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平成24年12月 定例会-12月07日-02号

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  1. 伊東市議会 2012-12-07
    平成24年12月 定例会-12月07日-02号


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    平成24年12月 定例会-12月07日-02号平成24年12月 定例会             伊東市議会12月定例会会議録(第2日)                平成24年12月7日 ●議事日程  平成24年12月7日(金曜日)午前10時開議 第1 一般質問 ●会議に付した事件 議事日程と同一。 ●出席議員(22名)  1番  掬 川 武 義 君        2番  重 岡 秀 子 君  3番  森     篤 君        4番  浜 田 修一郎 君  5番  榎 本 元 彦 君        6番  佐 山   正 君  7番  横 沢   勇 君        8番  杉 本 一 彦 君  9番  鳥 居 康 子 君       10番  長 沢   正 君 11番  楠 田 一 男 君       12番  井 戸 清 司 君 13番  佐々木   清 君       14番  西 島   彰 君
    15番  四 宮 和 彦 君       16番  鈴 木 克 政 君 17番  浅 田 良 弘 君       18番  稲 葉 正 仁 君 19番  稲 葉 富士憲 君       20番  三 枝 誠 次 君 21番  宮 﨑 雅 薫 君       22番  土 屋   進 君 ●説明のため出席した者 市長                   佃   弘 巳 君 副市長                  石 井   勇 君 副市長                  原     崇 君 企画部長兼危機管理監           鳥 澤 秀 壱 君 企画部行政経営課長            杉 本   仁 君 同情報政策課長              三 間 雅 之 君 理事                   水 口 秀 樹 君 総務部長                 若 山   克 君 総務部財政課長              中 村 一 人 君 同課税課長                杉 山 勝 二 君 同収納課長                浜 野 義 則 君 市民部長                 野 田 研 次 君 市民部環境課長              石 井 裕 介 君 同保険年金課長              森 田   剛 君 健康福祉部長               山 木 勇 一 君 健康福祉部次長健康医療課長       露 木 義 則 君 同高齢者福祉課長             下 田 信 吾 君 観光経済部長               三 好 信 行 君 観光経済部観光課長            堀 野 順 章 君 同産業課長                荻 島 友 一 君 同競輪事業課長              冨 士 一 成 君 建設部長                 佐 藤 活 也 君 建設部建設課長              萩 原 俊 幸 君 同建築住宅課長              今 井 健 壽 君 同都市計画課長              山 田 隆 一 君 会計管理者兼会計課長           小 林 恵 子 君 上下水道部長               藤 原 一 德 君 上下水道部下水道課長           鈴 木 雅 文 君 同水道課長                白 鳥 謙 治 君 消防長                  森     一 君 消防本部予防課長             山 本 竜 也 君 教育長                  内 山 義 夫 君 教育委員会事務局教育部長         鶴 田 政 利 君 同次長兼教育総務課長           鈴 木 健 支 君 同教育指導課長              小 田 靖 久 君 同幼児教育課長              泉   將 好 君 同生涯学習課長              堀 井 裕 三 君 ●出席議会事務局職員 局長      松 永 勝 由   局長補佐  小 川 真 弘 主査      富 岡   勝   主査    稲 葉 育 子 主事      鈴 木 穂 高                 会        議                 午前10時   開議 ○議長(宮﨑雅薫 君)おはようございます。  ただいまから本日の会議を開きます。                 ━━━━━━━━━━━━ ○議長(宮﨑雅薫 君)これより議事に入ります。 △日程第1、一般質問を昨日に引き続き行います。一般質問は、申し合わせにより、1人1時間以内、関連質問なしで行います。  質問準備のため、暫時休憩いたします。                 午前10時   休憩                 ───────────                 午前10時   再開 ○議長(宮﨑雅薫 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。  まず、8番 杉本一彦君の一般質問を許します。              〔8番 杉本一彦君登壇、拍手〕 ◆8番(杉本一彦 君)皆さん、おはようございます。伊東元気の会所属の杉本一彦でございます。通告に従い、これより一般質問させていただきます。  まず初めに、新しい時代に向けた伊東市の「まちづくり」には、本市の歴史文化を尊重し、本市にある「文化力」を最大限に生かすべきという思いから質問させていただきたいと思います。長引く不況の影響もあり、市内経済は大変低迷しております。次世代を担う若者たちの雇用状況が悪化し、市民の平均所得も減少の一途をたどっており、本市で生まれ育った若者の市外への流出がふえているようであります。全国的な傾向でもある少子高齢化や人口減少とも重なり、市内全体の活力が徐々に失われつつあるように思われます。市民生活が経済的に年々厳しくなる先行きの見えない伊東市の現状に、市民全体が将来の生活に対し不安を抱いているのも事実ではないでしょうか。私は、そのような厳しい市内状況の中、また長引く厳しい市民生活が続く今、新しい時代を切り開いていくためには、これからのまちづくりの理念、構想、計画において、しっかりと長期的な視点に立ち、豊かな心を育めるまちづくりを進めていく必要があると考えております。  そのまちづくりを実現するべく第一歩として、本日訴えさせていただきたいのは、本市に実在する文化財を中核とし、本市各地域の歴史文化を捉え、またそれを顕彰し、これまでの本市における歴史・芸術文化施策をさらに充実させ、伊東市にある文化力をさらに引き出し、それを最大限に生かしたまちづくりを行っていくための基本構想、「伊東歴史文化基本構想」の策定を提案させていただきたいのであります。  本市の文化財は、市民の長い歴史により育まれ、守られ伝えられてきた市民の財産であり、市民が精神的な安らぎを感じる心のよりどころであります。市内各地域では、それぞれ身近に存在する文化財に愛着を持ち、それを地域の誇りとするなど、文化財は地域住民の共同体意識のかなめであり、世代間交流や地域の形成面においても文化財は非常に大きな意味を持っております。また、本年9月には伊豆半島が日本ジオパークに認定され、私たちが生活しているこの地、この地そのものが特殊な地質を持つ、長い大地の歴史の中で培われた、まさに貴重な大地の文化財であるということも認められました。私は、このようにすばらしい文化財に恵まれた伊東市であるからこそ、本市の未来のまちづくりには、市内にある貴重な文化財や市内にまだまだ埋もれている文化財を掘り起こし、それらを核に市民の文化力を高めながらまちづくりをしていくべきと考えているところであります。  それでは、ここで質問です。本市の総合計画における教育や観光に係る政策目標をより実現することに近づけるため、各基本計画をより具体化した「伊東歴史文化基本構想」の策定を提案いたしますが、市長の考えをお伺いしたいと思います。  続きまして、伊東市の文化力向上を目指すべく、伊東市議有志11名が参加する伊東市文化力向上議員連盟が、本市平成25年度予算案作成に先立ち、市長に提出させていただいた提言項目にもある新図書館建設に係る計画策定の検討について質問をさせていただきたいと思います。新図書館建設等の質問につきましては、これまでも先輩議員方により議論されてまいりました。昭和23年に設置された伊東市立伊東図書館は、昭和55年に現在の生涯学習センター中央会館の1階と2階の部分に移転され、現在使用されております。現図書館についての状況の詳細につきましては、これまでも議会の中で紹介されてまいりましたので、本日は省略させていただきますが、いずれにせよ、新図書館建設に係る指摘の理由につきましては、建設から32年経過した古い建築物であるということ、地震や津波による被害等の懸念があるということ、また、現状の図書館ではスペースも手狭で、使い勝手も十分とは言えず、図書館が実施すべき幾つかの事業に係るニーズにも応えられない状況であるといった理由であると解釈しております。  ことし10月、三島市で行われた佐賀県武雄市の樋渡市長の講演会に出席いたしました。うわさどおりの若くて型破り、まさにこれからの時代、地域主権改革が進む中で、発信力豊かなすばらしい市長でありました。また、武雄市において実施されているさまざまな取り組みや事業により、そこで起きている莫大な経済波及効果等のお話も聞かせていただきました。  その講演の中で、皆様既にメディアや新聞等によりご存じのことと思いますが、武雄市の公立図書館についてのお話がございました。武雄市では公立図書館の運営を指定管理者として、ビデオレンタルTSUTAYAなどを出がける民間企業、カルチュア・コンビニエンス・クラブに委託するといった、これまでに類を見ない新しいスタイルの公立図書館が、来年4月の開館に向け準備が進められております。カルチュア・コンビニエンス・クラブとの提携により実現する武雄市公立図書館の9つの市民に対する価値が挙げられました。1、20万冊の知に出会える場所ができる。2、雑誌販売が導入される。3、映画や音楽の充実。4、文具販売が導入される。5、電子端末を活用した検索サービスが導入される。6、カフェダイニングが導入される。7、代官山蔦屋書店のノウハウを活用した品揃えやサービスの導入がされる。8、Tカード、Tポイントの導入。9、365日、朝9時から夜9時までの開館時間ということであります。  ことし5月4日、武雄市で行われた新図書館構想プロジェクトの発表会において、樋渡市長は、市民の生活を豊かにする図書館をつくり上げたい、地域の文化が向上しないと地域が元気にならない、この図書館を起爆剤に地方から文化をつくっていきたい、そういったコメントを出しておられました。まさに次世代の地域の文化力を大切に思う若者たちに希望を与えるコメントであり、また、今までの感覚では想像もつかなかった斬新でチャレンジ精神に満ちあふれた事業ではないでしょうか。  私は、公立図書館とは近代国家にとって不可欠の社会施設であり、その自治体の知恵の宝庫であると考えております。まさにその自治体の文化力を示す一つの象徴ではないでしょうか。築32年と老朽化した施設の問題や、いつ来るやもしれない災害への懸念、そして低迷にあえぐ経済状況のもと、市内経済浮上の戦略的見地からも、改めて地域の文化力を磨き上げるきっかけとし、さらには郷土資料館設置、建設の議論もあるようであります。私は、郷土資料館と公立図書館との複合施設もいいのではないかと考えております。ぜひ、伊東の未来のまちづくりの象徴として、新図書館、伊東市民が誇りを持てる文化施設の建設に向け検討を始めていただきたい、そう考えております。  それでは、ここで新図書館建設についての質問です。質問の第1は、新図書館の必要性について市長の考えを伺いたいと思います。質問の第2は、新図書館の建設については、これまでも議会において本市の将来的な課題として検討していく旨答弁されておりますが、新図書館建設計画の具体的な策定時期についてお伺いしたいと思います。  続きまして、伊東市の救急医療体制の機能等についての質問をさせていただきたいと思います。来年春の開院に向け準備が進められている新市民病院でありますが、私は、この伊東市の医療体制の大きな変革期に、これまでの本市の救急医療体制を検証し議論することは大変有意義であると考え、このことにつき質問させていただきます。現在の本市の救急医療体制につきましては、初期救急である一次救急は大原夜間救急医療センター、入院が必要とされる救急、二次救急は市民病院、生命に危険のあると見られる救急、三次救急は伊豆長岡の順天堂病院という、いわゆるすみ分け方式を前提とした救急医療体制がとられております。  今から約11年前、国立病院から市民病院へと施設と運営が移管されるに当たり、本市に対し市民より救急医療体制の一本化を求める請願が1万数千の署名とともに提出され、本議会におきましても激しい議論がされたことを覚えているでしょうか。当時、この救急医療体制一本化を求める理由といたしましては、大きく分け2つあったと記憶しております。その1つ目は、一次救急と二次救急の施設のすみ分けは、自分の症状が一次であるのか二次であるのか本人には判断がつきにくく、患者にとりましては不適切であるばかりでなく、たらい回し等による医療災害を招くおそれがあるということ。2つ目は、市の財政も厳しくなる中、当時、年間約1億3,000万円にも上るセンターの財源を市民病院に回し、一次、二次救急を一括して担っていただくことにより財源的な軽減が期待できるのではないかというものであったと思います。  しかし、当時の市当局の判断は、市民病院は市内唯一の二次救急医療機関として、24時間365日救急医療を実施している。新病院に救急センターを併設し、全ての救急患者が市民病院に集中することとなれば、医療スタッフの面だけでなく、駐車場スペースや診察室などの施設や設備の面においても負担が生じ、本来担うべき二次救急医療に影響が出ることが想定されるとし、救急医療体制の一本化の提案が実現することはありませんでした。しかし、当時の鈴木前市長の答弁からは、一次と二次の救急体制は本来、同じところで行われるほうが好ましいといった答弁もあり、新たな病院をつくっていく過程で、スペース的な問題もある程度解決はできていくであろうとの答弁もされております。すなわち、新市民病院の開設に向けて検討していく課題であり、将来的には市民にとって理想の救急体制の構築に期待を残した議論の結末であったと私は当時の会議録から読み取りました。また、既にその議論がなされてから10年以上が経過しました。大原夜間救急医療センターの医療機器等の設備の老朽化も進んでいるのではないでしょうか。一次救急とはいえ救急医療を名乗っている以上、それなりの機能と体制がなくては、いざというときに人の命は守れません。  それでは、ここで本市の救急医療についての質問をさせていただきます。質問の第1は、大原夜間救急医療センターの機能は、現状十分であると考えているか、お伺いしたいと思います。質問の第2は、本市の救急医療体制において、一次と二次の救急施設を統合または併設することが、市民にとって理想であると考えておりますが、新市民病院建設計画策定時から、どのような議論がされ現在に至っているのか、お伺いしたいと思います。質問の第3は、本市の救急医療全般について、総体的視点から見た市長の見解をお伺いしたいと思います。  続きまして、「馬場の平のスコリア採取事業」について質問させていただきます。私は昨年9月、伊東市議会に初当選させていただく中で、市長を初めとする市当局に対し強く訴えたい課題の一つに、この馬場の平のスコリア問題があります。私たち伊東市には、市民の多くに雇用を生むような特に大きな企業や工場等があるわけではありません。サラリーマンとして都心に通うには少し遠くて、交通の便も決してよくはなく、普通の会社勤務をし生活を支えていくには条件が余り整っていない地域であります。そんな伊東に暮らす私たちの生活は、改めて言うまでもなく、すばらしい自然の恩恵があるからこそ観光地として成り立ち、それに支えられ、守られているのではないでしょうか。そういったことがわかっていながら、また10年以上も前から議論されている課題にもかかわらず、現在も指をくわえて事業者が私たちの自然を奪っているのを見ているだけ、そんな現況に情けなさと歯がゆさを感じているのは私だけではないと思います。  過去、昭和46年から昭和59年にわたり、面積にして約4万㎡、量にして約34万5,000立米の土砂、スコリア採取が既に行われ、その後、平成2年に次期事業として新たに土砂の採取事業の申請がされた。その計画内容は、開発面積4万㎡、採取量50万立米にも上る、これまでの採取量の総量をはるかに上回るものであった。しかし、当時、事業者の事業施工後の地元住民に対する不誠実な対応等が原因で事業計画の中止を求める陳情書が地元住民から出され、土地利用委員会の承諾を得ることができず、事業は一時中断を余儀なくされ、約10年間は採取事業が行われることはなかった、そのように聞いております。ここまでは自然の恩恵を守らなくてはいけないという市民の思いは反映され、許可をとれない事業者にしてみれば不本意であったと思います。当時の土地利用委員会の判断は当然のことであり、正しかったと思います。  この問題が再度動き始めたのは平成12年ごろでありましょうか、事業者より採取の再開申請が行われ、当然のことながら地元鎌田区や採取現場に隣接する丸善ランド自治会から反対の声が上がりました。しかし、本市土地利用委員会の承認を得ることが困難と見た事業者は、この手続を飛び越える形で、平成14年に環境省に進入路の建設許可や、静岡県知事に対し直接土砂採取事業、森林法に基づく開発の申請がされました。  今思えば、私は、この時点において伊東国際観光温泉文化都市建設法の第3条、観光温泉資源保護の理念をしっかり重視して、伊東市民の財産を絶対に守るんだという毅然とした態度で市が臨んでいれば、また違う展開もあったように感じます。その後、森林法に基づく林地開発の許可が出され、現在に至る約9年の間、「馬場の平のスコリア採取事業」は続けられております。  これまでもこの課題についての議論は会議録等でも確認させていただきました。長い間解決の糸口を見つけることができず、ここまで進められてきたこの事業に対し、伊豆半島が世界ジオパーク認定を目指している今だからこそ改めて検証し議論する必要があると思い、このたび質問させていただくことといたしました。  それでは、ここでスコリア採取事業に関する質問です。質問の第1は、40年間にわたり続く本事業について、これまでの調査や地元住民の証言等から、本市の温泉源や水源に影響がないと言えるか否か、お伺いしたいと思います。質問の第2は、今年9月伊豆半島が日本ジオパークに認定されました。本事業を環境保全の観点から見た場合、今後、世界ジオパーク認定を目指す本市にとって、私は認定の妨げになると考えておりますが、市長の見解をお伺いしたいと思います。質問の第3は、「馬場の平のスコリア採取事業」を伊東国際観光温泉文化都市建設法第3条、観光温泉資源の保護の観点から、条例において規制すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いしたいと思います。  以上をもちまして壇上からの質問を終わります。(拍手)                〔市長 佃 弘巳君登壇〕 ◎市長(佃弘巳 君)8番 杉本議員にお答えをいたします。  初めに、本市の未来に向けたまちづくりには、歴史や文化を尊重し、本市の文化力を最大限に生かすべきであると考えるがのうち、本市の総合計画に掲げる教育や観光に係る政策目標実現のため、各基本計画をより具体化した伊東歴史文化基本構想の策定について提案するがについてであります。本市の歴史遺産や文化を市民が受け継ぎ、子供たちに伝えるとともに、文化財を活用しながら伊東のまちづくりを進めていくことは非常に重要であると認識しております。その具体的な施策としては、第四次総合計画の中で「心豊かな人を育み、生涯にわたって学習できるまち」を目標に、歴史・芸術文化の振興を施策として掲げており、具体的な課題、実現への方策、あるいは市民参画の方法なども提示をさせていただいているとおりであります。  次に、平成25年度予算編成に向け、伊東市文化力向上議員連盟が提言した新図書館建設に係る計画策定の検討についてのうち、新図書館の必要性についてであります。本市の図書館の運営につきましては、生涯学習の活動拠点として、市民の知的欲求に応え、教養と地域文化発信の基地局として図書資料の整備充実に努めているところであります。新図書館の建設につきましては、将来的には必要であると考えておりますが、図書館運営の創意工夫を図り、一定の修繕工事を施行しながら、現在の図書館でさらなるサービスの向上を図ってまいりたいと考えております。  次に、新図書館建設計画の具体的な策定時期についてであります。新たな図書館建設につきましては、現在のところ具体的な計画はありませんが、市民ニーズの把握も必要なことから、今後の検討課題としてまいりたいと考えております。  次に、本市の救急医療体制についてのうち、夜間救急医療センターの機能は、現状十分であると考えているかについてであります。