港区議会 2018-06-13
平成30年第2回定例会−06月13日-07号
平成30年第2回定例会−06月13日-07号平成30年第2回定例会
平成三十年 港区
議会議事速記録 第七号(第二回定例会)
平成三十年六月十三日(水曜日)午後一時開会
一 出席議員(三十四名)
一 番 玉 木 まこと 君 二 番 榎 本 あゆみ 君
三 番 山野井 つよし 君 四 番 兵 藤 ゆうこ 君
五 番 丸山 たかのり 君 六 番 池 田 たけし 君
七 番 黒崎 ゆういち 君 八 番 小 倉 りえこ 君
九 番 赤 坂 大 輔 君 十 番 榎 本 茂 君
十 一番 横 尾 俊 成 君 十 二番 清 家 あ い 君
十 三番 ちほぎ みき子 君 十 四番 やなざわ 亜紀 君
十 五番 有 働 巧 君 十 六番 鈴 木 たかや 君
十 七番 土 屋 準 君 十 八番 大 滝 実 君
十 九番 いのくま 正一 君 二 十番 杉 浦 のりお 君
二十一番 なかまえ 由紀 君 二十二番 阿 部 浩 子 君
二十三番 近 藤 まさ子 君 二十四番 ゆうき くみこ 君
二十五番 二 島 豊 司 君 二十六番 池 田 こうじ 君
二十七番 熊 田 ちづ子 君 二十八番 風 見 利 男 君
同 鵜 飼 雅 彦
平成三十年二月
例月出納検査の結果について
地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき
例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。
記
一 検査の範囲
(一) 検査対象 区一般会計、
国民健康保険事業会計、
後期高齢者医療会計、
介護保険会計、雑部金、基金
(二) 検査場所 港区監査事務局
(三) 検査期間 平成三十年二月二十三日から二月二十七日まで
二 検査の結果
本検査においては、
会計管理者から提出された平成三十年二月(平成三十年一月分)
例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、
指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。
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○議長(池田こうじ君) なお、三月、四月及び五月の結果については、ただいまの報告と同様の内容でありますので、朗読は省略し、詳細については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、ご了承願います。
また、報告書は議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。
(参 考)
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三〇港監第百九号
平成三十年四月十二日
港区議会議長 池 田 こうじ 様
港区監査委員 高 橋 元 彰
同 徳 重 寛 之
同 鵜 飼 雅 彦
平成三十年三月
例月出納検査の結果について
地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき
例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。
記
一 検査の範囲
(一) 検査対象 区一般会計、
国民健康保険事業会計、
後期高齢者医療会計、
介護保険会計、雑部金、基金
(二) 検査場所 港区監査事務局
(三) 検査期間 平成三十年三月二十三日から三月二十七日まで
二 検査の結果
本検査においては、
会計管理者から提出された平成三十年三月(平成三十年二月分)
例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、
指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。
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三〇港監第二百三十九号
平成三十年五月十八日
港区議会議長 池 田 こうじ 様
港区監査委員 高 橋 元 彰
同 徳 重 寛 之
同 鵜 飼 雅 彦
平成三十年四月
例月出納検査の結果について
地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき
例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。
記
一 検査の範囲
(一) 検査対象 区一般会計、
国民健康保険事業会計、
後期高齢者医療会計、
介護保険会計、雑部金、基金
(二) 検査場所 港区監査事務局
(三) 検査期間 平成三十年四月二十四日から四月二十六日まで
二 検査の結果
本検査においては、
会計管理者から提出された平成三十年四月(平成三十年三月分)
例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、
指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。
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三〇港監第三百十八号
平成三十年六月十一日
港区議会議長 池 田 こうじ 様
港区監査委員 高 橋 元 彰
同 徳 重 寛 之
同 鵜 飼 雅 彦
平成三十年五月
例月出納検査の結果について
地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき
例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。
記
一 検査の範囲
(一) 検査対象 区一般会計、
国民健康保険事業会計、
後期高齢者医療会計、
介護保険会計、雑部金、基金
(二) 検査場所 港区監査事務局
(三) 検査期間 平成三十年五月二十四日から二十八日まで
二 検査の結果
本検査においては、
会計管理者から提出された平成三十年五月(平成三十年四月分)
例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、
指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。
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○議長(池田こうじ君) 次に、法人の経営状況に関する書類が区長から議長の手元に提出されております。朗読は省略し、通知については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、ご了承願います。
なお、詳細については、書類を議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。
(参 考)
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三〇港総総第五百五十六号
平成三十年六月六日
港区議会議長 池 田 こうじ 様
港区長 武 井 雅 昭
法人の経営状況に関する書類の提出について
地方自治法第二百四十三条の三第二項の規定に基づき、下記法人についての経営状況に関する書類を提出します。
記
一 財団法人港区住宅公社
平成三十年度財団法人港区住宅公社収支予算書
二 公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団
(一) 平成三十年度公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団事業計画書
(二) 平成三十年度公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団収支予算書
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○議長(池田こうじ君) 以上にて報告を終わります。
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○議長(池田こうじ君) 日程第四、区の一般事務について、質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。最初に、七番黒崎ゆういち議員。
〔七番(黒崎ゆういち君)登壇、拍手〕
○七番(黒崎ゆういち君) 平成三十年第二回港区議会定例会にあたり、自由民主党議員団を代表して、武井区長、青木教育長に質問させていただきます。
今回、代表質問に立たせていただくにあたり、初めに、質問に臨む私のこころについて申し述べさせていただきたく存じます。
昨日、史上初の米朝首脳会談がシンガポールで開かれ、トランプ大統領と金正恩委員長は、朝鮮半島の完全な非核化をうたう共同声明文に署名しました。米国が求める北朝鮮の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化と、北朝鮮が要求する米国による体制保証に向けて、朝鮮半島をめぐる情勢は大きな転換期を迎えることになります。
我が国は、北朝鮮に核兵器をはじめとした大量破壊兵器、弾道ミサイルの完全かつ検証可能、不可逆的な方法での廃棄を求め、非核化に向けた具体的行動を実施するよう、粘り強く対話と圧力を続けてきました。北朝鮮が正しい道を歩むのであれば、日朝平壌宣言に基づき不幸な過去を清算し、国交正常化への道も開けてくるわけであります。拉致問題を解決に導くための歴史的な会談となるべく、引き続き日米韓で緊密に協力し、北朝鮮の拉致、核・ミサイルといった諸懸案の解決のため、全力で取り組んでいかなければなりません。
また、ここ港区においては、赤坂にアメリカ大使館、麻布台にロシア大使館、南麻布に韓国大使館、そして元麻布に中国大使館が所在し、東アジアの安全保障を地域レベルでつなぐことができる唯一の立地を有しているわけですので、今回の会談を受けて、さらに国際交流や国際協力が推進される象徴地域になることを心から期待しております。
一方、国内に目を向けると、わずか五歳の児童が母親の再婚相手から虐待を受け衰弱死するという、余りにも痛ましい事件が近隣区で発生しました。就学前ながら、「もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」という言葉を書き残し、その命のともしびが消えてしまったことにやり場のない無念を感じます。
児童のサポートに関して、港区では児童相談所の機能と児童と家庭の支援拠点機能を一体化させた(仮称)港区子ども家庭総合支援センターの設立に向け準備が進んでいるほか、みなと子ども相談ねっとを通じて相談専用の窓口を設けていますが、メールや電話を使うことすらままならず、自ら声を上げることのできない幼子に対して政治は何ができるのか、改めて突きつけられた思いを抱いております。
さて、三年前の平成二十七年、私は商社勤務を経て、港区議会議員選挙に初挑戦しました。その結果、千四百六票のご支持をいただき、ふるさとである港区の議員の一員として活躍する機会を与えていただきました。志はあっても右も左もわからない、新人としての第一歩を踏み出したときの不安と期待は、今でも忘れることができません。
孔子が唱えた論語の一節に、次のような章句があります。子いわく、「三人行えば、必ず我が師有り」。ありがたいことに私は四つの師に恵まれました。
第一の師は、区議会事務局をはじめとする理事者の皆様でした。区政が円滑に行われる仕組みに始まり、各組織の役割、本会議や委員会での議事進行も含め、さまざまな案件を丁寧に説明いただかなければ、行政の仕組みや機能を理解することはできなかったと改めて感じている次第です。
第二の師は、我が会派の
自民党議員団の先輩議員をはじめ、互いに切磋琢磨し合う港区議会議員の皆さんです。異なる会派でそれぞれの政策を競い合う一方、あすの港区をつくり、未来へつなぐ責務があるという点で、それぞれが得意な分野や地域で活動し、区民のために行動する姿や質問する内容は、区民に選ばれた議員という立場において、私の持つ視野が余りにも狭かったことを気づかせていただきました。
第三の師は、元東京市長、尾崎行雄氏の存在です。私は当選後、憲政記念館で政治の勉強を続けており、憲政の父、あるいは議会政治の父と呼ばれる尾崎先生が生涯貫いた「誰が正しいかではなく、何が正しいか」を追求しています。引き続き、政治家としての感覚の基準点を定めるために、今後も学び続けていく所存です。
そして、第四の師は、この港区に住まい、日々を営む区民の皆様です。私は当選以来、毎週の駅頭活動や定期的に開催している区民相談会のほか、さまざまな活動を通じて、区民の皆様から困り事や区のさまざまな課題、そして、時には政策に関するヒントをいただき、それらの課題、問題解決に向け取り組んでいるところです。そうした数多くの師と学びに恵まれ、私は今ここに立っているわけであります。
そうしたご縁やご指導を通じてまとめた今回の代表質問は、港区で暮らす人、働く人、訪れる人、学ぶ人がともに生きていくという港区基本計画のメインコンセプトである、港区ならではの地域共生社会の実現に向けて、港区を前へ進めていくための質問であることをご理解いただき、質問に入らせていただきます。
最初に、行財政運営について伺います。
まず、震災復興基金の積み立てに伴う行政サービスへの影響についてです。全国的に人口減少傾向にある中、港区では、昨年二月に五十四年ぶりに二十五万人を回復し、今後も全ての世代で増加が続くとのことです。平成三十九年に現在の人口の一・二倍にあたる三十万人に達するという人口増加への対応、また、いよいよ二年後に迫った東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会や来年九月のラグビーワールドカップ二〇一九日本大会の開催に向けて、開催地である東京都を中心に、各組織委員会と関係機関からソフト・ハード問わずさまざまな調整事項や依頼事項、そして実施事項への対応、さらに、現在ではほとんど行われていない、行政分野におけるAI導入検討や、区政運営の効率化及び区民サービスの利便性向上に向けたICT進展への対応等、現在の枠組みにはない、大きな前向きな課題に対して、柔軟に対応し、乗り越えていくための施策を展開していかなくてはなりません。
私は、平成二十八年第四回港区議会定例会において、震災復興基金の導入に際し、基金のあり方について質問いたしました。区長は、「歳入においては、税収の確保はもとより、財産の貸し付けなどによる戦略的な収入の確保、国・東京都の補助金の活用など、財源の積極的な確保に努める。また、歳出においては、スクラップ・アンド・ビルドの原則を徹底し、施設設備に際しての投資的経費の抑制や人件費などの経常的経費の節減に努め、不断の内部努力を徹底し、財源を捻出するなど、これまで以上に簡素で効率的な区政運営に努める。こうした重層的な取り組みにより、あらゆる世代が将来にわたって安心できる財政運営を堅持していく」と答弁されました。
冒頭で述べた人口増加、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会や東京二〇二〇大会、AI導入、ICTの進展に対応した柔軟な行財政運営は確保できているのでしょうか。区長にお伺いいたします。
次に、予算編成の可視化についての質問です。議会は、憲法第九十三条第一項の議事機関として置かれ、地方自治法において、地方公共団体の意思を決定する機能及び執行機関を監視する機能を担うものとして、同じく住民から直接選挙された執行機関の長と相互に牽制し合うことにより、地方自治の適正な運営を期することとされています。港区においても、区長は住民の選挙により直接選ばれ、行政府の長として、予算編成権や人事権を有し、議会は立法権限のほか、予算の承認など、行政府の長である区長の権限や政策に対してチェック機能を果たすことになっています。このように、現行の地方自治法における予算編成権及び提案権は区長に専属し、議会はそのプロセスには入っていません。
また、地方自治法第九十七条第二項において、議会には予算の増額修正権が認められていますが、区長の予算提出権限を侵害することはできないとされています。ただ、平成二十九年第一回港区議会定例会の代表質問において、我が会派の二島豊司幹事長より、港区財政運営方針についての項目で、予算編成過程公開の検討について質問したところ、区長は、「予算編成過程を公開することにより、区政に対する区民の関心をより高め、参画していただく機会の充実につなげていく。公開する内容は、各部局の予算要求から予算案決定までの編成過程とし、数値を示すだけでなく、区の考え方を明らかにして、よりわかりやすく説明するように工夫したい。編成過程において区民の皆様から幅広く意見をいただき、予算案に反映できる仕組みとしていく」と答弁されました。
改めてお伺いしますが、港区財政運営方針に掲げる区民参画を得た透明性の高い予算編成手法の検討状況はどうなっておりますでしょうか。区長にお伺いいたします。
次に、港区公共施設マネジメント計画に基づく施策展開について伺います。
先ほどから述べているとおり、港区では全ての世代で人口が増加傾向にあり、今後、公共施設の需要は増大していくことが予想されます。場所の確保が極めて困難な港区において、公共施設の整備・活用の考え方や、維持管理の進め方やあり方を示した港区公共施設マネジメント計画が昨年三月に策定されました。公共施設の安全・安心を最優先に、状況の変化に対応しながら、将来の世代にも負担をかけず、充実した行政サービスを継続するための戦略的ファシリティマネジメントを実践していくための計画だと思いますが、人口増加への対応、取り巻く社会経済情勢への変化への対応、多様な世代に対応したきめ細かな区民サービス、まちづくり方針、コミュニティ・生涯学習・健康増進などの生きがいづくり、人権や平和の尊さの周知など、さらに多様な分野における今後の行政需要に的確に応えるため、本計画に基づきどのようにファシリティマネジメントを進めていくお考えなのか、区長の見解をお聞きいたします。
また、公共施設というハード面の管理だけでなく、ソフト面における管理手法について、PDCAサイクルを回し、港区ならではの高い水準を設定し、維持・継承するための施策展開についてもあわせてお伺いいたします。
次に、BCP、ビジネス・コンティニュイティ・プラン、業務継続計画の見直しについて伺います。
港区では、災害発生時に優先的に取り組む重要な業務を継続し、早期に事業の復旧を図るため事前に必要な資源の準備や対応方針、手段を定める計画として、BCPを策定しています。現在、平成二十五年三月に改定された新型インフルエンザ編と平成二十六年八月に改定された震災編の二種類があり、業務継続計画では発災時でも行政サービスをできる限り継続させることが目標となっています。
今年度、震災編が改定されると聞いていますが、先ほど来述べている港区を取り巻く環境の激変要素である人口増加や高層住宅の増加など、前回計画の策定時点と比べて状況が相当変化している中、どのような問題意識を持って準備や対応方針、手段によりBCPの改定に臨むのか、区長のお考えをお伺いしたいと思います。
次に、待機児童解消に向けた取り組みについて伺います。
区長は記者発表において、昨年度発表した待機児童緊急対策として保育定員千人拡大の目標に対し、本年四月には五百七十七名の定員拡大を完了。四月一日現在の区内全体の保育定員は七千八百五十六名、総施設数は事業所内保育所一園を含め百一園となり、待機児童数は昨年度の百六十四人から七十五人減少し、二年ぶりに二桁となる八十九人と発表されました。その際、私立認可保育園の誘致や港区保育室の整備など民間等の力を活用して、さらなる定員の拡大を図り、待機児童解消に向けた対策を強化していくとの方針もあわせて発表されています。
今定例会の補正予算において私立保育園三園を誘致する経費が計上されておりますが、この三園を新設することによる待機児童解消効果並びに来年四月に向けた待機児童予測について、区長の見解をお聞きします。また、待機児童解消に向けたさらなる取り組みについてもお伺いいたします。
次に、住宅宿泊事業、民泊への取り組みについて伺います。
あさって十五日の住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法の施行を前に、一般住宅に旅行者を有料で泊める民泊のインターネット仲介最大手は、旅館業法や国家戦略特区の許認可、民泊新法に基づき発行される番号などがない施設の掲載をやめたことにより、日本全国で約一万三千八百件と、この春から比べて八割弱減ったと報道されました。違法営業のおそれがある施設が減り、民泊市場が適正化される一方、家主が情報を入力すれば予約を再開でき、今後、掲載件数は増減する可能性があるとのことです。港区も含め上乗せ規制を導入している自治体が相次いでおり、期待と警戒が入り交じる状況だと思います。
一方、民泊という扱いとは別に、レンタルスペースという表現で本規制をすり抜けているケースも見受けられます。まだ事実確認による試行錯誤の段階だと思いますが、条例公布後の届出の状況及び区民の反応はどのようなものでしょうか。また、見えてきた課題やその課題解決に向けて、どのような体制で区民の生活環境を保全していくのか、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、働きやすい職場づくりに向けた取り組みについて伺います。
まず、事業継続のあり方と事務事業評価についてです。現在開会中の国会においても、政府の最重要政策課題の一つとして、働き方改革関連法案が審議されていて、最近はこの言葉を聞かない日はないというくらい注目が高くなっています。いきなりどう働いて、どう生きていくか、そして、その生産性をどう高めていくかといったテーマをぶつけられても、今までの仕事のやり方や生活スタイルなど、働き方を見直し、多様な視点から改善していくこの改革には、しっかりとトップがリーダーシップをとってなし遂げていくのだという強い決意が必要だと思います。
現在、区職員の残業時間は、昨年度において月間の残業が八十時間を超えた方が延べ七十七名、うち百時間超えが延べ三十六名です。人口が増加している一方で、職員数は相対的に減少し、多様化する区民ニーズに応えていくには、業務の効率化はもとより、事業のアウトソーシング化も含めた事業継続のあり方を検討していく必要があると思います。事務事業評価により、事業のスクラップ・アンド・ビルドが行われているわけですが、そもそも事務事業評価を行う時間と労力はかなりのものになると思われます。人口増の環境下、東京二〇二〇大会や大小さまざまな都市整備計画へ対応していくビッグプロジェクトに向け、新たな事業が次々と計画されるここ港区において、既存の事業主体をうまく切りかえていきながら、事業を継続する枠組みの構築は必須であると思います。
当然ながら、仕事は情熱と使命感を持って遂行しなければ、よい成果は得られません。ましてや新しい事業を生み出していくには、これらのモチベーションがないと前に進めることすらできないと思います。既存事業を回すための時間的制約が負担となり、新たな事業に熱を入れられなくなることがあってはなりません。このように、港区における働き方改革とは、事業継続のあり方を改革していくことと考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。また、現在の事務事業評価をより効率的にしていくための課題認識についてもあわせてお伺いいたします。
次に、みなとワークスタイル宣言についての質問です。全庁を挙げて働きやすい職場づくりを推進するみなとワークスタイル宣言は、昨年七月に、区長自ら働きやすい職場づくりに向けた区の取り組みを内外に示すため、全ての管理職を集めて宣言されました。内容は、1)職員一人ひとりが時間管理意識を持ち、超過勤務を縮減します。2)勤務時間終了後は、原則定時退庁し、遅くとも午後八時には全員退庁します。3)年次有給休暇十六日以上を計画的に取得します、というものでした。宣言から約一年が経過しますが、ここまでの成果と今後の具体的な取り組みについて、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、交通環境の整備に向けた課題認識について伺います。
