御殿場市議会 2020-03-04
令和 2年 3月定例会(第4号 3月 4日)
令和 2年 3月定例会(第4号 3月 4日) 令和2年
御殿場市議会3月
定例会会議録(第4号)
令和2年3月4日(水曜日)
令和2年3月4日午前10時00分 開議
日程第 1
代表質問(いずれも
一括質問一括答弁方式)
17番 勝間田 幹 也 議 員(会派 改新)
*
市長施政方針について
21番 髙 橋 利 典 議 員(会派 新政)
*
市長施政方針について
16番 勝間田 博 文 議 員(会派 公明党)
* 令和2年度
市長施政方針等について
8番 髙 橋 靖 銘 議 員(会派 新風ごてんば)
* 令和2年度
市長施政方針について
〇本日の会議に付した事件
議事日程に同じ
〇出席議員(21名)
1番 阿久根 真 一 君 2番 林 義 浩 君
3番 勝 又 英 博 君 4番 本 多 丞 次 君
5番 芹 沢 修 治 君 6番 中 島 宏 明 君
7番 川 上 秀 範 君 8番 髙 橋 靖 銘 君
9番 菅 沼 芳 德 君 10番 永 井 誠 一 君
11番 土 屋 光 行 君 12番 杉 山 護 君
13番 神 野 義 孝 君 14番 田 代 耕 一 君
15番 小 林 恵美子 君 16番 勝間田 博 文 君
17番 勝間田 幹 也 君 18番 高 木 理 文 君
19番 辻 川 公 子 君 20番 黒 澤 佳壽子 君
21番 髙 橋 利 典 君
〇欠席議員
な し
〇説明のため出席した者
市長 若 林 洋 平 君
副市長 瀧 口 達 也 君
副市長 勝 又 正 美 君
教育長 勝 亦 重 夫 君
企画部長 井 上 仁 士 君
総務部長 梶 守 男 君
市民部長 志 水 政 満 君
健康福祉部長 芹 沢 節 已 君
環境部長 勝 又 裕 志 君
産業スポーツ部長 田 代 明 人 君
都市建設部長 橘 髙 健 二 君
危機管理監 杉 本 嘉 章 君
会計管理者 鈴 木 秋 広 君
教育部長 田 代 学 君
消防長 村 松 秀 樹 君
総務課長 山 本 宗 慶 君
秘書課長 芹 澤 勝 徳 君
〇
議会事務局職員
事務局長 田 原 陽之介
議事課長 岩 岡 俊 峰
課長補佐 佐 藤 歌 愛
主任 渡 邊 一二司
○議長(
神野義孝君)
出席議員が法定数に達しておりますので、会議は成立いたしました。
○議長(
神野義孝君)
ただいまから、令和2年
御殿場市議会3月定例会を再開いたします。
○議長(
神野義孝君)
直ちに、本日の会議を開きます。
午前10時00分 開議
○議長(
神野義孝君)
本日の会議は、お手元に配付してあります日程により運営いたしますので、御了承願います。
○議長(
神野義孝君)
日程第1 「
代表質問」を行います。
最初に、会派改新を代表して、17番
勝間田幹也議員の質問を許します。
17番
勝間田幹也議員。
○17番(
勝間田幹也君)
おはようございます。私は会派改新5人を代表し、
代表質問を行います。
市長施政方針において、令和2年度当初予算(案)は、歳入では、その根幹をなす市税収人が、
法人市民税の税率改正や近隣市の企業移転による本市への影響により、前年度に比べ、1.4%の減額計上となり、さらに、
普通交付税については、引き続き不交付団体を見込み、
普通交付税の代替である
臨時財政対策債が歳入として計上できないなど、依然として厳しい状況にあるとのことであります。
そんな中、昨年に引き続き、
予算編成は、厳しい財政状況を鑑み、
予算編成示達で350億円台を目標に、昨年度に引き続き企画部門と財政部門が連携し、施策の中心となる3か年実施計画と予算を関連づけるなど、早い時期から一体となった
取り組みを行い、職員の皆様が掲げられた目標に向かい、寸暇を惜しまずに取り組まれ、その結果、一般会計の予算額359億1,000万円については、目標である350億円台がクリアできたものとして評価するものであります。
一般には予算規模が大きければ
市民サービスの充実が図れ、よいと判断される方もいるかもしれませんが、令和2年度市税全体では前年度比で2億1,200万円余の減額計上となっています。限られた財源でより効果的な施策の展開を図り、最大限の効果を生み出す必要があり、身の丈に合った
財政運営が必要であることはいうまでもありません。
これらを踏まえ、「
御殿場型NPM」の基本理念に基づき、全職員が市の置かれている状況や課題を共有し、将来にわたって健全な
財政運営ができるよう、歳入に見合った適正な予算規模とすべく、事業の選択と集中、効率化・重点化に取り組んでいくとのことであり、最少の経費で最大の効果を上げることを改めてお願いするところであります。
基本姿勢において、市の将来都市像である「緑きらきら、人いきいき、
交流都市御殿場」の実現を目指し、市民の皆様の幸せを最優先に考えながら、
SDGsを引き続き力強く推進し、誰一人取り残すことなく、全ての市民が輝ける
まちづくりを目指し、笑顔と活力と魅力にあふれたさまざまな施策に全力で取り組んでいくとのことであり、
重要施策については「
経済活性化」、「
地域医療体制及び
子育て支援の充実」、「
危機管理体制の強化」、「魅力発信の強化及び移住定住の促進」を重点施策として位置づけられています。基本的にぶれることなく市民の幸せ実現に向け取り組まれています。
令和2年度多くの具体的な施策の中から、5項目について、市長3期目の4年目を迎え、市政運営の評価と今後の展望について、以下お伺いいたします。
1項目め、
経済活性化策の
取り組みである
企業誘致と
経済対策事業についてであります。
平成26年度から
企業誘致を開始した
板妻南工業団地は、平成29年度には7区画全てにおいて進出企業が決定し、操業を開始しています。現在造成を進めている(仮称)
夏刈南部工業団地、約4.6haも伐採作業が始まり、造成工事が本格化しています。
本市は、豊かな自然環境の優位さに加え、新
東名高速道路に伴う新たな(仮称)
御殿場インターチェンジ、国道138
号バイパスの整備や
団地間連絡道路の建設、さらには
駒門スマートインターチェンジ開通等、
交通インフラの充実が図れ、将来性豊かな
工業用地となります。この地の利を生かした
進出希望企業の募集をどのように推進していくのか。
また、3項目めの質問と関連しますが、
企業誘致と並行し、住まいの提供、宅地創出も必要となります。働く場所、「職」と住む場所、「住」のバランスを考えた施策展開が必要と考えます。そして、市内既存の企業・事業所の事業拡大を踏まえ、支援の充実が求められ、
工業用地の提供も必要となってきます。
また、
経済対策についてですが、「御殿場市
緊急経済対策住宅建設等助成事業」や「
環境美化経済対策助成事業」を実施し、効果を上げてきましたが、いよいよ東京2020
オリンピック・
パラリンピック大会が開催されます。
そこで、本市の魅力を世界に発信していく千載一遇のチャンスであります。この好機を次の
経済対策にどのように生かしていくのか、
企業誘致と
経済対策事業の今までの事業の評価と今後の展望についてお伺いいたします。
次、2項目め、
子育て支援の充実策についてであります。
「真の
子育て支援日本一」の実現に向け、
子ども医療費助成や
放課後児童健全育成事業などを継続するとともに、第3子以降
子育て応援手当支給事業、
幼稚園給食の本格実施、小中学校における
学校給食費の助成を継続するなど、多くの
子育て支援の充実策が掲げられています。
そんな中、第3子以降
子育て応援手当支給事業が新規事業としています。これらの事業を推進する中、今、
子育て支援で何が必要か、何を優先して取り組んでいくのか見きわめることが大変に重要であると考えます。
冒頭申し上げましたように、限られた財源の中で最少の経費で最大の効果を上げることが必要と考えます。
子育て支援の充実策の今までの事業評価と今後の展望についてお伺いいたします。
次、3項目め、移住・定住を含めた
まちづくり施策の充実策についてであります。
重要施策の中で、民間活力の導入や
関係自治体との連携等さまざまな要素の相乗効果により、人口が増え続けるまちを目指すとしています。
本市の現状は
市街化調整区域においては、人口の減少傾向が見られています。そこで、既存の集落内で、将来の
人口バランスを整え、小規模かつ段階的に宅地創出を進め、
子育て世帯を呼び込むことで、
世代バランスのとれた
コミュニティを形成する事業として、第1弾として、印野地区で開発、販売した「星空の郷
御殿場高原・堀金」は、8区画完売となり一定の成果があらわれています。現在第2弾として、玉穂地区に「ふじ桜の郷
御殿場高原・大子山」を10区画造成中であり、効果が期待されます。
今後、移住・定住を一層促進していくために、本市に魅力を感じ愛着を持ち、住む方がかかわって地域をよくしていこうとする
