港区議会 2020-09-27
令和2年度決算特別委員会−09月27日
令和2年度
決算特別委員会−09月27日令和2年度
決算特別委員会
令和2年度
決算特別委員会記録(第5号)
令和3年9月27日(月) 午後1時開会
場 所 第3・4委員会室
〇出席委員(33名)
委 員 長 池 田 たけし
副委員長 うかい 雅 彦 横 尾 俊 成
理 事 石 渡 ゆきこ 黒崎 ゆういち
丸山 たかのり やなざわ 亜紀
鈴 木 たかや 福 島 宏 子
杉 浦 のりお
委 員 玉 木 まこと 榎 本 あゆみ
なかね 大 小 倉 りえこ
赤 坂 大 輔 琴 尾 みさと
山野井 つよし 兵 藤 ゆうこ
土 屋 準 榎 本 茂
清 家 あ い なかまえ 由紀
ゆうき くみこ 二 島 豊 司
池 田 こうじ 熊 田 ちづ子
風 見 利 男 阿 部 浩 子
七 戸 じゅん 近 藤 まさ子
杉本 とよひろ 清 原 和 幸
井 筒 宣 弘
〇欠席委員(1名)
委 員 マック 赤 坂
〇出席説明員
副区長 青 木 康 平
赤坂地区総合支所長
子ども家庭支援部長兼務 中 島 博 子
保健福祉支援部長
新型コロナウイルスワクチン接種担当部長兼務 有 賀 謙 二
保健福祉課長
みなと保健所新型コロナウイルスワクチン接種担当課長兼務 野 上 宏
高齢者支援課長 金 田 耕治郎
介護保険課長 重 富 敦
障害者福祉課長 小 笹 美由紀
生活福祉調整課長
芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務 相 川 留美子
子ども家庭課長 西 川 克 介
保育政策課長 鈴 木 雅 紀
保育課長 木 下 典 子
子ども家庭支援センター所長 安 達 佳 子
児童相談所長 田 崎 みどり
相談援助担当課長 菅 原 正 興
企画経営部長 大 澤 鉄 也
企画課長 西 川 杉 菜 財政課長 若 杉 健 次
会計管理者
(
会計室長事務取扱) 森 信 二
〇
出席事務局職員
区議会事務局長 佐 藤 雅 志 次長 鈴 木 康 司
ほか
午後 1時00分 開会
○委員長(
池田たけし君) ただいまから、本日の委員会を開会いたします。
本日の署名委員を御指名いたします。
山野井つよし委員、
兵藤ゆうこ委員にお願いいたします。
マック赤坂委員より、欠席の届出が提出されておりますので、御報告いたします。
石渡委員より、遅れる旨の連絡がありましたので、御報告いたします。
本日の審議は、民生費の終了までを考えております。終了時刻は午後5時15分頃を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
───────────────────────────────────
○委員長(
池田たけし君) これより審議に入ります。前回に引き続き、歳出第4款民生費の質疑を行います。
初めに、小倉委員。
○委員(
小倉りえこ君) まず、
補聴器助成に関連する一連の検討状況についてお伺いいたします。
これまで我々
自民党議員団会派から、総合的な聞こえの支援として、高齢者への
補聴器助成の実施をお願いしてきております。国とも連携して、
厚生労働省の研究事業にメンバーとして参加することになったのが昨年でありまして、我々一貫して、必要な方が適正に使い続けられるような継続したフローというものが一体化したものを求めております。
直近では、6月の第2回定例会での黒崎議員の代表質問で、区長から、購入前から
アフターケアまで支援する制度というものを整備していくという、非常に先進的なシステムについて丁寧な答弁をいただきました。
昨年度、研究事業に参画してからどのようなことをされてきたのか、一連の検討内容と経過をまず伺います。
○
高齢者支援課長(
金田耕治郎君) 昨年度参画した
厚生労働省の研究事業では、加齢によって起こる高齢者の難聴を早期に発見し、適切な時期に支援を行い、聞こえの改善を図ることが高齢者の社会参加や地域活動を進める上で重要であることが分かりました。
区では、まず、難聴を早期に発見することが重要であると捉え、その取組として、
高齢者自身が難聴への気づきのきっかけとする
チェックリストの活用や、難聴を放置することによるリスクや早めに対応することの重要性等を丁寧に説明する講座などの実施を検討しております。
また、補聴器を必要とする高齢者が長く安心して使用できるよう、購入前の段階から相談でき、また、購入後も十分な
アフターケアが受けられる仕組みを検討しております。
○委員(
小倉りえこ君) これまで助成金だったり、現物支給という形で対応されてきた自治体というのも都内に幾つかあって、その中で全体的なことを考えますと、ただ与えるというよりは、相当丁寧な取組を検討されている。その前段として、今いろいろな検討もしていただいて、いろいろな講座など、そのようなものも含めて考えていただいているというのは、すごくありがたいことです。
そのようなプロセスを踏んでいくと、手順が複雑だ、簡単にすればいいではないかという感想をお持ちの方も当然いらっしゃるかもしれないのですけれども、補聴器というのはあくまでも医療機器というところがありますので、そのようなものが必要であれば、それ相応の理由で必要であると。段階を踏んでいくというのは当然のことだと思っていますし、自らの気づきから診察へ流れてもらうという、当たり前のようなプロセスを当たり前のようにしていただいて、それを当然と感じる区民が増えていただければいいと思っています。
次に、必要な人が適正に使い続けられる支援の仕組みについて伺います。
○
高齢者支援課長(
金田耕治郎君) 補聴器については、購入後の十分な
アフターケアを受けられず使用をやめてしまったケースもあり、自分の耳に合わせていくためには、段階を踏み、時間をかけて調整を行っていくことが必要です。
このため、補聴器の必要性を診断し、その人に合った補聴器の選定や使い方を支援する
補聴器相談医への相談や、補聴器の専門的知識や技能を有する
認定補聴器技能者による、購入前の丁寧な調整と購入後の継続的な
アフターケアが受けられる仕組みを検討しております。
現在、港区医師会や区内の
補聴器相談医、
認定補聴器技能者が在籍する販売店など、様々な関係機関からの御意見をいただきながら、適正に補聴器を使い続けていただくための港区ならではの聞こえの支援制度を来年4月から実施できるよう検討しております。
○委員(
小倉りえこ君) 来年4月開始を目指しているというところで、非常に楽しみにしております。
早期発見というところと、実際に装着後の
アフターケアというところがセットになるというところが、このような類いの医療機器の使用で何よりも必要なことで、港区も早期発見を後押ししていく、頑張っていくという話ですけれども、健康診断などで聴力検査というところも当然十分に有用になるのではないかと考えています。現在、高齢者の聴力検査というのは、医師会が独自事業で行っているもので、港区は、将来的にですけれども、責任を持っていただいて、必要な方を拾っていくというところをセットで考えていっていただければと思っております。このことは明日の衛生費でも改めてお願いしようと思っております。
以上です。終わります。
○委員長(
池田たけし君) 小倉委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(
池田たけし君) 次に、
榎本あゆみ委員。
○委員(
榎本あゆみ君) まず、
学童クラブについて伺います。
港区では、児童館などの施設や区立小学校などを利用して、36の
学童クラブが、放課後の
子どもたちが安心して過ごせる場として提供されています。
港区の
学童クラブは、2018年から育成料が導入され、育成料3,000円と、おやつ代・お楽しみ会費2,000円の費用を毎月徴収し、運営しています。この育成料は、区から助成があるため、区への支払いとなりますが、おやつ代については直接
学童クラブに振り込むこととなっており、各施設がおやつにかける費用や内容などを決めています。
このおやつについて、スナック菓子などの健康的とは言えないおやつが提供されており、改善してほしいと御相談がありました。それまで保育園で過ごしていた
子どもたちは、園ごとに手作りのお菓子が提供され、小学校に入学してからは、毎日栄養士の指導の下、しっかりと
栄養バランスの取れた、さらに食育にも考慮された給食を食べ、保護者は献立表を見て、
毎日子どもたちが何を食べたのか分かるようになっています。
しかし、学校が終わり、
学童クラブに行った瞬間に献立表はなく、各
学童クラブが独自におやつを選択しており、保護者は
子どもたちがおやつに何を食べたのか、また、今月、これからどのようなおやつが提供されるのか分かりません。
このような状況の中、ある保護者の方は、子どもがおやつに小分けのポテトチップスを渡されたと聞き、大変衝撃を受けたという御相談がありました。
子どもたちに人気のおやつと保護者が食べてほしいと願うおやつには乖離がありますが、区の
学童クラブに預けている間も
子どもたちの健康に配慮したおやつを出すべきだと考えます。おやつを健康的な、いいものに改善すべきだと思いますが、区の見解を伺います。
○
子ども家庭課長(西川克介君)
学童クラブのおやつは、保育園で提供する補食と異なり、間食として提供しております。おやつの時間は、
子どもたちにとってリラックスできる時間であるため、
子どもたちのリクエストを聞きながら、添加物のないものや、
子どもたちの好みのお菓子やフルーツを提供しております。
手作りおやつにつきましては、現在、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止のため実施をしておりませんが、感染状況を踏まえながら、調理方法や提供の仕方などを工夫し、再開していきたいと考えています。
○委員(
榎本あゆみ君) ありがとうございます。特段、手作りをしてほしいというわけではなく、保護者の方が食べてほしいと思うような、間食だということもありましたけれども、体に悪いと親が思わないような、そのようなものをぜひチョイスしていただきたいと思います。
学童クラブでの昼食の提供についてです。
現在、
学童クラブでは、夏休みなどの長期休み中に各自がお弁当を持参しています。しかし、長期休みに昼食を作って持たせるのは、保護者の負担が増えるため、保護者が主体になり、
三光学童クラブでは、2019年度から3期休業中に宅配弁当での昼食の提供を行っており、登録生徒182人中3割程度の50から60人の
子どもたちが利用しています。また、
白金台学童クラブでも、今年の夏休みから宅配弁当による昼食の提供を始め、72人中六、七人の利用が見られました。
昼食提供は、
学童クラブを仲介させず、
昼食提供会社と保護者が直接ウェブ上でやり取りを行うことで、注文、料金の支払いをすることができます。さらに、食べ終わったごみや食べ残しは
子どもたちが家に持ち帰るため、
学童クラブがすることは、届けられたお弁当を机に並べることのみであり、運営側の負担を増やすことはありません。
子どもたちも保護者も快適に長期休みを過ごすことができるように、区内全ての
学童クラブで昼食の提供を行うべきです。
先ほどの
三光学童クラブは、保護者が主体となり、保護者からの要望を受け、
学童クラブで受け入れたという形ですけれども、一般的に自分たちが望めばそのようなことができるといったことは保護者は思いません。そのため、区として、実際に昼食を提供している
学童クラブを先行事例として、運営側には負担がないことを加えた上で周知し、そして、
学童クラブが保護者に対して、宅配弁当を利用することもできる、そういったお知らせのチラシやメールなどを作成して支援していくべきだと考えます。見解を伺います。
○
子ども家庭課長(西川克介君)
学童クラブでの昼食提供につきましては、長期休業中に保護者が毎日お弁当を作ることの負担を軽減したいという理由から開始をしておりまして、現在、
区内学童クラブ2か所で実施をしております。
昼食提供の申込みや支払いは、委員おっしゃいましたとおり、保護者が直接行っておりますが、
学童クラブの職員は、お弁当の配付の協力をさせていただいているというところでございます。
現在、区に
学童クラブでの給食提供に関する問合せはございませんが、今後、
利用者ニーズを把握するため、先行する事例の情報提供を行ってまいります。
○委員(
榎本あゆみ君) 区に問合せがないとおっしゃっていましたけれども、大抵全てのことは区民の方は区には問合せをしないわけです。ですので、たまたま議員の知り合いがいたら議員に連絡をするなど、そういった程度なわけですから、区に問合せがないからニーズがないのではないかということではなく、今回、先行事例を出していただけるということですから、そういった声が出ていないところ、そういったニーズをぜひ拾っていただきたいと切に思います。
次に、
学童クラブの送迎についてです。
学童クラブというのは、親が仕事をしている児童のために生活の場を提供しているわけですけれども、閉所時間が19時の場合が多く、また、18時を過ぎた場合には親が迎えに行く、そういったルールになっています。
区立保育園では延長保育が行われ、多くは夜の9時10時まで、そして、遅い保育園では夜11時まで預かってくれる保育園もあります。子どもが小学生になると、時短勤務からフルタイムに切り替えようと考える保護者もいる中、フルタイムで働いていると、閉所時間までにお迎えに行くのが難しい保護者がおり、そうなると民間の
学童クラブに行かざるを得ません。
しかし、民間の
学童クラブは月額5万円6万円もざらにある状況です。場合によっては、保育園より預けられる時間が短く、そのため、送迎についてルールを見直していくのか、預けられる時間を長くするのか、そういった改善が必要ではないかと思います。保護者が働きやすい
学童クラブにするための区の見解を伺います。
○
子ども家庭課長(西川克介君)
学童クラブの開所時間につきましては、平成12年度、平成25年度及び平成27年度に見直しを行い、保護者の就労状況や子どもの健全な生活時間の確保の観点から、段階的に時間の延長を行い、現在は午後7時としております。
また、児童が
学童クラブから帰宅する際、午後6時まで定期的に児童の見守りとして地域のポイントまで職員が送迎をしております。午後6時以降の時間帯につきましては、児童の安全面に配慮し、保護者の送迎をお願いしております。
前回の見直しから約6年が経過し、この間の
新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえ、現時点での保護者の就労状況や利用実態等について、状況を再度把握してまいります。
○委員(
榎本あゆみ君) 実際に私のところに相談に来ている方、次の4月から1年生になるという保護者の方たちから相談を受けました。今保育園に行っているので、時間としては8時ぐらいまで仕事をして、そこから迎えに行くといったことをやっていたけれども、区の
学童クラブを見たら、自分は行けないのだとなったということでした。
そうなった瞬間に、先ほど紹介しましたけれども、区の
学童クラブであれば、3,000円と2,000円で通えるところを、10倍以上ものお金をかけなければ自分は働けないのかと大変驚いたということでした。ぜひニーズを、現状把握ということですけれども、きちんと見ていただきたいと思います。
次は、保育園の質問をさせていただきます。
業務支援システムの進捗状況についてです。港区の保育園でも、
業務効率化、保護者の負担軽減などの観点から、
業務支援システムの導入を始めると、2021年度
予算特別委員会でも私も伺いました。その際の答弁として、現在、導入ができていない
指定管理者が運営する
区立保育園や港区保育室において新たに
保育業務支援システムを導入することとし、令和3年、今年の10月の運用開始を目指しますという答弁をいただいていました。
今、9月。10月まであと1か月を切りましたが、区内保育園の
業務支援システム導入の現状と、いつ頃から利用開始できる見込みなのか、伺います。
○保育課長(木下典子君)
指定管理者が運営する
区立保育園や港区保育室では、令和3年10月以降の運用開始を目指して準備を進めてまいりましたが、世界的な半導体不足の影響などを受け、システムの運用に必要な
タブレット端末等の配備に時間を要しており、現在、令和4年1月から試験運用を開始し、2月から本格運用を開始する予定で準備を進めております。
○委員(
榎本あゆみ君) ありがとうございます。半導体が足りないということで、これは大変仕方のないことだと思いますけれども、いよいよ年明けには開始されるということで、保育園にとっても保護者にとっても負担軽減になるというシステムに大変期待をしております。よろしくお願いします。
次に、保育園の保護者会について伺います。
保育園では、年度初めなどの節目節目に、保護者と保育園が話す場として、保護者会、また、父母会などを開催しています。現在、
オンラインで行うのか、対面で行うのか、これらは各保育園の裁量で決めることができるため、昨今の状況が相まって、社会として
オンライン化が加速しているにもかかわらず、まだ保育園においては、依然として対面での実施を選ぶ園が少なくありません。
実際に私のところに御相談にいらした方は、保護者会がありまして、その保護者会は対面しかできないといったことで、対面での保護者会に行ったけれども、実際は対面で聞くほどのことでもなかったと。一方的な話であったので、
オンラインでよかったのではないかと。そういったお話でした。
既に
オンライン化を進めている保育園もあるということですけれども、各保育園が柔軟な保護者会の開催方法を進めていけるよう、これは先ほどの
システム導入とも関わってくるかもしれませんけれども、ぜひ推進していただきたいと考えますが、区の見解を伺います。
○保育課長(木下典子君) 保護者会の開催方法については、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、私立保育園では
オンラインで実施している園が複数あります。
区立保育園においても、今後、
オンラインでの実施を積極的に導入していく予定です。家庭の事情によって
オンラインでの参加が難しい方については個々に応じて柔軟に対応するなど、これまで同様、
保護者同士の活発な意見交換の場となるよう、効果的な保護者会の実施を工夫してまいります。
○委員(
榎本あゆみ君) ありがとうございます。やはりこういったところでも、私立と区立と、いろいろ進み方が違うというのが見えてきています。区立はこれから導入ということで、来年の1月2月以降、またやりやすくなるのかと思いますけれども、保育園に預けている保護者というのはやはり働いているわけですから、土日も少しでも子どもと一緒に家族と過ごしたいと。そのように願う家庭が多いわけです。なるべく負担のないような形で進めていただきたいと思います。
次に、保育園でのお昼寝のことについて伺います。
現在、ほとんどの保育園では、夏以降の5歳児を除いて、年齢を問わず、2時間から3時間程度、お昼寝の時間が半ば義務化されたような形で行われています。しかし、入園年齢が3歳である幼稚園でお昼寝の時間は、ここまで長くは設けられていません。幼稚園の預かり保育、延長保育がありますけれども、こちらの延長保育、ある幼稚園では2時15分から3時までの45分間、また、別の幼稚園では3時前後から二、三十分程度の時間に、電気を消した保育室の中でコットに横になり、休息時間を設けているといったことでした。
体と気持ちを落ち着かせるため、休息の時間は必要と考えますけれども、
子どもたちの体力にも個人差があり、体力のある子どもの中には、眠たくないにもかかわらず、お昼寝の時間だからと、横になることを強制されている
子どもたちがいます。
御相談いただいたお子さんは、保育園は楽しいけれども、毎日、眠たくないのに先生に横になることを強制され、2時間もの間ずっと天井を見ていないとならず、つまらないとお母さんに話しているということでした。これを言われたときのお母さんのことを考えると、大変胸が苦しくなります。お昼寝を苦痛の時間と考える子どもがいる上に、体力があるにもかかわらず、お昼寝をすることで就寝時間が遅くなり、起床時間が遅くなる。そういった悪循環が生まれるという保護者の意見もあります。眠たくない子どもは寝なくてもいいよう、緩やかな遊びができる環境を用意するなど、その子の成長に合わせた保育をしていただきたいと思います。
しかし、この問題は、そういった単純な問題だけではなく、
子どもたちが寝ている間、もしくは横になっている間に、連絡帳を書いたり、休息を取ったりと、
保育士たちが忙しく、大変多い業務を何とか減らしていかなくてはいけません。業務を効率化するなど、お昼寝の時間であっても、
保育士たちが保育に入れる余裕のある体制を構築することが必要です。お昼寝を義務化することなく、保育園のお昼寝には柔軟に対応していくことについて伺います。
○保育課長(木下典子君) お昼寝は、子どもの発達や発育を支える上で、適度な休息を取る時間であることから、年齢や時期に応じて睡眠時間を調整するとともに、子どもの生活リズムや在園時間を踏まえ、眠れない子は別室で過ごすなど、個別の対応をしております。
引き続き、保護者と子どもの健康状態などと相談しながら、子どもがリラックスできる時間となるよう配慮してまいります。
○委員(
榎本あゆみ君) 今、個別の対応をしているという御答弁がありましたけれども、本当に全ての区内の保育園がそうなのかというと、実際はそうではないと。私のところに来たお子さんも、何が何でも横になりなさいと。これは完全に強制をされているわけです。
せっかく預けられているその間、2時間から3時間、ずっと本当に何もすることなく、ひたすら天井を見続けていると。女の子のお子さんですけれども、そういった毎日を過ごさなくてはいけないといったことがないように、できるだけ本当に個別に対応していただきたいと思います。
最後に、
訪問型病児・病後児保育の保育料の助成について伺います。
港区では、現在、6つの医療機関で病児・病後児保育を実施しており、2018年度の利用者は4,509人、2019年度の利用は4,336人、2020年度の利用者は1,772人と、
