御殿場市議会 2004-09-17
平成16年 9月定例会(第2号 9月17日)
4番 石 田 英 司 君 5番 稲 葉 元 也 君
6番 勝 亦 功 君 7番 鎌 野 政 之 君
8番 高 木 理 文 君 9番 厚 見 道 代 君
10番 滝 口 俊 春 君 11番 佐々木 大 助 君
12番 勝間田 通 夫 君 13番 野 木 慶 文 君
14番 勝 又 嶋 夫 君 15番 田 代 幸 雄 君
16番 勝 又 幸 雄 君 17番 滝 口 達 也 君
18番 榑 林 静 男 君 19番 鈴 木 文 一 君
20番 小宮山 武 久 君 21番 黒 澤 佳壽子 君
22番 横 山 竹 利 君 23番 長谷川 登 君
24番 西 田 英 男 君 25番 望 月 八十児 君
26番 菱 川 順 子 君
欠席議員(1名)
2番 沓 間 貞 幸 君
説明のため出席した者
市 長 長 田 開 蔵 君
助 役 鈴 木 秀 一 君
収入役 渡 辺 勝 君
教育長 細 谷 旭 君
企画部長 菅 沼 章 君
総務部長 勝 亦 誠 君
環境市民部長 芹 沢 勝 君
健康福祉部長 吉 川 敏 雄 君
経済部長 芹 澤 頼 之 君
都市整備部長 小見山 惣 一 君
建設水道部長 水 谷 隆 君
教育部長 勝 又 親 男 君
消防長 勝間田 嘉 雄 君
総務部次長兼
総務課長 鈴 木 正 則 君
企画部企画課長 牧 野 惠 一 君
議会事務局職員
事務局長 希 代 勲
議事課長 勝間田 征 夫
課長補佐 土 屋 健 治
主 幹 勝 又 雅 樹
○議長(
鈴木文一君)
出席議員が法定数に達しておりますので、会議は成立いたしました。
○議長(
鈴木文一君)
ただいまから平成16年
御殿場市議会9
月定例会を再開いたします。
○議長(
鈴木文一君)
直ちに、本日の会議を開きます。
午前10時00分 開議
○議長(
鈴木文一君)
本日の会議は、お手元に配付してあります日程により運営いたしますので、ご了承願います。
○議長(
鈴木文一君)
この際、諸般の報告を行います。
2番
沓間貞幸議員から、所用のため本日の会議を欠席する旨の届け出がありました。
ご了承を願います。
○議長(
鈴木文一君)
本日、議席に配付済みの資料は、
議事日程(第2号)、以上でありますので、ご確認ください。
○議長(
鈴木文一君)
日程第1 「
一般質問」を行います。
最初に、24番
西田英男議員の質問を許します。
24番
西田英男議員。
○24番(
西田英男君)
私は、
長田市政について、
一般質問をいたします。
発言の要旨について申し上げますと、まず第1点目は、
長田市政1期4年間における公約の成果と
自己評価についてであります。
第2点目は、
御殿場市政の現況における課題をどのようにとらえているかについて、お伺いをします。
あわせて、
次期御殿場市長選挙への出馬の意志についてもお尋ねをしたいと思います。
長田市政は、平成13年2月に誕生いたしました。「御殿場を変えよう」を合い言葉に出馬を表明し、多くの市民の激励とご支援をいただく中、厳しい選挙戦が展開されました。現職有利の予想を覆しまして、めでたく当選の栄誉を勝ち得ることができました。月日の経つのも早く、来年の2月には1期4年の任期満了を迎えようとしております。
そこで、
長田市長が
選挙公約として掲げた
重要施策3点について、順次お伺いをしていきます。
公約の第1点目は、市民の視点に立った
行政運営をしていく。公約第2点目は、ごみ袋の無料化と
RDFごみ処理方式の問題点を情報公開していく。公約第3点目は、
世代交流多目的施設、当時は
社会福祉会館ということで、その建設を目指していくと、この以上3点が公約事項でありました。
公約実現に向けて、いかなる努力をされ、その結果、どのような成果を得ることができたか、
自己評価を含めてお伺いをいたします。
振り返ってみますと、市長は就任以来、市民の声を市政に反映する施策として、
出前懇談会を企画し、
市民ニーズの把握に努力をされた経緯がありました。私も認識しております。市民の視点をどうとらえ、
行政運営にいかように反映されたか、お伺いをいたします。
次に、公約2点目、ごみ袋の無料化についてでありますが、当初、時代の逆行であり、
ごみ減量化との整合性が問われ、実現に向けてはかなりのハードルがあるかに見受けられましたが、
長田市長は英断をふるって実現に踏み切りました。
ごみ減量化に向け、分別収集の徹底、
ごみ減量作戦の展開、ごみの資源化、リサイクル、ごみの堆肥化、
マイバッグ運動等、もろもろの対応策を市民に示し、協力要請を促してまいりました。
ごみ減量の成果、ごみに対する市民の意識をどうとらえたか、お伺いをしたいと思います。
また、
ごみ袋無料化に伴う成果について、あわせてお伺いをいたします。
次に、第3点目の
世代交流多目的施設、
社会福祉会館の建設を目指す、この点については、過日、
議会全員協議会において
基本構想が示されました。多くの議員の皆さんが、
一般質問で
社会福祉会館の必要性を市当局に訴えてきました。
福祉活動の拠点として
市民要望が高く、長年の願望でありました。過去において、
建設計画の構想もありましたが、ホップ・ステップ、そういう段階でジャンプの日の目を見ることができませんでした。
しかしながら、
長田市長は、
社会福祉会館の必要性を十二分に理解し、名前は
世代交流多目的施設ということになっておりますが、施設の内容は、より以上に豊富なものを持っておると受け止めております。
平成17年度
実施設計、平成20年には完成の運びとなる説明を受けました。今後の
取り組みと、どのような効果を目的として公約の実現を図っていくのか、お伺いをしたいと思います。
以上、公約3点についてお伺いをいたしましたが、
総体的自己評価をお答えいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、発言要旨2点目についてお尋ねします。
今日、
経済不況のあおりを受け、全国的に各自治体の
財政状況は悪化し、厳しい状況であります。税収の見通しも伸び悩み、また昨今では国の三位一体の改革、
構造改革等により、
国庫補助の
一般財源化等、地方自治体を取り巻く状況は、なお一層厳しさが増してくると予測されます。
こうした環境の中で、今日、御殿場市の抱えている課題は数多く山積していると思われます。
自主財源の確保、
健全財政の確立を図り、
市民要望に応えていくことが、住みよい
まちづくりにつながり、
御殿場丸の舵取り、すなわち市長の求められている責務ではなかろうかと思います。
山積みする
重要課題をお示しいただき、課題に取り組む政治姿勢をお伺いするとともに、
次期市長選に向けて出馬の意志について、あわせてお伺いし、私の質問を終わります。
○議長(
鈴木文一君)
市長。
○市長(
長田開蔵君)
ただいま
西田議員の方から、大きく2点に分けてご質問がありましたので、お答えをさせていただきます。
私は、新
世紀幕開けの平成13年の2月、「御殿場を変えよう」という思いから、多くの市民の皆様のご支援をいただき、
御殿場市長に就任をいたしました。早いもので1期4年を経過しようとしておりますが、市政をあずかる身といたしまして、その重責をかみしめながら、ここまで全身全霊を打ち込んでまいったところであります。
私は、
市長就任時の平成13年度、
市長施政方針の中で、またちょうどスタートの年でもありました第3次御殿場市
総合計画の実現に向けて、その推進を図っていくことや、ごみ袋の無料化を1年かけて実施すること、
福祉会館を任期中に立ち上げること、保育所・幼稚園・
学校給食業務の民営化は、今後の
検討課題とすること、そしてまた、
敬老祝い金は継続実施ししていくなどの考え方を述べさせていただきました。そしてまた、これを実行するとともに、あわせて未就学児を対象とした
乳幼児医療費の助成、水道料金の値下げと言いましょうか、値引きによる値下げ、また御殿場駅富士山駅前広場の整備、公園の整備、
多人数学級への
補助教師の配置等々、各種の事業を実施してまいりました。
さらには、2001年
ワールドゴルフ選手権大会、
サッカーワールドカップ、第58回の
国民体育大会秋季大会馬術競技会等々の各種のイベントを展開し、国内外に御殿場を発信いたしてきたところであります。
お陰さまで
議員各位はじめ広く市民の皆様のご理解とご協力をいただき、着実な歩みを推移しておりますことに、深く感謝いたしているところであります。
それでは、ご質問の初めにありました公約の成果と
自己評価でありますが、まず、市民の視点に立った
行政運営についてであります。
当時、バブルが崩壊し、
経済活動が衰退と同時に、税収の落ち込みが厳しい中で、今後の市政を運営するには、市民の声なき声を斟酌し、行政に反映することが望ましく、まず市民の目線や生活者の視点に立って物事を判断してまいりたいと、心に秘めたものであります。
具体的に申し上げますと、市民との協働事業であります
地域振興施策といたしまして
地域振興課を創設し、行政の大きな課題であります市政への
市民参加について、取り組んでまいりました。特に市民の目線での
行政運営という点では、ひざを交えて対話する
出前懇談会、
地区別対話集会、女性の市役所04などを実施いたしました。市民が主役で、より身近な市役所の実現など、市民の声を広くとらえて、市政の反映に努めてきたところであります。
さらには、
社会動向や
市民ニーズの著しい変化に対して、緊急かつ柔軟に対応することの必要性から、
行政110番的窓口と市民の悩み事などの相談機能をあわせた「くらしの安全課」や、災害に備えるべく
