港区議会 2023-03-08
令和5年度予算特別委員会−03月08日
令和5年度予算特別委員会−03月08日令和5年度予算特別委員会
令和5年度
予算特別委員会記録(第10号)
令和5年3月8日(水) 午後1時開会
場 所 議場
〇出席委員(33名)
委 員 長 黒崎 ゆういち
副委員長 榎 本 あゆみ 丸山 たかのり
理 事 石 渡 ゆきこ 小 倉 りえこ
兵 藤 ゆうこ 鈴 木 たかや
福 島 宏 子 二 島 豊 司
近 藤 まさ子
委 員 玉 木 まこと なかね 大
赤 坂 大 輔 琴 尾 みさと
山野井 つよし 横 尾 俊 成
やなざわ 亜紀 土 屋 準
榎 本 茂 清 家 あ い
杉 浦 のりお なかまえ 由紀
池 田 たけし ゆうき くみこ
池 田 こうじ 熊 田 ちづ子
風 見 利 男 阿 部 浩 子
七 戸 じゅん 杉本 とよひろ
清 原 和 幸 うかい 雅 彦
井 筒 宣 弘
〇欠席委員(1名)
マック 赤 坂
〇出席説明員
区長 武 井 雅 昭
副区長 青 木 康 平 副区長 野 澤 靖 弘
教育長 浦 田 幹 男
芝地区総合支所長
街づくり事業担当部長兼務 岩 崎 雄 一
麻布地区総合支所長
街づくり支援部長兼務 冨 田 慎 二
赤坂地区総合支所長
子ども家庭支援部長兼務 中 島 博 子
高輪地区総合支所長
産業・
地域振興支援部長兼務 山 本 睦 美
芝浦港南地区総合支所長
環境リサイクル支援部長兼務 長谷川 浩 義
保健福祉支援部長
新型コロナウイルスワクチン接種担当部長兼務 湯 川 康 生
参事・
みなと保健所長兼務
(
保健予防課長事務取扱) 太 田 留 奈
企画経営部長 大 澤 鉄 也
企画課長
産業・
地域振興支援部ウクライナ避難民支援担当課長兼務 西 川 杉 菜 区長室長 横 尾 恵理子
財政課長 山 越 恒 慶
防災危機管理室長 西 川 克 介
総務部長 新 宮 弘 章
総務課長
伝わる
日本語推進担当課長兼務 若 杉 健 次
教育推進部長 星 川 邦 昭
学校教育部長 上 村 隆
〇出席事務局職員
区議会事務局長 加 茂 信 行 次長 鈴 木 康 司
ほか
午後 1時00分 開会
○委員長(黒崎ゆういち君) ただいまから本日の委員会を開会いたします。
本日の署名委員を御指名いたします。なかまえ由紀委員、池田たけし委員にお願いいたします。
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○委員長(黒崎ゆういち君) これより審議に入ります。去る3月6日に、風見委員ほか2名から提出された令和5年度港区一般会計予算に対する修正案、令和5年度港区
国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び令和5年度港区介護保険会計予算に対する修正案について、一括して議題といたします。
それでは、修正案について、提案者の説明を求めます。
○委員(熊田ちづ子君) それでは、2023年度予算修正案の提案説明を行います。提案者を代表いたしまして、2023年度港区一般会計予算、港区
国民健康保険事業会計予算及び港区介護保険会計予算に対する修正案の提案説明を行います。
新型コロナウイルス感染症はいまだ収まらず、昨年12月以降の1か月余りで、全国の死者は1万人を超えており、依然、深刻な状況が続いています。負債額1,000万円以上の倒産件数は全国で570件発生し、そのうち物価高に起因した倒産は前年同月比で6倍の42件と急増して、7か月連続で過去最多を更新しています。
全国消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合で前年同月比4.0%と、41年ぶりの高騰、高い伸びとなっています。
物価は上昇するも賃金は上がらず、食料品など生活必需品の価格高騰は家計を直撃し、とりわけ非正規労働者やひとり親家庭、女性、高齢者など、低所得者世帯ほど大きな影響を受けています。雇用も経済も深刻な状況が続いています。皆さんにも、区民の方からいろいろな暮らしの相談が寄せられていると思います。区の窓口にも、相談者が多数来ているのではないでしょうか。
特別区民税収入の当初予算額と決算額の差額は5年間で合計約307億円も生じています。同じく5年間で基金は約348億円殖え、1月末時点で約1,951億円にもなります。国民健康保険料など、区民の負担は増加の一途をたどり、その一方で、森ビルや住友不動産など大企業が進めている市街地再開発には、来年度だけでも28億148万円もの税金投入を行う予算となっています。港区の豊かな財源を、区民の暮らしや福祉、教育などを応援する施策に積極的に生かすべきです。私たちは一歩でも二歩でも区民の要求を前進させるために、特に緊急性の高い項目に絞って修正案を提案いたします。
それでは、内容について説明いたします。まず、一般会計予算に対する修正案の概要を説明します。歳入歳出とも、原案の1,632億7,000万円を37億1,294万1,000円増額し、1,669億8,294万1,000円とします。なお、財政調整基金から64億5,027万円を増額して繰入れを行います。
次に、修正案の内容を個別に説明いたします。別紙修正案の概要を御覧ください。
まず、歳入です。第13款国庫支出金は、市街地再
開発事業支援補助金を中止する関係で、国庫補助金を26億3,274万円減額いたします。
第14款都支出金も同様に、東京都の補助金を4,224万円減額いたします。
第17款繰入金は、財政調整基金から64億5,027万円繰り入れます。
次に、歳出です。第4款民生費は、社会福祉費で、1、介護保険の居宅サービス利用料の利用者負担を全員3%に軽減いたします。2、
心身障害者福祉手当を2級の精神障害者にも支給します。3、75歳以上の高齢者の医療費負担をゼロにします。児童福祉費は、私立認可保育園の給食費を無料化します。生活保護費は、住民税均等割のみの世帯を対象に、港区として臨時交付金5万円を支給します。これにより、民生費全体で43億822万4,000円の増額となります。
第7款土木費です。都市計画費の市街地再
開発事業支援補助金を28億148万円減額いたします。
第8款教育費は、小学校に入学する家庭に入学支度金を、区立、私立を問わず、1人当たり2万円支給します。小学校における給食費を無料化します。中学校費も、中学校に入学する家庭に入学支度金を、区立、私立を問わず、1人当たり3万円支給します。中学校における給食費を無料化します。さらに、中学校修学旅行の助成費を、5万円を限度に支給します。これにより、教育費全体で8億5,467万1,000円増額いたします。
第10款諸支出金は、国民健康保険料の均等割額を1万円引き下げるとともに、第1子以降の均等割額を全額免除するために、
国民健康保険事業会計に6億9,752万6,000円、介護保険料基準額を1,000円引き下げるために、介護保険会計に6億5,400万円、それぞれ繰り入れるものです。
以上が一般会計予算の修正案の内容です。
次に、国民健康保険会計及び介護保険会計についてです。
原案、修正案の歳入歳出の金額に変更はありませんが、それぞれの保険料の減額分を一般会計から繰り入れています。長期にわたる不況と
新型コロナウイルス感染症の拡大、それに追い打ちをかけるような右肩上がりの物価高による雇用と景気、経済のさらなる悪化の中で、区民生活はさらに深刻になっています。こういうときにこそ、港区は区民生活と中小企業、商店の営業を守る予算を組むべきです。
この修正案は、この議会で決定されれば、すぐに実施することができます。ぜひ御審議の上、御賛同いただけますようお願いいたします。また、部分的にでも御賛同いただけるものがあれば、提案をしていただければ、受け入れる用意はあります。そのことを申し述べて、提案者を代表しての提案理由説明といたします。よろしくお願いいたします。
○委員長(黒崎ゆういち君) 説明は終わりました。
なお、令和5年度港区一般会計予算に対する修正案、令和5年度港区
国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び令和5年度港区介護保険会計予算に対する修正案についての質問はございません。
以上をもって、一般会計予算、
国民健康保険事業会計予算及び介護保険会計予算の審議は終了いたしました。
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○委員長(黒崎ゆういち君) これより総括質問を行います。
初めに、自民党議員団を代表して、やなざわ委員。
○委員(やなざわ亜紀君) 日に日に暖かく、春の日差しを感じる今日この頃となってまいりましたが、我々を取り巻く環境はまだまだ厳しい冬のようでもあります。ロシアによるウクライナ侵攻から1年、際立つ中国の台頭、北朝鮮のミサイル、世界的なインフレ、地球温暖化など、日本を取り巻く環境は厳しく、激動に変化しています。
日本国内においては、いつ発生するか分からない首都直下地震、
新型コロナウイルス感染症対策、続く物価高騰、何より世界的に類を見ないスピードで進む少子高齢化、あまりにも解決しなければならない課題がたくさんある中で、私たちに必要なのは、誰もが当たり前に望む安全・安心で平和な暮らし、笑顔あふれる日常の生活です。私たち港区議会議員は、港区民のためにそれをつくっていく責務があります。今、港区からできること、港区だからできること、その視点で、自民党議員団皆でつくり上げた総括質問を行います。
まず、少子化対策についてです。
2月28日、令和4年に生まれた赤ちゃんの数は前年比5.1%減の79万9,728人で、統計開始以来初の80万人割れとなったことが、厚生労働省の人口動態統計速報値で分かりました。国は、80万人を割るのは令和15年と見込んでおりましたので、実に10年を超える速いペースで少子化は進んでいます。これを受けて岸田総理は、危機的状況だと述べ、少子化のトレンドを反転させるため、今求められる子ども・子育て政策を具体化し、政策を進めていくことが重要だと強調しました。総理は年頭の記者会見で、異次元の少子化対策に挑戦するとも表明されておりますが、今すぐ子どもを産み育てやすくするためには、地方自治体による先進的で異次元の取組が必要です。
そこで、新年度予算において、23区が子育て支援を競い合うさなか、武井区長は現在の少子化をどのように捉え、どのような気概を持って少子化対策に挑まれるのか、お聞かせください。
内閣府の令和4年版少子化社会対策白書では、夫婦が理想とする子どもの数を持たない理由として、「子育てや教育にお金がかかり過ぎるから」が最も多くなっています。このように、国難にある少子化の原因の一つははっきりとしています。
子どもを育てるのが経済的に苦しいのであれば、子どもを産まなければいい、経済的に苦しいのは自己責任だと言う人もいますが、だからこそ、産み控えを選択する人が多いのであり、結果として社会の基盤を揺るがす事態となってしまっていることを、今、国民全員が思うべきであり、そうした意識改革をするとともに、子ども・子育て、特に子どもへの経済的支援は、これまでとは異次元に行うべきときが来ています。それには、出産費用、ゼロ歳から2歳児の保育料、高校・大学の費用、少なくともこれらの費用の心配が要らない社会の実現が必要です。
港区は新年度予算において、出産費用の自己負担を事実上ゼロにすることを目指し、助成の上限額を81万円に引き上げました。ほかの自治体に比べても多く、大変ありがたいことですが、実質は、都内で出産するには、この助成額ではゼロにはならないのではないかというのが、昨年11月に出産しました私の実感です。都内で出産する方に向け、さらなる助成をお願いしたいと思います。
また、出産に至るまでの妊娠期間中には、何度かの血液検査や、妊娠後期のNST検査等があり、これらは全て保険適用外の自己負担となっており、数千円から数万円がかかってしまいます。妊婦健診で自己負担が生じている部分を区が上乗せし、事実上の自己負担ゼロを港区としては目指していただきたいと思いますが、見解をお伺いします。
続いて、子ども・子育て支援における所得制限の撤廃についてお伺いします。
国が実施する子育て支援策には、所得制限が設けられているものが多く、親の収入が高いほど、子どもへの支援が少ない現状となっています。ゼロ歳から2歳の保育料は収入が多いほど高くなり、児童手当は令和4年10月支給分より、1,200万円以上の世帯の特例給付が廃止されました。そのほか、障害児福祉手当、
高等学校等就学支援金制度や、高等教育の修学支援新制度の各種支援策、大学進学に際しての国の奨学金、日本学生支援機構にも所得制限が設けられています。
年少扶養控除も廃止され、このように親の所得が高くなるほど、保育料も高くなる上、児童手当もなくなり、高校・大学でも子どもが支援の対象外となる現状では、仮に収入を増やして教育費を賄おうという計画を立てたとしても、収入が増えると、税金は増えるのに支援が減るという事態に陥るため、働いて稼ぐという意欲も減り、子どもは産み控えるという悪循環、そして、これらが今後も少子高齢化をより一層進めていくという最悪の状態になっていると言っても過言ではありません。何より、我が国の将来を担う子どもたちにしっかりと予算を割いていくことは、未来に対する投資であり、親の所得にかかわらず、全ての子どもが平等に扱われるべきです。
特に港区においては、令和3年度子育て世帯への臨時特別給付金で、全体の約55%が対象外であったように、過半数の子どもが支援から漏れているわけであります。この状況を看過し続けるわけにはいきません。国の基準に一律に倣うのではなく、港区ならではの支援を、新規、継続を問わず行っていくべきだと思います。所得制限により支援対象から漏れてしまう子どもが港区には過半数いることについて、区はどのように考えているのかお聞かせください。
続きまして、子ども・子育てにおける教育費についてです。
3歳から5歳の保育料が無償化されて数年がたちましたが、ゼロ歳から2歳の保育料は今も必要であります。ここにつきましては、東京都が来年度から第2子の無償化を行う方針であるということですが、港区では既に無償化していただいております。東京都が第2子を行うということで、ぜひ港区では第1子からの無償化をと期待したいところではありますが、保育料より不安なのは、子どもにかかる教育費です。小・中学校は義務教育であったとしても、子どもを産み育てていくことにおいては、教育費に不安を感じている御家庭は少なくありません。それはつまり、高校・大学の教育費です。
そこの不安を解消していくためには、私は、港区で中高一貫教育校を設立すべきだと考えております。そして、自民党会派の中でも、私と同意見を持つ議員もおります。これは、子育ての費用負担の課題解消だけではなく、港区の公立小学校から公立中学校へ上がる進学率の低さの解消、また、小学校から中学校へ、中学から高校へ進学する際の、子どもたちの苛酷な受験競争からの解放も促されます。千代田区立九段中等教育学校のような港区立の中高一貫教育校は、昔から港区民からも望まれております。これらを踏まえ、区の見解をお聞きします。
続いて、給食費の無償化を行うことについてお伺いします。
家庭が負担している教育費は、教材費や制服、体操着、学用品、給食費、修学旅行積立金などと多額です。中でも、令和3年度
学校給食実施状況等調査によると、全国平均で小学校が年間に4万9,247円、中学校が約5万6,331円と、給食費が大きな負担となっています。
学校給食法第2条に定められている学校給食の目標の達成に向けて、学校では、給食を通じた食育が行われてきました。その意義は大きく、教科学習とともに、学校教育の大きな柱となっています。
コロナ禍、ここ最近の物価高騰の中で、区民の生活はますます厳しくなっています。そこで、給食費の無償化も広がっています。23区では、昨年9月に方針を公表した葛飾区のほか、中央、台東、品川、世田谷、北、荒川の計7区が、小・中学校の保護者負担をゼロにするための費用を新年度予算に盛り込みました。少子化にある状況や、学校給食は義務教育の一環であることを思うと、国で無償化を決定していただきたいところですが、国の決定を待ってはいられませんし、港区の財政状況を思うと、十分可能なように思います。給食費無償化の実施に向けての見解を伺います。
続いて、産後母子ケアについてお伺いしてまいります。
出産後は、新たな命に巡り会う喜びと同時に、産前産後の体調の変化、子育てという新たな役割などに伴い、メンタルが不安定になることは決して特別なことではありません。そんなときに、いきなり病院で受診するのは、多くの母親にとってとてもハードルが高いものですが、身近に相談ができる人や場所があることは、どんなに心強いことかと思います。
そこで、子育て支援の拠点として、
子ども家庭支援センターの存在は、母親にとってとても心強いものですが、母親のメンタルヘルスに果たす
子ども家庭支援センターの役割と、区内の医療機関との連携についてどのように進められているのか、区長の見解を伺います。
先ほど、昨年1年間の全国の出生数が80万人を切り、統計開始以降最少ということで、少子化が予想以上のスピードで進んでいると述べました。今、まさに国全体で様々な議論が行われているわけですが、少子化対策として、金銭的支援はもちろん大事な点ではありますが、安心して子どもを産み育てることができる環境整備は、私の経験からも必要不可欠であると考えています。
そのような中、今回の新年度予算において、港区産後母子ケア事業が大幅拡充されたことは、私はもちろん、以前から充実・強化を訴え続けてきた小倉委員はじめ、自民党議員団にとっても大変喜ばしいことです。国や東京都に先駆けて、様々な母子保健、子育て支援施策を推進してきた武井区長の御決断に、改めて感謝申し上げます。
産後母子ケア事業は、2019年に母子保健法の一部が改正され、区市町村の努力義務とされましたが、母子保健や子育て支援を主体的に担うのは、これまでもそうですが、国や東京都ではなく、基礎自治体である区です。それぞれの区が創意工夫を凝らして、その地域に合った事業展開を主体的に行っていくべきものだと思います。
港区は、小児科や産科を有する病院・クリニックも豊富にある土地柄であり、様々な子育てサークルも活発に活動しています。産後母子ケア事業は、こうした港区の地域の特性を生かして、限られた専門病院だけに集中するのではなく、様々な病院、診療所、助産所などに参画してもらうとともに、病児保育、
Helloママサロンなどの交流の場などを含め、産後のお母さん方が気軽に利用できるサービスの環境整備を引き続きお願いしたいと思います。
そこで、子育て施策の中で重要な位置を占める産後母子ケア事業について、今後どのような点を重視して事業展開を行われるのか、区長の見解を伺います。
また、母体をケアすることにおいて、母親以外の周りの理解がもっと必要だと思います。いまだに、出産は病気ではない、産後ケアなんて甘えだ、お金を使って休むなんてぜいたく、早く家のことをすべき、産後のホルモンを言い訳にしないできちんとしなさいなどという声をあちこちで聞いたりします。私からすると、もはやこれは言葉の暴力です。母体がどのような負担や変化を受け、保護していくことが大事なのかを、家族の皆が、職場の皆が、もっと知る必要があると思うのです。
母親だけがそのケアを必要として、それを求めて受けるのではなく、周りからもケアを受けることを推奨されるようにしないといけないと思います。それが産後鬱を防ぐことや、2人目、3人目を産める、産みたいと思えることにもつながっていくと思います。産後母子ケアの啓発について、どのように進めていくのかを伺います。
民生費で、ゼロ歳児の虐待について池田こうじ委員より質疑がありました。子どもの虐待死について、厚生労働省の調べによると、令和3年度は、心中以外の虐待死のうち、ゼロ歳児が32人で65.3%というデータは衝撃的ですが、そのゼロ歳のうち、月齢零か月児の虐待死が16人で、50%にも上るということに大変心が痛みます。家族や地域はもちろん、役所として介入のチャンスはなかったのかと思います。ここは見逃すと、表に出にくい家庭の中での長期的な児童虐待になりかねません。
ゼロ歳児の虐待防止に関する民生費の答弁では、
子ども家庭支援センターには、ゼロ歳児を育てる母親から、赤ちゃんが泣きやまないと、赤ちゃんに自分が責められているように思えるなど、産後の複雑な不安が寄せられている。みなと保健所、各地区総合支所と医療機関などが連携して、必要な支援につなげ、出産後も引き続き状況の把握や助言、また支援をしていくとの答弁がありました。
育児の孤立を見逃さない切れ目のない支援こそ、児童虐待を根絶する鍵です。切れ目のない支援と言いますが、産前産後こそ、切れ目のない支援の始まりとなる大切な機会です。民生費での答弁を踏まえ、産前産後を端緒とする、児童虐待根絶に寄与する切れ目のない支援について、区長の考えを伺います。
続いて、ゼロ歳児の子育て支援について伺います。
港区の子育て支援は多くありますが、ゼロ歳児の子育て支援について、より強化していただけたらと思います。全国的に母親の産後鬱や虐待が多いのも、子どもがゼロ歳児ということを思うと、やはりこの時期の母体や育児がいかに大変か、この時期の母親を孤立させないことが大事であり、この部分の育児支援を強化することが必要だと思います。
港区内において、ゼロ歳児の一時預かりは多くありますが、ほとんどの施設は赤ちゃんが4か月以上からであることや、予約が取りづらいのが現状です。予約が取りづらいところの改善点も必要ですが、そもそも生後4か月となると、少し育児が軌道に乗ってくる頃であり、軌道に乗る前の、4か月よりもっと早くからの母子の支援が必要です。数多くある港区の一時預かり施設の中で、最も早くから預かってくれるのは生後57日からですが、その施設は僅か3施設のみ、それも保育園定員に空きがある場合のみなので、ほぼ利用できないのと同じです。
ちなみに、港区の多くの一時預かりが、保育園定員に空きがある場合のみ利用可能なので、年度末になるにつれ、空きがなくなり、生後4か月以降の赤ちゃんも同等に、こうした施設で預かれなくなってきます。施設型だけではなく、ベビーシッターなど自宅に来てもらえるサービスは大変助かります。千代田区のように、ベビーシッターの助成があればと思っていたところ、新年度予算において港区で計上されたことを非常にうれしく思っております。
以上を踏まえ、ゼロ歳児の育児支援について、区の見解を伺います。
病児保育の枠拡大と送迎事業について伺います。
仕事と育児の両立において最も困難を感じるときは、子どもの急な発熱などで、仕事を休まないといけないのに休めないなどの事態に陥るときです。大きな企業などで、福利厚生や周りのサポートがしっかりしている職場なら、さほど困難は感じないかもしれませんが、フリーランスで働いているカメラマンやアナウンサー、舞台やテレビなどの演者の方、裁判当日の弁護士や手術当日の医師の方など、代わりが利かずに仕事がどうしても休めない場合はあります。また、フリーランスの方にとって、仕事に穴を空けることは、次の仕事を得るか得られないかに直結するため、休むことは致命的です。
そのため、病児保育がとても重要となってきますが、必要なときに空きがなかったり、また、保育園で子どもが熱を出し、迎えが必要となったとき、迎えに行けなかったり、保育園から病院や病児保育へ行くまでの送迎を行う人もいなかったりするために、結局、子どもが病気のときの仕事と子育ての両立に悩む御家庭は多くあります。こういった諸問題の解消が必要です。
港区の病児保育は、年間を通しては稼働率が高いとは言えないために、増やすことは困難であることや、送迎事業も現状は難しいということですが、病児保育だけではなく、シッター利用等も含め、子どもが病気時でも安心できる仕組みを早急につくることが必要だと思いますが、区の見解をお伺いします。
続いて、港区立元麻布保育園についてです。
港区立元麻布保育園は、令和2年1月から、社会福祉法人春和会が指定管理者として運営しています。医療的ケア児・障害児クラスのある保育園ということで、全国から注目され、自治体の視察も多いようですが、保育園の運営については、保育士の離職等、開設当初から様々課題があると聞いています。区からは保育アドバイザーや園長経験者等が保育園に出向き、保育指導を行うなどをされているとのことですが、まだまだ改善の余地があるようです。
区と指定管理者は、質の高いサービスの安定的な提供に向けて、パートナーとして連携・協働していく関係であるべきですが、区からの助言・指導があるにもかかわらず、サービス内容などの改善が見られない場合については、区から指定管理者への改善勧告といった、より強い措置も必要と考えます。指定管理制度は、民間事業者のノウハウやアイデアなど、専門性を生かして多様な保育ニーズに応えていくものとして有効ですが、子どもの安心・安全、安定した保育園運営のためにも、区が一定の権限の下、事業者を指導・監督していくことも必要と考えます。御検討のほどよろしくお願いいたします。
次に、子どもたちの運動や食を通じての教育について伺います。
まず、子どもたちのスポーツ環境の整備についてです。
今定例会の請願の中で、港南地域において、東京海洋大学によるグラウンドの提供が、地域の子どもたちにいかにありがたいことであるかを知ったわけですが、より多くのグラウンドの確保が必要であると考えます。港南地域には汚水処理の施設が整備される予定でありますが、そういった施設の上空部分を活用した新たなグラウンドの整備や、再開発の中でもフットサル場や、スリーオンスリーのバスケができるコートの整備が望まれます。また、渋谷駅の宮下公園のように、東京2020大会で日本人選手が大活躍したスケボーパークも、区内に整備されることが望まれます。
間もなくWBCが開幕して、大リーグで活躍する大谷選手などの活躍を目の当たりにして、国内のスポーツ熱も盛り上がると感じます。広大な広さを誇る都立芝公園周辺でも、公園の活用について東京都と話合いの場を持ち、新たなスポーツの場を創設していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
続いて、連合運動会や連合体育大会を新国立競技場で行うことについて伺います。
港区立小学校6年生が一堂に会する連合運動会、同じく港区立の中学校2年生が集まる連合体育大会が、コロナ禍を経て3年ぶりに開催されました。子どもたちが競技に取り組む姿、友達を応援する姿、モニターに映る姿に起こる喜びの声や笑い声、競技場に響く大歓声に、あのような子どもたちの姿を見たのは本当に久しぶりで、大変感激する一方で、
新型コロナウイルス感染症が奪った3年という子どもたちの大変重要な機会の喪失による悔しさ、それでも今があって、頑張っている子どもたちの姿や、子どもたちの未来を思うと、うるうると込み上げてくるものがありました。
さて、昨年の大会は駒沢陸上競技場で行われたものです。もちろん立派な競技場ですが、港区からは少し距離がありますし、何といっても、東京2020大会が行われた新しい国立競技場での実施が、子どもたちにとってもよいのではないかと思います。喜ばしいことに港区では、来年から新しい国立競技場で実施すると伺い、とてもうれしく思っています。そこで、3月21日に行うレガシーイベントを生かして、令和5年度の連合運動会、連合体育大会をどのように実施していくのか、その考えをお知らせください。
さて、運動をしたらおなかがすきますが、食欲ではなく、池田こうじ委員が質問した食育について、総括質問では、食育と環境教育を関連して進めることについて伺いたいと思います。
食育とは曖昧なものではなく、食育基本法で定義されている現代日本の喫緊の課題ですが、国は、子どもたちにとっては、食育を生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置づけています。
また、環境教育は、未来の地球を担う子どもたちにとって、ますます必要な素養となるものです。子どもたちの環境教育において、3度の食事の食育から入るのが有効で分かりやすいと思います。食育は、テーブルマナーや、地球温暖化による食料確保の危機、フードロスによる環境負荷、地産地消の意義など、環境教育やエシカル教育にも深く関わっています。食育の必要性についてどのように考えるのか、また、食育と環境教育を関連して進めることについてどのように考えるかを伺います。
次に、働き方改革です。
