新宿区議会 2008-09-17
09月17日-09号
平成20年 9月 定例会(第3回) 平成20年第3回
定例会会議録(第2日)第9号平成20年9月17日(水曜日)出席議員(38名) 1番 有馬としろう 2番
中村しんいち 3番 野もとあきとし 4番 吉住はるお 5番 平間しのぶ 6番 おのけん一郎 7番 川村のりあき 8番 あざみ民栄 9番 鈴木ゆきえ 10番 赤羽つや子 11番 ひやま真一 12番 佐原たけし 13番 吉住健一 14番 おぐら利彦 15番 のづたけし 16番 なす雅之 17番 すえき 亮 18番 志田雄一郎 19番 阿部早苗 20番 近藤なつ子 21番 小松政子 22番 くまがい澄子 23番 深沢としさだ 24番 下村治生 25番 宮坂俊文 26番 桑原公平 27番 根本二郎 28番 えのき秀隆 29番 小野きみ子 30番 久保合介 31番 沢田あゆみ 32番 雨宮武彦 33番 小畑通夫 34番 とよしま正雄 35番 かわの達男 36番 山田敏行 37番 田中のりひで 38番
松ヶ谷まさお---------------------------------------欠席議員(なし
)---------------------------------------説明のため出席した者の職氏名 区長 中山弘子 副区長 永木秀人 区長室長 寺田好孝
総合政策部長 猿橋敏雄 総務部長 野口則行
地域文化部長 酒井敏男 子ども家庭 福祉部長 石崎洋子 伊藤陽子 部長 みどり土木 健康部長 八十恒人 邊見隆士 部長 環境清掃部長 鴨川邦弘
都市計画部長 永島恵子 会計管理者 今野 隆 企画政策課長 野田 勉 財政課長 針谷弘志 総務課長 藤牧功太郎 教育委員会 教育委員会 金子良江 渡部優子 教育長 事務局次長 選挙管理 委員会 蒔田正夫
常勤監査委員 布施一郎 事務局長
監査事務局長 伊藤憲夫---------------------------------------職務のため出席した
議会事務局職員 局長 鹿島一雄 次長 竹若世志子 議事係長 松本謙治 議事主査 武藤 弘 議事主査 中山順子 議事係主査 井口浩子 議事係主査 佐藤勇治
企画調査主査 太田誠司 書記
落合幸子--------------------------------------- 速記士 増尾恵子---------------------------------------9月17日 議事日程 日程第1 代表質問 日程第2 一般質問 日程第3 第71号議案 新宿区議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例 [
委員会審査報告] 日程第4 諮問第4号
人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について 日程第5 認定第1号 平成19年度新宿区
一般会計歳入歳出決算 日程第6 認定第2号 平成19年度新宿区
国民健康保険特別会計歳入歳出決算 日程第7 認定第3号 平成19年度新宿区
老人保健特別会計歳入歳出決算 日程第8 認定第4号 平成19年度新宿区
介護保険特別会計歳入歳出決算 日程第9 第72号議案 新宿区職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例 日程第10 第73号議案 新宿区
特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例 日程第11 第74号議案 新宿区政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例 日程第12 第75号議案 新宿区教育委員会の委員の定数を定める条例 日程第13 第76号議案
新宿区立子ども発達センター条例の一部を改正する条例 日程第14 第77号議案
新宿区立ことぶき館条例の一部を改正する条例 日程第15 第78号議案 新宿区立ふれあいプラザ条例を廃止する条例 日程第16 第79号議案
新宿区立シニア活動館条例の一部を改正する条例 日程第17 第80号議案
新宿区立地域交流館条例 日程第18 第81号議案
新宿区立児童館条例の一部を改正する条例 日程第19 第82号議案 新宿区
学童クラブ条例の一部を改正する条例 日程第20 第83号議案 新宿区助産の実施又は母子保護の実施に係る
費用徴収条例の一部を改正する条例 日程第21 第84号議案 新宿区
ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例 日程第22 第85号議案
新宿区立保育所条例の一部を改正する条例 日程第23 第86号議案 新宿区
保育所保育料徴収条例の一部を改正する条例 日程第24 第87号議案 新宿区
国民健康保険条例の一部を改正する条例 日程第25 第88号議案 新宿区保健事業の利用に係る使用料等を定める条例の一部を改正する条例 日程第26 第89号議案 新宿区感染症の診査に関する協議会条例の一部を改正する条例 日程第27 第90号議案
新宿区立住宅管理条例の一部を改正する条例 日程第28 第91号議案 新宿区立の小学校、中学校及び
特別支援学校の非常勤の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例 日程第29 第92号議案
新宿区立子ども園条例の一部を改正する条例 日程第30 第93号議案
新宿区立幼稚園条例の一部を改正する条例 日程第31 第94号議案 防災服等の買入れについて 日程第32 第95号議案 権利の放棄について 日程第33 第96号議案 特別区道の路線の廃止及び認定について 日程第34 第97号議案 公の施設の指定管理者の指定について 日程第35 第68号議案 平成20年度新宿区
一般会計補正予算(第2号) 日程第36 第69号議案 平成20年度新宿区
国民健康保険特別会計補正予算(第1号) 日程第37 第70号議案 平成20年度新宿区
介護保険特別会計補正予算(第1号) 日程第38
議員提出議案第9号 新宿区
インフルエンザ予防接種の実施に関する
条例---------------------------------------
△開議 午後2時00分
○議長(桑原公平) ただいまから、本日の会議を開きます。
会議録署名議員は、 2番
中村しんいち議員 22番 くまがい澄子議員 を指名します。
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○議長(桑原公平) 本日の会議時間は、議事進行の都合により、あらかじめ延長します。
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○議長(桑原公平) 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。
◎
議会事務局次長(竹若世志子) 区長から、 諮問第4号
人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取についての議案の送付について
--------------------------------------- 20新総総総第1672号 平成20年9月17日 新宿区議会議長 桑原公平様 新宿区長 中山弘子 議案の送付について 平成20年第3回区議会定例会に提出のため、下記議案を送付いたします。 記 1 諮問第4号
人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について
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○議長(桑原公平) 陳情の付託について申し上げます。 受理した陳情はお手元に配付しました陳情付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託しましたので、報告します。 〔巻末諸報告の
部参照〕---------------------------------------
○議長(桑原公平) これから本日の日程に入ります。 日程第1、代表質問を行います。 質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、30番
久保合介議員。 〔30番
久保合介議員登壇、拍手〕
◆30番(久保合介) 民主党新宿区議会議員団の代表質問をいたします。 振り返ると、これまでの40年間、私の質問は理詰めに終始したもので、味もそっけもないものだったように思います。 昨今は、本会議の模様をインターネットで区民の皆さんが御家庭で見守っています。本日は見るからに元気はつらつとした傍聴者の皆さんが多数来られていますので、なぜこの問題が大切で、なぜこの質問が必要かを訴える前書きに力点を置いた質問といたします。 区長も教育長もお聞きづらいようでしたら、途中はお聞き流しくださって結構です。しかし、御答弁は真剣にお願いいたします。 質問に入る前に、民主党区議団の最大関心事であります現下の国民生活と政局について若干所感を述べさせていただきます。 現在の自民党政府は次期首相がだれになるかにもよりますが、2009年度から年金の国庫負担を現在の3分の1から2分の1に引き上げることを絶好の口実にして、消費税を当面は5%から10%に、次は15%にしようとしています。確かに消費税率が5%と低いのは、先進諸国の中では日本だけだとの
与党増税論者の言い分はわかります。しかし、ここに来ての原油高が中小企業や漁業、農業に大きな打撃を与え、多くの自殺者を生み、さらには私たちの生活に必要なあらゆるものの価額を高騰させ、ここ数年来の税金、年金、保険料等の公的負担増でなけなしの蓄えが底をつく不安に夜も眠られない高齢者、正規では働けない長時間労働・低賃金の人生で、夢も希望も持ち得ない若者たちがちまたにあふれている深刻な状況が現在の日本社会の偽らざる姿です。 このような中で、しかも景気も不安定、不透明の中で、消費税増税は絶対に避けるべきです。まずは、国民生活と景気を安定させてからの話です。でなければ、我が国の経済も国民生活も、そして政治までもがめちゃめちゃになってしまいます。 この重大なときに、福田首相の突然の辞任表明、二代続いての政権放棄については、論評するにも探す言葉もありません。9月2日、3日の朝日の緊急世論調査で、これを「無責任」と談じた国民が何と66%、その中に何と61%もの自民党支持層が含まれていました。理の当然です。しかし、問題は25%の人がこれを「無責任とは思わない」と答えていることであります。実は、私自身もこの4人に1人の「無責任とは思わない」人間の中の一人です。 無責任の現況は、3年前に多種多様な国民の願い実現にこたえなければならない国政のあり方と動向を決めるためにあるはずの総選挙を郵政民営化是か非かだけに絞って行い、政治の本来のあるべき姿を無視して、国民に正常でない政治の道を歩ませようとした小泉元首相です。この民主政治の本質的な間違いを認識せず、時間をかけて国民の総意を結集して決めなければならない
教育基本法改正、イラク・アフガン支援などの最重要案件をさきの間違いの結果得られた3分の2の衆議院議席の数の力でのみ押し通し、国政を運営してきたことが問題なのです。日本国民は1年足らずでその誤りに気づいて、我に返ったのです。その確たる証拠が証明が昨年の自民党与党に大敗をもたらした参議院選挙です。この間違いと民意との大きな乖離を無視しての国政運営を最終的には1人で責任を持たなければならない総理大臣が国民への責任を果たせないと苦悩し、潔く身を処したのではないでしょうか。その意味で、安倍さん、福田さんも誠実な人だったと私は思います。 これより質問に入ります。 質問の第1は、漱石記念館の建設と漱石俳句展の開催についてであります。 去る7月10日、
四谷区民ホールで開催された「新宿の漱石 文月講演会」に行きました。うれしいことに、副議長のくまがい澄子さんも出席されていました。全席指定の430席が満席でした。没後90年余を経てなおこの人気の魅力はどこにあるのかと、新宿生まれ、新宿育ちの同郷人として感無量でした。
近代日本文学研究の第一人者、
紅野敏郎早大名誉教授の講演はおもしろく有意義で、指定席券2,500円は高くはないなと感じるものでありました。講演終了後、私は紅野先生に質問しました。「漱石は新宿で生まれ育ち、作品の大半を書き、そして亡くなったのに、なぜ一度も訪れたことのない北海道に戸籍を22年間の長きにわたって置いてあったのか、その理由を教えてください」と質問しました。先生は言葉を濁して明確にお答えくださいませんでした。 最後にごあいさつに立ったお孫さんの半藤末利子さんがそのお話の中で「祖父は反戦論者でした。そのことは母、おじ、おばから聞かされて知っています。当時は北海道だけが兵役免除地域だったからです。このことは時代が時代でしたから余り知られていないことですが、私は孫として戦争を嫌い、文学の創作に生涯をかけた祖父漱石の生きざまを誇りを持って、今だからこそ申し上げることができます」と明確におっしゃってくださいました。 戦争の是非はさておくとして、このとき、戦地に夏目漱石が行っていたら、漱石の全作品はこの世に存在しなかったことは確実とは言えないまでも、想定はできます。半藤さんの証言から、漱石の余り知られざる一面を知って、指定席券2,500円は今度は格安だと思い直しました。 これより本題に入ります。半藤末利子さんの最新の著書「夏目家の福猫」の77ページに漱石記念館に触れた記述があります。「4年前に91歳でおじ・純一が亡くなったときも、おばは純一が残した漱石に関する遺産を一つ残らず、
神奈川近代美術館に寄贈した。家が芝高輪にあるから、それこそ東京の真ん真ん中、しかも四十七士で名高い泉岳寺のすぐそばだから、あれだけの品を常時展示する漱石記念館をここに建ててくれたらと願わぬでもなかったが、現実におばの住みかを奪うわけにはいかないから、それは無理であった」と。東京生まれの
国民作家漱石の記念館を東京にと切望するのは、遺族の心情でしょう。同時に全国の否、全世界の漱石ファンの熱望でしょう。 ちなみに、
夏目漱石記念館が存在するのは、熊本県熊本市、静岡県伊豆市修善寺、英国ロンドンの3カ所のみです。地球の反対側の英国に、それもたった3年しかいなかったロンドンに記念館があるのに、この新宿にはない。新宿にはない。新宿にはないのです。 ここで、漱石の足跡を簡単にたどってみましょう。現新宿区の牛込馬場下町に生まれ、
東京帝大大学院を卒業して四国の松山に赴任するまで、新宿、本郷、神田を中心とした都内を転々とする。松山、熊本、そしてロンドン留学を経た後、本郷千駄木の通称「猫の家」、本郷西片町を経て終えんの地、早稲田南町の漱石山房に居を構えて創作活動に専念したのであります。その人生の大半が東京であり、何とそれは新宿なのです。しかも、職業作家になる以前の主要作品「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「草枕」「野分」を除く漱石の全作品は、すべて新宿区の漱石山房から誕生したのであります。森鴎外に並んで
日本近代文学の二代文豪と言われる夏目漱石の記念館が他に比して突出した縁を持つこの新宿区にないのは、世界の七不思議の一つと言っても過言ではありません。 漱石は新宿区の珠玉とも言うべき宝です。全世界に広め、そして後世に大事に残すことが我々新宿区民の務めであります。漱石山房復元だけでお茶を濁すべきではないと確信する次第であります。区民の皆さん、漱石のただ一つの新宿区記念施設がその終えんの地を教育委員会が指定史跡としたという説明書きがあるだけの漱石公園だけでいいのでしょうか。ここに
クエスチョンマーク大きくつけてあります。 ここで恥を忍んで、その指定史跡なるものの中身を紹介いたします。公園の入り口には
富永直樹先生作の漱石の胸像があり、わきに小さく「肩に来て人なつかしや赤蜻蛉」との漱石の句の碑が添えられています。入ると左側に何の味わいもないベニヤ板の山房のぬれ縁らしきものがつくられています。突き当たりに小さな公園管理室があり、その中の漱石の初版本の複製が8種類置いてあるだけです。管理人室のわきに「吾輩は猫である」、主人公の名のない猫とは全く無縁な猫塚があります。たまたま高齢男性が4人訪れてきてくれていました。汗をふきふき帰り際に「なあんだ、これだけか」と1人が言い、他の3人がうなずく情景を目の当たりにして、我が心臓にぐさっとドスを刺された思いで、新宿区議会議員として思わず涙が出そうになりました。 本年2月の
漱石公園リニューアル以来、1日平均50~70人ぐらい訪れてくれている。6月末までに約1万人。漱石ファンの期待を完全に裏切っていることを痛感して質問に及んだ次第であります。
公園リニューアルには、割り当て予算の少ない中で、区民の皆さんのワークショップでの御努力に敬意を表することにはやぶさかではありませんが、区としてこれでいいのでしょうか。ここにも
クエスチョンマークを大きくつけておきました。区長も同じ思いであることは存じています。しかし、本格的な漱石山房復元を望み、企画している担当部課も頭を抱えざるを得ない現状であります。 そこで提案いたします。隣地の区営住宅をよそに新築移転して、漱石山房復元事業を中心にしての、世界に冠たる
夏目漱石記念館建設事業に切りかえることを真摯に考えていただきたいのです。それこそは、我が新宿区以外にはなし得ない歴史的な文化事業であります。
新宿区立夏目漱石記念館の早急なる研究と検討について、区長の御見解をお聞かせください。その際には、広く寄附金での建設を呼びかけることを提案いたします。それは漱石文学を愛する多くのそしてすべての人々の共感を呼ぶこと受け合いです。私も本当に少ない小遣いをためて、それなりの寄附をするつもりでいます。 次に、お金では買えない貴重な財産、旧牛込区民の漱石のすばらしさを広めるために「俳句展」開催について質問いたします。 漱石文学のすばらしさは、日本の古文はもとより漢文と英語に培われた名文と美文にあり、そして文章の妙です。その上に天才的頭脳が収集・蓄積した古今東西知識の造詣と人間や人生への奥深い洞察と識見が生み出す内容です。だから味わった者の心の深層に永遠に記憶され残るのでしょう。草枕の「山道を登りながら、かう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」とか、虞美人草の「爪上がりなる向こうから大原女が来る。牛が来る。京の春は牛の尿のつきざるほどに長くかつ静かである」。また、自分の愛や欲望のままに人の心を踏みにじっても顧みない虞美人草の主人公の藤尾のことを言ったところですが、「藤尾の表情は忽然として憎悪となった。憎悪は次第に嫉妬となった。嫉妬のもっとも深く刻み込まれた時、ぴたりと化石となった」の表現などは、傑作中の傑作です。 しかし、根強い漱石ファンは上記で触れた小説のみの愛好家が大半であります。それが私には不満なのです。漱石は学業成績抜群、スポーツ万能、漱石詩集や漢詩紀行文集、そして漱石俳句集まで出し、日本書道や水彩画や南画も素人離れの域に達していた。まさに多芸多才の超人的人間でした。特に、俳句は松山、熊本時代から「吾輩は猫である」発表までの間、新進気鋭の俳人として日本で活躍したほどであります。その作句数は2,400句にも上り、有名な俳人、松根東洋城氏は漱石の弟子であり、漱石俳句の研究家でもありました。 ちなみに、漱石俳句の味わいを紹介いたします。俳句の名士として名高い正岡子規と知り合い、俳句に手を染め始めたころの24歳のときの句であります。明治24年7月28日に兄嫁・登世が漱石と同じ年齢で亡くなった。特別敬愛していた姉の死を悼む真情あふれる句であります。「朝顔や咲いたばかりの命かな」「君逝きて浮世に花はなかりけり」「今日よりは誰に見立てん秋の月」。これは兄嫁にささげた悼亡の句13句中の3句です。一説によれば、世紀のかたぶつ漱石は、この兄嫁をひそかに恋していたとも言われています。 対照的なもう一句を紹介します。もともと胃が弱かった漱石は、明治43年6月、修善寺に転地療養します。だが翌日、500グラムの大量出血をし、約30分間人事不省に陥り危篤状態を宣告され、危うく命を取りとめたのです。修善寺での漱石が対決したのは死の問題であり、これを転機として漱石芸術が内面的に深まったことは周知のことであります。俳句について言えば、この修善寺病中の吟は、その最高峰をなしていると言われています。この代表が次の句であります。「腸に春滴るや粥の味」。漱石といえども、24歳の句と43歳の句では、こうも違うものかと感銘深いものがあります。 そこで、区長並びに教育委員会には、共同主催で新宿区
夏目漱石俳句展開催を御検討いただきたい。その際には、新宿区俳句連盟、
NPO法人漱石山房、新宿区書道連盟に協賛していただければ、実り多い文化事業になるものと存じます。この協賛団体の必要理由についてはこの際割愛いたします。必要なら、後で聞きに来てください。そして、初日と最終日には記念講演を設定できれば最高であります。 ところで、教育委員会に共同主催をしていただきたいことの意味は、郷土が生んだ世紀の
偉人夏目漱石の芸術に新宿区の教職員並びに児童・生徒に親しんでもらい、新宿区民としての誇りと自信を持って生きていってほしいとの願いからです。俳句は年齢には関係ありません。人間の感性の問題なのです。小学生といえども、人は生まれながらにしてそれぞれの感性を持っているのですから。 以上で、1つ目は終わります。
◎区長(中山弘子) 久保議員の御質問にお答えします。 まず、
区立夏目漱石記念館の早急なる研究と検討についてのお尋ねです。 国民的文豪である夏目漱石は、新宿区を代表する文化人であり、多くの作品が新宿区から誕生しています。私は夏目漱石の記念館は、漱石の偉業を記念する施設として、土地の記憶、まちの記憶の中で整備すべきものと考えています。 熊本市の記念館は漱石の旧宅を、伊豆市修善寺の記念館は漱石が大病を患い、滞在した旅館を整備したものです。漱石の記念館はこうした土地とのゆかりの中で整備されるべきものであり、明治40年から大正5年まで過ごし、晩年に多くの作品を生み出した漱石山房の復元こそ、新宿における記念館として最もふさわしい姿であると考えています。 御指摘の点を踏まえて、第一次
実行計画事業に掲げた漱石山房の復元に向けた取り組みについては、熊本市や修善寺の記念館の持つ魅力も参考に、着実に調査、検討を進めてまいります。 また、早稲田南町第三アパートは、その敷地が漱石山房の跡地であることから、早稲田南町地区の区営住宅の再編計画を策定していく中で検討を行ってまいります。 次に、広く寄附金を募り建設を呼びかけることについてです。 御指摘のとおり、全国にはたくさんの漱石ファンがいます。国民的文豪の夏目漱石を記念する施設として、一人でも多くの人が山房の復元に参加できる仕組みづくりを行い、全国の力を新宿に集めて漱石山房をよみがえらせてまいります。 次に、漱石俳句展の開催についてのお尋ねです。 新宿区では「漱石山房の復元に向けた取り組み」を第一次実行計画に掲げ、漱石に関するイベントなどを通して、漱石の偉業や漱石と新宿区のゆかりを広く発信しております。漱石に関するイベントについては、広く発信できること、また、より多くの方に夏目漱石や漱石と新宿区のゆかりへの関心や興味を高めていただけることなどを考慮しながら、その内容、会場などを設定しております。 17文字という世界で表現しなければならない俳句については、さまざまなたしなみ方があると思います。夏目漱石に関する情報発信の一つのあり方として、今後、俳句展開催の可能性について検討してまいります。
◎教育長(金子良江) 教育委員会への御質問にお答えします。 「新宿区夏目漱石俳句展」開催についての御提案です。 夏目漱石は新宿区にゆかりが深く、昨年は140周年事業として中央図書館でさまざまな取り組みを行いました。現在、中学校国語の1年で、夏目漱石の「坊ちゃん」を教材として取り上げています。また俳句についての学習は、小学校6年の国語や中学校3年の国語で扱っております。さらに俳句コンクールへの応募など、俳句の学習に積極的に取り組んでいる学校もあります。 教育委員会としては、学習の中で夏目漱石も含めた地域とのつながりのある文化人や文化財などにも触れるよう指導するとともに、俳句展開催の可能性については、区長部局と連携して検討してまいります。
◆30番(久保合介) 第2の質問は、太平洋戦争を風化させない施策の推進についてであります。 「禁じられた野球に愛と情熱をかけた人々の感動の実話」として、3カ月間テレビコマーシャルされた「ラストゲーム 最後の早慶戦」が8月23日、全国ロードショーされたので、数日後に同学の娘とともに見にいきました。娘は厚手のハンカチを用意していきました。平日の午後2時の開演にもかかわらず、満員でした。私にすれば、下手の横好きの野球のドラマと思いきや、戦争と平和を問いかける映画でした。 あらすじはといえば、1943年、「野球は敵国アメリカのスポーツだ」と廃止され、学生に対する徴兵猶予が停止された。そんなある日、慶応大学の小泉信三塾長が学生野球の父と言われる飛田穂洲早大監督に「早慶戦」を申し込む。二度と帰れないかもしれない若者たちに生きたあかしを残してやりたい。小泉塾長の切なる願いを飛田も喜んで受け入れるが、
早稲田大学総長は頑として拒絶する。早大監督の強行突破でついに幕をあける早慶戦、それは別れであると同時にあすへの希望に満ちたゲームだったと、映画のパンフレットは解説しています。 そして、43年10月21日、降りしきる秋の雨の中、新宿区内の明治神宮外苑競技場から皇居まで7万人の学徒出陣行進の生映像で、この映画は終わりました。参加学徒数7万人と言われています。生きて故国の土を踏めたのは何人だったのかは、学徒兵として出征した対象者の総数も犠牲者の数も日本政府による公式の数字が発表されておらず、大学や専門学校の資料も戦災や戦後の学制改革によって失われたために、いまだに不明です。ただ当時、敗色濃い戦況末期の激戦地に送られたために、将来ある若き命を異国の地に空に海に散らし、帰らぬ人となった学生の数は数知れないことは事実です。 「ラストゲーム」の中で、富司純子扮する母親が「私は立派な日本国婦人ではありません。普通の母親です」と叫んで走り去り、戦死した長男の丈比べの柱を抱きしめて慟哭する姿に思わず涙しました。会場の早慶校友、家族のおえつが胸を打ちました。 そこで質問です。今次大戦での戦没者に対する私たちの最大の鎮魂は、感謝は、現在生きている私たちと全く同じように恋、親孝行、あすへの夢と希望、そのはかり知れない喜びや悲しみ、幸せや苦しみを持って精いっぱい生きていたかけがえのない人生があったことを永遠に忘れてはならないということです。繰り返します。戦没者の思いを片時も忘れないこと、それが唯一最大の私たちの供養です。 それなのに、情けないことに、新宿区には鎮魂のまことを込めた区立平和記念碑を見かけません。それに類する構造物も施設もありません。新宿区内にあるのは、私も建設に多少の努力をさせていただいた早稲田大学平和記念碑ただ一つです。ですから、その全容を紹介します。 この早稲田記念碑は、大隈庭園わきの学生食堂への入り口右側に立っています。碑のわきの説明板に「第二次世界大戦で犠牲となった本学教職員、校友、学生約4,300名の方々の御霊を慰め、平和を祈念するため、1990年10月21日の創立記念日に建立されました。碑の裏面に刻まれた歌は、多くの学生が戦場に赴き、人影の疎らになった寂しい学園風景を当時の女子学生、宇都宮満枝氏が詠んだものです。毎年、ホームカミングデーの当日の朝には、総長はじめとする大学関係者により、英霊への鎮魂と平和を祈念し、献花が行われます」と記されています。碑の裏面に「征く人のゆき果てし校庭に音絶えて木の葉舞うなり黄にかがやきて」と女子学生の短歌と「学生のいないところに教育は成り立たない。平和こそ教育の原点であることを、この歌は痛いほど明確に教えてくれている」と刻まれています。この碑ができてからは、校友と御家族の校友祭への参加がふえたと伺っています。 それだけに一日も早い新宿平和記念碑または平和記念施設の建設を心から望みます。国のために命をささげた戦没者に対する、私たち生存者の命をかけての御答弁をお願いいたします。 続いて、この項の2つ目の質問です。 8月31日の天声人語は感銘深いものでした。北京での「平和の祭典」に沸いた夏、戦争を語り、平和の重みを訴える人々の姿が日本の各地にあった。山口県下松市原爆被爆者の会会長、野坂清子さん79歳は「ただ体の続く限り、こうやって集会に出るだけ。あの日を風化させないように」と、横浜市の自作の紙芝居でシベリア抑留を伝えている成田富男さん78歳、「日本に帰ってきてうれしかったのは、戦争をしない国になっていたことだ」と。千葉県の細菌戦で知られる731部隊の隊員だった者として各地で証言集会を開いていた篠塚良雄さん84歳は「部隊にいたころ考えることはやめていた。自分の行動の意味を考えれば、気が狂ってしまう」と。区長、教育長、お気づきになられたでしょう。皆さん後期高齢者なのです。後期の後はもうないんです。日本の戦争の語り部がいなくなる日が近づいています。天声人語は、こう結んでいます。「世代を超えて悲劇を受け継ぎ、平和を守り抜いていく。戦後生まれの責任を、夏逝く空にあらためて思う」と。戦争経験世代区民の思いを8割を超える戦争を知らない世代区民に伝えていくことは、新宿行政の執行者としての義務であり使命であると存じます。新宿戦争語り部組織を早急に立ち上げ、あらゆる機会をとらえて全区民に、学校現場で児童・生徒に訴えかけていくことが、平和宣言都市、この新宿区のあるべき姿であり義務だと信じます。いかがでしょうか。 最後に、私ごとで恐縮ですが、自分の区内での戦争経験に触れます。 昭和20年4月1日の深夜の空襲で家を飛び出し、最初は高田馬場線路下のトンネルに避難し、ここは危ないと言うので、現在、西戸山野球場周辺の練兵場だった小丘陵地帯に逃げ、そこも危ないとあちこちのあいていそうな防空壕に飛び込み、どこもかしこもだめだと思い、最後は高田馬場駅前から現在の早稲田通りを方向もわからずに、その歩道を走りました。現在の明治通りとの交差点に差しかかる二、三十メートル前あたりで雨あられと降り注ぐ焼夷弾攻撃に遭いました。いつの間にか12歳の姉と7歳の私だけになっていました。一瞬にして車道は火の海です。死んでも離すまいと手を握っていた私たちは、どちらか一方でもその火に足をとられていたなら、二人とも命はありませんでした。幸い、戸塚第一小学校に偶然たどり着き、文字どおり九死に一生を得ました。生死をともにしたその姉も今はこの世にいません。 私が今の若い人たちに知ってもらいたいのは、戦争は映画やテレビやゲームや漫画の中でのようにおもしろく、楽しく、痛快で胸をときめかすようなものでは決してないということ。戦争はいつ切れても不思議はない生と死の間を通っている一本の細い糸の上を必死に走り抜けていかなければならない残酷なものだということです。 ここであえて言わせていただきます。中山弘子区長も戦争ゆえに言葉に言いあらわせないほどの苦労を味わった幼少期を持った人と聞き及んでいます。それだけに私と戦争への思いは同じでしょう。これからの新宿区をつくり支えていく青少年区民が平和の尊さを真から世界に発信していける日本国民になる礎を今こそ築いてほしいのです。
