袋井市議会 2023-02-01
令和5年2月定例会(第2号) 本文
一方、農業振興地域の指定ですが、旧袋井市では、昭和48年、最初に整備計画を策定し、その後も昭和51年、昭和63年、平成6年などと計画変更をしてまいりました。他方、旧浅羽町の農振の指定でありますが、昭和47年から平成17年までの合併までに6回の計画変更が行われつつ、漸次都市化を推進してきたわけであります。
要するに申し上げたいことは、私たちの袋井市は、農地を企業誘致や宅地開発のために都市計画区域に編入し、拡大しながら開発を進めてきたというのがまちの特徴であり、また、歴史でもありました。
実は、この都市開発に併せて進めてきたのが河川整備でした。本市では、前段触れさせていただきましたように、周りを丘陵地で囲まれ、鍋底的地形で、しかも太田川や原野谷川など二級河川をはじめ、中小河川が市内を縦横に流れています。したがって、橋梁の数も多く、市内全部で914カ所、しかも15メートル以上の橋、橋梁が127カ所も架けられていることからも分かりますように、本市のこれまでの発展は、まさに河川整備、治水を政治の中心に据えて都市化をしてきた、こう申し上げても過言ではないかと思います。
さて、このような袋井市が水害対策に本格的に乗り出したのは、昭和42年度に着工した沖之川の袋井排水機場や、昭和47年度着工の蟹田・松橋川の蟹田排水機場、そして、同じく秋田川の柳原機場、すなわち農業サイドの湛水防除事業をもって治水を進めてきたわけであります。そして、これらが完了する昭和52年、旧袋井市時代でしたが、市域全体の排水路を見直す第1次排水路整備10カ年計画が策定され、その後、昭和62年度から第2次10カ年計画、そして、平成9年からの第3次排水路整備計画の事業化でありました。
他方、旧浅羽町では排水路計画を持たず、個別で河川整備をしてきましたが、袋井市との合併で改めて河川整備の計画を策定し、新市として新たに第1次袋井市河川等整備計画を平成23年度に策定し、そして、最も新しい計画が昨年策定されました令和4年度からの新たな河川等整備10カ年計画、通称かわプログラムに承継されたわけであります。
いずれにせよ、この間、水害はたくさんありました。近年の水害史上最も被害の大きな災害としましては、昭和49年、太田川の横井地区で決壊した七夕豪雨でした。2,436戸に及ぶ家屋の浸水被害がありました。その後も200戸以上が浸水するといった水害は数回発生してきていましたが、近年は徐々に漸減してきています。その背景として、原野谷川や太田川の河川改修、外水面の河川掘削が行われ、特に太田川にダムが建設されたことは大きく水害を減らしてきているものと思います。改めて、積年にわたり、先人諸氏が国、県に陳情を重ねるなど、そうした取組成果、結果であると思います。先人皆様に感謝を申し上げる次第であります。
しかし、昨今の豪雨災害が過去の水害とは異なり、昨年9月の台風15号のように線状降水帯による豪雨といった自然災害も、気候変動で、市内の常襲浸水地域が現計画では対応し切れなくなっているということも事実であります。
そこで、ただいまるる申し上げました本市の治水対策の歴史を踏まえつつ、何点か質問をさせていただきたいと思います。
まず(1)、袋井市河川等整備計画、袋井市かわプログラムについてお伺いします。
ア、昨年策定しました当該計画、令和4年度から令和13年度までの10カ年の事業計画を前期、中期、後期に分けて総額75億9,000万円をもって計上されました。本市の河川整備、排水路整備全体では、本来どれほどの事業費を必要と認識されているのかお伺いしたいと思います。
イ、河川整備の全体事業費のうち、本市の実質的負担分、いわゆる裏負担が幾らになるかであります。前段触れましたように、河川事業費に総額約75億円余が示されましたが、このうち、国、県の補助金や地方交付税等で補填をしていたいただく以外の袋井市民の皆様の税金で負担する分、この分がどの程度になるかお伺いしたいと思います。
次に、(2)蟹田川整備に関する基本的な考え方についてであります。
ア、御案内のように、蟹田川は、上山梨地区から田原地区まで延長5.1キロメートル、17平方キロメートルの流域面積を持つ二級河川であります。この蟹田川は、明治時代までは土橋が源流だったんですが、耕地整理で整備され、昭和になってから、当時の農林水産省の事業で行った田原地域湛水防除事業の一環で、農業排水路として整備した河川であります。それを平成15年より、都市局サイドの河川整備として事業着手をし、JR、松橋川合流地点まで2.3キロメートルを整備区間と定め、事業を進めてきていますが、これ以北、現在計画されていないJR東海道線より北側の蟹田川の改修を市として県に要望していく必要があると思いますが、その考え方についてお伺いします。
イ、この蟹田川の改修ですが、彦島大橋まで河川改修が進みました。しかし、平成22年より、ここ12年間停滞しております。この原因と対策についてお伺いします。
ウ、同じく蟹田川の改修に当たって、JR東海道線までの改修完了の予定時期と彦島大橋架橋の予定時期についてお伺いします。
エ、蟹田川の支川となります準用河川松橋川の改修計画の考えがあるかお伺いします。実は当該河川、平成23年に松橋川整備事業計画ということで策定し、緊急整備で堤防をかさ上げしていただきましたが、上流部においてかさ上げ後も越水が繰り返されており、残念ながら効果が出ておりません。全体2,360メートルを今後どのように改修していくかお伺いします。
オ、川井地区の当面の水害対策をどのように進めるかお伺いします。この問題は、以前からも一般質問している内容ですが、昨年の台風15号でも浸水被害が発生しています。こうした松橋川流域の水害常襲地区の対策をどうするか、川井地区等の現状のポンプ排水と今後についてお伺いします。
次に、(3)袋井市土地利用指導要綱によりまして設置が義務づけられています調整池についてお伺いします。
ア、開発に伴う河川への影響、要するに調整池を設置したことによる効果、これをどのように評価、認識しているかであります。
本市の開発ですが、例えば区画整理だけでも前段申し上げましたように383ヘクタール行っております。また、農地転用だけ見ましても、毎年平均して200件程度、面積にしましても田畑合わせて、合併して17年間で実に256ヘクタールが転用されています。しかし、これらの開発のうち、調整池が義務づけられた原則1,000平方メートル以上の開発は、調整池に一旦水がためられますので、河川への影響は限定的であると思います。この調整池の効果、評価と、それに対する市の認識についてお伺いします。
イ、現在開発に際して、川井西地区では800平方メートル以上、秋田川流域の開発では面積500平方メートル以上の開発に調整池の設置を指導していますが、さらに追加指定をしていく考えがあるかお伺いします。
御案内のように、1,000平方メートル以上の開発行為にあっては、袋井市土地利用事業の適正化に関する指導要綱や都市計画法に基づいて調整池の設置が義務づけられています。しかし、原則1,000平方メートル以下であれば調整池の設置の義務もなく、結果、開発が河川への負荷になります。そうした1,000平方メートル以下の農地転用が、合併後、実に約110ヘクタールもありまして、こうした開発が最も河川への負荷になっているものと思われます。そこで、規制地域の追加見直しをしていく考えがあるかお伺いします。
次に、(4)袋井市中部豪雨災害対策アクションプランの位置づけについてであります。
当該アクションプランですが、平成20年に策定され、農振地域、保水地域の確保の検討ということで、当時は全ての農振地域が保水地域として色塗りされていましたが、その後、現在の袋井市かわプログラムにも袋井市中部総合的治水対策計画にも、その記述や色塗り指定がされていません。加えて、現在の都市計画マスタープランには、土橋工業開発地を都市活力創出地として開発を進めることを前提に、明確に色塗り指定がされています。要するに、袋井市中部豪雨災害対策アクションプランは県との協議の中で改定され、土橋の開発は治水の上からも、都市計画上からも合法的に進められているという認識でよいか、そのことについてお伺いします。
次に、(5)土橋の工業開発についてお伺いします。
令和5年度も土橋の開発は市の主要施策の一つとして位置づけられていますが、この開発による河川への影響をどのように捉えられているのかお伺いします。当該開発に伴い約1万4,000立方メートルの調整池の設置が計画されています。技術基準に基づき、また、河川協議も行われ、調整池が設置され、治水の観点から問題はないと考えますが、雨水時における蟹田川下流域への影響を市としてどのように捉えているのかお伺いします。
次に、(6)市街地にある農地について、湛水機能を有する用途地域内にある農地を減免する考えはないかお伺いします。市街地で周りが埋立てられた田んぼは大きな調整池の役割を果たしています。これに対する減免の考えがないかお伺いします。
治水の最後になりますが、(7)老朽化した袋井排水機場及び蟹田排水機場の今後の対応策についてお伺いします。
当該施設は老朽化し、しかも当時、農林水産省の予算で設置されたポンプです。したがって、農作物に影響がない24時間後に30センチ程度の浸水も認められ、しかも真空ポンプ式の排水となっており、都市排水としては十分ではありません。見直しもしていかなければと思いますが、当局のお考えをお伺いし、以上、質問とさせていただきます。
3:
◯議長(
戸塚哲夫) 大場市長。
〔市長
大場規之 登壇〕
4:
◯市長(
大場規之) おはようございます。
大庭通嘉議員の治水対策についての御質問にお答えを申し上げます。
初めに、袋井市かわプログラムについての御質問のうち、本市の河川整備全体の事業費についてでございますが、袋井市かわプログラムは、令和3年度から令和12年度までの10年間で取り組む河川や雨水貯留施設などの整備方針を定めたものでございます。計画期間内の事業のうち、改修計画が定まっているものといたしましては、柳原雨水ポンプ場の整備のほか、河川、排水路2.5キロメートルの改修などで、10年間の整備費としては、ポンプ場に57億円、河川改修などに19億円、合わせて約76億円の施設整備を予定しているところでございます。河川、排水路などの詳細な全体事業費につきましては算出できる状況にはございませんけれども、毎年度のかわプログラムに従いまして予算確保に努めてまいりたいと存じます。
次に、かわプログラムで示した事業費約76億円のうち、市の実質負担額についてでございますが、整備に対し交付税措置のある有利な地方債を最大限活用した場合など、現在の地方債制度を基にそれぞれの事業ごとに試算いたしますと、下水道事業で実施する柳原雨水ポンプ場のおおむねの財源割合は、事業費57億円のうち、国の交付金が約4割と起債に対する交付税措置が約1割ございますので、市の負担は残りの約5割に相当する約29億円となります。
また、河川改修事業につきましては、事業費19億円のうち、県費補助金が約3割、交付税措置が約5割でありまして、市の負担は残りの2割、約4億円となりますことから、市の実質負担額は合計で約33億円と見込んでおります。
次に、二級河川蟹田川の整備に対する基本的な考え方の御質問のうち、松橋川合流地点から北側の河川改修計画についてでありますが、県の河川整備は水系ごとに策定された河川整備計画において工事施工区間を定めております。蟹田川につきましても、平成13年に策定された太田川水系河川整備計画にて、原野谷川の合流地点からJR東海道本線までの延長2.3キロメートルを工事施工区間とし、これまで原野谷川合流地点から彦島大橋下流までの約1.5キロメートルの整備が完了しております。県に対して、まずは彦島大橋下流からJR東海道本線までの残りの工事区間の早期完成を強く要望するとともに、現在、県では、河川整備計画の変更に向けて検討している状況でございますので、蟹田川流域の浸水被害軽減に向け、JR東海道本線北側の改修が計画に位置づけられるよう要望してまいります。
次に、改修事業の停滞の原因と対策についてでありますが、一部の地権者の理解が得られていないことや、境界立会いに応じていただけないことなどが主な要因と考えております。長い時間を要しておりますが、引き続き、県と共に理解が得られていない方に対し丁寧に説明し、粘り強く交渉を続け、地域の安全・安心に向け取り組んでまいりたいと存じます。
次に、彦島大橋とJR東海道本線までの河川改修の完了時期についてでございますが、先ほど御答弁いたしましたように、地権者との協議に取り組んでいるところであり、完成時期につきましては現時点では見通せない状況でございます。
次に、準用河川松橋川の改修計画についてでありますが、平成16年11月の洪水を受け、蟹田川合流地点からバイパス手前までの延長2,360メートルにて全体計画が策定されております。現在、市では、平成25年度から暫定計画による改修に着手し、本年度末までに、県費補助事業にて、蟹田川合流点から新池工業団地調整池付近までの約450メートルの暫定整備が完了する予定でございます。
今後の事業計画でございますが、県からの補助金を着実に確保する中で、可能な限り事業を前倒しさせ、鈴与株式会社袋井物流センター北側の川井西排水ポンプまでの延長約600メートルについて、令和9年度の完成を目指してまいりたいと考えております。
次に、川井地区などの松橋川流域における当面の水害対策についてでありますが、放流河川であります準用河川松橋川の水位が上がりますと自然流下がスムーズにできなくなるため、地区内の排水を補助する役割として川井西排水ポンプが設置されております。台風15号を受け、すぐにできる対策として、この排水ポンプを早く、長く稼働できるよう、現在、ポンプへの流入口について、40センチ下げる改修を行っているところでございます。
抜本的な対策に向け、下流河川の流下能力の確保が必要でありますので、磐田市、袋井市の流域自治会で組織されております二級河川太田川水系蟹田川整備促進協議会や、来年度、流域市町で設立いたします、(仮称)太田川水系治水対策推進期成同盟会において県へ強く要望し、蟹田川流域の治水安全度の向上に努めてまいります。
次に、市の土地利用指導要綱により設置が義務づけられた調整池についてお答えを申し上げます。
本市では、適切な土地利用の規制誘導を図るため、面積が1,000平方メートル以上の開発を対象として、平成5年6月1日から袋井市土地利用指導要綱を施行しております。
この指導要綱では、農地などが宅地化された場合に発生する雨水の流出量を抑制し、下流河川の水位上昇などの影響を軽減するため、一時的に水をため、オリフィスと言われるおおむね5センチ四方の放流口から時間をかけてゆっくりと放流する調整池の設置を開発者に対し求めております。
一方で、放流先となる太田川水系は、静岡県が示している河川整備計画において、10年に1度程度の確率で起こり得る降雨規模を想定して河川の改修断面を計画しております。この降雨規模は、著しい河川増水をもたらした平成10年9月の集中豪雨における出水が発生しても洪水被害を生じさせないことを目標としております。
これに対しまして、宅地化に伴い設置される調整池の容量は、50年に1度程度の確率で起こり得る降雨規模で計算し、さらに2ヘクタール未満の開発にはそれに1.2倍を乗じて、また、2ヘクタール以上の開発はそれに2倍を乗じて容量を定めております。
ただいま申し上げましたように、調整池の容量は、河川の改修規模を上回る大きな雨量で算出するとともに、調整池からの放流につきましては、河川の改修規模を下回る放流量となっておりますことから、下流河川への負担軽減に大きな役割を果たしているものと認識しております。
次に、小規模な開発に対し調整池を設置する地域を追加することについての御質問でございますが、秋田川流域では、平成16年11月の大雨により、高南地区におきまして、床上浸水4棟、床下浸水77棟の大きな被害が発生したことから、浸水被害の軽減と無秩序な土地利用の抑制を目的として、500平方メートル以上の土地利用の事業に調整池の設置を求めております。また、川井西地区におきましても、利便性の高い地域として無秩序に土地利用が進行したことから、住環境の改善を図るまちづくりのルールを地域独自で策定し、その中で開発面積を800平方メートル以上の土地利用事業に対して調整池の設置を求め、下流河川となる松橋川への流出抑制に努めております。
このように、地域の合意形成を基に、地域特性を踏まえた独自の面積基準を設け、治水対策に取り組んでいただいている事例もございますが、昨今の頻発、激甚化する降雨に対しましては、地域限定での取組には限界があるものと認識しております。
現在、広域的な視点での治水対策の推進を図るため、国や県をはじめ、流域市町で構成する遠州流域治水協議会が組織され、太田川流域における流域治水の取組として、河川改修や校庭貯留、水田貯留などの雨水貯留施設、ポンプ場の整備などのプロジェクトを推進しておりますことから、これらの取組を通じて、市全域における治水対策の強化に努めてまいりたいと存じます。
次に、袋井市中部豪雨災害対策アクションプランについてでございますが、このプランは、平成16年11月の洪水を受け、これと同程度の降雨があったとしても床上浸水被害をおおむね解消することを目標に掲げ、被害が大きかった蟹田川、沖之川及び小笠沢川の3流域を対象に、県と市が連携し、相乗効果による浸水被害軽減を図ることを目的に、平成20年3月に策定されました。この計画では、保水地域の保全として、水田が保つ貯留機能を有効的に活用するという考え方を示しており、対象エリアとしては、農業振興地域内農用地区域、いわゆる青地農地を全て記載しております。
その後、平成27年3月には、名称を袋井市中部総合的治水対策計画に変更しておりますが、考え方や施策につきましては継承しており、袋井市中部総合的治水対策推進協議会にて課題や事業の進捗状況を共有し、それぞれの事業を推進しております。
次に、土橋工業開発についての御質問にお答えを申し上げます。
これまで本市では、上山梨や愛野地区におきまして、地域拠点としての機能強化を図るため、都市計画法や農業振興地域の整備に関する法律に基づく都市計画と農林漁業との調整手続や二級河川の管理者となる静岡県と河川協議を行うなどして、青地農地を除外し、都市計画用途地域の指定を行い、適切に市街地の拡大を図ってまいりました。
土橋地区におきましても同様の手続を行い、二級河川の蟹田川への影響についても協議を進め、調整池の整備をはじめ、下流河川への影響についても評価を行っておりますので、着実に事業の推進を図ってまいりたいと存じます。
次に、湛水機能を有する用途地域内にある農地の固定資産税、都市計画税の減免についてでございますが、固定資産税、都市計画税などの税の減免につきましては、地方税法やその取扱いにより、天災による被災者や税負担が困難な方への減免などに限られておりますことから、用途地域内にある農地に限定した固定資産税、都市計画税の減免は難しいものと考えております。
なお、本市におきましては、用途地域内の農地も農業振興地域内の農地も、形状、形質が同等であれば評価額に差は生じておりません。
次に、排水機場の今後についての御質問にお答えを申し上げます。
市内に7カ所ある排水機場は、農作物の湛水被害を防ぐことを目的に、昭和40年代から昭和50年代にかけて、県や市が湛水防除事業として、排水ポンプや河川の逆流を防ぐための樋門などの施設を整備してまいりました。近年では、各地域において都市化が進み、農地が減少する中で、排水機場が農地の湛水防除だけでなく、住宅などの浸水対策としても重要な役割を担っております。
議員御質問の袋井排水機場は、村松地区、鷲巣地区など約1,380ヘクタールを対象とした流域をカバーしており、この流域において、県では、沖之川の河川改修や久野城址南遊水池などの整備を進めておりますが、治水安全度を高めるため、排水機場の予防保全による長寿命化対策として今年度実施しております、排水ポンプのオーバーホールと併せ、今後、電気設備の更新など、引き続き安全で確実な運転管理に努めてまいります。
また、蟹田排水機場につきましては、袋井西地区や今井地区など約1,500ヘクタールの流域をカバーしておりますが、蟹田川や下流河川であります太田川や原野谷川の河川改修が計画的に行われ、河川の流下能力が向上したことにより、平成16年11月の洪水以降、高潮や台風による河川水の遡上がないことから、排水機場のポンプの稼働や樋門の開閉は行っていない状況です。こうした状況を受け、排水機場の樋門撤去に伴う河川水位や農地の湛水状況を確認するため、令和元年度に、平成16年11月相当の降雨に対する河川水位のシミュレーションや、令和2年度には、湛水防除施設の基準となる雨量に対して湛水深などのシミュレーションを専門のコンサルに委託した結果、河川水位の低下や、国が示しております湛水防除施設の設置計画基準を下回る結果となりました。
この結果を踏まえ、本市といたしましては、上流域の治水安全度をより高めるため、排水機場の廃止と樋門を撤去する考えではございますが、撤去に伴い、農地や住宅などにも影響があることから、中遠農林事務所をはじめ、河川管理者である県と慎重に協議を進める必要があると認識しております。
今後につきましては、協議により一定の方針が決定した段階で、地域の皆様をはじめ、関係者に報告してまいりたいと存じます。
以上で、私からの御答弁とさせていただきます。
5:
◯議長(
戸塚哲夫) 大庭議員にあらかじめ申し上げます。
再質問をする際には、初めにどこの部分の質問か、番号等を述べてから質問に入っていただくようお願いをいたします。
20番 大庭議員。
6: ◯20番(
大庭通嘉) それぞれ答弁いただきました。
その中で、(1)アの河川整備の全体予算をどのように考えているかということについて、再度お伺いしたいと思います。
先ほどの答弁では、柳原雨水ポンプ場に約57億円、河川に19億円というようなお話でありました。全体的には算出できないというお話でしたけれども、概算で河川整備にどのぐらいかかるかということについて市民も知りたいと思います。そこら辺について、分かる範囲で御答弁いただきたいと思います。
7:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
8:
◯都市建設部長(
石田和也) 大庭議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。
河川整備の全体の事業費ということですが、令和3年度から10年間の整備方針を示すかわプログラムでは、河川排水路2,520メートルを整備するとうたっております。そして、それに要する概算事業費として15億7,500万円と試算しております。令和13年度以降における河川の未整備延長は約9,370メートルとなりますので、例えば、先ほど申し上げました約65万円を掛けますと、おおむね60億円となると、このような状況でございます。
以上、答弁とさせていただきます。
9:
◯議長(
戸塚哲夫) 20番 大庭議員。
10: ◯20番(
大庭通嘉) ポンプを除いていたと思いますが、約60億円河川にかかるという話であります。現在、1億五、六千万円から多くて2億円ぐらいでありますので、もう30年だとか、あるいは三十数年かかるという、大変な額がかかるということを改めて確認をさせていただきました。少しでも前倒しをしていただきたいと思うわけですが、その延長線上で、(2)の蟹田川の整備に関する関係で、JR東海道線以北の河川改修についての市の考え方をお伺いしたいと思います。
実は、先ほど質問の中で申し上げましたように、昭和52年の第1次排水路整備計画の中では、JR東海道本線から北側、旧国道1号線まで、現状、蟹田川の河床、川底の幅は3メートルなんですが、本来は13メートルにしたい。それから、旧国道1号線、木原から、いわゆる国道1号バイパス、そこまでは10メートルにしたいと当時の計画では載っていました。市でも川に対する、河川の流量断面、河積、これに対する認識はどの程度持っていらっしゃるのか、確認をさせていただきたいと思います。
11:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
12:
◯都市建設部長(
石田和也) 昭和52年に策定されました第1次排水路整備計画、こちらは将来的な構想ということで、50年に1度程度の確率で起こり得る降雨規模で改修断面を計画し、それが計画されていると認識をしております。現在、県で進めております太田川水系における河川改修でございますが、こちらにつきましては、10年に1度程度の確率で起こり得る降雨規模で改修断面を計画し、整備が進められているという状況でございます。また、太田川に接続する蟹田川においても同様の改修断面で整備が進められておりますので、改修断面は当時の排水計画とは異なっていると、こんな状況になっております。
それから、松橋川、こちらについても、現在の蟹田川の流下能力と整合を図る必要がございますので、松橋川につきましては、暫定的に3年に1度程度の確率で起こり得る降雨規模で改修断面を計画して整備を進めている、こんな状況でございます。松橋川につきましては、蟹田川の河川改修が完了した後には河床を掘削しまして、10年に1度程度の確率で起こり得る降雨規模の断面とする、このような計画でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上、答弁とさせていただきます。
13:
◯議長(
戸塚哲夫) 20番 大庭議員。
14: ◯20番(
大庭通嘉) 今の御答弁で、市でもそれを認識されていると。ただ、本来50年に1度でということでありますし、前段質問した総額60億円ぐらいというのも、多分10年に1度、あるいは3年に1度の計算上だと思います。50年に1度というと、もう莫大な額になって推計もできないというのが実情じゃないかなと思います。
そうした中で市の発展を考えたときに、先般、昨年の11月、都市計画道路森町袋井インター通り線の整備促進に向けて、覚書を県、森町、袋井市で交わしています。この開発は、沿線の企業誘致だとか様々なことを想定しているわけですけれども、全て松橋川、蟹田川に入ってまいりますので、一層これに予算をつけていかなければならないということを改めて今の御答弁の中で確認させていただきました。だものですから、蟹田川の改修が必要だということになってくるんですが、(2)イの蟹田川の改修が今、12年間停滞していると。これに対する打開策についてお願いしたいと思います。私も平成8年からずっと蟹田川の整備促進協議会、これに、いわゆる二級河川太田川水系蟹田川整備促進協議会というのですが、このメンバーに連ねさせていただいて、県知事に陳情し、これが、おかげで彦島大橋まで改修したということです。しかし、これが12年止まっていて、上流部に影響があるということは非常に心苦しいことでありまして、この打開策について見解を伺っておきたいと思います。
15:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
16:
◯都市建設部長(
石田和也) 蟹田川河川改修、停滞の打開策という御質問かと思います。
今、議員からお話がございましたように、日頃は、二級河川太田川水系蟹田川整備促進協議会で要望活動に携わっていただきまして、大変ありがたいと思います。
蟹田川の河川改修、こちらにつきましては、御案内のとおり、流域における安心・安全な市民生活を支えることを目的として実施していると認識しております。事業に御理解いただけない方がいらっしゃるというのは、公共の福祉の観点からも大変残念だなと感じているところでございます。
御質問の打開策ということでございますが、これまで同様に、県と共に交渉を行うとなろうかと思いますが、これまでの交渉記録をいま一度細かに整理をさせていただいて、どのようにすれば相手が御理解をいただけるのか、そんな視点で整理をさせていただきたいと思っております。解決に向けましては、あらゆる手段につきまして研究、検討をして、これまで以上、県と共に強く用地交渉を進めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
17:
◯議長(
戸塚哲夫) 20番 大庭議員。
18: ◯20番(
大庭通嘉) 次に、(2)エの松橋川の関係でお伺いしたいと思います。
先ほどの答弁で、川井西排水ポンプまで、確か令和9年度までに整備したいという答弁でありました。この上流、川井、それから木原、土橋、堀越まであるわけですが、この全体の計画をどのようにイメージされているか、それについてお伺いしたいと思います。
19:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
20:
◯都市建設部長(
石田和也) 松橋川の整備計画というような再質問をいただきましたが、市長からの答弁にありましたように、まずは、財源である県費補助を確保した中で、川井西配水ポンプまでの約600メートルを令和9年度までの5年間で着実に整備をしたいと考えてございます。その上流部となります国道1号バイパス南側までの残りの約1,370メートル、こちらにつきましても、財源の確保などの課題もございますが、効率的、効果的な事業執行に努めまして、おおむね令和9年以降、令和10年から令和15年程度で整備を完成させたいと考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
以上、答弁とさせていただきます。
21:
◯議長(
戸塚哲夫) 20番 大庭議員。
22: ◯20番(
大庭通嘉) 次に、(3)のアの関係で、調整池の関係です。
先ほどの答弁では、大きな役割を果たしているということでありました。通常10分の1の確率での河川整備、それに増して50分の1で調整池が造られているということで、50年に1度の確率の降雨の規模だという、先ほど説明があったと思います。要するに、調整池は十分効果があると認識、承知してよろしいか、再度確認したいと思います。
23:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
24:
◯都市建設部長(
石田和也) 調整池の効果というような御質問かと思います。
市長の答弁にもございましたように、開発に伴う調整池は雨水の流出量を抑制し、下流河川の水位上昇を軽減させるために設置をするものでございます。答弁にもございましたように、調整池の貯留量は河川の改修規模を上回る大きな雨で算出し、調整池からの放流につきましては、河川の改修規模を下回る放流量となってございますので、下流河川への影響は少ないと認識してございます。
以上、答弁とさせていただきます。
25:
◯議長(
戸塚哲夫) 20番 大庭議員。
26: ◯20番(
大庭通嘉) 調整池が効果があるということを確認させていただきました。
次に、(4)と(5)が関連しておりますので、これについて質問させていただきます。
