港区議会 2019-02-25
平成31年度予算特別委員会−02月25日
平成31年度
予算特別委員会−02月25日平成31年度
予算特別委員会
平成31年度
予算特別委員会速記録(第2号)
平成31年2月25日(月) 午後1時開会
場 所 第3・4委員会室
〇出席委員(33名)
委 員 長 土 屋 準
副委員長 山野井 つよし 林 田 和 雄
理 事 榎 本 あゆみ 兵 藤 ゆうこ
黒崎 ゆういち 鈴 木 たかや
大 滝 実 ゆうき くみこ
杉本 とよひろ
委 員 玉 木 まこと 丸山 たかのり
池 田 たけし 小 倉 りえこ
赤 坂 大 輔 榎 本 茂
横 尾 俊 成 清 家 あ い
やなざわ 亜紀 有 働 巧
いのくま 正一 杉 浦 のりお
なかまえ 由紀 阿 部 浩 子
近 藤 まさ子 二 島 豊 司
池 田 こうじ 熊 田 ちづ子
風 見 利 男 七 戸 じゅん
清 原 和 幸 うかい 雅 彦
井 筒 宣 弘
〇欠席委員(1名)
ちほぎ みき子
〇出席説明員
区長 武 井 雅 昭
副区長 田 中 秀 司 副区長 小柳津 明
教育長 青 木 康 平
芝地区総合支所長
環境リサイクル支援部長兼務 新 井 樹 夫
芝地区総合支所副総合支所長
芝地区総合支所管理課長兼務 高 嶋 慶 一
麻布地区総合支所長
子ども家庭支援部長兼務 有 賀 謙 二
麻布地区総合支所副総合支所長
麻布地区総合支所管理課長兼務 上 村 隆
赤坂地区総合支所長
保健福祉支援部長兼務 森 信 二
赤坂地区総合支所副総合支所長
赤坂地区総合支所管理課長兼務 後 藤 邦 正
赤坂地区総合支所
まちづくり課長 小 林 秀 典
高輪地区総合支所長
街づくり支援部長兼務 野 澤 靖 弘
芝浦港南地区総合支所長
産業・
地域振興支援部長兼務
(
芝浦港南地区総合支所副
総合支所長事務取扱
芝浦港南地区総合支所管理課長事務取扱) 星 川 邦 昭
芝浦港南地区総合支所
協働推進課長 大 浦 昇
地域振興課長 櫻 庭 靖 之 国際化・
文化芸術担当課長 大久保 明 子
税務課長 重 富 敦
保健福祉課長 西 田 京 子
福祉施設整備担当部長 佐 藤 雅 志
みなと保健所長 阿 部 敦 子
生活衛生課長 村 山 正 一
子ども家庭課長 佐 藤 博 史
都市計画課長 冨 田 慎 二
街づくり事業担当部長 坂 本 徹
環境課長 茂 木 英 雄
企画経営部長 浦 田 幹 男
企画課長
オリンピック・
パラリンピック推進担当課長兼務 野 上 宏
全国連携推進担当課長
区役所改革担当課長兼務 坪 本 兆 生
用地・
施設活用担当課長 山 田 康 友 区長室長 大 澤 鉄 也
財政課長 荒 川 正 行 施設課長 大 森 隆 広
用地・
施設活用担当部長 齋 藤 哲 雄
防災危機管理室長 長谷川 浩 義
防災課長 白 井 隆 司 危機管理・
生活安全担当課長 滑 川 寛 之
総務部長 北 本 治
総務課長 湯 川 康 生 人権・
男女平等参画担当課長 江 村 信 行
情報政策課長 若 杉 健 次 人事課長 太 田 貴 二
人材育成推進担当課長 八 木 弘 樹 契約管財課長 吉 田 宗 史
会計管理者
(
会計室長事務取扱) 亀 田 賢 治
教育推進部長 新 宮 弘 章
教育長室長 中 島 博 子
学校教育部長 堀 二三雄
選挙管理委員会事務局長
(次長事務取扱) 高 橋 辰 美
監査事務局長 横 山 大地郎
監査事務局次長 沼 倉 賢 司
〇出席事務局職員
区議会事務局長 大 滝 裕 之 次 長 河 本 良 江
ほか
午後 1時00分 開会
○委員長(土屋準君) ただいまから平成31年度予算特別委員会を開会いたします。
審議の初日にあたりまして、一言ご挨拶申し上げます。
平成31年度予算特別委員長を務めることになりました土屋準でございます。今回の予算案は、過去2番目の規模と言われておりますけれども、最大でありましたのは平成29年度予算で、このときは380億円の震災復興基金の積み立てという臨時の経費がございましたので、それを除けば今回が過去最大の予算規模という予算案になります。折しも平成最後の年度、そして、新しい元号の初年度となる予算案でございます。新しい時代を見据えた議論になるかと思いますけれども、円滑な運営、そして実りある審議となるように努めてまいりますので、委員の皆様、理事者の皆様のご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、副委員長から順次ご挨拶をお願いしたいと思います。初めに、山野井つよし副委員長、お願いいたします。
○副委員長(山野井つよし君) 山野井でございます。土屋委員長をお支えし、円滑な運営に努めてまいりたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
○委員長(土屋準君) 続いて、林田和雄副委員長、お願いいたします。
○副委員長(林田和雄君) 副委員長を仰せつかりました林田和雄でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○委員長(土屋準君) それでは、本日の署名議員をご指名いたします。山野井つよし副委員長、兵藤ゆうこ委員にお願いいたします。
次に、欠席者についてお知らせします。ちほぎ委員より、本日から3月8日金曜日までの予算特別委員会について、欠席の届けが提出されておりますので、ご報告いたします。
傍聴者から、撮影・録音の申し出がありました。これを許可したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(土屋準君) それでは、そのようにさせていただきます。
次に、正副委員長協議の結果、委員長職務代行の順位は、山野井つよし副委員長、林田和雄副委員長の順に決定いたしましたので、ご報告申し上げます。
次に、当委員会の担当書記を紹介いたします。大久保信博さん、出口明子さんです。よろしくお願いいたします。
次に、平成31年度
予算特別委員会(理事会)申し合わせ事項について、理事会で協議の結果、お手元に配付のとおり決定いたしました。
それでは、書記に朗読してもらいますので、ご確認をお願いいたします。
(書記朗読)
───────────────────────────────────
平成31年度
予算特別委員会(理事会)申し合わせ事項
1 本委員会は、実質審議日を9日間とする。
2 理事会
(1) 理事会は、委員会の運営に関する事項を協議し、理事会で決定した事項は各会派の責任において遵守する。
(2) 理事会は、必要に応じて適宜開会する。
3 理事は、委員会において、自会派の委員が3分の2以上出席しているよう努力する。
4 委員会日程は、1日目の日程を踏襲する。(2日目以降は、配付しない。)
5 各款ごとの審議日程及び基準審議時間は、別表のとおりとする。
6 委員会は、原則として午後1時に開会し、午後5時に終了する。
7 休憩及び審議上区切りの悪い場合、若干の時間延長は、正・副委員長に一任する。
8 資料要求については、正・副委員長で別途協議し、必要に応じて理事会に諮って決する。
9 質疑の方法
(1) 質問は事前通告制とし、別紙様式によって、原則として当該質疑の2日前までに、委員長に提出する。
なお、通告した質問項目以外の質問についても、「その他」として弾力的に対応する。
また、総括質問項目についても質疑前日までに委員長に提出する。
(2) 質疑は、あらかじめ調整された時間内で行う。
(3) 説明員の答弁は簡潔で要を得、質問に直接ふれる答弁となるよう事前に申し入れる。
(4) 質問の際に資料を使用する場合は、予め委員長に申し出る。
10 時間の表示について
質問者が時間の経過を知るための表示機器を置くことができる。
11 審議手順
(1) 予算関係資料の説明を受ける。
(2) 一般会計歳入の説明と質疑を行う。
(3) 一般会計歳出は、款ごとに説明と質疑を行う。
(4)
国民健康保険事業会計、
後期高齢者医療会計及び介護保険会計は、それぞれ歳入と歳出を一括して説明と質疑を行う。
12 説明と答弁
(1) 説明は、財政課長が行う。
(2) 答弁は、担当部課長を中心に行う。
13 行政委員の出席については、正・副委員長で別途協議し、必要に応じて理事会に諮って議長に要請する。なお、要請にあたっては、質問事項を具体的に明示する。
14 総括質問、態度表明の順序
自民党議員団、みなと政策会議、公明党議員団、共産党議員団、日本維新の会、都民ファーストの会、街づくりミナト
15 委員会の座席について
別紙のとおりとする。
16 インターネットによる生中継及び録画配信について
(1) 全日程の開会から閉会までの生中継及び録画配信を行う。
(2) インターネットによる生中継時に発言者名をサブ画面に表示する。
(3) 質問通告書提出後の「質問の取りやめ」及び「質問者順の変更」については、原則として、当該質疑の前日(前日が休みの場合は、直近の平日)の午後1時までに委員長に申し出る。
───────────────────────────────────
○委員長(土屋準君) 以上でありますが、何かございますでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(土屋準君) それでは、平成31年度
予算特別委員会(理事会)申し合わせ事項は確認されました。
───────────────────────────────────
○委員長(土屋準君) 次に、資料要求について申し上げます。2月19日火曜日に、共産党議員団より18点の資料要求の申し出がありました。この取り扱いにつきましては、
理事会申し合わせ事項に従いまして、正副委員長で協議をした結果、提出願うということになりました。22日金曜日に、各会派に配付いたしましたので、ご確認をよろしくお願いいたします。
次に、質問時間についてですが、持ち時間が終了し、表示機器が鳴った後、引き続き質問された場合の超過時間、並びに時間を残して終了した場合の残余の時間につきましては、正副委員長において、後ほど各会派の理事さんを通じまして、ご連絡いたしますので、各会派内での調整をお願いいたします。質問者ご本人から調整する旨の申し出は、省略されて結構でございますので、よろしくお願いいたします。
なお、本日の終了時刻は、午後5時40分ごろを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
陳情書が議長宛てに提出され、当委員会に送付されました。お手元に配付してあります。ご参照ください。
───────────────────────────────────
○委員長(土屋準君) これより審議に入ります。
議案第10号 平成31年度港区一般会計予算、議案第11号 平成31年度港区
国民健康保険事業会計予算、議案第12号 平成31年度港区
後期高齢者医療会計予算、議案第13号 平成31年度港区
介護保険会計予算を議題といたします。
初めに、予算関係資料について、理事者の説明を求めます。
○財政課長(荒川正行君) それでは、平成31年度の港区各会計予算資料につきまして、ご説明いたします。
お手元には、平成31年度港区一般会計、
国民健康保険事業会計、
後期高齢者医療会計、介護保険会計の予算書及び予算説明書、あわせまして、平成31年度港区
一般会計予算参考資料及び平成31年度港区予算概要をお配りしてございます。
資料の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○委員長(土屋準君) 説明は終わりました。
───────────────────────────────────
○委員長(土屋準君) これより一般会計歳入の審議に入ります。
一般会計歳入について、理事者の説明を求めます。
○財政課長(荒川正行君) それでは、ただいま議題となりました平成31年度港区一般会計予算につきまして、ご説明いたします。
予算書の7ページをごらんください。最初に、予算の総則です。「平成31年度港区の一般会計の予算は、次に定めるところによる」としております。
まず、歳入歳出予算についてです。第1条第1項におきまして、「歳入歳出予算の総額は歳入歳出それぞれ1,415億7,000万円と定める」としております。第2項におきましては、「歳入歳出予算の款項の区分及び当該区分ごとの金額は、「第1表歳入歳出予算」による」としております。第1表につきましては、8ページから11ページに記載のとおりでございます。
第2条は、繰越明許費についてです。「地方自治法第213条第1項の規定により翌年度に繰り越して使用することができる経費は、「第2表繰越明許費」による」としております。第2表につきましては、12ページに記載のとおりでございます。
第3条は、債務負担行為についてです。「地方自治法第214条の規定により債務を負担する行為をすることができる事項、期間及び限度額は、「第3表債務負担行為」による」としております。第3表につきましては、13、14ページに記載のとおりでございます。
第4条は、一時借入金についてです。「地方自治法第235条の3第2項の規定による一時借入金の借入れの最高額は、5億円と定める」としております。
第5条は、歳出予算の流用についてです。「地方自治法第220条第2項ただし書の規定により歳出予算の各項の経費の金額を流用することができる場合は、各項に計上した給料、職員手当等及び共済費(賃金に係る共済費を除く)に係る予算額に過不足を生じた場合における同一款内でのこれらの経費の各項の間とする」としております。
それでは、予算説明書に基づきましてご説明をいたします。
一般会計予算説明書の6ページをごらんください。
歳入歳出予算事項別明細書の総括です。
まず歳入は、第1款特別区税から、第20款諸収入までです。内容については記載のとおりです。
次に、7ページ、歳出ですが、第1款議会費から第11款予備費までです。内容は記載のとおりです。
なお、表の特定財源の欄のその他の内訳及び一般財源の内訳は、それぞれ欄外に記載のとおりでございます。
それでは、歳入各款の本年度の予算額につきまして、順次ご説明いたします。
10ページをごらんください。
第1款特別区税は800億2,109万7,000円で、前の年度に比べ27億2,465万7,000円、3.5%の増でございます。
その内訳です。項の1特別区民税は746億7,676万7,000円、前の年度に比べ32億9,097万円の増でございます。
項の2軽自動車税は7,264万3,000円で、前年度に比べ42万2,000円の増でございます。
12ページをごらんください。項の3特別区たばこ税は52億6,846万3,000円、前の年度に比べ5億6,692万9,000円の減でございます。
14ページをごらんください。項の4入湯税は322万4,000円で、前の年度に比べ19万4,000円の増でございます。
次に、第2款地方譲与税は4億4,540万1,000円で、前の年度に比べ900万円、2.1%の増でございます。
その内訳です。項の1
自動車重量譲与税は3億1,400万円で、前の年度と同額でございます。
項の2
地方揮発油譲与税は1億2,240万円で、前の年度と同額でございます。
項の3地方道路譲与税は、前の年度と同額で、科目存置の1,000円でございます。
項の4森林環境譲与税は900万円で、前の年度から皆増でございます。
次に、第3款利子割交付金は2億5,000万円で、前の年度と同額でございます。
次に、第4款配当割交付金は9億円で、前の年度に比べ2億円、28.6%の増でございます。
次に、第5
款株式等譲渡所得割交付金は7億4,400万円で、前の年度に比べ2億6,400万円、55.0%の増でございます。
次に、第6
款地方消費税交付金は113億3,000万円で、前の年度に比べ4億8,868万9,000円、4.5%の増でございます。
16ページをごらんください。第7
款自動車取得税交付金は1億円で、前の年度に比べ1億200万円、50.5%の減でございます。
次に、第8
款交通安全対策特別交付金は4,500万円で、前の年度と同額でございます。
次に、第9
款環境性能割交付金は4,000万円で、前の年度から皆増でございます。
次に、第10
款地方特例交付金は5,000万円で、前の年度と同額でございます。
次に、第11款特別区交付金は15億1,000円で、前の年度と同額でございます。
次に、第12款分担金及び負担金は19億4,241万3,000円で、前の年度に比べ1億9,813万4,000円、11.4%の増です。内容は全て負担金でございます。
18ページをごらんください。第13款使用料及び手数料は91億2,725万4,000円で、前の年度に比べ12億3,043万7,000円、15.6%の増でございます。
その内訳です。項の1使用料は83億772万4,000円で、前の年度に比べ12億346万1,000円の増でございます。
24ページをごらんください。項の2手数料は8億1,953万円で、前の年度に比べ2,697万6,000円の増でございます。
28ページをごらんください。第14款国庫支出金は146億8,528万1,000円で、前の年度に比べ8億3,509万7,000円、6.0%の増でございます。
その内訳です。項の1国庫負担金は95億8,230万6,000円で、前の年度に比べ9,233万4,000円の減でございます。
32ページをごらんください。項の2国庫補助金は50億9,356万2,000円で、前の年度に比べ9億2,449万8,000円の増でございます。
36ページをごらんください。項の3国庫委託金は941万3,000円で、前の年度に比べ293万3,000円の増でございます。
次に、第15款都支出金は91億1,396万3,000円で、前の年度に比べ19億747万7,000円、26.5%の増でございます。
その内訳です。項の1都負担金は31億4,126万5,000円で、前の年度に比べ6,191万1,000円の増でございます。
38ページをごらんください。項の2都補助金は50億4,302万1,000円で、前の年度に比べ16億7,737万9,000円の増でございます。
50ページをごらんください。項の3都委託金は9億2,967万7,000円で、前の年度に比べ1億6,818万7,000円の増でございます。
52ページをごらんください。第16款財産収入は5億7,090万4,000円で、前の年度に比べ668万7,000円、1.2%の増でございます。
その内訳です。項の1財産運用収入は5億7,063万9,000円で、前の年度に比べ644万5,000円の増でございます。
54ページをごらんください。項の2財産売払収入は26万5,000円で、前の年度に比べ24万2,000円の増でございます。
次に、第17款寄附金は1億7,370万9,000円で、前の年度に比べ555万9,000円、3.3%の増でございます。
56ページをごらんください。第18款繰入金は58億9,259万8,000円で、前の年度に比べ50億5,853万8,000円、46.2%の減でございます。
その内訳です。項の1基金繰入金は58億9,259万7,000円で、前の年度に比べ50億5,853万8,000円の減でございます。
60ページをごらんください。項の2特別会計繰入金は、前の年度と同様、科目存置の1,000円でございます。
次に、第19款繰越金は20億円で、前の年度と同額でございます。
最後に、第20款諸収入は26億3,837万9,000円で、前の年度に比べ5,919万9,000円、2.2%の減でございます。
その内訳です。項の1延滞金、加算金及び過料は1億2,790万4,000円で、前の年度に比べ4,126万円の減でございます。
項の2特別区預金利子は91万8,000円で、前の年度に比べ28万6,000円の減でございます。
項の3貸付金元利収入は4億8,455万4,000円で、前の年度に比べ63万4,000の増でございます。
62ページをごらんください。項の4受託事業収入は2億6,940万2,000円で、前の年度に比べ6,067万7,000円の減でございます。
項の5収益事業収入は1億9,183万2,000円で、前の年度に比べ3,845万円の増でございます。
項の6物品売払代金は765万6,000円で、前の年度に比べ28万円の減でございます。
64ページをごらんください。項の7雑入は15億5,611万3,000円で、前の年度に比べ422万円の増でございます。
以上をもちまして、歳入全款についての説明を終わります。
○委員長(土屋準君) 説明は終わりました。
───────────────────────────────────
○委員長(土屋準君) これより一般会計歳入の質疑を行います。
初めに、有働委員。
○委員(有働巧君) まず、
特別区民税滞納繰越分の徴収率向上の取り組みについてお伺いいたします。
税負担の公平性を考えたときに、滞納が発生した場合でも、早期に滞納額や滞納人数を圧縮していくことが重要です。平成31年度一般会計1,415億7,000万円等を審議するこの
予算特別委員会も、税金で開会されていることは言うまでもありません。延滞金を除く本税に係る滞納額は約23億円、滞納者数は約1万3,000人と、多くの方々がおりますが、年々圧縮傾向にあるとお伺いしております。生活状況や経営環境の厳しさにより、やむなく滞納してしまう方がいる一方で、収入・財産があるにもかかわらず納税意識が乏しい方もおり、年々対応は難しくなってきているともお伺いしております。
前者のケースに関しては、状況に応じた、きめ細かな納税相談を通じた分納や延滞金の縮減など、膝を詰めて適切に対応していただいていると思います。先ほど納税意識と申しましたが、私は、芝法人会青年部で租税教育を担当していますが、本当に納税意識の向上ということが大事だということを日々感じております。
一方で、後者のケースのように納税意識が乏しい方に対しては、納期限内にしっかりと税金を納めてくださっている方との公平性の観点から、毅然とした姿勢による滞納整理をぜひとも進めていただきたいと思います。区の徴収努力が結果として明確にあらわれるのが、滞納繰越分に係る徴収率だと思います。
そこで質問です。徴収率の状況と徴収率の向上に向けた滞納整理の具体的な取り組みについてお伺いいたします。
○税務課長(重富敦君) 区では、滞納者に対する文書での催告に加えまして、民間事業者を活用し、港区納税案内センターによる納税勧奨や、遠隔地への転出者の実態調査、捜索やタイヤロックといった強制的な滞納処分を実施してきた結果、平成29年度の滞納繰越の徴収率は、過去最高の37.6%を記録しました。今年度も捜索を17件、タイヤロック7件を実行し、差し押さえた動産や車の売却代金を滞納額に充当しております。
また、催告文書の開封を促すため、封筒のデザインを工夫したほか、スマートフォンのショートメッセージサービス機能を活用した納税案内なども開始しており、このような取り組みも徴収率の向上につながっていくものと考えております。
引き続き効果的かつ効率的な滞納整理を進めてまいります。
○委員(有働巧君) 区民生活の隅々まで目の行き届いた質の高い行政サービスを提供し続けるためにも、的確に対応できる財政構造を維持していくためにも、そのような業務努力は本当に必要です。滞納整理はやはり滞納者側も徴収者側も気分がよくはないと思います。ただ、業務意欲、使命感を高く持っていただきたいと思います。
次に、多様な収納方法導入の成果についてお伺いいたします。
約10年前までの税金の収納方法といえば、金融機関での窓口払いと口座振替しかなかったわけですが、平成19年度からコンビニエンスストアでの納付が可能となり、平成25年度にはインターネットバンキングを通じたモバイルレジが、また、昨年5月からクレジットカードでの納付が可能なモバイルクレジットが導入されました。区としても、納税者の利便性向上に向けた収納方法の多様化に取り組んでいただいていることは感謝したいと思います。
そこで、このような収納方法の多様化が進む中で、収納方法別の利用割合がどのような傾向で推移しているのか、また、昨年5月から開始したモバイルクレジットの利用状況について、あわせてお伺いしたいと思います。
○税務課長(重富敦君) 平成19年度に導入したコンビニ納付は、導入当初は件数ベースで全体に占める割合が22.9%でしたが、年々利用件数が伸びており、平成29年度は53.2%と、多くの方に利用していただいております。
平成25年度に導入しましたモバイルレジは、平成29年度の利用割合は2.7%とまだ低い数字ではありますが、こちらも年々利用件数を増やしております。
一方、金融機関での納付は大きく割合を減らしておりまして、より利便性の高い収納方法に流れる傾向があると分析しております。
昨年5月から開始したモバイルレジクレジットは、本年1月までの9カ月間の集計で、特別区民税・都民税で8,431件、軽自動車税で460件の利用実績となっております。これは前年のモバイルレジの利用実績を大きく上回っております。
24時間いつでもどこでも納付できる、モバイルレジやモバイルレジクレジットの利用は、今後も増加していくものと考えております。
○委員(有働巧君) 現金から電子決済の移行は、国を挙げて進められている中、税金をはじめとする公金の納付方法の多様化はますます進むと思います。全国の自治体の中には、LINEPayを導入する動きもあるとお伺いしております。また、ApplePayやPayPayなど、電子決済システムは実に多様です。港区においても、区民の利便性の向上、収納率の向上のため、さまざまな新技術の動向を把握し、ネットワークなどの課題もありますが、導入可能性の研究を積極的にぜひとも進めていただきたいと思います。
これで質問は終わります。
○委員長(土屋準君) 有働委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、清家委員。
○委員(清家あい君) 歳入予算の増額理由についてお伺いします。
平成31年度の一般会計予算は1,415億7,000万円となり、前年度比26億9,000万円増、過去2番目に高い額となりました。
国民健康保険事業会計も前年度比約7,395万円増、
後期高齢者医療会計も約1億7,287万円増、介護保険会計も9億5,206万円増といずれも増加しており、予算総額は約1,883億2,070万円で前年度比38億8,888万円増となっています。
一般会計の歳入の内訳を見ると、金額の増加に大きく影響しているのは、特別区民税収入の増加で、約32億9,000万円増えています。次いで使用料・手数料の増加、約12億3,000万円増、都支出金の増加、約19億700万円増があります。このような増収があるため、平成31年度は繰入金が前年度比約50億5,854万円減の5億8,926万円となり、財政調整基金を崩さずにすんでいます。
そこで、お伺いします。特別区民税収入、都支出金、使用料・手数料の増加の理由をそれぞれお伺いします。
○財政課長(荒川正行君) 特別区民税は、人口の増加に伴う納税義務者の増加や雇用・所得環境の改善、都支出金につきましては、市街地再開発事業などに伴う都市計画交付金や待機児童解消支援事業費など土木費や民生費の補助金が増加したこと、使用料及び手数料につきましては、道路占用料の改定に伴い土木費の使用料が増加したことなどが、歳入予算の増額の要因となってございます。
○委員(清家あい君) ありがとうございます。
使用料・手数料のところの増加の理由が、道路占用料の改定に伴う増収ということなので、占用料についてお伺いします。
