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  1. 港区議会 2019-11-27
    令和元年第4回定例会−11月27日-15号


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2024-07-21
    令和元年第4回定例会−11月27日-15号令和元年第4回定例会  令和元年 港区議会議事速記録 第十五号(第四回定例会)   令和元年十一月二十七日(水曜日)午後一時開会     一 出席議員(三十三名)       二  番  玉 木 まこと 君      三  番  石 渡 ゆきこ 君       四  番  榎 本 あゆみ 君      五  番  なかね  大  君       六  番  黒崎 ゆういち 君      七  番  小 倉 りえこ 君       八  番  福 島 宏 子 君      九  番  熊 田 ちづ子 君       十  番  山野井 つよし 君      十 一番  兵 藤 ゆうこ 君       十 二番  横 尾 俊 成 君      十 三番  丸山 たかのり 君       十 四番  やなざわ 亜紀 君      十 五番  鈴 木 たかや 君       十 六番  土 屋  準  君      十 七番  風 見 利 男 君       十 八番  琴 尾 みさと 君      十 九番  清 家 あ い 君       二 十番  杉 浦 のりお 君      二十一番  なかまえ 由紀 君       二十二番  池 田 たけし 君      二十三番  ゆうき くみこ 君       二十四番  二 島 豊 司 君      二十五番  池 田 こうじ 君       二十六番  榎 本  茂  君      二十七番  赤 坂 大 輔 君       二十八番  阿 部 浩 子 君      二十九番  七 戸 じゅん 君
          三 十番  近 藤 まさ子 君      三十一番  杉本 とよひろ 君       三十二番  清 原 和 幸 君      三十三番  うかい 雅 彦 君       三十四番  井 筒 宣 弘 君     一 欠席議員(一名)       一  番  マック 赤 坂 君     一 説明員       港   区   長        武 井 雅 昭 君    同 副  区  長        田 中 秀 司 君       同 副  区  長        小柳津  明  君    同 教  育  長        青 木 康 平 君         芝地区総合支所長                      麻布地区総合支所長       同                新 井 樹 夫 君    同                有 賀 謙 二 君         環境リサイクル支援部長兼務                 子ども家庭支援部長兼務         赤坂地区総合支所長                     高輪地区総合支所長       同                森   信 二 君    同                野 澤 靖 弘 君         保健福祉支援部長兼務                    街づくり支援部長兼務         芝浦港南地区総合支所長       同                星 川 邦 昭 君    同 福祉施設整備担当部長     佐 藤 雅 志 君         産業・地域振興支援部長兼務       同 みなと保健所長        阿 部 敦 子 君    同 街づくり事業担当部長     坂 本  徹  君       同 企画経営部長         浦 田 幹 男 君    同 用地・施設活用担当部長    中 島 博 子 君       同 防災危機管理室長       長谷川 浩 義 君    同 総 務 部 長        北 本  治  君         会計管理者       同                亀 田 賢 治 君    同 教育委員会事務局教育推進部長 新 宮 弘 章 君         会計室長事務取扱       同 教育委員会事務局学校教育部長 堀   二三雄 君     一 出席事務局職員       事 務 局 長          大 滝 裕 之 君    事務局次長            小野口 敬 一 君                                     議 事 係 長          吉 田 一 樹 君                                                            他五名             ───────────────────────────       令和元年第四回港区議会定例会議事日程          令和元年十一月二十七日 午後一時 日程第 一  会議録署名議員の指名 日程第 二  会期の決定 日程第 三  諸般の報告 日程第 四  代表質問・一般質問        ゆうき くみこ 議員(自民党議員団)        清 家 あ い 議員(みなと政策会議)        丸山 たかのり 議員(公明党議員団)        榎 本  茂  議員(都民ファーストと日本維新の会)        熊 田 ちづ子 議員(共産党議員団)             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) ただいまより令和元年第四回港区議会定例会を開会いたします。  今回の応招議員はただいま三十三名であります。したがいまして、本定例会は成立いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) これより本日の会議を開会いたします。  ただいまの出席議員は三十三名であります。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) これより日程に入ります。  日程第一、会議録署名議員をご指名いたします。十九番清家あい議員、二十番杉浦のりお議員にお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 日程第二、会期の決定を議題といたします。  お諮りいたします。今回の定例会の会期は、本日から十二月六日までの十日間といたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(二島豊司君) ご異議なきものと認め、さよう決定いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 日程第三、諸般の報告がありますので、ご報告いたします。  まず、職員に定例会招集の報告をさせます。   〔小野口事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 三一港総総第二千六十七号 令和元年十一月二十日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                                     港区長  武 井 雅 昭       令和元年第四回港区議会定例会の招集について(通知)  本日別紙告示写しのとおり、標記定例会を十一月二十七日(水)に招集しましたので通知します。             ─────────────────────────── 港区告示第百九十号  令和元年第四回港区議会定例会を十一月二十七日に招集します。   令和元年十一月二十日                                     港区長  武 井 雅 昭             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 次に、令和元年九月及び十月の例月出納検査の結果について、過誤のないことを確認した旨の報告書がそれぞれ監査委員から議長の手元に提出されております。  九月の例月出納検査の結果について、その概要を職員に朗読させます。   〔小野口事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 三一港監第六百四号 令和元年十月十五日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰                                  同       鵜 飼 雅 彦       令和元年九月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 令和元年九月二十五日から九月二十七日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された令和元年九月(令和元年八月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) なお、十月の結果については、ただいまの報告と同様の内容でありますので、朗読は省略し、詳細については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、ご了承願います。  また、報告書は議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。 (参 考)             ─────────────────────────── 三一港監第六百七十号 令和元年十一月十一日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰
                                     同       鵜 飼 雅 彦       令和元年十月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 令和元年十月二十三日から十月二十五日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された令和元年十月(令和元年九月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 次に、特別区職員の給与等に関する報告及び勧告が、特別区人事委員会委員長から議長の手元に提出されておりますので、その概要を職員に朗読させます。   〔小野口事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 令和元年十月二十一日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                             特別区人事委員会委員長  中 山 弘 子  特別区人事委員会は、地方公務員法第八条、第十四条及び第二十六条の規定に基づき、一般職の職員の給与等について別紙第一のとおり報告し、意見を申し出るとともに、別紙第二のとおり勧告する。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) なお、詳細については、議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。  以上にて報告を終わります。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 日程第四、区の一般事務について、質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。最初に、二十三番ゆうきくみこ議員。   〔二十三番(ゆうきくみこ君)登壇、拍手〕 ○二十三番(ゆうきくみこ君) 令和元年第四回港区議会定例会にあたり、自民党議員団を代表して、武井区長、青木教育長に質問させていただきます。  天皇陛下ご即位を祝う国民祭典が、十一月九日、皇居前広場で開かれ、十一月十日には台風十九号による被害を考慮して延期されていたパレード、御列の儀がとり行われました。  祝賀式典では、安倍晋三首相も登壇し、「天皇陛下のご即位ととともに始まった新しい令和の時代、私たちは天皇陛下のお気持ちをしっかりと胸に刻み、平和で希望に満ちあふれ、一人ひとりの日本人がそれぞれの花を大きく咲かせることができる時代をつくり上げていく決意です」と祝辞を述べられました。  また、前日の十一月二十三日から二十六日までの四日間、フランシスコ・ローマ法王が、一九八一年、ヨハネ・パウロ二世以来、三十八年ぶりに訪日され、長崎、広島、東京とめぐられました。全ての命を守るため、「PROTECT ALL LIFE」というテーマのもと、東京ドームで開かれたミサにも、日本で暮らす移民や難民の若者、日本人はもちろん、仏教やさまざまな宗教団体なども参加しており、「文化的・宗教的な多様性こそが未来に渡せる美しさだ」とお話をされたそうです。  ことしあった多くのビッグイベントを終え、あっという間に十一月も終盤、ことしも年末に向けて、皆様、お忙しくされていらっしゃるかと思います。平和と多文化共生が大きくうたわれる昨今でございますが、これを成し遂げることは、とても困難な課題と向き合うことでもあります。さまざまな国から多くの方々が住み、訪れる港区は、さらなるモデルとして国をリードする存在になると予想されます。  厚生労働省が昨日二十六日に発表した人口動態統計速報では、一月から九月に生まれた子どもの数は前年度に比べて五・六%減ったということです。出産適齢期にあたる女性の人口が減っていることと、一人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は、二〇一八年時点で一・四二と、三年連続で低下していることが要因と言われています。少子高齢化が進むと経済に悪影響が及び、社会保障制度は不安定になります。そして、人手不足が慢性化し、高齢者医療や公的年金の負担は増加する一方です。これからは、さらなる子育てのしやすい社会づくりと一人当たりの生産性の向上を、基礎自治体である港区でも強く意識して施策を進めていかなければなりません。私たち自民党議員団は、これに向けて力を合わせて励んでいく所存です。  それでは、最初の質問に入ります。  区財政を取り巻く状況について伺います。  国ではこの間、「地方創生の推進」と「税源の偏在の是正」を目指し、地方法人課税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税制度の導入など、区の財政に大きな影響を与える税制改正を行ってきました。  この間の税制改正による特別区全体の影響額は、消費税率一〇%段階において、年間で二千三百億円にも上るとされています。この金額を特別区の平均的な経費に置きかえてみると、保育所であれば千百十九カ所、特別養護老人ホームであれば百七十四カ所、小学校であれば百三十三校分もの建設費用にあたります。  また、港区におけるふるさと納税による影響額は年々増加傾向にあり、平成二十九年度がおよそ二十三億円、平成三十年度は三十二億円、令和元年度は四十三億円と、ふるさと納税制度自体の趣旨を否定するものではないとしても、影響額の大きさを見ると、決して看過できるものではありません。  区民税収入は、今後の人口増加に伴い堅調に伸びていくとされておりますが、一方で、人口増加に伴う施設需要や新たな行政サービスの提供など、多くの支出が必要になってきます。港区らしい質の高い区民サービスを今後も継続的に提供していくために、これらの税制改正の影響について、区としてどのように考え、また対応していかれるのか、区長の見解をお伺いいたします。  次は、オープンデータの活用推進についてです。  さまざまな分野において、データを活用したビジネスの創出やサービスの向上に取り組んでいます。これらを先取りする形で、欧米では先行して公共機関が保有するデータの共有、オープンデータが進められており、行政が保有するデータを活用することで経済を活性化するとともに、行政の透明化を図る施策が行われてきました。  日本においても、平成二十四年七月に政府のIT戦略本部による「電子行政オープンデータ戦略」において透明性・信頼性の向上や、官民協働に加え、経済の活性化や行政の効率化も含めて、オープンデータを推進していくことが示されたことを契機として、平成二十五年六月には「電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ」が、そして平成二十七年二月には、地方公共団体オープンデータに係る取り組みを一層促進するための「地方公共団体オープンデータ推進ガイドライン」が策定され、地方公共団体においても地域の課題を解決するため、利用者のニーズも踏まえ、オープンデータを進めていくことが示されています。  港区でも平成二十八年六月からオープンデータの公開を開始しています。区のオープンデータのサイトを見ると、今では公共施設や人口、総計といった施設や数値に関するデータだけではなく、子どもの事業の実施状況、「ちぃばす」の時刻表や自転車シェアリングなどの交通に関する情報、健康や医療、福祉に関する情報や区の施設のイベント情報など、さまざまな分野に広げられていることが見て取れます。保育園のデータなどは、実際に民間の方が運営するマップで活用されており、私も知っている子育て情報サイトでも、区のオープンデータが使われている例があるようです。  港区では、防災アプリ、ごみ分別アプリなどを運営していますが、アプリの開発や運用には経費もかかります。民間では、先ほどの子育てサイト以外にも、既に広く利用されているものも多数あるので、区独自のものを開発していくよりも、オープンデータを公開して、こうしたツールで利用していただければよいのではないかと思います。とはいえ、まだオープンデータの公開が全ての自治体で進められているわけではなく、ことし九月に政府が公開しているデータでは、区市町村では、まだ六百五カ所にとどまり、特別区においても未公開の区があるようで、公開しているデータ数もまちまちのようです。区民が区内・区外を問わず、オープンデータを活用したアプリを使って便利に生活できるよう、他の自治体とも連携して、オープンデータの活用を進めていっていただきたいと思います。さらなる取り組みを期待して、オープンデータの活用推進について伺います。  次に、社会の変化と人材育成方針について伺います。  内閣府に設置された諮問機関である地方制度調査会では、本年七月三十一日、「二〇四〇年頃から逆算し顕在化する地方行政の諸課題とその対応策についての中間報告」を公表しました。この中間報告では、人口減少に伴うさまざまなサービスの担い手の減少、ソサエティ五・〇をはじめとする社会構造の変化、そして社会で生活する人々の価値観の変化など、今後、我が国が迎えるであろうさまざまな変化の中で、地方公共団体が直面する課題と対応について言及しています。  特に、「公務の担い手育成」という項目では、職員が分野横断的に地域や組織の枠を超えて行政のあり方を見直す構想力を身につけ、多様な主体との連携により地域のイノベーションを生み出せる人材が重要ということが語られています。つまり、従来の枠組みにとらわれない発想力と多様な主体との連携する力、この二点がとても重要であると述べられていることに注目をしています。  港区では、平成二十八年に策定した港区人材育成方針に基づく人材育成が進められています。この方針では、港区の未来を切り開く職員に求められるマインドとして、「参画と協働をさらに推進し、課題解決力をと錬磨する」、そして「日本を代表する基礎自治体であることを自覚し、日本を牽引する気概を持つ」という二点が挙げられています。まさにこれは区民とともに歩み、全国各地とも連携する姿勢、つまり連携する力と、先駆的な施策を立案し、課題解決する発想力であり、将来を見据えた港区の人材育成の方向性が妥当であることを示していると考えています。  しかしながら、長期的な人材育成の方向性は合致していたとしても、社会構造の変化の見通しや、さきの第三回定例会で条例が制定された会計年度任用職員制度の導入など、区職員を取り巻く環境は確実に変化していまして、今後の人材育成において、それらの点をしっかりと踏まえていくべきとも感じています。  港区人材育成方針では、三年から五年で検証・見直しを行って、状況に応じて改定し、レベルアップを図るということが示されていますが、策定からちょうど四年目を迎える今年度、方針の検証・見直しに着手されていると伺っています。この港区人材育成方針の検証・見直しにおいて、区長はどのような視点から検証を進めているのかお伺いします。  次は、東京二〇二〇大会期間中における効果的な港区の取り組みについてです。  来年はいよいよ世界的なイベントである東京二〇二〇大会が開催されます。今回、オリンピックでは三十三の競技、パラリンピックでは二十二の競技が行われ、皆さん、ご存じのように、日本全国のみならず、世界中から多くの選手、関係者、そして観戦者が、この東京、そしてここ港区に集まります。  ことしはラグビーのワールドカップが日本で開催されました。この大会では、世界中からラグビー観戦に訪れた方や、今までラグビーに関心がなかった方までも、世界のトップレベルのプレーを見るため、試合会場やパブリックビューイングに詰めかけて大きな声援を送るなど、その盛り上がりは海外メディアでも報道されるほどでした。屋外で観戦を楽しまれた日本人、外国人、多くの方が、自分で撮影した動画や写真をユーチューブやインスタグラムに投稿し、世界中に日本国内での情報を発信しており、認識はしていたものの、その発信力の大きさには、改めて驚かされたものです。  ラグビーワールドカップに続き、来年もまた、日頃競技にさほど関心がない方々も試合を見たり、大会の雰囲気を楽しむために、試合会場、パブリックビューイング、また期間中に開かれるさまざまな各種イベント会場に訪れるのではないかと予想します。日本中、そして世界中から集まるであろうこの機会に、港区の先駆的な取り組みを積極的に発信していただき、それを受けた港区民の方々、そして港区に携わる多くの方々の地域活動へのモチベーションにつながることを期待しているところです。  