○議長(
鈴木幸夫君) 日程の朗読は終わりました。
日程第1、認定第2号 平成10年度鹿沼市
一般会計歳入歳出決算の認定についてから認定第10号 平成10年度鹿沼市
都市開発資金事業費特別会計歳入歳出決算の認定についてまで、及び議案第78号 平成11年度鹿沼市
一般会計補正予算(第3号)についてから議案第96号 鹿沼市
都市公園条例の一部改正についてまで、並びに陳情第9
号新駅設置について及び陳情第10号 鹿沼市
東部地区における
JR日光線新駅設置に関する陳情についてを議題といたします。
各委員長の報告を求めます。
総務常任委員会委員長、小松君。
○
総務常任委員長(小松英夫君) おはようございます。ただいまから
総務常任委員会の審査結果についてご報告いたします。
本委員会に付託されました案件は、議案6件及び陳情2件でありました。去る14日委員会を開催し、執行部から詳細なる説明を求め、慎重に審査を行いました結果、議案第78号中
関係予算、議案第88号、議案第91号、議案第92号、議案第93号、議案第94号につきましては、
全会一致で原案を可とすべきものと決しました。
陳情第9号、陳情第10号につきましては、内容的におおむね同様のものであるため、一括審査をしました結果、それぞれ趣旨採択とすべきものと決しました。なお、おのおのの陳情には
新駅設置場所の希望がありましたが、
鹿沼-鶴田間の
中間地点等の意味合いにおいて趣旨採択する旨を申し添えます。
何とぞ
議員各位のご賛同をお願いいたしまして、
総務常任委員会の審査結果についての報告を終わります。
○議長(
鈴木幸夫君)
文教民生常任委員会委員長、永田さん。
○
文教民生常任委員長(永田都賀子君) ただいまから
文教民生常任委員会の審査の結果についてご報告いたします。
付託されました案件につきまして、去る14日委員会を開催し、執行部から詳細なる説明を求め、慎重に審査を行いました結果、議案第78号中
関係予算、議案第79号、議案第83号、議案第84号、議案第90号につきましては、原案を可とすべきものと
全会一致で決しました。
何とぞ
議員各位のご賛同をお願いいたしまして、
文教民生常任委員会の審査の結果についての報告を終わります。
○議長(
鈴木幸夫君)
環境経済常任委員会委員長、小川君。
○
環境経済常任委員長(小川清正君) ただいまから
環境経済常任委員会の審査の結果についてご報告いたします。
今議会におきまして本委員会に付託されました案件は、議案5件でありました。これに対し、去る15日委員会を開催し、執行部から詳細なる説明を求め、慎重に審議を行いました。議案第78号中
関係予算、議案第80号、議案第82号、議案第85号、議案第95号につきましては、
原案どおり可とすべきものと決しました。
何とぞ
議員各位のご賛同をお願いしまして、
環境経済常任委員会の審査の結果の報告を終わります。
○議長(
鈴木幸夫君)
建設水道常任委員会委員長、芳田君。
○
建設水道常任委員長(芳田利雄君) おはようございます。
建設水道常任委員会の審査結果について報告いたします。
今議会におきまして本委員会に付託されました案件は、議案6件でありました。これに対し、去る15日に全
委員出席のもと委員会を開催し、執行部から詳細なる説明を求め、慎重に審査を行いました結果、議案第78号中
関係予算、議案第81号、さらには議案第86号、議案第87号、議案第89号、議案第96号につきまして、
全会一致で原案を可とすべきものと決しました。
何とぞ
議員各位のご賛同をお願いいたしまして、
建設水道常任委員会の審査結果の報告を終わります。
○議長(
鈴木幸夫君)
決算特別委員会委員長、永田さん。
○
決算特別委員長(永田都賀子君) ただいまから
決算特別委員会の審査経過並びに結果についてのご報告をいたします。
本委員会は、12月10日第1回委員会を開催し、正副
委員長互選、審査の実施方法、資料の要求、発言の取り扱いなどについて協議をいたしました。それに基づき、16日及び17日の両日にわたり審査を行いました。
総務関係においては、市税や起債などについて、
文教民生関係においては、
高齢者福祉費、
教育振興費などについて、
環境経済関係においては、
金融対策費、
農業振興費、
環境衛生費などについて、また
建設水道関係においては、
土地区画整理事業費、
水資源開発事業費などについてそれぞれ慎重に審査を行いました。その詳細については、2日間にわたる審査でありますので、省略をさせていただきますが、歳入については計上どおり確保されたか、また歳出についても計上どおり執行されたか、そして、予算によって期待した行政効果がどの程度達成されたかなど、活発な質疑が行われました。その結果、認定第2号から認定第10号までについては、それぞれ認定を可とするものと決しました。
何とぞ
議員各位のご賛同をお願いいたしまして、
決算特別委員会の報告といたします。
○議長(
鈴木幸夫君) 各委員長の報告は終わりました。
各委員長の報告に対し、ご質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) ないということでございます。別段質疑もないようですので、以上で委員長に対する質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
発言の通告がありましたので、順次発言を許します。
26番、芳田君。
○26番(芳田利雄君) 改めておはようございます。認定第2号、平成10年度の
一般会計決算の認定について反対の立場から討論を行います。
国の政治でも、地方の政治でも、深刻な不況と
財政危機が同時並行で進行しております。大変危険な事態であると言われております。昨年1年間の政治を見ても、国の政治に求められていたことは、むだをなくし、不況打開のために大胆な手だてが求められていました。ところが、
自民党政治がやってきたことは全くその反対で、国政のかじ取りを失った大変むちゃくちゃな政治がやられてまいりました。銀行支援には60兆円の枠をつくり、それから、むだがわかっていながら国民の非難ごうご
うの公共投資を
景気対策だと偽ってどんどん進めてまいりました。その一方で、
景気打開のために国民の個人消費へのてこ入れが必要だとだれでもわかっているのに、何の手も打ちませんでした。多くの国民が望んだ消費税3%への引下げもやりませんでした。その結果何が起こったか。あれだけの財政の浪費をやりながら、
景気打開には何の見通しも立っておりません。
財政危機はますます深みに入っております。国と地方の
財政危機は年度末で600兆円に上ると言われております。この
財政危機の原因は、節度のない借金に頼って、
公共事業を異常に膨張させたことにあります。
財政危機の原因がはっきりわかっているにもかかわらず、自民党の政府も地方の自治体も
公共事業を削るどころか反省もしない。これまでに打ち出した計画をどんどん推し進めております。一方で、福祉や
住民サービスなど、見直しや削減を押しつけております。
鹿沼市の財政も、極めて深刻な事態にあると思います。
一般会計、
特別会計、企業会計合わせると、借金総額は525億円、1年に支払う利子だけでも20億円を超えると言われます。
決算審査の中で明らかになったことですが、税収の面では運輸や建設、製造といった業種が前年比、これは9年度との比較ですが、この落ち込みがひどい。地場産業や
住宅関連産業、前年比でマイナスとなっております。特に注意しなければならないことは、不況が長引いているため、前年比でマイナスになるということは何年も続いているということですから、極めて深刻な経営実態と言わなければなりません。したがって、業績不振のため、10年度は鹿沼市で10社が倒産に追い込まれております。9年度は11社倒産ですから、毎年このような倒産件数となっております。ちなみに休業や廃業を加えると、10年度だけで何と96件にもなります。雇用状況も0.70%と最悪です。0.7%ですから、100人に1人の求人もない、こういう数字であります。失業保険の受給者は1年間で8,840人、これは鹿沼市のハローワークの数字です。1カ月平均にして740名近い。どの数字をとっても最悪の事態であります。
ところで、
地方自治体の果たすべき役割とは何かということですが、住民の安全や健康、福祉を守ることだとしっかり明記されております。これが
