港区議会 2024-02-22
令和6年2月22日建設常任委員会−02月22日
令和6年2月22日
建設常任委員会−02月22日令和6年2月22日
建設常任委員会
建設常任委員会記録(令和6年第6号)
日 時 令和6年2月22日(木) 午後1時00分開会
場 所 第2
委員会室
〇
出席委員(9名)
委 員 長 うかい 雅 彦
副委員長 石 渡 ゆきこ
委 員 三 田 あきら 兵 藤 ゆうこ
なかね 大 根 本 ゆ う
玉 木 まこと 二 島 豊 司
風 見 利 男
〇
欠席委員
な し
〇
出席説明員
副区長 野 澤 靖 弘
芝地区総合支所長・
街づくり事業担当部長兼務 岩 崎 雄 一
麻布地区総合支所長・
街づくり支援部長兼務 冨 田 慎 二
高輪地区総合支所まちづくり課長 小 林 秀 典
都市計画課長 野 口 孝 彦
住宅課長 吉 田 誠
建築課長 松 山 正 樹
土木課長 海老原 輔
土木管理課長 香 月 佑 介
開発指導課長 増 田 裕 士
再
開発担当課長 池 端 隼 人 品川駅
周辺街づくり担当課長 冨 永 純
地域交通課長 佐 藤 雅 紀
〇会議に付した事件
1
審議事項
(1) 請 願6第5号 白金2丁目旧服部邸をめぐる保存に関する請願
(6.2.16付託)
(2) 発 案5第7号
街づくり行政の調査について
(5.5.30付託)
午後 1時00分 開会
○委員長(
うかい雅彦君) ただいまから、
建設常任委員会を開会いたします。
本日の
署名委員は、石渡副委員長、なかね委員にお願いいたします。
日程に入ります前に、本日の運営について御相談させていただきます。
2月20日火曜日の委員会でお伝えしたとおり、新規で付託されました
審議事項(1)の請願につきまして、請願者から
趣旨説明の申出がありました。そこで、まず請願の
趣旨説明をお受けしてから、
審議事項(1)の
請願審査を行いたいと思います。
このような進め方でよろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(
うかい雅彦君) 傍聴者から、撮影・録音の申出がありました。これを許可したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(
うかい雅彦君) それでは、そのように進めさせていただきます。
なお、
審議事項(1)の請願につきまして、請願者より
追加資料の提出がありました。皆様にお配りしておりますので、御確認ください。
──────────────────────────────────
○委員長(
うかい雅彦君) それでは、初めに、
審議事項(1)「請願6第5号 白金2丁目旧服部邸をめぐる保存に関する請願」の
趣旨説明を受けたいと思います。なお、本請願については、
議長宛てに40名の
追加署名がありましたので、御報告いたします。
請願者の方がお見えになっております。前にお越しください。今日は、お足元の悪い中、ありがとうございます。
それでは、請願文を書記に朗読させます。
(
書記朗読)
──────────────────────────────────
○委員長(
うかい雅彦君) 朗読は終わりました。それでは、請願の
趣旨説明を簡潔にお願いいたします。
○請願者(
横地明宏君) ありがとうございます。今、御紹介に預かりました横地でございます。今のお話と少しダブってしまうかもしれませんが、お手元に配付をさせていただきました
補足説明書に従って少しお時間を拝借させていただきたいと思います。
この間、いろいろな方からいろいろな御意見をお聞きする中で、少し追加して御説明をさせていただいた方がいいのかなということで、今回、お話をさせていただきたいと思います。
本当に今回の
署名活動では大変多くの方たちから御意見をもらいましたので、本日は、この場で皆様にもやはりそれをお伝えしていきたいなと思っています。
少し遡るのですが、2015年から2017年頃までに、白金二丁目には27階建ての大きな
高層マンションが建ちました。その際に、いろいろと
区議会議員の方、それからいろいろな方々に
まちづくりという視点から御協力をいただいて、現在では、今日たまたまお話に出ます
通称暗闇坂と言うのですけれども、狭い坂になっているところが隣接している土地が今回の旧服部邸ということに相なります。ここでの
生活道路を含むようなその狭い道が、今、実現していただいていることが、白金二丁目、白金四丁目、白金台四丁目の住民の方々に、安全で車の少ない状況をつくり出していただいたというふうなことで、
大変感謝をしております。
さて、先に港区と
株式会社大京宛ての要望書に対して、600名の署名が集まっていると聞いております。私たちは、その署名を100%支持しつつ、その上にプラスアルファして、今回、請願をかけさせていただいたということで、大変慌ただしい中での作業でしたが、1週間で300名の署名をいただくことができ、関心の高さというものが伺えるということを実感いたしました。
なお、2019年には、
オリックス株式会社が
株式会社大京を100%子会社化しているというふうな事実に基づきまして、今回この紙では「
オリックス大京」というふうな呼び名で呼ばせていただきたいと思います。
このように近隣からの乱開発とも呼べるような
マンション計画はもちろん論外であるのですけれども、樹木に囲まれ、旧服部邸を取り囲む住環境は、どうなるのだろうかと。建物は存続されるのだろうか、しないのか、地域の歴史から消されてしまうのかというふうな、当然とも言える疑問の声が私のところに寄せられてまいりました。
署名活動をする中で強くそのことを皆さんが意識しておられるということを感じたわけであります。
ここで2つの点について、お話を絞ってさせていただきたいと思います。AとBと分けてあります。
住民の多くは、ここは
大変問題点だと思うのですけれども、今年の正月まで、いや、現在、
近隣住民も含めて、前の持ち主でありました
シンガポールのCDLの
開発イメージは大変強く残っております。というのは、そのときにいろいろな活動をして、こんなものになるよというふうなものを住民で話し合った経緯があるからです。
そのところに、今回、
オリックス大京が土地を取得されたことで、旧服部邸の緑地の確保も厳しい状況にあるということを初めて知ることとなり、住民の戸惑いというものは大変大きく、落胆が大きいというふうな状況にあります。
ここに書いてある資料1は、旧服部邸を空写したものの写真を皆さんにお見せし、それを共有しながらお話をしたいと思っていましたが、少し事前の準備が足りずに、お見せすることが、使うことができません。後ほど言葉でお話をしたいと思います。
皆様が落胆をしているというのは、資料2に表れている
公開請求で開示をいただいた資料の中から読み取ることができるということで、後ほど御説明いたします。
2つのうちの1つ、初めに、旧服部邸をめぐる保存に関することについてです。
ここのところは少しダブりますが、大事なところなので、もう一度申し述べます。請願の趣旨に詳しく述べたとおり、こちらは昭和8年の建築物で、港区には大規模な洋館と庭園とともに残されたものとしての旧朝香宮邸、綱町
三井倶楽部、
三菱開東閣があり、この旧服部邸は、これらに勝るとも劣らない戦前期の重文化を今に残す貴重な
文化遺産です。GHQの占領期には連合軍の接収を受け、米兵による警備が続けられた重要な場所でもあったと言われています。日本の戦後史を語る上でも
歴史的舞台となった貴重な
文化遺産です。この歴史的な建物と庭園を有する住環境の特性を生かしつつ後世に残す手だてを、至急この議会の場で御検討いただきたい、そのように思っております。これは
近隣住民のみならず、区民並びに都民からの請願であると私たちは考えています。
旧服部邸と、この5,000坪に及ぶ膨大な、非常に大きな100年を超えるような巨木があるわけですけれども、そのようなものが、この風景、100年の歩みの重みをつくり出す風景をつくっております。皆さんも多分御覧になったと思いますけれども、空から見るものは、ぽっかりと真ん中にこの建築物があって、それを取り囲む芝生のエリアがあって、その周りに森林がそれを取り囲むと、その森林は、いわゆる境界線、道路、あるいは隣の住宅、そういうところに近接する形でこの森が保存されている、そういう庭園のつくり方であります。
このような写真等から見て、歴史的であり、文化的な価値があることは十分伺うことができるのですけれども、残念なことに、なぜか情報が足りない、旧服部邸が公開されなかったためだと思いますけれども、建物自体、そして内部の
保存状況が皆目分からないそうであります。これらの事実経緯は、住民も区民も知りたいところなのですが、まずは歴史的な建物と言われる旧服部邸が文化財としての価値を持っているのかどうかを、
オリックス大京の御理解と御協力の下で専門家による調査の評価が行われることが先決であると思います。
このように中身がよく分からないという不透明な状況の中なのですけれども、請願で求めている巨樹と一体となった建物の
保存内容は、したがって、現時点では茫洋としたものとなっており、公的な調査と評価があって初めて現実的な
保存内容も明らかになるものと考えています。
この調査が進む前に考えることとしては、その選択肢はとても幅があり、幾つもの計画を想定することが可能だと思います。すぐに思いつくものとしては、例えば、旧服部邸の一部を敷地内に残す。それが1つ目。2つ目の案としては、一部の建物を切り取って、ゆかしの杜への移設を考える。3つ目として、
生活道路と遊歩道を拡幅して、その巨樹を取り込むような形で、そこに、ある種のモニュメントを配するということも考えられる。4つ目としては、仮に評価の結果が文化財としての価値を持っていないというふうなことになる可能性もあります。そのような場合でも、
近隣住民が大切だとしているこの樹木、あるいは緑地の保全を極力施行するというふうなこともありましょうし、5つ目ですけれども、単に映像、写真、史実の資料を整備するということもありましょう。要するに、いろいろなことは考えられるわけですけれども、まずはこの調査、そして、その価値をはかるということが先決ではないかと訴えたいと思います。