都心部における交通環境の整備は、東京都全体において大変重要な課題だと言えます。特に港区においては、今後の十年間で人口三十万人を超すことが予想されている中、子育て世代や後期高齢者の増加は、港区の交通環境施策に影響していくことは間違いありません。我が会派の池田こうじ議長も過去の代表質問に取り上げていますが、今後ますます増えていく高齢ドライバー事故への対応について、AIやIoT、ICTを活用して交通安全の取り組みを進めていくことが喫緊の課題であります。また、都心の交通インフラに関して、BRTの運行開始、東京メトロ日比谷線新駅やJR山手線新駅の開業、加えてリニア中央新幹線の品川駅・名古屋駅間の開通など、同時並行的にさまざまな開発が進行していることから、当然これに付随した新たな交通需要も発生してくるはずです。
一方、区内交通不便地域の解消や水上タクシーなど舟運活性の検討、他区とも相互連携した自転車シェアリングの明確な位置づけ、外国人、観光客にもわかりやすい交通関連表示の構築など、短期・中期的に取り組むべき事項も目の前に山積しています。このように広域交通と地域交通が緊密に連携するモデルを創出することは、都心部の交通機能をさらに高め、港区の魅力や存在をより実感するための鍵になると思います。
また、スペースがない港区において、交通拠点における福祉車両等の駐車スペースが十分にとれていないことも現状です。これら港区を取り巻く国や東京都の施策に起因する大胆な交通環境変化を、いかに地域住民、地域交通に結びつけ寄与していけるかが重要だと考えます。港区における交通環境の整備を進める中で、中・長期的な課題はどのようなものなのか、また、それらの課題はどのような施策で解決していくのか、区長の見解をお伺いいたします。
次に、品川駅周辺のまちづくりについて伺います。
JR東日本は、山手線・京浜東北線の田町駅・品川駅間に開業予定の品川新駅(仮称)の駅名を募集すると発表しました。募集期間は六月三十日までで、決定した駅名は、ことしの冬頃に発表される予定です。駅名を公募するのは初めてで、二〇二〇年春には暫定開業します。山手線では一九七一年の西日暮里駅以来、実に四十年ぶりの新駅誕生となります。港南二丁目に誕生する駅舎は、建築家の隈研吾さんが設計、日本の魅力を発信していくために折り紙をモチーフとした大屋根の配置や、障子をイメージした木や膜などの素材を活用した空間づくりで和を感じられる駅となり、完成後は東京の顔となることが期待されています。このほかにも品川駅周辺は、港南地域だけでなく、北品川駅から泉岳寺駅周辺に至る高輪地域一帯において、市街地再開発事業や土地区画整理事業、環状第四号線の延伸整備計画など、ダイナミックに動いているエリアであります。
過去にも一般質問等で毎回お聞きしていますが、さまざまな計画や事業が同時多発的に進行している中、品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン二〇一四を策定した東京都をはじめ、JR東日本、JR東海、京浜急行電鉄株式会社などの多様な事業主体に対し、区はどのようなビジョンで各事業や計画を連携させていくのでしょうか。また、これらの動きを好機と捉え、区民生活の向上に寄与するための取り組みはどのようなものがあるのでしょうか、区長の見解をお聞きいたします。
次に、MINATOシティハーフマラソン二〇一八について伺います。
まず、準備状況と今後の進め方についてです。港区初のマラソン大会となるMINATOシティハーフマラソン二〇一八のコース案が決定し、本日から先着順でランナーの募集がスタートしました。十二月二日の大会開催に向け、さまざまな準備が進んでいると思いますが、開催するための資金調達は一定のめどが立ったと聞いています。同様の取り組みである秩父宮みなとラグビーまつり二〇一八は、きのうから今週日曜日にかけて開催中で、二回目の今回はつながりを広げることで、しっかりと地域にレガシーが残ることを目指し、メインイベントであるオーストラリアのスーパーラグビーチームとの国際交流試合では、NECグリーンロケッツ対ワラターズ、サントリーサンゴリアス対ブランビーズのダブルヘッターで、日本初の同時開催が実現しました。聖地・秩父宮ラグビー場周辺では、昨年を上回るラグビーフェスティバルを実施して、スポーツと地域・区民との接点を創出する場所に仕上げていくことが重要です。
MINATOシティハーフマラソン二〇一八の初開催に向けた準備状況と体制、現在の課題、そして、参画と協働の機会を盛り込んだ施策展開や今後の進め方について、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、企業・団体の活用についての質問です。平成三十年度予算特別委員会においても、港区の特徴である大小さまざまな企業・団体の力を区政においてもっと活用すべきだと質問しました。今回のMINATOシティハーフマラソン二〇一八においても、地域の発展のためには寄付してもよいと思ってくださる企業・団体がたくさんあると聞いております。
四月一日付で企画経営部内に企業連携推進担当が新設されましたので、企画力と調整力を駆使して全庁横断の旗振りをされた結果だと思いますが、寄付という成果以外で何を生み出していくのでしょうか。そして、地域や区民とどうつなげていくのでしょうか。また、行政という公の立場において、公平性を担保するための課題認識について、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、子どもたちの参画方法についての質問です。今週日曜日に開催される秩父宮みなとラグビーまつり二〇一八のメインイベントである国際交流地合では、一試合目と二試合目、試合前と試合後に多くの子どもたちが選手と触れ合える貴重な機会が創出されています。まず試合前は、みなとラグビースクールの小学生が選手と手をつないでグラウンドに入場するエスコートキッズセレモニーを、試合後には五歳から中学三年生の公募で選ばれた子どもたちが、自分たちで製作したブーケをグラウンドで直接渡す、「勝利のブーケ」を選手に届けるセレモニーを行う予定です。それぞれ四チーム、合計百名の選手たちが子どもたちと試合前後に触れ合います。また、一試合目終了後には、この夏、オーストラリアに留学する区内小学六年生と中学二年生の希望者約三十名がシドニーを拠点とするワラターズの選手たちと英語で交流する時間を持つ予定です。
このように、MINATOシティハーフマラソン二〇一八においても、スポーツとかかわりがない子どもたちに何か役割を担ってもらい、その日限りの貴重な機会や経験の場を創出してもらいたいと考えますが、区長、教育長のお二人の見解をそれぞれお伺いいたします。
次に、港区版ふるさと納税制度について伺います。
今年度からスタートした港区版ふるさと納税制度には、ただいまのMINATOシティハーフマラソン二〇一八のほかに、台場の水質改善と運河に架かる橋のライトアップの三事業が寄附充当事業としてノミネートされています。目標である一億円に向けて、開始後まだ二カ月足らずですが、港区版ふるさと納税制度をスタートした現在の手応えや実績、そして本制度に対する今後の施策展開について、区長の見解をお聞きいたします。
次に、来年、平成三十一年に向けた準備対応について伺います。
まず、国家的・国際的行事への取り組みについてです。平成三十一年、すなわち二〇一九年はさまざまな国家的・国際的行事が開催される予定になっています。四月には新元号が発表され、我々港区議会も含めた統一地方選挙の実施。今上陛下が退位され、平成が終わります。五月には皇太子殿下が天皇に即位されるとともに新しい元号の年が始まり、六月には主要二十カ国・地域首脳会議(G20)が大阪市で開催され、七月には参議院議員選挙、九月にはアジアで初となるラグビーワールドカップ二〇一九日本大会が一カ月半にわたり開幕、十月には消費税が一〇%にアップし、新天皇陛下の即位の礼が行われる予定です。このような国家的・国際的行事が来年の一年間に集中して、しかも立て続けに行われることは、過去を振り返っても類を見ないと思います。
特に港区においては、八十を超す各国大使館が所在することや、昼間人口が百万人という大企業が密集する地域であることから、他の基礎自治体に比べ、国際的な行事における各国元首クラスの来日に伴う宿泊や移動等による交通規制、元号の改元及び消費税アップによる各種制作物の変更に伴う物流増加の問題により、一般区民や地域経済へ及ぼす影響が顕著だと考えます。また、国際的なテロの脅威に対する備えも準備していかなくてはなりません。
このように、区が主体にならない国家的行事ではあるものの、さまざまな分野で区民や地域に影響や混乱を及ぼすことが想定されます。国家的・国際的行事に対するタスクの整理とリスクの調査を前広に、そして十分に行う必要があると考えますが、区長の見解をお伺いいたします。
次に、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会と東京二〇二〇大会の取り組みについての質問です。来年、港区内においては、東京二〇二〇大会のテストイベントがお台場海浜公園のトライアスロン競技会場で開催される予定です。また、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会では、公認チームキャンプ地として、日本代表を含む主要六カ国が港区内に滞在することが内定しました。そして、神宮外苑に東京二〇二〇大会のメーンスタジアムとなる新国立競技場も完成し、いよいよ二〇二〇年に向けた準備が整っていきます。
港区は、イギリスオリンピック委員会と覚書を締結。東京二〇二〇オリンピック競技大会出場選手のトレーニングや身体のケア等の試合までの準備、また、家族と触れ合うことができるスポーツ・サービス・センターとして、港区立の小中一貫校であるお台場学園を提供することが決定しています。また、二〇二四年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市がパリ市に決定したことを受け、パリ市がトライアスロン競技等のスイム競技をセーヌ川で実施することを目指していることにより、パリ市とも連携協定を締結しました。もちろん、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会と港区の連携協定は、来年のラグビーワールドカップ二〇一九日本大会に向けて、さらに強化されています。これらの連携協定を生かし、二〇一九年と二〇二〇年の二大会において、企画や方策をしっかりと準備して調整すれば、地域や区民とスポーツをつなげることが可能になり、一生に一度の機会や体験の場が創出され、それがレガシーとして地域と区民の中に残っていきます。
一方、この貴重な機会の橋渡しは企業や団体ではできません。開催自治体が付与されている特権です。区がやらなければ、誰もやれない仕事なのです。ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会では、日本代表を含む主要六カ国が港区内に滞在します。この機会を地域と区民のために最大限活用していくには、東京二〇二〇大会と連動した体制が必要です。東京二〇二〇大会においては、港区「東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック」推進委員会が設置されていますが、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会にはありません。東京都においても、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会と東京二〇二〇大会を同一組織で準備・対応していることから、港区においても連携協定の窓口である教育委員会だけでなく、全庁横断的かつ全区的な対応ができる体制を整備するべきだと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。
また、二大会に向けた準備状況と体制、現在の課題、そして参画と協働の機会を盛り込んだ施策展開や今後の進め方について、区長、教育長のお二人の見解をそれぞれお伺いいたします。
次に、運動部活動の方向性について伺います。
本年三月、自由民主党スポーツ立国調査会は、運動部活動の抜本改革に関する緊急提言を林芳正文部科学大臣に提出しました。東京二〇二〇大会を見据えて、主に中学校の運動部活動を地域スポーツと一体化させるのが柱となっています。少子化で学校単位での活動が難しくなっている現状を踏まえ、教員の長時間勤務の一因ともされる部活動の負担軽減を図ることが目的です。具体的には、部活動と地域の民間スポーツクラブやスポーツ団体などの活動を一体化させることや、公益財団法人日本中学校体育連盟が主催する全国中学校体育大会に地域スポーツクラブも出場できるよう参加資格を見直すこと、部活動に熱心な教員には引き続き指導してもらいつつ、地域スポーツの指導者も積極的に活用する。指導者の質を確保するために国家資格の創設を検討するほか、体育館やグラウンドなどの公立学校施設を市町村長が管理し地域スポーツの拠点にすること、指導者の費用を地方自治体が負担して国が支援するなどが挙げられています。
このような制度設計は、全国的な小・中学校を対象にしていますので、都心港区の現状と違いがあるかもしれませんが、本提案に対する教育長の見解をお聞きします。また、港区における部活動の方向性についてもあわせてお伺いいたします。
最後に、児童・生徒数増加への対応について伺います。
私は過去に、一般質問や予算・決算特別委員会において、港区内の児童・生徒増加への対応についてお聞きしてきました。特に芝浦港南地区においては、再開発による児童・生徒数の増加が顕著で、その動向を注視した推計を行いながら教室等不足が生じないように適切に対応していきますとの答弁をいただいていますが、港区内においては、東町小学校のように狭い立地の学校も存在しています。その東町小学校は児童数増加により、校庭にプレハブ校舎を建てて授業を行っています。狭小立地のため、もともと校庭が小さいのに、さらに校庭が狭くなっているという、何とも切実な問題です。そしてプレハブ校舎は衛生管理上、本校舎と建物が隣接していないことから給食を運べず、一般教室としての使用ができない状況です。
「子育てするなら港区」、「教育の港区」を掲げる以上、これらの問題に対する対応策は、地区ごとに違ってくると思います。港区内においては、それぞれの地区における区立幼稚園、小学校、中学校の将来の動向を踏まえて、児童・生徒数増加への対応方針はどのようになっているのでしょうか。また、その方針による施策展開はどのように決定し、実行されていくのでしょうか。教育長の見解をお伺いいたします。
質問は以上になりますが、最後に皆様と共有したい思いがあります。
私は現在、来年のラグビーワールドカップ二〇一九日本大会を秩父宮ラグビー場がある港区から成功させるべく、また、港区におけるラグビーを通じてのスポーツ振興、青少年の育成に力を注いでおります。昨今、ある大学の試合でアメリカンフットボールに関する事件が世間の注目を集めました。同じ楕円のボールに情熱をかける一人として、一連の騒動には心を痛めております。私も大学スポーツにおいて、ラグビーで日本一を目指す集団の指導者としてかかわらせていただいた経験を踏まえ、騒動の中で強い違和感を覚えたのは、暗にラフプレーを命じたとされる指導者の歯切れの悪い会見と弁明でした。プレーの当事者である二十歳前後の選手は自らの非を認め、たった一人で報道陣の前に立ちました。逃げることなく真摯に批判を一身に受けとめました。その姿は、大学側のそれとは雲泥の差でありました。ともすれば「誰が悪い」、「おまえが悪い」、そうした矛先に私たちは目を奪われがちになります。
そうした中、タックルを仕掛けられた選手が所属する大学の言葉は実に見事でありました。問題となった試合の後日、動揺する選手たちを前に、同大学の監督はこう宣言したそうです。「この件は大人が対応するから」。この件は大人が対応する。一連の騒動で誰が悪いか、どこがいけないのか。マスメディアは今も悪いことばかりを追いかけ続けています。けれども、それは本質ではありません。ならばどうすればいいのか。そして何が正しいのか。そうした視点が必要です。アメリカンフットボールに限らず、全ての社会問題、ひいては私たちが目指すまちづくりにも同じことが言えるのではないでしょうか。そう感じております。
今回の件だけではありません。東京都はどうでしょう。そして、国会はどうでしょう。このありさまは、私がここで申し上げるまでもないでしょう。大人が対応するとはどういうことか。私は、「子どもたちに対して恥ずかしくないかどうか」、この一点に尽きると思います。自分たちがしている行いを子どもたちが見たら、果たしてどう感じるだろうか。そうした感覚が働いたならば、おのずととるべき行動は定まってくるでしょう。少なくとも私たち港区議会は、そして港区は、一丸になってスクラムを組んで、「この件は大人が対応する」。そのような区政を目指したいし、また目指さなければならないと思います。
冒頭で触れました、児童虐待死の問題も同様です。子どもが命を脅かされることなく、安心して暮らせることは、港区においても重要な政治課題であります。行政、あるいは区議会、さらには港区に住まう私たち大人は何をなすべきか。そしてなさねばならぬのか。子どもたちの将来と未来のための政治をする。そうした決意をこの場にいらっしゃる皆様と改めて確認したいと思います。
なぜ、これらの話題を取り上げたのか。それには理由があります。このたびの質問に先立ち、私は、現在の私を形づくる四つの師について触れました。実はこれらの問題を教えてくれたのは、駅頭で私に声をかけてくださる方々でした。私たちにとって本当に必要なことは現場にある、街角にある。最後に気づきを与え、支えるのは人であります。そして、責任を持って決断をするのも、また人であります。私はそう確信しております。
港区はどこから来て、現在はどこにあるのか。そしてどこへ向かうのか。子どもたちに対して恥ずかしくない港区を残していくために、港区をひたすら前へと進めていくために、「One for all, ALL for one」の精神を持って、これからも努力し、精進することをお誓い申し上げ、私の質問を終えさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
〔区長(武井雅昭君)登壇〕
○区長(武井雅昭君) ただいまの
自民党議員団を代表しての黒崎ゆういち議員のご質問に順次お答えいたします。
最初に、財政運営についてのお尋ねです。
まず、震災復興基金の積み立てに伴う行政サービスへの影響についてです。区は、発生が見込まれる首都直下地震の発生後、早期の区民生活の再建と地域の実情に即した区民主体の復旧・復興を区主導で迅速に進めるために、災害復興基金を積み立てております。
本年度から三年間の港区後期基本計画においては、震災復興基金の積み立てを着実に実施するとともに、区民サービスに影響を及ぼすことがないよう、人口増加に伴う喫緊の課題等にも対応した財政計画といたしました。今後も、特別区民税の収納率向上などの歳入の確保や、人件費など経常的経費の節減に努め、簡素で効率的な区政運営を行ってまいります。
次に、予算編成の可視化についてのお尋ねです。区は、予算編成過程を区民に広く情報提供し、説明責任を果たすことで、区民の区政に対する理解をより深めるため、平成三十一年度予算から編成過程の公開に向けた準備を進めております。公開する内容は、現時点では、各部局の予算要求から予算案決定までの過程とし、まず本年八月には、予算編成の流れや予算編成方針をホームページ等で公開するなど、よりわかりやすく丁寧に説明するよう工夫してまいります。
次に、港区公共施設マネジメント計画に基づく施策展開についてのお尋ねです。
区は、港区公共施設マネジメント計画に基づき、今年度中に全ての公共施設の計画的な保全を示す、個別実行計画を作成いたします。その上で、行政需要予測や後年度の負担を見据え、将来の用途変更が容易にできる施設計画等を目指し、効率的、効果的な施設の活用を展開いたします。さらに、施設の使い方等のソフト面への対応は、各施設の改修計画時に合わせて、社会動向や区民要望を的確に反映することができる検討体制を構築し、実施してまいります。
次に、港区業務継続計画(震災編)の見直しについてのお尋ねです。
区は、災害対策関連の法改正や熊本地震の教訓とともに、人口増や高層住宅の増加等の環境変化を踏まえ、港区地域防災計画(平成二十八年修正)を作成いたしました。港区業務継続計画は、この港区地域防災計画との整合を図りながら、改定を行います。具体的には、避難行動要支援者の支援、円滑な物資輸送、避難所の機能強化など、応急対策の充実を図った点を踏まえるとともに、災害時も停止や休止することができない区の通常業務を改めて精査の上で、これを最短の時間で実施するための人的・物的資源を算定し、事前準備や対応方針・手段を定めます。さらに、他自治体等の支援の受け入れ体制を整備し、より実効性の高い計画としてまいります。
次に、待機児童解消に向けた取り組みについてのお尋ねです。
まず、三園新設の効果と待機児童の予測についてです。東麻布一丁目、白金台二丁目、高輪二丁目に開設する私立認可保育園三園では、ゼロ歳から三歳児まで百八人の定員を確保することから、ゼロ歳から二歳児までが大半を占めている待機児童の解消に大きく寄与するものと考えております。こうした取り組みにより、平成三十一年四月の保育定員を本年四月と比較して五百六十二人拡大し、今後も人口増加に伴う保育需要の増加が見込まれることから、引き続き保育定員の積極的な拡大に努めてまいります。
次に、待機児童解消に向けたさらなる取り組みついてのお尋ねです。区は、民間の土地・建物と保育運営事業者をつなぐマッチング事業に加え、全ての設計・開発事業者に保育園の設置をお願いしております。また、現在計画している五百六十二人の保育定員拡大に加え、区立青山保育園の改築や、(仮称)港区元麻布保育園の新設、都有地を活用した私立認可保育園四園の誘致など、計画的な施設整備も進めております。さらに、開園後間もない保育園の空きクラスを、待機児童の多い一歳児の受け皿として活用するなど、待機児童解消の取り組みを緩めることなく、全力で推し進めてまいります。
次に、住宅宿泊事業への取り組みについてのお尋ねです。
住宅宿泊事業の届出は、平成三十年六月十二日現在、五十五件で、うち書類が整い受理した件数は二十件です。また、区民からは騒音など住宅宿泊事業による生活環境への影響や、無届民泊への懸念の声が寄せられております。区は、住宅宿泊事業の適正な運営の確保と地域活性化への活用等の課題に対応するため、全庁を挙げた住宅宿泊事業検討委員会を設置するとともに、区と消防署、警察署、税務署による関係機関連絡会を開催し、連携の強化を図っております。今後とも、「住宅宿泊事業が受け入れられ共存共栄できるまち」の実現を目指し取り組んでまいります。
次に、働きやすい職場づくりに向けた取り組みについてのお尋ねです。
まず、事業継続のあり方と事務事業評価についてです。区は、これまで事務事業評価により、事業のスクラップ・アンド・ビルドを図るとともに、継続する事業についても、アウトソーシングなど効率的な行政サービスを進めてまいりました。現行の事務事業評価は、職員の負担感等が課題となっており、より効果的・効率的な評価となるよう、対象事業や評価項目などの見直しの検討を進めております。こうした取り組みにより、新たな行政需要に対しても、区職員が積極的に取り組める職場環境を整えることで、働きやすい職場づくりを推進してまいります。
次に、みなとワークスタイル宣言についてのお尋ねです。区は、みなとワークスタイル宣言に基づき、超過勤務時間の平成二十八年度比三〇%の縮減、年次有給休暇取得十六日以上などの目標を掲げております。この目標を達成するため、平成二十九年度は、意思決定過程の迅速化、時差出勤制度の拡充などの取り組みを進めました。その結果、増加していた超過勤務時間は一一%縮減し、年次有給休暇は十四・四日から十五・九日に取得が増えるなど、働きやすい職場づくりに向けた改革が進んでおります。平成三十年度も引き続き目標達成に向け、事務処理の集約化、AI等の導入、全庁一斉消灯など、働き方改革を進めてまいります。
次に、交通環境の整備に向けた課題認識についてのお尋ねです。