公共物である道路や公園を継続的に使用する電柱や郵便ポスト、公衆電話などに対し、地代相当額を徴収する占用料を、区がそれらの設置者であるNTT東日本や東京電力などから徴収するものです。
平成17年度までは、特別区共通基準に基づく占用料額を徴収していましたが、港区の土地代が高いために、区の固定資産税評価額から積算した額と特別区共通基準額に大きな乖離がありました。そこで、道路占用料については平成18年度から、公園占用料については平成19年度から、港区の土地価格を基準とする占用料額となるよう、前年度比15%を上限とする占用料額の改定を実施し、平成27年度の改定でおおむね達成したということです。
その後は、東京都による固定資産税評価の見直しが3年に1度あるため、その見直しに合わせて占用料の改定を実施することとし、平成28年度の固定資産税評価の見直しに合わせた改定があり、今回平成31年度にも見直しが行われるため、使用料・手数料の大幅な増収が見込まれるということです。
そこでお伺いしますが、平成31年度の占用料の改定により、港区の電柱のうち第二種電柱の占用料額は、特別区共通基準額に比べてどれぐらい高くなっているのでしょうか。
また、私が住んでいる西麻布では、コンビニエンスストアの中に郵便ポストがついているのですが、家から一番近い郵便ポストが廃止になりました。占用料が高くなり過ぎると、事業者も設置を控えたいというモチベーションが働き、結果、区民の公共的なサービスの低下につながることがないのか懸念するのですが、そのような影響は今のところ出ていないのでしょうか。お伺いします。
○土木管理課長(岩崎雄一君) 最初に、特別区共通基準との比較についてでございます。
区の固定資産税評価額に基づき積算した第二種電柱の占用料額は、1本当たり3万5,200円となります。これに対し、特別区共通基準に基づき積算した第二種電柱の占用料額は、1本当たり1万2,200円です。したがいまして、港区の占用料額の方が2万3,000円高いこととなります。
次に、区民サービスへの影響についてでございます。
区内では、各地区においてさまざまなまちづくりが進められており、定住人口・就労人口ともに増加傾向にあります。これに伴い、電気やガス、通信といった各種占用企業者に対する需要も増加していると聞いております。このため、各種占用企業者との話の中では、サービス低下につながるような動きは出ておりません。
○委員(清家あい君) わかりました。ありがとうございます。
前年度比約12億円増となった使用料や手数料の主な部分を占めるのが占用料の増加ということで、第二種電柱1本当たり約2万円も特別区共通基準より高いということですが、地価に大きく依存するものだと思うので、これもまた大きく増減するものだと思います。そうした点にも留意して、中・長期的な財政運営をお願いいたします。
質問は以上です。
○委員長(土屋準君) 清家委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、杉本委員。
○委員(杉本とよひろ君) それでは、よろしくお願いいたします。
平成31年度の一般会計当初予算は1,415億7,000万円ということで、これは先ほどご説明がございましたとおり、人口増加に比例して納税義務者も増え、都支出金、また、使用料の増加、加えて、10月からの消費税率引き上げや景気回復に伴う雇用・所得環境の改善がすることへの期待から、前年度と比較して約26億9,000万円、率にして1.9%の増ということであります。
また、歳入の根幹をなす特別区民税収入は、歳入全体に占める割合が56.5%と、特別区の28.0%に比べ非常に高い構成比となっております。
そこで、今回は、地方消費税交付金と特別区民税収入の見通しの2点について、お伺いをいたします。
初めに、地方消費税交付金についてでございますけれども、地方消費税交付金の歳入は、平成31年度予算案では113億3,000万円が計上されておりますが、前年度と比較しますと4.5%、額にして約4億8,000万円余の増となっています。税収増を見込んだ要因、また、背景について、まずお伺いいたします。
○財政課長(荒川正行君) 地方消費税交付金の歳入については、東京都が収入した地方消費税額の半分を、小売年間販売額などの統計指標と人口により案分し、区市町村分として交付されてございます。
平成30年度は、当初予算108億円余に加えて、本定例会で補正予算として約11億円を計上し、119億円程度の決算を見込んでございます。
平成31年度につきましては、消費動向などの現在の社会経済状況や、平成30年度の決算見込みを考慮し、増額を見込んだものでございます。
○委員(杉本とよひろ君) 今、答弁にもございましたとおり、まさに景気が回復したということが一つの要因でもあるかと思うのですけれども、今年度の当初予算では、一昨年の税制改正に伴いまして、地方消費税清算基準の見直しによる減収が見込まれていたため、約17億7,000万円を財政調整基金から繰り入れました。
しかし、平成31年度は、予算編成の過程から清算基準の見直しによる減収を当初から見込んで予算化されたと思いますが、来年度予算に関してはどのように対応されたのか、その点を教えてください。
○財政課長(荒川正行君) 平成31年度予算編成におきましては、歳入の根幹である特別区民税収入の収納率向上に加えまして、国、東京都の補助金の確保や特別区道の道路占用料の改定など、自主財源の確保を積極的に進めることで歳入を確保し、財政調整基金を取り崩すことなく、地方消費税交付金等の減収に対応いたしたところでございます。
○委員(杉本とよひろ君) ことし10月から消費税率が10%に引き上げられますが、それに伴いまして、地方消費税交付金は現在の1.7%から2.2%引き上げられることになります。したがって、当然、増収が見込まれるわけでありますが、歳入にその影響があらわれるのは平成32年度以降ということであります。具体的にどのような影響があると考えられるのか、その点を教えていただきたいと思います。
○財政課長(荒川正行君) 消費税率の引き上げに伴い、平成32年度以降に地方消費税交付金は増収になるものと見込んでございますが、税率引き上げにより消費動向が落ち込むなど、交付金の減収につながる懸念もございます。
いかなる状況におきましても、質の高い区民サービスを提供するため、引き続き社会経済情勢の変化を的確に捉え、歳入予算額を適正に見積もってまいります。
○委員(杉本とよひろ君) わかりました。いずれにしても、増税に伴いまして景気がどのように動いていくか、特に港区の歳入構造を考えると、非常に注視しなければいけない問題と思っております。
続きまして、特別区民税収入の見通しについてお伺いいたします。
平成31年度予算案では、特別区民税収入は過去最高額の746億7,676万6,000円が計上されました。これは前年度と比較して約33億円、率にして4.6%の増加を見込んでいるわけでありますが、さきにも申し上げたとおり、この大きな要因としては、人口増加に比例して納税義務者数も増え、景気回復に伴う雇用・所得環境の改善を反映したものと考えられます。
港区内では、今後もJR高輪ゲートウェイ駅周辺など、区内各地で大規模開発が予定されており、新たな住宅整備に伴って人口が増加していくことは間違いないわけであります。人口が増加すれば、当然、それに連動して納税義務者数も増加し、また、新しく転入してくる住民が高所得者層が多くなることを考えれば、特別区民税収入も顕著に伸びていくのではないかと予測されます。
しかし、今から10年前のリーマン・ブラザーズの経営破綻を起点とした金融危機、いわゆるリーマン・ショックの際には、約100億円の減収を経験し、特に高所得者層の所得割額の減少が著しかったことは、今でも記憶に残っているところであります。このような苦い過去の経験を教訓とすれば、港区の歳入構造、とりわけ特別区民税収入の不安定要素をしっかりと分析しておく必要があると考えます。
そこで、港区ならではの不安定要素について、どのような点に留意しておく必要があるのか、お伺いいたします。
○税務課長(重富敦君) 特別区民税収入の見通しを把握する上で、人口や雇用・所得環境の動向のほか、港区ならではの特徴として、分離課税の対象となる土地・株式等の取引の動向にも注視する必要があります。
特別区民税調定額に占める分離課税所得の割合は、港区以外の22区の平均が5%弱であるのに対し、港区は12%を超える割合となっており、とりわけ株式等の分離譲渡所得の割合が高くなっております。土地取引や株式市場の状況に影響を受けやすいという点におきまして、港区の税収構造は不安定性と不透明感を抱えていると考えております。
また、ここ数年は、ふるさと納税による寄附金税額控除の影響が甚大であり、来年度予算案では、約43億円の減収を見込んでおります。港区におきましては、課税標準額が1,000万円を超える高所得者層の約4割がふるさと納税を利用しているという実態もありまして、高所得者層の割合がほかの自治体と比べて著しく高い港区の税収構造上、今後も大きな影響を及ぼすことが見込まれております。
○委員(杉本とよひろ君) 今、税務課長からるる、リーマン・ショックを経験して、今後注視していかなければいけない点について答弁をいただきました。その中で、特にふるさと納税については、ずっと言われていることでありますけれども、特に港区の高額納税者の2割ないし3割が8割の税収を占めている現状で、その1人、2人、3人がふるさと納税を行うと、港区の減収は大きな打撃を受けるというお話だと思います。
平成33年度、西暦で言うと2021年度から2026年度を計画期間とする次期港区基本計画の策定作業に着手すると思いますが、みなとタウンフォーラムなどを通じてさまざまな事業が創出されていくものと期待いたします。それらの事業の実現には、歳入の裏づけが必要であり、その根幹をなす特別区民税収入をどのように推計していくのかは、非常に重要な作業と思っております。
人口増加というプラスの要素に、港区ならではの不安定要素やふるさと納税の影響など加味しながら、可能な限り正確な歳入の見通しを示していただくことを要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(土屋準君) 杉本委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、清原委員。
○委員(清原和幸君) 最初に、特別区民税・都民税の収入歩合についてお尋ねいたします。
港区の総人口は、平成31年1月1日現在25万7,426人で、この2年間で8,184人の増加となりました。
さて、歳入の52.7%を占める特別区民税収入の当初予算額は、現年度分として約734億円で、所得割額は約729億円、均等割額は約5億3,000万円と計上されております。過年度分は約4億8,000万円、滞納繰越分は約7億3,000万円と見込み、約747億円が計上されております。区民1人当たりに換算しますと、一昨年度は26万7,000円、昨年度は28万1,000円、平成31年度は約28万7,000円と、増加の傾向です。
特別区民税・都民税の収入歩合も、この数年、上昇基調にあり、平成29年度決算では過去最高の96.6%になりました。こうした収入歩合が堅調に上昇している要因をどのように捉えているのでしょうか。お伺いいたします。
○税務課長(重富敦君) 特別区民税の収入歩合の向上に大きく寄与していると考えられるのが、東京都全体で推進している特別徴収の徹底で、給与所得者の住民税を給与から天引きして納めていただくことで、普通徴収と比較して確実な収納が図られております。特別徴収により納付する納税義務者の割合は66.5%に達しており、過去最高を更新し続けております。
また、モバイルレジやモバイルレジクレジットの導入など、収納方法の多様化により納税の利便性が向上したことや、滞納整理にあたって捜索やタイヤロックといったさまざまな取り組みを実行してきたことも、収入歩合の向上につながっているものと考えております。
○委員(清原和幸君) 中小企業の方々も、昨年あたりから特別徴収が導入され、そのような影響も出ているのかと思います。
次の質問です。特別区たばこ税の減収の要因についてお尋ねいたします。
特別区たばこ税の税率は、地方税法等の一部を改正する法律等の施行に伴い改正されました。旧3級品以外の税率は、1,000本につき5,262円から6,552円に引き上げられましたが、激変緩和の措置を講じて、平成30年10月1日から平成32年9月30日までの間の税率は5,692円、平成32年10月1日から平成33年10月1日までの間は6,122円とされております。旧3級品の税率は、1,000本につき4,000円から、激変緩和措置の延長により、本年10月1日から5,692円となります。
当初予算額では、課税対象となる本数については、昨年度と比べ約1億6,900本の減、金額も昨年度から約5億7,000万円減の12億7,000万円と予測されておりますが、要因としては、喫煙者の減少、愛煙家の加熱たばこへの移行等が考えられます。
そこで、今定例会に提出された補正予算案でも、特別区たばこ税は約1億9,000万円の減額となりました。来年度予算案でも、前年比約5億7,000万円の減収が見込まれております。このような減収要因をどのように捉えているのか、お伺いいたします。
○税務課長(重富敦君) 近年、全国的に成人喫煙率及びたばこ販売数量の減少が顕著となっております。この背景には、健康志向のほか、たびたび実施されるたばこ税の引き上げの影響もあると考えております。実際、昨年10月1日のたばこ税率引き上げの際にも、たばこの売り渡し本数は減少しており、税率引き上げによる増収効果を打ち消す形となっております。
また、紙巻きたばこに比べて税負担の軽い加熱式たばこが急速に普及し、たばこ市場におけるシェアが20%に達しているとも言われており、このことも特別区たばこ税の減収の一因として挙げられます。
今後、東京2020大会を見据え、東京都受動喫煙防止条例の全面施行が予定されており、さらにたばこ離れが進むことで、特別区たばこ税の減収傾向はより一層強まっていくものと予想しております。
○委員(清原和幸君) ありがとうございました。
使用料及び手数料収入についてもお尋ねしようと思いましたが、先ほど清家委員から質問がございました。私、占用面積の増加や、架設量も増えたのが要因かと思ったのですけれども、平成31年度の固定資産税評価替えに伴う積算の変更という答弁がありましたので、質問は割愛させていただきます。ありがとうございます。
○委員長(土屋準君) 清原委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、丸山委員。
○委員(丸山たかのり君) よろしくお願いいたします。
医療費控除、とりわけ補聴器購入に係る医療費控除の取り扱いについてお伺いいたします。
補聴器とは、難聴による聞こえの問題を解決することを目的とした音の増幅器で、単に音を増幅する単純な音処理ではなく、耳に障害を与えかねないほどの強過ぎる音を出力しないよう、聴力に合わせた調整が必要であります。そのため、購入費用は一般的に高額です。
こちらは、ある補聴器メーカーのホームページから引用した補聴器の種類と価格の一覧になります。こちらを見ていただきますと、高額であるとともに、価格差が大きいことがわかるかと思います。
一般社団法人日本補聴器工業会によるJapanTrak2018調査報告によれば、補聴器1台の平均価格は15万円との結果でしたから、両耳の分を購入した場合は平均30万円となり、さらに高額なものについては価格の差が大変大きいことがわかります。
補聴器の購入費用については、聴力が規定以下の高度難聴レベルの場合、身体障がい者に認定され、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律、いわゆる、障害者総合支援法により補助が受けられます。しかしながら、軽度・中等度の難聴では補助を受けることはできず、介護保険の適用もないため、特に加齢による聴力低下で補聴器を購入せざるを得ない場合に、所得の低い高齢者には問題となります。
他方、補聴器購入には、税額計算上の控除が受けられる場合があります。まず、補聴器は薬事法で定められた医療機器のため、消費税がかからない非課税対象商品であります。また、医師等による診療や治療を受けるために直接必要な補聴器の購入費用については、医療費控除の対象となる医療費に該当します。しかし、診療や治療を受けるために直接必要かどうかを証明する基準が曖昧との指摘が、従来からなされておりました。
そこで、平成30年4月16日、国税庁は、厚生労働省からの照会に対する回答をホームページに公開する形で、一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会が定めた補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)の提出により、医療費控除の対象となることを明確にいたしました。こちらが補聴器適合に関する診療情報提供書の一部になりますけれども、同学会が認定した補聴器相談医が、患者の耳に関する医療情報や聴覚に関する情報等を記載し、補聴器の新規適合や更新等のために患者に交付するものであります。この診療情報提供書により補聴器が診療等に直接必要である旨を証明している場合、具体的には、赤線のところにあります、「医師等による診療や治療を受けるために直接必要」という四角のところにレ点を入れるだけなのですけれども、そこをレ点を入れる
ことで、購入費用に関して、一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額に限り、医療費の控除の対象になるということを明確に示したわけであります。
補助金以外にも、医療費控除の対象となるものとして、コルセットや義手、義足、松葉杖、義歯(入れ歯)なども挙げられており、このような情報は一般的にはあまり知られていないように思います。中でも補聴器は高額なことから、医療費控除等が受けられることは大変に重要なことであり、区民の安心・快適な暮らしのためにも、区としてはこのことを周知すべきです。
質問は、補聴器購入費用等に係る医療費控除をはじめ、複雑な所得控除についてどのように周知するのか、区の考えをお伺いいたします。
○税務課長(重富敦君) 医療費控除をはじめとする各種所得控除は、納税者自身の申告に基づき税額計算に反映していくことから、あらかじめ広くわかりやすく周知し、納税者に理解を深めていただくことが必要であると考えております。
現在、区ホームページにおきまして、各所得控除の概要、控除額の計算方法等を掲載しているほか、大きな改正がある場合には、毎年確定申告時期に合わせて発行しております、広報みなと税金特集号等で周知を図っております。
補聴器購入費用の医療費控除の取り扱いをはじめ、各種所得控除の内容や手続につきまして、より広くわかりやすく周知するため、ホームページ掲載内容の工夫や充実、国税庁ホームページの活用など、改善を重ねるとともに、窓口や電話での相談におきましても、丁寧に対応、説明をしてまいります。
○委員(丸山たかのり君) 早目に対応していただいたということで、本当にありがとうございます。今現在、確定申告の時期でございますから、皆さんの関心も非常に高まっているときなので、早期に対応していただきまして、本当にありがとうございます。
仮に先ほど説明しました平均的な補聴器を購入した場合、実際にどのぐらい医療費控除の還付が受けられるのかを計算してみたところ、課税所得額が200万円から300万円ぐらいの方が、両耳で30万円の補聴器を購入した場合には、2万円が還付されるという計算になり、非常に大きなものとなってまいります。補聴器に対する高齢者の方の補助の要望というのは大変強いので、今後ともそういった情報についてわかりやすい説明に十分留意していただきますよう、よろしくお願いいたします。
○委員長(土屋準君) 丸山委員の発言は終わりました。
これにて一般会計歳入の質疑は終了いたしました。
───────────────────────────────────
○委員長(土屋準君) これより一般会計歳出の審議に入ります。
初めに、歳出第1款議会費の審議に入ります。
歳出第1款議会費について、理事者の説明を求めます。
○財政課長(荒川正行君) それでは、歳出第1款議会費についてご説明いたします。
一般会計予算説明書の72ページをごらんください。議会費の本年度の予算額は7億1,982万4,000円で、前の年度に比べ5,783万5,000円、7.4%の減でございます。
項の1区議会費は、款の議会費と同額です。
以上、甚だ簡単ですが、第1款議会費の説明を終わります。
○委員長(土屋準君) 説明は終わりました。
───────────────────────────────────
○委員長(土屋準君) これより歳出第1款議会費の質疑を行います。
初めに、赤坂委員。
○委員(赤坂大輔君) 議会広報についてお伺いいたします。
昨年の平成29年度決算特別委員会でもお伺いしたのですけれども、私、いつも原稿がないので、質問がアドリブでやっているような感じで、誰がどのようになど、主語と述語がめちゃくちゃになっていまして、文脈もめちゃくちゃでした。今回の内容がデリケートな訴訟案件だったので、いま一度しっかりと原稿を読みながら事実関係を申し述べて、議会広報のあり方というものについて問題提起したいと思っております。
平成29年度決算特別委員会でのご答弁では、港区議会のフェイスブック広報は公的なものであるということが確認されました。それで、3年前、平成28年9月1日に港区議会のフェイスブックに載っていた私の記事が虚偽に満ちているということで、東京地裁に訴訟を提起しまして、25万円の慰謝料ということで決し、終わったということは申し述べましたが、その虚偽の案件が9カ月間もフェイスブックに載っていて、多数の区民がそれを読み、そして、ここにいらっしゃる議員の6人の方が怒りのマークを押している。あたかも事実であるように書かれていたことについてです。
平成28年9月1日の記事を投稿した方をAさんとします。AさんがBさん、Cさんの2人から聞いたという話です。公園でBさんが散歩させていた大型犬のことで近隣の方に注意されていて、そこに近隣の方の知り合いである赤坂大輔が登場し、そこで赤坂大輔ともめた。Bさんという方もその投稿には登場してきまして、Cさんもかつて赤坂大輔に犬についてひどいことをされたと口汚く書いてありました。
まず、Bさんについてですが、私はBさんと知人である近隣の方をなだめたことは確かですが、もめたことはなく、結果的にBさんにも近隣の方にも私は感謝されて終わったというのが事実です。Cさんの犬が私に追い払われたりなど、ひどいことをされたという話も全く身に覚えのない話で、Aさんに投稿削除の申し出をしましたところ、あなたは公人だから、公人は何を言われてもしようがない、フェイスブックは何を書いてもいいのだということをおっしゃっていました。Aさんいわく、赤坂区議の右翼的な発言が許せない、これからもさまざまに右翼議員、赤坂大輔議員の活動に反対していくということでした。そして、私の議会活動は当時10年目でしたけれども、10年間、さまざまなところで私に対するさまざまな抗議の投稿をしてきたので、今さら投稿を削除するつもりはないということでした。
そこで、東京地裁に裁判を起こしまして、名誉毀損による損害賠償を求めました。これが主文なのですけれども、こちらとしては、BさんとCさんに証人として来てもらうことを求めました。Bさんは赤坂さんの言うとおりだと。私がもめていたのは近隣の方で、赤坂さんではありませんという証言でした。
次に、Cさんいわく、私は赤坂さんと面識はないと。彼の話をしたこともないし、私が犬のことで言っていたのは赤坂さんではなくて、別のことですということを言っていただきました。
要するに、井戸端会議にありがちな主語のない会話で、公園で起きた嫌なことを主語なく話しているうちに、AさんはBさんとCさんの話を、なぜかたまたま話題に出ていた私に置きかえてしまったということらしいです。そのようないいかげんな投稿が、公的なフェイスブックに9カ月間放置されているということなのです。
ただ、Aさんの弁護をするわけでもないですが、表現の自由ということもあるわけで、Aさんは勘違いをしたのですけれども、意見は載せたということです。事実でも名誉毀損は成立します。ただ、Aさんも一般の方でよくご存じなかったので、うわさ話を混同して載せたと。
このフェイスブックの管理者は区議会事務局ということは聞きました。区議会事務局の判断で、私の当該案件について勝手に削除することは、なかなか立場上できないと思うのです。表現の自由という立場で、むしろそちらの方が問題なのかもしれません。でも、その辺は、やはり規定というのをしっかり整備していくということが必要になってくると思います。
私はたまたまAさんという方をフェイスブックで追うことができたので、非常に残念なことではありますが、司法の場で決着がつきました。認めてくれなかった場合は、第2弾、第3弾の訴訟を用意していたのですけれども、1回目で慰謝料を払っていただいて、認めていただいたので、これで終わりました。私のことは置いて、もし別の案件でそのような問題になったときに、名誉毀損などで管理者責任が問われるようになった場合、被告として訴訟の提起を受ける当事者というのはどなたになるのか、端的にお答えください。
○区議会事務局次長(河本良江君) まず、ページ管理者と定められています区議会事務局次長が、港区議会フェイスブックページ運用方針の禁止事項に該当するかを確認し、削除について判断いたします。
また、訴訟等で訴えられるとしたら、ページ管理者である区議会事務局次長の私が対応いたします。
○委員(赤坂大輔君) すなわち被告ということで、訴訟の提起を受ける当事者になってしまうということです。SNSの活用などはこれからも進んでいくのでしょうけれども、自由に自分の思いをだだ流しできるものを公的なものとして、どのように運用していくのかということに関しては、誰もが考えておかなければいけない。私もいろいろ世間をお騒がせしましたが、落ちた犬はたたけとばかりに、多くの方が私にだったら何を言ってもいいのだというようなことでやってきましたけれども、そのうち反撃します。好き嫌いでも何でも、ただだだ流しで意見を言っていく、匿名で意見を言うのは、これは仕方がないですけれども、前回フェイスブックは公的なものとおっしゃっていましたけれども、繰り返すようですが、ぜひ運用規定の整備を進めていくことを要望して、質問を終わります。
○委員長(土屋準君) 赤坂委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、やなざわ委員。
○委員(やなざわ亜紀君) お願いいたします。
初めに、子ども議会の開催についてお伺いします。
子どもが社会の仕組みやまちづくり、政治参画について学ぶ機会は非常に重要です。そのことについて、私は、平成24年の予算特別委員会、平成26年の決算特別委員会、平成28年度
予算特別委員会の教育費の款で、港区子どもサミットの拡大や、子ども議会の開催をしてはいかがでしょうかと述べました。ことしの港区の子どもサミットは、まさにそのような形で実現されていて、非常にうれしかったし、すばらしかったと思います。
そこで、また教育費で質問をしようと思ったのですが、あえて議会費で質問をする理由は後に述べるとして、先に、これも過去の委員会でも述べている事例もあるのですけれども、子どもが政治参画について学ぶ重要さについて、3つの事例を共有したいと思います。