防災対策室、また環境問題の充実を図るための「環境課」、さらには介護保険と
高齢者福祉の窓口を一本化する「
長寿介護課」等々、それぞれ創設をいたしたところであります。
次に、ごみ問題について、申し上げます。
増え続けるごみ問題につきましては、新たに
ごみ減量月間、毎年6月ということに定めまして、
ごみ減量の意識高揚を図りつつ、市民等の協力を仰ぎながら、ごみの
減量化対策に取り組んでまいりました。
生ごみの堆肥化を推進するための
モデル事業、
マイバッグ持参運動、生
ごみ処理機の
補助事業など、
ごみ減量化対策実行プログラムに沿った
取り組みをしてまいりました。
特に平成7年度に実施した
ごみ袋有料化につきましては、ある程度の
ごみ減量に成功したものの、数年後には再び増加の一途をたどるようになり、このことを見ても、有料化と
ごみ減量が必ずしも比例するものではないことが明かされました。
そうしたことに鑑み、
指定ごみ袋無料化懇談会や、
ごみ減量等推進審議会にお諮りをいたしまして、審議、検討いただき、平成14年度から
家庭系指定ごみ袋の一部無料化を実施し、重点的な
ごみ減量化対策に
取り組み、1人1日50gの減量や、分別の徹底に努めてまいりました。
現在では、
廃棄物処理基本計画の予測値に対しまして、2,600tの減量を達成することができました。このことが市民の皆様や事業所、
廃棄物処理業者等の関係の皆様のご理解とご協力とともに、ごみの
減量意識が高まった成果であると認識をいたしております。今後も引き続き実効性のある
ごみ減量及び再
資源化対策に取り組んでまいりたいと考えております。
また、RDF問題につきましては、私の出馬表明の中でも、RDF問題は市民の目線に立って情報を公開し、透明性を持たせた上で、抜本的な解決に向かった方向づけをしない限り、市の財政を圧迫してしまうのではないか、と強く懸念を抱いたところであります。
平成10年の
試運転開始期より、発火、発煙、爆発など事故が発生するとともに、消費先の確保も容易ではなく、現在においても頻繁な機器のトラブルにより、安定的な稼動状況にあるとは言いがたく、あわせて
維持管理費も大幅に増加しており、私はこれまで検証作業や
評価委員会の提言を踏まえ、その課題解決に向けて
共同企業体とも交渉を進めてきたところでもあります。
しかしながら、双方の主張は平行線をたどりました。こうしたことのたびに、当初は静岡県
建設工事紛争審査会に、その判断を求めたところでありますが、その処理に関する特殊性から、この判断が困難なために苦渋の決断のもと、昨年の7月、
民事訴訟法による提訴に踏み切り、現在、5回目の公判を終了したところでもあります。
今後も引き続き現状について、広報紙などを活用しながら、広く情報を公開するとともに、新たな方式につきましても、関係の皆様とよく相談をし、進めてまいりたいと考えております。
次に、
世代交流多目的施設、いわゆる
社会福祉会館についてでありますが、この
世代交流多目的施設は、過去、幾度となく市民の皆様から実現に向けた要望が出され、また、
議員各位からもご質問とご意見をいただいたところでもありました。
私は、箱物に対する様々なご意見があることは承知いたしておりますが、市民が必要とし、市民が主役となって利用する施設は、必要な時に造るべきだとの考えのもとに、かつ世代を越えた
市民交流の場、
地域福祉を支える人たちや団体の
活動拠点施設として、公約の主要な柱としたわけであります。
現在の
取り組み状況についてでありますが、平成13、14年の2か年をかけまして、
福祉団体などの皆様によります「御殿場市
健やか生きがい基本計画」が策定されました。さらに、平成14、15年度には、
東富士演習場周辺まちづくり市民会議、この中で
東富士演習場周辺まちづくり計画が策定をされ、いずれの計画でも
市民活動の
拠点施設として、
世代交流多目的施設が位置づけられたところであります。
これを踏まえ、平成15年度には
防衛補助事業として建設方針を定めまして、建設地も選定をさせていただいたところであります。
今年度に入ってからは、関係課、あるいは
市民団体などの要望をお聞きするということから、それぞれのヒヤリングを重ねまして、施設の機能や規模などに関して調整を行っており、今後、庁内の
検討会議や
まちづくり市民会議の検討を経て、今年度中には
実施計画を完成させていきたいと考えています。
17年度には
実施設計、そしてまた20年度完成を目指して、全力を傾けて取り組んでまいりたいと存じますので、格別なるご理解とご協力をお願いするものであります。
以上、公約につきまして申し上げましたが、私は市民の皆様の深いご理解とご協力をいただき、それぞれの事業に
取り組み、成果があったものと評価いたしているところであります。
次に、質問の2つ目にありました課題と、さらに
次期市長選へということであります。
今、国では
地方分権の実現を図るために、三位一体の改革をはじめとする
構造改革を推進し、活力ある
経済社会と、持続的な
財政構造の構築を目標に取り組まれております。
このような国の動向の中で、本市の
行財政運営は、歳入の基幹をなす市税の減収、交付税の縮減、
国庫補助負担金の
一般財源化に伴う税源移譲や、
地方財政対策など、極めて厳しく、不透明な状況が予測されています。こうしたことから、現在景気の縮減に努めるとともに、
事務事業の見直しや
行財政改革に鋭意取り組んでいるところであります。
そこで、これからの私の考えます重要な課題について申し上げます。
初めに、何と言っても
少子高齢化の問題でありまして、
少子高齢化の進行は、
社会経済に様々な影響を及ぼすことは言うまでもありません。このため、
子育て支援総合計画や、第2次
レインボープラン御殿場21及び御殿場市
高齢者保健福祉計画などの計画に基づいて、具体的な施策の推進を図り、さらにきめ細かい
福祉サービスの充実に努めてまいりたい。また、このことが肝要なことであると存じます。
商工業施策につきましては、
中心市街地の
活性化事業推進のために、TMOを積極的に支援し、商店街の再生や
商業高度化事業の推進に努めてまいりたいと存ずるところであります。また、新たな企業誘致に努めると同時に、あわせて雇用の場の確保に努めること、また創出をすること。
農業振興は、農業を生産基盤としてのほ場整備や、担い手の育成など、その活性化を図る事業の展開。
観光では、富士山を舞台に、箱根山を客席にたとえ、
観光ネットワークづくりに努めるとともに、あわせてその観光施策の拡充を図ってまいりたいと存ずるわけであります。
道路整備につきましては、第2
東名自動車道の建設促進と、
市民生活に密着した
道路整備を進めること。
環境対策につきましても、豊かな緑と水と美しい自然など、御殿場らしさを醸し出す
環境施策に取り組むこと。
防災対策につきましては、市民への
防災意識の高揚と、緊急時の対応など、その充実強化に努めるとともに、広域的な
防災対策を的確に行えるよう、関係機関や団体との連携を図って、その一層の推進をすること。
生涯学習については、
人づくり、
地域づくりなど、いつでも、どこでも、誰でもが、生きがいを持って学べる学習環境の整備と人材育成を推進していくこと。
なお、
東富士演習場対策につきましては、ご案内のとおり、市の面積の3分の1を占める
東富士演習場は、
地域社会、
地域経済に及ぼす影響はまことに大であると認識しております。
本年度、第8次の使用協定の改定を控えまして、本協定に基づく4原則にのっとり、適切な施策を進めていくこと。
なお、市制施行50周年事業については、今年度、50年の節目を迎えるに当たりまして、来年の2月11日になりますが、今日ある御殿場市の発展のもとを築いていただいた先人の皆様の業績に対し、心より感謝申し上げるとともに、これらを記念いたしまして、
各種事業や
イベント等を開催し、当市の魅力ある情報を全国に発信していくこと。
以上、
重要課題について端的に申し上げさせていただきました。
私は、
地方分権時代にふさわしい、地に足のついた地方自治の推進を柱といたしまして、多くの市民の皆様のご理解とご支援をいただくならば、引き続いて市政を担い、道半ばの公約の具現化と、活力に満ちた魅力ある
都市づくりを目指し、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でお答えとさせていただきます。
(「了解いたします。」と
西田英男君)
○議長(
鈴木文一君)
以上で、24番
西田英男議員の質問は終了いたしました。
次に、26番
菱川順子議員の質問を許します。
26番
菱川順子議員。
○26番(
菱川順子君)
私は3点について質問をいたします。
初めに、市民の移動の際の
公共交通機関の充実についてです。
市民の
日常生活において、また通勤・通学などの
交通移動の手段として、電車を利用される方も多いと思いますが、バスの利用者も相当多いものと思います。
市の地域特性から考えれば、車社会と言われ、車によって
日常生活が営まれているものと思われる反面、運転ができない人などは、
公共交通機関を利用しなければなりません。現状のバス路線や運行時間を見ると少なく、バス停まで遠いという不便性があります。
社会参加の促進が盛んになればなるほど、
公共交通機関が便利にならなくてはいけないと思います。また、バスの利用により、環境への負担も低くできるのではないでしょうか。
例えばバス停の増加や、低料金で負担を軽減するためにワンコインバスの導入など、バスの運行の充実・拡大の支援をしていくべきではないでしょうか。
次に、