新型コロナウイルス、COVID−19の影響もあり、人数は減っています。病児・病後児保育は、
インフルエンザ等の感染症の流行時期と通常の時期とでは、利用者の数に大変大きな差が出てきます。最もニーズの多いときに合わせて定員を用意すると、それ以外の時期には余ってしまい、逆に少ない時期に合わせて定員を設定すると、冬など、親は休めないけれども、感染症がはやり、子どもが保育園に行けない、そういったときに不具合が出てしまいます。
また、最近出てきている問題では、COVID−19の影響で、少しでも熱っぽい、元気になっていても、病院に行った翌日は休むように保育園から言われたり、病児・病後児保育が今まで以上に求められてきています。
区では、この病児・病後児保育の充実として、訪問型、いわゆるベビーシッター、
訪問型病児・病後児保育利用料助成の補助を実施しています。こちらは、2020年度87件利用のうち、保育園児童が80人、小学生が7人であります。ほとんど保育園児が利用しているということです。過去5年間を見てみましたけれども、例えば、2016年は96件で、保育園児が89人で小学生は7人、翌年は110件中保育園児が103人で小学生が7人、その翌年、2018年度だと111件で、保育園児が104人で小学生が7人、2019年が120件中、保育園が108人、小学校が12人、こういった中を見てみても、全体の90%以上が未就学児、いわゆる保育園児の利用であることが分かります。
こちらの助成制度は助成率50%で、年間5万円まで補助されますが、区の病児保育であれば、区民では1日最大9時間2,000円で預けられます。しかし、満員で預けられずにベビーシッターに依頼した場合、この助成制度を利用したとしても、多額の自己負担となるケースがほとんどです。例えば、私の知っているベビーシッター事業者は、入会金や月会費とは別に、1時間当たり、1時間2,000円の利用料となっています。例えば、1日9時間預けると1万8,000円となり、港区の助成制度を活用しても、9,000円の自己負担となります。港区がやっている病児保育の場合は、1日が2,000円ですから、1日7,000円もの差が生じてしまいます。預けられた人と預けられなかった人にこれだけ費用負担の差が生じている現状について、区としてどう捉えているのでしょうか。差額を少なくするため、助成額を病児保育室の利用料1日2,000円との差額とすべきですけれども、見解を伺います。
○保育課長(木下典子君) まず、費用負担の差の認識についてです。ベビーシッターの利用は、病児・病後児保育室の利用と比べて、自宅で保育を受けられることや、夜間も含めた長時間の保育が可能であることなどのメリットがあります。このため、病児・病後児保育室の空きにかかわらず、お子さんの状態や就労状況などにより、保護者がベビーシッターの利用を選択している場合もあり、サービスの内容に応じた費用を負担していただいていることから、費用負担の差は適切なものと考えております。
また、ベビーシッターを利用した場合の助成額の見直しにつきましては、それぞれのサービスの内容が異なることから、同一の費用負担となるよう、助成額を見直す予定はありませんが、引き続き双方のサービスの利用状況や保護者のニーズの把握に努めてまいります。
○委員(
榎本あゆみ君) これだけではなく、区のサービス全てそうですけれども、そうおっしゃるのであれば、区民が預けたい人全員が預けられるような枠を確保しなければ、今の答弁はおかしいと思います。でなければ、これだけ実際に、別にふだんからベビーシッターを使っている人であればもちろんそれはそれで構わないかもしれませんけれども、そのときだけわざわざベビーシッターに預けざるを得ない人がいるといった中、それでもその費用負担を考えないということであれば、それは非常に無責任なことだと感じます。
○委員長(
池田たけし君)
榎本あゆみ委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(
池田たけし君) 次に、近藤委員。
○委員(近藤まさ子君) 民生費では、初めに、福祉のまちづくりの観点から、港区バリアフリーマップ、施設整備費補助金について、2点お伺いします。
港区バリアフリーマップについては、区有施設をはじめ、交通、商業、宿泊施設から病院、金融機関、神社仏閣に至るまで、457件についてのバリアフリー設備の情報がスマートフォンで簡単に検索できるようになったことについては、大変に評価をしています。
先日、区民から、区内のバリアフリー情報だけでなく、区外の区有施設についても情報を掲載していただきたいとの要望がありました。
そこで、区民が利用する区外施設、例えば大平台みなと荘などの保養施設についてのバリアフリー情報も掲載すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○
保健福祉課長・
みなと保健所新型コロナウイルスワクチン接種担当課長兼務(野上宏君) 港区バリアフリーマップは、高齢者、障害者、乳幼児をお連れの方などが安心して外出できるよう、港区内の坂道等の道路情報や施設のバリアフリー設備に関する情報などを地図データに掲載し、インターネットにより公開をしております。
これまで区内の情報のみを提供しておりましたが、今後、今、委員の御指摘ありましたように、大平台みなと荘など、区外の区有施設におけるバリアフリー設備情報についても掲載できるよう、早期に調整いたします。
○委員(近藤まさ子君) よろしくお願いいたします。箱根ニコニコ高原学園もそうですかね。よろしくお願いいたします。
次に、本年の広報みなと5月1日号に、民間の公共的施設等のバリアフリー整備費用補助についてのお知らせが掲載されました。これは、平成3年から開始された港区福祉のまちづくり整備費補助金事業ですが、これまでの実績は平成7年の1件のみです。区では、東京2020パラリンピック競技大会を踏まえ、平成30年度に事業の拡充を行いました。たしか3年間の時限措置もあったかと思うのですけれども、すなわち対象者を個人事業主まで拡大し、対象項目もトイレの洋式化や手すりの設置なども追加して拡充、そして、補助率を3分の1から3分の2へ、整備基準額も増額しました。
しかし、補助事業の拡充をしても、実績はゼロの状態です。先行きが見えない、
新型コロナウイルス感染症の影響もあるかもしれませんが、発想を転換すると、ウィズコロナになれば、ソーシャルディスタンスを求められることから、移動スペースが広くなり、車椅子利用のお客様が増えるかもしれません。車椅子の場合、入り口の段差で入店をちゅうちょする場合が多いことから、まずは早期に改善できるポータブルスロープのような機器も補助対象に加えられるとよいと思いますが、いかがでしょうか。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法が本年5月に改正され、これまで合理的配慮の義務づけは国や自治体のみで、民間事業者には努力義務となっていましたが、今回の改正によって、今後は民間事業者にも義務として配慮提供が求められることになります。改正障害者差別解消法は、3年以内に施行されることになります。
そこで、港区福祉のまちづくり整備費補助金事業の活用を促すため、ポータブルスロープなどの項目の追加や周知方法など、さらなる見直しについてのお考えを伺います。
○
保健福祉課長・
みなと保健所新型コロナウイルスワクチン接種担当課長兼務(野上宏君) 港区福祉のまちづくり整備費補助事業につきましては、和式トイレの洋式化及び手すりの設置などが補助対象となっており、ポータブルスロープの設置のみでは基準を満たさず、補助の対象とはなりません。
しかし、出入口の幅や通行経路の確保など、基準に定める複数の要件を満たしていれば、ポータブルスロープなどによる出入口の段差解消整備は補助対象となる場合がございます。
今後も、補助事業を御利用いただけるよう、引き続き広報みなと、港区ホームページ、案内チラシの配布等を通じて制度を周知し、補助事業の相談を受けた際には、補助基準を満たすように丁寧に助言するとともに、基準を定めている東京都へ補助対象の拡大などを求めてまいります。
○委員(近藤まさ子君) 東京都への要望までありがとうございます。よろしくお願いいたします。
次に、福祉機器のリサイクルについてお伺いいたします。
要介護者や障がい者が在宅で快適な生活が送れるよう、様々な福祉機器が充実してきました。しかし、介護度が重くなるなどして使えなくなる福祉機器もあります。これまで私の下には、一般的な車椅子、オーダーメード車椅子、シャワーチェア、介護用の電動リフトなど、必要とする方につなげてほしいとの依頼を受け、橋渡しをさせていただいたものもあります。
こうした状況はどこの自治体でもあるのではと調べてみたところ、23区内では、目黒区社会福祉協議会や板橋区いたばし総合ボランティアセンターが福祉機器のリサイクルを行っていました。不要になった福祉機器を譲ってくださる情報を広報し、それを必要として譲り受ける方が引き取りに行くという仕組みのようです。
高齢となり、大腿骨を骨折する方の相談を度々いただきます。すぐに車椅子が必要になった場合には、車椅子ステーションを紹介していますが、症状の固定により、長期に車椅子を必要とする場合もあります。
そこで、港区においても、福祉機器を譲りたい方、譲り受けたい方をつなぐ仕組みをつくっていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○
保健福祉課長・
みなと保健所新型コロナウイルスワクチン接種担当課長兼務(野上宏君) 現在、港区社会福祉協議会では、区民等から不要になった福祉機器の寄附の申出を受けた場合、区内の福祉施設等に紹介し、希望する施設と寄附者をつなぐための調整を行っております。
今後、福祉機器のリサイクルをさらに発展させるため、区民同士を直接つなぐ新たな仕組みづくりの実現に向け、他区の取組等も参考にしながら、寄附者間での個人情報の取扱いや、希望者が見つかるまでの間の福祉機器の保管場所の確保、機器の安全性の担保などの課題を含め、港区社会福祉協議会と積極的に協議してまいります。
○委員(近藤まさ子君) 大変前向きな御答弁、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
次に、入所施設での口腔ケアについて伺います。
好きなもの、旬なものをいつまでもおいしく自分の歯で噛んで食べられる。それだけで季節の変化を感じ、生きていてよかったと思うときがあります。
港区では、お口の健康診断を年に2回無料で受けられ、8020を達成した方は年々増加しています。令和2年度は117名の方が達成されていると伺いました。生涯を通じて歯の健康を維持していくことは、定期的な健診や歯磨きなどの習慣づけが大切とされています。
今回は、高齢者施設や障害者施設の入所者に対しての口腔ケアの現状、そして、課題や今後の対策について伺いたいと思います。
令和3年の介護報酬改定では、介護保険施設の口腔衛生の管理強化を行うため、特別養護老人ホームなどの施設サービスにおける口腔管理体制加算の制度が廃止され、入所者の口腔衛生管理体制の整備は基本サービスに位置づけられました。
また、介護保険ではなく、医療保険においても、訪問歯科衛生指導で入所者の口腔ケアを充実させることができます。
そこで、区立の特別養護老人ホームでは、どのように入所者の口腔ケアを行っているのか、現状についてお伺いします。
○
高齢者支援課長(
金田耕治郎君) 区立の特別養護老人ホームでは、入所者が身体機能を維持し、清潔で快適な生活を送ることができるよう、職員が入所者の口腔内の確認や歯磨きの介助など、日々の口腔ケアを行っております。また、月に三、四回程度、歯科医師や歯科衛生士が施設を訪問し、入所者の口腔ケア指導を行うとともに、研修による職員への指導や助言も行っております。
○委員(近藤まさ子君) 月に三、四回。伺いました。
今回は介護報酬だけでなく、障害福祉サービス等報酬も改定され、口腔衛生管理体制加算、口腔衛生管理加算が新設されました。この加算は、障害者入所施設でも活用できることになりました。
昨年の
決算特別委員会での質問でも取り上げました。伺ったところ、歯科健診、口腔ケアや摂食指導を行っているのは年に2回とのことです。このたび新設された加算を活用すれば、月に2回の歯科衛生士の派遣が可能となります。さらに医療保険を活用すれば、月に4回可能となります。障害者施設での口腔ケアも、誤嚥性肺炎を防ぐために欠かせません。
そこで、障がい者入所施設での歯科健診、口腔ケア、摂食指導の現状と課題、そして、その課題解決のための対策についてお伺いいたします。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 区立障害者入所施設では、嘱託歯科医師による年2回の定期歯科健診を実施するとともに、口腔ケアや摂食指導についても年2回実施することとしておりますが、定期健診と利用者個々の歯科通院や訪問歯科診療のみとなっており、日常の口腔ケアが十分でないことが課題となっております。
令和3年4月に、障害福祉サービス等報酬改定に伴い、口腔衛生管理体制加算等が新設されたことから、嘱託歯科医師による口腔ケアに関する技術的助言等の定期的な実施に向け調整を進めるとともに、歯科衛生士による相談体制を構築し、よりきめ細かな口腔ケア体制の実現に向け取り組んでまいります。
○委員(近藤まさ子君) 月に2回、本当に歯科衛生士が入られることで職員たちの意識も変わってくると思いますし、障がい者の皆さんは、自分で歯磨きをして、自分で認識してやるということができません。また、重度障がい者の方は、歯の治療は全身麻酔でないとできないという方が多いです。全身麻酔のリスクを考えると、せっかくリスクを承知で全身麻酔で歯の治療をしても、その後の日々の歯磨きが十分でなくて、適切でなくて、またすぐ虫歯になる。そして、また全身麻酔で歯の治療をしなくてはならない。このような状況が悪循環が生まれてしまって、本当にちょっとした食べ残しがあって、夜寝たまま誤嚥性肺炎になってしまうということもあります。ぜひ早急に対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、医療的ケア児への支援についてです。
我が会派の代表質問でも取り上げましたが、小さな小さな大切な命が助かって、NICUから在宅に戻ったときに、毎日医療的ケアをするお母さんはどのような思いでしょうか。我が子の障がいをまだまだ受け入れられているとは思えません。将来の不安もたくさんあると思います。そして、自分の大変さはどこにあるのか。精神的なものなのか、肉体的なものなのか。それに対する行政の支援はあるのか。SOSもどこにどうやって出せばいいのか。そのようなときに、どうぞ身近な総合支所に福祉相談窓口がありますから、何でも相談に来てくださいねと案内があっても、出向くことができない状況だと思います。
まずは相談ということではなく、御家族に寄り添いながらじっくり話を伺い、その話の中から困り事を見つけ出し、適切な支援につなげてくれる人が必要だと思っています。若いママたちからの要望でもあります。
港区では、身体障害者相談員6人、知的障害者相談員2人が任期2年で登録されています。障がいのあるお子さんを育てた経験豊富な方や、その障がいの当事者の方が務めていると思います。
そこで、医療的ケア児には、医療的ケアのほかは障がいがない、いわゆる歩ける医療的ケア児から重症心身障害児まで幅が広いことから、身体障がい、知的障がいのほかに、専門の医療的ケア児相談員を配置していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 医療的ケア児の御家族は、お子さんや御家族の方自身の健康状態や、お子さんの生活上の問題など、様々な不安や悩みを抱えながら生活していらっしゃいます。御家族の皆さんからは、同じような医療的ケア児の家族から話を聞きたい、家族同士が出会う機会がない、家族の負担やストレスを軽減させてくれるコミュニティの場が欲しいなどの声が寄せられております。
医療的ケア児につきましても、その家族に寄り添いながら相談に応じていくことは必要なことと考えており、今後、身体障害者相談員などと同様に、医療的ケア児を育ててこられた御家族に御協力をいただき、地域で身近な相談者として、自宅で電話相談に応じるなどの活動をする仕組みを検討してまいります。
○委員(近藤まさ子君) ありがとうございます。港区障害者計画の中にも、医療的ケア児・者をはじめとした障害特性に応じた支援の充実の中で、医療、福祉等の関係機関と連携し、専門的な相談支援の強化など、ライフステージに応じた切れ目のない支援体制を構築しますとあります。
何度も申し上げますが、在宅となったときにどう寄り添えるかが大切だと思います。場合によっては、産後ドゥーラの紹介やレスパイトも必要になります。レスパイトも短期入所か、在宅レスパイトか、居宅生活支援か、担う事業者のことや制度を熟知し、御両親の負担についても、声なき声まで聞き取れるような、人に寄り添っていただきたいと思います。
また、今の御答弁にもありましたけれども、就学前の医療的ケア児のママたち、グループがありまして、大体20人ぐらいでしょうか。障害者福祉課と
オンラインの懇談会を希望されておりますので、ぜひ前向きに御検討をお願いしたいと思います。先ほど保育園の保護者会の
オンラインも検討しているということがありましたけれども、やはり本当に医療的ケア児のお母さんたちは、外に出る、相談に行くという時間がほとんど取れない状況が多いですので、
オンラインでのそうした相談もできたらいいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
最後に、日常生活用具についてです。
港区では、在宅の障がい児・者に、日常生活の利便性向上を図ることを目的に、障がいに応じた支援具の費用を給付しています。例えば、視覚障がいは点字ディスプレイ、聴覚障がいは情報受信装置、平衡機能障がいは移動支援用具、音声言語機能障がいは携帯用会話補助装置、上肢障がいは温水洗浄便座、下肢または体幹機能障がいは移動用リフト、肢体不自由で
体温調節機能を喪失した場合はルームクーラー、内臓機能の場合は、呼吸器機能なら電気式たん吸引器、腎臓なら透析液加湿器、膀胱・直腸ならストーマ装具、紙おむつ、また、知的障がいは電磁調理器、精神障がいは火災警報器など、約100種類に上ります。私も今回質問するにあたっていろいろ調べましたけれども、こんなに日常生活用具が充実していたとは、本当に驚きました。
初めに、障害者手帳を所持していなくても利用できる場合があるのか伺います。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 障害者総合支援法の対象となる難病等に罹患している方は、障害者手帳をお持ちでなくても、日常生活用具の給付対象となります。
ただし、給付される品目が、下肢や体幹機能の障害のある方への移動用リフト、寝たきりの状態の方への特殊マットなどに限られ、障害者手帳をお持ちの方に比べて、日常生活用具の給付品目が少なくなります。
○委員(近藤まさ子君) 難病の方も対象となる場合があるけれども、補助金額が少なくなる、対象も少なくなるということでした。
例えば、夜に目が見えづらい夜盲症の方には、暗所視支援眼鏡をつけることで、より安全・安心に夜間に歩行することができますが、夜盲症のみでは、身体障害者手帳の対象になりません。
そこで、日常生活用具として暗所視支援眼鏡の費用の給付を受けることについて、港区でのお考えを伺います。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 暗所視支援眼鏡は、明るいところに比べて暗いところでの視力が著しく衰えてしまう夜盲症の方に対して一定の効果が認められておりますが、人によって効果の差があることや高額であることが課題となっております。
暗所視支援眼鏡を日常生活用具に追加することについては、独自に対象品目としている自治体から、支給実績、効果の確認方法や支給額などの情報を収集してまいります。
○委員(近藤まさ子君) ぜひ自治体でもしっかりとやっているところもありますので、どのような状況でその支援を始めたのか調査して、検討していただきたいと思います。
例えば、難病でも、小児慢性特定疾患や、大人の難病、特定疾患、何百種類とありますけれども、いろいろな病気があって、まだそのような難病に病名さえもつかない病気もあって、ただ、病名もつかないけれども、症状から大体この難病に該当するのではないかということで、小児慢性特定疾患や難病に認定される場合もあります。
ですので、例えば、このようなことで困っている、夜、目が見えづらい、いろいろなことで困っているという相談を受けたときには、まず、障害者総合支援法に該当する難病であればいいのですけれども、本当にそのほかの難病でも、難病手当の方で出ますなど、いろいろな可能性を探りながら、相談者に寄り添った、何か支援が受けられないか、該当しないかということについて話をよく伺って、支援していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。ありがとうございます。
○委員長(
池田たけし君) 近藤委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(
池田たけし君) 次に、熊田委員。
○委員(熊田ちづ子君) 国の制度であります特別障害者手当についてお聞きします。
重い障害があって、日常生活に常時特別な介護が必要な20歳以上の方が対象で、手当額は月額2万7,350円が支給されます。在宅だけでなく、グループホーム、ショートステイ、有料老人ホーム、サービスつき高齢者住宅利用者の方も対象になります。
特別障害者手当の受給数と、そのうち手帳がなくても受給されている数、手帳を持っていない方の申請があるのか、この3点についてまずお答えください。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 特別障害者手当の本年8月の受給者数は137人で、手帳を所持していない方はいらっしゃいません。また、これまでに手帳をお持ちでない方の申請はございません。
