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  1. 港区議会 2021-09-09
    令和3年第3回定例会−09月09日-09号


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2024-07-21
    令和3年第3回定例会−09月09日-09号令和3年第3回定例会  令和三年 港区議会議事速記録 第九号(第三回定例会)   令和三年九月九日(木曜日)午後一時開会     一 出席議員(三十三名)       一  番  マック 赤 坂 君      二  番  玉 木 まこと 君       三  番  石 渡 ゆきこ 君      四  番  榎 本 あゆみ 君       五  番  なかね  大  君      六  番  黒崎 ゆういち 君       七  番  小 倉 りえこ 君      八  番  赤 坂 大 輔 君       九  番  琴 尾 みさと 君      十  番  山野井 つよし 君       十 一番  兵 藤 ゆうこ 君      十 二番  横 尾 俊 成 君       十 三番  丸山 たかのり 君      十 五番  鈴 木 たかや 君       十 六番  土 屋  準  君      十 七番  福 島 宏 子 君       十 八番  榎 本  茂  君      十 九番  清 家 あ い 君       二 十番  杉 浦 のりお 君      二十一番  なかまえ 由紀 君       二十二番  池 田 たけし 君      二十三番  ゆうき くみこ 君       二十四番  二 島 豊 司 君      二十五番  池 田 こうじ 君       二十六番  熊 田 ちづ子 君      二十七番  風 見 利 男 君       二十八番  阿 部 浩 子 君      二十九番  七 戸 じゅん 君
          三 十番  近 藤 まさ子 君      三十一番  杉本 とよひろ 君       三十二番  清 原 和 幸 君      三十三番  うかい 雅 彦 君       三十四番  井 筒 宣 弘 君     一 欠席議員(一名)       十 四番  やなざわ 亜紀 君     一 説明員       港   区   長        武 井 雅 昭 君    同 副  区  長        小柳津  明  君       同 副  区  長        青 木 康 平 君    同 教  育  長        浦 田 幹 男 君         芝地区総合支所長                      麻布地区総合支所長       同                野 澤 靖 弘 君    同                冨 田 慎 二 君         街づくり支援部長兼務                    街づくり事業担当部長兼務         赤坂地区総合支所長                     高輪地区総合支所長       同                中 島 博 子 君    同                山 本 睦 美 君         子ども家庭支援部長兼務                   産業・地域振興支援部長兼務         芝浦港南地区総合支所長                   保健福祉支援部長       同                長谷川 浩 義 君    同                有 賀 謙 二 君         環境リサイクル支援部長兼務                 新型コロナウイルスワクチン接種担当部長兼務       同 みなと保健所長        松 本 加 代 君    同 児童相談所長         田 崎 みどり 君       同 企画経営部長         大 澤 鉄 也 君    同 用地・施設活用担当部長    坂 本  徹  君       同 防災危機管理室長       岩 崎 雄 一 君    同 総 務 部 長        新 宮 弘 章 君         会計管理者       同                森   信 二 君    同 教育委員会事務局教育推進部長 星 川 邦 昭 君         会計室長事務取扱       同 教育委員会事務局学校教育部長 湯 川 康 生 君     一 出席事務局職員       事 務 局 長          佐 藤 雅 志 君    事務局次長            鈴 木 康 司 君                                     議 事 係 長          山 口 裕 之 君                                                            他五名             ───────────────────────────       令和三年第三回港区議会定例会議事日程          令和三年九月九日 午後一時 日程第 一  会議録署名議員の指名 日程第 二  会期の決定 日程第 三  諸般の報告 日程第 四  代表質問・一般質問        二 島 豊 司 議員(自民党議員団)        阿 部 浩 子 議員(みなと政策会議)        杉本 とよひろ 議員(公明党議員団)        福 島 宏 子 議員(共産党議員団)             ─────────────────────────── ○議長(清原和幸君) ただいまより令和三年第三回港区議会定例会を開会いたします。  今回の応招議員はただいま三十三名であります。したがいまして、本定例会は成立いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(清原和幸君) これより本日の会議を開会いたします。  ただいまの出席議員は三十三名であります。             ─────────────────────────── ○議長(清原和幸君) これより日程に入ります。  日程第一、会議録署名議員を御指名いたします。十九番清家あい議員、二十番杉浦のりお議員にお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(清原和幸君) 日程第二、会期の決定を議題といたします。  お諮りいたします。今回の定例会の会期は、本日から十月七日までの二十九日間といたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(清原和幸君) 御異議なきものと認め、さよう決定いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(清原和幸君) 日程第三、諸般の報告がありますので、御報告いたします。  まず、職員に定例会招集の報告をさせます。   〔鈴木事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 三港総総第千百九十八号 令和三年八月三十日  港区議会議長 清 原 和 幸 様                                     港区長  武 井 雅 昭       令和三年第三回港区議会定例会の招集について(通知)  本日別紙告示写しのとおり、標記定例会を九月九日(木)に招集しましたので通知します。             ─────────────────────────── 港区告示第二百二十八号  令和三年第三回港区議会定例会を九月九日に招集します。   令和三年八月三十日                                     港区長  武 井 雅 昭             ─────────────────────────── ○議長(清原和幸君) 次に、説明員の異動について、区長から通知がありました。この通知は、皆さんにお配りしてあります。  なお、朗読は省略し、詳細については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、御了承願います。 (参 考)             ─────────────────────────── 三港総総第千三十七号 令和三年八月二日  港区議会議長 清 原 和 幸 様                                     港区長  武 井 雅 昭       説明員について(通知)  地方自治法第百二十一条の規定に基づく説明員について、別紙のとおり通知します。  (別紙)  一 異動(令和三年八月一日付)   防災危機管理室防災課長 兼務 防災危機管理室危機管理・生活安全担当課長                                     鈴 木  健   防災危機管理室副参事                        金 田 幸 大             ─────────────────────────── 三港総総第千九十三号 令和三年八月十日  港区議会議長 清 原 和 幸 様                                     港区長  武 井 雅 昭       説明員について(通知)  地方自治法第百二十一条の規定に基づく説明員について、別紙のとおり通知します。  (別紙)  一 異動(令和三年八月十日付)   麻布地区総合支所区民課長                      吉 田 宗 史   高輪地区総合支所副総合支所長 兼務 高輪地区総合支所管理課長    沼 倉 賢 司   高輪地区総合支所区民課長                      橋 本  誠             ─────────────────────────── 三港総総第千百十七号 令和三年八月十六日
     港区議会議長 清 原 和 幸 様                                     港区長  武 井 雅 昭       説明員について(通知)  地方自治法第百二十一条の規定に基づく説明員について、別紙のとおり通知します。  (別紙)  一 解除(令和三年八月十六日付)   防災危機管理室副参事                        金 田 幸 大             ─────────────────────────── ○議長(清原和幸君) 次に、令和三年五月、六月、七月及び八月の例月出納検査の結果について、過誤のないことを確認した旨の報告書がそれぞれ監査委員から議長の手元に提出されております。  五月の例月出納検査の結果について、その概要を職員に朗読させます。   〔鈴木事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 三港監第二百三十八号 令和三年六月十日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰                                  同       池 田 幸 司       令和三年五月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計、介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 令和三年五月二十四日から五月二十六日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された令和三年五月(令和三年四月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(清原和幸君) なお、六月、七月及び八月の結果については、ただいまの報告と同様の内容でありますので、朗読は省略し、詳細については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、御了承願います。  また、報告書は議長の手元に保管しておりますので、随時御閲覧願います。 (参 考)             ─────────────────────────── 三港監第三百二十四号 令和三年七月二日  港区議会議長 清 原 和 幸 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰                                  同       池 田 幸 司       令和三年六月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計、介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 令和三年六月二十四日から六月二十八日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された令和三年六月(令和三年五月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── 三港監第四百三十六号 令和三年八月四日  港区議会議長 清 原 和 幸 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰                                  同       池 田 幸 司       令和三年七月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計、介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 令和三年七月二十一日から七月二十七日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された令和三年七月(令和三年六月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── 三港監第五百十三号 令和三年九月一日  港区議会議長 清 原 和 幸 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰                                  同       池 田 幸 司       令和三年八月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計、介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 令和三年八月二十四日から八月二十六日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された令和三年八月(令和三年七月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(清原和幸君) 次に、法人の経営状況を説明する書類が区長から議長の手元に提出されております。朗読は省略し、通知については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、御了承願います。  なお、詳細については、書類を議長の手元に保管しておりますので、随時御閲覧願います。 (参 考)             ─────────────────────────── 三港総総第千九十六号 令和三年八月三十日  港区議会議長 清 原 和 幸 様                                     港区長  武 井 雅 昭       法人の経営状況を説明する書類の提出について  地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十三条の三第二項の規定に基づき、下記法人についての経営状況を説明する書類を提出します。          記 一 公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団  (一) 令和二年度公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団事業報告  (二) 令和二年度公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団決算書             ─────────────────────────── ○議長(清原和幸君) 次に、令和二年度港区財政健全化判断比率の報告について、区長から議長の手元に提出されておりますので、その概要を職員に朗読させます。   〔鈴木事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 三港企財第四百三十二号 令和三年九月九日
     港区議会議長 清 原 和 幸 様                                     港区長  武 井 雅 昭       令和二年度港区財政健全化判断比率の報告について  地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成十九年法律第九十四号)第三条第一項の規定に基づき、令和二年度の実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率及び将来負担比率(以下「健全化判断比率」という。)について、監査委員の審査意見を付して報告します。          記  一 令和二年度港区財政健全化判断比率  二 令和二年度港区財政健全化判断比率の審査意見             ─────────────────────────── ○議長(清原和幸君) なお、詳細については、既に写しを配付しておりますので、御確認願います。  以上にて報告を終わります。             ─────────────────────────── ○議長(清原和幸君) 日程第四、区の一般事務について、質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。最初に、二十四番二島豊司議員。   〔二十四番(二島豊司君)登壇、拍手〕 ○二十四番(二島豊司君) 令和三年第三回港区議会定例会に当たり、自民党議員団を代表して、武井区長、浦田教育長に質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  現在、東京は四回目の緊急事態宣言がさらに延長の方向であり、第五波のさなかにあります。  新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、感染されている皆様の一日も早い回復をお祈りいたします。そして、治療や対応に当たられている医療従事者の皆様、社会生活の基盤を支えていただいている全ての皆様に心から感謝を申し上げます。  九月三日、菅義偉内閣総理大臣は次期自民党総裁選挙に立候補しないことを表明いたしました。ゴールデンウィークの前後、菅総理は、七月中に高齢者へのワクチン接種を完了させることや、一日百万回まで接種を拡大させることを強く打ち出しました。当時、関係者を含め多くの人々は懐疑的であり、自治体の現場には混乱ももたらしました。しかしながら、その結果、厚生労働省の試算によれば、七月から八月にかけて高齢者の感染が十万人以上抑制され、八千人以上の命が守られた可能性があるとのことです。新総裁の下でも私たち自民党は必ずや新型コロナウイルス感染症を克服し、国民の生命と生活を守るとの強い決意を持ち、この難局を打開するため全身全霊で取り組むことをお約束いたします。  六月までおよそ二年の間、議長を務めさせていただきました。就任当初、港区の人口は右肩上がりで、東京二〇二〇大会を翌年に控え、令和という新しい時代を迎えたまちは明るいムードに満ちており、発展する港区政の大きな流れを疑う余地はほとんどありませんでした。令和二年を迎え、第一回定例会の開会中、新型コロナウイルス感染症が世界中に急拡大し、状況はまさに一変しました。学校の一斉休校や緊急事態宣言の発出など、これまでに経験したことのない事態に直面し、突如として未知のウイルスに対する不安に覆い尽くされました。  そのような状況の中、区民の皆さんから届けられる不安の声に、適切にかつ正確な情報を持って対応することこそが、私たち区議会議員が果たすべき役割でありました。しかし、一方では、職員の出勤抑制が要請され、押し寄せる特別融資あっせんの申込みや、急増する新型コロナウイルス感染症陽性者への対応など、行政がパニックと言えるほどの激務に追われる中、業務の停滞を避けるためにも議会対応の負担を少しでも軽減する必要がありました。そのため、各会派の皆さんに御相談させていただき、個々の議員から繁忙部署への問合せの自粛をお願いし、議会と行政が相互の情報を一か所で整理できるよう新型コロナウイルス連絡会議を設置しました。  また、初めて緊急事態宣言が発出された際には、本会議と委員会を開会しないことを申合せ、専決処分での対応を容認するという異例の申出を行いました。その結果、四月二十日というかなり早い段階で補正対応をしていただくこともできました。議会として果たすべき役割と、行政による迅速な対応のバランス等、どのように取るべきなのか。参考とすべき前例のない中で悩み続けた一年四か月ほどでありました。これが最善であったのか否か。その評価は将来に委ねるしかありませんが、これら一連の対応が取れたのも支えてくれた自民党議員団のメンバーの存在、そして各会派の皆様の御理解と、武井区長をはじめ理事者の皆さんの丁寧な対応、事務局スタッフの献身的なサポートがあったからこそであり、この場をお借りして心から感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。引き続き自民党議員団の一員として、区民、そして地域のため、しっかりと汗をかいてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、質問に入らせていただきます。  今後の財政の見通しについてお伺いいたします。  まず、現状の認識についてです。令和二年度決算見込額が公表され、特別区民税収入はおよそ七百八十二億五千万円で、そのうち現年度分は七百六十九億九千万円、対前年度比九億六千万円の減収、たばこ税が約十五億二千万円、二五・二%の減収となりました。また、令和三年度の当初課税額は六月末時点のもので七百四十四億八千万円、〇・二%の減となっております。  新型コロナウイルスの世界的な流行により経済も大きく影響を受け、当然のことながら区の財政にも波及するであろうと想定されていたにもかかわらず、特別区税収入は、たばこ税が大幅な減収となったものの、結果としてその影響は想定よりも軽微なものであったということになります。片や、歳出においては、新型コロナウイルス感染症対策への取組も必要になりました。この結果について、どのように分析し評価しておられるでしょうか。区長のお考えを伺います。  また、この先、区民税収入が受ける影響と財政運営についてどのような見通しをお持ちか、区長のお考えを伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。  新型コロナウイルス感染症から区民の生命を守るため、およそできることは全てやり尽くしていただきたいと強く願っております。私たち自民党議員団は、あらゆる協力をさせていただくことをお約束いたします。  新型コロナウイルス感染症の世界的流行が始まってからおよそ一年半が経過しました。流行の開始当初、ここまで影響が拡大し、長期化するとは想像だにできませんでした。これまでの間、保健所の業務は、医療機関からの届出の受理、積極的疫学調査、入院調整、自宅療養者の経過観察等々多岐にわたり、日常業務に加えて新型コロナウイルス感染症対応の業務の過負荷状態が一年半継続しています。  現在、これまでの経験の中から様々な改善策を講じ、他部署や外部からの応援で人的資源を確保し業務を維持していますが、あくまでもこれは非常時の体制であります。波の変動はあるにせよ、当面の間は新型コロナウイルス感染症対応が続くことを想定しなくてはなりません。流行の拡大と収束の波が繰り返されるという前提で、通常業務の延長線上でその波に柔軟に対応できる体制の構築が求められると考えます。新型コロナウイルス感染症流行と収束の波を前提とした、柔軟に対応できる組織体制を構築することについて、区長のお考えを伺います。  また、今後、業務継続計画(新型インフルエンザ編)の改正を見据えつつ、必要とあればみなと保健所の現場から得られた知見に基づいて、多種多様な事例に対応した港区であるからこそ指摘できる改善策など、国や東京都に働きかけることも港区に課された役割ではないかと強く感じるところです。みなと保健所で得られた知見に基づき国や東京都に働きかけを行うことについて、区長のお考えを伺います。  次に、酸素ボンベを使った医療支援についてです。入院調整で待機中の自宅療養者を対象に酸素ボンベを活用した医療支援が開始されました。入院病床が逼迫する中、自宅で症状が急激に悪化しても即入院につなぐことができない事例が多発していることが社会問題化する中、各地で酸素ステーションを開設する動きがありますが、港区が独自に酸素ボンベを活用した支援を行う意義についてお伺いいたします。  次に、ワクチン接種についてお伺いいたします。  五月十七日から区民向け接種として高齢者向けのワクチン集団接種を開始し、順次対象を拡大し、十二歳以上の全ての区民を対象として接種が進められ、宣言していたとおり、希望する全ての方への接種が今月半ばには完了する見込みです。ワクチンの供給不足が突然問題化し、多くの自治体がワクチンの不足で予約を停止。また、既に予約済みの方をキャンセルするまでの事態に陥っているような状況にもかかわらず、港区のワクチン接種は極めて順調に推移し、ワクチンダッシュボードによると本日時点の接種率は、二回目接種を終えた方が、速報値で六二・四%と高い接種率となっています。区民からもワクチン接種に関しては接遇も含め、高く評価する声を多数いただいております。今回、ワクチン接種が極めて順調に進められたのには幾つかの要因があったのではないかと思いますが、区長のお考えを伺います。  三回目接種についてお伺いいたします。ワクチンの効果に関しては、時間とともに効果が減じるとの報告もなされ、世界的には三回目の接種を進める動きが出ています。やがて我が国でも三回目の接種が勧奨される可能性は高いものと考えられます。  港区ではこの先、集団接種会場を順次縮小し、今後はスポーツセンターと東京ドームでの集団接種と区内約百三十か所の病院やクリニックでの個別接種へとフェーズが移されることになります。再度十二歳以上の全区民を対象とするワクチン接種を行う必要が生じた際においてもスムーズな接種を進めることができるよう、あらかじめシミュレーションすることは欠かせないと考えます。三回目接種に向けての検討を進めるべきと思いますが、区長のお考えを伺います。  未接種者への対応についてお伺いいたします。一方で、ワクチン未接種の区民もまだ一定数いらっしゃいます。接種しない理由をきめ細かく把握し、体質的に打つことができない方を除き、例えば一部に拡散している誤った認識によってワクチンへの危機感を持つ方への正確な情報の発信など、区の定めた目標を達成するため、より効果的な接種勧奨が求められます。その前提として、未接種者の実情を把握することは極めて重要と考えますが、区長のお考えを伺います。  また、外国企業では実質的な接種義務化などの動きも出てきています。未接種の方へワクチン接種を促すため、より工夫した取組が求められるのではないでしょうか。例えば区内の経済団体などの協力を得て、イベント性を持たせ広く周知するような取組を企画したり、接種済みの方向けに施設利用の優待枠を設けたりするなど、ワクチン接種へのインセンティブを導入することも有効な手段の一つと考えられますが、区長のお考えを伺います。  次に、情報発信の在り方について伺います。  これまでの区政情報の発信は、広報みなとや区設掲示板への掲示など紙ベースが主体で、ホームページでの情報発信が大きなウエートを占めてきているとはいえ、ホームページ情報も実質的には紙の代替です。行政からの情報発信は、当然のことながら確定した情報を正確に伝えることが最も肝要で、確定前の情報は伝えにくく、即時性や一度リリースした後の情報修正の難点があります。  今回の新型コロナウイルス感染症は災害と同様に時々刻々と事態は変わり、一度決まった事項が覆されることも度々で、未決定の事項があたかも決定しているかのようにテレビやインターネットに報じられ、情報が錯綜し混乱するという事態も多発しました。行政の皆さんも困惑されたことと思います。混乱期には、確定前であっても情報はできる限りオープンにして共有し、変更があれば、逐次上書きをすることが、結果的に混乱を最小限にとどめることにつながります。  港区議会ではコロナ禍で得られた教訓を基に、どのような状況にあっても議会が機能不全に陥ることのない強靱な体制の構築を目指してICT化を大幅に推し進めました。この六月に議員全員にタブレットを配付、アプリケーションを活用することで、全ての議員がいつでも、どこからでも同じ情報を同じタイミングで共有し、迅速な意思決定ができる運用を図っているところです。  