カラーバリアフリー対策について質問をいたします。
色覚障害を持つ人に日常に見られる、識別しづらい
色使い等を含む諸問題を克服するための対策です。
色覚障害には幾つかの種類があり、症状がそれぞれ異なりますが、遺伝による先天性のケースがほとんどです。
色覚障害とは、全盲、色盲、色弱に大きく分かれます。最近では
差別的表現であるとして、
色覚特性と表現されることもあるようですが、説明のためにここでは色盲、色弱と言わせてもらいます。
色盲とは、人の目の網膜にあるそれぞれの赤、緑、青を感じる視物質のどれかが欠けている状態を言います。色弱は、視物質があっても、十分な働きをしない状態を指します。
色覚障害の方が、
日常生活を送る上で、特に大きな支障があるわけではありませんが、色に関して特に赤、だいだい、緑の系統の色が紛らわしく感じることが多いようです。人によって個人差もあり、色の見え方も異なっているようです。例えば黒板に赤いチョークを使用すると、わかりにくかったり、青と緑が見えにくく、白と黄色は見やすいようです。
日本人女性では、約0.2%の500人に1人の割合で
色覚障害を持っています。これは日本全体では、男性の約300人、女性の約12万人に相当いたします。小中学校40人学級に当てはめると、男子20人の中に1人おり、また男女合わせた100人の中に2~3人の
色覚障害を持った人がいる計算になります。
このような現状を見ますと、
色覚障害が私たちの身近な存在であるにもかかわらず、他の
バリアフリー対策に比べて、意識や認識は高いとは言えない状況にあると思います。
インターネットやコンピューターの急速な普及によって、ますます多様な色彩を活用する機会が多い今日において、多くの
色覚障害の方が抱える諸問題を克服するために、
カラーバリアフリー対策を確立させる必要があるのではないでしょうか。
カラーバリアフリーは、ほかの
バリアフリー対策に比べ、つくり手側の少しの配慮でできる対策です。特に色覚異常の子供への配慮は、未然にいじめなどを防ぐことにもつながります。
15年度より学校における色覚異常の検査が、差別やいじめなどにつながることから、廃止されることになりましたが、検査の廃止に伴い、かえって教師や学校側が色覚異常の児童・生徒に対しての意識が薄れることが懸念されますが、どのような対策をお考えでしょうか。
年々カラフルな色を使用している小学校の教科書も、
カラーバリアフリーに配慮したものが必要だと思います。
また、学校での配布物や黒板を使うときのチョークの色、これは医学的見地から開発された色覚異常対応のものがあるわけですけれども、このようなことに関して、どのような対策をお考えでしょうか。
最後に、
文化芸術振興策について伺います。
2001年に文化芸術振興基本法が成立をいたしました。この基本法は、これまで培われてきた伝統的な文化芸術を継承し、発展させるとともに、独創性のある新たな文化芸術の創造を躍進させることを緊要の課題ととらえ、その振興に関する施策を総合的に推進するために制定されたものであります。
日本の文化予算が国家予算全体に占める割合は、わずか0.1%です。これは欧州諸国の10分の1程度です。また、文化芸術活動が盛んなアメリカは、寄附に関する優遇税が充実しているため、多くの芸術家や団体が国民の寄附に支えられています。長い歴史と世界に誇る文化を有しながら、振興策で遅れを取っています。
文化芸術基本法ができたことは、21世紀の日本を豊かにしていく上で大きな意味を持つものと思われます。国を挙げて、文化芸術の振興に力を入れ、先人が築き上げてきた日本の文化を振興させるために、伝統的な文化を受け継ぎ、後継者を育てることを真剣に考える時が来たと思います。
政府の予算では、「新世紀アーツプラン」に見るように、文化芸術大国に向けての多彩な
取り組みとなっております。この法の成立は、行政における文化芸術の地位を飛躍的に向上させ、予算の増額をはじめ、各種施策の拡大に大きな役割を果たしているとのことです。文化芸術の分野で活躍する人たちは、社会の発展に寄与する大切な財産です。
そしてまた、文化芸術の振興を考える上で大切なことは、地方の役割だと思います。地方での様々な文化の営み、地方が文化の発信拠点となり、文化芸術立国の大きな流れをつくる礎になると思います。
北海道の苫小牧市においては、「苫小牧市民文化芸術振興条例」の制定をはじめ、文化芸術振興基金条例、また助成金交付要綱などを制定しております。職員も機構改革により、生涯学習課の中で、文化芸術係が設置され、市を挙げて積極的に取り組んでいるということです。
このような積極的な
取り組みがなければ、基本法でうたわれている市民への文化、芸術振興は難しいかと考えます。特に子供の文化芸術体験活動の推進は、国でも力を入れ、既に学校や文化会館などで舞台芸術や伝統芸能など、本物に触れる機会を設けております。子供たちに本物の芸術に触れさせることで、多くの感動体験を得、豊かな感受性を育む上において、欠かすことはできません。子供たちの可能性を広げるきっかけにもなることでしょう。もちろん子供に限らず、大人も文化芸術に触れる場づくりが必要になってきます。
文化芸術振興基本法の前文に、「文化芸術を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは、人々の変わらない願いである。また、文化芸術は人々の創造性を育み、その表現力を高めるとともに、人々の心のつながりや、相互に理解しあう土壌を提供し、多様性を受け入れることができる、心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものである。」とあります。
御殿場市としましても、
まちづくりや学校教育、歴史の記録、地域の広報などの公的事業において、文化芸術に携る人たちを積極的に雇用していくことは重要だと思います。例えば任期つきの公務員として採用したり、芸術家などが地域の振興に貢献できるよう、またイベントなどで活躍の場を増やせるようにして、芸術家の登録制度(アーティストバンク)を設けてはいかがでしょうか。そして、創作活動のための資金を融資する奨励助成金、もしくは芸術活動支援貸付金などを制度化し、御殿場市として文化芸術振興条例を制定してはいかがでしょうか。
以上、よろしくお願いいたします。
○議長(
鈴木文一君)
企画部長。
○
企画部長(菅沼 章君)
1点目の市民の移動の際の
公共交通機関の充実について、お答えをさせていただきます。
本市の管内では、新宿、羽田等の高速バスを除くと、現在、富士急行、富士急シティバス、箱根登山バスの3社で42系統のバスが運行されております。平成14年度1日当たり延べ約4,000人の方が、この交通機関としての乗り合いバスを利用されております。
しかしながら、近年、マイカーの普及等により、利用者は恒常的に減少しているのが現況でございます。
バス事業者においても、様々な利用促進策を図っておりますが、御殿場市内ではバス路線が営利事業として成り立たなくなっているのが現状であります。
平成14年2月1日には、改正道路運送法が施行され、乗り合いバスの参入、退出が原則自由となりました。つまり採算が取れない赤字路線であるならば、自由に退出ができることになりました。
また、国の補助制度も見直され、これまでの赤字事業者に対する事業ごとの補助から、一定の要件を満たす路線ごとの補助となりました。このため、バス事業者からの要望もあり、平成14年度に国県の補助を受けられない赤字路線について、独自で地域住民の生活に必要なバス路線を維持すべく、御殿場市バス交通活性化対策事業費補助金交付要綱を制定し、バス事業者に1,000万円を限度として、赤字額の半額の補助を、3年間を限度に行うこととなりました。
平成14年度の実績で申し上げますと、富士急行が御殿場市内で38路線を運行しておりますが、採算が取れない赤字路線のうち、国県補助対象の3路線を除く赤字額の大きい8路線、赤字額でおよそ1,600万円に対して、約800万円を補助してまいりました。
また、平成15年度には、市内38路線のうち、黒字路線が5路線、赤字路線が33路線でありましたが、国県の補助対象3路線を除く赤字額の大きい13路線、赤字額およそ2,400万円に対して、1,000万円を補助してまいりました。
しかし、赤字額は年々増加し、またバス事業者は赤字額の半額の補助を受けても、半額は自費で補てんしなければならず、事業者の自己努力も限界であり、抜本的対策は見出せず、赤字を黒字に転換させるには、困難な状況であります。
そして、御殿場市にとって将来、継続的に路線維持に補助していくことについても、厳しい状況であります。
先ほど申し上げましたが、バス事業者も様々な利用促進策を図っておりますが、利用者は伸びず、逆に年々減少しております。議員ご指摘のとおり、乗り合いバスは通勤・通学・通院・買い物等の地域住民の
日常生活を支える重要な役割を果たしており、交通弱者、交通渋滞の解消、環境問題等対応の観点からも、その役割は重要であると考えております。
そこで、本市では、乗り合いバス等の生活交通の確保対策を協議することを目的に、お年寄りの代表、お身体の不自由な方の代表、小中高校等の代表、それぞれの地域の皆様の代表などからなる「御殿場市生活交通確保対策協議会」を、平成14年度に設置いたしました。昨年の協議会では、運行本数、運行時間、運賃等を考えると、マイカーやタクシー、そして自転車を利用してしまう。乗り合いバスは曲がり角に来ているなどの意見がありましたが、当面、利用者に影響がないよう、乗り合いバス事業者に補助し、路線を維持していただき、来年度以降も協議していくという結論になりました。