前の請願の中で公園化という表現を使っておるのですけれども、これは、今申し上げたように、いろいろな場面でもいろいろなことが、緑地であったり、公園であったり、何かそういうふうなものを一言で表そうとしたための言葉遣いでありまして、決して遊園地の
イメージが住民の中にあるというふうなことではありませんので、そこのところはしっかりと申し添えさせていただきたいと思っております。
特徴ある地域の文化と
森林遺産を後世に伝えていくために、総合的、包括的に民意をまとめ、長く記憶にとどめる
保存内容にしてもらいたいと願っています。
100年の重みある風景は、一度壊れてしまうと、本当に元に戻らない。木をいくら植えても、それは全く違うフェーズのものになってしまうということは、多分皆様も経験なさっているかと思いますので、その点を十分に考えていただければなと思います。
次の2つ目の視点です。それは、住環境の保全面の視点から考える絶対高さ制限の緩和の特例の適用は行ってはならないということについてです。
私、建築に関しては全くの素人でございますので、内容が間違っていたら御指摘をしていただきたいと思います。
資料2を見ていただきたいと思うのですけれども、この資料2は、空撮をした周辺を緑で囲まれたものの、周辺の緑をすっぽりと潰すような形で、現在の道路並びに
近接住宅に隣接する広大な設計図になっています。この図面を見たのは、ごくごく最近の話でありまして、私を含めて住民はおったまげたというふうなことでありますが、この図は、住民に緊張を強いる
乱開発そのものの内容ではないか。今まで
シンガポールの話をさせていただきましたけれども、住民の
イメージとは大変かけ離れたもので驚いているというふうなことであります。
これによりますと、地下から9階まで、9階はペントハウスです。それまでの高さですから、そういうものが、斜線でやるのですか、こういうふうに。そういうような形のものがドーンと、しかも、現在ある敷地、建物などは無視しているわけですけれども、その中にドーンと鎮座するというふうな設計が読み取れます。
すなわち、もしこれを
オリックス大京が考えておられるということであれば、これは、あそこにある樹木をほとんど切り取らないと、特に、住居に、あるいは道路に面している皆さんがよく見る風景の中の巨樹、森林はなくなってしまうということに、大変憤りを感じているということを言わざるを得ません。
これは、私どもが最近手に入れたと申し上げましたけれども、実は、昨年の2月にもう作成されている計画でありまして、
オリックス大京が「
ボリュームチェック」という言葉を使っていましたけれども、そのために検討したものだということです。当然のことながら、
ボリュームチェックというのは、採算性を取るためにどのような大きなものを造ればいいか、あるいはどれだったら採算ができるかということを検討するための重要な材料だと思っておりますので、そういう意味では、
大変危機感を抱いておりますし、これによれば、第一段階の緩和、絶対高さ、ここは22メートルです。そのところの1.3倍であります28.6メートルが、この計画の中に既に採用されております。現在は、
設計コンペを発注している段階で、
オリックス大京の説明によれば、3月までには住民に示したいというふうな時間軸で事が進んでいるようでありますので、残された時間は多くはない。私たちは、二丁目にある
タワーマンションのときに経験いたしましたけれども、住民の前に設計図が示されるときには、もう既に全部決まっているという苦々しい経験をしたことから言うと、そのように言わざるを得ないと思います。
港区は、
地域特性に応じた住居機能の配置を高さ条例の柱に掲げており、現状の優良な景観を維持し保存することを奨励しています。今回のような建物を取り巻く高木や樹林帯の環境を伐採することが前提となるような
建設計画は、港区の高さルールに特例を与える条件に該当しないと私たちは考えていますし、特例されてはならないと、してはならないと思います。
いずれにいたしましても、歴史的、文化的な旧服部邸の取扱いの調査と評価の後に、最初に示した5項目のうちの、いろいろな選択肢の計画に即して、多分、
住宅環境の想定に向けて検討していく、そういった
ステップ・バイ・
ステップが踏まれるべきものであると考えておりますので、よろしくお願いいたします。
本日のお願いは2つでありました。1つ目は、専門家による
文化財調査と評価を行い、価値ある建築物であるかどうかを見極めていただき、この1から5の例で示していただいたような具体的な結果を区民に公表してください。港区として、ぜひともめり張りある魅力的な街並みの形成を構想するような機会にしていただきたいと切に願うわけです。
2つ目としましては、
マンション建設を進めるに当たっては、乱開発は行わず、22メートルの高さルールをしっかりと守り、緑の住環境を保全することを目標にしていただきたいと思っています。
近隣住民と
オリックス大京及び港区の3者が一堂に参加できる景観協議の場をつくり、
開発計画を策定できるように、港区としては御指導いただけるよう、厚くお願いを申し上げるところであります。
さらにもう一つだけ申し上げますと、
近隣住民からは、敷地内の見学を要望する声が大変強いです。したがって、港区としては、その実現のために
近隣住民と
オリックス大京が協議できるように、事業者に要請を図っていただく。そして、緑を守る条例にもう一度立ち返って、一歩一歩この計画を進めていただきたいし、さらには、後世に残るようなものとして、地図上に残る立派な仕事をしていただきたいと切に願います。
以上であります。長くなってすみません。
○委員長(
うかい雅彦君) ありがとうございました。
それでは、請願者の方に御質問等ございましたら、順次発言をお願いいたします。
○委員(
二島豊司君) 二島でございます。御無沙汰しております。
今日は、いろいろとお話をお伺いして、これから請願についての審査をさせていただく場なのですけれども、今、御説明の中で、高さ制限の特例について云々とか、そういったことの御発言もあったかと思うのですが、我々、当初いただいた請願書、請願文に基づいて、これまでも様々確認をしてきたり、事前の調査をしてきておりますので、あくまでも今回この場は、当初いただいております公園化が実現できれば望ましい、それを実現する方向ということに関する請願の御趣旨という受け止めで議論をさせていただくことになろうかと思いますので、それは御承知おきいただきたいと思っております。
その上で、私も、あの近隣で、比較的、そんなに頻繁には行かないのですけれども、白金界隈、どちらかというと動いていることが多いのですが、この間も委員会で視察を行い、視察というか、現地の確認を行ったのですが、壁、塀に覆われていて、広大な敷地、地図で見ると非常に広大なのですけれども、1面については公道に面していなくて、三光坂と、先ほど暗闇坂と、もう1本、そこをどこを通っても、なかなか中をうかがい知ることができない。少し無理をして見ると、中に建物があるなということは分かるのですが、請願者の方御自身が中に入られたりなさったということはあるのですか。
○請願者(
横地明宏君) 残念ながら一度もありませんし、私が知っている方たちにお聞きしても、そういう方はおられません。したがって、いろいろな書類等から、あるいは、うわさから、そういった歴史的な建造物があるということだけは分かっているのだけれども、果たして文化的な財産として価値があるものと認められるのかどうか、中身がそうなっているのかどうかということについては、やはり専門家がきちんと評価をして、イエス・オア・ノー、あるいはその真ん中みたいなことを調べることが、私は
オリックス大京にとってもプラスのことであるし、また、今まで100年付き合ってきた住民に対する義務というふうなものだろうと思っています。
先ほどのお話の中で公園というお話が出たのですけれども、今回の文章の中では、私たちが
イメージしているものは、あまりにもいろいろな種類があって、それを一言で公園というふうな呼び方をしたのですよということは付け加えておりますので、そこのところは、元の請願からプラスアルファして考えていただけると助かります。よろしくお願いいたします。
○委員(
二島豊司君) 分かりました。そうしましたら、私の感覚で申し上げますと、公園ということで、あの一帯が今ある壁が取り除かれて、誰でも自由に出入りができる広々とした空間として開放がなされるという
イメージを持ちまして公園ということで。最初にお伺いしたのは、実は、私ももちろんですし、中に入られたことがあるという方を直接にはいまだに私、知らずにおりまして、もう何十年間、言ってみれば、壁に閉ざされた不思議な一帯という
イメージで、周りの方も、今、お話をなさったみたいに、そういういわれのある建物が建っているとか、そういったことは聞くのですけれども、それを直に見たりとか、中に出入りしたということはなくて、これまでも私の
イメージしていたような公園のように、例えば年に数回はそこを開放して、地域の方がそこで中を見たり、そこの広場的な部分があるのであれば、そういったところを公園のようにお使いになったりという話を聞いたこともなかったので、私がこの請願を見たときの
イメージは、そういう活用が求められているのではないかと思ったところであります。
これまで、今回、
オリックス大京とおっしゃっていました。
株式会社大京が取得をされてということなのですけれども、その前に、
シンガポールの法人が取得をしたと、週刊誌で私も、「フライデー」とか「
週刊ポスト」、「
週刊現代」、ああいうものだったか、見たことがありまして、その前は、服部さんの
服部セイコー、それに関連する企業だと思うのですけれども、個人なのか、
資産管理会社なのか、
服部セイコーの本社なのか分からないのですが、これまでの持ち主の方たちに対して、過去も、これと同様の申入れとか御要請は、してきたことはおありなのですか。
○請願者(
横地明宏君) 私、個人的に服部さんとお付き合いがないので、そういうふうな
アプローチをした経緯はございません。ただ、服部さんが