区は、大規模開発や新駅等に伴う新たな交通需要、交通不便地域の解消、移動の円滑化など交通に係る中・長期的課題を解決するため、港区総合交通戦略を策定し、具体的な施策を示しております。今後、ターミナル駅などにおいて乗り換えや乗り継ぎの利便性を高める駅前広場や自由通路の整備、コミュニティバスなどの地域交通の運行改善や新規交通手段の導入の検討など、交通事業とまちづくりが連携した総合的で戦略的な交通施策を着実に実施し、安全、安心、快適に移動できるまちづくりに取り組んでまいります。
次に、品川駅周辺のまちづくりについてのお尋ねです。
港区まちづくりマスタープランでは、品川駅周辺について、景観や環境に配慮した建築物や都市基盤の整備を誘導し、東京の南の玄関口にふさわしい国際的なまちづくりを推進することとしております。区は、JR新駅の整備や京急本線の連続立体交差化計画、品川駅西口駅前広場の整備など、複数の事業を総合的に調整し、東西の連絡性を強化する駅前広場や自由通路などの確実な整備に向け、事業間の連携を図っております。東西の連絡性と回遊性の向上に合わせ、にぎわいのある街並みや、環境面においては、風の道の確保、緑のつながりなどを実現することにより、区民生活が向上するよう取り組んでまいります。
次に、MINATOシティハーフマラソン二〇一八についてのお尋ねです。
まず、準備状況と今後の進め方についてです。区は、昨年十二月に港区マラソン実行委員会を設立し、警察などの関係機関と協議を重ね、コース案を含む大会要項をまとめ、本日からランナーの募集を開始しております。また、大会を支えてくださる協賛企業も予想を上回る賛同をいただいており、コース沿道の区民や店舗への説明も含め、大会に向けた準備は着実に進んでおります。今後は、大会ボランティアの募集や医療救護所などの安全対策、魅力あふれるコース沿道のイベントの検討など、大会の成功に向けた準備に万全を期してまいります。
次に、企業・団体との連携についてのお尋ねです。現在、マラソンの開催の趣旨にご賛同いただいている企業が百社を超えております。製造業や建設業、サービス業など、多彩な企業にご賛同いただくとともに、これまで区とおつき合いのなかった企業からもご協賛いただき、多様な分野の企業と区の新たな連携が期待できます。なお、企業との連携にあたりましては、特定の企業の利益誘導につながることがないよう、公平かつ公正に対応してまいります。
次に、子どもたちの参画方法についてのお尋ねです。MINATOシティハーフマラソンを二〇一八子どもたちの貴重な体験の機会とするため、教育委員会と連携し、区立中学生に対し、給水所でのランナーへの給水や応援など、大学生や高校生とともに大会を支えるボランティアとしての参画を働きかけていく予定です。
また、スポーツへの関心の有無にかかわらず、全ての子どもが楽しみながら走ることができる種目として、約一・五キロメートルのファンランを設定し、参加を呼びかけております。区立小学校の児童をはじめとした子どもたちによる沿道イベントへのかかわり方など、より多くの子どもたちが大会に参画できる方法について、さらなる検討を進めてまいります。
次に、港区版ふるさと納税制度についてのお尋ねです。
制度開始の初日である四月二日から寄付が寄せられております。昨日までですが、十二人の方から、二十七万五千円が納付されております。また、六月七日に約六万二千人に発送いたしました特別区民税・都民税納税通知書に、港区版ふるさと納税制度を周知するチラシを同封いたしましたが、その翌日から多数の問い合わせをいただいております。こうしたことから、制度に対する区民の関心は高いものと思われます。今後、区の取り組みをより一層応援していただけるよう、納入手続の利便性を向上するなど、制度の充実に取り組んでまいります。
次に、来年に向けた準備対応についてのお尋ねです。
まず、国家的・国際的行事への取り組みについてです。来年五月の新元号への対応、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会や東京二〇二〇大会の開催など、区民生活に大きな影響を及ぼす国家的・国際的行事については、これまでも課題を迅速かつ的確に抽出し、元号を切りかえるための各業務システムの改修経費を平成三十年度予算に計上するなど、各部門が課題を共有し、解決に向け取り組んできました。区は、今後も、常に国や東京都の動向を注視し、早い段階での課題の把握に努め、関係機関と連携し、区民生活に混乱が生じないよう対策を円滑に進めてまいります。
次に、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会に向けた庁内の推進体制についてのお尋ねです。ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会に向けて、今月十七日日曜日に、秩父宮ラグビー場で開催する秩父宮みなとラグビーまつり二〇一八では、区と教育委員会が共催として実行委員会に参画しており、全庁を挙げてイベント成功に向けた取り組みを支援しております。今後も、東京二〇二〇大会同様、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会の開催を好機と捉え、全庁が一丸となって区の施策を一層推進するとともに、気運醸成やレガシーの創出に取り組んでまいります。
最後に、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会及び東京二〇二〇大会に向けた準備状況等についてのお尋ねです。区は、両大会の開催に向け、町会・自治会や商店街などが行う取り組みを支援する港区「東京二〇二〇応援プログラム」推進事業、地域と企業が連携して開催する秩父宮みなとラグビーまつり二〇一八など、区民とともに全庁を挙げて大会の気運醸成に取り組んでいます。今後は、区民が両大会に参画し、協働できる機会を確保するため、区が育成するボランティアの活用を東京都や組織委員会に働きかけるなど、大会のレガシーとして区民のボランティア意欲の向上を実現してまいります。
よろしくご理解のほどお願いいたします。
教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。
〔教育長(青木康平君)登壇〕
○教育長(青木康平君) ただいまの
自民党議員団を代表しての黒崎ゆういち議員のご質問に順次お答えいたします。
最初に、MINATOシティハーフマラソン二〇一八への子どもたちの参画についてのお尋ねです。
区立学校では、これまでもオリンピック・パラリンピック教育の一環として、社会貢献活動やボランティアなどを実施しております。例えば、お台場学園ではトライアスロン競技の会場となる海辺のクリーンアップに取り組むなど、ボランティアマインドの醸成を図っております。MINATOシティハーフマラソン二〇一八においては、区立中学校の生徒が大学生や高校生とともにボランティアとして参加し、給水や通訳など、大会を支える大切な役割を担ってもらえるよう、現在、各中学校に働きかけを行っております。こうした経験や機会を通じ、子どもたちに社会に貢献するという意欲や他者を思いやる心を醸成するとともに、スポーツにかかわりがない多くの子どもたちにも、スポーツのすばらしさを体感してもらい、スポーツへの興味・関心を高めてまいります。
次に、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会と東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会への取り組みについてのお尋ねです。
ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会につきましては、教育委員会として、公認キャンプ地に内定したことを契機に、区長部局とともに大会の組織委員会と連携し、ラグビーの普及啓発に向けた取り組みを進めております。今後、区有施設を提供するため、組織委員会と具体的な協議を行い、国内外のトップアスリートを迎い入れ、本大会がレガシーとして区民の心の中に残るすばらしい大会になるよう、準備を進めてまいります。
さらに、ラグビーを軸とする国際文化交流及び地域活性化イベントとして開催される秩父宮みなとラグビーまつりについては、実行委員会の一員として、昨年以上にスタジアムと地域が一体となり、ラグビーの普及啓発や気運醸成につながるイベントとなるよう、主体的に取り組んでまいります。
また、東京二〇二〇大会につきましては、イギリスオリンピック委員会と、お台場学園をスポーツ・サービス・センターとして提供する覚書を昨年締結し、本年十月を目途に、施設提供に関する協力内容を盛り込んだ契約を取り交わす予定です。これにあわせ、教育委員会として地域をはじめ関係機関と連携し、大会期間中の代表選手との交流や、イギリスの文化・歴史に触れる学習の場など、多くの区民が参加できる機会を創出してまいります。
教育委員会としては、ことし十二月二日に開催するMINATOシティハーフマラソン二〇一八でボランティアとして大会を支える子どもたちをはじめ、区民の誰もが、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会及び東京二〇二〇大会に「する」「みる」「支える」といったさまざまな形でかかわり、生涯にわたってスポーツに親しむことで、区民の健康や生きがいづくり、そして活力あるまちづくりにつながるよう取り組んでまいります。
次に、運動部活動の方向性についてのお尋ねです。
まず、運動部活動の抜本改革に関する緊急提言についてです。港区では、生徒数が増加傾向にあり、提言とは異なる状況にあるものの、
顧問教諭の異動や部員数の確保ができず、運動部の存続が困難なケースがあります。本提言は、学校体育の授業の充実はもとより、地域との連携・協働という視点を踏まえ、部活動を将来的にも持続可能にするものと捉えております。教育委員会では、提言等を参考にしながら、今年度、スポーツ科学を専門とする学識経験者、学校関係者、スポーツ推進委員等を中心に、部活動あり方検討会を設置し、多様な部活動の在り方について検討してまいります。
次に、港区における部活動の方向性についてのお尋ねです。部活動は、生徒の心身の成長や豊かな学校生活の実現に大きな役割を果たすなど、教育的意義の高い活動です。教育委員会では、今年度から、教員の負担軽減を図り、技術指導や生徒を引率するため、全中学校に地域人材を活用した部活動指導員を配置しております。今後、国及び東京都の部活動のあり方に関する方針を踏まえ、港区の子どもたちにとって望ましいスポーツ環境の整備や地域との連携等、区の実態に即した部活動の在り方を検討し、区独自のガイドラインを策定してまいります。
次に、児童・生徒数増加への対応についてのお尋ねです。
まず、児童・生徒数増加への対応方針についてです。教育委員会では、これまで各小・中学校周辺の開発動向等を踏まえた児童・生徒数、学級数の独自の将来予測を行い、その結果に基づき、学校の増改築や特別教室の普通教室への改修を港区基本計画に計上し、計画的に実施しております。今後も、品川駅周辺など、特に開発が活発化している学区域の開発状況を常に分析し、継続的な児童・生徒数等の増加が見込まれる学区域については、これまでの施設整備計画の見直しを含め、施設需要への対応を迅速かつ柔軟に進めてまいります。
最後に、対応方針の展開等についてのお尋ねです。教育委員会では、児童・生徒数増加への対応として、これまでも赤羽小学校近接の国・公有地の取得や、(仮称)芝浦第二小学校のみなとパーク芝浦用地の活用など、用地確保や必要な財政措置などについて、区長部局とともに取り組んでまいりました。今後も、全庁的視点に立って、区長部局とさらなる連携を図りながら、児童・生徒数増加による施設需要に着実に対応し、安全・安心で魅力ある、よりよい教育環境の実現に努めてまいります。
よろしくご理解のほどお願いいたします。
○議長(池田こうじ君) 次に、二十二番阿部浩子議員。
〔二十二番(阿部浩子君)登壇、拍手〕
○二十二番(阿部浩子君) 二〇一八年第二回港区議会定例会において、
みなと政策会議を代表して、区長並びに教育長に質問させていただきます。
質問に入る前に一言述べさせていただきます。昨日、シンガポールで初の米朝首脳会談が開催されました。会談終了後に共同声明に署名し、朝鮮半島の完全な非核化と北朝鮮の体制保証に取り組むことを明記しました。今後、具体的な内容について検討されるとのことですが、世界から核兵器、そして争いがなくなり、世界平和の構築につながることを願っています。
さて、国の動きを見てみると、今、国民は民主政治の根幹を揺るがす前代未聞の事態に直面しています。森友学園への国有地売却問題では決裁文書の大量改ざん、加計学園問題では、昨年に総理のご意向と書かれた文書が見つかり、「本件は、首相案件となっており」と記載された愛媛県の文書も出てきました。また、自衛隊の日報は隠蔽され、財務事務次官によるセクシュアルハラスメントも発生しました。しかし、これらの疑惑や事件に政府が真剣に取り組んでいる姿勢は見えてきません。これらの問題を放置することは、国権の最高機関である立法府を欺き、国民を侮辱する行為にほかなりません。私たちは、子どものときからうそをついてはいけない、家庭でも学校教育の現場でも、それは繰り返し指導されています。しかし、国の政治の中では当たり前にうそがつき通される、こんな政治に国民は怒ることを通り過ぎて、虚しさを感じているのではないでしょうか。
さて、一九九六年の母体保護法に改正されるまで、旧優生保護法のもとで、統計に残っているだけでも約一万六千人の障害者の方々が、国による強制不妊手術を受けさせられました。強制的な不妊手術は国際法上で人道に反する罪とされ、国際連合が強制不妊手術の被害者に補償するよう日本政府に勧告しても、当時は合法だったというのがこれまでの政府の見解で、今日に至るまで、被害者の救済には背を向けてきたという責任は重いと言わざるを得ません。一日も早い救済策を国として取り組んでいくべきです。
日々のニュースで報道される児童虐待、ことし三月に五歳の女児が父親による暴力で命を落としました。日常的に虐待を受けていた子ども、船戸結愛ちゃんのノートに残した反省文には、余りの悲しみに胸が締めつけられます。児童虐待の件数は過去最高を記録していますが、児童相談所の人員不足は改善していません。この社会から児童虐待をなくしたい。そのためには、児童相談所の機能強化、予算確保に私たちが目を向けていかなければなりません。いじめ、暴力をなくし、全ての人権・尊厳が守られる社会、そのためにはどのようにしていくのか、どのように守っていくのか、いま一度、私たちは大人としてしっかりと考えていかなければなりません。
誰もが自分らしく生きられる社会、基本的人権が尊重される社会を確実につくっていかなればならない。女性、子ども、障害者、社会的に弱い人たちが受ける人権侵害を日本から、また、港区からなくしていかなければならないと強く思っています。私は、この港区で命と暮らしを大切する政治をこれからも続けていく決意です。そして、区長、教育長にはその最大限の努力を求め、質問に入ります。
最初に、港区の財源確保と国による税制の見直しの影響について伺います。
国は、地方消費税の配分について、税源偏在是正という考え方により不合理な税制改正をしました。これにより、港区の地方消費税の交付金は、清算基準の見直しがされ、今年度は対前年比約二十億円の減額、消費税が一〇%とされている二〇一九年十月からさらなる影響が見込まれています。しかも、この交付金の減額は期限つきではなく、恒久的なものです。さらに総務省は、自治体間の税収格差を減らそうと、企業が納める法人税の一部について、大都市から地方に再分配する仕組みをさらに強化する検討に入りました。
総務省によると、人口一人あたりの地方税収入額を都道府県別に見ると、最多は東京都の二十三万六千円、最少の沖縄県では九万五千円で、東京都は二・四倍であり、特に企業が納める法人住民税と法人事業税の法人二税では、最少の奈良県と比べて六・一倍の税収の開きがあります。
国は、東京都などの都市と地方に税収の格差があることを理由に、二〇一四年度税制改正で、地方自治体の財源である企業等の法人住民税の一部を国税とし、これを地方の自治体間で分配する改正を行いました。二〇一九年十月の消費税一〇%増税段階では、さらにこれを拡大しようと有識者による議論を始め、秋までに報告書をまとめ、与党の税制改正に反映させたいという考えです。法人住民税は、企業等が地域で活動していくため、その地域の自治体に納める税であり、活発な企業活動を支える行政サービスなどの財源として活用すべきもので、明らかに地方自治の本旨に反するものです。
東京都はこの現状を踏まえ、東京と日本の成長を考える検討会を設置することを決めました。秋までに議論の取りまとめを行うとのことです。検討の視点としては、一、東京都が置かれた現状と都の財政状況、二、東京都と日本全体の発展に向けた投資、三、地方分権の推進とその基盤となる地方税のあり方の三点です。
区は、将来の長いスパンを描き、区民ニーズに対応できる財政運営をしていかなければなりません。そのためには、地方自治の鍵となる地方財源が将来にわたっても確保される必要があり、国の都合で区民の大切な財源がなくなることは絶対に許されません。区では、待機児童対策をはじめとした子育て支援対策、高齢化対策や首都直下地震に備えた防災対策、区民施設の維持更新など直ちに取り組まなければならない多くの課題があり、このような措置が継続されると、課題への対応ができなくなるばかりか、そのほか必要な行政サービスの提供にも支障を来すことになります。地方自治体が行うサービスに必要な財源は、自主財源として確保されるべきものです。地方税の国税化や収奪による再分配は地方税の根本原則をゆがめるものです。区長は、地方財政が直面する課題の本質的な解決、国から地方への税源移譲、地方の役割に見合った地方税財源の拡充についてどのようにお考えなのか、また、今後どのように行動していくのかお聞きします。
次に、ふるさと納税制度についてお聞きします。
住民税などの地方税は、自治体が提供する行政サービスの費用をその自治体の住民が負担し合う仕組みです。しかし、ふるさと納税を行うと、本来、皆で分かち合うはずの行政サービスの費用負担の一部を、ふるさと納税をした住民だけは負担しないことになります。特に、返礼品目的の高額所得者の寄付は税控除が大きく、高額所得者優遇の偏った制度でもあります。この結果、行政サービスの財源は大きく減ります。費用負担をしない住民が多くなれば、行政サービスの低下に直結します。このように、ふるさと納税は地方税制度の根幹にかかわる問題がありますが、一般的にお得な制度と捉えられているのが悲しい現実です。
区では、二〇一六年中に、区民が他の自治体に行った寄附金額は六十四億九千万円余、二〇一七年度の特別区民税からの税額控除は二十三億七千万円余で、二〇一七年中の寄附金額は約八十四億円、二〇一八年度の税額控除は約三十二億円となる見通しです。明らかに制度が始まってから年々増加しています。さらに二〇一七年中にふるさと納税をした区民は約二万五千人で、港区の人口の約一割の方々が他の自治体に寄附をしているという状況です。
そこで今年度は、港区民が他の自治体にふるさと納税を行い、税収を流失するのではなく、港区にもふるさと納税をしてもらおうと港区版ふるさと納税制度で寄付充当事業を決定し、広く寄付の呼びかけをしています。充当事業には三事業、一、台場の水質改善、二、二〇一九年十二月に開催される港区マラソン、三、運河に架かる橋のライトアップの三事業です。区は、インターネットふるさと納税サイトのふるさとチョイスも活用し、広く寄付を募集するとともに、クレジットカードの寄付も可能にしました。四月から寄付を募集し、六月十二日現在では、充当事業の三事業と区政全般を応援するも含めて合計で十二件、総額二十七万五千円の寄付が集まっています。一億円を目標としていますから、今後、寄付金は増えていくものと思っています。そこで、寄付が始まって二カ月たった状況、今後寄付を拡大していくために、区としてどのようなことをお考えなのかお聞きします。
次に、港区版ふるさと納税制度における寄付充当事業の拡大についてです。ふるさと納税は、各自治体の返礼品の中身が多くの話題になり、その返礼品をもらおうと寄附をする方が増えています。最近では、長野県小諸市がふるさと納税の返礼品に小諸市営墓地の永代埋葬権を加えたことが話題となっています。全国初ということで、開始から約三カ月で寄せられた問い合わせは約五十件、既に三件、四人分の寄附があったそうです。小諸市は、ふるさと納税で市に二十四万円寄附をすると、郊外にある市営高峯聖地公園の合葬墓の永代埋葬権が贈られるそうです。ここへの納骨はふるさと納税だけではなく、共同埋蔵方式だと、小諸市民が五万円、市外在住者は七万円で納骨できるそうです。各地方自治体は自分のところに寄附が増えるようにさまざまな知恵を持ち寄り、返礼品が話題になるよう取り組んでいます。
港区は、先ほど述べたとおり、今年度の寄付充当事業は三事業です。それは寄付充当事業の抽出における区の四つの考え方によるものです。私は、二〇一八年度予算特別委員会でも述べさせていただきましたが、今後、三事業だけではなく、真に支援を必要としている子どもたち、特に子どもの貧困に特化した給付型奨学金制度など、子どもの未来応援に充当できる事業にも拡大していくべきだと考えています。ふるさと納税をしている一割の区民の方々が港区に寄付をしたい、また、他の自治体の方々が港区の施策を真に応援したいという寄付充当事業を拡大すべきです。区長のお考えをお聞きします。
現在、区の奨学金制度は、高校、大学と貸し付けを受けると、大学卒業後には六百万円近くの借金を背負って社会に出ることになります。区の奨学資金から借りているので、借金を返さなければ奨学金は枯渇してしまい、将来、資金を必要とする子どもたちは借りることができません。私は、奨学金を借りて勉強をしたいと思って頑張っている子どもたち、このような子どもたちの未来のために、ふるさと納税制度を活用した給付型奨学金制度を創設していかなければ、区が取り組んでいる未来応援は、真の未来応援につながらないのではないかと危惧しています。国の奨学金制度、東京都の奨学金制度の今後を見極めてからではなく、港区として、子どもたちの教育をどのように考えていくのか、寄付金等を活用した給付型奨学金の創設を教育長は早急に決断すべきです。強く要望させていただきます。
次に、港区の人口推計に伴う施設の整備についてです。
区の人口推計は、八年前の二〇〇九年から始まり、この推計は施設整備等の計画に反映されています。ほかの自治体は人口減少が明らかになっています。全国では、二〇一七年の出生数は九十四万六千六十人で、統計が存在している一八九九年以降最少となりました。一方、二〇一六年の港区の合計特殊出生率は一・四五、国の合計特殊出生率一・四四より高くなっています。港区は、推計されている平成四十一年まで引き続き人口が増え、ことし平成三十年一月一日の二十五万三千六百三十九人から平成四十一年一月一日には三十一万八千九百十四人、平成三十年比で一二五・七%と増加していきます。年少人口を含めた全ての世代で人口増になります。
区として、人口が増えていくことは喜ばしいことですが、人口が増えるに従い、さらなるハード部分の整備が必要です。港区基本計画は三年後までの計画ですが、今後もっと長いスパンでの施設整備を考えていかなければなりません。年少人口の増加による保育園や幼稚園の子育て施設、学校の整備、また高齢者は特別養護老人ホームなど介護が必要な高齢者施設の整備、障害者のためにはさらなる障害者施設など、さまざまな視点から長いスパンでの施設整備計画が必要です。現在のところ区長は、この人口増加についてはいつごろがピークになるのか、また、長いスパンにおいての施設整備計画はどのようにお考えなのかお聞きします。
次に、LGBT施策についてです。
最近では、勝間和代さんが同性との交際を発表し、注目を浴びています。また、中野区ではことし八月にパートナーシップ制度の導入をすることになりました。LGBTについては、港区議会に同性カップルのパートナーシップ公的認証に関する請願が提出され、採択されました。区民の方々の思いが港区議会にも届いたことになります。
区は、平成二十九年度性的マイノリティの方々への支援に関する調査をインターネットアンケートを活用し、平成三十年二月十六日から平成三十年三月二日までの十五日間にわたり、十八歳以上で二十三区在住の性的マイノリティの方々を対象として四百件の調査結果をことし三月にまとめました。
このアンケート結果によると、当事者回答者は、二十代が二六%で最も多く、続いて四十代が二五・五%となっており、職業は、会社員、団体職員、公務員が四六・〇%、いわゆる雇用されている方々が半数です。住んでいる区は、新宿区二〇%に続き、港区が一二・五%となっています。出生時、戸籍上の性別は女性が六一・三%です。