本年度は、10月に協議会を開催し、協議する予定でおります。客観的には乗り合いバスは非常に厳しい状況でありますが、今後、この協議会からの意見を聞きながら、また路線の廃止など、重要な事項があれば、利用者に知らしめ、利用者からの意見も聴取し、様々な見地から、方策を検討してまいりたいと存じます。
以上、答弁とさせていただきます。
○議長(
鈴木文一君)
教育長。
○教育長(細谷 旭君)
私から、まず
カラーバリアフリー対策について、お答え申し上げます。
平成15年4月、学校保健法施行規則の一部改正によりまして、色覚検査がそれまでは小学校4年生だけ実施しておりましたが、定期健康診断の必須項目から削除されました。
削除の趣旨は、色覚異常についての試験の蓄積により、色覚検査において異常と判別されるものであっても、大半は支障なく、学校生活を送ることが可能であることが明らかになってきていること。これまで色覚異常を有する児童・生徒への配慮を指導してきたことを考慮し、色覚の検査が必要項目から削除された経過がございます。
学校では、児童・生徒が、安全で健康な学校生活を送ることが求められております。健康管理面や教育活動上で、何らかの配慮を必要とするような状態にあるかどうかを、健康診断、保健調査、あるいは健康相談等を通して把握しておるわけでございます。
色覚異常の児童・生徒についても、教育活動上の配慮が必要であると考え、これまでは健康診断の際に、色覚検査を実施してきました。色覚異常のあらわれる頻度は、文部科学省の調査によりますと、男子では約5%、女子では約0.2%と言われております。市内のある小学校の例ですと、各学年に1名いたという報告がございました。
しかしながら、近年、色覚異常についての理解が進み、色覚検査で異常と判別される児童・生徒でも、大半は学校生活に支障がないという認識のもとに、平成15年4月から、学校における必須項目から色覚検査が削除されることになったわけでございます。
このことは、色覚異常の児童・生徒について、教育上、全く配慮の必要がなくなったという意味ではございません。教職員には色覚異常についての正しい理解をするために、校内での研修等を進めてまいりました。
学習活動においても、色の判別を要する表示や、教材を用意する場合には、誰でも識別しやすい配色で構成し、色以外の情報も加える必要があります。例えば黒板は明るさが均一になるように照明の工夫をする。黒板は常にきれいな状態に保つ。白と黄色のチョーク等を主体に使う。あるいは色チョークを使用する場合は、大きくはっきりと書いたり、アンダーラインや囲みをするなどの工夫をする。また、時に応じて色覚の弱い児童・生徒のためには蛍光チョークを使用することもあります。このほかにもOHPやコンピューター、スライド、掲示物等は、文字と背景を工夫しているところでございます。
カラーバリアフリーについて配慮した教科書についてでございますが、今後、関係機関とこの点については協議しながら、検討してまいりたいと考えております。
色覚検査はなくなりましたが、色覚について不安を覚える児童・生徒及び保護者への対応として、学校と学校医が連携を密にし、健康相談を行います。
なお、学校には色覚検査に必要な器具は保管し、相談活動には対応できるようになっております。
次に、文化芸術振興についてお答え申し上げます。
平成13年12月施行されました文化芸術振興基本法第7条を受けまして、「文化芸術の振興に関する基本的な方針」が、平成14年12月閣議決定されました。この「基本方針」の中で、地方公共団体の役割として、「地方公共団体は、自主的かつ主体的に、それぞれの地域の特性に応じて、多様で特色ある文化芸術を振興し、地域住民の文化芸術活動を推進する役割を担う」とされております。
当市におきましては、文化芸術活動の推進施策といたしまして、市民の発表の機会を支援するため、芸術祭を毎年実施しております。この運営につきましては、市と文化協会が一体となりまして、市民芸術祭実行委員会を組織し、それぞれの部門ごとに運営委員会を作り、実施しております。
平成15年度は、合唱、吹奏楽、洋舞、日本芸能など7つの発表部門、また書道、写真、華道、美術などの展示部門を8回、加えまして囲碁、将棋の大会を開催してきたところでございます。
出演希望団体の増加や、発表内容の充実を願う意見も多く、参加者は積極的に活動されております。
また、ふるさと文化の保護、愛護を通じ、郷土愛を育成する観点から平成15年度は文化財講座を4回に分けて実施し、富士山の成立と御殿場の歴史、深沢城跡の見学、歴史ふれあいウォークを通して、ふるさと文化の学習をしてきたところでございます。
こういった状況の中で、2つ目の文化芸術振興条例の制定に関しましては、全国の状況を見ますと、県レベルでは7都道府県、市レベルでは19の市区町村で条例を制定しております。
静岡県におきましては、市町村ともに条例が、現在制定がない状況でありまして、静岡県の場合、平成8年7月策定の「文化振興指針」によりまして取り組んでいるところであり、制定以来、丸8年が経過した現在、見直しの作業中ということで、将来的には条例を制定するかどうか、検討中とのことでございます。
当市におきましては、この県の動向を踏まえまして、県の示す指針なり条例との整合性を考慮し、条例の制定をするかどうか、今後検討したいと思っております。
次に、文化芸術に携る人は、任期つきの公務員として採用しては、とのご意見につきましては、現在、期限つきの大きな文化芸術の催しの予定がないため、今までどおり現職員での対応を考えております。
また、芸術家などが地域の振興に貢献できるよう、芸術家の登録制度(アーティストバンク)を設けてはどうかとのことに関しましては、芸術家の幅は非常に広く、また一流の芸術家となりますと、一市町村の登録制度でなく、いわば県レベルでの登録が適当ではないかとも考えられます。
当市では、現在、生涯学習ボランティアセンターを開設し、趣味の範囲ではありますが、様々な講師の登録を行い、講座を開き、文化の広がりを推進しているところでございます。
また、「奨励助成金」もしくは「芸術活動支援貸付金」の制度化に関しましては、全市的に芸術文化振興活動をしております「御殿場市文化協会」への運営費補助を行っているとともに、先ほど申し上げましたように、市民芸術祭実行委員会への芸術祭事業交付金を支出し、対応しているところでございます。
また、子供たちに向けた芸術に触れる機会といたしましては、平成15年度は、富士岡中学校で「劇団エンジェル」によりますミュージカル「星空に吠えろトランペット」や原里中学校では「劇団たんぽぽ」による観劇を、また印野小学校では「管弦楽とバレエ音楽の鑑賞会」等を実施してまいりました。
以上、このように今後とも芸術文化の振興を図りつつ、とりわけ次代を担う子供たちのために、心に夢とゆとりを醸成させることができるよう努力していく所存でございます。
以上でございます。
○議長(
鈴木文一君)
この際、10分間休憩いたします。
午前10時57分
○議長(
鈴木文一君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
午前11時09分
○議長(
鈴木文一君)
日程第1 「
一般質問」を継続いたします。
26番
菱川順子議員の質問を許します。
26番
菱川順子議員。
○26番(
菱川順子君)
初めの
公共交通機関の充実についてですが、特に交通弱者にとっては、すぐにでも改善してほしい状況です。生活交通確保対策協議会において、市民の声をしっかりと受け止めていただき、今後、内容の充実と計画性のある協議会を持っていただきたいと強く希望をいたします。
また、
カラーバリアフリー対策については、該当する子供たちが教育の現場で辛い思いをすることがないよう、よろしくお願いいたします。
再質問ですが、
文化芸術振興策についていたします。
文化芸術振興基本法が制定されて以来、国や自治体の振興策が急速に充実されている中で、我が市としても努力されていると思いますが、さらにきめ細やかな
取り組みを進め、文化芸術が根付いた豊かな
地域社会の実現が必要ではないでしょうか。
先ほど「地方公共団体は、自主的かつ主体的に、それぞれの地域の特性に応じて、多様で特色ある文化芸術を振興し、地域住民の文化芸術活動を推進する役割を担う」とありましたが、この指針を受け、県の条例を待つまでもなく、自主的かつ主体的に御殿場市としての条例を先進的に取り組んではいかがでしょうか。
過去に乳幼児医療制度の実例もあります。これは公明党として提案を掲げてきたものですが、当初、県での動きは見られませんでしたが、県より先駆けて市として発進し、今では小さなお子さんをお持ちの方たちに大変喜ばれております。
そして、アーティストバンクについてですが、文化芸術をする人たちの自主性を尊重し、文化芸術を私たちの身近なものとし、包括的に推進するためにも必要ではないでしょうか。一流の名の通った人だけが芸術家ではありませんし、文化芸術に枠はないと思います。自分の芸術を地域のために役立てたいとか、地域の中にどんな芸術家がいるのかわからないと思っている人たちもいると思います。学校や公共施設などから講演依頼があれば、それにふさわしい人を紹介する、アーティストと地域のネットワークづくりに役立つ機能の必要性を感じますが、いかがでしょうか。
最後に、「文化人や芸術家を専門性の高い任期つき、または短時間勤務の地方公務員として雇用してはいかがか」について、現在、期限つきの大きな催し物がないことで対応を考えてはいないようですが、広く芸術文化政策コーディネーターや