シンガポールに土地を売ったときに、皆様も御承知かと思いますけれども、はっきりと、その建物並びに緑地を保全するようにと、具体的なことは書いていないのですが、とにかく大事なものだから、大事に扱ってくれよというふうなことがありました。その際に、住民としても、かなりの検討を加えました。中身は見られないながらも、そういう建物が残り、緑をどうやって残しながら
マンション建設ができるのかというふうなことを、種々、専門家を入れて検討し、また、私はそのとき参加しておりませんけれども、港区にも御相談に行った経緯があると聞いています。
そのように、ずっと、それは2014年とか、15年とか、多分その頃ですので、そのことも含めて、たくさんの方が、あの建物に関心を持ち、どうにかしたいと思っていたわけですけれども、残念ながら、服部さんから、内部を見せていただくという機会には恵まれなかった。ですから、今回も持ち主が変わったというふうなことに際して、ぜひとも住民はみんな気にしているし、その実態を知りたいと思っておりますので、そのような機会をこの場をかりてお願いをしたというふうな経緯であります。
○委員(
二島豊司君) なるほど、分かりました。
今のお話ですと、ここに書かれている内容だと、恐らく服部邸のあそこのところは、戦前ぐらいからああいった、あそこにああいう広大な敷地であって、その当時、塀があったかどうかは分かりませんけれども、建物も、当然、その頃からあったということで、いわゆる服部邸と呼ばれていて、服部さんのものだというときは、特段、地域的なそこに対する
アプローチというのはなかったけれども、今から10年ほど前に、報道、
週刊誌等で、
シンガポールに拠点を持つ
投資会社が、服部家、それに類する会社から取得をしたというニュースが出た後、そういった活動というか、中を見せてくれとか、建物を調べてくれとか、そういった活動が始まっているということですか。
○請願者(
横地明宏君) そうです。
○委員(
二島豊司君) はい、分かりました。結構です。
○請願者(
横地明宏君) よろしいですか。
○委員長(
うかい雅彦君) どうぞ。
○請願者(
横地明宏君) 一言だけ付け加えさせていただきますと、この間に、
シンガポールの会社も、やはり港区にはいろいろな形で接触をするとか、あるいは、港区としても、いろいろな形で、服部さんを含めて、そういった内部を見て評価をしたいというふうなことを
アプローチをなさってきたというふうな歴史はあるようでありました。それはうわさでしかありませんけれども、いろいろな方から、そういうことをお聞きするということは、多分そのような事実があったのだろうというふうな理解はしておりますので。
私たちの公園化というのは、今、二島委員が言われたような、壁を取っ払って全部公園というふうな
イメージをしている方は誰もおりませんで、先ほど申し上げましたような幾つかの選択肢の中で、多分、時間が来れば門は閉められるしというふうな管理の仕方だし、そもそもそれだけ大きなものを、
マンション建設との兼ね合いで言えば、実現できるのかということについても、皆さん、いろいろな御意見をお持ちであることも確かですので、100%からゼロ%のどこかに落ちるのだろうけれども、現実がもともと明らかにすべきものがはっきりしていませんと。それは、今回で言えば、
オリックス大京の多大な協力の下に、そういったことを今までの港区の経緯からいって、協力関係を築いて、ぜひとも住民に対して、そういった調査と評価の結果を示すというふうな物件ではないかと強く考えます。
○委員(玉木まこと君) 本日は、お足元の悪い中、ありがとうございます。
二島委員から詳細にいろいろな質疑がありましたけれども、1点、私が確認したいなと思いましたのは、補足資料にありますような「
シンガポールのCDLの
開発イメージが強く残っており」ということで、すみません、この辺の
開発イメージというところが、先ほど触れていた、例えば敷地や、建物や緑地を大事だから服部さんが残してほしいという意向があったとか、そういうことを念頭に
開発イメージというふうな言葉を使っているのかどうか、確認をさせてください。
○請願者(
横地明宏君) 1つ訂正をしないといかんと思います。あたかも
シンガポールのCDLが、そういう開発概念といいますか、そういったものをどこかで示していて、それに基づいて私たち住民がいろいろと検討したというふうな前後関係はありません。そうではなくて、
シンガポールのCDLと、それから服部さんの代表者と、それから町会長と私とで、そこの土地が売られたときに、会議を持つ、話合いが持たれています。その話合いの中で、しっかりと条件という、要するに、建物を残し、緑を残すということが引き継がれていきますよということを、その会議の場で話をもらっています。もらっておりますので、私たちは、その時点では、彼らも、どういうものを建てるかはノーアイデアであったのだけれども、私たち住民として、そういうお話をベースにして、どういうふうな形の開発が考えられるのか。すなわち、環境に優しくて、しかも、その建物の全部なり一部なりが残されるということを前提として計画を考えてみたら、「専門家さんよ、どういうふうなものになるのですか」というふうなことを一生懸命考えた。その中で一番浮かび上がってきたものは、周りに面しているところ、住宅にも面しています、道路にも面しているわけですけれども、道路に面しているところは、先ほど言った暗闇坂というふうなお話をしましたけれども、ああいう狭い道路でいいのだよね、それで歩道、遊歩道というものをドーンと広げて、例えば、港区がドーンと広げて、そのドーンと広げることによって、今、一番残っている樹林帯、あるいは巨樹といったものが、そこの遊歩道の中に入ってくるような設計をしていけば、
生活道路としての価値も上がるし、それから住民にとってもプラスになるし、そして、開発側としても、それだけの対価を全部持たなくてもいいというふうなこと等を含めて、こういうものがいいのではないかということを種々案を立てた。そして、それについては、港区にも一部アイデアを相談に行ったし、あのときには、東京都はどうだったか、私、忘れてしまいましたが、そのような
生活道路プラス遊歩道並びに樹木の利用というふうなことに、担当者から共感を得たというふうなことも聞いております。こういった経緯がございます。
○委員(玉木まこと君) 開発の
イメージは、具体的には
シンガポールからは示されていないということで承知いたしました。
もう1点、請願の補足の中に、港区長と
株式会社大京宛てに要望書を出されたということなのですけれども、要望書なので、特にそれに対して何か回答があったかどうかということが、もし分かれば教えてください。
○請願者(
横地明宏君) これは町会長にお聞きしたお話でありまして、私が直接聞いたものではありませんけれども、御挨拶に行って、それから、港区議会の議長にも御挨拶に行って、東京都議会にも行って、この環境が守られるようにと御努力をしていただいたということは聞いております。
その中で、
オリックス大京が別の場所で私たちにお話をしたスケジュール感、これは同じように、そういうものがどういう形でどうなるかというのは細かく分かりませんけれども、示されていくような段階に入っているというふうな話を伺っていますので、大体その辺の状況は同じなのかなと思っております。
この間、空中から写真を撮るというふうなものが、プライバシーの侵害、あるいは防災上問題ありということで、
株式会社大京に来ていただいてお話を伺いました。写真を見せてもらいました。そのようなお話合いを通して、幾つか先方がお話をされていた内容は、先ほどここに書かせていただいたようなスケジュール感というふうなことで合致いたしますので、多分、そのような要望書に対する動きをしているのだろうと思います。
○委員(玉木まこと君) 分かりました。我が会派のほうでも、請願の当初いただいていたもの、内容というところ、これはやはり「公園化」という文言がございまして、そこを会派の中でも議論を重ねてまいりました。なので、補足の説明の中だと、若干当初の請願と広がっている部分もあるのかなと思いまして、その辺については、会派7人の合意というところもありますので、我が会派としても、この当初の請願が基本的な趣旨と理解はしておりますので、その点については、すみません、初めにお伝えさせていただきます。よろしくお願いします。
○委員(風見利男君) この今日、頂いた資料2の平面図ですけれども、これは説明の中では、
株式会社大京が、どのぐらいのボリュームが使えるかということでやった資料だというのですけれども、これは
近隣住民には示されている資料ということでよろしいですか。
○請願者(
横地明宏君) これは示されておりません。ごく一部の
近隣住民並びに町会長だけが見ているもので、要は、こういうふうになっているというふうなことが
オリックス大京から示されておりませんので、皆さんの知るところにはなっておりません。それゆえに、皆さんは、昔の
イメージで物事を考えているので、とても落差が大きいというお話をさせていただきました。
○委員(風見利男君) 請願代表者の方には、
株式会社大京がこの書類を持ってきて、一応ボリュームはこのようになるのですよということで示されたということでよろしいのですか。
○請願者(
横地明宏君) そうではございません。これは
近隣住民の会が東京都に資料の開示要求をする中で開示された。すなわち、去年の8月に東京都に対して、自然地の適用から除外されるというふうな確認を行った書類がございます。それは8月、2週間後に東京都で該当しないと、自然地ではないというふうなことをもって裁断が下されたわけですけれども、その後、会の方が東京都に対して開示請求をして、その後、時間がかかって、やっと手に入れたというふうな資料でございます。一連の資料があります。
○委員(風見利男君) ということは、公文書ということですよね。
○請願者(
横地明宏君) そのとおりです。
○委員(風見利男君) ありがとうございます。非常に大事な点だと思うのですけれども。
それともう1点、去年、