地方自治体の本来やるべき仕事であります。もっとわかりやすく言いますと、市民は、今述べましたように長引く不況の中で多くの困難を抱えております。この市民が抱えている困難を取り除くこと、市民の願いにこたえることこそ、今行政が最優先にやるべき仕事だと思います。しかし、市の予算、市の財政にも限りがありますから、私ども
日本共産党はこれまでにも指摘をしてきました。むだな
大型公共事業を削ること、あるいは
大型公共事業を見直して市民のための予算に回すということです。具体的には、その見直すべき大事業として
総合体育館や、あるいは
市民情報センターや、あるいは出会いの森の
整備事業をこれまで挙げてまいりました。こういうことで、審査の中で、市民の切実な願いがお金がなくてできない、こういうことも明らかになってまいりました。
幾つか挙げますと、一つは、無担保無保証人の融資制度、市の予算では1億5,000万円の
貸し出し融資枠を用意しながら、実際には利用者は8件、2,150万円の貸し出ししかしておりません。条件が厳しくて、必要な人が借りたくても借りられない、そういう状況が生まれております。今ほど述べましたように、倒産や休業、廃業合わせると96件、こういう業者の中から、もし小口の資金であってもすぐに利用できれば、廃業しなくても、倒産しなくても、済む人が出たかもしれません。あるいは、小中学校の
老朽化対策がおくれております。東中だけが改築の見通しが明らかになってきましたが、中央小や西中はまだです。
公共施設と比較しても、
公共施設はぴかぴか、校舎はぼろぼろ、こういう実態が現実にあります。これも財政が厳しいということから、なかなか計画が明らかにされておりません。あるいは、
乳幼児医療費の
無料化制度、現在3歳未満児まで
無料化制度が実施されておりますが、1歳引上げるのに2,000万円のお金があれば、
医療費無料化が実施できるということがわかりました。こういった実態であります。なぜこのように市民のための施策が放置されなければならないのか。鹿沼市の財政も深刻な
財政危機にあるということでした。ですから、市民の福祉や教育、医療や
住民サービスを充実させようとするならば、大型の
公共事業を見直さないと予算が出てこないことになります。にもかかわらず、見直しをやりませんでした。市民の福祉や暮らしを後回しにする、犠牲にして、
大型公共事業最優先の政治を進めてきたものと言わなければなりません。
さらに、加えて、私ども
日本共産党は
東大芦川ダム建設には反対の立場であり、負担金の拠出はやめるべきと考えます。そもそもダムは税金のむだ遣いの代表的なものと言われております。市は市民の飲み水確保を目的に建設促進の立場をとっておりますが、10年度の
決算資料でも、1日の
水道使用量は1人当たり360リットルであり、供給能力は530リットルもあることになります。したがって、鹿沼市の水道水は不足しておりません。市は将来人口を11万人と計画し、
給水人口を9万人としております。この計画を
人口増加率にすると、17%にもなります。
決算審査の中で明らかになったものですが、平成10年度の人口は9万3,757人で、前年比で96人しか増加しておりません。率にすると、実に0.1%の増加率です。0.1%は特に低いですから、仮にこの2倍、0.2%の増加率を見込んで計算をしても、2010年には鹿沼市の人口は9万7,000人にしか到達しない、こういうことであります。したがって、
給水人口も9万人ではなく、8万2,500人となります。市民の飲み水は今までどおり地下水で賄うことができることになります。また、市は水不足を言いながら、水を守る
水資源対策は極めて弱いと言わなければなりません。対策も余りとらず、水が不足するからダムのまずい水を飲むなど、とんでもありません。
ダム建設にかける莫大な手間と予算を思えば、今までどおり地下水を確保すべきと思います。したがって、
ダム建設への
負担金拠出はやめるべきだと考えます。
また、消費税を含む決算となっていることについてですが、今の景気を打開するためには消費拡大の施策が必要だと言われております。そのためにも消費税の3%への引下げが求められております。市民の暮らしを守るという点からも、せめて地方の行政は消費税をかけるべきではないと思います。
以上を反対の理由として
一般会計決算の認定に反対をするものであります。
また、認定第3号、
国民健康保険の
特別会計決算認定についてですが、だれもが国保税は高過ぎると思っております。高過ぎて払い切れない。既に限界を超えております。鹿沼市は、県内12市の中でも1
世帯当たり2番目の高さであります。払い切れない人を階層別に見ますと、年間所得300万円以下の世帯が75%を占めております。したがって、
一般会計からの繰り入れを行って税の引下げをすべきと思います。また、国に対しては、国の負担率を45%の元の負担率に戻すよう求めていくべきと思います。
これを反対の理由といたしまして、
議員各位のご賛同を求めまして反対討論を終わります。
○議長(
鈴木幸夫君) ただいま芳田君の発言の中で、
求人倍率の話がございました。その中で、「100人に対して0.70という
求人倍率」と言いましたけれども、これは「100人に対したときには70人」ということでよろしいですね、
求人倍率ですから。そういうことに訂正させてよろしいですね。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) はい、わかりました。
引き続き発言を許します。
21番、船生哲夫君。
○21番(船生哲夫君) まず、討論に入る前に、例年ですと9月に
決算審査が行われましたが、本年は議会の改選の年でもあり、師走の12月に
決算審査が行われました。審査に当たられました
永田委員長を初め、
委員各位並びに次年度の
予算編成作業の中での審査に当たられた担当部局にご慰労申し上げたいと思います。
私は、認定第2号、平成10年度、昨年度の鹿沼市
一般会計歳入歳出決算の認定につきまして認定すべきであるという立場より討論をいたします。
私は、議会における
決算審査に当たっては、決算にかかわる予算の執行が議会の議決の趣旨及び
関係法令等の規定に従い、適正かつ効率的に行えたかどうか、また
社会経済情勢の変化に対応して、効果的かつ適切に執行が行われたかどうか、施策の効果は十分に上がったかどうか審査することであります。ただいま反対討論がありましたが、不認定にするほどの要因になり得ないと考えるものであります。ただいま
決算委員長より審査の経過と報告について報告されたとおり、
決算認定を可とすべきものと思っております。
本市における平成10年度予算の執行につきましては、厳しい財政状況の中、第4次
総合計画の3年目としての成果が数多くあらわれているものと感じております。決算の内容を見ますと、自主財源の確保に努め、効率的な財政運営によって、財政の健全化に努力されたと認められるものであります。歳入につきましては、税収の伸び悩みが心配される中、所要額を確保したことは関係者のご努力によるものと敬意を表するものであります。また、
国県支出金の積極的な導入、使用料、手数料、財産収入の確保に努めたことも評価すべきものと考えます。
次に、歳出につきましては、申し上げたとおり、第4次
総合計画の3年目として計画された事業を効率的かつ着実に執行されたものであり、特に
総合体育館建設事業、出会いの
森整備事業、
文化ゾーン整備事業等いわゆる3大プロジェクトの推進に加え、「きれいな
まちづくり」をテーマとした下横町周辺地区を初めとする
土地区画整理事業、屋台の
まち中央公園整備事業、千手山
公園整備事業等や、「活力ある
まちづくり」をテーマとした
首都圏農業確立対策事業、中山間地域・
農村活性化対策事業、
特定商業集積整備事業、
金融対策事業等、「やさしい
まちづくり」をテーマとした
在宅障害者支援事業、
がん予防対策事業、保育所再
整備事業、女性の
社会活動推進事業費等、「心豊かな
まちづくり」をテーマとした
北犬飼中学校大
規模改造事業、南摩地区・
加蘇地区コミュニティ推進施設整備事業、さらに「誇れる
まちづくり」をテーマとした市制50周年記念事業、情報インフラ
