民の中に統廃合に納得できない方がいようとも、最終的には議会で議決すればよいものだと思います。私は学校選択制には反対ですが、教育委員会は頑として学校選択制をやめようとはしません。そして、保育園の民営化や統廃合に関しては、多くの区民が反対しても、区長は正しいと信じたことは断固として政策実行のために頑張ります。学校の適正配置問題にしても、他の政策と同じようにやればよいのです。教育委員会が牛込A地区の学校適正配置が必要と思うなら、PTAが反対しようが、地域の一部の人が反対しようが、断固として推進すべきと思いますが、いかがですか。 また、子どものための教育効果からの適正配置との理由もあります。教育委員会もそのような説明だけしています。しかし、私は、それだけでなく、限られた財源をより有効に使うための学校適正配置、限られた区の施設をより有効に使うための適正配置であると思います。ここを率直に区民に対して統廃合の目的の一つと公表すべきと考えますが、教育委員会はどのように考えていますか。そのようなことは全く考えていないのですか。私が聞く限りでは、区民の多くはこのような論理に賛成し、ある程度の統廃合もやむを得ないと思っていると思います。 ◎教育長(石崎洋子) 牛込地区学校適正配置についてのお尋ねです。 まず、教育委員会が牛込A地区の学校適正配置が必要と思うのなら、PTAや地域の方が反対しても推進すべきとのお尋ねです。 統合後の新しい学校が円滑に運営され、子どもたちがいきいきと学ぶことができる環境をつくるためには、保護者や地域の皆様の理解と協力が不可欠であると考えています。そのため、従来の学校適正配置計画においては、保護者から統合の合意を得た後に、統合協議会を設置してまいりました。 しかし、津久戸小学校・江戸川小学校統合等検討協議会は、江戸川小学校の入学予定者数への懸念、情報の一元化、PTAの負担軽減などの理由により、津久戸小学校の保護者から統合の合意を得る前に設置いたしました。したがって、従来にも増してより丁寧な説明や議論が必要であると考えています。今どうすることが子どもたちにとって一番よいのか、統合ありきではない柔軟な議論を行うよう努力してまいります。 次に、学校適正配置は、子どものための教育効果だけではなく、限られた財源や施設の有効活用が統廃合の目的の一つであると公表すべきではないかとのお尋ねです。 学校適正配置は、学校の適正規模を確保することにより、子どもたちにとって望ましい教育環境をつくることが目的であると考えています。その上で、御指摘のように、適正配置によって生じた財源や施設を有効に活用していくという視点は重要と考えています。したがいまして、統合等検討協議会において財源や施設の有効活用という視点からの議論も必要に応じて行ってまいります。 ◆16番(なす雅之) まとめです。 いつもですと再質問するんですが、この後、私も決算特別委員会のメンバーなので、そこでいろいろやっていきたいというふうに思います。 ページの関係等、1つ飛ばしちゃって申しわけなかったんですけれども、3分余ったらもう一つやる予定だったですが、一応カットいたしまして、これで花マルクラブの質問を終わります。 どうもありがとうございました。 ○議長(深沢としさだ) 以上で代表質問は終わりました。--------------------------------------- ○議長(深沢としさだ) 日程第2、一般質問を行います。 質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、22番くまがい澄子議員。     〔22番 くまがい澄子議員登壇、拍手〕 ◆22番(くまがい澄子) 新宿区議会公明党のくまがい澄子でございます。 エコスクール化と雨水利用について一般質問いたします。 我が国において、温室効果ガスを2020年までに1990年度比25%削減する中期目標を掲げており、低炭素社会の実現に向けた取り組みの推進を求められております。文部科学省は、環境に配慮した学校、エコスクールのためのパイロット・モデル事業を創設し、太陽光発電パネル設置費用の2分の1を補助するなど、積極的に学校のエコスクール化を進めてきました。モデル事業の認定校は2010年4月現在1,077校に達しています。また、エコスクール事業の中で、公立小・中学校施設の課題としては、建築の耐震化対策に加え、建築後20年以上経過した建物が全体の7割を占めていることから、今後とも老朽対策のための改修設備の必要性が挙げられています。 そうした観点から、学校施設の新築、改築または改修設備を実施する際は、子どもたちの快適な学習環境を確保しつつ、省エネ対策やCO2削減対策をあわせて実施して、エコスクールづくりに積極的な取り組みが必要であると指摘しております。 公明党は、先日、記録的な猛暑による熱中症被害が全国で相次いでいることを踏まえ、救急医療活動の強化や高齢者、低所得者への対応の強化などを盛り込んだ猛暑対策ビジョン2010を発表しました。その中で、ヒートアイランド対策の拡充とともに、このエコスクール・クールスクール事業の展開を提案いたしております。 文部科学省がまとめたエコスクール化に取り組んだ事例を二、三紹介しますと、愛知県北名古屋市西春中学校では、太陽光熱を利用して床暖房を行う空気式低温床暖房システムを導入、システムの一部を環境教育に役立てております。また、神戸市の多聞東中学校では、窓にエコルーパーと言われる水平ひさしと傾斜ひさしを組み合わせたひさしを設置しています。それによって、夏は、窓際の強い日差しを遮られるとともに、水平ひさしで太陽光を反射して天井を照らし、照明エネルギーの削減と教室内の温熱環境を改善しています。さらに、荒川区立第七峡田小学校では、冬は冷たく、夏は暑い階段室からの空気の流れを遮断するために、階段室と廊下の間に引き戸を設置し、これにより教室の冷暖房効果を向上させています。 少し前置きが長くなりましたが、ここから具体的な質問に入ります。 1点目の質問は、新宿区におけるエコスクール化の拡充についてのお考えをお伺いいたします。 文部科学省は、すべての学校でエコスクールづくりを目指しておりますが、新宿区は、いち早く環境に配慮した学校施設に取り組み、屋上緑化、学校でのビオトープ、みどりのカーテン設置や校庭の芝生化など、学校の特色を活かした緑化を推進しており、区長の姿勢を高く評価いたします。また、小・中学校施設では、全教室の冷房化、さらには平成21年度からの太陽光発電パネルの導入が始まりました。今後、エコスクール化に向けてどう取り組み、エコスクールの将来像をどのように描いているのかお聞きをいたします。 2点目は、エネルギーの実態把握と効率的な施設運営についてです。 学校施設は、子どもたちの学習、生活の場であるとともに、地域のコミュニティ拠点であったり、災害発生時の避難場所であったり、多目的に利用されています。それぞれの利用者から学校施設に対する要望の水準は、社会や人々の変化に伴い高度になる傾向があります。加えて、夏季の授業日数の増加、休日に学校施設を利用する機会が多くなっています。このため、エネルギー消費実態は、学校活動に伴うエネルギー消費と多目的利用や複合化などの学校活動以外のエネルギー消費を分けて的確に把握することも求められています。 この点、新宿区はどのように把握されているのか、また効率的な施設運営についても御説明ください。 3点目は、環境・エネルギー教育の拠点の役割についてです。 学校施設をエコスクール化として整備することにより、子どもたちだけでなく、地域にとっての環境・エネルギー教育の発信の拠点となり、地域における地球温暖化対策の推進、啓発の先導的な役割を果たすことができると考えます。 そこで、PTAや地域住民との協働によるエコスクール化を推進すべきと思いますが、どのように検討されていますか、お伺いをいたします。 4点目は雨水利用の促進についてです。 地球温暖化の取り組みとして、区有施設に雨水利用設備(雨水タンク)を平成20年度に9所、平成21年度に8所設置されました。目的は、省エネルギーの実践を広めていくために、区立学校等に雨水タンクを設置し、児童・生徒による樹木への散水に雨水利用を進めることで、身近な環境教育に寄与するものと思われます。 これまで実際に子どもたちがどのように活用されましたか。このような雨水タンクの存在をどのように地域へPRや普及啓発しているのかお聞かせください。 5点目は、雨水利用による打ち水大作戦についてお伺いをいたします。 ヒートアイランド現象の緩和につながる対策には、雨水利用による打ち水は大きな効果があります。昨年度、区が実施した打ち水大作戦への参加者は、40団体、約9,500人と伺いました。参加登録はしなくても、自発的に朝晩打ち水を行っている光景を多く見かけました。区は、打ち水の実施に当たり、ふろの残り水やためておいた雨水利用をうたっていますが、現実にはほとんどが、水道から給水し、ホースやバケツで散水しています。猛暑だったことしは特別かもしれませんが、水道代とエネルギーの消費量が大きくなったのではないかと心配をいたしております。 今年度から家庭での雨水タンク設置の助成制度がスタートしました。区民への周知をどうされたのか、また利用申請の状況をお聞かせください。 打ち水大作戦は、まず雨水利用の促進を図ることが喫緊の課題であると思います。21世紀は、水が地球人の生命線と言われています。ですが、多くの人によって、まるで無限に消費可能な資源であるかのように扱われています。世界人口の約7割以上が清浄な水を得られず、毎日2万5,000人の方が不十分な水管理のために命が失われています。淡水資源の不足がこのまま来世紀まで続くと、幾つかの地域では、食糧生産、人の健康及び国の安全を脅かす悲惨な結末を生じかねません。淡水資源は有限であり、地球を覆う水のごく一部しか人間は使えません。輝く地球の未来は、今、私たち一人ひとりの行動にかかっていると申し上げ、一般質問を終わります。 ◎教育委員会事務局次長(蒔田正夫) くまがい議員の御質問にお答えいたします。 エコスクール化の今後の取り組み及び将来像についてのお尋ねです。 教育委員会は、子どもたちの快適な学習環境を確保しつつ、省エネ対策や省CO2対策をあわせて実施してエコスクールづくりに取り組むことが重要であると認識しており、従来から屋上緑化や壁面緑化などの事業を展開してきました。 今年度は、新設の新宿西戸山中学校、(仮称)西新宿子ども園に太陽光発電設備の設置を予定しており、今後も順次計画的に設置していきます。また、淀橋第四小学校の屋上を初めとして、天然芝生化の拡充、みどりのカーテンの設置の拡充など、学校緑化に積極的に取り組んでまいります。 さらに、今後は、照明設備の省エネ化や遮熱性塗料など、さまざまな手法による省エネ効果の研究を進め、より一層環境に配慮した学校施設の実現を目指します。これらエコスクール化の推進により、子どもたちの地球環境に対する関心が高まり、大変有意義であると考えています。 次に、エネルギーの実態把握と効率的な施設運営についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、学校施設は、教育活動以外にも学校開放や放課後子ども広場、学童クラブなどさまざまな事業に利用されています。学校開放や目的外使用等、使用頻度が一定でない事業については、使用量の算出が困難なため、把握ができない状況ですが、学童クラブなど定期的な使用状況にある事業については、使用面積に基づき案分する形で使用量を把握しています。 施設の効率的運営については、一人ひとりの意識と日ごろの行動による取り組みが重要だと考えます。雨水利用やみどりのカーテンなどの取り組みとともに、教職員を初め児童・生徒が節水、節電について励行しています。また、施設を利用するすべての方に、学校における省エネの取り組みに対する理解、協力を求めてまいります。 次に、PTAや地域住民との協働によるエコスクール化の推進についてのお尋ねです。 校庭や屋上を天然芝生化した四谷第六小学校、戸塚第二小学校では、芝刈り等の維持管理をPTAや地域の方に担っていただいています。また、今年度中に実施する淀橋第四小学校の屋上の天然芝生化は、地域の方による協働体制を既に確立しています。 そのほかにも、ビオトープや花壇、学校農園、みどりのカーテンなどに、PTAや地域の方がボランティアで水やりなどの管理に携わっていただいています。PTAや地域住民との協働によるエコスクール化は、地域とともに地球温暖化対策に取り組んでいく上で大変有意義であり、今後も推進してまいります。 ◎環境清掃部長(伊藤憲夫) 次に、雨水利用の促進についてのお尋ねです。 御指摘のように、地球温暖化対策として、現在学校を含めた17カ所の区有施設に雨水タンクを設置しています。 まず、学校での子どもたちの雨水タンクの活用状況ですが、雨水タンクからじょうろに雨水をくみ、みどりのカーテンや草花に散水しています。また、雨水タンクは、できるだけ目立つ場所に設置し、普及啓発用シールを張って施設利用者等へのPRを推進しています。今後も、区広報やホームページ等で雨水利用について積極的に紹介してまいります。 次に、雨水利用による打ち水大作戦についてのお尋ねです。 今年度も7月1日から9月15日までの間、打ち水大作戦を実施し、現在、集計中ですが、44団体、約1万人と昨年度を上回る参加実績が見込まれます。 御質問の区民への周知方法ですが、打ち水は生活の中での水の再利用を促すことが大切です。今後も引き続き、雨水やおふろの残り湯の使用や効果的な打ち水の方法を区広報等でPRに努めていきます。 次に、雨水タンク設置費用の助成制度の利用状況です。 今年度から区民用として雨水タンク設置費用補助を実施しておりますが、年間想定件数20件のところ、前期分としては2件の申請を受け付けています。今後も、区広報、パンフレット等で積極的に周知し、雨水タンク設置の普及啓発に努めてまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆22番(くまがい澄子) ただいまは、教育委員会、そして区長、御丁寧な御答弁をいただきありがとうございます。 環境問題は地球人全員が考える問題でございますけれども、今の雨水タンクについてはぜひもうちょっとPRをお願いしたいなと思います。そして、バケツ1杯の水が命の基本単位と言われております。また、地球の水の総量1.5リットルのペットボトル1本分に例えると、人間が使える水の量はわずか目薬一滴だと言われております。そのことを知った以上、私は持続可能な社会の構築を早急にしなければならないということを実感しました。 以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(深沢としさだ) ここで、議事進行の都合により15分間休憩します。 △休憩 午後3時42分--------------------------------------- △再開 午後4時01分 ○議長(深沢としさだ) ただいまから会議を再開します。 質問を続行します。 31番沢田あゆみ議員。     〔31番 沢田あゆみ議員登壇、拍手〕 ◆31番(沢田あゆみ) 日本共産党区議団の沢田あゆみです。 私は、不登校対策とスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、子ども家庭支援センターの充実強化について一般質問いたします。 社会問題となっている格差と貧困の拡大は子どもたちにも大きく影を落としています。私自身も、ここ四、五年、子育て家庭で貧困やさまざまな問題を抱えているケースの支援にかかわることが多くなりました。その深刻さの度合いも増しています。私は、そうした体験からスクールソーシャルワーカーの必要性を強く感じ、2008年第3回定例会の一般質問以来、一貫して要求してきましたが、区教育委員会は、今年度、東京都のスクールソーシャルワーカー活用事業を受託し、1人を配置しました。一歩踏み出したことは大いに評価をしたいと思います。しかし、実効あるものにするためには多くの改善が必要です。不登校対策や子ども家庭支援センターの充実強化とあわせて以下質問いたします。 第1に、スクールソーシャルワーカーとスクールカウンセラーの充実についてです。 私は、都内でも早くからスクールソーシャルワーカーを導入している西東京市や杉並区を視察してきました。 西東京市は、10年前に保谷市と田無市が合併された当初から、市の教育委員会に常勤の臨床心理士が2名配置され、これまでもその職員を中心にソーシャルワークが行われていました。現在は、常勤の臨床心理士のほかに、市独自のスクールカウンセラーが非常勤で20名配置され、加えてスクールソーシャルワーカーが配置されたことで、一層体制が強化され、不登校の解消などに具体的に成果を上げています。西東京市がスクールソーシャルワーカーを導入したのは一昨年度後半からですが、昨年度は、スクールソーシャルワーカー活用事業に関する調査を小・中学校対象に行い、「解決に苦慮している事例があるか。そのことで会議を行ったか。関係機関に相談したか。」などの質問とあわせて、スクールソーシャルワーカー訪問の希望があるかを聞いています。担当者によると、「スクールソーシャルワーカーが配置されたことによって調査することができ、調査を通じて学校が改めて課題に気づいたり、スクールソーシャルワーカーに相談するきっかけになった。こうした取り組みを通じてスクールソーシャルワーカーの認知度が上がり、活用が進んで具体的に不登校の解消につながっている。」とのことでした。 また、西東京市は、常勤の臨床心理士がいることで関係機関との連携も日常的に密にできているため、不登校対策や家庭への働きかけなど、あらゆることが迅速かつスムーズに行われ、人の入れかわりが頻繁な非常勤のスクールカウンセラーに対しても、スーパーバイザー的な役割を果たすことができるのだという説明でした。 