港区議会 > 2020-02-20 >
令和2年第1回定例会−02月20日-02号

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  1. 港区議会 2020-02-20
    令和2年第1回定例会−02月20日-02号


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    令和2年第1回定例会−02月20日-02号令和2年第1回定例会  令和二年 港区議会議事速記録 第二号(第一回定例会)   令和二年二月二十日(木曜日)午後一時開会     一 出席議員(三十四名)       一  番  マック 赤 坂 君      二  番  玉 木 まこと 君       三  番  石 渡 ゆきこ 君      四  番  榎 本 あゆみ 君       五  番  なかね  大  君      六  番  黒崎 ゆういち 君       七  番  小 倉 りえこ 君      八  番  福 島 宏 子 君       九  番  熊 田 ちづ子 君      十  番  山野井 つよし 君       十 一番  兵 藤 ゆうこ 君      十 二番  横 尾 俊 成 君       十 三番  丸山 たかのり 君      十 四番  やなざわ 亜紀 君       十 五番  鈴 木 たかや 君      十 六番  土 屋  準  君       十 七番  風 見 利 男 君      十 八番  琴 尾 みさと 君       十 九番  清 家 あ い 君      二 十番  杉 浦 のりお 君       二十一番  なかまえ 由紀 君      二十二番  池 田 たけし 君       二十三番  ゆうき くみこ 君      二十四番  二 島 豊 司 君       二十五番  池 田 こうじ 君      二十六番  榎 本  茂  君       二十七番  赤 坂 大 輔 君      二十八番  阿 部 浩 子 君
          二十九番  七 戸 じゅん 君      三 十番  近 藤 まさ子 君       三十一番  杉本 とよひろ 君      三十二番  清 原 和 幸 君       三十三番  うかい 雅 彦 君      三十四番  井 筒 宣 弘 君     一 欠席議員  な し     一 説明員       港   区   長        武 井 雅 昭 君    同 副  区  長        田 中 秀 司 君       同 副  区  長        小柳津  明  君    同 教  育  長        青 木 康 平 君         芝地区総合支所長                      麻布地区総合支所長       同                新 井 樹 夫 君    同                有 賀 謙 二 君         環境リサイクル支援部長兼務                 子ども家庭支援部長兼務         赤坂地区総合支所長                     高輪地区総合支所長       同                森   信 二 君    同                野 澤 靖 弘 君         保健福祉支援部長兼務                    街づくり支援部長兼務         芝浦港南地区総合支所長       同                星 川 邦 昭 君    同 福祉施設整備担当部長     佐 藤 雅 志 君         産業・地域振興支援部長兼務       同 みなと保健所長        阿 部 敦 子 君    同 街づくり事業担当部長     坂 本  徹  君       同 企画経営部長         浦 田 幹 男 君    同 用地・施設活用担当部長    中 島 博 子 君       同 防災危機管理室長       長谷川 浩 義 君    同 総 務 部 長        北 本  治  君         会計管理者       同                亀 田 賢 治 君    同 教育委員会事務局教育推進部長 新 宮 弘 章 君         会計室長事務取扱       同 教育委員会事務局学校教育部長 堀   二三雄 君     一 出席事務局職員       事 務 局 長          大 滝 裕 之 君    事務局次長            小野口 敬 一 君                                     議 事 係 長          吉 田 一 樹 君                                                            他五名             ───────────────────────────       令和二年第一回港区議会定例会議事日程          令和二年二月二十日 午後一時 日程第 一  会議録署名議員の指名 日程第 二  代表質問・一般質問        鈴 木 たかや 議員(自民党議員団)        七 戸 じゅん 議員(みなと政策会議)        なかね  大  議員(公明党議員団)        榎 本  茂  議員(都民ファーストと日本維新の会)        風 見 利 男 議員(共産党議員団)             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) これより本日の会議を開会いたします。  ただいまの出席議員は三十四名であります。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) これより日程に入ります。  日程第一、会議録署名議員をご指名いたします。三十一番杉本とよひろ議員、三十二番清原和幸議員にお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 日程第二、区の一般事務について、質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。最初に、十五番鈴木たかや議員。   〔十五番(鈴木たかや君)登壇、拍手〕 ○十五番(鈴木たかや君) 令和二年第一回港区議会定例会にあたり、自民党議員団を代表して、武井区長、青木教育長に質問をいたします。  質問に先立ちまして、先日、区内で登校中の小学校三年生児童が青信号を横断中に左折車両に巻き込まれて死亡するという、とても悲しい事故が発生いたしました。衷心よりお悔やみ申し上げるとともに、我が区が採用している学校選択希望制を行う以上、現在の通学路点検の拡充をはじめ、ありとあらゆる手段を講じて、二度とこのような事故が起きないように最善の努力をお願いしたいと思います。  令和の時代に入り、今後の国の状況を考えると人口減少と超高齢化の時代という、誰もが経験したことがない社会が目の前に迫ってきました。限られた資源をどのように使うかを決めていく政治の役割はとても重要だと思います。高度経済成長時代のように課題が明確で、中央政府が決めたことを実行すればよかった時代は終わり、各自治体がそれぞれの地域の実情に合った課題解決をしなければならない時代が来ています。それは人口推計だけでも、今後の人口減少時代に、我が区は増え続ける予測となっていることからも、横一列に計画を策定すればよい時代ではないことがわかります。  そうした意味からも、首長や議会の役割は重要度を増していると言えます。地方議会に目を向けると、よく首長与党や首長野党との言葉を耳にしますが、本来は、議院内閣制ではなく二元代表制の地方議会においては、制度上、存在し得ない話です。首長与党は無批判に首長を支持する議員をやゆする言い方でもあると言えますが、見方を変えれば、我が区のように行政と議会の方向性が一致しているとも言えると思います。  行政と議会を車の両輪に例える言い方もよく耳にします。より迅速に区民サービス、区民に行政サービスを届けるためには、両輪が同じ方向を向き進んでいくことが区民のためにも大切なことであると思います。しかしながら、車両の両輪は、わずかなアライメントの乱れでも真っすぐ進むことが困難になります。港区においては、アライメントが狂わないようにしっかりと行政と議会とが議論をして進まなければならないと考えます。  令和の時代は、さまざまな価値観が変わるかもしれません。全てがオンライン上に移り始めている今、今後、港区に住むメリットは当然減っていきます。会社も一つの企業に勤める時代ではなくなりました。生涯一カ所に住み続ける人はどのくらいいるのでしょうか。行政はさらに区民ニーズを的確に捉えて、素早くかじ取りをしなければならない時代が来ていると思います。そうした時代にも対応できる港区であってほしいと願います。その意味からも、ソサエティ五・〇のような新たな取り組みが重要になっていきます。こうした新たな取り組みには、若い職員の柔軟な発想や能力が必ず重要になっていきます。さらに、若いエネルギーを活用する仕組みもぜひ構築していただきたいと考えます。  それでは、質問に入ります。  初めに、民間アイデア提案制度についてお尋ねいたします。  私は、日頃から区民の皆様と接する中で、さまざまな生活上の課題をお聞きします。また、町会長として活動する中でも地域の課題が見えてきます。その課題の中には、地域コミュニティで解決できるものもあれば、行政の力が必要で総合支所の職員に相談し、解決につなげることもあります。しかしながら、全ての課題がそのような既存の方法で解決できるものではありません。中には複雑な課題で、地域コミュニティや行政の力だけでは解決できないこともあり、心苦しく感じることがあります。  また、一方では、私には、昔からある地場産業の方やIT企業などの事業者さんから、自社の技術やアイデアなどを誇らしげに伝えられることがあります。そのたびに彼らが持つノウハウを地域の課題解決につなげられないか考えています。しかしながら、私に自社の強みを教えてくれる事業者さんも、私の地域が抱える課題の解決を目的としているわけではないため、なかなか地域の課題と事業者さんの強みが重なり合うことがありません。  このような中、区長の所信表明において、「企業が持つ先端技術やアイデアを募集し、区の課題解決をする仕組みをつくる」とありました。武井区政は、これまでも参画と協働を柱にした区政運営を行っており、また、各種事業の推進にあたっては、行政、区民、民間、全国自治体の四つの力を使うとしています。  経済センサスによると、港区内には四万近い事業所があり、彼らが持つ技術、人材、発想などには、区の課題を解決につなげてくれるものがあるのではないでしょうか。まさに私が日頃から必要性を感じていた取り組みであり、ぜひ実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。  そこでお尋ねいたしますが、現時点ではどのような制度にすることを考えているのかお聞かせください。  次に、行政情報分析基盤システムについてです。区の内部には貴重な情報があると言われています。その最たるものが住民基本台帳に関する情報です。住所、世帯構成、氏名や生年月日、性別、転出入日などです。しかしながら、個人情報の保護から、区といえども、それらを事業立案などに自由勝手に使うことは困難です。  現在の港区は、大きな開発などにより地域の人口構成が変わり、それに伴い行政サービスの量や内容も大きく変わるまちです。住民基本台帳を自由に使うことができれば、いち早くその対応を検討することができるのではないでしょうか。区の人口は、令和九年に三十万人を超えます。地域にも今は想定していない課題が今後発生するかもしれません。区が持っている情報を活用し、それらの課題を事前に把握し、対策をとっていくことが変化の激しい時代に求められていることだと思います。  そこでお伺いいたしますが、貴重な情報である住民基本台帳の活用について、区ではどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。  次に、基本計画策定についてです。  次期港区基本計画の策定に向けて、区民参画組織であるみなとタウンフォーラムは昨年九月から開始し、九つの分野に分かれて検討を進めています。約半年間の議論を経て、いよいよ三月に区長へ提言されると聞いております。基本計画は、将来どのような港区にしていくのか、そのためにどのような取り組みを進めていくのかを示す区政運営の指針となります。  昨年の決算特別委員会の中で、みなとタウンフォーラムの参加者は、十代から七十歳を超える方まで幅広い世代で構成され、大学生や社会人、高齢者、障害者、子育てをしている方、外国籍の方、また地域で、地域防災協議会のメンバーや港区国際化推進アドバイザー、港区観光ボランティアガイドとして活動している方、認知症の高齢者の介護を経験された方、大学院で地域と自治体との連携を研究された方、約七十年間港区にお住まいの方など、さまざまな背景をお持ちの方が参画されているとお聞きしました。  港区基本計画は、行政だけでつくるのではなく、港区に住む人、働く人、学ぶ人、さまざまな人のニーズを酌み取り、取り入れることで、地域の人から共感される実効性のある計画になると考えます。それだけに、このみなとタウンフォーラムからの提言を大切にしていただきたいと思います。  そこで、みなとタウンフォーラムからの提言を受け、どのように基本計画へ反映していくのか、区長の考えをお伺いいたします。  次に、会計年度任用職員制度の計画的な人材育成や人材活用についてお聞きいたします。  地方公務員法及び地方自治体法の改正により、四月一日から会計年度任用職員制度が施行され、非常勤職員や臨時職員などのほとんどがこの新設される会計年度任用職員に移行することになります。就業時間によってフルタイムとパートタイム職員に区分されるほか、地方公務員法の任用や人事評価、服務規程等が適用されます。  近年における港区の非常勤・臨時的任用職員の任用状況は全体として増加し、この六年ほどでは一般非常勤職員は約一・二倍、そのほか特別職非常勤職員は横ばい、そして臨時的任用職員は約一・六倍に増加しています。このように経常的経費がかかる中、新たに会計年度任用職員が開始されるにあたり、港区として、会計年度任用職員の計画的な人材育成や人材活用をどのように考えているのか、区長にお伺いいたします。  同じく教育にかかわる専門職の評価待遇についてお聞きいたします。会計年度任用職員制度が開始されるにあたり、大きく影響があるのではと懸念しているのが専門職への影響、特に教育にかかわる人材確保です。その中でも区費講師はこれまで、時間分の予算で区内小・中学校へ必要に応じて配置され、港区の教育に大きな貢献をされてきています。  来年度開始を見据え、教育にかかわる区費講師の名称がゼネラルサポートティーチャーと一くくりにされ、少人数指導講師、コース別指導講師教育課程特別講師ネイティブコース対応講師、そしてサイエンスアドバイザーの五つの会計年度任用職員として募集が行われています。  教育にかかわる講師は、誰もが専門職です。それが会計年度任用職員は人事規程により、報酬は職歴によって時間単価を決定し、期末手当は支給要件があると言います。会計年度任用職員制度が始まることから、給与水準はこれまでと比較して下がらないよう調整されているとのことですが、職歴のほかに求められる役割に対する対価、そして正しい評価は区が責任を持って考慮するべきです。特に、国際学級講師やサイエンスアドバイザー教育免許取得年数だけでは評価ができません。  区費講師への正しい評価は、区費講師の継続的な人材確保につながり、結果として子どもたちへの教育の向上につながります。教育の港区ならではの専門教育職という点において、会計年度任用職員に移行する区費講師の評価をどのように行い、教育の質に還元していくのか、教育長のお考えをお聞かせください。  次に、ふるさと納税制度の現状と新たな取り組みについてです。  ふるさと納税制度が創設されたのは二〇〇八年です。省庁や大企業、人口、税収など全てにおいて首都圏に一極集中している一方で、過疎化、産業衰退、人口減少、超高齢化などによって地方が著しく疲弊している状況があり、格差是正のため、首都圏に集中する税収の一部を地方へ移しかえる、それを国民が自由に選択することができる制度として創設されました。  制度づくりに携わった内閣府参事官の高橋洋一氏のお話によると、当時、官僚はふるさと納税制度には大反対で、抵抗は非常に厳しかったそうです。当時は、政府が税を徴収し、政府が配分するのが公正であると官僚は考えていたからだと思われます。導入された初期の二〇〇八年から二〇一二年までの五年間は、寄附者の負担が大きな制度の内容から、なかなか普及はしませんでしたが、その後の制度の見直しとともに、二〇一三年頃から始まった返礼品合戦によって一気に広まりました。その後、二〇一五年以降は返礼品の規制が総務省によって行われ現在に至ります。  我が区の状況はというと、返礼品に頼らない、寄附を通じて活力あふれる地域共生社会の基盤づくりを推進することを目的とし、寄附者自身に寄附の使い道を選んでいただき、区の取り組みを応援していただく制度としております。このことは、納税制度本来の趣旨を踏まえたものであり、評価できます。  一方、税収の実態を見てみますと、区民が他自治体に納税している金額に対する寄附金税額控除額は、令和元年度分が四十三億円となり、それに対して、港区に納税されている寄附金額は、令和元年十二月末時点で三百六十五万円と乖離が生じております。この点は黙って見過ごすことはできないと考えます。  私自身の意見としましては、現在のふるさと納税という制度そのものに疑問を持つところでもありますが、実際に運用がなされている以上、手をこまねいて見ているだけではいけないと考えます。  そこで質問いたしますが、ふるさと納税の我が区の現状と今後の対応策について、区長はどのようにお考えかお聞かせください。  次に、羽田空港の機能強化に関する区の対応について二点お聞きします。  初めに、羽田新飛行経路を恒久化しないよう国に働きかけることについてです。国は、羽田空港における国際線を増便することに伴う新飛行経路の運用を令和二年三月二十九日より開始するとしています。この運用に先駆けて、南風運用は二月二日から実際の旅客機による実機飛行確認が行われました。以前より羽田空港新飛行経路の運用に伴い、区民からは落下物や騒音等に対する不安の声が寄せられておりましたが、この実機飛行に伴い、たくさんの声が区にも届いていると聞いております。  こうした不安視をする声は、私のもとへも届いていて、落下物に対する不安、騒音に関するもののほかにも、これは港区独自のものであると思いますが、沿岸部のタワーマンション上層階にお住まいの区民の方より、「あまりの距離の近さに恐怖すら感じます。国が決めたことだから諦めるしかないのですか」という声もあります。飛行経路下にタワーマンションの建設を認めている自治体として、また、その長として、羽田新飛行経路を恒久化しないよう国に働きかけていただきたいと考えますが、お考えをお聞かせください。  二点目は、区独自の騒音測定後の対応についてです。区では、議会や区民の不安の声に寄り添うために、独自に区内の複数箇所で騒音を測定し、影響の把握に努めるとして予算も計上しておりますが、私は、こうした取り組みも本来は国の責任において行うべきであると考えます。もちろん、国が行わないのであれば、区民の不安や疑問に寄り添った区の対応は評価するものであると考えます。  質問は、この騒音測定の結果、明らかに日常生活に影響を及ぼすものであるという判断をした際、区はどのような対応を検討しているのかお聞かせください。  次に、港区男女平等参画条例に関連して二点質問いたします。  一点目は、みなとマリアージュ実施に向けた理解増進についてです。港区は、性的マイノリティを対象として、誰もが人生をともにしたい人と暮らせることを尊重した制度として、みなとマリアージュの導入を予定しています。我が会派としましては、制度導入ありきのパフォーマンスによるものではない当事者のための制度を願うことに変わりはありません。  みなとマリアージュは契約関係を基礎とするため、区は、標準様式とした契約書のひな形を用意し、二人のニーズに合わせた内容を盛り込むことができるとしています。区が想定している標準様式に明記する事項は、相互関係の誓約や療養看護に関する委任なども含め十八項目挙げられており、うち十二項目は、二人が共同生活関係を確保する上で必要であると、性的指向という点を超えて区が判断したものです。契約書を取り交わすという点では、みなとマリアージュカードの交付の有無にかかわらず、二人の関係が確保されるメリットがあることは評価できます。  制度開始にあたり、性的指向にかかわらず外的表現の自由を保障する港区男女平等参画条例の改正が予定されています。これにはみなとマリアージュ制度をはじめ、性的指向・性自認に起因する人権侵害や公表の禁止などが新しく明記されることになりますが、書類上の条例が改正されただけでは広く区民に周知することにはなりませんし、区が考える方針も伝わりにくいのではないでしょうか。これまでと同様に、丁寧に理解をさらに深めていく必要がありますが、どのように進めていくのか、お考えをお聞かせください。  二点目は、学校の制服の見直しについてです。みなとマリアージュ制度について区長記者発表を行った際、幾つかの報道機関は事実と異なる報道をいたしました。それは、心と体の性が一致しないトランスジェンダーなど性的マイノリティの外見の表現の自由を保障するため、港区男女平等参画条例の改正は、学校において男子はズボン、女子はスカートといった制服の原則を見直し、性的マイノリティの生徒に限って自由に選べるようにするためのものといった内容でした。  この報道を受けて、私のところにも保護者の方から問い合わせがありましたし、学校の現場からも混乱の声が聞こえていると聞いております。区が今定例会に提出する本人の望む性に適した制服などを選択する性別表現の自由を尊重することを盛り込んだ内容を明記した条例は、全国初の条例改正であるということを受けて、世間一般の人がわかりやすい例として性的マイノリティと学校制服を結びつけ、事実ではない、議論すらされていない情報をマスコミが大々的に取り上げたことが要因だと思います。  区が基本構想に掲げている、あらゆる人の人権を尊重し、個人の尊厳が守られる地域社会を実現することを目指す考えに異を唱えるものではありません。しかしながら、我が国においても慎重に取り扱っているテーマを地方自治体が進めるのであれば、もっと丁寧に区民の理解が得られるようにするべきであり、このケースで言えば、保護者や学校関係者の理解、つまりは教員のみならず、PTA、地域も含めて行ってから進めるべきだと考えます。学校の制服は性的マイノリティだけの問題ではありません。丁寧に議論を重ねていく必要があります。今後、どのように議論を進めていかれるのか、お考えをお聞かせください。  次に、感染症対策について三点お聞きします。  初めに、新型コロナウイルス等に関する区の対応についてお聞きいたします。中国で発生しました新型コロナウイルスによる肺炎の感染者が日々拡大し、日本でも感染者が確認されています。区では、ホームページに情報を公開し、みなと保健所に相談窓口を設置していると、きのうの区長の所信表明にもありました。  二月三日には港区危機管理対策本部を設置し、区のホームページでも感染症対策に関する情報提供を行っています。先週、区内企業の事業所内においても感染者が確認され、区は、積極的疫学調査にて濃厚接触者を特定し、的確に対応を指示したとも聞いています。子どもやお年寄り、体力に不安のある方にはさらなる注意喚起が必要です。学校や介護施設等にかかわる職員の方々への対策の周知啓発もあわせてお願いしたいと考えます。指定感染症と決定されたこともあり、今まで以上に細やかな情報提供と対策を講じていただきたいのですが、自治体として、どのようなことが可能であるのか。また、どのように行うのか、区長のお考えをお聞かせください。  二点目は、住宅宿泊事業者の対応についてです。一日も早い事態の収束を望むところでありますが、不安に思う区民の方は日々増加しています。その中で、厚生労働省及び観光庁から宿泊施設における感染症対応について通知がありました。情報収集に努めるとともに、正確な宿泊者名簿の作成や状況把握、また、宿泊者に対して新型コロナウイルス感染症に関する情報提供を行うことを推奨するといった通知です。そこには旅館業法に基づく宿泊事業者だけではなく、いわゆる民泊、住宅宿泊事業者にも適用することが望ましいとされています。現在、港区ではどのように指導し、周知をしているのか、区長のお考えをお聞かせください。  三点目は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた感染症対策についてです。世界がグローバル化する中で、訪日する外国人が年々増えています。昨年は、アジア初となるラグビーワールドカップが日本で開催されたことにより、インフルエンザの流行のピークが早まったとも言われています。言うまでもなく我が国は、本年、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。思いもよらない感染症が流行する可能性も否定できない中、大会を盛り上げて成功に導くためにも、今回の事態の収束はもちろん、今後しっかりとした対応が求められていると考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  次は、区長選挙についてです。  港区長選挙の前回の投票率は二四・二五%、昨年行われました私たちの区議会議員選挙の投票率は三五・三七%です。投票率を上げる取り組みは、議会で何度も取り上げられており、私たち区議会議員も一層の努力をしなければならないと思いますし、選挙管理委員会においても検討を重ねていただいているところであると認識しております。