整備事業、国際親善交流事業等が実施をされました。西部簡易水道建設事業、農業集落排水処理施設建設等、市民の生活環境保全のために積極的に事業が実施されておりました。これらは市民のニーズに的確にこたえたものであり、「人と自然が彩る風景のある住みよいまち」の実現を目指した福田市長の積極的な政治姿勢を評価するものであります。
今申し上げました点につきまして、かぬまビジョン2010のいわゆる3大プロジェクトの一つであります
総合体育館の建設事業につきまして、反対討論では、
大型公共事業等につきましては多額の税金を使い過ぎるとか、凍結すべきとか、見直しをすべきというような反対討論がありました。しかし、
総合体育館につきましては、昭和60年代、私どもが当選をさせていただきました時代に、2万人以上の市民の方々から建設の陳情が上がったことはご承知のとおりであります。議会といたしましても、平成6年の3月議会で
総合体育館建設促進特別委員会を設置し、付託調査事項といたしまして、規模と立地に関すること、さらには施設の機能に関することを委員会として審議をいたしました。委員会は中間報告を含めて9回にわたる審議が行われたわけであります。市民の体育館に対する要望をよく調査し、健康都市にふさわしい体育館を建設しようではないかと。市制50周年記念事業として他の市町村に誇れる、また市民が愛着を持てるような体育館を建設しようということになったわけです。また、全国的な競技大会や多彩なイベントを開催できる施設にしようと。また、交通アクセスに対する対応等、特に土地代に多額の予算を要しないことということでした。厳しい財政の面から見ても、13の候補地が挙がりまして、委員会として全部の候補地を視察させていただきまして、現在のところに委員会としても全員賛同をさせていただいたわけであります。そのおおむねの意見でありますが、あの広い土地の所得につきまして、先ほど申し上げましたように、土地代に多額の費用をかけないことというところでありますから、さまざまな事業を取り入れまして、体育館自身につきましてはなかなか補助がつかないというところでありますので、
総合体育館につきましては、県の補助事業、さらには有利な起債事業を積極的に導入をしたところであります。
総合体育館の総事業費がひとり歩きをしているような感じで、50数億の予算がすべて市から持ち出しているかのように一般の市民の方はおっしゃいますが、実はそうではない。主な財源は、鹿沼市、粟野町、西方町の広域交流施設という観点に立ちまして県から20億円の補助をいただき、さらにはあの土地は無償で県からお借りするということでして、県の補助金、それから地域総合
整備事業費の起債額として数十億円、20億4,000万円を加えますと、補助金全体で44億円の補助金が出たということで、市の一般財源の持ち出しは約7億円ということになったわけであります。あの土地を買うということになりますと、当時の流通センター売り値で1㎡4万7,000円程度ということでありますから、36億円ぐらいが必要であったということであります。もしあの土地をほかのところに見つけるということになりますと、土地代だけで相当な金額になってしまう。また、駐車場も多く必要ということでありますので、なかなかそういう土地が見つからないということで、市有地か県有地を探したということが当時の委員会での審議でありました。
また、出会いの森につきましても、高齢者のレクリエーションや学習活動の拠点であり、市民の野外レクリエーションセンター活動の拠点となるということでありますので、財源の確保に苦慮をされたと伺っております。主な財源といたしましては、県の補助金、さらには地域総合
整備事業としての起債額12億2,000万円等々がございまして、全体事業費27億円中23億4,000万円が補助金ということです。また、出会いの森につきましては、西北部の活性化事業ということで、私ども西北部出身の議員としては、出会いの森整備につきましては、凍結とかに絶対にあってはならないと強く要望させていただきたいと思います。
さらには、文化ゾーンにつきましても、生涯学習活動や健康づくり活動の拠点となるということで、また中心市街地活性化の拠点ゾーンとしての役割を担う点から、また今議会に特別委員会が前議会に続けて設置をされるという予定になっておりますので、今後十分に審議をされるよう希望いたします。
また、その他の件につきましても、反対討論がありました。いわゆる箱物建設によって財政を圧迫してしまうのではないかというようなことでありますが、財政健全化推進計画に基づく市債の抑制によって、後年度の財政負担に配慮した健全財政の維持に努めておられると思います。また、
大型公共事業の中止あるいは凍結につきましても、今申し上げました三つの
整備事業につきましても、第4次
総合計画、さらには今申し上げました財政健全化推進計画に基づいて推進しているものでありまして、中止あるいは凍結する必要はないと考えるものであります。
また、消費税につきまして討論がありましたが、消費税5%については、国の立場で論じられております。活力ある福祉社会の実現を目指した視点から、一般消費に対して広く公平に負担を求めるということで定着をしておりまして、消費税3%に戻すことは、国の財政状況から見ても非常に困難であろうと私も思っております。
また、
東大芦川ダム建設関係につきましては、鹿沼市の水道水源はすべて地下水に依存しております。近年の環境変化と地下水の水位低下、また12月から3月にかけまして鹿沼市は渇水化の時期に入ってまいります。私ども西北部に住んでいる議員の一人として、飲料水には大変苦慮しておるのが現状でありまして、水源の確保が現在不安定であります。水道水源の安定供給を図るためにも、東大芦川ダムによる表流水の確保は必要不可欠だろうと思っております。また、思川開発事業につきましても、まず西北部地区住民の長い間のご苦労があったことと思います。生活再建地区を優先して進めるべきであり、早急な解決を望みたいものであります。
続きまして、国保について申し上げたいと思います。
国民健康保険特別会計において、何点かの理由を挙げての反対討論がありました。もちろん私も住民負担を軽減することに反対するものではありませんし、保険税負担が軽いことは望ましいことであります。しかし、国保会計という会計の性質上からして、支弁され、賄うものでありまして、これは国庫支出金と被保険者の負担によるものでありますが、医療費と税負担は比例するもので、医療費が多くなれば、税負担も多くなるのは当然のことであります。また、
一般会計からの繰入金ですが、
一般会計から無秩序に繰り入れすることには問題があります。現在の繰入額が妥当であると思いますし、国保会計は社会保険に加入していない一部の住民を被保険者としておりますのに、住民一般のために使用すべきお金を一部の住民のために等は、独立会計の原則からも問題のあるところであります。事実、勤労者層からは、国保会計に対する繰入金について批判のあることも事実であります。参考に平成10年度末の鹿沼市の人口は9万4,315人、国保加入者は3万3,682名でございまして、人口比に対して35.71%でありました。先ほど反対討論の中で、県内12市の比較についても触れておられました。世帯数では2番目ということでありますが、個人的には1人当たりでは4番目という数字も出ております。そういう意味から、私は国保につきましては認定すべきものと思います。
21世紀に向けて今後とも厳しい財政環境が予想され、前途多難な面もあろうかと思いますが、諸施策の着実な推進を図りながら、市民を初めとして全職員、さらには福田市長を中心に、市の全職員一丸となって市政に取り組まれることを期待して賛成討論を終わります。
○議長(
鈴木幸夫君) 以上で討論を終結いたします。
続いて、日程第2、認定第2号 平成10年度鹿沼市
一般会計歳入歳出決算の認定について及び認定第3号 平成10年度鹿沼市
国民健康保険特別会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
お諮りいたします。認定第2号及び認定第3号について一括採決したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) ご異議なしと認めます。
したがって、直ちに一括採決いたします。
お諮りいたします。各付議案件については、委員長の報告どおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(起立多数)
○議長(