このアンケート結果から浮き彫りになったのは、これまでに性的少数者であるとカミングアウトした人数は、ゼロ人が五六・〇%です。そして、注目すべき点が、今までほかのアンケート結果と同様、生活面での困難について経験したことがあるものにおいては、自殺願望二二・〇%、DV被害一二・三%。今までに感じた困難や不安の自由回答では、差別や偏見について、回答数が多くなっています。まだまだLGBTに対する差別があり、理解されるまでには至っていない状況なのではないでしょうか。今回の勝間和代さんのような有名人であり、子どもがいる方が改めてカミングアウトされたことは、社会でもLGBTへの理解が深まるのではないでしょうか。アンケートの中で、パートナーの有無については、全体で四四・五%の方がいると回答しており、港区在住者はその中でも六四・〇%です。現在、同居していない方でも今後同居を考えている人が五二・九%となっています。そして、地域で暮らす上でセクシュアリティに由来して困ったことは、一、医療や福祉で法律上の家族と同等のサービスや扱いを受けられないこと、二、遺族年金で扶養控除など家族を対象としたサービスを受けられないこと、三、民間の賃貸住宅や公共住宅に家族と住む際の困難さが挙げられています。
アンケートの設問のうち、居住の自治体でパートナーシップ宣誓制度がある場合の宣誓意向では、宣誓しようと思う人が二八・八%、思わないという人が七一・三%となっています。その中でも港区在住者の三四・〇%が思うとなっています。三割を超える方々の願いを行政としても重く受けとめて、一日も早く実現すべきです。そして、パートナーシップ宣誓について、思わない人が多いというのは、私はまだまだ人々の理解がないためだと思います。人々の理解があれば、多くの方々がカミングアウトするのではないでしょうか。偏見が多いというのが今の日本、また、港区の状況ではないでしょうか。アンケート結果から、パートナーシップ宣誓制度の活用手段として期待することの多くは、家族とパートナーとして認められたいが六三・五%、医療や福祉で、法律上の夫婦・家族と同等のサービスを受けたいが四二・六%など、法律婚のカップルが受けている扱い、サービスについて求めているものがほとんどです。
東京都は二〇一八年九月の第三回定例会で、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市として、多様性の尊重を掲げる五輪憲章の理念を実現することを目的とし、LGBTの差別を禁止する条例を提案するそうです。港区は、区議会の同性カップルのパートナーシップ公的認証に関する請願採択を受け、インターネットアンケート調査結果の三割の方々の思いや、まだまだマイノリティで苦しんでいる方々を、区として真摯に受けとめ、同性パートナーシップ宣誓制度の導入を今こそ進めていくべきと考えますが、区長のお考えをお聞きします。
次に、受動喫煙対策についてお聞きします。
東京都は、二〇一八年六月十二日から始まった第二回定例会で東京都受動喫煙防止条例を提案しました。この条例は、従業員を雇っている飲食店は面積にかかわらず原則店内禁煙とし、違反者には五万円以下の過料を徴収する罰則つきのものであり、国の健康増進法改正法案より厳しいものとされています。都内の約八四%が対象になります。この条例が可決すれば、港区の飲食店も対象になります。
二〇一八年五月十五日に東京都知事は二十三区の区長と会い、協力を求めたとされています。その際、違反があれば区の保健所が確認するにあたって、保健所の対応等の質問、丁寧な説明や業務増への支援を求める注文が相次いだと報道されています。また、喫茶店やそば店など七つの組合の理事長らは、売り上げが減り、廃業の危惧などから骨子案の再考を要望したとのことです。
受動喫煙がなくなることは、都民の健康を考えた上でも必要だと思いますが、東京都受動喫煙防止条例施行にあたっては、周知または飲食店への支援が必要と考えます。港区の中小企業景況調査自由意見にもあるとおり、東京都受動喫煙防止条例の施行によって飲食店の改装費等の支援がなければ廃業せざるを得ない事業者もいます。区として、条例可決後の飲食店の改装費等の支援について、どのようにお考えなのでしょうか。また、港区にはみなとタバコルールがあります。二〇二〇年までに東京都の条例施行を踏まえ、どのように考えていくのかお聞きします。
次に、中小企業の支援についてです。
内閣府は二〇一八年五月十六日に、二〇一八年一月から三月期の国内総生産GDPが二年三カ月ぶりにマイナスに転じたと公表しました。賃金の伸び悩み、個人消費は低調となっています。港区は二〇〇九年四月から一年に四回、港区の中小企業を対象に景況調査を行っています。ここでもやはり国と同じように二〇一八年一月から三月期は、飲食店、宿泊業の売上高DIが落ち込んでいます。
区の景況調査で毎回の課題は、人材不足、人材育成、販路拡大となっています。区としても、この三つを解決すべき課題として、新たな施策を打ち出していかなければなりません。今後、(仮称)港区立産業振興センターができ、港区の産業振興につながるかと思いますが、人材不足は全国的な課題です。
区は、二〇〇九年から五十五歳以上の働き方を応援するみなと・しごと55が開設され、求人情報はインターネットで見ることができます。そこで区としても、五十五歳未満の求人をインターネットで掲載するなど、求職している方々の目につきやすい方法を考えていかなければなりません。例えば、区のホームページの中に区内中小企業、商店街などの求人情報を掲載するなど、正社員だけではなく、アルバイトなどの求人情報も必要です。その求人情報をネットで見れば、どこでどのような人の求人があるのかわかるようになれば、求職している人も一括して調べられるのではないでしょうか。区のお考えをお聞きします。また、人材育成、販路拡大を解決していくために、今後も中小企業が活性化していくためのさらなる施策について、どのようにお考えなのかお聞きします。
次に、区民の声を行政に生かす仕組みについて伺います。
港区は、議事録を自動で作成するシステムにおいてAIの活用を始めたと報道されました。今後、人工知能AI、インターネットにさまざまなものがつながるIoTといった新たな技術は、私たちの生活に欠かせないものとなると思います。また、行政においても活用がさらに進んでいくと思います。
以前、千葉市のちば市民協働レポートについて取り上げました。「ちばレポ」とも呼ばれるこの仕組みは、スマートフォンアプリを通じて、道路が傷んでいる、公園の遊具が壊れているといった市が管理する施設における修繕や補修などについて、市民が気づいたことをスマートフォンのGPSを活用して写真で送るというものです。二〇一三年から続いているこの「ちばレポ」は、地域の課題を行政と市民とで情報共有するものです。現在では、サポーターもおり、市民協働で市を守るという活動につながっています。
日頃から区議会議員として、区民の方々からさまざまな情報が寄せられますが、それを私たちは区に伝えることで施設の修繕が行われたり、課題の解決につながっています。区も並行して、直接、区民の声が寄せられることもあるかと思います。このちばレポのアプリを活用すると、二十四時間いつでも区民からの声が寄せられるとともに、今どこに不具合があるのか、また、どこで手を必要としているのかがわかるようになります。これらの情報をICTにより蓄積していけば、設備の交換時期や公園などの施設で起こっていることの事例から、さらにさまざまな課題が見えてくる可能性があるのではないでしょうか。
また、「ちばレポ」では、寄せられた情報は「受付中」、「対応済み」などに分けられ、アプリを通じて誰もが確認できる仕組みになっています。総合支所では寄せられた声を地域の課題として解決してくれていますが、二十四時間三百六十五日対応できるものではありません。また、区の職員だけが情報をつかんでいるのではなく、地域での情報共有の仕組みも必要ではないでしょうか。このように多くの区民の方の声を集め、リアルタイムで情報を共有し、区民の方の声を生かした、協働により解決につなげていくちばレポのような仕組みについて、改めて区においても取り組んでいくべきと考えますが、区のお考えをお聞きします。
次に、防災についてお聞きします。
初めに、防災士の活用についてです。二〇一八年四月一日、二日と特定非営利活動法人日本防災士会地方議員連絡会が主催する研修会に参加し、東日本大震災で津波被害が大きかった仙台空港、東松島などを視察し、復興の歩みについて学んできました。今でも被害の爪跡が残っており、多くの方々が犠牲になった東日本大震災の復興は、まだまだ終わっていないと実感しました。港区にも近い将来、首都直下地震や南海トラフ巨大地震が起こる可能性が高いとされています。
先日、土木学会が公表した推計によると、南海トラフ巨大地震が発生すると二十年に及ぶ経済的被害が千四百十兆円に上る、首都直下地震では二十年間で七百七十八兆円の被害が及ぶそうです。これは十五年以内に堤防や道路を強化する有効な対策を進めれば、南海トラフ地震で五百九兆円、首都直下地震で二百四十七兆円の損害を防ぐことができるとされています。
港区では港区防災対策基本条例を制定したり、また、港区地域防災計画を修正したり、震災復興基金を積み立てたり、近い将来に起こるとされている災害に備えています。港区基本計画では、地域防災を担う人材の育成として、区の防災士を現在の五百九十八人から、二〇二〇年度末まで千人に拡大するとされています。区が防災士の資格取得に受講費の助成をし、また、区独自で育成した防災士が現在五百九十八人います。しかし、その方々が各地域防災協議会などで防災士としてどれだけ周知されているのでしょうか。学校単位の地域防災協議会で災害に備えた防災訓練等には防災士も一緒になって活動し、災害に備えていくべきです。そのために区が積極的に防災士を把握し、各地域防災協議会などへつなげていく必要があるのではないでしょうか。防災士の地域での積極的な活動の支援について、区のお考えをお聞きします。
次に、かまどベンチの活用です。現在、港区の公園や児童遊園には、災害時のためにかまどベンチが六十基設置されています。一つ三十万円もすると聞いています。このかまどベンチは、災害が発生した場合、職員が組み立てて使用するため、現在は、いたずら防止などで鍵をかけて厳重に管理しています。災害が発生して七十二時間は備蓄などの物資で食料を賄うとされています。そのため災害が発生してしばらくたって落ち着いてから、避難している方々のためにかまどベンチを活用して食事を提供していくことになると思います。しかし、区の職員だけがかまどベンチの使用方法を知っているのではなく、災害に備えるならば、各防災協議会主催の防災訓練等にも活用し、使用方法をお互いに確認していく必要があると考えます。
マンホールトイレの設置については、防災訓練で参加者が組み立て、誰もが設置できるように訓練しています。かまどベンチも災害時だけ活用するのではなく、防災訓練で使い方を確認し、かまどベンチを使って豚汁をつくったり、食事をつくったり、災害時の訓練をしていくべきではないでしょうか。区長のお考えをお聞きします。
災害が起こっても、かまどベンチが使用できない。使用するまで時間がかかるというのではなく、日頃から使用方法を確認すべきです。まずは、防災訓練から始めてみて、その後は区で管理方法を決め、年に数回でも区民がかまどベンチの利用ができるようにするなど、今後、かまどベンチを活用する場の拡大につなげていく必要があります。町会単位、学校単位、青少年の活動、さまざまな地域での活用ができるのではないでしょうか。区のお考えをお聞きします。
次に、建築物の耐震化についてです。災害に強いまちづくりとして、港区は建築物の耐震化の促進に向けた指導・誘導及び啓発を行ってきました。港区基本計画では、二〇二〇年までに木造住宅耐震改修工事を新たに三十一件、非木造耐震改修工事を六十四件と目標を掲げています。港区の約九割を占める集合住宅について、二〇一六年港区分譲マンション実態調査によると、港区分譲マンション千六百六棟のうち、回収数九百三十六棟、その中の三八・一%は一九八一年五月三十一日以前に着手した旧耐震基準のマンションと考えられます。
港区はマンションの耐震化について、建て替え、改修支援コンサルタントを派遣、耐震化の誘導を図っています。しかし、現在、建て替えをしようとしても、建て替えにはさまざまな問題点があります。区分所有者の費用負担が困難、区分所有者の合意が困難、法制限で希望どおり建てられない、工事中の仮住居が困難等です。これらの建て替えを検討しても建て替えが困難なマンションの耐震化について、区としてどのようにお考えなのか、また、支援策についてお聞きします。
次に、保育の質と保育ニーズについて伺います。
二〇一七年十月の決算特別委員会において、保育の質の確保について区長に質問しました。区立保育園の人気はいまだに高く、それは園庭があるだけではなく、保育士の経験年数が長いということです。港区の認可保育園、小規模保育事業者及び港区保育室の保育士の勤続年数等の調査によると、港区職員で運営されている区立保育園は十三・九年が平均の勤続年数です。また、従来から社会福祉法人が運営している三園も区立保育園の平均勤続年数に近いです。一方、区立を除いた四十八園では、平均勤続年数が五年以内の保育園が二十園あり、一番低いところでは平均勤続年数がたったの一・三年です。言葉で伝えることができない乳児は、顔の表情を見て子どもの欲求を見極めなければなりません。家庭で言ったら子育て経験一年三カ月は、まだまだ新米のママです。私立認可保育園の誘致を今後も進めていく上で、これからも質の課題は出てくるのではないでしょうか。
区では、二〇一八年度から保育担当において、区立保育園で園長として勤務していた職員が、私立保育園などの巡回業務にあたっています。三人で港区の全私立保育園を巡回し、指導を行っています。ベテラン保育士が港区の各保育園を巡回し指導していくことは、保育の質の向上につながる第一歩だと思っています。今後、将来的にこれからも増えていく私立保育園等の質の確保として、指導的役割ができるベテラン保育士のさらなる配置が必要です。区のお考えをお聞きします。また、まだ始まって間もない状況ですが、保育の質の課題をどのように受けとめているのか、そして、現在までの改善点などについてお聞きします。
待機児童の解消は、今後も進めていかなければならない課題です。それと同様、保育園で生活している子どもたちにとって、より安全で安心できる保育の場、保育の質が、どの園に入っても満足できる状態となるよう区として責任を持って進めていかなければなりません。
次に、保育園待機児童の解消についてです。冒頭に述べた人口推計では、平成四十一年一月一日には三十一万八千九百十四人、平成三十年比で一二五・七%と増加していきます。年少人口も出生数も増えていくと予測されています。二〇一八年四月一日現在、保育園の待機児童数は三年ぶりに二桁、八十九名になりました。しかしながら、区が保育園の待機児童対策を進めていっても、待機児童ゼロになることはほぼ困難のように見られます。港区基本計画には、二〇二〇年度までに保育園の定員を千六百十一人拡大し、二〇一七年度は、七千二百七十九人から八千八百九十人にすると事業計上されています。
国は、二〇一九年十月からの消費税引き上げに伴い、三歳から五歳までの幼児教育・保育の無償化を進めるとし、ゼロ歳から二歳児は住民税非課税世帯に限り月四万二千円を上限に補助、認可外保育施設は月三万七千円を上限に補助することを政府として決定したとされています。国が無償化を進める二〇一九年には、さらに保育ニーズが高まると予測されます。その受け皿を区としてどのようにお考えなのか。また、人口増が予測されている現状を踏まえ、現基本計画の計上それ以降について、保育園の定数のさらなる拡大について、どのようにお考えになっているのかお聞きします。
今後も保育園の整備は喫緊の重要課題でもあり、あわせて区民ニーズの高い一時預かり、病児保育、みなと保育サポート事業、派遣型一時保育事業、育児サポート子むすび等の事業についても拡大していくべきです。ことし開設されたあっぴぃ赤坂、あっぴぃ白金台の一時保育では予約をとりたくてもいっぱいで、なかなか予約がとれないという声を聞いています。出生数が増加していくことは、こういった区民の保育ニーズにしっかりと応えていく必要があります。港区基本計画後期以降のさまざまな保育ニーズの受け皿の整備を計画的に進めていくための区長のお考えをお聞きします。
次に、男女平等施策について伺います。
国では、二〇一八年五月十六日の参議院の本会議で、政治分野の男女共同参画推進法が全会一致で可決されました。この法案は、国政や地方議会選挙で候補者を男女均等にするよう政党に促すものであり、努力義務です。日本の現状は、衆議院では女性議員の比率が一〇・一%と世界百九十三カ国中、百五十八番目です。まだまだとても低い状況です。政策決定の場に女性が少ないという実態は、女性の視点が盛り込まれにくい結果につながっています。
戦後一九四五年に女性が選挙で投票できる参政権獲得から七十三年、一九八六年の男女雇用機会均等法から三十二年の時がたちました。おくれていた政治分野がようやく一歩進んだことにより、全ての分野で男女平等が進んでいくことを願っています。男女平等参画条例を持つ港区は、管理職の男女比では女性が一七・〇%です。とても低い状況ではないでしょうか。区として、女性の管理職の割合について、区長はどのようにお考えなのか。また、今後、女性の管理職をどのように増やしていくのかお聞きします。また、審議会等委員の女性も全体の三五・〇%と低い状況です。第三次港区男女平等参画行動計画にも盛り込まれていますが、審議会等委員には男女比が同等となるよう女性の登用をしていき、女性の視点で意見を反映させていかなければなりません。区として、この状況をどのように改善していくのかお聞きします。
女性の割合を増やすことにより、さまざまな経験に基づいた意見、女性の視点が区の施策に盛り込まれることになると思っています。あらゆる場で男女平等が拡大していくことを望んでいます。
次に、羽田空港の飛行ルートの変更、つまり首都圏空港機能強化について伺います。
ことし一月に安倍首相は、成田・羽田空港の容量を世界最高水準の百万回までに拡大すると施政方針演説で表明いたしました。成田空港は第三滑走路を新たに建設し、二〇二〇年には羽田空港の飛行ルートの変更により、都心の上空を飛行させて増便をしていくというものです。現在の成田・羽田空港を合わせて年間七十五万回を、二〇二〇年には八十三万回まで、そして成田空港の第三滑走路ができてからは百万回にするという計画です。羽田空港の飛行ルート変更には見直しも含めて反対する請願が区民の方から提出され、現在、港区議会では継続審査となっています。また、今回の第二回定例会でも計画の見直しを求める請願が提出されました。
この問題について、私は早くから区民への危険性と騒音の問題を取り上げてきました。南風時には港区の上空、品川駅では四百五十メートルを通って着陸していくのです。昼間人口が百万人の都心港区、人口密集地の港区で、落下物も含めた事故が起きたら大惨事につながってしまうことが危惧する理由です。
昨年からことしにかけても、関西空港を飛び立ったKLMオランダ航空機のパネル落下がありました。沖縄では普天間基地に隣接する小学校の校庭にヘリの窓が落下しました。また、二〇一八年五月二十四日には熊本空港を離陸した飛行機から熊本県益城町の十カ所に機体の部品が落下しました。国は二〇一八年三月に落下物対策総合パッケージをまとめ、今後、各航空会社に周知していくということですが、それだけで飛行機からの落下物がなくなることになるのでしょうか。
そこで、港区の上空を飛行機が通って落下物が生じる場合の危険性について、区長はどのようにお考えになっているのかお聞きします。
羽田空港の問題を考えるとき、私は、福島第一原発の放射能漏れの事故を思い出します。原発は安全なエネルギーと推進されてきた日本で、東日本大震災であっけなく津波によって放射能漏れの事故が起こってしまいました。そのために今も福島第一原発周辺に住んでいた方々は自宅に戻れない生活が続いています。戻れないだけではなく、二度と住むことができないのです。安全なエネルギーが人をも破壊してしまうエネルギーに、町を壊してしまうエネルギーに変わってしまいました。落下物対策ができれば、安心というわけにはいきません。確かに、羽田空港に離着陸が増えることによって観光客も増え、経済効果もあると思います。しかし、落下事故が起こった場合、経済効果より、もっと失うものが大きいのではないでしょうか。
港区には二十三区唯一の米軍施設があります。港区と港区議会は、米軍ヘリポート基地の撤去要請を毎年行っています。ヘリポート基地の撤去要請の理由は、ヘリコプターの離発着に伴う騒音、臭気の問題、そして事故発生への不安です。区と区議会は区民の安全安心を守るため、早期撤去を毎年要請しています。
そこで、区民の安全安心について取り組んでいる区長に、二〇二〇年に向けた羽田空港の首都圏空港の機能強化について、どのようにお考えなのかお聞きします。
次に、高齢者の運転による交通事故について伺います。
高齢者が車の運転中に事故を起こす事件が連日報道されています。操作や判断を間違えて起こる事故です。統計によると、全国の交通事故で六十五歳以上の運転者が、事故の過失割合が大きい第一当事者となった比率は、二〇一七年二一・三%に達し、二〇〇八年の一四・七%から七・二ポイントの増となりました。国は二〇〇九年から、七十五歳以上が免許更新する際には認知機能検査を導入、二〇一七年からは、さらに信号無視などの十八種類の違反行為をした七十五歳以上には臨時機能検査を導入しました。二〇一八年五月二十八日に神奈川県茅ヶ崎市で起こった九十歳の女性が四人を運転で死傷させた事件では、免許更新の際には認知機能検査を受け、問題がなかったとされています。先日、六月十一日にも福井市で七十五歳の女性が運転する車が、小学生の集団登校中の列に突っ込む事故が起きました。高齢者の事故をなくすために自動車免許証更新の際に、新たに年齢制限を設けるのかどうかは国の課題でありますが、区としても、区内の高齢者の運転による事故を防止していく観点からも、高齢者の免許証の自主返納に積極的に取り組んでいかなければなりません。
平成二十一年度から二十三年度まで、自動車免許証を自主返納した高齢者には五千円の区内共通商品券が配付されました。この事業を用いて、返納した高齢者は九百六十七人です。この事業は三年間で終わっていますが、区として、高齢者の方々が免許を返納したくなるような事業が必要です。二〇一八年度は自主返納の推進として九十万円の予算が計上されています。予算内訳は、チラシを作成、講演会を行う事業です。もっと積極的に高齢者が免許を自主返納したくなる事業が必要ではないでしょうか。区内共通商品券配付の復活や運転免許証を返納したかわりに記念に残るイベント、例えば大平台みなと荘を一泊二名ご招待など、検討してみる必要があると考えます。大平台みなと荘は、六十五歳以上の区民が利用する場合、年度内二泊まで一泊三千円で利用できますが、一泊ご招待すると、生涯の記念に残る思い出になるのではないでしょうか。または商品券の配付か宿泊か、どちらか選択できるというのも楽しいのではないでしょうか。高齢者の運転による事故を防止していくために、今後の区としてのお考えをお聞きします。
次に、がん対策について伺います。
ことし四月、港区立がん在宅緩和ケア支援センター「ういケアみなと」がオープンしました。港区立がん在宅緩和ケアセンターは、がん患者とその家族が住み慣れた地域で、可能な限り質の高い生活が送られるよう支援すること、がん患者と家族だけではなく、広く開かれた施設とすること、地域におけるがん診療連携拠点病院や医療機関等との連携及びニーズに応じて、区の保健福祉サービスへ迅速につなげることができるなど、自治体の強みを生かした新たな在宅緩和ケアを推進するとされています。まさに港区のがん患者への支援強化のための施設だと実感しています。
二〇一八年五月二十九日に国立がん研究センターは、十五歳から二十九歳の思春期・若年世代でがんと診断される人の数は、年間二万四千百人と推計結果を発表しました。患者数の多いがんは、十五歳から十九歳では白血病、二十代では精巣がん、卵巣がんなど、三十歳では乳がんです。日本人の二人に一人ががんに罹患、区民の約三人に一人ががんで亡くなっていること、一方では、医療の進歩によって生存率も高まっており、治療と並行して緩和ケアの重要性が高まっているとされています。また、生活習慣を改善することでがんを予防することができます。