杉並区では、2007年度から独自にスクールソーシャルワーカーを配置し、当初1名だったものを昨年度からは4名に増員しています。活動実績が浸透するにつれ、学校現場からの要請がふえ、スクールソーシャルワーカーがかかわるケースがふえています。現場の教員からは、負担軽減につながったという声が寄せられているそうです。 質問の第1です。 新宿区教育委員会がスクールソーシャルワーカー活用事業を実施するに至った経緯や目的についてまずお答えください。 質問の第2は、新宿区でも西東京市のように常勤の臨床心理士を配置することです。 当面、教育センターに常勤の臨床心理士を配置すべきと考えますが、いかがでしょうか。 質問の第3は、現在のスクールソーシャルワーカーが十分に機能するための条件整備についてです。 他の自治体はスクールカウンセラーとは区別してスクールソーシャルワーカーを配置していますが、新宿区は、もともと配置されているスクールカウンセラーにスクールソーシャルワーカーを兼務させているため、ただでさえ限られた条件の中でスクールソーシャルワーカーとして十分な活動ができていないのが実態です。国や都の実施要綱でも、社会福祉士や精神保健福祉士等の福祉に関する専門的な資格を有する者が望ましいと言っているように、福祉分野を熟知していることが望まれています。臨床心理士にスクールソーシャルワーカーの職務に当たらせるのであれば、研修などで福祉の知識を身につけることが不可欠です。同時に、スクールソーシャルワーカー同士の経験交流も必要ではないでしょうか。スキルアップと物理的条件の改善についてどのようにお考えなのかお答えください。 質問の第4は今後の展開についてです。 現在は中学校1校にモデル校として配置していますが、今後は必要とするすべての学校に配置していくことが必要です。西東京市のようにアンケートで需要を把握することも必要ではないでしょうか。スクールソーシャルワーカーの今後の展開についてお考えをお聞かせください。 第2は、不登校対策、とりわけ中学校の対策の充実強化についてです。 西東京市では、小学校の不登校児童出現率が0.3%に対して、中学校では3%前後と大幅に増加することに着目した不登校未然防止の取り組みとして、小・中連携による中1への対応を強化しています。不登校対策委員会を教育委員会に設置し、欠席状況分析シート、小・中連携シート、未然防止シートなどを活用して、小学校から中学校へ移行する際の連携がしっかりと行われています。不登校傾向にあった子どもも、中学校入学をきっかけに登校を再開しますが、5月、6月で欠席日数が30日を超え、再度、不登校になってしまうことが多いことから、不登校対策委員会は、4月と5月連休明けに会議を開いて、不登校になる前の対策に力を入れているそうです。 新宿区でも、中学校の不登校の出現率が多いことは、西東京市と同様の傾向があるのではないでしょうか。しかし、中学校の先生方にお聞きすると、小・中の連携はそれぞれの学校や担任によって強弱があり、必要な情報が十分引き継がれないと、中学校で対応に苦労することもあるのだとお聞きします。西東京市が組織的に小・中の連携を強化している例も参考にして、区教育委員会が、不登校対策、とりわけ中学校の対策について強化すべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。 第3は子ども家庭支援センターの充実強化です。 全国的にも子どもの虐待事件が報道され、子ども家庭支援センターの役割が地域の中でも認知されるようになりました。学校と子ども家庭支援センターの連携を強化することも課題となっています。新宿区は、当初、中落合1カ所だった子ども家庭支援センターを榎町、信濃町とふやし、現在3カ所です。身近なところにできれば、区民がもっと相談しやすくなります。区民が身近に相談できる機関として、子ども家庭支援センターをさらにふやす必要があります。今後、予定している旧東戸山中跡地のほかにも、子ども家庭支援センターをふやすことが必要ではないでしょうか。 現状でも、ふえ続ける相談件数と困難ケースを多く抱える中で、職員の皆さんは毎日遅くまで本当によくやっていただいております。しかし、緊急な対応やケース会議が必要なときに、職員自身が多忙なため、連携機関との調整だけで何日も過ぎてしまったり、対応が遅いということも見受けられます。また、新宿区の子ども家庭支援センターには臨床心理士の配置がないため、心理の相談は他機関に頼らざるを得ません。子ども家庭支援センターの人員をふやし、体制を強化することは急務です。23区中14区が心理職を配置しています。新宿区でも配置すべきです。 以上、子ども家庭支援センターの充実強化について3点お答えください。 ◎教育委員会事務局次長(蒔田正夫) 沢田議員の御質問にお答えいたします。 都のスクールソーシャルワーカー活用事業を実施するに至った経緯と目的についてのお尋ねです。 この事業は、教育分野に関する知識に加えて、社会福祉等の専門的な知識、技術を用いて、児童・生徒の置かれたさまざまな環境に働きかけて支援を行うことを目的として、平成20年度に国からの委託事業として始まったものです。昨年度は新規募集がなく、今年度から新規に都から区市町村教育委員会への補助事業として行われ、本区もこの事業に取り組んでいます。その背景として、区立中学校の不登校生徒の出現率は年々増加している傾向にあり、不登校生徒の実態を分析すると、家庭状況に起因する事例や解決が長期化している事例が見られたことがあります。 このような状況を改善するためには、本人や保護者とのカウンセリングに加え、関係諸機関を交えた学校の組織的な指導体制の充実や保護者との連携強化を図りたいと考え、試行的に実施することにしました。 次に、教育センターに常勤の臨床心理士を配置するべきとのお尋ねです。 現在、教育センター教育相談室には5名の非常勤の臨床心理士がおり、常時3名以上は教育センターに常駐しています。月1回、教育センターでセンター勤務の臨床心理士が全員参加し、各校のスクールカウンセラーとの情報の共有化を図っています。また、関係機関との連絡調整は教育相談室長が行い、相談業務をコーディネートできているため、現在のところ常勤の臨床心理士を配置することは考えておりません。 次に、スクールソーシャルワーカーのスキルアップと、そのための方策についてのお尋ねです。 本年度は、中学校に派遣した区費スクールカウンセラー1名をスクールソーシャルワーカー的役割も兼ねた勤務を担わせています。このカウンセラーに対するスキルアップとしては、スクールソーシャルワークを専門とする大学教授のアドバイスを受ける機会を設けたり、子ども家庭支援センター等、関係諸機関を訪問する機会をつくったりしてきました。今後とも、可能な範囲で勤務を振りかえて研修を受けさせたり、他区市のスクールソーシャルワーカーとの交流の機会を設けたりして、一層のスキルアップを図っていきたいと考えます。 次に、今後の展開についてのお尋ねです。 この事業は、本年4月にスタートしたばかりであり、現在、試行しながら効果的な活動を模索しているところです。今後は、その効果を検証するとともに、学校の需要や人材確保の面等を総合的に判断し、本事業の今後のあり方を検討してまいります。また、国の問題行動調査や生活指導主任研修等を通して、学校のスクールソーシャルワーカーに対するニーズ把握に努めてまいります。 次に、中学校の不登校対策についてのお尋ねです。 不登校未然防止への対策は本区においても重要な課題の一つです。 現在のところ、小学校卒業時に、小学校の担任と中学校の担任等との引き継ぎ事項の確認や、学習面、生活面等に関する細かな情報交換を行っております。また、生活指導主任には、年3回、不登校をテーマとした研修を行うとともに、民生児童委員、小・中学校の教員による長欠児童等の情報交換を行っています。今後、さらに小・中学校の情報の引き継ぎのあり方について協議を行う予定です。 しかしながら、今なお、不登校児童・生徒が増加する傾向にあることから、今後も、他区市の取り組みも参考にしながら、不登校対策の充実に努めてまいります。 ◎子ども家庭部長(伊藤陽子) 次に、子ども家庭支援センターを今後予定している旧東戸山中跡地のほかにもふやすことが必要ではないかとのお尋ねです。 子ども家庭支援センターの役割が地域の中でも認知されるにつれ、相談件数もふえてまいりました。そこで、区の第一次実行計画では、これまで中落合に1カ所だった子ども家庭支援センターを平成23年度までに合計4カ所整備することとし、平成21年度に、信濃町、榎町、両子ども家庭支援センターを開設しました。担当地区割を行い、ケースごとにきめ細やかな対応に努めているところです。さらに、4カ所目として(仮称)子ども総合センターを開設準備中であり、分担の見直しを行い、より迅速できめ細やかな対応を行っていきます。5カ所目以降の子ども家庭支援センターの整備につきましては、今後の相談需要を踏まえ検討していきます。 次に、子ども家庭支援センターの人員をふやし、体制を強化することは急務であり、また心理職の配置も必要ではないかとのお尋ねです。 子ども家庭支援センターの人員をふやし、体制を強化することにつきましては、平成21年度に1カ所から3カ所にすることで、区の子ども家庭支援センターにおける虐待予防や相談対応に従事する職員数は大幅に増加し、体制も強化されました。今後とも相談件数等に見合う職員数の配置を検討してまいります。 平成23年4月に開設する(仮称)子ども総合センターは、4カ所目の子ども家庭支援センターとしての機能に加え、子ども発達センターを統合し、障害児への対応を行い、さらに他の3カ所の子ども家庭支援センターを総括し支援することにより、全体の支援力を強化していきます。また、子どもや家庭の相談や支援に当たっては、子どもを含め、相談者の気持ちを理解し、的確な対応ができる臨床心理士の(仮称)子ども総合センターへの配置を検討しているところです。 以上で答弁を終わります。 ◆31番(沢田あゆみ) 今、教育委員会と区長部局とそれぞれ御答弁をいただきました。 私も、本当にここ数年、深刻なケースにぶつかることが非常に多くて、それぞれの担当の方たちとは一緒に解決のために努力をしてきたので、その辺は所管のところでは私が言っていることが何なのかというのはよくおわかりになっていると思います。 きょうはここで再度やることはしませんけれども、私、残念ながら、決算特別委員会に入る予定がないんですね。ですけれども、一緒にいろいろ視察に行った同僚議員が決算特別委員会に入る予定になっていますので、その議員に託していきたいと思っております。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(深沢としさだ) 次に、29番小野きみ子議員。     〔29番 小野きみ子議員登壇、拍手〕 ◆29番(小野きみ子) 民主党の小野きみ子です。 最高裁から建築確認を取り消されて一躍全国的に有名になったタヌキの森の集合住宅について質問いたします。 建築業者は新宿区に対し25億9,928万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました。業者の言い分は、「新宿区が行った建築確認と安全認定を信じて着工したのに、最高裁判決後、建築工事の再開は不可能となり、土地、建物の資産価値を失った」というものです。 これに先立ち近隣住民は、たびたび新宿区に対し、違法建築物の一日も早い取り壊しを要求してきましたが、区は、法的に強制力を持たない解体、撤去の督促を繰り返すばかりでした。そこで、住民は、数回にわたり、督促ではなく法的強制力を持つ命令をするよう要請いたしました。とりあえず、白いシート内が密室化し、周辺に不安を与えているため、シートの撤去を初め、工事がとまったため雨水の排水ができぬままになっていることなどの具体的な改善を求めました。 区は、現場を視察した後、業者に是正を求めてくださった。その一つの結果として、建物の中にたまっていた水が3日にわたってポンプで排水されましたが、深さ50センチの沼ができていたそうです。ことしはやぶ蚊がめちゃくちゃに多く、皆は異常猛暑が原因だとあきらめていましたが、蚊の発生源である湿地が目と鼻の先にできていたとはと、ただ驚くばかりです。ポンプによる排水は終了しましたが、現場を密室状態にしているこのシートさえ撤去させられない新宿区の無力さに、近隣住民は不信感を募らせています。 そんな中、新日本建設は提訴したのです。訴訟に当たり業者は「貴区の責任を問うべく、法的手続をとる必要があるから、そのためにも現状を保存しておくことが必要である」と述べています。このとおりだとすると、この違法建築は裁判の続く限り現状保存されるのでしょうか。こうなったら、新宿区は建築基準法第9条の行政代執行に踏み切っていただきたいというのが、日々危険と隣り合わせの近隣住民の本音です。住民は、とにかくこの違法建築物を取り壊してほしいのです。新宿区が間違った安全認定を出して以来、異議申し立ての長い時間が流れ、裁判に踏み切ってからも既に5年です。みどりトラスト基金の役員の中には既に亡くなられた方もあります。自分が生きている間に、この違法建築物が取り壊されるのを見たいという切実な思いを御理解いただきたいと思います。 そこで質問です。 1つ、新日本建設が起こした損害賠償訴訟に臨む新宿区の姿勢を伺います。 2つ、裁判と行政代執行は別問題です。勇気を持って進めてほしいのですが、いかがですか。 3つ、次に行政責任についてですが、最高裁判決で新宿区が行った安全認定と建築確認が明確に違法とされて以来、既に9カ月になりますが、新宿区は行政責任をとっていないという声が区民の中から出てきています。安全認定を出した建築課長がさっさと東京都に帰ってしまったこともあり、まことに申しわけないというおわびだけで終わっていると批判する区民もいます。私は、第2回定例会で、この種の事件の再発防止のため、大規模な民間開発については、都市計画部のみならず、みどり土木部などと構成する民間開発計画等連絡調整検討会を明確に設置要綱で位置づけてはいかがと提案し、実現を見ました。私は、これこそが区の反省とこの種の誤りを今後二度と行わないという決意の表明であり、行政の仕組みをがらりと変えたことによって行政責任をとったと受け取っていますが、区民感情としては納得しがたいようです。行政責任のとり方について御見解を求めます。 最後に、建築主事について伺います。 今、建築主事のなり手がないそうですね。確かに、建築主事を取り巻く環境は厳しさを増しています。自分の出した確認で訴訟のリスクを負わねばならないため、資格取得が敬遠されるのでしょう。現に、タヌキの森の安全認定をした建築主事は東京都から一時的に借りてきた方でした。新宿区では、一級建築士の資格を持つ職員は複数いらっしゃるが、建築主事の資格を持つ職員は、現在の都市計画部の管理職では建築指導課長お一人と聞いています。このような傾向は、新宿区だけではなく、23区共通の問題であることから、特別区職員研修所は建築主事の養成講座を行うそうです。また、日本建築行政会議では、万一訴訟になった場合の行政庁団体賠償責任保険をスタートさせたとのことです。新宿区は、今後、区独自の建築主事の養成に取り組むのでしょうか。それとも、従来どおり都から借りてくるのかお聞きします。 以上で私の質問を終わります。お答えをお待ちしています。(拍手) ◎総務部長(野口則行) 小野きみ子議員の御質問にお答えします。 下落合四丁目の損害賠償請求事件についてのお尋ねです。 最初に、建築主から損害賠償請求訴訟が提起されたことについては、区民の皆様に御心配をおかけすることとなり、大変に申しわけなく思っています。 一方で、安全認定や建築確認の申請は、法的には申請者の責任においてなされるものであり、区が指示するものではなく、また安全認定や建築確認は、申請者に建築着工を義務づけるものではないとされております。したがって、これに基づく建築工事は申請者の責任と判断にゆだねられているものであり、そのリスクは申請者が負うものとの認識は今も変わっていません。 したがって、訴状の中で示された原告の請求原因事実について、認める点、否認する点を明らかにした上で、原告の主張に対しては争っていきたいと考えています。そのためにも、平成21年12月17日の最高裁の判決後、違法となった本件建築物の是正など、事業者への対応について法律相談を行ってきた弁護士の方々と十分に協議し、本件訴訟に万全を尽くしていきたいと考えています。 ◎都市計画部長(鹿島一雄) 次に、行政代執行を勇気を持って進めてほしいが、いかがかとのお尋ねです。 違反建築物の是正については、損害賠償請求訴訟とは別に、建築基準法並びに国及び東京都の既存建築物に係る違反是正作業マニュアル等に基づき、是正勧告や是正命令など、法的な手順に従って是正指導を進めていきます。是正命令によっても、なお建築主がみずから違反是正を実行しようとしない場合には、建築基準法及び行政代執行法に基づく代執行について検討します。 次に、行政責任のとり方についてのお尋ねです。 現在、再発防止に向けた取り組みの一つとして、周辺に大きな影響を与えるおそれのある事業計画案などについて総合的検討及び調整等を行うために、設置要綱に基づき民間開発計画等連絡調整検討会を設けています。区としては、一定規模以上の建築物についての安全認定を行うに際しては、その申請書に住民説明会等の記録や報告書を添付する仕組みを検討するなど、今後も、再発防止に向けた取り組みを進めるとともに、本事件の解決に向けて適切に対応していくことで行政責任を果たしていきたいと考えております。 次に、区は今後独自の建築主事の養成を取り組むのでしょうかとのお尋ねです。 建築主事は、一級建築士で、建築基準適合判定資格を持つ職員の中から任命されます。