◎区長(中山弘子) 太平洋戦争を風化させない施策の推進についてのお尋ねです。 初めに、新宿区平和記念碑または平和記念施設の建設についてです。 区は、昭和61年の新宿区平和都市宣言を受け、宣言記念板を本庁舎に設置し、昭和62年に新宿中央公園に平和の鐘を、昭和63年に本庁舎に平和の碑を、平成元年に平和の泉、平和記念像を、そして平和宣言板を区の各種施設に、この間設置してきました。 また今年度からは、平和事業を拡充してコンサートや映画会なども実施し、より多くの区民、特に次代を担う若い世代に平和都市宣言の趣旨が根づくよう、力を入れて取り組んでいます。 改めて、新宿区平和記念碑等を建設する考えはありませんが、今後も平和啓発に力を尽くしてまいります。 次に、新宿戦争語り部組織を立ち上げ、区民、学校現場で訴えかけていくことについてです。 戦後63年が経過し、戦争の記憶が風化しつつある今、若い世代に戦争の体験を語り継ぐことは重要であると考えています。 そこで、今年度、新たな取り組みとして、新宿区平和の語り部派遣実施要綱をこのほど策定し、次代を担う世代に戦時下の新宿区内の様子と平和の尊さを語り継ぐ平和の語り部を現在、広報紙などを通じて募集しています。語り部として登録した方々は、区民の平和学習の場に派遣するとともに、教育委員会と連携し、区立小・中学校からの要請に応じ派遣します。 今日の平和が多くの犠牲の上に築かれていることをさまざまな取り組みを通じて、今後も伝えていきたいと考えています。
◎教育長(金子良江) 新宿戦争語り部組織を立ち上げ、学校現場で訴えかけていくことについてのお尋ねです。 戦争を知らない世代である子どもたちにその悲惨さを知らせるとともに、命や平和の大切さについて考えさせることは大切であり、子どもたちが戦争体験者と実際に接することは、平和についてより身近なものとしてとらえることができる大変貴重な機会であると考えています。 教育委員会では、区長部局で立ち上げる平和の語り部を活用し、戦争の体験談を伺うなど、命や平和を身近なものとして考えることができる学習の機会としていきます。
◆30番(久保合介) 3番目です。首都直下地震に備えて、全世帯に家具転倒防止の施策をと題して質問します。 1回の地震での死者83万人、これは1556年1月23日、中国の現在の河南省で発生した華県地震の死者数で、地震災害史上最大の死者数です。日本での最大は言うまでもなく、1923年9月1日の関東大震災で14万人です。政府は首都直下地震は30年以内に70%の確率で発生すると発表しています。これは前に触れた漱石俳句の門下生、寺田寅彦博士の「地震は忘れたころにやってくる」を引き合いに出すまでもなく、30年後かもしれないが、あすかもしれない。絶対とは言えないが、必ず私どもの新宿区にやってくることを意味しています。 日本の人口の33%の約43万人、昼間人口を入れれば50万人が集中するこの首都圏では、その過密な居住環境を考えると、仮にマグニチュード8~9という巨大地震が襲ってきた場合、冒頭の史上最大の83万人の死者数を超す悲惨な状況が現出すると考えても間違いはありません。そのときに備えて、全区民の身体・生命を守るのは私たち議員はもちろん、新宿区行政関係者の最大の義務であります。 ちなみに、1995年1月17日の兵庫県南部地震震度7の死者の6,400人の大半は、家屋倒壊と家具転倒の下敷き、そして家具やガラスの散乱により脱出できず、その後の火に巻かれてのものでした。また、負傷者4万3,000人の大半も、家具の転倒や散乱によって逃げおくれたり、室内でけがしたりしたものでした。被災地での約6割の部屋で家具の転倒や散乱があったと報告されています。 そこで質問です。平成19年の新宿区の区政モニターアンケートでは、モニター562人中の496人の回答で①「既に取りつけている」が26.2%、②「取りつけたい」と「取りつけたいができない」が合わせて55.4%、「取りつける必要がない」が11.3%、「わからない」が1.2%となっています。「取りつけている」と答えた2割半ばの人も万全なものではないでしょう。というのは、細かいことを言って恐縮ですが、京都大学の防災研究所の被害状況調査を借用すれば、小部屋では机やいすと本だな、大部屋ではドレッサー、たんす、ワゴン類。寝室では整理だんすや人形ケース。居間ではテレビ、食器だななど。台所では電子レンジ、電気ポット、電気炊飯器、食器だなや冷蔵庫などの扉の開閉や中身の飛び出しというぐあいに、室内の転倒や散乱の具体的な例を指摘しているように、地震時の凶器となるものは多種多様なのです。このアンケート結果の数字は、社会意識の比較的高い人たち、区政モニターの人々のものですから、一般区民に置きかえたら非常に悲観的なものになるはずです。 新宿区は、全世帯に家具転倒防止器具の取りつけを実施するための年次計画を策定すべきと存じますが、いかがでしょうか。問題なのは「取りつける必要がない」と考えている区民です。ここでオカルトまがいの表現をして、注意を喚起したいと思います。大地震では、テレビが、電子レンジが、ポットや炊飯器が部屋じゅうを飛び回る。ピアノが、冷蔵庫が、鏡台が歩き回るのです。まさにオカルトの世界、想像のできない世界があらわれるのです。危険きわまりない世界に身を置いてからではもう遅いのです。あらゆる媒体を駆使して、そのことを全区民に知ってもらう広報が必要です。いかがですか。 この項の3番目は、「取りつけたい」と「取りつけたいが、できない」が合わせて55.4%の区民に対してです。その理由は、①家具や家屋に傷をつけるから②器具を販売しているところがわからないから③取りつけ作業が難しそうだから④お金がかかるからというものです。それぞれもっともな理由です。①の理由の人には、家具や家屋より、命あっての物種だということを認識していただく広報が必要です。②の人には、器具のあっせんのチラシだけで必要なら御自分で申し込みしなさいととれる消極的な新宿区の姿勢ではだめでしょう。購入場所・購入方法を詳しく親切に知らせるサービスが必要です。③の理由、すなわち「取りつけ作業が難しそうだから」の人には、ここが一番肝心なところです。区内中小土建業者と協定して、新宿区家具転倒防止器具取りつけ専門家集団を立ち上げて、取り組む必要があります。なぜなら、消防科学総合センターが出した「家具の転倒を防ぐには」と題するパンフレットに家具の固定方法のその1、その2、その3を読めば読むほど、素人では難しく、しかもいざというときに効果が薄いことが十分に理解できました。昨今の経済情勢で区内中小土建業は、廃業の危機に瀕しています。喜んで格安で引き受けてくれるはずです。職人さんはもうけよりは仕事をしていたいのです。この問題の最後に、④の「お金がかかるから」ですが、先ごろ文京区の講道館近くにあるドイトという店で調査をしてきました。本区が扱っている東京都葛飾福祉工場の家具転倒防止器具8種類と同機能のものがすべて、区のあっせん価額の半額前後です。都の福祉工場活用の意義、わかります。しかし、区民の生命にかかわる利便を図ることとはこの際別のことですから、鋭意御検討いただきたいと思います。
◎区長(中山弘子) 家具転倒防止の施策についてのお尋ねです。 区では、平成19年度から災害時要援護者登録名簿登録者を対象に、家具転倒防止器具の無料配布、無料取りつけを実施していますが、御指摘のとおり全世帯で見ると、その実施率は低い状況にあります。こうした現況を踏まえ、現在年次目標を定めて、家具転倒防止対策を推進していくために、新宿区地域防災計画の改定作業に着手しています。 次に、家具転倒の危険性の周知についてですが、これまでも家具転倒防止器具のあっせんを行うとともに、区広報紙への掲載などを行ってきました。今後、家具転倒の危険性がより一層区民に理解されるよう、啓発パンフレットの全戸配布やイベント会場でPRするなど、これまで以上に工夫をし、さらなる広報に努めてまいります。 次に、家具転倒防止器具を「取りつけたいが、できない」という区民に対しての方策についてですが、「取りつけたいが、できない」、その理由ごとの対処方法の御提案内容も参考にしつつ、取りつけ作業が難しい場合の支援策などについて検討してまいります。 また、家具転倒防止用品のあっせんに際しては、製品の信頼性が高く、家具転倒防止器具などの防災関連用品の品ぞろえが豊富であり、高齢者や障害者等が自宅で手軽に申し込むことができ、さらに送料が無料であることを総合的に考慮したところですが、現行の事業者に加えて、よりよい事業者の開拓にも努めてまいります。
◆30番(久保合介) 時間が迫ってきましたので、次のゲリラ豪雨対策ですけれども、きのう3人の議員がされたし、それから、きょうもまたされるので、これは答弁を用意されたのに悪いけれども、時間がなくなりそうなので割愛します。 区内障害児・者にさらに暖かい支援の施策をというので終わります。 待ちに待った映画「筆子・その愛-天使のピアノ」が近々上映される運びになりました。それは日本の近代女子教育者の一人であり、日本初の知的障害者福祉の創始者である石井筆子の生涯をテーマにした、常盤貴子主演の映画です。私には深い思い入れがあります。あすは70歳になる大みそかの晩、「天使のピアノ」を徹夜して一気に読み上げました。年が明けて10冊購入し、正月中に中山区長を初め、身近な女性に贈呈いたしました。女性の愛の広さ、愛の深さ、そして人間としての強さを改めて知って、自分の人生最大の感動と感銘を受けたからです。 石井筆子は、明治維新の功労者家族の出身で、華族であり、英語はもとよりフランス語ほか外国語に堪能、才色兼備の「鹿鳴館の華」と、当時世をにぎわせた女性です。同時に現在の津田女学園の前身の静修女学校の校長としても活躍した人であります。 しかし、生まれてくる娘たちは来る年も来る年も来る年も知的障害児でありました。当時の知的障害者は座敷牢で一生を送らされる時代です。莫大な借金を抱えて若くして連れ合いに先立たれ、私などはその身になったら我が子を抱いて身を投げてしまったであろう過酷な境遇を乗り越えて、現在の社会福祉法人滝乃川学園を死に物狂いで維持し、1940年、79歳で尊い人生を閉じたのであります。遠く明治初期に彼女のような逸材があったればこそ、今日の障害福祉の発展があるのです。翻って、今でも障害児・者はあふれる同情に接することはできても、筆子の愛、真の愛に接することは少ないというのが率直な私の思いです。 区長には、新宿区の障害児・者の母として愛を降り注いでいただきたいと願って、以下の質問をいたします。 先般、障害者支援団体の方々とヒアリングの機会を持ちました。その中から、これはと思うものを申し上げます。①地域生活支援機能を持つ地域支援型入所施設を各地につくってください。②グループホーム・ケアホームの家賃助成について、助成額の増額と対象の要件緩和をお願いいたします。③副籍制度における直接交流がなかなか実現していません。実現するための具体的な手だての第一歩として、新宿区独自で通常学級の保護者に対しても、副籍制度の周知と理解啓発をお願いいたします。④特別支援教育コーディネーターはすべて専任にしてください。と同時に、特別支援教育学級に専門的な知識や指導技能を修得している教員を配置するよう、新宿区独自でも努力してください。 以上です。
◎区長(中山弘子) 地域生活支援機能を持つ地域支援型入所施設を各地につくるべきとのお尋ねです。 本年6月に新宿区内で初めての障害者入所支援施設である「新宿けやき園」が開設し、重度の身体障害者の方々からの長年の御要望の一つにおこたえすることができました。 区では、入所施設は入所される方ばかりでなく、地域で生活する障害者やその家族に対しても、相談支援やショートステイなど、大切な社会資源としてとらえています。また、グループホームやケアホームの緊急時のバックアップ機能を果たすことも期待され、地域生活支援型入所施設として、第一次実行計画で区の空き施設を活用し、設置する法人を公募していくことにしています。 なお、グループホーム・ケアホームについても、区内に設置する法人への支援を行い、充実を図ることとしています。 次に、グループホーム・ケアホームの家賃助成についてのお尋ねですが、現在、入居者の所得額に応じて月額8,500円から2万4,000円までの家賃補助を行っています。この支給基準は東京都の家賃助成の基準に倣っており、東京は家賃や物価が高いので、都の基準は他県より高く設定されています。 助成額の増額や対象の要件緩和については、今後も利用者の家族などの意見も聞きながら検討してまいります。
◎教育長(金子良江) 副籍制度を保護者に周知し理解を得ることについてです。 副籍制度とは、都立
特別支援学校や新宿養護学校の小・中学部に在籍する児童・生徒が居住する地域の区立小・中学校に副次的な籍を置き、その地域の学校の児童・生徒と交流を行うものです。 教育委員会では、学校に対して、本制度について保護者等に説明し理解を得るよう指導しており、また、学校では保護者会やPTAの会合での説明、
特別支援学校の学校だよりの校内掲示などを通して、保護者などに副籍制度や
特別支援学校についての理解を図っているところです。 また、学校では既に副籍を希望する児童・生徒の障害状況に応じ、行事、集会、学習活動への参加や、交流給食などの直接交流や、学校だより、学年だより、児童・生徒の作品などを交換する間接交流にも取り組んでいます。 教育委員会では、副籍を希望する児童・生徒と小・中学校との交流がさらに進むよう、学校や保護者に対して副籍制度の一層の周知に努めていきます。 専任の特別支援教育コーディネーターの配置と特別支援学級の教員の配置に関するお尋ねです。 各学校に専任の特別支援教育コーディネーターを配置してはどうかという御提案です。 現在、各校では教員の中から特別支援教育コーディネーターを指名することとなっています。通常の学級の担任のほか、養護教諭や特別支援学級の担任等がコーディネーターを務めており、学校によっては、複数名を指名しているところもあります。 本年5月に行われた東京都知事も含む八都県市首脳会議では、国に対し「特別支援教育推進のための制度の改善に関する要望書」を提出し、専任の特別支援教育コーディネーターを各小・中学校へ順次定数措置することを要望したと聞いております。 教育委員会としては、現在指名されている特別支援教育コーディネーターが関係機関や保護者との連絡など多岐にわたる業務と授業を兼ねていることから、授業時数の負担軽減について、東京都に要望しているところです。 特別支援学級に専門的な知識や指導技能を修得している教員を配置するようにという御提案です。 特別支援学級の担任には、資格を有する教員や障害のある子どもに対する指導経験の豊富な教員もいますが、経験の浅い教員も配置されています。そこで、教育委員会では、各学校においてOJTにより教材の開発、工夫等を含む指導の手だてを身につけさせるとともに、夏季休業日に研修会を行うなどして、特別支援学級の担任としての専門性の向上を図っております。 今後も、特別支援学級の教員の専門性を向上させるよう、研修内容の充実を図ってまいります。 以上で答弁を終わります。
◆30番(久保合介) 再質問を2点だけさせていただきます。 平和記念碑ですが、区長は区役所の前の平和の泉を言っていますけれども、私は、ただ平和という記念碑ではなくて、戦没者の思いを片時も忘れない、そういう戦没者への鎮魂あるいは追悼の意を込めた記念碑が新宿区にはないわけですから、それが必要だと言っているわけです。具体的に中央公園の中につくれば一番いいだろうし、土地はお金もかからない、場所もいいと、そういうことを言っています。 もう一つは、漱石については、漱石山房についてやはりもっとわかってもらいたいと思うんです。確かに漱石山房を中心にした記念館を意味する漱石山房の復元ということならわかりますけれども、皆さん、ただ漱石山房は小説を書いて住んでいたところだと思っているところが間違いで、安倍能成、阿部次郎、野上弥生子、岩波書店の岩波茂雄、芥川龍之介、久米正雄、和辻哲郎、もう日本の文化を支えたそうそうたるメンバーがこの漱石山房に集まり、そこから巣立ったんだという意味からしたら、単なる漱石山房という形を復活するだけではなくて、中身を持たせた漱石山房の復活、それが記念館として位置づけられれば満足です。 特に答弁はいいと思います。40年、11期務めてきてもう今期でやめるというと、やはりはなむけということで、区長も教育長も温かい答弁をくださったなと思って感激しています。ありがとうございました。 皆さん、御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 次に、28番えのき秀隆議員。 〔28番 えのき秀隆議員登壇、拍手〕
◆28番(えのき秀隆) 新宿区議会無所属クラブの代表質問を行います、えのき秀隆でございます。 米国発サブプライムローンに端を発し、原油、資源、物価が乱高下し、世界経済も国内景気も大乱の渦中にあると言えます。国内の財政状況に至っては、国・地方の債務残高がGDPの1.5倍にまで達するなど、先進諸国に例のない危険水準にまで達しています。 また、環境面でも最近の気候変動を見ていると、この夏は地球規模で環境破壊が進んだ影響があらわれているのではと心配するほどの出来事が多くありました。これらの諸問題に対応するために共通して言えることは、今までの常識や概念にとらわれず、常に臨機応変な対策が求められることであると考えます。新宿区議会無所属クラブは常に進化をし続ける会派として、時代に即したビジョンや政策の提言を行うことを表明し、以下質問に入らせていただきます。 まずは、先ほど久保議員に譲っていただきましたゲリラ豪雨対策についてお伺いします。私の場合、省きますと、大幅に時間が余ってしまうものですから。前三者の質問とやや重なる部分もあるかもしれませんけれども、どうぞよろしくお願いできればと思います。 狭い範囲に猛烈な雨、予測は極めて困難、こうしたゲリラ豪雨がこの夏猛威を振るっていました。このところ豪雨が短時間に局地的に降るケースがふえています。この夏、日本全国で1時間あたりの雨量が観測史上最大を更新した地点が59カ所にも上っています。 静岡では1時間あたり113ミリ、徳島県では96ミリ、愛知県で146ミリと、人が圧迫感、恐怖さえも感じる猛烈な雨が降り、河川や下水が急速に増水したり、道路が冠水したりしました。神戸では、雨水で川が一気に増水し、5人の方が亡くなりました。そして東京や栃木、愛知など、犠牲者は全国で10数名に上りました。 経験したことのない豪雨が頻発する背景には、さまざまな要因があるとされています。専門家は地球規模で気流の異変が起きていると指摘しています。突然襲いかかる豪雨にどのように対処すればよいのかといった不安の声も、区民の間から聞かれます。私もたまたま豪雨の中、傘を差して外を歩く体験をしましたが、滝のような雨の中で傘はほとんど機能しませんし、マンホールから激しく水が噴き出している様子を目の当たりにしました。その後、再びその場所を通ると、マンホールのふたが外れており、元に戻しましたが、かなりの重さがあり、この重たいマンホールのふたを動かす水の力の恐ろしさを改めて体感した次第であります。 1カ月前、豊島区で下水道工事を行っている作業員の方5人が流されて亡くなりましたが、たまたま命拾いをした作業員の方は、今までの常識や考え方では対応できないと取材に答えていたのが印象的です。この発言からもわかるように、ゲリラ豪雨は非常に狭い範囲を猛烈な雨が突然襲うため、予測が極めて難しいものとされております。ゲリラ豪雨の発生の原因は積乱雲とされていますが、積乱雲は10キロ程度の範囲で発生するため、いつ発生して豪雨をもたらすかをとらえることが難しいからです。そのため、注意報や警報が間に合わないということが、今回の悲惨な被害をもたらした原因とも考えられます。 そこで何点かお伺いいたします。従来のシステムとして公的な情報を出すには、正確性、責任性が求められることもあり、積乱雲などの発生状況をもとにして情報提供するには、困難を生ずることが考えられます。 例えば、区内河川の状況を映像で知らせたり、地下下水の状況をリアルタイム映像で知らせたりするなど、映像を用いて即時的に出せるデータや情報を出すことは可能と思われます。まずは、今後ゲリラ豪雨対策として、区民への情報提供体制をどのように整えていこうとされるのか、お考えをお聞かせください。 また、今回のゲリラ豪雨災害を受け、新宿では区民への情報提供として、日本気象協会、東京都建設局、東京都下水道局、国土交通省防災情報提供センターの情報に加え、新たに東京都の水防情報をホームページのリンクに加えました。迅速な対応であると評価します。 そこで提案ですが、ゲリラ豪雨の観測に適したマルチパラメータレーダの情報を持っている独立行政法人防災科学技術研究所の準リアルタイム・高精度のマルチパラメータレーダ雨量の情報もリンクの中に加えてはいかがでしょうか。 来年度は3億円を概算要求し、北関東と東京都内にも計2台を増設、関東地方のほぼ全域を監視するそうです。マルチパラメータレーダは台風、集中豪雨、雷雨などの災害を引き起こす激しい気象の監視や予測に役立ち、これまでのレーダではできなかったきめ細かで正確な雨量分布を求めることができるとされています。また、雨や風の分布の様子が500メートル間隔の細かさで、約6分間ごとにインターネットで公開されています。 研究所の真木雅之水・土砂防災研究部長は、「コンクリートに覆われた都市部は急速に水がたまる。都市型豪雨では、降り始めてから10分が非常に重要である。降り出す前の予測で早期の避難につながり、被害が軽減できる」と話しています。情報活用について、区長のお考えをお聞かせください。 今回の事故でも明らかになったとおり、都市空間はとりわけ豪雨災害に弱いとされています。ゲリラ豪雨は予測が難しいと言われているのですから、行政側としては、水害に強いまちをつくる作業、区民側としては防災意識を高く持つことなどが求められるわけです。この両者をいかに確立していくかが急務となります。 先月の防災等安全対策特別委員会の報告にもありましたが、数回のゲリラ豪雨被害データをもとに危険箇所を割り出し対策を講ずる作業、そして区民へは防災意識をさらに高める啓発強化が求められるわけです。対策としては、雨量観測地点のあり方、避難所の安全確保と避難をしてきた方々の空間環境の改善、例えばプライバシーや空調の確保なども課題として挙げられると考えます。今後、どのように取り組んでいかれるか、お考えをお聞かせください。 さて、最近の豪雨に関する報道を見ておりますと、ゲリラ豪雨に起因する積乱雲の勢力を強めたのは、ビルからの排熱などで都市部の気温が高くなるヒートアイランド現象ではないかと指摘する専門家もいます。東京の年平均気温は、この100年間で3度上昇したとするデータもありますし、ほかの大都市の平均気温2.4度、中小都市の平均上昇気温1度に比べても、大きな温度上昇と言えます。 気温上昇の原因には、地球温暖化の影響も否めませんが、やはりヒートアイランド現象の傾向が顕著になってきている影響と言えます。都市のゲリラ豪雨は雨を降らす自然条件とヒートアイランド現象が加わった災害とも受け取れます。言うまでもなく、ヒートアイランド現象の原因は、緑、水面の減少及び地表面の人工化と言われています。この現象を緩和する対策として緑化を進めることが重要なのは周知のとおりです。 地球温暖化防止対策やヒートアイランド現象緩和のために、屋上緑化や高反射率塗料により屋根などの表面温度を下げるクールルーフ、植物の蒸散作用により壁面温度の上昇を抑制する壁面緑化、ドライミスト装置の設置、道路の表面温度を下げる遮熱透水性舗装などを公的な施設を中心にさらに拡充していくことが大切と考えます。この点についてどのように対応されていくか、お考えをお聞かせください。 次に、生活環境問題についてお伺いいたします。 ニューヨークの元市長であるジュリアーニ氏が採用した「割れ窓理論」は有名ですが、私たちのまちの生活環境を向上させていくためには、細かい点に注意を払いながら改善することが大切で、そのことにより、安全・安心のまちづくりを持続できるものと考えます。 そこで、動物の排せつ物放置対策強化と啓発強化及び落書き対策についてお伺いいたします。 まず、動物の排せつ物放置対策と啓発強化についてお伺いします。 昨今のペットブームで動物を飼う方の数がふえてきているせいもあり、飼い主さんのモラルの低下が指摘されているのをよく耳にします。ここのところ、区民の方からの相談で多くなってきているのが、動物の排せつ物放置に対する苦情です。自宅の周囲に排せつ物を残され毎朝掃除をしなければならない人、駐車場などに排せつ物を残され、暗いときには注意して歩かなければならない人、せっかくの花壇に排せつ物を残されてしまった人など、道路、玄関先、公園などを中心に、動物の排せつ物で迷惑を受けている人は少なくありません。 他人の動物の排せつ物を始末することは不愉快なもので、排せつ物の持ち帰りは飼い主の最低限のマナーと言えます。新宿区では、動物の排せつ物で困っている方や飼い主のマナーの向上を図るために、看板の無料配布を実施していますが、残念ながら、看板を設置しても余り効果がないとの声が聞かれます。 そこで第1の提案ですが、尼崎市が取り入れている「イエローカード作戦」の導入を考えてはいかがでしょう。現在配布の看板よりもう一歩踏み込んだ形の警告を行うものです。高さ10センチ程度の「排せつ物放置禁止と記載されたイエローコーン」を排せつ物発見現場に設置し、一定の期間、注意喚起を促すものです。公園などの公的な場所での実験を経て、現在はまちの皆さんとの連携もあり、全市的な取り組みとなって効果を上げているようです。新宿区でも実験を始めてみてはいかがでしょう。 第2の提案は、環境に関する条例の見直しについてです。 地方自治体の中には、公共の場所で動物が排せつをしたときは回収し持ち帰らなければならないと、動物の飼い主が守るべきルールとして条例を定めている地域もあります。排せつ物を持ち帰らない飼い主に対しては持ち帰るように指導し、指導後も適切な処理をしない場合には、文書によって処理命令を出します。この命令に従わない場合には、5万円以下の過料を科すことができるというものです。 もちろん、条例の制定目的は過料を取るものではなく、マナーの向上と快適で美しいまちづくりを図ることです。ほかの自治体の条例運営状況などの調査研究を進めていくべきと考えます。お考えをお聞かせください。 次に、落書き対策に関してお伺いいたします。 「自宅の家の塀に落書きをされて困っている、何か窃盗団の印かと、意味不明な内容で恐怖感を覚える」、「公共物への落書きがふえてきて犯罪が多くなるような気がして不安である」、いずれも最近区民の方から御指摘をいただいた御意見です。新宿区の落書き対策としては、区長を先頭に多くの皆さんの協力を得て、キャンペーンや落書き消去活動を実施するなど努力されています。時間と労力をかけておられる皆さんには全くもって頭の下がる思いです。 しかし、再発防止という観点からすると、残念ながら効果を上げている状況までには至っていないのが現状です。落書き放置はまちの美観を損ね、犯罪の起きやすい環境をつくり、治安の悪化を引き起こす原因になると言われています。 また、過去に自民党の下村議員が条例制定の提案をされていますが、その答弁にもありましたように、落書きは刑法上の器物損壊罪に当たり、懲役や罰金などの罰則が科せられ、明確な法律違反です。マナーに訴え、キャンペーンを経ても改善されない場合は、独自に条例を制定し、その抑止力に期待することもやむを得ないと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。 次に、次代を担う子どもの体力についてお伺いいたします。 子どもの運動能力については、毎年文部科学省が「体力・運動能力調査」を実施しており、子どもたちの体力低下が問題視され続けております。30年前の同年代と比較して、身長や体重などの外見は立派になっているものの、現在の子どもの体力・運動能力は親の世代をはるかに下回っています。この傾向は何も日本だけでなく、海外先進諸国でもそういった現象が見られるそうです。 専門家によると、人類の最大酸素摂取量に大きな変化が見られるようになったのは、1960年以降で、これまで数千年維持されてきた体力がこのころからわずか50年弱で低下してしまったという指摘もあります。体力低下は高度経済成長により、急激な車社会、電化などによって都市の利便性が複雑に絡み合って引き起こされた問題と言えます。ファーストフードの手軽な食事、移動交通手段の発達、テレビゲームやインターネットなどの発展のおかげで生活が便利で快適になった反面、日々の生活の中で体を動かす必要性が激減し、人々の体力が衰えてしまったと言えます。 当然、子どもたちもその影響を受けるわけで、現在の子どもたちを取り巻く環境は悪化に拍車のかかった状況と言えます。学習塾での勉強、家庭内ゲームなどが発達することにより、室内で過ごす時間がふえる一方、外遊びやスポーツ活動時間が減ってしまった。都市部での空き地や生活道路といった子どもたちの手軽な遊び場が減ってしまった。少子化や学習塾で勉強により、遊び友達が減ってしまったなどが体力低下の原因として挙げられることと思います。屋外で遊ぶこと、スポーツをする機会を十分に意識をして確保していかなければならないにもかかわらず、なかなかそのようにはなっていません。 私は、議員になって13年経過しようとしておりますが、運動会でも非常に体力の衰えている姿というものをよく拝見いたします。子どものころの運動は、正常な成長、発達にも寄与し、病気から体を守り健康な状態をつくり出すのに欠かせないことは言うまでもありません。 これまでの文部科学省の方策や区での取り組み、対策も強化されてきたと思いますけれども、こうした危機的とも言える状況の中で、これまでの対策で子どもの体力改善につながるとも思いません。継続的、計画的、具体的かつ効果的な対策について検討推進すべきであると考えますが、まず、現状をどのように認識されているかをお伺いいたします。 また対策として、以下の3点をお伺いいたしますが、お考えをお聞かせください。 1点目は、子どもの読書強化と同じような方法で、朝の始業前に運動を行う取り組みを幼・小・中学校で全区的な取り組みとして実施してはどうかということです。2点目は、学校に体育の嫌いな子どものためにボランティアなどの協力も含め、専門的知識を有するスポーツ指導者を巡回派遣するなどの対策を講じてはどうかということです。3点目は、運動部活動の一層の活性化についてです。運動部活動は人間関係を学習するよいきっかけとなり、友達や教師とともに汗を流すことで、友情や信頼関係を築かれる場でもあります。運動することの楽しさや喜びを感じ、豊かな学校生活を体験できる活動でもあります。専門的に指導する顧問教諭の確保などの課題がありますが、運動部活動の一層の活性化をどのように図っていかれるのか、お考えをお聞かせください。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