1つ目は、教育評論家の尾木直樹氏の講演で聞いた話です。ノルウェーでは、高速道路など道路をつくる際に、近所の小・中学校に地図を全部配るそうです。そして、子どもたちに言うそうです。自分たちが遊ぶ広場や公園などを塗ってください、オールシーズンで遊ぶところは赤、冬や夏など、期間限定で遊ぶところはまた別の色で塗ってくださいというように、子どもたちに色を塗らせるのです。塗ったものを学校を通して行政の方に提出させます。自治体はそれを見て、子どもたちが遊んでいるところ、特に赤で塗られたオールシーズンで遊んでいるところは避けて道路をつくるそうなのです。新しい道路ができ上がったときに、子どもたちはそれを見て、行政は自分たちがここで遊んでいると言ったから避けて道路をつくってくれたと知るのです。それだけで子どもたちは大人や政治に対する信頼感というものが実感できて、もっとこの地域で、自分も地域の一員として誇りをもって頑張っていくと思うそうなのです。
日本はどうかというと、行政の方々も子どもの遊び場所を潰そうとしているわけではないのですけれども、子どもの意見は聞かずに道路をつくり、子どもの遊ぶ場所がなくなり、大人社会というのはこのようなものなのだと諦めて育っていくのです。これにはものすごく違いがあるのではないでしょうか。私は、これを聞いて、なるほどとすごく実感いたしました。子どものころに秘密基地にして遊んでいた場所がいつの間にかなくなってしまったり、いつの間にか道路になっていたり、違う建物になってしまったということは、港区の子どもたちも経験していることではないのかと思います。
2つ目の事例です。これは、学校運営に関する会議に子どもが参画することについてのヨーロッパの事例なのですが、ヨーロッパでは、子どもを大人と対等な子ども市民、今このときを一緒に生きている仲間だという考えに立っているそうです。その考えのもとに、例えば、オランダでは、子どもたちは重要な議題に対する承認権と勧告権を持っていまして、授業の時間割を決める際には、子どもたちの承認を受けなければならないそうです。
デンマークでは、学校運営の評議会があり、小学校でも13人のうち7人が子どもで構成されていると聞きます。そして、大人たちと同じ1票の表決権を持っているので、子どもたちが反対すれば、提案は通りません。
デンマークの市議会議員の話を聞く機会がありました。当時18歳の男性の議員で、子どものときに評議会のメンバーだったことが大きな経験となっていると聞きました。その議員は、自分が8歳のときに両親が離婚して、その後、母親が女の人を愛するようになり、母親もその人も自分たちのことをとても愛してくれて、家族は幸せなのですが、まちじゅうからは偏見の目で見られるようになってしまって、子どもたちがきちんと育つのかなど、さまざまなうわさが広まり、とても傷ついたそうです。学校でも、妹が親のことでいじめにあっていたそうです。子ども時代、彼は、妹をいじめる生徒に対して怒るのは簡単なのですけれども、そうではなくて、静観、傍観している、うわさを広めることも許している社会や学校が憎かったそうで、学校の代表になって徹底的に大人たちと話し合って、学校の雰囲気を変えていったということです。やはり子どもの気持ちは自分たちが一番わかるし、そのような声をしっかりと直接大人たちへ伝えていかなければいけないと思ったそうです。大人たちも、社会やまち、学校をよくしたいと思っているので、直接話すことで一緒に問題解決に取り組んでくれるものだという言葉がとても印象的でした。
話は変わるのですが、今、区で議論されている多様性については、いろいろな背景があります。子どもも多様性の一部だと思いますから、大人の意見だけで早急に進めることなく、子どもの意見を直接聞いてみるなどしてはいかがでしょうか。
そこで3つ目の事例は、ドイツなのですが、子どもと議員が直接話し合う委員会がありまして、子どもから議員へ、公園の砂場に犬のふんがよく落ちていて、どうにかしてほしいと相談があったそうです。議員はふむふむと聞いて、早速公園の調査をしたところ、やはり犬のふんが落ちていました。今まで大人は誰もそういったことに気づかなかったのですが、これを機に改善されまして、その後は子どもたちが快適に遊べるようなきれいな砂場ができたそうです。
今の3つの事例を聞いていただいておわかりだと思いますけれども、子どもと大人が1つの会議などでしっかりと対話をしています。単に子どもの意見発表の場でもないですし、それを最後に大人が総評する場でもなくて、子どもと大人の立ち位置といいますか、人格、つまり、権利、義務、責任が同じ位置で大人と子どもが同じようにあるということが特徴的だと思います。
そこで、議員が直接子どもとまちや学校の課題や希望について、対話ができる機会があればよいと思います。
ことしの港区子どもサミットに議員も参加できるようにしてほしいと教育費で質問しようと最初は思ったのですが、私があえて議会費で質問することにしたのは、子どもサミットですと、やはり学校の代表、つまり、選ばれた一部の児童・生徒しか参加できないと思ったからです。もちろん全くないよりはいいのですけれども、そうではなくて、ざっくばらんに広く、誰でもどんな子どもでも、どのような個性を持った子どもでも、そして、できるだけ多くの子どもが参加できて、議員と子どもがまちの課題やまちに対する希望を話して、実現していく。そのような会議体が欲しいと思い、議会費で質問させていただくことにしました。
そこでお伺いしますが、区議会主催で子ども議会を開催することについて、その課題をお聞かせください。
○区議会事務局次長(河本良江君) 昨年12月10日に開催されました教育委員会主催の港区子どもサミットは、各テーマについて、参加する子どもたちが学校において学習や議論を積み重ねた後、当日、当サミットに臨むという一連の教育過程を経ていると聞いております。
区議会主催の子ども議会の課題については、開催時期を含めた日程など、広く参加者を募るための仕組みや、子どもたちによるテーマ作成などが考えられます。
○委員(やなざわ亜紀君) ありがとうございます。議会報告会もすごく大変なので、なかなか難しいかと思うのですけれども、少しずつでも広く子どもの意見を聞けたらいいと思っています。今も述べましたけれども、港区子どもサミットを傍聴していたときも、本当にすばらしい意見が出ると思いました。まずはそこに議員が参加して、意見交換をするという形が最適なのかと思いますので、各方面に相談してみたいと思います。
私は、娘から学校のことについてよく相談や意見を聞きますし、ほかのお子さんからも、あるいはその子どものお母さんを通して意見を言ってもらうことがあります。どれもなるほどと思います。また、これは港区ではないのですが、地方で高校生と座談会を設けたときも、今のそのまちの政策とのギャップを感じたり、大人の発想ではない、非常におもしろいものを感じました。これからも、大人・子どもかかわらず、一人ひとりの人として対話をしていけたらと思います、という意思表明をして、1つ目の質問を締めくくらせていただきたいと思います。
続いて、議会映像に手話通訳や字幕の挿入の実施についてお伺いいたします。
議長をはじめ、ICT推進委員会の方々が進めてくださり、港区議会ホームページや映像配信など、ここ2年で大きく更新されました。最近は、議会映像がスマートフォンやタブレット端末で視聴できるようになりまして、より区民が利用しやすくなったのではないかと思います。
そこで、初めに、これまでの港区議会ホームページや映像配信システム等の更新経過について、更新前と更新後の映像視聴件数についてお伺いいたします。
○区議会事務局次長(河本良江君) 最初に、港区議会ホームページ等のこれまでの更新経過についてでございます。
平成29年4月に、音声データ読み上げ、文字拡大ソフトを導入、また、セキュリティ強化のために、港区議会ホームページを更新いたしました。平成30年7月には、より区民に身近な議会を目指すことを目的に、スマートフォンやタブレット端末で議会映像が視聴可能となり、平成30年第3回定例会からはライブ映像が視聴できるようになりました。さらに本年1月からは、会議録をはじめ、議案、請願の件名からも検索できるように更新し、委員会資料を港区議会ホームページ上で掲載することにいたしました。
次に、映像配信システム更新後の実績についてです。
平成29年の視聴件数と比較いたしますと、ライブ映像は約6.2倍、録画映像は約3.2倍でございます。
○委員(やなざわ亜紀君) ライブ映像が約6.2倍になったということで、実は皆様、ライブで見たかったのかと感じました。ありがとうございます。これからも引き続きよろしくお願いいたします。
続いて、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる、障害者差別解消法の施行も背景にあると思われますが、聴覚障害者の皆様から、本会議の様子を知りたいという要望が以前から寄せられていたと聞いています。そこで、議会映像に手話通訳映像や字幕を挿入するなど、具体的な検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○区議会事務局次長(河本良江君) 議会映像への手話通訳や文字挿入については、現在、区議会事務局におきまして、手話通訳者の人員の確保などの人的課題、映像の手話通訳導入のための環境整備、文字通訳、字幕の手法など、システム上の課題などを検討しております。
これらの検討結果につきましては、遅くとも本年3月中旬までに、議会改革検討会に報告させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○委員(やなざわ亜紀君) 議会改革検討会で報告していただくということで、いろいろな課題をクリアして、より身近な港区議会になるよう楽しみにしております。
続いて、議員が行政と情報共有できる仕組みについてお伺いいたします。
こちらは、平成23年9月の決算特別委員会、平成24年の
予算特別委員会、議員になったばかりのころに述べさせていただいておりますけれども、スピードと効率化、低コスト化のために、議会においても限定された範囲内でのコンピュータネットワークのイントラネットを導入すべきだと思いますが、いかがでしょうかという質問です。
行政の皆様も使用されていると聞きますし、多くの民間企業が社内情報ネットワークシステムを持っています。社内の知るべきある程度の情報はわかります。その情報を持った上で問題意識を整理したり、マーケティングができるわけです。
議会でいいますと、例えば、採択や継続とされた請願が今どのように行政の方で進んでいるのかについてや、本会議や常任委員会、特別委員会、きょうのような委員会において、調査研究します、検討しますと答弁いただいているものについての経過に関しても、その共有ネットワークで確認できるようにしていただけたらと思います。やはり年月の経過や人事異動が多いことや、また、議員も、所属の委員会が変わっていたりします。もちろん部課長から合間合間で報告いただくことというのもあるのですけれども、とてもありがたいことなのですけれども、いつの間にか実現されていたりするということがあるのも現実です。私たちは区民の声を代弁していますので、区民にしっかりと経過についても伝える義務があると考えます。共有ネットワークでそういったことが確認できるようにしていただければ、それを確認した上で個別の案件などを行政側の担当者に質問したり、話し合うこともできて、もっとスピーディーに、そして、より充実した取り組みができると思います。
そこで、行政が利用しているグループウエアのように、議員が行政と情報共有できるような仕組みをつくっていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○区議会事務局次長(河本良江君) 議員が行政と情報共有できる仕組みにつきましては、ICT推進委員会の所掌事項で、議会内のシステムに関することが規定されております。これまでと同様に、引き続き同委員会において検討してまいります。
○委員(やなざわ亜紀君) ありがとうございます。今までいろいろなものを検討されて進めてきてくださっていますので、来期以降、グループウエア、共有のLANシステムも検討していただけたらと思います。
最後に、こちらは要望なのですけれども、区議会議員の住所公開についてという部分で、来期以降、ぜひ検討いただけたらと思っています。公人であることや自治体議員の性質上、住所を公表すべきという意見はもちろんわかるのですけれども、議会内に住所を置くことができる、もし
くは住所の公開を選択制にできることなどを検討していただけたらと思っています。自宅ではなく事務所を設けて対応するにしても、女性議員であったり、小さい子どもがいると、危険な目に遭ったりすることもありますし、女性議員を増やす、広く人材を求めるという点においても検討していただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
○委員長(土屋準君) やなざわ委員の発言は終わりました。
これにて歳出第1款議会費の質疑は終了いたしました。
───────────────────────────────────
○委員長(土屋準君) これより歳出第2款総務費の審議に入ります。
歳出第2款総務費について、理事者の説明を求めます。
○財政課長(荒川正行君) それでは、歳出第2款総務費についてご説明いたします。
一般会計予算説明者の74ページをごらんください。総務費の本年度の予算額は266億5,664万6,000円で、前の年度に比べ49億5,510万9,000円、15.7%の減でございます。
その内訳です。項の1総務管理費は223億8,642万9,000円で、前の年度に比べ52億9,980万1,000円の減でございます。
94ページをごらんください。項の2徴税費は11億8,701万9,000円で、前の年度に比べ1億4,245万1,000円の増でございます。
96ページをごらんください。項の3戸籍住民基本台帳費は15億1,646万円で、前の年度に比べ7,391万2,000円の減でございます。
98ページをごらんください。項の4選挙費は3億6,498万4,000円で、前の年度に比べ2億7,499万8,000円の増でございます。
102ページをごらんください。項の5統計調査費は9,607万円で、前の年度に比べ3,674万5,000円の増でございます。
104ページをごらんください。項の6区民施設費は10億2,582万8,000円で、前の年度に比べ2,411万6,000円の減でございます。
106ページをごらんください。項の7監査委員費は7,985万6,000円で、前の年度に比べ1,147万4,000円の減でございます。
以上、甚だ簡単ですが、第2款総務費の説明を終わります。
○委員長(土屋準君) 説明は終わりました。
───────────────────────────────────
○委員長(土屋準君) これより歳出第2款総務費の質疑を行います。
初めに、池田たけし委員。
○委員(池田たけし君) よろしくお願いいたします。
初めに、青山地域の買い物難民対策についてお伺いをいたします。
現在、青山地域の住民、区民の皆さんの関心事は、生鮮食料品などの買い物ができるスーパーマーケットなどの閉店が相次ぎ、今後の自分たちの日常生活が保たれていくのであろうかという不安があるということでございます。さまざまなアンケートなどを通しますと、日常の買い物への不安、不便、こういったものを感ずるといったお答えもたくさんいただいているようでございます。おかずが買えるかどうか、肌着が買えるかどうか、歩いていけるところにそのようなものが売っているのかどうか、そのようなことを不安にお感じになることはあるかと思います。また、電車に乗って買い物に行かれているという方もございますので、それは当然、ご不便を感じているのであろうと思うわけでございます。
具体的には、長年青山にお店を構えておりましたピーコックストア青山店が、本年2月28日に閉店することが明らかとなりました。昭和39年の東京オリンピック競技大会の開催の年に、ピーコックストア青山店は開業したわけでございますが、54年の歴史に終止符を打つということになったわけでございます。
昭和39年の東京オリンピック競技大会のとき、私は小学校1年でございまして、このときにピーコックストア青山店が開店するのを見ました。見たと言いましたが、リアルタイムというわけではなく、開店した少し後に行ったわけでございますけれども、まだまだ青山の地にも、魚屋、八百屋、肉屋などがあって、10円玉を握りしめてコロッケを買いに行くといった時代でございました。ピーコックストア青山店ができたことで、私にとってはデパートができたのかというぐらいの思いでございました。それぐらい、子どもにとって衝撃的というか、地域の皆さんにとっても非常に便利な施設ができたのだということでございました。
ご存じのように、青山地域は、本年9月には(仮称)都営北青山三丁目団地の建て替えが終了いたしまして、仮移転中の住民の方々が戻っていらっしゃったり、また、新たな入居者の生活がスタートするということになってまいります。
さらに明年5月には、(仮称)都営北青山三丁目団地の敷地に隣接する形で、北青山三丁目地区まちづくりプロジェクト民活事業が完成いたします。新たな賃貸住宅が229戸、サービス付き高齢者向け住宅が49戸、認可保育所、店舗並びに地域交流施設等が整備されてまいります。都営住宅の新旧の住民、それから、隣接する新住民が近接して一緒に生活することとなってまいります。
また、東京2020大会後には、旧都営青山北町アパートの残された敷地と、青山通りに隣接する敷地を一体化いたしました開発が進められる予定となってございます。表参道の交差点から青山三丁目まで、さまざまな住民が増えていく、変わっていくということでございます。これがまたさらに、お隣、渋谷区にも非常に影響してくるのではないかと思うわけでございます。
このような新たな動向に対しまして、今こそ青山地域の区民生活をいかにして守っていくのか、
赤坂地区総合支所の手腕が問われるのではないでしょうか。青山地域の開発計画の動向を見据えましたまちづくりを、区民とともに取り組む時期が来ていると考えております。地域住民の暮らしやすさ、あるいは生活の質、持続性、こういったものに目を向けていただきたいと思うわけでございます。
私は、平成18年に武井区長が、地域の課題は地域で解決するという区役所・支所改革は着実に成果を上げていらっしゃると思います。青山地域の住民を買い物難民にしてはなりません。都有地や民有地などの活用も検討していただきたいと考えております。
そこで質問は、住民が安心して生活ができるまちづくりを青山地域の住民とともに取り組むべきと考えますが、
赤坂地区総合支所の取り組みをお伺いいたしたいと思います。
○
赤坂地区総合支所まちづくり課長(小林秀典君) 地域での買い物支援策の一つとして、移動販売を行う事業者への働きかけや、地域での跡地の活用など、地域の方々のご意見をお聞きしながら、地域での買い物ができる場や機会について、
赤坂地区総合支所を中心に、産業や商店街などに関する産業・地域振興支援部、大規模な開発計画を主導する街づくり支援部など、関係部署と連携して検討してまいります。
○委員(池田たけし君) ありがとうございます。街づくり支援部、また、産業・地域振興支援部等、全庁挙げて地域の課題を解決していただきまして、住民の不安、不便、こういったものを払拭していただきたいという思いでございます。
買い物ができる。まさに三度三度のおかず、食事、これを整えていく。文字どおり日常茶飯事のことでございます。住み続けられるまち、生活の質が保てるまち、年齢を重ねることによって何かを足されていく、そういったことも考えていただきたいと思うわけでございます。大変に不安に思う区民の方からは、買い物「ちぃばす」を走らせてくれないかといったようなお気持ちまで出てくるということも伺ってございますので、ぜひよろしくお願いいたします。
次に、損害賠償保険についてお伺いいたします。
区職員の方の業務中の事故で、区側に責任が発生したといった場合の損害賠償保険の取り扱いについてお伺いいたします。
戸籍や証明書の発行など、区民の日常生活全般にかかわることに始まり、再開発、まちづくり、公共施設や教育施設の運営管理、そして、清掃業務などまで、基礎自治体である区役所は最も地域、区民に近く、さまざまな業務が行われております。
その業務の中では、区民への直接の応対や、現場の確認で現地に赴くこと、あるいは、業務のために施設間を、職員の方が自転車などで移動されるといった機会も多いと思うわけでございます。
最近では、電動アシストつき自転車が増えてきておりまして、電動アシストつき自転車は重量が重く加速がつきやすく、性能が大変に上がってきたことも相まって、自転車同士や自転車と歩行者の接触事故が問題視されてきております。自転車による交通事故は、事故発生件数中の4分の1を超えるようになってきております。自転車は、軽車両と区分されてございます。このようなこともあり、自転車は原則車道を通行する歩車分離が進められてきております。
まず、伺いますが、これまで起きました事故の事例、そして、その対応はどのようにされておられますでしょうか。
○総務課長(湯川康生君) まず、職員による自転車事故の事例は、本年1月に区所有の電動アシストつき自転車で走行中、歩行者に衝突したという人身事故がございます。
次に、自転車事故が発生した場合の対応は、相手にけがをさせたり、所有物を壊してしまった場合につきましては、相手への謝罪、お見舞いをするとともに、今後の交渉について所属長が責任を持って対応することとしてございます。
区に過失があり、相手方から治療費や物損の被害、休業補償等の請求を受けた場合につきましては、原則として特別区自治体総合賠償責任保険が適用され、区から相手方に支払った損害賠償額が補填されることになります。
相手方からの請求内容につきましては、特別区自治体総合賠償責任保険の保険会社から補填内容や賠償額の算定についてアドバイスを受け、さらに、専門的見地からの判断を要する場合は、区の顧問弁護士に相談し、区が負担すべき賠償額についてアドバイスを受けながら、示談に向け相手方と協議の後に支払うという対応をしております。
○委員(池田たけし君) ありがとうございます。まず、当然のことでございましょうけれども、所属長の方、課長になるのでしょうか。責任を持って対応していただくというところがあるかと思います。そして、また、保険で賠償責任を負っていくわけでございまして、さらに顧問弁護士も控えておられて、二重三重の体制と考えてよいのかと思うわけでございます。
自動車によります交通事故の場合というのは、自賠責保険とともに一般的な自動車保険が保険会社より各種取りそろえられておりまして、万が一の事故の対応も備えられております。一方、車両の側も、衝突被害を軽減する自動ブレーキなどの先進運転支援システムが、交通事故回避・被害の軽減の効果が高いことから、各自動車会社が積極的に設定車種を増やしてきておりまして、乗用車でこのような装備は9割の車種に設定がされてきておるということでございます。さらに、実際に販売された車両の9割が、先進運転支援システムを装着した車だということでございます。
車の性能向上、あるいは高まった安全性とは、相対的に軽車両であります電動アシストつき自転車の事故率が増えてしまってきているということでございます。今後は、道路や信号など、走行空間もシステムに含まれまして、やがて運転そのものが自動化されていくということも近づいてきている社会でございます。
今は、車社会でありまして、万が一の事故が起こるということは想定内として、車両保険には事故発生時に保安員が現場に駆けつけるなど、さまざまなサービス設定もされております。しかし、先ほど述べましたとおり、電動アシストつき自転車などは、軽車両とされてきておりますが、性能や車格は上がる一方、身近で手軽に利用できるためか、マナーが追いつかないといった部分もあります。また、事故が起こった場合の保険には、自動車保険ほどのサービスは整っていないと感じてございます。
そこで伺いますが、庁有の自転車保険の加入状況と、法人向けの自転車保険の状況はどのようになってございますでしょうか。
○契約管財課長(吉田宗史君) 業務中の自転車事故の保険につきましては、特別区自治体総合賠償責任保険で対応しておりますが、自動車保険のような示談交渉のサービスはついておりません。
また、複数の大手損害保険会社に確認したところ、法人向けの示談交渉サービスつきの自転車保険は、現在商品がないことを確認しております。
○委員(池田たけし君) ありがとうございます。車両保険には、一般的に示談交渉サービスがセットになっておりますが、自転車、それ以外の部分の保険には、示談交渉サービスはついていないということでございます。
起きてしまった事故に対しまして、管理者や所管の課長が事案を引き取り、示談の交渉を行うことに関して考えてみたいと思います。被害が発生した相手に対し、最初に責任者、課長が謝罪などの対応をとることはもちろん理解をするところでございます。迅速で的確な対応が求められる初動のところで、責任者の動きは非常に大事でございます。その後の示談交渉にも影響が及ぶところでございましょう。しかし、その後の補償、補填などの示談交渉の全てに最後までかかわることは適当であるのかと考えております。
区職員、課長が交渉事を通じまして、対応力、人間力といったものを磨かれているのは、まさに住民に一番近い基礎自治体職員の仕事の醍醐味と言えるものと思いますけれども、少なくとも交通事故関係での示談交渉といった部分は、何かしらの制度の中で対応ができないものかと思うわけでございます。
我々もふだん、多くの課長のお世話になるわけでございますけれども、何を聞いてもすぐ答えていただけますし、特に議員対応には大変たけていらっしゃると思うわけでございます。仕事の中でそのような交渉事をさまざまにやっていただく中で、人間が磨かれておられるというのはよく感じるところではございます。
そこで伺いますが、現在示談交渉つきの保険がないということ、複雑で、法的な判断を必要とする交渉には、弁護士の方に対応を頼むということになってございます。職員の方には、事故の原因究明、再発の防止策、得られた教訓を他部署と共有するといった部分にしっかりと力を注いでいただきますように、弁護士など専門的な方に事故発生の早い段階からかかわっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○総務課長(湯川康生君) 相手方に早期に賠償するためにも、相手方との示談に向けた協議は、丁寧かつ速やかに行う必要がございます。
もとより、事故を起こさないよう全庁職員に、自動車や自転車のハンドルを握る際の注意喚起をしているところではございますが、万が一事故が発生した際には、必要に応じて示談交渉の代行も含め、弁護士等専門家の支援を早い段階から受け、適切に被害者への対応を行ってまいります。
○委員(池田たけし君) ありがとうございます。
ぜひ専門家と一緒になって、相手方はさまざまな状況でございましょうし、いろいろな方がいらっしゃるわけでございます。当然、責任者として最初に課長が行っていただいて、謝罪、あるいは今後の対応といった道筋をつけていただく。2回目以降の、早い段階で弁護士が出てくると相手が緊張するということも考えられますが、AとB、2者間の事故に法的な知見を持った者として公平なジャッジをするために参りましたという方向性を保っていただければ、むしろ相手方も、しっかりとやっていただけるという安心感を持っていただくことにつながっていくのではないかと考えるわけでございます。そしてまた、対応をしっかりしていただければよろしいのかと思うわけでございます。