鈴木幸夫君) 起立多数であります。
したがって、各付議案件については委員長の報告どおり決しました。
続いて、日程第3、認定第4号 平成10年度鹿沼市
公共下水道事業費特別会計歳入歳出決算の認定についてから認定第10号 平成10年度鹿沼市
都市開発資金事業費特別会計歳入歳出決算の認定についてまで、及び議案第78号 平成11年度鹿沼市
一般会計補正予算(第3号)についてから議案第96号鹿沼市
都市公園条例の一部改正についてまで、並びに陳情第9号
新駅設置について及び陳情第10号 鹿沼市
東部地区における
JR日光線新駅設置に関する陳情についてを議題といたします。
お諮りいたします。認定第4号から認定第10号まで及び議案第78号から議案第96号まで並びに陳情第9号及び陳情第10号については、直ちに一括採決したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) ご異議なしと認めます。
したがって、直ちに一括採決いたします。
お諮りいたします。各付議案件については、各委員長の報告どおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) ご異議なしと認めます。
したがって、各付議案件については各委員長の報告どおり決しました。
続いて、日程第4、議案第98号 平成11年度鹿沼市
一般会計補正予算(第4号)から議案第102号 鹿沼市一般職の職員の給与に関する条例等の一部改正についてまでを議題といたします。
市長から提案理由の説明を求めます。
市長、福田君。
○市長(福田 武君) 提出議案についてご説明を申し上げます。
今回提出いたしました議案は、予算2件、条例3件の計5件であります。まず、議案第98号及び議案第99号は、各会計とも国家公務員の給与改定に準じて職員給与の改定及び職員の異動等による給与費の調整並びに議員報酬及び市長等の給与の改正に伴う調整をするため、予備費をもって歳出構成を行うものであります。
なお、今回の給与改定等の額は、
一般会計で1,983万7,000円の増、公共下水道事業費
特別会計で2,241万5,000円の減であります。
議案第100号は、国家公務員の給与改定に準じて、市議会議員の期末手当の支給率を引下げるためのものであります。
議案第101号は、国家公務員の給与改定に準じて、市長等の期末手当の支給率を引下げるためのものであります。
議案第102号は、国家公務員の給与改定に準じて、職員の給料月額及び宿日直手当の額を引上げ、期末手当の支給率を引下げるとともに、育児休業職員に対する期末勤勉手当を支給するためのものであります。
以上で説明を終わります。
○議長(
鈴木幸夫君) 提案理由の説明は終わりました。
議案調査のため、暫時休憩いたします。
(午前11時08分)
○議長(
鈴木幸夫君) 休憩前に引き続き再開いたします。
(午前11時15分)
○議長(
鈴木幸夫君) これから質疑に入るわけでありますが、この件につきましては発言通告をとっておりませんので、質疑のある方は順次発言を許します。
質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) 別段質疑もないようですので、以上で議案に対する質疑を終結いたします。
お諮りいたします。本件については、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) ご異議なしと認めます。
したがって、直ちに採決いたします。
議案第98号から議案第102号までについては、原案どおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) ご異議なしと認めます。
したがって、議案第98号から議案第102号までについては原案どおり決しました。
続いて、日程第5、議員案第9号
道路整備予算の確保に関する意見書の提出について、議員案第10号
法務局職員の増員に関する意見書の提出について、議員案第11号
教育問題調査特別委員会の設置について、議員案第12号
水資源問題調査特別委員会の設置について、議員案第13号
文化ゾーン整備調査特別委員会の設置についてを議題といたします。
お諮りいたします。本件については、提案理由の説明、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに一括採決したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) ご異議なしと認めます。
したがって、直ちに一括採決いたします。
お諮りいたします。議員案第9号から議員案第13号までについては、原案どおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) ご異議なしと認めます。
したがって、議員案第9号から議員案第13号までについては原案どおり決しました。
続いて、日程第6、
特別委員会委員の選任についてを議題といたします。
特別委員会委員の選任については、鹿沼市議会委員会条例第5条第1項の規定により、議長において指名いたします。
指名する委員の氏名を
事務局長に朗読させます。
○
事務局長(
佐々木泰經君) 朗読いたします。なお、敬称は省略させていただきます。
教育問題調査特別委員会委員、露久保健二、関口隆、大貫武男、冨久田耕平、小松英夫、阿見英博、荒井令子、鈴木貢、永田都賀子。
次に、
水資源問題調査特別委員会委員です。赤坂日出男、飯塚正人、宇賀神勇、田野井政夫、小林幹夫、阿部和夫、芳田利雄、熊倉勇、石島克吉。
次に、
文化ゾーン整備調査特別委員会委員です。大島久幸、橋本正男、山田利英、小川清正、小野口幸司、寄川フユ子、船生哲夫、山崎正信。
以上であります。
○議長(
鈴木幸夫君) ただいま朗読をいたしましたとおり選任することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) ご異議なしと認めます。
したがって、それぞれの特別委員会の委員に選任することに決しました。
続いて、各特別委員会の委員長並びに副委員長の互選をお願いいたします。
暫時休憩をいたします。
(午前11時21分)
○議長(
鈴木幸夫君) 休憩前に引き続き再開いたします。
(午前11時36分)
○議長(
鈴木幸夫君) ただいま各特別委員会の委員長並びに副委員長の互選の結果報告がありましたので、事務局に報告させます。
○
事務局長(
佐々木泰經君) 報告いたします。なお、敬称は省略させていただきます。
教育問題調査特別委員会、委員長、鈴木貢、副委員長、阿見英博。
次に、
水資源問題調査特別委員会、委員長、小林幹夫、副委員長、田野井政夫。
次に、
文化ゾーン整備調査特別委員会、委員長、山崎正信、副委員長、船生哲夫。
以上であります。
○議長(
鈴木幸夫君) 以上で報告は終わりました。
続いて、日程第7、鹿沼市
選挙管理委員会委員及び補充員の選挙を行います。
お諮りいたします。選挙の方法については、
地方自治法第118条第2項の規定により、指名推選によりたいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) ご異議なしと認めます。
したがって、選挙の方法は指名推選によることに決しました。
お諮りいたします。指名の方法については、議長において指名することにいたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) ご異議なしと認めます。
したがって、議長において指名いたします。
鹿沼市
選挙管理委員会委員に、森一雄、橿渕義雄、葉山茂、斎藤せつ、以上4名を指名いたします。
補充員に、小笠原通夫、矢島貞昌、渡辺昭男、橋本房子、以上4名を指名いたします。
お諮りいたします。ただいま指名いたしました8名を鹿沼市
選挙管理委員会委員及び補充員の当選人と定めることにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) ご異議なしと認めます。
ただいま指名いたしました8名が鹿沼市
選挙管理委員会委員及び補充員に当選されました。
なお、補充員の順位については、指名順序のとおりとすることにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木幸夫君) ご異議なしと認めます。