現在、区では、ワクチンの接種状況をワクチンダッシュボードとして、ツイッターにより日ごとに公表しています。SNSを活用することで、未確定情報や日々更新される情報をリアルタイムで上書きすることができます。現在、各所管でSNSを活用していますが、その効果を十分に発揮するためには、これまでの情報発信に対する発想そのものを変える必要があります。SNSを活用した区政情報の発信について、区長のお考えを伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症で影響を受けた、世帯・事業者・地域への支援についてお伺いします。  先ほど区民税収入への影響については軽微であったと述べましたが、税情報からは酌み取ることのできない深刻な影響を受けている区民の方がおられることも事実です。特に弱い立場に置かれている方々の中には、目先の経済的不安はもちろん、雇用や家庭環境など複合的に困難を抱えている方もおられます。経済的な支援ばかりではなく、精神的な支えを求められるケースもあると思います。中には支援を求めることをちゅうちょする方もおられます。学校や保育園を含め、区民と接点を持つ窓口におられる職員の皆さんには細心の注意を払っていただければと思います。区民それぞれが抱える事情をしっかりと見極めて、きめ細かく支援することを求めるものですが、区長のお考えを伺います。  次に、事業者への支援についてです。度重なる緊急事態宣言の発出とそれに伴う緊急事態措置により、特に飲食業やその周辺の業種は甚大な影響を受けています。また、オフィス街で人の流れが極端に減少したりするなど、業種を問わず、それぞれの事情で苦境に立たされている事業者の方々がおられる現状もあります。東京都や国からの協力金や助成金の給付により何とかやりくりしている方には、コロナ禍が一定の収束を見た後、支援は終了しても、業況は同時に回復しない可能性に不安を抱いている方もあります。一方では、既に新型コロナウイルス感染症の影響から抜け出すことができているケースも見られます。個々の実情に即した切れ目のない、かつ、きめ細かな支援を息長く続ける必要が出てくるものと思います。新型コロナウイルス感染症収束後における区内事業者への継続的な支援策について、区長のお考えを伺います。  次に、地域への支援についてです。年中行事であったお花見や盆踊り、祭礼など地域の絆を深めてきた行事は、今、軒並み中止を余儀なくされています。この先、新型コロナウイルス感染症が一定の収束を見せたとしても、間が空けば空くほど再開には大きなエネルギーが必要となります。長いブランクのため、たとえ新型コロナウイルス感染症が収まっても以前の状況に戻せないかもしれないとの声も聞きます。完全な収束に数年かかる可能性もある中で、個々の町会・自治会や団体にとっては、中止以外の判断が可能であれば検討したいとの声が上がっても、客観的な基準をそれぞれが求めることは困難です。どのように実施すれば安全に地域行事の開催ができるのか、工夫すれば実施できる余地があるのかなど、判断材料を示してもらうことで主催する側が中止以外の選択肢も持てるよう、専門家によるエビデンスに基づいた適切なアドバイスを受けられる窓口を各地区総合支所に設けてはいかがでしょうか。専門家への相談窓口の設置について、区長のお考えを伺います。  次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーについて伺います。  新型コロナウイルス感染症の影響により一年延期された東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されました。開会式、閉会式を含め、ほぼ全ての競技が無観客で開催される異例ずくめの大会となりましたが、日本人選手の活躍、また、世界最高のアスリートたちがしのぎを削り頂点を目指す姿は、テレビ越しであっても、私たちに大きな感動を与えてくれました。今大会から種目となったスケートボードでは日本人選手のメダルラッシュに沸き、また、金メダル候補と言われた世界ランキング一位の岡本碧優選手が大技に挑み、失敗とはなったものの、そのチャレンジに対し他の選手が駆け寄りたたえる様子は世界中に広がり、スポーツの持つすばらしい一面を見せてくれました。  パラリンピックでも多くの選手が活躍しました。大会を通じて、試合後のインタビューで選手たちは口々に大会が開催されたことへの感謝を表しました。残念ながら、港区のパラリンピック学校連携観戦プログラムは中止となってしまい、児童・生徒たちがパラリンピアンの躍動する姿を直接観戦する機会は得られませんでした。しかし、世界中が新型コロナウイルス感染症に苦しむ厳しい状況の中、テレビには映し出されない多くの方々を含めて、数え切れない人々の懸命の支えがあって開催された東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーを築き上げることは、私たちの責任ではないでしょうか。  今大会ではパラリンピック、そしてパラリンピアンの一人一人がこれまでにないほどの脚光を浴びました。このムーブメントを継続して、心のバリアフリーというレガシーを一層浸透させていかなくてはなりません。また、バリアフリーへの取組も強力に進める必要があります。  天現寺橋交差点は昭和四十五年に設置された横断歩道橋があり、かねてからバリアフリー化の課題を抱え続けてきました。長きにわたり、地域の皆さんからは再三バリアフリー化の要望が提出されてきましたが、渋谷区との区境ということもあり、これまで協議が調わずにおりました。  今般、武井区長が長谷部渋谷区長に直談判の末に協力を取り付け、港区バリアフリー基本構想白金高輪駅周辺重点整備地区の区域を渋谷区の区域に拡大するという異例の変更を行いました。今後、港区バリアフリー基本構想に基づき、天現寺橋交差点を所掌する東京都第二建設事務所が天現寺橋交差点のバリアフリー改良を行うことになります。変更された港区バリアフリー基本構想に基づきバリアフリー化が大きく進展すれば、平成の忘れ物はパラリンピックのレガシーとして令和のバリアフリーのシンボルとなります。天現寺橋交差点のバリアフリー化の見通しについて、区長のお考えを伺います。  タンデム自転車の公道走行についてお伺いいたします。盲目のアスリートたちが乗る自転車はタンデム自転車と呼ばれ、パイロットと共に乗る二人乗りの自転車です。全国的にタンデム自転車の公道走行が解禁されつつありますが、都内では極めて限られた箇所でしかタンデム自転車の公道走行は認められておりません。都内では数少ないタンデム自転車での公道走行が港区内でもできるように働きかけていただきたいと考えますが、区長のお考えを伺います。  次に、トライアスロン、マラソンスイミングの会場、お台場ではかねてから泳げる海とするための取組を進めていますが、お台場のまちを自転車も駆け抜けました。パラリンピックでは男子PTS4クラスで宇田秀生選手がすさまじい追い上げを見せて銀メダルを獲得、PTVIクラスでは米岡聡選手がガイドの椿選手と共に銅メダルを獲得、トライアスロンで日本初となるメダル獲得という活躍を見せてくれました。港区唯一の会場となったお台場にさらなるレガシーとして、一般の皆さんが日本人メダリストたちも駆け抜けたトライアスロンコースを一部でも体験できるような機会を設けることについて、教育長のお考えを伺います。  女子シッティングバレーの中心選手で、パラリンピックでの活躍が期待されていた港区職員の斉藤洋子さんが四月に急逝されていたということを先日報道で知りました。心から御冥福をお祈りいたします。  次に、脱炭素社会へ向けた取組についてお伺いいたします。  令和二年十月、政府が二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする方針を表明しました。これまでのような数字の積み上げではなく、まず、高い目標を設定し、それを達成するための政策を総動員し、イノベーションを促すという菅総理大臣の政治的決断で決定。日本が脱炭素社会実現に向けて世界をリードする姿勢を強く内外に示しました。  そして、これに呼応する形で、区は、今年を初年度とする港区環境基本計画においてゼロカーボンシティの実現に向けて取り組むことを表明し、温室効果ガスの削減目標をSDGsのゴールと重なる二〇三〇年度までに四〇%を削減。そして、今から三十年後の二〇五〇年までに実質ゼロとすることとしました。これらを実現するための取組として、建物の省エネルギー化とエネルギー利用の最適化、再生可能エネルギーの導入拡大、国産木材の活用促進等を掲げています。  都市機能が高度に集積し、エネルギー需要密度の高い港区において、港区の中だけで温室効果ガスの排出実質ゼロを実現することは不可能です。私たちは、再生可能エネルギーのポテンシャルの高い全国の自治体とこれまで培った連携を生かし協働を図りながら、温室効果ガスの排出を削減しなくてはなりません。そして、区の取組と併せて、区民一人一人の取組が同じように重要となってまいります。区民に最も身近な自治体として、ゼロカーボンシティを実現するための理解を得ること、そして区民の皆さんに実際に取り組んでいただくことが不可欠です。ゼロカーボンシティの実現に向けて各家庭向けの啓発について、区長のお考えを伺います。  本年六月、プラスチック資源循環促進法が成立しました。これによりサーキュラーエコノミーの実現を図るため、自治体は製品プラスチックを分別回収、再商品化する努力義務が生じることになります。港区では、平成二十年十月から容器包装プラスチックとともに製品プラスチックも含め、全てのプラスチックを資源として一括回収してきました。これまで積み重ねてきた回収・分別のノウハウを持つ先進の自治体として、東京二十三区清掃一部事務組合を構成する他区はもちろん、全国の自治体に対しても指導的役割を果たすべきと考えます。そして、各家庭における分別の徹底をいま一度図っていただき、プラスチック分別の精度を高めるための啓発を強化するいい契機であると考えます。区長のお考えを伺います。  次に、幅広い人材の活用・育成について伺います。  コロナ禍で大きな影響を受けた大企業の中には、高いスキルを持つ大勢の人材が活躍の場を失っている現状があります。区内に本店を持つ企業や地域と深く関わる企業から時限的にでも多様な人材を区に受け入れ、職員のスキルアップのためにその力を活用することができれば、区の職員にとってもよい刺激となるのではないでしょうか。  また、既に行われているJR東日本との取組なども参考に、特に若手の職員同士を他団体や企業との間で相互に交流することができれば、長期的に区にとってプラスに作用し、双方にとってメリットを見いだすことができるものと考えます。また、例えば九月一日に発足したデジタル庁へ職員を派遣し、高い専門性や最新の技術環境に触れてもらうことで、スキルや人脈を有する職員を育成することなどはとても意義深いことと考えます。人材・組織を活性化し、多様化、専門化する社会情勢に対応できる職員を育成するため、省庁や企業との人事交流を拡大させることについて、区長のお考えを伺います。  退職自衛官の受入れについてお伺いします。近年、これまで想定もできなかった大規模な災害が多発しています。被災された方々にとって災害派遣された自衛隊は大きな心の支えとなってきました。実際の災害現場を経験され、退職された自衛官の方が培われてきた経験と実務能力等を区の災害対策に生かすことは、区民にとっていざというときの安全・安心に直結するものと考えます。優れた危機管理能力を有する退職自衛官を区の災害対策のために迎え入れることについて、区長のお考えを伺います。  次に、障害者支援策について伺います。  新型コロナウイルス感染症の影響は、社会的に弱い立場に置かれている方により大きな打撃を与えています。第二回定例会でも我が会派の黒崎議員による代表質問で、精神障害者への支援についてお尋ねいたしました。その後、区内のワクチン接種は順調に進んでいるものの、新型コロナウイルス感染症を取り巻く情勢は不透明な状況が続いています。第二回定例会での区長の答弁は、新たな支援策を検討していくという前向きなものでありました。  そして、今定例会において、心身障害者福祉手当の補正予算案と条例の一部改正案の提出が予定されております。年度途中、補正対応で精神障害者への支援を提案されるに当たっては、区長御自身の強い思いがあったものと想像するところです。また、今回支給対象を一級に限定した理由も併せて、区長の思いをお聞かせ願いたいと思います。  一方、引き続き金銭給付によらない支援策を充実させることも重要です。十月からみなと障害者支援アプリがリリースされると伺っております。本アプリを提供することで障害者御本人やその御家族に特化した情報を分かりやすくお伝えできることになるものと考えます。本アプリ導入によって見込まれる効果についてお伺いいたします。  次に、児童相談所開設後の動向についてです。  コロナ禍の続く本年四月に開設した港区児童相談所について、初めに、児童虐待に関する事項についてお伺いいたします。コロナ禍によりリモートワークや在宅勤務が急速に普及し、自宅に滞在する時間が増えたことにより、虐待通報件数も増加しているとのことです。これまで適度な距離が保たれていた家庭の状況が急激に変化し、バランスが崩れ、直接的な身体的虐待だけでなく、家族間のいさかいを目の当たりにする面前DVなども危惧されます。また、経済的に子育て環境が厳しくなる家庭もあり、児童虐待をはじめ、不適切な養育リスクが高まっていることが想像され、心配しています。そんな状況であるがゆえに、虐待相談には迅速で適切な支援が求められます。  子ども家庭総合支援センター内の同じ建物で、児童相談所と子ども家庭支援センターとが密接に連携することで相談内容が適切に共有され、切れ目のない迅速な対応につながっていると伺っています。四月の開設以降、この半年ほどでの相談受付状況や支援内容についてお伺いいたします。  何らかの理由により保護者と暮らすことのできない子どもたちに、家庭に代わる生活を保障する社会的養護について、従来は大規模な養護施設への入所という形が中心でした。近年は、より地域に根差し、家庭的な環境において子どもたちが生活できる里親などの家庭的養護が重視されるようになり、その拡充が望まれています。  港区児童相談所ではオープンに伴ってフォスタリング機関を導入し、コロナ禍で各事業開催が難しい中、毎月の里親説明会や里親委託等推進委員会を積極的に開催されていると伺っています。区内の里親の状況、今後の児童相談所としての里親制度に対しての取組などについてお伺いいたします。  また、コロナ禍が収まった後には、区が設置する児童相談所の持つ優位性を生かすことで地域と連携し、より多くの人材から協力を得て里親制度について広く理解を得られるよう、積極的に地域への働きかけを進めるべきと考えますが、区長のお考えを伺います。  次に、自治体デジタルトランスフォーメーションの取組についてお伺いいたします。  国は、今年一月から二〇二六年三月までを自治体DX推進計画の対象期間とし、全ての地方自治体において、基幹系十七業務についてシステムの標準化・共通化を実施するとしており、国が導入するガバメントクラウドを活用して構築することで、システムのコスト削減や最新のセキュリティ対策などの効果が期待されています。また、ガバメントクラウドは、国が実施する特別給付金等の緊急時の迅速な対応も可能になるとのことです。  港区では、既に他自治体に先駆ける形でAIやRPAの活用が図られていますが、この先、本丸とも言えるシステムの標準化やガバメントクラウドの利用に向けた港区の取組状況についてお伺いいたします。  マイナンバーカードの一層の普及について伺います。行政手続をオンライン化し、ワンストップで全てを完結させることは、住民サービスの向上に大きく寄与するものです。現在想定されている子育てや介護等に関する三十一の手続は、マイナンバーカードを用い、マイナポータルを活用することを前提に進められているため、これらのサービスを区民が享受するためにはマイナンバーカードを所持していることが必須となります。行政手続のオンライン化を区民サービスの向上に直結させるには、マイナンバーカード取得への理解を得ること、そして普及を加速させることが不可欠です。十月からはマイナンバーカードの健康保険証利用の本格的な運用も始まります。マイナンバーカードの取得を一層進めるため、さらに強力に取り組むことが必要と考えますが、区長のお考えを伺います。  次に、防災体制の充実について伺います。  東日本大震災の発生から今年で十年がたちました。国が災害時に避難所運営に当たる災害専門ボランティアの育成を行う方針との報道がなされました。報道によれば、自治体職員に代わって研修を受けたボランティアが避難所の衛生管理や被災者の健康ケアを担うことが狙いとのことですが、やはり地域との関係の薄い方が運営に関わることは困難が伴うということが想像されます。幸いなことに港区内の各地では、地域防災協議会の取組が活発に行われています。ここに参加されている皆さんは、既に避難所運営に関しては十分な情報や知識をお持ちの方が多くおられますので、衛生管理や栄養の専門的な知識を取得してもらう取組は有効と考えます。各地区の地域防災協議会の活動にそれらの研修を取り入れることについて、区長のお考えを伺います。  区内の企業や各種団体と様々な内容の協定が締結されています。先日、キャンピングカーのレンタルを行っている企業と新規に協定が結ばれたと伺いました。地域貢献の一環として、災害時に協力を申し出たいと考える企業や団体は区内にもまだ数多くあると思われます。新たに協力を申し出ていただける方々を呼び込み積極的に開拓することについて、区長のお考えを伺います。  そして、既存の協定についてはその実効性を日々更新しておくことが、いざというときに物を言います。各協定が実際に発動された場合のシミュレーションや連携を再確認しておくことは大変重要と考えます。あわせて、区長のお考えを伺います。  次に、自転車の安全確保の取組についてお伺いいたします。  自転車の活用推進について、私たち自民党議員団はかねてから様々要望をしてきたところです。コロナ禍において、密を避けようと自転車の利用が拡大している状況が見受けられます。区では、港区自転車交通環境基本方針と第十一次港区交通安全計画の策定作業が進められているところですが、それらの計画にもこの状況を踏まえ、区民が自転車をより安全に安心して、かつ、快適に利用できるよう書き込まれることを希望いたします。  東京都は、令和二年四月、東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例を改正し、自転車利用中の事故により、他人にけがをさせてしまった場合などの損害を賠償できる自転車の利用によって生じた損害を賠償するための保険・共済への加入が義務化されました。区では、例年二月から三月にかけて区民交通傷害保険への加入をお知らせしているところです。もちろん、これ以外の保険に加入されている方も多くおられることとは思いますが、過去三年間の加入件数は、令和元年は六千四百五十四人、令和二年は七千六百五十四人、令和三年は七千二百六十一人の加入にとどまっています。  さらに、道路交通法では、十三歳未満の児童または幼児を自転車に乗せるときは、当該児童または幼児に乗車用のヘルメットを着用させることが努力義務とされています。安全に自転車に乗るために、自転車保険への加入、ヘルメットの着用など、利用者に促す取組を積極的に進めていただきたいと考えますが、区長のお考えを伺います。  次に、台場シャトルバスの運行方針についてお伺いいたします。  港区は、交通利便性の非常に高い自治体です。JR、地下鉄といった広域交通、そこに「ちぃばす」、台場シャトルバスの地域交通が区民の足として広く利用されています。しかしながら、コロナ禍により利用客数が大きく減少し運賃収入が減り、影響でこの交通網を構成する各運行事業者は大変な打撃を受けています。区も例外ではなく、「ちぃばす」や台場シャトルバスも収支率が大きく下がっています。出勤抑制とリモートワークが推奨され、国内外の旅行需要はほぼ消滅していることにより、ビジネスと観光の代表的なまちであるお台場は、特に大きな影響を受けています。そして、恐らくこの状況は当面の間続いてしまうものと思われます。  そのお台場の足としての台場シャトルバスに対して、区はこれまでも運行継続のための支援を重ねてきました。しかしながら、今年度までの五年の補助期間で黒字化し、来年度以降の自主運行に移行するという新型コロナウイルス感染症流行以前に構築したスキームは、令和元年度までは運行事業者の努力もあり、目標達成に近づいておりましたが、コロナ禍の状況から、現時点では達成不可能なことは明らかとなっています。今後も台場地域で生活する区民の足として継続的な運行事業を確保するため、新たなスキームの構築も含めて検討すべきと考えますが、区長のお考えを伺います。  次に、オンライン授業についてお伺いいたします。  一学期の終了と相前後して、全国的に新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数が急増し、高止まりしたまま新学期を迎えました。港区教育委員会では二学期当初の数日は登校としたものの、それ以降は登校とオンラインによる選択制、ハイブリッド方式を導入し、オンラインでの授業参加については出席停止扱いではなく、出席とみなすこととしました。それぞれの学校の現場では先生方も大変御苦労されていると思います。二学期が始まってまだ数日しかたってはおりませんが、現状についてお伺いいたします。  一方、児童・生徒間の人間関係や家庭の様子などは直接顔を合わせてこそ、微妙な変化の兆候から状況の把握ができるということもあります。また、本来であれば、在校している時間を家庭で過ごすことによる生活習慣の変化に起因し生活指導の必要性が生じても、オンラインではなかなか手の届かないことも考えられます。現場の先生だけの対応に任せず、オール港区で学校を支え、児童・生徒の心身の健康を維持していただきたいと考えますが、教育長のお考えを伺います。  次に、eスポーツについてお伺いいたします。  eスポーツは、幅広い産業分野と連携する二十一世紀の新産業として期待されています。国内eスポーツファンの数は、二〇一九年の四百八十三万人から二〇二三年には千二百十五万人と大幅な成長が見込まれ、経済産業省は国内eスポーツ市場規模を、波及領域も含めて二〇二五年に約三千億円に上ると推計しています。  新型コロナウイルス感染症の影響により、世界中のあらゆる領域でリモート化、オンライン化が進む中、eスポーツによって経済的な効果の枠を超えた社会的意義を見いだす動きも現れており、現在では地方自治体による取組も始まっています。例えば、医療・福祉の観点から年齢や体力を問わずに楽しめる趣味としての活用や、障害者も楽しめるスポーツとしての交流機会の拡大などに注目が集まっています。また、地域活性化策として、観光資源と連携したイベントの開催や住民間交流の創出、さらには部活動としてのeスポーツ部の創設、移動を伴わない国際大会の開催など、ICT人材教育への応用や国際交流なども見込むことができます。今、御紹介した潮流を踏まえ、eスポーツを積極的に捉え取り組むことについて、教育長のお考えを伺います。  現在、eスポーツの推進は民間の力が主体となっており、この冬には港区のシンボルである東京タワーで約五千六百平方メートルに及ぶ広大な敷地面積を活用し、eスポーツのテーマパークが開設されるとのことです。港区にはeスポーツを牽引する企業もたくさんあります。eスポーツを推進するには、民間との連携は不可欠です。区内企業をはじめとする民間との連携によるeスポーツの推進について、教育長のお考えを伺います。  最後に、高輪築堤についてお伺いいたします。  八月二十三日、文化審議会が明治日本の文明開化を象徴しているとして、高輪築堤を史跡旧新橋停車場跡に追加指定し、一体の史跡とするよう文部科学大臣に答申、史跡に指定されることとなりました。埋蔵文化財の場合、保存の方針が決まってから史跡の指定まで、通常数年かかる例が多い中、四か月という異例のスピード答申となったことは、三月、文部科学大臣宛てに意見書を提出し、早期の史跡指定などを求めていた港区議会としても、その趣旨にかなうものであり、歓迎すべきものと考えます。  今回の答申により、橋梁部分を含む百二十メートルが史跡として指定されることとなります。また、出土した約八百メートルのうち残りの部分の多くは移築保存、記録保存されることになります。JR東日本が高輪ゲートウェイ駅周辺の開発を進める中で出土した高輪築堤は、既に国家戦略特区で定められた計画を一部変更するということで現地保存が決まり、今回の史跡指定につながりました。ここに至る過程においては、専門家を中心により広範囲の現地保存を求める意見もあり、港区のような都心部における保存と開発の両立、そして保存の概念や在り方について改めて考えさせられることとなりました。  幕末から第二次世界大戦期までの間に建設され、日本の近代化に貢献した産業・交通・土木に係る建造物は近代化遺産と呼ばれます。これらの遺産を保護し、先人の志と労苦に裏打ちされた技術力を長く後世に伝えていくことが重要であると考えます。JR東日本は、今後、まちづくりの中で高輪築堤を保存・公開するに当たり、最新技術を活用して当時の高輪築堤の景観を体験できる展示をするなどし、高輪築堤の価値を次世代に継承し、地域の歴史的価値向上と地域社会への貢献を目指す。また、周辺地域を含めた歴史・地域文化を学べるプログラムの実施を検討するとしています。将来にわたり、先人が築いてくれた貴重な財産として地域と融合し受け継がれていくためにも、JR東日本・区・地域が連携して方針が定められることが重要と考えます。高輪築堤の保存方針について、教育長のお考えを伺います。