現在、区には、一級建築士が21名、建築基準適合判定資格者が8名おり、人材育成計画の一環としてこれらの有資格者の養成に努めているところです。具体的には、都市計画部内で資格取得研修を実施するとともに、財団法人建築行政情報センターが実施する建築基準適合判定資格者検定講習会に、本年度は5名の職員を参加させました。 特別区全体においても、今後10年間で現在の建築基準適合判定資格者である職員の約3分の2が定年退職を迎えることから、現在、有資格者の養成、確保が共通の課題となっています。このため、本年度は、首都大学東京オープンユニバーシティ、社団法人全日本建築士協会及び財団法人特別区協議会が連携して一級建築士の試験対策講座を実施しました。この講座には、新宿区から5名の職員が自己啓発講座受講助成を活用して参加しました。 今後も、職員が建築基準適合判定資格や一級建築士の資格を取得することにより、区独自の建築主事を養成していきます。 以上で答弁を終わります。 ◆29番(小野きみ子) どうもありがとうございました。 今度の裁判なんですけれども、新日本建設はリスクを承知であれを着工したんです。建築説明会のときに住民が、現在あそこの土地については安全認定のことについて住民側と区と係争中なんだから、せめて着工はその結論が出るまで待ってくださいということを言ったんですけれども、いや、我々はもうこういうのにはなれているから、リスクを承知で着工するということを建築説明会のときに堂々とおっしゃって、その議事録もテープもございますので、もしいろいろな意味でお役に立つのだったらお使いください。 以上をもって私の質問と希望を終わります。 どうも失礼いたしました。(拍手) ○議長(深沢としさだ) 次に、27番根本二郎議員。     〔27番 根本二郎議員登壇、拍手〕 ◆27番(根本二郎) 新宿区議会無所属クラブの根本二郎でございます。 中村彝アトリエ保存について区長に質問いたします。 このたび、画家、中村彝のアトリエが保存されることになったことは奇跡とも言えることで、大変うれしく思います。関係者の皆さんの並々ならぬ御努力に敬意を表します。 私は、この際、中村彝は新宿ゆかりの画家であること、そしてまた保存を願った所有者の思い、それから保存活動を粘り強く続けた保存会の皆さんの熱意を申し上げ、区長にアトリエの復元とあわせ、中村彝についてさらに深く研究されることを望んで質問いたします。 まず、中村彝は新宿ゆかりの画家であるということについてであります。 中村彝は、明治20年、1887年7月3日に茨城県水戸市で生まれました。しかし、1歳にならないうちに父が亡くなり、11歳で母親も亡くなり、長兄のもとに身を寄せます。この長兄が、当時の牛込区原町に住んでいまして、愛日小学校へと転校します。そして、愛日小学校の卒業生です。中学は馬場下の私立早稲田中学校へ通います。この間、市谷谷町、今は住吉町あるいは台町というふうに言っていますけれども、市谷谷町や東大久保など、今の新宿区内に住みました。早稲田中学へは喜井坂の夏目漱石の生家の前を通って通ったとのことであります。牛込で育った中村彝は、生涯、戸山ヶ原の風景を愛したと言われています。 この彝が画家として中村屋の相馬御夫妻の支援を受けて創作に励み、そしてまた落合にアトリエを建て、国立近代美術館に特別展示されている重要文化財エロシェンコ氏の像を世に出し、大正13年、1924年12月24日に落合で亡くなりました。 つまり、彝は、幼少のころから新宿に住み、通い、そして新宿を舞台に活躍し、亡くなったという実に新宿ゆかりの画家であるということをぜひ認識してほしいと思うのであります。 また、中村彝と佐伯祐三との関係です。 ことし4月、佐伯祐三アトリエ記念館がオープンいたしました。この佐伯祐三が落合の地に移り住んだのは、私の想像では中村彝の存在が大きかったと言えます。つまり、彝がアトリエを建てて移ったのは1916年、大正5年です。エロシェンコ氏の像が第2回帝展において最高傑作と評されたのが1920年、大正9年です。そして、佐伯が落合に移ったのは、1921年、大正10年、翌年です。この2人の関係についてはまだ余り明らかにされていません。ぜひこの関係をさらに研究を進めていただきたいというふうに思うのであります。近代美術の先駆者2人の画家のアトリエが保存されてこそ大きな意味を持つと私は思います。それが現実のものとなりました。ぜひこの関係をさらに研究していただきたいのです。 さらにもう一つ、奇跡的に残ったのは、佐伯祐三と中村彝の両者と交友があった岐阜県出身の鈴木誠画伯の存在があったということであります。佐伯がパリ留学時代留守宅を預かり、佐伯祐三没後は1929年に中村彝宅を購入し、住まいを隣につくって増築し、アトリエ保存に努めました。御子息も同じように保存に努めました。御子息存命中、昭和40年代に区に保存を求めたのですが、なし得ませんでした。水戸にレプリカのアトリエがあるのでありますが、これを設計したのも御子息でございます。残念ながら平成17年にお亡くなりになりました。そして、その奥様が区に対して保存を求めたのが平成18年に入ってであります。今から4年前になります。これが最後のチャンスでした。さまざまな家族の意見もあったでしょうが、よく判断し、また区も決断してくれたと思います。80年にわたり保存に努めた鈴木画伯の子孫の方々の功績も忘れてはならないと思うのであります。 もう一つ、アトリエ保存会と中村彝会と中村屋の存在であります。 奥様の保存の意向を知った地元有志の方々は、平成18年3月、中村彝アトリエ保存会を結成し、保存署名や旧アトリエでのイベントなどを行い、活発に保存活動を進めました。平成18年12月24日、彝の命日に水戸市祇園寺に彝を慕う方々の会が催されました。新宿の保存活動のメンバーも駆けつけましたが、これが最後の彝会でございました。彝の最後の弟子、鈴木良三氏のお弟子さん、中村屋、絵の舞台になった大島など、彝ゆかりの方々は水戸に彝のレプリカのアトリエがつくられたことを最後の事業として、高齢化ということもあり、解散を決めました。平成19年2月、中村屋にて最後の彝賞の授賞式が行われました。そして、平成19年4月、残った最後の1枚のレリーフが私たちに託されました。あのレリーフが最後の彝賞のたった1枚残ったレリーフでございます。ここに出すと議会運営上よくないということなので、あそこで見ていただきました。 私たちは最後の最後にバトンタッチされたように思いました。しかし、区当局が保存の方向で所有者とお話し合いを始めてからは活動を自粛し、わずかに署名運動のみで推移を見守りました。彝ゆかりの地など、全国から4,000名を超える署名が集まっていたのであります。中村彝のアトリエの保存は、こうして皆様の努力によって奇跡的になし得ました。このような経緯を大切にしていただき、近代洋画界に大きな影響を与えた日本を代表する画家、中村彝のアトリエの整備、保存に取り組んでいただきたいと考えています。 そこで、3点について質問いたします。 1、中村彝アトリエを確保するに至った経緯とこれからの方針についてまずお伺いいたします。 2番目に、近代美術における中村彝について十分に研究し、その功績が残せるような施設にしていただきたい。幸いなことに、落合には、近代美術評論の権威、高階秀爾先生がお住まいです。さらに、中村屋はつい先ごろまで彝会とのかかわりを持っていました。中村屋あるいは水戸中心の彝会、茨城県立美術館の方々、全国にいる中村彝ファン、そして落合で保存活動を担った方々の意見などを十分に聞いて保存に当たってほしいと思いますが、いかがでしょうか。 3つ目に、オープンに当たっては、佐伯祐三のときと同様に、ぜひ新宿区歴史博物館において中村彝特別展の開催をすべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上、区長の御意見をお伺いいたします。 ◎地域文化部長(酒井敏男) 根本議員の質問にお答えいたします。 まず、中村彝アトリエの確保に至った経緯と今後の整備方針に関するお尋ねについてです。 中村彝アトリエについては、御指摘のとおり、平成18年度に所有者の一部の方から、区に保存を求めるとともに、売却の申し出がありました。また、区としても、落合地域に今なお残る貴重な文化・歴史資源を保存、整備、発信し、次代に伝えていくことが区民の地域の文化や歴史に対する愛着や誇りをはぐくむことになることから、第一次実行計画で「落合の文化・歴史資源の整備・活用」として、中村彝アトリエを整備、保存し、後世に伝えていくことの大切さを明らかにし、所有者の方々と交渉を重ねてまいりました。 本年5月には、すべての所有者の意向が整い、今回、一部取得、一部賃貸する形で合意に至ることができたものです。 今後は、落合の文化・歴史資源の整備・活用の一環として、日本を代表する洋画家中村彝を現地で顕彰、発信するとともに、土地の記憶、まちの記憶を将来へと継承する施設として整備してまいります。 次に、近代美術の専門家や中村彝アトリエ保存に関心を持つ多くの方々の意見を踏まえて整備を進めてはいかがとのお尋ねについてでございます。 中村彝アトリエの整備については、今年4月に開館しました佐伯祐三アトリエ記念館の整備と同様、中村彝アトリエに関心のある近隣の方や公募の方、建築、美術の専門家等で構成する検討会を立ち上げ、整備方針等について検討をしていく予定です。こうしたさまざまな立場の方々の知識や知恵が、アトリエの整備、保存、発信に十分活かせるように進めてまいります。 次に、開館にあわせて新宿歴史博物館特別展「中村彝展」を開催してはどうかとのお尋ねについてですが、アトリエの整備にあわせて実現できるよう、新宿歴史博物館を管理する新宿未来創造財団と今後調整してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆27番(根本二郎) 答弁をいただきました。 きょうは、質問というよりは、どちらかというと中村彝の実績を紹介して、我々みんなでこれをさらに研究し、新宿の財産として大事にしていこうじゃないかということを訴えたかったわけでありまして、したがって今の答弁で終わりにして、決算特別委員会でもう少し細かくやりたいというふうに思いますが、佐伯祐三画家も有能な画家でした。しかし、私たちは中村彝の研究ということについてはおくれているというふうに、私は大して調べたわけではありませんけれども、知れば知るほど大変な画家だったんだなということを思います。しかも、奇跡的にアトリエがあそこに残ったということが、やっぱりそれは鈴木誠画伯が大事にして、そしてその御子息の方も、その父の意向を受けて大事にして、そして奥様もその意向を受けて何とか保存したいという80年の長い歴史の中で奇跡的に残ったということを私たちは本当に大事なことだというふうに考えなければならないというふうに思うんですね。ですから、レプリカのアトリエは既に水戸にある。鈴木正治さんがそれを設計されたということで、もう新宿のアトリエは残らないだろうということで、あきらめて水戸につくったんだろうというふうに思うんですね。しかし、現物が今あるわけですから、しかし相当古くなっていますので、これを徹底的に調査して、そして大事なものを残しながら復元を図っていくということも含めて、中村彝のアトリエの保存、それから落合の芸術家村、これをもう一回発掘していくような姿勢でぜひ頑張っていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(深沢としさだ) 次に、36番山田敏行議員。     〔36番 山田敏行議員登壇、拍手〕 ◆36番(山田敏行) 社会新宿区議会議員団の山田敏行です。 私はこれまで、いわゆる事業仕分けに関して、昨年の第4回定例会での代表質問、ことしの第1回定例会での一般質問で区長の見解をただしてまいりました。 最初の質問では、政府の事業仕分けについて区長はどう考えるかという質問をし、新宿区でも実施すべきではないかというふうにお聞きをいたしました。 区長は、政府実施の事業仕分けについては一定の意義があるという認識を示しましたけれども、新宿区では現時点ですぐにこの手法を取り入れる考えはないという御答弁でした。2回目の質問で私は、これまでの区の内部評価、外部評価の取り組みを評価しながらも、事業仕分けで期待される成果をこうした既存の行政評価に求めることはできない面があると指摘し、事業の優先順位や有効的な税金の使い方を区民と区役所全体の共通認識にするためにも、経常的な事業を含めて事業仕分けを実施する意味合いは高いというふうに指摘いたしました。 これに対して区長は、事業仕分けは個々の事業の評価を通して、その背後にある制度や行財政全般の改革を目指すものという認識を示しながらも、区としては、解決しなければならない課題を踏まえつつ、外部評価委員会の議論を得ながら検討する必要があるというふうに答弁されているのであります。こうしたこれまでの質疑の経過を踏まえて、私は改めて新宿区における事務事業仕分けの実施についてお伺いをするものであります。 私が事業仕分けにこだわる理由は幾つもあるわけでありますけれども、主要な点を申し上げますが、それは、これからの自治体は今までにもはるかに増して地方政府としての大きな役割が求められているということであり、そのためには、財政事情にかかわらず、常に区民とともに実施事業の優先順位を明確にし、めり張りのある事業執行を行うことが必要だという認識に立つからであります。要するに、地域の満足度や幸福の度合いを高めることを目指し、有限の財源を主権者の参加のもとで的確に運用することは、行財政のよしあしにかかわらず、これからの自治体の不変の原理原則だというふうに思っているからなのであります。 先月の29日と30日の両日、23区では初めてでありますけれども、練馬区が事業見直しを実施いたしました。私も傍聴しましたけれども、会場で区の担当課長や職員の方ともお会いをいたしました。38の事業を対象にした練馬区の事業見直しの結果は、廃止が4事業、民営化すべきというのはなし、協働や委託化、民営化を図るは14事業、区で実施するけれども、改善が必要だという事業は20事業、現状のまま引き続き継続をすべきだという事業はゼロでありました。 私は、傍聴しながら、仕分け人の質問が不十分だという印象をずっと持っておりましたけれども、それにもかかわらず、現状どおり継続すべきだという事業が何と皆無だったのであります。これらの38事業は、練馬区側の内部評価では、大半、効果が高い事業、効率よく進んでいる事業と位置づけられているにもかかわらずであります。要するに、事業の評価に客観性を持たせると、往々にしてこのような結果になるということなのであります。事業仕分けの意義は、私はまさしくここにあるといふうに考えております。 そこでまず、中山区長は、練馬区の事業見直しについてお聞きをしているというふうに思いますけれども、これについてはどういうふうに評価をされているのかお聞きいたします。 さて先日、内部評価の分厚い報告書が配付されました。制度的な改善が加えられ、システムとしてはますます熟度を高めているというふうに見えます。率直に言って、区の職員の皆さんの御苦労を感じます。しかし、行政評価システムは、制度的に、あるいはシステム的に完成度が高まればいいということではないのであります。私はこういうふうに思うのでありますけれども、行政評価は、事業が抱えている問題の本質をえぐり出し、それを是正する改革につながらなければ、本来的な目的を達成したことにはならないということです。そうした視点から新宿区の内部評価を見た場合、果たして区の事務事業の改革につながる、そういう内容になっているのかどうか、私はこの点については常々疑問を抱いております。 例えば、前にも指摘しましたけれども、評価の対象になっているほとんどの事業は、ランクづけで言うとDランク、いわゆる良好ということであります。要するに、基本的にはこのままでいい、現状のまま継続していいということです。こうした評価は改革にはほとんど結びつきません。客観的に見て良好だというならば、それはそれで結構なことでありますけれども、しからばその客観性は何によって保障されているのかということであります。ここのところが厳しく問われなければならないというふうに私は思います。 練馬区の事務事業見直しは、不十分な面はもちろん私も感じましたけれども、評価に、より客観性を持たせるという点では新宿区の対応とは違います。私は、新宿区の外部評価は基本的にはいい方向で機能しているというふうに思っておりますけれども、しかし外部評価もシステム上は内部評価の延長線上であります。十分な客観性や制度的な独自性が確立されているわけではありません。すなわち、限界があるということであります。特に、新宿区のように内部評価の点検が外部評価の基本的な役割という制度設計の場合は、事業仕分けで期待されている成果を外部評価に求めることは制度上も無理なところがあります。ましてや、現在のように職員からのヒアリングが外部評価に大きな影響を与える場合には、外部評価にはさまざまな制約が課せられているという点は否定のしようがありません。行政評価はこうした限界を乗り越えることが必要なのであります。その一つの手段として考えられているのが、急テンポで全国の自治体が取り入れている事業仕分けという手法だというふうに私は思います。 この事業仕分けは進化しております。御承知のとおり、最近の事業仕分けは、少人数の仕分け人が質疑を交わして事業を評価するというこれまでのやり方に加えて、相当数の公募の市民判定人が仕分け人の仕分けを評価するというやり方がとられております。この市民判定人はどのように選ばれるかということでありますけれども、新宿区が自治基本条例制定の作業で実施をした区民討議会のメンバー選出と全く同じやり方であります。声なき声と言われる多くの市民が直接事業仕分けに参加するという画期的な方式なのであります。 