取り組みにする必要があります。
施策展開する中で、移住された人々が安定して働ける環境を整備し、それと同時に、既に地域に暮らす人々の生活を守ることも重要であります。
地域経済を活性化させ、安定した収入を得られやすくするためには、
情報通信技術ICTを活用すると同時に、地域にある資源を生かしていく事業展開を推進していくことも必要と考えます。
そこで、本市の移住定住を含めた
まちづくり施策の評価と今後の展望についてお伺いいたします。
次、4項目め、2020
オリンピック・
パラリンピックの
レガシー活用についてであります。
オリンピック開催により生じる
レガシーは、「スポーツ・
レガシー」(
スポーツ施設の整備、
スポーツ参加の向上)、「
社会レガシー」(文化・教育・民族・歴史認識の向上、官民の協働)、「
環境レガシー」(環境都市への再生、新エネルギーの導入)、「
都市レガシー」(都市開発、
インフラ整備)、「
経済レガシー」(雇用創出、経済の活性、観光客の増加)の5つに分類され、それぞれに有形・無形のものが存在するとしています。
これらは現代社会における課題と密接に関係するため、開催都市は大会開催をてことた社会課題の解決手段や、成熟社会への転換のあり方の提示という大きな命題を受けると言われています。
そこで、本市においても東京2020
オリンピック・
パラリンピック大会開催を一過性のものにすることなく、
オリンピック・
パラリンピックの
レガシーをどのように生かしていくかお伺いをいたします。
最後、5項目めとなります。
本市の
財政運営については、日本経済は全体として国の
経済対策の推進により、長期にわたる回復基調にあるものの、本市においては歳入では、その根幹をなす市税収人が前年度に比べ、1.4%の減額計上となりました。また、
財政調整基金も11億9,000万円取り崩し、財源充当しています。
このような厳しい状況下の中で「誰もが安全に安心して暮らせる防災・福祉の
まちづくり事業」、「真の
子育て支援日本一を推進する
まちづくり事業」、「富士山の麓・
交流都市御殿場の魅力を活かす
まちづくり事業」の3つを重点事業として、3か年実施計画に掲げる
重要施策の実現に向けた
予算編成を実施しています。
私
ども会派改新は前期から
市長政策要望の際には1丁目1番地として「事業の選択、優先順位づけについて」
収支バランスを取りながら、事業の優先順位と見直し、取捨選択を明確にするよう要望してきました。今回、新しい期となり、5人で話し合い、引き続きこの件については「身の丈に合った
財政運営となっているか。」しっかりと当局と話し合っていこうと確認をしたところでもあります。
そこで質問となりますが、令和2年度施策展開をする上での
財政運営の留意点についてお伺いいたします。
以上、5項目よろしくお願いいたします。
○議長(
神野義孝君)
市長。
○市長(若林洋平君)
おはようございます。それでは、私のほうから、ただいまの
代表質問についてお答えをさせていただきます。
まず、会派改新の皆様におかれましては、私の
施政方針を熟読をいただきまして、
代表質問をしていただきましたことを心より感謝を申し上げます。
それでは、
経済活性化策として、2つの点、
企業誘致と
経済対策事業の観点からお答えをさせていただきます。
まず、
企業誘致の評価について申し上げます。
平成26年度から誘致を開始をいたしました
板妻南工業団地につきましては、平成29年度には7区画全てに進出企業が決定をし、現在、活発な事業活動を展開していただいているところであります。
誘致に当たりましては、私や副市長による
トップセールスを含めた活動をはじめ、当市の自然、インフラなど、環境、補助制度の優位性、産業振興に対する姿勢なども企業から評価をいただき、早期完売につながったものと考えております。
このことにより、税収は確保され、多数の新規雇用が生まれております。また、市内既存の企業、事業所におきましては、副市長の企業訪問によります情報交換とニーズの把握に努めた結果、非常に企業と近い関係の構築に高い評価をいただいているところであります。
今後の展望につきましては、現在造成を進めております(仮称)
夏刈南部工業団地や、新たな
工業用地として予定をしております
板妻南工業団地北側地区等への誘致活動により、さらなる
地域経済の活性化を図ってまいります。
次に、
経済対策についてですが、これまで住宅の新築及び
リフォームを対象としました
緊急経済対策助成事業を、また、店舗、事業所等の新築及び
リフォームを対象といたしました
環境美化経済対策助成事業を実施してまいりました。高い
経済波及効果に対し、広く市民、事業所、商店等からも、とても大きな評価をいただいているところであります。
今後の展望につきましては、引き続きさまざまな
経済活性化を講じるとともに、観光の側面から見てみますと、さらなる魅力の創出を図ることで、国内はもとより、
訪日外国人旅行者の誘客や消費促進につながる施策を展開してまいります。
また、活気ある強い御殿場の産業の発展を目指し、東京2020大会後、時機を捉えた新たな
経済対策等を実施することにより、企業が安心して力強く
経済活動を行うことができる
まちづくりに取り組んでまいります。
次に、
子育て支援の充実策についてお答えをさせていただきます。
まず、評価についてでございますが、少子・
高齢化社会が急速に進展する中、人口が増え続けるまちを目指す当市としましては、出生率の向上、人口増を目指し、真の
子育て支援日本一のまちを掲げ、幅広い施策を実施しております。
結婚・妊娠・出産から、乳幼児期を経て小中学校、高等学校から大学等への進学といった各ステージにおきまして、さまざまな方向からの
取り組みを行っております。
子育て期全般を通じた支援策としましては、他に例を見ない先進的な
取り組みとしての
発達相談センターの設置をはじめとして、妊娠、出産、子育てを通し、長期にわたるさまざまな場面において、幅広い支援策を常に他市町に先駆けて実施をしてきたところでございます。
特に念願でありました
公立幼稚園の給食につきましては、いよいよ来年度から本格実施をし、毎日提供することにより、幼稚園の魅力向上を図ります。
静岡県全体の人口が、5年前と比較しまして約6万人、1.6%減と減少傾向が続いている中、当市においてはさまざまな施策を展開してきた結果、人口規模はほぼ維持されているという状況でございます。こうしたことは真の
子育て支援日本一のまちの実現に向けたさまざまな
取り組みを行ってきたからこその結果であるものと評価をしております。
今後の展望としましては、
市子ども条例の根幹にもございますように、子どもを社会全体で育成をし、支えていくための
取り組みを、
市民総がかりで行っていくことをなお一層強力に推進をしてまいります。
次に、移住・定住を含めた
まちづくりの評価でございますが、市がこの施策を進めていくに際しては、市内に住み続けていただくと同時に、市外から市内に移住をしていただくことなどを推し進めることが重要だと考えております。そのためには、まずは働く場、職の創出と、住む場所、住を合わせて考えていくことが必要でございます。そこで、各企業に対しましては、移住・定住につながる
雇用創出促進に係る補助制度などについても見直しを進めるとともに、人口の減少傾向が見られる地域に対しては、一定の条件を定め、
子育て世代を呼び込むことで、
世代バランスのとれた
コミュニティを形成する事業に取り組んでまいりました。
こうしたハード面、ソフト面、さまざまな方向から、移住・定住策に取り組んでいるところであり、静岡県全体の人口が減少傾向にある中、
子育て支援策とリンクした移住・定住策を展開してきた結果、人口規模はほぼ維持されているという状況があるものと考えております。
移住・定住を一層促進していくためには、まずは市民の皆様が当市に魅力を感じていただくこと、愛着を持っていただくこと、そして、それが市外に発信をされること、そのような
シビックプライドの醸成が必要でございます。
そのため、今後の展望としましては、引き続き戦略的な魅力発信への
取り組みなどを通じて、
シビックプライドの醸成に力を注ぎ、近隣都市間で奪い合うのではなく、大都市圏からの移住・定住の促進を図ってまいりたいと考えております。
次に、東京2020大会が順調に開催をされることを前提にお答えをさせていただきます。
目前に迫ってまいりました
オリンピック・
パラリンピックでございますが、
オリンピック自転車競技の
開催会場自治体として、静岡県、同じく開催会場となります近隣市町との連携や、民間による
マウンテンバイクコースの整備など、スポーツツーリズム、
サイクルツーリズムの推進も合わせ、官民連携、