こうした中、港区では、全国各地域との連携を積極的に進めています。現在、地区ごとに全国各地との交流事業や学習事業、さまざまな取り組みが行われておりますが、来年の世界的イベントは、各自治体にとっても我がまちを知ってもらう絶好の機会となるため、東京二〇二〇大会の開催に期待している自治体は多いと思います。  また、東京二〇二〇大会の開催に伴い、区内には多くの来街者が予想されており、交通渋滞や地域におけるごみの問題など、区民にとっても一定の負担が生じることが予想される中、この大会が地域の皆さんにとっても有意義な大会として理解され、愛着を持たれる工夫が、区としても必要ではないかと考えます。ぜひ都心区である有益性を生かし、区民や地域団体、全国の自治体への還元はもとより、港区の既存事業にもよい効果を発揮できるよう、港区を挙げて、来年の世界的イベントを有効に活用していただきたいと考えますが、区長のお考えを伺います。  次は、ナイトタイムエコノミーの取り組みについてです。  観光は、宿泊業、飲食業、各種関連サービス業、運輸業など、その効果が広く及ぶ裾野が広い産業です。国は、観光を成長戦略の柱、地方創生の切り札と位置づけて、さまざまな取り組みを進めています。日本を訪れる外国人旅行者は、平成二十三年の六百二十一万九千人から右肩上がりで、平成三十年は三千万人を超えて三千百十九万二千人となり、平成二十三年比で約五倍となっています。  国は、今後の訪日外国人旅行者数を二〇二〇年には四千万人、二〇三〇年には現在の二倍の六千万人を目標とし、目標の確実な達成に向けて、行動計画「観光ビジョン実現プログラム二〇一九」を策定して、さまざまな施策を展開する中、主要施策の一つにナイトタイムの活性化を挙げています。  訪日外国人旅行者は増加しているものの、旅行消費額は四・五兆円程度で、一人当たりの消費は十五万円程度でしかなく、伸び率が鈍化している状況です。そのような中、夜間の楽しみ方を拡充し、夜ならではの消費活動や魅力を創出することで経済効果を高めるナイトタイムエコノミーは、観光産業の新たな起爆剤として期待されています。  実際にナイトタイムエコノミーの推進に取り組んでいる海外の都市を見ると、ロンドンでは経済規模が約三・七兆円、雇用者数が七十二万三千人、ニューヨークでは経済規模が約二・一兆円、雇用者数が十九万六千人と、経済、雇用ともに非常に大きな結果を生んでおり、そのポテンシャルの高さがうかがえます。  また、東京都においても、平成三十年に東京に訪れた外国人観光客が千四百万人を超える中、二〇二〇年に向けてナイトライフ観光の推進を重点的な取り組みの一つに掲げています。東京都が平成三十年度に実施した、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、上海、ソウルに居住して、東京に訪れたことのある外国籍の方などを対象に実施した、平成三十年度東京のナイトライフ観光の実態調査・分析によると、都内の印象的なレジャー・エンタメスポットとして、東京タワーへの訪問者数が最も多く、観光客にとって港区にある東京タワーが東京のシンボルとして位置づけられているのは間違いないようです。  一方、ナイトライフの課題として「夜の過ごし方の提案」が最も多く挙げられており、コンテンツの選択肢がまだまだ少ないのではないかと考えています。新たなツアーや体験など、夜の時間を楽しむコンテンツをさらに充実させることが、区の観光振興をより強力に推進する上で必要なのではないでしょうか。  区では、今年度初めてナイトタイムエコノミーの推進に着手し、日本中が盛り上がり、多くの感動を与えてくれたラグビーワールドカップの開催期間中を中心に、MINATO NIGHT WEEK2019を実施しました。ナイトヨガ、ナイトバスツアー、ナイト舟運ツアーなど夜のイベントを集中的に開催し、この様子はテレビ番組でも取り上げられました。  観光がモノの消費からコトの消費へ移行し、実際に外国人旅行者の消費支出に占める娯楽等サービス費の割合も増加している中、今回、区が実施した取り組みは、夜間における新たな体験型のコンテンツ提供という観点からは、旅行者のニーズに即したものであったと思い、評価いたします。さらなるナイトライフエコノミーの充実を図るため、観光関係事業者をはじめ、多くの方々から意見やアイデアを伺う場をつくっていただきたいと思いますが、今回の事業結果も含め、区長のお考えをお聞かせください。  次は、保険者努力支援制度を踏まえた疾病予防・健康づくりの推進について伺います。  国民健康保険においては、平成二十八年度から保険者努力支援制度という医療費の適正化に向けた取り組み等に対する国からの財政支援が行われています。この保険者努力支援制度では、特定健康診査、特定保健指導、がん検診、歯科健診の受診率、メタボリックシンドロームの該当者やその予備軍の減少率、糖尿病等の重症化予防の実施状況などの指標に基づいて、そこから得られる得点に応じて、国から各自治体に支援金が交付されます。令和元年度は全国規模で一千億円程度の交付金となっており、令和二年度も同規模の交付金が予定されています。  国は、令和二年度以降、人生百年時代を迎えることを踏まえ、疾病予防や健康づくりに積極的に取り組んでいる自治体には手厚く交付金を配分するとともに、指標に定める実施率等が低下している自治体には交付金を減らすなど、配点割合や指標を見直すとしています。  保険者努力支援制度における指標や配点は、国が保険者となる各自治体に対し、疾病予防をはじめとしたさまざまな取り組むべき課題に優先順位をつけて示したとも言えます。国のこうした意図を意識し、保険者努力支援制度に定める指標の獲得をさらに意識しながら、積極的に疾病予防をはじめとした健康づくりの取り組みを進めていただきたいと思いますが、区長のお考えを伺います。  次は、マンション・エレベーター安全装置等設置助成事業の拡充について伺います。  区では、現在、エレベーター安全対策として、戸開走行保護装置「UCMP」の設置、地震時管制運転装置の設置、耐震措置を行う改修工事に対して助成金を交付しております。これらの事業の対象はマンションに限られておりますが、助成実績は、平成二十八年度の支援事業開始以降、年間四十から五十件と堅調に推移していると聞いています。今年度、令和元年度には支援事業を開始してから四年目となり、安全の意識が高まる中、事業を活用することにより多くの存在する既存不適格のエレベーターがいち早く解消されていくことを切に望みます。制度が浸透するにつれて、マンション以外の建物に拡充予定はないのかなど、関連するさまざまな問い合わせもあるそうです。  一方、国土交通省は、平成二十六年度からエレベーターの安全対策に関する助成制度について、要綱等により助成事業が整備されている地方公共団体に対して公費の補助、いわゆる間接補助を行っています。その条件は、UCMP、地震管制、耐震対策の全てを行わなければならないという条件が大変厳しい内容です。  しかし、今般、既存不適格であるエレベーターに対して、地震対策として、平成三十一年度から国費の補助限度額が引き上げられ、補助要件の緩和等が決定されました。国費補助要件となる対象建築物の用途は、バリアフリー法に規定する用途、飲食店、事務所、ホテル、病院等となっています。このような国の流れを受けて、区としても、現行の助成制度におけるマンションに対する助成に加え、国費を活用した新たな補助事業として、飲食店、事務所、ホテル等に対象を広げた新たなエレベーター助成事業を創設していっていただきたいと思いますが、区長のお考えを伺います。  次は、深刻化する災害発生への対応についてです。  九月の台風第十五号、十月の台風第十九号と台風が接近・上陸し、全国で大きな被害が発生しました。台風第十五号、台風第十九号においてお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。  港区においても、台風などの昨今深刻化する災害に備えることの重要性を改めて感じているのは、私たちの共通認識であると思います。そんな中、九月の台風第十五号の接近の際、港区は、自主避難施設を区内五カ所に、十月の台風第十九号の接近の際は、同様に自主避難施設を区内六カ所に開設しました。台風がより接近した際に、土砂災害の危険性が高くなったとする気象庁の警報が出されたことで、区は、警戒レベル三の避難準備・高齢者等避難開始を発令し、避難所を開設。このときは各地区のいきいきプラザを中心に区内十八カ所を開設しました。  今回の台風の経験から改めて思ったのは、台風が強まった際の防災行政無線の聞き取りにくさです。区は、防災行政無線の難聴対策として、防災ラジオの配布に取り組んでいますが、震災時だけでなく、今回の台風のような雨風で聞き取りにくい状況下で警戒情報を確実に伝えるためにも有効です。私も持っています。  また、避難所は、日頃から地震に備えて、小・中学校を拠点として、各地区の防災協議会の皆さんが避難所の運営に取り組んでいます。今回は小・中学校の避難所は開設しませんでしたが、今回の自主避難施設であった施設を避難所としたことは、既に自主避難されている方が同じ場所にとどまることができたこと、また、施設の運営面においても、施設に精通している職員がいてくださった点も避難された皆さんにとって心強く、よかったと考えています。今回の台風の経験を踏まえて、防災ラジオのさらなる普及について伺います。また、避難所の開設についての考え方も教えてください。  次は、三歳児健康診査における他覚的屈折検査機器の導入に向けた取り組み状況についてです。  最近では目の悪い子どもの割合が増えており、小学校で裸眼視力が一・〇以下の割合は、この三十年間で一・六倍に増えているそうで、眼鏡やコンタクトは子どもたちにとって必需品になりつつあります。  乳幼児期の目の発達は、生涯の目の機能に大きく影響すると言われており、視覚の異常や目の疾患を早期に発見することは、とても大切だと聞いており、健康診査で弱視の原因となる屈折異常や斜視が早くに見つかり、治療につながることは、保護者にとって大きな安心につながることだと思います。  これまで三歳児健康診査の眼科健診に他覚的屈折検査機器を導入することについては、議会でも議論が重ねられてきました。この検査機器は港区医師会でも購入していて、操作が簡単で、有効性が高いと聞いています。  そこで、三歳児健康診査の視力検査に他覚的屈折検査機器を導入することについて、ぜひ区でも早期に導入してほしいと考えますが、現在の進捗状況と来年度の実施の見込みについてお伺いします。  次は、(仮称)子ども食堂ネットワークの推進についてです。  区は、今年度から子どもの孤食の解消と保護者支援推進事業として、子ども食堂の取り組みを支援しています。港区版ふるさと納税制度の寄付充当事業に、ことしから「すべての子どもに居場所と学びの環境を整える」を追加し、子ども食堂を支援できる仕組みを整えるとともに、東京都の補助制度を活用した子ども食堂への補助を開始しています。  そうした中、ことし七月二十三日に開催した「港区の子ども食堂を考えるワークショップ」では、子ども食堂を運営している人、運営を考えている人、支援を希望している人など六十人が集まり、それぞれのニーズのマッチングに取り組みました。その結果、民間ビルを活用した子ども食堂やお寺を活用した子ども食堂の実現につながったと伺っています。  当日の参加者からは、情報共有できる新たなネットワークを求める声が上がったこともあり、先日十一月二十一日には、(仮称)港区子ども食堂ネットワーク設立に向けたワークショップが開催されました。子ども食堂を運営している人にとっては、よりよい運営をするための知識や支援、これから運営しようとしている人にとっては、子ども食堂の設立・運営のノウハウ、支援を希望する人にとっては支援のあり方など、それぞれの立場の人にとって必要な情報を得るネットワークはとても意義あるものと考えます。  子どもやその保護者が、栄養満点の食事の提供とコミュニケーションの場である子ども食堂に参加する機会を増やし、効果的な孤食の解消と保護者支援が実現できるよう、(仮称)港区子ども食堂ネットワークを積極的に推進してほしいと思いますが、区長のお考えを伺います。  次は、児童相談所設置にあたっての保護者支援プログラム充実について伺います。  先日、十一月十五日に、(仮称)港区子ども家庭総合支援センター開設に向けた区民向け講演会がありました。講師は理化学研究所の先生で、「脳科学から見る親子関係」というタイトルでした。養育者のかかわりが子どもの脳の発達と成長に与える影響について科学的に説明する内容で、とても興味深いものでした。  話されたことで印象に残ったのは、子どもの心の健康な発達にとって、養育者との安定した関係が必要であるということ。でも、母親になれば誰でも自然に育児ができるわけではなく、経験や学習による神経回路の成熟が必要であるということ。虐待は連鎖すると言われていますが、実は虐待を受けて育った子の大部分は自分の子には虐待を繰り返すことはないということ。そして、虐待を受けていた養育者は、自分がその経験により子どもに虐待をしてしまうのではないかというふうにいつも不安に思っているということ。子どもの虐待は養育者のSOSと捉えることができて、どんな親でも子どもにとっては特別な存在であって、虐待をすることで子どもにとっての親の存在意義というのは特に変わることはなく、養育者のSOSをどういうふうに拾ってあげるかというのがとても大切だということです。  そこで、虐待をしてしまっている養育者に対して、どうしたらたたかないでしつけができるのか。彼らは彼らで深い悩みを抱えていて、そのはざまで苦しんでいることが多いということも触れられていました。虐待が起きると養育者への責任追及がされますが、彼らこそ、より広い社会からのサポートが必要だと考えます。  都市部港区では、港区の特異な事情により極度のストレスを抱える養育者が多くなっています。先進的な欧米の取り組みを参考に、日本でも養育者向けの支援プログラムをもっと充実させる必要があり、親と子の双方のサポートをする社会的体制の強化が必要です。港区の児童相談所でもさまざまな研究成果に基づいた課題解決法をもっと取り入れて、親子支援プログラムの実施を進めていただきたいと思いますが、区長のお考えを伺います。  最後に、港区におけるキャリア教育のこれからについて伺います。  今までも述べてきたとおり、今日、社会のさまざまな領域において構造的な変化が進行しています。特に、生産年齢人口の減少、グローバル化、産業や経済の変容は、雇用体系の多様化・流動化にも直結し、急速な変化とともに予想困難な時代となっています。このような時代にあって、学校教育には、子どもたちがさまざまな変化に積極的に向き合い、他者と協働し、将来直面するであろう課題を解決する能力を育むことが重要な課題となっていると考えます。未来を担う子どもたちに社会的・職業的自立に必要な能力などを育成することが大切であると言えるのではないでしょうか。  このような中で、先般、笄小学校において二日間にわたり複数の企業を招き、キャリア教育イベントを実施し、保護者の方々からも高い評価と今後の取り組みについて高く関心がある旨を伺っています。こうした取り組みを小学校段階から行うことは、学ぶことと自分の将来とのつながりを見通せ、子どもたちが自分の可能性を引き出しながら、豊かな人生を実現することに効果的であると考えます。このようなキャリア教育に対する取り組みをさらに推進していっていただきたいと思いますが、教育長のご見解を伺います。  以上で私の代表質問を終わりとさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表してのゆうきくみこ議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、税制改正への対応についてのお尋ねです。  区はふるさと納税制度で今年度は四十三億円の減収と大きな影響を受けており、地域間の税収格差は国の責任で調整すべきなど、税制改正に対し特別区長会として十月に意見をまとめ主張しております。引き続き、二十三区一体となって、東京都とも連携し、東京の特別な需要に対する理解を求め、また東京と全国各地の均衡ある発展のためにも、地方税財源の充実を国に強く働きかけてまいります。  また、減収が区民サービスに影響を及ぼすことがないよう、税外収入の確保や施設更新経費の削減・平準化に取り組むなど、一層安定した財政運営を行ってまいります。  次に、オープンデータの活用推進についてのお尋ねです。
     区は現在、三百七十六種類までオープンデータの公開を拡大しており、実際に公開しているアプリにおいても、区内の幼稚園・保育園のデータや区の子育て関連施設の情報が利用されるなど、区民サービスの向上にも役立っております。  公開にあたっては、区の施設のデータをマップ等に容易に反映できるように、緯度や経度のデータも含めた公開や、アプリに利用しやすいよう、区のイベント情報一覧のデータ項目を統一するなどの工夫により、利便性を高めております。今後もオープンデータの公開と活用に積極的に取り組んでまいります。  次に、港区人材育成方針の検証・見直しの視点についてのお尋ねです。  職員の育成については、区の将来を見据えた、計画的かつ組織的な取り組みが重要です。今後、ICTの進展など社会が変化し、行政課題が複雑・多様化する中、区政を取り巻く環境の変化に迅速かつ的確に対応し、区民に寄り添ったきめ細かく質の高い行政サービスを提供できる職員が必要です。  今年度実施している「人材育成方針」の検証・見直しにおいては、人材育成に関して職員が感じている課題や区民から見た職員の変化などを把握するとともに、方針策定以降の社会環境の変化や法改正を的確に捉え、方針のさらなる充実に取り組んでまいります。  次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会期間中における効果的な区の取り組みについてのお尋ねです。  区は、区民とともに大会を盛り上げ、後世へのレガシーとして継承するため、大会期間中、コミュニティライブサイトなどの取り組みを推進します。事業の実施にあたっては、区民や地域団体、全国の自治体や各国大使館との連携を念頭に置き、五輪音頭を活用した盆踊りなど、魅力的なイベントを検討し、地域の新たなにぎわいの創出にもつなげてまいります。区は、世界的イベントである東京二〇二〇大会の開催を好機と捉え、スポーツ振興や観光振興、文化芸術振興など、各分野における取り組みを一層推進してまいります。  次に、ナイトタイムエコノミーの取り組みについてのお尋ねです。  ラグビーワールドカップ二〇一九開催期間中に実施した「MINATO NIGHT WEEK 2019」は、定員を大幅に上回る反響で、特に舟運ツアーは、申込数が定員の八倍を超える回があり、四十カ国の方からの申し込みがありました。参加者からは、「感動した」、「区を新しい目線で見ることができた」等、多くの好評の声をいただきました。今後は、観光客に対して夜の観光ニーズを把握する調査を実施するとともに、当初から計画しておりました、町会・自治会、商店会や観光関係事業者等の意見を伺う会議体を今年度中に設置し、安全・安心に配慮した夜の観光振興を推進してまいります。  次に、保険者努力支援制度を踏まえた疾病予防・健康づくりの推進についてのお尋ねです。  区は、平成三十年三月、特定健康診査の受診率などの保険者努力支援制度の指標を踏まえ、港区国民健康保険保健事業実施計画を策定し、健診受診率の向上や糖尿病の重症化予防などに取り組んでおります。平成三十年度には、新たな試みとして、健診未受診者等に対する携帯電話へのメッセージ配信による受診勧奨を開始したほか、現在、港区医師会と連携し、糖尿病の重症化予防に向けた保健指導の実施などについて検討しております。今後も、保険者努力支援制度の指標を踏まえ、被保険者の健康寿命の延伸や医療費の適正化に向け、取り組んでまいります。  次に、エレベーター安全装置等設置助成事業の拡充についてのお尋ねです。  区では、平成二十八年度から独自に、既存マンションのエレベーターに対して戸開走行保護装置の設置工事費を全額助成するなど、エレベーターの改修を促進し、安全性の向上に努めております。また、区民などからの問い合わせや、区で毎年行っているメーカーへのヒアリングにおいて、マンション以外の用途への制度拡充を望む声もいただいております。本年四月からの国の補助要件等の緩和を踏まえ、現在の助成制度について、さらなる区民の安全・安心な暮らしを支えるためにも、助成額及び対象となる建物用途をマンション以外にも拡充するよう検討してまいります。  次に、深刻化する災害発生への対応についてのお尋ねです。  まず、防災ラジオのさらなる普及についてです。台風第十九号の接近に伴う災害対策の教訓として、台風や豪雨の際には、平常時は問題なく聞こえる地域であっても、無線放送が聞き取りにくい状況となることから、防災ラジオが非常に有効な情報伝達手段となりました。今後、台風や豪雨時においても、区民の皆さんに確実に災害情報が行き渡るよう、防災ラジオの配布対象の見直しなど、情報伝達手段の充実について検討してまいります。  次に、避難所開設の考え方についてのお尋ねです。区は、台風第十九号の接近に伴う避難所の開設にあたり、高齢の避難者が多いことを想定し、災害時の避難所に指定している五十七施設のうち、身近な施設で、和室も備えたいきいきプラザを中心に十八施設を選定するとともに、速やかに開設するため、区職員及び指定管理者職員による運営といたしました。今後は、今回の対応における課題を検証するとともに、さらに大型の台風の接近や、早期の避難が定着し、避難者が増加した場合における小・中学校での避難所開設も想定し、風水害時の円滑な避難所の開設・運営について検討してまいります。  次に、三歳児健康診査における他覚的屈折検査機器の導入に向けた取り組み状況についてのお尋ねです。  他覚的屈折検査機器の活用は、三歳児健康診査の絵指標による簡便な検査を補い、弱視の傾向を早期に発見する上で非常に有効です。そのため、区は、検査機器の導入に向け、既存の部屋の転用による仮の検査室の確保、健診体制の見直し、区としての判断基準の調整などについて検討を重ね、このたび、実施に向けた一定の見通しを立てることができました。区は、来年度早期に、他覚的屈折検査機器を用いた検査を実施できるよう、引き続き準備を進めてまいります。  次に、(仮称)子ども食堂ネットワークの推進についてのお尋ねです。  