夜間救急医療センターは、比較的軽症な患者を対象とする第一次救急医療機関として位置づけており、患者に対し診察、点滴、処置、内服薬の処方などを行うとともに、手術や入院治療を要する重症救急患者の第二次あるいは第三次救急医療施設への診療を依頼する役割を果たしておるわけであります。夜間救急医療センターの機能につきましては、現状においてもエックス線装置や検査機器等、救急に必要な医療機器を備えており、第一次救急医療機関としては、医師会とも話し合いをする中で、十分であると考えております。  次に、本市の救急医療体制において、一次と二次の救急施設を統合または併設することが市民にとって理想であると考えるが、新市民病院建設計画策定時から、どのような議論がされ現在に至っているかについてであります。新病院建設諮問会議において一次と二次の救急医療を併設することを検討いたしましたが、市民病院は市内で唯一の第二次救急医療機関として、24時間365日の救急医療を実施しており、市民病院と夜間救急医療センターを併設し、全ての救急患者が市民病院に集中することになれば、医療スタッフの面だけではなく、施設や設備の面においても負担が生じ、本来担うべき第二次救急医療に影響が出ることが懸念されるとの意見が集約され、一次救急と二次救急については、現在の方法で進めていくことが適当であると判断したものであります。  次に、本市の救急医療全般について、総体的視点から見た見解についてであります。本市の救急医療体制は、夜間救急医療センターと日曜祝日当番医を伊東市医師会に担っていただいており、第二次救急医療を市民病院が担っております。救急医療を多くの医療従事者に担っていただくことにより、医療従事者の疲弊や離職を招くリスクが低下することから、本市の救急医療につきましては、それぞれが役割を分担することにより、バランスのとれた体制が組まれていると考えております。  次に、伊東の温泉源や水源への影響が危惧される馬場の平のスコリア採取事業についてのうち、40年間にわたり続く当該事業について、これまでの調査や地元住民の証言等から、本市の温泉源や水源に影響がないと言えるかについてであります。スコリア採取による周辺地域の温泉源や水源への影響については、専門家の間でも意見が分かれるところであり、事業者は附帯条件に沿って、丸善ランド分譲地簡易水道水位観測及び鎌田湧水水量観測を年4回実施し、その結果を静岡県、市、鎌田区に報告しておりますが、現状においては水位等に大きな変化は見られないという報告を受けております。また、温泉源につきましても、毎年市内の温泉湧出量の調査を実施しておりますが、その調査では、湧出量が著しく減少している等の結果は報告されておりません。このようなことから、現状においては、本市の温泉源や水源に影響がないものと理解しております。今後も、静岡県や鎌田区等と連携を密にして、附帯条件に付されている地元説明会や水位等の観測には必ず立ち会い、関係法令が遵守され、開発が適正に行われるよう注視してまいりたいと考えております。  次に、今年9月伊豆半島が日本ジオパークに認定され、今後世界ジオパーク認定を目指す本市にとっては、環境保全の観点から、当該事業が認定の妨げになると考えるがについてであります。伊豆半島ジオパークにおいては、伊豆市の船原スコリア採取場や白鳥山採石場をジオサイトとしております。これらの場所は、ふだん見ることができない火山活動に由来する地層を学ぶことができるためジオサイトとしたものであります。このようなことから、馬場の平のスコリア採取事業が伊豆半島ジオパークの世界認定の妨げになるとは考えておりません。  次に、観光温泉資源の保護の観点から、伊東国際観光温泉文化都市建設法第3条第1項の規定に基づき、当該事業を本市条例により規制すべきと考えるがについてであります。伊東国際観光温泉文化都市建設法及び伊東市観光温泉資源保護条例では、土石の採取等が観光温泉資源の保護に著しく影響を及ぼす場合または及ぼすおそれがある場合に、その行為についての禁止等を規定しております。スコリア採取に伴う周辺地域等への影響につきましては、現状においては、スコリア採取が温泉資源等に著しい影響を及ぼしているとは判断できないことから、伊東国際観光温泉文化都市建設法及び伊東市観光温泉資源保護条例の規制を受ける可能性はないものと認識しております。以上です。 ◆8番(杉本一彦 君)どうもありがとうございます。それでは、2次質問に入らせていただきます。  まず、文化力についてなんですが、昨日から文化力を生かしたまちづくりに係る質問が続いておりますけれども、私がきのうから見ている中で、市長の答弁は、いずれも文化力向上議連の提言には余り積極的ではないのかな、私なりの感想ですが、そんな印象を受けました。しかし、昨日も議論されました市民憲章の条例化や文化基本条例の制定、また私がきょう提案させていただいた歴史文化基本構想の策定、きのう市長は、そういったものを制定することによって市民を文化、文化と締めつけるのではないか、そのような答弁もされたわけですが、私は、条例やそういったものを制定することが、市民を文化、文化と締めつけることだとは決して思いません。皆さんがなぜ言っているかというと、これから厳しい時代が予想され、将来を迎えるに当たり、伊東のまちづくりをこれからどう進めていくか、そういった計画の中で観光地として観光客をどう誘客していくのか、あるいは伊東の将来を担う子供たちにどういった社会教育をしていくのか、いろいろ考えていかなければいけない中で、すばらしいものがいろいろあり過ぎる伊東でありますから、その中の選択と集中、そういった意味において、特に伊東市の文化財や伊東の文化力、市民の文化力を生かしたまちづくりをしていきましょう、そういった提案なんだと思うんですよ。まさに政治主導における市長のこれからのまちづくりに関しての理念や信条を問うているような質問なのではないかなと私は思いました。これは、きのうまでの文化力の議論の中での私なりの感想です。  多くの議員から文化力向上に係る質問がされております。また、この後も文化力に関する質問が多いようですので、私からは市長より、この文化力に係る政策の実現に道筋をつけていただけるかどうか、また、その時期について改めて聞きたいんですが、私たちが望む文化力を生かしたまちづくりの提言等に対して、市長に共感していただけるかいただけないかは、来年度の予算案においても調査費等、そういった何らかの形で予算に組み込まれるか組み込まれないか、まさにそれにかかっていると思うんですけれども、来年の春いよいよ市長の任期が満了となります。市長の任期の中で、これだけ多くの議員が望んでいる文化力向上にかかわるまちづくり、それらにみずから道筋をつけていただけるかどうかは、市長がこれまでまちづくりを考えてきた、また後世にどのようなまちづくりを望むか、市長の未来に向けた伊東のまちづくりの理念や考えは、果たして私たちが望む文化力を生かしたまちづくりに共鳴いただけるかどうか、それを示していただく本当にいい時期であると思いますし、いい機会だと思うんですよ。私たちが考える文化力の提言に対して、そういった時期にそういったものを示していただけるかどうなのか、お教えいただけますか。
    ◎市長(佃弘巳 君)今の質問の中で、市長選があるとかないとかなんていうのは関係ないわけです。文化というのは自主性を持って、みずからが物事を進めていくのが私は文化だと思っておるわけで、それを強制するようなものでないし、予算に反映されるかされないかとか、そのような問題でなくて、文化というものは、個々の方々が共鳴したものを積極的に進めていくのが文化であるし、文化力向上議員連盟をつくったのであれば目的をしっかりと持って物事を進めていく、私はこれが基本だと思っておるわけで、これを拘束して縛るということよりも、文化というのは自由に、おのおのの方が感動して、また理解をし、そういうものが自分に合っている、そういうものをやはりしっかりと方向性を持って進めていくのが文化だと思うわけであります。ですから、自分が言ったことを市長がやる、やらないということでなくて、みんなで文化力を高める中でこのまちを育てていく、そういう各種団体の養成、育成はしっかりとしていかなければならないと思っておるわけであります。ですから、第四次総合計画の中にも、文化をしっかりと支えていくには各種団体の方々とも連携を密にして、そういう文化の向上に努めていこうというものもうたっているわけでありますので、私は、強制をした中とか、条例をつくったりとか、縛りの中でなくて、自由にみんなで和気あいあいと物事を考えた中で共鳴をして文化力の向上を図っていく、そういうふうに考えているわけであります。以上です。 ◆8番(杉本一彦 君)私が今聞いているのは、市民を縛るとか縛らないとかの話ではなくて、計画にうたわれているではなくて、今回、文化力向上議員連盟有志11人によってそういった提言を出して、市民がどう考えるかではなくて、市長がその私たちの提言に共鳴していただけるかいただけないかという話をしているんですよ。ですから、市長の考えはわかるんですが、市長自身はどうなんですかということをお伺いしたいんです。 ◎市長(佃弘巳 君)図書館をつくるとか資料館をつくるとか、いろいろ提言は出ております。でも、それは必要であるけれども、今の財政状況を考えたり、また市民のニーズを考えた中で、やはり優先順位を考えながら伊東市としては物事を進めていかなければなりません。私個人においては、文化というものは本当に裾野が広いもので、自分の文化に対する理解度はまだまだないと思っておりますし、これからさらに個人としては文化の向上、どれが自分に合っているかというものも、いろいろな見聞を広める中で見ていかなければならないと考えておるわけであります。 ◆8番(杉本一彦 君)市民のニーズということですから、私たちは新図書館の建設をしろ、しろと言っているのではなくて、提言にもあるように建設に係る検討ですから、今、財政が厳しい中で――全国的に地方は厳しいですよ。ですから、当然公立図書館をただ建設しろと言ったって厳しい。それは十分わかっている。ただ、そういった中でも、地方ではPFI方式や、また新たな国の事業などを利用してそういったものを積極的に進めているところもある。そういう中で検討を始めたらいかがですかという質問ですので、それはすぐ建設に係る計画を立てろとか、そうではない。その辺は誤解なくしていただきたい。  そしてもう一つは、市民のニーズ、ニーズと市長は言いますけれども、ここにいる有志議員11名がまとまって出している提言ではないですか。ある意味、この市議会が伊東市民の縮図であるとするならば、半分の議員が望んでいることは、またこれも市民のニーズをはかる一つの物差しにもなると思うんですよ。そういった感覚で、11名の議員が言うことと市民のニーズというのは物すごく近いものだと思いますので、その辺は考慮していただいて、ぜひ前向きに検討していただければと思います。  それでは、救急医療のほうに入っていきたいと思うんですが、現在、伊東の救急体制はすみ分け方式にされている。答弁の中で、現状の形でいいという答弁をいただいたと思っておりますが、一次救急の現場において最低限必要なことは、市長もおっしゃいましたが、その一次救急の対応ですよ。しっかり一次救急として対応できる機能と体制がなければいけない。それはわかりました。  もう一つ大切なことは、一次救急を名乗っている以上は、その現場で、この患者の容体は一次であるのか二次であるのか三次であるのか、そこをしっかり見きわめられる、すみ分けができる体制と機能がなければ、ここにそういった夜間救急医療センターなどという「救急」がついた場所があると、逆にそれは市民にとって弊害になるおそれがあると思うんですよ。おなかが痛い、頭が痛いといった形でそこに行った患者さんが、実はこれは大変な病気で、三次救急に運ばなければいけない病気だった。頭なんかは特にそうですよね。そういったものがしっかり見きわめられなければ、救急は逆にうたわないほうがいいと私は思うんですよ。設備と体制については、私も市長の答弁がよくわからなかった部分もあるんですが、現実、一次救急の夜間救急医療センターは一次、二次、三次を見きわめられる体制にありますか、いかがですか。 ◎市長(佃弘巳 君)はっきり言って、一次、二次、三次という現場のすみ分けはぼかしておるようなところもありますし、書いてあるものにおいては、しっかりと文は書いてあります。でも、その人の病状によって、この判断というのは大変難しいと私は思いますが、救急車で来る場合、まずは救急救命士が判断して、夜間救急医療センターで対応ができるだろう、また手術を要する、それは二次に行かなければならない、そういう現場での判断というのは、私はそこによって物すごく難しい判断をしていかなければならないと思っております。文で書いてあるものはしっかりと書いてありますが、現場でしっかりと対応していくには、表だけで見たときと中をちゃんと調査したときの違いというのは出てくるわけであります。そこらは救急救命士も迅速に判断する中で物事を進めておるわけでありますので、結果論としていろいろと非難されることはあるわけでありますが、そういう中では一応すみ分けをして、しっかりと救急に耐えられる体制を今つくっておるわけであります。 ◆8番(杉本一彦 君)結果論としてと言いますが、余りよくない結果が出てしまってからでは遅いと思うんですよ。今、市長の答弁を聞いていると、現実には夜間救急医療センターで一次と二次と三次のすみ分けはしっかりできる、そういったことを言い切れる体制ではないということですよね。私は、市民病院と夜間救急医療センターを統合するべきという話ではないんですよ。そうであるとするならば、これからでも一次救急の現場でそういったものの積み上げがしっかりできる体制とか機能を持つべきだと思うんですね。  今の時代、救急医療をうたうなら、当然のことながらレントゲンやCT等は救急の場にあってしかるべきだと思うんですが、レントゲンが大体700万円から800万円ぐらいですか、CTが大体二、三千万円ぐらい、これは私の素人考えで、ただ、そのぐらいの値段なのかななんて聞いたんですけれども、これからもしっかりこういったすみ分け方式でやっていくとするならば、やっぱりこの設備を充実させる。でも、それはお金がかかりますから、そのためには経費とか、いろいろ考えていって、やっぱり体制も考えていかなければいけないと思うんですよ。ちなみに、夜間救急医療センターの体制、これは私は資料等ももらっているんですが、もう一度確認させていただけますか。 ◎健康福祉部次長健康医療課長(露木義則 君)夜間救急医療センターの診療体制でございますが、1年365日、毎夜午後7時から午前零時まで診療しております。体制につきましては、内科系の医師1名、外科系の医師が1名、合計2名の医師が対応しております。そのほかに放射線技師が1名、それからローテーションによりまして毎夜3名から4名の看護師が対応しているところでございます。 ◆8番(杉本一彦 君)診療時間が午後7時から深夜の12時まで、医師が内科と外科で1人ずつ2名、それと看護師が3名から4名、レントゲン技師が1名ということですね。これだけの人数の体制をとっている。こういった中で、23年度で結構ですが、この夜間救急医療センターの利用頻度はどれぐらいでしょうか。 ◎健康福祉部次長健康医療課長(露木義則 君)23年度におけます夜間救急医療センターの利用状況でございますが、1年間の利用者が4,362人、1日にしまして約12人の利用者があったということでございます。以上でございます。 ◆8番(杉本一彦 君)利用者が4,362人、1日平均が大体12人ということであります。これは私も資料から見たんですが、この年間4,362名のうち、大体3分の1に当たる千五、六百人が、夜間救急医療センターが始まって午後7時から8時の1時間を占めている。ということは、午後8時から12時の時間帯で1年間平均してみると、1日大体7.8人です。これだけの体制で、これだけの頻度の患者さん、民間の診療所ではとても考えられない体制だと思うんですよね。23年度の常勤看護師の人件費が合わせて約3,870万円、放射線技師の人件費が827万円、担当医師の人件費が年間に5,929万円、内科と外科2名いますから、これを時給に換算すると、1人時給1万6,000円、2人で1時間3万2,000円、これは現在の本市の市民生活や本市の財政状況から考えて適切だと思いますか。市長、いかがですか。 ◎市長(佃弘巳 君)これはやはり長年の医師会との話し合い、そういうものもあるわけで、現在医師会の方々も、地域の医療を伊東市医師会としても守っていかなければならない責任というのもあるわけでありますので、そこらによって賃金がどうだこうだということよりも、市民の安全・安心を守っていく中で、医師会とも話をする中で、また他市の賃金とも比べた中で話し合いをしていかなければならないと私は考えておるわけで、今の状況で高いとか安いとか、そういうことよりも、あそこの充実をしていくためにエックス線を入れたり、そういうものをしていかなければならないと考えておるわけであります。 ◆8番(杉本一彦 君)だから、結局、賃金が高いとか安いとかをどう思いますかということで、今の答えなんですけれども、私がそもそも言いたいのは、こういった体制をもうちょっと見直していくことによって、夜間救急医療センターの設備や、そういったものをもっと充実させられませんかねという提案でもあり、質問なんですよ。ですから、そのあたりは、市長は思っていないということでありますから、それはまたよくこれからも考えていただきたいと思います。  私も、新市民病院ができるに当たっていろいろ医療体制がよくなる、それはいろいろな資料から読み取れるんですけれども、なぜ救急医療の部分に関してはこれほど改革ができないのかなと思うわけですよ。午後8時から12時までの診療が1日平均7.8人、たったこれだけのものが、あれだけの新しい市民病院、60億円、70億円かけた市民病院で対応していけない、そういう体制をつくれないというのは何か腑に落ちない部分があるんですよね。だから、夜間救急医療センターが老朽化した問題や、現状における市民生活からかけ離れた夜間救急医療センターの待遇、また新しい市民病院の開設も含めて、もう一度ぜひ検討していただきたい。これからも救急医療はずっと続くわけですから、ぜひそういった体制についてもう一度検討していただきたい、そう訴えさせていただきます。よろしくお願いします。  続きまして、スコリアに入りますけれども、まず市長自身は、この馬場の平の環境保全、こういった観点から考えて、できることなら、もし事業者に理解していただけるのであれば、この事業はやめていただきたいという思いがありますか。 ◎市長(佃弘巳 君)私も、このときには県議会議員をやっていて、ここは何とか保全をしていかなければならないという大変強い意思もあったわけであります。ですから、そういう中で、企業のほうも一時中断をしていた経過もあるわけでありますが、企業としては何とかあそこからスコリアを取って採算性を上げていかなければならないという中で、苦肉の策で森林法という法律を出してきたわけであります。ですから、そのときにも県におきましても、森林審議会でこれ以上つけられないというぐらい附帯条件をつけていただいた経過もあるわけであります。これ以上やると裁判をやったときに県のほうも訴えられるというぐらい私は努力してやってきたつもりでいます。ですから、私も市長になって、できたら中止していただきたいというのを会社のほうにも言った経過もあります。でも、行政の長として、中止を命令したり、そういうものをまた強くやっていくと、行政手続法という法律があるわけでありますので、法律が通っているものにおいて、伊東市の市長として、それを強く言えない大変残念なところもあったわけでありますが、そういうお願いをした中で、やはり向こうとすれば採算性を上げるということで進んできたわけであります。私としては、あそこは守っていきたいというふうにも思ったわけで、民間の方々が反対運動をしている中で、資金を集めた中で、行政も応援して、あそこを売り払った原因、名義が変わった原因、そういうものを調べてきたときに、民間の方々のパワーをもっと強くやってくれということも相談したわけでありますが、そこらも今はトーンダウンをしてきておるわけでありますが、私は、できればあそこはそのままの状況にしていただきたいという気持ちは今でも変わってはいません。以上です。 ◆8番(杉本一彦 君)ありがとうございます。ということは、市長は、環境保全の観点から見ればあそこは残していきたい、できることならやめていただきたい、そういう気持ちでいるということを確認させていただきます。  ここに「伊東市の文化財」という2003年に教育委員会が出した本があるんです。この本を見ると、最初のほうに伊東市の名勝として、これから伊東が売り出していくべく城ヶ崎海岸や小室山、大室山、写真入りでそういったものの紹介があります。この中に景勝地として馬場の平が紹介されている。私は、それだけ馬場の平もジオスポットとしてこれから生かしていけば、本当に観光資源になるんだなと感じたんです。ことし東伊豆で細野高原のススキの何かをやっていたではないですか。ことしは東伊豆の観光協会もすごく力を入れていて、私は、ことしここへ行ったときに、景色もすごくよくて、本当にすばらしいところだなと。行ったときにすぐ思ったのは、スケールの大きさは違うんですけれども、子供のころ行った馬場の平に何となく似ているなと思ったんですよ。ああ、こういった馬場の平をこれからジオスポットとして磨いていって、すばらしい観光地としてつくっていけたらいいなと思ったんですね。  馬場の平をこれからそういったジオスポットにしていこうと考えた場合、市長は先ほど世界認定の妨げにはならないという判断を言っていましたけれども、私は妨げになると思うんです。