市民総がかりで成功に導いてまいります。
こうした
オリンピック・
パラリンピックの
レガシーとして考えられることの一つに、東京2020大会を前に、急ピッチで事業を推進してきました国道138
号バイパスや関連道路といった
インフラ整備の活用がございます。
東名駒門スマートインターチェンジの開設や、新
東名高速道路の整備、そして、それらに
団地間連絡道路が接続をすることで、
経済活動を支える大動脈が機能いたします。
そして、
オリンピック・
パラリンピック開催という機会があってこそ、一歩でも二歩でも前進をしていけるチャンスがあるものとして、
交通系ICカードのエリアまたぎ利用や、通勤通学時間帯を中心とした増便、車両を増やす増結などの御殿場線の
利便性向上に向けた
取り組みがございます。これを現実のものとすれば、それこそ大きな
レガシーとなるものであると考えております。
また、
開催会場自治体でありますことから、その
レガシーとして次世代を担う
子どもたちの育成がございます。
子どもたちが世界に羽ばたく力を養う、将来に向けての学びの機会ともなります。そのためにも
イタリア空手代表チームの
合宿受け入れによる交流、
高校生ボランティアとして活躍をいただくなど、各種の
取り組みを行っております。または、行っていく予定であります。
さらには、
サイクルツーリズムの推進による地域の活性化があり、現在、店舗や民間施設の協力により、バイシクルピットの設置も進められているところであります。また、
民間事業者によりまして、
世界大会規模の大会を開催できる
マウンテンバイクコースの整備がされております。
このように官民連携して
サイクルツーリズムを推進し、本市の魅力を国内外に発信していくことが、地域の活性化につながっていくものと考えております。
いずれにいたしましても、
関係自治体はもとより、官民連携、そして
地域総がかりで東京2020大会の
レガシーを本市の未来につなげていくよう全力で取り組んでまいります。
最後に、施策を展開していくための
財政運営に対する留意点についてお答えをさせていただきます。
本市では、地方創生という大きな目標に向かい、雇用創出のための
経済活性化策、人口増につなげる
子育て支援策や、移住・定住の促進など、市が持続して発展をしていくための施策について、限られた財源を効率的かつ効果的に配分をし、粘り強く実施をしております。こうした
重要施策を継続しつつ、一連の
取り組みの中で相乗効果を狙い、時勢に合わせて見直し、拡充をしていくことで、必ずや将来的な財源の確保につながるものと考えております。
息の長い
取り組みであり、成果が出るまでに時間はかかりますが、厳しい財政状況を打開をしていくためには、これまでどおり収入増につながる継続的な施策の研究と実施、事務事業の見直しや選択と集中による支出の抑制を双方向から取り組んでいく必要があり、各種の財政指標にも注視しながら、歳入に見合う歳出にしていくことであると、そのように考えております。
さらに、本市が
普通交付税の不交付団体であるがためにこうむっている財政上のさまざまな影響についても、同じ立場にある自治体と連携し、国に対して地方創生の
取り組みに逆行している現状の説明や改善要望を強く強く粘り強く行ってまいります。
こうした
取り組みに対して特効薬がありませんが、地道な
取り組みは将来的に最も確実で強固、かつ持続可能な財政基盤を築くことにつながるものと考えております。
いずれにしましても、今後さらなる市税収入の減が見込まれるなど、大変厳しい
財政環境が想定をされる中、
御殿場型NPMの理念にのっとり、歳入歳出のバランスを考え、
住民満足度の向上につながるよう、英断をもって効果的かつ効率的な
予算編成や
財政運営に取り組んでいきたいと考えております。
以上、答弁とさせていただきます。
○議長(
神野義孝君)
17番
勝間田幹也議員。
○17番(
勝間田幹也君)
それでは、5項目の
財政運営の留意点について再質問させていただきます。
御答弁において、今後、さらなる市税収入の減が見込まれるなど、大変厳しい
財政環境が想定されるとのことであり、歳入歳出のバランスを考え、効果的かつ効率的な
財政運営に取り組んでいくとのことであります。
そんな中、
施政方針の中で触れられている歳入確保については、
ふるさと納税制度や
ソフト事業向けの
特定防衛施設周辺整備調整交付金を有効活用するとともに、各種基金の繰り入れを行うなど、所要の財源確保に努めつつ、さらに、各財産区からの御協力をいただき
予算編成をしたとのことですが、歳入確保の観点から財産区との関系性をどのように捉えているのか改めてお伺いいたします。
○議長(
神野義孝君)
市長。
○市長(若林洋平君)
それでは、ただいまの再質問につきまして、お答えをさせていただきます。
本市の誕生の歴史を振り返ったとき、財産区との関係は非常に密接であり、財産区を設置することによって御殿場市が生まれたと言っても過言ではございません。
財産区が存在しなければ、今日の御殿場市の発展はあり得ません。市と財産区が地域や市民の皆さんのため、共に歩み続けてきた結果が、御殿場市の今の姿であります。財産区とはこれからも互いに手をとり、より住みやすいまちを目指し、未来の担い手となる
子どもたちが、安全で安心して暮らせる環境づくりの極めて大切なパートナーとして、そうであると認識をしているところであります。
こうしたことから、今後、さまざまな行政課題に適切に対応していくためには、財産区の皆様と情報を共有しつつ、一つ一つ課題について丁寧に御説明を申し上げ、一緒になって地域の発展、そして市の発展のため、これまでと同様、良好な関係のもと、御理解と御協力を賜りたい、そのように考えております。
いずれにしましても、本市の行政サービスが他市町と比べて高い水準を保てているのは、例えば、公民館の整備や消防団ポンプ自動車の更新、外国人英語指導者、いわゆるALTの配置事業などの地域に根差した幅広い事業に対して御協力をいただいているおかげであると、そのように認識をしております。
市としましては、このような財産区の御協力について、さらに市民に御理解いただけるよう、機会あるごとに周知をしてまいりたいと、そのように考えております。
以上、答弁とさせていただきます。
(「終わります。」と
勝間田幹也君)
○議長(
神野義孝君)
以上で、17番
勝間田幹也議員の質問は終了いたしました。
次に、会派新政を代表して、21番 髙橋利典議員の質問を許します。
21番 髙橋利典議員。
○21番(髙橋利典君)
おはようございます。私は会派新政を代表して、
代表質問をいたします。
令和2年度の
市長施政方針が示されました。前年度と同様、「経済の活性化」・「
地域医療体制及び
子育て支援の充実」・「
危機管理体制の強化」そして「魅力発信の強化及び移住定住促進」を
重要施策として位置づけています。
地方創生を意識した政策を継続するものと受け取っていますが、人口減少社会に歯どめをかけるために、首都圏一極集中を是正し、特に若い人が当市で就職し、家族を形成して子供を産み育てる環境を構築することが重要であり、働く場所・住む場所・子育ての環境・インフラを整備し、魅力ある
まちづくりを行い、一人でも多く人口を確保し、人口の流出を防がなければなりません。
若者の就労の場の確保のために(仮称)
夏刈南部工業団地の着手、移住・定住の受け皿となる宅地創出事業として、印野に続き玉穂地区でも10区画を販売予定し、
子育て支援として新たに子育て応援手当を盛り込み、さらには新
東名高速道路等
交通インフラが整備をされ、産業や観光等地域全体が発展することを目指しています。
近隣の小山町では既に37haの大規模プロジェクトがスタートしています。裾野市では、トヨタ自動車が次世代型都市を建設し、2,000人が暮らすまちの建設が始まろうとしています。この地域が大きく変わろうとしている今、夢のある未来が市民に伝わる具体的な方向性を示すべきだと思い、以下質問いたします。
まさしく当市は、世界遺産である富士山の麓に位置し、箱根外輪山、愛鷹山、丹沢山系を望む豊富な自然に囲まれ風光明媚な地であるとともに、日本の大動脈である東名・新
東名高速道路という高規格幹線道路が整備をされ、東京圏・名古屋圏・大阪圏からのアクセスにすぐれた交通の結節点であります。富士山の湧水に恵まれ、豊かな農地や山林を有し、交通アクセスの利便性や地政学的な優位性から企業立地も進み、さらには近年増大する観光分野でも成長が見込まれています。
このように1次・2次・3次産業が併存し、かけ合わせによる複次産業化を見据える当市は、未来に向けたダイバーシティ化を進めることの可能な「まち」と言えます。具体的には、「内陸フロンティアを拓く