今年度から港区は働き盛りの世代の健康を守る取り組みを充実し、検診の受診機会を拡大し、受診率向上に努めるとされ、十三億四千八百四十二万円の予算を計上しています。区が実施しているがん検診(大腸・胃・肺・咽頭・前立腺がん)の受診期間を、乳がん、子宮頸がんと同様、二カ月の延長をしました。受診率も二〇二〇年には胃がん、大腸がん、肺がんは四〇%に、子宮頸がん、乳がんは五〇%と目標を掲げています。私は、がん検診を定期的に受診している方より、全く受診していない方をどう検診に結びつけるかが重要なことだと思っています。就学や就職、結婚など働き盛りの世代は仕事なども多忙です。このような働き盛りの世代の方々をどう検診に結びつけていくのかが区の課題です。検診率を上げ、がんの早期発見、早期治療としていくために、区長はどのようにお考えでしょうか、お聞きします。
次に、港区立郷土歴史館について伺います。
いよいよことし十一月に港区郷土歴史館等複合施設ゆかしの杜がオープンします。建物自体が歴史的建造物であり、区民の方々が心待ちにしている事業の一つです。
昨年、区民文教常任委員会では、京都市学校歴史博物館、島根県立古代出雲歴史博物館を視察して、歴史資料の収集や保管・展示、運営について学んできました。
港区の郷土資料館には展示できないほどの資料が保管されており、港区立郷土歴史館の開設により、どのようなものが展示されていくのか期待されています。また、ここには学校歴史資料展示スペースも開設されます。港区では、現在まで統廃合、廃校になってしまった学校は、小学校で二十四校、中学校で十二校、幼稚園で十四園です。その中でも既に建物がなくなっている学校もあり、資料を展示することができない学校もあります。まずはこれらの貴重な学校資料を、新しくできる港区立郷土歴史館で展示する必要があるのではないでしょうか。港区立郷土歴史館の開設にあたり、学校歴史資料展示スペースでは、どのような展示をされるおつもりなのかお聞きします。
二〇一八年三月三十一日には、港区郷土歴史館等複合施設ゆかしの杜の落成式が開催されました。十一月の港区立郷土歴史館の開館時にはオープニングイベントを企画してほしいと思います。オープニングイベントでは多くの方々に港区立郷土歴史館の魅力を知ってもらい、地域の方々や近隣の子どもたちなど、幅広い年代の方々にお祝いしていただけるイベントを企画し、港区立郷土歴史館の魅力を広く発信してほしいと思います。十一月の開設を心待ちにし、要望とさせていただきます。
最後に、みなと図書館の整備についてお聞きします。
平成三十四年に三田図書館が札の辻で新しく開設されることが決まりました。港区にある五つの図書館のうち、現在、最も古い建物はみなと図書館になります。港区の中央館として人気の高い図書館であり、図書の収蔵も一番多い図書館です。しかし、港区立図書館サービス推進計画にもあるとおり、三田図書館が開設された際には、現行のみなと図書館から新三田図書館に中央館という機能が移ってしまいます。現行のみなと図書館は、ほかの四つの図書館と同様、地域の図書館となります。地域の図書館になるのであれば、地域特性に応じた魅力ある図書館として生まれ変わる必要があるのではないでしょうか。
東京プリンスホテルは、東京二〇二〇大会を見据えて大規模な改修をしました。老朽化が進んでいるみなと図書館は建て替えだけではなく、改修工事についても考えていくべきではないでしょうか。施設の安全安心という観点だけではなく、地域の特性に合った新しい設備や機能を備えた図書館に整備することで図書館の魅力も増し、多くの方々が利用しやすい図書館になっていくと思います。みなと図書館の整備について、教育長のお考えをお聞きいたします。
以上で質問は終わります。ご清聴いただきありがとうございました。
〔区長(武井雅昭君)登壇〕
○区長(武井雅昭君) ただいまの
みなと政策会議を代表しての阿部浩子議員のご質問に順次お答えいたします。
最初に、国による不合理な税制改正についてのお尋ねです。
地方財源の不足や地域間の税収等の格差は国の責任で調整すべきであり、全国各地域が、財源の取り合いをするのではなく自主的に住民サービスを提供し、自治体間の交流などにより共存・共栄することができる基盤を整備することが必要です。現在、特別区長会では、特別区が果たすべき役割や地方税制のあり方、ふるさと納税に対する制度改正等、特別区に必要な財源を確保し、また、全国自治体の税源の拡充について、国への要望を取りまとめております。今後も、特別区長会として一体となり、国に対して働きかけてまいります。
次に、港区版ふるさと納税制度についてのお尋ねです。
まず、事業開始から二カ月の状況及び今後の寄付の拡大についてです。制度開始の初日である四月二日から寄付が寄せられるとともに、六月七日に約六万二千人に発送した特別区民税・都民税納税通知書に、港区版ふるさと納税制度を周知するチラシを同封いたしましたが、翌日から多数の問い合わせをいただいております。今後、さらに多くの寄付をしていただけるよう、さまざまな機会を捉えて制度の周知を徹底するとともに、納入手続の利便性向上に取り組んでまいります。
次に、寄付充当事業の拡大についてのお尋ねです。区は、港区版ふるさと納税制度を通して、一人でも多くの方々に区政を応援していただき、寄付による活力ある地域共生社会の基盤づくりと寄付文化の醸成を目指しております。制度開始にあたっては、台場の水質改善に向けた取り組みをはじめとする三事業に加え、区政全般を応援することができる第四番目の選択肢を設定しており、応援メッセージとともに早速ご寄付をいただいております。今後、さらに多くの方々から共感され、応援をいただけるよう、ご提案の事業も含め、引き続き寄付充当事業について検討を進めてまいります。
次に、人口推計に基づく施設整備についてのお尋ねです。
まず、人口のピークについてです。区は、平成二十七年度に港区まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、その中の港区の人口の将来展望において、平成七十二年までの将来人口を推計いたしました。人口のピークは、平成四十八年の三十万四千百六十六人と見込んでおります。その後は、推計最終年の平成七十二年まで緩やかな減少が続くと推計しております。
次に、長期的視点に立った施設整備についてのお尋ねです。港区人口ビジョンで示される人口増加に対応し、施設需要は高まることが想定されます。現在、区が所有しております施設は、約七十一万平方メートルですが、現在の財政規模において、区が保有し恒常的に維持管理できる施設総量の目安は八十万平方メートルと見込んでおります。新たな土地の取得も難しく、人口ピークまでの一時的な対応が迫られる状況下では、区が自ら整備する手法とあわせて、柔軟な施設整備を推進していく必要があります。このことから、時限的な事業展開も可能な民設民営手法や建物の賃貸借等の多様な整備手法を積極的に活用し、区民サービスの充実に努めてまいります。
次に、LGBT施策についてのお尋ねです。
区は、港区男女平等参画条例第三条で、「すべての人の人権を尊重し、性別による差別的取扱いの解消を図ること」を基本理念に掲げ、性的マイノリティを含む区民の誰もが互いに尊重し合い、偏見や差別をなくすための取り組みを推進しております。本年二月から三月にかけて実施した、性的マイノリティの方々への支援に関するインターネットアンケートの調査結果を生かすため、より専門的な助言を求めるために行う学識経験者による詳細な分析や、本年秋に予定しております人権に関する区民意識調査の結果を踏まえ、港区にふさわしい取り組みを検討してまいります。
次に、受動喫煙対策についてのお尋ねです。
まず、飲食店への支援についてです。区では、受動喫煙防止に取り組む飲食店等をみなとタバコ対策優良施設として登録し、登録店をガイドブック「港区煙(たばこ)のないレストラン」で紹介するなど、受動喫煙を防止する環境づくりを進めてまいりました。東京都受動喫煙防止条例案では、健康増進法改正案に上乗せして、従業員のいる飲食店での対策を強化する一方、飲食施設の喫煙室整備等への補助も実施される見込みです。今後も、国や東京都の動向を注視するとともに、区内事業者や飲食店等の受動喫煙防止への取り組みを支援してまいります。
次に、みなとタバコルールの今後の取り組みについてのお尋ねです。東京都の条例で屋内での喫煙が規制された場合、屋外を対象としているみなとタバコルールについても、路上での喫煙や吸い殻のポイ捨ての増加、指定喫煙場所の混雑などの影響が及ぶ可能性もあります。区では、東京二〇二〇大会に向け、喫煙者の動向等を注視しながら、喫煙場所の整備や巡回指導を強化してまいります。また、区内事業者にルールを守っていただくみなとタバコルール宣言登録や、来街者にもわかりやすい啓発表示などの取り組みを通じて、ルールが浸透し、誰もが快適に過ごせる環境づくりに取り組んでまいります。
次に、中小企業の支援策についてのお尋ねです。
まず、区からの求人情報の発信についてです。区は、これまで区内中小企業の人材確保と就労支援を目的に、ハローワーク品川と連携し、就労セミナーや就職面接会を開催してまいりました。今後、これらに加えて、「MINATOあらかると」のトップページに、ハローワーク品川の求人情報検索のリンクを設定し、求職者が、これまで以上に求人情報にアクセスしやすいように発信してまいります。
次に、課題解決のための支援策についてのお尋ねです。これまで区は、人材育成の観点から、事業者が培ってきた技術を次世代に円滑に継承するための事業継承セミナーや、最新技術取得のための中小企業人材育成塾の開催など、さまざまな支援に取り組んでまいりました。また、販路拡大のため、産業見本市への出展の際の補助回数の拡大や海外出店する際の補助などの施策を拡充してまいりました。今後は、区内中小企業が抱える人材育成や販路拡大等の課題を解決し、さらなる活性化につながるよう、他自治体の成功事例を聞き取り調査するとともに、中小企業診断士が企業を巡回した際に伺った意見などを的確に捉え、中小企業振興施策の充実に努めてまいります。
次に、区民の声を行政に生かす仕組みについてのお尋ねです。
区では、各地区総合支所を中心に、職員がまちに出て、地域の課題を的確に把握し、区民をはじめ地域社会の担い手である多様な人々とともに、地域の課題を地域で解決する仕組みを構築してまいりました。また、多くの方から簡易・迅速な手段で、二十四時間いつでもご意見をお寄せいただける広聴メールなどを用意し、速やかな対応に努めるとともに、いただいたご意見等については区の対応や考え方とあわせて、原則として、全件、港区ホームページで公開しております。今後、「ちばレポ」を含め、ICTを活用した広聴手法の拡大に向け検討してまいります。
次に、防災についてのお尋ねです。
まず、防災士の活用についてです。区は、平成二十七年度から、防災士を対象として、地域防災協議会のメンバーも加わった研修会を実施しており、参加者からは、地域の防災活動に参加するきっかけとなったとのご意見をいただいております。また、総合防災訓練や、みなと区民まつりにおいては、防災士がブースを設け、区民や事業所の方々に向けて、日頃からの防災対策などの啓発活動を行っております。今後も、防災士の活動の場や地域防災協議会等との交流の機会を設けるとともに、地域の防災活動への積極的な参加を働きかけ、防災士の知見を生かした地域の防災力の向上を図ってまいります。
次に、かまどベンチの活用についてのお尋ねです。地域防災協議会や町会・自治会では、公園を利用した防災訓練等において、かまどベンチを使用し、アルファ米の炊き出しを行っております。今後も、地域防災協議会等による防災訓練の実施を支援していく中で、かまどベンチの活用を積極的に働きかけてまいります。
次に、地域でのかまどベンチの活用についてのお尋ねです。災害時に、身近な防災設備が有効に活用されるためには、日頃から、より多くの方々に設備を体験していただくことが大変重要です。地域における防災力のさらなる向上のため、防災訓練以外の町会や学校等が行うさまざまな地域行事等についても、かまどベンチを積極的に利用していただけるよう検討してまいります。
次に、建築物の耐震化についてのお尋ねです。区は、耐震化を推進する上で、建て替えが困難なマンションに対して、コンサルタントを派遣し、個々のマンションが抱える資金問題や合意形成など、専門的な立場から助言を行っております。また、耐震診断から補強設計、耐震改修工事までの一連の工程について助成制度を整備、拡充し、管理組合等の費用の負担軽減を図り、マンション耐震化の促進に取り組んでおります。昨年度に旧耐震基準の分譲マンションの耐震診断助成率を全額とするなど拡充を図り、今年度は、特定緊急輸送道路沿道建築物のマンションなどを対象に、助成限度額を大幅に拡大いたしました。今後も旧耐震基準マンションの耐震化への支援を推進し、区民の安全・安心な暮らしを支えてまいります。
次に、保育の質と保育ニーズについてのお尋ねです。
まず、私立保育園の質の確保についてです。区では、本年四月から、三名の区立保育園の園長経験者である保育士が、区内の私立認可保育園等約九十施設を定期的に訪問し、指導や助言をしております。園長経験者である保育士は、保護者対応や職員育成など、保育園運営全般についての相談や助言を重点的に行っております。区では、引き続き、私立認可保育園の誘致などに取り組んでおり、園長経験者である保育士の定期的な訪問の必要性は高まることから、増員につきましては、今年度の状況を踏まえ、今後検討してまいります。
次に、保育の質に関する改善点についてのお尋ねです。私立認可保育園等では、保育士の平均勤続年数が区立保育園と比較して短く、経験の浅い保育士が多いことが課題であると認識しております。このため、区立保育園の園長経験者が、保護者対応や職員の育成など、私立認保育園等の運営全般に関する助言等を行い、保育の質の向上を支援しております。さらに、公私立の認可保育園等を対象に、人材育成や事故防止などのさまざまな研修を実施するとともに、第三者評価の受審や公表を推進しております。今後も、私立認可保育園等における保育の質の向上に向け、総合的な支援を行ってまいります。
次に、保育定員のさらなる拡大についてのお尋ねです。今後も続く人口増加や、区がこれまで取り組んできた子育て支援策の効果などにより、保育需要はさらに増加していくものと考えております。区はこれまで、区有地や区有施設の活用、国公有地の情報収集、民間の土地・建物と保育運営事業者をつなぐマッチング事業、開発事業者に対する子育て支援施設の付置要請など、あらゆる手段により保育定員の拡大に取り組んでまいりました。今後も、常に保育需要の把握に努め、国や東京都、民間事業者などの理解と協力を得ながら、新しい手法も積極的に導入するなど、待機児童解消に向け全力で取り組んでまいります。
次に、多様な保育ニーズについてのお尋ねです。現行の子ども・子育て支援事業計画については、平成三十二年三月末をもって終了いたします。平成三十二年四月から五カ年計画となる次期計画の策定にあたって、今年度は、子育て世帯約三千件を対象に、保育ニーズの調査を実施いたします。一時保育や病児保育など、子育て支援についての意見や要望を幅広く伺い、次期計画に反映することで、保育ニーズの多様化に対応した、港区ならではの子ども・子育て支援施策の充実に取り組んでまいります。
次に、男女平等の推進についてのお尋ねです。
まず、女性管理職の登用拡大についてです。区は、平成二十八年三月に策定した港区職員のワーク・ライフ・バランス推進プランにおいて、平成三十二年度までに管理職に占める女性職員の割合を三〇%程度とする目標を掲げております。現在、女性管理職の割合は一七%にとどまっていますが、これまでに、キャリアアップと家庭との両立を実践してきた女性職員の活躍事例を紹介するとともに、本年三月には、昇任に対する不安を先輩の女性職員に相談できるキャリア・アドバイザー制度を設けるなどの取り組みを進めております。引き続き、女性職員の昇任意欲向上と管理職への登用拡大に向け取り組んでまいります。
次に、審議会等での女性の意見の反映についてのお尋ねです。区は、第三次港区男女平等参画行動計画で女性委員比率の最終目標を五〇%、平成三十三年四月時点では四〇%、平成三十年四月時点で三八%とする目標を掲げております。本年四月時点では、目標の三八%に対し、実績は三五%となっており、目標には達しませんでしたが、女性委員比率の向上のため、これまで一時保育の充実、会議開催日時の調整のほか、他団体に委員の派遣を依頼する場合には、特定の役職者にこだわらないといった配慮などを重ねてまいりました。引き続き、女性委員比率の向上に向けた効果的な方策を検討してまいります。
次に、羽田空港の機能強化についてのお尋ねです。
まず、落下物の危険性についてです。飛行機からの落下物は、大きな事故につながる危険性があることから、これらの事故はあってはならないと考えております。国は、国内及び日本に就航する全ての航空会社を対象に、新たに策定する落下物防止対策基準に基づき、落下物事故の未然防止対策を実施するとしております。今後も、区は、国に対し事故の未然防止の取り組みをより一層進めるとともに、区民の安全・安心や生活環境を守る対策などについて、丁寧な説明を尽くすよう改めて強く要請してまいります。
次に、区民の安全安心の観点から見た機能強化についてのお尋ねです。羽田空港の機能強化に関する計画については、国の責任において区民等に丁寧な説明を行い、十分な理解を得て、検討を進めるべきものと考えております。区民からは騒音や落下物等を不安に思う声も寄せられており、区は、区民の安全と生活環境を守る立場から、区民等へのきめ細かな情報提供を行うとともに、これらの不安の払拭に向け、安全・安心や生活環境を守る対策等について積極的に取り組むよう、引き続き国へ要請してまいります。
次に、高齢者の運転による交通事故についてのお尋ねです。
警視庁では、運転免許証の自主返納を推進するため、運転経歴証明書の提示により国内旅行の三%割引や飲食店の一〇%割引など、さまざまな特典を設けております。自主返納件数は年々増加傾向にあり、平成二十九年度は区内で五百二十二件となっております。区としては、より一層の自主返納を推進するため、警視庁の取り組みを広報みなとで周知しております。今後、ことし八月を目途に啓発用チラシを新たに作成し、いきいきプラザなどで配布するとともに、区内六警察署と連携し自主返納を啓発する講習会を開催するなど、高齢者の事故防止のための取り組みを進めてまいります。
最後に、がん対策についてのお尋ねです。
区は、検診期間の延長や土曜日などに受診できる医療機関を増やすなど、検診を受けやすい環境づくりを進めております。また、若年層のがん予防に対する意識を高めるため、現在行っている二十歳を対象とした子宮頸がんに関するリーフレットの送付や、成人式での健康手帳の配布等の普及啓発を充実してまいります。さらに、がん在宅緩和ケア支援センター「ういケアみなと」ではポータルサイトから広くがんに関する情報発信を行うとともに、若年層を含めたがん患者とその家族の支援に取り組んでまいります。
よろしくご理解のほどお願いいたします。
教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。
〔教育長(青木康平君)登壇〕
○教育長(青木康平君) ただいまの
みなと政策会議を代表しての阿部浩子議員のご質問に順次お答えいたします。
最初に、学校歴史資料についてのお尋ねです。
教育委員会では、これまで統廃合や廃校した区立学校の貴重な歴史資料を、統合後の学校や生涯学習センターのような、かつて学校であった施設にスペースを設け展示しております。区立郷土歴史館に設置する学校歴史資料の展示スペースでは、学校跡地等に場所を確保できない区立学校の歴史資料を、パネルなども用いて各校の変遷とともに展示する予定です。多くの区民に港区の歴史ある学校教育の歩みを紹介するとともに、各校の卒業生にも、母校や当時の様子を懐かしんでいただける場となるよう、展示内容を工夫してまいります。
最後に、みなと図書館の整備についてのお尋ねです。
みなと図書館は、昭和五十四年の開設以来、大規模改修等を実施していないため、施設の老朽化が進んでおります。そのことから、昨年度、建物の老朽化の状況を把握するため、建物の劣化度の調査を行いました。今後、この調査結果に基づき、改修や建て替え等の整備手法を検討するとともに、都立芝公園に立地した特性を生かし、例えば、公園を訪れる親子がそのまま図書館を利用し、楽しむことができる等、誰もが安全安心に利用しやすく、魅力ある図書館となるよう、その整備について検討してまいります。
よろしくご理解のほどお願いいたします。
○副議長(七戸じゅん君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。
午後三時十四分休憩
午後三時四十分再開
○議長(池田こうじ君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
一般質問を続けます。次に、十三番ちほぎみき子議員。
〔十三番(ちほぎみき子君)登壇、拍手〕
○十三番(ちほぎみき子君) 平成三十年第二回港区議会定例会にあたり、
公明党議員団を代表して、武井区長並びに青木教育長に質問いたします。
さて、質問に入る前に、最近起きている事柄について所感を申し述べます。
米朝首脳会談が昨日シンガポールで開催され、両国首脳が共同声明に署名しました。公明党の山口代表は記者会見で、北朝鮮の非核化については、国際社会の期待にまで直ちにたどり着かなかったが、国際社会はさらにバックアップして早急に具体化していくことが大切です。前進できるかどうかで、金正恩朝鮮労働党委員長の断固たる意思が本物であるかが明らかになる。また、拉致問題について、米朝首脳会談で第三国の課題を取り上げたことは異例である。この問題の重要性に鑑み提起されたということであり、当事者である日朝両国が首脳会談を行うきっかけがつくられた。日朝国交正常化につながるよう努力すべきであり、安倍晋三首相のリーダーシップに期待したいと述べました。今回の首脳会談の意義は、朝鮮半島の完全な非核化へ向け、交渉のテーブルに着いたことであり、今後は拉致問題の解決に向け、日本の交渉力が試される時期に差しかかると考えます。公明党は、今後も世界の平和実現と拉致被害者が一日も早く帰国できるよう取り組んでまいります。
さて、児童虐待による幼児の死亡事件が毎日のように報道されています。東京都目黒区のアパートで両親に虐待され死亡した船戸結愛ちゃん当時五歳は、平仮名の書き取り帳に反省文を残していました。「じぶんからきょうよりかもっともっとあしたはできるようにするから もうおねがいゆるしてゆるしてください」。どんな思いでこの反省文を書いていたのか、亡くなった幼児の姿に思いをめぐらすと切なく、何とかならなかったのかと考えざるを得ません。警察機関や児童相談所、自治体職員がかかわっていた中での死亡事件だけにやり切れない思いです。二度とこうした事件を繰り返さないことが、船戸結愛ちゃんや子どもたちに応えることになると考えます。
港区は、(仮称)子ども家庭総合支援センターの計画を進めています。
公明党議員団は、今後、この施設を中心とした地域の方々や関係団体と連携して、港区の子どもたちをしっかり守っていくことを誓い、質問に入ります。
初めに、新元号の改元に伴う区の取り組みについてお伺いいたします。
二〇一九年五月一日、新天皇即位に伴う新元号の改元に向け、政府は、関係省庁でつくる連絡会議において、新元号の公表時期を改元の一カ月前と想定し、各省庁の情報システム改修などの準備を進める方針を決めました。新元号の公表時期に関して、政府が一定のめどを示したのは今回初めてであり、これまで証明書などに昭和や平成などの和暦を記しているため、改修がおくれると西暦と和暦のシステムを接続する際に障害が起きる可能性が指摘されています。
例えば、税を納めても納税記録が残らなかったり、住民票を発行できなかったりする可能性が十分考えられるからであります。これは、これまで税金や年金、医療、社会保障などにかかわる行政システムが、昭和から平成に改元した当時に比べ、格段にコンピューターシステムを利用する仕組みが広がったこともあり、新元号に移行する際、国民生活に支障が生じるのをできるだけ避けるのが狙いとされています。このため、新元号の具体的な公表時期は、改元一カ月前の来年四月を目安に調整が進むと見込まれておりますが、今後、国内の混乱回避に万全を期すため、自治体や民間企業にも情報提供するなど、改元に伴うシステム改修などの準備を呼びかけていくものとされています。