◎区長(中山弘子) えのき議員の御質問にお答えします。 ゲリラ豪雨対策についてのお尋ねです。 現在、新宿区では、ホームページ上に新宿区の気象情報を掲載し、区民がいつでも見られるようにしています。今回経験したゲリラ豪雨は江戸川小学校の雨量計で10分雨量が28ミリ、時間雨量が109ミリと、これまで経験したことのない雨量でした。短時間に集中的に降る大雨情報の迅速で正確な提供については、気象庁が平成22年度に始める予定の23区別の短時間予測情報システムの状況等を踏まえ、現行の情報配信システムの見直しを行ってまいります。 次に、独立行政法人防災科学研究所が今年度の秋ごろまでの期限で試験的に配信を行っているマルチパラメータレーダ情報についてですが、在来型の気象レーダよりも降雨強度の推定精度が高いとされていることから、本格的な稼働となった場合の活用について調査、検討したいと考えています。 次に、ゲリラ豪雨に対する今後の対策についてですが、今回の被害状況を「新宿区洪水ハザードマップ」と突合し、浸水想定地域外の被害地域を特定するとともに、被害の発生要因が建物の構造等にある場合も踏まえ、個別に調査していくことが重要と考えています。 また、雨量観測地点については、現在神田川及び妙正寺川流域で4カ所、防災拠点である区役所と防災センターの計6カ所に設置しています。 観測地点のあり方については、今後の被害状況の調査や、降雨状況の正確で効果的な情報提供体制の一環として検討してまいります。 さらに、小・中学校等の避難所の安全確保についても、今回の大雨被害の状況調査を踏まえ、浸水対応など十分な対策を進めてまいります。 また、避難所における区民のプライバシー等の確保については、授乳場所やおむつを使用している避難者の保健室の使用に加え、一定の面積で簡易的な間仕切りが可能なパネル等についても、備蓄に加えることを検討してまいります。 なお、現状では、避難所となっている小・中学校体育館への空調設備の設置は難しいと考えますが、空調設備が整っている教室や児童館等二次避難所の活用などを含めて、さらなる検討を進めてまいります。 次に、ゲリラ豪雨との関連から、ヒートアイランド現象の緩和対策のお尋ねです。 御指摘のように、都市部におけるヒートアイランド現象の原因としては、アスファルトやコンクリート面の増大、緑地や水辺の減少のほか、自動車や空調施設からの人工排熱などが挙げられます。このようなヒートアイランド現象に対して、区としては本年3月改定した環境基本計画において「地球温暖化・ヒートアイランド現象を防ぐ」を基本目標に追加し、今後の環境施策の重要課題と位置づけたところです。 具体的には、水辺空間の整備として、新宿御苑散策路内に玉川上水をしのぶ流れを創設する事業や、遮熱透水性舗装の拡大、屋上緑化、壁面緑化、ゴーヤのみどりのカーテン設置の推進などを通じ、都心におけるヒートアイランド現象の緩和に今後とも積極的に取り組んでまいります。 次に、動物の排せつ物放置対策として、尼崎市が取り入れている「イエローカード作戦」を実験的に導入してはどうかとのお尋ねです。 ペットブームの中で、動物を飼う方のモラルの低下や近隣住民の苦情が多く寄せられています。区では、動物の排せつ物放置対策として、犬、猫のふん尿被害に対する啓発用プレートの配布、動物の飼い方パンフレットの作成、犬の飼い方教室の実施、広報紙による飼い主に対するマナーの啓発等を行っています。 しかしながら、動物の排せつ物が道路や公園等で減らない現実があります。このため「イエローカード作戦」など他自治体での取り組みや、成果を上げている事業について調査をするとともに、引き続き飼い主に対するマナー向上の施策を展開してまいります。 次に、生活環境に関する条例を見直すために、条例の調査研究を進めていくべきではないかとのお尋ねです。 現在、ペットを飼う方が非常に多くなり、それに伴い、ルールを守らない飼い主が少なからずいます。そこで、区では犬や猫等ペットの飼い主のマナー向上対策を実施しております。条例の制定という外からの強制よりも、第1に飼い主の自主性を尊重し、マナーを高める対策が肝要であると考え、進めてまいりました。例えば、猫の飼い主には室内飼いを推奨し、さらに飼い主のいない猫についても、「人と猫との調和のとれたまちづくり事業」を地域ねこ対策として実施しています。 環境に関する条例の見直しなどについては、ペットの飼い主のマナー向上対策を講じつつ、他自治体の条例や運営状況の調査研究もあわせて進めてまいります。 今後とも各種施策を通して、ペットの飼い主のマナー向上を積極的に推進してまいります。 次に、落書き対策についてのお尋ねです。 民家や公共物への落書きは、御指摘のとおりまちの美観を損ね、犯罪を誘発するなど、地域の環境を悪化させます。これまで区では、地域の美化活動として地域住民、事業者などとも連携し、新宿通りやJRなどのガード下での消去活動やキャンペーンに取り組んできました。また、現在も大久保地区において地域の皆様の御協力のもと、東京都治安対策本部と連携し、「落書き消去活動」に取り組んでいるところです。既に消去した箇所については消去後も美観が保たれており、取り組みの効果があったものと考えています。 しかし一方で新たな落書きが発生しており、場合によっては条例制定もやむを得ないとの御指摘です。区としては、他自治体の落書き防止条例について、引き続きその運用面も含めて調査研究していきますが、落書き防止対策は書かれたら放置せずに速やかに消すなど、落書きしにくい環境をつくることが効果的であると考えています。 このような観点から、当面地域の方々や東京都など関係機関との連携をより強化し、速やかな消去活動、キャンペーンなどを地道に続けていく中で、再発防止の効果を上げ、安全・安心なまちづくりの実現に努めていきたいと考えております。
◎教育長(金子良江) 教育委員会の御質問にお答えします。 次代を担う子どもの体力の現状をどのように認識しているかとのお尋ねです。 子どもを取り巻く環境の変化により、日常生活や遊びの中で体を動かす機会が減少していることなどが、体力の低下を招いていると考えられます。 平成19年度の東京都の体力テスト調査結果によりますと、全8種目のうち、小学生では反復横跳び、往復持久走、立ち幅跳び、ソフトボール投げの4種目において、中学生では女子の前屈以外のすべての種目において全国を下回るなど、体力の低下傾向が見られます。 新宿区の体力テスト実施校の結果を見ると、ほぼ東京都と同様の傾向にありますが、往復持久走、前屈等については、東京都よりもさらに下回っています。学校からは、子どもたち全体の体力の低下とともに、運動する子どもとそうでない子どもの二極化傾向についての指摘もあり、教育委員会としては、すべての子どもの体力を高めることが大きな課題であると認識しております。 次に、朝の始業前の運動を全区的な取り組みとして実施してはどうかとの御提案です。 朝会の時間を活用して縄跳びや持久走などの体育活動を行っている小学校や、運動部活動の朝練習等を実施している中学校があります。また、基本的生活習慣を確立するための取り組みとして、PTAが中心となって、朝の校庭開放を実施し、サッカーやドッジボールなどを行う等の事例もあります。 教育委員会としては、このような取り組みが今後とも一層充実するよう学校や保護者、地域に働きかけるとともに、すべての学校で一定の期間を設定して、例えば持久走等に集中して取り組むようにするなど、効果的な基礎体力づくりを推進してまいります。 次に、専門的知識を有するスポーツ指導者を巡回派遣などしてはどうかという御提案です。 現在、区費講師や大学生の教育ボランティアを活用し、体育の授業や特別活動等で担任とともに子どもの指導に当たっている学校もあります。教育委員会としては、区費講師の採用や教育ボランティアの募集に当たって、体育の苦手な子どものために指導ができる人材を確保するほか、区内の体育協会会員や体育指導員、さらには生涯学習財団の指導者バンク登録者を活用し、多くの学校で運動の楽しさを子どもたちに味わわせ、基礎体力の向上を図る取り組みができるよう努めてまいります。 次に、運動部活動の一層の活性化をどのように図っていくかとのお尋ねです。 現在、区立中学校においては、6割以上の生徒が運動部活動に参加しており、顧問教員の熱心な指導とともに、スクールスタッフの活用や地域のスポーツ指導員等の協力により、活発な部活動が行われています。 教育委員会では、部活動の一層の活性化のために専門的知識を有する指導者としての地域人材の発掘、活用が大変重要であると認識しております。今後も、区長部局と連携して学校における外部指導者の活用が一層図られるよう努めてまいります。 以上で答弁を終わります。
◆28番(えのき秀隆) 区長並びに教育長におかれましては、大変御丁寧に答弁をいただきましたことを感謝申し上げます。 質問の冒頭でも申し上げましたとおり、現在、情報化の中で経済、またはその環境、そして私たち人間一人ひとりのあり方も非常に変化が激しく、早くスピーディーになってきているなというふうに私は受けとめております。それに対応するためには、今までの概念を時には捨てて対応することも大切なのかなというふうに思います。 個々の細かい点には触れませんけれども、そういった思いを持っているということを理解していただきまして、私の発言を終わりにしたいと思います。 どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 次に、16番なす雅之議員。 〔16番 なす雅之議員登壇、拍手〕
◆16番(なす雅之) 新宿区議会議員の報酬を年収300万円程度に削減すべきと主張している花マルクラブのなすです。 最初は、地方分権と自治基本条例についてお伺いいたします。 分権時代、住民自治というからには、議員の役割、議員の責務などが大きな課題となり、議員報酬も大いに関連あることですが、「お父さん、他の議員の皆さんに余り嫌われるようなことはやめなさい」と家族会議で我が家の奥さんにくぎを刺されていますので、きょうは議員報酬についてのことは棚上げして、具体的な質問に入ります。 イ、分権時代との言葉が使われることが多くなりました。新宿区でも、分権時代にふさわしい人材の育成という言葉も使われています。しかし、とかく議会や世間では理念的、観念的にその言葉が使われていると思います。私も地方分権については私なりに考えることもありますが、区長はどうして分権が必要であり、実現すると、区民の生活はどのように向上すると考えていますか。 また、区長は「特別区が最終的に目指すべき方向は一般の市である」と答弁しています。では、今、区長がこんなことをやりたいけれども、特別区ゆえにできない、もしくは実施できにくいと感じていることはどのようなことがありますか。 区民検討委員に委嘱状が交付されました。区職員と議会の代表も参加し,地域懇談会も開催されました。まさに新宿区では自治基本条例策定に向けて大きく動いています。しかし、私が肌で感じている点から言えば、一部の間では盛り上がっているが、大半の区民は関心が少なく、本来なら自治権を一番必要とする普通の一般区民の間でさめた雰囲気が強いのも正直なところだと思います。 平成14年に中山区長が当選して以来の住民自治基本条例に関する本会議や特別委員会の議事録を読み返しますと、当初は中山区長の答弁はそれほど積極的ではなかったと思います。そこでお伺いいたしますが、区長に立候補した際の気持ちとしては、新宿区に自治基本条例を制定することが必要だとの気持ちを抱いていたのですか。区長を務めている間に制定すべきとの気持ちが強くなってきたのですか。もし立候補以前と比べ、自治基本条例制定の意欲が変わったとしたら、どのようなことが原因と思われますか。 ロ、区民会議の中間のまとめでは、第6分科会の提言の最後、「重要であり、さらに議論が必要と思われる意見項目」には①いざというときに支援してもらえるはずの民生委員、児童委員、区議会議員の活動が見えない②民生委員、区議会議員、町会はその機能を十分発揮していないとあります。最終的な提言書の25ページに「区議会の改革についてどのようにしていくのか」という意見がありました。また、27ページには、「③区議会の活動が地域のことを考える活動として区民にとってわかりやすくなるよう改革を進める」とあります。 私は、議会改革を大きく掲げ、「出るくいは打たれると言われるが、出るくいとなる議員を目指す」と公約して当選したものですから、このような区民の声は実感としてよくわかります。 さきの定例会では、かわの議員が議会基本条例制定の必要性を強く主張いたしました。そこでお伺いいたします。区長は、平成19年定例会の答弁で「区が目指すべき自治は団体自治と住民自治が車の両輪のように機能していかなければなりません。これからの分権改革は従来のような国から地方へという団体自治を強める改革と並行して、自分たちのまちのことは自分たちで決めるという住民自治をこれまで以上に重視していくことが重要であると思います」と答弁しています。それならばなおさら、本当の住民自治、真の自治を目指すためには議会改革がもっともっと必要であり、議会基本条例を制定することも大事と思いますが、いかがですか。 以前、本会議で区長は「議会と行政は車の両輪」と発言されましたが、議会の改革と議会基本条例の制定を目指す区長としてのリーダーシップを発揮する考えはありませんか。このことに関して、議長や多くの議員と腹を割って話し合う考えはありませんか。
◎区長(中山弘子) なす議員の御質問にお答えします。 まず、地方分権についてのお尋ねです。 私は、みずからの地域のことはみずからの意思で決定し、その責任もみずからが負うことが地方自治のあり方であると考えています。そのためには、地方分権の実現は欠かせないものです。一律の制度や時代にそぐわない規制が温存されている限り、区民は本当に豊かな自治と生活を身近に実感することはできません。区民により身近な自治体ができる限りの権限と財源を持ち、みずからの努力と創意工夫により、地域に最もふさわしい公共サービスを多様な姿で展開していくことがより豊かな自治を実現することであり、区民生活の向上につながるものと確信しています。 次に、特別区ゆえにできないことなどについてのお尋ねです。 真に区民が豊かさを実感できる社会を実現していくためには、教育、福祉、まちづくりなどの課題に対して、地域の実情に合ったきめ細かな対応が求められます。そのためには、特別区が基礎自治体として必要な財源と権限を確保する必要があります。 しかしながら、一例を申し上げますと、現在、固定資産税など本来基礎自治体である市町村が賦課徴収する税について、現在の都区制度のもとでは、都が賦課徴収しているため、まちづくりを進めていく上で受益と負担との関係が不明確になっています。 また、都市計画決定や建築確認などの事務の一部については、その権限が都に留保されており、まちづくりに関する区の意思を必ずしも十分に反映することができる形になっていません。 このような基礎自治体の根幹をなす財源や権限については、区へ移譲することで基礎自治体としての区の体力と能力を一層高めていく必要があると考えています。 次に、自治基本条例の制定についてのお尋ねです。 私は、就任以来一貫して少子高齢化社会への対応や環境対策など、さまざまな地域課題を解決するために、「現場・現実の重視」「区政の透明性の向上」「区民との協働」の重要性を訴えてきました。これは自治の基盤を確固なものとするために必要であると考えたためです。その上で、自治を実践する仕組みとして、新宿区民会議や地区協議会などの設立に取り組んできたところです。 このように自治の実践を積み重ねる中で、住民自治をより確かなものに位置づける必要を感じ、「自治基本条例」の制定に向け、取り組むこととしたところです。 次に、議会基本条例についてのお尋ねです。 昨年11月に「自治基本条例」の制定に向けて、行政と区議会は(仮称)新宿区自治基本条例検討連絡会議を共同で設置し、検討を行っているところです。また、ことし7月には区民の検討組織である区民検討会議が発足しました。 今後、区民、議会、行政のそれぞれが自治基本条例について具体的な検討を進めていくこととなりますが、その中で議会の役割などについても議論されることと思います。そこでの検討内容も踏まえながら、議会基本条例については、議会の中で十分議論されるべきものと考えています。
◆16番(なす雅之) いろいろ感想がありますが、次の質問にまいります。 次に、保育園の民営化についてお伺いいたします。 私は、基本的に保育園の民営化や学童クラブの民営化に反対する立場です。「民営化すれば多様なサービスができる」という方がいますが、公設公営保育園で多様なサービスをどのようにしたら実現できるのかを考えていくことが大事だと思います。「民にできることは民に任せる」の単純な発想で民営化を進めていくことが官製ワーキングプアの増大につながり、介護労働者の人手不足につながっているんだと思います。 以前の本会議でも述べましたが、官が民から学ぶべきことはたくさんあると思います。なぜ官でできないのか、どうしたら官でできるのか、公務員の意識、制度を改革していくことが安易な民営化より大事で、区民の期待に沿うことだと思います。 私たちの実感としては、民営化する前は、「民営化しても区はきちんと監督、指導する」と言いますが、民営化した以降は、「民間の独自性を尊重しなければ」とか「民間のよさを十分発揮してもらうことが大事」などの言い方をして、実際の区の指導、監督は不十分だと感じています。保護者も大きな不満を感じてはいるが、子どもたちを預けている弱みと保育園に入れることの感謝の気持ちから,言いたいことも言えないのが現実です。 それはともかく、現実的には保育園の民営化の流れを簡単には食いとめられないと思います。ならば、基本的には民営化に反対であろうとも、よりよい民営化を目指していくことも重要なことだと思います。そのような立場から、保育園の民営化に関して幾つか質問いたします。 イ、平成13年に保護者会説明資料で配布された民営化の新園に関する質問に対する回答では、毎年、都が施設の運営全般や職員の状況、建物の管理、災害対策の状況、保育の状況、児童の健康管理、感染症の予防対策、会計管理の状況などに関する施設調書の提出を義務づけており、これに記載している内容を都と区でチェックし、必要に応じて報告や調査などを実施しております。 また、児童福祉施設の指導監査は、「東京都児童福祉行政指導監査実施要領」に基づき、入所者の処遇、職員の配置及び勤務条件、経理状況、設備の状況など、運営全般と法人監査もあわせて年1回以上の実地監査を実施しており、新宿区も立ち会っていますと回答しています。 また、新宿区は私立認可保育園の職員の内容(入退者、採用条件、労働条件etc)は、どこまで把握していますかとの質問に対しては、「職員の配置及び充足、職員の資格保有、病気、産休・育休等の代替職員確保、採用・異動・退職関連帳簿、勤務時間及び休憩時間、年次有給休暇、育児休業、本俸格づけの基準、諸手当の支給基準、個人別支給状況、健康診断等健康管理、研修、就業規則や給与規則等の関連規定など」と回答しています。 以上に挙げたようなことに関しては、きちんと回答書どおりに守られているのでしょうか。また、先ほど挙げた施設調査書は情報公開文書の対象となるのでしょうか。 ロ、労働基準法では、就業規則の改定の場合は、従業員の過半数が加入している労働組合がある場合は、その組合と、なければ従業員の代表の同意が必要となっています。組合があれば問題が少ないのですが、組合がない場合には一般的には経営者の都合のよい就業規則、給与規則の改定がなされることが多いです。そして、多くの私立認可保育園には労働組合がなく、労働者の声が通りにくい労働条件、経営者が一方的に押しつけた労働条件がまかり通ることが多いです。就業規則、給与規則、その他の労働条件の改定などのことで、単に書類審査だけでなく、時には従業員の代表者の方と直接会って話し合われたことはありますか。そのようなことも時には必要なのではないでしょうか。 ハ、私たちの心配事としては、「区や都から出ている補助金が職員の人件費や事業費を削って、経営者やその一族の不当所得となっていないか」があります。そのようなことはきちんと監督、指導できているのでしょうか。また、園ごとの決算書は、区の情報公開の対象文書となりますか。
◎区長(中山弘子) 保育園の民営化についてのお尋ねです。 まず「民営化後の指導監督」「民営化園の職員労働条件の把握」に関し、平成13年度に保護者説明会で回答した内容が守られているかについてです。 社会福祉法人については社会福祉法に基づき、保育園については児童福祉法に準拠し、それぞれ東京都が指導検査を行いますが、新宿区も保育の実施主体として同行し、東京都と連携しながら、検査・指導に当たります。 その際、社会福祉法人現況報告書、施設調査書等に基づき検査しており、回答した内容については守られています。 次に、施設調査書が情報公開の対象となるかについてですが、情報公開条例に基づき、個人情報に関する部分を除き、所定の手続を経た上で公開いたします。 次に、私立保育園に勤務している従業員と労働条件等について直接会って話したことがあるか。時には、そのようなことも必要ではないかとのお尋ねです。 私立保育園に勤務している従業員の労働条件等については、労働基準法が適用され、保育園ごとに就業規則や給与規定等を定め運用されています。したがって、それらの規則等を改定する場合も、雇用主が組合または従業員の代表と協議し決めることになりますが、指導検査の際には、必要な事項が規則等に規定されているかどうかのほか、内容の適否についても検査の対象としています。 さらに、実態を確認するために、場合により従業員の代表と直接会って状況を確認することも必要だと考えております。また、これまでも保育課において必要に応じ、従業員が個別に加入した労働組合から、従業員の勤務状況や園運営について話を聞いております。 次に、区から補助されている運営費が適正に使われているかどうかについて監督・指導はできているのかとのお尋ねです。 私立保育園に対しては、実施している保育サービスや児童及び職員の数を基本に運営費補助を行っています。その補助金が適正に使用されているかどうかについては、毎年提出される決算書や指導検査の際閲覧する帳簿等の経理関係書類をもとに検査を行っており、是正事項があれば、口頭または文書で改善指導を行っています。 次に、園ごとの決算書は情報公開の対象となるかについてですが、情報公開条例に基づき、公開の対象としています。 今後も保育の実施主体としての立場で、保育園の運営が適正に行われるよう努めてまいります。
◆16番(なす雅之) 最後に、教育委員について、区長と教育委員会にお尋ねいたします。 イ、先ほど地方分権と自治基本条例に関して質問いたしましたが、質問をつくるに当たって、「これからの地方行政のあり方」や元大分県知事の平松氏の「どうしたら分権は実現するのか」や、長洲一二氏監修の「地方分権、確かな道筋」などを読みました。その中に「福祉の分権化」と並んで「教育の分権化」がとても大きな課題だと書かれてありました。 考えてみれば、文部科学省の通達や教育基本法が地方の教育行政に大きな影響を与えていることは言うまでもありません。今まで何度か質問しましたが、新宿区の教育委員会が独自に土曜日の正規授業をすることはできません。また、新宿区が30人学級を正規に行うためには、余りにも大きな壁があると言えるでしょう。新宿の教育委員会が期待するような人事異動も簡単にはできないでしょう。教育の分権化は大きな課題だと私も思います。もちろん、「確かな学力の推進」「夏休みの5日間短縮」など新宿区独自の施策もありますが、教育の分権化についてどのように考えていますか。 ロ、今定例会で教育委員を6人にふやすことができる条例改正が提案されています。新宿の教育行政を進めていく上で、教育委員会としては、現行のように5人体制では不十分で、6人にふやすべき大きな理由があるとお考えですか。6人にふやす必要があるのか、どうして5人体制ではできないのか、明確に述べていただきたい。 生涯教育部門が区長部局に移管されたことにより、教育委員会の所管事項が以前より縮小されたはずです。にもかかわらず、教育委員をふやすことは納得できません。保護者の代表を教育委員に入れることが義務化されたことはわかります。そのことは人数をふやさなくても、現在の委員が任期満了の際、保護者代表と交代させればよいことではないでしょうか。 ハ、地方教育行政の組織及び運営に関する法律によれば、「地方公共団体の長は、委員の年齢、性別、職業に著しい偏りがないよう配慮するとともに、委員のうち保護者であるものが含まれるようにしなければならない」とあります。 そこでお伺いいたします。教育長は別にして、現在の教育委員の年齢構成、性別、職業はどのようになっていますか。また、在任期間はどのようになっていますか。また、私の感じでは、実際の学校現場をよく知っている方がもっと多く就任されたほうがよいと思いますが、いかがですか。 ニ、教育委員会不要論もありますが、教育委員の方ももっともっと積極的に区民の皆さんと直接触れ合う機会を持つことを目指してはいかがでしょうか。牛込地区学校適正配置に関する懇談会でも、委員の方から、この問題で直接教育委員と話し合いたいとの声が出ていました。そういえば、「区長と話そう、しんじゅくトーク」に区民の声委員会の会長は、何度か参加していましたが、教育委員が参加したことは私は目にしていないし、聞いてもいません。
◎区長(中山弘子) 現在の教育委員の構成等についてのお尋ねです。 現在、新宿区の教育委員は5人で構成しています。年齢構成は教育長を除きますと、70歳代が1人、60歳代が2人、50歳代が1人となっています。性別では、男性が3人、女性が1人で、職業では教育関係者が2人、医師、弁護士がそれぞれ1人です。また、現在の委員の在任期間は2期目の委員で7年9カ月の委員が1人、6年11カ月の委員が1人、1期目の委員で2年の委員が1人、9カ月の委員が1人です。 なお、教育委員の任命については、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有する方で、学校現場にも理解のある方を任命しております。 教育委員を6人に増員することについてのお尋ねです。 今回の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正は、家庭や地域における教育力の低下や、育児に不安を持つ親の増加、また児童の学力、体力、規範意識の低下など、近年の教育をめぐる環境の変化に適切な対応ができる教育体制の構築を図るものです。そのためには、地域における教育行政の中心を担う教育委員会がより一層その職責を発揮できる体制を構築し、教育委員会の活性化を図る必要があります。 また、委員のうちに「保護者である者」を含めることが義務づけられるとともに、教育に関する事務の管理執行状況についての点検や評価、報告書の作成等、教育委員会の責任体制の明確化にも対応するために、これにふさわしい識見と能力を持つ委員がより多く必要と考えています。 このような観点から、新宿区における教育行政の一層の充実と教育委員会の活性化を図るため、現在5人である委員を6人に増員するものです。
◎教育長(金子良江) 教育委員会に対する御質問にお答えします。 教育の分権化についてのお尋ねです。 教育基本法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律においては、教育行政は国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力のもと、公正かつ適正に行われなければならないと規定しています。この規定は、これまでの中央教育審議会の答申等でうたわれてきた、国は学校教育におけるナショナル・スタンダードを示し、区市町村及び学校は義務教育の実施主体として、主体性と創意工夫により、それぞれの地域において最適な状態を実現するという国と地方の役割分担を明確化したものと受けとめています。 御指摘のような、現在区が行っている確かな学力の向上や夏休みの短縮といった取り組みは、学校の設置者たる区が地域の実情に沿った最適な教育の実現を目指して進めているものです。 しかしながら、さらに教育の分権化を進め、区市町村及び学校が主体性を発揮して、その地域らしい独自性のある教育活動を展開していくためには、教職員の人事権の移譲が不可欠です。 区としては、今後もより地域の実態を踏まえ、多様な区民の意向を反映した新宿区らしい取り組みを続けるとともに、東京都に対して教職員の人事権の移譲を強く要望していきたいと考えています。 最後に、教育委員が区民と直接触れ合う機会を持つべきとのお尋ねですが、これまでも教育委員会では、教育フォーラムの開催やPTAとの懇談会などを通じ、委員みずからが区民の方々と直接触れ合い、意見交換を行う機会を設けてきました。 また、研究発表や学校訪問をはじめ、スクールコーディネーターや学校評議員との意見交換、中学校生徒会役員との交流などを通して、子どもたちや教職員など学校現場の方々からも直接意見を聞く機会を持ち、教育行政にそれらの声を反映させてきたところです。 今後も、学校を支援していただく幅広い区民の方々と懇談会を開催するなど、委員一人ひとりがより一層触れ合う機会を設けることで、教育委員会のさらなる活性化を図り、開かれた教育委員会の実現に努めてまいりたいと考えております。 以上で答弁を終わります。
◆16番(なす雅之) いろいろ細かいことをお伺いしましたが、私がわからないから聞くということよりは、やはり区長や教育長の考え方を区民の皆さんによくわかってもらいたいというような思いがあるので一応聞いたというところをお話ししておきます。 自治基本条例について言うと、行政と議員も一生懸命なのはすごくわかるんですが、区民の方々がつくっていこうとか、一番必要だと思っていくことがすごく大事なことなんだ、そういうことのために区民の人たちにその大切さをわかってもらいたいというようなことで、区長の答弁を通じて感じてもらいたいと思ったので、きょう質問したということです。 それから民営化については、区がやっていませんよなんていうことは、絶対あり得ないと。当たり前のやっていますと答える。区民の中には、やってないんじゃないかと思っているのも正直なところだと思うんですよ。ですから今後、いろいろな意味で民営化した以降も区としてはきちんとやっていますよ、安心してくださいということをわかるような形でいろいろ進んでやっていくことが大事なのではないかということから、この質問をつくったということです。 それから、教育委員会に関してはいろいろなことがあるんですが、これから決算特別委員会に私もメンバーになりますので、そこでいろいろ質疑をしていくということで、きょうは再質問はいたしません。 どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 以上で、代表質問は終わりました。
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○議長(桑原公平) ここで、議事進行の都合により15分間休憩します。
△休憩 午後3時58分
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△再開 午後4時16分
○議長(桑原公平) ただいまから会議を再開します。
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○議長(桑原公平) 日程第2、一般質問を行います。 質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、35番かわの達男議員。 〔35番 かわの達男議員登壇、拍手〕