株式会社大京が土地を取得されて、ここに新たな開発をしたいということで、近隣の皆さんのところにお知らせがいったようですけれども、これはチラシか何かを個々のお宅にお配りになったのか。あるいは、
株式会社大京の方が1軒1軒訪ねて、これこれこうですよと説明されたのか、その辺はいかがですか。
○請願者(
横地明宏君) 私ども、そういうものが配られていることは知りませんでした。なぜ知らなかったかといいますと、マンションの場合には、管理人に、この書類1枚を渡して、そこで管理人は、特にどうこうということではなくてしまい込んだ。なぜならば、そこには、後日、説明に上がりますからという言葉が書いてあるので、今は単に私たちが土地を取得しましたという連絡のみであるという理解の下にそういう処理の仕方をしたと言っております。
したがって、住民の人も、マンションの住民の人も知らないまま時が過ぎ、今度の説明会、いつになるのか分かりませんけれども、そのときまでは知らないままで置かれるというふうな状況に、各マンションごと同じような扱いになっていると思います。
さらに、個別のお宅にも伺ったというふうなお話をされていました。どのような説明をなさったかは分かりませんけれども、その書類自体は、自分たちが土地を取得しましたということをお知らせする文書であって、建築の中身、建設の中身については、後日、そういうふうなことを説明に上がりますから、あるいは、そういう機会を設けますからというふうなことが書かれてあった文書であったと記憶しています。
いずれにしましても、住民は知らないまま今日を迎えているというような状況です。
○委員(風見利男君) ありがとうございます。それで、今、チラシをマンションの管理人にお渡しをして、そこにはいずれ説明に上がりますと書いてあるということですけれども、それ以来、一切何もないということで、今回、町会も含めて、区長宛てに陳情されて、今回、さらに区議会にも請願ということでこうなったわけですけれども、その辺は、少しいきさつというのですか、
株式会社大京がそういうことでチラシを配ったものを放置されているので、このままでは心配だということで、多分、運動が始まったと思うのですけれども、その辺のいきさつを簡単に教えてもらえるとありがたいです。
○請願者(
横地明宏君) 去年の10月の半ば頃だったと思いますけれども、住民の会並びに、多分、町会長も含めて、そこに
株式会社大京が御挨拶に来るという話が入ってまいりました。「では、会おうや」と言って会ったのが、少人数の方たちによる顔合わせといいますか、そういうふうなお話だったわけです。それが10月の半ばだったと思います。そのときに、まず最初に担当者、自分が担当者ですというふうな説明がありました。私、そのときに新型コロナウイルス感染症で出席できなかったのですけれども、出席した人間からの聞き伝えです。そのときに印象的だったのは、木というのは、若木がCO2の吸収速度が速くて、老木は今のCO2の吸収という意味では、役に立つものでは、比較の上ですけれども、そういうふうな意味で役に立たないのですというふうなことをかなり早い時点で表現されたということがとても印象的だったということを聞いて、私は大変失望しました。やはりあの森はなくなるのだと、正直、そのとき思ったのです。それで、そのときにお話を承ったわけですから、町会と、近隣の会の代表者の方たちが、では、これはきちんと要望書を
株式会社大京と港区長に上げて要望しておかないといかんねというふうなことで署名を提出いたしました。そして、必要なところに一部
アプローチをかけたというふうなことが、昨年の暮れに出して、今年に入ってそのような動きをしました。その後、私たちも署名いたしましたが、その活動を通じている中で、「いや、少し待ってよ」と、あの建物は、あの雰囲気、あの景色はどうなるのだということはどこかへいってしまっているよねと、やはりそこのところはクリアしてもらわないと、もやもやしたうちに、ある日突然なくなっていましたというのは、これはあまりにも文化財に対して、あるいは、そういった歴史に対して無責任だよね、やはりこれは一度、そこにプラスアルファして、皆さんに議論の場に上げてもらって、事実関係を含めてどうなのだということを調べてもらいたいよね。その上に何かがあるのだよねというふうなことで請願するというふうなことになって、ばたばたと12月の今日の前にお出しした、14日にお出ししました。それまでに1週間でもう少し署名を集めて、そのような文章を作り、お出ししたと、そういう経緯であります。
○委員(風見利男君) あと、請願の中の一番最後のところに、「歴史的建築物を核とした公園化が実現すれば非常に望ましい」、こう書かれているわけですけれども、先ほど来、いろいろ全体を公園にするかどうかというお話、あといろいろ、今回、提案もされているのですけれども、旧服部邸を、あれだけ広大な広さですから、旧服部邸を敷地内にどこか移設をして、その一角を保存と公開の公園化するという、そういうものも含めて、そのほかの土地については、持ち主がどうするかは、これからのことになるのでしょうけれども、そういう
近隣住民の皆さんが思っていることと、
株式会社大京と話合いをしないと、向こうはこういうふうに建てたい、住民の皆さんは残してもらいたい、それだけではやはり平行線をたどるわけで、長年の歴史があって、
シンガポールの話も出ました。その辺は、私、細かい話は分かりませんけれども、そういう、実際、服部さんも含めて3者で話し合ったということもお話があったので、その辺の経過も含めて、
株式会社大京と
近隣住民の皆さんと話合いが、私は一番、今の段階で必要なのではないかと、私自身はそういうふうに感じるのですけれども、そういう点での区側がその仲立というか、やはり
株式会社大京にきちんと
近隣住民の意向を聞いてくださいよという話合い、説明会ではなくて、話合いですよね。そういう場を設定するということで、区が尽力すべきだと思うのですが、そういう点についてはいかがでしょうか。
○請願者(
横地明宏君) 今回、追加で御説明していることは、何回も申し上げますけれども、とにかく調査と評価の先に何か具体的なものが現れてくるのだろうと思いますので、そういった調査と評価と合わせて、今の私たち住民が置かれている状況を、
株式会社大京を交え、港区を交え、3者でやはりそういう協議をする、話合いをするというふうな場を整えていただければ、大変この開発に対してはプラスになると思っています。
先ほど来、御説明しているように、多くの住民にとっては、突然降ってきた何だか分からない乱開発の話なのです。ですから、住民の中でも、考え方はそれぞれかなり違うと思います。それだけの熟成させるだけの時間は経ておりません。そういうことを踏まえた上で、区として、あそこが大事なものであるという認識を、調査結果の上で得るならば、それはやはり意見を集約していく過程というものが望ましいと思います。
株式会社大京も私たちのところに来て言っておられます。要するに、条例に基づく
開発計画を出してしまうと、もう一歩も引けないから、だから、その前に皆さんと状況を共有して、それで少しでもお互いが歩み寄るような方策を取っていきたいとも言っておられますから、ぜひともそういうものは港区もバックアップしていただいて、そういう雰囲気をつくる場、実際に住民の意見が反映できる場を設定していただくというふうなことは、大変ありがたいことであるし、お願いをしたいところであります。
○委員(風見利男君) 最後に、先ほど、東京都に情報公開されて平面図の資料を見せていただいたのですけれども、何階建てだとかということもそこには書かれているのでしょうか。もし分かれば、何階建てかということも教えていただきたい。
○請願者(
横地明宏君) 資料は、そういうものも含まれております。先ほど少し御説明したように、地下1階から、ペントハウスが9階です、その高さも書かれています。多分、28.9メートルとか、29メートルとか、そういうふうな数値が出ております。そういう資料がありますし、その資料が、最初に申し上げたとおり、あの敷地全面にわたって、南側の緑地部分を除けば、今、住民が住んでいるところに対して、ほとんど全面を使って
開発計画が敷かれているというふうなものであります。
○委員長(
うかい雅彦君) それでは、
審議事項(1)「請願6第5号 白金2丁目旧服部邸をめぐる保存に関する請願」の
趣旨説明は、これで終了します。
請願者の方、御説明ありがとうございました。元の席にお戻りください。
──────────────────────────────────
○委員長(
うかい雅彦君) それでは、
審議事項に入ります。初めに、
審議事項(1)「請願6第5号 白金2丁目旧服部邸をめぐる保存に関する請願」を議題といたします。御質問等ある方は、順次御発言をお願いいたします。
○委員(三田あきら君) 今回、この本件土地については、
株式会社大京が取得をしているということでございまして、
まちづくり部門として、この土地の経緯について把握していることがあれば教えてください。
○
都市計画課長(野口孝彦君) 本件土地につきましては、セイコーグループ株式会社の創業者、服部金太郎氏の元邸宅であるということと、地積面積では1万6,815平方メートルであるということを存じ上げております。
また、昨年の7月28日に、前所有者であるテンパスプラチナインベストメンツから
株式会社大京に売却されております。
その売却に先立ちまして、公有地の拡大の推進に関する法律に基づいて、区のほうに届出が5月26日にされております。土地有償譲渡届出書というものでございます。その売却を前提にした届出を基に内部で検討したところ、貴重なまとまった土地であることから、公園等の用地を目的として、土地の売買の交渉相手となり得るかの協議の申立てを区として先方に行っております。6月15日に申立てを行っております。あいにく6月26日に協議が不調となっておりまして、結果として、7月28日、予定の相手方である株式会社の方に売却されているというものでございます。
把握しているものは、主にはそういうことでございます。