待機児童対策で保育園をつくろうとしますと、計画に対しては、子どもの声が騒音であると言う方がいます。あるいは児童支援や障がい者福祉のための施設を建設していこうという事業においては、住民の方からの強固な反対の声といったものも聞こえることがございます。このようにいろいろなご意見、お考えがございます。所管の課長をはじめ、担当の方々につきましては、そういった地域住民の方々に対する対応力といったものに集中していただきたいと思うわけでございます。
自転車の事故や施設でのけがといったものは、今総務課長がおっしゃったように、あってはならないことではございます。しかし残念ですが、発生してしまいますので、起こり得ることも予測いたしまして、関係者の皆様の理解、協力によっての体制整備に期待しています。
最後に、音楽文化事業についてお伺いいたします。
初めに港区にゆかりのある音楽に関係する方についてお伺いいたします。どのような方がいらっしゃいますでしょうか。
○国際化・
文化芸術担当課長(大久保明子君) 港区にゆかりのある音楽に関係する方についてでございますが、東京文化会館の初代音楽監督を務め、国内の主要なオーケストラで指揮をとり、東京交響楽団名誉客演指揮者として、平成28年度に港区区政功労者表彰を受けた大友直人さんや、テレビドラマや映画、アニメの音楽までも幅広く作曲し、公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団のテーマ曲も作曲し、先日、港区観光大使として認定しました作曲家の千住明さんなどがいらっしゃいます。
○委員(池田たけし君) ありがとうございます。大友直人さん、千住明さん、非常に高名な、きら星のような、やはり港区らしい方のお名前が挙がってくると、大変にありがたい、うれしいことでございます。千住さん、ご一家ですばらしい才能を発揮されておりますし、大友さんも指揮者としてもご高名でございます。
次は、寂しくなってくるような話になってしまうのですけれども、現代につながる唱歌、童謡といったものについてお伺いしてまいりたいと思います。
童謡は、子ども自身が遊びの中で歌っておりました童歌、一例として「通りゃんせ」は、明治期に学校の音楽教育の中で歌われていて、日本の自然などを表現しております文部省唱歌「われは海の子」、言葉と身振り手振りを合わせて歌います手遊び歌「アルプス一万尺」、このようなものがございます。こういったものを経て生まれてまいりました。
今から101年前、大正時代に児童雑誌『あかいとり』が創刊されまして、ここで「童謡」という言葉が初めて使われました。文学者たちから童謡の運動が起こりまして、その中からさまざまな歌が生み出されてまいりました。童謡の歌詞は、子どもの心に浮かぶ心象風景や、日本の四季の移り変わり、山河や海、月や星々、植物、動物、昆虫など、生あるものないものを隔てず、子どもの心の健やかな育ちに寄り添うような歌詞が紡ぎ出されております。
子どもの歌ですから、曲調も親しみやすく、誰にも歌えるなじみやすさ、内面の感情があふれ、豊かな情操を育む叙情的なものが多くございます。唱歌、童謡がつくられ始めたころの作詞家としては、北原白秋、野口雨情、土井晩翠など、また、作曲家では、岡野貞一、滝廉太郎がおります。
滝廉太郎でございますが、本年が生誕140年に当たります。しかも、生まれは現在の港区西新橋二丁目あたりであります。父が明治政府の役人であったため、3歳で横浜に転居、その後富山県富山市、千代田区麹町、大分県竹田市などに移り住み、22歳でドイツのメンデルスゾーンが設立いたしましたライプツィヒ音楽院に音楽留学をするも、留学先で結核にかかり、帰国。療養しておりましたが、23歳の若さで亡くなりました。
結核で亡くなったために、残された資料が焼却処分されてしまったことによりまして、失われてしまった楽曲もあるようですが、残された主な作品は、男性的な作風の土井晩翠の歌詞に厳かで叙情的な曲をつけました「荒城の月」、箱根の山は天下の険の「箱根八里」、春のうららの隅田川の「花」、そして、もう幾つ寝るとお正月の「お正月」などであります。
父の仕事のため各地を転々とした滝廉太郎ですが、大分県竹田市の旧家は記念館として銅像が立ち、そのほかゆかりの千代田区、台東区、富山県富山市、ドイツ・ライプチヒ市など、各地に記念碑や銅像が立てられております。また、荒城の月や箱根八里など、幾つかの楽曲は、ゆかりのある地の駅の発車メロディーなどとして流されております。さらに、ゆかりの都市同士が、音楽姉妹都市として記念行事や交流を重ねており、友好の広がりを見せております。
港区西新橋に生まれ、15歳のときに音楽学校受験準備のため、芝愛宕町の芝唱歌会に入会した滝廉太郎ですが、残念なことに、その存在や功績を記したものなど、宣揚するものは港区内にはありません。
そこで質問は、生誕の地、また、音楽活動を行ったゆかりの地として、生誕140周年のこのときに、文化芸術の観点から、滝廉太郎作曲の音楽をさまざまな機会を捉え宣揚していくことについて、どのような検討ができますでしょうか。お伺いいたします。
○国際化・
文化芸術担当課長(大久保明子君) 滝廉太郎の楽曲については、これまでも区が共催している港区音楽連盟主催のジョイントコンサートや港区議会議場での議場コンサートにおいて、滝廉太郎作曲の箱根八里が歌われ、多くの鑑賞者の皆様に滝廉太郎の豊かで生き生きとした躍動感あふれる作品を届けてまいりました。
ことしは生誕140周年に当たることを港区音楽連盟にも伝え、港区音楽連盟加盟団体のコンサートなどで楽曲を取り上げていただくとともに、滝廉太郎の生き生きとしたリズムや明るいさわやかな曲調を、区役所のロビーコンサートなどを通じて発信してまいります。
○委員(池田たけし君) ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
童謡の心というのでしょうか、豊かな感受性、そういったものは子どもだけでなくて、現代に生きる我々にも大変必要な部分ではないかと思ってございますので、どうか機会を捉えまして、ぜひさまざまに行っていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。
○委員長(土屋準君) 池田たけし委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、大滝委員。
○委員(大滝実君) 防災対策について質問いたします。
初めに、エレベーターチェアについて伺います。
港区高層住宅への防災資器材助成実施要綱で、6階以上かつ50戸以上の高層住宅については、防災住民組織が結成された団体に対し防災資器材の供与がされますが、昨年の第4回定例会において、高層住宅でない集合住宅にも、管理組合の要請があれば供与すべきと質問いたしました。区長は、5階建て以下の建物や住戸数が50戸未満で、制度の対象としていない共同住宅についても、支援の対象や条件の見直しについて検討すると答弁されました。
高層住宅であろうとなかろうと、エレベーターに閉じ込められれば、パニックになります。大規模な地震となれば、救出にも時間がかかります。昨年の夏のように、酷暑という中では、命にもかかわることにもなります。首都直下地震の発生確率が高まっている中で、防災対策を急ぐことが必要です。
小規模な共同住宅へのエレベーターチェアの供与を早急に実施すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○防災課長(白井隆司君) 区では、高層住宅の震災対策として、6階以上かつ50戸以上の高層住宅を対象に、住宅居住者で結成された防災組織に対して、閉じ込め対策用のエレベーターチェアを含む防災資器材の助成等の支援を行っております。
制度の対象としていない共同住宅においても、自助・共助の視点における防災対策の充実は極めて重要であることから、現在、6階未満または50戸未満の住宅における防災資器材の配備状況や防災組織の結成状況等を踏まえながら、対象や条件の見直しについて検討しております。
○委員(大滝実君) 既に実施の方向で進められているようなので、早急に具体化をして、実施できるようによろしくお願いいたします。
次に、家具の転倒防止について伺います。
区では、震災時の家具転倒等による人的被害を最小限に抑えるため、家具転倒防止機器等助成をしております。高齢者、障害者、妊産婦、ひとり親世帯には、取りつけを支援しています。取りつけについては、東京土建一般労働組合港支部及び全建総連東京都連港地区協議会と覚書を結んで、依頼しています。
家具転倒防止器具等助成の決定件数、取りつけ依頼件数、仕事に対する評価についてお聞かせください。
○防災課長(白井隆司君) 今年度の家具転倒防止器具等助成決定件数は、本年2月22日時点で731件、そのうち取付支援を行った件数は112件となっております。
取付支援については、昨年6月から全建総連東京都連港地区協議会及び東京土建一般労働組合港支部と覚書を締結し、経費を抑え、地域貢献活動として実施していただいており、その丁寧な作業については、利用された方から高い評価をいただいております。
○委員(大滝実君) 大変安心できる、しっかりした仕事をされていると今答弁があったとおり、評判が高いということです。
覚書でありますけれども、取りつけにあたって訪問調査をし、申請者の意向、各戸の家具、住宅の形状等に従い、家具転倒防止器具等の助成案内パンフレットに記載している器具の中から最適な器具を選定する、賃貸住宅では、家主または住宅管理者の承諾が必要なものについての説明、点検及び増し締めの必要なものの説明などを経て器具を効果的に取りつけ、完了後には写真を添えて報告書を提出するなど、詳細に決められています。このため、事前に現地調査を行い、工事は別の日になることもあるとのことです。
また、ガラス飛散防止フィルムで150ポイントまで工事をするには、数時間かかるとのことです。一人ではできない工事もあり、駐車料金や保険料など、覚書で取り決めている費用では不十分な実態があります。工事内容を吟味し、費用負担については実態に応じて加算をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
○防災課長(白井隆司君) 現在、取りつけに係る経費については一律としておりますが、今後、全建総連東京都連港地区協議会並びに東京土建一般労働組合港支部と意見交換を行い、作業内容を踏まえた経費の見直しの必要性等について調査研究してまいります。
○委員(大滝実君) 時間がとてもかかるものについて言えば、公共工事設計労務単価よりも大幅に低い、そのような値段になっていることもありますので、ぜひ実態に応じた対応をよろしくお願いします。
それから、取りつけが面倒なために、設置をためらう世帯もあります。家具転倒から子どもの命を守るために、特に小さな子どもであれば、たんすの上のものが、小さなものが落ちても、命にかかわるということがありますので、取付支援対象については、ひとり親世帯に限定をせず、子育て世帯全体にまで広げるべきと思いますが、いかがでしょうか。
○防災課長(白井隆司君) 家具転倒防止器具の取付支援の対象は、65歳以上の高齢者のみの世帯、要介護3以上の人を含む世帯、身体障害者手帳等の交付を受けた人を含む世帯、母子または父子のひとり親世帯など、自身での取りつけが困難な方やほかに取りつけを頼むことができない方を対象としております。
全ての子育て世帯を取付支援の対象とすることは考えておりませんが、対象外で有償による取りつけを希望される方への対応について、全建総連東京都連港地区協議会及び東京土建一般労働組合港支部と調整するなど、今後も各家庭における防災の取り組みを支援してまいります。
○委員(大滝実君) 次に、感震ブレーカーについて伺います。
地震後の電気の復旧に伴う火災を防ぐ感震ブレーカーの設置助成及び高齢者・障害者世帯への無料配布についてです。
本会議での一般質問の答弁では、現在13区が助成制度を実施しているが、木造住宅密集地域に限るなど限定的で、感震ブレーカーや自動点灯懐中電灯を含む防災用品は、あっせんにより防災対策を支援するとして、助成制度の導入はしないとの答弁でした。通電火災が発生した場合、非木造住宅では木密地域のような延焼のおそれがないとしても、高層住宅では消火が困難です。
先日、NHKのあさイチという番組で、冬の火災、電気ストーブに注意という放送がありました。電気、石油、ガスなどのストーブによる火災発生は、76%が電気ストーブと、圧倒的です。布団が接触をした、本が崩れてストーブの上に落ちた、物がぶつかった拍子にスイッチが入ったなど、地震の大きな揺れにより発生するものもあります。直接炎が出ていないことからの油断もあります。集合住宅、特に高齢者住宅ではオール電化となっていますし、通電火災の発生を防ぎ、命と財産を守るため、助成制度を導入すべきです。
高齢者、障害者世帯については無料配布とし、取りつけサービスや自動点灯懐中電灯の配布などを行うべきです。いかがでしょうか。
○防災課長(白井隆司君) 区では、防災用品あっせん事業により、区民及び区内事業者を対象に、防災用品を割引価格であっせんしております。感震ブレーカーについては、平成29年度からあっせん品目に加えており、平成30年度からは、夜間でも慌てずに身を守るための行動をとれるよう、地震の揺れを感知した3分後に作動する遅延遮断機能を持った感震ブレーカーや、停電時に自動点灯する懐中電灯を加えるなど、品目の充実を図っております。
現在のところ、感震ブレーカー等の助成制度は考えておりませんが、引き続き感震ブレーカーや自動点灯懐中電灯を含む防災用品あっせん事業の充実に努め、各家庭の家族構成や居住環境に応じた防災対策を支援してまいります。
○委員(大滝実君) あっせんではなく助成ということで促進を図るように、ぜひ今後も検討して、実施できるようによろしくお願いします。
最後に、280メガヘルツ帯防災ラジオについてです。
区は、防災行政無線の難聴対策として、280メガヘルツ帯防災ラジオの区内全域での配付を今年度から始めましたが、6月1日の受付開始後、当初予定の1,000台を上回ったため、補正予算で1,000台を追加し、1月から配付をしています。しかし、それも既に申請が900台近くとなり、年度末には足りなくなるおそれがあるため、1,000台の追加を購入したとしています。
さらに、来年度予算案に4,000台が計上されています。私たちは、防災行政無線が聞こえないという区民の声が多いため、お台場地域での配付が始まったときに、区内全域での配付を求めました。9割の区民が集合住宅に居住するという特徴から、スピーカーが建物の陰になったり、音が反射をしたり、また、機密性の高まりから、多くの人が防災行政無線が何を言っているのかわからないという状況になっています。このため、防災行政無線の難聴対策として、280メガヘルツ帯防災ラジオの配付を行っていることの周知を一層すべきと思います。
そして、さらなる追加の予算を確保し、製造事業者と連携を強めることを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○防災課長(白井隆司君) 280メガヘルツ帯防災ラジオは、平成30年6月の配付開始後まもなく配付予定の1,000台を上回る申請があったため、配付を一時中止しておりましたが、追加で1,000台を確保し、本年1月から配付を再開しております。
しかし、配付を中止していた間にも多くの申請があり、在庫の不足が懸念されることから、積極的な配付再開の周知を控えている状況です。
3月には、さらに追加で1,000台を確保するとともに、今年度の状況を踏まえ、平成31年度は4,000台を確保し、必要とされる方に滞りなく行き渡るよう取り組んでまいります。
今後、広報みなとや区ホームページはもとより、町会・自治会の会合や総合防災訓練などでPRするなど、積極的な周知に努めてまいります。
○委員(大滝実君) よろしくお願いします。これで終わります。
○委員長(土屋準君) 大滝委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、榎本茂委員。
○委員(榎本茂君) よろしくお願いします。
防災関係の質問をさせていただきます。
最初に、飲料水についてです。基本的に飲料水などは自助の領域であり、区民が個々で備蓄するものとしております。
区の示す備蓄量は、1人当たり1日3リットル、4人家族ですと、1日12リットル。高層マンションは7日の在宅避難なので、1週間で1人21リットル、4人家族だと84リットル。2リットルのペットボトルで42本という量になります。
私の家も4人家族ですので、2リットルのペットボトルを42本置かなくてはいけないのですが、残念ながら、42本も置くスペースというのはありません。私の家のスペースだと、現実の問題として、実際に備蓄している人がいるとは、思えないのです。備蓄をしていない区民は、必然的に給水所に向かうことになると思います。
そこで、質問です。港区内の給水所と、各備蓄量を教えてください。
○防災課長(白井隆司君) 東京都は、区内に3カ所の給水拠点を設置しており、都立青山公園の応急給水槽に1,500立方メートル、シティハイツ桂坂の応急給水槽に100立方メートル、芝給水所には約2万6,600立方メートルの水が確保されています。リットルに換算しますと、約2,820万リットルとなります。
○委員(榎本茂君) そこで質問なのですけれども、給水所のない芝浦・港南・台場地区、の3地区には少し距離があるわけです。台場地区には、ペットボトルなどで備蓄しているのだと思うのですけれども、どのくらいの量があるのでしょうか。
○防災課長(白井隆司君) 区は、避難所の備蓄倉庫や民間から借り上げている備蓄倉庫に飲料水を備蓄しており、芝浦地区には約3万9,700リットル、港南地区には約3万1,500リットル、台場地区には約1,900リットルを備蓄しております。
○委員(榎本茂君) 例えば、港南地区ですと品川駅の滞留者、お台場ですと観光客、時間帯や時期、季節などによって、避難民の数というのは予想を超えて増減すると思っています。区では、飲料水について、この計画で足りるとお考えでしょうか。
○防災課長(白井隆司君) 区は、想定避難者数約3万3,300人分の飲料水3日分を備蓄しております。
また、災害時には東京都と連携し、消火栓や給水車等の車両を活用した応急給水を行います。
さらに、東京都は、地域防災拠点である区民避難所において、飲料水確保のために応急給水車の整備を進めているところです。
さらなる飲料水の確保に向けて、東京都とともに連携して取り組むとともに、各家庭、事業所での備蓄の啓発に努めてまいります。
○委員(榎本茂君) 先日、船で運河を航行しておりましたら、大井火力発電所の横に東京都シンボルマークをつけた船がとまっていまして、割とよく見る船だったので、何をする船かと思って近づいてみましたら、横に「Water Supply」と書いてありました。調べてみましたら、外航船への飲料水を給水する船でした。真水の搭載量は、100トンということです。
また、お台場の前に、海上保安庁の大型測量船が2隻、あと、お台場学園の裏にも、中型の測量船が3、4隻、常時とまっております。これも海上保安庁に問い合わせたところ、一度航海に出ると、3カ月以上は帰ってこないので、大量のお水を積んでいるのだということです。大型船の搭載する真水タンクは、1隻当たり100トンずつということでありました。数百トン以上がお台場には浮かんでいるということになります。
加えて、海水の淡水化装置というのも積んでいるので、お風呂の水には全く困らないそうです。大型のお風呂が船の中にあるので、3カ月ぐらいずっとお風呂を使えるということでありました。
そこで質問なのですけれども、このような船も地域資源だと思うのです。ぜひとも、そこに常時とまっているわけで、この辺の情報共有を図って、震災時に飲料水やお風呂の提供などを海上保安庁に求めていただきたいと思うのですけれども、区のお考えを伺わせてください。
○防災課長(白井隆司君) 港区防災会議には、海上保安庁等の防災関係機関に参加していただいており、引き続き災害時の連携強化を努める中でいただきました提案について、調査研究をしてまいります。
○委員(榎本茂君) ぜひいただけるよう約束していただきたいと思います。
あと、昨年発生しました北海道胆振東部大地震では、北海道全体がブラックアウトする事態を目の当たりにしました。電力需要の供給とバランスがとれない場合、一部にだけ電気を送ることができないということを多くの国民が知ることになりました。そして、北海道の大停電では、病院などで自家発電装置の燃料不足がテレビでも報道されておりました。
私が出演させていただいたテレビ朝日のサタデーステーションという番組の中では、専門家の方が、電力需要の大きな東京においては、ブラックアウトの可能性は極めて高いのだというコメントをなさっておりました。我々の目の前に迫った大きな課題であります。
私は、7年前に社団法人を立ち上げ、東京港に流通する船舶燃料をマンションや病院に分配する仕組みをつくり、その運用に取り組んでいますが、残念ながら、運用面において、消防法を全てクリアするところには至っておりません。海上では消防法が適用されないのです。そこにある燃料ホースなどは全て規格品ではないので、陸上に持ってきたときに、消防署と大きな摩擦を生むということなのです。
そこで、このたび、国会議員の質問原稿の草案づくりに参加させていただく機会を得て、非常用発電機燃料の海上備蓄とその運用の課題について質問することができることになりました。運用面での柔軟な答弁を大いに期待しているところであります。
また、もう一本、質問づくりに参加させていただきました。今回、北海道での大規模なブラックアウトでは、病院内の停電が原因となる死者数を厚生労働省が把握しているのかということも取り上げさせていただくことになりました。東北では、40の病院が停電によって180名以上の命を落とす結果になったというのを厚生労働省は把握しておりまして、今回、発電機燃料についての議論が深まることを期待しているところです。電力需要の大きな大都市において、自家発電能力の維持は大きな課題であります。
そこで、質問です。東京都が非常用発電機燃料の供給協定を結んでいるガソリンスタンドは、その数をどんどん減らしております。ガソリンスタンドは衰退産業であります。
また、区が必要としているA重油は、一般のガソリンスタンドは保管しておりません。ガソリンスタンドは芝浦地域では3軒だけ、港南地域はゼロ、お台場地域もゼロであります。
区は、非常用発電機燃料をどこからどのような手段でどのくらいの量をどの時点で調達する予定なのか、教えてください。
○防災課長(白井隆司君) 本庁舎や各総合地区支所は、災害応急対策の拠点となることから、非常用電源装置を備え、72時間以上稼働することができるよう、燃料のA重油等を備蓄しております。
また、燃料確保のため、東京都石油商業組合都心支部と災害時における石油類等の優先供給に関する協定を締結しております。災害発生時は、非常用電源装置の稼働の長期化も想定し、この協定に基づいて速やかに優先供給を要請し、体制が整い次第、補充を実施いたします。
A重油については、貯蔵施設が区内にないため、世田谷区内の貯蔵施設からタンクローリー、またはドラム缶等で搬送することとしており、現在、東京都石油商業組合都心支部と具体的な手順等について協議しております。
また、これによる調達が困難な場合には、東京都に燃料供給を要請し、広域的な対応により確保することとしております。
引き続き、災害時の確実な燃料確保に向け、取り組んでまいります。
○委員(榎本茂君) ありがとうございます。ぜひともお願いします。
最後の質問です。港区、港の区と私、よく言うのですけれども、目の前の海には年間で2,000隻もの外国から来る貨物船に給油するために、常時最低でも1,000キロリットル以上のA重油や軽油が船舶燃料として浮かんでおります。
私のような者が社団法人をつくり、燃料販売会社と協定を結んで、マンションや病院に供給する仕組みをつくるより、ぜひとも港区が率先して燃料事業者と協定を結び、燃料を調達、分配することを私としては願っております。
また、船舶用の水、一般質問でも取り上げさせていただいた湾岸部の冷凍倉庫の食糧、港湾部には、探せばまだまだ役に立つ港湾部ならではの地域資源があると思います。ぜひとも防災に役立てる地域資源を研究していただきたいと願っております。区のご見解を伺わせてください。
○防災課長(白井隆司君) 区は、区内の公共的団体や民間団体及び民間事業者と協力協定を締結し、地域における災害時の協力体制を強化しています。
この中では、船舶による人員・物資の輸送や、船舶の係船施設の提供など、運河や水辺のある地域特性を踏まえた協定を締結しており、今後も幅広い視点から災害時の地域資源の活用について調査研究してまいります。
○委員長(土屋準君) 榎本茂委員の発言は終わりました。
議事の運営上、暫時休憩いたします。再開予定は3時35分といたします。
午後 3時15分 休憩
午後 3時35分 再開
○委員長(土屋準君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
歳出第2款総務費の質疑を続行いたします。
初めに、玉木委員。
○委員(玉木まこと君) よろしくお願いいたします。
平成31年度予算案の総務費では、まず、非常用電源装置について質問いたします。
今回の予算案の重点施策の1つに、災害対策の強化として、49億6,421万円が計上されています。その中の1つの事業に、停電時に備えた備蓄物資の整備があり、在宅人工呼吸器使用者に対しての自家発電装置の給付や避難所機能の強化として、避難所にスマートフォン充電器や冷風機、扇風機を整備するとのことでした。当然のことながら、こうした機器を動かすためには、電力が必要になります。
東京都は、首都直下地震発生後、電力の95%回復までに7日間要すると予想しています。電力がない、もしくは不安定な期間をどのようにやりくりするかが課題となります。
そうした中、電力自由化に伴い、民間電力会社では、蓄電池とセット販売のプランなども始まり、大手電気自動車メーカーが安価な蓄電池を発表し話題となるなど、近い将来、一般家庭でも非常用電源装置の普及が進んでいくものと思います。
防災市場関連では、自治体や企業向けに、スマートフォン充電に適した非常用電源装置、蓄電池の販売がされています。
そこで質問いたしますが、今回、区が避難所に整備予定のスマートフォン充電器、充電用の機材とはどのようなものを想定されているのか、お聞かせください。
○防災課長(白井隆司君) 区が、来年度各避難所に配備するスマートフォン対応の充電器は、平時からの充電が必要なく、水や空気に反応して発電する充電器を予定しています。性能や使い勝手などを踏まえ、避難所での使用に適した機器を配備してまいります。
○委員(玉木まこと君) 水や空気などに反応するということで、さまざまな工夫を考えていらっしゃるということで、承知いたしました。
先ほど、首都直下地震発生時の電力回復まで7日間と言いましたが、これは95%までの回復ですので、港区内はもう少し早く回復するのではないかと思いますけれども、一方で停電発生直後の電力の確保というのが重要になっていきます。