少子化は、雇用、結婚、妊娠、出産、教育など、一つの要因ではなく、複合的な問題が重なって起こっているわけですが、解消すべき課題の一つが、働き方改革です。我が会派でも、うかい委員はじめ、働き方改革をより一層強めなければならないという声が高まっています。
先日、フジテレビの「日曜報道THE PRIME」で、区内の伊藤忠商事株式会社の働き方改革が取り上げられていました。会社の玄関にたくさんのサンドイッチやおにぎり、飲物が並べられていて、1人3品まで無償で支給されているそうです。これは、早朝に出勤することで、夜間の残業をなくしていく社の方針とのことです。大きな会社ですので、社の託児所もあり、お母さんがお子さんと電車の混まない時間に出社していて、女性がグループ長など重要な役割を果たしているところが映されていました。定時は15時とされていて、男性社員も帰宅が早くなり、料理など家事をすることも可能となっているようです。
ここで取り上げられていたのは、この働き方改革を行った結果、社内での出産率が上がったとのことです。社として、社員が頑張ってくれたことによる利益をしっかりと社員に還元し、新たに頑張ってもらうという好循環が社内に浸透しているようです。コロナ禍を経て、新たな日常が生まれ、今までの当たり前であったこともいま一度見直してみる、よいタイミングなのかもしれません。
すばらしい施策が区民に受け止められて、人口が増加していき、それに伴って税収も上がって、区民に喜ばれる施策を打ってきた武井区政でありますが、企業が多く存在するこの港区において、企業への働き方改革にも、ぜひ手を打っていただきたいと思います。特に、大企業よりも改革が難しいと言われている中小企業への支援こそが必要だと思います。区内中小企業の働き方改革に、区としてどのような支援を行っていくのか、区の見解を伺います。
これまで少子化に関連して質問してまいりましたが、何をするにも、やはり健全な財政運営がなされないとなりません。そこで財政については、土屋委員が質問した都区財政調整における都区間の財源配分について、総括でも伺います。
都区財政調整の都区間の配分については、以前は都側が45%、区側が55%となっていましたが、児童相談所が区に設置された初年度となる令和2年度に、区側の配分割合が0.1%引き上げられ、55.1%となっています。港区を含めて、児童相談所の設置が先行する4つの区の決算が明らかになる今年度の都区財政調整協議会では、改めて、児童相談所の開設に伴う都区間の配分割合を協議することとなっていたと思います。令和5年度予算特別委員会の歳入で土屋委員が質問しましたが、現時点では都区双方の主張が平行線で、このため、令和5年度の都区財政調整をめぐる関連条例案が都議会において提出されるめどは立っていないとのことです。
今年の10月には、葛飾区でも児童相談所の開設が予定されており、特別区における児童相談所の開設は着実に進んでいます。武井区長は、特別区長会の副会長を務めていて、23区全体を代表して交渉する立場にあると思いますが、区民に最も身近な基礎自治体である特別区が児童相談所を設置し、子どもの命と権利を守るために大きな役割を発揮することの意義や、財源の在り方について、どのような思いで東京都との交渉に挑まれているのかを伺います。
財政に関連して、清原委員が質問いたしましたふるさと納税制度について、総括でもお伺いします。
特別区民税収入は、平成20年に導入されたふるさと納税の影響を受け、本来港区の財源になるものが、ほか自治体の財源となり、令和4年度は63.6億円の影響がありました。その累積額は、令和4年度の時点で268.1億円に上ります。
区は、ふるさと納税を受けるために、港区版ふるさと納税制度のメニューとして、12項目を掲げており、令和3年度の寄附額は約5,200万円となりました。ふるさと納税は返礼品が期待されておりますが、港区は、寄附文化を醸成するというふるさと納税本来の趣旨を踏まえ、返礼品は設けておりません。港区が制度の趣旨を真摯に受け止めることは理解できますが、流出額対策や納付対策を講じることも必要だと思います。
港区には、魅力的な地域資源があります。これらの資源などの活用も含めて、港区商店街連合会や港区観光協会などを交えての返礼品について検討すべきではないかと思います。例えば、渋谷区などでは、渋谷区の飲食店で使えるお食事券の返礼品があり、港区民の方が、お店もお食事も満喫できたと喜んでいる様子をSNSにアップしているのをよく見かけますが、もし港区にもこのような返礼品があれば、コロナ禍で苦戦を強いられた港区にあるたくさんの飲食店にとっても非常に有効だと思いますし、港区民にとってもありがたいことだと思います。港区版ふるさと納税制度についての課題や今後について、区の考えを伺います。
次に、防災について伺います。
今年は、大正12年、1923年の関東大震災から100年となり、防災にとって節目の年となります。区は来年度予算にも、関東大震災100年を契機とした防災対策の充実・強化を掲げています。そこで防災について、まず初めに、災害時の適時適切な情報提供について伺います。
災害発生時に、正確な情報をタイムリーに収集・共有することは極めて重要です。SNS上に一旦フェイクニュースとして広まってしまった誤った情報の修正は、極めて困難です。港区が情報発信の司令塔となり、正確な情報を発信し続けることは、混乱を極める災害現場での冷静な判断に役立ちます。
総務費の款別審議では、我が会派の鈴木たかや議員の質問に対して、区は、現在AIを活用し、SNS等で発信された災害情報等を自動的に収集し、信頼性の高い情報を知らせるリスク情報収集・集約システムであるFASTALERTを導入し、災害時等の情報収集に努めていると答弁がありました。
これに加え、令和5年度予算に計上している、災害時における広域的な情報収集手段に関する調査で、災害発生時に災害対策本部に居ながらにして、地域の被害状況や被害の規模を、迅速にリアルタイムの映像を得るために、区内各所の防犯カメラやスマートポールなどを利用する際の様々な課題の洗い出しと整理を行い、災害時に駅周辺での帰宅困難者対策などに資する迅速な情報収集につなげるとのことでした。帰宅困難者対策については、我が会派の二島委員が質問しておりますが、この情報収集について改めて質問いたします。
情報収集は、AIだけに頼るのではなく、人の目を介した情報収集ということで、より正確に行う姿勢を高く評価します。その上で、同時に収集した情報をどのように活用するかも重要と考えます。収集される情報は、膨大な量になるであろうことは容易に想像できます。それらを情報の種類や内容に応じて適切に取り扱うためには、事前に綿密なシミュレーションを行うことが求められると思います。
災害時に刻一刻と変化する状況に関しては、最新の有益な情報を区民や来街者に対して適時適切に提供しなければ、かえって混乱が増大する可能性があります。収集した情報を適切に取り扱い、適時適切に共有・拡散する手段・方法についても調査する必要があると思いますが、区長の考えを伺います。
続いて、地域の防災を担う消防団の訓練場所について伺います。
消防団の訓練場所については、本予算特別委員会でも多くの委員から取り上げられましたが、なかなか簡単には見つからないのが現状です。委員会の中でも発言がありましたが、大会前の平日の夜に、続けて訓練を行うわけですが、大規模な再開発の中でも、100メートルの直線を確保して放水をすることができる場所というのは、厳しい現状であるようです。例えば、高輪消防団第1分団が訓練をされている高輪3丁目の高輪公園前では、ほぼ110番通報されてしまう状況だそうです。このことは、日夜地域の安全を守るために尽力してくださっている団員の士気にも影響を与えていると考えます。
地域の安全を守る地元消防団の活動を、いかに地域の方々に御理解いただくかは、消防団の支援としても重要であり、管轄の消防署と各地区総合支所が協力をして、区民の理解を広げることも必要と考えますが、いかがでしょうか。
続いて、避難所として活用する学校施設のトイレのバリアフリー化について伺います。
公立小・中学校の校舎への車椅子使用者トイレの整備を、政府は令和7年度をめどに、避難所指定を受けている学校の整備率を100%とする目標を掲げています。文部科学省の昨年の集計では、避難所としている学校施設の70.4%まで整備が進んでいるとありました。学校施設のトイレの利用に関しては、学校外から車椅子で円滑に利用ができるように、段差部分を埋めるスロープの整備も進めているとのことです。
我が区においては、赤坂中学校や芝浜小学校などの新校舎において、これらの条件を満たしていることは当然かと考えますが、東町小学校や芝小学校のような、既存の校舎を使用しているケースも多くありますが、現在のバリアフリーへの対応はどのような状況でありますでしょうか。いざという有事の際への避難所となる、これらの施設の対応は必須の状況下で、未整備の学校施設への一日でも早い対応を望むと同時に、日頃より地域に開かれた学校にするためにも、全ての人が利用しやすい施設であることを望みます。区の状況と今後の対応についてお伺いいたします。
次に、まちづくりについて、3点質問させていただきます。
まず、羽田空港機能強化について伺います。
今定例会の我が会派の代表質問でも取り上げさせていただきましたが、北風の時期で静かな日常が続いておりましたので、暖かくなるにつれて、これから南風が増えるのか、港区上空を飛行する機体の数に、またあれが始まるのかと、重く暗い気持ちになってしまう方が多くいらっしゃいます。国土交通省は、第5回目の羽田空港の固定化回避に係る技術的方策検討会を開催したようですが、航路の具体的な開示には至っておらず、区民の不安は、より深まるものと感じます。旋回をするのが港区上空であったらというような、意味のない検討に心配する声も届いてきており、当初より要請している地方空港の積極的な活用も、しっかりと検討すべきであると考えます。
そこで、これまで国土交通省の航空部門とだけやり取りをしておりましたが、そちらに任せきりにせず、観光は我が国にとっても大切な経済効果を生むものであることから、航空部門以外の国土交通省の観光部門や、地方活性化については、総務省をはじめとするほかの省庁にも、港区の考えを伝える時期と考えますが、いかがでしょうか。
続いて、神宮外苑の再開発について伺います。
今定例会の本会議や予算審議においても、神宮外苑地区の再開発について、積極的な議論が行われているわけでありますが、我が会派としても、神宮外苑地区を象徴する4列のイチョウ並木が失われることがないよう、工事が進められるべきであると考えます。神宮球場も秩父宮ラグビー場も老朽化していることから、新たに建て替えることに異論はなく、むしろその財源の捻出について、様々な議論が行われた結果として、市街地再開発事業によるまちづくりを進めるとの結論が出たものと受け止めています。
しかしながら、神宮外苑地区の大切な自然や景観を守りたいと心配する声が多いことも現実です。このため、神宮外苑地区のまちづくりに対して不安をお持ちの方々にも、再開発事業によって、よりよいまちづくりが進められることと評価していただくためには、多くの皆様に事業の内容を正しく御理解いただく必要があると認識しています。そのためには、正確な情報を誰にでも分かりやすく丁寧に発信していくことが不可欠です。
東京都都市整備局は、ホームページに、神宮外苑地区のまちづくりに関する専用ページを設け、まちづくりの概要やこれまでの検討経緯、よくある質問と回答をまとめたQ&A集などの資料を公表しています。また、再開発事業の事業者も、プロジェクトサイト「神宮外苑地区まちづくり」をインターネット上に公表しており、より丁寧な情報発信に向けて、本年の春以降にプロジェクトサイトをリニューアルする方針だと聞いています。
このような情報発信が行われている中、港区としても、当地区のまちづくりに関する情報発信に、何らかの方法で寄与できないかと考えます。そこで伺いますが、区民をはじめとした多くの皆様に、神宮外苑地区のまちづくりについて御理解いただくため、当地区のまちづくりに関する情報発信に関して、港区にできることはないか、区長の見解をお伺いいたします。
続いて、(仮称)飯倉公園の自転車駐車場整備について伺います。
この飯倉公園に整備される自転車駐車場に関連して、本定例会の予算審議でも、公園を一時的にでも使えなくしてまで整備をする必要性を、疑問視する声が上がっています。この報告が行われた建設常任委員会でも、そもそも鉄道事業者である東京都交通局が自転車駐車場の整備を行うべきであり、新一の橋からの広い歩道の整備の仕方にも、地域や港区の要望を聞いて行っているのかを問題視する発言を、我が会派のうかい委員が行っています。
都道において、歩行者と自転車の両方がレーンを分けて通行するようになっておりますが、それこそ物すごいスピードで歩道内を走る自転車に、危険を感じる方は多いでしょう。本来、安全に配慮するならば、歩道とは分けて段差を設け、自転車走行レーンは車道と同じレベルに設け、そこに駐車できるスペースを設けることが、広い歩道の賢い活用と考えます。なぜ東京都交通局の電車のために、区が巨額を投じて機械式自転車駐車場を整備しなければならないのか。それも、区が地域にとって大切な公園を使って整備をして、地域の方からお叱りをいただくのは、全く納得できるものとは思いません。ほかの鉄道事業者との公平性も考えれば、本来、東京都としてしっかりと考えるべき課題と思っております。
しかしながら、放置自転車対策だけではなく、地域の安全対策としては、区の課題でもあります。現在まで多くの方の御意見として、長期間の工事のため、遊具も含めて公園の一部が使えなくなることや、自転車が集まることによる、公園利用者との錯綜や共存への不安があるものと思われます。こういった様々な不安や懸念を払拭し、地域の理解を得るための取組が必要と考えます。
これまで区が関係者などと様々な要望、協議、また検討を行ってきたことは、地域の方々も我々も十分に承知しておりますが、現在の多くの御意見を考慮し、本格施設の整備には工事期間が必要なことから、暫定施設の設置についても検討する必要があるのではないかと思います。また、暫定はあくまで暫定であり、本格施設の設置が前提となることは、条件として必須であると考えられます。
そこで改めて、暫定施設の設置の検討及び公園内への本格施設の設置であるならば、放置自転車対策だけではなく、歩行者や自転車の通行空間も含めた、公園、保育園、学童クラブ周辺の安全対策も併せて進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
なお、工事中に遊具が使えなくなるといった御意見については、子どもの成長などの観点から、重要な要素であると考えます。財政面など、関係課との協議もあるかと思いますが、ぜひとも今から必要な措置の検討をするよう、強く要望しておきます。
最後に、平和を創り上げることについて伺います。
ロシアがウクライナに侵攻し、1年がたちました。民間人を含めて、両国の死者は数万から10万人と見られ、ウクライナでは1,300万人が戦火を逃れて避難生活を送っております。これは例えると、東京都の人口が丸々別の場所へ避難しているということであり、被害の深刻さを物語っています。侵攻から1年がたったわけですが、ウクライナでは今もなお東部・南部で激戦が続き、いまだに終戦の見通しは立っていません。一日も早い終戦と平和を望みます。
区長も所信表明で述べられているように、平和は決して与えられるものではなく、国籍や世代を超え、共に創り上げるものです。であるならば、この港区で何ができるか。港区には、ロシア大使館もウクライナ大使館もあり、それだけではなく、80を超える国の大使館が軒を並べるように存在します。このようなまちは、世界的にも類を見ない、まさに唯一無二のまち、港区です。
そこで、港区を通して大使館同士の連携を強化することは、世界の恒久平和の一翼を担うことにつながると思いますが、区の見解を伺います。
世界の恒久平和を願うとともに、平和のために行動し、未来へと伝えていきたいと思います。質問の冒頭、そして、これまで述べてまいりましたように、厳しい現状の中で解決しなければならない課題はたくさんありますが、区民に寄り添い、皆で取り組んでいけば、必ず暖かい春が来ます。希望あふれる港区の未来のために、残り僅かとなりました今任期の責務を全うするとともに、今後も皆で力を合わせ、全力で取り組んでまいることをお誓い申し上げ、自民党の総括質問を終わります。
○委員長(黒崎ゆういち君) やなざわ委員の発言は終わりました。
○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表してのやなざわ亜紀委員の総括質問に順次お答えをいたします。
最初に、少子化対策についてのお尋ねです。
まず、少子化対策への意気込みについてです。現在の少子化は、若い世代にとって経済的な負担に加え、家庭と仕事の両立の困難、育児に対する不安など、子どもを産み育てることへの心理的な負担も影響していると考えております。区はこれまで、「子育てするなら港区」をスローガンに掲げ、出産費用の助成や、第2子以降の保育料無料化など、他の自治体に先駆けて取り組んでまいりました。来年度は、区独自の出産費用助成金の算出上限額の引上げ、産後母子ケアの充実や、2人以上の未就学児がいる世帯へのタクシー利用券の配付など、支援を充実してまいります。
今後も、結婚、妊娠、出産、子育てと、切れ目のない子どもの成長に応じた総合的な子育て支援策を講じ、港区で安心して希望する人数の子どもを産み育てられる環境整備に努めてまいります。
次に、妊婦健診の費用負担についてのお尋ねです。区は、妊娠届出のあった区民に、14回の妊婦健診、2回の超音波検査、及び1回の子宮頸がん検診費用の一部助成を、独自に回数を増やして実施しております。また、国の補助制度を活用し、昨年7月からは、多胎妊婦の妊婦健診の助成回数を区として独自に増加し、最大19回までと大幅に拡充いたしました。
区は、これまでも子どもを産み育てやすい取組を強化してまいりましたが、引き続き、妊娠中の母親が安心して出産できる環境の整備に取り組んでまいります。
次に、子育て支援における所得制限についてのお尋ねです。区は、全ての子どもたちが家庭の経済状況に関わらず健やかに育つよう、国の基準と異なり、区独自に子育て家庭の経済的な負担の軽減に取り組んでおります。これまでも、区は所得制限を設けず、第2子以降の保育料無料化や、ゼロ歳児から18歳までの子どもに1人5万円を配付する港区子育て応援商品券など、区の子育て家庭の実情に応じた支援に取り組んでおります。来年度からは、所得制限を設けずに、高校生世代まで医療費助成を拡大し、子育て世帯の医療費負担を軽減いたします。
今後も安心して子育てができるよう、子育て支援策の充実に取り組んでまいります。
次に、
子ども家庭支援センターの役割と、医療機関との連携についてのお尋ねです。
子ども家庭支援センターには、妊娠や出産に対する不安から子育てへの心配事など、妊娠期から子育て期に至る様々な相談が寄せられております。初めての出産で不安が大きいなど、支援が必要な妊産婦については、
子ども家庭支援センターの相談員と、みなと保健所の保健師が医療機関と情報を共有し、受診につなげるなど、一人一人の状況に合わせた支援を実施しております。
区は、医療機関等関係機関とこれまで以上に連携を密にし、妊産婦及びその家族が安心して妊娠期を過ごし、出産、育児に臨めるよう、産後ケアの充実に取り組んでまいります。
次に、産後ケア事業の展開についてのお尋ねです。区は令和5年度から、宿泊型ショートステイ事業の実施施設を、現在の5か所から8か所程度へ順次拡充いたします。また、産後デイケア事業、外来型及び訪問型乳房ケア事業を新たに開始いたします。
今後は、区内の産科・小児科を標榜する医院や診療所、助産所などに対して、様々な機会を通じて産後ケア事業への協力を要請し、できるだけ多くの医療機関などに参加していただくことで、区民の利便性の向上を図ってまいります。また、御利用いただいた産後の母親の御意見を随時事業に反映することで、より区民に寄り添った質の高い産後ケアサービスを提供してまいります。
次に、産後ケア事業の啓発についてのお尋ねです。区はこれまで、区ホームページや広報みなと、SNSなど様々な媒体を活用して、母親や御家族等に対して、出産前から産後ケアについて情報提供を行っております。一方で、出産直後の母親は精神的に不安定で孤立しやすいことから、事業の利用につながりにくい可能性もあります。
区は、こんにちは赤ちゃん訪問や各種教室で、直接、産後ケアに関する情報提供を引き続き行うとともに、港区医師会等と連携して、日頃母子が利用する医療機関を通じて、産後ケアの理解を深める啓発を強化し、産後ケアに関する意識の醸成を図ってまいります。
次に、ゼロ歳児の虐待根絶についてのお尋ねです。区では、妊娠中または出産後の家庭に対し、一定の期間、ホームヘルパーが訪問し、家事・育児等の支援を行う港区産前産後家事・育児支援事業を実施しております。ホームヘルパーは必要に応じて
子ども家庭支援センターの相談員と、子育ての悩みや不安を抱える家庭の情報を共有し、状況に応じて相談員が訪問するなど、保護者に寄り添い、適切な支援につなげております。
今後もみなと保健所、各地区総合支所と医療機関など、様々な関係機関が連携して、妊娠期から切れ目のない支援に取り組むことで、児童虐待の未然の防止につなげてまいります。
次に、ゼロ歳児の子育て支援についてのお尋ねです。区はこれまでも、妊娠届出時から、妊婦全員面談、新生児等全戸訪問、産後母子ケアや、産前産後家事・育児支援など、妊婦やゼロ歳児のいる家庭に寄り添い、必要な支援を行ってまいりました。本年4月からは、多様化する保護者の保育ニーズに応えるため、家庭での一時保育を希望する方がベビーシッターを利用する場合の利用料を助成する、港区ベビーシッター利用支援事業を開始いたします。
今後も、ゼロ歳児を育てる家庭が孤立せず、安心して子育てができるよう、きめ細かな支援に全力で取り組んでまいります。
次に、子どもが病気でも安心できる仕組みについてのお尋ねです。区は、お子さんが病気のため保育園等に預けられない際に保育を行う、病児・病後児保育を実施しております。また、病児保育室は、感染症等の流行によって利用規模が定員を上回り、お預かりできない日が発生することもあるため、訪問型病児・病後児保育としてのベビーシッター利用を提供しております。
お子さんが病気になっても安心できる病児・病後児の保育利用については、今後の子育て支援策の充実を進める中で検討してまいります。
次に、中小企業の働き方改革への支援についてのお尋ねです。
区は、仕事と子育てや介護の両立支援に積極的に取り組む事業者を、ワーク・ライフ・バランス推進企業として認定しているほか、男性従業員に育児休業等を取得させた事業主への奨励金の交付など、区独自の仕事と家庭の両立支援事業等により、働きやすい職場づくりを支援しております。
本年4月から、中小企業においても時間外労働の割増し賃金率の引上げが適用されるなど、労働環境の改善が必要であることから、産業振興センターでの時間外労働削減に関するセミナーの開催や、社会保険労務士による無料相談など、今後も区内中小企業の働き方改革の取組を支援してまいります。
次に、都区財政調整における都区間の財源配分についてのお尋ねです。
特別区が児童相談所を設置することは、区民に身近な基礎自治体が自らの責任と権限により、妊娠期から子育て期、思春期、子どもの自立まで、切れ目のない支援をこれまで以上に迅速かつきめ細かく支援できることに大きな意義があります。児童福祉法が改正され、特別区が東京都に代わって児童相談所を設置することができるようになりましたことは、東京都と区の大幅な役割分担の変更と考えております。
特別区が児童相談行政を担い、子どもの命と権利を守る責務を果たし続けていくためには、特別区が担う役割に見合った財源が確実に保障される必要があります。私は、特別区長会の副会長として、都区間の役割分担に応じた配分割合となるよう、粘り強く特別区の考えを主張してまいります。
次に、港区版ふるさと納税制度の課題と今後についてのお尋ねです。
本制度は寄附本来の趣旨を踏まえ、寄附者に区の取組を応援いただくことを目的としております。そのため、寄附者が継続的に区を応援したいと思える仕組みづくりが、必要かつ重要な課題であると認識をしております。返礼品を目的としたふるさと納税につきましては、自治体間の返礼品競争が加速している中、自治体を応援するという意義が薄れることが懸念されます。
区は、寄附者にとって魅力ある自治体となるよう、区の取組の効果的な情報発信、寄附の募集方法の工夫、寄附の活用先のさらなる充実などに積極的に取り組んでまいります。
次に、防災についてのお尋ねです。
まず、災害時の適時適切な情報提供についてです。区では現在、気象情報や雨量、水位情報等を基に、AIが避難情報の発令判断要件を分析した上で、職員を支援するとともに、防災行政無線や防災情報メールなどと自動連携することのできる新たな地域災害情報システムの構築を進めております。システム構築後には、防災情報メールから、より迅速に各種SNSへの連動が可能となるほか、防災専用のホームページも開設し、発信力を強化するよう検討しております。
今後も災害時の情報収集に努め、的確に分析し、区民や来街者に適時適切に情報を発信できるよう取り組んでまいります。
次に、消防団の訓練場所についてのお尋ねです。消防団は団員一人一人が学業や仕事を抱える中、夜間や休日に公園等を使用して訓練を実施しております。訓練場所の確保はもとより、声や音に気遣いながらの訓練に御苦労されていることは承知をしております。区では、地域の皆様に、消防団についての理解を深めていただくため、来年度は広報みなとの特集号を発行するほか、入団促進のPR動画を作成してまいります。
今後も、区はこうした取組に加え、消防署との連携をさらに深め、地域の皆さんに消防団の役割や活動を積極的に紹介し、訓練への理解が深まるように取り組んでまいります。
次に、まちづくりについてのお尋ねです。
まず、羽田空港機能強化についてです。区はこれまでも国に対して、地方空港のさらなる活用、海上ルートの活用、今後の航空技術の進展に伴う新たな取組など、羽田空港の飛行経路に係る様々な運用等を検討するよう要請してまいりました。地方空港の活用により、多くの観光客が訪れることで、地域経済が活性化し、新たな雇用が生まれるなど、地方の発展につながることが期待できます。
今後、国に対し、新飛行ルートの固定化回避に向けては、航空部門だけではなく、観光や地域振興を所管する省庁が連携し、地方の発展を視野に入れて検討を進めるよう求めてまいります。
次に、神宮外苑地区の再開発に関する情報発信についてのお尋ねです。区は、神宮外苑地区の市街地再開発事業が東京都知事から認可されたことを受け、区ホームページに事業概要を掲載する準備を進めております。
今後、神宮外苑地区のまちづくりを区民等に幅広く知っていただけるよう、東京都や事業者が公表しているホームページへのリンクを設けるなど、分かりやすい案内に努めてまいります。また、区ホームページに掲載する情報等をより充実したものにするため、引き続き事業者に対して、積極的に情報を公開するよう指導してまいります。
次に、飯倉公園の自転車駐車場整備についてのお尋ねです。区はこれまでも、鉄道駅周辺に用地を確保できない場合、地下空間を有効活用することで、公園機能と自転車駐車場機能を両立させる整備を進めてまいりました。現在、一の橋公園でも同様の整備を進めております。
引き続き、赤羽橋駅の暫定自転車駐車場整備に向け、東京都第一建設事務所や東京国道事務所、首都高速道路株式会社と協議を重ねてまいります。また、飯倉公園や保育園、学童クラブなどの利用者の安全を確保するため、自転車通行空間整備計画に基づき、自転車駐車場の本格整備に併せて、周辺道路に路側帯の路面着色や、自転車ナビラインなどを設置してまいります。
最後に、平和を創り上げることについてのお尋ねです。
区は、大使館等が多く立地する地域特性を生かして、区民まつりやMinato Blossom Festaなどの大使館等が連携するイベントや、区内の大使館等が顔の見える関係性を構築し、お互いの情報を共有することができる会議などを開催しております。