まちづくりコンサルタント、また生涯教育セミナーの講師など、小中学校での文化芸術活動を推進している文化人や芸術家を雇用することで、文化人や芸術家と地域をつなぎ、活動の手助けができるのではと思います。
また、地方公務員法の改正で、任期つき短時間勤務職員制度が盛り込まれていますし、こうしたことを活用して、行政として今後さらに広く、深く、文化芸術に関する各種支援をしてはいかがでしょうか。
○議長(
鈴木文一君)
教育長。
○教育長(細谷 旭君)
再質問についてお答え申し上げます。
まず最初に、条例の制定についてお答えを申し上げます。
文化芸術の振興の必要性は十分理解し、当市といたしましても、文化団体の育成をはじめ、年間17部門にも及ぶ市民芸術祭の開催、あるいは市民会館における自主文化事業、図書館の文学・歴史関係の各種講座の開催。あるいは学校における文化体験事業、親子の集い、親と子のためのファミリーミュージカルなど、子供から大人までを対象に、それぞれの部署で、様々な形ではありますが、文化のあふれる
まちづくりに努力しているところでございます。
文化活動の主役は市民1人1人であり、感性も様々でありまして、行政は側面から支援する立場にあると考えております。県の条例を待つまでもなく、御殿場市としての条例を制定してはどうかとのご質問でございますが、先ほど申し上げましたとおり、当市の文化芸術につきましては、現在、条例がない状態ではありましても、振興施策は地域に根差した御殿場方式として進んでいるものと考えております。
したがって、条例の制定につきましては、繰り返しますが、県の動向を見極め、整合を図り、検討したいと考えております。
次に、アーティストバンクについてお答え申し上げます。
学校や公共施設などから講演の依頼があれば、それにふさわしい人を紹介するような地域のネットワークづくりとして、当市では生涯学習ボランティアセンターの登録や、学校サポート人材バンク、文化協会などを活用しております。
現在、生涯学習ボランティアセンターは、登録者は57名、学校サポート人材登録者、個人・団体を含め122、文化協会加盟団体は132団体で、いろいろな分野に精通した方々が登録、加入されておりまして、学校や地区の依頼に応えて、出前講座や初心者教室などを実施しております。
地域での人材活用を考えた場合、漠然としたアーティストとしての人材を登録するよりも、それぞれの目的に沿った人たちで人材登録することにより、地域や学校での活用の促進を図ることができ、今後もこのような形で地域、あるいは学校に役立てていきたいと考えております。
次に、文化芸術に携る専門性が高い任期つき職員の雇用についてお答え申し上げます。
文化芸術の振興、伝統芸能を含めた文化財の保護に関しましては、社会教育課、文化スタッフが担当しておりますが、このスタッフには文化財の保護に関する専門的知識を有する学芸員を一昨年、一般採用いたしました。現在、当市では任期つき職員の採用はございません。
一般に文化芸術の範囲は非常に幅広く、専門家も多岐にわたるわけでございまして、芸術文化政策コーディネーターや、生涯教育セミナーの講師など、必要な都度、外部委託などで対応しております。
当市の文化芸術振興に関する基本的な方針は、幅広く様々な文化や芸術が、市民1人でも多く触れ合う機会を与えることにより、その中から市民1人1人が自分に合ったものを選択し、心豊かな生活を実現することを目指しているため、文化芸術の高度な専門的な知識を有する方を採用するのでなく、文化協会などの団体を育て、この団体に所属する様々な文化に精通した人たちによりまして、初心者教室の開催や出前講座などを実施し、地域、市民と密着した文化の振興を図りたいと考えております。
以上、答弁といたします。
(「終わります。」と
菱川順子君)
○議長(
鈴木文一君)
以上で、26番
菱川順子議員の質問は終了いたしました。
次に、21番 黒澤佳壽子議員の質問を許します。
21番 黒澤佳壽子議員。
○21番(黒澤佳壽子君)
高齢者保健対策事業について質問いたします。
本年度の施政方針で市長は「三位一体改革などにより、
地方財政対策が厳しい状況にあるが、少しでも市民が喜びを享受できる施策を講じ、住みよい
地域づくりに努める」とおっしゃっていらっしゃいます。
福祉・保健・医療施策については、健康で安心、安全な生活ができるよう、福祉のさらなる充実を図っていく。
高齢者福祉の具体的施策として、筋力向上トレーニング事業を実施、成年後見制度利用支援事業の導入方法を検討、またシルバー人材センターへの引き続いての支援を強調されております。
保健事業については、第2次御殿場市保健計画に基づき、老人保健事業を推進していく。国民健康保険事業は、被保険者の高齢化や増加が見込まれ、運営状況はますます厳しいものとなっていく。そこで、保健事業、特に高齢者保健事業の充実及び適用適正化対策を積極的に実施していくとおっしゃっています。ますます進む高齢化への対策としては、まさに不可欠な施策と考えます。
平成13年3月策定された第2次御殿場市保健計画「生き生きプラン御殿場21」の保健衛生の充実の中で、「成人・老人保健の充実」について、現状と課題が明記されております。介護状態にならないための予防対策が必要であり、予防を重視した新たな事業への
取り組みを検討する必要がある。また、急激に進む高齢化社会にも対応できる保健事業を推進していく必要があるなど、高齢者保健のための課題が多く提起されています。
平成15年3月に策定された「御殿場市
高齢者保健福祉計画」「介護保険事業計画」「御殿場市
健やか生きがい基本計画」の中で、平成14年度のデータとして、高齢化率15.2%という現状が示され、課題として高齢者の増加に伴う寝たきり高齢者や痴呆性高齢者の発生予防のため、医療機関とのネットワークを図ることや、社会福祉協議会との連携や、地域で進めている生きがいづくり関連事業などと連動した施策の展開が求められていると提起されております。
高齢者保健福祉事業の目的は、大きく2点あると思います。
1点目は、高齢者がいかに自立心を持って、健康で楽しく生き抜いていかれるか、すなわち高齢者の生き方対策です。
2点目は、高齢者1人1人が健康でいらっしゃれば、医療費の上昇の抑制になり、あわせて保険税の増額を抑制することができる。すなわち医療費抑制対策であると思います。
老人福祉法3条2項には、「老人は、その希望と能力に応じ、適当な仕事に従事する機会、その他社会的活動に参加する機会を与えられるものとする。」と定めています。しかし、現実を見ますと、必ずしもそうにはなっておりません。
現場の声を聞きますと、老人クラブが催しているスポーツ大会、ゲートボール、グランドゴルフ、ペタンク等の練習、試合に参加する高齢者は、せいぜい20%から30%にとどまり、その方たちも生活習慣病やその他の疾病により、健康維持が困難となってくると、自ずと参加できなくなり、家に閉じこもりがちになり、寝たきり、気力喪失に陥ってしまうというのが現状です。
高齢者の方たちは、今日は元気でも明日はわからない、明日は我が身かと不安を隠しきれずにいらっしゃいます。誰もが出来得る限りの努力のもと、出来得る限り長く自立した生活を送りたいと望まれていらっしゃるのは当然と思います。
このような現場の皆さんの声を聞いて、当局は高齢化社会の実情を真に認識し、きめ細かな創意工夫を凝らした
高齢者保健対策事業を打ち出すべきと考えます。
高齢者の皆さんに、うちに閉じこもらず、社会に出て人と触れ合っていただきたい。人としての尊厳をいつまでも保っていただきたい。御殿場市に住み続けて本当に良かったと感じて暮らしていただきたい。そんな思いを強く持って、次の質問をいたします。
1つ目、高齢者保健事業の意義について、当局のご見解をお伺いいたします。
2点目は、高齢者保健サービスの拡充についてです。
現在、当市が展開している保健サービスの主なものとして、健康教育、健康相談、健康診査、機能訓練、訪問指導等があります。そこで、これら全般の充実について、また特に健康教育、機能訓練について、さらにつけ加えることが必要なサービスについてお伺いいたします。
3点目は、高齢者の健康、生きがいづくり施策の拡充についてです。
例えば元気な高齢者を対象としたスポーツ・レクリエーションのリーダー養成や、御殿場市レクリエーション農園の拡充について、ご見解をお伺いいたします。
4点目、健康度評価事業導入についてです。
これは老人保健法に基づく健康事業、保健事業第4次計画で新たに示された事業です。生活習慣病の予防や、介護を要する状態になるのを予防、例えば閉じこもりや転倒を防止することを目的とした事業ですが、平成13年3月策定の「生き生きプラン御殿場21」で、導入の検討が課題とされ、平成15年3月策定の高齢者保健計画においても、まだ導入検討が課題とされています。
そこで、その実現に対し、どのようなスケジュールを作っていらっしゃるか、お伺いいたします。
以上、大きく4点について質問いたします。
○議長(
鈴木文一君)
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(吉川敏雄君)
それでは、1点目の高齢者保健事業の意義についてお答えをいたします。
高齢者保健事業は、本格的な高齢社会の到来の中で、保健・福祉・医療が連携する形で、保健事業を総合的に推進していくこととしています。
国は健康日本21、県ではしずおか健康創造21を策定し、これらを受けて本市では、第2次御殿場市保健計画、「生き生きプラン御殿場21」を策定し、いつまでも健康で自立した生活ができるよう、事業を推進しているところであります。