それとあわせて、あそこをジオサイトとして磨いていくとするならば、やっぱり何としても早いところ採取事業はやめていただきたいと思うわけでありますが、市長は、妨げにはならないという理由の一つとして、ほかの世界認定を受けているところの例を挙げていました。もう一度聞きたいんですけれども、そういったところというのはどういった事業をされていて、それでも世界認定がされたのか。結局、ほかのジオサイトではそういった事業がされていて、そういった例を挙げて、伊豆半島はそれには当たらないと言っていたではないですか。すなわち、世界ジオパーク認定の妨げにならないという、その理由を教えていただけますか。 ◎観光経済部長(三好信行 君)馬場の平のジオサイトの関係についてでございます。市長が答弁したとおり、一つの例として伊豆半島のジオパークの中の船原のスコリア、そういうお話をさせていただきました。伊東市に目を向けますと、議員ご質問の馬場の平のスコリア採取がジオサイトの世界認定を妨げないか、そういう質問だと思います。平成22年11月21日ですか、4人の大学の先生がスコリアの問題で意見交換をしました。これは伊豆新聞にも当然掲載されました。その中で、地学の専門的に言うと、ジオパークの観点から言えば、あの工事現場をそのまま残していただきたい。さらには、あれだけの火山の噴火物をきれいに確認できる場所はないと、兵庫教育大学名誉教授である徳山先生、さらには富士常葉大学の教授であります藤川先生がそのようなことをおっしゃっておりました。伊豆半島の世界ジオパーク認定に向けて、馬場の平のスコリア問題は問題ない、妨げにならない、そういう形で答弁をさせていただいたと思います。以上でございます。 ◆8番(杉本一彦 君)話を聞くと、それが世界認定の妨げにはならないという確信が持てるほどのものがあるとはまだ思えないんですが、これからもぜひ注視していただきたいと思います。  水源や温泉源には今のところ影響はないという答弁も聞いたわけですが、時間もないんですけれども、温泉の湧出量は変わっていないけれども、実は鎌田の温泉の温度が平成14年から現在にわたってかなり落ちている。岡は落ちていないんですけれども、極端に鎌田が落ちている。そういったこともありますので、それがスコリア採取量とどう因果関係があるかはいろいろ調査してみなければわからないんですけれども、湧出量だけで見るのではなくて、温度が落ちているということも事実で、データでありますので、またぜひそちらのほうも確認して、これから注視していただきたいと思います。  先ほど市長も、市民の活動もだんだん小さくなってきてなんていう話をしていましたが、市長から環境保全の観点からもやめてもらうのが望ましいという答弁もあったわけですから、私もこれからやっぱりやめていただく運動をしていきたいと思っています。やめていただくにはまだまだハードルも高いと思うんですけれども、とにかくまず市民全体が市当局と一緒になって何とか環境を守っていくという観点からスクラムを組んでやっていけば、まだまだ可能性としてはあると思いますので、ぜひともご協力いただきたいと思います。この件につきましては、もうきょうは時間がないので、また今度やらせていただきますが、よろしくお願いしたいと思います。質問を終わります。 ○議長(宮﨑雅薫 君)以上で8番 杉本一彦君の一般質問を終わります。  10分間ほど休憩いたします。                 午前11時  分休憩                 ───────────                 午前11時10分再開 ○議長(宮﨑雅薫 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、15番 四宮和彦君の一般質問を許します。              〔15番 四宮和彦君登壇、拍手〕 ◆15番(四宮和彦 君)民主党・刷新の会の四宮和彦です。通告に従い、ただいまより一般質問を行わせていただきます。  本定例会においては、既にご承知のとおり、有志により本年6月に設立された伊東市の「文化力」向上を目指す議員連盟に参加する議員が、10月22日に市長宛て提出した平成25年度予算編成に係る政策提言書記載の7つの提言に従い、議連での議論を踏まえ、これに議員個人の所見を交えて質問を行っております。  私からは以下、伊東市の「文化力」の向上に資する観点から、「文化財保護課」を教育委員会に設置することを提案いたしますが、この提案に対する市長の考えを伺います。  「伊東市には、多くの文化財があり、それらは伊東市のまちづくりの基本的な要素を形成しています。合わせて、観光都市を標榜する伊東市にとっては、大事な観光資源としてもその活用が期待されているところです。貴重な文化財は、貨幣に換算できない程の価値を有するものであり、伊東市を特徴づける大事な財産です。現在の市民のみならず後世の市民にとっても同様に大事な財産として位置づけられなければなりません。  教育委員会の専権事項の一つに文化財保護行政がありますが、文化財の保護については、専門の知見にもとづく特段の配慮と工夫がなされなければなりません。そのためには、文化財の効果的な保存に係る専門的な部署の設置が必要になります。」。  以上は提言書に記載した提言の理由でありますが、市長室にて提言書をお渡ししたときに見せた市長の態度は、一言で言えば、議連を代表して提言書を提出に来た議員に対するものとしてはいささか礼を失するものとの印象を受け、また、手にとった提言書を斜め読みしただけでその場でなされた発言は、提言の趣旨を理解してなされたものとも思えず、頭から否定するような態度をとられたことからすれば、その後、真剣に検討されることもなさらなかったであろうことは想像にかたくありません。しかし、それでは、議連において議論を重ね、提言をまとめた意味がありませんので、いま一度この提案理由について詳細に説明させていただこうと思います。  先ほど伊東市には、多くの文化財があり、それらは伊東市のまちづくりの基本的な要素を形成していますと申し上げましたが、これは指定文化財を指して言っているのではありません。指定文化財の数に関して言えば、逆に、伊東の歴史、都市規模に比して極端に少ないと思われます。参考のために近隣自治体の例を申し上げますと、熱海市の場合、文化財の数は国指定が74、県指定が8、市指定が28、登録文化財が4、合計すると114件の文化財が指定または登録されており、また同様に伊東市より都市規模において小さい下田市の場合でも、国指定が7、県指定が8、市指定が56、合計71件が指定されています。一方、我が伊東市はどうかと言えば、国指定が4、県指定が8、市指定が27件、登録文化財が2件の合計41件であり、しかも、そのうち天然記念物が16件を占めており、伊東に暮らした、あるいはゆかりある人々の歴史、民俗にかかわる文化財の指定はわずかに25件にすぎません。この点、名勝、天然記念物といった自然遺産については、熱海市8件、下田市は15件であり、人の歴史、民俗にかかわる文化財の数に限って注目すると、熱海市106件、下田市56件となり、下田市は伊東市の2倍以上、熱海市は4倍以上の文化財の指定または登録がなされていると言えるのではないでしょうか。  もっとも、熱海市の場合、国指定文化財74件中68件が世界救世教が所有するものであり、MOA美術館の収集した古美術品類が熱海市の地域アイデンティティーにどの程度結びついたものであるのかは不明なものも多く、熱海市の主体的な文化財保護行政に必ずしもかかわらない指定文化財も少なくないと思われるところもありますが、世界救世教所有分を除いても指定・登録文化財は38件あり、伊東市の25件を上回ることには変わりがありません。  また、下田市は言わずと知れた幕末の開港の地であり、幕末期の歴史文化遺産の宝庫であり、指定文化財が多いのは当然かとも思われますが、指定文化財中、幕末期にかかわるものはわずか7件にすぎません。幕末の歴史事件にかかわる文化財を除いても、49件の歴史・民俗文化財が指定されており、伊東市の約2倍に上るのです。  この数字の差をどう受けとめるかはさまざまな解釈があるだろうと思います。伊東市には保存、継承すべき歴史的文化財が自然遺産を除くとおおむね少なく、文化的に非常に貧しい地域であったと考えるべきでしょうか。あるいは伊東市民が文化財に全く関心がないために、かつてあったものが今ではほとんど失われてしまったと考えるべきでしょうか。こうした解釈については否定し切れない部分もありますが、そうではないと考えます。  文化財は指定されたものだけが文化財なのではありません。指定文化財とは、単に文化財保護法あるいは文化財保護条例に基づいて指定されることにより制度上位置づけられたものにすぎません。文化財とは地域アイデンティティーの核となる、市民にとってかけがえのない宝であることによって文化財なのだと言えます。そして文化財とは、長い歴史の中、それぞれの時代において生み出され、地域社会にストックされていくものであり、その中には残念ながら失われてしまうものもあるでしょうが、そうした中で残るべきもの、残されるべきものが人々の努力によって今なお残り、未来に向けて継承されていくのであり、一旦失われてしまえば二度と取り戻すことはできず、貨幣価値に置きかえることができない非常に重い価値があることは言うまでもなく、伊東市には伊東市固有の価値を持つ文化財が必ずあるはずです。恐らく伊東市内には、いまだその価値が、あるいは存在そのものが認知されていないような文化財が数多く死蔵されているのではないかと思われます。そうであるとすれば、なぜそのようなことになっているのか、そこに伊東市の文化財保護行政のあり方の問題があると言えるのではないでしょうか。  さて、私は、先ほど文化財保護行政は教育委員会の専権事項の一つであると申し上げました。これは地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条に「教育委員会の職務権限」として明記されていることによりますが、さらに、第24条の2において、「当該地方公共団体の長が、次の各号に掲げる教育に関する事務のいずれか又はすべてを管理し、及び執行することができる。」として「1.スポーツに関すること。2.文化に関すること。」の2つの特例を掲げていますが、1については「学校における体育に関することを除く。」とし、2については「文化財の保護に関することを除く。」と、あえてただし書きを付して、地方公共団体の長、つまり市長、町長が文化財保護行政を直接管理し、執行することを排除している点に注目すべきです。  なお、昨日、長沢議員の質問に対する市長の答弁において、地方分権・地域主権改革の中で、文化庁が文化振興策を地方に押しつけたかのような発言がありましたが、事実は全く異なります。文化、スポーツに関する事務は、地域づくりとも密接な関連があるため、従前より他の地域振興関連行政とあわせて地方公共団体の長において総合的に担当したいという地方からの要請があったことを受け、平成17年10月及び平成19年3月の中央教育審議会答申において、教育委員会の所掌事務のうち、文化(文化財保護を除く)、スポーツ(学校における体育を除く)に関する事務は、地方公共団体の判断により、首長が担当できるものとすることとの提言がなされ、これに沿った形で地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正され、平成20年4月に施行されたというものであり、民主党政権成立以前の自公政権下、当時の福田康夫総理大臣のもとにおける法律改正であり、地域主権改革とは全く関係のない話です。また、鈴木議員の市民憲章に関する質問に対して、市長公室のみに掲示されているという当局答弁についても、実際は庁舎玄関前にも掲示されているということがあります。  長沢議員への答弁に限らず、昨日の一連の文化関連の質問に対する市長、当局の答弁を伺う限り、その場しのぎの根拠のない答弁が多く、議員の一般質問に対する答弁としては著しく誠実さを欠くものであるとの印象はぬぐえません。市長の答弁を聞く限り、市長が言われたように、国が行うべき文化振興策を地方に押しつけているというのではなく、どちらかというと、地方行政において行うべき文化振興策を市長が市民個人に押しつけようとしているとしか思えないのはまことに残念なことです。  さて、話を本題に戻しましょう。文化に関する事務のうち、文化財保護に関するものを除く理由とは何でしょうか。平成20年の地方教育行政の組織及び運営に関する法律改正に係る中央教育審議会答申及び文部科学省Q&Aによれば、文化財の保護に関する事務については、1、文化財は貴重な国民の財産であり、一旦滅失、毀損すれば原状回復が困難な性格のものであり、文化財の価値評価を初め、その保存及び活用に当たっては、専門的、技術的な判断が求められること、2、文化財保護行政は、一定の方針のもとに一貫して運用されなければ実効を伴わないものであり、時々の政治的な圧力や特定の宗派の介入等によって保護の方針が曲げられることのないよう、政治的・宗教的中立性の確保が強く求められること、3、文化財について理解を深め、尊重する態度を育むためには、学校教育や社会教育と一体となって文化財保護の普及啓発や人材育成に取り組んでいく必要があること、4、首長部局の行う開発行為との均衡を図る観点から、独立した合議制の機関がその事務を担当することが適当であることから地方公共団体の長が担当できる事務から除くこととすると4つの主たる理由を挙げています。  また、教育委員会の所掌事務のほぼ全てが、直接の根拠法はそれぞれであるにしても、最終的には上位法としての教育基本法の体系に位置づけられている一方で、文化財保護行政だけは文化財保護法を上位法とし、教育基本法とは異なる独自の体系に位置づけられている点も、文化財保護行政が一般の教育行政から独立性が高い行政事務に位置づけられていることのあらわれであると言うことができるかもしれません。文化財保護行政が教育委員会の専権事項であること、また、文化財保護行政が独立性の高い行政事務であることの重要性がここに読み取れると思います。  伊東市史編さん事業にも携わられた笹本正治信州大学教授は、著書の中で、我々は歴史の中でどういう存在なのか、今どういう立場にいるのか、これを学ぶ対象の一つが文化財である。文化財は指定されたものが全てではない。私たちが新たな文化を認識すれば、それも文化財になり、学び得ないものは、どんなに価値があっても文化財として意識されないのであると文化財保護行政の重要性について別の視点から述べられています。  つまり、文化財は、その内在する固有の文化的な価値によって、本質的に文化財としてそこに厳然として存在しますが、人がそれを文化財として意識し、保存、継承あるいは活用するようになるためには、その内在する固有の文化的価値を人が認識できなければならないのです。そこには文化財の価値を認知し得る能力を身につけるだけの学びが必要だということを笹本教授はおっしゃっているのだと思います。端的に言えば、文化財保護行政の担い手たる行政職員はもちろんのこと、市民が学ばなければ文化財保護行政は成り立たないのだということです。そして、そうした文化財保護の担い手を育てる役割を行政が果たさなければならないと地方教育行政の組織及び運営に関する法律は言っているのだと思います。  これは、まさに教育行政そのものの話ではないでしょうか。教育基本法とは異なる文化財保護法体系下にあるとはいえ、文化財保護行政はこのように学校教育、社会教育と一体不可分のものと言うことができると思います。だからこそ、文化財保護行政は教育委員会の専権事項であると言えます。単に市民から申請のあった文化財を審査して指定する事務作業を行うことが文化財保護行政の本質であるのなら、市民課の窓口に申請書類でも置いておけば済む話であり、埋蔵文化財調査にしても、建設部の所管にでもしたほうがよほど合理的でしょう。指定された文化財は観光課が保護、保全に努め、観光資源とし有効に活用すれば済んでしまうことでしょう。文化財保護行政が単にそうした手続事務にとどまることなら、教育委員会の専権事項にするような法的な正当根拠などあろうはずがありません。すなわち、文化財保護行政は教育行政そのものなのであり、社会教育の核心部分ともなり、また教育同様、時の政治状況、経済状況に左右されることなく一貫して行われなければならないからこそ、文化財保護行政は教育委員会の専権事項なのです。  このように、教育行政上の最重要事項を扱う専門部局が独立して存在していないのは、文化財保護行政の意味、文化財保護法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の本旨を無視するものであり、まさにそのまちの文化水準が問われるものと言わざるを得ません。こうした考えの中から、伊東市の文化力を一層向上させる視点に立って、他の教育行政事務から独立した専門部局である文化財保護課を教育委員会に設置することを改めて提言いたします。市長には私の提言趣旨を十分にご理解いただき、前向きなご答弁を期待いたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)                〔市長 佃 弘巳君登壇〕 ◎市長(佃弘巳 君)15番 四宮議員にお答えをいたします。  まず、政策提言書を持ってきたときの話をされたわけでありますが、私が否定的な話をしたということも言われておるわけで、決めつけられたような話をされるというのは、私にすると大変不愉快な思いをしておるわけであります。そういう中で、話し合いをしっかりとする中で、私は私の文化論について話をしたわけでありますので、そこらによって、議員である以上、何でも言っていいという問題とはちょっと違うと思います。あなたは私見で物事を考え、また言われましたが、私自身も、そういう中では否定をしておるわけではなくて、文化というものは自分の裾野を広げる中で、自主的に物事を進めていくのが文化であるという話をしたわけであります。そこらはよく議論をする中で、30分間、会って話をした誠意というものもあるわけでありますので、そこらはやはりしっかりと理解をしていただきたいと思います。  そういう中で、現在、文化財の指定については、8人の文化財審議委員を選任し審議を行う中で、本市の指定文化財として必要性を検討しながら、保護施策に取り組んでいるところであります。また、こうした文化財については、市が選任した文化財保護監視員7人による巡回パトロールや観察等により、保存状態等の確認を行っているところであります。また、埋蔵文化財につきましても、調査業務に当たる学芸員を配置する中で、保護施策の対応を図っているところであります。このことから、現状の行政組織の中で、文化財保護等の対応が行われているものと考えておりますので、文化財保護課の設置ということにこだわらず、引き続き現体制の中で文化財保護に努めてまいりたいと考えております。以上です。 ◆15番(四宮和彦 君)ご答弁ありがとうございます。今、文化財審議委員ほか監視員等を置かれて、その中で文化財保護行政に当たっている、現状の体制で十分であるというご答弁だったかと思いますけれども、役所のほうでの主管課というのは生涯学習課になるのかなと思います。生涯学習課内で文化財担当のような形の専門部署というのは、現状、行政機構図を見る限りにおいては存在していないようなんですけれども、その辺はどういう形で対応しているのでしょうか。その点についてまず伺います。 ◎教育委員会事務局教育部長(鶴田政利 君)教育委員会の中で文化財保護の関係につきましては、生涯学習係の中に文化財保護の担当がおりますので、そういった職員が担っております。以上です。 ◆15番(四宮和彦 君)行政機構改革以前は、たしか文化係というのが係として置かれていたと記憶しているんですけれども、文化係があった時点では、文化財保護に関しては文化係が担当するような形になっていたんですか。その辺はどうでしょうか。 ◎教育委員会事務局教育部長(鶴田政利 君)議員おっしゃるとおりで、文化係が担当しておりました。以上です。 ◆15番(四宮和彦 君)そうすると、市の機構上の形で言うと、表面的には文化係というのが現在はなくなってしまっているわけですよね。だから、それが文化財保護担当という形になっているのでしょうか。担当という名称がつくのかどうかもよくわからないんですけれども。そのあたりのところは、何となく行政上は後退したようにしか見えないんですけれども、文化係はなぜなくなってしまったのでしょうか。その辺のところは、もし市長が決定されたということであれば、市長のほうからお答えいただけたらと思います。 ◎副市長(石井勇 君)私のほうからお答えします。  まず、組織のスリム化ということを考えました。そんな中で、各部課長の意見を聞きながら、まず部を減らすこと、課を減らすこと、係を減らすことを考えまして、その中から出てきたのがその結果ということになります。以上です。 ◆15番(四宮和彦 君)その辺は、確かに組織のスリム化という合理化を図っていくというのは一つの流れの中であるのかなとは思いますけれども、認識の仕方として正しいかどうかはまた別として、確かに市長が昨日、長沢議員に対する答弁としておっしゃっていたように、法改正だとかに伴って、文化振興策は地方のほうが非常に仕事がふえてきていることは事実だろうと思うんですね。そうだとすると、文化にかかわる仕事自体が非常にふえてきている。特に、先ほど来私が壇上でも申し上げたとおり、文化財保護行政ということに関して言えば、非常に独立性の高い組織で、専門性が非常に要求されてということですから、仕事の分量としてはかつてよりも非常にふえていっているはずだと思うんです。そういった中で、本来だったら部局としての充実を図らなければいけないところに、それが合理化の対象になってしまったというところについては、私はちょっと疑問に思うんですけれども、そういった中でなぜ文化係を減らさなければならなかったか。伊東市には余り文化的なことにかかわる仕事がないということなのでしょうか。