◆35番(かわの達男) 社会新宿区議会議員団のかわの達男です。 最初に、ユニバーサルデザインのまちづくりについて区長にお聞きいたします。 新宿区第一次実行計画の「人と環境にやさしい潤いのあるまち新宿」の中に、「ユニバーサルデザイン・ガイドラインの策定と推進」という事業があります。 最近、結構まちづくりの中で言われている言葉ですけれども、ユニバーサルデザインとは、高齢であることや障害の有無などにかかわらず、すべての人が快適に利用できるように、製品や建造物、生活空間などをデザインすることと言われ、また、文化、言語、国籍の違いや老若男女といった差異、障害や能力のいかんを問わずに利用することができる施設、製品、情報のデザインを言うとも言われています。つまり、バリアフリーのまちづくりをもっと大きく深く広げ、まさに新宿区基本構想で言う「新宿力で創造するやすらぎとにぎわいのまち」づくりの新宿にとって、不可欠のまちづくりのスタンスであると言えます。 国内の主要企業141社が加盟する国際ユニバーサルデザイン協議会は、この9月22日から23日、「ユニバーサルデザインフォーラムin札幌」を開催し、普及促進に取り組んでいます。 同協議会は、その設立趣旨の中で、若くて健康な人だけを念頭に置いた商品開発だけでなく、年齢、性別、人種や能力の違いなどによって、生活に不便さを感じることのないものづくり、社会づくりが必要です。できる限り多くの人々に利用可能なように、最初から意図してデザインすること。社会のすべての面に適用されるべき使い手中心の仕組みづくりを急ぐことの重要性を確認し、ユニバーサルデザイン活動を進めていくと述べています。 さて、新宿区はこれまでもバリアフリーのまちづくりを積極的に進めてきました。新宿区交通バリアフリー基本構想を平成17年4月に策定し、重点整備地区も指定し、推進委員会にも障害をお持ちの当事者も参加し、さまざまな取り組みを行ってきています。 新宿区には障害をお持ちの多くの方が居住し、高齢者や子育て世代も暮らし、多国籍・多文化の外国人が住み集まり、大規模病院や商業・ビジネス施設、ターミナル駅が存在するなど、まさに新宿こそがユニバーサルデザインのまちづくりについて、その先駆者とならなければいけないと思います。 この点からも、今回のユニバーサルデザイン・ガイドラインの策定と推進は、まさに当を得ているというふうに思います。具体的にどんな人でも公平に使えること、使う上で自由度が高いこと、必要な情報がすぐわかること、うっかりミスが危険につながらないことなどの7つの原則が言われています。 そこでお聞きします。 1点目は、実行計画によれば、平成20年度は検討委員会の設置とガイドラインの検討となっています。検討委員会には、障害者などの当事者や利用者、有識者等を入れての委員会になると思いますが、委員会の構成や開催予定、進め方など策定に向けてのスケジュールなどをお聞かせいただきたいというふうに思います。 2点目は、先ほど述べましたように、このガイドラインは従来のバリアフリー計画を質的にも、さらに大きく広く深く進めるため、ハード・ソフト面からも当然のごとく、多くの関係者の参加が必要であります。 当面、都市計画部が担当するにしても、いかに区内の各部や教育委員会なども入った全庁的な取り組みができるかにこの成否はかかっていると言っても過言ではありません。その態勢をどうしていくのか、お考えをお聞かせください。 3点目は、このユニバーサルデザインは、鉄道事業者はもとより、官民つまり企業や団体など生産者、消費者、利用者すべてを網羅して進めていくことが必要です。この視点からも企業や団体の協力、参加をどう取りつけるのかが重要であります。認識をお聞かせください。 4点目は、この施策を着実に進めるためにも、「新宿区ユニバーサルデザイン条例」の制定を目指していくことがよりよいことだというふうに私は思います。既に、浜松市などでは条例を制定しています。条例制定を視野に入れて取り組むべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。 次に、子どもの生きる力を伸ばす教育について、教育委員会にお聞きいたします。 文部科学省は、本年3月、新学習指導要領を示しました。そこには、ゆとり教育を見直し、理数系教育を強化するための授業時間の拡大、小学校5年生から英語活動を必修化するなどが示されました。実行していくには多くの課題と問題点があると私は思います。 そこでお聞きいたします。 1点目は、今回の学習指導要領の改訂を新宿区教育委員会はどのように受けとめ、平成23年度からの実施についてはどう対応されるのか、基本的な姿勢をまずお聞きいたします。 2点目は、具体的に授業時間の確保を新宿はどうするのかであります。 現在の授業時間を年間で拡大するには、①1日当たりの授業時間を延長する。②土曜日に授業を行う③いわゆる夏休み、冬休み、春休みを短縮し、授業日数を確保するなどであるだろうというふうに私は思います。 新宿区教育委員会は、昨年、まさに突然に夏休みの1週間の短縮を提起し、多くの保護者や教育関係者、地域の「拙速過ぎる」という声を押し切り、実施いたしました。 新学習指導要領を見越しての施策のようにも見えましたけれども、さらにこの上、授業時間を拡大する考えなのか、行うとすれば、どこからその時間を捻出するのか。クラブ活動や委員会活動を削減してはなりません。お考えをお聞かせください。 3点目は、小学校5年生からの英語活動を必修化することについてお聞きいたします。 これまた、具体的にどうしていくかであります。新宿区だけの問題ではありませんけれども、しかし、新宿区教育委員会はどうするかということであります。まさか、現在の小学5年、6年の担任の先生に「はい、来年から英語を教えてください」とは言わないと思いますが、もちろん英会話のできる先生もいらっしゃると思いますけれども、多くの先生には極めて大きな負担になるというふうに思います。 英語に親しむ英語活動とはいえ、単に聞かせたり、映像を見せるだけではないと思います。外国人講師をどの程度配置するのか、担任の先生がどの程度教えるのか、そのための研修会などをどの程度行うのか、その時間はどう確保するのか。具体的な施策についてお聞かせください。そして、いつから実施するお考えなのかをあわせてお答えいただきたいと思います。 4点目は、確かな学力の育成について。とりわけ、全国学力テストについてお聞きいたします。 本年4月22日、平成20年度全国学力・学習状況調査、いわゆる学力テストを小学6年生と中学3年生を対象に実施し、去る8月29日、各教育委員会、学校等にその結果を報告しました。 翌日の新聞には、分野ごとの都道府県別順位が掲載され、文部科学省のホームページにも載せられています。この調査は、学校が、また個々の児童・生徒が新宿区内で、さらには全国でどの位置にいるか、すべて数字でデータ化されています。 この間、私たちはこの全国学力テストのやり方は問題が多いし、昨年は一部で不正も行われました。児童・生徒と学校に序列をつけることは過度の競争であり、実施すべきではないと言ってきました。しかし、本年度も新宿区教育委員会は全国学力テストを実施いたしました。 そこでお聞きいたします。1、このテストの結果について新宿区教育委員会はどのように受けとめ、また何が判明し、今後どうしようと考えているのか、最初にお聞きします。 2、新聞報道によれば、23区中、荒川区や墨田区など5区は、平均正答率つまり成績を公表すると言っています。荒川区は、区のホームページに既に載せています。新宿区教育委員会は公表についてどうされるのか、その判断の理由についてもお聞かせください。 3、保護者や区民からの情報公開請求についてはどう対応されるのか、お考えをお聞かせください。 4、公開についても、大阪府などでは大きな問題となっています。改めて申し上げます。子どもたちに過度の競争をあおるなどこの問題点の多い全国学力テストは、廃止するよう文部科学省に申し入れるべきだと思いますけれども、新宿区教育委員会の見解をお聞かせください。 以上で私の一般質問を終わります。
◎
都市計画部長(永島恵子) かわの議員の御質問にお答えします。 ユニバーサルデザインのまちづくりに係る検討委員会の構成や進め方、策定に向けたスケジュールについてのお尋ねです。 多くの区民が利用する建物や公園、道路、公共交通機関など、区民の生活を取り巻く空間をだれもが暮らしやすいユニバーサルデザインの考え方を基本にまちづくりによって改善していくことは、重要であると考えています。 ユニバーサルデザインのまちづくりについては、平成20年度から第一次実行計画に基づき、ガイドラインの策定に向けた検討を始めたところです。今年度は事前調査を行うとともに、年度末までに学識経験者や障害者団体などの関係団体の代表者、公共交通事業者などさまざまの立場の有識者等で構成する検討委員会を設置する予定です。 来年度はさらに、今年度の成果をもとに有識者等で構成する検討委員会で検討を行い、ガイドラインの策定を目指してまいります。 次に、全庁的な検討体制ですが、ユニバーサルデザインは建物や道路等の基盤施設や情報、サービスといった、いわゆるハードからソフトまでの広範囲の物事に対する利用者の使いやすさを追求する活動です。 ガイドラインの策定に際しては、事前の準備段階から庁内関係各課との連携や施策実現に向けた意識の共有などを図っていくことが重要です。そのため、有識者等で構成する検討委員会の設置に先立ち、その活動を支えるために、庁内に広く関係各課を集めた「ユニバーサルデザインまちづくり庁内検討会議」を立ち上げたところです。 次に、企業や団体等の方々との協力や参加についてどのように取りつけていくのかとのお尋ねです。 具体的なまちづくりの中で、ユニバーサルデザインの考え方が生かされ、多くの利用者が使いやすいものをつくり出していくためには、公共交通事業者や障害者団体はもとより、建物や公共交通の利用者、教育関係の方々など、多くの関係者の協力や参加は欠かせないものと考えています。他地区の先進事例等も調査の上、関係者に対して協力や参加を求めていくことを予定しています。 次に、条例制定を視野に入れて取り組むべきとのお尋ねです。 御指摘のとおり、浜松市などでは、条例を制定し、ユニバーサルデザインの取り組みを進めています。条例制定については、有識者等で構成する検討委員会における議論や関係者の意見を伺うとともに、条例制定に伴う効果、実効性を勘案するなど検討してまいります。
◎教育委員会事務局次長(渡部優子) 教育委員会への御質問にお答えします。 学習指導要領の改訂についてのお尋ねです。 今回の改訂は、
教育基本法改正等を踏まえ、現行の学習指導要領における「生きる力」をはぐくむという基本理念を継承するとともに、それを支える「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」の調和を重視しており、教育委員会や学校がこれまでも取り組んできた方向性が一層明確になったと考えております。 教育委員会では、新学習指導要領への円滑な移行や実施に向け、6月に新教育課程検討委員会を立ち上げ、各教科の改訂の要点や各学校が作成する指導計画例などについて検討を進めております。 検討結果を踏まえ、学習指導要領改訂の趣旨を生かし、これまで取り組んできました区費講師の配置や少人数指導の充実、言語・体験活動の充実等により「確かな学力」の育成に重点的に取り組んでいきたいと考えております。 授業時間の確保についてのお尋ねです。 平成18年度から夏休みを5日間短縮したことにより、各学校とも実施授業時数が増加しました。各学校において1年間を見通したゆとりのあるカリキュラムを計画し、授業を実施しています。 現在、各学校は現行学習指導要領に定められている標準時数を上回り授業を実施しており、新学習指導要領に示された授業時数にも対応できるものと考えます。したがって、教育委員会としては、現段階でさらに夏休みを短縮するなどの対応は考えておりません。 小学校における英語活動についてのお尋ねです。 新しい学習指導要領では、平成23年度から5、6年生に年35時間の外国語活動が必修化となり、移行措置として来年度より実施が可能とされています。 新宿区においては、現在すべての小学校へ外国人英語指導員を配置し、担任とのチームティーチングですべての学年、学級において英語活動が行われています。教員の研修については、平成14年度から英語活動指導法研修会を実施し、教員への英語活動の趣旨の徹底と指導力の向上を図るとともに、英語活動の手引を作成し、その周知に努めてきました。 教育委員会としては、小学校におけるこれまでの英語活動の実績を踏まえ、総合的な学習の時間を活用し、来年度からすべての小学校の5、6年生で年35時間の英語活動を実施していきます。 また、今後、小・中学校の滑らかな接続を図るための連携カリキュラムについて検討し、小学校における英語活動の円滑な実施に向け、条件を整備してまいります。 全国学力テストについてのお尋ねです。 本調査の目的は「児童・生徒の学力・学習状況を把握・分析することにより、教育の結果を検証し、改善を図る」ことと、「各教育委員会や学校等が全国的な状況との関係において、みずからの教育の結果を把握し、改善を図る」ことです。 教育委員会としては、学校が調査の趣旨を踏まえ、その結果に基づき、一人ひとりの子どもの学習状況をきめ細かく把握・分析し、保護者や子どもと課題を共有するとともに、一人ひとりの学力を確かなものとするために、引き続き授業改善の取り組みを継続するよう指導いたします。 学力テストの公表についてのお尋ねです。 文部科学省の実施要領では、教育委員会は個々の学校名を明らかにした公表は行わない。また、学校が自校の結果を公表することについては、それぞれの判断にゆだねるとしています。教育委員会も、実施要領にのっとり、引き続き各学校の平均正答率についての公表は行いません。 各学校に対しても、公表する際は、教育活動の取り組みの状況や調査結果の分析を踏まえた今後の改善方策等を示し、序列化につながる平均正答率のみを公表することのないよう、指導してまいります。 新宿区情報公開条例に基づく情報開示については、現時点で個別のケースは想定できませんが、請求があった段階でその内容を個人情報との扱いを含め、慎重に検討し、適切に対応してまいります。 今後の本テストの実施については、区立小・中学校の教育の改善に資するため、今後も継続して実施する予定でございます。 以上で答弁を終わります。
◆35番(かわの達男) それぞれ答弁をいただきました。 ユニバーサルデザインの関係については、ぜひそういう形で進めていってほしいし、なかなか言うは易いけれども、実際には大きな課題がたくさんあると思いますけれども、いろいろな機会でこれからも一緒になって考えていきたいというふうに思います。 それから、教育委員会でそれぞれ答弁がありましたけれども、一つ、もう一度お聞きしたいんですけれども、いわゆる夏休みの短縮は考えてないというふうに言われましたけれども、一方では、年間35時間の英語時間を確保するわけですよね。そうすると、私が具体的に方法として、授業時間を確保するには3つあると言ったけれども、いずれにしても現行では授業時間を1日当たりあるいは土曜日含めて延長することは考えていないというふうに理解していいのかどうなのか、そこについて1点。 それからもう一点は、いわゆる学力テストの問題で、保護者と共有していろいろ考えていくというふうに言っていますけれども、現実的にはそんなふうにはならないんではないかなと思いますし、公表はしないと一方では言っているわけですから、それらについて具体的に保護者とどういうことで、子どもの生きる力あるいは確かな学力を伸ばすために共有ができるのか、それらについてはどんなふうに考えているのですか。その2点。
◎教育委員会事務局次長(渡部優子) 1点目の授業時間の確保につきましては、一昨年に夏休みの短縮をやりましたので、それについてはすべてそこで賄っておりますので、新たな授業時数の確保については考えてございません。 もう一点ですけれども、地域の住民あるいは保護者とどう共有していくかという問題でございますけれども、公表しないことは決まってございますけれども、各学校でそれぞれ自分たちの子どもに対するさまざまな結果がございますので、それを学校評議員会等で実際にそれを言わなくても、具体的なことではなく、傾向とかそういうものについては話せることと、それから各個人一人ひとりにその結果を返してございますので、それを保護者が十分わかっていますので、その辺で共有できるというふうに考えてございます。
◆35番(かわの達男) いろいろお聞きして再質問いたしましたけれども、いずれにしても、全国学力テストの問題は今盛んにマスコミがいろいろなところの事例を取り上げて、ある面ではおもしろおかしく言っている部分もありますけれども、実に問題が多いというふうに思います。結果的には、そのことを予算に反映するなんていうのはとんでもない話でありますし、僕はそれらにつながるような全国学力テストは必要ない、やめるべきだというふうに思いますし、そのことを申し上げ、さらにはこれ以降の決算特別委員会でまた同僚議員がいろいろお聞きすることができると思いますので、その場によりまして私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 次に、12番佐原たけし議員。 〔12番 佐原たけし議員登壇、拍手〕
◆12番(佐原たけし) 自由民主党の佐原たけしでございます。 8月8日から17日間にわたり日本じゅうを、いや、世界じゅうの人々に感動を与えた北京オリンピックが無事終了いたしました。競技を終了した選手の顔は期待どおりに活躍した選手のさわやかな笑顔、不運にも結果を出し切れなかった選手の悔し涙などが報道されるたびにテレビの前では一喜一憂の大きな歓声が上がりました。 金9個を含む15個のメダルを獲得しましたが、この数が多いか少ないかはそれぞれの考え方です。私自身は、運も勝負のうちと考える一人でありますので、今回の成績はすばらしい成果だったと大きな拍手を送ります。また、手に汗を握りながら、テレビ観戦をしていたスポーツ選手を目指す青少年は、あの画面に我が姿をダブらせ、大きな夢と希望を抱いていた者は決して少なくないと思います。 さて、私は平成20年第1回定例会で、児童・生徒の体力について質問いたしました。その中で運動不足に端を発した能力低下が行き着くところまでいって、低い状況で安定しただけで、急激に回復しているとは言えない。また、体格は向上しているものの、体力は逆に低下の傾向が見られると指摘いたしました。まさに体力、気力、知力が一体となって、人間として成長し、活動しながら生活を営んでいくものであると考えています。 そこで必要な、基礎的な心と体を養成するのに適している時期が小学校高学年から中学生の頃ではないでしょうか。現在の小学5、6年生の高学年ともなれば、体格は向上し、並みの大人と比べても決して見劣りしないくらいに成長している児童が多くなりましたが、体力はまさしく低下しています。 しかし、児童・生徒が運動不足するようなことがあってはなりません。この大切な成長期に十分体を動かし、いろいろな体験をしながら心を磨くことのできる体育を実施することが極めて重要だと感じています。 中学校においては、科目ごとに専科の先生がおりますが、小学校においては、担任の先生が体育を含め全科目を指導しているわけです。そのような中で先生が体育の後の授業に支障を来さないように運動が小さくなったり、高齢のため、児童たちの動きについていけないとか、体力不足だったりしているようでは話になりません。 今の小学校高学年の児童たちは、運動の中に大きな活動を求めており、現在の体育の授業に一抹の物足りなさを感じていると聞いています。学校体育を通して、児童たちの運動不足を解消するとともに、体と心の育成に努めていただきたいと強く念願するものであります。 そこで教育委員会にお聞きします。 第1に、小学校教諭の平均年齢は41.3歳と聞きますが、高学年の担任として年齢や体力について配慮されているのでしょうか。 第2に、小学校高学年の実施している体育の内容についてはどのようなものがあるか、お聞かせください。 第3に、指導内容がより高度になる小学校高学年において、担任が不得意な運動については、教育指導研究費の「スクールスタッフの活用」または「確かな学力の育成」などの予算を活用し、それぞれの運動に高度な技術や指導力を持つ地域の人材を講師に招いたり、体育を専門とする確かな学力推進員を雇い入れ、担任とともに指導に当たっていただいてはどうでしょうか。 あるいは、体育が得意な学生による教育ボランティアを活用してはどうでしょうか。なぜなら、講師等の活用により、担任の年齢や体力、指導力にかかわらず、思う存分体を動かし、体育の楽しさを味わわせることができるからです。 また、体育を通してスポーツのおもしろさや専門性に出会い、オリンピックも夢ではないと努力する機会が芽生えるかもしれないからであります。 私の質問は以上ですが、先ほどえのき議員のところで同じような答弁が出たと思いますが、私にも温かい答弁をひとつお願いいたします。
◎教育委員会事務局次長(渡部優子) 佐原議員の御質問にお答えします。 小学校高学年に体育専門指導員を配置することについての御質問です。 小学校高学年の担任配置に当たって、年齢や体力が配慮されているかとのお尋ねですが、校長は教員の年齢や体力については個人差もあるため、主に教員自身の経験や年齢構成、児童を統率する指導力等を考慮し、担任を決定しております。 小学校高学年で実施している体育の内容についてのお尋ねです。 5、6年生では体づくり運動、跳び箱運動や鉄棒運動等の器械運動、リレーや短距離走等の陸上運動、水泳、サッカーやバスケットボール等のボール運動、表現運動の6種の運動に加え、保健を学ぶことになっています。 小学校高学年における運動に高度な技術や指導力を持つ講師等の活用についてです。 小学校も高学年になりますと、運動能力や身体の発達段階の違いが大きくなってきており、それらに対応して指導する必要があります。担任が運動が不得意な場合や運動の内容によっては、専門的な知識や技術を持つ講師や学生ボランティア等と協力して個別指導等を行うことにより、子どもたちに運動の特性に応じた技能を身につけさせることができるとともに、運動の楽しさや喜びを味わわせることができると考えます。 教育委員会としては、今後、区費講師の採用や教育ボランティアの募集に当たって、体育に関する専門的な指導ができる人材を確保するとともに、区内の体育協会会員や体育指導員、さらには生涯学習財団の指導者バンク登録者の活用が一層図られるよう努めてまいります。 以上で答弁を終わります。
◆12番(佐原たけし) 期待どおりの温かい御答弁ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 次に、21番小松政子議員。 〔21番 小松政子議員登壇、拍手〕
◆21番(小松政子) 公明党の小松政子です。安心のまちづくりについて一般質問いたします。 去る8月5日、私の活動地域である牛込を中心とした集中豪雨には驚きました。何しろ区民の安心の灯台とも言える箪笥町特別出張所が水浸しになってしまったわけですから、いかに常識外れの豪雨であったことか。 江戸川小学校定点での最大時間雨量109ミリ、総雨量200ミリの報告からも推しはかることができます。 牛込北町交差点角にある食事どころでは、御主人が表の道路の冠水を心配してのれんの外に出ているわずかの間に、裏の排水溝から逆流した水によって店内が水浸しになってしまっていたとか、水道町のマンション1階は、下からではなく上からの水、つまり2階のベランダからあふれた水が通路の天井部分から流れ込んだことで、1階の3世帯すべてが床上浸水の被害を受けてしまったとか、かつてない異常な浸水のありようを語ってくださいました。 こうした、まるでスコールのような尋常でない雨の降り方は、日本の気候が亜熱帯にシフトしているからだと、防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏がNHKのラジオで指摘しておりましたが、そうだとすると、今後もこうしたゲリラ豪雨が頻繁に起こる可能性があるということでしょうか、心配です。 つい最近も、神戸市の親水公園で子どもたちが突然の鉄砲水に流されるという痛ましい事故が起こったばかりです。 対策として、杉並区は、区が常時定点観測している3河川18カ所で、雨量が10分で10ミリを超えた場合や、河川定点での設定警戒水位を超えたときなどにメールを配信することになっており、本年8月末で登録者は5,100件だそうです。 また、文京区もこの9月1日から防災メールの配信を開始しました。震度情報や気象警報、注意報、神田川の水位、区内の雨量情報など、パソコンや携帯で登録したアドレスに無料配信されます。世田谷、中野も既に行っていますが、特に港区では外国人居住者向けの英語版もつくっているそうです。 そこで、質問の第1は、このような予断を許さない都市型水害に対し、情報を素早く伝達し得る携帯電話等へのメール配信を一刻も早く導入すべきであると考えますが、いかがでしょうか。 次に、私が8月5日の大雨被災現場で回った中で一番脅威を感じた事例は、赤城下町の小石の散乱被害でした。豪雨当日、自宅の裏から小石の流出した赤城下町の住民の方は、流れ出た出所不明の大量の小石を御近所に申しわけないとおわびをしながら、大雨の中必死でかき集め続けたと話してくださいました。その小石は、50メートル以上離れた下の区道の排水溝まで続いていました。 ようやく雨がやみ、石の経路を家の裏手にたどっていくと、自分の土地ではなく、隣接する矢来町高台にある家の擁壁の大谷石が一つ飛び出して転がっており、そのすき間から土石が流れ出していたことがわかったそうです。私も拝見しました。 区の報告書にも、擁壁は倒壊していないが、一部破損及び変形、傾きがあるとともに、裏込め土との間にすき間があることから、安全な状態とは思われなかったと記載されていました。 小石どころか、高台になっている隣地そのものがそうした擁壁の崩れを要因になだれ落ちることがあったとしたら、もっと大変なことになっていたかもしれません。その一連のがけは赤城神社方面に300メートルは連なっております。 矢来町の高台は、江戸期には御持筒組としての武家地であり、近年、造成された新興住宅地域とは違い、牛込の台地を固め工夫をして生活をしてきた古い歴史があります。古い石組みですと、200年以上の歴史があるものもありましょうし、明治期にできた大谷石製でも100年以上の歴史あるものが多いのではないでしょうか。 矢来の台地は民有地ですから、その長い擁壁の所有者は上の民地に住む矢来町の方々ということになります。果たして、これほどの擁壁を個人が補修できるかどうか。擁壁は連なっているわけですから、1世帯だけ直すというのは有をなさない場合もあるでしょう。強度的にも疑問が残ります。 今回の現場は、たまたまかぎの手になっている場所でしたから、直接大谷石を飛ばした家が補修をすれば済む状況であるとは思いますが、矢来町のがけ地全体的には大きな問題をはらんでいると考えます。 ハザードマップには、5メートル以上のがけの高さのある箇所を急傾斜地危険箇所あるいは区域と表示していますが、それ以下のものでも崩れ落ちれば大惨事になる危険性があるものもあるのではないでしょうか。今回の集中豪雨を原因とする場合もあるでしょう。 そこで、第2の質問は、区はこうした5メートル以下のものも含めた擁壁の耐震化の目標を設定されているのでしょうか、お伺いします。 質問の第3は、擁壁整備の助成制度についてです。 民間木造住宅や非木造住宅、ブロック塀の除去には、区は思い切った助成制度を設けていますが、私有という点では、擁壁も同じ意味合いではないでしょうか。ましてや、擁壁は災害時には所有者の被害よりも、そのがけ地の下に住まう第三者への被害がより大きくなることが想像できます。集中豪雨時の例からいっても当然でしょう。 擁壁整備の利子の補てん策があることは承知しておりますが、擁壁の種類によっては、例えば何軒もの家が連なる古くからの擁壁などは、個々人で整備することは構造上からも金額的にも大変無理な場合が多いと考えます。個人の建築物に対する助成制度があるなら、私有地の擁壁への助成制度の適用は妥当ではないでしょうか。 さらには、所有者全員の同意があれば、8割の助成が受けられる「私道助成制度」がありますが、矢来町のがけ地のように何軒、何十軒にもわたる擁壁に関しては、私道助成制度のようなものも必要ではないでしょうか。危険箇所に関して指導、勧告をするにしても、受け皿を用意して指導、勧告をしなければ、いたずらに時がたち、危険度が増すばかりではないかと考えます。 そこで質問ですが、擁壁整備の助成制度を大幅に強化する必要があると考えますが、いかがでしょうか。 さて、区長は本年7月、新宿区地震ハザードマップを新聞折り込みで14万部配布されました。区民が地域の危険性を認識することは大変重要であります。 質問の第4は、このすばらしいハザードマップをどのように活用されるのかということです。もちろん、配布するだけでも大きな波動を起こしていると思われますが、私が接した危険地域になっている場所に住んでいる方の中には、関心を示さない方が少なくありませんでした。このような方々の意識啓発をどのように進めるお考えでしょうか、お伺いします。 質問の第5は、火災の危険度についてであります。 ハザードマップで危険度5に指定されているまちの中でも、赤城下町は都内5,099町丁目の中で火災危険度が上から2番目という最重点地域であり、かつて木造住宅密集地区整備事業の地域指定を受けましたが、しかしながら、平成6年度から平成15年度の10年間の実績がたったの2件ということで、残念ながら事業が満了したという経緯があります。 抜本的な改革は難しいと思いますが、万が一火災が発生した場合、住民の避難路、あるいは延焼を防止するための公園などの空地が必要であります。赤城下町には、赤城遊園という小さなポケットパークがあるのみで、住民の安全のためにはさらなる空地の拡大が求められます。そこで質問ですが、区は現在どのような対策を検討されているのでしょうか、お伺いします。 最後に、避難場所についてお伺いします。 牛込地域の広域避難場所は文京区の後楽園です。避難場所は平時であるときに足を向けておくことが大切だと言われております。以前も質問いたしましたが、後楽園まで最短距離で進む経路には飯田橋交差点があり、この交差点には後楽園方向に渡るための歩行者用信号がありません。したがって、歩行者は設置されているマンモス歩道橋を渡ることになっております。つまり車いすの方や乳母車は飯田橋交差点を後楽園方面には横断できないのが現状であります。 後楽園を牛込地域の広域避難所に指定するのであれば、歩道橋にエレベーター等を設置するなど、バリアフリー化を図るべきであると考えます。この点、東京都に強く言っていただいているとは思いますが、都はどのような回答なのでしょうか、お聞かせください。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
◎区長室長(寺田好孝) 小松議員の御質問にお答えいたします。 まず、携帯電話等への気象情報のメール配信についてのお尋ねでございます。 新宿区では、ホームページ上に気象情報を掲載し、区民の方がいつでも見られるようにするとともに、携帯電話版のホームページである「モバイル新宿区」でも気象情報を提供しております。 御提案のメール配信は、ホームページ表示に比べ、迅速性の点ですぐれているため、ゲリラ豪雨に対しての効果的な情報伝達手段と考えております。携帯電話のメール配信内容を考慮させていただいた上、導入に向けて検討してまいります。
◎