     埋蔵文化財の保存に関しては、現地で保存することが原則であることは理解しています。一方で、現地にとどめることができない場合、移築された場所であっても正確に復元され、例えばそこで最新の技術が駆使され、広く公開されることになれば、先人の功績を色あせさせることなく次世代へ継承し続けられる付加価値の高い保存にもつながります。そのような保存の在り方ももっと積極的に評価されるべきものと考えます。移築保存による文化財保護の在り方について、教育長のお考えを伺います。  質問は以上となります。御清聴いただきまして、どうもありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての二島豊司議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、今後の区財政の見通しについてのお尋ねです。  まず、現状の分析と評価についてです。令和三年度の特別区民税当初課税額では、所得総額の約七割を占める給与所得金額が景気後退の影響をほとんど受けていないこと、株式等の譲渡による所得が前年度と比較して大きく増加していること、主にこの二点の要因によりまして、前年度の水準を維持しているものと考えております。  歳出面では、令和二年度に八度の補正予算を編成し、三百二十億円以上の感染症対策を実施するとともに、令和三年度も今回の補正予算までに百三十三億円を計上しております。区は、感染拡大初期から財政調整基金を積極的に活用するとともに、震災復興基金の使途を新型コロナウイルス感染症対策へと拡大するなど、急速に変化する状況に合わせて機動的に取り組んできたものと考えております。  次に、今後の見通しについてのお尋ねです。区の歳入の根幹をなす特別区民税については、長引く感染症の感染拡大に伴う景気悪化を受けて区民の納税が困難となり、収支率の低下が懸念されるなど、今後も予断を許さない状況であると考えております。  令和二年度に策定した財政計画では、厳しい財政状況下にあっても基金の活用と併せ、特別区債の計上により財源を確保し、感染症対策をはじめとした今後の行政需要へ確実に対応できる計画といたしました。今後も、社会状況の変化が区民生活に与える影響を見極めながら、新たな行政課題へも積極的に対応できる機動的な財政運営を行ってまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねです。  まず、組織体制の構築についてです。区は、新型コロナウイルス感染症対策やワクチン接種に係る専管組織を設置したほか、ワクチン接種業務を全ての部署の所掌事務に加え、全庁の職員による応援体制を整備するなど、状況変化や業務量増にも的確に対応した執行体制を整備してまいりました。引き続き緊急的な事態や組織横断的な課題が発生した際、迅速かつ臨機応変に対応するため、新型コロナウイルス感染症対策で得られた知見を生かし、業務の優先順位の精査や、あらかじめ応援の職員を指定するなど、限られた人材を効率的・効果的に活用できる柔軟な執行体制の整備を進めてまいります。  次に、制度改善についてのお尋ねです。区は、これまで東京都に対し、二十四時間対応の発熱相談センターやペット同伴者用宿泊療養施設の開設等を要望し、事業に反映させてまいりました。また、厚生労働省が構築した新型コロナウイルス感染症患者の情報把握・管理支援システム(HER|SYS)の情報保護や機能追加を要望し、改善につながりました。さらに、発生届で医療の必要性の優先順位が判断できるよう、区内医療機関に依頼し実現した病状記載の取組は、国が本年二月に行った様式改正の一部に反映されました。引き続き国や東京都との会議等あらゆる機会を捉え、区民の安全・安心につながる港区ならではの改善要望について、関係機関へ働きかけてまいります。  次に、酸素ボンベを活用した支援の意義についてのお尋ねです。区では、現在、発生届を受理した当日または翌日には、入院が必要な患者を入院させることができております。こうした状況の中、区では、翌日入院予定の患者の入院までの応急対応として、本年八月三十日から、往診医との連携による酸素ボンベを活用した医療支援の取組を開始いたしました。取組開始直後、九月五日に一件、酸素ボンベによる医療支援を実施し、息苦しさの軽減や呼吸状態の安定など、入院までの応急対応としての効果を発揮いたしました。引き続き区民が安全に安心して自宅療養ができ、適切な医療を受けることができる体制の整備を推進してまいります。  次に、新型コロナウイルスワクチン接種についてのお尋ねです。  まず、順調に進んだ要因についてです。区は、短期間に多くの区民に接種できる集団接種を中心に進めてまいりました。病院や港区医師会及び港区薬剤師会などの医療従事者の皆様に接種を担当していただきました。また、区内企業や団体から広い会場を提供していただきました。また、区民が日常利用している区有施設を接種会場として利用し、各地区総合支所がその運営に当たりました。御不便をおかけした区民の皆様からも御理解をいただくことができました。このように多くの関係者の皆さんの御理解と御協力のたまものと考えております。これはこれまで地域や区民との連携を基本とし、施策の推進に取り組んできたことの一つの成果であると考えております。  ワクチンの供給についても港区医師会の御指導を仰ぎながら、ファイザー社製に加えてモデルナ社製ワクチンの早期の確保に取り組み、二つのワクチンを活用することで計画どおり接種を進めることができたものと考えております。多くの関係者、関係機関の御協力の下、これまで順調にワクチン接種を進めてこられたことに感謝を申し上げるとともに、引き続きの協力をお願いいたします。  次に、三回目接種についてのお尋ねです。現時点で三回目接種の実施時期や接種対象者を含め、接種の実施に関する具体的な内容は国から示されておりません。区は、これまでのワクチン接種の実施において、高齢者への対応やアナフィラキシー等の臨時的対応など様々な状況を経験し、また、多くのことを学んでおります。今後、三回目接種の実施が決定した場合でも、これまでの経験を生かしながら、迅速かつ円滑に実施ができるよう、港区医師会、港区薬剤師会及び病院をはじめとする地域の関係機関と連携し対応してまいります。  次に、未接種者の実情の把握についてのお尋ねです。接種情報は国の共通システムであるワクチン接種記録システムに記録され、二十代、三十代の接種が比較的進んでいないことが分かっております。さらに、区が八月に実施したワクチン接種に関するアンケートでは、未接種の主な理由として、「希望する時間と区の接種時間が合わない」、「副反応や効果等に対し不安がある」という回答が多く寄せられました。どのような理由で接種を受けていないのか、その実情を把握することは効果的な接種勧奨を行うためにも重要であり、今後も未接種者の実情の把握に努めてまいります。  次に、未接種者への接種勧奨についてのお尋ねです。予約が落ち着いてきた八月末に、区は未接種者への接種勧奨と併せて、接種の効果などをお知らせするチラシの全戸配布を行い、現在、予約が増加しております。区のアンケートでも接種に対する不安の声が多く、接種の副反応や効果とともに健康被害救済制度などについても、区の看護師に直接相談できる電話相談窓口を今月中に開設できるよう準備を進めております。  また、働き盛り世代や学生の皆さんの接種機会を拡大するため、九月十七日から十二月二十四日までの金曜日の夜に週末ミッドナイト接種を実施いたします。本日から予約を開始しており、急遽時間ができた場合でも速やかに接種ができるよう当日予約枠も用意いたしました。今後もインセンティブを導入した他自治体の効果を検証するなど、より多くの区民が接種を受けることができるよう様々な工夫による接種勧奨に取り組んでまいります。  次に、SNSを活用した区政情報の発信についてのお尋ねです。  区は、利用者が希望する分野の情報をプッシュ配信するLINEや、二十三区で唯一、全ての部門がツイッターのアカウントを開設し情報発信をしているなど、SNSでの広報を積極的に進めております。SNSの持つ即時性や拡散性を生かし、ワクチン接種情報では接種の進捗や予約の状況等について、時点や頻度にとらわれず随時発信しております。今後は、今年度実施している港区民の区政情報取得に関する動向調査の結果も踏まえ、若者を中心に利用頻度が高いインスタグラムの効果的な活用など、より区民ニーズに即した情報発信の強化に取り組んでまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症で影響を受けた、世帯・事業者・地域への支援についてのお尋ねです。  まず、区民に寄り添うコロナ禍での対応についてです。区では、生活困窮者自立支援金の支給や心の不調に対応したこころのサポートダイヤルの設置、ワクチン接種の予約支援のための相談窓口の開設など、きめ細かな対応を迅速に行ってまいりました。こうした区の支援策については、国や東京都などの情報も加えた一覧表にして、区ホームページ等で公開するなど、支援を必要とする区民が様々なサービスを利用しやすいよう工夫しております。引き続き区民の立場に立ったきめ細かな対応を進めてまいります。  次に、事業者支援についてのお尋ねです。区は、資金繰り支援のため特別融資あっせん期間の延長や、個々の実情に応じた経営相談窓口の設置などに取り組んでおります。今後は、商店会加盟店舗がウィズコロナ時代に対応するために行う換気設備の改修などへの補助のほか、総額十五億円分のプレミアム付き区内商品券の発行、感染リスク軽減に寄与する商品券電子化を支援いたします。  また、中小企業がビジネス環境の急速な変化に対応するためのデジタルトランスフォーメーション推進への支援など、ニーズを的確に捉えた施策も検討してまいります。区内中小企業者が現在の苦境を乗り越え、安心して事業に取り組めるよう、長期的な視点で切れ目ない支援を行ってまいります。  次に、地域への支援についてのお尋ねです。各地区総合支所では、区の感染症専門アドバイザーの監修による感染症対策パンフレットを作成し、町会・自治会が行事などを実施する際に活用いただいているほか、地域からの相談を受け、必要に応じアドバイザーの助言を基に支援をしております。  また、町会・自治会活動でスマートフォンのビデオ通話などの機能により交流が図れるように、情報化支援コーディネーターを講師に招いたSNS講座を十一月から開催いたします。今後も、町会・自治会等が安全に地域活動を継続できるよう、各地区総合支所の窓口で積極的に相談に応じ、感染症専門アドバイザー等の助言を受けながら支援をしてまいります。  次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーについてのお尋ねです。  まず、バリアフリーの推進についてです。区は、天現寺橋交差点のバリアフリー化について都知事にも要請し、渋谷区、東京都第二建設事務所、渋谷警察署及び渋谷区の町会などと長年にわたり協議を重ね、困難であった関係者との合意形成を図ることができました。これにより、今年七月に優先的に整備が進められる重点整備地区を区民が利用する渋谷区内の広尾病院なども含む範囲まで拡大して指定いたしました。現在、横断歩道の設置などに向け道路測量や警視庁との協議を行っております。今後も、バリアフリー化の早期実現に向け関係機関と連携してまいります。  次に、二人乗り自転車の公道走行についてのお尋ねです。現在、都内では自転車の利用を日曜日に限定している千代田区の皇居周辺の都道や、河川沿いの道路を走行できる足立区、八王子市、湖沿いの道路を走行できる多摩市のサイクリングロードなど、安全な走行が確保できるエリアに限り、二つ以上の乗車装置及びペダル装置が縦列に設けられた二輪の自転車である、いわゆるタンデム自転車の走行が可能となっています。区は、これら四か所のタンデム自転車の利用実態や警視庁との協議条件など先行事例を調査するとともに、情報収集に努めてまいります。  次に、脱炭素社会へ向けた取組についてのお尋ねです。  まず、ゼロカーボンシティの実現に向けた家庭向けの啓発についてです。区は、各家庭のライフスタイルの脱炭素化への転換を図るため、区ホームページやSNS等を活用した啓発とともに、蓄電システムなどの機器設置に対する助成制度の充実や、再エネ電力への切替えの促進などに取り組んでおります。今年度からは、COP26が開催される十一月を区独自に脱炭素社会と気候変動を考える月間とし、地球温暖化による気候変動リスク等をテーマとしたオンラインイベントやパネル展を集中的に開催するほか、再エネ電力への切替えなどの情報発信を強化し、家庭における行動変容を後押ししてまいります。  次に、製品プラスチックのリサイクルについてのお尋ねです。区は、製品プラスチックを資源として回収し、区内で中間処理を行った上、アンモニアなどに再資源化しております。東京二十三区でこうした手法によるリサイクルを行っているのは港区だけであり、他の自治体からの視察や相談を受けております。引き続き先進自治体として培ったノウハウを積極的に発信し、各自治体のサーマルリサイクルからの転換に寄与してまいります。  また、資源の適切な分別に関しては、区ホームページ、広報みなと等での周知や分別ガイドブックの配布、ごみ分別アプリ等により啓発に取り組んでまいります。今後は、区の先進的なプラスチックリサイクルの紹介など情報発信を強化することにより、さらに分別の精度を高めてまいります。  次に、幅広い人材の活用・育成についてのお尋ねです。  まず、人事交流についてです。区は、行政課題の解決に必要な知識・経験を有する人材の育成と、柔軟な発想や先進的な手法を取り入れ、組織の活性化を図るため、国や自治体、民間企業との人事交流や職員としての採用を行っております。これまでも東京都やJR東日本等との人事交流により、貴重な知見や人的ネットワークを効果的に活用し、組織力の強化を図ってまいりました。今後も、省庁や自治体、民間企業との人事交流のさらなる推進を図り、職員の能力向上と港区ならではの質の高い行政サービスの実現に取り組んでまいります。  次に、退職自衛官の受入れについてのお尋ねです。  区は、港区地域防災計画を策定する防災会議への自衛隊の参画や、防災訓練への参加と展示ブースでの活動紹介など、区の防災対策において、自衛隊との協力関係を構築しております。また、令和元年台風十九号の際などの災害時には、陸上自衛隊から情報連絡要員が区に派遣され、避難者や被害状況等の情報を共有するなど、区と自衛隊や防災関係機関相互の円滑な情報連携の役割を担っていただいております。退職自衛官を職員として任用することについては、他自治体の事例を参考にするなど、今後調査をしてまいります。  次に、障害者支援策についてのお尋ねです。  まず、精神障害者への手当についてです。区は、精神障害者に対し、精神障害者支援センターやグループホームの整備、就労の場の確保など、地域での自立に向けた支援を優先して取り組んでまいりましたが、区が実施した直近の調査では、精神障害者への経済的支援を望む声も多く寄せられております。これまでの取組をさらに推進するとともに、精神障害者が住み慣れた地域でより自立した生活を送ることができるよう、できるだけ早く支援を強化する必要があると判断し、本年十月から手当を支給することといたしました。支給対象は、障害が重度の状態で継続する場合が多い手当等級一級の方といたします。  次に、障害者支援アプリの効果についてのお尋ねです。区は、区ホームページや紙媒体から必要な情報を選択することが難しい障害者に対して、各種手当の更新のお知らせや感染症に関する緊急情報など、重要な区政情報をプッシュ型で素早く発信することで、行政サービスの確実な利用に結びつけていけるものと考えております。また、これまで電話などで施設ごとに予約しなければならなかった短期入所は、アプリ上で全ての施設の空き状況を二十四時間いつでも確認でき、一度に予約することが可能となるなど、利用者の利便が格段に向上すると考えております。  次に、児童相談所開設後の動向についてのお尋ねです。  まず、児童相談所の相談受付状況や支援内容についてです。本年四月から六月までの相談受付総数は三百四十五件でした。そのうち児童虐待が二百四十件と約七割で、そのほか非行、障害、親子関係などの様々な相談にも対応しております。児童相談所は子ども家庭支援センターとともに全ての虐待相談のリスク判断を行い、これまで以上に迅速丁寧に、児童福祉司・心理司などによる専門支援を行っております。また、区内の学校、警察、医療機関など関連機関とは、調査、会議、合同研修などを通して、より一層緊密に連携し、地域に根差した切れ目のない支援を展開してまいります。  次に、里親の拡充に向けた取組についてのお尋ねです。区では、現在、養育里親十組、養子縁組里親十七組が登録しています。毎月二回開催している説明会では、区民の方の関心が高く、既に十組の方に個別に御説明をいたしました。本年七月には、主任児童委員、区内の里親、港区の里親を担当する児童養護施設、乳児院などにより構成される里親委託等推進委員会を立ち上げ、地域ぐるみで里親の普及啓発と里親支援の充実に取り組んでおります。また、支援が必要な子どもの具体的で多様なニーズを踏まえ、SNSや広報みなと、里親自身による体験発表会、地域に出向いての出前講座などを通じ、里親制度の周知を進めてまいります。  次に、自治体デジタルトランスフォーメーションの取組についてのお尋ねです。  まず、情報システムの標準化・共通化についてです。システム標準化は、国が提供するクラウド上に全国共通の仕様に基づくシステムを各自治体が構築するものです。区では、標準化の対象業務が住民記録、税、子育て支援など十二のシステムに及ぶことから、本年六月に検討組織を設置するとともに、第二回定例会に補正予算を計上し、国が提供するクラウドの利用方法や区の業務への影響について検討を進めております。引き続き行政の効率化や区民の利便性の向上を目指し、令和七年度末までの実施に向けて全庁横断的に取り組んでまいります。  次に、マイナンバーカードの一層の普及についてのお尋ねです。区はこれまで、マイナンバーカードの交付促進のため、休日に臨時開庁を行うとともに、申請サポートを行うブースを各地区総合支所に設置し、写真撮影や申請書の書き方を支援するなど、申請機会の創出に取り組んでまいりました。こうした取組により、区のカード交付率は、令和三年八月末時点で全国平均の三七・六%を上回り四七・九%となっており、全国的にも高い水準を維持しております。今後は、さらに交付申請を促進するため、チラシやガイドブックを区民が来庁する様々な機会を捉えて配布することや、送付物に同封するなど広報の強化に取り組み、マイナンバーカードの一層の普及を図ってまいります。  次に、防災体制の充実についてのお尋ねです。  まず、避難所運営についてです。区は、地域防災協議会などの活動を専門的な知見から支援していくため、防災に関する専門家である防災アドバイザーを派遣し、避難所運営に当たっての助言を行うなどの支援を行っております。御提案の衛生管理などの専門知識を習得する研修につきましても、地域防災協議会や防災住民組織の皆さんが避難所運営のスキルを高めていく上で非常に有効と考えます。今後も、地域防災協議会などが円滑に避難所を運営できるよう、きめ細かな支援を行ってまいります。  次に、防災協定の開拓と連携についてのお尋ねです。区は、災害発生時の課題解決に向け、これまで物資輸送手段を確保するための運送事業者との協定や、避難所の環境改善に向けたキャンピングカー事業者との協定などを締結してまいりました。今後も、災害時の応急対策等について連携が図れるよう、様々な事業者に協定の締結を働きかけてまいります。また、協定締結後も協定締結事業者との意見交換を行い、協定内容や発災時の対応、連絡体制の確認を行うことにより、各事業者等との結びつきを強め、災害時の協力体制をより確かなものとしてまいります。  次に、自転車の安全利用の取組についてのお尋ねです。  区は、港区自転車交通環境基本方針について、令和四年三月の策定に向け作業を進めております。いつもの暮らしにも、余暇の楽しみにも快適に、便利に、安全に使える自転車活用環境づくりを基本理念とし、安全で安心して自転車が活用できるまちの実現を目指してまいります。  この方針の中で、自転車利用者の自転車損害賠償保険への加入とヘルメットを着用することを促進する施策を検討しております。今後も、区民が安全で安心して通行できる走行空間を整え、自転車利用への環境整備と利用者への交通安全対策に努めてまいります。  最後に、台場シャトルバスの継続的な運行についてのお尋ねです。  台場シャトルバスは、品川駅・田町駅等と台場地域を約二十分で結び、区民、観光客や就業者の交通手段として定着しております。台場シャトルバスの運行事業は今年度で協定期間が終了しますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、目標である自主運行化が厳しい状況にあります。区は、地域交通ネットワーク上重要な路線であること、台場地域をはじめ区民などの日常生活を支える交通手段であることなどを踏まえ、運行事業の継続について検討してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(浦田幹男君)登壇〕 ○教育長(浦田幹男君) ただいまの自民党議員団を代表しての二島豊司議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会のトライアスロンのコース体験についてのお尋ねです。  教育委員会は、これまでオリンピアン等の指導により、トライアスロン種目を個別体験できる教室を実施するとともに、公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団は教育委員会後援の下、平成三十年度に東京二〇二〇大会のコースの一部であるお台場海浜公園の海などを使用したトライアスロンの実践教室を実施いたしました。お台場海浜公園でトライアスロン競技が実施され、より気運が高まる中、財団は教室の再開に向け調整を進めております。メダルを目指して競い合った選手たちが走り抜けた同じコースでトライアスロンを体験することで、区民の皆さんが東京二〇二〇大会のレガシーと感じられるよう、これらの事業について教育委員会と財団が連携して取り組んでまいります。  次に、オンライン授業についてのお尋ねです。  まず、二学期からの変更点についてです。二学期の開始に当たり、全小・中学校でオンライン授業と学校での授業を選択できるようにし、現在約二割の児童・生徒がオンラインで授業に参加しております。具体的には双方向による学習を支援するオンラインツールを活用して、教材の提供や課題の提出などをできるようにし、学校で授業を受けるのと同等の学びを保障しております。今後は、各教員が作成したデジタル教材を区全体で共有するなど、オンライン授業の向上を図り、感染状況が悪化しても質の高い学びを保障してまいります。  次に、生活指導やメンタルケアについてのお尋ねです。現在、新型コロナウイルス感染症の感染不安により、学校に登校できず不安や悩みを抱える児童・生徒には、速やかに担任や養護教諭、スクールカウンセラーによるオンライン面接を実施しております。さらに、不安や悩みを学校に発信できない児童・生徒がいることを想定し、教育センターの心理司にオンラインで相談できる体制を七月に新たに整えました。今後は、オンラインで児童・生徒の心理状況を把握するツールを活用し、学校に登校できない児童・生徒の心の変化を迅速に捉え対応できるようにするなど、これまで以上に心のケアを充実してまいります。  次に、eスポーツの推進についてのお尋ねです。  まず、eスポーツの捉え方と取組についてです。eスポーツは、年齢、国籍、障害の有無にかかわらず、多様な人々がいつでも参加できる可能性があり、高齢者と若者との世代間交流にもつながることが期待できます。一方、若年層についてはゲーム障害や依存症等のリスクを踏まえること、障害者については、個々の障害特性により効果や適合性を検証することが重要であると捉えております。  港区スポーツ推進計画では、自発的に楽しむ身体活動の全てをスポーツとしており、まずは身体を動かして楽しめるeスポーツ体験に積極的に取り組んでまいります。  次に、民間企業との連携についてのお尋ねです。教育委員会では、民間との協働により区の課題解決を目指す港区民間協創制度を活用し、先端技術を活用した取組及びeスポーツの活用について提案募集を行いました。この募集に対し、本年四月、竹芝地区の発展のために観光振興等に取り組んでいる民間企業から、eスポーツを含めた新しいスポーツ体験イベントの提案がありました。教育委員会は、本年七月のイベント開催時にスポーツボランティアを派遣し運営に協力するとともに、自転車に乗って対戦するeスポーツの体験会などの実施に向けて、現在この事業者と調整しております。  さらに、他の事業者が実施するeスポーツの体験会において、高齢者同士や世代間の交流につながるような仕組みの実現に向けて協議をしております。今後も、多くの企業が存在する区の特性を生かし、eスポーツ推進に向け民間企業に協力を求め、連携して取り組んでまいります。  次に、高輪築堤についてのお尋ねです。  まず、高輪築堤の保存方針についてです。今後の保存方針につきましては、文化財保護法第百二十九条の二の規定に基づいて策定する史跡の保存活用計画で示していくことになります。保存活用計画の策定には複数年を要することになりますが、現在、JR東日本、文化庁、東京都教育委員会、港区教育委員会が連携して、計画策定のための委員会の委員の人選を行っております。国史跡に指定後、高輪築堤跡が郷土の文化遺産として万全の保護が図られ、地域において活用していけるよう委員会における計画策定の検討を、JR東日本、文化庁、東京都教育委員会等と協力して進めてまいります。  最後に、移築保存による文化財保護の在り方についてのお尋ねです。信号機跡を含む約三十メートルの築堤は、高輪ゲートウェイ駅前の広場に移築される予定です。移築することで遺跡としての価値は損なわれますが、百五十年前に造られた高輪築堤の遺構の一部が地域を訪れる人々の目に触れ、親しまれることで、高輪築堤の文化財的価値を認識してもらうとともに、文化財の啓発、教育に寄与するものと考えております。  また、鉄道を海上に通すことに尽力したと言われる大隈重信の出身地の佐賀県が、高輪築堤の遺構の一部を県立博物館へ移築することを希望しております。歴史にゆかりのある地で貴重な文化遺産として活用されるよう協力をしてまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(清原和幸君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                       午後二時二十五分休憩                                       午後二時四十五分再開 ○副議長(なかまえ由紀君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  一般質問を続けます。次に、二十八番阿部浩子議員。   〔二十八番(阿部浩子君)登壇、拍手〕 ○二十八番(阿部浩子君) 令和三年(二〇二一年)第三回定例会に当たりまして、みなと政策会議を代表して、区長、教育長に質問させていただきます。  七月二十日に令和四年度(二〇二二年度)の予算編成方針が発表されました。「まちににぎわいがあふれ、全国をリードし輝き続ける港区を実現する予算」とされています。この予算編成方針では財政の見通しとして、「人口減少は続いているものの、歳入については、特別区民税収入は令和三年度の特別区民税当初課税段階では、前年度の水準を維持している」とされています。  新型コロナウイルス感染症で影響を受けている区民も多く、中小企業者への緊急支援融資実行件数が令和元年に比べ約十六倍にも増加しています。こういった中でも特別区民税収入は、今年度は変化しない等、全国的に見ても非常に希有な自治体と考えます。人口は減少し、ふるさと納税の影響額も約四十一億円となっています。しかし、港区の特別区民税収入の七割が給与所得、また、注目すべき点は、約一六%が株式等の分離譲渡所得で占められていることです。つまり、新型コロナウイルス感染症で影響を受けているのは非正規雇用と個人事業主が主であり、港区の税収には大きな影響を受けていないのだと思います。  また、五千万円を超える課税標準額の高額納税者二%が特別区民税収入の約三五%を納めています。つまり、港区は日本の経済状況に左右されやすい不安定な自治体でもあるということです。特別区民税収入が前年度と比べて減収しないのは、区民の中で格差が拡大しているからと考えます。新型コロナウイルス感染症の影響を受けない世帯が多くの特別区民税を支払っているのではないでしょうか。  税金は所得の再分配です。来年度の予算編成に当たっては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている区民に、より一層の支援が必要だと思っています。そして、緊急事態宣言が続き、学校では新型コロナウイルス感染症の感染対策として様々な行事が縮小されています。また、まちでは思うように飲食すらもできない。また、不要不急の外出が制限されています。ワクチン接種が終わったら、ふだんどおりの生活ができると思っていました。いつになったら新型コロナウイルス感染症から解放されるのか、まだ先が見えない状況です。また、港区の町会・自治会、商店街の行事も全て中止が続いています。私たちは終わりの見えない新型コロナウイルス感染症とこれからも闘っていくために、区民の一人一人に寄り添った予算編成が必要だと思います。  区長が考える全国にリードし輝き続ける港区になるために、港区に住み、集う人たちが幸せを実感できるまちにしてほしいと思っています。そのために、私は困っている人たちに寄り添い、共に考え悩みを解決していくことを今後とも全力で取り組んでいきます。  それでは、質問に入ります。  初めに、コロナ禍で困窮している子育て世帯の支援についてです。  コロナ禍で経済的に厳しい、特にひとり親、母子家庭のさらなる支援について伺います。日本の子どもの貧困率が一三・五%であることは御承知のとおりです。約七人に一人の子どもが貧困状態にあるのは本当に残念なことです。しかし、さらに問題なのは、ひとり親世帯の貧困率が四八・一%と異常に高いまま推移していることです。日本では子どもの貧困がOECDの調査によって再発見されたのは二〇〇七年でしたが、その貧困はほとんど改善されていないのです。  さて、港区ではどうでしょうか。東京新聞で九月二日に報じられたように、NPO法人みなと子ども食堂が緊急アンケート調査を発表したのは、区長も御承知されていると思います。港区民のフードパントリー利用者百二十四世帯に、八月に緊急アンケート調査を行いました。このアンケート結果では、百二十四世帯のうちひとり親世帯が九一・三%で、非正規雇用や失業中は七五・八%です。四人に三人が経済や社会状況に左右されやすい不安定な環境で生活しています。新型コロナウイルス感染症の影響に直面している世帯は九六%で、この九六%の百十九世帯の昨年の収入は二百四十万円以下が七二・三%、三百六十万円以下では八七・四%です。つまり、港区の児童扶養手当受給者を含むひとり親世帯の大半は、このような実態で生活し、子育てをしているのです。  また、コロナ禍で月収への影響は、コロナ禍前と比べて一か月三万円以上減収が半数以上であり、一万円から三万円の世帯を含めると七五%の世帯が減収になっています。その他の世帯は生活保護世帯や失業保険受給者であり、それも合わせると約八五%がコロナ禍で厳しい生活を強いられています。この減収で切り詰めるところは食事であり、食事の回数を減らしている世帯が多数です。  フードパントリーに期待するものは主食であるお米、野菜・果物の生鮮食品です。自由意見では、「食事の回数を減らした」、「おかずを一品にする」、「エアコンを我慢している」という生命に関わる意見が目につきました。  港区で行っているエンジョイ・セレクト事業でも一番の人気はお米です。港区ではコロナ禍で独自の事業として、非課税世帯に港区商品券特別配布事業や、港区低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金児童一人当たり五万円の給付をしています。あわせて毎月のエンジョイ・セレクト事業があります。しかし、区で行う事業はほとんどが単発であり、新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中、低所得者の困窮家庭はさらに生活が厳しくなっています。  この調査からも分かるとおり、先が見えない中での生活は子どもにも影響が出ています。今年三月十四日にみなと子ども食堂は、児童扶養手当を受給している家庭の小学校の新入生にランドセルのプレゼントを企画しました。四月に入学を控えた子どもたち六人からの応募がありました。区では、就学援助で入学支度金を先に振り込んでいるにもかかわらず、そのお金は日々の生活費の補填になってしまっているのが現実ではないでしょうか。  日本の母子世帯の特徴は、就労率が約八二%と高いことですが、パート・アルバイト等が約四四%で、母親自身の平均年間就労収入は二百万円と低く、その貯金額は五十万円未満が約四〇%です。働いていても低賃金なので、生活意識は「苦しい」という回答が約八七%(国民生活基礎調査)になるのです。  そこで、港区として、このような低所得世帯にさらなる支援が必要であり、コロナ禍以前より三万円近く減収している子育て世帯に継続的な現金給付などの現物給付が必要と考えます。区長のお考えをお聞きします。  次に、子どもたちが修学旅行に行ける支援について伺います。  先ほど就学援助についても触れましたが、就学援助の中には修学旅行費があります。以前、区立中学校の修学旅行の代金の支払いに困っていたひとり親世帯の方から相談がありました。期限までに支払わないと子どもが修学旅行に行けなくなるからです。就学援助の修学旅行費は、修学旅行に参加してから後日振込されます。しかし、目の前にお金がないと子どもは行くことができないのです。それぞれの家庭に事情があって、お金を借りることができない家庭もあります。しかし、お金が準備できないからといって子どもが一生の思い出になる修学旅行を我慢しなければならない今の状況は、改善が必要だと強く思います。就学援助費の修学旅行費は、区が直接旅行代理店等に振り込む制度に変えていただき、子どもたちが安心して修学旅行に行ける支援をしていただきたいと考えますが、教育長のお考えをお聞きします。  次に、エンジョイ・セレクト事業についてお聞きします。エンジョイ・ディナー事業から引き継ぎ四月から始まった港区のエンジョイ・セレクト事業です。毎月カタログが対象者に配布され、そこから自分の必要なものを選び、自宅に送られてくる事業です。現在はひとり親世帯約八百七十世帯、両親世帯約三千三百世帯が対象です。