     そもそも人口の出入りが激しい我が区の構造的な問題でもあろうかと思います。きのうきょう越してこられた方に関心を持てと言われても難しいと思います。一方で、子どもが成長したら、家賃が高いので引っ越してしまう家庭も同じです。しかしながら、選挙権が十八歳に引き下げられたことを勘案すれば、これらの若者に関心を持ってもらう取り組みは有効ではないでしょうか。選挙に行くことの意義を、ぜひ若いときに実感してほしいと思います。  そこで、SNS等の利用が選挙において可能になった現在、こうした情報発信の仕組みを検討してほしいと考えますが、選挙管理委員長のお考えをお聞かせください。  次に、町会・自治会についてです。  町会・自治会の運営が大変だという話は今に始まったことではありません。私自身も何度も議会で取り上げておりますし、周りの議員の皆さんからもよく聞くところです。私が町会長を務めている町会とお隣の町会長さんとで最近お話しすることは、もし一緒になるとしたらという話です。区長には毎年新年会に来ていただいておりますので、どういった状況かは、逆におわかりにならないと思います。なぜなら毎年変わらず新年会の会場いっぱいに会員がいて、しかも若い人がたくさんいて、こちらの町会は活気があってよいですねみたいな感想をお持ちではないかと考えるからです。  実は、そこが問題であったりもします。元気なお年寄りがいなくなり、子育て働き盛りの若い人が中心になると、現在はなかなか時間がとりづらかったりして、運営が難しくなったりもしています。もちろん、人がいなくて、しかも高齢者しかいないところからすれば、ぜいたくな悩みかもしれません。ただ、役所に提出しなければならない一枚の書類さえもままならないということが現実に起きております。この事実は受けとめておいてほしいと思います。  区は、これまでも町会・自治会に寄り添っていただいておりますが、現状では継続することすら難しい状況下にある中で、町会・自治会が持っている本質的な大切な部分を未来に残すためにも、さらに寄り添って一緒に考えていただき、実効性のある支援を行っていただきたいと思います。区長のお考えをお聞かせください。  次に、芝地区の人口増加についてお聞きします。  区の人口推計においても今後三十万人都市になろうとしている港区において、人口の大幅な増加が予測されているエリアが芝地区であると伺っております。今までは芝浦港南地区の人口増加が激しかった我が区の流れが、変わろうとしているということです。そうした中で、例えば小学校を見ても、区の今後の計画は、第二芝浦小学校が建設されますが、こちらは芝浦の子どもでいっぱいになることが想定されています。また、今後、建て替えられる赤羽小学校だけで受け入れることが可能なのでしょうか。小学校では学校選択希望制をとっておりますが、指定校の居住区域のお子さんを他区域に移っていただくことは現状の規則ではできないと認識しています。このような状況をいかがお考えかお聞かせいただきます。  次に、受動喫煙を防止する環境づくりについてお聞きいたします。  喫煙所の設置についてです。区は、令和二年四月一日から全面的に施行される東京都受動喫煙防止条例に基づき、区内施設における受動喫煙防止策を推進するとしています。受動喫煙がさまざまな病気との関係が明らかになっている以上、区民の健康を守る取り組みはとても大切なことであります。全面施行までの残りの時間も周知啓発を引き続きお願いしたいと考えます。  一方で、受動喫煙を防止する上でとても大切なことは、喫煙者への配慮であろうかと思います。もちろん、健康への悪影響が明らかになった今、喫煙者への禁煙支援も大切な取り組みでありますし、実際に行ってきていただいていますが、なかなか思うように進んでいないと思われます。また、喫煙は法律で認められている以上、喫煙所の設置は喫緊の課題でもあります。屋内喫煙所設置費助成や、多くの人が集まるイベント会場に臨時喫煙場所を設置するなど新たな取り組みも行ってきておりますが、まだまだ足りているとは思えません。  また、屋内喫煙所に指定された店舗の近所の方からは、「なぜ、役所は自分のところは禁煙にしておいて、他人の家の横に喫煙所を税金でつくっているのか」という声も聞こえてきております。もちろん、新たな条例の一番厳しい設置基準であります、第一種施設に該当するからという理由ではありますが、条例を制定している役所の話である以上、理解していただくことは難しいと思います。  そこで、平成三十年度決算特別委員会でもお伝えしました千代田区の移動式トレーラーを活用した喫煙所の設置等、さらに踏み込んだ喫煙所の設置を検討していただきたいと思います。また、幾つかの指定喫煙所はグーグルマップ等で検索できるようになっていますが、全ての喫煙所が利用者にわかりやすく伝える取り組みも加速していただきたいと思います。喫煙者にもさらに配慮した、全ての人にやさしい受動喫煙を防止する環境づくりに区としてどう取り組むのか、お考えをお聞かせください。  次に、民間企業との人事交流について伺います。  これまでも港区は、独立行政法人都市再生機構から職員を受け入れ、また、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック組織委員会に職員を派遣するなど人事交流を行っていると伺っております。ソサエティ五・〇の社会、次世代移動通信システム5Gの整備、ICTの分野をはじめとして、社会を取り巻く環境の変化、さまざまな技術革新のスピードは、その速さを増しています。  また、港区内においても各所でまちの形態が変わり、これまで培われてきた地域運営のあり方は変化の波にさらされており、職員の方にも新たな視点からの対応が求められています。このような状況を踏まえたとき、基本計画にも記載されていますが、職員の人材育成や区民サービスのさらなる向上を図るため、民間企業を含めた外部団体との人事交流を拡大することが必要であると考えます。今後、民間企業との人事交流をどのように進めていかれるのか、区長のお考えをお聞かせください。  次に、新たな商店街振興策についてです。  令和二年度港区予算概要を拝見すると、令和二年度予算編成の考え方として提示された地域共生社会の実現に向けた重点施策の取組の三番目に、まちがにぎわい輝くための取組があり、この中に地域のにぎわいを創出する取組が挙げられています。解説のページを読んで、商店街、オープンイノベーションという私の大好きなキーワードが並んでおり、思わず手を打ちました。  港区基本計画事業の港区からブランド性ある産業・文化を発信するという項目に新規事業が二つ並んでおりますが、まずはチャレンジ商店街店舗応援事業についてお伺いいたします。これまでも機会あるごとに我が会派では、商店街の個別の店舗に対する利用しやすい補助金制度をと要望してきました。概要の財源内訳を見ると一般財源のみとなっており、また、事業内容を見ても非常に利用しやすいもののように思います。適用範囲などの細かな質問は予算特別委員会でお聞きするとして、この事業に期待するところ、意図を区長にお尋ねいたします。  また、これに加え、にぎわい商店街事業のコミュニティ事業支援補助金の上限額を三百万円から六百万円に倍増していただいたことは、会派として、また商店街にかかわる者として深く感謝申し上げます。会派の予算要望でも、商店街の大規模なお祭りなどがさまざまな経費の増大により実施が困難になってきていることを踏まえ、対応を要望してきたところでありますが、これに対してお応えいただけたものと理解しております。ありがとうございました。  次に、オープンイノベーション創出支援事業についてお聞きいたします。私は、昨年の決算特別委員会で区内中小企業や商店街の店舗におけるオープンイノベーションの必要性やそのための支援についてお尋ねいたしました。この事業の実施にあたっては、複数の事業のスクラップがあったとお伺いしておりますが、まさにスクラップ・アンド・ビルドされてできた事業ということで、予算規模以上に力の入った事業であろうと考えています。  私自身は、平成三十年度決算特別委員会でも申し上げましたように、お悩み事解決事業などのようなやわらかいネーミングをと思っておりましたが、やはり予算概要などに載ってきますと、オープンイノベーション創出支援事業というほうがしっくりきて我が意を得たと納得しております。この事業に期待するところ、意図を区長にお伺いいたします。  次に、タブレット端末活用推進の効果についてです。  国においては、学校にパソコン端末と高速通信ネットワークを整備するGIGAスクール構想を打ち出しました。我が区においては、平成三十年九月より芝小学校において先駆的に取り組んできていて、先日、研究発表も行われました。各学年がそれぞれ学年に合った活用をしており、従来のアナログの授業とは一線を画すものだったと思います。そして、単にデジタルに頼るだけではなく、随所にアナログのよい点を盛り込んだ内容であったと思います。当然、全てにおいてよいわけではなく、改善すべき点も見つかっており、次年度から導入されるお台場学園にも引き継がれることを望みたいと思います。今後は、スカイメニューの活用などプログラムの整備もより進むことで、タブレットの活用ありきではなく、子どもたちに成果がいかに多く引き出すことができるのか、期待したいと思います。  お隣の渋谷区においては、導入初年度は七億五千万円の費用をかけて、既に全区的に小・中学校に配備されており、一人一台貸与して取り組みを行っていると聞いております。そこで見えた課題なども参考にしながら、国が推し進めるGIGAスクール構想を活用して、さらに進めてほしいと考えます。  我が区が進めていくソサエティ五・〇や5Gのインフラ整備も活用することで、一層の成果を上げることが可能になると考えますが、タブレット端末を活用した効果についてどのようにお考えか、教育長にお伺いいたします。  最後に、新学習指導要領についてお聞きいたします。  初めに、社会に開かれた教育課程についてです。今回、新学習指導要領に、よりよい学校教育を通じてよりよい社会をつくるという目標を共有し、社会と連携・未来のつくり手となるために必要な資質・能力を育む社会に開かれた教育課程という基本理念が掲げられました。  これからの社会を担っていく子どもたちが、自分の人生を切り開いていくために求められる資質・能力とは何かを教育課程において育み、社会と共有しながら連携して実現していくとのことですが、具体的には、教育長はどのような取り組みをお考えでしょうか。  二点目は、国民の祝日についてです。国民の祝日は法律で決められています。昭和二十三年に国民の祝日に関する法律が制定されました。この第一条で、自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築き上げるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを国民の祝日と名づけると定義されています。  それぞれの祝日に意味があり、大切なことだと思います。ことしから二月は、建国記念の日と天皇誕生日がございます。日本国民にとってとても意味深い祝日ですが、こうした国民の祝日の意義や由来について教えることは、とても大切であると考えます。ハッピーマンデーの導入の影響などもあり、祝日の意味合いが薄れているように感じられますが、我が区の教育現場での対応とお考えについて、教育長のお考えをお聞かせください。  以上で質問は終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての鈴木たかや議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、情報・アイデアの活用についてのお尋ねです。  まず、民間アイデア提案制度についてです。区民福祉を一層向上させるため、行政の力だけでは解決が困難な課題について、民間の力を活用し、企業・団体から提案を募集する制度を検討しております。実現性、効果性が高い技術やアイデアについては積極的に採用してまいります。令和二年度中の制度開始に向けて今後詳細を検討し、民間の持つ知見やネットワーク、技術力を質の高い区民サービスの実現につなげてまいります。  次に、行政情報分析基盤システムについてのお尋ねです。住民基本台帳の個人情報は、目的外の利用に対し制限があります。このため、区では、住民基本台帳の情報を事業の立案に活用するため、氏名や住所などの個人情報を削除して、個人を特定できない状態でデータ化できる、行政情報分析基盤システムを本年七月に導入します。  本システムは、指定する地域ごとの子育て世帯や高齢者世帯の家族構成、また地域の人口変動がデータや地図上で容易に把握できるようになり、これまで以上に地域の動きを詳細に分析できます。この情報を、地域の実情に即した事業立案や港区基本計画をはじめ各種計画の策定に生かしてまいります。  次に、みなとタウンフォーラムの提言の港区基本計画への反映についてのお尋ねです。  これまで基本計画の策定に際して、みなとタウンフォーラムで地域の方々が港区の将来の姿を展望し、丁寧な議論を重ね、計画策定に向けて提言をいただいてきました。現在も次期計画に向けて、若者から高齢者までの幅広い世代、障害者や外国人、小さな子どもを育てる保護者など、さまざまな方々の参画を得て、幅広い議論がみなとタウンフォーラムで進められております。  本年三月にいただく提言を、各部門で施策や事業の立案に取り入れることで、計画に最大限反映してまいります。また、提言をどのように計画に反映したのか、みなとタウンフォーラムの参加者に示すとともに、広く区民に公表いたします。多くの人が共感できる港区基本計画を地域の皆さんとともにつくり上げてまいります。  次に、会計年度任用職員の計画的な人材育成と人材活用についてのお尋ねです。  きめ細かな行政サービスの提供のためには、専門的な技術や知識・経験を有する会計年度任用職員は、重要な区政の担い手です。会計年度任用職員の人材育成については、新たに地方公務員法の服務規律が適用されることなどを踏まえ、今年度改定した港区人材育成方針において、高い倫理感の醸成と、区職員として備えるべき実務知識の習得や技術の向上を基本的な考え方としております。  今後、会計年度任用職員の多様な専門性や知見を生かし、区民福祉の向上という職員共通の目標に一丸となって取り組めるよう、計画的かつ総合的な人材育成と人材活用に取り組んでまいります。  次に、ふるさと納税制度の現状と今後の対応策についてのお尋ねです。  区は、寄附本来の趣旨に基づき返礼品によらず、寄附の使い道を具体的にお示しし、寄附者が自らの意思で選択できる、港区版ふるさと納税制度を平成三十年四月に創設いたしました。これまで、周知の強化に努めてまいりましたが、全国の寄附の増加に伴い、ふるさと納税による区の減収額は、来年度約五十二億円と見込んでおります。  区は、港区版ふるさと納税制度に、地域社会の発展に貢献する公益的な活動を行う団体への支援を対象に加え、区と区内団体を含めた活動の成果を区民生活の向上に生かしていく新たな仕組みを、本年四月の実施を目指し検討してまいります。  次に、羽田空港機能強化に関する区の対応についてのお尋ねです。  まず、新飛行経路を恒久化しないよう国に働きかけることについてです。区はこれまでも、国に対して、区民に丁寧な説明を行うとともに、区民の安全と生活環境を守る対策等を要請してまいりました。しかしながら、国が今月十二日まで実施した実機飛行確認の際、区民からは、区内上空を飛行した旅客機による騒音や落下物等に対する不安の声が寄せられております。このため、区は、これまでの要請とあわせて、今後の航空技術の進展に伴う新たな取り組みや地方空港のさらなる活用など、新ルートに限らず、羽田空港の飛行経路に係るさまざまな運用を検討するよう強く求めてまいります。  次に、区独自の騒音測定後の対応についてのお尋ねです。新飛行経路の運用に伴い、区としても独自に区内の複数箇所で騒音を測定し、影響の把握に努めてまいります。国に対しては、騒音測定局の区内複数箇所への設置を求めるとともに、この測定結果に基づき、必要な対策を検討するよう強く求めてまいります。  次に、港区男女平等参画条例改正への理解を深めることについてのお尋ねです。  みなとマリアージュ制度を含めた性的指向、性自認に関する港区男女平等参画条例の改正については、議決をいただいた後、男女平等参画情報誌オアシス別冊やリーフレットを発行して、条例をわかりやすく解説するほか、性的指向や性自認に関する講座の開催等を通じて、条例改正の内容について丁寧に紹介していく予定です。さらに、四月の広報みなとで条例改正の概要を幅広く区民の皆様に周知し、改正内容について理解促進を進めてまいります。  次に、感染症対策についてのお尋ねです。  まず、新型コロナウイルス等に対する区の対応についてです。区では、私を本部長とした港区危機管理対策本部を設置し、全庁を挙げて感染防止対策に取り組んでいます。みなと保健所には、いち早く専用相談窓口を設置いたしました。  また、区ホームページを毎日更新し、多言語で感染予防等の情報を提供しているほか、区有施設及び区設掲示板へのポスター掲示や、デジタルサイネージでの情報提供に努めております。今後も、丁寧な情報発信とともに、高齢者が重症化のリスクが高いとされていることから、特別養護老人ホーム等における感染防止を徹底するなど、状況に応じた的確な対策に全力で取り組んでまいります。  次に、住宅宿泊事業者への指導、周知についてのお尋ねです。区は、新型コロナウイルスへの対応に関して、旅館・ホテル等の営業者に加え、区内で住宅宿泊事業、いわゆる民泊を行う全ての事業者に対して、宿泊者名簿の記載の徹底や宿泊者の体調の把握、適切な情報提供を行うよう個別に文書で通知いたしました。また、最新の情報を区ホームページで確認することも、当該通知の中で促しております。  現在、区は、事業者からの問い合わせに対応し、万が一施設において新型コロナウイルス感染者が発生した場合の対応や、施設の衛生管理の方法など、適切な感染症対策について指導、助言を実施しております。  次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた感染症対策についてのお尋ねです。区は、日頃から、国や東京都、港区医師会、区内病院と連携を図り、感染症の発生動向の把握、発生時の調査や検査、情報共有等が迅速に実施できるよう防疫体制を構築しております。  東京二〇二〇大会に向けては、新型コロナウイルスに対する現在の体制の維持に加え、東京都の「安全・安心の確保のための対処要領」に基づき、東京都と連携した感染症のサーベイランスの強化や医療体制の整備など、安全・安心な大会の実施に取り組んでまいります。  次に、町会・自治会の現状と課題についてです。  町会・自治会の課題として、人口が増えても加入者が増加しない現状や、担い手不足等から町会・自治会の運営が厳しい状況にあるということは承知をしております。区では、平成三十年度から専門家を派遣し課題を解決する「町会・自治会活動応援個別プログラム」を八団体に実施しております。写真入りで行事等を紹介するパンフレットを作成し全戸配布する取り組みを行うことで、認知度が高まってきたという団体もあります。三年目となります令和二年度は、これらの取り組みの成功事例を、同じ悩みを抱える町会等に生かしていただくなど、総合支所を中心に町会・自治会それぞれの実情に応じた効果的な支援策を行ってまいります。  次に、受動喫煙を防止する取り組みについてのお尋ねです。  区はこれまで、屋外に五十一カ所、屋内に三十七カ所の指定喫煙場所を整備するとともに、喫煙場所マップやポスターによる情報提供やきめ細かな巡回指導により、みなとタバコルールの徹底に取り組んでまいりました。令和二年度は、四月の健康増進法及び東京都受動喫煙防止条例による規制強化や、東京二〇二〇大会の開催など、屋内外での喫煙の状況が大きく変わることが考えられます。今後は、これまでの取り組みに加え、移動式喫煙バスの配備や、来街者にもわかりやすい喫煙場所情報の提供等により、誰もが快適に過ごせる環境づくりに積極的に取り組んでまいります。  次に、民間企業との人事交流についてのお尋ねです。  区は、これまでも、民間企業で培われた豊富な知識と経験を有する人材を国際化推進担当課長に、環境政策の充実のため、国の職員を担当課長に任用するなど、外部の人材を区の重要ポストに起用してまいりました。今後とも、国や都、また他自治体に加えまして、民間企業との人事交流を推進し、民間企業が有するスキルやノウハウを区に蓄積していくことによって、港区ならではの質の高い行政サービスを実現してまいります。  次に、産業振興の取り組みについてのお尋ねです。  まず、新たな商店街振興策についてです。区は来年度から、商店街店舗に対して、新たな顧客獲得に向けた商品開発や、多言語化等に必要な設備の導入経費などを助成する、新たな取り組みを開始します。この取り組みを実施することで、柔軟な発想を生かした魅力ある商品づくりや外国人観光客のさらなる利用拡大、深刻な人手不足の解消などを図り、各店舗の安定的な経営につながることを期待しております。地域のにぎわいづくりと人々の暮らしを支える商店街店舗が、身近な買い物の場として、将来にわたり活発な商業活動を展開できるよう、積極的に支援をしてまいります。  最後に、オープンイノベーション創出支援事業についてのお尋ねです。  来年度から開始する新たな取り組みでは、区内大学が保有する技術と区内中小企業の課題を結びつける産学マッチング会を開催します。さらに、東京商工会議所と連携し、区内中小企業の課題を区内大学を含む四十の研究機関へ紹介し、アイデアを得るオープンイノベーションの仕組みを後押しします。これらの取り組みにより区内中小企業の課題を解決するとともに、新製品・新技術の開発などを積極的に支援してまいります。  多様な企業や大学等が集積する港区ならではの優位性を生かしながら、産学官の連携を促進し、さらなるまちのにぎわいの創出につなげてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については教育長から、選挙管理委員会にかかわる問題については選挙管理委員会委員長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの自民党議員団を代表しての鈴木たかや議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、教育にかかわる専門職の評価についてのお尋ねです。  来年度から会計年度任用職員となる区費講師は、採用の際に、教員経験年数だけでなく、民間企業経験も報酬に反映させる新しい制度となります。これまで区費講師は、校長が評価を行うことはありませんでしたが、新制度導入後は、校長の具申をもとに、教育委員会が適正な業績等の評価を行い、区費講師の働く意欲を高めてまいります。  さらに、講師の教員経験年数や能力に応じた段階別の研修を教育委員会が実施し、講師一人ひとりの力量を高めていくことで、国際学級のカリキュラムの内容や少人数指導の授業など充実させてまいります。  次に、学校の標準服の見直しについてのお尋ねです。  