都市計画部長(永島恵子) 擁壁の耐震化の目標を設定しているかとのお尋ねです。 区内の擁壁については、過去の調査結果では、高さ2メートルを超える擁壁が約3,700カ所あります。擁壁は建設年次や構造が不明なものが多く、建物のように既存のものの安全性を確認する仕組みが確立されていないことなどから、特に数値的な目標は設定していません。 御指摘のように、去る8月5日の集中豪雨では、区内で2カ所の擁壁が損傷するなどの災害が発生しており、減災社会を実現していく上で、擁壁の安全性の確保は重要です。区としては、擁壁の耐震化など安全性の確保について、建築確認申請時に民間の指定確認検査機関との連携を図り、建築計画とあわせた擁壁の安全性の確保を指導しています。 また、擁壁の安全化に対する啓発活動として、台風シーズンなどの前に「広報しんじゅく」に擁壁の安全点検の重要性について掲載するとともに、台風や大雨が予想される際には、特に危険と思われる擁壁に対して個別の現地調査を実施し、所有者等に注意喚起を行っています。 今後も引き続き、民間の指定確認検査機関との連携を強化するとともに、地震ハザードマップを活用した啓発活動や「広報しんじゅく」などによる注意喚起を充実させ、擁壁の安全性の確保を促進していきます。 次に、擁壁の助成制度の大幅な強化についてのお尋ねです。 擁壁の安全化については、所有者みずからの責務として取り組み、区はその所有者の取り組みに対して支援を行うことを基本としています。擁壁の地震災害や水害に対する安全性を確保するため、現在、区では擁壁の補強に対する支援策として、擁壁の安全性調査に対する無料の専門技術者派遣を実施しています。また、擁壁の改修工事費に対し、資金の融資あっせんと利子補給を行っています。 今後は、利用実績の少ない融資あっせんと利子補給制度を見直し、特に危険で崩壊または転倒した場合に大きな被害が発生する可能性のある擁壁について、改修工事に対する助成制度の創設を検討していきます。その際には、財源確保の面から、国や都の補助制度の動向を把握しながら、対象範囲や要件など助成の仕組みを考えていきます。 次に、ハザードマップを活用し、区民の意識啓発をどのように進めるのかとのお尋ねです。 7月15日に配布した地震ハザードマップは擁壁の位置や地震時における建物倒壊危険度などを広く区民の皆様に公表し、みずからの地域の実情を正しく理解することにより、地震などの災害に対する備えを考えるなど、意識啓発を図るために作成したものです。区民の皆様が日常の生活の中で地震対策などについて考える際に、身近で活用していただくため、新聞折り込みで各世帯に配布しました。 御指摘のとおりハザードマップを配布するだけでなく、その活用により防災意識を高めて、災害に強いまちづくりにつなげていくことが重要であると考えています。 今後は、各特別出張所ごとに行う「建築なんでも相談会」や地域イベントでの活用とともに、地区計画の策定などのまちづくり施策との連携を図ることにより、ハザードマップを効果的に活用していきます。 また、区内の小・中学校及び特別出張所、図書館などにも配布し、学校活動や地域活動などの中で、ハザードマップを防災意識の啓発に活用していただきたいと考えています。 次に、赤城下町における住民の安全のために、区はどのような対策を検討しているかとのお尋ねです。 御指摘のとおり、赤城下町は防災面での課題が多く、老朽化した建築物の共同化や不燃化、緊急車両が通行できる道路空間の誘導など総合的な取り組みが必要な地区であると認識しています。 これまで区は、地区住民、早稲田大学と協働して復興模擬訓練に取り組んできました。この訓練では、まち歩きの結果をもとにまちづくりについて議論したり、復興ゲームにより、震災復興のプロセスを疑似体験するなどして、この地域の防災面での課題を共有することができました。 引き続き、その成果も活かしながら、地域の方々と連携し、災害に強いまちづくりの実現に向けて取り組んでまいります。 次に、避難場所についてのお尋ねです。 飯田橋交差点の歩道橋のエレベータ設置に関しての東京都の回答についてのお尋ねです。 飯田橋交差点は、新宿区側には横断歩道が設置されていますが、文京区側には設置されていないため、住民が後楽園に向かうには、横断歩道のある場所まで迂回する必要があることから、区は、東京都にエレベータ設置などによる歩道橋のバリアフリー化について働きかけを行っています。 東京都からは、横断歩道橋を取り巻く環境や利用者の意識は大きく変化している。このような状況を踏まえ、既設横断歩道橋の取り扱いについて見直しを行っている。高齢者や障害者等の移動に対してさらに効果的な対応ができるよう、立地条件や利用形態等に応じて検討していく予定と聞いています。 区としては、飯田橋歩道橋のバリアフリー化が早期に実現されるよう、東京都に対し引き続き働きかけを行ってまいります。 以上で答弁を終わります。
◆21番(小松政子) 大変御丁寧な御回答をいただきましてありがとうございます。 以上で私の一般質問を終了いたします。(拍手)
○議長(桑原公平) 次に、31番沢田あゆみ議員。 〔31番 沢田あゆみ議員登壇、拍手〕
◆31番(沢田あゆみ) 日本共産党の沢田あゆみです。 私は、スクールカウンセラーの配置をふやし、新たにスクールソーシャルワーカーを配置することについて、教育委員会に質問いたします。 子どもの抱えるさまざまな問題を解決するため、1997年度から文部省の事業として心理の専門家であるスクールカウンセラーが学校に配置されてきました。2003年度からは東京都から週1日、中学校全校に配置され、現在に至っています。小学校には、区の非常勤職員として2004年度から配置が始まり、今年度からは小学校にも都費のカウンセラーが、若干ですが配置されています。 スクールカウンセラーが受ける相談の件数は、特に小学校で激増しており、2004年度4,779件が、2007年度は1万4,640件、1校当たりの相談件数でも、都費で中学校に配置されているスクールカウンセラーの全都の実績では、2005年度から2007年度で毎年400件前後ですが、新宿区の小学校は2005年度から399.3件、432.6件、504.8件と、年々大幅にふえ、中学校も年度によっては全都平均の2倍以上なのです。不登校、いじめに関する指導や、最近では発達障害の子どもへの対応などで、必要性は高まる一方です。 先日、文教委員会で区費のスクールカウンセラーの方々と懇談いたしました。私は、都費のスクールカウンセラーとして複数の区をかけ持ちされている方にもお話を伺いましたが、「週1日では、きょう相談して次までの1週間がとても長く、その間のことを担任の先生から情報収集するだけでも大変時間がかかってしまう。1日があっという間に終わってしまい、なかなか家庭訪問にも行けない。1日に受けられる相談件数も限られるので、せめて週2日あると随分違う」とおっしゃっていました。 特に、大規模校を担当されているスクールカウンセラーの方からは、「小規模校は全員の様子が見えたし、子どもも気軽に相談室に遊びに来られたけれども、大規模校は全員に目配りができず、個別の相談に対応することが多いので、相談室が気軽に遊びに来られるスペースではなくなった。先生方に教室に見にきてほしいと言われるけれども、その時間が十分にない。大規模校には特に加配をしてほしい」という御意見をいただいています。また、幼稚園の先生方からは、「幼稚園にもカウンセラーを配置してほしい」という要望を聞いています。 区教育委員会が2004年度から小学校にもスクールカウンセラーを配置し、学校現場の要望にこたえてきたことは評価をしています。しかし、それで十分ではないと、8月に教育委員会に出された区立中学校校長会、小学校校長会及び幼稚園長会の来年度予算要望でも、それぞれスクールカウンセラーの勤務日数をふやしてほしい、週2日は配置してほしい、独立園に配置をという強い要望が出されているのです。 大規模校の加配については、特別区教育委員会教育主管部長会として都教育委員会に来年度予算要望を出していることは承知していますが、既に23区の中でも区費でスクールカウンセラーを配置しているところがほとんどで、小学校への全校配置は当たり前の状況です。 さらに進んだ文京区では、中学校に都費の週1日以外に区費でさらに週2日プラスして合計週3日とし、小学校には週1日を区費で配置して、今年度からは小学校にも都費で2人配置されたのを活用し、大規模校2校には週2日配置しています。 渋谷区は、小学校全校に週2日配置し、中学校1校には週1日区費でプラスしていますが、来年度はこれを中学校全校に拡大することを目指しているそうです。 また、葛飾区は、小学校全校に週1日と、中学校24校中大規模校など12校に週1日区費でプラスし、そのほかの12校にも0.5日をプラスし、週2日か1.5日の配置を行っています。 そこで質問です。新宿区でも、他区が既に踏み出しているように、区費によるスクールカウンセラーの配置を充実し、小・中学校ともに週2日以上配置をすべきではないでしょうか。子どもが相談に乗ってもらえる機会は均等に保障されなければなりません。特に大規模校については、早急に配置をふやす手だてを講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、スクールソーシャルワーカーを新たに配置することについて質問いたします。 スクールソーシャルワーカーとは、スクールカウンセラーが本人の抱える心の問題を改善・解決していくための心理の専門家であるのに対して、子どもに影響を及ぼしている家庭・学校・地域環境の改善に向けて支援ネットワークを築く専門家とされ、資格としてまだ確立されていませんが、社会福祉士や精神保健福祉士など福祉の資格を持った人たちを中心に一定の経験を持った人の配置が想定されます。 この間、国会でも議論されていますが、自治体での導入は既に始まっていて、都道府県レベルでは2001年香川県、2005年大阪府、2006年滋賀県、兵庫県、2007年群馬県、熊本県と広がってきた中で、文部科学省が今年度新規事業として「スクールソーシャルワーカー活用事業」を始めました。全国141地域で約15億円の予算措置がされ、来年度予算要求も同様にされています。 実施に当たって、文部科学省からことし2月に都教育委員会を通じて各自治体の教育委員会にも希望調査の文書が来ましたが、新宿区の教育委員会は希望しないと回答しました。理由は、「子ども家庭サポートネットワーク」が子ども家庭部の所管で行われており、教育委員会も学校からもそこにケースを出して、関係機関との連携をとっているからということのようですが、しかし、スクールソーシャルワーカーは新宿区に全く必要ないかといえば、私が話を聞いた学校の先生方も、スクールカウンセラーの方たちもそういう人がいてくれたら助かるという意見が圧倒的でした。スクールカウンセラーの方によると、最初のころは業界でもスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの違いは何かとか議論があったけれども、今現在は役割分担ができれば、そういう方がいてもらったほうが助かるということです。 「子ども家庭サポートネットワーク」の実績も、2006年度53回、2007年度65回でしたが、そのうち教育委員会から出されたケースは3件と5件、学校から挙がってきたケースが10件と22件しかありません。よほど深刻なケースしか協議されておらず、これがあるから十分だと言えるものではないというのが実態です。 私も、区民の皆さんからさまざまな相談を受けます。生活困窮の相談も多く、生活保護など福祉や医療、介護の対応が必要な御家庭が、実は子どもが不登校ぎみになっていたり、給食費の未納があったりと、スクールソーシャルワーカーの必要性を感じる事例に幾つもかかわりました。 教育委員会としては、スクールソーシャルワーカーの必要性についてどのようにお考えでしょうか、お答えください。 文部科学省の「スクールソーシャルワーカー活用事業」は、むしろ財務省のほうが積極的と聞いていますから、再来年度以降の本格実施は確実でしょう。新宿区におけるスクールソーシャルワーカー導入の検討を今から進めるべきではないでしょうか。そして、来年度から区独自のスクールソーシャルワーカーを当面教育センターに配置するなどして一歩踏み出すべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
◎教育委員会事務局次長(渡部優子) 沢田議員の御質問にお答えします。 スクールカウンセラーの配置を充実すべきとの御提案です。 御指摘のように、スクールカウンセラーへの相談は、不登校、いじめにかかわる内容を初め、特別支援教育が始まったこともあり、発達障害のある子どもへの対応に関するものなど多岐にわたっており、スクールカウンセラーへの高いニーズがあります。 今年度、都からのスクールカウンセラーの派遣がふえるとともに、区費のスクールカウンセラーを増員し、一部の学校への週に複数日の配置が可能となりました。教育委員会といたしましても、より多くの学校でスクールカウンセラーの週に複数日配置が可能となるよう、スクールカウンセラーの派遣の充実に向けて検討してまいります。 スクールソーシャルワーカーの配置についてのお尋ねです。 御指摘のように、教育相談の必要な子どもの中には、福祉的な面で子どもの置かれた環境への働きかけが必要な場合もあり、スクールソーシャルワーカーのような役割についてその必要性を認識しております。 新宿区では、「新宿区子ども家庭サポートネットワーク」を立ち上げて、福祉、保健、教育等子ども及び子育てに対する支援に関係する諸機関が連携を図っております。そして、「虐待防止部会」「子ども学校サポート部会」「発達支援部会」の3つの部会を置き、ネグレクトや発達障害、学校における不登校や問題行動などに対応しております。 現時点で、スクールソーシャルワーカーを導入し、教育センターに配置する計画はございませんが、教育と福祉など、子どもを取り巻く関係諸機関が連携を深めていくことは重要であり、先ほど述べたような取り組みをさらに充実することで対応を図ってまいります。 以上で答弁を終わります。
◆31番(沢田あゆみ) 今お答えいただきましたけれども、私、5点について伺ったんですけれども、今のお答えだと、具体的には3点にしかお答えをいただいてないと思うんですね。一つは、スクールカウンセラーの問題で、特に大規模校については早急に配置をふやす手だてをすべきではないかといった点では、具体的なお答えがありませんでした。 それから、スクールソーシャルワーカーのほうですけれども、必要性は認識していると。ただ、現時点で教育センターなどに配置する考えはないとおっしゃったんですけれども、再来年度以降、そういうことが本格実施されることがもう予想される中で、今からその導入の検討を進めるべきではないかというふうに聞いたところに対してのお答えがなかったように思いますので、その2点について再質問をさせていただきます。
◎教育委員会事務局次長(渡部優子) 1点目でございますが、大規模校でございます。 大規模校につきましても、ここで書いてございますように、より多くの学校で複数日が可能となるように、派遣の充実に向けて検討してまいりますと答えていますので、その中で大規模校についても検討を進めてまいります。 次に、スクールソーシャルワーカーの配置についてでございますけれども、御質問のところで、先ほど述べたような取り組みをさらに充実することで対応を図ってまいりますと答えていますので、その中でお答えしているというふうに考えてございます。
◆31番(沢田あゆみ) 明確なお答えになってない部分もあったと思うんですけれども、とにかく大規模校の問題については、子どもに対してスクールソーシャルワーカーの人数が100人でも200人でも同じというのは、子どもたちが相談できる機会が均等ではないという現状があるわけですから、それは今後の検討ということではなくて、本当に早急に対応していただきたいと思っているんですね。 それからスクールソーシャルワーカーの件については、今から検討すべきじゃないかといった点については、明確なお答えではなかったですよね。それは自覚されていますよね。ということなので、私残念ながら決算特別委員会に入る予定はないんですけれども、あとは同僚議員のほうに託していきたいと思いますので、以上で私の一般質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 次に、5番平間しのぶ議員。 〔5番 平間しのぶ議員登壇、拍手〕
◆5番(平間しのぶ) 民主党新宿区議会議員団の平間しのぶでございます。 本日、障害者への就労支援について質問いたします。誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。 「障害者への雇用の促進等に関する法律」により、自治体において「障害者の雇用の促進及びその職業の安定を図るために必要な施策を、障害者の福祉に関する施策との有機的な連携を図りつつ、総合的かつ効果的に推進するように努めなければならない」となっています。現に、新宿区でもチャレンジワーク(新宿区障害者就労福祉センター)においてその役割を担っています。 チャレンジワークでは、相談、登録、準備訓練、求職活動、職場実習、就職、定着支援とステップを踏んでいきます。このステップを踏んでいく上で大きな役割を果たすのがジョブコーチ(職場適応援助者)です。 ジョブコーチは就労が決まるまでの支援から就労後も定期的に障害者を訪問し、職場の定着支援をしていくという広義的な意味が一般的となっています。就職前の職場実習では、ジョブコーチが付き添い、実際に一緒に働きながら職場になれていきます。ここでジョブコーチによる丁寧なサポート、これをマッチングと言いますが、これがうまくいかなければ就職にはつなげられません。 また、就職後も仕事上のトラブルはもちろん、人間関係、コミュニケーション上でのトラブルに直面したときに、雇用側と就労している障害者との間に立ち支援していく必要があります。また、就労後の生活面でのサポートも継続して必要です。 休日の時間の使い方やお金の管理指導など、就労後もきめ細やかな支援が必要なのです。聞いたところによると、障害者の方によっては、ジョブコーチの人が配置換えになった場合に、新しいジョブコーチの人を受け入れられないことが多く、それだけ就労というチャレンジをしている障害者の皆さんにとっては、ジョブコーチの存在は重要なものです。 新宿区では、新宿リサイクルセンター内の準備訓練所にジョブコーチが2人います。彼らはともに非常勤であり、準備訓練を専門に障害者を支援しているだけで、そのほかのいわゆるジョブコーチに期待される相談、登録、求職活動、職場実習、就職、定着支援などの仕事は、就労・生活支援コーディネーターという方々7人が対応しています。この方々が一般に言われているジョブコーチです。常勤が2名、非常勤が5名です。 これに対し、チャレンジワークへの登録者数は約200人です。就労支援の実施件数も年々増加しており、平成19年度では職業相談455件、準備訓練1,145件、職場開拓82件、職場実習719件、定着支援828件でした。特に大事な職場実習、定着支援には7人で対応していることになります。人数体制は万全と言えるのでしょうか。 ある施設利用者の保護者の方に聞いたところ、「就労・生活支援コーディネーターは人数が少な過ぎる。とても手が回っていない」とおっしゃっていました。実際チャレンジワークでも、職員の方は人手が足りていないと認識していました。さらに、コーディネーターの皆さんは、本来ならば1年に2、3回は研修を受けることが望ましいけれども、人数体制の関係上、受けられても1年に1回程度しか受けることができないとも言っていました。 これでは人数が足りないばかりか、支援の質まで低下するおそれがあります。現在の新宿区の実績は、平成19年度の就職者が20名で、離職者が2、3名とのことでした。 先日、新宿公共職業安定所の管内にある杉並区の障害者雇用支援事業団と中野区ニコニコ事業団を会派で視察に行ってきました。杉並区では、都内唯一の「障害者雇用支援センター」を運営するほか、事業団固有の職業準備訓練事業、登録制の就労支援事業等を実施しているとのことでした。杉並区では、ジョブコーチが3名おり、定着支援アドバイザーが3名配置されていました。平成19年度の就職者は44名、離職者は4名でした。 中野区では、事業団にジョブコーチが7人おり、さらに各作業所の指導員にジョブサポーターとして協力してもらえるように「ジョブサポーター制度」を充実させていました。事業団と作業所との連携を実現し、作業所から直接就職できるようになったのです。これはジョブサポーターとジョブコーチの連携、協力が可能にしたものであると教えていただきました。中野区の平成19年度の就職者は39名でした。 このように杉並区、中野区と比べても、新宿区のジョブコーチ、就労・生活支援コーディネーターの人数は充実していると言えますが、それが実績には結びついてないことが明白です。 そこで質問いたします。 1点目に、ジョブコーチの拡充について伺います。施設利用者の「手が回っていない」という指摘に、「職員の腕にも問題があるのでは」という言葉がチャレンジワークの職員の方から出ました。人数不足な上に、そのために研修が十分に受けられていないのが現状です。障害者の皆さんが安心して就職を目指し、働き続けられるようにジョブコーチ、就労・生活コーディネーターをさらに拡充すべきと考えますが、いかがでしょうか。 2点目に、来年開設予定の(仮称)新宿仕事センターについて伺います。 (仮称)新宿仕事センターでは、新宿区障害者就労福祉センター、すなわちチャレンジワークを中心とした法人を設立し、開設していくとしています。障害者のほかに高齢者、若年非就業者、子育てや介護で生活圏から長時間離れられない方々で就労意向がある方も含めるそうですが、その中でのチャレンジワークの役割はどこまでお考えでしょうか。 現在でも人数不足が心配されている中、チャレンジワークの利用者は障害者の就労支援の幅が狭まるのではないかと不安の声が多く挙がっています。今まで行っていた就労支援よりも劣ってしまうようなことがあってはならないと考えますが、具体的なお考えをお聞かせください。
◎福祉部長(石崎洋子) 平間議員の御質問にお答えします。 障害者の就労支援を行うジョブコーチや就労・生活コーディネーターをさらに拡充すべきとのお尋ねです。 区は、新宿区障害者就労福祉センター「チャレンジワーク」を中心に、相談から就職後の定着支援まで一貫した就労支援サービスを障害者の状況に応じてきめ細かく提供しています。また、昨年度に目白大学において新たに職場実習を開始するなど、就労意欲の向上促進の場を拡大し、就労支援のすそ野を広げる取り組みにも力を注いできました。 一方、重度の障害者への支援や長期にわたる複雑な支援も増加する中で、ジョブコーチや就労・生活コーディネーターの仕事も多様化し、多忙となっている状況から、本年度は常勤職員の就労・生活コーディネーターの増員を行ったところです。 研修については、区の福祉部主催の研修のほか、独立行政法人東京障害者職業センターなどの専門機関による研修をすべての職員が受け、支援スキルの向上に努めているところです。 今後はチャレンジワークを中心に設立する(仮称)新宿仕事センターの体制整備の中で、ジョブコーチや就労・生活コーディネーターについても、必要な人員の確保や研修機能の向上を図り、障害者の方々が積極的に就職を目指し、安心して働き続けられるよう就労支援を充実してまいります。
◎
地域文化部長(酒井敏男) 次に、(仮称)新宿仕事センターにおけるチャレンジワークの役割と障害者の就労支援についてのお尋ねです。 (仮称)新宿仕事センターの法人設立については、御指摘のとおり障害者の就労支援に関するノウハウを持つチャレンジワークを中核として、体制の充実を図りながら高齢者や若年非就業者などを含めて総合的に支援する機関として立ち上げていく予定です。 区では、平成19年度から総合的な就労支援を目指して、「ふらっと新宿」や「在宅就労サテライトオフィス」の設置による多様な就労機会の創出事業やジョブサポーター養成事業など、新たな取り組みを進めてきました。その際には、チャレンジワークの体制も常勤職員6名、非常勤職員を7名増員するなど、強化・充実を図りました。 「ふらっと新宿」などの就労機会の創出事業では、現在55名の障害者が登録して、物販やパソコン業務の実習を受けており、着実に障害者の就労訓練の場を拡充してきました。 (仮称)新宿仕事センターの設立後においても必要な体制を整備し、新たに障害者自立支援法に基づく就労移行支援事業を実施するなど、さらに障害者の就労支援を拡充してまいります。 以上で答弁を終わります。
◆5番(平間しのぶ) お願いどおりに誠意ある御答弁をいただいて本当にありがとうございます。 職員の方から出た「職員の腕に問題があるのではないか」とぽろっとお出しになったこの言葉は、自覚されていた言葉から、本音がぽろっと出たのかなと私は思ったりもしまして、人数が原因ではなくて、研修を受ける機会が十分にとれないというのは、私はいかがなものかなと思いますので、ぜひ職員の方が十分に研修を受けられるような体制づくりはしていただきたいなとお願いしまして、私の一般質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 次に、27番根本二郎議員。 〔27番 根本二郎議員登壇、拍手〕
◆27番(根本二郎) 無所属クラブの根本二郎でございます。 区長への質問ですけれども、答弁は多分
地域文化部長でしょうから、
地域文化部長のほうを見て質問したいと思います。 ちょうど今、前者の平間しのぶ議員から総合的なというか、総体的な質問がありました。その中の答弁で触れられた「ふらっと新宿」について、私のほうからその点だけ質問いたします。 ことし2月、第1回定例会でこの件について、私は安全な食を提供するという拠点に「ふらっと新宿」を位置づけて充実させていくべきだということを質問いたしました。それに対して意欲的な答弁をいただきました。その意欲的な答弁は時間の関係で繰り返しません。 その後、「ふらっと新宿」3号店がことしの7月13日、スポーツセンターの1階にオープンしました。これは初めて大手コンビニの協力を得て、障害を持つ皆さん方がそのコンビニで接客するという試み、これは全国でも初めてだそうですけれども、そういうような試みや、地方の特産物の産地直送を手がけるなど、いろいろな施策を広めていったというふうに思っています。 オープンして何度かお伺いしましたけれども、非常に若い店長さんが一生懸命頑張っている。それから、障害を持つ皆さんもいきいきとして、お客さんに接しているというところを見て、積極的に応援していきたい、そんな思いでこれからの質問をします。ぜひ、この1号店、2号店、3号店をさらに拠点として充実させていただきたい、こういう思いでございます。 3号店のオープン当日のセレモニーは大変にぎわっていました。もちろん区長、副区長、それから幹部職員大勢来られました。地方は岐阜県の下呂市長、それから伊那市の副市長、群馬県沼田市の副市長を中心に大勢の各自治体の幹部職員の皆さんや、企業の幹部の皆さんなども参加され、それから地元の自治体の産直の皆さん方も随分にぎわいを見せてオープニングが行われました。 私は、これは単に「ふらっと新宿」3号店のオープンでお祝いに来たということだけではなくて、地方自治体の皆さんも自分のところの地域振興、産業振興に非常に熱心だといいましょうか、あるいはこれは私自身も福島県いわき市川前村の出身なんですけれどもね。限界集落と言われるような集落、過疎化、高齢化というところで、どうやって地域振興、産業新興、あるいは地域おこしをしていくのか。そういうことに対して大変真剣に取り組んでいる。 そして、その「ふらっと新宿」3号店が大東京の新宿、巨大消費地を抱えている新宿区で、そこで特産物を売ってくれるということに対して、その事業に対して非常に強い関心を持っているということのあらわれだとういうふうに私は思いました。しかも、それが新宿区が障害者の皆さんを中心にして、そういう事業を新たに起こしたということに対して、非常な関心を持っているということだろうというふうに思います。 このような観点から、まず第1に、各自治体の食の安全を担いながら地域振興を担おうとしている自治体の皆さんと、新宿区は同時に区民への食の安全の提供ということもあるわけですから、そんな観点から、3号店の食堂部分の拡充とか、あるいは産直野菜の販売の促進ということをもっと区全体が横断的な協力を持ってさらに充実させていくべきではないかというような質問でございます。これが第1点です。 2番目は、歌舞伎町の1号店がオープンして1年がたちました。私は歌舞伎町に「ふらっと新宿」1号店を出したことについては、積極的に賛成しています。なぜかというと、もちろん「ふらっと新宿」もありますけれども、昼間、区民の皆さんが「ふらっと新宿」に来店して、そして歌舞伎町の再生あるいは歌舞伎町をもっと身近に感じていただくということにとっても、「ふらっと新宿」がそういう役割も持っているんじゃないかということで、歌舞伎町の再生という観点からも賛成しているものであります。 そのような観点から、もう一度歌舞伎町1号店、1年間を振り返ってみて、さて、一生懸命頑張っていることは確かですけれども、もっともっと頑張らなくちゃいけないんじゃないか、あるいはもっと頑張っていただきたいというふうに思っています。 障害者の皆さんやそこにかかわっている方々は頑張っているわけですね。しかし、ここ数カ月の売り上げを見ると、残念ながら落ちてしまっているというと、場所の問題もかなりあるというふうに思うんですが、同時に「ふらっと新宿」の店舗を中心に、あの一帯のシネシティや大久保公園などの活用とかいろいろな形でイベントを企画して、もっと注目度を高めていく必要があるんではないか。あるいは区役所の地下で外販をしているようですけれども、そういうことも含めていろいろ周知させていく必要があるんではないだろうかというふうに私は思います。 そして、この1号店、2号店、3号店を中心にして、今区がやろうとしている事業を大変いい事業だというふうに思いますので、さらに充実させていただきたいということで、2点目の質問は、この「ふらっと新宿」1号店を歌舞伎町再生の拠点になるようにさらににぎわいを盛り立てるような工夫をどう考えているかということでございます。 以上2点について御質問いたします。積極的な答弁を期待して、質問といたします。
◎
地域文化部長(酒井敏男) 根本議員の御質問にお答えします。 「ふらっと新宿」全体の事業及び3号店の今後の展望についてのお尋ねです。 「ふらっと新宿」は障害者などの新たな就労機会の創出を目的として設置した店舗ですが、地方物産や産直野菜の販売などを通じて、地方との交流や安全な食材の提供などさまざまな役割を果たす新宿ならではのコミュニティショップとして運営しています。 区では、実行計画において「ふらっと新宿」や「在宅就労サテライトオフィス」などの多様な就労機会の創出の場として、平成23年度までに合わせて区内8カ所を整備することとしています。 ことしの7月に開店した3号店では、産直野菜の販売や食事の提供など、食の安全をコンセプトに展開しており、7月は半月の営業期間で63万円を超える売り上げが上がるなど、順調にスタートすることができました。 また、大手コンビニエンスストアの協力を得て、直営ストアを併設してもらい、現実の仕事の中で接客を中心とした就労訓練を受けることができる、これまでにない新しいスタイルの就労訓練の場を創出しました。 御指摘のとおり、食堂部分のスペースが狭いとの印象がありますが、民間事業者が運営していたときの食堂の利用状況、障害者やジョブサポーターの配置などを考慮の上、コンビニエンスストア側との調整により、エリアを定めた経緯があります。現状のエリアでの運営を進めながら、必要に応じてレイアウト変更などを工夫してまいります。 区の横断的な取り組みについてですが、食の安全をキーワードに、この11月には健康部の「食とエコの祭」に参加するほか、産直野菜の販売をきっかけに実施する若年者や高齢者向けの就農体験事業を高齢者部門など関係部門と連携しながら進めているところです。 区では、今後も関係部門の横断的な取り組みを積極的に進めながら、「ふらっと新宿」が地域に愛され支えられるコミュニティショップとして、地域のにぎわいの拠点となるよう力を注いでまいります。 次に、「ふらっと新宿」1号店が歌舞伎町再生の拠点となるよう、にぎわいを盛り立てる工夫をすべきとのお尋ねです。 「ふらっと新宿」1号店は、歌舞伎町ルネッサンスの喜兵衛プロジェクトとしてまさに歌舞伎町再生の起爆剤の役割を果たしてほしいとの思いで、この地に設置したものです。 本年度から歌舞伎町タウンマネジメントの一環として、「ふらっと新宿」1号店に歌舞伎町インフォメーションセンターを置き、歌舞伎町の活性化に向けた取り組みを進めています。 今後は、さまざまな地方から積極的に新しい商品を取り入れるとともに、(仮称)新宿仕事センターの法人設立後は、酒販免許を取得し、地方からの要望が高い、地酒の販売を試行するなど品ぞろえの幅を広げて、来店者の増加に努めてまいります。 また、シネシティ広場や大久保公園を活用した各種のイベントに積極的に参加するとともに、みずからも区役所の外販を拡大するほか、地域の事業所などの協力を得て、さまざまな場所で幅広く外販を展開していきます。 このように、店舗を拠点としてアウトリーチによる販売拡大を図るとともに、歌舞伎町の情報発信も積極的に行いながら、「ふらっと新宿」がにぎわい、地域に親しまれるショップとして、名実ともに歌舞伎町再生の拠点となるよう取り組んでまいります。 以上で答弁を終わります。