先日、横浜市で開催された防災フェアでは、非常用電源装置、蓄電池も多数展示されていました。用途によって蓄電地の大きさが異なり、スマートフォンやパソコンの充電であれば、市販のノート程度のサイズの製品が多く、持ち運びに便利な工夫がされていました。
また、蓄電池で広く知られているリチウムイオン電池ですが、リチウムイオン電池といってもさまざまな種類があり、電気自動車で広く使われているマンガン系、発熱が起こりにくいリン酸鉄系などさまざまです。一例ですけれども、こちらの製品が、発熱の少ないリン酸系のリチウムイオン電池を使用した非常用電源装置になります。大きなボックスがありまして、中に小さなものが幾つか置けるようなものだったり、数台くっつけて、大きな電気として使えるということでございました。
こうした発熱の少ない電池ですけれども、発熱が少ないために、変形なども心配なく、行政などの機関でもこうした小型の蓄電池の配備が検討されているとのご説明でした。
そこで質問いたします。区役所における非常用電源装置、蓄電池配備に対する区の考えと、将来的なこうした製品が一般家庭に普及していくことについて、区のお考えをお聞かせください。
○防災課長(白井隆司君) 本庁舎や各総合地区支所は、災害応急対策の拠点となることから、非常用電源装置を備え、72時間以上稼働できるよう、燃料のA重油等を備蓄しております。
また、避難所となる全ての施設には、ガソリンを燃料とする発電機を配備しており、そのうち医療救護所を設置する避難所については、精密機器の使用に適した空気亜鉛電池を備蓄しています。
今後も、さまざまな視点から、必要十分な非常用電源の確保に取り組んでまいります。
一方で、家庭における非常用電源の確保も大切なことと考えております。現在、区は、高層住宅の防災住民組織を対象とした資器材助成制度において、ガソリンを使用する発電機や、マグネシウム空気電池を助成品目に加えております。
引き続き、共助の取り組みとしての電源の確保を支援していくとともに、停電時の対策を含め、各家庭での防災対策の普及啓発に取り組んでまいります。
○委員(玉木まこと君) ありがとうございます。
マグネシウム空気電池ですけれども、私も展示会で拝見いたしまして、装置としても大変ユニークで、おもしろいと思いましたので、そうした取っかかりからぜひ普及も努めていっていただければと思います。
次に、(仮称)文化芸術ホールについて質問いたします。
(仮称)文化芸術ホールについては、過去の
予算特別委員会でも、ホールを使用する区民団体等への楽器の貸し出しの充実、定期的に利用される団体等があった場合の楽器置き場の確保などについて質問、要望させていただきました。
また、(仮称)文化芸術ホールは、観光名所が近接するなど、大変発信力のある場所に立地しており、効率的な財源確保策としてネーミングライツなどを検討してはどうかと質問し、ネーミングライツのメリット、デメリットを整理し、効率的な運営を目指す中で、財源確保策のコストの削減などの検討項目の一つとするとの答弁をいただきました。
現在、港区は、ふるさと納税など、国の施策により貴重な財源である特別区民税が流出しており、都心部は自主財源確保を進めていかなければならない状況と言えます。また、持続的な自治体運営という意味においても、自主財源の確保は広く区民にも受け入れられる土壌が育ってきているのではないかと感じます。
そこで、質問いたします。本定例会の一般質問で武井区長は、ネーミングライツも検討するとの答弁がありましたが、ネーミングライツの検討にあたっては、かねてからご提言してきた(仮称)文化芸術ホールも、その対象施設としてぜひ検討の一つに加えていただき、関係団体等にも意向を伺っていただきたいと思いますが、区のお考えをお聞かせください。
○国際化・
文化芸術担当課長(大久保明子君) (仮称)文化芸術ホールは、平成38年度の開館に向けて、現在、ホールの実施設計や、ホールの使命、役割、運営組織、事業内容などの管理運営に係るさまざまな検討を進めております。
(仮称)文化芸術ホールについては、区民、来街者、関係団体をはじめ、多くの方々の利用が想定されることから、広告の視認性、効果性が高く、ネーミングライツに適した施設であると考えておりますが、具体的な検討が開設準備組織の設置を予定している開館3年前ごろになるものと考えております。
また、ネーミングライツは、事業者の名称が施設の印象となることから、本来の施設の管理運営の方向性を妨げてしまう可能性もございます。過去、ネーミングライツ契約事業者と公演主催事業者との間で、スポンサー管理の調整が必要となった事例もあることに鑑み、(仮称)文化芸術ホールへのネーミングライツの実施については、関係団体等の意向を確認した上で、慎重に検討してまいります。
○委員(玉木まこと君) ありがとうございます。今、いろいろと懸念な部分もご説明いただきました。
その一方で、やはり都心港区が、しっかり自分たちで財源を確保していくということが、全国的に見ても求められている雰囲気になってきていると強く感じます。もちろんデメリットもあると思いますので、関係団体とヒアリング等を重ねていただきながら、いい形で検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に、ラグビーワールドカップ2019日本大会、東京2020大会の気運醸成について質問いたします。
これまで東京都は、ことし開催のラグビーワールドカップ2019日本大会、来年開催の東京2020大会と、目の前に迫った国際スポーツ大会の気運醸成に取り組んできました。
一方で、23区長会が東京都に要望しているとおり、東京2020大会の気運醸成の取り組みには、さまざまな規制や手続きが足かせとなり、思うように盛り上がっていないのが実情と感じます。ぜひ東京都には、権利関係が不要なコンテンツの作成、また、エンブレム等の使用制限の緩和を強く求めていただきたいと思います。
そこで、気運醸成の一つになればと思い、横断幕の設置についてご提言させていただきます。
東京タワーは、言うまでもなく都内有数の観光スポットです。現在、東京タワーの足元の都立芝公園もみじ谷は、崖の改修などの工事が行われており、もみじ谷全体が工事仮囲いや白い幕で覆われています。担当部署に確認したところ、工事期間は来年3月までを予定しているとのことでした。
工事も既に終盤に差しかかっていますが、都内有数の観光スポットである東京タワーに隣接し、多くの来街者が目にする都立芝公園もみじ谷の工事仮囲いに、ラグビーワールドカップ2019日本大会や東京2020大会の気運醸成として、大会ロゴマーク、キャラクターなどが描かれた横断幕の掲示などを東京都に要望してはどうかと思いました。区のお考えをお聞かせください。
○企画課長・オリンピック・
パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 玉木委員ご指摘のとおり、大会関連マークなどの知的財産の使用は、大会スポンサーなどあらかじめ認められた組織や団体のみ使用することができます。
都立芝公園のもみじ谷の工事仮囲いを現地確認したところ、東京都が設置している仮囲いであることが確認でき、大会関連マークの使用が可能な場所ということも確認いたしました。
玉木委員ご提案の都立芝公園に横断幕などを掲示することにつきましては、東京都の担当宛てに要望してまいります。
○委員(玉木まこと君) 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は来年に迫ってまいりましたので、時間がない中だと思いますけれども、最後の盛り上がりに期待して、ぜひとも進めていっていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○委員長(土屋準君) 玉木委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、黒崎委員。
○委員(黒崎ゆういち君) よろしくお願いします。
最初に、高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくり推進本部について伺います。
定例会初日の区長所信表明第3のテーマ、「安全・安心に過ごせる快適でにぎわいあるまちを実現するための取組」の中で、快適でにぎわいあるまちの基盤整備として、来年の春に暫定開業を予定しているJR高輪ゲートウェイ駅周辺において、民間事業者による新たなまちづくりが進んでいることを受け、昨年12月に、区長を本部長とする高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくり推進本部を立ち上げられました。町の名称や総合支所の管轄区域、区立小・中学校の学区域の検討を開始すると述べられております。
港区では、台場地域以来、20年ぶりとなるゼロからの大規模なまちづくりの整備に向けて、区民生活に直結するさまざまな対応を先んじて手を打つことが同本部の設置目的だと思いますが、支援部や総合支所の既存組織でなく、区長がみずから本部長となって横断組織を立ち上げられたのは、どのような意図があるのかお伺いをいたします。
また、現段階で同本部が扱う問題はどのようなものがあるのか、あわせてお伺いいたします。
○企画課長・オリンピック・
パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくりでは、2020年春ごろ、高輪ゲートウェイ駅が暫定開業するほか、土地区画整理事業等により新たなまちの整備が進められています。
区は、新たな町名を早期にお示しし、区民生活や企業の事業活動に与える影響を考慮した良好なまちづくりを推進することを目的といたしまして、本部を設置したものでございます。
現在、本部では、町の境界の設定や、町名の方向性、既存の町区域との一体性、総合支所の管轄のあり方とそれに伴う区民サービスへの影響、区立小・中学校までの通学路や教室数の過不足などについて検討を進めております。
○委員(黒崎ゆういち君) 今回のまちづくりは、東京の玄関を港区につくり上げるプロジェクトになろうかと思います。品川駅を中心とした港南側、そして、高輪側、高輪ゲートウェイ駅周辺のいわゆる大品川エリアが相互連動していくことが重要です。同エリアでは、さまざまな開発が、2027年リニア中央新幹線開通に向けて今動いております。そのような中、今までにないまちづくりを求められていることになろうかと思います。
よりよいまちづくりの実現のために、同エリアにおいては、規制緩和を含め、大胆で柔軟な制度運用や支援を行うことが必要だと考えますが、現段階での対応方針についてお聞かせください。
○企画課長・オリンピック・
パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 高輪ゲートウェイ駅周辺のまちづくりにおきましては、現段階で特に対応方針を定めておりませんが、今後、具体的なまちの姿が明らかになる中で、事業者などの要望を丁寧にお聞きし、黒崎委員提案のアイデアも含めまして、柔軟かつ適切に対応してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 住民の方々にしてみると、提示されている内容が複数ありまして、どこがどういつできるのか、どうつながっていくのかというところがわかりにくいエリアであります。土木費でも当然質問するのですが、ぜひ高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくり推進本部においても、区民目線での対応をよろしくお願いします。
次に、企業連携推進施策について伺います。
当選以来、港区の地域資産、地域資源である企業の力をもっと地域に活用すべきだとして、たびたび質問で取り上げさせております。その意図を酌んでいただいた結果かどうかはわかりませんが、多くの区民が参加できるスポーツを通じて、一体感や感動を創出するイベント、MINATOシティハーフマラソン2018が昨年12月2日に開催され、大成功をおさめました。港区にある多くの企業が本イベントの成功に向け、さまざまな資源、資産を提供し、地域と企業が共生する機会をつくりました。
今回お力添えいただいた区内企業の多くが2回目の開催を望んでいると聞いていますが、第1回目の大会総括はどのようなものだったのでしょうか。
また、ラグビーワールドカップ2019日本大会開催や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の直前であると開催に向け、さまざまな阻害要素が待ち受けていると思われる第2回の開催の可能性について、現時点での庁内状況をあわせてお伺いいたします。
○企画課長・オリンピック・
パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 本大会には、200社を超える企業が協賛という形でお力添えいただくとともに、大会当日の寒さ厳しい中、早朝から400名を上回る企業ボランティアの皆さんに大会を支えていただきました。
また、歌やダンスによるステージイベントなど、企業連携の取り組みの効果を最大限発揮した大会となりました。
大会を事故なく無事に開催でき、ランナーからも比較的高い評価をいただくなど、初回大会として円滑に運営できたことは、企業連携をはじめ、全国各地域との連携、区民の参画と協働など、区がこれまで推進してまいりました取り組みの集大成と捉えております。
私も含め、本大会に携わった事務局職員は、人と人とが織りなすきずなの重要性を改めて実感しております。こうした企業の力は、今後、あらゆる分野の施策に生かしてまいります。
続きまして、次回大会開催に向けた状況でございます。
本年は、改元による皇室行事や、各国の要人の来日が多く予定されているなど、交通管理者である警視庁が大規模な警備体制をしくイベントが多いと伺っており、区では、現在、次回大会の開催日程を含め、警視庁と協議を進めております。
港区マラソン実行委員会では、今回の企業協賛に対しまして、大会を振り返るアンケートを企業に実施するなど、次回大会の開催に向けた準備を着実に進めております。
企業の協賛特典の見直し、企業が大会をともに盛り上げることができる手法をさらに検討し、企業が有する知見やノウハウを前回以上に取り入れてまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 大会の運営資金というか、協賛金の部分において非常に大きな役割を占めていただいたと思います。1回目以上に2回目の資金集めは大変だと思いますので、ぜひ機能を盛り込んでいただいて、第2回目準備を進めていただきたいと思います。
スポーツにより地域と企業をつなぐ連携施策は形になりました。一方、地域の課題に対し、港区の地域資源、地域資産である企業の力をもっと地域に活用するような施策も含め、さらなる企業連携を推進していくべきだと考えます。
例えば、港区が区内企業向けの独身寮を整備するのはどうでしょうか。独身寮に入寮する条件として、区や企業、町会が連携協定を締結し、地域のお祭りや交通安全、学校の運動会等で必ず設営するテント張りなどや、消防団への入団等、今、港区内で不足している平日における若い力を確保することができると思います。
千代田区では、再開発に学生寮を同様のコンセプトで設置した事例もありますが、区内の地域資源、地域資産である企業の力をうまく活用していくべきだと考えます。
それらを踏まえて、来年度に向けた新たな企業連携推進施策があれば、お伺いいたします。
○企画課長・オリンピック・
パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) まずは、現在取り組んでおります企業連携推進、これを進めていくことが最重要と考えておりますが、担当所管といたしまして、新たな取り組みの一つといたしまして、区内企業の力を全国各地の課題解決につなげる可能性、これを検討しております。
連携を行っている企業からも、桜の手入れをする職人の桜守の熟練技術の継承を目的に、青森県弘前市と港区の事業者がAIを活用した共同研究を実施するなど、他県の課題を解決したという事例をお聞きしたところです。
黒崎委員ご提案の企業と町会をつなげる取り組みについても参考にさせていただきながら、企業連携のさらなる充実に努めてまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 次の質問です。東京2020大会のレガシー創出について伺います。
いよいよ9月20日、アジアで初となるラグビーワールドカップ2019日本大会が開催されます。開幕戦は、日本代表対ロシア代表、東京都調布市の味の素スタジアムでキックオフが行われます。
区長所信表明においても、ここ港区は、日本ラグビーの発祥の地、そして、ラグビーの聖地、秩父宮ラグビー場が立地しているとありました。その中で、世界の活躍するトップ選手と区民との交流事業を展開していく、大会のすばらしさを、感動を分かち合う場を提供する、ラグビーに対する熱き思いを区民の皆さんと共有してまいりますとしております。
また、東京2020大会の開催まで1年余りとなり、大会の開催に向けた準備が本格化しています。世界中のオリンピアン・パラリンピアンが港区に集う、この絶好の機会を捉え、区民一人ひとりの心に刻まれるような大会となるよう、気運醸成を積極的に行っていくと述べられました。
大会を通じて、港区の未来にはどんなレガシー、大会遺産を残していくのか、検討はどのようになっているのでしょうか。54年前の東京オリンピック競技大会では、日本の高度成長を支える原動力になった新幹線や首都高速などの整備が進み、ハード面でのレガシーになりました。一方、ピクトグラムも社会に浸透し、バリアフリーの考え方や施設整備が進みました。これらは、インフラに対するものとして、ソフトレガシーと呼ばれています。
港区におけるハード、ソフトのレガシー創出について、現在の状況をお聞かせください。
○企画課長・オリンピック・
パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 区は、ハード面において、レガシーの創出といたしまして、「泳げる海、お台場」の実現に向けた取り組み、道路や快適な公衆トイレの整備などを積極的に推進しております。
また、ソフト面におけるレガシーの創出といたしましては、MINATOシティハーフマラソンの開催や、区民のボランティア意欲の向上、港区ならではの文化プログラムの推進などに取り組んでおります。
区は、今後、行政が考えるだけでなく、区民の皆さん一人ひとりが東京2020大会における港区のレガシーについて考えていただく機会を設けるなど、区民の皆さんの心に残る確かなレガシーの創出に一層取り組んでまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) ぜひ区民みんなで考えるレガシー創出プロジェクトというか、アイデアがどんどん浮かんでくるようなプラットフォームもつくっていただきたいと思います。ハード面においては開催まで時間がありませんので、よろしくお願いします。
次に、公共施設整備の決定プロセスとその進め方について伺います。
平成30年第4回定例会の一般質問において、同様の質問をさせていただきました。一般質問では、1、行政需要や区民要望のニーズの把握について、2、適正配置の決定について、3、土地や国公有地の取得の流れについて、4、迅速な整備とニーズに沿った計画策定について、5、整備計画の決定・公表について、6、整備計画の合意形成についての6項目をお聞きしました。今回は、そのうち行政需要や区民要望などのニーズ把握についてと、適正配置の決定についての2点について改めて質問をさせていただきます。
まず、行政需要や区民要望などのニーズ把握についてです。
私は、行政需要や区民要望などのニーズを的確に把握するプロセスがどのようになっているのかを質問しました。港区基本計画に掲げる政策を実現し、地域の課題解決や区民サービスの向上の手段の一つとして、公共施設を計画的に整備しています。公共施設の整備の検討にあたっては、区に寄せられた声や、基本計画等の策定時に実施する基礎調査を通じて区民ニーズを把握するとともに、将来の人口増減を予測する人口推計を実施し、長期的な行政需要を分析した上で公共施設の整備を進めておりますと区長は答弁されました。
来年度は、次期港区基本計画の改定に向けた準備が進んでいると聞いています。これらの行政需要や区民要望などのニーズや統計資料等、計画の前提条件となるデータを公表、すなわち見える化した上で計画策定を進めていくべきだと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
○企画課長・オリンピック・
パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 港区基本計画や公共施設の整備計画の策定にあたりましては、将来の人口の増減を予測する人口推計や財政推計を実施するとともに、港区政策創造研究所において、区政の課題をわかりやすくグラフ化した政策形成支援データ集をまとめ、データの見える化を図っております。
今後も引き続き、データの見える化の充実に努めながら、計画策定を着実に進めてまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 次も関連する質問なので、続けます。
次に、適正配置の決定について伺います。
私は、適正配置の決定プロセスは誰がどのように決定しているのかを質問しました。区長からは、子どもや高齢者など年代別の細かな人口動向を分析し、各施設の利用者の推移を推計するなど、区全体として長期的な施設需要を予測します。その後、人口の分布や施設利用者の利便性、各地区における施設需要を踏まえ、保育園や学校、高齢者施設、障害者施設などの公共施設の配置案を検討し、配置案は、公共施設の適正な整備を図るために設置している公共施設等整備検討委員会での議論を踏まえ、最終的に庁議での審議を経て決定しておりますと答弁をされております。
先ほどの質問と同様の趣旨となりますが、公共施設等整備検討委員会での検討結果をもとに、必要な施設整備計画を各地区で優先的に示した上で公表し、公共施設整備を進めていくべきだと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
○企画課長・オリンピック・
パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 区は、今後も続く人口増加に対応した優先順位の高い公共施設について、公共施設等整備検討委員会を踏まえて選定いたしまして、港区基本計画の策定にあわせまして港区実施計画としてまとめ、お示ししてございます。
今後も、港区基本計画・実施計画に計上した公共施設の整備計画を一覧にするなど、わかりやすい形で区民の皆様にお示しできるよう、公表の仕方を工夫し、丁寧な公共施設整備を進めてまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 土地が取得できるタイミングというものは非常に重要でございますので、優先順位がついてあっても、そうはいかない計画が入ってきたり、その都度の対応をしていくようなことは当然あると思います。ただ、この地区にはこのようなものがなければいけない、もしくはこのようなものが今不足しているというメッセージは、ぜひ議員も含めて常に共有しておく必要があると思います。保育園は全区的に足りないということはわかっておりますが、その他の分野においても、ぜひわかりやすい広報をしていただきたいと思います。
最後に、港区ワーク・ライフ・バランス推進企業認定事業について伺います。
仕事と家庭の両立支援や、男女がともに働きやすい職場の実現に向けて、ワーク・ライフ・バランスに取り組んでいる中小企業を、子育て支援、地域活動支援、介護支援、働きやすい職場環境づくりの4分野で認定しています。
認定企業のメリットとしては、区が認定企業を広くPRするとともに、契約制度に係る優遇も与えられています。また、港区ワーク・ライフ・バランス推進企業認定証を授与し、社内やホームページに掲げて、お客様や就職活動の学生等にPRできるとされています。
今後、さらに本認定が増えていくことが当然望ましいのですが、本事業における現在の状況と今後の取り組み方針についてお聞かせください。
また、港区ワーク・ライフ・バランス推進企業認定証だけでなく、わかりやすいシンボルマーク等があれば、認定企業側が名刺やホームページ等で積極的にPRできると思いますが、この施策につきましてもご検討いただけますでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(江村信行君) 平成30年度は、20社を新規認定し、20社の更新認定を行いました。認定企業の総数は59社に達しております。
今後の取り組み方針といたしましては、平成31年4月1日から順次施行される働き方改革関連法を受け、時間外労働時間の上限規制等を審査基準に加えるなどの検討をしてまいります。
さらに、他の企業にもワーク・ライフ・バランスの取り組みが拡大するように、情報誌やリーフレット等による広報を充実させてまいります。
また、認定証の交付のみではなく、認定企業のイメージアップと積極的なPRにつながる方法を検討してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) シンボルマークの件は、回答の中に入っているということですか。認定された企業から、もっとPRしたいという声がありましたので、今、ご質問させていただいています。
働き方改革の中で、昼間人口100万人の港区が一番働きやすい地域であるということも含めて、積極的に活用、アピールしていくことが、先ほど質問しました企業連携にもつながっていくと思いますので、ぜひ企画課等と連携をとりながら、働きやすい地域港区になるように進んでいってもらいたいと思います。
○委員長(土屋準君) 黒崎委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、榎本あゆみ委員。
○委員(榎本あゆみ君) まずは、防災備蓄品としての液体ミルクの常備についてお伺いさせていただきます。
2018年第3回港区議会定例会の代表質問、また、2017年、平成29年度決算特別委員会においても、液体ミルクを防災備蓄品に加えるべきであると発言してまいりましたが、今回、2019年度予算案に液体ミルクを防災備蓄品として整備するとされており、大変うれしく思っております。
去年、ことしと、液体ミルクを取り巻く環境が大きく前進しております。2018年8月には、厚生労働省が乳及び乳製品の成分規格等に関する省令を改正したことにより、日本でも液体ミルクの製造販売が解禁。また、それを受け、江崎グリコ株式会社では、国内で初めて乳児用液体ミルクを製品化し、2019年春、販売が開始される予定です。現在の予定では、125ミリリットル、紙パック入りで、保存期間は常温で6カ月ということです。
このように、国内で液体ミルクが販売される中、自治体としても、2018年には東京都が、災害時における乳児用液体ミルクの調達について、イオン株式会社と災害時における物資の調達支援協力に関する協定を締結。また、23区でも動きがあり、文京区において2019年予算案の中で、災害時に乳児160人が1日半利用することを想定し、液体ミルクのパック約2,000個と使い捨て哺乳瓶を備えることにしました。