○委員(三田あきら君) 今の御説明ですと、公有地の拡大の推進に関する法律に基づいて届出がなされた後に、区としては、協議の申出を行われたということで、先方からは、この申出については断られたということなのですけれども、この理由については、何か思われることがあれば、教えていただきたいと思います。
○
都市計画課長(野口孝彦君) 協議が不調になった理由につきましては、企業の判断とか、先方の事情によるところもありまして、明確にはお答えできないものでございますけれども、区と土地取引を行うと仮になった場合には、区としては、予算を取るための議決であるとか、適正価格を確認するための財産価格審議会、さらに土地購入についても議決が必要であるということで、手続に時間を要することは明らかでございまして、価格の問題以外にも、時間がかかるということは、企業判断上のリスクになるということだったのではないかと想定しています。
○委員(三田あきら君) これは相手方の考えということなので、こちらとしても知る上では限界があるのだろうと思いますが、一方で、区が、現実的にこの土地を取得することができるか、費用の面でもそうなのですけれども、これについても検討しなければいけないことなのだろうと思うのですが、というのは、過去に、泉岳寺の周辺の
マンション建設で、これに反対する請願が出されたという話を聞いたことがございます。反対されている方から、私どもの会派の先輩に当たる議員の方に、建設用地の取得ができないかという相談があったということです。そこでいろいろなルートで建設業者の方に打診をして、売却の意思を示してくださったということなのですが、最終的に金額面で
折り合いがつかなかったということがあったということで聞いております。
通常、やはり会社が土地を売却するという意思を形成するに当たっては、本来、事業で得られるであろう利益を当然そこに乗せて売却するということが、これは営利法人であれば当然そういうふうに考えることになると思います。そうしますと、今回、港区として、現実問題として、本件土地を購入して、公園等として活用していくことの実現可能性というのはどういったものなのか、お尋ねしたいと思います。
○
都市計画課長(野口孝彦君) 仮に今後のというような御質問だったかと受け止めております。
土地を購入する際の事業者の企業判断としては、収益を上げられるということが経営判断上あったのではないかと常に思うところです。今後、事業化をせずに売却をするというような場合には、これまでかかった経費とか、見込まれていた利益とかを求めてくる、加味して売却を判断するということが自然なといいますか、先方の考え方では必然なものなのではないかと推察します。
区が取引相手となる場合には、適正価格以上での対応は基本的には考えられないということから、仮にそういう話があったとしても、区との乖離はおのずと大きくなった状況だとは考えられると思っております。
○委員(兵藤ゆうこ君) この文化的価値、歴史的価値があるかどうかということを、区は、調査の申入れを何回かしているのかどうかということをお伺いいたします。
○
都市計画課長(野口孝彦君) 文化財を所掌する教育委員会によりますと、建物について、まず、文化的価値が分からないので、調査の協力依頼をしているとは聞いてございます。
○委員(玉木まこと君) 先ほど、請願者の補足の
趣旨説明の中で、いろいろ過去の経緯の話がありましたので、確認をさせていただきたいと思います。
服部さんから
シンガポールに移る段階で、住民の方がいろいろと検討したりとかしてきたということで、その際に区に相談もしたのだという話がございましたけれども、その相談の状況は、区はどのように記録があるのかどうかというところを教えてください。
○
建築課長(松山正樹君) かなり前の話にはなりますので、今いるメンバーで、当時、相談があったかということについては記憶にありません。
○委員(玉木まこと君) 分かりました。議会でも、この旧服部邸に関する質疑は過去にあったと思いますが、当然それは文化財的な側面というものも議論があったと思うのですけれども、そうした中で、当然
まちづくり部門にも情報提供がされるのではないかと思うのですが、そういったやり取りがあった中で、
まちづくり部門として、どのように動かれたり、把握をされたりとか、過去の状況、議論を遡るとか、そういったことをされたりしてきたのかどうか教えてください。
○
都市計画課長(野口孝彦君) 服部家から
シンガポールの会社に移って事業化がうわさをされている頃におきまして、区のほうで何らかのチームを組んでの対応というようなことは、特にやってきたというような記憶はございません。
○委員(玉木まこと君) 私が記憶があるだけでも、一昨年ぐらいですか、一昨年度、昨年度とか、区議会の中でも杉浦委員が発言をされたりしていたことを記憶していて、それ以前に、委員会とか、決算特別委員会・予算特別委員会とかで発言があったかまで私は把握はしていないのですけれども、
まちづくりとしては、特に、今、答弁の中だと、何も動いていないということだったのですけれども、私としては、そういう態度でよかったのかなということは、少し疑問に思う部分もあります。それは意見でしかないので、ここの請願の趣旨とは違うので深く掘り下げませんけれども、これだけまとまった緑地と建物がある環境面での重要な土地であるということは、私も含めて多くの方が、多分そう捉えるものだと思うのですけれども、それに対して、それが将来どういった計画になるかということの影響の大きさというのは、間違いなく区の職員の方々も分かるはずだと思うので、それを
まちづくりの方が、もちろん区の土地ではないということが前提ですけれども、記録はないという話でしたけれども、過去にそういった相談もされていたということがあった、それで議会の中でも質疑があったというところで、
まちづくりとしては、積極的にそういうところは総合的な判断の下に、所管ではないとか、そういうことではなくて、港区の
まちづくりを考えていく上で何かしらのアクションをすべきだったのではないかということで、それは意見を伝えさせていただきたいと思います。
請願の趣旨というところで、公園化ということで受けて私たちも議論をしてきたところで、今、三田委員からの質疑の中で、区も公園化を念頭にした交渉をできないかと打診をされたということで、その点については非常に評価をさせていただいております。残念ながら、それが相手方の意向でうまく結びつかなかったということで今に至っているのかなと思うのですが、請願文の中でいろいろ読み解く中で、やはり文化財的なものに対する関心の高さがありまして、これは所管事項ではないとは思うのですけれども、その点について、今日はここでは議論できないとは思うのですけれども、しっかりここを、今回の請願を受けて、所管の部署にも情報提供なりをしていただきたいと思いますけれども、それはお願いできますでしょうか。
○
都市計画課長(野口孝彦君) 服部邸の邸宅に対しての文化財的価値を調査するための協力依頼は、教育委員会として、これまで先方に申し伝えているところと聞いてございます。今日、請願の場においてやり取りされている意見や要望などについても、文化財に関するものについては、しっかりと担当の方に申し伝えてまいりたいと思います。
○委員(玉木まこと君) 分かりました。よろしくお願いいたします。
計画の案ということで、
ボリュームチェックの段階の資料が、請願者のほうで入手されたということなのですけれども、東京都では開発行為に対する手続みたいなものがあると思うのですけれども、そういったところは区は承知をされたりしているのでしょうか。
○
開発指導課長(増田裕士君) これまで事前の協議、そういうものもこちらのほうではございませんので、情報としては特に何も持っていないということです。
○委員(玉木まこと君) 分かりました。私も具体的な手続の状況は理解していない部分もあるのですけれども、東京における自然の保護と回復に関する条例というものが、ある規模以上のものに対して、緑地の保全等がなされているかどうかのチェックがあるというふうなものを見たのですけれども、そういうものに該当するかどうかとかというのは、区として把握されていたりしますか。
○
都市計画課長(野口孝彦君) 東京における自然の保護と回復に関する条例につきまして、緑の植え方に関する審査基準につきましては、港区みどりを守る条例が機能していることから都条例の対象とならず、区のほうの手続で足り得るものということになってございます。緑を植えることに対する義務づけ、緑化義務については、都条例の対象ではなく区条例の対象で手続が進む。港区においては、全域、そのようになっているということでございます。
○委員(玉木まこと君) 分かりました。私もそこら辺、不勉強なので、今回のこの計画が進んでいった際に、そういった手続が行われていって、区が何かしら緑化、請願者が心配されているような、まとまった緑地の保全であったりというところがどうなるかということも非常に気にされていると思うので、今の話ですと、都条例の範疇ではなくて区の範疇で、区が申請を受けたりとか、届出を受けたりして進めていくと理解したのですけれども、そのような理解でよろしいでしょうか。
○
都市計画課長(野口孝彦君) 都条例のうちの緑化の義務については、区の緑化条例に基づく手続を経ることで都条例は対象外となるということに、港区の全域、そのようになっております。
あわせて、東京における自然の保護と回復に関する条例では、自然地における開発行為を行った場合に東京都へ許可を取らなければいけないとなってございますが、今回の敷地については、自然地に該当しないということがあらかじめ確認されているとは聞いてございます。
○委員長(
うかい雅彦君) 申し訳ありません。傍聴者の方、私語は謹んでいただけますか。
○委員(玉木まこと君) 分かりました。今後の話というところで、請願の補足資料の中にも、
ステップを踏んだときにいろいろなあらゆる検討という話もありましたけれども、その中で、開発が進まざるを得ない状況になった際にということで、高さ制限の話がありましたけれども、今回、高さ制限の特例緩和みたいな話は、今回の敷地で対象になる余地があるのかどうか、すみません、初歩的ですけれども、教えてください。
○