◆27番(根本二郎) 積極的な答弁ありがとうございました。 ぜひ頑張っていただきたい。3号店のベジタリアンカフェに行きますと、単品の100円の小鉢がありますね、これが地元の野菜なんですね。だから大変おいしい。同僚の皆さんも含めて積極的に3号店に買いにいったり食べにいったりして盛り上げていただきたい。私もそうしたいと思っています。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 次に、4番吉住はるお議員。 〔4番 吉住はるお議員登壇、拍手〕
◆4番(吉住はるお) 自由民主党の吉住はるおです。 私は、地上デジタル放送受信のための準備について、区長に対して質問いたします。どうか誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。 一般的にテレビを受信するためには、アンテナが必要であるということは周知のことと思われますが、では、自分の家のアンテナがVHF、UHFのどちらがついているのか。または両方がついているのか、わかっている区民の方はそんなにも多くはないのではないでしょうか。 そういう私も恥ずかしながら、今回の地上アナログ放送から地上デジタル放送への移行をきっかけに関心を持ち、調べていくうちに少し理解したような次第ですが、そもそもVHFとUHFアンテナの違いをわかっていない区民も少なからずいると思います。 先日、ある方のお宅に伺うと、新しい立派な地上デジタル放送対応のテレビが居間に置いてありました。その御高齢の方は、「これでいつ地デジになっても大丈夫」と自慢げに電源を入れてみせてくれましたが、どうも余り画像がよくなく、地上デジタル放送の高画質にはほど遠い状況です。そこでよく見てみると、その方はせっかく新しいテレビを買ったのに、家にUHFアンテナがついていなかったため、テレビを設置しに来た電気屋さんがVHFアンテナに接続して帰ってしまったようでした。その電気屋さんも恐らくは将来このままでは視聴できなくなる旨を説明したはずですが、その高齢者の方には、その言っている意味がうまく理解できず、そんなにきれいな画像でなくてもテレビさえ映ればいい、地上デジタル放送対応のテレビだから大丈夫だと思い込んでいたようでした。 連日、テレビなどを利用して広報されているように、約3年後の2011年7月24日には、現在の地上アナログ放送が中止され、地上デジタル放送に完全移行する予定であるとされています。 地上デジタル放送を直接受信するためには、専用チューナー内蔵テレビを購入するか、専用チューナーを既存のテレビに設置し、その上、UHFアンテナが設置されていなければなりませんが、先ほどの例にも挙げたように、なかなかそのことを正確に理解できていない人も多いように思われます。 日本のテレビアンテナがVHFとUHFに分かれた経緯については、技術的な問題など複雑なこともあり、理解のされ方はさまざまです。 日本の民間テレビ放送は、1953年に第1号の日本テレビ放送網が開局されましたが、総務省によると、当時の郵政省は白黒方式のテレビの導入に当たって、我が国の当面のテレビ放送の需要にこたえられるものとして、VHF帯の周波数チャンネルを用意し、その後全国的なテレビ放送事業への参入の要望の高まりに伴い、VHF帯のみではチャンネルが不足し始めたため、1961年にUHFを導入したとのことです。 また、ほかの資料によると、その後、郵政省はUHF帯が中継局用電波として普及し始めたことから、1968年にテレビ放送をすべてUHFに移行させるという方針を発表しました。しかし、実際には既に開局したVHF局にとって、放送設備をすべて入れかえることは困難であり、また、多くの視聴者にも混乱をもたらすことから、UHFへの移行は凍結されたものの、同年以降、新しく開局する放送局は、原則としてUHF帯を使用する放送局として開局されたとのことです。 そのため、関東や近畿といった早い段階でVHFの複数局が開局した地域では、UHFアンテナの普及率が低く、1968年以降に開局された放送局の多い地域では、UHFアンテナの普及率が高いと言われています。 私たちの住む首都圏などでは、UHF局といえば、テレビ神奈川やテレビ埼玉などのキー局に属さない少数の後発局を指すことが多いですが、日本全国で見れば、関東圏など早い段階でVHFの複数局が開局した地域を除く大部分の地域がUHFアンテナの普及が進んでいるというのが現状のようです。 一説によると、東京地区ではUHFアンテナの普及率は5割程度なのではないかとも言われ、このため、新宿区においても多くの世帯でVHFをUHFアンテナにつけかえる作業が必要になると思われます。 UHFアンテナへのつけかえ作業は知り合いの電気屋さんで聞いたところによると、もちろんその設置状況などでも変わってきますが、例えば一般的な二世帯住宅などでテレビが4台設置されているような場合、新たにアンテナを設置するとなると、アンテナ、分配器、ケーブルの代金と配線などの手数料で、最低でも5万円くらいの費用がかかるのではないか。また、木造一軒家でテレビが1台の世帯であっても、ビジネスと割り切れば、新たに設置した場合で2~3万円、ただ単にアンテナを交換するだけで済んでも1万5,000円くらいは費用を請求するだろうとのことでした。 当然、そのほかにもテレビ1台当たり専用チューナーを購入し設置するか、専用チューナー内蔵テレビに買いかえなければ、地上デジタル放送を受信することはできません。 テレビは生活必需品であり、単なる娯楽の道具ではなく、災害時などの大切な情報源でもあり、また、ひとり暮らしの高齢者の方などにとっては、貴重な社会とのつながりを保つための道具であるとも言えます。 現在、既にUHFアンテナがついているところであっても、新しいアンテナに買いかえる必要があったり、アンテナの方向など調整しなければいけないケースもあるようですが、現代の生活には不可欠なテレビを見るために、結果として特にUHFアンテナが普及していない関東圏などの多くの住民が余分に多額の費用を負担させられることになると考えられます。 また、現状のままでは2011年の完全移行が近づくにつれ、区民に大きな混乱をもたらすことが容易に想像され、当然新宿区では、UHFアンテナのつけかえが少ない自治体と比べ、その対応のために結局大きな事務的な負担、財政的な支出を強いられることが予想されます。 しかし、残念ながらマスコミでもこのアンテナの問題については余り報道がなされていません。そのため、多くの新宿区民の皆さんも自分が利用しているアンテナが何かを確認せずに、2011年が近づいてきたらテレビを買いかえるか、専用チューナーをつけかえれば大丈夫だと思い込んでいるのではないでしょうか。 そのような私の考えを申し述べた上で、以下質問をいたします。 まず、1つ目の質問として、政府では、低所得者などに対するチューナー購入やテレビの廃棄に対する支援策を8月に公表するとのことで、新聞、マスコミなどでも一部報道がなされていたと思いますが、区に対しては正式にどのような説明があり、その支援策を聞き、区としては今後どのように対応するつもりでしょうか。 また、総務省では、UHFアンテナ普及策について一部検討がなされているようですが、関東圏を直撃するだろうと思われるUHFアンテナの取りつけ作業の対応について、新宿区に対して今までに何らかの説明があったのでしょうか。あるとしたら、どのような内容なのか教えていただきたい。 もし、何も説明がないようであるならば、区として早急に政府の認識を確認するとともに、東京都や特に影響があると考えられる他の自治体とも連携しながら、政府に対し、財政的な支援を含めて総合的な対策を求めていく必要があるように思いますが、いかがでしょうか。 2番目の質問として、先日もある地域において、ケーブルテレビの営業マンが「テレビがデジタル放送になるので、今のままではテレビを見ることができなくなります。デジタル放送を見るためのアンテナの工事は、お宅の場合とても高くなりそうですので、ケーブルテレビのほうが断然お得です。工事代も今なら無料です。いかがですか」と熱心に営業活動をしていたようです。 もちろん現状では、ケーブルテレビも選択肢の一つのように思われますが、一たん契約してしまうと、なかなか解約することも難しい上、今すぐにはデジタル放送が不要な方にも、今から視聴料を支払わされるなど、余分に費用を負担させられるケースもないとは言えません。民間の企業は、政府よりいち早く動き出し、商機をつかもうと必死になっていることがうかがえます。また、今回の事態に便乗した悪徳商法が横行することも十分に考えられます。 区としては、総務省に対し、一刻も早く、本年7月24日に公表された「地上デジタル放送推進総合対策」の具体策を明確にすることを迫るとともに、既に区としても庁内連絡会などで一部検討がなされていることとは思いますが、単純なアンテナのつけかえのほかにも、共聴施設の問題など、現在では多くの区民が想像もしないような深刻な課題がたくさんあると考えられますので、区民が直面するだろうあらゆる事態を想定し、対応策を検討する必要があると考えますが、いかがでしょうか。 以上2点についてお伺いいたします。
◎総務部長(野口則行) 吉住はるお議員の御質問にお答えいたします。 地上デジタル放送受信のための準備についてのお尋ねです。 まず、国の対策について正式な説明があったか、区として今後どのように対応するかについてです。 国は、生活保護世帯に対する受信機器購入等への支援や相談体制の充実・強化などを内容とする地上デジタル放送推進総合対策を7月24日に発表しました。7月23日に都区市町村IT推進協議会で、総務省から国の対策の骨子についての説明がありました。区として、地上デジタル放送移行への対応は、庁内に地上デジタル化対策連絡会を設け、検討を重ねております。 次に、アンテナのつけかえ作業の対応について、国から説明があったかについてです。 地上デジタル放送を視聴するためには、VHFアンテナのみ設置されている場合は、UHFアンテナを追加する必要がある旨の説明は平成19年度にありましたが、UHFアンテナにつけかえる必要のある世帯数などの具体的な説明はありません。 国に対策を求めることについては、情報化施策の推進と地上デジタルテレビ放送移行への支援に関する要望を全国市長会から行っており、今後も必要な要望を行ってまいります。 次に、区民が直面する事態を想定し、対応策を検討することについてです。 庁内の地上デジタル放送化対策連絡会で庁内の情報共有を図るとともに、区としての必要な対策として「区民への周知」「区有施設の電波障害対策施設の対応」「区有施設のデジタル化」「区民への支援策」を4つの柱として検討を重ねてきました。区民への周知については、広報へ掲載するとともに、総務省と連携して区民に対してパンフレット配布や説明会を開催し、きめ細かな周知を図っていく予定です。区有施設の関係については、調査を8月に終え、来年度予算対応について検討しています。区民への支援策については、国の対策は生活保護受給世帯を対象としており、それ以外の区民への負担軽減について、現在その範囲や支援方法などを検討しています。 以上で答弁を終わります。
◆4番(吉住はるお) 御丁寧な御答弁をいただき、ありがとうございました。 今回、地上デジタル放送について調べてみまして、調べれば調べるほど、正直申し上げてとても複雑な問題だということを感じました。 本日は、アンテナによる直接受信についてを中心に質問したんですが、関東地方は直接受信がほかの地域よりも少ないという現状もあるようで、逆に集合住宅や障害対策のための共聴施設による受信が多いことも考えられます。その中には、例えば老朽化した零細のアパートとかそういったようなこともその中に含まれていると思うんですが、また、それにまつわるアンテナの問題も非常に多くありまして、深刻な問題だというふうに考えています。 いずれにしても、地上デジタル放送の準備というと、現在ではチューナーにばかり意識がいきがちで、アンテナについても、これから新宿区において大変な問題になるのではないかと危惧しておりますので、今回の質問をさせていただきました。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) ここで、議事進行の都合により15分間休憩します。
△休憩 午後5時58分
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△再開 午後6時16分
○議長(桑原公平) ただいまから会議を再開します。 質問を続行します。 2番
中村しんいち議員。 〔2番
中村しんいち議員登壇、拍手〕
◆2番(
中村しんいち) 公明党の
中村しんいちです。 視覚障害者支援の充実について一般質問させていただきます。 質問する前に、9月6日から北京で夏季パラリンピックが開催されていますが、その中で数々の感動のドラマが繰り広げられております。本大会の理念であります「障害者の自立と社会参加」のもと、連日さまざまな感動・希望・勇気を与えてくれています。障害に負けず、常に自己の限界との挑戦を続けてきた選手の皆さんの健闘を心から祈ります。 新宿区議会公明党は、一人でも多くの障害者の方が安心して暮らせる新宿をつくりたいと、これまで全力で取り組んでまいりました。今回も同様の思いで一般質問させていただきますので、どうぞ誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。 先日、視覚障害者の方と懇談する機会がありました。その際、皆様からさまざまな生活上、困難な問題が提起されました。今回は、その声を中心に質問させていただきます。 その懇談の中で、視覚障害者の方にとって一番困るのが買い物だと伺いました。その方が大好きな新ジャガをスーパーに買いに行かれたそうです。「新ジャガの甘辛煮を食べたくてね。あのつるつる感が好きなんです。でもね、がっかりしたんです。買ってきたものが実は梅だった」、そう笑って話してくださいました。私には想像がつかない、大変な御苦労があることを感じました。 障害者手帳を持った視覚障害者は、全国で約38万人、東京都で約3万8,000人、新宿区内でも4月現在、756人おられます。このうち、新宿視力障害者協会等に所属されている方は極めて少ない状況であります。 また、糖尿病性網膜症や緑内障などの病気、高齢化、交通事故によって人生の途上で失明する中途視覚障害者もふえています。中でも、生計を支える男性が失明すると、その多くが精神的、身体的なショックから「死にたい」と考えたり、引きこもり生活に陥りやすいと言われております。 そこで、障害者の不安などの相談援助として、ピアカウンセラーの役割は極めて重要であると考えます。特に同一障害を持つ相談員に支援をつなげていくことは、障害になった方の心の緩和に大変効果があると、研究結果が出ています。 そこで質問します。 まず最初に、不安を抱え、社会的に孤立した障害者の方に対してピアカウンセラーにつながる相談援助の体制を整備すべきと考えます。御所見をお伺いします。 次に、先日、公明新聞紙上で、両目が全く見えず、両耳も聞こえない全盲聾障害の福島智さんのインタビュー記事を読みました。9歳で失明、18歳で聴力を失った福島さんは、現在、東京大学先端科学技術研究センター准教授として活躍し、「日本のヘレンケラー」とも呼ばれている方です。福島さんは「盲聾者というのは、テレビに例えると、画面を消し音声を消してしまった状態で、周りの情報が一切入らない。無人島に一人ほうり出されたような心境である」と言われています。 福島さんがその絶望から救われたのがお母様が考案された指点字だったそうであります。指点字という意思の伝達手段ができ、さまざまな段階を踏んで「ようやくこの世に戻ってきた」という実感を持たれたそうであります。福島さんは、御自身の体験から、「人が生きていくには、水と空気と同じようにコミュニケーションが大事だ」と言われております。 このことを踏まえて、盲聾者の社会参加を進める上で①コミュニケーション②情報の受発信③移動の3つの支援の重要性を述べられております。この3つは、私がお会いした視覚障害者の方々からも共通して言われました。 そこで、第2の質問はコミュニケーションと情報の受発信ができる場所の設置についてです。 言うまでもなく、人は1人では生きていけません。生きていくには、福島さんがおっしゃったように人とのつながり、つまりコミュニケーションが必要です。私はコミュニケーション障害のある方々のために、情報交換等ができる「集いの場」が必要と考えます。区にはこうした取り組みがありません。ぜひとも「集いの場」の設置に向けて検討していただきたいと思いますが、区長の御所見をお聞かせください。 次に、視覚障害者の方が外出時に安全に移動できるように支援するガイドヘルパーのサービスがあります。このサービスは、国の指針で、安全な移動のサポートを業務内容としています。 しかし、視覚障害者の方にとって、移動先から帰宅するまでにさまざまな介助が必要なことが起こります。例えば、こんなケースがあります。区内には、単身男性の視覚障害者の方が多く暮らしておられます。この方々は帰宅して、手紙などの郵便物が郵便受けにあっても、その内容がわかりません。辛うじて、新宿区から届く郵便物は点字シールが張ってあるので、大事なものと判断はできるそうです。しかし、この代読はガイドヘルパーの業務以外の仕事になっており、サポートができません。 そこで、第3点目は、コミュニケーション支援の充実についてであります。 ガイドベルパーの移動業務だけでなく、例えば自宅に届いた郵便物の代読や簡易な返信、郵便物の投函、さらには行った先での説明書の代読や申請書の代筆などコミュニケーション支援をサービス提供の範囲に含められないものか、こういった要望が多く寄せられました。 新宿区として、ガイドヘルパーの業務内容を区の裁量で業務拡大できるように検討してはいかがと思います。御所見をお伺いします。 次に、区は新宿区総合計画のまちづくりの基本目標として「だれもが人として尊重され、自分らしく成長していけるまち」を掲げられています。その中で高齢者も障害のある人も、尊厳を持っていきいきと地域社会の一員として生活できるよう、物理的なバリアや心のバリアのない地域社会の実現を目指されています。これは障害者の方の社会参加を進める上で、大切な取り組みであると思います。 そこで、物理的なバリアとして、視覚障害者の方の困り事で一番多いのが外出時のトイレの不安です。施設の中でトイレの場所がわからない。トイレの中に入ってもいろいろな設備の位置がわからない。どこに便座があるのか、どこに手洗いがあるのか、洋式か和式トイレかさえもわかりません。 最近できたある福祉施設には、玄関からトイレまでの点字ブロックとともに、音声案内装置が設置されています。これは全国の視覚障害者にとって大きな手助けとなっております。 そこで、第4点目の質問は、区有施設におけるトイレのバリアフリーについてです。 多くの区民の方が利用する区有施設等のトイレにおいても、視覚障害者のための音声案内装置の設置を提案します。この取り組みができれば、視覚障害者の方々の外出時の不安が少しでも解消できます。御所見を伺います。 今回、障害者の方々の声を受け、さまざまな要望をいたしましたが、言うまでもなく、障害者の皆様も区民の大切なお一人であります。皆様が安心して生活できるよう、ぜひとも前向きな取り組みをお願いいたします。 公明党は、障害の有無や年齢、性別にかかわらず、すべての人が自分らしく能力を発揮できる「ユニバーサル社会」の実現に向けて全力で取り組んでいます。どんなハンディがある人もともに価値ある人生を生きようという共生・共助のよりよい社会の転換に向けて、今後とも頑張ってまいります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
◎福祉部長(石崎洋子) 中村議員の御質問にお答えいたします。 ピアカウンセラーにつながる相談支援体制の整備についてのお尋ねです。 障害当事者やその家族がみずからの経験を生かし、仲間として相談に応じるピアカウンセラーの効果と重要性については認識しております。 特に、中途視覚障害者の方については、各種相談を通じて同じ障害状況を経験しているピアカウンセラーにつながるよう、区の窓口や障害者福祉センターにとどまらず、関係機関に制度の周知を図ってまいります。 次に、コミュニケーション障害のある方々のための、情報交換等ができる集いの場の設置についてのお尋ねです。 区では、コミュニケーションに障害のある方を初めとして、さまざまな障害のある方が集い情報交換ができる場所として、障害者福祉センターを設置し、運営しています。視覚障害者向けパソコン講座や聴覚障害者と健聴者による手話サークルなど、さまざまな支援や先駆的な取り組みを行っています。 集いの場については、具体的な規模、対象人数、内容及びコミュニケーション障害者に特化した施設の必要性等について、当事者の方やさまざまな団体の方々とも十分に話し合い、意見交換しながら検討していきたいと考えています。 次に、視覚障害者に対するガイドヘルパーの業務内容の拡大についてのお尋ねです。 ガイドヘルパーの業務は、障害者自立支援法による地域生活支援事業の中の移動支援に当たりますが、新宿区では、移動支援事業者との協定の中で「外出前後・外出中の代筆、代読を含む」としています。簡単な内容であれば、現在でも対応できているところです。 代読、代筆のサービスの必要性については十分に認識しておりますので、今後のサービスの整備、拡充に関しては、障害者団体との協議を通じて検討していきたいと思います。
◎総務部長(野口則行) 視覚障害者のためのトイレの音声案内装置についてのお尋ねです。 現在、区有施設の多くはバリアフリー化を目指し、だれでもが利用できるトイレやエレベーターを設置しているところです。 視覚障害者対策として、トイレの音声案内装置を設置している施設はありませんが、本庁舎正面玄関ドアには音声案内を取りつけ、多くの施設のエレベーター内に音声案内や点字表示を整備しているところです。 御提案の音声案内につきましては、設置による効果と周辺への影響を考慮し、他の実例も調査した上で検討してまいります。 以上で答弁を終わります。
◆2番(
中村しんいち) 御丁寧な御答弁まことにありがとうございました。 今回、視覚障害者の方を中心に質問をさせていただきましたけれども、新宿に住む一住人として、また区議会議員としまして、障害者の方はもとよりお子様からお年寄りまで「新宿に本当に住んでよかったな」と、そう思っていただけるような新宿をこれからまたつくって頑張っていきたいと思っております。 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 次に、19番阿部早苗議員。 〔19番 阿部早苗議員登壇、拍手〕
◆19番(阿部早苗) 日本共産党区議団の阿部早苗です。 私は、地球温暖化対策について質問させていただきます。 昨年出された「気候変動に関する政府間パネル=ICPP」の第四次評価報告書は、地球温暖化が人間活動によってもたらされた可能性が90%以上と指摘し、このままでは生態系が破壊され、人類社会が持続可能でなくなることを指摘しました。地球の気温上昇を産業革命以降で、2度以下に抑えるべきだというのが世界の一致点になっており、温暖化の原因となっているCO2削減の取り組みを加速させなければなりません。 日本のCO2は産業部門を筆頭に、運輸・業務部門からの排出が8割以上を占めています。こうした構造は多くの国で共通しており、ヨーロッパ諸国では、政府と産業部門が拘束力のある協定を結び、ペナルティも科して真剣に取り組んでいます。しかし、残念ながら日本ではそうなっておらず、政府が中期目標を決めて産業界に厳しく働きかけることが求められています。 さて、政府の対策がおくれているもとで、地方自治体の取り組みが進みつつあります。東京都が第2回定例会で環境確保条例を改正し、大規模事業所にCO2削減を義務づけたことはマスコミでも大きく取り上げられました。千代田区は、ことし1月から、「地球温暖化対策条例」を施行し、2012年までに京都議定書目標達成という短期目標と、2020年までに区内の二酸化炭素排出量を25%削減する中期目標を掲げました。 ちょっと余談ですが、この条例は非常に文章が平明で、子どもにもよくわかるようなつくりになっていたのに大変感心いたしました。 新宿区が2006年に策定した「省エネルギービジョン」では、2010年までに1990年を基準にしてプラス5%に抑え、2020年までにマイナス5%にするという、短期・中期の目標をそれぞれ定めています。ビジョン策定の前年、2005年時点でプラス15.6%だったものを5年で10%以上減らすのですから、相当の努力を要する課題です。 新宿区の二酸化炭素排出は、そのほぼ半分を業務部門が占めていることが特徴ですが、第2回定例会では、オフィス、マンションの建設増加により業務部門の排出がふえていると答弁しています。区内では、今後、日本テレビ跡地、西富久、西新宿などで大規模な再開発が予定されており、CO2はもっとふえることが危惧されます。 そこで伺います。第1は、CO2削減の目標と情報提供についてです。 2010年まであと2年です。現時点で「省エネルギービジョン」に掲げた短期目標、中期目標の達成について、区長がどのような見通しを持っているのか伺います。 ヨーロッパでは、ICPPの第四次報告や、イギリス政府が発表した「気候変動の経済学=スターン報告」が政策決定のベースになっていますが、これらに照らして、新宿区の中期目標のマイナス5%は十分だと言えるのでしょうか。千代田区のマイナス25%目標と比較しても、新宿区の中期目標は見直しが必要ではないかと考えますが、いかがですか。 また、2005年がプラス15.6%と発表されて以降の最新のデータはどうなっているのでしょうか。23区が共同で行っているシステムで算定しているとのことですが、今の時点で昨年2007年のデータが出されるくらいでないと、求められる削減のスピードについていけないと考えます。 ことし2月に改定した区の環境基本計画の「身近で取り組め、成果が見える施策」では、簡易な算定方法を普及し、削減行動を促進するとしていますが、区のデータが2年も前のものでは、区民や事業者のモチベーションにも影響するというものです。新システムの開発を急いで直近の数字を示せるように改善し、そのデータとともに温暖化の現状や原因、区の対策、区民・事業者の努力方法等を区報の特集号やビデオ、CDなどで広報、啓発すべきと考えます。 第2は、新宿区のCO2排出削減のかぎを握る業務部門への対策についてです。 改定した環境基本計画では、4本の柱からなる基本目標5「地球温暖化・ヒートアイランド現象を防ぐ」を追加しました。私は、削減目標達成のためには、ここに示された取り組みに加え、業務部門でもっと踏み込んだ大胆な提起をすべきだと思います。 例えば、ことし夏のライトダウンキャンペーンでは、2日で3トンのCO2削減となり、ブナの木600本が年間に吸収する量に相当すると、ホームページで紹介されています。2日でこれだけの成果が上がるのですから、繁華街の電光の看板やイルミネーションを大幅に減らすとか、せめて電力消費の少ないものに変えてライトダウンや省エネに通年で取り組めば、大きな森林に匹敵するほどの削減効果になると思いますが、いかがですか。埼玉、神奈川、京都などのコンビニ深夜営業自粛がマスコミの話題になっていますが、日本一の繁華街を抱える新宿区の取り組みが全国に発信する影響は大きいと思います。 また、都市計画の見直し、まちづくり方針の再検討など抜本的な対応が求められます。緑化計画などに加えて、オフィス、マンションの高さや容積の制限、自然エネルギー活用の義務づけ、風や採光などの自然条件を活かす建築方法や省エネ建築資材の開発など、温暖化防止の観点から抜本的な検討を開始すべきと考えますが、区長の見解を求めます。 第3は、新エネルギーの活用についてです。 環境基本計画では、区有施設への自然エネルギー活用の発電設備や新エネルギービジョン策定が区の役割として明記されました。しかし、第一次実行計画で温暖化対策の計画事業の主な指標として掲げられているのは、雨水利用設備の増設にとどまっています。公共施設への自然エネルギーを利用した発電設備も数値目標を定めて計画的に促進し、あわせて個人住宅の太陽光発電に対する助成もすべきだと考えますが、いかがですか。 第4は、家庭における省エネについてです。 家庭内で電力消費の多い冷蔵庫やクーラーを省エネタイプのものに変えると、CO2削減効果が上がり、その分電気代も安くなります。しかし、まだ使えるのにもったいないとか、買いかえ費用を考えて二の足を踏んでしまう人が多いのではないでしょうか。ちなみに、私もことしのお正月、買いかえようと思ったんですが、その辺うろうろして結局帰ってきた経過があります。 江戸川区のNPO「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」では、太陽光発電などに取り組むとともに、省エネ家電に買いかえるサポート事業に取り組んでいます。安くなる電気代相当額をあらかじめ融資し、買いかえた後にその安くなった分の電気代で返済するという方法で、12年間で出資金が1億7,000万円集まり、7億円の融資実績があるそうです。冷蔵庫は、この10年間で電力消費が大幅に減っており、買いかえにより、電気代が年間1万5,000円とか2万円とか、さらにそれ以上の節約になったと紹介されています。 全国的に見ても、家庭での省エネや新エネルギーの取り組みは、NPOなどの民間の取り組みが牽引していると思います。今年度の協働事業提案制度では、区が提起する課題事業として、伊那市とのカーボンオフセットで発生する間伐材の活用事業を募集しました。来年度以降は、家庭でできる省エネ、温暖化対策も含め、環境問題を一層重視して協働提案事業を採用する方向を打ち出してもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 よろしくお願いいたします。