     先日、八月から利用ができなくなったと区民の方から御相談をいただきました。非正規雇用の方です。給料も変わっていないのに公務員の会計年度任用職員であることが原因で、児童扶養手当が港区から受給されないことにより、八月から制度の利用ができなくなったそうです。港区のひとり親世帯でも会計年度任用職員として自治体や国で働いている人がいます。しかし、年収は低く非正規雇用です。港区から児童扶養手当が支給されているかどうかではなく、所得が対象になっている低所得者の方々には支援をすべきです。公務員の非正規雇用を差別してはいけないと思います。法の下の平等は、日本国憲法の十四条一項に規定されています。区長は、法の下の平等をどのようにお考えですか。給料が変わっていない。つまり、同じ実態なのに、年度途中から制度が利用できなくなった世帯など区で理由を調査し、真に困っている世帯の支援につなげていくべきです。区長のお考えをお聞きします。  また、このエンジョイ・セレクト事業は多くの方々に喜ばれています。アンケート調査でも明らかなとおり、野菜や果物などの生鮮食品を必要としている家庭が多いです。しかし、エンジョイ・セレクト事業のカタログでは産地直送の生鮮食品は一つのみの選択とされ、肉と野菜、両方を選ぶことができません。どちらかとなると、やはり子育て世帯はお肉を選択します。その分の栄養不足を補うために野菜ジュースを選択している家庭が多いです。そこで、利用者ニーズを常に調査し、必要な支援を進めていくべきです。今後の改善策について、区のお考えをお聞きします。  次に、子育て支援の拡大についてです。  初めに、港区子ども医療費助成の拡大についてです。新型コロナウイルス感染症の拡大の影響は深刻で、雇用・経営の悪化は区民を直撃していますが、その影響は低所得者層ほど大きく、ひとり親世帯の生活困窮や子どもの貧困を深刻化させているのが現実です。  コロナ禍以前の子どもの医療に関する調査では、ぜんそくにかかっていた子どもは、年齢、性別が違っても生活保護の受給世帯が多く、一般の子どもに比べて十倍以上。虫歯や歯肉炎など歯の病気、アレルギー性鼻炎も十倍以上の差があり、格差が比較的小さいアトピー性皮膚炎でも五倍程度の開きがあり、ひとり親世帯の子どもは両親世帯の子どもに比べアトピー性皮膚炎が四倍、歯の病気が二倍などで健康状態が悪かったと報道されていましたが、コロナ禍ではさらに子どもたちの受診抑制の深刻化が懸念されています。  さて、港区の子ども医療費助成事業は二〇〇五年から始まり、現在は中学校を卒業するまで無料です。しかし、子育て世帯はここからがお金がかかる時期になりますが、このコロナ禍の中で受診抑制の懸念が生じています。子どもたちの健やかな育ちを実現するためには、このコロナ禍で必要なときに医療を受けられる仕組みづくりが不可欠です。  厚生労働省は、子どもの通院費を高校生まで独自に助成している市町村は、二〇二〇年四月一日時点で七百三十三自治体で、全市区町村の四二%だったと九月七日に発表しました。また、二〇一九年十月一日に施行された「成育基本法」は、成長過程にある子ども及び保護者、並びに妊産婦に対して、必要な成育医療を切れ目なく提供するための施策を総合的に推進することを目的とする理念法ですが、子どもの健全な育成は、国や市町村、関係機関の責務であることを明記し、保護者の支援を含め、教育、医療、福祉などの分野の連携を規定しています。ここで、この成育基本法の理念を生かし、高校を卒業するまで全ての子どもに医療費助成の拡大をすべきです。区長のお考えをお聞きします。  次に、乳幼児世帯への支援です。この夏、明石市の泉市長からオンラインでお話をお聞きする機会がありました。市長として見るべきものは市民、我がまち、過去ではなく未来と力強く発言されたことが印象に残っています。きっと武井区長も同じようにお考えだと思います。  さて、明石市は子育て世帯が増え、七年間連続して税収もアップしているそうです。七年間では三十億円の増ということでした。それは港区でも同様で、「子育てするなら港区」と武井区長が発言されてから、多くの子育て世帯が港区に転入してきました。まちを元気にするには子どもを大切にすることだと言えるのではないでしょうか。  明石市は様々な先駆的な取組をされている自治体として、港区議会でも視察をしています。泉市長のお話を聞いて、港区でも実際にできることがたくさんあるのではないかと思いました。  そこで、まず、乳児家庭への紙おむつの支援についてです。今年の三月の予算特別委員会で杉浦委員に、エンジョイ・セレクト事業に加えてほしいものは乳児には欠かせないおむつと提案していただきました。  港区では出産すると、助産師さんが自宅に来てくれる「こんにちは赤ちゃん訪問」事業があります。助産師や保健師が、出産して母親の育児の不安や体調などを見てくれるものです。初めての出産は分からないことばかりです。母乳が出ない、赤ちゃんが泣いてばかりいるけど理由が分からない、急な熱を出した等々、どうしていいのか分からない、理解できないのです。そこで、気軽に相談できる人が周りにいればいいのですが、乳児の場合だと外にお出かけするのも不安であり、不安だらけで、ネットで調べたりしてもよく分からない。また、パートナーが相談に乗ってくれればいいのですが、一人で育児と家事を抱え込んでいるワンオペママは港区にも多いです。そして、泣きやまないから子どもに手を上げてしまったり、育児を諦めて放棄するケースがあります。  昨年度、十八歳未満の子どもが親などの保護者から虐待を受けたとして児童相談所が対応した件数は、速報値によると全国で二十万五千二十九件です。虐待の内容別に見ると、心理的虐待が十二万千三百二十五件で五九・二%、前年度より一万二千二百七件、一一・二%増となっています。そして、身体的虐待が五万三十三件で二四・四%、ネグレクトが三万千四百二十件で一五・三%、性的虐待が二千二百五十一件で一・一%となっています。港区子ども家庭支援センターの受理件数は、昨年度が千二十五件で前年度より二百七十五件の増、心理的虐待五百七十件、身体的虐待二百四十五件、ネグレクト二百三件、性的虐待七件となっています。  厚生労働省は、新型コロナウイルスの影響で子育てに悩む保護者が孤立するリスクが高まっていて、見守り体制の強化を進めたいとしています。  虐待の対応件数は、統計を取り始めた平成二年度以降増え続けていて、昨年度は前の年度より一万千二百四十九件、率にして五・八%増えて過去最多を更新しました。また、昨年度、親から虐待を受けて死亡した子どもは全国で五十七人となっています。半数が〇歳児です。死亡したときの年齢は、〇歳が二十八人で四九・一%、およそ半数となっていて、このうち十一人が生まれて一か月未満とのことです。この調査結果を見ると、児童虐待は出産して一年、また一か月以内が大きなターニングポイントとなるのではないでしょうか。ここで寄り添い支援する人がどれだけいるかが児童虐待の未然防止につながるのではないでしょうか。また、ネグレクトだけを見ると、過去十二年間の事例を詳しく検証した結果、死亡したときの年齢は、〇歳の割合が五八・七%と虐待死の全体の傾向よりも高くなりました。  そこで、明石市は虐待予防や子育て支援の一環としておむつ宅配便事業があります。外出できない親子の自宅におむつを届けることで子育ての見守りもできる事業です。コロナ禍で子どもと一緒に出かけたくても出かけられない今こそ、おむつを宅配するサービスを取り入れるべきと考えます。区長のお考えをお聞きします。  次に、児童虐待についてです。今年四月に開設した港区児童相談所で受け付けた児童虐待の相談受付総数を見ると、四月は八十四件、五月は六十二件、六月は九十四件となっています。児童虐待を疑い一時保護所に入所したケースはどのくらいあるのか。また、改めて港区の特徴についてお聞きします。  さて、葛飾区は、昨年起きた児童虐待事件をめぐり、区が設置した検証委員会の検証結果を公表していますが、組織的にリスクを判断して支援を実行できる体制を整備するほか、担当部署の人員の確保や対応力を向上させる必要があると提言しています。  今年度、児童相談所を設置し運営している港区として、来年度に向けた課題と改善点についてお聞きします。  次に、青少年の支援について伺います。  区が直接子どもたちに関わる義務教育は中学校を卒業するまでです。しかし、そこで区の役割が終わるわけではありません。成人を迎えるまで子どもたちの成長を見守る必要が地方自治体の役割ではないかと思います。そういった視点から質問させていただきます。  まず初めに、生理用ナプキンの配付継続についてです。この春から港区内の区有施設に生理用ナプキンを配置し、必要な方にお配りしてきました。また、区立小・中学校でも試験的にトイレにナプキンを設置して、必要なときにいつでも使用できる仕組みを構築していただいています。都立学校二百五十四校では九月から女子トイレにナプキンを設置し、生徒がいつでも自由に使えるようにしているそうです。  女性の生理は毎月一度、四十代から五十代の閉経を迎えるまで続きます。だからこそ経済的にナプキンが購入できない女性においては配付を単発で終わるのではなく、必要としている人がいる限り、区内で一番利用の多かった場所、神明子ども中高生プラザなどでの継続配付をお願いいたします。区のお考えをお聞きします。  次に、ユースクリニックについてです。学校教育の中で性教育は長年目を背けられてきました。自分の体の仕組みが分からないため、予期せぬ妊娠をしてしまうケースもあります。もっと自分自身を大切にしていたら、理解していたらと思う人もいるでしょう。たった一度の性行為で妊娠してしまい、生涯心に傷を負うことになってしまいます。学校以外で体の悩みを気軽に相談できる場所があれば自分の性についても理解が進みます。  NPO法人日本子宮内膜症啓発会議の平成二十九年三月の中高生生徒による月経関連疾患調査によると、対象者は千葉県内の中学校と高等学校の各一校、六百八人の女子生徒で、月経による勉強・運動へ影響するほどの体の不調があるとした人が約八割。この問題に対して相談しない人が二九%で、体の不調を一人で抱えています。また、この八割の生徒の七六%が我慢しているとなっています。体に不調を感じても病院に行かないという回答が九四%です。月経関連症状の相談相手は保護者が六五%で、保健室三%、教員は〇%、(複数回答)となっています。つまり、中高生が月経など体調について気軽に相談できる場所がないということが挙げられます。  スウェーデンではユースクリニック、心や体、生理や妊娠などの性の悩みを若者が気軽に相談できる場所が国内約二百五十か所以上も開設されています。ここには助産師や看護師が常にいて、十三歳から二十五歳の若者が気軽に相談に来るそうです。日本ではまだまだ性の問題には閉鎖的です。  二十三区では、台東区の上野皮フ科・婦人科クリニックは二〇一九年十一月からユースクリニックを始めました。栃木では、二〇二〇年一月にNPO法人ラサーナと株式会社クスリのマルエ、佐藤病院の協働によって商業施設内の薬局にユースクリニックを設置したそうです。藤沢市でも、女性のクリニックもんまの取組が取り上げられています。  スウェーデンでは若者の九割が利用したことがあるとのことで若年層に浸透しているそうです。相談内容は多岐にわたり、親や友達との関係、たばこやアルコールの問題、LGBTの問題やデートDVなどだそうです。学校の先生でもなく、親でもなく、保健室の先生でもなく、自分の知人でもなく、気軽に相談できる場所があれば、月経の不調だけではなく、妊娠しても親にも言えず、病院にも行けず、港区の公園で乳児を埋めてしまった。そんな悲しい事件も起きなかったのではないかと思います。思春期の中で悩んだり迷ったりしている青少年を支援していくためにも、医師会や薬剤師会等々の協力を得て、港区の中にユースクリニック等を設置し、気軽に相談できる場所を提供していくべきです。区長のお考えをお聞きします。  次に、性暴力をなくす取組についてお聞きします。性暴力とは、具体的にはレイプ、デートDV、痴漢やセクハラなどの性的嫌がらせが挙げられます。合意がないものでされたことが嫌だということが性暴力になります。  今年三月に港区にある慶應義塾大学は、性暴力を根絶するための活動を行う「Safe Campus」という学生団体と、日本でより多くの人が声を上げられる環境をつくり、ジェンダー平等を目指して活動する一般社団法人「Voice Up Japan」の慶應支部と協働して、性的同意(セクシュアル・コンセント)ハンドブックを作成したそうです。十八歳になって成人を迎えても、性的同意や性暴力の意味が男女ともに理解していないケースが多いです。それは先ほど発言させていただいたユースクリニックの必要性につながっています。区があまり関わりを持つことができない世代、中学校を卒業した以降の方々にどのように性について考えてもらうか。そして、それぞれの人権をどのように守っていくかが区の施策としても欠けている視点ではないでしょうか。そこで、ユース世代に性暴力の理解を進め、性暴力をなくす取組を行っていくべきと考えます。区長のお考えをお聞きします。  次に、ヤングケアラーについて伺います。私は、みなと子ども食堂の活動を通じて様々な家庭を見てきました。今、とても気になっているのは、フードパントリー(食糧支援)に子どもが親の代理として来ていることです。そこには男子も女子もいます。ただ親が仕事で来られないから代理で来ているのかもしれません。この子どもたちは思春期真っただ中です。大人が食料を配布しているところに来るのは、本当は嫌かもしれません。もしかしたら親に代わって兄弟たちの面倒や食事や洗濯など家事を行っているヤングケアラーなのではないかと、とても気になっています。何度も子どもたちが代理で来る場合は荷物を送付することも考えますが、利用者にとって毎月顔を見て声をかけられる場所となることも必要だと思っています。  港区議会でも石渡議員がこの問題を取り上げております。今までの答弁では区内に数件存在しているとされていますが、私が見た限りでは、本当に数件だけなのか疑問に思います。国のヤングケアラーの実態調査によると、中学生の約十七人に一人、また一日の平均で四時間を家族の世話に費やしているそうです。一日に七時間以上世話に費やしている生徒が一割を超えていたとされています。  私が議員になった当初、ひとり親で小学校四年生の九歳の娘を持つ方がいました。その方のお宅に伺ったら、部屋の壁にはお母さんが急に発作になったとき、どこに連絡するのか連絡先を貼っていました。この子はまだ九歳なのに、そんな命に関わる責任のあることをしなければならないのかと胸が痛みました。日本の中では兄弟の面倒を見て、掃除、洗濯など家の家事をこなして、親の服薬まで管理している子どもたちがいます。  港区では、成育環境に問題がある子どもと家庭に対して、子ども家庭支援センターの職員が直接訪問し、港区要保護児童対策地域協議会の関係機関とも情報を共有しながら課題の解決を図っているとしています。学校でもなかなか今置かれている家庭環境が見つかりにくいケースもあると思います。現在、埼玉県、北海道栗山町、三重県名張市はケアラー支援条例を制定し、支援を進めています。また、国では、厚生労働省と文部科学省がヤングケアラーに対して共同プロジェクトチームをつくり、来年度ヤングケアラー支援策の予算要望をすると報道されています。  港区は、港区に暮らしている子どもたちを誰一人として取り残さずヤングケアラーにさせない、また支援をする取組を早急に進めていくべきです。区長のお考えをお聞きします。  次に、小・中学校の一斉休校の影響についてです。  国は、昨年三月二日から新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、学校を一斉の臨時休業としました。緊急事態宣言の発令・延長もあり、五月末までの休校となりました。当時の安倍首相が専門家にも相談せずに決定した一斉休校から一年以上がたちました。あの一斉休校で子どもたちが失ったものは何だったのでしょうか。そして、休校だった時間を取り戻すことができたのでしょうか。今でも疑問に思います。  今、学校が休校になったとしても、タブレット端末を活用したオンライン授業ができます。当時は家にネット環境がなければ、また、タブレット端末の使い方が分かる人がそばにいなければ、課題をすることも、オンライン授業を受けることもできませんでした。その対策として教育委員会は、タブレット端末とWi−Fiルーターを区として貸し出しました。学校に行けないということは友達にも会えない、親が仕事をしているため家で話す人もいない、子どもたちから新型コロナウイルス感染症拡大防止という名の下に全てを国が取り上げたのです。あの一斉休校は失敗だったと私は思います。子どもたちに負わせた傷は計り知れません。学校は勉強だけをするところではありません。友達と過ごしたり、おいしい給食を食べたり、子どもたちが家庭以外の場所で学び、成長するところです。家で嫌なことがあっても学校では笑える、そんな子どももいるでしょう。勉強は嫌いだけれど、友達と一緒に過ごせる学校が好きな子どももいるかと思います。あの三か月間、子どもたちが心に受けた傷をどのように癒やしたらいいのか、新型コロナウイルス感染症がまだ収束していない今、子どもたちに学びの機会をどのように取り戻していくのでしょうか。その現場を担っている教職員の方々をはじめとした教育委員会はどのように考えているのでしょうか。一斉休校で子どもたちが受けた影響について、その課題をどう整理されていて、この課題をどのように解決していくのかお聞きします。  次に、給付型奨学金制度について伺います。  今年度から返さなくてもいい奨学金制度が始まりました。今、日本の大学生の半数が何かしらの奨学金を借りて大学等に行っています。奨学金は貸付けが大半で、卒業したら返していかなければなりません。港区の給付型奨学金制度は生活が厳しい家庭でも大学に行って学ぶことができるすばらしい制度だと思っています。今年度、現時点で給付型奨学金制度を利用している方は三十四名です。しかし、調べてみると、給付型奨学金と貸付型奨学金を同時に申請している人が七人います。港区の給付型奨学金制度は所得で四つの区分に分かれています。CD区分は、貸付けを受けなければ奨学金限度額の私立大学自宅通学の金額(入学金を含む)約百四十二万円まで受けることができません。しかし、注視しなければならないのは、A区分とB区分の所得世帯です。A区分は年収が約三百万円程度、B区分は約三百八十万円程度です。A区分では給付型奨学金が採用された学生十二名のうち三名が貸付型奨学金も利用しています。この事業は始まったばかりですが、今後さらなる分析が必要だと思っています。  そこで伺います。給付型奨学金と貸付型奨学金を重複して利用している低所得世帯の学生について、区としてどのように考えているのでしょうか。私は、教育委員会が詳細に分析し、来年度については、金額の見直しも含めて検討すべきと考えます。教育長のお考えをお聞きします。  また、この制度をまだ知らない区民の方がいます。対象になる家庭、つまり、給付型奨学金制度を利用できるひとり親など極めて経済的に厳しい家庭には進学を検討する時期に、また、来年度については早急に案内を送付し、大学などに行きたくても経済的な理由から諦める子どもたちがいなくなるよう、区としても取り組んでいかなければなりません。教育長のお考えをお聞きします。  次に、新型コロナウイルス感染症対策についてです。  新型コロナウイルス感染症は現在、デルタ株の流行で第五波となり、港区の感染者数も増加してきました。病院は既に患者の受入れができず、軽症者は自宅療養です。八月には受け入れる病院がなく、自宅で子どもを出産し、その子どもが亡くなってしまいました。あまりにも悲しい現実です。  昨年には港区でも自宅療養中に亡くなった方もおり、昨日の感染者数は、東京都全体では千八百三十四人、全国では一万二千三百九十六人となっています。先週よりは減少しておりますが、まだ油断ができない状況です。昨日は、大阪市で新型コロナウイルス感染症に感染した十代の男性が死亡したというショッキングなニュースが流れました。初めての十代の方が感染して亡くなったのです。感染症をなくすには、まずは多くの感染者の事例を分析し、感染者数が増えているところでは日常的にPCR検査をしていく必要があるかと考えます。  高齢者施設等におけるPCR支援事業については、八月十八日現在で、対象事業所が三百十二施設のところ申請事業者は七事業者で約二・二%しか申請しておらず、施設数が圧倒的に少ないこと、それに伴い受検者数が百五十三人と少なくなっています。受検しない理由は、新型コロナウイルス感染症の対応に追われ時間がないこと、また、陽性者が出た場合、職員数が減ってしまうことなどが考えられます。  現在、東京都が集中的なPCR検査を実施しており、多くの施設が東京都の制度を活用していることから、高齢者施設等におけるPCR検査事業の申請事業者数が少ないことは理解できます。また、居宅介護支援事業所は少ないケアマネジャーで運営しているケースが多く、検査の必要性が浸透しにくいことも理解できますが、日常的に利用者と直接的に接触する訪問系事業所や通所系事業所などはもっと積極的にPCR検査を受検する必要があるのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症の感染者数を減らしていくにはPCR検査を定期的に行い、早めに隔離することでクラスターを未然に防ぐことができます。ワクチンを二回接種しても新型コロナウイルス感染症に感染しているブレークスルー感染のケースも出ています。  そこで伺います。検査をためらう理由は先ほど述べましたが、このような理由も踏まえて、継続的にPCR検査の受検を促していく必要があると考えます。今後の検査の支援について、区長のお考えをお聞きします。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大が進んでいて感染ルートが不明の場合が大半です。特に家庭内感染が増えています。保護者が陽性で新型コロナウイルス感染症に感染し、子どもを見ることができない場合、港区の借り上げているホテルで預かるサービスがあります。居所提供事業です。令和三年度は八月十八日までに十一世帯十二人が利用しています。新型コロナウイルス感染症の陽性者の増加で、この制度の利用者もまた増加しています。子育て世帯が新型コロナウイルス感染症に感染しないように気をつけている一番の理由は、保護者が感染し、子どもだけが陰性であった場合、どこに子どもを預けたらいいのか、その預け先がないからです。祖父母等お願いできる人がそばにいない場合、この制度を利用できることで港区の子育て中の方々に大きな安心感を与えています。  現在の新型コロナウイルス感染症の感染ルートは家庭内感染で、子どもも陽性になる確率が高いです。そして、感染者が増加している今、港区では保育園や子どもの施設での感染者数も増加しています。十二歳未満はワクチンの接種ができないため、また、乳幼児はマスクをつけることのリスクもあり、この状況はまだ続くことと思います。そこで、子どもたちを新型コロナウイルス感染症から守るための取組として、保育園や子育て施設、学校等の職員などは職域ワクチン接種を進めてきました。しかし、先ほども述べたとおり、二回ワクチン接種をしても感染者が出ていることから、高齢者等施設のPCR検査助成と併せて、子ども施設等の職員のPCR検査を継続的に進めていくべきと考えます。区長のお考えをお聞きします。  次に、自宅療養者への支援についてです。新型コロナウイルス感染症に感染した場合、本来であれば、病院に入院して治療を受ける必要がありますが、感染者数の増加で軽症者は自宅療養に切り替わっています。自宅療養で残念ながら命を落としてしまう方も増えています。自宅療養の方にはLINEで毎日定時に状況を確認しています。パルスオキシメーターや酸素ボンベの貸与があります。そのほか、高齢者は一日三食の配食サービスが利用できます。高齢者以外の軽症者の場合は、フォローアップセンターから段ボール三個分の食料品等が送られてきます。新型コロナウイルス感染症に感染し自宅療養された方からは、フォローアップセンターから送られてくる物品の量が少ないという声もあり、その食料品等は感染者数の増加で配送作業が遅れていて、感染し療養してから一週間後に送られてくる場合も多いと聞いています。  感染した方にお聞きしたところ、初めは食料が食べられない状況らしく、このときには水分やイオンを補給できる飲料水、そして徐々に回復し、食事が取れる状態になったら、すぐに食べられるお弁当があれば助かるそうです。自宅で療養されている方でも軽症から悪化する方もいます。布団から起き上がれない人もいます。自宅療養者が増えている今、港区独自でお弁当など、また、療養してからすぐに自宅療養で必要な食料品や飲料水などが届くように港区独自の支援を検討すべきと考えます。区長のお考えをお聞きします。  九月八日時点で二回目の新型コロナウイルスワクチン接種が終わる区民は約六割です。ワクチン接種を希望する区民には、九月中旬までに区として接種を完了させるとしています。また、若い人たちにもワクチン接種をしてもらうために東京ドームでも行っています。また、来週金曜日、九月十七日から週末ミッドナイト接種も始まります。しかし、今の状況ではワクチンを二回接種しても感染する事例が発生しています。  私たちみなと政策会議の区議団は、先の見えない新型コロナウイルス感染症と共に闘っている港区の保健所職員、また様々な職場で新型コロナウイルス感染症対応をしている方々、エッセンシャルワーカーの皆さんには心から感謝と敬意を述べさせていただきます。そして一日も早い新型コロナウイルス感染症の収束を願い、ふだんどおりの生活に戻れる日を待ち望んでいます。  次に、真のバリアフリー社会の実現についてです。  来年度の予算編成の重点施策は「誰もが住みやすく、健康で暮らしやすい社会を実現する施策」を掲げられています。障害を持つ方、また、差別に苦しんでいる様々な方々がこの港区で生活しています。  私は二年前の選挙の僅か数日前に道路で転倒し、足を骨折してしまいました。今まで区議会議員として真のバリアフリーのまちを目指すべきだと取り組んできたのに、自分が車椅子や松葉づえで改めて実感したことがありました。それはまだまだ港区のバリアフリーは進んでいないということでした。家から車椅子で外に出ても段差があり、また道に陥没があり、車椅子の車輪が陥没に取られてしまって車椅子と共に転倒しそうになったこと、人に頼らなければできないことがたくさんあること、でも誰に頼んだらいいのか分からないこと、誰もが病気になったり、事故に遭ったりけがをしたりします。想像していなかったことが起こったりします。私自身もそうでした。  港区社会福祉協議会が現地調査を行い、港区が運営する港区バリアフリーマップがあります。平成二十九年にリニューアルされて、子育て世帯にも優しいマップです。日本語だけではなく英語に、また、パソコンからもスマートフォンからもアクセスできるものです。しかし、このマップについては周知不足です。また、ネット環境がないとアクセスしにくいものです。それぞれの地区で分かりやすい紙媒体も用意すべきと考えます。さらに、けがで車椅子になった人には車椅子ステーションなどでの周知、子育て中の世帯には子育て施設での周知など、バリアフリー情報を求めている方々が素早くアクセスできる仕組みをつくるべきです。区長のお考えをお聞きします。  また、バリアフリーマップを更新する際には、年に十か所程度、道路の傾斜や歩道の幅、点字ブロックの設置箇所を調査しているとのことです。その情報を街づくり支援部と共有し、道路の整備など安心して外出できる港区をつくっていくべきと考えます。区長のお考えをお聞きします。  次に、病気やけがの支援についてです。私は予期していないけがによって、今まで当たり前のようにできていたことができなくなってしまいました。