その辺のところをお答えいただければと思います。 ◎教育委員会事務局教育部長(鶴田政利 君)基本的には、今副市長がご答弁させていただきました組織のスリム化ということもございますけれども、今議員おっしゃったとおり、事務的な業務もかなりふえております。そういった中で、文化係ですと主査を含めまして学芸員が4名いたわけでございますけれども、文書的な処理もございます。そういったものを生涯学習係とあわせまして、文書事務については生涯学習係に専門の補佐がおりますので、そういった協力体制をとりながら、学芸員が文化財保護について、できるだけ手をほかの事務に煩わされないようにという形もございまして、今の体系にさせていただいたというところでございます。以上です。 ◆15番(四宮和彦 君)担当課名、担当係名というものについては、ある、なしにかかわらず職員の充実は図られていますということなのかなと思いますけれども、そうであるとしたら、今私は文化財保護行政についてお尋ねしておりますので、その文化財保護行政にかかわる職員というのは、現状で生涯学習課内に何人置かれているのでしょうか。 ◎教育委員会事務局教育部長(鶴田政利 君)文化財保護については学芸員が4名携わっております。以上です。 ◆15番(四宮和彦 君)担当職員の4名が全て文化財保護行政にかかわっているということですね。では、学芸員以外には専門職員というのは置かれていないという理解でよろしいのでしょうか。 ◎教育委員会事務局教育部長(鶴田政利 君)文化財保護に関しましては、かなり専門的な分野でございますので、取り扱っている部分は学芸員が主に携わっておりますけれども、その他の文化、芸術の部分もございますので、その部分につきましては一般事務員が課長補佐を含めて3名おります。そういった者が文化、芸術に関しての業務を含めて行っております。以上です。 ◆15番(四宮和彦 君)現状そうであるということになると、そこまでで話が終わってしまうわけですけれども、今の文化財保護行政のあり方というのを考えていったときには、例えば伊東なんかでも、いな葉であったりだとか東海館であったりだとかという登録されている文化財の建築物がありますよね。自治体によっては専門職員を単純に学芸員とかいうくくりではなくて、例えば建築士であったりだとか、歴史建造物に対する専門家であったりだとか、そういう形で置く人たちもいる。あと自然遺産なんかに関しては、例えば地質、植物、こういったものに対する専門的な人員を課の中に設置するという形もあるようです。ですから、その辺のところを考えると、今、7万二、三千人という人口規模の中での生涯学習課内の文化財保護担当者が学芸員の4名だけであるというのは、全国平均から見てもちょっと少ないのかなと。しかも専門性という点で言うと、ゼネラリスト的な人たちしかやっていないのではないのかという心配があるわけですけれども、今後そのあたりのところについて、専門家集団化するとか、教育委員会での職員のあり方だとかということについて対応するお考えはないでしょうか。 ◎教育委員会事務局教育部長(鶴田政利 君)基本的に、今議員おっしゃいました建物の関係とか専門分野につきましては、実際文化財保護に関しましては、議員は法律等に詳しゅうございますので、伊東市文化財審議委員会がございます。この中にはかなり専門的な先生をお呼びして、教育委員会が諮問をして答申をいただくという形になってございます。ですので、学芸員は一定の資料収集等はさせていただきます。また、建築等に関しましては、建設部のほうに話を聞くということもございますので、そういった中で、伊東市全体の職員の中で対応しているというのが今の現状でございます。今言いましたように、文化財審議委員会委員の先生方はいろいろな分野でお越しいただいておりますので、そういった中でカバーできるのかなというふうには考えております。以上です。 ◆15番(四宮和彦 君)文化財審議委員会は、確かにそういう形で、8人の中には専門家の方たちがいらっしゃるのだろうというふうには思います。ただ、以前の森議員の質問の中でもあったかとは思うんですけれども、文化財保護条例だとかが今後どういう形で改正されるのか。今部長のご答弁の中にもあったとおりで、諮問、答申という形式ですよね。審議委員というのは常勤の職員さんではないわけですから、専門分野を持っているとはいっても、伊東のどこにどんな文化財があるのかなんて常に見て回って、ああ、これを建議しようだとかという活動をしているわけではないですよね。今の体制で積極的に言うのであれば、例えば、諮問して提言を受ける、答申を受けるという形であるとすると、本来だったらば諮問するという部分を一般市民が申請してきてということがあって、そこで諮問されるという形式になってしまうのかなと思いますけれども、積極的ではないですよね。要するに、待っているという状態でしかないわけではないですか。だから、本来は生涯学習課の行政職員がそれを職務として、きちっとこういうものがある、ああいうものがあるということを積極的に諮っていって、それを審議委員会にかけるなり、審議委員の人たちがもっと活発な活動ができるような体制を行政側として支援できる体制というものをとっていって、また、それに際してそういう活動が必要であれば条例改正も必要になってくるだろうと思いますけれども、その辺のところについては、今後の対応の仕方としてのお考えはどうなのでしょうか。 ◎教育委員会事務局教育部長(鶴田政利 君)基本的には、今私も申し上げましたように、文化財につきましては教育委員会の専権事項でございますので、当然教育委員会が、その文化財が正しいかどうかというものについて文化財審議委員会に諮問をするということを申し上げましたけれども、実際、以前森議員だったと思いますけれども、文化財について文化財審議委員会が建議、意見を言えるかどうかという話で、私どものほうでそういったルール改正については検討しますという話をさせていただいている部分でございます。そして現行、学芸員等がいろいろ調べましたものについては、学芸員から文化財審議委員会に上げるというルールはございませんので、実際にはそういった資料を教育委員会として、あくまでも文化財として正しいかどうかというものを諮問して答申をいただく中で、現在のところは文化財の保護についてルールづくりをしているということでございます。新たに文化財保護について、そのルールをどうするかということについては、前々から教育委員会の中でも建議についてのルールをどうしようかという話もございますので、いろいろ検討をしているところではございます。以上です。 ◆15番(四宮和彦 君)文化財保護課のことについては、今、市長のほうが現状の体制で十分であるというお答えだったわけですけれども、地方公共団体によっては、文化財保護行政の現場の主体となるところは、例えば博物館であるとか郷土資料館とかという施設に置かれている。伊東市の場合、博物館も郷土資料館もどちらもないわけですけれども、土屋議員から郷土資料館の建設を求める質問もありました。ですから、専門施設というのはないにしても、伊東市で強いて言えば、文化財管理センターがこれに該当する施設なのかなという気がするわけですけれども、この文化財管理センターというのがどういう機能を果たしているのか。今、本当に単純に倉庫としての機能しかないのかななんていうような形にも見えてしまうわけですけれども、もっとこの辺のところも機構の中で、積極的に文化財保護行政というものにかかわっていく体制がとれるのではないかという気がしているわけです。今、文化財管理センターについては、現状の行政機構図を見ても、公民館や図書館のように専門担当が置かれている形跡がないんですけれども、センター長とかは置かれているのでしょうか。あるいは置かれているのかいないのかということで言うのだったら、センターの事務管理及び執行の責任者というのは一体誰がやっているということになっているのでしょうか。 ◎教育委員会事務局教育部長(鶴田政利 君)現在、文化財管理センターにはセンター長は置いてございません。この施設そのものの目的でございますけれども、文化財の収蔵庫という形で建設をさせていただいております。収蔵庫といいましても、当時の建設のときにいろいろなところと打ち合わせをしまして、実際には展示スペースも一定のスペースをつくるという形で建設をさせていただいております。そういった中で、実際このセンターというのは生涯学習課で管理をしておりまして、権限というか、そういったものについては生涯学習課長が担当をしているところでございます。以上です。 ◆15番(四宮和彦 君)文化財管理センター建設時に補助金等の交付を受けて建設をされたという話を聞いたことがあるんですけれども、その際、当然縛りのあるというか、目的があっての補助金という形になるので、例えば文化財管理センターを郷土資料館的な展示施設として活用することについては、一定の制約があるという話を聞いたことがあるんですが、今この辺については現状どういうふうになっているのでしょうか。活用が可能なのか、あるいは不可能なのかという、その辺のところについてお答えいただければと思います。 ◎教育委員会事務局教育部長(鶴田政利 君)基本的には、建設当時でございますけれども、文化庁といろいろな話がございまして、展示スペースを設けるという形で建設をさせていただいておりますので、今使っている展示スペースは機能可能という形でございます。以上です。 ◆15番(四宮和彦 君)ちょっと視点を変えさせていただきます。先ほどいわゆる地方教育行政の組織及び運営に関する法律の話を中心として、文化財保護行政の根拠がどういうものなのかということを壇上からも質問させていただいたわけですけれども、地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、教育委員会と地方公共団体の長の職務権限についていろいろなことを定めているわけです。条文上ですと第23条に「教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行する。」として、19項目の所掌事務を掲げているということです。その中の第14号に文化財の保護に関することが出てくるのであって、それを今問題としているわけですけれども、これだけでなくて、第14号の文化財保護の次の第15号にユネスコ活動に関することというのも出てくるんですけれども、これも非常に重要であると考えます。ユネスコというのは、言わずと知れたユナイテッド・ネーションズ・エデュケーショナル・サイエンティフィック・アンド・カルチュラル・オーガニゼーションの頭文字のUNESCOというのをとった名称であって、日本語に訳せば国際連合教育科学文化機関となる、教育、科学、文化の発展を目的として設立された国際連合の専門機関です。  ここで疑問がわくのは、今までの質問の中にも何点か出てきていますけれども、ジオパーク活動です。ユネスコ活動で有名なものの中には世界遺産の活動があります。世界遺産の活動に関して言えば、これはユネスコ総会で採択された世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約、いわゆる世界遺産条約に基づく活動であって、世界遺産にかかわる活動はユネスコ活動に該当するということは明確なことだろうと思います。ですけれども、ジオパークに関しては、世界ジオパークネットワーク、日本ジオパークネットワークによる活動で、世界遺産とは似て非なるものであるということは、いろいろなところでたびたび指摘されるところです。特に、その保存ということと活用に関してですけれども。ただ、そもそも世界ジオパークネットワーク自体はユネスコの支援によって立ち上げられた組織であって、だから、これもユネスコ活動に含めて捉えるということは決して無理のないところであろうと考えるわけです。  ここで改めて、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条の14号と15号が問題になるのではないのかなと僕は考えます。特に、伊豆半島ジオパークのうち伊東のジオサイトに目を向けてみると、国指定の天然記念物である大室山を代表として、市指定の天然記念物としてのかんのん浜ポットホール、大室山スコリアラフト、こういった指定天然記念物になっているものの多くは、そのほか植物群や大木、古木なんかも含めて、ジオの恵みによるものと捉えることもできるのではないかと思います。あと産業遺跡とも言うべき江戸城石丁場なんかも含めると、こういったものもジオの中に含めて捉えられるのかと。これは全て文化財ではないですかというところです。要するに、ジオパーク活動の対象というのは、ほぼ全て文化財であると言うことができるのではないのかなという点です。  さらに、ジオパーク活動の内容というのは、要約すれば大地遺産の保全、教育、ジオツーリズムの3つを柱としているわけで、構成要素の3つのうちの2つが教育委員会の所掌事務になっているのではないのかなということを僕は今問題にしているわけです。文化財保護行政と社会教育行政に直接かかわっているにもかかわらず、伊豆半島ジオパークに教育委員会が全くかかわっている様子がないというのはちょっと腑に落ちないんですけれども、文化財保護に関すること、ユネスコ活動にかかわることのいずれもが法律上、教育委員会の専権事項とされるのであれば、なぜジオパーク事務局は観光課内に置かれているのかということです。なぜジオパークに関して教育委員会がかかわっていないという状態になっているのか、この辺についてお答えいただけたらと思います。 ◎観光経済部長(三好信行 君)今、ジオパークについて教育の関係がかかわっていないかというご質問だと思います。これは伊豆半島の7市6の首長が集まりまして、ジオパーク推進をしてきたところでございます。これは議員ご承知のとおり日本認定になって、現在、世界に向けて着々と準備を進めているところでございます。ほかの自治体も含めまして、伊東市におきましても現在観光課が事務局となっておるのは事実でございます。その中で教育委員会等とも連携をしているわけでございます。その中身につきましては、当然伊豆半島の成り立ち、生い立ち、そういうものを生涯学習にも生かしてほしい、伊豆半島を知ってほしい、地元の地域を知ってほしい。そういう形の中で、自分たちが自然の遺産に恵まれた地に住んでいる、生きているんだという部分を含めまして、いろいろな活動に小学生も参加いただいて事業を進めているところでございます。以上でございます。 ◎教育委員会事務局教育部長(鶴田政利 君)今、教育の観点からということでございますけれども、今観光経済部長が答弁いたしましたとおり、学校でも総合学習の中で今ジオサイトの勉強を行っているところです。また、ジオサイト、ジオパークがわかるような形で遠足にも出向いているという形で教育委員会としては取り組んでいるところでございます。以上です。 ◆15番(四宮和彦 君)取り組む姿勢の問題はわかります。私が今問題にしているのは法律上の整合性の話であって、地方教育行政の組織及び運営に関する法律というのは、先ほど言ったように、第23条で19項目、これは要するに教育委員会の所掌事務と言っているわけですよね。教育委員会の所掌事務ということは、要するに教育委員会に管理権限、執行権限があると言っているわけです。その中に文化財保護行政、ユネスコ活動、この2つが入っている。しかも、どうもこの2つというのは、ジオパーク活動もこれに含まれてしまいませんかという話なんです。観光に活用したいから観光課に事務局を置くんですという気持ちはわかります。だけれども、法律は何と言っているかなんですが、壇上でも述べましたけれども、地方教育行政の組織及び運営に関する法律というのは、第23条の19項目を挙げた後に、第24条において市長が扱ってもいいという項目を挙げているわけです。  さらに、第24条の2、これが平成20年に改正され、つけ加えられたわけですけれども、その中でスポーツに関すること、文化に関することも、教育委員会所掌事務ではなくて、市長部局においてやっていいですよという話になったわけです。ただ、括弧書きでただし書きとして、文化に関することは「文化財の保護に関することを除く。」と言って、市長がやってはだめだと言っているわけですよ。教育委員会がやらなければだめだと。さっき私は壇上でも、なぜ首長がやってはいけないのか4つの理由を挙げましたよね。だから、観光課がジオパークをやってはいけないのではないのかという疑問があるということです。これは違法ではないですかという話なんですよね。(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)そんなことないよって、そんなふうに書いてあるんです。だから、その辺のところの法解釈論を言っているわけなので、その辺はどういう見解でいるのかをお聞かせいただきたいということです。 ◎市長(佃弘巳 君)法違反をやっているということは一切認識はしておりません。これを立ち上げるときにも、日本ジオパークの委員長さん、また事務局ともいろいろ話をした中で、そういうものによっては教育は後から絡めていこうという中で、とりあえずまず組織をつくった中でぜひ進めて、ジオサイトを幾つ提案するかとか、そのようなものを絡めていきましょうという中で、法律に違反をしているということは一切ありませんし、また日本ジオパークの認定をもらったときにも、これから地域の人たちが一つ一つを理解できるようなジオガイドの養成をする中で、子供たちにもわかるような教育、そこらとも連携をしていきましょうということで今進んできておるわけでありますので、法にそう書いてあったから違法だなんていうようなことを言われること自体がちょっと間違っていると私は思っておりますし、自信を持って、このジオパークにおいては、日本ジオパークとも法律面によってもいろいろと協議をする中で進めてきておるわけであります。とりあえずは一つの核をつくった中で、これからさらに裾野を広げていく組織も取り入れていかなかったら世界ジオパークの認定に向けては進んでいかれないということで、これからはさらに拡大してやっていく、そういう気持ちでいます。 ◆15番(四宮和彦 君)市長の思いも結構なんですけれども、今、別に私はジオパークを主題としたいわけでは全然ないわけで、文化財保護ということを言っているわけです。ただ、ジオパーク活動をするということは、必然的に文化財保護活動にかかわってしまうわけですよ。だってジオサイトが文化財なんですから。結局、ジオツーリズムなんて文化財をめぐる旅になってしまうわけではないですか。では、その保全はどうするのか。文化財保護行政ですから、これは教育委員会が担当しなければいけない。それは観光課がやってはいけないわけですよ。だって法律にそう書いてあるんですから。教育委員会以外はやってはいけないと書いてあるわけですよ。教育委員会以外が文化財の保護をやってはいけないと法律に書いてあるんですよ。(「そんなことない」と呼ぶ者あり)いや、そうですよ。地方教育行政の組織及び運営に関する法律をちゃんと読んでくださいよ。やじはいいんですけれども。だから、そこの部分の法解釈についてはちゃんと明確にして、整合性をとるということは大事なのではないかと思います。  そこで話を戻せば、だったらば、まさに文化財保護行政にかかわる文化財保護課というものが教育委員会内にあれば、そこが事務局としてジオパークも管轄すればいいわけですよ。文化財というのは、なぜこれが独立しているのかということで、さっきから私はいろいろな理由を挙げましたよね。ちゃんと理解していただけましたか。ちゃんと4つ挙げましたよね。文化庁が言っていること、中央教育審議会が言っていること、理解できますか。だから、なぜ首長がやってはいけないのか。いろいろな点で独立性を保って、一貫して歴史的なものをちゃんと守っていかなければいけないということを言っているわけですよ。これがそういう理由なのであって、ただ法的、形式的な問題を言っているわけではないんです。なぜ首長がそれにかかわってはいけないのかというと、文化財保護行政に支障を来すから、あなたたちはかかわってはいけませんということを言っているわけです。そこの部分の法の趣旨というものをしっかりと理解していただかないといけないだろうと思うんです。だから、そこの部分をしっかりと、まず法的な整合性をとるという意味からも、ちょっと話が飛躍するかもしれませんけれども、僕は、文化財保護課については必然性があるだろうと思っています。この辺は議論にならないかなという気もしますので、答弁は特に求めないですけれども、しっかりとこういうことについても意識を持っていただいて、文化財保護行政に当たっていただくということは希望したいと思います。  あと、市長が、経済情勢がなかなか厳しい中で、文化振興策だとかということにかかわるのは、先ほどのいろいろな建設のことも含めてですけれども、予算的な措置だとか財政的な面でかなり厳しいものがあると。だから、端的に言ってしまうと、景気がいいときに文化の話をしましょうというところなのかなと思うんですけれども、首を振られていますが、では、その辺はどういうお考えでしょうか。 ◎市長(佃弘巳 君)箱物をつくるのは、今の状況の中では、財政的なものを考慮した中で進めていかなければならないということであって、文化は箱物がなくたって進めることはできるわけであります。ですから、そういう中で、文化の振興をしていくために、しっかりと自主性を持って物事を進めていくべきであるということを私は言っておるわけであって、箱物のことだけは今はできないということを言っているだけです。 ◆15番(四宮和彦 君)もちろん箱物をつくるということ以外に関しては、金が大幅にかかるものばかりではないわけですから、今あるものを活用してやっていくという方向で、文化振興については市長も積極的に取り組みたいというご意向だろうと思いますので、その辺は安心しました。  ただ一方で、箱物を今つくることはできないにしても、杉本議員なんかの質問の中にもありましたけれども、計画をしっかりとつくって企画化していくということは非常に重要なことなのではないかと思うんです。特に、文化財保護行政の根拠法である文化財保護法というものを考えたときに、これは1949年に法隆寺金堂の壁画が火災で焼損してしまったということを契機として、議員立法で翌年5月に成立したという経緯があります。ただ、現実には、文化財保護法がそれをきっかけとしてできているわけですけれども、文化財保護行政の重要性が再認識された時期はいつぐらいの話なのかというと、実はその後も高度経済成長期に非常に破壊的な開発が全国でどんどん進んでしまった中で、文化財、特に埋蔵文化財なんていうものは非常に失われてしまったという反省があるわけですよね。それは結局、なくしてしまって、こんな大事なものがあったということに改めて気がついたのは、オイルショック以降、経済的なものがちょっと停滞期に入ったころになって、だから経済が逆に停滞するときにこそ、改めて文化の大事さというものについて気づかされるということは大いにあるわけなので、まさに今、不況であるこのときにこそ、文化というものにしっかり注目をして、それをどういうふうに保存、活用していくのかということについて真剣に考えるという、いいタイミングなのではないかと僕は考えているわけです。ですから、まさに不況の今こそ文化に目を向けるべきだと私は考えておりますので、ぜひこの時期に、我々の提言する文化振興策その他いろいろな文化にかかわる提言についてご考慮いただいた上で、改めてそれを政策の中に生かしていただけるという方向に持っていっていただけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  以上で私の一般質問を終わります。(拍手) ○議長(宮﨑雅薫 君)以上で15番 四宮和彦君の一般質問を終わります。  昼食のため、午後1時まで休憩いたします。                 午前11時55分休憩                 ───────────