したがって、補充員の順位は指名順のとおりと決しました。
続いて、日程第8、
常任委員会調査報告についてを議題といたします。
本件については、各委員長からお手元に配付してあります調査報告書のとおり調査を終了した旨の報告がなされております。なお詳細に報告を求めるものであります。
各委員長の報告を求めます。
文教民生常任委員会委員長、永田さん。
○
文教民生常任委員長(永田都賀子君) ただいまから
文教民生常任委員会行政視察の結果についてご報告をさせていただきます。
本委員会は、さる11月4日から6日までの3日間、広島県東広島市においては、心を育てる教育推進懇話会21事業について、岡山県笠岡市においては、「炉端の家」痴呆性高齢者グループホームについてを調査事項として視察を実施いたしました。
最初に訪問しました東広島市は、広島県のほぼ中央に位置し、緑豊かな自然環境に恵まれ早くから開け、古い歴史と文化を持っており、昭和48年2月国立広島大学の統合、移転の決定を契機に学園都市建設の機運が高まり、昭和49年4月に4町が合併して市制を施行し、人間と自然の調和のとれた学園都市を目標に、学園都市テクノポリス、福祉の
まちづくりを進め、現在人口約11万4,000人を数える都市となっております。
ところで、今回の調査事項でありますが、心を育てる教育推進懇話会21事業についてです。この事業の取り組みのきっかけは、心の旅探しという教育長の地元紙のコラムへの投稿に対する反響に端を発して平成8年度に始まり、その中心的な組織として、東広島心を育てる教育推進懇話会21を立ち上げ、本格的に活動が開始されました。その準備期間において、神戸の小学生殺害事件、ナイフ所持等によるさまざまな事件がありまして、まさに子供たちの心の育ちについての関心が急速に高まった時期でもありました。神戸の事件後、文部省の中央教育推進審議会の諮問に対する答申、幼児期からの心の教育のあり方があり、初めて文部省が家庭教育まで踏み込んだ具体的な内容の発表等、国のレベルでもあらゆる分野での取り組みが進められております。東広島市における懇話会21では、心の教育をどう進めたらよいか、市民ぐるみで論議を進め、深めるとともに、地域の教育力の再生、新しい時代の心の教育のあり方を明らかにすることを目的とし、事業に取り組んでいます。この活動の中で、子供たちの心の問題はほとんどすべてが大人の言動に起因するということが浮かんできました。大人社会が本気で危機感と当事者としての意識を持たずして、この問題の解決は見えてこないということであります。懇話会21における3年間の取り組みとしては、平成9年度中に中学校区で心の教育ミニ懇話会を8回、平成10年度にはテーマ別小委員会を10回、市民アンケートの実施、今年度は心の教育市民参観日を4回開催するなど、市民が極めて具体的な形で、子供たちの実態を、大人の問題を、率直に論議してきました。さらに、このような話し合いの場を組織することにより、中教審などの専門的な詳しい答申結果を参加した市民と確認していく作業としても価値があったようでございます。また、これまでの論議過程を整理し、心の教育について共通に理解すべき内容を具体的提言として心の教育への提言を市民に提示することによりまして、心の教育の実践活動につなげようとしております。
その提言は、第1章から第3章までの3章から構成され、第1章、心をめぐる現代の現状として物質的な豊かさを心の豊かさに結びつけにくくなっている要因について、1として価値観の多様化と混乱が子育ての基本をわかりにくくさせている。2として、核家族化により子育ての知恵の伝承ができにくくなっている。3として、少子化により子供間の体験が不足し、子供の遊びが変化している。4として、都市化により地域のまとまりによる教育力が発揮できにくくなっているとして、また豊かな心はいつからいつまで育つのかについて、それぞれ現状についての分析、解説がなされています。
次に、第2章、心の教育とはどんなものかとして、1、時代を超えて変わらない価値のあること(不易)を教育することである。2、これからの時代に不可欠な個性化教育(流行)の土台を成すものである。3、大人の心のあり方に起因する教育である。4、すべての教育、家庭、学校、地域がそれぞれの役割を担うものである。5として、いつでも、どこでも、だれでもできるし、しなければならないことであるとして定義づけをしております。
そして、第1章、第2章のまとめとして、第3章、「心の教育10のアピール」において、具体的に取り組まなければならない項目を、家庭、地域、学校、行政、その他に分けて11のアピールを提言しております。その内容は、家庭においてはしつけが大切であることから、そのアピールとして、1、子供が家族全員が守るルールを決めよう。2として、子供と一緒に家族で地域の行事に参加しよう。3として、高齢者を大切にする家庭をつくろう。4として、命の大切さをいつまでも教え続けよう。地域では、地域の一体感や活動への参加率が低下していることから、そのアピールとして、1、地域で守るホームタウンルールを決めよう。2、地域で子供たちの多様な体験活動を。学校では、今後完全週休2日制の実施により学校の割合も役割も変わっていくことが予想されることから、そのアピールとして、1、学校と市民が子育てでつながる開かれた学校づくりを。2として、学校間の連携を進めよう。そして、心の教育の取り組みはすべての家庭、地域、学校が一緒に取り組むべきものですが、そのための条件整備は行政的な課題でもあることから、行政その他でのアピールとして、1、青少年や子供たちのための施設の充実を。2として、気軽に子育ての悩みが話し合える場を各地域に。さらにプラスワンとして、若者文化(深夜営業)の店同士の連携で非行化対策を。さらに、この提言を「心を育てるアピール10プラスワン」と題したパンフレットにして全戸に配布して、市民への実践活動の定着を推進しているところでございます。
以上、東広島市における心の教育事業についてご報告をしましたが、これらの事項は東広島市に限らず、鹿沼市においても当てはまることがあり、特に家庭及び地域における心の教育の取り組みが大変重要であることを再認識いたしました。また、本市においても、既に取り組みがなされていると思いますが、今後さらなる実効性のある心の教育が行われることを期待いたしまして、心を育てる教育推進懇話会21事業についての報告とさせていただきます。
次に、笠岡市についてでございますが、カブトガニの繁殖地として有名な笠岡市は、岡山県の南西部に位置しておりまして、西は広島県福山市に接する県境の人口約6万を数える都市であります。南は七つの有人島を初めとし、大小さまざまな島が点在する風光明媚な瀬戸内海国立公園の一角を成しております。昭和27年に市制施行して以来、豊かな緑と輝く瀬戸内の海、そして温暖な気候に恵まれ、順調に発展し、岡山県西南部の中核都市として21世紀に向け第一歩を踏み出そうとしておるところです。市民生活においては、精神的豊かさを求める価値観が重視され、個性と魅力に満ちた心優しい生活元気都市の実現を目指し全力を傾注しています。笠岡市では、だれもが幸せに、元気の源は健康と豊かな心からとして、意識の高揚と医療、保健福祉が一体となった支援事業として、痴呆性高齢者グループホーム「炉端の家」の建設のほか、自治体では日本初の試みとして七つの有人島のうち、六つの島を月2回訪問して、入浴、リハビリ、血圧測定や親睦交流が楽しめるなどのデイサービスが受けられる福祉の船「夢ウェル丸」の運航や特別養護老人ホーム、老人保健施設、ケアハウスなど、先進的な福祉サービスに積極的に取り組んでおります。