◎環境清掃部長(鴨川邦弘) 阿部議員の御質問にお答えします。 まず、新宿区における温室効果ガスの削減目標と情報提供についてのお尋ねです。 平成18年2月に策定した「新宿区省エネルギー環境指針」では、御指摘のとおりの目標としました。しかしながら、23区標準温室効果ガス排出量算定手法による平成17年度の算定値からは15.6%、38万5,000トン増加しているとの結果が出されました。 区としては、省エネルギー環境指針の目標を実現するために、平成20年度から平成22年度にかけて毎年度9万トン弱の温室効果ガスを削減しなければならず、かなり困難な状況にあると認識しております。 本年7月に開催された洞爺湖サミットでは、2050年までに世界全体の排出量を少なくとも50%削減していくことを世界各国が共有することとの宣言がされました。今後、さらなる削減に向け、国や国際的な動向を注視する中で、中期目標を含む「省エネルギー環境指針」の見直しを行うことは必要であると考えております。 また、温室効果ガスの排出量の算定は、国レベルで約1年後に確定し、その後、都道府県ごとに算出され、それをもとに23区の算定を行うため、約2年を要します。したがって、直近の排出量を出すことは困難ですが、区民や事業者が取り組んできたことが早目に成果として見えることは必要であると考えており、CO2削減量を簡易に算定できるパンフレットを作成・配布し、区民・事業者の取り組みを促進していきます。それらの情報を区報の特集号やホームページなどで広くPRし、普及啓発に努めていきたいと考えております。 次に、業務部門に対するCO2排出削減対策についてのお尋ねです。 今夏の「新宿ライトダウンキャンペーン」は、夏至の6月21日と洞爺湖サミットが開催された七夕の7月7日に環境省のキャンペーンに呼応して、区民、事業者に夜8時から10時までの間、ネオンサインや照明を消灯するよう呼びかけを行い、約500件の参加を得ました。 区としては、繁華街も含め、これからも不必要な照明などを消灯してもらうことを呼びかけ、地球温暖化防止に向けた啓発をさらに進めていきたいと考えております。 次に、新エネルギーの活用についてのお尋ねです。 新宿区における新エネルギーの導入については、新宿区省エネルギー環境指針の見直しにより、区内における新エネルギーの導入の具体的目標を定め、計画的に普及促進を実施していきます。 また、区有施設への太陽光発電設備の導入等については、既に庁内地球温暖化対策連絡会を設置し、現在検討を進めているところです。 区では、太陽光発電に対する助成は行っておりませんが、東京都や国が実施する予定の支援策の状況を注視し、区としても、区内における普及促進につながるよう周知していきます。 次に、地球温暖化対策等環境問題の取り組みにおけるNPO等との協働事業についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、今年度協働事業提案制度では、区から提起する課題として、伊那市等の森林保全における間伐材の有効活用について提案を募集しました。今後も、環境問題の解決には行政だけではなく、NPO等の専門性や柔軟性を活かした協働での取り組みも重要であると考えていますので、検討課題とさせていただきます。
◎
都市計画部長(永島恵子) 次に、都市計画やまちづくり方針などについて、温暖化防止の観点から抜本的な検討をすべきとのお尋ねです。 昨年12月に策定した都市マスタープランでは、「環境に配慮したみどり豊かな快適で潤いのあるまち」の実現をめざして、都市に潤いを与える水やみどりのつながりや、風の道を都市構造の中に位置づけています。 また、個別のまちづくり方針では、住宅の省エネ対策など環境に配慮した住宅の普及啓発、人と環境に配慮した道路整備、自然エネルギーの利用や、持続可能な資源循環型のまちづくりの推進など、環境の負荷を低減しエネルギー効率のよい都市をめざしたまちづくり方針を定めています。 都市計画においても、いち早く絶対高さ制限を導入し、バランスのとれた土地利用を誘導するとともに、大規模な再開発等において歩道状空地の創出や高木による緑化、CO2削減への取り組みなどを誘導し、身近なみどりをふやし環境にやさしいまちづくりを進めているところです。 このように、温暖化防止の観点からも十分なまちづくり方針を示し、環境負荷の低減を目指しているところですので、抜本的な見直しは考えておりません。 以上で答弁を終わります。
◆19番(阿部早苗) 今の答弁ですけれども、
都市計画部長の御答弁と環境清掃部長の答弁、都市計画において十分な対応を今とっているというふうにおっしゃったんですが、結果として、マンションなどが建てばCO2がふえるという現実が物語っていると思うんです。その現実を早期にどう変えるのかということが今地球規模で求められていると思うんです。私たちは提起していますということではなくて、結果として、いかにCO2を削減する効果につながっているのかというところは、早いうちに検証されなければいけないんじゃないかというふうに思うんです。 確かに、総合設計などでも、空地はあるんですけれども、もっと大胆にみどりをつくるとか、あるいは高さについてももっと厳しく制限をかけるとかという対応をとっていかないと、本当に求められている2度以内に抑えるということができなかったときにどうするのかということが私たちに今問われているんじゃないかと思うんです。この2度も、これで完全に大丈夫だという数字ではないわけですよね。凍土が溶けた場合にいろいろなメタンガスだとかが出てきたときに、もっとリスクがあるかもしれないと言われているわけですから、少なくともこの一致点についてどう実現していくのかということで、結果の出る対策をとっていくことが私は必要ではないかというふうに思います。 あとは、私は決算特別委員会には参加はさせていただきませんが、同僚の議員にゆだねたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 次に、17番すえき亮議員。 〔17番 すえき亮議員登壇、拍手〕
◆17番(すえき亮) 民主党新宿区議会議員団のすえきです。 今回は、新宿区の財政について質問いたします。 ことしに入り、アメリカのサブプライムローン問題や原油価格の高騰、食料価格の高騰により、景気は停滞から後退局面に入ってきています。このように先が見えない社会情勢の中、地方自治体によっては財政が破綻寸前までいっている自治体もありますが、新宿区の財政は昨年度までの経済の好調さを背景に、実質単年度収支で黒字を続けており、財政の弾力度を示す指標である経常費比率も76.8%と、適正な範囲と言われている70%から80%の範囲内におさまっています。 また、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」の規定により、健全化判断の一つの目安とされている実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債比率、将来負担比率もそれぞれ健全とされる基準を満たしているなど、安定した財政運営が続いています。しかし、このように財政が健全だからこそ、将来を見据えた新宿区の運営が必要なのではないでしょうか。 そこで伺います。健全な運営のための手段の一つとして、公会計制度の改革が必要だと思われます。現在、地方自治体が採用している会計は、現金主義、単式簿記かつ単年度主義で行われています。このような方式では、資産や債務の管理、資源の効率的な配分が難しいと言われており、実際2006年に財政再建団体入りをした北海道夕張市の場合、特に負債のコントロールや情報開示がうまくいっていなかったことが財政破綻した原因の一つと言われています。 また、総務省が2006年8月に策定した「地方公共団体における行政改革のさらなる推進のための指針」においては、公会計制度の取り組みが進んでいる団体、都道府県、人口3万人以上の都市に対しては3年後までに、また公会計制度の取り組みが進んでいない団体、町村、人口3万人未満の都市に対しては5年後までに財務諸表の整備もしくは財務諸表の作成に必要な情報を開示することを求めています。 しかし、実際にどのような基準にのっとって作成し、どのように情報を公開するかとなると、総務省が公表しているモデルだけでも、作成方法や財務情報についての考え方が異なる「基準モデル」と「総務省方式改訂モデル」の2つがあり、また、そのほかに東京都のように既に独自の会計基準に従って財務諸表を作成、公表している自治体もあり、情報公開のあり方は全く統一されていません。 そこで伺います。このように公会計制度改革が混乱する中、新宿区としてはどのような考えでどのような基準にのっとり、区民の皆様への説明責任を果たし、限られた資源の効率的な配分をしていくのか、お聞かせください。 次に、施設の命名権、いわゆるネーミングライツについて伺います。 先ほど述べましたように、新宿区の財政は健全といってよい状態が続いています。しかし、1995年には財政非常事態宣言が出され、各種の事業が削られたことを考えても、新しい財源を探し続けることは意味があることと思われます。そこで、新たな財源として、施設に対してスポンサー名を入れられる権利、いわゆるネーミングライツの導入を検討されてはどうでしょうか。ネーミングライツに関しましては、お隣の渋谷区が2006年、渋谷公会堂の命名権を売却したことで話題になりましたが、現在、宮下公園の命名権を売却する計画もあるそうです。 新宿区でいえば、例えば「新宿文化センター」や「コズミックスポーツセンター」にネーミングライツを導入し、そこで得た収入を新宿の文化の振興や次代の新宿を担う子どもたちのために、青少年育成団体などへの助成に使うなどしてはどうでしょうか。 以上2点に関して質問いたします。
◎
総合政策部長(猿橋敏雄) すえき議員の御質問にお答えします。 公会計制度改革についてのお尋ねです。 地方公共団体の財政状況については、透明性が高く、より健全な財政運営を行うとの観点から、資産・債務の状況や従来の官庁会計では把握できない客観的な行政コストの開示が求められています。 新宿区においては、平成11年度決算から、総務省方式に基づく貸借対照表及び行政コスト計算書の作成公表を行ってきたところですが、昨年10月に公表された「新地方公会計実務研究会報告書」を踏まえ、よりわかりやすく包括的に区財政を開示する必要があると認識しています。 財務書類の作成については、これまでの取り組みや作成に当たってのコスト、事務的負担を考慮し、当面、「総務省方式改訂モデル」による対応とします。この取り組みにより、資産、債務の適正な管理を一層進め、さらに効果的・効率的な行財政運営の実現を図るとともに、区民への説明責任を果たしてまいります。 また、会計基準をめぐる動向等も合わせて研究し、新宿区にあった公会計制度のあり方を検討してまいります。 次に、区の施設へのネーミングライツの導入についてのお尋ねです。 ネーミングライツとは、スポーツ施設等の名称にスポンサー名やブランド名を付与する権利のことで、権利を一定期間販売することにより、新たな財源を生み出すことを目的とするものです。 公共施設では、東京都が初めて導入し、平成15年に東京スタジアムが「味の素スタジアム」に改称し、その後、渋谷公会堂が「渋谷C.C.レモンホール」に改称するなど、他の自治体にも広がっています。 しかし、長くなれ親しんできた公共施設の名称が企業名の入った新しい名称になることで、区民に戸惑いや反発が出ることが予想されます。また、スポンサーの変更とともに短期間で施設名が変わる可能性もあり、混乱を招くおそれがあります。さらに、企業名が目立つことで施設の機能がわかりにくくなることなども懸念されます。 このようなことから、ネーミングライツにつきましては、新たな財源確保のための手法の一つとしてとらえていますが、導入に際しましては、慎重に対応していく必要があると考えています。 以上で答弁を終わります。
◆17番(すえき亮) 御答弁ありがとうございました。 今回の質問に関しましては、この後、決算特別委員会がございますので、そちらに出ます同僚議員に関して質問させていただくこともあろうかと思いますので、これで私の一般質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 次に、15番のづたけし議員。 〔15番 のづたけし議員登壇、拍手〕
◆15番(のづたけし) 新宿区議会無所属クラブののづたけしでございます。 新宿区議会第3回定例会に当たりまして、教育現場における子どもたちの学力向上に向けての施策について、教育委員会に質問いたします。どうか誠意ある御答弁お願いいたします。 これは今までもいろいろなところで質問してきたことと同じ内容なんですが、今回はちょっと毒舌にいきたいなと思っております。 私自身も含めて多くの大人たちが自分の子どものころを思い出してまず後悔することは、何であのときにもっと一生懸命になって勉学に励まなかったのかというような思いだと思います。 そして、国際的な比較においても日本の子どもたちの学力低下が懸念される昨今、義務教育課程における学力向上は、教育に携わる者としては一番重要な課題と言えます。 さて、子どもたちの学力向上にとっての大きな要因は、家庭での環境といった学校外の要因を除けば、学校における教員の指導力向上及び学習時間の確保と、生徒たち自身のモチベーション、いわゆるやる気の高い低いであると言えましょう。この大きな2つの要因が相互にうまく回転することで、成果が期待されます。これはちょうど利益率及び総売り上げの向上と社員のやる気という2つの要素のうまい相互作用によって企業収益が増大していくようなものであります。 子どもの学力向上、教員の指導力向上に関しましては、進学塾とタイアップなどやや極端なものを初めとしまして、それぞれの自治体が模索している状況です。それらの事例について一つ一つ列挙することは省略いたしますが、新宿区として多く試みられておりますこれらのものについて、どのように検証し、今後、区内小・中学校での教員指導力向上のための施策を展開するおつもりなのか、お聞かせください。 次に、学習時間の確保についてお伺いいたします。 新宿区では、夏休みの短縮による実質的な学習時間の拡大を図るなど、早い段階からこの問題に着手してまいりました。しかし、最近では多くの自治体、特に23区ではありますが、補習のための時間を体系的に整備するなど、学校時間の確保に努めております。この点について、新宿区としてはさらに現状の施策を推進するおつもりはございませんか。 授業時間の拡大といいますと、その反対意見の中には「ゆとりの教育」に反するというものがありますが、ゆとりの教育という観点で言うならば、一定の必要とされる学習内容を子どもたちに教える場合、短期間で詰め込むよりも、むしろ時間をかけてじっくりと理解させていくほうが本当の意味でのゆとりではないでしょうか。 最後に、生徒たちのモチベーションを向上させるための工夫についてお伺いいたします。 人間は同じ行為をする場合でも、苦痛と退屈を感じながら行うときと、好奇心と楽しみを感じながら行うときとでは、その成果や効率性は格段に異なるものでございます。 私自身の個人的な体験をお話しするならば、学生時代は数学や物理が大嫌いで、「何で文学部に行くのに微分積分や関数が必要なのか」と疑問に思いながらのいやいや学習でした。そのため、理科系の教科は全く苦手で、残念ながら国立大学に行けず、私立大学にしか合格できなかったわけです。母校を今一番愛しているわけでございますが、しかし最近、単なる好奇心から数学や物理の本に触れる機会がありました。少しずつ学んでみると、学生時代にはあんなに嫌いだったものがおもしろくてたまりません。 生徒たちのモチベーションを上げ、やる気を持って楽しく学習するような環境づくりに向けてどのような工夫が検討されているのかお伺いいたします。 ともあれ、現在の教育行政において子どもたちの学力向上は必須の課題であります。しかし、学力向上を重要視するような教育議論を持ち出しますと、決まって言われる反対意見に「学力偏重が子どもたちの人間性を破壊するとか、道徳心や感受性をむしばむおそれがある」というものがあります。一見そうかなとも思われがちですが、しかしよくよく考えてみるならば、学力向上と人間性とは全く異なるベクトルのものでございます。 このような単なる偏見やイメージで物事を認識することこそが危険ではないでしょうか。 まさに、これは古今東西よく語られる「美人は薄命である」との言いぐさと同じであります。容姿の美しさと肉体的な健康との間には、全く相関関係も逆相関関係もありません。学力重視と人間性重視も同様に、本来は相関関係も逆相関関係も存在しない要素であるはずです。 論理的に考えれば、至極当たり前のことにもかかわらず、そのような偏見がいわゆる受験地獄という過去の紋切り型のイメージとともに、いまだに教育現場において強く残っているということが不思議なくらいであります。「自分の仲間をけ落としてまで受験戦争にかち抜く云々」というのは、数十年前の誤った幻想から来る寝言であり、むしろ受験とは自分との戦いであり、必要なことは日常生活における学習の習慣化、そのための効率的なセルフマネジメント、さらにはここ一番で実力を発揮するためのイメージコントロールなどが大切との考えは、最前線の受験産業の場ではもはや常識となっております。 現実と乖離したさきのような寝言は、まさに「寝言は寝て言え」の感があり、いやしくも実際の教育現場で語られるようなものではないと思われます。 また、教育問題や高齢化問題に関する著名な評論家であります樋口恵子氏は、とあるところで「義務教育格差の先にある社会とは」と題して、公教育の現状について以下のような言説を展開しております。その要旨を簡単に紹介いたします。 かつては、義務教育における学校間、地域間の学力格差は余りありませんでした。しかし今、教育の規制緩和や学校選択制の導入などによって、義務教育機関である公立小・中学校にも格差が広がり始めています。 この公立小・中学校の学校間格差は、地域格差を引き起こしていきます。子どもを持つ親ならば、だれもが優秀な公立校を抱える地域に住みたいと願いますが、その地域の地価は上がり、所得の高い教育熱心な人たちが多く住むようになります。すると、その地域の学力レベルはさらに上がり、自治体の財政は潤沢になり、より地域は活性化するという好循環が生まれます。 逆に不人気校しかない地域は悲惨であります。裕福な世帯や子育て世帯が住みたがらないので、その地域の地価は下落し、やがて低所得者と高齢者ばかりになり、財政は悪化、医療や福祉サービスが低下するので、地域の未来は先細るばかりです。 この指摘は、まさに現状認識としては的を得たものであると言えます。このような社会的な傾向に対しての意見や教育観といったものには当然賛否両論があり、そこから生じます政治的な立場や方向性も当然ながら分かれるところでございますが、その大局的な政策議論は、国政などのより大きな政治の場で展開されるものでありまして、さしずめ一地方自治体であります新宿区の政治にかかわる立場といたしましては、指摘されたようなよい循環にまず乗っていくための施策を推進することこそが肝要と思われますが、このことを踏まえてさきの質問にお答えいただければ幸いに思います。
◎教育委員会事務局次長(渡部優子) のづ議員の御質問にお答えいたします。 教員の指導力向上についてのお尋ねです。 それぞれの自治体では、地域の特性を活かしつつ、地域の人的・物的資源や予算を有効に活用し、知恵と創意ある教育活動を展開していると受けとめています。 これまでも、区では教員の指導力向上に向け、教科ごとの研修会を実施するとともに、区費講師を全校に配置し、チームティーチング、少人数指導ができる指導体制を整備してきました。授業改善推進員を派遣し、若手教員の授業力の向上も図ってきました。さらに、校内研修会等において、指導主事が具体的な指導方法について指導・助言を行っております。 今後も、これまでの取り組みを継続するとともに、ICT化を推進し、子どもの興味や意欲が一層高揚する授業を展開し、確かな学力の向上と教員の授業改善を図り、指導力の向上につなげていきます。 学習時間の確保についてのお尋ねです。 平成18年度から夏休みを5日間短縮したことにより、各学校とも実施授業時数が増加しました。各学校は1年間を見通したゆとりのあるカリキュラムを計画するとともに、授業時数を確保しています。現行学習指導要領に定められている標準時数を上回る授業を実施しており、新学習指導要領に示された授業時数にも対応できるものと考えます。 したがって、教育委員会としては、現段階でさらに夏休みを短縮するなどの対応は考えておりません。 現在、各学校では、学力の定着に向け、つまずきやすい内容の繰り返し学習や放課後の補習授業等を行うなど創意工夫した授業を展開しております。 今後も、一人ひとりの実態に応じ、確実に学習内容を定着する授業が展開できるよう指導していきます。 子どもたちのモチベーションを上げるための工夫についてのお尋ねです。 子どもたちがやる気を持って楽しく学習するためには、わかった、おもしろいなどの達成感を味わわせることが大切です。例えば理科では、実験を通して子どもがなぜだろうなどの疑問点について主体的に考え、課題を解決していく喜びを感じさせることや、学んだことが実際の生活にどのように役立つかという実感をさせることが必要です。 6月に発足した新教育課程検討委員会や小学校・中学校の教育研究会では、具体的な指導事例の開発などを行っております。開発された指導事例やコンピュータなどの教育機器の効果的な活用を行い、子どもの興味、関心や、習熟度に応じ、すべての子どもが学ぶ楽しさを味わい、やる気の出るわかりやすい授業を展開できるように指導してまいります。 以上で答弁を終わります。
◆15番(のづたけし) どうも御答弁ありがとうございます。 特に、楽しくやる気のある工夫というのは、すごく大切なことだなと思います。 今回、私、学力についてお話しさせていただきましたけれども、さきに同僚のえのき議員は体力のことについて話しました。私は体力を話して、えのきさんが学力でもいいんですけれども、どっちも大切、人間性も大切、どっちがだめだから、こっちはいいとかということではなくて、私、相関関係も逆相関関係もないという話をしましたけれども、むしろ世の中のエリート校とか言われるところはやはり文武両道ですし、常にそういった形ですべてを上げるというのが前提になっていますので、そういったことでは、すべてが相乗効果になって、いい子どもたちを育成できればと思います。 あと、先ほど最後の項で、たくさんの生徒を集めるためには何が大切かと。さきに松ヶ谷議員も牛込統廃合の問題を言っていました。統廃合はよくないと思いますし、学校がなくなると寂しいですね。何でなくなるかというと生徒が少ない。どうしたらいいかというと、私立に行っていた人が公立に来てもらう。ほかのところから人が来る。そのためにどうしたらいいのかというと、皆さんはわかっていると思いますし、真剣勝負、本音で生きていく父兄の方はもっと回答もわかっていると思いますので、そういう部分では頑張っていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 次に、24番下村治生議員。 〔24番 下村治生議員登壇、拍手〕
◆24番(下村治生) いよいよ一般質問の最後になりました。しばらく我慢をしていただきたいと思います。自民党区議団の下村治生です。 自転車整理区画、放置自転車について一般質問いたします。どうぞ誠意ある御答弁をお願いいたします。 新宿区では、本年1月、「新宿区自転車等の利用と駐輪対策に関する総合計画」を発表しました。平成18年、「新宿区自転車等駐車対策協議会」を設置し、翌年に答申を受け、これをパブリックコメントにかけて策定いたしました。 特に、今回の総合計画では、これまでの自転車利用に関する位置づけ、すなわち「鉄道、バスなど、他の交通手段が発達している新宿区では、自転車の利用は抑制する」というこれまでの方針を変更し、環境負荷の低い、高齢者にやさしい交通手段として積極的に評価することとしました。さらに駐輪場に関しましては、具体的な台数目標と達成時期を示して、新宿区の意欲のほどがうかがえます。 今回の総合計画には、資料として「新宿区における自転車利用の現状」が添付されています。 駅周辺の自転車利用者と区民全体に分け、さらに平成8年と10年後の平成18年の結果との対比で、自転車利用の最近の傾向を考察しています。 第1の傾向は、駅周辺利用者では、「通勤・通学」の利用比率が依然80%以上と高いものの、区民全体で見ると、買い物など一時利用の目的がふえている点です。 第2は、自転車利用の際の距離です。10年前に比べて利用する距離は1キロメートル未満がふえ、短くなっている点です。 第3は、なぜ利用するかについて、自転車利用者では、速さが、区民全体では速さとともに買い物に便利がその動機である点です。これらを踏まえて、以下の質問に入ります。 初めに、自転車整理区画の管理に関して質問いたします。 第1の質問は、整理区画の民間委託に関してです。 先日、伊賀市の視察の帰りにJR名古屋駅前を歩いていて、歩道上に「MAYパーク」という機械式の自転車専用、一時利用駐輪施設が設置されているのを見つけました。これを運営する会社に先日電話で聞きましたところ、名古屋市から公募による事業募集があり、数社が提案の上選ばれた純粋の民間事業者であるとのことでした。駅前のいわゆる一等地の歩道の一角を市から借り、地代も払って運営しているそうです。 料金は1日100円というリーズナブルなものですが、ただし、採算を考えると、長期的視点からの事業参入ということのようです。 そこで質問いたします。このよう民間事業者への委託を特に多数の利用者が予想される、例えば新宿駅前で実験的に進めてはいかがでしょうか。 次に、整理区画の整備計画について質問いたします。 この数年、一挙に地下鉄の新駅が大江戸線、副都心線の開通によってできました。さきの総合計画でもこの取り組みがわかりやすく整備目標量の表となっております。 そこで、東新宿駅での駐輪場の整備ですが、第一次分として65台の募集が先ごろ始まりました。B区画はなかなか適地がなく、職安通りを越えて反対側の駅からは100メートル近く離れた場所につくられました。法律上の制約、東京都や面する地権者との交渉など、幾つもの条件や課題があって御苦労されたことは認めます。しかし、バス停の位置や日テレ跡地の再開発などを考慮しても、新宿七丁目の東新宿駅に対するものとしては、利用は少ないのではないでしょうか。 そこで質問いたします。今後の駐輪場の拡充分135台についてはどのような整備方針を立てられているのでしょうか。さらに、この場所に関していえば、大江戸線と副都心線が交差する地下鉄駅として、利用者は当然2駅分です。整備計画でも、200台分が計画されています。 そこで質問いたします。基本的には、鉄道事業者が駐輪場設置の費用負担をするという大きな原則があります。前提として利用者実態調査など事前の調査が必要であり、鉄道事業者が既に所有している土地や施設を提供することが第1と思いますが、長期的視野に立って、将来鉄道事業者と協力して土地購入を視野に入れ、路上ではない、しっかりとした駐輪場をつくるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 次は、自転車整理区画の不正使用に関してです。 本年に入ってすぐ、新宿五丁目の自転車整理区画で放火と見られる火災が発生しました。自転車整理区画内にとめてあった自動二輪に放火され、大きな火災になってしまったというものです。自転車整理区画内にいつも自動二輪が駐車していることが要因の一つと考えられ、これらは整理区画内外の歩道上を大きく占拠していました。 一方で区画の場所は異なりますが、例えば新宿駅前の整理区画内に無断駐輪しても取り締まれるのは自転車のみであることが往々にしてあるようです。確かに自転車整理員には自動二輪や原付二輪を取り締まる権限がありません。当然ながら、第1には、この整理区画内に駐車されてしまった自動二輪に対する取り締まりの強化が必要です。次に、自動二輪など大きな車両を置かれないようにする工夫が必要です。 そこで質問です。この場所に限りませんが、自動二輪が多くとめられてしまう区画については歩道上の制約もあるでしょうが、自転車1台ごとに区切るラックを設置するなどの工夫をしてはどうかと考えますが、お考えをお聞かせください。その場合、当然区画全体をさくで囲うことが必要ですし、また、収容台数は少なくなるという問題もあります。 次に、私道に置かれた放置自転車の問題です。これまで新宿区では、私道の管理は私道所有者の問題であり、管理は所有者が第一義的に責任を負うという考え方で、現状は個別に対応、相談を受ける形になっていると思います。 そこで質問です。一歩進んで新宿区として警告ビラのひな形の作成や対処方法に関するパンフレットなどを作成し、よりわかりやすい対応をしてはどうでしょうか。 そこまで公がという考え方もありますが、最近の成年後見人制度などでもそうですが、高齢化の時代に入り、高齢者が個人で管理するアパートがふえています。実際、そのようなアパートで放置自転車をめぐり、トラブルに巻き込まれた例を最近聞きました。そこで、私道の管理に関するパンフレットを作成し、放置自転車対策を入れてはいかがでしょうか。
◎みどり土木部長(邊見隆士) 下村議員の御質問にお答えいたします。 初めに、自転車等整理区画の管理についてのお尋ねです。 自転車駐輪場に関して民間委託している例として、都内ではプロポーザル方式で公有地に民設民営の駐輪場を設置している渋谷区の例などがあります。 昨年の道路法施行令の改正で、駐輪施設を道路占用物件と位置づけることが可能となったことから、区では、新宿駅周辺を初め、順次自転車等整理区画の再整備を行っていく予定であり、一時利用のためのラックの設置などを進めていきます。その際、御提案の民間委託についても幅広く検討してまいります。 次に、副都心線開通に伴う駐輪場の整備計画についてです。 東新宿駅周辺では、65台分の自転車駐輪場を8月に整備し、既に暫定的に利用していただいていますが、10月からは正式な運用を開始する予定です。 また、明治通りでは、地下鉄の建設が終了したため、歩道の拡幅を含めた街路整備が行われています。今後、東京都と協議を進め、歩道の拡幅にあわせて駅出入り口により近い場所に自転車駐輪場の整備を行ってまいります。 次に、鉄道事業者と協力し駐輪場を整備することについてです。 東京地下鉄株式会社との協議の結果、西早稲田駅では、同社所有地を活用し、仮設駐輪場を設置しましたが、平成22年には同社が設置する施設内に本格的な駐輪場を併設することとしています。 東新宿駅周辺では、道路空間を活用した駐輪場を増設していく予定ですが、新たな用地の確保についても、鉄道事業者に働きかけてまいります。 次に、自転車等整理区画の不正使用についてです。 自転車等整理区画に自動二輪車が入り込んでいるという実態があり、区としても課題であると認識しています。 今後は、駐輪場の新設や既存施設の改修の際に、ラックの設置など自動二輪車がとめられない工夫をするとともに、自動二輪車の違法駐車を排除する方法についても具体的に検討しています。 次に、私道に置かれた放置自転車についてです。 私道に放置された自転車の扱いについては、これまでも多くの方から御相談を受けており、相談者に対しては、注意啓発の方法などを助言するとともに、警告札の配布を行うなど、対応をこまめに行ってきています。 私道上の取り扱いは、第一義的には民法上の扱いになると思われますが、所有者にとって、どのような対応方法があるのか、どのような手続きをとればよいのかなどについて、区としても整理検討しているところです。 御提案のパンフレット等については、なるべく早期に作成していきたいと考えています。 以上で答弁を終わります。