今後も大使館同士のコミュニケーションの促進や、交流イベントへの支援を継続することで、区を通して大使館同士の絆を深め、平和の礎を創り上げてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。
○教育長(浦田幹男君) ただいまの自民党議員団を代表してのやなざわ亜紀委員の総括質問に順次お答えをいたします。
最初に、少子化対策についてのお尋ねです。
まず、中高一貫校についてです。中高一貫校は6年間の中で、生徒が安心感を持って学習や部活動に打ち込むことができるなどのメリットがある一方で、継続した人間関係でつまずいた場合に解消しにくく、高校では転校・退学の判断がしづらいことなどもあると認識をしております。また、新規の設立に当たっては、東京都と調整をしての、区独自の高等学校教員の採用、区外からの生徒の受入れ、学校施設の確保といった多くの課題があるため、今後の研究課題とさせていただきます。
教育委員会は引き続き、地域に根差した幼・小・中一貫教育校を推進していくとともに、大胆な区立学校の魅力向上策を講じていくことで、区立中学校への進学率向上や教育費用の負担軽減など、区立学校を取り巻く諸課題の解決に取り組んでまいります。
次に、学校給食費の無償化についてのお尋ねです。学校給食の食材費は、学校給食法において保護者負担とされている中、就学援助制度による給食費全額助成や、白米の全額公費負担などの物価高騰に伴う緊急支援のほか、商店街とのコラボメニューや食育等に係る費用を公費で負担してまいりました。来年度は、物価高騰に伴う緊急支援の継続により、保護者負担を据え置くことに加え、食育等に対する支援のさらなる拡充、全ての区立小学校高学年への教科担任制の導入、区立中学校の全ての部活動に対する部活動指導員の配置、オンラインでのグループ英会話レッスン等、教育の質の向上に資する支援をより一層充実させてまいります。
学校給食費の無償化は予定しておりませんが、引き続き国に対し、学校給食費の無償化を実施するよう要望するとともに、教育に係る保護者負担の在り方を総合的に検討してまいります。
次に、子どもたちのスポーツ環境の整備についてのお尋ねです。
まず、新たなスポーツの場の創設についてです。教育委員会は区長部局と連携し、東京都下水道局の芝浦水再生センターの上部に、芝浦中央公園運動場として、テニスコートや多目的運動場を整備したほか、水道局の芝給水所の上部に、芝給水所公園運動場として、少年サッカー場を整備してまいりました。現在、都立芝公園には、野球場及びテニスコートが整備されており、教育委員会としても、少年野球大会等で利用しております。
区民の身近な場所で運動できる場を充実させるため、区長部局と連携し、東京都に働きかけてまいります。
次に、小学校連合運動会、中学校連合体育大会についてのお尋ねです。区では、東京2020大会を心に刻み、レガシーとして学び続ける契機となるよう、今月3月21日に、MINATO×東京2020レガシーイベントを国立競技場で開催いたします。当日は、学校対抗リレーや親子ファンランなど、様々な種目を経験することで、港区の子どもや区民が運動することの楽しさや喜びを味わうことができるようにする予定です。
この取組の成果を踏まえ、来年度の小学校連合運動会、中学校連合体育大会では、これまで区で実施をしてきた100メートル走や走り幅跳びなどの競技を継承し、スポーツの聖地である国立競技場でトップアスリートと触れ合った貴重な体験を通して、子どもたちのスポーツ精神を育んでまいります。
次に、食育の必要性と、環境教育との関連についてのお尋ねです。
教育委員会では、子どもたちの食生活を含めた正しい生活習慣を確立することが大切であるとの考えの下、区独自の港区学校教育推進指針を定めており、各園、各学校において、積極的な食育の取組を進めております。具体的には、食育や環境教育を各幼稚園、小・中学校の教育課程に位置づけ、お弁当や給食の指導、調理実習指導において、様々な食材をバランスよく取ることの重要性を学ぶことで、食べ残しをしないよう、フードロス削減にも取り組んでおります。
一例を挙げますと、高陵中学校ではフードロス削減に向けて、保健給食委員が毎日の残菜率の平均を学年ごとに算出して、廊下に掲示する取組を行ったことで、生徒の食品を無駄にしないという意識が生まれ、残菜ゼロの日が増加しました。
今後も食育と環境教育を関連して、日常の食事への関心を高め、食生活をよりよくしようとする実践的な態度を育んでまいります。
最後に、避難所として活用する学校施設のトイレのバリアフリーについてのお尋ねです。
区は、避難所となる全ての小・中学校において、車椅子を利用する方も使用できるトイレの整備を進めており、今年度は、芝小学校1階の昇降口付近に新たに設置いたしました。現在、車椅子を利用する方が使用できるトイレがない学校は、御田小学校1校ですが、令和6年度からの改築工事で設置をする予定です。また、車椅子を利用する方が円滑に移動することが困難な位置にある笄小学校のトイレについては、学校と相談しながら、新たな場所への設置等を検討してまいります。
今後も、学校が災害時に避難所となることも踏まえ、地域の皆様がより安心して利用できる施設となるよう努めてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員(やなざわ亜紀君) ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いします。
○委員長(黒崎ゆういち君) 自民党議員団の総括質問は終わりました。
傍聴者から撮影・録音の申出がありました。これを許可したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(黒崎ゆういち君) それでは、そのようにさせていただきます。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、みなと政策会議を代表して、阿部委員。
○委員(阿部浩子君) 予算特別委員会の締めくくりに当たり、みなと政策会議を代表して、区長、教育長に質問させていただきます。
今期最後の本会議場での質問になります。この4年間は、コロナ禍で大変な時期を区民の方々も過ごしてきました。私たちみなと政策会議のメンバーは、区民の方々の悩みに寄り添い、解決したいという思いで、議会の中で活動してきました。今回の質問は、会派として予算特別委員会で取り上げたことや、過去に質問したことも、また改めて区長、教育長に質問させていただきます。私たち会派10人が、今困っている区民の方々の願いを一日も早く実現し、応援していきたいと思っています。この思いに応えていただき、区長、教育長の前向きな答弁を、また、区民に寄り添う答弁をお願いいたします。
それでは、質問に入ります。初めに、ふるさと納税についてです。
港区は、ふるさと納税制度によって区民が寄附控除を受けたことで、本来入ってくるべき税収が、今年度で63.6億円、昨年度は約41億円が流出してしまっています。地方出身者からすれば、自分のふるさとを寄附で応援できることはいいことです。しかし、このふるさと納税制度の問題点は、自分が生まれ育ったふるさとではなく、返礼品によって選択されていること、また、本来所得税からのみ税額控除がされるべきですが、地方自治体の住民税から控除されていること、そのため、国の不交付団体はその還付がないことです。
地方自治体として、国の制度により、本来入ってくるべき多額の税収が入ってこないということは、地方自治体としての事業ができないことにつながっています。例えば学校給食の無償化ですが、23区でも多くの自治体が無償化を進めていますが、港区では、実現するには小・中合わせて約6億円、また、今月に、18歳未満の全ての子どもたち1人当たり5万円の電子商品券が支給されましたが、これにかかる費用は約24億円です。今年度のふるさと納税制度によっての影響額から見れば、年に2回は全ての子どもたちに1人当たり5万円を支給できることになります。給食費であれば、10年間無償にすることができます。
港区版ふるさと納税制度に区として取り組んできましたが、都心港区に寄附するということ自体が、やはり理解されるのには時間がかかります。来年度においては、ふるさと納税制度が定着し、控除額がさらに増え、区財政に与える影響が大きくなることと思います。
そこで、港区として、国に対してふるさと納税制度の問題点を引き続き申し入れるとともに、区民の方々にも分かりやすく説明することが必要です。例えば、広報みなとやホームページなどで、ほかの自治体にふるさと納税をしなかった場合、63.6億円の税収が港区に入ってきます、63.6億円とはこういった事業にかかる予算と同様ですなど、記憶に残る周知の仕方が必要であり、ふるさと納税をこのまま見過ごすわけにはいかない状況に来ていると思います。区のお考えをお聞きします。
次に、基本計画の改定についてです。
来年度は、2024年度からの後期基本計画への改定と、港区実施計画が策定されます。前期においては、コロナ禍での策定となりました。後期においては、コロナ禍から立ち上がって平穏な日常を取り戻すこと、物価の高騰などから区民生活を守ることがテーマになってくるのだと思います。
来年度の基本計画の改定、また実施計画の策定に向けて、みなとタウンフォーラムもそうですが、区民の声をどう受け止め、策定していくつもりなのかお聞きします。また、現行基本計画の策定以降の社会動向をどのように捉え、方向性を打ち出していくのか、お考えをお聞きします。
次に、少子化についてお聞きします。
昨年の出生数は80万人を下回り、予測していたより11年早く、その日が来てしまいました。港区の合計特殊出生率は、平成28年に1.45で、全国平均1.44を上回り、23区でもトップになりました。そこから徐々に減少し、令和2年には1.34、令和3年は1.27となっています。
この少子高齢化問題については、港区だけの問題ではなく、国の問題です。それは喫緊に少子化を改善しなければ、日本の未来はなくなってしまうほど重大な問題だと私は認識しています。
来年度においては、出産費用の助成の拡大、子ども医療費助成の高校生までの拡大が予算化されています。ヤングケアラーの問題、高校生の居場所づくりなど、今まで中学生までとしていた支援を18歳までに拡大します。
そもそも少子化の原因は晩婚化になったことだけではなく、子どもを産み育てようとする環境がまだまだ整備されていないからです。大学を出ても雇用が不安定、子どもを産もうと思っても、経済的に不安定であれば、子どもを育てることができないからです。
出産にかかる費用だけではなく、育児の負担、教育費の負担が理由に挙げられています。子どもは親だけではなく、社会で育てていかなければ、少子化が加速するばかりです。子育てがワンオペで母親だけの育児であったり、子育て中に親の介護がありダブルケアだったり、障壁となるものを取り除いていかなければ、安心して子どもを産み育てる気持ちにはなりません。
国は、来年度予算で子育て予算を倍増するとしていますが、何をどうするのかは、こども家庭庁が設置される4月以降としており、全く国民には子どもへの予算が見えてきていません。それは地方自治体も同様です。子どもは家庭だけで育てるのではなく、社会全体で子どもを育てるという考えに変えなければ、少子化は進むばかりです。少子化になれば、現役世代の年金や社会保障の負担は増えるばかりです。
そこで、区長は少子化に対してどのような問題意識を持っているのか、お聞きします。
次に、子育て世帯への支援についてです。
少子化を改善していくために、今、地方自治体も必死になって改善策を生み出さなければなりません。待ったなしの対応策が求められています。国の動向を注視しながらだと言っている時間はありません。
来年度の出産費用の助成拡大については、子どもを産む支援というのは理解できます。しかし、産んでから育てるのが一番大変なことです。子どもを産んだからには育てていかなければなりませんし、親にとって、子どもが幾つになっても悩みは尽きません。大切な命を将来もずっと守っていかなければならないのです。
出産前後のホームヘルプサービス事業は3歳まで拡大し、来年度はさらに子育てしやすくなっています。また、保育園は待機児童がなくなり、希望すればほとんど入園ができるようになりました。しかしながら、一時預かりの施設が不足しています。今年度はあっぴぃ港南四丁目が拡大されましたが、まだ不足している状況です。私立保育園への一時保育事業の拡大を含め、子育てをリフレッシュできる一時預かりの場所と受入れ人数の拡大をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、ベビーシッター制度の拡大についてです。
子どもが病気により、保育園や小学校に登園・登校させることが困難なときには、訪問型病児・病後児保育利用料助成があります。利用する保護者に対して、ベビーシッター代を一部助成するものです。しかし、これは子どものみが使える制度です。ひとり親で育児をしている場合、保護者が病気やけがをした場合、子どもを見てくれる人はいません。
ひとり親ホームヘルプサービスがありますが、急な場合には対応できません。その場合、寝込んでいても、子どものお世話をしなければなりません。乳幼児または多子世帯の場合には、自分が大変なのに、自分がやらなければどうにもならない状況です。周りに頼る人がいればいいのですが、港区の場合はほとんどが核家族です。
そこで、区としてきめ細かいサービスが必要と考えます。急を要し、ひとり親ホームヘルプサービスが利用できない場合、子どもだけではなく、親にも支援を拡大していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
次に、生活困窮している子育て世帯への支援についてです。
昨年度から始まったエンジョイ・セレクト事業ですが、来年度はさらに制度を拡大、充実させていくこととされています。今、物価高や電気代の高騰で生活が困窮して、子育てをしている世帯がますます経済的に悪化している状況です。
先日のみなと子ども食堂の利用者からの声では、電気代が高く、暖房を我慢しているため、カイロを多めに配ってほしいという世帯がありました。利用者から寄せられる声を受け、毎月、野菜やお肉、果物、お米を必要とし、必ず毎月配布させていただいています。しかし最近では、生理用ナプキンや紙おむつのニーズが高くなっています。また、利用者世帯も増加しており、今月は220世帯が一斉に増上寺に集まってきます。
エンジョイ・セレクト事業にも生理用ナプキンがありますが、洗剤と一緒になっており、毎回申し込みづらいとの声もありました。ナプキンのセットがあれば、一度頼むと、しばらく使うことができるのではないでしょうか。
この事業は、ひとり親世帯と両親世帯の生活困窮世帯が対象となります。つまり、対象者は、児童扶養手当受給世帯の約900世帯と、低所得の両親世帯の約3,600世帯が対象です。将来的には、より厳しいひとり親世帯を厚く支援していただきたいと思っていましたが、現在の経済状況から見ると、まだまだ支援を必要とする世帯を縮小することはできません。
そこで、エンジョイ・セレクト事業を利用している区民の方々に、フードパントリーやお弁当配布などを行っている支援団体をホームページなどで紹介し、NPO法人や企業、団体などの活動を周知していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。知ることで、多くの支援につながっていくと思います。区のお考えをお聞きします。
次に、教育の課題についてです。
学校給食の無償化についてです。
教育費の質疑でも明らかになったとおり、義務教育は無償だとされていても、教材費などで費用がかかっています。補足資料に、南山小学校と六本木中学校の保護者負担額を提出しています。小学校では37万6,904円、中学校では27万3,244円。その他保護者負担するものは、鍵盤ハーモニカや習字セット、柔道着などがあります。
学校給食もそうです。所得が低い家庭においては就学援助制度があります。私は、親の所得で分断するのではなく、全ての子どもたちの学校給食費を無償化にしていくべきだと思っています。
区長は、学校教育法に保護者負担と定められていることから、国の責任において学校給食の無償化を実施するように、国に要望していくとされています。確かに、各自治体によって無償であったり、有償であったりすることではなく、国が責任を持って無償化にすればいいことだとは思います。しかし、23区の中でも、来年度予算で無償化にする自治体が増えてきています。区長が無償化にしない理由を、区民の皆さんに分かりやすく説明すべきです。
今年度補正予算で、1人当たり5万円の電子商品券を給付しました。学校給食費保護者負担の約1年分程度の額です。給食費を無償化にしないのであれば、来年度も補正予算に計上して、1人5万円分の電子商品券を子どもたちに配付してほしいと思います。そして今後は、当初予算に計上してほしいと思います。区長のお考えをお聞きします。
来年度から給食費は、私費会計から公会計になりました。無償化もしやすくなっていると思います。私は、学校給食費の無償化を早急に開始し、そして、全ての子育て世帯が教育にかかるお金を無償にしていくべきだと思っています。それが少子化を改善する重要な施策の一つだと思います。まずは、他の自治体のように学校給食費を無償化にして、毎年かかる教材費を含めた保護者負担をなくしていくべきだと考えますが、教育長のお考えをお聞きします。
次に、給付型奨学金制度についてです。
大学などの給付型奨学金制度の改善については、教育費でも質疑させていただきました。その際の、奨学金制度を活用している学生の声を聞き、この給付型奨学金制度を始めて、本当によかったと思っています。その声は、親に負担をかけることなく助かっている。安心して大学に通えることに感謝している。アルバイトの収入だけでは大学の学業に集中し切れないと感じるぐらい、奨学金に助けられています。心の安定があるため、学業にいそしむことができています。給付型奨学金なので、返済の工面をせずにいられること、学費の半分ほどがこの奨学金で賄えること、アルバイトを詰め過ぎず生活できていることなど、よかった理由ですと、学生からの声です。
大学に通って勉強したいと思っている子どもたちが、学費のことを考えずに学校に行ける、教育の格差、貧困の連鎖をなくすために、給付型奨学金制度が必要です。給付型奨学金は、そもそも税金で学費を出し、将来税金が払われることで、未来への投資となる制度です。しかし、港区が給付している奨学金の金額は、国と同じものであり、この奨学金だけで大学などに通うことは困難です。
私は、お金の心配がなく、安心して勉強に専念できる奨学金制度にしてほしいと思っています。足立区が3,600万円まで給付すると発表したことで、一次募集は定員の10倍の申込みがありました。生まれた環境に左右されない支援は、港区としてやらなければならないことではないでしょうか。子どもたちの夢を実現できるよう、金銭的に応援し、未来への投資をしていくことが必要です。区として、国の動向を見守るのではなく、港区給付型奨学金制度の給付金額を、学生が勉強に集中できるように引き上げることは、区の役割と考えますが、いかがでしょうか。
次に、不登校についてです。
コロナ禍で、不登校の児童・生徒が増えていることが問題になっています。コロナ禍で突然に学校が休校になったこと、それが3か月も続いたことで、生活習慣が変化してしまったことが、不登校が増えた原因の一つではないでしょうか。
スクールソーシャルワーカーが相談を受け、教育と福祉の観点から子どもたちを支援していくことも必要です。しかし、なぜ学校に行けなくなってしまったのか、子ども自身が、原因が分からない場合が多々あります。学校に行こうと思っても、おなかが痛くなってしまう。親は、一体子どもに何が起こっているのか分からず、不安な日々を過ごします。声かけをしても、それは子どもを追い詰めることにつながってしまうからです。
今、こんなにきらきらと輝いて成長している時期、未来はこれからなのに、学校に行けず、友達にも会えず、また、家からも部屋からも出てこられない。時間だけが毎日過ぎています。今日こそは、あしたこそは、学校に行ってくれるのではないか。保健室にだけでも行ってくれればと願っていても、学校と口にしただけで、子どもにとっては不安です。親よりも子ども自身が、学校に行きたくても行けない。子ども自身が一番つらいことです。自己否定になってしまいます。どうして自分は学校に行くことができないのか、自分を責めて傷ついています。自分は駄目な人間だと、生きていても仕方ないと思う子どももいます。
学校に行けない理由は、一人一人事情が違うと思います。その子どもたちの今をどう支援し、解決していくのか、どのように励ましていくのか、どう寄り添っていくのか、学校としても慎重に進める必要があります。無理に進めてしまうと、子どもを追い詰めることになり、最悪は自殺ということにつながってしまうからです。
コロナ禍で、子どもの自殺が増加しています。また、不登校からひきこもり、摂食障害にもつながってしまう大きな問題だと考えます。不登校の児童・生徒を区としてどのように支援していくのか、また、子どもたちを見守る保護者に対してどのような支援が必要なのか、区のお考えをお聞きします。
次に、全ての年代の人が病気やけがをしたときに受けられる多様なサービスの展開について伺います。
新型コロナウイルス感染症に感染した場合、フォローアップセンターに登録すれば、東京都から食料品が送られてくる制度がありました。約1週間分の食料品が送られてきました。急な病気やけがをした場合、65歳以上の方は、介護保険制度の中で、申請すれば介護保険を利用することができます。また、高齢者支援サービスも活用できます。しかし、65歳未満の方には、受けられるサービスはほとんどありません。
唯一あるのが、港区社会福祉協議会のおむすびサービスです。有償で、日常の生活での掃除や片づけ、通院や外出の付添いなどをしてくれています。こちらは、まず社会福祉協議会の職員とお会いし、その後、マッチングする方を探してくれます。しかし、すぐには見つからず、見つかったときにはもう介護者は必要ないくらい時間がたっているのです。必要としているときに、すぐ介護者をお願いできたらと思います。
港区にはひとり暮らしの方が多いのが特徴です。率にすると約半数、51.3%が単独世帯です。ひとり暮らしの方が急に病気になった場合、また、けがをして動けなくなった場合、介護者がいないと食事もできないことになります。食事だけではなく、起き上がることもできず、日常生活も思うようにはなりません。トイレに行くことや、洗濯やごみ出し、買物など、生活していく上で必要な命をつなぐことすら、自分ですることが困難です。ヘルパーが必要です。
ひとり暮らしだけではなく、ひとり親の場合も同様です。先ほども申し上げましたが、子どもが小さくて発熱した場合、急な入院が必要になったとき、まずは、この子どもたちを誰にお世話してもらうのか、第一に考えなければなりません。すぐに派遣型一時保育が手配できたらいいのですが、この制度も急な場合には対応できません。ここに行政の支援があったら、ひとり親世帯も、またひとり暮らしの単独世帯も安心できるのではないでしょうか。
そこで、急を要するヘルパー派遣のような、すぐにお願いできる制度が必要です。区に連絡をすれば、すぐ手配してくれる制度の構築が必要です。不測の病気やけがで動けなくなった場合、区の事業としてヘルパーを派遣してくれる制度が、安心して暮らすことができる港区になるのではないでしょうか。区長のお考えをお聞きします。
次に、ひとり暮らし高齢者などの支援についてお聞きします。
昨年10月に、区議会議員の先輩がお亡くなりになりました。彼女はたった1人で亡くなり、1か月も誰にも気づかれずにいました。どんなに無念だったかと思います。悔しかったことかと思います。私がもっと前に会っていたらと、悔やんでも悔やみ切れません。改めて心から御冥福をお祈り申し上げます。
議員として活動してきて、多くの方々を見送りました。たった1人で亡くなってしまった方々もいます。もし倒れたときに気がついていたらという思いでいっぱいです。だからこそ、もう二度と孤独死がない港区にしてほしいという思いで質問させていただきます。
港区は、ふれあい相談員がひとり暮らし高齢者などの居宅などを訪問し、福祉サービスや支援につなげるようにしています。ただその訪問は、全てのひとり暮らしなどの世帯ではなく、70歳以上でサービスを利用していない区民になります。令和3年度の訪問対象世帯は6,286世帯であり、訪問率は94.9%です。また、訪問対象の高齢者は年々増加しています。あわせて、港区の65歳以上の高齢者世帯が増えています。コロナ禍で外出を控えている高齢者もまだいます。
今回の民生費の質疑においても、墓地埋葬などに関する死亡について確認をしました。令和2年度で32人、令和3年度で24人、そのうちひとり暮らし高齢者は、令和2年度が21人、令和3年度は10人でした。孤独死をなくすためにも、急病の際の発見が必要です。
港区には、高齢者救急通報システムがあります。2月1日現在、利用されている世帯は1,168世帯です。非課税世帯は利用料が無料です。そこで、この高齢者救急通報システムを、全ての65歳以上のひとり暮らしの高齢者などの自宅に設置し、高齢者の見守りを強化すべきです。まずはひとり暮らしなどの高齢者設置割合を把握し、システムの課題を整理し、改善していくべきではないでしょうか。利用しやすい、設置しやすい救急通報システムにして、高齢者の命を守るべきと考えます。区のお考えをお聞きします。
次に、NPO法人の支援についてです。
まず、港区NPO法人活動助成制度についてです。
23区の中で、NPOの数が多いのが港区です。令和4年3月17日現在で746団体です。NPO法人は、福祉や教育、文化、まちづくり、環境、国際協力などで、社会の多様化したニーズに応える重大な役割を果たすことが期待されています。
港区では、NPO法人活動助成制度があります。来年度は327万4,000円の予算が計上されています。来年度も助成制度を募集しています。昨年度、助成団体がたったの3団体でした。来年度分も2月1日から3月1日までの申込み期間ですが、申込み件数が少ないため、3月15日まで延長されています。
単独事業と、区の協働事業がありますが、どちらも助成金額では2分の1で、NPO法人は資金力が乏しく、2分の1では利用しづらいという声が多いです。例えば、団体活動基盤整備事業は、団体の財政基盤、情報基盤、人的基盤などの活動基盤を強化するための事業とし、助成金額の上限が25万円までとされています。その場合、50万円かかったとしても、25万円はNPO法人の持ち出しになってしまいます。しかも2団体のみです。
この制度を利用しようと申請すると、港区NPO活動助成審査会での審査を経て、区が助成する団体を決定します。港区NPO活動助成審査会で審査員の方々に、この制度の使いづらさを話しても、基金には限りがあり、税金が投入されていることを理由に、一向に改善はされていません。
活動基盤を強化するために、つまりNPO法人立ち上げの時期には、どこも資金不足です。みなとパートナーズ基金は、令和3年度決算では、1億1,785万円の基金残高です。来年度も助成予定団体は6団体で、助成金額上限を申請したとしても、275万円です。来年度の応募状況を見ても、この制度の改善が必要です。区が求める社会的課題の解決、区民福祉の向上をNPOに求め、NPO法人の育成のための事業ならば、過去に助成を受けて現在も活動している団体にヒアリングをして、目的に見合った利用しやすい制度に改善すべきです。区のお考えをお聞きします。
NPO法人は、行政ができない様々なきめ細かい事業を行っています。そのため、港区が、特に立ち上げの際は十分な支援をお願いします。
次に、中小企業が利用できる制度をNPO法人にも適用拡大することについてお聞きします。
港区の産業振興センターは中小企業の支援はありますが、NPO法人の活動支援はありません。起業するための創業相談は無料で行っていますが、NPO法人立ち上げの相談は受け付けていません。そもそもNPO法人は、東京都が所管しているからです。また、非営利活動法人なので、ほとんどの団体が税金を免除されています。