○委員(熊田ちづ子君) 特別障害者手当は、手帳がなくてもこれは申請することができます。介護保険の要介護4、5の人は、手当を受けられる可能性があります。申請が必要ですので、対象者への周知が重要だと思います。要介護4、5の方は手帳を持っていないので、対象ではないと思っている方が多いのではないかと思います。対象要件の3では、両上肢の機能に著しい障害がある。または4では、両下肢の機能に厳しい障害がある。5では、体幹の機能に座っていることができない程度、または立ち上がることができない程度の障害を有するもので、いずれか1つに該当していることが必要です。その上で日常生活動作の評価表で10点以上あることが条件です。医師の診断書が必要ですが、障害者手帳の取得とは違って、認定医の資格がある医師でなく、臨床医が書くことができるので、日頃から見てもらっている主治医に書いてもらいます。
手帳を持っていなくても、要介護4、5の方も手当の対象になる可能性があります。これまでの特別障害者手当についての区の対応は、障害者手帳を持っている方を対象にしていると考えていなかったとしか思えません。それは、手当についてのお知らせを見ても、手帳所持者を前提としているとしか取れない内容になっていますし、申請に必要なものの4には、身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳となっています。
港区の特別障害者手当に関する事務取扱要領にも、障害程度の欄には、障害の手帳の記載で判断できないときは医師の診断によることとなっています。どう見ても、手帳所持者が前提となっている書き方です。
特別障害者の支給に関する省令は、手帳を持っていることを前提にはしていません。著しい重い障害があり、日常生活に常時特別な介護が必要な20歳以上の方に月2万7,350円が支給されます。まず、関係書類を見直してほしいと思います。それから、窓口の職員をはじめ、関係者で情報を共有してほしい。3つ目に、介護保険課と連携してきちんと制度を周知すること。対象になる方が不利益にならないようにすべきだと思います。御答弁をお願いします。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 本手当については、これまでも医師の診断書に基づき判定することを御案内しております。しかし、分かりにくい表現であることから、現在障害者手帳を所持していなくても支給対象となる場合があることを正確にお伝えできるよう、案内文書などの関係書類の見直しを進めております。
今後、申請を受け付ける各地区総合支所の職員やケアマネジャーなど、高齢者を支援する関係機関の職員と関係書類の見直しについて情報共有するとともに、高齢分野とも連携を図り、対象となる区民に情報が行き届くよう、制度の周知に取り組んでまいります。
○委員(熊田ちづ子君) これ、支給開始日は、原則として各支払い月の5日となっていますので、不利益を早急に解消するために急ぐ必要があります。今後の取組についてお願いします。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 本手当は、広報みなとや区ホームページなどで制度周知はもとより、高齢者相談センターやケアマネジャーの方などにも御協力を仰ぎ、対象となる可能性がある区民等が速やかに申請できるよう取り組んでまいります。
○委員(熊田ちづ子君) 担当の方だったり、事務取扱要領だったりも、障害者手帳が前提とした書き方になっているので、一般の人にはなかなか分かりづらいわけです。ですので、そこはぜひお願いしたいと思います。
障害者の雇用を守ることについてです。
法定雇用については、別の機会で取り上げたいと思います。
障害者の雇用の拡大について、区は、今後、障害者の雇用の拡大に取り組んでいく計画で、その1つに、今、区役所1階の売店はなみずきで在宅障害者が分身ロボット、オリヒメを使って接客や商品案内を試行で行いました。私も2度ほどオリヒメを通じて対話しながら買物をいたしました。NHKでも報道されたようです。
在宅の方がこうした形で仕事の機会が増えるのはとてもいいことだと思います。体調の問題など課題はたくさんあると思いますが、拡大されることを期待したいと思います。今後の取組についてお答えいただきたいと思います。
もう1点、一緒に聞きます。超短時間就労についてです。
私の知人も、就労と入院を繰り返しています。民間ではなかなか短時間の就労の機会はないので、どうしても無理をしてしまい、体調を崩して入院を繰り返すという方も多いと思います。超短時間の雇用は機会が増えることは重要ですので、民間のコーディネーターに委託をするということですが、雇用の場の拡大が課題だと思います。
まず、区自らが雇用の場をつくること、それは区の中でもそうですけれども、あと、一般事業の開拓に取り組むべきだと思います。これについてお答えをお願いします。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 今年度開始した障害者の新たな就労機会の創出事業では、重度障害者の方が自宅から分身ロボットを操作して接客を行う実証実験を実施しております。この実証実験は、分身ロボットの導入に必要な環境整備の工夫や仕事内容など、重度障害者の方の働く上で必要な配慮を明らかにしていくもので、様々なメディアにおいても、新たな働き方として取り上げていただきました。
今後は、より多くの重度障害者の方に分身ロボットの操作を体験いただき、仕事内容や勤務時間を変えるなど、様々な条件で働くことで、この働き方に必要な工夫や課題などのデータをさらに収集してまいります。
さらに、区のツイッターなどでこの取組を継続して情報発信し、民間企業での導入を目指すことで、障害者の新たな就労機会の創出を推進してまいります。
2点目の超短時間勤務についてでございます。現在、区内部では、超短時間就労に適した業務の具体的な検討を進めております。できるだけ早く区において超短時間就労の機会を創出し、区が率先して取り組んでいる姿勢を示していきたいと考えております。
委託したコーディネーターが港区内外の企業を訪問し、超短時間就労の導入に向けた交渉を行っておりますが、区自らが取り組む姿勢が企業に超短時間就労の導入を働きかける際の後押しになるものと考えます。
○委員(熊田ちづ子君) 進めていく上で、本当に区の積極的な取組が重要だと思いますので、ぜひお願いします。
あと、障害者団体の支援についてです。
障害者団体への支援事業として学習活動支援事業があります。今年度は1団体2万8,500円が上限で、申込み団体が多いと、上限額が下回る場合もあるとなっています。今年度は19団体から申請がありました。障害者にとって、日常の活動を続けることはとても重要です。障害者団体からも要望が来ていると思います。実態に合わせて助成額の見直しをすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 本事業は、区内の障害者団体に対し、書道などの自主活動や成年後見制度等をテーマとした学習会を開催した際に、講師の謝礼などを区が助成することで、各団体の学習活動を支援しております。
今後、各団体の活動実態の把握に努め、助成額の見直しを検討してまいります。
○委員(熊田ちづ子君) よろしくお願いします。
最後にもう1点、生活保護利用者を
新型コロナウイルス感染症から守るために、マスクや消毒液など、衛生用品を支給することについてです。
新型コロナウイルス感染症が終息するにはまだまだ時間がかかります。感染予防対策は今後も続いていくことになります。区は、これまで多くの支援を行ってきました。その1つに、ひとり親の方、障害者の方などへのマスクや消毒液など、衛生用品が配付されてきました。生活保護利用者へも配付すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○
生活福祉調整課長・
芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務(相川留美子君) マスク、消毒用のアルコールなどの日常生活品については、生活保護費の範囲内で賄うべきものとされております。このため、区は、生活保護受給者に衛生用品を配付することは考えておりませんが、区内の企業や個人の方々から、区で役立ててほしいとしていただいたマスクを各地区総合支所の窓口に配置し、必要に応じて配布をしております。
○委員(熊田ちづ子君) 生活保護費の中でという、これまでにない出費になっているわけですので、ここについてはもう一度きちんと見直しをしていただいて、ぜひ支援していただきたいと思います。
終わります。
○委員長(
池田たけし君) 熊田委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(
池田たけし君) 次に、榎本茂委員。
○委員(榎本茂君) 民生の質問ですが、コロナ禍において、みなと保健所の3歳児健診の受診率が非常に低下しているということで、これは港区に限ったことではないのですけれども、私が以前より取り組んできた弱視の検査も、受診率に比例して未受診者が増えているということになります。
何度も申し上げ続けてきていることなのですけれども、弱視というのは、3歳で発見して治療を開始して、5歳までに治療を終えることができれば、これは2年間のゴールデン期間と言われていますけれども、9割以上の確率で治ると言われています。3歳で発見してあげること、発見したら専門医に任せて治療を開始すること、全ての子どもが3歳のときに視力検査を受けて、発見してあげられる機会を手にする。これは我々大人の義務であり、できるのにやらないということがあっては絶対いけないと考えるところです。
保育園におきましては、3歳児健診の重要性を本当に熱心に保護者に対して伝えていただき、受診率向上に非常に努力をしていただいていることについては、感謝を申し上げるとともに、敬意を表するものであります。
ここで質問なのですけれども、保育園で園児の視力検査を行っているということなのですが、何歳のときに行っているのか、教えてください。
○保育課長(木下典子君) 4・5歳児クラスを対象に実施しております。
○委員(榎本茂君) そうなのです。3歳のときに、できれば本当は弱視を見つけてあげないと意味がないというか、本当に治療の開始の時期が間に合わなくなってしまうのですが、4・5歳でやっているのです。
保育園の視力検査は誰が行っているのか、教えてください。
○保育課長(木下典子君) 保育園の看護師が実施しております。
○委員(榎本茂君) 眼科医や視能訓練士ではなくて、保育園の看護師がやっている。ただ、これは本当は機械を使ってしまえば、みなと保健所にある機械があれば、保育士でもできてしまうのです。本当に保健師でなくてもできてしまうので、ぜひ3歳でやってはどうかと思うのですけれども、次の質問は、検査の項目と内容と検査目的、これを教えてください。
○保育課長(木下典子君) 検査項目は、円形の欠けた部分を子どもが言葉や指で示すランドルト環を用いた検査を実施しております。
内容は、検査結果が0.7以下の場合は、翌日以降に2回まで再検査を行い、再検査においても0.7以下となった際には、園医と相談の上、眼科専門医の受診を保護者に勧めています。
検査の目的は、早期に視力の異常を発見するためです。
○委員(榎本茂君) 保育園児というのは、私、機械による検査というのを200人以上やってきまして、横浜から北千住辺りまで、今年も板橋区、練馬区と回ってきたのですけれども、子どもというのは、コミュニケーション能力がまだ3歳、4歳、5歳というのはないので、なかなか正確な視力を測ることは難しいのです。できるだけ私は、保健所が導入したあの機械を使ってやってほしい。これは機械を使うと、本当に1秒でできてしまうので、何とか今やっている4・5歳児の、今、大人がやっているようなランドルト環で、どっちが見えるかとやるのではなくて、機械の導入を何とかお願いしたいと要望して、質問は終わります。
以上です。ありがとうございました。
○委員長(
池田たけし君) 榎本茂委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(
池田たけし君) 次に、やなざわ委員。
○委員(やなざわ亜紀君) 学習支援事業についてお伺いしてまいります。
1年半に及ぶコロナ禍で、
子どもたちの学習環境というものの状況は、とても脅かされています。例えば、文部科学省が今年5月に実施した2021年度全国学力・学習状況調査で、コロナ禍による休校期間中に勉強に不安を感じたかという質問に、中学校の全国平均は62.8%が「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と答えていたり、最近では、研究者のグループが小・中高生らにコロナ禍の学習状況を尋ねたところ、約5割が「授業の内容が難し過ぎると思う」、約4割が「授業の進み方が早過ぎて内容が分からない」、約3割が「学校の宿題や課題が多くなり負担が増えたように感じる」と答えています。
子どもたちへの学習の支援というのはとても必要で、港区が実施している子どもの未来応援施策、学習支援事業というものは希望の光だと思います。
そこで、昨今の実績状況や
子どもたちの反応などについて、お聞かせください。
○
生活福祉調整課長・
芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務(相川留美子君) 学習支援事業を利用している中学生は、令和2年の利用が130名、令和3年度当初の登録者が148名です。また、高校生は、令和2年度が51名、令和3年度当初の登録者が43名です。
令和3年3月に実施した生徒へのアンケートでは、中学生、高校生共に、「少人数なので理解できるまで丁寧に教えてもらえた」「進路への不安や悩みを聞いてもらえて、勉強への意欲が湧いた」などの声があり、スタッフの親しみやすさや指導の丁寧さに8割以上が満足しています。
○委員(やなざわ亜紀君) この事業を始めた頃よりも随分と登録者数も参加人数も増えてきて、非常に今、感想を聞いても、すてきな事業だと思います。よろしくお願いしたいと思うのですが、コロナ禍で親の経済格差というものが、子どもの学力格差に影響を及ぼすということがますます確実になってきていると思われます。というのは、やはり塾や家庭教師などでしっかり勉強できているお子さんは、影響に関してはそれほど影響ないということも聞いております。しかしながら、最近では、コロナ禍による家族の収入の減少で、塾通いなどを断念せざるを得ないという家庭も増えてきました。
例えば、私のところにも、収入は減少するけれども塾代は変わらない、ほかの区でしているような子どもがいる家庭への給付金を港区でもお願いしますというような連絡が来たりもする現状でございます。
また、生活困窮家庭とまではいかなくても、経済的に苦しい家庭は増えてきました。そこで、学習支援事業を、対象者だけではなくて、誰でも利用可能とするなど、支援事業の拡大が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○
生活福祉調整課長・
芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務(相川留美子君) 区は、これまでも港区生活・就労支援センター、港区子ども家庭支援センター、港区児童相談所など、関係機関を経由して相談があった生徒については、家庭状況などの事情を確認した上で、生活保護受給世帯、就学援助受給世帯などでなくても事業への参加を認めるなど、柔軟な対応を行っております。
新型コロナウイルス感染症の長引く影響により、生活に困窮する世帯がかなり増加することを踏まえ、引き続き柔軟な受入れに努めるとともに、受入れ数を増やすため、会場の確保などを検討してまいります。
○委員(やなざわ亜紀君) ありがとうございます。柔軟に対応していただいて、これからもいろいろ会場の確保などをしていただけるということで、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
子どもたちの学習の支援というのは、本当に今課長がおっしゃっていただけではなくて、子ども家庭課や教育委員会などとしっかりと連携していただけたらと思います。
続いて、みなと子ども相談ねっとについてお伺いします。
みなと子ども相談ねっとについて、コロナ禍で夏休み明け、社会の問題の多様化、複雑化によって、
子どもたちの悩みというのは本当に増えていると想像されます。国立成育医療研究センターのグループが、
新型コロナウイルス感染症の流行が
子どもたちに及ぼす影響についてアンケート調査を行ったところ、回答した子どもの50%以上が、
新型コロナウイルス感染症の影響で先生や大人への話しかけやすさが減ったと答えるなど、悩みなどを相談しにくい状況が続いている可能性があることが分かりました。
家族がしっかりと子どもと向き合っていくことというのはもちろん大事ですが、家族に話せないことなどを子どもは抱えているかと思います。港区のみなと子ども相談ねっと事業は、そのような
子どもたちの支えになると思います。
そこで、昨今寄せられる悩みなどの相談件数、悩みはどのようなものがあるか、お聞かせください。
○
子ども家庭支援センター所長(安達佳子君) 令和2年度の相談件数は、57件でした。主な内容としては、心の悩みが17件と一番多く、次に親子関係の14件、友達関係の8件です。
令和3年度に入ってからは、8月までに7件の相談があり、主な内容としては、いらいらする、眠れないなどの心の悩みが4件、テストの不安、友達関係など、学校関係の相談が3件となっています。
○委員(やなざわ亜紀君) ありがとうございます。心の悩みというものを抱えていらっしゃるお子さんというのはやはり非常に多いと思います。
子どもたちへのみなと子ども相談ねっとの普及、難易度についてです。学校でプリントというか、案内のカードをもらったりなどをしてきてはいるのですけれども、やはりここに連絡してみようかとなかなか思えることというのは勇気が要ることだと思いますので、そういった難しさ、抵抗感というのを感じることなく相談できるようにしていっていただきたいと思いますが、どのようにされていかれるのか、お聞かせください。
○
子ども家庭支援センター所長(安達佳子君) これまで様々な機会を捉えて、みなと子ども相談ねっとを周知してまいりました。令和2年度からは、子どもが困ったときにすぐに相談先が分かるよう、みなと子ども相談ねっとの案内を掲載したマスクケースを区内の公立小・中学校の生徒に配布し、事業の認知度も高まっています。今年度は、10月に配布する予定です。
みなと子ども相談ねっとは、子どもが相談しやすいよう匿名で相談でき、どんなささいな相談でも、まずは相談してくれたことにありがとうと伝えています。子どもによっては、複数回のやり取りを行う中で悩みを打ち明けることもあり、相談に応じた心理士や保健師が子どもの話に共感し、メールの終わりには、また相談を待っていますと、子どもがいつでも相談していいのだと感じられるように配慮しています。
○委員(やなざわ亜紀君) ありがとうございます。きっと区の職員の方々は非常に丁寧に対応してくださっていると思いますし、まずは、きっかけということの難易度というのがやはりあると思うのです。今お聞きしましたが、10月にマスクケースが配布されるときに、配布だけではなくて、何か悩みがあったらここに相談してみるといいよと、担任の先生から一言あるのとないのとでは全然違うと思いますので、そういった声かけというのも必要だと思います。もし可能ならば、そのように広めてみてくださいと先生にもお伝えいただければと思います。
今、
新型コロナウイルス感染症の影響というのは、子ども目線で捉えることが必要だと思いますので、様々な取組を区の職員の皆様でお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
以上で終わります。
○委員長(
池田たけし君) やなざわ委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(
池田たけし君) 次に、山野井委員。
○委員(山野井つよし君) 介護サービス事業者のBCPの策定支援についてお伺いをさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症は、介護サービスの現場にも大変大きな影響を及ぼし、残念ながら、港区でも感染者が発生し、発生によりデイサービスを休止せざるを得ない、そうしたケースも生じました。
こうした場合、ケアマネジャーの調整により、利用者への介護サービス提供が滞る事態は回避されるのでしょうけれども、使い慣れた施設や状況をよく知るホームヘルパーによるサービスの継続といったものが望まれます。
介護サービス事業所は、極力業務を継続できるよう努めるとともに、万一業務の縮小や事業所の閉鎖を余儀なくされるような場合でも、利用者への影響を極力抑えるよう、事前の検討を進めることが肝要となります。
こうした中、本年の介護保険制度改正では、感染症や災害への対応強化が大きなポイントとして掲げられ、介護サービスを安定的、継続的に提供していくためのBCP、業務継続計画の作成が義務づけられました。
経過措置期間に3年が設けられており、介護サービス事業所は、2023年度中にBCPを策定する必要がありますけれども、どのような策定をすればよいのか分からないといった戸惑いの声も聞こえてきます。
国、
厚生労働省は、昨年12月にガイドラインを作成するとともに、策定を支援するための研修動画を配信していますけれども、区としても、区内介護サービス事業所のBCP策定を支援していただきたいと思います。区のお考えをお聞かせください。
○
介護保険課長(重富敦君) 制度改正を踏まえました対応としましては、本年7月に開催した介護サービス事業者の管理者向け研修におきまして、BCP、業務継続計画の策定をテーマに、制度改正の背景や狙い、国のガイドラインなどの紹介を行い、自然災害や