現在、港南中学校では、指定された数種類の標準服の中から、組み合わせを生徒が自由に選択できるようになっております。小・中学校の標準服は、校長の責任において、児童・生徒の意見を踏まえ、地域や保護者と素材、デザイン、機能性、価格などについて協議し決定しております。  今後は、まず、児童・生徒に性の多様性について理解する力を身につけさせ、多様な性について考え、受容する態度を育むとともに、教員や保護者向けの講演会などを通して、性的マイノリティに対する理解を啓発してまいります。その上で、性的マイノリティのお子さんへの対応を含め、さまざまな観点から標準服の見直しについて、PTAや地域との協議を十分行うよう学校を指導してまいります。  次に、芝地区の人口増加に伴う児童の受け入れについてのお尋ねです。  教育委員会ではこれまで、区の人口推計をもとに、周辺の開発動向等を踏まえた教育委員会独自の児童数の将来推計により、中長期的な視点に立った施設整備を計画的に進めてまいりました。芝地区の赤羽小学校の施設整備につきましては、推計に基づいた教室数を確保しておりますが、それを上回った場合でも対応できるよう、普通教室に転用できる多目的室の整備を計画しております。  また、芝小学校と御成門小学校においても児童数の増加が見込まれるため、今後も、日常の教育環境への影響が極力生じないよう、学校と協議を進めながら、教室改修・増築及び仮設校舎の設置などのさまざまな検討を行い、必要な教室数の確保を計画的かつ迅速に進めてまいります。  次に、タブレット端末活用の効果についてのお尋ねです。  教育委員会は、平成三十年三月に策定した港区学校情報化アクションプランに基づき、平成三十年度に芝小学校、令和元年度に御成門中学校をモデル校として、児童・生徒に一人一台のタブレット端末を配備しました。今月十四日には芝小学校が港区教育委員会研究パイロット校として、国語のデジタル教科書を活用した授業や児童が互いの考えや意見を共有する授業など、タブレット端末の特徴を生かした質の高い授業の成果を発表いたしました。  こうしたモデル校をはじめ各学校では、タブレット端末の活用により個別学習やグループ別学習等において、児童・生徒が主体的に各教科の学びを深める効果が上がっております。今後、GIGAスクール構想などを踏まえ、高速大容量の通信ネットワーク等のICT教育環境を整備してまいります。そのことでタブレット端末が一層活用され、児童・生徒一人ひとりの学力に応じた学習や、全教科におけるデジタル教科書の導入等が進み、各学校の授業が飛躍的に改善していくものと考えております。  次に、新学習指導要領についてのお尋ねです。  まず、社会に開かれた教育課程についてです。これからの時代に求められる教育を実現するためには、よりよい学校教育を通して、よりよい社会をつくるという理念を、学校と社会とが共有する必要があります。このことから各校は、新しい時代に求められる教育を進めていくため、社会との連携や協働を進めております。  こうした中、教育委員会は、地域とともにある学校づくりを進める学校運営協議会や地域と学校が連携・協働する地域学校協働本部の導入を順次進め、地域住民や企業、保護者が学校の応援団として教育活動へ参加する取り組みを推進しております。今後も、こうした取り組みをさらに充実させ、地域住民や保護者をはじめ、学校にかかわる全ての方々が一体となって、子どもたちに豊かな創造性を備え、よりよい未来のつくり手となるために必要な力を育ててまいります。  最後に、国民の祝日についてのお尋ねです。学習指導要領では、国民の祝日については、国民の祝日に関する法律に定められている内容や歴史的な由来などを取り上げ、日本の社会や文化における意義を考えることができるよう指導することが示されております。  具体的には、小学校六年生の社会科で国民の祝日の由来について学び、祝日への関心を高めているほか、各学校では祝日の前後に、全校の児童・生徒に対して祝日の意味を詳しく伝え、国民一人ひとりが祝日を大切にする心を育むなどの取り組みを行っております。今後も、教育委員会は、児童・生徒が国民の祝日の意義を正しく理解できるよう、学習指導要領に基づいた各校の教育課程の実施状況を把握し、また確認し、児童・生徒への適切な指導を行うよう学校に助言してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔選挙管理委員会委員長(島田幸雄君)登壇〕 ○選挙管理委員会委員長(島田幸雄君) ただいまの自民党議員団を代表しての鈴木たかや議員のご質問にお答えいたします。  若者の投票参加を促す情報発信についてのお尋ねです。  選挙管理委員会では、区内在住の若者が主体的に選挙啓発を行い、同世代の若者に向けて選挙への関心を高めてもらう「選挙いっ得?!」プロジェクトを支援しております。  現在、二十代前半のメンバー十五人が、イベントでの啓発活動や選挙の実務体験などについてSNSを活用し、情報発信を行っております。今後も、これらの取り組みを支援し、選挙の大切さを知る若者が、SNSを通して身近にいることを知ってもらい、若い世代の投票参加を促してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 次に、二十九番七戸じゅん議員。   〔二十九番(七戸じゅん君)登壇、拍手〕
    ○二十九番(七戸じゅん君) 令和二年第一回港区議会定例会におきまして、みなと政策会議を代表いたしまして、武井区長、青木教育長にお考えをお伺いいたします。  昨年五月一日をもって新しい令和の時代が幕をあけました。十月二十二日には皇居において即位礼正殿の儀が催された後、赤坂・青山を通り赤坂御所まで祝賀パレードがつつがなく行われました。  そして、いよいよ待ちに待った二〇二〇年が始まり、私がこれまで招致活動について質問してきた東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会が幕をあけます。今回の聖火リレーでは区立芝公園をゴールとして港区内を聖火が駆けめぐるといったはえあるイベントを皮切りに、世界中のアスリートがこの東京に集い、力の限りを尽くして競い合うという、そのときがついに訪れるわけです。既に、新設される六つの競技場のうち五つが完成済みで、残る水泳会場の東京アクアティクスセンターもこの二月には工事を終え、来月にはお披露目されるとのことであります。  こうした時代の中、本定例会開会にあたって武井区長からは、さまざまな施策を通じて、「国民の誰もが誇りに思えるまち港区」を一緒につくり上げていくという所信表明をいただきました。これまで港区政が目指し、着実に築き上げてきた参画と協働や、区民の安全・安心を最優先にした取り組みがさらに進められるものと考えております。  我が国では、現政権が平成二十四年に発足してから、はや八年目を迎えることになりました。足元の経済情勢を見ると、一月二十二日に内閣府が発表した月例経済報告では、景気の先行きについては、一部弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな回復が続くと期待されております。しかしながら、中国経済の先行き、英国のEU離脱、いわゆるブレグジットが円滑に進むか、さらに中東地域をめぐる情勢などにも留意する必要があると注意を促しています。  確かに海外に目を向けると、私が前回代表質問をさせていただいた直前に就任したトランプ大統領は在職三年目を迎え、昨年の中間選挙では、上院で共和党が多数を維持する傍ら、下院では民主党が多数を占め、いわゆるねじれ現象が生まれるなどの動きがありました。ことし十一月三日に予定されている大統領選挙まで一年を切り、政府が触れている米中の通商問題や中東情勢も含め、国際情勢は予断を許しません。近隣のアジア諸国においても例外ではなく、昨年六月からは香港におけるデモ活動が本格化し、市民と当局との衝突が続くなど、不安定な要素は排除し切れるものでありません。また、直近の脅威であるCOVID|19と名づけられた新型コロナウイルスの猛威も、中国を起点とした世界経済減速の懸念材料であることは言うまでもありません。  政府の令和二年度予算案においては、こうした状況を踏まえ、基本方針で先の景気回復や海外発の下方リスクにも触れ、財政健全化への着実な取り組みを進めるとしながらも、賃上げと消費拡大、ソサエティ五・〇時代に向けたイノベーションの促進、災害復興や防災対応の強化、次世代型行政サービスの実現に向けたデジタル・ガバメントの実現、民需主導の持続的な経済成長など、幅広く取り上げています。  地方はというと、超高齢化社会の到来に向け、社会保障関連経費は年々増大し、国・地方を通じた関連支出において最大となっています。経常収支比率は年々増加を続け、財政構造の弾力化が失われつつあるとともに、地方債残高などの実質的な将来の財政負担も百四十兆円に迫り、多くの地方自治体は、引き続き厳しい財政状況のもと、行政サービスの継続性担保に対する方策も議論され始めています。  このような中、港区では、これまでの積み重ねによりなし得た堅実な行財政運営をより強固にしつつあります。今後も続く人口増加や区民ニーズの変化、少子高齢化や子育て世代、障害者など、あらゆる人が快適で豊かに暮らせることへの支援、オリンピック・パラリンピックも見据えた安心・安全の確保やまちのにぎわい創出など、将来を見据えたさまざまな分野に積極的に取り組み、豊かな国際性や観光資源も生かしつつ、明るい港区の将来をつくり上げていただきたいと切に願い、質問に入ります。  最初に、令和二年度予算における重点施策についてです。  本定例会において提案される、令和という新しい時代を切り開く意味を持つ令和二年度予算案について、人がときめき、まちが輝く、区民の笑顔が未来に広がる予算として、これまでの取り組みを着実に進めることに加えて、港区基本計画の最終年度を締めくくるにあたって大変意欲的な内容が示されており、今後の予算審議にあたっても貴重な議論が重ねられることを期待しております。  折しも今回の予算編成においては、区の政策形成過程への区民参加の促進と、参画と協働の一層の推進のため、編成過程公開の充実を図るとのことです。区民への幅広い情報提供により、透明性の高い区政運営をより一層進めるこの試みも生かし、区民に寄り添い、港区ならではの施策を強力に進めていくエンジンにもなると思います。  新年度予算案についての重点施策としましては、子どもを地域社会で健やかに育むための取組、安全・安心で誰もが自分らしく暮らせるための取組、まちがにぎわい輝くための取組が示されております。  そこで、まず、新たに示された令和二年度の予算編成における重点施策を打ち出すにあたって、区政の状況や今後の課題をどのように捉えているか、その背景を伺います。あわせて、新年度予算で示した重点施策について、具体的にどのように取り組んでいくのか、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、次期港区基本計画策定について伺います。  平成三十年度から令和となった二〇二〇年度までを計画期間とする現在の港区基本計画に沿い、計画が目指す地域の皆で考え、共に支え合う地域共生の実現をめざして、区はさまざまな課題解決に取り組んできました。計画では地域共生社会の実現のため、誰もが安全・安心に地域で住み続けられる社会、誰もがルールを守り快適に生活できる社会、誰もが心豊かにいきいきと暮らせる社会、誰もがお互いを尊重し、共に支え合う社会をそれぞれ目指すべき姿として区政運営の方向性を示しているわけであります。  特に、重点課題として、MINATOシティハーフマラソンを結実し、昨年は第二回が盛大に開催された港区マラソンの実施をはじめとし、令和三年四月に開設を目指して準備が進められている、(仮称)港区子ども家庭総合支援センターの整備、南麻布四丁目に設置される児童発達支援センターの整備などの区民生活に必要な施設整備、保育施設の充実などが着々と進められております。  いよいよ来年度は計画の最終年度を迎え、今年度は次期基本計画策定に向け、みなとタウンフォーラムでの区民参画による検討がなされているところです。計画は、令和八年度末の港区の姿に向けたものとなるということで、策定については、今後六年間を通じて港区がどのような姿を描き、どう実現していくかを区民に示す大変重要な作業となると思います。今後、みなとタウンフォーラムからの提言を受け、策定方針が示されていくものだと思いますが、現時点における次期港区基本計画策定に向けた方向性や考え方についてお伺いいたします。  次に、離婚後の養育費に関する支援について伺います。  夫婦が離婚をする際に取り決める、離婚後の子どもの養育費などについて、最高裁判所の司法研修所は社会情勢の変化を踏まえて、算定基準を十六年ぶりに見直しました。離婚訴訟で養育費を決める際には、平成十五年に公表された簡易算定方式に基づく基準が使用されていますが、これまでの基準では税率改正や物価変動を反映していないという声もあり、見直されたものです。新たな算定基準では、夫婦の収入や子どもの人数によっては月一万円から二万円程度増額されるとされています。さらに、令和四年四月の改正民法の施行により成人年齢が十八歳に引き下げられますが、大半の子どもは十八歳段階では経済的に自立していないということで、養育費の支払いは現行どおり二十歳まで支払うべきとされ、離婚後の養育費による経済的負担は増しております。  こうした状況下、養育費の未払いが社会的な課題となっています。離婚後に養育費の支払いが途絶え、数年にわたって未払いとなっている例もあります。独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、子と離れて暮らす父親の年収が五百万円以上の層であっても七四%が不払いで、再婚すると新しい家庭を優先させて不払いになるケースが少なくないとも分析されています。離婚相手に会いたくないので受け取れない、相手に支払う能力がないと思ったなど理由はさまざまであるものの、こうした事情で子どもの健やかな成長が妨げられ、ひとり親家庭の経済的困窮を生む原因にもなることから、早急な対策が必要だと考えられます。  厚生労働省の平成二十八年度全国ひとり親世帯等調査結果によると、離婚した父親からの養育費の受給状況は、現在も受けているが二四・三%、離婚した母親からは三・二%となっています。東京都福祉保健局の調査によると、養育費の取り決めがあり、かつ受け取っている割合は全体の三三・五%で、取り決めがあっても受け取っていない、支払われていない割合は二〇・八%となっています。  港区が平成二十九年度に取りまとめた保健福祉基礎調査においても、受取額については月五万円未満が八二・七%を占め、NPO法人の調査によれば、ひとり親のうち、世帯年収二百万円未満で一人から三人の子どもを育てている家庭は四七%という調査結果もあります。  兵庫県明石市では、離婚前後の子ども養育支援の一環として、市が業務委託した保証会社がひとり親家庭との間で養育費保証契約を締結し、不払いがあった場合に保証会社がひとり親家庭に対して立て替えで支払い、別居親に対して立て替え分を督促して回収するという事業を始めました。大阪市でも市が保証料を補助し、保証会社が立て替えする制度を開始し、滋賀県湖南市では、公正証書の作成費用についても補助対象として同様の制度を開始しています。  厚生労働省の人口動態統計によると、平成二十九年の年間離婚件数は約二十一万二千件で、人口千に対する離婚率は一・七%ですが、同年の港区の離婚率は二・二七%と実に一・三倍以上あり、二十三区の中でも中央区に次いで高い数値となっています。  来年度予算案において、港区でも離婚前後の親支援事業として、養育費の未払い解消について新規に取り組むということですが、世界各国では、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどでは養育費を給料から天引きして強制的に徴収するほか、フランスなどでは国が立て替えています。滞納者にも厳しいペナルティーが科されており、離婚後の子の養育については、日本は大きくおくれていると言わざるを得ません。国においても立て替え制度の創設に向け法務省が有識者で構成する勉強会を設置するとのことですが、今後、法改正や法整備にかかる期間を考えると、対策を急ぐべきではないでしょうか。このような現状を受け、港区においても子どもの健やかな育ちを守るため、ひとり親家庭の生活基盤を守る離婚後の養育費に関する支援のさらなる強化が必要と考えます。区長のお考えを伺います。  次に、魅力あるまちづくりにおけるBRT(バス・ラピッド・トランジット)、バス高速連結輸送システムについてお伺いいたします。  ことし三月十四日にJR山手線において約五十年ぶりの新駅となる高輪ゲートウェイ駅が開業します。新国立競技場の設計者である隈研吾さんが携わった駅舎は既に姿をあらわし、大きな白屋根や木材をふんだんに使用した和のテーストのデザインが、これからのまちの変貌を予感させます。今後、新たなオフィスビルやコンベンション施設などもでき、東京の新たな玄関口、ゲートウェイとなるべく、まさに鼓動を始めているところです。  港区に生まれるもう一つの新駅が、六月にオープンする東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅です。こちらは実に五十六年ぶりとなる日比谷線の新駅で、隣接するビルに直結するほか、虎ノ門病院や国立印刷局などの再開発とも連動することとなります。平成二十六年に開通した新虎通りから虎ノ門、果ては赤坂や青山まで、流れるようなまちが創出され、継ぎ目のないにぎわいが生まれることが期待されます。  港区の交通ネットワークの構造を見ると、沿岸部から赤坂・青山へと向かう東西方向の軸は、浜松町・竹芝から六本木を通り青山に抜ける一つの軸に加え、新橋から溜池を経由して赤坂に向かう軸が対になっていることがわかります。虎ノ門はまさにこの軸の中心を担う点であり、新駅開業により港区を潤す東西の軸における交通の結節点になると思います。  この重要な地点を起点として計画されるのがBRTです。BRTについては、平成二十六年八月に「都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通に関する基本方針」が策定され、BRTを中心とした交通機関の必要性が提起されました。その後、平成二十七年四月には東京都都市整備局が基本計画を策定。当初は、平成三十一年度に運行、二〇二〇年度には本格運行になる予定でした。同年には事業者が選定されました。選手村のある晴海などの臨海部と都心とを結ぶ新たな交通機関として期待されていましたが、残念ながら、環状二号線の整備計画の関係から、本年五月二十四日からプレ運行がされるものの、二〇二〇年の全面開通には間に合わなくなっている状況であります。  現在、平成三十年度に改定された事業計画においては、二〇二〇年度には開通した環状二号線地上部を使って、虎ノ門を起点として新橋駅、晴海二丁目までプレ運行し、その後、運行ルートを順次広げ、二〇二二年以降には環状二号線本線トンネルを経由した本格運行に移行し、地域の発展を支える公共交通機関として運行していく計画となっています。  BRTについては、先ほど質問しました港区基本計画策定の折、環状二号線整備の関係でスケジュールが不透明となり触れられていなかったものを、常任委員会で私からも質問して、改めて記載していただいた経緯もあります。港区総合交通戦略の中でも区内の公共交通ネットワークの一つとして位置づけられ、区も東京臨海部と連携し、より利便性の高い交通ネットワークの一環として活用していくとしています。BRTが東京駅や銀座方面に行ってしまうのではなく、港区の基軸をなす交通の一つとして機能していくよう、ぜひ働きかけていただきたいと思います。  前回質問させていただいた際には、区長から、法定協議会である臨海副都心周辺地域における公共交通協議会で検討を続けており、引き続き、協議会の中で地元住民や来街者の利便性の向上につながるよう積極的に区の考えや要望を述べていくと答弁いただきました。事業計画が改定され、具体的な運行スケジュールが見えてきている今、そして今後、区民や来街者の利便性を担う交通機関として、区の交通ネットワークとの連携も含めて位置づけていくべきだと思います。  そこで、質問させていただきます。BRTの運行に関する今後の見通しと区のかかわりについて、区長の見解をお伺いいたします。  次に、旧耐震基準の分譲マンションの建て替え支援についてお伺いいたします。  以前にもお伺いしましたが、一九八一年度六月以前に建築工事が開始されたマンション、いわゆる旧耐震基準の分譲マンションが数多く存在します。区が実施した港区分譲マンション実態調査においても、実際に管理者にアンケートを行った結果の中で、建て替えにあたっての課題として、法規制が建て替えを希望どおり行えない理由であるとされ、居住者からのアンケートにおいても、法制限が課題であるとされています。旧耐震基準の分譲マンションでは、法による制限として容積率や日影規制などが存在し、建て替え後のマンションが現在より縮小する減築となり、費用負担も含めて所有者の同意を得ることが難しいことがハードルとなっています。  区では、分譲マンションの支援策として、マンションの所有者の費用負担軽減と耐震化の推進のため、平成十八年度から建て替え・改修支援のコンサルタント派遣を行ってきました。また、旧耐震基準の分譲マンションの耐震診断費用と建て替え計画案の作成費用助成を行い、以前質問させていただいた際にも、一部に対する助成であったものが全額助成対象とすることができました。これにより、建て替えに向けた一連の流れを区分所有者の費用負担なく実施することが可能となるとのことでした。  今後も、旧耐震基準の分譲マンションの建て替えが促進されるよう、実態やニーズの把握をさらに進め、建て替え支援の拡充を図るべきではないでしょうか。区長のお考えをお伺いいたします。  次に、台風等の自然災害対策についてお伺いいたします。  昨年九月八日の夜から翌九日の早朝にかけて首都圏を襲った台風第十五号は、都内や千葉県内の住宅を中心に大きな被害を与えました。千葉県市原市のゴルフ練習場の鉄塔が倒壊し、周辺の家屋を損壊したテレビ映像は記憶に新しいところで、港区でも東京都を経由した要請に応じて、昨年十月、千葉県君津市や南房総市に職員を派遣し、避難所運営の支援や災害廃棄物の運搬にあたるなど、日頃の全国連携の絆も生かして被災地の支援にあたりました。区民からはSNSの情報収集、以前も区長から、災害時の情報収集のあり方について検討するという答弁がありました。  また、十月の台風第十九号の上陸・接近では、首都圏においても大規模河川を中心に深刻な被害をもたらしました。埼玉県では荒川水系の堤防が決壊し、六百棟以上が浸水する事態となり、千葉県銚子市では市内を流れる利根川の水位が上昇し、さらに満潮の時刻と重なることで海へと水が流れ込まなくなったため市内中心部が浸水しました。  記憶に新しいのは、タワーマンションが建ち並ぶ武蔵小杉駅周辺の浸水被害です。JR武蔵小杉駅は大規模冠水し、列車は一時、駅を通過する措置をとりました。エレベーターやエスカレーターも停止し、朝の通勤ラッシュは大打撃を受けました。タワーマンションの電気系統浸水による停電も大きなニュースになりました。特別区においても世田谷区や大田区の多摩川周辺で浸水が相次ぎ、都内だけでも約千カ所の避難所が開設され、約八万人が避難するなど、台風などの浸水・水害対策を足元から見詰め直すきっかけになったと思います。  区民の生命や財産を災害から守り、災害が発生した場合も即時に適切な対応ができるよう、過去の事例に学ぶことは大変重要です。政府でも、都市部の水害対策を強化していくことが報じられていますが、これからも続くことが予想される相次ぐ台風被害から四カ月、昨年の経験を踏まえ、区は台風等の自然災害対策にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、たばこ対策についてお伺いします。  みなとタバコルールは、私が初当選した平成十五年に始まりました。マナーとモラルに訴える取り組みから、地域ぐるみでの普及啓発活動へと徐々に活動を広げ、その後、区では、区内各地域での繁華街周辺を中心とした巡回指導やチラシの配布などの啓発を進めてきました。平成二十六年七月には、港区環境美化の推進及び喫煙による迷惑の防止に関する条例をつくり、みなとタバコルールが港区内で暮らす人や働く人、訪れる人など全ての人が守るべきルールとして定められています。ハード面としても、区内に指定喫煙所の整備を進めるのとあわせ、煙の漏れない屋内での喫煙所設置への助成制度をつくるなどの施策が行われてきています。