                    午後 1時   再開 ○議長(宮﨑雅薫 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、1番 掬川武義君の一般質問を許します。              〔1番 掬川武義君登壇、拍手〕 ◆1番(掬川武義 君)通告のとおり、以下5点の質問を行います。  第1点目といたしまして、伊東市民病院の開院を間近に控え、医療機器を初め準備は万全に進んでいるのか、お伺いをいたします。昭和36年、国立伊東温泉病院が開院し、その後、平成13年、厚生労働省より移譲されてから約12年経過いたしました。その平成13年からの10年間を初め、その後の平成53年までの30年間を公益社団法人地域医療振興協会に指定管理者として委託いたしました。その間、議会では医療問題特別委員会等で多くの議論がされてまいりました。以上のような長い経過をもってようやく完成した新病院に多くの市民が期待感を持つことは当然のことであると思います。  厚生労働省によりますと、都道府県や市町村などの自治体が運営する医療機関は全国で4,578施設となっています。病院の予算、決算は、本市でも他の事業と同じように議会の承認が必要であり、条例に基づいて執行されることは当然であります。近年、自治体病院の累積赤字は平成21年度で2兆1,571億円となり、10年前の倍近くに悪化しています。その理由は、自治体の財政難や医師、看護師不足などによって自治体病院では統廃合や民間への譲渡など再編が進んでいます。その数は平成23年までの5年間に全国で413施設、全体の8.3%減少しています。その背景は、医師の開業がふえ、小児救急や産科などで勤務医が不足して診療が縮小、それに伴って病院の収入も減少することが大きな理由であります。  そこで、開院まで3カ月足らずとなった現在、ただいま申し上げました全国的な諸問題は本市にはないのか、少々心配するところであります。しかし、あらゆる部分で検討され、具体化した中で開院の準備が進められていることと思います。開院までのご苦労に敬意を表します。  そこで幾つか質問いたします。まず、医療機器、つまりCT、アンギオ、MRIなどは最新鋭の機械が導入されたのか、お伺いをいたします。また、今までの市長の答弁から、医師の数は56名から65名の確保をしたい、准看護師を含んだ看護師は136名から181名必要とのことでした。既に確保はされたとは思いますが、現在確保された医師及び看護師の数をお伺いいたします。さらに、現在の14診療科目を条例で定めている17診療科目とすることによって幾つの病床数で開院となるのか、あわせてお伺いをいたします。  2点目の質問といたしまして、平成25年度予算編成において、各地域より提出された要望書及び文化力向上議員連盟より出された提言書への対応についてお伺いをいたします。既に平成25年度の予算編成が始まったと思います。これから市長の各課ヒアリングから始まり、市民や政党からの要望、議員の提言、複雑な作業も含め担当課は多忙な毎日となることと思います。市内の冷え込んでいる経済をどのように立て直すのか、観光客の減少をどうするのか、教育の問題、福祉の充実、防災対策、道路整備等、やらなければならないことは山積しています。  そこで、幾つの行政区より要望書の提出がされているのか、お伺いをいたします。  また、文化力向上議員連盟は以下7項目の政策提言を行いました。1点目といたしまして伊東市民憲章を条例化すること、2点目、文化基本条例制定の検討を開始すること、3点目、文化財保護課を教育委員会に設置すること、4点目、江戸城石丁場遺跡の保存・活用に係る基本的な計画を策定すること、5点目、新図書館建設に係る計画策定の検討を開始すること、6点目、東海館を当面の歴史文化遺産ビジターセンターとしてその活用を充実させること、7点目、郷土資料館の建設を促進させることの7項目であります。  昨日からの一般質問におきまして、文化力の向上に資する観点から多くの議員が文化について市長の考えを質問いたしております。このことは、議員みずから文化力を高めようとする意思のあらわれであります。市長もこのような機会を捉え、市民とともに今まで以上に文化を高めるよいきっかけとして対応をすべきと思います。  市長は平成25年度予算編成において、各地域より提出された要望書及び文化力向上議員連盟より出された提言書への対応についてどのようにされるのか、お伺いをいたします。  3点目の質問といたしまして、伊豆高原桜並木のライトアップによる誘客についてお伺いをいたします。ご案内のとおり、伊豆高原桜並木は延長3㎞あり、約600本の桜の木があります。過去には伊豆急によりちょうちんなど照明と地元有志によるライトアップなどによって夜桜見物が楽しめました。その後、伊豆急によりますちょうちんがなくなり、有志の高齢化により投光器のセッティングが困難になるなど、夜の桜並木が年々暗くなりつつあります。歩道の整備もされ、桜のシーズンでは多くの来遊客や市民の集まる場所でもあります。伊豆高原桜並木のライトアップによります誘客について市長のお考えをお伺いいたします。  4点目といたしまして、伊豆半島ジオパーク認定により、今後の観光政策はどのように変化するのか、お伺いをいたします。  最後の質問といたしまして、城ヶ崎の松くい虫防除のために使用したスプリンクラー用のビニールパイプは、松を傷め景観を損ねています。早急に撤去する必要があると思います。市長のお考えをお伺いいたします。松くい虫被害は昭和40年ごろ確認をされ、全市的に被害が拡大をいたしました。昭和43年以降、被害木の伐採を行い、昭和50年度から城ヶ崎海岸を中心に薬剤の空中散布を開始し、昭和56年度からは地上散布を行ってまいりました。本市では、昭和59年、60年の2カ年の被害が最も大きく、昭和59年に5,477本、昭和60年に1万890本を伐採し、昭和54年から平成14年までの24年間で実に5万5,144本、その後は急減し、10年間で約1,800本を伐採、今までの費用総額は6億円を超えております。現在は、城ヶ崎海岸の松と自然環境を守る会の懸命な努力により植樹なども含め守られております。  しかし、近年使われなくなったスプリンクラー用の塩化ビニールパイプは、ピクニカルコースのすぐ脇を不自然に通り、松の木に曲がったままついているもの、途中で折れているもの、スプリンクラー用の鉄パイプだけが松の木についているものなどは木に食い込んでいるものもあります。このような状況を確認され、早急に対応していただきたいと思います。  以上、5点の質問を行いました。市長の答弁を求め、壇上からの質問を終わります。(拍手)                〔市長 佃 弘巳君登壇〕 ◎市長(佃弘巳 君)1番 掬川議員にお答えをいたします。  初めに、伊東市民病院の開院を間近に控え、医療機器を初め準備は万全に進んでいるかについてであります。伊東市民病院の工事が竣工し、医療機器の整備等につきましては、地域医療振興協会が中心になって設置工事が必要なものから順次選定を行っておるところであります。そういう中で、MRIは今もう設置をしてありますが、ほかの機器におきましては、12月中にはほぼ選定を終え、1月下旬から2月にかけて納品される予定と聞いております。また、家具や備品につきましては、今月中に納入業者を決定し、2月中旬ごろには納品されることとなっております。また、医療スタッフにつきましても、地域医療振興協会が中心となり、引き続き確保に努めております。  次に、平成25年度予算編成において各地域より提出された要望書及び文化力向上議員連盟から出された提言書への対応についてであります。新年度予算の編成につきましては、各課に示す予算編成方針におきまして、市民が真に求める事務事業を厳選するとした上で、各政党、各会派からの政党要望や地域からの市民要望等を実現するために、予算を伴うものについては、各部課内において緊急性や事業効果等の総合的な検討を行い、必要な予算の計上に努めるよう指示をしているところであります。現在、各課からの予算要求調書も提出され、主要事業や新規事業に対するヒアリングを経て、年明け早々から具体的な査定作業に入りますが、国の動向や市内経済の状況を注視しつつ、市民要望を的確に捉えながら、限られた財源を有効に配分した予算とするよう努めてまいりたいと考えております。  次に、伊豆高原桜並木のライトアップによる誘客についてであります。伊豆高原桜並木のライトアップにつきましては、伊豆高原桜まつり期間中の桜の最も見ごろな時期に、高原中央バス停付近からホテル伊豆高原にかけて、伊豆高原桜通り会及び伊豆高原桜まつり実行委員会により実施され、夜の桜のトンネルが織りなす幻想的な雰囲気は、観光客のみならず市民にも好評を得ているところであります。伊豆高原桜並木のライトアップは、さらなる誘客を図るために、ほかの桜の名所との差別化を図る上でも有効な手段でありますので、今後も地元の方々と協働する中で、継続してまいりたいと考えております。  次に、伊豆半島ジオパーク認定により、今後の観光政策はどのように変化するのかについてであります。伊豆半島ジオパークの推進につきましては、伊豆半島全体がジオパークという一つの方向に向かい、伊豆半島ジオパーク推進協議会を中心に、各市町においてジオサイトの整備やジオツアーなどさまざまな事業を進め、世界認定に向けて現在積極的に取り組んでいるところであります。また、ジオパーク認定により、今後の観光政策がどのように変化していくかについてでありますが、伊豆半島ジオパークは、伊豆半島の大地の恵みや、そこで育まれた地域そのものを再発見し活用することであります。そのようなことから、ジオパークは、伊豆半島の各地域と連携を図り、豊かな自然と特色ある観光資源を結びつけ、新たな魅力を生み出す ことなどにより、観光振興や地域の活性化につなげていくことを目指しております。  次に、城ヶ崎の松くい虫防除のために使用したスプリンクラー用のビニールパイプは、松を傷め景観を損ねている。早急に撤去する必要があると思うがについてであります。城ヶ崎の松くい虫防除につきましては、ご存じのように昭和50年の空中薬剤散布に始まり、その後、昭和56年の地上薬剤散布、さらには昭和59年からは松枯れ予防剤の注入を行い、その予防に努めているところであります。平成21年には、健康等を考慮する中で、地上薬剤散布の実施を取りやめたところであり、この結果、スプリンクラー用ビニールパイプを平成21年度及び23年度に撤去いたしましたが、まだ一部の地区においては撤去されていない箇所がありますので、早急に撤去してまいりたいと考えております。以上です。 ◆1番(掬川武義 君)答弁いただきましたけれども、市長、実はきのうから地元のテレビ局によってインターネットでの放映が始まっていますね。世界でも日本のどこででも、今、私と市長のこのやりとりがネットで放映される時代、伊東の中でもそうなってきましたね。ですから、きのうの4人、一般質問された方も、私も後でいわゆる録画でも見ましたし、生放送でも見れるという時代ですよね。文化のことも含めて、きのうから皆さんの熱心な――非常にいいことだと思います。午前中も、ちょっと市長も赤い顔をしながら怒った部分があるわけですけれども、昔の二十数年前の議会に比べれば、あれくらいの質問のやりとりなんていうのはそんなに驚く内容のものでもなかったと私は思いますよ。逆に市長はよくわかると思います。そういったいろいろな思いがありますけれども、時間の中で幾つか質問させていただきたいと思います。  5点の質問をさせていただきましたけれども、後段の3点の質問が若干なりとも関連をしている部分が私の中ではありますので、例えば伊豆高原桜並木のライトアップの関係、今の答弁で地元と協働ということで、壇上で申し上げましたように、あそこは延長3㎞あるわけです。ライトアップをされている部分というのは、メーター数にしたらそんなに長い距離になっていないと思います。その点は、これからお客さんを呼ぶものにするにはかなり大々的なライトアップの必要があるのではないか、私はそういうつもりで、部分的に5カ所、10カ所つけてくれ、そういうレベルのものではなくて、あそこ全体を何年かかけてでもライトアップしようという思いがあるものですから、市長の答弁の中ではどれくらいの距離を思いながら答弁していただいたのかわかりませんけれども、もう一度この点について答弁をいただきたいと思います。  それから、ジオパークの関係ですが、ステッカーが2種類あるのを市長はご存じですよね。今までの構想のときのステッカーが丸いもの、最近できたのが四角いもの、話によると、それを5,000枚ずつつくったらしいんですよ。当然伊東に幾つかということは別にしても、その5,000枚が伊豆半島全体の13市町に分けられる。ところが、それが張ってあるところを私はほとんど見ないですよ。どこにどういうふうにそのステッカーが張られているのか。私の仕事場にはいっぱい張ってある。ところが、ほかでは見たことがない。例えば、ジオパーク推進協議会の軽自動車がありますよ。それにすらいまだに張っていないと思いますよ。私が見たのは数日前。だから、そういったものの意識が、庁内だけでなくて伊東市全体に行き渡っていないのではないかと思っているんですね。この点についてはお答えをいただきたいと思います。  それと、城ヶ崎の松くい虫防除のスプリンクラーの関係、これは早急にやっていただけると今判断をしたわけですけれども、市長、今度一度、私と城ヶ崎の散歩をしてみませんか。ふんじゃないですよ。2人で行かなくてもいい。複数、副市長が地元として入ってもいいし、こういった思いで一度現場をよく見ましょうということですよ。確かに部分的に片づけているのはわかりますよ。ところが、今の範囲ではピクニカルコースを歩く脇に幾らでも落ちているんですよ。状況は先ほど言ったとおり、松の枝にひっかかっているものもある。私がこの質問をしたいと言ったときに、スプリンクラーが飛んでしまう可能性があるから大至急やってくれと指摘をした人がいます。わかりますよね。松の木にビニールパイプがこうあるでしょう。ここから先の上の部分はスプリンクラーになっている。スプリンクラーのここは鉄パイプなんですよ。これが7m前後あるでしょうかね。そうすると、ここからビニールが切れて、ビニールがぴろんと垂れ下がっているものもある。そうすると、あの辺は風がすごいですから、今度これが風で飛ぶから大至急直しなさいということです。これは答弁は結構ですけれども。  いずれにしても、この3つの質問について共通する点があるというのは、言葉は悪いですけれども、市民も巻き込んで、行政がどういうPRをしながら、みんなで広げてやっていくかということの必要性を私は感じるわけですよ。ですから、この3点まとめた答弁も含めて、もう一度ご答弁いただけますか。 ◎市長(佃弘巳 君)桜並木のライトアップは私も行っておるわけでありますが、部分的に暗いところがあるわけであります。ただ、あそこの人たちと話をすると、住んでいる人たちにすると、人が来てうるさくてしようがないという人たちもいるわけであります。ですから、そういうものも地元といろいろと話をする中で協議をして、今後どのようにしていくかというものを進めていかなければならないと考えております。  次に、ジオパークのステッカーの関係でありますが、これも確かに刷ったことは刷ってあるわけでありますが、バッジは今みんな欲しいと言うので人気はあるわけでありますので、ステッカーの関係におきましては、どのように配布したかというものは調査をして、積極的に張っていただくようなものをちゃんとしていかなければならないと思っております。 ◆1番(掬川武義 君)今の部分については、うるさい、どうのというのはあるけれども、桜の時期というのは大体10日から2週間程度ですよね。今のような意見というのは、私はほとんど聞いたことが今までないものですから、そこのところはそんなに神経質にならなくても、私は、これこそ市が思ったペースでやっていただくぐらいのものが当然必要だろうと思いますし、どこもそうなんですけれども、皆さんがだんだん高齢化になっていくと、自分の体が自由にならなくて、今までやっていた準備ができないといったこともありますので、この桜並木の関係については、ぜひそのようにお願いをしたいと思います。  それとジオパークで、私は非常に細かいような話をしておりますけれども、市長、これがいろいろなところへつながっていくんですよね。またこれから別の質問にも入るわけですけれども、きのうあたりの市民憲章の問題ですよね。なぜあれだけの場所にあるものを、ここにこれだけの管理職がいるのに市民憲章のある場所を知らなかったというのは、私は驚きましたよ。企画部長のほうから答弁があったけれども、市長公室にあるなんて、悪いけれども、そんなのは市民の人は何もわかるわけないわけだから。そこの玄関のところにはあるということは最低言ってほしい。当たり前のことでしょう。ですから、そういったことが、これもちょっと言葉が悪いけれども、何か市役所の中全体がたるんでいないかな、緊張感が余りにもないのではないかなという感じがしますけれども、市長、その辺はいかがですか。 ◎市長(佃弘巳 君)見る角度からいけば、そういう指摘をされても当たり前だと思いますし、言われたものでできるものは速やかに物事をやっていかなければならない、そういうふうに私は思っておるわけであります。マンネリ化というのが一番怖いわけでありますので、そこらは、やはり危機意識を持って物事は進めていくようにということは常に言っておるわけであります。市民憲章におきましても、速やかに市長公室に飾ってあるものを拡大して張るとか、そういうふうなことはすぐにやるようにということで、きのうには指示をしてあるわけであります。 ◆1番(掬川武義 君)そこで、きのうも鈴木議員が市民憲章の関係や、伊東市の市歌の関係について、これも文化として捉えて質問されたわけですけれども、私は非常にいい質問だったと思いますよ。私の知る範囲では、市長だってカラオケはどちらかというと好きなほうですよね。それも文化。それで、以前はこの議場で演歌は文化か文化でないかとやったことを覚えていませんか。覚えていますよね。それも文化なんですよ。ですから、市長が強制するものではないと言うけれども、いろいろな人がいろいろなところで案外文化には参加をしているんですよね。その文化力を高めてくれないかということで、我々は11人で市長に提言書という形で7項目出させてもらったわけですよね。それで、たまたま今回、文化力を高めるために、その7つをみんなで少しずつ質問しようということだったんです。  私は初めから、全体にこの提言書について、市長がどういう扱いをするかなというのに関心があったから、自分の前の一般質問から考えると、やるとしたら図書館かなと思ったんですよ。そうでなくて、私は全体を捉えて市長の文化力の話、文化の関係、その辺を聞きながら質問しようというのが今回のこの質問の趣旨なんですね。ですから、我々は、何とか文化を高めよう、そういう純粋な気持ちなんですよ。ですから、市長がきのうから答弁していることというのは、市長も我々のこういう提言に対して、何が気に入らないか知らないけれども、随分乱暴なことを言うなという部分が聞いていて私はありましたよ。そうでなくて、11人の議員がそこに参加して、この提言書を出したら、2つでも3つでも自分も努力をしてみよう、こういったことによって市長と我々議会の距離を少しでも縮めていく。今、私は議員の皆さんの中では市長から一番遠いところにいるわけですよ。きょうはちょっと近づいているけれども、やはりそういったことが市長と議員の中であって当たり前だと私は思うんですよ。この点、いかがですか。 ◎市長(佃弘巳 君)文化というのは、おのれが模範を示した中で、一人でも多くの人たちが賛同することが私は一番いいことだと思っておるわけで、まず文化力向上議員連盟ができたら、その議員連盟の方々が一緒になって同じものを道しるべとして進んでいく、そういう模範というものをしっかりと示してもらった中で、共鳴もしていけるものと、していけないものというのはあると私は思っております。ですから、みんなで同じものをやるのでなくて、個々に感動を与える、そういうものを考えていかなければならないと私は基本的に考えているところであって、それを拘束するということでなくて、演歌がいいという人もいるし、ミュージカルがいいという人もいるし、いろいろな人たちがいるわけです。ですから、私は、そういうものの共鳴ができるものを模範となって進めていっていただきたい。そういうものによって行政がどういう応援ができるかというものをまた考えていかなければならないということを言っているわけであって、形にはめて物事を考えるのが文化であるというふうには私は認識していないわけであります。 ◆1番(掬川武義 君)何も私たちは形にはめてやろうと思っていませんよ。市長が今言っている答弁の部分と何も変わっていないと私は思いますよ。それをもっとお互いに、提案されたらその提案を受け入れる、そういう気持ちが余りにも市長に今なさ過ぎるかなということと、市長は文化は嫌いかな、これは私の想像ですよ。苦手なのか嫌いなのか関心がないのか、その辺かなという感じもするわけですよ。ですから、我々11人の提言というのは、ちょうど全体の半分、それが予算に賛成とか反対とかでなくて、自分で言うのもおかしいですけれども、半分の議員の提言というのは重みがあると私は思っているんですよ。この11人の提言について、市長、重みの関係はどのように考えますか。 ◎市長(佃弘巳 君)重いとか軽いとか、そういう問題でなくて、みずからがそういう文化活動を積極的にやっていただく中で、一人でも多くの人たちが共鳴できる、そういうものが文化の広がりにつながっていくと私は思っておるわけでありますので、11人の議員が言ったから、それを何でもやれということでなくて、一つ一つ共鳴したものを協調してみんなでやり上げていく、これが文化の振興にもつながっていくと私は思っておるわけであります。 ◆1番(掬川武義 君)そこの部分がまるで違うんですよね。重みがあるとかないではなくて、市長、11人の議員がこうしてくれないかという提言をしているわけだから、これは基本的に受け入れたいと。でも、7つの中のこの2つは、どうしても私は受け入れる必要が今ないと思うという答えだと思うんですよ。市長は、その7つを全部否定するかのように私は聞こえるわけです。そうすると、ここで私もまた声がだんだん大きくなって、市長も赤い顔になってくるわけですよ。だから、それも議論でいいんだけれども、もう少し議会の意見に聞く耳を持つ。いつも言うように、掬川武義一人の意見ではないですよ。どうあれ我々は選ばれてきている以上、千数百人の票を持ってここに来るわけですよ。それなら一人の意見とはまた違うんですよね。その点はいかがですか。 ◎市長(佃弘巳 君)これは一人の意見というよりも、議会制民主主義の中で、議員としては市民の代表として選ばれて来ておるということは認識しておるわけであります。ですから、それによって、自分の個人的意見か、また市民の方々の意見を集約してきておる発言か、そういうものをしっかりと見きわめた中で私たちは物事を進めていかなければならないわけで、提言をしたから物事ができるかといっても、それは市民のニーズ、また財政的な問題、優先順位、そういうものを考えた中で判断していかなければならないと私は思っております。 ◆1番(掬川武義 君)市長、ちょっと考えてみてくれませんか。文化の議論をしているときに、私一人の意見ということはないでしょう。みんながこうやって文化を捉えて、いろいろな質問をしたら、一議員の質問でも考え方でもないでしょう。これは市民の声ですよ。市長、たまたま私の趣味の一つを言いますと菊。この間、菊花展で市のほうにも大変お世話になって、無事終わりました。今メンバーが11人しかいないんですよ。それも東伊豆の方が数名入っていただいて、それで伊東の人が入って、伊東で一番若いのは私なんですよ。私が一番若いということはそもそも問題なんですけれども、どうしても若い人に広まっていかない。何とか菊文化を後世に残さなければならないという思いはあるわけですよ。これも文化なわけですよ。ということは、今、菊の話をしているんだけれども、菊の会の人たちも私と同じように思っているんですよ。だから、私がこういう発言をしているわけですね。掬川武義一人の趣味の範囲の話ではない。市長賞というあれだけの立派な賞をいただいて、市長賞をとった人は感激しますよ。たまたま東伊豆の人だったものですから、伊東の市長というのはどういう人なんだろう、菊に対して、市長はどういう文化を持ってこの菊を見てくれているのかなという見方をするんですよ。そういう見方をしたら、文化を高めて教養を豊かにしようというのはやっぱり大事なことですよね。今の話で少し理解していただけましたか。以前と理解が全然変わりませんか。どうですか。 ◎市長(佃弘巳 君)私は、菊の場合には文化も入るし、芸術だと思うんですよ。あれだけのものを3本の高さに合わせるとか、肥料のやり方とか、今までの長年の勘とかいうのもあるわけですから、あれは文化と芸術で、すばらしいものだなと思っているし、つくる人たちの1年の苦労というのは、私は本当にすばらしいものだと思っております。でも、自分にいたしますと、それは文化、芸術であると思っておりますが、自分がやる機会、時間がない。ですから、そういう方々がやっていただいたものを私は今見る立場になっておるわけでありますので、文化を否定しているのではなくて、みずからが文化の振興、芸術の振興をしていくことが地域のまちおこしには必要であると感じておるわけであります。 ◆1番(掬川武義 君)文化の関係ですけれども、市長の中にもそんなに文化に対しての考え方の違いはないと思っているんですよね。市長は、これは文化ではないよと。私が仮に文化だと言って、それは違うだろうということはないと思うんですよね。逆に、市長がこれは文化だと言って、私がそんなのは文化ではないという話もないと思うんですよ。市民憲章の1番目の部分、何とか伊東で文化が高まらないだろうかというのが我々11人のメンバーの基本的な考え方ですから、市長、文化については、まだこれから若干時間もありますけれども、もう少し議論をしていきたいとは思います。途中ほかの質問をしながら、また文化について思いついたことがあったら質問させていただきたいと思います。  あと地域の要望書、宇佐美から赤沢まで15地区ですか、市内でありますね。その全地区で要望書を提出されるかどうかというのはわかりませんけれども、少なくとも私の地元では毎年要望書を出させていただきます。今回も21項目の要望書を出させていただいております。当然この中には県に関係する仕事、あるいは市の直接の仕事、いろいろなものがありますね。でも、地元にしてみれば、県だろうが国だろうが、あるいは市だろうが、やっぱり市を窓口にして、こういったものを実現してほしい、今こういう不自由なものを直してほしいというのが地元からの要望書ですよね。これを市長はいつも受けて、一つ一つできるところからやっていく。5年も7年も継続しているものがこの中にもありますよ。でも、それを受けるのと、我々議員連盟の提言書の受け方というのは同じ気持ちで受けてくれていますか。その辺はいかがですか。 ◎市長(佃弘巳 君)つかむところとつかむところのないもの、文化というのはつかむところがない。心のものが大変多いわけです。ですから、地域の要望とはかけ離れているというか、生活をするために支障を来しておるものの解決をしていくのが地区の要望であるわけでありますので、これは文化論とはかけ離れていると私は認識しております。 ◆1番(掬川武義 君)ちょっと私の質問が悪かったかなと今感じるんですけれども、伊東市富戸行政区の区長、石井勝守さんから要望書が出された。我々議員連盟からも提言書が出された。それは市長は、こういう要望書も議員の提言書も同じ気持ちで受けていますかという質問をしている。今の答えと私の質問と若干違うので、もう一度お答えいただけますか。 ◎市長(佃弘巳 君)それは、受けるときにはいろいろと話し合いはします。ですから、そこによって、いろいろとできる問題は早く解決していかなければならない。文化力向上議員連盟からいただいた提言書を見たときに、文化というものによって図書館とか博物館とか、そういう箱物は要望にもあったわけであります。また、市民憲章を条例化するとかいうのもあったわけでありますが、文化というものは拘束すべきでなくて、自主的に物事を進めていくべきだと私は思っておりますし、受け取るときには必ず書類を見て受け取るということは、基本的には変わっておりません。 ◆1番(掬川武義 君)文化のところでも、たびたび箱物という言葉が市長のほうから出るんですね。箱物とは一体何なんだと。建物がみんな箱物か、そうではないですよね。私の家は箱物でもない。市長の家は箱物ではないです。みんながその家を建てることによって、その家をうまく活用したら箱物ではないんですよ。活用されないで、できた当初だけ使われて、5年も7年も何も使われなくなって、そのままの状態にあるものが箱物なんですよね。私は、我々文化力向上議員連盟で出している図書館にしろ、そういったものは箱物ではないと思うんですよ。形だから箱物だと。新しくできる病院は箱物ですか。箱物ではないですよね。どうも私は、その考え方も市長と差があるかなと思うんですけれども、今の部分で私が自分の考え方を申し上げましたけれども、市長は今の点で何かお答えがあればお答えいただけますか。 ◎市長(佃弘巳 君)建物を俗に私は今まで箱物という言い方をしてきておるわけで、箱物イコール建物、それは同じような意味であるわけですが、箱物というものを一つだけとられたら誤解を生むような場面もあるなというのは今思っております。ですから、これからは建物と言って、誰でもがわかりやすいものにしていかなければならないのかなと感じております。 ◆1番(掬川武義 君)いずれにしても、私はまだ病院の問題が残っておりますので、2点目の質問もこれで終わらなければいけないのかなと思いますけれども、それぞれの地元の地区の富戸の区長の名前で提出をされれば、やっぱり富戸全体の意思ですよ。全体の人がこういうことに不自由を感じているから出すんだという思いは、ぜひ市長に持っていただきたい。なおかつ、議員連盟の提言書にしても、多くの議員ではなくて、多くの市民がそう思っているんだという気持ちを市長が持って、お互いに同じ気持ちで、これから市長とまた別の文化力の関係の議論はしていきたいと思います。  市民病院の開院の関係でありますけれども、先ほど壇上で何点か質問いたしましたけれども、数字的なものが一切示されておりません。もう一度確認も含めてさせていただきたいと思いますけれども、先ほど壇上で質問した以外に、当然本体価格が幾らかかって、医療機器だって全体で幾らでいいですよ。もうかなりのものが具体的に金額として提示をされてこなければおかしいと私は思っているんですね。私が今回この質問をしているのは、今までは開院の日が決まっていなかったんですね。ところが、今回のこの議会の前から3月1日に開院をしたいという、初めて3月1日という日が出てきたわけです。そういった日が決定してから我々議会が質問するのは私が初めての質問ですよ。ですから、部長も次長もできる範囲で今わかっている数字、医師の数、看護師の数、こういったものをはっきりすべきだと私は思いますけれども、お答えをいただけますか。 ◎健康福祉部長(山木勇一 君)医師と看護師の数の現在の最新の状況についてお答えさせていただきます。  まず、医師ですけれども、現在、常勤、非常勤を含めて56名です。議員ご指摘のとおり、新病院の予定では65名になっておりますので、9名ほど足りない状況になっております。全体の足りない状況につきましては、研修医が今9名ほど足りなくなっております。そういう意味で言えば、市民病院は臨床研修病院にもなっておりますので、この辺は大丈夫だろうという考え方を持っております。  それから、看護師の数ですが、現在、最新の数で常勤、非常勤を含めまして135名です。議員ご指摘のとおり、新病院では181名ですので、46名ほど足りていない状況でございます。8名の内定者等はおりますけれども、震災等で大変厳しい状況であるというふうには考えております。  それから、最初の壇上での質問の何床ぐらいで始めるのかということですけれども、250床と申しましても集中治療室が14床、重症個室が6床ありますので、実際には230床ということになります。ただ、この230床につきましても、多床室につきましては男女がありますので、一般的には9割ぐらい、順調に進めば200床ぐらいで運営していくのかなと考えております。ただ、開院当初につきましては、入院の方を一遍に移動させるというのは難しいものですから、これはどこの病院でもそうですが、できるだけ少ない人数で当初はやっていかなければならないと考えております。そういう意味では、今180人ぐらいの入院患者がいますけれども、少なくても半数以下に落としていかないと厳しいだろうということは考えております。  それから、最新機器につきましては、次長のほうから答えさせていただきます。  それから、建設の事業費ですけれども、測量調査やその他を全部含めますと、52億2,443万1,576円です。そのうち、いわゆる病院にかかわる工事費につきましては、現在額として48億3,983万5,350円という数字が出ております。以上でございます。 ◎健康福祉部次長健康医療課長(露木義則 君)それでは、私のほうから医療機器の導入状況についてお答えをさせていただきます。  今現在、導入が決定しているものにつきましては、CT、MRI、アンギオ、この高度医療機器と呼ばれるもの3点がございます。これについては機種が決定しておりまして、いずれも選定時点で最新の機器を決定しております。CTにおきましては、がんセンターに導入されているCTと性能的には遜色のないものを決定しております。それからMRI、アンギオにおきましても、新市民病院で必要とする能力を備える機器の中で最新鋭のものを決定しているということでございます。このうちのMRIについては、大がかりなシールド工事が必要だということで、市長答弁のとおり既に設置をしております。  それから、この価格については、現在私どものほうで把握をしておりません。以上でございます。 ◆1番(掬川武義 君)市長、病院関係で最高責任者は市長ですよね。地域医療振興協会でも何でもないですよね。市長ですよね。市長の答弁の中で、前回9月の時点と医師の数、看護師の数は全く状況が変わっていない中で、新しい病院、今聞いたところでいくと52億2,000万円かけたものが運営をされようとしているわけですよね。私は正直言って、医師の数も看護師の数も、100%までいかないにしても、ある程度確保できたんだろう、だから、この病院が3月1日に――今まで4月からだと思っていましたから1カ月早めて、そういったものの準備も含めてできたから始まっていくんだろうと思ったんですね。市長、これからの病院経営は大丈夫ですか。病院の運営がちゃんとした数字として、我々に予算も決算もしっかりとした利益を出すような病院になっていくんですか。いかがですか。 ◎市長(佃弘巳 君)今、部長のほうから人的な数字は言ったわけであります。そういう中で、病床をどのぐらいからスタートさせていくか。それで、軌道に乗るまでは、やはり2年か3年ぐらいはかかっていくと思っておるわけでありますので、そこらによって、医師は大体研修医で賄えるわけでありますが、看護師の問題が全国的に不足をしておるのは事実であります。ここらもどのようにして確保していくかということは、これからさらに積極的に進めていかなければならないと思っておりますし、新病院におきましては、今までの病院と違って大変大きな病院になるわけでありますので、そこらによって人員はふえてくるわけでありますが、そこらはしっかりと運営ができるようにしていかなければならないと思っております。 ◆1番(掬川武義 君)市長、本来ならばこの病院ができることによって市民に安心を与えなければいけないですよね。安心どころか、今の時点で逆にこれでは不安を与えているんですよ。そうでしょう。だって、今まで224床しか置けない病院だったんですよね。250はベッド数を確保してあるんですよ。ところが、現実に224床しかベッドが置けないというところで、実際に今まで毎月我々に示されていた病院の数値がありますよね。それでいくと、大体170ベッド、多くても180ベッドしか稼働していないんですよ。今度250床が可能になった病院ができ上がって、何床でスタートするんだというのは当たり前のことですよ。  入院患者の平均価格は1人1日4万円ですよ。多いときは4万2,000円以上になるんですね。それは、その月々によって若干違ってきます。通院する人の金額は1人8,500円なんですよ。病院がよくなったということで通院の人がふえれば、当然8,500円掛ける人数はふえてくるわけですよね。これは私の勝手な試算で、250床を大前提にして、今よりも60床入院患者をふやしたと仮定すると、市長、差額ベッド代まで入れると年間で10億円違ってくるんですよ。そんな計算は簡単ですよね。4万円掛ける60床掛ける365日でやれば8億円以上になるわけです。それプラスベッドの差額代、なおかついろいろなほかの収入を入れたら10億円はでたらめな数字でも何でもない。根拠のない数字でも何でもない。私は、これから病院としてそういった経営がされていかなかったら、先ほど壇上で言ったように、議会側として、これからの伊東市民病院がどういう変化をしていくだろうかという心配をしなければいけない。その辺はいかがですか。お答えいただけますか。 ◎市長(佃弘巳 君)今言われた計数的な問題もしっかりと把握する中で、計画は計画として物事は進めていかなければならないわけでありますが、現場が計画どおりにいくかいかないかという問題も出てくるわけでありますし、そこらはきちっとした対応ができる人数を把握して物事を進めていかなければならないし、また、250床の稼働ができる体制が時間もちょっとかかるなと思っておりますので、最低でも最初は100床ぐらいから徐々にスタッフもふやしながら、またいろいろと研修をしながら、病院というのはなれながら物事をふやしていかなければならないと思っておりますので、そこらはやはりしっかりと市民が安心できる体制をつくりながら、入院のベッド数の確保も図って、バランスよくやっていかなければならないと思っております。 ◆1番(掬川武義 君)市長、どうしちゃったんですか。今まで俺に任せろと胸を張って市長が答弁していることというのは何だったんですか。医師の確保だって市長はできると言っていたではないですか。それが今、現実に何カ月前と数字が変わっていないんですよ。今これで新しい病院が運営できますかという質問をしているんですよ。それを100床ぐらいから始めるって、冗談ではないですよ。250床あるものをどうして100床から始めなければならないんですか。それは、3月1日はそうかもしれませんよ。でも、4月1日になったら150床、170床、3カ月たったら200床にしなければいけないのではないのですか。それって違いますか。もう一度お答えいただけますか。 ◎市長(佃弘巳 君)病院の運営をしていくのに、そうやってぼんぼんふやしていくというのは、はっきり言って、まずいる人たちが対応できないです。ですから、100床から30床ふやすか50床ふやすかというものは、病院というのはやはりそこの体制になれてきた中でふやしていかなければならないと私は思っておるわけでありますので、それをどんどんふやせ、ふやせと言ったときに、研修もちゃんとしていない中でふやしたときに今度はパニックになってしまう。そういうものが病院の現状であるわけでありますので、そこらはその実態を見ながら、しっかりとしていかなければなりませんし、医師の場合には研修医の補充で対応はできるようにはなってくるわけでありますが、今、看護師の確保を真剣に、いろいろなところへと声をかけて進めておるわけでありますので、そこらは250床の枠があるから、230床の入院ベッドがあるからすぐに230床にしていけというものは、私は、病院はそういうふうにすぐに大きくするということは現場を考えたときには無理があると思っておりますので、そこらはバランスを持ってふやしていく、そういうふうに考えております。 ◆1番(掬川武義 君)いよいよ時間もなくなってきたんですけれども、市長、私がここでこういう質問をしなければならないつらさというのが一つあるんですよ。というのは、議会が特別委員会をつくれない。議会側で医療問題特別委員会ができれば、逆にこういう質問をこの場でそんなにできない。今まではそういう形で進んできた。ところが、議会サイドでそういう特別委員会すらつくることができないもので、こういう質問をしなければならないわけですよ。その点は、逆に市長は議会のシステムからいってわかると思うんですよね。それは市長を責めているのではないんですよ。こういったことがあるから私はこういう質問をしなければならないということですよね。これから病院関係で条例の審議もありますので、ここでできなかった部分はそちらのほうで質問をしたいと思っていますけれども。  10年後の自治体病院の姿が全国的な傾向としてどういうふうになっていくか。市長、私は悲観的なことばかり言うかもしれませんけれども、現実に我々に示された医師、看護師の確保ができていないということは、まさにこの結末になる可能性があるんですよ。ですから、私は、あえて残りの時間でここの部分を指摘せざるを得ない。  私だって看護師の確保をしようと思って、数日前も平塚の学校へ行っている女の子が奨学金制度を活用したいということで、その子が何とかこれを活用してもらって伊東に来てくれたら看護師を1人確保したようなものですよね。そういったことをみんなでやらなければだめです。