事業仕分けの際に、仕分け人に加えて市民判定人を採用したのは、昨年7月18日、19日に行われた埼玉県富士見市が最初でありますけれども、この成功によって事業仕分けの様相はその後大きく変わりました。構想日本によると、この団体がかかわってこの9月から11月にかけて事業仕分けをする予定の15の自治体のうち約半数の7自治体は、この市民判定人を採用するということであり、この傾向は全国的にも強まる気配であります。 さて、この事業仕分けについて、この制度は首長や議員の権限を制約するとか侵害することになるのではないかという指摘がされることがあります。言うまでもなく、この指摘は間違いであります。例えば富士見市を見ると、仕分け人や市民判定人が不要と判定した7つの事業や民営化と判定した2つの事業について、市長と市議会はいずれも改善を加えて継続することを決めているのであります。すなわち、事業仕分けの結果に拘束されるのではなく、結果を受けとめた上で、事業そのものをよりよいものに再構築しているということであります。市長と議会の権限に抵触するようなことはみじんもないのであります。 これまでの中山区長の事業仕分けに対する答弁は冒頭紹介したとおりでありますけれども、その際、直ちに実施しない理由に挙げた内部評価と外部評価は、事業仕分けとその役割において共通部分はありますし、相互に補完し合いこそすれ、一方がもう一方の役割を完全に肩がわりすることにはならないというふうに私は思っております。 したがって、私は、区は既存の行政評価にとどまらず、区にふさわしいやり方を考えながら計画事業や補助事業に加えて、経常事業についても評価対象にした事業仕分けを順次計画的に実施すべきだというふうに思っておりますけれども、このことについて改めて区長の御見解をお伺いいたします。 ◎総合政策部長(猿橋敏雄) 山田議員の御質問にお答えします。 練馬区で実施された事務事業見直しの評価についてのお尋ねです。 練馬区で実施されました事務事業見直しは、23区初の事業仕分けということもあり、大変注目していたところです。 この事務事業見直しは、昨年、施策評価を実施した第三者評価委員により実施されました。その手順は、各事業の事務事業評価表や資料により、所管する部長、課長などから事業の説明を受け、質疑応答を行った上、各評価者がその場で5段階の区分で評価し、その結果を集約しています。この結果が練馬区の予算にどのように反映されていくのか、引き続き見守る必要がありますが、事務事業見直しは、職員と外部の方との議論のプロセスが重要であり、簡素で効率的な行政の実現に向け、職員の意識改革や情報公開が進められたという点では一定の意義があったと評価しています。 次に、既存の行政評価にとどまらず、区にふさわしいやり方を考えながら、計画事業や補助事業に加えて、経常事業も評価対象にした事務事業仕分けを順次実施すべきではないかとのお尋ねです。 区では、平成11年度に事務事業評価としてスタートして以来、外部評価制度の導入など、効果的な評価方法を目指してさまざまな改善に取り組んでまいりました。そうした中で、外部評価委員会には、これまで主に計画事業の評価をお願いしてきたところですが、行政監査の指摘も踏まえ、本年度は単独補助事業についても評価をお願いしています。また、経常事業の評価に向け、本年度はその評価手法等についても検討いただきたいと諮問しているところであり、今後は、経常事業も評価対象とし、より効果的な行政評価制度としていきたいと考えています。 しかしながら、これまでの計画事業の評価に加え、すべての経常事業を同じような手法で評価していくことは現実的には困難と考えますので、外部評価委員会からの答申を待って、行政評価の仕組み全体の見直しも視野に入れて検討する必要があると認識しています。 なお、御指摘のとおり、事業仕分けも、市民判定人という新たな手法が昨年から始まっているように、その手法も年々変化しています。こうした状況を見きわめつつ、外部評価委員会を活用して、区にふさわしい、より精度の高い行政評価制度の確立に努めてまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆36番(山田敏行) 今、御答弁をいただきましたけれども、区のほうとしても、今の御答弁で、私、よく感じましたけれども、いろいろどういう手法が妥当かということを検討されているということですよね。外部評価委員の皆さんにも、そのやり方についていろいろ御意見を聞くということだというふうに思います。 いずれにいたしましても、区民の信頼を得られるような評価のシステムを私はぜひつくっていただきたいというふうに思うんですよね。限られた専門家が限られた舞台の中で余り外部から見えない形で評価をする、それはそれで結構なことだというふうに思いますけれども、しかしそのことによって区民の信頼が高まるかというと、必ずしもそうでもないんですよね。要するに、区民があらゆる局面で参加をするというシステムづくりをしないと、やっぱり評価そのものに対する信頼が高まらないというふうに私は考えております。そういう点では、繰り返し繰り返し質問しておりますけれども、事務事業仕分けというのはそういう手法の大きな一つになるというふうに考えています。 いずれにいたしましても、これからも十分制度設計については考えていくということでありますので、ぜひよろしくお願いします。 私も、残念ながら、決算特別委員会には入りませんけれども、今、全員がお聞きだというふうに思いますので、関心のある方は決算特別委員会でも質問するというふうに、私はそのことについて期待を申し上げながら質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(深沢としさだ) 次に、4番吉住はるお議員。     〔4番 吉住はるお議員登壇、拍手〕 ◆4番(吉住はるお) 自由民主党の吉住はるおです。 私はサブナードの延伸について質問いたします。 この質問については、平成17年の第4回定例会で、今あちらにいらっしゃいます深沢議長が我が会派の代表質問で取り上げています。その質問に対し区長は「道路管理者である東京都や関係機関、また周辺地権者などとともに検討会を立ち上げ、その中でサブナードと地下鉄13号線コンコースの接続に向けた検討を行ってまいりたい」と答弁されています。それから約4年が経過していますが、延伸実現の見通しが見えてきません。そこで、再度質問させていただきます。 新宿駅周辺地区は、世界屈指の都市、東京の中枢を担う副都心の玄関口として、交通施設、商業・業務施設、娯楽施設などが高度に集積しています。新宿駅周辺地区と一口で言っても、駅の東口、西口、南口のそれぞれの地区がさまざまな特色を持っています。東口地区は、老舗の店舗や百貨店を初めとした多様な商業施設、それに隣接する歌舞伎町地区は多くの娯楽施設などが立地しています。西口地区は、都庁もあり、日本最大級の業務地区であります。また、南口地区は、国が甲州街道の跨線橋のかけかえや交通ターミナルとしての新たな都市基盤整備などを進めており、通勤者、買い物客、観光客など、多くの人が訪れるまちへと発展し続けています。 これらの特色ある地域の中心に位置する新宿駅は、1日の平均乗降客数が約350万人と、世界でも類を見ない日本一のターミナル駅であり、東京の顔でもあります。しかし、駅周辺は商業圏として都内でも依然トップである一方で、年間小売販売客の減少、昼間人口の減少といった傾向が見受けられ、活力の低下が懸念されます。 新宿区は、新宿駅周辺地区を魅力あるまちとするため、都市マスタープランにおいて駅周辺を「創造交流の心」「賑わい交流軸」「風の道」などに位置づけています。そして、まちの魅力の再生や再構築を図るとともに、歩きたくなるまち新宿の実現に向け、回遊性や利便性の向上に向けたさまざまな施策に取り組んできたことは評価するところです。 平成20年6月には新たな交通施設である副都心線も開業しました。その新宿三丁目駅は、現在1日平均約9万7,000人もの乗降客が利用しています。地下鉄副都心線の開業に伴い、明治通り下には約700メートルにわたり地下鉄のコンコースが整備されました。その副都心線は、平成24年度には東横線やみなとみらい線との相互直通運転がされ、横浜の元町、中華街までつながります。新宿三丁目駅が通過地点ではなく、横浜方面からの来街者を呼び込むため、さらなる新宿の魅力を引き出すために、歩きたくなるまちを早期に実現しなければなりません。南口では、国の事業である南口基盤整備事業に伴い、本年5月には甲州街道の東南口地下に歩行者通路が整備され、地下歩行者ネットワークが充実しました。また、駅により分断された新宿駅東西地区の回遊性のかなめとなる東西自由通路は、今年度、詳細設計が進められ、来年度には工事が始まると聞いています。 そのように、歩きたくなるまち新宿に向け、歩行者のネットワークが着実に進展している中で、残っているのは区役所の前で行きどまりになっているサブナードの延伸です。明治通り地下にあるコンコースと接続させることは、地元の悲願でもあり、歩行者ネットワークの形成として回遊性の向上に絶対欠かせません。 そこで、お聞きします。 平成18年の区長選挙マニフェストにも掲げられているサブナード延伸計画は現在どのような状況なのでしょうか。また、今後どのように進めていくのでしょうか、お答えください。 ◎都市計画部長(鹿島一雄) 吉住議員の御質問にお答えいたします。 サブナード延伸計画の現在の取り組みと今後の進め方についてのお尋ねです。 お尋ねのサブナード延伸は、副都心線新宿三丁目駅コンコースと既存のサブナードを結ぶものです。この計画は、新宿区都市マスタープランにおいて、新宿駅周辺地区の地下歩行者ネットワークを形成し、回遊性の向上を図るため整備を促進していくものとして位置づけています。さらに、東口周辺や歌舞伎町の魅力あるまちづくりにとっても重要な施策であると認識しています。 平成21年度には、接続形態や駐車場への出入り口など、これまでの多角的な検討を精査し、区としてのたたき台を作成しました。事業実現のためには、今後、サブナード延伸部分を公共的な地下歩道として担保する必要があります。 現在、周辺の開発動向やまちづくり的な視点も踏まえ、平成23年度以降、できる限り早く都市計画として決定していくための準備を進めています。 また、都市計画決定後に速やかに事業に入れるよう、道路形態変更等に関して交通管理者との調整を進めるとともに、事業手法などについて東京都と密に連携を図り進めていきます。 以上で答弁を終わります。 ◆4番(吉住はるお) 御丁寧な御答弁ありがとうございました。 私は決算特別委員会の委員にならせていただいておりますので、もうちょっとまた詳細について質問をさせていただくこともあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。 どうも御静聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(深沢としさだ) 次に、10番赤羽つや子議員。     〔10番 赤羽つや子議員登壇、拍手〕 ◆10番(赤羽つや子) 区議会公明党の赤羽つや子でございます。 中井駅周辺のまちづくりについて一般質問をさせていただきます。 毎日、中井駅を見ておりますと、環状六号線、山手通りの工事がかなり進んできているのがわかります。駅の真上を通るこの中井富士見橋のかけかえが、中井のまちにとって、あすにかける橋になることを願わずにはいられません。 さて、区では平成6年ごろよりこの環状六号線の整備にあわせ中井駅周辺のまちづくりに取り組んでこられました。しかし、山手通りの整備事業がなかなか進まないために、区のまちづくりもおくれてしまったようです。この間に、都営大江戸線の中井駅の開業など、変化もありました。そのおくれを挽回するような形で、ことし3月20日、落合第二地域センターなどで、区の中井駅周辺整備計画の説明会が開催されました。 説明会場では、中井駅と環状六号線の完成予想模型などもあり、駅周辺の将来のまちの姿がかなり立体的でわかりやすい形になっているという感想が私のところにも寄せられております。区の説明では、環状六号線の整備にあわせ、その高架下を活用して、駅の両側に駐車場なども設置するほか、妙正寺川に新たな橋をかけて駅へのアクセスを拡充する。また、高架下の空きスペースの活用も図る。あわせて、西武線のあかずの踏切対策として、駅地下に南北自由通路を通し、北側に駅前広場を整備するという大規模なものでございます。 北口の設置など、長年の地元の要望でもあり、私も、地域の皆さんと一緒に取り組んできましたので、このような形で実現するのは大変喜ばしいことだと思います。これだけ大きなまちづくりの機会は、この中井にとってなかなか将来にもないような気がいたします。そうであれば、しっかりとした将来のまちづくりビジョンも地域で共有しながら進めていただきたいと思っております。 私は、交通の要所という切り口から中井駅周辺のまちづくりを考えてみました。 新宿区は、鉄道やバスなどの交通機関が発達しており、大変便利なところだと言われております。しかし、都市交通、公共交通の特性という切り口で考えたとき、山手線の内側、つまり東側と西側では大きく交通環境が異なっているように感じます。新宿駅を除いて考えると、区内49駅のうち、乗降客数の多い駅は東側に集中しています。地下鉄や幹線道路網など交通環境は圧倒的に東側が便利になっています。それに比べ西側は西武線の8カ所にあかずの踏切があり、南北交通が分断されています。都営大江戸線が開通するまでは、落合南長崎駅周辺の交通環境はほかに比べてよいとは言えませんでした。 このように、山手線の西側は交通サービスレベルが東側に比べ低い地域となっています。この地域の交通環境を根本的に改善していくためには、どこかに拠点を設け、そこを起点として交通サービスの向上を図っていくことは将来のために効果的なことではないでしょうか。交通サービスが改善されれば、人々の交流や往来が盛んになり、まちが活性化いたします。そういう目で山手線の西側地域を見回してみると、一番、乗降客数が多いのが、西武新宿線、都営大江戸線が交差している中井駅であり、2つ合わせて1日の乗降客数は約5万人を数えています。また、環状六号線とも交わっているための拠点的な位置にあるような気がいたします。中井駅周辺のまちづくりの課題を区の都市マスタープランではどのようになっているか開いてみました。そこには、商店街のにぎわいを図り、生活者の利便性が高い魅力ある地区づくりや、歩行者、自転車を重視した、充実した水と緑のある地区づくりを行うとされています。これを具体的に進めるためには、私は、大江戸線と西武新宿線の乗りかえ乗降客が通過するだけでなく、地域への回遊をしたくなるような魅力的な地域づくりが大切と考えます。また、山手通りには専用の自転車道が整備されます。この山手通りの南北の動線からの環境に優しい自転車の利用の促進も望まれております。さらに、イベントなど高架下にできる空間のソフト的な利活用を進めるとともに、地域の人々が交流の結節点となるような機能を発揮することにつなげていくことはできないでしょうか。 いずれにいたしましても、この工事完成によって、中井駅の北口や自由通路の設置、駅前広場の整備などが図られ、また駅周辺の拠点性が高まり、あかずの踏切対策も図られることにより、落合地域の歩行者のネットワーク空間が充実してまいります。また、駐輪場が整備されることによって、放置自転車の減少や山手通りの自転車レーンともつながって、自転車交通の拠点となることも考えられます。しかし、こうしてまちの活力やにぎわいが増すことによって、犯罪が増加し、安全や安心が脅かされることも考えられます。現在の交番の位置は今のままでいいのかなどの検討が必要です。中井二丁目の林芙美子記念館、一の坂から始まる落合の坂、妙正寺川の川筋とそれに沿った道筋、坂の上から緑の空気の流れを道に導き、川へと呼び込み、風の道を創出するなど、心地よい空間をつくり出していきたいものです。あすの中井について、ハードの整備はもちろんですが、それを支える仕組みや仕掛け、ソフトの整備も大切です。 そこで、お伺いいたします。 都市マスタープランで示されている中井駅周辺のまちづくりに向けて、現在、区はどのような取り組みを行っているのでしょうか、お聞かせください。 ◎都市計画部長(鹿島一雄) 赤羽議員の御質問にお答えします。 中井駅周辺のまちづくりに向けて、現在、区はどのような取り組みを行っているかについてのお尋ねです。 御指摘のとおり、区の都市マスタープランでは、中井駅周辺を生活交流の心と位置づけ、にぎわいを創出し、利便性の高い魅力あるまちにしていくことを目指しています。区では、現在行われている環状六号線中井富士見橋のかけかえを契機に、その実現に向けた取り組みを進めてきました。 昨年度は中井駅周辺の居住者や駅利用者の方々にアンケート調査を行い、そこでいただいた踏切対策や駐輪場設置などの御意見も踏まえ、中井駅周辺整備計画(案)を策定し、本年3月には説明会を開催して、地元の皆様に計画の内容をお知らせしました。この計画では、現在行われている中井富士見橋のかけかえにより新たに生み出される高架下空間を利用して、中井駅の北側と妙正寺川の南側に広場を整備するとともに、妙正寺川には人道橋をかけて2つの広場をつなぎ、にぎわいと回遊性の強化を図ります。また、中井駅の南北をつなぐ自由通路を整備し、地元の長年の悲願であったあかずの踏切対策と駅北口の設置をあわせて行うことで利便性を高め、魅力あるまちとしていきます。 現在、自由通路について西武鉄道と設置に関する協定を締結し、設計を行っているところです。広場や駐輪場、人道橋の周辺施設については平成23年度から設計を行っていきます。工事については、中井富士見橋のかけかえ完了にあわせ、平成24年度から自由通路に着手し、周辺施設を含む全体の完成は平成25年度末を予定しています。 