現在、東京都では、総務局から各部局に公文書の元号切りかえに関する通知が出されており、都民の混乱を防ぐための配慮が必要なものは西暦併記が望ましいと要請。特に、許認可の期間を明示する文書などは西暦表記を求めています。こうした動きに、今後、都内の区市町村も東京都の扱いに倣うものと思われます。区では、今年度公表した後期三年間の港区基本計画では、計画期間内に平成から新元号に切りかわることを見込んで、新元号改元について、既に表記がなされています。
そこで質問は、来年の新元号への円滑な移行に向けて、国や東京都の情報収集に努めながら、本格的な準備と対応が進められていくものと思いますが、今後の区の取り組みについて、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、区の契約業務についてお伺いいたします。
総務常任委員会と災害時における応急業務に関する協定を締結している区内事業者団体との懇談会では、区の入札・契約制度について多くの要望がありました。最近の公共事業の入札結果を見ると、入札不調となり、入札をやり直す件数が増加しています。不調になることは、自治体の施策実現にそごが生じるおそれもあります。こうした事態を避けるため各自治体はさまざまな試みをしています。
港区では、平成二十七年には区内事業者の優遇策の拡充を図りました。具体的には、1)原則、区の入札は全て区内事業者限定で実施。2)区内に本店がある事業者の同時受注件数の上限を撤廃。3)特別簡易型総合評価制度方式では、防災協定締結等の評価点配分の見直し。4)区外事業者が代表企業として共同企業体を結成する場合、他の構成員は全て区内事業者とする。その他、発注した工事について、円滑で適正な施工の確保や受注者の資金調達の円滑化を図るため、必要な経費、工事の材料費、労務費等の使途に限り、前払い制度を開始しました。
区内事業者からは、こうした港区の取り組みを評価するものの、契約制度のさらなる見直しの要望が寄せられています。多くの企業がそろって要望しているのが、最低制限価額にかかわる制度改善であります。港区は、工事・製造などの請負契約では、事前公表している予定価格(上限)と非公表の最低制限価格(下限)を設けた上で、その範囲内の価額をもって、応札者のうちの、最低の価格を提示した者を落札者としています。しかし、最低制限価格は非公表のため、その価格より低い価格を提示すると失格となってしまいます。今定例会に議案提出される芝五丁目複合施設の電気工事の入札結果でわかるように、全ての事業者が最低制限価格以下で応札したため入札が不調となっています。さて、東京都では最低制限価格の公表はしませんが、算定式の公表は行っています。算定式を公表しても適正な入札は保たれるとの判断があるからと推測されます。
そこで質問は、最低制限価格の算定式を公表する是非はともあれ、入札制度について、最低制限価格以下で応札した場合における新たな仕組みづくりについて、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、災害時における応急業務に関する協定を締結している団体との連携についてお伺いいたします。
本年四月二十四日に総務常任委員会は、区内事業者団体との懇談会を開会しました。平成十八年度、平成二十五年度にも同様の懇談会を開会しており、今回で三回目となりました。参加された方々は、区内建設産業事業者並びに区有施設の保守管理を業務とする企業が所属する七団体と、区側は総務課長、
契約管財課長、防災課長がアドバイザーとして出席されています。前回の懇談会を開会してから四年以上が経過しており、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催やJRの新駅開業を控え、区内事業者を取り巻く環境が大きく変化しています。また、災害時における応急対策業務に関する協定の締結から長い期間がたっており、いざというときに区と事業者の役割分担や相互の連絡体制ができているのかなど、今後の課題も明らかになったと伺っています。団体からの意見として、防災協定の締結から長い期間を経ているので協定内容を新たに協議したい、災害時の応急対策業務の具体的目標を明確にして準備したい、団体の意義は社会貢献の一環であるが、港区ホームページで団体の設立意義や協定内容が確認できると、新たな会員を募ることができる、さらに団体間で横断的な交流が必要であるなどの提案がありました。港区と各団体が話し合う協議会を定期的に開催し、団体が行う応急対策業務内容や団体所属企業同士の緊急連絡網などの点検も重要です。また、懇談会に参加した七団体が一つの連合体として行動できるよう検討すべきと考えます。
そこで質問は、災害時における応急業務に関する協定を締結している団体とどのように連携していかれるのか、今後の取り組みについてお伺いいたします。
次に、台場地域における住民の生活環境の改善や訪問客の安全を最大限守っていくべき取り組みについてお伺いいたします。
お台場にまちができ、人が住み二十二年となりました。レインボーブリッジやお台場海浜公園は、日本を代表する観光地となり、地域住民にとっては子どもたちのふるさとであり、自分の家の庭のつもりで日常生活を過ごしています。お台場海浜公園は、東京都の新たな海上公園の活性化のため、平成十四年に公共性や安全性を重視するため規制を優先してきましたが、多様化する利用者ニーズに応えるべく利用優先へと方針を転換しました。現在は、数々のマリンスポーツの練習や大会、花火大会、お台場海水浴や東京ベイ・クリーンアップ大作戦などが開催されており、平成二十九年度では、イベント開催日が年間三百六十五日のうち百二十一日あったと伺っています。
また、お台場レインボーバスの運行などで交通の利便性も段階的に改善されており、臨海副都心における地域活性化やにぎわい創出を目的とする季節ごとの工夫が凝らされ、多くのイベントが開催されています。国内外から多くの人が観光地お台場に訪れるようになった近年、オートバイやマリカーなどの深夜に及ぶ騒音に、住民は毎日のように大変悩まされています。東京湾岸警察署や区には想像以上の苦情が寄せられていると伺っています。お台場地域を走るライダーは、暴走族というより単独行動が多く、SNSなどで呼びかけることがあるようです。違法改造や速度違反などをしていないオートバイでも、マンション街であるため、一台でも大反響しやすい状況です。お台場海浜公園駅前交番では、騒音が聞こえたらパトカーが出動するようにはなっていますが、夜間の交番勤務が一名体制のため、他の事件対応によっては緊急対応ができないこともあるようです。単独で走り去っていく、一見合法的なライダーを検挙することが非常に困難であるなどの課題があることがわかっています。
また、お台場海浜公園の無料の駐輪場では収容台数が少なく、休日には商業施設周辺の歩道にたくさんのバイクがあふれており、防災上にも問題があります。建物の地下に駐輪場を整備するなど、オートバイへの取り締まりと対策が必要と考えます。また、台場の住宅地域は道路が限られており迂回もできないため、連休中などは車が大渋滞し、事故が起こりやすく、住民の車が自宅にたどり着けないなどの事態も発生しています。今後は、パリ市との連携によるお台場海水浴の拡充や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会トライアスロン競技会場に決定しており、交通量や訪問客はますます増加すると考えられます。
そこで質問は、オートバイなどの騒音対策やお台場地域の安全なまちづくりに向け、東京湾岸警察署や東京都港湾局と連携をとり、住民の生活環境の改善や訪問客の安全を最大限守っていくべきと考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、食品ロス削減推進計画についてお伺いいたします。
食品ロス削減に向けた取り組みについて、我が会派はこれまでも一貫して、議会での提案も含め取り上げてまいりました。家庭や飲食店などでまだ食べられるのに捨てられる食品ロスは、世界では年間、食料生産量の三分の一にあたる約十三億トンに上っており、国の推計によると、日本でも年間約六百四十六万トンの食品ロスが発生しています。食品ロスは、環境問題とも密接に関係しており、今や国や自治体は、食品ロスの削減を国民運動として消費者や外食産業に広く呼びかけています。中でも一般家庭や企業から寄せられた食品で、生活困窮者の「食のセーフティネット」の構築を目指し積極的な活動が展開されています。
一方、区は、平成二十八年度から食べ残しを減らすために対応する飲食店を食べきり協力店として登録制度をスタートさせ、これまで商店会に加盟しているお店を中心に六十六店舗が加盟。また、平成二十九年度からは忘年会・新年会シーズンと歓送迎会シーズンの年二回を食べきり強化月間に設定するなど、食品ロス削減の動きが広がっています。さらに、教育現場では、児童・生徒に配布しているごみの削減の大切さを理解してもらうためのリーフレットに、今年度から新たに食品ロス削減についての内容が掲載されたことは高く評価いたします。
私ども公明党は、食品ロス削減への取り組みを強化するため、平成二十七年にプロジェクトチームを設け、関係団体からの聞き取りや調査活動を精力的に実施してまいりました。こうした現場の声をもとに、政府に対して提言を申し入れたほか、現在、食品ロス削減推進法案を議員立法として、その骨子案の取りまとめを進めているところです。具体的には、食品ロス問題について、国連の持続可能な開発目標、SDGsで食料廃棄の半減が定められていることを踏まえ、自治体や事業者、消費者が一体となって削減を推進するため基本方針を策定し、この方針をもとに都道府県と区市町村は削減推進計画を定め、対策を実施すること。また、消費者や事業者に対しては、食品ロス削減に向けた理解や関心を深める教育・学習振興に加え、知識の普及・啓発に取り組むことや、フードバンク活動への支援なども盛り込まれる内容となっています。
本年行われた予算特別委員会において、我が会派の質問に対して区は、「SDGsの削減目標を達成するために国が策定した実施指針や、東京都が検討中の食品ロス削減・東京方式等を踏まえながら、区としての具体的な取り組みの充実を図る中で、食品ロス削減目標について検討していく」と答弁されました。
そこで質問は、食品ロスの削減目標を達成するためには、区としての基本方針や削減推進計画を策定し、総合的かつ戦略的に進めていく必要があると考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。
次に、産後母子ケア事業についてお伺いいたします。
妊娠や出産で精神的に不安定になりがちな妊産婦の心のケアにつなげようと、昨年度、厚生労働省が妊産婦のメンタルヘルスに特化し、初めて全国規模のアンケート調査を実施しました。調査結果からは、自分の体のトラブル、十分な睡眠がとれない、妊娠・出産・育児による体の疲れや、孤独を感じる等の理由で、産後二週間未満の時期が最も不安であると報告がされています。
平成二十八年度の港区の妊産婦の特徴は、高齢出産が多いことです。初産が三十五歳以上の割合は約三八%、経産婦を含めると約四五%と高い割合にあります。こうした出産年齢の高齢化や核家族化、祖父母の高齢化などの理由から、出産後に家族などから十分な支援が受けられない家庭が多くあり、産後ケアが重要な課題であると考えます。区では、こんにちは赤ちゃん訪問事業や、電話並びに面談による助産師の相談窓口、産後デイケアサロン事業やうさちゃんくらぶ、産後一年未満の産婦のママの健康相談、そして昨年度からは産後ドゥーラを導入した産前産後家事・育児支援サービスが開始されました。こうしたきめ細かな切れ目のない支援をされていることについて高く評価をしております。
我が会派は、これまでも宿泊型の母子産後ケア事業に取り組むよう要望してまいりました。港区は、今年度から産後母子の生活環境の安定を支援するため、東京都済生会中央病院と中野区の松が丘助産院にご協力いただき、産後要支援母子ショートステイ事業を開始しています。
先日、
公明党議員団六人で東京都済生会中央病院産科で実施している産後ケア入院事業を視察してまいりました。地域の要望もあり、十年ぶりに産科が復活され、同時に産後ケア入院事業を開始されたと伺いました。分娩室、授乳サロン、産後ケア入院の個室、赤ちゃんを預ける部屋など、お母さんがゆったりと過ごせる環境整備が整っています。また、産科医師や助産師が踏み込めないメンタルケアでは、総合病院のバックグラウンドを生かして精神医療と連携しており、大変心強く感じました。
区が平成二十八年に実施したこんにちは赤ちゃん訪問事業でEPDS、エジンバラ産後うつ病質問票によれば、産後うつ病の疑いが高いとされた人は百五十六人と、問診者の六・五%を占めています。こうした状況を鑑みると、母子の産後ケアは喫緊の課題であります。今年度開始した産後要支援母子ショートステイ事業の対象者は、区内在住で特に支援を必要とする生後四カ月未満の乳児とその母親となっており、最長六泊七日までを限度とし、全額区の負担でサービスを受けることができる内容となっています。しかし、年間六件分しか予算化されておらず、産後ケアを望んでも自己負担額が高い理由で利用できないとの声が多く寄せられているそうです。産科医が必要と認めた場合は、母子が安心して利用できる制度設計に改める必要があると感じています。
そこで質問は、サービス提供者の拡大や、産後ケア専門の宿泊型の施設を区が整備するなど、積極的に検討していただきたいと考えますが、武井区長のお考えをお伺いいたします。
次に、待機児童対策についてお伺いいたします。
区は、平成二十九年四月に待機児童解消緊急対策として、保育定員千人の拡大を目標として、平成三十年四月までに五百七十七名の定員拡大を図ってきました。今年度の待機児童数は八十九名となっており、昨年度の百六十四名に比べると七十五名の減少となり、待機児童数は三年ぶりに減少しています。しかし、希望する全ての児童が入園できていない状況は変わっていません。来年度に向けては認可保育園や港区保育室の新規開設が予定されており、平成三十一年四月に向けての定員増は五百六十二人とのことで、さらなる定員拡大に取り組んでいることは高く評価しています。今後も、さらに待機児童解消に向けたきめ細やかな対策の実現を要望いたします。
さて、今後の取り組みで特に課題となるのが施設整備の地域偏在です。平成三十年四月の待機児童数八十九名に対する保育園の空き状況は、合計で五百十二名となっています。内訳は、待機児童八十九名中〇・一・二歳が八十七名を占めており、空き状況が〇・一・二歳児で百三十一名、三歳児は待機児童が二名で空き状況が百三十名、四歳児、五歳児は待機児童ゼロで、空き状況が二百五十一名となっています。〇・一・二歳児は、遠くには通えないなどの理由から、施設を増やし総定員が増えても、このような地域偏在により待機児童が生じる状況はなかなか改善されません。
今年度待機児童ゼロと発表した杉並区では、保育施設の定員の地域偏在への対策や待機児童のセーフティネットとして、平成二十七年度には私立保育園などを利用して、平成二十九年度には区立保育園にて定期利用保育事業をスタートしました。杉並区が実施している定期利用保育事業とは、あきのある保育施設のクラスを有効活用し、待機児童解消に対応するものです。
認可保育所等の入所申し込みをしたものの入所に至らなかった児童が対象となり、一時預かりを一カ月単位で最長一年間利用可能とするものです。二次募集が終了した段階で、各保育園の定員の空き情報を提供し、通園可能な保育園に申し込みをする制度となっています。杉並区の状況は、平成二十九年度実績として、私立保育園の定期利用定員百二十名に対して在籍児童数は、〇・一・二歳児で合計五十名、区立保育園の定期利用定員八十五名に対して、同じく三十五名が在籍となり、待機児童解消策となっています。また、産休明け復帰が四月でなかったり、転入などで途中入園を希望する場合にも有効であり、使い勝手がよいとのお声があるとのことでした。
港区は、定員にあきがある保育施設を活用した定員拡大を検討すると伺っています。そこで質問ですが、具体的にどのように施策を展開し、待機児童解消につなげていくのでしょうか、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、保育園入園にかかわる需要調査や、きめ細やかな情報提供のあり方、並びに保育コンシェルジュとの連携など、入園にかかわる支援策の充実についてお伺いいたします。
厚生労働省は平成二十八年七月に、東京、大阪、神奈川、福岡などの大都市圏で、五千五百十二名に回答を得た保育園入園に向けての活動、いわゆる保活の実態調査を発表しています。その調査によれば、保活を開始した時期は、出産後六カ月以降一年未満の人が千二百六十六名で、二三%と最も多く、次いで六カ月未満の人が二二・一%で、ほぼ同率になっています。また、妊娠中や妊娠前に開始をした人も、それぞれ一五・五%、四・一%と一定数存在しており、全てを合わせると六四%以上の人が妊娠・出産の早い段階で保活を始めています。
その保活の結果、希望どおりの保育施設を利用できた人は全体の五六・八%、希望どおりではないが認可・認可外の保育施設を利用できた人は合わせて三六・四%、合計では九〇%以上となります。反対に保活を行って施設を利用できなかった人は四・六%となっています。保活を行った保護者が苦労や負担を感じたと挙げている点は、役所に何度も足を運ばなければならない、情報の収集の方法がわからないなどが多くを占めております。
おなかの大きな妊婦の方や、首の据わらない乳児を抱えた母親が何度も役所に足を運び、また、幾つもの保育施設を見学することは心身ともに大きな負担になっています。そのような労苦や負担感を減らすために自治体に求める支援は、より多くの保活の情報提供であり、さらに初期段階からの支援と相談の時間帯や曜日の拡大となっています。このような声に応えるためには、多くの保護者が利用しているスマートフォンでの保活の情報取得や、得たい情報を確認するためのアプリの提供などが検討されるべきと考えます。
また、調査の中での自由回答欄では、母子手帳を配付する時点で詳しい情報を提供してほしい、保活に必要な情報についてわかりやすいホームページをつくってほしいなど切実な訴えの実態もあります。妊娠・出産・育児・保育といった流れの中で、区も母子を応援するためにさまざまな部署がかかわり、子育てのさまざまな時期に合わせて受けられるサービスや情報の提供・周知がなされていますが、さらに保活のストレスを少しでも軽減できるよう、かかわる区内各課の連携が重要と考えます。また、区にとっても保育ニーズの早目の把握は、今後の保育需要の計画策定において考慮すべき重要な情報と言えるのではないでしょうか。
港区生まれのお子さんが誕生することは、そのご家庭の大きなライフイベントであり、特に母親と生まれてくる子にとって最初の共同作業と言えます。本年五月より各地区総合支所において、保育を希望される方の相談に応じる専門相談員である保育コンシェルジュの業務が開始され、保育サービスの情報を提供する体制ができました。家庭の事情や希望にかなった、よりきめ細やかな相談体制の広がりに期待をしております。
そこで質問は、区民課において母子手帳を交付する機会などを利用して、保育の需要についての聞き取りを丁寧に行い、その情報をもとに保育コンシェルジュとの連携を実施することで、保育園入園への情報提供や、保活がスムーズに行われる体制をつくっていくことが重要と考えます。区長のお考えをお伺いいたします。
次に、催眠鎮静薬等の適正使用についてお伺いいたします。
現代社会は、長時間の勤務など職場の過酷な労働環境、あるいは核家族化の中で孤立した子育て、また高齢化の進展による長期間にわたる介護など、心身ともにさまざまなストレスを抱える社会生活であり、その結果として睡眠障害など安らかな眠りが得られない不眠状態が引き起こされています。
また、不眠は不安や抑うつなどの心因性のストレスによるものだけに限らず、肥満などから起こる睡眠時無呼吸症候群や高齢による睡眠障害など生活習慣病や加齢に起因するものもあります。成人の三人に一人が何らかの不眠の症状を感じていると報告されており、ある調査では、そのような症状を持つ四十代以上の五五%の人には、夜中や早朝に目が覚めてしまうという睡眠維持力の低下があるとされています。
睡眠障害には寝つきが悪い入眠困難、夜中に目が覚めてしまう中途覚醒、早朝に目覚めてしまう早朝覚醒などがあり、不眠を訴える人は年々増加しています。また、良質な睡眠が得られないことから睡眠薬や、不安感を取り除く向精神薬の服用が増加傾向にあり、若い人から高齢者まで幅広い年齢層の方が催眠鎮静薬を使用しているという状況です。
二〇一五年に行われた睡眠薬の実態調査によると、処方されている睡眠薬の七八・三%がベンゾジアゼピン系薬物であるとの報告がされています。この系統の薬剤は睡眠導入作用や抗不安効果、鎮静作用が即効的に期待できること、また、幅広い病態に対してある程度の反応効果があるため、効能と安全性にすぐれた患者が喜ぶ便利な薬として広く処方されています。また、その需要の高さから、薬剤の効果の強弱や持続時間の長短など効能効果を組み合わせて、さまざまに特徴を持った商品が幾種類も売り出されています。そのため患者の多様な症状や訴えに対して、何種類もの同系列の薬剤が重複して処方され、また、何年にもわたって漫然と処方、服用されている事例が多く見られています。
このようにして長期間の服用が継続されると、規定の量を服用していても薬剤が以前と同量では効かなくなる耐性や、服用しないと不安に陥る薬物依存が引き起こされます。また、急に服用を中止すると疾患の悪化や、重い症状があらわれることが問題視されています。
厚生労働省の第二回高齢者医薬品適正使用検討会では、高齢者にベンゾジアゼピン系薬物を使用すると、転倒リスクが二・六倍、認知症機能障害リスクが四・八倍、大腿骨頚部骨折リスクが一・六倍、交通事故リスクは二・二倍増加することも報告されました。このような事例を踏まえ、諸外国では処方制限や保険給付制限なども行われています。
我が国においても、平成二十九年三月二十一日に厚生労働省から都道府県、保健所設置市、特別区宛てに三点にわたって催眠鎮静薬等に対する使用上の注意喚起が行われています。その内容は、承認用量の範囲内においても、連用により薬物依存が生じることがあるので、用量及び使用期間に注意し、慎重に投与すること、催眠鎮静薬または抗不安薬として使用する場合には、漫然とした継続投与による長期使用は避けること、用量が承認された範囲内においても、連用中における投与量の急激な減少または投与の中止により原疾患の悪化や離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には徐々に減量することなど、観察を十分に行う必要性を指摘しています。
このような使用上の注意喚起によっても、広く使用されている便利な薬であることから、医療機関や薬局などへの周知の徹底にはばらつきがあり、服用者への適正使用の実効性が伴っていない可能性がありました。そのような状況もあり、注意喚起から一年後の本年四月の薬価基準改定において、向精神薬の多剤処方やベンゾジアゼピン系の抗不安薬の長期処方の適正化推進のため、向精神薬を処方する場合の処方料、処方箋料の算定要件の見直しがされました。多剤処方や長期にわたる処方については診療報酬を減算し、反対に多剤処方されている患者について、薬を減らした上で、症状の変化の確認を行う場合には報酬を加算する評価が新設される改定が行われました。
本来、医師自身が処方量の確認をしながら、患者の適正な睡眠コントロールを確保すべきであるのに、薬剤処方料の減額や加算といったやり方で薬の使用体系の変更が行われることは異例で、国が医師や関連学会にはベンゾジアゼピン系薬剤の処方の流れを自ら変えることはできないものと判断したと受けとめられます。この薬価改定の趣旨を受け、区においても催眠鎮静薬等の周知に対する現状調査や、処方における意識確認も行われるべきと考えます。ベンゾジアゼピン系は安全であるという漫然と受けとめられてきた過信の眠りから目覚め、健康の基本である安らかな睡眠の手だてが区民へともたらされなければなりません。
そこで質問は、医療機関や患者本人への催眠鎮静薬等の適正使用の周知がどのようになされているのか、港区医師会や港区薬剤師会への確認を行うこと、また、高齢者を中心に適正使用の周知を図ることについて、区のお考えをお伺いいたします。
次に、中小企業の設備投資への支援策についてお伺いいたします。