そういった市民の協力なしで新しい病院はできない、これも間違いないことです。でも、逆に市長がやらなければならないことが幾つかあるわけです。だから、それをやらないと結末が見えてくるということなんですよね。必ずしも市長も病院経営に携わったことはない。それもどこでも言われることですよね。しかし、最高責任者は市長であるということは、さっきも確認したように間違いない。そこで、医師、看護師の不足で病院経営を断念する自治体が続出してくると。まさにそこに当てはまってしまっているわけですよ。なおかつ、今の形でいったならば、残る自治体はせいぜい3割程度しかないだろうと言われているんですね。最悪の場合、経営破綻から地域医療の崩壊につながる地域が出てくるというのが全ての結論なんですよ。どうかひとつ市長、そこにならないように、これから市長の活躍に私は期待したいと思います。よろしくお願いします。  以上で終わります。 ○議長(宮﨑雅薫 君)以上で1番 掬川武義君の一般質問を終わります。  10分間ほど休憩いたします。                 午後 2時   休憩                 ───────────                 午後 2時10分再開 ○議長(宮﨑雅薫 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、2番 重岡秀子君の一般質問を許します。              〔2番 重岡秀子君登壇、拍手〕 ◆2番(重岡秀子 君)日本共産党の重岡秀子です。通告に従い、大きく2点について質問させていただきます。  まず初めに、伊東市の「文化力」と観光地としての魅力をさらに向上させるために、東海館を「歴史文化遺産ビジターセンター」としていくべきと考えるが、いかがかについてです。伊東市には多くの歴史文化遺産が現存しています。それらの多くは観光資源として活用が図られ、未活用のものについても今後の活用が期待されているところです。しかしながら、これらを体系的、総合的に市民、観光客の皆さんに案内するビジターセンターはいまだ設置されていません。伊東市の貴重な歴史文化遺産を効果的に活用するには、統合されたビジターセンターの設置が急務だと考えますが、当面、東海館においてこの役割を担うことが現実的だと考えます。  現在、東海館には2階に文人から見た伊東温泉というコーナーがあります。伊東を訪れたり住んだりした作家、文化人たちが伊東についてどんな思いを書き残しているか、日記などから拾いパネルで紹介したり、実物の書物を展示したりしていて、じっくり読むとなかなかおもしろい展示です。さらに、郷土が生んだ木下杢太郎を紹介するコーナーや伊東温泉の歴史、特に「伊東線の開通に沸く伊東」というタイトルで伊東駅舎や開通時の写真の展示、また温泉旅館で使われてきた番頭さんの古いはんてんや番傘なども飾ってあります。少し変わった展示としては、ツバキ油を絞ったり、はかったりする器械も置いてあります。したがって、今でも東海館は、観光・文化施設として伊東と文人のかかわりや温泉の歴史などのミニ資料館的な要素を持っています。しかし、さらに伊東市内の歴史文化遺産を紹介するセンターとしての役割を持たせるべきではないでしょうか。  例えば、文人から見た伊東温泉というコーナーをもっと別荘文化という視点からも充実させていったらどうでしょうか。伊東には北里柴三郎や最近公開する方向と聞いている東郷平八郎の別荘、または石坂洋次郎や阿久 悠宅などなど、現存しているものは少ないのですが、著名人の別荘または自宅などが数多くあります。そして、そこで書かれ、世の中にもよく知られた有名な文学や書画などもあります。しかし、まだ埋もれてしまっている資源もあるのではないでしょうか。  最近、東海館のパンフレットにも載っていた、「銭形平次捕物控」を書いた野村胡堂の別荘が松原湯端にあったということを知りました。野村胡堂は松原海岸を歩きながら構想を練り、次の日に一気に書き上げたという話も残っています。伊東に来ると創作意欲が出るのか、松原海岸を歩くと構想が湧いてくるのか、「銭形平次捕物控」以外の作品も伊東でたくさん書かれたとも言われています。尾崎士郎の「人生劇場」は広野や湯田にあった別荘で書かれ、中里介山の「大菩薩峠」は、鎌田のたいとう荘の場所に神田別荘と呼ばれた春秋社の別荘があり、そこで書かれたと言われています。また、文豪幸田露伴も物見の露月荘に長く逗留し、幾つもの句を残しています。さらに、坂口安吾、室生犀星、北原白秋、山頭火などゆかりの文人を挙げたら切りがありません。  こうした文人と伊東の関係もさらに掘り起こし、文人が伊東をどう見ていたのか、伊東をどう愛し居を構えたのか、どんな作品が生み出されたのかなどを知らせる場にしていくことは意味があります。私たち市民が郷土伊東をもう一度見直し、このまちの魅力、今後の発展のあり方を考える上で大変重要なことではないでしょうか。そして、地図にあらわしたり、写真を使ったり、市民にも観光客にもさらにわかりやすい形で展示し、公開していくことが重要です。伊東市民の心も豊かにし、また観光客に伊東の魅力をPRすることにもなるような展示を目指したいものではありませんか。  さらに、伊東温泉そのものについても知らせたいと思います。現在の東海館にも伊東温泉の歴史にかかわる略年表があります。それによると、慶長3年(1598年)和田湯、そのころはいとうの湯と言われていたそうですが、そこに浴場がつくられたところから始まり、寛永年間の松原出来湯の湧出、そして慶安3年に江戸城にいとうの湯が送られたという記録。その後、大正2年に北里別荘が完成し、大浴場、千人風呂がつくられ、昭和2年の井原兄弟による温泉プールの開業、その間に大正から昭和の初めまで使われていた松原出来湯のお馬の湯、また戦前から20年代、30年代、3期に渡る鉱山反対運動。伊東には金の鉱脈があるということで鉱山か温泉かという闘いがあり、昭和25年、伊東市は国際観光温泉文化都市になることで一定の決着を見ました。このとき伊東市は何と歴史的に初めての、そして唯一の住民投票で鉱山よりも温泉文化都市への道を選んだという記録があります。そんな歴史を年表だけでなく、お馬の湯や千人風呂など写真があるものは飾り、また源泉数の推移や湯量の全国ランキングなども掲示したらどうでしょうか。後に定住して書店を開いた竹下甫水は、療養に来た伊東で友人に、伊東の湯は箱根と違い肌ざわりがやわらかなので、しっとりと滑らかな女の肌に触れるようだと書き送っています。また、島崎藤村は、修善寺の湯は熱過ぎたし、湯ヶ島ではぬる過ぎたし、湯ヶ野も悪くはなかったが、入り心地がよいのはここだと書いていて、こんな言葉も紹介したらどうでしょうか。  しかし、ビジターセンターとしての役割としては、さらに例えば人物としての杢太郎とともに、江戸末期の建築物として杢太郎記念館を紹介したり、その他現存する東郷別荘や江戸城築城石などの遺跡も紹介するコーナーも必要ではないでしょうか。ことしは初めて祐親まつりの際、祐親を紹介する展示をしましたが、そのほかに三浦按針や日蓮などについての展示、さらに書家の内山雨海や画家の斎藤真一の作品なども展示できたらよいのではないでしょうか。企画展として扱うことも考えられます。ぜひ検討し、実行に移していただきたいと思います。  さて、2番目の質問は、東海館を市民及び観光客の文化活動や体験活動の場としてさらに活用すべきと考えるが、いかがかです。現在も芸者さんの踊りの練習場や子供お能教室の練習場などとして使用され、また最近ではエアロビクスなどにも利用されていると聞いていますが、さらなる活用についてお伺いします。今、新しい観光のあり方として体験型観光が重視されています。伊東においても、観光客の滞留時間を延ばしたいという課題があります。リピーターが多いという伊東の観光の特徴から言っても、体験型観光を重視していくことは大変重要なことではないでしょうか。私が以前泊まった飛騨高山の旅館では、昼食をつけ、チェックアウトを延長して体験型観光をパックにしていました。体験的観光として、芸者文化の体験などはその一つの例ですが、東海館が夜9時まで開館していることを生かしてできるさらなる体験活動もあるのではないでしょうか。例えば浴衣がけで参加できる簡単な踊りの会や歌の会などもよいのではないでしょうか。また、三味線や鼓、お琴、日本舞踊や茶道などの練習場としてさらに活用が進めば、観光で訪れた方にとっても一石二鳥で楽しい豊かな気分になれるのではないでしょうか。時々ミニ発表会なども企画されればなおよいでしょう。また、市民の文化活動としての利用が進めば、歴史文化遺産ビジターセンターが市民に利用される機会も多くなると考えます。貸し室としても利用が進んでいるという東海館ですが、今後の活用の仕方としてのお考えをお伺いします。  さて、3番目の質問は、ことし大津の中学校のいじめ・自殺事件で大きく注目されたいじめ問題です。大津の問題が大きく報道された後、全国でいじめ問題が明らかになりました。その中で深刻ないじめの実態が次々に明るみに出てきました。金銭の恐喝を初め、自殺の練習や葬式遊び、たばこの火を腕に幾つも押しつける、川へ落とし、溺れて苦しがるのを携帯で写す、クラスメートの前で下半身を脱がされる、裸にして携帯で写しメールで流すなど、目や耳を覆いたくなるような全国のいじめの実態が連日報道されました。もっと深刻なのは、こうした実態がここ数年のことではなく、今成人している親の世代にもあったことも、いじめ特集などの番組で出されていました。携帯電話が普及していなかったという違いがある程度です。  そして、いじめ問題が起きた際の学校や教育委員会の対応の仕方も、信じられないような実態が浮き彫りにされました。子供が死んでいるんだよ、大変な苦しみの中にあるんだよという事態に学校はどのように向き合おうとしているのかと、管理職や教育委員会の対応に怒ってしまうことありました。しかし、私は肝心なことが問題になっていなかったように思います。それは、まずこのような深刻な子供たちの状況がなぜ起きているのかということです。いじめに遭っている子を目にして快感を覚えるような子供たちがやがて社会人になり、親になっていくのです。この国の将来にもかかわる重大な問題ではないでしょうか。いじめをなくすためには、子供たちの問題の根本的な原因、そしてこの問題の解決の最前線にいる教育現場の問題をえぐり出し、改善しなければ解決できないと考えます。もちろん、現実に起きているいじめ問題への対処も重要で、死に至るまで苦しむような子をとにかく救わなければなりません。  そこでまず、9月議会での佐山議員の質問にもお答えいただき、重複して申しわけありませんが、再度本市のいじめ問題の状況をどう捉え、どのような対策を講じているのかお伺いします。そして、この問題は全国的な問題と化していますが、その原因を伊東市としてはどう捉えているのかお伺いします。ここが私は最も重要で、この捉え方を間違うと、さらに問題を深刻化させてしまう心配もあります。さらに、この問題はとりあえず子供の中で起きていることなのですから、解決は子供がかぎを握っています。しかし、この問題で子供たちと向き合い、子供たちと考え合い、きめ細かく指導していくことは大変なエネルギーが必要です。余りにも忙し過ぎる学校現場がいじめ問題の解決を阻んでいる状況はないでしょうか。少しでも教職員がゆとりを持って子供たちと向き合えるよう、教職員の配置などに余裕を持たせるなど配慮が必要であると考えますが、いかがでしょうか。市としてできることはないかお尋ねします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)                〔市長 佃 弘巳君登壇〕 ◎市長(佃弘巳 君)2番 重岡議員にお答えをいたします。  初めに、伊東市の文化力と観光地としての魅力をさらに向上させるために、東海館を歴史文化遺産ビジターセンターとして活用していくべきと考えるがについてであります。現在、東海館は、伊東温泉観光・文化施設東海館条例に基づき、建物等の保存及び公開、観光に関する情報の提供及び施設の活用、本市の温泉文化等に関する資料展示を行っており、2階展示室において伊東温泉の歴史や文化を紹介しております。さらには、東海館まつりやお座敷文化大学を初め、温泉文化を体験できるイベントを開催し、温泉文化の情報発信を行っているところであり、ビジターセンター的な役割は十分に果たしているものと考えております。  次に、東海館を市民及び観光客の文化活動や体験活動の場としてさらに活用すべきと考えるがについてであります。東海館につきましては、伊東温泉の温泉文化の中心施設として、三味線体験や伊東温泉お座敷文化大学などの体験型事業、東海館まつりを初めとした各種のイベントの開催、子供お能教室など市民の文化活動の発信の場として活用しております。また、市民の皆様が東海館を気軽に活用できるように整備を進めているところであります。今後につきましても、体験メニューの充実や展示の工夫、未改修室の整備を進め、東海館の魅力向上を図るとともに、市民、観光客の文化活動、体験活動の場として積極的に活用してまいりたいと考えております。  最後の質問につきましては、教育長が答弁いたします。
                  〔教育長 内山義夫君登壇〕 ◎教育長(内山義夫 君)初めに、本市のいじめ問題の実態と対応についてのうち、本市の状況をどう捉え、どのような対策を講じているかについてであります。本市においては、今年度10月末までに小・中学校合わせて47件の事例が報告されております。現在までのところ、そのうち30件についてはある程度解決が図られたものの、残りの17件は現在指導中、または注意が必要なケースで、それぞれの学校で慎重に対応しているところでございます。各校では、いじめはどの子供にも、どの学校にも起こり得るという認識のもとに、いじめの早期発見、早期対応、予防に努めております。特に、教職員が子供に親身に丁寧にかかわることで子供のサインを絶対に見逃さないということを第一に取り組んでおります。このことがいじめの未然防止や早期解決に結びつき、最終的にはいじめの減少につながるものと考えております。また、いじめを的確に把握する体制づくりや、いじめが発見された場合の組織的な対応についても、問題対応へのガイドラインという冊子を作成し、各校に徹底を図っております。今後、一層注意深く見守り、指導に努めてまいります。  次に、全国的な問題と化しているが、その主な原因をどう捉えているかについてであります。いじめについては、さまざまな原因が複雑に絡み合っており、原因を特定することは難しいと考えますが、どの子にとっても学校が楽しく、充実感を味わうことができる場所であるはずですが、一部の子供にとってはそのようになっていないことが大きな原因であろうかと思っております。いじめが起きない学校づくりのために、楽しくわかる授業づくり、子供同士、子供と教師の好ましい人間関係づくりを推進するとともに、思いやりの心の醸成、規範意識の育成に取り組んでいくことが重要なことと考えております。  次に、いじめ対策には、子供としっかり向き合えるよう、教職員の配置等に余裕を持たせるなど、配慮が必要であると考えるが、いかがかについてであります。教職員の配置については、小学校1年生では35人学級が法制化され、他の学年についても弾力的に35人編制を実施するなど改善が見られております。しかしながら、学習指導要領が全面実施され、授業時数の増加に伴い、学校現場の時間的な余裕は確実に減少しておりますので、教職員の定数改善は今後の大きな課題であると考えております。以上でございます。 ◆2番(重岡秀子 君)では、第2質問に入りたいと思いますが、まず東海館の歴史文化遺産ビジターセンターということについてですが、先ほどのご答弁では、今でもビジターセンター的に十分に役割を果たしていますというご答弁だったので、そうなると、これから余り改善が考えられないのではないかと思いました。私もこの間、東海館には何度か行き、自分が見過ごしていたところもあったり、掲示物の中でも本当はよく読むと十分いい内容で、豊かな文化的なものが伝わってくるものもあるんですが、もう少しここを充実させていくならば、展示ももうちょっと工夫したりするならば、もっとその力を発揮できる施設ではないかと思います。  まずお聞きしたいんですが、ここは観光・文化施設だということから、もともとそのような文化的なもの、自然、歴史遺産などを展示するような位置づけもされて出発したように思うんですけれども、どんなものを展示するのかということについては、どのような議論が今までされてきたのでしょうか。例えば農具も置いたらいいではないかという意見もあったようなことも聞いていますが、どういう位置づけで、どういうものを中心にするのかということの議論を教えてください。 ◎観光経済部長(三好信行 君)東海館は、議員ご承知だと思いますけれども、13年7月にオープンしたわけでございます。これは地域の、また市民の方の要望を踏まえて建物だけは寄附をしていただいた、そのような経過があるわけでございます。この東海館の利用につきましては、当然当時の担当であります観光経済部、さらには教育委員会、建設部等々の担当者と協議をしたと伺っているところでございます。その中で、13年7月に条例も制定をしたところでございます。これは市長が答弁したとおり、大きく言って、条例の第3条に事業の内容が書いてあります。この3つを中心に今も行っているところでございます。東海館は立派な施設でありますし、伊東市、伊東温泉の貴重な財産であります。そのようなことから、今後につきましても、さまざまなメニューを考えながら発信していきたいと考えております。以上でございます。 ◆2番(重岡秀子 君)観光・文化施設ということで、今のところ2階を中心に、さっき私が言った文人から見た伊東などという掲示物、また杢太郎のことや伊東の温泉の歴史、このような展示がされてあるわけですが、そういう掲示物、展示物を主に担当しているのは行政側で言うとどういう方たちでしょうか。また、民間もかかわっているなら、その辺についてもお聞きしたいんですが。 ◎観光経済部長(三好信行 君)2階の常設展は当初から生涯学習課のほうに担当をお願いしております。あとの部分につきましては指定管理者制度で、観光協会が指定管理者になっております。そういう中で、観光課と指定管理者と協議をしながら展示をかえております。以上でございます。 ◆2番(重岡秀子 君)わかりました。では、2階は生涯学習課ということですよね。その中で、例えば、最近あいている部屋に民話の部屋なんていうのもできたんですけれども、これは今、民話を訪ねてというのがツアーなどでかなり組まれている、その絡みだと思うんですが、ここは生涯学習課なのでしょうか。ついでにお聞きしますが、ことし祐親まつりのときに祐親に絡んだ展示もされたということで、この辺の担当はどこが受け持たれたかということもお聞きしたいと思います。 ◎観光経済部長(三好信行 君)2点のご質問だと思います。民話の部屋につきましては、平成23年度ですか、議会の議決をいただきまして、新規の観光資源の活用ということで、伊東昔話の民話の予算を議決していただいたところでございます。その昔話の伊東市の民話を掘り起こしながら、伊東の民話の案内をするモデルコースとか、議員もご承知だと思いますけれども、ミニ紙芝居のようなものを作成しました。これを東海館に展示しているところでございます。どこがやったかということになりますと、伊東市がこの事業を委託した観光協会と共同で行ったということでございます。  2点目の質問ですけれども、祐親の関係のご質問だと思います。これはNHKの大河ドラマ「平清盛」の中で、8月から10月まで伊東祐親が出る、そのような情報を得たわけでございます。これは、大田楽の伊東わざおぎの皆様がNHKの「平清盛」に出演した関係で情報を得ました。そういうことから観光課、生涯学習課、さらにはNPO法人伊東市文化財史蹟保存会、あとは観光協会等々と協議をし、2階の牡丹の間に展示をした、そのようなことになっております。以上でございます。 ◆2番(重岡秀子 君)大体わかりましたが、今でも十分にビジターセンター的な役割を果たしているというご答弁でしたが、なかの大変いい場所にあります。観光客の皆さんも、今、1年間に大体4万人ぐらい訪れるということもお聞きしている中で、この内容を充実させていくということは、市民のためにもなるし、また観光施設としてのグレードというか、内容がよくなることではないかなと思います。この質問をするに当たって、私も知らないことがたくさんあり、議員としてこれぐらいのことは本を読んでおくべきだったと思うことがいろいろあったんですが、市史編さんの皆さんが一生懸命研究されていることが本としてはたくさん出ているんですが、東海館にそれをわかりやすい展示として表現することによって、市民の皆さんにも伊東の歴史文化遺産を感じ取ってもらう。伊東をもう一回見直してもらう。また、観光客の皆さんにも、ああ、伊東ってこういう温泉地だったんだということで感動を深めてもらうために、やはり展示をわかりやすく、心に訴えるというか、残るような展示をしていくということはとても重要だと思うんですよね。今でも確かに文人の見た伊東なんていうおもしろい内容のものはあるんですが、地図をつけて、文化として、こういう別荘がここにあったとか、例えば阿久 悠なんかも宇佐美に家があるわけですし、石坂洋次郎なんかは吉田ですが、そういうことが一目瞭然にわかったり、また、これから東郷別荘が公開される方向と聞いていますけれども、東海館に来たら、ああ、東郷さんの別荘もあるんだ、行ってみたいとか、ビジターセンターというのはそういう役割を持つと思うんですね。さらに、ここにも訪ねてみたいとか、伊東のまちをうんと知ることができたとか、ここを歩いてみたいとか、そういうことを考えて、これからこういうことをしていきたいという具体的なことは何かありますか。