取り組み」として幾つかの計画を進め、少子・高齢化が進む中で「人口が増え続けるまち」を目指し、子育て環境の整備や働く場の整備を行っていて、
地域経済の持続的成長を図る点で、有効な手段であるとして評価するところでもあります。
そこで、静岡県が進める「ふじのくにフロンティア推進エリア」の認定を契機に、御殿場市の諸プロジェクト充実に期待をしたいと思います。当市は現在「豊かな暮らし空間創生住宅整備促進区域」として、印野地区において優良な住宅地8区画の造成を終了していますが、新たに玉穂地区で進めている「ふじ桜の郷
御殿場高原・大子山」について、この推進地域である、既存集落の周辺エリアを「安心して暮らせる・
世代バランスの取れたにぎわいのあるコミニティとして形成」し、恵まれた環境を生かして新たな
経済活動を創生し、さらに合わせて「災害時の対応として防災・減災力の向上」を推進すべきと考えています。
その根拠としては、第1に、低出生率が継続する中、平成30年総務省のデータによると、2015年時点で2040年を予想すると、御殿場市の人口は11%から20%の範囲内で減少すると示されています。純粋に市内の現人口だけを頼って人口増を目指すことの限界に鑑み、
子育て世代の移住促進を図らなければならないことであります。
第2に、近年、当市に隣接する市町に宿泊施設が新たに整備されていますが、ほとんどがインバウンドをマーケットとしており、実際には富士山の景観や当市が持つ「優良な観光資源環境」をゆとりをもって堪能する宿泊施設は不足していること。
第3に、新東名の整備に伴い、市内の通行車両の増加は明らかな中で、ネクスコ中日本の2018年時点でのデータによると、静岡県内東部断面エリアで1日11万台程度とされ、1時間当たりでも5,000台前後の車両が通行していることになります。東日本大震災に近い地震が発生した場合、市民の生命・財産を最優先で守るべきであるのは言うまでもありませんが、大規模災害が発生した場合、インバウンドを含め当市を訪れていた観光客や、東名・新
東名高速道路にて通過中の車両はそのまま被災民となるおそれがあるので、大規模災害等への対応力のある助け合えるまちとしての対応も事前に熟考しておくべきと考えます。
これらのことを踏まえ、「安心して暮らせるまち」の実現に向けては、計画地周辺に医療施設や介護施設の誘致や住宅整備の民間活力を誘致し、これらの新規施設で働く職員の寮や社宅を併存させ、職住接近として自然災害の際も施設内で生活している高齢者の生命をより守りやすくなり、合わせて、医師・看護師・介護士等の有資格者が配置されていることから、災害時での地域の避難所としても活用し、広域型にて生命や健康を守ることのできるエリアとすることが可能となります。
また、現在の「星空の郷
御殿場高原」を拡充し、新規施設で働く比較的若い世代の定住化が可能になり、地域
コミュニティに溶け込み、かつ子育てを行える環境整備で「
世代バランスの取れたにぎわいのまち」が形成できると考えます。
「新たな
経済活動が生まれるまち」のためには、恵まれた自然環境に、ゆとりをもって堪能できる優良な観光施設、例えばホテルやコテージ、オートキャンプ場、グランピング場を誘致することは期待が大きく、経済的にも期待ができます。
以上のことから、スマートサービスエリアの整備が進む中で、地方都市で比較的広大な土地を有するエリアにおいて、広域型大規模災害避難エリアとして、新たな都市計画施設とも言える土地利用開発モデルになり得るのではないかと考えます。これらを進めるには、都市計画法・森林法・農地法等の制約がありますが、未来を見詰めるべき2020年現在、低成長期にある我が国の現状と、少子・高齢化が進む未来に、まず、ふじのくにフロンティア推進エリアを活用した上で、土地利用の方針を打ち出し、未来の方向性を示すことが市政に求められているものと思います。当市の見解をお伺いいたします。
○議長(
神野義孝君)
市長。
○市長(若林洋平君)
それでは、ただいまの会派新政の皆様の
代表質問に対しましてお答えをさせていただきます。
会派新政の皆様におかれましても、
施政方針を熟読いただいた上で
代表質問をいただきましたことを、心より感謝を申し上げます。
静岡県が進めます内陸フロンティアの第2期であるふじのくにのフロンティアを拓く
取り組みにつきましては、昨年11月、令和3年度に全線開通を予定しております
団地間連絡道路と箱根側行政境に囲まれた本市の市街地のほぼ全域を含むエリアをすぐれた環境と景観の
まちづくりを通じた
地域経済の活性化を一層促進させる御殿場エコガーデンシティ産業立地促進エリアとして、ふじのくにフロンティア推進エリアの県内認定第1号を受けたところであります。
持続可能な社会の構築に向けたエネルギー利用や脱炭素社会のあり方を
地域経済の好循環へとつなげていきますエコガーデンシティ実現のための
取り組みが、先導的なモデルとして評価をされたものであり、これにより企業に対しまして用地取得、新規雇用、建物設備投資に係る支援や融資、及び利子補給等の県の支援が得られることとなりました。内陸フロンティアとして認定を受け、平成26年度から誘致を開始した
板妻南工業団地は、平成29年度には7区画全て進出企業が決定をし、現在活発な事業活動を展開していただいているところでございます。
誘致に当たっては、私や副市長による
トップセールスを含めた活動をはじめ、当市の自然、インフラなどの環境、補助制度の優位性、産業振興に対する姿勢などが企業から高く評価をされ、早期完売につながったものと考えております。こうした
企業誘致の成功が税収増につながり、多数の新規雇用を生み出しております。
今後の展望として、フロンティア推進エリア内において、現在造成を進めております(仮称)
夏刈南部工業団地や新たな
工業用地として予定をしております
板妻南工業団地北側地区等への誘致活動により、さらなる
地域経済の活性化を図ってまいります。
これらは一例でございますが、ふじのくにフロンティア推進エリアの県内第1号認定を受けた強みを最大限に生かし、本市に進出を検討しております企業の後押しとなる、企業に選ばれる土壌づくりをなお一層進めてまいりたいと考えております。
そして、併せて重要なことが、こうした
取り組みを
子育て世代の移住・定住につなげていくことでございます。現在、移住・定住につながる
雇用創出促進に係る企業への補助制度などについて見直しを進めるとともに、人口減少傾向が見られる地域に対しましては、一定の条件を設けた、宅地創出事業を進め、
子育て世代を呼び込むことで、
世代バランスのとれた
コミュニティを形成する事業に取り組んでまいります。実際に取り組んでいるところであります。
その第1弾として実施をしました「星空の郷
御殿場高原・堀金」は、議員の御発言にもございますが、県の内陸フロンティアの認定を受け、おかげさまで8区画完売となりました。現在第2弾として、玉穂地区に「ふじ桜の郷
御殿場高原・大子山」を10区画造成中でございます。
このように
企業誘致など、働く場所、職の創出と、住む場所、住を合わせて考えていくことは、本市の活性化、地方創生を考えていく上で非常に重要であり、そのための
取り組みを推進してまいります。
一方で、観光の側面から見てみますと、さらなる魅力の創出を図ることで、国内はもとより
訪日外国人旅行者の誘客や消費促進を進めていくことが重要でございます。そのためにも宿泊施設の誘致も進めておりますが、議員御指摘のゆとりを持って堪能できる宿泊施設の誘致も一つの重要な要素であると認識をしております。
そして、これは東京2020大会の大きな
レガシーの一つとなると考えられますが、大会に向けて急ピッチで事業推進をしてまいりました国道138号線バイパスや関連道路といった
インフラ整備の活用がございます。東富士五湖道路と一体となり、また、
東名駒門スマートインターチェンジの開設や、新
東名高速道路の整備と相まって、また、これらと
団地間連絡道路が接続をすることで、相乗的に効果を高めあい、本市における交流人口の増、
経済活動の活発化を支える大動脈となってまいります。
当然のことながら、これらインフラの整備は、大規模災害が発生した場合の避難路、輸送路、緊急搬送路、その他さまざまな役割を担う、まさにフロンティアを突き抜ける命の道路として役割も果たし、さらに、災害に強い
まちづくりの根幹を支えるものでもございます。これらを最大限に活かし、既存集落内において、議員の御指摘の医療施設、介護施設、職住近接の住宅地整備、宿泊施設や観光施設など、市の土地利用構想に沿ってあらゆる可能性を広げていくことが、御殿場エコガーデンシティ産業立地促進エリアに込めた想いであります。
このようにさまざまな施策を複合的に進めることは、誰一人取り残さない