◆24番(下村治生) ただいまは御丁寧な、また前向きな御答弁をいただきましてありがとうございました。 自転車というのは、私もこの総合計画を読みながら、公共空間というか、道路に置かれた私的な所有物としては、本当に大きなものになっているなと。一方では、障害物になり、一方ではこれからますます利用が促進されるべき交通手段として、ますます見直しされていくものだというふうに思っております。 この1年間、新宿区議会でもいろいろな意見が出ているというのを私も改めて議事録等を見て感じましたけれども、これからもぜひいろいろな意味で、ルールの問題とかマナーの問題、あるいは交通安全の問題、そのほかもっともっと長期的な視野に立った自転車交通帯の問題とか取り上げてまいりたいと思っておりますけれども、まずは自動二輪の問題、そこまでちょっと時間がありませんでしたのでできませんでしたけれども、私は今回、決算特別委員会に入りますので、その質疑の中でぜひいろいろとお話しさせていただきたいと思います。 どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 以上で、一般質問は終わりました。
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○議長(桑原公平) 次に、日程第3を議題とします。 〔次長議題朗読〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△第71号議案 新宿区議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例 〔巻末
委員会審査報告書の部参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(桑原公平) なお、
委員会審査報告書はお手元に配付しましたとおり、可決です。 お諮りします。 本案を
委員会審査報告のとおり決定することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(桑原公平) 異議なしと認めます。 本案は、
委員会審査報告のとおり可決されました。
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○議長(桑原公平) 次に、日程第4を議題とします。 〔次長議題朗読〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△諮問第4号
人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について 〔巻末議案の部参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(桑原公平) 提出者の説明を求めます。 〔中山弘子区長登壇〕
◎区長(中山弘子) ただいま上程されました諮問第4号について御説明いたします。 諮問第4号の
人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取についてですが、本案は人権擁護委員法第6条第3項の規定に基づき、
人権擁護委員候補者として佐野榮三郎さんを推薦するものです。 御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○議長(桑原公平) 説明は終わりました。 これから委員会付託を省略し、起立により採決します。 本案を諮問のとおり決定することに賛成の方は御起立願います。 〔賛成者起立〕
○議長(桑原公平) 起立全員と認めます。 本案は、諮問のとおり決定しました。
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○議長(桑原公平) 次に、日程第5から日程第8までを一括議題とします。 〔次長議題朗読〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△認定第1号 平成19年度新宿区
一般会計歳入歳出決算
△認定第2号 平成19年度新宿区
国民健康保険特別会計歳入歳出決算
△認定第3号 平成19年度新宿区
老人保健特別会計歳入歳出決算
△認定第4号 平成19年度新宿区
介護保険特別会計歳入歳出決算 〔巻末決算の部参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(桑原公平) 提出者の説明を求めます。 〔中山弘子区長登壇〕
◎区長(中山弘子) ただいま一括して上程されました認定第1号から認定第4号について御説明いたします。 最初に、認定第1号の平成19年度新宿区
一般会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は1,258億3,887万2,478円となり、これは予算額に対して100.1%の収入率となりました。 なお、4億8,013万8,408円の不納欠損処分をいたしまして、収入未済額は33億4,190万5,562円となりました。 また、歳出決算額は1,182億5,113万7,588円で、これは予算額に対して94.0%の執行率となりました。 翌年度への繰越額を除きました不用額は74億7,552万6,412円です。この結果、歳入歳出差引額は75億8,773万4,890円となりますが、このうち翌年度予算への繰り越すべき財源2,057万6,000円を差し引きますと、実質収支額は75億6,715万8,890円となりました。 次に、認定第2号の平成19年度新宿区
国民健康保険特別会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は319億7,882万6,266円となり、これは予算額に対して95.8%の収入率となりました。 なお、11億6,701万5,288円の不納欠損処分をいたしまして、収入未済額は36億1,299万8,063円となりました。 また、歳出決算額は318億5,794万9,211円で、これは予算額に対して95.5%の執行率で、15億1,424万5,789円が不用額となりました。この結果、歳入歳出差引額は1億2,087万7,055円となりました。 続いて、認定第3号の平成19年度新宿区
老人保健特別会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は205億8,420万9,685円となり、これは予算額に対して94.1%の収入率となりました。収入未済額は146万3,748円です。 また、歳出決算額は205億8,263万883円で、これは予算額に対して94.1%の執行率で、13億84万2,117円が不用額となりました。この結果、歳入歳出差引額は157万8,802円となりました。 最後に、認定第4号の平成19年度新宿区
介護保険特別会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は163億3,991万3,786円となり、これは予算額に対して94.1%の収入率となりました。 なお、4,028万1,638円の不納欠損処分をいたしまして、収入未済額は1億5,352万5,282円となりました。 また、歳出決算額は157億679万4,419円で、これは予算額に対して90.4%の執行率で、16億6,311万3,581円が不用額となりました。この結果、歳入歳出差引額は6億3,311万9,367円となりました。 以上で説明を終わりますが、各会計歳入歳出決算事項別明細書並びに主要施策の成果の概要を説明する書類等をあわせて提出しておりますので、御審議の上、認定いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○議長(桑原公平) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています認定第1号から認定第4号までは、18名の委員で構成し、副委員長を2名とする決算特別委員会を設置し、一括して付託したいと思います。 これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(桑原公平) 異議なしと認めます。 認定第1号から認定第4号までは、18名の委員で構成し、副委員長を2名とする決算特別委員会を設置し、一括して付託することに決定しました。 次に、委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、お手元に配付しました決算特別委員会委員名簿のとおり指名します。
--------------------------------------- 決算特別委員会委員名簿 3番 野もとあきとし 20番 近藤なつ子 4番 吉住はるお 21番 小松政子 6番 おのけん一郎 24番 下村治生 8番 あざみ民栄 27番 根本二郎 10番 赤羽つや子 29番 小野きみ子 12番 佐原たけし 32番 雨宮武彦 13番 吉住健一 34番 とよしま正雄 16番 なす雅之 36番 山田敏行 18番 志田雄一郎 37番 田中のりひで
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○議長(桑原公平) 次に、日程第9から日程第30までを一括議題とします。 〔次長議題朗読〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△第72号議案 新宿区職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例
△第73号議案 新宿区
特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例
△第74号議案 新宿区政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例
△第75号議案 新宿区教育委員会の委員の定数を定める条例
△第76号議案
新宿区立子ども発達センター条例の一部を改正する条例
△第77号議案
新宿区立ことぶき館条例の一部を改正する条例
△第78号議案 新宿区立ふれあいプラザ条例を廃止する条例
△第79号議案
新宿区立シニア活動館条例の一部を改正する条例
△第80号議案
新宿区立地域交流館条例
△第81号議案
新宿区立児童館条例の一部を改正する条例
△第82号議案 新宿区
学童クラブ条例の一部を改正する条例
△第83号議案 新宿区助産の実施又は母子保護の実施に係る
費用徴収条例の一部を改正する条例
△第84号議案 新宿区
ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
△第85号議案
新宿区立保育所条例の一部を改正する条例
△第86号議案 新宿区
保育所保育料徴収条例の一部を改正する条例
△第87号議案 新宿区
国民健康保険条例の一部を改正する条例
△第88号議案 新宿区保健事業の利用に係る使用料等を定める条例の一部を改正する条例
△第89号議案 新宿区感染症の診査に関する協議会条例の一部を改正する条例
△第90号議案
新宿区立住宅管理条例の一部を改正する条例
△第91号議案 新宿区立の小学校、中学校及び
特別支援学校の非常勤の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
△第92号議案
新宿区立子ども園条例の一部を改正する条例
△第93号議案
新宿区立幼稚園条例の一部を改正する条例 〔巻末議案の部参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(桑原公平) 提出者の説明を求めます。 〔中山弘子区長登壇〕
◎区長(中山弘子) ただいま一括して上程されました第72号議案から第93号議案について御説明いたします。 まず、第72号議案の新宿区職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例ですが、本案は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う、関係法律の整備等に関する法律等の施行に伴い、関係条例について所要の改正を行うほか、規定を整備するものです。 次に、第73号議案の新宿区
特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例ですが、本案は地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴い、議員に対する報酬の用語を改めるほか、規定を整備するものです。 次に、第74号議案の新宿区政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴い、規定を整備するものです。 次に、第75号議案の新宿区教育委員会の委員の定数を定める条例ですが、本案は新宿区教育委員会の委員の定数を増加するため、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、その数を定めるものです。 次に、第76号議案の
新宿区立子ども発達センター条例の一部を改正する条例ですが、本案は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の改正の趣旨を踏まえ、同法による支援給付を受けている者が心身障害児等に係る一時保育を利用した場合は、規則で定めるところにより、使用料を免除することができるよう、規定を整備するものです。 次に、第77号議案の
新宿区立ことぶき館条例の一部を改正する条例ですが、本案は新宿区立信濃町ことぶき館及び新宿区立早稲田南町ことぶき館を廃止するものです。 次に、第78号議案の新宿区立ふれあいプラザ条例を廃止する条例ですが、本案は新宿区立ふれあいプラザ条例を廃止するものです。 次に、第79号議案の
新宿区立シニア活動館条例の一部を改正する条例ですが、本案は新宿区立信濃町シニア活動館を新たに設置するとともに、その管理を指定管理者に行わせるものです。 次に、第80号議案の
新宿区立地域交流館条例ですが、本案は地域における高齢者の福祉を推進するために行われる区民相互の交流の拠点とするために、高齢者に係る健康及び福祉の増進を図るため、新宿区立地域交流館を設置するとともに、その管理を指定管理者に行わせるものです。 次に、第81号議案の
新宿区立児童館条例の一部を改正する条例ですが、本案は新宿区立早稲田南町子ども館及び新宿区立西新宿子ども館の名称を改めるとともに、当該施設の管理を指定管理者に行わせるほか、規定を整備するものです。 次に、第82号議案の新宿区
学童クラブ条例の一部を改正する条例ですが、本案は新宿区立四谷第六小学校内において、新たに新宿区学童クラブに関する事業を行うとともに、
新宿区立児童館条例の一部を改正する条例の施行に伴う新宿区立児童館の名称の変更により、早稲田南町学童クラブ及び西新宿学童クラブの実施場所を改めるものです。 次に、第83号議案の新宿区助産の実施又は母子保健の実施に係る
費用徴収条例の一部を改正する条例ですが、本案は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の改正の趣旨を踏まえ、同法による支援給付を受けている世帯に属するものが助産の実施又は母子保護の実施を受けた場合は、その費用を無料とするとともに、税源移譲等に関する税制改正を受け、所得税課税世帯に係る階層区分の調整等を行うほか、地方税法の改正等に伴い、所要の改正を行うものです。 次に、第84号議案の新宿区
ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の改正の趣旨を踏まえ、
ひとり親家庭等の医療費の助成の対象者の範囲を改めるものです。 次に、第85号議案の
新宿区立保育所条例の一部を改正する条例ですが、本案は新宿区立中落合第一保育園の位置を変更するものです。 次に、第86号議案の新宿区
保育所保育料徴収条例の一部を改正する条例ですが、本案は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の改正の趣旨を踏まえ、同法による支援給付を受けている世帯に属する者が保育の実施を受けた場合は、その保育料を無料とするほか、地方税法の改正等に伴い、所要の改正を行うものです。 次に、第87号議案の新宿区
国民健康保険条例の一部を改正する条例ですが、本案は地方税法等の一部を改正する法律の施行による地方税法の改正及び高齢者の医療の確保に関する法律施行令等の一部を改正する政令の施行による国民健康保険法施行令の改正に伴い、規定を整備するものです。 次に、第88号議案の新宿区保健事業の利用に係る使用料等を定める条例の一部を改正する条例ですが、本案は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の改正の趣旨を踏まえ、保健事業の利用に係る使用料等を免除するものの範囲を改めるものです。 次に、第89号議案の新宿区感染症の診査に関する協議会条例の一部を改正する条例ですが、本案は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律の施行による感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の改正に伴い、規定を整備するものです。 次に、第90号議案の
新宿区立住宅管理条例の一部を改正する条例ですが、本案は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の改正の趣旨を踏まえ、区営住宅及び事業住宅を単身で使用することができるものの範囲を改めるものです。 次に、第91号議案の新宿区立の小学校、中学校及び
特別支援学校の非常勤の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令等の施行に伴い、補償基礎額及び介護保障の額を改定するものです。 次に、第92号議案の
新宿区立子ども園条例の一部を改正する条例ですが、本案は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の改正の趣旨を踏まえ、同法による支援給付を受けている世帯に属するものが保育の実施を受けた場合は、その保育料を無料とするとともに、保育の実施に関する事業については、保育所保育指針による旨を規定するほか、地方税法の改正等に伴い、所要の改正を行うものです。 次に、第93号議案の
新宿区立幼稚園条例の一部を改正する条例ですが、本案は幼稚園教育要領が公示されたことに伴い、規定を整備するものです。 以上、御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○議長(桑原公平) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています第72号議案から第93号議案までは、お手元に配付しました議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。 〔巻末議案付託表の部参照〕 なお、第72号議案につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、あらかじめ特別区人事委員会の意見を聴取したところ、異議がないとの回答を得ておりますので、報告します。
--------------------------------------- 20特人委給第296号 平成20年9月12日 新宿区議会議長 桑原公平様 特別区人事委員会委員長 西野善雄 「職員に関する条例」に対する意見聴取について(回答) 平成20年9月9日付20新議議第122号で意見聴取のあった下記条例案については、下記のとおり回答します。 記 1 第72号議案 新宿区職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例 本条例中、職員に関する部分については、異議ありません。
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○議長(桑原公平) 次に、日程第31から日程第34までを一括議題とします。 〔次長議題朗読〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△第94号議案 防災服等の買入れについて
△第95号議案 権利の放棄について
△第96号議案 特別区道の路線の廃止及び認定について
△第97号議案 公の施設の指定管理者の指定について 〔巻末議案の部参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(桑原公平) 提出者の説明を求めます。 〔中山弘子区長登壇〕
◎区長(中山弘子) ただいま一括して上程されました第94号議案から第97号議案について御説明いたします。 まず、第94号議案の防災服等の買入れについてですが、本案は職員に貸与するため、防災服等を買い入れるものです。 次に、第95号議案の権利の放棄についてですが、本案は遺贈により生じた権利を放棄するものです。 次に、第96号議案の特別区道の路線の廃止及び認定についてですが、本案は新宿区下落合一丁目地内の特別区道の路線を廃止し、及び認定するものです。 次に、第97号議案の公の施設の指定管理者の指定についてですか、本案は新宿区立区民ホールの指定管理者の指定を行うものです。 以上、御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○議長(桑原公平) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています第94号議案から第97号議案までは、お手元に配付しました議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。
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○議長(桑原公平) 次に、日程第35から日程第37までを一括議題とします。 〔次長議題朗読〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△第68号議案 平成20年度新宿区
一般会計補正予算(第2号)
△第69号議案 平成20年度新宿区
国民健康保険特別会計補正予算(第1号)
△第70号議案 平成20年度新宿区
介護保険特別会計補正予算(第1号) 〔巻末予算案の部参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(桑原公平) 提出者の説明を求めます。 〔中山弘子区長登壇〕
◎区長(中山弘子) ただいま一括して上程されました第68号議案から第70号議案について御説明いたします。 まず、第68号議案 平成20年度新宿区
一般会計補正予算(第2号)についてですが、今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ30億5,026万円です。 歳出予算から述べますと、地域文化費においては、中強羅区民保養所及び区民健康村の管理運営に要する経費等2,578万3,000円を計上するものです。 産業経済費においては、国庫支出金の収入超過に伴う返納金1万9,000円を計上するものです。 福祉費においては、介護保険特別会計繰出金49万7,000円を減額し、社会福祉施設等緊急助成及び国・都支出金の収入超過に伴う返納金に要する経費等1億268万5,000円を計上するものです。 子ども家庭費においては、国・都支出金の収入超過に伴う返納金及び児童館指定管理者の選定に要する経費935万3,000円を計上するものです。 健康費においては、国民健康保険特別会計繰出金及び国・都支出金の収入超過に伴う返納金等6,895万円を計上するものです。 教育費においては、教育委員会委員の報酬、費用弁償及び区外学習施設の管理運営に要する経費等1,461万8,000円を計上するものです。 諸支出金においては、財政調整基金積立金及び社会資本等整備基金積立金28億2,934万9,000円を計上するものです。 なお、総務費においては、財産収入に伴う区有財産の管理に要する経費の財源更正を行うものです。これらの財源としては、都支出金、財産収入、寄附金及び繰越金を充当するものです。これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額はそれぞれ1,240億4,939万2,000円となります。 次に、第69号議案 平成20年度新宿区
国民健康保険特別会計補正予算(第1号)について御説明いたします。 今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ5,752万4,000円です。補正の内容は、後期高齢者支援金等において後期高齢者関係事務費拠出金77万7,000円を減額し、後期高齢者支援金3,089万9,000円を計上するものです。前期高齢者納付金等においては、前期高齢者関係事務費拠出金82万8,000円を減額し、前期高齢者納付金202万円を計上するものです。 諸支出金においては、療養給付費等交付金の収入超過に伴う返納金2,621万円を計上するものです。 また、保険給付費においては、前期高齢者交付金の減に伴う一般被保険者療養給付費の財源更正もあわせて行うものです。これらの財源としては、前期高齢者交付金を減額し、国庫支出金、繰入金及び繰越金等を充当するものです。これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額は、それぞれ334億6万8,000円となります。 次に、第70号議案 平成20年度新宿区
介護保険特別会計補正予算(第1号)について御説明いたします。 今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ6億2,358万6,000円です。補正の内容は、介護給付費準備基金積立金を4億1,467万3,000円、第1号被保険者保険料の過誤納還付金及び国庫支出金支払基金交付金及び都支出金の収入超過に伴う返納金2億891万3,000円を計上するものです。 なお、平成19年度決算剰余金充当額の確定に伴い、総務費において関係経費の財源更正もあわせて行うものです。財源としては、繰入金を減額し、繰越金を充当するものです。これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額は、それぞれ180億20万8,000円となります。 以上、御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○議長(桑原公平) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています第68号議案から第70号議案までは、お手元に配付しました議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。 〔巻末議案付託表の
部参照〕---------------------------------------
○議長(桑原公平) 次に、日程第38を議題とします。 〔次長議題朗読〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△
議員提出議案第9号 新宿区
インフルエンザ予防接種の実施に関する条例 〔巻末議案の部参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(桑原公平) 提出者の説明を求めます。 32番。 〔32番 雨宮武彦議員登壇、拍手〕
◆32番(雨宮武彦) ただいま上程されました
議員提出議案第9号 新宿区
インフルエンザ予防接種の実施に関する条例について、提出者を代表して御説明いたします。 この条例は、日本共産党新宿区議会議員団所属の6名が提出者となり、日本共産党区議会議員団所属の2名の議員が賛同者となり、事実上8名で提案するものです。 現在、新宿区では、予防接種法第3条第1項に基づき、
インフルエンザ予防接種実施要領を定めて実施しており、対象者及び一部負担費用は次のようになっています。 第1に65歳以上の方2,200円、第2に60歳以上65歳未満の方であって、心臓等に重度の障害を有する方が2,200円、また、そのうち区内の特別養護老人ホーム、介護老人保健施設に入所し、この施設で接種を行う方については、新宿区独自の施策として1,200円で実施しています。なお、生活保護の方は無料です。 今回提出している条例は、これらの方々に対し、新宿区が一部負担分を助成することで、事実上無料にするためのものです。既に東京23区の中では、千代田区、港区は65歳以上が2007年度より無料、台東区は2007年度より65歳以上非課税世帯が無料、渋谷区は2006年度より65歳以上非課税世帯は無料で、今年度からは75歳以上の課税の方も含めて全員が無料に拡大し、北区も今年度より75歳以上無料となっています。 新宿区の65歳以上の高齢者の接種率は、昨年度48.7%です。千代田区では無料にしたことにより48.1%が54.6%に、港区では44.3%が52.5%に接種率が上がっています。 今回の条例を提案するに当たり、地域の内科医の先生に御意見を伺ったところ、「
インフルエンザ予防接種を無料にして、接種率を高めることは大変よいことです。高齢者は、インフルエンザにかかると、高い熱が出て肺炎を起こしやすく、命にもかかわります。ぜひ実現してください」とのことでした。元気に安心して暮らすためにも必要な施策ではないでしょうか。 今、高齢者の方々は、老年者控除が廃止され、公的年金控除が削減され、介護保険料が値上げされ、医療費の負担が上がり、75歳以上の方は後期高齢者医療制度でまた負担がふえ、生活はますます厳しくなっています。せめて、
インフルエンザ予防接種を無料にすることにより、接種率を向上させ、インフルエンザの感染と重症化を防ぎ、健康を保ち安心して暮らせるようにすべきではないでしょうか。 以下、具体的に説明いたします。 第1条は、この条例が予防接種法第3条第1項に基づく趣旨を定めています。 第2条は、対象者への記録票の送付を定めています。 第3条は、実施の方法と費用負担を定めています。 第4条は、規則への委任を定めています。 附則として、この条例は平成21年4月1日から施行するものです。 提案理由として、高齢者の皆さんの
インフルエンザ予防接種を無料にすることにより、接種率を高め、インフルエンザの感染と重症化の防止を図り、高齢者の福祉増進を図るためであります。 何とぞ御審議の上、御賛同賜りますようお願いいたします。 どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(桑原公平) 説明は終わりました。 ただいま議題となっています
議員提出議案第9号は、お手元に配付しました議案付託表のとおり、福祉健康委員会に付託します。
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○議長(桑原公平) 以上で本日の日程は終わりました。 次の会議は10月10日午後2時に開きます。ここに御出席の皆様には改めて通知しませんので、御了承願います。 本日はこれで散会します。
△散会 午後7時55分 議長 桑原公平 議員
中村しんいち 議員 くまがい澄子...