しかし、港区には746団体あり、23区の中でも一番NPO法人が多い地域です。それも、社会的な問題を解決するために活動しており、区民の方々にとっても有益な団体が多いです。中小企業のあっせん融資にもNPO法人が追加されました。それならば、あっせん融資だけではなく、NPO法人も中小企業と同様に、産業振興センターの利用についても、また、中小企業が利用できる制度をNPOにも拡大すべきです。区のお考えをお聞きします。
次に、施設の連携についてです。
港区には様々な施設があります。産業振興センターは、企業・人・地域の力を一つに結びつけ、最新の情報や技術を提供する未来発展型の産業振興拠点となる施設です。
港区にはエコプラザがあります。環境学習をする施設です。
みなと科学館は、まちに息づく科学の発見と探求をコンセプトにしており、プラネタリウムや科学に関する情報の発信拠点です。
また、男女平等参画センターがあります。港区男女平等参画条例の拠点施設です。
港区は基本計画で、それぞれ施策に目標、期待する成果として、SDGsのゴールとの関係を明らかにしています。それぞれがSDGsの17の目標に入っている施設です。基本計画も、SDGsの関連性を明らかにし、SDGsの目標を踏まえて、区政を推進するとされています。それならば、各施設においても、各政策と関連するSDGsの観点から、SDGsの目標を達成するためにも連携していくべきです。区のお考えをお聞きします。
次に、公契約条例の制定についてです。
港区は、港区が発注する契約に係る業務に従事する労働者等の労働環境確保の促進に関する要綱を、平成27年に施行しています。その中には、区長が必要とすれば、受注者及び受注関係者に対し、区の職員、また専門家による調査並びに改善の指示及び報告の聴取を実施するものとされています。また、区の契約に従事する労働者の良好な労働環境の着実な確保に向けて、区と契約する事業者の労働法令遵守状況などを確認するとともに、区ならではの最低賃金を設定しました。そして、区は令和2年4月から、130万円以上の工事請負契約と、長期継続契約として締結する業務契約において、最低賃金水準額を引き上げました。
港区は4月から、工事請負契約、また業務委託契約において、特別簡易型総合評価方式の見直しをします。地域貢献などの評価点の見直しとして、MINATO再エネルギー100利用事業者の選定、次世代育成推進認定、女性活躍推進認定、ワーク・ライフ・バランスの推進及び環境配慮の加点方法を見直します。働く方々への労働環境の確保については、区としても取り組んでいます。
しかし、雇用が不安定な今だからこそ、要綱ではなく公契約条例とし、区長の責務を明確にすべきです。公契約条例にすることで、適正な賃金と労働条件の確保がされて、安定した公共サービスの質が確保されると思います。区長のお考えをお聞きします。
次に、動物愛護についてお聞きします。
みなと政策会議では、多くの議員が動物愛護について取り上げてきました。2月に埼玉県では、猫の虐殺死体が発見され、3月1日には、高校生が市立中学校に侵入し、教員を切りつける恐ろしい事件が発生しました。動物虐待のニュースは、日々繰り返されています。動物虐待は殺害だけではなく、多頭飼育崩壊や動物遺棄も同様です。
地域猫も、猫を捨てる人がいるから、地域猫が増えてしまったのです。それでもボランティアが捕獲し、去勢・不妊手術をし、地域に戻すTNR活動を行って、今は飼い主のいない地域猫の数も減ってきました。しかし、誰かがまた猫を捨てると、あっという間に地域猫が増えてしまいます。
手術をするために猫を捕獲すると、病気やけがをしている猫もいます。港区では、去勢・不妊手術の助成額は上がったものの、病気やけがをしている猫の治療費は、ボランティアの自己負担になっています。そして、自宅のシェルターで看護をしています。このシェルターを運営するには、かなりの出費がかかっているとお聞きしています。動物も人間も命には変わりはありません。病気やけがをしていたら、見捨てることはできません。治療して地域に戻すまでのボランティアの負担になっています。
中央区は、飼い主のいない猫の保護活動の支援と、公衆衛生環境の維持向上を図るため、飼い主のいない負傷した猫の保護シェルターの開設準備と運営経費の一部を助成しています。
また、千代田区は、毎年2月に千代田区役所でちよだ猫まつりを、一般財団法人ちよだニャンとなる会と千代田区と共同で開催しています。千代田区は、飼い主のいない猫の去勢・不妊手術や、保護・譲渡などの取組を行政とボランティアの共同で行って、猫の殺処分ゼロを実現しています。人と動物の共生社会の進展と、動物愛護の推進のため、ちよだ猫まつりを開催しているそうです。また、イベントの収益の一部は、飼い主のいない猫のための医療費に活用しています。
そこでお聞きします。高齢者のペット飼育支援についてです。
高齢者は動物を飼育する際、介護を受けている場合、また入院した場合、多頭飼育など、様々な問題を抱えるケースがあります。ケアマネジャー、地域包括支援センターなどと連携するなど、対策を強化すべきと考えますが、区のお考えをお聞きします。
次に、港区も、猫や犬の譲渡会に区内施設などを提供し、ボランティア団体とともに協力をし合い、殺処分される動物を港区としてゼロにしていただきたいです。区内施設については、管理者があってのことと認識しており、また、動物アレルギーについての配慮が必要です。しかし、譲渡をする場所がなければ、捕獲をしても、動物の行き先がなくなってしまいます。東京都動物愛護センターだけではなく、区の支援が必要です。区のお考えをお聞きします。
また、ボランティアが捕獲した、飼い主のいない猫への医療費やシェルター支援など、総合的な地域猫活動を支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。
そして次に、災害時についても、ペットとの避難について、区の方向性をまとめていただきたいと考えます。いつ起こるか分からない災害に備えて、早急な対応が必要です。そして、同行避難や同伴避難ではなく、港区として同室避難を進めていただきたいと考えます。区のお考えをお聞きします。
次に、ドッグランの整備についてです。
平成27年に、麻布地区にドッグランの設置を求める請願が採択されましたが、まだドッグランは開設されておらず、場所すら見つかっていません。芝浦中央公園と港南緑水公園からも拡大されていない状況です。
ドッグランについては、500平方メートル以上が望ましいとの考えがあります。しかし、港区でそのような場所を見つけるのは困難です。運用によって犬種を分けるなど、ドッグランの設置に向けて取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか、区のお考えをお聞きします。
次に、米軍ヘリポート基地の撤去要請についてです。
港区と港区議会は、平成16年度から防衛省と東京都などに、港区にある赤坂プレスセンターのヘリポート基地の撤去要請をしています。ヘリコプターの騒音、また事故発生の不安を常に抱えているからです。米軍基地の撤去を求めるこの要請は、区長部局と議会が共に行動するから、大きな意味があると思っています。私は区長と、区民の代表である区議会とともに、要請行動を今後も毎年続けていくべきと考えますが、区長のお考えをお聞きします。
次に、羽田空港新ルートについてです。
2020年から羽田空港新ルートになって、3年がたとうとしています。コロナ禍で飛行機の便数は減少したものの、今後は従来の計画どおりに増えていくと予想されます。新ルートの問題は、この計画が発表されてから、みなと政策会議として常に取り上げてきました。令和4年第2回定例会では、区民の皆様の請願が採択され、港区から国土交通省に対し、住民説明会を開催されるように要請し、実現を求めています。
品川区では来年度、15歳以上の区民約36万人を対象に、羽田空港新ルートについてのアンケートを実施するそうです。9,800万円の費用を予算案に盛り込んだとのことです。港区としても、区民の声を聞くためにアンケート調査を実施し、その結果をもって、国土交通省に申入れを行うべきです。羽田新路線の固定化回避に向けた技術的方策検討会は5回にわたって行われていますが、将来的に都心ルートが海上ルートに戻るのか、全く先が見えません。米軍ヘリポート同様、区民の安全・安心という観点からも、区として、アンケートなどをはじめとして、固定化回避できる取組を行うべきと考えますが、区長のお考えをお聞きいたします。
次に、神宮外苑再開発についてお聞きします。これは、清家委員が一生懸命、予算特別委員会の各款審議で取り上げておりました。
まず初めに、説明会の開催についてです。
予算特別委員会の中の審議でも、様々な会派の議員から、神宮外苑再開発に関する質問、要望が出ました。2月22日に、地元の青山地区の幼稚園・小学校保護者を中心とした、明治神宮外苑を子どもたちの未来につなぐ有志の会から、310人の署名とともに、港区議会、港区長、教育長宛てに陳情書が出されました。3月7日には、さらに467人の追加署名が提出されました。
陳情書の内容は、港区から事業者に対し、具体的な工事や作業を始める前に説明会を開催し、地元との意見交換の場を設けていただくよう要請してください、また、絵画館前の4列のイチョウ並木については、永続的な保存が守られるよう、名勝指定を進めていただきたいというものです。至極当然の要望だと思います。区長、教育長には、この800人近い署名のついた陳情書の重みを真摯に受け止めていただき、行動を起こしていただきたいです。
予算審議の中で、区として、陳情書が出されたことを事業者に伝えたけれども、まだ回答を受けていないこと、また、神宮外苑再開発事業の施行が認可されたことを受け、まちづくりについて幅広く理解してもらうため、誰でも参加できる説明会の開催を文書で事業者に要請したこと、しかし、説明会の開催について回答を受けていないことなど、答弁いただいております。ありがとうございます。
今回、新たに467人の署名が追加提出されたことを受け、事業者に署名の追加提出の事実をお伝えいただき、誰でも参加できる説明会の開催を強く要請していただきたいと思います。今後どのように対応されるのか、区の見解をお伺いいたします。
次に、名勝指定についてです。
教育長には、名勝指定について陳情書に追加署名が提出されたことと併せて、再度、事業者や関係各所に情報共有していただきたいです。予算審議の中で、名勝指定については、名勝の指定には所有者の同意が必要となるため、この制度が、文化財保護法の目的である文化財の保存・活用に資するものであることを丁寧に説明してまいりますという御答弁をいただいております。ありがとうございます。
名勝指定を進めてほしいという800人近い陳情署名者の思いを受け、今後どのように進めていく考えか、区長の御見解をお聞きします。
最後に、(仮称)飯倉公園自転車駐車場整備についてお聞きします。
土木費でも、私を含めた4人の議員が飯倉公園に設置される駐輪場について、公園ではなく、ほかの場所に設置すべきと質問しました。その際に、保護者の意見も聞きながら、公園の工事の際には進めていくとの答弁でした。駐輪場を造ってからのことではなく、飯倉公園に駐輪場を設置しないでほしいと、区に飯倉保育園の保護者から声が寄せられると聞いています。
2月15日に行われた飯倉いきいきプラザでのこの事業の説明会では、地域の方や保育園の保護者など、40人以上の方が集まっていました。駐輪場の工事に約1年半かかること、子どもたちが楽しく遊んでいる公園が、駐輪場によって面積が狭くなること、また、工事中の安全や騒音の問題など、駐輪場の稼働率が50%とのこと、駅から離れていては利用者は少ないのではないかということ、飯倉公園に駐輪場を設置することに反対する多くの声がありました。
土木費の答弁では、「今回説明会でいただいた御意見や御要望につきましては真摯に受け止め、工事中の多目的広場への遊具の移設や工期の短縮などの工夫を行います。また、改めて保育園の保護者などに丁寧に説明し、理解を得るとともに、遊具のリニューアルやマンホールトイレ、かまどベンチの増設など、飯倉公園がよりよい公園となるよう、復旧方法についても地域の御意見を伺いながら進めてまいります」とのことですが、公園の復旧のことをお聞きしているわけではありません。
来年度、飯倉公園の整備については、予定どおり行うのではなく、地域の方々とともに、駐輪場の場所については東京都に申入れをするなど、再度、皆さんが納得できる、また区民が利用しやすい場所に設置することが重要だと思っています。子どもの遊び場をなくしてしまうことがあってはなりません。区長のお考えをお聞きします。
御清聴いただき、ありがとうございました。以上で終わります。
○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての阿部浩子委員の総括質問に順次お答えをいたします。
最初に、ふるさと納税制度についてのお尋ねです。
ふるさと納税制度が区の特別区民税収入に与える影響は年々増加しており、区財政にとって深刻な状況となっております。区ではこれまでも特別区長会を通じて、国に制度本来の趣旨に立ち返った見直しを求めており、昨年8月には、私も特別区長会の副会長として総務省を訪問し、抜本的な見直しを直接要望いたしました。
今後もあらゆる機会を捉えて、ふるさと納税制度の問題点などの是正を求めるとともに、広報みなとや区ホームページの内容を充実し、ふるさと納税制度に対する特別区の主張や、区財政に与える影響などについて、区民目線に立った、より分かりやすい情報発信に取り組んでまいります。
次に、港区基本計画の改定についてのお尋ねです。
まず、区民の声を反映した計画づくりについてです。
区は計画の見直しに向けて、昨年9月に区民参画組織みなとタウンフォーラムを設置したほか、本年1月には区民意識調査と併せ、新たに在勤・在学者を対象としたインターネット調査を実施し、区民をはじめ、幅広い方々の意見の把握に取り組んでおります。
コロナ禍を経て、人々の暮らしや価値観は大きく変容していることから、区民の声をこれまで以上に丁寧に聞き取り、いただいた意見を計画に最大限反映することで、区民生活の実態を捉えた実効性のある計画へと見直してまいります。
次に、社会動向を踏まえた改定の方向性についてのお尋ねです。
現行計画の初年度である令和3年度以降、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大や、ロシアによるウクライナ侵攻、物価の高騰など、社会経済情勢は急速に変化し、人々の暮らしに大きな影響を及ぼしました。一方で、感染症対策や、区民生活と区内産業の支援等の成果が着実に実を結び、
新型コロナウイルス感染症は5類への移行が決定するなど、まちににぎわいが戻りつつあります。
まちに活気を呼び起こし、コロナ禍を乗り越える取組を一層加速するため、明るい未来への道筋を港区基本計画の改定で示し、誰もが住みやすく、地域に愛着と誇りを持てるまち港区を、着実に実現してまいります。
次に、少子化への問題意識についてのお尋ねです。
少子化については、各種調査から、子どもは欲しいが、経済的な事情や将来不安などから、理想とする子どもの数と実際に産み育てる子どもの数に差があることが分かっております。そのため、若い世代の子育てに関する経済的・心理的な負担を軽減し、安心して子育てができる環境整備を充実していくことが必要です。
区では今後も、結婚、妊娠、出産、子育て期の切れ目のない支援を一層充実させ、港区で安心して、希望する人数の子どもを産み育てられるよう、全力で取り組んでまいります。
次に、子育て世帯への支援についてのお尋ねです。
まず、一時預かりの充実についてです。
区では、保育定員に対する空きを活用した余裕活用型一時保育事業を、令和3年4月から小規模保育事業所において開始し、今年度は1月末までに、11園で延べ1,553人の利用がありました。来年度からは余裕活用型一時保育事業の対象を私立認可保育園に拡大し、62園中38園での実施による、延べ3,000人余りの利用を見込んでおります。
引き続き、余裕活用型一時保育事業を実施する園数の拡大をはじめ、様々な手法を講じることで、自宅から身近な施設で一時預かりを利用できる環境を整えてまいります。
次に、保護者の病気等への支援についてのお尋ねです。
区は、子育て中の保護者が病気やけがで育児が困難な状況の場合には、保護者の状況や不安に寄り添いながら、みなと子育て応援プラザや乳児院で実施するショートステイ事業につなぎ、保護者が回復に専念できるよう支援しております。
今後も家庭の事情や子育ての状況に応じて適切な支援につなげられるよう、子育て支援策を充実していく中で、保護者への支援の拡大についても検討してまいります。
次に、生活困窮している子育て世帯への支援についてのお尋ねです。
エンジョイ・セレクト事業は、コロナ禍の影響を受けた低所得の子育て世帯を支援する事業として、昨年度から臨時的に取り組んでおり、来年度も引き続き実施をいたします。区は、エンジョイ・セレクト事業を利用している方にメール配信により、港区子ども食堂ネットワークに登録している子ども食堂やフードパントリーなどの開催情報、イベントの案内などを、週1回お知らせしております。
今後もメール配信に加え、区ホームページに支援団体の活動を掲載するとともに、支援の場が広がるよう、支援情報を充実してまいります。
次に、子育て応援商品券の配付についてのお尋ねです。
今月から配付を開始した、ゼロ歳から18歳までの子ども1人当たり5万円の港区子育て応援商品券は、現在、対象者約4万2,000人のうち、約3万5,000人の方が申し込まれています。区は、「子育てするなら港区」を実現するため、出産費用の助成や、第2子以降の保育料無料化など、他の自治体に先駆けた取組を進めております。来年度はさらに、出産費用助成の引上げや、産後母子ケアの充実、複数の未就学児がいる世帯へのタクシー利用券給付など、子育ての事情に応じたきめ細かな支援を実施いたします。
今後とも安心して子育てができるよう、子育て支援事業の充実に取り組んでまいります。
次に、全ての年代で、病気やけがをしたときに受けられる多様なサービスの展開をすることについてのお尋ねです。
区は、全ての区民が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、地域全体が相互に協力し支え合う地域包括ケアを推進しております。区では高齢者や障害者、子育て世帯等に対し、多種多様な生活支援や福祉サービスを展開しており、港区社会福祉協議会では、世代を問わず有償で生活支援を行うおむすびサービスを実施しております。病気やけがの直後に支援が必要な場合は、現状では民間の家事代行事業者に担っていただくことになりますが、区としても港区社会福祉協議会に対し、おむすびサービスの利便性の向上を求めてまいります。
次に、ひとり暮らし高齢者への支援についてのお尋ねです。
区では、ふれあい相談員がひとり暮らし高齢者を訪問した際に、救急通報システムの利用を積極的にお勧めしておりますが、自宅の鍵を預けることへの不安や、自分はまだ大丈夫などの声があり、利用に結びつかないケースもあります。救急通報システムは、安心して日常生活を送るための備えとして有効な制度であることから、引き続き、ふれあい相談員による説明に加え、民生委員・児童委員やケアマネジャーへの協力依頼、いきいきプラザへのポスター掲示や、職員による声かけなど、あらゆる機会に周知を行い、救急通報システムの利用拡大に取り組んでまいります。
次に、NPO法人への支援についてのお尋ねです。
まず、港区NPO活動助成事業の改善についてです。
区はNPO活動助成団体に対し、助成金を交付することに加え、区ホームページや広報みなとによる団体紹介や、運営に関する助言、区民協働スペースの貸出しなどの支援を行っております。一方、今年度のNPO活動助成審査会では、活動助成の在り方や充実策について御意見をいただいているところです。
今後、港区協働推進委員会やNPO法人の意見などを踏まえ、NPO活動助成の改善に努めてまいります。
次に、産業振興センターにおけるNPO法人への支援拡大についてのお尋ねです。
産業振興センターは、区の産業振興の拠点として、中小企業支援を目的に運営しているため、ホールなどの施設の貸出しについては、中小企業などに対象を限定しております。一方、コワーキングスペースやビジネスサポートファクトリーは、企業、個人、団体を問わず、多様な人が集い、異業種交流を図ることを目的としているため、NPO法人も利用が可能です。また、法人運営に係る資金繰りの相談や融資あっせんを活用いただけるほか、各種セミナーにも参加できることとしております。
今後、これらの情報がNPO法人に的確に伝わるよう、丁寧に周知をしてまいります。
次に、SDGsの視点を踏まえた施設間連携についてのお尋ねです。
区は、区の施策とSDGsの関連を明示し、区の目指すまちの姿を掲げた港区基本計画を着実に実行していくことが、SDGsの実現に向けた有効な道筋であると考えております。その上で、確実にSDGsの目標を達成するためには、分野横断的に取組を進めていくことが重要です。
今後、区の政策推進に大きな役割を果たす各施設において、SDGsの視点を踏まえて一層の連携を図ることで、全庁一丸となって効果的にSDGsの取組を推進してまいります。
次に、公契約条例の制定についてのお尋ねです。
区は要綱において、区の契約に従事する労働者の最低賃金水準額を規定し、受注者に労働環境チェックシート等の提出を義務づけ、労働環境が確保されていることを確認しております。また、最低賃金水準額は、民間の求人賃金の実態を踏まえ、毎年度改定をしております。労働環境や賃金支給額に疑義がある場合、社会保険労務士等による調査を実施し、受注者に改善の指示をする体制を整えており、現行の制度は、労働環境の確保に必要な機能を十分に果たしていると考えております。
引き続き、区の契約に従事する労働者の労働環境を確保する取組を進めてまいります。
次に、動物愛護についてのお尋ねです。
まず、高齢者のペット飼育支援についてです。
区は、ペットの飼い主が高齢化し、飼育が困難となる事例や、生活環境が悪化するなどの問題を未然に防ぐため、動物愛護部門と福祉部門との連携を進めております。今年度は、課題への理解と関係機関への連携を深めるため、区の動物愛護担当と高齢者相談センター、ふれあい相談員などによる勉強会や、ペットを飼育する高齢者の支援リーフレットの作成に取り組んでまいりました。
今後も高齢者のペット飼育問題の早期発見と対応を進めるため、区と高齢者支援に関わる機関との連携を密にしながら、高齢者のペット飼育支援を充実してまいります。
次に、譲渡会への支援についてのお尋ねです。
区は、保護された犬や猫の譲渡の推進のため、動物愛護週間での啓発、里親を希望する区民の相談窓口の開設、ボランティア共有名簿を通じた情報発信などを行っております。また、地域活動に意欲のある企業と、譲渡活動を行うボランティアをつなぐ情報交換会の開催など、新たな取組を進めております。
譲渡会開催場所としての区有施設等の提供については、実施内容やほかの利用者への影響などを踏まえる必要があります。ボランティア団体から具体的な相談があった場合には、区の動物愛護担当と施設管理者が連携し、丁寧に対応するなど、引き続き、譲渡会の支援に取り組んでまいります。
次に、飼い主のいない猫の医療費やシェルターへの支援についてのお尋ねです。
区では、地域猫活動の推進に向けて、広報みなとや動物愛護週間などによる啓発や、去勢・不妊手術費用の補助、まちの猫セミナーの開催、地域猫活動に必要な物品の提供など、様々な取組を行っております。飼い主のいない猫が病気やけがをした場合の医療費や、一時的に保護するシェルターの支援など、新たな取組については、地域猫活動推進のための検討課題として、様々な機会を捉え、ボランティアの方々と意見交換を行ってまいります。
引き続き、飼い主のいない猫の問題の解決に向けた地域猫活動の支援の充実に取り組んでまいります。
次に、区民避難所におけるペットの同室避難についてのお尋ねです。
ペットの同室避難については、アレルギーなどの理由で動物と一緒にいられない避難者もいるため、避難所内の動線や避難スペースを確保しなければならないといった課題があります。そのため、港区地域防災計画においては、区民避難所に避難する場合、避難所内の別の場所で過ごす同行避難をすることと位置づけており、同室避難は難しいと考えております。
今後は、飼い主とペットが安心して避難できるペットホテルや、動物病院など、区民避難所以外で受入れ可能な施設について研究してまいります。
次に、ドッグランの整備についてのお尋ねです。
区はドッグランの設置に当たり、ドッグランの最小面積である500平方メートルを確保できることや、公園利用者や近隣住民の理解が得られることを設置基準として定めております。現在この基準に基づき、ドッグランの設置が可能な候補地を調査しております。
引き続き、適地の選定を進める一方で、港にぎわい公園づくり推進計画で掲げている、開発事業等で整備される公園やオープンスペースなどを利用した、規模を縮小したドッグランの設置も含め、検討してまいります。
次に、今後も区議会とともに要請行動を続けていくことについてのお尋ねです。
区は平成16年度から、区議会や地域の区民の皆さんとともに、防衛省や東京都に対し、米軍ヘリポート基地撤去を継続して要請してまいりました。米軍基地の使用による騒音に悩まされ、事故発生の不安を抱える近隣住民をはじめとする区民の皆さんの安全で安心した生活環境を守るため、今後も区議会や区民の皆さんとともに粘り強く取り組んでまいります。
次に、羽田空港新ルートの固定化回避についてのお尋ねです。
区では日頃から寄せられる騒音や落下物の不安などの区民の声や、昨年度、区で行った意見募集での御意見を、全て国に伝えております。こうした多くの区民の声を踏まえ、区は新飛行ルートの運用開始当初から一貫して国に対し、海上ルートの活用や、地方空港の活用等による飛行ルートの分散化により、固定化を回避するよう求めており、今後もこの姿勢は変わるものではありません。このため、御提案のようなアンケート調査を行うことは考えておりませんが、引き続き国に対し、区民の声をしっかりと伝え、新飛行ルートの固定化回避を強く求めてまいります。
次に、神宮外苑地区の再開発に関する説明会の開催についてのお尋ねです。
明治神宮外苑を子どもたちの未来につなぐ有志の会から提出された陳情の内容につきましては、追加の署名が提出されたことも含めて、事業者に伝えております。
引き続き、事業者に対して説明会の開催を求める区民の思いを強く受け止めて、参加対象者や開催時間などを限定しない説明会を開催するよう、強く求めてまいります。
最後に、(仮称)飯倉公園自転車駐車場整備についてのお尋ねです。
先月15日の説明会以降、地域住民の方々から様々な御意見や御要望をいただいております。引き続き、東京都第一建設事務所や東京国道事務所、首都高速道路株式会社と協議してまいります。また、工事中の遊具の移設や工期の短縮、公園等周辺道路の安全対策などの工夫を行うとともに、改めて、地域住民の方々に丁寧に説明をし、理解が得られるよう努めてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。
○教育長(浦田幹男君) ただいまのみなと政策会議を代表しての阿部浩子委員の総括質問に順次お答えをいたします。
最初に、教育の課題についてのお尋ねです。
まず、区立学校における教育の無償化についてです。
教育委員会では、児童・生徒個人が所有または使用する教材費等は、原則保護者負担とされている中、計算ドリルなどの教材費や、宿泊行事におけるバス代や宿泊料などを公費で負担しております。また、令和5年度から、小学校高学年における教科担任制の全校導入や、中学校の全ての部活動への部活動指導員の配置など、区立学校における教育の質と魅力の向上に取り組んでおります。
学校給食費の無償化は予定しておりませんが、引き続き、保護者負担の軽減の取組を継続するとともに、教育の質の向上に取り組んでまいります。
次に、給付型奨学金制度における給付額の引上げについてのお尋ねです。
給付額の基準は、国の高等教育の修学支援制度による授業料等の減免と、給付型奨学金を合わせた額を上限としております。国の制度では、受給者世帯の収入が上がるにつれて、支援額が減額となりますが、区の制度では、国の減額部分を区が補填して支援するとともに、それ以上の国の支援対象とならない世帯にも、区の実態に応じた独自の区分を設定し、支援をしております。