そのほか、文京区では、赤ちゃんを災害から守る社会をつくるため、大学や事業者などのセクターと集結・協力し、2018年11月、文京区プロテクトベイビーコンソーシアムを設立。災害時の赤ちゃんへの栄養支援ノウハウの習得と活用、妊産婦・乳児救護所の備蓄物資の充実、液体ミルクの正しい使い方の習得、また、ローリングストックによる液体ミルクの使用経験を構築していきます。
震災により電気、ガスがとまってしまい、お湯がない、清潔な哺乳瓶が入手できない、また、お母さんが被災し母乳が出ないなど、さまざまな状況が起きたときに、お母さんではなくても誰でもすぐに赤ちゃんに飲ませることができる液体ミルクは大変有効です。
今回、港区でも、避難所機能の強化として、乳幼児用液体ミルク、また、扇風機、スマートフォン等充電器などの整備として、約4,394万円の予算案が計上されております。
港区における本液体ミルクの備蓄についての具体的な計画を伺います。
今、販売が予定されている江崎グリコ株式会社では保存期間6カ月ということですけれども、保存期間が短くなった場合には、国際基準に配慮しながらも、液体ミルクが最も必要である1歳児が多く利用する子育てひろばなどを訪れた方に配布し、防災意識を区民一人ひとりに啓発するために有効活用すべきであると考えますが、区の考えを伺います。
○防災課長(白井隆司君) 発災直後は、粉ミルクのためのお湯の確保が困難になることが想定されるため、区は、来年度販売が想定されている1パック125ミリリットルの液体ミルクを約2,000パック購入し、各避難所に備蓄する予定です。
なお、液体ミルクについては、製造メーカーが今後増えていくとの報道もあることから、保存期間や容器などの使用が備蓄に適した製品を選定してまいります。
また、粉ミルクについても、引き続き、想定避難者数の3日分を備蓄し、液体ミルク、粉ミルクの併用により、必要十分な量の乳児用ミルクを確保してまいります。
また、保存期間が残り少なくなった液体ミルクについては、災害時の備えとして、各家庭での備蓄が進むよう、子育て支援施設や地域の防災訓練等で防災に関する啓発品として配布するなど、有効活用してまいります。
○委員(榎本あゆみ君) ありがとうございます。
液体ミルクを今回約2,000パック備蓄してくださるということで、大変心強い。どこのメーカーが使いやすいか、そして、どれぐらいの量が適切であるか、これからぜひよい方向に使っていっていただきたいと期待しております。
続きまして、区民センターについて質問させていただきます。
これも2017年度決算特別委員会などでも質問してまいりましたけれども、港区にある5つの区民センターは、利用者数が非常に減っております。数字が確定しております2016年と2017年で比較しますと、赤坂とお台場については利用者が増えておりますけれども、例えば、麻布区民センターでは、7万3,270人から約5,000人減っております。また、高輪区民センターでは、15万1,522人から約2万5,000人減っている。そして芝浦港南区民センターでは、7万2,357人から約8,000人減っているということで、5つ全体の中で見ますと、48万316人から46万1,579人と、約1万8,000人減り、区民センターを使っている利用者の人数が全体的に減っております。
しかし、今回、決算ではなく予算ベースでの単純比較になりますけれども、2018年と2019年の予算案の額を比較しますと、5つ全てを合わせて増額しております。2018年は2億3,851万円だったのが、今回、2019年度予算案では2億7,181万円と、約3,000万円増額されています。利用人数が減っているにもかかわらず、予算が増額されている理由をお尋ねします。
○高輪地区総合支所副総合支所長・高輪地区総合支所管理課長兼務(遠井基樹君) 区民センターの利用者数が減少いたしました要因でございますが、有効団体登録数の減少によるものと推定しております。
団体登録は、有効期限が3年間でありまして、登録更新に気がつかずに、そのまま登録を失効してしまう団体が増えている区民センターもございます。もちろん失効前には、間もなく期限が切れますというご案内も差し上げてございますけれども、こうしたことが利用者の減少に結びついているものと考えております。
区では、これまでも利用拡大や登録継続につながるよう、区民ホールの椅子の改造、新設、それから、音響などの設備改善や、魅力的な講座の実施などに努めてまいりました。
今年度は全ての区民センターで、平成31年度からの新たな指定管理者を決める、プロポーザルによります事業者選定を実施しました。事業者からは、利用者が多い夜間利用に対応するための人員シフトを図るほか、全ての区民センターに、利用者からのご要望が多かったカラーコピー機を導入するほか、外国人の利用者のために翻訳用携帯端末を配備するという、体制や環境整備に関する提案をいただいております。
また、地元の大学との連携によるジャズやポップコンサートなど、地域連携、参加型の講座などの魅力的な新事業の提案もいただいております。
区では、こうした事業者提案を確実に実施に結びつけますとともに、今後も引き続きコミュニティの活動の場として魅力があります区民センターづくりに取り組むため、予算を増やしております。よろしくご理解のほどお願いいたします。
○委員(榎本あゆみ君) 今年度、プロポーザルで指定管理者がどうなるかというところだと思いますけれども、先ほどの答弁では有効団体登録数が減っていることが一つの要因ではないかということでしたけれども、有効期限が3年で失効することに気がつかない団体がいるということは、つまりは、その団体は3年間使っていないから気づいていないということでして、そこは要因と直結しないのかと思います。先ほどおっしゃっていたような魅力的な講座や、より多くの人が訪れるような提案をする事業者を募るようにぜひお願いしたいと思います。
続いて、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の気運醸成についてお伺いいたします。
来年に迫った東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の準備・啓発として、2019年度予算案では7,179万円が計上されています。内訳を見てみますと、企業と連携して実施するイベント、上限300万円で4回、東京2020組織委員会が認定した団体が実施する東京2020応援プログラムへの助成で1,500万円、新橋駅
SL広場のデジタルサイネージ関連が500万円、シティドレッシングとしての区の施設などにバナーや横断幕を装飾する事業に3,000万円などとなっています。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は、東京2020組織委員会及び東京都が主催する中、港区がどれだけ税金を投入すべきなのか考える時期ではないでしょうか。区として気運醸成をしていくということであれば、特定の人や団体のみがかかわるような事業ではなく、1人でも多くの区民がサービスを受けることができるよう、薄く広い事業、もしくは1つの分野を深掘りするような厚く狭くのどちらかが有効であると私は考えています。
しかし、現状は、東京2020応援プログラムの助成につきましては、まず、本事業を知っていること、その上で東京都へ申請し、その後港区に申請する。このような煩雑な申請作業ができる団体のみです。また、先ほどのシティドレッシングに関しましても、区役所など区の施設でのバナー掲示などでは、限られた人にしかリーチができないと考えます。より多くの区民の気運が醸成されるような事業を行っていくべきであると考えますが、見解を伺います。
○企画課長・オリンピック・
パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) ただいま榎本あゆみ委員がご紹介いただきました東京2020応援プログラムに対する助成事業につきましては、プログラムそのものは大会の気運醸成、そしてレガシーの創出を効果的に推進し、多くの方が参画できる事業を東京2020組織委員会が認証しているものでございます。区は、その認証された事業に対しまして、さらに多くの区民が参加でき、波及効果が高いことを条件といたしまして、活動費を助成しております。
東京2020大会が1年半後に迫りまして、今後ますます大会に向けて盛り上がる中、榎本あゆみ委員がご指摘のとおり、多くの区民が参加できるよう、区内各地においてイベントを実施する、また、区内のまち全体を活用したさらなる気運醸成、こういったものに取り組んでまいります。
○委員(榎本あゆみ君) 先ほどご紹介しました東京2020応援プログラムは、東京2020組織委員会が認証していたものであるということですけれども、毎年20団体がこの認証を受け、助成を受けているのですが、2017年と2018年に助成を受けた団体を見ましたところ、20団体のうち11団体、半分以上が2017年も受け、2018年もそのまま受けている団体でした。つまり、半分以上は同じ団体が受けているのです。やはりもう少し新しい団体にリーチをしていくなど、なるべく広く多くの人の気運を醸成できるような活動をしていくべきであると私は考えますので、ぜひそこら辺をよろしくお願いいたします。
最後に、式典音声のテキスト化についてお伺いいたします。
以前より、式典など講話者の隣にスクリーンを設置し、講話者の話す音声をテキスト化し、スクリーンに映すべきであると求めてまいりました。2018年、平成30年第3回定例会の代表質問の際に、区長は、式典などでの音声の文字化の活用について幅広く情報収集すると答弁されました。
音声認識の技術は、日々進化をしています。多少の変換ミスはあるかもしれませんし、うまく音が拾えないこともあるかもしれません。しかし、音が拾えない状況であるということは、会場内で聞いているお客さんたちにとっても、聞き取りづらい状況になっているはずです。
このようなことも考え、港区でも早くから式典などでの音声がテキスト化されるシステムを導入していくべきであると考えますが、今の区の検討状況を伺います。
○情報政策課長(若杉健次君) 音声をコンピュータが認識する技術によりまして、テキスト形式で文章化して表示する技術については、AIなどのICTの進歩により、精度は向上しております。
区では、類似の技術といたしまして、平成30年5月から、AIによる議事録自動作成支援ツールを導入いたしまして、現在、200を超える会議や打ち合わせで活用しています。
このツールを利用する中で、AIの音声認識技術により、高い精度で文章化できることを実感しておりますけれども、一方で、同じ発音のいわゆる同音異義語の誤変換などの解消も課題となっております。今後、AIの機械学習により、こういった点は改善を重ねていく予定です。
これらの技術を活用いたしまして、式典やイベントなどで、スクリーンによりリアルタイムに表示を行っていくためには、さらなる技術的な検証が必要とも考えております。今後、新たな技術の情報収集も含め、導入の可能性について検討してまいります。
○委員(榎本あゆみ君) 今ご紹介いただいたように、議事録作成、港区でも既に200を超える会議で使っているということです。同音異義語を間違えてしまうということもあると思います。これは聞いている側としても、聞き間違いがあるのと同じようなことが起きているはずで、正確性をどこまで求めていくかということもありますけれども、やはり実際に音声が文字として出るということは、誰にとっても非常に利便性の高いものになると確信しておりますので、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
○委員長(土屋準君) 榎本あゆみ委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、丸山委員。
○委員(丸山たかのり君) よろしくお願いいたします。
初めに、デジタル・ガバメントについてお伺いいたします。
国と自治体の行政手続をインターネット上で行えるようにするデジタル・ガバメントの実現に向けた動きが加速しております。政府は、平成30年1月16日に、デジタル・ガバメント実行計画を閣僚会議で決定。この日から平成34年度末までの約5年間で、行政サービスを100%デジタル化し、インターネット上で利用可能なデータとして公開するとしております。
デジタル・ガバメント実行計画では、1、原則として個々の手続・サービスが一貫してデジタルで完結するデジタルファースト、2、一度提出した情報は、二度提出することを不要とするワンスオンリー、3、民間サービスも含め、複数の手続・サービスがどこからでも一か所で実現するコネクテッド・ワンストップの3つの実現に向けた取り組みを進めるとしております。
現在、オンラインでの申請システムとして、マイナンバー制度を利用した個人向け専用サイト、マイナポータルの活用が挙げられます。マイナポータルは、平成29年度からサービスの利用が可能となり、平成30年6月から児童手当の現況届提出など、子育て支援サービスのマイナポータル上での手続を開始し、同年10月からは保育施設の現況届、保育所入所などの際に必要となる就労証明書の作成、提出手続をインターネットで行えるようにいたしました。
就労証明書は、これまで申請者が市区町村から取り寄せた用紙に企業の担当者が必要事項を手書きで記入し、押印して作成。それを受け取った申請者が市区町村に持参または郵送しなければならず、証明書の様式も市区町村によって異なり、提出までの手間が大変に大きかったです。
しかし、マイナポータルを活用すれば、申請者から依頼を受けた企業の担当者が、各市区町村の就労証明書のデータが登録されているマイナポータル上の就労証明書作成コーナーにアクセスし、必要事項をキーボード入力して印刷した上で押印すれば、証明書が完成いたします。受け取った申請者は、証明書の写真をマイナポータルにアップロードすることで、電子申請ができるという仕組みでございます。
区は、国が本格運用を開始したおととし11月から、区の子育て関連の申請の一部をマイナポータルを利用して申請手続ができるように整備しており、この点は高く評価しております。今後は、国のデジタル・ガバメント実行計画の趣旨に沿って、前述の就労証明書作成を含む、国が事務の運用を開始したマイナポータルを活用したサービスを全て実施し、行政サービスのデジタル化とワンストップ化に取り組むべきと考えます。
質問は、デジタル・ガバメント実現のために、区としてマイナポータルを活用したサービスの充実にどのように取り組むのか、お伺いいたします。
○情報政策課長(若杉健次君) 区では、マイナポータルがサービスを開始した平成29年11月の当初から、区の子育てに関するサービスの検索や電子申請でマイナポータルの活用を始めており、現在、サービス検索については65、電子申請については18の手続でご利用いただいております。
マイナポータルにつきましては、今後、介護保険の分野への拡大が予定されており、区では、要介護・要支援認定申請や介護保険の被保険者証などの手続においてもマイナポータルを活用するよう、現在、準備を進めておるところでございます。
今後も、マイナポータルを活用したサービスの検索や電子申請の充実に取り組んでまいります。
○委員(丸山たかのり君) わかりました。介護分野も含めてこれから拡充が予定されているということでございます。その方向性は本当にすばらしいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
私も、マイナポータルに登録はしているのですけれども、実際、最初はとっつきにくかったのですが、今はすごく簡単です。最初の手続は少し手間がかかりますが、意外と簡単に、一回手続をしてしまえば、ログインがすごく容易にできるというのがわかりました。ぜひ多くの人に使ってもらいたいと思うのですけれども、いかんせん、メニューが少な過ぎて、今は、私の子どもが大きくなってしまっていて、使えるメニューがほとんどないという状態で、アクセスする動機づけがありません。今後、国の動向をしっかり注視してもらった上で、開始になったサービスをいち早く導入、運用していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、オープンデータについてお伺いいたします。
デジタル・ガバメントを実現する上で重要なことは、住民目線の取り組みであると指摘されております。例えば、経済開発協力機構、OECDのデジタル・ガバメント戦略のための理事会は、平成26年に出した勧告で、政府が保有する情報をインターネット上に公開し、より便利な行政サービスを住民に提供することで、住民と企業がみずからのニーズを政府と一緒になって取りまとめ、明確化できる環境を生み出すことにデジタル・ガバメントの意義があると強調しております。
東京都では、行政が保有するデータを機械判読可能な形式、二次利用可能なルールにより公開することで、行政の透明性や住民サービスの向上等を目指すオープンデータの取り組みを推進しております。
昨年、ITに関する知識を問わず、多様な参加者によるグループディスカッションを通じて、オープンデータを活用した行政や地域の課題解決策やアプリのアイデアを生み出す東京都オープンデータアイデアソンキャラバン2018が、港区を含む都内2地域で開催されました。その中では、参加者によって出されたアイデアとオープンデータを活用したスマートフォンアプリやウエブサービスを募集する東京都オープンデータアプリコンテスト2018が開催され、来月24日に作品発表会と表彰式が行われると報じられております。東京都は、この開催を通じて、オープンデータの取り組みの浸透とその利用促進を図り、官民連携による地域課題の解決を推進するとしております。
昨年の同コンテストでは、子育て家族が楽しめる施設や、イベントに関するスポット情報だけでなく、授乳室ありやベビーカーオーケー等、安心して外出するための情報をマップ上にアイコンで表示する子育て家族の応援マップや、オストメイト対応のトイレに特化した位置情報、設備情報やリアルタイムな混雑状況を提供するアプリ、オストメイトなびプロジェクトなどが表彰されております。いずれの受賞作品も、地域の課題解決に資する魅力的なアプリだと思いました。
港区は、平成28年6月28日から、区ホームページにおいて、オープンデータの公開を開始しております。そして、同年11月には、港区が公開しているオープンデータや、今後、港区で公開してほしいと感じるオープンデータを活用した港区オープンデータアプリコンテストを開催。さらに、区の来年度予算案において、第2回目の当該コンテストを開催するとしております。区の課題解決に資する住民目線の取り組みになることが、何より重要だと考えております。
質問は、区としてオープンデータの活用にどのように取り組むつもりなのか、お伺いいたします。
○情報政策課長(若杉健次君) 区では、平成28年度からオープンデータの公開を開始いたしました。公開当初は15種類のデータでしたが、順次拡大し、現在は280種類のデータを公開しております。
また、今年度には、東京都が運営するオープンデータカタログサイトとも連携し、東京都のサイトからも区のデータを容易に取得できるよう工夫しております。
これらのオープンデータを用いて、区民や事業者等の皆さんによるアプリ開発等へ有効に活用いただくため、昨年10月には、東京都と共催で、港区で初めて東京都オープンデータアイデアソン2018を開催し、多くの活用アイデアをご提案いただきました。
来年度は、このアイデアソンの実施結果も踏まえまして、オープンデータを活用した具体的なアプリケーションのアイデアを募るオープンデータアプリコンテストの開催を予定しております。
今後も、さらなるオープンデータ活用の推進に向け、取り組んでまいります。
○委員(丸山たかのり君) わかりました。現在も280ものデータがオープンデータとして公開されているということで、多くのデータが公開されていることは本当にすばらしいと思いますし、ぜひ今後も積極的なオープンデータの公開の推進をよろしくお願いいたします。
また、私も、東京都オープンデータアイデアソン2018の冒頭だけ視察させていただきました。後でお聞きした話では、非常に活発な議論もされたとお伺いしておりますし、これから授賞式になりますけれども、そこで出されたアイデアのアプリは、前回に続き、大変にすばらしいアプリが多く非常に驚いたところであります。港区オープンデータアプリコンテストで応募された作品に関しても、最終的に作品として世に出るまで積極的に区としての支援、できる限りのことをやっていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
最後に、災害時における自動車の電源を活用した電気供給についてお伺いいたします。
災害時に電気自動車を中心にした自動車の電源を活用して、避難所等への電気供給に備えている自治体が増えております。
東京都羽村市は、庁舎に設置されている蓄電池から電気自動車に電力を供給し、自走して避難所などに電気を届ける仕組みがあり、電力のバックアップ対策の一環として緊急時の活用が期待されています。
練馬区は、平成30年8月から、地震など災害時の電源確保の取り組みとして、災害時協力登録者制度を創設し、区民や事業者が所有する電気自動車やプラグインハイブリッドカーを、災害時に避難拠点の電源として活用を始めております。練馬区は、こうした取り組みをさらに推進させるため、同年9月には、日産自動車株式会社3社と電気自動車からの電力供給に関する協定を締結したと発表しております。
電気自動車は、大型のバッテリーを走行用に搭載しておりますので、災害時に大量の電気を供給するのに便利なように思われますが、現在、国内で販売されている電気自動車のほとんどが、そのままでは電気が供給できないようになっております。すなわち、電気自動車のうち外部に大量の電気を供給できるのは、V2H対応の車のみで、かつ専用の機器が必要なものがほとんどという実態ということであります。
V2Hとは、Vehicle to Homeの略でございます。通常は、家庭の電源から電気自動車やプラグインハイブリッドカーを充電しているのに対し、必要なときには車側から家庭に電気を供給する仕組みのことをいいます。
V2H対応の車両から電気を外部に供給するには、パワーコンディショナーという機器が必要になりますが、例えば、国内電気自動車の代表格といえば、日産自動車株式会社のリーフかと思います。こちらは私が所有しているリーフなのですけれども、リーフもV2Hに対応しているのですが、V2Hがないと電気を外に供給することはできません。それがこちらになるのですけれども、こちらがリーフのV2Hのリーフto100Vというものでございます。こちらは価格が税込みで29万8,000円と、非常に高額でございます。V2Hは総じて高額でございまして、日常的に電気自動車に充電して、余った電気を家庭に戻しているような、戸建て住宅の方は別として、パワーコンディショナーを持っている港区民の方は、ほとんどいらっしゃらないだろうと考えられます。
一方、例えば、本田技研工業株式会社のオデッセイ・ハイブリッドや、トヨタ自動車株式会社のエスティマ・ハイブリッドのように、ハイブリッドカーの多くには、あらかじめ1,500ワットに対応したコンセントが備わっております。ハイブリッドカーでは、エンジンをかけての電気供給になってしまいますけれども、ハイブリッドカーの一部では、消費電力が小さくなれば、エンジンが自動停止し、必要に応じて再始動するために、アイドリングによる周囲の排気は余り気にせずに電気が供給できるとのことです。
また、災害時の避難所での電気供給の需要としては、スマートフォンの充電や湯沸かし器などが高いと思われますので、1,500ワットでも十分たえられると考えております。
ともかく災害時における自動車からの電気供給は大変に有用なものでありますし、できるだけ広く車種等を広げ、車の特徴に合わせた活用策を検討すべきであります。
質問は、区として、災害時における自動車の電源を活用した電気供給についてどのようにお考えか、お伺いいたします。
○防災課長(白井隆司君) 災害によりライフラインが途絶した状況下での避難所運営では、電源の確保が非常に重要です。
区は、全ての避難所となる施設に発電機を配備しており、来年度は酷暑対策として、各施設に冷風機及び扇風機を配備することから、発電機を追加備蓄するなど、電源確保に努めております。
今後、より十分な電源の確保に取り組む上で、電気自動車等の活用は有効な手段と考えます。現在、自動車メーカーと自動車からの電源供給の仕組みや発災後に電源供給が可能な自動車を確保する有効な方法等について意見交換を行っており、課題等を整理した上で、効果的な方法について検討してまいります。
○委員(丸山たかのり君) ぜひ幅広くご検討をよろしくお願いいたします。
先ほど言いましたように、電気自動車を持っているものですから、災害時にはぜひ提供したいわけですけれども、たまたま出ていればいいのですけれども、残念なことに、機械式駐車場に入っているものですから、電源が喪失してしまうと出せないのです。恐らく港区の多くの方が、機械式駐車場に自動車を入れている可能性が高いので、たまさか走っていればいいのですけれども、そのような意味では、幅広く自動車の車種等を検討していただくのが、港区にとって有効な方法になるかと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○委員長(土屋準君) 丸山委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、熊田委員。
○委員(熊田ちづ子君) 最初は、大平台みなと荘の利用料金の引き下げについて質問いたします。
区民の皆さんが楽しみにしている区民保養所、大平台みなと荘の料金引き下げについては、2018年度決算特別委員会でも、風見委員が取り上げました。2018年4月に利用料金の値上げをされて以降、利用者が減少している点を取り上げ、区民の楽しみ、とりわけ高齢者の方たちの楽しみを奪わないためにも、利用料金を値上げ前の料金に戻すこと、65歳以上の方たちや障害者の方々へ行っている減額サービス、1泊3,000円で利用できるわけですが、この日数を現在の2泊から3泊に拡大するよう求めました。
地域振興課長も、利用率が減少していること、利用率の減少の原因に料金の値上げが影響していること、これは認めました。利用者を増やすための取り組みについて、いろいろなことを行っているようですので、まとめていただいて、答弁をお願いしたいと思います。
利用者は増えているのかどうか、この2点についてお答えください。
○地域振興課長(櫻庭靖之君) 初めに、大平台みなと荘の利用者を増やすための取り組みについてのお尋ねです。
区は、指定管理者と協力して、老人クラブ、町会・自治会、商店会などの各種団体への周知を図りました。その際には、私も含めて職員もみずから出向いて周知を図っております。
このほか、新たに港区に転入された方に対して、これは昨年の10月下旬からでございますが、案内書を配付したり、指定管理者が新規利用者へのドリンクサービス、ポイントカードの導入など、各種キャンペーンを実施しております。利用促進に、こういったところで取り組んでございます。
続いて、利用状況についてのお尋ねです。
利用料金改定前と比較すると、まだ回復には至っておりませんが、新規の利用登録者は、平成29年度の1,390人に対して、今年度は現時点で既に1,600人を超えており、新規の利用希望者が増えてきたということでございます。平成30年度の利用実績は、これによってほぼ前年度並みに持ち直しております。新規登録者が増えてきたことについては、前段に申し上げましたさまざまな対策を講じてきた成果であると考えてございます。