区は、今年度から、子どもの孤食解消と保護者支援を推進するため、子ども食堂に対して運営費の助成を行っております。事業者や支援者等からは、子ども食堂の運営に関するノウハウやボランティアの仕方、食材や金銭などの支援方法のほか、子ども食堂の活動をより多くの人に理解してもらうための方策などの情報に関する要望が寄せられており、子ども食堂ネットワーク設立に向けて十一月二十一日に開催したワークショップでもさまざまなご意見をいただきました。区は、子ども食堂の関係者が集まり、情報交換や相互支援ができるネットワークの今年度中の設立を目指してまいります。  最後に、児童相談所設置における親子支援プログラムの実施についてのお尋ねです。  親子支援プログラムは、虐待やいじめ等によるトラウマを持つ子どもや、自身の生育歴、家族関係等に悩む保護者を対象に行う問題解決のための取り組みです。区が新たに設置する児童相談所においては、専門の医師や児童心理司が、保護者や子どもに対し、数カ月から一年以上かけて、個別面接やコミュニケーションの学習等を繰り返し行うことで、虐待の再発防止や親子関係の修復を目指してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの自民党議員団を代表してのゆうきくみこ議員のご質問にお答えいたします。  キャリア教育の推進についてのお尋ねです。  現在、各学校では、予測困難な時代にあっても、子どもたちがさまざまな課題に対応し、自らの勤労観や職業観を持って社会人として自立できる資質や能力を育成しております。このような中、笄小学校では、中学校での職業体験に先駆け、小学校段階から自らの役割や働くことへの理解を深めるため、企業等と連携し、社会や職業に関する体験をさせております。  今後も将来に向けて、子どもたち自身が自らの役割と社会とのかかわりを見出し、豊かな人生を送れるよう、各校に笄小学校をはじめとしたさまざまな取り組みを紹介するとともに、多様なキャリア教育が展開されるよう取り組んでまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 次に、十九番清家あい議員。   〔十九番(清家あい君)登壇、拍手〕 ○十九番(清家あい君) 令和元年第四回港区議会定例会にあたり、みなと政策会議を代表して、武井区長、青木教育長に質問をさせていただきます。  ことし四月に港区議会議員選挙があり、ここにいる新しいメンバー三十四人が選ばれ、半年がたちました。そして、令和元年となったことしも、もう終わろうとしています。  八年前に初めて港区議会議員選挙に出たときは、保育園や幼稚園の待機児童問題の真っただ中にいる当事者として、出産により人生をかけてきたキャリアを失う絶望感や、子どもの一生を左右する重要な乳幼児教育の環境を与えてあげられない苦しみなど、政治に人生を大きく狂わされていると言っても過言ではない、私たちの声を何とか届けたい一心でやっていました。あれから八年がたって、ことし四月に、ついに港区の保育園待機児童ゼロが実現しました。現場で奮闘してくださった課長をはじめ職員の方々には感謝しかありませんが、八年もかかったのかと思うと、やるせない気持ちにもなります。  政策実現の一分一秒のおくれで、どれだけの親子の人生が狂わされ、どれだけの親子が傷ついただろうと、たくさんの悲嘆に暮れた顔や涙、投げかけられた憤りの言葉が脳裏をよぎります。そして、日本の危機の分岐点にあったにもかかわらず、対策は余りにも遅過ぎました。「ニッポン一億総活躍プラン」として国が人口一億人を維持するために掲げた、二〇二五年度までに希望出生率を一・八にするという目標は、現状では絶望的となっています。二〇一八年の出生率は一・四二で、三年連続の低下。出産適齢期の女性が激減していくため、日本の出生数は、推計より二年早く九十万人を割る見通しであることが報道されています。今後、日本の少子高齢化と人口減少が加速度的に進んでいくことが確実となっています。  行政はスピーディーに対応することが難しい組織なのだから、もう少し東京一極集中の加速化や、団塊ジュニアの駆け込み出産、潜在的保育需要の高さなど、先の状況を見通して少子化対策の計画を早目に立てていってくれたらと、リスクをとって思い切った政策を打ち出してくれていたらと今でも考えてしまいます。政治は想像力なのだと思います。  これから日本社会は急激に高齢化していきます。現在、日本の高齢化率、つまり、六十五歳以上の高齢者が人口全体に占める割合は二八・一%で、既に世界一ですが、これからも二〇六〇年に向けてトップを走り続け、高齢化率は二〇六五年には三八・四%まで上昇すると予測されています。特に、これから六十五歳以上の高齢者が急増していくのは東京などの首都圏で、二〇一〇年から二〇四〇年にかけての三十年間で、東京だけでも百四十四万人増加する予測となっており、港区でも二〇三〇年までの十年で八千人以上増える予測です。  日本社会に重くのしかかる社会保障の不安と、政府の膨大な債務に対する不安が根強く存在することが、日本経済の活力を失わせている大きな要因とも指摘されています。きのうも国際通貨基金、IMFが医療や介護で増える日本の社会保障費を賄うため、日本の消費税を二〇三〇年までに一五%に上げる必要があるとした報告書を公表し、大きなニュースになっていました。将来世代に大きな借金を背負わせ、財政規律は緩みっ放しで、問題から目をそらし続ける日本社会に厳しい現実が突きつけられていると思います。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで、あと一年を切りました。オリンピック・パラリンピック開催後に予測される日本経済の失速、成長なき社会への突入、加速度的に進む人口減少社会への対応をどうしていくのか。高度経済成長期の成長と拡大という成功体験から脱却し、持続可能な福祉社会をどのようにして築いていくのか。日本の富裕層や若い世代が集中する港区が現実から目を背けずに将来を見通し、リスクをとって思い切った未来へ投資していく必要がある。そして、日本をリードしていく必要があると考えています。  質問に入ります。  区の将来に向けた課題と戦略についてです。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会開催まで、あと二百四十日となり、東京二〇二〇大会後の日本経済や日本社会に行方についての考察がされるようになってきています。見えないアベノミクスの出口、都心部の不動産価格の下落、景気後退、成長なき社会、加速度的に進む人口減少社会の可能性など、シビアな見通しが多い中、東京都もことしの末に東京二〇二〇大会後の東京の目標となる具体的な姿を描くため、東京都の成長と成熟をテーマとした長期計画の策定に着手し、政策目標と具体的な政策を戦略ビジョンとして示すとしています。  港区も、ことし七月に公表した令和二年度予算編成方針の中で、将来課題を先取りした迅速かつ積極的・戦略的な政策の立案、実施が必要と述べられていますが、区の将来に向けた課題をどのように捉え、どのような戦略を構想しているのか伺います。  次に、予算編成過程の公開についてです。  令和二年度予算は、「人がときめき、まちが輝く、区民の笑顔が未来に広がる予算」というタイトルになっています。港区基本計画の最終年度として、港区ならではの地域共生社会の実現に向けた取り組みを実施するため、計画計上事業の着実な実施が掲げられているのが今回の予算の特徴かと思います。  また、港区では、昨年度から、予算編成過程の公開に取り組んでいますが、私たちみなと政策会議としては、目黒区が実施しているように、全ての部署の詳細な予算要求の公開、それに対する査定の根拠の公開など、公開する以上は徹底して公開しなければ、逆に区民の不信感を生むという考えから改善を求めてきました。区政の透明性の確保という観点からも非常に重要なことだと考えています。  また、事務事業評価についても、新規事業を増やす分、既存事業を整理統合して廃止の見直しをしていくことを明確な目標とすべきということ、また、目黒区同様、予算編成過程の公開の中に事務事業評価を位置づけ、予算要求の根拠のための評価とすることなどを提案してきました。改めて予算編成過程の公開の内容について伺います。  次に、積極的に土地を購入することについてです。  港区の平成三十年度決算では、一般会計が約千五百億円規模であるのに対し、約千六百億円の基金残高がありました。基金の大きな部分を占めているのは、二〇二二年度末までに一千億円の積み立てを目標としている震災復興基金です。この震災復興基金の用途を決めることや、基金の運用方法である預金などの利回りが非常に悪い中で基金としてお金を持っておくより、積極的に未来に投資していくべきということをこれまでも主張してきました。  また、過去十年、子ども人口が急激に増加する中で、逼迫するニーズに応えるために、地価の高い港区では園庭のない保育園をたくさんつくってきました。そのため、公園が複数の保育園の子どもたちで込み合ってしまうことがしばしば問題になっています。また、学校の校庭や球技場など区有施設はどこもいっぱいで、新規の団体が利用申し込みをしても、ほとんど断られる状態です。子どもたちの遊び場、区民の運動する場所は圧倒的に不足しています。  同時に、小学生人口が今後十年で一・五倍に増える予測がある中で、既にパンク寸前の小学校が複数あり、小学校増設のための土地確保が喫緊の課題があることは明白なように思います。そうしたことを踏まえて、区として積極的に土地を購入していくべきと考えますが、現状では、港区財産価格審議会による評価で価格が決定しており、政策的事情を考慮した価格の設定はできないと聞いています。そのため、民間の土地を購入できなかったり、公有地の払い下げで民間に勝てなかったりしています。実際、先日、芝公園駅の駐輪場建設用地として購入を希望していた国有地の入札が不調に終わっています。  また、小学校用地の取得を考えた場合、価格にこだわる以上に、場所とタイミングが重要な場合もあります。今後、こうした状況を踏まえて、区は、これまで以上に積極的な姿勢で土地の先行取得に取り組んでもらいたいと思いますが、区の見解をお伺いします。  次に、港区子ども・子育て支援事業計画(素案)についてです。  まず、今後の保育園の増設と認定こども園の整備についてお伺いします。ことし四月時点で保育園の待機児童がゼロになりましたが、今後も女性の就労率の上昇や子ども人口の増加が見込まれることなどから、保育園の増設にはこれまでどおり取り組んでいかないといけないと思います。一方で、港区の人口推計よりも、実際のゼロ歳児の人口は減少傾向にあると思います。ここ数年は三千人を下回っています。  全国的に出産できる女性の母体数が激減し続ける局面に入っていますが、港区の人口推計では、今後も出産期の女性がこれまでと同じペースで増え続ける前提になっているためで、人口推計ほど港区の未就学児の人口が増えるかは疑問です。今後の保育園の増設にあたっては、これまで以上に園庭のない保育園に対する遊び場提供の支援など、保育の質の向上のほうに目を配りながら進めていくべきではないかと考えます。  また、幼稚園の需要率が年一%以上減少しているのは、母親の就労率が上がっているため、保育時間の短い幼稚園というものが保護者ニーズに合わなくなっていることをあらわしていると思います。また、これから建設する赤羽幼稚園に、認定こども園に転用するときのための調理室を事前につくっておかなくていいのかということが大変気になります。幼稚園に保育園並みの保育サポートをつけて認定こども園化することが必要だと考えます。それによって働く母親たちの幼稚園希望が増えて、専業主婦の人たちが押し出されてしまっても、保育園のほうにも幼稚園枠をつけて認定こども園化していけば、行き先を確保することができます。そうすれば、母親の就労形態にかかわらず、施設の選択肢が増え、マッチングの効率もよくなり、保育全体の質の底上げにもつながると思います。  今のまま幼稚園と保育園が別々で増設計画を立てていると、人気の施設に応募が集中する今の状況が変わらないので、利用者側にとっては、保育園の入りやすさの改善にはなかなかつながりません。また、母親たちの働き方も専業主婦とフルタイムワーカーの二種類にきっちり分かれているわけではなく、ほとんどがその間をグラデーションで存在しているので、幼稚園と保育園の垣根をなくしたほうが多くの人にとって使いやすいグランドデザインになると思います。今後の保育園の増設と認定こども園の整備について伺います。  次に、ファミリーサポートについてです。社会福祉法人港区社会福祉協議会による育児サポート子むすびや子育てひろば「あい・ぽーと」による派遣型一時保育事業は、どちらも需要過多で供給が追いついていない状態が長年続いていると思います。なので、実際に利用できた量から今後の必要量を見積もっても、正確な需給バランスが把握できているかは疑問です。「保育園に通いながら習い事への送迎をお願いしたい」、「幼稚園に通っているけど保育時間が短いので、無認可保育園に入れていってほしい」、「発達障害があるけれど小学校の普通級に通っていて、子ども一人で通わせるのが不安なので送迎を手伝ってほしい」など、実際の区のサービスの不足部分を補う役割をしていると思います。核家族で頼れる親族サポートがない世帯が多い港区では、特にニーズが高い事業です。  また、高齢者の社会的孤立や母親一人による孤独な子育てが大きな課題となる中、多世代交流を進め、コミュニティの形成を促していくためにも一層の活性化が望まれる事業だと思います。一度、需給のミスマッチについてなど正確な実態を把握した上で、全国で多世代間の子育てシェア事業を推進しているアズママなど、ICTを活用したマッチングサービスを行っている事業者と連携するなどして、利用者目線での事業全体の改善を目指してほしいと思いますが、区の見解をお伺いします。  次に、学童クラブについてです。学童クラブ全体の質の向上が喫緊の課題だと思っています。港区子ども・子育て支援事業計画(素案)の中で、学童クラブの職員の質の向上や先進的なプログラムを積極的に取り入れることなどが計画に加えられているので、期待しています。  共働き率が上昇し、子どもが放課後の時間を持て余してしまうことで非行が増え、社会問題化したため、アメリカでは、放課後の学校内でさまざまなアクティビティを展開し、子どもたちが自由にいろいろなプログラムを経験できるよう整備したということです。  また、先日、笄小学校の保護者向け講演会で、ベネズエラ大使夫人がベネズエラの音楽教育「エル・システマ」という、子どもたちにオーケストラの楽器を無料で貸し出し、子ども同士で教え合ってすばらしいオーケストラ演奏を実現している教育についてのお話をされていました。講演会の後、こうした音楽教育を港区の放課後活動にも導入できないものかということが話題に上がりました。  港区の区立小学校では、部活が五・六年生を対象に月に一回ぐらいしか行われないところが多いようです。区のアンケート調査では、港区の子どもたちの放課後の居場所は習い事が一番多く、次いで学童クラブや自宅となっていますが、経済的に厳しい家庭でも習い事のかわりになるような学童クラブのプログラムがあるとよいと思います。また、年間トータルすると、学童クラブは成長期にある子どもたちが膨大な時間を過ごす場所になるので、全体の質の向上に取り組んでほしいです。区の見解についてお伺いします。  次に、児童発達支援センターの相談の充実についてです。児童発達支援センターの相談機能は、区が直営で持つべきだと長年主張してきました。来年四月に新しく開設する南麻布四丁目福祉施設の中に移行しますが、相談事業もやはり指定管理事業となり、指定管理者もこれまでと同じ事業者が継続することになりました。  現在、港区の障害児支援の最大の課題は、保護者が必要な情報を得ることができないところだろうと考えています。特に、港区子ども・子育て支援事業計画(素案)の中でも掲載されていますが、幼少期からの就学相談の部分が不足しているという課題が大きいと思います。  事業者には、区民からの相談を受けて、必要な情報を集約し、ICTを活用しながら情報発信していくこと、区の政策に反映させていくこと、ほかの区の部署や区有施設、民間施設につないでいくことなどが求められていると思います。その部分は、本来区がやっていかなければいけない部分だと思うのですが、区はどのように関与し、課題を改善していくのか、見解をお伺いします。  次に、産後ケアについてです。妊産婦の約一割が産後うつになることが近年の調査でわかっています。また、区のアンケート調査の結果で、港区では二割近い人が子育ての孤独を感じていることもわかっています。産後うつの状態のときに適切な介入や援助がない場合、愛着障害や児童虐待につながっていきます。  これまで区では、要支援の妊産婦に対するショートステイサービスなどの拡充を中心に進めてきましたが、今回、港区子ども・子育て支援事業計画(素案)に上がっているように、そこまでいく前の一般妊産婦に対しても、もっと手厚い産後ケアが提供されるべきだと考えます。希望があれば、ショートステイを区民価格で利用できるようにするなどの措置も必要です。児童虐待防止に力を入れるなら、一般の妊産婦を対象とした産後ケアの充実に力を入れていくべきだと考えます。区の見解をお伺いします。  次に、離婚後の子どもの権利を守る支援策についてです。離婚後の子どもの権利を守るための経済的支援や面会交流の推進などが港区子ども・子育て支援事業計画(素案)に掲載されており、大変期待しております。北欧などでは、離婚後の養育費を国が立て替えて支払い、徴収も国が代行して行っています。日本では養育費の支払いの取り決めや面会の約束がきちんとなされず、ひとり親家庭で困窮してしまうケースや、一方的に子どもを連れ去られ面会できなくなってしまうケースが社会問題となっています。  兵庫県明石市が自治体として初めてこうした制度を実施するということで全国的な注目を集め、この取り組みは大阪市をはじめ全国的に広がってきています。港区議会保健福祉常任委員会でも実際に兵庫県明石市に視察に行き、私たちも会派として、こうした制度の確立を強く要望してきました。こうした養育費の立て替えや面会交流の支援など、子どもの権利が守られるように、行政がサポートする事業展開を強く望みますが、区の考えをお伺いします。  次に、プレーパークの常設化についてです。港区のプレーパーク事業を運営しているNPO法人みなと外遊びの会が、二〇一四年に住民団体として発足してから六年がたち、法人化して二年がたちました。二〇一〇年に港区がつくった「子どものあそび場づくり20の提言」は本当にすばらしく、渋谷区の「渋谷はるのおがわプレーパーク」のようなプレーパークの常設化が港区でも実現できることを待ち望んできました。  現在、高輪森の公園と港南三丁目遊び場で、定期的にプレーパークやあそびのきちが実施されています。港区の協働事業の象徴でもあるチャレンジコミュニティ大学の卒業生たちの協力も得て、子育て世代の親たちと一緒にみなと外遊びの会が常設化に向けて活動に意欲を示しているこの機会を、行政としても、ぜひ力強くサポートし、港区の協働事業を成功させてほしいと願っています。プレーパークの常設化について、区の見解についてお伺いします。  次に、教育についてです。  世界に羽ばたく人材の育成についてです。先日、区民文教常任委員会で軽井沢町の全寮制インターナショナルスクール、UWCアイザックジャパンの視察に行ってきました。世界中のさまざまな国籍、貧富の差、宗教や文化の違いのある生徒たちが一緒に生活しながら、さまざまな対立を乗り越える方法を学び、新しいリーダーを育成していくことを目指している学校です。国際バカロレア認定校でありながら、日本の学校教育法の一条校でもあり、生徒の七割が奨学金で通っていて、軽井沢町のふるさと納税で年間三億円の資金を集めているという、いろいろな意味で新しい時代の学校でした。軽井沢町の町立の小・中学校との交流も盛んで、UWCアイザックジャパンの生徒たちが町の行事や学校の授業に参加するなどしていて、地元にも大変喜ばれていました。  港区は、外国人が一割弱となっており、大使館や外資系企業の駐在員のためのインターナショナルスクールをはじめとした教育環境の充実は、東京を国際都市として発展させていくために非常に重要な課題だと考えています。また、多くの保護者が子どもたちを世界に羽ばたく人材に育成したいと考える教育熱心な土地柄であり、区立の学校に行かず、インターナショナルスクールに通わせる家庭も年々増えているように思います。  こうした中、港区では、国際学級や日本語学級を独自に設置するなど国際化に対応した教育を進めてきましたが、実際にニーズが高いのは、公立の国際バカロレア校であったり、区内に多数あるインターナショナルスクールとの連携や交流などではないかと思います。  また、区立小・中学生を対象としたオーストラリア派遣事業を行っていますが、それだけでなく、渋谷区が行っているように国際交流などいろいろな形での留学支援を行ってほしいと思います。世界に羽ばたく人材を育成するためにどのようにしていくか、教育長の見解をお伺いします。  また、渋谷区では、海外の教育プログラムを学ぶために職員の海外視察を積極的に推進しているということです。世界一と言われるカナダのインクルーシブ教育など、港区でもぜひ実際に視察に行き、港区の教育に反映していただきたいと願っています。これは要望です。  次に、不登校の児童・生徒への支援についてです。  平成三十年度の不登校調査によると、港区の小学校で四十六人、中学校で七十五人となっています。不登校の子どもに対しては、学校以外で学ぶ場を積極的に提供していくべきと考えます。新教育センターに移行するつばさ教室の充実はもちろん、フリースクールなどのオルタナティブスクール、N高等学校のような通信制の学校、民間施設など幅広い選択肢を用意し、情報提供してあげてほしいと思います。不登校の児童・生徒への支援について、教育長の考えを伺います。  また、榎本あゆみ議員がこれまで要望しているように、授業のライブ中継を実施していただきたいと思います。これは要望です。  次に、いじめや学級崩壊対策についてです。  昨年の子どもサミットで、子どもたちが「いじめをなくしてほしい」と切実に訴えていた姿が忘れられません。実際、区内の小学生や保護者たちから学校のいじめや学級崩壊について相談され、もっといろいろな大人に授業に入ってほしいと言われることもあります。  平成三十年度のいじめ調査によると、区内の小学校で四十二件、中学校で二十一件となっています。