引き続き、国の動向を踏まえつつ、奨学生向けアンケートの中で、大学等に通う費用が奨学金のほかにどの程度必要になっているかなどを聞き取ることで、実情をより詳細に把握し、子どもたちが経済的な不安を感じることなく勉学に励むことができる制度となるよう、必要な見直しを検討してまいります。
次に、不登校の児童・生徒や保護者への支援についてのお尋ねです。
各小・中学校では、不登校児童・生徒一人一人の状況に応じて、スクールカウンセラーや適応指導教室の活用を促すとともに、フリースクール等の民間団体と連携した取組を進めております。
来年度からは、一人一人の状況に応じた支援を強化するため、各家庭で直接児童・生徒を支援することができるスクールソーシャルワーカーを保護者の要請に応じて派遣することに加え、各小・中学校に週1日3時間配置する予定です。また、スクールソーシャルワーカーが家庭で保護者のカウンセリングも積極的に行うことで、保護者が抱える不安や悩み、課題等を早期に発見し、教育と福祉の両面から、不登校を解決に導く支援体制を一層強化してまいります。
最後に、神宮外苑イチョウ並木の名勝指定の今後の進め方についてのお尋ねです。
教育委員会は、東京都や、イチョウ並木の一部がまたがっている新宿区などの関係機関と意見交換を行っており、今後も継続をしていく予定です。
名勝指定には、所有者の同意が必要となりますが、神宮外苑のイチョウ並木は、約100年前に造成され、これまで適切に手入れが行われてきていることから、長年にわたり管理されてきた所有者に敬意を表しながら、所有者の意向を丁寧に確認してまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員(阿部浩子君) 今、御答弁をいただいた飯倉公園の駐輪場のことについてなのですが、保護者の皆さんに理解が得られるよう取り組んでいくということなのですが、今、場所を変えてほしいという要望が多く上がっていると聞いております。ですから、理解が得られない場合については、暫定駐輪場など、新たな仮の駐輪場でもいいので、そういうものについて検討していただきたいと思っています。
給付型奨学金制度の充実ですが、来年の4月に入学する大学生のために、ぜひとも金額の見直しについて取り組んでほしいということを強くお願いいたします。
今、区長の御答弁を聞いていて、港区で希望する人数の子どもを産み育てられるように全力で応援していきますという区長の御答弁は、すごく感動しました。学校給食の無償化だけではなくて、このように子育て応援商品券を配るとか、そういった事業についても、今後とも続けていただきたいということを強くお願いいたします。ありがとうございました。
○委員長(黒崎ゆういち君) みなと政策会議の総括質問は終わりました。
議事の運営上、暫時休憩いたします。再開予定は、15時40分といたします。
午後 3時14分 休憩
午後 3時40分 再開
○委員長(黒崎ゆういち君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
総括質問の質疑を続行します。
次に、公明党議員団を代表して、池田たけし委員。
○委員(池田たけし君) 初めに、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、武力行使を禁じる国際連合憲章に明確に違反する侵略行為であり、国際連合安全保障理事会もその機能を果たせず、攻撃は既に1年を超えて、まだ終わりを見せていません。安全保障、経済、生活など、国際社会にも大きな影響が及んでいます。
日本では、特殊詐欺犯罪グループがさらにエスカレート、凶悪化し、SNSで集められて犯罪に手を染めてしまう若者が増えています。そして、世相を映す人心の荒廃は連鎖してさらに進み、猫などの小さな命を脅かし、ひいては、無差別に人の命を奪おうとする事件が頻発しています。
このような社会情勢の中にあって港区は、安定した財政基盤を基に、未来を切り開く予算活用に努め、その潤いが区民に届く財政運営となるよう願うものであります。私ども公明党は、3年にわたるコロナ禍で疲弊した社会の暗雲を払い、生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義の下、社会の安定と秩序の回復のため、地域の住民の皆様とともに歩んでまいる決意を申し述べ、質問に入ります。
初めに、備蓄物資の管理と災害時における物資輸送についてお伺いいたします。
区は、昨年5月に公表された東京都の新たな被害想定を受け、避難者の増加を踏まえ、備蓄物資の充実等に要する経費を、令和4年度補正予算第2号で1億739万円増額し、1億7,794万1,000円としました。当初予算7,055万1,000円、そして、令和5年度新予算においても1億8,109万1,000円としていますが、令和4年度の補正予算に引き続き、同規模の予算となっています。どのような備蓄物資を充実させ、その大量に増えた物資の管理、さらには、災害時にどのように物資を輸送するのでしょうか。
品川区の備蓄物資に関しては、これまで発注を受けた業者が各地の倉庫へ物資を運び、その物資の管理を別の業者が行っていましたが、今後は、物資の配送先を大田区の京浜トラックターミナルに集約し、備蓄管理を委託していた業者に、災害時備蓄品の管理から輸送までを1事業者に一括して委ねる協定書を交わし、平時から一貫して任せる仕組みを構築したとの報道がありました。
港区では令和2年に、佐川急便と災害時における地域内輸送拠点等の運営及び物資輸送の協力に関する協定書を交わし、港区地域防災計画等に基づく災害時の民間協力の一環として、地域内輸送拠点の運営や物資の輸送業務に対して協力を得ることになっていますが、令和4年5月の新たな被害想定を踏まえ、さらなる民間活力の協力を得ることを必要と考えます。
そこで質問は、今後の備蓄物資の整備内容、管理、災害時の輸送に関し、区長の御意見をお伺いいたします。
次に、特殊詐欺などから区民を守る防犯対策の強化についてお伺いいたします。
これまで日本は、世界で最も治安がよい国とされていましたが、近年、特殊詐欺などによる被害が社会問題化しています。最近では、SNS上で闇バイトとして集まり、特殊詐欺グループが関与したと見られる強盗事件が相次ぎ発生し、死者も出ており、私たちに強い衝撃を与えました。被害に巻き込まれるのは高齢者が多く、手口は実に巧妙で、いつ、どこで、誰が被害に遭遇するか分かりません。
昨年1年間、港区内で発生した特殊詐欺被害件数は、オレオレ詐欺は16件で、前年の34件に比べ18件減少しましたが、これは、警察や報道機関による手口の情報や、また、区ではアポ電に応じないよう、自動通話録音機を区民に無償貸与するなど、防犯対策の効果もあるのではないかと思います。
一方、医療費や保険料が戻るなどと偽る還付金詐欺や、銀行員や警察官などを装ってキャッシュカードをだまし取るキャッシュカード詐欺盗、未払いの料金があるなど架空の事実を口実とし、金銭等をだまし取る架空料金請求などの特殊詐欺は、前年を上回っており、被害総額は約3億2,000万円にも上りました。
特殊詐欺とは、対面することなく被害者を信頼させ、現金を振り込ませるなど、不特定多数の人からだまし取る詐欺のことで、手口も様々で、その被害は後を絶ちません。また、最近の強盗事件では、被害者に電話をかけ、巧みに情報を聞き出した後、宅配業者を装って訪問し、犯行に及ぶ手口も確認されています。
防犯対策で最も大切なことは、屋内に侵入させないことや、日頃から玄関にドアチェーンをつけたまま来訪者に対応すること、また、電話では見知らぬ相手に個人情報や金融機関の情報を絶対に教えないなど、自分の身を守る対策を実践することです。区としても、詐欺の新しい手口など、ホームページや広報紙、区の掲示板などで公表し、注意喚起を呼びかけるとともに、区が実施している防犯対策の助成制度を広く区民に周知するなどして、活用を促すことも必要かと思います。
そこで質問は、区民を特殊詐欺などの被害から守るため、より一層、防犯対策の強化に向けた取組が必要と考えますが、区の見解をお伺いいたします。
次に、区職員の庁有自転車使用時の安全対策について伺います。
改正道路交通法の施行により、令和5年4月1日から、自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されます。自転車を運転する全ての人がヘルメットをかぶることに努めなければならないのはもちろんのこと、同乗する方にもヘルメットをかぶらせるよう努めなくてはなりません。既に東京都においては、東京都自転車安全利用条例で、全ての自転車利用者にヘルメット着用の努力規定を設けています。警視庁によれば、東京都内の令和3年の自転車事故による死傷者は、18人でした。そのうち約8割の方は、頭部損傷を主因として亡くなられているそうです。
港区では、区内の交通事故概要によると、令和3年の自転車事故の死者数はゼロ人でしたが、重傷者は8人、軽傷者264人と、令和2年よりも僅かに増えています。港区職員も、庁有自転車を使っての移動中における事故がしばしば発生しています。道路交通法の今回の改正を契機に、庁有自転車の台数分のヘルメットを備え、区職員が庁有自転車を使用する際にはヘルメット着用を義務づけることで、職員の交通安全の意識を高めてもらいたいと考えます。また、そうした姿勢を示すことにより、区民へのヘルメット着用を促し、自転車の安全対策の意識づけにもつながると思います。
質問は、区職員が庁有自転車を使用する際の安全対策に、今後どのように取り組まれるつもりか、武井区長にお伺いいたします。
次に、羽田新飛行経路について伺います。
羽田空港機能強化は、国際競争力の強化や、外国人旅行者の来訪を加速することで、地域の創生や、日本全体の経済の成長を促進させることなどのため、2020年3月より新飛行経路の運用が開始されて、丸3年が経過しました。
新型コロナウイルス感染症の国内外の感染状況も次第に落ち着きを見せ始めており、社会生活にも変化が現れ、日本でもマスクを外すことが、個人の判断に委ねられる時期が訪れようとしています。まちなかでは外国人観光客の姿も、今までより多く見かけるようになってきており、当然ながら旅客機の発着便数も増便されていると思います。
羽田空港機能強化の飛行ルートの開始により、西麻布で約750メートル、高輪付近で約600メートルの高度で着陸態勢に入る旅客機。その航路下に日々暮らす私たち港区民は、騒音や近づく機影などのために、空を見上げる回数も増え、航空機からの落下物への不安感は消えることはありません。
私ども公明党は、友党である自民党と地域住民の皆さんの代表とともに、固定化回避などについて、国土交通省の担当課との意見交換の場を設けさせていただいております。今後もこのような自由で活発な意見交換の場を継続して持ち、地域住民の声、その思いを直接届けてまいりたいと考えます。
武井区長からも国土交通省に対し、今後さらに航空技術の革新に伴っての新たな取組や、他の空港を活用しての飛行ルートの分散化、海上ルートの活用などといった固定化回避のための様々な運用を駆使した、具体的な検討を進めていただきたいとの要請も行っていただきました。この要請に対する真摯な検討での努力ある実行が待たれるところです。
現在、羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会において、新飛行経路の固定化回避に向け、最新の技術を活用した飛行方針の検討が行われております。このルートが実際にどこを飛行するのか、そして、その影響はどのようにあるのかなどの、いち早い情報の提供、説明を区民は待っております。
質問は、地域住民の不安を払拭するため、羽田新飛行経路の固定化回避に向けた区の取組についてお伺いいたします。
次に、流産・死産後の子育て支援について伺います。
厚生労働省は令和3年5月31日付で、流産や死産を経験した女性等への心理社会的支援等についてと題する事務連絡を発出、この中で、産後ケアについては、産後に心身の不調を抱える流産や死産を経験した女性も対象に含まれることが明記されました。
子どもとの死別は、近親者の死別の中でも悲しみが深いとされます。厚生労働省の調査では、流産や死産によるつらさを感じていた人は、6か月後でも5割を超え、約3割は1年以上続いているとのこと。最もつらかった時期に抑鬱状態になるなど、日常生活に支障があった人は7割近いとの結果です。
みなと保健所の助産師相談窓口では、年間を通して流産や死産に関する相談を受けています。令和3年にみなと保健所と建物が分かれてしまいましたが、
子ども家庭支援センターは、みなと保健所と産後ケアなどについても連携を図っていると伺っています。厚生労働省のさきの調査結果などを踏まえて、流産・死産経験者を把握し、上の子への子育てに影響が生じていないか注視するとともに、必要な支援を積極的に実施すべきと考えます。
区の産前産後家事・育児支援サービスは、流産・死産を経験した、出産予定日から1年以内の方のいる家庭も対象となりますが、現在区のホームページや案内チラシでは、その点が明記されていません。流産・死産後の子育て支援として有用なサービスだと思いますので、積極的な周知を図っていただきたいです。
質問は、流産・死産後の子育て支援について、区として今後どのように取り組まれるつもりか、武井区長にお伺いいたします。
次に、認可外保育施設の対応について伺います。
港区の就学前児童人口は、
新型コロナウイルス感染症拡大以降、令和2年2月の1万7,150人をピークに減少に転じ、令和5年1月には1万4,888人となり、約13.2%の減少率でした。こうした状況の中、就学前児童の保育環境も変わりつつあり、特に認可外保育施設の需要が高くなっている状況があります。
港区の就学前児童に対する子育て支援検討に当たってのアンケート調査報告書によると、教育・保育施設を利用する世帯の14.7%が、現利用施設でない第1希望の施設があると回答し、その世代のうち44.3%は、インターナショナルスクールなどの認可外保育施設、各種学校が第1希望との結果でした。認可外保育施設は、平成30年4月には73施設だったものが、令和4年4月には86施設に、認可外保育施設保育料補助金の利用者児童数は、平成30年度に322人だったものが、令和3年度には1,010人と大幅に増加しています。
現在も増加傾向にあり、認可外保育施設を希望する理由には、カリキュラムの充実や、英語教育の実施などが挙げられており、幼児教育に期待する声が多いようです。また、幼児教育・保育の無償化がスタートし、国が定めた基準を満たす認可外施設も、その対象となったことも要因の一つと考えられます。
ただし、現在は認可外保育施設指導監督基準を満たすための経過措置期間中で、基準を満たしていない施設についても無償化の対象施設としていますが、令和6年9月末までの経過措置となっているため、その期間が終了する時点で基準を満たしていないと、無償化の対象から外れることになり、利用者に影響が及ぶことが危惧されます。
令和5年4月からは、国の定める施設の中で、保育士や看護師の配置に関する指導基準においても、国家戦略特区の特例が明文化され、適正な運営がされているかが、より明確に判断されるようになります。その背景には、施設によって保育の質にばらつきがあり、指導監督基準を満たさず、悪質な保育環境の下、運営している事業者を選別する意義もあろうかと思います。
こうした中、ある地域の方は、利用している施設のサービスには満足しているが、外国人の従事者が多く、日本の保育資格を持っている方が少ないため、基準を満たしていないのではないかと不安をお持ちで、場合によっては利用できなくなるのではないかといった心配をされています。
いずれにしろ、港区の大切な子どもたちの安全・安心な居場所を保つために、事業者に指導監督基準の理解を求め、改善を促進するとともに、利用者への説明を促す必要があると考えます。
質問は、認可外保育施設の指導監督基準を満たすための無償化の経過措置が終了する際に、利用者が混乱を招かないために、事業者に対し、制度の周知啓発と改善促進を丁寧に働きかけていただきたいと思いますが、区の見解をお伺いいたします。
次に、神宮外苑再開発について伺います。
東京都は、神宮外苑地区の再開発事業を進める4事業者に対し、2月17日付で事業の施行を認可しました。4事業者が施行者として認められ、既存施設の解体工事に着手できることになり、神宮第二球場の解体工事に向けた準備作業が始まっております。
この再開発計画では当初、敷地内にある1,000本近い樹木を伐採予定とした計画に、国際連合教育科学文化機関いわゆるユネスコ諮問機関の国内組織である日本イコモス国内委員会が見直しの提言を上げ、また、東京都環境影響評価審議会からの意見や指摘を受け、事業者側は、環境影響評価であるアセスメントの評価書案を見直し、伐採本数を556本に削減しました。また、神宮外苑のシンボルである4列のイチョウ並木は伐採対象ではないものの、新設する神宮球場が近接する生育への悪影響が懸念をされています。
事業者は、着工前の調査で重要な根が複数確認された場合、切断を避けるための設計変更をするなど対応し、今後についても保全策を行うこととしています。しかし、周辺住民などは、事業者側が提出した環境影響評価いわゆるアセスメントでは、高い樹木743本を伐採すると説明してきたが、伐採樹木に低木約3,000本を含めておらず、東京都の審議会の審査は不十分で、東京都知事の認可は裁量を逸脱しているとし、また、騒音やビル風も発生することも含めて、東京都に対して市街地再開発事業の施行認可の取消しなどの訴えを起こしています。
神宮外苑の並木の青葉、若葉の芽吹きは初夏の、イチョウの黄葉と黄金色の落ち葉のじゅうたんは秋をと、東京に季節の移り変わりを知らせる風物詩ともなっています。その四季折々の景観と自然環境は、地域はもちろんのこと、広く多くの人々に愛されているものであり、その価値観は、所有者だけの占有物ではありません。であるならば、通常の再開発での住民説明会だけにとどまらず、心配の声を上げる団体などの代表者などにも、説明や意見交換の場が持たれるべきではないでしょうか。また、より丁寧な説明が、地域住民にこそもたらされなければなりません。
また、一般の住民は、環境影響評価いわゆるアセスメントに低木は含まれないなどといった細かな事情は承知しておらず、開発の中で計画が明らかになると後追いの発表で、事実を隠していたのではないかといった不信感を呼ぶものと感じます。区は、開発においての申請や届出、許可のプロセスや取扱いの範疇など、行政事務を承知しており、今後の開発において予想される事業者と住民などとのあつれきや、不信感の払拭に努めるべきではないでしょうか。また、基礎自治体として、地域住民の思いを受け止め、開発事業者と地域住民の間に立ち、東京都や新宿区など周辺関連区と連携を強め、事業者に、誰でも参加できる説明会の開催や、真摯な説明を行うよう、誘導を行うべきと考えます。
質問は、今後の神宮外苑の再開発について、どのように事業者を指導していくのか、区の取組について伺います。
次に、マンションの建て替えについて伺います。
令和4年3月に発表された港区分譲マンション実態調査報告書によると、調査対象の1,591棟のマンションのうち、築年数が40年を超えているマンションは、芝地区で46件、麻布地区93件、赤坂地区86件、高輪地区88件、芝浦港南地区7件となっており、区内マンションの約4割が、老朽化による更新の時期を迎えていると言え、特に赤坂地区に多い割合で見られます。
一般的に、マンションの建て替え検討時期は、築後30年から40年に多いと言われています。この築年数のマンションは、3回目の大規模修繕の時期に当たり、給排水配管などの水回り、エレベーターを含む電気設備、屋上や共用部への外廊下やひさしなど、風雨にさらされる部分の劣化などが顕著となり、大規模修繕と比較し、建て替えを選択するマンションが増えてきます。また、新築当初からの入居者も高齢となり、バリアフリー設備の充実といったニーズからも、建て替えを選択するケースがあります。
さらに、耐震補強工事の必要性も指摘をされ、いよいよ建て替えを真剣に検討することになると、大きな壁に阻まれます。まず、地域により建蔽率をいっぱいに取った建物では、補強するスペースや工事スペースが敷地内に取れず、敷地内に避難通路のスペースを確保することが困難なケースもあります。また、法令に伴い、既存不適格建築物となったマンションが多くあります。建て替えには、容積率、日影規制、斜線制限、高さ制限などの形態制限がかかり、建て替えにより、規模の小さな床面積のマンションとなってしまい、戻り入居ができないと、長年培ってきたコミュニティーが分断され、さらに高齢化も伴って、所有者の合意は困難を極めます。
質問は、このような既存不適格マンションを含めたマンションの建て替え支援について、区のお考えを伺います。
次に、区道や区立公園の工事に伴う樹木の取扱いに関する報告等について伺います。
令和4年7月、北青山二丁目道路、いわゆるスタジアム通りの歩道拡幅整備工事について、住民団体からの陳情を受けて、区は、2か月ほど街路樹の伐採を保留するという措置を取られました。伐採などを含む当該工事全般について、近隣へのあらかじめの周知や、了承を得ていたとのことでしたが、2050年カーボンニュートラルに向けた意識の高まりもあり、近隣でなくても、区の工事に関わる樹木の取扱いについて、区民の関心が高まっているように思います。
既に我が会派から、港区議会の委員会での工事等の報告の際には、街路樹などの伐採等の計画があれば、きちんと説明してもらいたい旨の要望をさせていただいているところです。また、令和3年度決算特別委員会では、既存の街路樹を現地保存したまま歩道を拡幅した事例などを通して、街路樹の保全について、意見、要望をさせていただいているところです。
区は、工事代金が9,000万円以上のものについて、総務常任委員会及び建設常任委員会で工事の概要を説明していますが、それ以下の金額であっても、区民への影響を鑑みて、建設常任委員会で報告されていると認識しています。今後、区道や区立公園の工事の委員会への報告に際しては、区民への情報提供という観点からも、樹木の伐採等の情報についても、可能な限り報告すべきと考えます。また、委員会の報告事項にするかどうかの判断においても、樹木の伐採等の本数なども考慮して、影響が大きいと判断される場合には、工事概要について区議会に報告してもらいたいです。
質問は、区道や区立公園の工事に伴う樹木の取扱いに関する議会への報告や、区民と地域への説明について、今後、区としてどのように取り組まれるつもりか、武井区長にお伺いいたします。
最後に、区立幼稚園の魅力向上の取組について伺います。
令和元年から幼児教育・保育の無償化が始まったことにより、保育園の需要が高まり、逆に区立幼稚園の入園数が減少傾向にあります。令和5年度の園児募集結果を見ると、区立幼稚園で応募人数が定員割れしている園は、3歳児クラスがある10園中で8園、4歳児では12園全てが定員割れをしている状況です。そうした状況を見ると、持続可能な幼稚園の在り方を検討する必要があるのではないかと考えます。
港区の就学前児童に対する子育て支援検討に当たってのアンケート調査報告書によると、幼稚園の魅力について、第1に家から近いことが挙げられています。利用者の約75%の世帯が徒歩で登園し、家からの登園時間は平均10分となっています。
第2には、園庭があることが挙がっています。園庭で十分な体力づくりが望めることや、緑が多く、植物や昆虫などの自然に触れ合える機会があることで情操が育まれるといった内容です。
さらに、区立幼稚園には、地域の区立小学校・中学校との交流が図れるといった魅力もあります。区立中学校との交流が実現すれば、地域のお兄さん、お姉さんと触れ合える交流の機会にもなると思います。また、運動会を区立小学校の校庭で行うことで、卒園後に、小学校になじみやすくなるといった魅力も挙げられます。
また、そもそも保育園との大きな違いは、幼稚園が教育機関であることです。最近、認可外保育施設の需要が高い要因の一つに、英語教育やカリキュラムの充実が挙げられていますが、幼稚園には幼児教育のプロフェッショナルである教員がいます。その力をより発揮できるよう取り組むことで、こうした需要を満たし、幼稚園の魅力向上を図ることができるのではないでしょうか。
現在、保育園の需要が高いため、幼稚園の魅力が色あせつつありますが、これまでの取組や、これからの幼稚園の方向性を積極的に周知し、その魅力を発信していくことで、幼稚園の需要が高まると考えます。また、区立幼稚園、小学校、中学校が連携し、課題を共有して取り組むことで、港区の教育全体の質向上にもつながるのではないでしょうか。
質問は、今後、区として、幼稚園の魅力向上に向け、どのように取り組まれるのか、御見解をお伺いいたします。
以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての池田たけし委員の総括質問に順次お答えをいたします。
最初に、備蓄物資の管理と災害時における物資輸送についてのお尋ねです。
区は、昨年5月に東京都の公表した新たな被害想定に基づき、避難者の増加に対応して食料や毛布等を追加で購入し、避難所や民間ビルに設置した倉庫や、区と物資輸送に関する協定を締結した事業者の倉庫に備蓄しております。災害発生時は、協定を締結している複数の事業者と連携し、備蓄物資を避難所へ輸送いたします。
今後も備蓄物資の充実を図るとともに、倉庫事業者や運送事業者との協定の締結を進め、備蓄物資の管理、輸送体制の強化に努めてまいります。
次に、特殊詐欺などから区民を守る防犯対策の強化についてのお尋ねです。
区では、区内警察署や警視庁生活安全部と連携し、区ホームページや広報みなと、安全安心メール、ツイッターなどにより、特殊詐欺の新たな手口や、区内の被害状況、有効な防犯対策などを常に周知・啓発しております。さらに、特殊詐欺や強盗事案等を抑止するために、自動通話録音機の無償貸与や、防犯用品の購入助成の活用を強く促進しております。
今後は、昨年10月に開始した防犯カメラ貸与事業を活用することで、詐欺電話を受けて個人情報が漏れてしまった場合などに、速やかに防犯カメラを設置する防犯対策を区内警察署と連携して実施し、区民を犯罪から守る取組をより一層強化してまいります。
次に、区職員の庁有自転車使用時の安全対策についてのお尋ねです。
区役所本庁舎では、本年4月1日の改正道路交通法の施行に先行して、先月22日から、庁有自転車を利用する職員に自転車用ヘルメットの貸出しを開始しております。本年4月以降、自転車を所有する全ての部署でヘルメットを用意し、職員が公務で自転車を利用する場合には、ヘルメットを着用するよう指導してまいります。また、本年5月の春の全国交通安全運動では、自転車のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底を全国重点項目に掲げています。
区は、職員の自転車用ヘルメットの着用とともに、区民への周知と、自転車の安全利用に関する取組の推進に努めてまいります。
次に、羽田新飛行経路についてのお尋ねです。
区には日頃から、騒音や落下物など、区民から不安の声が寄せられております。区は区議会とともに、これまで国に対して海上ルートの活用、地方空港の活用等による飛行ルートの分散化、落下物対策の強化などの要請を行ってまいりました。また、独自に騒音測定を行い、その結果を国に示し、さらなる騒音対策や固定化回避の検討などに活用するよう伝えております。
引き続き国に対し、検討会の進捗状況等について、区民への丁寧な情報提供を求めるとともに、固定化回避の検討を加速するよう強く要請してまいります。
次に、流産・死産後の子育て支援についてのお尋ねです。
区では、みなと保健所の助産師相談窓口において、年間を通して流産や死産に関する相談を受けており、継続支援が必要な方には、地区担当の保健師が支援に当たっております。また、妊娠中または出産後の家庭に対し、一定の期間ホームヘルパーが訪問し、家事、育児等の支援を行う港区産前産後家事・育児支援事業においても、流産や死産を経験した御家庭を支援の対象としております。
今後も、流産や死産といったつらい経験をされた御家族の負担に寄り添えるよう、必要な時期に適切な支援につなげるとともに、支援事業の周知に取り組んでまいります。