市民の健康意識も高まりつつある中で、既に実施をしております各種の保健事業を引き続き推進するとともに、早期発見、早期治療のいわゆる第2次予防から、病気を予防し、健康を増進する対策としての1次予防にさらに力を入れていきたいと考えております。
そのために壮年死亡の減少、痴呆や寝たきりにならない状態で生活できる期間、すなわち健康寿命の延伸を図り、平均寿命に近づけることによって、すべての市民が健康で明るく、元気に生活できる社会の実現を図るものと認識をいたしております。
次に、2点目の高齢者保健サービスの拡充について、お答えをいたします。
高齢者保健サービスにつきましては、平成13年3月に策定いたしました第2次御殿場市保健計画、「生き生きプラン御殿場21」の基本理念である体力づくりや寝たきり予防など、目標を持った市民1人ひとりの健康づくりを推進し、市民が健やかで、安らぎのある生活を送ることができる長寿健康社会の実現を目指して、様々な事業を展開しているところであり、これらの事業はさらなる充実、拡大を図っていくことが求められております。
本市におきましては、生活習慣病の予防を図るため、本年度におきまして、10月から介護予防としての筋力向上トレーニングに関する事業、11月から禁煙教育に関する事業を実施する予定であります。
現在の保健事業は、健康診断、健診での事後指導の中で、生活習慣の改善指導を行い、市民の生活習慣病の予防促進を図ることを主眼としております。
今後は保健指導や健康教室などにあっては、保健センターばかりでなく、地域に密着した出前講座としての保健事業を推進していきたいと考えております。
いずれにいたしましても、平成17年度に策定を予定しております第3次御殿場市保健計画、「生き生きプラン御殿場21」の中に、取り組むようにしていきたいと考えております。
3点目の高齢者の健康づくり、生きがいづくりの施策の拡充について、お答えをいたします。
平成15年3月に策定いたしました「御殿場市
健やか生きがい基本計画」で、老人クラブ活動、生涯学習、芸術文化活動、スポーツ・レクリエーション、就業など、要援護高齢者対策の6項目について、現状と課題を掲げております。
現在実施している事業として、老人クラブ活動につきましては、親睦事業や友愛訪問、社会奉仕活動に対する助成や要請に応じて健康教育を行っております。
特に老人クラブは会員数も約5,700人と組織率も高く、また地域に根差した団体ということから、今後も元気な高齢者の生きがい活動の場として重要であると認識しております。したがいまして、内容の充実に努めてまいりたいと考えております。
就業につきましては、働く意欲のある高齢者のために設立されましたシルバー人材センターは、会員数も500人近くなりつつありますので、新会員増加や高齢者の経験や能力などを生かしていただくとともに、生きがいとしての就業機会の増進に向け、シルバー人材センターとの連携を図ってまいりたいと考えております。
また、高齢者の体力づくりとして、高齢者向けのスポーツ・レクリエーションの指導、普及やリーダー養成を、体育指導員会にお願いしておりますが、既にゲートボール、グラウンドゴルフ、ペタンクなど、自ら計画し、実施されていることから、リーダーも育っているものと認識をしております。
レクリエーション農園につきましては、健康や生きがいづくり、人とのコミュニケーション、子供たちの食育、農地の有効利用、地域の環境保全など、多くの多面的機能を有しております。
現在、670区画1万4,000㎡を準備して、野菜づくり、草花の栽培などに広く利用されております。今後も需要に応じた拡充を図ってまいりたいと考えております。
4点目の健康度評価事業の導入について、お答えをいたします。
健康度評価事業は、議員ご指摘のとおり、老人保健法に基づく保健事業第4次計画で新たに示された事業で、個人の生活習慣行動や社会、生活環境などの把握を行い、医師、保健師、管理栄養士などが評価し、生活改善が必要な場合は指導するとともに、利用できる保健サービスを総合的に紹介する事業でございます。
御殿場市におきましては、平成13年度から事業を既に実施をしております。年度別の内訳は、平成13年度45人、平成14年度31人、平成15年度290人となっております。今後におきましても、制度の拡大・充実を図ってまいりたいと考えております。
以上、お答えをいたします。
○議長(
鈴木文一君)
21番 黒澤佳壽子。
○21番(黒澤佳壽子君)
再質問いたします。
第1点目の高齢者保健事業の意義について、当局の認識をお聞きし、納得いたしましたので、この質問は了とさせていただきます。
2点目の高齢者保健サービスについてです。
当局もご答弁の中で、高齢者保健サービス事業のさらなる充実・拡大を図っていくことが求められていることを認識していらっしゃいました。その上で、現在展開されている施策にさらにつけ加えるサービス事業として、筋力向上トレーニングを10月から、禁煙教育に関する事業を11月から実施するとご答弁がありました。
筋力向上トレーニング事業については、具体策をお聞きしております。厚生労働省は、高齢者向けの筋力向上トレーニングなどの介護予防事業を、介護保険給付対象に加える方向で、2005年の通常国会に提出する予定の介護保険法改正案に盛り込む方針であると発表しました。これは介護費用削減の効果が期待されるものです。
次の禁煙教育に関する事業のスケジュールと、ただいま当局は上げていらっしゃいませんでしたが、痴呆予防教室についてのご見解をお伺いいたします。
平成15年3月策定の
高齢者保健福祉計画の中で、健康教育に関する教室、講座については、病態別予防教室への参加率が低いこと、特に対象でありながら参加しない人への対応策等が課題として上げられています。
機能訓練サービスについては、機能訓練B型の地域リハビリは、開催地や回数が少なく、十分とは言えない。保健センターで開催されるA型の基本型リハビリは、送迎サービスを行っていないため、交通手段がなく、参加できないケースも多々あると、寂しい報告がされています。健康教育にしろ、機能訓練にしろ、参加率が低いのでは費用対効果が低いと言わざるを得ません。答弁にあった、地域に密着した出前講座の具体策をお聞きしたいと思います。
しかし、それだけで参加者の増加を望めるかというと、やはり不安を感じます。当局が展開していらっしゃる高齢者保健
福祉サービス事業が、真に高齢者のニーズと合致しているかどうか、懸念されるところです。講座、教室の内容、交通手段、例えば均一料金で市内周遊のぐるっとバスの運行など、検討の余地があるのではありませんか。
そこで、当局が展開している高齢者保健サービス事業を、高齢者の真のニーズに合った事業に再構築する必要があると思います。高齢者、当事者を主体とした審議会等を設置し、高齢者提案型システムを整備し、その上に当局のきめ細かな創意工夫が加われば、よりベターな施策が生まれてくると思います。現在はどのような形で高齢者のニーズや要望をキャッチしていらっしゃるかもあわせて、高齢者提案型システムの整備について、当局のご見解をお伺いいたします。
平成17年度予定の第3次御殿場市保健計画策定に当たって、高齢者のニーズに合致した施策を取り込み、高い効果を目指さなければ、真の高齢者保健対策とは言えないと思います。
3点目の高齢者の健康生きがいづくり施策の拡充についてです。
当局より、老人クラブ活動、就業、スポーツ・レクリエーション、レクリエーション農園に関する、今展開中の施策について、ご答弁がありました。
老人クラブは、地域に根差し、元気な高齢者の生きがい活動の場であるから、その内容の充実に努めていくとのご答弁でした。スポーツ・レクリエーションに参加する団体組織は、老人クラブの方が最も多いのですが、それでもその割合は3人に1人にとどまっています。老人クラブ、趣味のグループなどの紹介、相談については、4人に1人がその充実を望んでいらっしゃるというデータが出ております。
当局は、「リーダー養成はできていると認識している」とのご答弁でしたが、しかし現状では老人クラブの活性化やスポーツ・レクリエーションが深く浸透していくのには、地域におけるリーダー不足、中心的な役割を担う人材不足という悩みがあり、それは当局の組織立った経済的支援がなければ、解決するものではないというのが、現場の皆様の声です。当局の認識と現場との間にギャップがあるように思われますが、ご見解をお伺いいたします。そして、あわせてそのギャップ解消についてのお考えもお伺いいたします。
レクリエーション農園については、需要に応じた拡充を図っていくとのご答弁ですが、その方策について、具体的にお伺いいたします。
高齢者にとって交通手段がネックになり、思うように
イベント等に参加できないのが現状です。せめてレクリエーション農園については、徒歩で参加できることを第一条件に考えて、小地域での拡充を図るべきです。当局のご熱意をお聞かせください。
4番目の健康度評価事業についてです。
平成13年度3月策定の「生き生きプラン御殿場21」、平成15年3月策定の「
高齢者保健福祉計画」でも、導入の検討を行う必要があり、と課題にありますが、今のご答弁では、13年度から実施しているとのことですが、A表、B表、生活習慣行動、すべてを実施していらっしゃるのですか。単に実施していますよ、やっていますよ、だけで満足しないでほしいと思います。その結果、最大の効果が現われることが確信できるような事業を展開してはじめて、その事業は充実していると言えるのだと思います。実施の内容、反応、手応え、さらに充実しなければならない点についてお伺いいたします。