日本の企業の九九・七%は中小企業であり、働く人の三人に二人は中小企業に勤めております。日本経済を支えているのは中小企業とそこで働く社員の皆さんであり、中小企業の社員の皆さんが日本経済の主役と言っても過言ではないと思います。
公明党は、そうした視点から、日本経済の主役である中小企業の支援策をさまざま提案し、課題解決に向けた取り組みを進めてまいりました。現在、これまでの取り組みや税制、予算措置を含む支援制度などを紹介しながら、中小企業の皆さんの声を直接お伺いし、よりよい支援を行うために現場の声を伺うアンケート調査を実施しております。
調査では、中小企業の皆様からさまざまなご意見が寄せられています。主な内容は、事業承継税制の抜本的な拡充であり、事業を譲りたい人と事業を引き継ぎたい人のマッチングを行う事業引継ぎ支援事業の拡充なども挙げられています。また、事業を拡大したくても人が集まってこない、人手不足で困っているというお声を耳にいたします。さらには、資金繰りに対する要望では、信用保証制度やセーフティネット貸付、セーフティネット保証の拡充、また複数の借り入れを一本化する借換保証制度など審査時間の短縮などが挙げられています。また、特に多くご意見が寄せられた課題は、設備投資についてであります。設備の老朽化や生産性を上げるため新たな設備投資を行うにしても、固定資産税がかかることで投資をためらうとの意見です。
国はこのような実態を解消すべく、今後三年間を集中投資期間と位置づけ、市区町村の認定を受けた中小企業の設備投資について、臨時・異例の措置として、地方税法において償却資産に係る固定資産税の特例を講じることとしました。およそ千五百の市区町村が税制支援の前提となる導入促進基本計画の策定を行う意向があり、六月には固定資産税減額に必要な措置の改定を目指しています。固定資産税の賦課徴収について、二十三区は東京都が課税を行っています。そのため東京都は、生産性向上につながる設備投資への固定資産税を三年間免除とするため、第二回東京都議会定例会で必要な条例改正案を上程するとお聞きしています。港区にあっても、施行後、直ちに実施できる体制づくりや対象企業への周知徹底を行い、区内中小企業の皆さんへ区の対応をお示しすることが重要です。
そこで質問は、中小企業の設備投資への支援策として、今回実施される特別措置への対応について、区は、今後どのように進めていかれるのか、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会会場等における熱中症対策についてお伺いいたします。
東京二〇二〇大会のマラソンコースが新国立競技場を発着点に、浅草雷門など都心の観光名所をめぐる四十二・一九五キロメートルに決定されたと、本年五月三十一日に発表されました。それによると、港区内では、新橋を通って南下した後、東京タワーのそばにある港区の増上寺の付近で折り返すコースとなっています。競技当日は関係者だけでなく、多くの観客が集まり、港区のまちが大いににぎわうことは大変にうれしいことです。
一方で、このマラソンコースにはほとんど日陰がなく、開催期間中の季節は、近年、最高気温が三十五度以上の猛暑日を記録することが多いことから、熱中症のリスクが従前から懸念されています。東京農業大学、樫村修生教授らの研究によると、仮に午前七時にスタートしたとしても、コースの約八割で熱中症患者が急増する暑さ指数二十八度を超えるとの結果が出ており、アスリートだけでなく、長時間沿道で待機する観客も含めた熱中症対策が急務です。
道路の路面温度を下げる工法としては、道路に吹きかけた遮熱材で光を反射させて路面温度の上昇を抑える遮熱性舗装と、アスファルトに保水材を入れ、水が蒸発するときの気化熱で温度上昇を抑える保水性舗装があります。国土交通省が平成二十七年夏に行った調査では、通常の舗装に比べて遮熱性舗装は九・八度、保水性舗装は四・四度ほど路面温度を低くする効果が確認され、東京都は、東京二〇二〇大会までに競技コースを含む約百三十六キロメートルの都道にこの舗装対策を実施する方針とのことです。
港区も東京都や国と連携を図りながら、東京都と同様の舗装対策をマラソンコース等の競技会場の区道部分において優先的に実施していると伺っていますが、沿道の観客への熱中症対策も重要なことから、当該コースの周辺範囲にまで拡大した全体的な舗装対策でなければならないと思います。
また、観客への熱中症対策としては、街路樹による緑陰や、霧状の水を吹き出して気温を下げる微細ミストの活用も有効です。夏の強い日差しを遮る木陰を確保するため、樹形を大きく仕立てる計画的な剪定や、会場周辺における施設の壁面等の緑化や緑の空間の創出も効果的と考えます。微細ミストについて、区は今年度、お台場レインボー公園の競技会場にクールスポットを設置予定ですが、周辺の商業施設にも微細ミストの設置を計画的に進めることが重要です。
そこで質問は、お台場海浜公園を含む区内の競技会場が全て決定した以上、東京二〇二〇大会の日程に合わせて、区内競技会場とその周辺におけるハード面での熱中症対策のうち、特に温度の低減効果が期待できる遮熱性舗装とクールスポット整備の取り組みについてお伺いいたします。
他方、熱中症対策はハード面だけの対策では限界があり、ソフト面からの対策も重要です。政府は、東京二〇二〇大会期間と同じ七月下旬から九月上旬に、競技会場周辺で熱中症の危険度を示す暑さ指数を測定する方針を示しています。この測定された暑さ指数の情報提供や、暑さを軽減する一人ひとりの工夫などを呼びかけるといった熱中症への注意喚起を、デジタルサイネージなどを活用して観客に実施していくことが望まれます。政府は、東京二〇二〇大会までに訪日外国人旅行者四千万人の達成を目標に掲げており、大会期間は競技会場にも多くの外国人が観客として訪れると考えられます。
しかし、日本独特の高温多湿の気候は世界的にも特別で、外国人にはなじみがないため、外国人観客への熱中症に関する十分な周知と対策も欠かせません。さらに、日よけ施設の確保のため、競技会場周辺の店舗などの開店時間を、競技開始時間を見据えて大会当日は早目にしてもらえるよう協力を呼びかけたり、多くの観客が熱中症などで搬送されることを想定して、近隣の医療施設に協力を呼びかけることも必要と考えます。
そこで質問は、このようなソフト面からの熱中症対策も、国や東京都などと協力しながら、区としても取り組むべきと考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、教職員の働き方改革の取り組みについてお伺いいたします。
我が会派は、教職員の長時間労働を抑制し、子どもと向き合う時間の創出や、心身の健康問題の改善のため、これまでも一貫して教職員の働き方改革の取り組みを訴えてまいりました。具体的には、タイムカード等による出退勤管理や部活動における外部指導員等の活用、ICT環境の整備、スクール・サポート・スタッフの配置などについて提案してまいりました。
国においては、平成二十八年十月から十一月に教員勤務実態調査を、東京都では、平成二十九年六月から七月に公立学校教員の勤務実態調査を実施しています。国の調査結果では、小学校教諭に比べて中学校教諭は長時間労働の傾向にあることや、東京都の調査結果では週六十時間以上勤務する中学校教諭の割合が約七割であり、長時間勤務の傾向にあることがわかりました。教職員の働き方改革を推進し、教育の質の向上を目指すことは、それ自体が子どもたちの幸せに通ずると確信します。
さて、東京都では勤務実態調査等を踏まえて、本年二月に、東京都教育委員会による「学校における働き方改革推進プラン」を策定しました。このプランのもと、市区町村の実施計画の策定では、東京都教育委員会との連携や支援、経費の補助等が盛り込まれております。そうした流れを踏まえて、区立小・中学校の設置者である港区教育委員会は実施計画の策定に入ったと伺っています。
また、港区では平成二十九年十二月から平成三十年三月にかけて、小学校五校と中学校二校の教職員を対象とした勤務実態調査を行っています。教員においては、一日十一時間を超える勤務実態があり、特に副校長や主幹教諭の勤務の長時間化は、国や東京都の調査と同様の結果とのことです。さらに、ことし四月からは全教職員を対象に勤務実態の把握を行っていますが、より実態を正確に分析して実効性のある施策を展開し、港区ならではの計画となるよう期待しているところです。既に実施計画の検討組織が立ち上がり、第一回教職員の働き方改革検討委員会が開催されたと伺っております。
そこで質問は、検討組織である教職員の働き方改革検討委員会の特徴はどのようなところでしょうか。また、今後どのような点に着眼して策定していかれるのか、青木教育長の見解をお伺いいたします。
最後に、子どもの自殺予防対策についてお伺いいたします。
平成二十九年十月に神奈川県座間市で発覚した九名の方々が亡くなられた事件は、SNSを利用し、自殺願望を投稿するなどした被害者の心の叫びにつけ込んだ、極めて卑劣な手口による犯罪でした。二度と今回のような悲惨な事件を繰り返さないためにも、関係省庁が横断的に対策に取り組むことを期待するところであります。
さて、本年三月には、安全・安心なネット事業を展開する電気通信事業者や、青少年・若者を最前線で支援するNPO法人などの取り組みを共有することを目的として、総務省主催のシンポジウムが開催されています。一方、総務省の情報通信白書では、十代の若者は電話をほとんど使わず、LINEなどのSNSを常に利用している実態が明らかになっています。若者の現状と、従来の自殺相談窓口のありようのずれを解消すべく、本年三月に実施された自殺対策強化月間では、厚生労働省の補助事業として、一般社団法人社会的包摂サポートセンター、よりそいホットラインの実施団体とNPO法人自殺対策支援センターライフリンクとの共同で、SNSを活用した若者向け自殺相談、包括的な相談支援を実施しています。相談アクセス件数は二万件を超え、一日平均六百五十件という相談が寄せられました。
公明党は、東京都議会や国会において、自殺予防対策やネットトラブルなど青少年の悩みに応じる相談窓口のツールに、多くの若者が利用しているSNSの活用を提案してまいりました。本年、東京都ではLINE相談が予算化され、三月に試行実施されたところであります。こうしたSNSの利用を活用した自殺対策相談は、多くの子どもや若者の相談窓口になりつつあるのではないでしょうか。
そこで質問は、区が提供している子ども向けパンフレット等に掲載している電話やメール相談の窓口一覧にNPO法人などの団体が実施しているSNSを活用した相談窓口を加えることを検討するとともに、多くの子どもたちに対し、相談窓口の周知をより一層図っていただきたいと考えますが、武井区長のお考えをお伺いいたします。
また、学校における自殺対策については、東京都教育委員会は、自殺総合対策大綱の策定を受け、今年度、自殺対策の専門家による自殺予防教育推進委員会を設置しました。子どもに困難やストレスへの対処法を身につける指導のあり方を検討するとしています。また、当該委員会では、過去に発生した都内公立学校の子どもの自殺事案を検証し、改めて学校で行うべき取り組みを、「学校における児童・生徒の自殺対策の取組〜寄り添い、支え、命を守るために〜」との資料をまとめて、DVD教材とともに都内全公立学校に配布しています。
そこで質問は、今後、学校において児童・生徒に対し、効果的な自殺予防対策の徹底をどのように図ろうとされるのか、青木教育長のお考えをお伺いいたします。
以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
〔区長(武井雅昭君)登壇〕
○区長(武井雅昭君) ただいまの
公明党議員団を代表してのちほぎみき子議員のご質問に順次お答えいたします。
最初に、新元号改元に伴う区の取り組みについてのお尋ねです。
区は、各業務システムについて、元号を切りかえるための改修経費を平成三十年度予算に計上し、現在、工程表の作成や課題の抽出作業をはじめ、改修に向けた調整を進めております。今後は、システム対応に加え、印刷物における元号表示の訂正方法、各規程の整備等の文書事務の取り扱いについて、国や東京都の情報を収集しつつ、各所管での連携を密にし、区民生活に混乱が生じないよう準備を万全に整えてまいります。
次に、入札制度の新たな仕組みづくりについてのお尋ねです。
区は、現在、工事請負契約の制限付き一般競争入札において、最低制限価格を設定しており、これを下回った場合は、失格となります。東京都などは、地方自治法施行令に基づき、最低制限価格割れの事態への対応策として、入札価格が基準となる価格を下回ってもすぐに失格とせずに、一定の調査をした上で、落札者を決定する低入札価格調査制度を導入しております。今後は、他自治体の状況を調査・研究し、まずは価格と技術を点数で評価する特別簡易型総合評価方式において、低入札価格調査制度の導入の可否について検討してまいります。
次に、災害時における応急対策業務に関する協定締結団体との連携についてのお尋ねです。
災害時に、各協定締結団体が区との連携のもとで、協定に基づいた業務を適切に行うためには、平常時から災害が発生した際の連絡体制や具体的な業務内容を相互で確認しておくことが不可欠です。そのため、全ての協定締結団体との意見交換を始めており、協定内容や発災時の対応、連絡体制等の確認を行っております。今後、協定に基づく業務の実効性をしっかりと担保していくために、各団体との定期的な情報交換などを行い、連携強化を図ってまいります。
次に、台場地域の安全・安心な生活環境を守ることについてのお尋ねです。
区は、これまでも深夜に及ぶ悪質なバイクや交通量の増大により発生する騒音について、東京湾岸警察署や道路管理者である東京都港湾局に改善を申し入れてまいりました。今後、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした安全・安心なまちづくりに向け、関係機関ともより連携強化が必要と考えております。区は、東京都に対し、台場地域の安全・安心な生活環境を守るため、このたびのバイクなどの反響による騒音や来街者により発生する交通渋滞についても、騒音の低下に対する対策や走行への注意喚起、渋滞緩和への取り組みを図るよう申し入れてまいります。
次に、食品ロス削減についてのお尋ねです。
区では、食品ロスを削減するために食べきり協力店の登録店舗数の拡大や、食べ残しをなくすための30・10(さんまるいちまる)運動の普及啓発、エコ料理教室の開催など、さまざまな取り組みを積極的に進めております。また、家庭や少量排出事業者のごみを対象にサンプル調査を行うごみ排出実態調査を本年十月に実施し、区内の食品廃棄物の実態を把握した上で、こうした取り組みの充実を図ってまいります。今般、食品ロス削減のための基本方針や削減推進計画を策定することにつきましては、SDGsに掲げる削減目標や国及び東京都の動向を踏まえながら、検討してまいります。
次に、産後ケア事業についてのお尋ねです。
区は、心身に不調を来しやすい出産後の母子に対して、訪問・通所型の産後ケア事業により、一人ひとりの状況に合わせた母体のケアや助言などを行っております。また、今年度から、子どもの養育状況や家庭環境などから、特に支援が必要な場合には、宿泊型の産後要支援母子ショートステイ事業を始めました。今後、この事業の実施状況を踏まえ、利用対象者などの拡大の必要性等について検討してまいります。
次に、待機児童対策についてのお尋ねです。
新しく開設する保育施設では、多くの施設が開設当初には三歳児から五歳児クラスについては在園児の年齢の進行に備えるために募集をしない状況にあります。このため、開設後間もない時期には使用していない保育室を、待機児童が多い一・二歳児の定員確保に活用できる可能性があるものと考えております。また、既存の施設においても、四・五歳児クラスの在園児が少なく、空き定員が生じている施設も見られます。今後、待機児童の多い一・二歳児の定員の拡大に向けて、地区別の空き定員の分析を進めるなど、あらゆる可能性を検討してまいります。
次に、保育園への入園支援についてのお尋ねです。
区は、平成二十九年度から保育コンシェルジュを配置し、復職や育児に不安を抱える妊娠中や育児休業中の保護者の話を丁寧に聞きながら、さまざまな保育サービスの紹介など、子育て全般に関する窓口相談を包括的に行っております。今年度からは、保育コンシェルジュを一名から三名に拡充し、各地区総合支所での相談も可能といたしました。今後、母子手帳交付の際に、保護者の状況や保育ニーズを把握し、保育コンシェルジュの相談につなげるなど、保育園への入園支援の拡充に向け検討してまいります。
次に、催眠鎮静薬等の適正使用についてのお尋ねです。
まず、適正使用の周知に関する医師会等への確認についてです。厚生労働省等の医療、薬事に関する通知は、原則として医師会、歯科医師会及び薬剤師会から医療機関等へ送付されます。また、区では、医療、薬事に関する情報を区ホームページに掲載するとともに、年一回、区内全ての診療所、歯科診療所及び薬局に送付し、情報提供しております。区は、催眠鎮静薬の適正使用も含め、必要な情報が今後も確実に医療機関や患者の方々に周知されるよう、港区の医師会、歯科医師会及び薬剤師会に協力を求めてまいります。
次に、高齢者を中心に適正使用の周知をすることについてのお尋ねです。医薬品は、医師により、患者一人ひとりの病状等に応じ適切に処方される必要があります。このため、催眠鎮静薬を含め、医薬品の適正な使用方法については、医師やかかりつけ薬局から個別に指導されることが重要です。一方、高齢者は、複数の疾患を抱えることが多く、受診医療機関も複数にわたるなど、処方薬の管理が複雑になります。区は、高齢者が適切に服薬管理できるよう、かかりつけ薬局やお薬手帳の活用などについて、区広報紙やホームページ等で周知してまいります。
次に、中小企業の設備投資への支援策についてのお尋ねです。
区は、生産性向上特別措置法の施行に先立ち検討を進めてまいりました。現在は、区内中小企業からの申請に向けて、対象地域や対処業種などを盛り込んだ導入促進基本計画を策定し、国と協議しております。制度の周知については、広報紙やMINATOあらかるとへの掲載のほか、港区産業団体連合会等に対する情報提供などの準備を進めているところです。今後、区内中小企業からの申請に際して、事前確認の役割を担う東京商工会議所港支部、金融機関などとも連携し、直ちに実施できる体制を整え、区内中小企業の設備投資の取り組みを支援してまいります。
次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会会場等における熱中症対策についてのお尋ねです。
まず、ハード対策としての遮熱性舗装等の取り組みについてです。区は、路面温度の低減効果が見込める遮熱性舗装について、マラソンコース周辺の区道への整備を優先的に進めており、平成三十二年度までには、観客の主要なアクセス路となる区道がおおむね網羅されることになります。また、空間温度の低減効果が見込めるクールスポットについて、トライアスロン競技会場やマラソンコースに近接する、お台場レインボー公園、区立芝公園や新橋SL広場の計三カ所に設置してまいります。
次に、ソフト面の熱中症対策についてのお尋ねです。区では、例年、熱中症の予防や対処法を広報みなとや新聞折り込みチラシ等で周知しております。また、気象庁から高温注意情報が発表された際には、防災行政無線や防災情報メールのほか、区ホームページ、SNSやデジタルサイネージでも注意喚起を行っております。
東京二〇二〇大会では、国の内外からこれまでにない規模の人々が港区を訪れることになります。今後、国、東京都や公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と連携を図りながら、区内の飲食店や医療機関等への協力の呼びかけや多言語での熱中症対策の普及啓発など、さまざまな人々への周知に取り組んでまいります。
最後に、子どもの自殺予防対策についてのお尋ねです。
SNSを活用した相談窓口は、子どもたちに身近な携帯電話やスマートフォンから簡単にアクセスすることができるため、いつでもSOSを出せるなどの利点があります。区のみなと子ども相談ねっとなどの相談窓口を掲載した子ども向けパンフレット等に、SNSを活用したNPO法人などの相談窓口を掲載するとともに、ポスターやホームページなどに自ら相談できる窓口を紹介することで、より多くの子どもたちへの周知に努めてまいります。
よろしくご理解のほどお願いいたします。
教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。
〔教育長(青木康平君)登壇〕
○教育長(青木康平君) ただいまの
公明党議員団を代表してのちほぎみき子議員のご質問に順次お答えいたします。
最初に、教職員の働き方改革についてのお尋ねです。
まず、教職員の働き方改革検討委員会の特徴についてです。教育委員会は、教職員の長時間勤務を縮減し、教職員の心身の健康保持と子どもと向き合う時間を創出するため、五月二十八日に教職員の働き方改革検討委員会を設置いたしました。委員会は、多角的な検討をしていただくため、文部科学省国立教育政策研究所で教職員の働き方改革を担当している研究官を委員長とし、PTA会長及び青少年委員のほか、幼稚園長、小・中学校長、
教育委員会事務局職員で構成しております。今後、学校現場の実情やその立場からの知見、ご意見を十分に踏まえ、港区ならではの具体的取り組みについて検討してまいります。
次に、教職員の働き方改革実施計画策定における着眼点についてのお尋ねです。実施計画は、本年二月に東京都が発表した学校における働き方改革推進プランを踏まえ、在校時間の適切な把握と意識改革の推進、教員業務の見直しと業務改善の推進、学校を支える人員体制の確保、部活動の負担軽減、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた環境整備を着眼点に策定してまいります。今後は、七月に全教職員を対象にアンケート調査を実施し、勤務時間の実態把握と長時間勤務の要因となる業務実態を明らかにするとともに、教職員の働き方に関する意識を分析し、実効性のある取り組みを検討してまいります。
最後に、児童・生徒に対する自殺予防対策についてのお尋ねです。
各学校では、これまでも子どもが自殺に追い込まれないよう、教職員と保護者、地域、関係機関等との緊密な連携のもと、日々、子どもが抱える不安や悩みに丁寧に寄り添い、その解消に向け支援を行っております。今後も、平成二十九年七月に閣議決定された自殺総合対策大綱や、平成三十年二月に東京都教育委員会が策定した学校における児童・生徒の自殺対策の取り組みを踏まえ、教職員一人ひとりが子どもの小さな変化から不安や悩みを把握し、学校いじめ対策委員会の組織的な活用はもとより、SOSの出し方に関する教育を積極的に実施するなど、具体的で計画的に児童・生徒に対する自殺予防対策を推進してまいります。
よろしくご理解のほどお願いいたします。
○議長(池田こうじ君) お諮りいたします。議事の運営上、あらかじめ時間を延長いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(池田こうじ君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。
次に、十九番いの
くま正一議員。
〔十九番(いのくま正一君)登壇、拍手〕
○十九番(いのくま正一君) 二〇一八年第二回港区議会定例会にあたり、日本共産党港区議員団を代表し、区長に質問いたします。
質問に先立ち、昨日六月十二日に行われた米朝首脳会談について、日本共産党の志位和夫委員長が昨日談話を発表しました。談話は、米朝両国と韓国、中国、ロシア、モンゴルの各国に送付いたしました。談話を紹介します。
歴史的な米朝首脳会談を心から歓迎する。日本共産党幹部会委員長、志位和夫。
米国のドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長がシンガポールで米朝首脳会談を行った。
両首脳が署名した共同声明によると、金委員長は朝鮮半島の完全な非核化への強固で揺るぎない決意を表明し、トランプ大統領は北朝鮮に対する安全の保証の提供を約束し、米朝両国が平和と繁栄を望む両国民の願いに従って新しい米朝関係を樹立し、朝鮮半島に永続的で安定した平和体制を構築することを宣言した。
日本共産党は、長年にわたって厳しく敵対してきた米国と北朝鮮が、初の首脳会談を行い、朝鮮半島の非核化と平和体制構築を進め、両国関係を敵対から友好へと転換させるために努力することで合意したことに対して、心からの歓迎を表明する。