次に、認可外保育施設が指導監督基準を満たすための対応についてのお尋ねです。
区は認可外保育施設の利用者に対して保育料を助成しておりますが、令和6年10月以降、指導監督基準を満たさない施設の利用者については、助成の対象外となります。制度の内容については、各施設に向けて既に周知し、基準適合化に向け働きかけております。また、来年度から、職員の保育士資格取得のための助成に加え、指導監督基準を満たすための施設改修等の補助を開始し、指導監督基準への適合を促進させてまいります。
今後も制度の周知や補助事業の活用を促し、全ての認可外保育施設が指導監督基準を満たすよう、丁寧に働きかけてまいります。
次に、神宮外苑再開発に関する区の取組についてのお尋ねです。
区は誰でも参加できる説明会の開催を、先月20日付で文書により事業者に要請しております。今後も事業者に対し、参加対象者や開催時期などを限定しない説明会の開催など、丁寧な情報発信に努めることや、区民等から寄せられた意見などには真摯に耳を傾け、可能な限り事業計画や今後の施設運営などに反映することを強く求めてまいります。
次に、マンションの建て替え支援についてのお尋ねです。
区はこれまでも、マンションの建て替えに当たり、港区マンション建替法容積率許可要綱に基づく容積率割増し、建て替えの費用助成や、コンサルタントの派遣などにより、マンション管理組合を支援してまいりました。令和3年度に実施した分譲マンション実態調査の分析結果においても、建て替え検討に当たっての課題として、区分所有者の合意形成や費用負担が困難であることを把握しております。
引き続き、マンションの建て替えが促進できるように、マンション管理組合に対し、費用の助成やコンサルタントの派遣などの支援に努めてまいります。
最後に、区道や区立公園の工事に伴う樹木の取扱いに関する報告等についてのお尋ねです。
区は、区道や区立公園等の工事に際して、工事の概要を区議会に報告するとともに、区民に説明しております。今後は樹木の取扱いについても、規模や影響が大きいと考えられる場合には、区議会や区民に丁寧に報告、説明をしてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
教育に関わる問題については、教育長から答弁をいたします。
○教育長(浦田幹男君) ただいまの公明党議員団を代表しての池田たけし委員の総括質問にお答えをいたします。
区立幼稚園の魅力向上への取組についてのお尋ねです。
区立幼稚園ではコロナ禍の中、区立小・中学校との連携を縮小しておりましたが、来年度以降は、職場体験や家庭科の授業で中学生が幼稚園を訪問し、手作り遊具で一緒に遊んだり、小学校の行事に幼稚園児が参加したりするなど、幼・小・中の交流を充実させていく予定です。
今後も、区立小・中学校との連携を一層強化するとともに、子育てサポート保育の時間延長等による利便性の向上や、アスリートとの交流事業、伝統芸能に触れる体験事業の実施など、特色ある教育活動を充実させることで、区立幼稚園の魅力向上を図ってまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員(池田たけし君) 前向きな御答弁をありがとうございました。
終わります。
○委員長(黒崎ゆういち君) 公明党議員団の総括質問は終わりました。
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○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、共産党議員団を代表して、福島委員。
○委員(福島宏子君) 共産党議員団を代表して、総括質問を行います。
初めに、区の財政を区民のために活用することについてです。
港区の基金残高は毎年伸び続けています。2018年1,604億円から、今定例会終了時点で1,951億円と、5年間で348億円も増えています。特別区民税収入は、当初予算と決算時を5年間比較すると、いずれも増収となっており、5年間の増収分は約307億円です。増収分のほとんどが積み立てられている計算です。
長引くコロナ禍で、コロナ前の売上げに戻っていない自営業者、暮らしが大変な区民の方など、区民の暮らしを支える施策に積極的に生かすこと、答弁を求めます。
区職員を増やすことについてです。
2022年度の職員総数は2,204人と、15年間で238人減っています。会計年度任用職員970人、委託契約職員103人で、合わせて1,073人、正規職員の数のおよそ半分にもなり、多くのワーキングプアを生んでいます。
地方公務員は、社会に貢献することでやりがいを感じられる仕事です。住民が安心して暮らせるように働くのが地方公務員の役割であるため、住民から感謝されます。住民の声をダイレクトに聞き、その声を生かして仕事に取り組むことが重要で、高いコミュニケーション能力が必要です。
忙しい業務の中で、20代から30代のメンタルヘルス不調による病休者数が全体の6割と増えています。スキルアップのためには経験が必要で、継続した安定的な雇用が何より重要です。正規職員を増やすこと、答弁を求めます。
STOP!羽田低空飛行についてです。
これまで5回しか開かれていない羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会での到達点について、2つの飛行方式についての安全性の評価に取り組んでいるとの答弁でした。急旋回を伴う飛行方式や、世界では類を見ない同時進入という、今以上に危険な着陸です。飛行機が飛ぶ空の上の話で、飛行機の下で生活する住民のことなど全く考えていません。区民はこの騒音や落下物の危険から、一刻も早く回避されたいと願っています。
固定化回避ではなく、都心上空、とりわけ港区上空を飛ばない飛行ルートの検討、海上ルートに戻すことを国に強く要請すること、答弁を求めます。
福祉総合窓口の改善についてです。
福祉総合窓口が長い準備期間を経て開設されましたが、運用に関して多くの課題が出され、職員への負担や連携の在り方など、問題点が明らかになっています。今になって、どうしてこうした課題が出されるのか疑問です。
福祉の現場は大変で、高齢者相談センターでの相談は増えており、相談内容は複雑化しています。医療的ケアの子どもの支援、介護保険制度の対象とならない40歳以下の在宅でのがん患者への支援などが急がれます。現場の声をよく聞いて、改善を急ぐこと、答弁を求めます。
保育士の配置基準の見直しについてです。
70年以上変わらない、世界の中でも非常に低い、国の配置基準では子どもの安全は守れないと、現場の声は切実です。区は1歳児クラスについて、国基準では6人に対して1人としているところ、5人に対して1人としていると答弁を繰り返しますが、安全に保育できる数ではありません。保育士配置基準を区独自で見直すこと。
区立保育園では保育士を加配しているとの答弁でした。私立保育園には同等の加配はされていません。保育内容に格差を生むことはあってはなりません。区立保育園と同等の保育士の加配を私立保育園にもすること。
また、実態を踏まえたきめ細かな職員配置に取り組むとの答弁でした。実態を踏まえるためには、区内全保育園の実態調査を実施すること、それぞれ答弁を求めます。
特別養護老人ホームでの医療的ケアのある方への対応についてです。
区内の特別養護老人ホームに入所していながら、吸引が必要になったら施設に戻れなくて、遠く離れた施設に移らなければなりません。医療的ケアや重度の介護が必要な方は、今後増えていきます。区の土地を利用して運営している事業者は4施設、定員418人です。4施設で、医療処置に関する加算を取って受入れをしているのは1施設のみ、3項目のうち1項目のみです。これでは、重度の方や医療的ケアが必要な方は、住み慣れた港区で住み続けられません。
事業者募集では、医療行為や重度介護者への基本姿勢の提案がされています。提案に沿った運営がされているか早急に調査し、医療的ケアのある方を受け入れられるように改善をすること、答弁を求めます。
高齢者世帯に防災リュックの支給を急ぐことについてです。
先日、NHKスペシャルで、「南海トラフ巨大地震 命を守るためにできることは」が放映されました。番組の中では、津波に対してでしたが、高齢者の避難として、何とかして自力で玄関まで行くことが大切で、その後は地域コミュニティーの連帯の力で避難できることがクローズアップされていました。
いつ起きるか分からない災害に備えて、高齢者には、動けなくても居場所を伝えられる笛や、停電の際に役立つ懐中電灯、寒さをしのげるアルミシートなど、必要最低限のものが入っている避難用リュックを支給すること、答弁を求めます。
障害者のタクシー利用券の支給枚数を増やすことについてです。
昨年11月14日からタクシー運賃が値上げになりました。今回の運賃改定は2007年以来、約15年ぶりで、14.24%の上昇率です。大まかですが、5キロメートル移動した場合、1,700円が2,000円にアップすることになります。昨年来、食料品をはじめとする多くの生活必需品の値上げが相次ぐ中、タクシー運賃改定が国民生活に少なからぬダメージになっています。例えば、週3回の人工透析が欠かせない患者など、障害を持つ方にとってタクシー代の値上げは深刻です。障害者のタクシー利用券の支給枚数を増やすこと、答弁を求めます。
AEDのコンビニエンスストアへの設置を依頼することについてです。
AEDの区有施設以外、とりわけ24時間開いているコンビニエンスストアへの設置は、何度も取り上げてきました。来年度予算で、80か所への設置のための予算が計上されました。マンションやホテル、24時間営業の店舗を考えているようです。コンビニエンスストアは各地に店舗があり、24時間営業しています。コンビニエンスストアに設置場所提供の協力依頼をすること、答弁を求めます。
免税事業者を入札から排除しないことについてです。
インボイス制度をめぐって、自治体に関わる問題が指摘されています。自治体が地元商店や工務店などに発注している取引では、事業者側がインボイス登録をしていないと、取引から除外されるおそれがあります。実際に、自治体から登録の圧力が事業者にかけられる事態が発生しています。港区として、免税事業者を入札や取引から除外しないこと、答弁を求めます。
公衆トイレの在り方についてです。
汚い、臭い、暗いイメージを一新し、誰もが使いやすいトイレに改善することが必要です。現在、利用者アンケートを行っているようですが、六本木三丁目児童遊園の整備に当たり、公衆トイレの改修もあることから、麻布地区総合支所の女性職員に、公衆トイレに関するアンケートを行いました。その結果は今後の改修に大いに参考にすべきです。
公衆トイレの整備に当たっては、場所の制約はありますが、男女は別々に設置、パウダールームの設置、温水洗浄式便座、シートクリーナーの設置、生理用品の設置、サニタリーボックスの設置など、考慮し進めること、答弁を求めます。
区有施設のトイレに生理用品を備え付けることについてです。
一部トイレでは、OiTrを活用して生理用品を置いていますが、機器の不具合などで普及が進みません。機器に頼ることなく、ケースに入れて洗面所に置くだけで十分です。必要な方は御自由にお持ちくださいとの掲示をすればよいのです。トイレットペーパーと同じように、全ての区有施設のトイレに生理用品を設置すること、答弁を求めます。
都営住宅空き住戸の募集要請を区長名で行うことについてです。
東京都ホームページによると、港区内の都営住宅の管理住宅4,993戸で、空き住戸は496戸、約1割もあります。都営住宅も区営住宅も、空き家募集倍率は100から200倍になるところもあるほど、低廉な家賃を求める人は増えています。この間、担当課長名で空き家の募集を要請していますが、なかなか改善されません。全ての空き家の募集を行うよう、区長名で要請すること、答弁を求めます。
シティハイツ一ツ木・白金の建て替えについてです。
都営住宅や区営住宅の募集倍率は、単身者向け住宅への応募が際立っており、住宅事情が深刻なことが分かります。今委員会の質疑の中でも、住宅に困っている高齢者への支援が必要なことが指摘されました。区長は長く使い、大切に使い続けると答弁しましたが、容積率は十分余裕があるシティハイツ一ツ木やシティハイツ白金において建て替えをして、住宅困窮者への対策として単身者向けの戸数を増やすこと、答弁を求めます。
赤坂台町アパート跡地の利用についてです。
赤坂台町アパート跡地は、更地になってから既に十四、五年経過しています。東京都の活用が決まるまでの間、子どもたちの野球やサッカーができる多目的広場として活用するため、東京都から借りること、答弁を求めます。
飯倉公園の自転車駐車場整備計画についてです。
麻布地域の放置自転車対策に長年取り組んできたことについては、地域の皆さんも感謝しています。2月15日に説明会が行われ、飯倉公園に自転車駐車場を造ることについては、児童館、保育園の保護者をはじめ、地域からも大反対の声が上がりました。反対の主な理由は、自転車駐車場のために、工事期間中1年4か月という長期間、子どもたちから公園や遊ぶ場所を奪うな、地下自転車駐車場の整備費に5億円、維持管理費に4,500万円もかける必要があるのか等々です。住民、保護者の理解のないまま、飯倉公園での自転車駐車場の整備を強行しないこと。
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構は、昨年の12月14日に高架下の利用募集を公表しました。債務返済機構は公表する前、11月14日付で、高架下利用計画策定について区長宛てに意見照会を行い、区は翌日、異議なしと回答しています。高架下の利用募集に手を挙げ、自転車駐車場を整備すること、また、既に高架下利用計画で、港区使用となっている赤羽橋側での整備をすること、3点答弁を求めます。
就学援助についてです。
諸物価の異常な高騰が続き、多くの区民の生活は深刻です。1、基準所得額を拡大して区民生活を応援すること。
2、来年度の基準が改正されます。準要保護の改正を行うこと。
3、最近、眼鏡を使う児童・生徒が増えています。就学援助に眼鏡、コンタクトレンズの購入費用を加えること、それぞれ答弁を求めます。
入学祝い金の支給についてです。
新宿区が来年度から、小学校入学時に5万円、中学校入学時に10万円の入学祝い金を、所得制限なしで支給を決めました。今年度に限って、在校生に2万円を支給するとのことです。私たちの提案は、新宿区ほどではありません。小学校入学時に2万円、中学校入学時に3万円というささやかなものです。
新宿区長は、中学校に入学すると、学用品だけで十数万円かかる、小学生はランドセルだけでも六、七万円する、それを支援したいとのことです。港区も新宿区を見習って、入学祝い金の支給をすべきです。答弁を求めます。
区立図書館の運営についてです。
日本図書館協会は公立図書館の任務と目標の中で、公立図書館は図書館法に基づいて、地方公共団体が設置する図書館であり、教育委員会が管理する機関であって、図書館を設置し、図書館サービスを実施することは、地方公共団体の責務である。また、公立図書館は、地方公共団体が直接経営すべきものであり、図書館の運営を他へ委託すべきではないとしています。
区立図書館の指定管理者の公募に当たり、7館と1分室を一括で募集すると、応募の手を挙げるのは1者しかないということで、2つのグループ化での公募にするとのことです。指定管理者制度にはなじまないことが明らかです。区立図書館の運営は直営に戻すべきです。答弁を求めます。
神宮外苑の再開発の抜本的な見直しについてです。
当初、伐採等の危機にある樹木は約1,000本と言われていました。事業者が新宿区に出した許可申請では、3メートル以下の低木を含めると、その数は3,000本にも及ぶことが分かりました。日本イコモス国内委員会は、事業者の環境影響評価書には、生態系の調査や樹木の保全などに虚偽があると厳しく指摘、東京都の審議会に再審査を要請しています。事業者はこの指摘にまともに答えないまま、東京都は2月17日に施行を許可しました。反対の声はますます広がり、東京都の宝石が壊されるとする周辺住民60人が、東京都の施行認可手続は違法とする訴訟を東京地方裁判所に起こしています。
神宮外苑の再開発の見直しを求めている超党派の国会議員連盟が、3日に総会を開き、スポーツや自然保護などの観点から、再開発の課題を有識者から聞きました。そこでは、神宮球場と秩父宮ラグビー場、国立競技場をつなぐ歩道橋の幅が8メートルしかなく、大勢の観客らが安全に移動するには狭過ぎるとの指摘がありました。このままの計画を進めることは大問題です。再開発は一度立ち止まり、イコモス国内委員会をはじめとする専門家や市民の意見に耳を傾けるよう、事業者に要請すること。
4列のイチョウ並木のうち、外側2列は明治神宮が持ち主です。内側2列の持ち主は東京都です。明治神宮に名勝指定を認めさせるためには、港区と東京都が一緒に動くことが必要です。そのためには、東京都が名勝指定するとの意思を明確にすることが重要です。東京都に、イチョウ並木を名勝指定する立場を明確にするよう要請すること、2点答弁を求めます。
学校給食の無償化についてです。
教育費での質疑で、教育委員会が検討している保護者負担の軽減の中に、給食費が含まれていることを明らかにしました。貧困と格差が広がる中、賃金は上がらない一方、諸物価の異常な高騰の中、子育て世代に対する支援策としては、学校給食の無償化は最適な施策の一つです。だからこそ、23区の多くの区が無償化に踏み出しているのです。区民から預かっている基金の一部の活用でできます。学校給食の無償化に踏み出すこと、あわせて、保育園給食を無償にすること、区長、教育長に答弁を求めます。
質問は以上です。答弁によっては再質問することを申し述べて終わります。
○委員長(黒崎ゆういち君) この際、お諮りいたします。議事の運営上、時間を延長したいと思いますが、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(黒崎ゆういち君) 御異議なきものと認め、時間は延長されました。
○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島宏子委員の総括質問に順次お答えをいたします。
最初に、区の財政を区民のために活用することについてのお尋ねです。
区は、区民の暮らし、命を守るため、記録的に物価が上昇する中、必要な支援を迅速かつ確実に区民に届けるために、港区子育て応援商品券事業や、プレミアム付き区内共通商品券の発行支援をはじめ、積極的に基金を活用し、直面する課題の解決に全力で取り組んでまいりました。引き続き、全ての区民のために、港区ならではの先駆的な施策や、質の高い行政サービスの提供に取り組んでまいります。
次に、区職員を増やすことについてのお尋ねです。
区は、区が直接担うべき業務や、区の重点課題として取り組むべき分野には、職員を積極的に配置するとともに、専門的な知識の活用が期待できる業務に、業務委託等の民間活力や、会計年度任用職員などの多様な人材を効果的に活用し、質の高い行政サービスを提供してまいりました。
今後も新たな行政需要に対応し、きめ細かな行政サービスを提供していくために、必要な職員を適正に配置してまいります。
次に、羽田低空飛行についてのお尋ねです。
区は、羽田新飛行ルートの固定化を回避し、区民の不安を解消するため、これまでも国に対し、海上ルートの活用や、今後の航空技術の進展に伴う新たな取組、地方空港の活用による飛行ルートの分散化などを求めてまいりました。引き続き、固定化回避に向けた検討を一層加速するよう、強く求めてまいります。
次に、福祉総合窓口の改善についてのお尋ねです。
福祉総合窓口の課題については、昨年末から全庁体制で改善策の検討を進めており、本年2月には各地区総合支所の区民課の職員によるプロジェクトチームを設置し、現場の声を直接聞き、課題解決に結びつけております。昨年12月には、保健師が訪問等で外出中に連絡が取りづらい状況から、いつでも連絡が取れる仕組みに直ちに改善をいたしました。また、職員が相談や支援の時間を十分に確保できるよう、本年4月には、多忙な窓口業務を担う新たな会計年度任用職員を、各地区総合支所区民課に配置いたします。
引き続き、人事配置や人材育成の中・長期的な改善にも取り組んでまいります。
次に、保育士の配置基準の見直しについてのお尋ねです。
区では、1歳児クラスの年齢別配置基準の充実に加え、開所時間内における保育の充実を目的とした保育士の加配などを通じて、国の基準を上回る、区独自の手厚い職員配置を行っております。また、私立認可保育園に対しても、区立保育園と同様に、国の基準を上回る保育士の配置を求めており、配置に係る人件費を補助するなど、適切に支援をしております。
各園の実態把握につきましては、巡回指導等を通じて保育現場の声を丁寧に聞くなど、適切に取り組んでまいります。
引き続き、児童や各園の実態を踏まえた区独自の職員配置に努めてまいります。
次に、特別養護老人ホームでの医療的ケアのある方への対応についてのお尋ねです。
区は、介護が必要となっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、区有地を活用して、民設民営の特別養護老人ホームの整備を進めてまいりました。区有地における整備に当たり、事業者と整備・運営に関する基本協定を締結しておりますが、現在、医療的ケアに関する規定は設けておりません。このため、今後各施設へのヒアリング等を通じて、事業者選定時の提案内容の実施状況を確認するとともに、特別養護老人ホームでも受入れが可能な医療的ケアの程度や、入所後に医療的ケアが必要になる方の実態の把握に努め、必要に応じて運営事業者と協議をしてまいります。
次に、高齢者世帯に防災リュックを支給することについてのお尋ねです。
区では防災用品あっせん事業で、災害時の非常用品や、背負うことができる非常持ち出し袋などを通常価格よりも低価格で提供しております。また、高齢者や障害者、妊産婦の方には、特別価格にてあっせんをしております。
高齢者世帯のみに防災リュックを支給することは予定しておりませんが、来年度は携帯トイレを全ての区民に無償で配付する際や、避難行動要支援者の対象となる方に登録のお知らせを送付する際などに、災害への備えの必要性を改めて個別に周知するなど、一人一人の防災備蓄や災害への備えが、これまで以上に強力に進んでいくよう取り組んでまいります。
次に、障害者のタクシー利用券の支給額の増額についてのお尋ねです。
区は、歩行が困難な障害者の経済的負担を軽減し、通院や買物など日常の活動範囲の拡大を図るため、年間4万4,000円分のタクシー利用券を支給しております。現時点でタクシー利用券の支給額を増額する予定はありませんが、タクシー運賃の改定をはじめ、さらなる物価高騰による影響など様々な状況を注視しながら、適切に対応してまいります。
次に、コンビニエンスストアにAED設置の協力を依頼することについてのお尋ねです。
区は来年度、緊急時にいつでも誰でも利用できる施設など80か所に、新たにAEDを設置し、AED不足地域の解消を目指してまいります。AEDの設置に当たっては、町会・自治会から御意見をいただき、設置を進めてまいります。このため、具体的な設置場所については、地域要望も踏まえながら候補となる場所を検討し、24時間利用可能な施設等に設置場所提供の協力を依頼してまいります。
次に、免税事業者を入札や取引から除外しないことについてのお尋ねです。
区では入札制度においては、令和5年10月のインボイス制度の開始に当たり、免税事業者についても現行どおり、入札参加資格を認める予定です。
次に、公衆トイレの在り方についてのお尋ねです。
区は現在、港区ならではの清潔できれいな公衆便所の在り方について検討を進めております。その中で、区民や利用者が求める新しい機能や設備の配置に関する要望を把握するため、ヒアリングやアンケートを実施いたしました。回答では、女性や子どもが安全・安心に利用できるよう、衛生面や防犯面を必要とするなどの声がありました。
今後、港区ならではの清潔できれいな公衆便所の在り方において、ヒアリングやアンケート結果を踏まえた、各公衆便所に必要な機能や設備を示し、誰もが安心して利用できる、港区ならではの清潔できれいな公衆便所の整備を進めてまいります。
次に、区有施設のトイレに生理用品を備え付けることについてのお尋ねです。
区は子どもや女性を支援するため、現在、子ども中高生プラザなど10か所の区有施設で生理用品の配布をするほか、区立小・中学校、児童館や、子ども中高生プラザなどの個室トイレに生理用品を設置しております。また、区役所本庁舎に設置している民間事業者による生理用品無料提供サービス、OiTrのほか、生理用品の設置場所については、拡大に向け準備を進めてまいります。
次に、都営住宅空き住戸の募集要請を区長名で行うことについてのお尋ねです。
都営住宅の空き住戸を速やかに募集することについては、平成29年度から、住宅課長より東京都の担当課長宛てに7回要請文を提出しております。要請文は課長名でありますが、東京都と区の課長同士が面会し、意見交換をしながら、再三にわたり直接要望していることから、趣旨は十分に伝えられると考えております。
次に、シティハイツ一ツ木・白金の建て替えについてのお尋ねです。
今後、シティハイツ一ツ木や白金においては、港区公共施設マネジメント計画に基づき、財政負担を軽減、平準化するため、外壁や設備機器を計画的に改修し、80年使い続ける長寿命化を図ってまいります。
なお、シティハイツ車町の建て替えに際しては、単身向け住宅の需要を踏まえ、1DKの住戸を12戸から44戸に増やす計画としております。
次に、飯倉公園の自転車駐車場整備計画についてのお尋ねです。
まず、住民、保護者の理解のないまま、自転車駐車場の整備を強行しないことについてです。
先月15日の説明会の開催以降、地域住民の方々から様々な御意見、御要望をいただいております。今後、工事中の遊具の移設や工期の短縮、コスト削減及び公園と周辺道路の安全対策などの工夫を行うとともに、改めて地域住民の方々に丁寧に説明し、理解が得られるよう努めてまいります。
次に、首都高速道路高架下の用地の活用についてのお尋ねです。
現在、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構が、首都高速道路下の麻布消防署飯倉出張所の並びで保有している200平方メートルの用地のうち、募集している170平方メートルの用地については、応募条件等について情報収集をしております。また、募集していない30平方メートルの用地につきましては、これまでの交渉経過を踏まえ、引き続き、区が使用できるよう協議を継続してまいります。
次に、神宮外苑の再開発計画の見直しを要請することについてのお尋ねです。
区はこれまで、一般社団法人日本イコモス国内委員会など多くの方が示した御意見、御要望についても真摯に受け止め、対応を検討するよう求めてまいりました。本計画では、スポーツ施設と地下鉄駅をつなぐ複数のルートを整備し、歩行者動線を分散させるとともに、観客が円滑かつ快適に移動できる幅員が確保されると聞いております。
今後も当地区全体が、人々が憩い、遊び、交流できる魅力ある空間となるよう、事業者を指導してまいります。
最後に、保育園給食費を無償にすることについてのお尋ねです。
国は令和元年10月の幼児教育・保育の無償化に当たり、在宅子育て世帯の負担との公平性に配慮し、食材料費については保護者の負担とすることとしています。このため、区は3歳児クラス以上の子どもの給食費を無償化の対象とせず、保護者が負担すべき経費として実費を徴収しております。2歳児クラス以下の子どもについては、給食費を保育料に含めて徴収し、保護者が負担をしております。
区は、様々な角度から子育て支援策の充実に取り組んでおり、引き続き、子育て世代の負担の在り方の中で、保育園の給食費について総合的に検討してまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。
○教育長(浦田幹男君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島宏子委員の総括質問に順次お答えをいたします。
最初に、赤坂台町アパートの跡地利用についてのお尋ねです。