冒頭申し上げましたが、市長が施政方針でおっしゃった三位一体改革などにより、
地方財政対策が厳しい状況にある中で、市民が喜びを享受できる施策を講じ、住み良い
地域づくりを目指し、当局が毎年度新規事業を取り上げていらっしゃることは評価させていただいております。17年度も苦しい
財政状況ではあるでしょうが、さらなる保健サービス事業、特に高齢者保健福祉事業に、出来得る限りの努力を払っていただくことを心からお願い申し上げ、以上述べました点を再質問させていただきます。
○議長(
鈴木文一君)
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(吉川敏雄君)
それでは、再質問の2点目の高齢者保健サービス事業について、お答えをいたします。
まず、禁煙教育のスケジュールでございますが、たばこをやめたいと希望している人を対象に、11月にたばこと健康をテーマにした講演会を、来年1月から個別教育を実施する予定でございます。
事業内容は、呼気中の一酸化炭素濃度測定、健康意識調査、禁煙症状に対する個別指導などの実施をいたし、禁煙の継続を図りながら、毎年5月31日が世界禁煙デーと定められておりますので、これにあわせて禁煙を継続していただく予定であります。
次に、痴呆予防教室につきましては、15年度に試行的に実施をいたしましたが、今年度から本格実施すべく、9月から来年1月までの期間で20回の教室を開催する予定でございます。
事業内容は、基幹型在宅介護支援センターが中心となり、前痴呆の高齢者を対象に、痴呆の発病一歩手前の状態のうちに、脳のリハビリを行うと同時に、生活の仕方や考え方を見直す動機づけをすることで、進行の食い止めと悪化を防ぐことを目的に実施するものであります。
次に、市の保健事業は、高齢者に限らず、すべての市民の健康を増進するために、各種保健事業を実施をしております。
市民ニーズの把握につきましては、各種団体から選出された健康づくり推進協議会において意見をいただいているところでございます。
この協議会においては、議員ご指摘の高齢者の代表の方も参画をしていただいております。したがいまして、この協議会の意見を反映して、新規事業も織り込みながら、各種保健事業を実施しているところであります。
事業実施に当たり、その都度、PRにも努めているところでありますが、参加していただけない面も多々ございますので、市民の健康維持増進を図っていくために、さらなるPRをしてまいりたいと考えております。
議員ご提案の高齢者提案型システムは、来年度策定を予定しております第3次御殿場市保健計画、「生き生きプラン御殿場21」の策定委員会に課題として提起し、議論していただきたいと考えております。
3点目のスポーツ・レクリエーションの指導者につきましてお答えをいたします。
1回目でもお答えをいたしましたように、高齢者向けの新しい競技の紹介や指導、普及とあわせて、リーダー養成を体育指導員会にお願いして、老人センターの寿大学や高齢者体力づくり交歓会事業などで実施をしております。
こうした講座や大会に参加していただいた方々に底辺の拡大がなされ、スポーツ・レクリエーションの輪が広がるようになればと考えて実施をいたしているところであります。グラウンドゴルフやペタンクのように、多くの方が楽しんでいただくことにより、自ら計画し、実施されておりますことから、リーダーも育っているものと認識をしております。
次に、レクリエーション農園の拡充の方策でございますが、レクリエーション農園の利用者の方々が増加することは大歓迎であります。高齢者にとっても一般利用者にとっても、自宅付近であれば、より手軽に利用できますので、利用希望者の地域性も考慮し、需要の状況を見ながら、関係する皆様の理解、協力を得て、拡大を図ってまいりたいと思うところでございます。
4点目の健康度評価事業の導入について、お答えをいたします。
健康度評価事業の内容でございますが、基本健康診査の受診者で、結果が要指導と判定された方を対象に保健師が訪問し、健康度評価票を活用し、生活習慣の改善、指導を行っております。
また、継続的な指導が必要とされる方につきましては、訪問の都度、生活習慣行動を把握し、健康度を評価することによりまして、生活習慣を改善し、生活習慣病の予防に役立てております。
一方、介護予防健康度評価票B票は、基本健康診査の結果、指導が必要と判定された方に、介護予防に関する健康度評価を用いる対象が少ないため、現在は実施しておりませんが、介護予防の重要性については、認識をいたしております。
したがいまして、本年度、国が策定する保健事業第5次計画に具体策が盛り込まれるかどうかを注目しているところでございます。これの実施につきましては、国や県との整合を図ったものとしていきたいと考えております。
以上、お答えをいたします。
(「終わります。」と黒澤佳壽子君)
○議長(
鈴木文一君)
以上で、21番 黒澤佳壽子議員の質問は終了いたしました。
この際、午後1時まで休憩いたします。
午前11時54分
○議長(
鈴木文一君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
午後 1時00分
○議長(
鈴木文一君)
日程第1 「
一般質問」を継続いたします。
8番 高木理文議員の質問を許します。
8番 高木理文議員。
○8番(高木理文君)
私は、
米軍東富士演習場全面返還と米海兵隊移転問題について、質問をいたします。
去る6月21日に新聞各社が報道いたしました「在沖縄米海兵隊」のキャンプ富士移転計画は、戦後59年間「米軍
東富士演習場の全面返還」を期待し続けていた市民に、大変大きな衝撃と反発を生んだことは明らかであります。この報道に対して、米軍の常駐化につながるものであり、米軍営舎地区の解消による
米軍東富士演習場全面返還を根本とした、
東富士演習場使用協定の基盤を崩壊させるものとして、当市をはじめとする2市1町の行政及び権利者が迅速な断固拒否を貫く対応をとられたことを、私はまず最初に積極的に賛同・支持するものであります。
私は、今回の米軍の再編、いわゆるトランスフォーメーション、これによる米海兵隊の移駐を
東富士演習場の歴史的な
重要課題としてとらえ、地元一丸となって、断固として拒否を貫くことが求められていると思います。
今回の質問は、その一翼を担うことを表明するとともに、運動の発展に寄与することを目的として行うものです。
今回の米軍の再編は、ファイス米国防次官が「基地・施設の再編の問題だけでなく、アメリカと同盟国との軍事行動全体の見直しである」と、このように米下院軍事委員会証言で強調しているとおり、米軍と自衛隊との関係を質的に変化させるねらいが背景にあるもので、両者が給油、運輸、通信など、あらゆる面で急速に一体化が進むことが危惧されております。
さらに、アジア太平洋地域の最前線の司令部の機能が日本に集中され、在日米軍の戦闘能力の強化につながる危険性を持っていると指摘されております。
そんな中、大きな矛盾も生まれております。8月13日に発生した沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学への米軍ヘリの墜落事故は、米軍が沖縄県警や市消防の現場検証を拒否したまま事故機の回収・撤去作業を強行し、さらに事故原因も明らかにならないうちに同型機の飛行再開を行うなど、周辺自治体の飛行中止の要請を無視した対応に、沖縄県民の大きな怒りが巻き起こりました。
この9月12日には、米軍ヘリ事故に抗議する宜野湾市民大会が、約3万人の参加で開かれ、小学生からお年寄りまでが、普天間基地の即時閉鎖、早期返還を要求いたしました。これは根本に日米地位協定により、日本の政府が米軍への基地の提供や、米軍基地の維持と円滑な運営、さらに米軍人、軍属などへの特権を容易にしているからであり、沖縄県では日米地位協定の抜本的な改定は、待ったなしの課題になっております。
当市におきましても、富士営舎地区の120haが、日米地位協定の第2条第1項aの治外法権地区である限り、沖縄と同様の事件が発生する可能性があるわけであります。8月17日に行われた演習場使用協定運用委員会で、地元権利者側から「不平等なものは改正すべきではないか」との見解が国に示されたと伝えられているのも当然であります。
こうした中、国内外の基地を取り巻く大きな動きのある中で、第8次
東富士演習場使用協定の期限も、残すところ半年余りとなりました。
東富士演習場使用協定は、昭和34年6月の1次協定締結以来、演習場の運用に当たっては、国、県、2市1町の行政権利者が協議を行い、双方の納得の上で対処するとした、他の演習場では例を見ないものであり、先人の運動の中で獲得されたすぐれた実績であり、権利であります。
東富士演習場対策4原則では、第1に、米軍
東富士演習場を全面返還する。第2に、
東富士演習場地域の民有諸権利を保全する。さらに、第3には、演習場関係住民の生活安定を進める。第4に、
東富士演習場使用協定体制を維持・強化する。以上を掲げ、使用協定の遵守がされてきました。
使用協定の根本をなす第1の
米軍東富士演習場全面返還については、平成12年3月に締結された第7次使用協定終結に伴う地元側と、防衛庁長官との重要会談の中で、
米軍東富士演習場全面返還の確認と、米軍「富士営舎地区」返還に最大限の努力をするとの回答が確認をされております。
また、地元で合意、確認されてきている
東富士演習場対策4原則の第4の
東富士演習場使用協定体制の維持・強化では、国・地元が使用協定の遵守と協議を原則としていると理解しております。