指導員や学生サポーター、地域のボランティアなど、さまざまな第三者に授業に入ってもらうことは非常に効果的だと考えますが、そうした人材を校長が独自に見つけられないと、いくら現場の児童や保護者たちが望んでも実現しないという現実があります。教育委員会として、いじめや学級崩壊対策のため、ぜひそうした人材をストックしておく方法を考えてほしいと思いますが、教育長の考えを伺います。  次に、まちなかのベンチの設置についてです。  高齢化が急速に進む中で、高齢者の健康や幸福を考えたときに、ヨーロッパのまちづくりに見られるような自動車が来ない散歩できる中心市街地や、まちなかでコミュニティが生まれるようなまちづくりの考え方は非常に重要だと考えます。私たちの会派でも、渋谷区の初台で実現しているような二十四時間安全・安心で快適に散歩ができる歩道、初台ヘルシーロードのようなものを、港区でもつくることを横尾議員が長年提案しているほか、なかまえ議員などがベンチのあるまちづくりを提唱しています。  都心港区でも高齢化は今後一気に加速していきます。港区は、果たして高齢者に優しいまちなのだろうかと思います。持続可能な福祉社会というものを考えたときに、今のような生産者目線のまちづくりは高度成長期のものであり、まちづくりの発想を大きく転換していかなければならないのではないかと思います。まちなかのベンチの設置について、区の見解をお伺いします。  次に、台風第十九号の際の防災上の課題についてです。  先月、台風第十九号の被害を受けて、私たちの会派では二十七項目にわたる緊急提言をまとめ、区長に提出しました。各議員が区民から受けた改善要望や、深刻な被害を受けた千葉県などを視察に行って得た知見などをもとにまとめたものです。緊急提言の中で、私たちが大きな課題と感じたのは、やはり情報提供のあり方で、区ホームページが見づらく、わかりづらかったこと。特に、多言語情報が一気にページに載ってくることや、ページのリンクが張られていないこと。避難所情報や河川氾濫情報のリアルタイムの情報が知りたかったなどの声がありました。  また、避難所のあり方についてもさまざまな声が寄せられました。ケーブルテレビで港区の避難所を案内する際に、「港区在住の方のみの利用」とテロップが流れたことが、緊急時にひどい対応だとツイッターなどで拡散されていました。台東区ではホームレスの方を断ったことが社会問題のようにメディアに取り上げられました。  実際、港区では、認知症や障がいがあって暴れてしまったりして共同生活が難しい方々は、どこに避難すればよいかわからず困り果てていました。そうした方々に対する対応も事前に決めて伝えておくべきだと思います。そのほか、避難所の質の向上やペット同行避難が可能な避難所の設置と訓練の必要性、ハザードマップの見方のわかりやすい説明、がけ・擁壁改修工事支援事業の宗教法人への対象拡大や補助拡充などを要望しました。港区として、台風第十九号の被害を受けて、どういう課題を認識し、今後どのように改善していくつもりか見解をお伺いします。  次に、芝五丁目複合施設の活用可能床の見直しについてお伺いします。  芝五丁目複合施設の活用可能床が二フロア、約千五百平方メートル予定されていますが、港区の地価を考えれば、民間に貸し付けて収益を得るより、あふれる行政需要の受け皿として活用するほうが、それをほかの民間の土地に求めたりするよりも合理的だと思います。まだまだ人口増に伴い、必要な行政需要があるのだから、そちらに活用するべきで、民間に貸し付ける余裕があるのだろうかと疑問に思います。  上層階に(仮称)港区産業振興センターができるので、産後女性のセカンドキャリア支援の面からも、保育園があれば強力な支援になると考えます。また、このエリアでは区立幼稚園の不足の声が寄せられています。認定こども園があれば、本当に多くの区民が助かると思います。また、保育園ができても、一度退職した女性や起業した女性の場合、点数が低くて入りにくかったりするので、そうしたケースも考えて、(仮称)港区産業振興センターのコワーキングスペースに子どもを預かるスペースが併設されていたりすると大変助かります。民間のコワーキングスペースでは、こういう形態に補助金が入らないため、採算がとれずに閉鎖されてしまうケースが後を絶ちません。ぜひ考慮をいただきたいです。  活用可能床については、まだ公募も始まっていないので、いま一度用途について再検討していただきたいです。見解をお伺いします。  次に、みなと保健所に動物愛護課を創設することについてです。  犬や猫の相談が総合支所に多数寄せられるようになっています。平成三十年度は犬六十五件、猫百九十件の相談が寄せられています。また、区内のペットの数も年々増えています。ペット可のマンションも増え、三十年度末で犬が一万千七十六頭登録されています。  総合支所の協働推進課で地域猫の問題などには非常に丁寧に対応していただいていますが、やはり保護や里親探し、シェルター支援などは、支援部で行わなければ進まず、それはみなと保健所になります。しかし、現状ではみなと保健所にそうしたことを積極的に進めていく機能が不足しており、獣医などを採用して動物愛護課を創設し、こうした根本的な地域猫の問題などに対応していただきたいと考えますが、見解をお伺いします。  次に、東京二〇二〇大会における高輪ゲートウェイ駅前用地を活用した区の取り組みについてです。
     来年、JR山手線高輪ゲートウェイ駅が暫定開業する予定です。駅前の広場を活用して、東京都が二〇二〇ライブサイトを開設し、東京二〇二〇大会のパブリックビューイングなどを行うと聞いています。国内外から多数の乗降客が見込まれ、注目度の高い新駅のこの駅前広場を、区のイベントなど積極的に活用させていただくことで、観光施策をはじめ、区の各種事業の盛り上げにつなげるべきです。港区としても、こうした場所を活用し、東京二〇二〇大会を盛り上げ、にぎわいを創出することを検討すべきと考えますが、見解をお伺いします。  次に、ナイトライフ観光に対する区独自の助成制度についての要望です。  ロンドンやニューヨークに比べて夜間観光、いわゆるナイトライフの充実度が低いとされている東京ですが、東京二〇二〇大会に向けて、東京の夜のまちの活性化と観光資源化を目指して、さまざまな動きが始まっています。東京都は、ことしの夏にナイトライフ観光振興助成金として、ナイトライフイベントの通年計画などに最大一億円を支援する助成金制度を開始しました。応募の際に自治体の推薦が必要とのことで、港区の推薦を受けた団体も応募しましたが、採択された八事業の中に、残念ながら港区の団体はありませんでした。しかし、多くの外国人観光客が訪れるクラブやバーがひしめく港区の六本木や西麻布といったエリアは、間違いなく東京都のナイトライフの一翼を担うエリアだと思います。  そうしたクラブからSDGsを目指した事業計画というものが出され、ホールがあいているオープン前の夕方の時間を使って、例えば車椅子などの障害のある方々などがクラブ体験できるイベントを実施するなどのプロジェクトの提案もありました。そのためにクラブ空間をバリアフリーにするなどの費用の支援を求めていました。すばらしい提案だと思いましたし、実現したら本当にすてきなことだと思いました。東京都の助成金いかんにかかわらず、区としても何かこうした港区のナイトライフを盛り上げようとしている事業者の支援を積極的にしていただきたいと思っています。これは要望です。  最後に、羽田空港新飛行ルートに関する区独自の調査についてお伺いします。  羽田空港新飛行ルートに関して、前回の第三回港区議会定例会で、港区議会として、ルートの固定化に反対する意見書を提出しました。港区としても、新ルートを容認したわけではないと明言されています。  先日、国は、十一月十八日からスタートする第6フェーズの住民説明会について予定を公表し、配布資料についてもプレスリリースを行っています。その中で、飛行経路下の不動産価格への影響について、成田、伊丹、福岡の三空港を対象に調査を行っていますが、飛行経路が地価の下落につながることを示す因果関係を見出すことはできなかったと結論づけています。しかし、港区などの都心とは、また状況が違うと思います。  区民の不安とは反対の調査結果が出ているわけですが、こうしたケースについては、港区も区民の安全・安心を守る義務のある基礎自治体として、区も独自で調査を行って検証するべきではないかと考えますが、見解をお伺いします。  質問は以上です。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての清家あい議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、区の将来に向けた課題と戦略についてのお尋ねです。  港区の人口は、子どもから高齢者まであらゆる世代で増加し続けるとともに、各地域の開発により就業者が増えるなど、まちの姿は変貌しており、子ども、高齢者、障害者など全ての区民が安全・安心に暮らせる社会を実現していく必要があります。  区は、区民生活をより豊かなものとしていくために、5Gの活用やSDGsへの取り組みとともに、全国自治体や、また、地域の財産とも言えます企業や団体との連携を進め、地域の発展、日本全体の発展に寄与してまいります。  次に、予算編成過程の公開の内容についてのお尋ねです。  区は、区民の区政への理解、関心を高め、参画と協働を一層推進するため、令和元年度当初予算から編成過程を公開しております。令和二年度当初予算編成からは、新規事業及びレベルアップ事業の要求事業概要書を公開いたします。具体的には、本年十二月に、要求事業の内容や区民ニーズ、実施により得られる成果、経費の内訳などの各部門の要求の考え方を公開いたします。令和二年二月には、要求事項の効果・効率性や財政負担、事務事業評価結果などを踏まえた予算計上の考え方を明らかにし、これまで以上に詳細でわかりやすい予算編成過程の公開を行ってまいります。  次に、将来の需要を見据えた積極的な土地の取得についてのお尋ねです。  ご質問にもありますように、私も区有地の積極的な取得は、都心区・港区で大変重要な課題と考えております。公共施設整備に適した用地を取得するための専管組織を、私、就任直後、平成十七年度に立ち上げまして、昨年度までに三十四件、合計約八万八千平方メートルの用地、額にしておよそ一千四百億円になりますが、取得し、区民サービスに活用しているところです。  区が土地を取得する際は、公金の適正な使用や、実態と離れた土地価格の高騰を招くことがないように留意しながら、港区財産価格審議会において、公示価格や類似した土地の取引価格などに基づき、適正な価格の評定をしております。今後も、国公有地や民有地を問わず、施設需要に適した用地の情報収集を積極的に行い、公共用地買収基金の活用や土地の先行取得も含め、機会を逃さぬよう戦略的な用地取得に取り組んでまいります。  次に、港区子ども・子育て支援事業計画(素案)についてのお尋ねです。  まず、今後の保育園の増設と認定こども園の整備についてです。区の就学前人口は、今後も増加が見込まれていることから、引き続き保育定員の拡大に努め、あわせて認定こども園をはじめとする区民の多様な保育ニーズにも的確に応えていく必要があると考えております。保護者がより多様な教育・保育施設の中から選択できるよう、教育委員会も含めた庁内横断的な検討組織を設け、認定こども園についての検討を進めてまいります。  次に、育児サポート子むすびなど子育て支援事業の充実についてのお尋ねです。港区子ども・子育て支援事業計画(素案)における子育て支援事業の需要については、これまでの利用実績に基づき算出しております。多様化する利用者のニーズに的確に対応するために、利用者への聞き取り等を実施し、詳細な実態を把握するとともに、民間事業者の活用についても、事業の実施状況を見ながら検討してまいります。区は、今後も、全ての子育て家庭が幅広く支援を受けることができるよう取り組んでまいります。  次に、学童クラブの質の向上についてのお尋ねです。学童クラブでは、放課後の適切な遊びと生活の場を提供し、児童の健やかな育ちを支援するため、職員の指導力向上やプログラムの充実に努めております。子どもの育成支援に関する研修を実施し、職員の育成を図るとともに、地域の方々や大学などの協力による茶道や華道、科学実験などの体験事業を実施しています。今年度は、交響楽団や金融機関と共催で「こどものための音楽会」を開催するなど、新たなプログラムも積極的に取り入れております。今後も、施設ごとの特色を生かし、地域の皆さんの協力をいただきながら、学童クラブの質の向上に努めてまいります。  次に、児童発達支援センターの相談の充実についてのお尋ねです。区は、令和二年四月に開設する区立児童発達支援センターにおいて、出生後の早い時期から、指定管理者の高い専門性や知見を活用し、子どもの療育に精通した心理士や理学療法士などによる発達相談を行います。  さらに今後、区としては、特別な支援が必要な子どもが、成長に応じて切れ目なくきめ細かな支援を適切に受けることができるよう、学校や保育園等との連携を深め、さらなる支援の充実を図ってまいります。また、幼少期からの発達に必要な情報を総合的に集約するとともに、ICTを活用した効果的な情報発信の方法について検討してまいります。  次に、一般の妊産婦を対象とした産後ケアの充実についてのお尋ねです。これまで、区では、出産直後から自宅で安心して子どもを育める環境を整備するため、自宅訪問型サービスや日中の居場所の提供、各種育児相談事業等の施策を展開してまいりました。今後も引き続き、これらの施策を充実させるとともに、夜間安心してゆっくり身体を休めたいなど、希望する方がご利用できる宿泊型の産後母子ショートステイの実施について検討してまいります。  次に、離婚の子どもの権利を守る支援策についてのお尋ねです。現在、区では、離婚後の子どもの権利を守る取り組みとして、家庭相談員による離婚に関する相談支援や、面会交流と養育費の取り決めを促すパンフレットの配布などを行っております。離婚時に取り組めた養育費の確実な履行や、子どもの心理的安定に配慮した面会交流の機会を確保することは、離婚による子どもの負担を軽減するためには必要不可欠です。  区は、兵庫県明石市で取り組んでいる民間を活用した養育費履行確保の取り組みや面会交流の支援、弁護士相談などを参考に、区としても同様の仕組みを構築し、早期の事業化を目指してまいります。  次に、プレーパークの常設化についてのお尋ねです。区は、平成二十三年三月に「プレーパークの基本的考え方について」を策定し、住民組織による常設プレーパークの運営を目標として定めました。平成二十三年度には、区の主催で年四回開催し、平成二十六年度には、みなと外遊びの会が、高輪及び芝浦港南地区で、年八回開催しました。同会は、現在はNPO法人化され、区と基本協定を締結し、区の支援を得ながら運営しており、開催数も増え、今年度は五十回となり、おおむね毎週いずれかの公園で開催しています。引き続き、平日開催の拡充等、プレーパークの常設化に向けて、人材育成・財政等の支援、指定管理者による支援等、みなと外遊びの会の支援に取り組んでまいります。  次に、まちなかのベンチの設置についてのお尋ねです。  区は、高齢者等にとって、快適に楽しく歩ける環境整備の取り組みとして、坂道の途中や、休憩スペースが確保できる場所にベンチを設置してきました。これまで、桑原坂などの坂道の五カ所と、竹芝橋付近など、まちなかの歩道の四カ所にベンチを設置いたしました。今後も、地域の皆さんのご理解を得ながら、高齢者にやさしいまちづくりを目指して、まちなかのベンチの設置に取り組んでまいります。  次に、台風第十九号の際の防災上の課題についてのお尋ねです。  区は、台風第十九号の接近に際し、警戒レベル四の避難勧告等を発令し、十八カ所に避難所を開設するなどの災害対策を実施しました。今回の台風においては、台風や豪雨時における確実でわかりやすい災害情報の提供、多数の避難者が発生した場合の避難所の開設・運営、崖・擁壁等の安全対策の強化、内水氾濫も想定した浸水対策、倒木による被害を最小限に抑えるための日頃の維持管理など、さまざまな課題が明らかとなりました。今後、全庁を挙げてこれらの課題解決に取り組み、風水害対策の強化に努めてまいります。  次に、芝五丁目複合施設の活用可能床の見直しについてのお尋ねです。  芝五丁目複合施設では、(仮称)港区産業振興センターと図書館のほか、民間の力を活用し、地域のにぎわいや複合施設ならではの相乗効果を目指し活用可能床を整備します。周辺地域では、港区政策創造研究所が行った「港区における区民の消費に関する調査」の結果などから、生鮮食品及び飲食機能へのニーズが示されております。このため、飲食・物販機能を持ったフロアを整備することで、施設全体の魅力を高めるとともに、周辺開発に伴う田町駅からの人の流れの増加やまちの課題に対応し、あわせて区の歳入も確保できるよう、区として先進的なサービスを展開してまいります。幅広い需要に対しましては、これまで同様、的確に応えてまいります。  次に、みなと保健所に動物愛護課を創設することについてのお尋ねです。  区では、動物愛護に関する啓発や総合的な支援機能を担うみなと保健所と、地域に密着した各地区総合支所が役割分担して動物愛護を推進しております。今回、動物の愛護と管理に関する法律の改正により、動物の所有者等が遵守すべき責務規定が明確化されたことや、動物の適正飼養のための規制が強化されたことから、区民の動物愛護への理解をより一層深めていく必要があります。今後もみなと保健所と各地区総合支所の連携を強める中で、動物愛護についての啓発、また必要な取り組みについて、より一層の強化を図ってまいります。  次に、東京二〇二〇大会における高輪ゲートウェイ駅前用地を活用した区の取り組みについてのお尋ねです。  東京都が高輪ゲートウェイ駅前用地で開催する東京二〇二〇ライブサイトでは、競技中継だけではなく、アスリートによる競技解説やステージイベントの開催など、さまざまな催しが予定されております。区は、現在、地域や大学、関係団体並びに子どもたちと連携した魅力あふれるステージイベントの検討や、区と全国の連携自治体の魅力を発信するPRブースの設置など、東京都と具体的な調整を進めております。東京二〇二〇ライブサイトの開催が、地域の新たなにぎわいの創出にもつながるよう、引き続き検討を進めてまいります。  最後に、羽田空港新飛行経路運用に関する区の独自調査等の実施についてのお尋ねです。  区は、これまで区民から寄せられた不安等の声を受け、国に対し、さまざまな対策や調査等について要請してきた結果、国は、不動産価格の調査を実施いたしました。これらの調査や検証結果等について、区は、今後の住民説明会の際に、区民の皆さんに、丁寧で具体的な説明を行うよう求めております。区は、今後も積極的に羽田空港機能強化にかかわる情報収集に努めるとともに、区民の安全・安心や生活環境を守る対策や調査、検証については、引き続き国へ要請をしてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまのみなと政策会議を代表しての清家あい議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、世界に羽ばたく人材の育成についてのお尋ねです。  教育委員会では、これまでも小学校一年生からの国際科の導入、小中学生海外派遣事業のほか、大使館など、地域の国際的資源を活用した国際理解教育を推進し、グローバルに活躍できる人材の育成を進めてまいりました。また、国際社会で求められる「広い視野で物事をとらえる力」や「チャレンジ精神」などを育成するため、各学校でもさまざまな取り組みを行っております。  具体的には、白金の丘小学校の四年生から六年生が、解決したい問題や理想の社会について考えたことを絵画で表現し、令和元年七月に開催した港区アートフェスへの応募に取り組みました。また、多くの学校において持続可能な国際社会の担い手としての自覚を育むため、企業・大使館との環境学習などを通して、SDGsへの理解を深めております。  今後は、若者への留学支援を行う官民協働プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN」のプログラムを中学校において紹介し、子どもたちに海外留学の意義を感じさせ、国際的な視野で物事を捉え、解決を図ろうとする意欲を育んでまいります。引き続き、国際理解教育の一層の充実を図り、異文化を理解・尊重するグローバル意識を持った国際感覚豊かな人材を育成してまいります。  次に、不登校の児童・生徒への支援についてのお尋ねです。  現在、教育委員会では、不登校児童・生徒への学習の機会を保障するため、適応指導教室はもとより、フリースクールなどの民間施設やNPO等の関係団体と連携し、一人ひとりに応じた学習方法を提供できるよう、各学校に働きかけております。さらに、学校の担任と不登校児童・生徒がインターネットを活用して双方向でやりとりを行い、一定の要件を満たす場合には、出席として認める遠隔教育の研究を進めております。  今後は、令和二年四月に開設する新教育センター内に適応指導教室が移転することから、今まで以上に教育センターと適応指導教室の連携が可能となります。それぞれの職員の専門性を生かしながら、不登校児童・生徒の学校への復帰や学習機会の保障を実現する効果的な支援を積極的に進めてまいります。  最後に、いじめ防止や学級の安定を図るための人材確保についてのお尋ねです。  これまで各学校では、いじめが発生した学級や児童・生徒が落ちつかない状況となった学級を支援するため、保護者や地域の方々、学生スクールボランティアに、児童・生徒のサポートをしていただいておりますが、その人材確保が難しい状況です。そのため、今年度から、教育委員会では、校長が児童・生徒のサポートを行う必要があると判断した場合、区費講師を教科指導だけでなく課題が見られる学級の対応のため配置を変更できるようにしております。  今後、教育委員会は、各学校が地域住民の協力を得て学校をサポートする人材を確保できるよう積極的に支援するとともに、学生スクールボランティアについても、近隣の大学で説明会を開催するなど、いじめ防止や学級の安定を図るための人材の確保に努めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○副議長(阿部浩子君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                       午後二時三十三分休憩                                           午後三時再開 ○議長(二島豊司君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  一般質問を続けます。