赤坂七丁目旧赤坂台町アパートの跡地は、現在、東京消防庁の所管となっており、今後の利活用については検討中であると区長部局から聞いております。
引き続き区長部局と連携し、情報収集に努めてまいります。
次に、就学援助についてのお尋ねです。
まず、基準所得額の拡大及び準要保護の基準改正についてです。
教育委員会では、平成25年8月の生活保護基準引下げ以降も、平成25年度当初の生活保護基準を継続して適用するなど、経済的に厳しい状況に置かれている家庭を広く支援しております。所得基準額の拡大は予定しておりませんが、生活保護基準が見直された場合は、現在適用している基準と比較し、就学援助受給世帯にとって不利益とならないよう対応してまいります。
次に、眼鏡等購入費の追加についてのお尋ねです。
就学援助の支給項目は自治体によって違いがあり、港区では、他区が支給していない修学旅行の支度金を支給するなどしております。眼鏡等購入費を就学援助の項目に追加することは予定しておりませんが、他自治体の事例等について情報収集してまいります。
次に、入学祝い金の支給についてのお尋ねです。
教育委員会では、小学校や中学校への入学時の入学祝い金の支給については予定しておりませんが、来年度から、小・中学校の新入学時に支給する就学援助の対象を私立学校に拡大いたしました。引き続き、経済的な理由で就学が困難な家庭への必要な支援などを実施してまいります。
次に、区立図書館の運営についてのお尋ねです。
教育委員会は、平成21年度の指定管理者制度導入を契機に、休館日であった月曜日を開館し、平成28年12月には、土曜日の開館時間を3時間延長し、午後8時までとしました。また、図書館サービス推進計画の目標を踏まえ、指定管理者の知識や経験と豊富なネットワークを生かし、参加人数が100人を超える講座など、魅力的な学びの機会を実現できております。
区立図書館の運営を直営に戻すことは予定しておりませんが、今後も区立図書館が区民の教育と文化の発展に寄与できるよう、図書館サービスの向上に取り組んでまいります。
次に、イチョウ並木を名勝指定する立場を明確にするよう、東京都に要請することについてのお尋ねです。
教育委員会は、東京都や、イチョウ並木の一部がまたがる新宿区などの関係機関と、既に名勝の指定に関する意見交換を行っております。このため、教育委員会は、イチョウ並木を名勝指定する立場を明確にするよう、東京都に要請することは予定しておりませんが、いただいた御意見については東京都に伝えてまいります。
最後に、学校給食費を無償化することについてのお尋ねです。
学校給食の食材費は、学校給食法において保護者負担とされている中、教育委員会は、就学援助制度による給食費全額助成のほか、来年度も物価高騰に伴う緊急支援を継続し、保護者負担額を据え置くとともに、商店街とのコラボメニューの公費負担等、食育に係る支援も拡大し、給食の質の向上に積極的に取り組んでおります。
学校給食費の無償化は予定しておりませんが、引き続き、国の責任において学校給食費の無償化を実施するよう要望してまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員(福島宏子君) この場所から何点か再質問をさせていただきます。
まず、区職員を増やすことについてです。
必要に応じて常勤職員を適正に配置するということをおっしゃっておられましたけれども、現在でも、労働基準法の上限に定められている残業時間を超える部署が8部署にもなります。こういった中で、職員が足りているとは思えません。また、20代の病休者18人、そのうちメンタル不調者が15人、また、30代は病休が22人いて、そのうちメンタル不調者20人という事態、これは区長も異常な事態だと思うのではないでしょうか。みんな忙し過ぎるということではないかと思います。区民サービスの質を上げるためにも、職員のスキルアップのためにも、正規雇用の職員を増やすべきです。再度答弁をお願いします。
次に、福祉総合窓口の改善についてです。
各地区総合支所の区民課に福祉総合窓口が配置されているわけですけれども、区民課の職員、そして保健師、高齢者相談センターの職員などがチームとして対応していると認識しておりますが、様々な雇用形態の中で、役割分担や連携などが難しいのではないでしょうか。抜本的輪番体制といったところにも、まだまだ問題があるのではないかと思います。一人一人を取り残さないためにも、さらなる体制強化、また抜本的な改善に対して、もう一度答弁をお願いします。
最後に、飯倉公園の自転車駐車場についてです。
公園に自転車駐車場を造るということは、どんなに説明しても、住民の方や保護者の方の理解は得られません。今、既に港区所有の高架下の部分、所有となっているところがあるわけですから、まずはそこに整備をすることを考えていただきたい。そしてまた、応募にも、利用者募集にも手を挙げていただく。これは区で決めていただいて、そして急いで、港区が既に持っている場所には整備をすぐにでもしていただくということで、自転車の問題がすぐ解決されると思います。どうぞよろしくお願いします。
以上です。
○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島宏子委員の再質問にお答えをいたします。
区職員を増やすことについてのお尋ねでございます。
区では、毎年度の業務量に応じて常勤職員を適正に配置するとともに、各所属における業務の専門性などに応じて、業務委託や会計年度任用職員などの専門的知識を有する人材を積極的に任用しております。
今後も多様な人材を活用しながら、適正な執行体制を確保し、そして、職員にとっても働きやすい職場を実現させてまいります。
次に、福祉総合窓口の改善についてのお尋ねです。
現在も改善に向けて、現場の声を取り入れながら、積極的な取組を行っているところでございますけれども、今後、職員が安心して意欲的に業務に就くことができるよう、新たに研修計画も策定をいたしました。本年4月以降、適切な時期に必要な業務知識が習得できるよう、効果的な研修を進めてまいります。また、このほか、専門性を発揮できる人事配置などを早急に進めてまいります。
最後に、飯倉公園の駐輪場整備計画についてのお尋ねです。
首都高速道路高架下の用地の活用についてですが、現在募集していない30平方メートルの用地につきまして、区が使用できるように引き続き交渉し、協議を継続してまいります。また、公募しております170平方メートルの用地についても、応募条件について情報を収集してまいります。
また、赤羽橋駅周辺の放置自転車対策については、大江戸線の開通以来、関係者に対し、10年以上にわたり様々な要望、要求、協議を進めてまいりましたが、課題解決に至りませんでした。そうしたことから、今回の計画に対します内容につきまして、また、その必要性につきましても丁寧に説明をしてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員(福島宏子君) 終わります。ありがとうございました。
○委員長(黒崎ゆういち君) 共産党議員団の総括質問は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、都民ファーストの会の琴尾委員。
○委員(琴尾みさと君) よろしくお願いいたします。
先ほどやなざわ委員、阿部委員からも質問がありました港区版ふるさと納税制度について、私からも重ねて質問させていただきます。
ふるさと納税制度はそもそもおかしい制度であることも理解いたしますし、区長の本来のふるさと納税の趣旨にのっとった、返礼品を伴わない方針も理解いたします。総務費でもお話しいたしましたが、港区版ふるさと納税控除額は、今年度は61.3億円となっています。また、区民税に占める割合は7.5%となり、23区の中では7番目に多い割合となっており、金額でいうと、23区内では世田谷区に次ぐ2番目に多くなっています。およそ61億円に上る税収減は、決して見逃される数字ではなくなっているのではないのでしょうか。これは、給食費無償化を実現するために必要な予算、およそ10年分の費用となっています。
ふるさと納税制度への反対の立場でありながら、税収減を抑制する自衛策として、返礼品攻勢の戦略を取る自治体も出てきています。仮にふるさと納税控除額が100億円、200億円を超えても、このままの方針なのか、流出額に応じて自衛策をする可能性について教えてください。
次に、チャイルドシート付のシェアサイクルの実証実験についてです。
予算特別委員会では駐輪場問題がたくさん取り上げられました。飯倉公園については、丁寧に対応していただきたいと思います。
港区内における自転車利用についてですが、私も港区に長年住んでいますが、車で移動するには道路が渋滞していたり、一方通行も多かったり、停車しづらかったり、何といっても駐車場代が高いです。交通網が変わったり、タクシーも値上がりしましたし、電車で動こうとしても、地下鉄が深く潜って、上がってなどとしていると、時間がかかったり、乗換えが大変ですし、あまりにも密集している時間帯だと
新型コロナウイルス感染症が気になって乗れなかったりと、区内を移動するのには、やはり自転車の利便性が一番高いと感じるところです。
予算特別委員会では駐輪場問題がたくさん取り上げられ、道路や公園にもまだまだ知らない規制がたくさんあると分かりました。いろいろと規制もあり、課題もあって、大変難しい問題だと感じています。
その中で先日、千代田区では、公園内のポートを使ったチャイルドシート付シェアサイクルの実証実験が始まりました。チャイルドシート付のシェアサイクルを利用するユーザーは、子どもがいる世帯となりますが、保育園や幼稚園の送り迎え、お出かけの際の駅までの移動など、想定される利用シーンがあるかと思います。家からポートが近かったり、片道だけ自転車が必要というときなど、シェアサイクル利用のニーズもあるのかなと思います。
チャイルドシート付自転車は、自分で保有したら楽だと思うのですけれども、一方、出費が重なる子育て世帯にとっては、買おうと思うと高かったり、子どもの成長に合わせて一時期しか使わないものだということもあり、子育て支援の一環になるとともに、放置自転車の低減にもつながる施策である可能性があります。
公園では、都市公園法に基づき、公共自転車駐車場の設置は地下に限定されていますが、シェアサイクルポートは公園管理者以外が設置する公園の便益利用として、公園内の設置が認められており、港区も既に公園内にシェアサイクルポートがあるので、公園内のポートを使ったチャイルドシート付のシェアサイクルの実証実験を実施してみてはいかがでしょうか。
次は、保育士待遇改善について伺います。
待機児童ゼロを達成した港区ですが、その裏で犠牲にしてきたのは保育士です。低賃金、サービス残業は当たり前、大量の子どもの相手をしながら、けがや事故があれば謝り、叱られる、書類が多過ぎる、でも子どもが好きだから頑張れる、そんなやりがい搾取なるものが当たり前に存在している状態で、待機児童ゼロを達成するために、何十年もこの状況はほったらかしになっており、この結果が、私立保育園における定着の低さを招いているのではないでしょうか。
時代が変わると、求められる子ども・子育て政策が変わってくるのだという考え方の中で、保育士の処遇改善の話もありましたが、これも考えていきたい。岸田総理はこのように語り、保育士の処遇改善に意欲を示しました。今まで長い間置き去りになっていた保育の配置基準についても、政府がようやく見直しの動きを見せ、いよいよ見直しの風潮となってきたことは、本当に喜ばしいことだと思っています。
しかし、質疑の中でも申し上げたとおり、国が規制緩和したことにより、保育士の低賃金や質の低下が問題となっています。弾力運用の改善を国に求めていただきたいと思いますが、区の見解を伺います。
この4年間、議会、委員会を含めて、様々な子育て支援の要望を行ってきました。病児保育、一時保育、夜間保育、土日保育など、共働き世帯が増え、働き方が多様化する中で、様々な保育ニーズが求められているのだと思います。そして、保育ニーズに対応するのは保育士です。今その保育士がどこも人材不足で、ほかの自治体も人材が集まるように、様々な取組を始めました。この4年間で、労務改善や監査、保育の質の向上に向けて取り組んでいただき、少しずつ改善に向けて動き出していただいたことは、本当に感謝申し上げます。
しかし、保育士への支援として、港区での取組は、家賃補助や保育士等キャリアアップ補助などがありますが、家賃補助を利用できない人もいます。また、保育士等キャリアアップ補助は、賃金改善に伴う法定福利費等の事業主負担額に充てることも認められているため、全額が保育士の給料に反映されない場合もあります。他自治体の取組では、宿舎借り上げ、保育士相談窓口、給料の上乗せ手当、保育士就労資金貸付事業、奨学金返済支援制度など、様々な形で支援があります。現場の保育士が働きやすい、働き続けられる環境づくりを、より一層つくり出していただきたいと考えます。
保育士が港区で働きたい、働き続けたいと思っていただけるような取組を、さらに充実していただきたいと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。
以上です。
○区長(武井雅昭君) ただいまの都民ファーストの会の琴尾みさと委員の総括質問に順次お答えをいたします。
最初に、港区版ふるさと納税制度についてのお尋ねです。
区は、寄附の活用先の拡充や、寄附を活用した公益的活動を行う団体への支援など、寄附者の地域を応援したいという気持ちに寄り添った制度の運用に取り組んでまいりました。こうした取組により、寄附金額も年度ごとに増加するなど、区の取組への理解が広まっていると考えております。
今後も、返礼品を設けることなく、寄附者に区の取組を応援いただけるよう、本制度の広く丁寧な周知により、財源確保に努めてまいります。
次に、チャイルドシート付シェアサイクルの実証実験についてのお尋ねです。
区は現在、ドコモ・バイクシェアと、港区を含めた14区との広域連携により、自転車シェアリング事業を実施しております。ドコモ・バイクシェアによるチャイルドシート付シェアサイクルの実証実験については、他区との調整が必要なことや、チャイルドシート付自転車の利用範囲を設定するため、アプリ等のシステム改修が必要となることから、現時点では実施が困難な状況です。
今後、実証実験を行っている千代田区の状況など、他の自治体の動向を注視し、情報収集をしてまいります。
次に、保育士待遇改善についてのお尋ねです。
まず、国に対して委託費の弾力運用の改善を求めることについてです。
私立認可保育園における委託費の弾力運用は、人件費の運用が適正であることなどを要件としており、必ずしも保育士の処遇を低下させるものではないと考えております。また、私立認可保育園の運営事業者が、弾力運用によって、委託費収入の一部を修繕費などの積立て資産に計上することは、長期的に経営を安定させる観点からも、必要なものと考えております。
このため、国に対して制度自体の改善を求めることは考えておりませんが、弾力運用をはじめとした各園における委託費の経理が、国の通知にのっとった適切なものとなっているかを引き続き確認するとともに、公私立を問わず、保育士が意欲を持って働き続けられる環境づくりに取り組んでまいります。
最後に、保育士の確保・定着に向けた取組の充実についてのお尋ねです。
区は、港区で働く魅力等をまとめた就職支援パンフレットの作成や、区内保育施設の求人情報を区ホームページで周知するなど、私立認可保育園等の保育士人材の確保や定着支援を強化しております。また、職員の9割以上が自己啓発に意欲的であるとの労働環境モニタリングの結果を踏まえ、大学と協働した保育研究や、オンライン等の参加しやすい研修の拡充など、スキルアップの機会を増やすとともに、保育アドバイザー派遣による相談支援の充実など、意欲を持って安心して働ける魅力を高め、さらなる保育士の確保や定着につなげてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員(琴尾みさと君) 少し時間を余らせているので、意見として申し述べさせていただきます。
まず、ふるさと納税制度についてです。
区長のお考えは、十分私も理解しているところですし、この制度自体が間違っているということを私も理解しています。ただ一方で、だんだん金額が上がっていっている状況の中で、港区民が使えるそもそものお金がなくなっていっているのは事実だと思うのです。
今、実際に世田谷区が、23区の中で一番高い金額が流出しているわけですけれども、港区は2番手にいるわけです。世田谷区が今、自衛策として、何か返礼品をではないですけれども、やり始めて、徐々にこれから伸びていくのかなという記事も目にしました。一方で港区も、区長の方針はもちろん理解するところではありますけれども、まちを見れば、平日の金曜日であっても月曜日であっても、本当にお客さんがいなくて困っているお店がたくさんあるのが現状だと思います。ただ一方で、すごくすばらしいお店が港区にはたくさんあって、魅力ある観光地がいっぱいあるのに、これを活用しない手はないのではないかと思っています。
困っているお店に対して、いろいろ支援とか、お金を貸し付けていただいたりとか、大変助かっている制度ではありますけれども、一方で、お金を貸し出すだけではなかなかお客さんを呼び戻すことはできないので、PRを兼ねて、ぜひとも港区から自衛策というものを、港区の魅力あるものを発信していただいて、少しでも港区の税収を、財源を戻すような取組というのを、今後も検討していただきたいと思います。
次に、保育士の待遇改善についてです。
この4年間、私は保育士の待遇改善について、すごく思い入れがあるので、ずっと訴えさせていただきました。というのは、私が区議会議員に当選させていただいた年に、港区は待機児童ゼロを達成したわけであります。ただ、その中で、待機児童をゼロにするまでに、保育士たちがどんな思いでここまで支えてきてくれたのかというのを、私は現場で見てきました。
その中で、子どもは先生たちの手が足りずに、また低賃金であって、さらに残業サービスだとか、本当に仕事がたくさんある中で、皆さん本当に耐えてというか、子どもが好きだから今の仕事をやっているわけですけれども、苛酷な中で今も続けられている保育士たちも、この前、同期とかにも会ってきましたが、13年働いていますけれども、賃金がなかなか上がらないと言っていました。
弾力運用があるせいで上がらないのかどうかというのは、確かに分からないのですけれども、ただ一方で、規制緩和が許されたことによって、株式会社とかがいっぱい増えて、利益とかも確保しなければいけない、運営を安定させなければいけないから、ある程度そういったところも認めていかなければいけない反面、その裏で潰されてきたのは保育士たちであって、ぜひとも保育士たちがもっと働きやすい、勤めていきたいと思っていただけるような施策を続けていただきたいと思います。
以上です。
○委員長(黒崎ゆういち君) 都民ファーストの会の総括質問は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、街づくりミナトの玉木委員。
○委員(玉木まこと君) 街づくりミナトの総括質問を始めます。
初めに、みなと芸術センターについて質問します。
これまで(仮称)文化芸術ホールについて、何度か議会で質問をしてきましたが、区議会でも文化芸術ホール参与の片山泰輔氏による学習会を開催し、日本における文化芸術政策の歴史や、劇場法、そして港区文化芸術振興条例の内容を御説明いただき、港区が単なるホールという施設ではなく、文化芸術機関を目指すということを学びました。
そして、今年1月9日には、(仮称)文化芸術ホール整備に向けた気運醸成事業の1回目として、「共生社会と創造性をめぐって」と題したシンポジウム、ワークショップが開催されました。私も参加しましたが、シンポジウム第2部のゲストを招いた議論では、共生社会やホールという施設の在り方について、多様な意見が述べられました。1回目の気運醸成イベントとしては、玄人向けという印象を持ちましたが、多くの参加者があり、関心の高さがうかがえました。
また本年度は、外部のアソシエート・リサーチャーによる港区の地域課題の調査・研究も行っています。研究成果を広く区民に公開することで、みなと芸術センターが単なるホールではないことを印象づけるのではないでしょうか。御検討いただければと思います。
そこで伺います。(仮称)文化芸術ホールからみなと芸術センターへと名称が変わることで、施設の目指す方向がより明確になると思います。来年度は指定管理者の指定を行う予定ですが、みなと芸術センターに名称が変わることからも、継続した気運醸成事業を実施すべきと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。
次に、港区基本計画改定について質問します。
港区基本計画の改定に当たり、港区の東西南北など、地域別の区民の属性や課題を踏まえた政策策定を検討するのはいかがでしょうか。国勢調査結果から、港区の男女の割合を地域で比較すると、港区の東側、白金高輪や麻布、南青山では女性の割合が高く、ほかにも、5年前にも同じ場所に住んでいる人や、単身世帯の分布についても、地域で傾向が見てとれます。今回はそうした地域別の課題の一つとして、買物弱者について取り上げます。
南青山3・4丁目の高齢者の方から、スーパーマーケットが近くにないことへの切実な御要望をいただきました。港区政策創造研究所が令和元年度に実施した、港区における引っ越し(転入・転出・転居)に関するアンケート調査結果によると、転出者は、買物環境への不満が大きいことが明らかとなっています。
経済産業省は、生鮮産品を取り扱う店舗を中心とした半径500メートルから1キロの円外に居住する単身または2人暮らしの65歳以上の者を、買物弱者として推計する方法を紹介しています。例えばこうした推計方法を用いて、買物弱者が地域別でどのような分布になっているかを調査し、次期基本計画に反映してはどうでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。
また、港区基本計画には、都市計画道路や学校、福祉施設の整備など、6年間の計画事業が載せられており、区民にも広く知っていただきたい内容です。その中から、計画から完了まで非常に長い時間がかかる事業もあり、事業実施直前で区民から様々な意見をいただくというのではなく、計画段階から区民に周知することが重要です。
そこで伺います。基本計画改定過程において、広く区民が参加できる仕組みの検討や、改定された基本計画の区民への周知を充実すべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。
次に、港区の考えるエリアマネジメントについて質問します。
来年度予算で、港区エリアマネジメントガイドライン策定が提案されています。国土交通省土地・水資源局が発行する「エリアマネジメントのすすめ」によると、エリアマネジメントとは、地域における良好な環境や地域の価値を維持向上させるため、住民、事業主、地権者等による主体的な取組と定義されています。
また、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が発行する「地域再生エリアマネジメント負担金制度ガイドライン」を見ると、エリアマネジメントの活動内容は、まちのにぎわいづくりや、防災・防犯、環境維持、地域ルールによる良好な景観形成など、様々あることが分かります。
東京都が発行する「市街地整備におけるエリアマネジメントの手引」には、港区の事例も複数紹介されていますが、中には、事業用地を町会に公園及び農園として開放する事例が紹介されており、港区でのエリアマネジメントとは印象が違うことに驚きました。
現在、来年度のガイドライン策定に向けて、策定を支援する事業候補者はプロポーザル方式で選定中かと思います。プロポーザルの仕様書には、エリアマネジメント活動促進に関する動向及び前提となる理念の整理を行うとされていますが、エリアマネジメントは、大都市の都心部、地方都市の商業地、郊外の住宅地など、全国各地で取組が実践されており、活動内容は様々ありますので、ガイドライン策定に当たっては、港区でも多様なエリアマネジメント活動が実践されるよう、検討していただければと思います。
そこで伺います。港区内でも行われている市街地整備におけるエリアマネジメント活動と、町会・自治会、商店街など地域との連携について、区長のお考えをお聞かせください。
次に、区立小学校の学級運営の安定化について質問いたします。
最近、地域を問わず、複数の保護者から学級の不安定に関する御相談をいただきました。学級運営の安定については、令和4年第1回定例会でも質問し、教科担任制の効果を検証するとともに、年2回実施しているhyper−QUの調査結果を活用するなど、学級運営の安定化を図るとの答弁でした。そして、来年度から全区立小学校に教科担任制を導入する方針が示されました。引き続き、学級の状態を調査するhyper−QUを活用しながら、学級運営の安定に取り組んでいただければと思います。
また、学級運営の安定化に期待されるものが、少人数学級ではないでしょうか。学級編制の標準の段階的引下げによる経過措置によれば、来年度は小学校1年から4年生までを35人学級に移行する計画かと思いますが、東京都では教員の大量退職や、35人学級の進行による大量採用に伴い、臨時的任用教員も不足し、教員確保が大変難しい状況とのことです。学級運営の安定化に期待される35人学級を早期に進めていただきたいと思いますが、現実的には教員の確保が大きな課題であり、35人学級が確実かつ安定的に実施できるのか、不安に感じています。
そこで伺います。学級運営の安定のためにも、早期かつ安定的な35人学級の導入に期待しますが、来年度の35人学級の導入の計画と、少人数学級が学級運営の安定化に与える影響について、教育長のお考えをお聞かせください。
最後に、不登校児童を支援するための居場所づくりについて質問します。
本年度、東京都教育委員会は、都内公立小・中学校等に在籍する不登校児童・生徒及びその保護者の支援ニーズや、フリースクール等での活動内容などを把握するために、実際にフリースクール等に通わせている調査・研究協力者を有償で募集し、アンケートへの回答などによる調査・研究を実施しています。そして報道によると、調査結果を受けて、来年度も調査を継続し、調査協力金の支給額を、一月当たり1万円から2万円へと拡充する予定とのことです。このように、東京都教育委員会も不登校児童・生徒への実態把握や支援を積極的に進めており、港区も不登校の問題に対して、より力を入れていただきたいと思います。
一昨年、港区内に、不登校児童・生徒の居場所の提供を目的とした施設がオープンいたしました。初めは利用者が少なく、週3日の開催でしたが、現在は週5日へと利用者が増えている状況です。
そこで伺います。東京都教育委員会もフリースクール等に通う児童・生徒の調査・研究を進める中、区内にも不登校児童・生徒の居場所が民間により提供されていることを踏まえ、港区教育委員会としても、不登校児童・生徒を支援する団体等との情報交換や連携の可能性を模索すべきと思いますが、教育長のお考えをお聞かせください。
最後に一つ、要望させていただきます。切れ目のない子育て支援策についてです。
港区における引っ越し(転入・転出・転居)に関するアンケート調査結果によると、転出者抑制のため、子育て世帯への区内での住替え支援の必要性が述べられています。出産費用の助成など、拡充をしていただいていることは十分理解しておりますが、区の切れ目のない子育て支援で一番求められているのは、住替え支援ではないかと思います。ぜひ今後の調査・研究を要望し、質問を終わりにいたします。ありがとうございます。
○区長(武井雅昭君) ただいまの街づくりミナトの玉木まこと委員の総括質問に順次お答えをいたします。
最初に、(仮称)文化芸術ホールについてのお尋ねです。
区は今年度から、(仮称)文化芸術ホールの開館に向けた気運醸成事業として、シンポジウムや対話型のワークショップを開催しており、来年度以降も継続的に実施することを予定しております。今後は、区民に親しみやすいテーマの選定や、ワークショップの実施回数を増やすとともに、多様な主体と協働して実施することで、より多くの区民の参加が得られるよう努めてまいります。(仮称)文化芸術ホールが区民に愛され、文化芸術を身近に感じ、誇りを持てる施設となるよう取り組んでまいります。