新型コロナウイルス感染症を想定したBCP策定の必要性や重要性について分かりやすく説明を行いました。
今後は、研修のカリキュラムをより実践的な内容へと充実し、3年の経過措置期間内に全ての事業者がBCPを策定できるよう取り組んでまいります。
○委員(山野井つよし君) 御支援のほどよろしくお願いいたします。
次に、介護サービス事業所等へのPCR検査の支援について質問をさせてください。
区では、介護サービス事業所の職員や利用者が医療機関でPCR検査を受けた場合の費用を助成するという制度を昨年12月から実施しておりますけれども、実績が思ったほど伸びていないと私も感じております。
この問題について、我が会派の阿部委員も代表質問で取り上げていただきまして、武井区長からは、引き続きさらなる制度改善も含めて、施設等でPCR検査を積極的に受けていただけるよう支援をしていくという前向きな答弁を頂戴しました。
さらなる制度改善を検討するということですけれども、具体的にどのような課題があって、どのような方向で改善を検討しているのかということをお伺いさせていただきます。
○
介護保険課長(重富敦君) 課題としましては、例えば、特別養護老人ホームで、ショートステイの同一の利用者に対して入所のたびにPCR検査を行う場合、助成対象を1人当たり年間2回までとしている現在の基準では、3回目以降は施設側が経費を支払うことになるなど、介護サービス事業者等の負担感が大きくなっていることが分かっております。そのため、現在、感染予防に取り組む介護サービス事業所等を継続的に支援できるよう見直しを検討しております。
併せて、各施設等の状況に応じてPCR検査を適切に活用していただけるよう、施設の特性やサービスの種別ごとに事例を紹介するなど、区の助成制度を分かりやすく案内するとともに、感染が判明した場合の区の支援策などを改めて周知し、PCR検査を促進してまいります。
○委員(山野井つよし君)
厚生労働省は、9月24日に、抗原検査キットの調剤薬局での販売を解禁すると発表しました。医療用として承認された精度の高い検査キットを身近なところで購入できるようにして、感染の早期発見に役立っているとのことです。これは、
厚生労働省が、ある意味、抗原検査キットの有用性を認めたということかと思います。
抗原検査キットは、PCR検査に比べて精度は落ちますけれども、安価であること、そして、すぐに結果が出るなどのメリットも大変大きいです。先ほど課長も答弁の中にございましたけれども、PCR検査の支援が年に現在2回しかないということ、これが私も使わない一番の原因かと思っています。陽性者などが出た場合には、もちろん無制限にやられるということですけれども、これが安価な抗原検査キットということであれば、もっと回数を増やせたりということもあるのかと思いますので、ぜひ抗原検査キットの導入の支援というものも検討していただければと思います。
以上で質問を終わります。
○委員長(
池田たけし君) 山野井委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(
池田たけし君) 次に、なかね委員。
○委員(なかね大君) よろしくお願いします。民生費に関しまして、4点、質問させていただきます。
まず、初めに、MTBIの周知・啓発についてお伺いいたします。
軽度外傷性脳損傷、通称MTBI、この病気は、交通事故や高所からの転落、転倒、スポーツ外傷、暴力、乳幼児の揺さぶりなどにより、頭部に衝撃を受け、脳で情報伝達を担う神経線維、軸索と呼ばれるケーブルが損傷し発症する病気です。
2007年、世界保健機構、WHOの報告によれば、外傷性脳損傷、TBIは、けがをしたときの意識障がいの程度により、軽度、中度、重度に分類され、年間1,000万人の患者が発生していると推測され、このうち9割が軽度外傷性脳損傷と言われています。さらに20年後には、世界第3位の疾患になると予測をされており、全世界に向けて対策が急務であると警告をしております。
これまで私たちの会派では、幾度となくこの問題を取り上げ、周知・啓発の取組を要望してまいりました。平成24年第4回定例会には、軽度外傷性脳損傷者に関わる労災認定基準の改正と教育機関への啓発・周知を求める意見書が全会一致で採択され、国に提出されたことで、全国的に周知・啓発が進むきっかけとなりました。
そこでまず伺います。これまで港区では、MTBIの周知・啓発にどのように取り組んでこられたか、お伺いいたします。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 区は、平成27年度から、軽度外傷性脳損傷、MTBIの理解促進や普及啓発を目的としてリーフレットを作成し、各地区総合支所や児童館、いきいきプラザ等で配布するとともに、子どものときの事故などが原因となる場合もあるため、小・中学校の1年生全員に対しても配布しております。
また、港区ホームページやツイッターなどで、MTBIの具体的な解説や相談窓口を紹介するなど、区民がMTBIを正しく理解できるよう、周知啓発に努めております。
○委員(なかね大君) ありがとうございます。子ども関連施設であったり、各地区総合支所、あと、高齢者のいきいきプラザ等、また、学校においては、新1年生の児童たちを対象に、そうした啓発を進めてくれているということで、大変ありがとうございます。
また、MTBIの関係団体の代表理事の方からも、港区で作っていただいたリーフレットが周知・啓発に役立っているということで大変喜ばれておりまして、引き続きお願いをしたいと思っております。
現在、MTBIの啓発リーフレットは、多くの自治体で作成されております。東京23区では、現在作成中の中野区、板橋区を含めると、全23区で設置されることとなります。このパンフレットには、病気を引き起こす主な原因として、先ほども紹介しましたが、高いところからの転落や乳幼児の揺さぶり、また、スポーツ時での外傷なども注目されており、日本神経学会では、サッカーのヘディングによる慢性的な脳への影響も懸念しており、サッカー界では、幼児期の成長期でのヘディングは積極的に行わないよう指導を行っております。
また、東京2020オリンピック競技大会でスケートボードの日本チームが活躍を見せたこともあり、現在、スケートボード人口が増えてまいりました。競技者にヘルメット着用を促すためには、MTBIの周知を通し、そのリスクを伝えることが大切だと考えております。
また、コロナ禍にあって、運動不足やひきこもりで体力の低下による高齢者の転倒が危惧されております。高齢者の脳損傷は、認知機能や歩行機能を加速的に低下させるリスクが高いです。フレイル予防事業や健康促進事業の中でも、MTBIの周知・啓発が進むことを期待しております。
さて、先ほど理事者から御説明がありましたように、港区では平成27年度にパンフレットを作成していただきました。その後、他区がパンフレットを作成する際に参考とされてまいりましたが、以後6年がたち、MTBIの認知が進むと同時に、学会での新たな検証も進んでおります。ですので、この周知については、パンフレットの内容のアップデートも必要になってくるかと思います。
そこで伺います。今後、現状の情報なども取り入れ、より区民に伝わりやすい構成に変えていく必要があると考えますが、区としてはどのようにお考えでしょうか。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) リーフレットは、MTBIを正しく理解していただくために重要なものであり、改訂する際には、子どもが自転車に乗るときにはヘルメットを着用しよう、また、委員に御紹介いただきました事例などを示しながら、MTBIを予防するためには何をすべきかを、子どもに分かりやすい表現やイラストを用いたり、振り仮名をつけたりするなど工夫することで、大人から子どもまで誰でも理解できる内容となるよう努めてまいります。
○委員(なかね大君) ありがとうございます。今、本当に脳のことが大変社会でもすごく大きな話題になっているかと思います。各自治体のいろいろなパンフレットを見ましても、本当に脳を守っていこうというのを前面に挙げられて、それがリーフレットを取る一つのきっかけになっているという声もありますので、ぜひそういったものを参考にしていただいて、より分かりやすいリーフレットにしていただければいいと思っております。よろしくお願いします。
続きまして、タクシー利用券の給付事業の支援強化についてお伺いします。
現在、港区では、身体障がい者手帳をお持ちの方で、下肢、体幹機能障がい、または視覚障がい1から3級の方、内部障がい1級の方、呼吸器機能障がい1から3級の方、愛の手帳1・2度の方、精神障がい者保健福祉手帳1級の方を対象に、タクシー利用券の給付事業を行っています。
その内容は、生活圏の拡大及び経済的負担の軽減を目的とし、年間4万4,000円分のタクシー利用券を給付するものです。
利用券を使用できるタクシーは、港区と協定を結んでいる事業者のタクシーに限られており、現在、108の事業者を利用することができ、その中には車椅子のまま乗車できる介護タクシーも含まれております。
今回、
新型コロナウイルスワクチン接種に当たって、会場までの移動のために対象を拡大して、タクシー利用券が給付されました。この事業においては、他区と比較して港区が優れていたと感じる部分は、料金に限度がなかったところです。多くの自治体でもタクシー券の給付を実施しましたが、そのほとんどは1回の接種につき1,000円分が2枚支給され、超過分は自己負担となっておりました。
港区が利用上限額を設けなかったことで、車椅子を利用されている方は大変喜びの声をいただいております。ふだん車椅子を利用される方がタクシーに乗るためには、昇降機がついている介護タクシーを使用する必要があります。介護タクシーを利用すると、多くの場合、乗車料金のほか、予約料や迎車料、必要に応じては介護料金がかかり、2,000円から3,000円が上乗せされます。そのため、車椅子を利用される方には大きな負担となります。
通常、車椅子利用者の方が昇降機つきのタクシーを求められる際には、区としては福祉キャブを御案内しています。これは、区が委託した事業者の昇降機つき車両を利用してもらうもので、料金は普通、タクシーの乗車料金のみとなっておりますが、なかなか予約が取れないとの声もいただいております。そうした方からは、介護タクシーが利用しやすいように支援を強化してもらえないかとの声もいただいております。
今回、
新型コロナウイルスワクチン接種でのタクシー券利用者は、8月末現在で、高齢者、障がい者を合わせて1万3,435件、そのうち約3.4%に当たる468件の方々が介護タクシーを利用されており、一定程度介護タクシーを求める方がいることから考えても、より支援の強化が必要と考えます。
今、タクシー利用券が使用できる業者の一覧には、電話番号と福祉車両の有無と介護の資格がある乗務員の有無が記載されておりますが、住所が書かれておりません。そのため、港区の自宅までどれくらいの距離で、迎車料金がどれくらいかかるのかが分かりません。丁寧な案内になるよう、工夫が必要と考えます。
また、世田谷区や目黒区、渋谷区では、やはりタクシー利用券を給付しておりますが、介護タクシーを利用する際の予約料、迎車料の補助券を発行し、負担軽減策を実施しています。
質問は、タクシー利用券を利用し、介護タクシーを利用する方がより利用しやすいよう、支援の強化に努めていただきたいと考えますが、区の見解をお伺いします。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 登録して御利用いただく昇降装置つきの福祉キャブについては、対応できる事業者や車両台数が限られていることから、予約が取りにくいなどの御不便をおかけしております。福祉キャブの予約が困難なために、介護タクシーを利用している事例があることは承知しておりますが、詳細は確認できておりません。
今後、事業者の協力も得ながら、実態把握に努め、支援の必要性を検討してまいります。
また、タクシー利用券が使用可能な事業者一覧につきましては、御指摘いただきました事業者の住所を加えるとともに、より詳細な情報も掲載するなど、内容の充実を図ってまいります。
○委員(なかね大君) ありがとうございます。
港区の課題の一つに、交通不便地域の解消策というものがあります。ますます高齢化が進む中で、この課題は喫緊の課題だと考えております。タクシー利用券の給付事業は、こうした課題を解決するための一助となっていることは大変評価をしておりますけれども、今後、高齢化がさらに進み、そういった将来を見据え、港区の現状や他区の事例も参考に、さらなる支援の拡充をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
続きまして、障がい者支援の広がりについてお伺いします。
これまで1年半以上にわたって長引くコロナ禍の中で、誰もが感染への不安と日常生活に対するストレスを感じ、先行きが見通せず、焦燥感や閉塞感を抱えているといった社会状況が続いています。ステイホームやリモートといった自粛要請の結果、人々の行動や生活に制限が加えられることにより、これまであった人のつながりや潤いといった社会生活の中での大切なものが失われています。以前は当たり前だった交流、歓談の場である飲食が自由にならないことも、交流の希薄さに拍車をかけている状態であります。
そのような社会状況の中、本年8月24日から9月5日の日程で、東京2020パラリンピック競技大会が行われました。その大会の意義は、パラスポーツを通じたインクルーシブな社会創出に向けて、多様性を認め、誰もが個性や能力を発揮し活躍できる公正な機会を与えられている場であるとし、その大会のモットーには、世界は間違いなく異なる人種や性や世代でできていて、多種多様な価値観が存在する。人と人は明らかに異なり、しかし、間違いなく同じだとのメッセージが掲げられております。
実際の競技種目では、車椅子のラグビー、バスケットボール、フェンシング、また、ゴールボールやシッティングバレー、ボッチャなどといった様々な競技が、自国開催とのこともあり、テレビ放映されたことで、初めてゆっくり観戦することができました。
パラリンピックの種目は、競技者の状態によって細かくクラス分けがされ、さらに競技種目によっては、競技者に持ち点や必要な用具が付与され、同じルールの中で競い合える様々な工夫がされていることにも感銘を受けました。パラリンピアンの方々が多様性を体現し、困難に挑戦する不屈の姿勢は美しく、驚きと感動を持って応援いたしました。
そこでまず伺いますが、東京2020パラリンピック競技大会を通して、障がいに対する区民の反響、また、障がいのある方、御家族の方の受け止めはどのようなものであったでしょうか。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 大会に先駆けて、障害保健福祉センター内に聖火ビジットを設置しましたが、見学した施設の利用者の中には、帰宅後も家族とパラリンピックの話をされるなど、高い関心を寄せられている方もいらっしゃいました。
また、センターの事業としてボッチャを実施した際に、参加者からは、パラリンピック選手のように練習すればうまくなるので、やる気が出たなどの声も寄せられております。
また、区が実施する手話講習会など、障害に関する研修に対する問合せが増えたことや、町会や企業から障害者就労支援事業所のお菓子など、自主生産品の購入に関する問合せも増えている状況です。
メダリストに贈られたビクトリーブーケの制作には、区内の障害者就労支援事業所も携わっており、そこで働く障害者の方は、大きな仕事をやり遂げて自信につながったと話しているなど、東京2020パラリンピック競技大会は、様々な方々に障害に対する意識の変化や関心の高まりをもたらしていると考えております。
○委員(なかね大君) 今、伺いまして、東京2020パラリンピック競技大会の反響がいかに大きなものであったかということを改めて感じました。
本年6月に、区内の障がい者施設、港区立精神障害者支援センター、あいはーと・みなとが建て替えられ、新装となりました。建物のエクステリアには、壁面に木材と植栽が配置され、黒いルーバーがほどよいアクセントとなっており、1階に開かれたカフェの明るい雰囲気もあり、道行く人の興味と関心を集めております。
また、外国のことですが、障がい者の呼び名を、以前はハンディキャップパーソンとしておりましたが、最近では、チャレンジドパーソンと言い表すなど、環境が変化してきております。
スポーツや文化芸術活動などで障がい者の活躍が紹介、宣揚されること、利用施設が興味と関心を呼び、外へ開かれていること、その呼び名が変化していくことなど、いろいろなアプローチから、社会の中にある、あるいは心の中にあるバリアが取り払われています。
障がいのある方ない方の双方での理解、関わり合いが進み、さらに広がるように、区で計画されている南青山や芝浦の障がい者グループホームの建築も待たれるところであります。
また、民間のグループホームや自立支援施設とのさらなる連携、支援の強化もお願いしたいです。
先日、区役所本庁舎の福祉売店はなみずきでは、障がいのある方が分身ロボットを活用して接客、物品の販売が実証実験で行われ、大きな反響を呼びました。こうした新たな社会参加の道が広がることも期待するところです。
そこで質問は、障がい者の方のスポーツや文化芸術の分野に加え、さらに社会参加を推進し、共生社会実現に向けて、ICTの活用などにより、新たな就労機会の創出や選択肢の広がりについてどのように取り組むのか、お考えをお伺いします。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 区は、障害特性に応じて就労できる仕組みづくりに取り組んでおります。その中で、ICTを活用した新たな取組として、障害特性により就労することが難しい重度障害者が、自宅から操作できる分身ロボットを活用して就労する新たな働き方を進めております。
現在、区役所1階福祉売店はなみずきの実証実験を行っており、分身ロボットの導入に必要な環境整備の工夫、仕事内容など、重度障害者の方が働く上で必要な配慮や条件について検証、分析しております。
今後は、検証、分析結果を基に、各区有施設への分身ロボットの導入を検討するほか、民間企業での導入を積極的に働きかけるなどして、障害者が社会で活躍する場を増やすことで、障害者の自立と社会参加を促進してまいります。
○委員(なかね大君) どうかよろしくお願いします。
私の持論ですけれども、障がい者の支援の広がりというのは、いわゆる支援をされる側、支援をする側といった壁をなくしていくことにつながっていくのではないかと思います。そして、その壁がなくなったときに、ひいてはそれぞれの心のバリアや、その差異を乗り越えるという部分に大きな影響を与えていくのではないかと思います。その先に真の共生社会というものが生まれてくるのだと思いますし、また、そうしたときに、障がいを持って生まれたこと、また、障がいを後天的に得たことというものも、そこに価値が生まれてくるのではないかと私は考えております。ぜひ障がい者支援の広がりをさらに拡充していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
最後になりますが、港区社会福祉協議会との連携についてお伺いします。
昨年来続いている
新型コロナウイルス感染症の影響により、区民の方には、事業悪化による売上げや収入の減少、そして、生活資金の困窮といった状況に陥った方も多くおられます。何とか回復を目指そうと、国や東京都などの様々な支援金、給付金、協力金といった助成、補填を受けようと苦慮、苦心をされておられます。
申請した助成金が手元に入るのに時間がかかるなど、困窮状態が続き、本年前半には、昨年よりもその厳しさを増したことを実感します。
後半では、
新型コロナウイルスワクチン接種の広まりや療養体制の整備などで感染者数が落ち着きを見せ、経済が回復傾向にあるとのことですが、個人の生活においては、なお経済的な後遺症とも言うべき痛手はくすぶっております。
この間、私たちも、区民の方からの生活福祉資金についての御相談が増え、港区社会福祉協議会を御案内することも多くなりました。
そこでまず伺いますが、社会福祉協議会では、地域住民への福祉活動はどのように進められており、そこで捉えられた課題への支援はどのように行っているのでしょうか。
○
保健福祉課長・
みなと保健所新型コロナウイルスワクチン接種担当課長兼務(野上宏君) 港区社会福祉協議会では、福祉サービスの利用援助や、成年後見制度などの相談が無料できる事業、地域が実施しているサロン活動の支援等を通じて、福祉課題の早期発見に努めております。
また、港区社会福祉協議会が長年培った地域団体との関係性を強みに、地域から寄せられた困り事に対しまして、区だけではなく、民生・児童委員、高齢者相談センター等々と連携し、きめ細かな支援に取り組んでおります。
○委員(なかね大君) やはりこの連携がとても大切だと感じますので、さらなる連携強化に努めていただきたいと思っております。
来年、家庭内の複合的な問題の把握と解決に向けて、福祉総合窓口が設置されます。保健福祉課と社会福祉協議会との連携は、これまでも行われてきたことは先ほど御答弁でもありました。
新型コロナウイルス感染症に関連して、経済的な問題や人の交流の希薄さによって起こる社会的な孤立の問題、さらには深まる社会的格差の中で、区民福祉的な諸課題が複合的に深まっていくと思われます。
質問は、福祉的な諸課題解決のために、今後、社会福祉協議会との関係をさらに進める中で、区との連携はどのように変化し、進展するのでしょうか。また、連携する上で、個人情報はどのように取り扱われていくのか、お伺いします。
○
保健福祉課長・
みなと保健所新型コロナウイルスワクチン接種担当課長兼務(野上宏君) 現在、港区社会福祉協議会に寄せられている区民の福祉課題につきましては、港区社会福祉協議会の職員が、区の複数の関係課と個別に連絡や調整をしておりますが、令和4年8月に、あらゆる福祉相談を受け付ける福祉総合窓口を各地区総合支所に設置した後は、地域における関係機関等との連携が強化されることにより、情報把握や支援に至るまでの調整等の時間が短縮され、より迅速かつ適切な支援を実現できるものと考えております。