○委員(熊田ちづ子君) 私も地元の老人会でこれをいただいたのです。区からお願いされていますと、会長が説明して、皆さん利用してくださいといって、配っていました。
先日、高齢者の方から、久しぶりにお友だちと区の大平台みなと荘で2泊して、ゆっくりしてきました、本当に助かりますと、喜びの声をいただきました。高齢者の減額サービス、これは、年2泊を利用して6,000円です。そして、バスを利用すれば、交通費は往復3,800円です。1万円あれば行ってこられるので、本当に助かりますと。1万円を超えると出せないといいます。
こうした高齢者の方たちの楽しみを奪うべきではありません。利用料金を値上げ前の料金に戻すこと、それから、65歳以上の方たち、障害者に行っている減額サービス、これを2泊から3泊に拡大すること、この2点の答弁をお願いします。
○地域振興課長(櫻庭靖之君) 初めに、改定前の利用料金に戻すことについてのお尋ねです。
利用料金につきましては、施設の維持管理・運営に係る決算額をもとに、営業可能日数や宿泊日数などで割り返し、実際に1人当たりに係る経費を算出した上、激変緩和措置を講じて定めたものでございます。
平成31年度は、これまでの周知活動に加え、利用者から希望が多かった各客室へのWi−Fi設置、こちらについて、来年のLED工事にあわせて実施するほか、こちらも要望が強かったわけですが、ことしの4月から、BS放送が視聴できるようサービスを充実して、利用者数の拡大に努めてまいります。
熊田委員ご提案の、改正前の利用料金に戻すことについては、現時点では考えておりませんが、今後の利用状況を注視して、対応してまいります。
次に、減額利用日数を拡大することについてのお尋ねです。
大平台みなと荘は、1部屋に2人から3人で宿泊される場合、1泊1万円かかるところを、3,000円に減額しております。この減額利用につきましては、他区と比較しても、減額率も高く、サービスは充実しております。
現時点では、この日数を2泊から3泊に拡大することは考えておりませんが、今後、高齢者をはじめ、あらゆる世代の区民に幅広くご利用いただけるよう、くつろげる場として温泉や料理を堪能していただける施設運営に努めてまいります。
○委員(熊田ちづ子君) システムで予約をとってみましたら、3月の分、1週目は満室は1日だけで、最大であいているのは12室です。時間がないので、全部は紹介しませんけれども、大勢の方に利用していただく、とりわけ高齢者の方たちはなかなか経済的に厳しくて、区の保養所を利用することが非常に楽しみなわけですから、ぜひそうした方たちの希望に応えるような対策をとっていただきたいと思います。
次の質問に移ります。窓口での外国人への情報発信のあり方についてです。
増え続ける外国人に対する行政の支援が追いついていないことについて、日本経済新聞が行った調査結果が報道されました。多くの自治体で、多言語での情報発信や日本語での学習支援には積極的に取り組む一方、ごみ出し案内など日常生活のサポートまで手が回らないとの内容でした。
港区の外国人は、2019年1月1日現在で、2万57人です。港区で実施している外国人に対する相談対応として、区役所の3階の国際化・文化芸術担当で、非常勤職員が直接対応する外国人相談事業と、各地区総合支所やみなと保健所など出先機関で、タブレット端末を活用したテレビ通訳サービスが行われています。職員の直接対応が2017年度で547件、ここ5年間の利用は大体400人から500人という状況で推移しています。
また、タブレット端末を活用したテレビ通訳サービスは、これは平成28年度から開始された事業ですが、開始当初は英語、中国語、韓国語の3カ国語の対応でしたが、平成30年度からは3カ国語に加えて、タイ語、ロシア語、ポルトガル語、スペイン語が加わって、今現在、7カ国語で対応しています。利用実績は、平成29年度で113件、平成30年度の1月末で195件です。少し増えてはいますが、決して多いとは言えません。日常会話は日本語で対話が可能な方でも、区の制度や行政用語の理解は不十分な方がいらっしゃいます。外国人の方が日本で生活するにあたって、病気や出産、保育園、住宅など、多くの区の制度を利用することになります。コミュニケーション不足によって不利益にならないよう、区としての対策を強めるべきです。
現状の制度についても、十分な活用になっていないのではないかと思います。各職員への周知、外国人が多く利用する窓口などへは、この専用のタブレット端末を設置するなど、充実、改善を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国際化・
文化芸術担当課長(大久保明子君) タブレット端末については、平成31年度から、各地区総合支所や子ども家庭支援センター等に配置している台数を10台から20台に増やすとともに、現在対応している7カ国語に、ベトナム語、タガログ語、ネパール語、インドネシア語を加えた11カ国語に対応してまいります。
また、多くの外国人の方にこのようなサービスをご活用いただくために、タブレット端末に関する多言語のチラシを現在作成しております。
引き続き、外国人相談の体制について、職員に周知するとともに、外国人への情報提供を強化してまいります。
○委員(熊田ちづ子君) 実際に制度をめぐって、今、困っているケースがあります。外国人の場合、仮に日常の会話が可能であっても、難しい行政用語や制度を理解していただくには、細心の注意を払うべきです。今後、外国人が増えてきますので、双方の理解を強め、無用なトラブルを避けることが必要です。
窓口での対応については、改めて注意喚起していただきたい。これは時間がないので要望だけにしておきますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
次に、職員の配置について伺います。
区の行政を担う職員の業務は多岐にわたります。専門職でなければ担えない職場もある一方で、事務職採用でも、福祉の職場につくケースもあります。各職員の希望もあります。職員の適正配置についてどのように取り組んでいるのか、答弁を求めます。
少しまとめます。生活福祉調整課では、直接職員の希望をとる公募制を、平成19年度から平成29年度まで11年間行ってきました。意欲ある職員に従事してもらう、やりたい職場で働いてもらうという意味もあったと思います。公募制にした理由は何だったのか、11年間の実績、応募が何人で何人がその希望どおり配置されたのか。11年でやめてしまっているわけですが、なぜ公募制をやめたのか、この3点についてまとめてお答えください。
○人事課長(太田貴二君) 区は、職員の意欲や能力活用に関する希望を配置に反映させるため、人事評価制度におきまして、所属長との年3回の面接を自己申告書を活用して実施しております。
平成28年度からは、自己申告書にキャリアシートを導入いたしまして、職員一人ひとりが自身の能力について、強み・弱みを分析して、成長目標を立てるとともに、昇任への意欲やキャリアデザイン、自身が持つ能力の活用や、具体的な異動希望先を記入できるよう様式としております。
人事課は、このキャリアシートを活用するとともに、所属長とのヒアリングを通じまして、職員の希望や個別の事情を把握し、適材適所の配置を行っております。
次に、生活福祉部門における公募制の経過についてご説明いたします。
公募制を実施した理由といたしましては、現在、5年を目安としている職員の異動基準にかかわらず、職員の意欲や希望を配置に反映させることを意図したものです。この11年間の実績につきましては、各地区総合支所生活福祉係のケースワーカーにおきまして、応募者数が延べ9名、配置者数が延べ8名となっております。
また、支援部である生活福祉調整課におきましては、平成27年度から平成29年度の3年間で、応募者数は延べ4名、配置者数は延べ3名となっております。
生活福祉部門における公募制の募集は、平成29年度で終了しております。この理由といたしましては、平成28年度に導入したキャリアシートの活用が、職員を含めまして組織全体に浸透いたしまして、職員の意向や希望を十分に踏まえた配置調整が可能になったことから、生活福祉部門を公募制人事異動の対象から除外することといたしました。
○委員(熊田ちづ子君) 公募制にかわって、自己申告でキャリアシートを使って希望をとっているということで、配置を考えているということです。
少し調べていただいたのですけれども、各地区総合支所の生活福祉係の職員は、合計32名が従事されておりますが、うち福祉職は12名、事務職が20名です。総合支所によっては、福祉職が1名という職場もあります。私は、事務職が福祉の現場に適さないということを指摘しているのではありません。そこは誤解のないようにしていただきたいと思いますが、生活福祉部門は、区民にとって、そして、生活困窮者にとっては最後のとりでの職場になります。個々の相談者も複雑な事情を抱えている方が多くなっています。また、困難なケースも多く、現場での苦労は大変なものだと思います。その方たちを支えるためには、一定の経験と専門性、意欲が求められます。現場の状況もよく聞いて、職員の負担軽減のためにも、職場の状況に合った適正な配置が求められると思います。
この配置の考え方について、時間がないので、短くお願いします。
○人事課長(太田貴二君) 生活保護のケースワークの業務は、豊富な知識、経験を必要とする専門性の高い業務でございまして、区は、福祉施設での勤務経験を有する者や大学等において専門分野を専攻した福祉職を採用しておりまして、本年、平成31年4月には5名の福祉職を採用する予定でおります。
今後も、専門的な知識、経験を備えた有為な人材を確保いたしまして、生活福祉部門に配置するとともに、職員の能力や意欲、希望を十分酌み取った上で、適材適所の配置を行うことによって、現場職員の負担軽減を図るとともに、区民の方に寄り添ったきめ細やかな相談支援の実施に結びつけてまいります。
○委員(熊田ちづ子君) そのような職場ですので、区民の皆さんのためにも、適正な配置が重要です。ぜひよろしくお願いいたします。
○委員長(土屋準君) 熊田委員の発言は終わりました。
この際、お諮りいたします。議事の運営上、時間を延長したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(土屋準君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、小倉委員。
○委員(小倉りえこ君) 知らないことを知る、知っている気になっていたことをさらによく知る。啓発活動の先には、学びというものがあります。
先日の代表質問におきまして、東京2020大会前の施行を目指して、性的指向に関する制度の準備を進めるという区長の答弁がありました。我々自民党は、制度の有無にかかわらず、偏見をなくしていくということから始めることが何よりも重要と考えていることには変わりはありません。
制度ありきではない意識啓発はもちろんのことですが、まだ実施されていないパブリックコメントや、未公表の人権に関する区民意識調査の結果も軽んじることのないようにお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(江村信行君) 区は、性的マイノリティに関する意識啓発を、第3次港区男女平等参画行動計画の計上事業に位置づけ、男女平等参画センターで当事者による講座や講演会を開催するほか、男女平等情報誌「オアシス」で特集記事を掲載するなど、さまざまな手法で幅広く区民の皆様や事業者の方々への意識啓発を進めております。
来月末にまとまる予定の人権に関する区民意識調査からは、さまざまな人権課題に関する実態を明らかにできると考えております。調査結果を丁寧に読み解くとともに、区に寄せられる区民の皆様の声も十分踏まえながら、検討を行ってまいります。
○委員(小倉りえこ君) パートナーシップ制度に関しては、当事者ですら賛否両論です。私としてはLGBTと一くくりにすることが好きでもありませんし、さまざまな事情がある中で、一くくりにすることが適切であるとも思ってはおりません。
性的マイノリティの方を対象としたインターネットアンケートを、昨年、港区は実施いたしました。計画調査的にも、統計的にも、サンプルサイズであったり、集団バイアスの信頼性というものが十分でなくて、そもそもパートナーシップの話題が出た当初から引用されていた民間企業の調査も、ビジネスマーケティングを目的としたものであったことに疑問を感じておりました。アンケートが全てではありませんけれども、推進するべきという姿勢を見せてきた方々の思いを酌んでの当事者向けの調査です。
その中で、同性パートナーシップ制度の利用をしたいと思わないという当事者が約7割ということが判明しまして、すごく驚きました。よく読みますと、アンケートの対象者は400名、うち港区の在住が50名。もしこの報告書を参考に港区が導入を図るのであれば、サンプルサイズは小さ過ぎます。むしろこの報告書をまとめたことで、港区は何を学んだのか、知ったのかというところが気になりました。
利用しない人が7割だけれども、利用したい方が3割はいるからという大切な意見として受けとめるのであれば、利用しないという7割に対して、制度を設けることで、その層に港区は何を伝えていくのかということをもう少し明確にしていただきたいのですけれども、いかがでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(江村信行君) インターネットアンケート調査で、制度を利用しないと答えた約7割の方の主な理由は、「そっとしておいてほしい」「注目されたくない」が最も多く27.4%、「メリットがない」が23.2%、「認めてもらうような事柄ではない」が22.1%、「かえって偏見・差別にさらされることが心配」が17.9%、「同性愛者ということが自治体等に知られてしまうことが心配」が12.3%となっています。
この結果について分析をお願いした学識経験者は、制度を利用することによる差別へのおそれのあらわれであり、利用しない積極的な理由とは言い切れない可能性があり、差別のない社会を構築していくことの重要性を指摘しています。
こうした分析を受け、今後、区としては、利用する方、利用しない方双方の思いに寄り添い、幅広く区民の皆様の理解を得られるような制度を検討してまいります。
○委員(小倉りえこ君) 1つのことに関して、微妙な方向性の違いで、協力である、協働であるなど、まして政治側から見ますと、本当にすべきことに向かっていかなければならないことというものが遠ざかって、ゴールも遠ざかってしまう印象というものがすごく強いのです。
性的少数派を多数派と同じように取り扱うようになるのが目的の方もいらっしゃいますし、そのようなことより、税制上控除を得ることを目的とする人もいるでしょうし、法律を変えることなく同性婚関係が可能になるようにしたいという方も、憲法を改正するべきと考える方というのも当然いらっしゃいます。日本の家族制度がただ格好悪いという人もいれば、戸籍制度の撤廃というものを心の奥底で願う方もいると思うのです。
反対意見に向き合うことはとても大切なことですが、これは賛否両論で、真逆の意見を言う方たち、両方にとっても当てはまるということを忘れないでいただきたいと思います。賛成の逆に反対というものがあるように、反対の逆には賛成というものが当たり前のようにあります。では、この両方の立場の方々は、自分の主張以外を叫ぶ以外に、反対意見ということに耳を傾けたことがあっただろうかと疑問を感じることがあります。もし傾けたことがない、または聞こえないのであれば、それこそ問題です。
また、意見は賛成か反対かの二極だけではなくて、当然、どちらでもいいという意見もあります。なお、この逆はどうでもいいということになりまして、要は、自分以外の意見には非常に無関心であるということが、このパートナーシップ制度の検討の段階で課題になっているのではないかと思っております。人権問題や差別問題は、知識のなさと無関心さが一番の根底にあるものではないかとすら思っております。
これからも継続した意識啓発の支援をしていただけるようなので安心しておりますけれども、こればかりは理解するも、認めるも、受け入れるも、すごく時間がかかるものだと思います。何のことでありましても、世の中の理解が進むということでしたら、とてもいいことで、そうなれば、パートナーシップ制度を制度化することに慎重な方々が、推進したい方々から差別だと指を指されなくなりますし、また、推進したい方々にとっても、我々が慎重に議論を進めたいという理由がご理解いただけるかと思います。もし理解いただけないのであれば、まだ世の中の啓発というものが十分でないということになります。これは、卵が先か鶏が先かという議論になりますが、当事者であっても、当事者でなくとも、生きづらくなるのであれば、これほど不毛な議論というものはないと思っております。
本当の課題は、自分たちはいろいろなことを知った気になっているだけではないだろうかというところだと思っています。例えば、自分が当事者である、当事者の知り合いがいる、当事者は一人もいないなど、状況は何でもいいのですけれども、ただ、自分の常識や知識と真逆の考えの方とどのようにつき合っていくか、ここをもっと知って、考えていくべきだと思っております。
行政も議員も、無知であるというところから、認めるところから始めていただきたい。だからこそ、意識啓発というものは重要だと考えております。また、焦らないでいただきたいと改めて申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(土屋準君) 小倉委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、兵藤委員。
○委員(兵藤ゆうこ君) よろしくお願いいたします。
まず、ワーク・ライフ・バランスの実現についてお伺いいたします。
1985年に男女雇用機会均等法が制定され、雇用の分野における男女の差別を禁止し、募集、採用、昇給、昇進、教育訓練、定年、退職、解雇などの面で、男女とも平等に扱うことが定められました。
その後、この法律は1997年に一部改正され、女性保護のために設けられていた時間外や休日労働、深夜業務などが撤廃されたほか、セクシュアルハラスメント防止のため、事業主に対して雇用上の管理を義務づけました。
しかし、まだ十分ということではなく、2006年にも改正され、妊娠や出産などを理由とする退職強要や、職種、配置転換などの不利益な扱いの禁止、さらに、女性だけではなく、男性へのセクシャルハラスメント防止対策を企業へ義務づけるようになっています。
港区では、性別にかかわらず誰もが仕事と子育てを両立できる中小企業の職場環境づくりを支援するため、一定の条件を満たした区内中小企業の事業主に奨励金を交付しています。平成27年4月からは、仕事と子育て両立支援事業を仕事と家庭の両立支援事業に改め、従来の仕事と子育ての両立に加え、仕事と介護の両立、そして、男性の子育て、介護への参加促進を支援する5つの奨励金制度になりました。
さらに、港区では、第3次港区男女平等参画行動計画に掲げた課題である、企業におけるワーク・ライフ・バランスの推進の一環として、仕事と家庭の両立支援や、男女がともに働きやすい職場の実現に向けて、ワーク・ライフ・バランスに取り組んでいる中小企業を認定しています。
そこで質問ですが、仕事と家庭の両立支援事業と推進企業の認定について、それぞれの内容と実績をお伺いいたします。
○人権・
男女平等参画担当課長(江村信行君) 仕事と家庭の両立支援事業は、男女がともに活躍できる職場づくりを応援するため、区内の中小企業事業主に奨励金を交付するものです。奨励金の種類は、子育て支援奨励金、配偶者出産休暇制度奨励金、介護支援奨励金、男性の子育て支援奨励金、男性の介護支援奨励金の5つです。
平成30年度は、本日までで合計33件の申請があり、全て奨励金の交付を決定しております。
ワーク・ライフ・バランス推進企業認定事業は、区内に事業所を置く労働者数が300人以下の中小企業を対象とするもので、認定分野は、子育て支援、地域活動支援、介護支援、働きやすい職場環境づくりの4分野です。
平成30年度は、20社を新規認定し、20社の更新認定をしました。認定企業の総数は、59社に達しております。
○委員(兵藤ゆうこ君) 子育て、介護というのは誰でも起こり得ることですので、職場との両立、ぜひ推進をお願いいたします。
続きまして、犯罪被害者への支援についてです。
平成30年第2回定例会において、犯罪被害者支援等支援条例制定に関する請願が提出され、継続審議となりました。区としても、条例制定をするしないにかかわらず、警察、地域等と連携して支援を続けていくとのことでしたが、港区行政資料集の中の刑法犯の罪種別認知状況によると、平成28年の殺人は2件、23区では計49件、強姦は18件、23区では計110件、暴行は365件、23区では3,804件、傷害は221件、23区では計2,515件ということで、割合としては23区の中でも高く、今後、犯罪被害者への支援体制を強化していくことが課題であると考えます。
通常の生活において、例えば、最近はしつけのつもりで行っていたことが児童虐待になったり、配偶者からの暴力、いわゆるDVも、最初はささいなことから始まってしまったことかもしれません。
平成28年度に夫婦間のDVを理由として東京都女性相談支援センターが一時保護した件数は501件、うち婦人保護施設への委託による一時保護は218件で、港区での緊急一時保護は9件であったと聞いています。
そこで、お伺いいたします。被害を受けている方が警察へ相談しにくい事態が考えられる中、身近な自治体で相談しやすい体制をとるべきだと考えますが、今後の区の取り組みをお伺いいたします。
○人権・
男女平等参画担当課長(江村信行君) 犯罪被害者支援について、相談窓口を充実させるため、男女平等参画センターのリーブラ相談室心のサポートルームで、犯罪被害にかかわる相談を受けられるようにし、無償で、一般相談と弁護士による法律相談の双方に対応できる体制を整えております。
同時に、区内を管轄する警察署、被害者支援都民センター等の関係機関とも連携し、犯罪被害者等支援に関する取り組みの周知を進めながら、支援に取り組んでまいります。
○委員(兵藤ゆうこ君) ありがとうございます。
最近、私も犯罪被害を受けた当事者の方から相談を受けることがかなり多くなっていまして、心に大きな傷を負った方というのは、本当に延々とお話をされ、爆発寸前という方もいます。やはりそういった方のお話を聞くということでは、素人よりも、専門職であることが大切だと私も実感しておりますので、ぜひ今後もよろしくお願いいたします。
以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(土屋準君) 兵藤委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、杉本委員。
○委員(杉本とよひろ君) それでは、総務費については、5点お伺いいたします。
初めに、予算編成過程についてお伺いいたします。
今まで見えなかったことが見える化されることによって、税金の使い方に対する見方、それぞれの必要性や理由があって使われているということと、一方では、むだの削減にもつながっていくわけであります。つまり、財政の見える化によりまして、区民からお預かりしている貴重な税金の使い道について、その必要性を説明することは、区の責務であります。
そこで、区は、より透明性の高い区政運営を実現するため、平成31年度当初予算から編成過程を公開することになりました。
しかしながら、公開された内容は、編成過程、つまり、予算編成に至るまでのスケジュールと、当初予算に対する款ごとの当初要求額との比較にとどまっており、区民にとっては物足りない感じであります。
そこでお伺いいたします。平成31年度予算の編成過程を公開するその目的と意義についてお伺いいたします。
○財政課長(荒川正行君) 予算編成過程の公開により、さらに多くの区民が区政に参画する機会を充実し、参画と協働を一層推進することを目指しております。
予算編成過程を広く情報提供していくことは、区民への説明責任を果たすとともに、区民の区の事業に対する理解を深め、区政への関心の高まりにつながるものと考えてございます。
○委員(杉本とよひろ君) 今、財政課長の答弁で、参画と協働を推し進めるということでありますけれども、それには当然、区民への周知が必要であると思います。
これまで区は、広報みなとや区ホームページで周知を図っていますが、平成31年度予算が公開されたことを知っているのは、恐らくごく一部ではないかと感じます。
今後、さらに周知を図り、見える化を進めていくため、区としてどのような取り組みを行っていくのか、そのお考えをお聞かせください。
○財政課長(荒川正行君) 公開初年度の今年度は、まず、予算要求から当初予算案決定までのプロセスを区民に知っていただくことを最優先といたしました。
今後も、区民によりわかりやすく区政への関心を一層高める公開内容へとさらに充実するとともに、現在行っております広報みなとや区ホームページでの周知に加えまして、チャレンジコミュニティ大学での講義や出前講座など、さまざまな機会を活用し、丁寧に説明してまいります。
○委員(杉本とよひろ君) さまざまな機会を通じて、周知に努めていただきたいと思います。
区ホームページの詳細をずっと追って調べていくと、今年度、つまり、平成30年度の各事務事業について、事業継承の必要性、効果性、効率性等に関する評価が掲載されているわけでございます。区は、その結果を踏まえ、事業の見直しや改善につなげるとともに、平成31年度当初予算案に反映させるため、事務事業評価を実施されたわけであります。
また、一般会計の当初予算要求額と予算案を見てみると、予算要求時点で歳出予算が1,601億円であるのに対して、歳入予算見込み額は1,361億円と、歳出と歳入では240億円の乖離が生じておりました。結果、予算案としては、1,415億7,000万円でまとめられたわけでありますが、この乖離についてどのように対応し、結果、予算案としてどのようにまとめてこられたのか、その点をお伺いいたします。
○財政課長(荒川正行君) 予算要求時点での歳入と歳出の差額を解消し、各事業をより効果的・効率的に実施するため、歳入におきましては、国・東京都の補助金や基金など、財源の確保を積極的に進めました。
また、歳出においても、歳入との乖離を埋めるため、事業の必要性や緊急性、経費の妥当性などの精査により、経費の査定を行うとともに、区民サービスの質を確保するために必要不可欠な経費を予算化するため、基金などの充当を考慮するなどの調整を行い、平成31年度当初予算案をまとめたものでございます。
○委員(杉本とよひろ君) この予算編成過程に関する質問は、これで最後にしたいと思います。平成31年度予算案では、3つの重点施策を掲げております。第1点目は、誰もが安全・安心に過ごせる快適でにぎわいのあるまちを実現するための取組、2点目には、全ての子どもたちを健やかに育むまちを実現するための取組、3点目として、誰もが健康で心豊かにいきいきと暮らせるまちを実現するための取組を掲げていますが、その決定の背景についてお伺いをいたします。
○財政課長(荒川正行君) 区は、人口増加に伴う喫緊の課題や、将来見込まれる課題に対応するため、予算編成にあたり3つの重点施策を定めました。