このうち、今回調査してまいりましたグループホームについてでございますが、グループホームとは、スウェーデンで、痴呆性高齢者は集団管理では本当のケアはできない、痴呆性高齢者は「痴」である以前に1人の老人である。より家庭的な環境の中でストレスなしに暮らしてもらおうと、長い時間の試行の中から生まれた方式であります。痴呆性の特徴であるアルツハイマー型は、記銘力、保持力、想起力という人間の持つ三つの力が低下するものですが、これらの力の低下があらわれる初期症状の痴呆性高齢者に対してのケアを行うものでございます。「炉端の家」では、まだ昔のことが記憶にあり、昔のことが思い出せる保持力、想起力を持つ痴呆性高齢者が昔風の長屋の一軒の家に少人数で住み、看護婦やヘルパーの24時間介護体制の中で、お互いの残存能力を生かして、料理、洗濯、掃除あるいは買い物や畑づくりをする普通の生活の中で、痴呆であっても人間の尊厳を大切に人間らしく生きていこうというものです。笠岡市では、高齢化率が23.8%と高く、独居老人1,701人、寝たきりの老人が223人という状況の中、平成7年度に「炉端の家」が建設されたのであります。市が運営主体となり、入所者負担金1人月額9万円と県の補助金を歳入として不足分を市が負担して運営されております。定員は8名で、入所者はそれぞれのプライバシーを守る個室に入りまして、自由な服装で生活し、介護者の同行により買い物やピクニックに出かけ、週に2日はデイケアセンターに行き、そこに通っている痴呆性高齢者と交流を行っているそうです。介護体制は、看護婦、ヘルパー、介護士ら市嘱託職員4名と委託職員4名の専門スタッフ8人がローテーションを組み、生活の手伝いやケアを行っており、医療は近くにある痴呆性高齢者専門病院の医師が定期的な診察や緊急時に対処しております。以上が笠岡市におけるグループホーム炉端の家の状況です。来年4月より、介護保険制度が実施されるに当たりまして、さまざまな問題や検討事項は出てくると思われますが、本市においても、安心して老後が過ごせるような福祉施策がさらに充実することを期待して報告とさせていただきます。
最後に、いずれの視察地におきましても、各委員とも活発な質疑を行うなどしまして自己研さんを積み、大変有意義な視察でありましたことを申し添えさせていただき、
文教民生常任委員会の調査報告を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(
鈴木幸夫君) 次に、
総務常任委員会委員長、小松君。
○
総務常任委員長(小松英夫君) ただいまから
総務常任委員会の視察調査について詳細にご報告をいたします。
本委員会は、去る11月15日から17日までの3日間、兵庫県明石市と大阪府茨木市を視察してまいりました。初めに訪問しました明石市は、東経135度の日本標準時子午線上で、非常に有名であります。瀬戸内海に面し、明石海峡を挾んで淡路島を臨むことができ、古くは万葉歌人の柿本人磨呂によって多くの歌が詠まれたという風光明媚な地であります。海岸線に沿って東西に長い地形をしており、東から北にかけては県都神戸市に、また西は加古川市などと接しております。平成3年に策定された第3次長期
総合計画では、2001年を目標年次として「美しい風土と豊かなふれあい」、そして「躍動に満ちあふれた海峡公園都市明石市」を都市像として挙げ、その実現に取り組んでいるところです。
しかし、皆様もご承知のとおり、平成7年1月の兵庫県南部地震により、明石市も大きな被害を受けました。以降34億円をかけ天文科学館を復旧させるなどして、改めて計画をスタートさせる形となりました。そこで、震災を教訓として地域の防災意識が高まり、発足が増加しているという広域的自主防災体制組織の支援についてを調査事項といたしました。今回のような大規模、広範囲の震災が起きた場合、これまでの消防団組織では対応が全くできなかったことから、平成8年3月に、ある小学校区の13自治会を中心として、地域の防災意識を高めるとともに、高齢者や弱者を支援しようという自主的な団体が結成されました。地震を体験したことにより、地域を挙げての自主防災の必要性というものを再認識し、1年がかりで組織の設立に至ったとのことです。3,000世帯を超える13自治会と地域の病院などで構成されております。その後は各自治会などでの組織結成が相次ぎ、現在13の団体が登録をされております。全市では、10万8,300世帯のうち、2万3,700世帯が加盟している状況で、今後一、二年を目標としまして100%の加盟を目標としているようでございます。消防団組織と比較すると、複数の自治会、学校区の連合組織となることによって、より広域的なものとなり、災害の際にはより迅速な初期活動が行え、災害本部の応援があるまで被害を最小限に抑えることができます。また、ひとり暮らしのお年寄りを訪問する活動、防災の集いや救急講習を開催していくなど、心の通った総合的な地域づくりを目指しているそうです。市では、そうした団体に対し、世帯数掛ける20円プラス1自治体当たり1万円の活動助成金を交付しているほか、防災用資機材をセットにして貸与しています。この資機材の設置は消防本部が担当しております。大型ハンマー、のこぎり、番線カッター、つるはし、スコップ、レスキューアッキスなどの工具のほか、ヘルメット、拡声器、消防隊と同様のケプラー手袋など本格的な機材を実際に目にすると、受けた災害の大きさや深刻さを想像することができました。それらを活用して団体ごとに訓練が行われますが、その経費についても補助金が出されるとのことです。また、現在も市の広報紙やケーブルテレビ等を通じた組織結成のPRを行うことによって、より多くの世帯の加盟を推進しているようであります。このような実際の体験に裏づけされた組織づくりは、非常に説得力がございます。本市でも、対岸の火事と考えず、このような組織づくりを推進していくことにより、万が一の事態に備えることが必要と思われます。それには、まず住民の意識を変えていくことからスタートすべきではないでしょうか。
次に、訪問しました茨木市は、淀川の北、大阪府の北部に位置し、北半分が丹波高原のふもと、南半分が大阪平野の一部を成して豊富な自然をも残されております。人口は25万人を超え、名神高速道路や大阪中央環状線、近畿自動車道などの主要幹線が走り、北大阪の交通産業の要衝として重要な位置を占めております。ここでは、行政改革の概要と行政情報提供システムについてを視察してまいりました。
茨木市では、複雑多様化する市民福祉、行政需要に的確に対応するため、一層の行財政の健全化と減量化を図る必要に迫られ、いち早く昭和56年から庁内組織として行政改革に関する調査研究委員会を設置しました。そこで出た結果をもとに、市民のコンセンサスと参加協力を得て、昭和58年に茨木市行政改革に関する懇談会を設置いたしました。行政改革のあり方について諮問を行い、昭和59年にはその答申がなされました。ただ単に経費の節減だけの視点でなく、行政の質的な向上をとの認識から、平成9年に行政改革推進委員会、これは庁内組織でつくられたそうであります。その委員会において取り組みの指針を定めて、現在も推進しているとのことです。基本的な考え方として、現在は委託の時代としての処理場の運営やごみの収集の半分程度を民間に委託したほか、新規事業の精査をすることも重要としています。最近はやりとなっておりますが、行政評価システムや職員減の数値目標は特に設けずに、状況に応じて対応しているようであります。市役所庁舎の一部で深夜電力の活用やトイレ洗浄水に雨水を利用し光熱費を節減したことや、上下水道の使用料に消費税を転嫁するなどの改革の内容も定期的に市の広報紙にて紹介し、市民への周知をしています。
特に参考としたいのは、受益者負担の適正化を図る中で、住民票などの証明手数料が長期間据え置かれているということです。これは、駐車場の使用料により年間約10億円の収入がございます。仮に証明手数料を値上げしても、1億円程度の増にしかならず、市民の需要を的確にとらえた点に感心いたしました。この駐車場は、市の中心部にある人工地盤の公園、テニスコート、多目的広場の地下約9,800㎡に308台分のスペースが確保されております。使用料は30分100円、決して高くはありません。グラウンドの利用者や駅が近いなど地理的にも好条件がそろい、利用者が多いため、収益も上がると考えられます。総工費は37億円と多額でありますが、慎重に先を見据えたため、好結果がもたらされたと思います。また、
住民サービスとして、公的施設の案内、予約のシステムの方策を図りましたが、これは大阪府内の他市町村とのネットワーク化を目指すシステムで、各団体が経費を応分に負担してシステム開発を行い、平成8年の稼働からこの運営においても共同で行っております。登録をすれば、電話、ファクス、パソコン専用端末機から通信ができ、特に専用端末機は、市役所本庁の6台を初めとして、各スポーツ施設、出張所、公民館等の公的施設に合計41台が設置されており、原則24時間の受付で利用申込や予約を可能にしております。料金も口座振替により、事務の正確化、迅速化を図っております。自らの市単独のシステム開発ではなく、近隣市町村と共同開発することにより、行政区域を超えた情報提供、施設利用が可能になる一方で、システム開発の費用も現在13団体で利用しているため、13分の1で済むとのことです。これらの事例から、近隣の自治体との連携によりシステムの充実、経費の抑制が可能となるため、本市でも十分参考としていくべきではないかと考えるところであります。