SDGsの目標達成につながるものであり、未来に向けた多様性を受け入れる社会、すなわち都市ダイバーシティ化、そして移住・定住のさらなる推進にもつながるという好循環を生み出すものと捉えております。
さまざまな法令上の制約もございますが、既成概念にとらわれることなく、
SDGsの理念のもと、人口が増え続けるまち、真の
子育て支援日本一のまち、誰一人取り残さない全ての市民が輝けるまち、そんな御殿場の未来像に向かって着実に各種施策を推し進めてまいります。
以上、答弁とさせていただきます。
(「終わります。」と髙橋利典君)
○議長(
神野義孝君)
以上で、21番 髙橋利典議員の質問は終了いたしました。
次に、会派公明党を代表して、16番 勝間田博文議員の質問を許します。
16番 勝間田博文議員。
○16番(勝間田博文君)
今回、私は通告に従い、会派公明党2人を代表いたしまして質問をさせていただきます。
新たな時代の幕開けともいうべき2020年代が始まりました。激動する国際情勢や相次ぐ災害、少子・高齢化など我々を取り巻く環境、課題が厳しさを増す中、安心と活力に満ちた未来をどう開いていくか。我々は、市政のかじ取りの一翼を担っている、その重い役割を果たしていかねばなりません。
2030年までの10年、そのスタートの年、次代の地域社会の未来を築くため、我々の使命と責任は重大であると自覚し、決意新たに出発してまいります。未来への責任として持続可能な世界を残すため、人類社会が抱える課題を包含した国連の「持続可能な開発目標」、いわゆる
SDGs、そして地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」、いずれも2030年を目標達成年次としています。
グテレス国連事務総長が、気候変動問題を「私たちの時代を決定づける問題」と警鐘を鳴らしたように、今、国際社会はこの危機感を共有しながら、持続可能な社会の構築へ、共に行動を起こし始めようとしています。
一方で、国際社会では自国中心主義の動きもあります。その中で、我が国は、政治が安定し、社会を分断するような動きも見られないことから、国際社会からは世界の平和と安定をリードし、
SDGs、パリ協定の順守へ先導役を果たしてもらいたいとの期待が強くあります。
また、国内的には、国民が安心して人生設計を描けるような地域社会づくりが求められています。今、大事なことは、人口減少や少子・高齢化など社会の構造変化に対応し、若者から高齢者まで皆が安心できる「防災・減災・復興」をはじめ「全世代型社会保障制度」の構築、「活力ある経済」など、社会のニーズに対し具体的に対策を示しながら、その実現に取り組んでいくことではないかと思います。
今回の
代表質問は、令和2年度
市長施政方針等について、大きく4点について質問いたします。
1点目、東京
オリンピック・
パラリンピックにおける当市の
レガシーの創出についての見解について。2点目、災害を生む気候変動への対応策について。3点目、全世代型の社会保障制度への対応について。4点目、中小企業をはじめとする経済基盤の構築への対応について。順次、お尋ねいたします。
最初に1点目、東京
オリンピック・
パラリンピックにおける当市の
レガシーの創出についての見解についてお聞きします。
世界の注目が集まる56年ぶりに我が国で開催される、夏の東京
オリンピック・
パラリンピック、大成功に開催することはもとより、これを機に多様性を尊重する共生社会の実現など、活力と希望あふれる地域社会の構築にもつなげなければなりません。さらに「復興五輪」と位置づけられる今大会、被災地での競技開催などを通じて災害復興を力強く進める姿を内外に発信し、勇気と希望を送る大会となるよう、全力で支援していきたいと思います。
日本
パラリンピック委員長の河合純一さんは、次のように述べています。
「
オリンピックは「平和の祭典」とよく言われますが、
パラリンピックは「人間の可能性の祭典」だと思います。」また、「英語のimpossibleは「不可能」との意味ですが、iとmの間にアポストロフィーを入れると、I'm possible「私はできる」になる。「できない」が「できる」になる。
パラリンピックはそれを示す舞台です。」と。
そのような中、当市は、競技開催市としても名を連ねております。準備や本番に向けてのさまざまな観点より御尽力いただき、関係各位に感謝いたします。
そこで、一過性のものではなく、将来に継承すべく当市の
レガシー創出の市民に向けてのメッセージとしての見解について伺います。
次に、2点目、災害を生む気候変動への対応策についてお聞きします。
現在、日本のみならず、毎年、世界各地で台風、大雨、熱波、寒波などが猛威を振るい、大規模な災害が相次いでいます。人々の生活や安全を脅かすだけでなく、世界中で多くの命が奪われています。今後も気候変動の影響で台風や集中豪雨などの自然災害は激甚化することが予想され、深刻な影響をもたらすことが懸念されています。
昨年の台風災害では、風水害特有のさまざまな課題や教訓が明らかとなりました。これらを徹底して検証し、今後の気候変動の影響による豪雨の増加などを踏まえたハード・ソフト一体の防災対策を総動員して進めていかなければなりません。
昨年のCOOP25(国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議)でグテレス国連事務総長は、「危険な地球温暖化を抑えられるか、今がまさに節目だ」と強調しました。地球温暖化が、このまま大きく進んでしまうかどうかの分水嶺に差しかかっています。気候変動を「気候緊急事態」と捉え、脱炭素社会の構築に向け、2050年を視野に温室効果ガスCO2(二酸化炭素)の排出を、吸収源も含めて実質ゼロにすることを目指す必要があります。
災害から命を守るために最も重要な視点は、「防災・減災・復興」を社会の主流に押し上げ、災害を「我がこと」として捉える当事者意識を一人一人が持つことです。それは、災害に強い社会の構築に向けた大きな土台となります。
そのためには、防災教育をはじめ、住民の避難行動につながるマイ・タイムライン(自分の防災行動計画)や災害避難カードなどの活用、地域における自主防災組織、地区防災計画などの自助・共助の
取り組みが必要不可欠です。殊に、災害時に、罹災証明を速やかに発行できる「被災者支援システム」の導入が急務であると考えられます。
以上を踏まえ、当市における災害を生む気候変動への対応策について伺います。
次に3点目、全世代型の社会保障制度への対応についてお聞きします。
「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一氏は、「40、50は、演垂れ小僧、60、70は働き盛り、90で迎えに来たら100まで待てと追い返せ」と言ったと言われておりますが、今まさに人生100年時代に突入してまいりました。誰もが安心して暮らすことのできる全世代型社会保障制度の構築に向け、年金、医療、介護などの制度改革を着実に進める必要があります。
今国会では、年金、介護、雇用などの法案提出が予定されていますが、順次、改革を進め、若者から高齢者まで、お一人お一人の活躍を最大限に後押ししていくことが必要不可欠です。とりわけ、少子・高齢化と人口減少が同時に進む我が国では、
子育て世代への支援は最優先の課題です。
少子化の問題は、教育費など経済的な負担や、仕事と子育ての両立の難しさ、子育て中の孤立感や負担感、出会いの機会の減少、年齢や健康上の理由など、さまざまな要因が上げられています。重要なことは、こうした要因を着実に解決して、希望する女性や若い世代が安心して子どもを産み育てられる社会をつくることです。
今まで当市においてもさまざまな世代に対し自治体としてさまざまなサービスを提供してまいりました。評価をするところであります。このような中、今後の当市における全世代型の社会保障制度への対応について伺います。
次に4点目、中小企業をはじめとする経済基盤の構築への対応についてお聞きします。
今、日本経済は、堅調な内需に支えられ、緩やかに回復を続けています。また、日本経済の屋台骨を支える中小・小規模事業者の生産性向上と賃上げへの支援が極めて重要です。
国は、「ものづくり補助金」や「業務改善助成金」など、生産性向上を後押しする施策を強力に進めてきました。今後は、時間外労働の上限規制や被用者保険の適用拡大なども見据え、事業者が、設備投資や従業員の賃上げに取り組めるよう、各種補助金や助成金の拡充、価格転嫁対策を含めた下請の取引のさらなる改善を行わなければなりません。
他方、事業承継も緊急の課題です。国は、個人保証を不要にする新たな信用保証制度の構築に取り組んできました。今後はこれに加えて、全国に設置される「事業引継ぎセンター」の機能強化を進めるなど、後継者未定の事業者が、円滑に技術や雇用を次世代に引き継げるよう、第三者への承継支援を抜本的に講じる必要があります。