答弁の中で、県と市の間で土橋の開発については十分協議がされている内容だと。要するに、以前、袋井市中部豪雨災害対策アクションプランがあったから土橋の開発はできないと、そういうことはないですよね、そのことを確認させてください。
27:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
28:
◯都市建設部長(
石田和也) アクションプランの関係と土橋の開発の関係と、このような御質問かと思います。
市長からも答弁させていただきましたが、保水地域の保全の対象となっているエリア、こちら、いわゆる青地農地の区域を示しております。将来にわたって開発ができないものではなく、関係諸法令に基づく必要な手続を行うことで開発が可能であると認識をしてございます。土橋の工業用地造成事業につきましては、都市計画と農林漁業との調整手続、そして、二級河川の管理者であります県と河川協議を行う中で計画を定めておりますので、これまでどおり、事業を推進してまいりたいと考えてございますので、よろしくお願いしたいと思います。
29:
◯議長(
戸塚哲夫) 20番 大庭議員。
30: ◯20番(
大庭通嘉) もう一点確認させていただきます。
現在、都市計画のマスタープランに、土橋工業開発地が都市活力創出地として開発を前提に色塗りをされています。これ、議会でも承認されている内容ですが、これはその理解でよろしいですね。
31:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
32:
◯都市建設部長(
石田和也) 都市計画マスタープランの関係でございますが、この計画は平成30年3月に策定してございまして、今、大庭議員からお話がございましたように、土橋地区は都市活力創出地というようなことで位置づけてございます。
都市計画マスタープランの策定に当たりましては、平成28年の12月に庁内の検討委員会を設置して検討に着手したという状況でございます。その後、平成29年1月には学識者を交えました策定懇話会、こういったものも組織して検討してきたと、このような状況でございます。その後、平成29年9月、平成29年11月に市議会建設経済委員会、そして全員協議会で協議を重ねているという状況でございます。その後も庁内検討委員会や策定懇話会、さらに都市計画審議会等での議論を経て、市民の皆様から御意見をいただくパブリックコメントを実施する中で最終案を取りまとめたという状況でございます。こちらの最終案につきましては、平成30年2月の市議会
定例会における建設経済委員会、全員協議会で御報告を申し上げておりますので、議員からお話があったとおり、我々も市議会での承認が得られた計画であると認識をしているところでございます。よろしくお願いいたします。
33:
◯議長(
戸塚哲夫) 20番 大庭議員。
34: ◯20番(
大庭通嘉) (4)、(5)の中の特に(5)の土橋の工業開発について確認したいと思います。
下流域に住んでいらっしゃる皆さん方に土橋の工業開発を心配される方がいます。ただいまの説明で問題ないということはほぼ確認できましたけれども、この土橋の開発が下流域への悪い影響を及ぼさないエビデンス、根拠ですね、もう一度分かりやすく説明していただくとありがたいですが、お願いしたいと思います。
35:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
36:
◯都市建設部長(
石田和也) 下流域の影響というようなことで、改めて御質問をいただきましたが、答弁でも申し上げましたように、都市計画の用途指定を行う場合には河川協議を行うという状況になってございまして、その中で定められました降雨規模に基づきまして、調整池の設置、土橋の場合は約1万4,000トンの調整池を設置するというようなことで予定をしておりますが、下流河川への影響を評価しているという状況でございます。もう少し詳しく申し上げますと、河川協議の中で、下流河川となる蟹田川では7カ所、そして、松橋川では3カ所で、それぞれの地点における流出の増加について検証を行いまして、いずれの地点におきましても影響は少ない状況となってございまして、その検証結果をもちまして、県との河川協議についても済んでいると、こんな状況でございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
以上でございます。
37:
◯議長(
戸塚哲夫) 20番 大庭議員。
38: ◯20番(
大庭通嘉) いずれにいたしましても、土橋の開発は合法的に進められ、治水上も問題はないと、また、今の御説明のとおり、事業が成就した暁に、あの開発がというようなことだけはあってはなりませんし、ないことを願っているわけです。そういう意味で大変参考になりました。
いずれにしましても、土橋の工業開発というのは、私ども土橋住民の要望でもなくて、また議会からの要望でもなく、いわんや私個人からの提案でもありませんでした。市が開発を決めて進めてきたということで、地権者も、それから土橋の住民も市の方針を受け、話合いの上、地元のためになり、また袋井市のためになると、この大きな視点で全面的に協力してきていると。ぜひとも市も責任を持ってやっていただきたいと思いますが、市長のほうで、今までの経過も含めて、ただいまこの治水上の問題も議論させていただきました。大丈夫だというお話を伺ったところでありますが、市長からの一言、コメントをいただければありがたいです。
39:
◯議長(
戸塚哲夫) 大場市長。
40:
◯市長(
大場規之) 大庭議員の御質問に、市長としてコメントをさせていただきます。
大和ハウス工業株式会社を想定として、今回の事業計画がされております。昭和38年に大和ハウス工業株式会社が立地をされ、袋井市内での移転候補地ということで、土橋の皆様方に御協力をいただいて、今回の話を進めさせていただいているわけでございますが、大和ハウス工業株式会社の袋井市への貢献というものと、この袋井市内で操業を継続したいということに対しまして、私たちもできるだけの対応をということで今日に至っていると理解をしております。そうした中で、土橋の皆様方には、地元ということで大変御負担、御苦労をおかけする中、今日に至っておりますことを改めて感謝を申し上げる次第でございます。
その一方で、今、るる御心配等お話をいただきました。水に対する御心配、本当にごもっともだと思います。先ほどから太田川の設計断面が10年に1度というお話もさせていただいているとおりでございまして、本来であれば、私、例えば個人的なお話を申し上げるとするならば、現在降雨が激甚化をしている、こういう状況の中で、10年に1度の設計断面ではとても安心できないというのが現実なところでございます。できるならば50年に1度の降雨に対する設計断面であるべきだとも思いますし、そうしたことを下流から整備を進めてくるということが本来であろうと思います。ただ、そのためには、太田川の本当に最下流部からもう一度設計をし直して、全ての対応をしなければならないという現実的な課題もあります。それをするためにはまだまだ途方もない時間がかかるとも思います。
先ほど蟹田川の当初の設計断面が13メートルであったというお話がございました。そして、本来であれば、蟹田川でもそうした河川断面が必要なところ、現在は3メートルということでございます。そうしたことを一つ取りましても、本来あるべき河川改修をするとすると莫大な費用がかかって、時間もかかってということでありまして、現在の10年に1度の規模の設計でとどまっているというのが、私としても正直なところ残念なところではございます。ただ、いろいろな制約の中、市全域を見渡したときに、それを取りあえず今は確実に進めていくというのが現実的な対応でございまして、それに向けて準備、対応しているところでございます。
土橋の皆様方に関しましては、そういう状況の中で今回のお話、現実的な対応をしていただいておりますこと、本当にありがたく思っておりますし、そこの水への心配ということに関しては、今でき得る限りの最大の対応をさせていただくということで、御理解、御協力を引き続きお願いできればと思っております。
いずれにしましても、洪水に対する土橋の皆様方の御心配に対して、精いっぱい、できるだけの対応をしながら計画どおりの推進をしてまいりたいと思いますので、何とぞ御協力のほど、お願いをしたいと思っております。
以上で、私からの御答弁とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
41:
◯議長(
戸塚哲夫) 20番 大庭議員。
42: ◯20番(
大庭通嘉) 市長から、今でき得る最大の対応ということでお話をいただきました。私も胸に刻んで進めたいと思っています。
次に、二つ目の質問としまして、澤野医院記念館についてお伺いしたいと思います。
澤野医院記念館ですが、平成11年、袋井市の有形文化財に指定され、旧澤野医院の建造物群を後世に残すために保存修理を行い、平成13年1月20日、澤野医院記念館として開館し、今日で22年目を迎えています。
御案内のように、澤野医院記念館は、江戸後期から昭和初期に建てられた建築物で、地域医療を担われた澤野家からの御寄附を受け、昭和初期の医療器具が残る診察室、手術室から成る病棟や往時の生活がしのばれる居宅等を展示し、これが公益社団法人日本観光振興協会や全国観るなびなどSNSでも様々に紹介されています。
この記念館開館に当たりましては、当初、澤野先生が所蔵していた杉田玄白の解体新書や貝原益軒の大和本草など、目玉の資料を中心に、日本一健康文化都市にふさわしい情報発信や、市が所蔵する各種の古
文書や発掘物等の歴史文化資料の展示と併せて、歴史や文化の教育的施設にしていくとの説明が当時ありました。
実は、この委託管理業務を川井地区の澤野医院記念館世話人会の皆さんが長きにわたって行っていただいておりまして、今日に至っております。献身的に管理してくださっている皆さんに私からも感謝を申し上げたいと思います。こうした皆さんも高齢化により、記念館の運営の将来について考える時期に来ているということも事実であります。と同時に、本来、市が直営で運営すべき澤野医院記念館の今後の在り方について、市の方針を整理すべき時期に来ているとも言えます。
そこで、澤野医院記念館の今後という観点から何点かお伺いします。
(1)澤野医院記念館の今後の市の運営方針について、まずお伺いします。
(2)市として、澤野医院記念館の位置づけと川井地区の世話人会に求めることは何なのかお伺いします。
(3)澤野医院記念館の敷地内の樹木の剪定や施設の管理など、通常の維持管理や老朽化している施設の予防保全の在り方、考え方についてお伺いします。
(4)大正5年に建てられた洋館の開放についての考え方をお伺いします。あわせて、澤野医院記念館を袋井市景観計画に定める景観重要建造物として指定する考えや、また、旧中村洋裁学院のように、国の登録有形文化財として登録していく考えがあるかお伺いします。
(5)展示品及び展示品以外の澤野家の収蔵物の整理について、現在どの程度までできているのか、その進捗と今後の収蔵物整理の進め方についてお伺いします。
最後、(6)来館者を増やすため、あるいはリピーター客を増やすために、文化財係で考えている施策についてお伺いしたいと思います。例えば、ジオラマや巡回博物館の実施、展示、SNS、VRによる紹介、市内の小学生が学ぶ昭和の暮らしなど、さらなる澤野医院記念館での充実した展示をしていく考えがないかお伺いして、以上、質問とさせていただきます。
43:
◯議長(
戸塚哲夫) 鈴木教育長。
〔教育長 鈴木一吉 登壇〕
44: ◯教育長(鈴木一吉) 文化財の保全に関する御質問にお答え申し上げます。
初めに、澤野医院記念館の今後の運営方針についてでありますが、昨年12月、文化庁長官から認定を受けた袋井市文化財保存活用地域計画では、基本方針に、守り、活かし、そして未来へ伝えるを掲げ、市民一人一人が文化財の価値を改めて認識し、地域総がかりで守り、観光やまちづくり、教育など、様々な分野で活用することにより、次代へ継承していくことを目指し、そのための取組等を計画に盛り込んでおります。
澤野医院記念館につきましては、平成11年4月に市の指定文化財に指定されており、開館から昨年度末まで、県内外から約2万9,000人の方が訪れております。年平均にしますと約1,300人が来館されておりますが、令和3年以降はコロナ禍による臨時休館の影響により、年間約500人にまで減少しております。
施設の管理運営につきましては、この文化財の価値や魅力をよく知っておられる地域の方々が世話人会を組織していただき、これまで約20年にわたり大切に守りながら、多くの方に見ていただけいただけるよう、適切に管理運営をしていただいており、まさに文化財保存活用地域計画の基本方針を実践されている事例であると考えております。記念館の管理運営につきましては、この文化財を守り、伝える、その中心的な役割を果たしていただいてきた世話人会の皆様に引き続き担っていただきたいと考えております。
次に、市としての澤野医院記念館の位置づけと世話人会に求めることについてでありますが、澤野医院記念館は、袋井市文化財保護条例に基づき、江戸時代末期から昭和初期までに順次建てられてきた建物群を、市の近代化と地域医療の歴史を物語る重要なものと位置づけ、平成11年に、建物全体を市の指定文化財に指定いたしました。
また、袋井市文化財保存活用地域計画では、地域にある様々な文化財を、歴史文化の特徴によって一連のまとまりとして捉える関連文化財群をうたっており、この一つとして、東海道など、道がもたらした人の往来と文化というテーマの中に、街道沿線に立地する文化財とともに澤野医院記念館を位置づけております。
世話人会の皆様には、これまでも澤野医院の開業当時の様子を知る語り部として、実体験に基づいた歴史的な価値や魅力を来館者に紹介いただいておりますので、引き続きこうした取組を続けていただきたいと考えております。市といたしましても、世話人会の皆様と協力し、幅広い世代に興味を持ってもらえる機会を提供することなどにより、貴重な文化財を地域総がかりで守り、活かし、伝えていけるよう取り組んでまいります。
次に、澤野医院記念館の施設や樹木管理、建物の予防保全の考え方についてでありますが、まず、樹木管理については、世話人会との管理運営に係る委託契約に基づき、日常的な庭木の剪定や草刈りについては世話人会の皆様に行っていただき、高木の剪定や松枯れなど対応に専門的な技術や機材を要する場合は市の施設管理費により対応しており、今後も相互の役割分担により、魅力的な庭園風景を維持してまいりたいと考えております。
また、施設や建物につきましては、記念館として開館するに当たって整備して以降、これまでも外壁の塗り替えや老朽化した部材の交換など、折に触れ、部分的な修繕を実施してまいりました。開館後22年を経てまいりましたことから、建物全体の総点検を実施し、現状を把握した上で、文化財としての建物の魅力が損なわれることがないよう、計画的な修繕を検討し、保全に努めてまいります。
次に、洋館の開放と、記念館を景観重要建造物として指定する考えについてでありますが、澤野医院記念館の一般公開に当たっては、保存のための措置や建物の安全性を確保した上で、県の建築審査会において、歴史的建築物として建築基準法の適用除外施設とすることの同意を得ておりますが、この手続の際、洋館と渡り廊下を除いた病棟と居宅部分のみを資料館として一般公開できることとなった経緯があります。
世話人会の皆様からも洋館の公開を望む声が寄せられておりますが、かつて公開が病棟と居宅部分のみになった経緯を確認し、建築基準法等の基準に照らす中で、洋館の公開の可能性について関係機関へ打診するとともに、公開する意義、内容などについて世話人会の皆様と検討してまいります。
また、景観重要建造物に指定することについては、袋井市景観計画では、市民に親しまれ、地域のランドマークとなるなど、良好な景観の形成に寄与する重要な建造物及び樹木を、景観法に基づく景観重要建造物や景観重要樹木に指定する方針を定めています。この方針に基づき、本市の景観アドバイザー会議において指定候補を検討していただいており、これまでに旧中村洋裁学院を景観重要建造物に、法多山の杉並木を景観重要樹木に、それぞれ指定してまいりました。
澤野医院記念館についても、景観アドバイザー会議において、その価値や意義について高く評価され、指定候補となっておりますことから、旧東海道沿線における景観資源を生かしたまちづくりの展開に向けて、景観重要建造物として早期に指定できるよう調整を進めてまいります。
また、国の登録有形文化財への登録につきましては、文化財保護法に定める登録基準として、地方公共団体が指定しているものを除くとされており、これは、文化財の体系分類上、登録文化財に比べ、指定文化財のほうが保存の意味合いが強く、指定という行政行為により保存していく貴重な物件であるとの位置づけであると考えられ、既に市の指定文化財となっている澤野医院記念館は登録基準に該当しないものであります。
次に、収蔵物の整理と今後の進め方についてでありますが、開館20周年を迎えた令和元年に、世話人会の皆様の御協力を得て、収蔵されていた資料について、専門書などを丹念にひもときながら用途や名称を調べ、医療器具などの展示を充実させており、来館者からは、開業当時そのままの建物や医療器具、調度品などによって、実物の持つ迫力と歴史の重みが感じられるとの評価をいただいております。
開館当時に作成した収蔵品台帳では、1,488点の資料が整理されており、その後、世話人会の皆様の努力により、令和元年以降、新たに未整理の収蔵品約500点について、写真撮影と名称、番号づけなどを行っていただいたところであります。
今後は、残りの収蔵品の整理方法や集客につながる効果的な活用方法について、専門家からのアドバイスをいただきながら、世話人会の皆様と一緒に検討してまいりたいと考えております。
次に、澤野医院記念館の来館者を増やすための施策についてでありますが、来館者からは、開業当時の建物や医療器具、調度品などによって、実物の持つ迫力と歴史の重みが感じられるとの評価をいただいておりますことから、医療や健康にまつわる講座や小学生を対象とした昔の暮らし体験など、教育分野での活用に取り組んでまいります。
また、本市の文化財においては初めての試みでありますが、来月から、民間会社の協力を得て、VR技術を用いて澤野医院記念館内部の様子を紹介するサービスを開始いたします。これにより、公開できていない洋館部分を含め、どこにいてもその場にいるかのように、館内の様子を見ることが可能になりますので、記念館の魅力の発信を通じた来館者の増加、小学校等での郷土学習の充実にもつなげてまいりたいと考えております。
また、世話人会の皆様からは、地域の子供たちへの読み聞かせの場としての活用やコンサートの開催、施設にある市内出身の書道家、川村驥山の書などの活用について御提案をいただいておりますことから、意見交換しながら、多くの方に来ていただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
45:
◯議長(
戸塚哲夫) 20番 大庭議員。
46: ◯20番(
大庭通嘉) 澤野医院記念館について、教育長から、それぞれ前向きな答弁をいただいたと思っておりまして、今日も、世話人会の皆さんが傍聴においでいただいておりますが、恐らく心強く感じられたんじゃないかなと思います。
その中で一番、私、これはぜひともと思ったのは、施設を景観重要建造物に早期にしていきたいという答弁でありました。私、ここで確認したいのは、ぜひともそれをしていただくのと同時に、国の登録有形文化財、私ども素人考えだと、旧中村洋裁学院が、市の指定と併せて国の登録があるんですよね。国は登録したものですから、その後、市ということになると、両方、いわゆる名前をもらえる、ネームバリューがつくということですね。今度、川井の澤野医院記念館の場合は、市の指定を平成11年に受けたわけですが、国の登録有形文化財の指定をいただければ、国も登録されているよ、市もということになると、これはまたネームバリュー、価値が上がりますし、まさに、いわゆる景観重要建造物の定義の中で優れたデザインだとか、地域のランドマークになる建造物だとか、そういうようないろいろなものに合致すると思うんですが、国のほうが上だという認識が私どもはあるんですが、そこら辺について、教育長、どのように考えるかお伺いしたいと思います。
47:
◯議長(
戸塚哲夫) 鈴木教育長。
48: ◯教育長(鈴木一吉) 大庭議員の御質問にお答え申し上げます。
確かに市の指定と国の登録という形になると、一般の受け止め方だと、国のほうがある意味上位かな、プライオリティーが高いのかなというような御認識もあろうかと思いますが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、文化財保護法の中で、登録有形文化財につきましては、公共団体が指定しているものを除くということで明文化をされております。これは、私ども考えますに、登録と指定という分類が違いまして、指定のほうがある意味プライオリティーが高いんだということの位置づけに文化財保護上なっているものと理解をしております。法律上、市の指定になっているものについては登録有形文化財を除くということになっておりますので、これをなかなか覆すのは難しいものが現実かなと思っております。私ども、指定文化財としての位置づけをさせてもらっておりますので、これが、先ほどランドマークというようになるように、それから、景観法上の重要建造物になるように検討させていただきまして、より多くの方に知ってもらう、そういう形で活動をしていって、澤野医院記念館の価値を高めていきたいと思っております。
以上でございます。
49:
◯議長(
戸塚哲夫) 20番 大庭議員。
50: ◯20番(
大庭通嘉) 教育長がおっしゃったとおりで、文化財保護法の57条にはそういうように記載してあるんですが、一般国民というか、市民にしてみると、国の冠をつけていただいてネームバリューを上げていただいたほうがいいんじゃないかなと思います。言い換えれば、国の指定以上に価値のある澤野医院記念館だということを、今後、先ほどの答弁の延長線上にさらに肉づけをしていただきたいなと思いました。
その中で、(5)の進捗状況というところでありますけれども、これから、今まで1,488点が整理されて、500点がその後やられたということであります。私の仄聞する範囲では、まだやらなければならない、また整理しなければならないものがあると聞いていますけれども、そこら辺の進捗状況がどうなのか、再度お伺いしたいと思います。
51:
◯議長(
戸塚哲夫) 城内教育部長。
52: ◯教育部長(城内 優) 1,488点と約500点以外にもあるものをどう整理するかという御質問だったかと思います。
まだ整理するものが存在しているというところはお聞きしておりますので、また、その辺の整理の仕方とか、例えばどのように展示をすることができるのかとか、そういうところについても、世話人会の皆様と私ども文化財のほうの担当ともしっかりとお話をする中で、どういう形が一番いいのかというところを考えてまいりたいと思っております。
以上、答弁させていただきます。
53:
◯議長(
戸塚哲夫) 20番 大庭議員。
54: ◯20番(
大庭通嘉) 最後の質問になろうかと思いますけれども、(6)のリピーターを増やす施策ということであります。
私、実はこの記念館の件については、平成13年、あるいは平成23年に質問しているんですが、当時、戸塚教育長の答弁は、いつまでも同じものを展示しておくということのないように、展示の充実、そして動きのある展示、こうしたものをする中でPRに努めていかなければならないという答弁だったです。平成23年2月の答弁では、当時の小林教育長が、小学校が総合学習等の利用や幼稚園の子供たちに本の読み聞かせ、また、歴史文化館、郷土資料館、近藤記念館等々の展示物の巡回展も考えたいということでありました。なかなかそれが実現できていないということで、今回、鈴木教育長の答弁が大きく飛躍、成果を上げていただきますように期待しております。決意を込めて一言、要望だけではいけないと議長から冒頭言われましたので、教育長から、御決意を含めて御答弁をいただきたいと思います。
以上とさせていただきます。
55:
◯議長(
戸塚哲夫) 鈴木教育長。
56: ◯教育長(鈴木一吉) 大庭議員から、決意ということですので御答弁をさせていただきます。
実は私も、澤野医院記念館横の袋井西小学校の卒業生でございまして、私の在学当時には、まだ澤野先生が診察を行っていたということで、鮮明に記憶しております。そのような歴史を刻んできた貴重な建物が袋井市にあるということは非常に価値のあることだと思いますし、多くの方に知ってもらうということがやはり必要かなと思います。
文化財保存活用地域計画で、守り、活かし、そして伝えるということ、つまり守っていくためには、やはり伝えて、生かす活用をしないと守っていくことにはつながらないんだろうと思っています。先ほど、歴代の教育長がいろいろな御答弁をさせてもらったと思いますけれども、活用方法も恐らく時代によっていろいろ変わっていくことがあろうかなと思っています。来月からVRで中の様子を見られるようなことになりましたし、今もICTを使って様々なPRができることも近代的な取組かな、現代的な取組かなと思っています。具体的な策はまだまだこれから検討していかなければいけないと思いますけれども、この貴重な財産をやはり守っていく、そして、新たな担い手がやはりつくられていくというような仕組みをつくっていくことこそが、今の私たちに与えられた責務かなと思っていますので、その決意を持って、これからも様々な形で活用、保存に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
57:
◯議長(
戸塚哲夫) 以上で、20番
大庭通嘉議員の一般質問を終わります。
会議の途中でありますが、ここで休憩とし、午前10時30分から会議を再開いたします。
(午前10時20分 休憩)
──────────────────────────────────────
(午前10時30分 再開)
58:
◯議長(
戸塚哲夫) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。
次に、2番 鈴木賢和議員の
発言を許します。質問は一括方式であります。
2番 鈴木議員。
〔2番 鈴木賢和 議員 登壇〕
59: ◯2番(鈴木賢和) 2番 鈴木賢和、通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
世界経済フォーラムの持続可能な循環型プラスチック生産・消費の実現に向けた報告書によると、現在、世界のプラスチック包装のほとんどが1回限りの使用で廃棄されており、プラスチック包装素材の95%が失われていることが分かり、過去半世紀で世界のプラスチックの使用量は20倍に増加しており、さらに使用量は今後20年間で2倍に増え、このまま廃棄プラスチックが増え続けると、2050年までに世界の海へのプラスチックのごみの量は、海にいる魚を上回るとされるなど、環境問題への対策が喫緊の課題です。
そのような背景の中、2022年4月より、プラスチックごみ削減とリサイクル促進を目的とするプラスチック資源循環促進法が施行されました。プラスチックのライフサイクル全体において関わりのある事業者、自治体、消費者が連携しながら、資源循環に向けた取組を求める法律です。同法施行により、3R、リデュース、廃棄物の発生抑制、リユース、製品の再利用、リサイクル、資源の再利用と持続可能な資源化を推進することでプラスチックの資源循環を促し、サーキュラーエコノミー、循環経済への移行速度が期待されています。
SDGs目標14、海の豊かさを守ろうとあります。この趣旨は、海に関する全ての課題を解決することを求めています。持続可能な開発目標にも、2025年までに海洋のごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減するとの内容をはじめ、環境問題の目標が掲げられています。一人一人の意識改革、地域からの小さな取組が大きな改革の力、目標達成に不可欠であると考えます。
国内では2018年、鎌倉市由比ガ浜でシロナガスクジラの赤ちゃんが打ち上げられ、胃の中からプラスチックごみが発見されました。SDGs未来都市である神奈川県は、これを鯨からのメッセージとして受け止め、深刻化する海洋汚染、特にマイクロプラスチック問題に対して取り組み、かながわプラごみゼロ宣言がなされ、行政や地域住民、企業、団体などが団結して環境問題に取り組む機運が高まっております。
プラスチックごみは様々ありますが、より具体的に身近なペットボトルのリサイクルについて触れたいと思います。
PETボトルリサイクル推進協議会によりますと、2021年、我が国のペットボトルの回収率は94%、リサイクル率は86%と世界でもトップレベルで、2021年は50万トンのペットボトルがリサイクルされました。例えば、再びペットボトルになるだけではなく、衣料、家庭用品、陶芸用品、バッグ、寝具、インテリア、事務用品、スポーツ用品、建築資材等、多種多様な製品に生まれ変わっています。また、温暖化防止等の観点では、2019年、国内で利用されている指定ボトルの資源採掘からボトル生産、利用、排出回収、リサイクル・再利用までの温室効果ガス総排出量はおよそ205万9,000トンであり、これは、リサイクル、再利用がない場合の排出量352万8,000トンと比較し、約42%も排出量が少なくなっているとの結果が示されています。つまりペットボトルの高いリサイクル率により、大幅に環境負荷を低減していると言えます。
しかしながら、ペットボトルの回収過程で問題が生じています。それは、ペットボトル以外のごみの混入です。地域、場所による差はあるものの、飲料メーカーが流通事業者等と連携し、ペットボトルを自動販売機に併設されたリサイクルボックスで回収する際、ペットボトル以外のごみや異物が混入されているケースがあります。一般財団法人全国清涼飲料連合会の調査では、屋外設置自販機のリサイクルボックス内の
異物混入率は31%、たばこや弁当容器、紙カップ、ビニール傘など様々なものが捨てられているのが現状です。このようなペットボトル以外の異物を飲料メーカーや流通業者等が自主的に費用、労力等を負担し、処理しています。リサイクルボックスへの
異物混入問題の要因として、例えば公共のごみ箱の撤去が進んでいることや、コンビニエンスストア等がごみ箱を店内に移設していること等が指摘され、その受皿としてリサイクルボックスが不適切に使われているとの考えもあります。