開発指導課長(増田裕士君) 制度的には、適用することが可能な地域となります。ただ、現在のところは、まだ事前の相談を含めて、こちらのほうには一切来ていないという状況がありますので、今後もし相談がある場合には、審査基準を含めて適切に対応してまいりたいと考えています。
○委員(玉木まこと君) 考え方はいろいろあると思うのですけれども、当然、事業者の利益を取った上で開発をしていくという、今、そういう流れになっている中で、緑地を取る場合には、建物をある程度、高さを増やした、そこで収益を確保して、周囲に緑地を取るというような構造といいますか、そういうものが考えられると思うのですが、今、増田課長、対象になるという話ですけれども、どういった計画であったりとか、内容であれば、そういった高さの特例緩和ができるのでしょうか。
○
開発指導課長(増田裕士君) 高さの限度の特例許可は、第一段階、第二段階という形で2つに分かれています。請願者の方がお話ししていた第一段階と言われている、いわゆる認定というものですけれども、その中に運用基準、いわゆる技術的な基準というものも定められております。
内容を少し詳しくお話しさせていただきますと、接道条件、壁面後退、空地の面積、緑化の面積、また、接道部の緑化等、このようなものが整備された中で、事前協議に入っていくという形になります。
○委員(玉木まこと君) 分かりました。壁面を後退させて、ある程度、接道にスペースを取ったり、緑化を取ったりすることで、ある程度、高さを割増ししてもいいと私は理解いたしました。住民の方が望まれている緑地、もちろん高さをやみくもに上げることは望まれていないということもありましたけれども、緑地を保全していく中で、どうしたら事業の採算性、民間事業者が実現できる具体的な方策が出せるかというところは、しっかりと協議していただきたいと思いますし、民間の事業者には、影響の大きさというものを今回の請願を機にしっかり認識していただいて、今後もし、今はまだ何も協議がないという話でしたけれども、協議の段階になれば、しっかりと指導していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○委員(風見利男君) 今回の質問とは直接関係ないのですが、本会議の質問とか答弁というのは、本会議場にいる部長以上以外は自席で聞くということはないのでしょうか。そういう責務はないのでしょうか。
○
都市計画課長(野口孝彦君) 責務というものではございませんけれども、関係するものについては、できるだけ把握するべきことではあると存じております。
○委員(風見利男君) 今回、私、旧服部邸のことで質問したのですけれども、そのやり取りは、お聞きになった方はいらっしゃいますか。
○
建築課長(松山正樹君) 自席でインターネット中継を拝聴しておりました。
○委員(風見利男君) それだけですか。それは後で。
先ほど、請願者の方から、
近隣住民の方々が区長宛てに旧服部邸の再開発についての要望書を出されているという話がありました。どこから、どれぐらいの人数の署名が寄せられたのか。ここに600と書いてありますけれども、それを教えていただけますか。中身も簡単に御紹介いただけるとありがたい。
○
建築課長(松山正樹君) どこの場所からどれくらい出されたかという分析につきましては、申し訳ございません。
○委員(風見利男君) 違う、違う。だって、代表者が、どこから出たかは書いてあるでしょう。
○
建築課長(松山正樹君) そういう意味ですか。
○委員(風見利男君) うん。
○
建築課長(松山正樹君) 失礼いたしました。代表としましては、白金三光第五町会、それから旧服部邸
近隣住民の会という会の名前で出されたものになります。
要望書の趣旨ですけれども、タイトルとしましては「旧服部邸跡地再開発についての要望」というものになってございます。前段、旧服部邸跡地を取得したという連絡を
株式会社大京から今年8月にいただいたと。それを踏まえた上で、この再開発事業に当たっては、建築物の高さ制限、緑地面積等の条件をクリアしていただくことは当然ですけれども、町会員が100年以上の昔から住み続けてきた静かな住環境が大きく変化し破壊されることは許しませんということです。その上で、環境破壊につながるような再開発事業は絶対避けていただきたいと切望していらっしゃると。また、そういうことから、港区長におかれては、私たちの地域の事情をお聞きいただき、区からも再開発事業に係る積極的な御指導を賜りたく、また、
株式会社大京におかれましては、私どもの要望を十分に理解していただいた開発をしていただきたく、当町会及び旧服部邸
近隣住民との会合の場を設けていただくことを要望しますという内容でございます。
○委員(風見利男君) 会合を求めていると。普通、要望書が出されると、区から回答をされると思うのですけれども、回答はされたのでしょうか。
○
建築課長(松山正樹君) 今回、要望書は、区の広聴という形で処理をさせていただいておりますけれども、出されたときに代表者が指定されていなかったものですから、今は、出された方々にお返事は出しておりません。
○委員(風見利男君) 先ほど
建築課長から御説明いただいたとおり、白金三光第五町会の名前で出されているわけで、町会の責任者は会長なわけですよね。ですから、会長宛てに、私は回答を出してしかるべきだと思うのですが、いかがですか。
○
建築課長(松山正樹君) すみません。その点につきましては考えが至っておりませんでしたので、改めて検討させていただきます。
○委員(風見利男君) 私、この問題は、本会議で今回取り上げました。第一に、要望にあるように、区として事業者の
株式会社大京に住民との話合いの場を持つように指導すること。2点目には、専門家による建物の調査、保存、公開ができるように要請することと、こういう質問で、最初の質問は区長、2番目の質問は教育長、答弁です。この点で区長の答弁は、区は、港区中高層建築物等の建築に関わる紛争の予防と調整に関する条例に基づき、紛争を未然に防止するため、周辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮するとともに、良好な近隣環境を損なわないよう、建築主に話合いの場を求めてまいりますと。お知らせ看板が出たら、説明会をやるのは当たり前なわけで、これ、私が聞いていることに真面目に答えている答弁ではないのです。時間がないから再質問はしていませんけれども、だって、
建築課長から先ほど紹介していただいたとおり、要望書の中では、いろいろな問題はありますよ。だけれども、きちんと
近隣住民と話合いをしてくださいよと言っているわけで、住民の皆さんは、紛争予防条例に基づく説明会を求めているわけではないわけです。ですから、そういう質問をしているわけだから、真面目にきちんと、ある意味、区長に恥をかかせているわけだからね、本会議場で。そういう答弁は私はやはりまずいと思うのです。
いずれにしても、区長答弁の中でも、十分話合いの場を求めていきますということになっているわけで、早急に事業者と住民との話合いの場が持てるように、私は、すぐさま動くべきだと思いますが、いかがですか。
○
建築課長(松山正樹君) 建築課としましては、事業主の
株式会社大京の担当者の方とは面識を持たせていただいております。連絡を取る状況にはありまして、状況を確認したところ、今、住民の皆様に向けて、計画の
イメージをお出しするべく準備を進めていると聞いております。そのお出しできるものが整った段階では、住民の皆様と会う機会を設けていくと聞いております。その内容が固まり次第、
株式会社大京には連絡をいただくことになっておりますので、その状況を踏まえて適切に指導してまいります。
○委員(風見利男君) 先ほど請願代表者の方の説明がありましたけれども、事業のあれが固まってからでは、もう変えられないわけですよね。ですから、今、近隣の皆さんが求めていることと、
株式会社大京が、ある意味、情報公開の中で東京都に出した資料があるわけで、もうその段階でペントハウスを入れて9階建て、107戸の住宅。平面図を見れば、ある意味、敷地いっぱいの建物、こういうことが出ているわけだから、
近隣住民の皆さんからすれば、これでは少しまずいのではないのかと思うかどうかは分かりません。そういう話合いを
株式会社大京とやって、長年守られてきた緑地、あるいは、文化財的な建物をどうするのかということも含めて、早急に私はやるべきだと。あそこはやはり行政側の指導で、そういう話合いの場を持たせるべきだと思うのです。ある一定、計画がまとまらなければ説明できないという、そういう段階でないと思うのですが、いかがですか。
○
建築課長(松山正樹君) 私が事業者から聞いている
イメージは、設計を進めた上での
イメージというわけではなく、計画の方向性をお示しできるようなものと聞いております。ですので、今、風見委員が御心配されているような計画が固まった上では後戻りができないというようなことにはならないと理解しておりますし、
株式会社大京と話をする中においても、十分住民の理解を得て進めるようにということは申し伝えているところでございます。
○委員(風見利男君) 請願代表者の方に相談をして、東京都に出した、条例に基づいて提出した資料に細かく出ているわけですから、請願代表者の方に御相談をして、その資料を見せてもらえるのかどうかということ。見れば、大体の
株式会社大京が考えている計画は、ある意味、分かるわけです。ですから、今の段階で早急に話合いを要請するということは当然大事だと思うのです。
この間、
株式会社大京から港区に何か話合いの申出があって、それが行われたのですか。それを教えていただきたい。
○
建築課長(松山正樹君)
株式会社大京と面識を持つきっかけとなったことといたしまして、昨年11月に、
株式会社大京の担当者、それから株式会社トーワ綜合システムといって、近隣の説明の担当と聞いておりますけれども、2社から港区に挨拶に来られたことがございます。内容といたしましては、旧服部邸の土地を取得し、近隣の方に挨拶を行いました。今後、計画を立てるに当たり、行政協議の前に挨拶に伺ったということでございます。