全治二か月と病院で聞いて、この先どうしていったらいいのか不安になりました。ちょうど娘が春休みだったので、子どもが私の足となってくれました。今思えば短期的なヤングケアラーだったのかと思います。私は、まず最初に車椅子ステーションで車椅子を借りました。押してくれる人、つまり介護者がいれば外出も可能になるのです。しかし、春休みが終わり学校が始まると、それも長く続きませんでした。車椅子はあるけれど、押してくれる人がいないのです。また、松葉づえを使ってみても、慣れていないから移動するのが困難です。車椅子ステーションでは介護者に押してもらう介助式と自分で動かす自走式があるそうです。これらも知識がないと分かりません。せめて借りるときに二種類があると教えてくだされば選択の余地があります。また、車椅子ステーションの車椅子は高齢者の方々も利用されているようで、常に在庫があるわけではないとお聞きしています。土日の場合は社会福祉協議会が休みのため相談できず、また、区内に三十三か所ある車椅子ステーションも休日などで近所では借りられないケースもあります。車椅子の空き情報もインターネットで分かる仕組みに変えていただきたいと思います。区長のお考えをお聞きします。  次に、全ての年代の人が病気やけがをしたときに受けられる多様なサービスの展開についてお聞きします。病気やけがをした場合、六十五歳以上の方は介護保険に入っており、申請すれば介護保険を利用することができます。また、高齢者支援サービスも活用できます。しかし、六十五歳未満の方には受けられるサービスがありません。唯一あるのが港区社会福祉協議会のおむすびサービスです。有償で日頃の生活での掃除や片づけ、通院や外出の付添いなどをしてくれます。こちらもまずは社会福祉協議会の職員とお会いし、その後、マッチングする方を探していただけるそうですが、あいにく私の場合はしばらく見つかりませんでした。見つかったときには、もう介護者は必要ないくらい時間がたっていたのです。必要としているときに、すぐに介護者をお願いできたらと思います。  港区はひとり暮らしの方が多いのが特徴です。率にすると五一・三%、約半数が単独世帯です。ひとり暮らしの方々が急に病気になった場合、また、けがをした場合、介護者がいないと食事もできないことになります。現在の新型コロナウイルス感染症の陽性者も同じことです。こちらは見守りサービスがあり、食品などの配送があります。生活の中で様々な困ることがあり、食事だけではなく、トイレに行くことや洗濯やごみ出し、買物等々、生活していく上で必要な命をつなぐことすら自分でするのが困難です。ここに行政の支援があったら、ひとり暮らし世帯等も安心できるのではないでしょうか。  そこで、区の事業で妊産婦への産前産後家事・育児支援サービスがあります。妊娠中と出産後にホームヘルパーが家事支援をするサービスです。こういった短期の病気やけがの場合にもこのサービスを拡大していただきたいと考えます。病気になってもけがをしても、介護者については、家事支援の方々に希望すればお願いできるなど、安心して暮らすことができる港区にしていただきたいと思います。区長のお考えをお聞きします。  病気やけがをされた方へのサポートは、今必要なのであり、一週間後や十日後ではないのです。社会福祉協議会のサービスも必要ですが、区としての多様なサービス展開について取り組んでいただきたいということを強くお願いいたします。  次に、災害に備えた取組についてお聞きします。  地球温暖化の影響を受けて、この夏も停滞する前線の影響で、福岡や長崎、佐賀などの九州地方や広島県では、平年の年間降水量の半分を超える記録的な豪雨となって川の氾濫や土砂災害が起きました。また、七月には熱海で土石流が発生しました。九月にはアメリカで記録的な豪雨と長雨、洪水で多くの方が亡くなり、大きな被害が出ています。  八月十五日、港区では土砂災害警戒区域等に対し、警戒レベル3、高齢者等の避難を発令し、区民避難所を開設しました。警戒レベル3は、土砂災害警戒区域にいる高齢者や障害者は避難開始、それ以外の方は避難準備の発令です。二百十か所の土砂災害警戒区域と、より危険度の高い百四十二か所の土砂災害特別警戒区域があります。この避難情報の発令を受けて避難所に避難された方はたった三名でした。港区は土砂災害ハザードマップ、津波ハザードマップ、高潮浸水ハザードマップを区民に全戸配布しています。御自身の自宅がそれぞれの警戒区域にあるとどれだけの方が理解しているのか、また理解できているのか疑問に思います。  静岡大学の牛山教授の一九九九年から二〇二〇年の風水害人的被害の調査結果によると、土砂災害で亡くなった方の八一・六%は屋内で亡くなったとされています。この結果からも災害に備えるには早め早めの準備が必要です。港区では防災ラジオを希望者に有償で配布する制度があります。防災無線が聞こえなくても防災ラジオで区からの災害情報を取得することができます。そのためには避難すべき対象になっている方が、警戒区域で暮らされていることをより一層認知してもらう取組が必要です。区長のお考えをお聞きします。  先月八月二十日に、防護服などを準備して感染症対策をした上で、麻布十番網代会はコロナ禍での防災訓練を行いました。災害はいつ起こるか分かりません。今年は発電機を使った防災訓練、昨年はかまどベンチを活用した防災訓練とコロナ禍で二回開催しています。自助、共助、公助が必要だとすると、こういった町会や自治会で開催する防災訓練は共助のための活動です。コロナ禍で人が集まることをやめ、区の防災訓練も二年間中止になっています。しかし、区主催以外の地域防災訓練は、屋外で距離を取っていれば可能です。区主催の公助による防災訓練も必要ですが、共助のための防災訓練についても町会・自治会や、地域の防災士等の活動を支援し取組を拡充すべきです。区長のお考えをお聞きします。  次に、避難所についてです。コロナ禍で感染症対策のために、避難所の一人当たりの面積が従来の一・六五平米から六平米に拡大されたことに伴い、港区の避難所は約三万人分不足しています。都立六本木高校は使用できるものの、他の都立三田高校、都立芝商業高校はまだ交渉中と聞いています。現在はお寺や神社なども交渉していると聞いています。災害が起こる前に、三万人分の区民避難所の整備は急務です。しかし、区としても、ある程度の大きさがないと避難所の協定を締結しても厳しいことと思います。そこで、今回、民間でワクチン接種会場になったアメリカンクラブや森ビル、国際医療福祉大学等々、それぞれ帰宅困難者対策の一時滞在施設の活用も考えられるかもしれません。また、区内の結婚式場や料飲組合等と協定を締結し、宴会場や小上がりなどの場所を確保することも可能性として考えられるかと思います。区として一日も早く避難所の確保に努めていただきたいと考えますが、区のお考えをお聞きします。  次に、港区の職員の執行体制についてです。  初めに、職員の超過勤務とメンタルヘルスについてです。港区の人口は令和十一年度に三十万人を超えるとされています。あと八年後になります。人口が増加することにより区民サービスの量も増加します。しかし、職員数は増えているのでしょうか。港区は過去に遡ると、平成八年一月に人口が十五万人を割り込み、「みんなといきいき区政推進計画」をはじめとした港区行政改革大綱を策定し、事務事業の抜本的な見直しなどによる大胆な行財政改革に継続的に取り組んできました。職員の定数配置計画では、平成九年度からの十年間で定数四百人の削減を目指し、四百二十一名を削減しました。引き続き平成十九年度から二十八年度には第二次職員定数配置計画を策定し、十年間で七百六十人の削減を目指し、七百八十三人の削減を実現しました。つまり、二十年間で千二百四人を削減したことになります。その削減の多くは現場の職員、つまり、現業の職員を民間委託や指定管理者制度を導入し切り替えてきました。しかし、今後、平成七年度の人口の倍以上になる港区は、今こそ適正な職員数についても検討を進めていくべきではないでしょうか。今、コロナ禍で多くの職員が疲弊しています。また、メンタルで病気休暇を取っている職員もいます。  全国の保健所は平成四年に八百五十二か所あったものの、平成の大合併等で行政改革で統廃合され、今年四月には四百六十九か所と半減しています。港区でも三つの保健所が平成十年四月に一つに統合しました。それでなくても人数が削減されているのに新型コロナウイルス感染症で多くの業務を抱え、土日の休暇も取れない状況で皆さん働いています。職員だけではなく職場も対応に追われている状況です。港区としては人材派遣職員や各地区総合支所からの支援職員等々で支えていますが、専門性も高いため大きな解決とはなっていない状況です。近年では職員数に余裕がなく、職員の病欠代替や行政判断を要せず年度内で完結する突発的な業務に対する人材派遣の活用が多くなっています。また、令和二年度の長時間労働該当者では、六百時間を超えている超過勤務者が二十六人で前年度比では十四人増、三百時間以上六百時間未満超過勤務者は二百五十一人で前年度比三十一人の増となっています。  この理由は、新型コロナウイルス感染症や国勢調査等とされていますが、区の職員のワークバランスを鑑みると、この状態は一日も早く解決していかなければなりません。また、過去五年間のメンタルヘルス不調による病気休職者は、平成二十八年度が二十五人だったものが令和二年度は五十二人となっています。この状況について、区としてどのようにお考えなのか。また、どのように解決していくつもりなのかお聞きします。  次に、人口増加に伴う職員の適正配置についてです。過去五年間の新規職員採用者数を見ても、平成二十九年度から令和二年度までは八十人台の新規採用、令和三年度は百十一人と増えていますが、この増えた職員数は児童相談所の開設によるものです。人口増加とともに職員や職場の抱える業務も増加しています。今こそ、人口増加に伴う職員の適正配置数について検討し、職員の採用を積極的に進めていくべきと考えますが、区長のお考えをお聞きします。  次に、多様な人材の受入れについて伺います。新型コロナウイルス感染症で影響を受けている企業があります。ホテル宿泊業、飲食店、旅行業などです。中でも航空会社も飛行機の便数が減って、キャビンアテンダントの方が様々なところに派遣されています。CAの方々はサービス業のプロでもあります。港区でも、こういった職種の方に学ぶべき点があると思います。港区は過去にも民間企業との交流を行ってきました。初代国際化推進担当課長は民間企業を経験された方で、その方の下で最初の港区国際化推進計画が策定されました。民間の持つ専門的分野を人事交流という場で取り入れていく必要があると考えます。そこで港区として、民間企業との異業種での人事交流の拡大を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。区長のお考えをお聞きします。  次に、指定管理者制度の在り方についてです。職員数を削減するために、効率的で専門性が高い民間事業者に公の施設の管理を委任する指定管理者制度が二〇〇三年に地方自治法が改正され、三年間の制度移行時期を経て二〇〇六年に導入されました。既に十五年もの時間がたっています。港区では現在、二百十一の施設等に指定管理者制度を導入しています。  私は、公園等や駐車場など、また専門性を要する高齢者施設や障害者施設等、住宅の管理等においては指定管理者制度が必要だと思います。しかしながら、区の条例に基づき施策に関する事業を推進する拠点施設については直営に戻すべきと考えます。中でも、港区男女平等参画条例で拠点施設としている施設、港区男女平等参画センターリーブラは港区が責任を持って運営すべきです。  港区は昨年度、港区男女平等参画条例を改正し、みなとマリアージュ制度が盛り込まれました。また、今年度から六年間の港区基本計画でも重点課題四として、多様な人が共に支え合いながら暮らす共生社会の実現とされています。港区男女平等参画センターは男女平等施策推進を実施する拠点施設であり、施策実現のための重要な施設です。しかし、指定管理者が二回も変わり、また現事業者は三事業者目であり、館長の交代や職員の処遇についても各労働組合から労働条件の改善を総務部長に要請しており、利用している区民からも改善の申入れが多い施設です。私は、職員数を削減するために指定管理者に全てを任せるのではなく、十五年たった今こそ、今後の指定管理者制度の在り方を見直し、検討していくべきではないかと考えます。区長のお考えをお聞きします。  次に、持続可能な循環型社会をつくることについてです。  まず初めに、食品ロスの削減についてです。東京二〇二〇大会では組織委員会のスタッフのお弁当を、期間中約二万食を廃棄したことについては、私たち国民にはとてもショッキングな出来事でした。環境に配慮した大会とされていたのに、組織委員会はその食品ロスについて、飼料にリサイクルするとされました。飼料にする以前に適切な発注をすべきです。  港区では、区民の食品ロス削減に関する理解と関心を深めるため、様々な普及啓発キャンペーンを展開するとされていますが、各家庭だけではなく、飲食店やホテル等にも幅広く呼びかけをすべきです。区のお考えをお聞きします。  次に、フードドライブ事業についてです。港区では区民を対象にしたフードドライブ事業を行っていますが、まだ回収できる食品が少なく、区民への周知も不足しているのではないでしょうか。このフードドライブで集まった食品は、福祉団体や子ども食堂等を通じて、食品を必要とする方々に配布されています。今後のフードドライブ事業の拡大について、また、区有施設等での回収をさらに区民に周知し、区民に利用してもらうべきと考えます。区長のお考えをお聞きします。  次に、資源回収の促進についてです。港区は家具のリサイクル展を開催しています。不要になった家具を引き取ってもらい、必要とする方が購入できる仕組みです。この事業はごみの減量にもつながる事業だと思います。最近ではその一部をネットで紹介しています。しかし、いざ購入するとなると会場まで足を運ばなければなりません。インターネットでは様々な不用品が販売されています。もっとこの仕組みが拡大できれば、港区の粗大ごみも随分減少するのではないでしょうか。そして、家具を展示する場所も不要になるのではないでしょうか。また、アプリを活用し、写真を撮ってリユースする仕組みがあれば、必要とする人がすぐに見つかるのではないでしょうか。  現在、北海道の北見市や登別市では、インターネットを通じて粗大ごみに出された家具などのリユースを行っています。処分されるはずだった粗大ごみを自治体が〇円で必要な人に提供するという仕組みです。  現在、港区では、家具リサイクルを希望した方のみ無償で家具を引き取ってもらえます。それ以外は粗大ごみに出す仕組みです。粗大ごみに出す方は家具のリサイクル展を知らない方も多いのではないでしょうか。粗大ごみに出す際に清掃事務所でリユースできると判断した場合は、リユースすることを粗大ごみの受付の際にお聞きすれば粗大ごみが削減できるのではないでしょうか。  そこで、港区としてアプリ事業者を活用した新たなリユースの活用、また、区民に対しての理解を進めることについて、区のお考えをお聞きいたします。区として循環型社会をさらに進めていただきたいと思います。  最後に一言要望させていただきます。今回質問するに当たって感じたことがあります。区の行政では、〇歳から中学校を卒業するまでは支援があり、区としても状況を把握しやすい状態にあります。そして、六十五歳以上も様々な使えるサービスがあります。その間の十五歳から六十五歳未満は生産年齢人口とされ、行政としてあまり関与できない年代です。受けられるサービスも不足しています。この方々にどうアプローチし、必要な支援をしていくのか考えさせられました。この世代の方々をトータル的に支援するところが必要ではないかと思いました。例えば十五歳以上であれば、豊島区では子ども若者課があります。港区は子ども家庭課の中に子ども青少年育成係があります。十五歳以上の方々も今回質問させていただいた課題があります。その方々が困ったときの支援先を区としても、区全体で考えていく必要があるということを述べさせていただきます。  質問を終わります。御清聴いただきまして、ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての阿部浩子議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、コロナ禍で困窮している子育て世帯の支援についてのお尋ねです。  まず、低所得世帯への継続的な支援についてです。昨年度は子育て世帯への臨時特別給付金や平日にお弁当を提供するエンジョイ・ディナー事業を実施いたしました。今年度は利用者の要望を踏まえ、食料品や日用品を選択できるエンジョイ・セレクト事業を開始し、ひとり親世帯で子ども二人の場合は毎月一万円相当、年間で十二万円相当の食料品等を支給し、支援を充実しております。今後も本事業により支援をしてまいります。  次に、エンジョイ・セレクト事業の要件の見直しについてのお尋ねです。エンジョイ・セレクト事業は、児童手当の受給者で一定の所得基準未満の世帯を対象としております。ひとり親世帯の場合は、児童扶養手当を受給している世帯に加え、コロナ禍の影響を受けて収入が激減した世帯も対象に加えております。ひとり親世帯で転職などにより収入が減少した場合は、申出により現在の収入状況を丁寧に確認してまいります。今後も引き続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大が区民生活に及ぼす影響を注視するとともに、真に困窮している世帯に適切に支援が届くよう努めてまいります。  次に、エンジョイ・セレクト事業の今後の改善についてのお尋ねです。八月にエンジョイ・セレクト事業の利用者に対しアンケートを実施したところ、約九三%の方から満足の回答があり、約九七%の方が継続を希望しております。利用者からは、「子どもが食べ盛りなのでお米がもらえて助かる」、「自宅に配達してもらえることで時間の節約になり、子どもと過ごす時間が増えた」などの御意見を頂いております。今後も、アンケート調査を通して利用者のニーズを把握して、カタログの品ぞろえや選択の範囲を広げることについて検討してまいります。  次に、子育て支援の拡大についてのお尋ねです。  まず、港区子ども医療費助成の拡大についてです。港区子ども医療費助成は子育て支援策の一環として、子どもの保健の向上と健やかな育成を図ることを目的とした制度であり、病気にかかりやすい義務教育就学期間までの児童を対象としております。義務教育修了後は医療機関を受診する割合も低くなることから、助成対象を拡大することは現在のところ予定しておりませんが、今後も様々な施策を通じて総合的な子育て支援に努めてまいります。  次に、乳幼児世帯への支援についてのお尋ねです。区では、妊娠中や出産後の様々な不安を軽減し、安心して子育てができるよう妊娠期の妊婦全員への面接や、出産後の助産師や保健師による訪問などを実施しております。支援が必要と思われる家庭には産前産後家事・育児支援や心理士による専門相談など、妊産婦の状況に応じたサービスを提供しております。紙おむつの宅配を通じた見守り支援は行っておりませんが、引き続き関係機関と連携して、支援が必要な御家庭を早期に発見し、適切な支援に確実につなげてまいります。  次に、児童虐待についてのお尋ねです。  まず、児童相談所の一時保護の状況についてです。本年四月の児童相談所開設から七月までに一時保護した児童は延べ三十五名で、そのうち二十名は児童虐待の疑いがある児童です。区の傾向としてはネグレクト家庭が少なく、虐待の疑いのある思春期の児童の一時保護が多くなっています。児童相談所では児童福祉司・児童心理司などが親子関係の改善に向け、面接や親子が互いを理解するためのプログラムに力を入れております。児童の意見を尊重しながら課題を保護者と共有し、虐待の再発を防ぎ、新しい家族の在り方を構築していけるよう支援をしてまいります。
     次に、児童相談所の課題と改善点についてのお尋ねです。児童相談所の児童虐待の対応において、通告へのリスク判断と対応、その後の継続支援における児童の心のケアと保護者支援は大変重要です。これらの対応を迅速・的確に実施し、その質を向上していくためには、職員の専門性の向上が常に課題となります。また、児童に関係する機関が虐待を発見し、児童をケアしていく能力を向上させていくことも課題です。区では、児童相談所職員の専門研修への参加のほか、家庭裁判所や警察との合同研修、医療機関対象の虐待対応研修、児童相談所主催の事例検討などを実施し、虐待のリスク判断と支援の質の向上に努めてまいります。  次に、青少年の支援についてのお尋ねです。  まず、生理用品の配付の継続についてです。区は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、経済的に困窮し生理用品の調達が困難な女性を対象に、本年三月から区有施設の窓口で生理用品を配付しています。六月末までの予定としておりましたが、七月以降も引き続き区有施設十か所の窓口で配付しております。また、七月からはエンジョイ・セレクト事業のカタログに生理用品を加え、必要とする方にお届けしております。今後は、配付実績等を踏まえ、施設での継続配付について検討してまいります。  次に、ユースクリニックの必要性と設置についてのお尋ねです。区は、青少年向けに思春期の悩みに寄り添えるよう、匿名で相談できるメールや電話相談を実施しております。思春期の子どもから学校や家庭、友人関係についての話を聞く中で、身体の発育や性の悩み、心の相談などがあった場合には臨床心理士や保健師、みなと保健所の精神科医が子どもに寄り添いながら、専門的な助言や医療機関につなげる支援を行っております。今後も子どもの様々な悩みを共に考え、思春期の子どもの支援に努めてまいります。  次に、性暴力をなくす取組についてのお尋ねです。子ども家庭支援センターでは性暴力の未然防止を目的に、本年八月に作成したデートDVについてのリーフレットを、九月初めに公私立中学校、高等学校などに配布いたしました。中学生以上は、学校の生命の安全教育の中で性暴力について触れる機会があり、このリーフレットを活用し、悩んだときに相談できる窓口などを周知啓発しております。性暴力については、保護者も正しい知識を持つことが必要なことから、今後は保護者向けの講座を実施し、親子で性暴力防止への理解をより深めることができるよう取り組んでまいります。  次に、ヤングケアラーを支援する取組についてのお尋ねです。ヤングケアラーは思春期の子どもにとって家事や妹弟の世話をしていることを友人に知られたくないなどの理由から、一人で抱え込んで周りの大人が発見しにくいことが課題となっております。今後、地域で子どもの様子にいち早く気づき支援につなげられるよう、区民向けのリーフレットの作成や民生・児童委員への研修の実施などにより、ヤングケアラーについて周知啓発してまいります。区は地域関係機関等と相互に連携してヤングケアラーを早期に発見し、子どもが孤立しないよう社会全体で支援する取組を推奨してまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねです。  まず、高齢者施設等におけるPCR検査の支援についてです。PCR検査の実施に当たっては、感染が判明した場合の業務継続への不安の声があることから、事業者に対し、検査費用の助成制度と併せて、区が感染予防物品の提供や区内の法人への応援依頼、東京都を通じた都内の法人への応援職員の派遣要請を行うことを周知し、事業者の不安解消に努めております。また、本年四月には検査費用の全額助成や検査回数の上限引上げなど、利用しやすい制度への改善を図っております。引き続きさらなる制度改善も含めて、施設等のPCR検査の積極的な受検を支援してまいります。  次に、子育て施設や幼稚園等の職員等に対するPCR検査の拡大についてのお尋ねです。PCR検査については、検査時点の感染の有無を確認するものであることや、陽性者が発生した際の施設内における感染拡大のリスク、利用者が陽性者となった場合の重症化のリスクなどを総合的に判断し、対象範囲を決定しております。  みなと保健所の調査では、デルタ株の感染例が増えている中でも、子ども関連施設内での感染拡大や子どもが重症化する傾向はなかったことから、職員等に対する定期的なPCR検査の実施は予定しておりませんが、引き続き施設等の消毒など基本的な感染対策を徹底し、感染拡大の防止に取り組んでまいります。  次に、自宅療養者に対する港区独自の支援についてのお尋ねです。区では、区独自の取組として、昨年十二月から自宅療養者への食料品等の配送を実施しておりました。本年四月には東京都の自宅療養者への食料品等の配送事業に移行し、引き続き区民の皆さんが外出せずに療養できるよう支援をしております。自宅療養者の急増に伴い、八月初旬に配送の遅延が生じましたが、八月十三日以降は東京都が体制を拡大し、依頼を受理した日から二日後には配送できている状況です。今後も、自宅療養者が安心して自宅で過ごすことができるよう東京都との連携を強化し、迅速な配送につなげてまいります。  次に、真のバリアフリー社会の実現についてのお尋ねです。  まず、バリアフリーマップの周知についてです。バリアフリーマップは、誰もが安心して外出できるよう施設のバリアフリー設備や坂道などの道路情報に加え、主な区有施設への音声による道案内などの情報をまとめたオンラインのマップで、令和二年度は約三万六千回のアクセスをいただいております。今後は、バリアフリーマップのQRコードを掲載した案内チラシを福祉施設や子育て施設などで配布するとともに、区ホームページによる情報が入手できない方には窓口で印刷し配布するなど、さらに多くの区民に活用していただけるよう努めてまいります。  次に、バリアフリーマップに関する調査結果の反映についてのお尋ねです。バリアフリーマップは毎年勾配のある坂道や点字ブロックが設置された歩道の状況等を、区が委託した港区社会福祉協議会が現地を調査し、調査結果に基づき区が情報を更新しております。今後、現地調査の結果を踏まえ、必要な改善に速やかに取り組んでいくことで、誰もが安全で安心して快適に暮らすことができる福祉のまちづくりを推進してまいります。  次に、車椅子の空き情報の効果的な発信についてのお尋ねです。車椅子ステーションは、区内の商店街、民間事業所、福祉施設などから協力を得て港区社会福祉協議会が運営しており、区内三十三か所のうち十か所では土日に車椅子の貸出しを行っております。現在、港区社会福祉協議会のホームページで、車椅子ステーションの所在地、連絡先、定休日や営業時間、車椅子の種類と配置台数を公開しております。今後、車椅子の空き情報についても発信できるよう港区社会福祉協議会とともに検討してまいります。  次に、家事援助サービスの改善についてのお尋ねです。港区社会福祉協議会のボランティアによる有償在宅福祉サービス(おむすびサービス)と港区シルバー人材センターの会員による家事援助サービスのいずれもボランティアの成り手が少ないことと、会員の高齢化や本業務への就業を希望する会員が少ないことから、担い手の不足が課題となっております。今後、担い手の確保・育成に向けた新たな取組や、本サービスの在り方の抜本的な見直しについて、区が中心となって関係団体と連携し、積極的に取り組んでまいります。  次に、災害に備えた取組についてのお尋ねです。  まず、避難すべき対象者に警戒区域を認知していただくための取組についてです。区は、日頃からハザードマップの見方や防災アプリを活用した閲覧方法等を地域の防災講座や地域防災協議会などに出向いて説明し、お住まいの地域の災害時の状況を想定できるよう周知啓発を進めております。災害情報の発令時にはハザードマップ上の警戒区域を区のホームページや防災情報メールに掲載するとともに、今年度協定を締結したケーブルテレビ放送を通じて、避難行動につながる情報を発信してまいります。今後も、区民の安全な避難行動に向けた意識啓発に取り組んでまいります。  次に、共助のための防災訓練の支援についてのお尋ねです。区では各地区総合支所が中心となり、コロナ禍においても町会・自治会などの防災住民組織が訓練を実施する際には、当日の運営支援のほか、防災物品の貸出しや使用方法の説明、感染防止のアドバイスなど、ニーズに合わせた支援や取組を行っております。また、区は、本年七月から防災士などが自ら活動を発信できるメーリングリストの運用を開始し、防災に関する講習会やイベントの案内などを互いに発信し、参加を促し合う仕組みづくりをしました。今後は、防災士が地域の共助関係の中でその知見を発揮し、訓練をサポートしていくことができるよう町会・自治会への訓練などへの参加を促してまいります。  次に、避難所の確保についてのお尋ねです。区は、新型コロナウイルス感染症の観点から避難所の収容人員について見直しを行うとともに、新たな避難所の確保に向け、都立施設や区内宿泊事業者と協定を締結いたしました。また、現在、寺社二施設とも協定締結を予定しております。今後も、新たな避難所を確保するため、引き続き都立施設や寺社、宿泊事業者との協議を進めるとともに、大学や民間事業者などへも働きかけを行い、避難所の拡充に取り組んでまいります。  次に、港区の職員の執行体制についてのお尋ねです。  まず、職員の超過勤務とメンタルヘルスについてです。区は、複雑化・高度化する行政需要に迅速かつ的確に対応するため、毎年の業務量に応じた人員を配置しております。現在、新型コロナウイルス感染症対策により超過勤務が一時的に増えております。応援体制等により縮減に努めておるところです。