次に、十三番丸山たかのり議員。   〔十三番(丸山たかのり君)登壇、拍手〕 ○十三番(丸山たかのり君) 令和元年第四回港区議会定例会にあたり、公明党議員団を代表して、武井区長並びに青木教育長に質問いたします。  公明党は、今月十七日、結党五十五年の大きな節目を迎えました。公明党が誕生した昭和三十九年当時、世界はイデオロギーで二分された東西冷戦の真っただ中であり、日本の政界も左右両勢力の不毛な対決構造のもと、国民不在の政治に明け暮れていました。その中で国民の声を代弁する政党はないのかとの衆望の高まりを受けて、庶民の中から誕生したのが公明党です。以来、党創立者が示された「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」という不変の立党精神を血肉化し、大衆の一員、代表として人間主役の政治を進め、政策の優先度が低かった福祉や教育、住宅、医療など、国民生活に身近な課題を着実に前進させ、今ではどの政策も政治の主要テーマに押し上げられています。  そして、今、日本も世界も歴史的な大転換期を迎えています。いま一度、「大衆とともに」の立党精神をかみしめ、今後も地域社会の小さな声を議会に届けて政治を変えていく、時代の扉を力強く開くとの決意を申し述べ、質問に入ります。  初めに、令和二年度、港区基本計画最終年度にあたり区の取り組みについてお伺いいたします。  現行の港区基本計画の計画期間は、平成二十七年度から令和二年度までとなっておりますが、来年度は、これまで六年間の基本計画の最終計画年度を迎えることになります。この間、区を取り巻く社会状況の変化に対応するため、後期三年目にあたる平成二十九年度に計画の見直しを行いました。中でも、後期三年間の見直しの前提や背景として、大規模集合住宅の開発等に伴う人口増加をはじめ、東京二〇二〇大会の開催、JR山手線高輪ゲートウェイ駅や東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅の設置、また消費税率一〇%引き上げなど、社会経済情勢への影響の大きい事柄を踏まえたものであり、後期三年間として取り組むべき優先順位の高い施策として検討し、基本計画の見直しに反映されております。  現時点においての後期基本計画期間における成果と課題については、さまざまな評価指標における達成率や事業評価の視点で総括し、その原因分析などは議会の予算・決算特別委員会の質疑などでも審議されてまいりました。港区基本計画は、区政全般を対象とする総合的な計画であり、各分野における行政計画や事業計画の策定、各年度の予算編成やこれらに基づく事業執行など、区政のあらゆる分野で計画的に行政運営を推進する際の最上位計画となっております。  区長は、現行の基本計画の中で、区政運営の方向性を「港区ならではの地域共生社会の実現」として定め、「区内の人材、地域資源などの強みを生かしながら、自治体を牽引するトップランナーとして、全国の模範となる地域共生社会の基盤づくりを進めていく」と述べられております。  そこで質問は、来年度は現行の基本計画最終年度を迎えると同時に、次期港区基本計画の策定期間となります。基本計画の総仕上げにあたり、区民に掲げた約束をどのような決意を持って果たしていくのか。あわせて、次期基本計画の策定に向け、区の向こう六年間の将来をどのように見据え取り組んでいくのか、武井区長のご見解をお伺いいたします。  次に、来年度予算編成についてお伺いいたします。  区の人口は、令和元年十一月一日現在で二十六万人を数え、年少人口、生産年齢人口及び老年人口のいずれの世代も増加傾向にあります。今後も、毎年五千人の増加が見込まれており、八年後の令和九年には三十万人を超える見通しとなっております。  こうした人口増加に伴い、あらゆる分野での行政需要の増加をはじめ、来年度開催される東京二〇二〇大会の成功に向けた取り組みや、毎年頻発する地震や水害対策への強化、消費税率一〇%への引き上げに伴う社会保障政策の充実など、区を取り巻く環境が大きく変化していく中、区民生活への影響や、各施策に対する区民の声を的確に捉えた予算を編成していくことが何よりも重要であります。  このような視点に立ち、我が会派は、今月一日、令和二年度の予算編成に対し、区民生活に直結する課題や要望をまとめ、二百十五項目にわたる予算要望書を武井区長に提出いたしました。また、十月一日から始まった幼児教育・保育の無償化に伴い、現在、制度実施後の評価や政策ニーズを把握するため、私ども公明党は全国規模で、子育て家庭や施設関係者にアンケートによる実態調査を行っております。これは全世代型社会保障の構築に向けたもので、調査で得られたご意見や課題については、今後、議会にも反映させていきたいと考えております。  区は、既に本年七月には令和二年度予算編成方針を示し、財政見通しと予算編成の目標や基本方針、さらに重点施策を公表しております。現在、令和二年度予算編成に向けて作業が進められておりますが、現段階では予算要求の内容について、必要性や緊急性、経費の妥当性についてヒアリングを行い、予算原案の作成に入っております。その後、予算原案をもとに区長査定へと進められ、当初予算案が決定され、その編成過程は区民に公開されることとなっております。  そこで質問は、令和二年度は、現行港区基本計画の最終年度にあたる予算編成でもあり、さきに述べたさまざまな課題を解決する予算でもあります。区を取り巻く社会経済情勢や環境が大きく変化していく中、区民の暮らしを守る観点からも、来年度予算にかける区長の思いをお聞かせください。  次に、国が地方自治法を改正し進めることとした内部統制制度についてお伺いいたします。  平成二十八年三月の第三十一次地方制度調査会の答申では、地方自治体に対し、人口減少社会においても行政サービスを安定的、持続的、効率的かつ効果的に提供していくために、その要請に対応した地方行政体制を確立することが必要であり、業務を執行する主体である長自らが、行政サービスの提供等の事務上のリスクを評価及びコントロールし、事務の適正な執行を確保する体制を整備及び運用すべきことを求めています。  この答申を踏まえ、国は、平成二十九年六月に地方自治法を改正し、令和二年四月から内部統制制度の導入について、都道府県及び指定都市に対しては義務づけ、二十三区を含むその他の区市町村については努力義務としました。国が示す地方公共団体における内部統制制度の導入・実施ガイドラインでは、地方公共団体における内部統制とは、長自らが組織目的の達成を阻害する事務上の要因をリスクとして識別及び評価し、対応策を講じることで事務の適正な執行を確保することとしております。  港区においては、既に日頃の業務で起こった不適正な事務執行に対し、副区長を委員長とした港区事務執行適正化委員会において、原因の究明や再発防止策を講じるなど、既に独自の内部統制の仕組みを構築して、適正な事務執行の確保に取り組んでいると伺っております。この結果、各部門における業務マニュアルの作成や作業手順の見直しなど、業務上のミスを減らす努力にもつながっているようです。  一方で、国が示すガイドラインでは、事務執行に伴うリスクの把握や、内部統制が有効に機能しているかの評価なども求めており、区が今まで行ってきた取り組みを補強するものであると感じております。区においても、国が示すガイドラインを参考にしながら、この内部統制制度の導入について検討を進めていく必要があるのではないでしょうか。  そこで質問は、今後、区は地方自治法に基づく内部統制制度について、どのように進めていくお考えなのか、区長の見解をお伺いいたします。  次に、東京二〇二〇大会を共感できる観戦場所の提供についてお伺いいたします。  いよいよオリンピックイヤーが目前に迫ってまいりました。東京二〇二〇オリンピック競技大会開催まで、あと二百四十日、東京二〇二〇パラリンピック競技大会開催まで二百七十二日となりました。  我が会派はおととしの秋、区内全域わたってアンケート調査を行い、大会チケットを持つ人も持たない人も、誰もが気軽に大会のすばらしさ、迫力と感動を分かち合い、楽しむことができる観戦場所としてのパブリックビューイングやコミュニティライブサイトの設置について要望をいただき、昨年の第三回定例会にて提案。さらに本年二月に行われた予算特別委員会においても要請してまいりました。  その際、区長からは、「パブリックビューイングやコミュニティライブサイトの設置に向けて準備を進めており、港区ならではの機会の提供に積極的に取り組んでまいります」とのご答弁をいただきました。既にパブリックビューイングについて、区は、これまでもさまざまなイベントを実施してきました。特に、ことし九月から十一月に開催されたラグビーワールドカップ二〇一九日本大会においては、生涯学習スポーツ振興課が主体となって、区内合計四回にわたってパブリックビューイングが実施され、訪れた参加者人数の実績は、延べ一万人を超え、小さいお子様からお年寄りまで、多くの区民が一体となって喜びと感動を共感することができ、大盛況でおさめることができました。  いよいよ東京二〇二〇大会に向けて準備を着々と進めていると思います。また、東京オリンピック・パラリンピック対策特別委員会でも報告がなされていると思いますが、特に開催時期が真夏であるため、熱中症対策や暑さ対策、会場の設定については十分な配慮が必要となってまいります。  そこで質問は、東京二〇二〇大会の感動を多くの来場者が共感できるパブリックビューイングについては、ぜひ区内各地に設置するなど、国民の誰もが身近に参加できるための工夫が必要と考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  また、競技中継であるパブリックビューイングに加え、飲食やブースの出店、スポーツ体験などのイベントの併設が可能なコミュニティライブサイトについては、小・中学生はもとより就学前の乳幼児も含めた全ての子どもたちが参加できるよう、十分な配慮が必要と考えます。  そこで質問は、コミュニティライブサイトの実施主体は自治体のみとされていますが、多くの子どもたちが事業に参加できる仕組みを検討し、港区ならではの観戦機会の提供に努めていただきたいと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、次世代移動通信システム、5Gに関する今後の取り組みの方向性についてお伺いいたします。  以前もICTに関する質問でも触れましたが、急速な技術の進歩により私たちのコミュニケーションは劇的に変わり、今やスマートフォンを通じてインターネットは私たちの手の中にあり、いつでも、どこでもメールやSNSを通じて、即座に連絡できるようになりました。音声やテキスト文だけでなく、映像を通じて、お互いの顔を見ながら瞬時にコミュニケーションをとることさえ可能となっております。  一方で、近年の人工知能AIやモノのインターネットと呼ばれるIoTの進展により、データの流通、いわゆるデータトラフィックが増大しております。平成三十年版の情報通信白書によれば、二〇一七年から二〇二〇年にかけて世界のデータトラフィックは約一・九倍となり、特に携帯端末からのモバイルデータについては、同期間に三倍になるとされております。パソコンやスマートフォンなどの従来のインターネット接続端末に加え、家電や自動車、ビルや工場など、あらゆるものがインターネットにつながり、相互にデータを流通するIoT時代が到来しております。特に、自動運転に代表される自動車や輸送機器のコネクテッドカー化、医療、産業用途において高い成長が期待されており、スマートシティ化へと大きく変遷していく様相で、私たちの生活や働き方、ひいては社会構造の変革をももたらしております。  世界のIoTデバイスは、二〇二〇年に四百億を超えると予測されております。あらゆるものがつながるIoTの進展に伴い、その基盤となる通信ネットワークの重要性は飛躍的に増大しております。画像や動画をはじめとして大容量の情報が多数やりとりされるようになり、社会に存在するあらゆる機器が接続されることになれば、その数も膨大なものになります。こうした膨大な情報をネットワーク経由で、タイムラグなくスムーズに操作できることが求められるようになると思います。  また、今後、さらに発展、高度化していくAIやロボティクスなどの革新的テクノロジーがどのようにつながるのか、システムにコネクトされているのかによって社会実装の内容が大きく左右されます。あらゆるモノとコトが相互につながり、瞬時に処理される本格的なIoT時代を迎えるにあたって、こうした要請に応える通信システムとして期待されているのが次世代移動通信システム、いわゆる5Gです。来年にサービス開始が予定されている5Gは、世界各国で取り組みが進められており、お隣の韓国や米国、ヨーロッパでは既に利用が始まりつつあります。  二〇二〇年以降、世界の5G回線数は約五年で十一億回線、世界人口に対するカバー率は約三割に達すると予測されています。現在の4Gに比べて超高速通信、低遅延、多数同時接続という特徴を持つ5Gは、これまでの通信環境を劇的に変える可能性を持つ革新的な技術ではないかと思います。あらゆるモノがつながるIoT時代において、新たなコミュニケーションツールとして、官民ともに活用が見込めるのではないかと考えております。  また、東京都はこの八月、「TOKYO Data Highway」基本戦略を策定し、都民の生活をより豊かなものとし、東京の持続的な成長に取り組んでいくとしています。海外では5Gの活用はもとより、その普及についても規制の緩和なども含めて、行政が役割を持つこともあると伺っています。  そこで質問ですが、次世代移動通信システム、5Gに関して、今後の区の取り組みの方向性について、区長にお伺いいたします。  次に、企業と連携したSDGsの取り組みについて質問いたします。  国連サミットにて採択され、二〇一六年にスタートした持続可能な開発目標、SDGsは、明年五年目を迎えます。我が国では東京二〇二〇大会が開催され、新たな社会の方向性を決めるときを迎え、SDGsが示す、誰も置き去りにしない社会こそ、この国が目指すべき社会であると考えます。
     国連持続可能な開発ソリューション・ネットワークとベルテルスマン財団が発表した報告書「サステナブル・ディベロップメント・レポート二〇一九――SDGs達成のための変革」の中で、日本は、世界のSDGs達成度ランキング百六十二カ国中十五位。依然としてジェンダー平等や責任ある消費・生産、気候変動対策、パートナーシップに大きな課題があると指摘されております。また、世界を見ても、SDGsに関連する取り組みを予算案に盛り込んでいる国はわずか十八カ国しかなく、ベルテルスマン財団のアールト・デ・ゲウスCEOは各国に言葉と行動のギャップを埋める努力をするよう求めています。  このような中、さきの報告書では、日本に関して、日本経済団体連合会がSDGsの達成を企業行動憲章に盛り込み、SDGsの達成を目指すよう大号令をかけたことで、日本企業がSDGsの掲げる課題領域において技術革新を進めていることを注目すべき事例だと評価しております。そして、この評価を得るに至った要因の一つに、日本で行われています評価制度であるジャパンSDGsアワードが挙げられます。ジャパンSDGsアワードとは、SDGs達成に向けた企業・団体等の取り組みを促し、オールジャパンの取り組みを推進するために、二〇一七年六月の第三回SDGs推進本部において創設が決定され、SDGs達成に資するすぐれた取り組みを行っている企業・団体等をSDGs推進本部として表彰するものです。  NGO・NPO、有識者、民間セクター、国際機関等の広範な関係者が集まるSDGs推進円卓会議構成員から成る選考委員会の意見を踏まえて決定されます。三年目を迎えた本年の受賞団体は、捨てられてしまう食品を活用した液体飼料の製造により循環型社会の構築に貢献する中小企業、高い資源リサイクル率で国内外のモデルとなって頑張る地方自治体、地域の海洋ごみの問題に果敢に挑む女子中高生、数百人にわたる持続的経営で地域の伝統文化を発展させる長寿企業、そしてSDGs推進の機運を後押しするメディア、医療機関や地域金融機関とさまざまであります。  また、SDGsの取り組みは、単に環境問題の改善を果たすだけでなく、経済や産業の発展に寄与するものと期待されております。目標達成のための企業のイノベーションには市場規模が十二兆ドルと言われており、グローバル企業をはじめ、多くの企業が取り組みを開始しております。  港区は、全国から見ても、企業数、事業所数の多くの割合を占めており、従業者数は九十九万人と東京全体の約一割強の人材が集まっていることからも、大企業のイノベーション、ベンチャー企業による若い力、新しい力など、未来の可能性を広げゆく力を十分備えていると確信しております。明年開業予定の高輪ゲートウェイ駅は、文字どおり世界の玄関口として各国から多様な人々を迎え、多くの日本の文化を発信していく拠点となります。このような経済の中心地として、東京・日本を牽引する港区だからこそ、世界が抱える共通課題であるSDGsの達成のために、具体的な取り組みを進める必要があるのではないでしょうか。  そこで質問は、企業のSDGsへの取り組みが一層広がるよう、区と民間が一体となって機運を醸成する取り組みを行うべきと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、地域連携による運河の水質改善への機運醸成の取り組みについてお伺いいたします。  本年八月十七日に開催された東京二〇二〇大会テストイベントのパラトライアスロン競技では、前日の台風の影響による水質の悪化で、一種目めのスイムが中止となりました。そのことに関連した報道等で、主な汚染源がお台場の海につながる芝浦港南地域の運河に放流された下水まじりの雨水であることが、全国的に改めてクローズアップされることになりました。  これは、東京都が汚水と雨水を一本の管で流す合流式下水管を採用し、管の許容量を超えた分が処分場に行き着く前に運河等に垂れ流される構造の帰結ではありますが、こうしたことを知らない運河周辺の住民がいまだに少なくないことを改めて感じさせられました。  お台場では、これまで地域と連携した海の水質改善の取り組みとして、お台場学園港陽中学校を中心に取り組んでいる、お台場海浜公園におけるアサリによる環境学習や、毎年三回のお台場海浜公園での砂浜や実際に海に潜ってのクリーンアップキャンペーン、東京ベイ・クリーンアップ大作戦があります。芝浦港南地域においても、東京海洋大学による鉄炭だんごを用いて芝浦西運河で行っている、港南中学校との運河学習や水質浄化に向けた実証実験がありますが、周辺住民の運河の水質に対する意識の現状に鑑みて、地域連携による取り組みや意識啓発をさらに推進し、水質改善への機運醸成を図るべきと考えます。  鉄炭だんごはヘドロ中の硫化水素などを大幅に減少させ、生息するバクテリアの種類に変動をもたらすことで水質を改善させることが実験的に証明されておりますし、区の実証実験でも生物多様性の向上に一定の効果が認められております。  そこで、例えば鉄炭だんごは使い捨てカイロを再利用し、だんご状にしたものなので、使用済みの使い捨てカイロを地域と連携して広く回収し、集めたものを運河に放流するという運動を実施するのはいかがでしょうか。また、現在、芝浦港南地区安全・美化協議会が実施しているクリーンアップキャンペーンを、運河の表層部分のごみ拾いまで拡大するのもよいかもしれません。それ自体が即効で水質の浄化に寄与するものではありませんが、地域住民に運河の水質浄化の必要性を意識づけ、水質改善への機運醸成を図るには有効ではないかと考えます。  野村不動産株式会社とNREG東芝不動産株式会社らは芝浦SDGs部というプロジェクトを開始し、本年九月の芝浦運河まつりにおいても、SDGsの視点で運河をきれいにすることによる芝浦のまちづくりをみんなで考えさせるような催しを実施していて、大変に興味深かったです。  東京二〇二〇大会までに芝浦港南地域の運河の水質を劇的に改善させることは、下水道の構造上困難ですし、運河の水質を管理する東京都の責任で行うことが第一ですが、むしろ近隣住民や地域団体等と連携して、地域の方々が誇れる運河を目指して機運醸成させていくことこそ、区が創出するべき東京二〇二〇大会のレガシーではないでしょうか。  質問は、東京二〇二〇大会に向けて、芝浦港南地域の運河の水質改善への機運醸成に、区としてどのように取り組むつもりか、区長にお伺いいたします。  次に、離婚後のひとり親に対する養育費の履行確保支援についてお伺いいたします。  現在、全国における母子世帯は、平成二十八年時点で百二十三万二千世帯と、ひとり親家庭の大半を占めております。港区における離婚等によるひとり親も、先月末での児童育成手当受給者千三百八十三人中、母子世帯が千三百四十人との結果でありました。  厚生労働省の調査によると、母子世帯における養育費の受給率は、この十数年は増加傾向にあるものの、平成二十八年度で二四・三%と、四人に一人も受け取っておりません。そもそも養育費は、子どもが自立するまでの生活や教育、医療などに必要な費用であり、民法でも離婚の際に夫婦が話し合いで分担を取り決めるよう定めております。しかし、相手とかかわりたくないなどの理由で取り決めすらしない人も多く、母子世帯の取り決め率は五割にも満たない実態であります。  現在、国では、養育費支払いの責務を法律で定め、強制執行手続きの改善や裁判費用の貸し付けなど養育費の確保に向けた施策を講じてきました。しかし、強制執行については、養育費の取り組み内容の公正証書や調停調書などによる債務名義化が有効であるところ、費用面の問題や知識不足、執行手続きの困難さから、実際には口頭での契約にとどまっていることが多いのが現状であります。  滋賀県湖南市は、ひとり親世帯が離婚相手から養育費を受け取れず、生活が困窮するのを防ぐため、養育費の支払いが保証されるよう支援する制度を本年十月から導入しました。対象は、児童扶養手当の支給を受けているか、同様の水準にある世帯。離婚時に公正証書や調停調書などで離婚相手と養育費の取り決めがある場合、養育費の保証契約をするため、保証会社に支払う初年度の保証料を、五万円を上限に助成。