以前と比べると、路上喫煙や吸い殻のポイ捨てを見かけることは大きく減り、区内の生活環境、受動喫煙対策は大きく改善されていると感じております。  一方、国や東京都は、さらにたばこ対策に厳しく取り組んでいます。平成三十年七月に健康増進法の一部を改正する法律が公布されたことに加え、同月に東京都受動喫煙防止条例も公布されました。既に保育園、幼稚園、学校等は全面禁煙となっていますが、ついに本年四月からは従業員のいる飲食店は喫煙室の設置を除いて店内が禁煙となります。これまで区は、屋外においては、たばこを吸う人、一人ひとりが大人としてのマナーを守り、自己責任で周りの人々の迷惑にならないよう、おのずと配慮し合うという姿を目指しみなとタバコルールを、屋内においては、みなとタバコ対策優良施設登録により施設における受動喫煙対策を進めてきました。来年度予算案においても受動喫煙対策の取り組みが掲げられておりますが、都条例を含めた環境変化、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催といった世の中の動向を酌み取り、より多様な施策を打ち出していく必要があるのではないでしょうか。  質問ですが、都条例の施行や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会も踏まえ、たばこ対策を今後どのように進めていくのか、区長のお考えをお伺いします。  次に、ICT活用について二点伺います。  情報通信技術、ICTの進展は目覚ましく、今や私たちの生活とは切り離すことができないほど日常生活において不可欠なものとなっています。自治体においても例外ではなく、さきに述べた次世代型行政サービスの実現に向けたデジタル・ガバメントの取り組みにおいても今後の活用が期待されるところです。ICT化については、私も平成二十九年度から議会におけるICT推進委員会の委員長を仰せつかり、インターネット映像配信や会議録の検索、ホームページの改善などにかかわってまいりました。  港区でも区政情報の発信においてICTの活用が進められています。区ホームページではサイト上での情報発信に加え、災害・緊急対策情報やみなとトピックスなどがSNSにおいて入手できることも紹介されています。情報発信という点ではデジタルサイネージの設置も進められ、今や本庁舎一階ロビーをはじめ、各地区の区有施設で行政情報や地域情報を広く伝えています。  また、区では、外国人からの問い合わせ対応として、平成三十年度からやさしい日本語と英語で、防災、ごみの捨て方、教育・子育てなどの行政情報に自動応答する多言語AIチャットによる情報発信を開始していますが、AIチャットについては、他の自治体でも徐々に導入が進み始めているようで、ICTを活用して区政情報を届ける試みがされているところです。こうした区政情報を、ICTを活用して効果的に伝えていくためには、利用者の対象やニーズに応じて手法やツールを使い分け、ホームページやデジタルサイネージで幅広い方々に情報を知っていただくとともに、必要な人が必要なときに情報を知る仕組みも必要だと思います。  質問ですが、ICTを活用した区政情報の発信について、区長のお考えをお伺いいたします。  二点目は、ICT活用に関する今後の取り組みについてです。デジタル・ガバメントの実現という視点からは、区政の幅広い分野でICTを活用していくことが重要だと考えます。以前からタブレット型端末を導入し、行政のペーパーレス化を推進する取り組みを実施してきましたが、その後、港区では、港区AI元年として、AIやRPAなどの活用を進めているということです。全国の自治体では、今後の人口減少社会における行政サービスの継続という点でICTの活用が必要とされている状況にありますが、港区においても人口増加による行政需要が見込まれる中、区民に便利な社会をつくるとともに、行政の業務を効率化し、区民の利便性の一層の向上に向け、ICTにより未来の港区を開いていっていただきたいと思っております。  質問ですが、区民の利便性の向上と行政の効率化において、港区におけるICT活用の推進に関する今後の取り組みについて、区長の考えをお伺いいたします。  次に、入札・契約制度についてです。  区はこれまで、入札・契約制度について順次改善を図られてきました。区内の産業振興、さらには中小企業振興を推進していくため、区内事業者限定入札の範囲を拡大し、区内事業者を構成員とした共同事業体での入札参加や、区内事業者としての認定基準の見直しなどに取り組んできました。  また、工事前払金制度の拡充や限度額の増加、最低賃金水準を区が付することによる労働者等の労働環境確保策の推進など、区内中小事業者をはじめとする各事業者にとって事業活動を安定させ、区の事業遂行にとっても不可欠な存在となり得るよう取り組みを進めてきています。  以前も入札・契約制度についてお伺いしましたが、区では、区内事業者の労働団体からの入札・契約制度の改善要望を直接聞く機会を設けるとともに、先進自治体の制度について調査を行うということで改善を図っていくとのことでした。区では、多数の発注案件があるかと思いますが、区内中小事業者にとっては一つひとつがいわば生命線です。確実な契約の履行を確保するとともに、幅広く機会を与え改善を進めていっていただきたいと思います。  質問です。入札・契約制度の改善について、どのように取り組まれてきたのか。また、今後どのように進めていくのかお伺いいたします。  次に、図書館事務員が担う役割についてお伺いいたします。  今では、インターネットやスマートフォンの普及により、人々が活字に触れる時間が少なくなりつつあると言われています。周りを見回しても、スマートフォンで資料や動画を閲覧したり、タブレットで電子書籍を見る人の姿が社会の一部となり、本を読む人の姿をまちで見かけることが少なくなりました。  近年の区立図書館の状況を見ても、六館一分室合計での図書・雑誌・視聴覚などの所蔵状況としては、平成二十五年度の百四万千二百四十九点から平成二十九年度の百十九万二千七百七十五点と増加しているのに対して、利用の状況としては、平成二十五年度の二百三十六万六千六百三十二点から平成二十九年度でも二百三十八万六千七百六十九点と、年度ごとの増減こそありますが、ほぼ横ばいで、活字離れ、読書離れの傾向を示していると考えられます。  昨年の十二月三日に経済協力開発機構(OECD)が、世界七十九カ国・地域の十五歳を対象として、二〇一八年に実施した国際学習到達度調査(PISA)の結果が公表されました。この調査結果においては、我が国における当該調査対象者の読解力が、前回調査の二〇一五年には八位であったものが十五位に急落したとされています。  これらの結果を受けて、国レベルにおいても国語の読解力向上策についての検討が開始されています。これらの課題について、今後区は、学校だけの取り組みにとどまることなく、教育委員会全体の課題として捉え、取り組みを進めていくべきではないでしょうか。特に、学校図書館だけではなく、子どもの区立図書館の利用促進や、区立図書館が繰り広げる利用者交流や地域連携、魅力的な事業や講座などを通じて、読書活動や調べものをするきっかけを創出するなど、公立図書館が果たす役割は重要となっていると考えます。  一方で、区立図書館の運営については、平成十七年四月から窓口業務委託を行った後、平成二十一年四月からは指定管理者制度を順次導入し、現在は、みなと図書館のみが直営の区立図書館として、一部を窓口業務委託した上で運営を行っています。また、令和四年度に予定されている新三田図書館の開館にあわせ、同年度からは、みなと図書館が指定管理者による運営に移行し、全ての区立図書館が指定管理者による管理運営となる予定です。新三田図書館は、併設する(仮称)港区立産業振興センターとの連携や、ビジネス関連資料を利活用した事業の実施等、複合施設のメリットを最大限に活用した新しい取り組みなども指定管理者が担う予定と聞いております。  このように区立図書館が果たす役割が大きくなる中、新たに管理運営方式に移行するため、直接的に図書館の運営に携わる指定管理者の役割はもとより、公立の図書館としての使命や役割を果たし、魅力ある図書館であり続けるためには、図書館運営を専門的な視点から管理していく職員の役割が大変重要になると思います。  現在は、司書資格を持ち、専門的知識や経験が豊富な非常勤職員が図書館事務員として配置され、長年、図書館の運営に貢献されています。このような専門知識を持った方々によって、これまで図書館運営が支えられてきたのだと思います。また、地方公務員制度についても、来年度からは、これまでの非常勤職員にかえて、制度変更に伴い会計年度任用職員に移行されるとも聞いています。  令和四年度に全ての図書館の運営が指定管理者に移行された後においても、司書資格を有し、専門的な知識と豊富な経験を持つ図書館事務員が引き続き必要であると考えます。引き続き、図書文化財課に配置する予定とも聞いておりますが、令和四年度の新三田図書館の開館後、図書館事務員が担う役割について、教育長のお考えをお伺いいたします。  以上にて質問を終わります。ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての七戸じゅん議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、令和二年度予算における重点施策についてのお尋ねです。  まず、重点施策に向けた区政の状況や今後の課題についてです。区民の暮らしを取り巻く環境は日々変化しており、その変化を確実に捉え、誰もが安心して暮らせる環境を整えることが重要です。令和二年度予算では、子育てに関するさまざまな問題や、台風による風水害への備え、多様性を認め合う地域社会の実現、まちの魅力をより高める支援など、区の諸課題に正面から向き合い、解決に向けて取り組むことを目指し、三つの重点施策として定めました。  次に、重点施策に関する具体的な取り組みについてのお尋ねです。子どもを地域社会で健やかに育むための取り組みとして、多子世帯への経済的支援や宿泊型ショートステイによる産後母子ケアの充実に取り組んでまいります。安全・安心で誰もが自分らしく暮らせるための取り組みとして、みなとマリアージュ制度の導入に取り組むとともに、近年の風水害を踏まえた備えや、危険ながけ・擁壁改修への助成等を拡充してまいります。  まちがにぎわい輝くための取組として、商店街の個々の店舗に対して、新規顧客の獲得や営業時間の拡大など、さまざまな工夫に柔軟に応える支援を開始するとともに、イベントに対する助成額を拡充し、商店街を積極的に支援してまいります。  次に、次期港区基本計画策定についてのお尋ねです。  区は、基本計画の策定にあたり、区を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中においても、区民の皆さんが安心して住み続けられるまちの実現を目指します。次期計画の最終年度である令和八年度には人口が三十万人に達する見込みであり、子どもや高齢者、障害者など、増大し多様化する区民ニーズに適切に対応できる施策を検討してまいります。  また、持続可能な社会の実現を目指すSDGsや、先端技術により経済発展と社会的課題の解決を両立するソサエティ五・〇、気候変動による災害の脅威などに柔軟かつ的確に対応できる計画を地域の皆さんとともにつくり上げてまいります。  次に、離婚後の養育費に関する支援についてのお尋ねです。  本年四月から開始する養育費の確保のための助成制度は、養育費の支払いを公正証書等の書面により取り決めている人を対象に、民間保証会社が実施する養育費の保証サービスを利用する場合にかかる保証料を上限五万円まで助成するものです。  一方、離婚時に養育費の支払いについて書面等を取り交わしているケースが少ないことから、区は、離婚後の取り決めを後押しするため、全国で初めて、民間の調停機関が実施する裁判外紛争解決手続(ADR)の費用の一部助成もあわせて実施いたします。また、離婚専門の弁護士相談も開始するなど、養育費の確実な確保に向け支援を強化してまいります。  次に、BRT運行の見通しと区のかかわりについてのお尋ねです。  都心と臨海部を結ぶバス高速輸送システム東京BRTは、令和四年度以降を目標年度として、虎ノ門、東京駅から国際展示場駅、東京テレポート駅を結ぶ幹線ルートを整備する計画です。東京都は、このルートのうち、虎ノ門から新橋を経て晴海に至る区間について、本年五月二十四日から運行を開始いたします。区といたしましては、今後、BRTと「ちぃばす」や自転車シェアリングとの乗り継ぎなど、利便性の高い区内交通ネットワークの構築に向け、関係機関と協議をしてまいります。  次に、旧耐震基準の分譲マンションの建て替え支援についてのお尋ねです。  区は、平成二十九年度に旧耐震マンションへの支援策を拡充し、建て替えや改修の検討初期段階から活用するための計画案等作成費用について百五十万円を上限に、全額助成することといたしました。この結果、平成二十九年度は一件、平成三十年度は三件の助成を行いました。区は、五年ごとに分譲マンション実態調査を行い、管理状況の把握に努めるとともに、必要に応じ訪問もしております。来年度実施する分譲マンション実態調査を活用し、区が行っている分譲マンションに関する支援策の周知に努め、多くの管理組合に利用していただくことで、早期に建て替え計画が具体化できるよう支援してまいります。  次に、台風等の風水害対策についてのお尋ねです。  区は、昨年の大型台風等を教訓として、風水害対策を大幅に強化いたします。暴風雨の際にも、区が発信する災害情報が全ての区民に確実に届くよう防災ラジオの配布対象を希望する全世帯に拡大いたします。区有施設では、止水板の設置等により浸水対策を強化します。また、いきいきプラザ等にプライバシーに配慮したパーテーションを配備するなど、避難所の機能を強化します。さらに、がけ・擁壁改修工事支援事業を見直し、対象者を拡大するとともに、助成上限額を五百万円から五千万円に引き上げます。引き続き、風水害対策の充実に努め、区民の安全・安心を確保してまいります。  次に、受動喫煙防止対策についてのお尋ねです。  区では、受動喫煙防止に焦点を当てた基本的な考え方であります、みなと受動喫煙防止宣言を本年四月に策定する予定です。宣言では、区民や区内事業者の協力による受動喫煙防止の取り組みの推進、たばこの煙が容易に漏れ出ないように、周辺に配慮した喫煙環境の整備、受動喫煙による健康影響についての正しい知識の普及啓発の推進を掲げる予定です。今後、みなと受動喫煙防止宣言に基づき、区内で暮らす人や働く人、訪れる人等全ての人の健康を守るさまざまな取り組みを全庁一丸となり展開してまいります。  次に、ICTの活用についてのお尋ねです。  まず、ICTを活用した区政情報の発信についてです。ICTの進展は、区政情報を効果的、効率的に区民に届ける好機と捉えています。令和二年度には、スマートフォン向けアプリのプッシュ型配信機能を生かし、LINEによる区政情報配信を開始します。緊急情報やイベント情報などのうち、区民が配信を希望する情報を、直接、即時配信します。  また、AIチャットボットを区ホームページ上に表示し、件数の多い問い合わせや税に関する質問に対して、二十四時間三百六十五日自動応答する仕組みを令和二年度中に構築します。今後も、区民への情報発信に有効なICTについて研究し、積極的に活用してまいります。  次に、ICT活用の推進に関する今後の取り組みについてのお尋ねです。区では、業務においてAIを活用するとともに、現在十一業務で導入しているRPAを、令和二年度末までに二十五業務へと拡大するなど、業務を効率化し、さらなる区民サービスの向上に取り組みます。また、区民の利便性向上のため、複数の申請書を一括して作成し、ワンストップで受け付けができる窓口総合支援システムについて、令和四年度の導入に向け、来年度から準備を開始します。  さらに、官民連携による次世代移動通信システム(5G)の活用を進めるなど、今後も、自治体最先端のICT活用を目指し、積極的に取り組んでまいります。  最後に、入札契約制度の改善についてのお尋ねです。  区では、事業者団体等との意見交換を実施し、令和元年度は、区内事業者優遇策の推進として、区内事業者認定制度の認定基準の見直し、労働環境確保策として最低賃金水準額の改定等を実施しました。また、令和二年度からは、より多くの事業者が参入できるよう、制限付一般競争入札の対象案件の拡充及び工事請負契約における最低制限価格の設定範囲を引き上げます。今後も、公平・公正で透明性の高い入札契約制度の充実を図ってまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕
    ○教育長(青木康平君) ただいまのみなと政策会議を代表しての七戸じゅん議員のご質問にお答えいたします。  図書館事務員が担う役割についてのお尋ねです。  令和四年度からは指定管理者が民間事業者としてのノウハウを活用し、全区立図書館の運営を担います。その中で専門知識を持つ図書館事務員は、公立図書館としての質の維持・向上を図るため、運営マニュアルや良質な資料収集に必要な選定基準等を策定し、これらのマニュアルや基準に基づき、各図書館の運営状況の確認業務などを行います。今後も、指定管理者と区職員が互いの専門性を生かし、区民の新たなニーズへ的確に応え、生涯を通じた豊かな学びを支える図書館として運営してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○副議長(阿部浩子君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                       午後二時三十八分休憩                                           午後三時再開 ○議長(二島豊司君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  一般質問を続けます。次に、五番なかね大議員。   〔五番(なかね 大君)登壇、拍手〕 ○五番(なかね大君) 令和二年第一回港区議会定例会にあたり、公明党議員団を代表して、武井区長並びに青木教育長に質問いたします。  本年二〇二〇年は、二十一世紀に入り二十年の節目を迎え、これまでの教訓を生かし、次なる十年、また、その先の未来をどのような社会にするのかを考え、実行する大変重要な年となります。振り返ると、この二十年は自然災害、新型コロナウイルス等による感染症、気候変動などの自然との共生といった課題や、人口減少、少子高齢化、障害者や性的マイノリティといった多様な価値感が表面化する中で、持続可能な社会を構築するためのさまざまな課題を我々に提起してまいりました。  そうした中、我々公明党は、結党以来、一貫して福祉と教育の旗を掲げ、あらゆる諸課題に取り組んでまいりました。現在、世界が目指す持続可能な開発目標SDGsの誰一人置き去りにしない社会や、国が目指す全世代型社会保障の構築は、まさに公明党が長年目指してきた社会の実現を可能にするものです。  また、昨日の所信表明で武井区長が示された、「区民の誰もが誇りに思えるまち・港区」のための施策は大いに共感するもので、実現に向けた取り組みに賛同いたします。  私たち公明党議員団はさらなる決意を持って、「大衆とともに」との立党精神のもと、どこまでも区民の側に立ち、諸課題の解決に全力を傾け、区政運営に取り組むことをお誓い申し上げ、質問に入らせていただきます。  初めに、新型コロナウイルス対策についてお伺いします。  昨年末に、中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスによる肺炎患者が確認されて以降、二月十九日現在、中国本土の死者は二千人を超え、感染者は七万四千人にも達し、感染者の拡大がとまらない状況が続いています。  日本国内では二月十三日、初めて新型コロナウイルスによる感染で八十代の女性の死亡が確認され、本日、最新のニュースでは、新たに二名の方の死亡が確認されたと報道がありました。改めてご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、ご遺族にお見舞いを申し上げます。  これまで国内の感染者は七百五人、都内では二十五人にも上り、これから国内各地で感染の広がりが危惧される中、散発的な流行を防ぐための重要な局面に入りました。  そこで、何よりもまず、新型コロナウイルスの流入を食いとめる水際作戦の徹底と、国内で確認された感染者に対する機敏かつ適切な対応をもって速やかに事態を収束させることが重要です。そのためにも正しい情報提供や相談体制並びに検査・医療体制の充実を一層強化させることが求められています。加えて、最悪の事態を想定した危機管理における対策も重要となります。  現在、港区においては、武井港区長を本部長とする、港区危機管理対策本部が設置され、新型コロナウイルスに関連した肺炎への対応について、相談窓口の設置をはじめ、区ホームページでの最新情報の掲載や、区有施設内における区民への対応と予防に関するポスターを掲示し、周知・啓発するとともに、感染者の指定医療機関への搬送体制についての取り組みが進められています。  今回のような前例のない事態には不確定要素が多く、不安が高まっているだけに、機敏な連携と対応、的確で丁寧な情報発信が重要であることを改めて強調するとともに、感染拡大防止対策に区としても万全を期した取り組みが求められるところであります。事態は時々刻々と変化しており、新たな局面に入ったとの指摘もある中、新型コロナウイルス感染対策として、区の対応について五点質問いたします。  第一点は、感染者がさらに拡大するなど最悪の事態を想定した場合、区としての危機管理能力が問われるところであり、区として統一感を持って対処することが重要であります。そのためにも不測の事態に備えた対応と、その手順の明確化についてどのように考えているのでしょうか。  第二点は、今後、感染の広がりが懸念される中、機材や人員などが不十分になると考えられます。特に、さまざまな対応にあたっては、みなと保健所をはじめ関係各課の人員の確保が重要となってきます。その点の取り組みについて考えをお聞かせください。  第三点は、新型コロナウイルス感染の疑いのある患者さんの医療機関の受け入れ体制や、新型コロナウイルスに該当しない他のウイルス感染者への診療について、区内の医療機関と連携を密に図りながら、医療体制の強化を進めていくことが重要と考えますが、その取り組みについてお聞かせください。  第四点は、高齢者や持病を抱える人など重症化するリスクが高い人をいかに守るかという観点から、高齢者等の感染防止対策は極めて重要であります。中でも特別養護老人ホームやいきいきプラザなどの高齢者施設における集団感染防止に向けての対策について、どのように取り組んでいく考えなのかお聞かせください。  第五点は、区民への感染予防についての周知・啓発方法であります。現在、行われている区ホームページやチラシ、ポスターの文字による周知だけでなく、例えば東京都では東京都知事自ら感染予防の正しい手洗い方法を動画で配信しており、誰が見ても大変わかりやすく効果的な周知方法であります。区としても、こうした動画配信を活用して、ケーブルテレビや「ちぃばす」、区ホームページにリンクを張りつけるなどした周知・啓発方法も必要と考えますが、いかがでしょうか。  以上五点について、区長の見解をお伺いします。  次に、令和二年度都区財政調整における成果と今後の取り組みについてお伺いします。  昨年十一月、令和二年度都区財政調整に関する特別区側の提案事項が特別区長会総会で決定され、東京都側の提案事項とともに、十二月二日、令和二年度都区財政調整協議会がスタートしました。今回、特別区側の提案では、特別区における児童相談所設置による関連経費など新規提案二十項目をはじめ、橋りょう維持補修費など充実提案十四項目、幼児教育・保育の無償化への対応など改善提案九項目など、合計で四十八項目を求めたのに対し、東京都側は算定内容を廃止・見直しを中心に七項目の提案があったと伺っています。  その後、東京都と特別区の財政調整をめぐっての協議が重ねられてきましたが、都区双方の配分割合の見解の溝は埋まらないまま、最終的には、先月一月三十日に、特別区側への配分割合を〇・一%増の五五・一%、東京都側が四四・九%とする内容で合意に至ったと承知しております。配分割合の変更は実に十三年ぶり、単年度で一%未満の変更は都区制度史上初めてとのことで、都区間の壁がいかに厚いものであるかと感じざるを得ません。  今回、〇・一%増の根拠は明確にされないまま、双方が妥協に至ったとの感は否めないところであります。