また、職員保健室への臨床心理士の新たな配置や、保健師の増員により相談の機会を広げたことで職員からの相談が増え、メンタルヘルス不調の早期発見につながっています。今後も、職員が意欲を持って働き続けられるよう適切に対応してまいります。  次に、人口増加に伴う職員の適正配置についてのお尋ねです。区は、区が直接担うべき業務や重点課題に取り組むべき分野には職員を積極的に配置するとともに、専門的な知識などの活用が期待できる業務には指定管理者などの民間活力や多様な人材を効果的に活用し、質の高い行政サービスを提供してまいりました。  また、新型コロナウイルス感染症のように緊急的・臨時的な対応が必要な場合は人材派遣を求めたり、あるいは会計年度任用職員を採用したり、また、年度途中の人事異動や関係部門からの応援体制などにより対応しているところです。今後も人口の増加などに伴う新たな行政需要に対応できるように常勤職員が直接担うべき業務、分野には必要な職員を計画的に採用し、適正に配置してまいります。  次に、多様な人材の受入れについてのお尋ねです。区は、行政課題の解決に必要な知識・経験を有する人材の育成と、柔軟な発想や先進的な手法を取り入れ組織の活性化を図るため、国や自治体、民間企業との人事交流や職員としての採用を行っております。民間企業については、JR東日本や独立行政法人都市再生機構から人材を受け入れ、新しい知識や専門的な技術を区の施策や取組に生かしております。今後も、民間企業等との人事交流によって多様な人材を受け入れ、専門的なスキルやノウハウを区に蓄積することにより、港区ならではの質の高い行政サービスを実現してまいります。  次に、指定管理者制度の在り方についてのお尋ねです。  区は、様々な種別の公の施設に指定管理者制度を導入し、事業者などが有する知識や専門性を生かした事業の実施、効率的で効果的な施設運営など利用者のサービス向上に努めてまいりました。区は現在、これまで指定管理者制度を導入した施設の効果や課題を整理し、利用者のみならず事業者の意見や第三者による外部の視点も幅広く取り入れ、より一層利用者のサービス向上につながる指定管理者制度の運用の在り方について検討しております。  次に、持続可能な循環型社会についてのお尋ねです。  まず、食品ロス削減の周知についてです。区では食品ロスを削減するため、食べきり協力店の登録店舗数の拡大、食べ残しをなくすための30・10(さんまる・いちまる)運動や、食べきり強化月間などの普及啓発等、様々な取組を積極的に進めております。  本年四月には港区食品ロス削減推進計画を策定し、この計画に基づき区民に向けた啓発の強化と併せ、独自の創意工夫によって食品ロス削減に取り組む事業者を表彰いたします。また、食品ロス削減に有効な手法などを解説したハンドブックを作成し、区内飲食店や小売店に配布、配信するなど、事業者に向けた啓発も強化してまいります。  次に、フードドライブの拡大と区民等への周知についてのお尋ねです。区は、家庭で不要となった未利用食品を回収するフードドライブの受付窓口をこれまでの各地区総合支所などに加え、今年度からエコプラザ、白金台いきいきプラザなどの四か所を増設して十一か所に拡大し、区内の子ども食堂や港区生活・就労支援センター、フードバンクなどに提供しております。今年度から増設した窓口では、夜間や土曜日、日曜日なども受け付け、利便性を向上させております。今後も、国民の皆さんから提供いただいた未利用食品を効果的に活用するために、新たな提供先について検討するとともに、食品を必要とする方に確実に情報が届くよう区ホームページなどで周知に努めてまいります。  最後に、リユースの拡大と区民等への周知についてのお尋ねです。区は、家庭で不要となった良質の家具を無料で引き取り有償販売する家具のリサイクル展を実施しております。今年度からは、これまでの平日と土曜日に加え、年五回程度日曜日の臨時開館を行い、区民などの利用者に好評をいただいております。今後も家具のリサイクル店の充実を図るとともに、使用可能な家具は粗大ごみとして処分せず、リユースが可能であることについて様々な広報媒体を活用し周知に努めてまいります。また、インターネットを活用して商品を紹介するなど、利用を促進するための新たな仕組みについて検討してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(浦田幹男君)登壇〕 ○教育長(浦田幹男君) ただいまのみなと政策会議を代表しての阿部浩子議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、子どもたちが修学旅行に行くことができる支援についてのお尋ねです。  例年多くの学校が就学援助認定前に修学旅行を実施しており、就学援助の支給を予定する保護者には修学旅行費を一時的に負担いただいております。就学援助の修学旅行費を区が直接旅行代理店に振り込むことは、現行の仕組みでは就学援助認定前に振り込むことができないなどの課題があります。御提案の趣旨も踏まえ、他自治体の負担軽減策の事例も収集し、効果的な支援の在り方について検討してまいります。  次に、小・中学校の一斉の臨時休業の影響についてのお尋ねです。  昨年度の臨時休業明けに教育委員会が行った児童・生徒対象のアンケート調査では、休業明けの友人関係に不安や悩みを抱える児童・生徒が多く、各学校ではスクールカウンセラーによる全員面接を実施するなど、きめ細かに対応してまいりました。  また、感染症対策のため、宿泊行事などの学校行事は、従来どおりの実施はかないませんでしたが、各学校では様々な工夫により、日帰り遠足など代替の行事等で体験する機会を確保してまいりました。今後も、感染症状況を踏まえ、対面とオンラインを併用するとともに、各学校での効果的な取組を広く共有し、感染対策と学びの保障や児童・生徒の心の悩みを両立し、児童・生徒の不安や悩み、学校生活に対する期待に応えてまいります。  次に、給付型奨学金制度についてのお尋ねです。  まず、給付型奨学金制度の見直しについてです。給付額の基準は、国の高等教育の就学支援制度による授業料、入学金の減免分と学業専念のために必要な生活費を賄えるための学資支給を合わせた額を上限としております。給付型と貸付型の併用者に聞き取りをしたところ、生計維持者が一人、かつ、兄弟で在学しているなど個別の事情がありました。国の支援制度は施行四年経過後に所要の見直しを行う予定です。区の給付型奨学金制度においても国の動向を踏まえ、奨学生の実情をより詳細に把握し、必要な見直しを行ってまいります。  最後に、給付型奨学金制度の周知についてのお尋ねです。給付型奨学金制度開始に向け、令和二年十一月、進学予定者向けに二十三区公私立高等学校約三百校に募集案内を送付し、本年三月には、進路選択の幅を広げていただくため、区立中学校卒業生の保護者に奨学金制度紹介パンフレットを配布しました。今年度、給付型奨学金制度の案内を新たに作成し、全国の公私立大学約三千校に送付し、大学生にも広く周知をする予定です。あわせて、区の子ども関連の事業周知の機会に制度を紹介するなど、区長部局とも連携し、支援を必要とする家庭での子どもの進路検討に役立つよう積極的に周知をしてまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○副議長(なかまえ由紀君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                        午後四時十四分休憩                                        午後四時四十分再開 ○議長(清原和幸君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  お諮りいたします。議事の運営上、あらかじめ時間を延長いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(清原和幸君) 御異議なきものと認め、時間は延長されました。             ─────────────────────────── ○議長(清原和幸君) 一般質問を続けます。次に、三十一番杉本とよひろ議員。   〔三十一番(杉本とよひろ君)登壇、拍手〕 ○三十一番(杉本とよひろ君) 令和三年第三回港区議会定例会に当たり、公明党議員団を代表して、武井区長並びに浦田教育長に質問をいたします。  この夏、静岡県熱海市をはじめ、九州や西日本地方を襲った豪雨災害、そして新型コロナウイルス感染症に感染し、お亡くなりになられた方の御冥福と、入院治療をされている方の一日も早い御回復を心よりお祈り申し上げます。  これからも脅威とも言える自然災害や感染症などの危機に直面している方に対して、区が一丸となって総力を挙げてこの難局を乗り越えていかなければなりません。大きく揺れ動くこの時代、私たち公明党議員団は、今こそ、決して区民の誰一人取り残すことなく、寄り添いながら、現場の声、生活者の声に耳を傾け、小さな声が国政や都政、そして区政に届くよう公明党のネットワーク力を発揮して取り組んでまいることを、改めて決意を申し上げて質問に入ります。  初めに、令和四年度予算編成方針についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の感染再拡大によって、先行きの不透明感がますます強まっていく中、景気は一進一退の状況を繰り返しております。内閣府が先月八月十六日に発表した二〇二一年四月から六月期の国内総生産、いわゆるGDPの速報値では、物価変動の影響を除いた実質GDPが今年の一月から三月期と比べ〇・三%増、GDPの半分以上を占める個人消費は〇・八%増と伸び悩んでいます。また、家計の実感に近い名目GDPの成長率は〇・一%増、年率換算で〇・二%増となります。  政府は、新型コロナウイルスワクチン接種の広がりによって、年内にコロナ禍前の二〇一九年十月から十二月期の水準まで回復すると見込んでいましたが、七月以降はデルタ株の感染拡大により、回復が鈍くなるとの見方も出ています。現在、東京を含めた二十一都道府県では緊急事態宣言が発令中であり、区の歳入の根幹をなす特別区民税や地方消費税交付金などは個人消費に大きく左右されるため、今後の経済情勢の低迷によっては区財政にも影響を与えることが予測されます。このような状況の中、区は先月、令和四年度の予算編成に当たっての基本的な考え方を示す予算編成方針を発表しました。  そこで質問は、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、これから予算編成を行うに当たっては大きな影響を及ぼすものと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  また、予算編成方針では、まちににぎわいがあふれ、全国をリードし輝き続ける港区を実現する予算をテーマとして掲げております。新型コロナウイルス感染症の影響から区民の命と健康を守り、まちのにぎわいを加速するための施策をはじめとして、五つの重点施策を定めていますが、この重点施策にかける区長の思い、決意についてお伺いいたします。  次に、将来を見据えた持続可能な財政運営を行う区の基本姿勢についてお伺いいたします。  戦後最大の危機に直面しているコロナ禍にあって、急速な景気の悪化に伴い、先ほども申し上げましたが、今後、区の財政運営を支える特別区民税収入の大幅な減少が懸念されるところであります。区は、過去のリーマンショックの際にも三年連続、税収の大幅な収入減を経験いたしましたが、こうした危機的状況下にあっても、区民生活や地域経済を守るため機動的な財政出動を行うとともに、積み立ててきた基金を活用し、将来世代に過度な負担を残さないよう、計画的な財政運営を徹底するなどして厳しい難局を乗り越えてきました。  本年度からスタートした向こう六年間の指針となる港区基本計画では、首都直下地震や台風などの自然災害、新たな感染症など、様々な脅威を想定して、あらゆる危険から区民を守り、安全・安心で強靱な都市を形成していくための具体的な区政の道筋と計画期間における財政の見通しが示されています。しかし、新型コロナウイルス感染症との闘いは長期化していくことを覚悟しなければなりません。  今回の財政見通しの策定に当たっては、区は、政府が昨年七月に発表した中長期の経済財政に関する試算を参考にしたとのことでしたが、今年七月に見直されたこの試算でも、今後の実質GDP成長率は昨年の試算から大きく上向いてはおりません。いかなる減収局面においても、これまで築き上げた財政基盤を継承しつつ、いかにして区民一人一人に日常生活の隅々にまで目の行き届いた質の高い行政サービスを維持し、提供していくのか、区の姿勢が問われるところであります。したがって、時代の変化に対応した行財政運営を実現していくため、これからの財政運営のかじ取りが大変重要となってまいります。  そこで質問は、様々な社会情勢の急速な変化に対して、積極的かつ戦略的な財政運営を展開していくため、将来を見据えた持続可能な財政運営を行う区の基本姿勢についてお伺いいたします。  次に、防災対策について、二点お伺いいたします。  第一点は、豪雨災害に備えた避難対策についてです。近年の災害は激甚化、頻発化し、その兆候が見えにくいものが多くなっています。この夏、列島各地で激しい雨が長く続き、静岡県熱海市で大雨による大規模な土石流が発生。また、熱海市以外でも、九州豪雨や西日本豪雨も同じ場所に長時間、大雨を降らせる線状降水帯が被害を拡大させ、中国地方などでは避難情報の最高レベルである緊急安全確保が発令され、記録的な大雨によって甚大な被害が発生いたしました。  ここ近年、地球温暖化の影響により、豪雨災害が毎年のように発生していますが、土砂崩れや洪水の原因となる線状降水帯は、その発生予測が難しく、想定することが困難と言われています。そこで気象庁は、本年六月十七日、雨量や雨域が基準を満たす場合に発表する、顕著な大雨に関する情報の運用を開始しました。これは、できるだけ見える化して、住民に早めの警戒を促し、事前の備えや避難行動につなげることを目的としています。災害が発生したり、発生するおそれがあるとき、命を守るためには、一人一人がこうした気象情報や自治体が発令する避難情報に注意を払うことは何よりも重要であり、早めの避難を心がけることが大切となります。  一方、自治体に求められるのは、常に的確な情報発信であります。土砂災害や洪水の危険性は、その地域によって大きく異なります。現在気象庁では、気象台の危険認識する内容を各自治体と適切に共有できるようにするため、平時から様々な関係づくりを進めていると聞いております。  そこで質問は、風害や水害が発生した際、区民の的確な避難行動を促すためには、防災気象予測の専門機関である気象庁気象台の知見を生かした取組が必要と考えますが、災害時に備え、現在どのような連携を進め、区として活用していくのか、見解をお伺いします。  第二点は、オンラインによる防災訓練についてお伺いします。大震災の備えとして地域防災力を高めるため、区が例年、各地区で実施してきた港区総合防災訓練は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、昨年に続いて、今年も中止が決定いたしました。こうしたコロナ禍にあって、オンライン等を活用した防災訓練として、地震の際に安全確保の行動を身につけるシェイクアウト訓練が今、注目され始めています。シェイクアウト訓練とは、二〇〇八年にアメリカで始まった地震防災訓練で、地震を振り払う一斉防災訓練と訳されています。  訓練内容は、地震の際、命を守る三つの行動として、姿勢を低くする、頭、体を守る、揺れが収まるまでじっとしているという動作を、放送塔などからの合図で、約一分間で行うもので、誰でも、どこでも、気軽に、簡単に、そのときにいる場所で一斉に行う防災訓練です。さらに、シェイクアウト訓練で身の安全を確保できたら、その後、次に取るべき行動、例えば備蓄物資の点検など、それぞれの生活場面によってプラスワンの意識啓発のきっかけを訓練に加えるなどして、参加しやすいのが大きな特徴となっております。現在、特別区におきましては、千代田区、台東区、世田谷区、大田区、杉並区、そして北区の六区が認定組織として登録されています。  そこで質問は、オンライン等の活用によって、誰もが参加しやすく、防災知識を身につけ、防災意識を高める効果的な訓練として、区としてもシェイクアウト訓練を導入してはいかがでしょうか。区長の見解をお伺いします。  次に、新型コロナウイルス感染症患者の自宅療養者への対応と医療提供体制の構築についてお伺いいたします。  全国各地で厳しい感染状況が続く中、入院・治療を必要とする人が自宅待機を余儀なくされるケースが増えており、首都圏においては災害並みの医療逼迫に直面している状態です。そこで喫緊の課題は、感染拡大防止対策と並行して医療提供体制の構築が急務となっています。現在、病床使用率が深刻な状態を招いている中、入院は重症者や重症化の高い人に、中等症患者はホテルなどの宿泊施設、軽症患者は自宅療養を原則としています。しかし、自宅療養は、同居する家族との家庭内感染や、患者がひとり暮らしで容体が急変した場合、治療が遅れて重症化するケースも増えており、適切な医療にいち早くつなげていくことが強く求められています。  そこで区は、自宅療養中に酸素療法による治療が必要な患者に対して、適切な医療につなげるまでの間、緊急対応として、先月八月三十日より酸素ボンベを配達する取組をスタートさせたことは、二十三区初の取組として大変評価いたします。現在区では、医師による往診やオンライン診療も行われていますが、状態に応じては、医師や薬剤師、訪問看護師らが連携を図るなど、重層的な体制を構築し、命を守るための適切なフォローが必要と考えます。  そこで質問は、なかなか目の届かない自宅療養者に対して、命を守る観点から、より一層、医療につながる支援の強化を図ることが重要と考えますが、今後、区の対策強化について見解をお伺いします。  また、自宅療養者を支えるため、生活物資の配布や自宅療養中の見守り支援は極めて重要です。本年二月のいわゆる改正感染症法においても、都道府県が自宅療養者に対して食事の提供や生活支援をする場合、必要に応じて区市町村と連携するよう努めなければならないとされています。現在区では、自宅療養者を支えるため、東京都自宅療養者フォローアップセンターから血中酸素を測定するパルスオキシメーターの配布や、外出せずに療養できるよう七日分の食料品が送られています。しかし、これで全ての自宅療養者の安全を見守ることは、マンパワーの点から見ても極めて厳しく、保健所が全て対応するのも限界があるのではないでしょうか。  そこでお伺いいたしますが、自宅療養者が置き去りにされたり、網の目からこぼれ落ちることがないよう、保健所と庁内関係部署との連携を図りながら、切れ目のない見守り支援が欠かせません。今後の見守り支援の強化について、区長の見解をお聞かせください。  墨田区では、これまで重症者・入院待ちゼロを続けていると聞いております。その主な取組として、一つ目は保健所の人員を増やして早めの検査・治療や自宅療養者の経過観察の徹底。二つ目は、二回目の新型コロナウイルスワクチン接種を全世帯の八三%が九月末までに打ち終える予定で推進。三つ目は、新型コロナウイルス感染症専用病床の拡充と症状が回復した人が移れる病床の整備などが功を奏していると分析しています。  この墨田区モデルの成功の鍵は、これまで災害時を想定して、区、保健所、医師会、薬剤師会、住民らが連携してきた地域力によって充実した医療提供体制が実現していると墨田区の保健所長は述べられています。こうした成功事例を参考にしながら、行政や地域の医療などと連携し、知恵を出し合い、あらゆる資源をフルに活用して、重症化させない充実した医療提供体制の構築を図っていくべきと考えますが、区の見解をお伺いします。  次に、新型コロナウイルス感染症に感染した妊婦の対応についてお伺いいたします。  先月、千葉県柏市で妊婦が入院できず自宅で早産した新生児が死亡する痛ましい事案が発生しました。新型コロナウイルス感染症に感染した妊婦や重症化リスクの高い人が早期に入院できる体制の整備が早急に求められています。  総務省消防庁は八月二十三日、全国の消防機関に対し、都道府県から受入れ可能な医療機関のリストを共有し、妊婦の受入先を円滑に選ぶため提供してもらえるよう要請しました。しかし、これだけでは、患者が増えると、感染した妊婦の受入先が少ないことにより、同様の事案が発生することが危惧されます。  東京都は八月二十三日、新型コロナウイルス感染者の受入れに対し、全ての医療機関が協力することを要請しましたが、産科医療機関については、特に速やかな実施が望まれるところであります。  そこで質問は、新型コロナウイルス感染症に感染した妊婦の受入対応について、この要請を実現させるために、区としても産科医療機関など区内の医療機関への働きかけをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。区長の見解をお伺いいたします。  次に、保健所機能と体制強化についてお伺いいたします。  現下の感染状況が続く中、保健所に絶え間なくかかってくる電話の対応や、様々な調整に日々追われている保健所職員の皆様には、本当に頭が下がる思いでいっぱいです。みなと保健所の職員はもともと二十人体制でしたが、今年一月の第三波による二回目の緊急事態宣言の際に、保健所職員を八十人体制に、新型コロナウイルスワクチン担当を含めると百四十人体制に増員されましたが、現在、第五波による感染者が毎日続いている現状では、ぎりぎりの状態で業務を回していると伺っております。  新型コロナウイルス感染症に関して、保健所が抱える業務は、区民からの健康相談や自宅療養中の健康観察、体調が急変した場合の受入先の病院手配、夜間は消防庁が救急要請を受けた新型コロナウイルス感染症患者の入院調整、さらに感染者が発生した場合の積極的疫学調査など非常に多岐にわたっており、業務の逼迫が懸念されるところであります。  そこで質問は、感染拡大への対応や、今後、冬場の第六波への備えとして、煩雑な保健所の業務をできるだけ効率よく簡素化していくためにもITの活用や、マンパワーを増やして保健所機能と体制強化を図るべきと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、若者世代への新型コロナウイルスワクチン接種率向上への取組についてお伺いいたします。  七月十二日から四回目となる緊急事態宣言が発令されて二か月近くが経過しましたが、災害級レベルでの感染状況が続く非常事態となっています。この事態を収拾する切り札の一つがワクチン接種であります。したがって、十二歳以上の接種を少しでも早期に完了することが必要であり、接種率向上に向けた取組が急務となっております。  区では、ワクチンを二回接種した人は、昨日九月八日時点で接種対象人数全体の六〇%を超えており、そのうち六十五歳以上の高齢者は八七・八%と希望者のほぼ全員の接種が完了。そして現時点では、六十四歳以下の接種を希望する対象者全てに九月中を目標に終える予定で進めています。とりわけ重要なのは、二十代から三十代の若い世代の二回目接種率が四〇%台で、東京都の新規感染者の約七割近くを占めており、行動範囲の広いこの世代に対してワクチン接種を進めていくことが、感染拡大を抑える大きな鍵となってまいります。  東京都では、先月八月二十七日から都内の在住、在勤、通学している十六歳から三十九歳までを対象にしたワクチン接種会場を渋谷区内に開設しましたが、一日の接種枠をはるかに超え、接種できなかった人が多く出たという事態が発生し、接種を望む若者が非常に多いことが明らかになりました。接種したくてもできない現状については、若い世代を対象とした接種機会を増やしていく工夫は大変重要であります。  その一方で、ワクチン接種を希望しない割合が若い世代ほど高いことにも目を向ける必要があります。独立行政法人経済産業研究所の分析調査によれば、接種をしないつもりと答えた割合が十八歳から二十九歳では一七・五%に上り、六十五歳以上の三倍を超えたとのデータがあります。その主な要因として、感染しても軽症で済む、副反応が怖いとの理由から接種を避けていると見られています。また、副反応については、SNSなどに拡散するデマの情報を信じている場合もあります。  区は、若い世代の接種予約の出足が高齢者と比べて鈍い中、これまでも子を持つ保護者向けにメールの配信やチラシを配布するなどして呼びかけを行っていることは承知しておりますが、これからも様々な工夫を凝らしながら、接種率向上に努めていくことが必要と考えます。  そこで質問は、若い世代の接種機会を増やすことや、ワクチンの正しい情報と健康被害に対する救済措置など、不安解消に向けた情報発信をさらに強化していく必要があるのではないでしょうか。若者の接種率向上につながる取組について、区の見解をお伺いします。
     次に、シルバー人材センターの仕事の確保、適正就業推進への取組についてお伺いいたします。  令和三年度の東京しごと財団シルバー人材センター事業計画には、令和二年度の状況を踏まえ五つの重点的な取組が示されております。一つ目は安全就業の推進、二つ目には会員拡大の推進、三つ目には就業機会の確保、四つ目には適正就業の推進、五つ目には事業運営に関する援助及び育成等で、この中で会員の拡大、就業機会の確保については、コロナ禍により東京全体で令和二年度は約二千人弱の会員が減少していることから、新規会員がシルバー人材センターを活用する企業の増加を図るため、周知・広報や職場での就業体験を行う。そして、厚生労働省から委託を受けて、高齢者活躍人材確保育成事業という技能講習を実施するとしております。  港区においては、第一弾として、九月十六日に整理収納セミナーが開催されます。まずはシルバー人材センターを知っていただくことと、シルバー人材センターへの入会、入会後の就業を目的としています。整理収納の技を伝授された方がシルバー人材センターの会員となり、お片づけのプロとして多くの港区民のお役に立って働いていただくことを期待しているところです。  そこで、港区ではコロナ禍で仕事量が一割弱減少しているとのことですが、今後、仕事の確保をどのように行っていくのか、区長のお考えをお伺いします。  さらに、適正就業の推進においては、契約書類の適正化、就業実態の把握、文書による指導等の巡回指導により適正就業を推進するとしています。すなわち、契約書や関係書類は整っているか、契約書に書いていない仕事内容を行っていないか、発注者が会員に作業内容やシフトを直接指示していないかなどが挙げられています。  仕事の発注者とシルバー人材センターとの契約には、請負契約と派遣契約があります。請負契約は、発注者とシルバー人材センターとで契約を交わします。したがって、シルバー人材センターと会員との間には雇用関係はなく、再請負の形で仕事を提供し、会員はシルバー人材センターから配分金を受け取ります。発注者から会員への仕事の指揮命令権はありません。一方、派遣契約は、発注者と東京シルバー人材センター連合である公益財団法人東京しごと財団とで派遣契約を交わします。東京しごと財団と会員は労働契約を交わし、会員は東京しごと財団から賃金を受け取ります。派遣労働者となるため、発注者は会員への仕事の指揮命令権があります。このように多様な働き方があることは会員にとって選択肢が広がり、望ましいものと考えますが、働き方の形態によって勤務条件や指揮命令系統が異なることを会員が理解していない場合には、現場において困惑する場面が多くなるのではないでしょうか。会員の皆さんが生活の安定や健康維持・増進だけでなく、生きがいを持って気持ちよく働くためには、自分とシルバー人材センターとの関係、自分と発注者である仕事先との関係を理解することが必要だと思います。  そこで、港区シルバー人材センターにおける勤務形態の多様化が進む中、安心して高齢者の区民が働くことができる環境づくりに向けて、当センターを指導する立場の港区として、どのように適正就業の推進に取り組んでいかれるのか、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、医療的ケア児及びその家庭に対する支援に関する法律の施行を踏まえた課題認識と相談窓口の設置についてお伺いいたします。  この法の基本理念には概要、次の五点が掲げられています。 一、医療的ケア児の日常生活や社会生活を社会全体で支えること。 二、一般児童とともに教育を受けられるよう最大限の配慮と、医療、保健、福祉、教育、労働等関係機関との連携の下、切れ目なく支援すること。 三、高校卒業後も適切な保健医療及び福祉サービスを受けられるように配慮すること。 四、施策を講じる場合には、医療的ケア児及びその監護者の意思を最大限に尊重しなければならないこと。 五、居住する地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられるようにすること。  その上で、国や地方公共団体の責務と、保育所や学校の設置者の責務も明記されました。  港区ではこれまで、医療的ケア児に関する支援は、在宅レスパイト事業、居宅生活支援事業、元麻布保育園医療的ケア児クラス、教育の場での医療的ケアを担う看護師配置及びスクールカーや学校送迎支援事業、通所事業と、確実に多岐にわたり施策を実現されていることは大変高く評価しています。しかし、法の目的にもある家族の離職の防止をするための支援、卒後の居場所、短期入所などについての課題もあるのではないでしょうか。  