保証会社は、不払いが発生した月に同額を立て替えて支払い、別居親に立て替え分を督促して回収。公正証書などがない場合は、証書を作成するための費用を、三万円を上限に支給するというものであります。  同様の支援を行っている大阪府大阪市では、区役所に配置している専門相談員である、ひとり親家庭サポーターによる家庭裁判所などへの同行支援や家庭裁判所での調停に係る費用の補助も行っております。こうした先進自治体の取り組みは、港区でも大変有用だと思います。  平成二十八年第二回定例会の港区議会公明党代表質問において、離婚届の用紙を配布する際に、養育費に関する情報等を記載したリーフレット、養育費や面会交流の取り決めをする際に使用できる養育合意書を配布することで、協議離婚の際の養育費等の取り決めを促すとともに、一層の支援策を講じるよう区に求めてまいりました。その後、区の窓口で当該リーフレット配布を開始していただき、その点は高く評価しておりますが、養育費の不払いは親の責任放棄であるとともに法律違反であり、子どもの経済的生活の安定を第一に考えると行政として介入する必要が高く、実際の履行確保までを一貫して支援すべきではないでしょうか。  質問は、離婚後のひとり親に対する養育費の履行確保支援に、区としてどのように取り組むつもりか、区長にお伺いいたします。  次に、スタートアップ企業等へのインキュベーション推進の取り組みについてお伺いいたします。  インキュベーションとは、卵をふ化させるように、若い段階にある会社が経営の軌道に乗れるように支援することを指します。資金の援助のほか、作業スペースの提供や事務・経理といった経営指導など、多岐にわたってサポートする自治体も増えているようです。  今月十三日に港区議会区民文教常任委員会として視察した、石川県金沢市のITビジネスプラザ武蔵では、IT分野などでの起業家支援として、電源や無線LAN、撮影スタジオや3Dプリンターといった設備が充実しているとともに、インキュベーション施設としてのビジネスブース、ビジネスルームも格安な料金で借りることができ、入居年数を経るごとに料金は上がりますが、最長三年間利用することができます。そこでは法人登記もでき、契約者は二十四時間三百六十五日同施設に出入りができる上に、あいている会議室も無料で一時使用できるなど、利用者本位の配慮が随所にうかがえました。  中小企業庁がまとめた中小企業白書二〇一七年版によれば、スタートアップ企業の一年後の生存率は九五・三%、五年後で八一・七%と、五年以内に二割程度が廃業している実態があります。  港区の新規開業実態調査によれば、現在の経営上の課題について、採算状況が悪い事業所では、販売先・顧客の開拓、資金繰り・資金調達のほか、事業所の賃料を挙げる傾向がありました。港区では、今年度より、低利で融資を受けることができる小口チャレンジ支援融資を創設し、創業後五年未満の小規模企業者の円滑な事業運営を支援するとともに、創業支援融資の本人負担率を軽減し、区内での創業をさらに後押ししております。  また、令和三年十一月に完成予定の(仮称)港区立産業振興センターでは、自身の仕事や作業を進める自由度の高い空間であるコワーキングスペースのほか、大型プリンター、3Dプリンター、カッティングマシンなど汎用性の高い機材を備えたビジネスサポート・ファクトリーが整備される予定です。区が管理するシェアオフィスなどはありませんが、(仮称)港区立産業振興センター周辺には民間のシェアオフィスなどが多数存在し、借りる場合には、賃貸借契約ではなくサービス利用契約となる場合が多いようです。シェアオフィスでも賃貸借契約であれば、港区が実施している新規開業賃料補助の対象となる場合もあるそうですが、サービス利用契約も含めた柔軟な補助の運営をすべきと考えます。  また、区の新規開業実態調査では、この新規開業賃料補助の利用状況を見ると、「利用した」割合は大変低く、「利用しなかった」の回答の内訳を見ると、「知らなかった」割合が六割以上に上り、若い世代の開業者ほど「賃料補助を知らなかった」と回答する割合が高くなる傾向がありました。この傾向は、区の創業支援制度全体に当てはまるもので、スタートアップ企業等への制度の一層の周知を図る必要があります。  さらに、賃料が高いという区の特徴を踏まえて、新規開業賃料補助の補助額や補助期間を拡大したり、経営指導などの相談をより受けやすくするなど、インキュベーションを推進するためには一層きめ細やかなサポートを実施すべきではないでしょうか。  質問は、スタートアップ企業等へのインキュベーション推進に、区としてどのように取り組むつもりか、区長にお伺いいたします。  次に、高齢者肺炎球菌ワクチンの予防接種についてお伺いします。  肺炎は、高齢者なるほど重症化しやすく、高齢化社会に伴って年々死亡者数が増加しており、日本人の死因の第三位を占める重大な疾患です。特に高齢者の死亡率が高い肺炎球菌感染症は、肺炎球菌という細菌によって引き起こされます。日本人の約三%から五%の高齢者では、鼻や喉の奥にこの菌が常在しているとされ、唾液などを通じての飛沫感染や、何らかのきっかけで菌が伸展することにより、気管支炎、肺炎、敗血症などの重い合併症を起こすことがあります。  そのため、肺炎球菌感染症の予防の定期接種制度が平成二十六年十月から開始されました。このワクチンに使われるのが肺炎球菌23価ポリサッカライドワクチンで、成人の肺炎球菌感染症の原因の約七割を占める血清型に効果があるという研究結果があり、一回の接種で五年以上免疫が持続するという報告があります。また、疾病予防対策とともに大きな医療費削減効果も期待されております。  厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会ワクチン評価に関する小委員会の報告では、高齢者肺炎球菌ワクチンを毎年六十五歳の方の全員に接種した場合、一年当たり五千百十五億円の保険医療費の削減ができると試算されております。国の肺炎球菌ワクチンの定期接種制度は、六十五歳から百歳までの五歳刻みの各年齢になる方で、生涯に一回だけ制度を活用した接種が可能です。国としては、五年間、毎年同じ年齢の方を対象に実施することで、六十五歳以上の全員の接種を目指し、テレビなどで接種の勧奨を進めて、これまで六十五歳以上の全ての対象者に接種の機会が与えられました。  区においても接種勧奨には力を入れ、周知については、毎年度末に次年度の対象者に個別に予診票を送付しており、同封しているお知らせには肺炎球菌感染症の説明や肺炎球菌ワクチンの効果、予防接種期間、一人につき生涯一回の助成であることを記載していただいております。しかし、実際問題として、区の定期接種の接種率は平成三十年度で二九・九%であり、助成制度を活用されていない方もおられます。その原因は、忘れてしまった、期間を逃してしまったという、ついうっかりの方や、いつでも自分の好きなタイミングで助成が受けられる、また五年後に接種の機会がめぐってくるといった勘違い、思い込みにあると思われます。  全国的に同様の状況であるため、厚生労働省としては、接種率の向上で高齢者の方の全人口をカバーすべく、このたび公費助成の接種期間の五年間の延長を決定しました。今後、さらに加速する超高齢化社会を迎えるにあたって接種率を上げ、疾病の予防に取り組むことは、社会への肺炎の予防、高齢者の健康寿命の延伸、国民健康保険の医療費削減と幾重にも有効であり、効果的であると考えます。  接種率については、その周知方法や取り組み方によって、この五年間の接種実績に非常に大きな差がつき、そのことによって肺炎などの罹患率、入院や死亡件数にも大きな差が出てくる可能性があります。接種の制度が高齢者にとって非常にわかりにくい制度であったのかとも思われ、このたびの接種期間の五年間の延長は、この点を踏まえてのきめ細かな対応が必要であろうと考えます。  そこで質問は、長く社会に貢献されてこられました区民の命と健康を守るための肺炎球菌ワクチンの接種について、高齢者施設等の関係機関との協力や、周知、年度途中での未接種の方への再勧奨について、どのように取り組んでいかれるのか、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、地域交通サービス充実のための「ちぃばす」のルート拡充についてお伺いいたします。  平成十二年の都営地下鉄大江戸線や東京地下鉄南北線の全線開通に合わせ、東京都は都営バスの路線を抜本的に見直し、港区内でも四路線が廃止決定となり、それに対して地域住民の方から不安の声が上がりました。  港区議会公明党は、そうした声を受けて、平成十一年第二回定例会代表質問以降、区内循環型の福祉バスの実施を提案し続けてまいりました。そして、ついに平成十六年十月に、区内循環型のコミュニティバス「ちぃばす」の運行が開始となりました。二路線からのスタートでしたが、平成二十二年からは実証実験を経て七路線・八ルートまで拡大し、最近では、平成二十九年七月から芝浦車庫発の朝の便を二便増やすなど、通勤や通学の足としての利用も増えております。  当初は、高齢者など交通弱者と言われる人々の生活の足としての福祉サービスの位置づけでしたが、現在は、いわば準路線バスとしての役割や期待も大きくなっていると言えます。区としても、平成二十九年九月に定めた港区総合交通戦略の中で、「ちぃばす」を地域交通ネットワークとして位置づけ、今後、路線やダイヤなどの見直しなどの改善を講じながら、地域交通サービスとして充実を図る必要があるとしております。  したがって、地域や利用者からの要望に対しては、柔軟に、かつ適時に見直していくことが必要と考えます。例えば、芝浦港南ルートでは、港南地域から田町駅やみなとパーク芝浦を目指して利用する方が多いですが、かなり迂遠なルートのため、田町駅利用者に向けて八千代橋東停留所から歩いたほうが早い旨をアナウンスしておりますが、芝浦ふ頭駅に迂回する前に田町駅やみなとパーク芝浦に真っすぐ向かってほしいという要望が大変に強いです。また、海岸二丁目を経由するルートがなく、地元町会からは当該ルートに対する陳情書が既に出ておりますが、運河や橋、道路等の地理的制約があり、芝浦港南ルートが一層迂遠になることから、品川駅港南口発と田町駅東口発とを分離して新たな路線を構築すべきです。  さらに高輪ルートでは、高齢者の利用が多い東京都済生会中央病院がある赤羽橋までの延伸や、遅延の原因となっている北品川踏切を回避して、八ツ山アンダーパスを経由してほしいとの要望も出ており、日常的に利用している人にとっては切実な声と言えます。  「ちぃばす」のルートの延長等の変更に対しては、サービスの向上が図られる一方で、運行経費の増大につながることもあるので、利用者の需要や事業の採算性、「ちぃばす」全体の収支の影響を勘案する必要があります。また、都営バスとルートで競合する場合には、都営バス側と協議が必要となり、承認を得ることが困難な場合も多いと伺っております。しかし、地域の重要な交通ネットワークを、赤字だから走らせられないという理屈だけで片づけるわけにはいきませんし、そもそもこうした協議も都営バスの廃線によって生まれた交通不便地域の解消が目的の一つですから、区は、都営バス側に譲歩を強く求める立場にあると言えます。ともかく大切な地域の足をどう確保していくか、これからもあらゆる可能性を探り、粘り強く取り組み続けなくてはなりません。  質問は、地域交通サービス充実を図るための「ちぃばす」のルート拡充に、区としてどのように取り組むつもりか、区長にお伺いいたします。  最後に、幼児期からの特別支援教育の推進についてお伺いいたします。  区内の幼稚園や保育園で特別な配慮を要する幼児と呼ばれる子どもが増えております。保育の現場では、こうした要配慮児への対応に労力をかなり割かれる場合も少なくなく、他の児童とトラブルになり退園を余儀なくされた事例も発生しており、現場からは加配などの支援を求める声が強くなっております。  港区は、要配慮児に対して、専門的知識・技能を有する特別支援アドバイザーが公立幼稚園を訪問し、幼児の観察等を通して、教員、保護者への指導・助言を年五回程度行っております。また、区立幼稚園における介助員を配置し、幼児一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育環境・内容・方法の充実を図っているとのことです。  米国シカゴ大学の小児科医ピーター・ハッテンロッカー教授の研究によれば、脳のシナプスの数は、ひとり歩きや言葉を覚える一歳から三歳ごろに「過形成」という増加のピークを迎え、その後はよく使うシナプスを太く丈夫にするために、周辺のシナプスを減らす刈り込みが行われることで情報伝達を効率よくしているとのことです。最近、この刈り込みが過度の早期教育のような外からの過剰刺激により阻害されると、脳の情報処理がおくれることで、発達障がいの一つである注意欠陥・多動性障害、ADHDにつながるとする有力な学説があります。  この理論に従えば、要配慮児への保育にあたっては、介助者は幼児の先回りをして手助けするのではなく、むしろ情報処理のおくれを見守り、幼児自身に行為を選択させる態度をとることが有用であると言えます。また、園側が発育が通常と違うと気づいても、保護者に否定されることも多いそうですが、保護者の家庭での保育のやり方に原因がある場合もあるといえ、十分な支援を受けられず生育がおくれたまま就学ということがないよう、保護者への対応も丁寧かつ積極的に実施されなければなりません。  さらに教育委員会は、特別支援学校、特別支援学級、通常の学級などの個別の特性に応じた就学先を決定するため、来年四月に開設される区立児童発達支援センター等と連携し、幼少期からの就学相談をさらに充実させるとしています。今後は、同センター所管の福祉部局と教育委員会との連携を一層強化することにより、就学前後での切れ目ない円滑な特別支援教育の推進が期待されます。  また、発達障がい児支援についての専門知識を持つ人材の育成には時間がかかるのが一般的なので、幼稚園の特別支援教育コーディネーターが、現在、職員の輪番であることを鑑みると、幼稚園職員らを対象にした教育センターでの専門的研修の受講を数値目標を定めた上で積極的に促すべきです。  質問は、幼児期からの特別支援教育の推進に、教育委員会としてどのように取り組むつもりか、青木教育長にお伺いいたします。  質問は以上となります。ご清聴大変にありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての丸山たかのり議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、港区基本計画についてのお尋ねです。  まず、港区基本計画最終年度における取り組みについてです。現行計画後期三年は、平成三十年度から令和二年度を期間として四百十五事業を計上し、今年度は待機児童ゼロの達成や南麻布四丁目福祉施設の開設準備など、計画に掲げた取り組みを全庁挙げて着実に進めております。令和二年度も計画最終年度として、計画を確実に実行する予算を編成し、地域の誰もが安全に安心して暮らすことができる地域共生社会を実現してまいります。  次に、次期港区基本計画の策定に向けた取り組みについてのお尋ねです。次期港区基本計画の計画期間は令和三年度から六年間で、この最終年度にあたる令和八年度に人口が三十万人になると推計しております。計画策定においては、人口増に伴う需要の増大や持続可能な社会の実現を目指すSDGs、先端技術により経済発展と社会的課題の解決を両立するソサエティ五・〇、また、大規模災害の脅威への対応など、区を取り巻く大きな社会経済情勢の変化を的確に見通す必要があります。区民の豊かな暮らしを実現するため、将来需要に対応した施設整備や、区民の安心と安全を守る防災対策の一層の充実など、万全な計画を練り上げてまいります。  次に、来年度の予算編成についてのお尋ねです。  令和二年度は、地域共生社会の実現に向けて、港区基本計画を着実に達成するとともに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を区民とともに盛り上げ、そのレガシーを次の世代に受け継いでまいります。  また、高齢者や障害者施策の充実、児童虐待防止、待機児童ゼロの継続など子育て支援、産業振興、台風等の自然災害への備えなど、区民の暮らしを守る取り組みをより充実してまいります。予算編成方針に掲げる重点施策を推進するとともに、区の諸課題に真正面から向き合い、解決に向けて取り組むことで、区民の笑顔が令和の時代に広がる予算として編成してまいります。  次に、内部統制制度についてのお尋ねです。  内部統制制度は、不適正事務の発生を組織を挙げて予防に努める仕組みであり、区は、令和二年四月の改正地方自治法の施行に合わせて、事務執行適正化を一層推進するため、制度の導入を検討しております。導入にあたっては、国のガイドライン等を踏まえ、不適正事務の未然防止に向けた取り組みの推進、内部統制の取り組みを評価・検証する体制の整備、評価結果の公表といった新たな仕組みを目指しております。今後も事務執行の適正化に向けて、職員の意識啓発を継続するとともに、内部統制制度を総合的に推進し、区政の公正性・公平性・透明性を確保してまいります。  次に、東京二〇二〇大会を共感できる観戦場所の提供についてのお尋ねです。  まず、区民の誰もが身近に参加できるための工夫についてです。区は、競技中継に加えて飲食やスポーツ体験の機会を提供できるコミュニティライブサイトの実施や、JR高輪ゲートウェイ駅前で東京都が開催する東京二〇二〇ライブサイトへの積極的な参画を予定しております。  パブリックビューイングについては、町会・自治会などの地域団体も実施できることから、関連情報の提供や区の支援策について検討し、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会のパブリックビューイングで得た教訓を着実に生かし、多くの区民が大会を身近に観戦できる取り組みを推進してまいります。  次に、全ての子どもが参加できる仕組みについてのお尋ねです。東京二〇二〇大会期間中に区が実施するコミュニティライブサイトでは、競技中継のほか、ステージを設置し、地域の方々による伝統芸能の披露や音楽イベント等を実施する予定です。イベントの実施にあたっては、子どもが参加できる演目を積極的に取り入れるなど、多くの子どもたちが楽しむことができる機会となるよう工夫をしてまいります。  また、全ての子どもたちが安全にイベントに参画できるよう、屋外における日陰の設置や開催時間の設定を工夫するなど、真夏の暑さにも十分配慮した万全な対策を講じてまいります。  次に、次世代移動通信システム、5Gに関する今後の方向性についてのお尋ねです。  5Gは、通信速度が飛躍的に向上し、通信の遅延が少なく、同時に多数の端末から接続できるなどの特徴があります。この特徴を生かし、高品質の映像や音声などのデータを迅速に届けることが可能となり、防災対策や安全・安心への取り組み、区民との情報のやりとりや相談等にも活用範囲が広がると考えております。来年、春のサービス開始も見据え、区民の5G利用環境の早期構築や区民サービスへの適用に向け、5G利用に関する調査を実施し、民間との連携も含め、具体的な検討を進めてまいります。  次に、企業と連携したSDGsの取り組みについてのお尋ねです。  区は、東京青年会議所港区委員会が本年七月に開催したSDGsの啓発イベント、港区アートフェスにおいて、区内小・中学生へのSDGsに関する絵画作品の募集に協力するなど、企業や団体と連携して普及啓発に取り組んでまいりました。次期港区基本計画の策定においては、SDGsが掲げる目標を踏まえた計画となるよう検討を進めております。引き続き、二〇三〇年までに達成すべき世界の共通目標であるSDGsへの取り組みが広がるよう、企業等多様な主体とともに取り組んでまいります。  次に、地域連携による運河の水質改善への機運醸成についてのお尋ねです。  区では、これまで運河の定期的な水質調査や東京海洋大学と連携した水質浄化実験を実施したほか、区が制作した運河の環境啓発パンフレットを小学校で活用するなど、運河の理解を深める取り組みを進めてまいりました。  また、ことし十月の小池東京都知事との東京都長期計画に関する意見交換において、私は、下水の改善や東京湾に流入する河川の流域自治体との連携など、広域的な対策についても小池東京都知事に要望いたしました。今後も、芝浦地域の町会や商店会、大学等によって構成される芝浦運河ルネサンス協議会や東京都等と連携し、運河の水質改善の機運醸成に向けて取り組んでまいります。  次に、離婚後のひとり親に対する養育費の履行確保支援についてのお尋ねです。  区の家庭相談センターに寄せられる養育費に関する相談は、平成三十年度は四十三件、今年度も既に二十五件に上っています。離婚によって子どもが受ける心理的・経済的負担を最小限にとどめるためには、離婚時に両親が取り決めた養育費を確実に受け取るための支援が必要です。  区では、滋賀県湖南市、兵庫県明石市など先進自治体の取り組みを参考に、養育費履行確保を区が支援する仕組みを構築し、早期の事業化を目指してまいります。  次に、スタートアップ企業等へのインキュベーション推進の取り組みについてのお尋ねです。  区は、創業時の資金需要をより充実するため、今年度から新規開業賃料補助の対象者を創業一年未満から創業に二年未満までに拡大して、支援を強化しております。(仮称)港区立産業振興センターでは、創業期の不安を解消するため、コワーキングスペースに利用者同士の連携を促進するマネジャーを配置するとともに、実践的な講座や実習を通じて学ぶ企業育成プログラムを提供するなど、きめ細かに支援をしてまいります。今後も、スタートアップ企業等が直面する課題を克服し、事業が軌道に乗れるよう創業支援策の充実に取り組んでまいります。  次に、高齢者肺炎球菌ワクチンの予防接種についてのお尋ねです。  国は、接種を受けていない方への接種機会を提供するため、六十五歳を超えた方が予防接種を受けることができるよう、令和元年度からも引き続き五年間、公費による一部助成制度の対象者の拡大を継続することといたしました。区では、その周知のため、いきいきプラザ、高齢者相談センターをはじめとした高齢者施設等でのポスターの掲示やチラシの配布の準備を進めており、今後、医療機関やふれあい相談員、介護事業者等を通して、高齢者肺炎球菌ワクチンの接種案内に努めてまいります。また、未接種者については、年度途中での個別の再勧奨を実施してまいります。  最後に、「ちぃばす」のルート拡充についてのお尋ねです。  区は、区民等の移動を容易にし、日常生活の利便性や福祉の向上、地域の活性化等を図るため、「ちぃばす」を運行しております。芝浦港南ルートでは、海岸二丁目の交通不便地域を解消するため、関係機関との協議を進めております。高輪ルートでは、白金・白金台地域の交通不便地域の解消や、令和六年度の高輪ゲートウェイ駅前の交通広場整備を踏まえ、ルート変更を検討しております。今後も、「ちぃばす」の利便性向上と利用促進に向け、ルート拡充を検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの公明党議員団を代表しての丸山たかのり議員のご質問にお答えいたします。  幼児期からの特別支援教育の推進についてのお尋ねです。  現在、特別な支援を要する幼児の情報を区長部局と教育委員会で共有し、特性に応じた就学先についての相談を行っております。今後は、区長部局との連携をさらに強化し、就学先の相談だけでなく、幼児と保護者が安心して学校生活を送れるよう、就学先で必要な教育的支援についても検討してまいります。  また、教員の特別支援教育に関する専門性を向上させるため、各幼稚園、小・中学校の特別支援教育コーディネーターに対する研修会を年五回開催しております。今後は、研修会に児童発達支援センターの作業療法士などの専門職を講師として招き、発達障害児の運動特性や、遊びを中心とした作業活動の研修を実施するなど、教員の専門性をさらに高めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 次に、二十六番榎本茂議員。   〔二十六番(榎本 茂君)登壇、拍手〕 ○二十六番(榎本茂君) 令和元年第四回港区議会定例会におきまして、都民ファーストと日本維新の会を代表して、榎本茂が区長に質問させていただきます。  ことしは全国で深刻な台風被害が相次ぎました。関東に上陸した台風としては過去最大と言われた台風第十五号は、千葉県に長期にわたる大停電を引き起こし、十月十三日に関東を直撃した台風第十九号は、歴史上最大級の豪雨をもたらしました。