これら、我が国における対応の中、当市においても今まで、経済基盤構築のためにさまざま施策を実施してきました。また、一歩前進するために、今後、当市の中小企業をはじめとする経済基盤の構築への対応について伺います。
大きく以上、4点の質問、よろしくお願いいたします。
○議長(
神野義孝君)
市長。
○市長(若林洋平君)
それでは、ただいまいただきました会派公明党の
代表質問に対しまして、お答えをさせていただきます。
会派公明党の皆様におかれましても、
施政方針を熟読していただいた上で
代表質問をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
東京2020大会が順調に開催をされることを前提にお答えをさせていただきたいと思います。
東京2020大会の
レガシーの創出についてですが、本市の未来にどうつなげていくか、さまざまなことが期待ができます。
まず、
開催会場自治体でありますことから、その
レガシーとして次世代を担う
子どもたちの育成につながる大きなよい影響と効果が上げられると思います。本大会をきっかけに、
子どもたちが自転車競技を含めたスポーツに積極的に取り組むだけではなく、これを機に、外国語に興味を持ってみたり、外国文化への理解を深めたり、あるいは自ら積極的に社会参画をする姿勢を育むなど、本市の未来を担う
子どもたちにとってかけがえのない世界に羽ばたく力を養う、将来に向けての学びの機会になるというふうに考えております。
イタリア空手代表チームの
合宿受け入れによる交流や、高校生にボランティアとして活躍していただくなどの
取り組みは、こうしたことへのきっかけとなる
取り組みであると考えております。
そして現在、店舗や民間施設の協力により、バイシクルピットの設置が進められております。また、
民間事業者によりまして、世界規模の大会が開催できますマウンテンバイクのコースも整備をされました。こうした
サイクルツーリズムの推進、本市の魅力を国内外に発信するための官民連携による
取り組みは、必ずや地域の活性化、
レガシーにつながっていくものと考えております。
また、
オリンピック・
パラリンピックを前に、急ピッチで事業を進めてまいりました国道138
号バイパスや関連道路といった
インフラ整備の活用、あるいは
交通系ICカードのエリアまたぎ利用や通勤・通学時間帯を中心とした増便、車両を増やす増結などによる御殿場線の
利便性向上など、今回の
オリンピック・
パラリンピック開催会場自治体という機会あってこそ、一歩でも二歩でも前進していけるチャンスであり、そのことこそが大きな
レガシーになるものと考えております。
また、現在地域の皆さんがそれぞれの立場の中で
コミュニティライブサイトの開設など、大会を盛り上げるための準備を進めていただいております。地域の皆さんが自ら大会にかかわり、楽しみ、そしておもてなしをする、そうした市民の力の結集は、都市として成長する大きな一歩、大きな
レガシーになるものと考えております。
いずれにいたしましても、東京2020大会の
レガシーを本市の未来につなげていくよう、全力で取り組んでまいります。
次に、2点目、災害を生む気候変動への対応策についてお答えをさせていただきます。
昨今の巨大な台風の襲来による甚大な被害の多発をはじめとした災害被害の激甚化など、地球温暖化に伴う気候変動の影響が懸念をされております。その要因であるとされる地球環境問題については、パリ協定の目標を達成するためにも、国際社会の一員として、また、エコガーデンシティを目指し、
SDGsに取り組む都市としてできることがあると考えております。
本年2月には、市民や事業者の皆さんとともに、脱炭素社会の実現に貢献をするため、ゼロカーボンシティへの挑戦をすることを宣言をいたしました。こうした
取り組みの積み重ねが災害を生む気候変動、地球温暖化対策に通じていくものと考えております。
そして、激甚化する自然災害に対応するための防災・減災対策も重要です。平成30年7月の西日本豪雨や昨年の台風19号等、豪雨、台風による風水害は、当市をはじめ日本国内、多くの地域に甚大な人的、物的被害をもたらしました。こうした自然災害に対して、土砂災害警戒区域等を対象とした実動避難訓練や防災出前講座、中学生を対象としたふじのくにジュニア防災士養成講座など、一人の犠牲者も出さないということを肝に銘じ、さまざまな対策に取り組んでまいります。
また、被災後に課題となってくるのが、生活再建、社会機能の回復であります。そのために平穏な生活への復帰に向けた罹災証明を速やかに発行できる体制の整備や、復旧復興に向けた体制の整備、
取り組みを推進してまいります。
いずれにいたしましても、地球温暖化対策は地方自治体としても非常に重要であります。国際社会の一員として、エコガーデンシティ、
SDGs、ゼロカーボンシティに取り組む都市として、これらの3つを主な柱とし、地球環境問題に真っ向から向き合い、広く本市の姿勢を発信してまいります。
次に、全世代型社会保障制度につきましては、全ての世代が将来にわたって安心して生活をできることを支えていくため、社会保障全般にわたる持続可能な改革について、現在、政府・与党においてさまざまな議論を行っているところであると認識をしております。
人口減少と少子・高齢化により社会保障の支え手が減り、医療や介護に係る社会保障費は増大をする中で、その財源確保は重要な課題となります。社会保障は国全体の制度、仕組みでありますので、しっかりとした議論の上で、国全体として未来を見据えた制度設計をしていくべきものと考えますが、現世代に一方的に極端な負担を求めることや、弱い立場にある方への支援を安易に下げることはあってはならないものと考えております。
私はこれまで
子育て支援を大きな
重要施策として取り組んでまいりました。それはまさしく全世代の市民が安全・安心に暮らすために
SDGsの目標の一つでもあります住み続けられる
まちづくりの実現に向けて、未来を担う
子どもたちを
地域総がかりで育てていくことが大切であるとの思いによるものでございます。
全世代型社会保障制度への対応としては、市として地方自治体としてやれること、やるべきことをしっかりと見据えて対応していくべき必要があるものと考えております。福祉の目的は、誰もが住みなれた地域で、長く安心して、生きがいを持って暮らしていけることと考えますが、福祉以外にも経済・環境・医療・文化・教育など、あらゆる分野において、
SDGsの推進による持続可能な
まちづくり、誰一人取り残すことなく、全ての市民が輝ける
まちづくりを目指すこと、そのことこそが、そして、しっかりと情報を伝えていくことこそが、市としての全世代型社会保障制度への対応と考えております。
最後に、中小企業をはじめとする経済基盤の構築への対応についてお答えをさせていただきます。
施政方針においても、重点施策として地域
経済活性化を掲げておりますが、中でも市内経済を支える企業、事業所が元気であってこそ、そこで働く皆様の生活が豊かになるものであり、それがまちの活性化、税収の増につながるものでございます。
昨年度制定をいたしました本市の中小企業振興基本条例は、まさにそうしたことを趣旨とするものであり、企業、事業所の皆様の声を直接伺い、施策に反映させるため、日ごろより副市長による企業訪問等を行うなど、企業ニーズの把握に努めているところでございます。企業からは、企業各社に寄り添うまちとして高い評価をいただいているところであります。
これからの時代に当たっては、市と市内の企業、事業所、それぞれがそれぞれの調書を活かした官民連携を一層推進していくことが必要であると考えます。先行き不透明な時代にあって、行政をスリム化し、これまで行政で行っていた事業を
民間事業者に担っていただくこと、まさに民活ですが、こうしたことを通じて、市にとっても事業者にとっても、そしてもちろん市民の皆様にとっても、相互に有益な連携体制を構築していくことが必要になっているものと考えております。
いずれにいたしましても、さまざまな方面から、市内に多く存在をいたします個人事業主や中小企業の方々へ、経済基盤の構築、強化を図ることが、本市の経済基盤の強化、活性化を考える上で、重要なポイントであるということは間違いございません。そのためにも、引き続き中小企業振興基本条例の趣旨にのっとり、市内の事業主、企業の皆様が、安心して元気に事業を展開していけるよう、施策の推進に取り組んでまいります。
以上、答弁とさせていただきます。
(「了解して終わります。」と勝間田博文君)
○議長(
神野義孝君)
以上で、16番 勝間田博文議員の質問は終了いたしました。
○議長(
神野義孝君)
この際、10分間休憩いたします。
午前11時12分