例えば、今回の米海兵隊の移転問題についても、米軍の常駐による日米合同演習の恒常化が懸念される点で、既に昭和57年2月の
東富士演習場行政権利協定当事者合同会議議事録において、「
米軍東富士演習場全面返還の方針を堅持することにより、
東富士演習場において日米共同訓練を恒常化し、日米共同演習場化しない。」と、このように確認はしております。
さらに、本日、9月17日以降に実施されます、6回目の沖縄県104号線越え155ミリ榴弾砲実弾射撃訓練の分散実施訓練、いわゆる104訓練ですが、これについても地元にとっては大変な過重負担となっているわけです。これも平成9年5月1日の104訓練協議の前提事項合意の中では、
東富士演習場の2-4-b地区を2-1-a地区、または2-4-a地区に逆戻りさせることはなく、同演習場で日米共同訓練を恒常化し、または当該演習場を日米共同演習場化しない、さらに、自衛隊の兵器及び弾薬を104訓練に使用することはなく、演習場の自衛隊・米軍による二元管理はないとして、今日、米軍再編により進められようとする米軍と自衛隊の一体化の流れに、こうした対応を歴史的に協議を通じて確認をしてきてまいりました。
したがって、今回のように、米海兵隊の移転問題について、国が一方的に押し付けてくることは、全く許されないことであります。
以上を踏まえた上で、市長にお伺いいたします。
1点目は、既に市長も表明されておりますとおり、米軍
東富士演習場の全面返還、「富士営舎地区」早期返還は、
東富士演習場使用協定の根幹をなすものです。市長として、また
東富士演習場地域農民再建連盟委員長として、この歴史的な局面で市民の命と安全を守るために、いささかも譲らない姿勢を貫く政治姿勢について、改めて決意を表明されることを求めるものです。
2つ目は、第8次
東富士演習場使用協定は、平成17年3月をもって終結いたします。市民には、この機会にこそ、「米軍
東富士演習場の全面返還を」との大きな期待もあるわけです。米海兵隊移転問題では、情報を国に要求し、市民へ迅速かつ正確に提供することで、市民と一体となった世論の形成に努める必要があると考えるが、見解をお伺いいたしたい。
以上、2点であります。よろしくお願いいたします。
○議長(
鈴木文一君)
市長。
○市長(
長田開蔵君)
東富士演習場全面返還と米海兵隊移転問題につきまして、大きく2点に分かれておりましたが、お答えをさせていただきたいと思います。
まず、1点目と言いましょうか、第8次
東富士演習場使用協定が行われており、来年の3月をもって終結をいたします。私は、これまで幾度となく使用協定の根幹をなすものは、東富士4原則であると、当初より一貫して申し上げておりましたが、今もこの考えに変わりはありません。
この4原則の第1は、先ほど議員が申されましたとおり、米軍
東富士演習場の全面返還をうたっております。若干ここで概要的なことをちょっと申し上げますと、これは昭和33年の3月、当時
東富士演習場は全面的に米軍の管理下の状態に置かれていたわけでありまして、これに対して地権者に無断で自衛隊が演習場を使用することの事態になりました。地元は国を違法であるとして、自衛隊立ち入り禁止訴訟を起こした、過去の事件がありました。
その後、国の方でもこうしたことを認めると言いましょうか、こうしたことは確かに地元の言うとおりだということもありまして、閣議了解を得て、昭和34年の6月に、地元は今ありました東富士4原則を基本として、条件として、国と和解となったわけであります。
以後、この協定も当初は10年間を期間とする第1次使用協定でありましたが、その以後は回を重ねて5年ごとということになりまして、今日になって、8次使用協定が締結されているわけであります。
若干、またその経過の中でありますが、さらに昭和43年の7月に、
東富士演習場は、日米使用転換協定によりまして、富士営舎地区、いわゆるキャンプ富士でありますが、ここの部分の120haを除く演習場全域が日本国に返還をされたと。そして、同年の8月から地位協定の第2条第4項(b)、いわゆる2-4-bの規定に基づく自衛隊の管理管轄下に置かれまして、米軍が必要により一時使用できる現在の区域となったわけであります。
当時、富士営舎地区が日本側に返還されなかった理由として考えられるのが、東西の冷戦、あるいはベトナム戦争、こうした国際情勢の緊張が高まっていた時期であったとはいえ、全面返還にならなかったことについては、まことに遺憾と考えております。
先ほど述べましたように、
東富士演習場は使用協定により適切に運用されてきたところでありまして、平成12年の3月に締結された第8次使用協定に伴う、地元側と防衛庁長官との重要会談において、長官は「
米軍東富士演習場全面返還の問題については、従来の重要会談における米軍富士営舎地区の返還に最大限の努力をするとの回答を確認する。」と、いわゆる従来からの国の考え方をここで再度述べたわけであります。と発言されました。
同時に、昭和57年の2月、今議員がご指摘がありました、
東富士演習場行政権利協定当事者合同会議における国との合意議事録として、「
東富士演習場全面返還の方針を堅持することにより、
東富士演習場において、日米共同訓練を恒常化し、また日米共同演習場化しないことを確認する。」と、こうした議事録になっております。
こうしたこれまでの経緯を踏まえ、米軍
東富士演習場の全面返還を国に求めていくことはまさに重要であり、かつ返還が終わらなければ、私たちにとって戦後は終わらないという認識で、今後も全面返還に向け、最大の努力をしていく所存であります。
次に、2点目についてでありますが、在日米軍の再編に伴う今回の在沖縄米海兵隊一部のキャンプ富士への移転問題については、この6月以降、2市1町の地元行政、演習場権利団体との協力のもとで、一連の行動をとってきたところであります。
本年の7月21日には、2市1町、静岡県、再建連盟の代表が、外務省の北米局長、防衛庁の防衛局長の双方に面会をいたしまして、両大臣あての要請書を手渡すとともに、日本政府としてキャンプ富士への海兵隊移転については、拒否の姿勢を堅持されるよう、直接要請をしてきたところであります。
これについて両局長からは、「今回の日米協議の中では、在日米軍のあり方を自由に話し合ったり、いわゆるディスカッションの話し合いの場である」と、「アメリカからは具体的な提案は受けていないが、今後、地元への情報提供についても、積極的に応ずる」と、こうした回答があったところでもあります。
なお、現段階では、米国側から日本政府に対し、米軍の再編につき、一部の案件を除いて、これまでの提示を白紙に戻し、改めて協議したい、あるいは先月末、米国において日米の外務防衛局長会談が開催された際、継続協議とすることを確認したとの報道がなされてもおりました。これは、今回の問題で、移転先として名前の上がった自治体等が迅速に対応し、強い反発を招いていることや、日本政府としての基本的な姿勢が定まっていないことが要因と思われます。
これらのことから、これまでの一連の行動が評価されたものと理解しておりますが、先ほど申し上げましたように、米軍の再編につきましては、今後も継続協議となるとの認識でありまして、引き続き情報の収集を進め、かつまた速やかな対応を取るとともに、国に対しても情報の提供を求め、これまで同様に議会や市民に対して、正確な情報を伝えてまいりたいと考えております。
なお、キャンプ富士への海兵隊移転については、演習場使用協定の基本原則にのっとり、対応してまいりたいと考えております。
以上、お答えとさせていただきます。
○議長(
鈴木文一君)
8番 高木理文議員。
○8番(高木理文君)
再質問をさせていただきます。ただいま市長からいただきました答弁を踏まえた上で再質問をいたします。
第8次
東富士演習場使用協定の終結まで半年を残すのみとなった今、市長に求められるのは、使用協定財政確立以来、地元側と防衛庁長官との重要会談で確認されてきた、「米軍
東富士演習場の全面返還と、米軍富士営舎地区の早期返還に最大限の努力をする」との確約を国に守らせること。さらに、東富士4原則にある、
東富士演習場使用協定体制を維持、強化するという重要な意味を持つ課題に取り組むことは当然のことながら、新たな事態の変化に伴い、発生しました海兵隊移転問題という今回の
重要課題については、米海兵隊の移転はあり得ないという国の確約をとりつけることではないんでしょうか。
ただいま市長が述べられましたとおり、米軍再編問題は継続審議となっております。これは今後の
東富士演習場使用協定体制の存続を左右する重要な問題と考えます。この点につきまして、改めて市長の決意表明を伺いたいのですが、市長、いかがでしょうか。
○議長(
鈴木文一君)
市長。
○市長(
長田開蔵君)
先ほども述べましたように、
東富士演習場使用協定は、東富士4原則を成立基盤といたしております。こうしたことから、キャンプ富士の返還を強く求め、
東富士演習場全域が一日も早く、自衛隊の管理管轄下に置かれることを願うものであります。
したがって、この精神に反する米海兵隊のキャンプ富士移転については、今後、予定されております使用協定改定時を含め、あらゆる機会をとらえて、国に対しまして強く要請していく所存であります。
以上、お答えさせていただきます。
(「終わります。」と高木理文君)
○議長(
鈴木文一君)
以上で、8番 高木理文議員の質問は終了いたしました。
これをもちまして、本日の日程は全部終了いたしました。
次の本会議は、9月21日午前10時から開会いたしますので、定刻までに議場にご参集願います。
本日はこれにて散会いたします。
午後1時24分 散会...