中でも注視しなければならない点は、〇・一%増、額にして約十八億円が、果たして特別区側が求める必要な需要額が担保されているかです。例えば児童相談所関連経費で、令和二年度から世田谷区、江戸川区、荒川区の三区が先行して児童相談所を開設しますが、先行三区の令和二年度分の児童相談所関係費の需要額は約四十九億円とされており、東京都と三区の間では三十億円もの開きがあります。その後、令和三年度は港区と中野区、令和四年度に品川区、文京区、豊島区、北区、板橋区での開設が予定されており、今後、年度ごとに児童相談所設置区が増えていくことを踏まえたとき、特別区としても必要な財源をしっかりと確保するため、算定にあたっての積算根拠を明らかにした上で協議に臨む必要があります。今後、児童相談所関連経費に伴う財政調整配分のあり方をめぐっては、令和四年度に改めて協議することで合意されたと伺っています。  そこで質問は、今回の協議における成果についてどのように捉えているのでしょうか。あわせて、残された課題や今後の財政調整協議に向けての取り組みについて、区長のお考えを伺います。  次に、地区防災計画の推進と避難所の拡大についてお伺いします。  近年、大型地震や気候変動に伴う大規模な風水害など想定を超えた災害が頻発しています。思い起こせば、ことしは阪神・淡路大震災から二十五年目を迎えましたが、この間、防災・減災対策は着実に強化されてきました。一方、二〇一一年に発生した東日本大震災や、昨年の台風第十五号や第十九号など、経験したことのない災害と向き合い、教訓として生かし、これからもより安全で安心な暮らしを守るため、防災・減災対策を港区政の中心軸に据えて取り組んでいくことが重要であります。  そこで、地域における防災・減災の観点から、地区防災計画の推進と避難所の拡大について二点お伺いします。  第一点目は、地区防災計画についてです。現在、防災計画として国の防災基本計画があり、それに基づいて自治体が立てる、地域防災計画などがあります。それに加えて、平成二十五年の災害対策基本法の改正により、町会・自治会やマンションの管理組合などの地域コミュニティが災害時における避難方法などを自ら立案する「地区防災計画」が創設されました。これは、東日本大震災で自治体の行政機能が麻痺したのを教訓に、平成二十六年四月に導入され、地域の特性に応じ、地区の範囲や活動について柔軟に規定できる制度となっています。  災害発生時には、自治体や消防などの公助が行われますが、より減災に大きな役割を担うのは自助であり、共助であります。このような視点に立てば、区市町村よりも小さなコミュニティでつくる、地区防災計画の必要性を強く感じるところです。この地区防災計画を立てる単位は、町会や自治会、マンション管理組合や企業、NPO法人、商店街、学校、医療、福祉施設などが主体として挙げられます。  内閣府による、地区防災計画策定状況の全国調査によりますと、平成三十年四月一日時点で区市町村の地域防災計画に反映されているのは、二十三都道府県の四十一区市町村、二百四十八地区となっています。一方、素案作成に向けて活動中なのが四十二都道府県の百三十二区市町村、三千二百六地区であります。素案作成段階にある地区を抱えた区市町村が、全国に千七百四十一ある自治体の一割にも満たしていないのが現状であり、今後、制度の普及・啓発活動に力を注ぐ必要があると考えます。防災の基本は自助であり、共助であります。地域コミュニティが主体的に地域の実情に合わせた防災対策として、地区防災計画の策定を進めることが、区全体の災害対応力の向上につながっていくのではないでしょうか。  そこで質問は、地区防災計画の推進に対しての認識と課題についてどのように考えているのか、区長の見解をお伺いします。  第二点目は、避難所の拡大についてお伺いします。港区では、災害による家屋の倒壊・延焼等で被害を受けた区民の一般的な生活場所として、区民避難所が五十七カ所設置されています。主な場所としては、区立小・中学校やいきいきプラザ、区民センターや中高生プラザなどで、避難所としての機能が備わっています。近年、港区は人口が増え続け、将来的にも増加傾向が見込まれる中、大規模災害が発生した場合、被害に遭われた区民を受け入れる避難所として、既存の施設で確保することが本当に可能なのかと不安視する声も上がっています。  そこで質問は、災害時における備えとして避難所の確保は重要な課題です。既存の施設以外に、区内にある都立高校にも協力を要請し、協定を結ぶなどして避難所の拡大に努めるべきと考えますが、区長の見解をお伺いします。  次に、SDGsの取り組みに対する考えについてお伺いします。  国は、昨年十二月二十日、国連が二〇三〇年までに実現を目指す持続可能な開発目標SDGsの達成期限まで残り十年を見据え、中・長期的な国家戦略であるSDGs実施指針を改定しました。SDGsは、貧困、教育、エネルギー、気候変動といった課題に対し、十七の目標からなり、全ての国連加盟国が共有する国際目標です。今回、政府は国内外での進捗状況を踏まえ、二〇一六年十二月に策定したSDGs実施指針を改定し、今後四年でより本格的な行動を加速・拡大する方針を示しました。  港区は、二〇一五年に港区基本計画を始動させ、これまでの五年間、港区基本構想に掲げる港区の将来像「やすらぎある世界都心・MINATO」の実現に向け取り組みを進めてまいりました。港区基本計画で示された各分野における政策では、多様な人々がいきいきと暮らすことができ、災害に強い安全で安心したまちづくり、循環型社会の構築による人や生物にやさしい、環境負荷の少ないまちづくり、子どもの個性、地域の特性を生かす学校教育の推進から、子育て家庭をはじめ高齢者や障害者が健やかで安全に暮らせるまちづくりを進める中、実に多くのことを実現してまいりました。  昨年始まったフードドライブ事業は、未利用食品を回収し、有効利用することで食品ロス削減に寄与するものです。先月行われた、第一回みなと環境アワードでは、環境美化や地球温暖化対策に関連するすぐれた活動を行う団体・施設を表彰し、環境保全への意識の高さを感じました。  昨年十二月には、港区手話言語の理解の促進及び障害者の多様な意思疎通手段の利用の促進に関する条例が施行され、地域共生社会への道を前進させました。さらに、昨日の所信表明で区長が示された、令和三年四月に施行を目指す、港区民の生活環境を守る建築物の低炭素化の促進に関する条例は、地球温暖化や気候変動に大きく寄与するものと期待しています。こうした区の取り組みは、図らずも世界が目指すSDGsの取り組みと合致するもので、「やすらぎある世界都心・MINATO」の実現は、SDGsが目指す、誰一人置き去りにしない社会を実現するものと言えるのではないでしょうか。  SDGs実施指針で、「地方自治体は、SDGs達成へ向けた取り組みをさらに加速化させるとともに、各地域の優良事例を国内外に一層積極的に発信、共有していくこと。課題解決を目指す地方自治体間での連携がなされ、相互の取り組みの共有等により、より一層、SDGs達成へ向けた取り組みが行われること。また、文化、風土、組織・コミュニティなどさまざまな地域資源を活用し、自治体における多様で独自のSDGsの実施を推進することが期待されている」と記されています。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される本年、世界から注目される東京で全国自治体をリードし、日本を牽引する港区が、世界の共通目標であるSDGsの取り組みを内外に発信していくことを時代は求めていると言えるのではないでしょうか。  そこで質問は、これまでの、また今後のSDGs達成に向けた区の取り組みを積極的に発信するべきと考えますが、区長の見解をお伺いします。  次に、アプリを活用した情報発信についてお伺いします。  令和二年度予算概要には、区民それぞれが必要とする情報を即時、直接届けるため、スマートフォン向けアプリLINEを活用し、情報を発信する仕組みを整備する事業が掲載されています。  我が会派は、平成三十年第四回定例会の代表質問で、若者をはじめ多くの年齢層に支持されているSNSユーザー数第一位のLINEを活用した情報発信の必要性を提案・要望いたしました。このたびのLINEを活用しての情報発信の整備は、我が会派の提案に沿ったものであり、高く評価するところです。  さて、港区では、他区に比べても非常に幅広い分野にわたってたくさんのオープンデータを公開しています。港区アプリコンテストでは、区民生活に役立つアプリも提案・開発され、区が進める、参画と協働の取り組みの一翼を担うまでに至っています。  現在、港区のスマートフォンアプリには、港区防災アプリ、ごみ分別アプリ、地域SNSアプリ「PIAZZA」があります。一方、残念ながら、港区観光アプリ港区まち歩きナビ、東京ARは昨年春に、そして、みなと環境アプリは昨年秋に配信終了となりました。いずれも費用対効果を含め再検討した結果と伺っています。こうした状況から、区民への周知、登録者数の確保など、利用率の向上などの課題が浮き彫りになっています。  今後は、区からの一方向の情報発信ではなく、例えば道路破損や街路灯がつかない場合の通報など双方向のやりとりを視野に入れ、事業実施を検討されるべきと考えます。また、さまざまなアプリを利用することで、自分の位置情報から、観光、公共施設、喫煙所、AED設置場所等、必要な情報を瞬時に確認できるようにもなります。港区では来年度、新たにアプリを利用した母子健康手帳が導入されることになっています。この手帳のデータは港区独自のデータベースに保管管理し、手帳を紛失した際も過去の記録を確認できるようになるとのことです。  さて、各課で行っているアプリの提供については、引き続き積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、一方で、その効果性、継続性、安全性、場合によっては情報セキュリティの問題等、統一的な指標となる運用指針が重要ではないでしょうか。  そこで質問は、統一的な対応を現在どのように図っているのか、また、今後どのような取り組みが必要とされるのか、武井区長の考えをお伺いいたします。  次に、子どもを交通事故から守る安全対策キッズ・ゾーンの設置についてお伺いします。  昨年五月、滋賀県大津市で散歩中の園児らが車の衝突事故に巻き込まれるという痛ましい事故は、いまだ記憶にはっきりと焼きついています。事故直後、私たち公明党議員団は、直ちに武井区長に対し、通学路や散歩ルートの緊急点検の実施とガードパイプや園児たちが活動する区域を知らせるキッズ・ゾーンの設置について、緊急要望書を提出いたしました。また、昨年の第二回定例会代表質問においてもキッズ・ゾーンの設置を含め、子どもが巻き込まれる交通事故撲滅に向けた総合的な安全対策に早急に取り組むべきとの質問をし、区の見解をお伺いしました。  内閣府と厚生労働省は、昨年十一月十二日、保育園児らの安全を確保するため、保育施設周辺の道路でドライバーに園児への注意喚起など重点的に対策を講じるキッズ・ゾーンの整備を促す通知を都道府県や政令市などに出されたところであります。キッズ・ゾーンは、主に小学校周辺に設定されたスクールゾーンに準ずる安全対策の重点地域や、保育施設を中心に、原則半径五百メートル以内を対象範囲とし、自治体が保育施設、道路管理者、警察などと協議して設定することとしています。  また、この通知では、キッズ・ゾーンで行う安全対策の例として、園児らが通行する可能性を知らせる路面塗装やガードレールの設置、園外活動を見守るキッズガードの設置などが提示されており、実施に向けては、自治体の保育担当部局が中心となって道路管理者や警察に検討するよう要請しています。今回の通知とほぼ同時に、警察庁や国土交通省が区市町村と協力して取り組みを促す通知も出されました。その中の一つとして、キッズ・ゾーンにおける車の交通規制や最高速度を時速三十キロに制限するゾーン30の導入などが挙げられています。今定例会中に審議される令和二年度予算で取り組む重点施策の中で、子どもたちの安全対策の強化として、キッズ・ゾーン等の設置について予算計上されたことは評価するところであります。  そこで質問は、キッズ・ゾーンの設置にあたり、具体的な内容については予算特別委員会にて質疑いたしますが、その前提として伺いたいことは、対象となる保育施設や道路の設置にあたっての考え方や体制についてどのように進めていくのか、区長の考えをお伺いいたします。  次に、東京二〇二〇大会に向けた、みなとタバコルールの周知啓発等についてお伺いいたします。  東京都では、東京二〇二〇大会に向け、令和二年四月に施行される改正健康増進法と全面施行される東京都受動喫煙防止条例への対応を急ピッチに進めています。世界保健機関WHOや国際オリンピック委員会IOCは、たばこのない五輪を進めており、近年の開催国では屋内全面禁煙が実現しているためです。  都内では、東京都受動喫煙防止条例に基づき、令和元年九月から学校や幼稚園、保育所などで屋外喫煙場の設置が禁止され、さらに、本年四月からは飲食店に対して、店内の喫煙可否の店頭掲示を義務づけ、そのうち従業員を雇用する店舗は、屋内を原則禁煙。喫煙専用室の設置は可としています。これは弱い立場にいる飲食店の従業員を受動喫煙から守るためのものであり、東京都によれば、都内の飲食店のうち約八四%が規制の対象となります。  国内の受動喫煙による推計死亡者数は年間一万五千人に上り、健康被害は科学的に明らかです。受動喫煙防止を徹底するためにも、ルールをきちんと守らせる取り組みこそ今後の大きな課題と考えます。例えば、横浜市では、みなとみらい21地区など、市内八カ所を路上喫煙禁止地区に指定し、横浜スタジアムや横浜国際総合競技場の周辺は吸えませんが、夜間の野球やサッカーの試合の翌朝は吸い殻が目につきます。  港区は、条例でみなとタバコルールを定め、区内における屋外の公共の場所での路上・歩行喫煙や吸い殻のポイ捨てを禁止しています。東京都受動喫煙防止条例施行後は、喫煙専用室を設けていない飲食店の利用者が、屋外の指定喫煙場所以外の手近な公共の場所で路上喫煙するルール違反の増加が想定されます。現在、路上・歩行喫煙者への指導・啓発を行っている港区の巡回啓発員について、東京都受動喫煙防止条例施行後は夜間の飲食店街への巡回を強化すべきです。また、各地区において、みなとタバコルールの啓発と環境美化のキャンペーン活動を実施していますが、夜間帯での実施の検討や、東京都受動喫煙防止条例についてもあわせて啓発すべきと考えます。  さらに、東京二〇二〇大会の期間中はもちろん、大会が近づくにつれ、訪日外国人観光客がさらに増えることが予測されます。そうした外国人に対しても、多言語ややさしい日本語を用いて、みなとタバコルールの周知啓発を徹底し、路上喫煙の防止を図る必要があるのではないでしょうか。  質問は、東京二〇二〇大会に向けて、みなとタバコルールの周知啓発等についてどのように取り組むつもりか、武井区長の考えをお伺いします。  次に、子ども家庭支援センター移転を見据えた、産前産後の切れ目ない支援体制の構築についてお伺いします。  育児相談などで母子をきめ細かくサポートすることを目的とした、母子保健法の一部を改正する法律が令和元年十一月に成立し、令和三年十二月五日までに施行されます。近年は核家族化や晩婚化が進み、出産前後で心身が不安定な状態にもかかわらず、実家などに頼れない母親が少なくなく、育児不安や孤立感を解消できずに十分な手助けを受けられないと、うつ状態や児童虐待を引き起こしかねません。事業を効果的に実施するためには、母親や乳児に対し、妊娠中から出産後に至る支援を切れ目なく行う視点が欠かせません。  そこで、妊産婦の相談をワンストップで受け付ける子育て世代包括支援センター、日本版ネウボラなどの関係機関と連携することが改正法に盛り込まれました。ネウボラとは、フィンランドの母子支援制度のことで、「助言の場」という意味があります。各家庭に専属の保健師が付き、妊娠期から育児期までの健康診断・相談支援を行う子育てシステムです。  一方、従前の日本では、妊産婦や乳幼児らの支援機関や制度は多いものの、ばらばらに対応しがちで必要な支援が届いていない状況も見られました。このため、日本版ネウボラは、あらゆるサービスを一体的に提供する仕組みとして、平成二十六年から試行的に導入され、現在では既存の子育て施設などを生かし、地域の実情に合わせた整備が進められています。  港区では、現在、子ども家庭支援センターがみなと保健所の二階にあり、産後ケア等に関する相談や支援を、みなと保健所と連携することで一体的に提供する仕組みを構築しています。例えば、みなと保健所の母親学級に参加した方が、そのまま二階の子ども家庭支援センターで産前産後家事・育児支援サービスの申し込みができることや、みなと保健所での健診時に、同じ建物内の子ども家庭支援センターで子育てに関する悩みを相談することができることなどは高く評価しています。ネウボラの精神を貫徹できるよう、できる限り母子がワンストップで専任の担当者に相談でき、切れ目ない産前産後の支援が受けられるような体制をさらに模索し、目指すべきと考えます。  令和三年四月には、(仮称)港区子ども家庭総合支援センター内に子ども家庭支援センターが移転するため、みなと保健所との連携が今よりも困難になると考えられます。子ども家庭支援センターの職員をみなと保健所に常時派遣できる体制を整備するなど、建物が離れても切れ目ない支援のための最善の体制づくりを早期に検討すべきです。  質問は、子ども家庭支援センターの移転を見据え、産前産後ケア事業等、妊娠中から出産後までの切れ目ない支援についてどのように取り組むつもりか、武井区長のお考えを伺います。  次に、就労困難者、特に障がい者への就労支援として、ソーシャルファーム、短時間雇用、テレワークの観点を踏まえてお伺いいたします。  ソーシャルファームとは、企業活動をしながら、障がい者や生活困窮者、児童養護施設の退所者などへの就労支援に取り組む企業のことで、一九七〇年代以降、欧州を中心に広がり、国によっては人件費の助成や税の優遇措置などを行っています。  東京都は昨年十二月、多様な人が活躍できる社会を目指し、都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例を成立、施行させました。就労困難者の雇用に積極的な企業について、ソーシャルファーム認証制度を創設し、就労促進に向けた財政支援を行うとしています。  港区では、平成二十四年の憲法週間記念「講演と映画のつどい」においてソーシャルファームが紹介されました。ソーシャルファームジャパン理事長の炭谷茂氏の講演は、「高齢者、障がい者、ニートの若者などの仕事づくり―基本的人権を地域で生かす―」と題して行われ、労働市場で不利な立場にある人々に対して、地域で仕事を生み出し、支援つき雇用の機会を提供するソーシャルファームの事例紹介もありました。  我が会派は、この講演会直後の定例会において、江東区にあるソーシャルファーム「エコミラ江東」を例に質問いたしました。このたび施行となりました東京都の条例を踏まえ、港区において、ソーシャルファーム推進のための意識啓発を行っていただきたいと考えています。  我が会派は、超短時間労働について、心身の状態により長時間勤務が難しい精神障がい者への就労支援として提案・質問をしております。障がい者就労の法定雇用率のカウント対象となるためには週二十時間以上の就労が必要ですが、二十時間未満の新たな障がい者の雇い方として、平成二十八年度から自治体として初めて川崎市が取り組んだ、短時間雇用創出プロジェクトがあります。短い時間であれば働ける求職者と、プラスアルファの仕事を目指して人手が欲しい企業、この両者を川崎市と市内の就労支援機関がマッチングのお手伝いをする事業です。企業側にとってのメリットは、業務のピーク時間帯に合わせて柔軟に人員を配置できること、専門的な仕事を行う社員から雑務を省くことによって、事業所内全体の能率アップにつなげられること、支援機関によって適切なフォローが受けられることなどが挙げられています。区内の子育て中の多くのママからも、区内企業に向けて短時間雇用を考えるきっかけづくりとなるよう啓発活動を行っていただきたいと要望をいただいています。  テレワークについて、二年前の平成三十年第二回定例会の区長答弁では、「区内企業三社で、インターネットを活用して在宅で勤務できるテレワークにより、百三名の障害者がデータ入力やホームページ制作等の業務を行っております」とのことでした。東京二〇二〇大会を前に、国も東京都もテレワークの推進をうたっています。港区としてもテレワーク推進のための働きかけをさらに進めていただきたいと考えます。  経済活動は、その担い手である労働力人口に左右されます。近年の人口急減、超高齢化に向けた流れが継続すると、労働力人口は加速度的に減少していくとも言われています。東京労働局によると、民間企業の障がい者の実雇用率は、二〇一九年六月時点で二%、法定雇用率の二・二%を下回っている現状があります。就労困難者が貴重な経済活動の担い手となるよう就労の場の確保に努めていくべきと考えます。これはSDGsの「働きがいも経済成長も」にあたります。  そこで質問は、就労困難者、特に障がい者への就労支援を充実させるため、区内企業へのソーシャルファーム、短時間雇用、テレワークの推進を図るための取り組みが必要と考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、放課後等デイサービスの充実に向けた取り組みについてお伺いいたします。  放課後等デイサービスとは、学校に就学している障がい児に、授業の終了後または休業日に、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進、その他の便宜を与える児童福祉法に基づいたサービスで、簡単に言えば、障がい児のための学童クラブ、放課GO→クラブです。ただ、学童クラブや放課GO→クラブと違うところは、子どもの居場所づくりに加え、障害の種類や度合いにより発達支援を行うため、付与するサービスも多様であり、個々に応じた対応が必要です。また、受け入れる児童も小学生から高校生と適応行動に幅があり、十分な配慮が必要となるため、職員の人材の確保や育成に時間がかかり、安定したサービスの提供を保つことは大変です。  現在、港区には十三の事業所があり、通所に親子同伴を求めるところや、学校まで車の送迎をしてくれるため保護者の付き添いが要らないところもあり、規模やサービスの内容はさまざまです。港区で知的障がいのある小・中学生の児童は、今年度から地域によって都立青山特別支援学校と江東区にある都立臨海青海特別支援学校の二カ所に分かれての通学となりました。学校までの送迎を行っている事業所でも都立青山特別支援学校への送迎は可能だが、都立臨海青海特別支援学校へは車両や人材の確保が難しく行けないといった状況も出ています。こうした背景から、一つの事業所に利用する子どもたちが偏っている場合もあり、子どもの環境や状況に応じて幾つかの事業所を併用していることがうかがえ、場合によっては利用を諦めるといったケースも見受けられます。サービスの向上を目指し、事業所への運営努力を期待するところでありますが、大切なことは、今ある状況を共有し、区としてより深くかかわりを持ち、積極的に障がい児の発達支援に取り組むべきではないでしょうか。  ガイドラインでは、このような状況は障害児支援の観点からすると、当然想定されることとしながらも、その必要性により、他の放課後等デイサービス事業所等をあわせて利用する子どもについては、支援内容を相互に理解しておくため、保護者の了解を終えた上で、当該他の事業所との間で、相互の個別支援計画の内容等について情報共有を図ることが必要であるとしています。先日、ある事業所の責任者と懇談した際にも、やはり同様の要望を伺いました。民間事業とはいえ、港区の大事な子どもたちを託す事業として、例えば事業所間の連携を図るため、区が中心となり協議会を開催するなどの取り組みを期待します。  そこで質問は、これから、さらに需要が高まる放課後等デイサービスの充実を図るため、事業所と区が連携し、よりよいサービスの提供がなされるよう取り組むべきと考えますが、区長のご見解をお伺いします。  次に、港区観光大使を活用した情報発信の強化についてお伺いします。  観光大使とは、主に観光地や地域振興を目的として、対外的に自らの地域を広報する者を一般的に指します。港区は、区にゆかりがあり、港区の魅力を国内外に発信していただける六十九人を、平成三十一年二月に港区観光大使に認定し、委嘱状を交付しました。  一般的に、観光大使は大きく二通りの選任方法があり、その地域にゆかりのある芸能人または有名人を選任する、または地域に在住する若い女性などの中からコンテスト等により公募し選考されます。いずれもマスコット、イメージキャラクターとして特定の広報活動を有償で委嘱されることが多いです。  港区は、より多くの人の情報発信力等を活用した、区のプロモーションの取り組みの一環として、他薦により大使を任命しています。港区にゆかりと発信力がある一般人を広く無報酬で委嘱している点は、いわゆる「ふるさと大使」に近いものと解されます。  港区観光大使は、日常活動の範疇で名刺やSNS等を活用して、区の観光をはじめとしたさまざまな情報等をより多くの人に知ってもらえるよう、区の魅力を発信することを委嘱の内容としています。実際、SNSを駆使して積極的に発信している方が多いですが、最初の発信で終わってしまっている、もしくはほとんど活動が見えてこないような方もいらっしゃいます。また、ある港区観光大使からは、具体的に指示してくれないと、何をどのようにすればよいかわからないというお声もいただいています。今後は、港区観光大使が発信する場を用意したり、SNSなどの技術的アドバイスを行うなど、区として情報発信のための観光大使への支援を実施すべきです。  一方、昨年十二月、茨城県は「いばらき大使」に任命していたフードアナリストの某氏を、県内企業との金銭トラブルなど不適切な行為があったとして解任しました。報道によると、某氏の名刺の一番上にある肩書は「いばらき大使」で、その下に架空の会社が記載され、その名刺を使って茨城県内の複数の自治体から仕事を受注しており、金銭トラブルのほか、商標の無断使用などの被害が生じているそうです。  現在、港区は区の観光大使に対し、年に一度活動実績を確認しているのみで、定期的な報告義務などは課していません。しかし、前述のような観光大使の名称の不適切使用の防止や活動を活性化する観点からも、定期的な活動実績の提出を義務化、または再任用の条件とするなどの対策を講じる必要があるかもしれません。また、区が積極的にかかわることでトラブルを未然に防ぐだけではなく、港区観光大使による情報発信がさらに強化され、より多くの方に区の多彩な魅力が発信できると思います。  質問は、区はさらに港区観光大使の活動の場を増やし、情報発信に努めるべきと考えますが、武井区長のお考えをお伺いいたします。  最後に、GIGAスクール構想実現のための環境整備についてお伺いいたします。