以上で答弁を終わります。 ◆10番(赤羽つや子) 丁寧な御答弁をいただき、ありがとうございました。 環状六号線の高架下という特殊事情の地区づくりでございます。中井にとって50年、また100年に一度の大チャンスでもあります。新宿区の関係職員の皆様のお力添えをなお一層よろしくお願いいたします。 御静聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(深沢としさだ) 次に、7番川村のりあき議員。     〔7番 川村のりあき議員登壇、拍手〕 ◆7番(川村のりあき) 日本共産党区議団の川村のりあきです。 青年の雇用対策と就労支援についてお伺いします。 先日、中井に住んでいる37歳の青年から生活相談を受ける機会がありました。大学を卒業して正社員として就職したものの、職場の人間関係で退職、その後は正社員として雇ってもらえることを信じて10年勤めたアルバイト先が倒産、50社以上求職したけれども、就職できず、ハローワークの職業訓練講座も不合格、自分は社会に必要とされていないのだろうか、将来に希望が持てないどころか、生活が成り立たないとのお話でした。私は、この間、派遣切りや路上生活寸前の若者の相談に乗る中で、新宿区を初め関係機関の協力をいただいて、自分なりに個々人の問題解決に取り組んできました。働くことは一人ひとりの生きがいであることと同時に、担税力の高まりは、セーフティネットの維持など、持続可能な社会をつくる基礎となることは言うまでもありません。国、東京都が責任を果たしていくことと同時に、これからの新宿を担っていく一人ひとりの青年の将来が今後の新宿の将来に直結している課題としてとらえ、以下、質問をいたします。 まず第1に、青年の雇用対策と就労支援についての認識を伺います。 非正規社員の増加や派遣切りの問題など、青年の雇用をめぐる状況の厳しさは改善をされていません。フリーターやニートの増大など、青年の雇用は、本人にとってだけではなく、家族にとって深刻な問題となり、社会問題ともなっています。政府の各審議会の委員を歴任し、2008年3月発行の新宿区若年者就業状況調査を監修した労働政策研究・研修機構の副統括研究員の小杉礼子さんは「子どもがニートになってしまうと、親は自分の責任だと思いがち、しかし企業がアルバイトやパートをふやす戦略をとっているからだ。今の若者は社会の変革期に就職が重なってしまった不運がある」と述べています。政府も、青年雇用の厳しさを青年の意識の問題としてとらえる傾向を改め、青年の心のケアなど、医療機関との協力、労働と教育や家庭、社会に目を向ける方向に転換してきています。 まず、区長に伺います。 青年の厳しい雇用の現状と原因をどうとらえていますでしょうか。私は、青年の雇用対策と就労支援について、行政計画の中で位置づけを高め取り組んでいくべきと考えますが、御所見を伺います。 第2に、施策推進の体制について伺います。 青年の雇用対策と就労支援については、当然、国や東京都が取り組んでいかなくてはいけない課題ですが、新宿区若年者就業状況調査で新宿区が推計しているのは、潜在ニートが2,264人としています。この人数は、区立中学生が2,800人前後であることと比べても、行政課題として積極的に位置づけ、新宿区として、さらにハローワークやNPO法人と共同して、さらに取り組む必要があるのではないでしょうか。 足立区では、青年雇用について基本構想に位置づけて取り組み、この間、区立あだちヤングジョブセンターを設置して、職業紹介もハローワークと連携し情報提供や相談活動を行うなど、10年来の取り組みを行っています。近年では、NPO法人青少年自立援助センターが受託し、あだち若者サポートステーションを核として、青年の雇用と就労支援について取り組んでいます。 先日、現地を訪ね、受託しているNPO法人と就労支援課長からお話を伺いました。同施設は、開所時間が月曜日から土曜日の11時から19時、廊下を隔てた隣はハローワークという立地を活かしながら、充実した雇用対策、就労支援をしていることが印象的でした。スタッフは皆、相談者が心理的な壁をつくらないようカジュアルな服装で接し、ハローワークとの連携で、就職情報、面接会や各種講座案内を、必要な情報がすべて得られるよう日々更新されていました。また、個々の相談者の段階にあわせ、履歴書作成からアルバイトへの申し込み方、キャリアデザインなど、系統的に取り組んでいました。来所者数は、2008年度は5,647名、2009年度は7,709名、今年度は1万人を超える見込みです。また、事業への理解を深め、実効性を上げるために、足立区では担当課長とNPO担当者は区内中学校全校への訪問を初め、教育委員会や学校現場との連携を強めていますし、あだち若者サポートステーションと連携した職業・就業意識向上を図っています。 一方、新宿区は、ハローワークや社会福祉協議会と連携した高齢者の就労支援や、ひきこもり対策では成果を上げてきましたが、平成21年度外部評価実施結果報告書で、近年、社会問題となっている若年非就業者へのさらなる支援を期待するとの意見が出されているように、青年の雇用対策と就労支援はまだまだ努力すべき課題と言えるのではないでしょうか。外部評価を踏まえた区の取り組みの方向は、面接会の実施などとなっていますが、区長はそれで十分とお考えでしょうか。 新宿区として、ハローワークとの連携をさらに強化し、本格的な青年の雇用対策と就労支援に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。その際、新たに拠点を移す勤労者・仕事支援センターに人的・財政的支援を行い、青年雇用の中核を担う体制をつくることと同時に、協働事業提案制度を活用し、施策推進に必要なNPOとの協働を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか、お聞かせください。 第3に、具体的な施策の改善について伺います。 先般、新宿就職面接会が行われました。これは、区内中小企業の人材確保と区民の就労促進を目的として、ハローワーク新宿、東京商工会議所新宿支部と共催で実施したもので、担当部署の努力に敬意を表するものです。ただ、実際の就職に結びついたのは7件で、次回10月13日の実施に向けて一層の努力が求められます。 足立区の例では、系統的な個々の支援に加え、面接会の前に4日間集中プログラムで合格力を高めるなどの方策をとっていますが、講座や就職相談はNPO等に委託して各地域ごとにも行っています。青年の就労支援について、足立区の例も参考にしながら、新宿区として取り組まれてはいかがでしょうか。 第4に、就労体験の支援について伺います。 訓練就労サポーター制度は、足立区でニートやフリーターの方に、企業での就労を体験してもらう制度として始まりました。区内の事業所で1から3カ月程度働くことでコミュニケーション能力や勤労意欲を高め、正規雇用につなげるねらいがあり、ハローワークで仕事を探しても、コミュニケーション能力が不十分で、採用に至らないケースが目立つため対策をとったとのことです。就労支援課長は「ハローワークで職探しをするための準備として活用してもらいたい。働く意味を考え、規律を身につける機会になれば」としています。制度を利用できるのは、区と前述のNPO法人青少年自立援助センターが運営するあだち若者サポートステーションに登録した15歳から30歳代で、受け入れ先として、生協や倉庫業、製造業など区内の十数社を募り、サポーター企業として登録、企業には補助金が交付されます。内容については、実践的な訓練にするため、企業の繁忙期などに働いてもらい、接客マナーや商品の仕分けなどを担当します。仲間同士でやる気を引き出すため、サポーター企業は1社につき2人以上で訓練し、業務は企業から青少年自立援助センターが請け負い、現場ではセンター職員が指導役として付き添うものです。訓練を受ける若者へは、企業からセンターを通じて賃金のかわりに分配金が支払われ、責任感とやりがい、働くことの喜びを感じてもらえるようにしています。 新宿区若年者就業状況調査では、若年非就業者で就労経験がない層が、求職活動ができていないことも指摘され、インターンシップや就労体験の有用性が説かれ、幅広い業種、職種のインターンシップ協力企業のネットワークづくりが必要とされています。新宿区では、障害者の方へ、区役所内インターンシップを初め、就労準備を充実させてきました。新宿区の事業所数や規模、体力を考えると、足立区以上に事業所の協力を得る条件もあります。 そこで、区長にお伺いします。 青年の雇用と就労支援のため、区役所内のインターンシップと同時に、幅広い業種、職種のインターンシップ協力企業のネットワークづくりを進め、さきに述べたような体験プログラムを構築すべきと考えますが、いかがでしょうか。 第5に、青年の起業支援について伺います。 青年の就労支援という点では、雇用の促進と同時に、就労だけにとどまらず、起業の支援に視野を広げることも必要と考えます。新宿のにぎわいは、既存企業の廃業がある一方、新規の事業を起こす人がいることによってつくられてきていることは、先般発表された(仮称)新宿区産業振興基本条例に関する提言書などでも明らかです。 三鷹市では、SOHOCITYみたか構想を打ち出し、情報提供、インキュベーションセンター、若者起業家資金貸付金利子補給の制度など、コミュニティビジネスなどの支援策に取り組んでいます。一方、新宿では、これからインキュベーションセンターなど起業家の支援に取り組みが始まります。 そこで、区長に伺います。 利子補給など、若者向け制度融資の創設や経営相談、技術相談をSOHOの提供、家賃補助など、青年の起業支援システムとして構築してはいかがでしょうか。 第6に、地場産業に従事し、あるいは従事しようという青年への支援について伺います。この間、新宿区は地場産業の支援に傾注してきました。当然、大もととなる市場の確保や従事者の定着など課題があると伺っていますが、印刷・製本、染色などの地場産業に携わろうとする青年への経済的支援を行い、就業の促進と雇用確保、経営支援を行うことを検討してはいかがでしょうか。 以上、お伺いします。 ◎地域文化部長(酒井敏男) 川村議員の御質問にお答えします。 まず、青年の雇用の現状と原因をどのようにとらえているかについてのお尋ねです。 総務省による最新の調査によりますと、7月の完全失業率は5.2%と6月に比べ0.1ポイント改善しているものの、昨年7月の5.6%をピークに高い水準が続き、特に若年層の完全失業率は高い現状にあります。これは、景気後退による採用抑制や希望職種の偏り等により、働く意欲を持ちながら希望どおり就職できない青年の多いことが原因であると考えています。 次に、青年の雇用対策と就労支援について、行政計画での位置づけを高めることについてのお尋ねです。 区は、このような状況を青年個人の問題ではなく、大きな社会問題としてとらえるとともに、行政課題として受けとめ、青年に対し適時適切な情報や機会の提供が大切と認識しており、本年4月に就労支援事業を所管する組織として消費者支援等担当課に就労支援係を設置し、体制の強化を図りました。今後も、実行計画に基づき、若年層の雇用情勢等の動向を注視しながら、積極的に青年の雇用対策と就労支援について取り組んでまいります。 次に、外部評価を踏まえた区の取り組みについてのお尋ねです。 区では、青年への雇用対策として、ハローワーク新宿・東京商工会議所新宿支部との共催による就職面接会を年2回、ミニ就職面接会を年4回開催し、区内で就職を希望する青年へ雇用機会の提供を行っています。就職面接会の実施に当たっては、過去の就職面接会のアンケート調査の結果などを踏まえ、青年が希望する業種、業態の参加企業を検討するなど、ハローワークとの連携を強化し、青年への雇用対策の充実を図ってまいります。 また、勤労者・仕事支援センターでは、旧東戸山中跡地に建設中の新たな拠点に、平成23年4月、若年者就労支援室を設置します。若者の自立支援連絡会構成員である若年者支援のNPOなどと連携、協力しながら、ひきこもりなど、自分の力だけで就職活動が困難な方へ向けた支援を強化していきます。 次に、合格力を高める方策についてのお尋ねです。 区では、業界の魅力や最新事情、会社が求める人物像などの知識を習得するIT業界就職セミナー及び基本的な面接手法や心構えを体得する面接直前セミナーなど、ハローワーク等の共催事業を通じ、就職へつながる支援策を講じております。あわせて、東京しごと財団などが主催する各種就職関連セミナーについても、区ホームページを通じ、積極的に周知してまいります。また、区内3カ所で事業展開しているハローワークのほか、関係各機関と密に連携し、きめ細かく丁寧な情報発信の強化に努めてまいります。 次に、就労体験プログラムの構築についてのお尋ねです。 現在、厚生労働省から委託を受けたNPOが、新宿若者サポートステーションを設置し、仕事体験として新宿区内の協力企業において、職場見学や職業人セミナー、お仕事講話、職場体験、ジョブトレーニングといった事業を行っています。区では、情報の共有化を進めながら就労意欲を高め、正規雇用へつながる支援を実施しています。また、勤労者・仕事支援センターでは、サテライトオフィスでの就労機会の提供に加え、ビジネスマナー研修等のスキルアップ支援も実施しています。 区内協力企業のネットワークづくりについては、今後の検討課題とするとともに、区役所内のインターンシップ等、多様な就労体験の機会創出に努めてまいります。 次に、青年の起業支援についてです。 区内で起業される方がふえることは、まちに刺激と活力を与え、新陳代謝を促し、産業の活性化を呼び込むことになると考えます。起業に関しては、若い力に期待する点もありますが、それ以上に、さまざまな年代の方々がその経験や知識を活かし、起業に取り組んでいってほしいと思います。 したがって、青年に特化した支援策を実施する考えはありませんが、融資制度や経営相談、インキュベーション施設の設置等、起業に関する支援策については積極的に取り組んでまいります。 次に、地場産業に従事し、あるいは従事しようとする青年への支援についてのお尋ねです。 各業種の持つ特性や雇用慣行などを十分踏まえた上で、どのような支援ができるか、各種団体の意見をお聞きしながら今後研究してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆7番(川村のりあき) 盛りだくさんになってしまって、時間が若干超過して恐れ入りました。 丁寧に御答弁いただきましてありがとうございます。2003年の第3回定例会でも代表質問の中で青年の雇用対策を質問させていただいたんですけれども、この7年で非常に厳しさがまた出てきたということもありまして、就労支援も含めまして質問をさせていただきました。あと、決算特別委員会での同僚議員の質問にゆだねたいというふうに思います。 御静聴いただきありがとうございました。(拍手) ○議長(深沢としさだ) ここで、議事進行の都合により15分間休憩します。 △休憩 午後5時38分--------------------------------------- △再開 午後5時57分 ○議長(深沢としさだ) ただいまから会議を再開します。 質問を続行します。 5番平間しのぶ議員。     〔5番 平間しのぶ議員登壇、拍手〕 ◆5番(平間しのぶ) 民主党新宿区議団の平間しのぶです。 第三国定住難民の受け入れについて一般質問いたします。誠意ある御答弁、よろしくお願いいたします。 外務省は、平成20年12月16日の閣議了解により、国際貢献、人道支援の観点からアジアで初めて難民を第三国定住として受け入れることを決定しました。パイロットケースとして今年度から毎年30名程度ずつ受け入れを実施するとしています。受け入れるのはタイ国内のメーラ難民キャンプで難民生活を送っていらっしゃるミャンマー難民の方々です。現地での選定も終え、9月28日には来日する予定です。来日したミャンマー難民の方々は、日本の安住支援施設に滞在し、180日の間、日本語教育、生活ガイダンス、職業紹介等の自立支援プログラムを受講します。その後は、第三国定住難民、それぞれ地域社会で自立して生活していきます。このたび、外務省から新宿区に対して自立支援プログラム実施への協力要請があったと聞きました。自立支援プログラムの実施に関しては、財団法人アジア福祉教育財団が運営するRHQ支援センターにおいて実施することが決まりました。内容は、日本語教育、社会生活適応指導、学校生活体験学習等と聞いています。宿泊場所も、西早稲田近辺で調整中であり、新宿区での滞在が決定しそうであるとのことでした。 そこで、質問いたします。 1点目は、第三国定住難民を受け入れるに当たっての新宿区の基本的スタンスです。 外務省からどのような要請があったのか、それについてどのように受けとめ、どのような協力や支援をしていくのでしょうか、お聞かせください。 2点目に、地元対応についてです。 まずは、地域には丁寧に説明されるよう政府に強く要望していただきたいと思います。地域の皆さんもさまざまな不安や心配を持つと思います。地域の皆さんに、人道支援等、本事業の意義、国際貢献の意義等を理解していただくためにも大事なことと考えます。 その次に、生活指導員の確保です。 日本の生活習慣と全く異なる環境の中で生活してきた難民の皆さんが一日も早く日本での生活になれていくためには、生活全般の支援をする指導員の確保が不可欠であり急務です。生活指導員をどのように確保し、事前の研修等を実施していくのかお聞かせください。 また、新宿区で作成している外国人向けの生活スタートブックは大変よくできているので、政府の予算でそれを翻訳し、難民の皆さんに提供するようにしてはいかがでしょうか。 3点目に、自立支援プログラムについてです。 