     神奈川県川崎市の小杉では、浸水によって多くの高層マンションが停電し、電力を喪失したマンションに人が住み続けることの困難さを多くの人が知ることになりました。多くのマンションが非常用発電機や配電盤を地下に設置していたことが浸水被害の拡大を招いたのですが、これは港区にも言えることです。マンションやビルの非常用発電機や配電盤は通常、地下に設置されていて、港区が浸水した場合の停電による被害は甚大なものが想定されます。  港区が令和元年九月版として新たに作成し、十月に港区に全戸配布した港区浸水ハザードマップは、区民に大変大きな反響を呼びました。新たな浸水ハザードマップは、以前の平成十七年に作成した浸水ハザードマップと比べても、古川の氾濫浸水想定区域は八十ヘクタールから、何と百八十ヘクタールと倍以上に広がり、その浸水の深さも最大で水深五メートル以上という信じられない数値に変わっています。古川流域は、河口の芝、浜松町エリアから上流の白金、麻布台まで広大なダム湖と化してしまう想定となっており、区役所も水深一メートルの浸水となっております。  特に顕著だったのが古川の河口域、浜松町、芝、芝公園にかけてのエリアです。このエリアは、江戸時代に日比谷入江と呼ばれた海水の入り込む海抜の低いエリアであり、現在においても古川の護岸こそがまちを守るかなめです。古川から水があふれ出れば、このハザードマップのように広大な低地が浸水することになってしまいます。  台風第十九号の関東直撃では、景観の保護を訴える住民による反対運動で堤防建設が行えなかった世田谷区の二子玉川で多くの住宅地が浸水しました。古川においても金杉橋下流域では、いまだに護岸の整備が未整備の区域があります。住民の賛同が得られず、約百五十メートルにわたって護岸整備が行われていないのです。芝、浜松町、芝公園エリアの浸水想定は、護岸の未整備部分が影響している可能性が高いと思います。  そこで質問ですが、古川において護岸の整備が行われていないエリアについて、現状と今後の整備計画について教えてください。  次に、古川流域には地下鉄の入り口が数多くあります。今回の浸水ハザードマップで浸水エリアとして描かれている中には、大門駅、麻布十番駅、白金高輪駅などがあり、地下鉄構内への浸水が心配されるところです。  質問ですが、水深一メートルから三メートルという浸水想定に対し、地下鉄の事業者はどのような対策を考えているのか、わかりましたら教えてください。  古川には一時間当たり五十ミリの降雨に対応するため、平成二十九年度から十三・五万立方メートルの地下調節池が供用を開始していますが、この浸水ハザードマップの前提となる一時間当たり百五十三ミリという雨量には焼け石に水と思えます。都市の水害対策の基本は下水道です。下水道は、トイレや台所の汚水を流す都市の衛生面の役目と雨水を排水する災害対策という二つの役目を担っています。  しかし、港区においては、建物が高層化して生活排水が増大の一途をたどっているにもかかわらず、ビルやマンションにつながる道路の下の下水管の大きさは変わりません。先日、浸水被害の講習会を頼まれて行った白金のあるタワーマンションでは、マンションが接続する前の道路の下の下水管の直径は、何と四十センチしかありませんでした。マンションやビルでは一度に大量の汚水を下水管に放流しないために地下にタンクを持ち、夜間等に排出する機能を持っていますが、今の港区においては、下水管はそのキャパシティーの限界に達しています。  港区の大半の下水は生活排水と雨水を同じ下水管で処理する合流式となっています。既に生活排水だけで限界に達している現在の合流式下水管では、雨水まで通すキャパシティーはありません。港区に降った雨水の大半は下水管を伝わって海に排出されるのではなく、途中で河川に放出するしかないのです。古川周辺の地域では、雨水を下水管で処理し切れないことから、大半は古川に流しているのが現実です。このような河川に放流する配管が区部だけで七百カ所以上あると東京都下水道局では言っております。  都市は高層化して、それに伴いトイレも巨大化するが、道路の下に配管されている下水管の太さは変わらない。古川に流れ込む雨水の範囲は広大で、上流は新宿まで達します。新宿から渋谷、そして麻布、高輪、白金という広大なエリアに降った雨は、下水管から古川にあふれ、河川の負担をさらに増大させます。  今回配布された浸水ハザードマップには、古川の水位は一気に上がりますと裏面に書かれています。十五分間で二・五メートルも上がったことが過去にあるそうです。港区では、今後も大規模なビルやマンションの建設が続きますが、雨水を海に向けて効率よく排水するためにも、下水道の整備も同時に行わなければ、大規模な災害を招きかねないと思います。新たな都市計画においては、常に下水のキャパシティーを考え進めていただきたいと願います。これは要望としてお願いします。  また、台風第十五号、第十九号の被害を受け、国土交通省と経済産業省は、タワーマンションやオフィスビルの電気設備の浸水対策について指針を設けることになったと報道がありました。今後、国の指針に基づき、速やかに浸水対策に取り組んでいただきたいと思います。  そこで質問です。区役所の地下への防水板は高さ五十センチ程度の対応だったと思いますが、水深一メートルの想定に対し、区役所は発電設備や配電盤に対して、どのような対応をされているのか教えてください。  今回の浸水ハザードマップの想定は、昭和三十四年の伊勢湾台風が東京を直撃し、それが大潮の満潮であったときのことを想定してのことと伺っております。高潮によって海面が二メートル以上も上昇し、河川の水が海に流れにくい状況を想定してのことです。六十年に一度の台風が、月に二回ある大潮の満潮時に関東を直撃する想定。実際、発生の可能性としてはかなりレアなケースだと私は思っております。  しかし、今回の浸水ハザードマップの検証のために、白金や麻布の住民の方々を乗せて、改めて古川を船でさかのぼってみて、私は重大なことに気がつきました。先ほども申しましたようにハザードマップの裏面には、古川の水位は過去に十五分間で二・五メートルも上昇したとの記載があります。古川の河口にある浜崎橋の桁の高さはわずか二・三メートルです。つまり、十五分で橋は水につかることが想定されているわけです。橋が水につかれば、船が通ることはできません。古川の河口には漁業協同組合に属する多くの屋形船や漁船が係留してあり、東海道線の下流域だけで十一隻の船が係留してあります。東海道線の上流域にはさらに多くの三十隻近くの船が係留してあります。あの狭い川にぎっしりです。  台風第十五号のときには、河川に係留してあった船が何隻も流されたと東京海上保安部から伺いました。幸いにも今回、古川では発生しませんでしたが、もし古川に係留してある船が濁流に流され、橋の下をくぐれないために災害ごみと化して流れをせきとめて川を塞いでしまったとき、どういう事態が発生するか考えてみました。上流は新宿、渋谷という広大なエリアから流れ込んでくる雨水が古川に流れ、河口の狭い水路から海に放出される。台風のような高潮が発生せずとも船が流され橋に詰まって川をせきとめれば、古川は氾濫し、今回の浸水ハザードマップの状況が発生するのではないかと私は考えるのです。これは決してレアなケースではなく、ゲリラ豪雨が頻発する現代においては、かなりの確率で発生する可能性が高いと思います。  もし船の流出によって河川の氾濫が発生したならば、これは天災ではなく人災です。台風が予見されるときだけでなく、大雨の予報などがされる場合には、河川に係留してある船は速やかに避難し、河川の氾濫を防ぐ必要があると考えます。河川から船舶の避難の要請は、多くの区民の生命と財産を守るためにも妥協すべきことではないと思っております。  そこで質問です。古川に係留してある船の避難について、現在どのような取り決めがなされているのか教えてください。また、係留してある船の中には、古びて明らかに稼働していないと思われる船が多数見られます。いざというときに動かせない船があることは大変危険です。河川を管理する東京都に対し、船舶の稼動状況などを調査するよう強く求めるべきと考えますが、区長のお考えを伺わせてください。  また、第三回港区議会定例会の決算特別委員会において、昭和四十三年に始まった新芝運河の埋め立てに関する議会議事録をもとに、区有財産の適正な取り扱いについて質問させていただきました。昭和四十三年当時、埋め立て申請区域に水域を占有していた漁業者はいなかったと記録にあります。そして、公有水面埋立法第四条に規定する権利者は存在しないが、橋梁の下部に遊船が四、五隻、事実上係留している状態であるとの記載があります。つまり、勝手に係留している船が四、五隻あるが、正規の手続きに基づくものではない。本来、補償の対象ではないと議会ではっきりと説明がなされております。  しかし、当時、漁業協同組合は台風の避難水域として利用していることを理由に埋め立てに反対し、補償を求めていました。埋め立てに際して、港区は漁業協同組合から台風避難場所として三分の一の水域を残すことを求められ、早く事業を進めたかった港区はその条件を飲み、三分の一の水域を残して埋め立てを行うとともに、本来権利のない者に千二百万円の補償金を払い、さらに係留施設の背後にある百四十七平米の区有地を無償で貸すと取り決めをし、以来五十年にわたり無償貸与し続けています。  しかし、この台風避難場所として区が提供した水域には、現在、漁協に属する十一隻の船が係留してあり、水域は寸分のすき間もなく船が係留してあるため、台風などで古川から新たに避難してくる船を係留するスペースは全くありません。  現在、この水域は明らかに台風避難場所として機能しているとは言えません。つまり、当時の埋め立て反対の理由であった目的とは違う使用をしている。昭和四十三年に漁業者の要求を飲み確保した水域は、古川流域の区民の生命と財産を守るために必要です。新芝運河の鹿島橋下の漁業協同組合が使用している水域を、当時の約束どおり台風避難場所として確保する必要性について、区のお考えを伺わせてください。  区民の生命と財産を守るために重要な質問をさせていただきました。答弁によっては再質問させていただくことを申し添え、質問を終わります。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの都民ファーストと日本維新の会を代表しての榎本茂議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、港区浸水被害の想定についてのお尋ねです。  まず、古川の護岸の整備についてです。東京都は、洪水対策として古川の延長四・四キロメートルの両側の護岸整備を進めております。これまでに全体の約四割が完了しており、現在、白金一丁目や一の橋公園付近の護岸を整備しております。今後、三田一丁目の三田小山町西地区での市街地再開事業に合わせ、護岸を整備していく予定であると東京都からは聞いております。  次に、地下鉄駅の浸水対策についてのお尋ねです。浸水想定区域内にある、全ての地下鉄の駅には、鉄道事業者が駅構内への浸水を防止するため、出入り口のかさ上げや止水板を設けています。また、換気口には、遠隔操作で自動的に閉鎖できる浸水防止設備を設けるなどの対策も行っております。  区は、今年度、浸水ハザードマップを改定したことから、鉄道事業者が新たな浸水想定においても適切な対策が講じられるよう、情報共有をしてまいります。  次に、本庁舎の設備に関する水害対策についてのお尋ねです。区では、水害対策として、昨年度完了しました庁舎大規模改修工事において、東日本大震災の津波被害を教訓に、屋上に非常用発電設備を新設いたしました。また、地下にも非常用発電設備がありますが、防水板の設置により地下への浸水を防いでおります。万が一、地下に浸水する可能性が生じた場合には、防水板に加え、緊急的に本庁舎に配備している土のうを積み上げるなどで対応することとなりますが、今後も本庁舎を含め、全ての施設における水害対策を強化してまいります。  次に、古川に係留されている船舶の台風時の避難についてのお尋ねです。  まず、避難体制についてです。船舶の避難体制について、河川管理者である東京都に確認したところ、台風時に古川に係留している船舶の避難についての取り決めはないということです。  次に、船舶の稼動状況調査についてのお尋ねです。区は、古川における係留船舶において、年に一度、船舶番号や河川占用許可の取得状況等の実態調査を実施しております。今後は、この実態調査の際に、航行不能等機能が喪失していると確認される船舶につきましては、東京都とも連携しながら、船舶の所有者に対し適正管理を求めてまいります。  最後に、台風時の避難対応についてのお尋ねです。鹿島橋横の係留地につきましては、当時、埋め立てに伴う生活再建のため、常時係留ができるよう埋立事業により残した場所であります。また、台風時の緊急避難については、船舶各自の責任により対応する取り決めとなっておりますが、管理者である東京都と連携し、船の持ち主に対し、安全対策等の注意喚起を行うとともに、これまでの経緯等を踏まえ検証してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔二十六番(榎本 茂君)登壇〕 ○二十六番(榎本茂君) ただいまの答弁に対して再質問をさせていただきます。  鹿島橋下の水域に隣接する芝浦三丁目百十八番三にある百四十七・二二平方メートルの区有地は、漁業者に無償で貸与し続けられてきました。条例にもありますように、区有財産である土地を無償で貸し付けるには、それが公共性が高い事業である必要性があることは論をまちません。この区有地が漁業者に無償で貸し付けられているのは、公共性がある台風避難の場所である以外に説明はつきません。生活のためと言うのであれば、無償である必要はないわけです。もともと漁業者は埋め立てに際して、当時、護岸の土地を借りていたわけでも所有していたわけでもありません。  現在、新芝運河の埋め立てに際して残され、漁業協同組合に所属する特定の個人と事業者が半世紀にわたって使用している土地は、漁業協同組合が台風の避難場所として残すように要求して、それに区が応えてきたものです。それが一隻の避難船も入らないほど水域は船で埋め尽くされ、その大半は稼働していません。無料で貸し出されている区有地の資産価値は一億円以上です。賃借すれば、年に六百万円。それを半世紀以上無料で貸し続けている。古川に係留している漁船が避難する場所として漁業協同組合が要求して、用意した水域であるのなら、きちんと動いていない船には、背後地の地権者として、東京都港湾局が漁業者に毎年求めている翌年の水域の利用の承諾を行わないなど、毅然とした対応をしていただきたいと思うのです。  区が許可しなければ、あの水域に船は翌年係留することはできません。区が大規模な水害に見舞われないために必要なことです。多くの人命と財産の損失を防ぐために必要なことです。区として、新芝運河を占有している船を置いている漁業者に、台風の避難場所としての水域をあけるように、使用していない船に対しては、翌年の使用承諾に関して行わないなど対応を検討していただけるかどうか、具体的に再度伺わせてください。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの都民ファーストと日本維新の会の榎本茂議員の再質問にお答えいたします。  鹿島橋横の係留地に係留している船舶についてのお尋ねでございますが、これまでの経緯等も踏まえまして、現状等も調べる中で検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 次に、九番熊田ちづ子議員。   〔九番(熊田ちづ子君)登壇、拍手〕 ○九番(熊田ちづ子君) 第四回港区議会定例会にあたり、日本共産党港区議員団を代表して、区長、教育長に質問いたします。  羽田低空飛行計画の見直しについてです。  十月二十九日に新宿文化センターで国土交通省が提案している羽田空港の制限表面の変更に関する公聴会が開かれました。当日は、五十五名の公述人が意見を述べました。反対意見は二十六名、賛成意見は二十九名でした。反対意見の中には視覚障害者の方が介助者とともに登壇され、毎日の生活はまちの音を頼りに生活している。横断歩道を渡る際も車の音を聞きながら渡っている。飛行機の騒音によって音がかき消され、安全が守れないと切実に訴えました。風見区議会議員も意見を述べ、国際便を増やすため、住民の安全・安心に暮らしたいという願いを踏みにじるものであり、都心上空を飛ぶ限り事故が起きる可能性があり、事故を起こさないための最大の保証は飛ばないことだと、住民の思いを発言しました。  驚いたことに賛成の意見を述べた方は、東京国際空港ターミナル株式会社企画部部長、ホテルや旅館の組合や協会代表、全日本空輸株式会社、日本航空株式会社、株式会社ソラシドエアなど、ほとんどが企業の代表者です。増便により会社の利益になるとの意見です。傍聴者から「航路下で生活している人のことを考えているのか」といった怒りの声が上がりました。反対の意見を述べた方たちは持ち時間いっぱい使って切実な意見を述べたのに対し、賛成者はわずか数分のみ。自分の番が終わると会場を後にする方が多く見られました。  国土交通省が低空飛行に向けた準備を進めている今こそ、区長は区民の代表として、羽田空港増便による低空飛行計画の見直しを国に求めるべきです。  教室型説明会を行うよう国に申し入れること。答弁を求めます。  災害時の情報提供についてです。  台風第十九号が発生したとき、港区は、十一月九日午前九時に水防本部を設置、十二日午前九時に避難準備・高齢者等避難開始を発令し、十八カ所の避難所を設置しました。周知の方法は区ホームページと防災情報メール等でした。港区地域防災計画には五十七カ所の区民避難所が掲載されていますから、自分の住まいから一番近いところを第一の避難所と考えるのが普通です。避難勧告が出ても、どこに行ったらよいかわかりません。区ホームページや防災情報メール以外に情報を得る手段として、テレビのLアラートやジェイコムで見られると言いますが、どれだけ区民が知っているかが問題です。  また、港区地域防災計画風水害編に要配慮者の支援体制とあり、区の役割は避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告の情報を伝達することと明記されています。港区には避難行動要支援者のうち平時から支援関係者への名簿提供に同意している人が千五百八十六人いますが、この方々へは情報は届いたのでしょうか。  区ホームページと防災情報メールだけでは、情報は一部の人にしか届きません。全ての区民に災害時に情報が入手できるよう、Lアラートやジェイコムの使い方も含めて繰り返し丁寧に知らせること。広報車を活用して、災害時の情報提供を行うこと。防災ラジオの普及を今以上に精力的に行うこと。加齢性難聴者には文字表示付きラジオを支給すること。それぞれ答弁を求めます。  避難所の受け入れについてです。  台風第十九号が猛威を振るった十二日の夜、不安を抱えテレビにくぎづけになっている住民が目を疑うようなテロップがジェイコムに流れました。避難所について、「区民の皆さんのご利用」、「港区に就業の方はご利用できません」との内容です。同日、ツイッターには、これを見た視聴者から「命を守る行動をと言っているんだ。ふざけんな」といった怒りの投稿があり、千を超えるリツイートがありました。台東区でもホームレスの人が避難所に行ったら断られたことが大きな問題になりました。  災害から身を守るための避難所、どんな理由であれ、選別・差別することがあってはなりません。なぜこんなことが起きたのか。事実関係を明らかにし、二度とこのような事態が起きないよう、しっかりと対応すべきです。それぞれ答弁を求めます。  社会保障改悪に反対することについてです。  消費税が一〇%に増税され、日々の暮らしの中で、「必要な物しか買っていない」、「広告チラシを見て安い物を買っている」など、多くの区民は生活を守るために必死です。消費税は社会保障のためと導入され、既に三十一年目に入りました。消費税の導入後も社会保障の切り下げが続けられてきました。  安倍政権が設置した「全世代型社会保障検討会議」は、一〇%増税直前に初会合を開き、社会保障制度のさらなる負担増と給付削減を狙っています。