いずれにしましても、先ほど申し上げたように、ペットボトル以外の異物を飲料メーカーや流通業者が自主的に費用、労力等を負担し、処理してくださっています。また、業界が自主的に、異物が混入しにくい新しいタイプのリサイクルボックスを試作し、試験的に設置するなど、資源リサイクルの円滑化、地域の環境美化のために取り組んでいますが、業界だけに任せるには限界があると考えます。
上記のことを踏まえて質問させていただきます。
1点目として、未来の世代を守るため、本市においてもプラスチックごみゼロ宣言を行い、さらなる3Rを推進し、環境問題により積極的に取り組む姿勢を明らかにすべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。
2点目として、こうした自販機リサイクルボックスへの
異物混入問題をどのように認識されていますでしょうか。
3点目として、行政として、業界と連携し、
異物混入が多いエリアの調査を含めた実態の把握、公共回収ボックスの適切な設置、官民協働の新回収モデル策定等への協議体の立ち上げを提案しますが、問題解決の御決意をお伺いいたします。
次に、ミライロIDについてお伺いいたします。
ミライロIDとは、障害者手帳を所持している方を対象としたスマートフォンアプリです。利用者は、障害者手帳の情報、福祉機器の仕様、求めるサポートの内容などをミライロIDに登録できます。公共施設において、ミライロIDを提示することで、障がい者割引や必要なサポートをスムーズに受けられます。利用者は、あらかじめスマートフォンに情報を登録しておけば、障害者手帳を持ち歩く必要がなくなります。事業者についても、障害者手帳の提示がアプリで代用できることを周知しておけば、特別な設備等は必要ないので、利用者、事業者ともコストはかかりません。同アプリは、令和4年12月時点で、全国で3,000社を超える事業者が確認書類として採用され、209市区町村自治体に広がり、利用されております。
ミライロIDを導入することによって見込まれる効果については、一つ目に、利用者が紙の手帳を持ち歩く必要がなくなるので利便性が向上します。二つ目に、利用者が人前で障害者手帳を見せる必要がなくなるので、手帳所持者の心理的負担が軽減されます。三つ目に、自治体ごとに様々な様式となっている障害者手帳のフォーマットを統一することができるため、事業者の確認の手間を軽減できます。四つ目に、利用者はアプリ内で障がい者割引を受けられる施設の一覧表を確認できるため、施設利用者数の増加が期待できます。障がい者の方からは、現状の紙形式の手帳については持ち運びが不便で汚れやすい、うちに忘れてバス乗車代の割引を受けられないことがあったとか、服のポケットに入れたまま洗濯してしまい文字がにじんでしまったとか、また、個人情報を見られる所有者の心理的負担、悩み等を解決してくれたとの意見があります。
民間会社が行っていることもあり、安全性のことが気になりますが、不正防止として、手帳の情報を登録する際、画像を取り込んだ上で、株式会社ミライロが形式、顔写真、有効期限をAIで自動判別、目視による確認を行っています。スクリーンショットでの利用を防止するため、画面に動的処理がなされています。利用者が同アプリとマイナンバーをひもづけることで自治体が保有する情報と連携可能となり、不正防止が図られます。
以上のことを踏まえ、質問させていただきます。
障がい者割引を行う公共施設において、ミライロIDを確認書類として有効にするようにしていただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。
次に、令和4年、台風15号により非常に激しい雨が降り、静岡県や愛知県にかけて線状降水帯が発生し、記録的な大雨となり、水量としては観測史上1位の値を更新しました。袋井市においても大きな被害を受けました。被害に遭われた方で、隣の茶畑の山が崩れ、物置小屋が流され、うちの一歩手前で収まり、うちの損害は免れましたが、その山の所有者が誰なのか調べたところ、すぐには見つけることができず、大変な思いをされました。
現在、人口減少で人の住まない地域が増え、土地の資産価値が下落傾向になり、相続登記がされず放置され続けられれば、相続人が増え続け、所有者の把握はさらに難しくなっていきます。戦前から何世代にわたって相続登記を放置し、登記簿上で誰が所有者なのか、追跡困難になっています。経済が上向きのときには、土地は貴重な財産として管理され、売買も進み、管理されてきましたが、今や少子高齢化、団塊の世代が80歳を超える2030年以降、大量の相続が発生し、さらに問題が深刻になっていきます。過疎化、人口減少により不動産の財産的価値が見込めず、売買も困難となりました。また、手間とコストがかかり、相続登記がされないまま放置されています。防災、減災の観点から見れば、緊急を要する防災工事や災害復旧工事では、交渉相手である所有者が見つからなければ事業も何カ月も滞るのではないでしょうか。
そこで質問させていただきます。
1点目、本市において、所有者不明の土地は何カ所あるのでしょうか。
2点目、本市として所有者不明の土地問題に対して、どのような対策を講じているのでしょうか。
3点目、登記と現実が合っていない状況がなぜ放置されてきたのか、お伺いいたします。
4点目、所有者不明の土地の増加に歯止めをかけ、再び発生しない仕組みの整備を目指すことが必要かと思われますが、本市の考えをお伺いいたします。
以上で、一般質問とさせていただきます。
60:
◯議長(
戸塚哲夫) 大場市長。
〔市長
大場規之 登壇〕
61:
◯市長(
大場規之) 鈴木賢和議員の御質問にお答えを申し上げます。
初めに、自販機リサイクルボックスの
異物混入低減の取組のうち、プラスチックごみゼロ宣言についてでございますが、プラスチックごみの削減と資源循環は世界的にも重要な課題でございます。
本市におきましても、これまで多くの市民の皆様の御協力をいただき、毎月のプラスチック製容器包装の回収量は、令和3年8月以降、前年同月と比較して増加を続けており、資源循環の促進が図られているところでございます。また、本年度からは、ふくろい5330(ごみさんまる)運動に取り組んでおり、地元説明会や出前講座では、改めてプラスチック製容器包装の分別の徹底をお願いしているほか、各自治会に分別看板を配布するなど、さらなる分別への理解促進にも努めているところでございます。
さらに、令和4年4月に施行されたプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律に基づく新たな取組といたしまして、現在は焼却処理しているポリバケツやプランターなどの製品プラスチックの資源化を進めるため、令和6年度から、これらの分別回収が実施できるよう準備を進めているところでございます。
このような中、本市では、令和4年2月に、袋井市ゼロカーボンシティ宣言を行い、温室効果ガスの排出抑制の取組を進めているところでございまして、プラスチックごみの削減や資源循環についても、この取組の重要な要素の一つとなっております。このようなことから、現時点においては新たに宣言をせずとも、本市では既にプラスチック問題に積極的に取り組む姿勢を明らかにしているものと考えております。
次に、自販機リサイクルボックスへの
異物混入問題に対する認識についてでございますが、本市における
異物混入の状況について、市内の主な自動販売機設置事業者3社から聞き取りを行いましたところ、リサイクルボックスはほとんどの自動販売機に設置されており、設置場所によっては、リサイクルボックス内の3割程度がお弁当の容器や家庭ごみが混入しているケースもあると伺っております。なお、これらの異物につきましては、設置事業者の責任において回収し、適正に処理を行っているとのことでございました。
全国的な取組として、リサイクルボックスへの
異物混入については、飲料メーカーや自販機に関連する企業で構成される四つの団体により設立された清涼飲料自販機協議会において、自主的なガイドラインが設けられ、リサイクルボックスの設置や空容器の適正処理に御尽力をいただいているほか、本市におきましても、袋井市まちを美しくする条例において、リサイクルボックスを設置することや、これらの適切な管理に努めることを事業者の責務として規定しているところでございます。
このようなことから、リサイクルボックスに投入された異物については、これらを管理する設置事業者の皆様に処理していただくべきものと捉えておりますが、こうした異物の混入は事業者にとって負担になることや、汚れの付着が資源ごみのリサイクルを阻害する要因となること、また、リサイクルボックスからあふれたごみが景観を悪化させるなどの問題も考えられ、資源循環や環境保全上、必ずしも良好な状況ではないものと認識しております。
次に、行政としての取組についてでございますが、本市においては、これまで事業者の皆様から
異物混入に関しての相談を受けた事例もなく、先に申し上げましたように、リサイクルボックスの基本的な管理責任はその設置者にあるものと考えております。その一方で、廃棄物の処理及び清掃に関する法律においても、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」との規定がございますように、リサイクルボックスへの
異物混入に対しては、投入者のモラルを高めることが課題であると捉えております。
このようなことから、現在のところ、市として公共回収ボックスや協議会を設置する考えはございませんが、環境省では、
異物混入の低減に向けて、業界団体との連携により、投入口を下向きにするなどの新機能リサイクルボックスの設置や、
異物混入防止メッセージの内容を変化させることによる効果、さらには、リサイクルボックスを撤去することによるごみの散乱状況などの変化の検証を開始しておりますことから、市といたしましては、こうした全国的な動向を注視しながら、ルールに従ったごみ出しの徹底や不法投棄の防止に引き続き取り組む中で、リサイクルボックスの適切な利用も含め、市民のモラル向上に努めてまいりたいと存じます。
次に、ミライロIDの活用についての御質問にお答え申し上げます。
ミライロIDの概要及び効果等につきましては、議員御案内のとおりでございまして、運営会社である株式会社ミライロでは、障害者手帳に記載された情報が、スマートフォンを提示するだけで障がい者割引などが適用される、全国の公共交通機関や公共施設、商業施設などをホームページで掲載しております。
県内の状況でございますが、JR東海や遠州鉄道をはじめ、掛川花鳥園などの民間施設や静岡県、浜松市、三島市、沼津市、富士市、磐田市の各自治体の公共施設など、合計124の施設が掲載されているところでございます。静岡県におきましては、令和4年4月より、個人を対象に障がい者割引を実施している小笠山総合運動公園など17施設において、ミライロIDでの対応が可能となっております。
また、市内では、個人利用における障がい者割引を行っている施設は、風見の丘やさわやかアリーナなど11施設がございまして、障害者手帳を提示することで障がい者割引を利用することができる状況となっております。
議員御提案のミライロIDの活用につきましては、障害者手帳をお持ちの方にとりまして、手帳の破損や紛失などの不安が解消されるとともに、施設側におきましては、身体、療育、精神の各種障害者手帳の内容が統一して表示されるため、確認が容易となるなど、双方にメリットがございます。
今後は、先行して導入している各自治体の状況や個人情報管理の安全性を確認し、導入に向けて検討してまいりたいと存じます。
次に、土地所有者不明についての御質問にお答えを申し上げます。
初めに、本市における所有者不明の土地の数についてでございますが、固定資産税の課税対象の土地に関して申し上げますと、相続放棄や相続人が存在しないなどの理由で納税通知書が送付できない土地の数は、約14万筆のうち109筆となっておりますが、課税対象外の土地につきましては、状況はつかめておりません。また、地籍調査をはじめ、用地買収など土地所有者の確認が必要となる事業を進める中で、初めて所有者が不明であることを把握いたしますことから、全体数につきましては承知していないという状況でございます。
一方、平成29年に公表された一般財団法人国土計画協会の報告では、地籍調査を活用した推計で、相続登記がされていない所有者不明の土地面積は約410万ヘクタールで、九州の面積以上あるとされており、令和2年度の国土交通省による抽出調査においても、全国における所有者不明土地の割合は24%と推計されておりますことから、本市においても、相続登記がされていない土地は相当数あるものと認識をいたしております。
次に、登記と現状が合致しない状況の理由についてでございますが、相続登記は任意とされていることや、相続をされる方が相続登記を行わなくても現実的に不利益が生じることがないことなどが登記と現状が合致しない状況の要因であると考えております。
次に、所有者不明土地の抑制の取組についてでございますが、市ではこれまで、相続登記が任意であったことから、特段の取組は行ってまいりませんでした。しかしながら、国が令和3年に不動産登記法を改正し、相続により不動産を取得したことを認識した日から3年以内に相続登記を行うことが令和6年4月1日から義務化され、正当な理由がなく違反した場合には、過料の適用対象とされますことから、市民の皆様に不動産登記法の改正情報が確実に届くよう努めているところでございます。
具体的には、市民課で御遺族にお渡しする、おくやみガイドブックで、相続に関する一般的な手続を御案内するとともに、課税課では、固定資産を所有している方がお亡くなりになった際に御提出いただく相続人代表者指定届をお渡しする際にも、相続の手続をお知らせしております。
今後におきましても、固定資産税の納税通知書に啓発
文書を同封したり、法務局、司法書士会と連携し、啓発ポスターの掲示やチラシの配架などを行うことで、所有者不明の土地の解消に努めてまいります。
以上で、私からの答弁とさせていただきます。
62:
◯議長(
戸塚哲夫) 2番 鈴木議員。
63: ◯2番(鈴木賢和) 御答弁いただきました。
それでは、再質問をさせていただきます。
ペットボトルについて、その優れたリサイクル率や適切な回収により、資源循環、温暖化防止に貢献できる等、地域住民へSDGsに即した意識、啓発の取組も検討を推進してはいかがでしょうか。
2点目、これまで日本は3R政策を、循環型社会への取組をしてきました。しかし、3Rは廃棄物が出る前提の政策であることに対して、サーキュラーエコノミーは、そもそも廃棄物や汚染を出さないという前提に立っています。3Rをさらに発展させた政策が求められていることから、経済産業省は、2020年5月に循環経済ビジョン2020を公表し、サーキュラーエコノミーに向けてかじを取りました。
そこで質問させていただきます。本市において、サーキュラーエコノミーについての認識をお伺いいたします。
3点目、所有者不明について、千葉県木更津市では、住まいの売却や相続の準備についてまとめた終活ノートを作成し、ノートを活用した市民対象の出前講座を行っています。他市において好事例を共有し、対策の強化につなげていくことが必要かと思われますが、御見解をお伺いいたします。
以上です。
64:
◯議長(
戸塚哲夫) 鈴木議員、今、再質問ですけれども、特に2点目について、少し通告とは違うと思うんですけれども、答弁に対して再質問ということで、私、冒頭申し上げてあります。当局のほうで御答弁をいただけるのであれば、どうですか、その点も含めて。
本多環境水道部長。
65: ◯環境水道部長(本多芳勝) 鈴木賢和議員の再質問にお答え申し上げます。
私からは、自販機リサイクルボックスの
異物混入低減についての取組についてのうち、二つの御質問をいただきました。
1点目につきましては、ペットボトルについて、リサイクル率や回収により資源循環や温暖化防止に貢献できる、それについて、地域住民へ意識啓発の取組を協議体で推進したらどうかという御質問だと思いますが、市長からも御答弁申し上げましたとおり、現在、本市では協議会を設置する考えはございませんが、資源循環は大変重要なものだと認識しているところでございますので、引き続き市といたしましては、ゼロカーボンシティへの取組、また5330(ごみさんまる)運動の取組、この中でごみ分別などの意識啓発を市民の皆様に努めてまいりたいと考えております。
二つ目の、サーキュラーエコノミーの認識はという御質問だと思いますが、サーキュラーエコノミーということで、循環経済という言葉になるかと思いますが、これまではどちらかといいますと、社会経済、大量消費であったり大量生産、そして最後に大量な廃棄、このような状況が続いてきているかと思います。これをより資源を使いながら、リサイクルしながら、よりそれを抑えながらごみも減らしていく、こんな取組に転換していくことが必要であるかなと考えておりますので、これは袋井市だけでなく、当然、日本全体、世界に通ずる大事なことだと思いますので、そのように課題として認識しているところでございます。
以上、私からの答弁とさせております。よろしくお願いいたします。
66:
◯議長(
戸塚哲夫) 以上で、2番 鈴木賢和議員の一般質問を終わります。
会議の途中でありますが、ここで休憩とし、午前11時15分から会議を再開いたします。
(午前11時03分 休憩)
──────────────────────────────────────
(午前11時15分 再開)
67:
◯議長(
戸塚哲夫) 休憩前に引き続き本会議を再開いたします。
次に、16番 大場正昭議員の
発言を許します。質問は一括方式であります。
16番 大場議員。
〔16番 大場正昭 議員 登壇〕
68: ◯16番(大場正昭) 皆さん、改めましてこんにちは。
それでは、通告に従いまして、一般質問させていただきます。
初めに、大項目の1番、道路の維持修繕につきましてお伺いいたします。
日頃、道路の維持修繕につきましては、毎年予算計上して、道路の穴や側溝蓋の損壊などの維持管理に取り組んでおります。私も地域の方から苦情や要望を伺った際や、私自身が道路の穴などに気づいた際は、その都度、市にお願いしております。その現状は、緊急性を要する修繕の対応に追われている状態であり、老朽化順に計画的な修繕はできていないように見受けられます。
道路法の条文によりますと、本法は直接的に道路網の整備を図ることを目的としたものであるが、それにより交通網の発達に寄与し、公共の福祉を増進することを究極の目的としているとされております。道路網の整備と維持管理は産業経済の発展に欠くことのできない事業であり、安心・安全なまちづくりの視点からも必要な予算を確保しなければならないと考えます。
そこで1点目にお伺いするのは、道路の維持修繕費の現在と10年前の予算額をお示しいただきたいと存じます。あわせて、市民から寄せられる道路の維持修繕関連の要望の具体的な内容と、直近3年間の件数についてもお尋ねいたします。
次に、2点目として、市内道路にはかなり以前から沈下している箇所があります。地域の方からよく言われるのが、連絡すると一時的に修繕はするが、これだけ大きく沈下しているのに、市は連絡するまでなぜ気がつかなかったのかという点であります。
以前、議会の答弁では、道路パトロールの回数を増やし、道路の適正な管理に努めているとのことであります。現在パトロールがどのように行われ、そのパトロールで発見し、どのように修繕の必要性を決めるのかについてお伺いいたします。
特に幹線道路以外の生活道路では、まさにパッチワーク状態であり、老朽化が甚だしい状況にあり、全面舗装を要望しても来年度以降に対応していくと、毎年同じような回答で先延ばしされ、多くの市民は行政に対して不信感は募るばかりであります。このようなことでは市との協働や信頼関係を築いていくことは難しいという声も多く、行政不信も聞かれることに対して、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
私も地元の皆さんから、市は本当に予算が不足しているのかと聞かれることもあります。道路の維持修繕費は市民生活に密着した極めて重要な予算であります。いつも地元要望の取りまとめで御苦労なさっている自治会役員たちは固唾をのんでこれを聞いていると思いますので、その点につきましても私からお願いいたします。
次に、大項目の2番、県への地元要望につきましてであります。
台風15号による豪雨では、三川地内の二級河川敷地川が増水によって氾濫危険水位を超えるほどの水流が確認され、至るところで内水氾濫や一部越水が発生し、敷地川からあふれ出た土砂を含んだ水は住宅や田畑に流れ込み、水浸しになりました。被災した箇所では、今もなお生活再建や復旧に向けて大変な日々が続いており、再発防止策の徹底は重要な課題であります。
敷地川では、近年の県の御理解もあり、河床掘削をはじめ、河道拡幅など、磐田市側の下流部から年々整備を進めていただいております。しかしながら、それでも上流部の三川地区においては、いまだ各箇所において氾濫の危険は解消されておりません。
そこでお伺いしたいのは、河川整備について、議員にならせていただいた当初から同様の質問をしておりますが、長年の地元の切実な要望として、敷地川の堆積土砂のしゅんせつや護岸の維持修繕を要望しておりました。昨年9月の豪雨災害では、河川の増水によって、そのしゅんせつしていない箇所からの越水によって浸水した地区では、地元から言えば、起こるべくして起こった人災ではないかという思いがあります。毎年しゅんせつを要望しても先送りされていた箇所であり、まさに地元が心配していた事態となったのです。
これら河川の維持管理については、管理者である静岡県が行うこととはいえ、準用河川中沢川もそうですが、敷地川もどこを流れているのかといえば、私ども袋井市を流れている川であります。幾ら県管理ですと答えても、実際に被害を受けるのは袋井市民であり、県の事業であるから市としては分かりません、関係ありませんでは済まされないと思います。私ども市民の生活と安全を守る責務は、袋井市にあるのではないでしょうか。
そこでお伺いするのは、県や市では様々な地域の声を反映させるため、河川整備計画を策定し、期日や予算を決めて、計画に基づいて事業を行っております。二級河川敷地川に関しての計画はどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。
また、地元要望の回答に、来年度以降対応という常套句があります。想定を超えた集中豪雨が常態化している昨今の気象状況を踏まえ、来年度以降という回答は単なる先送りにすぎません。決壊の危険性や溢水、越水という現状を解消すべく、護岸の維持修繕やしゅんせつで川の水位を下げるなど、さらなる整備強化に向けて早期の取組が必要と考えます。
そこで、地元の、要望しても実施されないので諦めているという声に対して、市としてどう答えていくのかお伺いいたします。
次に、3点目として、昨年9月の豪雨災害の復旧状況と災害復旧事業につきましてお伺いいたします。
昨年9月の豪雨災害では、私の住む三川、とりわけ大谷地区が大きく被災したため、私のところには地元の皆さんから数多くの相談が来ており、そのようなことから今回の質問に至りました。豪雨災害から約半年を経過してもいまだ未着手、あるいは工事の途中で完成に至らない箇所が多くあります。市から現時点で何割くらい進捗していると説明されても、地元からすれば対策工事が完成していないということに不安を感じ、いら立ちを隠せないのが実情であります。あと数カ月すれば出水期を迎えるこの時期になってもいまだ完成を見ないこの現状を、市はどのように捉えておられるのでしょうか、お伺いいたします。また、現時点の完成めどと未着手の主な要因について、明確な理由をお示しいただきたいと思います。
また、災害復旧事業の基本は、従前の機能を回復される原形復旧することにあり、それ以上の機能向上は、災害復旧の原則である原形復旧の範疇を越えるものとされております。しかしながら、被災箇所は元の状態では災害に弱かったために被災したということであります。原形復旧しても、再び大雨が降れば、市道大谷幕ヶ谷線ののり面崩落を見るまでもなく、また今回と同じように被災するのではないかと、被災箇所の周辺に住む方々からは、不安や心配の声が聞かれます。せっかく工事をするなら災害が発生しないような工事をすべきであり、前と同じものを造るだけではあまり意味がないのではないでしょうか。
災害復旧の制度には、被災箇所の原形復旧のみでは十分な効果が期待できない箇所においては、再発防止のため被災していない箇所を含む一連の区間の川幅を広げたり、堤防のかさ上げを行ったりするなどの施設機能の強化を図る、いわゆる改良復旧事業制度が創設されております。昨今の異常気象によって自然災害が多発している状況下においては、風水害等々はまた発生することが予想されます。
今回の豪雨で被災した箇所の災害復旧においては、原形復旧と併せて改良復旧も行い、災害に強い施設への改修を進め、被災防止を図っていくべきであると考えます。具体的にそのような御検討をされているのか、災害復旧に対する市のお考えをお伺いいたします。
次に、4点目として、袋井市大谷幕ヶ谷地内の準用河川中沢川上中流域の河川改良と護岸の維持修繕につきましてお伺いいたします。
先ほど
大庭通嘉議員からの御質問にもありましたが、現在、市内の主要幹線の河川は、袋井市河川等整備計画に基づき、着々と改修工事が進み、それぞれの工事は予定どおりの工程で推移しております。関係各所の努力のたまものではないかと感謝申し上げます。
しかしながら、主要幹線以外の河川排水路では、いまだ整備されていない箇所が多数存在しております。袋井市見取大谷幕ヶ谷地区の中沢川についても、下流域は整備されているものの、上中流域の対策についてはほとんど手つかずの状態であり、豪雨のたびに高い頻度で護岸の浸食、流失などの被害を受けております。この流域では、これまで護岸が壊滅的に決壊し、大規模な浸食被害を被っていないこともあり、長く未整備状態になっていると考えられます。大雨警報が発令されるたびに不安な夜を過ごす地元の方々の心労は計り知れません。また、豪雨災害が発生するたびに、その復旧作業を行う御苦労はいかばかりかと推察いたします。
そこでお伺いしたいのは、
大場規之市長の掲げる、市民の安心・安全な暮らしを守るという観点から、この状況について、いかにお考えでありますでしょうか、お伺いいたします。
また、準用河川中沢川の計画流量や氾濫危険水位はどの程度を設定しているのかお伺いいたします。さらには、その数値に対して、昨年9月の台風15号による豪雨時には、実際の流量や水位はどの程度であったのかについて、具体的な数字を認識しているのであれば御答弁いただきたいと存じます。
次に、5点目として、二級河川の河川整備の在り方につきましてお伺いいたします。
河川の種類と管理者につきましては、県が管理者である二級河川、市が管理者である準用河川及び普通河川があり、それぞれの河川管理者は治水や環境整備の計画を立て、工事や維持など総合的に管理を行っているとお聞きしております。
県が管理者である二級河川敷地川は、昨年9月の台風15号による豪雨をはじめ、これまでにも幾度となく被害が発生しています。敷地川沿いは、長年堤防の浸食に悩まされ続けてきた地域でもあり、毎年のように大雨のたび、三川地区の自主防災隊をはじめ、消防団や水防団の方々に出動していただき、どうにか堤防の崩壊を免れております。地元の方々の御尽力なくしては、敷地川の安全性は守れないのが現状であります。
これまでも地元の方から私のところへは、切実な要望として、早く何とかならないかという声が多く届けられております。敷地川は二級河川であるため、河川整備を行うのは静岡県であり、袋井市側の改修は遅れ、堤防浸食に対する十分な対策も施されていませんでした。
二級河川である以上、袋井市民がどれだけ不安に思っていても市では何にもできず、ただ見守っているしかないのかというと、実ははそうではないと思われます。河川管理権限というのは、県と市が協議をして合意すれば、県に代わって市が河川工事や維持を行うことができるのであります。全国を見ますと、都道府県が管理者である二級河川であっても市が工事をしている場合があります。それは少し難しい話になりますが、昭和62年の河川法の一部改正によって、市町村長が二級河川についても、受益の範囲が広域に及ぼす水系全体に著しい影響を与えない範囲で、河川管理者に代わって河川工事または維持の権限を代行できる市町村工事制度が拡充されたためです。
ここは県、ここは市と言っている間に豪雨災害が起きて、実際に被害を受けるのは袋井市民であり、そこに住み、豪雨のたびにおびえる人にとっては、河川管理者がどこでというのは市民にとっては関係ないことであります。とにかく県でも市でもいいから早く何とかしてほしいというのが率直な市民感情であります。その市民の方が求めているのは、浸水被害を早期に軽減、解消するためのスピード感のある対策の実施であって、その市民の要望にどう応えていくのでしょうか。
全国的に見ますと、地球温暖化の影響によって雨が増加傾向にあり、今後も豪雨がこの地を襲う可能性は十分あると考えざるを得ません。市民が必要としているのは、被災した後の復旧工事ではなく、被災しないための工事であります。越水した箇所で堤防のかさ上げを行い、堤防のかさ上げが難しい箇所は河道掘削で川の水位を下げる等々の対策を早期に進めていただくことが大切であります。二度と氾濫を起こすことがないような対策を模索し、早急に目に見えるような形で実行していくのが行政と議会の役割であります。
これからは気候変動による降雨状況の変化から、豪雨で治水能力を超過する洪水が発生することを前提に、県と市の管理区分という垣根を越え、今までの河川整備手法から脱却して、整備方針の転換を図っていくべきではないでしょうか。
以上のことを踏まえて、敷地川についても、管理者である県と連携し、市町村工事制度を積極的に活用した対策に取り組んでいくお考えはないのか、市の見解と今後の方向性についてお伺いいたします。
なお、このような質問をしますと、前例がないとか、近隣自治体の動向を見て等々の御答弁をされることがあります。肝腎なのは、昨年9月の災害で被害に遭われた市民に対して、どのようにして、袋井市ならではの迅速な対策を打ち出して、市民の方々が納得できる対策を行っていくことが大場市長の掲げる、安心・安全なまちづくりにつながるのではないかと存じます。
以上、それぞれの質問項目の中で提案をさせていただき、私の一般質問を終わらせていただきます。明確で前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。
69:
◯議長(
戸塚哲夫) 大場市長。
〔市長
大場規之 登壇〕
70:
◯市長(
大場規之) 大場正昭議員の御質問にお答えを申し上げます。
初めに、市内道路の維持修繕についてでございますが、道路維持修繕にかかる経費は、修繕料や手数料、重機借上料、原材料、工事費をそれぞれ予算計上して対応しているところでございます。