今までの生活環境と全く異なる日本に入国し、180日間という短期間で日本語を習得し、生活習慣や文化を理解するのはとても困難だと思います。習得状況や適応のスピードにも個人差が生じるのは当然です。プログラム期間の延長も想定すべきと考えます。新宿区はどのような認識を持っているのか。また、外務省に対してどのように要望しているのかお聞かせください。あわせて、プログラム期間の延長がなかった場合、政府は個別にどこまで対応していくつもりなのか、現時点で把握している範囲でお答えください。 4点目に、自立支援プログラム終了後の対応についてです。 180日間のプログラムが終了した後は自立した生活を送らなければなりません。今回、入国する難民の方は、御家族27人で、大人が10人、日本の学齢での高校生相当が1人、小学生相当10人、未就学児6人と聞いています。大人の方は、就職し生計を維持し、家族を養っていかなければなりません。雇用状況が悪化している社会情勢の中で、その就職先を確保することも大変厳しいでしょう。新宿で定住するかどうかはわかりませんが、安易に最後のセーフティネットである生活保護の適用となっては難民受け入れの趣旨や目的にも反します。また、子どもたちへの学校教育や学童保育、未就学児については保育所等の入所の課題も当然に想定できます。さらに、大人、子どもを問わず、精神的なケアやサポートも必要になってくると思われます。これらの諸々の課題について新宿区としてどのように認識しているのでしょうか。また、政府はどのように考えているのでしょうか、わかる範囲でお答えください。 ◎地域文化部長(酒井敏男) 平間議員の御質問にお答えします。 初めに、第三国定住難民受け入れについて区の基本的スタンスについてです。 外務省からは、本年7月に区に対して協力要請がありました。定住支援プログラムを実施するに当たり、宿泊施設を初め、各種相談、照会等をさせていただきたいとの内容で、区は、この要請を受けて、宿泊施設確保や地域の理解を得るための協力、調整を行っています。外国人が多く住み、暮らすことをプラスメッセージとして積極的に発信し、多文化共生のまちづくりを推進するという区の基本的スタンスのもと、今後も難民の方々の自立に向けた支援が円滑に進行するよう政府に協力してまいります。 次に、地元対応についてのお尋ねです。 難民の方々が地域で生活をしていくためには、地域の理解と協力が欠かせません。このため、外務省と連携しながら、町会や商店会への説明を通して地域の理解を得られるよう努力してまいります。さらに、受託事業者である財団法人アジア福祉教育財団が生活指導員の確保を進めていますが、言葉の違いからくるコミュニケーション不足や生活指導上の行き違いが生じないよう、事前研修等の十分な実施を外務省に要望しています。また、区で発行している新宿生活スタートブックを翻訳し提供してはどうかとの御提案についてですが、既に政府に翻訳に必要な情報の提供を行っております。 次に、自立支援プログラムとプログラム終了後の対応についてのお尋ねです。 日本語の習得、職業訓練、日本社会のルールの理解といった多岐にわたる内容をしっかりと身につけてもらうためには、180日間では短いのではないかと区として懸念しています。このため、外務省にも既に文書による申し入れを行っており、外務省からも、定住支援プログラムをもって難民の方々が直ちに自立するのは困難であるとの考え方や、プログラム終了後も関係省庁と緊密に連携しつつ、第三国定住難民の地域社会における自立生活の開始を支援するため、職場適応訓練、日本語教育相談員や生活相談員による定期的な指導、助言等を引き続き実施していくとの回答を得ています。 今後も、自立支援プログラムの進捗状況を見守りつつ、プログラム終了後はそれぞれの家族の方が住宅と職を確保し、日本で自立して安定した地域生活が送れるよう、引き続き政府に申し入れを行っていきます。 以上で答弁を終わります。 ◆5番(平間しのぶ) 御答弁いただきましてありがとうございます。 アジアで初めての事業が、新宿区に抜擢というか、ぜひ協力してほしいと来たということで、ぜひ成功してほしいなと心から思っていますし、新宿区も地域の皆さんのために意見もどんどん政府のほうに言っていただきたいと思います。同僚委員が決算特別委員会でもうちょっと突っ込んだことをまた伺うかもしれませんが、そのときはまたよろしくお願いします。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(深沢としさだ) 次に、28番えのき秀隆議員。     〔28番 えのき秀隆議員登壇、拍手〕 ◆28番(えのき秀隆) 平成22年第3回定例会一般質問を行います。 新宿区区議会無所属クラブのえのき秀隆です。 今回は、税収以外の財源確保についてお伺いいたします。 今定例会では決算審議が行われます。決算内容としては、昨年度より急激な景気後退の影響で、義務的経費である扶助費が伸びる一方、一般財源が大幅に減少していることが特徴として上げられます。また、基金に関しては、これまで10年間行われなかった財政調整基金の取り崩しが行われました。実質単年度収支も赤字となり、経常収支比率も86%弱と区の財政状況は厳しい局面を迎えていることがうかがえます。今後もさらに厳しい財政運営を強いられることが予測されます。日本経済はアメリカ経済に大きな影響を受けますが、今月、アメリカで発表された地区連銀経済報告では、明確に経済成長の減速が確認されました。日本の経済状況も政府の発表と実態が乖離しているようにも感じられ、今後も、過酷な雇用環境、個人所得の低迷の長期化などが予測されます。こうした区財政を取り巻く環境の中でも必要な施策は着実に実施をしなければなりません。施策を展開するに当たりましては、いかなる環境にも順応できる財政基盤の確立が区政運営上必須条件と言えます。 私は、予算委員会などで土地信託事業など、税収以外の財源確保を大いに評価させていただきましたし、その大切さについても意見を申し上げてまいりました。地方自治体の中には、土地信託事業ほど大きな収入ではありませんが、近年、新たな財源確保方策を模索する動きが出てきております。具体的な内容としては、企業広告を活用し広告収入を得るという手法です。過去の例としては、横浜市が先進的に取り組みを行い、有料広告を専門に扱う課を設置したという報道がありました。このほかにも、ホームページや公用車、広報誌、窓口で扱う封筒などに有料広告を掲載する自治体がふえてきていると言えます。最近では、図書館雑誌に民間企業などの情報発信を組み込み、スポンサー企業を募集し、雑誌の購入代金を負担してもらうといった事例も見られます。 新宿区でも、ホームページではポータルサイトの「しんじゅくノート」において、印刷物関連では「わたしの便利帳」で企業広告を掲載しています。また、街角の避難所案内板や一時集合場所案内板などにも企業広告を募り、維持管理費に充てています。広告費を出す企業にとっては、公益性の観点から地域社会に貢献できるということで、区民の企業経営姿勢、経営理念などの理解、信頼性の向上に資するため企業ブランドの育成といったメリットがあると同時に、企業に割安価格で広告宣伝する機会をふやし、企業活動を側面から支援する効果も期待できると言えます。 区の施設は、本庁舎を初め多くの区民が利用し、企業側から見れば広告効果の高い施設も多くあります。例えば、区施設のエレベーターやエスカレーター、階段などに広告を募り、維持管理費を負担してもらうなどの方法も考えられます。また、区が新たに購入する備品で多くの区民が活用するものの購入、維持管理費を負担してもらうといった方法もあります。 そこで、お尋ねいたしますが、現在、税収以外の税源確保として行っている方策についての評価と認識をお伺いいたします。 次に、今申し上げた広報、ホームページ、窓口封筒、公用車、図書館雑誌、区内施設のエレベーター、エスカレーター、階段、庁舎施設内備品への企業広告募集を検討するつもりがあるかお尋ねいたします。 これから財政的に厳しい局面を迎えようとする中で、少しでも自主財源を確保するという意味でも、有料広告を活用することは、ただ単に収入源を得るだけでなく、地域への企業の応援になるということ、また区民の皆さんが財政問題について考える機会になるということを申し上げまして質問といたします。 ◎総合政策部長(猿橋敏雄) えのき議員の御質問にお答えします。 税収以外の財源確保についてのお尋ねです。 土地信託については、信託期間の20年間の配当収入総額を118億円と見込み、年平均約6億円の財源確保を目標としています。平成15年8月に信託ビルの業務を開始して以来、平成21年末までの信託配当収入が、目標の39億4,700万円に対し、56億7,500万円と大きく上回っています。また、土地建物貸付収入については、跡施設や跡地を資産活用として貸し付けることにより、毎年度3億円を超える収入があります。 このように、区税等の増収を見込むことが困難な中で、信託配当や土地建物貸付収入は区の貴重な財源となっており、旧学校施設を資産活用した場合には、基金への積み立ても行い、校舎整備や新校建設の財源とするなど、税収以外の財源を確保する手法として効果的であると認識しています。 広告収入については、区が、直接、広告により収入を得ているものは職員報のみです。講読対象が職員に限定されており、福利厚生に資する広告を年間6万円で掲載しています。また、民間と協働で事業を行い広告を掲載しているものとして、くらしのガイド、避難場所等案内板がありますが、どちらも事業者が広告を掲載することで区の経費負担軽減を図っています。 なお、地域ポータルサイト「しんじゅくノート」は、広告収入による事業者の自主運営を図るものであり、区の経費削減を目指したものではありません。 こうした広告を活用した事業運営は、財源確保や経費削減につながるほか、地元企業、団体等の活動をPRできるといった効果があります。一方で、行政が私企業広告を活用する場合には、当該企業の信用性の判断等、一定のリスクが伴うことは否定できません。 こうしたことから、広報、ホームページ、庁舎施設内等への企業広告募集については慎重を期さなければならないと考えていますので、必要に応じて適宜検討を行ってまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆28番(えのき秀隆) 今回の提案につきましては、土地信託に比較すれば広告の収入というのはわずかな金額かもしれません。ちりも積もれば山となるということわざに対して、ちりの山ができるだけじゃないかというようなこともありますけれども、細かいお金を長い期間集めていくとそれなりの金額になるということもありますので、ぜひそういった手法も積極的に取り入れていただいて、また区民の皆さんへのそういった財政面の啓発ということも考えて進めていただければなと、このように考えております。 どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(深沢としさだ) 次に、3番野もとあきとし議員。     〔3番 野もとあきとし議員登壇、拍手〕 ◆3番(野もとあきとし) 区議会公明党の野もとあきとしです。 私は、にぎわいと安全、安心のまちづくりについて一般質問いたします。 最初に、歌舞伎町地域についてお伺いします。 平成13年9月1日未明、歌舞伎町で、死者44名、負傷者3名のビル火災が起こりました。この建物は、地上5階、地下2階、延べ床面積500平方メートルで、屋内階段1本の雑居ビルであり、建物の防火管理に法令違反があったとされています。また、平成20年10月1日、大阪市の雑居ビル個室ビデオ店の火災や平成21年11月22日の杉並区高円寺南の飲食店における火災があり、全国的にも雑居ビルへの防火体制の強化が求められています。区は、平成16年2月から歌舞伎町地域の安全で安心な建築物づくりを推進するための一斉立入検査を実施しており、平成21年12月には、区内の歌舞伎町だけでなく、重点地区の合同一斉立入検査を行っています。 まず初めに、今回の合同立入検査で課題が浮き彫りにされたのか、どのような成果があったのか、また検査の結果、不適合の項目に対して改善指導が行われたと思いますが、アフターチェックを厳しく実施されたのかお伺いします。 また、今回、一斉立入検査が区内重点地域まで広げて行われましたが、継続した取り組みが大事で、今後、計画的な立入検査を実施すべきと考えますが、御所見をお伺いします。 次に、防犯対策の強化についてお伺いします。 警視庁によれば、平成14年2月27日から歌舞伎町の街頭防犯カメラシステムの運用が行われました。ドームカメラ36台、固定カメラ18台、高感度カメラ1台の計55台で、各カメラが撮影した映像は新宿警察及び警視庁本部に送られています。新宿区も、東京都の補助金を活用して町会や商店会などを主体とした防犯カメラの設置を推進し、区内では222台が稼働しております。 そこで、伺います。 防犯カメラの設置によりどのような防犯対策効果があったのか。また、防犯カメラについてはプライバシーの侵害などの課題がありますが、安全性とのかかわりをどのように認識され、プライバシー保護のハードルをどのようにクリアされているのかお聞かせください。 あわせて、持ち家や民間賃貸住宅などへの個別の防犯対策についてお伺いします。 繁華街や商店街、町会単位の防犯対策については、防犯パトロール、民有灯の照度アップなど、地域が主体となった防犯対策が着実に成果につながっており、安全・安心のまちづくりが推進されていることを高く評価しております。さらに、防犯対策を推進するためには、自分の命は自分で守るという各家庭での防犯対策の強化も重要であります。 そこで、持ち家や民間賃貸住宅にお住まいの方への防犯性の高いかぎや補助錠の取りつけを初め、防犯に有効な対策について区としても支援すべきと考えますが、御所見を伺います。 続いて、歌舞伎町ルネッサンス事業の推進と歌舞伎町タウン・マネージメントの取り組みについて伺います。 我が会派は、歌舞伎町の再生に対して、規制と監視の強化も必要であるが、歌舞伎町に若者文化を導入することによって、歌舞伎町に新しい風を送り、新たな文化の構築が大切であると訴えてきました。区も、吉本興業誘致や大久保公園を活用したシアターパークの推進など、積極的に若者文化の導入を行っており、高く評価するものです。 しかし、一方でコマ劇場や映画館が相次ぎ閉館する状況の中、私のところには厳しい声が届いているのも事実です。区は、こうした声に対し、歌舞伎町ルネッサンス事業を推進し、これまで成果を上げてきたということをもっと情報発信し、理解していただくことが重要であると考えますが、この点についての御所見を伺います。 また、歌舞伎町ルネッサンスでは、これまでに相当額の予算が投じられ、インフラ整備が進められてきましたが、今後、将来にわたり限られた財源の中、どのように歌舞伎町ルネッサンス事業を推進していくお考えなのか伺います。 そして、歌舞伎町ルネッサンス事業の経験や歌舞伎町タウン・マネージメントの手法を活かし、例えば外国人が多く生活する多文化共生のまちづくり、あるいは大学や教育機関が集中する文教地域や、新宿区の記憶が残る歴史や文化を活かしたまちづくりに応用し、展開していくことが重要であると考えますが、御所見を伺います。 最後に、新大久保駅周辺地域についてお伺いします。 区は、平成17年4月に策定した交通バリアフリー基本構想に基づき、鉄道駅のエレベーターの設置に対して補助を行い、積極的にエレベーター設置を進めております。本年3月中旬には大久保駅にエレベーターが設置され、特に高齢者や障害者の方から喜びの声が寄せられています。しかし、第一次実行計画に示された平成21年度の新大久保駅のバリアフリー化はいまだ実現されておりません。新大久保駅は、改札口が1カ所であり、ピーク時は2カ所ある階段を上りと下りの通行で大変な混雑となっております。そのため工事計画や設置場所の確保が難しい状況であると聞き及んでいます。バリアフリー化を要望する利用者の声が日ごとに高まっており、私のところにも多くの声が寄せられています。今後、実現に向けてどのように取り組まれるおつもりかお聞かせください。 また、補助72号線が諏訪通りから大久保通りまで整備されることにより、新大久保駅周辺地域の対策が重要となります。区は、7月26日に大久保地域センターで補助72号線の工事説明会を開催し、整備内容や工事の進め方、質疑応答を行っています。説明会では、補助72号線と大久保通りの交差点改良工事について、交差点部の塗装工事や横断歩道と信号機の新設や移設、バス停の移設や統合の説明がありました。安全対策については、警視庁との協議を行いながら進めているとのことでした。 中でも、バス停の移設、統合は新大久保駅前付近を予定しているとのことですが、駅前はさらに人が行き交う場所になります。駅のガード下の歩道は狭く、交差点の信号待ちの人が滞留すると、歩道の通行が困難になります。車や自転車、人が安心して通行できるように、まちづくりの観点から新大久保駅周辺の安全と安心の確保が求められます。どのような駅周辺整備をお考えか伺います。 以上で質問を終わります。 ◎都市計画部長(鹿島一雄) 野もと議員の御質問にお答えいたします。 初めに、平成21年12月の雑居ビルに対する合同立入検査で課題が浮き彫りにされたのか、どのような成果があったのか、検査の結果についてアフターチェックを実施したのか、また今後、計画的な立入検査を実施するのかとのお尋ねです。 平成21年11月に発生した杉並区高円寺南の飲食店火災は、死者4名、負傷者12名を出すという痛ましい事故でした。そこで、区では、同様な事故を防止するため、平成21年12月から翌年1月にかけて、新宿駅周辺や高田馬場駅周辺、歌舞伎町地区などの繁華街を重点地区と位置づけて、消防署と協議が調った94棟の雑居ビルについて、消防署との合同による立入検査を実施しました。 