医療では、七十五歳以上の窓口負担を一割から二割に倍増、外来受診時定額負担の新たな導入、湿布薬や花粉症治療薬など薬局で市販されている薬と似た成分を持つ医療用医薬品を保険給付から外すことなどが検討されています。  介護保険では、利用料の一割を二割に、要支援一、二に続いて、要介護一、二の生活援助サービスも保険給付から外すことや、ケアプランに新たに負担を導入することなど、どの分野でも負担増が検討されています。区民の命を守る区長として、社会保障の改悪をやめるよう国に申し入れるべきです。答弁を求めます。  病院再編問題についてです。  九月末、厚生労働省は再編・統合の検討が必要と、四百二十四の公立病院・公的病院の病院名を突然公表いたしました。港区は済生会中央病院と東京大学医科学研究所附属病院の二カ所です。患者さんや病院関係者から病院がなくなってしまうのか、なくなったら困るといった不安や心配の声が上がっています。  済生会中央病院の高木誠病院長は、「厚生労働省の今回のやり方には断固抗議します」と、厚生労働省の地域医療構想に関する病院名公表に対する当院の見解を発表しました。「患者さんや職員の不安を大きくし動揺させるような、また風評被害の原因ともなる突然の病院名の公表という厚労省の今回のやり方には断固抗議します。ある日突然、厚労省から再編、統廃合の対象として指定されたことの不条理に憤りを感じます。その病院の地域での貢献度や存在意義をまったく無視した一方的な選定方法にも納得できません。当院は、すでに「公的医療機関等二〇二五プラン」によって公表したように、今後も急性期機能(高度急性期を含む)を中心とした地域医療支援病院、救命救急センター、災害拠点病院として、この地域の中核病院の役割を果たしていきます。したがって、現在のところ、再編、統廃合の計画は全くありませんので、患者さんもこれまでどおり安心して受診していただければ幸いです」との力強い内容です。  済生会中央病院は、上記以外にも無料定額診療の実施や乳児院の運営など社会福祉事業にも取り組んでおり、港区にとってなくてはならない病院です。今回、名前が公表された二つの病院と港区は、十一月十一日に災害時の緊急救護所に関する協定を結んだばかりです。再編リストに公表された二つの病院と早急に意見交換を行うこと。今回の厚生労働省による分析結果の公表に抗議し、撤回を求めること。再編統合しないよう、港区として申し入れること。答弁を求めます。  子ども家庭総合支援センターについてです。  子どもの虐待死などが後を絶たず、多くの方が小さな命をなぜ守れなかったのかと心を痛めています。子どもへの虐待の裏には母親へのDVがあり、一体として支援の必要性が明らかになりました。二度とこのような悲惨な事件を起こさないためにも、子ども家庭総合支援センターの役割は大きいと思います。行政と議会、そして区民が連携して、全ての子どもの権利が守られ、どの子も健やかに育つことができる社会、その実現のためにも核となる子ども家庭総合支援センター実現に私たちも大いに力を注ぐ決意です。  現在、港区は、子ども家庭支援センターで要保護児童への支援や養育支援、子どもの虐待など子どもに関する相談を受けています。子ども家庭課の家庭相談センターで家庭相談や母子・父子の福祉相談、DVを含む女性福祉相談を受けています。子ども家庭総合支援センターが設置されることで、より連携が図られ支援が強化されることは、虐待で苦しむ子どもをなくすためにも、虐待を防止するためにも、幅広い子育て支援、区民に寄り添った支援がより強化されることになります。区民にとって一番身近な基礎的自治体だからこそ、できることが多くあると思います。私たちもよりよい施設になるよう取り組んでまいります。  質問は、職員の確保と体制についてです。児童相談所の設置に向けて、東京都の児童相談所をはじめ八カ所に十三名の職員を研修のために派遣しています。二十二区で児童相談所を設置するにあたり、どこでも職員の確保と育成が課題です。十一月七日に行われた特別区の研修会でも職員確保が課題だと指摘されました。児童相談所では児童精神科医や弁護士などの専門家も必要になります。専門家も含めた職員体制と職員確保について答弁を求めます。  職員の専門性を高めるための異動のあり方についてです。児童相談所や子ども家庭支援センターは、より専門性が求められることになります。通常の職員の異動基準である四年から五年の異動では、専門性は育ちにくいと考えます。より専門性を高め、経験豊かな職員配置となるよう、職員異動の期間についても考えるべきです。答弁を求めます。  現在の子ども家庭課にある家庭相談センターは、業務の一部を委託しています。DV被害者の相談や保護、母子生活支援施設入所、ひとり親家庭に対しての相談や支援といった重要な内容を業務委託しています。これでは職員の専門性は高まりません。業務委託はやめ、区の職員で対応すべきです。答弁を求めます。  バリアフリーの推進についてです。  港区は平成二十六年に港区バリアフリー基本構想を改定しています。ここでは「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に合わせ、誰もが安心、快適に移動できるバリアフリー空間の計画的な整備を進めていく方針です。  先日、電動車椅子の方から、横断歩道を渡るときに歩道と車道の段差が上り切れないと相談がありました。電動車椅子の方は、乗りおりが困難で交通機関を利用することが難しいことから、近隣だけでなく、かなりの距離を電動車椅子で移動します。みなとパーク芝浦に電動車椅子で行った際に入り口がわからず、バイクどめの柵で入れなかったようです。区内全域の横断歩道の段差の調査を行い、早急にバリアフリー化を進めること。みなとパーク芝浦の線路側玄関への案内板を設置すること。それぞれ答弁を求めます。  国民健康保険の短期証・資格証の発行をやめることについてです。  十月二十五日付の新聞に、横浜市が国民健康保険証の短期証の発行をやめますとの報道がされました。横浜市はことしの八月から短期証の交付をやめて、全員に通常の保険証を交付しています。二〇一六年には窓口で全額支払わなければならない資格証明書の交付もやめています。  港区は、十月三十一日現在、短期証の発行が六件、資格証明書の発行が百二十五件です。国民健康保険法は、短期証や資格証明書交付の際は機械的に一律に運用することなく、納付できない特別の事情があるか否かを適切に判断するようにとの留意点を挙げ、自治体に通知をしています。  横浜市の担当課は、今回の対応を法や政府の国会答弁、厚生労働省の通達などの趣旨に基づく対応であり、意図的に支払わないという人はほとんどおらず、適切に判断をすれば交付はゼロになると話しています。港区も区民の命・健康を守る立場で、短期証や資格証明書の発行をやめるべきです。答弁を求めます。  最後の質問は教員の働き方改革についてです。  政府は、公立学校の教員に一年単位の変形労働時間制を導入する法案を国会に提出しました。学期中の労働時間を延長するかわりに、夏休み期間中に休日をまとめてとれるようになると文部科学省は説明しますが、教育現場の実態からかけ離れた空論です。  教員の長時間労働は依然として深刻で、過労による休職や痛ましい過労死が後を絶ちません。文部科学省の調査では、中学校教員の約六割、小学校教員の約三割が月の残業八十時間超えで、過労死ラインを超えています。港区では、小学校の六月の平均は約五十四時間の残業、中学校は四十七時間の残業となっています。最高では百九十時間を超える残業をしています。  人間の心身は繁忙期の疲労を閑散期で回復できるようにはなっておらず、労働科学研究所の上席主任研究員の佐々木司さんは、「労働時間が長くなれば睡眠が短くなり、情動ストレスの回復をおくらせ、脳・心臓疾患、精神疾患のリスクを高める」と指摘しています。  今やるべきことは、子どもたちと向き合うことができるよう、教員を増やすことです。教員の一年単位の変形労働時間制導入はやめるよう、国に求めること。答弁を求めます。  質問は以上です。答弁によっては再質問を行うことを申し述べて質問を終わります。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、羽田空港新飛行経路についてのお尋ねです。  まず、計画の見直しを国に求めることについてです。新飛行経路の運用につきましては、国の航空政策として、国の責任において区民の理解を得て進めるべきものと考えております。このため区は、計画の見直しを国に求めることは考えておりませんが、区民の安全と生活環境を守る立場から、国に対し、騒音や落下物の新たな追加対策や不動産価値の調査結果等を区民の皆さんに丁寧に説明するとともに、さらなる安全対策や騒音対策等に積極的に取り組むよう、引き続き要請してまいります。  次に、教室型説明会の開催を国に申し入れることについてのお尋ねです。教室型説明会の開催については、地域からの要望等を踏まえ、国に要望してまいりましたが、改めて航路下の小学校区など、区内全域で教室型説明会を開催するよう、国に要請してまいります。  次に、災害時の情報提供についてのお尋ねです。  まず、災害時の情報入手方法の周知についてです。区は、台風第十九号の接近に際し、防災行政無線や防災ラジオ、区ホームページ、防災情報メールに加え、SNSや、自宅のテレビから情報を入手できるジェイコムチャンネルやLアラートなどにより、災害情報を発信いたしました。引き続き、これらの情報をより多くの皆さんに活用いただけるよう、情報の入手方法を広報みなとや区ホームページ等でわかりやすく周知していくとともに、地域の出前講座や地域防災協議会の会合などのさまざまな機会を捉え、丁寧に説明をしてまいります。  次に、青色防犯パトロール車両を活用した情報提供についてのお尋ねです。区では、古川の溢水の危険性が高まった場合など、地域を限定して災害情報を伝える際に、青色防犯パトロール車両による災害情報の広報を行っております。今後も、気象条件や災害の状況などに応じて、青色防犯パトロール車両による情報提供について取り組んでまいります。  次に、防災ラジオの普及と高齢の難聴者に対する文字表示付きラジオの支給についてのお尋ねです。区は、防災ラジオが、防災行政無線が聞き取りにくい世帯に行き渡るよう、広報みなとや区ホームページのほか、防災訓練などの機会を捉えて周知に努めております。防災ラジオは、台風や豪雨の際にも非常に有効な情報伝達手段であり、引き続き周知に努めるとともに、配布対象の見直しも含め、一層の普及を図ってまいります。  また、文字表示付き防災ラジオについては、身体障害者手帳に聴覚障害の記載がある方を対象に配布しております。身体障害者手帳をお持ちでない高齢の難聴者への対応については、今後検討してまいります。  次に、避難所の受け入れについてのお尋ねです。  まず、ジェイコムチャンネルの放送に関する事実関係についてです。ジェイコムチャンネルでは、区ホームページに掲載される避難所開設等の災害情報をテロップで放送しております。区は、当初、自宅で過ごすことが不安な区民を対象に自主避難施設を開設いたしました。その後、警戒レベル三の避難準備・高齢者等避難開始の発令に伴い、避難所に移行し、避難が必要な方を例外なく受け入れました。しかし、避難所へ移行する際に、自主避難施設を避難所へと移行する際にですが、避難者を限定しない旨を案内すべきところを、区ホームページの情報を修正しなかったため、テロップでも誤った情報が放送されました。  次に、再発防止策についてのお尋ねです。今後、区ホームページに掲載する災害情報については、正確な情報を迅速に発信できるよう、自主避難施設から避難所への移行など、情報の更新が必要な局面でのチェックリストの活用や、複数の職員による確認の徹底など、体制を強化いたします。また、株式会社ジェイコム東京とは、放送前に双方で内容の確認をするなど連携を強化し、再発防止を徹底してまいります。
     次に、社会保障制度の見直しを行わないよう国に要望することについてのお尋ねです。  国は、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、本年九月から開催されている全世代型社会保障検討会議や平成三十年度から開催されている社会保障審議会の各部会において、広範な議論を行い、後期高齢者医療制度や介護保険制度における給付と負担のあり方などの見直しを進めております。これまでも制度を見直す場合には、全国市長会や全国後期高齢者医療広域連合協議会を通じて、現状維持を基本とし、検討を慎重に進めていくことなどを国に要望しております。今後も、国の動向について注視をしてまいります。  次に、病院再編問題についてのお尋ねです。  まず、再編統合リストの病院との意見交換についてです。区は、東京都と東京都医師会が共催する、医療機関の代表、港区医師会及び区等で構成された「区中央部の東京都地域医療構想調整会議」に参加し、必要な医療機能について意見交換などを行ってまいりました。  今月十一日の会議においては、国が代替可能性がある等とした医療機関リストに掲載している当該病院から直接、現状や意見の聴取が行われました。このため、区独自での意見交換の予定はありませんが、引き続きこの会議において意見交換を行ってまいります。  次に、再編統合しないよう厚生労働省に求めることについてのお尋ねです。今回示された代替可能性がある等の公的医療機関リストは、類似の医療機関が隣接しているかなど全国一律の基準を機械的に適用したものです。各病院の特色や地域特性は考慮されておらず、今後、都道府県ごとに検討を行うこととされております。このため、今回再編統合リストに示された港区内の二つの病院について、直ちに統廃合につながるものではありません。このため、再編統合しないよう厚生労働省に求める予定はありませんが、引き続き「区中央部の東京都地域医療構想調整会議」で意見交換等を行ってまいります。  次に、(仮称)港区子ども家庭総合支援センターについてのお尋ねです。  まず、児童相談所の職員確保と育成についてです。区は、東京都、福岡市などの児童相談所に職員を派遣し、児童福祉司、児童心理司等を育成しております。現在、児童相談所長と児童福祉司・児童心理司スーパーバイザーの採用選考を行うなど、職員の確保は着実に進んでおります。区は、国の配置基準以上の体制を目指しており、引き続き職員採用や派遣、専門職研修等に取り組んでまいります。  医師や弁護士の配置にあたっては、子どもと家庭の問題に常時対応できる体制を構築するため、医療機関や専門団体等との協議を継続してまいります。  次に、児童相談所と子ども家庭支援センター職員の異動年限についてのお尋ねです。国が定めた児童相談所運営指針では、児童心理司のスーパーバイザーは、十年程度の経験が必要であるとしています。また、特別区職員研修所の児童福祉司及び児童心理司の研修は、修了までに五年程度を要するとしています。子どもと家庭の相談業務は、さまざまな相談に日々対応する経験と、職にふさわしい専門研修を積み重ねることで高い専門性が育成されるものと考えております。区民が安心して、高い専門性を備えた職員に相談ができるようにするためには、一定の勤務年数が必要と考えることから、今後、適正な異動年限を検討してまいります。  次に、家庭相談センター事業の執行体制についてのお尋ねです。区は、平成二十一年四月に、都内で初めて配偶者暴力相談支援センター機能を持つ家庭相談センターを庁内に設置し、相談の受付や制度の案内など一部業務を委託により運営しております。家庭相談センターに寄せられる相談内容は、年々複雑化・多様化しており、警察や弁護士などの関係機関との調整も多岐にわたっております。受付から支援までより細かな対応が必要とされる中で、事業開始当初と現在では状況が大きく変化しております。今後、家庭相談センター事業をより適切に運営するため、業務委託の見直しも視野に執行体制の強化・充実を図ってまいります。  次に、バリアフリー化の推進についてのお尋ねです。  まず、横断歩道部の段差のバリアフリー化についてです。横断歩道部の車道と歩道の段差は、つえで段差を認識する視覚障害者の安全な通行を考慮して設けられております。区は、視覚障害者はもとより、車椅子使用者やベビーカー利用者がより安全に移動できるよう、道路整備や補修の機会を捉え、段差をスロープ状とする改修を行っております。今後、区内の横断歩道を速やかに調査し、区道上の横断歩道の改修を進めるとともに、国道、都道管理者に対しても改修を要請することで、バリアフリー化をさらに推進してまいります。  次に、みなとパーク芝浦線路側玄関への電動車椅子を含む車椅子利用者への案内板の設置についてのお尋ねです。現在、みなとパーク芝浦敷地周辺では、(仮称)芝浦第二小学校の新築などの工事に伴う仮囲いが設置され、みなとパーク芝浦線路側玄関への行き方がわかりにくくなっておりました。区は、JR田町駅東口方面から、みなとパーク芝浦に来られる車椅子利用者の方にわかりやすいよう、工事用仮囲いや敷地内の街路灯の柱など、十五カ所に案内板を早急に設置いたしました。引き続き、区民の皆様が安心して利用できる施設となるよう努めてまいります。  最後に、国民健康保険短期被保険者証・被保険者資格証明書の交付を行わないことについてのお尋ねです。  区では、保険料を滞納されている方には、収入状況等個別の事情をお伺いし、丁寧な納付相談を行っております。相談の中で納付のお約束をいただいた場合には、短期被保険者証を交付しております。長期や高額の滞納があり、納付相談の案内に応じていただけない場合には、被保険者資格証明書を交付しております。今後も、相談に来られた方に寄り添った丁寧な納付相談に努めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子議員のご質問にお答えいたします。  教員の一年単位の変形労働時間制導入をやめるよう国に求めることについてのお尋ねです。  変形労働時間制の導入を柱とする「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律」案が今月十九日の衆議院本会議で可決されました。現在、参議院において審議中であることから、制度の導入をやめるよう国に求めることは考えておりませんが、今後も国会での審議を注視してまいります。  また、教育委員会としては、引き続き教職員の勤務実態をより正確に把握するとともに、港区教職員の働き方改革実施計画の取り組みを着実に進めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔九番(熊田ちづ子君)登壇〕 ○九番(熊田ちづ子君) 再質問を行います。一つは羽田の問題です。  国は、地元の理解を得て進めるという約束をしておりましたが、都心上空を飛行する整備をどんどん今進めています。しかし、住民の理解は得られていません。提出されている請願でも、本日、航路下の六町会の町会長さんたちから追加署名がありました。全部で十五町会になりました。港区議会でも固定化せず、別の選択肢を検討するようという意見書が提出されました。住民、議会とも理解は得られていません。  先ほどもちょっと触れましたけれども、公聴会、賛成はほとんど企業です。なぜ企業の利益のために住民の安全・安心が脅かされなければならないのでしょうか。区長は区民の代表です。ですから、ぜひ区民の代表として、住民の安全・安心を守るために、再度見直しを求めていただきたいと思います。  来年一月三十日から実機を使った飛行確認を行う計画です。南風のときA滑走路で一時間十四回、C滑走路で一時間三十回というふうになっています。こんなときだからこそ、ぜひ区長、自治体の長として声を上げるべきだと思いますので、この点については、ぜひ再答弁をお願いしたいと思います。  それから、教員の働き方の変形労働時間制についてです。  繁忙期に勤務時間が増えても時間外労働とみなされず、その分、夏休みでとる。これでは、今でも問題になっている教員の方たちの長時間労働の改善にはなりません。港区の過去五年間の教員の病気休職者を調べていただきました。多い年で十三人です。そして、そのうちの十一人が精神疾患によるものです。休職期間が六カ月以上の職員が六割を超えています。長時間労働は教員の健康を害します。先生方が本当に健康で心に余裕を持って教育に携われることが、子どもたちの教育にとって最も重要なことだと思います。今も課題である長時間労働の改善とも逆行する今回の変形労働時間制の導入はやめるべきです。今、声を上げていただきたいと思いますので、この点についても再度、答弁をお願いしたいと思います。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子議員の再質問にお答えいたします。  羽田空港新飛行経路についてのお尋ねです。  これまで、区といたしまして、区民の安全と生活環境を守る立場から、区民へのきめ細かな情報提供、丁寧な説明を行うとともに安全対策、騒音対策、あるいは不動産価値の変動調査などを求めてまいりました。その求めに応じて、国は今回、新たな不動産価値の変動調査などについて行った結果を説明するということとしております。引き続き、区民の皆様に対して丁寧な説明を行うとともに、落下物対策、騒音対策等についても、さらなる対策を強化するよう国に求めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子議員の再質問にお答えいたします。  教員の一年単位の変形労働時間制導入をやめるよう国に求めることについてのお尋ねです。  先ほど申し上げたとおり、現在、改正法案が参議院で審議中であります。したがって、国にこの制度の導入をやめるよう求めることは考えておりませんが、今後も国会での審議を注視してまいります。  教育委員会としては、まずは教職員の勤務実態を正確に把握することが重要であると考えておりますので、その部分をきちっと行っていきたいと思います。また、並行して、港区教職員の働き方改革実施計画に計上した取り組みを着実に実施しておりますけれども、この中で計上した取り組みについては、きちっとこれからも行っていきたいと思っております。これがまずは港区教育委員会として、今やるべきことだと考えておりますので、よろしく理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 以上にて、本日の日程は全部終了いたしました。  本日の会議は、これをもって散会いたします。                                       午後四時四十七分散会...