そこで、法の施行を踏まえ、医療的ケア児及びその家族への支援の施策について、現在の課題についてどのように認識しているのか、区長の御見解をお伺いいたします。  また、二十四時間三百六十五日、医療的なケアをしている御家族からは、区に相談に行く時間も体力もないという声を度々耳にします。特にNICUなどから在宅となったときには、どんな支援があって、自分に当てはまるものは何なのか、何を相談したらよいかさえも分からない状況と伺いました。御家族の話をじっくり聞いて、困り事は何なのかを明確にして適切な支援につなげていく、将来の不安についても寄り添いながら支援のメニューを示す、御家族にとってはいつでも話せる人、話せる場所が必要ではないでしょうか。支援法第十二条には相談体制の整備もうたわれています。これは東京都が担うものと認識しておりますが、各自治体での支援サービスは異なります。身近な基礎自治体として、相談窓口を開設することが必要と考えます。  世田谷区では医療的ケア相談支援センターを先月開設いたしました。医療的ケアが必要な本人や家族だけではなく、関係機関等からの相談も受け付けています。また、家庭や通院・通所先などへも訪問し、医療機関や訪問看護ステーション、福祉サービスの事業所、保育園や学校など地域の関係機関とチームを組んでサポートするとのことです。  そこで、医療的ケア児支援法を踏まえ、ライフステージに応じた医療、保健、福祉、教育、労働等に関する情報提供や助言、さらに関係機関と連携できる医療的ケア相談窓口を港区で設置することについて、区長の見解をお伺いいたします。  次に、施設予約システムの登録手続と利用要件の緩和についてお伺いいたします。  港区には、会議やミーティング、展示、講座や教室など、区民がよりよい生活を送るため利用できる区有施設が様々あります。現在は、インターネットを活用し、パソコンやスマートフォンの画面上で抽せんの申込みや予約ができるだけでなく、その施設の空き状況なども確認できるようになり、区民にとってより利用しやすい環境が整えられています。  一方で、施設の利用登録は窓口での手続が必要であり、システム利用登録を行った施設以外の、別の施設を初めて利用しようとするときは、利用登録要件を満たす場合でも、事前にその施設窓口でシステム利用カードを提示し、施設個別の利用登録申請を行うとされており、施設ごとに利用登録の申請が必要となっています。例えば、いきいきプラザの利用登録をした人が区民センターを利用するためには、改めて区民センターの窓口で登録の申請が必要となります。申請理由や利用要件がほぼ同じ内容であっても、現在は二度利用登録を行わなくてはならず、その都度施設に出向く必要があり、利用者に負担がかかります。  これまで施設予約をする際の負担が、施設予約システムが出来上がったことで改善されたことは大変評価していますが、登録申請や利用要件に関して改善を求める声をいただいています。所管する課が異なる施設であっても、その利用目的が類似するものである場合、登録する際の条件を統一化し、一度の手続で利用可能な施設の登録ができるように要件を広げることや、登録に当たってはデジタル化を進め、窓口に足を運ぶ負担を軽くするようなシステムにしていただくことを期待いたします。  そこで質問は、施設の利用登録手続の改善と利用要件の緩和の必要性についてどのようにお考えなのか、区長のお考えをお伺いします。  次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーの継承と施策への活用についてお伺いいたします。  オリンピック競技大会は七月二十三日から八月八日まで、パラリンピック競技大会は八月二十四日から九月五日までの日程で、それぞれ開催されました。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行と、東京都に緊急事態宣言が発出されている中、ほとんどの競技が無観客の会場で行われるなど、異例ずくめの大会として、これから先、長く語り継がれていくことと思います。  大会については、新型コロナウイルス感染症の拡大により中止を求める声も上がっており、複雑な思いもありましたが、私は、世界各国から集まったアスリートたちが全力を尽くし見せてくれた力と技は、多くの方に感動を与え、テレビ画面などを通じて世界に勇気と希望を届けてくれたことに間違いないと思っています。改めて、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の選手全員と、大会を支えていたボランティアの皆様に心より拍手を送り、たたえたい気持ちでいっぱいです。  東京二〇二〇大会では、多様性と調和を基本ビジョンの一つに掲げ、難民選手団や性的少数者(LGBT)であることを明かした選手の参加、男女平等を進めるために混合種目も増え、大会全体で女性の活躍も目立ちました。  また、共生社会の実現という意義が込められたパラリンピックでは、百六十三の国・地域と難民選手団から史上最多の四千四百五人の選手が参加し、人間の多様性を認め合う、またとない機会となったのではないでしょうか。私は、今回の大会を通じて、多くの国民が多様性や調和、共生を認め合う社会へと変わる契機となることを切に望んでおります。  そして、東日本大震災から十年という節目に当たり、大会は、もう一つの大事な視点である復興五輪とも位置づけられておりました。新型コロナウイルス感染症の影響によって、世界中の人々に東北地方を中心とした復興の様子を直接見てもらうことはかないませんでしたが、表彰式で各国のメダリストに被災地の花を用いたビクトリーブーケが贈られたことや、選手村の食事に被災地の様々な食材が使われたことは強く印象に残りました。コロナ禍で様々な困難を抱える中、それを乗り越え、厳しい状況であっても大会を開催できた意義は非常に大きかったと言えるのではないでしょうか。  区では、大会の開催に至るまでのこれまでの間、気運醸成に向けたイベントの開催や大会に関わる様々な取組を行うことで多くの成果を上げてきたと思います。  そこで質問は、区は、大会を契機としたこれまでの取組を踏まえ、スポーツ振興や国際交流などの様々なレガシーをどのように未来へ継承し、区の施策に生かしていくお考えなのか、区長の見解をお伺いします。  また、教育の観点から、新型コロナウイルス感染防止のため、学校連携観戦プログラムとしての参加は見送られましたが、児童・生徒が選手の活躍やお話など、テレビ画面やオンラインで観戦し、感想を語り合うことや、また、大会終了後も継続してパラスポーツを体験するなど、学校現場では様々な工夫を凝らしながらオリンピック・パラリンピック教育を繰り返し行っていくことが、多様な時期の児童・生徒に与える意義は大変大きいと思います。  そこで質問は、私自身、オリンピックやパラリンピックの教育効果は非常に大きいものと思っておりますが、その効果を踏まえ、子どもたちの可能性を育むために、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーをどう受け継ぎ、これからの教育に生かしていくのか、教育長の見解をお伺いいたします。  次に、コロナ禍において学びを止めないための取組についてお伺いいたします。  緊急事態宣言が発令中、各学校では九月より進学期を迎えました。最近では子どもの感染も増えており、学校現場ではこれまで以上に警戒を強めていく必要があります。感染力が強いデルタ株は、子どもを介して家庭内で親に感染するケースも出ており、現時点で十二歳未満の子どもは、ワクチン接種の対象外となっているため、保護者や教職員など周囲の大人が積極的にワクチン接種を受けることが重要であります。  八月二十五日、政府は基本的対処方針を改定し、文部科学省は学校現場での感染を防ぐため、さらなる感染症拡大防止を図ることとしました。今回の改定では、国は抗原検査キットを学校に配布し、教職員が小学校四年生以上の児童・生徒の体調や熱などの症状を見て、早期に検査し、学校現場内での感染を食い止めることとしています。また、東京都では、学校でのPCR検査等への支援を打ち出すなど、新たな支援で感染拡大防止に取り組もうとしています。  現在区では、小学校や中学校の職員室でのアクリル板の設置やサーモグラフィーの設置、手洗い場等の自動水栓化など、各学校の現場に応じた対策が実施されています。また、児童・生徒に対しましては、手洗いやアルコール消毒、三密回避など基本的な対策なども徹底されていますが、もう一歩進めるとすれば、布やウレタンマスクと比べ不織布マスクとの効果の違いが明らかになっていますので、教職員はもとより、児童・生徒に対して不織布マスクの啓発なども必要かと思います。学校における感染防止に向けた取組の徹底が必要な一方で、新型コロナウイルス感染症との闘いは長期的に見ていかなければなりません。現下のコロナ禍において、子どもたちの学びの保障についての対応や対策については常に考えておくことが重要であります。  そこで質問は、新型コロナウイルス感染症の長期化も視野に入れ、この先の感染状況の拡大なども想定し、児童・生徒の学びを止めないための取組について、教育長のお考えをお伺いします。  次に、心のケアの取組についてお伺いいたします。  長引くコロナ禍の中、若者の自殺が増えています。厚生労働省の自殺統計では、本年一月から六月に自殺した小学生から高校生は二百三十四人で、過去最多だった昨年同時期の二百三人を上回っています。二〇二〇年に十年間減少していた自殺者数が増加に転じており、数が増加していることは大変痛ましく思います。  その原因について、これまでも見られていた、進路の悩み、学業不振、鬱病など病気の悩みに加えて、新しく、親子関係の不和が現れてきています。これは新型コロナウイルス感染症の蔓延で、親の働き方として自宅でのリモートワークや要請に応じた休業などが加わるなど、家庭内における環境の変化、また、飲食業や宿泊業、パート労働者など苦境の状態にある家庭内での親子関係に影響が出ているものと見られています。長期にわたる新型コロナウイルス感染症のストレスが人々にかかり、大人社会の閉塞感が立場の弱い女性や子どもの居場所を狭くしているのではないかと危惧されます。  他方、学校においては、多くの人が密集せず、近距離での会話に注意して、飛沫防止シートの活用や給食の黙食など、取れる限りの細かな感染予防対策を行っております。さらに部活動や遠足、文化祭などの行事や校外活動において、時間や範囲を制限しての学校生活が続いております。そのため、これまでのように学友とともに一つのものに取り組み、何かをやり遂げるといった活動ができにくく、友達との会話が一番楽しいはずのこの学生時代に残念なことであります。学びの生活での触れ合いや心のつながりが希薄になることでの孤独感や疎外感が、今後の人格形成にも影響を及ぼすのではと心配します。  現在学校では、生徒の不安定な心の異変を察知して寄り添い、面談・相談に対応する体制が取られており、校内ではスクールカウンセラーが、家庭の環境を含めての整理はスクールソーシャルワーカーが、また教育センターの教育相談では本人だけでなく家庭内の子育てについても広くサポートを行っております。様々な場面で子どもたちが心の健康を保つことができるよう、これからも期待するところであります。  そこで質問は、長引くコロナ禍の中で、子どもの心の健康や健やかな学校生活、家庭内の問題の整理がさらに重要となります。子どもたちや保護者の心のケアについて、どのような取組を進めていくのかお伺いいたします。  最後に、羽田新飛行経路の固定化回避についてお伺いいたします。  昨年三月二十九日、羽田空港機能強化のため新飛行ルートの運用が開始され、十五時から十九時の間、南風時におよそ三時間程度、港区上空を旅客機が飛ぶようになりました。現在も多くの区民からは騒音と落下物の不安の声をいただいております。  私たち公明党はこれまで、昨年五月二十八日に、港、目黒、品川、三区の公明党議員の代表が新経路の固定化回避に向けた要望書を赤羽国土交通大臣に直接提出。また、時を同じくして翌日、五月二十九日には武井区長が国土交通省へ、新ルートに限らず、羽田空港の飛行経路に係る様々な運用を検討するよう要請。港区議会としても羽田新飛行に関する意見書を平成十六年より八回にわたり提出し、区を挙げて地域の声を国へ届けてまいりました。  国土交通大臣は、昨年六月三日に検討会の設置を表明し、六月三十日に第一回目の羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会が開催され、これまで計四回実施されました。その中では、固定化回避に向けた新たな技術案が十二か所示され、短期に実現可能な観点から、現在二つの案にまで絞られております。  この間、自民党議員団の働きかけに公明党議員団も協力し、麻布地域・高輪地域の町会や自治会の代表と国土交通省との懇談会を設け、固定化回避に係る検討会についての説明を受けるとともに、直接住民の声を届けてまいりました。参加された方からは、説明を受け、少し安心したとの声も聞かれました。これからもさらに自民・公明両党で協力し、地域の声に寄り添ってまいります。  区は、昨年七月に開かれた交通・環境等対策特別委員会の審議において、この検討会の開催について、「区民の騒音等に対する不安の声などに対して、国として真摯に受け止め、新ルートの固定化回避に向けた検討会を設置する見解を示したものと考えております。」とし、今後の動向に注視する旨表明されています。  そこで質問は、現在、検討会が開催されてから一年が過ぎ、その間、固定化回避に向けた議論が進んでおりますが、この羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会の進捗について、区としてどのように受け止めているのか、武井区長の見解をお伺いいたします。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての杉本とよひろ議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、令和四年度予算編成方針についてのお尋ねです。  まず、予算編成への影響についてです。いまだ新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、景気の影響を受けやすい特別区民税や個人消費に連動する地方消費税交付金など、区財政を支える収入の大幅な減収を懸念しております。令和四年度の予算編成に当たっては、こうした状況においても、基金の効果的な活用などにより、感染症対策はもとより、区民生活の支援とまちのにぎわい創出に向け積極的に事業を立案し、予算化をしてまいります。  次に、重点施策の考え方についてのお尋ねです。新型コロナウイルス感染症の収束が見込めない状況の中、令和四年度においても、区民の生命と健康を守ること、区民生活や地域経済の活力を取り戻すこと、この二点を最優先に取り組む必要があると考えております。  加えて、デジタルトランスフォーメーションの推進や、感染症や震災、風水害等の複数の災害が同時に発生する複合災害への対策強化など、新たな社会課題にも的確かつ迅速に取り組む必要があります。こうした取組を重点施策として定め、限られた財源を集中的に配分することでまちににぎわいかあふれ、全国をリードし輝き続ける港区を実現してまいります。  次に、持続可能な財政運営を行う区の基本姿勢についてのお尋ねです。  感染症により区民生活や地域経済が甚大な影響を受ける中、区は、感染拡大初期から直ちに補正予算を編成するとともに、予備費を活用し、PCR検査などの感染症対策や商品券特別給付事業などの区独自の支援を進め、令和二年度では総額三百二十億円以上となる対策を機動的に実施してまいりました。今後も、感染症の影響を受け、厳しい財政状況が続くと予測しておりますが、いかなる状況にあっても、基金の効果的な活用や特別区債の発行など、あらゆる手法により財源を確保し、社会経済情勢の急速な変化にも迅速に対応できる積極的かつ機動的な財政運営を行ってまいります。  次に、防災対策についてのお尋ねです。  まず、気象庁気象台の知見を生かした取組と連携についてです。区は、台風や大雨の接近時には、気象庁の港区担当者から直接情報を得て、雨量や風速、土砂災害の危険度等を確認した上で、浸水や高潮など災害に応じた避難情報の発令や避難所開設を的確に判断しております。また、災害発生の可能性が差し迫った緊急時には、気象庁からのホットラインにより、区民に厳重な警戒を呼びかける助言が入るとともに、支援チームの派遣を受け、災害防止の判断を迅速に行える体制を構築しております。引き続き気象庁との連携体制を強化し、的確な防災対策の強化に努めてまいります。  次に、オンラインによる防災訓練についてのお尋ねです。区は、オンラインの利便性を活用し、参加者が同時刻にそれぞれの場所で一斉に身を守るシェイクアウト訓練を、東日本大震災発災時の三月十一日や春の火災予防運動期間などの機会を捉え、実施いたします。実施に当たっては、適切な避難行動につながる安全点検やハザードマップの確認、東京マイ・タイムラインの作成などを促すとともに、各地域防災協議会が実施する新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた訓練動画等も併せて配信し、多くの区民に防災意識を啓発してまいります。今後、より多くの区民に参加していただけるよう周知をしてまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症患者の自宅療養者への対応と医療提供体制の構築についてのお尋ねです。  まず、医療につながる支援の強化についてです。区では本年四月から、港区医師会の協力を得て、自宅療養者のオンライン診療や往診などの適切な医療につながる取組を実施しております。さらに六月には港区薬剤師会と連携し、薬を自宅療養者へ迅速に届ける取組を開始するなど体制を強化しております。現在、訪問看護ステーションなどと連携した自宅療養者に対する医療支援や、健康観察のさらなる強化についても検討を進めております。入院までの間、区民が安心して自宅療養ができる環境の整備を推進してまいります。  次に、見守り支援の強化についてのお尋ねです。区では、医療機関から提出される届けに基づき重症化リスクを判断し、新型コロナウイルス感染症患者の入院や宿泊療養など適切な療養につなげております。自宅療養者の見守りについては、みなと保健所の保健師などによる自宅療養者への健康観察、各地区総合支所、各支援部によるパルスオキシメーターの自宅への配付など、全庁が一丸となって患者対応に取り組んでおります。今後も、訪問看護ステーションやクリニックなど日頃から区民の命と健康を守る医療機関等と協働し、自宅療養者のさらなる健康観察の強化に取り組んでまいります。  次に、医療提供体制の構築についてのお尋ねです。区では、港区医師会や港区薬剤師会と早期に連携を図り、自宅療養者へのオンライン診療や、往診から薬の配達までワンストップで医療支援等を受けることができる体制を実現してまいりました。また、区内の病院と日々の入院調整に関する連携強化を図ることで、発生届を受理した当日または翌日には入院の必要な患者の多くが区内の病院に入院できております。引き続き、多くの病院、診療所が所在する区の特性を最大限生かし、区民が新型コロナウイルス感染症に感染した場合でも、重症化せずに安心して過ごすことができる医療提供体制の充実を図ってまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症に感染した妊婦の対応についてのお尋ねです。  区では、妊婦については、昨年度から区内の病院と連携を図り、区内及び近隣病院に入院が可能となっております。また、東京都においても八月二十六日に、自宅療養中の妊婦の容体の急変に対応するNICUなどの病床を新たに三百五十四床確保いたしました。区内病院への入院が困難な場合は、東京都が入院できる体制を整えております。今後もこの体制を生かしながら、入院を要する妊婦への支援を強化するとともに、新型コロナウイルス感染症の発症や重症化予防に効果がある妊婦へのワクチン接種を推進してまいります。  次に、保健所機能と体制強化についてのお尋ねです。  区では、ワクチン接種の専管組織の設置や職員を増員するほか、応援職員や人材派遣の配置を継続し、九月時点では、ワクチン接種担当も含め、常時約百四十名で業務を行っております。流行期には、これまでに兼務経験のある職員を迅速に配置できるよう、全体で約二百五十名の執行体制の強化を図っております。また、感染者の情報管理について、独自に構築したシステムにより一元管理をし、業務の効率化を図っておりますが、今後の新たな流行や感染拡大に備え、電話連絡以外でも迅速な疫学調査が可能となるようシステムの開発を進め、ICTを活用したさらなる体制強化を図ってまいります。  次に、若い世代のワクチン接種率向上への取組についてのお尋ねです。  働く若い世代や学生の接種機会を拡大するために、毎週金曜日の夜に週末ミッドナイト接種を実施いたします。本日から予約を開始しており、急遽時間ができた場合でも速やかに接種ができるよう当日予約枠も用意いたします。また、特に若い世代に多いワクチン接種に対する不安を解消するため、副反応や効果などについて、区の看護師に直接相談できる電話相談窓口の開設準備を進めております。さらに、SNSなどを利用した副反応や効果に関する情報発信を積極的に行い、若い世代のワクチンに対する正しい理解を深め、接種率の向上につなげてまいります。  次に、港区シルバー人材センターについてのお尋ねです。  まず、仕事の確保についてです。区は、区の業務の中で高齢者にふさわしい業務は、積極的に港区シルバー人材センターに発注するよう政策的に取り組んでおります。今後は、民間からの受注を増やすことができるよう、広報みなとや区ホームページによるシルバー人材センターの事業紹介や、区が取り組んでいる企業連携のパートナーである区内企業に対して受注可能な業務の案内を行うなど、地域の協力を得ながら高齢者の就業機会のさらなる確保につながるよう努めてまいります。  次に、適正就業の推進についてのお尋ねです。港区シルバー人材センターの会員は、受託業務の拡大に伴い、雇用の形態の異なる事業所に勤務する機会も増えています。区は、港区シルバー人材センターの会員が勤務する事業所によって不利益を被ることがないように事業内容の明確化や勤務条件を丁寧に説明するとともに、適切な労働環境が守られているか点検するために、現場の巡回を積極的に行うようセンターを指導しています。今後も高齢者が地域で安心して働くことができるよう、港区シルバー人材センターと働く高齢者を支援してまいります。  次に、医療的ケア児及びその家族に対する支援の充実についてのお尋ねです。  まず、課題の認識についてです。医療的ケア児の状態に応じたケアは専門性が高く、対応する職員の確保が難しいため民間の参入が進まず、医療的ケア児が選べるサービスが少ない状況にあります。また、医療的ケア児を受け入れられる事業所が少なく、長時間預けることができないことにより、その家族が仕事を辞めざるを得ない状況もあります。福祉や教育などの関係機関が連携し、医療的ケア児やその家族の実態を把握しながら、切れ目ない支援に取り組んでいく必要があると認識しております。  次に、相談窓口の開設についてのお尋ねです。区は、医療的ケア児に関する相談に対し、各地区総合支所において、障害福祉、保育などの分野ごとに、ケースワーカーや保健師が医療機関や福祉サービスを案内し、個々の状況に応じた支援につなげております。来年八月に、区は福祉総合窓口を開設し、包括的な相談体制を構築いたします。福祉総合窓口開設後は、医療や教育も含め各分野を横断した連携により、医療的ケア児の相談においても、さらにスムーズに、より充実した支援を行ってまいります。また、各関係機関の情報共有をさらに促進することで、相談体制の一層の強化に取り組んでまいります。  次に、施設予約システムの登録手続と利用要件の緩和についてのお尋ねです。  区有施設は施設の設置目的に応じて御利用いただくために、施設ごとに定めている団体の構成、活動内容などの利用要件を登録の際に確認しております。区は現在、利用手続など利便性を高めるために各施設の窓口において行っている登録手続のオンライン化や、複数の施設を一度の申請でまとめて利用登録ができるよう、利用要件の確認方法の見直しやシステム更新の検討を進めております。引き続き利用者の皆さんに、より快適な利用環境を提供するため、施設の利用改善に取り組んでまいります。  次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーの継承と施策への活用についてのお尋ねです。  区は、東京大会開催を契機とし、MINATOシティハーフマラソンの創設やパラリンピアンを招いたスポーツイベントの実施、四十以上の地域団体による気運醸成事業の支援など、区民や企業、全国の自治体と一体となり、参画と協働の輪を広げてまいりました。また、三名の区民パラリンピアンの活躍など大会全体を通じて、区民の「する」「みる」「支える」スポーツ活動や障害者スポーツへの関心が高まる好機となりました。このような高まった関心や、これまでの取組の成果である参画と協働の輪を未来へ継承し、各施策へ効果的に活用してまいります。  最後に、羽田新経路の固定化回避についてのお尋ねです。  国は、先月に開催された羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会において、導入までに要する期間が短く騒音軽減効果が大きい二つの飛行方式に絞り込み、今後は安全性の評価など、導入への具体的な取組を実施していくこととしています。区としては、固定化回避に向けた検討が進んでいるものと受け止めております。引き続き、区民の不安の声や独自の騒音測定の結果を国に示し、海上ルートの活用、地方空港の活用等による飛行ルートの分散化、今後の航空技術等の進展に伴う飛行経路の様々な運用など、固定化回避に向けた検討を加速するよう強く要請してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(浦田幹男君)登壇〕 ○教育長(浦田幹男君) ただいまの公明党議員団を代表しての杉本とよひろ議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の教育効果についてのお尋ねです。  この夏開催された東京二〇二〇大会は、直接観戦こそかないませんでしたが、約六年間のオリンピック・パラリンピック教育により、子どもたちが大会を身近に感じるとともに、テレビ観戦を通して夢や希望、多様性と調和、平和等を実感するなど、子どもたちに与えた影響は非常に大きなものがあったと考えております。大会終了後においても共生社会の実現に向け、東京二〇二〇大会の感動や興奮とともに、教育課程に位置づけているアスリートとの交流や大使館との連携等の特色ある取組を学校二〇二〇レガシーとして未来に継承してまいります。  次に、コロナ禍において学びを止めないための取組についてのお尋ねです。  教育委員会は、コロナ禍においても学びを継続することを基本理念とした区独自のガイドラインを作成し、教科の学習活動や学校行事ごとに具体的な対応策をまとめ、感染症対策と学校運営の両立に取り組んでおります。二学期が始まり、各学校ではガイドラインに基づき、緊急事態宣言期間中の感染対策を、これまでの経験も生かし、さらに強化するとともに、若年層への感染拡大の状況を踏まえ、対面授業とオンライン授業を選択できるようにしております。今後、各学校において、現在行っているオンライン授業の成果と課題を洗い出し、より質を高めることで、どのような状況下においても学びを止めることなく、児童・生徒の確かな学びを保障してまいります。  最後に、子どもや保護者の心のケアの取組についてのお尋ねです。  コロナ禍による友人とのつながりの希薄化や自粛の長期化等に伴い、子どもたちの不安やストレスが増しております。例年、長期休業明けには、家庭環境や生活のリズムの変化等により児童・生徒が心理的に不安定になることが多いため、二学期の開始時には担任や養護教諭、スクールカウンセラー等が連携し、児童・生徒の状況を丁寧に観察し、きめ細かな心のケアに取り組んでおります。  また、教育センターでは、七月から新たにオンラインでの教育相談を開始し、いつでも保護者や児童・生徒から相談を受けることができるよう体制を整えております。コロナ禍が長引く中、児童・生徒の健全育成はもとより、相談者の個々の状況に寄り添った心のケアに努めてまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(清原和幸君) 次に、十七番福島宏子議員。