今までと同じように生涯学習課に任せて、そこで少し展示をかえていくということなのか、その辺についてもう一度お聞かせ願いたいんです。 ◎観光経済部長(三好信行 君)東海館の活用方法だと思います。これは先ほど議員もおっしゃいましたけれども、東郷さんの別荘も開所式が行われたわけでございます。市内を見ますと、東海館を中心に杢太郎、東郷さん、こういう点と点を結ぶルートができたのかなと今思っているところでございます。伊東駅をおりて、東海館を中心にその3つを主に宣伝していく、そういうことがこれからも必要なのかなと思っております。そういう案内が東海館でできれば、これはベストかなと思っております。伊東市民のみではなくて、観光客にも伊東の文人、墨客の歴史的なものを東海館で紹介していきたいと考えております。以上でございます。 ◆2番(重岡秀子 君)そのような方向を持たれているということで、ぜひよろしくお願いしたいと思うんですけれども、この体制ですよね。私は、お話を聞くと、2階は生涯学習課が中心にやるということなのだけれども、観光課と生涯学習課、また郷土の歴史研究家とか、そういう方たちが一緒になってこの計画を練っていく必要があるのではないかと思うんですよね。ですから、生涯学習課の目だけではなく、観光客がこれを初めて見たらどうなのだろうとか、ぜひそういうプロジェクトをつくって、これからの東海館の充実について当たっていただきたいと思うんですけれども、その辺のことはどうなのでしょうか。今までの体制でも十分なのか、何かそういう形をつくっていく必要があると考えられているのか、その辺についてお聞きしたいと思います。 ◎観光経済部長(三好信行 君)今まで2階の部分については教育委員会の生涯学習課という話でございますけれども、東海館は伊東市の貴重な財産でございます。現状の部分の中でより連携を深めまして、NPO法人伊東市文化財史蹟保存会、そういう皆様も巻き込みまして、これからもやっていきたいと考えております。以上でございます。 ◆2番(重岡秀子 君)東海館の展示物をリニューアルして、より歴史文化遺産のビジターセンターとしていくということは、昨日からずっと郷土資料館が必要ではないかとか、そういう議論の中で、なかなかそれが難しいので、当面ここを充実させていくということは、そういう意味からも大事だと思うんですよね。ですから、今までの発想以上にその辺を重視していっていただきたいと思います。  これは次の質問とも絡むので、一緒にお聞きしたいと思うんですけれども、今、東海館が貸し室として利用されている。これも一つ文化の発信地というか、市民や観光客の皆さんが文化を楽しむ、味わう場として、貸し室ということがされているということもお聞きしたんですが、特に2階の30畳の部屋が中心になるのではないかと思いますけれども、それでいいのかということと、ここはどのような料金で使われているのかということ、そして今の利用状況、年間何日間ぐらい使われているかということがわかったら教えてください。 ◎観光経済部長(三好信行 君)3点の質問だと思います。貸し室としましては、議員おっしゃるとおり、2階の藤の間、五月の間、橘の間、牡丹の間、それと特設展示室、5部屋を貸し室にいたしております。  あと、料金的な問題でございますけれども、午前9時から12時までが1,000円、午後1時から5時までが1,300円、午後6時から9時までが1,000円、1日の場合は3,000円、そのようになっております。  あと、利用状況でございますけれども、23年度でお答えさせていただきますけれども、86件ほど利用しております。以上でございます。 ◆2番(重岡秀子 君)私は、ここに畳があること、そして今、三味線教室などがやられているということで、これは観光客中心と聞いていますが、お琴や鼓、三味線などの人たちも演奏を聞かせたり、ガイドさんがついて東海館の中も見たりしながら三味線の練習をして、その後、抹茶やお菓子のサービスもあるということで、観光客の皆さんに喜ばれているということも聞いたんですが、この辺は利用としては大変いいことではないかと思うんです。私は東海館を一般に貸し出しているということはわからなかったんですが、これから貸し室として貸していく上で、その辺のことは、例えばもう少しふやすように広報していくとか、どのような基本的な考えを持っておられますか。 ◎観光経済部長(三好信行 君)東海館につきましては、今も補正で2階のほうを工事しているわけでございます。貸し室につきましては、利用料金になるわけでございまして、これは指定管理者の収入になるわけでございます。これは条例を見ていただければ、お風呂と同じで、利用料金は指定管理者の収入になるという形になっております。これからにおきましても、貸し室もいいのかなと思っておりますけれども、やはり観光・文化の施設として利用していきたい、情報の発信の基地として活用していきたい、そのように考えております。現在かなりの方々に利用していただいています。議員おっしゃるとおり、きょうの新聞にも載っていましたけれども、お能教室も年11回やっていただいている。そういう部分もありますものですから、観光・文化施設としてこれからも活用していきたいと考えております。以上でございます。 ◆2番(重岡秀子 君)実は、私はこの質問を自分で迷いながら提出したんですが、例えば歴史文化遺産ビジターセンターとしてもっと充実させていくには、2階の部屋も企画展や展示室として使ったほうがいいのではないかという考えもあるのではないか。また、ジオパークの拠点施設がないという中から、温泉の歴史を探っていきますと、大室山の噴火とか、そういうジオにかかわることになっていくので、東海館をジオパークの拠点施設として利用していく議論もないのかなということを考えたりして、2階の貸し部屋、特に広い部屋は展示室として生かしていったほうがいいのではないかという考えもあったんですが、このようにもうちょっと文化を楽しむ場として市民が入ってこられるようなところにしたほうがいいのかと考えたのは、よく言われるんですが、郷土資料館は市民の方がなかなか利用されないということで、東海館でいろいろなすばらしい企画展をやったり、展示をかえたりしても、観光客の方は見ても市民の方には余り関心を持たれなかったりすることもあるので、市民の方が東海館を利用するという形がもう少し盛んになれば、展示物も見てもらえるのではないかという考えがあって、2つ目の質問は迷いながらしたんですけれども、東海館は建物そのものを見せたいところもあるわけですよね。ですから、展示物に余り大きなスペースを割いてしまうのも本末転倒になってしまうのかなということもあるんですけれども、今度修復がされると、さらに部屋が広がるということもお聞きしたんです。ちょっと質問が戻ってしまいますけれども、今部長が、観光・文化施設としての役割を大事にして、余り貸し室がたくさんになるのもどうかというニュアンスのご答弁をされたので、その辺のことについて、部屋が広がるかどうかということと、サークルなどの活動の場にするのか、それともビジターセンターというか、歴史文化資料館的なほうに重点を置くのか、その辺でもしお考えがあったらお聞きしたいと思います。 ◎観光経済部長(三好信行 君)新たな展示室ということでふえます。もう一つ、2階の中広間のところですけれども、会議室と展示室を現在改築中でございます。そこは会議室にも使えるし、展示にも使える、今そのような改築をしているところでございます。以上でございます。 ◆2番(重岡秀子 君)わかりました。私もいろいろ提案させていただいたんですが、この質問をするに当たって、いろいろな方のご意見も伺いました。私の知識があいまいだったり、歴史文化遺産についても確かでないものがあったりしたものですから、学芸員の方にも少し聞いたり、郷土の歴史研究家の方たちにも電話で聞いたりしたんですが、いろいろな方のご意見を伺いながら、さらなる東海館の利用については内容を考えていっていただきたいし、観光にも大変意味を持つということで、予算もつけてそれなりの展示にしていっていただきたいと思います。これはお願いしておきます。  では、次の質問に行きます。いじめの問題ですが、教育委員会のほうからご答弁をいただいて、数については10月末までに47件、あと残り17件ほどが心配だというお話でした。私は、数については余りこだわるつもりはないんですが、全国的にいじめというのは、私もアンケートをやったことがありますが、とり方によって随分違ってしまうし、この間も新聞では、同じ九州の中で物すごく結果が違う。近くの県なのに10倍近く結果が違うみたいなことも報じられて、いじめアンケートの問題点もありますので、数にはこだわりたくないんですけれども、大津の事件が起きてからとその前と、教育委員会あるいは学校での子供たちのいじめの実態に対する捉え方は変わったのでしょうか。 ◎教育長(内山義夫 君)捉え方としては以前から認知件数なんですよ。発生件数ではありません。というのは、いじめについては正確な数はわかりません。教職員がいじめであると認知した件数が先ほど申し上げた数字です。ですので、数的にはふえています。だけれども、いじめがふえているとは限らないということでございます。 ◆2番(重岡秀子 君)その中で、具体的に口での意地悪とか暴力とか、いろいろなことがあると思うんですが、解決できなかったり、あるいは子供たちから事情を聞いたりする中で、現在の特徴的なもの、伊東でちょっと心配なものとか、傾向みたいなことについてはどのように把握されているでしょうか。 ◎教育長(内山義夫 君)これは伊東だけでなくて全国的に同じだと思うんですが、冷やかし、からかい、悪口とかおどし、嫌なことを言われる、仲間外れというのが主なものでございます。 ◆2番(重岡秀子 君)わかりました。表面的には冷やかしとかおどしであっても、もしかしたら陰ではもっと深刻なことが起きているかもしれないということは、先生方も十分わかっているのではないかと思うんですけれども、先ほど私が壇上で言いましたような陰湿ないじめが伊東では絶対ないかというと、もう時効ですが、私の子供たちの時代にも似たような傾向のいじめを見聞きしてまいりました。それで、先ほどこのいじめをいち早く見つけて解決するためのガイドラインをつくられたということですが、その中で重要な点だけで結構ですから、こういうところにポイントを置いているということがあれば答弁いただきたいと思います。 ◎教育長(内山義夫 君)いじめの発見のチェックリストでしょうか、いじめの認知というのは、そもそもガイドラインをつくって、マニュアルに沿ってこうしなさいというものではないと思います。しかし、ある基準というものがないと各学校も手探り状態ですので、教育委員会としては指導主事を中心に、あと各学校の生徒指導主事等の協力を得てチェックリスト的なものをつくりました。それを参考に、あくまでも各学校でよく見てくださいということでございます。 ◆2番(重岡秀子 君)わかりました。その辺ももうちょっと詳しく聞きたいんですが、私がこのことを議会で取り上げようと思ったのは、何か特別ないじめ事件があったとか、そういうことではないんですが、一番大事だと思うのは、なぜ全国的に子供たちがこういう状況になっているか。ここ一、二年の問題ではなく、かなり陰湿ないじめ、死に至るようないじめというのが全国的に起きている状況の原因を私たちがしっかり捉えないと、解決できないのではないかと思います。大人もそうなんですけれども、いじめをする子供の心理を先生方、教育長さん初め教育委員会はどのように捉えているかということをお聞きしたいんですけれども、私は、人をいじめたくなるときというのは、すごいコンプレックスみたいなもの、それからいらいらするといった過度のストレスがあるわけですよね。子供たちが自分のありのままの姿を認めてもらえず、学習とか学校の成績とか、そういうものだけで評価されたり、これは学校だけではなく家庭でもそうだと思うんですけれども、今、学校の中の子供たちが、中学なんかの場合には高校入試を控えての競争の中にあるのではないかと思うんですよね。  話が長くなってしまいますけれども、私の子供が5年生のときに、廊下である保護者同士が2人で絵を見ていて、どんなことを話しているかというと、今度の絵はうちの子が勝ったわねと。この間の参観日の絵は負けたと思ったけれども、今度は勝ったと親同士が話しているんです。それから、これはよく聞くことですが、子供が非常に反抗的で悩んでいるというお母さんたちに、どんなことで子供とうまくいかないかというと、とにかく勉強をやらない。受験が近いのに全然やる気にならない。それでいらいらして怒ってしまうと、わかっていると言って子供は反抗してくる。その方に聞いたら、実は1週間に2回、3時間も遠くの塾まで通っているんですよね。午後7時から10時だそうです。ほかの子たちも週2回ではなくて週4回ぐらい。しかも、例えば私の地域だと荻ですが、塾が荻には余りないので、まちのほうまで行って、午後9時、10時に帰ってくる。そこの塾は午後10時までやるという状況の中でも、頑張っているねと親はなかなか思えない。まだ足りない、もっと勉強しなければならないのではないかと。そのように家庭でも、それから学校でも先生たちは何とか高校に入れなければということで、そういうことのストレスが今の子たちは非常に多いのではないかと思いますけれども、教育委員会としてはそういうことをどのように捉えられているんですか。 ◎教育長(内山義夫 君)基本的に、私は全部の学校を訪問しましたけれども、先生方は頑張っております。本当に寸暇を惜しんでということだと思います。そういう中で、子供が学校が楽しいと思うような取り組みをほとんどの先生がしてくれています。ですので、目標を持った子供は強い。どんな目標でもいいと思います。先ほど議員がおっしゃったような進路に対する目標でもいいですし、あるいは部活動の目標でもいいですし、音楽でもいいですし、何でもいいから目標を持った子供は強い。そのために市内の教職員みんなが何らかの支援をしているという状況であると思います。 ◆2番(重岡秀子 君)佐々木前教育長も、こういう問題で議会で議論になるときによくおっしゃっていたことは、自己肯定感、自分に自信があって、自分を認められる子が減っていると。自分なんてどうせだめだとか、そういうことがいじめとか校内暴力とか犯罪につながっていってしまっているということをよくおっしゃっていたんですけれども、今の教育長のお話を聞きますと、先生方は大体そういうことがわかっていて、子供を認めよう、学校でその子の居場所をつくろうとか、そういうことで努力されているというのはわかって、そういう共通認識があれば大丈夫というか、それは大変重要なことだと思うんですが、実際に子供のストレスと同時に、小学校もそうですけれども、中学は本当に先生たちが過密なんですよね。この質問をする前に、ある中学校の先生から、1日の自分の授業が何曜日にはどれぐらいあるかとか、そういう資料をもらいました。それから、教育委員会からも中学校の日課をいただきました。そうすると、勤務時間は午前8時10分とか8時15分からですが、大体の学校が午前7時半ぐらいから何らかの活動をやっていて、朝練をやっている部活もある。ある先生に聞くと、昼休みなんかは職員室にいる先生はほとんどいない。お茶も飲めない。トイレへ行くのがやっとである。そして、学習指導要領が変わって授業時数も非常にふえていて、ほとんどの日は授業が終わるのは大体午後4時です。水曜日の職員会議の日以外は午後4時ですよね。それからすぐに部活動に行くわけです。部活動も今は暗くなりますからちょっと短いようですが、夏場は午後6時半ごろまでやりますよね。そうすると、私も家庭訪問はよくやったんですが、何か問題があったとき、子供たちのことを話し合ったりする、そういう時間はどういうところでつくっているんですか。 ◎教育長(内山義夫 君)中学の場合は部活動が終わってからということで、夏場ですと午後6時半以降、家庭訪問ということになろうかと思います。小学校の場合は、必要な場合には授業が終われば行けるという状況であると思います。 ◆2番(重岡秀子 君)そうですね。ここに時間割があるんですけれども、月曜日から金曜日まで、ほとんどの先生が1日に1時間ぐらい、ちょっといいときで2時間しか授業があいていないんですよね。これで午後4時まで授業を続け、その後、部活、その後、打ち合わせをやったり、家庭訪問があるときは家庭訪問、そして事務的な仕事も部活の後やるということで、ある先生は、終わると午後8時ぐらいになるのはざらだと。でも、授業の準備はほとんどできない。あいている時間に、今、中学校では生活ノートというのがあって、子供たちが短い日記なんかを書いてくるので、1時間あくと、その中で全部ノートを見る。1週間に1回は親が書いてくる。それにも返事を書くので、あいている時間はそういうものの処理というか、それで終わってしまうということで、本当にいい授業をしたいけれども、そのための準備は全部家での仕事になってしまう。私もそういう状況が小学校でもありました。先生たちは今、普通のかばんでは間に合わなくて、スーパーのかごみたいなもの、あれだとノートが30冊、40冊入るものですから、それを持って帰られる先生が多いんですけれども、そういう過密な中で、顔色が悪いねとか、あの子は何か悩みを抱えているのではないかなとかというときに十分な対応ができない。また、次々に追われるので、先生たちもゆっくり子供の声を聞いてあげる心のゆとりもなくなってしまっているというのが実際の学校の状況ではないかなと思うんですよね。さらに、日曜日に試合などもあると、体育系の部活なんかは1週間ほとんど休みがない。  そういう中で、私は、いじめ問題を解決していくためにはそういう先生たちの働き方、こういうことは、学校の先生は県職ですから、伊東市としてなかなか工夫はできないと思うんですけれども、少しでも先生たちがゆとりある気持ちを持てるようにするために、教育委員会としてはどういうことが必要だとお考えでしょうか。 ◎教育長(内山義夫 君)これは組織の問題であると思います。例えば中学校で言うと、生徒指導主事というのは担任外がやっています。そして、全校をその生徒指導主事がカバーする。ですから、意見を聞いて対応していく。小学校もそういう時代に来たなと思います。学校によってはそういう体制をとって、小学校の場合は生徒指導主任といいますけれども、それを担任外にして、全校を見ていこうという試みをしている学校もあります。ですので、小学校は人的な配置がなかなか厳しいですけれども、そういう工夫をしていけば今よりはさらに生徒指導体制はよくなっていくかなと、そんな感じはします。 ◆2番(重岡秀子 君)ありがとうございました。それで、余り時間もないので最後に一つだけ。保護者の皆さんと話をすると、いじめに係る学校での指導の話題、それから先生たちに期待することというのはやっぱり大きくなる。これはやむを得ないことかもしれませんが、自分の目の前の子供がどのようなストレスを抱えているのかとかというのは、学校だけでなく見ていかなければいけないと思いますし、お互いに要求し合うというか、保護者の皆さんにも学校の先生たちの状況を知っていただいたり、保護者の皆さんのいろいろな学校への思いも学校が酌み取る、そういう場も必要だと思いますし、教員の皆さんが子供をどう捉えるかというところで、いじめ問題を深く捉えていくという研修なんかも必要だと思うんですよね。東豆教研なんかで私もレポートを出したりしたことがあったんですけれども、いじめについての先生たちの研修、あるいは親と話し合う場とか、研修のことだけでもいいですけれども、何か考えられていることはありますか。 ◎教育長(内山義夫 君)特に先ほど申し上げた生徒指導担当職員の研修は月1回、教育委員会で情報交換を兼ねてやっております。そういうことももちろん必要ですけれども、私は、PTAとの連携でしょうか、先ほど議員がおっしゃったように学校は半分の面しか見ていません。あと半分は家庭、地域ですので、学校とPTAがよく話をして、お互い情報交換して、学校ではこう、家庭ではこうしましょうという体制がとれた学校はいい学校ではないかと思います。 ◆2番(重岡秀子 君)本当にそれが重要だと思います。責め合っても何も解決しないし、本当に真剣に子供たちの状況を私たち社会も、何でこういうことが起きているのかというのをもっと深く考えないと、単なる表面的な指導で終わってしまう。学校に怖い先生がいればいいのではないかとか、道徳教育の時間をふやせばいいのではないかとか、そういうことになっていくと子供たちの抱えている心の問題は解決しないのではないかと思うんですよね。学習が身につかないというストレスもあるかもしれませんし、誰かと比べられてばかりいるというストレスもあるかもしれませんし、そういうことを真剣に見ていくようなまちでないといけないと思うので、またよろしくお願いします。ありがとうございました。  これで質問を終わりたいと思います。 ○議長(宮﨑雅薫 君)以上で2番 重岡秀子君の一般質問を終わります。                 ━━━━━━━━━━━━ ○議長(宮﨑雅薫 君)この際、お諮りいたします。本日の一般質問はこの程度にとどめ、10日、月曜日の日程に譲りたいと思います。これにご異議ありませんか。               〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮﨑雅薫 君)ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。                 ━━━━━━━━━━━━ ○議長(宮﨑雅薫 君)以上で本日の日程全部を終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。                 午後 3時11分散会 1   平成24年12月 8日(第 3日) 休   会 1   平成24年12月 9日(第 4日) 休   会...