○議長(
神野義孝君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
午前11時22分
○議長(
神野義孝君)
日程第1 「
代表質問」を継続いたします。
会派新風ごてんばを代表して、8番 髙橋靖銘議員の質問を許します。
8番 髙橋靖銘議員。
○8番(髙橋靖銘君)
新会派新風ごてんばを代表しまして、通告に従い大きく4点御質問させていただきます。
ことしの2月に
御殿場市議会議員の改選を行い、新たに6名の新しい議員が当選されました。その新しい議員の1人である川上議員と今回2人で新会派を設立し、行動を共にすることとなりました。
私たち2人は議員21名の中で最も若い2人ではありますが、会派名の「新風ごてんば」の名のとおり、
御殿場市議会に新しい風を吹かせ、共に子育て中の責任世代として、これからの御殿場市の重責を担って行く覚悟で、今後の活動をしていくことをお約束いたします。
さて、令和2年度の
市長施政方針を拝見いたしますと、若林市長も今期で3期目の最終年度となり、種を撒き、実を育て、花を咲かせ、そしてさらなる大きな大輪を咲かせることができる期待させる内容となっていました。
今年度の基本姿勢にもある本市の将来都市像「緑きらきら、人いきいき、
交流都市御殿場」の実現に向け、さらに
SDGsを推進して、全ての人が輝ける
まちづくりに全力で
取り組み、何と言っても「東京2020
オリンピック・
パラリンピック」の機運醸成と成功を、万全の態勢で準備を進めているところは評価し、大会成功と
レガシー創出に向け、我々市議会も一つになって、しっかりと支援していきたいと考えるところでもあります。
今回私は、大きく4点ほど御質問をさせていただきます。
私は先の選挙戦で市民の皆様に対して、3つのことを訴えてまいりました。その一つが
子育て支援の充実です。
市長施政方針の
重要施策に「
地域医療体制及び
子育て支援の充実」とありますが、今回の改選後、当選させていただいたほとんどの議員が、
子育て支援の充実を公約に掲げていました。
また、どの地方自治体においても
子育て支援の充実を図り、子育てしやすいまちとして認知してもらい、移住・定住などにつなげ、人口を増やすための施策としています。
今までの議会でも、私を含め一般質問で、子育てに関する質問は多かったのではないでしょうか。それは
子育て支援は市民の皆様はもとより、多くの人たちが関心を持てる施策の一つだからでもあります。
市長の
施政方針は毎年必ず「真の
子育て支援日本一のまち」を掲げています。実際に出産期前から乳幼児、
子育て世代まで、多くの
子育て世代全般を通して、切れ目のない支援を行っており、しかも他市町に先駆けて、より多くの施策を実施していると思います。周囲にはそう言うパパ、ママさんたちの声も多く聞こえてきますが、それと同時に知らない市民も多く、浸透しきれていないような気がいたします。つまり周知や宣伝が余りうまくいっていないのではないでしょうか。
そこで、これだけ関心のある事業ですので、改めて若林市政になってから今まで行っている
子育て支援事業の内容と、第3子子育て応援手当事業を含む今後の
子育て支援の方向性についてをお伺いいたします。
2つ目は、「要就労支援事業」です。
国は全国で不足している労働力の確保に「外国人技能実習制度」を企業に活用するよう働きかけ、労働力不足を解消しようとしています。しかし、この制度を利用する外国人労働者はある一定の期間での雇用となり、一時的な雇用確保にしかならないのではないかとも思います。
昨今、我が国では「8050問題」などにより、中高年の引きこもりやニートなどは、内閣府の調査によると40歳から64歳の「広義の引きこもり」の推計数は約61万人、15歳から39歳の推計数は約54万人で合わせて100万人を超える当事者がいると言われております。外国人労働者を受け入れないと言うわけではなく、当市でも同時並行して労働力不足の解消に努め、働く世代を多く確保することが重要な課題となり、こういったことが当市においてもさらに貢献できるのではないでしょうか。
ちょうど1年前、平成31年3月の一般質問で、私は「要就労支援事業」について質問させていただきました。そのときの御答弁では、国に先駆け新たな事業として開始し、平成31年度までは試行期間として行い、就労できないさまざまな事情を抱えている方々に対して、きめ細やかな対応、伴走支援をして就労につなげたいとの御答弁をいただきました。
そこで令和2年度では本格的に予算計上を行いますが、今まで取り組んできた実績と評価、また商工振興課から社会福祉課への移管した背景、今後はこの事業のパイオニアとしてどのような形で取り組んでいき、進めて行くのか、また方向性、そして最終的にどこを目標としているのか改めてお伺いいたします。
3つ目は、「教育環境の整備」です。
当市の教育は、学問を教えるだけでなく、生きていくためのすべを身につけ、一人の人間として必要な資質・能力を養うとうたっていて、私もまさにそのとおりだと思う一人です。教育にはそう言ったことを教えるソフト面と、また
子どもたちが安心して勉学に励むことのできるハード面とがあります。
一昨年の夏、異常気象により市内の全小中学校に一斉にエアコンが導入されることが決定し、今年の夏は快適な教育環境が実現される予定であり、大変喜ばしいことでもあります。幸いにして当市は、財産区などのおかげもあって教育環境のレベルは高いレベルの状態ではありますが、しかし全ての
子どもたちが御殿場市どの地域においても同じレベルの環境とは言えないのではないでしょうか。
そこで、現在の教育環境の整備状況について、市内全域での小中学校の老朽化した学校施設の改修状況、またICT環境の整備、教育備品の進捗状況など、今後の教育環境整備の見通しについてお伺いいたします。
最後に、広域行政組合の負担割合についてです。これは今回私の訴えたことではないのですが、このたび初めて広域行政組合の議員になったこと、またマスコミやメディアでの報道等もあり、注視しないわけにはいきません。
組合の歴史は古く、昭和41年の組合設立以降、数回の協議を行い、負担割合の改定を行ってきました。当市議会においても、組合の状況の変化に伴い、平成20年度以降、何回も一般質問、見直し交渉に関する決議を求め、協議を行うようお願いをしてまいりました。
現在では組合設立後40年がたち、平成27年に新しいごみ焼却施設が稼働し、ごみの処理のみならず、斎場、し尿処理といった常備消防の一部を除く全ての施設が当市において稼働している状況を鑑みますと、現在の負担割合では御殿場市民は到底納得できるものではありません。
小山町の意向でもある、単純に市民、町民の実質負担額の均等化ではなく、施設のほとんどが当市にあるわけですから当市が過度の負担とならないよう、また御殿場市民が納得するような強い覚悟を持って協議に臨むべきではないのでしょうか。
そこで改めて負担金の見直しを申し出た背景と要因、またこれまでの協議の経緯と現状、そして最後に今後の協議についてお伺いいたします。
以上、4点、よろしくお願いいたします。
○議長(
神野義孝君)
勝又副市長。
○副市長(勝又正美君)
最初に、私から4点目の広域行政組合の負担割合についての御質問にお答えをいたします。
御殿場市・小山町広域行政組合の負担割合の見直しにつきましては、市議会でも幾度となく踏み込んで議論をいただき、平成24年10月に負担金割合の見直しを求める要望書、さらには平成27年2月には負担割合の見直し交渉に関する決議書の可決をいただき、市民の声を見える形で負担割合の見直しにつきまして、強く協議の要請がなされ、市もそれを踏まえて小山町との協議を進めてまいりました。
そして、協議の一つの区切りとして、平成29年8月16日に、負担割合の見直しを合意いたしました。この合意以前からも、当市は小山町からの負担割合見直しの要請に対して、小山町の事情をしんしゃくして要請を受け入れてまいりましたが、当該合意においても、小山町負担の激変を考慮し、継続協議を前提として合意に至ったものと認識をしております。
この平成29年の合意書には、今後負担割合の見直しが必要となったときは、組合設立の意義を踏まえた上で、両市町にとって適正な負担割合となるよう協議するものと付記しておりますが、平成31年3月に、RDFセンターの用地処分が全て完了したことから、当市はこれを大きな契機と考え、協議再開の準備を始めておりました。
そのような折、令和元年9月に改めて負担割合見直しを求める市議会の決議書をいただき、それに併せる形で小山町に見直し協議の申し入れをいたしました。小山町からは、現状見直しの時期ではない等の理由をもって、本年2月初旬までの約5か月間、具体的な見直し案は一切提示されず、協議そのものが拒否をされた状態となっておりましたが、2月10日付で小山町長から見直し案が提示され、ようやく事務レベルでの協議が始まったところであります。