     令和元年十二月、文部科学省はGIGAスクール構想として、学校ICT環境の抜本的な改善とICTを効果的に活用した、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのない公正に個別最適化された学びや、創造性を育む学びの実現を目指していくことを打ち出しました。特に、子どもたち一人一台のコンピューター端末と学校の高速大容量の通信ネットワークについては特別なものではなく、令和の時代における学校のスタンダードとして、当たり前のものとして整備していくとされています。  また、同年六月には、学校教育の情報化の推進に関する法律が成立し、国や自治体が学校教育の情報化の推進に関する施策を総合的・計画的に策定・実施する責務が明確化されています。ICTを効果的に使い、学びの中心が子どもたちへとなっていくことにより、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、子どもたちの学びへの興味・関心を高めることや、主体的・対話的で深い学び、アクティブ・ラーニングにつながるなど、一人ひとりの理解度や興味・関心に応じた学びを受けられるようになります。  先月三十一日に区立白金小学校で実施された、東京都プログラミング教育推進校としての研究発表会では、スクラッチを用いて五年生児童が生徒役の大人に対して指南し、実際に体験する授業が行われましたが、子どもたちが主体的に創造的な作品をつくり出している姿が印象的でした。  国のGIGAスクール構想では、令和五年度までに小・中学校の全学年で子どもたちの一人一台端末と高速大容量の通信ネットワークの一体的な整備を目指しており、令和元年度補正予算では約二千三百億円の経費が計上されています。これまでは地方財政措置での対応とされており、予算化はそれぞれの自治体の一般財源に委ねられていたのと比べると画期的な政策転換です。特に、通信ネットワークの整備については、全国の全ての学校での所要額が計上されており、しかも今回限りの補助となると聞いています。  港区では、白金小学校含めた小・中学校の通信ネットワークを強化整備したほか、芝小学校、御成門中学校で一人一台のタブレット端末を実証実験的に完備されたことは、高く評価しております。今後は、国からの財政支援を最大限に活用しながら、GIGAスクール構想実現のための学校のICT環境整備をさらに加速していくべきです。  質問は、GIGAスクール構想の早期実現のため、今後どのように環境整備していくつもりか、青木教育長のお考えを伺います。  以上で質問を終了いたします。ご清聴いただきありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表してのなかね大議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、新型コロナウイルス対策についてのお尋ねです。  まず、危機管理体制についてです。区は、港区新型インフルエンザ等対策行動計画を策定し、感染症の国内発生時の区の対応等について定めております。この計画に基づき、本年二月三日、私を本部長とする、港区危機管理対策本部を設置し、全庁を挙げて感染防止対策に取り組んでおります。  現在、行動計画における国内発生早期の段階としての対策を行っておりますが、引き続き、国内感染の状況を注視し、発生段階に応じた迅速かつ的確な対策を実施してまいります。  次に、人員確保についてのお尋ねです。区では、危機管理対策本部での決定に基づき、みなと保健所内に設置した帰国者・接触者電話相談センターで各地区総合支所も含めた区の保健師が一丸となって相談に対応しております。さらに、危機管理の担当者がみなと保健所内に常駐するとともに、職員二名を増強することで、患者発生時の蔓延防止対策の実施や医療機関・国・東京都との連絡調整、病院と連携した患者の検査等を適切に行える人員体制を整備しました。引き続き、日々変化する状況に対応しながら、全庁挙げて、感染症対策に万全を期してまいります。  次に、医療体制の強化についてのお尋ねです。現在、新型コロナウイルス感染症を心配されている方に対して、帰国者・接触者電話相談センターで、疑い事例に相当するかどうかの判断をしております。疑い事例の対象者となった場合には、みなと保健所新型コロナウイルス感染症に対応した、帰国者・接触者外来のある病院を紹介し、適切な医療につなげる体制を整えております。また、疑い事例に該当しない場合は、一般の医療機関で診療をお願いするため、港区医師会や区内病院との連携を密に図りながら対応しております。  次に、高齢者施設への対応についてのお尋ねです。区は、特別養護老人ホームやいきいきプラザ等の高齢者施設において、職員に対し、中国湖北省等への渡航歴や、帰国した方との濃厚接触歴の有無を確認するとともに、利用者や来訪者に対し、手指のアルコール消毒、咳エチケットなどの感染予防について、ポスターの掲示や施設職員の声かけにより注意喚起しております。今後も、特別養護老人ホームにおいて、厚生労働省のガイドラインを参考に作成した感染症対策マニュアルに基づき、インフルエンザも含めた集団感染防止対策を、より一層徹底してまいります。  次に、周知啓発方法についてのお尋ねです。区は、新型コロナウイルス感染症に関し、区ホームページを毎日更新し、最新の情報を多言語で提供しているほか、区有施設及び区設掲示板へのポスター掲示や、区が設置するデジタルサイネージを活用した情報提供に努めております。感染症予防に有効な手洗いの方法については、区民の皆さんに動画でわかりやすく周知できるよう、早期に区ホームページの内容を改善いたします。引き続き、効果的な周知啓発に努めてまいります。  次に、令和二年度都区財政調整における成果と今後の取り組みについてのお尋ねです。  令和二年度から特別区が順次児童相談所を設置することは、東京都と特別区の役割分担の変更となるため、これに伴う財源配分の見直しに向けて協議してまいりました。東京都は一定の区の児童相談所の決算の実績が出てからの時期の検討を主張し、特別区は設置初年度から措置すべきであると主張してまいりました。  今回の見直しで、特例的な対応ではありますが、設置初年度となります来年度から、特別区の交付金の配分割合を〇・一%増やし五五・一%で合意したことは、不十分ではありますが、特別区側の主張が一定程度反映された成果として受けとめております。令和四年度の協議では、児童相談所の設置や運営に要する経費の実態に見合った算定となるよう、引き続き、特別区一体となって東京都に粘り強く主張してまいります。  次に、地区防災計画の推進と区民避難所の拡大についてのお尋ねです。  まず、地区防災計画の推進についてです。地区防災計画は、災害対策基本法に定められた、地域における防災活動について、地域住民が自主的に作成する計画です。区では、小・中学校の学区域ごとに結成された地域防災協議会が円滑な避難所運営のための避難所運営マニュアルを作成しており、各地区総合支所がマニュアルの作成や見直しの支援を行っております。地区防災計画については、こうした地域防災協議会の取り組みとの整理が必要と考えますので、今後、地域防災協議会と意見交換してまいります。  次に、区民避難所の拡大についてのお尋ねです。現在、区は、平成二十四年に東京都防災会議が公表したマグニチュード七・三の東京湾北部地震が発生した場合の被害想定における避難者数三万三千三百五十三人の受け入れが可能な避難所を確保しております。さらに、人口増加に対応するため、令和四年四月に開設予定の港区立産業振興センター及び(仮称)芝浦第二小学校を区民避難所とするなど、拡充を予定しております。  東京都は、昨年の大型台風の対応の検証結果として、都立施設を避難所としていく意向を示しており、今後、都立施設の活用について東京都と協議を進め、さらなる避難所の拡充に努めてまいります。  次に、SDGsの取り組みの発信についてのお尋ねです。  SDGsの目標は、区が掲げる、お互いが支えあい、地域の誰もが心豊かに暮らせる地域共生社会の実現と合致するものです。一例として、区では、全国の自治体と連携して、太陽光発電やバイオマス発電等でつくられた環境負荷の少ない電気の導入や国産木材の活用による地球温暖化対策など、SDGsの目標達成につながる先駆的な取り組みを進めてまいりました。次期港区基本計画の策定に当たっても、SDGsと調和した計画となるよう各分野で検討を進め、区におけるSDGsの目標達成に向けた取り組みが社会全体に広がるよう、積極的に発信してまいります。  次に、新たなアプリの配信における統一的な対応についてのお尋ねです。  新たなアプリの配信に当たっては、既存のアプリとの機能の重複や、非効率な運用を防ぐため、導入検討段階で、港区情報発信戦略推進委員会やシステムアセスメントにおいて、その有効性や費用対効果等について評価しております。特に情報セキュリティについては、区の統一的な指針に合致しているかを確認しております。区民の暮らしが、アプリによってより便利になるよう十分に検討を重ね、配信開始後は、広報みなとや区ホームページ、SNSなど、多様な広報媒体を活用して周知に努めてまいります。  次に、子どもを交通事故から守るキッズ・ゾーンの設定についてのお尋ねです。  区は、昨年九月に全ての公私立認可保育園等の散歩経路について合同点検を行い、芝公園の交差点にガードパイプを設置するなど園児の安全確保に取り組んでまいりました。キッズ・ゾーンは、速度制限や通行規制を行う場所を路面塗装によって自動車運転手に注意喚起し、保育園等の園外活動時における安全確保への効果が期待できます。今後、合同点検の結果を踏まえ、交通量が多い道路や歩道にガードレールがない道路などを中心に、警察や道路管理者、保育園などと連携し、地域の実情に合わせた効果的なキッズ・ゾーンの設定に取り組んでまいります。  次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた、みなとタバコルールの周知啓発等についてのお尋ねです。  東京二〇二〇大会の開催等により、国の内外から港区を訪れる多くの人々に、路上喫煙やポイ捨て禁止等のルールを守っていただくため、多言語でのポスターや啓発チラシ、会場周辺喫煙場所マップ等で周知してまいります。また、屋外で実施するイベント会場に移動式喫煙バスを配備するとともに、路上喫煙が予想される場所や時間帯での巡回指導を強化し、みなとタバコルールの徹底に努めてまいります。  次に、子ども家庭支援センターの移転を見据えた産前産後の切れ目のない支援体制の構築についてのお尋ねです。  令和三年四月に子ども家庭支援センターが新施設へ移転した後も、みなと保健所の検診や母親学級などの事業の実施時に、センターの職員が同席する体制を整えます。子育て情報の提供や、子育てに不安を抱える方への相談対応についても、これまでと変わらず、みなと保健所と連携を十分図りながら実施してまいります。また、子ども家庭支援センターと併設する児童相談所の専門性を活用することで、子どもの発達に関する相談などに対しても、早期から対応してまいります。  次に、障害者への就労支援についてのお尋ねです。  区は、障害者などの就労困難者の雇用を積極的に進める企業を支援する、東京都のソーシャルファーム認証制度について、区内企業等に周知啓発を図ってまいります。また、短時間雇用やテレワークについては、先進的に取り組んでいる教育機関や企業と連携し、企業への導入を働きかけるとともに、就労を希望する障害者と企業とのマッチングを支援してまいります。さらに、区としても、障害者が短時間やテレワークで働ける仕事を生み出すことで、その特性に応じた多様な働き方ができるよう取り組んでまいります。  次に、放課後等デイサービスの充実に向けた事業所との連携についてのお尋ねです。  区は、令和二年四月の区立児童発達支援センターの開設を契機に、障害者地域自立支援協議会のもとに、区内の放課後等デイサービスを提供する十三事業所を対象とした分科会を設置いたします。分科会においては、事業所が抱える運営に関する課題や、利用する障害児の支援に関する事例などの情報を共有し、区と事業所及び事業所同士の連携を強化するとともに、課題解決に向けた事業者への支援策を検討してまいります。  最後に、港区観光大使を活用した情報発信の強化についてのお尋ねです。  区の観光情報メールマガジンでは、港区観光大使のおすすめスポットのコーナーで、まちの今昔物語や絶好の撮影スポット等を港区観光大使に紹介してもらっております。また、昨年八月に旬な情報を迅速に発信できるよう、港区観光大使によるフェイスブックを開設いたしました。  さらに、来年度は、地域の魅力を紹介する講座で港区観光大使に講師を務めていただくとともに、港区広報トピックスでは、動画に港区観光大使自身に出演してもらい、区の魅力を発信していただきます。今後も、港区観光大使と連携する中で、活動状況の把握に努めるとともに、港区観光大使の協力を得て、より多くの観光情報を発信してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの公明党議員団を代表してのなかね大議員のご質問にお答えいたします。  GIGAスクール構想実現のための環境整備についてのお尋ねです。  これまで教育委員会は、ICTを効果的に活用し、学校教育の質の向上を図ることを目的とした、港区学校情報化アクションプランを平成三十年三月に定め、国のGIGAスクール構想に先駆け、児童・生徒一人一台のタブレット端末をモデル校である芝小学校や御成門中学校へ配備したほか、通信ネットワークを整備してまいりました。  今後は、国の計画を踏まえ、来年度、校長やICT教育に精通した学識経験者で構成する、(仮称)ICT環境整備のあり方検討委員会において、これまでのモデル校での教育効果を検証するほか、通信ネットワーク環境も含めた望ましいICT環境について検討し、児童・生徒が自立的に学べる港区にふさわしいICT教育環境を整備してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 次に、二十六番榎本茂議員。   〔二十六番(榎本 茂君)登壇、拍手〕 ○二十六番(榎本茂君) 令和二年第一回港区議会定例会において、都民ファーストと日本維新の会を代表して、区長並びに教育長に質問させていただきます。  最初に、受動喫煙防止対策について伺います。  いよいよ全面施行まで残り二カ月となりました。改正健康増進法と東京都受動喫煙防止条例の全面施行が四月一日から始まります。四月一日からは、屋内は原則禁煙となります。そして、決められた場所以外では喫煙ができなくなるという法律、そして条例です。  港区では、平成二十六年七月に港区環境美化の推進及び喫煙による迷惑の防止に関する条例で「みなとタバコルール」を定め、区内における屋外の公共の場所で路上・歩行喫煙や吸い殻のポイ捨てをさせないことで、喫煙による迷惑の防止と環境美化の推進を図ってきました。つまり、港区内では四月一日以降、屋外と屋内の全てが原則禁煙となります。港区は禁煙のまちとなり、吸えるのは指定された一部の場所だけとなります。  では、現実として実態はどうでしょうか。屋外は、指定喫煙場所以外禁煙のはずです。次年度予算では、受動喫煙防止対策の強化策として五億二千七百四十一万円が計上されており、うちこの条例の趣旨を周知するための巡回指導員の維持のために三億九千八百十七万円、つまり、約四億円が計上されています。  平成二十七年から今年度までに、港区が喫煙者のマナーと喫煙場所の整備のために投じた総額は、何と十七億二千万円以上という、他の自治体とは比較にならない莫大な予算を投じてきました。これによってまちの路上喫煙がどれだけ減ったのか。受動喫煙の減少を数値化することはできませんが、毎朝お台場海浜公園を清掃している私は実感していることがあります。僕が朝拾えるのは、広い公園のほんの入り口付近だけです。それでも毎朝三十分余りで拾うたばこの吸い殻は百本以上になります。十日で千本、一カ月で三千本、これは何年たってもほとんど減っていません。残念ですが、事実です。  ポイ捨てしている人に近所の人はもういません。しかし、区外からやってくる人にポイ捨てを注意しても聞き入れてはいただけない。お台場には暴走族もたくさんやってきますが、朝まで大騒ぎしている暴走族に、投げ捨てた空き缶やポイ捨てするたばこを拾うように注意しても、拾ってくれたためしはありません。毎朝毎朝お台場海浜公園の路上や砂浜に捨てられているたばこの吸い殻を拾うたびに悲しい気持ちになります。  もう一つ、サラリーマンのまち、新橋のSL広場は、港区の顔とも言える場所です。ここにも複数の指定喫煙場所がありますが、喫煙者の大半はたばこの灰を灰皿ではなく、路上に落とします。誰もが指定喫煙場所の中は、地面も灰皿だと勘違いしています。指定喫煙場所の中だけでなく、指定喫煙場所の周囲にもポイ捨てされたたばこが散乱しています。路上に落とされた灰は風に舞い、駅前全体に広がっていきます。たばこの害は煙だけではありません。たばこの灰にも発がん性物質は大量に含まれており、煙以上に有害だという学者もおります。新橋駅前を通る多くの人は、喫煙者、非喫煙者を問わず、たばこの灰と煙を体内に取り込んでいるのです。  指定喫煙場所が単に喫煙者を集めるだけの場所となり、煙や灰を周囲の空間と完全に分離していないために、煙と灰が大量にまき散らされ、明らかに駅前の迷惑施設と化している。今のわずか壁で覆うだけの喫煙施設では、受動喫煙対策として全く意味をなしていません。この広場で、私の友人が介護の仕事を終えた後、毎晩ボランティアでたばこの吸い殻を拾っています。私もポイ捨てたばこの回収を手伝ったのですが、大変でした。酔っぱらいには絡まれるし、体当たりされることもあります。  なぜ彼らは喫煙場所の外でたばこを吸うのでしょうか。なぜ指定喫煙場所の中に吸い殻入れがあるのに、地面にたばこのポイ捨てをするんでしょうか。マナー意識に欠けているからというのは答えではありません。ポイ捨てされたたばこがどうなるか考えていないからです。路上や公園で喫煙したたばこの灰や煙が、子どもや吸いたくない人の体内に入ることに思いが至らないからです。ポイ捨てされたたばこが粉々になり、風で舞い、人の体内に入り込む健康被害に思いが至らないからです。ポイ捨てされたたばこが雨によって排水口に流れ込み、下水を通じて海に流れ、海を汚染することに思いが至らないからです。  港区が喫煙による迷惑の防止と環境美化の推進の崇高な理念、意義を語っても、彼らはその意義を考えない、理解できない、判断できないから生活習慣を変えられない。このような物事を考え、理解し、判断する能力のことを知性と言います。つまり、彼らは知性が低い、もしくは知性が欠けているのです。知性が低い、もしくは欠けている人間にマナーを訴えても効果がないのは道理です。これから何億、何十億円を彼らのマナー向上に求めて啓蒙活動に投じようと何も変わらないと思います。  知性に欠けているのは、喫煙マナーに欠けるニコチン依存症患者だけではありません。たばこというものを国の専売とし、国民をニコチン依存症患者にして、税をむしり取ることを考えた国の役人も知性はありません。国民の健康や未来を考えていないからです。たばこを製造販売する事業者も、販売する人も、広告費をもらって宣伝する人間も、そしてたばこ税を運用している我々全員も、考えれば、たばこというものを発見し、大衆から税を取る手段として用いた人類という種そのものが知性に欠けているのかもしれません。  我々は、いま一度、謙虚に現実を見詰め直し、考え、理解し、判断しなければいけません。既に喫煙による迷惑の防止と環境美化の推進の意義を学習する人は学習し、生活習慣を改めている。しかし、これ以上、学習効果のない人に大金を投じてマナーを訴えることが、税の使途として正しいのか考えるときが来ていると思います。  区長に質問します。私は、みなとタバコルール、マナーの啓蒙する巡回指導は、既に一定の役割を果たしていると考えるのです。知性ある大半の人は、みなとタバコルールを理解し、習慣を改善した。しかし、今、大金を投じてもルールを守れない人の習慣を変えることはできない。つまり、費用対効果の分水嶺を越えた。このルール、マナーを啓蒙する巡回指導の維持のために約四億円近い投資を行うのではなく、屋外でたばこを吸わなくても済む環境整備、もしくは煙や灰が周囲に飛び散らない完全分煙のために集中して投資する時期に来ているのではないかと考えます。区長のお考えを伺わせてください。  先日区長は、「たばこを吸う人も吸わない人も互いに思いやり、快適に過ごせるまちを実現する」と東京都知事と同席の場でおっしゃっていますが、「吸う人も吸わない人も心地よい世の中へ」というフレーズは、たばこを販売している日本たばこ産業株式会社のコマーシャルであり、区長の発言はほぼ同じです。  私の考えは違います。私は、吸う人と吸わない人は相入れないものであり、互いに思いやり、快適に過ごせるとは思っておりません。完全に分離すること、たばこによるニコチン依存症から一人でも多くの患者を救うことに全力を傾けることが大切だと考えます。  厚生労働省によると、たばこを習慣的に喫煙している人のうち、たばこをやめたいなど禁煙の意思を示す人の割合は男性で約五五%、女性で約六五%にもなります。つまり、喫煙者の半分以上がたばこをやめたいと考えている。たばこの問題は、吸う人と吸わない人の問題ではなく、吸いたくない、やめたいのにやめられないという人がたくさんいることが問題なのです。好きでもないのにやめられない。ニコチン依存症患者の救済こそ、区が取り組むべき方向だと思います。  日本医師会によると、使用者が依存症になる割合は、ニコチンはヘロインやコカインよりも高く、やめようとするときの禁断症状はコカインよりも強いと書かれています。最近、芸能人が次々と覚醒剤などで捕まっていますが、依存性からいうと、ニコチンは麻薬と同等か、それ以上の禁断症状を伴う依存性を持っているのです。  港区は、たばこを吸う人に対するマナー啓蒙と喫煙する場所の整備、つまり、喫煙者のために約五億円を投じようとしていますが、喫煙者の半数以上にもなる、たばこをやめたいと思っているニコチン依存症患者を救済するための禁煙外来助成に投じた額は、今年度予算でわずか二十万円、次年度の予算額は十万円です。わずか二十万円の予算を、さらに半分の十万円に減額しようとしている。