道路維持修繕費を10年前との決算額で比較しますと、平成24年度は1億8,400万円余、令和3年度は1億8,300万円余で、おおむね横ばいとなっている状況でございます。
また、道路の維持修繕関連の主な要望の内容につきましては、舗装や側溝、安全施設などの修繕と除草などとなっております。
また、直近3年間の要望件数は、令和2年度が1,260件、令和3年度が1,344件、令和4年度が1,287件で、毎年1,300件程度でございます。
次に、道路のパトロールについてでございますが、昨年度までは、市内を北部、中部、南部など6地区に分け、担当課の職員2名体制により各地区を6週間に1回の割合で実施しておりましたが、本年度7月からは、都市建設部内の職員で各地区を3週間に1回の頻度でパトロールできるように拡充し、重点化を図ったところでございます。これに加え、昨年度からは現業職員が路面の損傷が著しい主要な幹線道路を中心に、日常的に道路パトロールを行い、簡易的な補修を行っており、適切な施設の保全に努めているところでございます。
また、修繕の必要性につきましては、路面など施設の異常に対しましては道路利用者の安全が第一でありますので、職員がその場で対応できる異常についてはその場で対応し、対応が困難な補修については業者への修繕依頼や工事発注により対応を行っております。
次に、要望に対して来年度以降対応していくとの回答についてでございますが、要望件数が約1,300件と多く、地域からの要望に対する予算の確保や対応する職員にも限りがありますことから、全てに対応することは非常に難しい状況でございまして、地域でつけられた優先順位を考慮しながら、現地調査や自治会長からの聞き取りなどにより、緊急性や必要性を判断した結果を、本年度対応、来年度以降の対応で検討、今後事業実施の方向性を検討と、理由を記載した上で対応できませんとに分け、地域へ報告し、御理解をいただいているところでございます。
次に、市民生活に密着した道路の維持修繕費の今後の対応についてでございますが、市では、新たな社会インフラの維持管理方法や建設産業が抱える課題の解決に向け、昨日、袋井市建設事業協同組合と協定を締結したところでございます。今後、業者への長期的な委託や一体的に修繕依頼をすることで経費削減につながると考えておりますことから、包括的民間委託などの新たな手法について、官民連携する中で協議、検討を進め、速やかな施行に向けて努めてまいりたいと考えております。
また、道路維持修繕に対応する限られた予算で適切な維持管理が行えるよう、市が保有する橋梁などのストックにつきましても、令和5年度に予定している橋梁長寿命化修繕計画の見直しを進める中で、適切な保有量に向けて地域との協議に着手してまいりたいと存じます。
次に、県への地元要望についての御質問にお答えを申し上げます。
初めに、二級河川敷地川に関する計画でございますが、静岡県が平成13年に策定した太田川水系の河川整備計画におきまして、磐田市笠梅地内大明神橋付近から友永橋付近及び山田地内渕田橋付近から磐田市敷地地内牛ケ鼻橋付近、この2カ所を整備区間と位置づけており、これまでに大明神橋付近から見取橋下流まで完成している状況であります。
次に、県への要望事項が実施されていない状況についてでございますが、県では河川維持や修繕などの地元要望には、限られた予算の中で効率的、効果的に要望対応することを目指して、事業の緊急性や必要性を考慮して対応していると理解をしております。
また、今回の台風被害を受けて、敷地川では河床掘削工事や堤防の漏水対策工事などに既に着手したと伺っております。河川維持や修繕の地元要望は、市民生活の安全に関わりますので、今後につきましても地域の声を的確に県に伝えるなどして対応してまいりたいと存じます。
次に、昨年9月の豪雨災害の復旧状況と災害復旧事業についての御質問にお答えを申し上げます。
初めに、災害復旧事業の現在までの進捗でございますが、市では、令和4年11月補正にて災害復旧費を予算計上し、三川地区、宇刈地区、豊沢地区などにおいて、道路の土砂撤去や河川区域内における土砂のしゅんせつや流木撤去などの処理を行うなど、小規模な被災箇所を速やかに実施してまいりました。
また、大規模な被災となった市道大谷幕ヶ谷線の大谷公会堂付近ののり面の崩落、幕ヶ谷橋西側の路肩の崩落、明治橋上流右岸の市道見取山田線の路肩護岸の崩落、準用河川中沢川では、上流部及び下流部において護岸の崩落があり、道路においては通行規制や防護柵の設置、河川においては土のうによる河川断面の確保などがございまして、応急復旧を行い、2次災害の防止と安全確保に努めたところでございます。
これらの被災箇所につきましては、事業費が大規模となることから、12月に国への災害申請を行い、2月の市議会臨時会に市道見取山田線などについて予算を計上し、令和5年度当初予算には大谷幕ヶ谷線、中沢川の復旧予算を計上し、災害復旧事業を進めているところであります。
次に、現時点での完成目途と未着手の主な要因についてでございますが、市道見取山田線の路肩崩落、幕ヶ谷橋西側の道路路肩崩落等については、3月に契約を行い、7月末の完成を予定しております。また、市道大谷幕ヶ谷線につきましては、令和3年度に被災した箇所を含め被害が大規模に拡大したことから、新たに用地の取得が必要になったため、発注については6月頃を見込んでおります。完成目途につきましては、被災箇所ののり面に亀裂が生じており、細心の注意を払う中での工事の施工となりますことから、令和5年度末の完成を目指しております。準用河川中沢川につきましては、大規模災害査定方針に基づき、簡素化による災害査定の申請を行ったことから、現在、詳細な測量や設計を行っております。工事発注につきましては9月頃を予定し、出水期を避けた11月頃から工事着手し、令和5年度末の完成を目指しております。
次に、原形復旧と併せて改良復旧も行い、被災防止を図っていくべきではないかについてでございますが、災害復旧事業については、被災前の状態に復旧する原形復旧が原則となります。一方、原形復旧ではその効果が限定される場合などは、事業の効果をより高めるため、被災していない箇所等を含めた復旧方法もございます。この復旧方法は将来の計画を踏まえた改良復旧であり、今回被災した準用河川中沢川の幕ヶ谷橋上流につきましてはこれに該当させることも考えられますので、費用対効果などの検証を行う中で、県や国と協議を進め、最適な復旧方法により対応してまいりたいと存じます。
次に、袋井市大谷幕ヶ谷地内の準用河川中沢川上中流域の河川改良と護岸の維持修繕についての御質問にお答えを申し上げます。
初めに、準用河川中沢川の河川改修についてのうち、未整備となっている状況についてでございますが、中沢川は、敷地川排水区内を流下する延長約2.3キロメートル、流域面積約2.1平方キロメートルの準用河川であり、過去に大雨による被災が繰り返し発生しましたことから、起点となる中沢川橋から中流の幕ヶ谷橋までの延長1.7キロメートルの整備を、平成2年度から平成28年度にかけて県費補助事業により実施いたしました。これより上流の約0.6キロメートルにつきましては、これまでに大きな浸水被害が発生していないことから、事業化に至っていない状況でございます。
次に、中沢川の計画流量についてでありますが、この区間につきましては、全体計画において、下流河川の整備水準に合わせ、1時間当たりの降雨強度54ミリに対応する1秒当たり12立方メートルの排水能力としております。なお、河川氾濫危険水位でございますが、国、県において、洪水により相当な損害を生ずるおそれがある河川を指定して、指定された河川において設定されるものでありまして、中沢川については指定河川となっていないため設定されていない状況でございます。
次に、今回の台風における流量や水位についてでございますが、中沢川のように水位計のない河川においては、洪水後に現地調査を行い、洪水の痕跡を確認しております。今回の台風では土砂崩れにより河川が閉塞して越流した箇所がありましたが、それ以外では溢水した痕跡は確認されていないため、堤防を乗り越えるような状況ではなかったと認識しております。中沢川の現状につきましてはこのような状況でございますが、逃げ遅れによる人的被害をなくすため、適切な避難行動へとつなげられるよう、情報伝達方法の改善やマイタイムラインの作成などのソフト対策を推進し、流域住民の皆様の安全・安心につなげてまいります。
次に、二級河川整備の在り方についての御質問にお答えを申し上げます。
二級河川の市町村工事制度についてでございますが、本制度は、河川を地域社会の貴重な水辺空間と位置づけ、河川環境の保全に配慮しつつ、区画整理や再開発、公園整備などと一体的に整備していくケースが基本的な考えでございまして、二級河川敷地川を管理する県では、自らが整備を進める河川と考えております。市といたしましても、敷地川の河川改修は県の方針に沿って河川管理者が主体となって施行していただくことが原則であると考えております。
以上で、私からの答弁とさせていただきます。
71:
◯議長(
戸塚哲夫) 16番 大場議員。
72: ◯16番(大場正昭) それぞれ御答弁をいただきました。
それでは、再質問させていただきます。
初めに、大項目の1番の御答弁、道路維持の修繕につきまして、2点ほど質問させていただきます。
御答弁では、道路の維持修繕費は平成24年度の1.84億円に対して令和3年度は1.83億円と、10年前と比べてほぼ同額であるということでした。しかしながら、年々老朽化していく一方のインフラに対して、この予算で適正な維持管理が行われているとお考えでしょうか。その実情は、予算が増額されないため完全な修繕はできないので、壊れたところだけを直しているのが客観的な事実なのではないでしょうか。市内の道路のひび割れや大きく沈下している箇所が数多く見られます。
まず、このように市内道路の実態を把握し、道路法で示されている目的を理解した上で御答弁されておりますでしょうか。現状では、道路法の、交通網の発達に寄与し、公共の福祉を増進することを究極の目的としているを達成できていないと私は感じておりますが、その点につきまして、再度答弁をいただきたいと思います。少ない額で要望のほとんどがクリアできることもあろうかと思いますが、その努力をしていただきたいと思います。
また、御答弁にもありました限られた予算ということでありますが、財政当局に提出をした、原課のほうでの道路の維持修繕費の平成24年度から現在までの要求額の合計と決算額の合計及びその差額につきましてもお伺いをしたいと思います。その要求と査定の差額の部分を一体どうしているのかという疑問も湧いてくるわけであります。
次に、大項目の2番目の質問として、県要望につきまして3点お伺いいたします。
先ほどの御答弁では、要望は事業の緊急性や必要性の観点から実施していると理解しているということでありましたが、私は自治会の要望書を何年か分、見たことがありますが、敷地川について、毎年ずっと同じ内容で要望が出されている箇所があったのではないかなと思われます。
まず、今回その要望していた箇所で実際に越水などの被災があったわけですが、素人である私でも緊急性や必要性があると分かるようなことが、市としてなぜ分からなかったかという点について再度お伺いいたします。人命や財産に関わることでありますので、見過ごしていたでは済まされないことかと思います。
さらには、市では地元から要望書をもらって、県へ的確に伝えているということでありますが、県へ要望を副申するときに、要望をただ上げているだけでしょうか。その点につきましても再度お伺いいたします。めり張りをつけて、地元と市が現場を見ながらということが大切になりますが、そのことをお伺いいたします。
さらには、地元と連携して市が先頭に立って進めるということが、私は実現にとって大変大切なことかと思いますが、市民の皆さんに寄り添い、できるだけ不安を取り除き、安心・安全な生活を実現していくことも大切な仕事の内容かと思いますが、その辺りについての御見解を再度お伺いいたします。
次に、大項目の3番につきまして、豪雨災害の復旧状況についてであります。3点ほどお伺いいたします。
御答弁では、小規模修繕などは早急に速やかに復旧したとのことでありますが、大規模な被災については、被災後数カ月たっても工事着手しない状況に、一日も早い復旧を待ち望む市民の皆さんの間ではいら立ちを隠せなかったのが実情であります。市道大谷幕ヶ谷線については発注が6月で、中沢川に至っては発注が9月で着工は11月であります。災害申請というようなことがありましたが、例えば他市町では、国の査定を受ける前に応急復旧などの運用によって査定前に着工をしているところもあるわけです。
初めに、我が袋井市では査定前の着工を検討されたのでしょうか、再度お伺いいたします。
また、ある自治体の被災箇所では、工事設計した時期から着手までの間が長かったために、急激な物価高騰で設計価格と実勢価格が乖離して、工事を発注したものの資材調達に苦しむ請負業者もあると聞きますが、袋井市に限ってはそのようなことはなかったのか、間が空いた分についての動きについて、再度、市の見解をお伺いいたします。
3点目として、それから出水期ではないというものの、豪雨災害はいつ起こるか分からないということでありますが、出水期を避けるというようなお話がありましたが、未着手であるとか未完成の状態で地域住民に危険を及ぼす場合にどのように対応していくのか、約半年経過してもいまだ完成を見ない現状を市はどのようにして捉えていらっしゃるのか、その点についても再度お伺いいたします。
次に、大項目4番、袋井市大谷幕ヶ谷線の準用河川中沢川上中流域の河川改良と護岸の維持修繕について、再度、2点ほど質問いたします。
御答弁いただきましたが、市長の答弁の中では、私が通告した内容についてお答えしてもらえないような点もありましたので、もう少し詳しく説明をさせていただきます。
御答弁の中にございました下流の整備箇所とか、過去の大雨による災害対応と河川改修であって、私が言っているのは整備箇所ではなくて、これまで大雨によって護岸が決壊しているにもかかわらず、長く未整備状態のままで、大雨のたびに不安な夜を過ごす地元の方々の心労や復旧作業を行う御苦労に対して、いかにお考えであるかというところでありました。
そのことについてでありますが、先ほど御答弁の中では、大きな浸水被害が発生していないため事業化に至っていないという御答弁でありましたが、裏を返せば、大きな浸水被害がなければやらないようにも受け取れ、今回の豪雨で甚大な被害を受けた地元の皆さんの感情をいささか理解されていないようにも思われますので、いま一度、再答弁をお願いいたします。
次に、流れを阻害するという意味であれば、私が思いますには、立ち木などは一種の構造物と思われますが、市ではそうした立ち木とかについてどのように考えていたのか、具体的にこれまでどう対応してきたのか、流れを阻害する要因になるという中での、再度お伺いをしたいと思います。
最後に、大項目の5番の中で、二級河川の河川整備の在り方についてでありますが、先ほどの答弁によれば、今回のような甚大な被災を市民が受けても、市では河川整備の方針転換に取り組んでいく考えはないことがよく分かりました。ただ、私が思いますには、やはり再び市民が被災することが起こらないようにしていただきたい。もし被害を受けるおそれがあった場合に対して、市としてどのようなお考えでいらっしゃるのか、市としての見解をお伺いいたします。
あと、それから御答弁にありました、二級河川は河川管理者である県が主体となるのが原則であるとのことであります。しかしながら、県管理である二級河川であっても、堤防のり面の除草を市で行っていただいております。そうしたことは何に基づいて行っているのでしょうか、ここで再度お伺いしたいと思います。
市管理の河川整備について、もう少しお伺いをしたいと思います。
防災力を向上させる改良復旧を取り入れ、河川のしゅんせつによって河床掘削や河道拡幅などの整備を促進し、氾濫時の被害を最小限に抑える対策を講じていくべきであると、先ほどから申し上げておりますが、大場市長のその辺についてのお考えを再度お伺いしたいと思います。
また、この関係の最後の質問になりますが、中沢川をはじめ、市管理の河川改修については、市の予算が乏しい中、補助制度の活用という面において、これまで国と県へはどのような働きかけや協議を行ってきているのか、その内容について、再度お伺いしたいと思います。なお、行っていない場合、その理由及び今後行っていく考えがあるか、市のお考えをお伺いいたします。
特に5番につきましては、具体的なところを質問させていただきましたが、答弁が少し薄かったのかなと思いましたので、重ねて再質問させていただきたいと思います。
以上、大きく分けて5点、細かくいきますと13点、14点ほどになろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。
73:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
74:
◯都市建設部長(
石田和也) それでは、大場議員からの再質問、非常にたくさんありましたので、なかなかうまく答弁できるか分かりませんが、よろしくお願いしたいと思います。
1点目の維持修繕の関係ということで、予算の増額が必要ではと、きちっと地域の声を聞いた中で予算を確保すべきではないかと、このような質問かと思います。
予算については、決算については先ほど申し上げましたとおり、おおむね横ばいということで推移してございますが、この3月で市の直営舗装を担っていただいている現業職員がちょうど退職になるというようなことでございますので、来年度、新たに舗装の補修ができる緊急道路補修修繕料というものを4,000万円ほど予算計上させていただいてございます。それに加えまして、昨日の協定ではないですが、いかに効率的に修繕を回していくかというところが、やはり多く対応できる一つの要素になろうかと思いますので、そういったところにつきましても研究を重ねて、議員から御指摘いただいた地元の要望に対して丁寧に対応するというようなところに努めてまいりたいと考えてございます。
地元要望の関係で、要求額と査定額の差額という御質問がございましたが、それにつきましては、現在、市ではハード事業につきましては3か年推進計画というもので予算のほうを管理させていただいてございまして、一応その中で3カ年のローリングを行うということでございますので、維持修繕費につきましては、要求額と査定額につきましてはほぼ同額であると認識しているところでございます。
それから、2点目の県要望の関係でございます。こちらにつきましては、先ほども市長からの答弁もございましたように、地域から上がっているものをきちっと伝えられるように県のほうに副申をさせていただいているということでございます。先ほど議員からは、溢水した箇所については土砂がたまっているというようなことでございましたが、県におきましても、市の副申を受けまして、毎年、現場立会い、確認等を行った中で対応されているということでございますので、現状につきましてはそんな状況でございます。しかしながら、やはりそこは市民の安全を守るという意味で、確実に対応していただく必要もございますので、今後につきましては、そういったところについても県に強く働きかけて、対応のほうをさせていただきたいと思います。
それから、2点目の地域からの要望を県にどのような形で副申を行っているかという御質問があったかと思います。こちらにつきましても、市のほうに要望をいただきまして、職員が現場のほうへ出向きまして、現場の状況、例えば河川である場合はしゅんせつの土砂堆積の状況、こういったものを調査しまして、それと併せまして写真も副申書に付け加えまして、それで要望をお願いしているということでございます。
それから、地元と連携して、もっと市のほうも率先してやったらどうだというような御質問もあったかと思います。そちらにつきましても、やはり要望先の県と、議員からの御指摘のとおり、地域の声が着実に届いているか届いていないかということによって、県の対応の方針も異なるかと思いますので、これまで写真をつけて副申を行っているということでございますが、今後につきましては、より丁寧に県のほうに内容を伝えて、対応のほうをしていきたいと考えてございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
それから、次に、災害の関係でございます。
大規模災害に対して対応が遅いということで、査定前での工事着手、そういったものについても検討を行ったかというような御質問かと思います。こちらにつきましては、大規模なものにつきましては災害の査定を受けて、国からの災害のお金も頂いて財源を確保した中で行うというところが基本的な考えと我々は捉えております。そのような状況でございますので、現在、被災を受けた後に土のう積みなどで応急復旧を行って、安全確保に努めているという状況でございます。
それから、2点目に、設計金額との現場の乖離によりということでございますが、市では、11月の補正で小規模なものにつきましては対応させていただいておりますし、市では災害復旧におきましては、袋井市建設事業協同組合の皆様などと災害復旧に向けて協定書を締結しておりますので、その協定に基づいて現場のほうは速やかに対応していただいているという状況でございます。それで、そちらにつきましても速やかに精算をするということで、11月補正以降、精算のほうをさせていただいておりますので、設計価格との乖離というのは生じていないと。それから、大規模なものにつきましても、これから工事を発注していくということになりますので、そのような課題は生じていないものだという認識をしてございます。
それから、土のうなどによって仮復旧されている状況で出水期を迎えるのは不安だというような御指摘をいただいたかと思います。そちらにつきましては、なかなか本復旧前に大規模な復旧というのはできませんので、これから雨季を迎えますが、そちらにつきましては、降雨前後のパトロール、こういったものを徹底しまして、それで安全確保に努めてまいりたいと考えてございます。
それから、準用河川中沢川の関係でございますが、幕ヶ谷橋からの上流のお話をいただいたかと思います。こちらにつきましては、これまでに自然の土羽による護岸が崩落した場合につきましては、災害等を活用した中で護岸を復旧させていただいて対応しているという状況でございます。こちらにつきましては、現在、議員からお話しいただいた改良復旧、要は計画断面と併せて復旧する方法になりますが、こちらにつきまして、費用対効果等も含めまして検証を行っておりまして、それで費用対効果等が見込まれた場合には、国、県のほうにそのような改良復旧に向けた協議を進めていきたいと考えてございます。そういうことでございますので、その辺の採択の動向を見ながら、幕ヶ谷橋から中上流域への対応については検討をさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
それから、川の中で水が流れるところの立ち木と倒木などについてどのような管理をするかというようなことでございます。市のほうとしましては、これも繰り返しの答弁で恐縮ですが、道路パトロール等々を行った中で、著しいものにつきましては撤去を行っているという状況でございます。それから、国、県においても、やはり県のほうにつきましても災害を防止するということで、川の流れを阻害する立ち木などについては撤去する方針と伺っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
それから、市町村工事制度の関係でございます。こちらにつきましては、市長からの答弁でもございましたように、やはり整備主体というのは管理者が進めるべきであると認識してございます。なぜそのような見解になるかということでございますが、やはり川、特に川ということでございますと、例えば工事によって堤防が破堤して、それによって浸水被害が発生する、大規模な災害を起こすというような、そういった問題がございますので、県においても、やはり自分たちが管理している川は自分たちで行うという考え方が基本となってございますので、市といたしましても、そのような考えに基づきまして対応をしたいと思っております。
それから、災害防止の考え方ですが、こちらは県への要望事項ではないですが、そのような状況が危惧される場合には、やはり市としてもきちっと管理者にその状況であったり、対応方針であったりというのを強く求めて、県と共に安全確保に努めていきたいと考えてございます。
それから、次に、県が管理している堤防のり面の草刈りを地域で行っているのはなぜかというような御質問かと思います。そちらにつきましては、先ほどもお話ししましたように、県としては、やはりきちっと流下能力を確保するということで、そういった視点でしゅんせつであったり立ち木の撤去であったりというものを行ってございまして、それとは別に、堤防の草刈りなどにつきましては、河川愛護活動というような視点の中で、これまで本市においては長年、地域の皆さんが御尽力されて務められているというようなことと認識してございます。草刈りにつきましては、来年度、ラジコン草刈り機等も御用意させていただいて、地元の負担軽減に努めるというようなことで対応したいと思いますので、また、そちらを展開する中で、地域の皆さんとよく話合いをして、負担軽減に向けた取組を行ってまいりたいと考えております。
それから、河川改修の関係で、補助を獲得するためにどのような活動を行っているかというようなことでございます。こちらにつきましては、これまで太田川原野谷川治水水防組合等々で要望のほうを国、それから県に、流域構成市町で行わせていただいているという状況でございます。
それから、今、県から技官、それから専門官、お招きしてございますので、市のほうで河川改修で課題等があった場合には、彼らのお力も発揮していただいた中で、県のほうとも連携した中で、補助金の確保に努めていると、こんな状況でございますので、そちらにつきましては、これから河川改修というのは前倒ししていくと、これまで御答弁させていただいてございますので、それに向けまして、今まで以上に強化して要望するなどして、県と連携して努めてまいりたいと考えてございますので、よろしくお願いさせていただきたいと思います。
以上、答弁とさせていただきます。
75:
◯議長(
戸塚哲夫) 大場市長。
76:
◯市長(
大場規之) 私からは、県、そして国等への要望について補足をさせていただきます。
御心配をしていただいておりまして、県、そして国等へしっかりと私たちの地域の要望が伝わっているかということでございますが、まずは県に対して、袋井市単独としてももちろんでございますが、太田川原野谷川水系の首長と共に、今回の台風被害のございました直後に、県知事への緊急要望ということで、流域市町の市長、町長と共に要望に行ってまいりました。これ、メディア等でも取り上げられたとおりでございまして、県に対してもそういった活動をしながら、しっかりとめり張りをつけて要望しています。
そしてまた、浜松河川国道事務所等にはもちろん逐次、情報交換をしながら、国土交通省緊急災害対策派遣隊TEC-FORCE(テックフォース)等との出動に対して、その必要性があるかどうかとかも、9月24日から、被害のあった当日から、所長と情報交換をしているところでございますし、名古屋への要望はもちろんですけれども、国の、石井国土交通副大臣のところに直接出向いて要望するとか、できる要望活動に関しましては最大限してきたところでございます。地元の人たちの切ない思いをしっかりと伝えるべく活動していくということで、今後も含めて対応してまいりたいと思っております。
以上、答弁とさせていただきます。
77:
◯議長(
戸塚哲夫) 大場議員、いいですか。大きく5項目、13、細かく再質問されました。それについてはいいですか。答弁漏れはなしということで、よろしいですか。
16番 大場議員。
78: ◯16番(大場正昭) 細かく言えばいろいろお答えいただきたいと思いましたが、時間もありますことから、お昼も回ってしまっていますので、再々質問させていただきます。
1番につきまして、道路の維持修繕の関係で、現業の皆さんが本当に今まで頑張ってきていただいて、道路の維持修繕をやっていただいたにもかかわらず、そちらから、これから民間との連携をしていくということでありますが、道路の維持修繕が遅れていることについては、私は予算が少なくなっていることからかなと思いますが、その辺どのように、実際に現場として考えているのか、再々度お伺いをしたいと思いますし、果たして民間の皆さんとの連携で十分道路の維持修繕ができるのかどうか、お伺いしたいと思います。
また、県要望につきましては、大場市長からもいろいろな国への要望についてもお話しいただきましたが、私は県に要望する2番のことについては、市としてどのような対策をお願いしたいということをはっきり伝えていくことが大事だと思いますが、そのようなことを求めてきているのか、その経過についても詳しい説明をお願いしたいと思います。
3番の豪雨災害の復旧状況についてでありますが、大規模な災害というようなことで説明はいただきましたが、私が思いますには、まだ未着手や未完成の状態の部分が多いのではないかなと思うわけですけれども、比較的小規模な損害、被災についてはどのように考えているのか、そこのところについてお伺いをしたいと思います。災害査定を受けなかった現場があるのではないかなと思いますが、そこに住む皆さんは非常に心配をしているということも含まれますので、災害査定を申請しなかった現場について、その理由と今後どのように対応していくのかお伺いをしたいと思います。
さらには、二級河川整備の在り方のことについて、最後に質問させていただきますが、昨今では補助制度も利用していくというような石田部長のお話でありましたが、今の状況を見ますと、市として土のうの原材料の支給や事前対策として何らかの市としての補助制度や支援事業を検討していかなくてはならないと思いますが、そういった具体的な検討を担当部局として考えているのかお伺いをして、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
79:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
80:
◯都市建設部長(
石田和也) それでは、大場議員の再々質問にお答えをしたいと思います。
まず、維持修繕の関係で、対応が遅れているのは予算が少ないことが原因ではないかというような御質問かと思います。舗装の補修につきましては、現在、市では2通りのやり方で対応させていただいているかと思います。一つは、ふくろいの“みち”に関する基本的な方針で示す幹線道路等々につきましては予防保全型ということで、こちらは国からの交付金を頂いて対応しているという状況でございます。それから、それに該当しないものにつきましては、ある意味、事後保全的なもので行っているという状況です。それで、なかなか対応ができないというようなことも我々把握しておりましたことから、パトロールの頻度等々も回数を重ねているということでございますので、今後、橋梁等の土木施設、それから舗装については、老朽化していくということはもう随分前から指摘されておりますので、また、いま一度、都市建設部のほうとしましても、どのような対応が望ましいのかを再度検証させていただいて、対応していきたいと考えてございます。