そのときお聞きしたのが、用途としては共同住宅を考えていらっしゃるということですけれども、設計につきましては、まだ設計会社も決まっていないということでございましたので、計画については全く白紙ですということを聞いております。
○委員(風見利男君) 設計事務所がコンペをやっているというのは、先ほどの話もありました。それは区との話合いの中でも事業者がそういうふうに言っているわけですよね。それに対して区としては、何度も繰り返しになるけれども、周囲の方々の意見を聞きながら丁寧に計画を進めてもらいたいと。住民の皆さんの意見を聞きながらです。ですから、今の段階で話合いを持つというのは非常に時期としては大事なわけで、それは請願代表者の方も先ほど言っていましたけれども、やはり今が一番大事なときだと。近隣の皆さんはそう思っているわけですから、そこはやはり区もそこをきちんと住民側の意向をとらえて、そういう立場で
株式会社大京に、あるいは、株式会社トーワ綜合システムに、こういう住民側の意向があるので、早急に話合いの場を設定してくださいということ、何らおかしくないと思うのですが、いかがですか。
○
建築課長(松山正樹君) 繰り返しになりますけれども、
株式会社大京からは、
イメージが固まった段階で説明に入ると聞いてございます。それも遠くない時期と聞いておりますので、引き続き、その時期につきましては注視しながら、開発に近隣の皆様の意見が反映できるタイミングで、そういった話合いが持たれるように指導してまいります。
○委員(風見利男君) あなたは建築のプロだから分かるのかも分からないけれども、
イメージとは何ですか。私は全然建築に疎いので分からないのだけれども、事業者が考える
イメージというのはどういうことなのですか。
○
建築課長(松山正樹君) 提示される
イメージにつきましては、どこまでのレベルかということについては分かりませんけれども、今回の計画地について言えば、論点は2つあると思ってございます。
一つは、今回の請願の趣旨でもあります洋館の取扱い、それから、緑地の取扱いにあるかと思います。まずは、洋館を残すのか、あるいは取壊してしまうのか、そういったことも含めた方向性が出されるのではないかと考えております。内容については全く分かりませんので、時期について、改めて注視してまいりたいと思います。
○委員(風見利男君) 先ほどの答弁で、そう遠くない時期というお話があったのですが、大体いつ頃をめどに考えていらっしゃいますか。
○
建築課長(松山正樹君) 11月の面談の頃には、まさにコンペをしているということでございました。その後、コンペが2か月程度と聞いております。年を明けて設計者も決まっている頃かと思いますので、本当に、
イメージということであれば、今年度中には一度出していただけるのではないかと思っております。
○委員(風見利男君) 当然、区長のところに住民からたくさんの署名が寄せられて、要望書も出ている、区議会の中でも、今回、新たな請願が出されて問題になっているということは、ぜひやはり事業者にも伝えていただいて、本当に早い段階で説明ができるように、話合いができるように再度要請すべきだと思うのです。それはいかがですか。
○
建築課長(松山正樹君) 近々に、今回の議会の請願のことも含めて、
株式会社大京の担当者に伝えるとともに、状況の確認をさせていただければと思います。
○委員(風見利男君) ぜひ早急に、住民の皆さんが望んでいることなので、区というのは、やはり住民の皆さんの立場で仕事をするのが本来の行政マンの仕事なわけで、住民が望んでいるのであれば、それに基づいて実際に動くと、ところが、相手があることなので、要請したから、「では、あしたやりますよ」という、そうなるかどうかは分かりませんけれども、行政側が、これから建築に当たっての指導をする立場にあるわけで、そこを言うかどうかは非常に大事なことで、これは住民の皆さんが直接、
株式会社大京に、早く説明会をやれよと、これも大事なことなのだけれども、それと併せて行政側から働きかけるという、これが相まって成功するのだと思うので、そこは必ずやっていただきたいと思うのです。
文化的な価値があるかどうかというのは、私、この間、今回も含めて、旧服部邸のことを3回質問しているのです。当時、小池教育長の答弁が非常に格調高くて、これは2016年、平成28年の本会議での代表質問で、旧服部邸が、どういう価値があって、高橋貞太郎先生が造ったもので、上高地ホテルだとか、川奈ホテルだとか、いろいろな本当に有名な建物を建てた方で、そういうことからすると、旧服部邸というのは物すごい価値があると、こういう立場から、やはり専門的な見地で調べることが非常に大事なのではないかと質問しました。
教育長は、非常に格調高い答弁をしているのです。これは、
まちづくりだろうが、教育委員会だろうが関係ないのです。区として、文化的価値をどう認識するかという、こういう問題なわけで、そこは文化財は
まちづくりと関係ないという、そういう立場で物事を考えないでもらいたいと思うのです。当時の小池教育長は、旧服部邸の調査と保存を要請することについては、高橋貞太郎氏が設計し、竣工から80年を経過したイギリス中世のチューダー様式をモダンにした特徴ある建物です。これまで建物調査が行われていないことから、現在、教育委員会が行う建物の現況調査について、所有者等に協力を依頼しております。調査の結果、文化財的価値が高いと判断された場合には、所有者等の意向を伺いながら、建物の保存について理解を求めてまいります。こういう答弁をしているわけです。
今回の質問でも、教育長は、教育委員会は、昨年7月に、旧服部邸を取得した事業者から、先月、1月の何日かに教育委員会を訪ねてきて、文化財の担当と話をしたそうです。建物の取扱いに関する相談を受け、他の有形文化財建造物の保存、活用事例などを紹介するとともに、建物の調査の協力と保存について協議しております。引き続き、所有する事業者に対し、旧服部邸の文化財的価値を説明し、教育委員会による調査への協力を求めるとともに、建物の保存、公開について働きかけてまいりますと。これは教育委員会だけの努力ではできないのです。これは区長部局も含めて、こういう貴重な文化財が港区から消えるかどうかと、こういう重要な時期にいるわけで、そこはぜひ共有してもらいたいと思うのです。本当にこういう貴重なものが壊されるということがないように、住民の皆さんも頑張っているわけで、ぜひ頑張っていただきたいと。
去年の8月に来たときには、事業者は具体的な計画がないという話をしていましたよね。先ほど請願者の方が東京都情報公開条例で取得した書類によると、これが東京都に出されているのが8月2日なのです。港区に来たときに、実は東京都の方にこういう緑地を守るための条例に基づいて、一応こういう計画を出したのですよという話があってしかるべきだと思うのです。だから、港区、そういう意味では、甘く見られているのではないかと。ですから、
株式会社大京に怒るべきです。なぜそのようなことを出しているのに、区に来たときにそのことを言わないのだと。これぐらいのことを言ってもおかしくないと思うのです。たまたま住民の皆さんが東京都情報公開条例で取ってくれたから分かったわけですけれども、一方で東京都にはそういう申請をしておいて、港区にはそのことを全然知らせずに、まだ計画段階ではありませんという、こういう二枚舌みたいなやり方を許してはまずいと思うのです。その辺、いかがですか。
○委員長(
うかい雅彦君) 少しお待ちいただけますか。
傍聴者の方に再度申し上げます。お隣の方とお話ししたい気持ちは分かるのですけれども、私語はお慎みいただきたいと思います。次は退席になりますので、よろしくお願いいたします。
○
建築課長(松山正樹君) 私たちのところに来たときには東京都にもう計画を出されていたという御指摘でございますけれども、請願者の説明にもあったとおり、
ボリュームチェックの図面と聞いております。あれだけの土地を購入するに当たり、何の絵もかかずに購入する企業はないと思っておりますので、そういった意味でつくられた計画であって、今後それを立てていくためのベースとなる計画ではないのではないかと理解しております。
といいますのも、私たちと面会したときの彼らの説明につきましては、先ほど申し上げたとおりですけれども、これから洋館を残すのか、活用していくのか、それとも取壊してしまうのか、緑地をどうしていくのか、そういったことにつきましても、まだ何も決まっていないということでございました。その説明を受けて、そのようなことはないだろうと食ってかかることではありませんので、我々としては、彼らの言葉を信じて、近隣の住民の皆様と話をしながら計画を進めていっていただきたいというお願いを申したところでございます。
ですので、引き続きそのことが実現されるように、
株式会社大京とはコンタクトを取りながら状況を注視してまいりたいと思います。
○委員(風見利男君) 松山課長の言われた区に来たときには今の旧服部邸の建物をどうするのかということはまだ決まっていない、緑地についてもどうするかまだ決まっていないと。だからこそ住民の皆さんが、長年あの周辺で何を思っていたのかということを
株式会社大京によく知ってもらうという、それがこれからの計画をしていく上での大きな一つの材料になると思うのです。ですから、そういう点では、何度も言いますけれども、早急に話合いが持てるように、早急に
株式会社大京ともよく相談していただいて、しかるべき日にちに、しっかりと近隣の皆さんとの話合いができるような場を重ねて提案したいと、その辺もいかがですか。それで終わります。
○
建築課長(松山正樹君) 先ほども申し上げましたけれども、今回の状況を踏まえまして、
株式会社大京の担当者と連絡を取り、状況を確認しながら、話合いの場を持てる日取りにつきましても話を進めてみたいと思います。
○委員長(
うかい雅彦君) ほかになければ、これにて質疑は終了いたします。
態度表明はいかがいたしましょうか。
(「態度表明」と呼ぶ者あり)
○委員長(
うかい雅彦君) それでは、態度表明が必要ということですので、各会派、順次お願いいたします。まず、自民党議員団。
○委員(
二島豊司君) 自民党議員団の本請願に対する態度表明をさせていただきます。