吸いたい人への環境整備は増額し、やめたい人への助成金は半減する。吸う人への予算は約五億円、やめたいと思っている人へは十万円。私はこの方針に強い違和感を持っています。  「吸う人も吸わない人も心地よい世の中へ」という日本たばこ産業株式会社のコマーシャルのような世の中ではなく、吸いたくなる人も吸わなくて済む世の中に変えていくべきだと考えます。たばこを吸う人へのルール啓蒙や、吸うための環境整備に五億円を投じながら、たばこをやめようとする人への助成がたった十万円ということを港区は恥じ、もっと禁煙にチャレンジする人を増やし、一人でも多くのニコチン依存症患者を救い出すことに税を投じるべきだと考えます。区長のお考えを伺わせてください。  次に、環境に優しく魅力あるまちの整備について伺います。  中国が先月二十日、プラスチック製品の大規模な利用規制計画を発表しました。二〇二〇年末までに行うのは次のことだそうです。全国の飲食店でプラスチックストローの使用禁止。全国主要都市において、使い捨てかつ生物分解できないレジ袋の使用禁止。主要都市以外は二〇二二年末までに全国で規制するとしています。その他使い捨て食器の生産・販売、綿棒の生産・販売、プラスチック粒子を含む家庭用品の生産も禁止するそうです。実に徹底した内容です。  その中でもプラスチック粒子を含む家庭用品の禁止は画期的です。皆さんが毎日使用する洗顔料、歯磨き粉、ボディソープのほか、口紅、アイライン、日焼け止め、消臭剤にもプラスチックの微粒子が含まれているのですが、それらはフィルターにもかからない大きさで、海に流されれば、めぐりめぐって魚介類や飲み水などを通して、私たちの体に返ってきていると言われています。中国はこれを禁止するというのです。  中国は、これまで世界からプラスチックごみを輸入していて、世界最大のプラスチック消費国であったため、この決断はとても大きなインパクトがあります。中国が始める前、既にヨーロッパをはじめ、アフリカやアジアの国々、ニュージーランド、南米など、レジ袋、プラスチックバッグの使用を禁止している国や地域は世界中にありました。  二〇一九年六月、ASEAN十カ国は、プラスチックなどの海洋ごみの削減に向けて、加盟国の連携強化をうたった、バンコク宣言と行動指針を採択しました。  昨年、インドネシアを視察したのですが、国に先駆けて、多くの地方自治体が条例で規制し、効果を上げていることに驚きました。国はプラスチックバッグの有料化を方針としたそうですが、地方自治体はより強い方針を持ってプラスチックバッグの使用を禁止することにしたところ、想像以上に観光客や住民に受け入れられたということでした。アジアの国々の民度は非常に高いものがあります。  日本国内で排出されるプラスチックごみは年間九百万トン、うち四百万トンが包装容器やペットボトル、レジ袋など使い捨てプラスチックと言われています。こうしたプラスチックごみによる海洋汚染の深刻化、人体への影響が叫ばれる中、日本においても、平成三十年に京都府亀岡市は、かめおかプラスチックごみゼロ宣言を、平成三十一年に大阪府と大阪市が、おおさかプラスチックごみゼロ宣言と相次いでプラスチックごみゼロ宣言をする自治体があらわれ、プラスチックごみゼロは、今、大きなうねりとなりつつあります。  そこで、海洋プラスチックごみ削減に向けた取り組みについて、区長に質問させていただきます。港区は、日本の首都東京の海の玄関です。ことしは東京二〇二〇大会もあり、多くの観光客が港区を訪れます。日本の首都東京の海の玄関である港の区は、意識啓蒙のキャンペーンなどではなく、世界的な環境意識のレベルに合わせ、「プラスチックごみゼロ宣言」を行い、プラスチックバッグの使用を禁止するなど強い意思を打ち出すべきだと考えます。区長のお考えを伺わせてください。  次に、三歳児健診における眼科検診について伺います。  毎年、みなと保健所が約三千人の子どもに受診の通知を出す三歳児健康審査ですが、みなと保健所の努力もあって受診率は年々上昇し、やっと受診率八〇%を達成するところまで来たということは、大変高く評価しております。しかし、港区における三歳児健康審査の受診率は八〇%に達した今現在においても、二十三区最低どころか、東京都の市区町村中最低の数字であり、最低記録を更新し続けていることは、区内の医療関係者をはじめ、行政・我々議会関係者の全てが忘れてはいけないことだと思います。  私が平成二十五年から要望し続けてきた三歳児健康審査に対する眼科検診の充実策ですが、親が家庭で実施する一次検査の結果にかかわらず、三歳児健康審査を受診する全ての子どもが他覚的屈折検査機器による検査を受けることができるようになったことを喜んでいます。これにより五十人に一人の割合で存在すると言われる弱視の子どもが治療の機会を得ることができ、その数は四十八名近くに達する可能性があります。弱視は三歳までに発見し、五歳までに治療を終えることができれば、九割以上の確率で治すことができる。これは眼科医の常識です。  しかし、港区の三歳児のうち、三歳児健康審査を受診する八〇%の子どもには弱視の治療のチャンスが与えられることになりましたが、受診しない残り二〇%の子どもには弱視を発見し、治療を行うチャンスはありません。三千人のうち、受診しない子どもが二〇%で六百人、そのうち弱視が五十人に一人の割合とすると、治療の機会から見過ごされた子どもの数は十二人となります。この十二人の治療の機会から見過ごされた子どもたちについて、区長に質問します。  三歳から治療を始めれば、九割以上の確率で治すことができると言われている弱視ですが、受診しないことで治療の機会を逸してしまう子どもが、確率論からいうと十二人はいる可能性があるということになります。発見できれば九割の確率で治すことができるが、三歳で治療を開始できないと、一生視覚障害を背負って生きることになる、港区の弱視治療の機会を逸する十二人の子どもたち、無論子どもに罪はありません。一体彼らに対する責任はどこにあるとお考えでしょうか。受診させなかった親にあるとお考えでしょうか。それとも受診率都下最低の港区にあるとお考えでしょうか。ご意見を伺わせてください。  僕は、自分がこの問題を知り、平成二十五年以来、ほぼ毎回議会で質問し続けながら実現することができなかった七年間の間に見過ごされた子どもたちに対する責任は、受診させなかった親ではなく、行政でもなく、力足らず至らなかった自分にあると思っております。大変悔いており、自分なりの責任のとり方を考え行動するつもりです。  最後に、イギリスとの交流の機会について、青木教育長に伺います。  東京二〇二〇大会期間中のイギリス選手のトレーニングなどのため、台場の小中一貫校お台場学園を七月十一日から八月十一日まで提供する契約をイギリスオリンピック委員会と締結しました。区長は、イギリスの代表選手と区民の交流の機会を積極的に設けて、東京二〇二〇オリンピック競技大会への気運を盛り上げるとともに、スポーツ活動の促進や国際交流の機会をつくっていきたいとおっしゃっておられました。大変よいことだと賛同するものです。  しかし、このイギリス選手団に学校を貸し出したことにより、お台場学園では、一学期の終業式を七月十日に予定しており、他校と比べて一学期の授業日数が六日間短くなるそうです。この短縮されたに日数を、二学期以降において、今年度より来年度の土曜日の授業日数を三回増やすことで補うとしているのですが、生徒や保護者の負担が大きくなることは避けられません。学校という子どもたちの施設を貸し出し、子どもたちに負担を強いることに対し、イギリスオリンピック委員会の方には地域の連絡協議会にわざわざお越しいただき感謝のお言葉をいただきました。確かにイギリス選手団が滞在する一カ月間には、幾度か区民との交流の場はつくれると思いますし、東京二〇二〇オリンピック競技大会の気運も高まることでしょう。  しかし、それだけでは、東京二〇二〇オリンピック競技大会を過ぎれば単なる思い出になってしまう。残されたものは学校に飾られた写真だけ。それでは寂し過ぎるように思います。現在、港区では海外派遣事業として、小学校と中学校を合わせて四十名ずつ、計八十名をオーストラリアのシドニー市とメルボルン市に派遣していますが、子どもたちには大変よい教育の機会になっております。  そこで、教育長に質問ですが、今、この機会にイギリスとの関係を深め、海外派遣事業の拡充、もしくはイギリスにある寄宿舎への短期留学や交換留学など、イギリスオリンピック委員会との交流のチャンスを生かして、子どもたちの未来につながる仕組みづくりにつなげていただきたいと思うのです。ハリー・ポッターの学校もそうでしたが、イギリスには寄宿舎がある学校が多いため、寄宿舎を利用した短期留学を受け入れている学校も多く見られます。  イギリスの古いものを大切にする伝統文化を直接見て感じる体験は、子どもたちにとって生涯の宝となる体験になると思います。少子化の今、子どもに対する無形の投資は絶対に必要であり、惜しむべきではないと思います。東京二〇二〇オリンピック競技大会まであと半年しかありませんが、子どもたちがイギリスという国を体験できる交流が続く仕組みを模索していただけませんでしょうか。教育長のお考えを伺わせてください。  答弁によっては再質問させていただくことを申し添え、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの都民ファーストと日本維新の会を代表しての榎本茂議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、受動喫煙防止対策についてのお尋ねです。  まず、巡回指導の役割と喫煙環境整備についてです。国内外から多くの人々が訪れる港区では、区のルールを知らない喫煙者等に対して継続的にルールの周知・啓発に努める必要があります。また、健康増進法や東京都受動喫煙防止条例による屋内の規制強化に伴い、路上喫煙が増加するなどの新たな課題に対応する上で、巡回指導による不断の取り組みは必要であると考えております。  一方で、受動喫煙防止のためには、この指導の強化とあわせ、分煙効果の高い密閉型の喫煙場所の整備にも、東京都の補助制度なども活用し、積極的に取り組んでまいります。  次に、たばこをやめようとする人への助成についてのお尋ねです。区では、平成十四年の健康増進法の施行を受け、平成十五年度には、みなとタバコ対策優良施設登録事業を創設し、以降、禁煙支援薬局による禁煙相談、禁煙外来マップの発行、禁煙に関する健康相談など、さまざまな禁煙支援に取り組んでまいりました。現在、子どもや妊婦の健康被害の防止を目的に行っている禁煙外来治療費助成については、今後、治療完了の状況にかかわらず助成が可能となるよう、禁煙に挑戦する方がより利用しやすい制度に見直してまいります。区は、今後も、禁煙支援を推進し、全ての人の健康を守るため、受動喫煙防止の取り組みを進めてまいります。  次に、プラスチックごみ削減に向けた取り組みについてのお尋ねです。  区では、平成二十年度から全ての廃プラスチックの分別回収を実施し、港資源化センターで汚れたものやプラスチック以外の異物を取り除く中間処理を行った後、全て国内で再資源化しています。今年度は、マイバッグや紙ストローの利用促進によるプラスチックごみの発生抑制にも力を入れて取り組んでおります。現在、区の事務事業や施設から排出されるレジ袋やペットボトルなどの使い捨てプラスチックをゼロにする方針の策定を進めており、区としての姿勢を早期にお示ししてまいります。  最後に、三歳児健診における眼科検診についてのお尋ねです。
     母子保健法では、三歳児健康審査は市町村、これは特別区も含まれます、が実施をすることとされております。また、保護者は自ら進んで育児についての正しい理解を深め、子どもの健康の保持と増進に努めなければならないとされております。区はこれまでも、より多くの子どもが受診できるよう、健診案内の見直しや、未受診者に対する電話や訪問等で最大四回の受診勧奨を行い、受診率は年々向上しております。今後も、さらなる受診率の向上を目指してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの都民ファーストと日本維新の会を代表しての榎本茂議員のご質問にお答えいたします。  子どもたちのイギリスとの交流についてのお尋ねです。  東京二〇二〇オリンピック競技大会期間中、お台場学園にイギリス代表選手が使用するスポーツ・サービス・センターの設置について、平成三十年十二月三日にイギリスオリンピック委員会と締結いたしました。このことを契機に、台場地区の子どもたちは、イギリスのアーチェリー選手やフェンシング選手などのトップアスリートとの英語で歓談、懇談したり、実技体験をする機会を持つことができました。また、駐日英国大使館でブリティッシュ・スクール・イン・東京の生徒との交流なども持つことができました。これらの体験は、子どものスポーツへの興味・関心を高めることはもとより、豊かな国際感覚を養うことにつながりました。  小・中学生のイギリスへの海外派遣については、日本との時差や現地までの飛行時間に課題があると考えておりますが、東京二〇二〇オリンピック競技大会終了後も、港区の子どもたちとイギリスの子どもたちやアスリートなどの交流が継続できるよう、イギリスオリンピック委員会や駐日英国大使館と協議してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔二十六番(榎本 茂君)登壇〕 ○二十六番(榎本茂君) 次年度の三歳児健診の眼科検診を受診しないことで弱視治療のチャンスを逸するであろう十二人の子どもたち、彼らに対する責任に対して明確なお答えがいただけなかったので、再質問させていただきます。  平成二十五年から要望し続けた弱視の早期発見に対する取り組みですが、七年間の間に救えなかった子どもの数は百人を下回ることはないと考えております。ざんきの念にたえません。どれほど悔しくても過去は変えられません。しかし、未来は変えられます。私は、自分の責任のとり方として、次年度、みなと保健所が導入する他覚的屈折検査機器を、これを個人で購入し、自ら未受診の子どもたちを検査して回ることにしました。区は、未受診の子どもたちの個人情報を提供できないということですので、大変な苦労を伴いますけれども、自ら情報を収集してコツコツやっていこうと思っております。  ここで、議会の皆様、また行政の皆様にお願いがあります。私たちが力を合わせれば、港区の弱視の可能性のある子どもたちのほとんど全てを救うことができます。一緒に未来を変えていく努力をお願いしたい。今、みなと保健所の三歳児健康審査という枠の中で語ってはいけないと思います。これは議会の各会派、行政組織の壁を超えて、子どもたちのために保育園も幼稚園も全てが一緒に取り組んでいただけることをお願いしたい。それによって弱視ゼロを目指す港区、これが今すぐにでもできるのです。これをお願いして質問を終わります。  要望で結構です。ご回答はいただかなくても結構でございます。ご清聴ありがとうございました。 ○議長(二島豊司君) 次に、十七番風見利男議員。   〔十七番(風見利男君)登壇、拍手〕 ○十七番(風見利男君) 二〇二〇年第一回港区議会定例会にあたり、日本共産党港区議員団を代表して、質問いたします。  児童・生徒の交通安全対策についてです。  二月四日、登校中の児童が青信号の横断歩道で左折車にひかれ死亡するという悲しい事故が起きてしまいました。心からご冥福をお祈りするとともに、二度と同じような事故が起きない対策を求めます。  なぜ事故を防げなかったのか。しっかりと検証すること。全ての通学路を緊急に総点検し、危険な場所には安全対策の人員を配置すること。それぞれ答弁を求めます。  港区上空を低空で飛行する羽田新飛行計画の撤回についてです。  二月二日から実機飛行確認が始まりました。日曜日の午後四時半頃、突然新ルートで飛びました。事前予告はなく、区民はびっくり仰天です。翌三日は午後三時過ぎから飛び始めました。控室や自宅に「魚籃坂を歩いているけれど、次から次と飛行機が飛んでくる」、「怖くて外に出られない」、「こんなにひどいとは思わなかった」、「思わず外に飛び出した」等々何本もの電話が鳴りました。港区には電話やメールなどでの抗議や問い合わせが十二日現在、百三十九件届いています。  静かな空に突然轟音が響くのですから当たり前です。国土交通省が設置した高輪台小学校屋上の騒音測定局は八十一デシベル、東京都中央卸売市場食肉市場では八十六デシベルを観測しました。落下物を目撃したとの話もあります。国土交通省に苦情の電話をかけても二十分も待たされてやっと通じる。港区に電話をしたら、代表電話交換で「飛行機の問題は国土交通省に電話してください」と言われ、「環境課につないでほしい」と言うと、突然電話を切られたという話もあります。港区としての責任が問われています。  区長は所信表明で新飛行経路に触れ、「区民の安全・安心と生活環境を守る立場から、引き続き、国の責任において、区民の不安や疑問の払拭に向けたきめ細やかな情報提供や丁寧な説明を行うとともに、さらなる安全対策や騒音対策等に取り組むよう、国に対して強く求めていく」と述べました。今までの姿勢と何ら変わりません。こんな態度を続けているから、三月二十九日の新ダイヤによる運航を強行しようとしているのです。  幾ら安全対策、騒音対策をしても、騒音、落下物、大気汚染、墜落の危険はなくなりません。区民の安全・安心と生活環境を守るというのであれば、今からでも遅くありません。誰もが求めている、港区を含む都心上空の飛行計画の撤回を国に要請すること。答弁を求めます。  異常気象から地球環境、区民のいのちと健康、日常生活を守ることについてです。  世界的規模での気候変動は極めて深刻です。昨年九月の国連気候行動サミットで、十六歳のスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが人々は苦しみ、死にかけ、生態系全体が崩壊しかけていると世界に訴えたことは、大きな反響を呼びました。  二〇一五年に採択されたパリ協定は、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して、二度より十分低く抑え、一・五度に抑制する努力目標を設定し、そのために二十一世紀までに人間活動による温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにする方向性を打ち出しました。一・五度上昇であっても、深刻な熱波、嵐、水不足、山林火災、食糧生産の不安定化などが生じるとされていますが、現在提出されている各国の目標の合計では、二十一世紀末には約三度の気温上昇が起こると予想され、そうなった場合の破壊的影響ははかり知れないものがあります。  ことしは地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定が本格的に始動する年です。温室効果ガス排出の実質ゼロに向けて、世界の取り組みが緊急性を増しています。根本的には政府の対策と取り組み、大量生産、大量消費社会を変えることが必要ですが、改善を求める運動を進めながら、港区としてできることは何でもやっていかなければなりません。特に、超高層ビルの林立でヒートアイランド現象を招いている港区、CO2排出量の一番多い港区の責任は重大です。  質問します。  一、世界中で広がっている「気候非常事態宣言」を港区で行う。  二、化石賞などという不名誉なことがないよう、CO2の実質ゼロを目指すよう、国に意見具申すること。  三、現在の分別収集をさらに拡大し、焼却するものを大幅に減らす努力をする。分別方法をさらに周知・徹底すること。  四、紙おむつのリサイクルを実施すること。  五、マイボトルで水道水を飲む運動が世界中で広がっています。国内でも生駒市などで進んでいます。区内のお店などの協力を得て給水スポットを設け、ペットボトルをなくすための取り組みを進めること。  六、港区でマイバッグをつくり、普及すること。  七、地球温暖化に対し、何ができるだろう。学校での環境教育の取り組みをさらに進めること。  それぞれ答弁を求めます。  神宮外苑の再開発について、白紙撤回を求めることについてです。  三井不動産株式会社、宗教法人明治神宮、独立行政法人日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事株式会社は、神宮外苑一帯の開発を計画しています。ホテル併設の高さ六十メートルの野球場をイチョウ並木に迫って建設を計画。神宮球場のところにラクビー場の建設。百九十メートル、百八十五メートル、七十メートルの超高層ビルの建設を計画し、環境破壊、緑の破壊、景観の破壊、憩いの場をなくすという大問題の計画です。そのために、都心の貴重な運動施設である軟式野球場、室内練習場、フットサル場、テニスコート、バッティングドームなどをなくしてしまいます。伊藤忠商事株式会社前は青山小学校の通学路ですが、ここに百九十メートルのビルを建てる計画で、大人でさえ風で歩行が困難な日も多く、子どもが飛ばされる危険さえ出てきます。  事業者は、一月二十三日、二十六日に、東京都公園まちづくり制度実施要綱に基づく説明会を開催しました。この開発計画は、全都民、全国民的な問題にもかかわらず、説明会の開催は異常なものでした。計画地域に計画されている建物の1Hの範囲のみ、案内チラシがなければ説明会に参加できない。案内チラシの配布は九日前。会場も千代田区紀尾井町というなじみがなく、参加しづらい場所です。  質問に対して、まともに答えない。ご理解いただきたいと言いながら、説明に使ったスライドを紙媒体で提出を要求しても出せないの一点張り、理解を求める姿勢がみじんも感じられません。  明治神宮外苑の「外苑創建の趣旨」は、明治天皇と皇后のご遺徳を永く後世に伝えるために、全国国民からの寄附金と献木、青年団による勤労奉仕により、聖徳記念絵画館を中心に、体力の向上や心身の鍛錬の場、また文化芸術の普及の拠点として造成され、大正十五年(一九二六年)十月に明治神宮に奉献されました。  戦後は宗教法人明治神宮の外苑として、現在に至っております。  時代の移り変わりとともに世の中のスポーツ観は、選手の強化育成や競技会での記録重視の観るスポーツから、国民一人ひとりが健康増進や趣味として楽しむスポーツへと大きく変貌してきました。外苑もその時々の要望に応え、軟式球場、テニスコート、ゴルフ練習場、アイススケート場、打撃練習場、フットサルコートなど次々と時代の先端の施設をつくり、改修も重ねて、活発で楽しい場所を提供し、早朝から夜遅くまで、広く皆様にご利用いただき、喜ばれ親しまれております。今後も、施設の充実、環境整備、サービスの向上を図り、創建の思いを後世に伝えるべく協心努力してまいります。  これが神宮外苑の成り立ちなのです。一宗教法人や一企業のものではありません。ここは文教地区、風致地区であり、計画自体が成り立ちません。運動施設をなくし、超高層ビル、高層ビルが建ち並ぶ再開発など創建の精神にも反します。神宮外苑を破壊する再開発は許されません。  港区は、神宮外苑銀杏並木周辺を景観形成特別地区に指定し、景観を何よりも大切に守る地域とし、景観重要公共施設として神宮外苑銀杏並木を位置づけています。イチョウ並木を中心とした神宮外苑の景観を破壊する計画は、断じて許せないはずです。三井不動産株式会社など事業者に計画の白紙撤回を求めるべきと今まで質問してきました。しかし、区長は、「区が目指すまちづくりの実現に向け、事業者を適切に指導、誘導していく」との答弁で、開発の中止を求めません。これでは事業者を喜ばせるだけです。神宮外苑の環境、景観は、一度破壊したら取り返しがつきません。貴重な緑、憩いの空間、都心の貴重な運動の場を破壊する開発計画はやめるべきです。  一、別に配られた「神宮外苑地区まちづくり」に関するお知らせでは、各行政機関、東京都・新宿区・港区と協議を進めているとしています。協議の内容を公表すること。日時、場所、事業者の担当者、協議内容等を資料で提出する。  二、三井不動産株式会社、宗教法人明治神宮、独立行政法人日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事株式会社に対し、計画の白紙撤回を要求すること。  三、東京都に対し、事業者の提案を受け付けないよう要請すること。  四、事業者に対し、全都民、国民を対象にした説明会の開催を要請すること。  それぞれ答弁を求めます。  妊産婦の医療費助成制度についてです。  母子保健の向上と福祉の増進を目的に、妊産婦の医療費を助成する自治体が増えています。県段階で実施しているのが四県、全国で百四十を超える自治体で実施しています。助成内容は、保険診療分の医療費自己負担分が対象です。