一部事務組合を共同設置し、運営するということは、スケールメリットの発揮による事務事業の効率化やコストの低減が図れることや、同じ生活圏域におけるつながりの強化による住民生活の利便性の向上が期待できるためであります。小規模な自治体では単独では処理できない、あるいは処理を行うのに大きな負担が強いられる事務事業に対しましては、特に大きなメリットがあると考えております。
したがって小山町が強調する両市町の負担金を単にそれぞれ住民1人当たりの負担金額で論じる主張は、一つ一つの自治体同士の共同事業という側面、広域化という一部事務組合設立の大きな根拠であるスケールメリットをないがしろにするものであり、なおかつ現状の衛生3施設が全て当市に設置されていることに対する当市の負担も非常に大きく、引き続き小山町に対しまして十分な理解を求めてまいります。
当該組合設立以降、両市町の行政規模に差が開く中で、当市が小山町を配慮し、重い負担を担ってきたということ、そして、町単独で実施した場合にかかる経費との比較という側面も小山町にはよく検討をしていただき、十分な理解の上で、組合設立の本来の目的である双方に応分のメリットが得られるような見直し合意がされますよう、粘り強く協議、交渉を続けてまいります。
以上、答弁とさせていただきます。
○議長(
神野義孝君)
市長。
○市長(若林洋平君)
それでは、1問目から3問目につきまして、私のほうでお答えをさせていただきます。
新会派新風ごてんばの皆様におかれましても、
施政方針を熟読の上、
代表質問いただきましたことを心より感謝を申し上げます。
初めに、
子育て支援についてお答えをいたします。
当市といたしましては、「真の
子育て支援日本一のまち」を目指し、
子育て支援を市の最
重要施策の一つと位置づけ、本年度も
子育て期全般を通して、切れ目のない支援を実施してまいります。
妊娠・出産期には、妊婦健診、不妊治療及び不育症治療に係る費用の助成の継続や、産科医師及び小児科医師の確保に係る費用の助成を継続するほか、各種相談、支援等の充実を図り、安心して生み育てることができる環境づくりを進めてまいります。
乳幼児期には、保育の質の向上に引き続き努めるほか、市民の保育に対する多様なニーズに対応するため、一時預かり事業、延長保育、障害児保育等の保育サービスを、市と
民間事業者が一体となって推進をいたします。
学齢期には、昨年10月に開始しました小中学校における
学校給食費の助成を継続するとともに、外国人英語指導者ALTや、特別支援学級補助員の増員など、人的資源の一層の充実を努めてまいります。
また、県内トップクラスと言えます環境を構築してまいりました放課後児童クラブについては、さらなる充実を図ります。今回の突然の小中学校の休校という緊急時におきましても対応できましたのは、まさに他市町にはない充実した放課後児童クラブの体制を構築してきたからでございます。
子育て期全般を通じて、他市町に先駆けて平成24年度から対象年齢を高校生まで拡大をして助成をしております
子ども医療費助成を継続するとともに、発達支援につきましては、昨年移設し、機能強化をしました他の自治体に類を見ない
発達相談センターを中心に、関係機関と連携を図りながら、乳幼児から大人の方まで継続した支援を行ってまいります。
加えて本年度、重点事業の1つとして、新たに念願でありました
公立幼稚園の給食につきまして、現在試行で行っております週2回実施しておりますが、本年度いよいよ本格実施をし、毎日提供することにより、幼稚園の魅力向上につなげてまいります。
さらには、市民の皆様の思い、また理想の実現へ向け、第3子以降の子がいらっしゃる世帯の子育てを応援することにより、当市のみならず、全国的に喫緊の最重要課題でもあります少子化対策に資するため、応援手当の支給事業を開始いたします。本事業は、これまでのさまざまな
子育て支援施策との相乗効果により、第3子以降だけではなく、子どもを産んで育てることに対して、市が応援していることの一つのあらわれ、象徴となる事業として実施をするものでございます。
なお、当事業はおおむね3年をめどに、事業効果をしっかりと検証した上、財政状況なども踏まえ、その後の事業展開、発展についても考えてまいります。
いずれにしましても、「真の
子育て支援日本一のまち」を目指して、あらゆる
子育て世代のニーズに応えるため、これら数々の施策を一層強力に推進をしていくとともに、子ども条例の基本理念にのっとり、子どもを社会全体で育成し、支えるための
取り組みを、
市民総がかりで展開をしてまいります。
次に、就労支援についてお答えをいたします。
近年、引きこもりやニートが全国的に顕在化し、喫緊の課題となっており、当市においても約1,000人程度がこれに該当すると推測をされることから、平成31年1月より、要就労支援者相談事業を新たに立ち上げ、電話相談、窓口相談、就労に向けた伴走支援等を実施をしております。
事業開始から本年1月末までに30代を中心に、匿名の相談を含め、60名以上の方から延べ250件以上の相談があり、そのうち4名の方が企業に就職をいたしました。就労経験がない、失敗経験などで自信を喪失しているなど、要就労支援者の状況を考慮いたしますと、本人の自主的な就労活動が困難な場合が多く、長期的な支援を要することから、短期間で成果を出すことが難しい事業でありますので、今後も継続して支援をしてまいります。
これまでの相談支援の状況を見ますと、単に引きこもりだけではなく、60歳以上や精神的な病のある方なども見受けられますことから、相談者全てを就労につなげることは難しく、福祉での支援が必要と想定されるケースもあり、その場合は相談者の希望や意思を尊重しながら、就労による解決にとらわれることなく、最善の支援を行えるよう、これまで商工振興課で実施していたものを、令和2年度からは社会福祉課に事業を移すものでございます。
今後の
取り組みにつきましては、現在の電話窓口相談及び伴走支援を継続する中で、相談者の生い立ちや現在の健康状態、精神状態を十分考慮し、就労支援による経済的自立のみならず、規則正しい生活習慣を確立させる日常生活の自立、地域や社会とのつながりをつくる社会生活自立を含める形で支援の幅を広げて、一人一人の特性、状態に合わせた対応を図っていきたいと考えております。
また、今後、静岡県御殿場健康福祉センターが中心となり、行政、医療、福祉などの関係機関で構成されますネットワーク会議の設置が予定されていますことから、当市もこれに参画をし、関係機関との連携体制の構築を進め、支援の拡充に努めてまいります。
本事業は、その性質上、数値の設定は難しいものですが、相談者一人一人の目標を尊重し、就労を含め、希望する全ての方に対し、その能力を生かし、活躍できるよう支援を行っていくことで、「誰一人取り残さない」を理念に掲げる
SDGsの実現、全ての市民が輝ける
まちづくりを実現させてまいります。
次に、3点目の教育環境についてお答えをいたします。
教育環境の整備につきましては、全ての児童生徒が同様の教育環境で教育を受けれることが重要であることを強く認識をし、事業に取り組んでいるところでございます。特に施設整備におきましては、各学校の状況を十分に考慮した学校施設整備計画を立て、順次、大規模、中規模の改修を進めており、さらに並行して部分的なリニューアルを進めるなど、全ての児童生徒に快適な学習環境を提供できるよう努めております。
また、ICT関連整備や教材備品等につきましては、学校間での格差が生じないよう、小中学校単位で同じ整備を行うなど、各学校の特性を生かしながらも、基盤となる部分については、公平な整備を行っております。このように計画的に教育環境の整備を進めることができますのも、各財産区や各法人の多大なる御協力のたまものであると認識しております。
当市は、教育振興基本計画、子ども条例行動計画において、社会総がかりでの子どもの育成を目指しており、教育環境の整備においても同様でありますので、引き続き地域の皆様の御協力を仰ぎながら、地域や学校間において差のない、よりよい学習環境の維持、整備に努めてまいります。
以上、答弁とさせていただきます。
(「終わります。」と髙橋靖銘君)
○議長(
神野義孝君)
以上で、8番 髙橋靖銘議員の質問は終了いたしました。
○議長(
神野義孝君)
以上で、本日の日程は全部終了いたしました。
○議長(
神野義孝君)
この際、本席より定例会再開のお知らせをいたします。
明日3月5日午前10時から3月定例会を再開いたしますので、定刻までに議場に御参集願います。
本日は、これにて散会いたします。
お疲れさまでした。
午前11時47分 散会...