関係機関と連携する上で、相談者の個人情報を共有するためには、御本人の事前同意が必要となります。福祉総合窓口設置後も、個人情報は関係規定に基づき、適正に取り扱ってまいります。
○委員(なかね大君) やはり個人情報の保護という部分と、安心して自らの生活だったり、福祉に関わる話などをしやすい環境が整うということは、利用者にとっても大変安心が深まっていくかと思います。ぜひよりよい施策につながっていくようにお願いをしたいと思います。
○副委員長(うかい雅彦君) なかね委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○副委員長(うかい雅彦君) 次に、風見委員。
○委員(風見利男君) まず最初に、シルバーパスでゆりかもめに乗れるようにすることについて伺います。
2019年第3回定例会の代表質問で、福島議員が質問。区長は、御要望があったことについては、機会を捉え、東京都に伝えるとの答弁でした。先日の今定例会の本会議での熊田委員の質問にも、東京都に伝えるという答弁です。
港区は、シルバーパスでゆりかもめに乗れるようにすることについて、どう考えているのでしょうか。
○
高齢者支援課長(
金田耕治郎君) シルバーパスをゆりかもめで利用できることは、高齢者の交通利便性の向上につながるものと考えております。
○委員(風見利男君) そうであるならば、私は東京都に対する要請をもっとしっかりやるべきだと。課長名で東京都に要請文を出していただいていますけれども、議会で誰々からこのような質問がありましたと。このようなやり方なのです。今課長がおっしゃったように、高齢者にとって極めて重要であるならば、区の立場で要請文を作ると。
例えば、私は都営住宅の空き家が物すごく多いので、そこをきちんと公募しろと。もっと空いているわけだから公募するようにということを何度も土木費で質問しています。ここでは、風見議員がこのような質問をしたから要請しますではなくて、区としての考え方をそこに書いています。私は区長名で出せと言っているのですけれども、課長名で出しているわけです。私はやはりそのような文書で、今度熊田議員の質問に対して東京都に要請すると言っているわけですから、そのような区の立場を明確にした上で要請文を出してもらいたい。いかがでしょうか。
○
高齢者支援課長(
金田耕治郎君) 区としては、事業の実施主体である東京都に対し、いただいた要望をしっかりと伝えてまいります。
○委員(風見利男君) 課長、高齢者にとって、シルバーパスでゆりかもめを使えることが大事だとおっしゃっているわけだから、その立場で、区議会でこのような質問があったから要請しますという、そのような消極的なことでは駄目だと思うのです。乗れることについてしっかりと区としても保証をするのであれば、区の責任で、区議会から言われたからというのではなくて、ぜひしっかりした文書として出してもらいたいと思います。お願いしておきたいと思います。
次に、生活保護について伺いたいと思います。
日本共産党国会議員団の国会での質問を通じて、「生活保護の申請は、国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものです。ためらわずに御相談ください」、
厚生労働省のホームページに目立つようにしっかりと書き込まれました。
港区のホームページに同趣旨の記載はありますけれども、目立ちません。先日、少し改善はされましたけれども、度重なる生活保護へのバッシングの影響で、生活保護だけは受けたくないという人はまだまだたくさんいらっしゃいます。必要な人が気軽に相談に来られるように、
厚生労働省のようにホームページを改善すべきだと思います。これはお願いしておきたいと思うのです。
ホームページを開くと、まず、今、
新型コロナウイルス感染症のことがトップに出ています。あそこまで目立つようにしろとは言いませんけれども、工夫すればできると思うので、さらに改善をぜひ進めていただきたいとお願いしておきたいと思います。
札幌市では、生活保護の申請は国民の権利です、このようなポスターを作って、町中に貼り巡らせています。港区でもこのようなポスターを作成して、公共施設や区の掲示板に貼り出してはどうかと思うのです。今、多くの方が
新型コロナウイルス感染症の影響で大変な状況にいるだけに、生活保護の利用者も増えているわけで、このようなポスターを貼って、安心して、生活に困ったら区の窓口に来てくださいと。このようなお知らせをするのは非常にいいことだと思うのですけれども、ぜひこのようなポスターを、これは札幌市がやったわけで、札幌市がやったからまねをするのではなくて、本当に制度を知ってもらうと。高齢者の方々は、ホームページにアクセスして、生活保護の申請のところまでなかなか行けないわけです。やはり高齢者の方々が知るツールといったら、町に公営掲示板や、区のこのようなものが貼られていれば、このようなことで安心して行けるのだと。札幌市はこのようないろいろな状況が細かく書いてあるわけです。ですから、自分はこれに当てはまりそうだと思えば、安心して電話をして相談すると。このような点で非常に私はいい取組だと思うし、区としても積極的に取り入れるべき中身だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○
生活福祉調整課長・
芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務(相川留美子君) 区は、これまでも、広報みなとやSNSなどを通じて、生活保護制度の周知を行っております。今後も、生活保護制度について周知方法を工夫し、分かりやすくお伝えするよう努めてまいります。
○委員(風見利男君) ポスターもその一つの周知方法に組み入れていただけますか。
○
生活福祉調整課長・
芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務(相川留美子君) ポスターも含め、今後も、生活保護制度について周知方法を工夫し、分かりやすくお伝えするよう努めてまいります。
○委員(風見利男君) 先ほども言いましたけれども、高齢者など、生活に本当に困っている人たちは、ホームページを開いてとはなかなかいかないわけで、やはり町を歩いていて、このようなポスターが目に入れば、電話しやすいと思うし、安心して相談していいのだとなるわけで、ぜひ早急に検討していただきたい。お願いしたいと思います。
次に、子どもの医療費助成を高校生まで拡大することについて伺います。
厚生労働省が9月7日に公表した調査によると、子どもの医療費を助成している自治体が1,741で、前年と同じですけれども、高校卒業までの拡充は、前年と比べて通院で74、入院で84増加しました。高校卒業までとしたのは、全体の中で通院が42%、入院が46%と半数近くを占めます。通院では733、入院では799になっています。
高校卒業までの助成は、10年前に比べ700以上の区市町村で実施され、大きく前進しています。23区では、千代田区が18歳まで通院と入院、北区が入院でしたけれども、最近、品川区が入院を無料にするように拡大になりました。
2018年度決算の総括質問に、区長は、実施している他自治体の調査結果の分析なども進めていくと答弁しました。港区で中学生まで無料にしてから16年がたちました。区長答弁から丸2年がたちました。全国的には、18歳までの医療費助成が広がっています。港区も無料に踏み出す時期だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○
子ども家庭課長(西川克介君) 義務教育終了後の15歳から19歳までの1人当たりの医療費が、義務教育就学期間の年齢階層よりも低くなっていることから、現在のところ、区単独で助成対象を拡大することは予定しておりませんが、今後も様々な施策を通じて、総合的な子育て支援に努めるとともに、引き続き国や東京都の動向、他区の動向を注視してまいります。
○委員(風見利男君) 高校になると、義務教育とは違って、様々な形で、教育費も、学校に行くにも交通費がかかるわけです。私は本当にそのようなところの、今、このような御時世ですから、本当に皆さん大変な思いをしているわけで、医療費の助成というのは非常に大事な仕組みだと思うのです。
今、課長の答弁だと、その年代は比較的医療費がかからないからというのですけれども、一人一人にすればかかるわけで、全体がどうかということではなくて、それぞれの御家庭では非常にかかるわけです。ですから、区長が他区の自治体の状況を見てとおっしゃったわけで、先ほど御紹介したように、全国的にも今広がっているわけです。そのような状況を見て、港区もやろうと。踏み出そうとなぜならないのですか。
○
子ども家庭課長(西川克介君) 繰り返しになりますけれども、引き続き国や東京都の動向、他区の動向を注視した上で、区単独での助成対象ということでの拡大は予定しておりませんけれども、様々な施策を通じて、総合的な子育て支援に努めてまいります。
○委員(風見利男君) もう他区は見ないでください。港区は、子育てするなら港区と言っているわけで、ほかの区の動きを見てからやっているのでは全く遅くなるわけです。区独自でぜひやっていただきたいと強くお願いしておきます。
もう一つあったのですけれども、これで終わります。
○副委員長(うかい雅彦君) 風見委員の発言は終わりました。
議事の運営上、暫時休憩いたします。
午後 2時52分 休憩
午後 3時15分 再開
○副委員長(うかい雅彦君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
歳出第4款、民生費の質疑を続行いたします。
次に、鈴木委員。
○委員(鈴木たかや君) よろしくお願いいたします。まず初めに、エンジョイ・ディナー事業関係について少し質問させていただきたいと思います。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって生活が困窮しているひとり親家庭の生活を支えるべく始まったこの取組は、議会からもとても関心が高くて、高評価を得ていたものと思います。何より区民に最も身近な区が、コロナ禍においてとても困っている方々を思い、率先して動いてくれたこと、生活の中で重要な食を提供することはすばらしいことだと感じました。
そして、
新型コロナウイルス感染症の蔓延が収まらない事態を受け、当初の予定期間を延長してくれたことも大変ありがたいと思いますし、この事業の効果の高さを物語っていると思います。
最初の質問は、区はこの事業をどのように評価しているのか、教えてください。
○
子ども家庭課長(西川克介君) エンジョイ・ディナー事業は、昨年7月に開始し、本年3月31日まで実施いたしました。毎日多くの料理や受注管理、区内12か所の配付場所への配達及び配付など、様々な課題がありましたが、飲食店を営んでいる区内事業者にこれらの課題に迅速に対応していただき、9か月間で平日に延べ582世帯1,415人の登録者の方にお弁当を配ることができました。
利用者からは、夕食の心配をしなくて助かった、夕食時に子どもとの会話が増えたなどの声をいただきました。
エンジョイ・ディナー事業を通じて、ひとり親家庭の家計負担を軽減し、親子の団らんや
栄養バランスの取れた食事の機会を提供できたものと考えております。
○委員(鈴木たかや君) ありがとうございました。
次に、本年度のエンジョイ・セレクト事業について。
これは、区は、生活に困っている家庭にさらに寄り添って、よりよいサポートをするために、とても高評価であったエンジョイ・ディナー事業に代わって、今年からは必要な品物を選ぶことができるエンジョイ・セレクト事業へと発展していくことになりましたが、現在の利用状況を区はどのように捉えているか、伺います。
○
子ども家庭課長(西川克介君) エンジョイ・セレクト事業は、エンジョイ・ディナー事業の対象者に加え、一定の所得基準未満の世帯まで対象として拡大をいたしました。また、食を支援することに加え、洗剤やタオルなど日用品もメニューに入れ、対象者の生活を幅広く支援しております。
8月に実施したアンケートでは、約93%の方が満足している、また、約97%の方から継続への希望があり、多彩な商品で毎月楽しみである、毎月子どもと楽しく選べ、家計的にも大変助かっているなどの声をいただいております。
弁当を配付するエンジョイ・ディナー事業に比べ、多くの食料品や日用品を選べる事業に拡大したことで、それぞれの家庭の日々の生活により密着した支援に満足していただいていると考えております。
○委員(鈴木たかや君) ありがとうございます。
個人的にはなのですけれども、エンジョイ・セレクト事業の中にも、前年度高い評価を受けていた、すぐ食べることができるお弁当の提供もあったらなおよかったのかと思いましたけれども、また、実際にそういった復活を望む声が多数あったことを受けて、大変ありがたいことに、このエンジョイ・ディナーの事業を請け負ってくれていた事業者が中心となって、一般社団法人ハートリボン協会とコラボすることによって、企業に寄附を募って、現在、みんな食堂というネーミングでお弁当の提供をしていただいています。また、お弁当以外にも、多数の食材も提供してくれているということでございます。実際に私も視察をさせていただきました。そのときには、栄養価の高い缶詰の提供や、ホリエモンさんこと堀江貴文さんが提供してくれたおいしいパンの提供などもありました。
しかしながら、全体としては、資金的にやはり厳しくて、区が行っていたときに比べると、とても規模が小さくて、配れる日も週に1日のみ、毎週土曜日のみ新橋の飲食店をお借りして、100世帯に各2個、合計200個のお弁当を現在配っていただいているそうです。多いときには150人からの申込みがあり、大変申し訳ないが抽せんになってしまっているというお話も聞きました。このことは、担当課長も既にお休みの日に視察をしてくださっていると聞いておりますので、承知のことだと思いますけれども、これだけニーズのあった取組をゼロにするのではなくて、少しでも継続できるように寄り添っていただくことはできないものかと思って質問しているわけでございます。
この方々も、当然、コロナ禍の影響を直接的に受けた事業者です。自分の店舗の経営も大変厳しい中で、区の事業が御縁でつながったひとり親家庭の皆さんに手を差し伸べてくれています。
もちろん現在、区にはエンジョイ・セレクト事業がありますので、以前と同じようにとはいかなくても、週に1日や2日でもいいと思います。事業者への協力という形でもいいので、ぜひいま一度御再考をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○
子ども家庭課長(西川克介君) 区は、子ども食堂を実施している各事業者が活動しやすいよう、食材等の提供に協力してもらえる企業等とのマッチングを支援しております。具体的には、企業に対して、子ども食堂の事業者の活動状況や利用者の声を届け、支援の協力を呼びかけております。事業者に対しては、企業からの食材等の提供があった場合、情報を速やかにつなげております。
今後も、引き続き事業者が活動しやすいよう、積極的に支援してまいります。
○委員(鈴木たかや君) ありがとうございます。早速そうやって動いていただいてくれているということですので、大変ありがたいと思います。
先ほども申し上げたように、新橋に視察に行ったときも、次から次へとお弁当を取りに来られる方がいるのですけれども、やはり新橋、西新橋に近い立地、これは港区の中では、とても北側、端っこに位置をしていて、土曜日のお休みのときにそこまで、この人たちは一体どこから来ているのか。もちろん当然、お一人お一人に声をかけるわけにもいかないので、知るすべはないのですけれども、やはりなかなか大変なのだろうと。でも、新橋、休みの日というのは、皆さん御存じのとおり、人がそれほどいないところに人が取りに来ると。自転車に乗って取りに来る。子どもが取りに来る家庭もあるということでございました。
そういった意味でも、例えば、区の本庁舎をお借りして、ここで配布ができるなど、もちろん事業者に協力をいただいて、今までやっていた12か所でしたか。エンジョイ・ディナー事業のときのようにお店を広げてやるのは当然大変だし、あれはなかなか難しいだろうと思うのですけれども、例えば、仮に週末1日は、今やってくださっているところにサポートをして、中日、水曜日ぐらいに本庁舎のどこか場所を1か所お借りする。お店があるから難しいかもしれませんが、事業者にお手伝いをいただいて、協力をするなど、もう一歩寄り添っていただけたら大変ありがたいと思います。
先ほども申し上げたように、エンジョイ・ディナー事業、これだけすばらしい事業だったのが急にぱっとなくなってしまうというのは少し残念かと思いますので、ぜひもう一度御再考いただければと思います。
あと、これは要望ですけれども、今年の7月からエンジョイ・セレクト事業の中に生理用品をメニューに加えられたということで、これが予想以上に人気があると伺っています。それだけニーズがあるということなのでしょうけれども、先日、教育委員会では、小学校、中学校のトイレに生理用品の設置を開始したという報告がございました。同じく
子どもたちの長時間滞在型の施設を運営する児童館や子ども中高生プラザなどで試験的に、そのようなことであれば、導入を検討していただけたらと思います。
また、学校の設置に関しては教育委員会の所管になりますので、そちらとやり取りをさせていただきたいと思いますが、本来の目的は何だったのか、何をしたらいいのかということに関しては、我々も少し意見がございますので、引き続き御質問させていただければと思っております。
次に、放課後の
子どもたち、児童の居場所づくりについて質問させていただきます。
私が住む芝の町は、コロナ禍においても子どもが大変増えておって、芝小学校は1年生が3クラスになるなど、一昔前には考えられないような喜ばしい状況であります。区長をはじめ関係者の皆様の御尽力のたまものであると同時に、本来はこの喜ぶべき状況も、
子どもたちの学びの環境に目を向けると、手放しで喜んでもいられないということでございます。
本年度に入って、学校内に開設されていた放課GO→や放課GO→クラブの利用教室は、普通教室の不足を補うために転用されることになりました。手狭になって、放課後の
子どもたちの居場所づくりが急務だと思います。
民生費ですから、ここは現在、放課GO→クラブの利用状況と施設の状況について、区はどのように考えているか、お聞きします。
○
子ども家庭課長(西川克介君) 放課GO→
学童クラブは、16か所で実施していまして、定員918名に対して、900名が在籍しております。うち8か所は、入会待ち児童が57名おりますが、緊急児童居場所づくりや他施設での利用、また、コロナ禍で保護者が在宅勤務などの理由から、自宅で過ごす児童もおります。
施設の現状につきましては、各小学校内の
学童クラブ室のほか、小学校側と調整を行い、体育館や校庭、多目的室などを使用させていただいております。
今後も、児童が放課後に安全に安心して過ごせる居場所を確保していけるよう、小学校側と調整してまいります。
○委員(鈴木たかや君) ありがとうございます。
一方では、区全体の子どもの関係する施設に目を向けると、保育園などは入園する
子どもたちの数が若干落ち着きを見せているのだろうと思います。今後、定員割れを生じることさえも考えていかなければならない状況にあるものだと思っておりますが、子育て関係の事業者に目を向けると、区内には放課GO→クラブ、保育園、児童館、子ども中高生プラザを運営している事業者もおりますが、これらの事業者の力を借りて、一体的に放課後の
子どもたちの居場所を見守る仕組みづくりはできないでしょうか。
具体的には、例えば、各学校の通学区域ごとの地域性を生かした横断的な子どもの居場所づくりなどです。運営事業者の連携をもっと密にして、全体の子どもの居場所づくりを考えていただきたいと思いますが、区のお考えをお聞かせください。
○
子ども家庭課長(西川克介君) 地域の中で
子どもたちが安全に安心して過ごせる居場所を見守っていくために、地域の協力や施設運営事業者等の相互連携が必要と考えております。
現在、芝浦港南地区では、臨海部の交通量が多いことを考慮して、港南子ども中高生プラザと五色橋
学童クラブの2者の事業者が連携し、児童が小学校から施設まで移動する際の見守り時の送迎を行っています。
今後は、こうした複数の事業者間での取組を区内各所でも実施し、児童が安全に安心して過ごすことができるよう、早急に仕組みづくりを検討してまいります。
○委員(鈴木たかや君) ありがとうございます。具体的にこうしたらいいのではないかという提案ができればよかったのですけれども、そのようなものは私の頭の中にはなくて、ただ1つ言えることは、いろいろなことがあると思いますが、例えば、保育士の働き方も、賃金の話がよく出ます。辞めてしまう、離職率の話が出るのですけれども、私の見ている限りでは、子どもを見守っていくときの、保育園を卒園して小学校に入りますよね。そうすると、やはりそこで切れてしまうのではないかと。それで、例えば、幼稚園と小学校がつながっていた時代は、幼稚園の先生も小学校に上がった子どもを見守っていたり、地域の目というのもすごくもっともっとあったような気がします。
そういったときに、放課後の居場所づくり、これは何も考えていなくて、思いつきの話で恐縮ですけれども、保育園には例えば御飯を作って提供する場所があったりする。そういったところを学童の
子どもたちに使えないかなど、いろいろな可能性はあるのだと思うのです。それをすることによって、保育士の働き方の意識、働くやりがいというのですか、なども変わってくるのではないかと思ったので、少し御提案をさせていただきました。もっとこうしたらどうですかというのが自分の中でも思いついたらぜひ提案をさせていただきたいと思いますので、御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
最後に、今言いましたけれども、保育園と地域との関わり方について。