以上、調査の主な点について述べましたが、各委員から多くの質問がなされ、大変有意義な視察となりましたことを申し添えまして、
総務常任委員会の調査結果の報告とさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(
鈴木幸夫君) 続いて、
建設水道常任委員会委員長、芳田君。
○
建設水道常任委員長(芳田利雄君) それでは、ただいまから
建設水道常任委員会の調査結果について報告をいたします。
委員会は、去る11月15日から17日までの3日間、滋賀県の長浜市と兵庫県西宮市を調査してきました。
まず、長浜市でありますが、長浜市は、滋賀県の北東部、琵琶湖の東の湖畔に位置しております。昭和18年4月に長浜を中心として1町6か村が合併して今の姿ができたそうであります。長浜市は、豊臣秀吉がかつて長浜城を築き城下町を建設したのが始まりであり、江戸時代以降は街道町や門前町、港町としての機能を持ち合わせ、さらに豊臣秀吉が長浜を朱印の地と定めてから、一躍この地方の文化、経済の中心として栄えた歴史のあるまちと言われております。楽市楽座のまち長浜、商売の流通が盛んで、洋館だけの学校や駅舎が建つ文化的にも大変進んだまちと言われております。明治につくられた銀行も洋館で、その外壁が黒塗りであったことから、黒壁銀行の愛称で長年市民に親しまれてきました。昭和63年、今から12年前に、黒壁銀行を取り壊す話が持ち上がったため、それを機に沈滞化した商店街の活性化に役立てようとしたもので、それが黒壁スクエアと北国街道の
まちづくりとなったものだそうです。一方では、ガラスという事業を起こして、ガラス館やガラス工房をつくり、これにガラスブームも加わって年間10万人の観光客が来たとのことであります。黒壁のある北国街道周辺は、江戸から明治にかけて建てた空き家が100軒ほど残っていたことから、住民に呼びかけて、壊さずに景観を守りながらの
まちづくりを考え、そこにガラスショップ、ガラス工房、ガラス美術館をつくり、これを主軸に商店街の3分の1を取り込んだ黒壁ガラススクエアを形成しております。入館者も、先ほども申しましたように、1年目が10万人、2年目が20万人、その後は毎年120ないし140%ずつ増加し、現在は120万人に達し、ことしは180万人を見込んでいるとのことでありました。このうち、リピーターは、2回目に見に来る人ですね、一度は観光として、2度目はガラスに十分触れることを目的にしたガラスファンとなって訪れるそうです。この黒壁の
まちづくりは商店街を勇気づけ、新たな企画に発展し、新しい
まちづくりにつながっているとのことでありました。当時の担当スタッフが黒壁ガラススクエアの
まちづくりに一番頭を使っていたことは、いかに若い女性を引き寄せるかどうかだったそうです。若い女性が集まれば、男は黙ってついてくるそうです。当時のスタッフの眼力に私も感心をした次第です。実際にガラス美術館に私ども入ってみました。月曜日であり、この日はあいにくの雨でしたが、人でいっぱいでした。若い女性は7割ぐらい、確かに男はついていたようでした。活性化とは、いかに人を集めるかであるということ、この黒壁の
まちづくりはこのことを教えてくれたものでした。鹿沼の中心地、いかにここに人を集めるか。ぜひ頭を使っていただきたいと思います。
もう一か所の視察地は、兵庫県の西宮市であります。西宮は兵庫県の南東部で、いわゆる阪神地域のほぼ中央部に位置しており、交通至便のため、極めて良好な住宅地として発展したまちであります。しかし、平成7年1月の阪神淡路大震災によって大きな被害を受けました。一日も早い市民生活の再建と都市の復興を最優先課題として、平成7年6月に西宮市震災復興計画を策定しております。その計画の中でも、住宅が密集していて特に被害の大きかった地区、森具地区の区画整理事業を視察してまいりました。震災の復興ということから、事業期間は5年と短くなっています。この地区の完成年度は平成11年度でありますが、ほぼ完成に近い事業内容でした。具体的には、震災の教訓から、道路や公園などの
公共施設を充実させる内容でした。例えば公園については、3%の面積確保を規定されておりますが、災害時の避難場所として、また災害時の類焼を防ぐなどのため、5.1%と面積を広くとり、公園には大きな防火水槽が設置してありました。また、建物の耐震化を進め、災害に強い
まちづくりを目指しておりました。また、鹿沼の下横町の区画整理と同じように、換地は減価補償地区であったため、用地の確保に大変苦労したとのことでした。震災を受けて既に亡くなった方、あるいはほかの地区へ転居を望んでいる方の土地を市が買い取って充てたとの話もありました。換地された区画には既に家が建っておりましたが、4軒ないし5軒に1軒ぐらいの割合でお稲荷さんが狭い宅地の中につくられておりました。伺ったところ、森具地区においては、震災で多数の方が犠牲になったとのことですが、それらの方の冥福を祈るため、つくったそうであります。鹿沼にも今市地震がありました。エネルギーもたまって、いつ起きてもおかしくないと言われております。災害に強い
まちづくりが求められていると思います。
今回の視察は、中心市街地における商業活性化及び住宅密集市街地の整備のあり方をメーンテーマとして実施したわけでありますが、それぞれの調査地におきまして、参加委員が熱心な質問を数多くするなど有意義な視察であったことを申し述べまして、
建設水道常任委員会の視察報告といたします。
以上です。
○議長(
鈴木幸夫君) 続いて、
環境経済常任委員会委員長、小川君。
○
環境経済常任委員長(小川清正君) ただいまから
環境経済常任委員会の調査結果について報告いたします。
本委員会は、去る11月16日から18日までの3日間、大分県日田市と佐伯市を調査してまいりました。
最初に訪れました日田市では、ISO14001認証取得事業と、ウッドコンビナートを視察してまいりました。日田市は、人口6万3,000人で、大分県の西北部に位置し、筑後川の上流部にある4河川が合流する水郷のまちです。四方を1,000m級の山に囲まれた盆地で、総面積の75%を山林原野が占めています。日本三大美林の一つ、日田杉が全国的に有名で、産業は木工製品や家具等の木材関連産業が中心です。また、野菜や果樹は九州でも有数の産地で、特にナシは日田ブランドとして全国各地に出荷しています。最近では北九州横断自動車道の開通により、自然の豊かな恵みと地の利を生かし大手ビール工場の進出が決定し、市民の大きな期待が寄せられています。
日田市の環境マネージメントISO14001認証取得事業についてでありますが、日田市の各部局における事務に適用し、自主的な環境管理を行い、国際標準化機構から認証取得を受け、環境管理を実施していくわけです。全国の自治体が認証取得を検討、準備、実施中で、ここ一、二年でかなりの自治体の取得が予想される状況です。認証取得のメリットとしては、環境に対する負担が軽減でき、地球環境保全への貢献ができること、システムの構築と応用により、行政改革の推進を図れること、環境に配慮した都市づくりを行うことにより、森林・田園都市づくりのイメージアップを図られることが挙げられ、また間接的な影響として、観光客の増大、優良企業や研究機関等の進出が期待できます。日田市では、将来の目標とすべき都市像を森林・田園都市と位置づけ、そのために環境が重要なキーワードとなったわけです。また、平成9年度から第2次行政改革を行っているところで、ISO14001認証取得事業はそのためのツールとしても活用できると考えられたからであります。平成10年1月、市長の英断で新年度事業の目玉として予算措置し、準備を進めていたようです。最初の準備作業に当たっては、8名の専属職員が各部から選ばれ、日田市環境マネージメントマニュアルを完成させ、現場に配付いたしました。適用の範囲は、市長の事務局をはじめ、教育委員会、議会事務局、公営企業の事務局等とし、市のほとんどの事務を適用しました。環境影響評価に関しては、システム構築上の最大の難関であるようです。説明会を実施し、各職場ごとに環境影響調査を実施し、最終的に65項目の環境影響事項を集約され、この環境影響事項を環境影響評価点順に並べ、環境影響評価点が40点以上のものの32項目を有意義な環境側面として登録しました。職員の啓蒙、教育活動は重要な部分ですが、職場へはプロジェクトチームのメンバーが出向き1週間かけて教育するほど、かなりの労力と時間をかけて行ってきたようです。事業の目的としては、大気汚染防止、市有林整備による二酸化炭素の削減、廃棄物の削減、節電等を挙げ、目的、目標の進捗状況は監視、測定の対象となり、3か月に1回の報告が義務づけられています。環境マネージメントに関する予算としては、平成10年度で510万円で、そのうち300万円が認証取得審査等手数料となっております。