当初申し上げましたとおり、本請願については、公園化を求めるという、強く要望をなされるという請願でございました。先ほど、我が会派の三田委員とのやり取りの中でも、区が取得をして、そこを公園として開放していくということは、なかなか現実的ではないということが明らかになりました。そして、今後であるのならば、現所有者であります
株式会社大京がどのように判断をなされるかということになろうかと思いますけれども、それを区民の皆さんの御意向を聞き、それを受けた上で、どのように企業としてそれを判断していくかということについて、行政であり、そして我々区議会が強制的な意見を述べるということについては、ややもすると、私権に対する大変な介入ということにつながりかねないということを危惧する部分もあります。決してそういうことはなかろうと思いますし、地域の皆さんの御意向については、風通しよく企業とやり取りをすると、所有者とやり取りをするということに関しては、区も心を砕いていただきたいと考えておりますが、本請願の当初趣旨でございます公園化ということに関しては、現行、今申し上げた理由で、なかなかこちらからどうこうということを主張すべき事案ではないという判断の下から、本請願につきましては不採択と、自民党議員団としては態度を表明させていただきます。
○委員長(
うかい雅彦君) 次に、みなと未来会議。
○委員(玉木まこと君) みなと未来会議の態度表明を行います。
本請願は、長年、白金四丁目、二丁目、三光坂地域の住環境に大きく寄与してきた旧服部金太郎邸の歴史的建造物を核とした公園化を求めるものと理解しております。
私事ですけれども、先日、杉並区立大田黒公園という公園のお茶室に伺いました。こちらの公園は、同じように、音楽評論家の大田黒さんという方の遺志によって、御遺族から杉並区に寄与され、昭和56年に開園された公園でした。9,000平方メートルもの日本庭園に洋館とお茶室を備え、非常に文化的な公園が残っていることのすばらしさをまさに肌で感じてきましたので、今回の請願の趣旨、皆様の思いというのは本当に強く共感いたします。
一方で、質疑の中で、区は、民間事業者による土地建物の取引に際して、区も売買の交渉相手になれないかということを打診し、断られたことが明らかとなりました。
我が会派としては、区が旧服部金太郎邸敷地の歴史的かつ環境的な価値を十分理解し、また、区民に寄り添った公園化を目指した適切な行動を取ったと評価いたします。しかしながら、残念ながら、区による土地取得は実現せず、請願文に記載のとおり、現在、民間事業者による開発が計画されているとのことです。
以上の経緯と現状から、本請願の趣旨である旧服部金太郎邸敷地の歴史的建造物を核とした公園化は非常に困難な状況であることは明らかであり、請願の実現性という点から、本請願は不採択といたします。
しかし、区に対しては、今回の質疑で、過去の議会での質疑があったにもかかわらず、
まちづくり部門としての過去の検討の経緯等は記録に残っていない、そういうことも明らかとなりました。問題点の重要性をしっかりと捉えて、総合的な視点から、区民のためにどういった
まちづくり部門であるべきかということをぜひ考えていただきたい、そういったきっかけにしていただきたいと強く望みます。
また、緑化の話についても、東京都ではなく区の手続の範疇であることも質疑の中で明らかとなりました。今回の請願の大きな二本立てのうちの一つが緑地の保全ということですので、こちらについては、今回の請願の趣旨をしっかりと受け止めていただき、緑化の指導をしっかりと実効性ある形でお願いしたいと思います。
そして、歴史的建造物を後世に残すという文化財的な願いは、
建設常任委員会の所管ではありませんけれども、質疑の中でも所管部署に伝えると言っていただきましたので、併せてそちらもお願いしたいと思います。
できれば、今回の請願を契機に、これだけの区民の関心の高いところでございますので、区がどういったやり取りをこれまで重ねてきたか、そういったことが区民に広く伝えられるような形で情報の発信も御検討いただけたらとお願いして、態度表明を終わらせていただきます。
○委員長(
うかい雅彦君) 次に、公明党議員団。
○委員(なかね大君) 本請願に係ります公明党議員団の態度表明を行わせていただきます。
態度表明をする前に、一言、申し述べさせていただきますと、私もこの白金台地域、大変お世話になっております。また、白金三光第五町会の皆様にも大変お世話になっておりまして、この旧服部邸の跡地についての様々な御要望、また、御意見や御不安等も伺っております。様々質疑の中でもありましたけれども、今後の計画に対して、しっかり住民の声を所有者の方に届けていただきたいという声は、まさにそのとおりだと思いますし、私も願うところであります。
ただ、今回の請願について話をしますと、やはり今回、この請願書に書かれている趣旨については、旧服部邸の財産的価値を残すのか、残さないのかみたいなところの調査と、あと、その後の公開等を求めるものと、あともう一つは、公園として土地を所有していただきたいという要望かと受け取っております。
この旧服部邸の調査については、区としてもやると申し出るということでありますので、今回の請願の態度の基準については、公園としての土地の売却を求めていくという部分に点を置かせていただきます。
これまで区としても、公園としての土地所有のために、所有者の方に求めてこられたということもあります。また、これ以上の区としての所有者に対する交渉の余地が考えられないということもありまして、今回の請願については不採択とさせていただきます。
○委員長(
うかい雅彦君) 次に、みなと政策会議。
○委員(兵藤ゆうこ君) みなと政策会議の態度表明を行います。
歴史的建造物としての価値があるのかどうか。そういったことを一日も早く調査を進めてほしいと考えます。そして、区民にも公開してほしいと考えます。署名もこれだけたくさん集まっており、開発も示されていることから、取り急ぎ調査を確実にやっていただきたいので、「請願6第5号 白金2丁目旧服部邸をめぐる保存に関する請願」について、みなと政策会議は採択といたします。
○委員長(
うかい雅彦君) 次に、港区維新・無所属。
○委員(根本ゆう君) 「請願6第5号」について、港区維新・無所属の態度表明をいたします。
白金二丁目の旧服部邸は、周辺の町並みと調和しながらも、風格を感じる文化的、歴史的な建物です。この建物の持つ風格、品格を保ち、文化や歴史が引き継がれるような開発が行われることを望む気持ちは私どもも同じです。過去に、区も、当該敷地の取得や活用について協議を申し立てたものの実現せず、区が何かしらする余地も絶たれてしまった状況にあります。不動産の所有者には、法令、条例にのっとり適切な維持管理を含めた所有者責任を果たす義務がありますし、現所有者である民間企業には、周辺住民の皆様の理解が得られる開発をしていただきたいと強く願うところです。
しかしながら、この土地は、景観形成特別地区には入ってもおりませんし、法令や条例にのっとった
開発計画が出された場合、その開発に港区として意見を言うことは、公的機関の権限を逸脱してしまいます。
しかし、一方で、区に申請される開発予定案件であるかと思いますので、区には、周辺住民の皆様や、事業者に対する対応は適切にしていただきたい、強く要望いたします。
今後も開発の計画については注視していきたいと思いますが、現状において、民間企業による自由経済活動に対し取り得る手段がないことから、こちらについては不採択とさせていただきます。
○委員長(
うかい雅彦君) 次に、共産党議員団。
○委員(風見利男君) 先ほど、請願代表者の方に、公園化が実現すれば非常に望ましいということで、その中身について伺いました。今日の補足説明の中でも、いろいろ柔軟な提案がされているわけで、区が直接買えということは一言も言っていないわけです。ですから、そういう点では、公園化ができれば一番いいわけですし、先ほど私が言ったように、歴史的建造物を敷地内で移設をして、その周辺を公園化してもらうという、そういうことも可能なわけで、それはこれから住民の皆さんと
株式会社大京との話合いにかかっているわけです。そういう点では、この請願が採択されれば、住民の皆さんにとって大きな力になりますし、この間、区長に出した要請書も600名を超える方々が願っているわけで、それを後押しする形で出された請願ですから、私はやはり採択すべだと思います。
○委員長(
うかい雅彦君) 態度表明は終わりました。
それでは、「請願6第5号 白金2丁目旧服部邸をめぐる保存に関する請願」について採決いたします。採決の方法は挙手採決といたします。
「請願6第5号 白金2丁目旧服部邸をめぐる保存に関する請願」について、採択することに賛成の方は挙手をお願いいたします。
(賛成者挙手)
○委員長(
うかい雅彦君) 挙手少数と認めます。よって、「請願6第5号 白金2丁目旧服部邸をめぐる保存に関する請願」については不採択とすることに決定いたしました。
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○委員長(
うかい雅彦君) 次に、
審議事項(2)「発案5第7号
街づくり行政の調査について」を議題といたします。
本発案について、何かございますか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(
うかい雅彦君) なければ、本発案につきましては、本日継続といたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(
うかい雅彦君) それでは、本日継続と決定いたしました。
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○委員長(
うかい雅彦君) そのほか、何かございますでしょうか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(
うかい雅彦君) なければ、本日の委員会を閉会いたします。
午後 2時56分 閉会...