まず、重点施策1につきましては、都市型災害の発生に備えた港区ならではの災害対策の強化や、受動喫煙防止対策や、客引き防止、落書き対策の強化など、まちのルール・マナーが守られる快適なまちづくりを推進することを目的として、重点施策2につきましては、待機児童ゼロの実現に向けた取組の加速化や、(仮称)港区子ども家庭総合支援センターの整備など、家庭環境などにさまざまな問題を抱える家庭、子どもへの支援を強化するため、そのことを目的として、さらに、重点施策の3につきましては、特別養護老人ホーム、障害者入所施設などを併設する南麻布四丁目福祉施設の開設など、高齢者・障害者福祉のさらなる充実に取り組むことを目的として、3つの重点施策を定めたものでございます。
区は、この重点施策に掲げた3つの取り組みを推進することで、地域の課題を地域の皆で解決し、ともに支え合う港区ならではの地域共生社会の実現を目指してまいります。
○委員(杉本とよひろ君) 今、具体的なことについて答弁があり、これは予算書にも、概要にも書かれておりますので、私たちはこの執行状況をしっかりと見ていきたいと思います。
いずれにいたしましても、予算編成過程の公開については、区民に対して説明責任を果たす上からも、できるだけわかりやすく示していただけるよう要望して、次の質問に移ります。
2点目は、新橋地区の客引き防止対策についてお伺いをいたします。
平成29年4月1日から、港区客引き行為等の防止に関する条例が施行され、繁華街における客引き行為や勧誘などを抑止するため、港区生活安全パトロール隊を配置し、通行人の安全・安心を確保するとともに、条例に基づく指導などを行っております。違反者に対しては、指導、勧告、命令の措置をとっていますが、是正されない場合は、5万円以下の過料や公表を適用することになります。
そこで、区内6地区、1つは新橋地区、六本木地区、赤坂地区、大門・浜松町地区、田町地区、品川地区の指導証の交付件数の実績を、昨年度と比較してみると、平成29年度6地区の総数は150件に対して、今年度は1月25日時点で既に303件と、153件、約倍近くも増えております。内訳を見てみますと、六本木地区と品川地区が減少しているものの、他の地区では増えており、特に新橋地区では昨年度、112件に対して224件と倍増しております。勧告も4件から6件、命令も1件と、いずれも増加をしております。
そこで、初めにお伺いいたしますけれども、新橋地区において居酒屋、キャバクラなどの客引きがどの程度稼働しているのか、その実態を教えてください。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) 新橋地区の客引きの稼動状況につきましては、時間帯により変動し、また、週末にかけて増加する傾向にありますが、平均して居酒屋等の客引きを100人程度確認している状況です。
○委員(杉本とよひろ君) 港区客引き行為等の防止に関する条例の違反者に対して行政指導、処分としては、先ほど申した指導、勧告、命令とあるわけですけれども、さらに違反した場合は、5万円以下の過料または公表の処分が科せられますが、それぞれの処分の手順について簡単に教えてください。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) 港区客引き行為等の防止に関する条例に基づき、客引き行為等の違反行為を行った者に対し、まずは違反行為を行わないよう口頭または書面による指導を行います。
指導を受けた者がさらに違反行為を行った場合は、より強い行政指導である勧告を、勧告書を交付し、行います。
勧告を受けた者がさらに違反行為を行った場合は、違反行為を禁じる行政処分である命令を行います。
命令を受けた者が命令に反して違反行為を行った場合には、5万円以下の過料に科すとともに、区ホームページ等に違反者の名前や住所等を公表することができます。
○委員(杉本とよひろ君) 私、最近、新橋地区を担当させていただくことになりまして、実は連日のように、新橋地区でお店を営む方に深刻な問題として意見を承っております。
そこでは、これまで新橋というのは、サラリーマンが仕事を終えて憩いの場所として飲食をして帰る場所でした。ところが、地名を出すことに抵抗があるのですけれども、昔の新宿のように、危険なまちというイメージが今定着しつつあって、お店を営んでいる人から本当に深刻な問題ということで、この1カ月間、特に集中的に相談を受けております。
通称立ちん坊と言われる客引きやキャッチなどが非常に目立って、現在、当然、巡回パトロールをしているわけですけれども、向こうもプロですので、それを避けながら客引き行為を繰り返したり、また、悪質で巧妙な手口によって被害に遭っている方もいるということであります。
来年度の予算案で、レベルアップ事業として客引き防止プロジェクトの中で、新橋地区での客引き行為の実態に応じて指導体制を強化していくと計上されております。こうした新橋地区の夜の客引き実態を踏まえ、新橋地区の指導体制の強化とあわせ、今後、客引き撲滅に向けてどのように強化に取り組んでいくのか、その点をお伺いいたします。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) 新橋地区におきまして客引きを行う者は、従来に比べ減少傾向にありますが、指導に従わずに客引き行為を繰り返す者や、パトロールの目の届かない場所で客引き行為を行う者など、いまだ悪質で巧妙な客引き行為が認められます。
今後は、警察と生活安全パトロール隊による合同パトロールを定期的に実施するなど、警察との連携を強化するとともに、警察官OBを非常勤職員として新たに任用し、条例に基づく指導を強化してまいります。
また、来街者に対しては、客引きについていかないよう、生活安全パトロール隊によるスピーカー広報や、新橋駅西口広場に区が設置しているデジタルサイネージ等、各種広報媒体を活用した啓発を行うとともに、区民、事業者、警察等関係機関と連携した客引き防止キャンペーンを展開するなど、客引きを許さないまちづくりを一層推進してまいります。
○委員(杉本とよひろ君) よろしくお願いいたします。
3点目は、特殊詐欺対策への取り組みについてお伺いをいたします。
平成29年、都内でオレオレ詐欺などの特殊詐欺発生件数は3,510件、被害総額は約79億7,800万円、また、昨年、平成30年は3,913件で、被害総額が約84億5,300万円と、発生件数や被害総額が増加しております。中でも、オレオレ詐欺が依然として高い水準となっております。
また、港区における特殊詐欺の被害額は、平成29年から比べると減少したものの、認知件数は6件増の70件と増えており、過去3年間の発生状況を見ても、年々増加傾向が続いております。
先日の報道によれば、警視庁が今月21日に、オレオレ詐欺の被害者を対象に実施した実態調査を発表しました。それによりますと、だまされない、関係ないなど、危険性を過小評価している傾向が明らかになり、被害を防止していくために、家族などへの連絡・相談が有効であることが示されておりました。
これまで区は、被害を未然に防ぐため、高齢者が集まるイベントや、みんなと安全安心メールにより注意喚起、また、自動通話録音機の貸与や、青色防犯パトロールなどによる無人ATM付近の警戒等を行っており、こうした取り組みによって一定の効果があると考えられております。
そこで、平成27年7月から実施している自動通話録音機の貸与実績は、本年2月現在で累計684台、平成30年度は265台と、実施当初と比べ138台増加していますが、設置した世帯からは現在まで被害の報告が入っているのか、その点、お伺いをいたします。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) これまでに、区内で自動通話録音機を設置した世帯が特殊詐欺被害に遭った報告は、受けておりません。
○委員(杉本とよひろ君) それだけ効果が出ているということでありますけれども、平成30年に発生した特殊詐欺の内容を見ると、発生件数70件のうちオレオレ詐欺が38件、還付金等の詐欺が22件と、いずれも高い水準となっておりますが、それぞれの被害額はどのぐらいになるか、把握していれば、教えていただきたいと思います。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) 平成30年の区におけるオレオレ詐欺の被害額は約1億1,700万円で、1件当たり平均約308万円となっております。
また、還付金等詐欺の被害額は約3,000万円で、1件当たり平均約134万円となっております。
○委員(杉本とよひろ君) 今の数字から見ても、1人の被害者が多額の被害に遭っているということがわかるわけであります。
特殊詐欺は、ますます手口が巧妙になっておりますが、年々増加傾向の状況を踏まえたとき、区民の安全な生活を脅かす極めて深刻な問題であります。
そこで、特殊詐欺撲滅を目指すために、来年度はどのようにレベルアップをし、取り組みを強化していくのか、そのお考えをお伺いいたします。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) まず、詐欺の電話に出ないための対策としまして、自動通話録音機の設置がやはり有効と考えます。
今後、さらに普及を図るため、積極的に地域のイベント等において直接高齢者やその家族に自動通話録音機の貸与事業を紹介するとともに、民生委員・児童委員や、町会・自治会等の皆さん、港区ながら見守り連携事業協定締結事業者等の民間事業者、また、区内警察署等の関係機関との連携を強化し、周知を進めてまいります。
次に、だまされないための意識啓発としましては、青色防犯パトロール車両によるスピーカー広報を、警察と綿密に情報を共有し、効果的な時間、場所で実施します。
また、演劇形式による区民参加型の特殊詐欺対策講座を各地区で継続的に実施し、より多くの区民にわかりやすく注意喚起を行ってまいります。
さらに、犯人に現金を渡さないための対策としまして、区内金融機関との連携を強化するとともに、青色防犯パトロールによる無人ATM付近での警戒を、警察との連携を生かして効果的に行ってまいります。
○委員(杉本とよひろ君) 当然、今おっしゃった対策も含めてですけれども、これは高齢者だけではなく、子や孫の世代も含め、家族間で小まめに連携を取り合うことで被害を防いでもらうという広報・啓発をぜひともお願いしたいと思います。
4点目は、東京2020大会を共有できる観戦機会の提供についてお伺いいたします。
昨年第3回定例会でも取り上げてまいりましたが、東京2020大会を誰もが気軽に大会のすばらしさと迫力、感動を分かち合う場として、コミュニティライブサイトやパブリックビューイングの設置について質問してまいりました。
また、私たちは昨年秋に、東京2020大会の競技中継の観戦機会の提供についてアンケート調査を幅広く行ってまいりましたが、その結果、公共施設などで競技中継を放映することによって喜びを共有し、楽しむことができるようにとの声が多く寄せられておりました。
また、我が会派といたしましても、来年の予算に向けて予算要望をしたところでございます。
私の代表質問で、区長は、東京2020大会期間中のコミュニティライブサイトやパブリックビューイングの設置を目指し準備を進めており、区民が一体となって共有、共感できる港区ならではの機会の提供に積極的に取り組んでいく旨の答弁をいただきました。
また、来年度予算案で、生涯学習スポーツ振興課では、ラグビーワールドカップ2019日本大会でパブリックビューイングを実施することが計上されております。
これは大いに期待するところでありますが、さて、東京2020大会に向けて、現在、どのように準備を進めているのか。これは予算書には載っておりませんが、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○企画課長・オリンピック・
パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 杉本議員からご紹介のありました、本年9月に開催されますラグビーワールドカップ2019日本大会におけるパブリックビューイングの実施にあたりましては、生涯学習スポーツ振興課と連携し、検討を進めております。
本大会のパブリックビューイングでは、集客方法や円滑な会場運営、安全な会場内の動線確保などについて検証いたしまして、そこで得た経験を東京2020大会のコミュニティライブサイト、またはパブリックビューイングの実施に生かすべく、万全の準備を進めてまいります。
○委員(杉本とよひろ君) 東京2020大会に向けて、東京2020組織委員会の資料によりますと、コミュニティライブサイトは、競技中継に加え、会場ステージのイベントや展示、また、競技体験などを複合的に実施することで、自治体が東京2020組織委員会に申し込みを行うことになっており、協定の締結が当然必要となってくるわけであります。
一方、パブリックビューイングは、公共施設などで競技映像を中継するもので、実施日時、場所、競技中継する放送などは、主催者の任意で設置できるもので、自治体が放送権者の承諾を得ることが必要とされております。
そこでお伺いいたしますけれども、コミュニティライブサイトの募集については2019年春、また、パブリックビューイングの募集については2020年春に予定していると東京2020組織委員会の資料に書かれておりますが、その点についてどのように進めていっているのか、その点をお願いします。
○企画課長・オリンピック・
パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) ただいま杉本委員からご紹介のありましたパブリックビューイング、それから、コミュニティライブサイトにつきましては、それぞれ双方メリットはございます。
東京2020大会期間中は、JR高輪ゲートウェイ駅周辺におきまして、東京都と東京2020組織委員会が主催するライブサイトが開催されるほか、民間企業が独自にパブリックビューイングを実施するとの情報が寄せられております。
こうした動きを見極めながら、より効果的な手法を検討してまいります。
○委員(杉本とよひろ君) 昨年の決算特別委員会で、オリンピック・パラリンピック推進担当課長は、パブリックビューイングについては過去に開催実績があるものの、コミュニティライブサイトについては、区として新たな試みとのことで、区単独で開催するものではなく、アスリートに独自のネットワークを有する企業の力を最大限活用し、港区ならではの観戦機会の創出に努めていくという答弁がございました。このことについて実施場所や実施期間など、どのように検討しているのか、その点をお伺いいたします。
○企画課長・オリンピック・
パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 区は、東京2020大会の開催まで500日を目前にしまして、さまざまな企業から、大会期間中における気運醸成に向けた連携事業の提案をいただいております。
コミュニティライブサイトやパブリックビューイングの検討にあたりましては、企業連携を視野に入れるとともに、多くの区民の皆さんが参加できるよう、実施場所を1カ所に偏ることなく、区内の複数の場所を候補とすることや、参加しやすい日程調整に取り組むなど、港区ならでは観戦機会の創出を目指してまいります。
○委員(杉本とよひろ君) いずれにしても、区民が一体となって、また、パラリンピック競技大会も含めて、皆で共感できるような場所の提供について、これからも積極的に進めていただきたいと思います。
あと、もう一問用意しておりましたが、大分時間が経過いたしましたので、総括質問で質問させていただきたいと思います。以上で終わります。
○委員長(土屋準君) 杉本委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(土屋準君) 次に、いのくま委員。
○委員(いのくま正一君) 最初に、町会・自治会の支援強化について質問します。
先日の本会議でも質問しました。町会の運営が厳しくなっていることは、議員の方々も、区の理事者も承知していることだと思います。まちのコミュニティの中心として町会の大きな役割があり、運営困難な中でも町会の方々は日常の活動を続けているわけです。小規模な町会ほど困難があるわけで、ここ数年、私たちは町会への支援強化をずっと求めてきました。その結果、去年の4月から、小規模な町会が他の町会や商店会などと協働する事業に上限50万円の補助金を出すことなど、3年間の新たな制度が始まりました。高く評価しています。
しかし、努力はしているものの、申請数はまだ少ないわけです。港区協働事業活動補助金の手引きをわかりやすく改善することや、町会に出向いて申請が増えていくような努力をしてほしいと思います。
先日の本会議で、区長は、制度の活用が進むよう、改善と工夫に努めると答えました。各地区総合支所や地域振興課が先頭に立って取り組んでいただくことを重ねて要望しておきます。
私は、町会の役員の方々に、この制度の利用の一例として、以前も紹介しましたけれども、振り込め詐欺、特殊詐欺被害に遭わないように、警察署の説明を聞き、あわせて、江戸の泥棒を題材にした滑稽話の落語会などをセットして、町会と商店会などの交流と協働が強まる企画を組めば、振り込め詐欺、特殊詐欺被害の防止と、町会員の交流も進むと話をしてきました。町会関係者も、そんな楽しい企画ができればいいねと共感が広がっています。
制度が周知され、多くの町会から申請があった場合、予算の範囲を超えても柔軟に申請を受け入れることが大事です。答弁を求めます。
○地域振興課長(櫻庭靖之君) 区は、今年度、町会・自治会活動の支援に向けて、新たな補助金として、港区協働事業活動補助金を創設し、20件の申請枠を用意していた中で、11件の申請を受け、交付手続を行っております。
補助金制度に関して、その趣旨や手続の方法など、さらに各地区総合支所と連携して丁寧に周知を図っていくとともに、町会・自治会からの補助金の相談や申請に対しては、その声に十分に応えられるよう、丁寧かつ柔軟に対応してまいります。
○委員(いのくま正一君) 一つ確認しておきたいのは、来年度、4月以降、周知や丁寧な説明やいろいろ努力をしていけば、申請件数が増えるということにつながるわけです。ぜひそのようにしてほしいわけですけれども、その場合、予算の範囲を超えるということがあり得るわけです。そのときに確認したいのは、町会から申請があって、もうオーバーしていますから、おたくの町会はだめですということがないように確認してもらいたい。申請があれば受けていくということで確認したいのですが、どうでしょうか。
○地域振興課長(櫻庭靖之君) 当初予算の最中でございますので、予算を超えてすぐにという形はできないのですが、いのくま委員ご指摘のとおり、あった申請については真摯に受けとめて、対応できる方向でこちらも対応してまいる所存でございます。
○委員(いのくま正一君) 対応していただけると。確かにそうやって聞かれれば、答えづらい部分もあるけれども、今の地域振興課長の答弁で、申請は受けとめていくということですから、漏れなくお願いしたいと思います。
次は、災害対策、避難所改善について質問します。
本会議の一般質問で、これも質問をしました。避難所の設置は、スフィア基準とすることを求めたわけです。この基準は、人権が守られるということで、災害関連死を防ぐという点でも、非常に大きな位置づけがあるということです。
この本会議の質問に対して区長の答えですけれども、スフィア基準が避難所の1人当たりのスペースを1人当たり3.5平米としなくてはならないなど、大変厳しい状況もあると。そうした点も踏まえ、スフィア基準を参考としながら、できる限りの環境整備に努めていく。このような答えでした。基準が高いので、なかなかそこまでスペースはいかないけれども、できる限り努力して、環境整備するという立場だと受けとめました。
スフィア基準について、NHKのインターネットニュースで結構特集されているわけですが、それらの概略も含めて紹介していきたいと思います。災害を生き延びたのに、後に身を寄せる避難所で命を落とすという現実が、この間、震災被災のたびに全国各地で起こってきました。それを防ぐのが、スフィア基準です。先ほど言ったように、居住空間は、1人当たり3.5平米ということです。ちなみに、熊本地震の避難所では、1人当たりのスペースは1畳ほどでした。非常に狭いということです。災害が起こるたびにニュースで避難所の風景がテレビ放映されたり、新聞で報道されますけれども、雑魚寝状態で、ブルーシートを敷いて、そこに横たわって、毛布1枚でいるという光景があるわけで、これを改善してほしいということです。
スフィア基準でいけば、避難所のトイレは20人に1つの割合で設置すると。女性のトイレは男性の3倍必要。なぜこのような基準が必要なのかということについて、避難所で医療活動を行ってきた新潟大学の医師の話がインターネットニュースで紹介されていました。避難所で大事なのは、水分をとり、小まめに動くこと、これが大事だというわけです。しかし、1人当たりのスペースが狭いと、長時間同じ姿勢でいることが多くなる。また、トイレが汚かったり、混んでいたりすると、水分をとるのを控える人も出る。スフィア基準の項目を満たしていない避難所ほど、血栓が足に見つかる割合が多くなっていたそうです。血栓は、血の塊で、関連死の原因になることもあります。
この新潟大学の医師の分析では、避難生活でトイレを我慢する傾向があり、男性よりも女性の方が血栓が原因の病気が多いという結果も出ているわけです。スペース、あるいはトイレの基準、このようなことを改善していく必要が、意味がここにあるわけです。
海外の避難所の多くでは、スフィア基準が使われているといいます。数年前大地震が起きたイタリアの避難所では、発生から72時間以内に、家族ごとにテントやベッドが支給され、衛生的なトイレも整備されたということです。海外では、被災者の置かれた環境が悪いことを人道的な問題と捉えているため、取り組みが進んでいるのです。
これに対し、日本では、スフィア基準が浸透せず、劣悪な環境の避難所が設置されているケースが多いわけです。
しかし、その日本でも、徐々にですが、スフィア基準を使おうという動きが出ています。東日本大震災など、近年相次いだ災害のたびに、海外の支援団体などから指摘され、知られるようになってきたからです。
その1つが、登山家の野口健さんの取り組みです。3年前の熊本地震の被災地でテント村を開いた際、スフィア基準をもとにしました。1家族に1つのテント、家族だけでくつろげる上、寝る場所と生活する場所の空間も分けるようにしました。また、トイレは数を増やして、男女比も1対3にしました。実際にテント村を運営して、野口さんは、スフィア基準の重要性を実感したと言います。
昨年4月に宮崎県で開かれた研修会では、スフィア基準に詳しい宮崎大学医学部看護学科の原田奈穂子教授が、避難所をよりよくしていくための工夫を教えたということです。その1つが、段ボールを組み立ててつくる簡易ベッド、俗に言う段ボールベッドです。床での雑魚寝より快適で衛生な上、ベッドの下にも物が収納できるため、1人当たりのスペースを広くとれるようになるということです。
また、持ち運びが可能な簡易トイレ。数を増やすことができる上、手を汚さずに処理できるため、清潔な状態を保つことができる。こうしたものをあらかじめ多く準備していくことが大事だというわけです。
災害を生き延びた後の避難所で、人が死なないためにはどうすればいいか。まずは、我慢は当たり前という意識を変えること、そして、スフィア基準でよりよい避難所づくりにつなげることです。そのためには、急場しのぎの対応を改めて、いざというときに質の高い避難所をつくるために、事前に十分な準備をしておく仕組みに変えておくことが必要だと強調しているわけです。
このようなスフィア基準を紹介してきました。以上、スフィア基準の重要性について、区の認識を示してもらいたい。
○防災課長(白井隆司君) 避難者が安全で安心して避難所での生活を送れるよう、避難所の生活環境の向上を図ることは、区の災害対策における重要な課題です。
スフィア基準は、避難所の環境改善に取り組む上で参考とすべきものとして、その重要性を認識しております。
○委員(いのくま正一君) また参考という言葉が出てくるわけですけれども、区長も言っているわけですから、基準は高いけれども、そこに近づけるよう努力するという答えなので、その立場で行ってもらいたい。
具体的に聞きます。トイレの数を20人に1つ、女性用トイレは3倍にすること、段ボールベッドを業界団体と協定するなどで必要数を確保すること、テントなどの避難所も確保すること、この3点、答えていただきたい。
○防災課長(白井隆司君) トイレについて、現在、区では、マンホールトイレを426基整備するとともに、便槽タイプの組み立て式トイレを464基備蓄しており、これを合わせた数を避難者想定数約3万3,300人で換算すると、約37人に1基の割合となります。これに加えまして、施設内の既設のトイレについても、携帯トイレを活用することで使用できるようにします。
引き続き、女性用トイレの比率を高めることも含め、トイレの確保に取り組んでまいります。
また、段ボールベッドについては、湿気に弱く、備蓄に適さないことから、現在、協定に基づく災害時の優先調達について、事業者との協議を進めております。
テントの活用については、今後、避難所の生活環境の改善を進めていく中で、調査研究をしてまいります。
今後も、スフィア基準を参考としながら、一層の環境改善に取り組んでまいります。
○委員(いのくま正一君) 参考という言葉は何度も使うわけですけれども、できる限り基準にしてもらうという立場だと思います。
それで、今の答弁の中で、段ボールベッドについて再確認したいわけですが、今、事業者と協定に基づきとありました。この協定は、いつごろに調印ができるような状況になっているかということが1つです。大ざっぱでもいいです。直近でできそうなのかなど、そのようなことを答えてもらいたいのが1つ。
それから、協定に基づいて必要数を確保すると。その場合、先ほど3万3,300人という最大の避難者想定というのがありましたけれども、仮に大きな災害があったということになれば、その3万3,300人の段ボールベッドも用意ができる、確保ができるという協定になるのかどうか。これを答えていただきたい。
○防災課長(白井隆司君) 現在、事業者と協定締結に向けて協議を進めております。年度内での協定締結を目指しているところでございます。
協定の内容といたしましては、事業者は、本社は兵庫県にある事業者でございます。東京の本社が港区内に所在をしております。全国の20の工場をフル稼働させて災害対応に当たり、通常の段ボール製品を災害時には段ボールベッドに切りかえて、被災地に向けて供給する体制を整えているという説明を受けているところでございます。
○委員(いのくま正一君) 確保できるのかということを言っていただけますか。
○防災課長(白井隆司君) 失礼しました。確保する協定の締結を目指しているところでございます。
○委員(いのくま正一君) 終わりました。
○委員長(土屋準君) いのくま委員の発言は終わりました。
歳出第2款総務費の審議の途中でありますが、以上にて本日の審議を終了いたします。
───────────────────────────────────
○委員長(土屋準君) これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。
午後 5時47分 閉会...