港区は、出生率が東京都で第三位と出産が多い区です。子育てするなら港区を言うのですから、妊産婦の医療費の助成を行うべきです。答弁を求めます。  青山地域に生鮮三品や日常生活用品を買えるお店を誘致することについてです。  この問題は、今まで何度も質問してきました。区長は、北青山三丁目地区まちづくりプロジェクト民活事業者に生鮮三品を含む食料品及び日常生活用品を取り扱う店舗の誘致を要望していると答弁しています。建設も順調に進んでいるようで、五月にはオープンすると聞いています。時間はありません。再度、生鮮三品を含め、食料品及び日常生活用品を取り扱う店舗の誘致を要請すべきです。  お店ができれば、「ちぃばす」を利用して来る方も多いと思います。赤坂方面行きは表参道駅か南青山三丁目のバス停で下車すればいいですが、六本木ヒルズ行きの場合は青山通りの反対側です。ここにはハチ公バスと都バスの降車専用の北青山三丁目バス停があり、これを使えれば、青山通りの横断歩道を渡れば、新設予定の店に行きやすくなります。今動かないと間に合いません。それぞれ答弁を求めます。  JR等の駅のホームドアの設置についてです。  一月十一日、JR日暮里駅で視覚障害の方がホームから転落し、電車にひかれて死亡しました。視覚障害者が駅のホームから転落して死亡する事故が後を絶ちません。日暮里駅にはホームドアはありませんでした。  港区では、東京メトロ銀座線青山一丁目駅での事故を受け、ホームドア設置の声が高まり、設置が進んできました。現在、区内の駅がどうなっているのか調べていただいた結果、未設置の駅は、JR東日本では新橋駅(東海道本線・横須賀線)、浜松町駅(京浜東北線)、田町駅(京浜東北線)、品川駅(東海道本線・横須賀線)です。JR東海では品川駅(東海道新幹線)、京浜急行では品川駅です。東京メトロは神谷町駅、六本木駅、広尾駅が未設置です。都営地下鉄では泉岳寺駅、高輪台駅が未設置です。事故が起きてからでは間に合いません。ホームドアの設置を急ぐこと。設置までの間、視覚障害者への声かけを徹底することを要請すること。それぞれ答弁を求めます。  学校給食の無償化の実施についてです。  日本の子どもの貧困率は、今、OECD加盟国の中で最悪の水準にあり、大きな社会問題になっています。学校に支払う費用の中で給食費は高額です。「義務教育はこれを無償とする」ことから、給食費を無償にすべきというのが私たちの立場ですが、今回は少しでも保護者の負担を軽減するための提案です。  世田谷区では、昨年十月から就学援助の基準を改正し、所得五百六十四万円以下、両親と子ども二人の世帯まで対象を拡大し、給食費を無料にしました。保護者負担を少しでも軽減するため、世田谷区方式を見習い、港区も基準所得額を引き上げ、給食費が無償となるよう対象を拡大すべきです。答弁を求めます。  最後に、学校給食のパンの安全の確保、残留農薬検査の実施についてです。  この問題は何度か取り上げてきました。教育長は、農林水産省及び厚生労働省の残留農薬基準に関する検査に合格し、輸入した小麦を使用しているから問題ないとの答弁でした。多くの国では、発がん性があることからグリホサートを排除しています。輸入小麦にはグリホサートの残留基準がありますが、小麦粉やパンなどの加工食品には基準がありません。民間の検査で、輸入小麦からつくったパンからはグリホサートが検出されています。国産小麦からのパンからは検出されていません。国の残留農薬基準内だから大丈夫でいいのでしょうか。児童・生徒が毎日のように食べているパンに発がん性が指摘されているグリホサートが含有されていたら大問題です。  公益財団法人東京都学校給食会に対し、使っている小麦と製造しているパンのグリホサートなど残留農薬の検査を要請すべきです。東京都学校給食会が検査しないなら、児童・生徒の将来にかかわることですから、港区独自で小麦粉とパンの検査を実施すべきです。国産小麦からつくったパンからは検出されていません。国産小麦や米粉に切りかえるべきです。それぞれ答弁を求めます。  以上で質問を終わりますが、答弁によっては再質問することを述べて質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) お諮りいたします。議事の運営上、あらかじめ時間を延長いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(二島豊司君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。             ───────────────────────────   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、交通事故を防止するための検証についてのお尋ねです。  二月四日に虎ノ門二丁目交差点で発生した交通事故により、将来ある児童の尊い生命が失われたことに対しまして、心から哀悼の意を表します。  区は、事故の一報を受け、職員を直ちに現場に向かわせ、現場状況の確認と愛宕警察署から事故の状況などの情報収集を行いました。この情報は、区の関係課で共有するとともに、区内の大規模開発事業者に、工事現場周辺の緊急点検の実施を申し入れました。今後、点検の結果を踏まえ、交通安全対策の強化について事業者を指導してまいります。  次に、羽田空港新飛行計画の撤回を国に要請することについてのお尋ねです。  新飛行経路の運用に伴い、国が今月二日まで実施した実機飛行確認の際に、区民からは、区内上空を飛行した旅客機による騒音や落下物等に対する不安の声が寄せられております。区は現在、区民の皆さんから寄せられた声を国に伝えるとともに、国として真摯に受けとめ、区民の不安や疑問の払拭に向けたきめ細かな情報提供や丁寧な説明を行うよう求めております。  区は、計画の撤回を国に要請することは考えておりませんが、引き続き、さらなる安全対策や騒音対策等に積極的に取り組むよう、国に対して強く求めてまいります。  次に、異常気象から地球環境や区民生活等を守ることについてのお尋ねです。  まず、区による気候非常事態宣言についてです。区は、世界の気候変動が危機的状況である認識のもと、国を上回る高度な目標を設定した港区地球温暖化対策地域推進計画を策定し、港区民間建築物低炭素化促進制度や、創エネ・省エネ機器等の設置助成などにより、CO2排出抑制の実績を上げてまいりました。  区といたしましては、気候非常事態宣言という形ではなく、来年度、新たに策定する計画において、引き続き気候変動緩和に係る施策の充実を検討してまいります。  次に、CO2ゼロを目指すよう国に意見具申することについてのお尋ねです。国は、今年度、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を決定し、その中で二〇五〇年までに温室効果ガス排出量の八〇%の削減に取り組むとともに、今世紀後半のできるだけ早期に温室効果ガス実質ゼロの脱炭素社会の実現を目指すとしています。  区としては、既に再生可能エネルギーの活用促進など、地球温暖化防止対策の推進について国に要望していることもあり、改めて国に意見具申することは考えておりませんが、引き続き、国や世界における脱炭素の動向を注視するとともに、脱炭素社会の早期実現のため、区の取り組みを着実に推進してまいります。  次に、資源回収品目の拡大と分別方法を周知徹底することについてのお尋ねです。区では、先駆的な取り組みである全ての廃プラスチックの分別回収や木製粗大ごみからの木材回収など、十五品目の資源回収を実施し、未利用食品を回収するフードドライブの取り組みも強化しております。資源回収品目の拡大については、今後も継続的に検討してまいります。  また、区では、分別ガイドブックやごみ分別アプリによる分別方法の周知に加え、菓子箱や封筒などの紙類を「その他再生可能紙」に名称変更し、より簡便な排出方法に改めるなど、資源回収量の増加に努めてきました。今後も、資源を正しく分別していただけるよう、工夫を重ねてまいります。  次に、紙おむつのリサイクルについてのお尋ねです。区では、家庭から年間約千五百トンの使用済み紙おむつを可燃ごみとして収集しており、これらをリサイクルすることで、ごみの減量に大きな効果が期待できるものと認識しております。現在、国において検討が進められている「紙おむつリサイクルガイドライン」の内容を注視し、来年度策定する新たな一般廃棄物処理基本計画の中で、紙おむつのリサイクルについて検討してまいります。  次に、マイボトルの利用促進と給水スポットの設置についてのお尋ねです。東京都水道局では、マイボトルで東京の水道水「東京水」を持ち歩くことを推奨し、公共施設や都営地下鉄の駅など、都内七百カ所以上、区内三十カ所以上で給水スポットを設置しております。区も、区役所本庁舎やスポーツセンターなど十六の施設で冷水機等を給水スポットとして提供しております。今後も、設置場所を拡大していく方向と聞いており、区としても設置場所の提供や取り組みの紹介など、積極的に連携・協力してまいります。  次に、マイバッグの制作と普及についてのお尋ねです。今年度、区では、マイバッグ持参率の低い若い世代向けに、障害者就労支援施設や区内のファッション関連の専門学校と連携し、新たなマイバッグを四千個制作いたしました。このマイバッグは、先月開催した「成人の日記念のつどい」に参加した新成人八百名に配布いたしました。また、来月、区内小・中学校を卒業する約二千百名の児童・生徒にも配布する予定です。  今後も、イベントや環境学習の機会に、今回制作したマイバッグを活用するとともに、本年七月に実施されるレジ袋有料化の義務化に合わせて、商店街等と連携し、マイバッグの利用促進に取り組んでまいります。  次に、神宮外苑の再開発についてのお尋ねです。  まず、協議内容の公表についてです。事業者提案の神宮外苑地区まちづくり計画については、現在、事前相談の段階のため、協議中に計画内容の変更等も考えられますので、不確定な情報を公表することは適切でないと考えております。  次に、計画の撤回の要請についてのお尋ねです。今回の計画は、事業者が東京都公園まちづくり制度に基づき、東京都にまちづくりの計画を提案するものであり、区が撤回を申し入れる性質のものではないことから、要請することは考えておりません。  次に、東京都への要請についてのお尋ねです。公園まちづくり計画は、東京都公園まちづくり制度に基づき、事業者から東京都に提案されるものです。区から東京都に対して提案を受け付けないよう要請するということは考えておりませんが、区にとりまして、神宮外苑のイチョウ並木を中心とした緑豊かな都市景観の保全など、区が目指すまちづくりが実現できるよう申し入れてまいります。  次に、説明会開催の要請についてのお尋ねです。今後、神宮外苑地区のまちづくりを進める上で、説明会を開催する際は、近隣だけではなく、より広い範囲に対して周知するよう事業者に対し申し入れてまいります。  次に、区として妊産婦の医療費を助成することについてのお尋ねです。  区では、これまで妊娠高血圧症侯群等の医療費助成、妊産婦健康診査費用助成、ひとり親家庭等医療費助成のほか、区独自に出産費用助成や港区コミュニティバス無料乗車券の交付を実施するなど、妊産婦の健康を守る取り組みの充実に努めてまいりました。  また、本年四月からは出産費用助成事業において、多胎児の分娩費等費用上限額を双子は八十万円から百万円に、三つ子は百万円から百四十万円に拡大いたします。今後も引き続き、妊娠・出産にかかる妊産婦の負担を軽減し、健康で安心して子どもを産み育てられるよう支援をしてまいります。  次に、青山地域への生鮮三品などの店舗の誘致についてのお尋ねです。
     まず、店舗の誘致を事業者に働きかけることについてです。区は北青山三丁目地区まちづくりプロジェクトの実施当初から、生鮮三品などを含む日常の買い物ができる店舗の誘致を事業者に要望してまいりました。昨年八月にも要望し、事業者からは令和二年春に決定していくとの回答を得ております。そのため、二月七日に改めて生鮮三品などの店舗の誘致を要望いたしました。今後も地域の方が安心して買い物ができる生鮮三品などの店舗が誘致されるよう、粘り強く事業者に対し働きかけてまいります。  次に、北青山三丁目バス停の利用についてのお尋ねです。「ちぃばす」の停留所は、約三百メートルの間隔を目安に設置しております。渋谷区のハチ公バスのバス停を利用する場合、停留所間の間隔が最小で約百十メートルとなることから、運行時間の増加や道路交通への影響などの課題があります。引き続き、北青山三丁目バス停の利用につきましては、東京都及び渋谷区と協議し、「ちぃばす」のバス停の移設も含め、利便性の向上と利用促進につながるよう青山ルート全体の中で検討してまいります。  次に、ホームドアの設置についてのお尋ねです。  まず、設置要請についてです。区内には三十三駅六十一路線のホームがあります。このうち二十四駅四十七路線についてホームドアが設置されており、設置率は七七%となっております。残りの九駅十四路線につきましては、泉岳寺駅など整備中の駅のほか、令和十四年度までに全てのホームドアが整備される予定であることから、引き続き、鉄道事業者に対しホームドアの早期設置を要請してまいります。  最後に、視覚障害者への声かけについてのお尋ねです。区は、平成二十八年九月に区内の鉄道事業者六社に対し、視覚障害者に対する積極的な声かけなど、見守り体制の強化について要請いたしました。駅では、安全で安心して乗降できるよう、視覚障害者に対し積極的に声かけを行っております。引き続き、ホームドアが設置されていない九駅十四路線について、事故の再発防止に向け、視覚障害者への声かけを徹底するよう要請してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、通学路の緊急点検の実施と安全対策人員の配置についてのお尋ねです。  二月四日、区立小学校の児童の尊い命が失われるという痛ましい交通事故が発生いたしました。将来ある尊い命が突然失われたことに対し、深い悲しみを感じております。亡くなられました児童に対し、心から哀悼の意を表するとともに、ご家族の皆様には心よりお悔やみ申し上げます。  教育委員会では、事故直後に現場の状況確認を行い、愛宕警察署から事故状況などについて情報収集を行いました。今回の事故を受け、全ての小学校において警察との協議の上、特定した、特に危険な箇所について、現在、学校、警察署、総合支所等が連携して緊急点検を実施しております。あわせて、その危険箇所の情報を隣接する学校の教員も共有できるようにするとともに、学校から児童、保護者にも注意を促してまいります。  また、安全対策人員の配置につきましては、学校と十分協議の上、危険箇所への登下校誘導員の配置に努めるとともに、区長部局を通じて、区内の大規模開発事業者に各現場の危険箇所などを点検させ、その結果をもとに、交通誘導員の配置を含む安全対策について申し入れを行ってまいります。  教育委員会では、このような悲しい事故が二度と起こらぬよう、これまで以上に、学校、PTA、町会・自治会、警察署、区長部局等との連携を強化し、通学路上の安全対策に万全を期してまいります。  次に、地球温暖化防止対策に向けた学校の取り組みについてのお尋ねです。  これまで各園・各学校では、地球温暖化を防止するための取り組みとして、節電や節水に努める生活ルールづくりやビオトープなどを活用した環境保全を行う、港区ならではの環境教育活動である「みなと子どもエコアクション」を推進してまいりました。また、企業、大使館と連携し、さまざまな教材を活用した、各園・各学校独自の環境学習を通して、環境に配慮した行動ができる子どもたちの育成に努めてまいりました。  今後も、新学習指導要領の基本的な方針の一つである学習を通して、持続可能な社会の担い手を育てることを踏まえ、地球温暖化に関する社会の課題を自分の課題として捉え、自ら解決に向けて行動できる資質・能力を育んでまいります。  次に、就学援助での学校給食費の支給対象を拡大することについてのお尋ねです。  教育委員会では、現在、生活保護基準に一・二倍を乗じた基準所得額をもとに就学援助の認定をし、学校給食費の支給対象としておりますが、子どもが三人以上いる多子世帯については、一層の負担軽減を図るため一・三一倍を乗じた基準所得額をもとに、学校給食費の支給対象としております。  また、平成二十五年八月以降の生活保護基準の引き下げにおいても学校給食費の支給対象とするため、平成二十五年度当初の生活保護基準を継続して適用し、引き続き、経済的に困難な家庭を広く支援しております。さらに、全児童・生徒を対象に一括購入した減農薬米の各学校への現物支給をするほか、二十三区では唯一、特別栽培農産物の購入費用を負担するなど、学校給食費の一部を公費負担しております。  このような区独自の保護者負担軽減のためのさまざまな取り組みを実施していることから、就学援助での学校給食費における支給対象の拡大は考えておりませんが、引き続き、経済的に困難な家庭や多子世帯への必要な支援を行ってまいります。  次に、安全な給食のパンの提供についてのお尋ねです。  まず、東京都学校給食会への残留農薬検査の要請についてです。公益財団法人東京都学校給食会が提供する小麦粉や学校給食のパンは、給食の安全・安心を考え、国の残留農薬検査に合格した小麦を使用しております。このことから、現時点では東京都学校給食会への検査を要請することは考えておりませんが、農薬グリホサートの残留基準値にかかわる今後の国の動向を注視するとともに、東京都学校給食会から小麦粉とパンの安全性に関する情報収集に努めてまいります。  また、学校給食における安全・安心な食材の提供という観点から、昨年十二月に農薬グリホサートについて、学校給食を所管する特別区学務課長会及び特別区教育長会に港区から資料提供を行い、情報共有を図りました。引き続き、特別区全体で共通認識を図り、東京都学校給食会に対して、安全・安心な学校給食のパンの提供に努めるよう要望してまいります。  次に、区独自の検査についてのお尋ねです。公益財団法人東京都学校給食会が使用している小麦は、農林水産省及び厚生労働省の農薬の残留基準に関する全ての検査に合格したものです。このことから、区独自で検査を行うことは考えておりませんが、農薬グリホサートの残留基準値にかかわる今後の国の動向を注視するとともに、特別区全体で共通認識を図り、東京都学校給食会に対して、安全・安心な学校給食のパンの提供に努めるよう要望してまいります。  最後に、国産小麦等使用のパンへの切りかえについてのお尋ねです。学校給食で提供するパンは、国の農薬残留基準に関する全ての検査に合格した小麦を使用し製造されております。このため、学校給食のパンを国産小麦や米粉のパンに切りかえることは考えておりませんが、安全・安心な学校給食の提供に向け、今後も残留農薬基準の検査に係る国の動向を注視するとともに、公益財団法人東京都学校給食会からの小麦粉とパンの安全性等に関する情報収集に努めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔十七番(風見利男君)登壇〕 ○十七番(風見利男君) 何点か再質問させていただきます。  児童の登下校の安全対策ですけれども、事故があった日は、報道の写真を見る限りは、ちょうど工事現場にパネルが全面的に張ってあって、本当に視界が狭くなっていると。実際、現場を見に行ったときは、一時パネルが外されて死角がなくなっていました。事故があった場所もそうですけれども、港区中工事現場だらけで、先ほど区長の答弁もありましたけれども、工事現場のパネルは、少なくとも隅については透明のパネルにするように事業者にきちっと要請する必要があると思います。そのことをぜひお願いしておきたい。  それからもう一点、先ほど工事現場の事業者に注意を喚起してもらうと。私、これはちょっと間違っていると思います。それは当然、事業者にきちっとやってもらうことは大事ですけれども、教育委員会が学校選択制にしたわけで、あの事故に遭った子も学校選択制で行っているわけで、通学路の安全がどうかということは教育委員会の責任です。ですから、事業者任せではなくて、今やっているのは学校の周辺だけです。ですから、学校と相談してどうかというのではなくて、人をちゃんと配置しますから、危険な箇所はどこか学校で調べて、必要であれば、そこに人を配置しますと、こういう方針が必要なわけで、そこをきちっと対応してもらいたい。これは教育委員会の責任の問題です。  もう一つ、低空飛行問題ですけれども、二日の実機飛行に驚いた区民から、先ほど言いましたけれども、十二日現在、百三十九件の抗議、問い合わせがありました。「思っていた以上にひどい」など騒音の苦情が五十六件、「計画を中止してほしい」など反対の意見が十九件、「区として反対すべき」など区の対応が二十四件です。  私がびっくりしたのは、北風が多い二月なのに、二日から十二日までの十一日間に七日間南風が吹きました。国土交通省は、年間南風は四割ぐらいだと言っていますけれども、とんでもない。今回のを単純に計算すると、六割以上が南風になる危険性がある。ですから、国土交通省が言っている港区の上空を飛ぶのがもっともっと増えるということだと思います。  この間、国土交通省の調査で、主要七空港で、ここ二年間で部品がなくなったのは千百八十件、一日一・六個の部品がなくなっているのです。これには氷の塊は入っていません。今まで海の上だったからよかったのでしょうけれども、今後は、人が生活している市街地に落ちる可能性が大なわけです。  港区在住の九歳の小学生の投書が新聞に載りました。「習い事からの帰り道、飛行機が低いところを飛んでいた。学校でも話題になった。こんな大きな音で飛ぶとは思わなかった。大きな音が続くと落ち着かないし、赤ちゃんやお年寄りが寝られなくなる。住んでいる人が不便な生活をしなくてはならなくなるのはよくないと思う。生活している人が困るような、そんなことを勝手にしていいのだろうか。一部の人の利益だけを優先せず、住む人のことを考えてから決めてほしい」。私はそのとおりだと思います。  区議会では、都心上空を飛ぶ経路を固定化することなくという見直しを求める意見書を全会一致で議決しています。区長は、安全・安心、生活環境を守ると言われるのですから、都心上空、港区の上空を飛ばないことが一番の安全の保証です。区民の代表として、ぜひ計画の撤回を求めるべきです。  以上です。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員の再質問に順次お答えいたします。  最初に、交通事故を防止するための検証についてのお尋ねです。  ご提案にありました点につきまして、交通事故を防止するための有効な手だてにつきまして、事業者はもとより、警察当局等とも連携して改善策を検討してまいります。  最後に、羽田空港新飛行計画の撤回を国に要請することについてのお尋ねであります。  今月二日から実機飛行が行われました。その際、区民の皆さんは実際に飛ぶ飛行機を目にし、そしてまた、その音を耳にし、さまざまな不安の声などが寄せられております。区といたしましては、こうした皆さんの声を国に届けるとともに、丁寧な説明を行うよう求めておるところでございます。  そして、これらの取り組みに加えまして、今後の航空技術の進展に伴う新たな危険を取り除く取り組み、あるいは地方空港のさらなる活用など、新ルートに限らず、羽田空港の飛行経路に係るさまざまな運用を検討するよう強く求めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員の再質問にお答えします。  通学路の緊急点検の実施と安全対策人員の配置についてのお尋ねです。  区内の大規模事業者に各現場の危険箇所などを点検していただいて、安全対策を講じることはもちろんですけれども、今回、緊急点検を実施しております。その危険箇所の情報も、今までは学区域だけの学校単位でありましたけれども、選択制があるということを踏まえまして、その危険箇所の情報を隣接する学校の教員にも共有できるようにします。  また、教育委員会が今後は中心になって、通学路上の安全対策を万全に期してまいりたいと考えております。そのためには、学校はもちろんですけれども、PTA、町会・自治会、警察署、それから区長部局との連携を強化して万全な対策を講じてまいりたいと思います。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 以上にて、本日の日程は全部終了いたしました。  本日の会議は、これをもって散会いたします。                                         午後五時八分散会...