今回の米朝首脳会談は、非核化と平和体制構築に向けたプロセスの開始である。この目標の達成には、両首脳が確認したように、今後も首脳会談を含め交渉を継続し、共同声明の合意を速やかに具体化し、誠実に履行するための真剣で持続的な努力が必要である。そのことを米朝両国に強く期待する。
非核化と平和体制構築を実現するためには、米朝両国の努力とともに、関係各国、国際社会の協調した取り組みが必要である。平和を求め、核兵器のない世界を求める諸国民の世論と運動が不可欠である。
とりわけ、日本政府が、日朝平壌宣言に基づき、核・ミサイル、拉致、過去の清算など両国間の諸懸案を包括的に解決し、国交正常化のための努力を図り、開始された平和のプロセスを促進する役割を果たすことを強く求める。拉致問題の解決も、そうした努力の中に位置づけてこそ道が開けることを強調したい。
日本共産党は、北朝鮮問題の対話による平和的解決を一貫して主張し、四月上旬には、朝鮮半島の非核化と北東アジア地域の平和体制構築を一体的・段階的に進めることを関係国に要請した。この間の情勢の進展は、わが党の提唱が、関係各国の努力方向とも合致し、情勢を前向きに打開する唯一の道であることを示している。
南北首脳会談と米朝首脳会談によって開始された平和のプロセスが成功をおさめるならば、世界史の一大転換点となり、地域の情勢を一変させるものとなるだろう。日本共産党はそのために引き続きあらゆる努力を続けるものである。
以上、談話を紹介いたしました。
それでは、質問に入ります。
日本共産党港区議員団は、ことしの一月から港区民アンケートに取り組んできました。十一万部を印刷し、三つの大手新聞に折り込みと全戸に配布し、区民の皆さんの声を寄せていただきました。六月十日現在、千六百三十六人から回答がありました。自由回答欄には、このようなアンケート配布いただき、ありがとうございます。ぜひ、今後の区政にお役に立てていただけたら幸いですと激励の声も寄せられました。ご協力いただいた区民の皆さんに感謝いたします。そして、各部門への意見や要望の実現に向け力を尽くしたいと思います。
アンケートに答えていただいた年齢構成は、高齢者の方々の割合が比較的高かったことが特徴です。職業別では、多いほうから、年金生活者、正社員、自営業、アルバイト、派遣と続いています。区内在住年数は、二十年以上が最も多く、十年から二十年、三年から十年の順と続きます。家族構成は、ひとり暮らしが最も多く、夫婦二人、夫婦と子ども、夫婦と親の順です。
昨年と比べて暮らしはどう変わったかの設問に、よくなったが六%、変わらないが四九%、悪くなったが四五%と答えています。暮らしの厳しさが示されました。苦しくなったと答えた方に対して、その理由はとの設問(複数回答可)では、第一位が諸物価の値上がりで五百七件、第二位が健康保険料などの負担増で三百八十七件、第三位が年金の減少で三百七十件、第四位が医療費の負担増で三百十件、第五位が消費税の増税で二百七十一件でした。収入が減り、各種負担が増えたことが暮らしが厳しくなった原因です。回答者からは、年金がわずかなので生活が大変。若いときに払えなかったから少ないのは不安だが、働けなくなり貯金が底をついたらと思うと長生きはしたくない。少ない年金者のための補助をしてほしいと、生活の厳しさがにじみ出ています。
アベノミクスで景気回復の実感はありますかとの設問に対して、実感しているはわずか八%、実感していないは七八%、どちらとも言えないが一四%でした。これが区民の実感です。
政府・与党は、景気は緩やかに回復していると繰り返し主張していますが、庶民の暮らし向きは、今述べたような厳しさがあるのです。区長は、こうした厳しさについて、どのように認識しているのか見解を求めます。
また、医療費の負担は昨年と比べてどうなったかとの設問では、軽くなったが二%、昨年と変わらないが五三%、重くなったが四五%です。
国民健康保険制度は四月から東京都が保険者となり、港区の国民健康保険料も大幅引き上げになりました。この間も私たちは国民健康保険制度の問題点や、国民健康保険料の引き上げを食いとめるよう質問や提案もしてきました。区は、新たな制度の周知のため区民説明会を実施しました。土曜日の午前、水曜日の夜、金曜日の夜の三回行いましたが、参加者はそれぞれ一名、合わせて三名です。周知方法に問題がなかったのか検証が必要ですし、再度説明会を実施することもよく検討するべきです。
港区民アンケートで、国民健康保険料の負担は昨年度と比べてどうなったかとの設問では、軽くなったが二%、変わらないが四六%、重くなったが五二%です。
国民健康保険料が毎年度連続値上げで、医療費も引き上がっており、この面でも厳しさが増していることが示されました。今年度も国民健康保険料が引き上がりますから、より厳しさが増します。国民健康保険料の通知は六月十三日、本日発送とのことですから、受け取った方は驚くことと思います。こうした実態をよく見定めて、国民健康保険料の引き下げを区として決断するべきです。答弁を求めます。
消費税八%への増税実施によって、暮らしや営業への影響はとの設問に対して、影響はないが一五%、ある程度重くなったが五四%、かなり重くなったが三一%で、ある程度重くなったとかなり重くなったを合わせると八五%にも及びます。消費税一〇%への引き上げが予定されているが、どう考えるかと聞いたところ、賛成が七%、どちらかといえば賛成が一〇%、反対が五七%、どちらかといえば反対が一四%、どちらとも言えないが一二%でした。賛成の合計は一七%、反対の合計は七一%です。消費税八%の今でも暮らしと営業を圧迫しているのに、消費税が一〇%になれば、暮らしも営業も大打撃となってしまいます。区長から国に対して、消費税一〇%への引き上げを中止するよう強く要求するべきです。答弁を求めます。
私どもが行った港区民アンケートで、必要と思われる子育て支援策はとの設問では、第一位は保育所の増設です。第二位は労働条件の改善と経済的支援で同数でした。どこで子どもさんを保育したいかの設問には、第一位は区立認可保育園、第二位は区立幼稚園です。自由意見の中でも、もっと子育てしやすい制度や、子どもの医療体制について取り組んでください、子どもの人口が増えているのに小児科や保育園や病児保育、夜間休日医療体制が不十分だと思いますなどの意見が寄せられました。
今年度の保育園の待機児童数は八十九名ですが、これは厚生労働省の待機児童の定義に合わせた数字です。実際は特定園希望などで待機児童にも含まれない方を含めると、四月時点で、約四百名の方が認可外保育施設なども含むどこの保育園にも入園できていません。発表される待機児童数と実態は大きくかけ離れています。今後も保育園の利用は増え続けます。保育園の待機児童の実態に合わせた整備が求められます。
区が取り組んでいる待機児童解消策は、私立の認可保育園、小規模保育事業所や認証保育所がほとんどで、株式会社運営の保育園は全体の六三%にもなっています。ビルの二階、三階を利用した保育園が多く、園庭がない、または基準を満たしていない認可保育園が七四%という保育環境です。
港区民アンケートでも保育園の環境改善を求める指摘がありました。区立認可保育園とその他の保育園では園庭だけではなく、保育環境でも大きな差があります。待機児童解消への保育園設置は、第一に実態に見合った目標とすること。第二に園庭のある保育園とすること。第三に株式会社などへ運営を任せるのではなく、区が直接運営に責任を持つ認可保育園とすること。答弁を求めます。
区内では次々と再開発事業が進められ、二百メートル前後のビルが林立する計画で、まちの様相が一変してしまいます。十五の国家戦略特区の合計延べ床面積は、東京都庁第一庁舎の約二十五棟分にもなります。ビルから排出される二酸化炭素は、虎ノ門一・二丁目地区地区計画だけでも年間十万四百八十九トンを超え、今でも東京都内の市区町村で最大排出量なのに、さらに加速悪化され、ヒートアイランド化や地球温暖化による気候変動、上昇気流の発生によるゲリラ豪雨などの被害も懸念されます。
業務用の超高層ビル林立で昼間人口の急増により一極集中がさらに進みます。ラッシュ時の各駅の混雑は極めて異常で、いざ大震災ともなれば、どれほどの混乱と被害になるか心配されます。超高層マンション建設の呼び込み型の人口急増により、区の推計でも九年後には人口三十万人に達すると予測され、保育園、学校、交通などのインフラ整備が追いつかず、この面でも混乱しています。港区以上に人口が急増している中央区は、インフラ整備が追いつかないため人口増加に歯どめをかける対策を検討していると報じられています。
莫大な補助金が投入されることへの批判も高まっています。今年度は再開発事業への補助金が約四十四億円投入されます。虎ノ門・麻布台地区地区計画では、容積率緩和で莫大な利益が保障された上に、港区の間接補助金百億円と国の直接補助金を合わせ二百億円が投入されます。
港区民アンケートでも再開発事業への補助金についての設問に、もっと再開発を進めてもよいが八%、一方で、これ以上高層ビルは要らないが四五%、再開発をコントロールすべきが三三%と、八割近くの方が再開発事業の抜本的見直しを求めています。再開発事業への補助金支出について、必要が九%、補助金支出はやめるべきが七四%です。港区民アンケートの回答者からは、高層ビルは要らない。日当たりがよくない。補助金は保育とか医療費が安くなるように使ってほしい、市街地再開発で得する人に対しての補助金をどうして税金で賄う必要があるのでしょうかとの指摘がありました。
区長は、これまで大規模開発を指導・誘導するとして推進してきましたが、区民の意識とは大きくかけ離れています。これ以上の再開発は抜本的に見直し、補助金支出もやめるべきです。答弁を求めます。
国土交通省が羽田空港の新飛行ルート案を出していますが、この計画を知っていますかの問いに対して、知っているが七二%、知らないが二八%でした。回答してくれた方の認知度は高い傾向でした。
この間、新飛行ルート案は、国際線の着陸便を南風時に午後三時から七時まで、二分に一機が港区上空を六百メートルから四百メートルで飛行するもので、多くの区民や関係町会から不安や懸念が続出し、計画の中止を含む見直しを求める請願も港区議会に提出されています。二〇一八年四月二十九日には区内で二度目の計画撤回を求めるパレードが行われ、幾つもの町会関係者を含めて約百人が参加しました。パレードに先立った集会で、次々と町会役員の方々が計画は認めるわけにはいかない、何としても撤回させるため頑張り抜くと挨拶されました。
港区民アンケートでは、新飛行ルート案で特に心配なことは(複数回答可)との問いに、第一位が騒音で千二百五十四件、第二位が落下物で千九十件、第三位が墜落事故の危険で千四十七件、第四位が健康被害で四百三十件、第五位が大気汚染で四百十五件、第六位が資産価値の低下で二百八十件回答しています。私たちがこの間指摘してきた傾向と同様の心配をしています。
この新飛行ルート案はどうすべきかの問いには、やむを得ないが一九%、中止すべきが五七%、わからないが二四%でした。やむを得ないとの回答の中には、賛成という考えと嫌だけどやむなしが含まれていると思われます。この計画に対して、アンケート回答者から、以前、大田区に住んでいた頃もよく飛行機が家の上空を通過していました。すごい音で、大きな音が苦手な私にとっては少し恐怖心もありました。低空飛行は本当に本当にやめてほしいですという痛切な声が上がっています。
二〇一八年四月二十六日には、港区議会として国土交通省の職員を招いての学習会が開かれました。多くの質問は、反対や懸念を表明している町会の方々は純粋に計画の危険性があることを心配し、不安を持っていること、住民の思いを重く受けとめる必要がある等々で、これまでの国土交通省の説明や対応では不十分という内容だったと思います。
この間、計画案が提示されて以降、私たち日本共産党港区議員団は全ての定例会で新ルート案の大問題を指摘し、撤回を求めて住民の方々とも連携してきました。その立場で国土交通省に対してさまざまな要望をするよう質問してきました。
改めて質問いたします。国土交通省に対して、第一に教室型の説明会を既に一度開催した地域を含め区内全地域で開催すること。第二に説明会では、参加者の質問に正面から答えること。第三に関係町会への説明会について、適宜開催すると同時に、質問に正面から答えること。第四に港区民、特に新飛行ルート案の航路下の町会や住民の合意を得ないまま、新ルート案を強行しないこと。以上を強く要求し、説明会を実施させること。答弁を求めます。
この間、広報みなとで計画案を掲載したこともあり、一定程度は認識度が高まってはいますが、まだまだこの計画案を知らない方が少なからず残されています。広報みなとで重ねて新飛行ルート案を周知するべきです。掲載内容として、国土交通省が新飛行ルート案を計画していること、低空で港区上空を飛行することや飛行の頻度などの事実を掲載するとともに、新飛行ルート案は港区民の理解が得られた状況ではなく、港区は区民への丁寧な説明を国土交通省に求めていることなども周知すべきです。答弁を求めます。
交通・環境等対策特別委員会の正副委員長と正副議長にも国土交通省の職員を招いての学習会を再度開催することについて、強く要請いたします。
働き方改革関連法案についても港区民アンケートでお聞きしました。いわゆる残業代ゼロ法案への賛否は、賛成が九%、反対が六一%、わからないが三〇%です。
国会では、働き方改革関連法案の審議が重大局面を迎えています。この法案の問題点は、高額年収の方は高度プロフェッショナル制度を導入し、残業時間の制限をなくし、労働時間管理をなくし、残業代を払わなくてもよいという内容と、一カ月の残業上限時間を百時間未満まで法律で認めるという内容です。労働時間の管理がなくなりますから労災認定の申請も難しくなります。過労自殺や過労死されたご遺族が、この法律が通ったら過労死が蔓延してしまうと法案阻止の運動に立ち上がっています。
区長から国に対して、この法案に反対の声を上げ、国に撤回を求めるべきです。答弁を求めます。
最後に、安倍内閣が狙う憲法第九条を書きかえる動きについてです。
自民党の憲法第九条書きかえの大きな方向は、第九条第一・二項を残した上で、以下の案文を追加するものです。前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持するという案文が示されています。ここで言う自衛の措置とは集団的自衛権も含まれます。地球上のどこへでも軍隊として行けるようになってしまいます。
港区民アンケートでは、安倍政権は憲法九条を書きかえようとしています。どう思いますかと設問したところ、賛成が一一%、反対が七一%、どちらとも言えないが一八%で、三分の二以上が反対と答えています。
区長から、安倍内閣が狙う憲法第九条の書きかえをやめるよう声を上げるべきです。答弁を求めます。
以上で質問を終わりますが、答弁によっては再質問することを申し述べて質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長(武井雅昭君)登壇〕
○区長(武井雅昭君) ただいまの
共産党議員団を代表してのいの
くま正一議員のご質問に順次お答えいたします。
最初に、区民生活の現状認識についてのお尋ねです。
平成二十八年度に高齢者、障害者などを対象に実施いたしました港区保健福祉基礎調査の中で、高齢者に対して現在の暮らしの状況が経済的にどう感じるかをお聞きしたところ、苦しいと答えた方が三割となりました。同時期に内閣府が実施した国民生活に関する世論調査においても、三割の高齢者が生活に不満と答えており、区と同様の傾向となっております。今後とも区民生活の実態の把握に努め、隅々まで目の行き届いた行政サービスを着実に展開してまいります。
次に、国民健康保険料の引き下げについてのお尋ねです。
区は、同じ所得・世帯構成であれば、同一の保険料となる特別区の共通基準に基づき、保険料を算定しております。本年四月からは東京都が財政運営の主体となる制度改正が行われましたが、算定にあたっては、国や東京都からの財政支援に加え、区でも保険料の上昇を抑えるための激変緩和措置を講じております。所得金額が一定の基準を下回る世帯や職を失った方などに対しては、保険料の減額・軽減措置を講じるほか、保険料の納付が困難な方に対しては、丁寧な納付相談を行ってまいります。
次に、消費税一〇%への増税中止の要請についてのお尋ねです。
国は、本年六月に経済財政諮問会議を開催し、平成三十一年十月に予定されている消費税増税が日本経済に影響を与えないよう万全の対策を講じる方向性を経済財政運営と改革の基本方針二〇一八の原案に明記し、教育負担の軽減や低所得者への配慮などの対策を実施していくとしております。区といたしましては、消費税増税の実施を中止するよう、国に申し入れることは考えておりませんが、区民生活や区政に与える影響等の情報収集に努めるとともに、今後も国の動向を注視してまいります。
次に、待機児童解消への保育園設置についてのお尋ねです。
まず、実態に見合った目標とすることについてです。保育需要の見込みにあたっては、単独園希望などで保育園に入園できなかった方も含めた保育需要数をもとに、今後の人口増加や保育需要の高まりなどを考慮の上、算出しております。区は、この保育需要をもとに保育定員の拡大に努めてまいりましたが、急激な人口増加や保育需要の高まりのため待機児童の解消には至っていない状況です。引き続き待機児童解消に向け、保育需要を的確に把握するとともに、保育定員の積極的な拡大に努めてまいります。
次に、園庭のある保育園とすることについてのお尋ねです。子どもたちがプール遊びや外遊びができる園庭を確保することは、保育環境の充実を図る上で望ましいと考えておりますが、都心港区では、私立認可保育園が自ら園庭を確保することは難しい状況にあります。このため、区では、近隣の公園などを園庭にかわる場所として認める国の規定を適用するとともに、区立認可保育園や港区スポーツセンター等を活用した夏のプール遊びや、外遊びの場所を提供しております。今後も、全ての保育園等における保育環境の充実に向け、積極的に支援してまいります。
次に、区が直接運営に責任を持つ認可保育園とすることについてのお尋ねです。区は、増大する保育需要に対応するため、多様な保育形態や保育定員の確保策として、私立認可保育園を積極的に誘致しております。区は、私立認可保育園においても保育の質が確保されるよう、年一回の指導検査または訪問指導を行うとともに、経験豊富な保育士が保育環境を実地で確認し、指導や助言を行っております。今後も、公私立の認可保育園のバランスや役割を考慮し、適正な配置を進めるとともに、私立認可保育園に対し、保育の質の向上を図るため、積極的な支援を行ってまいります。
次に、市街地再開発事業の抜本的見直しについてのお尋ねです。
市街地再開発事業は、多くの地権者の方々が参加し、地域の安全性と防災性の向上など市街地環境の改善を図るために、土地の合理的かつ健全な高度利用により、道路・公園などの都市基盤を整備し、広場・緑地などのオープンスペースを確保する公共性の高い都市計画事業です。区は、今後とも、地域の安全・安心を確保するため、事後評価制度を活用し、良質な都市空間や居住環境の維持・創造に資するまちづくりを推進してまいります。また、地権者の方々は自らの発意と合意に基づき、まちづくりを協同で進めており、地権者保護の観点から、市街地再開発事業への補助金は必要と考えております。
次に、羽田空港の新飛行経路案についてのお尋ねです。
まず、教室型説明会を区内全域で開催することについてです。羽田空港の新飛行経路案につきましては、区が国に対し、教室型説明会の開催を強く求めてきた結果、これまで高輪地域、赤坂・青山地域、港南地域の三カ所において区民等を対象とした教室型説明会が実現いたしました。今後も、既に実施した地域において、再度開催することや、未実施の芝地区、麻布地区で開催することについて、地域からの要望等を踏まえ、国へ強く要請してまいります。
次に、説明会における対応についてのお尋ねです。区は、これまでも国に対し、説明会においては、丁寧かつわかりやすい説明を行うよう要請してまいりました。今後、開催される説明会においても、具体的かつ丁寧な説明を行うよう国土交通省に改めて申し入れてまいります。
次に、関係町会への説明会開催とその対応についてのお尋ねです。区は、これまでも羽田空港の新飛行経路案について、国に対し、町会・自治会、関係地域等への説明会の開催を強く求めてまいりました。国土交通省は、オープンハウス型住民説明会を補完するものとして、各地域等への情報提供の場も設定していくとしており、区は、地域からの要望等を踏まえ、積極的に開催するよう要請してまいります。また、今後開催される説明会においては、区民の意見や質問等について丁寧な説明を行うよう、国土交通省に改めて申し入れてまいります。
次に、区民等の合意を得ないまま計画案を強行しないよう国に申し入れること等についてのお尋ねです。区は、これまでも羽田空港の新飛行経路案については、区民等へのきめ細かな情報提供を行い、十分に納得を得た上で検討を進めるよう、国に強く申し入れてまいりました。今後も引き続き、区民等のご意見を踏まえながら、申し入れてまいります。また、説明会の開催についても、地域からの要望等を踏まえ、引き続き国へ要請してまいります。
次に、広報みなとによる新飛行経路案等の周知についてのお尋ねです。区は、これまでも新飛行経路案など羽田空港の機能強化に関する取り組みや計画内容について、随時、広報みなとや区ホームページ等を通じ、迅速に周知するとともに、安全対策や騒音対策について、国に対して要請していることなどもお知らせしてまいりました。今後も引き続き、国との情報共有を密に行い、羽田空港の機能強化にかかわる情報等を随時、積極的に周知してまいります。
次に、働き方改革法案についてのお尋ねです。
現在、働き方改革を推進するための関係法案の整備に関する法律案が国会で審議されております。区が、国に対し法律案の撤回を要請することは考えておりませんが、今後の国の動向を注視してまいります。
最後に、憲法九条についてのお尋ねです。
区は、毎年、憲法週間に合わせた講演と映画のつどいの開催や広報紙への啓発記事の掲載などを通じて、区民が憲法への関心を高め、理解を深める契機なるよう努めております。憲法改正については、国の責任において、広く国民の合意を得てなされるべきものであり、ご質問の憲法九条の書きかえをやめるように区から声を上げるということは考えておりませんが、今後も、憲法理解への取り組みを継続することにより、区民の憲法への意識を高め、憲法の大切さを訴えてまいります。
よろしくご理解のほどお願いいたします。
○十九番(いのくま正一君) 時間の関係がありますので、自席で再質問させていただきます。
庶民の暮らし向きの認識について、今の区長の答弁でも、区や国の調査でも三割ぐらいの方が厳しさを訴え、あるいは不満も訴えているということで、一定程度暮らしが厳しいという認識については承知しているという答弁だったと思います。その上で聞くわけですけれども、国民健康保険料の引き上げ、あるいは消費税の増税は暮らし向きに直撃するわけですよね。国民健康保険料はもう値上げになっているわけで、消費税が来年一〇%ということになれば、厳しさや不満を訴える人がもっと増えてしまうということになります。暮らし向きに厳しさがあるという認識があるのであれば、国民健康保険料の引き下げ、消費税一〇%中止については、ぜひ実施してほしいと思います。この二点について、改めてお聞きしたいと思います。
〔区長(武井雅昭君)登壇〕
○区長(武井雅昭君) ただいまの
共産党議員団を代表してのいの
くま正一議員の再質問にお答えいたします。
暮らし向きについての調査等について、高齢者の方々の暮らし向きについての意識は我々としても認識しているところでございます。その上で、例えば介護保険料でありますとか、国民健康保険料でありますとか、制度設計の中で低所得者に対する減免措置などを講じているところでございます。
また、こうした制度上の減免措置とは別に、さまざまな要因が関係しております。区民の皆さんの日々の暮らしについて、サービスを充実させることが大変大事なことだと考えております。そうした観点から、区民の皆様の生活実態をしっかりと把握しながら、区として必要なサービスの充実に努めてまいります。
消費税一〇%への対応については、先ほどお答えした内容でご理解いただきたいと思います。
○議長(池田こうじ君) 以上にて、本日の日程は全部終了いたしました。
本日の会議は、これをもって散会いたします。
午後五時二十四分散会...