それから、民間との包括連携で本当に大丈夫かというような御意見かと思います。こちらにつきましては、まだまだ全国的にも事例が4事例ぐらいしかないという状況ですので、そこもまだまだ発展途上だと思いますので、そこも、発展途上ではありますが、じゃ、今、担い手の少ない状況の中で、やはり民間の皆さんのお力を借りるというのはどうしても必要なことだと思いますので、課題はあろうかと思いますが、相手方とよく協議をさせていただいて、袋井市にとって一番望ましい管理体系をつくってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、県への要望に対しまして、きちっと市としての要望対応を県に伝えて副申をしているのかというようなことかと思います。こちらにつきましては、先ほど少し触れましたが、現在、現地調査を行って写真とかを添付しているという状況にとどまってございますので、今後は地域からの声をよく把握して、何が困っていて、どのようにしていただきたいのかというようなところも踏み込んで地域の皆さんから聞き取りを行うなどして、それで考え方、地域と市も含めて、袋井市としての考え方をまとめて、県の方に要望して、できるだけ多く対応していただけるように働きかけていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、災害の関係で、災害査定を申請していない小さなものがあれば、その理由ということですが、災害査定につきましては、やはり金額等々の制約というか、そういった一定のルール、基準もございますので、それに合致するものについては、やはり国からのお金をもらって復旧するというのは当然合理的な話になりますので、そういったものについては行っていると。しかしながら、残念ながらそれにのらないものにつきましては、やはり市が対応せざるを得ないということになりますので、市のお金で対応しているということでございます。
それから、11月に準用河川等しゅんせつ費を確か7,700万円ほど補正で要求をさせていただいているかと思います。そちらにつきましても財源の効率的な確保ということで、そちらは起債事業になりますが、緊急浚渫事業という起債事業がございますので、そういったものを活用する中で、しゅんせつ工事にも努めているという状況でございます。
それから、災害の関係で、未対応のものもあるんじゃないかというお話がございましたが、うちのほうとしては、漏れがないように対応させていただいていると認識していますが、仮にそのような現場がありましたら、大変申し訳ないですが、少し場所等を教えていただいて、対応のほうに努めたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
それから、二級河川の関係で、備えるための措置というようなことの御質問があったかと思います。水災害に備えるということであると、市であったり県であったり管理者としての備えということも重要でございますので、そういったものにつきましては、またそこも我々、県と共に現場パトロールをして、異常な箇所は速やかに対応というのが原則となりますが、もし地域のほうでそういったところが見受けられる場合には、お手数ですが声をいただきたいと考えてございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
ですので、災害につきましては、災害というか市民の安全に関わる部分ですので、そちらにつきましては、速やかな対応、そこを基本にこれからも引き続き対応していきたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いをしたいと思います。
以上、答弁とさせていただきます。
81:
◯議長(
戸塚哲夫) 以上で、16番 大場正昭議員の一般質問を終わります。
会議の途中でありますが、ここで午前の部を終了し、休憩といたします。午後1時30分から会議を再開いたします。
(午後零時25分 休憩)
──────────────────────────────────────
(午後1時30分 再開)
82:
◯議長(
戸塚哲夫) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。
次に、17番 寺田 守議員の
発言を許します。質問は一問一答方式であります。
17番 寺田議員。
〔17番 寺田 守 議員 登壇〕
83: ◯17番(寺田 守) 皆さん、こんにちは。
午後の1番バッターとなりました。本日、私は、台風15号の影響とそれへの対応につきまして、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
まず、1番目として、台風15号の特徴と被害ということでございます。
昨年9月23日深夜から9月24日未明にかけて東海地方を襲った台風15号は、本市でも近年にない大きな豪雨災害をもたらしました。この豪雨は線状降水帯によるものとされ、市民のお一人がお亡くなりになったほか、広範囲に広がった内水氾濫により、住家床上浸水102件、床下浸水150件という大きな災害をもたらしました。お亡くなりになられました方には、改めて哀悼の意を捧げますとともに、大切な財産を失われた方に心よりお見舞いを申し上げる次第であります。
このほか市内では、土砂崩れ43カ所、橋梁の流失が3カ所、道路冠水が44カ所と、市民生活にも深刻な影響を与える災害となりました。
(1)今回計測された降雨データによると、袋井市役所の観測点では、時間当たりの雨量62.5ミリ、累計雨量256.5ミリと報告されております。大変な雨量だったわけで、しかも線状降水帯が発生しています。近年の豪雨と比較して、どのような傾向、特徴、また予報があったのか、お伺いいたします。
(2)今回の台風15号は、近年大きな災害をもたらした平成16年11月豪雨に相当する雨量であったと思われます。しかし、その被害はそれを上回るものがありました。この平成16年11月豪雨は、県と本市が協議し作成された袋井市中部豪雨災害対策アクションプラン推進協議会の中で、同程度の豪雨が発生した場合でも被害の解消の目標とされたものでありました。記録によれば、このときの袋井観測所での時間当たりの雨量は76ミリ、24時間の累計雨量は264ミリとなっております。今回の豪雨の特徴と被害の関連性について、お聞きをいたします。
84:
◯議長(
戸塚哲夫) 大場市長。
〔市長
大場規之 登壇〕
85:
◯市長(
大場規之) 寺田 守議員の台風15号の特徴と被害についての御質問にお答えを申し上げます。
初めに、令和4年の台風15号と、近年の豪雨被害を比較しての傾向や特徴についてでございますが、令和4年の台風15号は、これまでの台風とは異なり、台風から離れた地域で、局地的に発達した前線に向かって非常に暖かく湿った風が流れ込み、また、前線の移動速度が遅かったため、同じ地域に非常に激しい雨が降り続いたという特徴がございます。
袋井市気象観測システムの袋井市役所観測地点の観測結果を比較いたしますと、降水量に関しましては、累加雨量で、令和元年10月12日に発生した台風19号に伴う豪雨では343ミリでございましたが、令和4年の台風10号では256.5ミリと、降水量は少ない結果となっております。
また、1時間雨量20ミリを超える強い雨については、令和元年の台風19号での豪雨では9時間にわたり続きましたけれども、令和4年の台風15号では4時間と短時間でありました。これに対して、1時間雨量50ミリを超える非常に激しい雨については、令和元年の台風19号での豪雨では観測しておりませんが、令和4年の台風15号では2時間にわたり観測しております。
また、静岡地方気象台では、県内に16回の記録的短時間大雨情報を発表し、加えて、線状降水帯による非常に激しい降雨をもたらす顕著な大雨に関する静岡県気象情報も県西部、中部に発表しておりますことから、近年にない豪雨災害をもたらした台風であったと認識しております。
次に、台風15号による豪雨の特徴と被害の関連性についてでございますが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、今回の台風15号による大雨は、これまでの台風による豪雨災害とは異なり、台風本体とは離れた地域で局地的に前線が発達し、線状降水帯が発生したことにより、同じ地域に非常に激しい雨が降り続いたという特徴がございます。
さらに、この雨が短時間に集中的に降ったことにより、河川や排水路、雨水貯留施設等の排水処理能力を超えたため、冠水常襲地帯だけでなく、市内の広い地域で浸水や土砂崩れ等の被害が発生したものと考えております。
中でも三川地区におきましては、三川小学校に設置している雨量計のデータと、議員がお示しの平成16年11月豪雨の袋井観測所のデータを比較いたしますと、1時間最大降水量は70ミリ強とほぼ同じですけれども、1時間雨量30ミリを超える激しい雨が6時間継続し、累加雨量も321.5ミリと、平成16年11月の豪雨を超えた結果となっております。
以上で私からの御答弁とさせていただきます。
86:
◯議長(
戸塚哲夫) 寺田議員にあらかじめ申し上げます。再質問をする際には、初めに、どこの部分の質問か、番号等を述べてから質問に入っていただくようお願いいたします。
17番 寺田議員。
87: ◯17番(寺田 守) 今、市長から今回の台風15号、この豪雨の特徴というのを御説明いただきました。大変激しい雨というようなことが記録されているわけでございますけれども、1点、私、この地域で線状降水帯が発生したということはこれまでなかったのではないのか、あるいは、また、私自身が認識不足だったかもしれませんけれども、あまりそれについて深い認識は地域ではなかったのではないかと。そういった意味で、これまで台風といいますと、大体台風の進路を考えて、どういったところに雨が降るのか、あるいは風が吹くのかということを地域の皆さんも心配して、それに備えた行動を取ったというようなことではなかったかと思うんです。
そういった意味では、今回、線状降水帯が発生したということでございます。これについて、台風の進路とは別にこういった集中的な豪雨が発生するということを市として予測していたのか、あるいは、また、それについての備えといいますか、市民への周知というのはどのようにしていたのか、その辺についてお聞きをいたします。
88:
◯議長(
戸塚哲夫) 石川危機管理部長。
89: ◯危機管理部長(石川敏之) それでは、ただいまの御質問に対して答弁をさせていただきます。
線状降水帯の関係ということの御質問だと思いますが、線状降水帯につきましては、当初予報では、これほどの雨が降るということは予想されておりませんでした、今回の台風15号につきましては。そういった中で、実際には、静岡県内では初めてということで、線状降水帯の発生については2回発表されました。第1回が顕著な大雨に関する静岡県気象情報ということで第1報が発令されまして、9月23日の22時49分に静岡地方気象台から発表されております。第2報につきましては、24日の5時9分ということでございますが、今まで静岡県内では初めてということで、今回の台風につきましては、こちらのほうで事前配備等も取っていたわけですが、そういった予報がなかったものですから、こちらの袋井市の対策本部につきましても、そういった線状降水帯についての市民への周知ということは行いませんでした。
ただ、そういった中でも、まず、そういった情報が、台風が来るということで、発達する熱帯低気圧の接近に伴うということで、22日の16時30分に、まず市民へメローねっとを通じまして注意喚起の報告をさせていただきました。そちらから、また9月23日にはまた大雨が降ったということで、メローねっとにつきまして避難指示を市内の全域に出させていただきましたが、そういった状況でして、ある程度は、先には予想がされなかったというような状況だったということで、今振り返ってみますとそういうような状況だということで報告をさせていただきます。
以上です。
90:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
91: ◯17番(寺田 守) 今部長からの説明ですと、静岡県で線状降水帯が発生したというのは非常にまれだといいますか、初めてのケースだというようなお話でございました。
私、いろいろ調べてみますと、線状降水帯、ほかの地域ではいろいろ発生していて、広島県とか九州とか、大変な災害を起こしているわけでございますけれども、ただ、この地方ではそういったことがなかったものですから、少し関心が薄かったといいますか、そういったことだったんですけれども、実際、線状降水帯が降りますと、もう急速に雨が降って地域が浸水するというような状況になったのではないかと思うんですね。
今、線状降水帯に対する予測というのは、かなり精度が上がってきたというようなこともいろいろお聞きするわけでございますけれども、そうなりますと、これまで台風の進路というのは、非常に皆さん気を遣っているとは思うんですけれども、線状降水帯について、どこに発生するのかというのか、そういったところもかなり精度の高いところで推測ができるというようなことも聞いているんですけれども、その辺のところはいかがでございますでしょうか。
92:
◯議長(
戸塚哲夫) 石川危機管理部長。
93: ◯危機管理部長(石川敏之) それでは、ただいまの線状降水帯に係る予想、そういったものに関しての御質問にお答えしたいと思います。
まず、直接的に線状降水帯の発生を市から市民の皆さんにお知らせするということはしておりませんでしたが、今、議員が言われたように、気象庁のほうでは、そういった線状降水帯が発生するおそれがある場合については、ある程度情報のほうをこれから精度を高めていきながら市のほうに連絡をいただけるということで、各種会議でも説明会のほうを行われております。そういった情報を基に、市につきましては、メローねっととかいろいろな情報を発信するような形で今後は努めていきたいと考えておりますので、まだ現実的に、先に読んでそういった線状降水帯が発生するかどうかというところまでは行っていないものですから、そちらの気象庁とかそういった情報をまずは入手しながら、それをより迅速に市民に伝えるということに努めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。
94:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
95: ◯17番(寺田 守) 今度の線状降水帯を見ますと、地域的にもかなり特徴があるといいますか、豊岡から三川、そしてまた森にかけて、あるいは川根にかけて、そこに集中して降ったというようなことが言われているんですけれども。そうなりますと、今、部長の説明ですと、なかなか予想をしていくのは難しいということでございましたけれども、これからは、市民への通報もよりきめ細かく、大雨が降るという警報だけではなくて、特にこの地域というのは非常に危ないのではないかというような、そういう地域に分かれた、地域に特定した情報もこれから出していく必要があるかと思うんですけれども、その辺の準備というのは、どのようにお考えでしょうか。
96:
◯議長(
戸塚哲夫) 石川危機管理部長。
97: ◯危機管理部長(石川敏之) それでは、ただいまの御質問にお答えしたいと思います。
先ほど、気象庁のほうの発表の情報をまた市民のほうにお伝えしたいということで考えておりますが、先ほども言われたように、まだまだ精度のほうがかなり細かいというような情報ではありませんので、気象庁からの全体の情報を見ながら、袋井市のほうにつきましては、一部の区域と地域ということで限定はできないものですから、メローねっと等でこちらの地域というか袋井、線状降水帯の場合はある程度の大きい枠になりますので、そういった情報が発令されてくるというような情報とか、あとは、台風の場合については方向、あと雨量の関係等ですが、そちらについては、私どものほうも静岡地方気象台の情報のデータ、あとは袋井市で持っております情報システムもあるんですが、そちらのほうの情報を使っておりますが、そういった情報を基に、なるべくそこの地域に分かるような形でメローねっと等で避難情報も含めて情報発信をさせていただきたいということで考えております。
以上です。
98:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
99: ◯17番(寺田 守) 今回は、台風ということではなくて線状降水帯という新たな危機というものが袋井市内に襲ったということでございますので、それへの対応については、またこれからどうするかということについては、また市でもぜひお考えいただきたいなと考えているわけでございます。
(2)のほうに移りますけれども、今回浸水、私も地域のほう、これまで平成16年の11月豪雨なんかの様子も聞いてみているんですけれども、今回ここまでの浸水というのはなかったということが地域の人も言うわけですよね。この辺でどのぐらい浸水したのかという、市内全体の、今までは床上浸水何件とか、あるいは床下何件というようなことはいろいろお示しいただいているわけでございますけれども、少し浸水高と言ったらいいんですか、浸水の、どの辺まで浸水したのかって、これ、標高差で言ったらいいのか少し私も専門的なことは分からないんですけれども、この辺まで浸水してきたというのを少しデータとして取っておられるのかどうかなというところについてお聞きいたします。
100:
◯議長(
戸塚哲夫) 石川危機管理部長。
101: ◯危機管理部長(石川敏之) それでは、ただいまの御質問ですが、浸水高というか、どこまで浸水をしたかということの御質問でございますが、浸水した地域における浸水高については調査のほうは行っておりませんが、自主防災隊とか地域の住民の協力の下、各地区の浸水のエリアとか家屋の床上・床下浸水、そういったものの被害調査のほうは実施をさせていただきました。
また、これは限定になりますが、2月18日にも三川地区で台風15号に伴う三川地区の検討会のほうを行いまして、ワークショップを行ったんですが、そういった中でも、自治会ごとに台風15号に伴う大雨による被害箇所とか、当時の状況についての意見を出し合ってその場所を一応限定したりとか、地域の方がそこの状況を知るということで、皆さんが情報共有を図るということで記録をしていきたいというお話もあったものですから、そういったこともやっておりますので、そういったものをまたこちらのほうで受けまして、いろいろなところから御意見をいただきながら、今後そういったものがまた次の災害に生かせれるような形でやっていきたいと思いますので、またよろしくお願いしたいと思います。
以上、答弁とさせていただきます。
102:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
103: ◯17番(寺田 守) 実際、どこまで浸水したかという記録を地域と共に作っていくということでございます。ぜひ、それが今後私たちが住んでいる地域の、結果的には安心・安全ということにつながってきますし、また、ほかから、よそから来られた方、あるいはおうちを造る方も、それが結果としては、その人の安全といいますか財産を守るということになろうかと思いますので、そういったものもぜひ表示をしていただくような工夫もしていただきたいなと思います。それについて、もしお考え等があれば、お聞かせいただきたいと思います。
104:
◯議長(
戸塚哲夫) 石川危機管理部長。
105: ◯危機管理部長(石川敏之) ただいまの御質問にお答えしたいと思います。
今、議員のほうからは、そういった浸水をした高さとか、そういったものを表示したりとかということも御意見としていただきました。
先ほど御答弁をさせていただいたように、三川地区ではそういうような活動をさせていただいております。そういった台風とか大雨に関して災害があったところについては、やはり住民の方も意識をそういったところにも向けておりますので、そういったところを各地区のほうにまた確認等をしていきながら、表示等はまた今後検討させてもらいますが、とにかく住民の方が安心してそこに暮らせて、このぐらいの雨だとこのくらいまで来るねという、やはり情報を皆さん共有していただいて、まずは避難のほうに向けてもらうということが一番だと思いますので、そちらの方向でまた努力していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
106:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
107: ◯17番(寺田 守) 我々の治水対策の基本になっているものは、昨年、市ともいろいろ協議の上つくりました袋井市かわプログラムですよね、これが基本になって我々は治水対策を進めていただいているなというような考えは持っているわけでございます。
その基本になるところが、平成16年11月の豪雨、そのときの基準を少し想定しながらいろいろな対策が進められてきているという認識ではいたんですけれども、今回の豪雨は、また、部分的に測りますと、今の御説明ですと、大体それぐらいだということですけれども、北部のほう、特に三川のほう、それから山梨のほう、そちらのほうにかなりの豪雨があったというようなことでございます。そういう中では、当初台風、平成16年の11月の浸水被害というよりも、少し影響が大きいといいますか、大きな被害が出ているということになるわけです。
私、午前中もいろいろ皆さんから御説明をいただきましたけれども、袋井市かわプログラム、これが我々の計画の基本になっているということですので、これについては、我々も市議会としても双方に協議して、これに作成して、それに向かって進んでいるというような認識でいるんですけれども、まずは、かわプログラムを実際にしっかりと追行していただくということが前提になるかと思うんですけれども、今回の豪雨なんかを見ますと、もう少し早くこれを前倒しで進めていかないと、またこのような大雨が降った場合はやはり間に合わないというようなことになりますので、少しでも早く前倒しをしていただきたいと考えるわけでございますけれども、その辺について御見解がありましたらお願いをしたいと思います。
108:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
109:
◯都市建設部長(
石田和也) 寺田議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。
袋井のかわプログラムをぜひとも前倒しをというような御質問かと思います。かわプログラムにつきましては御案内のとおり、流す、ためる、備える、この三つを基本方針としてそれぞれ取り組んでいるところでございます。
昨年の11月市議会
定例会における代表質問、それから、午前中の一般質問でもございましたように、前倒しという声はいただいておりますので、可能な限り前倒しをしていきたいと思います。
いずれにしても、財源が課題となりますので、午前中にもありましたように、様々要望活動を通じて財源の確保をきちっと行う中で可能な限り前倒しをしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上、答弁とさせていただきます。
110:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
111: ◯17番(寺田 守) かわプログラムをぜひとも早く実現していただくということが私どもとしては希望するわけでございますけれども、それと、今、今回の台風を受けて、河川のしゅんせつ、これは県もそうですけれども、市のほうでもいろいろやっていただいて、市のほうの、河川の堆積土砂というのが非常になくなったといいますか、きれいにしていただいたということでございます。もう少しこれが早くできていれば、浸水の状況も違ってきたのかなと思うわけでございますけれども、河川のしゅんせつ、いろいろ地域からの要望も上がっている件だと思うんですけれども、これから県への働きかけと同時に、定期的なしゅんせつが行われるように少し働きかけを詰めていただきたいと思いますけれども、その辺についての御見解をお願いいたします。
112:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
113:
◯都市建設部長(
石田和也) 寺田議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。
しゅんせつの関係ということで、台風15号を受けまして、市では11月補正におきまして、市内の14河川等のしゅんせつの工事費を予算計上させていただいたというところでございます。
午前中の大庭議員から御質問にもありましたように、やはり県へ、下流となる県河川につきましては、地域の声をしっかり我々もよくつかんで、何が困っているかというところをきちっと県に伝えて、その中で市民の安全のために要望に対応していただきたいと、そこは県にも強くお願いをしたいと考えておりますのでよろしくお願いしたいと思います。
以上、答弁とさせていただきます。
114:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
115: ◯17番(寺田 守) それでは、2番目の項目に移っていきたいと思います。
市民の避難情報発令と市職員の対応ということで質問をさせていただきます。
台風15号では、市職員の皆様は、市民の避難誘導、浸水箇所の通行止め、排水機場の運転など緊急事態の対応に当たられました。大変な豪雨の中、職務を遂行された職員の皆様には、心から感謝と敬意を表明するものであります。
そこで、幾つか取られた対応策についてお聞きいたします。
(1)9月23日午後10時7分に避難所開設が指示されましたが、既に豪雨が始まっていた時刻であったと推測いたします。今回避難所として開設された施設は、コミュニティセンターなど18カ所であります。いずれも深夜午後11時前後に開錠され、避難者の受入れに当たっていただいております。それぞれの施設に駆けつけるには、危険を伴う事態も発生したかと思います。これについて、どのようにお考えになっておられるのか、お伺いいたします。
(2)9月23日から24日の未明にかけて、最大で75世帯、178人の方が避難所に来られています。レベル4の避難指示が発令されたのは午後10時、既に豪雨も始まっており、河川の増水、道路の冠水も始まっていたと思われます。避難に向かうには早めの移動、また、場合によっては、自宅または近所での垂直避難が安全の場合もあると思われます。避難指示、または避難所開設についてどのようにお考えになっておられるか、お伺いいたします。
(3)市内7カ所の排水機場では、河川の増水があったとき、ポンプを稼働させるため市職員が駆けつけておられます。今回も午後7時頃から稼働させ、翌日昼頃まで運転が続けられた機場もありました。排水機場の運転には、専門的な操作や安全確保の訓練が必要と思われます。今回の豪雨のように、駆けつけるのも容易でないケースや機場が浸水したケースも発生しています。排水機場の安全な運転をどのように考えておられるか、お伺いいたします。
116:
◯議長(
戸塚哲夫) 大場市長。
117:
◯市長(
大場規之) 市民への避難情報発令と市職員の対応についての御質問にお答えを申し上げます。
初めに、市指定避難所開設についての職員への参集指示についてどのように考えているかについてでございますが、台風の進路予想により避難情報等の発令が想定できる場合には、危機管理部長が豪雨被害避難情報発令判断チームを招集し、台風接近予定日時の4日ほど前から市職員への気象情報の共有化、指定避難所となる施設への利用状況の確認、メローねっとや同報無線による市民に対する注意喚起を行い、災害に備えるとともに、台風接近に伴い大きな被害や住民被害が想定される場合には、事前に支部職員を指定避難所に待機させるなど対応をしております。
今回の台風15号につきましては、前日までの静岡地方気象台による予測において、静岡県への猛烈な降雨予測はございませんでしたことから、9月23日18時31分の大雨警報の発表に合わせ、袋井市災害対策本部、事前配備態勢を取り、職員を袋井消防庁舎・袋井市防災センターへ配備し、気象情報などの情報収集を行っておりました。
そのような中、時間を追うごとに降雨は激しさを増し、河川水位の上昇は早く、敷地川笠梅橋の水位観測地点では、21時5分に避難判断水位を超え、その25分後の21時30分には51センチ上昇し氾濫危険水位に変わるなど、非常に短時間での状況変化でございました。その後、21時59分には浜松市南部付近で約120ミリ、磐田市付近で約110ミリと予想された記録的短時間大雨情報が発表されたため、22時7分、避難所開設を含む全職員を参集する第3次配備態勢を取りました。参集の際、職員には、大雨等による周囲の安全を確保した上での参集を促したことから、安全を考慮し自宅待機をする職員もおりましたが、参集した約6割の職員により災害対応ができたものと考えております。
次に、避難情報発令や市指定避難所開設に関してどのように考えているかについてでございますが、避難情報の発令につきましては、静岡地方気象台が提供する気象情報、静岡県土木総合防災情報サイポスレーダーの河川水位状況などに加え、敷地川笠梅橋水位観測地点の水位が氾濫危険水位に達したこと、記録的短時間大雨情報が発表されたことなど、各種情報を基に総合的に判断し、夜間ではありましたが、市民の皆様の危険回避と身の安全を確保いただくため、9月23日22時に市内全域に対し警戒レベル4、避難指示、同日23時45分に三川地区、今井地区に対し警戒レベル5、緊急安全確保を発令し、的確に実施したものと考えております。
また、市指定避難所開設につきましても、自宅2階以上への避難が困難な方等に向け、避難情報発令に併せ市指定避難所を開設しており、この判断は適切であったと考えております。
また、平時においては、メローねっとや水害に係るリーフレット等を配布し、安全な知人宅等への立ち退き避難や高い場所への垂直避難など、様々な避難の方法等について周知しているところでございますが、自分の命は自分で守ることを徹底できるよう、引き続き周知に努めてまいりたいと存じます。