この立入検査では、94棟のうち不適合を指摘したものが85棟あり、その不適合内容は、非常用照明や火災の拡大を防止するための防火区画についての不適合が多数あるという課題が明らかになりました。不適合を指摘した雑居ビルのうち、21棟については改善されるという成果もありました。また、未改善のものに対しては、アフターチェックとして文書や現地調査による改善指導を続けて行っているところです。 計画的な立入検査の実施については、現在、警察署の風俗営業許可に伴う建築指導課への通知制度において、許可する場合には消防署及び警察署との合同による立入検査を行うことになっていることから、年間約400棟の雑居ビルについて計画的な検査を実施しています。 今後も、引き続き明らかになった課題を重点に、雑居ビルの防災体制の強化に取り組んでいきます。 次に、新大久保駅のバリアフリー化にどのように取り組んでいくかについてのお尋ねです。 区では、エレベーター設置補助による駅施設のバリアフリー化促進を図っており、新大久保駅は第一次実行計画に位置づけた最後の1駅となりました。現在、JR東日本がエレベーター設置に向けた取り組みを進めているところですが、御指摘のとおり、新大久保駅は駅施設が大変狭く、用地確保が必要であることから、エレベーターの設置場所の選定や工事方法など、困難な課題を抱えていると聞いています。 区としては、新大久保駅が駅利用者にとってより安全で快適に利用できるよう、エレベーター等の設置による早期のバリアフリー化実現を同社に引き続き働きかけていきます。 次に、補助72号線の整備に伴う新大久保駅周辺の安全と安心の確保についてのお尋ねです。 区の都市マスタープランにおいては、新大久保駅周辺を生活交流の心と位置づけ、住機能と近接する地域の生活中心として、歩道やオープンスペースなどの整備を進めることとしています。 補助72号線の整備に伴い、新たに大久保通りとの交差点が設置されますが、これにより、横断歩道や信号機の新設、バス停の移設、統合が必要となります。このため、駅周辺の人の流れや交通量、バスの乗降客などの調査を行いました。この結果に基づき、現在、駅前の歩行者が滞留せず、安心して歩けるよう、横断歩道の幅や信号機の点灯時間などについて関係機関と調整しています。 また、補助72号線の無電柱化やバリアフリー化などの沿道整備を行うとともに、駅周辺の細街路の拡幅整備を進めながら、にぎわいあふれる安全・安心のまちづくりを進めてまいります。 ◎区長室長(寺田好孝) 続きまして、防犯対策の強化についてのお尋ねにお答えをいたします。 初めに、防犯カメラの効果についてです。 防犯カメラの設置による犯罪抑止等の効果を正確に把握することは困難ですが、防犯カメラに記録された映像が資料となって事件が解決したという報道や、防犯カメラの設置が随所に表示されることにより、相当程度の犯罪抑止効果があると認識しております。また、平成19年度から平成21年度の区政モニターアンケートでは、安全・安心のまちづくりに有効であるものとして、住民一人ひとりの防犯意識の啓発に次いで、防犯カメラの設置が上げられていることからも、防犯カメラは地域の方々に安心感を与え、体感治安の向上に有益なものと考えております。 次に、防犯カメラとプライバシーの保護についてでございます。 防犯カメラを設置する際には、設置団体ごとに運用要綱の作成を義務づけ、設置場所、設置台数、映像データ保管の方法や期間、データの提供制限などを定め、運用管理体制の厳格化を図っているところでございます。 さらに、カメラの運用開始前には、区職員が、直接、モニターや映像保存機器の設置場所を検査し、運用要綱に基づく管理体制の確認を行ってございます。 次に、持ち家や民間賃貸住宅など、各家庭の防犯対策についてのお尋ねでございます。 安全で安心なまちづくりを進めていくためには、一人ひとりが日ごろから防犯意識を持ち、防犯性の高い地域社会を構築していくことが何よりも重要と考えております。 現在、新宿区民の安全・安心の推進に関する条例に基づく安全推進地域活動重点地区は68地区となり、また防犯ボランティアグループは39グループを数えております。さらに、しんじゅく安全・安心情報ネット登録者約2,850名の方々には、ひったくり、振り込め詐欺及び不審者情報などを提供しています。 御提案の各家庭での防犯に有効な対策につきましては、区内4警察署と十分な連携をとりつつ、町会・自治会の各種会合や重点地区活動団体の連絡会等の機会を活用いたしまして、防犯用具の性能や取りつけ方法を紹介するなど、積極的な普及、啓発に努めてまいります。 次に、歌舞伎町ルネッサンスについてのお尋ねでございます。 区は、平成17年1月に歌舞伎町ルネッサンス推進協議会を立ち上げ、歌舞伎町をだれもが安心して楽しめるエンターテインメントのまちへ再生することを目標に掲げ、これまで路上清掃や防犯パトロールなどの安全・安心事業、シネシティ広場や大久保公園などの公共空間を活用した地域活性に向けたイベントなど、さまざまな事業を推進してまいりました。 この結果、区が毎年実施しております区政モニターアンケートでは、「歌舞伎町に対するイメージが向上した」「まちが安全になった、きれいになった」との回答が平成17年度の約20%から平成21年度では約30%に上がるなど、歌舞伎町ルネッサンスに対する評価をいただいているところでございます。 しかし一方で、「歌舞伎町ルネッサンスを知っていますか」という問いに対する「知っている」との回答は約13%であり、その認知度はいまだ十分とは言えません。区は、こうしたことも十分踏まえながら、区や歌舞伎町タウン・マネージメントのホームページ、地域ポータルサイトであるしんじゅくノート、歌舞伎町タウン・マネージメントが発行する地域情報誌を活用し、歌舞伎町ルネッサンスの取り組みや成果について、よりわかりやすく積極的に今後とも情報発信してまいります。 次に、今後の歌舞伎町ルネッサンス事業の推進についてのお尋ねでございます。 区は、これまで歩道の拡幅及び違法駐車対策としての花道通りの整備や、車両の相互通行を確保するために西武新宿駅前通りの整備を行うとともに、本年6月には、大久保公園を新たな文化の発信とにぎわい創出の拠点となるシアターパークとしてリニューアルいたしました。 今後は、コマ劇場跡地など、シネシティ広場を中心とする地域に民間による再開発が想定されるところでございます。そうした変化への的確な対応とともに、歌舞伎町の持つエンターテインメント性を持続していくためにも、これまでの取り組みに加え、シネシティ広場や大久保公園などの公共空間を積極的に活用し、スポーツイベントや農山村とのふれあいキャンペーンなどの事業を継続的に展開し、多くの方が来て楽しむことができるよう、歌舞伎町ルネッサンスを推進してまいります。 最後に、歌舞伎町ルネッサンス事業の経験や歌舞伎町タウン・マネージメントの手法を活かしたまちづくりについてのお尋ねでございます。 歌舞伎町ルネッサンス事業は、清掃活動や防犯パトロールなどを行うクリーン作戦プロジェクト、シネシティ広場や大久保公園などでイベントを実施し、にぎわいづくりを行う地域活性化プロジェクト、歌舞伎町まちづくり誘導方針により、まちづくりを進めるまちづくりプロジェクト、そして空き室や公共空間に歌舞伎町再生の担い手を誘致する喜兵衛プロジェクトの4つのプロジェクトを中心として展開しております。 また、平成20年4月には、歌舞伎町タウン・マネージメントを設立し、地元の事業者や地域の住民が主体となって、これらのルネッサンス事業を進めているところでございます。 これまでの実績には、シネシティ広場における音楽と踊りを通して民族文化を紹介した「ボリビア デ フェスタ」や東京工芸大学などと連携したアートイベント「トレジャー・シティ」、また旧コマ劇場の工事の仮囲いを利用し、新宿区の歴史を紹介したウォール・ギャラリーの実施などがございます。歌舞伎町ならではの特性を活かしたこうした取り組みの中には、他の地域のまちづくりにも活用可能なものがあると考えてございます。 既に歌舞伎町タウン・マネージメントが実施している本庁舎前での音楽のイベントや、新宿の歴史をたどるアートイベントなどのルネッサンス事業を区の文化ロードの一環として位置づけ、新たな文化の創造と発信に役立てております。 こうした取り組みを踏まえまして、今後は、歌舞伎町ルネッサンス事業や歌舞伎町タウン・マネージメント独自の取り組みを幅広く展開していく中で、その経験や実績の応用、また展開可能な事例について検討してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆3番(野もとあきとし) 大変御丁寧な御答弁、ありがとうございました。 まちが安全であること、安心であることは何よりも大切と思います。また、世界じゅうから人々が集う国際都市新宿がさらににぎわいのある魅力的な都市となるよう、施策の推進をお願いします。 私は決算特別委員会に参加の予定ですので、詳しくは改めて質問させていただきます。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(深沢としさだ) 以上で一般質問は終わりました。--------------------------------------- ○議長(深沢としさだ) 次に、日程第3を議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第73号議案 平成22年度新宿区一般会計補正予算(第4号)     〔巻末委員会審査報告書の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(深沢としさだ) なお、委員会審査報告書は、お手元に配付しましたとおり可決です。 お諮りします。 本案を委員会審査報告のとおり決定することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(深沢としさだ) 異議なしと認めます。 本案は、委員会審査報告のとおり可決されました。--------------------------------------- ○議長(深沢としさだ) 次に、日程第4を議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △同意第1号 新宿区教育委員会委員任命の同意について     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(深沢としさだ) 提出者の説明を求めます。     〔中山弘子区長登壇〕 ◎区長(中山弘子) ただいま上程されました同意第1号の新宿区教育委員会委員任命の同意について御説明いたします。 本案は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項の規定に基づき、新宿区教育委員会委員として白井裕子さんを任命するものです。 御審議の上、御同意いただきますようよろしくお願いいたします。 ○議長(深沢としさだ) 説明は終わりました。 これから委員会付託を省略し、起立により採決を行います。 本案を原案のとおり同意することに賛成の方は御起立願います。     〔賛成者起立〕 ○議長(深沢としさだ) 起立全員と認めます。 本案は原案のとおり同意することに決定しました。--------------------------------------- ○議長(深沢としさだ) 次に、日程第5から日程第7までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △諮問第1号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について △諮問第2号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について △諮問第3号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(深沢としさだ) 提出者の説明を求めます。     〔中山弘子区長登壇〕 ◎区長(中山弘子) ただいま一括して上程されました諮問第1号から諮問第3号の人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について御説明いたします。 いずれも人権擁護委員法第6条第3項の規定に基づき、人権擁護委員候補者の推薦に当たり、議会の意見を求めるものです。 まず、諮問第1号は野尻信江さんを推薦するものです。 次に、諮問第2号は山口幸子さんを推薦するものです。 次に、諮問第3号は吉村 誠さんを推薦するものです。 以上、御審議の上、御賛同いただきますようよろしくお願い申し上げます。 ○議長(深沢としさだ) 説明は終わりました。 これから委員会付託を省略し、順次起立により採決を行います。 最初に、諮問第1号について採決します。 本案を諮問のとおり決定することに賛成の方は御起立願います。     〔賛成者起立〕 ○議長(深沢としさだ) 起立全員と認めます。 本案は諮問のとおり決定しました。 次に、諮問第2号について採決します。 本案を諮問のとおり決定することに賛成の方は御起立願います。     〔賛成者起立〕 ○議長(深沢としさだ) 起立全員と認めます。 本案は諮問のとおり決定しました。 次に、諮問第3号について採決します。 本案を諮問のとおり決定することに賛成の方は御起立願います。     〔賛成者起立〕 ○議長(深沢としさだ) 起立全員と認めます。 本案は諮問のとおり決定いたしました。--------------------------------------- ○議長(深沢としさだ) 次に、日程第8から日程第12までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △認定第1号 平成21年度新宿区一般会計歳入歳出決算 △認定第2号 平成21年度新宿区国民健康保険特別会計歳入歳出決算 △認定第3号 平成21年度新宿区介護保険特別会計歳入歳出決算 △認定第4号 平成21年度新宿区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算 △認定第5号 平成21年度新宿区老人保健特別会計歳入歳出決算     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(深沢としさだ) 提出者の説明を求めます。     〔中山弘子区長登壇〕 ◎区長(中山弘子) ただいま一括して上程されました認定第1号から認定第5号について御説明いたします。 最初に、認定第1号の平成21年度新宿区一般会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は1,315億9,585万7,254円となり、これは予算額に対して95.6%の収入率となりました。 なお、3億9,787万3,333円の不納欠損処分をいたしまして、収入未済額は40億2,548万1,725円となりました。 また、歳出決算額は1,272億7,333万6,842円で、これは予算額に対して92.5%の執行率となりました。 翌年度への繰越額を除きました不用額は100億7,614万1,158円です。 この結果、歳入歳出差し引き額は43億2,252万412円となりますが、このうち翌年度予算への繰り越すべき財源3億263万2,000円を差し引きますと、実質収支額は40億1,988万8,412円となりました。 次に、認定第2号の平成21年度新宿区国民健康保険特別会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は307億7,539万8,297円となり、これは予算額に対して89.2%の収入率となりました。 なお、11億7,070万7,642円の不納欠損処分をいたしまして、収入未済額は38億3,592万6,170円となりました。 また、歳出決算額は306億8,213万9,593円で、これは予算額に対して88.9%の執行率で、38億1,206万8,407円が不用額となりました。 この結果、歳入歳出差し引き額は9,325万8,704円となりました。 続いて、認定第3号の平成21年度新宿区介護保険特別会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は177億1,764万8,945円となり、これは予算額に対して97.1%の収入率となりました。 なお、6,051万1,549円の不納欠損処分をいたしまして、収入未済額は1億7,441万5,882円となりました。 また、歳出決算額は173億4,761万5,678円で、これは予算額に対して95.1%の執行率で、8億9,163万9,322円が不用額となりました。 この結果、歳入歳出差し引き額は3億7,003万3,267円となりました。 続いて、認定第4号の平成21年度新宿区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は52億2,310万2,519円となり、これは予算額に対して91.6%の収入率となりました。収入未済額は6,440万250円です。 また、歳出決算額は52億1,295万4,323円で、これは予算額に対して91.5%の執行率で、4億8,662万1,677円が不用額となりました。 この結果、歳入歳出差し引き額は1,014万8,196円となりました。 最後に、認定第5号の平成21年度新宿区老人保健特別会計歳入歳出決算ですが、歳入額は1億681万5,392円となり、これは予算額に対して99.8%の収入率となりました。収入未済額は146万3,748円です。 