今後の課題としては、今回は認証を取得しましたが、毎年認証を受けることになり、現在高まっている職員の意識を維持していかなければならないこと、また森林・田園都市づくりや環境保全活動をどう結びつけていくかにあります。21世紀を迎え、自治体の環境に対する取り組みが問われ始め、また全国的にISO認証取得事業が進行する中で、市の職員が積極的に模範を示している試みに思いました。
次に、ウッドコンビナートについてでは、日田市が市の基幹産業である林業の活性化と木材産業の近代化を図るため、大分県のグリーンポリス構想に基づいて建設した高度総合木材加工団地です。この団地の建設の目的としては、原木市場から大型製材、大型乾燥及び木材高度加工施設等に至るまでの工場を集団的に立地させることによって、加工及び流通コストの低減と製品の高品質化を図ろうとするものです。日田市の森林面積は市域の75%で、うち99%は民有林が占め、その大部分は杉、ヒノキが植えられております。市内には製材所が120あり、原木市場は7か所と、全国的に類のないものとなっています。原木生産量は日田地域で44万1,000立法メートルで、栃木県の原木生産量とほぼ同じ高い生産量を上げています。また、製材製品の出荷先としては、九州内で86%を占めていますが、最近では関東への出荷もふえているようです。このような森林や木材産業を基盤に、ウッドコンビナート構想のもとに事業が着手されてきました。団地の概要としましては、面積は全体計画67.7ha、うち工場用地面積38.5haと広大な面積です。市街地から約3kmの位置で、福岡市からは大分自動車道経由で1時間と大都市圏のアクセスにも恵まれております。既に第1期完成分40.3haを分譲開始しており、大手1社が操業を開始しております。また、税制上の優遇措置や融資制度があり、分譲の促進を図っております。大きな課題といたしましては、不況が長期化し、思うように分譲が進まないことですが、今後も対策を講じながら、誘致活動を行うとのことでした。同じ木材産業のまちとして、鹿沼市においても今後の木材産業の活性化のために、同一産業内の集約、集合という面から、学ぶべきところが多かったように思われます。
次に、訪問しました佐伯市ですが、佐伯市は、大分県の県北東部、また九州の最東部に位置し、大小の島々が浮かぶ40kmの美しいリアス式海岸と、県下でも随一の林業資源を擁する山々に囲まれた面積197平方Km、人口5万2,000人の市です。城下町佐伯市は、古くから海とともに発展してきたまちであり、昭和9年には海軍航空隊の設置により広大な敷地に港湾設備が整備されました。戦後はこの港湾部にパルプ、合板、造船等の基幹産業となる工場が次々に建設されました。これらの企業も経済低成長期を迎え相次いで倒産、市は厳しい高度不況に陥りました。現在はこの対策としてメカトロゾーンの構想のもとに、ハイテク産業の育成に取り組んでおります。また、平成9年に市民待望の東九州自動車道津久見-佐伯間の施工命令が発令され、アクセス道路の建設や
土地区画整理事業が行われております。
メカトロゾーンについてでありますが、佐伯地域は、造船、セメント、合板等の素材型、重厚長大型産業を基幹産業とする臨海工業都市として発展してきましたが、オイルショックを境に勢いに陰りが生じ始め、これらの企業が相次いで倒産し、特定不況地域に指定されました。構造不況に至って、原因は佐伯地域の産業構造が重厚長大型の基幹産業に偏り過ぎていたため、バランスのとれた産業構造転換が重要な課題となりました。また、メカトロニクス産業を中核とする産業を発展させ、経済のソフト化、サービス化の進展に対応していくことが必要となってきました。そのような状況の中、構造不況に悩む地域経済の浮揚を図るため、国と大分県では、昭和63年度に特定地域活性化対策事業による精密加工企業化調査を実施し、メカトロセンター構想を打ち出しました。メカトロセンター構想とは、まずメカトロ技術を修得し、その技術を地域に移転する役割を果たす先導的企業を育成することが必要であり、その支援組織メカトロセンターを設立し、そこが先導的企業を形成するというわけです。佐伯メカトロセンターは、平成元年、国、県、佐伯市、地元企業等が出資し、設立した第三セクター方式の株式会社です。2万㎡の敷地にインキュベーター棟と事務棟があり、インキュベーター棟には再新鋭の精密機器を設置しており、事務棟には人材育成のための研修室や新製品開発のための開発研究室があります。建設・機械設備合わせて12億3,000万円の資金は、高度化資金のふるさと財団ふるさと融資を受けました。佐伯メカトロセンターは、メカトロ産業を導入することにより、佐伯地域の産業の幅を広げ、厚みのある足腰の強いものへと変えていくことを目的としています。メカトロセンターの事業としては、インキュベーター事業、研修事業、研究開発事業の三つがあります。インキュベーター事業としては、新しい産業への進出を目指す中小企業に建物設備を賃貸し、技術指導を行いながら、地域の先導的企業として育成していくものであります。現在産業ロボットの部品の精密切削加工や超精密機械加工を行う1社が入居し、建物、機械設備の賃貸を受け、技術指導、研修等の支援活動を受けています。研修事業としては、経営者セミナー、技術研修、パソコン研修を行い、メカトロ産業への対応と中小企業の生産性向上を推進しています。研究開発事業では、射出成型金型の設計製作と新製品開発を行い、設計から製造までの全工程を行う技術力を蓄え、地域企業に技術の移転を行い、地域に金型産業を育てていくことを図っております。その中で、環境用消毒ロボットや生ゴミ処理装置等の独自製品をつくり上げております。課題としましては、その会社の出荷件数が景気の影響で少なくなっており、収支状況が悪化していることですが、今後全国から仕事を受けて地域企業へ出すのが理想ということで、将来この地域に精密加工会社が何社も立地し、メカトロゾーンができ上がり、メカトロニクスの佐伯となることを目指しています。
次に、花卉栽培についてでありますが、温暖な気候を最大に利用し、菊、バラ、スイートピー等の栽培が行われ、最近では花卉産地の拡大、団地化の推進、一元集出荷体制の整備等を進め、生産増、収益のアップを図っております。消費者と生産の拡大を目的にフラワーフェスタの開催や高品質、安定生産技術の実践を行っております。出荷先も福岡や遠く大阪方面にも出荷されているようですが、この栽培、生産指導に当たっては、県農業改良普及センターを最大に利用し、市農政課、農協指導課、各生産団体がよくまとまり、振興策を推進しています。当鹿沼市においても、農協の合併で広域になり、本市の農業者が多少動揺している時期でもあり、今後の振興策を考慮する上では、農業に取り組む力強さは大変興味深いものであると研修をしてまいりました。
以上、視察の主な点を述べましたが、全委員、積極的に取り組み、内容につきましては今後の議会活動に非常に参考になりましたことを申し述べまして、
環境経済常任委員会の視察の報告といたします。
○議長(
鈴木幸夫君) 各委員長の報告は終わりました。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
これをもちまして平成11年第7回鹿沼市議会定例会を閉会いたします。
(午後 零時32分)
上記会議録を証するため、下記署名いたします。
議 長 鈴 木 幸 夫
署名議員 赤 坂 日 出 男
署名議員 熊 倉 勇...