次に、排水機場の運転体制についてでございますが、市内に7カ所ある排水機場の運転には、機場から15分以内に駆けつけることができる距離に住んでいる農政課職員が、通報システムにより電話連絡を受けた際に現地に赴き、運転水位に達した時点で電源を入れ、ポンプを稼働させることとなっております。このため、1カ所の排水機場に3名以上の職員を割り振り、担当職員は常に天気予報を確認し、即座に出動できる体制を取っておりますが、夜間や休日の場合は出動までに時間がかかるケースもございます。また、長時間の運転に備え、産業部内の応援職員を各排水機場に1名配置しており、担当職員が安全かつ確実に排水機場の運転を行うために、点検業務受託者による運転講習会を毎年出水期前の5月に実施しております。
高南地区にあります柳原排水機場では、昨年の台風15号の教訓を生かし、職員の参集はもとより、点検業務受託者の機場の参集について、機場の業務停止などが発生した時点ではなく、機場運転開始水位よりさらに70センチメートル以上となった時点や、運転時間が連続3時間以上に達した場合において参集するよう基準を見直したところであり、その他の排水機場におきましても、令和5年度の契約から参集基準の見直しを行ってまいります。
また、現在、災害時の機場の対応について、農政課職員のみならず、これまでに機場の運転を経験した職員から成る(仮称)排水機場対応班の組織化についても検討を行っており、今後は、点検業務受託者との官民連携により災害対応に万全を期してまいります。
なお、今後におきましては、運転体制の効率化を図るため、運転管理などの民間委託を見据え、県営農村災害対策整備事業を活用した遠隔監視や遠隔操作システムの導入に向けて、事業主体であります県と検討を進め、より安全に、かつ正確に機場が作動するよう努めてまいります。
以上で私からの答弁とさせていただきます。
118:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
119: ◯17番(寺田 守) 私も当日近くの避難所に出かけていって、また排水機場も見させていただいたんですけれども、職員の皆さん、大変頑張ってやっていただいているということは、本当に感謝申し上げる次第であります。
ただ、参集時間が午後の10時頃ということなので、もうかなり大雨が降っている、あるいはまた浸水も始まっているということも想定されますので、もう少し早い段階での避難所の開設、また避難所に行く各職員といいますか、担当者の方の指示というのができなかったかどうか、通常であればよかったかと思うんですけれども、今後こういう線状降水帯のような、急速に雨が降るとまた予報も難しいというような事態も想定されるわけですので、もう少し早めに余裕を持って、いわゆる避難所を開設できるということを検討されたほうがいいかと思いますけれども、その辺、どのようにお考えでしょうか。
120:
◯議長(
戸塚哲夫) 石川危機管理部長。
121: ◯危機管理部長(石川敏之) それでは、ただいまの御質問にお答え申し上げます。
先ほど市長からも答弁させていただきましたとおり、各機関の気象予報に反しまして、県内各地での記録的短時間大雨情報の発表や、市内でも敷地川の水位が氾濫危険水位に達するなど事前予測が難しいという中で、市民の生命を守るために、23日の22時7分に全職員、正規職員が参集対象となる第3次配備態勢を取りました。職員の安全確保を図りながら、23時16分には指定避難所の開設の対応が的確にできたということで考えております。
台風15号で見られたような予測困難な気象情報状況の変化の中で、議員御質問のもっと早い段階での避難所開設ができたかにつきましては、振り返ってみますと、今回以上に早く開設するという判断はなかなか非常に難しかったと現時点では思っております。
以上です。
122:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
123: ◯17番(寺田 守) 今回あのような豪雨の中で、約6割の職員の方が避難対応にいろいろ充てられたということでございますので、非常に困難な状況の中、皆さん本当によくやっていただいたなと思います。
ただし、言いましたように、今回は、緊急安全確保といいますか、一番レベル5まで行ったわけですよね。その前には高齢者等避難とかいろいろな状況があっていたわけでございますけれども、今回はそれも間に合わなかったというような状況ではなかったかと思います。
ですので、少し、これ、よく言われますけれども、空振りを恐れないといいますか、少しでもそういったものが予想されていたら、こういった事態に備えるように、もう少し早い段階での参集といいますか招集というのが、今回いろいろ難しかったという事態は分かりましたけれども、今後の教訓として、そういったものは少し残していくべきではないのかなと。
今回も実は、三川のほうでは、誠に御不幸なことにお一人の方が自動車で水没されてお亡くなりになったという、そういった事態もございますので、何とかそういう職員の皆さんの参集につきましても、そういったことがないようにやはりしていただくということになりますと、もう少し対応を考えて、これは最終的には市長の御判断で参集がかかるんだろうと思いますけれども、少しそういう、空振りを恐れない対応というのもやってもいいのではないのかなと思うんですけれども、その辺はいかにお考えでしょうか。
124:
◯議長(
戸塚哲夫) 大場市長。
125:
◯市長(
大場規之) 貴重な御意見をありがとうございます。
当日の状況を振り返ってみますと、当日、23日の夜7時過ぎまで、実は大井川流域の方々が集まってリニア等の水の問題を協議する、そんな集まりがございました。そこには、大井川流域の10市町の首長、そして議長等が集まっておりました。時間にして午後7時過ぎまで島田におりましたけれども、午後7時過ぎの時点でも今回のこの被害を誰一人想定しておりませんでした。ちょうどその頃から雨が強まったと記憶しておりますけれども、それぐらい事前情報として、こうした大きな被害が起こるという情報はなかったというのが、あの近辺の首長、そして関係者の皆様の共通認識だったと思っております。
だから、もちろんよかったということではありませんけれども、そういう状況にあったにもかかわらず、今回、50年に1度のような水害が起こったということを本当に教訓にしなければならないと思っておりまして、にわかに雨が強まって、それが継続するということがあり得たという事実を私たちはしっかりと認識をして、そういうことが今後も起こり得ると、さらに今、こうした豪雨が頻発化、そして激甚化している現代でございますので、そういうことをしっかりと予測する、そうしたことをある意味しっかりと教訓として次に伝えていく、また、私たち自身の備えにしていくということで肝に銘じさせていただいたところでございます。
寺田議員からいただいたアドバイスをしっかり今後に生かすという意味でも、そうしたことを今後様々な事前情報の提供、そうしたことに生かしてまいりたいと思っております。
以上でございます。
126:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
127: ◯17番(寺田 守) 市長から御答弁いただいた後ではございますけれども、今回の参集に当たってコミュニティセンターが非常に今避難所になっているところが多いわけでございますけれども、コミュニティセンターの職員の皆さんは、通常の業務とは違うということになるんですけれども、それぞれ市の会計年度任用職員であったり、あるいは市の業務に精通している方もいらっしゃいます。また、場合によっては、深夜でなくても日中勤務をされていて、そのまま避難所の開設に当たることのできるということも可能ではないかと考えます。
ということで、今回のようなことは非常にまれなことだろうとは思いますけれども、市の職員がそこに行って参集、一定化に分けるということではなくて、コミュニティセンターの職員等、避難所にいらっしゃる皆さんに、少し延長業務をしていただいて避難所を開設するというようなことなんかは、少し検討することも必要ではないのかなと考えるんですけれども、その辺はいかがお考えでしょうか。
128:
◯議長(
戸塚哲夫) 大場市長。
129:
◯市長(
大場規之) ありがとうございます。
先ほど申し上げましたけれども、様々な情報、状況に合わせて対応するということで、今コミュニティセンターの職員の配置に関してアドバイスをいただきましたけれども、もちろん時間的にそういったことが可能であれば対応するという方向で考えていきたいと思いますし、もちろん、今回のケースもそうでしたけれども、時間的な部分も含めてそれが可能でない場合もございますので、臨機応変にその時々の判断を適時適切に対応してまいりたいと思います。
以上で答弁とさせていただきます。
130:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
131: ◯17番(寺田 守) (3)排水機場の運転について少しお伺いしたいと思います。
今、市長のほうから御説明いただきまして、いろいろ新しい方法等も検討しているというようなことでございました。そういった中で、市の職員の方が直接排水機場の運転に関わるということは、これはやはり現場を知るといいますか、災害が起きた場合には、そういったことを自分の肌で感じるということは、これは非常に貴重な経験でもありますし、また、これからの防災に生かしていく上で非常に大切だとは思いますけれども、やはりもう少し効率的なといいますか、場合によっては外部委託等も考えてもいいのかなというような感じも見受けられます。
私も袋井の排水機場が近くなものですから行きますけれども、市の職員の皆さん、体制、農政課を中心にして、特に稲の収穫期なんかは、たくさんの藁等が押し寄せてくるわけでございますけれども、そういったものもかき出して機場の安全確保に努めているというようなことでございます。
そういうことですので、これは、単純に外部委託できるというものではないとは思いますけれども、当然そういう訓練も必要ですし、また、職員の教育といいますか訓練という意味からも、委託してしまえばいいというものではないと思うんですけれども、その辺も今の市長の御答弁ですと、そういったことも少しお考えだよと、効率も考えているというようなことでお聞きをしたんですけれども、その辺をもう少し具体的に何かお考え等があるのであれば、お聞きしたいと思います。
132:
◯議長(
戸塚哲夫) 村田産業部長。
133: ◯産業部長(村田雅俊) 私からは、排水機場の民間委託についての御質問にお答え申し上げます。
先ほど市長からも答弁させていただきました民間委託でございますけれども、こちら、導入する際には、遠隔管理、それから遠隔操作システム、こちらの導入に向けて、併せて民間委託も考えていきたいと思っています。
こちらの遠隔監視等の作業でございますが、こちらは県が主体になっていまして、既に市内の排水機場ではこの事業に着手しております。今年度、基本設計を実施しているところがございまして、その次に事業計画の策定であったり実施設計、それからシステム導入の工事という段階で進めていきたいと。これには若干数年かかりますけれども、これと併せて民間委託の導入も検討していくということで今調整をしていきたいと考えています。
いずれにしましても、このシステム導入によって職員の負担が少しでも軽減できるように努めていきたいと思っています。
以上、答弁とさせていただきます。
134:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
135: ◯17番(寺田 守) 今の部長の御説明で、排水機場の運転、少しいろいろな方法も検討しているよと、職員の負担も軽減できるようにというようなことでございます。
私も先ほど、繰り返しになりますが、現場を知るという意味では、あそこに行くということが非常に大切なことだろうなとは思います。ただ、そういったことを継承しつつ、なおかつそういった新しい監視の方法であるとか職員の体制、民間委託を含めて考えるということも非常に大切ではないかと思いますので、ぜひ御協議いただいて、今後の排水機場の運転のほうに生かしていただきたいなと思います。
次に、3番目の沖之川の排水区の治水対策について、少し質問させていただきます。
沖之川の排水区では、今回の台風15号でも近年にない浸水被害に見舞われました。浸水常襲地帯である村松、鷲巣地区では大きな被害が発生し、特に今回は、鷲巣川西側でも浸水被害が発生しました。村松、鷲巣地区で被害に遭われた家屋は、床上浸水37件、床下浸水26件となっております。これは、袋井市全体の床上浸水が102件ということから考えても、かなり大きな件数になっているのではないかと思います。
沖之川については、昨年新たに更新された袋井市かわプログラムでは、市内13の排水区の中で五つの重点排水区、そのうち2番目の重点排水区になっております。排水区の面積は1,049ヘクタール、家屋数は1,774件ということでございます。この間、排水路であります沖之川の幹線排水路であります沖之川の改修、久野城址南遊水池の建設と治水対策を進めていただいておりますが、いまだ冠水被害が続いているのが現状であります。
そこで、計画に、先ほど最初の質問で少しでもかわプログラムの前倒しをしていただけるというようなことでございますので、非常にそれについては期待しているところでございますけれども、それでも今回の事態を見ますと、緊急的に、あるいはもっと早くいろいろ対策を実施しないと間に合わんのではないかというようなことが思いまして、少し質問をさせていただきます。
(1)水害の常襲地帯になっている箇所があるが、水の浸入を防ぐため河川堤防のかさ上げ、または耐水壁の設置ができないか、お伺いいたします。
(2)沖之川排水区の流域内には、農業用ため池が数多く存在しております。沖之川への流入量を減らし、河川にかかる負担を少しでも軽減するため、ため池の活用を検討する用意があるか、お聞きをいたします。
(3)今回の台風15号による浸水では、新築で入居して間もない家屋が床上浸水するという悲劇も発生しております。一旦床上浸水してしまいますと、皆さんお分かりのように、畳等の入替えをしなくちゃならない、あるいは断熱材等もやり直しだということで、大変な費用がかかるわけであります。
さきの11月市議会
定例会で私の会派の代表質問で、過去の大雨で内水氾濫をした箇所について浸水被害実績図を作成し周知を図るとの御答弁をいただきました。この浸水被害実績図の作成ですけれども、どのような形で今進んでいるのか、また、運用を図ろうとしているのか、お聞きをいたします。
136:
◯議長(
戸塚哲夫) 大場市長。
137:
◯市長(
大場規之) 沖之川排水区の治水対策についての御質問にお答えを申し上げます。
初めに、河川堤防のかさ上げや耐水壁の設置についてでございますが、沖之川流域では、河川水位が上昇しますと排水ができず、常襲的に浸水被害が発生しており、昨年の台風15号におきましても、床上51戸、床下34戸の浸水被害が発生いたしました。
御質問の堤防のかさ上げなどにつきましては、河川の溢水を防ぐ一方で、住宅敷地内の水が排水されにくくなり、被害を拡大させる可能性もございますことから、まずは、地盤や周辺宅地の高さを確認させていただき、対策について研究してまいりたいと存じます。
次に、農業用ため池の貯水機能についてでございますが、農業用ため池は、水稲栽培など用水を貯水する施設として市内に52カ所ございまして、施設管理を市が用水の水管理を耕作者に行っていただいているところでございます。
近年、気候変動に伴う水災害の激甚化、頻発化を踏まえ、流域に関わる国や県、森林関係法人などの関係者が、河川改修や田んぼダム、森林整備などの治水対策を協働して行う流域治水への様々な取組を国が示しており、ため池の治水利用についてもこの取組の一つとして示されております。
ため池の治水利用は、大雨予想時にため池の水を放流し、事前に水位を下げ、雨水をより多くため池に貯水することにより河川への排水量を軽減し、水位上昇を抑制する効果が期待されております。
議員御質問の沖之川排水区には14カ所の農業用ため池があり、治水利用の必要性は認識しておりますが、水門操作を担っている地域の耕作者による事前放流や夜間時に放流した場合の対応、また、事前放流後に予想された降雨がなく、農業用水の確保が困難となった場合の対応など様々な課題もありますことから、耕作者や自治会の皆様とため池の治水利用について意見交換をする中で、この取組について検討してまいります。
次に、過去の浸水被害実績図についてでございますが、これまでも市ホームページ上では、過去に市内で発生した浸水被害のうち、特に被害が大きかった昭和49年の七夕豪雨、平成10年の洪水、平成16年の洪水、令和元年の台風19号でのそれぞれの浸水範囲を示す図面を掲載しておりましたが、情報を分かりやすくするため、昨年10月に掲載箇所の改善を行いました。現在、今回の台風15号による浸水被害実績図を作成しており、今年度末までにホームページへ追加するとともに、広報ふくろいなどを通じて市民に広く周知し、浸水被害の確認や自主的な避難行動の促進として御活用いただきたいと考えております。
以上で私からの御答弁とさせていただきます。
138:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
139: ◯17番(寺田 守) (1)、(2)は、流域治水ということになろうかと思いますけれども、今のかわプログラムには、具体的には表示がないものですから、あえてここに緊急的な対策の一環として申し上げたわけでございます。
そういった中で、(1)の耐水壁、あるいは堤防のかさ上げの件でございます。
私、袋井北地区に住んでおりますので、鷲巣川の状況についてはよく見ているわけでございますけれども、あの地域、鷲巣川も広げていただいたというようなことで、北のほうには遊水池もできたということで、市民の方が安心して比較的、より安全になったと思っていたわけでございますけれども、今回はそういったことではなくて、これまで以上の浸水被害があったということになります。
そういった中で、住民の皆さんは非常に心配をしているといいますか、秋になりますと、もう心配で夜も寝られないというようなこともお聞きするわけです。そういった中で、もちろんかわプログラムをやって基本的な対策というのを進めていただく、これはやっていただきたいんですけれども、緊急的、応急的なものとして、堤防のかさ上げ、耐水壁ということが必要でないかということは、地域の住民の皆さんからも言われているわけです。
今、(1)でございますけれども、少しこれ、耐水壁を造ったがゆえに、かえって被害が大きくなってしまうと、そういった懸念もあるので、よく研究、検討してというようなお答えでございました。
これ、具体的に大体どのくらいの目安にこれをやっていくのかどうか、道路河川課の皆さんも今、災害対応とかいろいろな事業に追われてお忙しいとは思うんですけれども、この研究、検討を、これをいつ頃までに目安に少しやっていくのかどうか、お考えがありましたらお願いをしたいと思います。
140:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
141:
◯都市建設部長(
石田和也) 寺田 守議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。
堤防のかさ上げなどの研究してまいるという期間というか、どれくらいで答えを出していくのかというような御質問かと思います。
やはり、一つは、当時の浸水した状況を地域の方から伺うということが非常に重要だと思います。それからあと、そこのところに水が東側から来ているのか西側から来ているのか、どこから来ているのかというところによっても対策の方法が変わるというところもございますので、まずは、そういったところの調査から始めさせていただくというのが進め方の第一歩になるかと思います。
どれくらいの目安で答えを出すんだというようなことですが、雨の降り方というのは、同じ降り方というのは二度と起きないというのが雨の降り方だと思いますので、非常になかなか難しい話だと思います。
市長から答弁もございましたように、耐水壁をつけることによって逆効果ということも考えられますので、ここでいつまでにというのは少し控えさせていただきたいと思いますが、地域の皆さんが心配されているという声をいただきましたので、可能な限り対策に向けてきちっと着実に進めてまいりたいと思っておりますので、御理解のほうよろしくお願いしたいと思います。
以上、答弁とさせていただきます。
142:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
143: ◯17番(寺田 守) 浸水のシミュレーションをどうするかというようなことだろうと思います。それについては、かえって被害が逆効果になっては困りますというような御心配も十分分かるわけでございます。
まず一つ、今御説明にもありましたように、地域に少し入って、どのような水害の状況だったのかということを聞いていただくというようなお話もございましたので、これはぜひ、行っていただければいろいろお話も聞けるかと思いますので、それをお願いしたいと思います。
それともう一つは、やはり機場でシミュレーションするということは、当然にも地域の高さというか、勾配やら、高さも出ているわけでございますので、そういったものを少し並べたときに、どういった状況になっているのかというのは、ある程度、そういう図面を見れる方であれば、建設関係の業者であればお分かりになるんじゃないのかなと思いますので、地域の高さ的なところを調べていただいて、それの図面等に落としていただくと、少し地域の様子といいますか、地面の勾配なり深さといいますか、そのことも出てくるかと思いますので、そういったことは、実際に雨が降ってからやるということではなくて、少し専門家の者に見ていただければ、あるいは道路河川課でも可能かもしれませんけれども、こういうようなことが予想できるよということが分かるんじゃないかと思うんですけれども、その辺はどうでしょうか。
144:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
145:
◯都市建設部長(
石田和也) シミュレーション等を速やかにやっていただきたいという御要望かと思いますが、先ほどの答弁でも申し上げましたように、まずは、地域の皆さんの状況であったり声を伺うというのが大前提だと思いますので、そこを伺ってどんな対策、工法が考えられるかというのも少し考えないと、なかなか多額の予算をかけてシミュレーションを行うというのは厳しい、困難だと思いますので、まずは、現状把握に努めるというところを着実にこなしたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いしたいと思います。
以上、答弁とさせていただきます。
146:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
147: ◯17番(寺田 守) 今その辺を御答弁いただきましたので、地域の皆さん、当時、浸水の状況はどうだったかということは皆さんよく御存じでございますので、行っていただいて、まずは少しお話を聞いていただくということをぜひお願いしたいと思います。
(2)のため池のほうでございますけれども、これについては、私もこれまでため池の強度といいますか、震災に対する耐震基準をどうするかというようなこと、そういったことを少しお話があって、私もそういうことがあったんですけど、これからは、少しこれを貯水池として生かすにはどうするかということだと思います。
今、当面貯水池として使えるため池というのはどのぐらいあるのか、お話、数量的に把握しているのかどうか、あるいはまた、今後地域に入っていくということになりますと、どういう手順でいつ頃から入っていくという具体的なことがあるのかどうか、その辺のことをお聞きいたします。
148:
◯議長(
戸塚哲夫) 村田産業部長。
149: ◯産業部長(村田雅俊) 私から、農業用ため池の治水の関係についての御質問にお答えいたします。
御質問のございました沖之川排水区につきましては、14カ所の農業用ため池がございまして、これは貯水がされているという状況でございます。このため池の治水利用、治水についての利用でございますが、今現在、先ほど答弁申し上げましたように、この操作につきましては地域の耕作者、これは、ため池自体が農業生産に使うということで今用水の操作をしていただいているということがございます。
ですので、今後につきましても、操作をするに、これを治水に生かすためには、やはり地元の耕作者にお願いするのは大変危険なこともあると思いますので、先ほどから申し上げましたように、ですので、今後それを含めて、地域の耕作者の方はじめ、自治会の皆様とまた意見交換をしていきたいと考えております。
以上でございます。
150:
◯議長(
戸塚哲夫) 17番 寺田議員。
151: ◯17番(寺田 守) 本来、農業用ため池でございますので、それを防災に使うというのは目的が違うわけですので、その辺のところの地域の合意も必要ですし、また、運用上の問題というのもいろいろ出てくるかと思います。ですけれども、今ハード整備といいますか、かわプログラムでやる基本的な政策というのは、もちろん時間もかかりますしお金もかかるわけでございますけれども、そういう中で、今できることは何かということで、幾つか、私も今日二つ、その中でため池ということを挙げさせてもらったわけですけれども、ぜひまたそういったところも地域の皆さんとお話をしていただいて。ため池について、多分いろいろお調べになっているんだろうと思いますけれども、水がたまりやすいところ、あるいは使っていないところ、あまり利用されていないというところ、いろいろあるかと思うんですね。そういったものも少し仕分をしていただいて、ぜひ地域に入っていただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。
152:
◯議長(
戸塚哲夫) 村田産業部長。
153: ◯産業部長(村田雅俊) ため池の治水利用についてであります。
先ほども御答弁申し上げました、治水対策の一環として国も示しているということがございますが、いずれにしましても、操作につきましては、操作を含めて地域の人たちと意見交換をしていきたいと考えております。
以上、答弁といたします。
154:
◯議長(
戸塚哲夫) 以上で、17番 寺田 守議員の一般質問を終わります。
会議の途中でありますが、ここで休憩とし、午後2時50分から会議を再開いたします。
(午後2時38分 休憩)
──────────────────────────────────────
(午後2時50分 再開)
155:
◯議長(
戸塚哲夫) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。
次に、8番 佐野武次議員の
発言を許します。質問は一括方式であります。
8番 佐野議員。
〔8番 佐野武次 議員 登壇〕
156: ◯8番(佐野武次) では、通告に従いまして、質問させていただきます。
今市議会
定例会の一般質問では、河川整備や治水対策に関する質問が多く出されております。私からは、校庭貯留による流域治水対策事業についてお伺いをさせていただきます。
治水対策につきましては、気候変動による水害の激甚化や頻発化などを踏まえ、これまでダムや堤防の整備などで洪水を抑え込もうとする対策に加えて、水がためられる場所を数多く確保したりするなど、河川の流域に関わるあらゆる関係者が共同し、様々な対策を組み合わせて、少しでも被害を小さくすることを目指す流域治水対策が進められております。
本市でも、袋井市かわプログラムに基づいて、村松地区等における田んぼダムをはじめ、久能城址南遊水池や諸井里山遊水池の整備、また、袋井中学校や今井小学校等における校庭貯留施設の整備、さらには、水位センサーによる河川情報の提供等を進めるなど、様々な方策を講じて浸水被害の軽減に取り組んでいるところであります。
そうした中で、新年度に浅羽中学校への校庭貯留施設の整備を計画されていると伺いました。この事業の考え方等につきまして、何点かお伺いをいたします。
最初に、浅羽中学校の雨水等の放流先は、二級河川弁財天川上流の河川となっています。私は、校庭貯留については、関係する河川の流域の雨水を一旦貯留することにより、河川の負荷を軽減するといった意味においては効果があるものと考えておりますが、市街地の浸水を抑制するという観点においては、先入観ではありますが、予定地は浅羽北地区の市街地の最南端に位置しており、周囲には水田が広がっていることなどを踏まえると、さきに整備された諸井里山遊水池のように、調整池等の機能をもって下流域の市街地の浸水被害や河川への負荷を抑制するといった点において、その効果はあまり期待できないのではないかと思いますが、どのように考えているのか、お伺いをさせていただきます。
次に、最初の質問とも若干関連いたしますが、二級河川弁財天川には、湛水防除施設の江之端排水機場をはじめ、高潮等への対応として昭和樋門が設置されており、外水位である潮位の影響を、いわゆる潮の影響でございますが、潮位の影響をじかに受ける河川で、この影響を受けている間は、流域の水を排水することは難しいのが現状です。そうした状況にあってもこの事業の効果は期待できるのか、お伺いをいたします。
続いて、事業の予定箇所は運動場南側のサッカー場を含む区域とされていますが、中学校では、PTA会議などの学校行事があるときには、この場所を父母等の駐車場としても利用しております。雨水を貯留することとなれば、テニスやサッカーの部活動も含め、当分の間、利用が制限されることが想定されますが、これまで学校関係者とはどのような調整をされてきたのか、お伺いをいたします。
次の質問です。森林環境譲与税の活用状況と今後の方策についてお伺いをさせていただきます。
森林が有する機能は、地球温暖化防止をはじめ、国土の保全や水源の涵養など、広く私たちに恩恵を与えており、森林を適切に整備していくことは、国土や市民の生命を守ることにもつながっていますが、一方では、担い手の不足等により森林の手入れが行き届かないことから、荒廃した森林が増加しており、本市のみならず、全国的にも大きな課題となっています。
国ではこうした課題に対応するため、森林整備等に必要な財源を安定的に確保する観点から、平成元年度より、森林環境譲与税として、その財源配分を行ってまいりました。そして、令和6年度からは、森林環境税を創設し、引き続き、県や市町村へ森林環境譲与税として譲与することにより、間伐の推進をはじめ、人材育成や担い手の確保、また木材利用の促進や普及啓発等、森林の整備及びその促進に関する費用に充てることとしております。
本市においても、本年度予算では900万円、新年度予算では1,000万円の歳入を予定しており、この財源を活用して森林整備事業やグリーンウェーブ事業で整備した松林の補植を進めているところであります。