本定例会にもかかっている議案の中で、
指定管理者制度の審議の際にも、選考委員の中でもよく事業者を評価する際に耳にすることが、地域との連携という言葉がございますが、学校、幼稚園、保育園などの評価をする際にもよく耳にします。
この地域との連携というのは、一体どのようなものを考えているのか。港区が保育園に求める地域との連携とは一体どういったことなのか、お聞かせいただければと思います。
○保育課長(木下典子君) 保育園には、地域の子育て家庭に対する支援などを行う役割があると同時に、子どもの健やかな成長にとって、多世代との交流や保育園以外での多様な体験が欠かせないことから、地域との連携が大変重要です。
具体的には、
子どもたちが地域のお祭りに参加して歌や踊りなどを発表したり、保育園に高齢者を招き、折り紙や昔遊びを体験するなど、様々な世代の人と交流することで、伝統や文化などを学ぶ機会を得ております。
また、小学校への円滑な接続に向け、ほかの保育園や幼稚園、小学校の
子どもたちと一緒に遊ぶ経験や、授業体験なども行っております。
地域の子育て家庭に対しては、保育園行事への参加や遊び場の提供、園庭開放などを行い、保育士などが育児の相談に応じることで、地域に開かれた保育園を実践しております。
今後も、積極的に地域との連携を深め、
子どもたちの育ちを支えてまいります。
○委員(鈴木たかや君) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
言いたかったことが、いろいろなところで連携というのは必要なのだろうと思うのですけれども、今度、うちの近所にあるアスク芝公園は運動会を小さくやるのですけれども、そこに町会の皆様が行って見たりするのです。そのようなことなのだろうと思いますけれども、今、パソコンを使っていろいろな情報の共有などをしていますよね。いろいろな連携が、多分、今までになかったことが可能になっているのだと思う中で、保育園同士の連携や学校との連携など、いろいろなことが考えられるのだと思うのです。保育園というのは、自分の中では、申し訳ないですけれども、孤立しているような気がして、特に私立の認可保育園などは孤立しているような気がしていて、学校に行く、学校の場所を借りて運動会を一つするのでも、なかなか敷居が高かったりするように私の印象では受けています。
そういったことがないように、今、課長がおっしゃっていただいたことが実際に現場で行われていて、保育園同士の連携や学校との連携などがもっともっと盛んになったらいいと思います。
そのような中で、先ほども申し上げたように、児童館などいろいろなところとの連携を図っていただいて、一体的に
子どもたちの居場所をつくっていただけたらありがたいと思って、質問させていただきました。よろしくお願いいたします。
以上でございます。ありがとうございます。
○副委員長(うかい雅彦君) 鈴木委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○副委員長(うかい雅彦君) 次に、兵藤委員。
○委員(兵藤ゆうこ君) よろしくお願いいたします。まず、成年後見制度についてです。
成年後見制度とは、認知症や障がい者など、判断能力が不十分な人を保護、支援するため、自己決定の尊重と本人保護との調和を理念とする制度で、法定後見と任意後見から成り立っています。法定後見とは、既に判断能力が不十分な人を、家庭裁判所が選んだ後見人等が支援する制度です。任意後見とは、将来、判断能力が衰えたときに備えて、任意後見人を決め、支援してほしいことを公正証書であらかじめ約束する制度です。
港区においては、社会福祉法人港区社会福祉協議会が設置する成年後見利用支援センター、サポートみなとが、成年後見制度の利用支援と福祉サービス利用援助事業を行い、福祉サービスの情報提供が必要な人、自分の意思でサポートみなとの手続ができる人を対象に、福祉サービスの情報提供や利用の手続、日常的な財産管理、大切な書類などのお預かりを行い、地域で安心した生活が送れるようにお手伝いしています。
また、市民後見人養成講座を開催し、区民の中でほとんど無報酬に近い状態で御尽力いただく非常にありがたい後見人の養成にも取り組んでいます。
区では、国が平成28年3月に閣議決定した成年後見制度の促進に関する法律及び成年後見制度の利用に関する施策について、港区成年後見制度利用促進協議会を開催し、構成メンバーに各障がい者団体の方々、有識者等で協議し、高齢者、障がい者の権利擁護、支援等の緊密なネットワークを構築し、利用者の意思決定支援や身元保護を重視した支援を行えるよう、制度の運用を図っています。
そこで質問です。障がい者団体から、今後、チーム支援に期待する声が上がっています。チーム支援の体制と役割について、区の見解をお伺いいたします。
○
保健福祉課長・
みなと保健所新型コロナウイルスワクチン接種担当課長兼務(野上宏君) 成年後見制度におけるチーム支援は、中核機関となる区、または港区社会福祉協議会が事務局となりまして、後見人、親族、ケアマネジャーや施設相談員、高齢者相談センターなどの関係機関などがチームを構成し、被後見人の権利擁護を行うものです。
チーム支援では、本人をよく知る複数の関係者で話し合って、利用する福祉サービスや支援方針を決めていくことから、より被後見人の意思に沿った対応が可能となると考えております。
○委員(兵藤ゆうこ君) 非常にありがたいということで、1人の方をチームとなって一丸となって支えていただいているということで、よろしくお願いいたします。
また、来年、2022年4月1日をもって、民法の一部を改正する法律が施行予定であり、民法の成年年齢が現在の20歳から18歳へと引き下がります。そのことで、自分で意思決定、判断能力がない知的障がい者、精神障がい者は、この成年後見制度に関連することが出てくると考えます。
親が親権を喪失することでできなくなることは、貯金通帳、マイナンバーカード、印鑑証明書の作成です。親が後見人を担う場合や選定しておく場合は、遺言作成もあります。これは成人になってからでもできることですが、事前に用意する方法もあるとのことです。
そこで、今後、他人事でない成年後見制度ですが、民法改正も踏まえ、さらに成年後見制度についての周知が必要だと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
○
保健福祉課長・
みなと保健所新型コロナウイルスワクチン接種担当課長兼務(野上宏君) 区では、平成30年10月に、港区成年後見制度利用促進基本計画を策定し、制度の区民周知に努めております。
港区社会福祉協議会とともに、制度が必要な区民に情報が届けられるよう、訪問相談や講演会の機会を捉えて制度を周知するほか、障害者団体、民生委員・児童委員や地域で活動する団体など、区内の病院等の医療機関、高齢者相談センター等の関係機関に向けても、出前講座や研修会などの開催を通じて周知啓発を行っております。
引き続きより多くの方々に制度を理解し御利用いただけるよう、周知の充実を図ってまいります。
○委員(兵藤ゆうこ君) ありがとうございます。
実は我が家も、知的障がいの子どもが、来年で18歳ということで、すごく急に慌ててしまった状態で、急に通帳を作ったり、そのようなことを急にし出したことになるのです。それで、先日、うちの家族がサポートみなとに御相談に伺ったところ、非常に丁寧で分かりやすい対応だったということで、すごく感謝をしているところでございます。
今後も、成年後見制度に関しては様々なケース、いろいろあると思うのですけれども、そういった御利用者の不安を相談事業で解決して、利用者が安心して利用できるように、期待しております。
続きまして、障がい者の住居等についてです。
港区基本計画においても、重点課題として、地域生活への移行促進のための障がい者グループホームの設置・整備支援が上がっており、施設入所等から地域移行支援を促進し、これまで進めてきたグループホーム(芝浦四丁目、南青山二丁目)を計画どおり進めるとともに、親亡き後を見据えた新たな形態のグループホームの整備についても検討するとしています。
そこで、それぞれの障がい特性に応じた住居等の確保についてです。2018年の
厚生労働省の白書によると、人口の7.4%、936万6,000人の障がい者がいて、そのうちの施設入所希望者の1割しか入所できていないということです。
知的、精神、身体と、障がい者の永住的な住居の確保は重点課題です。親亡き後の障がい者は、既に高齢障がい者であり、介護を伴う生活も考えられます。
そのような中、特に精神障がい者は、現在、通過型のグループホーム、サテライト型で3年ほどで別の住居を探すことになります。精神状態が不安定なときは、自力で住居を探すことが困難な場合も考えられます。まして高齢障がい者となったら、探せなくなることもあると考えます。
そこで、今後もニーズが高まる障がい特性に応じた住居の確保について、区の見解をお伺いいたします。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 区内には、現在、知的障害者及び精神障害者グループホームが、本年6月に高輪一丁目に開設された民設のグループホームを含め、12施設で80室設置されています。今後も、区は3施設で16室の新たなグループホームの整備を計画しております。
また、今後、障害者の重度化、高齢化や親亡き後を見据え、日中の時間帯も含め、施設内で常駐するスタッフによる障害の状況や体調に応じたサービスを受けながら生活できる、日中サービス支援型グループホームの必要性について検討してまいります。
引き続き全ての障害者が住み慣れた地域で生涯にわたり安心して生活できるよう、障害特性に応じた住居等の確保に取り組んでまいります。
○委員(兵藤ゆうこ君) よろしくお願いいたします。
ここからは要望なのですけれども、知的障がい者の親の会からは、重度知的障がい者の入所施設の設置を毎年要望されているということで、今度、国が認めた大型グループホームについて、今まで区内のグループホームの入所に至らなかった重度知的障がい者の入所の方の希望と、入所施設と同じ日中支援や夜間の医療ケアを備えてほしいとのことです。
また、入所施設に在籍する愛の手帳3度の知的障がい者に対して、親亡き後を考えて、重度と同じ医療体制を要望されているので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、障がい者施設におけるPCR検査等についてです。
区内の障がい者施設において、PCR検査等が進んでいます。実際に唾液検査や鼻腔検査の方法の伝達方法など、どのようにしているのか考えると、職員、医療従事者、関係者の方々の御苦労には、大変感謝している次第です。
そこで質問ですが、現在の実施状況をお伺いいたします。また、利用者からはどのような声が上がっているのか、伺います。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 障害者施設の利用者がPCR検査を受検したときには、区への報告を求めており、9月17日現在、各施設から報告された受検した利用者数は51人となっております。
また、東京都が実施する障害者施設等の従業者を対象としたPCR検査制度を活用して受検した職員等は、区内の入所施設2か所及びグループホーム7か所において、9月17日までに延べ1,800人以上となっております。
利用者へのPCR検査は、鼻咽頭拭いや唾液採取による方法で実施しております。唾液採取の際に、唾液が出るまでに時間がかかったり、唾液がうまくキットに入らなかったりと、利用者にも負担が大きいとの声が寄せられております。
また、検査に関して、利用者からは、自分自身が感染したくない、また、他人に感染させたくないとの思いで検査を受けるとの声が寄せられております。
○委員(兵藤ゆうこ君) ありがとうございます。やはり伝え方は非常に御苦労されたと思いますけれども、本当に感謝申し上げます。
ここからは要望なのですけれども、港区立障害保健福祉センターにて、障がい者へのワクチン接種が実施されました。障がい者にとっていつもの活動場所、慣れている場所で接種できることは、精神的負担も少なく、また、職員の方々の御配慮もあり、非常に安心・安全に接種できたとのことです。2回接種が終了したのも束の間で、デルタ株などの脅威もあり、国から3回目の接種が解禁になった際には、ぜひ早めの対応をよろしくお願いしますということで、障がい者団体からの要望です。
最後に、DV被害者等の支援についてです。
警察庁によると、我が国において配偶者からの暴力相談等の件数は令和2年は8,627件で、前年比2.3%増、192件増加しています。DV事案に関する暴力罪や傷害罪などによる検挙は814件で、前年比8%増、60件の増加です。DV被害の分析では、相談者の性別は、女性からの相談が全体の79.1%の6,827件、男性からの相談は全体の20.9%の1,800件です。男性の相談件数も、過去4年間で増加傾向にあるとのことです。
圧倒的に女性の被害者の割合が多い中、区内で活動されているNPO法人の1例ですが、NPO法人男女平等参画推進みなと、GEMは、DV被害者等の支援を行っており、生きづらさを感じている女性の、不安や苦しみを抱えて居場所のない方を対象として、専門員と一緒に考える電話相談事業、配偶者等からDV等を受けている方が流れて生活するステップハウスの運営、しゃべり場、手作り工房、サポートグループ等を運営しています。
このようなNPO法人等と区が連携を取り支援することで、個人情報保護の観点からも協力体制が構築できているとのことです。
そこで、区は、今後も民間のNPO団体への支援をすることが重要だと考えますが、区の見解をお伺いいたします。また、現在、区の協力体制はどのようにしているのか、伺います。
○
子ども家庭支援センター所長(安達佳子君) 区は、DV被害者の安全で安心できる生活環境を確保し、生活の再建に向けた支援を実施するために、DV被害者支援を行う民間のNPO団体等への支援することは重要だと考えております。
そのため、区の現在の支援の状況につきましては、令和2年度からDV被害者支援活動補助金を実施し、区内のDVシェルターの運営や医療機関等への同行支援を行っている事業者に対し、施設の賃借料や支援活動に係る人件費等を年間180万円を上限に補助しています。
○委員(兵藤ゆうこ君) ありがとうございます。区が支援していただいて、本当にありがとうございます。
先ほど警察庁の件数をお伝えしましたけれども、警察に検挙されている件数などというのは本当に氷山の一角であると考えられます。ですから、実際の件数というのは本当に計り知れないと思うのです。ですので、ぜひ区も連携してお願いしたいということ、苦しみを抱えている女性たちの居場所の支援を今後よろしくお願いいたします。
以上で終わります。
○副委員長(うかい雅彦君) 兵藤委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○副委員長(うかい雅彦君) 次に、土屋委員。
○委員(土屋準君) 民生費におきましては、子ども家庭相談について、お伺いをさせていただきます。
まず、子ども家庭支援センターに移管しての状況についてです。
区では、以前は子ども家庭課内に家庭相談支援センターを設置し、配偶者等からの暴力被害の相談を受けるほか、家庭内で発生する夫婦、親子、嫁姑や結婚・離婚等の問題をはじめ、職場の人間関係などについても相談を受け付けてきました。
令和元年度までの家庭相談センターは、業務委託により運営を行っていましたけれども、相談内容の複雑化、多様化が進み、また、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律、いわゆるDV防止法や児童虐待防止法などの改正もありまして、相談の解決にあたっては、庁内のみならず、警察や弁護士など他機関との連絡調整も増加してきたという状況があったそうです。それで、業務委託による運営では臨機応変さに欠けるとともに、対外的な交渉には、委託事業者ではなく職員の関与が強く求められるなど、従前の執行体制には大きな課題が生じていたそうであります。
そこで、昨年度には、会計年度任用職員として社会福祉などの専門知識を有する家庭相談支援員を採用し、体制の強化を図ってきたとのことです。そして、この家庭相談機能は、今年度に子ども家庭支援センターへ移管をしました。
そこでまず質問ですが、子ども家庭支援センターへ移管して、家庭相談の状況はどのようなものでしょうか。
○
子ども家庭支援センター所長(安達佳子君) 家庭相談担当は、DVの相談時に夫婦げんかを目撃していた子どもの状況を把握したり、児童虐待の相談から夫婦間のDVの問題を把握したりなど、相談支援係や児童相談所とこれまで以上に家庭全体の状況を速やかに共有し、必要な支援につなげることができるようになりました。
また、DVを目撃したことで子どもへの心理的影響が大きいときには、児童相談所の心理士が子どもの心のケアに対応するなど、専門的な支援も迅速に行っています。
○委員(土屋準君) 今度は児童相談所と同じ施設ですので、そういった連携もできていくのではないかと思います。
旧赤坂小学校の跡地に開設された国際医療福祉大学大学院の赤坂心理相談室というのがあるのですけれども、そこでは家族療法という手法を用いて、家族の構成員個人を見るだけでは分からなかったことが、家族全体を見ることで分かるようになったということがあるといいます。
例えば、子どもの不登校問題というのがあって、それを家族全体という観点から見たところ、母親の不安から母子密着というのがあったので、父親の育休取得というのを勧めたところ、父親が参加するようになり、母親の安心感が得られ、子どもの自立につながったということのようです。
子どもだけを見るのではなくて、母親や父親など、あるいは場合によっては、虐待の連鎖みたいなことがありますので、祖父母とか、家族全体を見るということだそうです。
また、日本ではまだ少ないという家族心理士や家族相談士といった専門職も養成しているようでして、家族丸ごと支援というのにも取り組んでいるようです。
アメリカでは、こうした家族専門職は5万人くらいいるそうなのですけれども、日本では家族心理士は大体100人台、家族相談士は2,200人ほどしかいないということだそうです。私は、むしろこのような心理分野の専門家の活用というものが必要ではないかと思っております。家庭や家族を支援する団体や大学などの活動も多様化しておりますけれども、せっかく港区内にある主体もありますので、様々な主体との連携を進めてみてはと思います。
そこで質問ですが、家庭相談機能の移管を機に、様々な主体との連携を進めるなど、家庭相談の充実を図れればと思いますが、どのように考えていますでしょうか。
○
子ども家庭支援センター所長(安達佳子君) 家庭相談の相談者には、家族の中で様々な問題が発生し、家族全体として問題を解決していかなければならない場合があります。
今後とも、東京ウィメンズプラザなど、子どもや家庭を支援している専門機関や近隣の大学、民間団体等と積極的に連携して研修を行うなど、専門的な知見を高め、相談機能を強化してまいります。
○委員(土屋準君) ぜひいろいろなところと連携して、家庭相談が充実していければと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
○委員長(
池田たけし君) 土屋委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(
池田たけし君) 次に、清家委員。
○委員(清家あい君) まず最初に、少子化対策についての要望だけさせていただきます。
今回、歳入や総務費の款でも度々触れさせていただいているのですが、港区の人口推計の中でも、予測とずれてきていると思われる未就学児人口の減少傾向についてきちんと分析し、港区でも対策を取った方がいいと思っています。
総務費の中でも指摘させていただきましたが、
新型コロナウイルス感染症の影響で、23区から東京近郊へ、30代40代の子育て層が移住するなどの顕著な動きが見られます。でも、それ以上に、日本は全国的にコロナ禍で婚姻数と出生数の大幅減となっていて、このまま進むと日本の少子化は一般的な想定より一気に10年前倒しで進むことになりかねないと、大手シンクタンクが警鐘を鳴らすぐらい危機的な事態になっています。
そして、それ以上に私が重要だと思っているのは、そもそも港区では、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まる前、2018年から、区の人口推計に反してゼロ歳児の人口減少が始まってきているということです。
新型コロナウイルス感染症以外に構造的な理由があるということではないでしょうか。ゼロ歳児の人口は、2017年3,047人をピークに下がり続けて、2021年は2,597人まで下がっています。出生率は、2016年の1.45をピークに年々下がり続け、2019年で1.35となっています。港区では、キャリアを積んでから高齢で出産する団塊ジュニアによる駆け込み出産と言われるベビーブームがあったので、爆発的に子どもが増えてきましたが、それが一段落したとも見えます。
でも、港区の人口推計によると、ゼロから5歳児の未就学人口は、2023年を底に再び増加に転じる、ゼロ歳児人口も回復するという予測になっています。子どもを出産できる年齢期の女性が、日本ではこの先、毎年100万人単位で減少していきます。再開発などでマンションの建築が進んでも、今までのように未就学児がどっと入ってくるということが起きるのかと思うのですけれども、多分、そのように予測しているからこのような人口推計になっているのだと思いますが、もちろんそうあってほしいし、そうなるようにすべきだと思います。
ただ、若い世代が安心して子どもを産み育てられる環境を、今よりもずっと充実したものにしていかなければ、増える要素があるようにも思えません。港区としても、本気でこの少子化問題の分析と対策に取り組んでいただきたいと思っています。
まず、保育政策について伺います。