      〔十七番(福島宏子君)登壇、拍手〕 ○十七番(福島宏子君) 二〇二一年第三回港区議会定例会において、共産党議員団を代表し、区長、教育長に質問いたします。  初めに、核兵器禁止条約に日本政府として署名・批准することについてです。  今年一月二十二日、核兵器禁止条約が発効しました。共産党議員団は心から歓迎し、日本政府が速やかに条約に署名・批准することを強く求めます。また、広島への原爆投下直後に降った放射性物質を含む「黒い雨」をめぐる訴訟で、広島高等裁判所は歴代政府のヒバクシャ行政に根本的な見直しを迫る画期的な判決を出しました。これを受けて菅首相は「原告八十四人全員をヒバクシャと認定し、同じような事情があった方々について認定し、救済できるよう検討する」と表明しました。  世界中が「核なき世界」へ歩みを進める中、唯一の被爆国である日本政府は条約に反対しています。日本の政治を変えれば世界の流れを大きく後押しし、緊張が高まる北東アジアの情勢にも前向きな変化をもたらすことは間違いありません。  原爆投下から七十六年、八月六日の広島、九日の長崎の平和祈念式典で、菅首相は核兵器禁止条約に一言も触れませんでした。広島の挨拶では、核廃絶に向けた日本政府の決意の根幹部分を読み飛ばし、記者会見では、「核兵器禁止条約は核保有国の支持を得ておらず署名しない」と世界の流れに逆行する発言を繰り返しています。  「日本政府に核兵器禁止条約への参加・署名・批准を求める」地方議会の意見書は五百九十三に達し、全体の三三%を超えました。港区も加盟する平和首長会議は、世界百六十五か国、国内では千七百三十四都市が加盟し、核兵器のない世界の実現を目標に掲げ、とりわけ核保有国及びその同盟国に核兵器廃絶に向けた行動を要請、政策転換を促すとしています。  八月二十一日に開催された平和のつどいで区長は、核兵器禁止条約の発効に触れ、核兵器の廃絶と世界の恒久平和を心から祈念すると述べました。(一)港区長として、日本政府に核兵器禁止条約に署名・批准を求めること。(二)港区長として、日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名に賛同し署名すること。(三)港区の平和展及び平和のつどいの会場に署名用紙を置くこと。それぞれ答弁を求めます。  次に、新型コロナウイルス感染症から命・暮らしを守ることについてです。  新型コロナウイルス感染症が急拡大する中、中止を求める多くの国民の声を無視して開催された東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会が、新型コロナウイルス感染症対策と矛盾したメッセージとなり、さらに爆発的に全国に感染が拡大しました。無責任にも「安心・安全の大会を実現する」と繰り返してきた首相や東京都知事の責任が問われます。五輪開会当初、都内新規感染者数の週平均は約千六十八人、閉会時には約四千三十七人と四倍近くに急拡大し、さらにその数は増え続けました。八月十二日のモニタリング会議で専門家は制御不能、災害レベルと強い危機感を示しました。  このような逼迫した状況の中、八月三日に政府は専門家に相談することもなく、重症患者と特に重症化リスクの高い患者以外は原則自宅療養とする方針を打ち出しました。国会も開かず国民の命に関わる方針転換を決めることは、民主主義に反した許し難い暴挙です。国や東京都のやり方では命は守れません。今こそ、目の前にある命を守ることを最優先に区独自の施策が求められます。(一)緊急の臨時医療施設の設置を国と東京都に求めること。(二)区独自に臨時医療施設の確保を急ぐこと。(三)必要な医療を全ての患者に提供するために、区独自に医師会と協力して医師の往診、看護師の訪問体制をつくること。(四)感染拡大の伝播を断ち切るために区独自で無料でできる大規模検査を実施すること。(五)保健所体制をさらに強化すること。とりわけ保健師の増員を早急に行うこと。(六)新型コロナウイルス感染症で公的病院の果たす役割の大きさが浮き彫りになりました。都立病院・公立病院の独立行政法人化はやめるよう東京都に要請すること。それぞれ答弁を求めます。  次に、うるさい・危ない・怖い羽田都心低空飛行ルートをやめ、海上ルートを利用することについてです。  政府観光局が七月二十一日に発表した二〇二一年上半期の訪日外国人数は九万六千三百人でした。上半期としては過去最低。新型コロナウイルス感染症流行前の一九年と比べると九九・四%減少しています。今年の一月は約四万六千五百人と、段階的な入国規制の緩和で回復傾向にありましたが、変異株の流行で二月以降は月間一万人前後で推移しました。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会で期待された訪日観光の本格再開も、海外観客の受入れ見送りで遠のきました。当然国際便の運航は激減です。国内線についても、全日空も日本航空も減便に次ぐ減便です。危険な都心上空を飛ぶ必要はありません。コロナ禍で家にいることが多く、騒音に耐えられない、換気が必要というが窓は開けられない、テレワークなのに仕事にならない、事故が心配等、新型コロナウイルス感染症と都心低空飛行によるストレスがたまりにたまっています。  危険な都心上空の飛行をやめ、海上ルートを利用するよう、国に要請すること。答弁を求めます。  次に、高輪築堤の全面保存と公開についてです。  文化審議会は八月二十三日、一八七二年に新橋と横浜を結ぶ日本初の鉄道が造られ、高輪ゲートウェイ駅前の開発で発見された高輪築堤の遺構の一部を史跡にするよう萩生田文科大臣に答申。近く史跡に指定される予定です。旧新橋停車場跡につなぐ形で高輪築堤跡を史跡に指定し、旧新橋停車場及び高輪築堤跡と名称も変更されます。これは、日本考古学協会、日本歴史学協会など様々な団体が高輪築堤の世界的な価値、歴史的な価値、鉄道史や土木的な価値等々から、高輪築堤の完全保存、全面公開を求め続けた結果です。  新聞報道によれば、史跡指定は第七橋梁を含む百二十メートルのみということで、より広く現地保存し、史跡指定の範囲を拡大すべきという意見も根強くあります。  八月十六日に日本歴史学協会と日本考古学協会の連名で「高輪築堤の全面保存を求める共同要望について」を文部科学大臣、港区長、港区教育長、JR東日本などに提出しました。要望書は、「高輪築堤は、日本近代史を象徴する極めて重要な遺構であることから、出土した高輪築堤の全面的な現地保存を求めて、再三再四、関係者に対し要望書や声明を発してきた」とし、改めて全面保存を求めています。JR東日本は、一部保存はするものの、それ以外は記録保存の方針です。記録保存とは事実上取壊しを意味します。  東京新聞では、「視点」〜私は見る〜「開発に消える『世界遺産』『高輪築堤』解体を見直して」の記事の中で三内丸山遺跡と高輪築堤の違いを書いています。三内丸山遺跡では発掘作業を公開し、見学者を連日受け入れた。そして意見を広く求め、野球場計画を変えた。JR東は民間企業だが、築堤は当時の政府が造った。扱いは広く意見を募るべきだろう。高輪築堤は「陸に線路を通せないなら、海に堤を築こう」との先人の思い切った発想を象徴する。JR東は一部保存のために再開発計画を部分的に見直したが、先人に倣い、いっそ大幅に変更してはいかがだろうか。そうすれば「英断だった」と後世に称賛される日が来るに違いない。このように高輪築堤は国民共有の財産であり、JR東日本が好き勝手にしていいものではないはずです。(一)JR東日本に対し、全面保存と積極的な公開を求めること。(二)希望者全員が見学できるよう、見学会の開催を要請すること。それぞれ答弁を求めます。  次に、通学路の安全点検で子どもの命を守ることについてです。  六月二十八日、千葉県八街市で発生した下校中の小学生の列に飲酒運転のトラックが衝突して五人が死傷する事故を受けて、文部科学省は通学路における合同点検の実施について依頼を出しました。事故に至らなくてもヒヤリハット事例があった箇所、保護者、見守り活動者、地域住民等から区への改善要請があった箇所、見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路などの車の速度が上がりやすい箇所、大型車の進入が多い箇所などについても通常の点検に加えて、さらに細かくたくさんの人の目で点検することが求められており、通学路の安全対策をより強化することが求められています。  港区でも昨年二月に虎ノ門の交差点で痛ましい事故を経験しました。この事故の後、都内の工事現場では先が見通せる透明なフェンスが使われることが増えています。犠牲になった児童の父親は朝日新聞の取材に、「息子が命を落として悲しいが、同じような事故を防ぐために小さな変化でも形になってくれるのはうれしい」と語りました。警視庁も二〇一九年三月から道路使用許可の申請を出す工事業者に透明フェンスを使うよう要請しています。ありとあらゆる手を尽くし、通学路の安全確保に早急に取り組むべきです。(一)文部科学省の依頼を受け、七月に実施した通学路の合同点検の結果を早急にまとめ、関係機関との協議を急ぎ、改善に努めること。(二)通学時間帯に車両の進入を止めるエリアを拡大し、子どもの命を守る安全対策を講じること。(三)学校選択制により通学に使われる道路の選択肢が増えています。学校指定の道路に限定せず、通学に使う道路全ての安全点検に取り組むこと。(四)危険箇所と判断された場所については、学校として人を配置し安全の確保に努めること。それぞれ答弁を求めます。  次に、少人数学級の発展についてです。  公立小学校の学級編制を三十五人に引き下げる法案が成立し、今年四月一日から施行され、港区でも公立小学校の二年生までが三十五人学級となりました。附帯決議の中では中学校での三十五人学級の検討が掲げられ、萩生田文科大臣は「中学校の三十五人学級にも積極的に取り組み、小・中学校の三十人学級の実現につなげたい」という考えを示しました。六月十八日に閣議決定した学びの環境整備に関する政府方針の中では、小学校の三十五人学級の推進が取り上げられています。これを受けて、(一)中学校についても港区として三十五人学級を検討し、実施すること。(二)区内小学校の三十五人学級について、五年かけて段階的に実施するのではなく、より早急に実現すること。それぞれ答弁を求めます。  最後に、学校連携観戦の対応についてです。  港区教育委員会の東京パラリンピック学校連携観戦計画の二転三転の対応に多くの関係者が混乱しました。私たち共産党議員団は子どもたちの命を守ることを最優先に考え、学校連携観戦の中止を求めてきました。七月七日に港区教育委員会は東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の学校連携観戦の中止を決めました。理由はともあれ歓迎すべきことでした。  八月十三日には東京の新規感染者が五千七百二十二人まで増えている中、八月十六日に東京都は東京パラリンピックの学校連携観戦実施を決定。これを受けて港区教育委員会は八月二十三日、一度は中止と決めたことを蒸し返し、小学校六年生と中学全学年の約三千七百名を対象に実施するとしたのです。八月二十四日午後三時、突然の実施メールに驚いた保護者から問合せが殺到しました。そして、翌日の昼十二時には中止メールが送られました。港区には二十四日から二十七日の間に五十三件もの様々な問合せがあったと言います。  港区が実施を決めた二十三日、共産党議員団は教育長に申入れを行いました。東京都の教育委員会では五人の委員のうち出席した四人全員が反対意見を述べたこと、教員による実地調査もできていない中での実施は、子どもの命を危険にさらすと中止を求めましたが、教育長は港区の教育委員からはおおむね了解を得た。行く場所をオリンピックスタジアム一か所にしたから安全。移動をバスにするから安全、と強行の姿勢を崩しません。オリンピックスタジアムには五千人の子どもや関係者が集まり、五十人乗りのバスに最大四十人を超える人数が乗り込むことのどこが安全と言えるのでしょうか。参加するかしないか、時間がない中で話し合い、納得の上で決めることにどれだけの精神的ストレスを与えたことでしょう。  保護者の声として、絶対に行かせたくないが、子どもの気持ちを考えると難しい、子どもたちは行きたくないとは言えないのではないか、子どもたちに行ったか行かないかで区別がついてしまう、残酷、区政における不祥事だと思う。区民への説明が全くない等、区の姿勢が問われます。  港区教育委員会の対応が、保護者、そして何よりも子どもたちに大きな心理的ストレスを与えました。いじめ、分断、差別にもつながる決断を自己責任で押しつけることが教育現場で行われてはなりません。当事者に混乱を招いたことを謝罪し、区民に対し、広報やホームページ等を使ってこのようなことになった経緯を丁寧に説明すること。答弁を求めます。  以上、答弁によっては再質問することを申し述べて、質問を終わります。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島宏子議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、核兵器禁止条約に日本政府として署名・批准することについてのお尋ねです。  まず、港区長として日本政府に署名・批准を求めることについてです。港区の首長として加盟する平和首長会議の国内加盟都市会議は、平成三十年十一月、令和元年十一月の要請に続き、昨年十一月に日本政府に対し、核兵器禁止条約の締結国となるよう強く要請するとともに、核兵器禁止条約の締約国会議に、まずはオブザーバーとして参加することを要請しております。引き続き平和首長会議に加盟する都市と連携し、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を訴えてまいります。  次に、港区長として「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」に署名することについてのお尋ねです。港区の首長として加盟する平和首長会議において、日本政府に対し、核兵器禁止条約の締約国になるよう継続して要請していることから、お尋ねの署名をすることは考えておりません。  次に、区の平和展及び平和のつどいの会場に署名用紙を置くことについてのお尋ねです。区内五か所で開催する平和展や平和のつどいの会場で、平和首長会議が協力している広島被爆者七団体が推進する日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名について紹介し、区ホームページでもこの取組を区民に紹介するとともに、署名用紙をダウンロードできるよう対応してまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症から命・暮らしを守ることについてのお尋ねです。  まず、緊急の臨時医療施設の設置を国と東京都に求めることについてです。東京都では品川プリンスホテルや船の科学館などに三百三十床の臨時医療施設を設置いたしました。今後、さらに味の素スタジアム内にも施設を計画しています。このため、改めて区から設置を求める予定はありませんが、引き続き区民が必要な医療を適切に受けられるよう努めてまいります。  次に、区独自の臨時医療施設の確保を急ぐことについてのお尋ねです。区では、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が急増した第五波においても、発生届を受理した当日または翌日に区内の病院や東京都の入院調整により都内病院への入院が可能となっております。本年八月からは、毎朝保健所の入院調整患者と病院の空床状況を情報共有し、さらに迅速な入院につなげております。区独自の臨時医療施設を確保する予定はありませんが、多くの病院、診療所が所在する区の特性を最大限に生かし、引き続き、オンライン診療や往診などにより、入院までの間も安心して療養できる医療提供体制の充実を図ってまいります。  次に、区独自に港区医師会と協力して医師の往診、看護師の訪問体制をつくることについてのお尋ねです。区では本年四月から、港区医師会の協力を得て、自宅療養者のオンライン診療や往診などの医療支援につなげる取組を実施しております。さらに、六月には港区薬剤師会と連携し、診察した医師の処方箋を基に調剤薬局が薬を自宅療養者へ迅速に届ける取組を開始するなど体制を強化しております。今後は、訪問看護ステーションなどとの連携による自宅療養者に対する医療支援や健康観察のさらなる強化について取り組んでまいります。  次に、区独自の無料の大規模検査を実施することについてのお尋ねです。PCR検査については、検査時点の感染の有無を確認するものであることや、陽性者が発生した際の感染拡大のリスクや陽性者となった場合の重症化のリスクなど総合的に判断し、対象範囲を決定しております。このため、区では、無症状の希望者などを対象とした無料の大規模検査の実施は予定しておりませんが、陽性者が発生した場合には、濃厚接触者に限らず、範囲を拡大したPCR検査を実施するなど、感染状況に応じた必要なPCR検査の実施により、区民の安全・安心の確保に全力で取り組んでまいります。  次に、保健所体制の強化についてのお尋ねです。区は、全庁からの応援職員を令和二年二月から、保健師、看護師等の人材派遣を同年四月から継続的に配置するとともに、感染症対策を支援する医師や感染症専門アドバイザー等を効果的に活用しております。また、本年一月にワクチン接種の専管組織を設置するとともに、四月には感染症対策のために保健師を含む職員七名を増員いたしました。これらの取組により九月時点で保健師は四十五名の体制強化により五十二名、全体では約二百五十名の執行体制となっております。今後も、感染状況に応じた対策やワクチン接種に迅速かつ的確に対応するため、必要な体制を確保してまいります。  次に、都立病院・公立病院の独立行政法人化をやめるよう東京都に要請することについてのお尋ねです。都立病院、とりわけ港区に隣接する広尾病院は、区民にとっても質の高い医療サービスの提供や災害医療の拠点としての役割を担うとともに、新型コロナウイルス感染症患者を積極的に受け入れていただいております。独立行政法人化をやめるよう東京都に求める予定はありませんが、感染症対策等における必要な医療体制については、区民へのサービスが低下することのないよう、特別区長会などを通じ今後も要請してまいります。  次に、都心低空飛行ルートをやめ、海上ルートを利用するよう国に要請することについてのお尋ねです。  国は先月に開催された羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会において、導入までに要する期間が短く、騒音軽減効果が大きい二つの飛行方式に絞り込み、今後は安全性の評価など、導入への具体的な取組を実施していくとしています。引き続き国に対し、海上ルートの活用、地方空港の活用等による飛行ルートの分散化、今後の航空技術等の進展に伴う飛行経路の様々な運用など、固定化回避に向けた検討を加速するよう強く要請してまいります。  最後に、JR東日本に対して高輪築堤の全面保存を求めることについてのお尋ねです。  文化審議会は八月二十三日に、第七橋梁とその南北に接続する築堤八十メートル及びその北側に位置する築堤四十メートルを国史跡に指定するよう答申しております。築堤の現地保存につきましては、高輪築堤調査・保存等検討委員会の見解を踏まえ、教育委員会から繰り返し働きかけており、JR東日本による建物配置の変更等によって今回実現されることとなりました。区は、高輪築堤が新しいまちづくりの中で活用され、将来に向けてよい形で継承されることが期待できるため、全面保存を求めることは考えておりませんが、開発と保存の両立の観点から関係機関と連携して適切に対応してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(浦田幹男君)登壇〕 ○教育長(浦田幹男君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島宏子議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、高輪築堤についてのお尋ねです。  まず、JR東日本に対して全面保存と常時公開を求めることについてです。八月二十三日、文化審議会は第七橋梁とその南北に接続する築堤及びその北側に位置する築堤を国史跡に指定するよう答申をいたしました。教育委員会は指定範囲の遺構について万全の保護を図るとともに、範囲外の遺構についても極力保護するよう求めております。また、可能な限りの保存を求める要望書をJR東日本に繰り返し提出していることから、改めて全面保存を要請することは予定しておりませんが、今後も遺構の保存に向け働きかけを行ってまいります。  常時公開については、記録保存調査中や工事中は現場の安全を確保する必要があることから、現時点で公開を求めることは考えておりませんが、早期の常時公開が可能となるよう働きかけてまいります。  次に、希望者全員が見学できるように見学会の開催を要請することについてのお尋ねです。教育委員会はJR東日本と連携して、本年一月から六月にかけて見学会を開催し、九百七十三人が、また、五月の小・中学生向けの見学会では、三日間で七百六十四人が参加をいたしました。今月十九日には、現在進んでいる記録保存調査の状況を御覧いただく見学会を、前回一日五回、百人で実施した枠を、一日六回、百二十人で実施する予定です。希望される全ての方を受け入れることは、新型コロナウイルス感染症対策や現場の安全管理の観点から困難ですが、一人でも多くの方が見学できるよう、引き続きJR東日本に働きかけてまいります。  次に、通学路の安全点検についてのお尋ねです。  まず、七月に実施した通学路合同点検についてです。千葉県八街市で発生した下校途中の児童を巻き込んだ交通事故を受け、教育委員会は、国や東京都の通知に基づく通学路点検を七月末までに全小学校で実施いたしました。点検の結果、学校から報告のあった車の速度を抑制する塗装等の対策二件については、道路管理者に対応等を依頼しており、現在、対策の実施に向け、交通管理者である警察関係機関等と協議をしております。  次に、車両の進入を止めるエリアの拡大についてのお尋ねです。各学校で実施する通学路点検では車両の進入規制など、交通規制の状況を含めた点検を行っております。各学校の通学路点検の結果、車両の進入を止めるエリアを拡大する必要がある場合は、地域及び交通管理者である警察等と協議をしてまいります。  次に、通学に使う道路全ての安全点検についてのお尋ねです。学校が指定する通学路に至るまでの各児童の経路は、保護者が児童とともに安全を確認し、学校と相談の上、決定しております。そのため、通学路に至る経路において、危険箇所がある場合などは、学校と保護者が相談の上、必要に応じ関係者への改善依頼や保護者への情報提供等を実施しています。今後も、通学路点検等の機会を捉え、学校、地域、保護者、所轄警察署、道路管理者等から地域の危険箇所についての情報を収集し、改善を要する箇所については、速やかに関係部署へ改善を求めることや、交通安全指導等を通して、子どもの通学の安全を確保してまいります。  次に、危険箇所への人の配置についてのお尋ねです。教育委員会は児童の通学時の安全を確保するため、各学校と協議の上、交通量が多い交差点等の危険箇所に登下校誘導員を配置しています。また、交通量の変化等を踏まえ、登校時と下校時の誘導員の配置場所を変更するなど、各学校の状況に応じた安全の確保に努めています。さらに、教員が新入生を引率しながら危険箇所に対する交通安全の指導を全校で行うなど、通学時の安全確保にも努めています。今後も、各学校の通学路の状況を把握し、効果的に登下校誘導員を配置するなど、通学の安全確保に万全を期してまいります。  次に、少人数学級の発展についてのお尋ねです。  まず、中学校における三十五人学級の実施についてです。中学校の学級編制につきましては、国の義務標準法では全学年四十人学級とされていますが、東京都の基準により中学校一年生は三十五人学級で編成しております。区が独自に中学校二年生、三年生で三十五人学級を編成することは予定しておりませんが、これまでどおり区費講師の活用による少人数やコース別のきめ細かな指導、タブレット端末の活用などを通して、子どもたち一人一人の状況に応じた教育や少人数により教育を推進してまいります。  次に、小学校における三十五人学級の早期実現についてのお尋ねです。現在区は、引き続く児童数の増加に伴う普通教室の確保と三十五人学級の両立が喫緊の課題です。必要な教室を確保するため、各学校の状況に応じて、転用や改修等の調整を行っているところです。そのため、国が示す令和七年度までの経過措置に合わせて、令和四年度は小学校一・二年生に加え、三年生まで三十五人学級を広げる予定であり、前倒しをしての実施は予定しておりませんが、今後も区費講師を活用し、きめ細かな指導を行うことにより教育的効果を上げてまいります。  最後に、学校連携観戦の対応についてのお尋ねです。  教育委員会では、東京二〇二〇パラリンピック競技大会の直接観戦は、子どもたちがトップアスリートのパフォーマンスを競技会場で見ることで勇気や感動を得るとともに、平和、多様性等を実感し、一生の思い出として心に刻まれる貴重な経験の機会として、校長会とも調整し、感染症対策を万全に期して学校連携観戦の実施を予定しておりました。しかしながら、感染状況の悪化や子どもの感染者数増の傾向が見られたことから、子どもたちの安全を最優先に考え、やむを得ず中止を決定したところです。短期間で判断が変わり、児童・生徒や保護者の皆様には混乱を生じさせることになりました。中止に至った経緯については、当事者である児童・生徒及び保護者に配信メールで丁寧に説明し、おわびをいたしました。また、区民の皆様には、感染の中止についてプレスリリースし、その内容を区ホームページに掲載いたしました。  よろしく御理解のほどお願いいたします。   〔十七番(福島宏子君)登壇〕 ○十七番(福島宏子君) 時間がないのでマスクのままで失礼します。再質問させていただきます。二点です。  初めは、区独自の無料でできる大規模検査の実施についてです。  陽性者が決定してからでは遅いのです。人と接する仕事をしている人はみんな不安を抱えています。サービスを提供する側も受ける側も、両方不安です。新聞報道では保育者の憤りが取り上げられ、子どもたちと密接に接するため、職員たちは強い不安を抱えて保育に当たっています。「安心して保育をするためにも定期的なPCR検査が必要です」と悲痛の叫びです。休園などということになれば保護者も困る、区民の生活がかかっていることです。区内介護事業所からは、「年二回の検査の分は助成されるが、それでは足りない。定期的に検査が受けられるようになれば安心」と聞きました。国がやらないのですから、区民にとって一番身近な自治体がやるしかないのです。区独自の無料でできる大規模検査はできるはずです。再度答弁を求めます。  学校連携観戦の対応についてです。  先ほど港区の不祥事だという区民の声を紹介しました。二転三転の後に私に届いた声を紹介させていただきます。「とにかく中止になってよかったです。今回の決定の不可思議な部分は、どうか区議会にて具体的な解明をお願いいたします」、「区政における不祥事だと思います。区民への説明が不十分なまま、決定を二転三転させるという民主主義を無視した動きでは、区民としては精神的にも相当なストレスを背負います。ぜひとも納得できる説明を促してくださいますようお願いいたします」ということです。  区民に関わる政策判断は慎重でなければなりません。区民が区政に対する不信を持ったということになるわけですから、本来であれば、学校設置者の区長の考えを伺いたいところです。先ほどの教育長答弁には、安全を最優先に考えということをおっしゃっておりましたが、申入れのときにはそういった視点がうかがえませんでした。教育者として誠意ある対応、区民に対しての対応を求めます。再度答弁を求めます。  以上で再質問は終わります。ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島宏子議員の再質問にお答えいたします。  区独自に無料の大規模検査を実施することについてのお尋ねです。  子ども関連施設について、みなと保健所が調査をいたしましたところ、デルタ株の感染例が増えている中でも、施設内での感染拡大や子どもが重症化する傾向は見られませんでした。こうしたことから子ども関連施設の職員などに対する定期的なPCR検査ということは予定をしておりません。一方で、陽性者が発生した場合、濃厚接触者に限ることなく範囲を拡大してPCR検査を実施し、感染状況に応じた必要なPCR検査を実施して、区民の安全・安心の確保に全力で取り組んでいるところでございます。今後とも、区民の感染防止に全力で取り組んでまいります。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(浦田幹男君)登壇〕 ○教育長(浦田幹男君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島宏子議員の再質問にお答えいたします。  学校連携観戦の対応についてでございます。  教育委員会としては、子どもたちにぜひ現場で選手のパフォーマンスを見せてあげたいという思いの中で東京都と調整し、例えば観戦場所を国立競技場一か所にする、あるいは途中までの案内はバスで行うなど様々な対策を講じて、万全な体制でというふうに考えたところで準備をしてきたものでございます。直前になって中止という形で、関係者の皆さんには、子どもたちも含め、大変混乱を招いたことについては申し訳なく思ってございます。  今後は、直接観戦こそかないませんでしたけれども、これまでのオリンピック・パラリンピック教育を継続し、学校二〇二〇レガシーとして継承していくことで、子どもたちにそれに伴うような形での経験、あるいは思い出が残るように教育委員会としては取り組んでまいりたいと思います。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(清原和幸君) 以上にて、本日の日程は全部終了いたしました。  本日の会議は、これをもって散会いたします。                                       午後六時二十五分散会...