森林を手入れし、整備していくことは、昨年の台風15号でも見受けられたように、多くの流竹木の発生は橋梁や堤防を損壊する要因となるとともに、河川を塞ぎ、越水を発生させる要因ともなります。また、海岸においても、大量の流竹木などが漂着することにより、漁業や釣り等の海岸利用や景観の保持にも影響を及ぼすことにもなります。先人が言われるように、山を守ることによって、里や海の保全につながるものと考えるところであります。
そこで質問をいたします。
この森林環境譲与税を活用し、進められている本市の森林整備事業は、どの地域で、どのような事業が進められているのでしょうか。また、その施工範囲や効果についてはどのように考えられているのか、お伺いをいたします。
加えて、この譲与税を活用し、どのように市内の森林整備を進めていくお考えであるのか、お伺いをいたします。
次に、掛川市内の医療用資材流出への対応についてお伺いをいたします。
昨年9月の台風15号の影響により、掛川市内において、個人が保管していた未使用と思われるマスクやチューブなどの大量の医療用資材が、市内の田代川などを通じて太田川に流出するという事案が発生し、掛川市では、流出した資材の回収費として400万円を予算計上し、森町との境界までの3.5キロメートルの流域において回収を行うとの報道がありました。資材の保管者は、流出した範囲が広範囲に及ぶことから、行政に支援を求めているとのことですが、既に漂着が確認されている下流域の森町をはじめ、最終的には本市の河川や海岸にも漂着することが想定されます。この事案に対して、本市としてはこれまでどのように対応されてきたのか、お伺いをいたします。
また、本市では、都市再生整備計画に基づき、歩いて楽しい都市空間の創出に向けて、原野谷川の水辺空間を活用したイベントの開催などをはじめ、新年度からは、海のにぎわい創出ビジョンに基づいて、海岸域の利活用を本格的に進めることとしております。
掛川市内における事案は、これからも発生してはならないことですが、今後本市では、市内の河川や海浜の環境保全、また、安心して川辺や海辺を利用できる環境の確保に向けて、どのように監視体制などを整え、利用環境等の保全確保に努めていく考えであるのか、お伺いをいたします。
以上でございます。
157:
◯議長(
戸塚哲夫) 大場市長。
〔市長
大場規之 登壇〕
158:
◯市長(
大場規之) 佐野武次議員の御質問にお答えを申し上げます。
初めに、浅羽中学校の校庭貯留施設についてでございますが、本市における治水対策の基本的な考え方といたしましては、袋井市かわプログラムにおいて、流す、ためる、備えるの三つをお示ししております。このうちのためる対策である校庭貯留施設整備は、雨が降った際、校庭で雨水を貯留し、ゆっくりと放流させることで、下流河川の水位上昇を抑制するものであります。
本市では、平成16年11月の洪水において浸水被害が大きかった秋田川排水区、蟹田川排水区、沖之川排水区及び弁財天川排水区における高南小学校や袋井中学校、浅羽東小学校など、小中学校10校において整備を進めており、今年度末までに、浅羽中学校と浅羽北小学校を除く8校の整備が完了する見込みであります。
来年度整備を予定しております浅羽中学校における効果でありますが、1時間当たり68ミリの降雨を対象として、最大で660立方メートルの雨水が貯留可能となります。弁財天川流域では、今後、浅羽中学校と浅羽北小学校の校庭貯留とともに、浅羽北多目的運動広場と浅羽中央公園においても貯留施設の整備を予定しております。
このように流域全体で治水対策を展開することで、河川の水位を低下させることができますことから、既存インフラを有効活用した貯留施設は、流域内における浸水被害の軽減に貢献する重要な取組であると考えております。
また、放流先となる河川が潮位の影響を受け、十分な流下能力が発揮できない場合においても、貯留施設により雨水の流出量を抑制いたしますことから、さらなる河川の水位上昇が抑えられるものと考えております。
次に、学校関係者との調整についてでございますが、平成29年度に実施した詳細設計等に、学校と協議を行い、部室や防災倉庫に貯留水の影響が及ばないようにすることや、サッカーグラウンド南東の進入路を自動車の走行に支障のない構造にしてほしいとの御意見をいただきましたことから、施設計画に反映しております。今後、発注時期などにつきまして学校側と最終調整を行い、対応してまいりたいと存じます。
次に、森林環境譲与税の御質問にお答えを申し上げます。
森林は、地球温暖化防止や水源涵養、災害防止等、多面的な機能を有しており、その機能が十分に発揮できるよう、適切に管理整備することが求められております。しかしながら、近年では、林業の担い手不足や所有者不明の森林の増加等により荒廃化が大きな課題となっていることから、国では適切な森林整備に向け、安定的な地方財源として令和6年度から開始される、市民1人当たり1,000円の森林環境税の徴収に先立ち、令和元年度から全国の自治体へ森林環境譲与税の配分が開始されております。
各自治体においては、この森林環境譲与税を活用して、間伐等の森林整備の推進をはじめ、人材育成や担い手の確保、木材の利用や普及啓発などに取り組むこととされており、本市におきましては、私有林の人工林面積や林業就業者数、人口に応じて年間約1,000万円配分される森林環境譲与税を活用し、主に森林整備と松林の再生の二つの事業を実施しております。
森林整備につきましては、令和元年度から令和2年度において、森林整備を行うための事前調査として、市内の杉やヒノキの人工林約373ヘクタールを所有する614人を対象に、所有する森林についてのアンケート調査を実施いたしました。このアンケートでは、整備箇所の検討を行うための基礎資料として、自己の所有する森林の管理状況などを調査するとともに、森林環境譲与税を活用した新たな制度の周知を兼ねております。この調査結果から、およそ7割の所有者が自己所有する森林の管理を行っていないということが明らかになりました。
令和3年度には、公益社団法人静岡県山林協会から派遣される森林整備の専門家である森林整備アドバイザーから、整備方針の策定などについて定期的な支援を受ける中で、防災インフラ施設保全森林整備計画策定業務委託を実施し、袋井市地域防災計画に記載されている指定避難所や緊急輸送路などのインフラ施設周辺で、災害時に倒木などの発生が危惧される市内7カ所の森林の調査を実施いたしました。
令和4年度には、この調査結果を基に、施設に対する危険度の高い山名小学校を指定避難所とする春岡地域及び要配慮者利用施設のある宇刈地域の2カ所の森林において、間伐や危険木の除去など、延べ4,000平方メートルの整備を実施し、災害時における施設の安全度が向上したと捉えております。
次に、松林の再生についてでございますが、浅羽海岸の防潮堤北側に位置する、いわゆる第2線堤の松林が大きく松枯れ被害を受けたため、令和元年度より補植事業を実施しております。令和4年度現在、延べ6,900平方メートルの補植を行っており、本市の大切な景観である白砂青松の再生に努め、防風や防砂、塩害対策に努めております。
今後につきましては、この譲与税を財源とした事業計画に基づき、防災対策として避難所等の施設周辺での森林整備を令和8年度まで予定しており、その後、間伐などの森林の手入れを実施する人工林につきましては、令和8年から令和22年までの15年を一つの期間として整備できるよう、制度開始後5年が経過する令和6年度を目途に、現在の計画の見直しを行い、現地調査や所有者への意向確認等を行った上で、順次実施してまいりたいと存じます。
次に、掛川市内の医療用資材流出への対応についての御質問にお答えを申し上げます。
本件については、掛川市炭焼地内の個人の土地に保管されていた医療用資材が、昨年9月の台風15号により、掛川市北部の普通河川田代川に流出したという事案でございます。この田代川を下っていきますと、森町内では普通河川椋地川となり、最終的には本市を流れる、県が管理する二級河川太田川につながっておりますことから、現在、それぞれの河川の管理者である掛川市、森町及び静岡県が対応を協議しているところでありまして、本市といたしましては、情報の提供をいただきながら、その動向を注視しているところでございます。
県からの情報によりますと、流出した資材の量は正確には分からないとのことでありますが、資材の管理者の説明では、流出量は10トンから15トン、資材の内容は未開封の医療用マスクやガウン、紙パンツのほか、未使用と思われるプラスチック製の点滴容器やチューブ等であり、感染性が疑われる有害な廃棄物ではないとのことでございまして、県は、生活環境保全上の支障のおそれはないとの認識を示しております。また、昨年12月に森町が実施した太田川の水質調査においても、環境基準を満たした結果であったことから、本件による市民への健康被害はないものと捉えております。
なお、今後、掛川市、森町及び静岡県において、それぞれが管理する河川での流出物の回収作業を実施するとのことでありまして、太田川については、県が流出物の漂着を確認した森町大鳥居地内の三倉川との合流地点まで、3月頃から回収作業を行うとのことでございます。
本市においては、現時点で市民からの流出物についての通報等はなく、職員の巡回等においても資材の漂着は確認されておりませんが、今後につきましても、掛川市、森町及び静岡県から情報を提供いただきながら対応してまいりたいと存じます。
次に、河川や海浜の監視体制についてでございますが、日常的には、市の職員による不法投棄パトロールや、道路パトロールの一環として河川等の監視を実施しておりまして、例えば河川等へごみの不法投棄があった場合は、状況に応じて回収、処分するなどの対応をいたしております。
また、県では、河川と海岸のパトロールについて、それぞれ実施要綱を設け、毎年度1回のパトロールを実施しているほか、海岸においては、津波や波浪等の異常事態が発生した場合に随時パトロールを実施し、自動車等の不法投棄や流木、ごみ等の漂着の有無等の確認を行っていると伺っております。
さらに、油の流出等、緊急を要する場合には、県や関係市町、消防本部等と連携して対応いたしておりまして、平成30年に森町の事業所から小籔川へ油が流出した際には、袋井土木事務所から連絡を受け、森町、磐田市と共に、それぞれの市域で油吸着マットを設置するなどの対応をいたしました。
御指摘のとおり、河川や海浜の環境保全や、安心して利用できる環境を確保していくことは重要な課題でございますので、引き続き、日常的なパトロールを中心として、関係機関と連携を図りながら監視を行うとともに、有事の際にも適切な対応を行ってまいりたいと存じます。
以上で、私からの御答弁とさせていただきます。
159:
◯議長(
戸塚哲夫) 8番 佐野議員。
160: ◯8番(佐野武次) それぞれ御答弁をいただきました。
まず、浅羽中学校の校庭貯留から若干、再質問をさせていただきたいと思います。
先ほど約660立方メートルですか、貯留量があるよということでございます。御存じのとおり、浅羽中学校には法施行以前の施工、いわゆる造成でございますので、調整池は現在ないわけですね。そういった意味からいけば、流域治水に合わせて今回校庭貯留をする。これを私は理解できます。
ただ問題は、先ほど市長からも御答弁がございましたが、下流域の弁財天川が外水域の影響を多分に受ける河川である。そこに、先ほど来、午前中から、先ほど寺田議員もいろいろ質問がありました、あれだけの雨が降った場合に、仮に高潮の状態であった場合、もう完全、浅羽地域というのはプール状態になるんですよね。そういった意味では、私はたまる場所をつくるという意味では効果はあると思うんですが、確かに河川に流出する水を抑制するといった意味では私も同感なんですけれども、もう一点、流域治水というのは、市街地の浸水の抑制といったものがやはり同時に目的としてあるのではないかなと思います。
そういった中で、先ほど来、質問の中でも申し上げさせていただきましたが、本当に市街地の最南端で、市街地への、例えば市街地の湛水といいますか洪水、そういったものを抑えるものに対して、果たして効果があるのかということと、御存じのとおり、中学校の周りについては広大な水田が広がっております。田んぼダムまではいかないんですけれども、あぜ道と田んぼのGLと比べれば、20センチぐらいは、優にこれ、あるわけですよ。大きな貯水池になると思います。
事実私も、元浅羽町役場職員でございますので、何度か台風の被害に遭ってまいりました。湖の中に集落があるといったような状況も見受けたこともありました。先人から聞けば、台風が来たときに、ずっともう江之端機場とか、あの辺が海になってしまって、船で笠原地域まで野菜とかお米を運んだことがある、船で運んだと。そういった古人の、昔の方、先人の方については経験もあるものですから、そういったところで果たして、ある面では理解はできるんですけれども、どうもある面では、特に市街地の洪水抑制といったような問題については、もう少し私は、先ほど来、市長もありましたが、令和6年度以降に浅羽北多目的運動広場と浅羽中央公園への校庭貯留といいますか、そういったものが、貯留地の整備が計画されているわけです。ですから、市街地の洪水を抑制するという観点からいけば、私は、まずはそちらを先行すべきではないかと。浅羽中学校も確かに必要かもしれないんですけど、私はそのほうが効果が如実に見られるといいますか、そういうようなことになるのではないかなと思います。
そういった点で、浅羽北多目的運動広場にやる場合、あるいは浅羽中央公園を先行した場合の効果の検証、こういったものは行われていたのか。その上で、浅羽中学校のほうが効果があったのか。何かしらの支障物件があって、いやいや、現在のところ、浅羽北多目的運動広場と、それから浅羽中央公園は少し、若干お金がかかるというようなことで、浅羽中学校のほうをまずは先行したと、計画どおりに。そういった比較検証というものが行われたのかどうかという点について、1点お伺いをさせていただきたいと思います。
それから、先ほど校庭貯留の話で貯留量の話を申し上げました。質問するのを忘れてしまいましたが。実際これだけの流量をためるとなると、計画浸水深は何センチぐらいを想定されているのかについてお伺いをさせていただきたいと思います。
校庭貯留の再質問につきましては以上でございます。
それから、次に、森林譲与税の関係でございます。先ほど市長から答弁がありましたように、令和元年度から令和2年度にかけて事前調査、614人にかけましたよと。そのうち7割が森林は管理していないということでございました。
1点お伺いしたいのは、こういった森林譲与税を受けるには、森林管理システム、こういったものをつくらなきゃいけない、そういった意味で事前調査等を行われたと思います。しかし、その中で、林業経営に適した森林と適さない森林に分ける、こういった指示があるわけですよね。適さない森林については市町村自らが管理する、制度としてはこういうようになっているわけでございます。
先ほど六百十何名のうちの7割が、もう林業とかを手放しているといいますか、管理していないよということでございますが、林業経営に適さない森林としては何ヘクタールあったのか。それについてお伺いをさせていただきたいと思います。
それから、市長からの答弁で、防災施設関係に係るインフラ周辺等の整備、こういったことも行いましたよということでございます。私、以前に、三川地区で台風のときに大規模な停電が起きまして、相当、数日間停電が続いたということで、市民の方が非常に苦慮されたということで、そのときは事前伐採、いわゆる電柱等のところにある木をあらかじめ切って災害に備えるようにと、そういった意思があるかどうかというものについてお伺いをさせていただいたところです。
今回の再質問は、こういったところは事業の性格上、スポット的な伐採になるものですから、なかなか森林環境譲与税を使っていくのは難しいかもしれませんが、こういった事前伐採等も含めて、この森林環境譲与税というのは使えるものかどうか。もし使えるのであれば、逆にこの譲与税に市の財源も加えて、こういったところの森林整備、こういったものを加速させてはどうかなというようなことを提案させていただきたいと思いますけれども、これについて、市の考え方をお伺いさせていただきたいと思います。
続きまして、3点目の質問でございました掛川市内の医療用資材の流出の問題についてでございます。るる御答弁をいただきましたけれども、今のところは影響がないと、健康被害は見られない。また、市民からの通報もないというような御答弁でございました。ということを踏まえまして、現在のところ、そうしますと本市内の河川や海岸への医療用資材の漂着は確認されていないと解釈をしてよろしいかどうか、もう一度確認をさせていただきたいと思います。
それからもう一つは、パトロールの面でございます。御承知のとおり、各自治会、また自治会連合会には、自治会連合会には環境美化指導員が任期2年で、自治会連合会ごとに1人、それから環境美化推進員は任期1年で、自治会ごとに1人、今、委員として各地域から配置されているわけでございます。この人たちは、謝礼等はございません。私は、もう少しこういった意味のものも、これは、恐らくこの方の役割というのは自治会でのごみの出し方指導とか、あるいは不法投棄の防止、またそういった連絡を逐一していただくということで設けてあるわけでございますが、この謝礼というのは、なぜ謝礼がないのか。あるいは自治会交付金の中にこういった面は含まれているのか。これからパトロールを強化していく意味で、環境政策としては、こういった方に、指導員あるいは推進員の方に謝礼をお渡しして、強化していく考えはあるかについて再質問をさせていただきたいと思います。
以上です。
161:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
162:
◯都市建設部長(
石田和也) 私からは、佐野武次議員の再質問のうち、校庭貯留の関係につきましてお答えをさせていただきたいと思います。
1点目の質問ですが、整備順序を定めるに当たって検証等を行ったかという質問かと思います。
先ほど市長から答弁もございましたように、弁財天川流域では、これまでに浅羽遊水池、それから諸井里山遊水池、それから浅羽東小学校の3カ所で、遊水池であったり、校庭貯留であったりというものが完成している状況でございます。残りにつきましては、先ほど市長からの答弁にありましたように、来年度予定をしています浅羽中学校、そして浅羽北小学校、浅羽北多目的運動広場、浅羽中央公園というようなことで予定をしているということでございます。
こちらにつきましては、流域全体で治水対策を展開するということで、初めて下流河川の水位低下に大きく貢献するということでございますので、議員から御質問のあった検証につきましては実施をしていないという状況でございます。この残りの施設につきましては、計画的に、単年度で終わるように予算確保に努めるなどして、早期に効果の発現が現せるよう、事業を推進していきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、2点目の校庭にためる水の深さという御質問かと思います。
こちらにつきましては、流域貯留施設等技術指針というものがございまして、児童生徒に対する安全性を考慮いたしまして、校庭のためる量というのは最大30センチということとなってございますので、浅羽中学校におきましても、現在30センチで計画のほうをさせていただいていると、このような状況になっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上、答弁とさせていただきます。
163:
◯議長(
戸塚哲夫) 村田産業部長。
164: ◯産業部長(村田雅俊) 私からは、森林環境譲与税の2点の御質問にお答え申し上げます。
まず、1点目でございますが、林業経営に適さない森林ということで何ヘクタール把握をしているかという御質問でございますが、先ほど御答弁申し上げました、令和元年度、それから令和2年度に調査を実施、事前調査ということで調査をしております。そのときに森林アドバイザーととともに、市内現地を確認しておりますが、数字的には具体的にはまだ把握していないんですが、そのときに、ほとんどが森林経営に適さない、そういった森林であるということの判断をいただいているということがございます。
それから、2点目の市の財源を加えて加速させるにはという御質問がございました。
先ほど答弁にもありましたように、現在1,000万円弱の森林環境譲与税が来ます。それから、今後も1,000万円超の森林環境譲与税が来るという予定になっておりますので、この執行に向けては、毎年、意向調査、それから現地調査、また、防災インフラ、保全整備ということで、そこを重点的にやっていくということで行っていきたいと考えています。
基本的には森林環境譲与税、これを用いて整備をしていくということになっておりますが、もし一般財源を使うのであれば、災害時、緊急時に必要なときに一般財源を考えることも必要かと思いますが、基本的には森林環境譲与税で整備をしていきたいと考えております。
以上、答弁とさせていただきます。
165:
◯議長(
戸塚哲夫) 本多環境水道部長。
166: ◯環境水道部長(本多芳勝) 私からは、医療用資材の流失への対応についての御質問二つについて、再質問にお答え申し上げます。
1点目の、現在のところ、太田川になりますが、袋井市内に医療用の資材の漂着は確認されているかということでございますが、市民からも通報がないということで、先ほど御答弁申し上げましたとおりの部分と、職員が実際に自動車で河川敷をパトロールさせていただきました。今井地区からずっと北に上りまして、森町の大鳥居、また、通称吉川のほう、またそちらのほうまで確認をさせていただきました。現在、袋井市内に漂着は確認されておりません。
2点目の、現在市のごみ対策に環境美化指導員、また推進員に、地域の皆様の御協力をいただいております。この委員の皆様には、自主的な御協力の部分も含めまして、現在お願いをする、御協力の中で謝礼は出していない状況でございますが、御質問の、今後その皆様に、このような有事の際、災害時において、河川等のパトロールを行っていただきながら、ごみの発見等をしていただくという部分で御質問をいただいたと思いますが、今回の医療用資材の発見者、実は一番最初森町で、亀久保地域というところの住民の皆様が発見して、こちらの皆さんが自主的に拾っていただいたというのがきっかけでございます。このように、やはり住民の目がかなりこのような部分には効果的であることは今回の事例からも分かりますが、今回の事例を市民の皆さんにお願いしていくということになりますと、様々な懸案事項も考えられると思いますので、一つ、この件につきましては御提言いただきましたので、研究をさせていただきたいなと考えております。
以上、答弁とさせていただきます。
167:
◯議長(
戸塚哲夫) 8番 佐野議員。
168: ◯8番(佐野武次) 再々質問をさせていただきます。
まず、校庭貯留につきまして、浅羽地内においては3カ所が完成済みだということですが、浅羽北多目的運動広場、浅羽中央公園等の比較検討はしていないというようなことでございますが、検討していない中で、なぜ浅羽中学校が候補地に選ばれたのか。この辺の理由がやはりないと、予算計上した理由というものについては非常に厳しいのではないかなという感じがしますが、その辺、部長のほうで、一番現実的には、先ほど一つの例として、環境といいますか、排水環境とか、附帯工事があまりかからないとか、そういう場所であったとか、施工しやすいとか、そういう利点があったのかどうか、何かしら部長として感じていることがあったらお答えを1点お願いしたいと思います。
それから、森林環境譲与税ですが、少し確認したいんですけど、先ほど事前伐採の話を私、出させていただきました。こういうスポット的な事業についても、この森林環境譲与税というのは活用できるんでしょうか。私が理解しているところは、やはり林業として経営側がサポートしていくというような意味でこのものがあるのであって、また、それから環境を守っていく、そういう意味で、例えば土砂崩れとかいろいろありますが、そういうところをあらかじめ事前に整備することによって守っていくんだと。恐らく山名小学校のとこら辺は、そういう危険性があったから、私、手をつけたのではないかなと思いますが、今後、山名小学校以外のところで、今申し上げたように、スポット的な事業というのは、この森林環境譲与税は利用できるのかどうか、これを1点確認させてください。利用できれば、私はまずは、例えば三川地域、今も午前中も大変大きな被害があったということで伺いました。あらかじめそういうことをしておくことによって軽減をかける。これはもう、すべきではないかなと私は考えるところですので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
以上2点、よろしくお願いをいたします。
169:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
170:
◯都市建設部長(
石田和也) 校庭貯留の関係で、再々質問にお答えをさせていただきたいと思います。
一番最初になぜ浅羽中学校から手をつけるんだというような御質問かと思いますが、基本的な考え方につきましては、整備の順序の基本的な考え方としましては、遊水池を一番最初に手をつける、それから、その次に校庭貯留を2番目にやる、それから、その次に公園貯留というような、そんな順番で整備をするというような方針を立てているというところでございますので、先ほど答弁申し上げましたように、まずは浅羽遊水池、諸井里山遊水池、そして浅羽東小学校、これをやりまして、次は浅羽中学校というような順序で計画を立案しているというところでございます。
それから、放流先の流域を見ますと、弁財天川の流域というのは約1,100ヘクタール、それから、東部排水の流域というのは約330ヘクタールというようなことで、やはり基本的な考え方として、流域が大きいところでそういう施設を設けたほうが河川の水位の低下にはつながるという観点もあろうかと思いますので、その二つ、整備順序と流域が大きいという、その2点から、整備方針、整備する順番を定めて、今回、浅羽中学校の工事費を予算のほうに計上させていただいたと、このような形を取らせていただいているところでございます。
議員からは、しっかり整理をして、きちっと進めるべきだという厳しい御指摘をいただきましたので、今後につきましては、そのようなことも予算要求前段階で十分に検討する中で対応してまいりたいと考えておりますので、御理解のほど、よろしくお願いしたいと思います。
以上、答弁とさせていただきます。
171:
◯議長(
戸塚哲夫) 村田産業部長。
172: ◯産業部長(村田雅俊) 私からは、森林環境譲与税のことでありまして、スポット的な作業でということの御質問であります。
先ほど答弁の中で、7カ所調査をしたという答弁を市長からさせていただきました。この中には、答弁で実際に実施する指定避難所のあるところ、それから、要配慮者利用施設というところ、それから、市の指定緊急輸送路、こういったところの沿道沿いの森林、そこも危険木があれば伐採をしていくと、そういった計画を持っています。
今、佐野議員がおっしゃった三川地区の森林のほうの伐採につきましても、今後、計画の見直しをかけていく段階で、そこも含めて検討していきたいと思います。
現在、関連の譲与税の使い方ということで計画を持っておりますが、年度ごとの計画を持っておりますけれども、その計画については、令和元年当初のものに策定したものでありますので、今後見直しにおきましては、森林アドバイザーの意見を伺いながら、また皆様の意見をお伺いしながら、計画の見直しを図っていきたいと考えております。
以上、答弁とさせていただきます。
173:
◯議長(
戸塚哲夫) 以上で、8番 佐野武次議員の一般質問を終わります。
会議の途中でありますが、ここで休憩とし、午後3時50分から会議を再開いたします。
(午後3時37分 休憩)
──────────────────────────────────────
(午後3時50分 再開)
174:
◯議長(
戸塚哲夫) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。
次に、13番 立石泰広議員の
発言を許します。質問は一括方式であります。
なお、会議規則第102条の規定に基づく印刷物の配布、タブレットへの掲載について許可しておりますので、御承知おきください。
13番 立石議員。
〔13番 立石泰広 議員 登壇〕
175: ◯13番(立石泰広) それでは、通告に従いまして、四つのテーマについて一般質問をさせていただきます。
まず最初に、海のにぎわい創出事業に関連しまして、防潮堤の整備事業が完了した際の安全宣言の発信について、そして、浅羽海岸の砂浜の浸食対策として行われているサンドバイパス事業、これについて質問をさせていただきます。
さて、平成23年3月に発生した東日本大震災による津波被害の教訓から、浅羽海岸5.35キロメートルの防潮堤を高さ12メートルの盛土により補強する事業が平成26年に開始されました。本年、令和5年で市の施工部分が完了し、令和7年度に県の施工部分が完了の予定となっております。
防潮堤の整備に一定のめどが立ったことから、今年度作成しました袋井市海のにぎわい創出ビジョン、この実現に向けまして、今後、同笠海岸と浅羽体育センター周辺の環境整備が進められることになっております。
ところで、袋井市の人口は、東日本大震災後の平成24年度は8万6,888人、令和4年度は8万7,983人と、この10年で1,000人余りの増加をしております。一方、市南部地域の浅羽・笠原地区では、平成24年度は2万2,431人、令和4年度は2万785人と、1,646人減少をしております。
人口が減少傾向にある市南部地域に住む者として、この海のにぎわい創出事業は、浅羽支所の利活用として進められている(仮称)袋井市こども交流館あそびの杜整備構想とともに、市南部地域の活性化につながるものとして、大いに期待をしているところであります。
以下、2点につきましてお伺いします。
(1)安全宣言の発信についてお伺いします。
一つ目の質問、アでございます。
今年度、市長は市南部地域のイベントや行事に出席され、御挨拶の中で、浅羽海岸の海のにぎわい創出ビジョンの御紹介をされております。防潮堤の完成によって、防災機能が確保できた上での防潮堤の利活用であります。防潮堤の整備完了は令和7年度の予定ですが、これに合わせて、本市として市民に対し、安全に関するメッセージを発信すべきと考えますが、その用意はあるか、お伺いします。
二つ目の質問、イでございます。