次に、港区基本計画改定についてのお尋ねです。
まず、買物環境の実態の計画への反映についてです。
区は今年度、これまでの社会調査により把握してきた区内の買物環境について、その実態を詳細に把握・分析するためのアンケート調査を実施いたしました。調査結果では、高齢者はオンラインでの購入割合が低いことや、赤坂地区の居住者は、買物先までの距離や品ぞろえなどへの満足度が相対的に低いことが浮き彫りとなりました。港区基本計画の改定に当たっては、こうした年齢別や地区別などの特性を踏まえた適切かつ効果的な施策の立案を行うなど、調査結果を最大限反映させてまいります。
次に、区民の参加や、区民への周知についてのお尋ねです。
昨年9月に設置した区民参画組織みなとタウンフォーラムには、幅広い世代の約80名の方が参加し、熱心な議論のもと、区への提言書をまとめるなど、区では港区基本計画の改定に先立ち、区民参画を積極的に推進しております。今後、港区基本計画素案の作成に当たり、区民説明会の開催や、説明動画のオンライン配信など、様々な手法を通じて区民意見を広く募集するほか、概要版において多言語化や音声コードに対応するなど、きめ細かな周知に取り組んでまいります。
引き続き、区民参画による港区基本計画の改定を進めるとともに、計画の周知を徹底してまいります。
最後に、エリアマネジメント活動と地域との連携についてのお尋ねです。
これまで区内では、竹芝地区などのエリアマネジメント団体が、にぎわいを創出するイベントや、住民・企業とともにまちをきれいにする清掃活動などを実施しております。高輪ゲートウェイ駅周辺地区では、一般社団法人高輪ゲートウェイエリアマネジメントが主催した高輪地区まつりにおいて、町会や住民等が参加し、地域と企業が連携した盆踊りやみこしの展示などのにぎわいを創出する活動が行われました。
区は、区内の各地区においてもこうした活動を広げていくとともに、地域と連携した取組がさらに促進されるよう、エリアマネジメント団体を支援してまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
教育に関わる問題については、教育長から答弁をいたします。
○教育長(浦田幹男君) ただいまの街づくりミナトの玉木まこと委員の総括質問に順次お答えをいたします。
最初に、区立小学校の学級の安定についてのお尋ねです。
今年度、教育委員会は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部改正を受け、小学校3学年までの35人学級を段階的に実現してまいりました。来年度は第4学年を35人学級とします。
少人数の学級は、児童一人一人の教育的ニーズに応じたきめ細かな指導や、体験的な活動を取り入れた授業により、児童の学校生活への満足感につながり、学級が安定する効果があると認識をしております。
教育委員会は引き続き、令和7年度に向け、第5学年、第6学年と段階的に35人学級を進めるとともに、その間、全ての児童が学級担任や教科担任、学級経営支援講師などの指導のもと、安心して学級で生活できるようにしてまいります。
最後に、不登校児童を支援するための居場所づくりについてのお尋ねです。
現在各小・中学校では、フリースクール等に通っている児童・生徒の登校や活動の状況を報告書などで確認した上で、各小・中学校とフリースクール等が児童・生徒一人一人に応じた支援方針を協議し、対応をしております。
一例を挙げると、学力不振を起因として不登校となった児童・生徒は、フリースクール等で学習に取り組み、学習内容の定着を図ることで、自信につなげております。さらに、その状況を学校がフリースクール等の指導員と共有することで、学校は児童・生徒の習熟度に応じた課題を用意するなど、共に学力向上に向けた支援を進めております。
引き続き、教育委員会は、各小・中学校が個々の事案ごとに、適応指導教室やフリースクール等の民間団体と連携し、児童・生徒一人一人に寄り添った支援を充実させるよう働きかけてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員(玉木まこと君) ありがとうございます。
令和5年度の予算、そして、港区がアフターコロナに向けて着実に進む大事な予算になると思いますので、期待したいと思います。ありがとうございます。
○委員長(黒崎ゆういち君) 街づくりミナトの総括質問は終わりました。
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○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、日本維新の会の榎本茂委員。
○委員(榎本茂君) それでは、日本維新の会の総括質問を行います。
今年も2月7日、港区と港区議会が、米軍ヘリポート基地の撤去に関する要請書を防衛省と東京都に提出しました。このように港区のホームページには載っております。「港区議会が」と書かれておりますが、区議会の一員である私は、この要請行動を行うことに以前より賛成しておりません。
昨年の要請時、区のホームページであったか、今現在、記載もないので記憶が定かではないのですが、僕が見た記載には、港区議会の交渉会派による、という記載があったと記憶しております。これは僅かながらではありますが、少数意見に対する配慮があったと記憶しております。
しかし、今回の要請行動を見る限り、これのホームページの記載は、反対意見を表明している議員がいることは全く分からない。これを非常に残念に思っております。議会軽視、明らかなる少数意見の黙殺です。これは断じて容認できません。
そこで質問です。交渉会派でない少数意見は黙殺されても致し方ないと区長はお考えになっていらっしゃるのか、伺わせてください。
行政と議会が一致して要請行動を行うということの意味は、大きいと思います。大きいからこそ、一致した行動にこだわってきた。少数意見を無視しても行動してきた。少数意見を無視してまで強引な行動を、行政と議会が一致して行動するのであれば、それは区民の総意ということになり、区民の意見と乖離があってはいけません。区民の大半が賛同していることは大前提となります。
そこで質問です。アメリカ軍が管理する六本木のヘリポートに関する区民の意見聴取はいつ行われたのか、教えてください。そして、その聴取した意見は総数がどのぐらいだったのか、また、区民の総数を分母としてお答えください。そして、その中でヘリポートの騒音や墜落の危険を訴える意見は何件あったのか、数を教えてください。その数字は区民の総意であると言える数だと区長はお考えになるのかどうか、御意見を伺わせてください。
要請文を読む限り、米軍が管理するヘリポートの撤去を要請する論拠は、墜落の危険と騒音の2つとなっています。そうすると、このヘリポートが撤去された後は、ヘリポートとして活用できないということになってしまいます。港区に夜間離発着できる機能を持つヘリポートはほかにありません。
このヘリポートは、離島の緊急搬送における中継基地として極めて有効な施設です。済生会中央病院、北里大学、都立広尾病院、日赤医療センター、慈恵病院、慶應義塾大学病院、このヘリポートから救急車で5分圏内にある災害拠点病院は、6か所に上ります。このような立地条件の緊急輸送の中継地点は、日本中探してもありません。だからこそ、東京消防庁のヘリは離島の人の命を守るために、離島からヘリで海を越え、真っすぐに六本木を目指して、その間、各病院と連絡を取り合っているのです。
そこで質問です。区長は、傷病人の緊急搬送の中継基地として不可欠な夜間離発着機能を持つヘリポートは、港区に必要ないとお考えになっていらっしゃるのでしょうか。離島の人々の命をつなぐ中継基地についてどのようにお考えなのか、お考えを伺わせてください。
アメリカ大使館のある港区には、米軍が管理するヘリポートがある。このヘリポートをもって、港区のホームページは米軍ヘリポート基地と呼び、23区で唯一の基地問題としていますが、米軍が管理していても、武器庫や弾薬庫があるわけではありません。戦闘ヘリが駐機しているわけでもない。アメリカ大統領が来日したときに大統領専用ヘリが着陸し、アメリカの政府高官が日常使用する単なるヘリポートです。
そこで質問です。区長はここを米軍ヘリポート基地と呼ばれていますが、ここを軍事基地だとお考えなのでしょうか、お考えを伺わせてください。
アメリカの政府高官だけでなく、伊豆七島の傷病人の緊急搬送で、多い年には年間120回以上も東京消防庁がヘリの利用をここで行っております。東京消防庁のヘリによる緊急搬送ということは、昼夜を問わず、予約なしで、日本人が使用しているということです。特に夜間の離発着は、傷病人の緊急使用のケースが多いと僕は思っています。ここは既に実態として、日米共用のヘリポートです。騒音や墜落の危険をアメリカだけに言うべきではない。東京消防庁や離島の住民にも言うべきです。たとえ人の命がかかっていても、うるさいし危険だから来るなと。そんなことは言えるわけがない。
こういうヘリの使用実態を、きちんと区民に正しく伝えないのはなぜか。僕は、目的が反米プロパガンダにあると感じてしまいます。区のホームページには、反対する議員がいるのだと、ぜひとも書き込んでいただきたい。そうでないと、全会一致と捉えられてしまいかねません。たった1人の少数意見だからといって、無視されて黙っているわけにはいきません。区民には少なからず、私の意見に賛同する人はいるのです。その数は決して無視できる数ではない。私の意見に賛同する人の意見を黙殺されることのないように、次回の選挙では全力で区民に問いかけていきます。
質問は以上です。
○区長(武井雅昭君) ただいまの日本維新の会の榎本茂委員の総括質問に順次お答えをいたします。
米軍ヘリポート基地の撤去に関する要請行動についてのお尋ねです。
まず、交渉会派でない意見の取扱いについてです。
区はこれまでも、区議会とともに要請行動を行ってまいりました。先月7日に行った要請行動に係る区議会の対応につきましては、区議会において調整が図られ、決定されたものと理解をしております。
次に、区民意見を聴取した時期及び聴取した区民意見の総数についてのお尋ねです。
区は米軍ヘリポート基地を利用している米軍ヘリコプターの騒音や振動、飛行方法等の実態を把握するため、平成20年10月に赤坂プレスセンター周辺の町会及び自治会にアンケート調査を行いました。区民の人数単位での意見総数は集計しておりませんが、赤坂プレスセンター周辺の町会・自治会については、17団体に計33件のアンケートを配付し、うち25件の回答がありました。また、平成27年3月には、周辺の小学校や保育園、幼稚園等の5施設を対象に、米軍ヘリコプターの騒音等についての聞き取り調査を行いました。
次に、騒音や墜落の危険を訴える意見の数についてのお尋ねです。
区が実施した町会・自治会へのアンケート調査では、米軍ヘリの音をうるさく感じるとの回答が22件あり、赤坂プレスセンター周辺の小学校や保育園、幼稚園への聞き取り調査では、2つの施設において時々うるさく感じる等の結果を確認しております。また、墜落事故や落下物による事故等への不安については、区民の声センターに声が寄せられております。
次に、聴取した意見を区民の総意と捉えるかについてのお尋ねです。
アンケート結果では、赤坂プレスセンターの近隣にお住まいの方の多くは、米軍ヘリの音をうるさく感じているものと考えております。また、窓口や電話、メールなど、様々な方法で寄せられた御意見は、どれも貴重な御意見と捉えており、区は今後とも、区民の皆さんの安全で安心した生活を守るため、取り組んでまいります。
次に、東京消防庁のヘリポート使用についてのお尋ねです。
東京消防庁が赤坂プレスセンターを使用して実施するヘリコプターによる救急患者搬送については、人道支援の観点から大切なことであり、否定するものではありませんが、このことが米軍基地の機能拡大と恒久化につながることを懸念しております。
また、東京都においても、緊急時及び災害時等のヘリポート使用については、返還が実現されるまでの間、都民の生命と財産を守るために暫定的に活用するものであり、引き続き、基地の全面返還を国に求めていくことを確認しております。
最後に、米軍ヘリポート基地の捉え方についてのお尋ねです。
赤坂プレスセンターは、事務所、宿舎、ヘリポートとして活用されている米軍ヘリポート基地であると認識しております。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員長(黒崎ゆういち君) 日本維新の会の総括質問は終わりました。
以上にて、総括質問を終わります。
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○委員長(黒崎ゆういち君) これより令和5年度予算4案並びに一般会計予算に対する修正案、
国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び介護保険会計予算に対する修正案について、各会派の態度表明を行います。
初めに、自民党議員団を代表して、やなざわ委員。
○委員(やなざわ亜紀君) 自民党議員団を代表して、態度表明を行います。
初めに、風見委員ほか2名から提案されました令和5年度港区一般会計予算、令和5年度港区
国民健康保険事業会計予算、令和5年度港区介護保険会計予算3案の修正案につきましては、原案でも福祉・教育では手厚い予算を組んでおりますし、財源の考え方や進行中のまちづくりを否定する区民生活への影響を考慮すると、賛同することはできず、修正案には反対をいたします。
次に、武井区長から提出されております令和5年度予算4案は、財政基盤をしっかりと維持しながら、多岐にわたる様々な課題に迅速に対応しつつ、港区の将来を見据えた取組も着実に進めていくもので、想定できない様々な課題や問題に対して、施策を立案し、実現を果たしていく総合力が発揮される区政運営ができると考えます。
我が会派から提出いたしました予算要望及び今回の予算特別委員会における質問、提言を積極的に反映していただくことを期待し、議案第14号 令和5年度港区一般会計予算、議案第15号 令和5年度港区
国民健康保険事業会計予算、議案第16号 令和5年度港区後期高齢者医療会計予算、議案第17号 令和5年度港区介護保険会計予算の4案につきましては、原案のとおり賛成いたします。
○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、みなと政策会議を代表して、阿部委員。
○委員(阿部浩子君) みなと政策会議の態度表明をいたします。
令和5年度一般会計、
国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計、介護保険会計の各予算案について、賛成いたします。
ただ、(仮称)飯倉公園自転車駐車場整備2億1,315万円についてですが、区民の賛成が得られるまで事業は進めないでいただきたい、また理解を得られない場合には、別の場所に暫定駐輪場を設置していただきたいことを要望いたします。
予算の執行に当たっては、私たちみなと政策会議が各款審議で提案させていただいたことを十分に受け止め、事業の執行に当たってほしいと思います。併せて要望させていただいたことにおきましては、補正予算を計上するなど、区民生活がさらによくなるため、御尽力いただきたいと思います。
12月の東京都区部の消費者物価指数が41年ぶりに4.0%も上がっております。また、2月にも前年度比3.3%上昇の状況を鑑みて、区民生活への影響を少しでも緩和するために、来年度も一層の支援をしていただきたいと思います。
修正案については、賛同できません。
以上です。
○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、公明党議員団を代表して、池田たけし委員。
○委員(池田たけし君) 公明党議員団を代表して態度表明をいたします。
初めに、令和5年度予算修正3案についてですが、75歳以上の高齢者の医療費負担ゼロなど、区財政運営の持続性という点では、大きな疑問が残るところが多々あります。よって、修正3案については、全て反対をいたします。
続いて、令和5年度予算原案4案につきましては、少子高齢化の中、これからの港区の進む方向性が明確に示されており、子育て、教育などをはじめ、積極的な予算編成となっております。令和5年度予算の審議におきまして、我が会派としての意見、質問、要望、そして提案を述べさせていただきましたが、これらが十分反映されるよう要望いたしまして、令和5年度予算原案4案につきましては、いずれも賛成といたします。
○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、共産党議員団を代表して、福島委員。
○委員(福島宏子君) 共産党議員団の態度表明をいたします。
新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、国内経済はより一層深刻な状況が続いています。中小企業、小規模事業者は、長引くコロナ禍、物価原材料の高騰、過重債務という三重苦の中で苦境にあえぎ、労働者の賃金は上がらない中、食品値上げは1万5,000品目を超え、当然、区民の暮らしも厳しさを増しています。
区は、地球的規模での気候温暖化対策が叫ばれている中、大量の二酸化炭素を排出する巨大開発のまちづくりを引き続き進めようとしています。その結果、古くから港区に住んでいた方が立ち退かざるを得なくなり、町会や商店街は、運営が大変厳しくなっているのではないでしょうか。
学校給食の無償化など、未来を担う子どもたちへの施策は国がやるべきことと実施せず、その一方で、基金を約2,000億円もため込んでいます。税金はため込むのではなく、区民サービスのために使うべきです。物価が大幅に上昇しているにもかかわらず、賃金は上がらず、収入が減少し続ける中で、国民健康保険料などが上昇することにより、さらに区民の負担が増えることになります。その一方、大企業が進めている市街地再開発へは、来年度だけでも約28億148万円もの税金を投入する予算になっており、大規模開発をより一層推進する姿勢です。
こうした区政を切り替え、区民の暮らし、福祉、教育などを応援する区政に転換する決意を述べ、予算4案には反対します。
○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、都民ファーストの会の琴尾委員。
○委員(琴尾みさと君) 都民ファーストの会の態度表明をさせていただきます。
令和5年度予算修正3案については、財源の考え方や、都市再開発事業、国際都市東京の価値向上を牽引する港区において、時代の変化に対応したまちづくりが今後も必要であることから、反対させていただきます。
次に、令和5年度港区予算原案4案についてですが、物価高騰や、まだまだコロナ禍の影響で苦しんでいる区内産業への支援、一向に解決しない少子化問題、将来に不安を抱えている人がたくさんいる中で、過去2番目の規模となる当初予算を掲げてくださり、区民が安心して暮らせる港区を後押ししていくのだという区長の強い思いが、この予算額、政策から伝わってきました。
ただし、流出する港区の財源を食い止めていただきたいのと、待機児童ゼロを支えてくれた保育士の所得や労働環境を見直し、目を向けていただくことを強く望みます。切れ目のない子育て政策の充実によって、安心して子育てでき、子育て世帯から生まれるにぎわいによって、まちに笑顔と元気があふれる港区を実現していただきたいと思います。
これまでに提案させていただきました質問、要望等を積極的に反映していただくことをお願いしまして、令和5年度予算原案4案につきましては、いずれも賛成いたします。
○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、街づくりミナトの玉木委員。
○委員(玉木まこと君) 街づくりミナトの態度表明を行います。
まず、予算修正3案についてです。
一般会計予算ですが、修正案は、市街地再開発事業への補助金を減額する内容となっています。市街地再開発事業については、人口増に伴うインフラや公共施設への対応、周辺環境への影響など、区としてどのように誘導すべきか、議論が必要な時期と考えています。一方で、港区という都心区においては、市街地再開発事業によって誕生する新しいまち、人、文化を受け入れていく姿勢は重要と考えており、一律に市街地再開発事業の補助金削減をする修正案には反対します。
また、
国民健康保険事業会計予算並びに介護保険会計予算については、国の責任で持続的な制度とすべきと考えておりまして、2案いずれも反対いたします。
次に、令和5年度港区予算原案ですが、港区のまちと人に活力を取り戻すこと、防災対策の一層の充実、そして、子育て支援の切れ目ない支援など、区長のアフターコロナに向けた強い思いを感じました。人口が26万人に回復し、区民の声は様々な形で区に届いていると思いますが、区長の掲げる参画と協働の第2のステージとして、各事業の実施に当たっては、手間を惜しまず、区民を巻き込み、区民が区に愛着と誇りを持てる区政運営に期待したいと思います。
最後に、街づくりミナトが本予算特別委員会で質問、要望した内容を今後の区政運営に生かしていただくことを再度お願いし、街づくりミナトは、令和5年度予算案については、原案のとおり賛成いたします。
○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、虚偽報道に負けない会の赤坂大輔委員。
○委員(赤坂大輔君) 原案4案に関しましては、区政の諸課題に積極的に取り組む編成姿勢を高く評価し、賛成します。
ただし、3年前に私は総括質問で区長に申し上げたのですが、基本的に、区が行う産業振興施策というものは、民業を圧迫しないこと、基本理念として何もしないことだと私自身は個人的に思っているのですけれども、民業を圧迫することがないような配慮をお願いしたいと。以前、区長からもそれに御賛同いただける旨をいただいていますので、よろしくお願いいたします。
修正案に関しましては、いつも言っているのですけれども、75歳以上は医療費負担ゼロをうたうなど、その編成理念に賛同することができないため、反対いたします。
○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、日本維新の会の榎本茂委員。
○委員(榎本茂君) 日本維新の会として、令和5年度予算に関する態度表明を行います。
最初に、修正3案について申し上げます。給食費無償化については、出産から就学まで子育てにかかるコストを無償化することが、少子化対策の原点であると考える我が党の理念に合致していることから、賛成するものです。しかし、震災に備えなければいけない今、政策の多くは財政調整基金を財源としていて、また、都市整備に関する考え方は我々と乖離があり、よって、修正案には賛同できません。
予算原案では、関東大震災100年を契機とした防災対策の充実・強化や、出産費用の助成の引上げ、ただこれは、さらなる自由診療の値上げにつながることを懸念するものの、歓迎するものです。今後も移りゆく事態に対応しながら優先順位を見極め、柔軟かつ臨機応変に予算執行を行っていただくことを望んで、予算4案につきましては、いずれも原案どおり賛成いたします。
○委員長(黒崎ゆういち君) 以上にて態度表明を終わります。
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○委員長(黒崎ゆういち君) これより採決を行います。
採決の方法は、起立をもって行います。なお、井筒委員は挙手をもって行います。
初めに、「議案第14号 令和5年度港区一般会計予算」について採決いたします。
まず、本案に対する風見委員ほか2名から提出されました修正案について採決いたします。本修正案について、可決することに賛成の方は御起立願います。
(賛成者起立)
○委員長(黒崎ゆういち君) 起立少数と認めます。よって、修正案は否決されました。
次に、原案について採決いたします。原案について、可決することに賛成の方は御起立願います。
(賛成者起立)
○委員長(黒崎ゆういち君) 起立多数と認めます。よって、「議案第14号 令和5年度港区一般会計予算」は、原案のとおり可決することに決定いたしました。
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○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、「議案第15号 令和5年度港区
国民健康保険事業会計予算」について採決いたします。
まず、本案に対する風見委員ほか2名から提出されました修正案について採決いたします。本修正案について、可決することに賛成の方は御起立願います。
(賛成者起立)
○委員長(黒崎ゆういち君) 起立少数と認めます。よって、修正案は否決されました。
次に、原案について採決いたします。原案について、可決することに賛成の方は御起立願います。
(賛成者起立)
○委員長(黒崎ゆういち君) 起立多数と認めます。よって、「議案第15号 令和5年度港区
国民健康保険事業会計予算」は、原案のとおり可決することに決定いたしました。
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○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、「議案第16号 令和5年度後期高齢者医療会計予算」について採決いたします。
本案について、原案のとおり可決することに賛成の方は御起立願います。
(賛成者起立)
○委員長(黒崎ゆういち君) 起立多数と認めます。よって本案は、原案のとおり可決することに決定いたしました。
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○委員長(黒崎ゆういち君) 次に、「議案第17号 令和5年度港区介護保険会計予算」について採決いたします。
まず、本案に対する風見委員ほか2名から提出されました修正案について採決いたします。本修正案について、可決することに賛成の方は御起立願います。
(賛成者起立)
○委員長(黒崎ゆういち君) 起立少数と認めます。よって、修正案は否決されました。
次に、原案について採決いたします。原案について、可決することに賛成の方は御起立願います。
(賛成者起立)
○委員長(黒崎ゆういち君) 起立多数と認めます。よって、「議案第17号 令和5年度港区介護保険会計予算」は、原案のとおり可決することに決定いたしました。
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○委員長(黒崎ゆういち君) 以上をもちまして、本委員会の審査は全て終了いたしました。
この際、私から一言御挨拶を申し上げます。
本委員会では、連日長時間、限られた時間の中で、多面的な視点による幅広い審議を精力的に重ねてまいりました。港区の諸課題を的確に捉え、大変有意義で深みのある質疑ができましたことに深く感謝申し上げます。
委員会運営に当たっては、両副委員長、各会派の理事の皆様、委員の皆様、そして議会事務局の皆様、また、武井区長をはじめ、理事者の皆様に、多くの御理解と御協力をいただきましたことに厚く御礼申し上げます。
区議会4年の任期、最後の予算特別委員会でございました。いよいよ来月には港区議会議員選挙となります。私は、誇り高き港区議会議員としての8年間の知見と経験を持って、新たな道に向かい挑戦します。今までの御厚情と御厚意に感謝するとともに、今回審議された令和5年度予算の執行は、今期、共に働かせていただいた再選を目指す現職の皆様に責任を持って見守っていただきたいとお願いし、選挙戦での御健闘を心よりお祈り申し上げ、閉会の御挨拶とさせていただきます。(拍手)
───────────────────────────────────
○委員長(黒崎ゆういち君) これをもちまして、令和5年度予算特別委員会を閉会いたします。
午後 5時51分 閉会...