また、歳出決算額は7,677万7,157円で、これは予算額に対して71.8%の執行率で、3,022万8,843円が不用額となりました。 この結果、歳入歳出差し引き額は3,003万8,235円となりました。 以上で説明を終わりますが、各会計歳入歳出決算事項別明細書並びに主要施策の成果の概要を説明する書類等をあわせて提出しておりますので、御審議の上、認定いただきますようよろしくお願い申し上げます。 ○議長(深沢としさだ) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています認定第1号から認定第5号までは、17名の委員で構成し、副委員長2名とする決算特別委員会を設置し、一括して付託したいと思います。 これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(深沢としさだ) 異議なしと認めます。 認定第1号から認定第5号までは、17名の委員で構成し、副委員長2名とする決算特別委員会を設置し、一括して付託することに決定しました。 次に、委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、お手元に配付しました決算特別委員会委員名簿のとおり指名します。---------------------------------------             決算特別委員会委員名簿  1番   有馬としろう     8番   あざみ民栄  2番   中村しんいち    10番   赤羽つや子  3番   野もとあきとし   12番   佐原たけし  4番   吉住はるお     16番   なす雅之 17番   すえき 亮     32番   雨宮武彦 18番   志田雄一郎     35番   かわの達男 24番   下村治生      37番   田中のりひで 27番   根本二郎      38番   松ヶ谷まさお 30番   久保合介--------------------------------------- ○議長(深沢としさだ) 次に、日程第13から日程第19までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第78号議案 災害に際し応急措置の業務等に従事した者の損害補償に関する条例の一部を改正する条例 △第79号議案 新宿区自治基本条例 △第80号議案 新宿区選挙管理委員会の委員等の報酬及び費用弁償に関する条例 △第81号議案 新宿区立新宿文化センター条例の一部を改正する条例 △第82号議案 新宿区立子育て支援施設の設置及び管理に関する条例 △第83号議案 新宿区学童クラブ条例の一部を改正する条例 △第84号議案 新宿区立公衆便所設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(深沢としさだ) 提出者の説明を求めます。     〔中山弘子区長登壇〕 ◎区長(中山弘子) ただいま一括して上程されました第78号議案から第84号議案について御説明いたします。 まず、第78号議案の災害に際し応急措置の業務等に従事した者の損害補償に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、児童扶養手当法の一部を改正する法律の施行に伴い、引用条項を改めるほか、規定を整備するものです。 次に、第79号議案の新宿区自治基本条例ですが、本案は、自治の基本理念を明らかにするとともに、これに基づく区政運営の原則並びに区民、議会及び区長の責務等について定め、区のさらなる自治の実現を図るものです。 次に、第80号議案の新宿区選挙管理委員会の委員等の報酬及び費用弁償に関する条例ですが、本案は、新宿区選挙管理委員会の委員の報酬を日額制とし、これに伴い新宿区教育委員会の委員の報酬とは別に条例を定めるものです。 次に、第81号議案の新宿区立新宿文化センター条例の一部を改正する条例ですが、本案は、新たに特別控室及び第5会議室を設置するとともに、これらの施設に係る利用料金の上限額を定めるものです。 次に、第82号議案の新宿区立子育て支援施設の設置及び管理に関する条例ですが、本案は、新たに新宿区立子ども総合センターを設置することに伴い、新宿区立児童館及び新宿区立子ども家庭支援センターとの有機的な連携を図ることにより、総合的な子育て支援策を推進するために、これらの施設を新たに新宿区立子育て支援施設として位置づけるものです。 次に、第83号議案の新宿区学童クラブ条例の一部を改正する条例ですが、本案は、新たに東戸山小学校内学童クラブ、大久保小学校内学童クラブ及び子ども総合センター内学童クラブを実施し、あわせてこれらの学童クラブにおいて延長利用をすることができることとするとともに、新宿区立江戸川小学校内で実施している東五軒町学童クラブ並びに戸山学童クラブ及び大久保学童クラブを廃止するほか、規定を整備するものです。 次に、第84号議案の新宿区立公衆便所設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は新宿区立大京町公衆便所及び新宿区立西大久保公衆便所を廃止するものです。 以上、御審議の上、御賛同いただきますようよろしくお願い申し上げます。 ○議長(深沢としさだ) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっております議案のうち第80号議案から第84号議案までは、お手元に配付しました議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。 ここで、特別委員会付託についてお諮りします。 最初に、第78号議案についてお諮りします。 本案は防災等安全対策特別委員会に付託したいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ○議長(深沢としさだ) 異議なしと認めます。 本案は、防災等安全対策特別委員会に付託することに決定しました。 次に、第79号議案についてお諮りします。 本案は自治・地方分権特別委員会に付託したいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(深沢としさだ) 異議なしと認めます。 本案は自治・地方分権特別委員会に付託することに決定しました。--------------------------------------- ○議長(深沢としさだ) 次に、日程第20から日程第23までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第74号議案 平成22年度新宿区一般会計補正予算(第5号) △第75号議案 平成22年度新宿区介護保険特別会計補正予算(第2号) △第76号議案 平成22年度新宿区後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号) △第77号議案 平成22年度新宿区老人保健特別会計補正予算(第1号)     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(深沢としさだ) 提出者の説明を求めます。     〔中山弘子区長登壇〕 ◎区長(中山弘子) ただいま一括して上程されました第74号議案から第77号議案について御説明いたします。 まず、第74号議案 平成22年度新宿区一般会計補正予算(第5号)についてですが、今回、歳入歳出予算を補正する額はそれぞれ16億7,084万9,000円です。 歳出予算から述べますと、総務費においては、選挙管理委員会委員等報酬60万6,000円を減額し、区政情報提供サービスの充実に要する経費420万円を計上するものです。地域文化費においては、都支出金の収入超過に伴う返納金及び落合の文化歴史資源の整備等に要する経費1億4,034万9,000円を計上するものです。産業経済費においては、国都支出金の収入超過に伴う返納金4,316万6,000円を計上するものです。福祉費においては、介護保険特別会計繰出金430万9,000円を減額し、国都支出金の収入超過に伴う返納金及び障害者福祉活動基金積立金等4億1,685万6,000円を計上するものです。子ども家庭費においては、国都支出金の収入超過に伴う返納金及び(仮称)高田馬場四丁目保育所等の整備等に要する経費1,727万8,000円を計上するものです。健康費においては、後期高齢者医療特別会計繰出金1,540万1,000円を減額し、国都支出金の収入超過に伴う返納金2,455万1,000円を計上するものです。土木費においては、建築基準法に基づく道路の調査に要する経費1,407万円を計上するものです。教育費においては、義務教育施設整備基金積立金及び小学校一般修繕等に要する経費2,075万円を計上するものです。諸支出金においては、財政調整基金積立金10億994万5,000円を計上するものです。 これらの財源としては、都支出金、寄附金、繰入金及び繰越金を充当するものです。これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額はそれぞれ1,431億9,261万6,000円となります。 次に、工事請負契約等の債務負担行為の補正ですが、(仮称)NPOふれあい広場の整備、落合の文化歴史資源の整備など5件について、いずれも設計委託が2年度にわたり分割して契約することが困難なため、債務負担行為を行うものであり、限度額の総額は4,346万9,000円、期間は平成23年度となっております。 次に、第75号議案 平成22年度新宿区介護保険特別会計補正予算(第2号)について御説明いたします。 今回、歳入歳出予算を補正する額はそれぞれ3億7,405万4,000円です。補正の内容は、介護給付費準備基金積立金を2億3,260万2,000円、国庫支出金、支払基金交付金及び都支出金の収入超過に伴う返納金等1億4,145万2,000円を計上するものです。 なお、平成21年度決算剰余金充当額の確定に伴い、総務費及び地域支援事業費において関係経費の財源構成もあわせて行うものです。財源としては繰入金を減額し、支払基金交付金、都支出金及び繰越金を充当するものです。これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額はそれぞれ190億2,443万4,000円となります。 次に、第76号議案 平成22年度新宿区後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)について御説明いたします。 今回、歳入歳出予算を補正する額はそれぞれ350万5,000円です。補正の内容は、広域連合納付金において保険料等納付金を計上するものです。 なお、平成21年度広域連合納付金の確定に伴い、保険料軽減措置納付金の財源構成もあわせて行うものです。財源としては繰入金を減額し、繰越金及び諸収入を充当するものです。これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額はそれぞれ57億8,738万1,000円となります。 次に、第77号議案 平成22年度新宿区老人保健特別会計補正予算(第1号)について御説明いたします。 今回、歳入歳出予算を補正する額はそれぞれ1,473万8,000円です。補正の内容は、諸支出金において、支払基金交付金、国庫支出金及び都支出金の収入超過に伴う返納金及び一般会計繰出金1,473万8,000円を計上するものです。財源としては、支払基金交付金及び繰越金を充当するものです。これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額はそれぞれ3,333万6,000円となります。 以上、御審議の上、御賛同いただきますようよろしくお願い申し上げます。 ○議長(深沢としさだ) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています第74号議案から第77号議案までは、お手元に配付しました議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。--------------------------------------- ○議長(深沢としさだ) 次に、日程第24を議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議員提出議案第22号 新宿区居住環境改善資金助成条例     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(深沢としさだ) 議員提出議案第22号の説明を求めます。 近藤議員。     〔20番 近藤なつ子議員登壇、拍手〕 ◆20番(近藤なつ子) ただいま上程されました議員提出議案第22号 新宿区居住環境改善資金助成条例について御説明いたします。 本案は、日本共産党区議団所属の6名が提出者であり、日本共産党新宿区議団所属の2名が賛成者となり、事実上8名で提案するものです。 私たちは、住宅リフォームに助成をする制度について、これまで1999年、2004年と議員提案してきました。区長にも昨日を含め繰り返し実施を求めてきましたが、残念ながら実施されず今日に至っています。北海道の北見市では、ことしの3月の議会で同様の趣旨の議員提案条例が出され、議論を通し、すべての会派が賛同し可決され、今年度から早速実施されています。100件2,000万円の予算枠に371人が申し込みに殺到し、抽せんになるなど反響を呼んでいます。 現在、全国的に住宅リフォーム助成制度を実施する自治体が広がっており、ことしの3月31日現在で、154自治体で実施され、東京都内では2区6市1町の9自治体となっています。2つの目的を持っていることはほぼ共通しており、同趣旨の本案について目的を申し上げます。 目的の1つは、住宅を改修することで、住民の安全、安心で快適な住環境を整備することです。2008年度の土地統計調査によると、新宿区内の持ち家総数は約5万8,000軒です。その五十数%、3万軒が築20年以上で、改修が必要な対象住宅は多く存在しています。本案の対象とする改修工事で、住まいの耐久性、耐震性の向上、省エネ対策などのために、住宅の増改築、リフォームを行うことにより、安全で快適な居住環境を整備することが支援できます。 また、補助がある介護保険や障害者福祉サービスでの住宅改修の際に、その事業の対象とならない壁紙などの周辺のリフォーム費用が例えば20万円だった場合、その2分の1、10万円を助成することができる制度です。昨年実績で、介護保険で837件、自立型で208件の住宅改修が行われています。この条例が施行されれば、区が実施している耐震補強やアスベスト除去など、既にある目的別工事助成とあわせて、対象外なる部分の改修を行いやすくなり、居住環境の整備が促進されると思います。 目的のもう一つは、景気が冷え込む中で、地域経済の活性化を図ることです。 全国建設労働組合総連合、東京都連合会の2009年賃金調査報告書によると、一人親方を含めた建設労働者の1日賃金は、毎年下がり続け、1992年は平均約2万3,000円だったのが、2009年には平均約1万7,200円になり、5,600円も下がっています。また、1カ月の仕事日数は平均16日、4人に1人は15日以下という状況です。50代の内装業の方は「仕事が全くありません。食べるのがやっとです。ローン、保険料、税金がたまっています」とアンケートに答えていますが、実に厳しい現状です。新宿には統計上、2006年10月現在で建設事業所が1,273、従業者は2万6,794人います。目黒区では、昨年度12月までで助成額約800万円、99件で工事費総額2億5,000万円の効果を上げています。我が新宿でも実施すれば、建設労働者の仕事をふやし、生活を安定させ、地域経済活性化に有効と考えます。以下、具体的に説明いたします。 本条例は、1条から19条で構成されています。 第1条は目的を定めています。第2条で用語を定め、住宅については、区民が所有し、居住しているものとし、改修工事については別表において具体的に対象内容を列記し、登録業者については区内の建設業者に限定しています。第4条で助成対象者、第5条で助成金の交付対象となる改修工事について定め、第6条は、助成金の額について、改修工事に要する経費のうち2分の1に相当する額とし、30万円を限度とすることなどを定めています。第7条から18条は事業実施に関する手続等定めています。 附則として、2011年4月1日から施行することとしています。 提案理由は、区民の居住環境を改善し、安全で快適な住環境の整備を図るとともに、区内建設事業者の受注の機会を拡大し、地域経済の振興を図る必要があるためです。 議員の皆さん、以上で提案理由とさせていただきますが、何とぞ御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手) ○議長(深沢としさだ) 説明は終わりました。 ただいま議題となっています議員提出議案第22号は、お手元に配付しました議案付託表のとおり、環境建設委員会に付託します。     〔巻末議案付託表の部参照〕--------------------------------------- ○議長(深沢としさだ) 以上で本日の日程は終わりました。 次の会議は10月14日午後2時に開きます。ここに御出席の皆様には改めて通知しませんので、御了承願います。 本日はこれで散会します。 △散会 午後7時05分                  議長    深沢としさだ                  議員    のづたけし                  議員    山田敏行...