防潮堤整備の完了に合わせて、津波ハザードマップの見直しを行うべきとの意見がありますが、どのような方針で臨まれるのか、お伺いします。
津波ハザードマップは、浸水域や津波の高さ、避難場所、避難経路などを掲載した地図です。本市の津波ハザードマップは、国の防災基本計画や地震防災対策特別措置法などに基づいて、地震発生とともに、海岸砂防林や河川堤防が全て崩壊した状態を想定して、平成26年度に作成し発行しております。
(2)サンドバイパス事業についてお伺いします。
一つ目の質問、アでございます。
サンドバイパス事業は順調に進んでいるのでしょうか。これまでの成果、最近の稼働状況、今後の事業計画はどうなっているか、お伺いします。
福田漁港と外洋の出入口の砂の堆積による埋没対策と、浅羽海岸の浸食対策として、従来は福田漁港の航路に堆積した砂を船でしゅんせつして、ダンプカーや船で運んで、浅羽海岸に投入する方式のサンドバイパス事業が行われてきました。しかし、天竜川から海岸への土砂供給の減少もあって、浅羽海岸の浸食が進んできました。
そこで、平成26年度からは、固定式ジェットポンプによるパイプライン輸送方式のサンドバイパス事業が始まり、現在に至っております。
二つ目の質問、イでございます。
白砂青松、海岸に豊かな砂浜があってこそ、海のにぎわい創出事業であります。私の幼い頃の思い出として、砂浜で宝探しをやったり、砂の造形コンテスト、こういったものを行ったり、また、地引き網、こういったことを幼い頃に経験しております。また、浅羽海岸は、ウミガメが上陸する、そういった海岸でもございます。そのほか、砂浜を掘ってブルーシートを埋めて、ポンプで海水を入れて仮設の子供用のプールをつくる、こういったイベントも開催されていたことを思い出します。
こういった豊かな砂浜との関わりを経験している地元の住民は、多くが海岸の浸食が進むことを心配していますが、このサンドバイパス事業に関する情報が少ないように思います。サンドバイパス事業の進捗状況は、市民に対し、定期的に状況を報告していくべきではないでしょうか。見解をお伺いします。
次に、生活困窮者の緊急支援対策について質問いたします。
生活困窮者とは、生活保護受給者以外で、生活に困っていて、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある人のことです。
昨今の私たちの生活は、長期化しているコロナ禍によって、経済的活動が停滞して、加えて、原材料費が高騰して、食料品や生活用品の価格が上昇して、電気料金の値上げなどが加わって厳しい生活の環境となっております。
これまでのコロナ禍の教訓を生かして、とりわけ社会的に弱い立場、不安定な立場にある低所得者層への影響が大きいため、公的支援を急ぐ必要があります。
本市におきましても、県との連携を強化しながら、できるだけ速やかに実効性のある緊急支援策を講じる必要があると考えます。
以下、3点についてお伺いします。
(1)相談体制の強化についてお伺いします。
令和3年度、本市では、行政と社会福祉協議会の窓口で行った生活困窮者の自立支援相談は2,918件でした。全国では、令和3年度、新規相談件数が55万5,779件でした。
相談件数は、本市も全国も令和2年度をピークに減少傾向にはありますが、昨今の物価高騰に加えて、今年1月から緊急小口資金等の特例貸付の償還が始まった中、今まで何とか生活を維持できていた方が再び生活困窮に陥ることも心配されます。
このようなことから、相談件数が今後、増加していくことが予想されます。これに備えて、伴走型支援の相談業務を強化する必要があると考えます。人員体制のさらなる拡充ができないかお伺いします。
(2)住宅支援の拡充についてお伺いします。
令和3年度、本市では、離職によって自立して生活していくための基盤である住居を失った人、またはそのおそれが高い人など、生活困窮者89世帯に1,474万円の住居確保給付金を支給しました。対象となる人へ給付金を確実に支給するなど、住まいに関するさらなる支援の拡充はできないかお伺いします。
(3)子供の貧困対策についてお伺いします。
貧困の連鎖に陥ることのないよう、生活困窮家庭の子供の貧困対策として、親の経済的支援や就労支援、食事支援、食糧支援、生活支援、学習支援などを包括的に行う必要があります。これらの支援について、本市では現状、どう支援を行っていて、今後どう拡充していくのかお伺いします。
次に、小中学校のいじめ・不登校対策について質問いたします。
この課題につきましては、第2次袋井市総合計画後期基本計画に関連する政策と取組が示されております。また、袋井市教育大綱、袋井市小中一貫教育基本方針には、本課題を含む教育課題を解決していくための、教育の基本理念や基本方針が示されております。
こうした本市の方針に基づいて、いじめ・不登校を生まない楽しい学校づくりに向けて、家庭・地域・学校の3者が連携して、それぞれ役割を果たしていくことが必要だと考えております。
以下、3点についてお伺いします。
(1)本市の現在の不登校の状況と、その主な原因につきまして、小学校、中学校それぞれどうなっているかお伺いします。
不登校は、病気や経済的な理由などといった特別な事情がなく、年間の欠席日数が30日以上となった状態を言います。
令和3年度、全国では小中合わせて24万4,940人、静岡県では8,030人、いずれも9年連続して増加をしております。
令和2年度の調査になりますが、文部科学省の不登校児童生徒実態調査では、最初に行きづらくなったと感じ始めたきっかけに、友達のこと、嫌がらせやいじめがあったと回答した割合が、小学校で25.2%、中学校で25.5%ありました。これは複数回答が可能な調査でございます。4人に1人が不登校になるきっかけとして、友達のことを挙げています。
そこで、(2)いじめ・不登校の未然防止についてお伺いします。
市内の四つの学園が、市の方針をベースにして、それぞれグランドデザインを掲げております。各学園が、このグランドデザインに基づいて取組を推進することで、いじめ・不登校の未然防止につながっていると思いますが、本市として、いじめ・不登校の未然防止のために、日常の生徒との関わりの中で重視している取組は何かお伺いします。
学園のグランドデザインの事例として、タブレット02、議場配付資料フォルダーの中の2-3に、袋井あやぐも学園のグランドデザインを登録させていただきましたので御覧ください。
これを見ますと、上のほうに、児童生徒の夢、自立力、社会力とありますけれども、こういったものを引き出すためには、その下に矢印がありますけれども、児童生徒が主体的に取り組む協働的な活動を通して、人から認められ、人の役に立っているという自己有用感を高めることが重要であるということが分かります。
また、その下のほうに、そのために、日常の関わりの中で、ボイスシャワーと聞く指導、この二つの視点を重視した共感・受容の言葉を掛け合って、人の話には傾聴する。こうした日常の交流が、絆づくり・居場所づくりとなって、いじめ・不登校を生まない学級、学校づくりにつながっていく。このグランドデザインを拝見して、このようなことだろうと理解しました。
(3)不登校支援についてお伺いします。
今見たような未然防止措置を講じても、休みが始まったときは、初期対応が必要となり、次いで、個別の事情に応じた自立支援が必要となります。
一つ目の質問、アでございます。
昨年の10月以降、市内小中学校の全校で、タブレットを自宅に持ち帰って、家庭学習での活用が始まりました。そこで、現状不登校の生徒へのリモート授業、これはどのように活用されているのか。また、リモート授業のフォロー体制、出席の要件はどのようになっているのかお伺いします。
二つ目の質問、イでございます。
不登校は、いじめ、学力不振、経済的理由など、様々な原因が考えられます。担当教員で対応が難しい場合は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家を含めたチームによる支援が有効だと思いますが、本市は活用されているでしょうか。
また、これを実施していく上での課題は何でしょうか、お伺いします。
最後に、三沢川の河川維持管理について質問いたします。
三沢川は、小笠山丘陵に源を発して、市内では笠原地区内を流れて、弁財天川に合流する、延長7,090メートルの弁財天川水系の二級河川です。
過去に氾濫が発生している河川であり、今年度には、中流部の砂防工事、下流部の土砂のしゅんせつ、堤防の強度解析・補強工事などの治水対策工事が行われております。
そんな中、昨年9月の台風15号による増水の影響で、笠原こども園北東部の三沢川に、上流からの土砂が堆積して、河床が高くなりました。これによって、今後の大雨による増水で氾濫することが心配されており、地域としても深刻に捉えているところでございます。
今回、河床が高くなったということで、地元から情報を提供していただいた箇所が、私が懸念していた箇所であったこともありまして、一昨年7月の初めの大雨時に、この場所が増水した写真を持って、袋井土木事務所に行って、対策を要望してまいりました。
河床が高くなった箇所の周辺には、住宅をはじめ、笠原こども園、笠原コミュティセンターなどの公共施設があり、笠原地区と三沢地区を結ぶ地域の主要道路が走っております。速やかに、できれば大雨シーズンの前に、河床のしゅんせつなど、対策を行う必要があると考えますが、市はどのように認識されておるかお伺いします。
以上をもちまして、最初の質問とさせていただきます。
176:
◯議長(
戸塚哲夫) 大場市長。
〔市長
大場規之 登壇〕
177:
◯市長(
大場規之) 立石泰広議員の御質問にお答えを申し上げます。
初めに、海のにぎわい創出事業の関連のうち、防潮堤完成に合わせた安全宣言の発信と、津波ハザードマップの見直しについてでございますが、防潮堤につきましては、平成27年2月から整備を開始し、市が高さ10メートルまで盛土し、県がその上に2メートル盛土することで、高さ12メートル、総延長約5.35キロメートルの防潮堤の完成を目指しております。
現在、総延長約5.35キロメートルのうち、市施工部分につきましては、約93%に当たる約5キロメートルについて整備を進め、令和5年度に完成する予定となっております。県施工部分につきましては、約79%に当たる約4.24キロメートルが整備されており、令和7年度完成予定となっております。
なお、防潮堤以外にも、これまで、津波一時避難場所として、4基の命山や津波避難タワーなどの整備を実施しており、津波避難対象地域内に必要な津波一時避難場所の整備は、既に完了しているところでございます。
また、現在、本市が津波ハザードマップとして公表しております津波浸水想定図については、静岡県第4次地震被害想定を基にレベル2と言われる最大クラスの津波で、発生頻度は極めて少ないものの、発生すれば甚大な被害をもたらす、最大クラスの地震と津波との想定を基に、海岸砂防林や河川堤防が全て崩壊するという最悪の状態を想定し、平成25年度に市独自の津波シミュレーションによる最大浸水域を示したものでございます。
地震や津波は自然災害であり、必ずしも100%安全であるということは言い切れない面もございますが、令和7年度に防潮堤が完成することにより、浅羽南地区の皆様をはじめとした、市民の生命や財産を守る大きな一助となると考えております。
議員御質問の安全に関するメッセージにつきましては、県が静岡モデル防潮堤に関し、令和5年度以降に、津波に対する安定性の検証を行う予定であります。
その検証結果などを踏まえて、どのような内容をどのような手段で発信していくことがよいのかを検討していく必要があると考えております。また、津波ハザードマップの見直しにつきましても、県の検証結果や津波浸水想定の見直し状況を参考に、検討してまいりたいと存じます。
次に、サンドバイパス事業についてでございますが、サンドバイパスは、福田漁港の防波堤西側の埋没対策と浅羽海岸の浸食対策を目的に、防波堤に桟橋を設置して堆積している土砂を4基のジェットポンプで吸引し、埋設管により約2キロメートル東側の浅羽海岸へ圧送するもので、県が平成26年3月から国内初のジェットポンプ式サンドバイパスシステムとして運転を開始しております。
しかしながら、流木や礫などが海底に設置したジェットポンプの土砂吸い込み口周辺に次第に堆積し、土砂の吸い込みを阻害することが課題となっております。これまで、県ではジェットポンプの吸い込み位置の移動など試行錯誤を重ねてまいりましたが、台風等により大量に流木等が流れ込んだこともあり、吸い込み量の十分な回復が見込めない状況となっております。
これまでの土砂移動量の実績といたしましては、平成28年度までは目標の年間8万立方メートルに達しておりましたが、徐々に土砂の量が減っており、直近の3カ年平均では、2万3,000立方メートル程度となっております。
このことから、県では応急対策として、まずは流木や礫などの阻害物の除去を令和3年から令和4年にかけて行い、機能の回復を図っているところでございますが、本年度末の土砂移動量は、工事に伴う中断の影響もあり、約3万立方メートルにとどまる見込みでございます。
今後の事業計画でございますが、現在、国等の技術支援をいただきながら、早急に土砂量の回復に向けて対策の検討を進めていると伺っております。
次に、進捗状況の報告についてでございますが、サンドバイパス事業自体については、県のホームページや本市をはじめ、沿岸6市で構成する遠州灘沿岸保全対策促進期成同盟会の機関誌などで紹介しております。
また、土砂の移動量などの進捗状況につきましては、県のホームページにおいて、前年度分までが公表されている状況でございます。現在、市では、海のにぎわい創出プロジェクトを重要施策と位置づけ、防潮堤エリア環境整備などを本格的に始動させるため、養浜など海岸の保全が必要不可欠と考えており、今後につきましては、遠州灘沿岸保全対策促進期成同盟会において、県に対しサンドバイパス事業などでの海岸浸食対策を引き続き強く要望してまいりますとともに、幸浦の丘プロジェクトなどの開催に合わせ、現在の進捗状況を共有していただけるよう働きかけてまいりたいと存じます。
次に、生活困窮者の緊急支援策についての御質問にお答えを申し上げます。
初めに、生活困窮者からの自立支援相談の増加に備えた人員体制の拡充についてですが、本市では、しあわせ推進課及び袋井市社会福祉協議会の生活自立相談センターにおいて、生活に関する困り事相談や就労支援、家計相談、住居確保給付金の支給など、包括的な支援に取り組んでおり、様々な支援を行っても生活の再建が難しい方には、生活保護の相談対応をしております。
現在、生活相談に対応する職員としては、しあわせ推進課の正規職員が7人、ポルトガル語通訳1人を含む会計年度任用職員が4人で計11人、袋井市社会福祉協議会の生活自立相談センターには正規職員が3人、ポルトガル語通訳の会計年度任用職員が1人で合計4人、合わせますと計15人の人員体制となっております。
令和5年1月末における令和4年度の状況としましては、しあわせ推進課及び生活自立相談センターにおける相談件数の合計は2,148件、住居確保給付金申請は108件、生活保護申請は77件、生活福祉資金貸付申請は139件で、令和2年、令和3年と比較し、いずれも増加していない状況にあります。
また、コロナ禍の影響があった社会経済活動が、今後活発化されていく状況を踏まえ、当面は現在の相談件数が大幅に増えることはないものと推測されますことから、引き続き、現在の人員体制により生活相談を丁寧に行うことで、生活困窮者に寄り添った支援に心がけてまいります。
次に、住居確保給付金の確実な支給などによるさらなる支援の拡充についてですが、住居確保給付金は、離職者などで就労能力及び就労意欲のある方のうち、住宅を喪失しているまたは喪失するおそれのある方で、収入及び資産などの支給要件を満たす方に対し、住宅費を支給するものでございます。
本給付金は、市から不動産管理会社等へ直接支払う方式を取っておりまして、支給限度額は、1人世帯3万7,200円、2人世帯4万5,000円というように、世帯員数に応じて金額が設定されております。
支給期間は基本的に3カ月間ですが、3カ月ごとの延長・再延長が認められており、最大で9カ月間の支給が可能となっております。
本給付金については、国の制度に基づいて支給するものでございますので、本市におきましては、今後も、生活相談において本給付金の対象となりそうな方には、丁寧に制度を説明し、住まいを確保するための支援を実施してまいります。
次に、生活困窮家庭の子供の貧困対策としての、親の経済的支援や就労支援、食事支援、食糧支援、生活支援、学習支援などの包括的な取組についてですが、子供の貧困に対しましては、令和2年度から令和6年度までを計画期間とする第2期袋井市子ども・子育て支援事業計画の中で策定している袋井市子どもの貧困対策計画に基づき推進しているところでございます。
御質問の六つの支援内容についてですが、経済的支援については、生活保護費や住居確保給付金の支給、生活福祉資金の貸付けがございまして、令和5年1月末における本年度の状況といたしましては、生活保護世帯数は438世帯、住居確保給付金は90件、生活福祉資金は101件でございます。
就労支援及び生活支援については、先ほどの答弁でも申し上げましたとおり、しあわせ推進課及び袋井市生活自立相談センターにおいて相談業務を行っております。食事支援については、社会福祉法人なごみかぜによる「りおな子ども食堂」など、市内3カ所の子ども食堂に対して、県の物価高騰対策支援金の情報提供などの側面的な支援を行っております。
食糧支援については、しあわせ推進課や社会福祉協議会において、3日間程度の緊急食糧支援やフードバンク事業による1から2週間の食糧支援を行っており、令和5年1月末における本年度の支援件数は、緊急食糧支援が157件、フードバンク事業が267件でございます。
学習支援については、生活保護受給世帯や生活困窮者自立支援事業の支援に同意した世帯などを対象に、子供に学習の場を提供することや保護者からの教育相談等を行うなどの学習支援事業に取り組んでおり、本年度は市内2団体に委託し、浅羽北コミュニティセンターなど3カ所において、週に一回1時間ずつ、国語・数学・英語の学習支援を実施している状況でございます。
今後におきましても、生活相談において複数の課題を抱えている御家庭に対し、一人一人の生活状況に応じた支援メニューを確実に実施することで、生活困窮者の包括的な支援を行ってまいりたいと存じます。
次に、県管理河川である三沢川の維持管理についての御質問にお答え申し上げます。
昨年9月の台風15号により、笠原こども園北東部の箇所に土砂が堆積し、河床が高くなったとのことで、11月に笠原自治会連合会から河川のしゅんせつ工事についての地元要望が提出されました。それを受け、県袋井土木事務所に副申書を提出したところでございます。
今回、県に確認したところ、しゅんせつにつきましては、県が河川の堆積状況を確認し、優先順位をつけ実施しており、本年度は、要望箇所下流側のしゅんせつ工事を行ったところであります。今後も三沢川のしゅんせつなど維持管理につきましては、地域要望を踏まえ、市においても要望箇所の現状把握を行うとともに道路パトロール等で異常を発見した場合には、速やかに県に報告し、早期に対応していただくよう要望してまいります。
なお、小中学校のいじめ・不登校対策についての御質問につきましては、教育長より御答弁を申し上げます。
以上で、私からの御答弁とさせていただきます。
178:
◯議長(
戸塚哲夫) 鈴木教育長。
〔教育長 鈴木一吉 登壇〕
179: ◯教育長(鈴木一吉) 小中学校のいじめ・不登校対策についてお答え申し上げます。
初めに、不登校の状況とその原因についてでありますが、令和3年度の本市の不登校児童生徒数は、小学校で72人、中学校で129人となっております。
小学校については、国や県と同様、年々増加傾向にあり、令和3年度の不登校児童の割合は、1.37%と平成30年度の2倍近くに増えています。一方、中学校はほぼ横ばいの状況で、不登校生徒の割合は、5%前後で推移しております。
次に、不登校の原因についてでありますが、不登校の原因は、児童生徒により様々であると思われますが、令和3年度の調査では、不登校になった要因としては、小中学校ともに本人の無気力・不安が大半を占めております。
長引く新型コロナウイルス感染症により、内面にため込んだ不安やストレス、続けて欠席せざるを得なくなったことによる学習面でのつまずき、対人関係スキルを身につけるための行事や体験が不足し、友達との関係に不安を持っていることなど、様々な学校への不適応が起きているのではないかと危惧しており、これまで以上にきめ細かな支援を行う必要があると考えております。
次に、生徒との関わりの中で重視している取組についてでありますが、不登校やいじめを防ぐためには、児童生徒の一番近くにいる教員が、いち早くその兆候を把握し、対応していくことが何よりも大切であると考えております。このため、各学校では、日頃から、学級担任や学年職員が、児童生徒の言動や表情など、その様子を観察し、少しの変化も見逃さないように努めており、必要に応じて、声掛けや面談などを行っております。
また、年2回実施している教育心理検査ハイパーQ-Uによる客観的なデータにより、個々の児童生徒の集団の中での満足度、生活意欲、対人関係能力等を把握し、早期の支援につなげております。さらには、児童生徒の悩みや困り感を把握するため、アンケートを定期的に実施し、教育相談につなげているほか、ネットパトロールにより、いじめと思われるネット上の中傷・暴言などの把握に努めています。
来年度からは、新たに、不登校支援サポーターと家庭支援員を配置することとしており、このうち、不登校支援サポーターにつきましては、担当教員が、外部機関との連携やケース会議の運営などに十分従事できるようにするため、本来、その教員が受け持つ授業の一部を代わって担当する非常勤講師を不登校支援サポーターとして配置するものであります。
また、家庭支援につきましては、長期にわたり学校等に通えず、引き籠もる傾向が見られる児童生徒の家庭を訪問し、学校等とのつながりや教育機会の確保に向け支援するもので、スクールカウンセラー経験者等の中から任用する予定であり、教育支援センター「ひまわり」や福祉部局と連携しながら、取り組むこととしております。
次に、不登校支援のうち、初めに、不登校児童生徒へのリモート授業の活用などについてお答えいたします。
これまで不登校の児童生徒に対しては、家庭訪問やお便り、プリントの配布などにより、学校や教員とのつながり、学習の機会を設けてきておりましたが、1人1台の学習用端末が整備されたことから、リモート授業など、学校と不登校児童生徒をつなぐ
ツールとして活用し始めたところであります。
不登校児童生徒の状況は様々であり、全ての子供たちがリモート授業を受け入れられるわけではありませんが、教育支援センター「ひまわり」に通っていた中学生が、一昨年の秋から、学校とのリモート授業を重ねた結果、翌年の春には学校に復帰することができた事例や、長期欠席していた小学生が、リモート授業で担任や級友と関わることにより、円滑な復帰につながった事例があります。
リモート授業のフォローにつきましては、担当の教員が、各授業後に簡単にまとめや振り返りをしており、感想などを聞きながら相談に応じているほか、家庭訪問や、放課後、学校に来た際に、家庭での学習の様子を確認しております。
リモート授業の出席扱いについては、令和元年10月に出された文部科学省の不登校児童生徒への支援の在り方についての通知に基づき、オンラインを活用して学習指導を受けるなど、自主学習に一定時間取り組んだ場合は、校長の判断により出席扱いとしております。
次に、スクールカウンセラーなどの専門家を含めたチームでの支援と課題についてでありますが、心理の専門家であるスクールカウンセラーは、各中学校に1週間に1日程度、各小学校には2週間に1日程度の勤務・従事となっており、また、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーは、月に一、二回、半日程度勤務となっております。
それぞれ、教員と共に個別に児童生徒や保護者の相談等を受けているほか、管理職や生徒指導担当を交えたケース会議等にも参加し、適切な支援ができるように指導・助言を行っており、チーム学校の一員として欠くことのできない専門家となっております。
課題としましては、県で任用しているスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーは、市内の小中学校への配置時数が十分ではなく、学校からの訪問の要請に応え切れていない状況であります。
また、多くはないものの、教員の中には、スクールソーシャルワーカーの役割について、十分理解せず、専門的な見地からの助言等を受けずに指導・支援を行っている教員が見られます。
引き続き、県に対し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置時数の増加を強く要請するとともに、全ての教員に対し、改めて専門家の助言・指導の有効性を伝え、より適切な支援が行われるよう取り組んでまいります。
以上であります。
180:
◯議長(
戸塚哲夫) 13番 立石議員。
181: ◯13番(立石泰広) それぞれ御答弁いただきました。それでは、再質問をさせていただきます。
まず、2、生活困窮者の緊急支援対策の(3)でございます。
子供の貧困対策として、現状の支援、また、今後の拡充、御説明いただきましたけれども、1点目。
とりわけ、育児をしながら仕事をしている、こうした独り親家庭の課題を把握しまして、母子、父子の自立支援のための相談体制を強化していく必要があると考えますが、御見解をお伺いします。
また、(3)に関連しましてについて、もう一点。2月19日付の全国紙の新聞の報道によりますと、フードバンクの活動がセーフティーネットとしての存在感を増している中、事業を行う団体が、要請に対応できないケースが生じていると。コロナ禍に伴う雇用環境の悪化や、物価高騰などの影響で生活困窮者、支援としての需要が拡大しているため、との記事が掲載されました。
本市におきまして、需要に対して十分供給できているのか。また、利用者への周知は、問題なく行われているか、ここをお伺いいたします。
それから、4番目の三沢川の河川維持管理につきまして、再質問をさせていただきます。
この三沢川の状況を、市の認識をお伺いしましたけれども、いずれにしても、二級河川でありまして、期成同盟会がございます。したがいまして、期成同盟会を通して、効率よく要請していく、ここが重要だと考えております。
そのためにも、しっかりと地元の要望を反映させて、また、要望の結果を地元にフィードバックしていく。こういった仕組みが必要と考えますけれども、これについての見解をお伺いします。
以上です。
182:
◯議長(
戸塚哲夫) 安形市民生活部長。
183: ◯市民生活部長(安形恵子) それでは、私から、生活困窮対策のうち、独り親の家庭の課題把握等についての御質問にお答えをさせていただきます。
独り親家庭の課題につきましては、独り親の方が家庭生活をしていく中では、仕事のこと、子育てのこと、家計のことなど様々な困り事に直面するということで考えております。そういった方に対して、やはり、しっかり暮らしに役立つ情報を届けるということで、まず、県のこども家庭課が出しております、ひとり親家庭のしおり、また、浜松市にある、ひとり親サポートセンター、こういった情報をしっかりと、相談窓口では、まずは提供させていただいておりますとともに、しあわせ推進課をはじめ、社会福祉協議会、また、家庭児童相談室、保健センター等の関係機関が連携を図って相談体制を整えているところでございます。
今後につきましても、来年度は、しあわせ推進課にも精神保健福祉士という、専門職を任用する予定でございますので、相談体制の強化に努めて、しっかりと寄り添った支援に努めてまいりたいと存じます。
次に、フードバンクの事業でございますが、こちらにつきましては、NPO法人のフードバンクふじのくにと協力して、袋井市も行っております。こちらにつきましては、緊急食糧支援と合わせましても、令和4年度につきましては、424件ということの実施をさせていただいておりまして、令和3年度よりも多い件数に対応しているところでございます。
こういったところの、緊急的に食糧を支援するというところにつきましても、備蓄にも努めたりしまして、情報提供も市のホームページであるとか、それぞれ各支所の相談窓口でしっかりと相談対応できるように努めておりますので、こういったところの情報提供にも今後もさらなる周知を図って実施をしてまいりたいと存じます。
以上、答弁とさせていただきます。
184:
◯議長(
戸塚哲夫) 石田都市建設部長。
185:
◯都市建設部長(
石田和也) 私からは、三沢川の関係についての再質問をお答えさせていただきたいと思います。
議員から提案のあった二級河川弁財天川水系改修促進期成同盟会、こちらの関係でございますが、こちらにつきましては、袋井市が事務局となってございまして、構成市町としては、東隣となります掛川市と、2市で構成している同盟会となってございます。例年秋口に、県に対して要望活動を行っているということで、少し要望の内容を申し上げますと、まずは、河川改修事業の促進というようなことで、河口部分の閉塞が、かなりこちらの河川、著しいというようなことでございますので、そこを重点的に要望させていただくとともに、三沢川全体の河川改修の促進、こういったところであったり、あと河川の維持管理事業の促進、それから総合的な治水対策事業の促進、それから地震津波対策の推進、こういった、主に4項目について要望をさせていただいておりまして、県のほうからは、河川事業に要する費用を着実に確保した中で、対応していきたいと、このような答弁をいただいているところでございます。
議員から、結果を地域のほうへきちんとフィードバックしたほうがいいんじゃないかというような御提案をいただきましたので、構成市町となります掛川市のほうと、よく相談をさせていただいて、同盟会の会議の開催形式につきましても、昨今、災害の激甚化、頻発化しておりますので、少し、掛川市と共に相談をさせていただいて、この同盟会の活動についてもどうするかというようなところを一度、相談をさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
答弁は以上とさせていただきます。
186:
◯議長(
戸塚哲夫) 以上で、13番 立石泰広議員の一般質問を終わります。
以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
次回は、明日午前9時から会議を開き、引き続き市政に対する一般質問を行います。
本日は、これにて散会いたします。
(午後4時41分 散会)
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