港区では、2019年4月以降、待機児童ゼロを3年連続で継続している一方、先ほど述べたように、3年前から出生の減少が始まり、保育施設の稼働率低下が問題視されています。2021年4月時点で、区内の保育施設定員に対する空きが1,376人、空き率が16.3%となっており、過去7年で最高となっています。園児数の減少は私立園の運営収支の悪化に直結し、それは保育士の安定確保を難しくし、保育の質の悪化につながる可能性が高いため、早急な改善策が必要と考えます。
こうした状況を受けて、今年7月に区内の小規模保育事業者たちから港区に宛てて、地域の保育需要を満たし、持続可能な小規模認可保育園を事業運営するための提案というものが出されていると思います。その中では、区立認可保育園の3歳児以降の定員増加分がなく、3歳児クラス進級時に受入先がないのではないかという不安により、多くの幼児が2歳児のときに卒園を待たずに認可園に転園してしまう、外遊び場が不足している、小規模認可園の認知度が低い、稼働率低下により選ばれる園づくりをするための投資ができないなど、大きな課題として挙げられています。こうした要望に対して、港区としてはどのように取り組んでいくつもりか、方針をお伺いします。
また、これから4月入園に向けた保育園の申込みが開始しますが、保護者たちの方から、コロナ禍で保育園の見学が制限され、思うように情報を得ることができない、
オンライン説明会をお願いしたいという要望書も出されています。
ぜひ利用者側と事業者側の双方のニーズをマッチングできるよう、港区のホームページにリンクを張ったり、港区民向けの保育園の共同説明会を
オンラインで開催するよう、港区として支援するなどしていただきたいと思いますが、見解をお伺いします。
○
保育政策課長(鈴木雅紀君) 小規模保育事業所からの転園については、区としても大きな課題と捉えております。各小規模保育事業所へのヒアリングの結果、3歳児以降の転園先となる連携施設を設定することが保護者の不安解消につながることから、区立認可保育園を中心に、3歳児以降の受入れ枠を確保し、連携施設の設定を進めてまいります。
連携施設の設定に当たっては、あらかじめ受入れ側の園に小規模保育事業所の定員分の受入れ枠が必要なため、来年度以降の保育定員を調整し、複数年にかけて受入れ枠を確保してまいります。
園児の外遊び場については、様々な手法を活用して、確保に取り組んでいるところです。また、認知度の向上などの課題についても、運営事業所と情報交換をしながら、効果的な取組を進めてまいります。
次に、コロナ禍での保育園見学等についてですが、既に
オンラインでの見学や説明を実施し、好評を得ている園もあることから、参考になる取組事例を紹介するとともに、事業所からの要望に応じて、説明会の開催情報を区のホームページにリンクさせるなど、保護者が保育園に関する情報を手軽に取得できるよう支援してまいります。
○委員(清家あい君) ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。
小規模保育事業所は、私も幾つも視察に行ったことがありますけれども、ゼロ歳から2歳までの小さな
子どもたちにとっては、おうちみたいな、家庭的な温かい雰囲気で、本当にいいものだと思っています。
ただ、3歳児以降、大きくなっていくと、運動する場所、広い場所が必要になってくるので、そのために、泣く泣くですけれども、早く出ていかなければいけないという状況もずっと続いてきたことで、これは本当に制度的な欠陥としてずっと指摘されてきたことだと思います。改善されるということで、お願いしたいと思っております。
榎本あゆみ委員からも要望があったと思うのですけれども、保育園が余るようなときも、テレワークによる保護者の家庭での負担増に対応したり、あと、専業主婦をはじめ、フルタイムワーカーではない母親たちの子育て負担というものを軽減できるように、もう少し保育園で貢献できないものかと思います。そうした柔軟な保育園利用制度というのが求められていると思いますし、そうしたことを急いでやっていかないと、本当に少子化を止めることなどできないのではないかと思っています。そのような視点で、単純に保育定員を減らしていく、整理するなどではなくて、制度の改善も行っていただきたいと思っています。
次に、放課後等デイサービスについてです。
子どもに障害があった場合に、母親が仕事を諦めて、子どもの介護に専念するのが当たり前だった時代から、子どもに障害があってもなくても母親が仕事を続ける、そのような時代になってきましたが、制度が追いつかないために、多くの保護者が困っている現状があること、また、制度の前提が違ってきているため、どこをどう改善していいか分からないような状況になること、また、放課後等デイサービスからは、今年の報酬単価の改定があったために、港区のような地価の高いところで多くの事業者の収支が悪化したり、地価の安いエリアに転出することを考えざるを得ないというという様々な声を受けて、第2回定例会の一般質問などで、港区として、障害児の保護者の置かれている状況や放課後等デイサービス事業所のアンケート調査を行ってほしいという要望をしてきました。
実施するという答弁をいただいているのですけれども、アンケート調査の状況、また、結果を受けて、正式な分析はまだできていないかもしれませんが、所管部門として現在把握できている状況や今後の方針についてお伺いします。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 区は、本年6月から7月にかけて、障害児通所支援事業所を利用している障害児の保護者を対象に、保護者の就労状況、事業所のサービス内容や利用頻度への満足度、事業所に期待することなどについてアンケート調査を実施いたしました。
放課後等デイサービスの支援内容には、全体の8割の方から、満足しているという評価をいただいておりますが、一方で、通所したい日に通所できない、療育の効果が感じられない、短時間しか利用できないという御意見も寄せられております。
また、就労している保護者からは、学校から事業所まで、事業所から自宅までの送迎サービスへのニーズが高い状況です。
今後、このアンケート結果や障害児通所支援事業所連絡会で得られた意見を基に、放課後等デイサービス事業所の誘致など、障害児の居場所の充実、事業所職員のスキルアップ、送迎等の事業所運営の支援策などについて検討を進めてまいります。
○委員(清家あい君) ありがとうございます。
実態の把握というのがまず大事だと思いますし、そこに向けて踏み出してくださったことを本当に感謝しています。ぜひ現状に合った制度になるように、よろしくお願いいたします。
次に、あいはーと・みなとについてです。
今年6月に港区立精神障害者支援センター、あいはーと・みなとが新しい施設になり、オープン時の内覧会にも行かせていただきました。
その際、幾つか気になる点がありました。新しい取組として始まった生活体験プログラムというものがあります。これは、保健福祉常任委員会の審査の際にも、先進的な取組としてとても期待していましたし、内覧会のときも、実際、内容を伺って、よいプログラムだと思いました。
しかし、実際、これが対象者に広く周知されているか、利用者が増えているかという点について疑問を感じます。コロナ禍でどのような感染対策を行って実施していくのかなども不明です。ホームページを見ても、何が行われているのかがよく分かりません。
広報の仕方について、抜本的に見直しをした方がよいように思います。利用実績と広報を含めた今後の改善についてお伺いします。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 精神障害者支援センター、あいはーと・みなとにおける8月の相談件数は、電話での相談が1,540件、来館して相談された方が345名と、前施設での相談件数と比較して2割から3割増えており、新たに開始した生活体験プログラム事業においても、9月現在、定員10名に対し、体験を含み9名の方に御利用いただいております。
また、施設のホームページにつきましては、情報不足の状況を改善するため、早急に見直しを図り、より分かりやすい内容であいはーと・みなとの役割や詳細な事業内容を発信していくとともに、SNSの活用についても検討することで、施設のさらなる周知に取り組んでまいります。
○委員(清家あい君) ありがとうございます。本当にこの生活体験プログラムというのはいいプログラムだと思っていて、WRAP(ラップ)という、精神障害の方々自身がどのようなときに悪くなって、どうしたら悪くなるのを止められてというプランをつくっていくプログラムだったり、運動プログラムや、あと、服薬管理や金銭管理など、そのような日常生活をどうやっていくかを細かく指導というか、やっていくプログラムもあったりして、必要な人が本当にたくさんいると思います。総合支所の窓口に相談に来た人を保健師がつないでくださるのはもちろんなのですけれども、来られない人たちがインターネットなどで検索したときに、このようなものがあるのだと思って、行けるような広報をぜひお願いしたいと思っています。
次に、介護施設についてです。
これまでも指摘してきていますが、介護保険関連の施設を区有地貸付け50年、民設民営で委託するという事業には問題が多いと感じています。まず、指定管理のように、5年ごとに区議会のチェックが入ったり、利用者の声を反映させるために、区から指導力が発揮できたりする制度とは違って、一定、協定書を結んだら、50年間ほぼノーチェックのような状況になります。
区としては、報告を受けるにしても、こちらから利用者の声を受けての改善指導というものができていません。また、50年先を見通して、最初に協定書の中に必要事項を盛り込んでいくというのが、ほぼ不可能のように思います。区の費用は軽微で済むという話ですが、高額な区の土地を50年ほぼ無償で借りられるということになるので、費用対効果で考えても、区にそれほどメリットがある話とも思えないし、そもそもこのような施設をコスト面だけで考えるのは無責任だと思います。
今後、高齢者福祉関連などのこうした施設を民設民営で造ることについては考え直すべきだと考えますが、見解をお伺いします。
○
高齢者支援課長(
金田耕治郎君) 介護保険制度に基づく高齢者福祉施設の整備手法は、財政的負担、提供する介護サービスの質の確保、施設整備までの期間など、様々な観点から比較検証の上、決定しております。
民設民営による施設整備では、事業者自らが運営する施設に設計段階から関わることで、専門的なノウハウを十分に発揮した良質な施設サービスの提供が可能となります。
また、事業者が建設経費や経年に伴う大規模修繕費用等も含めた運営費用を負担するとともに、運営期間全体を通して長期的な視点に立った事業計画に基づき運営を行うことで、効率的な施設運営が期待できます。
今後も、高齢者福祉施設の整備にあたっては、区民の貴重な財産である区有地を最大限有効活用できるよう努めてまいります。
○委員(清家あい君) 石渡委員から総務費の中でも質問があったと思うのですけれども、問題がすごくあったときには契約を解除できるような条項など、そういったものも最初に協定書の中に入れていくなど、考えていった方がいいと思います。
最後に、児童相談所について質問します。
4月に港区の児童相談所が開設して、私も何度も足を運ばせていただいて、いい施設になっていると思います。子どもを一時保護した際に、保護者から子どもを取り上げるような形になるために、保護者側が大変パニックに陥ることがあります。虐待があるかないかを含めて、適切な養育がなされているか、子どもが言っていることをどこまで信用できるかなど、しっかり確認しなければなりませんが、それが緊急性があるかないかを含めて、時間をかけずに判断しなければならないこともあり、難しい仕事だと思っています。ただ、親子にとっては、今後の人生を大きく左右する甚大な影響のあるものなので、児童相談所には慎重かつ適切な判断が強く求められています。
子どもの人権を守ることが何より重要です。自分自身は新聞記者として社会部の記者をしていて、虐待で命を落とす子どもの事件をたくさん取材してきました。やはりこの国では、子どもの人権が軽く扱われ過ぎだと思いますし、親の所有物ではないということを本当に強く思ってきたので、そこを何よりも重視する姿勢というのが大事だと思います。
ただ、相談を受けている中で、やはり保護者の話にも寄り添って、かつ、事態を整理して、法的な助言などもできる機関というのを整備しておいてあげないと、フェアではないと感じています。
そこで質問です。保護者が法的な立ち位置を相談したり、問題を整理したりしてもらうために、弁護士に相談できるような制度を児童相談所の中に整備していただいていると聞いていますけれども、どのような内容かお伺いします。
また、私でもそれがどのようなものなのかよく分からないので、区民の方にもなかなか分かりにくいと思います。分かりやすい周知をお願いしたいと思いますが、見解をお伺いします。
○
相談援助担当課長(菅原正興君) 児童相談所は、本年度、5名の弁護士と委託契約を結んでおります。区では、児童相談所の法的対応における手続の代行や助言だけでなく、独自の取組として、児童や保護者、関係機関が直接弁護士と相談できるよう契約しております。児童虐待、いじめ、親の離婚などの子どもの取り巻く問題の解決にあたり、弁護士による法的な説明や助言を活用し、当事者が問題を整理していくことが可能となっています。
今後、児童相談所の相談において、弁護士をはじめ、医師、児童心理司などの専門職による相談ができることを分かりやすくホームページで紹介するなど、一層の周知を図ってまいります。
○委員(清家あい君) ぜひよろしくお願いいたします。
質問は以上です。ありがとうございます。
○委員長(
池田たけし君) 清家委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(
池田たけし君) 次に、杉浦委員。
○委員(杉浦のりお君) よろしくお願いします。初めに、婚活支援と少子化対策についてお伺いいたします。
2020年の合計特殊出生率は、全国で1.34、東京都で1.13、港区では1.34です。現在の人口の維持に必要な水準、人口置換水準は2.07と試算されておりますので、遠く及びません。
少子化の要因は何でしょうか。人口論の専門家による興味深い分析があります。夫婦の子どもの数の減少による影響が3割、未婚化、晩婚化による影響が7割というものです。人口学者によると、つまり、近年の少子化は、結婚適齢期の女性が以前よりも結婚しなくなった効果が7割、結婚している女性が子どもを以前より産まなくなった効果が3割という研究が示しているとのことです。未婚化の要因には、女性の経済的な価値観によるものがあります。それは、女性が経済的に自立をし、結婚する条件のハードルが全体的に高くなったことにあります。
スウェーデンでは、公的両立的支援制度、アメリカでは、民間企業主導の柔軟な働き方による影響で、女性が労働と子育てを両立しやすくなり、若年者の雇用が不安定化しても、男女がカップルを形成し、共働きによって生計を維持していこうという考え方が増えてきました。
一方、日本人女性は、安定した所得を持つ男性が見つかるまで結婚を延期して、両親と同居しようという考え方をする傾向もあります。それによって、男性雇用の不安定化の中でも、共働き戦略がうまく機能せず、少子化が加速してしまっているのではないかと考えます。
子育てするなら港区というスローガンの下、港区は待機児童の解消、保育園等の設置、子育て支援策の充実に本当に力を入れてきたと思います。それらの政策は全て夫婦の子どもの数を増やすための政策ではないでしょうか。それは、少子化の要因でいう3割の部分に注力しているということになります。7割の要因である未婚化、晩婚化を改善する政策を行ったならば、はるかに大きな効果を上げることができることを意味しております。未婚化、晩婚化を改善する政策として簡単に思い浮かぶのは、婚活支援です。婚活支援の実施について、区の見解をお伺いいたします。
○
子ども家庭課長(西川克介君) 現在、本年2月1日に発足した港区ブライダル地域連携協議会と連携をし、コロナ禍における新しい結婚支援に取り組んでおります。結婚支援の実現に向けて、企画案の調整や関係団体からの情報収集を行い、多彩な知見を持つ協議会の皆さんと検討を進めており、若者への結婚支援が少子化対策の一助となるよう、新たな支援策に取り組んでまいります。
○委員(杉浦のりお君) 政府は2021年度から、AI、つまり人工知能を使った婚活支援への補助を拡充しているそうです。地域少子化対策として、2014年度から、自治体による婚活や新婚生活への支援などに補助金を出していて、予算規模は20億円で変わりませんが、補助割合も2分の1から3分の2に引き上げるということです。ぜひとも前向きな検討をお願いいたします。
次に、港区認証保育所保育料助成制度についてお聞きいたします。
区では、子育てサポートの充実を図るために、多子世帯への保育園保育料を無料にし、さらに令和2年4月以降は、兄や姉、きょうだいの年齢等の要件もなくして、子育てしやすい環境づくりに邁進してきたと思います。
保育サービスの充実は、区民にとってはとても喜ばしいことではありますが、サービス内容がきめ細かく、パンフレットやそれに伴う資料等を読みこなし、理解するのは少々難しいことと思われます。
例えば、認証保育所と認可保育園の違いも、区民には分かりにくいことかもしれません。つい先日も、昨年の4月からゼロ歳児で区内の認証保育所に通わせている子どものお父さんから相談がありました。今年の4月に認証保育所保育料助成制度を知り、助成要件に必要な手続として、総合支所の区民課で認可保育園の6月入園の申請をしました。その結果、6月から認可保育園の入所待機となり、助成の対象となりました。その際、年の離れた子どもがいることが判明し、6月分から認証保育所の保育料を実質的に無料にしていただいたとのことでした。ただし、認可保育園の待機児童対策の制度であるため、待機の状態になる前の今年の5月以前の保育料には遡及してもらえないということでした。
保護者にとっては、このような助成制度があっても、自分の世帯の状況がその対象に当てはまるのか把握するのが難しい場合があるのではないでしょうか。認証保育所を利用する世帯が助成要件に該当する場合は、適切に助成を受けられるために、制度の周知方法などについて改める必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。
○保育課長(木下典子君) 区は、認証保育所保育料助成制度を保護者に知っていただくため、保育園入園の御案内冊子やパンフレットの窓口配布、広報みなと、区ホームページのほか、認可保育園等の入所待機通知に案内文書を同封し、幅広く周知するとともに、本年4月から保育コンシェルジュによる助成制度の電話相談を実施し、申請方法等の相談に応じております。
また、保護者が認証保育所に入園申込みをした場合も、助成制度の仕組みについて、認証保育所から説明しております。
今後、母子手帳アプリの保育園機能へ助成制度の案内の追加を予定しており、様々な機会を捉えて、引き続き保護者に制度を周知してまいります。
○委員(杉浦のりお君) 分かりました。区民の生き方は千差万別で、26万人が暮らせば、26万通りの生き方があります。区は、その全てとは言いませんが、区民の生き方の様々な想定を課題認識として持ち合わせて、職務遂行に当たっていただきたいと思っております。
最後に、原爆被爆者の援護についてお伺いいたします。
76年前の8月6日と9日、原子爆弾が広島と長崎に投下されました。今年の夏も、戦争の悲惨さを報道や番組で取り上げておりました。
先日、広島で小学校2年生のときに被爆した区民の方からお話を伺うことができました。戦争は、日本人にとって過去の歴史。さきの大戦では、世界中で5,000万人以上の尊い命が失われ、原子爆弾という一発で殺傷能力10万人以上もある爆弾が2発も落とされた日本において、身近に感じている区民がどれほどいるのか。私も、幼い頃、祖母に東京大空襲の話をよく聞かされましたが、最近では生の声を聞く機会は減ってしまっていたところでした。
区では、原爆被爆者に対して独自の事業を行っていると聞きました。被爆者援護は、核兵器廃絶につながることとして捉えていくべきと考えます。黒い雨の被害者もまた、原爆被害の象徴であるにもかかわらず、しばらくの間、救済されてきませんでした。
港区で行われている原爆被爆者の援護について、事業内容と実績についてお聞かせください。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 区は、原爆被害者援護に関する業務として、東京都が実施している被爆者に対する各種手当の認定申請や医療費の還付、被爆者の子に対する健康診断受診票や医療費助成の申請などの受付を実施しております。
区独自の原爆被爆者援護事業といたしましては、区内在住の原子爆弾被爆者に対し、年間1万2,000円の見舞金を支給するとともに、鍼・灸・マッサージサービス利用券を給付しております。
令和2年度は、見舞金を82人の方に支給し、鍼・灸・マッサージサービス利用券を46人の方に給付いたしました。
このほか、港区原爆被爆者の会に対し、平和祈念式典の参加などに必要な経費として、毎年63万1,000円を助成しております。
○委員(杉浦のりお君) 身体的、精神的にも苦しんでいる原爆被爆者は高齢化しておりますが、東京都では、原爆被爆者2世にも医療費助成があると聞いております。これからは、さらに3世には特にそういった制度はないかもしれませんが、二度と原子爆弾のような大量破壊兵器が使用されることのない世界、戦争のない世の中にしていくためにも、原爆被爆者の援護のような事業も、過去の悲惨な史実を風化させないための役割があると考えます。区の見解をお聞かせください。
○
障害者福祉課長(小笹美由紀君) 区は、港区原爆被爆者の会に対し、毎年、平和祈念式典への参加経費や原子爆弾に関する講習会などの開催経費を助成しております。この取組は、過去の悲惨な出来事を風化させず、後世に確実に伝えるといった役割を果たしているものと考えております。
○委員(杉浦のりお君) 日本は現在、日米安保、アメリカの核抑止に依存する立場から、核兵器禁止条約を批准できないでおります。それ以外の合理的な理由がなくて、核爆弾を2発も落とされた国として、核兵器の製造、保有、使用などを全面的に禁じていくことを積極的に呼びかける必然性が日本人ならば当然の責務であり、原爆被害者の思いを推察すれば、遺憾であると言わざるを得ないと考えてしまいます。
さきの戦争で、アメリカは終戦を早めるために原爆を使わざるを得なかったという話をよく耳にいたしますが、絶対に認められるものではないと思います。
以上で、民生費の質問は終わります。
○委員長(
池田たけし君) 杉浦委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(
池田たけし君) 次に、阿部委員。
○委員(阿部浩子君) まず初めに、コロナ禍で困窮している子育て世帯の支援についてお聞きします。
今定例会で、現在港区に住み、子育てをしているひとり親世帯がどれだけ大変な暮らしをしているか、NPO法人みなと子ども食堂のアンケート調査結果を踏まえて質問させていただきました。区長答弁では、今年度は利用者の要望を踏まえ、食料品や日用品を選択できるエンジョイ・セレクト事業を開始し、ひとり親世帯で子ども2人の場合は毎月1万円相当、年間で12万円相当の食料品などを支給し、支援を充実しております、今後も本事業により支援してまいりますとのことでした。この事業については、多くの利用者が助かっているという声が多いです。
今回、質問でもアンケート結果を述べさせていただきましたが、港区のみなと子ども食堂フードパントリー利用者124世帯のうち、
新型コロナウイルス感染症の影響に直面している世帯は96%です。124世帯のうちひとり親世帯は91.3%です。そして、コロナ禍での月収の影響は、以前と比べ1か月3万円以上受けているという方が半数です。自由意見では、食事の回数を減らした、炭水化物を多くしている、スーパーの割引の時間に行く、また、エアコンをつけない、シャワーを使わない、お湯を使わないなどなど、エアコンをつけない世帯は1世帯ではなく数世帯いました。
ここは港区であり、日本一所得が高い人が住んでいる割合が多い区です。こういった格差が生じているこの現状についてどのように考えますか。
また、私は、エアコンをつけないこと、食事の回数を減らしていることは、命に関わることだと思っています。それが子どもにまで影響が及んでいるのです。この現実についてどのように考えますか。この2点についてお聞きします。
○
子ども家庭課長(西川克介君) 収入が減少し、生活費の節約のためにエアコンの使用を控える、あるいは食事の回数を減らすということは、子育てする親の身体的、精神的な負担となり、子育てにも大きなストレスを抱えていると考えております。
区が、8月に、エンジョイ・セレクト事業の利用者でメール登録をされている2,540人に対してウェブ上でのアンケートを実施したところ、約26%弱の652人の回答がございました。およそ4分の1の26.4%の保護者の方が、いらいらすることが増えたと回答しており、親のストレスが増えていることが分かりました。親のストレスによって子どもの育ちに影響があってはならないと考えております。
○委員(阿部浩子君) ここまで子育て世帯が
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、生活が困窮しているにもかかわらず、エンジョイ・セレクト事業で毎月1万円相当支援しており、支援が十分充実していると区長が答弁されたことについて、実態が本当に伝わっているのか不安に思います。
私は歳入で申し上げましたが、コロナ禍で区民税収入は変化していない、ほとんど影響を受けていない自治体は、全国的に見ても非常に稀有な自治体であり、特別区民税の収入の7割が給与所得、約16%が株式等の分離譲渡所得で占められています。その一方で、ひとり親世帯は、真夏にエアコンを我慢している家庭もあるという、コロナ禍で一層格差が拡大しているのです。今こそ所得の再分配機能を生かし、生活困窮している方々には新たな支援を区として行っていくべきではないでしょうか。
このアンケートの中でも自由意見で、借金をしている、子どもの貯金を取り崩してもう貯金がないという、本当に貯金している方というのはほとんどいないと思うのですけれども、子どもの例えば高校の授業料であったり、大学にかかるお金だったり、そういったものまで切り詰めて生活している家庭がいるというのが今の港区の現実だと思っています。
先日、9月20日のフードパントリーには、170世帯の申込みがありました。毎回毎回申込者が増えています。つまり、生活に困っていて、支援をしてほしいという人が増えていることではないでしょうか。毎回、お米、野菜、果物、乾麺、パンやお総菜、レトルト食品、洋菓子やお菓子など、レジ袋3つ以上配付させていただいております。今回はお魚も配りました。しかし、私は、NPO法人、つまり、ボランティア団体ですることは限られていると思っています。区でできることは、区でしっかりと進めていくべきです。
コロナ禍で港区独自の事業として、非課税世帯への港区商品券特別給付事業や、港区低所得者の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金、これは児童1人当たり5万円を給付しています。継続して定期的に現金給付ができないとするのであれば、商品券事業や給付金を今年度も引き続き配付すべきです。今困窮している人は貯金をするのではなく、すぐ消費に回ります。商品券についてもすぐ利用します。エンジョイ・セレクト事業以外のさらなる支援について、区のお考えをお聞きします。
○
子ども家庭課長(西川克介君) 今年度は、港区低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金(ひとり親世帯分)を支給しております。今後も、家計が急変した世帯に対し、広報みなと、ホームページ、SNSやメール配信などで御案内し、申請の勧奨をしてまいります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が区民生活に及ぼす影響を注視しながら、真に困窮している世帯に適切に支援が届くよう努めてまいります。
○委員(阿部浩子君) 適切な支援をしていくということなのですけれども、やはり商品券でも結構なので、昨年と同様、またそういった支援を引き続きお願いしたいと思っています。本当に命に関わるというところまで来ていますので、そういった方々は区がしっかりと支援をしていただきたいということをお願いします。
私の手元に、28年前の1993年5月に発行された港区ひとり親家庭実態調査があります。今とどう違うのかと眺めていたのですけれども、ひとり親141世帯の標本になります。この調査でも、子どもの人数は1人が6割で、28年たっても現在とその点は変わっていない。ひとり親世帯は、子ども1人の2人世帯が約6割を占めているということです。就労している方の割合が約9割。しかも正規雇用が47.2%で、年収は0円から200万円未満が20.6%、200万円から300万円未満が27.7%です。
8月のみなと子ども食堂の調査では、正規雇用の割合は24.2%で、年収0円から240万円が72.8%でした。28年たって、正規雇用は半分になり、そして、0円から200万円の年収が3倍に膨れ上がっています。つまり、平成5年の28年前と比べると、ひとり親世帯そのものの雇用が不安定になり、収入も大きく減っています。この変化の要因は、様々な規制緩和の影響を大きく受けているのではないでしょうか。
正規雇用より非正規雇用が増えている社会現象で、結局、そこでより生活が困窮するのがひとり親世帯ではないでしょうか。それが社会的弱者であり、ここを支援していくのが国であり、地方自治体であります。来年度の港区の予算方針は、全国にリードし、輝き続ける港区とされていますが、輝き続けるためには、
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて生活困窮をしている子育て世帯を、また、
子どもたちを十分に支援していく必要があると思います。
港区のひとり親の生活実態を十分に把握していただき、支援を確実にしていただきたいです。そして、港区から生活困窮をしているひとり親世帯をゼロにし、真夏にエアコンを我慢している家庭をゼロにしていただきたいと思います。あともう少したつと寒くなってくるので、暖房が必要です。
子どもたち世帯にとっても暖かくしてほしいということをお願いします。
先ほど鈴木委員からもお話がありましたが、NPO法人でやっていても、抽せんの話があったのですけれども、うちも最初50世帯で始めていて、それが100世帯、結局、今、172ぐらいまでいっていて、切れないのです。皆さん生活困窮しているから、私たちは頑張るしかなくて、抽せんすることができないのです。今そのような状況に港区のひとり親の困窮世帯があるということは十分理解していただき、私たちもできることは一生懸命やっていますけれども、区でできることをしっかり支援してほしいと思います。
次に、エンジョイ・セレクト事業についてお聞きします。
みなと子ども食堂で配布してほしいものの1位はお米、そして、果物、野菜などの生鮮食品が続きます。5月19日の利用者127世帯のうち、107世帯のエンジョイ・セレクトを利用している方に質問したところ、いつも頼んでいるのがお米と産地直送品で、57%の利用です。そのアンケートの自由意見では、産地直送が2つ選べたら助かりますとの声が最も多かったです。産地直送は、野菜や肉、魚など生鮮食品が選べるから人気があるのです。
みなと子ども食堂のアンケートでもそうですが、お米と生鮮食品を希望していることについて、区としてどのように認識しているのでしょうか。
○
子ども家庭課長(西川克介君) 食べ盛りの子どもを育てている家庭にとって、お米や生鮮食品は家計の助けになるため、人気が高いと認識しております。
○委員(阿部浩子君) そうですね。なかなか生鮮食品が高いから買えないという声もあります。
産地直送のニーズは高いのですが、1つしか選べない理由は、荷物がそれぞれ別送になるからだと考えますが、その理由と、希望する方が2つ希望できるように改善をお願いしたいと思いますが、区のお考えをお聞かせください。
○
子ども家庭課長(西川克介君) 産地直送品は、生鮮食品のため、配送元からの個別配送となり、事業者側にとって配送の調整が煩雑になるということが、選択を1つにする理由となっております。
今後は、アンケートを通して利用者のニーズをさらに把握するとともに、カタログの品ぞろえや配送コストを含め、産地直送の選択の拡大に向け検討してまいります。
○委員(阿部浩子君) お願いいたします。
エンジョイ・セレクト事業は今後も継続していくと区長答弁にもありました。利用される方にとっては、大変喜ばれている事業です。そして、子どもと一緒に選べることもうれしいという声も多いです。今後とも、利用する方のニーズに合った事業展開をお願いいたします。
そして、今、産地直送は1つしか選べないのですけれども、2つ希望できるように、一日も早く取組をお願いいたします。
次に、子どもの医療費助成の拡大についてです。
今定例会で、高校生まで医療費助成を拡大してほしいことを区長にお聞きしました。答弁では、子育て支援策の一環として、子どもの保健の向上と健やかな育成を図ることを目的とした制度であり、病気にかかりやすい義務教育就学期間までの児童を対象としております。義務教育終了後は医療機関を受診する割合も低くなることから、助成対象を拡大することは現在のところ予定しておりませんとのことでした。
確かに病気にかかりやすいのは、義務教育、特に未就学児や小学生だと思います。しかし、義務教育終了後、18歳以下までに拡大することは、私は、一番お金がかかる時期に医療を我慢するのではなく、安心して受けられることにつながると思っています。特にコロナ禍では、さらに
子どもたちの受診抑制の深刻化が懸念されています。
先ほど風見委員が
厚生労働省のことをお話ししたので、それは省略して、23区では、3区が高校生まで入院費や医療費などの助成を拡大しております。区長答弁では、現在のところ予定していないということですが、今後、さらに高校卒業まで医療費助成の自治体が増えると、港区もやはり考えざるを得ないということなのでしょうか。お聞きします。
○
子ども家庭課長(西川克介君) 現在のところ、区単独で区独自財源で助成対象を拡大することは予定しておりませんが、今後、様々な施策を通じて、総合的な子育て支援に努めてまいるとともに、引き続き国や東京都の動向、他区の動向を注視してまいります。
○委員(阿部浩子君) やはりお金がかかる時期であるので、それで受診を控えることがあって、命を落としたりするケースももしかしたらあるかもしれないので、検討はしていただきたいと思います。
先ほど3自治体と言ったのですけれども、千代田区は医療費と入院費、両方やっているのです。そこで面白いと思ったのが、整骨院が入っているのです。やはり高校生になってくると、骨折したり、部活がやはり運動など、そういったことで整骨院も入っているのかと思いました。港区も、今度、高校生まで拡大したときには、整骨院についても考えていただきたいと思います。
次に、ユースクリニックについてお聞きします。
ユースクリニックの必要性については、本会議で述べさせていただきました。みなと相談ねっととして、匿名で相談できるメールや電話相談を実施しているとのことです。悩みを聞きながら、体の発育や性の悩み、心の相談があった場合には、臨床心理士や保健師、みなと保健所の精神科医が子どもに寄り添いながら、専門的な助言や医療機関につなげる支援を行っています。今後も、
子どもたちの様々な悩みを共に考え、思春期の子どもの支援に努めてまいりますとのことでした。
これはこれで継続してもらって構いません。私は間口を広くすることで、敷居を低くすることに意味があると思っています。先駆的な事例があるように、街角やクリニックで気軽に性の相談ができる場所が必要です。それはどこがいいのか。薬局がいいのか。子ども中高生プラザがいいのか。港区の子ども家庭支援課には、青少年担当があります。ここでは、成人の日の集いなど、イベント企画などもあり、当事者も参加しています。身近なところで若い人たちの声を聞き、彼らがこのことについてどう考えているのか検討していくのもいいのではないでしょうか。
本会議でも触れましたが、NPO法人日本子宮内膜症啓発会議の平成29年3月の中高生生徒による月経関連疾患調査によると、月経により勉強・運動へ影響するほど体の不調があるとした人が約8割、この問題に対して相談した人が29%で、体の不調を一人で抱えている状況です。この8割の生徒の76%が、この状況を我慢しているということになっています。体に不調を感じても病院に行かないという回答が94%、9割を超えています。月経関連症状の相談相手は保護者が65%で、保健室が3%、教員は0%です。つまり、中高生で月経など体調について気軽に相談できる場所がないということです。相談する場所は、電話やメール以外にも間口を広げるべきではないでしょうか。そこで、医師会などにも相談し、受皿になってくれるクリニックを探すことも重要です。
スウェーデンでは、若者の9割が、利用したことがあるという、若年層に浸透しているそうです。それがなぜ日本に必要ないのでしょうか。相談内容は多岐にわたり、親や友達との関係、たばこやアルコールの問題、LGBTの問題、デートDVなどだそうです。思春期の中で悩んだり迷ったりしている青少年を支援していくためにも、医師会や薬剤師会等々の御協力を得て、港区の中にユースクリニックなどを設置し、気軽に相談できる場所を提供していくべきです。区のお考えを改めてお聞きします。
○
子ども家庭課長(西川克介君) 思春期の中で悩んだり迷ったりしている青少年が、幼少期から慣れ親しんだ児童館や子ども中高生プラザなどの施設で気軽に相談できることは、大変望ましいことと考えます。まずは、医師会や薬剤師会等から専門的な助言を受けた上で、施設従事職員に対して、思春期の青少年に関する研修等を実施することを検討してまいります。
ユースクリニック等の設置につきましては、協力事業者の確保や設置場所など検討を必要とすることから、今後の課題としてまいります。
○委員(阿部浩子君) 本会議と答弁がすごく変わって、前向きになったので、本当にうれしいです。ありがとうございます。
本会議のときは、御答弁が、たしかみなと子ども相談ねっととして、匿名で相談できるメールや電話相談を実施しているということです。これはこれでいいと思うのですけれども、少しユースクリニックとは意味合いが違って、ユースクリニックの対象というのは、15歳以上の思春期からAYA世代、30代ぐらいまでが対象です。みなと子ども相談ねっとの対象というのは18歳未満までなのです。だから、これはこれであっていいのですけれども、意味合いが違うので、今課長の御答弁のとおり、本当に性の問題というのはなかなか話しづらいですし、みなと子ども相談ねっとの中を見てみると、緊急の場合の連絡先で、相談内容が、いじめ、不登校、本人の悩みというのが子ども家庭支援センターで、あと、教育センターなども緊急のところに入っているのですけれども、緊急で電話できるところは、みんないじめや不登校、虐待など、そういった相談なのです。つまり、性の悩みを相談するところが、みなと子ども相談ねっとの中にも入っていないので、性の悩みがあっても、今、大学なども
オンラインで、なかなか友達に会えなかったり、先生にも会えなかったり、先輩にも会えなかったりで、本当に相談する場所がないと思うのです。それで分からないから妊娠してしまったり、性感染症の問題も衛生費で言おうと思っているのですけれども、そういった問題も起きてきていますし、とにかく自分の性のこと、悩みを話す場所を区でつくっていただきたいということを強くお願いします。
次は、全ての世代の方が病気やけがをしたときに受けられる多様なサービスの展開について、本会議でこちらも質問させていただきました。
支援を必要としているのは、港区社会福祉協議会のおむすびサービスやシルバー人材センターの家事援助サービスでもありません。現在、担い手の不足が課題になっていますが、ここの担い手の確保、育成に向けた新たな取組が必要なわけでもなく、ただけがをしたり病気になったりする際に、どなたか家事の支援をしてほしい、その仕組みを構築していただきたいと思っております。
現在、65歳未満の方がけがをしたり病気になった場合、どのように生活していけばいいのでしょうか。答えは、自分で動けるようになるまで入院し、その後、退院したら、社会福祉協議会だったり、シルバー人材センターだったり、自分でヘルパーを見つけることではないかと思います。
なぜこれしか制度がないのでしょうか。それは、社会福祉政策は子どもや高齢者のみの政策だからです。家で身の回りのことができないから入院したいと思っても、
新型コロナウイルス感染症の影響で入院を断られるケースがあります。一人暮らしだからといって入院はできません。現在、
新型コロナウイルス感染症の自宅療養者には、段ボール3個分の食料品が送られてきています。しかし、一人暮らしだと、急に熱を出しても、また、けがをして歩けなくなっても、生産人口世代は誰も助けてくれないのです。
港区は、51.3%、約半数が一人世帯です。妊娠すると、産前産後家事・育児サービスがあり、おなかが大きくて動けなくなっても、家事を手伝ってくれます。出産後も同様です。
つまり、こういった制度がないのは、極めてごく少数しかこのような状況にならないからです。だからこそ社会福祉協議会やシルバー人材センターのサービスに頼るのではなく、必要なときにすぐにお願いできる多様なサービスを構築していくべきです。区のお考えをお聞きします。
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保健福祉課長・
みなと保健所新型コロナウイルスワクチン接種担当課長兼務(野上宏君) 突然の病気やけがに遭われた方にとって、年齢に関係なく、日常生活の様々な場面で不安や不便を感じることは多いと思います。区は、各地区総合支所やみなと保健所などの窓口で困り事の相談を受けた場合、医療機関や在宅療養相談窓口、子ども家庭支援センター等、関係機関と連携し、個々の状況に応じて、民間が行っている有償の事業も含めた必要なサービスにつなげております。
来年8月には、各部門の連携をさらに強化する福祉総合窓口を設置いたします。関係機関との連携をよりスムーズに、より緊密に行うことで、より迅速に対応できるよう準備を進めてまいります。
○委員(阿部浩子君) 福祉相談窓口で相談に乗ってくださるという方向だと思うのですけれども、けがをして動けなくて、また、熱を出していて、窓口に行きたいと思っても、総合支所には行けないのです。電話をかけるかどうかといったら、うなっている中で、自分が動けないので、助けてくださいと電話ができるか。メールはもっとできないと思うのです。
一応、そのようなリストではないですけれども、車椅子を借りるところなどもあるので、そういった案内みたいなものがあったり、何かいい方法がないのかと思います。とにかくそのようなときというのは、本当に動ける状況ではなくて、本当は妊娠・出産時の家事援助ホームヘルプサービスのような制度があれば理想なのです。だから、もしそれが実費でというのであれば、そこを紹介していただきたいと思っています。
無償でお願いしたいということではなく、有償でヘルパーをすぐにお願いできる仕組みを構築していただきたいと思います。本当に困ったときは、頼る人がいなければ、本当に大変な状況になりますので、どうかお力を貸してください。お願いします。
○委員長(
池田たけし君) 阿部委員の発言は終わりました。
これにて歳出第4款民生費の質疑は終了いたしました。
以上にて本日の審議を終了いたします。
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○委員長(
池田たけし君) これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。
午後 4時47分 閉会...